1 :
無名武将@お腹せっぷく:
ゲームでも漫画でも地味だけど、孔融の数少ない配下として存在する
武安国について語ろう
友人は三国志2で、武安国の能力値をオール100にしたw
2げっとォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!
武安国こそ俺の尊敬する武将である!!!!!!!!!
3 :
まあc ◆rsqKOQYKG6 :2005/07/10(日) 01:27:22
僕も!^^3
これまた難しいな・・・
とりあえず、片腕切られたのは三国志の中で武安国だけか?
まあ強いことは強いんじゃない?
6 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/10(日) 01:32:19
・片腕切られた
・孔融の配下
以外で武安国の情報はないものだろうか。
ある意味謎に秘められた武将だw
7 :
まあc ◆rsqKOQYKG6 :2005/07/10(日) 01:36:01
お、俺が7だと!?
ふふふ・・・よし、わかった俺がこのスレの発展を手がけてやろう。
なあに、心配するな。
絶対に良スレにしてやるからな・・・
ふふふ・・・
これは無理だろ。
>>6以上のネタを出せる香具師がいるとは到底思えん。
9 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/10(日) 01:40:16
切られた片腕は河にチャッポー!
韓遂もやられた
11 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/10(日) 01:50:53
KOEIの三国志での武安国の初期能力ってどんなもんだったっけ?
12 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/10(日) 01:52:54
その時の武安国って何歳?
>>6 ・鉄鎚の使い手
他は各自想像するしかないな。
名前(超強そう)と事績(呂布に片腕を切り落とされただけ)
のギャップが激しい武将NO.1だよな
その後の生死すら不明って…
まあ仮りに生きていたとしても、孔融にクビにされて野に下ってただろうw
孔融が袁譚に敗れ青州を追われたのは
武安国という大黒柱を失ったからに違いない
>>6 謎に秘められたっつーか「武安国」なんて名前からして羅貫中のオリキャラくせー武将だな。
まぁそれ言い出すと趙雲「子龍」や厳「白虎」もオリキャラくさい名前なんだが。
ひょっとしてマジでこいつは実在しなくて呂布の強さを引き立てる為の噛ませ犬として
創作されたキャラじゃなかろうか?
17 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/10(日) 14:47:32
なるほどね。確かに架空の人物かも。
「鉄槌の使い手。武安国!」
って、いかにも大道芸人っぽいよなw
18 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/10(日) 15:39:13
演義武将だろww
19 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/10(日) 17:17:42
>>18 まぁぶっちゃけ演義出演人物の4割近くはそうなんだろうけどな。
しかしそれにしても余りにも厨くさいネーミングってのもね。仮にコイツに字を設定する
としたらこれまた厨くさい字つけられるんだろうな。呉の誰かみたいに……
片腕斬られた後はどうしたんだろうか。
片腕でも戦場疾駆してたなんてったらかっこいいな。
「隻腕の鉄鎚使い武安国」萌え。
武安国伝キボン
21 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/10(日) 18:11:15
>>20 それは北方に出てくる誰かさんとそっくりだな。
裏で暗躍してたに違いない
24 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/10(日) 20:49:19
25 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/10(日) 20:54:11
腕が1本になっちゃうとセックスの時に困るな
あと放尿したい時も
今ビッグコミックに連載中の「太陽の黙示録」に出演キボン。
名前は「安田 武」とかで勝呂(呂布がモデル)に殺られるとかいった役回りで。
27 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/12(火) 00:57:07
age
28 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/13(水) 13:07:23
武安国が好きな奴はトランクスの未来の隻腕悟飯も好きなハズだ
武安国さん!オレも一緒に戦います!
もう足手まといにはなりません!
30 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/13(水) 22:20:35
漏れも!!!
武安国さんの手足となって戦います。
手を切り取られた武安国さんの御役に立つこと間違いなし
そういえば、蒼天航路の曹洪は途中で片腕になるよな。
漏れが馬引っ張りますんで
武安国さんはその鉄槌でいっぱいやっつけちゃってください!!
武安国は演義限定の人じゃなかったか?
そもそも呂布が大暴れするのは演義だし。
ああ、ネタだったのか。
スマン。
35 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/15(金) 00:33:30
大河ドラマで「三国志」をやったら、武安国役の俳優はだれがいいだろうか。
安田大サーカスのHIROか?w
36 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/15(金) 05:16:19
>>1 >ゲームでも漫画でも地味だけど
そうでもない。漏れは武安国が主人公のゲームをやったことがある。
37 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/15(金) 06:34:58
>>36 な ん で す と ! ! ! ! ? ?
うpキボンヌwwwww
38 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/16(土) 01:03:11
>36
ネタだろ
自分で作ったんだろ
オリキャラっぽいね
名前と実力のギャップがあるキャラ作るのは羅貫中の得意技
夏候傑とかねw
41 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/16(土) 03:24:52
>>38 違うよ。俺もプレイしたもん。
クソゲーだったけど。
ココにも正史厨が…
少しは空気読め
武安国の背面の隆り、鉄槌一つ分の働きはするものと覚えたり。
44 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/16(土) 07:34:57
孔融も酷いが孔チュウも酷い弱さだ
45 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/16(土) 10:15:01
アシュラマンに借りればいいじゃん
信じられん。このスレは、てっきりあの名スレのトリビュートスレかと思ってたんだが…
なんか切ないな、
>>41よ。あれから三年も経つのか…
迷ったけどアドレスは貼らない
>>36 >>41 ネタついでに詳細キボン
どうせだから話広げてくれ
ま、武安国が演義のみの武将ってのは分かってるんだが、
姓が武、名が安国でいいのかな?
多分そんなの書いてないと思うけど、
実は安国ってのは字だったりとか
劉玄徳、曹孟徳みたいな
関羽の息子の誰かの字が安国だったよなぁ・・・
奴も演義のみだったっけ?
俺の彼女は武安国そっくり。今美容師の専門学校に通っています。
50 :
41:2005/07/16(土) 14:11:45
おお、名も知らぬ我が戦友
>>46よ。
あのゲームは賛否両論あったけど、いろいろな意味で歴史に残ったな。
漏れはあんまり感動したから続編は買わなかった。
類似品のガンダムのクソゲーはたまにやったが。
>>47 その関羽の息子とは関興のことではないかな?
多分そいつは正史にもいるはずだ。
53 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/16(土) 14:37:10
三國志 武安国伝
プレイヤーは北海の雄・孔融幕下最強の武将、(多分)80斤(くらい?)の大金槌を軽々と操る豪傑
武安国となり、漢王朝をないがしろにする董卓を打倒すべく風雲の志を胸に立ち上がる
三國志演義前半を彩る屈指の名勝負、呂布との一騎打ちをはじめ、
後半はオリジナルストーリーが展開
全170もの武将が登場
『ほう、見掛けだけは強そうだのう』
『泰山へ往け! あそこならそなたの片腕を……』
『なんと! そちがあの武安国とな?!』
『甘寧一番乗り!』
『番兵を斬って、逃げてきたのよ』
『ご安心めされい、この陳宮に策ありでござる』
『武安国……後を、頼んだ……ぞッ!』
『殿――――ッッ!!!!』
今、新たな歴史群雄活劇の幕が上がる――
三國志 武安国伝
……上がらないかorz
>>47 GJ!殆んどがオリジナルストーリーになるなw
アンカミスったorz
56 :
迅義 ◆KiSinjvR.A :2005/07/16(土) 14:46:16
期待age
57 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/16(土) 18:42:37
武安国はその後斬り落とされた右腕にアタッチメントを取り付け、呂布への復讐に燃えるんだよ!!
因みにそのアタッチメントの名前は
万力義腕
分銅義腕
鉄鈎義腕
鎖鎌義腕
鉄錐義腕
なんだよ。
58 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/16(土) 19:55:01
昔、仮面ライダーに出てきた「ライダーマン」みたいだなw
59 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/17(日) 01:08:12
切り落とされた腕を元通りつけられるのは、三国時代のブラック=ジャック
華陀先生に頼むしかあるまい。
武安国「先生、お願いだ。俺の腕をつけてくんろ」
華陀「ふふ・・・私の手術代は高いよ・・・」
武安国「い、いくらだ?」
華陀「ざっと5000万は」
武安国「なんて暴利な!」
華陀「いやならいいんだ。でてってくれ。」
武安国「この無免許医め・・・」
続く
60 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/17(日) 01:18:56
っ[大砲付きの義手]
61 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/17(日) 01:19:42
それは金槌と言うには余りにも大きく、重く、大雑把すぎた
それは正に鉄塊だった。
62 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/17(日) 09:37:42
武安国「こんな義手をつけるんかい?!」
華陀「これを付けるっていうのなら、手術代は、そうだな。。。10円にまけてあげる」
武安国「10円?!」
華陀「いやならいいんだよ」
武安国「やります!やりますってばー」
こうして、武安国は、大砲付義手を手に入れた。
続く
横山三国志では彼が腕を切断どころか有無を言わせず槍で突き殺されてる件について
64 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/17(日) 13:43:35
殺されたのが彼ではなかった。
同じ武装・体系・髪型の別人。
本物は省略されたコマで負傷→逃亡
65 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/17(日) 22:22:26
>64
(*゚Д゚)
ガ----------------------------------------------------ン
そうだったのか?!
66 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/18(月) 00:40:24
( ノ ≧∇≦ )ノ ぷはははっ!
67 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/18(月) 00:47:04
武安国ネタイラネ
>>65 本当の武安国は生き残って、結構あちこちで登場してるぞ
時々登場する、ドラを叩いてる奴は覚えてるかな?
アレがそうだよ
69 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/20(水) 07:57:31
袁術配下になって略奪していたよな。
70 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/20(水) 12:26:10
愛知武安国博覧会
超期待age
武安国の大きくてテカテカしたティンポを星彩は欲していた。
武安国は星彩の望み通り自慢の逸物をパンツから捻だし、星彩に握らせてやった。
徐に星彩はそれを自分の口に運ぶと、チロチロと可愛らしく舐め始めたのであった。
73 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/21(木) 00:28:54
どぴゅ
武安国年表(光輝版)
??年 武安国生誕
??年 北海太守・孔融配下の部将として配属
190年 反董卓連合軍との戦いに参加。
水関にて呂布と一騎打ちするが敗退する。
ただし、この時討たれたのはそっくりさん
192年 劉表対孫堅、黄祖の元でドラを叩く
196年 孫策対劉ヨウ 湖族・周泰配下として孫策に味方し、牛渚の城門を開ける
その後、孫策軍に於いて首切り役人となる。
75 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/21(木) 02:44:02
なかなか華々しい経歴になったなw
76 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/21(木) 02:46:29
つーか刑道栄先生の前半生が不詳なのは、
武安国師匠と同一人物だからではないだろうか?
そうすれば全ての辻褄が合う!
77 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/21(木) 03:13:23
>>77 2005年、ノンフィクション作家としてデビュー。
>>78 11月ごろだっけ?
奴のせいで洛陽市の紙の値段がうなぎのぼりになったんで困ったよな。
見かけだけは強そうだなw
武安国年表
絶対零年 宇宙創成
黄帝暦元年 黄帝と戦いを繰り広げる。
皇紀一年 日本から撤退
B.C.10 老子の真似をして西域に行き行方不明
この頃武安国不在に乗じて王莽台頭
A.D.50 弟子に裏切られてピラト総督に処刑されそうになったので逃げてきた。
190年 反董卓連合軍との戦いに参加。
水関にて呂布と一騎打ちするが敗退する。
ただし、この時討たれたのはそっくりさん
1999年7月 世界を滅ぼすことに成功。
次の標的として滅んでない平行世界へと移動。
2005年11月 ノンフィクション作家としてデビュー。
82 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/21(木) 23:48:54
クソゲースレでは最強の男だったりスーパーモード使ったりサイボーグだったり
大活躍だがな
で、このスレもクソゲーにしない?
クソゲースレはもうイラネ
武安国年表 (光輝編第2版)
?年 武安国生誕
?年 北海太守・孔融配下の部将として配属
191年 反董卓連合軍との戦いに参加。
水関にて呂布と一騎打ちするが敗退する。
ただし、この時討たれたのはそっくりさん
192年 劉表対孫堅、黄祖の元でドラを叩く
194年 孫策対劉ヨウ 湖族・周泰配下として孫策に味方し、牛渚の城門を開ける。
その後、孫策軍に於いて首切り役人となる。
197年 曹操対張繍 曹操軍にてドラを叩く。
曹操対袁術 曹操軍の食糧官。「小斗」にて食糧を測る。
198年 呂布対曹操・劉備 呂布軍、下ヒ城の跳上げ門の開閉係。
侯成に対しても遠慮が無い。
199年 袁紹対公孫サン 公孫サン軍にて戦うが、5百名の仲間が見捨てられた事から寝返る。
袁紹軍では易京楼への坑道掘削係となる。
その後、袁術の元へ赴任。袁術の部下として民家を略奪。
しかし袁術の河北移動中、山賊に混ざって袁術の財宝を略奪。
200年 孫策の元で于吉の禅雨台を作る。
>>76 刑道栄先生までは、まだ調査進んでません。
虚ろにすれでは確か呂布の片腕を切り落とした文武両道の名将なんだよな
86 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/22(金) 18:32:05
武豊騎手の先祖なんだよな
/ 地 .布 山 ヽ
ヘ:::::::::;;: -‐''''""( )1 | 形 .陣 頂 |
. ゙、::::::::-‐''""" ̄"'i | じ す に |
. :V;;||:::: '~ニ=ッ, r='| .| ゃ る |
. i!f !::::: ゙、i | な よ |
. i!ゝ!:::: ‐/リ ヽ い う /
_ト::、 /''ii'V トr-、_ \ な /
, __. ィイ´ |:|: ヽ"''il|バ''〃 `i,r-- 、_  ̄ ̄
〃/ '" !:! |:| :、 . .: 〃 i // ` ヽヾ
/ / |:| ヾ,、` ´// ヽ !:! '、`
! |:| // ヾ==' ' i i' |:| ',
| ...:// l / __ , |:|::.. |
とニとヾ_-‐' ∨ i l ' l |< 孔 ヾ,-、_: : : .ヽ
と二ヽ` ヽ、_::{:! l l ! |' 明__ -'_,ド ヽ、_}-、_:ヽ
武安国と愉快な仲間たち。
パシリ ブッシュ大統領
軍師 ローマ法王
義弟 タケヤス
89 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/24(日) 13:52:52
武安国って、どこが苗字と名前の切れ目?
武 安国?
武安 国?
姓は諸葛 名は亮 字は孔明
武安つー地名は交州and冀州にもあるな。県侯で武安侯もある。
因みに着いてたのは曹爽。冀州魏郡武安県の県長は尹楷、曹操と袁紹の戦の折に
曹操自らに攻撃されて敗れた。まぁどっちにしても武安は悲惨な人間としか
関係がありませんよ、っとネタスレにマジレスしてみる。
武安が姓とも取れるが、武姓の将が居た訳だし武安が姓としても複合姓と思われ。
93 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/25(月) 19:20:43
揚げ足取りをしたい衝動に耐えていまつ
94 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/25(月) 19:53:00
95 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/26(火) 00:11:08
武安国孔明
武安国仲達
武安国孟徳
武安国公瑾
武安国伯言
武安国公嗣
武安国文節
武安国景興
武安国彦士
武安国公則
先生にふさわしい字はどれだろう?
98 :
1/2:2005/07/26(火) 22:41:44
山賊管亥の猛攻に北海城はもはや落城寸前であった。
「はっはっはー、もうこの城は落城寸前!野郎ども、お宝は奪い放題、女は
犯し放題だぜェェェッ!!」
孔融軍15000に対し賊軍は67000。余りの兵力差に孔融は天を仰ぐしかなかった。「わしも…これまでか……孔子の子孫であるわしが山賊ごときに………」
山賊どもは余裕のなせる業か昼飯を食ってから攻めるつもりであった。
その山賊どもに異変が起こったのはその時であった。
「野郎ども、昼飯食ってから攻めるぜぇ。竃作れや。」
99 :
2/2:2005/07/26(火) 22:56:49
進軍を止めたその時であった。
「待てェェイ!!」
どこからともなく隻腕の武将がたった一騎で管亥軍目指して突っ込んで来た。
「孔融様に盾突く者はこの私が滅殺する、覚悟!!」
「あーん、命知らずが。しかもチ○バとはな。おい、ちょっと相手したれや。」管亥は副将の法珪、単昭に命じた。
「このガキャア、よっぽど命いらんらしいな……死ねやボケエェェ!!」
「死ぬのはお前だ……この鉄槌で仕留める!叉〜焼〜〜麺!!」
そう叫ぶと謎の武将は鉄槌をフルスイングさせ、法珪の顔面を殴打し、返す鉄槌で
単昭の後頭部を叩き潰した。
100 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/26(火) 23:04:19
100ゲット
101 :
まだ続きます:2005/07/26(火) 23:11:16
副将を瞬時に殺され、賊軍は浮足だった。
しかしお宝は目の前なのである。管亥は兵を叱咤し早急に軍勢を立て直した。
「賊将よ。貴様はこれで倒す……万力義腕!!」
謎の武将が叫ぶと、斬り落とされた右腕から異形の万力が生えてきた。
「電磁終焉!!」
万力は管亥の喉笛を捕え、人間の力とは思えない力でその首を引き千切った………
「我が君……安国は今は顔をお見せできませんが、憎き呂布を屠ったその暁には……
ん?あれは………劉備軍か。後始末は彼等に任せるか。我が君…御武運を!」
謎の武将はいずこへと去っていった。
面白い。
続ける!
そういや武安国腕チョンパこと虎牢関と管亥の北海包囲どういう順序?
どっちも191年ごろらしいが、孔融は本国にいて兵だけ反董卓におくったのかね?
でも劉備がそれなりの兵を持ってるってことは虎牢関が先なんだろか
虎牢関が先
「ふっ、行き倒れになりかかった所を助けてくれた村への恩返しが山賊退治
とはな……俺は余程山賊に縁があるらしい」
男はそう呟くと、獣どものねぐらへと一騎駆けていった。
二刻ほどたっただろうか……明けた朝日は血に塗れた獣どもの骸を照らし、
砦は本来爽やかである朝を陰惨な雰囲気に落としていた。
その奥で、今山賊の頭目と男は対峙している。
「うぬぬ……先生、お力をお貸し下され!!」
頭目がそう叫ぶと奥から一人の男がただならぬ雰囲気の男が出て来た。
男は戦斧を構え、ジリジリと男に滲み寄ってきた。
「………この男………ただの山賊では無いな。圧気はあるが呂布とはまた違う
気だ……陰殺者の気だ……この男は戦で人を斬ってきた男ではない」
「フフフ…気付いたか…お前の推察通り俺は陰殺者よ…俺は代々首切り役人の
一族でな…この斧も数多の罪人の血を啜ってきたわ……俺はそんな生活が嫌に
なって……こいつらの首を手土産に成り上がってやろうと思ったのよ!!」
そう叫ぶや否や、用心棒の戦斧は山賊の頭目の首を天井高く跳ね飛ばしていた。
「さてと……俺もお前もこいつらに後々付き纏われるのも面倒だろ。根絶やしにしとこうぜ」
「確かにな。ところで…お前の名は?」
「そうだな……『刑道栄』とでも名乗っておこうか…首切り役人の息子には相応しい
名前だろ?」
「止せやい、ゾッとしねぇや。それじゃ……行くぜ道栄、悪人刈りだ!!」
「頭目の首に雑魚の首代わりの鼻が260余り…手土産には十分過ぎるな。
じゃあな、隻腕の!ところで、お前の名は?」
「武……安国………だが、この名は捨てた。今は復讐の為生き恥を晒す隻腕の
死に損ないよ……」
「ふーん、ま、その復讐が終わったらまた来いや。酒でも呑もうぜ。じゃあな!」
安国は村へと帰って行った。
108 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/28(木) 00:27:03
武安国について語れなくなったスレ
109 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/28(木) 00:29:18
omoshiri
110 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/28(木) 00:46:08
>107
おもしれ
続編キボンヌ
111 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/28(木) 20:43:21
たけ・やすくに
ってだれ?
>>111 うはwwwww.俺と同じかwwwwwww
武田 安国と一文字入れるだけで戦国武将(ry
113 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/07/30(土) 01:04:41
>112
信長の野望 新武将
武安国寺恵瓊
片手の怪僧と呼ばれるw
>>96 糞真面目に考えて景興。
関興の字からそう思っただけ。
115 :
武安国:2005/07/31(日) 19:41:18
楊齢には負けないぜ
横山では心臓を刺されてる件
>116
死んでるんぢゃネーカ
>116
武安国は人間じゃあないだろう
武安国調査レポ
武安国に対する今日の間違った認識についてのいくつかの推論
・武安国ってあっさり呂布に片腕斬りとばされた雑魚じゃんw
失笑ものの意見である。武安国はあの呂布から片腕を斬りとばされただけですんでいる、しかも逃げ切っている。
つまり呂布はとどめをさしそこなったのである。これは逃げに徹した際の(しかも片腕!)武安国の力を示している。
もちろん呂布が見逃したわけではない。彼は殺せる者は確実に殺している。
何故武安国は敗れ去ったのか。彼の操る武器は鉄槌である。
鉄槌という武器は始動は遅い、だが勢いがつけば勝ちである。詳しい説明は省略する。
唯一の弱点始動の遅さをつかれたのである。武安国ほどの人物がこのことに気づいてないはずがなかったであろうから、
これは赤兎馬の功績を大と見るのが自然であろう。逆に言えば武安国の敗因は赤兎馬の力を見誤ったことであった。
呂布と武安国が互角でも赤兎馬が加わったことで天秤はずれていたのだ。
呂布は鉄槌の始動前という唯一の勝機を赤兎馬の力を借りてモノにしたのである。
一瞬で間合いをつめ、一閃!まさに紙一重の勝負であったといえる。
・孔融みたいな部下いない香具師だから部下にしてもらえただけじゃねw
よくもこのような事が言えたものである。しかし孔融ほどの者にしては部下が少なすぎるとの考えは正しい。
そう、そうである。彼は武安国一人がいれば事足りるとわかっていたのである。
武安国は呂布の武勇、曹操の統率、周喩の智略、孔明の政略、すべてを兼ね備えた人物であったのだから。
・名前が偉そうなわりに大したことしてないんすけどw
これに関してはある程度認めざるを得ない。
彼は呂布に敗れ去ったことを悔いていた。
彼が止めなくてはいけなかったのだ、彼のみが対抗できる呂布であった、それは彼自身が一番分かっていたことである。
しかし彼の大事な腕はもうない、彼は絶望してしまったのだ。
両腕があればかなったであろう、武をもって中国を安んじる名将、武安国はもういなかったのである。
121 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/08/03(水) 06:11:48
>>120 だとしたら、残った「曹操の統率、周喩の智略、孔明の政略」を駆使し、
孔融に天下を与えろよ。
マジレスキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!
>120
>121
感動した!!
武安国・・・
そのミステリアスさが魅力
>120
司馬遼太郎先生ですか?
ドラゴンボール世代の人の感覚は共有できないけど関心はある。
このスレのネタもそろそろ限界か?w
129 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/08/29(月) 16:35:43
武闇黒だったらきっと呂布に勝ってたな。
130 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/08/29(月) 16:48:32
孔融軍
君主:孔融(コウユウ)=魅力○・外交○・知力○・知名度◎
軍師:禰衡(デイコウ)=知力○
武将:武安国(ブアンコク)=武力○
客将:太史慈(タイシジ)=武力◎・統率○
↑バランスいいし、まぁまぁじゃん…
131 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/08/29(月) 16:54:42
132 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/08/29(月) 17:21:09
孔融軍
孔融(コウユウ)=歩/武2 知6 (魅) 孫氏の兵法 コスト 1.5
禰衡(デイコウ)=弓/武1 知7 (伏) 挑発 コスト 1
武安国(ブアンコク)=槍/武5 知1 (勇) 身代わり コスト 1
太史慈(タイシジ)=弓/武8 知4 (勇) 天衣無縫 コスト 2
太史享(タイシキョウ)=弓/武5 知4 なし 麻痺矢戦法 コスト 1.5
管亥(カンガイ)=歩/武4 知2 (活) 黄巾の群れ コスト 1
この孔融デッキ、あなたなら使いますかぁ?
武安国強すぎじゃねぇか?
これじゃーR以上でもいいぐらいだぜ。
その時武安国は驚愕とも感嘆とも違う不思議な感覚――現代で言うなれば『シンパシー』のようなものを感じずにはいられなかった。
燃えるような赤いたてがみをなびかせ、今にも自分に飛びかからんとその逞しい脚で地面を蹴る、
伝説上の生き物、鳳凰に見間違うかのような巨馬・赤兎をまるで手足のように操り、
小島を掻き消そうとする荒波の如く殺到する連合軍を片っ端から凪ぎ払った男『人中有呂布』の威風堂々たる姿に。
「ほぅ……見掛けだけは強そうだのう」
『天下に俺に並ぶ者なし』そう呂布の顔には書いてあった。彼ほどの剛勇を誇る者なら、目の前の片田舎からやってきた弁髪夫など
敵に非ず、と言ったところか。その口許には余裕からか笑みすら漂っていた。
華々しい黄金の鎧は敵兵の血を浴び赤々と輝き、手にした見事な戟は次の獲物を狙う大蛇のような貪欲さを武安国に否が応でも感じさせる。
しかし、ここに来て彼の心に『恐怖』の二文字はなかった。震えがあったとすればそれは『恐怖』からではない、
より強き者の一騎打ちに猛る、一騎当千の武将だからこそ感じることを許される、『武者震い』だ。
彼もまた呂布と同じく、心に餓狼を宿した男だったのだ。
「(――勝てる)」
鉄槌を握る手に力が篭る。さながら、亀のように。呂布の戟が『速』ならば、武安国の鉄槌は『重』であった。
先の先を奪る速さこそないものの、呂布の一撃目を捌けばその八十斤の鉄槌は確実に
呂布の頭部を捉え、一撃で戦闘不能に陥らせることができるだろう。
実際に彼は、この後の後とも呼べる戦法で青州に並ぶものなしと評されるほどの勝利を収めて来たのだから。
「……言いたいことはそれだけか、匹夫。口だけではこの武安国は殺せぬぞ」
「よかろう! このおれに首を斬られることを末代まで誇るがよい!!」
この日を境に、黄巾の乱より始り今や大陸全土に広まった争乱は俄かに加速の度を増すことになるとは、
董卓に呂布、そして武安国自身も知り得るはずがなかった――
『三國志 武安国伝』
135 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/08/30(火) 00:01:06
な ん で つ か こ の 神 は
>>134 GJ、えらく豪傑然とした武安国ワロスwww
なぁ、仮に俺がリプレイ書いたら……
このスレ持つか?
138 :
137:2005/08/31(水) 05:09:12
Zの豺狼シナリオでプレイ。
とにかく行動力の低さをなんとかしようと孔融の命令を無視しまくって在野から発掘された王修に政治を鍛えてもらう。
手紙を送れば字が汚いだの会ったこともないヤシから「またいつもの悪い癖が……」だの好き放題言われ
途中太史慈を推挙して武力も鍛えてみる。ところが193年に曹操軍10万襲来。ウチ、4万。
太史慈はいきなり曹操に混乱させられて典韋、楽進、李典にボコられ3ターンで捕まり
ヤケを起こして楽進に一騎打ちを挑む。唯一の特技「一騎」に懸けろ!!
ところがいきなり楽進に大技を食らい3ターンで相手の体力を半分も削れないまま敗北。当然孔融軍滅亡。
忠臣は二君に仕えず!! と登用を拒否したらあっさり斬首。一番親密が高い太史慈も親密83だったので敢えなくゲームオーバー。
このクソゲーがッッ!!
139 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/08/31(水) 18:25:56
もし武安国を「三国志大戦」に出すとしたらこんなもん?
所属:他
武力:4
知力:2
兵科:槍兵(但しグラフィックは鉄槌所持)
計略:大車輪戦法
イラスト:横山光輝
140 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/08/31(水) 18:49:23
コスト忘れてた。
コスト:0.5(武安国メジャー化の為大奉仕ww)
141 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/08/31(水) 19:03:18
なんて武安国について愛が溢れているスレなんだ・・・!
142 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/08/31(水) 19:07:01
マジビックリ
こんなスレがあったなんて
7で使ったような気がする
頑張って魅力以外80〜90にしたなぁ
143 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/08/31(水) 19:45:59
>139
やっぱ知力:1 でしょう。
一騎打ち武将だったから大車輪戦法はNG。
兵法は強化戦法あたりか…
武力:5じゃないと誰も使わんだろうけどな。
144 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/08/31(水) 19:54:30
>>134やべぇ文上手過ぎ。どっかのオマージュ?それとも本職?
145 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/08/31(水) 21:22:20
王修も孔融配下?
どなたか詳しい人教えて。
146 :
139:2005/08/31(水) 23:22:02
>>143 まぁ知力:2や大車輪戦法は武安国への愛だと思ってくれ。
で、グラフィックは鉄槌持った兵士達がワラワラと動き、当たるを幸い殴打しまくると…
そういや、孔子11代目が孔安国だったが、何か関係あるんだろうか
148 :
134:2005/09/01(木) 01:40:45
>>135-
>>136 dクス、楽しんでもらえたなら嬉しいよ。
>>144 ありがとう。本職を志してはいるけどまだ半ばでつ。
ちょっと書ける上に先生に可愛がられてるから調子乗ってその内山頂に布陣して泣きながら切られる。
きっとそんな人生orz
武安国→バンコク
みたいなの何かなかったっけ?
150 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/09/02(金) 03:59:55
151 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/09/02(金) 07:52:17
「武」と「安国」をくっつけて架空の人物名を作ったってことなんじゃないの?
そんな素敵な名前をもらったにも関わらずあの役所かよorz
凍ってるから話題を降ってみよう。
武安国と言えば?
@弁髪
A鉄槌
B誰それ?
C見かけだけは強そう
155 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/09/04(日) 23:27:57
Dなんかいた
156 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/09/04(日) 23:41:31
E腕チョンパ
F名前だけ覚えてる
なんだかんだ言って愛されてるじゃねーか
159 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/09/05(月) 19:41:36
G一発キャラ
160 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/09/05(月) 19:43:52
H死んでないのにその後不明…
161 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/09/05(月) 19:45:05
I鉄槌持てず引退…
162 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/09/05(月) 19:48:59
J35才で政治家目指すが知名度足りずに落選…
163 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/09/05(月) 19:56:03
K42才のとき、呂布との一騎打ちを綴った短編小説「隻腕:武安国」が徐州一帯で中ヒット!
164 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/09/05(月) 23:47:23
L50才の時、魏の将校として赤壁の戦いに従軍。
敗戦ながら雑魚武将の首級を7つ挙げる。
M51才のとき、魏にリストラ
166 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 20:06:57
N52才の時、息子武勝を頼って呉に移る。
O捕まる
168 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/09/20(火) 02:56:04
武安国 が 孫権に つかまった!
創業成らずしてここに将星堕つ・・・
170 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/09/20(火) 03:04:54
P自分の力量も知らずに凡将呂布に片腕を飛ばされた自営業53歳独身
SSを投下してくれた神は今いずこ。
凄く良かったんでできたら続き読みたかったり。。。
172 :
R 武安国 だったら:2005/09/21(水) 18:38:53
武安国(ブアンコク)
兵科:槍
武:8
知:3
兵法:漢の意地
特種:(勇)
コスト:2
勢力:他
カード:レア
…なワケね〜!
173 :
三国志Z:2005/09/21(水) 18:44:22
みんな、今から武安国でプレーすべし!
滅亡必至!みんな…、詳細報告報告待ってるぞ!
174 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/09/21(水) 18:48:21
ぶあんこくって変換できないのがおかしい
175 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/09/21(水) 21:42:39
武暗黒
変換したらこうなった・・・・・・・・・・
部暗黒
むむむ・・・
武安国
…検索に使ったから一発w
舞暗黒
暗黒の踊りか
BUANNKOKU
アルファベットは微妙・・・
180 :
三国志Z:2005/09/23(金) 14:48:23
ぶあんこく
ひらがなだとよわそう…
>180
どうしたって、弱いよw
つーか武安国って武姓じゃないのか光栄さんよ
羅貫中の時代を考えろって話ですよ。
名が無い、もしくは字が無いのが普通の世だったわけですから。
・・・・?
周倉も字が無いし
安国が字でもわからなくもないな
185 :
三国志Z:2005/10/01(土) 18:16:08
>182
武安国が武姓じゃないってなんでおまえがわかるんだよ!
片腕飛んで出血多量で死なないってこいつなんなん
ってか、どの辺から斬られたんやろか
指先2センチくらい
隻腕ちゃうやんw
よく考えたら肩の先からぶっ飛ばされてる事はまずないんだよね
肘前後なら出血多量で死ぬ確率はかなり低めだなぁ
昔の医療技術じゃ華佗に会わない限り死んでると思うがね
>>185 >>182は武姓肯定派じゃないのか?
〜武安国伝〜
第一話:呂布との決闘
第二話;武安国の死
死ぬの早ぇよっ!w
武安国「おんめぇ、君主のくせにいつまでも港に閉じこもってる場合じゃなかろがぁ?」
武安国「北海の留守番一人ジャン。おー!?なんか煙でてんどぉーーξ」
あと少しで200
なんだかんだと武安国も愛されているなw
194 :
知られざる武安国の一族 Vol.1:2005/10/10(月) 14:16:17
武登龍(188〜228)
字は伯節。北海国の人。武安国の長男。
幼少の頃から父武安国に鉄槌の使い方を学び、成人して父武安国と
共に魏に仕える。
曹仁の配下となり、各地を転戦するが武将としては三流だった様で
戦においては斥候とか囮程度の役割しか与えられなかった。
長坂坡の戦いでは糜芳相手に一騎打ちで敗れ、軍を全滅させると
いう失態を演じ、南郡の戦いでは周瑜に矢を当てるという大殊勲
を挙げるが、余りの浮かれぶりに指揮が疎かになり程普軍に全滅
させられる。
その後は各地の県令を歴任するが、住民反乱に会い農民に殺された。
195 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/10/10(月) 14:21:14
※武登龍の能力(三國志V版)
陸指…26 知力…10
水指… 7 政治… 9
武力…31 魅力…13
ヒドワロスwww
武鎮国(191〜244)
字は仲玖。武安国の次男。
父に似ず才子と評されたが、無欲な性格で出仕せず。
成人してからはその才を商売に活かし、交易で財を成した。
その後武氏は北海では名家となり、北宋時代には宋国皇帝の外戚
にもなった。
武安国にあわせて三文字にする意味がわかんねえよwwwwwwwwww
200 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/10/11(火) 23:30:50
やっとこさ200
201 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/10/11(火) 23:51:09
武安国=関羽
はいはい面白くない面白くない
203 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/10/14(金) 00:19:04
関安国
まあ、関興のことだが
204 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/10/14(金) 00:22:15
……まぁな。
武安国=関索
武安国
武 83
知 7
陸 54
水 3
徳 1
運 -255
207 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/10/14(金) 21:00:18
武安国
統率 52
(一騎打ち武将で大将格ではないから)
武力 86
(北海郡随一の武将で鉄槌使い。
呂布と戦って生きて生還したことは評価すべき。
他の武将が僅か一合で討たれる中、数合討ちあった。
アイテムとして鉄槌所持で+3)
知力 27
(残念ながら知力は推し量れないがこんなもんか…。
鉄槌が筋肉バカそう。)
政治 16
(上記のことから完全に内政系ではない。)
魅力 68
(虎牢関戦の最も大事な局面の中、
孔融軍きっての猛将として孔融から一騎打ち指名。
連合軍勢の中、それなりの信用があったと伺える。)
特殊 (改修・治安・突撃・気合・気炎)
評価 (残念ながら一瞬の登場で姿を消してしまったが、
だからといって弱いと即断はできない。
すなわちこの人物がどういう扱われ方だったのかは
こういうケースの場合極めて重要。
幸い、武安国はかなり強い武将であることがウリであった事と、
君主:孔融から信頼があったという2点だろう…。
逆に武安国が80そこそこの武力だと非常に不平等な存在になる。
80そこそこで呂不と一騎打ちするわけがない。
正当に評価してこんなもんじゃんか。)
208 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/10/14(金) 21:13:10
>>207 乙!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
210 :
知られざる武安国の一族 Vol.3:2005/10/15(土) 15:16:45
武斑(169〜222)
字は立成。武安国の従弟。
武安国のコネで孔融に仕え、黄巾族討伐で功績を挙げる。
董卓追討戦では、片腕を切り落とされて戦線離脱した武安国の軍を
代わりに指揮し、見事な撤退戦を演じる。
主君孔融とは折り合いが悪かった様で、戦後病を口実に職を辞し、
曹操の下へ走る。
以後は夏候惇の副将となり、後に偏将軍に任命される。
性格は温厚篤実で任務遂行能力も高く、魏に走った一族の中では
一番出世した。
※能力(三國志V版)
陸指…44 知力…13
水指…26 政治… 9
武力…52 魅力…12
211 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/10/15(土) 17:42:10
武安国with PK 近日出陣!
>>207 武安国がんな強けりゃ北海は黄巾族に落とされてないだろ
よくて70台。精々60台。
武安国無双 with 猛将伝
初回特典として武安国の水彩リアル肖像画プレゼント!
>212
黄巾ナメ過ぎ
あの当時の勢いとカンガイと兵力差合わさって、あのタイシジも手が出なかった
タイシジがリュウビに援軍頼みにいくのも、門開いて単騎突破と言うわけにはいかず、
的撃ちで油断を誘って、そのスキをついてる
ブアンコク一人でどうのできる問題ではないと思う
カンガイ(カンウと数十合したが奮戦及ばず死亡、
しかしガンリョウ、ブンシュウが一撃で倒されているのに対し、
カンガイは数十合したのだから、相当の実力を持っているハズである)
あと、北海は落とされてないよね
まぁ落とされそうではあったんだけどね
216 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/10/16(日) 01:47:07
曹操は北海郡の黄巾賊を自軍の正規兵として迎い入れた。
彼らは非常に屈強で練兵されていたので「青州兵」と区分されるほどだった。
曹操が中原で一歩頭抜きに出たのがこの時で、「青州兵」加入によって初めて
袁術などと対抗できるうる勢力を身につける事ができた。
北海での黄巾賊の勢力は他の地方に比べてもかなり多く、
孔融はこれをよく籠城で守ったものである。
217 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/10/16(日) 02:27:38
そしてその陰には知られざる猛将の活躍が!!
↓誰?
218 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/10/16(日) 06:43:32
えっ、誰?まっ、まさかっ…?
219 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/10/16(日) 10:04:01
それが武安国!!
武安国。後に曹操に仕え、近衛軍である虎豹騎の師範役となった。
>近衛軍である虎豹騎の師範役となった
曹魏グループ
虎豹騎株式会社 社長 曹純
特別顧問 武安国
222 :
知られざる孔融配下武将!!:2005/10/17(月) 08:34:23
君主:孔融 (北海国相)
文官:孔宙 (孔融の父)
文官:孔襃 (孔融の兄)
武官:武安国 (連合軍に従軍。呂布に片腕を斬られる!)
武官:宗宝 (黄巾賊残党の官亥が攻めて来た時、孔融を身を呈して守り官亥に斬られる。)
食客:太史慈 (老母の命を受け、恩ある孔融の危機に駆けつける。)
肥の三國志9PK
武安国
統率:51
武力:75
知力:8
政治:17
騎兵:突破
虎牢関で呂布と一騎打ちをする。
十合あまり切り合う。
腕切られて、鉄鎚を捨てて逃げかえった。
ちなみに190年時28歳。
同時代武将と比較
統率:劉君郎と同じ武力:胡車児と同じ知力:劉季玉と同じ政治:陳蘭と同じ
あの悪来を、不意打ちとはいえ倒した胡車児と同じ武力って強ス(´・ω・`)
224 :
知られざる孔融軍の滅亡!!:2005/10/17(月) 10:27:10
孔融は孔子20世の孫に当たる。出身地も孔子と同じく青州魯国の曲阜である。
若年期より英明の誉れ高く、そのまま後漢の朝廷に仕えた。
一時逼塞するが、後漢の最混乱期に北海国の相となった。
漢朝に忠義の厚い孔融は董卓打倒の檄に応じるべく連合軍に第十鎮として参加。
袁紹指揮の元、虎牢関を攻める八軍のひとつとなる。(武安国が呂布に片腕を斬られる!)
連合軍解散後は青州刺史として黄巾賊の残党:管亥率いる大軍の猛攻を太史慈・劉備の
助けも手伝って見事籠城で守りきる。(この時、配下の宗宝が管亥に斬られて死亡!)
(管亥軍は大軍であった為、食料不足が深刻問題であった。最終的に籠城で長期戦に持ち込まれた孔融に敗れたのだった。)
その後、黄巾賊に荒らされた周辺の山東地域を奪回する。一方、孔融は徐州刺史:陶謙と良好な関係を持っており、
曹操に攻められている徐州に援軍を送り、陶謙軍と共にこれを一度退かせている。
また、そうした戦乱の中でも内政面では学者:鄭玄を招聘して学校を開くなど儒学の教布にも努めたりした。
その後、青州一帯は安定するが、この時期、黄巾賊残党との戦で国力を増強させることは出来なかった。
一方、その間に驚くべき力を付けたのは韓馥が治める冀州を謀策で乗っ取った袁紹であった。
見事に無欠上陸を果たした袁紹は一兵も失わずに豊かな冀州の土地を手に入れたのだった。
袁紹は韓馥軍を丸ごと吸収して更に勢力の拡大を図った。
幽州刺史:公孫瓚との一旦の休戦後、一転して狙いを定めたのは黄巾賊残党との戦に疲弊していた青州だった。
孔融は郭図・辛毗・辛評・荀ェを率いる袁紹の長子:袁譚軍に急襲され敢え無く陥落。
孔融一族は許昌に落ちのびた。ただ、唯一孔融配下の文官(別駕=補佐官):王修は袁譚側に付いた。
かくして孔融軍滅亡…
その後、孔融は朝廷の中央に仕え、孔子の子孫という立場と威厳ある風貌、さらには類まれなる文才で
文人サロンの中心的存在となった。後に「建安の七子」の一人に挙げられる。
孔融の後半はいわゆる曹操に仕えるのだが…、長くなったのでまたの機会に!
225 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/10/17(月) 11:27:13
武安国って呂布と一騎打ちして死なずに済んだ武将だよ。
腕は怪我したが。
腕が怪我しただけで呂布の勝ちってのはどうだろ?
ホウ徳と関羽が一騎打ちした際に毒弓攻撃で関羽は腕に怪我を追い
逃げ帰ったが関羽よりホウ徳の方が強いという意見は聞いた事がない。
226 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/10/17(月) 11:35:07
我安国と武安国はやっぱ違う?
……やー!たー!!……
楼桑村の庵には今日も子供達の声が聞こえる。
この庵には、以前劉という筵おりの若者が老母と共に住んでいたが、
今は武という男が何処からか流れ着き、子供達に武芸や学問を教え
ている。
夕方から雨が降ってきた。
男は子供達を帰すと、酒肴の準備をした。今日の肴は張肉店の干し肉だ。
男は右腕の古傷が痛む様で右腕を摩る。その右腕にはまるで切り落
とされたかの様な傷痕が刻まれていた。
男はその時の事を思いだし涙した……
……その時、男は一騎打ちに敗れ、右腕を切り落とされた。その直後
の事は正直憶えていない。気が付けば、切り落とされた右腕を持った
まま、森の中にいた。
……誰か来る……
来たのは一人の男だ。身の丈九尺はあろうか、マントを纏った男だ。
「見せてみろ……ふむぅ……切り口も綺麗だし壊死していない……
これなら繋がるな」
繋がる!?この腕が?…この男気が変なのか?…とでも言いたげな表情
を察した男が言う。
「……俺は…医者だ………信じる信じないはお前の自由だが、俺
なら出来る!!」
男の勢いに、武はただ頷くしか無かった…
水滸伝の武松のモデルは武安国
武安国…
ちょっと待ってくれ、武安国の文字を二つに分けると武・安国となる。
安国読みを変えるとやすくに・・つまり靖国を指していたんだ!
残りの一文字の武・・これは武、つまり戦争・・ww2を意味していたんだ!
つまり、小泉総理靖国参拝だ!
231 :
知られざる孔融配下武将!! (追加):2005/10/18(火) 18:12:10
君主:孔融 (北海国相)
文官:孔宙 (孔融の父)
文官:孔襃 (孔融の兄。十常侍の張倹を匿うが後で露見して詔勅により処刑される。)
軍師:左丞祖 (策士。君主の孔融に袁紹か曹操に付くように勧めるが拒否される。)
文官:王修 (別駕=補佐官。孔融滅亡後に袁譚→曹操に仕える。)
文官:王子法 (口先だけの無能な人物だったが何故か重用された。)
武官:武安国 (連合軍に従軍。呂布に片腕を斬られる!)
武官:宗宝 (黄巾賊残党の管亥が攻めて来た時、孔融を身を呈して守り管亥に斬られる。)
食客:太史慈 (老母の命を受け、恩ある孔融の危機に駆けつける。)
こんだけいれば結構強いぞ!光栄さん頼むよ。
孫ショウ(字が出ない)ってのもいたきが
王修と孔融以外無能ばっか
武安国博覧会
ぬ?これってあれか?
昔あったK道栄みたいなスレか?
武安国はk道栄の一番弟子だったな
あのスレの削除は今思い返してもかなり不当だと思う。このやろ海王め
三國志]担当武将武安国でころうかんの呂布との一騎討ちで瞬殺されました.
ぼくよーのjunnikuでも呂布と一騎討ちしてかったのに。
239 :
阿会喃:2005/10/23(日) 04:19:08
このスレは私が乗っ取りました。
呂>武
呂=関
関≧管
関=紀
張>紀
∴
張>呂=関=紀≧管
武安国が80台なら管亥90台 他は100
ageておくかぁ。。。
武安国 武和国 武叛国 武乱国
期待age
武安国って中国語読みでなんて発音するんだろう
我愛武安国!
皆で発音しよう!!
247 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/11/16(水) 00:52:58
ヲアイブアンコク
なんて熱いスレなんだ!
250ゲットォォォォォォ
251 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/11/23(水) 17:54:36
なんか武安国ネタないの?
武安国のネタはもうねぇのか!!
ゴルァ━━━━━━(゚Д゚)━━━━━━ !!!!!
モウネェヨ
ガ━━━━━━(゚д゚lll)━━━━━━ン
切られた腕にマシンガンをつけて進化した武安国
[壁]* ̄▽)┳*------*ダダダダダ!! ・⌒ ヾ(*´ー`)
氏ねぇぇぇぇ アタッテモイタクネーヨ
Σ(゚Д゚)ガーン
Σ( ̄Д ̄;)なぬぅっ!!
|出口| λ.... ソンナオチカヨ
武安国は有名な妖怪漫画家に生まれ変わった。
保守。
……誰か見てまつか。
見とる、英傑伝スレでも見とる
ガンガレ、超ガンガレ
>>256 うわ、ひと居ましたかw
ありがとうございます、実はちょっと、武安国には思い入れがあるので、
ちょくちょく見てたんですよ。トリ付きで来るのは初めてなんですけど。
なにげに単発でSSも書いたんですが投げっぱなし、
学校が冬休みでようやくリアルも暇が出てきたんで、またSSでもドロップしようかと
顔を出したんですが……いかがでしょう?
過去にSSをドロップしたのが俺かどうかは、続編を読めば分かるかとw
何だか話題も尽き気味だし、俺は見たいぞ
創作するより楽しむ方が得意だし(当たり前だw)
(´┏┓`)実はここも見てるねんで〜
260 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/12/18(日) 09:02:19
>>259 あんたの正体って真仁ちゃん!?の訳ないか。。。
実は曹仁。ごめんなさいやっぱり嘘は苦手ですごめんなさいごめんなさい。
……では、住人方の了承も得たことですし近々ドロップしますかね。
262 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/12/20(火) 11:38:47
趙雲みたいに
武安国別伝作ろうぜ
ここで暇潰しネタにもし武安国が三国志大戦に採用されたら……
※U武安国(騎兵)
コスト1.5
武力3
知力1
計略「強化戦法」
※SR武安国(槍兵)
武力7
知力2
計略「隻腕の猛将」(火計と同じ効果範囲。範囲内の敵にダメージ)
こんなもん?
大戦したことない……(´・ω・`)
見てると面白そうなんだけど、ハマるとお金かかりそうなんだよね。
とりあえず、ケーブルテレビでるろ剣見ながら、
なおかつワイン飲みながら優雅に? ドロップしてみます。
気焔万丈、全国の武安国ファンに送る!
『有り得ん』。
そう感じた時には既に遅かった。今まで彼の勝利を支え続けてきたその筋骨隆々たる腕は肘から先を失い、自慢の鉄槌は質量の概念が欠けたかのように重力の鎖を軽々と引きちぎり、宙へと投げ出されていた。
「腕があっ!! わ、わしの腕があっ!!」
本来そこにあるべきものを失った気分とは、いかなるものなのだろう。拾ってくっつければ、元通りになるやも知れぬ。錯乱した意識の中で浮かんだ彼のそんな甘い幻想を、肘からせきを切って溢れ出す紅い紅い血が押し流す。
「ふん、口ほどにもない。次はその首を飛ばして、戦場に紅い花を咲かせてやろうか」
絶望を携えた鬼神が、次なる獲物を求め始めた戟を振り上げる。戟の穂先についた月牙は、今しがた吸った血で赤く染まり、テラテラとしたなんとも言えない色気をかもし出していた。
――逃げろ!!
細胞が沸騰する。淡い電気を帯びた体が、その場から離れろと叫んでいる。
そこにはもはや青州屈指の豪傑と呼ばれた男の姿はなく、
積み上げた誇りをかなぐり捨て逃げ惑う惨めな弁髪夫がひとりいるのみであった。
戦場には赤い糸を引き、その赤が同じ赤を抱く馬の蹄に掻き消されてゆく。『消えろ! 貴様の存在はおれが否定してやる!』
死ぬ! 死ぬ死ぬ死ぬ、殺される!
いつもは感じなかった、重い空気。今まで感じたことのなかった『死』の実感が、
否が応でも彼を押し潰そうとする。
そう、それはさながら、失った手が片時も離さなかった、あの鎚のように。
乙。いきなりハードに来たなw
熱い!
270 :
1:2005/12/31(土) 15:24:05
1です。
270ゲット。
久しぶりに覗いて、
まさかここまで成長するとは・・・驚いた。
全国2000万人の武安国ファンの皆様、お疲れ様でした。
是非来年も武安国をよろしくお願いします。m(__)m
武安国の鉄槌は頭のでかい柄の短いタイプだったのか、
それとも頭の小さい柄の長いタイプだったのか
まさか頭がでかい上に柄も長いなんて事は……
まぁ断然頭小柄長タイプが扱い易いわけだが
馬上で振り回すならその方が向いてるだろうけど、
個人的には鎚部分の大きいタイプを豪快にブン回して欲しかったりw
でも武安国は呂布と十数合打ち合って片手を切り落とされただけで済んだのに
呂布に一撃で倒された武将よりも武力評価が低いとはこれ如何に。
武安国は演義のみに登場したから演義準拠で考えてみれば
義兄弟三人と互角に戦った呂布と十数合打ち合った武安国より
その義兄弟のひとり関羽に一撃で真っぷたつにされた顔良・文醜の方が
武力評価が高いとはこれ如何にィッ!!
273 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/01/12(木) 18:16:52
武安国博覧会って事だろうな
274 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/01/13(金) 14:57:26
保守
>>ウォアイウーアンゴー
275 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/01/13(金) 15:20:01
部暗黒
武安国とかって、ウケるーwwwwww
武安国が沙摩柯とケイ道栄と出会い兀突骨を倒す物語を思い付いた事があったが俺に文才が無かった
>279
時は200年より後、当時武陵でチンピラをやっていたケイ道栄は
武陵最強の男と謳われた蛮王沙摩柯の噂を聞き、これを倒して名を挙げようと
手下50人を連れ、西の未開の地に入った
一方の沙摩柯は度重なる漢からの討伐軍に神経を尖らせていた折り、行き倒れていた隻腕の漢人を保護する
そして遂に両雄相見えた。一触即発の事態に隻腕の男が吠える
「中原を知らぬ者が最強を語るなぞ、片腹痛いわ!!」
意気消沈するケイ道栄、そこへ武陵蛮の危急を告げる知らせが
「大変です!藤甲兵が攻めて来ました!」
漢土への進出を狙う兀突骨が足がかりを作るため、武陵蛮へ大規模な遠征軍を繰り出したのだ
殺気立つ沙摩柯、武者震いするケイ道栄、背負った鉄槌を掴み、一人歩き出す隻腕の男
沙摩柯「国の威信を賭け、男の意地を貫く。今のわしには、それしかできん」
隻腕の男「恩、そして国を思う男の為、戦わねばならぬ」
ケイ道栄「ならそこで俺が1番強いと満天下に示してやる!!」
矢も剣も効かない藤甲兵を相手に今、死闘が始まる
こんな感じ、マジテキトー。もう少し伏線張った方が良いと思うけど、難しいよねーw
……いや? 面白そうだよw?
あら、そう?ありがとう
でも問題はこれをドラマチックな文章にできない事だよなぁ
>>282 えと、漏れ、今はちょっと色々あって忙しいから身動き取れないんだけど
一応もの書き志望で……。
もし良かったら書いてみたい。長編は辛いから、ストーリーに沿った
短編の連作って形になるかも知れないけど。
いやいやいや、どうぞどうぞどうぞw
細かい部分も決めてないし、書いて頂けるなら
それはもう俺はもう感謝感激ですよ、またーりと待っておりますよ
あげ
武安国はもてたのだろうか。
ネタに乏しいようなので、三国志Xのリプレイでも書いてみようかと思ったけど
いかがなものか?
