塩野七生はどうよ?

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>>79
>歴史と歴史物語を区別をするのは積極的によいことだろう。
これが、つまらんスノッブだと言っているんだよ。

新書というのは、今日ではそれぞれの分野の専門家が、大学の教養
課程程度のレベルを目安に、専門外の社会人に対して、自分の研究
成果を入門書的に提示する、という意味合いが大きい。

例えば、オレがここ数ヶ月の間に読んだローマ史関連の新書は岩波
とクセジュの2冊だが、共和制後期の騎士階級の経済的な地位と帝
国形成の関連を確認したくて該当するものを読んでいる。

2冊とも、共和制後期の限られた範囲の情報しか扱っていないぞ。
調べることがあって、読むのならこれもいいが、ローマ史を通読し
ようとするためには、全く向かない。

そもそも、教養としてのローマ史を共有するということは、たとえ
ば、西欧のインテリなら高校あたりまでで繰り返したたき込まれる
古典のエピソードを共有することであって、例えば、共和制後期の
ローマ経済の知識などではないだろう。

もう記憶もはっきりしないが、塩野以前に読んだローマの通史(白
状するとギボンは退屈で途中で投げ出した)は、いずれもローマ史
そのものの面白さを割り引けば、無味乾燥なものだったように思う。

ついでに言えば、ヴェネチアの歴史なんていうマイナーな分野は、
乱読のオレでさえ、塩野作品で始めて読んだな。

つまらん線を引いていないで、まずは歴史を楽しんだらどうだね。