ジェントルマン資本主義

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1わんわん
ジェントルマン資本主義論について語ってくれ。
2:2000/11/07(火) 08:47
レディ・ファースト
3ちなみに:2000/11/07(火) 10:16
sex

とき

レディ・ファースト




先に
逝かせてあげるのが





です
4世界@名無史さん:2000/11/07(火) 12:45
なんかのシンポジウムでさ、中国の学者が怒ってたよ。
5世界@名無史さん:2000/11/07(火) 13:28
>3

シカンはイカン

ジェントル万の道に外れ。
6世界@名無史さん:2000/11/07(火) 19:06
こんな凄いスレッドが立ちながら誰もマジで書かないとは(泣
ジェントルマン資本主義って、何に対して出された概念なのか、
今一分かりづらいんだけど
7わんわん:2000/11/07(火) 23:17
本読むのがめんどくさいから聞こうとした。
ジェントルマン資本主義の新しさを聞いてみたい。
それになぜ日本人の研究者が飛びついているのか、
学会の共通論題にする意味があるのか。
8kaz:2000/11/07(火) 23:38
ジェントルマン資本主義って、要するに産業革命の重要度対しての反論というか
そういう感じでだされた概念だろ。
多くの歴史認識からすると資本主義の発展は産業革命のような工業化
に始まるものとされていたが、実際はイギリス産業革命時には資本家は国内
産業に投資するより、シティなんかを通じて海外投資や貿易に目を向けていた
っていうことがわかってるらしい。
こういう説が今じゃ通説になってるらしい。もちろん反論もあるが。
9わんわん:2000/11/08(水) 00:37
なるほど。
いくつか質問です。
19世紀後半の工業退化や、シティ・産業間分離、レントナー国家のような議論とも関連しているのでしょうか。
この議論によると、ジェントルマンが資本主義の主要なアクターであると考えてよいのでしょうか。
あと、従来の研究史とはどういう関係にあるのか。たとえば大塚史学系の研究やマルクス主義史学だと、自生的な産業資本の成立が画期となり、世界システム論だと資本蓄積のセンター・ペリフェリー体制が重要視されているけど。
10kaz:2000/11/08(水) 01:58
>9
すまん、俺もそれほど勉強してるわけじゃいからきちんと
答えはだせないけど。
ついでに、8の俺のレスも良くないな。

とりあえず、19世紀の工業衰退は投資家が国内投資じゃ
なくて海外投資に目を向けていたからと考えていいと思う。
ゆえに、シティは投資家の利益を最優先に考えなければ
ならないからシティと産業は分離していく。
ちなみに工業衰退は自由貿易政策によるものとの反論もある。

レントナー国家との関係はわからん。誰か分かる人教えて。

とりあず、ジェントルマン資本主義ではジェントルマン=投資家
によってイギリス資本主義は発展したとしている。
11世界@名無史さん:2000/11/08(水) 03:52
とにかくレントナー国家として食うには、ある程度の利子率の高さが
必要。そこで利子率が相対的に低い国内投資という選択肢は消えていく。
もちろんそれに対する国内産業界のリアクションはあるんだけれども、
シティと産業の対抗のなかで決定的に作用したのが政界・金融界両面に顔の利く
ジェントルマン層の存在とその投資家としての利害動向であったと。
それで最終的に19世紀イギリスは、産業国家であることをやめて
レントナー国家に転換したと。こういう感じでしょうか。