どこかのスレのように変化してしまうし、
そのスレの住人もいるようだけど。
バッチコイやね
時代背景
後漢の光和7年(184年)、太平道の張角が起こした「黄巾の乱」はわずか1年で終息した。
しかし、すでに朝廷には統治能力はなく、外戚と宦官の権力闘争が続くばかりであった。
民衆は悪政と天災に苛まれる日々を送った。
中平6年(189年)、霊帝が崩御し新しく即位した劉弁(少帝)の伯父に当たる
大将軍・何進が政権を握ったかに思われた。
しかし何進は宦官の十常侍に暗殺され、その十常侍も何進の部下であった
袁紹、袁術、曹操らによって討伐される。
あー、メンドクセ…
その後色々あって、今は董卓が洛陽で権勢を振るってる、っと。
改元した昭寧元年(189年)9月、ここより歴史が始まる。
189年09月
突然伝令が現れ、評定があるから10日までに宮城に来いと言われる。
まだ自分の周りの事も把握してないってのに…
とりあえず状況確認。
俺様は武安国。34歳男盛りの鉄槌バカ一代だ。
俺様の仕える相手は孔融、孔子の二十代目の子孫という、由緒正しき腐れ儒…(ゴホッ!)
漢を代表する儒学者だ。(ま、まぁ、一応主君だからな…)
そして同僚に太史慈(24歳)、王脩(22歳)と言った若造どもがいる。
まず太史慈。こいつは若さの勢いだけがとりえのようなもんだ(と、信じたい)。
膂力は俺よりあるかも知れんが(いや、明らかに強い)…まだまだ甘い(はずだ)!
何か小手先の技を使っては主君の関心を買っている。
そんな事で俺様に追いつこうなど、百年早いわ!
そして王脩。こいつはちょいと頭が良いとか言われてるようだが、
わが主君と比べればまだまだ!揚げ足の取り方もなっとらんしな!
そもそも、こいつらは先祖の七光り(俺様以外は『名士』持ち)で名が売れてたから
仕官できたようなもんで、体一つでのし上がってきた俺様から見ればてんで甘ちゃんだ。
(そんな奴と同列の九品官なのか、俺)
紹介終了。さて、評定があるというから行ってみるか。
宮城に入ると、主君・孔融が滔々と現状況を説明しだした。
孔融 「我が軍はいまだ人材が不足しておる。皆、精進するように」
武安国「だとさ、聞いたか、若造。お前らの事だぞ」
孔融 「馬鹿者、お前も精進しろと言っとるのだ」
武安国「え?ああ、そりゃもう精進しておりますとも!」
孔融 「…続いて軍団の方針だが、我が軍は青州攻略を方針としておる
しかし、先ずは内政の充実だ。これを念頭において行うように」
一同 「ハハッ!」
孔融 「あ、武安国ちと待て。お前にこなして欲しい任務があるのだ」
武安国「はい、どのような?」
孔融 「農業か改修か治安の回復、もしくは弓兵隊の訓練だ」
武安国「そりゃもう、弓兵隊の訓練しかありません!」
孔融 「(内政の充実って言っただろうが)…では頼むぞ」
俺に土弄りだとか出来る訳無いだろ。何年一緒にいると思ってるんだよ御主君。(ゲーム上では1年目)
治安回復なんて(太史慈)子義にやらせとけばいい。
やはり俺様には兵を指揮する姿が一番似合う。
で、早速兵舎に行ってみたら王脩がいた。お前何やってるんだ?
王脩 「おお武安国殿、今日も良い天気ですな。ところで何か用ですか?」
それはこっちの台詞だよ。お前は土でも弄ってりゃ良いんだ。
武安国「いや、兵の調練に来ただけで、お前さんに用事はないさ」
王脩 「そうですか。私も忙しいので、これで」
おいコラ、孔子の末裔の軍にいながら目上を敬う事を知らんのか?
俺様の鉄槌が教えてあげちゃうぞこの野郎。
訓練はサクッと終了。さすが俺様、兵達も良く付いてきてくれる。
早くに終わったので酒家に寄ってみると、妙な若造が飲んだくれている。
子義、治安回復にはこういう奴を放って置いちゃいかんぞ。
俺様がいないと何も出来ないんだから、困った奴だ。
禰衡 「なんだなんだ!?俺に気安く話しかけるな!」
武安国「いい若いモンがこんな昼間から酒か?」
禰衡 「お前に俺の話が分かるものか!お前と違って忙しいんだ!
時間を無駄にしたわい!」
飲んだくれが随分な事を言ってくれる…しかし、ここで辛抱していた事が幸いした。
なんと、この禰衡とかいう男、我が主君の友人らしい。
武安国流の教育をしていたら偉い事になっていた所だ…
189年10月
陶謙が州牧に就任する。おめでとう陶謙、しかし我が主君よりまだ下だなw
呂布が養父であった丁原を殺害、董卓陣営へと移る。
そして董卓は今上を廃し、帝に陳留王を即位させたという。
呂布、そして董卓!(俺抜きで楽しそうな事しやがって)許さん!
とりあえず、仕事の経過を主君に報告。
孔融 「おお、これほどの成果をあげてくれるとは、流石だな」
武安国「ははは、これしきは朝飯前です!しかし、歩兵が少ないですな。
補充しようかと思っておりますが、いかがでしょうか?」
孔融 「(こっちが振る前に…)…じゃあそれでいいや…」
さっそく兵舎へ。するとまた王脩が…お前は何をしてるんだよ。
面倒なので王脩は無視して兵を集める。なんか餓えた目つきの連中が多いな…
しかし、それを自在に動かせるよう仕込むのがこの武安国の十八番だ!
そこにしびれる!あこがれるぅ!(AA略)
再び報告に行くと主君から、
孔融 「ご苦労、補充は終わったか。では次は訓練だな」
さすがご主君、分かっていらっしゃる。
兵舎に戻ると、今度は子義が加わっていた。
二人して何を企んでるのか…話しかけると何かぎこちなさがあるし…
まあ、気のせいだろう。若造二人があがいた所で、俺様に何か出来ようはずが無い。
さ、訓練訓練…
189年11月
曹操が董卓を暗殺しようとして失敗して遁走し、陳留で旗揚げをしたらしい。
ほぅ、やるじゃないか曹操。仕留めそこなったのは、きっと手首のスナップが足りなかったんだろう。
もっとこう、えぐるように!えぐるように!えぐるよ(ry
伝令の話では、曹操が近々何かをするのではないかという。大規模な反乱とかか?
とりあえず、訓練はしっかりやっておく事にする。いつ戦があるか分からんしな。
そういう予感は主君も感じていたらしく、俺の顔を見るなり、
孔融 「よし、歩兵の訓練してこい」
だと。やっぱりなんかあるな、こりゃ。
兵舎に戻ってみたら子義と王脩もいるし。
しかし、この二人とはここ一月で随分と打ち解けてきたようだ。
王脩も礼儀を身につけて来たらしく、
話しかけても「忙しいから」という事も無くなってきた。
子義に至っては俺様を尊敬してきているようだ。
よしよし、大いに尊敬しなさい。
189年12月
訓練を終わらせ報告に戻る。
次の仕事は劉岱への贈り物を届けて欲しいという。
やはり曹操の動きを警戒して、今後の為に劉岱殿と親しくしておこうと言う事だ。
かったりぃ…
武安国「ぇー…そんな事は王脩にでもやらせれば良いのに…」
孔融 「じゃあ、畑でも耕してみるか?それとも市場に出向してみるか?ん?」
しぶしぶ受ける事に。
しかし、出て行こうとした時に曹操からの檄文が届く。
内容は「董卓討つべし、連合に加われたし」との事。
緊急招集を受け、子義と王脩も宮城に駆けつけ、評定が開かれる。
主君はこの連合に加わるべきかどうか、重鎮である俺様に相談を持ちかけてきた。
武安国「当然、加わるべきです。正義は我らにあります!」
孔融 「うむ、そなたの言うとおりだ!皆の者、出陣の用意だ!」
やっぱり、ここぞと言う時は俺様の意見が欲しいのよね、ご・しゅ・く・ん♪
そして、俺様の為の舞台が用意されるという訳だ!
(ちなみに劉岱さん家へのお届けは無くなった)
董卓討伐って事は……うーあんぐお次回ヤバスw
GJです。
いいなぁ、頑張って呂布を返り討ちにしちゃってくださいましー。
虎牢関の戦い
集合場所の官渡に着いて見ると、袁紹が偉そうにしていた。曹操はどこだよ?
袁紹 「よくぞ集まってくれた!もはや董卓など恐れるに足りん!」
はいはい、ぼっちゃんは雄弁でございますこと。
そして諸侯の会議にて盟主になったとの事だ。しかもそれを懸命に勧めたのは曹操だという。
曹操ってやつ、食えないやつだな。負けても自分は責任取らないってか?
袁紹の下知の元、全軍で虎牢関へと軍を進める。
虎牢関では董卓軍の将、華雄が待ち受けていた。よし、俺様の出番だな。
勇んで名乗りを挙げようとした所で、兪渉とかいうのが駆け出して行った。
抜け駆けかよ!しかもアッサリ討ち取られてるし!
次に韓馥の武将・潘鳳、こいつも簡単にやられる。どいつもこいつも、なっちゃいねぇ…
武安国「なぁ、子義?あれ、子義がいない。御主君、子義は?」
孔融 「子義には留守を守ってもらってる」
なぁんだ、だったら今度こそ俺様が!って思ったら、なんか長い髭が挑みたいとか言ってる。
確かに良い体してる、子義と良い勝負って所だ。ま、俺様には敵わんがな。
華雄とも良い勝負だろうと思っていたが、なんと一発で決めやがった。
なんてこった!俺様の見せ場を返せ!その首もう一回くっつけて来い!
すると今度は呂布が登場。おお〜、良い顔してるねぇ〜w
袁紹 「奴とて鬼神ではない!討ち取れ!」
はいはい、ぼっちゃんは(ry
袁紹に呆れてほうけてる間に方悦がかかって行ったが、軽くいなされて討ち取られた。
呂布 「身の程知らずが!」
全くだ。
穆順 「貴様を討ち取って一番の手柄にしてくれん!」
お前が?方悦より腕落ちるだろ。まぁ、一突きで討ち取られた。
ところで、一体何人死んでるんだ?この連合軍は…。
さぁさぁ、呂布は華雄なんかよりも全然強いぞっ!今度こそ俺様の出番だろ!
周りを見渡せばみんな尻込みしてる。
今こそチャンス!俺の晴れ舞台!
もうアドレナリン垂れ流し!手が、体が、口が!とにかく勝手に動きまくる!
(そりゃイベントですから)
武安国「我こそは鉄槌・武安国!我が鉄チュイ、受けてみご!」
うわっ、噛んだ!それに鉄チュイってなんだ鉄チュイって!?
呂布 「…よっっっっっぽど死にたいらしいなぁ?」
武安国「違う、違うのっ!お願いだから言い直させて!あぉ!ぉぁぉぁ!」
慌てる俺に容赦なく襲いかかって来る呂布。
なんてこった、恥ずかしさの余り体が思ったように動かない…(だからイベントですから)
しかも呂布は、前の二人が歯ごたえ無さ過ぎたせいでキレてるらしい(赤ちゃん言葉を使った自分のせいではない)。
ある意味恨むぞ、方悦に穆順!死んだら化けて出てやる!(二人とも死んでます)
途中まではなんとか防いでいたが、十合を越えた辺りでとうとう腕を切られてしまった…
嗚呼、台詞さえ完璧に言えていればっ!
やむなく俺は呂布に背を向けて逃げる事にした。
呂布 「逃げるかっ!」
武安国「俺はお前に負けたんじゃない!その馬に負けたんだ!」
陣営に着いてからは出血が激しかった為、気を失ってしまい、後の事はよく分からない。
後で聞いた話だと、例の長い髭とその弟分とでかい耳の三人で掛かっていって呂布を撃退したそうな。
くそっ、俺様の晴れ舞台を3人で潰しやがって!(違
おまけに董卓は洛陽を焼き払って長安へ逃走。当然呂布も。
奴らとの対決は当分お預けになってしまった。
なお、曹操だけは逃げる董卓に追撃しようと出て行ったらしいが、
徐栄の待ち伏せにあって壊滅、本拠にもどったそうだ。ダメじゃん、曹操。
連合軍は焼け野原になった洛陽へ入り、修復作業を始める。
大怪我している俺様は当然休んでる。(「瀕死」だったんだぞ!断じてサボりではない!)
すると孫堅が玉璽をかっぱらって逃げようとしているとか。
怒った袁紹は孫堅を追撃しようとするが、ウチの主君が、
孔融 「今追撃しようものなら、董卓に背後を襲われますぞ」
流石御主君、分かってらっしゃる。
ここで袁紹もブチ切れたらしく、連合軍は解散。主君も何か寂しそうだった。
こうして、中平元年は過ぎていったのである。
そして、これからが、この武安国伝説の始まりなのだ。
そうに違いない、そのはずなんだよ。
190年01月
北海への帰路だというのに、伝令は律儀にも
伝令 「孔融様ご多忙につき、今月の評定はありません」
とか伝えてきた。分かってるっての。主君なら俺の隣にいるよw
仮にあったとしても、まだ『瀕死』ですから!
思ったよりも傷が深く、俺は当分自宅で養生する事にした。
しかし、退屈だ。。。
190年02月
すこしは傷が癒えて来たが、いまだ『重症』。何も出来んしする気になれん。
気が付けば子義の功績が俺を上回っていた。むぅ、『後生畏るべし』とはこの事か?
それに比べて王脩、お前は頑張れ。
190年03月
ようやく『軽症』。そろそろ歩き回ろうか。(仕事はしないがな)
あんまり寝てばかりだと体が鈍っちゃうしね。
退屈しのぎに兵舎へ行ってみると、相変わらず子義と王脩のコンビがいた。
太史慈「おお、武安国殿。傷の加減はいかがですか?」
武安国「うむ、まぁまぁだよ」
王脩 「…………」
王脩、お前、何が不満なんだよ。
子義は良い奴だ。俺様の話を熱心に聞いてくれる。
「話をして良かった、胸のつかえが取れました」とか言ってくれるし、かわいい奴だ。
それと御主君、あんたもちょっと冷たいんじゃない?
いくらか良くなったから面会に行ったら
孔融 「そなたと無駄話をしている暇は無い」
そりゃねぇよ…
それに比べて、子義。いいねぇ、子義。かわいいよ、子義。
ついでに酒場にもよってみたが、鹿狩のアルバイトなんてのがあったから、
リハビリにちょいとやってみた。
どうやら平原の南東に鹿の群れがいるというので行ってみたが、
わずか二日で発見、そつなくこなしてきた。
流石俺様、怪我してても良い調子だ。
親父 「おお、流石は武安国様。見事に取ってこられましたなぁ」
武安国「はははっ、まぁな、まぁな!で、他に仕事はあるか?」
親父 「ええ。[業β]で提の修復と、廬江への荷物運びがありますよ」
武安国「遠いなぁ…それはヤメだ」
親父 「そんな…お願いしますよ、武安国様」
武安国「やだってば。リハビリにならねぇっての、そんなの」
酒場を後にして市場に行ってみたら、王脩発見!逃がさん!
王脩 「や、やぁ…武安国殿…」
武安国「さぁ、今日は存分に語り合おうじゃないか?ん?」
(俺様だけ)肩を組んで(一方的に)語り合った結果、王脩とも少しは仲が良くなったようだ。
王脩 「いやぁ、意外でした。武安国殿がこんな人だったとは」
どんな人だと思ってたんだよ。なんかあらぬイメージでも持ってたのか?
ついでに市場の商人達に話しかけてみたら、
商人 「農地に孫乾様という方がいらっしゃいましたよ」
との事。ほぅ、孫乾ねぇ。
早速探しに行ってみたら、畑でなにやらボーッと突っ立ってる孫乾を発見。さっそくキャッチ!
孫乾 「武安国殿…?聞かぬ名ですな」
いきなり失礼だな、文官系の奴ってのはいけ好かない奴が多い(主君もそうですが何か?)。
まぁいい。
武安国「ところで、まだ無位無官のご様子。
いかがでござろう、孔融殿にお仕えしてみませぬか?」
孫乾 「まだ世に出るつもりはありません。お帰り下さい」
この野郎、ニートのくせに随分な言い草だな。
お帰り下さいって、お前が帰れや。ここは俺様の土地だ!(違う)
数日後、再び酒場でアルバイトを探す。
親父 「武安国様、逃げた白馬を捕まえて来て下さい!」
武安国「ほぅ(良い馬だったらちょろまかして俺の愛馬にするか)…
で、どの辺りなのだ?」
親父 「薊の辺りだとの事です」
武安国「おまえ…[業β]で遠いって言ってたのに、もっと遠いじゃねぇか!却下!」
そんな3月末、反董卓連合の盟主だった袁紹が、
韓馥の治めていた[業β]を制圧したという報が伝令からもたらされた…
よかったぁ、提の修復行ってたら巻き込まれてたわw
そんな危険地帯の仕事を紹介した酒場の親父、後でシメてやらんと…(親父に罪は無い)
190年04月
以前、ウチの領内でうろついていた劉ヨウとかいうのが建業に、
あと、王朗とかいうのが会稽に封じられたらしい。
さらに、厳白虎とかいう名前だけは強そうな奴(人の事を言えない)が
呉で勢力を興したとか。賑やかになってきたな、江東。
そんな俺様の傷はまだ完治していない。
仕方ないので子義をいじりつつ、酒場でバイトを探す。(まともな仕事しろよ)
親父 「やあ、武安国様。ちょっとお耳を…(宝探しをしてみませんか?)」
武安国(宝探し?)
親父(ええ、大きな声じゃ言えないんですが、寿春の辺りにあるらしいんです)
武安国(それは面白そうだな)
親父(報酬は『塩鉄論』なんですが、どうですか?)
武安国「よし、やろう。報酬なんかが欲しいんじゃない!そのお宝とやらがモゴモゴ…!」
『お宝』という言葉を敏感に察知する客達。ふんっ、悔しかったら見つけてみろっw
こうして寿春まで宝探しに出かけたのだが、その寿春に入った所で伝令がやってくる。
伝令 「公孫伯珪と袁紹が界橋にて激突、劉備軍を味方にしていた公孫伯珪が勝ちました」
どうやら韓馥のいた土地の事で揉めたらしい。そして公孫伯珪はデカ耳3兄弟を援軍としていたようだ。
このまま拡大するかと思われた戦だったが、朝廷から停戦命令が出て、
双方とも引っ込んだとの事。もっと派手にやれよ、ツマランなぁ。
寿春の酒場に入り情報収集する。
若者 「建業にいた老人が詳しい事を知っていましたよ」
有力情報ゲット!そうと決まればこんな所に用は無い。さっそく建業へと駒を進める。
この建業では、ウチでうろついていた劉ヨウが治めていた。なかなか盛況じゃないか。
そして酒場へ。そこで宝の事を知っていそうな爺を発見したが、
老翁 「寿春の南東にあるとかいうが、そんなの嘘に決まっとるわい!」
語るに落ちたなジジイ!お宝は俺様が頂くわ!わははははは!
190年05月
再び寿春近辺まで戻り、南東に位置する森を探索。遂に発見した。
武安国「わははは!ついに見つけたぞー…って、なんだろこれ?」
見つけたは良いけど、サッパリ価値が分からん…
とりあえず北海へ戻って報告しよう。
北海へ戻ると、待っていたかのように伝令がスッ飛んできた。
伝令 「ボク陽が、青州黄巾賊の手で落とされたようです!」
武安国「なんだと!そんな連中が青州にいたのか…」
伝令 「太守の劉岱に代わり、陳留の曹操殿が黄巾賊を鎮圧したとの事です。
曹操殿は投降した黄巾賊をまとめ、『青州兵』と名づけて手勢にした模様です。」
いいなぁ、曹操。ラクに強兵ゲットじゃねぇか…羨ましい…
伝令 「なお、ボク陽は曹操殿の領土となりました」
いいなぁ、曹操。ラクに土地までゲットかよ。劉岱が浮かばれんな。
さっそく酒家へ。親父ー、たぶん宝だぞー!
親父 「大きい声で言わんで下さい!」
武安国「これで良かったのか?俺様には価値が分からんが…」
親父 「いいんですよ。依頼主にとっては宝だそうですから。
こちらは報酬です。お受け取り下さい。」
って事で『塩鉄論』ってのを貰ったが、よく分からん…
5月半ばだというのに、体は全然良くならない。
仕方ないから、後半は家で塩鉄論でも読んでるかな。
190年06月
体調もすっかり回復したが、働かない生活に慣れてしまった為、
気が付いたら6月も半ばになっていた。イカン!
久しぶりに宮城へと行って見る。御主君、ようやく傷が癒えました。
孔融 「お前誰だっけ?」
そりゃねぇよ御主君…
武安国「武安国です。早速ですが、歩兵の補充を」
孔融 「その必要はない」
武安国「じゃあ、歩兵隊の訓練を…」
孔融 「する必要はない」
武安国「ならば何をしたら良いのですか!」
孔融 「うーん…治安でも行って来い。それくらいしかできんだろ?」
武安国「…はい…」
くそっ、お巡わりかよ…曹操がすぐそこまで来てるってのに…
宮城を出ると伝令が俺様を探していたらしく慌てて駆け寄ってきた。
伝令 「ここにおられましたか!」
武安国「俺様がここにいたらおかしいんか?あ?」
伝令 「それどころではありません!長沙の孫堅が戦死しました!」
武安国「あっそ」
伝令 「『あっそ』って…経緯を聞きたくないのですか…?」
武安国「どーでもいーよー、たかがおまわりがそんなの知っててもしょーがねーしー」
唖然として立ち尽くす伝令。だってそーじゃんよー。
そういやアイツ(孫堅)、玉璽持って逃げてたんだっけか?
ま、天罰だよ天罰w
190年07月
収穫の秋がやってきた。所々で豊作になっているようだが、
我が北海は豊作にならない。なんでだ!
わずか10日の巡回にも関わらず、盗賊などの類は一切見かけなくなった。
俺様の武名に恐れをなして逃げ出したようだ。つまらん…
巡回から戻ると、伝令が急報を持ってきた。
伝令 「公孫伯珪が劉虞を滅ぼしたとの事です」
武安国「へぇ〜、で?」
伝令 「薊をそのまま占拠し、袁紹に備えているようです」
武安国「そっかぁ、あっちは賑やかそうで良いなぁ」
伝令 「……………」
だって、楽しそうじゃん?おまわりやってるよりはよっぽど楽しそうだよ、うん。
治安回復もこれ以上は望めなさそうなので、宮城へ報告に行く。
孔融 「うむ、ご苦労。で、次の仕事だが…」
武安国「草むしりですか〜?壁塗りですか〜?それともソロバン鳴らして踊りましょか〜?」
孔融 「弓兵隊を新設してもらおうか」
武安国「へいへい、弓兵隊の新設ね…って、え!マジで!?」
孔融 「む、嫌なのか…?お前の為に取っておいたのだが…じゃあこれは子義にでも」
武安国「何を仰せられますか!この武安国、立派な弓兵隊を組織して御覧にいれましょう!」
孔融 「う、うむ…頼んだぞ(なんだこいつ…急に態度が変わりおった…)」
やった、返り咲いたぞ!やはり俺様は兵を率いるのが似合っているのだ。
恐らく治安回復なんてのをやらせたのは、復帰直後の俺様を気遣った御主君の気持ちなのだろう。
イヨッ!ニクイね!さすが孔子の末裔!
ウキウキしながら宮城を出ると見慣れた顔が…またお前(伝令)か。
伝令 「袁術が曹操に攻め込みましたが、返り討ちにあい、そのまま許昌を占領されたとの事です」
武安国「ふむ…しかし、これで終わるような袁術ではあるまい。また経過を報告するように」
伝令 「は、はい…あの、経過報告をしてよろしいので…?」
武安国「当然であろう。群雄の動きくらい分からんでは将は務まらん」
伝令 「か、かしこまりました…(何、この違い)」
やはり一国の将として、情報収集を怠ってはならんからな。
そんな中、兵舎を向かうといつもの二人がいた。
太史慈「おお、武安国殿。すっかり元通りになられたな」
武安国「ああ、おぬしらには迷惑をかけたが、もう大丈夫。
軍事は全て俺様に任せなさい。わっはっはっは!」
そう、完全復帰の俺様に不可能は無い!サクリと弓兵隊を組織出来る俺様は凄い!
王脩 「そういえば、放浪軍となった孫策が寿春へと向かっておるようです。
どうやら袁術を頼るようですな。」
武安国「あの玉璽泥棒の倅か。親父は泥棒だったが、倅は寄生虫って事か」
しかし、俺様の予想は外れていたようだ。弓兵隊を組織した数週間後、
太史慈「聞きましたか!あの孫策が劉ヨウを破って建業で旗揚げしたそうですぞ!」
武安国「いやに早いじゃないか、大体どこにそんな兵が…」
太史慈「袁術から玉璽を質にして兵を借り入れたとの事です」
なんと…今までは疑惑だったが、遂に確信に至った。孫堅は本当に玉璽泥棒だったのだ!(遅い)
寄生虫と言ったのは誤りだったようだ。泥棒の倅は押し込み強盗だったか…。
190年08月〜10月
弓兵隊の補充をしつつ、子義と組み手をしてみる。子義もなかなかやるようになった。
太史慈「武安国殿、『三段』を覚えてみる気はありませんか?」
武安国「いや、俺様には必要ないよ」
int sandan(char buankoku ,char taishiji){
太史慈「いやいや、これでなかなか使える技なのですよ。試しに使ってみて下さい」
武安国「ふむぅ、それでどうやるんだ?」
太史慈「ここでこうして…ああして…
うーん、武安国殿は一騎打ちの経験が余りおありにならないようですね
30人程叩きのめしてきたら使えるようになりますよ」
武安国「ぇー、めんどくさいなぁ…そこまでして覚える気にならないよ」
return 0;
}
お互いの体力がオーバーフローした頃、兵士の補充が終わった。
10月半ば、名前負けしていた厳白虎が、強盗・孫策によって滅ぼされた。
同じ頃、公孫伯珪が公孫度を滅ぼし、襄平を領土に加えたと言う。
ウチの軍は何をしてるんだ…
補充した兵を訓練し、暇をみて酒家を覗いて見たら…
禰衡 「無駄無駄無駄!
お前など俺の言う事を寸分たりとも理解できん!」
デ○オかお前は。本当にムカツク奴だが、主君の友人って事で手が出せん…
190年11月
弓兵隊の補充と訓練をひたすら繰り返す。あっという間に時が過ぎるなぁ。
余りにも変化の無い日が続いたので、気分転換に酒家でバイトを探してみる。
親父 「農地で乗馬を教える仕事がありますよ」
武安国「俺様にピッタリだな。よし、引き受けた!」
さっそく農地へ行って乗馬を教える事に。相手は名も知らぬ若者だ。
若者 「馬に乗れるようになって女の子にモテたいんです。えへへへ」
武安国「このたわけっ!馬に乗れるようになったらモテるとでも思ってるのかっ!
この俺様にもまだ嫁はおらんと言うのに…
よって、貴様にはこの『武安国流騎乗術』を教えてやる。感謝しろ。
なお、乗れるようになったら我が部隊に入るように。
ちなみに、こうやって乗るのだ(実演中)」
若者 「えっ、何その乗り方!
そんなカッコ悪い乗り方は嫌です!」
武安国「舐めるな若造!既に契約は成ったのだ!
世の中甘くないという事を体で感じろ!」
若者 「うわぁぁぁ!」
十日後、若者は泣いて礼(?)を述べていった。当然、乗れるようになったぞ?
そんな若者を見送る俺の後ろから影が近づいてきた。
禰衡 「どけっ!」
なんでお前がここにいるんだよ、飲んだくれめ。
ま、自分から避けて通っていくようなヘタレに用はないがなw
先ず酒家に寄って行って報告。そして禰衡。どこにでもいるな、お前。
禰衡 「ああ、むやみに出歩くもんじゃないな、こんな所でお前に会うとはな!」
こっちの台詞だヘタレめっ。
しかし、確かに学識はあるようだ。だが、いちいち突っかかってくるのがムカツク。
190年12月
遂に騎馬隊が組織された。
孔融 「騎馬隊の補充を頼むぞ」
武安国「おお、それがしの為の部隊ですね。お任せ下さい!」
孔融 「(なんでお前のになってるんだよ…)」
兵舎に行ってみると、やっぱり二人とも居た。
太史慈「武安国殿、江州の情報を手に入れたので、王脩殿と話しておりました」
武安国「ほほぅ、俺様にも教えてくれるのか」
現在、江州には厳顔とかいうオッサン(5つしか年が離れてないが)が一人で守っているらしい。
ついで王脩とも話をしてみる。
王脩 「いやぁ、武安国殿との話は為になるなぁ」
そうだろそうだろ。偉大なる先輩に感謝しなさい。
20日程かけて補充を完了させて宮城へ。
孔融 「ご苦労、よく集めてきたな。
そこでこれまでの公績を称え、おぬしを八品官に任命する」
武安国「おお、ありがとうございます。ところで御主君、前借りは出来ませんか?
もう金が700しかなくてw」
孔融 「……却下!」
なかなかイイヨイイヨー
テンポいいね
191年01月
年が明けて一発目から大事件が起きた。呂布による董卓暗殺である。
あのデブ、俺様以外の手にかかって死ぬとは…
許せん!化けて出て来い!俺様が改めて引導渡してやる!
で、その当の呂布だが、残党の李確らに追われて放浪軍となった。
さらに、曹操の親父が陶謙の部下に殺されたという。
おかげで徐州は大混乱。その混乱に乗じて劉備が徐州入りを果たし、そのまま居ついた。
御主君、なんでうちらは動かなかったのさ…
しかし、その劉備のいた平原は今や空白地、これを取れば青州統一が叶う。
御主君!今こそ出兵を!
孔融 「あー、訓練が終わったか。それじゃあ騎馬隊の補充でも」
武安国「いや御主君、今こそ平原を取る絶好の機会です。是非、出兵の御下知を!」
孔融 「却下」
この腐れ儒者め…
そんなやり取りをしている間に、曹操が留守にしていたボク陽を呂布が占拠する。
うちの隣じゃん、やったね俺!
呂布めっ、虎牢関での恥を雪がせて貰うぞ!…出兵さえ出来ればね…
191年02月〜03月
とうとう待望の出兵がっ!待ってましたよ、御主君!
孔融 「行き先は平原じゃ。早速出陣の用意をせい」
呂布のいるボク陽でないのが気に食わないが、青州統一が先の目標だしな…
しかし、いざ外に出てみると、平原の城には『周』の旗…?
どうやら一足先に袁紹軍の周昴が平原を攻撃していたらしい。
だから先月の内に言ったのにっ!
やむなく帰ることに…くそぅ、バカ主君め…
頭に来たので酒家でヤケ酒喰らっていたら店の親父が、
親父 「いやぁ、良い飲みっぷりですねぇ」
武安国「うるせぇ!ヤケ酒に良いも悪いもあるか!」
親父 「まぁまぁ…市場で大酒大会があるんですが、行って見てはどうですか?
賞金100も出ますし…」
武安国「ほぉー…悪くないな、出てみるか」
なんでも10日間酒を飲み続けるという、変にハードな大会だ。
武安国「さぁ、張り切って飲むぞーっ!」
と、気合を入れたは良いが、8日目で思わぬ事態が…
伝令 「袁紹軍が攻めて来ました!至急、政庁にお戻り下さい!」
マ ジ で ?
武安国「主君!袁紹軍が攻めてきたと言うのは誠でございますか!?」
孔融 「おお、やっと来たか武安こ…って、クサッ!」
そう、俺様といえども、8日間も飲みっぱなしだった為、へべれけだった。
まともに戦えるのか、俺!
孔融軍44000 VS 袁紹軍96000
いやぁ、無理でしょ〜w
俺様は歩兵一万を率いて城壁上で構え、子義も歩兵一万を率い、城門の裏で待機。
主君は弓兵1万、王脩は9500を率いて城壁上から攻撃という陣容だが、
余りにも数が違いすぎる…
見る見る内に城門が破壊されていく中、俺様は必死に城外で火を付け、
風向きが変わってくれる事を祈っていたのだが、期待とは逆方向へと流れていく…
敵はといえば、近接では歩兵が、遠距離では火矢で城門を破ろうとしている。
その最中、城門を守っていた子義が流れ矢に当たってしまい負傷する。こんな事で負傷するとは…
やはり多勢に無勢だ。城門解放後、第一の城門を守っていた子義は捕らえられ、
慌てた主君は見当違いの方へ矢を射、城門は全て破壊された。
市街戦へと持ち込むが、障壁と呼べるものが皆無に近く、守りはさらにきつくなる。
誰か一人くらいは討ち取らねばこの武安国の名折れだとばかり、張儁乂に一騎打ちを申し込む。
もう何日も経っていると言うのに、全く酔いは覚めていないが…(迎え酒飲み過ぎの為)
張儁乂「ワシに挑むとは良い度胸だ。名を聞こう!」
武安国「我こそは『鉄槌』の武安…ヒック…国!…ヒック…」
張儁乂「ブアン…ヒッチコック…?え、なに人?」
武安国「漢人だ!良いか?もう一度言うぞ?改めて言うからな?
我こそは!………ゲプッ………ごめん、ちょっと待って…」
張儁乂「………ワシを舐めるのもいい加減にしろ!」
怒った張儁乂は容赦なく打ちかかって来た。だめだ、気持ち悪い…
張儁乂「どうした、反撃して来い!その程度の腕で挑んだのか!」
武安国「だから待てってっ…ウプッ…吐くぞ!良いのか!?」
張儁乂「おお、ワシが血ヘドを吐かせてやるわっ!」
攻撃の手を一切緩めない張儁乂。
泥酔状態の俺様には奴が3人にも4人にも見え、防ぐだけで手一杯。
そして、その中の一人の石突が俺様の鳩尾に入った…
脳天を突き抜けるかのような衝撃が俺を襲う。
抗い難い苦痛、霞掛かった視界。俺の体は喰らった体制のまま硬直していた。
しかし硬直していたのは、外部の痛みよりも強烈な体内からの抑止力によるものである。
その時俺の胸の辺りでは、何匹もの黄龍が外部へ出ようと暴れていたのだ。
張儁乂が止めを刺そうと槍を振り上げた瞬間、
俺の体はその抑止力によって垂直にさせられ、顎をこじ開けられ、
体内で暴れていた黄龍達が遂に蒼天へと飛び出し、張儁乂へと牙を剥いた。
辺りに悲鳴がこだまし、目を覆いたくなるような凄惨な光景へと変貌した。
黄龍に頭から襲われた張儁乂は、止めの一撃を加えようと振り上げた槍を下ろす事も出来ぬまま硬直し、
兵士達が俺様を捕縛するに任せていた。
結果は我が軍の敗北、全員捕らえられてしまい、孔融軍は滅びた。
一箇所に集められた先で、捕らえられた俺様たちは語り合った。
孔融 「お前は口だけだな、何が最強の武人じゃ!
あんな醜態を晒す奴が我が配下だったとは思いたくもないわっ」
武安国「あんなに酔ってなければあやつ如きに負けはせん!
大体、平原に兵をだすのが遅すぎたんだよ!」
王脩 「大丈夫か?太史慈殿」
太史慈「まだヒリヒリする…」
俺たちは袁紹から個別に呼び出され、誘いを掛けられた。
袁紹 「おぬしの武勇、常々狙っておったのだ。
どうだ、我が軍に入らぬか?」
武安国「牢にいる戦下手の腐れ儒者よりマシそうなので入れて頂きたいです」
袁紹 「…なんか釈然とせんが、歓迎するぞ」
こうして、子義、王脩、俺様は袁紹軍へと移った。
旧主君の孔融は断り続けた上で開放されたらしい。あんなやつ死ねば良いのに。
今後は袁紹軍として俺様は活躍する事になる。しかも七品官待遇、勝手に昇進だ。
北に公孫伯珪、南に曹操・呂布といる。なんか戦が多そうだし、楽しそうだ。
[業β]へついた際の第一報は陶謙の死、そしてそれを劉備が引き継いだとの報だった。
上手い事土地を手に入れやがったか、デカ耳三兄弟。
黄龍wwwww
何にせよ存命おめでとうございます、読みながら絶対殺されると思ってたw
ガンバレ武安国!!
190年04月
張儁乂との一騎打ちのせいか大酒大会の影響か、再び『軽症』。
しかし、業βってのはデカイ!
兵はたっぷりいるし、武将も14人もいる。ま、ほとんどは小粒だが。
新たな主君・袁紹からおよびがかからないのでバイトをする事にする。
親父 「寿春にいって、牛を連れてきてください」
現在の寿春は、袁紹の従兄弟である袁術が治めている。ついでだから様子を見ておこう。
無事、寿春で牛を預かり、業βまで引き連れてくる。途中で食いたくなったが、我慢した。
農夫 「随分なつかれておいでのようじゃ。牛飼いの方かえ?」
無礼者!この威風堂々たる姿の牛飼いがいるか!
と、叫びたいのを堪えて酒家で報酬を受け取る。
しかし、傷が癒えない。当分はおとなしく家に篭るとするか。
その間、孫策が王朗を滅ぼす。また、我が軍が晋陽の張燕軍に攻め込む。
191年05月
相変わらずのバイト生活。今回は屯所にいる兵達に弓を教えると言う仕事。
って、これは訓練の一環じゃないのか?
親父 「民間にも優れた腕を持つ方がまれにいるのです。
そういう方が対称なんですよ」
武安国「そんなものは俺様が教えてやる」
早速屯所へ。
武安国「と、いう事で、俺様が教えてやる。しっかり訓練するように」
衛士 「何が『という事』なのか分かりませんが、よろしくお願いします」
訓練の結果はまあまあと言うところだ。ま、基本のおさらいみたいなもんだしな。
そのため、とっても過激な『武安国流弓術』を教えるには至っていない。(馬術の若者は?)
それは次の機会に、と思っていたら引き続き教えて欲しいとの事。
武安国「よし、今回は『武安国流弓術』を伝授する!気合を入れて励むように!」
衛士 「(なんだこれ、かっこわりぃ…しかもやりづれぇ…)」
残念ながら、一般人には高等技術すぎて身に付かなかったようだ。
なお、この『武安国流○○』がどんな技術なのかを文章で著すのは不可能なので割愛する。
この結果を酒家の親父に報告する事に。
親父 「そんな、武安国様ならと思ったのに!私の面目丸つぶれですよ!」
武安国「うるさい!奴らがヘタすぎるんだ!
怨むなら高尚な技術を身に付けられなかったアイツ等を怨め!」
親父 「基本を教えてくれるだけでよかったんですよ!」
武安国「ええい、黙れ!いいから金寄こせ!
まったく、分からん親父め。孔子も言ってるだろ、
『高尚な自分の考えが理解できない奴らが悪い』って」
親父 「(孔子様はそんな事言ってないよ)……」
こんなやり取りをしている間に張燕が滅びる。
191年06月
ようやく体調が元に戻ったので子義を相手に組み手をする。
やはり体を動かすのは気持ち良い。つくづく俺様は武人なのだなと思う。
そして兵士の補充。
191年07月
北海で一騎打ちをした張儁乂と兵舎でバッタリ出会う。
張儁乂「おお、武安国殿。私が怪我をさせてしまったようだが、その後どうだ?」
武安国「おぬしの攻撃なんぞで怪我をする俺様ではない!
あの時は大酒大会の影響で力が出せなかっただけで、
それで馬から落ちて怪我をしただけだ。
決しておぬしの力ではない!俺様の力はあんなもんじゃないぞ!」
張儁乂「そ、そうか…まぁ、元気で何よりだ。
我々は同じ軍にいるのだし、今後は力を合わせようじゃないか」
武安国「お断りだ!きっと決着をつけてやる!」
張儁乂「(この野郎、反吐を掛けやがったのを許してやってるのに!)」
補充が終了し報告。しかし次にやりたい仕事がないので断ることに。
袁紹「やる気あるのか?」
無いです。武を振るってこその俺様ですよ。
暇なのでバイトをする事に。
親父 「南皮の北に山賊がいるとの事なのですが、退治していただけませんか?」
武安国「まさに俺様向きな仕事じゃないか。よし、引き受けた!」
南皮の北をうろつく事数日、突然人が飛び出してきた。
山賊 「金目の物を置いてきな。それとも痛い目にあいたいか?」
武安国「出たな山賊め…金目の物を置いていけ!ついでに俺様の経験値になれ!」
山賊 「なっ!?てめぇ、何モンだ!」
武安国「俺様こそは『鉄槌』の武安国!」
山賊 「えっ、武安国って、あの武安国かっ!?」
武安国「他に誰がいると言うのだ?」
山賊 「じゃあ、お前があの…『へべれけ大将』の武安国かよっ!」
武安国「変な名前を付けるんじゃねぇ!喰らえ、神速撃!」
所詮山賊と言うところか、全く歯ごたえがない。(残り体力半分)
山賊を退治し、報酬を貰う為酒家へ。
武安国「そういえば報酬を聞いていなかったな。報酬はなんだ?」
親父 「言いませんでしたっけ?この『環首刀』ですよ」
武安国「え〜、刀なの?現金でくれよぉ、金無いんだからさぁ」
親父 「まぁまぁ、売ればそれなりになりますから…(確認しろよ)」
武安国「しかたない、この刀で我慢しとくか」
そういや俺様の鉄槌、虎牢関で落としたままだったな…
191年08月
山賊退治を終えて酒家に戻ると、親父が早速次の依頼を持ち込んだ。
親父 「ところで、近頃市場にごろつきがいるらしいんですよ」
武安国「何?まったく、子義や張儁乂は何してるんだ…治安担当だろ…」
親父 「どんなに治安が良くったって、そういう輩は何処にでもいるもんですよ」
武安国「仕方ない。俺様が退治してきてやる」
と言う事で市場へ行ってみると、なにやら若造が店を破壊している場面に遭遇。
武安国「おい、止めないか」
若造 「あん?なんだてめぇは!」
武安国「聞いて驚け。俺様は『鉄槌』の武安国!」
若造 「なっ、あの『へべれけ大将』かっ」
武安国「その名で呼ぶなぁっ!」
無礼な言葉で『気合』の入った俺様に怖いものは無い!
武安国「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!!」
若造 「ひっ!うわぁ!もう二度とこんな事しませんから許してください!」
武安国「謝る部分が間違ってるから許さん!喰らえ、疾風撃!」
こうして(辺りを破壊しつつ)ごろつきを退治した俺様は再び酒家へ。
親父 「武安国様、今回は報酬はありませんよ。
なんでごろつきを退治するのに店を何件も破壊するんですか!」
武安国「俺様は悪くない!あの若造が無礼を言うから…」
親父 「とにかく、用意していた報酬は商人達の修繕費として支払ってしまいましたから
貴方に差し上げる分はありません!」
くそぅ、張り切りすぎたか…
親父 「代わりに、私の知り合いに落馬ばかりしている者がいるので
乗馬を教えてきてやって下さい」
武安国「は?なんでだ?」
親父 「金が欲しいんでしょう?(・∀・)ニヤニヤ 」
武安国「…ちっ、分かったよ。(武安国流で)きっちりと仕込んできてやる」
農地へ着くと、若い男が待っていた。
若者 「あ、武安国様。馬がどうにも言う事を聞かないのです」
武安国「そんな事か。そういう場合はな、馬の鼻っ面を…(ボクッ!)
ほれ、おとなしくなっただろ?」
若者 「え?あ、いや…」
武安国「跨ってみろ。ほれ、跨れって……。
よし、『馬に乗った』な?じゃ、そういう事で!」
若者 「いや、そうじゃなくて、走れないと意味が…」
ち、さらっと終わらせるつもりだったのに。わがままなガキだ。(そうじゃない)
やむを得ず10日をかけてじっくりと『武安国流乗馬術』を仕込んでやる。
当然、馬に乗れるようになったぞ?
泣いて喜んでた(?)しな。
191年09月
主君から全く呼び出しが掛からない。なぁ、俺様の存在を忘れてないか?
ふてくされて酒を飲みに行くと、親父が待っていた。
親父 「馬小屋の修理の仕事があるんですよ。
『鉄槌』を名乗ってるんだから、そういうのお得意でしょ?」
武安国「修理するのが得意で付いた名じゃないんだがな?まあいい」
で、農地へ行ってみたが…
えらくみすぼらしい、ガキの頃に作った秘密基地みたいな木小屋だ…
武安国「まさか、これが修理しろって馬小屋?」
農夫 「ははは、いやまったく酷いもんですよ。よろしくお願いします」
武安国「こんなもん、(持ってないが)我が鉄槌でこうじゃぁ!」
バキッ!ガランガラン…
農夫 「あああ、なんて事を…」
武安国「修理はヤメだっ!作り直したほうがよっぽど早いぞ!」
農夫 「改めて作り直す金が無いから修理をお願いしたのに、あんまりですよ!」
あ〜、そうなんだ…?これはマズッたなぁ…
酒家に行きづらくて宮城をうろついていたら、途中で子義を発見したので組み手をする事に。
つい夢中になり、気が付いたら期限が過ぎてしまっていた。
一応報告はしなきゃマズイので酒家に行くと…親父が睨んでた…
正直、スマンかった…。
191年10月
そろそろ仕事をしないとなぁ、と言う事で、弓兵隊の訓練を進言。
袁紹 「お前の言う事ももっともだ、頼んだぞ」
まぁ、そつなく訓練終了。
この月、ボク陽にいた呂布が、劉備が下ヒを不在にしている間に下ヒを乗っ取る。
乗っ取られた劉備は呂布を攻める所か、戦闘を避けて和睦、
小沛の城を割り当てられるという次第に至った。
まぁ、あのデカ耳3兄弟じゃ、呂布には勝てんよなぁ。
奴に勝てるのは天下広しといえども、この俺様のみだと言う事だ。
まだ借りも返してないからな。いつか必ずっ…
191年11月
訓練が終了し報告すると、次の仕事を選べと言う。
袁紹 「平原にて商業公振、城壁改修、治安回復、晋陽での探索、
それから上党の諜報活動、か…。
好きな物を選ぶがよい」
武安国「御主君、業βでの仕事は無いのですか?」
袁紹 「無い(キッパリ)」
武安国「じゃあ、治安の回復に向かいます…」
袁紹 「うむ、頼んだぞ」
冬だってのに、なんでそんな所まで行かなきゃならんのだ…。
平原に着任して早速仕事を終わらせる。しかし、寒い…
体をあっためようと酒家に入ると、親父が話しかけてきた。
親父 「貴方が武安国様ですね。噂通りの良い飲みっぷりだ」
武安国「噂通り…?」
親父 「あ、いやいやこちらの話しで…
ところで、大酒大会に出てみませんか?」
始めて来た土地にすら俺様の名は売れているらしい。すごいぜ俺様!
もうやる仕事も無いので出場してみる事に。タダ酒飲めるしね。
武安国「ぐわはははは!さあ、お前も飲め!」
参加者「ちょっと、こっちに注がないで自分で飲んで下さいよ!」
武安国「なんだと?俺様の酒が飲めんと言うのか!」
主催者「武安国様、自分の分だけ飲んで下さい!他人に回すのはダメですよ!」
武安国「うるさい!俺様は楽しく飲もうと言ってるだけじゃないか!
ええい忌々しい!こんなクソつまらん酒宴なんぞ、こうじゃぁ!」
ドカーン!パリーン…
親父 「(噂通りだけど)何やってるんですか…」
すまん…本当にすまん…
191年12月〜192年1月
業βへ戻って報告をすると嬉しいお知らせが。
袁紹 「これより上党へ攻め込む。武安国、おぬしも付いて参れ」
武安国「おおぉ、待っておりましたぞ御主君!それがし、立派に務めて見せます!」
現在、上党には張楊が占拠している。
まあ、俺様の敵になるような奴はいないはずだし、軽く揉んでやるとしよう。
行軍中、孔イ由が滅ぼされたとの報告が来る。さらに、はるか北東を見ると土煙が…
武安国「御主君、なにやら北東で土煙が見えますが…なんでしょう?」
袁紹 「あれは南皮の方角だな…ま、気にするな」
伝令 「報告!南皮が公孫伯珪軍に攻め込まれましたっ!」
武安国「なんとっ!」
袁紹 「なぁに、大丈夫だって」
武安国「いや、引き返して南皮に援軍を送りましょう!」
袁紹 「臆したかっ武安国!既に賽は投げられたのだ!
我々はこのまま上党へ向かう。王者の軍は慌てたりしてはいかんのだ」
ぼっちゃん、訳が分からんぞ…
上党の戦い 袁紹軍56394 VS 張楊軍16370
こちらの武将五人に対して、張楊一人で戦うという、なんとも楽勝な勝負。
ってか勝負にもならん…黙って見てようかな。
袁紹 「武安国!怠けてないで城壁を登らんか!!」
はいはい…梯子を掛けて場内へ潜入、背後から張楊軍と干戈を交えていた時、
伝令 「南皮が陥落しました!」
あ〜あ、言わんこっちゃ無い…淳于瓊なんてへっぴり腰に任せるからだよ…
袁紹 「おのれ公孫伯珪めぇ!おいっ、まだ城門は開かんのかぁ!」
大将が一人喚く中、着実に減っていく張楊軍。削る俺様。
そして城門を突破し市街戦へ突入、そのまま勢いにのって政庁を落とす。
戦というより一方的な殺戮だった。ツマラン…一騎打ちさせろよぉ…
それでも一応、戦功第一位は獲得、俺様の武名は更に上がる事になった。
ついでに六品官へと昇進。
帰路で気が付いたのだが、戦場で年が明けていた。
戦場でこれだけの働きをした俺様の功績は大した物だろう。きっと一番に違いない。
そう思って功績一覧を見て驚愕した。
俺様の上に、子義はまぁ良いとして…王修(今まで王脩だと思ってた)がいた!
あの野郎、調子に乗りやがって、許さん!(仕事してないお前が悪い)
192年2月
袁術とデカ耳が争うが、呂布の奴がちょっかいを出して停戦させたらしい。
なんでも戟を地面に刺し、それを遠くから矢を射て当てたら停戦しろとか言い出し、
しっかり当てた為に停戦したとか。俺様なら楽勝だが、あの呂布が?ホントかよ…
なんか奴の武名が上がっていくのが気に食わん。そして今日もヤケ酒。
親父 「武安国様、貴方の武名を頼りにお願いがございます」
武安国「俺様の武名を…おお、そうかそうか。で、なんだ?」
親父 「依頼主はこの子なんですけどね、可哀想な子なんですよ。
両親をならず者に殺されてしまって…それで、仇討ちをしたいとの事なんです。
報酬は『墨子』なのですが、手伝っていただけませんか?」
武安国「そうか、それこそこの正義の鉄槌の出番だな。
うむ、任せておけ!決して報酬が欲しい訳ではないぞ!」
その子によると、ここで取得した情報では安定に仇がいるとの事。
武安国「安定…?どこだっけ?」
子供 「長安の西にある都市です。そこで見かけたという話を聞きました」
遠いなぁ…しかし、いったん引き受けた以上は行かねばなるまい。
業βを出たとたん、突然流賊に襲われる。
流賊 「ここを通りたかったら…」
武安国「皆まで言うな、かかって来い!我こそは『鉄槌』の武…」
流賊 「あっ、お前はあの『へべれけ大将』!」
武安国「全部言わせろ!それと変な名で呼ぶな!」
怒りに任せたとはいえ一撃で葬る。ちと子供には酷な光景だったかな…
子供 「凄いです!これならきっと父上と母上の仇も討てます!」
なんか喜んでる。末恐ろしい童だな…。いや、ここは素直に喜んでおこう。
192年3月
途中、旧都の洛陽を見物。前より酷い有様になっていた…
廃墟と化している洛陽には余り滞在せず、さらに足を伸ばして長安へ。
かつては董卓が治めていたが、董卓亡き後は李確の治める都市となっている。
ちょっと滞在しようと思って城門を潜ろうとすると衛士に止められた。
衛士 「待て、怪しい奴め。中に入れる訳にはいかん」
武安国「どこが怪しいのだ。俺様は何処からどう見ても怪しくない『鉄槌』の武安国だぞ」
衛士 「何っ、袁紹の手の者か!なおさら入れる訳にはいかん!おいっ、皆来い!」
武安国「何でだっ!くそっ、意地でも通ってやる!」
可哀想な衛士…呼びかけたのに誰も来なかった。
本当は戦いたくなかったのだが(嘘付け)、軽く叩きのめして城中へ。
ここでの目的は、野宿ばかりでは子供が辛いだろうから、たまには宿屋で泊ろうという事と、
もう一つは、虎牢関で失ったままの我が鉄槌を探しに来たのだ。
どこぞの戦場泥棒が拾って売っぱらった可能性があるからな。
そこで子供を宿へ預けて大商家へ行ってみる。
商人 「いらっしゃいませ。どのような御用で?」
武安国「鉄槌を探しているのだが、ここに無いかな?」
商人 「はぁ、鉄槌ですか…?残念ですが取り扱っておりませんねぇ」
武安国「うむぅ、そうか…?」
商人 「ついでに申し上げますと、このゲームに鉄槌はありません」
武安国「バカなっ!我が鉄槌が、俺様の命が無いなんて!
そんな事は許さん!断じて認めん!」
それに、商人の足元に見える、大型鈍器の物と思われる柄はなんだ?
アレは・・・俺様の鉄槌の柄だ、だいぶ色も形も違うが、そうに決まってる!(なら別物だろ)
確信した俺様は商人の襟首を掴み、揺さぶりながら問いただした。
武安国「分かった…貴様、俺様を騙してるな?そうだろっ!
そう決めた!さぁ、出せ!今すぐ出せ!そこの物を出せ!」
商人 「これは違います!鉄槌じゃなくて銅槌です!」
武安国「この際構わん!いいから出せ!出さなきゃ絞め殺すぞ!」
見てみると、確かに銅槌だった。まぁ、『この際構わん』と言ったのは本心だ。
このまま取って行ったらただの強盗だからな、しっかり金1600を支払ったぞ。
しかし、このズシリとした重量感…嗚呼、久方ぶりだなぁ…タマラン!
