1 :
世界@名無史さん:
「ハーメルンの笛吹き男」など、中世ヨーロッパの社会史を扱った著作で知られる歴史学者で
元一橋大学学長の阿部謹也(あべ・きんや)さんが4日、急性心不全のため東京都新宿区の
病院で死去した。71歳だった。葬儀は近親者で済ませた。喪主は妻晨子(あさこ)さん。後日、
お別れの会が開かれる予定。
35年、東京生まれ。中学時代にカトリック修道院で生活したことなどから西欧の中世社会史に
関心をもつ。74年、子供たちを連れ去る笛吹き男の物語を核に、中世ヨーロッパの庶民の生活を
浮き彫りにした「ハーメルンの笛吹き男」を出版し、注目を集めた。
ヨーロッパの被差別民に目を向けた「刑吏の社会史」、定住民と遍歴の民の交錯を描いた「中世を
旅する人びと」(サントリー学芸賞)などの話題作を次々と発表。故網野善彦氏らとともに、社会史・
中世史ブームの中心人物となった。
また、独立した個人が構成する「社会」とは異質な「世間」をキーワードに、「『世間』とは何か」などで
独自の日本文化・社会論を展開した。
94〜95年に本紙書評委員。本紙連載を基にした「中世の窓から」で81年に大佛次郎賞。97年に
紫綬褒章。92年から一橋大学長、97年から国立大学協会長、99年から共立女子大学長を務めるなど、
大学の組織改革にも精力的にかかわった。
「阿部謹也著作集」(全10巻)がある。
http://www.asahi.com/obituaries/update/0909/001.html 中世ヨーロッパ史に不朽の業績を残した阿部氏について語りましょう。
2 :
世界@名無史さん:2006/09/10(日) 23:12:08 0
2が謹んでお悔やみ申し上げます。
3も謹んでお悔やみ申し上げます。
本当に惜しい方を・・・
4 :
世界@名無史さん:2006/09/10(日) 23:19:42 0
『ハーメルンの笛吹き男』読んでいる途中で
書棚のどこかへ行ってしまった。いまだに行方不明。
謹んで追悼致します。
5 :
世界@名無史さん:2006/09/10(日) 23:23:43 0
本屋で平積みか。
6 :
世界@名無史さん:2006/09/10(日) 23:28:30 0
高校の頃、受験勉強の根号丸暗記に嫌気がさしていたときに
「刑吏の社会史」と「ハーメルンの笛吹き男」を読んでものすごく衝撃を受けた。
ヲレはそれで歴史学専攻を決めた。
7 :
世界@名無史さん:2006/09/10(日) 23:30:13 0
しまった、根号 → 年号
網野善彦の『異形の王権』に阿部さんのことが触れられていたので、
この人の本を読み出した。
そして中世ヨーロッパ史の面白さに開眼。
いつか全集を買おうと思いつつもう何年・・・・
「ヨーロッパ中世後期の世界」は徹夜で読んでしまったな。学術書で徹夜なんてはじめてだったよ
「中世の星の下で」(ちくま文庫)では
中世ヨーロッパの都市を体験しているような気分を味わわせてもらった。
そういえば似たようなことをやっている人に木村尚三郎という人もいたな。
9だが・・・俺なに書いてんだろ
もちろん「ドイツ中世後期の世界」のまちがいだ
12 :
世界@名無史さん:2006/09/10(日) 23:58:18 0
71ってまだ若いよな・・・
若い、あとせめて10年くらいは生きて3〜4冊書いて欲しかった。
いや、こういうこと書くの良くないんだろうけど・・・
とにかくご冥福をお祈りします。
14 :
世界@名無史さん:2006/09/11(月) 00:39:36 0
日本に生活史を啓蒙してくれたいい意味での歴史家でしたね
きんちゃん・・・(´;ω;`)
16 :
世界@名無史さん:2006/09/11(月) 05:44:12 0
阿部さんの世間論も中世欧州の「個性」の問題と阿部さん自身の
修道院生活という経験を経たからこそ生まれたのだという気が
するが、他の歴史家からはこういう視点はなかなか出てこないと
いう気がする。自分と関わりの無い歴史を歴史と認められないと
