クラウゼヴィッツ「戦争論」で戦争を考察

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1世界@名無史さん
 戦争論って史実的に見て、どれだけ正しいのだろう。
 詳しい方の考察求む。
2世界@名無史さん:02/08/05 00:24
完読したことないんだよな・・・。

プロイセンに都合のいい様に
一部史実を捻じ曲げている所があるとは聞いたけど
具体的には知らない。

『戦争と平和』にもクラウゼヴィッツ出てきた。
兵の犠牲を顧慮すべきではない、とかロシアの将軍と語り合ってて
それをアンドレイ公爵が耳にする。
3世界@名無史さん:02/08/05 02:47
漏れは岩波文庫の上中下巻買ってきて、上巻を10ページ読んだだけで放置中です。
4陸軍太郎(出張):02/08/05 02:55
このスレ、軍事板へ紹介してよかですか?
5世界@名無史さん:02/08/05 15:36
第一篇の「戦争とは政治目的を達成するための手段である。」
極言すれば、全ての戦争に当てはまる。
6世界@名無史さん:02/08/05 15:38
孫子のほうが単純でわかりやすい。
7世界@名無史さん:02/08/05 16:23
孔子のほうが複雑で奥深い。
8世界@名無史さん:02/08/05 16:27
農家のほうが実用的で野菜がうまい。
9世界@名無史さん:02/08/05 16:30
陰陽家のほうがオカルトで人気がある。
10世界@名無史さん:02/08/06 11:03
漏れのほうが賢くてスゴイはず。
11:02/08/07 02:47
「クラウゼビッツの秘密」
とかいうトンデモ本なら読んだことあるな
12世界@名無史さん:02/08/07 05:14
麗子のあなが複雑で奥深い。
13世界@名無史さん:02/08/07 05:16
>>6
先手必勝、一点突破。確かにわかりやすい。
14世界@名無史さん:02/08/07 05:30
「戦争とは政治とは異なる手段によって継続される政治に他ならない」
「政治は知性であり、戦争はその道具にすぎない。決してその逆ではないのである。
 すると両者の関係としては、けっきょく軍事的観点を政治的観点に従属させるほかはない。」
―――カ−ル・フォン・クラウゼヴィッツ(『戦争論』より)
15世界@名無史さん:02/08/07 05:47
戦争論はやろうと思えば、もっとわかりやすく書くことが出来たと思う。
16それを:02/08/07 06:21
わざと難しく書きたがるのがあの国の人達。
17世界@名無史さん:02/08/07 07:24
>>16
翻訳が難しくなってるだけ
18世界@名無史さん:02/08/07 07:31
森鴎外が日本で最初に講義した。
19世界@名無史さん:02/08/07 07:47
要するに
戦争のみの戦争つうのはないってことよ。
必ず政治的な要因が引き金となって、起こされるってこと。
20世界@名無史さん:02/08/07 08:14
>>14
でも、それって孫子がずーーーーっと前から言っているような気が。
21世界@名無史さん:02/08/07 08:29
孫子が時代に合わない点は確かにあるんだよね。攻城兵器が発達したから
城を攻めるなってのは時代に合わなくなったと思うし。(その理念は大切
だと思うけどね)
孫子になくて、クラウゼヴィッツにあるものってなんでしょ?
22世界@名無史さん:02/08/07 08:38
孫子で一番時代に合わない点

・物資の現地調達

帝国陸軍はこれに毒されていたんじゃないの?
23世界@名無史さん:02/08/07 09:08
19世紀の「戦争論」でしょ?
24世界@名無史さん:02/08/07 13:07
 孫子と戦争論では、時代背景や戦争の目的が全く違う。孫子時代の中国の戦争は全くの侵略戦争。
戦争論のヨーロッパは、政治目的の戦争が主。近代の戦争を考えるなら戦争論の方が直接応用が効く。

と、思う。
25世界@名無史さん:02/08/07 15:55
目的はパリ、目標はフランス軍
26世界@名無史さん:02/08/07 16:57
戦争論は国民国家同士の戦いを想定しているので、孫子とは違う。
後、孫子が持ち上げられているのは、リデルハートがクラウゼヴィッツを
批判したいばかりに持ち上げたせいもある。

それと読みにくいのは、もともと出版するつもりのない草稿だから。
27世界@名無史さん:02/08/07 18:19
孫子の凄い点は、キリストが生まれる前の時代に21世紀でも通用することを
論じていたこと、かな?
28世界@名無史さん:02/08/07 18:28
>>24
孫子の方も政治の方が大切だと言いきっていたような気がするんだけど。
時代に合わない部分も孫子には多々あると思うけど、戦争論よりも普遍的なこと
を沢山書いていたような気がする。
29世界@名無史さん:02/08/07 21:04
孫子は戦争に経済概念を導入している。
>>22 の物資現地調達の件もそれから来ている。それを踏まえて、現代風解釈すれば良いとおもう。

それから、一対一の戦いではなく、幾つかの国々が争っている状況を想定している。
そのため、敵を滅ばさず、利用する事によって有利に働くならば利用すべきであるとのべている。

例を上げれば、湾岸戦争で米国がイラクのフセイン政権を完全に打倒しなかった。イランと敵対させる事が米国の利益になるからだ。
(ホーチミンに負けてから米軍は孫子を勉強したらしい)

短期決戦を勧めているのも、戦で国力が疲弊し、当事者でない第三国が利を得るのを想定しての事である。
ここら辺がORのようで面白い。
30世界@名無史さん:02/08/07 21:51
>>29
そいや、当時のイラクにも孫子がソビエト経由で入ったという話があるよね。

ナポレオンが中国は「眠れる獅子だ」と言って危険視したのも、孫子を読んで
いた為だし。うーん。すっかり孫子スレだ。

クラウゼヴィッツの優れている点は何だろう?
311:02/08/07 23:24
俺は孫子も好きでよく読んでますが、孫子とクラウゼヴィッツの良さって両極じゃあないですかね。
孫子は文がシンプルでありながら人間の普遍的な心理なり行動なり政治なりを包括してるから、何にでも応用が効く。
対して、クラウゼヴィッツは観察が細かく理論が精緻。よっぽど読み込んで、その内容を自分なりに咀嚼しないと応用できないと思います。
32世界@名無史さん:02/08/08 21:27
クラウゼヴィッツの何がすごいって、始めて戦争を戦略と戦術とロジスティクスに明確に分けたとこだろう。
この使い分けしてる奴は、何気なくクラウゼヴィッツの影響入ってるんだよ。
33世界@名無史さん:02/08/08 21:33
WW1、WW2、そしてベトナム・アフガンを経ることによって
別次元に入っていると思われる。

国家総力戦とゲリラ戦(民族闘争)、これについての考察をもう一度
やらないとダメだ。
34世界@名無史さん:02/08/08 21:41
>>32
あと勘違いしている人も多いけど、軍事と政治を分けた。
35幼稚園図書館司書:02/08/08 23:37
クラウゼヴィッツ「戦争論」って
超有名本だが読破したヤツが意外と少ない。
そのくせ、どこかで必ず、一文が引用されることが多い。
マルクス「資本論」と双璧だね。
ワシも関連本は何冊も読んだが、本体はザセツした。
36世界@名無史さん:02/08/09 00:15
「ドイツ参謀本部」は読んだ。
37世界@名無史さん:02/08/09 00:26
独逸参謀本部は、ww1以後、勝利してません。
クソ集団です。
38世界@名無史さん:02/08/09 00:31
ドイツ参謀本部って、スッタフとラインに組織を分ける原型になったんじゃなかったっけ?
39世界@名無史さん:02/08/09 11:51
>>35
このスレに読んだ奴は何人いることか…、おれは逆に孫子を読んでないけど(w
40世界@名無史さん:02/08/09 16:32
みんなで、岩波の戦争論持ち寄ってネット勉強会でもやりますか。
41世界@名無史さん:02/08/09 18:25
>>32
孫子も戦略と戦術の違いは口を酸っぱくして主張していた気がする。
42世界@名無史さん:02/08/09 18:40
>みんなで、岩波の戦争論持ち寄ってネット勉強会でもやりますか
 早速、質問。43pの最後の行に出てくる「この物」ってどの「物」?
何を指してるのかさっぱり分かりません。
431:02/08/10 01:20
 確かに、クラウゼヴィッツは、一度読んでスラスラ目に入るものではありませんね。
私も、理解するまで同じ項を何度も読み返しました。
 私が思うに、あまり一文や一単語にとらわれない方が良いとおもいます。
 戦争論を読む上でもっとも大事なのは、項同士の繋がりを理解すること。これはノートを取っていけばあらかた見えてきます。
 例えば第一篇の第一章で説明すると、

   二  戦争の定義付け
   
   三  観念上の理論の世界で言えば、戦争によって互いの暴力行為は
   四
   五  無限にエスカレートしていくという仮定を説明
   
   六  三、四、五は現実世界では否定されることを説明。同時に三、四、五が
      成り立つ場合の三つの条件を提起。
   
   七  六で提起された三つの条件を、
   八  
   九  現実に照らし合わせて否定。

   一〇 現実の世界では、相互認知による「確からしさ」の法則があると説明。
   
   十一 七〜十で互いの暴力行為は無限にエスカレートするという観念上の法則
      から抜け出すと、政治的目的が意味を為してくる事を説明。

 このように、項ごとに意味分けをして、繋がりを理解すれば、大体の流れは見えてくるでしょう。
 それ以前の前提としては、まずは当時のヨーロッパの戦争の概念、形態を知る必要があります。
 後は、あの古語的な日本語を自分なりに訳していく事が大事でしょう。 例)かかる→このような
 理解するつもりで同じ項を何度も読み返していれば、だんだんとあの独特の論法や言葉の使いまわしに慣れてきます。
 慣れてきたら、慣性で最後まで読むことはできるでしょう。
 ここまでしても読む価値はあると思います。特に読書を行動に応用できるビジネスマンには有意義になるでしょう。 


   
44 :02/08/10 16:09
クラウゼヴィッツも戦術面ではもう限界かな。
湾岸やアフガン空爆で現代戦は完全に外線優位の時代に移行したと思う。
45世界@名無史さん:02/08/10 22:22
今日、テレビで「孫子兵法」なる番組するけど、どうだろう?
46世界@名無史さん :02/08/10 22:32
>>45
どこですか?TV欄には見当たらないです。
47世界@名無史さん:02/08/10 22:39
>46
深夜1:10から。こちらは名古屋でテレビ愛知。
48世界@名無史さん :02/08/10 22:44
>>47
見れそうにないです。。。
49世界@名無史さん:02/08/10 22:50
クラウゼヴィッツって実戦ではどうだったの?
50世界@名無史さん:02/08/12 01:04
>クラウゼヴィッツって実戦ではどうだったの?
 クラウゼヴィッツは、実戦では大した功績はないです。
と、言うかは、西洋の学問と言うのは、理論を書く人と実践する人って明確に分かれてますよね。
例えば、現代の世界中の大学というのはこの西洋式ですけど、経営学なんかで見れば、全く経営の実績も、働いた経験も無い学者が経営理論作ってますよね。
でも、その学者は、経営を研究して理論を作ることのプロフェッショナルな訳で、その理論を応用できるかは、実践する人間・経営者にかかっている訳です。
クラウゼヴィッツを、孫子が書かれた中国の時代と同じように考えるとちょっと理解しにくいかもしれませんね。クラウゼヴィッツは現代の学者のように、戦争を研究して理論にした人です。
あの観察眼や研究力は、実戦経験が無くとも説得力があるものだと思います。
 ちなみに、クラウゼヴィッツは参謀(孫子で言う軍師集団)の一人として、何度かは戦争に参加してます。
51世界@名無史さん :02/08/12 01:34
そもそもクラウゼヴィッツって経済についてどれぐらいの認識があったの?
どうも理論倒れで超括の兵法くさいような臭いがプンプン、、。

52世界@名無史さん:02/08/12 01:47
仏軍によって
プロイセン王太子と一緒に捕虜にされたこともあるとか
聞いたけど・・・。
53世界@名無史さん:02/08/12 01:59
>クラウゼヴィッツは、実戦では大した功績はないです。
そんじゃ理論がホントに有効かわかんないじゃん。
54世界@名無史さん:02/08/12 02:21
>53
その後のプロイセン参謀本部が応用。
モルトケに率いられたプロイセン軍は普墺戦争、普仏戦争に連戦連勝。

ここは世界史板ではなかったのか?
55世界@名無史さん:02/08/12 04:09
>>54
全部クラウゼヴィッツのおかげだったの?
モルトケの能力やドイツ軍の精強さの力じゃなくて?
56世界@名無史さん:02/08/12 04:26
>>50
軍師集団なんて定義が孫子にあったか?
57世界@名無史さん:02/08/12 04:40
クラウゼヴィッツで、戦争を語るなんてもはや時代にそぐわんけどね。
58世界@名無史さん:02/08/12 05:13
戦争論を一行に要約すると@軍事板
http://yasai.2ch.net/army/kako/987/987892929.html

まあ読んどけ
59世界@名無史さん:02/08/12 09:07
>56
 孫子でいう軍師集団→孫子時代の中国でいう軍師の集団のようなもの
 それくらい自分で判断してくれ。
60世界@名無史さん:02/08/12 09:25
>>55
だから、ドイツ軍の精強さのもとになったシステムを提唱したのが・・・
61世界@名無史さん:02/08/12 09:43
プロイセン参謀本部はクラウゼヴィッツの主題、
すなわち戦争が政治(外交)の延長線上にあるとの言を認めようとせず、
あくまで非政治的な、つまり純軍事的な存在としてあろうとした。
よって、プロイセン参謀本部の栄光にクラウゼヴィッツと「戦争論」の寄与する部分は少ない。
(参謀本部成立に関する関与は別だが)

>>57
それは間違いだ。
アメリカ軍はベトナムの敗戦後、
その理由を古典的な戦争論(孫子も含めて)に記された戦争の原則を遂行しなかった事にある、と考え、
その研究の成果はワインバーガードクトリンに結実した。
その内の6原則はクラウゼヴィッツの「戦争論」の焼き直しに他ならない。
ドクトリンの正しさは湾岸戦争で証明され、
同時に「戦争論」が戦争の原理原則に関する限り、現在でも有効性を失っていない事が証明された。
62世界@名無史さん:02/08/12 13:00
クラウゼヴィッツ「戦争論」(文庫本)図書館で上巻読んだけど
嗚呼読んでも記憶に残らない。もう一度読み直すかな。チャーチル
の「第二次世界大戦」やニミッツ提督の本はちゃんと完読できたのに。
63世界@名無史さん:02/08/12 14:14
孫子ファンはそんなに排他的になる必要あるのかな。
どっちが上、下の問題でもないような気がする。
それぞれ言ってることは違うし、それぞれの良さも全く違う気がするが・・・。
64世界@名無史さん:02/08/12 14:15
>61
 ほう。勉強になりました。
65世界@名無史さん:02/08/12 14:48
>>59
孫子時代の、中国でいう軍師の集団
孫子時代の中国でいう、軍師の集団
読点の打ち方でDQN度が分かる罠
66世界@名無史さん:02/08/12 15:15
>>61
純軍事的な存在としてあろうとするほうが主題に沿うんだが・・・
「戦争が政治(外交)の延長線上にある」という言葉の意味を取り違えてないか?
67世界@名無史さん:02/08/12 17:29
>>60
というより、ナポレオンとそれに対抗したシャルホルストと
グナイゼナウのプロイセン軍参謀本部について研究して理論
構築したと考えた方がいいんでないかと。



68世界@名無史さん:02/08/12 18:05
「理論を編み出せるが実戦ではヘタレな奴」
 と
「理論は作れないが実戦では強い武将」

どっちが凄い?
69世界@名無史さん:02/08/12 19:47
>>66
軍人が政治に関わらない、という意味でなら、まさしくその通り。
しかし、参謀本部の場合は政治を無視してまで
純軍事的な目標を追求した点に問題がある。
例えば、普仏戦争。
つまりはシビリアンコントロールの原則だね。
その範囲内で「非政治的」なら問題ないんだが、
それを越えて「純軍事的」だと問題がある。
政治と軍事は不可分だが、決して軍事が優越してはならない。
極論すれば、軍は政の道具。
70世界@名無史さん:02/08/19 23:19
>50
>クラウゼヴィッツは、実戦では大した功績はないです。
「実戦派と理論派」というより、そもそも戦功を挙げられる立場になかったように
思います。
ナポレオン戦争の頃にはまだ中堅とも呼べない立場(捕虜になったときは、アウグ
スト親王の副官。シャルンホルストですら、まだ将軍にはなっていなかったはず)
ですし、後半は国王の政策に反対して軍を辞職していたはず。
その後、実戦で指揮官なり幕僚として活躍する地位に至る前に亡くなっていたと思
います。(グナイゼナウの参謀長として従軍中に病を得て、帰還直後に病死。)
71世界@名無史さん:02/08/19 23:24
ナポレオン戦争時、プロイセン国家が、政治にも軍事にも不見識な国王に振り回さ
れた経験が、第八部にある

「政治的関係の運用には軍事についてのある程度の理解が是非とも必要なことが
わかる。
しかし、論述を進めるに先だって、容易に起こりうる誤解を防止しておかねばなら
ない。(中略)
一言で言えば、軍事に対する洞察などは首相にとっての主要な特質ではなく、視野
の広い卓抜な頭脳、強固な性格こそ彼の持たねばならぬ主要特質なのである。軍事
に対する洞察などは何らかの方法によって十分補うことができるものである。
(後略)」

になったんでしょうね。まともな政治的目標も立てられず、かといって助言にも聞
く耳を持たない、という君主の下では、戦争どころでないですから。
72世界@名無史さん:02/08/19 23:28
フリードリヒ・ヴィルヘルム3世って暗君だったの?

