>>525 確かにローマ関係の諺はローマ帝国が滅んだ後できた物が多いのは事実であり、
「ローマは一日にしてならず」も「全ての道はローマに通ず」もヨーロッパ各地で
使われている諺だけど、その起源は中世ラテン語までしか遡れないらしい。
ただその中で「ローマにあってはローマ人に従え」は比較的起源がはっきりしている。
例えば英語圏における直接のそれはジェレミー・テイラーという十七世紀イギリスの
神学者(聖職者)の著作、Ductor Dubitantium(1660)にある言葉、
Si fueris Romae, Romano vivito more; si fueris alibi,vivito sicut ibi.
(If you are at Rome, live in the Roman style; if you are elsewhere,
live as they live elsewhere. ただし一般には英語圏においてもこの諺は、
When in Rome, do as the Romans do. の形で引用されることが多い)
に由来することがわかっているからだ。
だがこれはいわば「本歌取り」なのであって、この言葉には元ネタがあり、
実はそれを通じてヨーロッパ各地は、似たような諺を共有しているのである。
それは四世紀の(つまりローマ時代の)ガリアに生まれ、後にミラノの司教となった
教会博士、聖アンブロシウス(アンブローズ)が、ある時、聖アウグスティヌスと
その母、聖モニカからローマとミラノの安息日の違い(当時ミラノでは金曜日だったのに
ローマでは土曜日だった)に関してどちらを尊重すべきかを手紙で尋ねられた時に答えた
以下の言葉である(長くなるのでラテン語の英訳とその日本語説明訳だけ挙げる)。
When I go to Rome, I fast on Saturday, but here I do not.
Do you also follow the custom of whatever church you attend,
if you do not want to give or receive sacandal.
(私はローマに行くと土曜日に断食を行いますが、ここミラノではそうしません。
(断食するのは金曜日です)。もしあなた方も不和、軋轢を被ったり引き起こしたり
したくなければ、どんなところにせよ参列している教会の習慣に従うようになさい)
だからこの言葉はもともと、布教に際しては現地での習慣を尊重することによって無用な
軋轢を避けろ、という訓戒を与えたもので、残念ながら
>>525が期待した?ような「おまいら
ローマさ行ったらシチィボーイみたいな振る舞をすれ」という意味ではないのだね(笑)。