おっしゃった阿部さんの言葉が印象に残っている。晩年に自伝を
出版されたことと、数年前の講演で「いろいろ体に問題を抱えて
いる」とおっしゃっていたことを考えると、自らに残された時間
をご存知だったのかと・・・・・。
心からご冥福をお祈りいたします。
17 :
世界@名無史さん:2006/09/11(月) 05:50:57 0
師匠の増田四郎ともども結構読ませて頂きました。
まだまだ執筆も盛んで元気だっただけに残念でなりません。
講演の時に私の拙い質問を褒めて頂いたことが懐かしいです。
彼の一言は「ヨーロッパとは個人主義」とされていましたが、そのテーマはさらに継続的に
発展されて、教養や世間など日本社会の大学教育の厳しい現状を批判的に
捉えているように思いました。
しかし急に心不全とは・・・・残念です。合掌
18 :
世界@名無史さん:2006/09/11(月) 06:08:25 0
ぜひNHKは「世界わが心の旅」のハーメルンの笛吹き男を追悼番組として
放送して欲しいね。この番組の最初は教会の鐘の音から始まるが、学問の
文書中心主義を批判なさっていた阿部さんらしい始め方だと思った。
>> 著書は陳腐そのものだったのに賞を取ったりしていた裏のカラクリを知っている人は教えて!
>
> 一時期から急に賞を取ったが、盗作の和田画伯みたいに政界にコネがあったとか?
> 最近の新書「教養」「世間」も、まるでくだらない。西洋の著者のつまみ食い紹介・要約だけ。
その通り。学長になったりして「偉そうにする」のが人生の目標だったようだ。
俺も裏のカラクリが知りたい。
20 :
世界@名無史さん:2006/09/11(月) 15:43:34 0
>>19 いろいろな意見があるとは思うけど、故人に対する振る舞いかたというものが
あるだろ。お前のような人間を教養が無いと言うんだよ。
>>19 >著書は陳腐そのものだったのに
陳腐ではない、おすすめの社会学・歴史学の本があるの?
あるんだったらここで紹介して欲すぃ。
ちょっとタイプでした・・・・・・
・・って何書いてんだ私
orz
阿部さんの創作だったかどうか知らないが、阿部さんの本で
読んだ、「共同体」の定義の一つとしての、「笑いの共有」という
言葉は、読んでから20年たっても、いまだに頭の中に残っている。
ご冥福をお祈りいたします。
25 :
世界@名無史さん:2006/09/11(月) 22:54:38 0
9月4日に御逝去されたのですか。喫茶店の新聞で読んで知り、「ええ!」と叫んでしまったほど、驚きました。僭越ながら、私事を一事披露させて頂きつつ、故人の冥福を心より願う者です。南無阿弥陀仏。
26 :
世界@名無史さん:2006/09/12(火) 00:57:28 0
>>23 情報サンキュー。このファイルは保存できないんですね?
阿部氏の講演は1度しか行った事が無いので、また行ってお話を
お聞きしたいと思っていたのですが・・・・・。でも、23さんの
おかげで講演1回分経験できました。
28 :
世界@名無史さん:2006/09/16(土) 01:17:21 0
阿部先生は、入学した大学の学長だったこともあって、著作からだけでなく、
式辞などの場で直接話を聞くこともできました。お話しされていたことや
著作から感じられた学識の深さと人間社会全般への鋭い洞察は、現在でも
心の中に感銘となって残っています。阿部先生のように、幅広く独創性に
富んだ議論を展開でき、そして時に勇気を持って社会を批判することの
できた学者は、これからもなかなか現れないかもしれません。先生がお元気
だった頃を思い出し、先生の考え方の影響を自らもいつの間にか受けていた
ことを再確認するにつけ、お亡くなりになられたことが信じられず、そして
残念でなりません。ご冥福をお祈りします。
29 :
世界@名無史さん:2006/09/16(土) 07:28:50 0
阿部謹マインドは、皆の中に生き続けるのさ。。
しかし、今日の朝日新聞の朝刊の天声人語はちょっと酷くないか?