ハイネが誉めてるんだか、けなしてるんだか分からん文章書いてたな。
73世界@名無史さん:02/08/19 23:44
>72
歴史書やその他の書籍による評価を総合すると、
一般的な評価は、意志薄弱、優柔不断、反動的、軍人気質丸出し。
しかし同時に、真面目、誠実、勤勉、浪費癖なし、義務に忠実、
こんな長所もあった。
まあプロイセン王としてはフリードリヒ大王の46年に次ぐ43年の
在位期間のうちにフランス革命、対ナポレオン戦争、メッテルニヒ体制など
激動の時代を生きた国王だったね。
優れた部下のおかげで勝者の側に残ることができたけど、一般に言われているほど
暗愚な国王でもなかったと思うよ。


74尊師の兵法:02/08/20 00:41
地下鉄にサリンを撒こう。
75世界@名無史さん:02/08/20 01:53
>尊師の兵法
 なるほど、政治的目的での殺傷行為だ罠。
76世界@名無史さん:02/08/20 04:19
>>73
>一般的な評価は、意志薄弱、優柔不断、反動的、軍人気質丸出し。
しかし同時に、真面目、誠実、勤勉、浪費癖なし、義務に忠実、

人から言われた事はきちんとするけど、自分がリーダーになって何かを
したりは出来ない人って感じか。
77むむ:02/08/20 05:06
どっかの国にたくさんいるタイプだな。
78世界@名無史さん:02/08/25 12:45
フリードリヒ大王以外のプロイセン国王ってあんまり情報ないね。
79世界@名無史さん:02/08/27 00:56
戦争論か。俺も、昔読みました。最初はさっぱり訳わかんなくて、もう意地になって何回も読み返してたなー。
でも、読み慣れてくると論文として実に面白かった。特に、第一篇の政治的目的と戦争の力の使い方の関連なんかを、よく知ってる日露戦争なんかと対比させるとなるほどと思える部分ばかりだった。
当時の日本軍参謀は、モルトケの弟子に戦争術を学んだらしいが、戦争論も読んだのだろうか?知ってる人いたら、教えてください。
80クラウゼヴィッツ曲解委員会:02/08/27 01:11
戦力は軍事力×士気によって表わされる。

よって、士気が無限大ならば最強の軍事国家になるのである。
81世界@名無史さん:02/08/27 01:23
>>79
森鴎外らが19世紀末から紹介していますから、読んでいても不思議はありません。
ただし翻訳が出まわった頃に既に課程を終えていた参謀が実際に読む暇があったか
どうかはわかりません。

参考:
ttp://clinamen.ff.tku.ac.jp/Clausewitz/Ougai.html
82クラウゼヴィッツ曲解委員会:02/08/27 03:03
戦争は防御に始まり、攻撃におわる

よって、耐え難きを耐え、忍び難きを忍び……。
83世界@名無史さん:02/08/27 03:04
>>80
曲解すんなw
84世界@名無史さん:02/08/27 06:03
戦争論って出た直後から曲解されている不幸な本だよな。
85世界@名無史さん:02/08/29 00:15
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4829502983/qid=1030547596/sr=1-9/ref=sr_1_2_9/249-0730399-0471525
↑こんなん見つけたんだが、本当に読みやすいんだろうか?
読んだ人いたら、感想お願いします。
86名無し三等兵:02/08/29 00:18
80 名前:クラウゼヴィッツ曲解委員会 :02/08/27 01:11
戦力は軍事力×士気によって表わされる。

よって、士気が無限大ならば最強の軍事国家になるのである。


昭和陸軍軍人発見!! 
87クラウゼヴィッツ:02/08/29 06:31
戦争とは相手の意志を屈服させるものである。
88世界@名無史さん:02/08/29 19:11
>>80
一次大戦頃のフランスだって似たようなもんだ。
実際には、精神力と物量はある程度まで交換が可能、って所だろうな。
つーか、仮想敵に対して著しく戦力で劣る国には普遍的に表れる思想だけどな。

>>87
屈服させる必要はない。
戦争とは、外交の延長上に存在する「我の意志を彼に強要する」行為である。
敵を屈服させるかどうかは政治の判断に属し、戦争の目的ではない。
89世界@名無史さん:02/09/09 00:06
age
90世界@名無史さん:02/09/09 00:23
85、読んだよ分かりやすかった。
つまり戦争は政治目的を達成するための
手段であることが理解できればいいでしょう
ところでリデルハートの戦略論は呼んだことありますか。
91おなかいっぱい。:02/09/09 03:35
芙蓉書房出版・日本クラウゼヴィッツ学会訳版を持っているがどーみたって辞書であり、とてもではないが読み切れン。
辞書と同じくかじりかじり読まれてると思う・・・。
92世界@名無史さん :02/09/09 13:21
適度に頭の悪い私としては
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/480611376X/qid=1031544965/sr=1-10/ref=sr_1_2_10/250-2559584-3081043
のほうが図やグラフや20世紀の戦争と対比させたりして分かりやすかったです
元防衛庁の人が書いています 
ついでに言えばマキャベリの君主論を読もうとしている入門者には塩野七生のマキャヴェッリ語録をお勧めします
93世界@名無史さん:02/09/09 17:27
>>90
リーデルハートは少し読みました、以前に。
間接アプローチって考え方が記憶に残っています.
古代ローマでのハンニバル戦争の教訓みたいなはな
しもあったと記憶しています.

クラウゼビッツと大きく違うのは軍人と政府の関係についてでしょうか。
94世界@名無史さん:02/09/15 13:21
age
95世界@名無史さん:02/09/18 03:46
朝日文庫の長谷川慶太郎の「クラウゼヴィッツの戦争論」いう小冊子。
ありゃ詐欺だ
96世界@名無史さん:02/10/05 02:01
保守age
97世界@名無史さん:02/10/05 02:27
リデルハートの戦略論は確かクラウゼヴィッツの功罪についての章があったような。
(彼の「戦争は政治目的を達成するための手段である」という言葉が強調され
過ぎて、当時の指導者に戦争で政治を解決しようとする傾向や影響を与えたとか)

あとリデルハートの「ヒトラーと国防軍」という本では、WW2ドイツ陸軍
再建の立役者ゼークトが、「戦争は他の手段により政治の継続であるという
言葉は、今では標語になっている。それゆえ似これは危険である。
次のように言うことも、それと同じく正しいのだ。戦争は政治の破算である、と」
という言葉を紹介してる。
98まぁ:02/10/06 11:18
外交下手のドイツ人の自戒だろ。あまり戦総論の普遍性
にこだわらないほうがいい。資本論同様民族固有の限界
があるものだよ。
戦争でも政治ができるのだ、と、戦争は政治の多くの手段の一つ
にすぎないのだ、とでは言わんとする事は正反対。
最後はその国家の能力次第だと言うことだな。
ドイツ大すき君!聞いてるかい?
99世界@名無史さん:02/10/07 07:27
 ドイツ大好きというか、戦争論から普遍性を引き出そうとすればいくらでも可能だし
逆に国粋思想に凝り固まれば自分に都合の良いところしか見えない、っつー話なの
でわ。
 リデルハートあたりのクラウゼウィッツ批判(と言われるもの)は、実は単に原点の
普遍性にあえて目をつぶって、自分に都合の良いところだけ抜き出して念仏のごとく
唱えていた第1次世界大戦ごろの将軍・政治家に対しての「批判」であって、要は
「偏りの無い目で見よ」っつーことでわないかと。
 まぁ「金属粒云々」という、前段の将軍どものような、いかにも頭がシャープでない
連中が読めば誤解しそうな回りくどい書き方をしたクラウゼウィッツの責任ということも
言えるとは思うけど:-p
100世界@名無史さん:02/10/07 10:42
100ゲットしてみる。
101世界@名無史さん:02/10/19 21:38
>>99
そのあたりの誤解を招きそうなところを書き直そうとした矢先に
コレラで逝っちゃいましたからね。
まぁ、彼のかかっていたコレラ自体は、まだ軽い症状で、
死因としては発作的な神経症ショックによる心臓発作らしいですが。
グナイゼナウやシュタイン辺りがバタバタとコレラで死んでましたから、
それの恐怖、ってのもあったんでしょうなぁ。


102世界@名無史さん:02/10/21 18:29
30に突っ込むヤシはいないのだろうか・・・
103世界@名無史さん:02/11/01 23:52
ageパン
104世界@名無史さん:02/11/09 05:10
じゃ、おれもあげとくか。
岩波文庫の「火事の消し方」だか「家の建て方」で挫折したが
そろそろ中公文庫で
105世界@名無史さん:02/11/09 05:25
クラウゼたん、無念ぽ…
106世界@名無史さん:02/11/09 15:12
クラウゼヴィッツて、アメリカのamazonさがしても、英訳はいわゆる戦争論と
ナポレオンのモスクワ遠征しかでてないんだよね。

(あとイタリア遠征のダイジェスト)
ドイツ語読めないので、せめて英訳で全集のいくつか(戦争論以外は、ナポの戦史研究なので)
読みたいな
107世界@名無史さん:02/11/10 07:57
>104
 ごめ、おれそこ大好きなんだ(笑)
 別に本人に聞いた訳じゃないからあれなんだけど、あそこでわざわざあれだけの長文を
引用するってことは、逆にクラウゼウィッツ自身が、ああいうたぐいの衒学者にうんざりして
いたんだろうなぁ、というのが窺い知れるような気がして、戦争論の中でも数少ない作者の
感情が見える部分のような気がするのだな。
108マリー・フォン・クラウゼヴィッツ(篠田訳):02/11/12 18:25
>107
婦人の分際でわたくしが才に任せて、わたくしが愛する夫の晩年の12年間に
口述筆記した原稿そのものが華麗な修辞と主語と目的語があい前後して一見難
解な文章になってしまいましたが、

12年間愛する夫がしかも同僚のシャルンホルストさんや現在進行中のプロイ
セン軍制改革に遠慮して死ぬまでの12年間原稿の出版を「私的なものと」許
さず、しかも愛する夫が晩年の12年を経て死んだ後、遺稿の整理をせず出版
をこれまた政治的事情で急いだゆえ、拙速が難解を生んだのは論をまたないで
しょうが、その文章ももって某研に悪影響をあたえたのはヴィルヘルム親王殿
下および后妃殿下にふかくおわびいたします。

1832/6/30 ポツダムのマルモル宮にて
      ヴィルヘルム親王后殿下女官長
                      マリー・フォン・クラウゼヴィッツ

109世界@名無史さん:02/11/12 18:49
ま、冗談はともかく、図書館でバジル・リデル=ハート(いいじゃんリデルハートで。ひろこ・薬師丸=玉置みたいなかんじでしょ?)
戦略論と岩波文庫版「戦争論」(もう、何十回買っては売り払った)かりてきました。

読み会スレ定期的に立つし、ちょっくら僕も参加キボーン
110リデル・ハート:02/11/12 19:07
フォラールによるファランクス復活の努力は、キノスケファレーの
歴史的事実のみならず、弾丸という現代の事実をも無視したものであった。
111クラウゼヴィッツ:02/11/13 00:09
>110
決戦の要諦は兵力比にある。
しかし戦力の逐次投入が有利な場合もある。
A軍 1000人 VS B軍 500人
射撃戦において、B軍の2倍の密集陣形をとらざるをえないA軍は、被弾率も
また2倍になる
(第3篇第12章)
112第1巻読了:02/11/13 00:20
いま、3時間くらいぶっとうしで、ともかく篠田訳岩波文庫3分冊のうち
第1巻読了。がんがん飛ばし読み

くどいくらいの「批判とは何か」「戦史を研究することに実用性はあるのか?」
弁証法じみた考察がえんえんつづくけど、後書きで篠田教授がいうには
「けしてヘーゲル哲学の影響ではなく、実戦(1806イェナ・アウエルシュタット-1815ワーテルロー)
に参加した見聞を普遍的なものに纏めようとしたんだろう(推測)」
とのこと。

ぼく個人も、ゲルリッツの「参謀本部史」読んで、最終的には
「プロイセンがウィーン会議後の欧州情勢下で生存を続けるには国民軍の創設と整備こそ急務である。
そのための一助として、自身の見聞を公益に供したい」いう目的意識をもってクラウゼヴィッツは
本書をまとめたと思うので、20世紀まで普遍性はあるかどうかともかく、
非常に緊張感あるよい「戦争教育テキスト」とおもいました。

7年戦争とナポレオン戦争好きには、第2巻以降、たまらんでしょうね

113第1巻読了:02/11/13 00:24
>107
もちろん、旧来の「幾何学的戦争」や他の「自称戦争理論家」に対する
皮肉やルサンチマンが、わずかに散見しましたね。

内線や外線や個々の戦術の勝敗だけではなく、国民精神の総動員こそが19世紀型戦争の鍵、となると、
なんだかトルストイの「戦争と平和」みたいな茫漠とした話になりますが
114世界@名無史さん:02/11/13 00:42
>104
まあ、「こんな愚劣なお喋りで読者の精神を委縮させてしまったり、
わずかばかりの小才を水増ししてあじけないものにしてしまったり
することのないように、(後略)」
という文章が続いている訳で、要するに「悪文の例」みたいな意味
で挙がっているみたいですからね…。
(引用は中公文庫版)
115世界@名無史さん:02/11/13 01:09
104>107
いや、恐縮です(^^:;)
たしかにあれは今読むと悪文の見本で、クラウゼヴィッツの「これではいかん」
が続いてましたね
近所の本屋にいったら、中公文庫もジョミニも売り切れで、読み難いと噂の
岩波文庫で読んでいるのですが、慣れると注釈(訳注?)がそこそこいいような気が・・・。

中公文庫版、二分冊ですが、どんな感じでしょうかね?
116世界@名無史さん:02/11/16 00:42
今日京都から届いた古書目録に
普国大敗記事 
陸軍大学校将校集会所
「フォン・クラウゼヴィッツ」起草
5,000
て、あった。
117世界@名無史さん:02/11/16 14:56
クラウゼヴィッツは1831年没だから、まさかセダンの包囲殲滅、直接語ったわけじゃないでしょうね

クラウゼヴィッツは1818-1830まで伯林の陸軍一般士官学校校長でしたが
同校が陸軍大学に昇格したのは1860年
>116

う〜ん、読みたいです。
ちなみにわしは、古本美品でクラウゼヴィッツのモスクワ遠征(原書房)入手。
誰に感謝すればいいんでしょう。
ベタさんかな?(笑

118116:02/11/16 18:35
実は以前買って1冊持ってるんです。
目次書いときます。

普国参謀本部戦史部発行
陸軍大学校兵学教官
陸軍騎兵少佐 梅崎延太郎校正
陸軍大学校訳

緒言
第1篇 1806年ノ普国
 第1章 文武両政ノ精神
 第2章 著名ノ人物
 第3章 戦争ノ起因及ヒ準備
 第4章 1806年戦役ノ講評
 附録 (「プレンツラウ」付近ニ於ケル
     皇子「アウグスト」ノ大隊)
非売品

これも未完みたいですね。

119世界@名無史さん:02/11/17 05:46
>>71
「戦争は政治の延長である」とか、『1行で戦争論を表すスレ』でいわれるけど、
じつは>71氏の引用した個所こそ、結論ではなく執筆動機としての「戦争論vom Kriege」の白眉じゃない
ですかね?

常々、のちにティルジットの和議〜神聖ローマ帝国の崩壊にいたるイェナ・アウエ
ルシュタットの敗戦(およびプロシア全土のナポレオンによる蹂躙)
はけして戦術の問題ではなく、軍制およびヴィルヘルム王を含む統帥部の戦争
目的(戦略)の不在がひきおこした災禍だと思ってますので・・・。

ゆえにクラウゼヴィッツはくどいくらい、戦争目的、すなわち戦略構想の有無こそ
会戦の勝敗をきめると語っているような・・・

すなわち、本書、『戦争論』ですね
120世界@名無史さん:02/11/17 06:09
>>118
ああ、失礼しました。我が国の陸軍大学の翻訳ですね。
学究としてのクラウゼヴィッツのキャリアはアウグスト親王(大王の甥)
の副官として働いた、1806年戦役の敗戦における「原因と考察」から始ま
っているので、それは是非、読んでみたいですね。

おそらく
>第3章 戦争ノ起因及ヒ準備
については「戦争論 第3篇13章戦略予備」において、ザール河(主戦場のそばです)に
到達し得なかった遠方の予備軍(キュストリン要塞のオイゲン公)の配置を呪っていますので、推してしるべしでしょうし、

>第4章 1806年戦役ノ講評
については、「血で血を洗う、決戦の覚悟がなかった」みたいな感じでしょうかね?

・・・そういうところがのちにリデルハートとの比較論において、突っ込まれるとこだと
思いますが・・・
121付記:02/11/17 06:22
>71&>118両氏

1806年戦役について、『戦争論』ではじつにまわりくどくかかれていますし
とりわけ第3巻?第8編「戦争計画」で、ヴィルヘルム3世の不見識を暗示に
とどめているのは、やはり、「主君への不敬を避ける」意識が働いていると
思います。

戦争論のわかりにくさの一因でしょうね
122世界@名無史さん:02/11/17 21:37
本書は
クラウゼヴィッツ「戦争論」の誕生(中公)
の作品解説によれば、最初の草稿は
1824−1825頃に書かれたようですね
123世界@名無史さん:02/11/21 02:37
>>79
超遅レスだが、その答えは渡辺昇一の「ドイツ参謀本部」という本に書いてある。
森鴎外は、田村怡与造に戦争論を購読していたらしい。(ちなみにこの田村怡与造と言うのは、児玉源太郎の前任者として日露戦争の作戦の骨子を立案し、「坂の上の雲」では「今信玄」として紹介されている。)
実際、日露戦争では、戦争論の理論にかなり忠実だと思われる作戦が多く見られる。
ちなみに、当時のロシアも、戦争論はかなり研究していたらしい。
しかし、日本側はモルトケ派参謀を先生にしていた訳だから、ロシア以上に詳しく戦争論の思想を叩き込まれていたと考えて自然だと思う。

戦争論は、ベトナム戦争を経てもはや時代遅れだと指摘があったが、戦争論のゲリラ戦に関する研究なんかは、
毛沢東の長期戦略やベトナム戦争やアルジェリア戦争を超能力で見透かした如く正確なんだとよ。
まぁ現在のテロとミサイルの新しい戦争に当てはめるにはちょっと無理がありそうだが・・・。

しかし、このスレの皆さん、戦争論完読してるだけあって、言う事理論的だねぇ。
俺もがんばらにゃ。

124そうなんだよ:02/11/21 05:25
確か、兵士の訓練は実践にまさるものは無く、演習より戦史研究が重要だ
みたいなことを言っていたはず。
で、ゲリラは正規の軍隊にかなわないが、実践を重ねたゲリラは演習のみの
正規兵より優れているみたいなことを言っていた。
このあたりは当たり前かもしれないのだが、アレキサンダー以来正規の軍隊が
必ず陥る落とし穴。
なんとなくよく憶えている部分だよ。
125世界@名無史さん:02/11/21 05:32
ドラッカーなんかも経営における目的を明確にすることの重要性を強調している
んだよね。あれも戦争論の影響あるのかね?
126世界@名無史さん:02/11/21 12:29
>>126
マイケル・E・ポーターは戦争論のファンだと聞いたことはあるけど。
まぁ、戦略論書く人なら一度は読んでおかなきゃいけないんでしょうね。
127世界@名無史さん:02/11/22 14:20
このスレ、なんか他から浮かび上がって内容濃いな。
128世界@名無史さん:02/11/22 15:38
「戦争論」は、普墺戦争および普仏戦争のセダンの大包囲の戦勝をもたらした、
ドイツ参謀本部天才説の知的起源として、シュリフェーン元帥その他が
賞賛したことから、影響力において「資本論」とならぶほどの影響を
当時、全世界の軍事関係者にあたえたそうです。

個人的には戦術指南書ではなく
「戦略的勝利を自国にもたらす殲滅戦」の原理・原則をつきつめた哲学
+個々の戦史分析をくみあわせたのが、クラウゼヴィッツ遺稿集
全10巻中1〜3巻(「戦争論」)ですので、「孫子の兵法」、あるいは「毛沢東の
遊撃戦術」(あるいは意地悪くいえばノストラダムスの予言)同様、
抽象的な内容から、いくらでも普遍的な真実を抽出できるのも事実です。

・・・・でも、魅力に満ちた読み物なんですよね〜
129128:02/11/22 15:55
でも、ハーバートのMBAクラスでも、アメリカの士官学校でも
読み合わせ会しているのも事実だから、「使えるテキスト」いうのは
本当です。不思議な書物ですよね。
130むむ:02/11/23 03:29
でも殲滅戦はカンナェのハンニバルをナポレオンは徹底的に研究した
と言う話を聞いたことがある。それをなぞったのがクラウゼビッツだろ。
シェリーフェンの「右翼を徹底して強化せよ」の遺言もその流れだろ。

要は戦史研究なんだよな。確か演習より戦史研究が重要なんてクラウセビッツも
言っていた。要は歴史に学べと言うことだろ。
それを哲学的に普遍化したところに功罪同居するというとこかな。
131世界@名無史さん:02/11/23 08:36
 まぁ功罪というか、人間が普遍的に持っている「弱さ」みたいなもんで、ついつい自分に
都合よく解釈しちゃう、というのから、やはり戦争論のコンクリートみたいな文章をもって
しても逃れ得なかったっつー話ですわなぁ。

 戦争論というと、イコールで「戦争は異なる手段をもってする政治の延長である」が
出てくるけど、これにしても人によっては、戦争は異なる手段でする政治なんだから
戦争遂行のために政治は尽力すべきである、などという主客転倒したヘリクツが出て
くるネタになっちゃったりするし。

 まぁ、先の大戦の帝国陸海軍が、戦争論を念頭においていたとはおもえないけれど、
戦争論が厳に戒める上記の警句通りのことを行い、かつまた戦後の政治と行政(官僚
組織)のあいだでのねじれ現象などをみていると、やはり戦争論のもつ普遍性というは
毀誉褒貶を経て今でも立派に通用するもんだなぁ、と思ったりもしてみたり。
132世界@名無史さん:02/11/23 10:46
>>130
シュリーフェンの遺言は、
どっちかっつーと二正面戦争に対する強迫観念的恐怖症の産物だと思われ

