黄河をなんとか渡河し、冀州へ入ってようやくひとつの于吉レーダーの反応をキャッチした。
ひとつどころにいて動かない。
きっとこれだ。
反応があるかぎり甄姚は無事のようだが、相手が相手だ。
油断はできない。
反応を確かめつつ、徐々に近づいていく。
どうやら前方に見える城砦にいるようだ。
緑豊かなその城砦はただ静かにそこにあった。
ここにあの謎の生命体がいる。
産まれたばかりにしてすでにここにいる誰よりも強いであろう、呪われた存在。
倒せるだろうか?
姐さんは手持ちの武器が役に立たないであろうことをうっすらと思いつつ、作戦を練るのだった。
@甄姚の子(甄子)→誕生。母である甄姚を誘拐し冀州へ逃亡(放浪素材?)
@甄姚[怪我、意識不明、出産後]【墨性バードコール】(誘拐されました)
※城砦に落ちついたようです。
≪真・月英西遊記/3名≫※赤兎馬随行中
黄月英[左肩被弾]【軍用ナイフ、ゴム紐、バードコール、于吉レーダー、
デザートイーグル(マグナム)】
&諸葛尚【謎の鍵、ワルサーP38、プラスチック地雷×3、苦無、盾、十拳剣】
&許儀【巨大鍋(直径2m)蔦を幾多にも編んだ長いヒモ(各種)、斧、トマホーク、
バックラー】
【共通で様々な獣の肉と野草、斬鉄剣、手斧、レイピア】
※作戦考え中
@孫覇【剃刀、鋼の剣、はさみ、刺身包丁、鎖かたびら、抽籤、布、軽量ボウガン、
写真付き参加者名簿、斬馬刀】
※距離はあるが確実に追跡中
自分にとっての本当の仲間。
全ソウ殿、丁奉殿・・・・・・。
この愚かしいゲームに参加させられ散って行った。
他のメンツはなんとなく着いて来た節がある。
だが、あの2人は自分の考えに心より賛同し着いて来てくれた。
順調にDBを集める事もでき、仙人殿よりの教えも請い。
目的の達成は時間の問題かと思われていた。
しかし、董卓達に発見され捕虜となってしまった事が全てを変えてしまった。
勿論脱出計画は練った。全ソウ殿のアイテムを利用しての計画である。
だが万一失敗した時の事も考えなければならなかった。
失敗した時恐らくはかなりの犠牲が出ることが考えられた。
一体どうすべきか・・・・・・。
どうしたら全員が無事に脱出できるか?と。
全員・・・全員?全員で助からなければいけない必要はあるのか?
犠牲を伴ってでも大儀の達成を図る。
その為にはどんな事にでも手を染める必要があるのではないか?
だがしかし、しかし・・・・・・。
思い余った張紘は全ソウと丁奉に悩みを打ち明けた。
2人は笑って大儀の達成の為の犠牲が必要なのであれば
その時は自分が進んで行きましょう。と。
2人言葉により昌キとの悪魔の取引は行われた。
協力するのであるならばこちらの犠牲は構わない。
昌キは危険な男ではあるが、
利害関係の一致については非常に話の分かる男である。
中途半端な同盟よりは余程信頼ができた。
かくしてDB発動の合言葉が必要な昌キ。
董卓側DB奪取、その後の護衛が必要な張紘。
お互いが裏切る事もタイミングも知っている。
だがそれまではお互いが必要としあっている。
かくしてこの奇妙な同盟は生まれたのであった。
張紘「あとは刻を待ち行くのみ。全ソウ殿・丁奉殿導いて下され・・・・・・。」
≪危険な2人/2名≫
昌キ【日本刀、直刀、四星球・五星球・六星球・七星球、イノシシ生肉、
脇差し、トミーガンSMG(ドラム×1)】
張紘[重傷 手当て済み]【毒針、一星球、二星球、三星球】
※DBは生肉の中に入っている為レーダーに反応しにくくなっています
そっと刻を待ちます。
曹性「ねぇねぇ、向こうで物騒な音がするよ。」
王双「・・・さんだ。」
曹性「え?なんだい?」
王双「お客さんキタ―――!!!」
曹性「(・・・立ち直った?)」
≪ビストロ王双/2名≫
王双[負傷]【大型サバイバルナイフ、流星槌、許チョの携帯用ミニ絵図、テグス、まさかり(大)、
スリングショット、ハリセン、畳針、ダウジングロッド、集音マイクとイヤホン、木牛(食材&調理道具)】
曹性[負傷]【銀の弓(銀の矢16・木の矢20)、海産物1/144RX−78ガンダム(「がおー」と鳴く)、
RX−78操作マニュアル『簡易植物事典』、鉄兜、謎の物体】
あれはなんだ? 人型…… それにしては……?
張角の位置からでは木立に隠れ、臧覇の姿はちらちらとしか見えない。
ただジグの直撃を浴びても血飛沫一つ上げずに迫ってくる
二人分の人影が見えるだけだ。
無論、真理ちゃん(孫登命名)を盾に駈け登って来る臧覇であった。
張角(……あれは、ああいう使い方をするアイテムなのだろうか?(´Д`;)
董卓のDBにしろ真理ちゃんにしろ、不気味なアイテムが多すぎるな……)
このまま山道での遭遇ともなれば、彼我の武器の落差をもってしても、
隻腕のこの体では臧覇に勝つことは困難だろう。
だが、張角には、ある確信があった。
臧覇は連れの男(孫観)を、いち早く逃がした。
先程はパーティまで組んでおったのに、
このような無茶な突撃を仕掛けてくるとは…… さては?
彼には無く、我だけが持つ勝機―――
バトルロワイアルであることの、決定的な条件差。
張角の頬が不敵に緩み、
次の瞬間、その場から張角の気配は消え失せた。
海に近い、崖上の森の中。海岸線が一望できるその場所に臧覇がたどり着いた時には、
張角の姿は、臧覇の視界のどこにもなかった。
臧覇「―――ッ! どこだ! どこだ張角!!
出でませいっ!」
張角(ふふふ…やはりな。
焦って周囲が見えなくなっていたか……。)
樹上に潜む張角は、張角を呼ばわり探しまわる臧覇の動きを
冷徹な目で観察していた。
何発かは被弾したようだが、流れる血も構わずに
張角の姿を追い求めている。
相手は武人。しかも、同じく山岳ゲリラ戦を得意とする者。
普通の状態であれば、彼我の距離は確実に相手に気付かれる距離であったろうが、
それでも張角は隠れおおせていた。
―――なんのことはない。
私は今朝方、自らの手で夏侯惇を血祭りに上げている。
……だが、のほほんとしていた者たちにとっては
「そろそろタイムアップがくる」、「昼までに獲物を仕留めなければ」、と思って、
冷静さを失っているのだろう。
張角(ここまで来て、誰かをかばおうなどとは笑止千番。
自らの甘さが招いた焦りによって、自滅してしまうがいい……)
―――我は張角。
天に選ばれ、
このフィールドにただ独り立つ者……!