やはり俺様には鈍器だ。剣とか槍とか、あんな誰でも使える代物なんぞ、使えても面白くない。
翌日、長安を後にして安定へ向かう。そしてまた衛士と押し問答の末に強行突破。
衛士 「あの高名な武安国か!」
とか言ってた良い奴なので、命はとらずにおいてやる。どう高名なのかは聞くな。
仇の噂を求めて酒家へ行くと、その男は柴桑へ向かったという。
クソッ、一足遅かったか…あんな遠い所まで行きやがって!
仕方なく柴桑まで足を伸ばす。
途中で山賊とかに会わないかなぁと思ったのだが、何事も無く到着する。暇だ。
現在、柴桑は玉璽泥棒の倅・孫策が治めている都市で、ここでもやはり衛士に止められる。
もはや言う事はない。強行突破!
衛士 「代わりはいないのかよ…勝てる訳ないだろ…」
そう、衛士如きが俺様を止める事など出来やしない。仕事とはいえ、可哀想な奴だ。
酒家に行くと、今度は長安へ行ったという手がかりが…。逆戻りかよ!
192年4月
王匡死す。韓浩が跡を継いだ。ってか、お前ら誰だ?
今月も引き続き仇討ちの旅程で、柴桑から長安へと向かう。
衛士 「あ、お前は!」
またお前だったのか…可哀想なやつ…
残念だが、お前には俺様の突入に耐える能力は無い…
しかし、無駄死にではないぞっ(死んでない)
酒家で話を聞くと、なんと平原にいるという。
ここで一つの疑問が…
武安国「なぁ坊や。もしかして、坊やが辿って来た道を繰り返してきただけなんじゃないか?」
子供 「あれ?武安国様がいたのは平原じゃなかったの?」
業β で す 。
って事は、この2ヶ月は無駄足だったのか…
アッタマ来た!こうなったら意地でも仇を見つけてとっちめてやる!
192年5月
漢中は五斗米道の教祖・張魯が治めている都市である。
新興宗教団体が土地を押さえてるなんて、世も末だな…
早速酒家に入ると、目的の男を見つけ出した。
子供 「あの腕の痣は………まちがいない、あの男です!」
武安国「お前がこの子の仇か!さあ、覚悟しろ!」
無頼漢「さぁて?そんな話は知らんが、勝負なら受けて立つぞ?」
武安国「おうおう、受けて立ってくれなきゃ俺様が困る。
貴様を探して三千里、衛士を殺す事数十名(そんなにやってない)、
どれ程の苦労を重ねてきた事か…
今こそ、この俺様の恨みに報いてもらうぞ!」
無頼漢「なっ、そのガキの仇だからじゃないのか!?」
武安国「お前の知った事か!喰らえっ!」
一閃!
無頼漢「そんなバカなっ…てめぇ…何者なんだ…?」
武安国「俺様はこそは、あの飛将軍・呂布と真っ向から一人で戦い、唯一引き分けた(?)男!
『鉄槌』の武安国!」(今持ってるのは銅槌だがな)
無頼漢「なんてこった、俺もヤキが回ったか…まさか、あの『へべれ…」
ゴキンッ!
グチャッ!…ドシッ!…ベチャッ…ゴリッ…ゴリッ…
ハァハァ…
振り向くと、子供は匕首を両手に握り締めて、小刻みに震えていた。
歯を食いしばって、こぼれそうになる涙を必死に耐えている。
長い旅も終わり、いよいよ両親の仇が討てるのだ。
その思いが、頭の中を駆け巡っている事だろう。
この子にとって、今、人生最大の出来事が起きているのかもしれない。
年端も行かぬ子供を勇気付けるのは得意ではないが、ちょっと芝居気を入れて、
頼りがいのある用心棒として、精一杯の言葉を贈ろう。
武安国「坊や、こやつは十分に弱らせた。大丈夫、もうこやつは動きはせん。
さあ!今こそ、その匕首でとどめをさして、御両親の仇を討つときぞ!」
子供 「はいっ!
って、キャァァァァ! 頭 が 無 い ぃ ぃ !」
武安国「それがどうしたぁ!
かの伍子胥は親と兄の敵である楚平王の屍に鞭打つ事三百回、
お前とて、それ位の恨みがあろう…
さあ、やれっ!やらねば家には帰さん!」
子供は泣きながら仇に匕首を突き立てる事数回、感極まったのか、そのまま気絶してしまった。
よかったなぁ、仇が討てて。俺様も早く呂布に借りを返さねばならん。
待っていろ、呂布!
気絶した子供を抱えて表に出ると、伝令が俺様を探していたらしく、スッ飛んで来た。
伝令 「ああ、やっと見つけた!一大事です。
劉備が呂布に襲われて、小沛から逃げたそうです。
逃げた劉備は曹操を頼って逃げ延び、曹操は劉備に汝南を与えたとの事です」
武安国「そうか…呂布め、好き勝手しやがって…報告ご苦労。
ところで、ご主君からは何か言伝はないか?」
伝令 「いえ、何も…」
ちっ、完全に俺様の事を忘れてるな…
なお、業βへの帰還中に、周昴が厳綱を破って南皮を取り返したとの事。
俺様の出番はどうしたっ、ぼっちゃん!(袁紹「だって居ないじゃん」)
さらに、今上陛下が長安を脱出し、洛陽で曹操が保護したとの事。これにより許昌が漢都となった。
今上陛下を失った李確と郭シの内乱により長安は大混乱、
同僚の張済は内乱から抜けて苑へ向かったが、途中で流れ矢に辺り戦死。甥の張繍が苑を占拠した。
曹操は内乱のどさくさに紛れて長安をも占領したとの事。
なんでウチがやらなかったのよ、ぼっちゃん!
なんだかんだ言いながら出世街道爆進中ですなw
官渡の戦いはキツいけど頑張って!!
良くレスくれる方々、ありがとう
正直、三国武将としての行動はロクに出来ていませんが
暫く続けてみようかと思います。(どうせすぐに寿命来ると思うし…)
官渡よりも先に、白馬の戦いで公孫伯珪と決着を着けるのが
歴史の流れのはずですが、イベント起きるかな…
起きるとしても当分先ですが。
340 :
勇魚 ◆Cl39TXJnDE :2006/02/06(月) 21:33:35
287さん、私も楽しませて頂いております。ここで盛り上がると、次の三国志の能力値も上がらないかな?
呂布と戦って片腕一本で済むとはかなりの豪の者だ
192年6月
業βへ帰還し、酒家の主人から褒美が貰えた。
どうやら今回の仇討ちはなかなかの成果があったらしく、民間では武勇伝として語られているそうだ。
おかげで俺様の軍に入りたいという若者が急増中らしい。
なのに俺様が徴兵しても集まらないのは何故だ?
相変わらず御主君からのお呼び出しも無く、酒家に入り浸ってバイトばかりしている為か、
酒家は「『あの人』の良く来る店」として繁盛しているらしい。
別に嫌じゃないんだけどね?
親父 「いやぁ、武安国様のおかげで繁盛しておりますよ。
そこでどうです?また仕事しませんか?」
武安国「いや、俺様とて一応公務が」
親父 「無いんでしょ?で、今度は洛陽から牛を運んできて欲しいんです」
武安国「人の話を聞けよ!(確かに仕事ないんだけどさ)」
受けた後で気づいたのだが、洛陽は現在曹操の直轄地。また一悶着あるだろうなぁ…
と、思っていたのだが、何事も無く通過。
曹操が治めると聞いて移住する人が多く、いちいち見ていられないのだろう。
早速農地に行ってみると、それらしき農夫がこちらに来た。
農夫 「あんたが牛を運んでくれる人かい?随分立派ななりをしとるのぉ」
こんな事してても、一応将軍だからな…たとえバイトの牛運び要員でも…
192年7月
御主君・袁紹様が大将軍に昇進!俺様のおかげである事は言うまでも無いだろう(ぇ
しかし、袁紹様の旧友にして仇敵の曹操も中郎将に昇進。
なにこのスライド昇進は…
牛を連れて業βの農地へ行くと、農夫が慌てて駆け寄ってきた。
農夫 「武安国様じゃありませんか!貴方様にこんな事をさせるなんて、なんと恐れ多い…」
武安国「しっ!大きな声で言うな…俺様とて大事にはしたくないんだ…」
仕事しないから金が無くてバイトしてますなんて、御主君にバレたらとんでもない事になるわ…
しかし、仕事をしなくなってどれだけ経ってるんだろう。それに、取り返した南皮に誰もいない。
心配になった俺様は南皮への移動を提案。
袁紹 「太守がおらんでのぅ…そこへの移動は不可じゃ」
武安国「ならばそれがしを太守に…」
袁紹 「いや、それはならぬ」
武安国「じゃあ、その南の平原にでも…」
袁紹 「いやいや、おぬしはワシの近くに居て貰いたいのじゃ」
嬉しい事を言ってくれるじゃん、御主君!じゃあ仕事下さい。
袁紹 「では、歩兵隊の補充をしてくれんか。近頃民間での人気が高いとか聞いたしな」
流石は御主君、巷の噂程度の情報も集めているとは。
って事は…バイトもバレてる…?
192年8月
兵士の補充を終え、続いて受けた仕事は南皮の弓兵隊の訓練。
訓練はすぐに終わってしまったので、酒家でバイトもやってみる。
親父 「実は、私の可愛い可愛い愛馬に逃げられてしまって…
北海の南にいると聞いたのですが、捕まえてきてくれませんか?」
武安国「おお、いいぞ?(良い馬だったら…以下略)」
親父 「お礼は別に用意してありますからね。馬は差し上げませんから、そのつもりで」
武安国「わ、分かっておる。心配するな…」
恐ろしい親父だ、なんで分かった?(顔に書いてある)
とにかく、北海の南へ行ってみると、蹄の後が残っていた。それを辿っていって…
武安国「白馬ゲーット!」
思ったよりも簡単に捕まえる事が出来た。結構人に慣れてるんだな、この馬。
早速帰りに乗ってみたが、こいつ良い馬だなぁ…俺様にも、それにふさわしい馬が欲しいなぁ…
酒家につれて帰るなり、親父と交渉してみた。
武安国「なぁ、やっぱりその馬、俺様に譲らないか?馬もその方が良いって言ってるぞ?」
親父 「それはお断りすると申し上げましたし、馬もそうは言ってません」
武安国「なんで馬が言ってる事が分かるんだよ!」
親父 「それはこっちの台詞です!」
むぅ…どうもこの親父には勝てん…
酒家のオヤジ、いいキャラしてるなぁww
武安国といいコンビだ。
もしかして、袁紹と通じてて武安国のお目付け役か?
287さん、面白すぎです!
今まで、そーいやいたな程度だった武安国の存在が急上昇しております
192年9月
引き続き、南皮での弓兵隊訓練の命が下る。御主君、やる気ですね?
曹操が河内の韓浩を滅ぼす。河内は業βの目と鼻の先だ。
こっちもやる気らしい。そろそろ備えた方が良さそうだ。
訓練の為に南皮に赴くが、南皮の北から「公孫」の旗を掲げた軍勢が…
俺様が南皮に付く前に攻撃を開始した。
そこへ慌てて駆け寄る伝令一名。
伝令 「『状況が変わった為、任務は放棄して帰還せよ』との事です!」
武安国「あったりめーだ!あんなんじゃ訓練どころじゃねぇ!そもそも入れねぇよ!」
幾ら俺様でも、軍の真っ只中に一人で突っ込むほど愚かじゃないわ。
192年10月
急いで業βへ帰還し、すぐさま南皮の救援を提案。
袁紹 「残念だが、救援は無理だ。兵がおらん」
武安国「兵が居ない?何故ですか!」
袁紹 「お前が怠けとるからだ!さっさと兵をかき集めて来い!
いいか、規定通りの金しか渡さんが、『出来るだけ多く』集めて来い」
私財を投げ打ってまで兵をかき集める事になるとは…ヤブヘビも良いところだ。
人気は高まったとはいえ、徴兵出来る数は増えていない。
困ったな…相変わらず金が無いw
192年11月
武安国「御主君、徴兵の任務、完了致しました」
袁紹 「うむ、ご苦労」
武安国「ちなみに、もう金がありませんので金の掛からない仕事をさせて下さい」
袁紹 「むぅ…では、騎兵隊の訓練に当たれ」
もうこんなのばっか…貧乏は敵だ!早く金持ちになりたいっ…
192年12月
ひたすらに訓練訓練の日々。しかし己の訓練もしなければならない。
そこで兵舎にいた子義を捕まえて組み手をする事にした。
太史慈「やはりまだ一騎打ちの経験が足りませんね。
あと2,3回ほどやれば三段が習得できるのですが…」
武安国「う〜ん、また衛士イジメの旅にでも出るかなぁ…」
太史慈「そんな事やってたんですか…」
武安国「何処もかしこも衛士ってのは弱くてなぁ…山賊達より弱いんだから笑っちまうぞ。
どうだ、お前も一緒にあいつら鍛えに行くか?」
太史慈「…いえ…遠慮しときます…」
193年1月
子義の勧めもあって、公孫伯珪の衛士を苛める事にする。(勧めてない)
ついでだから城に入ってどんな人物がいるかを見てくるのも悪くないだろう。
南皮と薊を往復し、衛士を苛めている間に習得条件が揃ったようだ。
ちなみに、南皮も薊にも大した人物はいなかった。
御主君〜、落とすなら今ですよ〜
193年2月
ここで俺様の仇敵、呂布が曹操と劉備の連合軍に敗れ、処刑されたという報が入った…
くそっ、あのゴキブリ野郎めっ!俺様の借りを残したまま逝っちまいやがった…
こうなると憎いのは曹操とデカ耳!次の標的はお前らだ!
だが、曹操と劉備は良いのだが、あの髭(関羽とか言うらしい)と
その義弟(張飛とか言うらしい)は当代一の使い手だと、世間ではかなりの評判だ。
俺様といえども、その二人には手こずるかもしれないからなぁ…
そこで、更に強くなる為に三段を教えてもらおう、と子義を探したのだが見つからない。
やむなく酒家に行くと、親父がまた依頼を持ってきた。
親父 「せっかく農地からどかした岩を、また持ってきたバカがいるんです。
その岩をどかして頂けませんか?」
武安国「まぁ俺様なら楽な仕事だな。引き受けたぞ」
早速農地へ行ってみると、農夫数名が岩をどかそうと頑張っていた。
農夫 「ああ、武安国様ではありませんか」
武安国「酒家の親父から聞いて助っ人に来たぞ」
農夫 「なるほど、武安国様なら出来そうだ。この岩なんですけどね」
武安国「どれ…ん?この岩は…」
農夫 「どうかなさいましたか?」
武安国「い、いや…なんでもない。向こうにもっていけば良いのかな?」
何を隠そう、その岩は俺様が腕力の鍛錬に使っていた岩だった。
以前ここにあったのに誰かが移動させたので元に戻したのだが…農地だったのか、ここ…
そういや親父、「岩持ってきたバカ」とか言ってたな…俺様の事かよっ!
193年3月
主君からの伝令で、30日以内に宮城に帰って来いとの事。
戦ですか?戦ですよね!
袁紹 「おお、待っていたぞ」
武安国「こちらこそ待っておりましたぞ!
相手は何処ですか?曹操?公孫伯珪?」
袁紹 「へ…?いや、おぬしに騎兵隊訓練の任務だ」
武安国「あ…はい…」
袁紹 「ああ、ついでだから、騎兵隊の訓練が終わったら弓兵隊の方も頼む」
期待はずれだ…まあ、よく考えたらまだ兵も足りないしなぁ。
まあ、俺様の実力なら、あっという間に訓練は終わる。
しかし、どうしても片方で10日はかかるなぁ…(一回10日が仕様です)
193年4月
曹操が張繍を滅ぼし、劉表の治める新野を占領する。
その間、俺様は上党で治安の回復を行ったり、訓練をしたりなど、
大した絡みもない退屈な日々を送っていた。
そして定番のヤケ酒。
武安国「戦が多そうだからと思って袁紹に付いたのに、一度きりとはなぁ…」
親父 「戦がお好きなようですねぇ」
武安国「まあな…、俺様も武人として生まれたからには、
やはり戦場を縦横無尽に駆け巡っている時こそが、最高に幸せな時なのさ」
親父 「その戦で幾千もの民が死に、家族が取り残され、戦災孤児を産み…」
武安国「親父、なんのイヤミだ…俺の仕事知ってて言ってるんだろうな?」
親父 「ははは、冗談ですよ、冗談」
冗談でそんな事サラッと言うなよ…笑い事じゃねぇぞ?
親父 「では、統率の修行でもなさってはいかがですか?」
武安国「俺様が?これ以上修行をする必要など無いと思うがなぁ」
親父 「私も以前、自分の仕事の事ではそう思っていましたけどね、
やはり修行をしてみると分かりますよ。何事も奥が深い物です。
それに何もしていないと、折角の能力が曇ってしまいますよ」
武安国「曇る、か…それも一理あるな。よし、やってみよう」
親父 「では先ず、張儁乂様に師事してください。
その後は張儁乂様が更なる師を紹介して下さるはずです」
武安国「げぇ!なんで奴なんぞに頭を下げて教えを請わなきゃ…」
親父 「あ〜あ…武安国様って大丈夫たるお方だと思ってたのに、二言のある方なんですねぇ〜
『あの』武安国様がこんなお方だったなんて、ガッカリだなぁ〜」
武安国「わぁったよ!行きゃ良いんだろ、行きゃあ!」
こうして統率修行が始まる。これにより、武安国伝説が更に彩られるに違いない。
乙です。なんだか酒屋の親父、味のあるキャラしてますねぃ。
酒場の親父いいよねー
193年5月
本当は奴(張儁乂)なんぞに頭を下げて教えを請うなんてしたくないんだが、
あの酒家の親父、ただモンじゃないからな…
変な噂でも撒かれた日には、表を歩けなくなるんじゃないだろうか、そんな気がする…
宮城に張儁乂がいるという通行人の話を聞いて宮城へ向かい、張儁乂に話しかける。
張儁乂「げっ、武安国…ワシに何か用か?」
武安国「実はな…俺様に統率について教えて欲しいのだ…」
張儁乂「なにっ?なんでワシがお前なんぞにっ」
武安国「俺様だって嫌なんだけど、酒家の親父と約束しちまったんだ!」
張儁乂「酒家の…分かった、教えてやろう…」
親父の名を出したとたんに態度が変わりやがった…何があったんだ…?
約10日をかけて修行する。その間、親父についての話も聞いてみたが、頑なに口を閉ざす。
あの親父、何者なんだ!?
張儁乂「ワシが教えられるのはここまでだ。次は沮授殿に教えを請うが良かろう…」
武安国「なぁ、儁乂…あの親父は…」
張儁乂「それについては何も聞いてくれるなっ…」
なんか、相当恐れてるみたいだ…なんだか可哀想になって来て、以前やられた恨みなど消えてしまった。
今までは散々悪態を着いてきたが、儁乂の方も俺様に親しみを抱いてきたらしい。
そのおかげで、俺様と儁乂の仲は大分良くなった。
共通の天敵を戴いたからか、同類相憐れむの感なのか…
193年6月
次は沮授殿に教えを請う。
沮授 「ほほぅ、統率を…勉強熱心で大変よろしい。教えて差し上げよう」
沮授殿は我が袁紹軍の参謀を勤めている。そのせいなのか、儁乂に比べれば
かなり分かりやすく教えてくれるのだが、なんか堅苦しい…
沮授 「私の講義はここまで。次は丘力居殿に教えを請うと良いだろう。
確か、今は許昌にいるはずだったな」
武安国「げ、曹操の所かぁ…」
沮授 「ははは、まさか武安国殿ともあろう者が、曹操如き卑しき者を恐れるのか?」
武安国「いや、そうではない…そうではないんだが…」
ああ、可哀想な衛士…また俺様の餌食になるんだな…
193年7月
沈鬱な気分のまま許昌へ向かう。気のせいか、馬の足も重そうだ…
きっと衛士に見咎められるだろう。そしてまた、この(銅槌だけど)鉄槌が血塗れる事になる…
そう思って許昌に来てみたが、幸運にも見咎められず、そのまま城内へ入れた。
おい曹操、こんなに警戒緩くて良いのか?(見咎められたかったのか?)
歩兵訓練所にいた丘力居を捕まえて統率を修行する事に。
武安国「訓練所で統率の修行とは、なかなか洒落た事をするなぁ」
丘力居「こうやって兵士を見ながらの方が、教えやすくてなぁ
ほら、兵の気迫とか、そういうのが感じ取れるだろう?」
武安国「まぁ、確かにな。環境が変わると面白いものだな、修行というのも」
次は高覧に教われと言う。俺様の師匠は何人になるんだ?
193年8月
高覧は晋陽にいる。統治が良い為か、山賊も野党も出てこない。
晋陽に到着して、早速高覧に教えを請い、10日かけて統率について学ぶ。
高覧 「じゃあ、次は公孫度殿に教わって来ると良い」
武安国「公孫度って、前に襄平にいて公孫伯珪に滅ぼされた、あいつか?」
高覧 「ああ。今じゃ流浪の身だが、一応あの地方を治めてた人だからな。
匈奴を防いでいた実績もあるし、教わってみる価値はあるぞ」
武安国「そういや、あいつは今どこにいるんだろうな」
高覧 「この間、江夏にいるって手紙を受け取ったなぁ」
なんでそんな遠くに…近頃は修行よりも移動の方が日数かかっちまって大変だ。
193年9月
いざ江夏へ着いてみると、そこには誰もいなかった…長旅で疲れたってのに、目的の人がいないとは…
しかたなく宿を取って休む事にしたが、そこに高覧からの手紙が…。
高覧 「これを読んでるって事は、今は江夏にいるんだろうな。
お前が出て行ってちょっとしてから手紙が来たんだが、今は江陵にいるんだとさw」
おのれ、公孫度めっ!無駄足を踏ませやがって!
翌日江陵へ出立し、4日後に到着。目的の公孫度を見つけた。
武安国「うおおおっ!逃がさぁん!」
公孫度「なっ、いきなりなんだっ!?ってか、お前誰っ!?」
武安国「俺様に統率を教えろぉ!教え終わるまで何処へも行かさんぞぉ!」
公孫度「だから誰なんだよぉ!」
初めて会ったのにこんな事言われて…面食らったろうなぁ…ゴメン。
しかし無事に修行は修了。これで大手を振って業βへ帰れる。
帰路の途中、新野の辺りで山賊に襲われる。ヤッホゥ!
山賊 「おっと、ここを通りたかったら通行料を払っていきな」
武安国「…誰に向かって口をきいてるのか分かってんのか?」
山賊 「お前が誰だろうと知ったこっちゃねぇ!ここを通る時は天子様でも通行料を払ってもらうのさ!」
武安国「今まで払わなかった奴は?」
山賊 「いないね。まぁ、三途の川の渡し賃を払ってやった奴はいたがなぁ?」
武安国「ほぉ…じゃあ、俺様が通行料を払わずに通る初めての男になってやろう」
山賊 「ふざけた事抜かしやがって!ぶっ殺してやる!」
武安国「ふざけてねぇよ!ぶっ殺してやる!」
まぁ、こんな奴はチョチョイのチョイだ。
山賊 「ぐぁぁ、強ぇえ!許してくれ、もうこんなことしないから!」
武安国「よし、俺様の名を広めると約束するなら許してやる。
俺様の名は、『鉄槌』の武安国だ」
山賊 「げぇ!?あ、あの…分かりました、広めるから勘弁してください!」
どうやら改心したようだ。この俺様の慈悲に感謝して、名を広めてくれるに違いない。
その後は何事も無く、無事に業βへ到着した。
山賊 (くそっ、なんでこんな所に『食頭鬼』がいるんだよ…今日は厄日だぜ…)
193年10月
業βに着いた俺様はさっそく酒家に向かい、修行が終った事を親父に告げる。
親父 「おお、修了おめでとうございます。こちらは私からのご褒美です。
『蔚僚子』という兵書でして、統率が3上がります」
武安国「なぁ、親父…今回の5ヶ月の修行で上がった経験値はたったの75、
最初からソレをくれれば、こんなに時間掛からなかったんじゃないか?」
親父 「どうせ仕事も無くプラプラしてたんでしょ?
それに比べたら、有益な時間を過ごせたはずですよ」
くっ、このタヌキ親父め…儁乂の怖がり方も尋常じゃなかったし、絶対裏の顔を持ってるに違いない…
しかし、こうなると以前仇討ちで手に入れた『墨子』は不要になる。2しか上がらないし。
そこで大商家に行って売る事に。
商人 「おや、武安国様ではありませんか。どのようなご用件で?」
武安国「この『墨子』を買い取ってもらいたいのだが、幾らになる?」
商人 「ではちょっと拝見させていただきますね。ふむ…ほほぅ、綺麗なモンですねぇ」
査定の間に周りをキョロキョロ見ていたら、一つだけ高い棚に乗せてある書物を見つけた。
商人 「では買い取らせて頂きましょう。金額はこんな所で…どうしました?」
武安国「…なぁ、あの棚で偉そうにしてる書物はなんだ?」
商人 「ああ、最近入荷した『司馬法』ですよ。今回の目玉商品でして、統率が5上がりますよ」
武安国「なにっ、5も上がるのか!おいっ、『墨子』の買取と、この財布の中身で買えないか!?」
商人 「え?あ!ちょっと、財布の中身を撒かないで下さいよ!
…えーと…残念ですが、少々足りませんねぇ…」
武安国「じゃあ、この未開封の『蔚僚子』も売るっ!これなら買えるだろ!?」
商人 「読みもしないで売るなんてもったいない…
しかしこちらも商売ですからね、それでやらせて頂きましょう」
こうして手に入れたばかりの『蔚僚子』も売っ払らい、『司馬法』を手に入れる。
読まなくても統率が5上がるんだから、便利な世の中だよなぁ(違!)
193年11月
相変わらず戦が無くて平和すぎるので、子義を相手に組み手をする。
太史慈「どうやら『三段』を習得出来る基盤が出来たようですね。
どうです、習得してみませんか?」
武安国「おお、ようやく教えてくれる気になったか」
太史慈「私は前からその気でしたよ。武安国殿が要らないって言うから…まあいいです。
ただし、条件が一つあります。それは私との一騎打ちで勝つ事です」
武安国「よし、丁度体も暖まったし、早速やろうか!」
太史慈「では行きますぞ、せりゃぁ!」
武安国「むっ、さすが子義だな。やるじゃないか」
若者はやはり反応が良い。それに子義には膂力もある。
こちらの疾風撃を喰らっても微妙に体をずらしている為、大して効いていない様だ。
その反応速度に頼ってこちらの突きや斬撃を回避し、体制がくずれている所を狙って来る。
序盤はそのせいで劣勢に追い込まれるが、俺様とて伊達に戦乱を生き残ってきた訳ではない。
子義の手筋を読み取り、的確な手を打っていく。これこそが武術の真髄だ!
太史慈「これでどうだ!疾風撃!」
武安国「甘い!教本通りの手を打って倒される俺様ではないぞ?」
太史慈「むっ、疾風撃を受け止めるとは…
では、これではどうだ!ソリャソリャソリャ!」
武安国「ふんっ、腰の入っとらん攻撃なんぞ、いくら出されても怖くも無いぞ。
悉く弾き返してくれるわ、それっそれっ!」
太史慈「むぅ、ならばこの手ではどうだ!」
武安国「今度は力みすぎだっ!それっ、受け返しの手だ!」
太史慈「ぬおぉ…くっ、参りました。
流石は武安国殿です、私の方が勉強させて頂きましたよ」
武安国「子義も成長したな。この俺様との真っ向勝負で、すんでの所まで追い詰めるとは…」
こうして俺様は『三段』を習得。また余計に強くなってしまった。
最初は要らないなんて言ってたが、習得したらしたで使いたくてウズウズするな…
公孫伯珪の衛士で試し殴りしてくるか。
そう思って城門を潜ろうとすると、外から伝令が走ってきた。
伝令 「武安国様、大変です!寿春の袁術が『成』を建国し、皇帝を名乗りました!」
武安国「なんだと!?ハニーハンターのくせに生意気な…!」
伝令 「孫策から預かった玉璽を持っていた為に、あらぬ妄想を描いたのでしょうね」
武安国「そんな所だろうな。あんな小人のやる事だ、民衆に受け入れられる訳が無い。
まぁ、近い内に勝手に滅びるだろうさ」
なお、その出来事の少し後に、曹操の元で居候していた劉備が今上陛下に拝謁し、
一族として認められて皇叔と呼ばれているとの事。
あの大ボラでか耳手長猿の劉備が皇叔?んなアホな…
そうか、陛下…その詐欺師に騙されておられるのですな…おいたわしや…
いつかきっと、この武安国が真相を暴いて見せますぞっ!
193年12月
相変わらず主君からの呼び出しは無い。放任主義なのか?
公孫伯珪の衛士を苛める前に、酒家に寄ってそちら方面のバイトを探してみる。
親父 「ああ、丁度良いですね。平原の南東に山賊が出没するという噂があります」
武安国「何?ウチの勢力圏内じゃないか。そんなに治安が悪いのか?」
親父 「最近はここいらも物騒になってきてますよ」
武安国「まぁ、開発開発で税金は上がってきてるし、色んな奴も流れ込んでるしな」
親父 「つまり山賊出没の一因は、袁紹様から給金を頂いてる武安国様にもあると…」
武安国「おっ、おい親父っ!」
親父 「ははは、冗談ですってば。ではよろしくお願いしますね」
なんか変に責任を押し付けられたような感じだな…
まぁ、領内で不埒な事をする連中は、確かに俺様のような者が懲らしめてやらねばなるまい。
予定を変更して、山賊退治を優先する事にした。
衛士イジメは山賊が捕まえられなかった時にでもやればいいや。
そう思いつつ、平原から川を渡って泰山の辺りを探索する事二日、人影が飛び出してきた。
山賊 「やいやい、命が惜しけりゃ身ぐるみ置いていきなっ!」
武安国「こんな時期に裸になったら風邪ひいちゃうぞ?」
山賊 「風邪ひく程度で済むんだから有り難いと思え!グダグダ言ってるとブッ殺すぞ!」
武安国「黙れ下郎!この『鉄槌』の武安国の命、取れるものなら取ってみろ!」
山賊 「えっ、武安国って…あの…」
武安国「おお、そうだ。お前のようなゲス野郎でも知っているだろう?」
山賊 「ひぃっ、『食頭鬼』の化け物か!ぎぃゃぁぁぁ!おたすけ〜っ!」
武安国「なっ、なんだそのアダナはっ!二度とそんな事言えぬ様にしてやるっ!」
背を向けて逃げ出す山賊に非情の一撃が入る。
山賊でも相当弱い部類だったろうが、一発で仕留める事が出来た。
武安国「ハァ…ハァ…思い知ったか、この馬鹿者が!人の事を化け物扱いしやがって…」
小一時間ほど説教してやろうと思ったが、一撃で気絶させてしまったので、
やむなく縛り上げて帰還し屯所へ運んだのだが、打ち所が悪かったのか、
業βへ着いた頃には既に息絶えていた。本当に二度と言えないようにしてしまった…
そして退治した事を親父に報告。
親父 「一撃で始末したそうですねぇ、流石は武安国様ですな」
武安国「いや、殺すつもりはなかったんだけどな…怒りに任せて、つい…」
親父 「元々は、税金が払えなくて逃げ出して、それで山賊になった者かもしれないのにねぇ…」
武安国「おっ…親父が持ちかけてきた仕事だろっ!」
親父 「ええ。無辜の民が賊に襲われるなんて、放っておけませんからね。
おっと、こちらは報酬です。お受け取り下さい」
なんか嬉しくねぇ…なんでこう、チクチクと攻めて来るんだ、この親父…。
なんか忸怩たる気分のまま外に出ると、伝令がやってきた。
伝令 「武安国様、袁紹様がお呼びです。宮城までお越し下さい」
なんだろう?戦争かっ!…じゃないよなぁ…また訓練とかかな…
袁紹 「待っていたぞ、武安国」
武安国「訓練ですか?」
袁紹 「おお、その通りだ。この業βの弓兵隊の訓練をして欲しい」
まぁ、予想通りだ。そして予定通り、10日をかけて訓練完了。
そして年が暮れてゆく。
194年01月
年初めの評定が始まる。
袁紹 「先ずは去年の業績を見てみよう。一番は太史慈だな、良くやった!
他の者も、皆良く働いてくれたな。今年も頼むぞ」
俺様の名前は…ドン尻に控えていた…。まぁ、仕事してないもんね。
袁紹 「次に軍団方針だが、幽州攻略を方針とする。
なお、業βの方針は薊の攻略だ」
武安国「え、薊?御主君、なぜ南皮ではなく、更に先の薊なのですか?」
袁紹 「南皮の攻略は平原が行う。評定は以上だ」
反論すら許されないのか…業績ドン尻にはその権利すらないのね…(一番でもその権利は無い)
評定が終った後、訓練の完了を報告すると、次は歩兵隊の補充をしろという。
どうやら、人気は高まってはいるものの、徴兵となると話は違ってくるようだ。
実は、目標を超える為には私財を投げ打たねばならない為、補充の仕事の度に金が減っていく。
これじゃいつまで経っても金なんか貯まる訳が無い…ああ、もぅ!
むしゃくしゃした時は酒家!これ定番。
店に入ると、親父は酒を出す前に仕事を出しやがった。
親父 「ああ、丁度良かった。実は馬小屋をですね…」
武安国「よっしゃ、ひとっ走り行って来る!」
親父 「え、ちょっと?」
武安国「馬小屋だろ?って事は農地だろ」
親父 「それはそうですが…ちょっと待って下さいって!」
親父の話をロクに聞かず農地へ走って行き、オンボロの馬小屋を発見。その近くに年老いた農夫がいた。
農夫 「あやや?武安国様ではねぇですか?」
武安国「おう、これだな?問題の馬小屋ってのはっ!」
ド ー ン !
武安国「じゃ!」
農夫 「へっ?あえぇ?どういうこってすかぁ!?」
そしてまた走って酒家へ到着。
武安国「ただいまっと。馬小屋の解体完了!
さあ、金くれっ!」
親父 「えっ!誰がそんな事を!?」
武安国「え?馬小屋の解体の仕事だろ?」
親父 「違いますっ、修理ですよ修理!
もぅ…今からでも直してきて下さいよ。時間はまだありますから」
武安国「あ、それは無理だ…修復不可能な程バランバランに…」
親父 「…だから待ってって言ったのに…」
何故だろう。こっちで失敗する方が、なんか和む。
少なくとも俺様の懐は痛くないしな。(金は入らんけど)
194年02月
宮城へ行って歩兵の補充を完了した事を告げると、引き続きその隊の訓練を言い渡される。
また訓練かぁ…あいつ等、勝手に育ってくれないかなぁ…
武安国「補充、訓練、補充、訓練、補充、訓練…ずっとこの繰り返しだなぁ」
親父 「だからウチに来てるんでしょ?
って事で、農地の岩をどかす仕事をやってみませんか?」
武安国「なにが『って事で』で仕事の話に繋がるんだか知らんけど…
まぁ、俺様の鍛錬になるしな。よし、ちょいとやってくるか」
農地へ行くと、つい最近見たような年老いた農夫が…
農夫 「あ、武安国様でねぇですか!オラんちの馬小屋ぁ…」
武安国「いや、その節は…スマン!あの時は俺様の早とちりでな…
今回はキッチリ働くから、それで勘弁してくれ…な?」
農夫 「本当ですがぁ?ごの辺一帯にある岩を外にはごぶ仕事なんですけんどね?」
武安国「この辺、一帯…?アレとか、アレとか、むこーーーーの方にあるアレもか?」
農夫 「んだぁ。よろすく頼んます」
前みたいに2,3個かと思っていたが、今度はやたらとあるぞ…
しかし、10日程で全て終了。農夫も満足しているようだ。
武安国「今回の事で、この間の馬小屋の事は許してくれんか?」
農夫 「ええ、結構でずともぉ。まんず、ありがとうごぜえやしたぁ」
酒家に戻って報告。親父っ、あんなにあるなんて聞いてないぞ!
親父 「私だって幾つあるかなんて聞いてませんよ。
ただ、『大きな岩をどかして欲しい』って依頼が来ただけなんですから」
本当かよ…?
194年03月
統率修行の時に世話になった丘力居が死去。洒落っ気のある楽しい奴だっただけに、残念だ。
丁度歩兵の訓練が終った時に、伝令が急報を持ってきた。
伝令 「曹操の元にいた劉備が下ヒを奪って旗揚げし、曹操から独立しました!」
武安国「なに?あのデカ耳、なにをトチ狂ったんだ?」
伝令 「それと、劉備は我が君との同盟を望み、我が君はそれを受け入れたとの事です」
武安国「なんだとっ?あんなのと組んだってロクな事にはならんのに…」
伝令 「なお、我が君から武安国様に伝言です。
『反論は聞かん』だそうです」
先に釘刺されちまった…しかし御主君、そこまで俺様の事を分かってるなら、
戦しようぜ、戦!とりあえず南皮!南皮!
訓練完了の報告の為に宮城へ行く。
袁紹 「むっ、武安国。劉備殿との同盟に関しての反論なら聞かんぞ」
武安国「いえ…歩兵隊の訓練が終りましたので、ご報告を…」
袁紹 「あ、ああ、そうか…では、治安回復に向かってくれ」
武安国「治安回復ですか?今でもそこそこ良いですし、何も焦ってやらなくても…」
袁紹 「審配がな、劉備殿はすぐに曹操に潰されるだろうと言っているのだ。
そうなると頼って逃げてくるのはこの業βだ。
その時に盗人などの噂が絶えない様では恥ずかしいではないか」
そこまで分かっててなんで同盟なんか組んじゃったのよ、ぼっちゃん!
治安回復の仕事を任されたが、今でもそこそこ良いので見回り程度しかやる事がない。
見回りがてらに酒家に寄ると、
親父 「やぁ、武安国様。相変わらず仕事もせずにプラプラしているようで」
武安国「こう見えても公務中だっ!この街の治安の為に見回りをしている所なんだよ」
親父 「おお、なら丁度良い仕事がありますよ。屯所の兵達に弓を教える仕事です」
武安国「なんだ、確かに丁度良いな。よし、やるぞ」
親父 「あ、先に言っておきますけどね、高等技術じゃなく、基本で良いんですからね。
前回みたいな失敗はしないで下さいよ?」
武安国「それは屯所の連中の腕前を見てから決める事にするよ。
しかし、よくそんなの覚えてるな…いつの話だ?」
親父 「3年前でしたかねぇ…確か、武安国様が業βにいらしてすぐの頃ですよ」
本当に、良く覚えてるな…ねちっこい親父だ…
屯所に戻って早速弓の訓練を行う。
よくみりゃ、3年前とは面子が違うようだ。なんというか…昔よりもガラの悪い連中が多い。
そのせいなんだろうか、今回は本当にダメな連中ばかりだ。弓を引く事すら満足に出来ない者が多い。
武安国「いいか?左腕は泰山を乗せる如く、右腕は赤子を抱える如く、この構えが重要だ。
さあ、やってみろ」
衛士 「武安国さまぁ、オレ利き腕逆なんスけどぉ」
武安国「…じゃあ構えを逆にすりゃ良いだろ…」
衛士 「それとぉ、泰山とか何とかって乗っけた事ねぇし、赤ん坊なんて抱いた事もねぇんスけど」
武安国「俺様だってねぇよ!良く見ろ、こうだっ!こう!」
ホント、バカばっか…こんなんで野党が襲ってきた時に城門守れるのか?
武安国流弓術を教えるどころか、基本を教える事すら難儀だったが、どうにか飲み込めたようだ。
衛士 「アザーッス!おかげで百発百中とまではいかねぇッスけど、かなり上達したッス!」
武安国「お前は当たったり外れたり、半分半分じゃねぇか、百発百中なんて程遠いだろ。
まぁ、今だったら構えるだけで威嚇にはなるだろうさ。今後も精進しろよ」
ま、本当はまだまだなんだが、本人達は上達してると思ってるし、
それが自信になって上達に繋がるからな。今回はコレで良しとしとこう。
とりあえず酒家に行って成功の報告をする。
親父 「おっ、いかがでしたか?」
武安国「俺様から見ればまだまだだがな、本人達はあの出来で満足しているようだったぞ」
親父 「やはりそうでしたか。実はついさっき、チラッと覗きに行ったんですが、
皆さん良い構えをしていたから、これは上手くいったな、と思っていましたよ」
3年前の失敗を繰り返さないか、わざわざ偵察に来たのか?本っ当にねちっこい親父だな…
それに、分かってるなら「どうだった?」なんて聞くなよな。
酒屋の親父は凄腕の元ヒットマンと見た
194年04月
とりあえず公務である治安回復の報告の為、宮城へ赴く。
袁紹 「おお、終ったか、ご苦労。次は…上党で騎兵隊の新設をしてきてくれ」
武安国「御主君、此処での仕事は無いのですか?」
袁紹 「あるにはあるが…武安国、近う寄れ…
(実はな、上党で不穏な動きがあるというのじゃ…それを調べてきて欲しい)」
武安国「なんと…承知いたしました。早速上党へ向かいます!」
なんだ、結構頼りにされてんじゃん、俺様ちゃん♪
袁紹 「沮授の言う通りだな」
沮授 「いや、あれほど簡単にいくとは…」
出かける前に酒家の親父へ挨拶に寄ってみる。ついでに金稼ぎのタネがあるの良いのだが…
親父 「ほほぅ、上党へ出向ですかぁ。なら丁度良い、また山賊退治の依頼が来てるんです。
晋陽の南東、つまり上党の北東の辺りで出没しているらしいんですよ」
武安国「なるほどな。まぁ、どちらにも近いし、行きがけの駄賃って所だな。
よし、引き受けたぞ」
親父 「報酬は金500、期間は90日です。よろしくお願いしますね」
武安国「なに、公務を含めてもそんなにかからんさ。ひと月くらいで帰ってくるよ…
って、なに手を合わせてるんだ?」
親父 「ああ、近頃入ってきた浮屠(仏教)という教えのものでしてね。
あの世に行く人へのお祈りたいなものだそうですよ」
武安国「なっ!?勝手に俺様を殺すなっ、縁起でもねぇ!」
親父 「ははは、山賊に対して祈ってやったんですよ。どうせまた殺しちゃうんでしょうから」
ちっ、絶対生かして業βまで連れて来てやるっ!
上党での騎兵隊の新設をさっさと終らせ、地域の情報を集めてみるが、何も不穏な動きなどない。
やむなく上党の北東へ向かって山賊を探して回る。
3日目に、晋陽のすぐ近くの山から人影が飛び出す。キタコレ!
そしてお決まりの、前口上っていうのか?「金置いてけ」ってアレを言うんだが…
なんかカミまくってるし、おまけに腰が引けてる。
見てるとなんか可哀想になってくる…なので、三段を出すまでも無く、さっさと叩きのめした。
武安国「観念しろ、この山賊めっ!」
流賊 「ひぃ、許して下さいっ!つい出来心でっ」
武安国「お前の悪行は業βにまで知れ渡っているのだ!さあ、業βの屯所まで来てもらおうか」
流賊 「そんなっ、私は初犯なんですっ!本当なんですっ!
年老いた母を食べさせる為に、やむなく…うぅぅ…」
武安国「え、お前じゃなかったの…?俺様を騙してない?」
流賊 「その山賊ってのは、もう少し南東に行った所を根城にしてる奴に違いありませんっ
あいつらに私の妻もさらわれて、ついヤケになって…すみません、すみません!」
武安国「じゃあいいや、帰れ。お前を連れて帰っても一文にもならんし。
その代わり、嘘だったら承知しないぞ?必ず見つけ出して家燃やしてやるからな」
流賊 「ゆ…許してくださるんで?ありがとうございます!
あの…良かったら、ご尊名をお聞かせ下さいませ」
武安国「俺様は『鉄槌』の武安国だ。覚えておけ」
流賊 「あ、あの高名な武安国様でしたかっ!失礼致しました!」
よく見りゃこの男、大して物を食っていないようで、かなりやせ細っていた…
最初からおどおどしてたし、初犯ってのも、まぁ本当だろう。
しかし、こんな片田舎の奴にすら名が知れ渡っているとは…なかなかじゃないか、俺様!
先ほどの男の言う通りに南東に進むと、にやけた顔の男が道を塞いだ。今度こそキタコレ!
山賊 「は〜い、待った待ったぁ。いやぁ、良いモン着てるじゃないのよ、ねぇ?
って事でさぁ…その服と有り金、そっくり置いていきなっ!」
武安国「やっと見つけたぞ、お前が近頃この辺りを騒がせている山賊だな?」
山賊 「へぇ…オレ様も有名になったもんだ。賞金稼ぎに狙われるとはなぁ」
武安国「お前が素直に俺様の前に現れないから、関係ない奴まで叩きのめしちまったんだぞ…
全く、はた迷惑な奴だ…」
山賊 「どっちがはた迷惑だよ、おめぇが勝手に勘違いしたんだろ?
まあいいや…おめぇを叩きのめして、更にハクをつけてやるぜっ!」
そう言って意気揚々とかかって来たのだが…弱い、弱すぎる…
折角だから三段の練習をしようと、その機会を待って防御していたんだが…
この野郎、口だけは減らねぇ…
山賊 「おらおらぁ!その程度の腕で賞金稼ぎかぁ!?」
武安国「その程度の腕、だと…?そりゃこっちの台詞だ、この(ピー)!
ああっ、もう三段の練習なんぞやめだっ!神速撃!疾風撃!」
実際には、連続で出したら威力はあまりないのだが、こいつ弱いからな。2連撃で十分だ。
山賊 「ぐはぁ、そんなばかな…オレ様がこんな簡単にやられるなんて…
てめぇ何モンなんだ…」
武安国「俺様の名は『鉄槌』の武安国。貴様なんぞ鼻息だけで殺せるぞ」
山賊 「あ、あの『食頭鬼』だって!ひぃっ!やめて、殺さないで!
なんでもしますから食べないでぇっ!」
武安国「てめぇっ!俺様を化け物みたいな名で呼ぶんじゃねぇ!」
いっそ鉄槌で打ち殺してしまおうかと思ったのだが、
親父「ほ〜ら、やっぱりね」
と、得意気になっている親父の顔が頭に浮かんだので止めておいた…
それに、ちょっと間を置いたおかげで気が付いたが、もうコイツは逃げる事も忘れているようだ。
頭を抱えてガタガタ震え、ひたすら「許して」とか「食べないで」とか言っている。
少し面倒だったが、馬に乗せて縄で括り付け、業βへと帰ることにする。
しかし…「頭を食う鬼」って、どこでそんな名が付いたんだ?
194年05月
業βへ着き、屯所へ山賊を引き渡した後に、宮城で騎兵隊新設の報告をする。
袁紹 「うむ、良くやってくれた。しかし、規定の人数には達していないようだな」
武安国「規定の人数?そんなものありましたっけ?」
袁紹 「1700人以上、と、令書には書いておいたはずだが、1300人程度しか集まっておらんぞ?
まあよい、次はこの業βの治安回復に向かってくれ。
お前が居ない間、治安担当がいなくてな、また悪くなってきた」
武安国「はい、かしこまりました。ところで…
(上党では反乱などの噂はありませんでした。)」
袁紹 「ん?…ああ、そうだったそうだった。うむ、報告ご苦労」
武安国「では、治安回復に行ってまいります」
袁紹 (あいつ、全く気づいていないな。外に行かせる時は、暫くこの手で行こうか?)
沮授 (そうですね…ここまでハマるとは予想外でしたが…)
宮城から出ると、俺様の姿を見止めた伝令が駆け寄ってきた。
伝令 「申し上げます!曹操暗殺を目論んだかどで、董承殿が処刑されました!」
武安国「なんだと…俺様の獲物を横取りしようとした奴がいたのか…」
伝令 「あ、いや…そ、それと、その暗殺計画の連判状が発見され、
その中に劉備殿の名があったとの事です!」
武安国「デカ耳までも俺様の獲物を狙っていたというのかっ!」
伝令 「あの…劉備殿と曹操の抗争は必須と思われます。
したがって、劉備殿と同盟を組んでいる我々も、その飛び火を被るのではないでしょうか」
武安国「そうだな…という事は、曹操軍と干戈を交える日も近いという事か・・・」
まぁ、焦らずに待つとするかな
治安の仕事がてら、酒家に寄って山賊退治の報告をする事に。
親父 「おお、聞きましたよ。今回は殺さずに連れてきたんですって?」
武安国「そう毎回毎回殺してしまっている訳ではないぞ…
前回はたまたま殺っちゃっただけなんだって。」
親父 「ええ、ええ。そうでしょうとも、そうでしょうとも。
武安国様ともあろうお方が、むやみやたらに人を殴る事も無いでしょうし、
膂力が桁外れているからって、手加減が出来ない程未熟じゃないですものねぇ」
武安国「なんか棘のある言い方だなぁ…」
親父 「おや?何か間違っている事でも言いましたかな?
そうそう、こちらが報酬です。お受け取り下さい」
だって、なんでも見透かしてるような気がするんだもんな、この親父。
武安国「ところで、一応公務中だから聞くんだが、怪しい奴とか見かけないか?
ここは余所者の出入りが激しいからなぁ」
親父 「(急には振り向かないで…あの隅にいる客、ちょっと怪しいんですよ)
確かにそうですけど、多すぎていちいち見てられませんよ」
武安国「(…確かに、漢人の顔つきじゃないな…アレは匈奴か月氏辺りの顔つきだ)
ははは、それもそうだよなぁ」
親父 「(私の睨んだ所では、馬騰軍の者かと思われます)
仕事もせずに昼間っから入り浸ってタダ酒喰らってる、怪しい将軍なら知ってますがねぇ」
武安国「(俺様の事かよ!)」
親父 「(ちょっと!上手くいってたんだから途中で止めないで下さいよっ!)」
武安国「(スマン、つい…って、言葉を選べよっ!)」
しかし、確かに先程からチラチラとこちらを伺っているようだし、
酒を飲む時の動きや座り方も、何か警戒しているように見える…。
そこで、俺様は思い切って、そいつの席まで行って話かけて見る事にした。
武安国「ちょっと兄さん、あの親父酷いんだよぉ…俺様は酒が飲みたくて来てるだけなのにさぁ」
余所者「はは、ははは…」
武安国「ところで兄さん、何処から来たんだい?この辺りじゃ見かけない顔だが?」
余所者「あ…北海です。今年、思い切って大都市で働こうかと思って上京して来たんです」
武安国「へぇ、北海かぁ…北海には長くいたのかい?」
余所者「え、ええ…生まれも育ちも北海ですよ」
武安国「その割には北海訛りがねぇな…それに外に繋いであるあの馬、兄さんのだろ?
あれは北海なんかじゃ手に入らない種だぞ?」
余所者「は、ははは…将軍様は都会暮らしで、北海なんて田舎は良くご存じないでしょうが、
北海でもあれくらいの馬なら手に入りますよ。悪い冗談はお止め下さい」
武安国「冗談なものか。俺様は袁紹軍に来る4年前まで、北海で生まれ育ったんだよ。
だからあそこの事は良く知っている。貴様、何者だ!」
そう決め付けられるが早いか、男は茶碗に入った酒を俺様に引っ掛けて逃げ出そうとした。
一瞬目を潰された俺様は慌てて奴を引っ掴もうとしたのだが、その手は空を切る。
既にすり抜けられていた、そう悟った俺様は奴を追う為に、先ず視界を取り戻そうとした。
幸い目には入らなかったので一拭いで視界は回復したが、奴は既に出口の近くまで走っている。
その手には短刀が握られており、出口にいた何者かに切りかかろうとしているようだった。
この俺様の巡察中に怪我人なんか出されてたまるかっ!
慌てて追いかけようとしたその時、男は走るのをやめた。
その手の短刀は音を立てて落ち、男は膝から崩れ落ち、前のめりに倒れていった。
切られそうになっていた者がその向こうにいたのだが、出口からの逆光で姿がよく見えない。
近くに行くまでは『随分と小さい奴だ』と思っていたのだが、姿をハッキリ見た俺様は驚愕した。
そいつは重心を落として半身に構え、右掌を突き出していたのだ…
え…おっ、親父っ!?
親父 「この店での狼藉は私が許さんっ!」
武安国「お、親父…無事、だったか…?」
親父 「全くもう…武安国様、いきなりすぎますよ…。こいつのねぐらを突き止めてからにするとか、
他の衛士達を連れて来てからにするとか、色々やりようはあったでしょう?」
武安国「あ、ああ…しかし親父、あんた一体…」
親父 「ほらほら、早く縛るなり何なりしないと。…ああ、縛るものがありませんでしたね。
え〜と、こいつの帯で良いかな、他には見当たらないし。(シュルシュル…)
はい、武安国様。早く縛っといて下さいよ」
武安国「あ、スマン…」
俺様があっけに取られつつ、手渡された帯で男を捕縛している間、
親父は他の客に侘びを入れたり、散らばった茶碗を片付けをしたり、笑顔で談話していたりしていた。
こうして見るといつもの親父なのだが…
そういえば、儁乂が妙にこの親父を怖がっていたっけ…
あんた、この男より怪しいよっ!
親父萌えw
親父は袁紹の変装だったりして
俺も思ってたw
毎度、読んで頂いてありがとうございます。
なんだか酒家の親父が好評なようですね。
メインの武安国が霞んでしまい、まるで「酒家親父伝」になりかけているようでw
なお、酒家の親父と呼んでいる者は、ゲーム中では「有力者」となっております。
しかし、この酒家以外には登場しない為、「酒家の親父」としております。
なお、
>>322の「そんな、武安国様ならと思ったのに!私の面目丸つぶれですよ!」
という台詞は、本当にゲーム中で親父が発言しております。そこからキャラが広がったって感じですね。
>>377>>378 なるほど…確かにそれも面白いですねwそこまで考えてはいませんでした。
出向する方面でのバイトがあるのは、本当にただの偶然です。
面白そうな結果が出るまでロード、といった事も一切しておりません。
この親父を三国志の人物に当てはめるのか、タダの食えない親父に徹するのか、
それは今後の展開で決めようと思います。
(少なくとも、先に出された『実は袁紹』は使いません。分かっちゃったらつまんないでしょ?)
