1 :
バトル開始 :
01/12/22 14:41 ID:/69VSREN 一瞬、慣れ親しんだ武道館ではないとガクトは錯覚した。 もちろん、そこは以前来た時と変わらない日本武道館であったのだけれど、 何かがおかしかった。何かが違っている。 すぐに、ガクトはその原因に気づいた。窓の外はすでに日が暮れ、闇に包まれていた。 武道館内のスタンド席にもアリーナにも観客らしき人間は誰一人座ってなかった。 さっきまでリハーサル中であったはずなのに・・・
2 :
バトル開始 :01/12/22 14:42 ID:/69VSREN
ガクトは、辺りをそろそろと見回した。おなじみであるバンドマンたちが、 先ほどまでのガクトと同じように床に伏して眠っている。 そのなかには、ガクトの親友でもあるシャムシェイドのヒデキの姿もあった。 俺、どうしたんだろう? ガクトがそう思ったとき、武道館内に大きな音がした。 皆、眠りから覚めたばかりらしく、ガクトと同様に周囲を見回している。 一体、何が起きたのだろう?何故俺達は、ここに居るのだろう? 誰もが困惑と不安を隠しきれずにいた。
3 :
バトル開始 :01/12/22 14:43 ID:/69VSREN
「おい!エーー、ガクト……何が、どうなってるだエー?俺、怖い……怖いよ……」 ヒデキは、目に涙を溜めて不安を訴えた。 ガクトは「大丈夫だよ」と言ってあげたかったが、出来なかった。 自分自身、現状が怖くてたまらなかった。 そう、嫌な予感がする。 何度もニュースで聞いた、『あれ』の状況によく似ている…… 突然、施錠されていたアリーナの扉が、開いた。 そして、銃を携えた兵隊の様な連中が十数人、入って来る。 兵士達はステージの前に整列すると、銃を歌手達に向け、構えた。 いつでも発砲できる体勢だ。 まさか…… コツ、コツ、と、兵士達とは違う、軽い足音が聞こえた。
4 :
バトル開始 :01/12/22 14:47 ID:/69VSREN
会場内に入って来たその足音の主は……キリトだ。 キリトは教壇に立つと、いつもと変わらぬ屈託のない笑顔で、話し始めた。 「元気ですかーーー!まさかお前らに集まってもらう事になるとは、この俺も想像できなかったぞー!」 のいつにも増した高慢な口調だ。 しかし、今日は普段にも増して、自信に満ちているようだ……ガクトにはそう映った。 そしてキリトは、アリーナ内をぐるりと見回すと、衝撃的な一言を言い放った。 「今日はこれより、諸君に殺し合いをしてもらう!」 会場内の全ての空気が止まった。 「お前らは、今回の『プログラム』に選ばれたのだよ!!」 ガクトの予感が、的中した。 ヒデキは、ギュッとスガクトの腕を掴んで、震えていた。 誰かが、うっ、とうめいた。
5 :
バトル開始 :01/12/22 14:54 ID:/69VSREN
『プログラム』 それは、魔の法律。 正式名は『歌手助成特別法』という。 近年、ヴィジュバンドではパクリが激増の一途を辿っていた。 何故、こんなにも簡単にパクリをしてしまうのか? 何故、互いの理解を深めようとせず、安易なパクリに走ってしまうのか? ……そして制定されたのが、この法律だった。 真に「歌って表現する強さ」を持ち合わせた人間だけを選抜する法律。 ヴィジュアル系バンドのあらゆるミュージシャン、アーティストの中から無作為抽出され、最後の一人になるまで殺し合いが行われる。 しかし、このプログラムが実行に移されることはゼロに等しいと言われていただけに、ミュージシャンたちはすぐには信じられなかった。 「冗談なら、やめろ!糞ぶっ掛けるぞ!」 聞き取り辛い声が響いた。 インディーズ界一の権力者ともいえる、藤田幸也だ。 「俺は天下の藤田幸也だ!なんでこんなプログラムに参加しなくちゃいけないんだ!」 幸也は嘲笑を込めて異議を唱えた。 そもそも、このプログラムの指揮権がキリトにある事に、理解が出来なかった。 普通なら、政府や国家委員会の担当者が赴いて、ここで説明するだろう。 ここに居る兵士達も、おそらくキリト私設軍やSPの面々。 驚かせておいて、実はパーティーでも開くのだろう……そう思っていた。 しかし、現実は残酷だった。 「幸也!テメーはまだ信じられない様子だな。ならば、信じられる物を用意してやろう!」 キリトは表情を変えずにそう言うと、指をパチン、と鳴らした。 教室の扉が開き、『何か』を載せたベッドが運び込まれて来る。 ビニールシートの下の『何か』からは、少し生臭い匂いがした。 「見せてやれ」とキリトが言うと、側近のコータがそのシートを外した。 一瞬の静寂。 そして次の瞬間、幸也が絶叫した。 「……ヨシキさーーーーーん!!」
6 :
バトル開始 :01/12/22 14:59 ID:/69VSREN
幸也の叫びが、一瞬にして全員の悲鳴へと変わる。 そこに有ったのは、あの偉大なヨシキの『なれの果て』だった。 まるで操り人形を投げ捨てたかの様に関節は捻じ曲がり、 頭蓋骨は陥没し、両目も潰されていた。 「ヨシキさん!ヨシキさああああんっ!!」 幸也は泣き叫びながら、ヨシキの亡骸に近付こうとする。 しかし次の瞬間、兵士達が一斉に幸也に向け、銃を構えた。 それに気付いたBLUEの2人が、慌てて幸也を引き止める。 「幸也さん、駄目だ!今行ったら、幸也さんも殺されちゃうよ!」 「でも!ヨシキさんが!」 幸也はその場にヘナヘナと座り込むと、声をあげて泣いた。 泣くことしか、出来なかった。 そしてその光景は、バンドマン達に現実を認識させるのに、充分だった。 キリトが説明を続ける。 「ヨシキは、このプログラムを反対しやがって!コノヤロウ!」 死臭が室内を満たしてゆく。 それはまさしく、絶望の臭いでもあった。
7 :
バトル開始 :01/12/22 15:01 ID:/69VSREN
キリトは胸元から政府印の押された封書を取り出すと、その中の文書を事務的に読み始めた。 いわゆる『宣誓文書』だ。 「……本プログラムは、日本国政府の完全管理下のもと、ヴィジュアル系バンドの代表的存在である キリトによって執り行われるものとする旨を、ここに通達する……」 宣誓文書など、誰も聞いてはいなかった。 ただ、殺戮の海に放り込まれた事実を受け止める事しか、出来なかった。 自分達を庇ってくれた(であろう)ヨシキが、あっけなく殺された。 こんな理不尽な殺人さえ、合法だという。 いや、理不尽な殺人劇は、これから始まるのだ。自分達の手によって…… どうする?どうすればいい?ここから逃げ出す方法は無いのか? 誰もが、戦うことなく生き延びる方法を自問自答していた。 と、その時、キリトが宣誓文書を読むのをピタリと止めた。 「……どうやら、俺の話を聞いてくれない人が、いるようだなーコノヤロウ!」
8 :
バトル開始 :01/12/22 15:08 ID:/69VSREN
……まさか、聞いていないのを悟られたのでは? バンドマン達は、恐る恐るキリトの視線の先を辿った。 キリトが見ていた先……そこには、ラクリマのSHUSEとマシンガンズのノイジーの姿があった。 SHUSEはまだ睡眠薬が効いているらしく、眠ったままだった。 それをノイジーが必死になって起こそうとしている。 「……SHUSE、起きろよ。寝てる場合じゃないんだってば……」 ノイジーは、キリトを刺激しないように、小声で呼び掛けながらSHUSEの肩を揺すっていた。 その呼びかけに応じたのか、SHUSEがようやく目を覚ます。 「……あれ?ノイジー。おはよう!どうしたんだよ?」 まだ現状を把握していない彼の一言が、会場中に響き渡った。 誰かの呟く声がした。 「……だめっ!」 次の瞬間、キリトは小さなリモコンの様な物を取り出すと、SHUSEに向けてそれを「ピッ」と鳴らした。
9 :
バトル開始 :01/12/22 15:12 ID:/69VSREN
ピピピピ、ピピピピ…… 何処からともなく、アラーム警告音が聴こえる。 「何だよ、目覚まし時計をセットしてるのか? でもおかしいな。外はまだ、夜じゃねぇか!俺は眠いんだよ馬鹿やろう!」 まだ寝ぼけているのか、SHUSEは緊迫した現状に気付いていなかった。 「なに言ってんだよ、SHUSE!今はそれどころじゃ……SHUSE?」 ノイジーは、異変に気付いた。 警告音の発信元が、異常に近いのだ。 しかもそれは、SHUSEの体内――頭の中から聴こえている。 「まさか……キリト!SHUSEに何をしたんだよ!?」 ノイジーの追及に、キリトは落ち着いた調子で答える。 「SHUSEに限った事ではない。君達には、眠っている間に、『装置』を埋め込ませてもらった。 なあに、最新技術を駆使したマイクロサイズの物だ。違和感は感じないだろう? それから、これには位置特定の為の発信機と、自爆装置がセットされている。 指定の制限時間をオーバーしたり、プログラムの進行を著しく妨害した場合には……」 「場合、には……」 ノイジーは、唾をゴクリと呑んだ。まさか……まさか、そんなことって…… そして、一番聴きたくない言葉が、キリトの口から発せられた。 「爆発する」
10 :
バトル開始 :01/12/22 15:17 ID:/69VSREN
ピピピピピピピピ…… 警告音の間隔が短くなってゆく。 悪魔のカウントダウンに、静かだった会場が再びざわつき始めた。 しかし、当のSHUSE本人は、まだこの危機的状況に気付いていなかった。 「みんな起きているのかよ!うるせえよ時計……誰かとめろよな!ラクリマが一番ロックなんだよ!」 ノイジーはパニック寸前だった。 親友の命が、あと数秒で消えてしまうかもしれない。 しかし、自分にはそれを止める術が無い。 「しゅ……SHUSE……」 ノイジーは、とっさにSHUSEの両手を強く握った。 涙がこぼれ落ちて、止まらない。 その涙が、SHUSEの頬へと落ちて行く。「ずっと……ずっと、友達だよ……」 まだ通常の判断力が戻っていないSHUSEには、何故ノイジーが泣いているのか、解らなかった。 しかし、「友達だよ」という言葉だけは、はっきりと聞こえた。 「おい、なに言ってんだ!俺とお前はずっと親友だぜ!」 SHUSEは、いつものように微笑んだ。 その直後―― ぱんっ、という音とともに、SHUSEの側頭部が弾けた。 ノイジーの顔が返り血を浴び、真っ赤に染まる。 瞬間、会場中が再び悲鳴に包まれた。 人の命が奪われた瞬間を目撃した以上、それはヨシキの時とは比較にならない状況だった。 「お前ら!静かにしないか!」 キリトの忠告も、もはや届かない。 ある者は泣き叫び、ある者は気を失い、ある者は何度も嘔吐を繰り返した。 そんな混沌とした中、ノイジーはSHUSEの手を握ったまま、動かなかった。 いや、動けなかった。 呆然としたまま握っているSHUSEの手には、まだ、温もりが残っていた。 「まだあったかいぜ、SHUSE……」
11 :
バトル開始 :01/12/22 15:23 ID:/69VSREN
「威嚇射撃!」 キリトの号令が飛んだ。 それに合わせて、兵士達が一斉に床へ向けてマシンガンを発射する。 ただならぬ轟音とともに、床面のコンクリートが削られ、破片が宙に舞う。 圧倒的な『実弾』の恐怖。 その威力の前に、泣き叫んでいたバンドマン達の動きが一瞬にして止まった。 そして、数秒間の掃射が終わる直前―― 床に跳ね返された弾の一発が、ルナシー真矢の左膝をかすめた。 「痛ェ!」 真矢は傷口を押さえ、その場にうずくまった。 「――真矢さん!!」 その様子を見たプラトゥリ竜太朗が、慌てて真矢のもとへと駆け寄る。
IDがカコイイ。 TETSU69VSヌイグルミ(ノーブル)?
13 :
バトル開始 :01/12/22 15:25 ID:/69VSREN
「大丈夫ですか!?真矢さん!」 竜太朗はそう言うと、ポケットからハンカチを取り出し、それを真矢の膝へと巻き付けた。 手際の良い応急処置だ。 「大丈夫だ。かすり傷だから……ありがとう」 真矢は苦痛に顔を歪めながらも、竜太朗に礼を言った。 確かに、弾は膝をかすめただけだった。 あと数ミリずれていたら、確実に骨を砕き、歩く事さえ出来なかっただろう。 しかし、弾を受けた際の痺れと出血は、普段の『かすり傷』とは比較にならないものだった。 場内が『一応の』平静を取り戻した所で、再びキリトが話し始める。 「まったく、お前達は……これ以上、俺の手で参加者を減らしたくない。 しかしまぁ、驚くのも無理はねえか。 」
14 :
バトル開始 :01/12/22 15:28 ID:/69VSREN
この時、ガクトは状況を整理し、理解するのに必死だった。 自分は『プログラム』に選ばれた。 間違いなく、『真のバンドマン』をめぐる戦いだ。 ここにいるバンドマン達と、命を賭けて。 テレビで見慣れた人や、親友…… 今、隣で震えているヒデキとも、戦うかもしれない。 そんな、そんなこと……わからない、どうすればいいんだ…… 冷静な判断をする為に、現状を整理するつもりだった。 しかし、考えれば考える程、気持ちは混乱してゆく。 頼む、誰か、助けて…… だが、そんなガクトの願いを無視するように、キリトの宣誓が響き渡った。 「ではこれより、プログラムを開始する! 制限時間は三日間。日本武道館半径10キロ、都心全域が戦闘エリアとなる。 勿論、市民の退避は完了している。 お前達の両親にも既に連絡済だ。後悔の無い様、思う存分やりたまえ!」
15 :
バトル開始 :01/12/22 15:36 ID:/69VSREN
出発の順番はランダムだった。キリトがくじ引きで決めていた。 コータが用意した箱の中にキリトが手を入れ、1枚の紙を引く。 「それでは、最初に出発する者の名前を発表する……ジュラシックのユーキくん」 全員の視線が、彼に集中する。 「は、はいッ!」 ユーキは、上ずった声で返事をし、立ち上がった。 そして、顔を強張らせながら会場の出口へと進む。 「私物の持参は自由だが、くれぐれも『お荷物』にならないよう、注意しろ。 それから、出口で支給するデイパックには、武器がランダムで入っている。 有効に活用し、円滑にプログラムを進めて貰いたい。以上だ」 ユーキは出口でデイパックを受け取ると、会場内へ向き直り、深々と一礼をした。 そして、一目散に外へと駆けて行く。 次の参加者の出発は2分後だ。 皆一様に怖がっていたが、中には「やる気」になっているバンドマンがいるかもしれない
16 :
バトル開始 :01/12/22 15:39 ID:/69VSREN
会場では、2番目に出発するバンドマンの名が呼ばれた。 「それでは、次、……竜太朗くん!」 竜太朗は「はいっ」と返事をして立ち上がったものの、一歩が踏み出せない。 「大切な人達」のことが気になって、傍に居たくて、仕方なかった。 幸也は泣き止んでこそいたものの、ずっと俯いたままだ。 そして真矢は、傷を負った左足を、ずっと押さえている。 どうしよう……ふたりを放って行くなんて、出来ない…… 迷う事が許されない状況の中、竜太朗は出発すべきか迷っていた。 その時、なかなか動こうとしない竜太朗に気付いた真矢が、微笑みながら声を掛けた。 「竜太朗……俺なら、大丈夫だから……」
17 :
バトル開始 :01/12/22 15:43 ID:/69VSREN
「真矢さん……」 竜太朗の瞳が、徐々に潤んでくる。 真矢とは離れたくない。でも、離れなければならない。 そして真矢の言葉は、別離への選択を迫る言葉。 わかってる。わかってるけど、その一歩がどうしても踏み出せない。 「竜太朗、早くしろ!」 キリトは冷徹に、出発を促す。 「はい……」 竜太朗は力無く答えた。しかし、まだ歩き出す事は出来ない。 その時―― 真矢がスッと立ち上がると、突然、竜太朗を力いっぱい抱きしめた。 「し、真矢さん……?」 竜太朗は動揺を隠せなかった。「真矢さん、どうしたんですか?急に……」 そして真矢は、いつもにも増して、優しく語り掛ける。 「竜太朗……諦めちゃ駄目だ。諦めたら、すべてがそこで終わってしまう……」 「真矢さん……」 竜太朗の瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちた。 真矢は抱きしめた両手をほどくと、じっと竜太朗の顔を見つめる。 竜太朗を見る真矢の表情は、普段と変わらない、優しい笑顔だ。 (どうして真矢さんは、そんな優しい笑顔を見せるんだ? 三日後にはもう、二人共この世にいないかもしれないのに……)
18 :
バトル開始 :01/12/22 15:45 ID:/69VSREN
真矢は言葉を続けた。 「よくわからないけど……必ず、何か方法があるはず。みんなが助かる方法が…… だから、そんなに悲しい顔をするな。 」 今の竜太朗に、笑顔を作る事は不可能だった。 だが、真矢の言わんとすることは、しっかりと伝わっていた。 「わかりました……幸也さんにも、一言、かけてあげてください」 竜太朗はそう言うと、出口へ向かって歩き始めた。 そしてデイパックを受け取り、それを確認すると、夜の闇へと走り去って行った。
19 :
バトル開始 :01/12/22 15:49 ID:/69VSREN
出発の点呼は続く。 次いで、ノイジーの名が呼ばれた。 しかし、ノイジーは何の反応も示さない。 あの時からずっと、SHUSEの手を握ったままだ。 「ノイジー、早くしろ!コノヤロウ!このままだと、プログラムの進行を阻害するものとして、 お前を排除するぞ!コノヤロウ!」 キリトから最後通告が発せられた。 それに反応するように、ようやくノイジーが動き出す。 ノイジーの手から、SHUSEの手が離れた。 「SHUSE……じゃあな、行って来る。待ってろよ……」 ノイジーは俯いたまま、返り血を拭う事もせず、ゆっくりと立ち上がる。 そして、会場の出口ではなく、キリトの居るステージへと向かった。 数秒後―― パシッ、 ノイジーの平手打ちが、キリトのあごを捉えた。 兵士達が一斉にノイジーに向け銃を構えるが、キリトがそれを制止する。 キリトは叩かれたあごを押さえつつ、じっとノイジーを見た。 ノイジーの瞳は、さっきまでの無気力さが消え、怒りに満ちていた。 「絶対に……絶対に、許さねえぞ!」 ノイジーはそう言い放つと、足早に出口へと向かう。
20 :
Nana :01/12/22 15:52 ID:lqKKQkVH
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ( ´・ω・) < 二度寝して気付いたら夜だったよ、ショボーン。 (つ旦と) \_______ と_)_)
21 :
バトル開始 :01/12/22 15:52 ID:/69VSREN
意外なことに、キリトはノイジーを咎める事もせず、ただじっとノイジーの様子を見ていた。 出口へ向かう途中、再びシートが被せられたヨシキの死体の前で、ノイジーは足を止める。 ヨシキはノイジーにとって尊敬する先輩であった。 この短い時間の間に、自分の好きな人が相次いで去って行く。 しかも、明らかに『見せしめ』として殺された…… 具体的な策がある訳ではなかった。 しかし、ノイジーの心の中には、キリトに対する復讐心が沸々と湧き上がっていた。 「ヨシキさん……幸也さんを、守ってあげてくれ」 ノイジーはそう呟くと、デイパック受け取って教室を去って行った。
22 :
バトル開始 :01/12/22 15:59 ID:/69VSREN
その後の出発は順調だった。 順調といっても、”竜太朗やノイジーと比べたら”というレベルではあったが。 目眩を起こして倒れていたカリガリの青は、歩くことがやっとだった。 藤田幸也も、真矢に促され、力無く会場を後にする。 その真矢も、左足を微妙に気にしながら、出発して行った。 一人、また一人と、会場から参加者が消えて行く。 そして、ガクトの番がやって来た。 勿論、行きたくなんかない。 しかし、この場で抵抗しても無駄なのは判っている。 (行くしか、ないんだな……) 名前を呼ばれ、立ち上がろうとするガクト。 と、そのガクトの右腕を、ヒデキが掴んだ。 「ガクト……大丈夫だよな。みんな、人を殺したりなんか、しないよな……」 ヒデキの顔は蒼ざめ、恐怖と不安に震えている。 「ヒデキ……大丈夫だよ」 ガクトは優しく語り掛けた。 怖がりなヒデキの心を、少しでも落ち着かせなければ…… 「みんな大丈夫。そんな簡単に、人を殺すことなんて――」 ガクトがそう言い始めた瞬間だった。
23 :
バトル開始 :01/12/22 16:02 ID:/69VSREN
パンッ、パンッ、パンッ、 乾いた銃声が、外から聞こえてきた。 残っていた全員が、ビクッ、と肩を震わせる。 誰もが信じられなかった。 (まさか、本当に「やる気」になっている奴がいるの!?) 「嫌だー……こんなの、嫌だーーー!!」 ヒデキは耳を塞ぎ、激しく首を横に振る。 ガクトの言葉に、わずかでも希望を持とうとした矢先の銃声。 容赦ない現実が、ヒデキの希望を一瞬にして打ち砕いていった。 「ヒデキ……正面ゲートで待ってるから!」 ガクトはそう言い残すと、デイパックを受け取り、会場を出た。 恐怖に震えるヒデキを、このまま放っておくことなど出来ない。 だからといって、迂闊に外で待ち合わせるのは危険だ。 さっきの銃声は、入り口の辺りから聞こえてきた。 標的にされる可能性が高すぎる。 次に出発するのは、ヒデキ。 武道館入り口付近の控室辺りで待っていれば、安全かつ迅速にヒデキと合流出来る筈。 靴だけ取りに行って、裏口から出よう…… ガクトはそう考えた。 しかし、それが悲劇の始まりだとは、この時、ガクトは知る由も無かった。
24 :
nana :01/12/22 16:05 ID:irxH9g/L
なんで1人でやってんの?
25 :
バトル開始 :01/12/22 16:05 ID:/69VSREN
正面ゲートに、人の気配は感じられなかった。 武道館の入り口までの十数メートルの間にも、動くものは見当たらない。 ガクトは慎重に周囲を警戒しつつ、入り口に一番近い自分とヒデキの控室へ向かった。 今自分たちが履いていた靴は、普通のものではなくてステージ専用であった。 まずヒデキの靴を回収し、次いで自分の靴を回収すべく、下駄箱へ。 だが、自分の靴に手を伸ばした時、ヒデキはふと思った。 そうだ。 何故わざわざ、靴を取りにここへ来たのだろう。 今は非常時だ。 小学校の防災訓練の時だって、上履きのまま外へ出るのが当り前の筈。 悠長に靴を履き替えて逃げる人なんて、居やしない。 一刻を争うというのに、どうして、こんなことを……
26 :
バトル開始 :01/12/22 16:07 ID:/69VSREN
>24 あ・・・やめたほうがいいですかね?スミマセン・・・
27 :
Nana :01/12/22 16:07 ID:cOZhDaDR
面白い。続きが気になっちゃう。頑張って!
28 :
nana :01/12/22 16:08 ID:irxH9g/L
>26 違う違う。ごめんよ。私もネタできたら参加するよ。 読んでて楽しいから頑張って。
29 :
Nana :01/12/22 16:09 ID:cOZhDaDR
全部もうストーリーは完成しているの?どのくらい長いの?
30 :
バトル開始 続き :01/12/22 16:10 ID:/69VSREN
危機感の欠如 それは、参加者の誰もが同じだった。 火事や地震と違い、殺し合いという状況に備えている人間などいない。 しかも、今まで出発した参加者には、主催者であるキリト以外への殺意は、感じられなかった。 誰も人を殺すなんて、出来やしない。 とりあえず外へ出れば、何とかなるだろう。そう思っていた。 だが、そんな淡い期待は、さっきの銃声によって打ち消された。 信じたくは無いが、既に殺し合いは始まっている。
31 :
Nana :01/12/22 16:10 ID:yKLligWG
面白いのでこのまま続けてYO!