ジグのマズルが、背中を向けて獲物を探し回る臧覇の背に、
まっすぐと向けられた。
:
あちらからもこちらからも、
銃声を目指して山道を駈け登って来る気配がする。
臧覇が何一つアイテムを所持していなかったことだけを確認すると、
張角は本格的に逃走を開始した。
張角(この調子で放送の無いままに昼を迎えれば、各地でパーティ内部での崩壊が起こる。
まぁ、ゆっくり待たせてもらうさ……)
朝の光の中。
孫観が、ビストロ王双が駆け寄る足音が迫ってくる中、
ここに臧覇のバトルロワイアルは終了した。
【臧覇 死亡確認】
@孫観【なし】
≪ビストロ王双/2名≫王双[負傷]【大型サバイバルナイフ、流星槌、許チョの携帯用ミニ絵図、
テグス、まさかり(大)、スリングショット、ハリセン、畳針、ダウジングロッド、
集音マイクとイヤホン、木牛(食材&調理道具)】
&曹性[負傷]【銀の弓(銀の矢16・木の矢20)、海産物
1/144RX−78ガンダム(「がおー」と鳴く)、RX−78操作マニュアル
『簡易植物事典』、鉄兜、謎の物体】
@張角[左腕喪失]【杖、黄巾、カッターナイフ、鎌、、スーパーボール×4、、ジグ/ザウェルP230】
※離脱
船の外装と通信系、そしてエンジン回りの整備のみなんとか完了した頃、2人はやってきた。
武装や内装はこれからとして、なんとか出航は可能となった。
しかし、その前にお互いの仲を深めないといけない。
それにまだまだ仕込みが必要になった。
4人の今までの知識と経験がこの計画にさらなる成功度を高めた。
そして4人の打倒霊帝の気持ちは変わらない。
放送は無駄ではなかったのだ。
こうして4人の「をとめ」はここに結集した。
4人で語らいながら、時には励ましながらも
張譲は遠い地で今も戦う者への申し訳なさで心はいっぱいだった。
私の指示で何人もの「をとめ」が散っていった。
畢嵐もそうだったが、貧乏クジを引かせてしまった。
だから気になるのは……栗嵩。
せめて死なない欲しいが、あやつはそんな奴ではない。
きっと……。
※チーム≪をとめ≫結成
≪をとめ/4名≫※武装船乗船中
張譲【杖、ハッキング・クラッキング入門、ノートパソコン、
ウィルスの入ったCD-R、放送塔の機械類】&
孫璋【なし】&
胡車児【拡声器、先割れスプーン、乾燥肉、毛皮、強力複合弓矢メルニボネアボウ、
沿岸のゴミ】
周瑜[一回吐血後死亡、重傷(手当て済)]
【裁縫セット、イングラムM10サブマシンガン、登山セット×2】
孫観「頭領??!!!」
孫観は目の前の光景が信じられなかった。
自分たちが信じ、愛した男は既に冷たい躯となっていた。
頭領の指示とは言え自分も残って共に戦うべきだったのだ。
そうすればこんな・・・こんな事にはならなかった!
うぉぉぉぉ許して下さい頭領ぉぉぉぉぉ!!!
あの隻腕の男は必ず!必ずぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!
号泣、絶叫を続ける孫観を少し離れた所から見る2人の男達がいた。
曹性「あのお客さんはどうも様子がおかしいよ・・・。」
王双「にゅう〜。」
孫観【なし】
≪ビストロ王双/2名≫
王双[負傷]【大型サバイバルナイフ、流星槌、許チョの携帯用ミニ絵図、テグス、まさかり(大)、
スリングショット、ハリセン、畳針、ダウジングロッド、集音マイクとイヤホン、木牛(食材&調理道具)】
曹性[負傷]【銀の弓(銀の矢16・木の矢20)、海産物1/144RX−78ガンダム(「がおー」と鳴く)、
RX−78操作マニュアル『簡易植物事典』、鉄兜、謎の物体】
一面に広がる青い海。
かつて秦の始皇帝はこの地に巡察に際に蓬莱島を見たと言う。
そして蓬莱島に徐福を派遣し、不老不死の秘薬を求めさせた。
私にも何か見る事ができるであろうか?
昼過ぎ、海へ来ていた司馬彪は美しい自然を前に
悠久のロマンにしばし浸っていた。
司馬彪「む?あれは徐福??」
司馬彪[歩ける程度の負傷]【『韓非子』(竹簡)】
※何者かを発見
≪をとめ/4名≫※武装船乗船中
張譲【杖、ハッキング・クラッキング入門、ノートパソコン、
ウィルスの入ったCD-R、放送塔の機械類】
孫璋【なし】
胡車児【拡声器、先割れスプーン、乾燥肉、毛皮、
強力複合弓矢メルニボネアボウ、沿岸のゴミ】
周瑜[一回吐血後死亡、重傷(手当て済)]【裁縫セット、イングラムM10サブマシンガン、登山セット×2】
※司馬彪に発見されましたがまだ気付いていません。
徐々に明るくなっていくフィールドを、
時に地に伏し、木立に隠れ、
張遼は出来得る限りの速度と注意深さをもって、西へ西へと移動してゆき、
遂に目的地まで到達していた。
目の前に、長らく≪THE☆HIGH-LOWS≫のアジトとしても使っていた、懐かしい邸が見える。
―――ここは東郡。瞬殺の館一軒目・陳宮邸。
最初は、邸内部に潜むかもしれない侵入者を警戒していたが、
屋敷の戸という戸、窓という窓の隙間に挟んだ、侵入者の有無を告げるインスタント哨戒装置
―――張燕の髪の毛―――がそのままであることを見てとると、
張遼はちょっと、ガク━━━━━━(_T∀T)_━━━━━━っと来ていた。
張遼「お… 俺らがこの場を立ち去ってからというもの、
この目立つ邸には誰一人として、一切近寄らなかったというわけか……?」
さすがはここまで生き残るような人々。警戒心が発達している。
……だったらここに隠れている限り、無敵状態だったじゃないかっ!!
複雑な思いを胸に、張遼はその扉を開けた。
足元に転がる懐中電灯。
薄く埃をかぶった几の上では、
食べ残しの食事が静かに腐敗していっている。
―――薄暗い室内のなにもかもが、
張燕と二人、徐庶の首輪を求めて飛び出したあの時の朝のままだった。
ただ一つ違うことは、張燕も徐庶も、すでにこの世の人ではないということ……
張遼は無言のまま物入れから、張燕が虎の子として秘匿していたアイテムである
【PSG-1】【アルバレスト】【蔓縄】を取り出すと、
外しっぱなしだったスコープと高性能ライフルを、久しぶりに組み立ててみた。
精密機械の重量感が心地良く腕に伝わってくる。
(……陳宮に付いて行こう。)
ここに着くまでの間に、張遼の腹は決まっていた。
いくらなんでも後ろから撃つようなマネは、当分の間はしないだろう。
っていうか、頼むからしないでおいてください(汗。
このまま俺は、陳宮との待ち合わせ場所の濮陽城へ。
そして、十常侍が集結を呼びかけ、俺の最初の目的地でもあった青州へ行く。
邸を後にする張遼の背中に、薄ら寒い風が吹き付けていた。
(まるで、参加者を青州に追い込むかのように指定されていった禁止エリア。)
そこに何があるのかを、この目でしかと見届けてやる……!