では失礼して、続きを投下します。
194年06月
怪しい男を引っ立てて屯所へ向かう途中、伝令が息を切らせて駆け寄ってきた。
伝令 「小沛が曹操の手によって陥落し、劉備殿が袁紹様を頼って落ち延びてこられました。
そこで、今後の事を協議する為、全員今すぐ宮城へ出仕せよ、という袁紹様のお言葉です」
武安国「やはりデカ耳じゃ曹操には勝てなんだか…まぁ、逆の立場になったら曹操でも無理だろうが。
分かった、こいつを屯所へ預けたら直ぐに出仕する」
縛り上げた男を屯所に預け、尋問は後でやる事にして、急いで宮城へ行って見たが、既に全員集まっていた。
中央に御主君が座り、その横にあり得ない程デカい耳が立っていた。
袁紹 「武安国、遅いではないか」
武安国「馬騰軍の者と思われる間者を捕まえておりましたので、少々遅れてしまいました」
劉備 「何、馬騰殿の?その者の目的は聞きだせましたか?」
この野郎、落ち武者の分際でしゃしゃり出てそんな事聞くんじゃねぇ。でかい耳(顔)しやがって!
武安国「はぁ?なんでアンタにそんな事言わな」
袁紹 「武安国!劉備殿に失礼であろう!
して劉備殿、何故そのような事を聞かれるのだ?」
劉備 「馬騰殿は、それがしや処刑された董承殿同様、曹操暗殺の密勅が下された事を知って、
血判状に名を連ねた人物です。もしかしたら、袁紹殿へのつなぎの者だったのかも知れません」
袁紹 「なんと、曹操暗殺の密勅が下されたというのは事実だったのか…
我が手の者からその報は受けていたが、これでハッキリした。
沮授に審配、おぬし達は後ほどワシと劉備殿と共に屯所へついて参れ」
なんか…とんでもない奴を捕まえちゃったのか?そんな奴に一撃入れちゃった親父って…
武安国「あの、御主君…そんな事とは全然知らなくて…」
袁紹 「ん?…ああ、間者を捕まえた事なら気にするな。お前は自分の仕事をやったまでだ。
馬騰殿と劉備殿の繋がりなんてワシも知らなかったのだしな。
むしろお前が捕まえなければ、誰も知らないままに終るところだった。
それに、まだ劉備殿やワシ宛の間者かどうかもハッキリしていないしな。
何はともあれ、よくやってくれた。ご苦労だったな」
どうやらお咎めは無いようだ。よかった、と安堵していた所に伝令が駆け込んできた。
伝令 「申し上げます!下ヒ城陥落!関羽殿の行方は不明!」
劉備 「何っ、雲長までもが!ああっ、天は我を見捨てたもうたかっ!」
袁紹 「劉備殿、気を確かに持たれよ!まだ死んだと決まった訳ではないぞ。
生きてさえいれば、いつか必ずまた集う、そういう仲ではないか、貴公らはっ!
…そういえば張飛殿はいかがなされた?」
劉備 「翼徳はそれがしと共に曹操迎撃に出て、乱戦の中に見失なってしまいました。
彼も今は何処にいるのか、生きているかどうかすら分かりません…」
袁紹 「そうか、気の毒に…しかし、あの呂布をも退けた豪勇二人、そう簡単に死ぬ訳がない。
必ずどこかで生きているはずじゃ」
劉備 「うぅぅ…お心遣い、感謝いたします…」
ウゼェ、なんだこの三文芝居…御主君も御主君だ、「豪勇二人」って…
あいつ等、三人で寄ってたかって呂布に逃げられたんじゃねぇか。
俺様は一人で戦って引き分けたんだよ?あいつ等なんて大した事無いってば。
なのに御主君ってば、「彼らが見つかれば我が陣営に来るよな?」なんて、
目をキラキラさせてるんだからなぁ…はぁ…
結局、先ずは捕まえた男の取調べをしてからという事になり、今後の方針云々は無くなった。
全員が退出した後、俺様には次の仕事を割り振られる。
袁紹 「武安国、おぬしのおかげで随分と治安が良くなった。
次は上党で騎馬隊の訓練をしてきて欲しい。
ひょっとしたら馬騰軍からの使者が通りかかるやも知れんから、
その時には丁重にもてなして、業βまで連れてきてくれ」
武安国 「ははっ、かしこまりました」
外交の一端を担わせる程に俺様を信頼しているのか、うれしいねぇ。
そして上党へ向かう前に酒家へ。親父〜、大変な奴に一発入れちゃったぞぉ?
親父 「はて…?私は『馬騰軍の使者』なんて方には何もしていませんよ。
刀を振り回す狼藉者にお休み頂いただけですって」
…なるほど、そうやって逃げるか…
武安国「で、今度はまた上党へ行くんだが、何かついでにやっていけそうな仕事はあるか?」
親父 「また山賊退治の依頼が来てますよ。なんだか近頃は多いですねぇ」
武安国「そうだな、ついこの間もやったし…言っとくが、賊が増えてるのは俺様のせいじゃないぞ?」
親父 「さぁて、それはどうだか…」
武安国「ちと待てっ!『それはどうだか』ってどういう意味だよっ!」
親父 「ん?何か心当たりでもあるので?
場所は上党の東側です。では、よろしくお願いしますね」
くっ、とぼけやがって…前に、税金で食ってる俺様もその一因だ、みたいな事言ってたくせにっ!
酒家を出ようと戸を潜った時、何故か背後が気になった…
親父 (-人-)合掌
だから手を合わせるなってのっ!
いざ上党へ。と、旅路に出た二日後に、目的の山賊にバッタリ出会った。
武安国「お前よぉ…なぁんで帰りじゃなくて行きで出て来るんだよぉ。
仕事終わってから、改めて出直してきてくんない?」
山賊 「って事は、今なら懐が温かいって事かぁ?
ならこっちには好都合だぜ、オレの言いたい事は分かってんだろ?」
武安国「分かってるけどさぁ…しょうがねぇ、お前を叩きのめして業βへ連れて帰ってから、
こっちの仕事に行くとするか」
山賊 「はっ!出来るものならやってみなっ!」
武安国「ええ、出来ますともさ。ほら、かかって来い。ほらほら、早くぅ〜ん」
山賊 「この野郎、舐めやがって!ぶっ殺してやる!」
なんか、積極的に出る気が起きなかったので、暫くのらりくらりとしていたのだが、
あちらが必死で頑張っているので、10合目位でようやくその気になってきた。
武安国「よし、ご苦労!やっとやる気が出たから『三段』の餌食になってくれ」
山賊 「ハァ…ハァ…ふ、ふざけやがって!今度決着つけてやるっ、覚えてやがれっ!」
武安国「そうは行くかっ!それっ、三段突き!」
う〜ん…そういや向こうはもう体力もなかったんだよね。威力が分からん…
一応捕まえたし、ちょっと勢いありすぎて気絶しちゃったけど、このまま屯所へ連れて行く事に。
そして酒家へ報告。
親父 「あれ?まだ上党へ行ってなかったんですか?」
武安国「それがな…業βを出て二日目で絡まれてなぁ。まだ公務もしてないのに」
親父 「ああ、なるほど。でも、本当は公務よりも優先して頂くとこちらとしてはありがたいんですよ。
武安国様が退治しない間、どれだけの人が泣く事になるか…」
武安国「それはそうだな。うん、早いに越した事はないな」
親父 「おかげで、あちらのような女性でも一人旅が出来るというものですよ。
では、こちら報酬の金500です」
武安国「ん?あの女…蔡文姫ではないか?おーい、蔡さ〜ん」
蔡文姫「あら、武安国様ではありませんか?こんな所で奇遇ですわね」
親父 「お二人ともお知り合いだったので?蔡文姫様もウチのお得意様なんですよ」
武安国「実は長安で一度会ってな。業βで見かけるのは初めてだが、常連だったのか?」
親父 「蔡文姫様は良く詩を謡われておられましてね、お父上の蔡ヨウ様の文才を凌ぐ程ですよ」
蔡文姫「いえ、私なんてまだまだ…武安国様もこちらに良くいらっしゃるのですか?」
武安国「あはは、まぁな。俺様の場合は、タダ酒飲んで親父の依頼を受けてるんだけどな」
親父 「酒を飲んで詩を謡う方もいれば、酒を飲んで暴れて血を見るのを望む方もいる。
いやはや、とかく様々な人がいるから、この世は面白い」
武安国「…親父、その『血を見るのを望む』って、まさか俺様の事じゃないよな?」
親父 「多分違うと思いますよ?」
武安国「多分?絶対俺様の事を言ってるだろっ!」
蔡文姫「まぁ…武安国様って、そんなお方だったのですか…?」
武安国「い、いやっ、違うっ!別にそんな事望んでないしっ」
親父 「ははは、武安国様は悪を退治する事を望む方ですよ。血を見てしまうのは、まぁ…おまけですよねぇ?」
武安国「あっいかん、俺様にはまだ上党の公務が残ってたんだ。これで失礼するっ!」
そそくさと酒家から出てきたが…何てこと言いやがるんだ、あのオヤジめっ!
なんかかっこ悪いなぁ、いい様に口先でもて遊ばれて…
そういえば、初めて蔡文姫にあった時に『詩の勉強をしてみては?』って言われたっけなぁ。
う〜ん、詩かぁ…勉強したら、あのオヤジをへこませる事も出来るようになるんだろうか?
そんな事を考えながら上党へ向かい、騎馬隊の訓練をこなす。馬騰の使者は来なかった。
訓練が終った頃、許攸が上党太守に任命されたとの報告が来た。
また、他にも人事異動があったようだ。俺様は相変わらず業β所属らしい。
194年07月
騎馬隊訓練の任務完了を報告すると、次は業βの治安回復の任務を任された。
袁紹 「やはりお前に任せるのが良いと思ってな。
だから今回の人事でも、お前は移動させずに業βに残ってもらったのだ」
武安国「ご信頼頂きまして、恐悦至極に存じます」
なんだかんだで俺様をそばに置いておきたいらしい。
前に北海で治安をやってた時は『お巡りなんか』と思っていたのだが、今では結構楽しんでいる。
そして巡回路に酒家を組み込んだ俺様は、おおっぴらに酒家にいる事が出来るという訳だ。
そういう訳で今日も来たぞ〜、親父〜。
親父 「あ、武安国様!今、市場でごろつきが暴れているそうなんです!
報酬は金100っ、お願いします!」
武安国「よしっ、ちょっと待ってろ!」
本当は公務の一部なんだけどな。ククク…
市場に着くと、店を破壊している破落戸(ごろつき)と、そいつに殴られたのか、鼻血を流している商人がいた。
破落戸「おらおらぁ!こんな店、ブチ壊してやる!」
商人 「ああ、止めてくれっ!ウチの店がぁ…誰かっ、誰か助けてくれぇ!」
武安国「おい、止めないか」
破落戸「あぁ?誰だ、て…ひっ、ぶっぶぶぶぶぶっ!」
武安国「『ぶぶぶぶ』じゃねぇ!その慌てようは、俺様を知っているって事だな?」
破落戸「あ、はいっ武安国様!へへへ…なんか御用で?」
武安国「なにが『なんか』で『御用で』だ。貴様こそ何をしている」
破落戸「いやなに、なんでもねぇんですよ…そいじゃ、アッシはこれで…」
武安国「待てぇいっ!こんなに派手に店ぶち壊しておいて『なんでもない』だと?
なんでもない訳が無いだろうがっ、懲らしめてやる!」
破落戸「ひぃ、すみませんっ!もう二度とっ、心を入れ替えますから勘弁してくださいっ!」
武安国「許してやらない訳でも無かったけどな、店を破壊し、更にはそこの商人を殴りつけた癖に、
そのまま逃げようとした性根は叩き直さねばならん。
その戒めを体に刻み込んでやる!」
と、おもーい一発を叩き込んで勘弁してやった。
そして酒家に報告。中ではむくれた親父が頬杖をついて待っていた。
親父 「武安国様、公務の巡回中だったんですって?なら金はいいですよね?」
武安国「確かに公務中だったけど、契約は契約だろ?だから金くれ」
親父 「ひどいなぁ、公務中だって言ってくれても良いじゃないですか」
武安国「親父…確か、商人って言うのは信用第一だったよなぁ…?
いきなり一方的に商談を持ちかけたのに、こちらが果たしても『お支払いしません』ってか?
あ〜あ、信用がおけないなぁ、この酒家はぁ!全く、商人の風上にも…
酒に何か混ぜてるかもなぁ…おっ?この肉料理にはちぢれ毛が…」
親父 「ちょっ!分かりましたよ…ちゃんとお支払い致しますよ…」
よし、親父に一泡吹かせてやったぞっ!
ふふふ、今まで俺様を小馬鹿にしてきた軽い罰だっ!ザマを見ろw
親父 「もぅ、今後はこんなのは勘弁してくださいよね。これじゃ強請りと変わらないじゃないですか」
武安国「なんだよ、俺様は別に悪くないだろうが。親父が金を出し渋ったりするからだよ」
親父 「分かりましたよ、もうこの話はお終いにしましょう…
そういえば公務中なんでしたよね?なら、お酒は出せませんので悪しからず。
さあさあ、早くお仕事にお戻り下さいな」
くっ、そう返してきたかっ。親父め、ただでは転ばないな…まだ完全勝利には程遠い。
その後も巡回を続けたが、どうやら不埒な連中は俺様に恐れをなしているようでなんの事件も起きない。
つまらないが、着実に治安は良くなっているので良しとしよう。
194年08月
治安回復の終了報告をしに宮城へ。
袁紹 「うむ、やはりお前に頼むと直ぐに治安が良くなるのぅ。ご苦労だったな。
次の仕事だが、薊の諜報をして来て欲しい。
南皮の情報は集まったのだが、その向こうの情報が乏しくてな」
武安国「しかし、そのような任務でしたら俺様よりも、沮授殿や審配殿の方が向いているのでは?」
袁紹 「沮授や審配では、いざと言う時に逃げられずに捕らえられそうでな。
そこで武芸に秀でたお前に頼みたいのだ。お前なら敵中からでも突破できるであろう?
いや、いっそ向こうの将を叩き殺す事も出来ようて、なっ?」
武安国「なるほどっ、そこまでお考えでしたか!こちらの考えが足りませんでした。
それならば俺様の出番ですなっ!」
袁紹 「よし、頼んだぞ(ホント、おだてると木にも登るな)」
こうして薊の諜報へと出かける事になり、いつも通り酒家にソッチ方面の仕事が無いかを聞きに行く。
親父 「ほぅ、今度は敵地ですか」
武安国「うむ。また衛士に止められるだろうが、その時はこの鉄槌が…ふふ…ウフフフフフ…」
親父 「ちょっと…今から既に目が妖しいですよ?
しかしなんですねぇ、見咎められる度に撃ち倒してしまうのも問題ではないですか?
賄賂を贈って見逃してもらうとか、そういう手もあるんですし」
武安国「そんな事言ってもなぁ…敵にくれてやるような金なんか無いぞ?
それよりも、あっちの方の仕事は無いのか?いつも通りの山賊退治とか」
親父 「今回は無いですねぇ。農地の岩どかしとか、汝南から牛を連れてくるとか、
そういった件ばかりで、北方の仕事はありませんね」
武安国「そうか…まぁ、たまには良いか」
いつもの服から一般人の着る様な服に着替えて業βを出発。
南皮を避けて通って薊に着いて、城門での検査の列に並んでいる時に伝令が知らせを持ってきた。
曹操軍の陳登が寿春を落としたという。伝令は気を使っていたのだが、それでも衛士の目には着いたようだ。
衛士を見ながら何か言っている態度が気に食わなかったのか、衛士が詰め寄ってきた。
衛士 「おいっ、何こっちを見てコソコソと話してやがるっ」
武安国「誰がコソコソしている。俺様は常に堂々としているぞ?」
衛士 「なっ、確かにデカイ態度してやがる…貴様ら、名はなんという?」
武安国「俺様は『鉄槌』の武あいたっ!」
不意に伝令に尻をつねられた為、つい叫んでしまった…
俺様は伝令を睨みつけたが、伝令の目は真剣そのもの。あっ、本名を名乗っちまう所だったのか…
衛士 「は?何だって?」
武安国「いや、俺様は…鉄…武…、そうっ、俺様の名は武鉄だっ!うん」
衛士 「武鉄ねぇ…聞かん名だな…。そっちのお前は?」
伝令 「李銅と申します。いやなに、『警戒が厳重ですね』と言っていただけですよ」
衛士 「ふぅん…ま、いいや…ところで、ここでは荷物検査をしてるんだがな、
どうだ、面倒な事は抜きにして通りたくねぇか?」
衛士はそういうと、周りを見渡しながら手を出してきた。
武安国「賄賂を出せ、と…?」
衛士 「変な言いがかりはよしてくれよ。面倒な処理をせずに双方とも得をするって話だぜ?
それとも、その荷物を取り上げられても良いってのか?」
武安国「この腐れ役人めっ!そんな事はこの武安国が許さんっ!」
衛士 「なっ!?武…武安…国…!?」
あっ、言っちゃった。えへへ、言っちゃったぁ、あははは〜
伝令の方を振り返って見ると、『なんで言っちゃってんのよ』って顔してる…
そりゃそうだよなぁ…
一方、衛士は口をあんぐりと開け、指を震わせながら何かを言おうとしていた。どうだ、驚いたかっ!
衛士に騒がれては面倒なので、俺様は荷物に入ったままの鉄槌を横薙ぎに振る。
衛士は放物線を描いて吹っ飛び、そのまま気絶したようである。
伝令 「せっかく誤魔化していたのに、全部水の泡じゃないですか…
まぁ、おかげで私は安全に帰れますけどね。では、御武運をっ!」
伝令は親指を立て、その場から駆け去っていった。
えっ、それは諜報はやってけって事?
仕方ないので正体がバレる前に、他の衛士に静止されるのを無視して城門を突破した。
とりあえず、薊に潜入(突入?)する事には成功したので諜報活動を開始する。
しかし、城門を突破するという事をしてしまった為にかなり警戒されていたので
余り情報を得る事は出来なかったのだが、兵士数も分かった事だし、
今回はこれでよしとして置こう。
余り長くいて居所がバレると、また面倒な事になるしな。
しかし、ここの衛士もバカばっかりだな。
入る人間は見ているようだが、出て行く人間をロクに見ていない。
今回ばかりはありがたい事なのだが、いずれこの土地に来た時は、奴らを鍛えてやらねばならん。
こうして薊での諜報活動は成功し、業βへと引き返す事にした。
余談だが、俺様はコレまでの一騎打ちの戦績を鉄槌に刻み込んでいる。
現在の戦績は22戦21勝1敗で、21連勝中だ。(呂布戦はイベントの為、戦績に入らず)
唯一の一敗は、あの北海での、泥酔したままでの儁乂戦。
今では怨んでは居ないが、この黒星は口惜しい…消しちゃうか?(無理)
ちぢれ肉が食べたい
194年09月
帰りは何事もなく無事に業βへ帰りつき、宮城にて諜報の結果を報告する。
袁紹 「おお、待っていたぞ。成果はどうだ?」
武安国「ではご報告致します。先ず人物ですが、大した者はおりません。
強いてあげるなら公孫範くらいでしょうな。
次いで兵力ですが、3万5千人程度です。援軍で割ける人数ともなれば1万程度でしょう」
袁紹 「そうかっ、ならば機は今だな。これより南皮を攻める!
武安国、お前も従軍して手柄を上げよっ!」
武安国「おお、そのお言葉を待っておりましたぞ。
この武安国、一番手柄を上げて御覧に入れましょう!」
南皮攻めでは念願の騎馬隊を任された。
作戦の進行は、騎馬隊の俺様と弓兵隊の儁乂で西門を、同じく弓兵隊の子義が東門を攻撃するという構えだ。
よしっ、頑張るぞ〜!と、気合を入れたのだが…
川を渡る際には、兵達を船に乗せて移動するのだが、なす術も無く流される。
きっと場所が悪かったのだろう、そう思って違う所から渡河にかかるが、やっぱり流される。
袁紹 「こらぁ!何をしとる。ウロウロしてないで進まんかぁ!」
だって、船って苦手なんだよぉ…
ようやく東門に到着した頃には、既に渡河の終っていた儁乂の火矢によって城門は半壊、
門を守っていた田楷隊の足元は火の海と化していた。
田楷は消火で手一杯で、攻撃をする暇も無いようで、おかげでやすやすと城門を攻撃できる。
10日目に顔良・田豊が率いる援軍が到着し、南皮守備軍との兵力差が2倍になる。
援軍は東門に進軍し、こちらから城内へ雪崩れ込む作戦のようだ。
これを可能にしているのは、西門で二つの敵支隊を引き付けている子義のおかげだ。えらいぞ、子義。
11日目に城門を突破し、田楷隊を攻撃するが、田楷は火を消さずに後方の畑へ兵を引く。
俺様は火を消して追撃を開始、儁乂は最奥部の城門へと兵を進める。
その間、顔良は順調に東門まで到着したが、田豊も俺様同様、河に流される…
13日目、畑で負傷兵を休ませていた田楷に追い討ちをかけ、更に追い詰めた。さあ、一騎打ちだ!
武安国「田楷、どこだっ!この武安国と一騎打ちせいっ!」
兵士 「報告!敵将・田楷を捕らえましたっ!」
武安国「え、捕まえちゃったの…?」
こうして田楷隊を壊滅させ、田楷を捕らえる事に成功。残っているのは関靖の本隊と支隊のみとなった。
しかし、こちらにも負傷兵が多かったので、数日間畑で兵士を休ませる事にする。
16日目、同じく河に流された田豊がようやく城内に入り、隣の畑に陣を敷く。
田豊 「お主も河に流されたと聞いたが、誠か?」
武安国「しょうがないだろ…船苦手なんだから」
田豊 「お主でも苦手な物があったのか、いやいや、これは意外だったわい」
武安国「そういうあんただって流されたんだろ?人の事笑えないじゃないか」
田豊 「ははは、南船北馬というだろう?船なんぞに乗れなくても恥ずかしくは無いわい」
武安国「なるほど…うん、そうだよなっ!船なんかに乗れなくったって、俺様達は強いんだしなっ!」
田豊 「その通り、我らは強い!皆も聞け、河に流された事など気にするな!
船が操れなくとも我らは強い!陸戦での我らは最強なのだ!」
兵士達「そうだ!俺たちは強いんだー!うおおおお!」
田豊の巧みな話術によって兵士達が励まされ、士気が上がる。でも、なんか嫌だ…
こうして(嫌な)勢いのついた俺様の部隊は、18日目に顔良の後方についた関靖の支隊を壊滅させる。
さらに19日目、援軍の顔良が最後の城門を開放する。
関靖は市街戦には持ち込まず、南皮を投棄して逃げ、南皮は我が袁紹勢の支配地域となった。
こうして南皮の戦いは幕を閉じた。
戦後処理では、俺様がぶっちぎりの戦功第一位。
敵将を捕らえ、部隊二つを潰したんだから、まぁ当然だな。
なお、その捕らえた敵将・田楷は袁紹様の説得に応じて、今後は袁紹軍で働く事になった。
戦功一位ついにキター
史実と違って実にイキイキと活躍してるなぁ。
因みに俺は
武安国…戸谷浩二
酒家の親父…千葉繁
で声を脳内変換してる。
194年10月
勝ち戦に気分を良くしながら、俺様達は業βへ戻ってきた。
しかし、2、3日経っても次の仕事の話が来るような様子がない。
痺れを切らした俺様は直接宮城へ赴いて、主君に尋ねてみたが、
暫く休養を取って次の戦に備えろ、との事だった。
なるほど、休養も仕事のうち、か。なら、有り難く休ませて貰おう。
休養を取るならば、行く先は酒家に決まっている。戦勝祝賀を含めて大いに飲むぞ〜。
親父 「やぁ、いらっしゃい。聞きましたよ、大活躍だったそうじゃないですか」
武安国「ははは、なんだ、もう聞いたのか?まぁ当然だろ。だって俺様だよ?」
親父 「それもそうでしたね。たとえ河で流されたって、失敗を覆い隠す程の武才がありますものねぇ」
………な ん で 知 っ て る ん だ っ ! ?
親父 「既に何人かの兵士達が祝い酒に来てましてね、色々と聞きましたよ。
将を捕らえたり敵部隊を壊滅させたりで、おかげで彼らも恩賞に預かったと、
それはもう、大喜びでしてね。おかげでうちは大繁盛ですよ」
武安国「あ、ああ…そういう事か…」
親父め、戦場に密偵でも放ってるのかと思ってしまった。むしろ、自分で見に来てもおかしくない。
実際、この親父ならそれくらいやっても不思議ではないしな…。
親父 「ところで武安国様。あちらにいらっしゃる方は蘇由様とおっしゃいましてね、
仕官の口を探してこの業βにこられたそうなのですが、今ひとつ踏ん切りがつかないそうなのです。
どうですか、仕官を勧めてみては。袁紹様の軍の強化にも繋がりますよ?」
武安国「ふむ…折角やる気のある奴を、野に埋もれさせておくのは惜しいよな」
そこで俺様は説得に当たってみる事にした。
武安国「やぁ、お主が蘇由殿か?(今日初めて聞く名だが)噂はかねがね聞き及んでおるぞ。
俺様は『鉄槌』の武安国と申す。以後、見知りおきを」
蘇由 「おお、貴公が先の南皮戦で一番手柄を立てたという武安国殿か。
こちらこそ、(妙な)お噂はかねがね聞き及んでおりますぞ」
武安国「いやいや、(思っちゃいないが)お恥ずかしい限りだ。
ところであの親父から聞いたのだが、我が軍への仕官を求めて参ったとか?
いかがかな、袁紹様に仕えてはみんか?」
蘇由 「うむ…袁紹殿につくか、曹操殿へつくかで迷っておりましてな…。
そうだ、貴公はどうして袁紹殿に仕えておられるのだ?是非、話を聞かせて頂きたい」
武安国「うむ、それはだな…それは、あれだ…袁紹様には王者の気風がある(と、今初めて思ってみた)。
既に大将軍になられているのも、伊達に四世三公を排出している家柄ではないという事だ。
それに、勢力としても(俺様のおかげで)旭日の勢いがあるからな。
華北を制するのは(俺様のいる)袁紹様、と、俺様は睨んでいるぞ。」
蘇由 「ふむ…。しかし、勢いなら曹操殿にもあるぞ?
それに、袁紹殿はその家柄の良さを鼻にかける、という噂もある。それがどうにも不安でな…」
武安国「そんなものはタダの噂に過ぎんさ。俺様がその良い証拠だ。
俺様とて名族の生まれではないが、常に中央に配されるという重用ぶりだからな。
実力主義という部分では曹操も一緒だが、奴はダメだ。
反董卓連合決起の際、自分で諸公に呼びかけておきながら、袁紹様の影に隠れるような男だぞ?
その時に、玉無しの孫はやっぱり玉無しなんだな、と思ったものよ。
しかもその後、手柄欲しさに己だけで董卓を追撃し、逆に徐栄にやられるという戦下手だしな」
蘇由 「なるほどな。よし、貴公の話で決めた!これより袁紹殿にお会いしてこよう。
仕官が適ったその時には、改めてよろしく頼みます」
こうして蘇由は袁紹様会いに行き、めでたく仕官を果たした。これも俺様のおかげだな。
それから一週間程は酒を飲みに来るだけの日々だったのだが、流石に体が鈍ってくる。
そこで、上党の北東にある森での、材木伐採のバイトを引き受ける事に。
なんでも、どこぞの金持ちが豪邸を建てる為に、それに似合う大黒柱を切るのだと言う。
上党の北東にある森の入り口へ行って見ると、数人の労働者が巨木を見上げて待っていた。
労働者「おお?これはこれは、武安国様ではないですか」
武安国「すまん、待たせたようだな。で、これが例の巨木か?
しかし、これはまた…切るのが勿体無いくらいに立派な木だなぁ…」
労働者「全くですよ。金持ちの考える事ぁ、俺たちにはサッパリですよ。
こんなデカイ木じゃなくったって大黒柱になる木ならいっぱいあるってのに、
これじゃ無いとダメだっていうんですから」
武安国「なるほど、指定付きなのか…勿体無いが、俺様達の生活の為に切られてもらうか。
引き受けた仕事はやらねばならんからなぁ」
労働者「しかし、これだけ立派な木だと、木の精とかが宿ってそうですよねぇ…
祟られたりしませんかね…?」
武安国「まぁ、気持ちは分からんでもないが、俺様達は大丈夫だろう。
祟るなら、この木を切れって言った金持ちに祟るだろうさ。
さあ、そろそろ始めるぞ」
少々手間取ったが、どうにか無事に巨木を切り倒し、業βへ運んだ後に酒家へ報告する。
その後の数日間も、なすままも無く過ごしていたが、公孫伯珪が南皮へ攻めて来たという報を受ける。
よしっ、援軍を出すなら俺様の出番だなっ!
そう思って宮城へ入って行ったのが、御主君がいない。あれれ?御主君?
陳琳 「袁紹様は南皮の救援に向かわれたぞ。それと、こちらは袁紹様より、お主宛の書簡だ」
なんて事だ、まさか置いてけぼりにされるとは…こうなったら部隊を新設してでもっ!
そう思いつつ書簡の紐を解いて読みだした。
『今回は留守を守っていてくれ。お前が留守番で無ければ、安心して助成に行けんのだ。
良く城内を宣撫しつつ、万が一に備えていてくれ。お前は我が軍の切り札なのだからな。
よって、部隊を新設するなどして、南皮に駆けつけてくるのは固く禁ずる。
くれぐれも、孟徳が食指を動かすような軽々しい行動は慎むように。 大将軍・袁本初』
…ここまで俺様を信頼してくれていたのかっ!
留守はお任せ下されい、立派に守り通して見せますぞ!
(陳琳 「『大将軍・袁本初』…と。こんな所でいかがでしょう?」)
(袁紹 「…うむ、これならおとなしくしとるだろう。では行ってくる」)
留守を守る為、先ずは残存兵力の確認をしようと兵舎へ行ってみる。が…
管理人「残ってる兵数?全て袁紹様が連れて行かれましたので、それこそ猫一匹いませんよ」
え、0人?
無理だっ!曹操どころか、山賊の群れ相手でも守れねぇよ!御主君ーっ!
部隊新設は禁止されている為、やむなく怪しい奴がいないかと街を見回り続けたが、そんな奴はいなかった。
数日後にもたらされた報は、『南皮陥落。公孫伯珪に捕らえられた朱霊が寝返った』という内容だった。
なんで俺様を連れて行かなかったんだよぉ!
袁紹が暗愚すぎるw
どこかの自称皇帝みたいだ
194年11月
残念ながら南皮は陥落したが、その北の薊が援軍を送った為に空同然であった。
晋陽の許攸はその隙を狙って薊を攻撃をするが、落城させる前に南皮を攻略した公孫伯珪軍が帰着してしまう。
許攸はやむなく攻撃を中止し、晋陽へ帰還する。
業βにも袁紹軍が戻った。帰還した御主君からは「よく守ってくれた」等と言われたが、
兵士0人なんて、気が気じゃありませんでしたよ……
その為か、心身共に良く休め、近々起こす報復戦の為の力を蓄えろ、と言われた。
結局は仕事無しって事か…。やむなく酒家で親父に絡んでくる。
武安国「らぁ親父、分かるかぁ?この俺様の悔しさがよぉ〜」
親父 「ちょっと武安国様、飲みすぎですよ」
武安国「るせぇ!コレが飲まずにやってられっかってんらよぉ…ヒック…
戦場には行けらいわ、兵士がいらい城に置いてかれるわ、おまけに無職らぞぉ?
らんかよぉ、頼りにされらり、干されらり、…ヒック…あんだか分かんらくらって来たよぉ…
らぁ、俺様は要ららい子らんかなぁ…親父ぃ〜教えてくれよぉ〜」
親父 「ああもぅ、武安国様って泣き上戸だったんですかぁ?困ったなぁ…」
そんな所に子供が入り口から飛び込んできた。
子供 「おじちゃん!父ちゃんを助けて!」
武安国「られが『おじちゃん』らっ!俺様はもう40らけど…まだまだ働き盛りで仕事は出来るんらよっ!
あのに、らんで仕事させてくれらいんらおぉ〜!御主君のばは〜!うはぁぁぁん!」
親父 「何を言ってるんですか、もう…楊坊、どうしたんだ。お父さんがどうかしたのか?」
子供 「父ちゃんが店を出してたら、『誰に断って店出してるんだ』ってヤクザに絡まれて…グスッ…
父ちゃん殴られて、店も壊されて…グスッ…ヒック…」
武安国「ウーイ…子供を泣かせぅたぁ酷い奴だぁ…ヒック…よぉし、そんら不埒モン、俺様が退治しれやる!
坊主〜、そこに連れれけ〜ぃ!…ウーイ」
親父 「ちょっと、武安国様…大丈夫なんですか?そんなに酔ってて…」
武安国「ら〜いじょ〜ぶらって、ひんぱいすんらよぉ〜。
あ、そうそう。報酬はいつも通り、金100で良いんだよな?」
親父 「(なんでそこだけしっかり口が回ってるんだ…)」
その(楊坊と呼ばれていた)子供に連れられて市場へ着いてみると、
あらかた破壊された店の残骸の横に、商人の風体をした男が横たわっていた。
破落戸「へっ、この界隈でオレ様に楯突く奴はこうなるって事だぜ。分かったかっ!」
子供 「ああっ、父ちゃん!くそーっ、よくも父ちゃんをー!」
破落戸「おっ?おめぇこいつのガキか。オレ様に楯突こうって奴はガキだろうが承知しねぇぞ!」
武安国「ろぃ、やめらいかっ!ころもにまれ手をあえるとぁ、おとらげらいにお、ほろがあるぉー!」
急ぐ子供に手を引っ張られて走ってきた為に、酔いが再び(?)廻り、ろれつが回らない。
破落戸「あ?なんだ、てめぇ…何言ってっか分かんねぇからよぉ、今オレ様がボコボコにしてやっからぁ、
シラフの時に改めて詫び入れに来いや!クセェんだよ、この『へべれけ大将』がっ!」
武安国「貴様…今…なんて言いやがった…?俺様の事を知ってて、その変な名で呼んでるのか…?」
破落戸「だったらどうした、この酔っ払いが!これでも喰らいやがれっ!」
破落戸はそう言って殴りかかってきた。いつもの俺様なら軽く避けられるのだが、酔いが手伝って避けられず、
まともに鼻っ柱に喰らったのだが、これまた酒の力か、全く痛みを感じない。
平然とした顔をしている俺様に驚いたのか、破落戸は拳を引くのも忘れているようだ。
おかげで鼻が詰まる。いつまでも張り付いている拳がうざったいっ!
軽く脅しをかける意味も込めて、フンッ!と鼻息を噴き出したその時、周りに赤い霧が立ち込めた。
破落戸「うわっ、汚ぇ!鼻血なんか吹っかけやがって!」
言われて鼻の下を触ってみると、ぬるっとした感触。見てみると、掌いっぱいに血が付いていた。
武安国「あ、鼻血かぁ…うん、鼻血だ…何十年ぶりだろうなぁ、殴られて鼻血出したの…
…貴様ぁ…一発じゃ気が済まん、死なない程度に、嬲って嬲って嬲りたおしてやるっ!」
破落戸は喧嘩慣れしているらしく、落ちている机の脚や天秤棒などを獲物にして殴りかかってくるが、
俺様は平然とそれを喰らいながら、破落戸に鉄槌を喰らわせる。ある意味「受け返し」だ。
二十合も打ち合った頃には、破落戸の体力も尽きてきたようだった。
子供 「武安国様!早く父ちゃんの仇を取ってよっ!」
破落戸「うるせぇ、クソ餓鬼!…え、武…武安国だって…?てめぇが、あの…?まさか…」
武安国「なんだ、まさか知らなかったのか?しかしまぁ、もう今は知っているよな。
さて、そろそろ本気を出して、二度と悪さが出来ないようにしてやるか」
恐らくこの男、喧嘩の腕には自信があったのだろうが、今回は相手が悪かったな。
とうとう破落戸は露店に並んでいたらしき刀を奪い、殺す気で俺様に切りかかってきた。
俺様は斜め後方へ一歩引き、鉄槌の柄を、打ち下ろしてくる刀に当てて、跳ね上がる槌を相手の顔にぶつけさせる。
そして、重みとぶつかった反動で下に落ちる勢いを利用し、鉄槌を振り子の様に振り上げ、
刀を打ち下ろした男の、無防備になっている両肘を打ち抜く。
男の両肘は、曲がってはいけない方向に折れ曲がり、悲鳴を上げて膝から崩れ落ちる。
俺様は男を蹴倒し、胸板を足で踏みつけ、決め台詞を言ってやった。
武安国「覚えたかっ!この街での狼藉は、この『鉄槌』の武安国が許さんっ!」
楊という商人が気が付いてから、破落戸を退治した事を報告しに酒家へ戻る。
武安国「いやぁ、おかげで良い汗掻いたらから、スッカリ酔いが醒めたぞ」
親父 「ははは、介抱する手間が省けて助かりましたよ。
そういえば、今回は報酬を受け取っていないんですよねぇ…」
武安国「あ、そういやそうだったな…まあ、たまにはいいさ」
そこへ、先ほどの子供が現れる。
子供 「武安国様、さっきはありがとう!それとおじちゃん、ごめんなさい…僕、お金ないのに…」
武安国「なぁに、気にする事はないぞ、うん!」
親父 「なんで武安国様がそれを言うんですか…」
子供 「それでね、父ちゃんにおじちゃんと武安国様の事を言ったら、必ずお礼に行くって言ってたよ」
親父 「そうかいそうかい、お父さんにお大事に、と言っておいておくれ」
武安国「それと礼など気にするな、とも伝えておいてくれ。
おかげでサッパリしたしな、わはははは!」
子供はよほど嬉しかったのだろう。元気良く返事をし、笑顔で駆けていった。
それからやや間を置いて、親父は台の下からおもむろに金を取り出し、俺様の前に置いた。
親父 「…武安国様、こちらは報酬の金100です。お受け取り下さい」
武安国「え?さっき報酬は受け取っていないって…」
親父 「礼をすると言ったからには、私が要らないと言っても必ず押し付けて来ます。
受けた恩は必ず返す、そういう男なんですよ、あの楊という男は。
どうせ後で謝礼金を持ってきますから、先に私からお渡ししておきますよ。
それに、武安国様にも義侠の心があるように見受けられましたしね」
武安国「そうか…?まぁ、そういう事なら遠慮なく貰っておく事にしよう。
しかし、随分と人を見る目に自信があるようだなぁ。これまでハズれた事は?」
親父 「まぁ、今の所はハズれた事はありませんよ。ええ、約一名を除いてね」
武安国「そりゃ凄いなぁ。その親父の目を誤魔化した一人ってのも凄いけどな。どんな奴だったんだ?」
親父はニコニコしながら、俺様の事をじーっと見ている…
え、まさか俺様の事?
親父 「話は変わりますが、袁紹様が武安国様を一人で置いていった理由は、一種の国家戦略ではないでしょうか?」
武安国「国家戦略…?どういう事だ?」
親父の説ではこういう事だ。
今回の援軍では兵も勇将も出来るだけ多く連れて行きたかったのだが、留守を任せる将に悩んだ。
武勇に優れた将なら子義や儁乂もいるが、兵の少ない業βの留守を任せるには不安があった。
しかし、戦場に俺様を連れて行かない事で、業βにも大軍を残しているはず、という錯覚が生まれる。
まさか戦好きの将軍を都市に残しながら、実は一兵もいないなどとは、誰も思わないだろう。
俺様には治安維持の手腕もあり、間者を捕らえた実績もある為、
仮に内情を確認する為に間者を放たれたとしても、俺様なら間者を捕まえられる。
つまり、一兵もいない業βを曹操に攻め取られない為には、俺様が業βにいる必要があった。
親父 「と、そういう事ではないか、と思うのですよ」
武安国「そ、そうかぁ…?もしそうなら、ちょっと嬉しいのだが…」
親父 「…そうだ、どうせ休養中なんですから、この機会に政治修行をしてみませんか?
修行後には、私の言っている事でも納得出来るかもしれませんよ?」
武安国「う〜ん…分からないままってのも悔しいしな。一つやってみるか」
親父 「では、先ずは…そうですね、辛ピ様から教わって来ると良いでしょう。
その後は、前の統率修行と同じような手順です。頑張って下さいね」
第一の師、辛ピは北海の工房にいた。
辛ピ 「お?これは珍客だな」
武安国「『里帰りか?』とかいう言葉は出ないのか?」
辛ピ 「ああ、ここはお主の故郷であったなぁ。ところでどうしたのだ?」
武安国「御主君から休養を頂いたのでな。この機会に政治について学ぼうと思って、お主を訪ねて来たのだ」
辛ピ 「お主が政治について学ぶ…?何があったのか知らないが、まあ良い、教えてやろう」
約十日をかけて辛ピから『政治制度と権力構造、及びその行使と国際影響』と、
やたらと長ったらしい主題を付けたものを学ぶが、話が小難しくてなんだかよく分からない…
辛ピ 「どうだ、理解できたか?」
武安国「いや…何を学んだのかすら分からないような感じだ…」
辛ピ 「やはりそうか…(これは難物だな…)では、今度は蘇由から学んで来たらどうだ?
あやつならお主に分かりやすい物を教えてくれるだろう」
こうしてロクに得る物も無く、業βへと引き返す事に…頭イテェ…
194年12月
次の師は蘇由。つい先日、俺様の説得によって仕官した男だ。その蘇由は兵舎にいた。
蘇由 「やぁ武安国殿。休養中でも兵舎を見に来るとは、貴公は骨の髄まで武人なのだなぁ」
武安国「いや、今日は兵舎ではなく、お主に用があってな。
政治について教えてもらおうと思ってお主を訪ねて来た次第だ」
蘇由 「政治について?それなら北海の辛ピ殿の方が適任であろうに、何故それがしに?」
武安国「その辛ピに教えて貰いには行ったのだが、サッパリ理解できなくてな…
そしたら、お主に教えを請えと言われたのだ」
蘇由 「なるほどな。よし、ならばそれがしからお教えしよう」
同じく十日をかけて蘇由から政治について学ぶ。
この蘇由も同じ武官だからなのか、今回はすんなり頭に入る。
武安国「勉強、と言う事では同じなのだが、どうしてこうも違うのだろうな?」
蘇由 「まあ、今回の主題は『戦争が国に及ぼす影響』だったから、貴公にも馴染み易かったのだろう。
なにはともあれ、お役に立てたようで良かった。
更に勉学に励むならば、次は審配殿から教えを請うと良かろう」
こうして蘇由からの勉学は終了。次の師、審配は工房で仕事中だという。
そこで第三の師、審配を訪ねて中へ入ると、職人達を差配している審配を見つける。
武安国「審配、忙しいようだな」
審配 「ん?おお、武安国か。珍しいな、お主がこんな所に来るなんて」
武安国「ああ、実はお主に用があったんだが…忙しいならまた日を改めてくる事にするさ」
審配 「いやいや、別に大丈夫だぞ。ちょっと待っててくれ」
そう言って審配は工房の職人達を集め、少々時間をかけて指示を出していった。
審配 「これでよし。待たせたな、何の用事だ?」
俺様はこれまでの経緯を話し、政治について教えて欲しい旨を伝えた。
審配 「そうか。よし、任せておけ。なぁに、職人達には長期的な仕事を割り振ったから、
ワシの役目なんてもう無いも同然だ。そっちの心配はしなくて良いぞ」
こうして審配からは「階級制度による管理」について学ぶ。
ちょっと難しかったが、まぁ大方は飲み込む事が出来た。
審配 「よく頑張ったな。まぁ、今無理に覚えなくても、とりあえず頭に通しておく事が大事なんだ。
ああ、復習を忘れるなよ。そうすれば、より深く理解出来る様になるからな」
審配はついでに『勉強の仕方』まで教えてくれた。次は袁紹様のご子息、袁尚様に教わってみろという。
現在、袁尚様は上党におり、太守・許攸について一国を治める技量を身につける為に修行中だという。
そこで上党へ向かうが、途中で金を拾う。これは天佑という奴だな、有り難く頂戴しておこう。
(世間ではこれをネコババという)
上党へ着き、袁尚様の行方を聞いてみると、宮城にいらっしゃるというので早速訪ねてみる。
そして事情を説明し、袁尚様の復習を兼ねて『王制による国家運営』を学ぶ。
しかし、袁尚様はまだ手習い程度の知識だった為、俺様の質問に対して答える事が出来ず、
難儀していたようだったが、勉強終了後に許攸に訪ねに行き、翌日俺様に教えてくれるという事を繰り返す。
一応俺様の所属は業βなので、余り長居も出来ず、10日程で切り上げる事にする。
それにもう年も暮れかけ、評定があるという事もあるので、次の師を紹介して貰う。
次の師に指名された高覧は丁度業β所属なので、袁尚様に礼を述べて上党を去る事にする。
天佑w
195年01月
業βへ着いたのは年を越してからだった為、戻ってすぐに宮城へと向かう。
袁紹 「おお、武安国も来たな。では評定を始める。
先ずは去年の功績だが、筆頭は2年連続で太史慈だ。
よってこれまでの功績を評価して階級を上げ、五品官に任ずる。一層励んでくれ」
太史慈「ははっ、有り難き幸せ」
袁紹 「そして…皆の者、驚くなよ?
武安国、一昨年とはうって変わって、お前が次席じゃ。よく頑張ってくれたな!」
武安国「ははっ!………………あの、御主君。俺様の昇級は?」
袁紹 「お前は無しだ。去年は困難な任務を数々とこなしてくれはしたが、一昨年が悪すぎる」
そう言われてしまえば、確かにその通り。反論のしどころがない…
袁紹 「次にこの都市の方針だが、今すぐには発表出来ん。なぜなら…
皆の者、待たせたな。この評定が終り次第、南皮の報復戦に出るぞ!
武安国よ、今回はお前も連れて行く。頼りにしておるぞ」
武安国「おお、遂に俺様の出番ですなっ!腕が夜泣きして困っておる所でした。
お任せくだされい、八面六臂の働きを御覧に入れましょう!」
こうして俺様は弓兵隊を率いて南皮攻略に従う。あれ、騎馬隊じゃないの…?
第二次南皮攻略戦
本当は何度も取ったり取られたりを繰り返しているのだが、俺様にとっては二次なのでそうしておく。
今回の人員は、袁紹様、俺様、子義、文醜の4人だ。この中で俺様と子義が弓兵隊を率いている。
東門は俺様と子義が、西門は文醜が攻撃し、大将の袁紹様は中央でドーンと構えるという、
威風堂々、将に王者の布陣だ。
前回は河を渡る際に船を流されて恥をかいたが、今回は一発で渡りきる。そう何度も同じ失敗をしてたまるかっ!
こうして順調に進軍し、三日目には東門まで辿り着いた。
今回は弓兵隊を率いているので、城門に張り付いて攻撃する必要も無く、
安全に遠くから矢を射る事で城門を攻撃できるのだが、門を守っていた田疇が俺様を挑発する。
田疇 「どうしたっ、そんなヘロヘロ矢で我らと戦えると思っているのかっ!」
武安国「だったらそこから出て来てみろ!一矢で仕留めてやるぞ!」
そんな簡単な挑発に引っかかる俺様ではない。親父との会話で鍛えているからなっ!(なんか違うぞ!)
後から続いてきた子義と共に城門を攻撃し、五日目には東門を開放。
田疇本隊は城の奥へ引き上げ、支隊が俺様の行く手を阻む。
大将のいない少数の支隊など怖くも無い。遠くから矢を射掛ける事二日で壊滅させた。
しかし、田疇はその間に更に奥へ逃げ、最奥の城門まで到着してしまった。
俺様と子義は田疇を追うが、俺様達の前には、西門から移動してきた1万の支隊が迫り、
城門への攻撃は後回しとなってしまう。
10日目に上党から袁尚様、スイ固の援軍が到着し、東門へと向かう。
元々南皮にいた兵士は少なかった為、この援軍を追加した時点での兵力差が3倍近くまで広がった。
しかしこのスイ固と言う男、元は黒山賊の一員らしく、顔つきはなかなか迫力があるのだが、少々うるさい。
おまけに、元賊の類に漏れず、おつむが弱そうだ。
田疇はそれを見越したのか、今度はスイ固に対して挑発を仕掛ける。
田疇 「これはまた、口のデカイ男がやって来たな。さあ来い、その口に糞を放り込んでやるぞっ」
スイ固「ウガー!やれるもんならやって見やがれっ!出て来い田疇ー!ガァー!!」
アッサリ引っかかってやがる…字の白兎ってのは、脳みその大きさの事なんじゃないか…?
袁尚 「落ち着け白兎、奴の挑発なんぞに乗るでないっ!」
スイ固「わ、若様ぁ〜…オレ、悔しいッス!悔しいッスよぉー!」
すぐ近くに袁尚様がいたのが幸いした。おかげでスイ固も落ち着いたようだが、
行軍が予定よりも大分遅れてしまったようだ。
すぐに落ち着かされてしまった為に、田疇はスイ固を挑発する事を諦めたようで、
今度は支隊と戦闘中の俺様にその舌鋒を向けてきた。
田疇 「武安国めは弓兵に降格でもされたのか。今度はどんな失敗をしたんだ?」
武安国「ほざけっ!弓を取っても天下一の俺様に、降格などあるはずが無いわっ!」
田疇 「貴様は呂布に切られた事だけが自慢の猪武者であろうが。
おっと、こんな『へべれけ大将』と並べられては、猪が迷惑だったかな?わははは!」
武安国「き、貴様ぁ…!言ってはならん事を言ったなっ!
この弓矢で、そこの城門ブチ抜いて、そのへらず口を壁に縫い付けてくれるっ!」
怒りの余り、無理に弓を引いた為に、弓が乾いた音を立てて折れてしまった。
俺様は楽器にすらならなくなった弓を地ベタに叩き付け、手で矢を投げ始める。
武安国「クソッ、これでも喰らえっ!ふんっふんっ!お前らっ、もっと矢を持ってこい!」
太史慈「武安国殿、落ち着かれよっ!投げてもここからでは門にも届きませんよ!
弓なら私の予備を差し上げますから…」
武安国「ハァ…ハァ…すまん子義、つい取り乱してしまって…。
もう大丈夫だから、お前は文醜を手伝ってきてくれ。
この支隊は俺様が引き付けておく」
俺様の軍は城門と支隊の間に割って入り、子義の軍を追撃させないようにし、
子義は西門の開放に向かった。
19日目、子義の隊が城門を破壊し、文醜達が城内へ突入する。
飛び込んだ文醜の様子を見た田疇は、俺様より組し易しと見たのか、矛先を文醜へと変える。
田疇 「おお、ここにも猪武者がいたか。確か、反董卓連合の際には怯えて従軍しなかった
腰抜けの顔良・文醜ってのがいたと聞いてるぞ。お前はそのどっちだ?
ああ、ああ。言わんでもいいぞ、どっちでも変わらんしな。
面倒だし、不細工な面をしているお前は『顔醜』で構わんだろ。わっはっはっは!」
文醜 「おのれぇ…その素っ首叩っ切って、わしの小便を飲ませてくれるっ!」
太史慈「文醜殿、あのような戯言など捨て置きなされ!」
文醜 「黙れ子義っ!我が名を貶められた上、義兄までバカにされて黙っていられるかっ!
ええい、放せっ!放さぬかっ!はーなーせーっ!!」
子義が近くにいてよかった、と思っていたのだが…怒り狂った文醜はこれほどの力を出すのか。
羽交い絞めにしていた子義を振り払い、兵を置いて城門へと単騎突入していく。
丁度その頃には、俺様が相手をしていた田疇の支隊は壊滅した為、
城門の裏で待つ田疇隊が出てこない限り、文醜が危機に陥る事は無くなったが、このままでは危険だ。
俺様も急いで門まで駆けつけ、到着の頃には文醜の兵や子義隊もいくらか到着していた。
そこで見たのは、恐ろしいというか、涙ぐましいというか…妙な光景だった。
目を血走らせ、涙を流し、歯を剥き出しにして涎を垂らしているが、それを気にもせず、
折れた刀を手に、門に蹴りを入れたり拳で殴ったり、部下から刀を奪ってまた切りつけたり、
部下の刀が尽きたと知るや、今度は城門に頭突きをぶちかます。まるで癇癪を起こした子供の様相。
そんな『だだっこ』文醜が、そこに居た。
太史慈「武安国殿、文醜殿を止めるのを手伝ってくだされっ!」
ごめん…俺様には、無理だ。むしろ一歩引いてしまったよ。『ああはなりたくないなぁ…』とね。
太史慈「文醜殿、城門が開けば、奴などいかようにも料理出来ましょう。
今は堪えて、兵らに命じて門を開けさせた方が早いですぞ」
文醜 「あ、ああ…そうだな。…テメェら!さっさと城門をブチ破れっ!