最初はこのスレの行方が不安だったけど、 進むうちに進行が楽しくなってきたので見守っています。
33 :
バトル開始 :01/12/22 16:11 ID:/69VSREN
とにかく、ここまで来てしまった以上、早く靴を取って戻ろう―― ガクトは心の中でそう呟くと、控室内の下駄箱から自分の靴を取り出した。 その時だった。 カチッ、という金属音とともに、何かが引っ掛かる感触が伝わって来る。 靴や下駄箱の構造上、引っ掛かる物があるとは思えない。 嫌な予感がした。 暗がりの中、ガクトは下駄箱の中を覗き込む。 そこには、ガムテープで固定された丸い物体が、一つ。 そして靴には針金が巻かれ、その先にはピンを思わせる金属部品が結び付けられていた。 ――手榴弾だ! しかも、靴を取り出したことにより、ピンは外れている。 仕掛けた人物を詮索する時間など無い。 ガクトは全速力で、その場から立ち去るべく走り出した。 だが、運命は脱出を簡単に許してはくれない。 走り出したスガの眼前に、突然、人影が現れた。
今日学校で見たところだから場面が眼に浮かぶ なんか微妙だ(爆
35 :
バトル開始 :01/12/22 16:15 ID:/69VSREN
肩がぶつかった。 足がもつれ、ガクトは廊下へと倒れ込む。 バッグと靴が、勢い良く床を転がって行った。 ……誰だ!? ガクトは下駄箱の方向へと振り返る。 そこには、虚ろな目をした一人のバンドマンが、ぼんやりと立ち尽くしていた。 イルミナのナオだ。 今のナオには、普段の感じが微塵も感じられない。 当然だ。 今は殺人ゲームの真っ只中なのだから。 ……だが、それ以上に、今のナオの様子がおかしい。 彼は腹部を手で押さえている。 そしてその手は、赤黒い血液に濡れていた。 「ガクト……俺、撃たれちゃったよ。どうしよう……」 ナオは、声を絞り出すようにして、語り掛ける。 その声は震え、息も荒い。 どんな素人が見ても、致命傷を負っている事は明白だった。 (どうしよう、って……) ガクトは答えられなかった。答えられる筈もなかった。 手榴弾を発見し、そして傷付いたナオと遭遇するまで、ほんの数秒間。 突然すぎる恐怖と衝撃の連続に、ガクトの思考回路はパニックに陥っていた。
36 :
バトル開始 :01/12/22 16:17 ID:/69VSREN
「……逃げろっっ!!」 ガクトは咄嗟に叫んだ。 そう、手榴弾のピンを引いてしまっている。 もう時間が無いのだ。 一刻も早く、ここから離れなければ―― そう思い、ガクトは体を起こそうとした。 その瞬間だった。 大音響とともに、ナオの背後の下駄箱が吹き飛んだ。 強力な爆風とともに、埃や破片が彼ら達に降り注ぐ。 そして、その中でもひときわ大きな金属片が、ナオの後頭部に突き刺さった。 「ぐっ」と、ナオは小さなうめき声をあげる。 それが、彼の最期の言葉だった。 倒れ込み、動かなくなったナオの体が、みるみる血だまりに沈んでゆく。 ガクトは震えながら、その血だまりが広がってゆくのをじっと見つめていた。 そうする事しか、出来なかった。
37 :
バトル開始 :01/12/22 16:19 ID:/69VSREN
(俺の……せい?) (俺が、不用意に靴を取りに来たから?) (俺が、手榴弾のピンを抜いてしまったから?) (だから……ナオは死んでしまったのか?) ガクトの心の中に、自責の念が渦を巻く。 あの爆発以前に、既にナオは致命傷を受けていた。 自分が何もしなくても、彼は助からなかっただろう。 しかし、直接の死因は、あの爆発にある。 防ぐ事が可能だった筈の、あの爆発。 人を殺した 人を殺した 人を殺した 同じ言葉が、何度も何度もガクトの頭を駆け巡る。 「違う!あれは……あれは……」 ガクトは頭を抱えて、泣き叫んだ。 気が変になりそうだった。 「ガクト、しっかりしろ!」 その時、ヒデキの声がした。
38 :
nana :01/12/22 16:21 ID:irxH9g/L
秋也大好き!でも桐山も大好き
39 :
バトル開始 :01/12/22 16:21 ID:/69VSREN
ハッとして、顔を上げるガクト。 いつしか、ガクトの傍らにはヒデキが寄り添っていた。 「ヒデキ……」 「ガクト……落ち着こうよ。事故だったんだろ?ナオくんには悪いけど……運が、悪かったとしか……」 と、ここでガクトは今の状況に気付いた。 自分は今、ヒデキに慰めてもらっている。 武道館内の時とは、全く逆の立場になっているのだ。 (そうか……俺、強がっていただけなんだ……) 必要以上に張りつめていたものが、段々と緩くなってゆくのを感じた。 緊迫した状況に変わりは無いが、ガクトは少しずつ、冷静さを取り戻してゆく。 「ヒデキ……ありがとう」 ガクトは靴を天山に渡すと、自分も靴を履き替え、バッグを拾い上げた。 あと30分弱で、ここは立入禁止エリアになってしまう。 早くここから立ち去らなければ…… しかし、ここでまた新たな訪問者がやって来た。 「おいおい?何の騒ぎだ、これは……」
40 :
バトル開始 :01/12/22 16:28 ID:/69VSREN
そこに現れたのは、かげろうの大佑だった。 大佑は何故か、バッグ以外の荷物を沢山抱えている。 「大佑さん……どうしたんです?その荷物」 ガクトは目を丸くした。 確かに、私物の持参は自由というルールだ。 しかし、会場を出た時の大佑は、バッグ以外の物は持っていなかった。 「ああ、これ?ちょっと自分の控え室へ寄って、取って来たんだよ」 倉庫から取って来た荷物―― その中には、マイクやブリキのチャンピオンベルトなど、持てる限りのガラクタが詰まっていた。 大佑は苦笑する。 「どうせなら、最後は自分の好きな事、やりたいしな……」 最後は―― とてつもなく、重い言葉だった。 大佑に戦う意思が無いのは明白だが、この言葉は、 彼が生き残る事を放棄するとも取れるものだった。 「大佑さん……あなた、生き残りたくないんですか?『真のミュージシャン』になりたいと、思わないんですか?」 ガクトが問いただす。 しかし、大佑の回答は実にあっさりしていた。
41 :
バトル開始 :01/12/22 16:30 ID:/69VSREN
「まぁ、これに参加してる以上、気持ちが無い訳じゃない。 でも、人殺しをしてまで、強くなってもな。後味悪いだろ。そんなとこさ。 」 「でもな……」 大佑はそう言うと、ナオの亡骸に近付き、その体からバッグを引き剥がした。 「やっぱり無駄死にはいやだな。それに……」 そして大佑は、ポケットから拳銃を出し、構えた。 「むやみに人を信じたら、負けだぜ!」
42 :
バトル開始 :01/12/22 16:33 ID:/69VSREN
それは一瞬の出来事だった。 数発の銃弾が、ヒデキの体を貫いてゆく。 ヒデキは、痛みを感じるより早く、着弾の衝撃によって床へと倒れこんだ。 「――ヒデキ!!」 ガクトは信じられなかった。 少なくとも、話していた時の大佑の雰囲気からは、この状況は予測出来なかった。 だが、これは現実だ。 現にヒデキは、大佑の放った銃弾を受け、血にまみれている。 次いで大佑は、ガクトにも銃口を向けた。 手を伸ばせば届く程の至近距離だ。 外すことは有り得ない。 ガクトは咄嗟に、自分のバッグを大佑の手めがけて振り回した。 大佑の手からグロックが弾かれ、床を転がってゆく。 その隙に、ガクトは倒れたヒデキの手を引いて、物陰へと隠れた。 「ヒデキ!しっかりしろ!」 ガクトは、苦痛に喘ぐ中居に呼び掛けながら、バッグの中の武器を探す。 大佑は銃を拾い、再び攻撃して来る筈だ。 時間稼ぎで構わない。大佑を足止め出来る武器を……ガクトは祈った。 大佑は廊下の端まで転がった銃を拾い上げると、ガクトたちが隠れた物陰へと歩を進ませる。
43 :
バトル開始 :01/12/22 16:36 ID:/69VSREN
そして銃撃が始まった。 控室の中で身構えているガクトと、廊下の角から銃を打ち鳴らす大佑。 ガクトは銃撃の恐怖に震えながら、手にした武器を天井へと掲げた。 パンッ!パンッ!パンッ! 自分の物とは違う銃声に、大佑は素早く身を隠した。 5、6メートルほどの廊下の間を双方が対峙する。 大佑がガクトの出方を警戒している一方、ガクトの心は更に不安を増していた。 どうにか大佑を牽制する事は出来たが、それとて一時的なもの。 どうすれば……どうすればいい? ガクトの手中にあるパーティー用のクラッカーは、ほんの少しだけ、熱かった。
44 :
バトル開始 :01/12/22 16:38 ID:/69VSREN
「大佑さん、どうして!?どうしてヒデキを撃ったんだ!?人を殺したくないって言ったじゃないですか!」 ガクトは大佑に呼び掛ける。 時間稼ぎをしたいという思惑もあった。 だが、大佑の行動に、どうしても納得がいかなかった。 理由を聞きたかった。 「死にたくないから、やっただけだ。……ナオを殺したんだろ!? あいつを殺したお前達を、信用できるわけがないだろ!」 大佑は強い調子で言い返した。 誤解している。 「違う!ナオくんを撃ったのは俺達じゃない!それに、あの爆発も偶然……偶然だったんだよ。信じろ!」 だが、大佑はガクトの弁明に耳を貸す事はしなかった。 「言い訳なんか聞きたくない。理由はそれで充分だろ……」 大佑が動き出した。 一歩ずつ、足音が近付いて来る。
45 :
バトル開始 :01/12/22 16:40 ID:/69VSREN
ガクトは、急いでヒデキのバッグを探り始めた。 もうクラッカーでは誤魔化せない。 今度こそ、武器らしい物が入っていますように……ガクトは祈った。 だが、祈りは届かなかった。 ガクトが手にした武器――それは透明プラスチックで成型された水鉄砲だった。 勝負にならない。 段々と大佑の足音が近付くなか、ガクトは今度こそ死を覚悟した。 ここでヒデキと一緒に殺される。 嫌だ。嫌だけど…… ガクトは生き残る事を諦めかけてゆく。 しかしその時、意外な声が玄関に響き渡った。 「お前達!道場内での戦闘は止めろ!コノヤロウ!」
46 :
バトル開始 :01/12/22 16:42 ID:/69VSREN
いつしか、玄関付近はキリトと兵士達によって包囲されていた。 「まったく、困った野郎どもだ……ここには大会本部が設置されている。 これ以上戦闘を続けた場合、プログラムの進行を著しく妨害したものとして……」 そしてキリトは、『あの』リモコンをポケットから取り出し、掲げる。 思わぬ水入りだった。 大佑は悔しそうに唇を噛む。 そしてガクトは、ほっと胸を撫で下ろした。 とりあえず、差し迫っていた危機は回避出来た。 しかし、決してプログラムから解放されたわけではない。 撃たれたヒデキの状況も、予断を許さない。 ――と、ここでガクトはヒデキの異変に気付いた。 さっきまでの苦しそうな息遣いが聴こえない。 何事も無く、静かに眠っている様に見える。 いや、ヒデキは寝息さえ立てていなかった。 「……ヒデキ?」 嫌な予感がした。 ガクトは慌ててヒデキの手を掴み、脈を測ろうとする。 ……もう、ヒデキの鼓動を感じることは出来なかった。 (うそ……嘘だろ?ヒデキ……)
47 :
バトル開始 :01/12/22 16:45 ID:/69VSREN
ガクトの胸に、悔しさと怒りがこみ上げてくる。 「こんな、こんなことって……法律だからって……こんなのおかしいぃ!理不尽だぁ!」 ガクトの嗚咽が玄関中に響き、やがて廊下や階段へと伝わって行く。 その声を聴きながら、大佑は荷物を抱え、出口へと歩き始めた。 そしてその途中、一人の男とすれ違う。 最後に出発した参加者、デュールクォーツの雅だ。 彼がちょうど階段を下りたその瞬間から、この銃撃戦は始まっていた。 そして雅はその一部始終を、身を隠しながら、じっと見ていた。 大佑がここでは攻撃しない(出来ない)事は判っていた。 だがそれでも、大佑が近付く度に、足が勝手に一歩、二歩と後ずさりを始めてしまう。 大佑は雅とすれ違うと、ふと立ち止まり、振り返ってじっと雅の顔を見た。 「フッまたな……」 大佑は寂しげな顔でそう呟くと、裏口へと駆け出して行く。 雅は、ただじっと大佑を見送る事しか出来なかった。 哀しい泣き声が、いつまでも響いていた。
48 :
バトル開始 :01/12/22 16:48 ID:/69VSREN
「ヨシキさん……俺、俺、……」 公園のベンチで、幸也は震えていた。 その震える手には、拳銃が握られている。 幸也は出発した直後、武道館近くの茂みに身を隠していた。 立入禁止エリアになるギリギリの時間まで、ヨシキの近くに居たかったのだ。 一人、また一人と、参加者が 会場を出て行く。 この場に留まっていられる時間が、どんどん少なくなって行く。 幸也は怖かった。 武道館より先の世界に出ることが、たまらなく怖かった。 (殺される。誰かに会ったら、殺される。だから守らなくちゃな。この銃で、自分を守らないと……) 支給された銃を握って、幸也はこの言葉を何度も何度も繰り返す。 その時だった。
49 :
バトル開始 :01/12/22 16:50 ID:/69VSREN
「あ、幸也さんじゃないですか!どうしたんですか?」 幸也は素早く反応する。 (見つかった!?) 幸也は声のした方向へと向き直り、銃を構えると、引き金に力を込めた。 そこで初めて、声の主がイルミナのナオである事を知る。 しかし、ナオは幸也に危害を加える素振りを見せなかった。 いつもの様に、むっつりしていた。 (――撃っちゃダメだ!) 幸也は瞬時にそう思った。だが、引き金を引く指の動きは止まらなかった。 そして……
50 :
バトル開始 :01/12/22 16:51 ID:/69VSREN
幸也は茂みから飛び出したあと、無我夢中で道路を走り回り、この公園へと辿り着いた。 だが、どんなに走り回って気持ちを紛らわせても、 ナオに発砲した時の映像が、頭の中で何度も何度もリフレインする。 「ヨシキさん……俺、人を殺しちゃったよ……どうしよう……」 もはや幸也は、俯くことしか出来なくなっていた。 と、その時―― 誰かがやって来て、幸也に声を掛けた。 「大丈夫!幸也さん?」
51 :
バトル開始 :01/12/22 16:56 ID:/69VSREN
声を掛けたのは、ジャンヌダルクのヤスだった。 「ヨシキさんの事は、気の毒だったけど……まあ、元気、出しましょう」 ヤスはそう言うと、幸也の隣に腰を降ろした。 「ヤス……」 幸也は銃を構えなかった。構えられなかった。 ナオの二の舞いは避けたかったし、 優しく接してくれる人に、銃は向けられなかった。 幸也はそっと、銃をバッグにしまい込んだ。 ヤスはボサボサになっている頭をなでながら、幸也に話し掛ける。 「ひとつ、聞いていいですか?幸也さんも『真のミュージシャン』になれたらいいなって思っています?」 幸也の答えは、一つしか無かった。 「そうだなぁ。。。やっぱり…出来ればそういうのになりたいな!」 幸也は頬を赤らめる。 ヤスは手を頭から外すと、今度は少し生え際が目立っている髭をいじりながら、つぶやいた。 「フッ!でも幸也さんじゃいくら頑張ってもデビューすらもできないからね…」 (――え?) 意外な返答に幸也は驚いた。 そしてヤスは、幸也と目を合わせる事無く、淡々と話し続ける。 「キリトが、コータと話しているのを、聞いたことがあります。 ”幸也ってほんとにどうしようもないな”って、笑いながら話していましたよ」 あまりに痛烈なヤスの言葉に、幸也は言葉を失った。 (うそ……ヤス、何を言ってるんだ?嘘だろ!?)
52 :
バトル開始 :01/12/22 16:58 ID:/69VSREN
「幸也さんは、ファンに”天才”って言って貰った事、ありますか?」 そう言うと、ヤスは自分の膝をパンパン叩き出した。 「昔はいくらでも売れたんだ、インディーの頃は。 音楽のクオリティーは以前にも増してるはずなのに世間は『昔の方が…』だなんてほざきやがる。 でもやっぱり今でも俺の事”天才”って言ってくれるファンがいる……」 淡々と語るヤスの姿に、幸也は絶望した。 慰めてくれると思っていたのに、どうして…… しかし、ヤスの辛辣な言葉は止まらない。 「幸也さん、あんたに期待しているファンなんていないんですよ。年だし! このプログラムに勝ち残る意味なんて、無いんですよ……」 決定的な一言だった。
53 :
バトル開始 :01/12/22 17:00 ID:/69VSREN
決定的な一言だった。 「ヤス……どうして、そんなひどいこと言うんだ!?」 幸也は泣きながら訴えた。 だが、ヤスはそれを軽く受け流す。 「事実だからですよ。」 ヤスは幸也の目をじっと見て、静かに微笑んだ。 口元が、すぅっ、と上にあがる。 「俺、決めたんですよ。俺のファンの為に生き残るって……」 その瞬間、幸也は言い知れぬ恐怖感を覚えた。 体中の血の気が、一瞬にして引いて行くのを感じる。 「やめろぉおおおおおおおおーーーー!!」 幸也の絶叫が、夜の公園に響く。 ザシュッ!
54 :
バトル開始 :01/12/22 17:01 ID:/69VSREN
ヤスが隠し持っていたサバイバルナイフが、幸也の喉元を掻き切った。 血飛沫を上げながら、幸也の体が地面へと崩れ落ちて行く。 ヤスはナイフから滴り落ちる血を見つめながら、呟いた。 「幸也さん、ヨシキさんの所にいけたね…!」
55 :
バトル開始 :01/12/22 17:03 ID:/69VSREN
「ガクトさん……ここで、別れよう……」 東の空が明るくなり始めた頃、雅が呟いた。 俯きながら力無く歩いていたガクトが、顔を上げる。 ヒデキが息を引き取った後、ガクトはその場を動こうとしなかった。 ヒデキが死んだなんて、信じられなかった。 しかし、退去命令のタイムリミットは刻々と迫って来る。 雅は、ヒデキの傍を離れたがらないガクトを何とか説き伏せ、場外へと連れ出した。 無駄に死人が増えるのだけは、嫌だったから。
56 :
バトル開始 :01/12/22 17:05 ID:/69VSREN
「ガクトさん……俺、分からないんです……」 雅は目を伏せながら、話し始めた。 「ガクトさんのこと、放っておけなくて、連れ出したけど…… でも本当は、迷ってるんです。プログラムに乗るべきなのか、抵抗するべきなのか……」 雅の唇が、微かに震えはじめる。 「勿論、人殺しなんてしたくない。でも、誰かに殺されるのも嫌だ…… 生き残る選択肢が一つしか無いのなら、それに乗るのも、仕方ないのかな、って……」 二人の周囲を、霧が覆いはじめた。 少し肌寒い空気の中、互いの目を見つめる二人。 沈黙の時間が、流れて行く。 「……ガクトさんみたいな素晴らしい人が近くにいたら、俺、冷静に今を判断出来ないんです。 答えを出せないまま、感情に流されるまま……あなたを殺してしまうかもしれない。だから……」 そして雅は、銃を構えた。 サイレンサーを装備したベレッタM1934コマーシャルが、ガクトの顔に向けられる。 「だから、ここで別れよう……俺の気が変わらないうちに、行ってください」
57 :
バトル開始 :01/12/22 17:07 ID:/69VSREN
「雅くん……」 ガクトは動揺しつつも、雅を諭そうと、言葉を続けようとした。 しかし次の瞬間、雅の放った銃弾が、ガクトの頬の数センチ先をかすめて行く。 ガクトの髪が数本、空中に散った。 「お願いです、行ってくれ!俺は……ヒデキくんの代わりには、なれないんだから……」 それを聞いて、ガクトは言葉を続けられなかった。 (そうだ。独りになるのが、怖かったんだ……) ガクトの脳裏に、プログラム開始時からの記憶が蘇る。 プログラムが始まってから、ずっと傍にはヒデキがいた。 そしてヒデキの存在が消えた瞬間、独りになるのが不安で、何も出来ない自分がいた。 雅に付いて行ったのも、タイムリミットが怖かったからじゃない
58 :
バトル開始 :01/12/22 17:09 ID:/69VSREN
無意識のうちに雅に負担を掛けていた事に気付き、ガクトは自分の不甲斐無さを嘆いた。 「わかった……辛い思いをさせてしまって、ごめん……」 ガクトはそう言うと、スッ、と踵を返す。 「でも、出来るなら……」 雅に背を向けながら、ガクトは語り掛けた。 「人は殺さないでくれ。そして……決して希望は捨てないでくれ。お願いだから……」 それは雅に対してだけでなく、自分自身にも言い聞かせる為の言葉だった。 「……努力します」 雅は消え入りそうな声で返事をする。 頭では解っていたが、それを実行出来る自信は、今の彼には無かった。 「それじゃ……元気でな」 その言葉を残し、ガクトは霧の中へと駆け出して行く。 そしてガクトの姿が見えなくなると同時に、雅はその場に座り込んだ。 「何やってるんだろう、俺……自分から立ち去れば、それで済んだのに……」 銃を持った雅の指先は、ずっと震えたままだった。 霧は益々、その深さを増して行った。
59 :
バトル開始 :01/12/22 17:15 ID:/69VSREN
朝霧の中、スポーツウェアに身を包み、ジュラのユーキは走っていた。 どんな非常時といえど、毎朝のジョギングを欠かす事は出来なかった。 いや、そうしなければ、落ち着かなかった。 誰かを殺すか、誰かに殺されるか…… 嫌な選択肢しか残されていない現状を、忘れたかった。 ユーキは出来る限り、プログラムの事を忘れようと懸命だった。 しかし公園に入った時、ユーキは現実に引き戻される。 濃い霧の先に、誰かが立っている…… ユーキは走るのを止め、警戒しつつ、霧中の人物に声を掛けた。 「誰だ?そこに居るのは……返事をしろ!」 そして数秒後、聞き慣れた声で返事が帰って来る。 「いい朝だな・・・ユーキ君!」 サッズの清春の声だ。
60 :
バトル開始 :01/12/22 17:17 ID:/69VSREN
親しい知人の声に安心したユーキは、警戒を解き、清春に近付いて行く。 「無事だったんだ、清春さん……怪我はしてないか?大丈夫?」 「まあな。一応、生き延びてる」 普段通りの明るい声で、清春は答えた。 (良かった……元気そうだ) ユーキは、心が許せる人と再会出来る喜びを噛み締めていた。 たった数時間しか離れていないのに、数週間振りに会うような感覚。 緊張していた心を、ようやく落ち着ける事が出来る……そう思っていた。 だが、清春にあと2〜3メートルまで近付いたその時、ユーキは自分の目を疑った。 霧の中から現れた清春は、ユーキに銃口を向けている。 「悪く思うなよ、ユーキ」 そうつぶやく清春の表情は、冷静だった。 「――どういうつもりだ!?清春さん……」 ユーキは動揺を隠し切れない。 しかし、清春はあくまで冷静に、言葉を続ける。 「動かないでくれ……弾が外れるから」
61 :
バトル開始 :01/12/22 17:21 ID:/69VSREN
「本気……なのか?」 ユーキは信じられなかった。 清春が自分に銃を向けるなんて、嘘だ。こんなの嘘だ…… しかし、清春は銃を下ろさない。 「ああ本気だ。友達だからこそ、俺はお前を撃つ……」 「どういう事だよ、それは――」 と、ユーキが言いかけた所で、何処からとも無く大音量で音楽が流れて来た。 ピエロの『ハルカ・・・』だ。 そしてそれに続いて、キリトの声が聴こえて来る。 「元気ですかーー!朝6時になった。それではこれより、 現在までに脱落した参加者の名前を発表しよう。よく聞いておくようにな」 それは、6時間毎に流される定例放送だった。 二人は動きを止めたまま、その放送に聞き入る。 「これまでに脱落したのは、ラクリマのSHUSE、イルミナのナオ。 シャムシェイドのヒデキ。そして、藤田幸也……以上4名だ。 お前ら、頑張れ。また6時間後に会おう!ダーーーーー!」 『ハルカ・・・』が、フェードアウトしてゆく。 そしてユーキは、その放送内容に愕然とした。 「もう……もう4人も死んだっていうのか!?」
62 :
バトル開始 :01/12/22 17:23 ID:/69VSREN
「そうだな。もう殺し合いは避けられない。 お前もいつ、誰に殺されるかわからない…。 ……お前が他の誰かに無惨に殺されるのは、嫌なんだよ。 だから、親友として、俺はお前を楽に死なせる義務がある……」 清春の言葉に同意出来る筈はなかった。 しかし、銃口は自分に向けられている。 このまま死ぬのは嫌だ……ユーキはそう思った。 ユーキはフッ、と溜め息をつくと、挑戦的な目つきで清春を見て、言った。 「……で、俺の都合はお構いなし、ってわけか?」
63 :
バトル開始 :01/12/22 17:24 ID:/69VSREN
「そりゃあサッズの清春が殺してくれるなら、少しはドラマチックかもしれない。 でもな……俺だって、死にたくないんだ。それに……」 ユーキはそう言うと、背中のバッグから日本刀を抜いた。 「どうせなら、正々堂々と勝負しようじゃないか。 いきなり銃を構えて現れるなんて、ずるいぜ……」 ユーキの目に、迷いは無かった。 (ただ黙って殺されるくらいなら、俺は闘う事を選ぶ。 たとえ相手が、清春さんであろうとも……後悔はしない!) 清春は、そんなユーキの姿を見て、微笑んだ。 「……ユーキらしい答えだな。オーケー、じゃ、始めようか!」 ユーキは汗ばむ両手を気にしながら、刀を構え直す。 「やるからには、全力でいくからな……」 「もちろんだ。ユーキ!行くぞ!・・・」 パンッ、パンッ、パンッ。
64 :
バトル開始 :01/12/22 17:26 ID:/69VSREN
銃声が、公園の鳩の群れを飛ばした。 真矢が、驚いて空を見上げる。 銃声は、断続的に鳴り響いていた。 「また、誰かが戦ってる……どうすればいいんだ?なあ、幸也さん……」 真矢はそう呟きながら、幸也の遺体の血を拭っていた。 通りがかりに偶然見つけた幸也の体を、そのまま放置しておく事が出来なかった。 地面からベンチへとその体を移し、丁寧に両手を組ませる。 首の傷口さえ見なければ、それは本当に眠っているようにも見えた。 真矢は、離れ離れになった親友の事を思う。 「竜太朗……大丈夫かな?それに、ヤスくんも…… 早くヤスくんと合流出来れば、良いんだけどな……」 幸也殺しの張本人がヤスである事を、真矢は知る由もなかった。
65 :
バトル開始 :01/12/22 17:29 ID:/69VSREN
「やっぱり、無茶だったかな……」 木陰で、ユーキがつぶやいた。 戦闘開始の合図とともに、ユーキは並木道の方向へとダッシュした。 銃が相手では、日本刀といえど勝ち目は無い。 しかし、この濃霧を味方に付ければ、まだ勝算はある。 清春の放つ銃弾を辛うじて避けながら、ユーキは街路樹の陰で機会を窺っていた。 霧の中から、清春の影が近付いて来る。 こちらから打って出るには、弾切れの瞬間を待つしかない。 危険な賭けだ。 だが、それしか手段は思い浮かばない。 ユーキは意を決して、木陰から飛び出した。 「さあ、当ててみな!」 清春が少しぼやけて見える位置で、ユーキは叫んだ。 多少距離があるとはいっても、充分射程距離内だ。 清春はユーキに向け、数発連射する。 しかし、霧で視界が悪いのに加え、ユーキはあっという間に別の木陰へと移動してしまう。 「ユーキ!正々堂々と闘うんだろ?コソコソ隠れて鬼ごっこだなんて、お前らしくないぞ!」 少し不機嫌そうな口調で、清春が呼び掛ける。
66 :
バトル開始 :01/12/22 17:32 ID:/69VSREN
しかし、ユーキは動じない。 「正面で一騎打ちをする事が、全てじゃないぜ。 武器の性能差を考えた上で、ベストな戦法だと思うけどな……」 ユーキはそう言うと、清春との距離を確認しつつ、もう一度、木陰から飛び出した。 (そろそろ弾が切れてもいい頃だ。チャンスは逃すな!) 自分にそう言い聞かせ、ユーキは数本先の並木へとダッシュする。 しかし、回避出来ると思っていた弾の一発が、ユーキの左肩を捉えた。 「くっ!!」 どうにか木陰には辿り着いたものの、かつて経験した事の無い痛みが、全身を襲う。 左手が流血で染まり、握力がみるみる落ちて行く。 ユーキは肩口をスポーツタオルでギュッと縛り、一応の止血を施した。 しかし、血は止まりそうに無い。 「そろそろ……勝負時かな……」
67 :
バトル開始 :01/12/22 17:34 ID:/69VSREN
清春の足音が近付いて来る。 もはや、弾切れを待っている余裕など無い。 ほんの一瞬でいい。清春の動きを封じる事さえ出来れば……ユーキは思考を巡らせる。 そして、ユーキは背中のバッグを下ろした。 陰からそっと顔を出し、つ清春との距離を見る。 (――届く!) ユーキは心の中でそう叫ぶと、バッグを清春の真正面へ向けて投げつけた。 清春の目線に、突然、バッグが飛び込んで来る。 反射的に銃を構え、清春はそのバッグに銃弾を撃ち込んでゆく。 空中でバッグが二度、三度と踊った。 そして、踊り疲れたバッグが引力に引かれ始めたその瞬間―― バッグが作った死角から、ユーキが一気に飛び込んで来る。 バッグに気を取られていた清春は、予想外の進撃に反応出来ない。 ユーキは低位置から清春の懐に入り込むと、刃を180度返し、 渾身の力を込めてそれを拳銃に叩き込んだ。 「とぉりゃあああああっ!!!」 ガキィィィン!!
68 :
Nana :01/12/22 17:35 ID:Ksogbjlq
/69VSREN 頑張れ!
69 :
バトル開始 :01/12/22 17:36 ID:/69VSREN
金属音と共に、清春の拳銃が宙を舞い、繁みの中へと落ちて行く。 激痛に近い手の痺れに、清春は思わず顔を歪めた。 (……銃を弾かれた……) そんな自戒の言葉が、清春の脳裏をかすめる。 だが、状況はそんな反省の時間も与えてはくれない。 ユーキは間髪を入れず、清春に斬りかかって来る。 清春は辛うじて、ユーキの斬撃を避け続けた。 しかし超速の刃は、清春の頬や服を、何度も薄く切り裂いてゆく。 そして、路上の小石が清春の足元をすくった。 (嘘だろ!?ここで、もう終わりなのか?……) 自分の体が宙を舞った瞬間、清春は自分の周囲がスローモーションになってゆくのを感じた。 そして、尻餅をついて倒れた清春の顔面に、鋭い切っ先が突き付けられる。 ユーキは、真剣な眼差しで呟いた。 「さあ、これで終わりだ」
70 :
Nana :01/12/22 17:36 ID:cx1zfluQ
続きがんばって!リアルタイムで読んでます。 昨日WOWOWで見たばっかりだから頭の中にシーンが浮かぶYO!