※アイテム回収
@張遼[被弾]【時限装置(あと5分)、董昭の首輪、アイスピック、曲刀ジャンビア、
PSG-、アルバレスト、蔓縄、クロロフォルム、鞭、ヘッケラー&コックMP5K】
曹性.oO(に、「にゅう〜。」ぢゃねぇよ。
おいちゃん……正直、しっかりしてくれ。)
木々の向こう側には、未だ号泣を続ける孫観が見える。
こちらにはまだ気付いていないようだけど……。
孫観……。
最後に会ったのは、函谷関で一方的にニアミスして以来だが、
臧覇が倒されるとあれば、一体何が起こったのか……。
王双の様子を窺うと、まだ茫然として「にゅぅ〜」とか言っていた。
夏侯惇、そして臧覇。
内心共闘を期待していた面子の相次ぐ死に動揺しているのだろうが、それにしても……
曹性(弱い奴は、要らん。―――生き残る価値が無い。)
久しぶりに涌き起こった冷酷な自分のその考えに、曹性は内心、自分自身でも驚いた。
―――だが、そう思う。
おいちゃんは、典イや許チョの死を乗り越えた。
夏侯惇や臧覇の喪失も、ほどなく乗り越えてくれるはずだ。
しかし、孫観にとっての臧覇の死は……。
曹性「行こう、おいちゃん。お客さんだが、こいつはちょっと危険な手合いだよ。」
王双「………。」
孫観はイイヤツだが、ああなっては手が付けられない。
曹性は王双の手を取ると、意を決したようにするすると撤退を始めた。
やはり、相当ショックなのか、王双も特に逆らわずに付いて来る。
俺は、おいちゃんや孫観のように、あれもこれも大事と抜かして破綻するほど甘くは無い。
つーか、実力的にはおいちゃん一人を守るだけでも、いい加減、分不相応だってことを、
自分自身で知っている。
それが俺の唯一の強みだ。
曹性(俺ぁ、最初の計画通りに行く。
海に出る。
そして、そこで料理を作る。)
孫覇の声が聞こえなくなる崖下まで撤退すると、
自失している王双を、安全そうな場所に座らせる。
曹性は一人、テグスや州オンマイクを取って、黙々と周辺の哨戒装置の設営に当たった。
……臧覇には気の毒だが、これで労せずして、決定的なアドバンテージを得ることができた。
みなさんが時間切れに焦る中で、俺たちだけは向こう24時間―――
明日の昼過ぎまでは、のんびり出来る。
これで当面の間怖いのは、外敵からの襲撃だけだ。
曹性(おいちゃん……。それまでには、ちゃんと立ち直ってくれよ……。)
≪ビストロ王双/2名≫王双[負傷]【大型サバイバルナイフ、流星槌、許チョの携帯用ミニ絵図、
まさかり(大)、スリングショット、ハリセン、畳針、ダウジングロッド、
集音マイクとイヤホン、木牛(食材&調理道具)】
&曹性[負傷]【銀の弓(銀の矢16・木の矢20)、海産物
1/144RX−78ガンダム(「がおー」と鳴く)、RX−78操作マニュアル
『簡易植物事典』、鉄兜、謎の物体】
冀州
大きく口を開けた門のすぐ横の城砦の壁に、そっと背中をもたれる姐さんがいた。
すでに日は上にある。
空気は暖かいのに、寒気が引かない。
生きて助けられるだろうか。
ただ静かに待つ。
そして一呼吸置き、バードコールで合図を送った。
その合図は確実に届き、少し離れた場所で唐突に激しい物音が響く。
あれはきっと赤兎馬に乗った諸葛尚だろう。
よく言って聞かせた愛馬は尚を乗せて城砦内部に潜入していた。
そして騒動を起こす。
きっと今ごろあの化け物(甄子)に追われてこちらに向っているのだろう。
チラリと門から中を覗くと、まっすぐ続く城砦内部の道に、土煙を上げ赤兎馬が走ってくる。
尚はなんとか無事だが、すぐ後ろに昨夜見た時より幾分成長した化け物が走って追っている。
赤兎の足ですら追いつかれそうなスピードだ。
その化け物はすでに子供から少年―――歳で言えば15、6歳くらいに見えた。
明らかに異常な成長だ。
すぐそばまで赤兎が来ている。門のすぐ手前で一段と飛躍し、門外に飛び出す赤兎と尚。
そのすぐ後ろに甄子。
いまだ! 甄子の足元でプラスチック地雷が連続で爆発した。
つんのめるように転がる甄子。その上に、門上から跳び降りる巨大な影が。許儀だ。
重力に任せてドロップキックを食らわせ、さらに幾重にも編んだ丈夫な紐のネットで固定する。
姐さんが苦無でそれを地面に固定し、十拳剣で奴の右足をやはり地面に縫い付けた。
尚が取って返し同じく暴れる左手をレイピアで刺し貫き地面に縫い付け、許儀も斧と手斧で左足を、最後に右手を斬鉄剣で縫い付けた。
首をトマホークで思いきり叩きつけ、全員が離れたら姐さんがデザートイーグルを、尚がワルサーP38を撃ち尽くす。
最後に用意していた油を思いきり浴びせ、火を放つ。
あとは続々と積んできた油壷を投げ入れ、火を絶やさないようにした。
それでも姐さんは寒気が引かなかった。
炎の中でも地面に縫い付けられたあいつが蠢いているのがわかったからだ。
炎をも食らう悪魔。やはりこれでもダメなのだろうか?
@甄姚の子(甄子)→成長中。母である甄姚を誘拐し冀州
※地面に深く縫い付けられて燃えています。
@甄姚[怪我、意識不明、出産後]【墨性バードコール】(誘拐されました)
※城砦内で気絶中。
≪真・月英西遊記/3名≫※赤兎馬随行中
黄月英[左肩被弾]【軍用ナイフ、ゴム紐、バードコール、于吉レーダー】
&諸葛尚【謎の鍵、盾】
&許儀【巨大鍋(直径2m)、バックラー】
【共通で様々な獣の肉と野草】
※次の手を考え中
@孫覇【剃刀、鋼の剣、はさみ、刺身包丁、鎖かたびら、抽籤、布、軽量ボウガン、
写真付き参加者名簿、斬馬刀】
※そろそろ追いつきそう
「もしかすると、今、このあたりには誰も居らんのかな?」
そろそろ水蒸気の幕も切れる。
昼頃、[亠兌]州の平野部にまで出てきていた陳宮は、
少し小高い丘に登り、
耳の痛くなるような静けさの中、佇んでいた。
自分が水蒸気の館に引き篭もり始める前には、
少なくとも130人以上の参加者がひしめき合っていたはずだった。
―――それがいまや20人強。
しかもその大半が十常侍放送につられて青州に押しかけていると思われる今、
遮蔽物も無い白昼の[亠兌]州の平野は、
ちょっとした死角になっているはずだった。
平原を吹き抜ける風が心地良い。
遠く、赤兎馬に取り残された馬群が草を食み、あるいは寝そべっているのが見える。
あちこちで、【花の種】が芽吹き、小さな花をつけており、
……あるいは、転々と転がる死体さえなければ
ゲームの最中だということを忘れてしまいそうなほど、
穏やかで静謐な世界が広がっていた。
―――静かだ。そして、綺麗だった。
「これは、面白半分に焼き払わなくてよかったの〜。」
参加者の姿も無いその平野を、物騒なことを呟きながら
陳宮は相変わらず花の種を蒔きながら、一路濮陽を目指して歩いていった。
@陳宮[数指欠損・微傷]【ベルナルディM100競技用銃(4発)、短剣、
、桐箱(呂布首入り)、スーツケースいっぱいの花の種、】
「う…ぅん。」
差し込んできた陽光に照らされた頬の熱さで目が覚めた。
薄く目を開けると、雲ひとつ無く晴れ渡った青空が広がっている。
―――中天に差しかかった太陽がまぶしかった。
(あたし、もしかしたら死んだのかしら?