怠ける奴はわしが斬るぞっ!」
こうしてやや落ち着いた文醜隊が城門を攻撃し始め、俺様と子義は矢で城門を攻撃。
24日目にして全ての城門が開放されるが、太守の田疇は南皮を放棄して北平へと逃げてしまった。
残念ながら田疇を捕まえる事は出来ず、文醜は地団駄を踏んで悔しがった。
戦後処理では、俺様が戦功第一位を獲得する。
袁紹 「戦功第一位は武安国、お前だ。戦場を舞うが如き戦いぶりは見事と言う他ない。
また次も頼んだぞ」
武安国「ははっ、恐悦至極に存じます」
まぁ、最初に城門を開け、部隊を二つ潰したんだしな。一番派手な活躍をしたんだから当然だろう。
子義も文醜をなだめたりと、地味に頑張ってはいたのだが、派手さが無い為に評価が低いようだ。
文醜に至っては言わずもがな。むしろ後で、あの醜態を叱責されるかもしれない。
ウチの御主君って、結構見た目とか世間体を気にしたりするからなぁ。
そもそも、御主君は城壁の外でずっと構えていて、報告だけを受けていたのだから、
子義が何をどう頑張っていたかなんて報告されていないだろう。
御主君に届いた報なんて、精々、「○○隊が城門開放」「○○隊が○○隊を壊滅」「○○隊制御不能」。
恐らくそんな程度で、制御不能になった部隊を子義が取りまとめたなんて報告は無いはずだ。
だが、子義。お前がいなければ、この戦はもっと辛かったはずだ。
御主君は評価してないが、俺様はしっかり評価しているからな。(じゃあ言ってやれよ)
195年02月
業βへ戻り、政治修行の続きを始める。次の師である高覧は宮城の中で待機していた。
高覧 「お、武安国さんじゃないか。南皮攻めお疲れだったね。
それはそれとして、珍しい所で会うもんだなぁ。主君から呼び出しでも受けたんかい?」
武安国「いや、実はお前に政治について教えて欲しくてな、それで訪ねてきたんだよ」
高覧 「はぁ?あんたが、政…治…?戦場で頭でも打っちまったか?」
武安国「頭打ってたのは文醜だけだっ!ったく、俺様が勉強したら可笑しいのかよ…」
そこでこれまでの経緯を話した。途中、『酒家の親父』という言葉にちょっと反応があった気が…
とりあえず教えてくれる事になったので、じっくり10日をかけて学ぶ事にしたが、途中で伝令がやってくる。
伝令 「平原の淳于瓊様が薊の攻略に進発しました。同時に、この業βからも袁紹様が援軍に出られました。
なお、袁紹様より書簡を預かって参りました」
ま、また置いてけぼりかっ!そしてまた、置き書簡(?)を読んでみる。
『南皮からの帰路の途中、尚(袁尚)から話は聞いたぞ。
今は高覧に師事して政治を学んでいるそうではないか。
我が軍を支える人材としての自覚の顕れだと、非常に喜ばしく思うぞ。
今回はさほど苦戦はせんだろうから、お前はそのまま勉学に励んでくれ。
高覧らと共に力を合わせ、留守を頼むぞ。 大将軍・袁本初』
無理に勉強するよりも、戦場に立つ方が袁紹軍を支えられる人材なんですが…。
こうして高覧のもとでの修行を続け、約4日後に全行程修了となった。
酒家に行って親父に修行の修了を報告する。
置いてけぼりにされて沈んだ表情の俺様とは対照的に、親父の顔は明るい。
親父 「おめでとうございます。こちらは私からのご褒美です。
『周書陰符』と言う書物で…なんだか元気が無いですね?」
武安国「あ…?ああ、これくれるのか。ありがとうよ…はぁ〜…」
親父 「…で、成果はどうでしたか?私がこの間述べた説で納得出来ましたか?」
武安国「出来るかよっ!また置いてけぼりにされちまったのはどう説明するんだよっ!」
この日の俺様は荒れに荒れて大酒を喰らい、途中からの記憶が無い。
気が付いたのは翌朝で、酒家の隅っこで寝ていた。
気のせいか、胸の辺りが痛い…
その日、不要になった『塩鉄論』を大商家に売りに行く。
商人 「ほほぅ、『塩鉄論』ですか、珍しい本ですねぇ。読んでみていかがでした?」
武安国「えーと…『鉄に塩かけると早く錆る』とかだったかな?良く覚えてないんだが…」
商人 「(読んでないだろ…)えーと、買取価格は1066とさせて頂きますが、よろしいですか?」
武安国「ああ、いいぞ…」
と生返事をしている俺様の目に映っていたのは、また偉そうにしている書物だった。
武安国「なぁ、アレって『論語』だよな?幾らなんだ?」
商人 「孔融様に仕えていただけあって、気になりますか?あちらは金6400となっています」
武安国「なっ!高いな…あんなので金6400だなんて…」
商人 「そうですか?知力が5も上がるんですから、安い物だと思いますけどねぇ」
昔、孔融の元にいた時には、その父の孔宙から無理やり勉強させられたもんだったが、
アレってそんなに価値のあるものだったのか…
審配も『復習が大事』って言ってたし、久しぶりに勉強し直して見るか。
こうして『論語』を手に入れ、知力が5上がった。
乙
寿命が心配だが、がんばれ軍神武安国。
このままだと、囲碁打ってる北斗南斗の神を脅して無理矢理
寿命延ばさせそうな勢いだなww
195年03月
主君のいない業βを守る為に街の中を巡回していると、若い娘達が噂話に花を咲かせている場面に出会った。
なんでも、強盗の孫策とその知恵袋の周瑜が江東の二喬を娶ったのだと言う。
どうせ権力に物を言わせて脅したか、かどわかしたかのどちらかだろう。
しかし、娘は噂話の上辺だけを聞いて、淡い夢を見ているらしい。
町の娘「うっとりするくらい、お似合いの夫婦ですわ〜」だと。
その裏側にはどれ程の血塗られた話があるのか…女子供には分かるまい。(そんな話は一切ない)
安心しろ。そんな事でキャーキャー言ってるお前らの所に、男伊達が娶りになんて来ないからっ!
お前らのような女子なんぞ、こちらからお断りだっ!(断るまでも無い)
巡回の途中で、伝令が薊攻略の吉報を持ってきた。
伝令 「淳于瓊軍が薊を占領し、薊は淳于瓊様がそのまま統治する事になりました」
武安国「そうか、これで残るは北平と襄平の二都市だけだな。
この二つを攻略すれば、後顧の憂いもなくなって、ようやく曹操と対峙できるな」
数日後に主君の軍が帰還。薊のみならず、北海などの人事も一新されるが、俺様は相変わらず業βの所属だ。
戻ってきた主君に、置いていった事について一言文句でも言ってやろう、と、宮城へ行ってみたのだが、
忙しいのか、察知されたのか、門前払いされてしまった。
って事は、『ご苦労、また休養してろ』って事なんだろう…
またヤケ酒でも飲むか…、と思い、その足でそのまま酒家に行ってみる。
親父 「やあ武安国様。この時間ここに来るという事は、また仕事が無いんですか?」
武安国「ああ、そういう訳でまたヤケ酒を飲みに来たんだよ(タダでな)」
親父 「もぅ、この間みたいなのは止めてくださいよね。大変だったんですから…」
武安国「わはは、すまんなぁ。実は、途中からの記憶が無いんだが…俺様は何をしてたんだ?
翌朝起きた時に、なぁんか胸が痛くてなぁ…後で見てみたらアザが出来て」
親父 「あー!あ、そうだっ、武安国様。暇なら、腕試しをして見ませんか?
相手は、前に張繍様に仕えていた胡車児という男なんですけど」
武安国「胡車児…?誰だそいつは?」
親父 「近頃、曹操に敗れた張繍様が、この業βに流れて来ててたまに飲みに来るんですけどね、
その張繍様が胡車児の武勇を自慢するんですよ。
なんでも、『五百斤を背負って日に七百里を行き、その武勇で典韋を破った』とかなんとかって」
武安国「ほほぅ、典韋と言えば、曹操の元・近衛隊長じゃないか。偶然とはいえ、大したものだな」
親父 「で、客の一人が何か気に食わなかったらしくて、依頼を持ってきたんですよ。
その武勇とやらがどの程度なのか、とね」
武安国「なるほどな。よし、俺様が腕前を見てきてやろう。
ところで、その胡車児とやらの行方は分かってるのか?」
親父 「なんでも、北平へ向かった、との事でしたよ。
そういえば、北平と言えば公孫伯珪の治める都市でしたね…
老婆心ながらご忠告致しますが、少しは頭を使わないと…」
武安国「なぁに、俺様とて少しは考えてるさ。俺様に秘策ありっ!ふはははは!」
こうして胡車児との腕試しの為、北平へと向かう。そして城門から離れた所で、秘策の準備に掛かる。
顔を布で覆い隠し、伝令と偽って城門を突破しようという方法だ。
武安国「どけどけー!伝令でござる!伝令でござ〜る!」
衛士 「ん…?伝令なら東門から来るはずだが…あ、貴様!もしや袁紹の手の」
武安国「フンッ!」
すれ違い様に一撃を入れ、そのまま城門を通過する。ちっ、バレたか…(覆面の時点で怪しすぎる)
裏路地に入って覆面を取り、酒家で胡車児を探してみるが、なんでも薊へ向かったという。
やむなく薊へ逆戻りする事に。なお、騒いでいるであろう西門を避け、今度は東門から出る事にする。
無事に薊へ着き、町の中へと入った俺様は酒家で胡車児を発見した。
武安国「失礼、その双戟を持っている所を見ると、お主が胡車児殿だな?俺様は武安国と申す」
胡車児「そなたが武安国殿か。ご高名はかねがね…ところで、何か用ですかな?」
武安国「いやなに、俺様と手合わせをして貰おうかと思ってな。
典韋を破ったというその武勇を、是非ご披露頂きたい」
胡車児「ほほぅ、高名な武安国殿と手合わせ出来るとは…ここではなんですし、表へ出ましょう」
表へ出た俺様達は早速打ち合う事に。
武安国(85) VS 胡車児(87)
双戟を構えた胡車児は、初手から力一杯に突きを入れてくるが、警戒していた俺様はそれを回避する。
体勢を崩した所に鉄鎚を叩き込み、更に突きを入れる。
胡車児「やるではないか…その名声は伊達ではないな」
武安国「お主こそ。大抵の輩は今ので終っているのに、まだピンピンしているな」
胡車児「それがしとて、張繍様の元では『随一』と言われていたのだからな。
では、これではどうだっ!」
今度は戟を叩きつけて来たが、やはり避わし、鉄鎚を横殴りに振り払う。
体ごと立ち位置をずらすような一撃だったにも拘らず、胡車児は堪えていない。
すぐさま戟を逆袈裟に切り上げてきたので、俺様はこれを受け止めたが、
受けた手が痺れ、危うく鉄鎚を落としそうになった。…恐ろしい力だ…噂は本当のようだ。
それともう一つ、胡車児の強みは、その強靭な足腰にある。
俺様の鉄鎚を喰らいながら無事でいられるのは、その足が衝撃を吸収しているからであり、
すぐに攻撃に転じられるのも、足腰が丈夫だからこそ出来る芸当である。
やむなく防戦一方になり、隙を見つけては突きを入れる程度しか出来なかった。
胡車児「守っていても無駄だぞ、そのまま押しつぶしてくれるっ!」
確かにその通り。奴の膂力は相当な物で、このままでは腕が持たずに得物を落としてしまう。
そこで攻勢にでようとしたのだが、どうにも上手く行かない。
叩き付けようとすれば突かれ、払おうとすれば斬られと、裏目裏目に出てしまう。
しかし、待てば海路の日和あり、とはこの事か。ここで転機が訪れた。
振り払った鉄槌と奴の戟が激突、力負けして弾かれた勢いで体を反転させ、
打ち下ろした鉄槌が奴の体を打ち抜く。
胡車児も今度ばかりは衝撃を吸収しきれず、体を大きく泳がせた。俺様はそれを見逃さなかった。
武安国「ここだっ、神速撃!」
まともに食らわせたのだが、胡車児はかなり頑丈だった。噂に違わず、耐久力もバカにならないらしい。
胡車児「なんのっ、まだまだぁ!」
武安国「ならばもう一度喰らえぃ!神速撃!」
これでようやく止めをさしたが、もはや体力も気力も尽きかけていた。
勝てたのは運が良かったとしか言いようが無い。
胡車児「むぅ、それがしもまだ修行が足りぬか…」
武安国「いやいや、お主もなかなかやるではないか。よい勝負であった」
こうして胡車児との一騎打ちは勝利のうちに終り、業βへと馬首を巡らせた。
195年04月
業βへ戻り、酒家へ報告。
武安国「…という事でな、噂は本当だった。なかなか大した奴だったぞ」
親父 「なるほど、武安国様と互角とは、張繍様が誇る気持ちも分かりますね。
しかし、依頼人は気の毒ですな。大した事が無ければ喜んだのでしょうがねぇ」
武安国「それは仕方があるまい。『典韋を破った』という事実はどうしても変わらんしな」
親父 「それもそうですねぇ…ではこちらは報酬です。お疲れ様でした」
そう言って親父は台の上に金500を置く。俺様がそれを受け取ろうとした時、
若い男が酒家に飛び込んできた。
若者 「親父さんっ、大変だ!また市場で暴れてる野郎がいるぜっ!」
親父 「またか…武安国様がいないと良く起こるなぁ」
武安国「良く起こる…?俺様がいない間、何件くらいあったんだ?」
親父 「10日に1回は事件が起きてましたねぇ…
しかし、可哀想な奴だ。武安国様がいらっしゃる時に悶着を起こすとはな。
武安国様、お帰り早々に申し訳ありませんが、よろしくお願いします」
武安国「おいおい、たった今長旅から帰ってきたのは知ってるだろうが。
今回は他を当たってくれよ。早く柔らかい布団に飛び込みたいんだから…」
そう言って、台の上の金を取って帰ろうとしたのだが…今そこにあった金が、無いっ!
はっとして親父の顔を見ると……(・∀・)ニヤニヤ
親父 「報酬は先ほどの金500に、100を上乗せして金600。まとめてお支払いしますよ」
武安国「お、親父っ!それはそれ、これはこれだろっ!」
親父 「ええっ、先程の依頼料も要らぬと!流石ですなぁ、武安国様はなんと懐の深いお方だっ」
武安国「こ…の…!分かったよっ、ササッと片付けて来るから、耳揃えて用意しとけよっ!」
若者について市場へ行って見ると、一角に人だかりが出来ており、
その中心部からはゴザが飛んだりザルが飛んだり、鶏が滑空しようと頑張っていたりした。
武安国「よ〜し、そこまでだ。武安国様がご到着だぞ〜。
騒いでるのは何処のバカだコラァ!」
破落戸「あっ、来やがったな!先生、アイツが武安国って奴ですよ!」
声の主を見てみれば、数ヶ月前に両腕をポッキリ折ってやった破落戸だった。
どうやら俺様をおびき出す為に、市場を荒らしていたらしい。えっ、原因は俺様なの?
そして、その破落戸の後ろから、先生と呼ばれた武芸者風の男が姿を現す。
その姿は長身で痩せ気味、しかし眼光は爛々としており、幾人かを斬って来たような雰囲気がある。
用心棒「お前が有名な武安国か。怨みは無いが、こちらも金を貰っているのでな。
少々痛い目にあってもらうぞ」
武安国「ふんっ、そいつの用心棒か…乞食風情が、俺様を倒せるとでも思っているのか?」
用心棒「尊大な所は主の袁紹譲りだな。その乞食の腕前に泣きを見るなっ!」
武安国「貴様こそ、この俺様に挑んだ事を後悔するが良いっ!
そこの破落戸、テメェは後でガッツリ説教喰らわせてやるから逃げるなよっ!」
用心棒の得物は槍。距離では奴の方が有利だが、接近戦ならば俺様の方が有利だ。
そう思って飛び込もうとするのだが、伊達に用心棒稼業をしていないという事か、
すばやい動きの用心棒は、なかなか懐に入れようとしてくれない。
そこで今度は逆に、相手が飛び込むのを待とうとしたのだが、これは相手の思う壺だった。
用心棒「ふふっ、喰らえ、疾風撃!」
まさか、こんな名も無い雑魚が疾風撃を使うなんて…そしてまともに喰らう俺様…
が、大して効いていない。そう、相手は動きこそ早いが、力は無いのだ。
ならば何も怖くは無い。とにかく突っ込んで懐に入り、武器を振るう事だ。
そう思ったのも誤りだったのだろうか。攻撃は簡単にかわされ、チクチクと攻撃を喰らう。
経験のある者もいるだろうが、張り手等は、喰らうと結構痛い、大体それだけだが、
毛を一本一本抜かれるのは、軽い痛みと共に、苛立ちがじわじわと募ってくる。
俺様が今、嬲られているのは承知している。しかし、この軽い痛みの連続は、余りにも我慢しがたいっ!
変に高揚(?)した俺様は三段突きを繰り出したが、初手から用心棒にあっさりと避わされる。
用心棒はその隙に突きをいれ、背後に回りつつ槍を払うが、やはり致命傷には程遠い。
苛立ちながら用心棒の方を振り向くと、先程とは少々様子が変わっていた。
初めはゆったりと構えていた槍を硬く握り締め、気のせいか、息が上がってきている。
それに、俺様が間合いを詰めれば引くのだが、逆に俺様が引いても近寄ってこない。
目を見ると、瞬きが増え、黒目が微妙に揺れいる…こいつ、ビビりやがったなっ!
きっと、先程の三段突きの初手を見た時だ。その威力が、奴の想像を遥かに上回ったのだろう。
『当たったら確実に死ぬ』。それが恐怖を引き起こしたのだ。
基本的に、闘いはビビったら負けだ。知らず、体が固くなり、力の入れ加減が無茶苦茶になってしまうからだ。
奴の実力が俺様よりも相当上なら別だが、奴は避ける事以外は平凡そのものだ。
武安国「わはははっ!この勝負、貰ったぞっ!」
この時から、相手が防御したら叩き潰し、攻撃しようとすれば突く、という、一方的な殴り合いへと変貌した。
用心棒「くっ…くそぅ!」
武安国「はっはっはっ!貴様なんぞが俺様に挑もうなど、百年早いわっ!」
叩き付ける鉄槌を防ごうとした槍をへし曲げ、胸元に突きを入れて吹っ飛ばす。
仰向けに倒れた用心棒は、肘を突いて上体を起こそうとしたが、ガクリと力なく崩れ落ちた。
武安国「ふぅ、手間かけさせやがって…
さぁて、破落戸めぇ〜、たっぷりと説教を…あれ?」
気が付くと、例の破落戸は姿を消していた。
きっと、用心棒が劣勢になった辺りで逃げ出したのだろう。チッ…
酒家へ戻って報告。気が付けば日が傾きかけていた。
親父 「やぁ、おかえりなさい。予想よりも時間が掛かったようですが?」
武安国「ああ…バカ一人だけかと思ってたんだが、用心棒を連れてきていてな。
それで少し手間取っていただけだ」
親父 「何はともあれ、お疲れ様でした。では、報酬の金600です」
今度は出されると同時に、ひったくるようにして金を取る。
親父 「そんなに慌てなくったって、金は逃げやしませんよ。足がある訳でもなし」
武安国「確かに金は逃げる事などしないが、奪う奴がいるからな…」
親父 「それはそうですね。いや全く、物騒な世の中ですからなぁ」
すっとぼけやがって…さっき奪ったのはあんただろっ!
こうして、親父に嬲られた後に家に帰り、ようやく柔らかい布団に横になる事が出来た。
翌日、主君からは家にも書簡等での呼び出しが無かったので、また酒を飲みに行く。
酒家の横には、米を大量に積んだ荷車が止まっており、親父が検品をしていた。
親父 「おや、おはようございます。こんな早くから飲みに来たんですか?」
武安国「ああ、当分公務が無さそうなのでな。しかし、凄い量の米だな。
この量を何日くらいで使い切るんだ?」
親父 「え…?ああ、これは違いますよ、うちで使う米ではありません。
廬江までの輸送依頼の品物なんです。まぁ、中へどうぞ」
こうして親父と連れ立って店に入り、酒を飲みつつ親父と雑談をする。
内容は胡車児との一騎打ちと、先日の用心棒退治の事だった。
近頃の一騎打ちは快勝とは言い難く、喰らう数が増えたような気がしていた。
『もう年だし、足が弱ったかな』とボヤくと、親父が米の輸送をやらないかと持ちかけてきた。
武安国「アレは牛に引かせて持っていくんだろ?まさか…」
親父 「そう、そのまさか、ですよ。武安国様が引っ張って行くんです。
胡車児殿は五百斤を背負って七百里を行くというではありませんか。
あの荷物は五百斤どころではありませんが、車が付いているんですし…」
武安国「バカを言うなっ、出来るかそんな事っ!」
親父 「そうですか…残念ですねぇ、これが出来たら、その名は四海に轟くでしょうに…
ましてや、それで到着が早かろうものなら、歴史に名を残す事にも…」
武安国「歴史に…名を…?」
親父 「それはそうでしょうとも。胡車児殿を遥かに上回る、前代未聞の腕力と健脚、
当然、歴史に名を残すでしょうに…惜しいですなぁ…」
『歴史に名を』。それは、途方も無く、甘美な響きを持っていた。
大丈夫たる者、己を士と心得る物なら、誰しも願ってやまない事だろう。
後世の話だが、謀反の罪を犯したとある士大夫は、
「美名を残す事は出来きなかった。しかし、醜名さえ残せぬのは、なんとも無念だ」
と言った事で、彼はその名を歴史に刻んだ。
汚名でも構わない、我が名を永久に残したい。それは、古より脈々と受け継がれる、本能の一部だ。
親父 「仕方がありませんね。それではこれは他の者にでも…」
武安国「な、なぁ、親父…やっぱりその仕事、俺様が引き受けようか?」
親父 「いえいえ、武安国様はお疲れのご様子。やはり他の者にお願いする事にしますよ」
武安国「いいや、ダメだっ!これは俺様の仕事だっ!誰にもやらせんっ!」
親父 「ははは、武安国様なら、きっと引き受けて頂けると信じておりましたよ。
では、期限は90日、報酬は金300です」
こうして俺様は廬江までの運搬を引き受け、その最短記録に挑む事にした。
親父は、帰りの足として牛を付けてくれる。これで安心して、行きだけに全力を出す事が出来る。
翌日、親父に見送られながら、廬江へと猛然と突き進み始めた。
親父 「(・∀・)ニヤニヤ」
業βを出発して4日目、俺様は気づいた。
武安国「バカだ…俺様…」
まんまと親父に乗せられた…この牛もその為だろう…
大体、牛を置いて行く訳には行かないのだから、どうしたって牛と同じ速度になる。
つまり、最初から牛より早く廬江へ行く事なんて出来やしないのだ。
ここからは普通に、荷車を牛にくくり付け、ゆるゆると廬江へ向かう。
廬江の農地へ着くと、商人風の男が木簡と筆を手に検品作業をしていた。
その男に、親父から預かった伝票を渡す。
商人 「ふむ、業βから追加分の米20俵…と。では、向こうの蔵に持って行ってくれ」
どうやら輸送地によって蔵が違うようだ。そこで指定された蔵まで持って行く。
蔵の前で荷卸係が来るのを待っていると、労働者風の男から突然怒鳴られる。
労働者「何をボサッとしてるんだっ!さっさと荷を降ろせっ!」
業βからの輸送だけじゃなく、荷卸までやるのか!?
やむなく20俵を全て降ろし、一休みしていた頃、先程の商人がこちらにやってきた。
商人 「納品書は出来てるんだから、搬入口まで持って行ったらすぐに取りに来てくれよ」
武安国「あ?ああ…そんなに急かすなって…今降ろし終わったところだから」
商人 「へ、降ろし終わった…?誰が降ろしたんだ?」
武安国「俺様だが?さっきここにいた男に言われたから降ろしたんだぞ」
商人 「そんなバカなっ!荷降ろしはウチの者がやる事に…
おい、誰だっ!運送業者に荷物しまわせた奴はっ!」
日雇い「鄭の野郎じゃないですかぁ?」
商人 「あの野郎っ、また手ぇ抜きやがったなっ!誰かっ、鄭を探して来いっ!
申し訳ない、手違いであんたに余計な仕事をさせちまったようだ。
これ、納品書ね。これに懲りずに、またよろしく頼むね…」
どうやら、ここのサボり常習犯にいっぱい食わされたようだ…
武安国「まぁ、降ろしちまったもんはしょうがないし…
じゃあ、伝票貰って帰るわ…」
俺様は落ち込みながら、またゆるゆると、牛の背に揺られて帰る事にする。
武安国って武力85はほしい
>>431 同意、呂布との一騎討ちで生き残った事実は
もっと評価されて然るべき。
過去レスにもあるけど呂布に一突きで倒された武将が居る中
数合打ち合い『腕を切られながらも』生還したのは評価すべき
とまでは言わないけど、評価しても良いと思う。
同じ演義のみの武将の周倉だって武力高いしね。
いや、記述の量が比較にならないか。むむむ。
リプレイ書いてる者が言う事では無いと思うけど、
実際は「生死不明」なんですよね…
しかし、鉄槌を捨てて逃げ、止めを刺されていない、という事、
物語には二度と登場しないという辺りが、我々の想像力を膨らましてくれますね。
武将としては引退していたのか、実は陰で活躍していたのか、
やはり、当時の医療技術では治療出来ず、出血多量で逝ってしまったか。
特筆すべきは、あの「赤兎馬に乗った呂布から逃げ切った」という辺りでしょう。
周倉や胡車児なんか目じゃない健脚の持ち主だったのでは?とか、
馬で逃げ切ったのなら、相当な馬術の持ち主だったのか?とか。
さて、近頃冗長になりがちな上に、ストックも切れましたが、投下します。
195年05月
廬江からの帰路の途中で蔡文姫に会う。
蔡文姫「あら、武安国様。このような所で奇遇ですわね」
武安国「やぁ、蔡さん…相変わらずお元気そうで…」
蔡文姫「武安国様こそ…いえ、ちょっとお疲れのご様子ですわね…」
そこで同道しながら、廬江での出来事を説明した。
蔡文姫「まぁ、そうでしたの…武安国様は真っ正直(悪く言えば単純)な方ですものね。
そういう詐術などにはお気をつけにならないと…。
そうね…こういう時には、詩を吟じると心が落ち着きますわよ」
武安国「詩ですかぁ…俺様にはどうにも…」
蔡文姫「そうですか…でも詩に限らず、これを機会に勉強なさってはいかがですか?
『彼を知り、己を知れば百戦して危うからず』と、孫子にもございます。
詐術にかからない為にも、相手の手の内を学ぶのは重要かと思いますわ」
武安国「ふむ…勉強ですかぁ…」
蔡文姫とは行き先が違う為に途中で分かれたが、業βへ着くまでの間、ずっと考え込んでいた…
勉強かぁ…
業βへ着き、牛と荷車の返却と、報告の為に酒家へ行く。
親父のにやけた顔を見たとたん、これまでは意気消沈していたが、急に怒りが沸いて来た。
親父 「おお、お疲れ様でした。記録の方はいかがでしたか?」
武安国「無理に決まってんだろ!それとこれ、廬江の米の納品書っ!」
親父 「はい、確かに。では、こちらは報酬の金300です。
…もしかして、武安国様を焚き付けた事を怒っていらっしゃる?」
武安国「フンッ!…なぁ、そんなに俺様はバカか?」
親父 「そりゃもう、飛びぬけて。伊達に『鉄槌バカ一代』を名乗っていないなぁ、と」
武安国「『バカ一代』を付けて名乗った事なんかねぇよっ」
親父 「はは、それは失礼しました。しかし、今日はやけに荒れてるじゃありませんか」
そこで、廬江で起きた事や蔡文姫から勉強を勧められた事を話す。
親父 「なるほど、それで…しかし、それでめげない辺り、流石と思わざるをえませんね」
凹んでたよ。それもかなりな…あんたの顔を見るまではっ!
親父 「では、知力修行でもなさってみますか?」
武安国「今更やったって焼け石に水だろ…無駄にしかならんぞ」
親父 「いえいえ、勉強にしろ何にしろ、無駄な事などありませんよ。
荀子も『無用の用』という言葉を残していますし、
『人は、無駄な知識を得る事で快感を覚える動物である』と言う人もいますしね」
武安国「親父、博識だな…。『無用の用』は何となく聞き覚えがあるが、
その後のは初耳だな。誰が言ったんだ?」
親父 「えーと、誰だったっけな…足がモフモフしてる人だったかな…?
それはそれとして、兵を率いる身分として、浅学は恥ずかしい事だと思いますが?」
武安国「ちっ…分かったよ。このままバカにされたままじゃ面白くないしな。
たっぷり勉強して、親父を凹ませる程の機知と知恵を得てきてやるっ」
親父 「ははは、そう来なくては武安国様じゃありませんな。
では、先ずは審配様に師事なさって下さい。
修行終了後、私を言い負かせに来るのを待ってますよ〜」
親父め、舐めやがって…泣いても許してやらんからなっ!
第一の師、審配は屯所で仕事をしていた。
審配 「お、武安国じゃないか。お主も治安の仕事か?」
武安国「いや、仕事じゃないんだ。またお主から教わろうと思ってな」
審配 「ほほぅ、随分と勉強熱心だなぁ。で、今度は何の勉強だ?」
武安国「口喧嘩だ」
審配 「はぁ?」
そこで俺様はこれまでの経緯を話す。審配は途中、何度か強めに相槌を打つ…
審配 「よし、分かったっ!任せておけ、教材にはこの『孟子』を使う事にしよう」
武安国「なんでそんなモンがここにあるんだ…」
審配 「ワシの仕事は衛士の差配が主だからな。普段は屯所に詰めて、書を読んでるのさ」
なるほど…政治修行の時もそんな感じだったし、これが審配の仕事の仕方なのだろう。
俺様は直接やらないと気が済まない性質だからな…それとも、これが知能の差なのだろうか?
いつも通り、10日をかけて学ぶ事にする。
審配 「これでワシからの講義は終了だ。どうだ、少しは理解出来たか?」
武安国「う〜ん…理解は出来るのだが、身には着いてないって所かな…」
審配 「そう簡単に身に着くなら誰も苦労はせんよ。長い年月を経なければ身には着かんさ。
前にも言ったが、復習が大事なんだよ。今は頭に通して置くだけで十分だ。
では、次は上党の高柔殿に教わると良い」
武安国「高柔殿?名は知ってるが、会った事はないんだよなぁ…」
審配 「そうだったのか?じゃあ紹介状を書いてやろう」
審配に紹介状を書いてもらい、それを持って上党へと向かう事にした。
上党で高柔を探す。町の人から聞いた所、農地で仕事中だという。
そこで農地へ行き高柔を発見。早速挨拶を交わす。
武安国「お主が高柔殿か?俺様は武安国と申す」
高柔 「おお、お主が武安国殿か。お初にお目にかかる。
しかし、お主は業βの所属では無かったかな?上党まで何用で?」
武安国「実は、お主から教えを請いたくてな…仔細はこの書簡を読んでくれ」
高柔は審配からの書簡を読み、修行を引き受ける事に同意してくれた。
高柔 「よし、仔細は分かった。それがしの家に孟子があるから、家で行うとしよう」
また孟子?なんでだ?(答:287がそれくらいしか知らないから)
こうして高柔の家で孟子を使って修行する。
高柔 「…と、この様に、相手が話題を変えようとしたり、挑発したりするのは、
相手が窮して反論出来なくなったという証拠、という事だ。
これに乗っては相手の流れに持ち込まれてしまう。そうならぬように気をつける事だ」
武安国「なるほど…」
高柔 「では、それがしからの講義は終了とする。次は高覧と実地訓練を行うと良い。
これまでの進捗を記しておくから、高覧に渡して師事するように」
高柔は書簡に蝋で封をし、それを俺様に渡す。
審配の書簡は見ようとも思わなかったのだが、封までされると見たくなるな…
195年06月
業βへ戻ると、伝令が御主君が呼んでいるから出仕するように、という伝言を持ってきた。
そこで早速宮城へ行ってみると、騎馬隊と歩兵隊の訓練をしろと言う。
久しぶりの公務だ。しかも訓練だなんて、本当に久しぶりなので、快く引き受ける事に。
騎馬隊の方は、もうほとんど仕上げの状態に入っていた為、
俺様があれこれする事はほとんど無かったが、歩兵隊はまだ戦列を組む事すら危うい状態だ。
そこで、挨拶からビシッとシメる事にする。
武安国「俺様がお前らの調練を受け持つ事になった武安国だ。
来るべき時に備え、しっかり訓練する様にっ!」
兵士1「武安国だって?」
兵士2「確か、袁紹軍に於いて、未だ負け無しの将軍だろ?」
兵士1「それどころか、出れば必ず戦功第一位って話だよな?」
兵士3「俺んちの三軒隣の馬兄ちゃんが、あの人の下で働いて戦功一位になって、
褒美たんまり貰ったって言ってたぜ」
兵士1「マジでっ?」
兵士3「おかげで酒飲みまくりだわ、女にゃモテるわ家は燃えるわで大騒ぎだってさ」
兵士1「家燃えるのかよっ!?」
兵士3「あ、それはちょっと勢いで言ってみただけ」
兵士2「とにかく、スゲェ将軍だって事だろ。こりゃ頑張んなきゃな!」
流石俺様、挨拶一つで兵士達のやる気が上がった。民間での武安国伝説はなかなかのようだ。
久しぶりなので20日をかけて訓練をし、錬度が一気に跳ね上がる。
兵士 「名高き武安国様のご指導のもと、我ら一同全力で訓練いたしました。
ありがとうございました」
武安国「お前らも良く頑張ったな。一緒に戦える日を楽しみにしているぞ」
フッ、キマったな…これであいつ等が戦場で頑張ってくれる事は疑いようも無い。
全ては俺様の戦功第一位のためにっ!(えっ)
訓練が終了した事を報告しに、宮城へと出向く。
武安国「報告いたします。騎馬隊は仕上げを施して終了させ、
歩兵隊の方はかつてない程の成長をさせました。いつでも戦に出られますぞ」
袁紹 「おお、そうか。ご苦労だったな。で、次の仕事を頼もうかと思ったのだが、
審配から聞いたのだが、また勉強中と聞いたぞ?」
武安国「はは、ご主君のお耳に入れる程大したことではありませんよ」
袁紹 「では、次の仕事はまた今度にしよう。して、次は誰から学ぶつもりなのだ?」
武安国「次は高覧から教えを乞う予定です。と言う事で高覧の所におりますので、
戦の時には、か・な・ら・ず、呼んで下さいよね。
もう置いてけぼりはゴメンですよ」
袁紹 「う、うむ…分かった…」
あらかじめ釘刺しとかないと、また置いていかれるからな…
しかし、こういう所に考えが至る辺り、俺様も成長してきてるのかな?わはははは!
(まだ経験値30しか上がってない)
195年07月
収穫の秋がやって来た。今年の業βは天候に恵まれ豊作になった。
伝令 「業βは豊作を喜ぶ民の声で満ち溢れておりますよ」
武安国「そうか、それはめでたいな。腹いっぱい食えて、民も兵もやる気が増すだろう」
次の仕事を免除された俺様は、宮城にいる高覧の元へ。
高覧 「やぁ、武安国さん。審配殿から聞きましたよ、また勉強してるんですって?
武芸一辺倒のあんたが、本当にどうしちまったんですか?」
武安国「どうもしてねぇよ。やろうと思ったからやってるだけだ」
高覧 「へぇ…で、次は誰から教わるんです?」
俺様は静かに、人差し指を高覧に向ける。高覧は目をぱちくりさせ、後ろを振り向いたりしてる。
高覧 「へ?また俺?」
思えば、高覧から物を教わるのはこれで三度目か。すまないねぇ…ケホッケホッ
俺様はこれまでの経緯を話し、高柔から預かってきた書簡を高覧に渡す。
高覧は何かニヤニヤしながら、時々爆笑しながら書簡を読んでいる。何が書いてあるんだ…?
武安国「おい、それには何が書いてあるんだ…気になるから見せろっ!」
高覧 「ダメだって!それじゃ封までした意味が無いでしょうが。
とりあえず状況は分かったよ。で、俺からは実戦でって事だよね」
武安国「うむ、そう聞いてるぞ」
高覧 「じゃあ、早速行きますよ!『へべれけ大将』さん!」
武安国「なっ!てめぇ、そんな事ぬかすのはどの口だっ!この口かっ!この口かぁっ!」
流石に叩きのめす訳にもいかないので、ほっぺたをつねる位しか出来ないのが口惜しい。
高覧 「いでででっ!ちょ、ちょっと待ってって!
挑発に乗ったりするなって勉強してきたんでしょうがっ!」
武安国「それがどうしたっ!…あ、そうだった…」
高覧 「もう、勘弁して下さいよ…本当に勉強してきたの?」
武安国「このっ!俺様をバカにするかぁっ!」
高覧 「だーかーらーっ!」
こんな具合で10日間、高覧との実戦から学び取る事にする。
10日後、高覧の左頬に赤みが残ったまま、高覧からの勉強を終了する。
武安国「スマンなぁ、高覧…大丈夫か?」
高覧 「…ま、まぁ…どうにか…。でもね、俺も次のあんたの師を紹介したくて、
ずっと我慢してきたんだ…フフフ…」
武安国「おお、で、次は誰に師事したら良いんだ?」
高覧 「孔融殿」
武安国「ほぅ、孔融か…なっ、なにぃっ!?孔融だとっ!」
高覧 「ああ、あんたの元・主君にして、孔子20代目の子孫。
儒教の亜聖・孟子の勉強のシメにはピッタリじゃないですか?あははははっ!」
武安国「な、なぁ…考え直してくれんか?誰か違う人を紹介してくれよ、なっ?」
高覧 「だめだね。これは高柔殿からのお指図なんだから。それとも、修行は断念しますか?
酒家の親父さんから何を言われるか知りませんがねぇ?ぎゃははは!」
これか…これが書簡を読んで笑っていた理由か…
高覧 「おっと、高柔殿を怨んじゃいけませんよ?あの人は知らずに推挙しただけなんですから。
それじゃ、おっつかれ〜♪」
高覧は俺様の肩をポンッと叩き、笑い声を上げながら立ち去っていった。
親父に嬲られるか、元・主君に嬲られるか、それが問題だ…
散々悩んだ挙句、元主君に教えを乞う事にする。…あー、気が重い…
孔融は現在、曹操の家臣として陳留に所属している。そして、その陳留の酒家にいた。
武安国「仕事もせずに昼間っから酒ですか(人の事言えない)」
孔融 「ん?…!、お、お前はっ!何しに来た、この恩知らずめっ」
武安国「久しぶりの対面だというのに、つれないじゃありませんか…
実は、儒の大家とみこんで、孟子を学びに来たのです」
孔融 「はっ、何をいまさらっ!お前に教えてやる事など無いわっ!」
武安国「そんな事言わずに、お願いしますよ…」
孔融 「黙れっ!不忠不義の輩とは口も利きたくないわ、帰れっ!」
なんとしてでも経験を積んで帰らねば…そう思った俺様は、10日間孔融に付きまとい、
罵詈雑言を浴びせかけながらも問答をこなして経験5を獲得。
まぁ、一応経験も積んだし、これで良しとしよう…
高覧イカスw
195年08月
業βへ戻ると、酒家へ行くよりも早く、伝令がやってきた。
伝令 「劉備殿の義弟の張飛殿が、我が軍に仕官したとの事です」
武安国「ほほぅ、生きていたのか」
伝令 「ええ。袁紹様はいたく気に入ったらしく、既に政務を割り振ったとの事です」
武安国「ふむ…どんな奴なのか、後で見に行くか」
先ずは酒家へ行って報告。
親父 「やぁ、おかえりなさい。修行の成果はいかがでしたか?」
武安国「それがなぁ…ロクに身につかなかったよ。
まだまだ経験が足りないようだ…(今回の修行の経験値:50)」
親父 「おやまぁ、そうでしたか…。私を言い負かしに来ると思って、楽しみにしてたのに」
武安国「まぁそう言うな。いずれ言い負かしてやるから!」
親父 「ははは、期待せずに待ってますよ。ま、これでも読んで、更に修行して下さい」
そう言うと親父は、褒美として『礼記』を俺様にくれた。(知力+3)
武安国「親父、あんたこんなの読んでるのか…?」
親父 「いいえ?私のじゃありませんよ。お客さんの忘れ物です」
武安国「お、おいっ、それはマズイだろ…」
親父 「いいんですよ。5年前の忘れ物で、未だに取りに来てないんですから。
きっと持ち主も忘れてるでしょう。時効ですよ、時効。ははは」
そんなもん、褒美によこすなよっ!ってか、時効って何だ!?
先月、主君が仕事を用意していたというのを思い出し、宮城へ行ってみると、
その仕事は既に無いが、張飛が治安を行っているから、挨拶がてら一緒にやって来いとの事。
そこで屯所へ行ってみると、見かけない大男を発見。虎髭に赤ずきん、こいつが張飛だろう。
武安国「お初にお目にかかる。お主が張飛だな?俺様は」
張飛 「おお、あんた武安国じゃねぇかっ!久しぶりに見るぜっ!
確か、6年前か?見てたぜぇ、あんたと呂布の一騎打ち」
ああ、そういえば、俺様の後でこいつらが呂布とやったんだっけか。
張飛 「一人で呂布に向かっていったクソ度胸は大したモンだったぜ。
まぁ、オレ様もあの後、一人で殺りに行ったんだがな」
武安国「ん?俺様の聞く所では、お主ら義兄弟三人で向かって行った、と聞いてるぞ?」
張飛 「それなぁ、ちっと違うんだよ…最初はオレ様だけでやりに行ったんだけどよ、
兄者達が危ねぇとかってんで、勝手に助太刀に来たのよ…」
武安国「ほぅ、そうだったのか…」
張飛 「しかしまぁ、兄者達が来てくれたから助かったってのはあるかも知れねぇな。
勘違いするなよ?呂布なんてヘボ野郎にやられるオレ様じゃねぇ。
あんたも言ってたが、あの馬だよ」
武安国「ああ、確か…『赤兎馬』とか言ったな。なんでも、一日に千里を行くって言う駿馬だそうじゃないか」
張飛 「そうそう、その『赤兎馬』よ。あれは大した馬だぜ。
あいつのせいで、呂布の野郎を取り逃がしたようなもんよ」
武安国「う、うむ…オレ様も、あの馬のせいで腕を切られたようなもんだ」
張飛 「そうだろうな、あの馬のせいで…だから、あんたの悔しさはよっく分かるぜっ!」
なんだ、よく分かってるじゃないか。(そうか?)
会う前は、なんかいけ好かない奴って思いがあったが、実際に話してみたら良い奴だ、こいつ。
こうして、張飛とのファーストコンタクトは好感触に終った。
仕事をしに来たので、一応やる事はやっておかねば。
という事で、巡回路に入れた(?)酒家に寄る。親父〜、酒くれ〜。
親父 「ダメですよ。公務中でしょ?」
武安国「何で知ってるんだ…」
親父 「仕事が無くてウチに来る時は南から、公務中はそれ以外の方向から。
何年も付き合ってれば、それくらいは分かるようになりますって」
俺様の家は酒家の南側にある。仕事が無い時は真っ直ぐ来る為そうなる。
逆に巡回中の場合、屯所も南側にあるのだが、西や北を巡回した後から来るのでそうなる。
武安国「そうか…じゃあ、今度は屯所から直接来てやるか?」
親父 「残念ですが、それでも分かりますよ。奇術師が一番大事なタネは教えないのと同様、
私も一番のタネは明かしませんからね。嘘だと思うなら試しても良いですよ?」
武安国「よし、今度試してやるっ!まぁ、それはそれとしてだ。
公務に協力しろ。怪しい奴を見かけ…な…」
そう言っている最中、いかにも怪しい男を発見。
ブクブクに太り、豪奢な着物を羽織るという、一見金持ち風なのだが…
親父 (やはり、あの男に目を着けましたか)
武安国(見た事の無い男だよな?それに、あの着物もこの辺りじゃ見かけんな…)
親父 (あの着物は蜀錦ですね。よくもまぁ無事にここまで持って来れた物ですよ)
武安国(移住者という可能性は?)
親父 (今にも戦が始まりそうな都市に、わざわざ平和な蜀から移住するなんて…
武器商人でなければ、酔狂どころではありませんね)
武安国(よし、分かった…)
親父 (ちょっと…この間のような騒ぎは起こさないで下さいよ?)
武安国(むっ…しかし、どうしたら…)
金持ち「おーい、親父ー。酒のおかわりだ」
親父 「へい、只今お持ちします」
親父 (私に考えがあります。一度屯所へ戻り、用意をしたらまた来て下さい…)
親父に言われるまま、一度屯所へ帰り、衛士数名を連れて酒家へ行って見ると、
例の男は飲み潰れたのか、机に突っ伏していた。
いや、飲み潰れるには早すぎる…まだ一刻も経っていない…
親父 「ははは、どうです?今度は穏やかに連れて行けるでしょう?」
武安国「あ、ああ…しかし、何をしたんだ?」
親父 「以前、華佗というお医者様がいらっしゃった時に、『麻沸散』という薬を分けて貰ったんです。
これは全身を麻痺させて眠らせる、という効果があるんですよ」
武安国「…なんでもあるな、この酒家は…」
親父 「まぁ、こういう商売ですから、突然喧嘩が起きる事もありますし、酒瓶で頭を殴って大怪我、
刀を抜いての刃傷沙汰の挙句に腕が飛ぶ、なんて事もありましたのでね…。その保険です。
しかし、どれくらい使ったら良いのか忘れてしまいまして…。
で、適当に茶碗に入れてみたら御覧の通り、という事です」
武安国「て、適当!?医薬品は用法容量を守って正しくお使い下さいって言うだろ!」
親父 「ははは、大丈夫ですよ、死にはしませんから。さあ、そろそろ連れて行って下さいな」
恐ろしい親父だ…人体実験までしやがるとは…
儁乂っ!この親父を恐れていたのはこういう事なのか!?
結局この男、『麻沸散』が効いている間の寝言で、劉焉の手の者であるらしき言が取れたのと、
持ち物や着物から密書が見つかった為、劉焉の間者という事が判明する。
御主君からはお褒めの言葉が貰えたが、どうやって捕まえたかなんて、言えやしない…
>287
まいうー。最高です。
マイウーマイウー ( ・∀・)
195年09月
次の仕事は無く、捕まえた男が劉焉の間者だったという事を親父にも教えてやりに行く。
親父 「ほぅ、やはりそうでしたか。しかし、武安国様の眼力もなかなかですね」
武安国「まあな。しかし、いきなりあんなモンを使うとは思わなかったぞ…
まさか、俺様にはあんなモン盛ったりした事はないよな?」
親父 「アレは無いはずですよ。今回が初めてでしたからね」
武安国「アレ『は』?お、おい…『は』って事は、他のはあるのかっ!?」
親父 「まあ、タダ酒飲んでるんですからそれくらいの代償は…
なんてね、冗談ですよ。普通の酒だけです、ええ」
ホントかよ…段々不安になってきた…
親父 「ところで収穫祭も終った事ですし、世間は大分落ち着いてるようですね。
世間が静かなら武安国様の仕事も無い。という事で、依頼を受けませんか?」
武安国「勝手に仕事が無いって決めるなよっ!…まぁ、確かに無いんだけどさ…」
親父 「でしょ?で、今回の依頼なんですけど、ちょっと怪しいんですよ…
なんでも、『一年中収穫の出来る野菜の種がある』って話なんですよ」
武安国「確かに怪しいな…その噂の出所はどこなんだ?」
親父 「なんでも下ヒにあるって話なんですよ。これが本当なら良い金になるんでしょうけど、
余りにも信憑性が薄いですしね。そういう訳で、報酬も金300と低いんですよ」
武安国「なるほどなぁ…まぁ、宝探し程度の気分で行ってみるか」
こうして、怪しげな野菜の種を求めて、下ヒへと旅立つ。
下ヒへ向かう途中、小沛の辺りで、見覚えのある馬と髭に出会った。
その馬とは『赤兎馬』、それに打ち跨る髭とは、華雄をぶった切った、あの髭だっ!
武安国「この髭めぇ〜!俺様の華雄を奪いやがってっ!覚悟ぉっ!」
関羽 「!?」
馬で一気に駆け寄り一撃を入れたのだが、髭の野郎にあっさりとかわされてしまった…。
もう一度、と思い馬首を返したのだが、流石は赤兎馬か。もう姿が小さくなっていた。
確か、赤兎馬は呂布が死んだ際に曹操の手に渡ったと聞いた。
ならば、あの髭は曹操配下という事か。
だったら近い内に戦う事になるだろうし、次に出会うのはきっと戦場だろう。
しかし、俺様の一撃を見ただけで逃走するようなヘタレだ。大した奴ではないな。
関羽(『俺様の華雄』?…華雄の情夫が報復にでも来たか…関わらないのが正解だな)
その後ゆるゆると下ヒへ向かい、農地で情報収集をする。
農地の者の話によれば、ここでは扱っておらず、廬江の南東の森に生えているという話だ。
農夫 「しかし、あれを野菜と呼べるかどうか…」
武安国「と、いうと?」
農夫 「いや、味も悪いしどうやって育てたら良いか分からないし、
何よりも成長が遅いんですよ」
武安国「成長が遅い?一年中収穫が出来るくらいなんだから、遅い訳がないだろう?」
農夫 「ああ、それは『収穫時期を選ばない』という意味だと思いますよ。
冬でも枯れないのは有り難いですけど…」
なるほど、そういう事か…確かにポンポン出来上がる野菜なんて、あるわけ無いよな…
農夫 「それと、雪が積もるような所では上手く育たないようなんですよ。
だからこっちで畑を作ってやるっていうのも出来ないんですよね」
武安国「そうか、分かった」
この農夫の情報を元に、その野菜らしき物を求めて廬江の南東へと向かう。
195年10月
下ヒを発して一週間。廬江の南東にある森へ到着したが、野菜らしき物などは見当たらない。
森の中にも入って行き、大きめの草を見つけては掘り起こすが、どうもそれっぽくない。
しかし2週間後、農夫の『野菜と呼べるかどうか』という言葉を思い出す。
大根や白菜、冬瓜の様な物を想像していたのだが、形状からして違うのだな、きっと。
そして1週間後、ようやくそれらしき植物を発見する。
しかし、異様な形だ…まるで木のように生えている。食えるのか?
葉の外側は棘のような形状をしており、やや肉厚な感はある。
斬ってみると、半透明な果肉が瑞々しい。しかし、舐めてみるとやたらと苦い。
でも、食うとしたらこの部分だろうな。茎の方は煮ても焼いても食えそうに無いし。
その植物の近くに種らしき粒もある。(中を割ってみたが、糞ではなかった)
俺様はその種の様な物を拾い、ついでなのでその植物を根こそぎ掘り起こして持って帰る事にした。
親父に食わせてみよう。俺様はもういい。
(※アロエを種の元ネタとして勝手に想像。原産地はアフリカ・アラビア・地中海ですが)
華雄の情夫ww
195年11月
種の捜索を終えて、ようやく業βの酒家に到着し、報告をする。
武安国「多分これだ、って奴だがな。あと、その野菜その物も持って来たぞ」
親父 「おや、これは…『蘆薈(ろかい)』じゃないですか?
どちらかというと、塗り薬や観賞用の植物だそうですが」
武安国「しかし、下ヒの農夫から聞いた話だとこれらしぞ。
冬でも枯れないから一年中収穫が出来るそうだし、問題は無いだろう?」
親父 「依頼人も『種類問わず』な頼み方してましたし、まぁ良いでしょう」
こうして俺様は報酬を受け取り、馬に積んだ種と野菜を降ろして親父に渡す。
武安国「ところで親父、これ、食ってみんか?
依頼主にどんな味の野菜か、説明出来ないと困るだろ?」
親父 「それもそうですね、試しに料理してみましょう。武安国様も食べるでしょう?」
武安国「いや、食えるかどうか、向こうで既に試したからな。今日はさっさと帰って寝るよ」
あの苦さに顔をしかめる親父を見られないのは残念だが…w
自宅に戻って二日後、主君からの呼び出しも無いので酒家に行ってみる。
親父がどんな感想を言ってくれるのか楽しみだ。
武安国「よう親父、例の野菜は美味かったか?」
親父 「なかなか面白い食感でしたよ。で、依頼主にも報告をしたのですが…」
それだけかよっ!なんだ、ツマランなぁ…
親父は飲み物が入った茶碗を出しつつ、依頼主との話をしだした。
俺様はそれを受け取り、口に含んだとたん、噴き出した。
武安国「うぶっ、不味っ!ウェェェェ…まっずいなっ、これ!ってか苦ぇ…」
親父 「タダで飲み食いしてて、大きい声で不味い不味いって…随分と酷い事を仰る…」
武安国「しょうがないだろ、飛びぬけて不味いし苦いんだよっ!なんなんだこれはっ!」
すると親父は、店の壁を指差した。そこには、新しい板に新商品の名前と紹介が書いてあった。
『白汁…数量限定 この苦さがたまらない!朝の気付けに、遊戯の罰に』
親父 「先日頂いた蘆薈をすり潰して液状にした新商品です。まぁ、そんなに数は出せませんけどね」
武安国「商魂逞しいな、親父…」
くそっ、忘れてた…この親父、ただじゃ起きないんだった…
ツケの総額が恐ろしいことになってそうだ
保守
ちょいとご無沙汰してます。
近頃忙しく、なかなかリプレイが書けていません。
もし、楽しみにしていた方がいらっしゃったら、申し訳ありませんでした。
中途半端に終らせるのもアレなので、頑張って続きは書くつもりです。
が、元々は「語る」スレですから、皆様で武安国を語って頂けると嬉しいです。
よーし、パパ、ネタ振っちゃうぞ〜w
武安国って
458 :無名武将@お腹せっぷく :2006/03/15(水) 11:16:40
息子いないよね。
種無しだったのかな?
以前武安国の血縁武将を作成したりした俺が来ましたよ!
名前は武安匡。
親父と違って何度も所属勢力を滅亡させられても
大した魅力があるわけでもないのに(50後半)毎回しぶとく生きた男でした。
Zで作って、絶影に乗って大斧を振り回して遊んでた。
誰か居ないかなぁ、こう言う遊び方が好きな椰子は。
武安匡ワロタw
武安産なら作ったw
いよいよ11の発売日になった。
それに先んじて体験版が公開された。
しかし、体験版では我らが武安国の能力を確認する事が出来なかった。
勇者様、11の武安国の能力を晒してくださいw
多くは望まん。せめて武力80は欲しい……。
欲を言えば82+2(鉄槌)くらいが理想だし納得なんだけどね。
保守
でも、鉄槌って+1しかつかないんだよね、大抵。
武力はやっぱり80前後がいいね。
最低でも、呂布に一撃で斬られない程度で。
統率?なにそれ
関羽と互角に戦ったと紀霊を持ち上げるならば、
手傷を負ったものの呂布と渡り合った武安国を何故いつまでも冷遇するのか。
いや、2からずっとフル出場って事を考えたら
十分厚遇なのかもしれないよ?
