ナポレオンは麻雀もめちゃ強かった!?

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1こるしか島の田舎者
 なんでも聞いたところによると、相手の配牌を盗み見ていたらしい。その技を「アルプス越え」というやら。
いつも牌荘を荒らしては、「わが辞書に不可能はない。」という捨てゼリフを吐いていたとか。「セント屁れな」っていう牌荘によくいるから行ってみなよ。奴はやたら国士無双であがりたがる。皇帝の血がそうさせるとか。くれぐれも「アルプス越え」には注意しな。じゃあな。
2世界@名無史さん:2001/03/06(火) 00:57
>1
>じゃあな。

あばよ
3こるしか島の田舎者:2001/03/06(火) 01:48
 そんなナポレオンだが実は結構、他のギャンブルにも熱を入れとってな。あれー、そのー、何といったかな、あっ「競艇」じゃ。「トラファルガー競艇場」でナポレオンはお気に入りの選手に、有り金全部はたいて一点買いしとったらしいんじゃが、ネルソンとかいう選手がぶっちぎりで優勝。たちまちナポはオケラになっちまったって訳じゃ。電車賃までつぎこんどったらしく帰りは歩いたそうな。パリまで。ほれ、よくナポの自画像ではお腹に手を当てているものが有名じゃろ?一説には胃潰瘍とか言われとったが、ありゃ嘘じゃ。ココだけの話、腹巻ん中に「船券」を隠しとったんじゃよ。秘密じゃぞ。またな。
4世界@名無史さん:2001/03/06(火) 02:15
ま、まじっすか?
5カウニッツ:2001/03/06(火) 04:46
また楽しい話レスしてね!期待age!
6日本@名無史さん:2001/03/06(火) 05:19
ネタスレとして200位逝く予感。。。
7世界@名無史さん:2001/03/06(火) 05:45
僕が昔読んだ話では、ナポレオンは若い頃チェスで無類の強さを発揮し、
それでしっかり金を稼いでいたそうです(ソースは参考書のコラムだけど)。
日本で言えば真剣師だから、これも立派なギャンブルなんでしょう。

あっ、マジレスしちゃった。
8世界@名無史さん:2001/03/06(火) 14:03
さらにおもしろければ続いて欲しい。
9こるしか島の田舎者:2001/03/06(火) 21:24
 いやー、皆の衆またせたなぁ。すまん、すまん。さてと。昨晩、競艇について話したが、昔ナポが役所こーじが料理教室で頭からパスタをかぶっちゃうCMを見て、「んなやつぁいねーよ。」なんて、テレビに話しかけていたっけなぁ。まぁ、そんなことはどーでもええんじゃが。さて、ナポについては色々なエピソードがある。睡眠時間が一日3、4時間で平気じゃったというのもそのうちの一つじゃな。わしらの常識からすれば信じられんことじゃよなぁ。あれは実は重大な欠落部分があってのぉ。正しくは睡眠時間が一日「平均」3、4時間で平気じゃった、ということなんじゃ。「平均」というところがミソでな。ナポはよく徹マンをやっとったんじゃ。じゃから、その次の日は全く寝ないままユンケル皇帝液を飲みながら執務をしておったわけじゃ。無論あたまはボーっとしとったらしい。で、その一日が終わるとベッドで爆睡。10時間は軽く寝たそーな。んなわけでトータルして「平均」すると、大体一日3、4時間で平気じゃったというわけじゃ。どうじゃ、たいしたことないじゃろ。ところで、話は変わるがナポは子どもの頃読んだ「三銃士」が好きでのう。それにならって即位後、「三雀士」なる豪傑を身辺警護に当たらせたとか。この話ははまたの機会に。じゃあな。
10世界@名無史さん:2001/03/06(火) 22:47
めっちゃオモロイ!
age
11世界@名無史さん:2001/03/06(火) 23:25
トランプのギャンブルはしてなかかったの?
当然、ナポレオンをやってたんだよね?
12NaNa:2001/03/07(水) 14:16
おもしろいかも。
AGE
13こるしか島の田舎者:2001/03/07(水) 22:06
 さて、今夜も話すとするか。ほれ、ナポが白馬にまたがり左を指差している有名な肖像画があるじゃろ?あれは実物の絵の六分の一に切り取られたものというのは意外と知られとらんな。切り取られたのは「あの絵」の左右と下半分まるごと。どうじゃ、ちゃんと想像できたかのぅ。んで、切り取られた「左上」には雀荘が描かれており、おなじく「右上」には当時の絵画としてはセリフのふきだしがあって、そこには「今宵はあそこで徹夜マンじゃ。」と書かれていたらしい。ほんでもって、「下半分」にはそんなナポの発言に、ひっくりかえって両足を天高くズッコケているフランスの将兵が無数に描かれていたらしい。それと、背中にしょってる白い布袋の中には、年末ジャンボのハズレくじが一万枚はいっとったらしい。このような絵画様式を猪鹿調というんじゃが、試験には書かんほうがええぞ。え?切り取られた部分はどこいったかって?ルーブル美術館の地下と聞いたがなぁ・・。描かれた当時は「あの」六倍もの大作じゃったんじゃな。びっくりしたか?続きはまた今度じゃ。
14世界@名無史さん:2001/03/08(木) 01:58
>>13
質問〜!!
どうして、ハズレのくじを捨てなかったの?
15世界@名無史さん:2001/03/08(木) 22:59
先生、続きをお願いいたします!
16こるしか島の田舎者:2001/03/08(木) 23:40
 すまん、すまん、待たせたな。きのう話した絵に描かれていた雀荘じゃが、その店の名前を「ワーテルロー」ゆうてな。実際にナポはそこで徹マンしたらしいんじゃ。じゃから、あの絵はまさに入店前を描いとったんじゃな。その店番しとった若い女の子が、わしの知り合いでな。こんな感じじゃったらしいぞ・・。
  ナポ「ごめんよ。」カランカラン(ドアの音)
  店番「いらっしゃーい。ちょうどよかったわ、一人足りなかったの。」 と、ある三人が座っている卓を指差す
  ナポ「あばよ。」
   何故かすぐに出て行こうとするナポ 無理も無い、その卓には向かって右側にチャカの手入れをしている菅原文太、左側には刺し身包丁を研いでいる梅宮辰夫、真正面には葉巻をプカプカ吸っている三船敏郎が凄みを利かせて座っていたのだ                     
  文太「ええとこきてくれたのー、まぁ、座れやー。」
  辰夫「ここで逢ったのも何かの縁だからね。」
   三人の形相にビビりまくりのナポ
  三船「まぁ、腰掛けなさい。」
  ナポ「は、はい。」(まあいいか。こいつら、見かけ倒しかも。カモって宮島の軍資金にでもするか。)
   壮絶なデスマッチが始まろうとしていた
17世界@名無史さん:2001/03/09(金) 17:50
当時、英国には、東(トン)を使った手づくりで有名な
雀士、ウェリン東がいたと聞くが。
18こるしか島の田舎者         :2001/03/09(金) 20:20
 辰夫「さあ、はじめよう。」卓上に広がる見慣れぬボード
  ナポ「なんですか、そりゃ?」
  文太「人生ゲームよ、わりゃ、知らんのんか。」
  ナポ「知りません。」(知るかよヴァッカ)
  店番「私、本当の名前を三田はいりっていうの。小さな国の王女だったの。或る日、プロミスンって国が攻めてきて今こんな暮らししてるの。」
  ナポ「だから?おまえが借りすぎなんだよ。てめぇが一番さぶいの。この前くらっちまったロシアの冬将軍よりな。」
  店番「この三人は用心棒よ。気にしないで。それよりあなたに本気で麻雀して欲しい人を連れてきてるの。会ってくれる?」
  ナポ「一発、いや、一杯やらせてくれたらな。」
  店番「いいわよ。何がいいかしら?」
  ナポ「屁ね死ー。」
   店番が二階から連れてきた数人の男の顔をみるや、ナポはびっくりしすぎて鼻から屁ね死ーが滴れた すべて、「スーパー図鑑」で見覚えのある有名な歴史上の人物だったのだ
  ナポ(確かあいつは中国の諸葛孔明。それと、あれは日本の織田信長。もう一人はリ、リンカーンだ!)
  店番「さあ、もう武力によって戦うのは無意味よ。今から世界統一麻雀大会inワーテルローの始まりよ。」
  一同「世界統一!?」
  店番「みんなに伝書鳩を飛ばしたのはこのためよ。賭けるのはみんなの支配している国土全部よ。」
  ナポ「やったろーやないかい。フランス全土を賭けてやるよ。」
  孔明(私が蜀漢代表になってよかったわい・・。)
   孔明は目を閉じて伝書鳩が来た日の事を思い出していた
19こるしか島の田舎者 :2001/03/10(土) 06:12
なんか、わしの話を聞いてくれてる奴がおらんようじゃな?やめようかな。まあ、ええわい。おいぼれの独り言じゃ。でも、たまには感想が聞きたいのう。さて、つづきじゃが中国代表、孔明のところからじゃな・・。
   伝書鳩が届いた頃の中国は劉備が天下を統一していた 洛陽における「天下一麻雀大会」で優勝したからだ その時の面子は曹操、劉備、孫権そして献帝だった 賭けたものは支配地、献帝は玉爾だった 献帝はさっそくカモられ曹操有利のなか、劉備が国士無双で大ドンデン返し 無論、孔明の入れ知恵があったことはいうまでもない そんなこんなで中国は劉備が収めることになったのであった そんな久しぶりに平和の訪れた中国の王宮に伝書鳩が舞い込んだのだ
  張飛「何て書いてあるんですか、兄貴?」
  劉備「遠い西の雀荘で世界の元首・代表雀士を集めて世界大会をやるそうな。我が国からも雀士を出してくれとのことじゃ。」
  関羽「兄者、それがしにおまかせくだされ。」関羽は蜀漢の誇る五虎大雀士の筆頭だった
  孔明「関羽殿は義理人情に弱いのが懸念されます。華容道で曹操相手に出来たのになかなかロンしませんでした。此度は不向きかと・・。」
  張飛「おいらに任せてくれ!」張飛が手を挙げた
  孔明「・・・」孔明は遠い空に目を向けた
  張飛「んだとコラッ、じょーとーじゃねーか!」止めに入る劉備、関羽
  黄忠「わしはどうじゃな?」
  孔明「大変な長旅です。老雀士は途中で白骨化する可能性があります。」
  黄忠「たれぞ、弓かせ。」
  馬超「拙者はいかがかな?」
  孔明「自尊心の高さが災いしかねませぬ。役にこだわり過ぎまする。」
  馬超「おい、俺の槍もってこい。」
  劉備「では、誰が良いというのじゃ?」重臣一同、孔明に視線を注ぐ
  孔明「それがしが参りまする。それがしには陛下も御存知の『技』がありまする。必ずや勝ってみせまする。」
  劉備「それは心強いが。そなたが心配じゃ。朕もVIP扱いでついて行くとしよう。」
 かくして、中国代表雀士として孔明が選ばれ劉備は関羽・張飛を従えて騎馬十万の大軍を引き連れて洛陽を出発した
 ちょうどその頃、別の伝書鳩がアメリカに飛び降りようとしていた・・・
20世界@名無史さん:2001/03/10(土) 09:50
なんか、戦いが世界に広がってきたね〜!
誰が勝つんだろう・・・・ワクワク。
先生、また頼むョ。
21世界@名無史さん:2001/03/10(土) 10:53
なんか、片山まさゆきのマンガみたいになってきた。
……もとからか。
22世界@名無史さん:2001/03/10(土) 23:44
ナポレオン( ● ´ ー ` ● ) <俺が勝つ!!!!
23世界@名無史さん:2001/03/11(日) 01:08
孔明に一票。
24こるしか島の田舎者:2001/03/11(日) 01:16
みんな元気かな?はなしを聞いておるか。ええっと、どこからじゃったかのう。ああ、そうじゃアメリカからじゃな。よしよし、続けるぞ。

 何千何万もの大勢の観衆を前に、一人の男がホワイトハウスの二階のバルコニーに姿を現わした そう、その男こそアメリカ合衆国大統領リンカーンだった 当時のアメリカはある戦争が終結していた直後だった それは雀士を人間視する北と雀士を奴隷視する南とで、激しい戦いが繰り広げられた「南北戦争」である 当初は南軍が優勢であったが、北軍のアル中スーパー雀士グラント将軍のイカサマ博打により北が卑劣いや奇跡的な勝利を収めたのだった かくしてアメリカは北側主導の政治が行われていたのだった
  リンカーン「レデース、アン、ジェントルマンッ。グッモーニン!」大勢の国民に対して手を振る
  国民「グッモーニン、プレジデント。」大勢の歓喜の声
  大統領「雀士の皆さん、今日からあなた方は自由です!麻雀を自由に楽しんでいいのです!」
  国民「ゆ、ゆめみてぇーだ。」「よっ、だいとうりょー。」拍手喝采口笛放尿なんでもあり
 集まっていた国民の大多数は実は金も無いのに麻雀をしたために「南」で投獄されていた雀士たちだったのだ
  大統領「いいですか、皆さん、よく聞いて下さい。」しーん 静まりかえる大群衆
 リンカーンは、側近で牧師でもあるキング雀士に作成させた演説草案を読み始めた・・
  大統領「アイ、ハッヴァ、ペーン!」言語明瞭意味不明な大統領の発言に不思議がる観衆
  キング「すみません大統領、間違えました。それは日本国の中学一年生用の英語の教科書でした。」
  大統領「ボケッ、カスッ、ドアホ!早くもってこい。」キングから渡された文書に目を通して今度は大丈夫と確かめた
     「皆さん、今のはジョーク、しかもアメリカンのね、タハハ。」
 こんなのが俺達の大統領でいいのかと不安がり余計に静まりかえるホワイトハウス前大広場
  大統領「アイ、ハッヴァ、ドゥリーム!」ジャンボ宝くじというオヤジギャグを言いそうになり必死に耐えるリンカーン そんなことは露知らずどんな夢か聞きたがる観衆
  大統領(めんどくせー、てきとーでいいや。どうせこいつら家に帰る頃はぬけてんだろーし。)
  大統領「はいっ、そーゆーことっ!雀士は今日から自由!以上!」
  国民「ばんざーい、ばんざーい、ばんざーい。」広場は熱狂的な歓喜の渦に包まれた これが、かの有名なマージン雀士解放宣言である さて、リンカーンがその場を後にしようとしていた時、ベランダに一羽の伝書鳩がとまっていることに気づいた (なんじゃ、この手紙は?)

          おっ、もうこんな時間か。今宵は此処まで、またな。
25世界@名無史さん:2001/03/11(日) 05:26
勉強になるなあ。
26世界@名無史さん:2001/03/11(日) 11:18
みんな頑張れ〜!!
「フレーフレー」
27世界@名無史さん:2001/03/11(日) 14:48
なんて創造的なスレだ(笑)
つづけれ!
28世界@名無史さん:2001/03/11(日) 22:19
次は、織田信長の番か?
29世界@名無史さん:2001/03/11(日) 22:42
このような麻雀史観は、従来の歴史認識に対する
アンテーゼとしての意義は認めるものの、これを
ささえる史料が乏しく、科学性、客観性に欠ける
と言わざるをえないのが現状である。
30世界@名無史さん:2001/03/12(月) 01:29
面白いなあ。
31こるしか島の田舎者:2001/03/13(火) 05:56
 リンカーンは伝書鳩が運んできた手紙をとりあえずその場でサッと目を通した 内容に驚くリン 演説が終わったものとスゴスゴと帰り始める観衆たちに再びリンは大声で話しかけた
  リン「皆さん、ちょっと待ってください。今、ヨーロッパより我が国に面白い招待状が届きました。ワーテルローとかいうショボイところで世界麻雀大会が開催されるとのこと。」
世界麻雀大会・・その言葉の響きに観衆、いや雀士としての血が騒ぎ始めていた 再び国民がホワイトハウス前の大広場に集まった
  リン「ところで、皆さんアメリカはこの大会に出場すべきでしょうか?皆さんの意見を聞きたいのです。」一応、建前は民主主義の国である
当時のアメリカは外交政策としてマリリン主義を掲げており、それは早い話、おまえにゃ干渉せんから俺達のこともほっとけよな、というものだった そんなアメリカの事情もあってリンは国民に問いかけたのだった
  国民「アメリカ万歳、俺たちゃナンバーワン!もちろん参加すべーし!」「んだんだ。」「独立戦争で自由を勝ち取った雀魂ここにありぃ。」
  リン「では、我が国も参加ということでオッケイですね?」
  国民「イェース。どんな野郎が相手か知らんがファック、ファック、ベイベー、イエーイ。」
大賛成の拍手を浴びているリンがいるベランダの奥から一人の元祖巨乳美人が現れた マリリン・モンローだった 彼女は大勢の観衆を前に 大統領の誕生日を祝福する歌を歌い始めた
  マリリン「ハペ、バースデー、トーユー。ハぺ、バースデー、トーユー。」歌うたびに彼女の巨乳がプルルンと揺れた それを下から仰ぎ見る観衆
  国民「た、たまらん。」「やりてーよおー!」
  マリリン「ハぺ、バースデー、デア・・・、リンちゃーん。」真っ赤な顔をするリン
  国民「ちち見せんかいっ!」股間にテントを張り恥ずかしいシミができているアホ群衆
  マリリン「ハぺ、ハぺ、はっくしょーいっ、ずずっ、ハぺ、ハぺ、ハ、ハぺ、バースデー、トーユー。」リンをはやしたてる観衆の声、口笛 マリリンのセクシービームにバタバタと観衆が鼻血を出し倒れた マリリンからかけられた鼻水をハンカチでふきふきするリン
  リン「では、アメリカはこの大会に参加することを宣言します!」観衆はもろ手を挙げてこれを支持した すぐさまギャロップ社が世論調査を実施した アメリカの大会参加にイエスかノーか? 90%以上がイエスだった 母集団は90%が雀士だった・・
執務室でリンは早速だれを派遣すべきか考えていた これといった人物が思い浮かばなかった (「人」がいない・・。)そう、心の中でつぶやき、リンは窓ガラスごしに遠くを見つめた (もう一回、演説をぶって腕の立つ奴を探すか。)

ちょうどその頃?日本で急速に領地を広げ、勢力を強めている織田信長が安土城の郊外で鷹狩を楽しんでいた かわいがっている鷹が獲物を捕らえた だが、鷹が爪で掴んできたのはキジではなく、鳩だった
32世界@名無史さん:2001/03/13(火) 11:30
そのまま鳩を焼いて食っちゃいそうだ。>信長
33日本@名無史さん:2001/03/13(火) 16:34
つーか時代ちがくねぇ?
34世界@名無史さん:2001/03/13(火) 17:13
タイムスリップしたのです。
35名無しさん@1周年:2001/03/13(火) 17:36
素晴らしいお話です。感動します。
道徳の教科書にも採用されるでしょう。
貴方のような人が現れるのを待っていました。
まさに救世主です。
世界中の小説賞を総なめでしょう。
弟子にしてください。
家、家の雑きんがけからでも構いません。
一緒に世界に感動を与えましょう。

********************************************このスレッドは終了しました*********************************
36名無しさん@1周年:2001/03/13(火) 17:59
面白い
37こるしか島の田舎者:2001/03/14(水) 04:31
みんなも、話を聞いておっていろいろ意見があるようじゃな。そもそも、こんな話、真剣に聴く方がどーかしてるっつーの。では、続きをいくぞ。おまえたちもよく知っている信長のところからじゃったな・・。

  信長「此奴、鳩なんぞ捕えおって。」脇に控えていた森蘭丸が、鷹に近寄った
  蘭丸「上様、確かに鳩なれどただの鳩にござりませぬ。伝書鳩にござりまする。」蘭丸は手紙を外し、鳩を逃がしてやった 中身に目を通す信長 一読すると天を仰いで高らかに笑った
  信長「異国の者は酔狂なことを考えるものじゃ。鷹狩はこれにて止めじゃ。城に帰るぞっ。」と、言うが早いか信長は馬に鞭やり安土城へ駆けていった その場にいた家臣たちは訳が分からずも、信長の後を追った
信長が威信をかけて建築した安土城の天守閣は、5層7階で当時としては類の無い巨大な城であり、壮麗絢爛であった 中は吹き抜けの部分が有り、その階の真ん中には紫檀の麻雀卓と翡翠の麻雀牌が置かれていた 信長は無類の麻雀好きだったのだ 彼は重臣たちを集め、手紙を回覧させた
  滝川「ま、まさか、上様、参加されると・・!?」
  柴田「御無礼を承知の上で申し上げまする。東は上杉、武田。西は毛利。国を空けるなど無茶にござりまする。」
  丹羽「一向衆、石山本願寺のハゲどもも侮れませぬぞ。」
重臣たちの意見は全て参加を見送るべきとのことだった
  信長「わし自ら奴等に会い、しばし和睦するつもりじゃ。」そんなにまで麻雀するために遠い異国の地に行きたいのかと、一同ズッこけた
  前田「上様、きゃつらの領地に入ったら最後、二度と生きては戻れませぬぞ。」
  信長「誰がわしから出向くと申した。当然こちらに呼び付けるのじゃ。」
重臣たちは顔を見合わせ、んなことできりゃー誰でもすぐに天下人、などと雑談し始めた
  信長「天皇の威光を借りるのじゃ。陛下の御名をもって、陛下に謁見せよとの役目を詔勅という形で各地の大大名に飛ばすのじゃ。逆らえば朝敵じゃ。」
重臣たちは納得したものの、それぞれ武装してくることは間違いなく、どう対処するのか問うた 下手すりゃ、強敵による挟み撃ちを食らうことにもなる
  信長「それは致し方あるまい。丸腰でくることなど考えられぬからのぅ。しかし、上洛の大義名分が天皇拝謁となれば道中で事をおこすは朝廷に対する無礼になろう。思うに、おとなしく我が領内を進軍するだけであろう。」
重臣たちは信長の非凡な才を何度も見てきたが、果たして今回ばかりは動機が不純、大胆かつ無計画のためそんなにうまくいくものかとかしげながらも、その場では納得した表情をみせた・・
  信長「光秀、朝廷工作はそちに任せる。」
  光秀「御意!」
信長は大名に渡す詔勅の文章を推敲していた いやでも上洛したくなるような内容に・・


             いやー、すまんすまん。今宵はギャグが無かったのう。え?つまんないって?すまんな、もう少ししたら面白くなるぞ。またな。
38こるしか島の田舎者:2001/03/15(木) 08:32
 いやー、久々にナポの話をしようかな。奴が競艇に熱あげておったのは以前はなしたよなぁ。奴がトラファルガー競艇場でイギリス選手のネルソンにひどい目にあわされたのは何度もあったんじゃよ。今回はそのうちのひとつを紹介しようかな。