71 :
バトル開始 :01/12/22 17:39 ID:/69VSREN
ユーキの勝ちは明白だった。 だが、ユーキはなかなかとどめを刺そうとしない。 「どうしたんだ……どうして殺さないんだ?」 清春が尋ねる。 「どうしてかな……覚悟を決めた筈なのに、まだ、怖いのかもな……」 さっきまで冷徹だったユーキの顔に、苦笑いが漏れる。 「……ユーキ、ひとつ聞いていいか?」 「何だ?」 「あの時、どうして逆刃で銃を叩いたんだ?右手ごと切り落とした方が、簡単なのに……」 清春は不満だった。 全力で闘うと言われながら、手を抜かれた……それが納得出来なかった。 「ああ、あれか……あくまでもサッズの清春の今後を考えたら、腕は切れないよ――」 清春は、ユーキの言葉が理解出来ない。 (どうしてだ?もうすぐ死ぬ人間に、どうして今後の心配なんてするんだ、ユーキ……) 「――だって、ギターが天国で出来なくなっちゃうだろ?だから……」 ユーキのその言葉が、清春の胸を締め付ける。 「ユーキ……お前は馬鹿だ。大馬鹿だよ……」 清春の頬が、涙でぬれる。 「そんな……余計な心配しなければ……死なずにすんだのに!」
72 :
バトル開始 :01/12/22 17:40 ID:/69VSREN
清春は左手で刀を払いのけると、右手でポケットから何かを取り出し、ユーキに押し当てた。 途端、ユーキの全身に凄まじい衝撃が走る。 刀が手から離れ、立っていられない程の脱力感が、全身を襲う。 「そうか、電気、か……」 意識が朦朧とする中、ユーキは清春の右手に握られた武器を見た。 それはスタンガンだった。 清春はもう一度、ユーキに電撃を仕掛ける。
73 :
Nana :01/12/22 17:43 ID:n/5ABU8U
続きが気になるYO! バトロワ見てないんだけどね(ワラ
74 :
バトル開始 :01/12/22 17:44 ID:/69VSREN
そして気付いた時、ユーキの眼前には、刀の切っ先と、それを構える清春の姿があった。 「形勢逆転だな、ユーキ……」 「ああ、そうみたいだな……」 ユーキは微笑んだ。そして次の瞬間、意外な言葉を口にした。 「なあ、清春さん……このまま、とどめを刺してくれないか?」 清春の手が、一瞬、震える。 「え?な、何言ってるんだよ。俺はそのつもりで、こうしているんじゃないか……今更、何を……」 「……そうだよな。殺し合い、だもんな」 「でも、どうしてだ……さっきは『俺だって、死にたくない』って言ってたくせに……」 清春の問いに、ユーkは淡々と答える。 「……もうこれ以上、このキャラを続けたくないんだ」 「キャラ?」 「そう。俺は今まで『音楽界のテロリスト』とか『Jポップの核弾頭』とか、色々と言われ続けてきた。 良い意味でも、悪い意味でも……露骨に嫌う人も、多かった。 メディア上のキャラって言えば、それまでだけど……偏見に満ちた目で俺を見る人は、 結構多かったんだ。 清春さんは知っているよな……俺の本当の性格…… もし万一、このプログラムで生き残ったとして…… やっぱり、俺を『人殺し』って言う人は、他のバンドマンより多いと思う。そういうキャラだからね。 ……これ以上、親に迷惑を掛けたくないんだ。だから……頼むよ」
75 :
バトル開始 :01/12/22 17:46 ID:/69VSREN
清春は動揺していた。 ユーキを殺す事が、自分の役目だと信じていた。 そしてユーキ本人も、それを希望している。 躊躇する理由など無い筈なのに、踏み出せない自分がそこに居る。 さっきは銃を撃つ事は出来たのに、どうして今は殺せないのか?…… 「清春さん……怖いんだね。きっとそれは、銃と刃物の違いだよ。 銃は所詮、弾の反動しか手元に返ってこない。でも刃物は違う。 相手の感触が直に伝わるから、命を奪う感覚が直に伝わるから……怖いんだ。それを解って欲しいんだ。 唯一、俺にやさしく接してくれた清春さんに生き残ってもらいたい、だから……」 ユーキはそう言うと、刀の切っ先を自分の喉元に当てた。 清春は俯き、大粒の涙をこぼす。 「……じゃあな、ユーキ……」 そして清春は、刀を握る手に力を込めた。 さっきには感じなかった嫌な感覚が、掌に伝わって来る。 路上に拡がる血溜まりを見ながら、清春は泣き崩れた。
76 :
バトル開始 :01/12/22 17:48 ID:/69VSREN
「なあ、SHHUSE……SHUSEの仇を討つには、どうすればいいんだ?」 駅の待合室でバッグの中身を確認しながら、ノイジーが呟く。 あの惨劇から数時間……ノイジーは当ても無く市内を彷徨っていた。 「絶対に許さないぞ!」と啖呵を切って出発したものの、何をしたら良いのかが全く分からない。 ただ、確実に言えるのは『途中で死んだらダメ』という事だけ。 既に此処へ来るまでに、何人もの死体を見てきた。 (あいつらの様には、なりたくない。途中で死んでしまったら、SHUSEの仇が討てない。 絶対に……絶対に生き残って、キリトをこの手で殺すんだ――) 例えようの無い強力な復讐心が、ノイジーを動かしていた。 ノイジーはパンやミネラルウォーターといった食料を確認すると、バッグから武器を取り出した。 『当たり』と言っても良いだろう。小型のマシンガン、マイクロウージー9ミリだ。 「ラッキーだ。これなら何とか生き残れそうだな」 ノイジーの顔に、安堵の笑みが漏れた。 添付されている簡単な説明書を見ながら、ノイジーは操作手順を確認する。 そして、弾倉を差し込もうとしたその時―― 形状が違う。 何度差し込もうとしても、はめ込みが上手くいかない。 ノイジーは慌てて予備の弾倉を取り出し、同様に差し込んでみる。 しかし、どれもマイクロウージーには一致しない。 「そんな……まさか、配給ミス!俺じゃ駄目なのか!?」
77 :
バトル開始 :01/12/22 17:50 ID:/69VSREN
さっきまでの安堵感が一瞬にして消え、ノイジーの心に焦りと不安が忍び寄る。 ――その時、ノイジーは弾倉の一つに挟み込まれた紙を見つけた。 何かが書かれている。 ノイジーはその紙を取り、開いて読み始める。 その文面は、ノイジーを絶望の淵に叩き込むものだった。 ☆とっかえだまシステム☆ このマシンガンの弾は、他の誰かが持っています。 そして、その誰かが持っている銃には、この弾が使われます。 その人を探し出して、弾を交換しましょうね。 「……ふざけんなよっ!!」 ノイジーは弾倉を床に投げつけた。 無用の長物となった弾倉は、くるくると回りながら、床の上を転がって行った。
78 :
バトル開始 :01/12/22 17:56 ID:/69VSREN
Sのダイは走っていた。 この男はさっきまで隠れていた公園でユーキと清春のやりとりを息を潜めて見ていた。 それまでダイはまさかこんな馬鹿げたゲームに本当に乗っているバンドマンなんていない。いるはずがない。 そう思っていた。いや、・・・・そう思いたかった。 しかし、清春はユーキの身体を撃ち抜いたと同時にこの男のこんな思いを一瞬にして撃ち砕いた・・・。 その瞬間、ダイの身体に衝撃が走った。
79 :
バトル開始 :01/12/22 17:57 ID:/69VSREN
「どれだけ自分がこのゲームを拒んでも、他の人間はやる気になっている!!少なくとも清春…この男は…。」 そう思った瞬間、次に頭に浮かんできたのは「ここにいてはいけない!!」ということだった。 「さっきまでのユーキと清春の闘いで他の「やる気」になっている人間が集まってくるかもしれない。 そうでなくとも今、この清春という男に見つかってしまえばおそらく自分も……。」 ダイはそっと立ち上がり紅く染まったユーキの背中の方に向かって手を合わせた。 …たった今殺された人間を拝んだのは初めての瞬間だった…。
80 :
バトル開始 :01/12/22 17:59 ID:/69VSREN
短い合掌のあと、ダイは清春がいる逆の方向、南出口へ向かって必死に走り出した。 その姿を清春に見られたかどうかなどもう気にしていられない。 一刻も早く自分の隠れ家を見つけなければ、ダイはそう思っていた。
81 :
バトル開始 :01/12/22 18:01 ID:/69VSREN
隠れ家を早く探しさなければ!!そう思ったダイの目の前に一軒のコンビ二が見えてきた。 「…ここを拠点にしよう…。食料にも当分困らないだろう…。」 流石に自動ドアは既に動いていなかったが、無理矢理こじ開ければ入ることができた。 店内はシーンと静まっていた。「どうやらこのゲームは本当のようだ……。」静けさがダイに事実を教えた。 「少し落ち着くためにコーヒーでも飲むか…。」 そう思い、奥にあったインスタントのコーヒーを手にとろうとした瞬間、レジカウンターから一つの声が放たれた。 「いらっしゃいませ。」 驚いたダイが振り向いたその先には………「あの」清春が銃を構えて立っていた…。
82 :
バトル開始 :01/12/22 18:03 ID:/69VSREN
清春は見ていた。自分がいる逆の方向の出口を必死に走り出て行くダイの姿を。 しかし、清春は追いかけなかった。いや、追いかける必要はなかったのだ。 ダイが走っていく方向には1軒のコンビニしかないことも。そして、ダイが自分以上に追い詰められていることも。 ダイがあのコンビニに隠れることは容易に想像できた。 ダイは瞬時に自分の置かれている状況を整理した。 すると、あのユーキの姿が浮かんできた。ダイがこのプログラムが始まってから初めて感じた「死への恐怖」だった。 ユーキを殺した張本人である清春が目の前にいる。こっちに銃を構えている。…自分を殺そうとしている!! 「……!!!!!!」 ダイは手当たり次第の物を投げた。 昔から物を投げるような粗末なことはしなかったがこの時だけはそんなことは考えなかった。 缶コーヒーやコーラのボトルが清春に向かって次々と飛んでいく。 しかし、こんなことはただの時間を稼ぐ方法の一つにしかならない。 「何か…!!武器になりそうな物は!!」 ……あるはずがない。ここはコンビ二なのだから。 その瞬間、「パン」という冷たい音が店内に響いたと同時にダイの足に表しようのない痛みが走った。 清春が痺れを切らし、とうとう銃を撃ってきたのである。 清春は、一呼吸置いて、ダイを見下すような目で、こう言った…。 「あんまり手ぇ、焼かせないでくださいよ…。」
83 :
バトル開始 :01/12/22 18:05 ID:/69VSREN
「何故、ここまでこのゲームに乗ることができるのか?」 ダイには理解できなかった。ここで理解できるていることは、殺らなければ殺られるということだけだった。 しかし、このゲームの主催者であるキリトを殺す決意はあったが、 他の参加者を殺す決意はしていなかった。というより、できていなかった。 それに何といっても、この男は、「あの」清春である。説き伏せるなどということは不可能である。 方法は全て無くなった。 「ここまでか……。」 ダイが死を覚悟した、その瞬間、清春でも、ましてや自分の声でもない、第三者の声が店内に響いた。 「あ〜、アチいなあ。」 その声の持ち主であるヤスが入り口に立っていた。清春と同じように銃を構えて。
84 :
バトル開始 :01/12/22 18:08 ID:/69VSREN
「そりゃあ、フェアじゃねえよ。清春さん。」 ヤスが清春に向かってこう言った。 「まいったな。ヤスくんが来ちゃうとはなあ。」 一瞬にして、その場の雰囲気が変わった。変わったというより、ヤスが変えてしまった。 こんな状況の雰囲気さえも変えてしまうのもヤスのスター性が成せる技なのだろう。 清春とダイの置かれている立場が変わった。 自分が何も武器を持っていないとはいえ、清春もわざわざ無駄死をしたくはないだろう。 ヤスが言った。 「行けよ、清春。ここにいる誰一人死ぬのはイヤなんだよ。早く!!」 どうやらヤスも人は殺したくないようにダイには見えた。 「……、助かりましたね。ダイくん。」 清春はそう言い残して、こちらに銃を向けながらこの場所を後にした。
85 :
Nana(スズメバチ ◆wvKHaybI :01/12/22 18:08 ID:fseovX9O
とりあえず普通に面白いです。 頑張って続き書いてください。
86 :
バトル開始 :01/12/22 18:11 ID:/69VSREN
「いや、助かりました。ヤスさん。」 ダイが命の恩人であるヤスに話し掛けた。 「やっぱりやる気になってる人がいるんですね……。 こんな、こんな馬鹿げたゲーム開いたキリトさん…許せませんよ!!俺、あの人を殺し…」 ダイは今までに自分の中に溜め込んだキリトに対する怒りをヤスにぶつけるかのように話そうとした、その瞬間、 「!!!」 ダイは喉に火がついたような熱を感じた。 「わりいな。ダイ君。オレ、ファンの為に生きなきゃいけないから。」 ヤスは引き金を引いていた。ダイの喉に向かって、幸也から奪ったであろうと思われる銃で。 「何…で…。」 ダイが倒れこみながら、小さな声でヤスに問い掛けた。ダイが放った最期の言葉だった。 「あっちに行ったら幸也さんとデゥエットやってくれよな。」 事切れたダイにヤスがこう囁き、そこからゆっくりと立ち去った。
87 :
Nana :01/12/22 18:31 ID:Rl0cKRd7
面白い! 「ファンの為に生きる」と言い放つヤスに萌え〜(藁 続き楽しみにしてるYO!
88 :
バトル開始 :01/12/22 19:50 ID:/69VSREN
時折鳴る銃声に脅えながらペニシリンの千聖は使われなくなった図書館の一室に身を潜めていた。 この男はこれまでに途中立ち寄った公園でユーキ、食料を調達していた時に入ったコンビニでダイの遺体を見てしまっていた。 「まさか本当にやる気になってる人がいるなんて!!」 千聖は信じたくない事実と先程から聞こえる何発かの銃声に気持ちを押しつぶされまいと自己暗示にふけっていた。 「俺は死なない。大丈夫だ・・・・。やる気になっている人たち同士が潰しあって、このゲームは終わるんだ。きっとそうだ・・・。」 まるで既に壊れてしまっているかのように何度も何度もそう自分を励ましつづけていた、その瞬間、 「ガタッ」 明らかに不自然な物音がこの部屋の後方の出入り口から放たれた。
89 :
バトル開始 :01/12/22 19:52 ID:/69VSREN
「誰だ!!」 このような状況においては、相手がこの場所から立ち去るまで隠れている方が良策なのだろうが、 千聖の本来の気の強さからつい声をあげてしまった。 我に返った千聖は、わざわざ敵に自分の存在を教えてしまったこと自分の情けなさに対する怒りと同時に、 目の前に立っている男を見て安堵感が込み上げた。 「清春さん・・・・・・。」 そう、千聖の前に現れたのは、「あの」清春だった。
90 :
バトル開始 :01/12/22 19:54 ID:/69VSREN
「清春さん!!大丈夫だったんですか!!」 千聖は清春に会えたことによりまだ固いながらもこのゲーム開始以来初めての笑顔で清春に問い掛けた。 「ああ、まあな。お前も元気そうだな。それよりメシ食わしてくれ。できればラーメン頼む。」 清春の日常と変わらない発言が今の柴田には何よりも嬉しいことだった。 「この男といればこのゲームも無事に切り抜けられる・・・。」 そんな期待が千聖の胸の中で膨らんでいた。 「みそラーメンと塩ラーメンどっちにします?」 「ん、スープの濃い方がいいな。」 こんな他愛の無い会話でも今の千聖には一番幸せなことだった。
91 :
バトル開始 :01/12/22 19:57 ID:/69VSREN
湯を注いだカップラーメン2つを清春の座っている辺りの前に置き、自分は外を監視しながら清春との会話を続けた。 この男には背中を向けても安心だと千聖は思っていた。 それよりもこの幸せな時間が外部からの侵入者によって壊される事の方が怖かった。 「いやあ、参りましたよ。本当にやる気になってる人がいたなんて・・・。 俺、今日ユーキとダイの死んでるとこ見ちゃったんですよ・・・。」 「・・・そうか。気の毒だったな。」 そんなアッサリとした返事に千聖はなんの違和感も感じなかった。 むしろその変わらない清春のタフさに喜びさえ感じていた。 「清春さん・・・・俺と組んで、このゲームから脱出しましょうよ!! 清春さんもこんな馬鹿げたゲームで死ぬなんてイヤでしょう!?」 「ん?ああ・・・まあな。」 「じゃあ、組みましょうよ。こんな、こんなゲーム馬鹿げてる!! 俺たちはこんなことをやるためにバンドマンになったんじゃない!!畜生!!畜生!!・・・」 千聖は溜め込んでいた怒りを噴出すかのように話始めた。
92 :
バトル開始 :01/12/22 19:59 ID:/69VSREN
「まあ、落ち着けよ。冷静になれ。ラーメン食おうぜ。そろそろ。」 千聖は清春に促されるようにラーメンを食べ始めた。 食べながらも千聖はこんな状況下に置いても冷静でいられる清春に尊敬の念を抱いていた。しかし、 「グッ!!!」 ちょうどスープを半分飲みほしたと同時に強い吐き気に襲われた。 「・・・・・!!」 汚物だけではなく、遂には血まで吐き出し始め、のた打ち回る千聖を見下すように清春はこう言った。 「状況が状況だから、あんま他人を信用し過ぎないほうがいいぞ。」 そう、千聖のカップラーメンの中にすり潰して混ぜたと思われるタバコを口に咥えて・・・。
93 :
バトル開始 :01/12/22 20:11 ID:/69VSREN
「・・・月森、落ちついたか?」 wyseの拓磨が心配げな表情で、同じバンドのメンバーである月森の顔を覗き込んだ。 「・・・ああ。会場にいた時よりはな」 そう呟く月森の顔色は、ずっと前から青ざめたままだった。 無理もなかった。 ただでさえ仲間と殺し合うという理不尽な状況に放り出されているのに スタート前に、ヨシキの無残な姿を見せられているのだ。 あの場内で、声をあげて泣く拓磨のその後ろで、月森もまた涙していた。 「俺の憧れのヨシキさんが・・・こんな酷い姿に・・・」 ただ泣く事しか出来ずに、立ち尽くしていた。 そんな月森を見て、拓磨は心配でたまらなかった。 「とにかく・・・月森と離れないようにしなくては」 大事なメンバーを見捨てる事なんて出来ない。 場内の出発順は、拓磨が先だった。 茫然自失の月森に、拓磨は素早く囁いた。 「月森、ホビーショップまで来いや。いいな! 俺、そこで待ってるから・・・」 ホビーショップは、月森がよくフィギュアを買いに行く店だ。 そこならば、月森も迷わず安全な道を通って来れるだろう。 「じゃ・・・後で!」 拓磨は出口でデイパックを受け取り、駆け出して行った。
94 :
バトル開始 :01/12/22 20:17 ID:/69VSREN
「しっかし、この店っていろんな物があるんやな・・・」 拓磨は店内をぐるりと見まわして呟いた。 月森が来る前に、何か使えるものはないかと物色をしていたのだ。 この店がフィギュアの他にモデルガンも扱っていたのは好都合だった。 拓磨の手元には、サブマシンガンのモデルガンがあった。 『片手のみで操作可能。最大で1分間に最高750発発射出来ます』 ショーケースの説明書きには、そう書いてあった。 動き回る事を考えると、これがベストの選択であろう。 殺傷能力はないにせよ、はったりをかますのには十分だ。 「できる事なら、人殺しはしたくない・・・みんな生きていてほしい。 みんないい人ばかりなのに・・・何でこんな事に・・・」 拓磨が目に涙を浮かべる。 それを見た月森は涙があふれぬよう、天井を仰ぎ見た。
95 :
三葉虫 ◆Slhy.Xp2 :01/12/22 20:21 ID:qJX2KLZk
お、面白ぇ…。 応援age
96 :
バトル開始 :01/12/22 20:21 ID:/69VSREN
「俺たち・・・生き残らなきゃな」 天井を見つめながら、月森が呟いた。 「せっかくデビューできたってのに・・・」 「そうだよな・・・これからって時だし、頑張らなきゃ」 そう言って拓磨は涙をぬぐい、再び使えそうな物を物色し始めた。 「あ・・・月森!いい物があるで!ほら!」 拓磨は大声で叫びながら、ショーケースを指差した。 ショーケースの中には「非売品」と書かれた札が付いた防弾チョッキがあった。 「防弾チョッキ!?ああ、そういやここのオヤジが趣味で集めてたっけ」 「これ、本物やんな?使えるで!」 そう言うやいなや拓磨はショーケースの硝子を叩き割り、防弾チョッキを取り出した。 「うわ、結構重たいな」 だいたい2kgぐらいだろうか?ズッシリとした重みがあった。 「まあ、防弾っちゅうぐらいだしな。重い方が守りもしっかりしてるやろ。 とりあえず、とっとと着ちまおう」 ――――その時だった。 パンッ、パンッ、パンッ! 店の外で、乾いた衝撃音が鳴り響いた。 「・・・銃声!?すぐそばで誰かが・・・」 「隠れるぞ、拓磨っ!見つかったら俺たちもやられる!」 二人は急いで防弾チョッキを抱え デイパックとモデルガンを拾い上げて店の奥へと向かった。
97 :
バトル開始 :01/12/22 20:26 ID:/69VSREN
その時、店の外では清春とカリガリの青が対峙していた。 撃ったのは、清春。青の太ももとヒザを撃ちぬいていた。 青はといえば、ホビーショップに向かおうとしていた所だった。 この店は、青の行きつけでもあった。 月森たちがいるなんて、知る余地もない。 ただ、拓磨と同じ様に「モデルガンがあれば、はったりになるかもしれん」 そう考えて、店を物色しようと考えていたのだ。 店まで後少しという所を、後ろから清春に狙われたのだった。 足に衝撃を感じ、よくわからぬまま地面に崩れ落ちた。 そして一瞬カァッと熱くなったかと思ったら、とんでもない激痛がヒザを襲ってきた。 「グアッ・・・クッ・・・だ、誰だっ」 「俺ですよ、青さん。ダメですよ、背中にも目ぇ付けとかなきゃ」 「清春、貴様ぁ・・・っ」 青は清春を睨みつけるが、立ちあがる事が出来ない。 (クソッ、ここで殺られるのかっ・・・) 清春がゆっくりと近づいてくる。でも青は、逃げる事が出来ない。 (死ぬにしても・・・無駄死にだけはするもんか!) 青は片手で自分のデイパックをまさぐり 支給された大ぶりのナイフの柄をグッと握り締めた。
98 :
バトル開始 :01/12/22 20:29 ID:/69VSREN
「清春、何で足を狙った!後ろからなら一発で俺を殺せただろうが!」 「やだなぁ。インディの最高峰にいる青さんに 秒殺なんて失礼な事出来ませんよ」 目の前で仁王立ちした清春は、口元に笑みを浮かべながらイヤミっぽく話し続けた。 「ヴィジュアル系バンドは、相手を仕留めるまでの過程を演出しないとねえ。 強ければいいってもんじゃないでしょう?」 そういうと清春は銃を青の胸元に突き付けた。 「さあ、お喋りはこれくらいにして・・・青さん。 最後に何か言い残す事はありますか?」 「殺れるもんなら殺ってみろ・・・お前に人を殺すことが出来るのかっ!」 もう殺される以外道がない状況で、青は叫んだ。 「ああ。出来ますよ。今さら一人や二人増えたって変わらないですよ」 「一人や二人って、お前・・・」 アッサリと答える清春の言葉に、青は寒気を感じた。
99 :
Nana :01/12/22 20:30 ID:+d5OURwq
フォモファイト!!(藁
100 :
バトル開始 :01/12/22 20:31 ID:/69VSREN
「ユーキに、ダイ・・・今さっき千聖も殺ってきた」 そう語る清春の脳裏に、ユーキを殺めた時の事が浮かんできた。 (ユーキ・・・この手でユーキを刺したんだ・・・) あの瞬間の感触が手に蘇る――――忘れたくても忘れられない、あの感触。 その時、ピンと張りつめていた清春の殺気が緩んだ。 その一瞬を青は見逃さなかった。 デイパックからナイフを握り締めた手を引き抜き、 もう既に感覚の消えつつある両足を踏ん張り ありったけの力を込めて清春の腹部めがけてナイフを振り上げた。
101 :
Nana :01/12/22 20:32 ID:F9Ut+Np9
オモシロイ! ガンバッテ!
102 :
nana :01/12/22 20:34 ID:AW27pUbN
続き早く見たーい!!! ガンバッテ(ハァト
103 :
バトル開始 :01/12/22 20:34 ID:/69VSREN
ガツッッッ!! 切っ先に固い感触・・・ その衝撃で、青の手からナイフが弾け飛ぶようにして地面に落ちた。 「・・・何するんですか。まったく無駄な抵抗ですね ま、刺さなくて良かったですね。いいもんじゃないですよ、あの感触は」 「何で・・・何か仕込んでるのか!?」 「ああ、カバンに殺った奴の武器をしまってたら 入りきらなくなって、腰に巻いたんですよ」 そう言いながら、清春はシャツをめくってみせた。 その腰には・・・なぜか頑丈なベルトが巻かれていた。 (そ・・・そんなモン巻いてるなぁ〜っ!) 青にとって千載一遇のチャンスは、その意味不明なベルトによってあっけなく打ち砕かれた。 「あーあ。青さんのせいで傷が入っちゃいましたよ・・・ でも、さすが俺のベルトだな。命拾いしたわ」 清春はベルトを愛おしげに撫でながら呟いた。
104 :
バトル開始 :01/12/22 20:37 ID:/69VSREN
「さあ、そろそろお別れですね・・・」 「清春!・・・なぜお前は殺すんだ!?なぜ殺さない方法を考えない・・・」 全ての力を使い果たしてしまった青が、息も絶え絶えに訴えた。 「・・・結局、殺らないと殺られるだけじゃないですか。 俺は自分が一番かわいいですからね。死にたくないんです」 そう話しながら、清春は銃を青の左胸にピタリと当てた。 「じゃあ・・・さよなら、青さん」 パンッ!パンッ、パンッ、パンッ! 最初の一発で、青は声も立てずに崩れ落ちた。 そこへ追い撃ちをかけるように、三発。 みるみるうちに、地面に血だまりが出来た。 清春はナイフを拾い上げてカバンにしまいこんだ。 「・・・さて。あの店に何かあるらしいな。ちょっと漁ってみるか」 清春は、ホビーショップの方に向かって歩き出した・・・。
105 :
バトル開始 :01/12/22 20:43 ID:/69VSREN
パンッ!パンッ、パンッ、パンッ! 店の奥と言っても、元々広い店ではないので外の音が良く聞こえてくる。 青の叫び声も、何を言ってるのかわかるぐらいに聞こえた。 それによって、青が絶命した事や 銃で青を撃ったのが清春である事がわかった。 「清春さん・・・殺っちまったか・・・」 月森がため息混じりに呟いた。 「アイツにだけは会いたくないなぁ。アイツなら、何の躊躇いもなく殺りそうだし」 「でも、生きている限り絶対どこかで顔を合わせる羽目になるで。 俺は・・・戦いたくないけど」 「・・・襲ってきたら、最低でも一撃食らわさないとアカンかもなぁ。 話してわかるヤツじゃないやろ、アイツは・・・」 イザとなったら、殺らねばいけない・・・。自分を守る為にはそれしかない。 それでも、殺したくない。仲間を殺るなんて出来ない。 でも清春は、殺ってくるに違いない。 (どうすればいいんだ・・・どうすれば誰も死なずに済む!?) 拓磨は必死に考えを巡らせた。でも、何も浮かんで来なかった・・・。 「月森、とりあえず今はここから脱出しよう! 清春さんと顔を合わせる前に・・・」 拓磨がそう言いかけた時、バンッ!と勢い良く店の入り口のドアが開く音がした。 「まさか・・・清春!?」 「念の為、防弾チョッキ着ておくか。しかし・・・最悪やな」 二人は息を潜め、防弾チョッキを着込んだ。清春に見つからない事を祈りつつ・・・
106 :
バトル開始 :01/12/22 20:49 ID:/69VSREN
「・・・ん?もう誰か来た後なのか?」 叩き割られたショーケースが、誰かが物色した後である事を物語っていた。 「使えそうな物は残ってないか・・・ん?」 清春は足元に何かが落ちているのを見つけた。 「このタオル・・・月森か」 落ちていたのは「wyse」の文字の入ったタオルだった。 そこには「月森」とマジックで 書かれていた。 おそらく、ツアーグッズのタオルを普段から使っていたのであろう。 店の奥に逃げ込む時に落としたらしい。 「月森くんがこのタオルを落としたって事は、よっぽどアセっていたって事か」 清春はグルリと店内を見渡した。まだこの店の中にいるかもしれない。 清春は右手に拳銃、左手に盾代わりのカバンをかまえて ジリジリと店の奥へ歩を進めた。
107 :
バトル開始 :01/12/22 20:51 ID:/69VSREN
「・・・清春さん、こっちに向かってきてるみたいやで」 拓磨が声を潜めて言った。 「バレたのか!?何で人がいるってわかったんだ!?」 月森は自分のタオルのせいである事をまだ知らなかった。 「しゃあない・・・来たら先制攻撃するしかないな」 「武器は使っちゃ・・・そういや月森、武器、何やった?」 二人は動揺していたのと最初から殺し合いをする気がなかったので 支給された武器が何であるかを未だに確認していなかった。 二人は清春に気づかれないようにソッとデイパックの中を改めた。 月森に支給されたのは、シリンダー式の拳銃だった。 「ま、手足を狙えば殺さずに済むか・・・拓磨、お前のは?」 「月森・・・これ、何や?・・・」
108 :
バトル開始 :01/12/22 20:54 ID:/69VSREN
拓磨のデイパックから出てきたのは、黒い小さな箱だった。 てっぺんに赤いボタンがついており「迷わず押せよ 押せばわかるさ」と書いてあった。 「押せばわかるって・・・押してみるか」 「あ、拓磨!押すな!それってたぶん・・・」 「・・・え?」 カチッ。月森が言葉を言い終わる前に、拓磨はボタンを押してしまった。 すると箱の正面のパネルが動き出し、中からデジタルパネルが現れた。そして 「元気ですかーっ!」 突然、キリトの雄たけびが箱から聞こえてきた。
109 :
バトル開始 :01/12/22 20:56 ID:/69VSREN
「・・・ん?」 キリトの声に、清春の動きが止まった。 キリトの声が聞こえてきたという事は、何か良くない知らせに違いない。 月森達も同じだった。嫌な予感がする・・・。 そんな彼らの気持ちはお構いなしに、キリトの声は流れつづけた。 「元気があれば殺し合いも出来る!・・・エー、この箱は時限爆弾です。 今、ボタンを押した事により時限装置が作動しました! 制限時間は5分!5分経ったら爆発するぞコノヤロウ! みんな頑張って5分以内に逃げたまえ。 尚、このボックスに衝撃を与えたり分解しようとするとその場で爆発するから注意するように! では諸君の健闘を祈って・・・いくぞーっ!!」 ・・・キリトの能天気な声が聞こえなくなったのと同時に、デジタルパネルが作動し始めた。 「4:59・58・57・・・」時間はどんどん過ぎていく。
110 :
バトル開始 :01/12/22 21:01 ID:/69VSREN
「あーっ、やっぱり時限爆弾だったかぁ・・・くそっ!」 「悪い・・・俺がボタンを押したばっかりに・・・」 拓磨が涙目で呟いた。 「もう動き始めたんだから、言い訳してもしゃあないやろ。 何とかして、この場から脱出せんとなぁ・・・」 爆弾のタイマーを止める事も、壊す事も出来ない。 それに今のキリトの声で、隠れている場所を清春に悟られたのは確実だ。 月森が必死に考えを巡らせる横で、拓磨は押し黙っていた。 (俺のせいだ・・・何とかしなきゃ・・・そうだ!) 「・・・月森、俺がおとりになるから、清春さんを撃て!」 「な・・・拓磨っ、アホな事言うな!お前、武器持ってないのにどうすんだ!?」 月森は驚き、拓磨を見た。拓磨の目はこの上ないほどに真剣だった。 「さっき見つけたサブマシンガンのモデルガンで清春さんを打つ。 そこで清春さんが怯んでいる隙に、清春さんの動きを止めてくれ。 防弾チョッキも着てるし、何発かは弾を受けても大丈夫だろうから・・・」 「拓磨・・・」 「それしかない!早く逃げないと爆発しちゃうで!」
111 :
バトル開始 :01/12/22 21:04 ID:/69VSREN
月森はフーッと深いため息をつき、軽くうなづいた。 「そうだな・・・でも拓磨、死ぬなよ・・・」 「こればかりは運を天に任せるしかないけどな。 月森も・・・死んだらあかんで。またステージに一緒に立とうや。」 拓磨はニッコリと、しかし淋しさをたたえた笑みを浮かべた。 「ああ・・・死んでたまるか!俺は生きるぞ・・・」 二人は覚悟を決めた。誰も殺したくはなかったが、仕方ない。 清春を倒さなければ爆死する。 たとえ清春を撃ち殺さなくても、致命傷を負わせた時点で殺したも同然だ。 清春だってここから逃げられなければ爆死してしまうのだから・・・。
112 :
バトル開始 :01/12/22 21:06 ID:/69VSREN
キリトの声が聞こえなくなった時、清春は呆気にとられていた。しかしすぐに考えた。 突然のキリトの声。誰かがボタンを押し、時限爆弾を作動させた。 「・・・これで誰かいる事が確定したわけだ」 相手は逃げようとするだろう。しかし、逃げ道には自分がいる。 自分はそのまま逃げられるかもしれない。でも、相手は自分を倒さないと逃げられない。 今ここで逃げようとして背中を向けたら殺られるだろう。 「月森だか誰だか知らんが、殺るしかないって事か・・・」 相手はおそらく正面にあるカウンターの中にいる。 さっきのキリトの声が聞こえてきたのも、カウンターの中だった。 清春は再び拳銃を構えた。
113 :
Nana :01/12/22 21:06 ID:gUcT/idX
ハマった・・・(ワラ 頑張ってください!