阿部謹を引用しつつ
>「世間」とは「金や名誉や義理」などへの関心で出来た世界だ。
とかさらっと書いてるけど、そんな説明じゃねぇだろう。
やっぱ阿部先生の根底は「人情」なんだよ。だから著作に惹かれる
31 :
世界@名無史さん:2006/09/16(土) 13:25:22 0
>>29 オレもキレかけた。本当に酷い。
死人を引き合いにだすなっつうの。
そんな新聞社も否定してる言葉だと思うんだがな。
江藤淳死去の時、産経抄がそれをやったのを見た福田和也はキレてみせた。
阿部さんにはそう云う事する弟子筋はいないのだろうか?
人の死をだしにする低脳は指弾されるべきだと思うんだが。
高校時代に「中世の窓から」を読んでファンになった。
阿部さんが出るTV番組を初めて見たとき、
西洋史の話だったけど着流しだったのがとても印象的だった。
比較的若い頃の写真を拝見すると
やさしげな面差しの、かなりの美男子だね。
なんだか端正な気品のある人だったと思う。
網野善彦が亡くなった時も思ったが、優秀な人はいても
ああいう気品の感じられる人ってもう絶滅危惧種だよね…。
本当に残念です。
( ゚д゚)
(´;ω;`)
37 :
世界@名無史さん:2006/09/16(土) 23:44:32 0
阿部氏といえば、NHKのBS番組「世界・わが心の旅〜ドイツ・笛吹き男
との出会い〜阿部謹也」を見て、書店で本を一生懸命探した思い出がある。
38 :
世界@名無史さん:2006/09/16(土) 23:49:32 0
「ハーメルン」は衝撃だった。日本人でも西洋史でちゃんと結果がだせるのだと。
読み物としても面白かったからね。
良知先生なんかとやってた「社会史研究」って雑誌は俺的には衝撃的だった。
遅ればせながら謹んで追悼致します
42 :
世界@名無史さん:2006/09/19(火) 20:37:21 0
阿部さんがヨーロッパでは12世紀に「個人」や「恋愛」が生まれた、それ以前の
社会、たとえば『サガ』では個人の内面が描かれていない、と主張していたが、
ジュリアン・ジェインズ『神々の沈黙―意識の誕生と文明の興亡』(紀伊国屋書店)
にも、3000年前まで人類は「意識」を持っていなかったと書いてあったな。
旧約聖書の「アモス書」には「心」や「思考」「感覚」「理解」といった類の
ものを表す言葉はいっさいない。
これに対し、「コヘレトの言葉」は主観的意識を備えた人間によって書かれた
ものであると。
43 :
世界@名無史さん:2006/09/24(日) 00:40:55 0
文字による記録の意味が紀元前1000年頃以前と以後で変わったから
だと思うよ。けして意識が無かったわけじゃあないと思うよ。
阿部さんのいっている「個人」も近代的な意味での個人であって、
個人自体は11世紀以前も存在していたと思うよ。
岩波文庫の「オイゲンシュピーゲル」もう売ってないのな・・・
中日新聞に、阿部先生に網野善彦氏の追悼文を頼んだら、
彼とは意見を異にしているからダメと言われて断られた
というような記事が載っていたけど、一体なにがあったんですか?
>>45 阿部さんが天皇陛下(だか皇太子殿下だか)に御進講に上がる。
↓
網野さんがそれを批判。モノを教えてやるなら呼びつけろ。
↓
阿部さん反論。網野さんは家庭教師というものを知らないのか。そういえば、
彼の実家は金持ちでアルバイトなんかしなくてよかったんだな。
↓
所詮、境遇が違うのか…。絶縁してやる。
47 :
46:2006/09/24(日) 20:01:55 0
学問上の行き違いはよくわからん。
「中世の風景」のころは仲良さそうだったのにね。
48 :
45:2006/09/24(日) 20:19:23 0
>>46 うあぁぁそういうことだったんですか。
一概にどっちが悪いとはいえない問題ですね・・・
お教えありがとうございました。
学問的に或いは立場的に意見を異にしていても、
ライバルとして、研究者として追悼の意を表すというのはあるけど、
これは単に網野さんが思想的に頑なになってるだけのような…。
>>49 研究者としてどうこうってより
感情的な行き違いだから難しいんだね。
相手が亡くなってもそう簡単には水に流せないわだかまりか…。
仲間と夜汽車に乗って、古寂びた田舎旅館に泊まり酒を酌み交わすのが
楽しみって書いておられたが、網野さんはそのお一人だったのかな?