>>131
>戦争は異なる手段でする政治なんだから
>戦争遂行のために政治は尽力すべきである
この辺り本気で言ってたのがモルトケをはじめとする参謀総長たちでしたね。
実際のところ、プロシア・ドイツ参謀本部でのクラウゼヴィッツの影響力って
大して無いんじゃないですかね。
いや、名前だけは盛大に持ち上げられてるけど、実は書棚の肥やしになってるみたいな感じで。
ルーデンドルフは、著書の「総力戦」で、「政策は戦争遂行に奉仕しなければならぬ」、と書いてるし、
クライスト元帥はリデルハートに対して「われわれの時代にはクラウゼヴィッツの教義は忘れ去られていた」
という主旨のことを語ってますし。
133普遍性の問題:02/11/23 13:52
正直いえば・・・・(いや、過去レスした人たちの意見は尊重するが)
「21世紀のクラウゼヴィッツ」「核戦略時代のクラウゼヴィッツ」いう風に
えんえん3世紀にわたり普遍性を求めるのは、国際クラウゼヴィッツ協会とか
あるいは出版者の宣伝戦略というもので、真相は「哲学的史書」以外の何物でもないと思う。

「戦争は政治の延長である」
「(絶対戦争の時代)その政治目的は、敵軍主力の殲滅によって得られる。
すべての軍事研究は、殲滅戦を目標とせよ」
いう内容は、固有名詞をできるだけ節約しているので読解が困難だけど、
執筆(メモランダム清書時の)1822年の時点における、プロシアの国防一点に
ついて、やはり語っていると思うわけ。

戦争論第8編(最終巻)最終章にちかづくにつれ、いきなり北ドイツ連邦における
プロイセンの指揮権問題とか、フランスを仮想敵に名指しした防衛戦と逆襲による
対仏侵攻問題とかいった生々しい話題を語り始めているしね
134世界@名無史さん:02/11/23 14:01
「将軍連中はクラウゼヴィッツはご存知だが、戦争経済というものをご存知無い」
                  BY1941 ヒトラー

これって間接アプローチ?
あと、シャルンホルスト-グナイゼナウ-クラウゼヴィッツ・ラインいうのは
民衆議会開設を標榜するブルジョア派、あるいは参謀本部改革派として、
旧守派ユンカー貴族、そして反動的な国王ヴィルヘルム3世と数次にわたり衝突してるんだよね。

とくに1806年の敗戦のあとは「王室を潰されたくなければ、プロイセンの軍制改革をやめよ」
とナポレオンに脅迫されたヴィルヘルム3世+ユンカーに遠ざけられた
シャルンホルスト-クラウゼヴィッツはロシア軍に身を投じたくらいだし、
戦後は戦後(1815〜)で、将校団へのブルジョア加入比率あるいは国民皆兵の是非をめぐり
国王-ユンカーと陰湿な抗争をくりひろげてますね。

PS
「戦争論」出版の経緯は、出鱈目広瀬隆がいうようなクラウゼヴィッツの孤独な手遊びによる
独断ではなく、一応、当時のミュフリンク参謀総長の監督をうけた参謀本部内の教育プログラムの
一環ですね
136世界@名無史さん:02/11/23 14:28
>134
リデルハートなら、首都侵攻のかわりにウクライナの穀倉地帯、
あるいは翌年のボルガ水運の制圧(スターリングラードおよびブラウ作戦)
により、敵国力を逐次衰弱させるいう話なら「間接アプローチ」いうんじゃないですかね?
137133訂正:02/11/23 14:34
(誤)北ドイツ連邦(1867/8/23プラハ平和条約にもとづく22邦国)の軍事指揮権

(正)ドイツ連邦(1815のウィーン会議による35君主国+4自由市)の参謀本部による軍事指揮権
138世界@名無史さん:02/11/23 18:59
>>133
とはいえ、アメリカの元空軍大学校長が
「宇宙空間の戦争におけるクラウゼヴィッツの判断の有効性」
なんて論文書いてるけどな。
まぁ、「戦争論」というのはある意味常識的なことを書いているわけで、
それゆえ普遍性を獲得したともいえるだろう。
個人的には、クラウゼヴィッツの軍事面での一番の功績は
シビリアンコントロールの概念を明文化したことだと思ったり。

>>135
広瀬隆といえば、
「クラウゼヴィッツの暗号」なんてトンデモ本が古本屋に(w

139世界@名無史さん:02/11/23 20:52
>>136
実際には米国ー極東ルート中心に支援物資が入るから
外交でこれを断ち切らないとどうにもならないんだけどね
140世界@名無史さん :02/11/24 00:05
戦争論や孫子はどこの出版社から出てますか?
出来れば文庫本サイズがいいのですが。
お願いします。
141世界@名無史さん:02/11/24 00:10
どちらも岩波文庫。
142世界@名無史さん:02/11/24 00:28
>>140
しかし岩波の戦争論を読むには、それなりの読書力が必要。
143世界@名無史さん:02/11/24 00:42
大体、簡明に自分の主張を述べられない奴は頭が悪いんだよ。
あのまわりくどさは異常。
孫子の文の簡潔さを見てみろ。
144世界@名無史さん:02/11/24 01:07
>138
>広瀬隆「クラウゼヴィッツの暗号文」

読んだ読んだ(笑。以下罵倒数十行削除)
・・・彼はたぶん小説家になりたくてなれなかった屈折で、確信犯的に
ノンフィクションいう名の出鱈目書きまくっているんだろうなと推定。

いや、冗談はともかく、「宇宙空間戦争におけるクラウゼヴィッツの判断の有効性」
は読んでみたいですねえ
145コリン・ウィルソン:02/11/24 01:40
http://www.sonshi.com/index.html

孫子崇拝サイト発見。
でも「戦わずして勝つ」とか「兵は大事なり。戦で100回勝って兵を失うよりも
戦わずして敵をのけるが上等」とか、クラウゼビッツの決戦主義とまっこうから
対立するな
146世界@名無史さん:02/11/24 01:46
しかし岩波のドイツ哲学の翻訳はどれも読みにくい。
147世界@名無史さん:02/11/24 01:53
>>145
なんでそのサイトはSun Tzuじゃなくてsonshiって表記になってんだろうな。
日本経由?
148世界@名無史さん:02/11/24 02:06
竹簡に書いてた時代だからな。 >143
149世界@名無史さん:02/11/24 02:32
>148
ワラタ。確かに

>147
http://www.sonshi.com/faq.html#aaa4
みると、sonshiいう表記は日本語訳の「孫子の兵法」を1905年
英国のEFカルスロップ大尉いう御仁が、世界ではじめて英訳し西欧に
紹介した(え〜。そうなの? ナポレオンのスレかどこかで、孫子の兵法についての
皇帝陛下の言及あったような・・・?)

さらには中世サムライ階級であるところのシンゲーン・タクウェダ(誰?)や
クウェンシーン・ウェスウギー(誰?)は孫子の兵法にのっとって戦った。
ゆえに日本人は孫子の兵法の達人であるから、われらsonshi.comは日本語版「孫子の兵法」
に敬意を払ってとのこととか・・・・。

わたしの日本語、ワカリマスカア?
150世界@名無史さん:02/11/24 02:38
シンゲーン・タクウェダ 武田信玄
クウェンシーン・ウェスウギー 上杉謙信
か。Singain Tacwedaと Quenseen Wasgy
ウェスギーはロシア人ぽくてかっこいいね。
151世界@名無史さん:02/11/24 02:41
戦争が政治の延長にあるならクラウゼヴィッツはテロリズムをどう考えて
たんだろう。啓蒙絶対君主の時代にはテロリズムによって優秀な君主を暗殺すれば
敵国に大きな打撃を与えることができた。要人暗殺もしかり。しかし正面から
テロリズムの有効性を論じるのは難しいか。
152プロイセン憲法紛争時代:02/11/24 03:10
シャルロット・コルデによるマラー暗殺とか偶発的政変の実例はたしかに
あったけど、ロシアの無政府主義者みたいな組織的なテロ・要人暗殺による政権奪取
ないし崩壊の発想(1850〜1917)は、さすがまだクラウゼヴィッツの想像の埒外だったんじゃないかなあ。

ただ、プロイセン軍部はその後、1848年の3月革命以降、自由主義者たちの街頭騒乱に際しては
断固武力鎮圧の道をえらび、もし国王ヴィルヘルム4世が議会左派の圧力に屈するなら
軍事クーデターも辞さない方針でのぞみました。

いわゆる弱者(左派人民)が恐怖戦術をとるなら、その報復は恐るべきものだったでしょうね
153世界@名無史さん:02/11/24 03:31
クラウゼヴィッツは正規戦・非正規戦については論じてないのか?
パルチザン・ゲリラ戦術の有効性については?捕虜の扱いのについてはどう?
戦時国際法については?マキャベリズムについてはどう?
154「戦争論」に限れば:02/11/24 04:51
■ナポレオンの半島戦役におけるスペインのゲリラ戦術については『戦争論』で
1.「散兵」という概念で、「兵隊の経済的使用」あるいは、
2.「国民戦争において、自国防衛の意識に燃えた国民は、よく正規軍に対抗しうる」
みたいにのべてます。(どこの章か忘れた)
■「捕虜」については言及はないですね。絶対戦争下では捕虜は以降の
会戦に影響を与えかねない後送・給養等の問題が生じますが王位継承戦
争から国民戦争への過度期では、誓約のもとに近隣都市での抑留でこれ
らの問題を解決しているような気がします。

■戦時国際法についても、とくに言及ありません。
しかし「文明的な制限戦争への罵倒」をクラウゼヴィッツは連発しています。
おそらく30年戦争の衝撃で荒廃した欧州はグロティウスの平和にみられるように
要塞都市をいくつか攻略すれば、人命の消耗なしに「戦争は勝つ」いう方向に
17-18世紀の戦争はすすんでいきましたが、そこへフランス革命による
100万人の軍隊が突如(1793-1794)出現、兵站そのものが相手国に壊滅的打撃を与える
古代の絶対戦争のベクトル(カンネエの包囲殲滅も念頭においた)が欧州戦史のうえにあらわれ、
「そのことを直視しない国家は国民間の闘争のなかで滅びる」
とクラウゼヴィッツはいいきってます。
クラウゼヴィッツの念頭には、殲滅戦を第一義とし、他をすべて「摩擦」とする信念があります。

・・・このあたり、のちのシュリフェンプランにおける中立国ベルギーへの侵攻(対仏通路開通)
に独参謀本部の伝統の基礎がありそうですね。

■マキャベリズム(これは解釈の難しい言葉ですが)については、とくに言及ありませんね。
ただ、ウィーン会議風の宮廷陰謀は、最終的に王侯貴族による国民の権益を無視した
(具体的にはプロイセン国民の権益を無視した)復古王政による不安定な安定しかもたらさなかった。

参謀本部という組織が、国際政治の問題を、戦争によって軍事的に解決できるし、それが
プロイセン国民の利益につながる・・・・いう(その温厚な人格にもかかわらず)非常に残酷な
思考をしているのも事実です。

155154訂正:02/11/24 05:15
■戦時国際法についても、とくに言及ありません。
しかし「文明的な制限戦争への罵倒」をクラウゼヴィッツは連発しています。
おそらく・・・。

30年戦争の衝撃で荒廃した欧州はグロティウスの平和にみられるように
要塞都市をいくつか攻略すれば、人命の消耗なしに「戦争は勝ち」いう方向に
17-18世紀いったん、なりました。

ところがフランス革命により100万人の軍隊が突如(1793-1794)出現、
兵站そのものが相手国に壊滅的打撃を与える巨大軍隊に対抗国も、必然、国民皆兵による
巨大軍隊を組織し、ここで(1805〜)古代の絶対戦争の傾向(カンネエの包囲殲滅のたぐい)が
欧州において復活しました。
クラウゼヴィッツはこの現象を分析し、
「そのことを直視しない国家は国民間の闘争のなかで滅びる」
といいきってます。

ゆえにクラウゼヴィッツは、殲滅戦を第一義とし、他をすべて「摩擦」としました。

・・・このあたり、のちのシュリフェンプランにおける国際法違反である
中立国ベルギーへの侵攻(対仏通路開通)の源流がありそうですね。
156155付記:02/11/24 05:27
厳密に言えば17-18世紀の戦争は要塞都市攻略だけじゃないけど、
ま、そのあたりはヨーロッパの軍事革命(ジェフリー・パーカーや平凡社技術史クラッシクスのたぐい)
ファンに任せます。
(このへんは下手なこと書くとおっかなくてブルブルブル)
157世界@名無史さん:02/11/24 05:36
あと>>132氏のクラウゼヴィッツ没後の参謀本部における『戦争論』の影響力
「じつは誰も読んでない。書棚の肥やし」いう説は慧眼ですね。

これについては、読んでいる部分と読んでない部分、モルトケの著作(邦訳あり)との比較論
等、いろいろ面白い話題が隠れていそうです
158132:02/11/24 11:10
>>157
まぁ、誰も読んでない、というのは言いすぎでしょうね。
実際、読むだけ読んで、あとは響きのいいところを引用したり、
と、そんな感じだと思います。

既出かもしれませんが、クラウゼヴィッツの影響というのはロシア、
というかソビエトおよび旧共産圏で強かったみたいですね。
レーニンは戦争論をへ赤軍のドクトリンの根底に置いてますし、
第一次大戦時、ドイツ軍が攻め込んだ先のロシアの各都市の図書館に
戦争論が収蔵されてるのを確認したりとか。
毛沢東は延安で毎週のように戦争論の研究会を開いていたとか。
スターリンはちょっとアレでしたけどね。
159世界@名無史さん:02/11/24 17:20
戦争論読んでて分かりにくいのは、とりあえず予備知識が俺に無いことなんだなぁ。
そもそも、戦争論での戦争ってどこまでを戦争と規定してるの?
読んでると、現在のアメリカとイラクみたいな感情的な膠着状態も戦争に含んでるようにも思えるし、そうでないようにも思える。
「決戦は一回限りのものではなく、数次に行われる」っていうこの決戦てのも、どの程度の規模のこと言ってるのか。
戦争や決戦てどんな戦争を想像すればいいのかも分からん。やっぱり、当時のナポレオン戦争やプロイセンについての知識は予備知識としているんですかね?
またアメリカとイラクで言えば、湾岸戦争の時のイラク攻撃を一回目の決戦にして、その後ずっと戦争論で言う「停止」状態が続いてて、ようやく「数次」の次の決戦が始まるって風にも俺にはとれちゃうんだけども。
俺の頭が悪いだけなのかもしれんが・・・。誰か教えてください。
160世界@名無史さん:02/11/25 03:47
>>159
>当時のナポレオン戦争やプロイセンについての知識は予備知識としているんですかね?
これは当然です。と言うか、この予備知識がないとどんなに平易な翻訳で読んでも理解することはできないんじゃないかと思います。
まず、知っておかなければならないことは、当時のヨーロッパは、哲学や思想が、政治、科学、人文、芸術、戦争などおおよそ全てにおいて大きく影響力を持っていたと言う事。
戦争という概念自体が、ヨーロッパ全土において哲学に規定されることもあったんですね。
そしてその当時のヨーロッパで規定されていた戦争というのが「制約戦争」と呼ばれる戦争概念。
詳しくは述べませんが、この「制約戦争」で行われていた当時のヨーロッパの戦争というのは、孫子時代の中国や三国志の世界の戦争は勿論、日本の戦国時代の戦争や、日露戦争や現代戦争では全く想像がつかないその当時のヨーロッパ独特の戦争形態だったんですね。
「制約戦争」の下では「戦闘がない戦争」というのは当たり前にあったのです。その辺りはご自分で勉強してみてください。ちなみに、この「制約戦争」の中での「軍事的天才」がフリーリッヒ大王。
そして、フランス革命の影響でフランスがこの「制約戦争」を打破して、また全く新しい戦争概念を作るんですね。
この新しい戦争概念での「軍事的天才」がナポレオン。
まずはこういった時代背景を詳しく勉強してみてはどうでしょうか?
というか、この予備知識がないと全く理解できないし、戦国時代の中国や日本の戦争だけを想像して「孫子の方が分かりやすいし、実績もあるので孫子の方が上」みたいな「物知らぬ者の批判」になりかねませんね。
161世界@名無史さん:02/11/25 08:35
でも、クラウゼビッツが題材としているナポレオン自身も孫子を読んでいた
と言う話がある。
そもそも書物としても思想書、或いは論としても孫子の方がまとまってはいるよ。
時代を超えて普遍的な部分も多い。
それに比して戦争論は時代に制約されすぎてはいるよ。些事にこだわりすぎている部分も
多い。草稿のようでまとまりがない部分もある。
できがわるいと言う批判は仕方ないと思うね。
わかり易さで言うなら確かカントだったかな、この本がもっと分厚ければもっと早く読めたろうに、
なんて孫子について言ってなかったかな?説明が少ない方が実は解釈は難しい。
戦争論は長ったらしい割には理論として未完成すぎるよ。だからわかり難いんだよ。
あれは難しい本と言うより出来の悪い本と言うのが正しい。そもそも概念定義も曖昧なものも多い。
カントなんかの哲学書は、啓蒙思想への反発から、意図的に難しく書いていたりはするが
理論してはまとまりがある。そういうものとは違うね。
言わんとすることは良いこと言っているんだが、理論家としては未熟と言われても
しかたないよ。まぁ軍人であって学者じゃないわけだからしょうがないかな。
だったら軍人らしく簡潔に書けばよかったのにな。カエサルみたいにな。
戦争論はそもそも出来が悪すぎる。
162世界@名無史さん:02/11/25 14:13
う〜ん。「戦争論」と「孫子」に優劣きめる話になると、妙な結論に・・・。

思うに「戦争論」は「流血を恐れぬ決戦思想(直接アプローチ)」
「孫子」は(リデルハートが戦略論で冒頭にあげてるとおり)「流血を避けた目的の貫徹(間接アプローチ)」
で、互いに相反する思想なわけで。

ま、書物としての出来いうと未完の部分「戦争論」たしかにあるけど、
「孫子」がもつ普遍性いうのはあまりに簡明すぎる原理原則ゆえに
紀元前のことばが、2000年にわたって、どこでも応用可能。
しかし応用者の自由裁量部分が多すぎて、曖昧てとこかなあ?
163世界@名無史さん:02/11/25 14:23
広瀬隆「クラウゼヴィッツの暗号文」長谷川慶太郎「戦争論を読む」

・・・このスレで読んでいる人いると思うけど、「戦争論」岩波なり中公なり
読み終わったあとで読むと、やはり20世紀の諸現象にあてはめるのは
どこか無理がある。(このダメダメ2著にかぎればね)

やってやれないことはないけど、あてはまるのは「殲滅」とか「国家の意思の
徹底的貫徹」とか抽象観念だけで、あれはやはり1815-1917くらいのスパンで
完結していると思う。
(WW2独ソはじめとする各国の軍事指導者も、教養的に愛読はしてるけど)

ただし、春秋戦国時代の思想家の言葉が、2000年の歴史すべて、あるいは
家庭や会社の人間関係(笑)まであてはまるなら、それは普遍性ともいえるが
ビッグトモロウいうかダイアモンド社の人生哲学本というか・・・
164世界@名無史さん:02/11/25 14:29
宮崎哲也が言う「ピンポイント・ウォーの時代」になると戦争論が
かつて中国の古典が担ったような役割に変化しつつあるということか。
165世界@名無史さん:02/11/25 14:34
この本は当時の士官が読んで実地に役立てるような教練読本としては
使われてなかったの?著者が狙っている読者の対象はどこらへんだろう。
166宮崎さんて面白いですよね:02/11/25 14:38
ハーバードでメッテルニヒ研究をして、力によるヴェトナム政策から
米中国交樹立による対ソ牽制下のヴェトナム和平を実現させたキッシンジャーは
絶対に、一般教養として孫子をよんでいると思う。

ポスト・レーガンたる小ブッシュは、どちらかといえば(もし彼の発言が言葉どおりなら)
フセインイラクの存在をゆるさぬ殲滅戦(それが巡航ミサイルやらレーザー爆弾つかおうと)
を行おうとしているということで、クラウゼヴィッツの後継者・・・なのかなあ?