114 :
バトル開始 :01/12/22 21:09 ID:/69VSREN
「俺が左から撃ち始めたら、月森はちょっと間を置いた後に右から撃てな」 「・・・わかった」 作戦を確認した後、拓磨はモデルガンを構え、月森は拳銃の撃鉄を引いた。 「・・・行くで!」 拓磨は勢い良く立ち上がった。5mほど先に清春の姿があった。 タタタタタタタタッ! 拓磨は一心不乱に、清春に向けてサブマシンガンを撃ち込んだ。 清春の気をそらせればいい。ほんの少しの間だけ・・・。 「しまった!二対一だったか・・・!?」 清春は、予想だにしなかった拓磨の登場に一瞬怯んだが 自分に当たった弾が本物でない事に気づくと、構えていた拳銃を発射した。 パンッ、パンッ、パンッ! 「ウグッ!」 清春の放った銃弾が拓磨の胸に着弾し、呻き声が上がる。しかし、拓磨は倒れない。 「なぜ・・・!?ちっ!防弾チョッキなんか着てやがる」 服の上から白い防弾チョッキを着た拓磨の姿が、清春の目に入った。 「それなら頭を狙えば済む事だ・・・」 清春が拓磨の頭に狙いを定めた、その時! 月森がカシンの左前方に現れ、拳銃を撃ってきた。
115 :
バトル開始 :01/12/22 21:16 ID:/69VSREN
ガーンッ! 「グアッッッ!」 ・・・意外にもダメージを受けたのは、月森の方だった。 突然の激痛に月森の顔がゆがんだ。撃鉄を引き直す事も出来ないぐらいの痛みだった。 月森はTVドラマの刑事のように、片手で拳銃を撃った。 その瞬間ものすごい衝撃が右手を通じ、肩へと伝わった。 月森の右肩は春先にステージでバック転をした際に怪我をして以来、 まだ完治していなかったのだ。 そして肝心の銃弾は、清春を捕らえる事が出来なかった。 やはり衝撃で腕がブレて、的を外してしまったのだった・・・。 「月森くん、カッコつけて片手で撃つからですよ・・・バカが!」 そう言うと清春は両手で拳銃を構え直し、月森の額に狙いを定めて引き金を引いた。 パンッ!と音がしたのと同時に、月森は額を撃ちぬかれて崩れ落ちた。
116 :
バトル開始 :01/12/22 21:18 ID:/69VSREN
「月森っっっっっ!!」 拓磨が銃撃を止め、月森の方を向いた時、既に月森は事切れていた・・・。 「月森っ!月森っ!目ぇ開けろよ!月森っ!!」 拓磨は月森の両肩を持って揺さぶった。しかし、もう二度と目を開く事はなかった。 「月森・・・」 うなだれる拓磨に清春は素早く近づいていき、背後から腕めがけて拳銃を撃った。 パンッ、パンッ! 「ウガァッ!」 着弾の衝撃と痛みで、拓磨は月森に覆い被さるようにして倒れ込んだ。 「・・・防弾チョッキ着てても、頭や腕は剥き出しだからなあ」 清春がニヤリと笑い、呟いた。
117 :
バトル開始 :01/12/22 21:20 ID:/69VSREN
ふと足元を見ると、さっきの時限爆弾が転がっている。 拾い上げてタイマーを見ると、残り時間はあと2分を切っていた。 倒れ込んでいる拓磨に向かって、清春が問い掛けた。 「さて、と。そろそろ逃げないとな。拓磨、アンタはどうする? 大人しく爆発を待つか、今俺に撃ち殺されるか・・・どっちがいい?」 拓磨は激痛が走る腕を使い、清春の方に向き直り、息も絶え絶えに言った。 「・・・ほっといて・・・くれ」 「爆死を選ぶか・・・痛いぞ〜、爆死は。俺に頭撃たれた方が楽に死ねるぞ」 「いいんだ・・・死ぬ覚悟は出来てますよ。ただ・・・ これ以上、アンタに人殺しになってほしくないだけですよ・・・」 「これ以上って、この後も誰かに会ったら俺は殺るぞ?」 「アンタが殺した人数が一人でも減るなら・・・俺はその方がいい・・・」 「この期に及んで優しい気遣いしてるとはねぇ・・・大したもんだ!」 清春は拓磨を嘲笑うように言った。 「じゃあ、気遣いついでにお前の防弾チョッキを譲ってくれないか? そんなの着てたら爆死は無理だろう?」 「ああ・・・もう必要ないから・・・勝手にしてください・・・」 拓磨は吐き捨てるように呟いた。
118 :
バトル開始 :01/12/22 21:23 ID:/69VSREN
清春は拓磨が武器を持っていないことを確認すると、拓磨の上体を起こして防弾チョッキを剥ぎ取った。 「ありがとう。じゃあ達者でな!!」 清春はそう言うと、拓磨の額に拳銃をあてがって撃った。 パンッ! (な・・・何で・・・) 拓磨は意識が飛ぶ瞬間、そう思った。 「殺した人数が一人でも減るなら、か・・・余計なお世話だ!」 清春は無表情で、もう意識がない拓磨に向かってそう吐き捨てるように言った。 「・・・あと30秒で爆発するぞ、コノヤロー!」 時限爆弾から、キリトの声が響いた。 清春はサッと荷物をまとめて脱出の準備を整えた。 「あ、そうそう。月森くん、忘れ物だよ」 そう言うと月森の屍に向かってタオルを放り投げた。 「あと20秒で爆発するぞ、コノヤロー!」 その声を聞いて、清春は荷物を抱え、ダッシュで店を後にした。 遠くへ・・・とにかく爆撃に巻き込まれないように、遠くへ・・・。 そしてキリトの声が、最後のカウントダウンを始めた。 「あと10秒・・・それでは皆さん、ご唱和ください。いくぞーっ! サーン、ニーッ、イーチ・・・」 ドンッ!ドカーンッ!ドドドドドッ・・・ガラガラガラ・・・ 豪快な爆音と共にホビーショップは吹き飛んだ。月森と拓磨の屍と共に・・・。
119 :
バトル開始 :01/12/22 21:30 ID:/69VSREN
「ボン」 近くの学校の屋上から街を見渡していたかげろうの大佑は少々驚いた。 「マジかよ。爆弾か・・・?こっちは銃だぜ。話にならねえよ。」 約1キロほど先に見えるホビーショップが一瞬にして月森と拓磨の屍とともに消え去った。 「清春さんはヤベえな。今、会っちゃあマズいな。」 大佑は見ていた。爆発する前の店から清春が出てくるところを。 もともと要注意人物の中に挙げていた清春だったが、まさか本当にやってしまっているとは・・・。 「ま、オレも人の事は言えないけどね・・・。」 大佑は先ほどヒデキを撃った時の感触を思い出していた。 「あー、早くこんなトコ脱出してオンナと会いてえなあ。」 大佑に罪悪感はなかった。出発の時点で割り切っていた。「殺しも仕方ない」と。 「それにしても誰も出歩いてないな。」 屋上から大佑は街を見渡した。 この日、ここから大佑が見た人間は先ほどのカシンのみだった。
120 :
バトル開始 :01/12/22 21:32 ID:/69VSREN
「ったく、もっと動いてもらわねえと早く終わんないじゃん。」 大佑は漁夫の利を狙っていた。 自分を除いた最後の2人が闘いあった後、残ったほうを殺って自分が優勝しようと考えていた。 「あ〜、ムラムラすんなあ。」 食欲はなんとか抑えられても、性欲を我慢することはできなかった。 また、自慰だけで満足ができるような男でもなかった。 「こっちから出向いて2・3人殺ってこようかな?」 このままこんな状況が何日も続いてはたまらん。そう思った大佑がゆっくりと振り返ったその時。 いたのだ・・・そこに・・・あの男が。 そう、このゲームのA級戦犯とも言えるサッズの清春が。
121 :
バトル開始 :01/12/22 21:35 ID:/69VSREN
「マジかよ・・・。」 大佑は軽く舌打ちをした後、こう言い放った。 「久しぶりだな。大佑。」 ニヤリと笑う清春がこわばった表情の大佑を楽しんでいるかのように話す。 「お前、寒くないか?こんなとこにいて。」 絶対に心配などしてくれているわけがない。 (なにか隠してるのか?) 見た限りでは手に持っているのはジュースの缶だけだった。 (まさか爆弾じゃねえよな。) 先ほどの爆発のことで大佑は清春の武器は爆弾なのでは?と考えていた。 「清春さんでしょ?さっきあのホビーショップやったの。」 大佑は既にやる気だった。 この男がただの話し合いだけで終わらせるはずがないことを分かっていたから。 「ん、バレてたか。月森と拓磨だよ。良かったな。女の取り分増えたじゃないか。」 清春は淡々と話した。余裕の笑みを浮かべながら。
122 :
バトル開始 :01/12/22 21:38 ID:/69VSREN
(やっぱり・・・。) 大佑は後ろに持っていた銃の引き金に手をかけた。 そして清春の胸を目掛けて3発、丁寧に銃弾を放った。 清春の身体が衝撃に大きく揺れ、およそ3メートル後ろに吹き飛ばされた。 「案外あっけないモンだ・・・。ま、この人も人間だからな。」 大佑が星が散りばめられた夜空にむかって大きく息をついた。 「おっと、武器貰っとかなきゃな。」 大佑が空からゆっくりと視線を下ろした瞬間、意識は途絶えた。 「甘いな。やっぱり賢くないな。お前。ま、射撃の腕だけは認めてやるよ。」 清春が頭を真紅に染め倒れた大佑の掌から銃をもぎ取り、こう囁いた、 「これ飲めよ。学校の水道水・・・・マズいだろ?」 冷たい表情の清春は再び歩き出した。
123 :
バトル開始 :01/12/22 21:44 ID:/69VSREN
夕方が近付いていた。 街中にある小さなライブハウスで、ムックのさとちは一人佇んでいる。 さとちは、床に無造作に放られたドラムのスティックに手を伸ばした。 そしてそれを使ってドラムを無心で叩き続けた。 俺はこんな事をする為に音楽を続けてきた訳じゃない――― さとちは何もかも忘れてしまいたくて、ドラムを鳴らし続けた。 体に染み付いた腕の動きは、流麗に乾いた音をを奏でて行く。 そして、ひとしきり叩き終わったその時―― パチパチパチ…… 小さな拍手が聴こえた。 「誰だ!?」 さとちは慌てて拍手の先に目を凝らす。 いつの間にかライブハウスの最後列の席に、デュールの雅が一人、座っていた。
124 :
バトル開始 :01/12/22 21:47 ID:/69VSREN
「あの……良かったら、一緒に演奏しませんか?」 突然、雅が提案した。 「……え?」 「色々と辛いのは解りますし、今は殺し合いの最中ですから、 晴れ晴れとした気分という訳にはいかないと思いますけど…… でも、さっきのドラム、なかなか様になってました。 気休め程度にしかならないと思いますけど、一緒に、なんか演奏しませんか?」 「でも……」 「ほら、アンプもギターも置いてありますから、本格的にできますよ。それに…… 思い詰めたままじゃ、何も出来ません。気分転換も必要ですよ。……しませんか?」 雅はそう言うと、階段を上り、ステージの中央に立った。 「気分転換、か……そうだな。やるか」 「じゃあ、Xの『紅』でも・・・」 「ああ。じゃあそれでいこう」 「わかりました。それじゃ……始めましょうか」 ステージが軋む音が、ライブハウスを包み込む。 一緒に演奏することなどなかったのに、流れるような演奏が続く。 とても、殺し合いが行われている街の風景には思えなかった。 さとちの心に、束の間の充実感が満ちて行く。
125 :
バトル開始 :01/12/22 21:50 ID:/69VSREN
そして5分ほど経ち、演奏が終わった。 さとちは、スッキリした表情で雅に向き直る。 「ありがとう。ちょっとだけど、気持ちが楽になっ……」 その瞬間、さとちの胸に銃弾が撃ち込まれた。 サイレンサーを装備したベレッタから、何発も、何発も、弾が撃ち込まれる。 「雅君、どうして……」 さとちはそのまま、床に倒れ込んだ。 雅は銃を構えたまま、さとちに向けて呟いた。 「大佑さんが言ってました。無闇に人を信じたら負けだ、って…… でも、さとちくんのドラムと一緒にギター弾けたのは楽しかったです。それじゃ……さようなら」 そう言うと、雅はさとちの頭に銃口を押し当て、引き金を引いた。 ガクトと別れた後、ずっと考えた末の雅の決断だった。 赤い夕焼けのようなライトが、赤い血で染まったさとちの体を照らしていた。
126 :
Nana :01/12/22 22:04 ID:+d5OURwq
チョピーリ感動
127 :
バトル開始 :01/12/22 22:05 ID:/69VSREN
真矢は気付いたときにはいきつけのバーの前にいた。 当然扉は閉まっていたため、道路に面した窓を割り中に入った。 誰もいない店内はひどく広く感じたが、なんとも言えない懐かしさに包まれた時 彼はデイパックから「毒薬」と書かれたラベルのついた瓶を取り出し手近の席についた。 キリトの直筆らしいそのラベルには小さく「自殺なんてするんじゃねぇぞ馬鹿野郎」とも 書かれてあった。 「…どっちがバカヤロウだよ……」 そうつぶやきながら真矢の顔には少し笑みすら浮かんでいた。 ただ、その笑みは乾いていた。
128 :
Nana :01/12/22 22:07 ID:4pXBOf0H
次は誰が出てくるのか気になるっ!!
129 :
バトル開始 :01/12/22 22:11 ID:/69VSREN
真矢は毒薬を適当に入れたグラスによく飲んでいたウィスキーを静かに注いだ。 瞬く間に毒薬が溶け出しアーモンドの香りがする。青酸系の毒のようだ。 そして意を決しグラスを口に近づけた瞬間、怒号のような大声が狭い店内に響き渡った。 「青を殺ったのはてめぇか!!!?」 怒号の主はバロックのケイだった。
130 :
バトル開始 :01/12/22 22:21 ID:/69VSREN
このゲームの性質を考えれば無意味に大声など立てるものではない。 自分の居場所を知らせることは何か目的の無い限り自殺行為にしか成り得ない。 しかしケイからはそんな配慮は微塵も感じられなかった。 今右手にモップの柄、左手には支給された物であろう機動隊の持つような ジュラルミンの盾を持っているとは言え、真矢の前に仁王立ちで立ちはだかっている事からも 配慮の無さを感じさせた。ケイらしいと言えばケイらしいのだが。 「お前が青さんを殺ったのかっつってんだ!!!!」 言うのが早いかケイは躊躇無くモップの柄を振り下ろした。 咄嗟に飛び退いた椅子に柄の先のT字の金具がぶつかると、金具はぐにゃりと曲がった。
131 :
バトル開始 :01/12/22 22:23 ID:/69VSREN
真矢は驚いていた。急にケイが現れた事よりも青を殺したと思われている事に。 (冗談じゃない!被りたくない濡れ衣まで被せられては死ぬにも死ねない。) 「ま、待てケイ!オレじゃない!!」 「じゃあ誰が…やったんだよ!!!?」 聞く耳も殆ど持たない風に、ケイは叫びながらモップの柄を横薙ぎに振り回した。 激しく壁に叩き付けられたT字の金具は柄から弾け飛び、 カウンターを飛び越え大きな音を立てて流しに飛び込んだ。 何とかケイを説得しようとするが言葉が思い浮かばない。視線を巡らせた真矢は苦し紛れに言った。 「見ろ!オレの武器はそこの毒薬だ。簡単に殺せるわけ無いだろう!」 あまりにも意味の通らない言い訳だった。 (ダメだ…) 真矢は半ば諦め気味に覚悟を決めた。このまま殺されようと。 (どうせ死ぬつもりだったしな…) 心の中で今静かに家族に別れを告げた。
132 :
バトル開始 :01/12/22 22:24 ID:/69VSREN
しかし意外にもケイに反応があった。うつむき気味に何かブツブツとつぶやいているのだ。 「…そういやあの辺は血だらけだったな……青の肩に鉄砲の傷あったし…」 意図せぬことではあったが説得は成功したようだった。 真矢は内心ホッとしていた。 そして自殺しようとした、また殺される覚悟を決めた筈の さっきの自分との心境のギャップになんとも言えず苦笑いを浮かべていた。
133 :
バトル開始 :01/12/22 22:28 ID:/69VSREN
真矢は落ち着いたケイと話し合った。 そしてケイは重くしっかりとした声で言った。 「オレ許さないっスよ…青さん殺したヤツも、キリトさんも!」 ケイの目に恐怖心は微塵も感じられなかった。その瞳には純然たる怒りの光だけが灯って見えた。 「真矢さん。一緒にやりましょう!こんなモンブッ潰しましょうよ!!」 その目を見た真矢に何か後ろめたいような気持ちが去来する。 がむしゃらに音楽活動に明け暮れていた、 前だけを見つめていたあの頃の自分に心の中を覗き見られた気分だった。 「い、いや…オレは人を殺すなんて……イヤ…なんだ…」 耐え切れず目線を逸らし、なんとかそれだけつぶやいた。 途端にケイは感情を昂ぶらせ真矢に掴み掛かった。 「何言ってんスか!?真矢さんだって家族いるんでしょう!!このまま死んでいいんスか!!?」 感情が真っ直ぐな分その台詞が深く心に突き刺さった。 そして真矢は決意した。もう少しだけ戦ってみようと。 人とではなく、この辛い状況から逃れるために家族すらも捨ててしまおうとした自分の弱さと。 殺したくは無い。そしてそう思っている者は多い筈だ。だからこそなんとか出来るかも知れない。 既に何人も死んでしまっている現状を鑑みればあまりに甘い考えだとわかっていたが、 そう考えることだけが現状を脱する唯一の望みだということもわかっていた。
134 :
バトル開始 :01/12/22 22:29 ID:/69VSREN
表情の変化から橋本の決意を汲み取ったケイは小さく頷いた。 その時ケイの背後から二人のものではない声が響いた。 「へぇ、結構仲良かったんだ。」 そこには、ディルアングレイの京がいた。 カウンターから身を乗り出したボウガンと共に。
135 :
バトル開始 :01/12/22 22:31 ID:/69VSREN
静寂が続いていた。 京が二人に声をかけてから何分経っただろう。 一言も喋らずただニヤニヤ笑みを浮かべながら二人にボウガンをちらつかせている。 まるで二人の生殺与奪権を自分が持っているという事を殊更に強調するかのように。 そして無言のまま二人を店の奥の壁際に追いやり、 自分はカウンターを乗り越えて二人が元いた辺りに位置取っていた。 真矢は数分間の静寂の間ひたすらに自分の思慮の足りなさを反省していた。 どうして京の侵入に気付けなかったのか、どうして誤解の解けたケイとすぐに ここを離れなかったのか、どうして軽々しく自殺などしようとしたのか、どうして… 一度引退した頃から癖になってしまったネガティヴな思考の所為だと自分では気付いていなかった。 そしてその癖が今この瞬間も自分の邪魔をしていることにも。
136 :
バトル開始 :01/12/22 22:33 ID:/69VSREN
真矢が思考停止の状態に陥っている時、ケイはこの上なく苛々していた。 京の態度は彼の神経を充分に逆撫でしていたが、それ以上に真矢の態度が不満だった。 顔は京の方を向いているが目の焦点は明らかに合っていない。 そのせいで真矢に意思を伝えることが出来ずにいたからだ。 (呆けてる場合じゃ無ぇだろう!アンタが気付けば何とか出来るのに!!) 真矢と正反対に現状の打破のみを考えていたケイは京の弱点に気付いていた。 ボウガンは連射できない。 つまり二人同時にかかれば少なくとも一人、京が瞬時に標的を絞れなければ 上手く行けば二人とも無事で済む。そう考えると今の真矢に苛立つのも仕方なかった。 そしてケイの苛立ちが頂点に達しようかという時、 夕方6時を告げる忌々しい放送が流れ出した。
137 :
nana :01/12/22 22:34 ID:eL3f9NQu
何時間やってんだよ!(ワラ でも頑張ってね♥
138 :
バトル開始 :01/12/22 22:38 ID:/69VSREN
「元気ですかー!!!」 いつもの返事を必要としない呼びかけが街中に響き渡る。 「元気があれば何でも出来る。一番元気なヤツが生き残るんだぞーッ!!! ではこの6時間の脱落者を発表する。カリガリ青ーッ!かげろう大佑ーッ!ムックさとちーッ! wyse月森ーッ、拓磨ーッ、Sダイーッ えー以上6名です。みんななかなかルールを理解してくれているようで非常に嬉しい。 では『真のバンドマン』を目指して皆頑張るように!!!!」 放送によって幾分冷静さを取り戻した真矢はケイと視線が合った。何かを訴えているようだった。 程無くケイが今にも京に襲い掛かろうと考えていることに気付いた。 (馬鹿な!一体どういうつもり…) そこまで考えてケイと同じくボウガンの弱点を発見した。 が、どうにも釈然としないものがあった。 それが何なのかわからない内にケイは行動を起こそうとしていた カラスの鳴き声が聞こえ京の目線がわずかに二人から離れた瞬間 ケイが動き出した。真矢もそれに追従せざるを得ず京に飛び掛かった。
139 :
Nana :01/12/22 22:38 ID:m3xQEC02
ちさととユーキは?
140 :
バトル開始 :01/12/22 22:41 ID:/69VSREN
ケイの拳は確実に京の顔面を捉えた。 吹っ飛ばされた京はカウンターで後頭部を強かに打ちぐったりしている。 ケイの左腿にわずかに痛みが走った。 ボウガンで打たれた傷だが幸い少し肉をもっていかれた程度で済んだようだ。 そんなことよりケイには心配すべきことがあった。 ケイは素早く二つの凶器を適当にカウンターの向こうに放り投げ真矢の元に駆け寄った。 真矢は腹部から多量の血液を流していた。銃で撃たれたのだ。 真矢を撃ったのは京が背広の袖に隠し持っていた小型の銃デリンジャーだった。 真矢は腹に今まで味わった事の無い激痛を感じながら さっきからの違和感の正体について理解した。 (京の不自然な沈黙は焦れたオレ達に襲いかからせ同時に殺すためのものだったんだ… あの時距離を取ろうと後ずさった京が足元に落ちていたボールペンで バランスを崩さなければ、おそらく二人とも死んでいただろうな……) 真矢の考えは当たっていた。 一応、事は京の予定通りに進んだが、ボールペン一本に 文字通り足元をすくわれてしまう結果となってしまった訳である。
141 :
nana :01/12/22 22:43 ID:ezx0No7M
>139 さっき死んだべ?
142 :
Nana :01/12/22 22:44 ID:m3xQEC02
>141 死人アナウンスで呼ばれてないって事。
143 :
nana :01/12/22 22:45 ID:ezx0No7M
>142 そーいえば 逝ってきます。
144 :
Nana :01/12/22 22:46 ID:m3xQEC02
>143 いやいやっ。いいでしょ。 勝手に作ったアンオフィシャルガイド ●青(カリガリ)=清春を刺殺・・・と見せかけ、清春に殺される>8人目 ○ガクト=主人公 ★キリト(ピエロ)=首謀者 ○京(ディルアングレイ) ○清春(サッズ)=ユーキを刺殺。千聖を毒殺。青を銃殺。月森を銃殺。拓磨を銃殺。 大佑を銃殺。 ○ケイ(バロック)=青を尊敬。 ★コータ(ピエロ)=キリトの側近 ●さとち(ムック)=雅に殺される。>12人目 ●SHUSE(ラクリマ)=寝ぼけていて、爆死>1人目 ○真矢(ルナシー)=銃で撃たれてかすり傷 ●ダイ(エス)=ヤスに殺される。>6人目 ○大佑(蜉蝣)=ヒデキを殺す。清春を銃殺・・・と見せかけ殺される。>11人目 ●拓磨(ワイズ)=清春に殺される。>10人目 ●千聖(ペニシリン)=清春に殺される。>7人目 ●月森(ワイズ)=清春に殺される。>9人目 ●ナオ(イルミナ)=銃で致命傷→爆死>2人目 ○ノイジー(マシンガンズ)=SHUSEの親友 ●ヒデキ(シャムシェイド)=ガクトの親友。大佑に殺される。>3人目 ●藤田幸也(ジルス)=インディー界の頭。ナオを銃殺。ヤスに殺される。>4人目 ○雅(デュール)=さとちを銃殺。 ○ヤス(ジャンヌ)=幸也を刺殺。ダイを銃殺。 ●ユーキ(ジュラシック)=清春に殺される。>5人目 ●ヨシキ(X)=尊望の的。キリトによって殺される。 ○竜太朗(プラトゥリ)=真矢を尊敬
145 :
バトル開始 :01/12/22 22:46 ID:/69VSREN
ケイはとりあえずバー備え付けられていた救急箱で真矢に応急処置を施した。 素人なのだから腹部を銃で撃たれた時の急所などわかる筈も無い。 真矢の傷口を冷やそうと流しに向かった時、ケイの身体が凍りついた。 京が本来寝転んでいるべき場所にいないのだ。 煙のように消えたのでなければ、京が今いる場所はカウンターの向こうか外に逃げ出したかだ。 だが外に出たのならばドアからにせよ窓からにせよ気付かないと言うことはまずあるまい。 そして最悪なことに武器は二つともカウンターの外にある。 しかもどの方向に放り投げたのかも覚えていない。 京は次の瞬間にでもに襲ってくるであろう。 ケイが足音を立てぬよう姿勢を低くし摺り足で後ずさったその時、 カウンターからボウガンを構えた京が顔を出した。 この戦いでケイはとても幸運だったと言えるのかも知れない。 まず床にボールペンが転がっていた事。 そして今、京がケイの真正面に現れた事。 何より勘違いして真矢に襲い掛かった事! ケイは京がボウガンを放つよりも早くフリスビーでも投げるかのように さっき流しで拾ったモップの柄の先、金属でできたT字形の部分を全力で投げつけた。 柄の先は、ケイに殴り飛ばされ未だに意識が朦朧としていた京の顔面の芯を完全に捕らえた。
146 :
Nana :01/12/22 22:47 ID:m3xQEC02
○生きてる ●死んでる。 ハイパーリンクになってしまった・・・反省
147 :
バトル開始 :01/12/22 22:48 ID:/69VSREN
>142 あ!ごめんなさい・・・。 >144 ありがとー!
148 :
バトル開始 :01/12/22 22:49 ID:/69VSREN
T字の片方の先端がが京の右眼にめり込んだ。 もう二度と右眼を使うことは出来ないだろう。 予想だにしなかった衝撃に京は自らの放ったボウガンの矢の行方を確認する事も出来ずに、 閉じられていたバーのドアの鍵を開け外へと飛び出した。 右手で目をおさえ左手にボウガンを持ったまま京は路地の奥へと消えて行った。 定まらない意識の中で呪詛の言葉をつぶやきながら…
149 :
Nana :01/12/22 22:49 ID:m3xQEC02
>147 いえいえ!! 礼言われるなんて!嬉しいス。 ちゃんとメモ帳で作って保存してるので(ワラ 適当な機会に更新して又乗っけますね。
150 :
バトル開始 :01/12/22 22:52 ID:/69VSREN
真矢ケイとはバーの近くの寂びれたビルのトイレの中にいた。 重症の真矢を遠くまで連れて歩くわけにも行かず、誰かに狙われた時満足に戦う事も 出来そうに無い。そんな状況の中ではベストではなくともベターな選択だとケイは思った。 お世辞にもキレイとは言えない所だったが水は幾らでもあるし こんな状況でゆったりトイレに来る神経など真っ当な人間にはまず無いだろう。 同じ考えの者がいなければ。 頭に浮かんだこの言葉をケイはかき消した。これ以上真矢を連れ外に出ることは 避けたかった。お互いのために。 水を飲み一息ついた頃真矢が意識を取り戻した。 「…ケ…イ……ごめんな…」 「何言ってんスか。そんなことより早く怪我治してくんないと。一緒に戦うんスから。」 にっこりと笑ってケイは答えた。 「なんか食うモン取ってきますんで ちょっと待ってて下さいね。」 手酌で水を真矢に与えケイは立ち上がった。 「行ってきます。」 右手にバーの隅で見つけたデリンジャーを持ち、静かにトイレのドアを閉めた。 念のため気配を殺し足音を立てずに階段を下りてビルを出たケイは 辺りに誰もいない事をしっかり確認して食料の調達に向かった。 ただ、その姿を別のビルの窓から見ていた者がいたことに気付くことは出来なかった…
あの・・・誰か登場して欲しい麺いませんかね?
152 :
nana :01/12/22 22:55 ID:ezx0No7M
DirヲタなんでDir麺キボーン
153 :
nana :01/12/22 22:56 ID:AW27pUbN
のいじーはどうなったの? 登場キボーン!
154 :
nana :01/12/22 22:57 ID:AW27pUbN
あとマリリンマンソンはダメかい…?
155 :
バトル開始 :01/12/22 22:57 ID:/69VSREN
ふと真矢が廊下の足音に気付いた時、足音の主がトイレに戻ってきた。 「なぁケイ…無事に帰ったらオレの家に来てくれよな……」 目を閉じ声は少し震えていたが、出来るだけはっきり聞こえるように言った。 「…じゃあちょっと……寝るわ…」 言い終え、まどろむ意識の中で額に冷たい物が当てられた。 (…そこまで…してくれなくても……いいのに…) 感謝の言葉と共に意識が途切れる瞬間、頭部に軽い圧迫感を感じた後 真矢の意識はブラックアウトしていった。
156 :
なな :01/12/22 22:58 ID:Rr8mBeBa
怜キボーン。武器=女装セット。
157 :
バトル開始 :01/12/22 22:59 ID:/69VSREN
ケイは嘔吐していた。止まらなかった。 もう十分間近く経ったのではないだろうか。 しかし胃液すら出なくなっても止まらなかった。 その傍らにはスーツを布団代わりに真矢が寝転んでいる。 ただ熟れたスイカを地面に落としたようなものが頭の代わりをしていたが。 ケイがビルのトイレに帰り着いた時、既に真矢の生命には終止符が打たれていた。 明らかに他人の手によって。 わけがわからない。?????????何故?いつ?誰が????????? 常に前向きだったケイの思考は停止した。 そして込み上げる嗚咽は一時間以上続いた……
158 :
Nana :01/12/22 23:03 ID:yKLligWG
めちゃセツナイ
159 :
バトル開始 :01/12/22 23:06 ID:/69VSREN
京はボウガンを手にさまよい歩いていた。 ふと、いきつけだったホビーショップのことが気にかかった。 「行ってみよう。何かあるかもしれないし」 ちょっと心も軽くなり、たどり着いた先には・・・。 残された左眼に映る光景に、只、呆然と立ち尽くす。 完全に崩壊した建物。崩落した事に因って隣接家屋への延焼は最小限に留まっていたが ホビーショップ…だった瓦礫の山は、所々燻り続けている。 しかし、視線を捉えているのは別の物だった。 月明かりの下、青の亡骸が路上に転がっている。 すっかり血の気の失せた顔。最後まで相手を睨み付けていたであろう瞳が、今は虚ろに月を見上げている。 撃ち抜かれた右膝と左大腿部。 先ず動きを封じるのが闘いの常套手段ではあるが、生死を掛けたこの闘いに於いては残酷以外の何物でもない。 更に胸・腹部に散らばる銃痕…恐らく近距離から左胸に撃ち込まれたであろう弾丸が、生命を奪った事は明白だ。 他の銃創が絶命前後どちらのものか素人目に判断は出来ないが、御丁寧な仕事振りである事に違いは無い。 「…一体、誰が……」 当然のように武器も奪われている。周囲にもデイパックの中にも、それらしき物は見当たらない。 次の獲物を仕留めにホビーショップに向かったのだろう。 爆風で飛散したショーウィンドウの破片が、亡骸の上にも降り注いでいる。 「……」 自分の他にもゲームに乗った奴がいるのは間違いない。 しかもそれは完璧に近い仕事をこなす、このゲームの大本命だろう。 対抗馬どころか大穴にすらなれないであろう自分とは根本から違う。 生命を脅かす新たな恐怖が、背筋を這い上がった。
160 :
Nana :01/12/22 23:22 ID:AW27pUbN
つっ…続きが気になり捲り (゚д゚)
161 :
名無しのケリー :01/12/22 23:35 ID:/69VSREN
すいません、さすがに疲れました・・・ 続きはまた次回に!
162 :
Nana144 :01/12/22 23:38 ID:TVwu38YT
>161 ご苦労様!次回からのために リメイク★アンオフィシャル・ガイド (ハイパーリンクを除去したのがポイント) ●青(カリガリ)=清春を刺殺・・・と見せかけ、清春に殺される〜8人目 ○ガクト=主人公 ★キリト(ピエロ)=首謀者 ○京(ディルアングレイ)=ケイに右目を潰される。真矢を撃つ ○清春(サッズ)=ユーキを刺殺。千聖を毒殺。青を銃殺。月森を銃殺。拓磨を銃殺。 大佑を銃殺。 ○ケイ(バロック)=青を尊敬。京の右目を潰す ★コータ(ピエロ)=キリトの側近 ●さとち(ムック)=雅に殺される。〜12人目 ●SHUSE(ラクリマ)=寝ぼけていて、爆死〜1人目 ○真矢(ルナシー)=銃で撃たれてかすり傷。京に腹を撃たれる。 ???に殺される。〜13人目 ●ダイ(エス)=ヤスに殺される。〜6人目 ○大佑(蜉蝣)=ヒデキを殺す。清春を銃殺・・・と見せかけ殺される。〜11人目 ●拓磨(ワイズ)=清春に殺される。〜10人目 ●千聖(ペニシリン)=清春に殺される。〜7人目 ●月森(ワイズ)=清春に殺される。〜9人目 ●ナオ(イルミナ)=銃で致命傷→爆死〜2人目 ○ノイジー(マシンガンズ)=SHUSEの親友 ●ヒデキ(シャムシェイド)=ガクトの親友。大佑に殺される。〜3人目 ●藤田幸也(ジルス)=インディー界の頭。ナオを銃殺。ヤスに殺される。〜4人目 ○雅(デュール)=さとちを銃殺。 ○ヤス(ジャンヌ)=幸也を刺殺。ダイを銃殺。 ●ユーキ(ジュラシック)=清春に殺される。〜5人目 ●ヨシキ(X)=尊望の的。キリトによって殺される。 ○竜太朗(プラトゥリ)=真矢を尊敬 只今13人死亡 次からも期待しています!