52 :
世界@名無史さん:2006/09/25(月) 01:31:39 0
阿部先生がそのように書くときに、一番に念頭においているのは、
様々な著作を読んでみると、中国思想史の研究者の故・西順蔵先生
だと思います。阿部先生と西先生の交流は、「北の街にて」(洋泉社、
2006年)に詳しいです。西先生との小旅行のエピソードは阿部
先生の著作にしばしば出てきますが、この本だとp258に書かれて
います。西先生は、阿部先生が心から話し合うことができた数少ない
学者だったようです。小樽時代の阿部先生の自伝的なこの著作は、
文学作品のように思えるほどよく書けていて、安丸良夫先生の解説も
よいですね…
研究内容もだけど、
文章が本当に読みやすくて解りやすい。
54 :
世界@名無史さん:2006/09/27(水) 01:19:10 0
YBCに行ったら、全集がそろっていて、著作もほとんどあった。
入門書は、内容が重複しているものが多かった気がする。
入門書だもん
57 :
世界@名無史さん:2006/09/28(木) 18:41:48 0
>>52 「北の街にて」は再版ですか?阿部謹也全集にも同じ題の著作が
あったような記憶が・・・・・。
58 :
世界@名無史さん:2006/09/28(木) 20:16:44 0
「北の街にて」は、まず1995年に講談社から刊行されました。その後
1999年から2000年にかけて「著作集」が出版され、阿部先生の代表的な
作品が収録された際に、そこにも収められました。洋泉社新書モダン・
クラシックス版も講談社版と同じだと思いますが、安丸先生の「解説−
阿部社会史、原点への回顧」が、新しく加わえられていると思います。
阿部先生の作品を読む際に、こうした自伝的著作を合わせて読むと、
作品と著者の背景をより深く理解できるように感じますね…
59 :
世界@名無史さん:2006/09/28(木) 23:33:02 0
>>58 詳しい解説どうもありがとう。阿部先生の歴史観も興味深いですが、
人柄についても知りたいと思っていたのでこの本は買おうと思います。
そういや対談集を買ったままでまだ読んでないや(´・ω・`)
61 :
世界@名無史さん:2006/10/03(火) 12:13:30 0
62 :
世界@名無史さん:2006/10/03(火) 17:57:48 0
『刑吏の社会史』(中公新書)買ったよ。
俺はただの歴史趣味者だから欧州でも皮革業者が差別の対象だったなんて
全然知らなかった。
「日本人は農耕民族だから皮革業者を差別するが欧州人は狩猟民族だから云々」
なんてほんと俗説なんだね。
欧州人が狩猟民族だったのは、全然古代の話だよ。よくそういう風に論じる人が多いけど。
農耕の誕生と定住化なんて高校でも習うキーワードだもんね。
行って教えてやれ
67 :
世界@名無史さん:2006/10/18(水) 01:06:37 0
木村尚三郎さんもお亡くなりに・・・・・
(‐人‐)ナモナモ
ローマ史の弓削先生もなくなられたとか
西洋史は今年訃報が多い
69 :
世界@名無史さん:2006/10/18(水) 13:12:04 0
ああ、ドイツ騎士修道会しか読んだことはないが素晴らしい名著だった・・・
うおおおお、余計なものはいいから、もっと騎士団や中世ドイツについて
研究し、著作してから逝けや。お前といい横山光輝といい、死ぬんじゃねえよ!