ナポは、襟を立てて首をすくめポケットに手をつっ込み下を向いて、トボトボと歩いていた ナポの家であるベルサイユ宮殿へ ナポが寒さを感じているのは体だけでなく懐もだった そう、また一点買いが災いしオケラになったのだ 懲りないナポ
  ナポ「ちくしょー、あのネルソンとかいうイギリス野郎、なんとかしねーと、かなわねーぜ。」
ナポの周りで儲けたことを自慢する奴がいたので、御祝儀に電車賃くれ、といったらおかえしに蹴りを食らった 俺はフランス皇帝ナポレオンだぞ!と、言いたくなるのをぐっとこらえた なにせ、お忍びなのだ 皇帝が競艇に耽っているとバレると革命が起きかねない よろめきながら立ち上がったナポは、サーベルを杖にしてヨタヨタと歩いていった そんなナポは街頭でティッシュをもらった んなもんいるかよ、そんなナポの視界に飛び込むゴシック体の文字 「いますぐ、ご融資いたします!」なぬっ、金くれるのか・・ ナポはティッシュに書いてあるアイフルンという店に寄ってみた
  ナポ「こんちはー、あのー、はじめてなんすけどー。」店内をキョロキョロ見回すナポ カウンターの他の席も客でいっぱいだった 暫くして席が空いた 感じのいい受付嬢がナポに会釈をした
  受付「いらっしゃいませ。当店は初めてでいらっしゃいますか?」
  ナポ「はい。」(当たりめーだろ、てめー、誰から営業免許もらってんだ、オラッ!)
  受付「それでは、お手数ですが、こちらのシートに御記入ください。」
見ると、個人についてあれこれ尋ねる内容だった 信用調査というやつだ まあ、貸す側とすれば当然の手続きだったが、ナポにとってはくそ面倒なだけだった
  ナポ(職業・・。俺は皇帝だぞっ。職業なんかあるかよ。)無職に印をつけた
  ナポ(収入・・。)その他に印をつけてカッコの中に、たくさん、と書いた
しかし、それらの記入内容は貸す側からすると、どうしても不自然に映った 受付は、しばらくお待ちください、と言い残して店の一番後ろの机に座っている店長に報告した ナポはその間、左右の客と受付とのやりとりに耳を立てた
  客1「いま、すぐ借りることできますか?」
  受付「はいっ、お客様でしたらご融資できます。」
  客2「あのー、ATMって何時まで開いてるんですか?」
  受付「24時間営業しております。」ナポは、これらのやりとりを聞いて、金がもらえそうだとワクワクした そこで戻って来た担当の受付に肝心なことを聞いてみた
  ナポ「返さなくっていいんですかー?」既に怪しい人物とマークされていたナポはこのマヌケな質問で自分にトドメを刺した
  受付「はあ?」受付は愛想笑いをしながらカウンター下の赤いボタンを押した 奥の部屋からサングラスをした、こわーいおにいさんが数人あらわれた
  組員「にーちゃん、ちょっと来きてもらおかー。」ナポレオンは両脇を片方づつ組員に担がれ、奥の部屋へ連れて行かれた
  ナポ(ヤベー、まじヤベー、ど、どーしよー!?どこが、ふれあいはーとなにょ?)ナポ、絶体絶命のピンチだった・・

        今回はここまでじゃ。心配するな、ナポは大丈夫じゃ。その訳は次でわかるぞ。またな。
39カウニッツ:2001/03/16(金) 01:53
期待してますぞ!先生!
40世界@名無史さん:2001/03/16(金) 01:56
孔明やリンカーンや信長はどうなったんじゃー?
41世界@名無史さん:2001/03/16(金) 09:12
ロスチャイルドとかでてこないのかな?
わくわくさん
42世界@名無史さん:2001/03/17(土) 00:40
続きが楽しみすぎる
43こるしか島の田舎者:2001/03/17(土) 04:06
みんな、元気かな?では、さっさとはじめちゃうぞ。ナポのよもやま話のつづきからじゃー。

 ナポは奥の部屋に連れ込まれた どーなる、ナポ?
  賊1「にいちゃん、どーゆーつもりなら?」
  賊2「わしらのシマ、荒らしに来たんか。」
  ナポ「ち、違いますよー、先輩ったら。おいらは、一、客に過ぎません。つーことで、サイナラ。」
と、出て行こうとするナポの襟首を別の怪力の賊が掴まえた 持ち上げられ足をバタバタさせるナポ
  賊3「どーやら、コイツ、鉄砲玉じゃ。こんなマヌケな奴、雇う方もアホたれじゃのー。」
ナポはアイフルン組と抗争していた、武夫人組の鉄砲玉と勘違いされてしまった 賊たちはナポを簀巻きにして、セーヌ川に流すことにした その話を聞いて、いよいよ焦るナポ 店の裏口から運び出されてしまい、ナポが簀巻きにされた
  賊4「せーの、で、投げ込もーぜ。」
  賊5「オッケー!」
  ナポ(ちくしょー、俺にはロシアを叩き、宿敵イギリスを倒すって夢があったのによー。こんな終わり方って、ありかよ?)
賊たちがナポをセーヌ川に投げ込もうとする、まさにその時だった 馬に乗った三人の騎士が現れた よく見ると、そのうちの一人が何故かナポの愛馬の手綱を持ち彼の馬を連れて来ている
  ナポ(なんだ、こいつら???)ナポは、ちくわの格好のまま頭が混乱した」
  賊1「コイツの応援が来ちまった。まとめて殺っちまえ!」賊は全員ドスを抜いた しかし、その「三人」は鞘から剣を抜くや、たちまち賊を倒してしまった 結果としてセーヌ川を流れていったのは賊の方だった 「三人」がナポに歩み寄って来た
  ナポ(なんなんだ、こいつら?俺をどうしよってんだ??????)「三人」のうちの一人が剣を両手で握り下に向けた ゴクッ、つばを飲み込むナポ ところが意外なセリフを耳にすることになった
  ?1「陛下、お遊びが過ぎまするぞ。」プツッ、その者は縄を切ってくれた 再び自由を得たナポ 陛下、だと・・?
  ナポ「危ないところ感謝いたします。ところで、今、陛下とおっしゃられたかな?何かの間違いでは。フガフガ。」お忍びのため、サーベルを杖にしてボケ老人の真似をして、しらばっくれるナポ
  ?2「我らがフランス皇帝ナポレオン陛下、隠しても判っております。」
  ?3「わたくしたちは、陛下の身辺を警護せよとの密命を元老様たちに申し付けられた者です。」
  ナポ「どうやら、バレバレのようだな。」競艇のことも爺ども、知ってたのか・・
  ?1「陛下、とりあえずお乗りくださいませ。早く、宮殿に戻りましょう。」ナポは促されるままマントをひるがえして白馬に跨った 4人は街を後にして、ベルサイユ宮殿に駆けていった
  ナポ(しかし、こやつら一体?)「三人」に左右と後ろを護られながら、ナポは今一つ納得できない不思議な心境でいた・・

    もう、朝じゃな。わしゃ、花粉症でな。たまらんよ。じゃあ、またな。 
44こるしか島の田舎者:2001/03/17(土) 08:25
出血サービスじゃ。今日は連発じゃぞ。さーて、「三人」のことなんじゃがな・・。
 
 ナポたち4人は街を駆け抜け、いつしか郊外の当たり一面広がる葡萄畑に来ていた 辺りに人影は見えない ナポは馬を止めた それに合わせるかのように「三人」も止まった
  ナポ「そなたら、名を聞いておらなんだな。それぞれ何ともうすのじゃ?」そう聞かれて「三人」は下馬し、羽のついた帽子をとって片膝をついて拝礼した 女と見まがう程の美男子が口を開いた
  アラミス「陛下、わたくしはアラミスと申します。」つづいて、大柄でガッチリした体格の男がしゃべった
  ポルトス「わたしはポルトスといいます。」彼らに比べて特徴の無い残りの一人が挨拶した
  コルテス「わたしはコルテスといいます、陛下。」
ナポは三人の名前を聞いて驚いた 子どもの頃、何度も読み返し胸躍らせた、あの『三銃士』に出てくる人物と名前が同じだったからだ しかも、三人・・
  ナポ「ハハハ、そなたらの名、まるであの『三銃士』じゃな。」
  アラミス「陛下、その『三銃士』とは作者がデュマの・・。」
  ナポ「そうじゃ。子どもの頃、よく読んだわ。」
  ポルトス「あれは嘘です。作り話に過ぎません。」大人になったナポとはいえ、こどもの頃の思い出を壊されたくない
  ナポ「何を証拠にそのような事を申すか!」不機嫌になるナポ
  コルテス「作者みずから、ゲロっておりまする。」
  ナポ「どーゆーことじゃ?はっきり申せ!」
  アラミス「陛下はデュマのフルネームを御存知でありましょうや?」問いかけに、空を見上げて思い出そうとするナポ
  ナポ「・・ええっと、何という名じゃたかなー?とにかく、なんとか・デュマじゃ。」
  ポルトス「アレクサンドル・デュマ、ですな。」思わず相づちをうつナポ
  ナポ「そうじゃ、そうじゃ。それと『三銃士』の内容と、どう関係してくるのじゃ?」
  コルテス「アレクサンドル・デュマ。つまり、[あれは単なる・デマ]、ということです。」ナポは思わずズッコケて落馬した
  ナポ「イテテ・・。はいはい、おもしろいね、座布団一枚!」ナポが地面に座ったことにより、4人は車座になった ナポは三人を順々に指差し、こう命じた
  ナポ「では、おまえらが今日から三銃士じゃ!よいな。」はぁ?顔を見合わせる三人 その隙をついてナポはいち早く馬に乗り叫んだ
  ナポ「宮殿まで競争じゃ!見事ついてまいれ!」と、馬の腹を蹴り駆けていく 三人はずるい!とばかり、慌てて後を追った 葡萄畑に爽やかな風が吹いていた

   さーて、次は誰の話からにするかのう。楽しみにな。またな。
45世界@名無史さん:2001/03/17(土) 13:48
あれ? コルテスではなくアトスでは?
46こるしか島の田舎者:2001/03/18(日) 11:51
 いやー、わしとしたことが。誰ぞが教えてくれたとおり、アトスじゃたわい。どーしてこんな、間違えようのない誤りをしてしもーたかというとじゃな、ポリポリ、そのー。あのー。つまり、どーしても、あと一人思い出せなんでのう。最後がスということだけは記憶しておって、ポルトスにひきづられて、何とかトスになってしもーたんじゃ。いつになく、わしのしゃべりは苦しいのう(汗)。まあ、そういうことで、以降、アトスということで、ひとつよろしく・・。教えてくれたお若いの、ありがとな。ナポ話も一段落したことじゃし、調子狂うたから、ちょっと休むぞ。随分、昔(>>9)に話したと思うが、三雀士誕生のネタはもう少しお預けじゃ。じゃな。
47こるしか島の田舎者:2001/03/19(月) 01:19
さて、話を始めてもいいかな。信長の続きからじゃ。なんか登場人物が多くなってきて、わしも頭の中が混乱してきたわい、ワハハハ。ハァー・・。いくぞぃ。

 信長の朝廷工作は成功し、天皇の詔勅が毛利・上杉・武田の大名にくだった 内容は「顔が見たいから、ちょっとツラ貸せ。」というものだった 信長はひとまずこれで良し、と、天守閣のてっぺんから「琵琶湖ボート」を眺めていた 信長は様々なギャンブルに対して寛容であり、そのため、沢山の民が賭け事に熱中した さらにそんな民たちを相手に、予想屋と呼ばれる商人たちが集まり、民をカモにしていった 色々なところから金が信長の懐に入り、これが軍資金となったのだ ただし、鍬や鋤を放り投げ田畑を荒らしてまでギャンブルにのめり込む者は、容赦無く磔にされた カモり過ぎた予想屋も同罪とされた つまり、秩序あるギャンブル振興こそが信長の狙いであり、それによる経済繁栄こそが目的だった 金が動けば人が動く、交通が活発になれば自分の領地におのずと金を落としていく 信長は安土の街を見下ろしながら満足げであった そんな時、安土よりずっと西の宮島で、これまた同じく競艇を観戦している老人がいた
  元就「いけー、そのままじゃー!」西国の大大名、毛利元就だった 一点買いしている村上水軍所属の武吉がぶっちぎりで優勝した ばんざーい、元就は勝ち船券にキッスをして換金に行こうとした
  隆影「殿、やはりここでございましたか。」重臣の小早川隆影に目もくれない元就
  元就「ババア、はやくしろー、てめー。」窓口の娘にツバをとばして金くれとせかす元就
  窓口「うっせーよ、あたいがババアならそっちはスーパーヘビー級くっそ爺じゃろうが。」窓口はこんなクズばかり相手にする仕事なので娘といえども肝が据わっている
  元就「んだとー、てめー、解雇だっ。」
  窓口「そんな権限、アンタのよーなヘボじーさんにあんのかしら?」聞き流す窓口の娘 そう、どこの誰かと同じで、元就もお忍びだったのだ やりとりを見かねた隆影が元就に小声で耳打ちした
  隆影「つい先ほど、朝廷より御使者、到着された由にございます。」朝廷というフレーズがボケ老人を老獪な男に戻していた
  元就「して、いかなる用件であろう?」マジになる元就
  隆影「さすがに殿を差し置いて我々が御使者のお相手致すのは無礼にて、城の大広間にてお待たせして頂いておりまする。それゆえ、内容はそれがし存知ませぬ。ささっ、早く城へ。」
 毛利はそもそも小さな一豪族でしかなかった だが狡猾な元就は尼子・大内・陶などのライバルを次々と得意の調略で破り、一時は西は丹波・東は筑前の辺りまで勢力を持つ大大名となっていた ここ宮島ボートも児玉ボートと並ぶ毛利にとってのドル箱だった しかし、信長の配下である羽柴秀吉の中国遠征で、かなり領土を侵略されていた
  元就(清水が負けると児玉ボートの収益金が入らなくなる。なんとかせねば・・。)城に戻る馬上で元就は戦況を分析していた 競艇をしている時の表情とは全く別人だった
城に戻ると直ちに衣服を改め、元就はうやうやしく朝廷の使者に礼をした 使者が口を開いた
  使者「毛利元就、そなたに京上洛を命ず。以上でおじゃる。」
  元就「ははあー。元就、ありがたき幸せに存じたてまつりまする。」隆影が目配せした
  元就「しかし、御覧のとおりの老人、天子様は何故にそれがしのような者に上洛を?」真意を見抜こうとする元就
  使者「これ以上のことは、天子様より承っておらぬ。何か御不満でおじゃるか?」
  元就「とんでもございませぬ。元就、直ちに上洛いたしまする。」元就は額を畳にこすりつけた もちろん、うわべだけであり心は別にあった
使者との面会が終わった後、すぐに隆影がたしなめた
  隆影「信長の策に違いありませぬ。引き受けたことにしておき、準備に時間がかかると偽り、様子を見ましょう。」
廊下をゆっくり歩き、隆影の意見を背中で受ける元就 だが彼の腹は決まっていた・・
 
  ちょっと、今夜は息苦しかったかのう。暫く日本の話が続くぞ。またな。
48世界@名無史さん:2001/03/19(月) 01:23
俺はアラミスを忘れてたよ
すっきりした
49こるしか島の田舎者:2001/03/19(月) 01:24
すまん、正しくは「東は丹波、西は筑前」じゃ。わしゃ、疲れとる。おやすみー。
50さっさと続き:2001/03/20(火) 16:21
書けよ!!!!!
51名無しさん@1周年:2001/03/21(水) 15:34
ダルタニヤン忘れてない?>銃士
52こるしか島の田舎者:2001/03/21(水) 21:05
久しぶりじゃな。なんか面倒くさくなってきてなー。ダルタニアンは、もうしばらく先で登場する。あんまり、話の先をウダウダいわれると喋りにくくなるからの。ちゃんと筋があんの。がまんしてくれな。さて、よく考えたら劉備についてあれから触れておらんのう。ちょっと、話とこーか。
 劉備率いる十万の大軍は、洛陽を出発し長安を通過して西涼をも越え、いよいよ中国の力の及ばない地域へと行軍していった ここは何も無いとある荒野 一時休息ということになった 地理に不案内なことを極端に恐れる孔明は、地図を探していた その時あることに気づいた
  孔明「しまったー!」オタオタあせりまくる孔明
  張飛「どーしたんですか?金田一こと豊悦さん?」ちょっと古い、異国のギャグをかます張飛
  劉備「どうしたのじゃ?そなたがここまで狼狽するところを、朕は見たことが無いぞ。」心配というよりも本当に珍しいので、むしろ苦笑気味の劉備
  孔明「陛下、あの『雀法二十四編』を持ってまいるのを忘れてしまいました。」事の重大さがようやく分かり、青ざめる劉備
  劉備「なにー、アレを忘れたともうすか!むむう。」
ここで『雀法二十四編』について解説しておこう 『雀法二十四編』とは、孔明がここまで百戦無敗・必殺必勝の麻雀術について書いたもので、イカサマすれすれの「白羽扇の使い方」とか、カモの見抜き方・例えば魯粛、中には《烏龍茶ブレイク》なるページもあり、そこでは私の麻雀観・知的に見える牌の握りについてのコーナーもあった さらに《往年のライバルたち》では、雀荘「赤壁」でひどいアガリ方してごめんね美周郎とか、仲達くんは堅すぎてカモりにくく麻雀仲間にしたくない、というよーなエッセイが綴られていた しかし、そんなことは慌てている今の孔明にとってはどーでもよかった というのも『雀法二十四編』の存在価値は、それとは全く別のところにあるからだ 孔明はとてつもない「必殺技」をもっているが、これは『雀法二十四編』を手元に置いて初めて彼の恐ろしい「技」が発揮できるのであって、コレ無しで未知の雀士と勝負するのはどんな結果を招くか予想がつかないのだ 不確実な事を嫌う孔明 ましてや一国を代表する勝負である 負けることは許されない
  関羽「丞相もうっかりすることがあるんですなー。」髭をなでなでしながら考え込む関羽
  張飛「徐庶殿が気づいてて、もうこっちに持ってきてくれてんじゃねーのかー。俺はそんな気がするぜ。」何でも楽観的に考える張飛
孔明は洛陽出立に際して政治の事は徐庶にまかせていた しかし、事態は深刻だった
  孔明「実はもうアレを使うことはないと思うておりましたところ、私の恩師である水鏡先生がある日、貸してくれ、と言いましてそれっきりになっておりました。」
  張飛「じゃあ、あのきまぐれオヤジを掴まえねーといけねーのか・・。」一同絶句
  関羽「こうなったら一刻も早く誰かを洛陽に遣わし、司馬徽殿を探しましょうぞ。」
  孔明「しかし、往復の時間に先生探索の時間・・。陛下、これ全てそれがしの咎でありまする。」
  劉備「仕方がないではないか。朕これあるは、そなたの功によるとこ大じゃ。その大きさは此度の失敗を補って余りあるわ。こうなったら、ううむ、馬超にでも行ってもらうか。」
振威将軍こと馬超は西涼育ちでこの辺りの地理にも明るく、馬術も非常に秀でており高速で移動できるため抜擢された 馬超がいろいろ孔明から指示を受け、いざ出発という矢先だった とりあえず野営し始めた劉備率いる十万の陣営に、怪しい4人組が向こうから近づいてきた・・・

三国志に詳しくない人、すまんな。わしは今、体調がすぐれぬゆえ、話できるのは不規則になるかもしれん。まあ、気楽に聞き流しといてくれ。またな。
  
53世界@名無史さん:2001/03/21(水) 21:16
先生、大丈夫でございますか?
どうぞお大事になさってください・・・。
54こるしか島の田舎者:2001/03/23(金) 00:35
花粉症で目がかゆいぞ。みんなは平気か?さっさと話してさっさと寝ようっと。さて、4人組のところからじゃ。

 4人組は劉備の軍隊に全く気づかず、いつもの内輪もめをしていた
  ?4「オイッ、俺にも仕事分けてくれ。せめて夜の料理番組くらいえーやろ?」
  ?2「バカ野郎、なんでてめーなんぞに回さなきゃなんねんだ。」
  ?3「あのさー、俺、もう腹減って動けねんだけどさー。」
?2「おまえがどーしてアノ番組の局長やってんだよ。違和感バリバリだぞ。」
?4「そやっ、大阪弁話せるワシの方がずっとましや!」
  ?3「なんで、兄貴たちそんな酷いこと言うかなー。途中で朝のワイドすっぽかすより、ずっと俺のほうがましだんべさ。」
 ?2「そーいやぁ、てめー自己破産したんだってなぁ!このアホが。」
  ?4「だから、仕事くれゆーてゆーとるやろ、このとおりや。」
  ?2「人生相談のゲストでも続けて小銭ためるこったなぁ。」
  ?1「おまえたち、喧嘩はおやめなさい。」
  ?2「いえねぇ、この馬鹿どもがさっきからウダウダ抜かしやがるんで、ひとつ説教してたんすよ。さっ、行きましょ。」
4人は歩き始めた しばらくして 手綱を持った者が叫んだ
  ?2「なんだこりゃ?人がいっぱいいるぞ。ここは何にもねーとこなんだが。」身構える
  ?3「食い物あるかなー。あと、オンナいるかなぁ、ウヘウヘ。」よだれをたらす
  ?4「待て、妖怪が術つこーたんかもしれへんぞっ。」平目をよけい細める
4人に緊張が走った ゆっくり様子を伺いながら近づいた・・
  ?1「あっ、あの旗印は!大丈夫です。あれは私の国の軍隊の方々です。」
  ?2「なんだ、知り合いですか。いっぱい知り合いがいるんすねえ。」4人はその軍隊に近づいていった・・

話の登場人物、分かったかな?ある程度、年いっとらんとさっぱりかもな。今回はイントロ。次から?を外すからな。またじゃ。
55カウニッツ:2001/03/26(月) 04:42
先生!楽しみに待ってます。
56こるしか島の田舎者:2001/03/26(月) 19:30
いやー、すまんのぅ。百以上にさがったら、ひっそり話やめちゃおうなんて考えとったんじゃが。カウニッツくんのように待っとった者がおったんじゃなぁ。じゃ、続けるか・・何日ぶりなんじゃろ?