163 :
Nana :01/12/22 23:44 ID:cOZhDaDR
>161 本当にお疲れ様でした!!もうめちゃくちゃはまってます。 次回もマイペースで頑張って下さい。陰ながら応援しています。 >162 わかりやすくてイイ(・∀・)です!ありがとう〜 自分の好きな麺が死んだときにはちとウトゥ…(ニガワラ でもいいですな。これで映画作ってほしい(ワラ
164 :
Nana144 :01/12/22 23:46 ID:TVwu38YT
大佑と真矢●にしてなかった・・・ 連続長カキコスマソ。 ●青(カリガリ)=清春を刺殺・・・と見せかけ、清春に殺される〜8人目 ○ガクト=主人公 ★キリト(ピエロ)=首謀者 ○京(ディルアングレイ)=ケイに右目を潰される。真矢を撃つ ○清春(サッズ)=ユーキを刺殺。千聖を毒殺。青を銃殺。月森を銃殺。拓磨を銃殺。 大佑を銃殺。 ○ケイ(バロック)=青を尊敬。京の右目を潰す ★コータ(ピエロ)=キリトの側近 ●さとち(ムック)=雅に殺される。〜12人目 ●SHUSE(ラクリマ)=寝ぼけていて、爆死〜1人目 ●真矢(ルナシー)=銃で撃たれてかすり傷。京に腹を撃たれる。 ???に殺される。〜13人目 ●ダイ(エス)=ヤスに殺される。〜6人目 ●大佑(蜉蝣)=ヒデキを殺す。清春を銃殺・・・と見せかけ殺される。〜11人目 ●拓磨(ワイズ)=清春に殺される。〜10人目 ●千聖(ペニシリン)=清春に殺される。〜7人目 ●月森(ワイズ)=清春に殺される。〜9人目 ●ナオ(イルミナ)=銃で致命傷→爆死〜2人目 ○ノイジー(マシンガンズ)=SHUSEの親友 ●ヒデキ(シャムシェイド)=ガクトの親友。大佑に殺される。〜3人目 ●藤田幸也(ジルス)=インディー界の頭。ナオを銃殺。ヤスに殺される。〜4人目 ○雅(デュール)=さとちを銃殺。 ○ヤス(ジャンヌ)=幸也を刺殺。ダイを銃殺。 ●ユーキ(ジュラシック)=清春に殺される。〜5人目 ●ヨシキ(X)=尊望の的。キリトによって殺される。 ○竜太朗(プラトゥリ)=真矢を尊敬 只今13人死亡
165 :
Nana :01/12/22 23:50 ID:ga1zLRZI
>161 お疲れ様! かなり嵌ったです。 続き楽しみにしてます。
166 :
Nana :01/12/22 23:55 ID:PsQ2HpJ3
1さんお疲れ様です!凄い良かったです!次回も楽しみにしてますね! もし良ければでいいので、遊汝出してくれたら嬉しいです!
167 :
Nana :01/12/23 00:15 ID:9Io/6aB8
頭良いキャラっつーことでカリガリ研二郎はどうでしょう? あ、あと歯サマも!
168 :
Nana :01/12/23 00:20 ID:22CT/pjh
好きな麺が死ぬのがイヤー(ナキ でもはまった・・・
169 :
Nana :01/12/23 00:23 ID:OL8PbtV0
>1サン お疲れ様です!続きすごい楽しみです! 竜太朗ファソなので、また登場させてくださいね。 しかし清春コワイ!本編の安藤政信のようだ。
170 :
1 :01/12/23 00:26 ID:qeJtu84+
あ・・・レスしてくれてる! 駄スレ逝ってよし!とか言われると思ってたから みんな暖かくてうれしいYO!(ナキ
171 :
Nana :01/12/23 00:28 ID:d5o+5JZz
1サン、お疲れ様です!もう、夕方からずっと見てます! かなり切ないんですけど、はまりました。 ラルクとか出てきたらおもしろいかなーと。 小川をぶっとばしてやってください(ワラ
172 :
Nana :01/12/23 00:43 ID:vZGnGTTw
ガンバ!久しぶりに萌えた〜 デルのシンヤかトシヤ出してほしいデス。
・・・櫻井あっちゃんきぼんぬ・・・
174 :
Nana :01/12/23 01:22 ID:TH7bcf++
hydeはどうでしょ?(ワクワーク
175 :
三葉虫 ◆Slhy.Xp2 :01/12/23 01:24 ID:ZiCgG2nG
hyde、イイ!(・∀・) 清春と絡めたら面白い話になりそうな気が(w 個人的にはあっちゃんの美しい散り際を…。
176 :
174 :01/12/23 01:25 ID:TH7bcf++
あ、リロードせずに書き込んだら被ってた…>171 私も、小川ぶっとばして欲しいです! 清春あたりに超絶残酷な頃され方して欲しいですね!(ワラ
177 :
Nana :01/12/23 01:33 ID:jUkLldzE
1さんかなり面白いです!! めちゃくちゃはまりました〜! もしよかったらサキト出して欲しいです〜! 続き楽しみにしてます!!(ワクワーク
178 :
Nana :01/12/23 01:35 ID:JjN1hSHy
中々面白いっす。続き頑張って下され。 電脳のトモロウ氏とか出してくれたら個人的に愉快っす。
179 :
Nana :01/12/23 02:00 ID:vWdE0Nca
すげぇ面白い〜。 出来ればジャンヌのyouちゃんなんぞも 出していただけるとウレスィ(w
180 :
麺 :01/12/23 02:05 ID:OuPQOTiT
面白い(藁
181 :
Nana(スズメバチ ◆wvKHaybI :01/12/23 08:33 ID:ftKur7rQ
ホント面白いです。 リアルタイムでずっと読んでました。(ホロリ
182 :
nana :01/12/23 08:33 ID:xBcPL/yM
めっちゃはまりました! 今日も引き続き(?)頑張ってください♪ 楽しみにしてます〜。
183 :
Nana :01/12/23 09:24 ID:PB2T9F0F
ちょー面白かったッス。 眞呼さんだしてください!!
184 :
Nana :01/12/23 09:26 ID:DoRKE6EP
まなちゃんとガクトの激戦が聞きたい
185 :
nana :01/12/23 09:29 ID:kMgHCKxk
夜中にちょー楽しく読みました! 今夜も期待してます(ハァト ちなみにLaputaのKouichi&Junjiの出演希望です・・・
186 :
1 :01/12/23 09:40 ID:qeJtu84+
>173 あの・・・あっちゃんって誰ですか? 無知でゴメソ 小川っていうのも誰ですか? hydeの希望多いようなので、出す予定です。 あと↑のLaputaも出すと思います! では、今からバイトなので夕方頃に。
187 :
Nana :01/12/23 10:09 ID:yAPzuB6z
京出てきて嬉しかったぞ
188 :
nana :01/12/23 10:26 ID:xBcPL/yM
あっちゃんはBーTの櫻井敦、 小川→L'Arc〜en〜CielのTETSU 違ってたらスマソ Laputaでるのね!うれすぃ〜♪ K&J楽しみだ・・・(まったりあきぃ〜ん登場も面白いかもしれないけど) バイト頑張ってくださいね。 お帰りお待ちしておりますw
189 :
MarilynManson :01/12/23 11:04 ID:yAPzuB6z
是非出たい。
190 :
Nana :01/12/23 11:33 ID:Dm9DX0Wu
小川(ラルクのtetsu)頃してください。お願いします。
191 :
Nana :01/12/23 12:10 ID:I377ZAXW
大佑と超仲良しの、ムックの凸きぼーん!水戸弁の極悪キャラで(藁
192 :
Nana :01/12/23 12:14 ID:yQGcHLDB
おがわには自らの猜疑心で自滅していただきたい
193 :
小川てつ :01/12/23 12:14 ID:I377ZAXW
俺はビジュアル系じゃないよータスケテhydeーうわぁーん( ;Д;)
194 :
Nana :01/12/23 12:18 ID:I377ZAXW
>192 可能な限り無様な市に様が良いNE!
195 :
Nana :01/12/23 12:32 ID:biNH0xRS
すごい面白い!超はまりました。 カルマリアの優雅も出して下さい(ワラ
196 :
Nana :01/12/23 12:38 ID:7WLo62XU
>184 禿同 おもしろかったですー頑張ってクラハぃ。
197 :
Nana :01/12/23 13:05 ID:4Qgjaft1
プラメンバーだしてくれええ たのむ
198 :
Nana :01/12/23 13:09 ID:Omu4WX5v
ハマター。 末永く頑張って下さい。 久々にヴィジュ板来たらホクホーク。
199 :
亀仙人(´ω`。) ◆pz2QKAME :01/12/23 13:22 ID:3WQkYrDu
今全部読みました。 本作は知らないんですけど、面白かったです。 続きを期待しています。 あ、Toshiya出していただける機会がありましたら、 語尾はカタカナでお願いするのれすヨ♪8w
200 :
Nasa :01/12/23 13:39 ID:hXu/D927
ボーガスの昇歌をケイの親友として出演きぼーん!
201 :
Nana :01/12/23 13:53 ID:FDityP69
マリス麺出演きぼーん・・・(ボソーリ
202 :
名無し :01/12/23 15:06 ID:T/dz0oLc
Dir麺登場キボンヌです。 なんか本気で面白いです。1サソがんばってください
203 :
Nana :01/12/23 15:27 ID:zOVaaNNA
研次郎きぼーん。武器は炭素菌でね。
204 :
Nana :01/12/23 15:38 ID:ufu+edP3
つづきはいつごろですかー?
205 :
nana :01/12/23 15:53 ID:8PwxeWXb
同じくDir麺キボンヌ
206 :
Nana :01/12/23 16:33 ID:XCsS4ktC
これすっごい面白いね!!(感動)
207 :
NANA_SEA :01/12/23 16:42 ID:NE2rQEcX
GacktとManaの因縁の行方は! 果たして清春はhydeを手にかけることが出来るのか! キリトを狙う京!そして虎視眈々とディル麺処分を狙うLa'Mule一味! あたりが見物だと思われー 幸也もうちょっと生きてて欲しかったね、笑えるネタ満載だから! でも青さんはキャラ的に絶対に生き返るにイピョーウ!「あら、アタシ何してたのかしら、マ"ァァなんでアタシ血まみれで倒れてるのかしら!!」
208 :
Nana :01/12/23 16:57 ID:V/jwLBDd
ピヘロ麺は全員執行部なの? 俺様とアイジとかで平和を訴えてほしいんだが(ワラ 続き楽しみにしてます。頑張って!
209 :
Nana :01/12/23 16:59 ID:8xEGn26I
>207の予告萌え〜(;´Д`)
210 :
Nana :01/12/23 17:41 ID:Gbat+394
でもあんまり一気にリクエスト盛り込むと大変そう。 マイペースで長生きして頂きたいスレッドに一票。凄い面白いんだもん。 余計だったらスマソ。
211 :
Nana :01/12/23 17:54 ID:b2qWkuit
今読んでたんだけど、すげー面白いね 個人的には さとち以外のムック麺とカリ麺出して欲しい。 青さんがすぐ死んだのにはショック(藁 大変だとは思うけど1さん頑張って!!
212 :
なな :01/12/23 18:09 ID:LJKUHX0H
キリト萌えー
213 :
名無し :01/12/23 18:10 ID:e09T/5fN
ほんとに楽しみにしてます!
214 :
氏96ustet :01/12/23 18:53 ID:fHp3So5V
こんなの…全然わかんねーよ!(秋也風)
215 :
Nana :01/12/23 18:56 ID:DyECQ7IQ
すごいおもしろかったです! あたしもピヘロが全員執行部なのかが気になる…。
216 :
Nana :01/12/23 18:59 ID:zRSr1VRl
217 :
1 :01/12/23 20:12 ID:qeJtu84+
デッドマンのあいえは、口答えした時にキリトに思い切り張られた頬をさすりながら 眞呼と行動を共にしていた。なんでも後発組へのサービスだそうだ。 (しかし二人一組っていきなり襲われたらどうしてくれるんだ…) あいえは身震いしてそんな考えをかき消した。 それに人格者の眞呼と一緒と言うのは心強い面の方が遥かに大きい。しかし、 「ねぇ、眞呼さん?」 さっきから眞呼は殆ど喋ってくれない。ずっと何か考えているようだ。 きっと脱出の方法を考えているんだろうと邪魔しないようにしていた。 ちなみに武器は眞呼が和風の短い刃物、いわゆるドスと言うヤツだ。 自分は拳銃、確かロシア製のトカレフと言う銃だろう。 (まいったな…これ確か命中率悪いんだよな……ま、刃物よりマシか…) そんな考えを巡らせていると、ふと眞呼がこちらを向いた。 「眞呼さん、何か良い案浮かびました…!!!?」 聞いたあいえに返ってきた眞呼の答えはドスの切っ先だった。 いきなりの事にドスを腹部に突き立てたまま、あいえは一言も発せず絶命した。 眞呼があいえの手からトカレフを取ろうとしていた時、急に眞呼の意識は途絶えた。 眞呼の背後には今の一撃で血まみれになった金属バットを持ったラルクのhydeが立っている。 hydeはただにっこりと笑うともう一度眞呼にトドメを刺し二人の武器を回収して去って行った。
218 :
Nana :01/12/23 20:16 ID:V/jwLBDd
( ゚ロ゚) ハ、ハイディ!?
219 :
1 :01/12/23 20:23 ID:qeJtu84+
ラルクのテツは震えていた。 暗い自動車整備工場の片隅でひとり息を潜めていた。 早いものであれからもう1日が経過した。 水や食料を殆ど補給せず、且つ一睡もしていない彼の体は 既に限界にきていた。それでも彼は動かない。 餓死する事より他人に蹂躙・撲殺される恐怖が遥かに上回っていた 人間の運勢とは振り子の様なものだ。良い時もあれば、その逆も然り。 しかし彼を取り巻く状況はあまりにも悪過ぎた。最悪、と呼んでもよい。 才能やセンスには乏しいが、人一倍練習した。 性格も悪くはない。下には強いが、上に刃向う事などあり得ない。 その実直な人柄が評価され、一時期は名実ともトップとなった。 だが彼は、悲しいかな決して『トップ』の器ではなかった。 その評価が下されたトップというのは、この業界では生き地獄に等しい。 その時彼に向けられた誹謗や中傷・・・ そしてこの殺し合いの為だけにアメリカから呼び戻された自分の悲運!! 彼は他の大多数のバンドマンと違い、仲間を信用しなかった。 何より自分自身を信用できなかった。
220 :
1 :01/12/23 20:33 ID:qeJtu84+
彼は立ち上がるそぶりさえ見せない。 武器が『目潰しスプレー』という事実も、確実に戦意を削ぎ落としていた。 テツは、動かない。 ガラガラガラ…深夜のガレージにシャッターの開く音がする。 テツは息を殺し身を潜める。隠れる術は覚えた、既に3回目だ… 大方、武器を探しにきたのだろう。めぼしいものは軍が全て没収済だが。 ところが4人目の来訪者は気色が違った。彼は暫く回りを見渡すと テツとは逆の方向に向かって歩を進めだしたのだ。 …マズイ、居座るつもりか!? どうする、逃げるか戦うか、とどまるか? 様々な思案はテツの頭を混乱させる。動揺はそのまま反応に直結する。 無意味に揺れたテツの体はダンボールに触れ、雪崩減少を発生させた。 「誰だ!?」 引き裂くような絶叫が倉庫内にこだまする。 でもテツは不思議な事にその声を聞いて安心した。何だ、一番優しい奴だ… 自分の不運を嘆いていたが、少しは風向きが変わってきたのか? 意を決してテツは語りかけた。 「俺だよ!! Manaちゃん、テツだよ!!」
221 :
1 :01/12/23 20:35 ID:qeJtu84+
「…テツ…?」訝しげな声が闇から漏れる。 ただその後、マリスミゼルのマナの口から出た言葉は意外だった。心外、と言ってもよい。 「やめろ、撃つな、撃たないでくれー!!!」 「マナちゃん、何言ってんだよ!! そんな事する訳ないだろう!!」 「嘘だ!! 皆、そう言って仲間を殺していくんだ!!」 …仲間、いい響きだ。自分が孤独じゃないってわかる。皆怖かったんだ… 「嘘じゃない! 本当だ! 俺は誰も殺してない! そんな事出来る訳がないだろっ!!」 問返しても返事がない。そのうち早いリズムの足音が出口方向へ流れ出した。 …見捨てるのか、マナ!? 俺を見捨てるのか!? 「行くな! 行かないでくれ、マナちゃん! 俺をひとりにしないでくれー!!」 足音が止む。マナが怪訝そうに聞き返す。 「本当か? 本当に撃たないか? 信じていいのか、テツ!?」 「本当だ!! 俺はずっと隠れてたんだ!! それに銃なんて持ってやしない!!」
222 :
1 :01/12/23 20:39 ID:qeJtu84+
長い間の静寂が場内を支配する。おもむろにマナが口を開く。 「…ずっと? あれからずっとひとりでここに?」 「恐いんだ… 殺されるのも殺すのも… 俺はそんな為にバンドマンになったんじゃない!!」 暫くすると物陰から、小さい嗚咽がテツの耳に聞こえてきた。 「…マナちゃん? どうした?」 「恐かった… 俺もずっと逃げ回ってた。一日中、山をうろついてたんだ… もう嫌だ!! 何で俺達がこんな目に!! 」 テツは安心と同時に怒りを覚えた。 マナの言う通りだ、なぜ俺達が!!? 「マナちゃん、一緒に動こう!! 二人の方が安全だ。そして皆を助けよう!! 俺達はこんな事をする為にバンド活動をしてきた訳じゃないんだ!!」 「…信じていいのか、テツ? お前を頼っていいのか!?」 「仲間だろ!! マナ、俺を信じてくれ!! 一緒に戦おう!!」 「…テツ…」涙声と共に、足音が聞え始めた。先程とは違い近づいてくる音だ。 テツはふと興奮から冷めた。急に恐くなった。目潰しスプレーを握り直した。 「マナっ!! 止れ!! こないでくれ!!」「…なんだよ、信用しろって言ったじゃないか!?」 「…いや、スマン。正直、足音が聞こえたらなぜか急に…」 マナの返答がない。怒らせたか?それとも逃げたのか?
223 :
1 :01/12/23 20:50 ID:qeJtu84+
「マナちゃん? マナちゃん!?」「…見ぃ-つけた、っと」 えっ?と思って後ろを振り返る途中だったろうか? 破裂音と共にテツの視界・嗅覚・聴覚・思考、その全てが消し飛んだ。 「…ようやく夜目に慣れたんで、ね」 先刻の涙声はいま何処? マナは冷たい声で遺体に語りかける。 「ごめんなー、騙しちゃったみたいで。でもほら、俺、一応アクターだから(笑)」
224 :
1 :01/12/23 20:55 ID:qeJtu84+
「…やっぱり飛び道具があると便利だよな。」 マナは茶飲み話をしているかの様に、そしてテツの魂が横に あるかの様に語り続けている。 クスクス忍び笑いながら、テツのそばまで来た。「スイカ割だな、まるで」 呟きながら彼は血の海に浸かっている細長い缶を取り上げた。 瞬間、マナの嘲笑が静まった場内に響き渡る。 「なんだよ、目潰しスプレーって(笑) お前、武器までしょっぱいな(笑) 」 そこまで言うと、マナはフッと息をつき、テツの横に腰をしゃがめた。 「一言、言っておく。 俺とお前は仲間でも友達でもない。 お前にちゃんづけされる筋合いは一切ない。今まで一度もないよな、そんな会話」 彼は立ち上がり裾をポンポンと払う。 そしてマナは視線を下に落す。 異臭の漂う中、彼は遺体に優しく微笑んだ。 「けっこう『ヴィジュアル』はいけてるんじゃないの?」
225 :
1 :01/12/23 21:06 ID:qeJtu84+
夕方6時の放送の後、Laputaのコウイチとジュンジは体育館にいた。 「ジュンジさぁ…やっぱりやってるんだなぁ、殺し合い…」 コウイチが寂しそうに呟いた。 「みたいだなぁ…コウイチ……」 答えたジュンジはじっと体育館の天井を見つめていた。 ジュンジの武器は闘魂鎚となどと書かれたピコピコハンマー、 そしてコウイチは手錠だった。中身を知っていて渡したとしか思えない。 「なぁ、コウイチ。ここで一緒に演奏してみないか?」 突然ジュンジが提案した。コウイチは驚いたがジュンジの表情から冗談ではないと理解し問い返した。 「……今からかい?」 「今しかできないだろ?」 そう言いながら立ち上がったジュンジはちょっと照れくさそうな表情のまま立ち上がった。 それを見たコウイチは仕方なさげに立ち上がったが、その顔にはわずかに笑みが見られた。 二人は体育館の舞台に移動した。 向かい合いながら二人は言葉を交わす。 「久しぶりだな。ちゃんと演奏できるかな?」 「そうか?じゃあいってみるか…」 そしてどちらからともなく曲が始まる。 Laputaの代表曲が続く。 そして確かに二人の動きは若々しくなかった。 だが二人の目は最もパワフルだった時期の輝きを取り戻していた。 そこには後々のヴィジュアル系に多大な影響を与えた曲たちが繰り広げられていた。
226 :
1 :01/12/23 21:08 ID:qeJtu84+
夕日が完全に沈もうかという頃、二人は息も絶え絶えにステージに寝転んでいた。 少しして先にジュンジが呟いた。 「ハァハァ…おたが…お互い……歳喰ったな……」 「本当だ……なぁ…ハァハァ…」 コウイチが答えた後しばらく呼吸だけが続く。 濃密過ぎる時間を過ごした二人は疲労困憊だった。だが堪らなく心地いい疲労だった。 そんな二人を祝福でもするかのような拍手が聞こえてくる。幻聴ではない。 拍手の主は窓の外で様子を窺っていジャンヌのヤスだった。 「いやすごくいい物見せてもらいましたよ。…でも何でここにいるんスか?」
227 :
1 :01/12/23 21:11 ID:qeJtu84+
彼らは最初この戦いには参加していなかった。 だが、キリトの気まぐれによって急遽参加させられたのである。 事情を聞いたヤスはややオーバーな位のリアクションを見せた。 「はー、そりゃヒドい!いくらあのヒトらしいっつっても、ねえ!?つうことは後発組はお二人の他に…」 そこまで聞いた所でそれまで殆ど喋らなかったコウイチが口を開く。 「情報収集はもうそれくらいでいいか?ヤス。」 ヤスは完全に図星を突かれた驚きに思わずかなりの動揺を表に出してしまった。 「はっ!?なっな、何言ってんですか!!」 「そんなに驚くな。大体仕草がオーバーになってるのは何か企んでる証拠だからな。それに別に俺達はお前をどうこうする気も無い。」 コウイチの言葉にジュンジが続けた。 「それと左耳に血がついてるぞ。お前からは見えんかったんだろうがな。」 既にヤスの顔から驚きの表情は消え、幸也とダイを殺したときの顔になっていた。 冷徹な殺人鬼の顔に。
228 :
1 :01/12/23 21:15 ID:qeJtu84+
ヤスの眼光は先刻までと一変し、殺意が感情を塗り潰して行く様がありありと表れていた。 ジュンジに指摘された耳を触りながら、口元にだけわずかな笑みを浮かべ二人に話し掛ける。 「ったく、まいったなぁ。ま、そこまで分かってるって事は、オレがこれから何するかも分かってんでしょう? こんな冷静なヒト初めてですよ…ダイや幸也さんだってビビりまくってたのになぁ。 やっぱメンバーの脱退などで一つ吹っ切れた人間は死んだも同然って事なんですかね?」 二人は何も答えない。そしてヤスは膝を少し気にしながら立ち上がり、 腰の拳銃を抜いてまずコウイチに向けた。当然表情に躊躇(ためら)いの色は無い。 そして引き金にかけた指に力を込めた時、ヤスが今までに見た以上に優しい顔でコウイチは言った。 「生き残って、残りの人生大事に使えよ?」 ヤスの目が大きく見開かれるのと銃声が響くのはほぼ同時だった。 続けて、かすかに震えながらヤスはジュンジに銃口を向ける。 ジュンジもコウイチの方を全く見ずにその大きな顔に負けない大きな笑みをヤスに向けた。 「色々言うヤツはいるかも知れんが、お前は音楽界の未来を担ってるんだからな。」 再び銃声が鳴り、体育館中に大きく反響した。
229 :
1 :01/12/23 21:16 ID:qeJtu84+
ヤスは震えていた。二人への尊敬の念が、ゲームが始まった時捨てたと思っていた今までの多くの思いが 一気に頭の中に流れ込み、大粒の涙をこぼしていた。 膝がガクガクする。今にも地面に膝をついてしまいそうになる。しかし堪えた。 ここで膝をつくともう誰も殺せなくなる気がしたから。 数分後、シャツの胸をきつく握り締め息を落ち着かせたヤスは、 もう二人の姿を見ることもなく体育館の扉へ向かった。 二人の男たちの最後で最期の想いが残るこの場所に思い出を置き去り、ヤスは戦場へと帰っていった。
230 :
Nana :01/12/23 21:22 ID:4D3jLs/y
1さんマンセー!! おがわ頃してくれてありがとう!!(感涙
231 :
Nana :01/12/23 21:24 ID:IxRdPMVa
おがわが…!!! 皆のリクエストに答えてくれたんだね〜ありがとう1さん! hydeは桐山キャラ? (・∀・)イイ!! てか萌えた。
232 :
Nana :01/12/23 21:26 ID:4D3jLs/y
個人的に、ヤスがhydeを頃せるのかどうかが気になる。(藁
233 :
Nana :01/12/23 21:27 ID:YZDUit6Q
1サン、ありがとう! マナの台詞にチョピーリワラった(ワラ 最後まで是非、頑張ってください。
234 :
Nana :01/12/23 21:28 ID:YZDUit6Q
>232 それは気になるNE!(ワラ でも安はhydeに殺されるのは本望かも(ワラ
235 :
Nana :01/12/23 21:32 ID:EoAnQ4gj
>お前、武器までしょっぱいな(笑) 最高です。1マンセー。
236 :
Nana :01/12/23 21:34 ID:DtFp1DEL
ヤスゥーヤスがかわいそうだ!
237 :
Nana :01/12/23 21:37 ID:4D3jLs/y
国連から特務を受け東京に向かうMana しかし東京はキリトによって魔都と化していた・・・ 東京に着いて間無しのキリトに襲いかかる京!! 次回! 急襲!TOKYO! お楽しみに 「いきなり次回予告」で、こんなん出ましたけど。(藁
238 :
nana :01/12/23 21:38 ID:dyEaatJo
オトナなの魅力のK&Jに乾杯☆ そうだよねもう30代突入だもんねぇ・・・ でもジュンジ君はもうちょっと若いよ(苦藁 あぁ、でも二人ともカッコよかった〜
239 :
Nana :01/12/23 21:41 ID:9Io/6aB8
美しく散っていったね…ジュソジとコウイチ(ナキ 1サン邪魔してゴメソ
240 :
1 :01/12/23 21:45 ID:qeJtu84+
B-Tの敦は今、ある男と行動を共にしている。ラルクのhydeだ。 敦は心配だった。hydeの事が。 理由はまずhydeの武器、これがよく分からないスイッチだった。爆弾かとも思ったが あまりに小さい。 小さいマッチ箱にボタンが付いたようなあまりに適当な代物で、しかも何の説明書も無かったらしい。 使い道すらわからない怪しい物だった。 そしてもっと心配だったのがhydeの様子だった。武道館にいた頃からどうにもおかしい。 ヨシキの死体を見た後も妙に無表情で、外で合流した後も何とも言えない違和感が絶えなかった。 敦はショックが大きすぎた所為だと思った。 (とりあえず今出来ることに集中しよう。) 雑念を振り切り、敦は袖のデリンジャーを確認してから通信手段を探した。
241 :
1 :01/12/23 21:49 ID:qeJtu84+
hydeはこのゲームに巻き込まれてからの自分の異変に気付いていた。 ヨシキの死体を見た時、hydeはただ驚いただけだった。その驚きも死体を見たからではなく、 ただ何の感情も湧かない自分に驚いただけのものだった。 そう異変とはある種の感情が欠けている事。 悲しみ、恐怖、哀れみ、そんな感情がhydeからはすっぽりと抜け落ちていた。 原因はおそらく頭に埋め込まれた発信機だろう。 たまたまhydeの発信機にだけ問題があったのか、分からないが 発信機がhydeの脳に作用したのは明白だった。 そして欠けた感情を補うように残りの感情が膨れ上がった。歓喜。 ヨシキの亡骸を思い出すたびにぞくぞくする確かな悦楽がhydeを包む。 そしてその暗く醜い快感を押し止める感情はもう無かった。 hydeは堪らなかった。 元来の旺盛な知的好奇心がとりあえず人体を壊すことに向けられた。 もっともらしい理由を付け敦と一時的に別れたのも銃を持たない獲物を探す為だった。 そんな時、最早静かなケダモノとなったhydeの目が獲物を捉える。 金属バットを構えたディルアングレイのダイだった。
242 :
Nana :01/12/23 21:56 ID:4D3jLs/y
hydeオイシイ……つーか似合いすぎ。萌え〜。 1さん、さっきから邪魔してゴメソ。 嗚呼、もうすぐ堂本兄弟が始まるのに、 PCの前から動けないYO!(ワラ
243 :
1 :01/12/23 21:56 ID:qeJtu84+
先にダイに気付いていたhydeは辺りを気に(するフリを)しながら無防備に近づく。 一見、気が逸っているとは言え思慮の足りない行為に見えた。だが勿論計算があっての事である。 すこし訝しげにバットを構えたダイに、両手を挙げながら困惑気味な顔を作って話し掛ける。 「おいおいカンベンしてよ、ダイくん。やっと人に逢えたってのに。」 hydeは(前の)自分が多くの人間に信用されているのを知っている。 あとはそれを最大限に利用すれば良いのだ。 そう思いながらポケットに入っている『切り札』の存在を確認した。 「俺はやらないって!ダイくんだって知ってるっしょ!?」 hydeが少し懇願するような表情を見せればダイはあっさりバットを下ろした。 「信用してくれてありがとね。」 hydeはにっこり笑った。あまりに予定通りだったから。
244 :
1 :01/12/23 21:59 ID:qeJtu84+
ダイの話を聞いていたが話に興味は無かった。早く壊してみたかった。 「!…あれ?ダイくん、あれ何?」 言葉を聞いて振り向いたダイの金属バットを素早く奪い取り後頭部にそれをブチ当てた。 倒れかかったダイにさらに三、四発お見舞いすると、糸の切れた操り人形のように崩れ落ちた。 「ふ〜ん、こんな感じか…なるほどねぇ。」 どうもいまいちお気に召さなかったようだ。hydeは金属バットのへこんだ部分を見ながら呟いた。 (次は持つ方で殴ってみるか。感覚は違うだろうしな。) そう思いながらバットを眺めていた時、背後に視線を感じた。 hydeは片手をポケットに突っ込みながら振り向いた。そこには敦が立っていた。
245 :
1 :01/12/23 22:02 ID:qeJtu84+
敦は困惑していた。 (hyde・・・?何をしてるの?なんで人が死んでるの?あんたの目の前で?) 考えのまとまらない内に敦はhydeに銃口を向けていた。 (殺したくない…) 銃口の先は震えていた。 冷静に敦の心情を読み取ったhydeは、敦に投げかけた。 「まさか俺を殺すの?」 電気に打たれたように敦の身体に衝撃が走った。体中から力が抜ける。 構えた銃すら落としてしまいそうになった。 そして沈黙が続く。銃が重い。小さなデリンジャーが今まで持ち上げたどんな物よりも重たかった。 沈黙、銃の重さ、hydeの言葉、そしてhydeの視線に耐えられなくなった時、敦は逃げ出していた。
246 :
1 :01/12/23 22:05 ID:qeJtu84+
しかし少し走り出したところでなんとか敦は踏み止まった。 (ダメなんだ、せめてここでhydeを止めないと!それが俺の責任なんだ。) 向き直り再び銃を構えた。震える腕を押さえつけて。 「hyde――――っ!!!」 自分の身体に渇を入れるように大声をあげ、引き金を絞る。 次の瞬間、辺りに破裂音が響いた。 敦の前頭部が弾けた音だった。 そのまま敦の身体は後ろに倒れ、デリンジャーは数メートル後ろに投げ出された。 hydeはポケットからスイッチと紙切れを取り出すと適当に捨てて街に消えていった。 紙にはこう書かれていた。 [爆破スイッチ使用方法] えーこれは諸君の頭に埋め込まれた発信機を爆発させるスイッチである。 スイッチを押すと、装置から2番目に近い発信機を自爆させることが出来る便利なシロモノだ。 つまり自分から少し離れた相手などに使うのが望ましい。 ちなみに使用回数は一回なのでよく考えて使うことをオススメする。
247 :
1 :01/12/23 22:09 ID:qeJtu84+
その後、hydeは眞呼とあいえを殺し、ビルへ向かった。 そこの窓から、彼はバロックのケイが食料調達へ向かうのを見ていた。 ・・・そう、真矢を殺したのは、hydeだったのだ。
248 :
Nana :01/12/23 22:11 ID:wrEeIfUk
奥が深い・・・
249 :
Nana :01/12/23 22:18 ID:OL8PbtV0
真矢殺したのhydeだったのか!清春か京かと思ってたYO! 今日も楽しく読ませていただいてます!