曹豹のレベルアップに比べたらまだまだだけど。
むむむ。確かにそうかも……と言うか、武安国がいないとゲームにおける
孔融陣営が圧倒的に不利ってだけかも知れないけどw
思えば肥Uでは高順や李典楽進于禁の扱いもひどかったわけで、
いつか劇的に能力があがりますように……。
ご無沙汰しております。
随分と間が開いてしまいましたが、続きを少しだけ投下。
195年11月
武安国「しかし、あれだな…最近は戦が無くて暇だなぁ…」
親父 「我々としてはその方が嬉しいんですけどね?
税金は上がるし臨時徴収はあるし、息子は取られるし畑は荒れ放題になるし、
家畜も取られるわ、城内まで攻め込まれて負けた日には女子供が…」
武安国「み、皆まで言うなっ!それ以上は言っちゃいかん…
しかし、暇は暇なんだよ。思い出してみれば、前回の戦は2月頃だったか。
生き馬の目を抜くようなこの乱世に、そんなのんびりしてて良いものかねぇ」
親父 「本当なら、帝の権威が復活して、元のようになるのが良いのですけどねぇ」
武安国「それは幾らなんでも無理だろう。だが、俺様のような一介の武辺者にはいい時代なんだけどな。
力次第で上に上れるんだから」
親父 「ふむ…そうだ、武力修行をしてみませんか?
今の武安国様がどの程度の力なのか、試してみるのも面白いかもしれませんよ?」
武安国「え?そんなのあったの?」
親父 「そりゃぁ、知力や政治のもあるんですから、武力だってありますよ」
武安国「なんだぁ、あったのかぁ…なんでそれを一番先に言ってくれないんだよ。
知力、政治、統率ってやる前に、先ず俺様には武力だろ?」
親父 「とっておきってのは最後に出す物でしょう?」
俺様は大好物は真っ先に食べるタチなんだよっ!
っと言った所で、そんな事親父が知っている訳が無いしな。
早速、最初の師である張飛に会いに行く。あの若造が俺様の師?想像しがたいな…
張飛 「よう、武安国じゃねえか。ナンの用だい?」
武安国「いやなに…お前もあの酒家でよく飲んでるんだろ?あの酒家の親父から言われて…」
張飛 「なっ、えっ!取立てか!?
ま、待ってくれっ!まだまとまった金が入ってねぇんだ、もうちょっとで良いから!」
武安国「いや、ツケの取立てじゃなくてな…俺様は今、武力修行をしてるんだが、
最初の師としてお前から学べって言われてな」
張飛 「あ、なんだ…ったく、ビビらせんじゃねぇよ。
でも、良い所に目を付けてるよな。オレ様から学ばせようだなんてよ」
武安国「俺様としてはよく分からんのだけどな。まぁ、ご指名だから、一つよろしく頼むわ」
張飛 「ああ、いいぜ!…ところでツケの件なんだが…」
武安国「それは知らん!」
しかし二人とも、理論よりは実戦という方なので、そのほとんどはただの組み手だったのだが。
昔話を交えつつ、約10日間の組み手をしているうちに、張飛が並々ならぬ使い手である事が分かってきた。
膂力だけではない。その身のこなし、機の捉え方、打ち込みの正確さ等、当代随一と言わねばならない。
悔しすぎる現実だが、俺様は涙を飲んで、己の未熟さを認めざるをえなかった。
張飛 「これで約束の10日は終ったな。おつかれさん」
武安国「俺様もまだまだだな。なんだか良い様に弄ばれた感じだ…」
張飛 「いや、その年と片腕ってのを考えりゃ、良い線いってると思うぜ?
それと、その使いづらそうな得物だな。なんでもっと軽い剣とかにしねぇんだ?」
武安国「それは…鈍器とか、好きだからー!それが俺様の存在意義だ!
ってか、お前だって、その蛇矛は好きで使ってるんだろ?」
張飛 「それもあるけど、それだけじゃねぇんだ。
これで斬られるとよ、傷口がグズグズになっちまって、ふさがらねぇんだよ…フヒヒヒ…」
武安国「なるほど…」
張飛 「じゃあよ、次は…胡車児の所にでも行ってみるかい?
あんたとあいつだったら、良い勝負になると思うぜ?」
武安国「胡車児とは以前、やりあった事があってな。一応勝ちはしたけど、ギリギリだったんだよな」
張飛 「なら丁度良いじゃねぇか。今回の修行でどの程度強くなったか、試しちゃどうだい?」
武安国「それもそうだな。よし、では胡車児の元へ行ってみよう。
ああ、そうだ。世話になった礼に、酒家のツケの件。親父に口ぞえしといてやるよ」
張飛 「お、そいつぁありがてぇ!」
こうして張飛の元での修行は終了。次の胡車児のいる汝南へと向かう。
おぉ、久々だ!乙!
ついに帰ってキター
475 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/04/10(月) 17:43:37
更新age
195年12月
汝南は曹操の支配下なのであるが、何故そこに、お尋ね者になっててもおかしくない胡車児がいるのか。
それは謎ではあるが、居るものは居るのだから仕方が無い。
胡車児「お?武安国殿ではないですか。この様なところで会うとは、奇遇ですなぁ」
武安国「お主こそ。こんな所に居るとは、随分と肝の据わったものだな」
胡車児「なに、いざとなれば己の足と武芸で逃げ切ってみせる自信がありますのでね」
武安国「ふむ…ところで、おぬしに武芸を教わりたいのだが、良いかな?」
胡車児「はてさて、それがしが武安国殿に教える事があるかどうか…
とりあえず、組み手方式でやりましょう」
と、相変わらずの組み手方式での修行となる。ありがたい事に、修行中の10日間は、
胡車児を見咎めるような役人もおらず、中断される事も無かった。
胡車児「とりあえず、これで終了ですな。
なんだか教えるというよりは、お互いに研鑽したという感じでしたな」
武安国「そうかもしれんな。まぁ、得物も違うし戦い方も違うからな。
だが、お主のような足腰を持った者と戦う時の事を学ばせてもらったよ」
胡車児「では、次は許昌の関羽殿から学んではいかがですか?
関羽殿の武芸は磨き抜かれており、これに当たれるのは義弟の張飛殿くらいだとの話ですよ」
武安国「関羽…誰だったっけ?」
胡車児「華雄を斬り、義兄弟の劉備・張飛と共に呂布に当たった人ですよ。
下ヒが陥落した時に曹操に下って、随分と気に入られているらしいです。
呂布の乗っていた赤兎馬を譲られたらしく、アレに乗って襲われたら、それがしとて逃げられませんなぁ」
武安国「あっ!関羽ってあの髭だっけ…
張飛の義兄だってのをすっかり忘れてた…」
この間、一発入れ損ねたっけか…張飛の義兄ってのを忘れてたとはいえ、あれは不味かったなぁ…
張飛は悪い奴じゃないし、近頃ちょっと仲良くしているし。
華雄を討ち取った事は水に流して(?)謝っておかないと、関羽が張飛と会った後、張飛とは気まずくなるなぁ…
次の師の髭、もとい、関羽は曹操軍所属で、現在許昌にいる。
その曹操の膝元である許昌の目抜き通りを堂々と闊歩する俺様。
俺様個人の恨み(?)とは別に、曹操と袁紹様との仲はそれほど険悪でもないようで、
勢力としてみれば、まぁ、中立と言う辺りなのだろう。
そして、次の師であり、張飛の義兄である関羽だが、兵舎で兵の訓練を行っていた。
武安国「お主が関羽に間違いないな?(間違いようも無いのだが)」
関羽 「む、どなたかな?…おっ、貴公は華雄の情夫!?
こんな所まで来おるとは…その恨み、よほど深いようだな」
武安国「ハァァァァァァ!?誰がどうして華雄の情夫だぁ!?
ったく、出会い頭に、随分と失礼な奴だな」
関羽 「それは貴公でござろう。過ぐる日の無礼…小沛よりの道すがらに突然打ちかかってきた事。
忘れた訳ではないのだぞ?」
武安国「あ〜、それは…うん、申し訳ない。それは素直に謝る、うん」
関羽 「(変な部分で軽い男だな…)
所で何用かな?ご覧の通り、それがしは兵の調練中なのだが。
華雄の敵討ちというなら、正々堂々と受けてたとう」
武安国「いや、それは良いんだ、それは。とりあえず、華雄の事は置いといて、だ。
俺様に武芸を教えて欲しいのだ」
関羽 「武芸?それならあの兵らに混ざって受けてゆくが良い」
武安国「あのなぁ…あいつらが使ってるのは槍だろうが!見ろっ、この腕!片腕で槍が使えるかっ?」
関羽 「…ならば、何を得物としておるのだ?」
俺様は鞍に括り付けてある鉄槌(本当は未だに銅槌)を外し、それを関羽の眼前に、静かに、しかし力強く見せ付ける。
関羽 「ほぅ、いまどき銅槌を得物に使うとは、珍しい…
ぬ…隻腕の槌使い…?貴公、もしや武安国殿か?」
やはり、俺様の名は広く知れ渡っているようで、敵国の武将にすら武勇を認められているようだ。
関羽 「どういう事だ?あの呂布に立ち向かった大丈夫が、華雄の情夫だったとは…?」
武安国「だからっ!華雄の情夫ってのはなんなんだよっ!」
このままでは埒があかないので、誤解を解くべく、何故襲い掛かったのかを説明し、
単なる逆恨み、今風にいえば逆ギレだった事を俺様が認識。
かつ、何故関羽が俺様を華雄の情夫と言ったのかを聞き、理解する。
たった一言であそこまで想像を膨らませるとは…関羽、恐るべし。
誤解も解け、俺様が当代でも珍しい鉄槌使いとの事で、快く武芸を教えてくれる事になった。
関羽を師とした修行では、これまでとは違って組み手だけではなく、
体捌きや足運び、攻撃の流れ、姿勢など、口頭でも説明され、理論と実戦を交えた修行となった。
そして、また俺様は思い知らされた。こいつもとんでもなく強い。張飛並みだ。
とはいえ、張飛とは強さの部類が違うというか、攻撃の質が違うといえる。
仮に、両者にそれぞれの得物を使って、力いっぱい西瓜を切らせる、とする。
張飛の場合は、恐らく弾け散らせて、西瓜は赤い霧になるだろう。
関羽の場合は、横薙ぎに切って、西瓜を動かさずに二つに切れる、という所か。
つまり、力の集約が上手い、という事だ。腕力では張飛が上だが、技では関羽が上だ。
とはいえ、攻撃が軽い訳ではない。むしろ、一点に集中させるので相当重い。
正直、この二人の義弟を持った劉備が羨ましい…。
あ、そうだ。関羽に劉備と張飛の事を教えてやらんと。
武安国「いや、良い勉強をさせて貰った…世の中ってのは広いなぁ…」
関羽 「いやいや、貴公もなかなかやるではないか。呂布に向かっていく自信があるのも当然だ。
しかし、惜しむらくはその隻腕か…両腕での貴公の武を味わってみたかったものよ…」
武安国「礼と言っては何だが、お主に、劉備殿と張飛の居所を教えよう」
関羽 「何っ!?兄者と翼徳の居場所を知っておるのか!?
何処だ、何処に居るのだ!」
武安国「あの二人は、俺様の主君・袁紹様を頼って、今は業βにいる。
聞いた話では、お主はあの二人の居所が分かり次第、曹操の元を辞去すると聞いているぞ?
さあ、関羽!一緒に業βへ帰ろう!」
関羽 「…それは…出来申さん…っ!」
武安国「何でだ!?説得で絡め取られただけで、あの姦雄には義理も何も無いだろ!?」
関羽 「いや…兄者の奥方が許昌で世話になっているのだ…
それも、全てそれがしの指定通り、何不自由なく、愚弄もされずに、な…
その恩義に答えてからでなければ、これまで通してきた、それがしの義が成り立たぬ…」
武安国「お堅いなぁ…。まぁ、だからこそ、劉備も曹操も、お主を傍に置いときたいのだろうけどな。
だが、恩に答えるにしても、どうやって答える気だ?」
関羽 「それがしも一介の武辺者。敵将を斬るくらいしか能がござらん…
しかし、戦も無ければこの腕も振るいようも無いし、仮にあったとしても、
それがしの出番は…袁紹と当たるまでは無いだろう…」
武安国「つまり…次に会う時は戦場でって事になるかもしれない、か…
分かった。とりあえず、劉備殿と張飛には伝えておいてやるよ」
関羽は苦悶の表情を浮かべていたが、俺様がどうこう出来る問題でもない。
気の毒だけどな。
修行を終らせた俺様は業βへ戻り、一先ず酒家へ報告に。
劉備と張飛に、関羽の事を教えてやるのは、少し後にしよう。長くなりそうだし。
親父 「お、やっと帰ってきましたね。いかがでしたか?」
武安国「いやぁ、世の中って広いよなぁ…なぁ、親父?」
親父 「いきなり何を言ってるんですか…
ははぁ、さては…メッタメタにやられたんでしょ?それで暗い顔を?」
武安国「確かに俺様はまだまだだってのを思い知ったけどよ、それだけじゃなくて、
ちょっと重い話になっちまってな…」
そこで、親父に関羽との話をかいつまんで話し、修行が終わった事を報告する。
親父 「なるほど。関羽様は、恩と情の板ばさみで悩んでおられたのですか…
確かに難しい話ですなぁ…」
武安国「とはいえ、俺様がどうこう出来る話でもないしな。
まぁ、後で劉備と張飛には、関羽の居所を教えてやるけどな」
親父 「そうですね、きっと喜び…いや、劉備様も張飛様も、同じように悩むかもしれませんね…」
武安国「ああ、そうだ。忘れてたが、張飛のここのツケ、もう少し待ってやってくれないか?
常連である俺様からの頼みだ、聞いてはくれないか?」
親父 「ええ、良いですとも。その代わり張飛様にも、ウチの依頼事を手伝って貰うとしましょう。
おっと、こちらも忘れる前に。これは私からの御褒美、『鳳嘴刀(武力+2)』です」
武安国「今度は刀が出たか…本当になんでもあるな、この酒家は。
書物やら刀やら薬やら…一体どこから出てくるんだ?」
親父 「それは企業秘密です」
ただの『秘密』ではなく、『企業』が付く辺り、何か組織的な暗い部分が垣間見えるな…
_ _∩
( ゚∀゚)彡 三夜連続 三夜連続
⊂彡
196年1月
年の初めは評定から始まる。一年の功績を振り返り、よく働いた者は誉める、いつものアレだ。
何か褒美でも貰えるなら張り切りようもあるのだが…
袁紹 「よし、皆集まったな。では評定を始める。
功績第一位は張儁乂、お前だ。今年も昨年同様に励めよ」
張儁乂「ははっ!有り難き幸せ!」
俺様は…これまたいつもの指定席、ドン尻だ。もうなんとも思わなくなってきた。
袁紹 「続いて軍団の方針だが、幽州攻略を方針とする。
早く目障りな公孫伯珪を攻め潰して、孟徳との決戦に備えねばならん。
しかし、未だに設備等も整っておらぬので、この業βの方針は内政の充実とする。
以上をもって評定を終了とする。解散!」
はぁ、やれやれ…今年も始まったねっと。
そう思いつつ、皆と一緒に退出しようとすると、御主君からお呼びが掛かった。
袁紹 「武安国。昨年の功績は覚えているだろうな?なんだアレは!」
武安国「はっ…面目次第もございません…」
袁紹 「そこでお前には罰として、新年早々から仕事をして貰うぞ。
新年は巷の民も酒が入って治安が悪くなるのでな。お前には治安の安定を命ずる。
今年こそ、しっかり働けよ。断る事は許さんからなっ!」
まぁ、治安の仕事なら何度もやった事があるし、俺様の顔も知れ渡っているしな。
大した事件も無いままに十日間の巡回が終わり、宮城へ報告に行く。
武安国「…と、言う事で、民も大事無く正月を過ごせたようです」
袁紹 「うむ、ご苦労。では次は、農地にて開墾をして来てくれ」
武安国「え、開墾…?あの、そういった事は苦手でして…」
袁紹 「異論は許さん。前にも言ったな?」
武安国「は、はい…」
冬の農地なんかで何をしろってんだ…?正月気分も楽しんでないってのに…
そう。正月といえば、やっぱり酒でしょ?
武安国「親父〜、酒くれ〜」
親父 「おや、いらっしゃいませ。正月中にいらっしゃらないなんて、珍しいですね」
武安国「正月早々見回りをしてたんだよ。ああ、そうだ。明けまして…」
そこまで言った時、親父が手を上げて俺様の言葉を止めた。
武安国「ん、どうした?…あ、喪中とかそんなのだったのか?」
親父 「ええ。武安国様によって葬られた者達への喪に服しておりますゆえ…」
武安国「あんたの身内にはいないだろっ!…ったく、新年早々キツイ冗談飛ばしやがる…」
親父 「ははは、大分慣れていらっしゃったようで。
所で関羽様の事ですが、もう劉備様や張飛様にはお伝えになったので?」
武安国「いや、今話した通り、ずっと公務だったのでな」
親父 「なら丁度良い。お二人とももうすぐいらっしゃるはずですから、
酒でも飲みながらお待ちになってはいかがですか?」
武安国「あの二人が?なんで今日来るって分かるんだ?」
親父 「実は、張飛様のツケの支払いの為に、依頼をこなして貰っているのです。
張飛様だけで良かったのですが、劉備様も『義弟のツケは私のツケも同然』
とか言って、一緒にやるというので、お二人にお願いしたのですが、
その期限が今日なのですよ」
武安国「なるほどな。じゃあ待たせてもらうか。
あ、そうだ。済まないが個室を貸してもらえないか?
関羽の話は、余りおおっぴらにしたくないからな」
親父 「かしこまりました。ああ、そうだ。今日はお年玉という事で、無料でご利用下さい」
武安国「とか何とか言って、後で依頼事持ってくるんだろ?」
親父 「ははは、大分私の行動も分かるようになってきましたねぇ」
御主君よりも接してる時間が多いからな。流石に分かっても来るさ。
暫くして、個室で待っていた俺様の元へ、劉備と張飛がやって来た。
張飛 「おお、武安国!いやぁ、おかげで次の飲み代まで稼げたぜ!助かったよ」
劉備 「こうしてゆっくりと話をするのは、初めてですな。
改めて自己紹介致す。劉玄徳と申す。以後お見知り置きを」
武安国「いやいや、そう硬くならずに。先ずは一献差し上げよう。
話は少し長くなるだろうから、その後にしよう」
張飛 「ははっ、そうだぜ兄者!先ずは飲んでからだ!」
お互いに2,3杯空けてから(張飛は一瓶空けていたが)、俺様はゆっくりと話し始めた。
武安国「では、話すとしよう。…お主らの義兄弟、関羽を見つけた」
張飛 「なっ、何だと!?いつだっ!何処で見つけたんだ!」
武安国「つい先日、許昌で、だ。その時にお主らが業βに居る事も伝えた」
張飛 「それじゃぁ、なんでココにいねぇんだ!それに、曹操に下りやがっただと?
テメェ、フカしてんじゃねぇぞ!兄ぃは曹操に下るくらいなら、自決を選らぶ男だぞ!」
劉備 「止めんかっ、翼徳!武安国殿、詳しい話を聞かせてくれぬか?
雲長は、何故我らの居る所を知りながら、この玄徳の元に来ないのだ?」
そこで、先日の張飛からの武力修行以後の事、何故曹操に下ったのか、
何故、許昌を後にして業βへ来られないのか、関羽の語った事を全て伝えた。
張飛 「そうだったのか…バカッ!バカバカ!オレのバカ!
武安国殿、すまねぇ!何にも知らねぇで、酷い事言っちまって…」
劉備 「それがしからも、義弟の不礼、改めてお詫びいたす…」
武安国「いや、そう気にするな。しかし、難しい状況になってしまったな。
お主ら二人が曹操の元に行く訳にもいかぬし…」
劉備 「それがしとて雲長と同じ様に、袁紹殿に庇護されている身。
たとえ曹操に狙われていなくとも、やはりそのまま辞去する事は出来ませぬ」
武安国「とはいえ、このままでは、出会うのは戦場で、という事になる。
それはお互いの立場としても、やはり不味いものがあるだろう。
途中で逃げたり、寝返ったりすれば、それぞれ恩を被っている相手を裏切る形になるからな。
何か…義兄弟が切り結ばぬような、何か良い手は無いものかな…」
張飛 「クソッ!オレ様の頭じゃ分からねぇ!チクショウ!チクショウ!!」
三人は夜が更けるまで眉根に皺を作りつつ、良い知恵も浮かばぬまま、黙々と杯を重ね続けた。
その沈み様は、朝方に屋根から滑り落ちる雪の音で目を覚ますまで、
いつ寝たのかすら分からなかった程だった。
二人を見送った後、親父に礼を述べに行ったが…
親父 「昨晩は大きい声で、随分と酷い事を仰るじゃありませんか…
ダメだ、やはり不味い、糞、と…他のお客さんだって居るんですからね?」
何コッソリ聞いていやがるんだ、親父…
196年2月
親父 「では、個室をタダで使った代わりに、こちらの依頼事を受けて頂きましょうかね」
武安国「ああ、そうだったな。で、何をすれば良いんだ?」
親父 「実は、農地で牛を飼っている者が倒れてしまいましてね、
その者の代わりに、家畜の世話をして頂きたいんですよ」
武安国「新年早々倒れてしまうとは、そいつも災難だな」
親父 「いやいや、同情の余地なんて無いんですよ、本当は。
下手に小銭があるからといって、働かずに好みの物しか食わず、酒びたり。
おまけに父親の遺産で働かずに食っては寝ての繰り替えし。
その不摂生が祟って、ようやく倒れたってだけなんですから」
武安国「何ぃ!明日の飯すらおぼつかぬ者とて居るというのに、ふざけた事を…
あんたも受けなければ良かったじゃないか、そんな依頼」
親父 「確かに依頼人はふざけた奴ですけどね、家畜共には罪は無いし、
また、依頼料にも罪はありませんからね」
武安国「なるほど、それもそうだな…
公務も丁度農業だからな、一緒にやってきてやろう」
先ずは依頼主の家を行ってみる。まぁ、豪農といえるような大きい館の中では若い男が床に伏せっていた。
武安国「お前が家畜の世話をして欲しいという奴か?」
依頼主「あ…うん、そうだよ。悪いね、もちっとマシな格好で出迎えたかったんだけどさ…」
武安国「全く…で、その家畜ってのは何がどれだけだ?」
依頼主「牛が20頭と馬が3頭。エサやりと散歩をさせるだけでいいから」
若いくせに、目上に対してタメ口か…
まあ、家畜の世話なら以前もやった事があるので、手順は大体分かっている。
ほとんど放置でも大丈夫そうなので、片手間で開墾の仕事もやる事に。
だが、開墾の方はやった事がないので、現地の農夫達に聞かなければならない…
農地に着いたものの、何をするのか皆目見当がつかないので、
農夫達を集めて、仕事について訪ねてみる。
農夫 「おや、武安国様は結構長い事行にいらっしゃったと思っていましたが、
この仕事は初めてでいらっしゃいましたか?」
武安国「うむ…それで、普段はどんな事をやっているのか教えてくれないか?
冬の間に何をするのか、サッパリ想像も付かないのでな」
農夫 「まぁ、畑は耕したりしませんよ。とりあえず森を拓いて切り株の取り除いたり、
岩をどかしたりして、土が柔らかくなった辺りを春に耕すんです」
武安国「ほぅほぅ…そうだ、牛が20頭程いるから、それを使えば作業は楽になるな」
農夫 「おお、牛を貸してくださるので?牛が居るなら今回は楽に進められますよ」
武安国「そうだろうそうだろう。では牛を連れてくるとしよう」
俺様のではないのだがな。まぁ、あんな飼い主の元で何もせずに育てられているのだろうし、
奴らもただうろつくよりは、人様の役に立って有り難がられる方が良いだろう。
早速牛と馬を連れてきて、開墾の手伝いをさせ、夜には元の厩舎に戻し、エサをやって俺様も一緒に寝る。
約10日間これを続けている内に、家畜たちも随分と俺様になついたようで、
俺様の言う事を何でも聞いてくれるようになった。
依頼主もようやく回復し、家畜の世話の依頼は終わりとなる。
依頼主「いやぁ、助かったよ。こいつらもすっかりなついたみたいだね」
武安国「それはそうだろう。共に働き、寝食も共にしたのだからな」
依頼主「え、働いた…?そんな事させなくて良かったのに…」
武安国「やはり睨んだ通り、あいつ等をプラプラさせているだけだったのだろう。
牛馬ですら働く楽しさというものを見出してきているというのに…
よし、貴様も働け。汗水垂らして働くのは良いことだぞ?」
依頼主「ええ〜、親父が残してくれた財産で食っていけるんだから、働く必要なんて無いんだよ」
武安国「世の中舐めるな、若造!国家とて一朝で覆る世の中なのに、貴様の財産など当てになるか!
袁紹様の名代として、この武安国が命ずる。貴様も明日から開墾に加われ」
依頼主「そんなっ!強制労働は禁じられてるんじゃないの!?
あんた、武安国って言ったよな?袁紹様に訴えるぞ?」
武安国「やれるものならやってみろ。名族であらせられる袁紹様が、下賎の貴様の訴えなど取り上げるものか!
逃げようと思うなよ?俺様も今日からここで寝泊りして見張っているからな!」
こうして開墾要員を一名確保し、引き続き農地での作業を続ける事にする。
依頼主だった男は、やはり今まで働かなかった事が祟っているのか、
一応農民なのに、何をするべきなのかすら分かっていなかったし、体力も全然無い。
更には「もう死ぬ」「酒家の親父め」「絶対訴えてやる」等と愚痴を垂らす始末。
そんな事では、他の農夫達とも交わる事すら出来まいに…
それに引き換え、牛や馬は素直に言う事を聞き、真面目に働いている。
他の農夫達からも可愛がられ、畜生ではあるが、働く事に生き甲斐までも見出したようである。
この若造に見習って欲しい物だが…畜生にも劣るわ、こいつ…
そうして働く事10日にして目標を達成した為、俺様は酒家と宮城へ報告へと向かう。
だが、俺様よりも早く、依頼主だった若造は酒家へ訴えに行ったようだ。
恐らく依頼料の返還だろうが、元からタダ働きの俺様にはなんの不都合も無いわ。
かなりまともな役人やってるなwww
いっそ鉄槌の餌にしたほうが世の為人のため
>>490 酒家のオヤジ、ただ者ではないな……ww
196年3月
公務の報告は後回しにし、先に酒家へ依頼事の報告に行く。
親父は俺様の姿を認めると、ニヤリと笑って話しかけてきた。
親父 「ああ、武安国様。依頼主から聞きましたよ」
武安国「やっぱりこっちに来やがったか。で、金返せとか言ってきたか?」
親父 「確かにそう言って来ましたけどね。約束の家畜の世話はしたんですから、
金は返せないと突っぱねてやりましたよ」
武安国「それはそうだろう。おまけに家畜共に生きがいまで与えてやったんだからな」
親父 「ところで、あの無気力な依頼主を働かせたんですって?」
武安国「ああ。仕事もせずにダラダラと生きて、人生を無駄にしている奴を見ていると、
ムカッ腹が立ってきてな。しっかり汗水流させてやったぞ」
親父 「依頼主の父親は働き者で、とても立派な男だったんですがねぇ…
裸一貫で初めて、あの邸や近辺の土地など、一代で築きあげたんですから。
良く周りの民達とも交友を結んで、庄屋として土地を守ってきたのですが、
黄巾の乱で命を落としてしまったんですよ…」
武安国「その息子がアレでは、さぞ父君も草葉の陰で嘆いていただろうなぁ…」
親父 「今まで一度も働いた事が無くて、父親の遺産を食い潰すばかりで、
近所の者との挨拶もしないし、父に代わってまとめてくれ、とどんなに頼んでも、
一切耳を貸さないような無気力ぶりだったそうです。
そんな男を働かせたっていうんですから、一体何をしたんだか、
と想像してたら、噴出しそうになりましたよ」
武安国「なぁに、『そんな生活してたら長生き出来ない』と脅しただけさ」
親父 「何はともあれ、お疲れ様でした。では、こちらは報酬の金100です」
武安国「あれ?個室代の代わりの依頼だったんじゃないのか?」
親父 「いえいえ。個室代はお年玉、依頼は依頼、ですよ。
依頼を受けて頂くのが私に対するお年玉、と言った所ですよ」
なんだ、本当にお年玉だったのか…。珍しい事もあるものだ…
勘違いしていた為に、むしろ依頼料の方がお年玉のように思えるな、
などと考えつつ、開墾の公務終了を報告しに宮城へ行く。
武安国「…と言う事で、成果はまずまず、といった所です」
袁紹 「うむ、ご苦労だったな。では次は歩兵隊の訓練を行ってくれ。
最近戦が無い為か、少々たるんでおるのでな。気を引き締めてやってくれ」
武安国「ハッ、承知致しました」
戦なんて無いだろう、と感じてしまっていると、どうしても気が弛みがちになる。
俺様のような武官はそうあってはならないが、大抵の兵は食う為に職についているのだから、
戦が無い方が嬉しいのだろうが、それではいざという時に困るのだ。
武安国「俺様が貴様らの訓練を受け持つ武安国だ。皆、しっかり励むように」
伍長 「武安国様〜。まだ寒いんですから、訓練なんて止めましょうよぉ。
それよりどうです?熱いのを一杯、キューっとやりに行きましょうよぉ」
兵士 「そうだそうだ、それが良いですよ〜」
武安国「…な、なんだ、このだらけ様は…前任者は誰だっ!」
部隊長「まだ新規に作られた部隊でして、私も掌握しきれていないのです…」
武安国「新規の部隊って事は、寄せ集めも良い所って事か…
あの伍長も、ただ便宜的に伍長にさせられただけって感じだな」
部隊長「はい。私もついこの間までは別の部隊で什長をしていたのですが、
部隊新設と同時に一気に部隊長なってしまいまして…」
武安国「なるほど…おいっ、寒いと言っていた伍長!お前のおかげでやる事が決まったぞ。
城外で行進をする!」
伍長 「ええ〜!?そんな、行進なんてかったるい事、なんでするんですか〜?」
武安国「体を動かせば、寒いのなんて吹き飛ぶからだ。というか、吹き飛ばせ!
さあ、グズグズするな!全員、南門の外へ出ろ!
まだ寒いなんて抜かす奴は、俺様の鉄槌で己の血の熱さを実感させてやるぞ!」
こうして城外へと兵達を連れ出し、訓練の準備を始める。
武安国「各長は自分の部下の人数を確認しろ。一人も欠けていないのを確認したら、
自分の長に報告しろ。早くしないと凍えるばかりだぞ?急げっ!」
一刻程で確認が完了し、行進を始める。しかし、ただ歩くだけでは飽きてしまう。
そこで、兵達の一体感を高める為にも、歌を歌いながら行進する事にする。
武安国「いいかお前ら。戦場では大声を出す機会も往々にしてある。
そこで、今回は声出しの練習もするから、俺様の言う事を大声で復唱しろ。
『俺達名家の尖兵はぁ〜♪』(ファミコンウォーズのリズムで)さあ、続け!」
部隊長「な…なんですか、その恥ずかしい歌詞は…」
武安国「…うるさい…俺様の自作の歌だ…
ほら、どうした貴様ら!復唱せんかっ!」
兵士 「お、おれたちめいかのせんぺいはぁー」
武安国「もっと大きな声で!命を惜しまぬ男伊達ー」
兵士 「えー?命は惜しいよなぁ…?」
武安国「だっ、誰が歌にツッコミを入れろって言った!
ブチのめされたくなかったらしっかり歌えっ!歌えゴルァァァァ!!」
兵士 「い、命を惜しまぬ男伊達ー!」
武安国「戟矛ズラリと打ち揃えー!」 兵士「戟矛ズラリと打ち揃えー!」
武安国「堅城鉄壁突き崩すー!」 兵士「けんじょーてっぺき突き崩すぅー!」
武安国「ブチ殺せっ!」 兵士「ブチ殺せっ!」
武安国「ブチ殺せっ!!」 兵士「ブチ殺せっ!!」
武安国「ブチ殺せっ!!!」 兵士「ブチ殺せっ!!!ハァハァ」
武安国「ブチ殺せっ!!!!」 兵士「ブチ殺せぇぇっ!!!!」
武安国「カーチャン達には内緒だぞー」 兵士「カーチャン達には………え?」
こうして、(歌詞を変更しつつ)歌を歌いながらの行進のおかげで兵士達の一体感は増し、
士気も随分と上がってきた。ちょっと殺伐としているが…キニシナイ。
一週間ほどこの行進を繰り返した後に武術の訓練を行って、今回の訓練を終了させる。
武安国タイ━━━||Φ|(|´|Д|`|)|Φ||━━━ホ
196年4月
無事に訓練を終えて、宮城へと報告に向かうと、中では御主君が満面の笑顔で出迎えてくれた。
袁紹 「聞いたぞ、武安国。なかなか面白い訓練をしているそうじゃないか?」
武安国「大した事ではありません。この武安国にかかれば、弱兵の1万や2万、
あっという間に精兵に仕立ててご覧に入れますぞ。ガッハッハッハ!」
袁紹 「おかげで随分と士気が盛んになったようだな。
そこでお前に褒美だ。この書簡を受け取り、早速読んでみろ」
御主君がそう言うと、衛士が箱に入った書簡を持ってきた。
その数、ざっと牛車2台分程。別にやりたくはないが、また勉強しろって事なんだろう。
そう思いつつ中を見てみると、そこに書いてあったのは、住民からの陳情の数々…
細かい字で竹簡が黒々と…なんて読むんだ、これ?
袁紹 「新兵の士気を高めたのは評価するが、その反面、そやつらのせいで治安が悪くなっておる。
気だけが大きくなって、乱暴を働いては『俺様は狼だ』『殺すぞコラッ!』などと、
とてもこの名家の兵とは思えん事を吐きよるという…
これはお前の責任だからな。しっかり取り締まって来い」
チッ、あの馬鹿共…農民に毛が生えた程度の腕前のくせに。
御主君も御主君だ。兵の士気をあげたのに何で俺様のせいなんだよ!
しかし、逆らう事も出来ないし、やむなく治安の回復へ向かう。
衛兵と民が喧嘩しているというから駆けつけてみれば、最近見たような顔ばかりだし、
向こうも俺様の事を見たとたんに喧嘩をやめる。
無銭飲食と聞いて駆けつければ、やっぱり最近見た顔で、素直に金を払っていく。
揃いも揃って、全部俺様が訓練した兵かよっ!この馬鹿共!
テメェの地元でイキがるんじゃねぇ!
まぁ、おかげで手間もかからずに、すぐ治安は回復したけどな…
袁紹 「やはりお前が鍛えた兵だったか」
報告に宮城を訪ねてみれば、御主君の開口一発はイヤミだった…
武安国「は、はい…ですが、もう心配ありません。バシッと言い聞かせておきましたので」
袁紹 「とはいえ、当分はお前に錬兵を任せる訳にはいかん。
任命したと分かったら、また民共が騒ぎ出してしまうのでな。
そこで、今度はまた農地でひと働きしてこい。あそこなら騒ぎの起こしようも無いだろう」
前回の事もあって、農作業というのもそんなに悪くない、と思ってはいた。
だがしかし、俺様にはやっぱり兵が…兵がぁぁぁ!
そうブチブチと文句を垂れつつ、前回開墾をした農地へ行ってみる。
農夫 「あ、武安国様だ。お〜い、武安国様〜」
お?俺様って結構慕われてるんじゃないか?
ただ、数ヶ月前に見た彼らの中に一人、やたらと厳つい男が一人いるのが気になるが…
武安国「あれ?子義じゃないか。お前も開墾の仕事だったのか?」
太史慈「あ、武安国殿もこちらの仕事でしたか。
実は用水路を掘っていたのですが、なかなか進展が思わしくなく、
それで彼らの力を借りようと交渉していた所なのです」
武安国「用水路?そんなの必要なのか?」
太史慈「ええ。この近くの川と最近拓いた畑までは相当距離がありますので。
その川から引いてこようと作業をしていたのですが…人手が足りませんで…」
農夫 「ですがねぇ、ワシらも今が大事な時期なんですよ。
芽吹いてきた作物を守る為に、害獣除けを作らねばなりませんし…」
武安国「ふぅむ…そうだ、奴らの手を借りよう。そうすれば用水路なんてすぐ出来るぞ」
奴ら、とは。そう、訓練が終って退屈し、俺様の手を煩わせた、あの数千名だ。
俺様は一度街へ帰り、知っている兵達を集めて回った。
幾ら俺様とて、腕づくで連れて行く訳には行かない。
これでも兵を率いる身分だからな、理を尽くして説得したのだ。
『今度担当になったらタップリ礼をしてやる』と説得した所、皆二つ返事で付いて来てくれた。
更に、奴らは自発的に仲間を誘い、俺様の為に働きたいと言ってきてくれた。
しかも無償だという。俺様の人望も捨てたものではないなぁ。
奴らのおかげで、子義も期日内に用水路を掘り終わる事ができ、目標を達成する事が出来た。
農夫達も、これで水やりが楽になる、と喜んでいるようだ。
太史慈「私一人ではここまで出来ませんでした。ありがとうございます」
武安国「なぁに、俺様とお前の仲じゃないか。気にするなって」
子義の仕事を手伝った為に自分の仕事が出来ていないが、
まぁ、たまには良いだろう。期限もまだまだあるしな。
武安国がどんどん真人間に…!w
名家は戦争が嫌いなのかな〜
196年5月
子義の手伝いも終わり、いよいよ俺様の仕事に取り掛かる。
が、用水路は引いちまったし、何をしたら良いんだ?
武安国「たびたびスマンが、俺様って土いじりとは全く縁が無かったもんでな。
この時期ってのは何をするもんなんだ?」
農夫 「そうですねぇ…今の内に害獣避けの罠とか囲いとか作ったりもしますけど、
大体は草むしりですね。作物の栄養を取られないようにするんです」
武安国「そうか…罠とか囲いとか、そういう工作ってのは苦手でな…
草むしりでもするとしよう」
農夫 「いや、何も武安国様自ら草をむしらんでも良いんですよ。
監督とか指揮さえして頂ければ…」
武安国「俺様が監督するよりは、あそこのとっつぁん辺りが監督した方がよほど早く進むって。
さっきも言った通り、俺様はこっちの事には素人同然なんだからな」
農夫 「そ、そうですか…?では恐れ入りますが…」
まぁ、ただ口と手を動かして指示だけするってのは、なんか苦手なんだわな。
他人任せにして、物事が思ったように動かないってのがイライラして仕方ないのだ。
おかげで、戦場でも兵卒より前にってのが俺様のやり方だしな。
『よく生き残ってこれたな』とか言われるが、仕方あるまい?
草むしりをし、それらを束ねて捨て、昼飯を民達と共に食べ、食休みに寝る。
農夫 「土と太陽の匂いがするでしょう。わしらはこれがたまらなく好きでしてな」
武安国「ああ、なんか柔らかな、ホッとするような匂いだな…
時代が時代なら、俺様もこういう生活していたのかもしれないなぁ…」
意外と重労働なのだが、それが余り苦にならない。
それに、草むしりをする将軍を身近に感じたのか、他の農夫達も懸命に頑張ってくれた。
農夫 「武安国様のためですからね。私どもも精一杯手伝わせていただきました」
おかげで目標を軽く達成する事ができ、農夫達に別れを告げて宮城へと報告に行く。
武安国「……報告は以上です」
袁紹 「ふむ、ご苦労だったな。しかし意外だな、お前がそんなにも民に慕われているとはなぁ」
武安国「はは、それは俺様…いや、私とて同様です」
袁紹 「きっと、アレだな。お前もなんだかんだで40超えてるのだし、丸くなってきたのだろう。
最近は顔つきも柔らかくなってきたしな。まぁ、遅いくらいなのだが…」
武安国「え?顔つき、が…?」
袁紹 「おかげで民共も近づきやすくなったのだろう。
まぁ、民に慕われるってのは良い事だ。その調子で、次は治安の方も頼むぞ。
お前が郊外に出てる間にまた悪くなってきてな」
武安国「俺様が…丸くなっ…た…?」
袁紹 「おい、聞いてるのか!?」
武安国「あっ、はい!治安ですね。お任せ下さい…」
戦場では一番に攻撃を仕掛け、地獄の鉄槌、戦場の隻腕鬼と謳われた(?)、
この俺様が、『丸くなった』だと!?
それは、民にナメられてるって事か?そうなのかっ!?
冗談じゃない。そんなザマでは、戦場で敵を恐れさせるどころか、味方の兵を叱咤する事すら危ういぞ。
ここは治安の回復ついでに、業βの民共に、俺様の威厳をビシッと知らしめなけりゃならん!
ドンッ!
破落戸「イッテェだろうが、テメェ!何処に目ぇ付けて…」
武安国「アァン!?テメェこそ何処に目ぇ付けて歩っとんじゃコラァ!」
破落戸「あ、こ、これは武安国様…へへっ、失礼しました…」
武安国「失礼しました、じゃスマネェんだよ…、イテテテ…。
あ〜、こりゃポッキリ折れちまったなぁ。高ぇぞ〜、俺様の治療費はよぉ…
片方しか残ってない腕折りやがってよぉ…」
破落戸「そ、そんなっ!あの程度で折れる訳が…
それに折れてたら、アッシの胸倉なんて掴めないでしょうがぁ」
武安国「俺様が嘘付いてるってのか!?折れたモンは折れたんだよ!
大体テメェ、相手が俺様じゃなかったら同じ事やってたんじゃねぇのか?アァ!!」
破落戸「そんな事しませんよぉ!だ、誰か助けてーっ!」
張飛 「オラオラ、どきがやれ!誰だぁ、オレ様の巡察中に面倒起こしやがる奴は!
…って、武安国じゃねぇか。何やってんだ?」
武安国「何って、俺様にぶつかってきた不埒な破落戸を取り締まってるんじゃねぇか」
張飛 「…オレ様には、アンタが破落戸からカツアゲしてるようにしか聞こえなかったぜ…?」
武安国「そ…そんな訳ないだろうがぁ〜、アハハ…。おいお前、もう行っていいぞ…
ところで張飛、なんでお前がこんな所に?」
張飛 「オレ様も治安の仕事なんだよ。で、たまたまここを通った時に今の騒ぎを聞いてな。
破落戸に因縁つけた上、慰謝料ふんだくろうだなんて…何処のヤクザかと思ったぜ」
武安国「なに言ってるんだ!ぶつかってきて因縁つけたのはアイツの方だって!」
張飛 「じゃあ、その後のアレはなんなんだよ…典型的な因縁のつけ方じゃねぇか…」
武安国「そ、それは…」
張飛 「まぁ、いったん屯所に帰ろうぜ。なっ?」
張飛に促されて屯所へ戻り、必死に弁明する。
張飛 「なんか嫌な事でもあったんだろ?こういう時にはやっぱり…」
武安国「カツ丼か?…って、俺様は何もやってねぇっての!なんだ、その犯人扱いは!
やってねぇもんはやってねぇんだから、ゲロする事なんか何も無いぞっ!」
張飛 「カツ丼ってなんだ?いやそうじゃなくてな、嫌な事があったら、酒だろ?酒」
武安国「酒…?そうか、そうやって酔わせて、口を軽くさせて吐かせる気だな!」
張飛 「吐かせるにしたって、そういうのを吐かせる気はねぇよ!
ったく…この間の兄ぃの事の礼に、この酒を一緒に飲もうとしただけだってのに…」
武安国「あ…なんだ、そういう事か。ワハハ、悪りぃ悪りぃ!
いやぁ、ちょっと色々あったもんだから、疑り深くなっちまってなぁ。
よし、早速飲もう!お〜い誰か、つまみになりそうな料理持ってきてくれ〜!」
こうして張飛持参の酒で、屯所の中で酒宴を始めた。え、職場で酒はダメ?知らんがな。
武安国「俺様が丸くなったってんだぞ?試しに戦場に出せってんだよなぁ?」
張飛 「アンタが丸く?なんの冗談だってんだよなぁ?ギャハハハ!」
まぁ、俺様の口から出るのなんて、今は愚痴ばかりだ。
しかし、張飛は俺様の気持ちが分かるようだ。ほとんどの事に同意して笑い飛ばしてくれる。
一方、張飛の話はというと、当然義兄弟の事になる。
張飛 「だから兄者がやった事がオレ様のせいになってるけどな、そんな風評なんざ鼻糞だぜ」
武安国「むしろ、俺様なら止め刺すね。その督郵に。わはははは!」
張飛 「あー!オレ様もそうしときゃ良かったぜっ!失敗したー!」
夜が更ける頃に酒が尽きたので、この酒宴はお開きとなったが、久しぶりに楽しい気分で酒が飲めた。
武安国「わはははは。今日の酒は格別だった」
張飛 「また近い内に一献かたむけようぜ」
酒家だと、親父に嫌味言われながらだから、なぁ…
今度は俺様が酒でも持って、張飛でも誘うか。
506 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/04/26(水) 10:06:00
張飛イカス
196年6月
張飛と楽しい一時を過ごし、翌日からもしっかり治安の仕事をこなしたので、宮城へ完了の報告へ行く。
武安国「全くもって異常はありません。平和なものですよ」
袁紹 「そうか。そろそろ時期かな…」
武安国「は?時期とは…戦ですか!?」
袁紹 「いや、戦ではないが…まぁ、とりあえず今月は休んでおけ。
来月からまた仕事をしてもらうのでな」
という事で、今月は仕事が無い。
退屈でそこらをウロウロしていると、錬兵場で張飛が兵を鍛えているのを見つけた。
しかし、俺様がやっている時よりも、兵のまとまりが良いような気が…
武安国「見事なもんだなぁ…随分と上手くまとまってるじゃないか」
張飛 「お、武安国じゃねぇか。今月は仕事無いんだって?」
武安国「まぁ、年明けてからずっと仕事してたからな。半年振りの休みだよ。
それにしても意外だな。お前がこんなに調練が上手いとはなぁ」
張飛 「へへ…実はな、関羽の兄ぃにコツを教わって、こんだけ出来るようになったんだよ。
それまではただ怒鳴り散らすだけだったんだけどな」
武安国「なるほどなぁ…なぁ、俺様にも、そのコツって奴を教えてくれないか?」
張飛 「おう、いいぜ。だけど、ちと説明ベタだから時間かかるぜ?」
武安国「それは大丈夫。知っての通り、今月は仕事が無いから時間はタップリあるしな」
こうして張飛から『訓練』を習得。俺様の訓練方法が更に磨かれたって訳だ。
実は、内容としては大したことはないのだが…『言われてみれば確かに』ってやつだ。
武安国「なるほどなぁ…目からウロコってのはこの事なんだろうなぁ」
張飛 「だろ?知ってはいるんだけど、何故か出来てないんだよな、これ」
もはや、若い奴から物を教わるのをなんとも思わなくなった。
ある意味、高覧のおかげかな。
毎月毎月、足繁く通っていたにも関わらず、ここ二月は寄る事が無かった酒家へ行く。
すると、中では仏頂面をした親父が店内の一角を見ていた…
武安国「お、親父…何も二ヶ月来なかったくらいで怒るなよ…」
親父 「…………あ、武安国様?ああ、これは失礼しました。
珍しく最近はいらっしゃいませんでしたねぇ」
武安国「まぁ、色々あったんでな。しかし、えらい仏頂面だったぞ?
あんな顔してたら他の客まで来なくなっちまうぞ」
親父 「いや、ね。聞いて下さいよ…あそこに座ってるお客さんなんですけど…
張繍様とおっしゃいましてね。ホラ、例の胡車児様の元・主君の。
最近毎日来るようになってましてね…」
武安国「って事は、売り上げに貢献してくれてるって事だろ?
それなのになんでまた?」
親父 「貢献している?とんでもない、張繍様のせいで最近の売り上げ落ちてるんですよ!
あの人、誰彼構わずに舌戦を仕掛けて、相手を言い負かせては喜んでるんです。
しかも、なんか偉そうにして、相手を小馬鹿にするような言い方をしてて、
それが鼻持ちならなくてねぇ…。聞いてるだけでムカムカしてくるんです。
おかげで最近は常連さんも寄り付かなくなっちゃって…」
武安国「なるほど…よし、だったら俺様が一肌脱いでやろう」
親父 「え…そりゃぁ武安国様なら、張繍様をつまみ出すなんていうのは朝飯前でしょうけど…」
武安国「違う違うっ!舌戦で勝って、へこましてやろうっていうんだよ」
親父 「おやっ、武安国様も舌戦にご自信が!?」
武安国「あんたに勝つ為にずっと勉強してたんだぞ?あやつ程度、言い負かせないでどうする」
親父 「なるほど。ならば是非、張繍様の鼻柱をへし折ってやってくださいよ。
勿論、勝ったら私から報酬をお出ししますよ」
武安国「よし、まぁ見てろって。フフフ…」
俺様は張繍の元まで行き、対座するように腰を下ろした。
武安国「お主が張繍殿だな?お主の部下だった胡車児に勝った男がやってきたぞ」
張繍 「む、胡車児に勝った男だと?それは初耳だが…それはそれとして、お主、名は?」
武安国「俺様は『鉄槌』の武安国だ。名前くらいは聞いた事があるだろう?」
張繍 「鉄槌の武安国?はて…ワシが知っておるのは『へべれけ大将』の武安国だがな?」
早速仕掛けてきやがったか…だが、俺様とていくらかは成長しているのだ。
この程度でキレてしまっては、頬を腫らした高覧に申し訳が立たん。
武安国「幾らか間違った風聞が広まっているようだが…俺様もお主の噂は聞いているぞ。
賈文和と胡車児が居なければ何も出来ない、お山の大将だってな」
張繍 「…チッ、わざわざワシを怒らせようとするとは…良い度胸だ。
ワシと勝負した事、後悔するなよ?」
お互いに挨拶を済ませ、いよいよ舌戦開始となる。
しかし、舌戦というよりは、タダの罵り合いだ…怒った方が負け。これはそういう勝負だ。
ある時は直接的に、ある時は一度褒め上げてから落とし、手を変え品を変えてお互いに挑発するが、
双方とも一歩も引かない。というより、どちらも相手の言う事を聞いちゃいない。
二人とも戦場で一番槍を競うような男であり、相当短気な為、相手の言う事を聞いたら間違いなくキレてしまう。
だから相手の言う事は聞かないようにしているのだ。
おかげで、話を聞いていても関連性が全く無いので、ギャラリーとしては非常に退屈だったろう。
最初は面白がって聞いていた客もあくびをして去り、しまいには親父も引っ込んでしまった。
やがて日が落ち、静かな酒家に残るのは二人だけ。
そして、勝負は既に内容が変わっていた。
「黙った方が負け」
もはや舌戦ではない。
翌朝。夜明けを鶏が告げると共に、酒家の一日は始まる。
親父は宿帳を片手に、その日の出立者と滞在者の確認、朝食の献立を考えたりする。
親父 「今日の出立は李様と朱様と華様、朱様は弁当有りっと。うーん、おかずは何に…
!?お、お二人とも…まだやってたんですか?」
ええ、寝てませんとも。黙ったら、寝ていようが頭から血を噴出そうが、負けなんだから。
武安国「おお、親父。スマンが、例の『白汁』を振舞ってくれないか?」
張繍 「おや?そんなものに頼るとは、武安国殿というのは噂ほどではないのだなぁ」
武安国「兎みたいな目をした奴に言われたくないわ。ではお主はいらぬのだな?
親父〜、一杯だけで良いぞ〜」
張繍 「い、いや…折角だから頂くとしようかな…」
武安国「ほほぉ?張繍殿ともあろう者が、前言を翻して物に頼るのかな?」
張繍 「いや?ここでしか飲めない物を飲んでみようと思っただけだが、何か?
そもそも、ワシは飲まぬとは言っていないぞ」
武安国「おい親父!張繍殿は酒を御所望だそうだぞー!」
張繍 「いや、酒は亡き叔父の遺言で、朝は飲まぬ事にしておるのでな。
それよりも先程の続きだが、やはり今のままでは漢朝を立て直すのは…」
武安国「一日中酒家に居て、朝は酒飲まないだと?親父〜、今の話は本当か〜?」
張繍 「…とはいえ、やはり袁紹では頼りない。なにせお主が仕えられる程度だからなぁ」
武安国「おい、叔父さんの遺言ってのは嘘なんだろ?酒飲んだら眠っちまうからじゃねぇのか?」
張繍 「その点、ワシは曹操にも勝った男だ。…まぁ、今は流浪の身だが。
本拠地の西涼郡へ戻れば、漢朝に取って代わって天下を治める事とて、夢ではない。
まぁ、お主には出来ぬ事だろうがな?」
武安国「一晩の徹夜でヘロヘロな奴なんぞ、俺様の敵足り得ないわ。
おまけに無職で流浪の身で、どうやったら天下なんて語れるのかねぇ?
親父〜、白汁まだぁ〜?」
親父 (他所でやってくれないかなぁ…)
勝負は、二日目の夕方、日が沈もうとしている頃に決着がついた。
戦場では徹夜なんていつでも在り得るものだっただけに、2,3日くらいは耐えられなければならないが、
流浪となってからの歳月がそうさせたのであろう。
涼州では馬上にあってその名を響かせた張繍に、睡魔という名の強敵が襲い掛かる。
張繍 「……に…、…………あ………、……だ。
……、………く……………。……め……、……っ……お……」
武安国「えー?なにー?俺様の言う事が正しい?」
張繍 「ま………、…誰が………ど……」
武安国「ん〜?なに言ってるのか分かんないぞ〜?
認めるんだな?俺様の勝ちで良いんだな?」
………コックリ……
武安国「よっしゃー!!勝った!勝ったぞ、親父!
見たよな?今、『認めるんだな?』って聞いたらうなずいたよな?」
親父 「え、ええ…まぁ、確かにそう見えなくも…」
張繍 「…ハッ な、ワシが負けを認めただと!?そんな馬鹿な!」
武安国「何言ってるんだ。周りの連中だって見てたんだぞ?なぁ兄ちゃん?」
見物人「あ、いえ…ま、まぁ…確かに頷いてた、かなぁ…?」
武安国「な?周りはそう言ってるのに、お主はまだ認めんのか?往生際が悪いぞ?」
張繍 「くっ…そんな…馬鹿な…。不愉快だ!ワシは帰る!