もっとも、言葉だけの圧力で、ぎりぎりでフセイン体制が崩壊したら、
これはこれで「間接アプローチ」の立派な実現だとおもうけど。
何かと罵倒される当時のレーガン大統領だって、軍拡政策でソ連を巻き込み
見事、破産させたしね。
核戦略時代の新現象・・・いうのかなあ?
167世界@名無史さん:02/11/25 14:42
>165
士官ではなく将官クラスの参謀教育ですね。
これについては、今仕事中ゆえ(笑)あれですが、岩波第2-3巻の目次タイトルを
眺めた上で、ゲルリッツ「参謀本部史」(学研M文庫から復刊)、
そのダイジェストである渡部昇一「参謀本部史」(中公新書)みると、
そのニュアンスわかると思います
168世界@名無史さん:02/11/25 15:00
>>167
ありがとう。中公新書ででてるのは取り寄せやすいね。
ドイツ参謀本部が戦史上、どういう地位を占めているのか調べてみるよ。
169世界@名無史さん:02/11/25 15:45
クラウゼヴィッツは戦争にどうやって正当性を与えようとしたの?
一方的な先制攻撃は、軍事力学上圧倒的優位であれば、なんら仮想敵国からの
脅威にさらされていないにもかかわらず行ってよいとしたのだろうか。
戦争には、正・不正などという弁別はあり得ないという立場でも、第一撃を
仕掛けるのは跳躍であり決断を迫られるよね。古典的な正戦論を止揚したのかな。
170132:02/11/25 20:42
>>163
そもそも、200年前の本の内容をそのまま現代に当てはめようとするのは
無理があると思われ。
だから、抽象的な概念だけが取り出されるのは自然な流れだろう。
とはいえ、その「概念」が現代でも通用することは事実によって証明されてるわけで。
例えば、イラン・イラク戦争のイランね。
ホメイニが余計な嘴突っ込んだおかげで、勝てたとは言わないが、
かなり有利な条件で講和できた戦争が負け戦になったからね。
戦争を明確な手段として行使したフセインと、
宗教的な盲目のままに戦争を行ったホメイニの差がはっきりと出た。

>>169
戦争を行うかどうかは、政治の範疇に入ることだから。
そんなものは政治家に任せておけば良い。
171世界@名無史さん:02/11/25 20:48
それはそうとして、柘植久慶の翻訳の「戦争論」と「孫子」読んだ人いる?
本文の合間合間に戦例解説を挟んでる、って形式なんだけど。
「戦争論」は、あえて現代の戦争を例に選んでるようで、
まぁ眉唾ぐらいの気持ちで読めば、中々面白かった。
172世界@名無史さん:02/12/01 04:35
【ニューアカ関連】
吉本 隆明 「超戦争論」(アスキー・コミュニケーションズ)
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4776200104/qid=1038684447/sr=1-6/ref=sr_1_2_6/250-3383288-7333024
西谷 修 「戦争論」( 講談社学術文庫)
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061593420/qid=1038684519/sr=1-24/ref=sr_1_0_24/250-3383288-7333024

【元自衛隊いうところで、ちょっと気になる】
松村 劭 新・戦争論―「その先」をどう読むか
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837919359/qid=1038684519/sr=1-23/ref=sr_1_0_23/250-3383288-7333024

【世界史板的にはずせない】
マキァヴェッリ全集〈1〉君主論・戦争の技術・カストルッチョ・カストラカーニ伝
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/448079011X/qid=1038684519/sr=1-30/ref=sr_1_0_30/250-3383288-7333024
173>171:02/12/01 04:40
これですな↓

柘植久慶著 詳解 戦争論―フォン=クラウゼヴィッツを読む
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4120027864/qid%3D1038684998/250-3383288-7333024
同 「実戦」孫子の兵法 中公文庫

現代の戦例いくつかあげて解説いうのが気になるなあ・・・
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122026067/qid=1038685100/sr=1-2/ref=sr_1_2_2/250-3383288-7333024
17481式●VNMI ◆TYPE81/oDg :02/12/01 05:00
相手を殴り倒して言うこと聞かせるという原理をきちっと明文化して、そこから演繹
して戦争を定義したという意味ではボクは非常に評価しているデスねー これは、
戦争を統べる基本原理として妥当だと思うデス。

決戦主義はやっぱり時代的要請であったと思うデスよ。もちろん、原理的には決戦
主義になるデスけど、現実における修正の段階によって間接アプローチ戦略や制限
戦争、限定戦争、LICといった形になるのだと考えるデスー
175世界@名無史さん:02/12/01 05:38
>174
おや、いらっしゃいませ。お名前はかねがね・・・。
今、リデルハートの戦略論を読んでいるのですが、どうも「間接アプローチ」
いうのが今一つわからない。

フレデリック大王の戦闘でロシア軍の横にまわりこんだから間接アプローチ。
ロシア軍がえいやって正面に向き直ったので直接アプローチ書かれると
「???」となります。

仕方ないので第1章「実際的経験としての歴史」読むと、うーん・・・
かなり広い意味を有していますね
17681式●VNMI ◆TYPE81/oDg :02/12/01 20:20
>>175

敵戦闘力を直接撃破するのが直接アプローチ戦略、敵戦闘力の源泉(兵站組織
や後方連絡線等)を破壊するのが間接アプローチ戦略なのだと思うデス。
ロシア軍の後方に作戦線が指向していれば間接アプローチデスけど、ここでロシ
ア軍が向き直った事により作戦線がロシア軍の正面に向いたから直接アプローチ
になったのだと思うデスよー
177世界@名無史さん:02/12/02 01:26
戦争とは道徳の領域の外にある活動で、力による政治の延長にほかならない。
邪悪なクラウゼヴィツの思想は、ヨーロッパの文明化された社会が
持っていた考え方を汚染した。(その影響力への反作用としてウィーン体制、
ハーグ条約、国際連盟、国際連合、などが作られた)
(ジョン・キーガン『戦争と人間の歴史』)
178 ◆STEELmK8LQ :02/12/02 07:47
>177
>ウィーン体制、 ハーグ条約、国際連盟、国際連合

 このどれもが、脳天気な楽天主義、あるいは根拠のないユートピアン的な性善説という
間抜けな看板を掲げ、その間抜け面のままでひっくり返っていったのは周知の通りである

 ・・・とか言いたくなる文章ですね、それ(笑)

 道徳なんてもの自体が不自然なシロモノであって、生の人間活動である政治、ひいては
戦争に、その所在する場所などありはしないことが、どうして理解できないのか、ほんとに
この種のユートピアンには呆れさせられますですな。
179いやいや:02/12/04 08:22
道徳が政治化するとイデオロギーとなり人間の精神を征服できるよ。
嘗ては宗教であり、近々は社会主義と言うイデオロギーであり、
十分所在する場所はあったし、あるよ。現代では原理主義かな。
そして政治や戦争さえもコントロールし得る。良い意味でも悪い意味でもね。

形而上のものをあまり軽視しない方がいい。
人間は思想や理想という幻想や神話に弱い動物だよ。
ユートピアはある意味戦争の原動力だよ。
戦争論でも相手の精神を叩き潰すことを戦勝の一因に挙げていたはずだしな。
すくなくともクラウセビッツはそれほど軽視していないと思うよ。

現代米国で言えばブッシュの単純な善悪論はピューリタンのそれだな。
道徳は政界でも戦場でも十分存在しているぜ。
いい悪いは別としてな。

ウィーン体制、 ハーグ条約、国際連盟、国際連合
は戦勝国の戦後体制が基本であって道徳とは本質的に関係ないな。表面だけだ。
的外れの批判だな。不十分な戦後体制と言うのが正当な批判だろ。
一定の機能は果たして来たよ。勿論政治力がものを言うのだが、
道徳律を簡単に退けられるほど単純じゃないぜ。

180世界@名無史さん:02/12/07 18:58
民衆が政治に道徳を求めるという事実もまた、戦争と同じ位に人間社会の大前提として存在しているのですな。
良し悪しを越えて、世の中そういう物なんですから、性悪な発想に偏り過ぎてもいけませんな。
181世界@名無史さん:02/12/08 07:08
>戦争論でも相手の精神を叩き潰すことを戦勝の一因に挙げていたはずだしな。
リデルハートがクラウゼヴィッツの真髄として指摘している点ですね。

それにしても
マハン-ポール・ケネディ、クラウゼヴィツ-モルトケ、マキャベリの戦争論
えーと、他にも読んでみたい名著がいっぱいあるなあ
182世界@名無史さん:02/12/09 18:29
age豆腐
183世界@名無史さん:02/12/09 20:38
>>181

それがほとんど日本語で読めるという幸せ。あるいは原書で容易に入手できる
という幸せ。

>>178

道徳、あるいは善悪は十分戦争への抑止力になると思いますが。アメリカが
イラクを徒党を組んで袋叩きにしようとしているのがいい例ですね。
184世界@名無史さん:02/12/09 22:00
現在のアメリカは、政治的目的に宗教を意図的に絡ませて国民を煽ってるよね。
俺は、クラウゼヴィッツには十字軍の研究も入れて宗教戦争も研究してほしかったな。
185世界@名無史さん:02/12/09 22:13
プロレタリア兵学の系譜

クラウゼヴィツ-(エンゲルス)-レーニン-(トロツキー)-毛沢東、ホーおじさん、カストロ
                          チトー、ザップ、ゲバラなど
似非プロレタリア兵学

スターリン-(太鼓持ち)-金日成‐金正日-(拉致工作員)
186世界@名無史さん:02/12/09 23:30
孫子ってのは、あの短文読んでるうちに、ふとしたひらめきや発想と結びつくことあるけども、
クラウゼヴィッツはちと、そう簡単にはいかんみたいだね。
自分の思想に溶け込む程繰り返し読まないと、応用するのは難しそう。かといって、あれを何回も読む時間あったら、何冊本読めるんだって話しにもなるしねぇ。
皆さんの意見が聞きたい。
187世界@名無史さん:02/12/09 23:54
コペピすまそ。
「戦争とは政治とは異なる手段によって継続される政治に他ならない」
「政治は知性であり、戦争はその道具にすぎない。決してその逆ではないのである。
 すると両者の関係としては、けっきょく軍事的観点を政治的観点に従属させるほかはない。」

この二つ(実質1つ)が「真に」理解できればよし。
極論的に断言すれば、あとの細かい所は読む必要なし(趣味者・研究者以外)。
188187:02/12/10 00:02
その定理・原則を理解していたのは、ブルジョア兵学家よりも
エンゲルス・レーニンの系譜を引くプロレタリア兵学家の方が多い。
既存の著名な研究者にはこの観点が抜けている(あえて無視?)方
が大半だと思う。

189世界@名無史さん:02/12/10 00:59
>186
いやー逆に孫子のほうが応用が難しそう。
昔っから、アフォリズムってのは深遠なこといってそうで
実はろくなこといってない、と相場がきまっとる。
190文庫が好き:02/12/10 20:19
えーとね。クラウゼヴィッツ「戦争論」読みにくいいう人に
背景知識として参考書。

バカ高い専門書薦めるの趣味じゃないので、まず既出のゲルリッツ「ドイツ参謀本部史」?
(学研M文庫)

もひとつは、幅健志「帝都ウィーン会議と列国会議」(講談社学術文庫)
これは最近のヒット作。両角良彦のナポレオン4部作みたいに基本はエッセイなんだけど
こっちは専門の大学先生が筆に任せて書き飛ばしたウィーンとウィーン会議にまつわる
オモシロ雑談集。

そのくせナポレオン戦争後のイタリア諸国問題、ポーランド問題、そしてドイツ諸国問題
いった点(ドイツ再編問題なくしてクラウゼヴィッツのあの戦争で政治を代用することへの
情熱は理解が難しいでしょう)に詳細に言及している点がよし。

第二次ウィーン攻防戦(1683・・・だったかなぁ)とか1809年のナポレオンの
ウィーン砲撃とか戦史としてもそこそこ興味深い記述あり。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061594176/qid%3D1039519153/249-6714977-1401144
名著名著
191文庫が好き:02/12/10 20:33
・・・て、すまん。リンク先見たら、悪文だYO!いう手厳しいお言葉が。
そういう意見もあろうから、じゃ、ま、ウィーン会議とドイツ再編問題だけは
基本だから、各自、自分でさがそう!

じゃ、ばいちゃ
192世界@名無史さん:02/12/10 21:09
>>188
冷戦時代
モスクワが現実主義であったのは
そういうことだったせいなんですか?
193世界@名無史さん:02/12/10 21:48
>>192
断言は出来ないけれども、少なくとも現実主義の背景の一部には
当然クラウゼヴィッツの軍事思想があるだろうね。
エンゲルス−レーニン−(トロツキー)は
クラウゼヴィッツの軍事理論から多くを学んでいる。
党の指導者・軍人はその影響を受けたML主義を学ぶ(将校は戦争論を普通に学んでいるだろう)。
毛沢東がレーニンの著書経由でクラウゼヴィッツを学んだのは有名。
プロレタリア兵学では「軍事=政治」という表現をするのはそのため。


194193:02/12/10 22:06
連続カキコスマソ。
で、スレタイに従って、この観点でベトナム戦争を
考察(たいしたことはできないが)すると面白い。
米軍もクラウゼヴィッツ大好きだった(今も)。
だが「戦争とは政治とは〜」を真に理解・実践したのは共産側。
アメリカは誤用して目的達成できず。
195世界@名無史さん:02/12/11 22:29
>>186
ちなみに、国際ジャーナリストの長谷川慶太郎なる人はこう言ってるらしい。
「古典的名著だからといって、それを隅から隅まで読む必要はない。第1篇、2篇と8篇のみを精読したほうが有意義だ。
とりわけ、軍事研究家でないビジネスマンが、広く人生全般の問題に適応できる知恵をつかみたいときには、それがいえる。」

しかし、俺も書いてあるとおり1・2・8篇と精読してみたが、実際どこがビジネスに応用できるのかさっぱり分からん。
俺のオツムが弱いだけかも知れないが・・・。まぁ、長谷川氏の言う事を間に受けるのなら、戦争論をビジネスに応用するってのは、孫子みたく戦術ハウツーをそのまま競争や経営に当てはめるなんて単純なものではないらしい。
政治的目的が分かればよいと言うが、これもそれ程大事なことなのかどうか、俺には理解できん。
要するに、競争にしても、どんな経営行為も明確な目的があっての行為だと認識して、行動しろということなのかな。
違うか。

196世界@名無史さん:02/12/14 02:10
>>195
長谷川慶太郎なる人物の本は凄いよ。古本屋でバイトしてたときに何冊も整理したけど、
とにかく各ページの余白や行間が広〜くとってある上に、えらくでかい活字を組んでる。
普通の本と同じようなページレイアウトにしたら「きかんしゃやえもん」ぐらいの厚さになるんじゃないかと思ったよ。
某大川隆法の本も似たような感じだった。
内容については読んだこと無いので知らんが、装丁から推して知るべしだなと。

まあ、あんまり間に受けんほうがええんじゃないの。

197世界@名無史さん:02/12/15 00:18
薩摩age
198世界@名無史さん:02/12/15 01:33
>196
貴殿の印象はまったく正しい。
あれはおそらく出版社にとって「断われないお客さん作家」なんだろうな。
なにか出版界の事情で

閑話休題

ところでモルトケとか読んでる人いる?
数ヶ月前、普仏戦争スレでだいぶ盛り上がってた記憶あるが、あんときは
興味が余所にあったから参加できなかった(悔しい)
199世界@名無史さん:02/12/19 22:46
195、戦争論はクラウゼヴィッツが編集しないまま死んでしまった
ので完全理解は不可能だよ、戦争は政治目的を達成する手段であること、
戦争は政治に左右されやすい、戦略の要素は時間、空間である、つまり簡単に
いうといつ、どこでいうことである。
また攻撃には限界があるということ、事前に準備し、守りを固めて敵を迎え撃つ
野が有利であるという事を理解できればよろしいのではないでしょうか。
20081式●VNMI ◆TYPE81/oDg :02/12/20 01:32
クラウゼヴィッツ理論最大の弱点は、抵抗力を奪われた場合意思を強要されると
いうのが所与の前提となっている部分ではないかという事を考えたデスけど・・・
蓋然的、直感としてはこれが真であると理解出来るのデスけど、これが本当に真
であるのかボクは論じきれないデス。
つまり、クラウゼヴィッツ理論最大の敵は非暴力不服従というガンジー理論に他な
らないとボクは考えるデス。

あと、軍事は政治に隷属するデスけど、軍事は軍事で独立した文法という物を有し
ていると考えるデス。同時に軍事という実力行使のセンシティブさからも、軍事技術
の高度化からも、シャルンホルスト流の政治的将校の育成という考えよりも、モルト
ケ、シュリーフェンの軍事のスペシャリストとしての方向が正しいと考えるデス。
同時に、ヴァルテルゼーやルーデンドルフのような方向性は断じて許されてはなら
ないデスし、コミュニストの政治=軍事という思考も、外交といった他の手段と軍事
を混同するような事も、軍事が「敵戦闘力の無力化行為」「政治への隷属」という二
大原則から外れると考えるデス。軍事と政治を混同すれば敵戦闘力の無力化行為、
換言すれば絶対戦争の原理は変えられないデスから、政治を軍事化せざるを得な
いと考えるデスけど、それはルーデンドルフのようになると考えるデス。

>>198
ゼークトのデスか? 数ページだけ読んで挫折中デス(爆)
201世界@名無史さん:02/12/20 11:03
>>195
>要するに、競争にしても、どんな経営行為も明確な目的があっての行為だと認識して、行動しろということなのかな。
>違うか。

違わない。それで正解。
「戦争=悪=イクナイ」という図式によって、とかく見失いがちなことがある。

まず、政治があって、その延長上に戦争があるということ。
そして、政治が目標を立て、軍事はその手段に過ぎないということ。
もっと言えば、目標−目的−手段という行動を起こすに当たっての体系性が、
戦争という行為にもあるということ。

そして、この思考過程は、実際には、人間が何らかの事業を行う際に…
あるいは事業を成功に導きたい場合に、必須のものだということ。

すなわち、「目標」を明確にすること。
目標を達成するためには、何を行うべきかという「目的」を立てること。
「目的」を実現するために、どのような「手段」…「資源」とも言えるが…
を取り揃え、どのように配分し、どのように行使していくか、どのように機能させるか、
ということを考えること。

虚心坦懐に読めば、こういうことに気づかされるはず。
202世界@名無史さん:02/12/20 15:29
>>201

目的−目標−手段ではないデスか?