 この4人組は、三蔵雀師こと夏目雅子、孫悟空こと堺マチャアキ、猪八戒こと西田敏あき、沙悟浄こと岸部シローだった 夏目雅子、いや、三蔵雀師は劉備の命を受けて天竺という、いつ着くとも判らない見果てぬ地へ、べーんりで、ありがたーい、麻雀自動卓を貰いに旅立ったのだった ところが道中は未開の地 供の者は山賊や風土病の為にみな死んでしまい、三蔵がひとりぼっちになった時だった そんな彼女、いや、彼に頼もしい三人、いや、三匹の味方がついたのだ そもそもこの三人は異国で芸能人という仕事をやっていた しかし、岸部は自己破産を宣告され債権者を泣かせた罪でカッパに、西田は大河ドラマのしょぼい演技・関西の某番組の新局長に相応しくないというだけでブタに、マチャアキは芸能界独り勝ちなので昔を忘れるなという意味で猿に、芸能界のフィクサー「あっこ」によってそれぞれ変えられてしまったのだ 岸部はともかく、理由がめちゃくちゃなだけに可哀相な三人 ただ何故か全く説明はつかないが、三蔵の供をして彼の目的が達せられた時、彼らもまた芸能界復帰が許されるという特約が付いていたのだ そういう訳で彼らは三蔵の供をしていたのだ どういう訳じゃい?訳、分からんわ・・
 三蔵たちは中国軍の陣営に向かった 三蔵はすぐに劉備に目通りが許された
  劉備「むむっ、そなた、三蔵ではないか。長旅、大事ないか?」こんな僻地でまさか三蔵に逢うとは夢にも思ってない劉備は驚いた
  三蔵「陛下、まさかこんなところでお会いできるとは・・。一体どうなさったのですか?」三蔵も驚いた 劉備は世界麻雀大会のはなしを始めた・・
  劉備「しかじか、かくかく、まるかいて、しかく。」
  三蔵「ふむふむ、へのへのもへじ。」
その頃、外で待たされていた三人は井戸端会議をやっていた
  西田「アニキぃー、俺たちさぁ、いつ芸能界帰れるんだろうね?」愛用の武器にだらしなくもたれ掛かる八戒
  マチャアキ「んなこたぁ知らねーよ。」力無く何気に小石を遠くへ投げる悟空
  岸部「ルックルックええ仕事やったのになー。」どこでもなく空を見つめる悟浄
そんな三人?三匹に背中から声がかかった
  三蔵「悟空、あなたに是非たのみたいことがあります。」ほらきた、とばかりに嫌々三蔵に近寄る
  マチャアキ「何ですかぃ、何かぁ用ですかぃ?」
  三蔵「私の国の皇帝陛下が大変お困りなのです。私がそなたの金斗雲の話をしたら、陛下が頼みたい事が御在りとか。わたしについて来なさい。」悟空は渋い顔をして頭を掻きながら三蔵に付き従い、劉備の陣幕に向かった・・

いやいや、かなり無理があるむちゃくちゃな話じゃな。ぷぷ。自分でやっといてな。続きも面白いぞ、返事は100以上になりそうな時以外は特によいからな。またじゃ。
57こるしか島の田舎者:2001/03/27(火) 03:46
原稿たまってるから、さっさと書いとこ。出版社の奴等うるさいからの。缶詰にされたらたまらんよ。

 三蔵は悟空を劉備にひきあわせた 悟空は何故か正面の劉備よりも傍らにいる張飛に関心があるようだ・・
  劉備「そなた、三蔵が申すには雲にのり遠いとこへでもひと飛びと聞くが、まことか?」
  マチャアキ「おう、俺さまの金斗雲にのりゃあ、どんな遠いとこへでもひとっ飛びよ。」と言いながらも、やっぱり視線は張飛に向いている
  張飛「なんだ、この猿。何か用か?」
悟空はヨタヨタと、がに股でゆっくりと張飛に近づいた 
  マチャアキ「あんたも、その輪っか、はめられちゃったのかい?何か悪い事でもしたの?」悟空は平気で張飛の頭を触り始めた
  張飛「猿の分際で無礼な!それに、この輪っかの事なら横山光輝に聞けよ、俺が知るか!」悟空の手を払い除ける
  マチャアキ「時々さあ、キーンって締め付けらんない?あれ、すっげー痛いんだわ。外し方、誰か知らねーかなぁ。」
  張飛「兄貴、いつまでこの馬鹿猿を相手するつもりなんですかぃ。てめぇも動物保護条例でいい気になりやがってよぉ!」
  マチャアキ「んだとー、俺さまはなぁ斉藤天気大聖、孫悟空だぞっ、わかってんのか俺のパクリ野郎が!」
  張飛「貴様ぁ、雀荘『長坂波』で曹軍相手に百万スッタ、この張飛を知らぬか!」思わず刀の柄に手をやる 孔明は雰囲気を一変させるため悟空に話し掛けた
  孔明「まことに雲にのれるのか。信じられぬが。見せて頂けまいか。」真っ直ぐな悟空 疑われたとあっては腹の虫がおさまらない
  マチャアキ「ああいとも。見せてやるよ。おいらについてきな。」悟空は陣幕から外へ出ていった その後を劉備たちがついていく
悟空は人差し指と中指を伸ばし、口元にかざした 
  マチャアキ「よおーく見てな。いくぜ!」二本の指にフィフィっと息を吹きかけながら、激しく左右に振り、最後にフィッっと二本指を振り切った と、どうであろう、見上げていた空の一点が光り『小さな雲』が悟空のもとに降りて来た
  マチャアキ「どーだい、これで信じる気持ちになっただろうが。」ちょっと自慢気で、まんざらでもない表情をしている
  孔明「むむむっ、夢を見ているようじゃ。ところで本当に乗れるのか?」
  マチャアキ「俺さまならな。人間どもは駄目さ。」と、ばかりに一気に天高く上昇し、ぶっとばして暴走族のように自分の『能力』を見せつける悟空 劉備たちをはじめ、それを見ていた者はこの世の事かと目を疑った
  孔明「いやはや、先ほどは疑って失礼致した。ところで、是非頼みたい事があるのじゃが、この書簡を洛陽の徐庶と申す者に渡してくれぬか。」
  マチャアキ「何で俺が初対面のオマエらの為にそこまでしなきゃなんねんだい、やなこった。」三蔵が見かねてぶつぶつ何やら唱えはじめた・・
  マチャアキ「ウギャー、わ、わかりましたよ。いきゃいんでしょ、いきゃ。」
こうして悟空は『雀法二十四編』を取り戻すべき事をしたためた孔明の書簡を携え、金斗雲にのって一路洛陽めがけてぶっとばしていった。劉備たちの視界から、あっという間に悟空の姿が消えていった・・

夜、遅くなったな。もう、みんな寝とるよな。わしも寝よう。つづきはまたじゃ。    
58こるしか島の田舎者:2001/03/27(火) 03:52
斉藤天気大聖→斉天大聖、じゃ。一気に漢字変換できたらのう・・おやすみ。
59こるしか島の田舎者:2001/03/28(水) 19:00
どっこいしょっと。
60カウニッツ:2001/03/30(金) 00:27
まだっすか?
61世界@名無史さん:2001/03/30(金) 01:04
駒の配置が長いなあ
がんばれー
62こるしか島の田舎者:2001/03/30(金) 17:16
いや〜話の続きを待ってた者がいたのか?返事が無いだけでそんな人、結構まだいるのかいな?実を言うとな、このまま自然消滅させてしまおうと考えとったんじゃよ。面倒じゃからな。とりあえず、今夜の11時頃に話を聞きに来てくれ。アメリカの続きからじゃ。
63こるしか島の田舎者:2001/03/30(金) 23:16
聞きに来たか・・。疲れるのぅ。アメリカじゃ。

 リンはホワイトハウスの執務室で世界麻雀大会派遣のメンバーを考えていた 彼の頭には色々な雀士が浮かんでは消え、浮かんではまた消え、しまいには全員が沈んでいった (国の威信がかかってるんだ・・) リンはパウエル雀荘統合参謀議長を呼んだ
  リン「誰かいい男を知らんかね?」葉巻を吸いながら外を眺めているリン パウエルはリストをめくり始めた
  パウエル「先だっての南北戦争で活躍されました、グラント将軍はいかがでしょう。」
  リン「アル中で入院しているそうだ。」
  パウエル「カスター将軍は?彼も有能です。」リンは首を左右に振った
  リン「駄目だ。若くてキレる奴が欲しい。」それを聞いたパウエルは、一瞬躊躇しながらもリンに向かって次のような大胆な提案をした
  パウエル「大統領、履歴にこだわらないというのであれば、凄腕がおります。」
  リン「誰だね?」パウエルは或る男の名を告げた
それからしばらく経ったとある日曜日、演説好きのリンは世界麻雀大会総決起集会を開催した あの雀士開放宣言をした時と同じように、ホワイトハウス前大広場に数え切れないほどの観衆が集まっていた
  リン「レデース、アン、ジェントルマン。グッアフタヌーン!」
  国民「グッアフタヌーン、プレジデントゥ!」リンは深呼吸した
  リン「みなさん、よーく聞いてください。実は・・実は・・。」なんだろうと左右の顔とにらめっこを始める国民
  リン「実は、まだ代表雀士が決まっていないのです。」ええっー、どよめく大観衆
  リン「誰か我こそは、と思う憂国の雀士はいませんか?」
あーだのこーだの、おまえんとこのがどーだの、うんにゃ三丁目の・・ 様子を見ているリン(そろそろいいタイミングかな)
  リン「ところで皆さん、或る国に『勝てば官軍、負ければオケラ』という諺があることを御存知ですか?」圧倒的大多数が知らないようだ
  リン「勝ったもの勝ちということです。逆に言えば負けたらプロセスが正しくても無意味ということなんです。」聞き入る観衆
  リン「私はこの場をもって犯罪者も含めて雀士を募集したいのです。抵抗感はあるかもしれませんが、負けたら終わりなんです。」
観衆たちは雑談を始め出した どーやら犯罪者が国家の代表になってもいいのかという議論のようだ リンはあえて十分な時間を取った リンの思いどおりの結論に観衆が達するとの読みからだ
  観衆1「俺は前科一犯だべ。金もってなくて賭け麻雀やったんだべ。」
  観衆2「俺は禁固一年じゃ。同じ牌を隠し持っていてイカサマやろうとしてばれた。」
  観衆3「おらはなあ・・
この演説会はアメリカ全土にラジオ放送されていた リンたちが騒いでいるホワイトハウスからずっーと西部の田舎町の酒場で、この演説をBGMがわりに麻雀を始めようとしている者たちがいた リンからの使者が向かっていた・・

 待たせて悪かったな。調子が良ければ今宵はもう一発イクかもしれぬ。じゃあな。
64こるしか島の田舎者:2001/03/31(土) 22:37
 リンは観衆の表情を読んだ 大勢は心から賛成とはいかないが、みんな似た者同士だし強けれゃいーだろ、という雰囲気になってきた
  リン「アイ、ハッヴァ、ドゥリィーム!」またかよ、てな感じの観衆 しかし今回は違った リンの次の言葉で観衆はしびれてしまうのだ
  リン「私の夢、それは、次のような国を造ることでーす!」大観衆が、しーん、と静まり返る
  リン「私が目指す国、それは・・。」ゴクリ、観衆が視線をホワイトハウスの二階のベランダに注ぐ そして、かの有名な大演説をリンはパクった
  リン「バイザジャーンシ、オブザジャーンシ、アーンドゥ・・。」何が続くんだろう?大統領の次の言葉を待つ大観衆
  リン「フォーザジャーンシ!!」
リンの大声にもかかわらずなぜか国民は静まり返っていた 彼らの頭の中で訳されていたのだ
  国民1「雀士による・・。」
  国民2「雀士の?」
  国民3「雀士の為の!」
  一同「国づくりっ、素晴らしいー!!」見事なまでに秩序を保った静謐が破られた瞬間、耳を塞ぎたくなるような大喝采が起こった
  国民「ばんざーい、ばんざーい、リンカーン大統領ばんざーい!」リンは誇らしげだった その影で雑きんがけさせられていたケネディ補佐官が、それ俺のネタなのに、と泣いていたのは言うまでもない
リンは調子に乗って、この際、アメリカ合衆国をアメリカ雀衆国に変えちゃおうか?などとふざけ始めた ケネディが鎮静剤をリンの脳天に突き刺した
 そんな馬鹿騒ぎもやっぱり、ラジオで生放送されているのだ 先ほど触れた西部のある酒場で麻雀を始めた4人
  カモ1「さっ、あんたの番だぜ。」促された男は優しい目つきで自分の牌を並び替え始めた・・
  カモ2「はやくしなよ!」その男は並べた牌の両端を押さえた
  カモ3「なっ、なに?まさかアガるんじゃねーだろーな!?」その男の指がゆっくり動き、麻雀牌が前に倒された
  ??「ロン・・。役は国士・・・。」残り三人はきれいに並んでいる牌に信じられない様子だ 無理も無い、始まったばかりなのだから
  カモ1「イカサマだっ!なんでいきなりアガれるんだよ、ゴラァ!」
  カモ2「それも国士無双だぞ?」
  カモ3「てめぇ、雀士の風上にも置けない奴だ、抜け!」と、腰にぶら提げている拳銃に手をやった 酒場のオヤジが、やめてくれよ、といいながらカウンターの下に隠れる
と、そこに、いかにも人懐っこい表情をした男が緊張感ゼロで飛び込んできた・・・
65こるしか島の田舎者:2001/04/01(日) 14:18
  「おいっ、サンダースっ、とびっきりいい話しだぜ!」どうやら、アガった男はサンダースという名のようだ 残りの三人はその名を聞いて表情を一変させた
  カモ1「サンダースって、あんた、もしかして・・。」
  カモ2「早撃ちで有名なサンダースかっ?」おもわず拳銃に手をかけてしまったカモ3は、格好がつかないので、つい言ってしまった
  カモ3「本物なのかい?じゃ、その早撃ちってのを拝ませてくれや!」
  ??「イカサマなんか・・やってない・・・。」サンダースという男は、相変わらず落ち着き払っているが、イカサマ呼ばわりされたことが彼の自尊心が許さなかった
  「おまえら、もうこいつとやっちゃったのか?可哀相に。負けただろ?」飛び込んできた男が雰囲気を和らげようと、中に割って入った サンダースの肩に手をまわしている その男はサンダースとやらの相棒のようだ その男は喋り続けた
  「あらら、拳銃に手をかけてら!?止めときなって、すぐあの世逝きだぜ。」天井を指差す
  カモ3「じゃ、じゃあオマエがサンダースだって証拠をみせろよ。」サンダースとやらがゆっくり立ち上がった 「おいおい、やめろよ。サンダース、おまえもいちいちカリカリすんなって。」相棒がサンダースとやらの肩を抱きかかえ、無理矢理酒場から連れだそうとした 入り口に歩いていく、その二人
  カモ3「はんっ、やっぱおめぇサンダース・キッドじゃねえんだな。」と、言うが早いか、サンダースは振り向きざまに拳銃で3発撃った たった、1秒もあるかないかの出来事だった ふと気づくとカモ3の拳銃が酒場のガラスを突き破って外に転がっている 一発目で、ホルスターに入っていた拳銃のグリップを下から撃ち上げ、二発目は、宙に舞った拳銃に、三発目はふっとぶ拳銃めがけてトドメの意味で発射され、その勢いでガラス窓を拳銃が突き破ったのだ その場に居合わせた全員があっけにとられた ゆっくりと酒場を出て行く二人 誰が弁償してくれるんだい、主人の声が背中から聞こえた
  「こんなところで、無駄撃ちすんなって。ただでさえ俺たちゃ賞金首だぞ。」
  サンダース「あいつが、イカサマと言ったからだ・・。」
  「でもさ、いい話だ。賞金首がチャラになる。うまいこといきゃアメリカの英雄だぞ!」サンダースは馬に跨りながらにやけた
  サンダース「だといいな。」全く関心がないようだ 相棒も馬にのり、一所懸命説明し始めた・・
  「ほんとうだぜ、詳しく聞けよ、リンカーン大統領閣下の親書だぞ、ほらよ。」サンダースは優しそうな表情を取り戻したものの、目も向けない
この二人、銀行強盗・列車強盗で名をはせたサンダース・キッド、その相棒ブッチ・キャシディだった 特にサンダースの早撃ちは有名で、麻雀もすぐにアガってしまうギャンブラーなので、人々は彼を『早撃ち雀マン』と呼んでいた なお、この二人をモデルにして作られた映画があの名作「明日に向かってツモれ!」である ブッチは馬を並べて真剣に話し掛けていた
  ブッチ「いつまでも強盗やって、追われる身じゃかなわねーだろが、ああん?」二人の姿が小さくなり、遠くへ消えていった
その頃、悟空は猛スピードで洛陽めがけてぶっ飛ばしている最中だった 「なんだありゃ?」 真正面から鶴にのった老人が悟空めがけて、これまた凄いスピードで接近していた
  マチャアキ「妖怪だな!」悟空は如意棒を強く握りしめた・・・ 
66世界@名無史さん:2001/04/02(月) 06:40
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67こるしか島の田舎者:2001/04/03(火) 07:40
 悟空は接近してくる老人に警戒したものの、その老人は「ふぉーふぉっふぉっふぉっ。」などと笑いながら、あっという間に西へ飛び去っていった (なんだ、あの爺?) 金斗雲の物凄いスピードにより、いつしか悟空は長安上空を通過していた 「もうちょっとで、おっしょさんの言ってた洛陽ってとこだな。」 悟空の頭にはもうさっきの老人の事はなかった そうこうしている間に、もう洛陽に差しかかった 「でけえ街だなぁおい。」悟空はしばらく金斗雲にのったまま洛陽の街を見下ろしていた とてつもなく大きな屋根瓦が沢山見える巨大な王宮に気づいた 「あれがこの国で一番えれぇ奴の、劉備とかって皇帝の住んでる家だな。」 悟空は何重にも囲まれている王宮のど真ん中に飛び降りた 近衛兵が慌てて近づいてきた
  隊長「貴様、何者だ!どーやってここに入った!」
  マチャアキ「どーやってって、上からさ。今日は天気、いいね。」手をかざして眩しそうに空を見上げる
  隊長「ここがどこか分かった上での狼藉か!」隊長の大声でたちまち兵士が悟空を取り囲んだ
  マチャアキ「なんだよ、この扱いはよお。俺は来たくもねえーのに、ここんとこの劉備って奴に頼まれて手紙を持って来てやったのによお!」 悟空が不愉快になるのも無理はなかったが、余りにも唐突すぎて無礼だった
  隊長「畏れ多くも皇帝陛下の御名を呼び捨てにするとは!生かしておけぬ!斬ってしまえ!」悟空を取り囲んでいる兵士たちが槍や刀で身構えた
  マチャアキ「やんの?おもしれーじゃないの。かかってきなさい。ほれ、ほれ。」
  隊長「かかれー!」と同時に王宮の屋根に取り付けてある巨大スピーカーから『モンキー・マジック』の歌が大音量で流れはじめた 悟空は如意棒を振り回しながら大暴れ 大勢の兵士が束になっても全くかなわない
  マチャアキ「へんっ、わかったかこのバーロー。俺様はなぁ斉天大聖孫悟空ってんだい。おまえら人間なんぞが束にかかっても屁でもねえんだよ。」
  隊長「むむむ、こやつバケモノか?こうなったら徐庶様の御知恵をお借りするしかない。」その言葉に、自分の役目を思い出した悟空
  マチャアキ「あっ、おまえその徐庶って奴、知ってんのか?だったらそいつに会わせろ、用があるんだ。」 悟空は懐をまさぐり孔明より預かった手紙を取り出した
  隊長「徐庶様が、貴様のような猿を相手にするかアホたれが。」
  マチャアキ「あっそう。あっそうなの。ふーん、いいのね。」悟空はおどけながら手紙を破るふりをした そこに奥から騒ぎを聞いた重臣たちが、ぞろぞろ出てきた
  マチャアキ「あのー、徐庶さんって方、いらっしゃいますー?」重臣たちの中から一歩前に歩み出た男がいた 落ちついた物腰でいかにも聡明な顔をしている
  徐庶「わしが徐庶じゃが、おまえは誰だ?何がしたいのじゃ。」 重臣たちの眼下には、悟空にボコボコにされ目が蚊取り線香状態になっている兵士たちが無数に転がっていた
  マチャアキ「あんたが徐庶さんかい、孔明って奴から手紙を託っててよ、ほれ。」
  徐庶「そなたが孔明からの手紙じゃと・・。」 徐庶は半信半疑で、その手紙を開いた
  徐庶「むむっ、これは真に孔明の字じゃ!」徐庶は真剣な表情で素早く読み進めていく 悟空はその間(わかったか、馬鹿。)なんて視線を近衛兵隊長に向けていた と、突然
  徐庶「これは一大事じゃ!どなたか存ぜぬが、感謝いたす。これらの者は役目上とはいえそなたに無礼を働いた事、お許しくだされ。」徐庶は悟空に頭を下げた
  マチャアキ「いーの、いーのよ。わかってくれりゃ。あのオタンコと違ってえれぇ人は見る目があるねぇ。じゃ、俺は用済みだかんよ、さっさと帰るぜ。」言い残し、金斗雲に乗ろうとした時だった
  徐庶「兵士どもの話しによれば、御身はその雲に乗って瞬く間に飛んで行けるとか。真か?ならば頼みたい事があるのじゃ。」
  マチャアキ「なんだよー、人間ってのはー、どーしてこんなに人使いが荒いんでしょーねー。」 悟空は頭をポリポリ掻いた・・
68こるしか島の田舎者:2001/04/04(水) 16:48
 徐庶は言葉をつづけた・・
  徐庶「われらは事を急ぐのじゃ。本来なら孫乾あたりに行ってもらうのじゃが、馬なんぞよりその雲とやらにのっかるほうが速いのであろう?」
  マチャアキ「あたぼーよっ、コイツにのりゃあ何百何千里といえども、ひとっ飛びよ。」悟空は如意棒を肩にかけて自慢気だ
  徐庶「そこで頼みなんじゃが、わしにその雲を貸してくれんか?」おもわず悟空はずっこけた 立ち上がりヨタヨタがに股でふざけた表情で徐庶に近づいて、徐庶の両頬を手でナデナデしはじめた
  マチャアキ「あのねー、コイツは俺しかのれねぇーの、悪かったわね。」
  徐庶「では、そなたがわしを背負ったら?」
  マチャアキ「そ、そりゃあ俺が雲に足をつけてるわけだからよー、のれるんじゃねーのかい。」なんでそこまで俺が、悟空は言葉が続きそうなのをこらえた
  徐庶「嫌か?」
  マチャアキ「嫌っつーかよー、俺はおっしょさんのとこ、帰んなきゃなんねーからよー。」
  徐庶「三蔵殿は別に記した手紙に、宜しければ孫悟空を御好きに御使いくださいませ、と書いてあるぞ。」びっくりする悟空、くっそボウズが!
  マチャアキ「でも、やだかんな。俺をとめることはオマエらにゃ無理だしよ。」
  徐庶「こうとも書いてあるぞ。もし孫悟空がおっしゃる事を聞かなければ次の経典をよみあげてください、とな。試しに」そこで表情を一変させた悟空が慌てて頭を両手で押さえながら
  マチャアキ「わーたっ!わーたかんよ。その先は読むな、いいな!」
  徐庶「そうかそうか、のせてくれるか、ありがたいのう。おいっ、わしのメットもってこい!」
  マチャアキ「のせてやっから、おしょさんの手紙、俺に見せてくんない?」
徐庶は一瞬にして、悟空の意図を見抜いた・・
69こるしか島の田舎者:2001/04/05(木) 17:36
 徐庶「見せてやるから乗せてくれ。」
 マチャアキ「のせてやるから見せてくれ。」
 徐庶「のせてくれたら見せてやる。」
 マチャアキ「見せてくれたら乗せてやる。」
 徐庶「・・・。そなた、余程この経典が気になるようじゃな。」
 マチャアキ「ば、ばかな事いうなよ!俺がそんなもん気にするかよ!おっしょさんが俺のこと、何て書いてんのか気になっただけだよ。アンタの勝ちだっ、たく、しょーがねーなー。」
悟空は金斗雲にのり、姿勢を前かがみにして、ホレのっかれと促した 徐庶が悟空の背中にのっかった ふわふわしている乗り心地だ
 マチャアキ「で、どっちにいきゃあいいだ?」
 徐庶「そうじゃな。先生の家に行ってみるか。南じゃ、荊州の襄陽という街に行こう。とりあえず南に頼む。」
 マチャアキ「あいよ。」
瞬く間に悟空たちは天高く南の空に消えていった その場に居合わせた重臣たちは目を疑った ただ一人、驚かなかった人物がいた 曹操だった かつて左慈と出くわしているからだ 今は牙を抜かれながらも形ばかりではあるが、極めて地位の高い爵位を与えられていた (あの老人は何にのってたかのう・・)
 さて、場所は大きく変わります・・・
アメリカ合衆国ホワイトハウスの大統領執務室では、リンとパウエルが話しをしていた
  リン「で、例のふたりは合衆国に協力してくれるのかね?」葉巻を吹かすリン パウエルに背を向けて外を眺めている
  パウエル「はっ、交渉は難航致しましたが、これまでの罪をチャラにしてくれるなら、ということで協力を約束してくれました。既にこちらに向かっております。」
  リン「そうか、それは良かったな。しかし、彼らを疑う訳ではないが確かなんだろうね、腕と、それよりなにより・・。」そこで初めてパウエルを見据えるリン
  リン「なにより、合衆国への忠誠心だ!パブリックよりもプライベートの利益を優先させるような奴だと信じきれないからな。そこんとこ、大丈夫なんだろうね?」
  パウエル「彼らは、彼らなりのポリシーがあります。約束を破ることは彼らの自尊心が許さないでしょうし、協力する気が無いなら最初から断わっているはずです。腕は間違いありません。それに、これまでの罪がチャラになるという意味での、プライベートな利益も彼らにはありますし。」
  リン「だといいんだがね。この国もバカに広いだけで人がいないな。」ソファにもたれ掛かるリン
  パウエル「まだ、推薦したい人物がおります。しかも犯罪者を追う立場の人間ですから安心です。」思わず身をのり出したリン
  リン「誰だね?」
パウエルは、これまた或る人物を紹介した・・・  
70こるしか島の田舎者:2001/04/06(金) 20:16
 サンダースとブッチがワシントンを目指していた頃、彼らがいた町とは全く違うが、これまた西部の小さな田舎町の駅で、列車を待っている一人の男がいた 彼を見送るためなのか、ちょっとした群衆が彼を囲っている
  村人1「本当に行ってしまわれるのですか?」
  村人2「いつまでも、ここにいて欲しいのに・・。」
どうやら、その男は随分村人に慕われているようだ
  村人3「あなたのおかげで、町に平和と安らぎを取り戻すことができました。何と御礼を申しあげればいいのか。」
  村人4「わしたちゃ、腰抜けで勇気が無かったもんだから、最初はつい・・。」
  ??「御礼を言われる筋合いではありません。保安官としての義務をまっとうしたまでのこと。それに今度はアメリカのために戦うのです。」
彼は保安官のようだ・・
  村人5「でも、おらたちゃ、もう大丈夫だ。」
  村人6「んだ、もうヒビらねぇだ。悪とは戦うだ!」
ポー、シュシュシュシュ、ポー、列車が見えてきた その男はトランクを握った 一段と村人たちが彼に詰め寄った
  ??「みなさんは腰抜けでも弱虫でもありません。正義を貫き、正しい行いをしている者が負けることは絶対にありません。神が許さないでしょう。」
列車がホームに到着した その男はデッキに駆け上がり振り向いた
  ??「それではみなさん、お元気で!」
ゆっくりと列車は進み始めた 村人たちも駆け足で追いかける やがて列車の加速についていけず、村人たちは立ち止まった場所で各々、帽子を握った手を大きく振った 最後まで走ってきた少年が大きく叫んだ
  少年「保安官、ありがとーう!」
窓から顔を引っ込めて、感慨に耽るその男 いろいろあったぜ・・ 彼は内ポケットに収めていた、ある「手紙」を取り出した 一番下に差出人のサインがあった エイブラハム・リンカーンと記されていた