親父!勘定はここに置いておくぞ!」
武安国「わはははは!まぁ、これで当分は奴もおとなしくするだろう。
自分で言うのもなんだが、俺様に負けたなんて自尊心が許さんだろうしな。わははは!」
親父 「まぁ、最後の最後で自ら席を立ちましたからね。その前の判定が怪しくても、それで確定でしょう。
何はともあれ、お疲れ様でした。こちらは報酬です。お受け取り下さい」
武安国「さて、それじゃぁ祝い酒に一杯出してもらおうかな。
それから家に帰ってゆっくり寝る事にするよ」
良い気持ちになって家に帰り、翌日起きた時には、日は既に中天から傾いていた。
徹夜した翌日なんて、まぁこんなものだろう。仕事も無いし。
前日は舌戦だった為、ロクに飯を食わなかったせいで、起きた時から腹が鳴る程だったので、
酒家へ行って朝昼兼用の食事を取る事に。
武安国「親父〜、飯くれ〜」
親父 「おや武安国様。珍しく遅いお越しで」
武安国「前の日がアレだったからな、おかげで寝すぎちまったよ。
しかし寝てても腹は減るんでな。何か作ってくれないか?」
親父 「はいはい。定食の余り物があるので、それでよろしければすぐにお持ちしますよ」
武安国「ああ、何でも良いよ」
この酒家は、昼時に格安の定食を出したりもしている。おかげで役人から職人まで、利用者の幅が広い。
しかし、飲食から宿泊から、厄介事の解決まで。本当に何でもやってるな…。
親父 「そうそう。例の張繍様ですが、門衛に聞いた所、今朝方に業βを出たらしいですよ?」
武安国「そうか。まぁ、舌戦というより、タダの我慢比べって感じだったけどな。
おかげでロクに酒も飲めなかったし…ああそうだ、酒もくれ。
今日は昨日の分も飲むぞ〜」
親父 「あ、そうだ。だったら、もう一日我慢してみませんか?
実は明日、大酒大会があるんですよ」
武安国「大酒大会か…って事は…」
親父 「ええ、勿論、報酬付きですよ。報酬は金100、どうです?」
武安国「よし、引き受けたぞ。じゃあ早速酒くれ。
明日は浴びるほど飲むけど、二日も抜いてるからな。少し入れとかないと調子が出ないからな」
親父 「ははは、余り飲みすぎて、明日に支障をきたさない様にして下さいよ?」
翌日、大酒大会の日がやってきた。
市場に並ぶ机と酒瓶、そして見物人の人だかり。
主催者「おお、武安国様!あなた様が参加して下さるとは、今大会も盛り上がる事間違い無しですよ」
武安国「わははは!まぁ、当然だろう。なんせ一昨日昨日と余り飲んでいないのだからな。
さぁ、張り切って飲むぞ〜!」
俺様はこれまでに無い程快調に飲み続けていた。10日間、全く調子が狂わない。
参加者「もうだめだ…。10日間も飲みっぱなしなんて無理だよ…」
武安国「わははは!もう終わりか?俺様はまだまだ飲むぞ〜」
主催者「武安国様、もう優勝は決定しましたので…」
武安国「何を言ってる。いっそこの大会の記録を作ってやるぞ。
お前達、どれだけいけるか、見てみたくないか!?」
見物人「おおー、いいぞー!どんどん行っちゃえー!」
主催者「…ええい、こうなりゃヤケだ!ドンドン持ってきて下さい!」
見物人「いいぞ主催者ー!そうこなくちゃ男じゃないぜ!」
日も落ちかけた夕暮れ時に、楽しかった大酒大会は終了した。
主催者「あれほど飲んだ方は見た事がありません。酒代を払って頂きたいほどですよ」
武安国「まぁ、みんなが楽しめた大会だったんだから、大成功じゃないか。
そして俺様は記録保持者だな。わははは!」
主催者「あ、それがですね…私は武安国様ほど飲んだ人は初めて見たのですが、
別の地域でもっと凄い人が居たらしくて…張飛様という方なんですけどね」
武安国「なっ!ちょ、張飛!?」
主催者「ええ。徐州での大会で、武安国様の3倍近く飲んでいるんですよ…」
まぁ、さもありなん…。アイツ、えらい飲むもんなぁ…。
保守に来たらえれーもん見させてもらっちゃった。GJです。
三国志と言うか、平話的な匂いがしてきますw
196年7〜8月
月が代わり、いよいよ夏真っ盛り。滴る汗をそのままに、走れ!俺様!
何故走るのか?それは、重大発表があるから、全員宮城へ来い、と言われたからだ。
これは、戦の臭いがする。いよいよ幽州平定の戦が始まる。そうに違いない!
だからこそ走るのだ。今度こそ、置いてけぼりはゴメンだっ!
武安国「ただいま到着!御主君、重大発表とは!?」
袁紹 「まだ早い!ってか、早すぎるだろ。まだ誰も来ておらんぞ?」
武安国「ふふふ…戦においては一番槍。その私が、他者に遅れを取る訳には行かないんですよ」
袁紹 「…そ、そうか…まぁ、とにかく発表は全員が揃ってからだ。それまで休んでおれ」
そうは言われたものの、玉座の対面の最前列で直立不動で構える俺様。
一番目立つ所で構えていれば、先ず置いていかれる事は無いだろう、と考えたからだ。
それに一番に登庁したなら、やる気マンマンである事を印象付ける事も出来るだろう。
しばらくして、袁紹勢の重鎮達がちらほら現れ、次いで文官・武官達が集まってきて、
数刻もした頃にようやく全員が集まった。
袁紹 「よし、全員集まったな。話というのは他でもない。
皆の働きにより、この業βの開発度はいよいよ頂点を迎えた。市場然り、工房然り、田畑然りだ。
われらが更なる飛躍を行うには、この業βを河北最大の都市へと変貌させなければならん。
そこでこの業βの増築を行い、巨大都市へとする事に決めた。
しかし、この重大な仕事を成し遂げるには、能力よりも、成し遂げる気力のある者に任せねばならん」
辺りはこの発表にざわめき出した。俺様も思わず溜息が出た…。
戦じゃねぇのかよ!
武安国「あーあ…んだよ、増築かよ〜…帰ろうかなぁ」
張儁乂「ご主君の演説中に帰るとは、度胸よすぎるんじゃないか?」
審配 「うむ。後でどんな難癖を付けられるか、分かったものではないぞ?」
武安国「それもそうだよなぁ…ちっ、もうちょい我慢しておくか。
しかし、今日の御主君の演説はエライ熱が入ってるなぁ…」
張儁乂「それだけ重大だ、という事だろう。まぁ、無理も無い」
審配 「本来なら、故郷の南皮を河北一にしたかったのだろうが…御主君も辛いのさ。
河北を制したら、次は曹操が相手だ。その前哨基地にもなりうるのだからな、この業βは」
袁紹 「…………になるのだ。本来ならば、私自らが指名すべき事なのだろうが、私とて鬼ではない。
この苦渋を無理に飲ませようなど、とても出来はしないのだ。
そこで、皆の中から『我こそは』という者が居たら、是非、一歩進み出て欲しい!」
武安国「出る訳ねえじゃねぇか、こんなかったるい仕事…。なぁ、儁…」
袁紹 「おおぉぉ!武安国!お前なら、お前ならきっと引き受けてくれると信じていたぞぉぉ!」
( ゚Д゚) ハ ァ ?
儁乂に同意を求めようとしたその時、突然一番テーブルからご指名が来た。
辺りを見ると、俺様一人が皆よりも二歩分ほど、前方へ突き出ていた。勿論、俺様は動いていない。
…つまり、俺様以外は皆、二歩程後退していたのだ。
は…嵌められたっ…!なんだこのジャッキーチェンの映画みたいな流れは!
儁乂!涼しい顔して御主君を見てるんじゃねぇ!
審配!アゴに手ぇ当てて『ほぅほぅ』ってうなずいてるんじゃねぇ!
子義…そんな哀れんだ目で俺様を見るな…
そして、高覧。なんでこっちを見ねぇ…。小刻みに肩震わせてやがって!笑ってんだろてめぇ!
他の者にも、驚いた顔や哀れんだ顔、中には納得した顔も見える。
笑っているのは高覧だけだコノヤロウ。
こうして、やむなく増築を行う事になった。
期限は三ヶ月だが、こんなかったるいのはいつまでもダラダラとやりたくないので、生真面目に働く事にする。
この増築とは、簡単に言えば、城壁の外にまた城壁を作って囲い、城として機能させる空間を確保する事だ。
単純に城壁を二重にする方法もあるし、コの字型の城壁を作ってくっつけて、古い城壁を壊すやり方もある。
で、今回の増築の工法だが、詳細は省く。ってか省かせて。お願いします。
暑さに耐えかね、朝服なんぞ着ていられず、肌脱ぎになって指揮を出したりしたが、
パッと見、一緒に働いている棟梁達となんら変わりがない。年も近いしな。
おかげで下働きにまで『親方ぁ』と呼ばれた事もあったっけ。
台風が上陸し、折角突き固めた土が流れ出してしまった為にやり直したり、
近所のババァが『うるさいっ!』とか言って喧嘩売ってきたり、なんてのもあった。
『税金払わねぇ』なんて脅してきたから、『息子を兵として拉致るぞ』と脅し返してやったが。
そんなこんなの二ヶ月だった。
いくら二ヶ月で終らせたからって、どこぞの一級建築士のような手抜きはしていないぞ。
浮いた金を懐にするとか…は、やったかな?ハハ…
まぁ、このクソ暑い時期に、守城戦でも無いのに城中を駆けずり回ったんだ。
これくらいやったってバチは当たるまいよ。
順調に増築を進め、完了に近づいた頃、俺様の体は見事な小麦色と化していた。
そして、建て増した城壁から見降ろす田畑も、見事な小麦色の海と化していた。
季節は、秋になろうとしていた。
おー、なんかはたらくおじさんっぽいそ武安国w
勃起あげ
196年9月
二ヶ月を掛けた増築が完了し、宮城へと報告へ行く。
袁紹 「おわっ!?だ、誰だっ!?」
…あ、武安国か。いや、真っ黒になってたもんでな、すっかり見違えてしまったぞ」
武安国「あの炎天下の中、二ヶ月ずっと働いていたのですから、そりゃぁ見違えもしましょうて…。
まぁ、城の方も見違えるようになりましたけどね」
袁紹 「うむうむ。…という事は、もう終ったのか?」
武安国「そろそろ狩り入れ時ですから、民が城を利用しやすいようにせねばなりませんし、
この収穫の時期を狙って他勢力が襲い掛かるやも知れませんからね。
早く終らせる必要があったのですよ」
本当はそんな事考えちゃいなかったけどな。さっさと終らせたらこの時期だっただけだ。
袁紹 「おお、そこまで考えていたのか!やはりお前に任せて正解だった!
この袁本初に次ぐその名声は伊達ではないな。
では、これまでの働きを認め、五品官に任じよう」
武安国「おお、有り難き幸せに存じます!ではこれにて…」
袁紹 「で、完了早々すまないが、治安の回復を頼む。
都市が大きくなった事で、余所者が入る機会が増えたからな。
騒ぎが起きないように、しっかり見回ってきてくれ」
武安国「え?せめて一月くらいは休ませて頂きたいのですが…」
袁紹 「スマンがなぁ…やはり治安の仕事はお前にやってもらってこそ、
ワシも枕を高くして寝られるのだ。それは民とて同じだと思うぞ?」
武安国「いやぁ、民とて私が見回らなくても…」
袁紹 「……武安国……今年の初めに言った事、忘れてないだろうな…?
異論は許さん。覚えているな?」
それって、『強制労働』って言うんじゃないんですか?
やむなく治安の仕事をする為に屯所へと行ってみると、中では張飛が座っていた。
張飛 「ありゃ?なんだよ、増築終ったばっかだってのに、もう仕事なのか?」
武安国「ああ…強制労働だよ。ったく、過労死しちまうよ」
張飛 「ガハハハ!小麦色の元気丸出しな顔して、何が過労死だよ!
それっぽっちで過労死するくらいなら、とっくに戦場で土になってんだろうがよぉ」
武安国「いや、こう見えても結構疲れてるんだぞ?確かに血色は良く見えるけどな」
張飛 「分かった分かった。そんならアンタはしばらく休んでな。
オレ様が代わりにやってくるからよ」
武安国「そうか?じゃあ頼んじまうかな。まぁ、2,3日も休めば元通りになるけどな。
…そういや、子義や儁乂も治安だったろ?あいつ等何処行ったんだ?」
張飛 「アンタが増築した所を見回るってんでよ、早めに出て行ったぜ。なんせ遠いからなぁ」
武安国「それもあるだろうが、新しく作った施設を見に行ったんだろ。
観星亭っていってな、星を見る為の施設らしいぞ」
張飛 「星なんざ、夜に晴れてれば何処ででも見られるじゃねぇか」
武安国「なんだかな、訳の分からん器具とか資料を使って、星の位置とかを計算する所らしいんだよ。
なんであんなもん作ったんだか…」
張飛 「アンタが建てたんだろ?なんで建てたのかも知らねぇのか?」
武安国「知らん!まぁ、知らなくても作る事は出来るからな」
張飛 「おいおい…ちゃんと役に立つんだろうなぁ、それ」
さぁ?設計図にあったから立てただけだもん。
ま、施工年月日の横に、責任者として俺様の名前入れたけどな…
2,3日は屯所の中で寝ているだけだったが、その頃にはすっかり元通りになった。
張飛 「普通はよ、溜まった疲れってのは2,3日じゃ抜けないんだぜ?
それがもう回復かよ!どういう構造してんだ、アンタの体はよ!ガハハハ!」
武安国「お前に言われたくねぇよ!ってか、武人としては、そうじゃないと困るだろ?」
太史慈「呂布に腕を切り落とされても、半年後には政務を行っていましたしね」
張儁乂「デロンデロンに酔ったままワシと打ち合って落馬しても、軽症で済んでるしな」
武安国「……儁乂、それを思い出させるな。俺様としては屈辱の一戦なんだから…」
張儁乂「うむ…ワシも思い出して後悔している…。ワシにとっても屈辱の一戦だからな…」
張飛 「とにかくよ、頑丈さは人一倍ってこった。大した漢だぜ!」
近頃の屯所での会話は、みんな意気投合してこんな感じだ。
さて、そろそろ仕事をしなければ、と少々気が重かったのだが、衛士達の鼻息が妙に荒い。
衛士 「武安国様との見回りですから!」
そうは言っていたが、ただ新しく作った所を見て回りたいだけだろう。
だが、この気勢を殺ぐのは忍びないので、彼らの期待に応える事にした。
武安国「アレが観星亭だ。俺様が作ったんだぞ?ほら、名前が入ってるだろ?」
衛士 「オオー!スゲー!!」
武安国「ここらの城壁は、俺様自身が煉瓦を積んで作ったんだ」
衛士 「あっ!煉瓦にまで名前が彫ってある!」
武安国「でもな、俺様はこの城の形を作っただけだ。城なんて、人が居なけりゃガレキと変わらん。
お前達が、この城に新しく入ってくる人を育てる事が、城を育てる事といえるだろう。
まぁ言うなれば、ここはお前達の城と言って良いだろうな。
この先良くなるのも悪くなるのも、お前達次第だぞ」
衛士 「俺達の城…俺達の城かぁ…。武安国様、俺ぁ頑張りますぜっ!」
衛士達に気合が入ったおかげで、あっという間に治安は定まり、やる事が無くなった。
普段からこれくらい気合が入ってれば楽なのになぁ…(贅沢言うな)
武安国、饒舌になったなー。
良いこと言うじゃん
524 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/05/16(火) 22:02:37
ファイト白山?
武安国は、赤髪のシャンクスのモデルであると信じたい。
196年10月
もうやることも無いので宮城へ報告。
袁紹 「ふむ。やはり治安回復はお前が適任だな。
次の仕事を頼もうかと思ったのだが、そろそろお前にも休みが必要だろう。今月は休め」
と、やっと休みを貰えたので酒家へ行ってみる。
武安国「よう親父、俺様が新たに作った区画、見に行ったか?」
親父 「やあ武安国様。見に行ってはいませんけどね、噂は聞いていますよ。
ここに来るお客さんから情報は得ておりますのでね。
まぁ、区画が増えたおかげで、人も増えてますから、お客も増えてるんですよ。
なので忙しくて見にはいけないのですけどね」
武安国「そうかぁ、まあ商売繁盛みたいで何よりだな」
親父 「遠くの方からもこの街に移り住む人も来ていて、家が決まるまではウチに泊って行く人も結構いるんですよ。
…しかしその移住者を狙って、山賊なんかも活発になっているみたいなんですよね」
武安国「業β周辺なら俺様が取り締まってるから、そんな事は無いはずなんだが…?
どこで山賊なんか出てるんだ?」
親父 「聞いた話では、北海辺りで被害に会う人が多いようですね」
武安国「何っ!?北海も俺様達の勢力圏内じゃないか。
ったく、北海太守は何をやってるんだ。ってか誰だ!?」
親父 「そうだ、武安国様。山賊退治を引き受けてくださいませんか?
一つには、無辜の民を守る為。一つには、その民相手に商売する私の為に。
勿論、報酬はお出ししますよ」
武安国「よし、引き受けよう。しかし親父…正直者だな」
親父 「私も商人ですからね。利益が見込めなければ投資はしませんよ」
それはそうだろうが…あえて言ってないか?自分の為って。
素直に「全ては民の為」って言えないのだな。照れ屋さんめ。
親父が聞いた話によると、賊は北海の南西の街道で出没しているという。
そこで街道沿いに進んでいくと、丁度山賊が旅人の親娘を襲っている所に出くわした。
山賊 「へっへっへっ、かわいい娘じゃねぇか。こいつもついでに貰っておくぜ!」
旅の娘「きゃぁぁ放して!父ちゃんっ、助けて〜!」
父親 「ああ、娘はっ!娘だけは…金なら全て差し上げますから娘だけはー!」
山賊 「けっ!バカ言ってんじゃねぇよ。両方貰ってくに決まってんじゃねぇか。ヒャハハハ!」
武安国「っと待てや、このクソガキが!てめぇか、近頃この辺りで荒らしてるバカってのは。
山賊め、この『鉄槌』の武安国が、積もり積もった年貢を取り立ててやる。覚悟しろ!」
父親 「ああ、貴方が武安国様!?どうか、どうか娘を助けてください!」
武安国「よしよし、安心しろ。すぐに助けてやるからな」
山賊 「はぁ?安国だか安産だか知らねぇが、やれるもんならやってみろよ!」
武安国「田舎の親父ですら俺様を知っているというのに、貴様はどこの山猿だ?
猿は猿らしく、泰山にでも篭ってどんぐりでも食ってやがれ!」
この戦闘に特筆する事など、何も無い。一瞬で終ってしまった。
襲われていた親娘は流しの歌唄いで、業βの噂を聞いて向かう所だったのだという。
そこで、この親娘を送りつつ、山賊を牢へ入れるべく引っ立てていった。
引っ立てて、と表現はしているが、『引き回した』が正解だろう。
俺様の名を知らなかったうえに、安産だとかぬかした罰だ!思い知れ!
親娘と共に酒家へ行き、親父から報酬を貰った。また、親父にこの親娘の事を話した所、
芸人の組合いってのがあるらしいので、そこへの口利きや、当面の宿泊も無料で引き受けてくれるという。
親父にとっても、何か利益に繋がる事なんだろうな、きっと。無料で引き受けるなんて…。
俺様は親娘に別れを告げて、山賊を屯所へ連れて行った。中では儁乂が留守番をしていた。
張儁乂「どこで拾ってきた乞食だ?服もボロボロで裸同然じゃないか。乞食同士の喧嘩でもあったのか?」
いや、一応山賊『だった』んだけどね。やりすぎた事は認める。でも反省はしない。
武安国「ところで儁乂、暇そうだな。どうだ、久しぶりに一手交えんか?
近頃全く戦が無いから、お前も腕が夜泣きしているんじゃないか?」
張儁乂「お前ほど暇ではないが…そうだな。久しぶりにやるか。
……今日は酒は飲んでいないだろうな?」
武安国「……飲んでないから安心しろ……」
張儁乂「まぁ、今後もお前とやる前には必ず確認取るが、悪く思うなよ」
武安国「ん、まぁ…無理も無い…。俺様も、飲んでたらやろうとは言わんさ。
お前とは万全の状態でやりたいからな。まだお前には勝ってないんだから」
こうして儁乂と組み手を始める事に。初めて会ったあの時は、こちらが余りにも調子が悪かったので不覚をとったが、
万全の状態ならそうは行かない。今度こそ勝ってやる、と思っていたが…
張儁乂「武安国、打ち終わった後にその足運びでは続けて攻撃出来んだろう?
むしろ、左足を反対にやって、体を反転させて…」
武安国「ふむ、こうか?で、このまま勢いをつけて…その後右足を…?ああ、なるほどな」
いつの間にか、儁乂からの武術講義になっていた。
まぁ、素直に受けておこう。強くなる為だ。
武安国「おぉぉ!喰らえっ、三段突き!」
張儁乂「なんのっ、ならばこちらは螺旋突きだっ!」
武安国「げっ!テメェ汚ぇぞ!本気出して俺様の使えない技を使いやがって!」
張儁乂「先に大技を出してきたのはお前だろ!
それよりも…えっ?螺旋突き使えないのぉ?へぇ、使えないのかぁ…可哀想に(プ」
武安国「こ、ここここの野郎!俺様に教えやがれっ!んでもって俺様に倒されろっ!」
張儁乂「ワシを生涯、師と仰ぐなら教えてやっても良いんだがなぁ?」
武安国「誰が仰ぐか!仰がんけど教えろっ!教えやがりなさいこのケチ!」
ま、終始こんな調子で、この20日間は儁乂もずっと俺様と組み手をしていた。
治安の方は全く乱れていないし、何も問題は無かろう。
ってか、結局螺旋突きは教えてもらえなかった。儁乂のドケチめ。
529 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/05/25(木) 12:58:57
このスレマジで面白くなってきた
なにやら最近、専用ブラウザからは書き込み制限が発生しているらしく、
暫くドロップ出来ませんでしたが、今日は1レス分だけ書いておきます。
台詞部分などがガタガタになるかもしれませんが、堪忍してください。
リプレイと呼べない程の代物だと思いますが、今後もお付き合い頂ければ幸いです。
196年11月
伝令 「武安国様、袁紹様がお呼びですので、宮城までお越し下さい」
武安国「おお、そうか。分かった、すぐ行くと伝えてくれ」
伝令 「あの、その袁紹様ですが…酷くお怒りですので、お気をつけて…」
儁乂との組み手に熱くなり過ぎて日をすっかり忘れていたが、もう11月の半ばだったのだ。
月が替わったというのにいつまでも登城しない事に、業を煮やしたのだろう。
そこで慌てて宮城へ行ってみたが、出迎えてくれたのは、顔を赤黒くした、御主君だった。
袁紹 「このバカモン!いつまでほっつき歩いていたのだ!」
武安国「ハ、ハイッ!申し訳ありませんっ!」
袁紹 「これから年末年始にかけて、もっとも忙しくなるというのに、そんな様では困るぞ。
今年は特に、都市が生まれ変わったのだから、年末年始の掻き入れ時は例年に無く忙しくなるのだ。
今でさえ遠く涼州や益州からも、この袁本初と巨大都市・業βの魅力に惹きつけられて民が集まってきておる。
さらに正月ともなれば、盛大な祭りを期待する民達が大勢集まるのだ。
よって、治安は著しく乱れるだろう。そこで、だ」
武安国「今月から年末まで、治安の安定を図れ、と?」
袁紹 「察しが良いな。その通りだ」
武安国「ハッ!承知しました」
袁紹 「ただしっ!半月も遅刻した罰だ。経費は一ヶ月分しかやらん。
後はなんとかしろ」
なんとかしろって…まあいいや。
今は安定しているし、今月は適当にやっておいて、来月にみっちりやるとしよう。
という事で、今月は手を抜きつつ巡回等をしていたが、御主君が危惧する程の騒ぎは起きなかった。
巡回と言っても散歩するような程度だったので、経費もほとんど使っていない。
まぁ、平和なものだ。
532 :
住民:2006/06/01(木) 17:38:24
武安国乙
武安国さまのお陰で今日もうまい酒が飲めますだ。
196年12月
月が替わって、益州の劉焉が死亡したとの報が伝令よりもたらされた。
伝令 「劉焉の後は、子である劉璋が継いだとの事です」
武安国「劉璋か…噂では凡庸な男だとの事だったが、あちらの政情はどうなるのだろうな?
なんでも、隣国の張魯との仲も悪いと聞くし…」
伝令 「しかし、その配下の者共はいずれも優秀な者ばかりと聞きます。
配下が主君に忠誠を誓っているのであれば、後は地の利を生かして、
あの土地を守り抜く事も出来るのではないでしょうか?」
武安国「劉焉もそれが理由で、薊からあんな僻地への赴任を願い出たと言うからな。
まぁ、当分は我々が関わる相手ではないし、心配する事もないだろう」
しかし思い返してみれば、黄巾の乱からどれだけの月日が流れたのだろう。
人はいずれ死ぬ。死ぬにしてもその要因は色々ある。戦、事故、病気、寿命。
これらが代表格だろうが、いずれも逃れがたいものばかりだ。
かの始皇帝も、その強大な権力を使って不老不死を求めたが、やはり逃れる事は出来なかったのだ。
始皇帝ほどの力も無い俺様が逃れる事など、到底出来ようはずがない。
劉焉は寿命で死んだとの事だが、俺様はどう死ぬのだろうか…。
そして、それは、いつ…?
武安国「出来る事なら腹上死が……」
伝令 「は…?」
武安国「い、いやっ!なんでもない、うん…報告ご苦労」
つい最近、俺様が新たに作った区画を警邏していた子義から聞いたのだが、
あの観星亭というのは、星の運行を見て人の死期をも占う事が出来るのだと言う。
気になった俺様は、観星亭へ行って己の死期を見てみる事にした。
その夜は綺麗に晴れて、空一面の星がこれでもかと言わんばかりに瞬いていた。
まさに観星日和(?)と言えるだろう。
武安国「ちと邪魔するぞ」
観星官「これは武安国様。こんな遅くまで、お勤めご苦労様です」
武安国「実はな、国家の大事の為に、命数を計ってもらいたいのだ」
観星官「はて?ついこの間に報告書を提出したばかりですよ?
曹操、公孫伯珪、孫策、劉備殿に御主君、それと今上陛下のも全てですが、何か御不審な点が…
……いえっ!御主君の命数は報告書通りです!決して水増しなんてっ!」
武安国「何を言ってるんだ…?他人ではなく、俺様の命数を測って欲しいんだよ」
観星官「あ…そ、そうでしたか、国家の大事っていうからてっきり…ハハ…。しかし、余りお勧めは出来ませんね。
命数如何に関わらず、毎日を精一杯生きるのが人としての行いではありませんか?
ご自分の命数など、知ろうとなさらない事ですよ。
寿命が短いと知ったとたんに無気力になってしまう人も多いですしね」
武安国「グダグダ言わずに測らんか。それとも、アレか?さっきの『水増し』云々を報告して欲しいのかなぁ?」
観星官「ちょっ!分かりました、お測り致しますよ…。
では、武安国様の生年月日と、生誕地を教えて頂けますか?」
実は、生年月日も生誕地も、俺様自身は良く知らない。幼い頃に孔家に引き取られて以来の記憶しかない。
ただ、物心付く前から持っていたという錦の袋の中にそれらしき情報が書いてあったので、
それを俺様の生年月日と誕生地としている。
観星官は俺様が伝えた情報を元に、指を折り、なにやら角度と方角を合わせて俺様の星を探しだした。
そしてその星の瞬きや色などを見て資料と照らし合わせ、また指を折って計算し、俺様の命数を弾き出した。
観星官「誠に申し上げにくいのですが…武安国様、あなたの命数は尽きようとしております。このままでは、数年後には…」
武安国「なっ!?死因はっ、死因はなんだっ!?」
観星官「死因まで調べるとなるともっと時間がかかります。今言える事は、数年の内に死ぬ、という事までです…。
しかし、気を落とさないで下さい。幾ら天命といえども、変える事は出来るのです。
とある田舎にいた男の話で、寿命が十九才だったのですが…あ、武安国様?」
俺様の命が、あと数年…?そんな訳があるか。きっとヤツが計算を間違えたのだ。
そもそも、あの生年月日も誕生地も、本当に俺様のなのか分かったモンじゃないし…。
だが、もし本当に、あの情報が俺様のだったとしたら…。
その後、観星官がなにやら言っていたが、とても耳には入らず、そのまま観星亭を後にした。
呆然としたまま夜の街を徘徊している間に夜が明け、饅頭売りや粥屋が活動を始めた。
彼らはみな、俺様を見ると笑顔で挨拶してくれる。タダでご馳走しようともしてくれる。
俺様が慕われている証ではあるだろうが…俺様が死んだら、彼らは泣いてくれるのだろうか?
『そっかぁ』で済んで、またいつもの日常に戻るだけではないのだろうか?
俺様は生まれてから、この世に何をした?生きた証を、残せたのか…?何か、一つだけでも…。
まだだ…………まだ、死ねないっ!
そこから俺様の頭は、かつて無い勢いで活動し始めた。生き残るのだ!命を永らえるのだ!
まず、死因はなんだ!?事故死?片腕を失っても生き残れる程の強運の持ち主である事は証明済みだ。(0.2秒)
じゃあ、戦で?負けて捕まって斬首?ありえんっ!俺様程の男を斬るなんてバカはおるまい。この世の損失だぞ?(0.08秒)
腹上死?…これだっ!って事は無いよなぁ…。チクショウ…どうせ縁がねぇよっ!(4.6秒)
とすれば、やはり病気か寿命だろう。病気への対策は?飯をキチンと食って栄養をとり、睡眠をしっかりとる。
そして適度な運動。だがそれでもまだ不足だ。(0.4秒)
…薬。これだっ!薬を入手して、内面から病根を取り除く!これで病気への対策は万全だ!(2.3秒)
だが寿命だったら…観星官が何か言ってたが、どうせデタラメだ。人の寿命など、分かるものか!(0.01秒)
そうと決まれば、今の懸念は病気だけだ。以前聞いた話では、大商家で薬を売っているという。
だが、薬は高い。そこで一度家へ戻って、売る為の書物を持って、大商家で薬を購入する事にした。
武安国「主人、ここでは薬も扱っていると聞いているが、確かか?」
商人 「はい。近頃は麻沸散なども入荷しておりますが、どのような物をお求めで?」
武安国「うむ、その…一番効く薬だ」
商人 「…はい?」
武安国「何度も言わせるな。だから…一番良く効く薬だ。
代金はこの財布の中と、礼記の買取り金額だ。これで買えるだけ揃えてくれ」
商人 「は、はい…少々、お待ちを…」
頑丈がとりえの俺様が、『滋養強壮剤くれ!』なんて、恥ずかしくて言えないわ…。
商人は礼記の査定後、部屋の奥から薬が入っていると思われる袋を持ってきた。
商人 「お待たせしました。こちらが例の薬、『五石散』でございます…。
この薬、かなり強力なものですので、一度にサジ一杯程度。この用量は守ってくださいませ」
武安国「サジ一杯か。うむ、分かった。手間をかけたな」
(丁稚「あの、旦那様…先程の説明では不足が…酒との服用はいけない、と…」)
(商人「あっ…まあ、効き目がえらく増幅されるってだけだから…まぁいいだろう…」)
そんな事とは知らなかった俺様は、あくる日に、酒家の床で頭痛と共に目を覚ます。
なんでも、たった一杯酒を飲んだだけで俺様が暴れだしたのだという。
その後何があって、二日酔いのものではない頭痛がするのかは、まぁ、想像に難くないのだが…。
しかし、これって本当に滋養強壮薬なのか?おっかない薬だな…。
酒との併用はやめておこう。(酒と薬は一緒に飲んじゃいけません)
その後はキッチリ治安の仕事をこなし、疲れた時だけ薬を飲むようにした。
しかし、結構キツイ薬だ。飲むとめまいがするし、色覚までちょっとおかしくなるぞ?(麻薬ですから)
武安国タイ━━━||Φ|(|´|Д|`|)|Φ||━━━ホ
大変なフラグが立ってしまったな……orzlll
540 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/09(金) 17:49:09
age
胡車児「武安国スレを保守してやったぜ」
えー、また間が開いてしまっている内に、
胡車児に保守されてしまいましたが、
明日辺りに、また一月分ですが、ドロップ出来そうです。
毎度毎度遅くて申し訳ないです^^;
wktkwktk
197年01月
この俺様のいる業βは、平和そのもので新年を迎えた。
まるで今年の行方を暗示するかのような、天晴れな初日の出を巡回中に拝み、
その足で評定が行われる宮城へと赴く。
そこでは既に皆は集まり、昨年の業績の発表は終っていたようで、功績一覧が張り出されていた。
去年は頑張ったからなぁ…。台風にも、引越しオバさんにも負けず、この業βの増築をやり遂げたんだ。
当然、筆頭は俺様だろう。そう思って功績一覧を見てみると…。
「筆 頭 審正南」
……はぃ?まだ薬が効いて幻覚でも見てるのか…?
しかし、何度目をこすっても、筆頭に書かれている名は審配から変わりが無い。
我が目を疑うってのは、まさにこの事だな…。いや、もしかしたら、俺様の想像を絶するような、
物凄い功績をあげていたのかも知れない。なら、まぁ二位は俺様だろう……。
「第二位 太史子義」
ちょっ!俺様は何位なんだよ!
「第五位 武安国」
上位というよりは下。どちらかといえば中の上という程度。
御主君!!俺様の評価、低すぎじゃないですか!?
袁紹 「増築の際にも言ったはずだが、能力よりもそれを成し遂げる気力が必要だったのだ。
皆が尻込みするようなキツイ仕事だ。だから、個人的には評価しているのだが、仕事の評価としては…。
内容だけ見たら、誰でも出来る仕事だったからな…。まぁ、そういう事だ。」
武安国「この業βの器を広げたのですよ!?版図を広げる為の基礎を作り上げたんですよ!
汗水垂らし、将たる身分なのに、平民に親方と呼ばれつつもっ!そ、それが…っ」
そう喚き散らす俺様の両肩に、御主君はポンッと両手を置き、俺様の目を見つめつつ、一言。
袁紹 「……ワシは、評価しとるぞ〜」
納得いかねぇ…
袁紹 「まぁ、深夜の巡回からそのまま来たようだし、疲れているのだろう?
次の仕事の時にはまた伝令を出すから、それまで暫く休んでて良いからな」
そういう訳で、今年の正月はゆっくりと休めそうなので、さっそく酒を飲みに行ったのだが、
酒家の中では劉備が机に突っ伏し、その横では張飛が劉備の肩を擦っていた。
武安国「よう御両人。明けまして…」
そこまで言った時、張飛が手を挙げて俺様を制止した。
張飛が劉備に俺様が来た事を告げると、劉備は目尻を袖で拭きつつ、ゆっくりと顔を上げた。
劉備 「武安国殿、失礼しました。実は、今年は喪に服しておりますので、新年の挨拶はお受けいたしかねます。
お許し下さい…」
武安国「喪に服しているだって?一体誰が…ま、まさか、関…」
張飛 「いや、関羽の兄ぃじゃねぇ。兄者の恩師の盧植殿が亡くなられたと、
昨夜遅くに知らせが来てな…」
武安国「そうか、関羽じゃなかった事だけは幸いかも知れんが…残念だったな…」
劉備 「そういう訳で、今日はとても武安国殿とお話させて頂く事も出来ませぬ。
申し訳ない…」
まぁ、仕方があるまい。暫くはそっとしておいてやる事にしよう。
しかし、劉備も律儀なもんだ。肉親でも無い人の喪に服すなんてなぁ。
俺様なんて、元主君の孔融の父・孔宙の喪にも服した覚えが無いんだが…。
やむなく、親父の下へ挨拶に行くと、そこでも親父が片手を挙げて俺様を制止し……デジャヴ?
親父 「今年も武安国様に葬られた者共の喪に服させていただきますゆえ…」
武安国「去年は一人も殺ってねぇ!」
ったく、すぐ近くで本当に喪に服してるヤツがいるってのに、
不謹慎にも程があるぞ!親父!!
親父 「まぁまぁ、これが我々の毎年恒例の新年の挨拶じゃありませんか」
武安国「俺様はそんな毎年恒例なんて知らんぞ。それに今年で2回目だろ。
しっかし、今年も新年早々、飛ばしてるなぁ」
親父 「飛ばすには飛ばすなりの、やむにやまれぬ事情があるんです…」
武安国「う……そ、そうなのか…。それで、事情とは?」
親父 「依頼を引き受けて頂けませんか?」
武安国「……スマン、依頼する事が飛ばしてる理由にどう繋がるのか分からん…」
何の事はない。全部含めて挨拶だったようなもんだな。
親父の話では、この業βの鍛治職人の一人が、「戦の為の道具を作るのは嫌だ」とかぬかして山に篭ってしまった。
この職人の腕は随一で、主に将の使う武器等を作らせていたのだそうだが、元々凶器嫌いな性格にも関わらず、
仕事には手を抜けない、という葛藤で、常に精神をすり減らせていたのだという。
武器生産の責任者だった彼が消えてからというもの、その生産量ははかばかしくなく、質も落ちるばかり。
そこでその仲間達が「武器は作らなくて良い」と騙して連れ戻そうとしたのだが、それを察して一向に帰ろうとしないという。
この職人を説得して、無事に業βの工房へ連れて帰るというのが今回の依頼だ。
武安国「力ずくじゃダメなのか?」
親父 「この手合いの人間は心を従わせないと、また山に帰ってしまいますから。
だから説得で連れて帰らなければならないのですよ」
武安国「それもそうか。よし、俺様が説得して連れて帰ってこよう。
張繍を破ったこの舌鋒の冴えを見せてくれよう!」
親父 「ああ、あれは史上まれに見る舌戦でしたねぇ。グダグダって意味で」
武安国「うるさい!必ず連れて帰ってくるから、期待して待ってろ!」
件の鍛冶職人だが、山に篭ったとは言っても、業βから北に二日ほどの所で庵を組んでいるとの事。
庵の全容がはっきりと分かる程近づいた時、中から桶を手にした中年の男が、井戸へ向かっていった。
武安国「お前が天下一と言われる鍛冶屋だな?」
鍛冶屋「あなたも、私を連れ戻しに来た方ですか?何度も申し上げている通り、
私はもう二度と、鎚を振るう積もりは無いのです。お帰り下さい」
武安国「お前の言いたい事は分かっている。だが少しだけ俺様の話を聞いてくれ」
鍛治職人は聞いているのかいないのか、そのまま井戸へ行き、水を汲み出した。
武安国「都を防衛する為にも、お前のその腕が必要なのだ。帰ってきてはくれないか?」
鍛冶屋「兵達の使う槍や矛などなら、私じゃなくても作れます。私が戻って作らされるのは、将が使うような、
10人20人斬っても壊れない、丈夫な武器。私の作る武器でそれほどの人が殺されるのです。
言い換えれば、私が何十人も殺しているようなもの。私がそんな武器を作らなければ…」
武安国「使う者の腕が達者なら、包丁だろうが、そこの薪割りの斧だろうが、百人殺す事だって出来るんだぞ。
要は使う者次第だって事だ。武器が悪い訳でも、作った者が悪い訳でもないじゃないか」
鍛冶屋「使う者次第とは言い切れません。良く出来た武器は人を変える事もあります。
青白い光に誘われるまま、試し切り等と称して人を切る者を、何人も見てきましたよ」
武安国「だが、その武器が人を救う事だってあるのだ。現に、俺様はこの鉄槌で幾人もの人を助けてきたんだぞ」
鍛冶屋「それは武器に対抗して武器を使っているだけに過ぎないでしょう?
…しかし、その鉄槌。随分と血を吸ってきたようですね。鉄槌なのに、まるで銅のように赤く…」
武安国「あ、いや、それは…(実は銅槌なんだし)。な、ならば、工房で指揮だけ執ってれば良いじゃないか」
鍛冶屋「それこそとんでもない!そうなると今度は数十人程度ではなく、数千人規模になるのですよ。
守るだのなんだの言っても、所詮は人殺しの為の道具です。そんなものを作る気などありません。
さあ、話は終わりです。お帰り下さい」
これが『剣もほろろ』というものだろうか。まったくお話にならない…。
やむをえず、失敗した事を報告する為に酒家へ。
期待して待ってろなどと大見得をきった手前、非常に報告しづらい…。
親父 「お、自信満々で出て行った武安国様がご帰還ですな。
…はて?鍛冶職人の姿が見えませんが…?」
武安国「あ、ああ…実はな…」
親父 「なかなか言う事を聞かないから、魂魄にして連れてきた、なんて冗談は無しですよ?」
武安国「言わん言わん!新年から人死にの話ばかりするなっ!」
そして親父に報告。
武安国「と、まぁ…こんな感じだったわけだ…すまない…」
親父 「ふむ。まぁ、そんなもんでしょう」
武安国「そんなもんでしょう、って…失敗するって分かっててこの仕事ふったのか!?」
親父 「ええ。こちらだって、事情がなければ武安国様にお願いしたりしませんよ」
武安国「確信犯かよ…。そういえば、その『やむにやまれぬ事情』ってのはなんだったんだ?」
親父 「いえね、この依頼の期限が近づいてたんですが、誰も引き受けてくれなかったんです。
とりあえず「頑張りました」って姿勢だけでも見せないと、依頼人も納得してくれませんし、
依頼を放置してる、なんて風評が立ってしまうと、誰も依頼を持って来てくれなくなりますのでね」
武安国「…えっと…?つまり簡単に言うと?」
親父 「私の面子を立てる為」
武安国「おっ、俺様を利用したってのか!?このっ、人でなし!」
親父 「ええ、そうですとも♪」
実は、この親父から受ける精神的虐待の為に、俺様の命が削られているんじゃないか?
そう思えてならない…
胡車児「武安国の活躍をリアルタイムで見てやったぜ」
親父と武安国の会話を見ると、ほのぼのしてほっとする
197年02月
月が替わって2月。宮城から仕事があるという呼び出しがあったので行ってみる。
武安国「お呼びでしょうか?」
袁紹 「うむ、近頃妙な噂を聞いてな。孟徳めがこの業βを狙っているらしいとの噂が流れておる。
その噂の真偽を確かめるべく、洛陽の諜報をしてきて欲しいのだ」
武安国「え、洛陽の?この業βを攻めようというならば、洛陽よりは陳留やボク陽、
いや、河を渡らずに済ませるなら、河内から来るのではありませんか?」
袁紹 「その通りだ。よって、その三都市には既に諜報員を送ってある。
そして軍を出してくる可能性が最も高いのは、お前の言うとおり、河内だ。
どうだ?その背後にある大都市・洛陽の存在が不気味に思えんか?」
武安国「そりゃぁ、一度は焼き払われて廃墟になった都市ですから、どれだけの怨念がいる事か…」
袁紹 「違ぁぁう!!その廃墟を復興すると称して、大勢の人間を中に入れた事が不気味だと言っておるのだ!
人だけではない。食料もそう、資材もそう。最前線の河内に、兵も物資も送れる絶好の位置だろうが!」
武安国「ああ、それは確かに…それに、業βだけではなく、上党に睨みを効かせる事も出来ますね」
袁紹 「ふぅ…、やっと分かったか、この重大さが…。そういう訳だから、洛陽の状況を調べて来い」
武安国「はぁ、しかし…許昌とかだったら二つ返事で行きますが、洛陽はどうも…」
袁紹 「む?洛陽だと何か不都合があるのか?」
武安国「だって、怨念がおんねんで…?」
この日、業βでは雲ひとつない晴天に恵まれていたというのに、大きな落雷があったという。
それも屋内で。
親父 「ははは、それは武安国様が悪いですよ」
武安国「何でだよ!俺様はただ、緊張しまくってる御主君の心をほぐそうと思ってだなぁ?」
親父 「真剣な話をしてるのに、そんな寒い冗談飛ばされたら誰だって怒りますって」
やりきれない思いを胸に抱えた俺様は、出発前にちょっと愚痴をこぼしに酒家へ来ていた。
親父 「武安国様だって、行軍中にそんな冗談飛ばされたら、怒るでしょ?」
武安国「戦中はまた別だろ。まぁ、下らない冗談なんて飛ばしたヤツは鉄槌でおしおきだがな」
親父 「そうならなかっただけマシじゃないですか。袁紹様だったら、それくらいの力はあるんですよ?
まぁ、そんな程度で殺す人もいないでしょうけど」
武安国「いや、昔洛陽を占拠していた董卓は、なんでもなくても人を殺していたらしいぞ。
意見が気に食わなかったら殺す、目付きが気に入らないから殺す、と。殺人三昧だったそうだ」
親父 「そんないわく付きの土地ですか。まぁ、とり殺されないように気を付けてくださいね。
…ああ、そうだ。ちょうど行き先も合ってますし、また山賊退治をして来てくれませんか?」
武安国「何、山賊だと?近頃ずっとなりを潜めていたのに…。
で、どこにいやがるんだ?そいつは」
親父 「上党の東側で出没しているそうです。
いやぁ、『とり殺す』って言ってて思い出しましたよ」
武安国「なんだってそんな言葉で思い出すんだ?」
親父 「とり殺すなら、武安国様に葬られた者共が先にやってるよなぁ、と」
武安国「どうして正義を行った俺様がそいつらに殺されなきゃならないんだよっ!」
霊的な存在を使って死をほのめかすのは脅迫罪なんだぞ?分かってるのか親父!
って、脅迫罪ってなんだ?
ともかく、洛陽の諜報と共に、上党の東部にいるという山賊退治を引き受けて、業βを発つ。
業βを発ち、上党の東側をまわってから洛陽へ向かったが、探す程の事もしていなかったので
問題の山賊を見つける事は出来なかった。
そして河内を通過し、洛陽へと入城。早速、調査を開始する。
洛陽。かつては漢の皇帝の膝元であったが、長年の宦官と外戚による腐敗政治と、
董卓による暴挙によって、一度は灰燼へと帰した。
しかし、今上陛下を保護した曹操がこの土地を押さえてからというもの、
その復興は着々と進められている。
数年前に通りかかった時にはまだガレキの山々だったが、今ではその様子も窺えない。
栄華を極めていた頃にはまだまだ程遠いとはいえ、更地になっていた土地には家や店などが軒を連ね、
焼け跡などは既になく、これがあの廃墟だった洛陽とはとても思えない。
わずか数年でここまで復興させるとは、やはり、曹操という男の政治手腕は侮れない。
人々にもその気運が乗り移ってか、みなせわしなく動き、その熱気にこちらまでが当てられそうだ。
そんな中だから、諜報も楽に出来るだろうと考えていたのだが、それは甘かった。
やはり重要拠点である為、その警戒態勢は厳重で、俺様の諜報手腕では一月かけてもなんの情報も得られなかった。
兵士数や軍資金、兵糧の備蓄など、詳細情報は全く得られなかったが、
逆に言えば、それだけ兵や兵糧などを貯めこんでいる、と考えても間違いは無いだろう。
残念ではあるが、大した情報も得られぬままに洛陽を去る事にする。
帰りがけに上党の東側を探索して、件の山賊を退治する。
山賊 「やいやい、ここを通りたかったら…」
以下略だ。いつもどおりブチのめし、業βまでの道程を引き回して帰る事にする。
この速さなら言える
今の武安国なら両腕なら呂布も項羽も瞬殺できる
そうすると武安国のアイデンティティの三文の一がなくなっちまうぜ!!
アイデンティティ=弁髪+鉄槌+片腕欠損
なんと保守にまで唯才とは。
毎度遅い更新で申し訳ないです。月末辺りは忙しくて…
続きは近日投下予定です。
それだけではなんなので、ちょっとネタを。
春秋戦国時代に楽毅が『安国君』に封じられてた気がして、気になって中国の地図など見てみました。
この『○○君』というのは、普通は(例外があるのか?)封じられた土地の名前が付くのですが、
どの辺りなんだろうなぁ、と気になった訳です。
そしたらなんと、南皮の近く。
現在では河北省保定市に属する『安国市』なる土地がありました。
なんでも漢方等の薬ではかなり昔から有名な土地らしく、
『中国四大薬市』の一つとして薬の市場があるそうです。
春秋戦国期の燕の支配域でもあったはずだし、当時の斉との境にも近いはずだし、
楽毅が封じられたのはここかも知れません。何も調べていない素人考えですが。
私は勝手に、武安国の命名の元になっているのでは、などと考えています。
(『じゃあ関興は?』というツッコミは無用に願います)
な・・・・・なんだってーーーーーーーーー!!!
,.ィ , - 、._ 、
. ,イ/ l/  ̄ ̄`ヽ!__
ト/ |' { `ヽ. ,ヘ
N│ ヽ. ` ヽ /ヽ / ∨
N.ヽ.ヽ、 , } l\/ `′
. ヽヽ.\ ,.ィイハ | _|
ヾニー __ _ -=_彡ソノ u_\ヽ、 | \
.  ゙̄r=<‐モミ、ニr;==ェ;ュ<_ゞ-=7´ヽ >
. l  ̄リーh ` ー‐‐' l‐''´冫)'./ ∠__ つまり、武安国は樂穀の子孫だったんだよ!!
゙iー- イ'__ ヽ、..___ノ トr‐' /
l `___,.、 u ./│ /_
. ヽ. }z‐r--| / ト, | ,、
>、`ー-- ' ./ / |ヽ l/ ヽ ,ヘ
_,./| ヽ`ー--‐ _´.. ‐''´ ./ \、 \/ ヽ/
-‐ '''"  ̄ / :| ,ゝ=< / | `'''‐- 、.._
/ !./l;';';';';';';\ ./ │ _
_,> '´|l. ミ:ゝ、;';';_/,´\ ./|._ , --、 | i´!⌒!l r:,=i
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もうちょっと安国市ネタを引っ張ってみたかった気もしますが、
一応リプレイ(らしきもの)を投下しておきます。
もちろん、引っ張ってくれる方がいらっしゃればうれしいんですが。
ちなみに、10では死亡フラグらしき物(『命運が尽きようとしている…』)が立っていても、
結構長生きしてくれます。薬なしで5年くらい生きてたりします。
ただし、病気がちになってきたりすると、いよいよ…となってきます。
今のところウチの武安国は病気もせず、結構元気にしてます。
なので、当初考えていたよりは長く続きそうですが、お付き合い頂けると幸いです。
197年03月
とりあえず、山賊を屯所へ預け、先に宮城へ報告へ行く。
武安国「洛陽の警戒は思いのほか厳しく、残念ながら情報は得られませんでした…」
袁紹 「ふむ……」
武安国「しかし、こうなると公孫伯珪との勝負は急がねばなりませんね」
袁紹 「そうだな。公孫伯珪と孟徳、この2勢力とまともにやりあうだけの力は、まだ我が軍にはない。
ただでさえ孟徳は油断のならない男。邪魔が入ってはやりずらくてかなわん…。
では、お前はこれから北平へ行き、その内情を調べて来い」
いよいよ、公孫伯珪と雌雄を決する時が来るのか。
場合によっては先送りにせざるをえなくなるかもしれないが、
それもこれも、俺様の諜報の結果如何によるだろう。今度は失敗などしていられない。
続いて酒家へ報告。
親父 「やぁ、武安国様。無事にこなして頂いたようで、お疲れ様でした」
武安国「なに、いつもの事さ。大して疲れてもいないよ」
親父 「ここへ来るお客さんから聞いたのですが、
なんだがとんでもない拷問をしてから連れてきたそうじゃないですか?」
武安国「は?そんな事はしとらんぞ。ただ手を縄で縛って連れてきただけだぞ?」
親父 「その割には、服はボロボロで体中スリ傷だらけだったって聞いてますが…」
武安国「ああ、それか…。ヤツが馬より走るのが遅いから、引きずってきただけだ。
別に拷問なんかじゃないぞ?」
親父 「立派に拷問じゃないですか…。
馬より早く走れる人なんて、何処にいるっていうんですか」
武安国「元・黄巾賊の周倉って男は、そこらの馬より早いって聞いてるぞ?」
親父 「ああ、ソレは後付けの設定ですから…」
……『後付けの設定』??!?