と、あえて死者に鞭打つ暴言を吐いてみるテスト。
70 :
世界@名無史さん:2006/10/18(水) 13:44:09 O
氣志團なんて余計もいいとこ
中学生のとき、朝日新聞の夕刊に連載されていた「中世の窓から」で
自分が小学生のころ読んだ「ティル・オイレンシュピーゲル」とは、
こういう話だったのかと、大変驚きました。
専攻が化学だったため、後は「自分の中に歴史を読む」や「ハーメルンの笛吹き男」
「刑史の社会史」ぐらいしか読んでませんが、みんな中高校生必読の名著だと思います。
実家の本棚探したら、あの時読んだ本は、まだ残っているかなあ・・・
73 :
世界@名無史さん:2006/10/18(水) 21:40:12 0
阿部タン、弓削タン、木村タン……
次は誰ですか?
なんか時間の流れを感じてしまってションボリです
74 :
世界@名無史さん:2006/10/18(水) 22:23:11 O
長谷川か青柳か杉山あたりでは
おまえらなあw
>73
中世の秋の人ってまだ存命だっけ?
堀米庸三の「中世の光と影」(名著)と勘違いしているのではないかと推測
杉山センセには「集史」の日本語訳出版まで元気で居て欲しい。
┗0=============0┛
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/三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三\
0 │ |∞∞∞ |::|∞∞田田∞∞|::|∞∞∞ | ::| 0
[二] | ::| |::|┏━━━━┓|::| | ::l [二]
◎○@※◎○@※. |□|.│ |┌┬┐ |::|┃/ 先生\┃|::| ┌┬┐| ::|. |□| ◎○@※◎○@※
ii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii| `)三(´| ::|├┼┤ |::|┃ ∧_∧ ┃|::| ├┼┤| ::|`)三(´il|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|
@※◎○@※◎○ | ::| | ::|└┴┘ |::|┃(´∀` ) ┃|::| └┴┘| ::| | ::| @※◎○@※◎○
ii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|li┏━━━━━┓|::|┃(. つ┃|::|┏━━━━━┓ li|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|l
◎○@iiii※◎○@ ┣┳┳┳┳┳┫|::|┗━━━━┛|::|┣┳┳┳┳┳┫ ◎○@iiii※◎○@
ii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|l ○ ● ∫∬∫∬ ● ○ ii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|li
○○ ●● iiiii iii ii iiii ●● ○○
[ ̄ ̄] [ ̄ ̄] ( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄) [ ̄ ̄] [ ̄ ̄]
|_○_| .|_○_| |_____| |_○_| .|_○_|
82 :
77:2006/10/19(木) 22:15:27 0
>78, 79
中世の秋の訳者という意味でした、すいません
83 :
世界@名無史さん:2006/10/19(木) 23:39:44 0
KABA.ちゃんって…
85 :
世界@名無史さん:2006/10/21(土) 00:35:38 0
今日の日本経済新聞夕刊に阿部先生の追悼文がまた掲載されていた。
その阿部先生の写真を見て、実は先生の表情にも惹かれ憧れていた
んじゃないか…と思ってしまった。かもし出すオーラといってもよい
のだけど。あんなに穏やかでいい表情の学者って他に知らないから…
みそらーめん。・゚・(ノД`)・゚・。
87 :
世界@名無史さん:2006/10/22(日) 15:10:23 0
KABAちゃんは、『中世の風景』で阿部、網野、石井の諸先生と対談した
先生のことじゃない?