産業衰退論については、もちろん国内投資の欠如の問題も
あるけれど、
直接にはアメリカだのドイツといった保護貿易工業国家の台頭が
大きいでしょうね。工業利害の直接的な要求も、
これら工業国に対する報復関税要求であるとか、あるいは
帝国植民地・自治領との相互特恵関税要求といった
関税改革運動という形で現れてくるわけですし。
これもシティ金融利害に潰されるけど。
12世界@名無史さん:2000/11/08(水) 04:13
>7
ジェントルマン資本主義論、日本では受け入れられる土壌があったみたい。
地主層の影響力の強さはかなり早くから言われていたし、
金融と産業の対抗(自由貿易か保護貿易か)→金融利害の最終的貫徹、
という構図も、経済史では割と早くから定着していた。
ジェントルマン資本主義論が新しいところというのは、
日本の経済史が段階=断絶で捉えていった過程を、
「ジェントルマン利害の規定性」
という連続性で捉えるという点にあるのかな。
彼等の議論ってのは、今まで日本でそういうことを言ってきた人にとっての
大きな後ろ盾になるだろうし、他面では、
日本の研究史の立場からもジェントルマン資本主義論に対して
あれこれつつきやすいってこともあるでしょうね。
13:2000/11/08(水) 04:35
農業史との絡みで、工業化のために必要な資本蓄積が農業部門で
行われ製造業に投資されたっていう古典的な解釈に対して、ジェン
トルマンを通じたロンドン→農村への資金の流れも考えたら、そう
いう立論は成り立たない、って批判でもあったと思ったんだけど、
正確には知らないです。読まなきゃ・・・
14世界@名無史さん:2000/11/09(木) 02:14
>6
元々は、イギリスの帝国主義とか海外進出政策を根本的に規定していた
要因は何か、というのが問題。
レーニンの帝国主義論では、産業資本と銀行資本の結合としての
金融資本の利害がそれを規定していた、って言うんだけど、レーニンは
その「金融資本」の実態を全然明らかにしなかった。
そんなわけで、ロビンソンだとかギャラハーっていう連中が、むしろ
帝国政策は国内経済の利害なんかよりも、その都度の外交状況とか軍事状況とか
植民地の事情とかに規定されてた、とかいいだした。
ケイン・ホプキンスのジェントルマン資本主義論は、イギリス帝国史を
このように外部的要因で説明することへの批判である。
やっぱり帝国政策を規定していたのは国内の金融利害であった。
であるとと同時に、レーニンが漠然と「金融資本」と呼んだものに、
地主・金融貴族、ジェントルマンという社会的実態を与えた。
以上、大昔に読んだものをうろ覚えで。
15名無しさん:2000/11/09(木) 03:28
>>14
つまり、内政の優位ってこと?
16HOTNEO:2000/11/09(木) 03:59
今、卒論でイギリスの近代以降のウイスキー産業について、
調べてるんですけど、ウイスキー産業に投資してたのって、
ジェントルマンなのでしょうか?

17世界@名無史さん:2000/11/09(木) 04:53
>16
面白そうなテーマだね。
っていうか、むしろそれはこっちが教えてほしい(笑)
せっかくの卒論なんだし、レポートみたいに軽く考えないで、
自分で調べた方がいいよ。もったいないもん。
18kaz:2000/11/10(金) 07:48
ジェントルマン資本主義について友達にも意見を聞いてみたのでそれ載せときます。

簡単に説明しておくとこれの発端は、2つあって第一には、聞いた
ことがあると思うけど、戦後のイギリスの衰退の原因といわゆる
イギリス病ってやつなんだけどその原因を産業活力の衰退、
世界の工場と呼ばれたイギリスが弱っていくことを、イギリス的な
伝統をもったジェントルマン文化、ここでは、アマチュアリズムと
直接労働を嫌悪するという文化こそがその原因にあったとする考えが
一方にあったわけです。二つ目は、帝国主義の解釈というものなんだ
けど、基本として産業資本家の影響を大きいものとしていたわけだけど、
これに対して、異を唱えたのが歴史学者(経済史)のケインとホプキン
スっていう二人なんだけど、19世紀のイギリスの政治、経済を支配し
ていたのは産業資本家ではなくジェントルマンであるとしたわけです。
ここで、ジェントルマンを定義しておくと、旧来から土地をもっていた
領主や地主層、加えて金融・銀行関係者と官僚たち(いわゆるプロフェ
ッション)この共通項は、先ほど述べたことと生産に従事しないってことです。
彼らが、以下に結びついたかと言うと地主達は、儲けた地代をどうするか
っていうと銀行に預けたり、投資したりするわけでここで、人的な結びつ
きが成立し、また、学校(グラマースクールやオックスブリッジ)で、彼らの
子供達は一緒にジェントルマン文化を身につけていくわけです。この、ロンドン
のシティーを中心とした結びつきこそが19世紀のイギリスと帝国主義を
推進していったのだというのがジェントルマン資本主義帝国論(長いなあ・・)
なわけです。
19kaz:2000/11/10(金) 07:50
続き