250 :
1 :01/12/23 22:28 ID:qeJtu84+
このゲームは、いつ終わるのだろう? 「これは悪夢だ」 プラトゥリの竜太朗はそう思いながら、グラスの酒を飲み干した。 もう何倍飲んだだろう・・? もう少し飲んだら眠くなってしまいそうだ。 眠ってしまい、目が覚めた時には、 こんな馬鹿げたゲームでなく、 いつもの生活が待っていると思っていた。 そんな時だった。 ギィー・・・ 静寂を破る音を立てたドアの向こうには ノイジーが立っていた。 「竜太朗・・」 「ノイジーさん・・」 二人の間に、暫くの沈黙があった。 この二人の間には、敵味方の感情は一切ない。 この状況で出会った二人は、お互いにどう振舞えば いいのか皆目見当がつかなかった。 味方とも敵とも言えない、微妙な関係であったが、 少なくともこの状況では、信頼出来る相手で ないことは確かだった。 緊張が二人の間に走った。 ノイジーは銃を身構えると同時に、 竜太朗は手榴弾を手にした。 その時だった。 「これで3人揃ったな。」 もう一人の男がノイジーのすぐ後ろから現れた。カリガリの研次郎だった。 「やっと信頼出来そうな仲間と会えた。」 研次郎の口から出た言葉で、ノイジーと竜太朗は 身構えていた銃や手榴弾を降ろした。
251 :
Nana :01/12/23 22:31 ID:4D3jLs/y
TAIZO出してほしぃ…(ボソーリ
252 :
1 :01/12/23 22:32 ID:qeJtu84+
「なあ・・俺達3人組まないか?」 研次郎の言葉に2人はびっくりした。 が、同時にうれしくもあった。 お互いそれぞれ孤独をずっと感じていたからだ。 「研次郎さん・・仲間と思っていいんですね。」 竜太朗は思わず叫んでいた。 今まで、仲間という言葉は関係ないものと思っていたが、 この時は、研次郎の言うことが信用出来るような気がした。
253 :
1 :01/12/23 22:34 ID:qeJtu84+
「当たり前だ、そして仲間のために死ねるのも仲間だ。」 研次郎は竜太朗に向かい、銃を乱射した。 「!・・・」 ノイジーはその場の光景が信じられなかった。 「そんなに驚くなよ・・と言っても、 驚いてる時間もないけどな・・」 研次郎がそう言うと同時に、ノイジーの身体にも何発もの弾丸が打ち込まれた。 「俺はお前達の遺志を引き継ぐ。最後に残るのは俺だ。」
254 :
Nana :01/12/23 22:34 ID:b2qWkuit
わー、けんじろさんだ 偽善ぽーい(藁
255 :
Nana :01/12/23 22:38 ID:YV6KV7aw
>251 太三出してほしいね・・・。 ここで出してほしいっていうのは 殺してくれに等しいんだけど(ニガ
256 :
Nana :01/12/23 22:38 ID:tas1AMeJ
ついに死んでしまった・・竜太郎
257 :
Nana :01/12/23 22:38 ID:wrEeIfUk
ノイジー死んじゃった・・・(泣)
258 :
Nana :01/12/23 22:39 ID:MbQpZe5J
ジャンヌのユウとキヨ出してホシイ(ボソ 1さん応援してるよ
259 :
Nana :01/12/23 22:41 ID:OL8PbtV0
太郎死んじゃった。。。(ゴウナキ
260 :
Nana :01/12/23 22:41 ID:waBBpnMB
ダイくん好きだからちょっと鬱。 京なら氏んでもいいんだけど・・・(藁 NEW SODMYのAYAくん出して欲しい。 美形キャラで(苦ワラ 1さん頑張って☆友達にも勧めてるから(ワラ
261 :
Nana :01/12/23 22:41 ID:tas1AMeJ
サキトを出して欲しいような出して欲しくないやら・・
262 :
なな :01/12/23 22:42 ID:/lFzYCP4
京殺すなーー。
263 :
Nana :01/12/23 22:43 ID:bXn9D0zk
>262 小説なんだしいいでしょ(ワラ
264 :
Nana :01/12/23 22:44 ID:C4cojD53
竜太郎とノイジーの死はちょっとショックだな
265 :
なな :01/12/23 22:44 ID:/lFzYCP4
>263 うん
266 :
Nana :01/12/23 22:44 ID:YZDUit6Q
あっちゃん・・・でもhydeなら許す(ワラ
267 :
1 :01/12/23 22:45 ID:qeJtu84+
ガクトは公園に来ていた。そこでふっとため息をついた時、 ガクトの視線の先に人影が見え、それが近付きながら話し掛けてくる。 「…おはようございます、ガクトさん。」 「雅…君……」 デュールの雅はガクトを待っていたのだ。
268 :
1 :01/12/23 22:49 ID:qeJtu84+
突然の再会に戸惑うガクトに向かい、雅が口を開く。 「アレから色々考えました。その答えをどうしてもガクトさんに言っておきたかったんです。」 朝日を背にガクトは複雑な表情を浮かべながら答えを待つ。 雅は張り詰めた表情のまま腰から銃を抜き、ガクトに向けて二度引き金を引いた。 驚きながらもガクトはその場を飛び退き木の幹の陰に隠れた。 程無く木の幹が銃弾でえぐられる。 「雅!どうして、どうしてなんだ!?」 戸惑いを隠せずガクトは問い掛けた。雅は迷いの無い目でガクトの方を見ながら答える。 「このままで終わるのが嫌なんだ。…これからなんだよ、オレは!」 雅は回り込みながら撃ってくる。ガクトは避けながら別の木の陰に隠れ、訴えた。 「その為なら何をしてもいいのか?例え人を殺しても!」 「もう戻りたくないんだよ、売れなかったあの頃には!…その為には何だってやる。人だって殺す。」 雅の言葉にガクトは仕方なく短刀を抜いた。
269 :
Nana :01/12/23 22:51 ID:V/jwLBDd
さようなら雅〜(ワラ
270 :
1 :01/12/23 22:51 ID:qeJtu84+
(とりあえず弾を撃ち尽くさせるんだ。その隙を狙えれば何とか殺さずに済ませられる。) 断続的に続いていた銃声が途切れた。それにあわせて身を乗り出す。 「ぐぁっ!!!」 ガクトの右耳の先が弾けた。雅は銃にまだ弾を残していたのだ。 いきなりの痛みにガクトの体勢が崩れた。その隙に逆に雅がガクトとの間合いを詰める。 (今からじゃ間合いを空けられない!こっちも詰めるんだ!) 自分に近付いてくるガクトに雅は完全に意表を突かれた。舌打ちしながらガクトに銃を向ける。 (届く!) ガクトは雅の銃に向けて、渾身の力で短刀を振り上げた。―――しかし短刀は虚しく空を切る。 激しく落胆するガクトの額に銃口が触れた。
271 :
1 :01/12/23 22:54 ID:qeJtu84+
「…なぁ雅、一つだけ聞かせてくれないか?」 「……いいですよ、一つだけなら。」 眉一つ動かさず雅は答えた。それを聞き、表情に先程の落胆をおくびにも出さずガクトは言った。 「―――どうして逃げた?バンドからもこのゲームからも。」 「!!?」 雅の眼は予想だにしなかった問いに大きく見開かれる。雅は必死で言い返した。 「オ、オレがいつ逃げた!?逃げてるのはお笑いの世界に走って、 人も殺さず生き延びようとしてるあんただ!!負け惜しみなんだよ!! 大体オレは今そのヴィジュアル系バンドのチャンプじゃないか!!!」 「お前が選んだ道はどちらも自分にとって楽な方じゃないか。それを『逃げ』とは言わないのか!?」 自分の置かれた状況を省みない雅の強気な態度に、ガクトは苛立ちを隠せない。更にガクトは続ける。 「お前自身が誰よりその事を分かってるんだろう?その苛立ちが何よりの証拠じゃないか。 自分の信念を曲げて楽な方を選んでいるだけなんだ。先の見えなかったバンドの世界から、 このゲームで人を殺さずに生き残る難しさから、今のお前は目を背けているだけなんだよ。」 聞き終えた雅の顔からはいつの間にか苛立ちが消えていた。そしてその目から涙が流れていた。
272 :
なな :01/12/23 22:57 ID:/lFzYCP4
お笑いの世界・・・
273 :
Nana :01/12/23 23:00 ID:RjI8/js8
言いえて妙でワロタよ・・・(バクショ
274 :
1 :01/12/23 23:01 ID:qeJtu84+
・・・!? ガクトは驚愕した。 涙を流すと同時に雅は銃を自らのこめかみに当てていた。 「……この銃…持ってって…ください……あなたを…見届けたい…カラ……」 「やめろぉ!!!」 ガクトの声と引き金が引かれるのはほぼ同時だった。 池の水面はこのゲームに不釣合いにキラキラと輝いている。 雅の銃を腰に刺し、ガクトはこの血生臭いゲームを再開した・・・。
275 :
Nana :01/12/23 23:04 ID:wrEeIfUk
嘘!?雅自殺しちゃったの!? そんな奴じゃないのに・・・藁
276 :
nana :01/12/23 23:05 ID:DwkxrvqO
Toshiyaを・・・出して(藁
277 :
Nana :01/12/23 23:05 ID:tas1AMeJ
雅〜(ナキ
278 :
1 :01/12/23 23:09 ID:qeJtu84+
「緊急放送ーーー!!」 キリトの声が響く。 「なんと、誰一人殺さず、しかも自爆した奴がいる!そいつの名前は・・・ バロックのケイ! これからはこのようなバカなことはしないように!! 以上、厳重注意だ!分かったか!!」 ・・・そう、ケイは、真矢の死体を目にして、耐えられなくなって自殺したのだ。
279 :
Nana :01/12/23 23:10 ID:4D3jLs/y
深いわ… 1さんの、ヴィジュ麺に対する日頃の疑問や考察を感じるYO。 最後まで頑張れage
280 :
Nana :01/12/23 23:12 ID:V/jwLBDd
雅のキャラが本人と全然違うせいか何故か藁える(ワラ 1さん最高〜。面白すぎる。 42人も考えるのは大変だろうけど頑張って!
281 :
Nana :01/12/23 23:13 ID:wrEeIfUk
この小説、読んでてマジ泣きしそうになるよ。。
282 :
nana :01/12/23 23:14 ID:4heC1odB
よーし父さん今晩はこのスレを読破するぞー!
283 :
Nana :01/12/23 23:19 ID:XlsABT0G
1さんホント凄い!!!一人で全部やってるんだよね・・・? 良かったらカリガリしゅーじきぼんぬ(藁
284 :
Nana :01/12/23 23:21 ID:JsdZC28E
結局ここまで読んでしまいました・・・だって面白いんだもん(wara こうなったら最後までついてゆきます。
285 :
1 :01/12/23 23:25 ID:qeJtu84+
プログラム開始以来、先制攻撃を常とした事が京をここまで生き残らせていた。 その代償として満身創痍ではあったが、精神的な疲労は感じていない。 打たれ強い体質であることに加え、皮肉にも『狂気』が原動力となって京を戦へと駆り立てる。 隠れ場所の医院を後にし、豪雨の中を闇雲に徘徊した京に天運は味方した。 弱まった雨脚に誘われるように姿を現した清春を発見したのは一時間も前になる。 その後、隙を伺いながら尾行を続け…漸く機会を得ようとしていた。 武道館の方角に向かって移動する清春の進路から橋を渡ることを推測し、 見失う危険も承知で尾行を解いた。 駅から電車を伝い、隣接する橋をじっと凝視する。 雨に打たれるままにした身体の大部分は冷えていたが、傷口からジワリと拡がる熱と 内から滾る心がそれを補う。 普段、滅多に使わない鎮痛剤の効果はまだ持続していたが、念の為、追加した。 武器の確認を済ませ、標的の動向を再確認する。 ----眼下に清春の姿が見える。 ゆっくりと持ち上げたボウガンの照準が、確実に標的を捉え…狂気の矢は放たれた。
286 :
1 :01/12/23 23:35 ID:qeJtu84+
ヒュン----背後から一陣の風が耳元を掠めたのと同時に、右頬にカッと熱が拡がる。 清春は左に飛び退りながら振り返ったが、路上には相変わらず人陰はなかった。 ヒュン----ニ度目の飛来物の気配に、反射的にジュラルミンの盾を構える。 ガッと金属を弾く音と衝撃----その方向に襲撃者を視認すると盾とジュラルミンケースを 放り投げ、ベルトに挟んでいたグロッグを抜き2、3発連射。 弾かれるように倒れた襲撃者の姿は、鉄橋の影に隠れた。 視線を固定したままグロッグを構え、用心深く襲撃者が倒れた辺りまで清春は移動した。
再開しとる♪ ガクーンお笑いね・・・、さっき堂本兄弟で見たな。
288 :
Nana :01/12/23 23:36 ID:eUOMriiO
邦楽板にあるバトロワスレもここの1さんと同じ人なんかな?
289 :
Nana :01/12/23 23:39 ID:zC66aUGP
>281 私マジなきしたよ・・・
290 :
Nana :01/12/23 23:42 ID:DW1X73hR
雅ぃぃぃぃ〜〜(ナキ セツナイ・・・
291 :
1 :01/12/23 23:47 ID:qeJtu84+
そのまま、大体の位置を定めて清春は銃を発射した。 「ぐはっ!」という声と共に京が姿を現した。 お互い、相手の出方をうかがっている。 二人とも、銃は捨て、ナイフを取り出した。 そして・・・。 先にしかけたのは、京だった。 しかし、清春はするりとかわす。 応酬がしばらく続いた後・・・京が足をすべらした。 「あっ」という声と共に、さきほどの雨で増幅した川へと落ちていく。 あっという間に川に飲み込まれていく京を見て清春はつぶやいた。 「あばよ。あっけなかったな」
292 :
nana :01/12/23 23:50 ID:EtliXWl2
京だせ。w
293 :
Nana :01/12/23 23:52 ID:d5o+5JZz
ほんまにあっけないね(ワラ
294 :
1 :01/12/23 23:52 ID:qeJtu84+
Manaは病院へと向かっていた。 そして病室の扉を静かに開ける。だがそこには思いもかけない先客がいた。 「ヨッ!オマエだったのか。元気そうだな、マナ。」 突然自分に向けられたあまりに場違いな声にマナは懐の銃を抜くのも忘れたまま声の主を見た。 視線の先のhydeはいつものように背広を着て笑顔を湛えていた。
295 :
1 :01/12/23 23:55 ID:qeJtu84+
(は、hydeさん?) 嬉しさに、思わずhydeに駆け寄りそうになる。 しかしマナは踏み止まった。不自然だ。どうしてhydeはこんなに平然としているのか? 更にマナが部屋に入って来た時も少しも慌てなかった。そして手には武器も持っていない。 まるで入って来るのを知っていたかのようだ。それ以外にも妙な違和感を感じる。 マナには目の前の男が自分の知るhydeとは違う気がしてならなかった。
296 :
1 :01/12/23 23:59 ID:qeJtu84+
「hydeさん……あんたこれまでに誰を殺した?」 目の前の男を試す意味で問い掛けてみた。答えによっては…マナは懐の銃を確認する。 その問い掛けにhydeは片眉を少しだけ吊り上げたが、それ以外表情に何の変化も見せぬまま まるで数字でも数えるかのように何でもない顔で、今までの『戦績』を挙げ出した。 「んー?…え〜と敦さんだろ、それからディルのダイと眞呼にあいえ。 真矢さんもそうだな。あとは・・・」 もう途中からhydeの声は殆どマナの耳に届いてはいなかった。 そして次の瞬間、マナはただ黙って懐からベレッタM93Rを引き抜き、hydeに向ける。 それでもhydeは身じろぎ一つ見せない。既にマナの悪い予感は確信に変わっていた。 「おいおい待てよ、ホントに真面目な奴だな。俺は話があって来たんだぜ。」 無言のまま自分にべレッタを向けるマナを無視してhydeは続ける。 「なぁ、俺と組まないか?」
297 :
1 :01/12/24 00:01 ID:T+tHWUD/
「は!?……何言ってんだよ?」 マナには完全に理解できなかった。一体この男が何を考えているのか。 「いや何人か殺したら飽きちゃってさぁ、でやっぱ俺だって生き残りたいワケよ。 その為には仲間ってのもいたほうがいいだろ?その方がお前だって…」 「フザケンナコラァ、エー!テメェなんかと組めるかよ、ハイドォ!!」 マナの怒声が病室中に響く。そんなマナの剣幕にもhydeは軽く溜息をつくだけだった。 「…アンタ一体どうしちまったんだよ……」 一転してマナは悲しげな顔を見せる。むしろこれが本当のマナの顔ではあるが。 「どうしたって言われてもなぁ。確かに前とは違うけど、俺もよく分かんないし。 ただすごく気分いいんだよな。このゲーム始まってから。」
298 :
Nana :01/12/24 00:02 ID:zWFBRdHn
本人達と性格が違い杉で萎え・・・・ ていうか京がキリト殺して終りとかいう落ちだったら萎え
299 :
1 :01/12/24 00:03 ID:T+tHWUD/
「?……」 マナにはhydeの言葉は理解出来なかった。 当然hydeの身体に起きた異常は誰も、キリトやhyde自身ですら知らないのだから無理もない。 「…さっさと消えてくれ。オレはアンタとは組む気は無い。」 「なんだやっぱダメ?しょうがねぇな、他探すか。ま、お前も殺されないように頑張れよ。」 hydeはそう言うと、自分に銃を向けるマナの横を通りすぎて出口のドアノブに手をかけた。 「…おい待てよ。」 マナがhydeを呼び止める。ベレッタは向けたままだ。 「俺の言った『消えろ』ってのは出て行けって事じゃない、死ねって事だ。 アンタを生かしとく訳にはいかないんだよ。」
300 :
1 :01/12/24 00:05 ID:T+tHWUD/
言い終えたマナは、引き金にかけた指に力を込めながら自分に背を向けたままのhydeを見た。 ――――笑っている。 向こうを向いたままで顔は見えないが、背中に銃を向けられた状態で確かにhydeは笑っていた。 「今の」hydeの持つ空気、態度の異常さがマナの背筋に言い様の無い悪寒を走らせる。 だがそれを意地でねじ伏せマナは引き金を引いた。 しかしもうそこに誰もいなかった。すでにhydeは素早くドアを開け、廊下へと出ていたのだ。 マナも部屋を出て、廊下を走るhydeの背中を捉え再び銃を放つ。 だが弾は虚しく床を削り、それに気付いたhydeは窓を突き破り外へと飛び出した。
301 :
nana :01/12/24 00:05 ID:iOp8Fmb6
京、清春大好きなのに・・・(藁
302 :
Nana :01/12/24 00:05 ID:ekjaY/dA
何故にhydeは関西弁じゃないんだろう…
303 :
Nana :01/12/24 00:06 ID:nLYu4Eh7
>298 いやーあくまでフィクションだし(ワラ 面白い人は見てきゃいいじゃないですか、支持者もこれだけいるし。 たまに爆笑な台詞とかあって私は好きだけどな。 気に障ったらスマソ。
304 :
Nana :01/12/24 00:07 ID:5YY+V5b7
なぜにマナちゃんも広島弁じゃないんだろう(違ってたらスマソ)
305 :
1 :01/12/24 00:07 ID:T+tHWUD/
マナもhydeの後を追い、窓から外へと出る。 3m程の高さの外壁と病棟に囲まれたそこには植物が生い茂り、hydeの姿を認めることも出来ない。 それでもマナは葉の擦れる音を頼りに数発銃弾を放つ。すると辺りは静寂に包まれた。 耳を澄ませ物音を探るが何も聞こえてこない。2分程待った所でマナは着弾の確認に動いた。 その直後、乾いた音の後にマナの首の左側を衝撃が掠める。 「!…つぁっ」 hydeの反撃だと気付くのには数秒を要した。今まで『実戦』経験の無かったマナはhydeの反撃が無いのを 離れた距離での攻撃手段を持たないからだ、と安易に考えてしまっていた。 その間違いに気づいた時には、既に茂みから現れたhydeに間合いを詰められてしまっていた。 マナは銃を向ける前に押し倒されはずみで銃を落としてしまう。 「動きが硬いなマナ。慣れてないだろ、んん?」 hydeは馬乗りになったマナの額にトカレフを押し付けながら勝ち誇るように薄笑いを浮かべた。
306 :
Nana :01/12/24 00:09 ID:RmxTCAb8
フィクションでイイと思うYO 面白い!1サンガンバレ
307 :
Nana :01/12/24 00:10 ID:ilG0jJLj
308 :
Nana :01/12/24 00:12 ID:zWFBRdHn
某所のバトロワと酷似しているのは気のせいか? ファンならいいけどファンでもないのに勝手な性格つくって 殺されるってのも萎え。 どうせならリアルにお願いしたい。
309 :
なな :01/12/24 00:13 ID:eUx01jfo
>308 別にええやん
310 :
Nana :01/12/24 00:14 ID:GiIL2Fru
微妙にリアルだから全然いいよ! 1さんがんばれ!
311 :
1 :01/12/24 00:14 ID:T+tHWUD/
苦渋に満ちた顔のまま、マナはhydeを見上げている。 「そんな顔すんなよ。しょうがないって、お前は殺しには向かないんだから。」 「じゃあお前は向いてるのか?」 「あれ?…研次郎、なんでここにいんの?」 突然の言葉に反応してhydeが見上げた先で、ブローニングを構える研次郎が喋っていた。 「あれだけドンパチやってりゃ気付くだろ。それよりマナから離れろ。」 それでもhydeは研次郎の呼吸のほんの一瞬の隙を突いて胸元からSIGザウエルP226を抜き研次郎に向けた。 「ちっ!…」 この銃は『とっかえだまシステム』でノイジーが持っていたものだ。 弾はなんと竜太朗が持っていた。 「hyde、腕が一本足りないんじゃないか?」 研次郎が言い終えた頃にはhydeの背後からガクトが銃を向けていた。 「このまま消えるなら見逃してやる。でも戦うなら少なくともお前は死ぬぞ。」
312 :
Nana :01/12/24 00:15 ID:huAMxP27
ハイタン…!!
313 :
Nana :01/12/24 00:17 ID:GiIL2Fru
あぁっ!!ハイドッッ
314 :
1 :01/12/24 00:17 ID:T+tHWUD/
「大丈夫か、マナ。」 三人から離れていくhydeを見張りながらガクトはマナに話し掛ける。 だがマナは答えるよりも先に落とした銃を拾い上げhydeに向かって発砲を始めた。 「おい!何してんだ、やめろって!」 「アイツはここで殺しとかないといけないんですよ!」 マナは止めに入る研次郎と揉み合う。その時横からガクトの声が聞こえた。 「危ない!!」 二人がその声に反応した時には乾いた連続音が聞こえ、研次郎の左ふくらはぎに銃弾が当たっていた。 研次郎はバランスを崩して倒れる。 マナは反撃したがすでにhydeは弾が当たらない程遠くに逃げた後だった。
315 :
Nana :01/12/24 00:19 ID:V/U3lV8T
ハイド、ご無事で何より!
316 :
Nana :01/12/24 00:22 ID:CVbGDAGF
ハイド強いというかスゲー!!!
317 :
Nana :01/12/24 00:22 ID:ekjaY/dA
ハイド大人気(藁
318 :
nana :01/12/24 00:24 ID:iOp8Fmb6
邦楽板の廃土が宇多田っていうのが・・・藁
319 :
Nana :01/12/24 00:26 ID:GiIL2Fru
桐山はハイドか?!
320 :
Nana :01/12/24 00:26 ID:V/U3lV8T
>318 言わないでください(ニガ
321 :
Nana :01/12/24 00:27 ID:GiIL2Fru
誰が残ってるのか分からなくなってきた・・(アセ
322 :
Nana :01/12/24 00:30 ID:CVbGDAGF
ワクワク!!!
323 :
Nana :01/12/24 00:30 ID:/jhr18AS
Sゆな出してください!
324 :
Nana :01/12/24 00:32 ID:huAMxP27
とりあえずホッとした(w ハイドは桐山+光子な感じだね。 ハイドには壮絶な最期を用意してあげてクレー
325 :
なな :01/12/24 00:35 ID:eUx01jfo
このへんでキリト出して〜〜〜
326 :
Nana :01/12/24 00:38 ID:pXXapeDo
映像化できたらすごいよなぁ。 漫画化でもいいけど。
327 :
Nana :01/12/24 00:39 ID:DO0snOi3
>326 演技できない人が多数(藁
328 :
Nana :01/12/24 00:39 ID:0j82l5ra
桐山なハイド萌え〜。
329 :
Nana :01/12/24 00:40 ID:qOhfKgGW
サイコ出してください・・・(ボソーリ
330 :
nana :01/12/24 00:40 ID:lS0g3HCR
誰かまとめてうpして欲しい 自分はせんけど
331 :
Nana :01/12/24 00:42 ID:8Zp+SnC6
バトロワ本にサイコにピターリな役があったような・・・。
332 :
Nana :01/12/24 00:50 ID:A+lFWMwY
誰だしてくれとかやめない? 1さん大変だよ、、、
333 :
Nana :01/12/24 00:52 ID:GiIL2Fru
てか、話の進行とかキャスティングは全て1さんに お任せした方がよくない? 聞いてきたら別だけど
334 :
Nana :01/12/24 00:54 ID:qOhfKgGW
>331 映画しか見てないから分からんが・・・どんなん? ゴツイ女生徒(綾)とかだったら泣き藁う
335 :
名無しさん :01/12/24 00:55 ID:hOwrWhC0
1 名前:※明日まで 投稿日:01/12/24 00:18 ID:aA4Sw6eN
http://www.cnn.com/ ここの右下のQUICK VOTEに注目。
Do you agree with the choice of Mayor Rudy Giuliani as Time
magazine's Person of the Year?
(Time誌の「Person of the Year」で
ルディー・ジュリアーニ市長の選択に賛成しますか?)
こちらの投票所にて「No」をクリックして、
Time誌に対して異論を叩きつけよう。
336 :
Nana :01/12/24 00:56 ID:A+lFWMwY
>333 そのほうが1さんも楽だし書きたいもの書けるでしょ
337 :
Nana :01/12/24 00:58 ID:dj7K1N4/
今視聴率どれくらいカシラ(ゎら 続きを楽しみにしてる人はかなり多いはず
338 :
にゃーにゃ ◆GuVmz79Q :01/12/24 00:59 ID:dkoQJcKU
続きが楽しみで寝れませぬ…w
339 :
Nana :01/12/24 01:00 ID:8Zp+SnC6
>334 いや、コツイとかそうゆうんじゃなくて。 自分が光の戦士だと思いこんでる ミズホって女生徒なんだけど、 そのコの話の中に伝説の剣とか出てくるんだよ(ワラ
340 :
Nana :01/12/24 01:01 ID:8Zp+SnC6
コツイって何だよ・・・
341 :
氏96ustet :01/12/24 01:02 ID:QZv7mCir
おがわはsakuraに頃されてほしかったYO! もうヴィジュじゃないけど。
342 :
Nana ◆kkkkkKKk :01/12/24 01:03 ID:28LPE15l
初めて通して読んだよ・・・<(iДi)=====3 ウワーソ 圭が自爆してるのに、誰も突っ込んでくれてないぃぃ(苦藁
343 :
Nana :01/12/24 01:03 ID:4VQ/bEdN
ToshiとMASAYAキボーン!!(ワラ
344 :
Nana :01/12/24 01:03 ID:KDDNZFn1
実はコッソリ見てるよ ハイド萌え〜 ここってハイドファン多いのかしら(藁
345 :
Nana ◆kkkkkKKk :01/12/24 01:04 ID:28LPE15l
さっきまでパソ使えなかったから、途中までは携帯から見てました。 パケ代すごい事になりそうだけどやめられないよ〜(´Д`;)泣けるし。 1さん頑張れ〜!
346 :
Nana :01/12/24 01:05 ID:GiIL2Fru
ハイド、ファンあがったけどなんかカコイくて萌え
347 :
Nana :01/12/24 01:06 ID:qOhfKgGW
>344 ファソじゃないけど廃土萌え〜♥ 外見と中身のクールさマッチしてて萌える
348 :
nana :01/12/24 01:07 ID:72UTKB9A
私もかなりハイド萌えv
大佑萌え…ボソーリ
350 :
Nana :01/12/24 01:11 ID:Wh8tQDDU
コウイチがいい人で死んでいったのがどうにも…(苦藁 奴は仲間裏切っても自分が大事ってキャラだと思うのだが。 実は苦悩しつつも着々と殺し続けていくヤスに萌えて鱒。 ディアラヴィのマサと師弟対決してくれないかな〜。 その際にはマサの武器は「ハリセン」でお願いし鱒(藁
351 :
Nana :01/12/24 01:13 ID:b+9hJUn/
>350 鱒にワラタ…スマソ
352 :
Nana :01/12/24 01:13 ID:gu1aMw99
>347 禿同!実際の廃土も皆で言い争いとかしてる中、 最初は傍観してて最後に最もひどいトドメの一発をかましそうだよね。
353 :
nana :01/12/24 01:19 ID:lS0g3HCR
ってか今日は終わりか 寝よ
354 :
1 :01/12/24 01:22 ID:T+tHWUD/
濁流にのまれた京だが、幸か不幸か岸に打ち上げられ、生きていた。 まるで目に見えない何かに生かされてるかのように・・・。 そんなことは清春は知るはずもなかった。
355 :
Nana :01/12/24 01:23 ID:ekjaY/dA
SQFのミチきぼーん…(コソーリ
356 :
なな :01/12/24 01:29 ID:tCEY8ea4
ハイドとガクトと清春の三つ巴決戦きぼん! ハイドはいかれちゃって殺人鬼になったんだね? 彼にありげな展開で萌え〜1さんすごい!