88 :
世界@名無史さん:2006/10/22(日) 15:24:55 0
KABAちゃんだってまだ若いぞ。最近あまりテレビ出演しないけど。
樺山さんは、今年に入ってからだと岩波新書の「地中海」と、
佐藤賢一「オクシタニア」文庫版の解説を見たなあ。
90 :
世界@名無史さん:2006/10/27(金) 16:13:16 0
日曜日には阿部さんの「お別れの会」に行く予定だ。
交遊関係が広かった方と聞いているし、どんな会になるのかなと思う。
感じたことがあれば、あとで書き込むつもり。
92 :
世界@名無史さん:2006/10/28(土) 07:25:08 0
883 :日本@名無史さん :2006/10/26(木) 16:19:07
永原慶二さんは網野さんを追悼した直後に亡くなってたんだね。
一橋大学つながりで、阿部謹也も先頃お亡くなりになったので
Wikiからこんなコピペを。
網野善彦との出会いと別れ
『中世の再発見』での対談で、日本中世史学者網野善彦と初めて出会う。
ともにこれまでの学問のあり方に不満を持つ者同士意気投合し、これをきっかけに
家族ぐるみの付き合いにまで発展する。
その後も度々対談などで仕事をともにするなど、その親交は深かった。
しかし、次第に両者の間に溝が生まれる。
網野はあくまで日本と西洋の共通点にのみ着目して、相違点などにはほとんど興味を示さなかった。
一方阿部は両者の相違点のほうに関心を深めて行き、網野との会話が次第に噛み合わなくなってゆく。
また網野は、「世間」の枠にきっちり納まってしまうタイプの人物で、
歴史の切り口こそ斬新なものを見せたものの、その考え方や発想はいわゆる「歴史学者」の域にとどまった。
阿部はというと、金子光晴や高村光太郎の詩に耽溺し、石牟礼道子らの文学者や国文学者西郷信綱のような
他ジャンルの人々と普段から交流し、何より「世間」と距離を置いた個人的な世界を持つなど、
ジャンルにとらわれない広い精神世界を持っていた。
そうした感性の違いが、やがて二人を別々の道に進ませることになる。
93 :
世界@名無史さん:2006/10/28(土) 08:47:18 0
94 :
世界@名無史さん:2006/10/31(火) 18:14:07 0
「お別れの会」には行けなかった・・・。
晩年は腎臓病を患って人工透析をされていたのですね。
今更だが逝っちまったのか・・・残念だったよ
>>42 >>社会、たとえば『サガ』では個人の内面が描かれていない、と主張していたが、
この人の主張でここれはよく覚えてる、なぜなら俺はサガを読んで内面豊かだなとか思ったから
いつか本人に詳しく聞いてやるぞとか思ってたんだけどなぁ・・・
96 :
世界@名無史さん:2006/10/31(火) 20:55:52 0
たとえば兄がノルウェーに行って結婚することになった。そこで弟は一緒に
行きたいといい、断られたけど無理に付いて行ってしまう。その弟は結婚式の
当日に急に熱が出て大病をしてしまう。結婚式に出られなくなったんですが、
それなのに熱をおして隣村に行って、そこでビールを飲んで大暴れに暴れて
人を殺したりする。この例で我々は、どうも弟は兄貴に嫉妬をしている、あるいは
兄貴の貰おうとしている嫁さんに恋をしていて、それをどうしても自分では
整理できなくて暴れている、としか読めないんですけども、そういう叙述は
一切ない。
『ヨーロッパを読む』(阿部謹也、石風社)
97 :
世界@名無史さん:2006/10/31(火) 22:15:53 0
阿部さんが学長だった頃の一橋に在籍し、著作もたくさん買った阿部ファン
の一人として、故人に思い出があったので、兼松講堂で開かれた「お別れの会」
に行ってきました。少なくとも500人以上の人が参加していたように思います。
各分野の五人の方々の弔辞が印象に残りました。
現・杉山学長は、キャンパス統合問題や学長選問題など、学長としての激務
が体調を悪化させたのではないかなどと話されていました。歴史学者では、KA
BAちゃんこと現・印刷博物館館長の樺山紘一さんが、弓削達と木村尚三郎の
訃報にも触れながら、新聞に寄稿した文章を読む形で、故人の思い出を語って
おられました。阿部ゼミの出身者では、一橋助教授の阪西紀子さんが、学部
の授業やゼミ・大学院での指導などについて話していました。学部の授業では、
あまり板書などすることなく時々独語の単語を書くというようなものだった
といい、ゼミは独語や仏語の文献を毎週数ページずつ読み進めるというもの
だったようです。友人としては、元滋賀県立大学学長の日高敏隆さんが、生物学