……ううん。生きているわ。でも、もう死んだも同然よ。
結局、厳顔さんの五星球を守れなかった……。)
何晏は失神から意識を取り戻したがそのまま何をする気にもならず、
林の中に寝そべったままで、ぼんやりと空を眺めていた。
最後に記憶しているのは、淡い朝の光が差し込んで来る頃、
思いもかけない昌キの急襲によって、
五星球も、トミーガンも奪い去られてしまったということだった。
(厳顔さん。陳宮さん。ごめんなさい。
あたしには、五星球は守れなかった……。)
昌キは、あたしがDBを持っていることを、「なぜ?」と訝った。
昌キも張紘も、最初からあたしのDBを取り上げるつもりだったんだわ……。
何晏「もう…… もう、何も信じられない!!」
―――厳顔さんが、陳留郊外の「ひみつのほこら」で、不思議な力から授かった五星球。
董卓や昌キ、張紘は、五星球のことを、
単純に主催者がアイテムの中に混ぜ込んだ
他のDBと同じように考えているようだけど、あれは……
何晏「……いちおう、ひみつのほこらにも行ってみようかしら?
今からなら夕方までに、充分たどり着けるはずね。
もしかすると、厳顔さんが助けられたという、あの不思議な力に、
あたしも会えるかもしれないわ。」
@何晏【マイナスドライバー、チャッカマン、各種化粧品など沢山】
あれは、誰だ?
まだこの州に残っている者が居ようとは。
見つめる先には、長い裾を翻した文官が独り。
彼は見渡す限りの花畑の中を、大荷物を抱え、
まるで物見遊山の散策ででもあるかのようにゆるゆると歩を進めていた。
ここから見る限りでは特に警戒している様子も無い。
だが、お互いにここまで生き残って来た者。
所持アイテム一つに付き、一人の参加者の命が潰えているのだ。
運が悪ければ、即、戦闘へとなだれ込むだろう。
―――どうするか?
手の中で手製の暗器を握り締め、思案する。
見つめる「をとめ」は栗嵩。
そして栗嵩の視線の先にあるのは、花の種を蒔きながら進む陳宮であった。
@栗嵩【飛刀×2、手製飛針×20、手製スリングショット、手製大型鉤針】
@陳宮[数指欠損・微傷]【ベルナルディM100競技用銃(4発)、短剣、
、桐箱(呂布首入り)、スーツケースいっぱいの花の種、】
350 :
をとめ。武装船乗船中:02/08/25 04:28
胡車児「ねぇ、お姉さま。おとといは思わず、「ヴァーカ!」なんて言ってしまってごめんなさい。
私、仲人を務めてくださるはずの小さいお姉さまが目の前で死んでしまって、
そのショックで、何がなんだか……。」
周瑜(小さいお姉さま…… 徐元直のことだろうか?
嗚呼! 孫兄(孫策)! 孫兄! あなたもどこで何をやっていたのだか!!)
「い…いや。私こそ、可愛い妹が苦労をしている間、
何一つ力になってやれず、すまなかった。」
「ううん。いいの。」、胡車児は首を振り、濡れた目で周瑜を振り仰いだ。
青州沿岸、武装船の中で周瑜は湧き上がる吐き気に懸命に耐えながらも、
なんとかその場を取り繕っていた。
……別の物を吐いてしまっては、今度こそ死んでしまう。
少し離れた場所では、張譲と孫璋がこちらの気も知らずに
何事か相談していた。
懸念してた通り、まともに話のできる奴が生き残っているかどうかは、極めて怪しい。
しかしよりによって、この私が、≪をとめ≫のメンバーになろうとは……
≪をとめ/4名≫※武装船乗船中
張譲【杖、ハッキング・クラッキング入門、ノートパソコン、ウィルスの入ったCD-R、
放送塔の機械類】
&孫璋【なし】
&胡車児【拡声器、先割れスプーン、乾燥肉、毛皮、
強力複合弓矢メルニボネアボウ、沿岸のゴミ】
&周瑜[一回吐血後死亡、重傷(手当て済)]【裁縫セット、イングラムM10サブマシンガン、
登山セット×2】
※司馬彪に発見されましたがまだ気付いていません。
生存者リスト1(参加武将には聞こえていません)――
○生存確認中メンバー(パーティの部)
≪ビストロ王双/2名≫
王双[負傷]【大型サバイバルナイフ、流星槌、許チョの携帯用ミニ絵図、テグス、まさかり(大)
スリングショット、ハリセン、畳針、ダウジングロッド、集音マイクとイヤホン、木牛(食材&調理道具)】
&曹性[負傷]【銀の弓(銀の矢16・木の矢20)、1/144RX−78ガンダム(「がおー」と鳴く)
RX−78操作マニュアル、『簡易植物事典』、鉄兜、謎の物体】
≪DB集め悪の軍団/3名≫
董卓[負傷]【ニンジャブレード、電撃ムチ】
&李儒【ドラゴンレーダー、吹き矢(毒入り)×8、双眼鏡、
『電子ロック解除技術について』、霊帝メモ、陣羽織(防御+5)】
&李[イ寉][右肩被弾、手当て済]【青龍刀、大型サバイバルナイフ2本】
≪真・月英西遊記/3名≫※赤兎馬随行中
黄月英[左肩被弾]【軍用ナイフ、ゴム紐、バードコール、于吉レーダー】
&諸葛尚【謎の鍵、盾】
&許儀【巨大鍋(直径2m)、バックラー】
【共通で様々な獣の肉と野草】
≪危険な2人/2名≫
昌キ【日本刀、直刀、四星球・五星球・六星球・七星球、イノシシ生肉、脇差し、トミーガンSMG(ドラム×1)】
張紘[重傷 手当て済み]【毒針、一星球、二星球、三星球】
※DBは生肉の中に入っている為レーダーに反応しにくくなっています
≪をとめ/4名≫※武装船乗船中
張譲【杖、ハッキング・クラッキング入門、ノートパソコン、ウィルスの入ったCD-R、放送塔の機械類】
&孫璋【なし】
&胡車児【拡声器、先割れスプーン、乾燥肉、毛皮、強力複合弓矢メルニボネアボウ、沿岸のゴミ】
&周瑜[一回吐血後死亡、重傷(手当て済)]【裁縫セット、イングラムM10サブマシンガン、
登山セット×2】
☆パーティの部、以上、5パーティ・14名が生存確認。
生存者リスト2
○生存確認中メンバー(個人の部)
@孫覇【剃刀、鋼の剣、はさみ、刺身包丁、鎖かたびら、抽籤、布、軽量ボウガン、
写真付き参加者名簿、斬馬刀】
@何晏【マイナスドライバー、チャッカマン、各種化粧品など沢山】
@張角[左腕喪失]【杖、黄巾、カッターナイフ、鎌、、スーパーボール×4、、ジグ/ザウェルP230】
@栗嵩【飛刀×2、手製飛針×20、手製スリングショット、手製大型鉤針】
@孫観【なし】
@陳宮[数指欠損・微傷]【ベルナルディM100競技用銃(4発)、短剣、
、桐箱(呂布首入り)、スーツケースいっぱいの花の種】
@張遼[被弾]【時限装置(あと5分)、董昭の首輪、アイスピック、曲刀ジャンビア、
PSG-、アルバレスト、蔓縄、クロロフォルム、鞭、ヘッケラー&コックMP5K】
@司馬彪[歩ける程度の負傷]【『韓非子』(竹簡)】
★@甄姚の子(甄子)(放浪素材?)