357 :
Nana :01/12/24 01:34 ID:A+lFWMwY
きぼんはやめようよ1さん困るから
358 :
Nana :01/12/24 01:34 ID:yA0mVKZF
犬神凶子とか陰陽座のボーカルなど、
女性キャラが出てきても面白いかも。
出せとは言わないから、とりあえず頑張って
>>1 さん!!
359 :
Nana :01/12/24 01:37 ID:CVbGDAGF
続きが気になるよ〜!たいへんだと思うけど1さん頑張って〜!!!!!
360 :
Nana :01/12/24 01:39 ID:GiIL2Fru
コソーリ見守りましょうよ なんかもうきりがないよ
361 :
Nana :01/12/24 01:40 ID:CVbGDAGF
>360 そうだね・・1さんもたいへんなんだろうし!(反省
362 :
Nana :01/12/24 01:44 ID:tUZE/+MU
今日はジュラゆーきが死んだとこまでで寝ます。 すげーおもしろい。気になる〜 ハルカ…が流れてきたのにはうけた(藁
363 :
Nana :01/12/24 01:48 ID:5M0GRAA8
大変なのはわかってるんですがメジャどころ一通り、 同じ盤からペアというわけじゃなくても何人も出てたりするのに 仮にもヴィジュ四天王に含まれていたのに こういう時スカーリ忘れ去られるファナ麺が切ないです(ナミダ
364 :
Nana :01/12/24 01:52 ID:b+9hJUn/
邦楽板のも読んできた(ワラ プロレス板にもあるんだね
365 :
Nana :01/12/24 01:57 ID:4haKBMn2
>363 「ヴィジュ四天王」…懐かしい……。 ついでにSHAZNAも忘れ去られてて、チョピーリ寂しいです。
366 :
Nana :01/12/24 01:58 ID:wakea2FK
バロ圭こっそり萌え・・・ 良い人役で良かったー(ワラ
367 :
Nana :01/12/24 02:05 ID:5M0GRAA8
>365 多分そちらはそのうちドカーンとポインツキャラとして 使われるのではないかと思うのですが・・
368 :
Nana :01/12/24 02:52 ID:rTdmSpmT
hyde嫌いだからおもろない。 愚痴スマソ… てか、京さんはもう死んだの?(ニガワラ あっけなさすぎ。
369 :
nana :01/12/24 02:53 ID:72UTKB9A
>368 私は嬉しいけど(ワラ ちなみに京は死んでないYO! しぶとく生きてるYO!(ワラ
370 :
Nana :01/12/24 02:53 ID:rTdmSpmT
ごめん、京くん生きてたみたいね(ニガワラ
371 :
Nana :01/12/24 02:59 ID:hApj2hrD
Toshiyaもぜひ登場させてくれ。 彼は光子タイプだと思われ。(w
おもろい。 続けてプリーズ。
373 :
Nana :01/12/24 03:47 ID:HZvgTxbk
Dieちゃんあっけなく死んで鬱...
374 :
生存確認 :01/12/24 03:49 ID:Yz5diGNi
○ガクト=主人公 ★キリト(ピエロ)=首謀者 ★コータ(ピエロ)=キリトの側近 ○清春(サッズ)=ユーキを刺殺。千聖を毒殺。青を銃殺。月森を銃殺。拓磨を銃殺。 大佑を銃殺。 ○ヤス(ジャンヌ)=幸也を刺殺。ダイを銃殺。 ○研次郎(カリガリ)=竜太郎、ノイジーを銃殺。 ○hyde(ラルク)=ディルダイ、あいえ、眞呼、敦司を殺害。 ○mana(マリス)= TETSUを殺害。 ?京(ディル)=清春と対峙し川に転落。実は生きていた。
375 :
NANA_SEA :01/12/24 03:49 ID:ynJ5ikRp
ココマデヨンダ★ 清春ストーキング京がステキ! あとLaputaの「確かに二人の動きは若々しくなかった。」で悶絶しました。 あの眞呼がイキナリ殺されちゃうしハイタンになんとなくTrue時代のヴィジュアルを髣髴させるロリっぷりですな。 小姑のごとくキャラ違いやらなんやらを指摘することもできますが 取り合えず1さんガンバレ
376 :
25人 :01/12/24 03:49 ID:Yz5diGNi
●ヨシキ(X)=尊望の的。キリトによって殺される。 ●SHUSE(ラクリマ)=寝ぼけていて、爆死 >10 ●ナオ(イルミナ)=幸也の銃で致命傷→爆死 >35-36 ●ヒデキ(シャムシェイド)=ガクトの親友。大佑に殺される。 >42 ●藤田幸也(ジルス)=インディー界の頭。ヤスに殺される。 >54 ●ユーキ(ジュラシック)=清春に殺される。>59-72 ●ダイ(エス)=ヤスに殺される。>86 ●千聖(ペニシリン)=清春に殺される。 >92 ●青(カリガリ)=清春を刺殺・・・と見せかけ、清春に殺される >97-104 ●拓磨(ワイズ)=清春に殺される。 >118 ●月森(ワイズ)=清春に殺される。 >118 ●大佑(蜉蝣)=ヒデキを殺す。清春を銃殺・・・と見せかけ殺される。>122 ●さとち(ムック)=雅に殺される。>125 ●真矢(ルナシー)=hydeに殺される >155 ●ケイ(バロック)=京の右目を潰す。その後自殺。 ●眞呼(デッドマン)=hydeに撲殺される >217 ●あいえ(デッドマン)=ドスで一撃。 >217 ●TETSU(ラルク)=mana様に殺される >224 ●コウイチ(ラピュータ)=ジャンヌのヤスに殺される >225-229 ●ジュンジ(ラピュータ)=ジャンヌのヤスに殺される >225-229 ●ダイ(ディル)=hydeに撲殺される。 >244 ●敦司(B-T)=爆死。 >246 ●竜太朗(プラトゥリ)=真矢を尊敬。研次郎に殺される。>250-253 ●ノイジー(マシンガンズ)=SHUSEの親友 。研次郎に殺される>250-253 ●雅(デュール)=さとちを銃殺。その後、銃で自殺。 >274
377 :
nana :01/12/24 03:56 ID:6Jl9l7GF
1サンも376サンもお疲れ様です!
378 :
Nana :01/12/24 04:08 ID:8Zp+SnC6
ヨシキは生徒(?)にはカウントされないんじゃないかな? あと最初の方に出てきたBLUEの二人がまだ殺されていないyo! でも誰かも分からないんだが(藁
380 :
Nana :01/12/24 04:11 ID:5M0GRAA8
>378 BLUE居たねえ・・(ワラ
381 :
Nana :01/12/24 04:14 ID:FmCz2qn+
幸也の側近てことはサキとアリヒトだろ。>ブルー
382 :
Nana :01/12/24 04:27 ID:S9qUUDq8
清春・京・ヤス この3人がキレててかっこいい!! あんまり早く殺さないでね(ワラ hydeは桐山みたいなもんか?
383 :
Nana :01/12/24 04:28 ID:FmCz2qn+
清春死んでほしくない キャラかっこよすぎ
384 :
Nana :01/12/24 04:33 ID:S9qUUDq8
キャラがかっけー奴は逝く時もかっこよく逝って( ゚д゚)ホスィ…
385 :
Nana :01/12/24 08:56 ID:nSiSFQu9
hyde、邦楽板のやつとのキャラの違いがすごい(藁 こっちのが萌え。
386 :
Nana :01/12/24 10:40 ID:1dyFLXJZ
あ〜・・・ あたしのアンオフィガイドが勝手に・・・ 昨日接続できなくて覗けなかったのが悪いんだけどね・・・ニガワラ
387 :
Nana :01/12/24 10:48 ID:KddI/FTX
どうでもいいけどガイドにくらいはハイパーリンク貼ってくれないかな。
388 :
Nana :01/12/24 11:49 ID:sIHagj5x
ココに出てるメンバーってっすっぴんなのかな それともフルメイク?
389 :
1 :01/12/24 11:51 ID:T+tHWUD/
この家は最近建てられたのであろう。 都会ではどこにでもある平凡でモデルハウスのような形をしたその家は、 この島では風景に溶け込めているとは言い難い。 サイコルシェイムのダイシとシークはその家の前にいた。 「とりあえず、ここに隠れようか。」 ダイシはシークの意見を聞くまでもなくその手を引っ張り、玄関に歩み寄った。 幸い鍵はかかっていなかった。 さっと扉を開き素早く中にもぐりこむと、音を立てないよう慎重に鍵をかける。 外界から遮断された空間にいるという事が、今の2人にとってとても心地よく感じた。 一通り家の中を確認すると、2階へ通じる家の階段を上がった。 その階段の先は壁になっていて、 T字路のように左右に部屋が一つずつあるいたってシンプルな作りになっている。 ダイシは両方の部屋をさっと見比べた後、右側の寝室を選んだ。 8畳ほどのその部屋には、やや大きなベッドと壁に埋め込まれたひときわ大きいクローゼット、 そしてどの家にでもあるような家電類が綺麗に配置してある。 「・・・ちょっと休憩したいな」 ベッドの上に座ったシークが久しぶりに話した。ダイシはなんとなくその事が嬉しかった。 「そうやな。パンでも食べよっか。」 そういうと、ダイシは自分のデイバックに手を伸ばした。 そこには水の入ったまだ真新しいペットボトルと形の崩れてない蒸しパンが一つ。 やや力を込めてペットボトルの封を切る。 今まで意識していなかったが、水に口をつけて始めてその体がとても水を欲していることに気付く。 一気に半分ほど飲みほし、まだの飲みたい気持ちをぐっと堪えて蓋をきつく閉めた。 ・・・まだ、・・・まだ終わりやあらへん。 次の瞬間、2人は自分の耳を疑った。 ―歌が。・・・歌が聞こえる。
390 :
1 :01/12/24 11:57 ID:T+tHWUD/
その冷たく透き通る歌声は、まるでオペラの序曲のように今から起こる何かを暗示していた。 ただ、今の2人にはその歌声に優雅に耳を傾けている余裕は無いのだが。 「・・・紺さんや!」 その声の主はすぐにわかった。ラムールの紺だ。 それにしてもなぜ、なぜ気付かれたんや? 廊下から聞こえてきたのは、その玄関でドアノブを激しくまわす音。 まるで頭を掻き毟るようにその音がダイシを激しくつらぬく。 全神経をその歌声と気配に集中しつつ、2人は脱出路を捜して部屋を見渡した。 その視界に窓を確認すると、ダイシはすぐさま駆け寄り身を乗り出して下をみる。 ―あかん!高すぎる。たとえ無事に飛び降りられたとしてもすぐに追いつかれてしまうはずや。 窓の下は丁度その家の庭。地面はくしくも綺麗に舗装されタイルが敷き詰められていた。 あきらめきれないダイシはその身をさらに乗り出して窓の左右を見るが、 逃げられそうな足場一つ無い。 「こっちからは出られへん!」 そういう前からシークがもうすでに絶望的な表情を見せている。 その時、とてつもない爆発音。 紺が鍵のかかった玄関にためらうことなくバズーカを放ったのだ。 もうそこは玄関と呼ぶのが相応しいのかどうかさえわからないほど 開け放たれた空間が出来上がっていた。 歌声がよりはっきりと聞こえるようになったが、そんなことはもうどうでもいい。 爆発音に反応するかのように手を握り合った2人は恐る恐る階段から階下を覗き見た。 ひときわ大きな人影。見つかるのも時間の問題だろう。 ダイシはいまさならながら2階へ上がってきた事を後悔していた。 ・・・下にいたなら、逃げられたかもしれへんかったなぁ 紺の足がチラッと見えたのを確認すると、もといた部屋にさっと頭を引っ込めた。 ダイシが手をついていた床には彼の手形が消えないで残っていた。
391 :
1 :01/12/24 12:00 ID:T+tHWUD/
紺はどうやら下の部屋一つ一つを片っ端からしらみつぶしに破壊しているようだ。 さっきは居間で聞こえていた破壊音も、今は台所から聞こえてくる。 ガラスの割れる音、木材の折れる音、電動釘打ち機の発射音。 その全てが不思議にも紺の歌声と奇妙なアンサンブルを奏でていた。 もう、まもなく2階にもやってくるだろう。 ダイシとシークは微かな望みを託してもう一度部屋を見回した。 ―まさかベッドに下に隠れるわけにはいかへんしなぁ。 やっぱり、戦うしか方法はないんか・・・ そこに、シークがまるですごい名案でも浮かんだかのようにダイシへ囁いた。 「あそこにかくれるんや!」 そう指差す先は大きなクローゼット。確かに人2人ぐらいは十分に入れそうな大きさではある。 「・・・そうやな、あそこに隠れよう」 もう迷っている暇は無かった。そう言うと2人は取り急ぎバッグを掴むとクローゼットの扉を開けた。 なかに詰まった服を掻き分け潜り込むと、内側から扉を閉める。 さすがに座るだけの余裕は無く、2人は手を握ったままの状態で立っていた。 完全な暗闇の世界。家の破壊音と紺の歌声だけが全てを支配している。
392 :
1 :01/12/24 12:02 ID:T+tHWUD/
「あそこにかくれるんや!」 そう指差す先は大きなクローゼット。確かに人2人ぐらいは十分に入れそうな大きさではある。 「・・・そうやな、あそこに隠れよう」 もう迷っている暇は無かった。そう言うと2人は取り急ぎバッグを掴むとクローゼットの扉を開けた。 なかに詰まった服を掻き分け潜り込むと、内側から扉を閉める。 さすがに座るだけの余裕は無く、2人は手を握ったままの状態で立っていた。 完全な暗闇の世界。家の破壊音と紺の歌声だけが全てを支配している。 一階は破壊しつくしたのか、もう破壊音は聞こえなくなっていた。 ただ紺の歌声の存在が、まだその恐怖の終わりを告げていないことを証明していた。 いや、まだ始まりさえも。 2人の握り合った手にさらに力が入った。 トン、トン、トン・・・ 紺が階段を上ってきたのだ。しかし今の2人にはどうする事も出来ない。 できるとすれば、それはただ祈ることだけ。万に一つの可能性に賭けて。 ―このまま見つからなければ そんな気持ちとは裏腹にダイシは前ポケットに入っていた銃を取り出すと、 扉の外に銃口をむけていた。 そこには先程つめたばかりの真新しい弾が5発、詰めるだけ詰めてある。 銃を持つ右手は何故か震えていなかった。それが、それが最後の手段だとわかっていたから。 歌声はもう、すぐそこに聴こえる。
393 :
1 :01/12/24 12:03 ID:T+tHWUD/
紺は迷うことなく最初にこちらの部屋を選んだようだ。 その気配が、歌が、足音がクローゼットに近づく。 ダイシは目をつぶらなかった。たとえつぶってもそこは今と変わらぬ暗闇だったから。 一瞬の静寂。 ―ダンッ! まるできこりが木を切るような音、今度はそれがクローゼットを支配した。 最初2人には何が起こったかわからなかったが、 今生まれた隙間からこぼれる光がその様子を映し出す。 それは丁度2人の間の隙間にナタが刺さっている光景だった。 ダイシは頭を正面に向けたまま目で必死にシークのほうを見た。が、ナタがそれを遮る。 ただ、しっかり握られた手がシークの無事を唯一伝えていた。 紺は歌いながら固く突き刺さったナタを左右に揺すって勢いよく引き抜く。 ナタの抜けたその隙間からクローゼットの中に久しぶりに光が差し込み、ダイシは反射的に目を細めた。
394 :
1 :01/12/24 12:06 ID:T+tHWUD/
もう何も考えられなかった。次に起こることも今までのことも。 ただ、次に起こったことはダイシにも想像しえなかったことだが。 ―カンッ!カンッ!カンッ! 小気味のよい音、それとともに2人の目の前に釘の列が横一直線に並んだ。 紺がクローゼットに向けて連射した釘が、ダイシやシークの鼻先寸前で止まっている。 「あぁぁ・・あぁぁぁぁ」 もう、ダイシには限界だった。 ―パン! その銃声と共にクローゼットの中が一瞬明るくなった。 恐怖で固まったシークの顔が一瞬浮かんで、また闇に溶けた。 またも一瞬の静寂。ただ、それは歌声さえしない本当の静寂。 扉の向こうでどさっという音と共に紺が倒れる気配がする。 隙間からの木漏れ日は静かにクローゼット内を映し、外の閑寂さを伝えている。 ダイシとシークは30秒ほど固まっていたが、意を決したように扉に手をかけた。 さらにまぶしい外の光に目を細めたその先、胸に銃弾を受けた紺が床に倒れている。 「紺・・さん?」 銃を構えたまま慎重にその体近づいていく。 目を見開いたまま仰向けに倒れた紺の胸には一発の銃創が空いていた。白の衣装が血に濡れている。 ―ああぁ、・・・とうとう撃ってもうた。 ・・・ほんとに、ほんとにこれしか方法はなかったんやろか。 焦点の定まらぬ目でぼんやり紺を見つめながら、ダイシはそんなことを呟いた。 次の瞬間、また信じられないことが起こった。
395 :
1 :01/12/24 12:10 ID:T+tHWUD/
紺の目がぎょろりと動き、ダイシを見たのだ。 その冷たい目と目線があったかと思うと、 紺はまるでターミネーターのようにすくっと上体を起こしナタを振り上げた。 「うわぁぁぁぁぁーーーーー」 ダイシは夢中で引き金を引いた。 シリンダーに残った4発全てが紺の胸に、腹に注ぎ込まれた。 紺は銃弾をうけた勢いのまま再び仰向けに倒れると、口から血を吐いた。 紺の背後の壁には先程振り上げたナタが紺の手を離れ、壁に突き刺さっている。 弾を全て撃ち尽くしてもダイシは引き金を引くことやめなかった。 ダイシの叫び声と撃鉄の空打ちする音がカチッ、カチッと空しく部屋にこだまする。 ようやく弾が尽きたことに気付いたダイシは素早くポケットに手を突っ込むと、 まるで昔からの愛用の玩具を扱うようにあっという間に弾を交換した。 そして、また撃った。 紺の体がまるでリズムを刻むように小気味よく跳ねた。 またすぐに弾は尽きた。最後に手にした銃さえもダイシは紺の体に投げつけた。夢中だった。 「もうやめろ!もういいよ、ダイシ!」 気が付くとシークがダイシの体にしがみついて必死に静止しようとしていた。 自分の手、いや体全体が震えているのわかった。 ダイシは肩で大きく深呼吸を一つすると、振り向いてシークを抱きしめた。 「ごめん、もう大丈夫や。もう大丈夫。」 ―そう、ここでおわりやない。 もう一つ深呼吸をした後、 ダイシは紺の死体から視線をはずし部屋の隅に転がった銃を再び拾い上げた。
396 :
カラ :01/12/24 14:37 ID:CTrduvDG
めっちゃオモシロイ! 画面に釘付けダヨ!! 続き気になる−−!
397 :
Nana :01/12/24 15:19 ID:R3MWW4S0
香奈ちゃんきぼーん あとグルグルの天野さん
398 :
NANA :01/12/24 16:22 ID:ZnnOorKW
紺があっけなかた(藁 これリアリティもあるし良く出来てると思うよ。 バトロア本編みたく塔での殺し合いみたいなのないかなぁ。 戯言(藁
399 :
Nana :01/12/24 18:49 ID:gNSlXuR2
続きが楽しみだぞー
400 :
Nana :01/12/24 19:35 ID:KcT0ziSm
ヤスとhyde萌え〜
401 :
Nana :01/12/24 19:56 ID:x/ec4oIf
1さん 才能あると思います 続き頑張って下さい! あと個人的に、SUGIZOとManaきぼんぬで(ワラ
402 :
Nana :01/12/24 20:49 ID:Dsj8eymz
続きが早く読みたいよ!! 1さんがんばってください
403 :
Nana :01/12/24 20:51 ID:5M0GRAA8
>401 Manaはガイシュツかつまだご存命と思われ。
404 :
なな :01/12/24 20:51 ID:NmCP/3Gc
読みたい読みたい高飛車なキリトが好き。
405 :
Nana :01/12/24 21:03 ID:c3Q0OFLP
ノイジーと竜太朗の友情劇に感動!! 1さん頑張れ!
406 :
Nana :01/12/24 21:16 ID:RhUcmw17
清春vsハイドが楽しみ〜
407 :
Nana :01/12/24 21:18 ID:uh4SUO3x
昨日サイコ出して欲しいと言った者です。 >1さん、スペシャルサンクス!!!!!!!!
408 :
残り?人 :01/12/24 21:40 ID:o74COpue
「あかん…」シークが呟いた。 ダイシは拾い上げた銃を持ったまま不思議そうに返す 「なんやシーク、どないした?」 「今の音ぉ聞いて、誰かココに来るかも知らん!はよ、出た方がええ…!」
409 :
芋好き :01/12/24 22:25 ID:4Q9t8lWs
この物語も 15禁 ですか?
410 :
Nana :01/12/24 22:42 ID:/pb5gFSi
>409 ワラタ
411 :
Nana :01/12/24 22:43 ID:2f/IdjEA
www.geocities.co.jp/AnimalPark-Shiro/7361/batorowa.htm はじめのほうまとめたよー
清春とhyde...とyasuの生と氏と愛の三つ巴
413 :
Nana :01/12/24 23:00 ID:2f/IdjEA
www.geocities.co.jp/AnimalPark-Shiro/7361/batorowa2.htm >411の続き
414 :
Nana :01/12/24 23:09 ID:ZvSqbPF/
あ、大分文章が貯まったから纏めようかな、と思ってたら 同じことを考えてる人がいたのね(w >411さんお疲れさまです。
415 :
Nana :01/12/24 23:17 ID:5mxSjoIg
最初の方読んでたら「歌手」が選抜条件では無かったの?? でもおもしろいから続けてください、1さん! らぴゅーたakiも出してやって欲しい…
416 :
1 :01/12/24 23:19 ID:T+tHWUD/
ダイシとシークは一刻も早くこの場から立ち去らなければならなかった。 紺の歌声、バズーカの爆発音、銃声。 今の騒動が誰かに聞かれていた可能性は高い。 ”やる気”の人がいるならば、必ずすぐに駆けつけてくるに違いない。 だから、だから一刻も早くここを離れないと。 ダイシは焦っていた。だけど、一体どこへ行けば良いのか・・・助かる方法なんてあるんやろか 「シーク、とりあえずここから離れよう」 不安な気持ちを振り払うかのように、膝をポンとたたいてダイシは立ち上がった。 シークも懸命に考えているのだろう、少し間を置いてからようやく返事をした。 隣の部屋には紺の死体。 2人はそれを覗き込まないよう視線を逸らして階段を下りていった。 一階部分は最初入ってきた時の面影を微塵も残すことなく まるで竜巻が通過した後のように徹底的に破壊されている。 ダイシは居間に転がった右手が無くなっている熊のぬいぐるみの笑顔に 何故か背筋が冷たくなるのを覚えた。 紺さんのなにがここまでの狂気を駆りたてたんやろか・・・ 2人はまっすぐに玄関、いや、今となっては以前玄関であったその空間から外に出た。 ―もしかしたらもうその辺りまで来てるかもしれへん。慎重に出て行かんと・・・ そう考えているすぐ横で突然、シークが駆けだした 「とにかく一刻も早く逃げよう!」 5メーターほど先まで駆け出したシークが振り返ってダイシを手招きしている 「シーク、飛び出したら危ないで!こっちに戻ってこいや!」
417 :
1 :01/12/24 23:20 ID:T+tHWUD/
パーン 突然、銃声が鳴り響いた。向こうに見える林から鳥が数羽、堰を切ったように飛びたった。 それに共鳴するかのように、シークが、ゆっくりと崩れ落ちた。
418 :
名無しの歌が聞こえてくるよ♪ :01/12/24 23:22 ID:Rla0Ujws
1さんご苦労様デス ジャンヌはヤスしか出ないのかな? カーユもでしてほしい(萌) でも2人で殺しあえないな
419 :
1 :01/12/24 23:25 ID:T+tHWUD/
「シーク! シーク! 大丈夫か!」 カバンを放り出したダイシがシークのもとに駆け寄ろうとしたとき、 今度はダイシのすぐ横にあった玄関の門柱が火花を上げた。 ・・・あかん!狙われている。 ダイシは反射的にその身を玄関脇の壁に投げだした。 また数発の弾が門の金属部分に当たって悲鳴ともいえるような甲高い音を上げた。 ―しまった!もう駆けつけてきてたんか。シークは、シークは無事なんか? 右手にニューナンブを握りしめ、壁から少しだけ頭を出して様子をうかがってみる。 シークは道路の真ん中でやや横向けに腰をくの字に曲げて横たわっていた。 足を撃たれたのか左足のふくらはぎ辺りが異常に赤黒く染まっている。 湧き出していく血がまだ舗装されていない道に染み込んでいく。 手足をやや動かして身をよじっているようだが、ショックで声が出ないのか泣き声一つしない。 「シーク!シーク!大丈夫か?」 ダイシは声を殺して懸命に叫んだ。 その言葉に反応したのか、シークが突然泣き始めた。その目は明らかに恐怖で脅えきっている。 「痛い、足が痛い・・・。助けて。助けてくれや、ダイシ・・・。」 その声はまるで生まれたての雛のようにとても弱々しかったが、 ダイシの心には深く深く突き刺さった。 ・・・一刻も早く助けんと、ほんとにやばいで。 しかし、今出ていったら確実に2人とも殺られてしまう・・・ そう考えているダイシの頭上の壁が弾け飛んだ。 さっと頭を引っ込めたダイシだったが、その瞬間、確実に、見た。 道の向こう30メートルは先、やや高い斜面の上に続く森の影。 あれは・・・!! シャズナのイザムだ! ダイシは思わず右手の拳銃で壁を殴った。 ―わざとシークの足を撃って生かしておいたんや!それで、俺が出て行ったところを撃つ気なんやな 。 なんであんな卑怯なことができるんや! 俺はどうしたら、どうしたらええねん・・・
420 :
Nana :01/12/24 23:28 ID:2f/IdjEA
www.geocities.co.jp/AnimalPark-Shiro/7361/batorowa3.htm >414の続き
421 :
Nana :01/12/24 23:42 ID:2f/IdjEA
www.geocities.co.jp/AnimalPark-Shiro/7361/batorowa4.htm >420の続き
422 :
Nana :01/12/24 23:51 ID:2f/IdjEA
www.geocities.co.jp/AnimalPark-Shiro/7361/batorowa5.htm >421の続き
423 :
Nana :01/12/24 23:51 ID:heX+QEW6
ID T+tHWUD/、2f/IdjEA おつかれー。
424 :
1 :01/12/24 23:53 ID:T+tHWUD/
あの・・・もしよかったら今後の為に、出して欲しい麺の性格と 交友関係など教えてもらえるとうれしいです。 すぐに死んでしまうかもしれないですけど、そこのとこはどうか許して下さい。
425 :
残り?人 :01/12/24 23:53 ID:o74COpue
「…っ…」 苦痛に顔をこわばらせながら、シークはなんとか物陰に逃れようと僅かに身じろぎした 「…うわっっ!」 が、周りの地面が土埃を上げて爆ぜ、門柱にも再び火花が散る。 「シーク!!シーク!?」 (…何ちゅうことするんや!?もう我慢でけん!) 銃声の止まった、その合間を縫ってダイシはなんとか、その方角に一発、発砲した。
426 :
Nana :01/12/24 23:55 ID:WrOtuOzD
松岡充出してほしいナ… 性格…ナルとかじゃ意味ナシ?
427 :
Nana :01/12/24 23:57 ID:Rla0Ujws
>424 1さんファンです(藁) さっきも書いたのですがカーユお願いします ジャンヌのベースです ヤスとは中学からの友達です(藁) でもすぐ死ぬのか・・・
428 :
Nana :01/12/24 23:58 ID:b+9hJUn/
>424さんと425さんは同じ人?
429 :
Nana :01/12/24 23:58 ID:UVLGl/eU
408と425のID:o74COpueって1じゃないよね? まぎらわしくなるから止めてほしいんだけど
430 :
Nana :01/12/24 23:59 ID:MnMwjG8C
ん?本文書いてる人、今2人いる? 「ID:T+tHWUD/」さんと「ID:o74COpue」って違う人なのかな。
431 :
Nana :01/12/25 00:02 ID:Ri9Nj+UH
S遊汝出して欲しいです。 性格は、リーダー的存在でしっかりしてる感じかなー。
432 :
Nana :01/12/25 00:05 ID:Q1UhsQwG
1さん以外は紛らわしい事書かないで…
433 :
1 :01/12/25 00:06 ID:Tt03+dWT
>430 はい。違う人です。
434 :
サイコルシェーム :01/12/25 00:07 ID:nqxU1UHM
ダイシ→少年キャラと見せ掛けておっさん。食い意地が張っています。 人の言う事に突っ込むのが得意。 アヤ→不良の振りしてますが実は物凄い人見知り。意外と泣き虫?! リダ→ダイシと幼馴染み。チャリンコ2ケツしたり…仲良し。ダイシが好き。寡黙。 シーク→まったりまったり。が、情熱なさげに見えて実はアツイ。家庭内暴力に走っていた事も。 ユラ様→ナルキャラですがホントはナルではありません。運動神経良。空手できます。
435 :
Nana :01/12/25 00:08 ID:0kd8KRyh
1さんトリップ付けた方がいいかも。
436 :
1 :01/12/25 00:16 ID:Tt03+dWT
ダイシはまた壁から少し頭を出すと、イザムのいる辺りに向かって銃を放った。 しかし、ダイシの手にする銃は一度に5発しか装填できず、 イザムのもつオートマチックのベレッタには到底かなうべくもなく。 さすがにこの位置から当てることも、牽制してシークを助け出すことも無理だろう。 「ダイシ・・・たす・・けて・・」 明らかに先程よりもシークの声が心もとなくなってきている。 ―くそぅ!どうしたらええねん! このままではシークを見殺しにしてしまうだけやないか! ダイシは思わず声を張り上げて叫んだ。 ブォォォォォンン ダイシは一瞬自分の耳を疑った。遠く微かだけれど、聞こえる・・・。 これは・・・バイクのエンジン音!? その音のするほうへダイシがゆっくり目を向けると、 道のだいぶ向こう誰かが土煙をあげながらバイクに乗ってやってくる!? その左手には、銃のようなもの・・・ その姿はあっという間に大きくなりダイシの目にもそれが誰だかはっきりわかった。 ―スギゾーさんや!助けに来てくれたんか! ダイシはきっとスギゾーなら助けてくれると思った。スギゾーなら・・・ そんな淡い期待は一瞬にして奪い去られるのだが。 住民の物であったろうCBRに跨ったスギゾーは100キロ近いスピードでシークの横を走りぬけていった。 いや、そうではない。走り抜けると同時にシークに向かってウージーを放ったのだ。 「あうっ!」 小さな悲鳴と共にシークの体が小さく痙攣する。 あまりの事態に混乱気味のダイシは、今の状況を忘れて思わずシークのもとへ駆け出していた。 「大丈夫か!大丈夫か、シーク!」 いつもより幾分白くなったシークの手を握り締めダイシは必死に叫んだ。 再び、ベレッタの銃声が響いた。
437 :
Nana :01/12/25 00:17 ID:W+dKwJlU
ダイシ死んじゃうのかな??ダイシ萌えだからちょっとウトゥ・・・ 1さんがんばって
438 :
1 :01/12/25 00:20 ID:Tt03+dWT
―しまった! ダイシは反射的に目をつぶった。 今の無防備な状態では2人とも絶好の標的である。狙われたらひとたまりも無い。 あかん、俺も死ぬんや・・・ いや、それだけやあらへん。俺の不注意でシークまで死んでしまうんか・・・ ダイシはシークをかばうように姿勢を低くして、唇をかみ締めた。 銃声が何度もまわりを包む。しかし、覚悟を決めたダイシの身へ一向に弾が当たる気配が無い。 それどころか、2人の周りを弾が掠める様子さえない。 もしかして、俺ら狙われてへんの・・・? ダイシが恐る恐る目を開けてみる。 外の世界は先程通過したバイクの砂埃のせいで少しぼやけていた。 その視界の先、イザムが銃を乱射している姿が目に入った。 ただ、それはこちらを狙っているのではなく、今走り去っていったスギゾーに向けて撃っているようだ。 イザムにとってもあまりに突然のことだったようで、 狂ったようにスギゾーの背中に向けて引き金を引いている。 ―今のうちや! そう考えるやいなや、ダイシはシークの両手を掴んで塀の中まで引きずろうとした。 突然ボンッという爆発音。 その音につられるようにダイシが左手を振り向くと、 もう米粒大ほど小さくなったスギゾーのバイクから煙が噴出しているのが見えた。 きっとイザムの銃によって被弾した燃料パイプかどこかに引火したのかもしれない。 ただ、そんなことは今のダイシにとってどうでもいいことだった。 彼はまるで何事も無かったかのようにその光景をチラッと一瞥したかと思うと、 よりいっそうの力を込めてそのままシークを塀の内側へ引きずり込んだ。 遠くで何かが爆発するような音もダイシの耳には届いていなかった。
439 :
Nana :01/12/25 00:21 ID:QgxGqmzg
ディアラヴィのマサ出して下さいー。 枚方出身、ジャンヌの後輩。ムックやLADYと仲が良い。…ハズ(ワラ よく喋る。笑いを取る方向に行きがち。でも損得勘定は早い方かな。 俺様系ナルシスト関西芸人テイストな汚れバンドマン、て感じですかね?