専攻の学者でありながら、阿部さんと親しくなった経緯などを思い出深く振り
返られていました。国立大学協会時代に共に仕事をされた方としては、元東工大
学長の木村孟さんが、日頃は温和な阿部さんが、時折みせた痛烈な批判精神に
驚かされたというようなことを語っておられました。
個人的にも、阿部さんが生前に書かれた数多くの著書を読み返しながら、
いろいろと物思いにふける毎日です…
99 :
世界@名無史さん:2006/11/01(水) 17:19:10 0
100 :
世界@名無史さん:2006/11/01(水) 17:21:47 0
謹也めにござりまする
そのほう、偽者であろう
102 :
世界@名無史さん:2006/11/01(水) 23:42:28 0
白川静先生までお亡くなりになったのか・・・・
白川先生の場合、今ままでご存命であったことが・・・
100近いんでしょ?大往生ですわ。
合掌。
たしか96歳だよ。
(‐人‐)ナモナモ・・・・・・・・・
96歳か
そりゃま、大往生といえば大往生だが…
嗚呼
106 :
世界@名無史さん:2006/11/02(木) 11:09:55 0
ドイツ中世史の阿部さんにしても漢字研究の白川静さんにしても、学者の
「世間」から距離をとりながら権威を鵜呑みにせずに研究を発展させた気骨
の人という印象がありますね…
白川さんのご冥福をお祈り致します。
普通の人としてみれば、十分なお年ですが、
白川先生は、なんか100を越えても研究なさっていたような気がしていたから、
すごくショックです。
私もまた、ご冥福をお祈り申し上げたいと思います。
108 :
世界@名無史さん:2006/12/16(土) 18:16:46 0
《新刊情報》
近代化と世間 (朝日新書)
私が見たヨーロッパと日本
阿部 謹也著
税込価格 : \735 (本体 : \700)
出版 : 朝日新聞社
サイズ : 新書 / 198p
ISBN : 4-02-273118-4
専門の西洋中世史の研究を超えて、日本史、日本現代社会論にいたるまで、
幅広い分野で健筆をふるってきた著者による、日本人に向けての最後の
メッセージ。自らの50年に及ぶ研究をもとに、古今東西を縦横に論じる。
109 :
世界@名無史さん:2006/12/16(土) 18:17:34 0
ヨーロッパを見る視角 (岩波現代文庫 社会)
阿部 謹也著
税込価格 : \1,155 (本体 : \1,100)
出版 : 岩波書店
サイズ : 文庫 / 344p
ISBN : 4-00-603145-9
110 :
世界@名無史さん:2006/12/18(月) 23:34:39 0
新刊情報ありがとうございます。
他界された後も、阿部先生の本は出版が続いているのですよね…。
どんなに精力的で意志が強く、また書きたいこと沢山あった方なのだろう
と思います。
最後の著作とされる朝日新書の本はすぐに購入したいと思います。
『中世賎民の宇宙』が2月7日ちくま学芸から出るらしいね
112 :
世界@名無史さん:2007/02/12(月) 15:31:33 0
113 :
世界@名無史さん:2007/03/05(月) 21:25:23 0
114 :
世界@名無史さん:2007/03/07(水) 01:51:10 0
ダンディで素敵でした
115 :
世界@名無史さん:2007/03/12(月) 00:46:28 0
お亡くなりになってから4冊ほど出版されてるね。
そうか
阿部きんやて誰ですか
わし
119 :
世界@名無史さん:2007/06/05(火) 19:42:39 0
阿部謹也先生ほどの名物先生を
「知らな〜い、誰ソレ?」
と言った一橋OB がいた。
そいつが在籍してたのは、先生が現役の頃ということになっていたが、
あれは 学 歴 詐 称 だったのか……!?
120 :
世界@名無史さん:2007/06/11(月) 17:27:27 0
阿部先生は社会学部の所属だったから、そのお知り合いは他学部に在籍していて
かつ歴史学には関心がない学生だったのかもね。一橋にも専攻分野がたくさんある
から。いまからでも、著作を読んでみるべし。
121 :
世界@名無史さん:2007/06/11(月) 17:30:38 0
阿部先生は社会学部の所属だったから、そのお知り合いは他学部に在籍していて
かつ歴史学には関心がない学生だったのかもね。一橋にも専攻分野がたくさんある
から。いまからでも、著作を読んでみるべし。
122 :
世界@名無史さん:2007/06/15(金) 10:00:20 0
阿部さんみたいなアプローチの仕方を「歴史社会学」っていうの?