 さて、ホワイトハウスの大統領執務室での会話の続きです
  リン「誰だね?」
  パウエル「ワイアット・アープという保安官です。真に勝手ながら、閣下のお名前をもって既に招集状を出しております。正義の権化、保安官の鏡とも言うべき人物で間違いありません!」
  リン「そうか・・。君がそこまで太鼓判を押すなら相当なものだろう。」
リンは再びパウエルに背を向け、外を眺めた ドワッチャ!あっちー!リンは葉巻を根元まで吸い込んでいた・・
 ところで、世界麻雀大会から蚊帳の外に置かれている、とある大国で、女王陛下を乗せた豪華な馬車を中心とし、独特の帽子をかぶった赤い制服を着た騎馬隊が行進していた 沿道に沢山の国民が並んで喝采していた・・
71こるしか島の田舎者:2001/04/07(土) 18:13
 そう、ここはナポがやたらライバル視している大英帝国だ ロンドンのハーベイロード街を、エリザベス女王の馬車が通過していた 当時の大英帝国は七つの海をまたにかけ、世界中に雀荘を立てて貿易意外にも莫大な富を得ていた スペインの無敵艦隊を破って以来、海の覇権はイギリスがほぼ手中にしていたのだ ナポが競艇場ではなく、実際にトラファルガー沖の海戦で痛い目にあったのも記憶に新しいところだ 産業革命勃興期にさしかかっていたイギリスは大いに繁栄していた 女王エリザベスは国民と触れ合う機会を多分に持ち、国民はべスの愛称で女王を慕っていた 居並ぶ国民たちに、まんべんなく左右に振り向き手を振るベス 国民も満面の笑みで手を振っている
  国民「女王陛下ばんざーい、大英帝国ばんざーい!」そんな雰囲気の中、相対的にやたらと目立つ、ちょっとした群衆があった 彼らの共通点は皆、ベスの隊列に背を向けているということだ 単にそうなら無礼なのだが、何だかもめている
  ベス(何かしら?)
ベスの指示で、その群衆の前で馬車が止まった 騎馬隊もほとんど同時に止まった 側近が、馬車のドアを開けようとしている いつもはバッキンガム宮殿に直行してしまうので、極めて異例だ 国民はざわつき始めた ドアが開き、ベスが姿をあらわした
  国民1「おおっ、美しい!」
  国民2「長生きするもんじゃわい。」
さすがに、辺りの気配を察したのか、その群衆たちも後ろを振り向き驚愕した
  カモ1「げげっ、女王陛下!?」
  カモ2「そっくりさん・・?じゃないです、はい。お許しくださいませです。」その者たちは、うやうやしく帽子を取り拝礼した
  ベス「気にするでない。私はそなたらを咎めるつもりで馬車を止めたのではない。そなたらが私に背を向けてまで、何に夢中になっていたのか知りたいの。」
その群衆たちは罰せられないと知ってほっとしながら質問に答えた
  カモ3「はい、賭け事です。」
ベスは後ろに倒れそうになったが、側近が支えた かろうじて威厳を保つベス
  ベス「賭け事は我が国の歴史でもあります。熱を上げるのは結構ですが程々になさい。」
ベスはふと見上げるとブック・メーカーの看板が目に入った ここは、ブック・メーカーのお店だったのね・・ イギリスは何でも賭け事の対象にしてしまうことで有名だ 今、ブック・メーカーにとって一番のドル箱、それは
  ベス「ねぇ、いま何を賭けの対象にするのが流行っているのかしら?」
  カモ4「そ、それなんですけど、そのせいなんです、陛下に御無礼致しました原因は。」
  ベス「だから何なの?」
  カモ5「近々、ワーテルローで開催される『世界麻雀大会』です。」
  ベス「世界・・麻雀・・大・会・・・。」
側近が店からオッズ表を取ってきて、ベスに渡した ワーテルローに新たな嵐を呼ぶ瞬間だった・・
  
  
72こるしか島の田舎者:2001/04/08(日) 16:16
 ベスはオッズ表を見ておもわず吹き出した ナポがいたからだ
  ベス「なるほど、これは面白そうね。さっ、帰りましょう。」
ベスが馬車に乗ると、馬に当てた鞭の音で、隊列は一糸乱れず行進し始めた 再び、国民たちの喝采が起こった しかし、ベスは手を振ってこたえなかった オッズ表に見入っていたためだ
  ベス(中国1.1倍、フランス1.5倍、日本1.7倍、アメリカ2.1倍・・。ただし、倍率は現時点の情報をもとにしたものであり大いに変動する可能性あり、また、この他にも参加が見込まれる国あり・・。ふーん。)
パカパカパカパカパカ・・・バッキンガム宮殿にようやく到着した すぐさま大広間へ行き女王しか座れない豪華な椅子に腰掛けた
  ベス「あなたたち、このこと知ってたの?」
  重臣1「知ってはいましたが、何も陛下にお知らせするようなことでも無いと判断したまでのことであります。」答えたのはネヴィル・チェンバレンだ。
  ベス「では、あなたのところで情報をストップさせたのね、もう、バカバカバカ。」
  重臣2「陛下がそんなに麻雀に興味がおありとは。初めて知りましたぞ。」と、チャーチル
  ベス「MI6の責任者をここに連れてきなさい。詳しい事が知りたいわ。」
まもなくして、ジェームス・ボンドが現れた
  ボンド「お呼びでしょうか、陛下。」
  ベス「この情報をつかんでたのはいつ頃のことなの?」ワーテルローのオッズ表をボンドにつきつけた
  ボンド「そんな事でございましたか。動きがあってすぐです。私の部下は極めて優秀ですから。」
  ベス「私のところまで上がってこないと仕方がないじゃないのよ!」
  チェンバレン「申し訳ありません。私の一存で、この話は陛下のお耳にに入れない方が宜しいかと判断致しました。」
  ベス「ところで我が国に『大会』への招待状は来てたの?」
  チェンバレン「とっくに来てました。我が国が参加しても意味は無し、と思いまして処分致しました。」
  ベス「処分って、じゃあ、もう無いの?」
  チャーチル「王立図書館の地下倉庫に資料として保管されてませんでしたかな。」
  ベス「すぐに探してらっしゃい!」
  チェン&チャー「は、はい!女王陛下。」二人は赤塚不二夫先生のマンガのように足を渦巻き状にして走り去っていった
  ベス「ボンド、あなたはこの大会のことをもっと詳しく調べるのよ!各国の代表雀士の性格・得意技・弱点。わかったの?」
  ボンド「わかりました。直ちに各国に散っている諜報部員に命じます。」
  ベス「ウェリントンとネルソンを呼びなさい。」
 大英帝国が動き始めた・・

その頃、悟空と徐庶は司馬徽の家の前に来ていた
  徐庶「先生、先生、いらっしゃいますかー?徐庶にございます。」  
73名無しさん@1周年:2001/04/11(水) 13:35
先生!楽しみに拝見してます。
僭越にリクエストですが、モンゴル帝国も加えていただけると
尚面白いかと存じます。
どうするかはお任せしますが。
74こるしか島の田舎者の息子:2001/04/12(木) 21:40
 いつも、父のアホばなしに御付き合い下さり、誠にありがとうございます。父は最近忙しく、みんなに話しができなくなっちゃった、などと申しております。これからは、間隔が開いてしまうかもしれません。しかし父は、語り尽くすんじゃ!、との熱意は変わっておりませんので安心してください。なお、父の書斎で偶然見てしまったのですか、この「大会」には八か国参加するとか。あっ、これは内緒ですよ。残りの三つの枠を楽しみにしていてください。そういえば、次のようにほざいていたなぁ。
おやじ「ネタが浮かばねーよー。ううっ。(涙)」

 という訳で、察してあげてくださいませ。必ず続きますから、ちょっとお休みになるか、はなしが不規則になるか、のいずれかです。これからも、父を相手してやってください。それではみなさん、失礼します。
   僕も時々、ココに来るかも。その時はよろしく!
75世界@名無史さん:2001/04/14(土) 16:00


    彡川川川三三三ミ〜
   川|川/  \|〜 プゥ〜ン    ________________
  ‖|‖ ◎---◎|〜       /
  川川‖    3  ヽ〜     < ボクはバカ、サヨク、ヒキコモリの三重苦!助けて〜
  川川   ∴)д(∴)〜       \____
  川川      〜 /〜
  川川‖ ブタ 〜 /‖
 川川川川___/‖
   /       \__
  /|  |   サ   __
  | |  |    ヨ
  / |  |_ 童貞
 | \__⊃ 租 珍
76世界@名無史さん:2001/04/14(土) 16:05
荒らしをするのにもコピペに頼るしかない哀れな人。
77世界@名無史さん:2001/04/15(日) 03:23
荒らしをするのにもコピペに頼るしかない哀れな人。(同感だ!)
78こるしか島の田舎者:2001/04/15(日) 15:23
 司馬徽の家から童子が現れた
  童子「あっ、これは徐庶さま。お久しぶりです。先生ですか?あいにく、さっき釣りに出かけられました。」
  徐庶「先生はいつもどこで釣りをされてるのじゃ。」
  童子「いつも供をしているわけではないので分かりません。でも、おそらく今夜には戻られると思いますが。お急ぎの御用事でもあるんですか?」
  徐庶「う、うむ・・。仕方がないな。休ませてもらうぞ。あっ、この者はわしの連れじゃ。」
  マチャアキ「よろぴく。」
 
さて、話しは場所が大きく変わります 信長の工作が成功し、毛利・上杉・武田は上洛していた 四人は天皇陛下に拝謁し、みんな仲良くしなさい、との尊い御言葉をいただいた 御所の隣にある相国寺で、戦国大大名四巨頭会談がもたれた 信長は「大会」への招待状を回覧させた 最初に見終わった信玄
 信玄「で?だから?」次に見た謙信
 謙信「こんなことでわしらを呼んだのか!」最後に元就
 元就「ふーむ。面白い異国からの誘いじゃな。」丁寧にたたまれた手紙が信長のもとにかえってきた
 信長「そこで、貴公らを見込んでの頼みじゃが、聞いてくれるか。」
 信玄「聞くだけならな。」外には信玄の誇る武田騎馬軍団三万が控えている
 謙信「内容によってはこの場でおまえを殺す。」同じく外には天下にきこえし越後勢一万八千の紫紺の旗がなびいている
 元就「まあまあ。聞いてやろうではないか。」これまた外には毛利勢が清水への救援二万と自らの軍隊二万、計四万が待機している
 信長「つまりじゃ。わしがあっちへ行って一局やって戻ってくるまで和睦をせぬか?」余りの勝手な言い分に信玄・謙信がズッこけた
 謙信「よくもそんなふざけたことが言えるな。そもそもだな、日本の代表と言えばこの上杉謙信に決まってっだろーが!俺が行くぞ!」信玄がもう一回コケた
 信玄「異議あり。我が武田の家紋、武田菱は麻雀牌四つによって構成されておる。御存知だったかな?ん?すなわち、この信玄こそが行くべきだ。その和照楼とかいうとこにな。ふふ。それまで攻め込むなよ、謙信。」
 謙信「何を申すか!わしは今まで野心を持って戦を起したことはないぞ。小笠原や村上がてめえにカモられ、泣きながらわしにすがって来たから貴様とやりあうことになったんだろーが、ばーかが」
 信玄「・・・きさまぁ!」ピシッ、右手の牌を握り潰した
 謙信「上等だ!なんだったら、ここで川中島やったっていいんだぜ、コラッ!」謙信が卓をひっくり返した
 元就「ああっ、いい役でアガれそうだったのにぃ。何すんじゃわりゃ!」
 信長「各々がた、待たれよ。先ほど天子様よりいただいた御言葉を御忘れか。ましてやここは御所のすぐ近くなるぞ。」
三人は渋々自分の座布団に座り直した
 信長「信玄どの。貴公に駿河・遠江の二州を譲る。これでどーじゃ?」
 信玄「むむむ。そのかわり、貴様が帰ってくるまでだぞ、ならばよかろう。」
ちなみに、この二州は徳川家康の領地だ これが元で『三方が原の戦い』が勃発したのは余りにも知られていない
 信長「元就どの。貴公には・・

                         つづく

   
79こるしか島の田舎者:2001/04/16(月) 00:34
 という感じで何とか一時的にせよ、信長の欧州遠征への国内における環境は整った 信長は早速、巨大な戦艦を建造するよう明智光秀に命じた
  信長「・・というように造るのじゃ。船の外側を鉄の板で覆ってしまうようにな。」
  光秀「ははぁー、光秀、しかと肝に銘じましてございまする。」
  信長「うむ。すぐに取りかかれ。」
戦艦建造に光秀は昼夜を問わず、一心不乱に働いた 彼は生真面目な性格故に、船大工の士気も上がった ただ、今まで造ったことのない構造だったことが、結果として大事を招くことになった 半年かけて建造された戦艦はようやく竣工した 堺港で進水式が行われた
  信長「光秀、でかしたぞ。ほめてつかわす。」
信長は扇を肩に当てながら船を少し離れたところから見ていた
  光秀「ささっ、上様、この綱をお切りくださいませ。これにより、この船は進水致しまする。」
光秀は、赤と白のリボンがついた斧を信長に手渡した
  信長「うむ。これじゃな。ふんっ!」
カンッという高い音が響き、戦艦がゆっくりと進水し始めた 見物していた重臣たちは皆一様に立派な船だと賞賛している そうしている間に船のうしろが海に浸かった そして、船はそのままの角度で海の中に滑り込むように、沈んで消えてしまった 装甲に使った鉄の重さに、船自体の浮力が勝てなかったのだ
  光秀「・・・(絶句)」光秀は背後に恐ろしい視線を感じていた 無論、信長だ 彼が短気ということは誰でも知っている
  信長「誰が浸水式をせよと申した、このうつけが!」ぴしっ、信長の扇子が光秀の額にくい込んだ しばらくして、彼の額から一筋の血が流れた
  信長「貴様は用済みじゃ!」信長は光秀を蹴っ飛ばして愛馬に跨り、京へ帰っていった 光秀は震えていた 一所懸命尽くしたのに、皆精いっぱい・・ なぜ天はかようなまでも、この光秀に辛くあたるのか・・ この瞬間、彼の心の中で或るものがプツッと途切れた・・ 信長は宿と定めている本能寺に向かっていた 光秀の側近も慌てていた 殿、いかがなさいましょうぞ、光秀はとんでもないことを口にするのだった・・

                  つづく
 
   
 
80こるしか島の田舎者:2001/04/17(火) 18:13
 信長は本能寺に到着し、その夜はそのままそこに逗留することにしていた 床に就いた信長 彼は変な夢にうなされていた 何と彼がリンボーダンスをしているのだ 既に信玄・謙信は成功し、暇を持て余したのか相撲を取っている 次は信長の番だ 何でこのわしがかようなことをせねばならんのじゃ? 疑問を抱きつつも原住民に促され、棒をくぐり始める信長 ふんっ、背筋に力を入れる ズンドコ、ズンドコ、太鼓のテンポが速くなる アチチ、両端に松明を付けてる棒を持った原住民のファィヤーダンスによる火の粉が信長にかかった くそっ、ばかばかしい、その時だった、彼は目覚めガバッと起き上がった ところが彼の視界に襖に火矢が刺さっているのが飛び込んできた 何だ、夢の中でさらに夢をみていたのか・・ 信長がもう一度寝床に就こうとした時だった 廊下をドタドタと走る音が聞こえた どーも今宵は落着かんの その時だった
  蘭丸「上様、一大事にございます。謀反にございます!。」謀反の一言が信長を夢から現実の世界に引きづりだした
  信長「謀反じゃと?して、旗印は?」
  蘭丸「光秀めにございまする。」
そうこうしているうちに、いくつもの火矢が寺に刺さり始めた こちらは数十名、敵は一万三千は下らない
  信長「あの小心者めが、逆切れしおって!弓を持て!」
外を見れば、明智の兵がはしごを立てかけ乗り越えてくる 信長は矢を放ち、何人かを射殺した
  信長「蘭丸・・。無念じゃが、わしは腹を切る。決してわしの首を敵に渡すなよ。」そう言い残すと、信長は奥へ消えていった・・

             つづく
81こるしか島の田舎者:2001/04/18(水) 05:26
 信長は奥の間に入ってみたものの、どーも腹を切る気分にならない そんな悠長なことを言ってる場合ではないのだが、何だか脱出できそうな気がするのだ 蘭丸が駆け込んできた
  蘭丸「上様・・。介錯つかまつります・・。」
  信長「まあ待て。ちょっとこの畳をひっくり返してみよ。」
  蘭丸「はぁ?御命令なれば。」蘭丸は持っていた槍を突き刺してめくり上げた 下にみえたのは板張りの床だ
  信長「うーむ、こっちかな?」
  蘭丸「上様、明智の兵が迫っておりまする、御腹をめすなら今しかございませぬぞ!」
  信長「分かっておるわ。ここ、めくってみよ。」蘭丸は、この期におよんで案外未練がましいお人だったんだなぁ、なんてホザきながら、このクソ忙しい時に、なんてブツブツ言いながら、同じ要領でめくってみた するとどうであろう その畳の下に大きな穴が開いている
  蘭丸「ややっ!?これは・・。さすが上様、変事に備えてかようなものを・・。蘭丸、感服致しました。」
  信長「いや、わしは知らぬ。勘じゃよ、勘。下に降りてみよ。」蘭丸は穴に飛び降りた なんと、ずっーと、横穴が開いている
  蘭丸「上様、とりあえずここから逃げられそうですぞ!」
  信長「よしっ、上がってこい。わしの鎧と小判を少しばかり持ってまいれ。逃げるぞ。」蘭丸は信長の鎧を探しにいった さすがの信長も、どーでもよくなったのか『招待状』のことを忘れていた 蘭丸が鎧箱を背負って戻ってきた 二人は穴に飛び降りた
  信長「畳を元の位置に戻せ。」蘭丸が下から畳をずらして、はめこんだ その時だった、明智の兵がなだれこんできた ここにもいないぞ、あっちだ、再び敵兵の声が小さくなっていく
  信長「ふふっ、うまくいきそうじゃな。」信長と蘭丸は横穴を小走りに逃げていった それは不思議な脱出劇だった 真っ暗なはずなのに薄明るい 土の上を走ってるのに妙に軟らかい 果てがありそうでなさそう そんな道だった
  蘭丸「上様、この道はいずれに通じておりましょうや?」
  信長「光秀の屋敷だけはごめんじゃな。」蘭丸がコケた 上様〜、二人は時間旅行し始めていた・・ 二人はいつの時代に登場するのでありましょうや