★@甄姚[怪我、意識不明、出産後]【墨性バードコール】
※ 上記の★印2名は同道中。
☆ピンユニットの部、9名が生存(+甄子)。 合計23名が生存確認。
前スレまでの死亡者は
>>8参照
≪か行/9名≫
夏[小軍] 郭勝 夏侯惇 関索 韓[小里] 姜維 阮籍 黄忠 吾粲
≪さ行/8名≫(+1名)
朱讚 徐庶 審配 全ソウ 曹遵 宋典 臧覇 孫登
≪た行/7名≫
段珪 張恭 張[合β] 趙忠 程普 丁奉 [登β]艾
≪は行/4名≫
馬岱 畢嵐 [广龍]会 法正
≪や行/2名≫
楊艶 楊奉
前スレ死亡者数479名
当スレ死亡者数30名
計 全死亡者数509名
◆生存者・参加者数◆
パーティの部 14名
個人ユニット 9(+1)名
生存者計 23(+1)名
総参加者数 532(+1)名
霊帝「なぜこんなこと 気づかないでいたの 探し続けた敵がここにいるの
木漏れ日がライスシャワーのように 殺しあう二人の上に降り注いでる
自分を信じてる 瞳を見上げてる ひとり残るために あなたを殺ーしーてーるー♪
おーやおや、みんなどしたのかなー?人数少なくなったから仏心でも出したのかー?
いかん、いかんよお君達。そんな事じゃあだーれも残れなくなるよぉ。
どんな形になろうとも、ラストに生き残るのはたった一人だけなんだからなー。
親しき仲も相食む勢いで頑張るんだぞぉ。
わはは、アヒャアヒャヒャヒャヒャ」
:
どんな形になろうとも、ラストに生き残るのはたった一人だけなんだからなー。
親しき仲も相食む勢いで頑張るんだぞぉ。
わはは、アヒャアヒャヒャヒャヒャ
―――ブツン!」
確かに霊帝の声ではある。
だが、昨日の昼間と一字一句違わぬその不自然な放送は、
フィールドに、あます所なく響き渡った。
「あ。放送…」 かなりの量の血を失ってしまって、苦しい。
できることなら、もうこのまま眠って、楽になってしまいたい。
しかし長いバトルロワイアルの中で培われ、すでに第二の本能とも呼べる反応。
放送の音に弾かれるようにして、甄姚は目を覚ました。
目を開いた途端、思いもかけなかった光景が視界に飛び込む。
ここは冀州? なつかしい。帰ってくることがあるとは思わなかった。
一斉にいろいろな物音が奔流となって押し寄せる。
姐さんの怒声。尚クンのおろおろ声。許儀の遠吠え。
その喧騒の全てを被うように轟々と響く音と共に、目の前に上がる火柱。
その中心で、地面に縫い付けられた何かが燃えていた。
あれは?
そのとき、甄姚と炎の中でのたうつ甄子の目が合った、
女の……、いや母としての直感だろうか。
恐ろしく成長はしているが、曹叡の時と同じく一目で甄子だと分かる。
―――父親は知らない。
だが、紛れも無く、我が子。自身の腹を痛めて生んだ我が子だった。
目の前でその我が子が、炎に焼かれて苦しんでいる……
甄姚の耳に聞こえるはずも無い、我が子の声が届いたような気がした。
甄子「マ…マン…」
甄姚「いやぁぁああぁ――! 甄子ぃ―――――!!」
@甄姚の子(甄子)
※地面に深く縫い付けられて燃えています。
@甄姚[怪我、出産後]【墨性バードコール】(誘拐されました)
≪真・月英西遊記/3名≫※赤兎馬随行中
黄月英[左肩被弾]【軍用ナイフ、ゴム紐、バードコール、于吉レーダー】
&諸葛尚【謎の鍵、盾】
チキチキチキ・・・
チキチキチキ・・・
とりとめもなくカッターナイフの歯を出し入れする音が止まり、
張角は聞こえてきた放送に目を上げた。
「・・・なんだ。死亡者は俺が倒した臧覇一人か?」
張角は放送に耳を澄ませたが
放送はそれ以上の死者の名前を告げることも無く
いつものように唐突に打ち切られた。
――おいおい。いくらなんでもものぐさ過ぎるぞ。
この一昼夜に出た死者は、私が殺した夏侯惇と臧覇だけか・・・?
さすがに張角も考え込んだ。
自分は今まで勝つための戦略を選んできた。
だが他の連中は、生き残るための戦略を優先させたということなのだろうか?
