中国、韓国 「高句麗」めぐり歴史紛争気配
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統一視野に「領土」意識
中国/「編入」大規模な研究が進行
韓国/「文化的侵略」学界強く反発
【ソウル=黒田勝弘】韓国と中国の間で「歴史紛争」の気配が出てい
る。紀元前後に中朝国境地帯から中国大陸にかけて存在した高句麗(こ
うくり)(紀元前37−紀元後668年)の歴史をめぐって、中国が
「中国の歴史」に編入しようとする大規模な研究活動を国家的事業とし
て進めていることが最近、明らかになった。「高句麗は韓民族の国家」
とする韓国の学界は「文化的侵略」「新中華主義」と強く反発している。
「歴史紛争」の背景には国境問題を含むこの地域に対する双方の領土
的関心がある。中国の動きは北朝鮮情勢や朝鮮半島の統一まで念頭にお
いたもので、「統一朝鮮との領土紛争は必至」との考えから「まず歴史
を固めておく」との意図があるとして韓国側は警戒を強めている。
(中略)
中国は北ベトナムの武力統一戦争を支援しながら統一後は国境(領土)
問題でベトナムと戦争になっているが、金蒼浩論説委員は「中国と韓国
(朝鮮)の民族問題はもっと複雑だ。中国側に領土問題の意識があるこ
とは間違いない。朝鮮半島の統一も視野に入れて高句麗史の再検討をは
じめているようだ」と語っている。
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≪高句麗≫ツングース系の朱蒙(しゅもう)が建国したといわれる。
朝鮮半島北部を中心に領土を広げ、4世紀末に最も栄えた。百済(くだ
ら)、新羅(しらぎ)と抗争。668年、唐、新羅の連合軍に滅ぼされ
た。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/14int001.htm