親父 「まぁそれは置いといて…。実は引き続き、お願いしたい依頼が来てるんです」
武安国「むっ…スマンが、もう次の公務が決まっていてなぁ…。
今度は北平へ行かなきゃならんのだ」
親父 「北平?ならば丁度良い。現場は南皮の東側ですから」
武安国「丁度良いってか、ちょっと遠回りしなきゃならないだろ。
まぁ、聞くだけ聞いておこう。何の仕事だ?」
親父 「南皮の東にある堤防の補修なんです。そこの棟梁が結構な年だったのに頑張っちゃって、
倒れてしまって作業が進まないとの事なんですよ」
武安国「それだったら南皮のヤツにやらせれば良いのに…。南皮太守は何をしてるんだ?」
親父 「それが太守様にかけ合ったそうなんですが、着任してから日が浅くて、人事権を掌握しきれていないから、
すぐには人員を裂けないとの事だったらしいのです。
ああ、そうそう。その太守様というのは劉備様なんですよ」
武安国「え、劉備が南皮の太守?いつの間に…」
親父 「武安国様が洛陽へ行かれてた間に人事異動がありましてね、
その時に劉備様が南皮太守になられたんです」
武安国「そうか。あの『自称・民の味方』の劉備が断るくらいなんだから、よほどの事だな。
名家の部下ってのは、自尊心の高い奴が結構いるからなぁ。
客将の立場から抜け切れていない劉備には従いたくないって奴も多いだろうし…。
よし、分かった。その依頼は俺様が引き受けよう」
親父 「武安国様なら、きっと引き受けて下さると思っていましたよ」
劉備の義弟の張飛とも懇意にしてるし、ここは一肌脱いでやるとしよう。
そうだ。今度、商家で上等な酒でも買ってきて、張飛と一杯やるか。
随分前に、張飛から奢ってもらったお返しってのもあるしな。
翌日に出立した俺様は、まず南皮を目指した。劉備に一言祝いでも言ってやろうと思ったからだが、
思い出してみれば喪中なんだったな。挨拶程度にしておこう、そう考えたのだが、
文官 「劉備様は多忙につき、面会はお断りしております」
お前、本当に劉備に取り次いだのか?俺様の面会を断るとも思えないのだが…。
しかし、会えないものは会えないのだから仕方が無い。
やむなくそのまま東へと馬首を向け、目的の堤防の補修へと向かう。
元々は堤防だったと思われる地点では労働者が集まり、土嚢を作ったりして補修の準備をしていた。
武安国「ここが堤防の補修地点でいいのか?倒れた棟梁の代わりに来た者だが」
労働者「おお、やっと来て下さった。この間の大雨でここの辺りが決壊しましてね、ご覧の有様でして…。
畑の作物や家は流されてしまうし、大変でしたよ。幸いにも死者は出なかったのですがね」
見ると、丁度流れが変わる辺りの土手が泥まみれになって一段低くなっており、
その先をみると、押し流された川底の土などが畑を放射状に埋めてしまっていた。
だが、河がそれほど大きくも無かったおかげか、大変は大変だが、それほどの被害でも無いようだ。
武安国「よし、ではここから先は俺様が指揮を取ろう。土嚢の準備は出来ているようだな。
業βの増築で培った俺様の腕前を見せてやろう」
労働者「え、という事は、貴方様は武安国様でしたかっ。
武安国様なら安心してお任せできます。よろしくお願いします」
俺様としては、堤防も城壁も大した違いは無いと考えている。押し寄せるのが兵か水かが違うだけだ。
なので手順もほとんど同じだ。土を高く盛って衝き固め、その上に土嚢を積み上げ、更に上から土をかぶせて衝き固める。
被害が小さかったおかげで作業は二十日程で完了。
労働者達に礼を述べられつつ、俺様は北平諜報の任務へと向かう。
袁ちゃん、戦争しようよ。
このままじゃ武ーちゃんが大工に転職しちゃうよ。
197年04月
南皮東部の堤防より一週間程で目的地の北平へ到着した。
今回はどうやってくぐり抜けようか?と、普通は考えるのかもしれないが、俺様は違うっ!
武安国「急報ー!!急報でござーる!!」
衛士 「・・・ハッ!既視感!?」
バ キ ッ !
まぁ、いつも通りの突破で十分なんだわな。俺様くらいの達人になると。
つまり、考える必要も無いと言う事だ。いや、考え付かない訳じゃないんだからっ!
さて、この北平。先ごろの洛陽と比べると、街中の緊張感というか熱気というか、
全く比較にならないくらい、低い。俺様としてはその方がやりやすいのでありがたいのだが。
おかげで二十日程で必要な情報は入手する事が出来た。
兵力は約6万。人物として要注意なのは、常山の趙子龍だ。
以前、劉備主従が公孫伯珪の元にいた頃に知り合ったのだそうだが、武芸の腕前は相当なものらしい。
あの張飛が珍しくベタボメしていた位なのだから、その話は真実だろう。
加えて君主の公孫伯珪。この男は結構好戦的な男で、戦では先頭に立って進むほどだという。
おかげで文醜に捕まりそうになった事もあったそうだが。
そこを趙雲が助け、公孫伯珪と趙雲はそれ以来の関係だという。
君臣関係は長く、おまけに趙雲はかなり義理堅い。その忠誠心は疑うべくも無いだろう。
智嚢としては田豫だろう。噂を聞いた限りでは、我が陣営で比べるなら、審配・郭図あたりと良い勝負のようだ。
現状ではこの3人の攻略が鍵と言えるだろう。他の奴らは雑魚とはいえ、ここから先、
更に兵を増やされてしまったら、それこそ手が付けられなくなる。
十分な情報は手に入れられたし、ここは敵地。長居は無用だ。
屯所の軒下にいる蟻地獄を藁でいじりつつ、頭の中で情報を整理していると、俺様の背後から影が近づいてきた。
???「上下(あんた)、ここで何をしている?」
影の形から察するに、ここの武将だろう。諜報が終ったとはいえ、今敵方の武将に目を付けられると厄介だ。
もしこれが例の趙雲だとすると、俺様といえど逃げるのはしんどい。冷静に誤魔化さねば…。
武安国「いえね、このウスバカゲロウの幼虫を見てましてね」
???「誰がうすら馬鹿下郎の幼虫だと!?この趙子龍をうすら馬鹿下郎等と呼ぶかっ!
初対面の上下にそんな事を言われる覚えはないっ!貴様、何者だっ!」
げっ、こいつが趙雲だったか。何とかして切り抜けないと…。
武安国「え?あ、いや…えーとですね…アッシが言ってるのは、この蟻地獄の事ですよ。
蟻地獄ってのはウスバカゲロウという虫の幼虫でしてね。成長すると羽を生やして飛ぶんですよ」
趙雲 「あ、ウスバ…カゲロウ…?そ、それはどうも失礼しました。
ちょっと数日前から侵入者がいると言うのでピリピリしてまして…。ところで、あなたは?」
武安国「いえ、なに…ただの出稼ぎですよ。仕事の口を探しに来たのですけどね、
アッシのような者に出来る仕事が無いようなので、もっと大きな都に探しに行くつもりです。
しかし、この蟻地獄というのはいつ見ても興味深いですよ。コイツは虫の割には頭が良い。
こうして得物が来そうな所に罠をはり、得物が罠に落ちたらそのままガブリ。
まるで戦の際の参謀の様ではないですか」
趙雲 「ふむ、なるほど。そう言われて見てみると、確かに…」
そのまま趙雲は黙りこくり、蟻地獄をじっと見続けて、何かを考え込んでいる。この隙に逃げ出そう。
武安国「では、アッシはこれで。侵入者とかいう不届き者が見つかると良いですねぇ」
趙雲 「あなたこそ、次は仕事の口が見つかると良いですね。道中お気をつけて」
なるほど、年上に対しての礼儀はなかなかだ。身分の分け隔ても無い。我が陣営に欲しい人物だな。
なんとか趙雲を誤魔化して、無事に業βへと帰還する。
趙雲 「隻腕…、余所者…、侵入者!?しまった、ヤツが武安国だったか!」
武安国は孔子の子孫の名前じゃなかったっけ
同じ孔融の武将の宗宝の宝は確か安国の前の代
というレスをどっかで見た
>>568 な・・・・・・なんだってーーーーーーーΩΩΩΩ
ググってみたところ孔安国はいたが孔宝は見あたらなかったな
孔安国は前漢の人で、古文を研究していたらしい。孔子の子孫では特に有名な人らしい
武安国の由来かは断定できないが、孔融の武将であることから可能性は高いと思われる
子龍ちゃんって、わりと、天然?
197年05月
なまものと情報は新鮮なうちにお届けしなければならない。
業βへと帰り着いた俺様は、先ず宮城へ北平の情報を報告に行く。
袁紹 「おお、戻ったか。して、北平はどうだった?」
武安国「いやぁ、桜の花が綺麗に咲いておりましたよ。一杯引っ掛けたい感じでしたね」
袁紹 「…誰がお前に観光してこいと言ったんだ?」
武安国「冗談です」
なんか親父のような言い回しが感染してきたな…。それはともかくとして、主君に北平での諜報結果を報告する。
兵力・武将の報告へと続き、北平攻略の鍵となるであろう、趙雲の話へと移る。
袁紹 「『常山の趙子龍』の噂はワシも聞いておるが、そんなに凄い男か?」
武安国「まぁ私ほどではありませんが、なかなかの男です。
武芸の点では張飛の折り紙付きですし、義理堅さは劉備殿のお墨付きです。
また、礼節に関しては、私が保証しても良い位です。
特に武芸は、あの文醜を破ったと言いますからね」
袁紹 「何、文醜を!?あやつはそんな事、一言も言わなかったぞ?」
武安国「そりゃぁ、若造に劣るなんて口が裂けても言えないでしょうから。
これは劉備殿達も目撃している事ですから、間違いないでしょう」
袁紹 「むむむ…。ならば公孫伯珪が更に力をつける前に潰さねばならんな…」
武安国「その通りです!さぁ、今こそ私を薊か南皮へっ!
そしてそのまま公孫伯珪を潰してしまいましょう!」
袁紹 「ならん。お前は切り札なのだから、他所へはやれん」
その切り札をよくもまぁ、ポンポンと諜報なんぞに出してくれますよね。御主君。
袁紹 「なにはともあれ、ご苦労だったな。次の仕事までの間、気力を養うが良い」
次の仕事って言ったって、どうせ出兵じゃぁないんだよなぁ。やはり移動しかないか…。
そう考えつつ、酒家へ堤防補修の報告へ行く。
親父 「お帰りなさい、武安国様。既に報告は聞いておりますよ」
武安国「相変わらず耳が早いな。どこから報告なんて聞いたんだ?」
親父 「それは勿論、南皮の職人衆からですよ。皆感謝しているって言ってましたよ」
武安国「ああ、それもそうか。その後に北平へ行っちまったんだもんなぁ」
親父 「しかし、相変わらずの仕事ぶりのようですね。
普通、一緒になって土嚢を運ぶ将軍なんていませんよ?」
武安国「……それは誉めてるのか?それとも、けなしてるのか?」
親父 「勿論誉めてるんですよ。おかげで民からの人気は大変なものなんですよ?」
武安国「お、おぅ…そうかそうか。わはは、そうかぁ。俺様ってそんなに人気あるんだ?」
親父 「ええ。『民から三番目くらいに近い将軍』って言われてるんですから」
武安国「なんだ、その微妙な位置…。なんで三番目くらいなのかもよく分からんし…」
親父 「まぁ、一番はやはり劉備様ですね。『皇叔、かつては筵売り』は各地で子供すら知ってます。
その次が張飛様ですね。」
武安国「二番は張飛なんだ?」
親父 「ええ。酒飲んで好き放題わめきちらしたりと傍若無人だけど、義に厚くて滅法強い。
権威に逆らって督郵を打ち据える話なんて、華北で知らぬ者はいない痛快劇ですよ。
そのくせ、実は結構涙もろいんですよ。その辺りが、民衆の憧れなんでしょうねぇ」
武安国「なるほどなぁ。で、俺様が『三番目くらい』ってのはなんでだ?」
親父 「畑仕事でも城壁や堤防の改修でも、民衆に混ざってやってるからですよ。
まぁ、『同化してる』って意味合いですねぇ。『たまに見失う』とも言ってましたし」
そっちなのか…
太史慈「それだけ民衆との接点が多くて、武安国殿を身近に感じているという事ですよ」
俺様の期待している人気ではなかった為、少しガッカリしている所へ、子義が入ってきた。
武安国「お、子義じゃないか。とはいえなぁ、一応俺様とて為政者側の人間だぞ?
そこはやっぱり、それなりな見かたをして貰いたいんだけどなぁ…」
太史慈「いやいや。今の武安国殿こそ、斉の覇者・桓公と管仲が目指していた姿ではありませんか。
民衆と為政者が共に働き酒を飲み、路を歩きつつ談話する光景は、百万の軍よりも強い武器です。
はたして古の王達は、そこまで民衆の支持を得られたでしょうか?
それを武安国殿は自然と体現していると言う事です。素晴らしい仁徳ですよ」
親父 「ええ。山賊退治とか市場の破落戸退治とか積極的にやって頂いてますし、
本当に、素晴らしい仁徳ですよねぇ…」
武安国「なんか、親父が言うと嫌味に聞こえるんだが…。
それはそうと、子義。お前が酒家に来るとは珍しいな。どうしたんだ?」
太史慈「実は武安国殿を探していたのです。久しぶりに一手交えたいと思いまして」
武安国「おお、そうか。実は俺様も久しぶりにお前とやりたかったんだ。
衛士と賊ばかりじゃ腕がなまっちまうからなぁ。じゃあ、場所を変えてやるとしよう」
親父 「ほほぅ、武安国様と太史慈様の練武ですか。では、そこの舞台をお使い下さいな」
そう言うや、親父は板を持って表へ出て行った。
半年ほど前に世話をした流しの親娘(
>>527)がきっかけで舞台を作って催し物を始めたらしい。が……。
太史慈「おお、それはありがたい。武安国殿、遠慮なく使わせて頂きましょう」
武安国「待て、子義。ありがたがるのはまだ早い。この親父の事だ、何か魂胆があるに違いないんだ…」
子義と連れ立って表にまわると、親父が先程の板に字を書いて看板を作っていた。
[武安国・太史子義両将軍による初競演! 弾ける汗と気迫を見逃すな! 見料 ]
太史慈「さすが商売人ですね。勉強になります」
親父 「……………いくらが良いですかね?」
武安国「知るかっ!」
場所を舞台に移した俺様と子義は、早速組み手を始める。客の事など知らん。
そういえば、あれから何年が経ったのだろう…。
まだ肌の極めの細かい青年。それが出会った頃の子義の姿だった。
眉目秀麗で機転が利き、膂力は三十人前。その頃から子義は一端の将として通用させる事ができた。
昔は膂力と素早さ、若さゆえの勢いと反応で押してきていたが、今はその技に年輪が刻まれている。
穂先のブレなどは無く、打ち込みも正確。若かった頃の勢いは衰えず、膂力も更に上がっている。
攻撃・防御の技においては、既に俺様を超えている。俺様が勝るのは老獪さ位なもんだろう。
武安国「さらに腕を上げたなっ、子義!」
打ち合っているうちに、今の子義に若い頃の姿が重なり、これまでの経緯が脳裏を駆け巡る。
身に着けている鎧兜の傷。落ち着いた、気迫の充実した顔を見ていると、つい目頭が熱くなってくる。
立派になった。もう何処へ出ても、天下一級で通用する漢伊達だ。
そんな男が相手だ。覚えず俺様の腕にも力が入り、こちらまで若返ったかのように、勢いも盛んになる。
太史慈「武安国殿こそっ!更に洗練されているようですね!」
親父 「あー、別に台詞は無くても良いんですよ?」
武安国「うるさいっ!見せ物じゃねぇぞ!」
見物人「おいおい、こちとら金払ってんだぞーっ!」
武安国「だからっ!外野は黙ってろってんだよ!」
この組み手を(親父の都合により)二十日間行い、こんな状況だが俺様の腕も上がった。(武力+1)
武安国「いやあ、おかげで俺様の鍛錬にもなった。ありがとうよ」
太史慈「いえ、こちらこそありがとうございました。ところで、『気炎』という技をご存知ですか?
武安国殿は相変わらず外功は凄まじいのですが、内功がもう一つ…な気がするのです。
今はまだ無理ですが、今度やる時にはお教え出来るでしょう」
腕は上がるし、有益な情報は貰えるし、非常に充実した組み手になった。
まぁ、一番美味しい思いをしたのは親父だろうが…。
袁家の秘密兵器『食人鬼』武安国応援sage
197年06月
武安国「何故、薊へも南皮へも行かせていただけぬのですか!」
袁紹 「くどいぞっ!ダメだと言ったらダメだ!」
雨が降りしきり、雷鳴が響き渡るある日、宮城からはそれをも上回る俺様達の怒号が轟いていた。
ここ数週間、俺様は公孫伯珪の前線への移動を願い続けてきたが、どうしても御主君が許してくれない。
袁紹 「お前がここを守ってくれなければ、一体誰が守るというのだ!」
武安国「張飛がおるではないですか。張飛だけではありません。
子義も儁乂もおりますし、智嚢ならば審配も郭図も沮授もおるではないですか!」
袁紹 「張飛は形ではワシの配下となってはいるが、結局は劉備殿の臣だ。
本気でこの業βとワシを守ろうなどとは考えておらんだろう。
それと儁乂と子義はまだ若くて、お前のように一人で業βを守れる程の力はない」
武安国「ならば、私を残して彼らを派遣すれば良いでしょう?それすらしないとは、どういうことですか!
…なんのかんのと理由をつけてはいますが、その実、ご自分の身辺を守る武将が減るのを
恐れているのではないですか?」
郭図 「武安国、言いすぎだぞ!お主には御主君のお考えが…」
武安国「郭図、貴様も貴様だ!今がどのような状況か分かっているだろうがっ!
南皮の劉備殿と公孫伯珪は、同じ師について学んだ間柄であるうえ、反董卓連合の際も助け合った仲だ。
それが殺し合いなど出来る訳がないだろう!」
郭図 「だからこそ、晋陽の周昴と薊の淳于瓊にも北平攻略を目標として…」
武安国「周昴なんぞは己の兵力が倍以上にならないと攻めになど行かぬヤツではないか!
淳于瓊もそうだ。やつら、攻めるはずのない劉備殿が北平を攻めるのを待っているだけだ。
そして公孫伯珪が弱った所で手柄を横から掻っ攫おう、という所だろうよ。
その程度の事、お前くらいの者ならとっくに見抜いているだろうに…。
…まさか、公孫伯珪から金でも積まれているのではあるまいな?」
郭図 「きっ、貴様!言うに事欠いて、なんたる雑言を吐きおるか!」
審配 「ならば、お前はどうしようと言うのだ?」
武安国「知れた事よ。俺様が薊か南皮に行き、兵を率いて北平を叩き潰す!
薊ならば、淳于瓊の腰抜けの尻をひっぱたいて出兵させ…」
郭図 「ふん、軽々しく言うものよ。武安国の口は頭の軽さと比例しておるのかな?
淳于将軍は河北で袁家に次ぐ名家の出自だぞ?河北の小豪族共を抑えられるのは将軍の力もあっての事。
その淳于将軍の尻を、平民の出のお主が引っぱたく?ハッ、お笑い種だな!」
武安国「俺様の頭が軽いだと…?なんなら、名士のお前の頭と平民出の俺様の頭、どちらが軽いか測ってみるか?
どうだ、首が離れても俺様を笑えるか!?笑ってみせるか!」
袁紹 「控えろ武安国!郭図、お前もだ。仲間同士でいがみ合い等していたら、いつまでたっても落せなくなるぞ」
それぞれが得物の柄に手をかけた所を制止し、座に深く腰をかけ、天を仰ぎ見た御主君は、
しばしの沈黙の後、審配に意見を求めた。
袁紹 「ふぅ……。審配、お前はどう思う?」
審配 「どちらの言い分にも理はあります。しかしこのままでは、公孫伯珪との睨み合いはいつまでも続くでしょう。
とはいえ、武安国の気性からして淳于将軍と組ませるのは得策ではありません。
文字通りに淳于将軍の尻を叩きかねませんし…。
愚見を申し述べますが、ここは武安国を南皮へ派遣し、そこから北平攻略を急がせるのが得策です。
劉備殿では攻め辛くとも、武安国ならその気使いはないでしょう。
業βの守りは、私共でしっかりとお守りいたしますので、ご安堵下さい」
袁紹 「そうか…、審配は武安国の移動に賛成か…。郭図、お前は?」
郭図 「南皮ならば、私も止めは致しません。劉備殿ならば、武安国とでも上手くやっていけるでしょう。
実は、南皮には顕思(袁譚)様がおられますので、その警護の出来る豪の者が必要とも考えておりました」
袁紹 「郭図も賛成、という事だな…。少々不安ではあるが…。では、武安国を本日付けで南皮所属とする」
こうしてやっと念願が適って、公孫伯珪との前線への移動が許可された。次は南皮で大暴れだ!
(審配「あ、南皮には高覧がいたな、可哀想に…。一報出しといてやるか」)
出発前に、これまで世話になった人達への挨拶へ。子義、儁乂、審配、張飛、そして酒家の親父だ。
子義、儁乂、審配は屯所にいた。
太史慈「おお、念願の前線への移動ですか。いよいよですね」
張儁乂「劉備殿に迷惑かけないようにな。お前は短気だからな…」
審配 「推薦したワシの顔に泥を塗ってくれるなよ?」
まぁ、言い方は色々だが、奴らなりの激励の言葉だ。
他にも、兵所や農地の連中にも業βを離れる事を告げると、皆寂しそうにしていた。
農夫 「武安国様みたいな将軍様はいませんでしたからねぇ…寂しくなりますよ…」
衛士 「武安国様のいらっしゃらない間、業βは我々がしっかり守って見せます!」
一生懸命育ててきた土地と人だ。未練が無いと言ったら嘘だろう。だが、必ず帰ってくるぞ!
張飛を探す前に商家へ寄って、上等な酒を購入した。
以前馳走になった礼を、この機会にしておこうと思ったのだ。
きっと張飛なら酒家にいるだろう。そう思って酒家へ行ったのだが、その姿はない。
親父 「おや、いらっしゃいませ。いやぁ奇遇ですねぇ。
なんでも、南皮へ左遷になったんですって?私も南皮へ移住するんですよ」
武安国「誰が左遷だ、誰がっ!…って、何っ!親父も南皮へ移住!?」
親父 「はい。この酒家の支店を南皮に出す事にしましてね。
あちらでもご愛顧よろしくお願いします」
武安国「なるほど、支店かぁ…。随分とあくどく儲けてたんだなぁ?」
親父 「あくどくだなんて、人聞きの悪い…。コツコツと試行錯誤を繰り返して貯めたんですよ。
ようやく私が取り仕切らなくても収入が安定するような軌道に乗りましたので、
それで南皮支店を作る事にしたんですよ。目標、1327店!」
随分とデカイ目標だな…。ってか、なんだ、その中途半端な数は…。
武安国「所で、張飛は来てないのか?親父には悪いが、"上等"な酒を買ってきたんでな」
張飛 「ほぅ、上等な酒だって?随分と気前が良いじゃねぇか」
そこへ折り良く、張飛が大きな鹿を肩から下げて入ってきた。
張飛 「ほら親父さん、これが依頼の鹿だぜ。どうだい、立派なモンだろう?」
親父 「これまたよく肥えた鹿ですねぇ。お疲れ様でした、こちらが報酬です」
張飛 「おう、ありがとよ。ところで武安国、なんだってオレ様を探してたんだ?」
武安国「以前お前に良い酒を馳走になっただろ。そのお返しってやつだ」
張飛 「なんでぇ、アレは関兄ぃの件の礼だって言ったじゃねぇか。そのお返しだなんて筋違いだぜ」
武安国「あんな上等な酒じゃ釣りが出るってもんだぞ。俺様が振舞ったのはここの酒だしな」
親父 「そりゃどうも。ウチのは安物でスミマセンね」
武安国「っとと、怒るなって。料理はここで出してもらうんだからよ。損にはならんだろ?
じゃあ張飛。貸し借り無し、俺様の振舞い酒って事で一緒に飲もうや。どうだ?」
張飛 「へへ、そうこなくちゃ!酒こそ人生の喜びだぜ!さあ、飲もう飲もう!」
武安国「よし、飲もう!親父、離れが空いてたら貸してくれないか?あと肴も頼む」
親父 「はいはい。空いてますからご自由にどうぞ。料理はこちらのお任せで出させて頂きますよ」
武安国「おう、頼んだぞ」
前に使った事のある離れで、張飛と差し向かいで酒盛りを始める。
張飛は無邪気に喜び、俺様の持ってきた酒と親父の作った肴をたちまち胃袋へと消してゆく。
親父 「新鮮な肉は生で食べられると言いますから。ええ、先程の鹿ですよ」
って、わざと血溜りに漬けただろ?あり得ない程血まみれなんですけど。
つーか、せめて軽く炙ってくれ…。いくら新鮮でも、生の鹿肉は、怖い…。
中にはそんな悪意に満ちた物もあったが、それでも張飛は『ウマイ!』を連呼しつつ、ガツガツと食べる。
そして、張飛とは色々な事を語り合った。
今度、俺様が南皮に行くという事。張飛も南皮への移動を散々願い出ていたが、許可されなかったとの事。
劉備が、師兄である公孫伯珪と戦わねばならないという事、
そして、義兄弟・関羽と長年離れ離れになっているという悲しい事実。
張飛 「オレ様にはもう、どうしたら良いのか分からねぇ…。兄者には、袁紹には逆らうなと言われてるし…」
武安国「安心しろ。俺様が公孫伯珪をさっさと潰して、業βへ帰れる様にするからよ」
張飛 「ああ、ありがとうよ…。でも武安国よぉ、なんでおめぇはそこまでオレ様に優しいんだ?」
武安国「それはお前…。こうして、お前と飲む酒が美味いからよ」
張飛 「ああ、それはオレ様もだよ。兄者達と一緒に飲むのと、同じくらいにうめぇんだ…。
そうなんだよ…。おめぇとは、血の繋がりよりも濃い絆を感じるんだ…。
…そうだ。なぁ、どうだ?オレ様と義兄弟の契りを結ばねえか?」
武安国「なっ!?そ、それは嬉しいが…。お前、俺様がいくつか知ってるのか?
武安国、42歳厄年。劉備より、5歳も年上で、ございます。ってなもんだぞ?
つまり、お前達義兄弟の長兄になっちまう。劉備や関羽に断りも無く、そんな…」
張飛 「大丈夫だって、オレ様が見込んだ漢だぜ?兄者も関兄ぃも分かってくれるって!
…なぁ、頼むよ…。長兄になって、オレ達を導いてくれ…っ!」
あの誇り高い張飛が、土下座までして俺様に懇願している…。俺様は、ここまでされる程の男か?
いや、ここまでされたのだ。悩む必要など無い。その期待に応えてやるべきなのだ。
武安国「…賢弟。顔を上げて、この杯を受け取れ」
張飛 「賢…弟…?そ、それじゃあ…!」
武安国「ああ。これをもって、お前達の義兄となる事を誓うぞ!」
張飛 「ハ……ハハッ!よし、じゃあ早速恒例の…。『我ら生まれた日は違えども』!」
武安国「ちょっと待て待て、翼徳君。その先の誓いは俺様はするが、お前達にはさせないぞ?
お前が言おうとしてるのはアレだろ?『死す時は同月同日を望まん』だろ?」
張飛 「契りを結んだらこの誓いはお決まりだろ!?なんで止めるんだよ!」
武安国「お前らの誰かが殺されちまったら、俺様はその日のうちに仇を討って死んでやる。
俺様はお前達よりも長く生きているんだからな。その事で悔いなんぞ無いさ。
だが、逆は許さん。可愛いお前らに、俺様よりも短い人生で終られてたまるか!」
張飛 「う…ウオォォォ!!兄貴ー!!やっぱり兄貴になってもらって正解だぁぁー!!」
最初はちょっとした接点があっただけだった。
関羽が華雄を斬ったと聞いて、手柄を取られたと怒り、三人で呂布を退けたと聞けば、やはり怒り、
劉備が今上陛下から皇叔として認められたと聞けば、たぶらかしやがって!、と怒りもした。
曹操から離反したと聞いた時は呆れ、うらぶれた格好で御主君の横にいた時には侮蔑すらしていた。
だが、張飛や劉備と語らい、遠く離れた関羽には、殴りかかった恨みがあった筈なのに武術を教わり、
それをきっかけに兄弟の悩みを共有した。離れていても揺るがぬ絆。正直、羨ましくもあった。
時と共に深まる、奇妙な親近感。生まれる前から持った縁だったかもしれない。そして、今。
俺様はとうとう、劉備三兄弟の長兄となった。いや、今後は「武四兄弟」ってなるのかな?。
その晩は共に飲んで過ごし、その後、数日は転居の準備をする。そして出立の日。
張飛 「兄者と関兄ぃには、兄貴が義兄弟になってくれたって手紙を書いて送っておいたぜ。
そろそろ南皮には知らせが届いてる頃だな。兄者、どんな顔してるかなぁ」
武安国「玄徳は驚いてはいても表情には出さんからなぁ。…さて、そろそろ行くか。
それと、これは深い考えあっての事だが、俺様と義兄弟になった事は、他の連中には伏せておけ。
これは兄弟だけの秘密だ。いいな?」
張飛 「ああ分かった、決して他言しないぜ。兄貴、たまには顔を見せに来てくれよな…」
こうして俺様は、義弟・張飛に見送られながら、南皮へと駒を進めていった。
うお、燃える展開ですね。GJです!!
スレ違い気味で申し訳ないですがこちらで。
先日はリプレイスレに来てくれて、ありがとうございました。
今ちょっと用事が立て込んでいて目処が立たないんですが、またリプレイを書く
時は是非とも読んでやってくださいまし……。
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
585 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/07/23(日) 18:07:59
良スレage
197年07月
南皮の太守は義弟の玄徳。ついこの間任命されたばかりの新任太守だ。
ほかの武将はというと、先ずは顕思(袁譚)坊っちゃん。御主君の長男で、順当にいけば次の跡取だ。
次に高幹。こいつは御主君の甥にあたり、今の立場は顕思ぼっちゃんのお守だ。
そして、高覧。こいつはいわずもがな。俺様に色々と教えてくれたのは感謝しているが、小生意気な奴だ。
そこに俺様を加えても5人しかいない。金や兵糧は十分だが、兵力は5万程度。
晋陽の周昴と薊の淳于瓊の援軍は期待出来そうもない為、この兵力では北平を攻略するのは、正直厳しい。
これが出発前に把握していた南皮の状況だ。先ずは有能な将と兵力を増やさねばならないな。
南皮までは4日程で到着。南皮の城門では玄徳を始め、顕思ぼっちゃんと高幹も俺様を出迎えようと待っていた。
劉備 「お待ちしておりましたぞ、大…」
おそらく玄徳が言おうとしたのは『大兄』だろうが、俺様は片目をつむって静止の合図を送る。
人の機微を捉えて生き抜いて来た玄徳にはその意味が分かったようで、すぐに言い直す。その反応の速さは並ではない。
劉備 「大人(ターレン:年配者への尊称)、武安国殿。業βからの赴任、お疲れ様です」
武安国「いやいや、太守殿に敬語など使われてはこちらが恐縮致します。どうか、部下として接して頂きたい」
袁譚 「よく来たな、武安国。父上から手紙を受け取って事情は分かっている。
しかし、私には高幹がおるゆえ、警護など不要だぞ」
高幹 「その通り。お主はお主の政務を全うするが良い」
御主君、ぼっちゃんの警護として南皮行きの辞令を出してたんですか?聞いてませんよ…。
武安国「…そういえば、高覧の姿が見当たらぬようですが…?」
劉備 「ああ、高覧殿は平原へ突然赴任になりまして。それも、異動願いが受理される前に出立しました」
(文醜「高覧、どうしたんだ?平原へ異動だなんて聞いてないぞ?」)
(高覧「武安国さんが赴任して来るって、審配殿から手紙貰いまして…。ああ、異動願いは出してありますから…」)
…逃げやがったか、あの野郎!ただでさえ少ない将が4人になっちまった…。
南皮についた初日の晩。玄徳が歓迎の宴と称して、俺様を自宅へと招待してくれた。
劉備 「大兄、翼徳から手紙は受け取りました。翼徳が見込んだ漢ならば間違いないでしょう。
しかし、何故先刻は私を静止されました?」
武安国「うむ、ちと考えがあってな。俺様が義兄弟になっている事は、世間には伏せておこうと思っているのだ」
劉備 「そのお考えとは?」
武安国「第一に、御主君だ。あれでいて結構疑り深い。俺様達が兄弟になったと知ったら、同じ所には置かぬだろうよ。
玄徳に翼徳、そして俺様の民の人気は大変なものだ。その兄弟が揃って謀反したら…」
劉備 「私が世話になっている袁紹殿を裏切ると?そのような事…」
武安国「と、お前は考えるだろう。もちろん俺様もだが。しかし、実際は礼も義も無い世の中だ。
俺様達の人気を妬む連中が、御主君に兄弟が一緒にならないよう讒言しているのさ。
翼徳が南皮への異動を何度も進言していたにも関わらず、受理されなかったのはそういう面がある。
それに顕思ぼっちゃんがここにいるのも、お前のお目付け役を含めての事だろうさ」
劉備 「なるほど、確かに…」
武安国「第二に…玄徳、公孫伯珪を攻める気なんぞ無いだろう?いや、出来んだろう」
劉備 「はい…。師兄に逆らうなど礼に反しますし、師の喪中に争うなど、師への忠にも反します」
武安国「俺様が義兄弟となっているのがバレてしまっては、俺様とて攻められなくなる。
お前の師兄は俺様の師兄とも言えるのだから、やはりお前が礼に反してしまう事になるからな。
そして第三に、雲長の事だ。北が終わったら、次の敵は南の曹操だ。
その時に兄弟が再会する機会が生まれるが、お前達は曹操らに警戒されてしまっているから雲長に近寄れん。
しかし、俺様が兄弟だと知られていなければ、曹操にも御主君にも警戒されず、雲長に近寄れると言う事だ」
劉備 「そこまで考えておられましたか!翼徳よっ、良くぞ大兄を見つけてくれた!」
だが、俺様としてはまだ玄徳が本当に心を開いているようには思えない…。
清廉潔白。礼儀正しく、誰にでもへりくだる。それだけで、あの翼徳がこの男を兄と認めるか…?
雲長ならまだしも、あの『荒くれ』の翼徳が…。
翌日、俺様は宮城へと出向き、近況等を聞きに行く。
劉備 「先ほど伝令がもたらした報によると、江東の孫策が中郎将に任ぜられたそうです」
武安国「ふむ。今や、江東の小覇王の名は天下に鳴り響いているからな。
支配領域も多いし、今ごろ中郎将になったというのが不思議なくらいだ」
袁譚 「なにが江東の小覇王だ、偉そうに…。たかが小役人の倅ではないか。我が袁家には及ぶべくも無いわ」
高幹 「そうですとも。小覇王の名は若君にこそふさわしいですとも」
この袁譚&高幹の主従のおかげで、玄徳は非常にやりづらそうだ。
一応太守であるから、俺様達の上の位ではあるのだが、相手は御主君の嫡子と甥である。相手が悪い。
おかげで玄徳は終始敬語を使って指示を出す始末となっている。本来なら俺様にも命令口調で良いのだが、
劉備 「私は客将の身ですから、袁家の正規の将には全て敬語で通した方が良いでしょう。
その方が反感を買わずに済みますし、大兄に対して無礼を犯す事も無くなります。
ですから大兄も、『客将の私』に敬語を使うのは止めた方が良いでしょう」
そう言って、結局俺様にも敬語を使い続けることになったうえ、俺様がタメ口をきく羽目になっている。
しかし俺様は玄徳とは違う。御主君が相手の時以外は、敬語なんぞ使わんっ!
…いや、使えない訳じゃないぞ!?
武安国「何が『若君にこそふさわしい』だ。孫策は玉璽泥棒の子倅とはいえ、その実力で支配領域を広げた猛者だぞ。
小覇王の名はその結果付けられた物だ。そんな事も分からんのか、このおべっか使いめ。
それと顕思坊っちゃん。家柄など、今の世では通用しづらくなってきている事を認識しなければならん。
現に、坊っちゃんの横に平民出の私が立っている事も、その証ですぞ」
高幹 「武安国、無礼だぞ!若君に対してなんたる口の利き様だっ!」
袁譚 「まて高幹、武安国の言う通りだ。家柄に捕われるという事は、父上の影響を受けているという事だ。
私は父上の力が無くても、人を御する事が出来るようにならねばならないのだ」
高幹 「おお、さすが若君です!この高幹、感服致しました!」
能力も威厳もまだまだだが、この素直さがあれば、立派に成長するかもしれない。
しかし、高幹うぜぇ…。
劉備 「では武安国殿。この町の全容を把握するついでに、治安維持の巡回をお願いします」
これが、この南皮に来て初めて行う仕事だ。
この南皮の状況だが、規模は中型都市であり、人口は27万人程。重歩兵を編成できる歩兵訓練所がある。
将が少ないのも手伝って民に労役を課せない為か、開発度は程ほどで、治安はそこそこ良い。
城壁を見てみれば、あちらこちらが崩れ、数年前の一進一退の激戦を今に伝えている。
ここを北平攻略の最前線基地にしなければならないかと思うと、ぞっとする…。
十日間の巡回によって得られた南皮の情報はこんな所だ。
ここは手っ取り早く、兵を増やして訓練して、さっさと北平を奪い取るのが得策だろう。
そして玄徳に報告。
劉備 「やはりそう見ましたか。では、歩兵隊を新設して来て下さい。なお、その後は補充もお願いします」
こうして兵舎へ行って歩兵隊新設の為に募集をかけるが、なかなか上手く集まらない。
十日で1300人程度しか集まらん…。しかし、とりあえず新設は出来たから良しとし、ひき続き募集を行う。
兵士 「おっ、兄さん。良い身体してるねぇ。どう、武安国様の部隊に入らない?」
民衆1「え、武安国様だって?あの、業βで有名な?」
兵士 「ああ、そうだよ。今度、この南皮に赴任になったのさ」
民衆1「山賊退治とかじゃこっちでも名前を良く聞くけど、戦はどうなの?」
兵士 「そりゃ強いさ。というか、知らないのかい?この南皮だって、武安国様の力で取り返したんだよ。
ここだけじゃない。北の薊だって、武安国様の力で獲ったようなもんさ。
袁紹様に仕えるようになって以来、出る戦出る戦で負け知らず、しかも常に戦功第一位の将軍なんだぜ」
民衆2「そんなに凄い将軍様だったのかぁ。俺も入ろうかな?」
兵士 「ああ、熱烈歓迎だよ。武安国様と一緒に戦って、美味い酒でも飲もうぜ!」
俺様の募集と聞いて、赴任したばかりだというのに南皮の民達も続々と参加して来た。
俺様の人気ってのも、なかなかのものだなぁ。
>高幹うぜぇ
hage道ww
しかしああ言うおべっか使いって実際見たことなかったり……。
あんまり露骨だからかも知れませんけど。
寿命が気になりだす頃ですが、まだまだ武安国の活躍にwktkです。
ちょwwwwww大兄wwwww武安国www大出世wwww
>>590 まぁ確かに実際に見た事は無いですが、漫画とかだと、おいしいキャラですよねぇ。
「イヨッ!さすがは部長!」みたいな。
実際にそんな人がいたら、気持ち悪いですねw
では、また一月分しか出来てませんが、投下します。
197年08月
兵士の補充を終わらせ、玄徳に報告する。
劉備 「おお、さすがは武安国殿。この南皮でもその威名が轟いておる証拠ですね」
武安国「俺様としても意外だったのだけどな。さて、次は訓練でもしておくか?
まだまだ戦場に出すには厳しい連中だからな」
劉備 「はい、一刻も早く一人前の兵士になるよう、よろしくお願いします。
あ、それと、袁紹殿より書状が届いておりますよ」
武安国「御主君から書状…?はて、なんだろうな…」
御主君は贅沢だ。どう見ても私信なのに、絹なんて使ってる。
…まさか、俺様にも玄徳の監視をしろとか、そんな秘密裏の内容なのか?
「たまには顔を見せに来い 袁本初」
武安国「それだけかよっ!それで絹かよっ!木簡で良いじゃねぇか、贅沢しやがってっ!」
劉備 「大…武安国殿!?何事ですか!?」
武安国「たまにはツラ見せに来い、だと…。ったく、こんな事で贅沢なもん使いやがって…」
劉備 「武安国殿が南皮に来てから、まだひと月しか経っていないのに…。
袁紹殿は、よほど武安国殿を手元から離したくなかったのでしょうね」
武安国「だからって、何もこんな内容で絹なんて贅沢なもん使わなくったってよ…。
木簡がかさばるってなら、紙でも良いじゃねぇか。その方が安上がりなんだし」
劉備 「名家の私信ですから、やはりそれなりの物を、という事ではないでしょうか?」
金なんて幾らあったって足りない状況になるかもしれないってのに…。
分かってますか、御主君!こんなモンに使う金があったら給料上げてください!
その事はとりあえず置いといて、兵舎において先日補充した歩兵隊の訓練を行う。
まだこの隊は、街から募集をかけて集まっただけの烏合の衆に過ぎない。
そこで基礎から叩き込む為、二十日間、十日を二回に分けて行うことにする。
武安国「俺様がお前達の訓練を受け持つ事になった武安国だ。
俺様の訓練は少々厳しいが、音を上げずについて来る事を期待してる」
兵士達「はい!御指導、よろしくお願いします!」
おお?なんだこのやる気の高さは…。いや、嬉しいんだけど。
まぁ、俺様の募集に応じて入った連中だから、俺様が訓練すると聞いてやる気を出しているのだろう。
おかげで二十日間の訓練で、すぐさま戦場に出せる程にまで練度が上がった。
兵数は3000程度だが、十分に活躍してくれるだろう。
この事を玄徳へ報告する為、宮城へ行く。
劉備 「やはり兵士にまで慕われておりますね。この調子なら、近い内に出兵する事も可能でしょう」
武安国「いや、出兵するにしても、残存兵力もまかなっておかなければならんだろ。
それに、うちの面子に不安が残る…。いや、劉備殿にはそんな危惧はないのだが…」
劉備 「顕思殿と高幹殿ですか…。確かに、兵の指揮を任せるとなると、少々不安がありますね。
雲長と翼徳、それに武安国殿がいれば、そんな不安などないのですが…」
武安国「無いものねだりしても仕方がない。有能な将の補充がくるか、自ら登用する他ないだろうな」
劉備 「そうですね…。では、私は在野の将を探してみる事にします。
武安国殿は今月は十分御活躍頂いたので、後はお休み下さい」
武安国「そうか、ならば御言葉に甘えさせて頂こうかな。
実は、業βの酒家の親父の店がこの南皮で開店したそうなのでな。ちょっと行ってみたかったんだ」
劉備 「おお、そうでしたか。では親父殿にもよろしくお伝えください」
休みを貰った俺様は、新装開店した親父の店に行ってみる事にした。
親父 「やあやあ、いらっしゃいませ。こちらでも御愛顧ほど、よろしくお願いします」
武安国「随分と大きくて立派な建物じゃないか。幾らかかったんだ?」
親父 「いやぁ、実は良い物件がありましたのでね。そんなにかかりませんでしたよ」
なんでも、以前に資産家が住んでいたらしい建物を買い取って改装したそうだ。
言われてみれば、外見は多少古びた感があるが、看板や内装は綺麗だし、何よりも広い。
親父 「数年前にここで何度も戦があったでしょう?その時に資産家が売り払ったらしいんです。
これだけ立派な家に住んでいたのですから、代々この土地にいたのでしょうけど、
その愛着すら拭い去る程、辛い戦だったのでしょうねぇ…」
ああ、また戦争批判か…。俺様の仕事を分かってて言ってるんだから性質が悪い…。
親父 「ところで、もう街の様子は御覧になりました?」
武安国「ああ、この間公務で巡回してな。街の中から郊外まで見て回ったぞ」
親父 「そうですか。では、農地で大変な事になっているのもご存知で?」
武安国「え?いや、特に気づかなかったが…。何かあったのか?」
親父 「ええ。土竜に農地を荒らされて、このままでは収穫も危ういとの事なのです」
武安国「モグラ?奴らはミミズや虫を食うような肉食獣で、野菜は食わんだろ?それがなんで?」
親父 「基本的には野菜は食べませんが、奴らは野菜の根があろうと突き進むから根がちぎれてしまったり、
そこに獲物がいれば根ごと食べてしまいます。それで根がやられて野菜が枯れてしまうんですよ」
武安国「そうだったのか…」
親父 「それで早速依頼が来た訳です。是非、その鉄槌で一匹残らず退治してやってください」
武安国「いや、別にこの鉄槌は土竜を叩いたり馬小屋を直す為のものじゃぁ…」
親父 「……え?違うんですか…?」
分かってるクセにっ!分かってるクセにぃぃぃっ!
農夫 「ご覧下さい、この荒れ放題の畑を…」
農地についた俺様は、農夫の案内で辺りを見て回った。其処此処に穴が開いており、その数は非常に多い。
その一角には未熟なまま枯れてしまった野菜が積まれており、その被害が甚大である事を物語っていた。
農夫 「これでは収穫も望めません。憎きモグラ共を一掃してやって下さい!」
武安国「土竜如き…それがしが一網打尽にしてくれよう。
先ずは罠と餌になるミミズ集めだ。手分けして集めてきてくれ。
その罠を穴の淵に置いといて、翌朝に様子を見る事にしよう」
農夫 「え、罠…?武安国様の鉄槌で叩くのでは?その為の人選なのかと思ってましたが…」
武安国「んな事出来るかっ!どんだけの範囲を見て回れってんだよっ!」
そもそも奴らは夜行性だし、暗い中で一匹一匹なんて探せる訳も無い。その為に罠を仕掛けるのである。
最初の二日程は罠の試行錯誤に苦労したが、その仕掛けた罠は後の四日程で存分に威力を発揮し、
日々4割の罠が土竜を捕らえた。その後の四日間では獲れる数も激減、枯れてゆく野菜も見かけなくなる。
これは、畑を荒らす土竜がほとんどいなくなった事の証明だ。
農夫 「いやあ、ありがとうございました」
武安国「これで収穫も期待できるだろう。何よりだ」
この事を親父へ報告に行く。今朝、農地を去る前に手に入れた"土産"を携えて…。クフフッ…。
武安国「親父〜、戻ったぞ〜。依頼は大成功だ。それと、今朝取れたての"土産"も持ってきたぞ」
親父 「おお、それはそれは、お疲れ様でした。それで、お土産とはなんですか?白菜?大根?」
武安国「今朝獲れたばかりの"土竜"だっ!ほりゃほりゃ、早く受け取れっ!わははは!」
親父 「ちょ、ちょっと!そんなものをここで出さないで下さいっ!
………で、生で召し上がられますか?それともカリッカリに?」
他の肉があるのにこんなもん食わねぇよ!ったく、普段出してくれてるのは何の肉なんだか…不安になってきた…。
CGIとかで「南皮を救え! 武安国☆もぐら叩き」とかあったら良いのに。
なんて思ったり……w
保守
このスレ好きだなあ(∩´∀`)∩
600武安国
気が付けば半月以上経ってしまいました。
長らくお待たせしました。また一月分、リプレイ要素の少ない代物ですが、投下したいと思います。
197年09月
季節は秋だが、残暑はいまだに残る。しかし、幾らか過ごしやすくはなってきた。
劉備 「武安国殿にまた歩兵の補充をお願いしたいのですが、引き受けて下さいますか?」
武安国「太守殿のご命令とあらば、例え敵兵を引っ張ってきてでも補充してみせましょう!」
劉備 「ははは、頼もしい限りですね。では、よろしくお願いします」
なかなか二人きりという状況にはならない為、玄徳が俺様の事を大兄と呼ぶ事が余り無い。
しかし、立場を超えた馴れ馴れしさという物はある。立場とは太守と部下、正規の将と客将という違いだ。
御主君の前でこんな冗談言ったら、怒鳴り散らされるか呆れられるかのどっちかだろう。
という事で兵士の補充である。いつもの通り、目抜き通りや城門近辺に立て札を架けさせて募集をする。
すると、日ならずして人が続々と集まり始めた。
城民 「武安国様の募集と聞いて飛んでまいりました」
武安国「よしよし、よく来てくれた。期待してるからな。
…あれ?立て札には将の名前なんて入ってないはずだが、なんで知ってるんだ?」
城民 「え、書いてありましたよ?募集内容よりもデカイ字で」
そう言われて各所の立て札を見に行くと、城民の言う通り、内容よりもデカデカと、
別の黒っぽい立て札に、朱墨で俺様の名が書いてあった。
それは名札というにはあまりにも大きすぎた。
大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた。
それは正に黒板だった。
武安国「だ、誰の指示だっ!おい、誰の指示でこんな事を…」
兵士 「太守様からのお達しでして…武安国様が募兵する際には必ず掲げろ、と…」
玄徳の差し金か…。ってか、でかすぎだろ、これ。
悪気は無いのだろうが…、なんか、恥ずかしいじゃないか、こんなの…。
玄徳のおかげというか、俺様の知名度のおかげと言うか、とにかく兵士の補充は無事完了。
報告ついでに、ちょっと二人きりになって愚痴ってみた。
武安国「玄徳ぅ…なんなんだよ、あのバカでかくて黒い名札…」
劉備 「ああ、あれですか。陳琳殿にお願いして書いて頂いたんです。
さすがは陳琳殿、文のみならず、字もまた素晴らしいですよね」
武安国「いや、そうじゃなくてな…。って、ちょっと待て!陳琳って言ったか!?
あいつは今北海にいるんじゃなかったか?」
劉備 「ええ。北海へ運ばせて書いて頂いたんです」
武安国「なん…て…事を…。…とにかく、アレは恥ずかしいから今後は使うなよ?」
劉備 「そんな…あれを作るのにどれだけかかったと思っているんですか。
私は大兄の名をさらに広めると共に、募兵の効果をあげる為に作ったんですよ?」
武安国「だからって、なんであんな大きな板なんだよ!」
劉備 「あれほど大きければ、遠くからでも大兄の名がハッキリ見えるじゃありませんか。
黒い板に赤い字。その光景は人々の脳に、鮮烈に残る事でしょう」
ダメだ、何を言おうと止める気はないらしい…。
玄徳は好意のつもりなんだろうけどなぁ…無駄に金を使いすぎだ。
あちこちを転々としていたのも、運が悪かっただけじゃなさそうだ。
そんな事を軽く考えつつ、酒家へ酒を飲みに行く。
親父 「いらっしゃいませ、『暗黒』の武安国様」
武安国「なんだそりゃ!いつの間にそんな名前になったんだよ!」
親父 「この間の…ほら、武安国様の名札が立てられて以来ですよ。
ああそれから、『鮮血』の武安国って名前も付いてるみたいですよ?」
武安国「どっちにしてもおどろおどろしいな…」
親父 「おまけにこんな札まで出てきてますよ」
そういって親父が見せてくれたのは、手に収まるくらいの札を黒く塗り、
そこに朱墨で俺様の名が書かれた物で、今で言う、キャラクターグッズのようなものだ。
親父 「お客様から頂いたのですが、魔除けとして売られているそうです」
武安国「魔除けって…ふざけやがって、人様の名前で勝手に商売しやがって!
何処の誰だ!とっちめてやる!」
親父 「その裏を御覧になっても、そんな事が出来ますかねぇ…」
言われるままに裏を見ると…
「漢帝国河北郡南皮県官府認定品」
武安国「……ぶっちめてくる……」
親父 「ちょ、ちょっと武安国様っ!お待ち下さい!
きっと劉備様には深い考えがあって…」
武安国「ほぅ…じゃあ親父。あんたが説明出来るんか?」
親父 「いや、正確には私にも分かりませんけど…」
武安国「だろ?だから直接聞きに行ってくるってんだ。この鉄槌でな」
鼻息荒く宮城まで行くと、玄徳が陰鬱な顔をして門でうろうろしていた。
武安国「おい玄徳!どういう事だ!」
劉備 「ああ、大兄。またしても孫策が領土を広げました…」
武安国「そんな事じゃ…え、孫策がどうしたって?」
劉備 「まだ伝令が行っていませんでしたか?
孫策が空白地だった長沙を占領し、さらに領土を広げたと言うのです…。
若くして既に江東を支配し、着実にその地歩を固めていっていると言うのに、私と来たら…。
ああ、私にも独立した領土さえあれば…っ!」
武安国「お、おい、そんな事を大声で言うな…。誰が聞いてるか分からんのだぞ…。
謀反をタネに讒言されたら、都にいる翼徳はどうなる?落ち着くんだ」
劉備 「しかし大兄、私には漢室の威信を取り戻すという大志があるのです。
いつまでも客将として燻っている訳にも…」
武安国「分かっている。しかし、焦るな。その事については、今度酒でも飲みながら語ろう。な?」
己の境遇の悪さを恨んでか、玄徳は既に涙目になっている。泣く程の事じゃないだろうに…。
…イカン、玄徳の涙に惑わされる所だった。俺様は孫策の事を聞きに来たんじゃない!
武安国「それより、コレ!どういう訳だ、この名札はっ!
『漢帝国河北郡南皮県官府認定品』って事は、お前が作らせたんだろ!」
なんだってこんなモン作ってるんだ。返答次第ではいくらお前でも、鉄槌の餌食になって貰うぞ」
劉備 「この南皮の運営資金の為です。兵の徴用、武器、官の給金、今のままではとても間に合いません。
そこで、開発が進むまでの資金を、大兄の名をお借りして稼いでいる訳です」
武安国「そんなに貧しかったのか、ここ…。
しかし、魔除けはねぇだろ、魔除けはよぉ…」
劉備 「大兄の武勇伝は、今では南皮で知らぬ者の無い話ですよ。袁紹軍の守護神ってね。
そこで魔除けとして売ったら、ハハハ!これが大当たりで!
そりゃもう売れる売れる!もう追加発注もしてあるんですよ!」
資金が無いならやむを得ない、か…。しかしこの玄徳の喜び様。…お前、博打気分で作ったろ?
能天気劉備w
武安国が好きになりました
608 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/09/01(金) 22:04:53
へ へ
( レ⌒) ( レ⌒) |\ /} く~~~7
|\_/ /へ_ |\_/ /へ_ \\_// ~|/,,_
\_./| |/ \ \_./| |/ \ > / /~___、 \
/ /| |~ヽ ヽ / /| |~ヽ ヽ / ∠__ | / ! |
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∠-''~ ∠-''~ ~`-ニ> ノ/
良スレ保守
610 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/09/04(月) 05:03:35
後世の異国でこんなに愛されてるとは思わなかっただろうな・・
これも武安国の徳よのぅ。
いい椰子だな武安国。次の三国志では能力値アップかな?
武力も知力も大したこと無いけど きっと魅力は凄いわww
614 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/09/25(月) 00:13:12
新パラメータ愛嬌なら十傑入りは固いな
続きはまだかな?
帰ってこない予感むんむんだけど保守しておこう。
このスレ和むなあ
冬休みにはまた来るだろ
619 :
http://tadadenetoge.web.fc2.com/index.html:2006/11/04(土) 05:51:41
『タダで有料ネットゲームをやろう』
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フリーメールOK&mixi紹介もあり
620 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/11/04(土) 11:55:16
武安国、文姫たんと結婚マダー?
何かの本の受け売りだけど、武器としての鎚は力を補うもの。
80斤の鎚を振り回せるほど腕力があるなら、そもそも鎚を使う意味がない。
50斤ぐらいの金属棒でも振り回せば、多分最強クラスになれたのに…
保守
623 :
無名武将@お腹せっぷく:
>>621 そのこだわりが武安国殿の魅力ですね( ^-^)