臧覇との戦闘騒ぎで見失ったが、先程補足していた連中は
まだこのあたりに居るはずなのだが。今のところ周囲は静寂に満ちていた。
不意に張角は不敵に笑った。
・・・まあいい。
それならそれで、戦い方はあるというもの。
私を甘く見ないほうが良い・・・
@張角[左腕喪失]【杖、黄巾、カッターナイフ、鎌、、スーパーボール×4、、ジグ/ザウェルP230】
曹性「マジかよ。勘弁してくださいよ。
……ここまできて身の回りにだけ死者が固まってるっていうのは、
あんまり気持ちのイイモンじゃないよ……。」
フィールドに放送が流れる頃、海岸から少し離れた竹林にまで撤退していた曹性は、
テグスを張り巡らせた哨戒装置の中、じっと銀の弓を抱きしめていた。
そばにしゃがんだ王双は焚き火に掛けた鉄兜の中で、魚介類を煮込んでいる。
未だ衝撃覚めやらぬ様子だが、少し顔色はよくなってきていた。
……派手に煙が上がっているが、これも作戦のうちだった。
―――無抵抗の夏侯惇の咽喉笛を掻き切った奴。
―――丘の上の銃声の男。
―――孫観の呼ばわっていた隻腕の男。
おそらくは同一人物だろう。
そいつこそがNO.1ハンターだ。
とにかく日が落ちるまでにそいつを倒さなければ、
料理もへちまもないもンだ。
二人は明け方からの戦況を、彼らなりにそう分析していた。
竹林の中ならば大抵の遠距離攻撃は無効化できるし、相当遠くまで見晴らしも利く。
近付いてくる相手に敵意がなければもてなせばいいし、
敵とあれば、この場所からなら反撃に移るまでにも最大限の時間が稼げる。
バチーリ☆ъ( `ー゚) ピッ
こんな陰鬱な気持ちで料理を作るのは初めてだったが、
そんな気持ちとは裏腹に、
鉄兜からはだんだんおいしそうな匂いが漂いはじめていた。
≪ビストロ王双/2名≫王双[負傷]【大型サバイバルナイフ、流星槌、許チョの携帯用ミニ絵図、
まさかり(大)、スリングショット、ハリセン、畳針、ダウジングロッド、
集音マイクとイヤホン、木牛(食材&調理道具)】
&曹性[負傷]【銀の弓(銀の矢16・木の矢20)、海産物
1/144RX−78ガンダム(「がおー」と鳴く)、RX−78操作マニュアル
『簡易植物事典』、鉄兜、謎の物体】
テグスの哨戒装置が働く。
誰かがこのエリアに入ってきた。
緊張が高まるビストロ達。
クンクンクン・・・
おいしそうな匂いがするけど・・・
あら?なにか引っ掛けたかしら?
何晏はお腹を空かして近づいていった。
≪ビストロ王双/2名≫王双[負傷]【大型サバイバルナイフ、流星槌、許チョの携帯用ミニ絵図、
まさかり(大)、スリングショット、ハリセン、畳針、ダウジングロッド、
集音マイクとイヤホン、木牛(食材&調理道具)】
&曹性[負傷]【銀の弓(銀の矢16・木の矢20)、海産物
1/144RX−78ガンダム(「がおー」と鳴く)、RX−78操作マニュアル
『簡易植物事典』、鉄兜、謎の物体】
VS?
@何晏【マイナスドライバー、チャッカマン、各種化粧品など沢山】
(―――よかった。張譲様は生きておられる……。)
「あなたも生き延びたわね。……のんびり屋さん。」
放送に耳を傾けていた栗嵩はそう呟くと
再び自作の暗器を鞘に収めて、棒のような息を吐き出す。
張りつめていた神経が一気に弛緩し、力が抜けていくのが自覚できる。
遠方を眺めると、陳宮はまだ無用心に花の種を蒔き蒔き、
[亠兌]州の北端へと歩み去っていくところだった。
―――自分はもしかしたら、安堵しているのだろうか?
あの者の血を見なかったことに?
いかに覚悟を決めたとはいえ、
分散した十常侍の中でも、自分自身に課せられた使命。
それは過酷なものだったのだ。
・
霊帝に一斉爆殺の理由を与えてはならない。
だが、それと同時に、張譲様にお味方する者を減らしてもならない。
相反するその目的のために、
必ず必要となる、闇の部分…… それが、自分。
「暗殺の天使」。
生存のためではなく、自分が勝ち抜くために殺しを行う参加者、
そして、張譲様に協力するのではなく、敵となりうる参加者の発見と暗殺こそが、
彼女――栗嵩に課せられていた役割だったのだ。
張譲様がある程度自由に動くためには、あまり急いで殺し過ぎてもいけない。
かといって、24時間の時間切れをむかえさせてもいけない。
あくまでも冷徹に、計算高く殺していく必要がある。
そして、万が一張譲様の身に何かが起こった場合には、
私が生き残りを目指して戦い、
霊帝と対峙する。
・
陳宮が丘の向こうへと消えてゆこうとしていた。
次に見かけたときは、おそらくためらいはないだろう。
栗嵩は声を出さずに呟き、その言葉の意味する事実のあまりの重さに
短く胴震いをした。
(残り…… あと、23名。)
@栗嵩【飛刀×2、手製飛針×20、手製スリングショット、手製大型鉤針】
@陳宮[数指欠損・微傷]【ベルナルディM100競技用銃(4発)、短剣、
、桐箱(呂布首入り)、スーツケースいっぱいの花の種、】
午後になっても相変わらず絶叫をあげ泣き叫び続ける男。
時の経過とともにいつしか声すら枯れていた。
だが、あふれ出る涙は止め処もなく流れ続ける。
孫観【なし】
※相変わらず泣いています。
声が枯れてしまいました。
甄姚が思い通りに動かない身体を引きずり炎に向っていると、向こうから姐さんらがやってきた。
姐さん達がやったことはわかっている。
きっと私の身を案じて助けにきてくれたのだろう。
気持ちは嬉しい。
私はなんとこんなことが多かったことか。
しかし、我が子の不始末も私がつけなくてはならないこともわかっていた。
行かないと……あの子を止められるのは私しかいない。
その推測は、半分当たっていたが、半分は間違っていた。
姐さんらの静止も振り切り、甄姚はよろよろと炎に向う。
一方その頃門外では、炎の中の化け物はピクリとも動かず、ただその身を炎に委ねていた。
その炎のそばには孫覇。
城砦の中からカモがヨロヨロとこちらに向って来ている。
仲間割れでもしたのか?
あの放送もおめでたいが、こちらもどっこいだ。
少し離れてあの女(姐さん)も追ってきている。
孫覇が近づく甄姚に門の壁からそっと身を返し、軽量ボウガンで狙いを定める。
今だ!
ボウガンの矢が確実に甄姚を捉えたと思った刹那、甄姚がよろけ心臓ではなく腕をかすって飛んでいってしまった。しまった―――。
そのときである、後ろの炎から黒い塊がのそりと蠢いた。
炎から産まれ出でたその姿は以前のものとは明らかに違かった。
身の丈はさらに大きく、少年の面影はなく、すでに青年を超えた面持ちになっていた。
無理矢理引き千切った手足を引きずり、目はうずくまり傷をかばうママの姿を捉えて離さない。
『ママ・・・ママンを・・・傷つけるもの・・・許さない・・・』
甄姚の頭の中のみでその声が響く。
ハっと我が子を見ると、目はまるで炎を燃やしたように赤く、怒りに燃えていた。
孫覇はその気配を察し、速攻走り去る。
甄子はゆっくりそれを見送ると、一度母である甄姚を見るとそれを追った。
甄子は笑ったように見えた。
「姐さんお願い!あの子を追って!」
@甄姚の子(甄子)
※成長中。ママンを傷つけた孫覇を追って冀州を進む
≪真・月英西遊記/4名≫※赤兎馬随行中
黄月英[左肩被弾]【軍用ナイフ、ゴム紐、バードコール、于吉レーダー】
&諸葛尚【謎の鍵、盾】
&許儀【巨大鍋(直径2m)、バックラー】
&甄姚[怪我、意識不明、出産後]【墨性バードコール】
【共通で様々な獣の肉と野草】
※再び合流し、甄子を追う
@孫覇【剃刀、鋼の剣、はさみ、刺身包丁、鎖かたびら、抽籤、布、軽量ボウガン、
写真付き参加者名簿、斬馬刀】
※追われてます
―――ギィ――――――ン……
放送塔の突然の沈黙からしばらく。
風さえもが止まったかと思われるような沈黙を裂いて
一度は沈黙した放送塔から、再び音声が流れ始める。
軋むような雑音混じりの放送は、久しぶりの……そして、
おそらく最後の、禁止エリアの追加発動を告げていた。
霊帝「ぉお〜ぃ。さっきは霊帝、笑いすぎて、うっかり言い忘れちゃってたよぉ。失敗失敗。
…ププ。……ひゃっひゃっひゃっひゃっ。
おまえら、本当に笑わしてくれるよなぁ〜。
けどなぁー?……そろそろ禁止エリアが行くぞ〜?