目的はパリ、目標はフランス軍だったと記憶しているデスけど。

その語用以外については全くその通りだと思うデス。
20381式●VNMI ◆TYPE81/oDg :02/12/20 16:46
と、失礼、上はボクデス
204195:02/12/21 18:33
>>201
なるほど。サンキューです。
205世界@名無史さん:02/12/22 14:28
>200
>モルトケ、シュリーフェンの軍事のスペシャリストとしての方向

モルトケは「君主に服する」ことは知っていても、「政治に服する」ことは知
らなかったという印象があるんで…
あくまでも「政治に服する事」という留保条件をつけたいですね。
いずれにせよ、「参謀総長」という立場は、単なる「軍事スペシャリスト」に
許すには重職過ぎるような気がします。

モルトケ自身は嫌っていたようですが、ビスマルクがいなかったり、あるいは
皇帝/皇太子がモルトケを抑えられなかったら、最後には「亡国の愚将」の汚
名を受けることになったんではないかという気がしますね。
政治/軍事のいずれの側にせよ、自分が知らない分野については、専門家の意
見に虚心に耳を傾けるという態度が、指導者には必須だと思うんですが、彼に
はそれが(参謀総長という立場にしては)充分ではなかったんではないか、と。
206世界@名無史さん:02/12/23 01:22
大東亜戦争、太平洋戦争はクラウゼヴィッツの理論で言えば、どこが失敗だったと思う?
詳しい人の考察頼む。
207世界@名無史さん:02/12/23 07:36
全部(藁
それじゃ話にならないから
まぁ兵站能力を超える進撃ととりあえず・・・
でも開戦自体間違いだし
そこまでに至る過程も一貫性がなく意味不明

208世界@名無史さん:02/12/23 11:10
モルトケは、父親がもともとプロイセン将校→デンマーク軍に移籍のくみで
11才の時、デンマーク陸軍幼年士官学校入学、卒業後、デンマーク軍に勤務。
21歳でプロイセン軍将校試験をうけ合格、同軍に移籍

祖国解放戦争で対ナポレオン戦に勝利した当時の新興国の雰囲気にベルリン旅行
で魅了されたから
209世界@名無史さん:02/12/23 11:16
1828-31年 参謀本部陸地測量部勤務
トルコ・エジプト戦争を観戦ののち39年帰国。
参謀本部勤務でハンブルグ鉄道の管理に関係し、ここから軍隊の迅速な動員のための
交通機関への見識がやしなわれる。

41年論文「ドイツ国境問題」で自然国境の成立まで対仏戦争はさけられないと主張。
43-44年、鉄道と動員に関する論文を多数執筆。

彼が軍の迅速移動の重要性を学んだのはクラウゼヴィッツからだが
(←このへん課題だなあ。当時、参謀本部で『戦争論』はどのように
扱われたか。教科書?一般教養?)、鉄道という産業革命の成果に
軍事的に注目したのは彼を嚆矢とする。
(←本当かなあ?たぶん、ぜったいダーウィンにおけるウォーレスのように
先人とかいそうだな)
210世界@名無史さん:02/12/23 15:55
クラウセヴィッツは、「孫子」を読んでいなかったことを、後に後悔している。
だから「戦争論」より「孫子」が優っている。
211世界@名無史さん:02/12/23 16:09
戦争は良くないよ
212世界@名無史さん:02/12/23 16:22
>>211
うん、そうだね

ところで俺は癌もよくないと思っているんだが
癌の研究や癌研究者については、どんどんやるべきだと思っている
きみはどう思う?
213世界@名無史さん:02/12/23 16:26
戦争は良くないよ、って・・・鬱になりそう。
平和は陳腐で退屈だ
214211:02/12/23 16:48
戦争は良いよ
215世界@名無史さん:02/12/23 16:52
戦争を肯定しないと気がすまないといのもなんだかな。
216世界@名無史さん:02/12/23 17:23
宇宙はいつか、熱的死を迎えるんだろ。人類がいくら崇高な歴史を蓄積しようとも
、すべてパアになっちまうんだ。天文学的時間を経ようとも、すべてがアブクのように消え失せる
運命ならば戦争も悪くはないな。平和は陳腐で退屈だ。一発何か地球が吹き飛ぶような
天変地異が起こらないか。そうすればみんな、必死になって、生きていることがとてつもなく
有意義に思えるだろうよ。
217世界@名無史さん:02/12/23 17:32
>>216
平和が退屈というなら一人で紛争地帯にでも行けばいいだろう。
218211:02/12/23 17:37
まぁ実際に戦争が起こったら

肉体的に痛い

つれーな

平和っていいね

歌はいいよね

せかいのおわり
219世界@名無史さん:02/12/23 19:30
宇宙が終る前に自分は死ぬわけだからな。
せめて自分が生きてる間はおもしろおかしく暮らしてーわな。
22081式●VNMI ◆TYPE81/oDg :02/12/23 19:56
>>205

戦争は政治以外の手段を用いて行う政治の延長にほかならないデスから、政治
に軍事が従わなければならないのは必然デス。しかしながら、それは理念デスか
ら理論上、軍政というのも取りうる(軍事は政治に隷属しなければならないデスけ
ど、それは軍が政治を取ってはならないという意味ではないデス)。つまり、これは
システム実装上の指針以上ではないと考えるデス。誰が政治を取るのかはっきり
させ政治とし、これに軍事行動を隷属させるように、つまり最終的な指揮官を政治
の最高権者として、これの指揮下に完全に服させるようなシステムづくりが必要だ
と考えるデス。
軍人としては、指揮系統上のそれに服する事を考えれば自動的に問題が発生しな
いシステムをインテグレートする事こそ重要なのだとボクは考えるデス。

もちろん、皇帝/皇太子、ビスマルクが居たからこそモルトケの能力は発揮しえた
のだとは考えるデスけど・・・
221205:02/12/23 23:49
クラウゼヴィッツ自身は、軍政(というより、軍人が政治に口を出すこと)に
否定的だったんではないかと思いますがね。
無論、クラウゼヴィッツが絶対というわけではないし、クラウゼヴィッツいうと
ころの、「戦時内閣の首班たるに相応しい政治的能力の持ち主」が偶々軍人であ
る、という可能性も否定できませんが、少なくとも「戦争論」を読む限りでは、
「戦争指導者に必要な資質は政治家としての能力であり、軍事的洞察力の欠如な
どはどうにでもなる」と明言していますね。

それはともかく…
>軍人としては、指揮系統上のそれに服する事を考えれば自動的に問題が発生し
>ないシステム
というのは、中/下級軍人なら格別、いやしくも軍の頂点に立ち、政治側との意
思疎通を果たすべき立場にある参謀総長には、それだけでは不足なように思いま
す。
222205:02/12/24 00:20
205と221だけだと、「モルトケは駄目駄目だ」と決めつけてるみたいですな…。
モルトケの能力に異論はないし、幕僚長である以上「軍事的能力」が不可欠なの
は当然だと思います。
ただ、一方で政治側との意思疎通が不可欠な職でもあるわけですが、そこが彼の
不得手な部分だったのではないか、という気がします。

もちろん、一方では
>軍事は軍事で独立した文法という物を有している
以上、政治の側にも「軍事のスペシャリスト」の意見を虚心に取り入れるだけの
識見が、当然に求められるんだと思いますが。
223世界@名無史さん:02/12/24 05:10
>>221
とはいえ、ヒトラーのように軍事に口を出しすぎる指導者もどうかと。
224205:02/12/24 21:02
>223
クラウゼヴィッツは「戦争論」で、
「戦争は政治の意図に完全に合致すべきであり、政治はその手段たる戦争に無理
な要求を押しつけるようなことがあってはならないとすれば、(後略)」
としていますから、ヒトラーは失格でしょう。
まあ、政治の側に見識を欠いた指導者がいる場合には、ある意味手のうちようが
ないんでしょうけど…。

自己の能力をわきまえて、不得手だったり知識が不足な部分には躊躇なく専門家
の助言を求めるというのは、指導者の最低限の資質だと思います。
(とは言うものの、これも「言うは易し」の類ですが…。)
22581式●VNMI ◆TYPE81/oDg :02/12/24 23:58
>>221

もちろん、政治と意思疎通は図るべきだと思うデスけど、それを意識して意見を述
べる必要性はないというか、むしろ害悪だと思うデス。
もちろん、参謀としてそのような制限が加わった際のプランを立案する事は必要デ
スが、そこでも基本に置くべきは軍事的目標の達成であるべきデス。
政治的事情を考慮し、自分の思考を軍事から逸らさせる事は、政治的判断を伴う
デスから、それは政治に介入しているとも考えられるデス。デスから、明確な制限
事項を理解し、これに従う必要性は有ると考えるデスし、幕僚活動として、制限され
た場合を想定する必要性は理解するデスが、それは軍事に専心し指揮官に従えば
自動的に成立しうると考えるのデス。そもそも、政治的意図は最高指揮官が有し、
外交官も軍人と同じようにこれに寄与する立場デスから、外交官は外向的見地から
軍人は軍事的見地から意見を述べる事こそまず第一に考えねばならないと考える
デス。
226221:02/12/25 01:00
>225
まあ、この辺りはどちらが正しいというような話ではなく、価値判断の問題だと
思うし、おっしゃることはわかるんですが…。

ただ、あなたのご意見はある意味で理想ではあるかもしれませんが、うまく動く
のは、指導部が完璧である場合だけでないでしょうか。実際には、どれほど完璧
を期したとしても必ず見落としがある以上、自分の職責の外の事柄にも「一応心
に留めておく」義務があると思います。
例えば、同盟国なり中立国から好ましからざる反応があると予想されるような行
動を、「戦争指導部から明確に禁止はされていなかった」という理由で選択し、
その結果国家を泥沼に引きずり込むなんていう行動は、参謀総長としての職責に
相応しいものとは、私にはとても考えられない。
下級参謀ならいざしらず、参謀総長の座に、言い方は悪いですが「専門バカ」が
座るのは、極めて危険ではないかと思います。

「『政治に関わらず』は、政治のことを知らんでいいということじゃない」とい
うのは、一面の真理ではないでしょうか。
(もっとも正直なところ、発言者たる山本五十六大将自身は225氏言うところの、
>政治的事情を考慮し、自分の思考を軍事から逸らさせ
てしまった典型的な例に思えます。当時の軍/政の関係からはやむを得ない面も
あるとは思いますが。)
22781式●VNMI ◆TYPE81/oDg :02/12/28 00:23
>>226

うーん、もちろん政治に関らずというのは知らなくていいというわけではないという
のは理解するデス。ただ、その結果の是非をボクは関知しないデスから、過程と
して軍事が政治を引っ張り敗戦するのも、軍事が気を利かせて勝利するのも同じ
に見えるのデス。つまり、軍事が気を利かせる事を許容すると、軍事が政治を引っ
張るような、ルーデンドルフ独裁とかを許容する事になると考えるのデス。
ヴァルテルゼーのような参謀将校は妥当な考えを持っているかもしれないデスけ
ど彼を許容するような事は、ボクは軍事独裁に繋がると考えるのデス。
政治が無謬でないのと同時に参謀本部が無謬でないという保障はどこにも無い以
上、専門バカ化せざるをえないと考えるのデス。

理想論デスけどね(笑) 現実は観念の粗悪な模倣デス。
228226:02/12/28 01:28
>227
そもそも、一般的には「政治」の首班に軍事の専門知識を要求することは
できないですから、「政治が軍事に無理な押しつけをする」ことを避ける
ためにも、軍事の専門家の助言が不可欠ですよね?
参謀総長というのは、正にそのためにある職であり、軍事と政治の橋渡し
である以上、「専門バカ」ではどうしようもないように思います。
いずれにせよ、
>軍事が気を利かせる事を許容すると、軍事が政治を引っ張るような、
>ルーデンドルフ独裁とかを許容する事になると考えるのデス。
というのは、また別の話でしょう。
政治の設定した制約の中で、参謀将校が政治的影響も考えた上で立案する
という話と、政治が枠を設けること自体を拒否する「モルトケ式」は、全
く次元の違う話だと思います。
229世界@名無史さん:02/12/29 18:53
良スレ
230世界@名無史さん:02/12/29 19:19
クラウゼヴィッツ

モルトケ、マハン

フォン・ノイマン、毛沢東
23181式●VNMI ◆TYPE81/oDg :02/12/29 20:58
>>228
そういった、政治に対して深くコミットメント出来る立場だからこそ、政治に対して
関知しないという方針を徹底しなければならないと考えるデス。政治の要求に対
して軍は何が出来るか、何が出来ないかという事を軍事的見地からはっきりと述
べなければならないデスけど、それはもっぱら専門的見地から述べるべきだと考
えるデスし、それで十分に問題ないと考えるデス。
モルトケは政治が枠を設ける事自体を否定していたとは思えないデス。政治の最
高責任者たる皇帝の命令には服していたデスし、同時にそれらの枠内で軍事力を
最大限行使するように配慮したと考えるデス。
もし、仮にビスマルクの意見を勝手に尊重し皇帝をないがしろにするような事があ
れば、それこそシヴィリアン・コントロールの逸脱と考えるデス。
232世界@名無史さん:02/12/29 23:58
>>231
それ、統帥権問題…
233世界@名無史さん:02/12/30 00:16
>>231
皇帝ってシビリアンなの?
欧米の王や皇帝が軍の最高指揮官では?

カイザー=カエサルであり
ローマ皇帝の称号が語源でしょ
ローマ皇帝は、ローマ軍の最高司令官であって、国民に選ばれた民主的な指導者ではない
(市民による選出って茶番があったのは知っているが、実質は違う)
234205=226:02/12/30 06:26
>231
232,233氏の指摘にもありますが、私にはモルトケが「政治の最高責任者である
皇帝」に服していた、とは思えません。
彼は単に「軍の最高責任者」であり主君である皇帝に服していただけでしょう。
私が205で書いた「モルトケは『君主に服する』ことは知っていても、『政治に
服する』ことは知らなかったという」印象は変わらないですね。

それはともかく…
>もっぱら専門的見地から述べるべきだ
という点には異論はないんですが、「専門的見地」の範囲をどこまでと取るか
が81式氏と私では違うんだろうと思います。政治情勢変化をもたらさない軍事
行動も、政治情勢の影響を受けない軍事行動も有り得ない以上、私はクラウゼ
ヴィッツの
「大軍事事件やそれに対する作戦については純粋に軍事的な判断が可能である、
といった主張は許されないばかりでなく、有害でさえあると言えよう」
という主張に理があると考えます。少なくとも、自分の建てた作戦による影響
がどのようなもので、それが本来の目的、国益に合致するかどうかの判断能力
は必要だし、それができないなら参謀総長たる資格はない、と思いますね。
統帥部に対して、「第三国と戦争になるようなことは避けろ」というだけの指
示で足らず、具体的に「これはだめ、あれもだめ」とまで一々指示せねばなら
ないということになると、結局は指示を出す政治側の内部に、軍事専門家から
なる「もう一つの参謀本部」を作ることになるでしょうね。
23581式●VNMI ◆TYPE81/oDg :02/12/31 00:45
>>232
うぐぅ

>>233
実質、国内の政治を取り仕切っているデスから、シヴィリアンと見なして良いと考え
るデスけど・・・ 同時に軍の最高指揮官ではあるデスけど。元々の意味から言えば
その通りだと思うデス。
民主的指導者でなくても、為政者ではあるデスから、事実上シヴィリアンと見て良い
と考えるデス。

>>234
モルトケがどう認識していたかは別とすると政治の最高責任者が軍の最高司令官で
あるという様式によりシヴィリアン・コントロールを行うというのは問題ないデスし、そう
であれば単純に軍人は指揮官に服するという原則を守ればよいという事になると考え
るデス。

もちろん、政治情勢の影響のない軍事作戦はあり得ないデス。しかしながら、軍が独
自に政治判断をする事は出来ないデスし、もしそれを行えばフリーハンドを得る事にな
ると考えるデス。

>具体的に「これはだめ、あれもだめ」とまで一々指示せねばなら
>ないということになると、結局は指示を出す政治側の内部に、軍事専門家から
>なる「もう一つの参謀本部」を作ることになるでしょうね。

そのために外務省があると考えるデスし、そういう意味では外務省や他の関係省庁と
連絡をとって様々な状況を想定したプランを立てるべきとは思うデス。そういう意味で
ビスマルクと険悪であったモルトケは問題ではあったと考えるデス。しかしながら、最
終的意思決定権者である皇帝の権限や外務担当者の職域を犯すような判断を軍人
が行えば、それは暴走となる可能性があると考えるデス。
236世界@名無史さん:02/12/31 01:08
面白い議論ですね。この問題、つきつめればビジネス組織にも言えること。
もっといろいろ思索の余地はありそうですね。
237世界@名無史さん:02/12/31 10:13
基本的には81式閣下に賛成なんだが
実社会では205氏のような感じで求められることが多い
だが本当は他の奴がやるべきことでそいつが能無しだから
仕方なく本来は越権だが・・・ということになるような
238205:02/12/31 12:09
>237
>他の奴がやるべきことでそいつが能無しだから
ってのはあたらんでしょう。単に高度に専門化されたある分野の長と別の専門
分野の長ってだけで。肩代わりの問題でなく、各専門部署長には、他専門部署
との調整能力(と調整する意思)が必要だという話だと思います。

>81式氏
>そのために外務省があると考える
どこの国にせよ、外務省には高度な軍事知識は期待できないから、下手をする
と「こんな条件で戦争できるか」っていうような、極度に安全側の制約を出し
てくるかも知れませんよ?
で、私が言いたいのは、正に
>外務省や他の関係省庁と連絡をとって様々な状況を想定したプランを立てる
>べきとは思うデス。そういう意味でビスマルクと険悪であったモルトケは問
>題ではあったと考えるデス。
ということです。
「他との調整を最高の将帥が行い、他の軍人は軍事に専念せよ」というのが、
戦争論の説くところだと思いますし、私もこれに同感。
で、こういう観点からすると、モルトケは次長以下なら格別、総長としては、
「それは私の専門でないからしらん」というのは不足でないかな、と。
23981式●VNMI ◆TYPE81/oDg :02/12/31 16:28
>>238
>「他との調整を最高の将帥が行い、他の軍人は軍事に専念せよ」というのが、
>戦争論の説くところだと思いますし、私もこれに同感。
>で、こういう観点からすると、モルトケは次長以下なら格別、総長としては、
>「それは私の専門でないからしらん」というのは不足でないかな、と。

調整をする事は重要デスが、その中で軍事的合理性を追求すべきが参謀総長
としての職務だと考えるデス。ただ、調整であっても主張すべきは軍事的合理性
であり、軍事的合理性以外は考慮外でなければならないと考えるデス。つまり、
政治的状況というのはあくまで状況であって所与の前提として考慮せねばならず
様々な政治状況を外務との調整を通じて認識しそれに応じたプランを立てるべき
以上の物ではないと考えるデス。
つまり意見を求められれば、それは考慮せずに答えるべきであるというのは変わ
らないデス。そういう意味では「いいえ、ただ私は軍事上の問題のみ気に懸けてい
るのです」という言葉は正しいと考えるデス。しかし、それは現実における修正や
摩擦たる政治状況を否定する事にはならないと考えるデス。あくまで、所与の前
提の一つなのデスから。
ただしかし、その所与の前提を求めるにあたって外務省との調整は欠かせないデ
スし、それは皇帝の指揮官としての権威を損ねるものであってはならない筈デス。
240世界@名無史さん:02/12/31 16:42
>軍事的合理性を追求すべきが参謀総長
>としての職務だと考えるデス

軍事的合理性を追求するのは、参謀総長の部下の参謀達の仕事では?
参謀総長は出てきた結果を、政治とすり合わせる必要があるだろう。

例えば陸上自衛隊を例に取ると
師団幕僚長は純軍事的合理性を追求できるけど
方面隊の幕僚副長は、地方行政組織との交渉、例えば公共施設の利用などの
地方自治体とのすり合わせが必要になり
陸上幕僚長は、中央行政組織との交渉や助言も必要になるだろう。(有事の際)
24181式●VNMI ◆TYPE81/oDg :03/01/02 22:26
>>240
擦り合わせや交渉は必要デスけど、基本的にそれは権限と命令以上の話しでは
無いと考えるデス。また、交渉においても基準となるのは軍事的合理性デスから
交渉そのものについて考える必要性はあると考えるデスけど、政治的事情は考慮
外で良いと考えるデス。
権限が向こうにある限りは要望という形か、もしくは彼らの命令権者と我の命令権
者が同一になる点にまで持ち上げ判断してもらうかのどちらかしかないと考えるデ
ス。
縦割り行政になってしまうデスが、権限外の事項を決定する訳には行かないデス
から、交渉といっても要望以上のことをお互いに出来ないデスし、あとはそれの擦り
合わせ以上の事は出来ないと考えるデス。
242世界@名無史さん:03/01/02 23:50
>>241
理想的にはそうなるかも知れないが
現実に国内戦になると、上級幕僚は行政との果てしない戦いに忙殺されると思う。
軍事的ユートピアの中で机上演習をやるのは、目黒や久留米だけにとどめるべきだと思うが。

軍事的合理性を追求するのはいいが
・避難民はすべて後方に移動
・法的問題はすべて解決
・政治家は考慮外
・軍事的フリーハンドが与えられている
なんて前提ありえない。
24381式●VNMI ◆TYPE81/oDg :03/01/03 04:33
>>242

もちろん、現実的に上級幕僚は他の部署との調整や交渉、判子のもらい歩きに
忙殺されるであろう事は想像に難くないデス。
同時に
>・避難民はすべて後方に移動
>・法的問題はすべて解決
>・政治家は考慮外
>・軍事的フリーハンドが与えられている
という前提はあり得ないデスし、それを考慮したプランを考えておくべきデス。