123 :
世界@名無史さん:2007/06/15(金) 10:05:39 O
遅ればせながらご冥福をお祈りします
>>122 歴史社会学(historical sociology)じゃなくて
社会史(social history)だな。
歴史社会学ってのは社会学の理論を歴史の説明にもろに持ち込むやつだな。
割と少数のモデルや変数で全てを説明しようとするやつ。
大規模な比較史的アプローチで相当な長期間を対象にすることが多い。
(Ch・ティリーとかA・ギデンスとか。もちろんヴェーバーとか。)
普通の歴史学者から見ると、「あ」っと驚かされたり、
「え?」と絶句したりするとか、だいたいそういう関係だな。
>>124 マイケル・マンの『ソーシャル・パワー――社会的な<力>の世界歴史(1)
先史からヨーロッパ文明の形成へ』とかもそう?
127 :
世界@名無史さん:2007/06/16(土) 15:49:26 0
阿部先生が、自分は日本から「世間」を無くすのは反対だ、日本の場合個人が確立
していないから世間が無くなったら無規範状態になるだろうみたいなことを書いていたが、
欧米の社会や個人はそんなにしっかりしたものだろうか?
最近のイギリスでは反社会的な行動をする人間があまりに多いので監視カメラを
設置する始末。
結局、欧米の社会でも権威やら宗教やら世間体やら、なにか縛るものがなければ
人間はやりたい放題になるのでは。
128 :
世界@名無史さん:2007/06/16(土) 16:40:08 0
宗教は重要だけど、今の西欧のキリスト教はねぇ。。。話にならん
129 :
世界@名無史さん:2007/06/30(土) 10:51:39 0
阿部さんは『日本人の歴史意識』で、「観客として眺める歴史」という言葉を
使っていたが、日本人の国際社会に対する感覚にもこれと似たようなものがあるな。
しょせん他人事というか、日本も国際社会の一員としてプレイヤーになるという
感覚がない。国際環境は所与のものだと思っている。
130 :
世界@名無史さん:2007/06/30(土) 11:21:16 0
日本人=井の中の蛙
>>130 おまえは阿部さんの本を本当に読んだのか?
132 :
世界@名無史さん:2007/06/30(土) 13:52:33 0
はぁ?
林望とかいうクズは何も面白い事を書かぬのに業界人や出版社にチヤホヤされてるのは親のコネだったのか。
阿部謹也とかいうクズも同様だが、どういうカラクリ? 親のコネ?
林望とか中島義道なんてのは親のコネで一生トクして、親の金で留学させてもらって、・・・
それに引きかえ留学に失敗、定職も無く「奨学金は返せぬ!」小谷野は哀れだな。
>>> リンボウ先生の本には英国の労働階級とかフーリガンとか出てこないんだよね…カンチガイというか彼は書かないことが多すぎると思う
1999/11/08(月) 林望先生の「イギリスはおいしい」だったかな、図書館で借りて読んだけど、くだらなかった。彼は英国の上流階級にあこがれている人ですね。自分もそうなりたくてという。 ↑↑の方々も触れられてたけど、紳士にね。
> ここまで 皆に否定されるエッセイストって珍しいね。 丸谷才一氏に推薦されなければこの人は書誌学者として地味な人生を送っていたでしょうに。 丸谷氏は好きな作家ですが、彼を持ち上げたのは残念なことです。
だって林望っておぼっちゃんなんでしょ。30まで働いたことない、親のカネで学問一筋の人生。
親がなにやってるかは忘れたが「学問で身を立てたければ、勉強中は働いてはいけない」とかいわれたと自分で書いてた。しかも兄貴が優秀で、「負けたくなくてがんばって勉強した」とかなんとか。 こんな人にシモジモのことがわかるわけがないよ。残念ながら。
>>> 丸谷才一は子分が欲しかったんだろ。書評を駆使した文壇総会屋でしょ、作品は別として、人格的にはさ。