次の禁止エリアは、お待ちかねの[亠兌]州。そして、冀州の2州同時だ!
該当地域のお友達は、早く青州まで来るんだよ〜。
霊帝、ずーっと、待ってるからな〜〜」
※ 次の禁止エリアは、[亠兌]州・冀州です。
100レス後。このスレでの
>>466以降、禁止エリアが発動します。
禁止エリア地図→
http://curry.2ch.net/test/read.cgi/warhis/1027089974/203
足場の悪い海岸沿いを見失わないように進むのは困難だった。
をとめ達を乗せた船は迂回していた隙に見失ってしまったのだ。
実際はただ元の海岸洞窟に引っ込んだだけなのだが、
司馬彪はなぜか南下していったのではないか?と思えて仕方がなかった。
それも遠くに見える船らしきものが、南の岬からフェードアウトしていくのが見えたからだ。
慌てて引き返し、追う司馬彪。
しかし、実際見えた船は規模も小さいものであり、乗っているのも今は亡き尹大目を乗せたものだった。ゲーム序盤に退場した脱落者を乗せた船はいまだこの海域を行ったり来たりしていたのだ。
司馬彪はそのまま岬を回り、海岸線を南下していく。
そして、徐州の境に来てそれは間違いだったことを知るのだった。
すべてを見届けなくてはならないのに・・・
意気消沈してうなだれていると、向こうに人の気配が。
それもなんかたくさん?
慌てて目をふと横にやると、海岸から離れた竹林にビストロと何晏がなにか言い合って対峙している。
慌てて目を戻し、遠くにやると西から董卓達。
ということは近くに≪危険な2人≫もいるのだが、それは知るよしもなかった。
ここはなんだ?
事件の予感?
ちょっとウキウキした。
日がゆっくり傾きかけた夕方のことだった。
@司馬彪[歩ける程度の負傷]【『韓非子』(竹簡)】
≪ビストロ王双/2名≫王双[負傷]【大型サバイバルナイフ、流星槌、許チョの携帯用ミニ絵図、
まさかり(大)、スリングショット、ハリセン、畳針、ダウジングロッド、
集音マイクとイヤホン、木牛(食材&調理道具)】
&曹性[負傷]【銀の弓(銀の矢16・木の矢20)、海産物
1/144RX−78ガンダム(「がおー」と鳴く)、RX−78操作マニュアル
『簡易植物事典』、鉄兜、謎の物体】
VS
@何晏【マイナスドライバー、チャッカマン、各種化粧品など沢山】
≪DB集め悪の軍団/3名≫
董卓[負傷]【ニンジャブレード、電撃ムチ】
&李儒【ドラゴンレーダー、吹き矢(毒入り)×8、双眼鏡、
『電子ロック解除技術について』、霊帝メモ、陣羽織(防御+5)】
&李[イ寉][右肩被弾、手当て済]【青龍刀、大型サバイバルナイフ2本】
※まだ気がついてない。うっすらあるドラゴンレーダー反応頼り
≪危険な2人/2名≫
昌キ【日本刀、直刀、四星球・五星球・六星球・七星球、イノシシ生肉、脇差し、トミーガンSMG(ドラム×1)】
張紘[重傷 手当て済み]【毒針、一星球、二星球、三星球】
※DBは生肉の中に入っている為レーダーに反応しにくくなっています
何晏「だから〜!あたしはリゾットコンフンギをオーダーしてんのよ!
注文どおりに作ってちょうだい!」
王双「いや、なにしろ今は、キノコの時期は外れているので……」
何晏「あら。なによ、作り方は分かってるんじゃない。
リゾットコンフンギの正体を知ってる人になんて、始めて会ったわ。」
王双「はぁ、いちおうビストロですから……。」
曹性.oO( よかった。おいちゃん、チョットは元気が出たようだな。)
RX「がおー」
王双が、つかつかと歩み寄ってきた一人の「をとめ」とそんなやりとりを交わしている中、
ただひとり曹性だけが、緊張した面持ちで握り締めたテグスの感触を確かめていた。
指先には張りつめたテグスの、微妙な動きと、
集音マイクからの情報が、新しい参加者の接近を告げている。
曹性(……左手にもう数人居る。)
目をやると、王双はまだ何晏とたあいない口喧嘩を続けていた。
二人の注意が自分には向いていないことを確認すると、
曹性はそっと二人から離れ、
決然と新しい接近者の方向に進んでいく。
頭上でサラサラと葉擦れの音を立てる笹の葉は、夕焼けに赤く染まっていた。
曹性(おいちゃん。……まかしといてくれ。
こういう戦闘は俺が強い。)
また……二人でお料理しような!
@司馬彪[歩ける程度の負傷]【『韓非子』(竹簡)】
@王双[負傷]【大型サバイバルナイフ、流星槌、許チョの携帯用ミニ絵図、
まさかり(大)、スリングショット、ハリセン、畳針、ダウジングロッド、
集音マイクとイヤホン、木牛(食材&調理道具)】
@何晏【マイナスドライバー、チャッカマン、各種化粧品など沢山】
@曹性[負傷]【銀の弓(銀の矢16・木の矢20)、海産物
1/144RX−78ガンダム(「がおー」と鳴く)、RX−78操作マニュアル
『簡易植物事典』、鉄兜、謎の物体】
VS
≪DB集め悪の軍団/3名≫
董卓[負傷]【ニンジャブレード、電撃ムチ】
&李儒【ドラゴンレーダー、吹き矢(毒入り)×8、双眼鏡、
『電子ロック解除技術について』、霊帝メモ、陣羽織(防御+5)】
&李[イ寉][右肩被弾、手当て済]【青龍刀、大型サバイバルナイフ2本】
※まだ気がついてない。うっすらあるドラゴンレーダー反応頼り
≪危険な2人/2名≫
昌キ【日本刀、直刀、四星球・五星球・六星球・七星球、イノシシ生肉、脇差し、
トミーガンSMG(ドラム×1)】
張紘[重傷 手当て済み]【毒針、一星球、二星球、三星球】
※DBは生肉の中に入っている為レーダーに反応しにくくなっています
何晏「分かったわよっ! ……もう頼まないわよ! バーヤ!!ヽ(`Д´)ノ」
王双「あっ!? お客さーん!!」
食欲に夢中になりすぎて、気付けば夕方。
―――あ…、あたしったら、なにやってんの〜〜〜っ!!