しかしながら、軍人が軍事的合理性や法理を追求せずにいられるとは思えない
デス。確かに、現実に忙殺されるかもしれないデスし、現実に裏切られ悲しくなる
かもしれないデス。
ただ、ただ、そのような状況でも強く意思を持ち軍事的合理性を追求しする事は
何よりも重要な事だと思うデス。現実的に要望を出したり調整業務を行う事は必
要デス。しかしながら、それにあっても理想を高く持ち、軍事的合理性を追求する
ことこそ軍人に最も必要な事だと考えるデス。
244世界@名無史さん:03/01/04 01:18
>243
うーん、あなたの言う「理想」というのは、正直言って「専門バカ」が「専門バカ」
であり続けるためだけの理想であり、「軍事」という重大事の専門的判断を付託さ
れているという立場を度外視しての理想でしかないように思える。
なんというか、「おれは技術開発が専門だから、営業の要望だの動向だのは考えな
い」と言い放つ「技術開発部長」と同根の役立たず、というか。
専門的見地からものを考えるのは下僚の仕事であり、「長」たるものの仕事は、
はっきり言えば他との調整、すり合わせにつきると思うし、これが出来ないなら
とっとと辞表を出すべきだ、と思いますね。

そもそも、「現実に忙殺」とか「現実に裏切られ」とおっしゃるが、現実という
制約条件のない「軍事的理想」とはなんですか?それはたんなる「軍学者の机上
の空論」に過ぎないのではないですかね。
245244:03/01/04 03:08
244はかなり的を外したように思えたんで、補足をします。
>243
>軍人が軍事的合理性や法理を追求せずにいられるとは思えない
「性」としてはそうでしょうね。
ただ、わかっていて書いているんだろうとは思いますが…
非常時に「判子のもらい歩きに忙殺されそうだ」というのはともかく、他の前
提は「ここに山がある」「ここに大河がある」といったものと同レベルの制約
であり、こういったものを考慮に入れない「理想」の方にこそ「軍事的合理性」
がないように思います。
それに、例えばある軍事行動の結果として第三国の介入(最悪は参戦)が予想
され、それによって以降の軍事情勢が極めて不利になると想定されるような場
合にも、「政治の問題」と判断を逃げ、目先の「純軍事的判断」のみおこなう
のが「軍事的合理性の追求」という言葉に相応しいとも思えません。

そういう点からも、当面の敵であるフランス軍を叩きつぶすことに固執し、周
囲を敵対的大国だらけにすることの不利に目を向けることを拒否、最後は君主
に判断を丸投げしたモルトケの判断が、軍事に関する最高の輔臣たるに相応し
いとは思えないわけです。(君主は世襲である以上、資質もまちまちであり、
真っ当な判断力の持ち主ばかりとは限りませんから、特に。)
24681式●VNMI ◆TYPE81/oDg :03/01/04 04:42
>>244-245
もちろん、現実は現実で受け入れなければならないデスし、現実に応じたプランを
用意する必要性もあるデス。しかし、その現実は政治からの要求以上ではないデ
スから、あくまで政治と軍事的合理性に従う以上の必要性は無いと考えるデス。
現実に応じた対処は必要デスけど、かといって現実に観照するような真似は許さ
れないと考えるのデス。

モルトケに関して言うならば、関知すべきは一連のキャンペーン以上ではないと考
えるデス。そういった総合的な外交問題については外務省の管轄だと考えるデス。
基本的に軍人は軍隊をどのように動かして目標を達成するか、という事の専門家で
あってそれ以上ではないデスから、そのような事項については関知しないという風
にしか決断できないデスし、それを決断するのであれば越権行為に当たると考える
デス。
247世界@名無史さん:03/01/04 09:04
>>246
文民統制が行われる近代民主主義国家であれば
軍事面における最高のスタッフが、外交や上位の政治に関与しないのは当然だが
モルトケの場合、帷幄上奏権を持ち直接君主に上奏出来た。

権利を持つものは、同時に義務を持つ
最高権力にダイレクトにタッチ出来るモルトケが、政治を無視した軍事的合理性のみで
行動するのは無責任極まりない。
248245:03/01/05 22:12
>247
正直、お互いに「○○であるべきだと思う」という「べき」論をぶつけている
だけのように思えます…。それはともかく。

>そういった総合的な外交問題については外務省の管轄だと考える
のは結構ですが、モルトケが採ろうとした行動は戦役以降の政治/外交関係を
極めて強く拘束するものであり、外務省の所管を真っ向から侵害するものです。
「軍事的観点のみを考慮して判断する」というのは、非政治的どころか、政治
に対して軍事への従属、奉仕を要求する、極めて政治的な行動なんですが。

それに、「縦割り肯定論」からすると、外務当局や内政当局の輔臣も軍事に関
することを考慮することは越権となりますし、それ以前に、軍事側の輔臣が調
整を拒否するという状況では、考慮のしようがありません。
結局は、政治側輔臣は軍事的な影響を一切勘案しない案、軍事側輔臣も政治的
影響を勘案しない生の案を君主に丸投げして判断を仰ぐことにならざるを得ま
せんし、実際モルトケはそうしていますね。
君主が政軍双方に通暁していればともかく、通常は各分野の専門家を宮中にお
いて情勢判断から相互の調整までおこない、軍事/政治双方の輔臣の長に下達
せざるをえない筈です。結局は、これを担当し軍に詳細な命令を出すための、
「純軍事的視点に立つことを許されない」軍事専門家が必要になります。
これは、「もう一人の幕僚長」をおくという「屋下に屋を架す」類の愚行では
ないでしょうか。
249245:03/01/05 23:19
ながながと書きましたが、要するに「戦争」というのは政治と不可分であり、
政治的行動の結果が軍事行動を拘束すると同時に、軍事的行動の結果も政治を
拘束するもの。
であるからには、「純軍事的観点のみ考慮」するという贅沢を禁じられ、政治
的影響の考察や政治との調整を行うものが、軍人の中に最低一人(実際には最
高の将帥でなくてはならないでしょうが)は必要になるというのも、必然だと
私は考えます。
無論、当該の将帥の肩書きはいろいろでしょうし、場合によっては君主自身か
もしれませんが。
25081式@別の場所から:03/01/06 02:15
>>247
むしろ、その義務は軍事に専心する義務だと考えるデス。帷幄奏上権により皇帝に直接
助言できる立場であるからこそ、権限外、専門外の事項については判断すべきでないと
考えるデス。

>>248
従属を求める結果になっても、それは外務省側も同等の権限を有している以上、問題に
ならないと考えるデス。確かにそういう意味では政治的ではあるデスけど、しかしながら、政
治的な事を考える行為を以って政治的であるとボクは考えるデス。ルーデンドルフ独裁は
問題デスけど、そうならない限りにおいて純軍事的であることは問題ないと考えるデス。

丸投げの問題点は君主がかかる事項について判断をせねばならない事項が増大するとい
う点にあると考えるデス。デスから、軍人が政治について判断しない事を条件とした上でよ
り君主の負担を軽減し現実的なプラン策定の為には、外務省と調整し、様々な条件で
のプランを立案するという手段が考えられると思うデス。シュリーフェンプランの最大の問題は
計画がそれだけしか無かった事だと考えるのデス。そういう意味ではモルトケは不十分な点
もあったと考えるデスけど、軍人は政治的判断を行わないという点は必要だと考えるデス。
政治的問題を所与の前提として軍人は判断可能デスし、その結果を下に所与の前提と
して外務省にフィードバックする事は可能だと考えるデス。

>>249
しかし、政治を知った気になり勝手なプランを立てたり、自らが正義や政治的意思となり暴
走する政治的軍人は許されるとは思わないデス。
251249:03/01/06 20:42
>250
>政治的な事を考える行為を以って政治的であるとボクは考えるデス。
キツイ言い方ですが、それは「あなただけの定義」で、世間一般に通用するとは
思えませんね。それでは、腹をすかせた群衆が「パンをよこせ」と叫んで暴動を
おこすことも「政治的でない行動」となります。あまりにも狭い定義です。
戦時には軍事に政治がある程度奉仕することになるのは当然ですが、それも程度
問題。最終的な戦後の姿までも「純軍事的都合」で決めるのは軍事独裁ですし、
これを平時に広げればそのままルーデンドルフ独裁になると思います。

丸投げについては、君主にせよ選挙制の元首にせよ、一般には軍事知識を期待で
きないでしょうから、
>現実的なプラン策定の為には、外務省と調整し、様々な条件でのプランを立案
しかないと思います。結局は
>政治的問題を所与の前提として軍人は判断可能デスし、その結果を下に所与の
>前提として外務省にフィードバックする
ことになるでしょう。外務省側も、軍から返ってきた案により生じる新しい政治
情勢について検討した上で、再度軍に投げ帰す、というような形で修正し、最終
的に「政/軍双方の検討を経た案」をまとめた上で上奏するんだと思います。
その際、いくら「所与の前提」といっても、「軍事上受け入れ不能」というもの
もあるでしょうし、逆に軍事上必要でも「政治的に受け入れ不能」というものも
あり、「落し所」を探るためにも相手の所管事項の内容を理解し考慮する(新前
提として受け入れる、と言い換えて構いません)のは不可欠でないかと思います。

無論、
>しかし、政治を知った気になり勝手なプランを立てたり、自らが正義や政治的
>意思となり暴走する政治的軍人は許されるとは思わないデス。

には完全に同意します。
25281式@別の場所から:03/01/08 03:40
> 戦時には軍事に政治がある程度奉仕することになるのは当然ですが、それも程度
> 問題。最終的な戦後の姿までも「純軍事的都合」で決めるのは軍事独裁ですし、
> これを平時に広げればそのままルーデンドルフ独裁になると思います。

しかし、軍人には奉仕させる権限はないデス。政治について権限を持たない以上、ルー
デンドルフ独裁は純軍事的思考をした上でも否定できると考えるデス。奉仕することに
なるであろうことは想像可能デスけど、奉仕させるか否かの判断は軍人が判断すべき事
ではなく、所掌業務の担当省庁、および行政府の長(皇帝や大統領、内閣等)の判断
すべき事項となるデス。
しかしながら、軍人は軍事のプロフェッショナルとして、いかにすれば軍事的勝利が可能
か、換言すれば作戦目標が達成可能かを進言する事が必要だと考えるデス。

> その際、いくら「所与の前提」といっても、「軍事上受け入れ不能」というもの
> もあるでしょうし、逆に軍事上必要でも「政治的に受け入れ不能」というものも
> あり、「落し所」を探るためにも相手の所管事項の内容を理解し考慮する(新前
> 提として受け入れる、と言い換えて構いません)のは不可欠でないかと思います。

いや、所与の前提である以上、それは受け入れ不能という事はありえないデス。しかし、
結果的に敗北する事が予測できるならば、そうであると伝えるべきだと考えるデス。そして、
外務省としては敗北の可能性からその前提を破棄する事が可能デス。また、軍事から外
務を初め関係省庁への要望は権限外の事デスから、担当部署への要望か行政の首班
に対する進言という形しか取りえる行動は存在しないデス。
あと、案の検討にあたっては、複数の案を考えるべきだと考えるデス。単一の案であることは、行動の選択の幅を狭めるデスので、複数案を提示すべきだと考えるデス。
落とし所については、それは所与の前提としての検討、権限等の問題として解決可能だと考えるデス。落とし所という安易な妥協は、軍事や政治を勝手にコントロールする口実になりかねないデス。
25381式@別の場所から:03/01/08 03:44
あ、二重書き込み失礼デス
25481式@別の場所から:03/01/08 06:28
って・・・ してないし
255251=249:03/01/08 22:43
>81式氏
「政治」という言葉の意味をまず整理しませんか。
狭い意味での外交や内政などを指しての「政治」と、前者の意味での政治と軍事
を含んだ意味での、統治行為と言うか、国家の最終的な意思表示としての「政治」
とをお互い明確に区別せずに用いていて、話がかみ合わないように思います。
私は、軍と言えども聖域ではなく、前者の意味での「政治」を担当する各所管官
庁と同レベルの存在として国家に奉仕する立場だと考えるものです。
そして、「軍事」という極めて大きな国家資源を担当する部署として、与えられ
た権限の範囲で最善を尽くす義務があると考えます。

>奉仕させるか否かの判断
は結局は国家資源の配分の問題ですから、「軍だけが決める」問題でも「所掌業
務の担当省庁」で決めるものでもなく、内政/外務/国防等々の各省庁の最高責
任者の会議(閣議)で最終案をまとめる、(君主国ならその後君主の裁可を得る)
という手順になるんではないでしょうか。

その際、直接に担当する責任箇所たる軍には、「何が必要であるか」という案を
出す「義務」があると考えます。「作戦上なにが必要か」ということがわかる者
は他にないのですから。同様に、内政/外交等々の各担当からも要望なり下案が
上げられ、これらを基に最終的な国家意思を決することになるでしょう。
256251=249:03/01/09 00:31
(続き)
で、251で書いた「軍事上受入不能」は「その条件では絶対勝てない」というよ
うな場合のことです。「政治の要求」といっても、閣議にかけるための案を練る
段階での要求であれば、要するに意思決定のための「叩き台」。
ある政策の結果戦争になった場合に、軍が解決できるかどうかというのは、外交
政策だけでなく国運を左右しますから、解決可能かどうかを伝えるのは、「べき」
というレベルでなく「専門家としての義務」であり、伝えないのは怠慢でしょう。
例えば、予算編成のとき必要な項目を挙げて予算を要求するというのは、専門職
としての義務ですが、最終的に決定した予算に異を唱えて横車を押すのは許され
ない越権となるのと同様、「政策に必要事項が漏れないようにする義務」と「最
終的な決定に従う義務」は同時に充たされねばならないと思います。
いずれにせよ、軍事担当と言えども省庁の一つに過ぎませんから、省庁間の実務
レベルでの協議が権限外ということもなければ、
>担当部署への要望か行政の首班に対する進言という形しか取りえる行動は存在
>しない
ということもないでしょう。実際、国防担当大臣は閣僚として閣議に加わるのが
どこの国でも通例だと思います。

後は言葉の問題ですが…
>落とし所という安易な妥協
というのはちょっと引っかかりますね。意見が対立したまま、互いに言いっぱな
しで放置したのでは国政が停止してしまいますから、互いに納得できるような案
があるかどうかを探すのは当然であり、安易な妥協とは正反対だと思いますが。
(実際にはうまい落し所がみつからず宙に浮いたままになったり、あるいは一方
が対手の出した案に得心しそのまま決するとか、いろいろあるでしょうが。)
25781式@別の場所から:03/01/09 02:34
>>255-256
> 「政治」という言葉の意味をまず整理しませんか。
(略)
> た権限の範囲で最善を尽くす義務があると考えます。

その通りだと考えるデス。

> は結局は国家資源の配分の問題ですから、「軍だけが決める」問題でも「所掌業
> 務の担当省庁」で決めるものでもなく、内政/外務/国防等々の各省庁の最高責
> 任者の会議(閣議)で最終案をまとめる、(君主国ならその後君主の裁可を得る)
> という手順になるんではないでしょうか。

権限が君主にしかない問題については君主が判断せざるをえないと考えるデス。
しかしながら、より低いレベル、道路や電波や公共施設といった他の省庁の所掌
範囲である問題については、担当省庁の権限として閣議にあげる必要もなく処理
可能だと考えるデス。

> その際、直接に担当する責任箇所たる軍には、「何が必要であるか」という案を
> 出す「義務」があると考えます。「作戦上なにが必要か」ということがわかる者
> は他にないのですから。同様に、内政/外交等々の各担当からも要望なり下案が
> 上げられ、これらを基に最終的な国家意思を決することになるでしょう。

要望という事で可能ですし、また作戦上必要であれば要望しなければならないと
考えるデス。
25881式@別の場所から:03/01/09 02:34
> で、251で書いた「軍事上受入不能」は「その条件では絶対勝てない」というよ
> うな場合のことです。「政治の要求」といっても、閣議にかけるための案を練る
> 段階での要求であれば、要するに意思決定のための「叩き台」。

いや、絶対に勝てない場合であっても、それを受け入れた場合、絶対に勝利でき
ないであろうという見解を述べるに留めるべきだと考えるデス。必ずしも、政治
は軍事的勝利を望む場合ばかりではないデスから、そういった場合を考慮すると、
事実上受け入れ不可能であっても受け入れた場合を考慮すべきであると考えるデ
ス。
叩き台、換言すれば案の一つというのは同意するデス。

> ある政策の結果戦争になった場合に、軍が解決できるかどうかというのは、外交
(略)
> 終的な決定に従う義務」は同時に充たされねばならないと思います。

同意するデス。

> いずれにせよ、軍事担当と言えども省庁の一つに過ぎませんから、省庁間の実務
> レベルでの協議が権限外ということもなければ、
> >担当部署への要望か行政の首班に対する進言という形しか取りえる行動は存在
> >しない
> ということもないでしょう。実際、国防担当大臣は閣僚として閣議に加わるのが
> どこの国でも通例だと思います。

実務レベルでの協議において、権限外の事項についての口出しという意味では要
望という手段しか取りえないと考えるデス。協議とはそもそも何かというのを考
えると、違った指揮系統や権限を有する組織と関る場合に、これらが矛盾しない
ように調整する事だと考えるデス。ここで、他の部署に対して権限を行使する事
が出来ない以上、また上位の命令についてそれを無謬にして絶対な存在として受
け入れなければならない以上(もし、これを犯す事があれば、それはシヴィリア
ン・コントロールの逸脱だと考えるデス)、要望や進言以上の事は出来ないと考
えるデス。
25981式@別の場所から:03/01/09 02:34
> >落とし所という安易な妥協
> というのはちょっと引っかかりますね。意見が対立したまま、互いに言いっぱな
> しで放置したのでは国政が停止してしまいますから、互いに納得できるような案
> があるかどうかを探すのは当然であり、安易な妥協とは正反対だと思いますが。
> (実際にはうまい落し所がみつからず宙に浮いたままになったり、あるいは一方
> が対手の出した案に得心しそのまま決するとか、いろいろあるでしょうが。)

政策決定レベルでの場合は、妥協のしようがないと考えるデス。つまり、落とし
所を探るよりも、お互いの専門知識を結集して、いかなる設定をした場合、どの
ような結果になるかを予測し、これを以って複数の案を提出する形になるデスか
ら、落とし所を探る必要性はないと考えるデス。
もし、落とし所を用いたとすれば、それは事実上、外務省&軍の独裁を可能にし
てしまうと考えるのデス。
260251=249:03/01/09 22:52
>258 自分で「明確にしましょう」と書いておきながら申し訳ないです…。
>必ずしも、政治は軍事的勝利を望む場合ばかりではない
で引かれている部分での「政治」は、255の前段の方の「政治」のつもりで、
「叩き台」と書いたのです。各担当省庁とも、相手の所管に干渉する権限がない
というのは仰るとおりですが、同時に、専門外のことが絡む事項に関する適切な
原案を出すことは困難なのも通例でしょう。
だから、知識の欠如等が原因で、外務当局案、軍部案共に相手の専門に関わる欠
陥があり不当に見える案を出しているのかもしれないし、仰るとおり軍にはわか
っていないが妥当な理由で「軍事的勝利を望まない」のかもしれない。
ここを埋めるのが、各担当長同士の協議であり、互いに自分たちの案の不足部分
を検討しあって、各専門家の要望を適切に盛り込んだ最終「案」が作れるかどう
かを検討する作業、つまり、259で書かれた作業と同じ内容を「落し所を探る」
と表現したつもりです。
このとき、「落し所」が見つからず、各担当が出してきた案と、協議の経緯、検
討の結果などを附した上で君主なりの判断を仰ぐ、ということは当然あり得ると
思います。また、無理に一つの案に絞らない方が良いというのはその通りです。
261251=249:03/01/09 22:53
(続き)
いずれにせよ、ここで出来たものはあくまでも「案」であり、最終的な国家意思
として確定するための作業(君主国なら君主の検討と承認)を経て初めて決定す
るものでしょう。(項目によっては、最終決定の権限が当初から担当省庁に委任
されている場合もあるでしょうけれども。)
君主なりの最終判断を仰ぐとき、「落し所を探るための、協議の経緯や検討事項」
というのは、重要な判断材料になります。各分野の専門家が互いの案を検討しあ
う行程であり、これがされていないと君主自身が一から検討し直さねばならない。
ですから、無理な妥協で強引に「落とす」のは仰るとおり論外ですが、「落し所
を探してみる」作業は、見つかった「落し所」自体よりも重要なものではないか、
と私は考えてます。(これは、全くの私見ですが。)
(広辞苑では「落し所=決着を着けるのに最適な場面」らしいんで、「皆が『落
し所』だと同意できる案」と言うべきか。最初から「各専門家の要望を適切に盛
り込んだ最終「案」が作れるかどうかを検討する作業」と書くべきでした。)
262世界@名無史さん:03/01/09 23:56
難しい議論はよくわからんが、最近本屋でこのスレの趣旨ぴったりの本を新刊で見つけたよ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569578721/qid=1042123979/sr=1-5/ref=sr_1_2_5/250-3804945-9446636
数ある戦争論解説本の中でも、これほど解りやすくて重要点に絞ってる本を俺は見たことない。
岩波の戦争論が理解できずにもだえてる人におすすめ。