話は元に戻るけど、第一の発端について、これは産業資本家のジェントルマン化
その中心としての教育の問題があったわけだけど、これに対して、思ったよりも
産業資本家がジェントルマン化していないと唱えたのがルービンステインで、
彼は、学校の入学リストを調べてそのような傾向は見られ無いと主張している。
また、彼はイギリスの衰退を産業的な面からだけ見るべきでないといっています。
それは、産業的優位は一時的であったが、金融面ではシティーはいまだ影響力を
もっているではないのかといっています。
まあ、そんな感じが概説なんだけども僕の考えを言うと、資本主義の分析としては
的を得ていると思う。しかし、普遍性(ほかの国家に適用するモデルではない・・
というか、最初からそんなこと問題にしていないかもしれないけど)はないといえる。
また、資本主義の分析としては、一つの要素に偏りすぎている、ある種経済面の要因
を重視しすぎる結果になるのではないかと思う。
 あと、僕的にはウォラーステインの世界システム論との対比、特にヘゲモニー国家論
なんかと比較してみると面白い結果が生まれるんじゃないかと思う

これが友達の意見
20世界@名無史さん:2000/11/13(月) 00:35
 バラ戦争で成り上がった領主がジェントルマンの起源。
その後のイギリス革命で,ジェントルマンの多数派は国王側につくけど,
結局敗れてイギリスの絶対主義は終わり,近代社会が始まる。
ブルジョアジー(市民階級)が国家権力の実権を担うようになるのだけれど,
彼らは富と共に名誉もほしがった。一方,ジェントルマンも何とかして
血統を残したかったら,両者の融合が進んだ。
 実質的に権力を握っているのはブルジョアジー(市民階級)だけど,
そこに要領のいいジェントルマンが彼らと手を組んで,イギリスの近代化,
資本主義化を進めていった。
21世界@名無史さん:2000/11/14(火) 07:36
>20

>その後のイギリス革命で,ジェントルマンの多数派は国王側につくけど,
>結局敗れてイギリスの絶対主義は終わり,近代社会が始まる。

はどうかとおもう?
スチュアート朝において、議会に進出する事で権力を得ていたジェントリは多数いた
し、イギリス市民革命の直接の契機は、彼ら議会派のジェントリをチャールズ一世が
無視した事(1629〜40の無議会時代など)が通説になっている。
さらにクロムウェルはジェントリ出身だし、彼の率いていた独立派は多くのジェント
リ層が荷担していた。

>実質的に権力を握っているのはブルジョアジー(市民階級)だけど,
>そこに要領のいいジェントルマンが彼らと手を組んで,イギリスの近代化,
>資本主義化を進めていった。

18世紀・19世紀の保守党・自由党(トーリー・ウイッグ党)の激しい政争があった
事、そして両者が拮抗していた事を見落としている。
知ったかぶりをして、いいかげんな蘊蓄をたれるな!
22世界@名無史さん:2000/11/14(火) 12:54
>21
そんなに怒るほどのことか?
23世界@名無史さん:2000/11/14(火) 15:05
書いてるうちにいらついたんやない?
つーか>21冷静になれ
24名無しさん:2000/11/14(火) 15:34
ところで、日本の資本主義の黎明期に、
華族という人たちは何か影響を持ったんだろうか?
25世界@名無史さん:2000/11/14(火) 17:06
銀行・鉄道などの投資を行った
26世界@名無史さん:2000/11/14(火) 22:42
「華族資本主義論」とか誰かぶちあげないかな。
文系マッドサイエンティストに認定してあげよう
27世界@名無史さん
華族の影響力はともかく
明治維新以降、旧佐幕派の士族が、
その子弟を熱心に教育して
官僚や実業家を数多く輩出していた事は
よく近代経済史や社会学等でいわれているんだけど。
こういった、自国の例と比較しやすいとゆうのが、
日本でこのジェントルマン資本主義がうけた理由なのかも?