                 つっこむなよ、つづく      
82こるしか島の田舎者:2001/04/18(水) 18:10
 ここはフランスはパリ、ベルサイユ宮殿、ナポの執務室 久しぶりぶりにナポ登場 ナポの机の上には既決と未決の箱が並べられていたが、既決はからっぽ、未決はバベルの塔と化していた
  テレビ≪ズンズンドンドンドン、ズンズンドンドンドン、♪星の中のすーばるー 砂の中のぎーんがー≫
  ナポ「おっ、始まったか。」ナポは手を休めてテレビの前に座り直した ナポはこの番組が好きなのだ ベルサイユ宮殿の屋根にはBSアンテナが設置してあるのだ さすがにNHKのオバチャンもフランスまで徴収にやってこない ただ単にナポが放置されているだけかもしれないが・・
  クボジュン≪ぷろじぇくとせくーす、屁たれたち 今夜の屁たれは明智光秀さんです。≫ナポは椅子ごと真後ろにひっくり返った 椅子を元に戻し、ゆっくり立ち上がるナポ アホか、このおんな・・
  国井≪ええー、ぷろじぇくとえくーす、挑戦者たち、ですね、ハイ(汗)。≫
  クボジュン≪はい、ぷろじぇくとえくーすです。≫
  ナポ「明智光秀といえば主を裏切った奴だな。ふんっ。」
  クボジュン≪光秀さんは本能寺で、信長さんを殺しちゃいます。そうして天下を取りました。≫
  国井≪はい、しかし、光秀の天下は長く続かなかったんですね。≫
  クボジュン≪そこで、本能寺の変を今夜は詳しくブラッシュ・アップ!≫
  国井≪・・・(絶句)≫
  クボジュン≪では、VTRを屁たれに一緒に見ていただきましょう、光秀さん、どーぞ。≫
  国井≪ゲストに見ていただく訳ですね、ハイ(汗)。≫光秀がスタジオに入って来た こいつが明智光秀か・・
  クボジュン≪どーして光秀さんは信長さんを殺ったんですか?≫
  光秀≪理由は上様の怒りをかってしまったからです。あのままでは確実に失脚、悪くて切腹でした。それで、上様を襲ったのですが、歴史に対する事実誤認が一つあります。確かに本能寺で上様を襲いました。しかし、上様の御遺体を見つけることが出来なかったのです。私は殺してません。≫
  国井≪そういう事はよくあることでは。切腹したあと、小姓がどこかに埋めたのでは。≫
  光秀≪小姓といえば森蘭丸ですが、奴の死体も見つかりませんでした。絶対脱出不可能な状態だったんですが。≫
  クボジュン≪では、どーして安土城に放火したんですか?≫
  光秀≪安土城は雀荘としても機能していまして、私は随分ツケが溜まっていました。放火して借用証書を焼失させたかったからです。≫
  ナポ(いい方法だな・・。メモメモ。)
  クボジュン≪つまり、光秀さんは信長さんがまだ生きてると、そーいうことですね?≫
  光秀≪少なくとも私は上様の御命を頂戴しようとしましたが、果たせませんでした。≫
  国井≪この後、同じく信長の家臣である羽柴秀吉と山崎で戦い、敗れてしまいます。最後は土民に竹槍で刺されたそーですが。≫
  光秀≪痛かったっす。≫
  ナポ「屁たれどもめ・・。」

                   つづく   
 
 
 
 
 
 
   
  
83こるしか島の田舎者:2001/04/18(水) 22:51
  クボジュン≪と、言うことで、信長さんは生きているようです。≫
  ナポ「信長・・。ジャポンの中世の人間だな。生きてたらいくつだよ、ゲラゲラ(涙)。」
  国井≪次週のぷろじぇくとえくーすは今回の後編です。≫
  クボジュン≪はい、信長さんは或る時代にひょっこり登場するんです。≫
  光秀≪ええっー!。≫
  クボジュン≪それでは、来週のぷろじぇくとせくーすの予告です。≫
  国井≪ぷろじぇくとえくーす、ですね、ハイ(汗)。≫
  トモロオ≪信長が現れた時代は、日本も大荒れに荒れていた時代だった。スーパーマイルドシャンプーが変わりました。≫
  ナポ「はぁ?」
  テレビ≪♪ら〜りらら〜、り〜ららり〜らら〜、アーホはー直らーないー。≫
  ナポ「くだらねぇ。ふんっ。」プツッ、テレビを消した いかなる権力者にも失脚してしまう可能性はある 少しは真面目に仕事をするか その日はちゃんと仕事をしてさっさと寝たナポだったとさ

                   つづく
84お約束:2001/04/19(木) 02:24
クボジュン、萌え〜。
85こるしか島の田舎者:2001/04/19(木) 19:11
 そんなこんなで、昨夜はさっさと寝たナポ おかげで珍しく早起きしてしまった
  ナポ「ふぁ〜あ・・。んー、よく寝た。」
ベッドから起き上がり、ふらふら歩いてコケ、机の角で頭を打った
  ナポ「ほげー、ほげー、いてぇーよー。」
そんな雄たけびにもかかわらず、大きな部屋にはナポしかいない 寝室だから当然か ナポの一人漫才が終わりかけた頃、彼の耳に聞きなれた声が聞こえた ナポはドアに張り付き声を潜めて聞き耳を立てた
  アトス「今日さー、宮殿前にコンビニできるじゃん。」
  ポルトス「ああ、ゲロゲロセブンだろ。俺、ここの食堂飽きちゃったからちょうどいいや。」
  アトス「俺的にはセブンイレブンが来て欲しかったよなぁ。やっぱ、弁当うまいもん。」
  アラミス「弁当ならサンクスもいけるぞ。」
  ポルトス「でもさー、ゲロゲロセブンって初めて聞く名前だぜ。知ってた?」
  二人「全然。どこがやってんだろー。」
彼の就寝時には、あの日(>>38)以来、24時間体制で三銃士が身辺警護に当たっている ナポの世話は予想以上に疲れるのでもう一人増員してほしい、と蔵相コルベールに泣き付いているとこだった
  ナポ(何の話しだ・・。出走場の名前か?)
ふと窓の外を見る 宮殿の門の前が賑やかだ なんだろう・・
  店長「はい、本日オープンでございまーす。宮殿にお勤めの方、お昼はゲロゲロセブンのお弁当をよろしく!はい、クーポン券です。」
店長がクーポン券を宮殿に出仕してきた人たちに渡している もう少し遠くを見ると、『あなたもカモ・きみもカモ、みんなカモカモ、ゲロゲロセブン』と看板のついたお店が立っている うーむ、あんなとこに店が アイツらあの店の話しをしてたのか・・ 急激に好奇心が湧いてきた ナポは服を着替えて鏡の前でいでたちを整え、ドアを開けた
  ポルトス「のわー、陛下っー!」
まさかこんなに規則正しく起床するとは思わなかったポルトスはドアにもたれていたのだった 下敷きになったナポ
  ナポ「ばかたれ、早くどけっ。」
  一同「おはようございます、陛下。」
  ナポ「うむ。ところで、わしも連れてけ。その何とかセブンという店へ。」
  アトス(お連れすると何をされるか分からぬ・・。)
ナポは既にポケットの中の小銭をジャラジャラいわせて、行く気マンマンだった・・
   
                つづく
86こるしか島の田舎者:2001/04/20(金) 19:29
  アトス「あんなところはそもそも皇帝陛下のような方が行かれるところではありません。」
  ナポ「いかにも。行ったことない。だから行ってみたい。何がおいてあるのだ?」
  アラミス「何でもおいてあります、陛下。」何でも、に目を輝かせるナポ
  ナポ「船券も買えるのか?だっだらトラファルガーまで行かなくて済むな。ついでにオケラになった時の心配もしなくて済む。」三銃士が両足を天井に向けてひっくり返った
  ポルトス「何でもというのは、我々一般人にとって身近なものが何でもおいてあるという意味であります。」
  アトス「そもそも、宮殿から気軽にお出かけになられては困ります。」
  ナポ「わかった。行かないことにした。さがってよいぞ。」三人はホッとした表情を浮かべ、一礼して去っていった ふふふ、この俺がそう簡単にわかるとでも思うのか?あん? ナポは三人が視界から消えたことを確認すると、自分の部屋のカーテンの中に隠していた長い竹竿を取り出した よしっ、行くぜっ 竹竿を肩にかついで廊下を走る スタタタタタッ おっと、危ねぇ
  コルベール「我が国の財政状態はまあまあですなぁ。」
  タレーラン「外交関係はボロボロですなぁ。」重臣たちが歩いてくる ナポはすぐそばの給湯室に隠れ二人をやり過ごした そんなこんなで何とか宮殿の門の近くまで来たナポ 衛兵に見つかるとチクられちまう ナポはとりあえず裏に回った やはりそうか・・。リシュリューめ、塞いでやがる 例の騒動を機会にナポの脱出ルートが洗いざらい調べられ、この抜け穴が特定されていたのだ 今はセメントで固められている ちなみにこの抜け穴はナポの他には、どらネコくらいしか使っていなかったらしい(涙) ふふっ、俺の方が一枚上だな・・ ナポは持ってきた竹竿を槍投げのように担いで、棒高跳びの要領で助走を始めた スタタタタタッ、ふんっ、おしっ、あばよっー! スタッ 上手く宮殿の塀の外に出ることに成功したナポ 竹竿を捨ててスキップしながら、コンビニに向かった ところで、このコンビニだが・・
  バイト「てんちょー、伝書鳩です。」
  店長「さんきゅー、手紙外して逃がしてやって。」店長はクーポン券を持ったまま、店の奥に消えていった 表情が接客業の顔から、凄腕スパイの顔に変わっていた コンビニの名前は『ゲロゲロセブン』なのだ 既に大英帝国が動いていたのだ 自らトラップに突っ込まんとするナポだった・・

                        つづく、カモ
 
87こるしか島の田舎者:2001/04/23(月) 18:14
 はぁー、開店日は疲れるねぇ なんてぬかしながら「店長」は奥の部屋で腰掛けた 手紙を開く・・
  [さっさとフランスを調べて報告してよ、スカタン。首ちょんぎっちゃうわよ。 ベス]
はいはい、今やってるとこですよー 店長ことジェームス・ボンドはボヤきながら缶コーヒーBESSを飲んだ あらかじめ用意しておいたフランスの資料に目を通す ナポレオンか・・ どんな顔しているんだろ 肖像画どおりだといいんだが いつの間にやらヨーロッパを支配しやがって コイツ、相当なタマだぞ 用心してかからねば ボンドは関係者専用裏口から外へ出て一服しながら、ベルサイユ宮殿を眺めた・・
  ナポ「ごめんよ。」
  バイト「いらっしゃいませ。」
ここがコンビニとやらかぁ 入り口付近に置いてある『競艇セブン』が視界に入った ナポは目を輝かせた おー、さっそくゲット 待てよ、立ち読みするかぁ ♪ふんふん〜
  ボンド「さてと、仕事に戻るか。」ボンドはたばこの始末をすると店に戻って行った・・

ちょうどその頃?、日本は大坂港で或る男がイライラしながら戦艦の上で主の帰還を待っていた
  榎本「将軍様はまだ御見えになられぬか。」
  家臣「今しばらく!もう少しでございます。既にこちらに参られておる由にございます。」
  榎本「薩長に追いつかれたらことだな・・。」双眼鏡で再び遠くを眺める
日本は永らく徳川雀府が支配していたのだが、暴れん坊のギャンブラー薩長が勝手な行動をとりだし、シマ全部よこせとばかりについにケンカをふっかけてきたのだ 第十五代将軍徳川慶喜は鳥羽・伏見でドンパチしたものの火力に優る薩長に大敗し、泣きながら大坂に向かっているところだった もはや徳川の威光は地に落ちた おまけに朝敵のレッテルも貼られそうである ところで大坂で慶喜の帰還を待っている船だが、この船こそ雀府がオランダに発注して建艦させた圧倒的戦闘能力を誇る戦艦、『開陽丸』だった 今後、慶喜をはじめ様々な人材を乗せ大航海に出発することになるのである!!

                   つづく      
88こるしか島の田舎者:2001/04/24(火) 20:03
  榎本「むむっ!あの旗印は・・、葵の御紋じゃ!ようやく参られたか。」
双眼鏡で眺めていた方向から大勢のものが近づいてきた 間違いなく雀府軍だった 負傷兵も沢山いるようだ
  榎本「ボートをだして早く将軍様を御乗せせよ!」
開陽丸からそして港側からも小さなボートが出され、船と陸とを何回となく往復した 縄梯子を使って徳川慶喜が乗船してきた
  慶喜「武揚、江戸へ出航せよ。」
  榎本「はっ!」
開陽丸の蒸気機関がフル稼動し始めた なお、この船には京都雀荘守護職松平容保や、雀撰組局長近藤勇をはじめ土方・芹沢・沖田ら猛者が乗り込んでいた・・ 慶喜ら一行が江戸に向かっていた頃、越後のとある場所の沖に浮かぶ船で或る男が国籍不明の「死の商人」と商談していた・・
  商人「コレハ、マジデ、スンゴイ武器デース。サッチョー、バタバタ、アノヨイキデス。」
  ??「実物を見せてもらわねば何とも言えぬ。」どうやらこの男は雀府側らしい 傍らに千両箱を用意してある
  商人「イイデショウ。ツイテキナサイ。ミセマス。」二人は商談をしていた船の下にある船倉に降りていった それは大きな木箱で梱包されてあった 商人の合図で部下が、木箱を開けた 油紙で覆われている・・
  商人「コレナンデス、オミセシタカッタノハ。ジャーン!」商人は誇らしげに、包み紙を剥ぎ取った 姿を現したのは簀巻きだった
  ??「鉄製の簀巻きか・・。あばよ。」商人がひっくり返った イタタタ
  商人「スマキ?テッポウデス。ソレモ、スンゲーヤツデス。」部下を促し甲板に持って上げさせ、対岸に揚陸させ、装弾させた 簀巻き?の横にはハンドルが付いている・・
  商人「ドレヲ、ウッテミマショーカ?」尋ねられた男は話半分の態度で、ちょっと離れたところの砂浜に植わってある松の木を指差した
  商人「オーライッ!」ハンドルを握り回し始めた
カチャン、ババババババババプキュプキュバババババプキュン、プキュプキュンッ・・ バリバリっ 松の木が粉々に砕け散った 余りの破壊力に驚き、言葉も出ないその男 表情を見た商人は自慢気にハンドルを回し続けた・・ プキュンプキュンババババプキュプキュプキュプキュプキュプキュンッ・・ 辺り一面に煙硝の匂いが漂った
  ??「買った!して、いか程じゃ!」
  商人「チョット、オタカイデスヨー、カワイサマ。」 
その男が鉄製の簀巻きと勘違いしたこの恐るべき兵器は回転式連発銃、『ガトリング砲』だった そして千両箱を抱きかかえ購入を決意したその男こそ、長岡藩筆頭家老河井継之助であった  
89こるしか島の田舎者:2001/04/24(火) 20:08
            つづく、を忘れた
90こるしか島の田舎者:2001/04/24(火) 23:44
そんな風雲急を告げる日本とは対照的に、ここおふらんすのパリは木漏れ日の陽気の中、お気楽な時間が流れていた・・
  バイト「てんちょー、あのオヤジ立ち読み二時間はしてますよ。」
  ボンド「どーせ、屁たれだろ。ほっとけ。一応、コンビニ強盗には気を付けろよ。」
ボンドは本棚に近づき、きちんと雑誌を並べはじめた 普通、近くで店員にこんなことされると気まずくなり、立ち読みを止めるのがまともなのだが・・
  ナポ「おっ、御苦労。下がってよい。」と、ホザいてしまった
  ボンド(下がってよいだと?何様のつもりだ、この屁たれが!)
挙げ句の果てには、ボンドがきちんと並べる片っ端からナポが立ち読みしてゴチャゴチャにしていく
  ボンド「お客さん、お弁当とかいかがですか?」さすがにたまりかねた
初めて迷惑客の顔を見据えるボンド いらねぇー ナポは一瞥もくれない あん? ボンドが何かに気づいた瞬間だった・・ その頃、皇帝ナポレオン陛下がまたまた御忍びで宮殿を脱出したことが判明し、ベルサイユ宮殿は大騒ぎになっていた
  リシュリュー「その方たち、三人もおって何をしておったのか!」
  アトス「面目ありません。信じた我らが馬鹿でした。もとい、私たちの落度にございます。」
  リシュリュー「すぐに三つの部隊を連れて、陛下を探してまいれ!」
  アラミス「はっ!すぐに王宮警護兵を連れて必ずや!」
  ポルトス「おそらく競艇場でございましょう。すぐに見つかると思います。」三銃士はその場を立ち去って行った
  リシュリュー(もう一人くらい、腕の立つ奴が欲しい・・。)
リシュリューはハローワークに求人票を出すことを考えていた 第一小隊はこっちだ! 第二小隊は・・ 宮殿の門から次々と兵士が散っていく ナポは立ち読みしてうつむいていたため、全然気づかない おまけにそれは探す側からしても灯台元暗しといった結果を招いたのだった
  ナポ「あーあ、ちょっと疲れたなぁ。」ナポは缶コーヒー『どーあじは?』を持ってカウンターに向かった
  ボンド「ありがとうございます。ところでお客様、誰かに似てないって言われませんか?」

                 つづく、といいね
91読者:2001/04/26(木) 16:57
先生、続きを楽しみにしています
リシリューの下に三銃士が付いてるのが良いです、ハイ
92こるしか島の田舎者:2001/04/26(木) 20:48
(ギクッ・・。まさかここはリシュリューのトラップか?だったらバレてんだからしょーがねー。)
  ナポ「知ってたのか。だったら早く言ってくれればよいものを・・。そんでもってここは福利厚生か?」
  ボンド「はぁ?この顔にピント来たら110番のポスターに出てた屁たれに似てませんかっつってんだよ、ゴラッ」
ボンドはここ数日の開店準備よろしく諜報活動の拠点を築き疲れつつも、ようやくナポレオンの調査開始と思っていたところ、この男に初日からかきまわされて逆切れしたのだった ボンドはこの男がまさかナポだとは全く気づいていない
  ナポ(あん?我がフランス国民が俺を屁たれ呼ばわりするか?コイツ変だぞ。頭が。)
  ナポ「貴様、本当ならギロチンだがお忍びゆえ許してつかわす。」
ナポはそう言うと、ひょいっとジャンプしながら回転してカウンターに座り、ボンドにケツを向けた 『どーあじは?』のクルトップを開け飲み始めた・・ ふぅ〜
  ボンド(お忍びだと?脱獄中じゃねえのかバスチーユからのよぉ、あん?)
  ボンド「出て行けよ、そこ、すわるとこじゃねーよー、ばーか。」
  ナポ「んだとー俺様が皇帝だと知っての暴言だろうな!」
ナポは一気に飲み干すと空缶をボンドに投げつけた カンッ、いてぇー ボンドがカウンターの下にあるヌンチャクに手をやった
  ボンド「ぷぷぷ。アンタがかの偉大なるナポレオン皇帝陛下だって?ゲラゲラ(涙」
ナポはここで初めて自分が誰なのか相手が分かっていないことに気が付いた そういえば我が領民で俺様の顔、拝んだことない奴の方が圧倒的に多いもんなー という事は、このままお忍び続行できちゃうのかぁ、わくわく それに、さっきのあるフレーズがナポの自尊心をくすぐっていた 逆手に取り始めるナポ
  ナポ「悪かった、店長。アンタが大将。俺は大元帥かつ大勲位の屁たれだよ。ところでやっぱ、われらが皇帝、ナポレオン陛下は凄いお人だよなぁ。」ナポはカウンターから降りて、両肘つきながらボンドに相づちを求めた
  ボンド「そーだろーね。ヨーロッパの支配者でいらっしゃるからね。分かったから、あばよ。」
  ナポ「そのうちイギリスもいただいちゃうのは時間の問題だよね。ぷぷっ。イギリス、あほしかいないもん。」そばにある栗羊羹を勝手に食べ始めている イギリスがあほだとぉ?許せん!
カウンターを挟んで一触即発の雰囲気の中、三銃士が各々部下を連れて宮殿前に集まった
  アトス「いらっしゃったか?」二人とも首を横に振った・・ すぐそこにいらっしゃるのに・・ 再び三方向に散って行く
  ボンド「でも大きな声では言ねえけどよぉ、トラファルガーでは、けちょんけちょんにやられたろーが。」ぷつっ、今度はナポが切れた・・

             つづく
93こるしか島の田舎者:2001/04/27(金) 20:25
ナポ「おめぇー、ほんとにフランス人か!あん!」思わずサーベルに手をかけた その分、マントがめくられボンドの視界にもサーベルが映った コイツ、やっぱりコンビニ強盗だったのか・・ しかし、それにしちゃー、どえらくいいサーベルもってやがる ・・これも盗んだのか、屁たれめが
  ボンド「フ、フランス人だよ!それより強盗はやめろ。脱獄中なんだろ?それに相手が悪いぞ。」ヌンチャクを取り出し、右・左と持ち替え振り回し始めた けなげにも自分の口で、ヒュッ、ヒュッなんて効果音を出している 拍子抜けするナポ
  ナポ「ギャハハハハハハハハハ(涙)。」例の腹巻きを押さえながらそのまま床に転がり、のたうちまわるナポ くるしーよー、たすけてー、ギャハハハ イギリス紳士の気高い自尊心をナポの馬鹿笑いがコナゴナに打ち砕いた
  ボンド「てめえ、ぶっ殺す!」殺す、の言葉に反射して起き上がるナポ
  ナポ「上等だ!やれんのか、ゴラッ!」ナポもついに抜刀してしまった コンビニはどの店もガラス張りである この二人のボケとツッコミは残念ながら?外には聞こえていないが、動きは丸見えだ カウンターを挟んでかたやサーベルを振りかざし、かたやヌンチャクを振り回しているのだ そもそもここは宮殿の門の前だ もう少しで第二次百年戦争勃発という時、この騒ぎに衛兵が気づいた 隊長クラスの人間がツカツカと店に歩いて来る・・
  ボンド(ヤベっ、あれだけ苦労してせっかく営業許可をもらったのに。ここは勘弁してやるか。)
  ナポ(ヤベっ、見つかっちまう。あのクラスだと俺だとわかっちまう。ここは勘弁してやるか。)
そんな様々な思惑が交錯・倒錯している内に、隊長が店に入ってきた・・
  隊長「何やってるんだ!ここがどこか分かってんのか!」
慌ててナポは関係者以外立ち入り禁止のドアを開けて中に消えていった ボンドが別の意味で慌てた その部屋にはフランス関連の資料が収められているからだ ちょっと待たんかい、われ! ボンドもナポに続いてその部屋に消えて行く 逃げやがったな、よっぽど後ろめたいことをしていたに違いない 隊長も二人に続く・・