263世界@名無史さん:03/01/10 03:35
中公文庫、岩波のあとだと訳注が足りないね
264山崎渉:03/01/11 23:33
(^^)
26581式@別の場所から:03/01/13 00:33
軍事は政治の手段と言うデスから、外交担当者としては外交の手段と考えている
以上、専門知識のある人間にある条件下での結果について聞くという行為になる
と考えるデス。また、外務当局がどのような思考をしていてもそれは、軍人に判
断させるには難しい事項だと考えるデス。
しかしながら、制度上は軍と外務は同列に並ぶデスから、外務の命令に従った軍
の運用とはならないデス。また、軍としても国家の敵を完全に撃滅するという事
を考えているはずデスので。この場合、外務担当者には、ある軍事行動をした場
合の外務上の影響(これが軍事にフィードバックされる)を聞くという事になる
と考えるデス。
制度上の指揮系統を優先すると仮定して話すと、お互いの組織は、目的と目標が
明確な場合に問題はないと考えるデスけど、これが不明確である場合が今までの
議論での争点だったと考えるデス。もちろん、戦争は軍隊だけでやる物じゃない
デスから、関係省庁の意見を聴く事は必要デスけど、最初の目標設定において、
軍人は君主でない以上、的外れな目標を設定してしまう危険性があるデス。外務
省もこれは同じデスから、この両者が協議して案を決定してもこれが正しいとは
限らないデス。
26681式@別の場所から:03/01/13 00:33
つまり、外務も軍事も、ある政治的(国家の意思)目標を達成させるための手段
に他ならないデスから、様々なアプローチが考えられるデス。この、それぞれの
アプローチ、つまり複数の軍事目標や外交目標が存在するのデス。これらの、ア
プローチそのものの取捨選択は君主の権限デスから、それぞれの担当者が口を出
す事は許されないデス。しかしながら、軍事にも外務や経済の要素が関ってきた
りするデスから、その部分で、アプローチそのものではなく、かかるアプローチ
を選択した場合の各専門領域での結果について協議する必要があるとは考えるデ
ス。ここで、その専門領域の結果について致命的な結果が発生し、そのアプロー
チによる目標の達成が不可能になるという事は証明可能デスが、それはアプロー
チの否定ではなく、アプローチの結果についての専門領域からの予測以上ではな
いと考えるデス。
デスから、協議というのはアプローチを否定する事ではなく、どのような領域も
他の領域が関ってくる以上、それらを統合してそのアプローチの結果を予測する
事になると考えるデス。
267251:03/01/13 04:16
>265,266 とりあえず専制君主国の場合に限定します。
265の最後の部分ですが、「最終的な目標」が「君主個人の好悪」であれば
ともかく、「国家の安寧」「国威発揚」等であれば、協議により的外れでな
い案を出すことは充分に可能だと考えますが。
最終的な選択は君主の権限ですが、選択肢を「案」として提示したり各選択
肢の利害得失の検討結果を提示したりするのは、臣下の職務ですよ。
ですから、通常は各専門部局が(君主自身の提案があれば、それも含めて)
下案を出し協議検討して、最終案を「このような案はどうでしょうか。」
という形で検討結果を添えて上奏し、最終的判断を仰ぐという形式が採られ
ると思います。
つまり、あなたの用語でいう「アプローチそのもの」の提案も職務に含まれ
る、というのが私の意見ですし、当時のプロイセンも含む多くの国家では、
このように運用されていると思います。

それと、
>アプローチそのものの取捨選択は君主の権限デスから、それぞれの担当者
>が口を出す事は許されない
は、明白に誤りです。君主自身も無謬ではありませんし、「明白な誤り」を
正すことなく受け入れるのは、義務を放擲したと言わざるを得ません。
もっとも、再考を促してもいれられない場合は、受け入れるか辞職するかと
いうことになるでしょうけど。
26881式@別の場所から:03/01/13 05:08
> つまり、あなたの用語でいう「アプローチそのもの」の提案も職務に含まれ
> る、というのが私の意見ですし、当時のプロイセンも含む多くの国家では、
> このように運用されていると思います。

その通りだと考えるデス。
アプローチそのものの提案は担当者の職務だと考えるデス。
ここで、軍は軍事的アプローチを、外務省なら外交によるアプローチを、通
産なら経済的なアプローチを考えると思うデス。
ここで、そのアプローチを行った場合の予測において他の省庁と協議する
必要性はあると考えるデスし、予測の結果、アプローチが失敗する事と予
測される場合もあると考えるデス。

> は、明白に誤りです。君主自身も無謬ではありませんし、「明白な誤り」を
> 正すことなく受け入れるのは、義務を放擲したと言わざるを得ません。
> もっとも、再考を促してもいれられない場合は、受け入れるか辞職するかと
> いうことになるでしょうけど。

これは、各担当省庁が提出したアプローチそのものを他の担当省庁が否定す
る事は出来ない、出来るのは君主だけだと言う意味でいったデス。まぎらわし
くて失礼しましたデス。
ただ、アプローチの失敗が予測された時点で、事実上アプローチが否定されてい
るとは考えられるデスけど。
269251:03/01/13 23:44
>268
>これは、各担当省庁が提出したアプローチそのものを他の担当省庁が否定す
>る事は出来ない、出来るのは君主だけだと言う意味でいったデス。

その意味でしたら了解です。読み誤ったようで失礼しました。
270世界@名無史さん:03/01/14 01:44
議論中に横ヤリになるかもしれんが、このスレでたびたび出てきたモルトケとクラウゼヴィッツの関係について一言。
俺の生知識によると、モルトケは、クラウゼヴィッツが士官学校の校長をしていた時の生徒。
更に、モルトケは、一番影響を受けた兵学思想家を聞かれると、迷わずクラウゼビッツを挙げていたそうだ。
その影響で、第一次クラウゼビッツ・ブーム(?)が起こり、ヨーロッパで広く戦争論が読まれるようになったらしい。
その後、第一次世界大戦を通じて、戦争の形態が戦争論当時とは大きく変わり、戦争論は実用書ではなく古臭い古典となってしまったが、
時代を経て、第二次世界大戦後の東ドイツで、ソ連がクラウゼビッツの研究を進めていたことから、同じ社会主義国として影響を受けるようにクラウゼヴィッツを注目し直し、自国出身の英才だとデモンストレーションした。
それで、東西ドイツ統一後、クラウゼビッツは再びその普遍性を認められるようになって、日の目を見た。ってとこか。
今じゃ、クラウゼビッツは、マイケル・ポーターをはじめ多くの経営戦略論を書く学者の研究対象にもなってる。
俺の個人的な意見として、ビジネスで戦争論を活用するには、「戦争は政治の手段」の有名なくだりはもちろん重要だが、みんな見落としがちな「軍事的天才」の章がかなり参考になると思う。
「軍事的指導者」を「経営者」にそのまま置き換えて読んでも、全く納得できるくらい普遍性あると思うよ。
271世界@名無史さん:03/01/14 21:33
クラウゼヴィッツはベトナム戦後のアメリカでも再び注目されてたんじゃなかったっけ
272世界@名無史さん:03/01/15 17:57
>>271
現在のアメリカは統合作戦計画(JOPS)を下敷きにして、
それを各個の危機的事態に適応するように改変修正して、具体の作戦計画を立てる仕組みになっている。
(その内容を講釈するためのレジュメみたいなものが下記のURL
 ttp://maneuver.s16.xrea.com/eu/jopes11.html

まあ、このJOPSの策定にあたって、やっぱり基本に立ち戻ろうということがあって、
あらためて、クラウゼヴィッツも注目されたというところだろう。
その意味では、ベトナム戦争の反省ということがあったと思われる。
米国は、悪い意味で、軍事に対する政治の介入がありすぎた。
政治が軍事を評価する仕方も誤り、それが軍事行動を不適切な方向へ誘導もした。
その一方で、外交戦で北ベトナムに遅れをとった。
また、北ベトナムの脅威を煽る一方で、北ベトナム正規軍を舐め過ぎ、
慣れない戦いを強いられたせいでベトコンの脅威を過大評価した。

結果が、長期化、反戦運動、厭戦気分となり、ガチンコでやったら負けるはずのない
戦争に負けた。

となれば、政治と軍事を調整する仕組みとしての計画を重視し、
しっかりと紛争に対しての事前準備を重ね、計画や準備のマズイ部分は、
暫時に修正し、ということになるだろう。
そして、それらの積み重ねが、湾岸戦争あたりでは、十分に機能したというところだろう。
273世界@名無史さん:03/01/17 16:04
竜田age
274世界@名無史さん:03/01/19 01:00
>>272、最近のアメリカ軍将校の間では孫子の兵法を学ぶ
蛍光が強くなっているのではないかと思うのだが同でしょうか。
あと>>270、>>「軍事的指導者」を「経営者」にそのまま置き換えて読んでも、全く納得できるくらい普遍性あると思うよ。
確かに企業にやり手の経営者が現れたときに企業は大発展しますし。
あと卓越した将軍は該博な知識を学ぶには不適当な境遇にいたことが多い
とありますがこれは経営者にも当てはまると思います。
大学の経営学部を出た人よりも下からのたたき上げの親父のほうが経営手腕
に優れていると言うことがありますよね。
特に戦後日本では。
275世界@名無史さん:03/01/19 20:04
>>274
それは単に昔の日本の大学がマル経ばっかりだったからなんじゃ・・・
いやまぁ言ってる事にはすごく同意なんですけど
276272:03/01/21 13:52
>>274
んー、そこまでの傾向が読み取れるほどに、内情に詳しいわけではないのでご容赦。

とは言え、かのリデル=ハートが、間接アプローチ戦略を「戦略論」にまとめる際には、非常に、孫子の兵法を参考にしていることが伺われますよね。
リデル=ハートの「戦略論」はあまりに間接アプローチに傾斜し過ぎているという欠点を除けば、理論としては、クラウゼヴィッツに並ぶほどに知られ、また洗練もされています。
当然、JOPESのようなシステム化を考えるに当たって、立ち戻るべき基本の一つと考えられるでしょう。

そのつながりから、孫子が注目されても、ちっともおかしくありません。
また、元来、孫子は、情報戦を重んじ、軍略以前の政略を重んじます。
統合的な作戦を計画/実施するにあたって、政治がどのような環境を作り上げるのか?、
その環境を作り上げる手法とは?、ということの重要性に目を開かせてくれると思われます。
特にその辺は、クラウゼヴィッツやリデル=ハートの考察には薄いところでしょうから、
孫子の兵法を学ぼうということになっても不思議ではないと思います。
277世界@名無史さん:03/01/23 21:16
なんにでもいえることだが
重要なのは正確かつ迅速な判断力
その判断を明確に行いうるための基礎技術、基礎体力
しかしそれを破壊するのに充分なのはモチベーションと想像力の欠如である
278世界@名無史さん:03/01/29 12:14
ネタフリをば、ひとつ。

きのうテレビを見とったら、なんか解説者みたいのが
今度のイラク攻撃はイラクとアメリカの戦力差は歴然だから短期で終わる
とか言ってたんですが、実際始まったらバグダット周辺を落とすまでは早くても
バグダットで包囲戦になるから長期化するんじゃないかと思うんです。

279世界@名無史さん:03/01/29 18:34
>>278
それは、やってみないとわからんでしょう。
少なからず、前線のイラク軍は比較的短期間で組織的な抵抗力を喪失すると考えられます。
その時点で、イラク政府が両手を上げてしまうケースも想定されます。
アメリカがバグダッドの包囲ではなく、直接占領を狙うケースも想定されます。
これらの場合は短期間で終了することになるでしょう。

おっしゃるように、バグダッドは包囲に留める可能性もあります。
そうなってもイラク政府は降伏しなかったり、停戦に応じない可能性もあります。
また、各地に散ったイラク軍の残存戦力が、徹底抗戦するかもしれません。
そうすれば、長期戦もあり得なくはない。

まだ、一発の砲弾も撃たれていません。
いろんな可能性を想定できます。
280世界@名無史さん:03/01/30 09:33
通常は市街戦は長引くね。
281世界@名無史さん:03/01/30 10:35
>>280
ケース・バイ・ケース

国境から外郭防衛線まで、部隊があらかた大破されれば、それほどでもないだろ。

都市内に相当規模の戦闘部隊が収容されて、はではでしく戦闘するぞと、防御側が決心すれば長期化する。
282(V)o¥o(V):03/01/31 19:56
市街戦は攻めるも守るも難しいからアメリカだってイラクだってやりたがらない
市街戦は既に残敵掃討の段階なんだな
283世界@名無史さん:03/02/07 22:38
age
284世界@名無史さん:03/02/21 18:32
かつage
285世界@名無史さん:03/02/25 10:32
このスレの趣旨にあった参考文献です。まだ紹介されてなかったので。
版元品切ですので図書館や古書店で探してください。

マイケル・ハンデル(防衛研究所翻訳グループ・訳)
『戦争の達人たち:孫子・クラウゼヴィッツ・ジョミニを読む』
(1994年1月・原書房)

>>61で言及されているワインバーガー・ドクトリンを生み出した
米国の国防大学での研究成果をまとめたものです。
286世界@名無史さん:03/02/25 10:39
287世界@名無史さん:03/02/25 13:02
バグダット包囲戦もなにも。
もうすでに長々と、イラク全土を都市に見たてて経済封鎖と言う名の包囲戦をやってるじゃないの。
288世界@名無史さん:03/02/25 17:05
>>287
もう既に実効力を失なっている封鎖だけどな。ナポレオンの大陸封鎖と同じく。
289世界@名無史さん:03/03/07 23:13
保守アゲ
290世界@名無史さん:03/03/11 19:30
最近話題になってる、アメリカの情報操作のプロパガンダによるシビリアンコントロール。
これはある意味、戦争論の弊害じゃないのか?
291世界@名無史さん:03/03/12 14:53
>>290
市民をコントロールするのがシビリアンコントロール?
292世界@名無史さん:03/03/12 15:26
それはシベリアンコントロール…


おあとがよろしいようで。
293世界@名無史さん:03/03/12 20:07
ようするに世論をコントロールして圧力かけてるといいたいわけか?
294 ◆STEELmK8LQ :03/03/12 21:05
 つか、あれは、そうまでしてコントロールされないと「正しい」決断ができないような
愚昧な大衆が必要以上の権力を持っているから出来することであって、本質的に
戦争論とは無関係だろ。
295山崎渉:03/03/13 12:55
(^^)
296むむ:03/03/14 08:32
>愚昧な大衆が必要以上の権力を持っているから

出たな!アリストテレス。いや、マルサスだったかな?
或いはボルシェビッキのような意見だな。
それともあれかな、グランゼコールの卒業生のつもりかな?

キケン、キケン。しぇーっ。
297 ◆STEELmK8LQ :03/03/14 10:40
 いあ、マキャヴェッリが唱えるような、具体的な選択をつきつければ大衆という動物は
割とまともな判断をするが、脳みそをつかうようなことをさせると途端にスタンピードする
っつーことですがな。
 そんなわけで、この世で一番エライのは自分で選択肢を作れる人間、つうことですわな。
 ここまでネタ引っ張ればようやく戦争論にかすってくるかな?
 :-p
298 ◆STEELmK8LQ :03/03/14 10:54
 時に、「大衆とは人が集まると生まれ、人が散ると死ぬ一匹の野獣である」って言ったの
だれでしたっけか
299世界@名無史さん:03/03/15 02:29
sageておきます
300世界@名無史さん:03/03/15 15:44
>294
>「正しい」決断
と思っているのが、単にコントロールしている連中だけというのが落ちだっ
たりすることが多い罠。
「愚昧な大衆が必要以上の…」と叫び、「乃公出でずんば」とばかりにしゃ
しゃり出てくる、「自称賢者」や「志士」どもは、大抵は「愚昧な大衆」
以下だったりするし。
まあ、鳶が鷹を産まないように、愚昧な集団から唐突に賢者が出現するなん
て期待するほうがおかしいんだろう。
301世界@名無史さん:03/03/16 12:05
明日香出版社2月新刊
「クラウゼヴィッツの戦争論のことが
マンガで3時間でマスターできる本」
だれか読んだ?近くの書店に置いてないんだ。
302世界@名無史さん:03/03/23 09:15
誰か今のアメリカの政治的目的を定義してくれ。
303世界@名無史さん:03/03/23 16:28
>300
それでもなお賢者を待望してしまうあたり、愚昧さを証明している…
304モスクワ太郎(25代目):03/04/12 17:53
どうですかね、みなさん?
「将軍連中はクラウゼヴィッツは承知だが、戦争経済はご存知ない」
としてモスクワ早期攻略を拒否したヒトラーですが、今回のイラク戦は?