何晏は突然身を翻すと、王双の制止を振り切り、
南に向かって走り始めた。
周囲の景色がものすごい勢いで背後へと飛びすざってゆく。
(―――バカだ。あたしったら、大バカだ!)
陳留にある、厳顔さんのふしぎなほこらに行かなけりゃならないのに、
なにを考えて、こんな夕方まで青州くんだりで遊んでんのよっ!!
陳留が禁止エリアの向こう側に消えてしまうまで、
あと少し……
:
何晏「―――!!」
ちょうど竹やぶを抜けきったその時だった。
何晏が、最も会いたくなかった人物……
崩れかけた民家のすぐ脇に潜む、その2人組に出会ったのは。
@何晏【マイナスドライバー、チャッカマン、各種化粧品など沢山】
vs?
≪危険な2人/2名≫
昌キ【日本刀、直刀、四星球・五星球・六星球・七星球、イノシシ生肉、脇差し、
トミーガンSMG(ドラム×1)】
張紘[重傷 手当て済み]【毒針、一星球、二星球、三星球】
えぇそりゃ気付きましたよ。
だけど少々気付くのが遅かったわ。
だって私が気付いた時にはにこやかに笑って銃を構える昌キと
難しい顔をした張紘がいたんですもの。
取りあえず今は眠れと、張紘に言われては当身を受けたフリをする他なかったわ。
ただ、この時張紘には何か別の目的がある事も、をとめの勘で気がついたわ。
そう、チャンスはまだ幾らでもある焦る事はないわ。
何晏【マイナスドライバー、チャッカマン、各種化粧品など沢山】
※失神したフリ
≪危険な2人/2名≫
昌キ【日本刀、直刀、四星球・五星球・六星球・七星球、イノシシ生肉、脇差し、
トミーガンSMG(ドラム×1)】
張紘[重傷 手当て済み]【毒針、一星球、二星球、三星球】
※当身を当てた(フリ)して去った様です。
(ふぅん。いよいよ[亠兌]州が潰されるのか。)
……ちーとばかり、驚いたな。
てっきり[亠兌]州が最後まで残るかと思っていたのに。
暗殺の天使の虎口を逃れた陳宮は、長い間、濮陽城外にただ佇んでいた。
気味悪いほど巨大な赤い日差しが、長々と影を作る先。
左慈の言葉通り、その廃屋跡地は
濮陽の外れ、冀州にほど近い場所に存在していた。
「呂布……。」、陳宮はそう呟くと
スーツケースの中の花の種を全てばら撒き、背負っていた首級を取り出して
点々と足元に転がる二体の屍体の一つに、そっと戻す。
死亡放送を聞いたときには、さして実感も涌かなかった、
左慈から首級を手に入れたときも、心のどこかではまだ否定していた呂布の死が、
急に実感をもって感じられた。
陳宮「…………。」
自分がこんなにもロマンチストだったことが意外だった。
―――が、満足している。
貴重な時間を割いて呂布の遺体を捜し出し首を届けてやるという児戯が、
疲れ切った今の自分には、必要な行為だったのだろう。
振り返ると、濮陽城の城壁上に立つ人影が大きくPSG-1を振っていた。
十常侍の言うように、首輪を外す方法があるならそれでも良し。
それがダメならば、自分こそが最後の一人になる。
もしくは、張遼を最後の一人たらしめる。
……全てはそこからだ。
城壁まで帰ってみると、張遼が緊張した面持ちで濮陽城内を見やっていた。
ここでも激しい戦闘があったらしい。楽進、それに程c……あれは陳登と陳珪だろうか?
点々と死体が転がる濮陽を後にするころには、
夕闇がすぐそこまで迫ってきていた。
否応無く青州に追いやられる格好になったのが気に入らないが、
そこに十常侍もいるはずだった。
陳宮は漠然と、ゲームの序盤に見かけたあるアイテムのことを考えた。
任峻の持っていた復活の聖水……
霊帝がどんな手段を使ってこれだけの武将を集めたにせよ、
主催者の懐深く入り込めば、あるいは、死んでしまった者たちをも
どうにかできるかもしれない。
陳宮(……最悪でも、呂布と朱霊だけがなんとかなれば、それでいいや(・ε・)
張遼(Σまたなんか、ロクでもないこと考えてるッ!)
≪R作戦B二号/2名≫
陳宮[数指欠損・微傷]【ベルナルディM100競技用銃(4発)、短剣、空のスーツケース】
&張遼[被弾]【時限装置(あと5分)、董昭の首輪、アイスピック、曲刀ジャンビア、
PSG-、アルバレスト、蔓縄、クロロフォルム、鞭、ヘッケラー&コックMP5K】
「ねっ、姐さん!もう夕方ですよ……ガフゥッ!」
「姐さんまずいです!このまま冀州に居れば禁止エリ……ガフゥッ!」
「いやぁあぁあぁっ! 追って!あの子を助けてあげ……ガフゥッ!」
「だからあんたら、黙ってなって言って……ガフゥッ!」
「うほっうほっうっほほっ〜」
走るよ走る。姐さんが走る。
巨大な鍋が冀州平野の泥を跳ね上げて。
―――孫覇は恐ろしく狡猾だった。甄子がまだ、子供並みの知能しかないのを見て取るや、
大きく進路を変更したり、後戻りしたりして、甄子の撹乱に出ているらしい。
「らしい」というのは、姐さんたちは追跡を始めてすぐ、速攻で孫覇を見失っていたからだ。
泥地となった冀州を進むのに、運転手の許儀がしょっちゅう泥の中にめり込み、
そのたびに、わっしょいわっしょい、鍋を引き出すのに大騒ぎ。
お陰で全員泥まみれで、赤兎馬もちょっと迷惑そう。
頼みの綱のレーダーには、孫覇と思しき光点が
行ったり来たりしながら進んでいるのだけが見える。
何度目かの脱線転覆した巨大鍋をわっしょいするとき、尚くんは姐さんに聞いてみた。
姐さん。冀州に居ちゃ危険ですよ。
…っていうか、甄子に追いついてしまうのも、ぼくはどうかと思いますよ。
すると姐さん、澄ました顔で、「孫覇も冀州からは出ようとするはず。大丈夫。
このまま追っていっても禁止エリアになる前に、冀州は抜けるわ。
甄子? う〜ん。なんとかなるんじゃないかしらっ☆」
白い歯がまぶしい。極上の笑顔だ。
ね、姐さん。それは本当なんですか?
ちょっと不安な尚くんだった。
@孫覇【剃刀、鋼の剣、はさみ、刺身包丁、鎖かたびら、抽籤、布、軽量ボウガン、
写真付き参加者名簿、斬馬刀】
@甄姚の子(甄子)
※成長中。ママンを傷つけた孫覇を追って冀州を進む
≪真・月英西遊記/4名≫※赤兎馬随行中
黄月英[左肩被弾]【軍用ナイフ、ゴム紐、バードコール、于吉レーダー】
&諸葛尚【謎の鍵、盾】
&許儀【巨大鍋(直径2m)、バックラー】
&甄姚[怪我、出産後]【墨性バードコール】【共通で様々な獣の肉と野草】
379 :
無名武将@お腹せっぷく:
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