          んで、この話もつづく
94こるしか島の田舎者の息子:2001/04/27(金) 20:34
みなさん、お久しぶりです。父はこのゴールデンウイークにバカンスに出かけました。約一週間程、おはなしをすることができないそうです。でも、必ず続きますから、どうかその時は父を相手してやってください。それでは失礼します。みなさんも良い休日を!
95カウニッツ:2001/04/30(月) 19:52
本当っすか?じゃあ、下がりすぎないようにしときますです。。。
96世界@名無史さん:2001/05/01(火) 16:46
A。G。E。
97世界@名無史さん:2001/05/02(水) 23:23
危ね〜!
98こるしか島の田舎者(ニセ):2001/05/03(木) 01:47
ニセ者参上! 下がりすぎないよう、協力する所存
99世界@名無史さん:2001/05/03(木) 21:26
98 名前:こるしか島の田舎者(ニセ)投稿日:2001/05/03(木) 01:47
ニセ者参上! 下がりすぎないよう、協力する所存
100こるしか島の田舎者の息子:2001/05/03(木) 22:47
みなさん、ご協力ありがとうございます。父は明日くらいに帰ってくるそうです。疲れてなければ、おはなしのつづきをするとか。もう少し待ってあげてくださいね。では、お休みなさい。
101こるしか島の田舎者:2001/05/04(金) 21:17
いやいや待たせたな。めんご、めんご、それ死語。いつものところに今夜10時頃、みんな集合じゃぞ!
102こるしか島の田舎者:2001/05/04(金) 21:58
ナポが駆け込んだ部屋は素人目には倉庫に映った 実際に様々な商品の箱が積まれている 更に出口を探すナポ そうこうしているうちにボンドが駆け込んできた 慌てて隅の机の上のものを引き出しにしまい鍵をかけた ホッ その時隊長が入ってきた
  隊長「貴様ら、真っ昼間から武器を振り回し何事だ!」
ナポはすぐに直立不動で頭を垂れてうつむいた 無論、顔を見られたくないからだ ボンドも同じ姿勢をとった こっちの理由は営業許可を取り消されたくないので、下手に出た方が良いとの判断からだ 動機は違うものの二人仲良く並んで神妙な態度で立っている 隊長が二人に説教を始めようとした時だった 大きなソーセージがぶら下がっているのが隊長の目にとまった ソーセージ、つまり腸詰である ソーセージといえばつい数センチのものを想像しがちだが、ねじり方と詰め込み具合で様々なものがある 隊長が見つけたのは、ひとつ約30センチ・太さ約5センチ程のものである いくつもつながって天井からぶら下がっている 隊長はひとつねじって右手に取った そして、まるで警棒のようにペシペシと自分の左の手のひらを何度か叩いた
  隊長「いいか、そもそもだなぁ、ここは宮殿の前だぞ。分かってんのか、このばかたれが!」ペシッ、ボンドがソーセージで頭を殴られた す、すんません
  ナポ(次は俺の番か?)
  隊長「ナポレオン皇帝陛下の御住まいなるぞ、このあほたれが!」ペシッ、ナポが同じようにやられた あのー、俺、そのナポレオンなんすっけどー かみつきたいところだが、御忍び中だ うつむいたまま耐えるナポ その後も交互に、ぺシッ、ぺシッっと何度も二人は殴られた その時の二人の心境だが・・
  ボンド(これも任務遂行の内と思えば致し方ない。屁たれのおかげで初日から散々だぜ。)と大局的見地に立って耐えた
  ナポ(一回、二回、三回、四回・・)と正の字を心の中で書いていた
  隊長「わかったな。とりあえず、今日のところはこれで許してやる。」隊長がようやく去っていった その姿が消えるのを確認したふたり・・
  ナポ「どーしてここは出口がないんだよ!おかげでボコボコだろうが、あん?」
  ボンド「そもそもここは客が入っていいとこじゃねーんだよ!もう沢山だ!出て行け!」
  ナポ「言われなくとも出ていってやらぁ!二度と来てやんないからな!」
ナポは捨てぜりふを残してスタスタ街に消えていった どっと疲れを感じるボンド
  ボンド「おいっ、ちょっと!」
  バイト「はい、てんちょー、何ですか?」
  ボンド「悪いが少し横になりたい。あの客、とんでもない屁たれでな。」
  バイト「てんちょー、ここんとこずっと働きっぱなしでしたもんね。いいですよ。」
ボンドは奥の部屋で横になった ナポとボンド お互いに相手を知らないまま戦いは幕を閉じた
  ナポ「あのクソおやじ、営業停止一週間にしてやる、ふんっ。」元気ピンピンで歓楽街に消えていく
フランスVSイギリスの緒戦はフランスが勝利を収めた?のだった

                 つづく
103カウニッツ:2001/05/05(土) 01:10
遅れましてスンマソン!集合完了しました!
104世界@名無史さん:2001/05/05(土) 03:44
more story please
105こるしか島の田舎者:2001/05/05(土) 21:56
ナポがふんぞり返ってパリの街を闊歩していたころ、日本では・・・
  榎本「将軍様、江戸にございます。」
大坂を出航して数日後、開陽丸は江戸に到着した 慶喜はすぐに江戸城に入った もはや、これまでか・・ 大広間で重臣たちと評定を開いた
  勝 「残念ながら徳川の世は終わりました。戦で江戸を火の海にしてはなりませぬ。殿、御覚悟を。」勝海舟は無血開城を提案した
  慶喜「うむ。ただ、神君家康公に申し訳がたたぬ。」
  小栗「まだ、負けが決まった訳ではござらぬ。軍資金もたっぷりございまする。戦いましょう!」参謀の小栗忠順は主戦派だ
  慶喜「うーむ。今しばらく考えさせてくれ。」
慶喜は奥の自分の部屋に消えていった・・ 早馬の知らせによると、慶喜は朝敵とされたらしい 薩長の東征が始まった 馬に乗ってるある程度位の高い指揮官は茶髪のズラをかぶって中学生の詰め襟の制服を着ている そんな情報が断続的にもたらされてくるのだった そもそも慶喜は雀政奉還により、全ての雀荘からのアガリを朝廷に御返しする手続きをとったのに、そりゃねーだろがよ

ところで同じ日本でも少し場所が違う、ここ信州は小諸 いつものメンバーがいつもの決まり文句を吐いていた
  角さん「この紋所が目に入らぬか!畏れ多くも先の中納言、水戸光圀公であらせられるぞ!頭が高い、ひかえぃひかえおろぅー!」
  ワル代官「はっ、ははー。」
  光圀「そなた、越後屋と結託し民百姓をカモった罪、許し難い。この場で腹を切れ!」
  ワル代官「くっ、くそっ!ええい、今時葵の印篭をかさに着る時代錯誤のボケ老人だ!斬ってよし!」ワル代官の手下が一斉に刀を抜いた
  助さん(何かいつもと違うなぁ。)
  光圀「助さん・角さん!フクロにしちゃいなさい!」
おりゃー、ボコッ(角さんパンチ)、ふんっ、ピシッ(助さんチョップ)、えいっ(由美かおるのハイキック)、ひぇ〜(八兵衛の逃げ惑う叫び)、ボコボコッ(飛猿のマグナムパンチ)・・ 数分でたちまちケリがついた ワル代官は、もはやこれまで、とばかり腹を切った 一件落着だ 次の日、御老公一行は小諸を後にしようとしていた
  民1「まさか御老公とは気づきませんで、とんだ御無礼をいたしました。ありがとうございました。」
  民2「これであっしらも安心して暮らしていけますだ。」
  光圀「うむ。みな達者でな。それでは助さん・角さん、参りますかな。」
  助&角「はっ。」
もはや、徳川の威光は無いものと考えねば これも時代の流れというものか・・ 光圀は滅び行く雀府の行方が気になった 一行が歩き始めた時だった 向こうから風車の矢七が走ってきた
  矢七「将軍様は江戸城を薩長に引き渡すと御決めになりやした。薩長も将軍様の御命を頂戴する事は無いとか。しかし、江戸は主戦派のものが勝手な行動をとっており物騒な雰囲気ですぜ。」
  光圀「して、慶喜殿はどーされるおつもりなのじゃ?」
  矢七「江戸に留まるおつもりらしいんですが、榎本様が戦艦に乗って共に戦って欲しいと願い出ているとか。あと、小栗様も御金蔵からありったけの小判を集めて薩長に渡らぬよう動いてらっしゃるとか。」
  光圀「東国諸藩の動きはどーじゃな?」
  矢七「仙台藩の伊達様を盟主とし、奥羽越列藩同盟なるものを作り、薩長に対して徹底抗戦の構えとか。」
  近くの大きな石に座り、しばらく考え込む そして、ふと思い付いたように言い放った
  光圀「江戸に参りましょう。慶喜殿と話がしたい。急ぎますぞ。矢七、そなたは一足先に行って、わしが御会いしたいと申しておる旨、慶喜殿に伝えてくれ。」
  矢七「へいっ。わかりやした。しかとお伝えしてまいりやす!」
こうして、御老公一行は日本漫遊の旅を取り止め、急遽江戸に向かったのだった 
 
                     つづく
106こるしか島の田舎者:2001/05/05(土) 22:02
どれくらい喋ったら「省略される」んじゃい!無礼な!
107世界@名無史さん:2001/05/05(土) 22:13
>>106
ふぉっ ふぉっ ふぉっ。
なにを苛立っておられるのじゃ。特定板を除けば、2chはどこも30行
で省略じゃよ。知らなんだのか、おぬし。
しかし、これは力作じゃのぅ。続きを楽しみにしておりますぞ。
108こるしか島の田舎者:2001/05/06(日) 16:17
>>107
知らなんだわい。さんくす。皆の衆、今夜10時頃、いつもの場所に来てくれ。
109こるしか島の田舎者:2001/05/06(日) 22:09
慶喜は開城を選んだのだった 民を戦火に巻き込みとうない・・ 慶喜は薩長への城明け渡しに備えて、自分の持ち物を整理し始めた とはいえ膨大な数である 側仕えのものがバタバタと物を運び出している そんな中、慶喜は自分の部屋にある戸棚を開け、ある木箱を取り出した 漆塗りの豪華なものである もちろん葵の紋が入っている 実はこの木箱は家康の代から将軍に引き継がれてきた物なのだ 慶喜は畳に座り、中を開けた それは例の異国からの世界麻雀大会への招待状だった そう、信長が本能寺脱出の際、置き忘れた物だが運良く焼失を免れ、秀吉の手に渡ったのだった 麻雀好きな秀吉は、我こそ日本代表とばかり参戦しようとして、ワーテルローへの道を開くためにあの朝鮮出兵を行ったのだった それが失敗し、時代が徳川にうつり、こうして慶喜のもとに回りまわってきたのだった
  慶喜「わしも、いってみたいなぁ。おもしろそうだもんなぁ。この際、将軍職はどーでもいーや。」
実は慶喜、こう見えても麻雀、結構強いのだ
  旗本「上様、榎本様が是非、開陽丸に御乗りしていただきたいとのこと。いかがいたしますか?」
  慶喜「うーむ、あの船なら異国の地にも行けるだろうな。オランダから来たんだし。」
  旗本「はぁ?」
もはや、日本にわしの居場所はない ならば異国に出向くのもこれまた一興というものじゃ 古くは源実朝と同じ心境じゃわい・・
  慶喜「よしっ、わしも開陽丸に乗るぞ。そう武揚に伝えよ。ところで小栗は金を集めたか?」
  旗本「はい。只今、御指図をお待ちしておられますが、いかがとりはからいましょうか?」
  慶喜「開陽丸に載せよ。」
  旗本「ははっ。」
再び一人となった慶喜は今一度、招待状を読み返していた と、その時だ 天井の一番隅の板がずずっと開いた
  矢七「ごめんなすって、慶喜様。」

              つづく
110世界@名無史さん:2001/05/08(火) 23:55
危ない!
111異邦人さん:2001/05/09(水) 12:40
続きが読みたい……。
112こるしか島の田舎者:2001/05/09(水) 22:51
  慶喜「何やつじゃ!」床の間に飾ってある刀に手をやる
  矢七「怪しい者じゃございやせん。」
  慶喜「普通に玄関から入ってくるならともかく、いきなり天井から顔を出しておきながら、怪しくない者だ、と言われても信用できるか、バーロー。」刀を抜いた
光圀はこういった展開になるだろうと予想していたので、あらかじめ矢七が自分の忠義の家臣であることを含めて、江戸にて会いたい旨の書状をしたため矢七に預けておいた
  矢七「おっしゃるとおりで。あっしは徳川光圀様の者にございやす。とりあえず、これを御覧くださいまし。」矢七は畳に飛び降りた 光圀の名を聞き、刀の切先が矢七から外れた
  慶喜「なに?御老公のものじゃと?」
慶喜は怪訝そうな顔をしたまま矢七から書状を受け取った ささっ、矢七は敵意が無いことを証明するため、部屋の一番端っこに下がり控えた 慶喜は刀を鞘に納めた どれどれ・・ おおっ、この花押はまさしく御老公のもの・・
  光圀『慶喜殿、お元気かな。水戸の隠居じじいじゃ。さて、わしの耳にしたところによるとそなた薩長に城を明け渡すそうじゃな。心中察して余りあるがこれも致し方の無いことじゃ。江戸を戦火にさらしてはなりませんぞ。ところで、わしは、信州の小諸におる。久々に慶喜殿の顔を見たいので江戸に参る所存じゃ。その時はよろしく頼むぞ。光圀』
  慶喜「うーむ、左様であったか。しかし困ったな。実はわしはすぐに江戸を離れることにしておる。無礼じゃが小諸からでは御老公の足では間に合わぬ。」書状を元に戻す そんな時だった
  小栗「上様、御金蔵から積めるだけ船に載せました。はんっ、何者!」
  慶喜「安心せよ、敵ではない。聞いたであろう。わしはとりあえず船で仙台にでもゆく。残念じゃが御老公には会えぬ。」
  小栗「上様、何事でございまするか?差し支えなければこの忠順、承りとう存じます。それがしの浅知恵がお役に立てるやもしれませぬ。」慶喜は書状を小栗に見せた 彼は一読して恭しく慶喜に渡した
  小栗「上様、仙台に行かれた後はどのようになさいまするか?」
うーん、麻雀するために異国に行く、なんて言ったらさすがに小栗もコケるだろうな しかし、いつかは言わねばならんし・・ この際、言っとくか
  慶喜「小栗よ、そなた、わしとともにどこまでも、どこにでもついて来てくれるか?」
  小栗「これは御無体な。この忠順、たとえ火の中水の中、お供する所存にございまする。」
  慶喜「・・・(汗)。雀荘に行く。」ズコッ、小栗と矢七がひっくり返った
  小栗「し、して、いずこの藩の雀荘でございまするか。」
  慶喜「異国じゃ。ヨーロッパへ行く。開陽丸でな。武揚にもそう伝えよ。小栗、武士に二言はないぞ。そちもついてくるのじゃぞ、よいな(汗)。」
バリバリッ、小栗は想像を絶する慶喜の言葉にぶっ飛び、障子を突き破ってしまった 矢七はずば抜けた跳躍力が災いし、首から上が同じく天井を突き破っていた・・

                つづく
113こるしか島の田舎者:2001/05/09(水) 23:05
はん?喋ったのにあがらんのはなぜじゃ?
114世界@名無史さん:2001/05/11(金) 22:14
ナポレオンの部下のベルナドットってすごいドキュソだったんだね。
115こるしか島の田舎者:2001/05/12(土) 20:45
とりあえず、元のとおり身を正すふたり・・ まじかよ、おいおい
  小栗「真でございまするか?ならばそれなりの準備が必要にございまする。また、船のことは武揚殿が通じておられるますゆえ、その旨相談致しましょう。」
  慶喜「おおっ、ついてきてくれるか!」
  小栗「本当にヨーロッパに行かれるおつもりでしたら、御老公には新潟でお乗りいただいたらいかがでございましょう。」
  矢七「ちょっと待っておくんなさいまし。御隠居は将軍様にお会い致したいとおっしゃってるだけでして、そのー、異国にはちょっと・・。」
  慶喜「まあ、そういうことじゃ。どのみち江戸では御老公にお会いできぬ。そうお伝えしてくれ。後は御老公の御判断にお任せする。わしとてお会いしたいのはやまやまなんじゃがな。」慶喜は幼い頃、光圀に麻雀を教わったことを思い出していた・・

なんでも将軍様が異国に旅立つらしい おいては、ありとあらゆる分野において秀でている者を集めているらしい 百万都市・江戸は既にそんな噂が流れていた・・ そんな江戸のとある寺子屋で関孝和という和算学者が関塾なるものを開業していた
  関 「はい、では次の問題でーす。ええと、小太郎さんが母上からお使いを頼まれ、十文もってお饅頭を買いに行きました。お饅頭はひとつ三文でした。小太郎さんは買えるだけ買いました。さて、お家に持ってかえったお饅頭と母上に渡したお釣はそれぞれどーなるでしょう。」
  権助「はいはいはいはいはいはい!」
  関 「うーんと、じゃあ茂平。」
  茂平「お饅頭は二つで、お釣は四文です!」
  関 「惜しいなぁ。ある意味、ちゃんと解けてるんだけども。もう少し落ち着いて考えてごらん。」
  茂平「ええー、俺の場合二つ食べたらお腹いっぱいなんだけど。」
  権助「はいはいはいはいはいはい!」
  関 「お花。どうじゃ。」
  お花「えっ!すみません寝てました。なんでしょうか?」関がひっくり返った
  権助「はいはいはいはいはいはい!」
  関 「仕方がない。権助。」
  権助「お饅頭、お金ともにぜーんぶ無しでーす。」やっぱりね
  関 「なぜじゃ?」
  権助「釣りはネコババし、饅頭は家に帰りながら全部食ったからでーす。」
  生徒「ワハハハハハハハ。」
  関 「ネコババした釣り銭と食べた饅頭の数はそれぞれいくつじゃ。」
  権助「釣りは一文、三つ食べましたー。」
なんだ、よく分かってるじゃないか いつの時代にもこういう生徒は尽きない 関は目を細めた その時だ
  弟子「先生っ、先生ご念願の留学ができるやもしれません。将軍様がなんでもヨーロッパとかいう遠いところへ・・

                つづく
116こるしか島の田舎者:2001/05/13(日) 19:29
てな感じで、江戸湾に停泊している開陽丸に続々と、乗せてくれ、との要望が殺到し始めていた 上野は寛永寺の雀義隊は顔パスで乗船できたが、町のものはそう簡単には乗せられない 薩長の者だと当然ヤバイし、そもそも沢山のせても300名ほどしか乗れないのだ 慶喜は小栗とともに開陽丸に乗り込りこんだ
  榎本「上様、いろいろな面々がのせてくれと申しておりますが、いかが致しまするか?」
  慶喜「役に立つもので敵方でなければ乗せるがよい。」
  榎本「それでは面接会場を設けてそれがしが判断して宜しゅうございまするか?」
  慶喜「よきにはからえ。」
  榎本「御意!」
こうして武揚は対岸に渡り、そこで陣幕を張り、面接会場とした
  受付「一番の方、どうぞ。」木箱を両腕に抱え、ビリビリ火花を散らしている怪しい男・・
  榎本「な、なんだ貴様。氏名・住所・職業を名乗れ!」

その頃?地球のほとんど反対にある?パリの古本屋街にナポは迷い込んでいた 首都のくせに地理にやたらと疎いのだ というのもお忍びで何度も外出しているわりには、周りをよく見たことがないからだ 行きはどの船券を買うかで頭がいっぱい、帰りはオケラで宮殿に戻るだけで精一杯だったからだ とある古本屋に入っていく・・ たくさんの本が並ぶ中で一冊の背表紙がナポをひきつけた
  ナポ(はん?トクガワ埋蔵金の秘密だと?おもしろそーだな。立ち読みしよっ。)
そこには、ジャポンのトクガワ家がいっぱい大判小判をある場所に埋めてあるから掘ってみて、埋めたところはエジプトの古代遺跡の中だぴょん、と書いてあった この手の本や噂は昔から絶えない そもそも地理からして無茶苦茶だ まともな人間なら見向きもしないのだが、ジャポンというオリエンタルな響きと底抜けた金への欲望がナポの脳みそを破壊し尽くしていた この先、これがきっかけとなり、かの有名なエジプト遠征を起こすのだが、出征先で『アラブの英雄』と呼ばれる男と出くわすのだった・・

 それはしばらく先のはなしになるぞ、今日はここまで

                つづく
117早く〜:2001/05/16(水) 16:50
続きをお願いね。
118こるしか島の田舎者:2001/05/16(水) 23:46
  ナポ「おやじ、これくれ。」
  店主「あいよ。5フランだよ。」
ナポは腹巻きの中にしまい込むと、すたすたと街を歩いていった すると一気に視界が開け、公園に出くわした 沢山の人だかりが出来ている 何やってるんだろう? スタスタと群衆の中に入っていくナポ 群衆の真ん中で、椅子の上に立って拡声器で叫んでいる男がいる プラスチックのヘルメットをかぶり、サングラスをかけ、顔の下はマスクで隠している 拡声器を握っている反対の手には角材だ いわゆる「定番」スタイルだ
  ??「おれたちはー、これ以上ー、物価高にー、我慢できなーいっ!」
  サクラ1「うーん、確かに物が高くなったね。」
  サクラ2「生活必需品にまで影響するとねぇ。」
  サクラ3「正直言って、最近生活、苦しい。」
デモか・・ ナポはとりあえず耳を傾けることにした 大陸封鎖令の影響か・・ 皇帝になれたのも国民投票の結果によるところ大だ 決して民意は無視できないのだ あん? 拡声器を持っている奴のメットに小さな「ユニオンジャック」のステッカーが貼ってあるのを発見した 変だぞ!
  ??「こんなー、ひどいー、生活をー、どこのー、馬鹿たれがー、強いてー、いるのかー!」
  サクラ4「フランスの!」あん!?左脇の者が叫んでいる
  サクラ5「ナポレオンだ!」今度は右脇だ
  サクラ一同「そーだ、そーだ!」全員逮捕だな そう考えている瞬間だった
  ??「きみもー、そー、思わないかー!」ナポが指差された・・