早期の首都陥落がもたらす、全土全軍における急速な戦意の喪失をこうして
目撃すると、あながちバカにしたものではないのでは?
305世界@名無史さん:03/04/12 18:37
>304
イラクと違ってソ連はいくらでも東に逃げられるからなぁ。
306世界@名無史さん:03/04/13 13:00
>>304
国民政府の例もあるからね。必ずしも早期の首都陥落が絶大な効果を発揮するとはいえない。
307世界@名無史さん:03/04/14 12:35
>>304
んーー、つかねえ…今は、
「政治家の方々『でも』クラウゼヴィッツは承知だが、RMAはご存じない」
「政治家の方々もRMAはお分かりになっただろうけど、後方の重要性はまだご存じない」
というのが、現状では。
308山崎渉:03/04/17 09:32
(^^)
309山崎渉:03/04/20 04:59
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
310世界@名無史さん:03/04/30 10:02
んー、今回のイラク戦は、なぁ。
アメリカ軍もヘタレだったが、イラク正規軍が予想以上に戦意なしだったと。
そういう辺りに落ち着くんじゃなかろうか。
全盛期のソビエト相手なら、逆にクウェートを解放されかねない体たらくだったから。
イラク軍の不活発さの理由が、燃料不足なのか、戦意不足なのか、
あるいは米軍の戦場監視の結果なのか、それによっても違うだろうけど。
311世界@名無史さん:03/05/01 20:47
>>310
しかしまあ、バグダッドに到達し、制圧までやってのけた戦力は、実質、増強された2個師団相当の部隊しかいなかったわけで…。
恐らく、最終的なキルレシオは、イラク正規軍の戦意不足だけでは説明しきれないものになるでしょう。
正確なデータが得られるようになるまでまだ時間がかかるでしょうが。
312(V)o¥o(V) :03/05/02 01:32
現代戦で米軍のように情報戦能力で圧倒的に優勢な軍隊相手に
制空権を取られればどこの国の軍隊でもああなると思われ
別にイラク軍が格別にヘタレだったとは思えない
自衛隊でもイラク軍とたいして変わらなかっただろう
多少はマシかもしれんが
313世界@名無史さん:03/05/07 10:29
>312
さてどうだろう。
今回のイラク軍は、遅滞戦闘のセオリーを全くと言って良いほど行ってない。
親衛隊を除く正規軍に関しては、士気崩壊状態にあったと考えてよいのではなかろうか。
一時期のアフガンのように、爆撃機が常時滞空なんて異常事態でもない限り、
制空権は絶対ではなく、航空優勢の隙間をついてそれなりの機動は行えるはずなんだが。
314(V)o¥o(V):03/05/07 18:46
米軍の作戦情報能力はかつての湾岸戦争の頃よりも更に向上してはいるが、
今回の戦争が短期間でケリがついた原因が、
米軍の作戦情報能力の優勢がイラク軍の早期崩壊を促した故なのか、
またはイラク軍の作戦能力が最初から崩壊状態であったからなのかについて
結論を出すにはまだ情報が不足している
今後の資料の公開を待たねばならないだろう
315世界@名無史さん:03/05/07 23:47
資料の公開を待たずとも一ついえると思う。
アメリカ軍は、>>310のいうようなヘタレではない、ということ。
政治的には、アメリカは稚拙だ。大統領や国防長官が、あれではね。
でも、軍は、アメリカの内情や国民性にフィットした、高い完成度を持った軍になっている。
それは言えるんじゃないかと思う。
316 ◆STEELmK8LQ :03/05/08 06:58
>315
>でも、軍は、アメリカの内情や国民性にフィットした、高い完成度を持った軍になっている。

 ハリウッド映画の見過ぎ(笑)
317315:03/05/08 13:22
>>316
いやまあ、飽くまでも、現時点での、しかも、相対的に見て、つーことなんだけどね。

んじゃ、他のどこ軍が、アメリカ軍ほどの完成度を持ってると、聞き返したくもなるわけだけどさ(w
自己改革目標としてRMAを打ち出して、着実に組織化を進めてるあたり、優良な企業並に組織論的な優等生だしさ。

ハリウッド映画のヒーロー的軍隊ではないが、普通にヘタレでない軍隊っていうことは言えるんじゃないの?
318 ◆STEELmK8LQ :03/05/08 16:31
>317
 う〜ん、そういう真面目な人まで、今回ラムズフェルド当たりが撒き散らしていた話に
影響されているのは、ちと困ったなぁ、というかんじですねぇ。

 情報RMAの本質ってのは、軍隊の情報リテラシーの根本からの見直しということで
あって、別にパソコン積んだ装甲車を歩兵小隊にくっつけて走ってればいい、という
ラムズフェルド当たりが推奨してる「見た目だけデジタル化」というのとは本質的に
全く異なるんですよねぇ。
 んなわけで、現状の「デジタル化」とか「RMA」というのは全然使いものにならない
見かけ倒しのシロモノと考えてよろしいのではないかと。

 今回も発揮された、米軍の圧倒的な情報収集・分析・フィードバック能力というのは、
冷戦期に編み出され培われた戦略であり、その根本にあるのは

  二度と真珠湾のような不意討ちはくらわない

というパラノイアであって、実は「目的のためには膨大なムダに目をつぶる」という
「RMAの導入で軍隊のスリム化を」とかゆうている連中に真っ向から対立する
ポリシーで運営されて、初めてまともに動いてるわけですわな。

 正直言って、現在のアメリカ陸軍は、士気・装備などの点で、「readiness」という
点で、かな〜り厳しい状況にありますですよ。
 「組織論的な優等生」からはほど遠い状況です。

 それから、別に揚げ足とるわけじゃないんですが「高い完成度」と「相対的」という
のは、ちと矛盾してるのではないかと(笑)
319315:03/05/08 17:35
>>318
了解了解…
ちとばかり、早まった見解に流れていたようだ。
客観的に、反論する材料も今は持ち合わせていない。

まあ、もうちっとポジティブな解釈もありそうな「気もする」けどな(w
ま、そのあたりは、軍板での議論でやるべきかね(苦笑
320世界@名無史さん:03/05/19 17:59
コレラあげ
321世界@名無史さん:03/05/19 19:02
ロシア軍時代、モスクワ撤退でナポレオン不利と見るや、
密かにプロイセンをフランス軍から離脱させて中立にさせる
タウロッゲン協定結ばせたカール・フォン萌え
322山崎渉:03/05/22 00:43
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
323世界@名無史さん:03/05/22 12:17
「彼(クラウゼヴィッツ)はいわゆる、<絶対戦争>の開祖であったため、
『戦争とは他の手段をもってする政治の継続にほかならない』という議論に始まる
彼が作り上げた理論に対する論争は、政略を戦略の奴隷とする、
すなわち政略を戦略に従属させることに終ってしまった。
 クラウゼヴィッツは、「戦争術の奥義は、大損害を伴わずに敵を武装解除したり
屈服させたりする巧妙な方法を取ることである』という考え方を揶揄した。
こんな考え方は<博愛主義者>の空想の中でのみ通用するものであり、
それは<根絶すべき誤謬>であると断言した。
(中略)しかも不可解なことは、もし戦争が政治の延長であるならば、
それは必然的に戦後の利益を考えて行なわなければならない筈なのに、
枯渇するまで国力を使い果たすのでは政策を破綻させてしまうという矛盾に気づかなかったことである。

 クラウゼヴィッツは、終戦までは考えたが、終戦後の平和については考えなかった。
この短見は、(中略)『戦争の哲学に中に中庸の原則を導入することは不合理なこととなろう。
戦争は常に、その極限まで推進される暴力行為である』と主張したことでも明らかである。
 クラウゼヴィッツの無制限かつ打算を弁えぬこの原理は、憎悪に逆上している
暴徒用のものであり、かつそれ以外には適用し得ないものなのである。
それは政治的手腕の否定であり、また政治目的に奉仕しようとする理性的な
戦略の否定でもある。」(リデル・ハート著「ナポレオンの亡霊−戦略の誤用が歴史に与えた影響」
324 ◆STEELmK8LQ :03/05/22 12:47
>323
 リデルハートは「クラウゼウィッツ」と「クラウゼウィッツのエピコーネン」の区別ができて
ない点が(あたらリデルハート自身の洞察力が深いだけに)残念ですなぁ。
 「絶対戦争」にせよ「戦争とは他の手段を持ってする政治の延長」にせよ、その定義と
解釈の間に、クラウゼウィッツ本人の知性と、後世彼の著作から、自分に都合の良い
文言だけを抜き出して牽強付会な自分の妄説の修飾に使った連中の知性とには厳然
とした「区別」を行う必要があるとおもいますです。
 リデルハートが行っている「クラウゼウィッツ批判」は、実は「クラウゼウィッツのエピ
ゴーネン批判」であって、実際問題としてクラウゼウィッツの提唱した観念に対する
反論ですらないわけですな。
 リデルハートの著作見てれば良くわかるんですが、彼の抱いている(したがって
エピコーネンたちを批判する論拠となっている)観念は非常にクラウゼウィッツに
近いものであって、たぶん考えてることに、そう違いはないのではないかと。
 最初のボタンの掛け違いさえなければ、クラウゼウィッツ言うところの「砂粒のような
金属粒」から「渾然とした全体」を取り出してくれる可能性があっただけにリデルハート
の「誤解」は本当に残念きわまりないことではありますな。
 「人類にとっての損失」と言っても良いのでわないかと。
325おなかいっぱい。:03/05/25 23:10
全部よんだがやっぱりわからんかった。

まぁ小林よしのりの戦争論を語るスレよりマシなので上げとく。
326世界@名無史さん:03/05/26 00:51
当時の軍人でさえその哲学的で難解な論理にその意味を曲解してた位だから、
更に今の人からすればその抽象的観念を理解するのは難しいのかも

まあ一般人ならともかく、軍人が間違った影響を受けるととんでもない結果になるけど...
327世界@名無史さん:03/05/26 09:59



328世界@名無史さん:03/05/26 10:01
>>323
クラウセビッツはともかくドイツ人の限界としては理解できるな。
ただしイギリス人らしい意見だけどな。
329世界@名無史さん:03/05/26 15:17
>>326
ただ、我々は、他者の経験に学ぶことができる(w。

>>324のいうような「クラウゼウィッツのエピコーネン」がおり、
それらの失敗があり、
さらには、リデルハートのような洞察もある。
現代のRMAまで続く、軍事理論の系譜を比較参考にもできる。

我々は、クラウゼヴィッツ単体を相手に、四苦八苦しなくても済むんだ。
自分の経験だけに照らし合わせて、その理論的妥当性を検討しなくとも済む。

まあ、その分、たくさんの「勉強」「学習」が必要になるわけだけどな。
特に、最近では、ビジネス理論書に展開しようというような怪しげな企みに対して、
用心する必要があるわけだが…。
330山崎渉:03/05/28 15:05
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉
331世界@名無史さん:03/05/29 16:35
>>329
> 最近では、ビジネス理論書に展開しようというような怪しげな企みに対して、
> 用心する必要があるわけだが…。
経営学に戦略概念を持ち込んだチャンドラーJr.の研究などは
もともと米海軍大学の委託研究から始まっていたわけだし、
ポーターの競争戦略関連の研究も著作の目次を見ると
戦争論の構成に酷似している。
だからといって、チャンドラーJr.やポーターの研究を
いくらなんでも「怪しげな企み」とはいわないよね?
332329:03/05/29 18:28
>>331
もちろん、もちろん。
その辺は、わきまえてますよ。

けばけばしい装丁と内容のないキャッチコピーの書き込まれた帯で飾られた、有象無象の解説書と、
しっかりとした経営学の研究成果をもちろん一緒くたにしてはいけません。
333世界@名無史さん:03/05/29 19:16
リデル=ハートはフランス語は読めたようだけどドイツ語は読めなかった。
そこで英訳本を使ったわけだが当時の『戦争論』の英訳本はかなり酷いシロモノ。
しかも改竄を受けている第2版以降のものを底本にしている。
プリンストン大学出版会から出ている英訳本がでるまで
『戦争論』にはまともな英訳本はなかった。
こちらの方は勿論改竄を受ける前の初版を底本にしている。

邦訳では、中公文庫から出ている清水多吉訳のものと
日本クラウッゼヴィッツ学会訳の抄訳本(芙蓉書房出版)のみが改竄を受けていない版を底本としている。
こちらは抄訳本は抄録部分を含めてレクラム文庫を底本としている。
抄録部分が適切で案外とこちらの方が読みやすい。
岩波文庫版は底本ばかりでなく翻訳自体にもかなり問題がある。

レイモン・アロン著 佐藤毅夫・中村五男 訳ハ『戦争を考える』(政治広報センター刊行)も好著。
http://www.seiji-koho.co.jp/book/war.html
「絶対戦争」概念がマックス・ウェーバー言うところの「理念型」に他ならないとの指摘は秀逸。
334世界@名無史さん:03/07/03 19:52
age
335世界@名無史さん:03/07/05 01:26
戦争論は正論だよ。
日本の戦国時代で言えば、戦争論の模範となるような戦争をしたのが織田信長。
彼の侵略戦争は、常に政治的目的を最優先している。武田信玄もそう。
名将と呼ばれる将軍は、体験的に戦争論の理論を知っているんだよ。
336世界@名無史さん:03/07/05 01:32
このスレの趣旨にのっとって言わせてもらう。
結果的に、戦争で成功した人間を勝者とするなら、チンギスカンとかはどうなんだ?
あれこそ政治的な目的や戦略目標だとか、体系的な政治思想はなかったように思うが。
337世界@名無史さん:03/07/05 02:49
他所の王様の妃や娘を犯すのが最大の楽しみとか言ってますからね。
中国は全部草原にしちゃえとか。
戦略目標は他国の蹂躙、陵辱。政治思想は自然回帰。
338世界@名無史さん:03/07/05 03:11
石橋は叩いて渡る
カッコウはい、、、
339世界@名無史さん:03/07/07 14:57
>>336-337
正直、モンゴル帝国の政治思想が、そういう狭隘なものかっていうのは、
わからんのだけどね(漏れの知識が追いついていないって意味でね)。

でもまあ、それなりに、国は成立してるわけで、>>337のようなのを、
突き詰めちゃえばアナーキズムでしかないわけで、
そうした発言は、「恐怖戦略」の一環ではないかとも思えるわけだけどね。

ただ、欧州の現代思想の一部の論者は、遊牧民を「戦争機械」と位置づけて、
「国家」とか、「資本主義」とは、全く別の装置だと捉える考え方を提示してるね。

「国家」や農耕を基本とする原始的な資本主義が作り上げた「条里空間」を平滑な空間を戻していく…。
「国家」や「資本主義」にとっては、純粋な戦争のためだけの機械と…。

「国家」が戦争機械に対抗しえるようになるのは、戦争機械を中に取り込み、
あるいはその手法を導入する……「捕獲装置」としての側面を発揮しだしてからだと。
340山崎 渉:03/07/15 12:48

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
341 :03/07/19 00:37
>>198
普仏戦争スレってどこですかね?

>>262
ちょっと私のPCからは読めないのですがその本は何なのでしょうか。
342世界@名無史さん:03/07/19 09:30
>262
30ポイントで読み解くクラウゼヴィッツ「戦争論」 PHP文庫
343世界@名無史さん:03/07/27 02:18
戦争さえも哲学しちゃうドイツ人。
なんでもかんでも哲学にすればいいてもんじゃない。
世の中、あるがままが自然のまま。宇宙のまま。
哲学することでかえって、本質を見誤ることがある。
344世界@名無史さん:03/07/27 05:02
十牛図ですな。
345世界@名無史さん:03/08/20 00:24
日本語なのに主語と述語を考えて死ぬような思いして読んだ。
わかったところもあるしそうでないところもある。
ただ戦争論読破後、ふつうの本を読むのがやたらと早くなった。
これはおどろきだった。
346世界@名無史さん:03/08/20 01:29
>>345
読破したのか?
岩波?尊敬します。
>>339
それは誰の理論?

347世界@名無史さん:03/08/20 04:47
>>345
おぬし、なかなかの剛の者だな。
348 ◆STEELmK8LQ :03/08/20 10:37
 確かに岩波刊のは読了しただけで自慢にはなるかもしれない(笑)
 ただ、とやかくいわれる岩波刊だけれど、少なくとも消防条例のくだりが訳出されているのは
得点高いなぁ。
 このあたりの意味合いが良く理解できず、単なる序文のつもりでばっさりやっている訳書は
今ひとつ翻訳者の理解と姿勢が信用できなくなってしまったり。

 たぶんクラウゼウィッツが生涯悩まされたであろう、回りくどく空虚な「言痛い(こちたい)議論」
の典型なわけであるし、あるいは序文でわざわざ触れたくなるくらいクラウゼウィッツが、それを
嫌っていたということを顕著に表しているわけだし。
349世界@名無史さん:03/08/20 16:38
>>346
>それは誰の理論?

ドゥルーズ&ガタリ、「千のプラトー」

その「遊牧民論」を論ずる部分が、
戦士階級が国家とは実は異質な存在であること、
戦士階級の破壊性は遊牧民の特質に通じるところがあること、
そして、遊牧民を条理空間を破壊し、平滑空間に戻そうとする戦争機械と見なし、
戦争機械への対抗のために、「捕獲装置」としてその一部や方法を取り込んで……
というような論理展開を行なっている。
350大学三年生:03/08/21 02:26
しまった。リデル=ハートの「ナポレオンの亡霊」を読んでいる人がいた!
大学の研究書庫で読んだばっかなのに。ううっ話に参加したかったな〜
後、「エピコーネン」では無く、「エピゴーネン」では?間違ってたらすみません。
351 ◆STEELmK8LQ :03/08/30 08:05
 ほしゅ〜

>350
 ぎゃ〜、さいしょにエピゴーネン間違えたのわしやんけ、すいません(^_^;
352世界@名無史さん:03/08/31 12:28
米国防総省よりHouse Appropriations Committeeへ、クラウゼヴィッツについてのコメント

国防政策次官:(陳述の最後に)...公式の委員会記録にはこの資料を追加しています。

委員会議長:ありがとうございました。これは――その追加資料に
      『クラウゼヴィッツの言葉を言い換えて』とありますが、何のことでしょう。
      『クラウゼヴィッツ』といいますと??

次官:クラウゼヴィッツは『戦争は他の手段をもってする政策の継続だ』と言ったんです。
   今回の法案の中のプログラムで、非軍事的な方法で国家利益を遂行するのは、
   他の手段をもってする国家戦略の表れだということです。
   慈善事業として他国を援助しているのではないと。

議長:なるほど。申し訳ない、私が...

次官:いや、私のほうこそ申し訳ありません。分かりにくい表現をつかってしまいました。

議長:いえいえ、ただ『クラウゼヴィッツ』など聞いたことがなかったので。
   どうも自国の歴史の勉強不足のようです。

次官:クラウゼヴィッツはドイツの軍人で――

議長:そ、そうじゃないかな、と思いました。

次官:彼の著書は、正直なところ、大変難解なんです。
    たぶん誰もが読んで知っているのはたった一文、
   『戦争は他の手段をもってする政策の継続』という箇所だけだと思います。
353世界@名無史さん:03/08/31 15:24
『戦争は他の手段による政治の継続』→
「平和とは他の手段をもってする戦争の継続にすぎない」――レーニン
354世界@名無史さん:03/09/01 13:05
>>353
そして、レーニンと同じ一文を毛沢東も、そのまま使用…。
355世界@名無史さん:03/09/02 02:15
で、結局クラウゼヴィッツは何が言いたかったのさ。
356 ◆STEELmK8LQ :03/09/02 08:38
>355
 武装せざる予言者は滅びる(笑)
357世界@名無史さん:03/09/02 23:51
【ポチの大量破壊兵器認識の新理論】
(1)
ブッシュの言うことも信頼性がない。
スコットリッター、ブリスク発言の信頼性もない。
したがって大量破壊兵器はあるともないとも言える。

(2)
大量破壊兵器があるかないか分からないのなら、
政治家は「ある」可能性も考慮に入れて支持しなければならない。
小林よしのりは後出しジャンケンである。
(つまり、小林にせよ言論人は政治家の立場でものを言い、決して第三者
的な言論人であってはならない。常に政治家と自分を同一視しなければならない。)

(3)
「ブリスクがイラクに破棄を命じ、さまざまな査察を受け入れさせた
という事実と、ブリスクがバグダッドに入り、査察継続を主張した事実」は知っている。
だが、リッターとブリスクの発言は信頼できる根拠なし。


【ポチコロ】小林に負けた悲惨な産経・読売
http://society.2ch.net/test/read.cgi/mass/1061914250/235-243
ID:YD3vhlVK,=ID:v0dEyDJT=ID:MdvMuE/O=ID:QG5ySDuj
358マキャベリ:03/09/03 03:18
>>356
それはサボナローラへの言葉
359世界@名無史さん:03/09/07 17:36
>>353
大月の国民文庫から出ていたレーニンの『哲学ノート(2)』には
レーニンのまとめた『戦争論』のノートが載っていて
レーニンがクラウゼヴィッツをどのように理解したか、
自らの革命推進理論に応用しようとしていたのかが見えて面白い。
このあたりの解説としてはレイモン・アロンの『戦争を考える』が便利。

不思議なことに岩波文庫版ではこの『戦争論』のノートの部分は省かれているんだよねw
ちなみに国民文庫版は『哲学ノート(2)』の方は版元品切れなのだけど
『哲学ノート(1)』はいまでも購入可能。
(1)だとか上巻の方が先に版元品切れになるのが普通だから
『哲学ノート(2)』の購入層がどういう人たちかだいたい想像がつくw

360世界@名無史さん
<歩兵小隊にパソコン積んだ装甲車
RMAについては、決定の迅速化が敵の意志=行動環の内側に潜り込むために必要だと
言ってますが。政治と軍事の分離、軍事的合理性を軍内部で追求できる環境の確保
というのは、個々の軍人が軍事的に合理的な判断を戦場で下せる前提なのかも。

<感想
 クラウゼヴィッツの時代の会戦ならば、指揮官が直接見渡せる範囲で
彼我が衝突しているけども、現代では前線の向こう側に爆弾と砲弾を注いで
弱った相手を鎧袖一触に切り裂いて進撃するという様相になっている。
そこで一般的な理論の枠組みを取り出して検討することが安心してできる素材と
なっていると感じました。
 政治と軍事の関係について統治者の意志決定を支援するあり方を
論じる議論はとても面白かったです。