  榎本「おまえ、それ、なんじゃ?」
  源内「わたしは平賀源内と申します。職業は薬剤師です。しかし、自分では発明家と名乗りたいと考えているのですが。あっ、これはわたしが発明した『エレぇきてる!』です。」
  榎本「薬学に通じておると申すか。で、その箱は何に使うのじゃ?」
  源内「麻雀で相手をカモる時に使います。こんな風にです。ここと、ここをそれぞれの手でお持ちくださいませ。」
  榎本「う、うむ・・。変なマネしたらただではおかんぞ。」武揚は言われる通りにした
  源内「それでは、電流ながしまーす。とりあえず1万ボルトくらいにしておくか・・。うーん、ごにょごょ・・
  榎本「なんだ、さっさとやれ。後ろがつかえてるんだ。」
  源内「ほっ!」ビリビリビリビリッ
  榎本「ひょえー!」
気の性なのか、周囲に居た者から武揚の全身の骨が点滅して透けて見えた気がしていた・・

              つづく   
119こるしか島の田舎者:2001/05/17(木) 21:36
  ナポ「どけどけっ!」
指差されたナポは左右の者を跳ね飛ばしズカズカと謎の扇動者に近づいていった おうりゃっ、扇動者が立っていた椅子の足を持ち上げた ひょえ〜 謎の扇動者がひっくり返った拍子に拡声器を手放してしまい、ポンっとナポがキャッチした 倒した椅子を元に戻してよじ登るナポ ボリュームをMAXにした キーン 耳を塞ぎたくなるような音が出る 平気な顔をしてナポは喋りだした
  ナポ「おまえはー、いったいー、どこのー、どいつだー?」
物凄い大音量の為、謎の男をはじめとするサクラたちが指で耳を塞いだ 何も分からない圧倒的多数の善良な国民は、酔っ払った屁たれが絡んできて面白い、やや離れて見ている
  ナポ「おまえのー、メットのー、ステッカーはー、なんだー?」
パリンパリンっ、ナポの激怒した大声による音波が、ついに近隣商店のガラスを割り始めた かなわねぇーよったくよぉ カフェの主人が警察に通報した 何も知らずにナポの演説は続く
  ナポ「きさまはー、じつはー、イギリスー、野郎ー、やろ?」ズコッ、なんで語尾がそーなるの? 謎の男がヤバそうな表情をしてステッカーを手で隠した
  国民1「ええっ、イギリス人なのか?」
  国民2「どおりで。あんまり露骨に攻撃してるから変だと思ったんだもん(フランス語風)。」
  ??「おまえ、それ、返せ。俺んだぞ!」畜生、内部崩壊の工作が初日からこのザマだぜ・・
公園からちょっと離れた交番
  主人「すみません、あそこの公園で馬鹿どもが騒いでわたしの店のガラスを割りました。なんとかしてください。」
  巡査「どんな騒ぎだ?」
  主人「文字どおり馬鹿騒ぎです。人数が多いですよ。」
  巡査「よしっ、至急本部に連絡しよう。」
たまたまナポ探索のため公園付近に出動していたアトスの小隊に応援命令が下った
  アトス「陛下を探すほうがずっと大事なのでは・・。命令とあれば致し方ない。」アトスは現場に急行した・・

  榎本「貴様、薩長の回し者だなっ!あれ?あん?」
  部下「いかがされましたか。」
  榎本「肩凝り直ってる。」
武揚と源内を除いて、その場に居た者が全員コケた・・

           つづく
  
120こるしか島の田舎者の息子:2001/05/17(木) 21:53
 みなさん、こんばんは。父は本業が忙しく五月いっぱい、おはなしすることができなくなりました。相当長い期間ですね。父は、いちいち気をつかってくれなくていい、なんて申しておりました。サゲまくられても結構とか。ただ、荒さないで欲しい、ということも申しておりました。父のはなしが続くかどうかは月末あたりに、この、みなさんにお会いしていた『いつもの場所』の状態によって決まるのでは・・。今度は随分長いですが、我慢してやってください。そのかわり、ちょっとだけはなしの先を父から聞いてきたのでお知らせすると、なんでもプロイセンとロシアの有名な人物が登場し、ナポレオンさんをとっちめようと悪巧みをするそーです。また、日本はいろんな才能を持った人物をのせて航海に出るようです。アメリカは空母を建造中とか・・。それだけは変ですよねぇ。では、みなさん、しばらくさようなら。お元気で!
121異邦人さん:2001/05/18(金) 17:49
だいじょうぶ。倉庫に流れてしまわないように気をつけとくから。

それじゃ、連載再開を期待してますよ〜ん。
122カウニッツ:2001/05/18(金) 17:52
私も「121」さんと同じです!
123カウニッツ:2001/05/20(日) 17:41
そろそろageときます。
124世界@名無史さん:2001/05/23(水) 18:13
おっとっと、危ね〜。
上げとくぜ!
125世界@名無史さん:2001/05/23(水) 18:15
>>114
そうです。彼はドキュソです。

そんでもってage
126世界@名無史さん:2001/05/26(土) 15:20
さて、101以下に落ちないように上げとこう。

それにしても、最近駄スレが多いねえ。
自分じゃ語るネタ持ってないくせに、「〜について語ろう」
なんてスレ立てるたぁ、100万年早いぜ。
127異邦人さん:2001/05/30(水) 12:10
おっと、101以下に落ちてしまっていた。
128世界@名無史さん:2001/05/31(木) 17:58
そろそろ・・・
129こるしか島の田舎者の息子:2001/06/01(金) 19:02
 みなさん、お久しぶりです。みなさんのご協力により、この『いつもの場所』が健全に保たれました。父は感謝しているようです。
もちろん、アホばなしが再開します。ただ、長い間はなしをしていなかったため、舌が錆付いてしまったようで、いつもの調子を取り戻すのに少し手間取っているようです。
 自分で勝手にしゃべっときながら、これまでのあらすじを勉強し直しているようです(笑)。
それでは、父がこちらに参りましたら、みなさん宜しくお願いします!
130こるしか島の田舎者:2001/06/02(土) 14:23
公園に急ぐアトスの小隊 あの建物の角を左に曲がれば公園だ この忙しいときに、どこの馬鹿たれだろう?
  サクラ1「しょ、しょーぐん、ここは撤退致しましょう!」
  ??「う、うむ・・。なんと女王陛下に御報告すればよいか・・。」
そうこうしているうちに、アトスの小隊が角を曲がって公園に迫った
  サクラ2「げっ、フランス兵です!はやく逃げましょう!」
  ??「よしっ、おまえたち、散れっ!集合は例のところだ。」
謎の男をはじめとするグループが逃げ始めた
  アトス「動くなっ!止まれ!動く者は犯罪者とみなすぞ!」
彼の視界にひときわ目立って映る男がいた 拡声器を持ったナポだ だが、まだ距離があったため彼にはナポだと気づけなかった ところが、アトスが角を曲がって姿を現したとたん、条件反射的に帽子の左右のひさしをつまんで90度回転させ、次に出っ張った前の部分を下に引っ張って顔を隠した男がいた ナポだ こういう感覚は超一流なのだ
  ナポ(やべー、お忍び中だったの忘れてた。どーしよう。奴等はどうみてもイギリス野郎だ。アトスに言って、逮捕させるべきか・・。俺の裁きはお尻ペンペンで許してくれるかな?)
  アトス(あれ?あの姿・・。もしかして、もしかするのか?)
ナポが帽子で顔を隠しながらアトスの小隊に目をやった ナポとアトスの目が合った アトスの全身の力が抜け、道の舗装に使われていた煉瓦につまづき、コケた それをきっかけにアトスに従っていた兵士たちが将棋倒しに全員コケていった
  国民「なんだ、漫才か?今日は色々な出し物があるなぁ。」
謎の男だけが少し遠くまで逃げ、その場に留まり建物の影から様子をうかがっている なにやってんのフランス兵? マヌケじゃん ぷぷっ
 
  源内「肩凝りが直ったのは、ある意味自然であります。電流により血の巡りが良くなり、ほぐされた訳であります。この『エレぇきてる!』は医療器具でもあるんです。本当はもうちょっと強めに流して、相手を仮死状態にさせ、その間に配牌を盗み見るのが正しい使い方です。」
  榎本「ふんっ、屁たれめ。おって沙汰致す。帰ってよいぞ。」
  源内「なにとぞよしなに。」
武揚は長年、肩凝りに悩んでいた あいつ連れていこーかなー
  榎本「おいっ、次の者呼べっ。」
  受付「番号札弐番をお持ちの方、どうぞ。」
棒と巻尺を持った初老の男が姿を現した・・・

      久しぶりじゃな、つづくぞ。  
131世界@名無史さん:2001/06/03(日) 09:04
<ナポレオン>「ヒ素で毒殺」を裏付ける調査結果発表 仏研究所(毎日新聞)


 【パリ福島良典】皇帝ナポレオンはやはりヒ素で毒殺された――。フランスの法医学者が1日、広く流布している「毒殺説」を裏付けるとされる調査結果を発表した。

 ナポレオンは1821年、流刑地だった大西洋の英領セントヘレナ島で52歳で死去、死因は胃がんというのが通説だった。だが、皇帝を崇拝する「ナポレオン国際協会」会長のカナダ人実業家、ベン・ワイダー氏らは毒殺説を唱えてきた。

 ワイダー氏の委託を受けた仏ストラスブールの「法医学研究所」のパスカル・クンツら3氏が今年、ナポレオンの頭髪標本の調査を始めていた。

 パリで記者会見したクンツ氏らは「頭髪から検出されたヒ素含有量は通常の7倍から38倍の高濃度であり、(ヒ素)中毒症状を示しているのは疑いない」と述べた。ワイダー氏は著書などで「ナポレオンは腹心のモントロンに毒殺された」と主張している。


[毎日新聞6月2日] ( 2001-06-02-18:06 )
132世界@名無史さん:2001/06/06(水) 23:51
緊急浮上モナー!
133こるしか島の田舎者:2001/06/07(木) 21:54
アトスは立ち上がりパンパンと手のひらで膝の汚れを払った そして一回深呼吸 すーはーっ ゆっくりとナポに近づいていった
  アトス「・・・陛下。」
ナポが拡声器を持ったままうなだれた 二人の間にしばし沈黙の時間が流れる そうしているうちに小隊が人払いをさせて円形になりナポを囲った
  アトス「皆の者、こちらの方のお顔を忘れたか!構える方向が逆だ!外に構えろ!」
言われてみて、小隊の者たちもナポだとようやく気づく 気づきたくなかった 鬱だ ぶつぶつ言いながら回れ右をして円陣となった この変化に謎の男は驚いた
  ??(どーいうことだ・・。てっきり奴は逮捕だと思っていたが。まるで小隊クラスなど簡単に指揮できると言わんばかりの動きじゃないかよ。奴は何者?)
  アトス「陛下、せめて椅子から降りてはいかがでしょうか?」
  ナポ「う、うむ。」椅子から降りため視線がほぼ同じ高さになってしまう 気まずい感じ・・
  ナポ「さすがアトス!はははは(汗)、どーしてここが分かった?」
さすがに警察への垂れ込み情報がきっかけですとは言えなかった
  アトス「さっ、宮殿に帰りましょう。」
ナポは仕方なく首を縦に振って、そのままうなだれた そして再び顔を上げた時だ 視界に謎の男が物陰からこちらをうかがっているのに気づいた
  ナポ「おいっ、アトス!あいつを捕まえろ!」

  榎本「はい、どーもー。で、どちらさんですか?」
  伊能「わたしは伊能忠敬と申します。地図をつくることがわたしの生きがいです。」
  榎本「おおっ、そちがかの有名な日本地図をつくった伊能忠敬か?で、また、どーして乗船したいのじゃ?」
  伊能「今度は世界地図をつくりたいのです。」
武揚がひっくり返った・・

             つづく
 
 
134こるしか島の田舎者:2001/06/07(木) 22:01
  ブッチ「おいっ、サンダース!もうすぐワシントンだ。俺たちが降りるとこだぜ。起きろよ。」
  サンダース「・・・そうか。」愛用の帽子をずり上げる
ブッチとサンダースの乗っている列車はもうすぐ終点のワシントンに到着するところだった ところで一足お先に駅のホームに降り立った男がいた 保安官のワイアット・アープだ ふとキオスクの売店に置いてある新聞の見出しに目が行った 『宇宙人発見』 ほんとかよ?
  アープ「お、おばちゃん、これ。」
  オバチャン「1ドルだよ。」高いなおいおい
アープはお金を渡しながら東スポを広げた・・ 見出しは『宇宙人発見、か?』となっていた またやられた アープは苦笑しながら歩き出した 矢追め一生このネタで食ってくつもりか、あん? ペラっ スポーツ欄に目をやる イチロー大活躍の大きな活字が飛び込む こいつよくあんなにバカスカ打てるよなー ペラっ エロ紙面が飛び込む ううっ、いかんいかん俺は保安官だ その時だ 歩いていた彼のそばのホームに列車が到着した
  《ワシントン、ワシントン・・。ここはワシントンです。》
その列車から降りた、とある二人組の会話
 やっとついたぜ、あー疲れた 大統領閣下は手厚く迎えてくれるんだろうな、あん? 俺が知るかよ 逮捕だったらどーすんだ もう来ちまったんだからウダウダ抜かすな、このタコが おまえが強引に誘ったんだろーがよ、強盗のままでも良かったんだよ、はん?
  アープ(どっかで見かけた顔だ・・・。ちっ、思いだせん。)
とりあえずすぐ近くの太い柱に身を隠す 二人の会話に耳を傾ける・・ 悪かった相棒、仲良くしよーぜ いつもこんな調子だな、俺たちはよ ところでブッチ、ここからどーするよ?
  アープ(ブッチ!思い出したぞ!お尋ね者のブッチ・キャシディーとサンダース・キッドだな!逮捕だ!)
懐から保安官のバッジを取り出しコルト社製の拳銃を握った・・ ハンマーに親指をかける・・ ワシントンの女はいー感じか? 知るかよ! リンカーンっていけてるか?俺が知るか! 二人は全くアープの存在に気づいていないようだ わいわいガヤガヤ 多くの乗客が列車へ、改札口へ歩いていく ガチャッ、ハンマーを起こしたその瞬間だった
 ズボーンッ・・ 痛っ! カラカラっ・・ アープの拳銃が大理石の床を滑っていった キャー、なんだ! その場に居合わせた者が一様に驚く
  ブッチ「なにやってんだよ、このパーたれが!」
  サンダース「いまあいつが俺たちを撃とうした。」条件反射的にサンダースの拳銃がうなったのだ

                つづく
135こるしか島の田舎者:2001/06/08(金) 22:32
拳銃を撃ち飛ばされた衝撃による痛みで、思わず左手を右手にやる
  アープ「さすがだな。サンダース。早撃ちで鳴らしただけのことはある。しかし、もうゲームオーバーだ。ここはワシントンだぞ。西部じゃないんだ。拳銃所持・発砲による銃刀法違反で現行犯逮捕する!」現代の日本でもないよ
  サンダース「やっぱ罠だったじゃねーか、この馬鹿が!」
  ブッチ「とりあえず、ずらがろうぜ!」
  サンダース「馬も無いのにどーやって?」
そうこうしているうちに軍隊がやってきた げっ、いよいよ俺たちおしめーか? なんて、ひきょーな奴だリンカーンはよぉ?
  アープ「二人とも両手をあげろ。おとなしく降伏すれば裁判は保証してやる。どーせ死刑だろーがな。」
二人はすっかり軍隊に包囲されてしまった いよいよ終わりか? その時、たった一人だけが沢山のホームを大きく覆う天井にこだまするような拍手をし始めた・・ はん、何者? どーやら軍隊のお偉方のようだ
  ??「一部始終見せてもらったよ。素晴らしい。アープ君、聞きしに優る正義感、見事だ。君がサンダース君か。噂どおりの早撃ちだな、いや、結構。」
  三人(あんた、誰?)
  ??「あっ、自己紹介を忘れたね。わたしはパウエルだ。パウエル雀荘統合参謀本部議長だ。」
  アープ(あなたが砂漠の嵐作戦でフセイン君を泣かしたパウエル閣下でしたか!)
  サンダース(なっげー肩書き・・。結局なんて名前だったっけ?)
  ブッチ(てめえなんざ、ぎちょーで上等なんだよっ。いっしょー議事進行やってろ!)
  パウエル「君たちに招集をかけたのは実質的には私がしたのだよ。君たちが鉢合わせになるとよくないと思い来てみたら、案の定だったね。」
  三人(何だって?こいつと組むのか?はん?)
  パウエル「さっ、大統領がお待ちかねだ。わたしは君たちを迎えに来たのだよ。」

  榎本「しかし、世界地図となると大変ですぞ。」
  伊能「重々承知しています。世界地図を作ったら宇宙地図を作ります。その次は・・
  榎本(少しボケているところあり、と。しかし忠敬の測量技術は馬鹿に出来んぞ。)
 
                つづく  
136世界@名無史さん:2001/06/12(火) 00:44
age!
137こるしか島の田舎者:2001/06/12(火) 23:44
  榎本「あいわかった。おって沙汰致す。」
  伊能「宇宙地図の次はあの世地図を作ります。みんなが迷わず天国に逝けるように・・
  ナース「伊能さん、診察の時間ですよ。」忠敬はナースに連れられていった おいおい、大丈夫かよ
  榎本「よしっ、次!」二人組が現れた・・

さて、場所は変わってここは中国・襄陽より離れた片田舎 徐庶と孫悟空は司馬徽の帰りを待っていた
  マチャアキ「おせーな、おい。いつになったら帰ってくるんだよ。」
  徐庶「うーむ、困ったのう。今ごろ陛下はどうなさっておるかのう。」
  マチャアキ「おいらが立った時のままだったら、ずっと野宿して待ってることになっていたけどよ。」
その時だ、あっ先生お帰りなさい、という童子の声が木戸の方から聞こえた おっ、やっと戻ったか
  童子「先生、徐庶さまが猿を連れて参られております。」
  マチャアキ「猿は猿でもただの猿じゃねぇぞ。斉天大聖孫悟空ってんだい。そこんとこ忘れんなよ。」
  童子「でも猿でしょう?」
  マチャアキ「ま、まあ、そーだけどよぉ。」司馬徽が現れた
  司馬徽「おおっ、元直ではないか。久しぶりじゃな。大漁じゃ。」司馬徽は大きな鯛をつかんで見せた
  童子「先生、それ高かったでしょう。おいくらでした?川に鯛はいませんよ。」
  司馬徽「・・・よしよし(汗)。」
やっと会えたと徐庶は一礼して、さっそく事を切り出した しかじか、かくかく・・ 話を聞き終わり真面目な表情に戻る司馬徽
  司馬徽「そーであったか。確かにわしが孔明より借り受けとったわい。ちょっと待っててくれ。」書庫に消えて行く・・

  アトス「もう、その手にはのりませんよ、陛下。さっ、帰りましょう」
  ナポ「マジだ。信じろ・・。ええいっ、勅令である!奴を逮捕せよ!」
勅令と部下の前で言われた以上、アトスは従わざるを得ない ナポにしっかり色々な意味での護衛を付けて、残りの者で謎の男を追いかけ始めた
  ??「げげっ、こっちにくるぞ。ひとまず退散!」またんかいコラッ

  アープ「わたしは奴等と同じ理由で呼ばれたのですか?」
  パウエル「そうだ。ここはひとつ大局的見地に立ってもらいたい。」

               つづく 
 
   
138世界@名無史さん:2001/06/14(木) 21:31
age!!
139こるしか島の田舎者:2001/06/15(金) 20:10
 しばらくして書庫から司馬徽が戻ってきた いくつもの竹簡を抱きかかえてきた 童子が司馬徽の懐から落っこちそうなのを数本抜いて同じくこちらへ持ってきた
  司馬徽「さっ、これじゃろ。悪かったな。孔明のところへ返してやってくれ。」
  徐庶「先生、ありがとうございます。失礼ですが改めさせていただきます。間違いがあれば事ですので。」
  司馬徽「よしよし(汗)。」
  徐庶「一巻、二巻、三巻、・・。」
  司馬徽「・・。おおっ、そなたどっかで見たと思ったら『ちゅらさん』にでてるじゃろ?」
  マチャアキ「ああっ、そーだよ。そーいや収録のこと忘れてたなぁ。」
  徐庶「一五巻、一六巻、一七巻、・・。」
  司馬徽「・・・(汗)。あの髪型恥ずかしくないのか?え?」
  マチャアキ「仕事だかんよー、しょーがねーべよー。」
  徐庶「二二巻、二三巻、・・。あれっ?最後の二四巻がない。先生!」
  司馬徽「よしよし(汗)。」

パウエルに促され三人は緊張した面持ちでワシントン駅の正面口に出た 馬車が用意されている
  パウエル「さっ、一緒に乗ろう。このままホワイトハウスに直行だ。」
すたすたパウエルが乗り込む ブッチ&サンダースとアープはまだうだうだ文句を言い合っている やんのかー、コラッ さっきの見ただろーが、急所外してやったんだぞ 嘘つけ狙って外れたんだろ、あん? 逮捕しちゃうぞ! 俺たちゃ、既に不逮捕特権があんだよバーロー なわきゃねーだろ、手出せや 手錠架けるとこだきゃ街の者に見られないように配慮してやるからよー
  パウエル(この者たちが一致団結するまでには少し時間がかかりそうだな・・。まあ、これくらいの方が頼もしいが。)

さて、ここはフランスからドーバー海峡の向こうにあるイギリス本土 英国議会が終わり、重鎮たちがエリザベス女王のいる大広間に集まってきた ソールズベリー、ディズレーリ、グラッドストン、チェンバレン、チャーチル、ピット、フエキ 議題は『ワーテルロー』についてだった
  ベス「フランスから届いた情報によるとナポレオンはかなり手強いそうよ。」
  レーリ「・・やはり。アメリカも結構イケイケだそうです。」
  ストン「中国もあの天才孔明となると・・。」
  ベリー「ところで日本の実力者、織田信長とやらは暗殺され、代表雀士のエントリーに変更があったようです。」
  ピット「確かトクガーマルチネスとかいう男です。」
  チャーチル「嘘だろ。大リーグの見過ぎ、あんた。陛下、徳川慶喜だったと思います。信長に比べて凡庸な男だそうです。ラッキーですな。」

                  つづく  
140こるしか島の田舎者:2001/06/16(土) 00:13
  榎本「どちらの者じゃ?」
  杉田「わたしは町医者をしています杉田玄白、こちらの者は仲間で同じく医者の前野良沢といいます。」
  榎本「おおっ、そーいえば医者がおらなんだ。うむ、これは結構。しかしなんでまた異国に?」
  杉田「近代的なオペを習得したいのです。」
  榎本「これまで、どちらで腕を磨かれたかな?」
  杉田「狂大・丘大・千里センターです。全て移植は失敗しました。」
 
  徐庶「すみません、先生。孔明のはなしでは確か二四編からなると聞かされていたのですが。最後の巻が見当たりません。」
  童子「先生っ、正直に徐庶さまにお話にならなければいけないのではありませんか。」
  司馬徽「・・・。実はのぅ、その最後の二四巻なんじゃが・・

ところで未だ全く登場していない一団が、ヨーロッパを北東に向かっていた 行き先はロシアらしい この一団、ナポに蹴っ飛ばされて国を追われたプロイセン一行だった フリードリヒ2世はナルシストで、池に映った自分の姿にほれぼれして池にドボン死したのは有名な話だ しかし本当の話は池に浮いていたカモのレプリカを拾おうとして池に落っこち溺死したのが真相である あまりにもカッチョ悪いので彼の死が後日、脚色・演出されたのだった その後、適任者がいないので、現代の日本でいうと塩爺のような好々爺のヴィルヘルム1世が皇帝に即位した
  ヘル爺「うちんとこにも役に立ちそうな男、欲しな。」
  側近「残念ながら、我が国は人材にも窮しています。」
  ヘル爺「ぼくんとこ、誰か助けに来るよーな、気ーがするんやけどな。」
その時だった ふと遠くを見ると二人の男が馬に乗って近づいてくる ある程度近づくと下馬し、こちらに歩いてきた 共に立派な髭をしている 一人は背広、もう一人は槍の先っぽのようなものが上についている鉄兜をかぶって軍服を着ている
  ??「大変御無礼ながら、プロイセン皇帝陛下と御身受け致しました。」
  側近「はぁ?何かの間違いでは。」(追手だと大変だからな)
  ヘル爺「そや。僕はプロイセンの皇帝やで。きみ、僕に用か?」側近が全員ひっくり返った 二人組は握手してニッコリ笑った 背広を着た男がはなしを続けた
  ??「陛下、プロイセンの現状、一国民として大変嘆かわしく思っておりました。是非わたくしどもを登用してくださいませ。」
  ヘル爺「ええけど、君らと会うの初めてやし・・。名前は何ていうの?」背広男は拳で自分の胸を叩いた
  ??「私はビスマルクと申します。私には政治・外交を御任せあれ。そしてこの者は親友のモルトケといいます。軍事の作戦参謀として役立つこと必至です!」
  側近「陛下、どこの者とも判らぬ者を雇うのは・・。」
  ヘル爺「よろし。二人とも期待してるし。」再び側近が全員ひっくり返った
プロイセンの強国への足音に、周辺諸国は誰も気づいていなかった・・

               つづく  
 
  
141こるしか島の田舎者:2001/06/16(土) 19:39
  矢七「・・と、言う訳でございやす、御隠居。」
  光圀「そうか。御苦労じゃったな。ううむ。」
ここは小諸より少し南の片田舎 江戸を目指す水戸光圀に矢七は慶喜の動向を伝えた しばらく考え込む そして
  光圀「わしたちも参りましょう。異国へ。」
  助さん「御隠居正気ですか?」
  角さん「異国では葵の御紋も通用しませぬぞ!」
  光圀「もはや日本国内で物事を語る時代は終わった。わしは異国を見分し新たなる日本の礎を築きたいのじゃ。」
  助さん「御隠居・・。そんな高所大所からの御考察なれば、拙者もお供つかまつります。」
  角さん「拙者も同じく!」本当は麻雀大会の見物に行きたいだけの光圀だったりして
  光圀「ところで慶喜殿が乗られる船にはどーすれば乗れるのかのう。」
  矢七「なんでも仙台に行かれるとかおっしゃっておりやした。」
  光圀「北か。ふーむ。」
光圀は船が津軽海峡をぐるっと回って南下してくると予想した
  光圀「助さん、角さん、とりあえず新潟へ参りましょう。途中、長岡藩に寄りましょう。」
  一同「はっ!」♪じーんせー、らくありゃ、くーもあるさー

  ビス「ところで陛下、これからどちらへ参られるおつもりだったのですか?」
  ヘル爺「うん?ロシアや。ぼくと同じくナポレオンにやられとるしな。協力してくれると思うねんけどな。どやろ。」
  ビス「なるほど。残念ながら我が国は一国でフランスと戦える状況ではありません。賢明ですな。」
ビスマルクは知恵袋のモルトケにさっそく相談した
  モル「ロシアか・・。受け入れてくれても我らをパシリに使うのがおちだな。」
  ビス「しかし、仕方ないだろう。我らには力がない。貯えるには時間も金も要る。ロシアを我らもうまく使えばいいんだよ。まかせろ。」
  モル「まあいいだろう。ところでビスマルクよ。フランスの威勢はナポレオンのカリスマによるところ大だ。」
  ビス「いまさら何を当たり前のことを。何が言いたいのだ?」
  モル「つまりだ。フランス、イコール、ナポレオンだ。奴さえ死ねば後はカス同然。」
  ビス「まわりくどいな。何するつもりだ。はん?」
  モル「ナポレオンを暗殺すればいい。」

            つづく
  
142世界@名無史さん:2001/06/17(日) 18:27
今日はじめて見た。感動age!
143こるしか島の田舎者:2001/06/17(日) 21:51
  ビス「おまえねぇ、そーかんたんにいくわきゃないだろ。警護いぱーい、だわ。」両腕を大きく左右に広げる
  モル「それがそうでもないらしい。王室は秘中の秘としているが奴は一人でちょくちょく外出するらしい。」
  ビス「なわけねーだろ。ガセだよ。もっと現実指向でなきゃならん。むむっ、雀血の血が騒いできたぁぁぁ!」
  モル「俺のはなしは信憑性が高い。これは王室に勤めている奴を買収して仕入れた情報だ。しかも、今がそうらしい。宮殿は大騒ぎらしいぞ。やるなら今だ。」
  ビス「ふんっ、二重スパイだな。案外おまえもアホだな。」パナマ産の葉巻をポケットから取り出す
  モル「戦争、雀争ならともかく暗殺なら簡単に実行できるだろ。失敗しても我らは関知せずと契約してしまえばいい。」
  ビス「・・・。どーやら、既に何らかの手を打っているようだな。話せよ。あん?」ふうっー
  ヘル爺「なに君らブツブツゆーとんのや。そろそろ、行くし。」
  ビス「はい、陛下。ちょっとお待ちくださいませ。で、適当な奴を見つけてるのか?殺し屋だよ。え?」
  モル「ふふふ。俺は参謀総長モルトケ。抜かりはない。既にある男とコンタクトをとっている。もうそろそろ来る頃だ。」モルトケは懐中時計の蓋を開けた
  ビス「くれぐれも第一次世界雀戦のよーな無茶な作戦は立てんなよ。」
そうこうしているうちに一人の男が馬に乗って近づいてきた 最初は遠くてよく見えなかったが、その男が近づいて来るうちに、時代遅れにも鎖帷子を着込んでいるのが判った 髪型はオールバック、左右にピンっと奇麗に髭をはねている 結構かっちょイイ
  ??「おまえらか、俺を呼んだのは。」
  モル「そうだ。よく来てくれたな。約束の時間通り到着するとはさすがプロの傭兵。」
  ビス「おいっ、こいつの顔、肖像画で見たよーな・・。何者?」その男は馬を下りた ジャラ、ジャラ・・ 歩くたびに鎖帷子の音がなる
  ??「用件を聞こうか・・。おっと、その前に言っとくが、俺は高いぞ。」
  ビス「モルトケよ、この者は一体誰だ?」
  モル「この男こそプロイセン史にその名を残す最高の傭兵、ワレンシュタインだ!」
  ビス「ああっ、あんたがあの・・。ふむっ、君なら殺れるカモ。」
  ワレ「どーも。で、誰を殺るんだ。はん?」
  モル「ずばり、ナポレオンだ。フランス皇帝のな。殺れるか?」
  ワレ「なに?ナポレオンだとぉ?バーカ、一人で出来るかパーたれが。あばよ。」くるっと背を向けるや自分の馬に戻って行こうとする
  モル「待て。詳しくはなしを聞いてからにしろ。君なら十分可能な状況にあるらしいのだ。実はな・・・
  ワレ「船券を買うために御忍びで単独行動してるだとお?ちみちみ、そんなの信じてるの?ゲラゲラ(涙)。」
 
                つづく
 
144ageておこう。:2001/06/20(水) 03:44
それにしても、話が広がりすぎの感は否めない。
そろそろ収拾してね。
145世界@名無史さん:2001/06/20(水) 16:43
このままネタスレにしておくのももったいない。
でも本にしてしまうのももったいないな。
確かに>>16 >>18につなげるには少し大変かもしれないが、
この広がり感には脱帽するばかりですな。
146世界@名無史さん:2001/06/21(木) 17:59
age
147世界@名無史さん:2001/06/21(木) 19:44
age
148こるしか島の田舎者:2001/06/21(木) 20:20
アメリカはワシントン 例の三人はギャーギャー言いながら馬車に乗り込んだ ピシッ 馬に鞭打ち、隊列はホワイトハウスに向かった ところで広いアメリカはノースカロライナ州のキティホーク この街は文字どおり、とあるキティぽい兄弟が住んでいた というのもこの兄弟、空を飛ぶことに意欲を燃やしているからだ 周囲の人間からはそんなことぁ無理だべ、んだんだ、なんて揶揄されていた だが彼らの大空への夢は広がるばかりだ ここはその彼らの住居兼倉庫兼工場
  オービル「・・。よしっ、兄さん出来たよ。こんどは飛べるはずだよ。」
  ウィルバー「さっそく試してみよう!」うんしょ、こらしょ・・
この二人、後の航空史に名を残すことになるライト兄弟だった 村人が見物に来た
  オービル「エンジンかけるよ。ふんっ。」ハンドルを回す
キコキコキコ・・・ブルッ・・ブルルッ・・ブルルルルルルルッ、ブーン
  オービル「よしっ、エンジンはオッケーだ、兄さんしっかり!」
  ウィルバー「いくぞっ!」
その実験機はゆっくり滑走し始めた いいぞ、兄さんそのまま! 弟の声はエンジン音によってかき消されてしまう どんどん加速していく ブーーーーーン 車輪が地面から離れた 瞬く間に飛び上がっていく
  オービル「やった、やったぞ!兄さんついにやったね!ヒャッホー!」
弟のオービルは被っていたハンチングの帽子を手に持ち、ぐるぐる空に向けて回した はれまぁー、とうとうこの兄弟、やっただがね びっくりしている村人たち この出来事は直ちにホワイトハウスに電報で伝えられた

  モル「次のような契約ではどうか。君にはこれからフランスに潜伏してもらう。噂が正しければ十分なチャンスがあるはずだ。その時が来るまで何もしなくていい。契約期間は一ヶ月だ。噂がニセあるいは契約期間が経過した場合でも約束の金は払う。だったら、この話、悪くないだろう。噂がニセであれば何もせずして金が手に入る訳だし。どうだ。」
  ワレ「・・・。いくらくれるんだ。」
  モル「むしろ君の側から提示してもらいたいな。」
  ワレ「はっきり言おう。10億だ。これ以下では絶対引き受けんぞ。」
  モル「じゅ、じゅーおくぅ?バーカそんなきゃね、今の我が国にあるわけねーだろ。」
  ワレ「あばよ。」
葉巻を吸いながら、ずっと二人のやりとりを聞いていたビスマルクが口を挟んだ
  ビス「待ちたまえ、ワレンシュタイン君。通貨はどこのものかね。」
  ワレ「マルクもしくはドルだな。」
  モル「ざけんなー、ガオー!」
モルトケの襟首をつかんで後ろへ引きずり出し、ビスマルクは葉巻をワレに突きつけた
  ビス「よし。払おうじゃないか。」
  モル「おいおい、正気か?ないものは払えんぞ。はん?」あんた下がってて
  ワレ「よし、契約成立だ。半分前払いしてもらおうか。」
  ビス「なにぃ?で、どっちにするんだ。通貨。」
  ワレ「マルクにしてもらおうか。」一瞬、ビスマルクがニヤッと笑ったのを誰も気づかなかった

          つづく
  
149こるしか島の田舎者:2001/06/21(木) 23:59
よし、払おうじゃないか ビスマルクは懐からとある紙幣を取り出した
  ビス「いくぞ、半分だから500,000,000マルクだ。うーむ算用数字でカキコするとやはり大金だな。」
  ワレ「くれ。」
  ビス「一億マルク、二億マルク、・・、はいっ五億マルク。」五枚の紙幣をワレンシュタインに渡した
  ワレ「500,000,000マルクってこんなに少ないのかぁー!」
  ビス「一枚一億だからな。少ないという訳ではない。ちゃんと五億マルクの価値がある。」
  ワレ「本物なんだろうな?」太陽にかざしている 片目で透かしを確認している
  ビス「すかしは元々入っとらんよ。安心しろ。大プロイセン=ドイツ帝国お墨付きだ。」
モルトケも様子を見てようやくビスマルクの悪知恵に気づいた ビスマルクがワレンシュタインに渡したのは、あの有名な『レンテンマルク』なのだ
  モル「てめえら、すかしてんじゃねぇーよ!」右足でバンバン地面を踏みつけている
  ビス「ちみ、落ち着きたまえ。何か君から言い残す事があれば。」
  モル「ああ、えっへん。パリのオゥ!シャンデリーゼ街にロベスピエールって男がいる。アンチ体制派だ。何かあればそいつを頼れ。」
  ワレ「なるべく仕事は一人でやるよ。残金の振込先はジャパネットタカタ銀行本店通販促進部普通口座0120-・・・だ。最近紛らわしい銀行がヤフオクのせいで有名になってきてるから間違えんなよ。」
  ビス「わかった。では、君の健闘を祈ってるよ。」ジャリ、ジャリ・・ワレンシュタインは馬に跨ると一言、あばよ、と捨てぜりふを吐いてフランスへ向かっていった 視界から消えるのを確認して・・
  ビス&モル「ダハハハハハハハ(涙)。」
  モル「おまえも相当の悪だね。なんで払うなんて言うのかと思えばレンテンマルクを掴ませるとは。」
  ビス「ドルを指定してきたらもちろん型番スーパーKさ。ぷぷっ。」
  ビス&モル「ダハハハハハハハ(涙)。」
  モル「でもよ、あいつ使えないって分かったらどういう行動するんだろ。傭兵は契約が切れたら何するか分からんし、ましてや今回の策は詐欺だろ。怒ると恐いと思うよ、ワレンシュタイン。」
  ビス「そこまで考えていなかった。鬱だ。」

長岡藩に向かう途中、ふと思い付いた光圀
  光圀「矢七、疲れておろうがもうひと働きしてくれぬか。会津の容保殿に伝えて欲しいのじゃ。次のようにな。しかじかかくかく・・」
  矢七「御易い御用で。ではさっそく。」
光圀は会津で多くの戦死者が出る事を懸念し、志同じくする者は会津を捨て仙台に向かい開陽丸に合流するように、との趣旨を矢七に言い含めた 容保を始めとする会津雀士を説得するつもりだった そして自らは徹底抗戦の構えを見せている長岡藩を説得するつもりであった その長岡藩筆頭家老、河井継乃助は死の商人から「ガトリング砲」を二門買い付けていた

  慶喜「小栗よ。出航はまだか。武揚は何をしておる。」ここは江戸湾 薩長が開陽丸の引き渡しを求めてきたのだ こればかりは応じられない
  小栗「ただいま対岸にて、人選しておりまするが時間が無いゆえ、いい加減打ち切りにし、出航いたしましょう。」
  慶喜「うむ。それが良い。武揚に伝えよ。」いよいよ船出のときが近づいてきた・・

          つづく
  
150世界@名無史さん:2001/06/23(土) 15:27
早く続きが知りたいよ!
こるしか島の田舎者 さん。
151こるしか島の田舎者:2001/06/25(月) 00:06
  榎本「よし、次!おまえは誰だ。」
  西鶴「わたしは井原西鶴と申します。是非此の度、お供させてくださいませ。」
  榎本「けっ、オマエか。洒落本かなんか書いてた売れないゴーストライターは。」
  西鶴「結構売れてますよ、わたしの本。笑泉グランデとか三笑堂書店、ジャンク堂とは独占販売契約を結ばせて頂いたくらいですから。」
  榎本「で、なんでオマエが?」
  西鶴「榎本様、今回の長旅は日本史・航海史に残る大変なことになると思うのです。」
  榎本「どーいう訳か、ヨーロッパに行くことになったからな。」
  西鶴「そこでこの旅を忠実に記録し後々の世代に伝える意義は大きいものと考えます。」頬をついて聞いていた榎本が少しマジ顔になった
  榎本「いーことゆーじゃん!」
  西鶴「そこで従軍記者が必要だと思うのです。これから活躍するであろう方々の奮戦ぶりを書き尽くしたい・・。」
  榎本「・・。ところで俺のことも書いてくれるか?あん?」
  西鶴「もちろんですとも。極めて優秀な艦長として何度も登場します、させます。」
  榎本「イイ!乗ってイイ!!はい、これ報道用の腕章。」
そこに部下が知らせをもってきた
  部下「上様より明朝に出航するとの御命令がくだりました。榎本様におかれましてはこちらを早々に済ませ、速やかに帰還せよとの御言葉にございます。」
  榎本「うむ。受付終了じゃ。しかし、今まで受け付けた者は今日いっぱい面接できるだけしてやるか。はい、次。」

江戸湾に浮かぶ開陽丸の甲板 ここで雀撰組の面々が雑談していた
  近藤「よく分からぬが、いつのまにやら俺達は異国に行くらしい。」
  土方「異国に行ってどこで暴れるんだ?」
  沖田「戦争しに行くんじゃないって、拙者は小栗さまから聞きましたけど。」
  芹沢「何しに行くんだよ?」
  沖田「麻雀とか。」
雀撰組の猛者たちが全員甲板上でコケた・・

           つづく
152世界@名無史さん:2001/06/27(水) 02:10
age!!
153こるしか島の田舎者:2001/06/27(水) 23:35
とまぁこんな感じで既出の関孝和も含め面接は無事終了した 早速、立て札が打てたてられた 合格者の発表だ
  伊能「良かった。わたしの番号があった。」
  平賀「ややっ、なんとか榎本さまのお目に留まったようだな。」
  杉田「国試以来で緊張したが無事合格して何よりだ。良沢も受かってる。」
  関「これでガロア、ガウス、オイラー、デデキントと懇談できるぞ。」
落ちた奴等は暴徒と化したが、たちまち旗本たちに駆逐された 合格者は早速、再び陣幕の中に呼び集められた
  榎本「諸君、合格おめでとう。ところで出航は明朝と相成った。急で悪いが今夜中に身支度を整えて欲しい。遅刻したものは当然放置プレイだ。以上。」榎本はコカコーラ1ダースの箱から降りて船に戻っていった
ええっ、明日?雷管とスパナとハンダ小手くらい持ってくか 巻尺と測量棒もってきてて良かった おい良沢、救急箱、それとプロパーに知らせてゾロの補充 わしは暗算するがソロバンもってくと向こうでウケルかも
 次の日 眩しい素晴らしい朝日が開陽丸をさしていた 船出にふさわしい朝だ 既に大勢の者が見送り・見物に来ている 開陽丸はお台場に横付けされた 岸壁と船との間に分厚い板橋が架かる テレビ局も実況に来ている
  菊間「ビルから落っこちた時はあの世が見えかかった私ですが、もう大丈夫です。このビッグイベントを富士テレビが独占生中継いたします。それって冨士テレ!」
当時は紙テープがないので船上の者と見送りのものが紅白の長い布の端をそれぞれ持ち合っている 達者でな! 先生、元気でね!
  佐々木「ささきょんこと、わたくし佐々木恭子がものすごい倍率の中から選抜された乗組員の方にインタビューしますっ。あっ、伊能さんです。」マイクを向ける
  伊能「世界地図を作ります。次は宇宙地図、で、あの世地図・・。」そのまま乗り込んで行った
  佐々木「・・(汗)。あっ、続いては関さんです。一言お願いします。」
  関「向こうで研究し、谷山=志村予想を使わずにフェルマーの予想を定理にしてみせます。ゼータ関数もそのうち・・。」
ところで、たたでさえうるさいケロ山喜久恵が少し離れた岸壁でゲラゲラ笑っていた
  西山「この紅白の布なんですが、どーも臭うと思ったら、フンドシと腰巻きでした。」
百万都市お江戸の視聴者は朝飯をのせた卓袱台ごとひっくり返った この時の視聴率は90%(ビデオリサーチ調べ)
  慶喜「武揚、見よ。余は幸せじゃ。」
  榎本「徳川の威風、いまだ絶えずであります。上様、そろそろ出航の御命令を。」うむ!
ごごごごごっ、蒸気機関に火が入った 群衆は出航が近いのを悟ったのか歓声がひときわ大きくなった
  榎本「出航じゃ!」
ゆっくりと開陽丸が岸壁を離れ始めた いよいよ未知なる大航海への第一歩を踏み出したのであった!!

         つづく
154こるしか島の田舎者の息子:2001/06/29(金) 18:48
  みなさんこんばんは。ううっ。
 今日は悲しいお知らせを持って参りました。父はもう再び「いつもの場所」でみなさんにお話することが出来なくなりました。残念です。
 そもそも父はこの話をショート・ショートのネタばなしにしようと考えていたようです。ところが早速>>2さんから、あばよ、と心温まる洗礼を受けたのでした。これに凹まずに続けていたところ軌道にのったので長編小説にきりかえたのです。
 実はこのはなしは既にあらすじは出来てまして、3部構成になっています。第1部は各国雀士がワーテルローに到着するまでの模様を、第2部は決戦・ワーテルロー、そして第3部は・・。第3部はあえて触れません。つまり、まだ第1部の半分くらい?しかお話できなかったということになります。
 「この場所」は微妙な暗黙の了解により静謐が保たれてきた感があります。荒らされることがほとんどありませんでしたし。父もそれにつき感謝しておりました。
 それではみなさん、寂しいですけどお別れです。お元気で、さようなら!
155カウニッツ:2001/06/30(土) 00:26
(T_T)!?
156世界@名無史さん:2001/07/04(水) 20:51
本当に終わりなの・・・?
157世界@名無史さん:2001/07/05(木) 01:26
え〜、御願い嘘だと言って。
週一回ペースでも良いから続けてよ。
158CC名無しさん:2001/07/05(木) 20:02
そ、そんな…
159世界@名無史さん
>158
わざと?くっきー?