440 :
Nana :01/12/25 00:28 ID:TWMQioxd
可能ならアイジ出して貰えないでしょうか? スギゾーを杉蔵兄さんなんて言って慕っている 肌が弱くて言葉が上手く組みたてられない ギター兼踊り子な27歳なんですけど(藁
441 :
1 :01/12/25 00:28 ID:Tt03+dWT
何とかイザムの狙撃を免れてシークを運び込んだダイシだったが、 いくらダイシが怪我の知識に乏しいといっても、シークが危険な状態にあるのは一目にわかった。 右の胸とふとももの付け根辺りが真っ赤に染まっている。 ダイシは口にくわえていた銃をその身の傍らに置くと、 小さく震えるシークの手を掴み、未だ鮮血の湧き出すその傷口を押さえた。 2人の手が瞬く間に朱に染まっていく。 「大丈夫や、シーク。俺が助けたる。俺が助けたるからしっかりするんや。」 シークは焦点が定まっていないのかダイシに向けるその目線が僅かながらずれていた。 「・・・ごめん・・・ダイシ・・・・本当に・・・ごめん・・・・・」 血液が肺に入って息苦しいのであろう、その空気の混ざった喋り方は シークがそう長く生きられない事をダイシに認識させるには十分すぎた 「なんでや、なんで謝るんや。シークはなんにも悪くないやんか。 ・・・きっと助かるから、、絶対助かるから。」 そう言うダイシの声もかすかに震えていた。 涙がとめどなく溢れ、シークの首筋辺りにその跡を残している。 それにつられるかのようにシークの目尻からも、血液ではない純粋で無垢な雫が流れ落ちた。 「い・・ままで・・・いままで・ありが・・とう・・・」
442 :
Nana :01/12/25 00:28 ID:KpBUS9zs
面白すぎるよ〜!! 1さん頑張って!
443 :
1 :01/12/25 00:30 ID:Tt03+dWT
死ぬということ。シーク本人が一番わかっているのだろう。 きっと気絶してしまいそうなほど激しい痛みに違いないが、 シークは口の端に笑みを湛え、搾り出すように呟いた。そう、蝋燭が消える前のように。 「もうええ!もう喋ったらあかん!お願いやから、喋らんといて!」 ダイシは号泣しながら何度も叫んだ。 まもなくシークの存在が消えてしまう。そうわかってはいたけれども。何度も。 シークのあの細い体のどこに入っていたのだろう、 いくら傷口をきつくきつく押さえてもその間から溢れ出る血潮は辺り一面を覆い尽くしている。 不意に辺り一面が暗くなった。2人の体を影が包んだ。 瞬間、銃声が、一発。 と同時に、シークの額に銃創が生まれた。頭が一度だけやや小さくバウンドした。
444 :
1 :01/12/25 00:30 ID:Tt03+dWT
シークの全機能が停止した。 「ひぃっ!」 ダイシは恐怖に引きつった顔で後ろを振り向くと、 まだ銃身から吐き出される煙も新しいベレッタを構えたイザムがそこにはいた。 その勝ち誇った笑顔。今の状況を心の底から楽しんでいる、そんな表情。 「2人ともね、ちょっと悪戯しすぎなんです。ほんとに。」 ダイシを見下ろし銃を構えながらイザムが言った。 勝利を確信したのか、声のトーンはいつもの、あのイザムだったが。 ・・・銃は、・・俺の銃はどこいったんや。 ダイシは固まった姿勢のまま、目線だけで必死に銃を捜した。 それはすぐに見つかった。手を伸ばせば届きそうなすぐ近く。 ただそれがイザムの足の下に踏まれていることを除けばだが。 「あれ、もしかしてダイシくん、銃をさがしているの? 残念ね。まあ、ダイシくんが死んだら僕がちゃんと使ってあげるからね。 じゃぁ、バイバイ」 イザムは嬉しそうにそこまで言うと、引き金に力を込めた。 ダイシは観念した。少しだけ目を瞑った。 ―カチン ベレッタがブローバックする金属音のみが空間を支配する。 イザムの銃にもう弾は残っていないかった。 「えっ!?」 ダイシもイザムも口裏を合わせたように同じリアクションをとった。驚きの表情もまた同じ。 ダイシはその一瞬を逃すことなく、イザムに飛び掛かる。 不意を突かれたイザムはベレッタをその場に取り落とすと 2人揉みあいながら道路のほうへ倒れこんだ。
445 :
Nana :01/12/25 00:34 ID:4KxXQNGO
>1 泣いてしまった・・
446 :
1 :01/12/25 00:36 ID:Tt03+dWT
「ううぐぅうぅ」 イザムは倒れたときに頭をぶつけたのだろう、苦悶の表情を浮かべて頭を押さえた。 その手にはうっすら血が付いている。 ちょうど馬乗りのような体勢になったダイシは、その赤く色付いた控えめなこぶしを大きく振り上げた。 が、暫時躊躇したかと思うと、そのこぶしを下ろしてすっと立ち上がった 。 ―まず、銃を取らないと― ダイシは自分の後方にあるであろう銃を拾うため、 その小柄な身を最小半径の起動でくるりと翻し駆け出した。 が、勢いよく前のめりに転んだ。 ―足が動かへん! 素早く振り返ったダイシが見たものは、 自分の足首を強固に掴んでこちらを睨み付けているイザムの姿だった。 その顔は今までのイザムの面影を何一つ残すことなく変貌していた。 なんといえばいいのか、猟奇的なのか。ただ、その顔は言葉の範疇に収まりきらない。 「絶対に・・・もう、絶対に許さないんだからぁぁぁぁあぁぁぁ!」 あまりにヒステリックなノイズ。 ダイシは一瞬のうちに体の中を何かが通り抜けるのを感じたと共に、 やや遅れて全身が身震いした。 必死にその掴まれた右足を振り払おうと懸命にもがいたが、 まるで鉄の鎖のようにつながれたイザムの手はまるでほどける様子も無い。 イザムはやや上半身を浮かせた体勢のまま、 自分の背中、腰らへんに左手をいれて何かを探しているようだった。 一瞬イザムの目元がほころび、ゆっくりとその左手を差し抜いた。
447 :
1 :01/12/25 00:40 ID:Tt03+dWT
その手にはサバイバルナイフが、だいぶ西に傾いている太陽を背にして鈍く光っていた。 「ひぃっ」 ダイシが反射的に空気を飲み込んだ喉元から、悲鳴のような音が漏れる。 乾いた土のためにグリップが効かない地面へ懸命に腕を突っ張り、 必死で足を上下に振った。が、同じだった。 「悪いのはこの足ね!」 そう云い終わる前にイザムはナイフをダイシの右太ももに突き立てた。 一瞬にしてイザムの左手をそのナイフが真っ赤に染まる。 今度は悲鳴が響き渡った。もちろんそれはダイシのであるが。 イザムはそのナイフを引き抜き再び振り上げた。 「やめてくれぇえぇっっ!」 痛みに耐えかねたダイシは闇雲に左足でイザムを蹴った。 「うぐぅっ・・・」 その中の一撃がイザムのみぞおちを見事に捕らえ、イザムは起こした上体を丸めてうめいた。 その時、ダイシの足首をにぎったイザムの手の力が幾分すうっと抜けていくのを確かに感じた。 ―今や!
448 :
1 :01/12/25 00:41 ID:Tt03+dWT
その機に乗じて痛む右足を引き抜く。一瞬遅れてイザムの手が空を掴んだ。 勢いそのままに立ち上がると、再び銃めがけて駆け出した。 が、また転んだ。 素早くイザムが足を引っ掛けたのだ。 ダイシは踏ん張りきれず土の地面にやや顔をぶつけ僅かながら意識が飛んだ。 すぐに気が付いたダイシは素早く両手を突っ張り立ち上がろうとしたとき、 またその体を大きな影が包んだ。 そう、あの時と同じように。 そして、あの時と同じように振り返ったダイシは、 両手にサバイバルナイフを握り締めて立っているダイシを見た。 ―表情は違っていたが。
449 :
1 :01/12/25 00:43 ID:Tt03+dWT
あ、すみません。↑のサバイバルナイフを握りしめて立っている 「ダイシ」を見た。は「イザム」の間違えです。 ごめんなさい・・・。
ダイシにはさぞかしデカいだろうイザム・・・
451 :
Nana :01/12/25 00:46 ID:0NJY1m1n
>450 ダイシってどれくらいの身長なの?
452 :
Nana :01/12/25 00:46 ID:E/E9cV/u
禁句になるぐらいの身長。
453 :
1 :01/12/25 00:47 ID:Tt03+dWT
ダイシはとっさに胎児のような格好にその身を縮め、後頭部を覆い隠すように手を組んだ。 そうやってもナイフが防げないことなど百も承知だが、ダイシはそうした。 それしか方法が無かったから。 もうすぐ背中にナイフが刺さるんやろか・・・ それとも頭かな。どっちにしろめっちゃ痛いんやろな・・・ 不思議と冷静にそんなことばかりが頭に浮かんでは、消えていく。 ダイシは不意にその身を包む影が自分に迫ってくる気配を感じて、さらにその身を小さくした。 後頭部で組んだ手の指の爪が、まるでかんぬきのように互いの手の甲に食い込んでいる。 ただ、その影の動きはあまりにゆっくりだった。さすがにダイシも少しおかしいと思った。 が、その直後には背中があまりに大きな衝撃に包まれた。その圧力にダイシの呼吸が一瞬とまった。 ただ、その衝撃はあまりに大きすぎた。 ダイシは驚きを隠せなかった。 一度ふとももにナイフを突き立てられその痛みと衝撃はある程度予測はついていたのに 今、背中に感じる衝撃はまったくそれとは違い、背中全体に響き渡っている。 始めは、『背中にナイフが刺さるとこんな感じなんや』と こんな状況でありながらで泰然と心に浮かんだが、やっぱり何かが違う。 その衝撃に遅れること数瞬、今度は前方の地面にザクっとナイフが刺さる音を耳が拾った。 ―そうか、イザムが俺の体に覆い被さるように倒れてきたんやな。 ・・・でも、なんでや!? 視界の閉ざされた空間で色々な想像だけが頭を駆け巡る。 ただ、ダイシの背中にさっきまでナイフを振り上げて私を殺そうとしたイザムが乗っている。 それだけは紛れも無い事実。 ダイシは今の状況をどうするべきか躊躇していると、 今度は背中にかかった圧力が右の方に滑っていくのがわかった。 それはまるで人形のように意志を持たず、ただ重力に従って滑り落ちた、そんな感じ。 どさっという音と共にその圧力はダイシの背中を離れ地面に落ちたようだった。 ただ、やはり人形のように動く気配もまったく感じられない。 ダイシは意を決して、いま右に落ちた物体―いや、それは確実にイザムであることはわかっていたが― のほうを見やった。 そこには、右のこめかみ部分に矢の突き刺さったイザムが喫驚の表情で空を見つめていた。
454 :
1 :01/12/25 00:50 ID:Tt03+dWT
その体はこちら側に向いたままイザムの首から上だけが矢に支えられるように上空に向いている。 その耳からは一筋の赤い線が、 あっという間に後頭部にまで引かれていき、そのまま雫が地面に落ちていった。 白く細い腕を上方に投げ出しだらんと地面を擦っているその様子は、 もはやイザムの脳が活動を終えた事を黙示している。 「ぅうわぁ!」 わけもわからぬまま、とにかく気が付くと隣にイザムの死体。 ダイシは磁石のように、先程までイザムであったその物体と反発して対極の位置に後ずさりした。 そして、ダイシは、見た。 すべてが、線で繋がった。 イザムの死体のその先、それはかなり向こうだったが、スギゾーが小走りでこちらに向かっている。 右手には先程まで矢が装填されていたであろうボウガンが握られていた。 ―スギゾーさんがイザムさんを殺したんか・・・あんなに遠い位置から ・・・。 スギゾーはそれを後方に放り投げると今度は腰に刺したウージーに素早く手をかけ、 走りながらダイシめがけて撃ってきた。 とっさにダイシはその場に身を伏せた。目の前にあるイザムの背中に赤い穴がいくつも生まれた。 すぐに銃声は止んだ。
455 :
Nana :01/12/25 00:51 ID:4KxXQNGO
>451 450じゃないけどダイシ160ちょっと上ぐらいだったよ!藁
456 :
Nana :01/12/25 00:52 ID:0NJY1m1n
>455 ありがとう!小さいねぇ(ワラ
457 :
1 :01/12/25 00:52 ID:Tt03+dWT
スギゾーが走りながらマガジンを交換している姿を確認したダイシは、 遅疑逡巡することなく家の塀の内側に身を隠そうと駆け出した。 ―とりあえず、逃げんとあかん! とっさに落ちていた自分の銃を拾い上げると、逃げ先を捜して視線を巡らせた。 が、隠れられそうな場所は無い。・・・一つを除いては。 ダイシはさすがに躊躇したが迷っている暇は無かった。 彼は再び玄関のような空間から家の中に飛び込んだ。 転がるように家の一番奥、台所にその身を放り込んで、素早く物陰から玄関の方を覗き込む。 ―躊躇することなく俺らを撃ってきたということは、スギゾーさんもやる気なんやな。 家に入ってきたらすぐに撃たんと確実に殺される・・・
458 :
Nana :01/12/25 00:55 ID:E3XfXqNP
1さん最高!頑張ってください!!
459 :
1 :01/12/25 00:55 ID:Tt03+dWT
両手で拳銃を構え柱にもたれながらダイシは一つ大きく深呼吸した。 先程、紺に破壊された台所は未だに埃臭く、ダイシはすこし眉間にしわを寄せた。 その膝には壊れた食器の破片が少し食い込んでいたがまったく気にする様子も無く。 ダイシは左手をポケットに突っ込み、残りの弾を捜した。 ―・・・あらへん!もう弾があらへんで! 慌ててダイシは手にした銃のシリンダーを覗いた。 そこには暗い部屋で鈍く金色に光る薬莢が、2つだけ残っていた。 ―たった、2発しか残ってないんか。予備は全部外のカバンに入れたままや。しもたなぁ・・・ 幾度もの戦闘で薄く切れた唇を、きつくきつくかみ締めた。もう、それを取りには出て行けない。 ふと、ダイシは目の前が暗くなり意識が僅かに遠のくのを感じた。 そこで始めてダイシは自分の足元に大きな血溜りが広がっているのに気が付いた。 その表面には荒れ果てた部屋を象徴するかのように埃が揺らめいている。 ―・・・あかん、俺もそろそろヤバイで・・・ 今まで気を張っていたが、その傷口を見てしまったことで一気に痛みが全身を駆け抜けた。 ―このままではスギゾーさんにやすやすと殺されてまうだけや・・・ 体を壁のほうにあずけ、一瞬視線を玄関のほうから自分の周りに移した。 すぐ足元に、携帯コンロのガスボンベが転がっているのを発見した。 と同時に玄関付近から物音がした。 すぐに視線をそちらに向けたが、スギゾーはその体を表すことなく、 まず手だけを伸ばしてウージーだけを覗かせ入り口から全体を嘗めるように弾を放つ。 「ひぃっ!」 ダイシのすぐ脇の柱が小さく吹き飛んだ。その隣では鍋か何かが跳ね上がり、床で激しく踊った。 その銃声が止むのを確認してから、 ダイシはその身の傍らにあったガスボンベを掴んで玄関の方に放り投げ、 全神経を銃に集中させた。その先に太陽を背にした黒い人影が姿を表すのをはっきり見た。 ―さよなら、スギゾーさん ・・・。 その次の瞬間にはダイシはガスボンベめがけて引き金を引いていた。
460 :
ちと :01/12/25 00:56 ID:pxUNkNo4
>455、まじめに小さいよ。一緒に遊んだときに身長と歳変わらないことを知ったから
461 :
1 :01/12/25 00:58 ID:Tt03+dWT
銃声とほぼ同時に投げたガスボンベが白く閃光し空間全てを包み込む。 直後、物凄い大音響がこの家を揺るがした。 とっさに壁に身を隠し耳を押さえて伏せたダイシの背中を、熱風が容赦なく擦っていく。 未だ出血とどまるところを知らない傷口がちりちりと痛んだ。 爆風で飛ばされた革靴が廊下を平行に移動し、 そのまま台所奥のガラス窓を突き破って外に飛び出していった。 また家のどこか一部が崩れるような音が響いた。 ―・・・俺は、スギゾーさんに勝ったんか。 いまだ熱のこもった空間に頭をゆっくりと持ち上げ、入り口のほうを覗いてみる。 玄関のような場所は以前よりさらに大きな空間が出来上がっており、 その周りでは砕けた木材やらなんやらが小さく燻って煙をはいていた。 家の中は細かい粉塵がまっていて、視界はきわめて悪かったが その玄関らしき空間の先、地面の上に人が吹き飛ばされているのが確認できた。 スギゾーさんをやっつけたんや、そう確信して数秒それを見つめていたが、 何かがおかしい。 スギゾーより幾分華奢なそのからだ、血にまみれてはいるが見覚えのある服、 それの正体をダイシが理解するのにそう時間はかからなかった。 ―シーク!?
462 :
Nana :01/12/25 00:59 ID:qNezrkEm
あー、やっぱりイザム死んだか…。 まあ、出てきてくれただけでも、充分嬉しい(?)けど。 1さん頑張って下さい!
463 :
1 :01/12/25 01:01 ID:Tt03+dWT
煙や粉塵たちこめはっきりとは見えないが、間違えるはずが無い。 あれはシークなのだ。 その体はまるで糸の切れたマリオネットのように無造作に転がっていた。 その光景にダイシは愕然とし、全ての力、緊張、考えが抜けていくような気がした。 それを見つめたまま思考が止まってしまったダイシの視線を黒い影が遮る。 今度は本当のスギゾーが玄関に立っていた。少しだけにやりと笑った。 そう、スギゾーはシークの体を持ち上げ身代わりにして中の様子を覗ったのだ。 そんな考えも及ばぬうちに、すぐさまスギゾーは右手に持ったウージーをこちらに掲げて撃ってきた。 ダイシはまたすぐに頭を引っ込めたが、それは考えての行動ではなく 本能的に避けたという感じで、その思考回路そのものはもはや機能していないようだった。 再びダイシの意識が遠のき、目に映る世界はもはやこの現実世界を捉えてはいない。 ―あああぁ、ゴメン、ほんまにゴメンな・・・シーク・・・。 俺、もうダメみたいやわ。なんかめっちゃ疲れたわ。 ・・・すぐに、すぐに行くから待っててな そう呟くと同時に、銃を自らのこめかみに当てて、躊躇することなく引き金を絞った。 悲しくも乾いた音だけが少しの間だけその空間に少し留まった。 後から入ってきたスギゾーはその光景に幾分驚いた様子を見せたが、 すぐさまダイシの手に握られた銃を奪うと、その体を蹴り倒して生死を確認し もう死んでいるその体に向かってさらに銃弾を打ち込んだ。
464 :
Nana :01/12/25 01:03 ID:0bm09uEv
>460 ハイドよりちっちゃい?(藁
465 :
ちと :01/12/25 01:04 ID:pxUNkNo4
>1さん、がんばって!!!
466 :
ちと :01/12/25 01:05 ID:pxUNkNo4
>464、私160なのよ。ダイシくんも同じって言ってたよ。すっぴんは西川と同じ。。。(藁
467 :
Nana :01/12/25 01:06 ID:Q1UhsQwG
>465 NがなかったらIDウンコだったね…
468 :
Nana :01/12/25 01:06 ID:0kd8KRyh
ハイドって言えば、ぜひ関西弁にしてもらいたいんですが>1 萌え度が全然違うのでw
あのスギちゃんに一体何が・・・
470 :
Nana :01/12/25 01:23 ID:TWMQioxd
>469 これはフィクションなんだから! 映像だけ思い浮かべると似合うね〜(ワラ 俺様、ゴメソ。
471 :
Nana :01/12/25 01:23 ID:5We3K+nP
>1さん 468さんに便乗させて頂きますが、ぜひヤスも関西弁にして下さい。 その方がリアリティ+萌え度が確実にUPです。ぜひ。
472 :
Nana :01/12/25 01:24 ID:pE4D1H64
シークだけでなくダイシまで…(泣 ダイシと飼育に合掌 おつかれさま(?)
473 :
Nana :01/12/25 01:25 ID:alXWKBYP
今後新規で登場させていく人、今まで出たのと 同じ盤土からでなく他のまだ出てないセツナイ所から 出してくださると嬉しいです〜。 例:ファナ・ビームス・・・・ でも無理な性格付けもケコーウケてるので1さんの解釈でイイんじゃないかなあ? もし何ならそこのスレをざっと流してみて勝手に決めるとか(ワラ 外から見られるとこうなのかーと思うし(ワラ
474 :
Nana :01/12/25 01:40 ID:BfsKhaqN
某オリバト職人なんですが、ヴィジュ系詳しくないため傍観。 ラクリマKOJI氏、パソコンヲタ+SHUSEが冒頭に殺されてることもふまえて、 ぜひ三村的配役でお願いしたいです。LEVIN氏(豊?)も隣に置いといて頂ければ… あ、あとラクリマは関西弁推奨で。楽しみにしてますです。。。
475 :
hyde関係 :01/12/25 01:42 ID:pb19azhR
hyde<清春・・・インディーの頃は仲良かったが、ラルクが売れ出だすと嫉妬から不仲に。 自分よりモテる子は許せないのでしょう。清春萌えvv hyde<ヤス・・・曲は独自の道を歩むがその言動はhyde狂信者。 初めて見たのはラルクのライブで、ラルクのツアーグッズを身に 付けて雑誌出たり、(確か99年くらい?)hydeが雑誌に 出たときの衣装(SMっぽいの)と同じ衣装でライブしたり。 けど本家ほどは似合ってなかったナー(ニガワラ hyde<マサ・・・良く分からないが、前に「歩く・ランド・セル」とかいう ラルクのコピバンをしてた(痛・・・ hyde・・・顔が自慢の天然(だと思う)。とろい大阪弁でけっこう惨いことを 平気で言う。関西系ミュージシャンからの支持は厚いと思われる。 最近ふけ気味。 長々とゴメソ。
476 :
Nana :01/12/25 02:05 ID:hw53M2wp
わーい。SUGIZOがでてるよー(ワラ 有難う1さん。続き頑張って下さいね!!!
477 :
Nana :01/12/25 02:13 ID:iGw3eC2O
泣けるーもういやー でも読む(ワラ
478 :
nana :01/12/25 02:20 ID:ZePoqRZK
ダッッ…ダイシ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 泣けるよ〜〜〜〜 1さん最高です。
479 :
Nana :01/12/25 02:21 ID:9j6LkQMf
宜しければプラ麺(-竜太郎)を…いや何でもない。スマソ
480 :
Nana :01/12/25 02:52 ID:mi+eYIJI
www.geocities.co.jp/AnimalPark-Shiro/7361/bt/btbt.htm 京が出てくるところぐらいまでまとめましたo 続きは明日にでも
481 :
Nana :01/12/25 03:00 ID:TWMQioxd
>480 ありがとう。オツカレサマ!
482 :
Nana :01/12/25 03:03 ID:hhidkvUW
すごい身長差にも関わらず 約160cm(だいし)が約178cm(飼育)を懸命に助ける姿は想像すると泣けてくる クローゼットの中で並んでる時 顔の位置すごいずれてたんだろーね(藁 想像するとキリないけど ←でもこれが楽しい(藁 1さんおつかれ様&ありがとう
483 :
Nana :01/12/25 03:12 ID:r479uPRf
>482 そしてもっとでかいイザムに圧し掛かられた時 本当に生きた心地がしなかっただろう…台紙(ワラ
484 :
Nana :01/12/25 04:36 ID:l+H6TM9p
いろんな人のカキコばっかりで何がなんだかわからなくなるので あんまりカキコして欲しくないんですけど・・・ すんごいわがまますみません; 頭が悪いので;
485 :
Nana :01/12/25 04:38 ID:qv8WCJXA
>484 それはいくらなんでも勝手過ぎ(藁 >480の人がまとめてサイトに挙げてくれてるから そこで読むといいよ。
486 :
Nana :01/12/25 04:41 ID:l+H6TM9p
他にこのスレの意見とか感想のスレ作ろうか??
487 :
Nana :01/12/25 04:43 ID:b7y2Lznz
>>486 そのスレを作る事で1さんの作業に影響が出ないか心配。
アンチの意見も出るだろうし。
488 :
Nana :01/12/25 04:46 ID:ZCa0jP6r
ぅぅ・・・ そっかぁ・・・。 だってわけわかんなくなるんだもん・・・
489 :
Nana :01/12/25 04:52 ID:alXWKBYP
>487 禿同。 >488 わかりやすいようにまとめてくれてる人が居るわけでしょ。
490 :
Nana :01/12/25 04:52 ID:0kd8KRyh
>全角Nana とりあえず君しか困ってないみたいだ。諦めろ。
491 :
Nana :01/12/25 04:53 ID:ZCa0jP6r
うん。 わっかた。 我慢する。 てか続きが気になる
492 :
nana :01/12/25 04:54 ID:CWJOU3aV
ここは1さんの新着公開用&感想用だと思っちゃうとかダメ? あとは随時まとめていただければ良いのでは やっぱ感想スレ欲しいねーどこぞの駄スレよりはハルカに需要あるんだし
493 :
Nana :01/12/25 04:56 ID:alXWKBYP
>492 分けちゃうと1さんが書き込んでくれるまで ココのスレが保全ageしかできなくなると思われ(ニガワラ
494 :
Nana :01/12/25 04:58 ID:GWzydc9l
なるほど〜
495 :
Nana :01/12/25 05:00 ID:Em87D1se
とりあえず、清春・京・ヤス この3人をもっとクローズアップしてカッコよく書いて( ゚д゚)ホスィ…
496 :
Nana :01/12/25 05:03 ID:GWzydc9l
ゆな出してほしいね
497 :
Nana :01/12/25 05:27 ID:qKT7TFTz
1さんへ ビジュ板バトロワの感想や要望というスレが立ってます 参考にしてみてはいかがでしょう?
498 :
Nana :01/12/25 05:30 ID:alXWKBYP
>1さん というかそのスレの存在についてどうでしょう? 分けたほうがイイですか? 分けないほうが面倒でないですか?
499 :
Nana :01/12/25 06:08 ID:gL7ouVfP
age
500 :
Nana144 :01/12/25 09:31 ID:2lcKvPBQ
アンオフィガイド。ポリスィで五十音順。 ●あいえ(デッドマン)=眞呼に殺される。〜14人目 >217 ●青(カリガリ)=清春を刺殺・・・と見せかけ、清春に殺される〜8人目 >97-104 ●敦(バクチク)=hydeに殺される。〜20人目 >246 ●イザム(シャズナ)=シークの足を撃つ。シークに止めを刺す。ダイシを刺す。スギゾ ーに殺される〜27人目 >453-454 ○ガクト=主人公 ★キリト(ピエロ)=首謀者 ○京(ディルアングレイ)=ケイに右目を潰される。真矢を撃つ。清春を狙って・・・水死。 と見せかけ生きてた。 ○清春(サッズ)=ユーキを刺殺。千聖を毒殺。青を銃殺。月森を銃殺。拓磨を銃殺。 大佑を銃殺。 ●ケイ(バロック)=青を尊敬。京の右目を潰す。自爆。〜24人目 ○研次郎(カリガリ)=竜太朗とノイジーを銃殺。 ●こういち(ラピュータ)=ヤスに殺される。〜17人目 >225-229 ★コータ(ピエロ)=キリトの側近 ●紺(ラムール)=ダイシに殺される。〜25人目 >393-395 ●さとち(ムック)=雅に殺される。〜12人目 >125 ●シーク(サイコロ)=イザムに足を撃たれる。スギゾーに撃たれ、イザムにとどめを刺 される。〜26人目 >417>419>436 ●SHUSE(ラクリマ)=寝ぼけていて、爆死〜1人目 >10 ●じゅんじ(ラピュータ)=ヤスに殺される。〜18人目 >225-229 ●真矢(ルナシー)=銃で撃たれてかすり傷。京に腹を撃たれる。 hydeに殺される。〜13人目 >155 ○スギゾー=シークを撃つ。イザムを殺す
501 :
Nana144 :01/12/25 09:31 ID:2lcKvPBQ
●ダイ(エス)=ヤスに殺される。〜6人目 >86 ●ダイ(ディルアングレイ)=hydeに殺される。〜19人目 >244 ●ダイシ(サイコロ)=紺を銃殺。イザムに刺される。スギゾーを殺すと見せかけ殺せず 自殺。〜28人目 >461>463 ●大佑(蜉蝣)=ヒデキを殺す。清春を銃殺・・・と見せかけ殺される。〜11人目 >122 ●拓磨(ワイズ)=清春に殺される。〜10人目 >118 ●千聖(ペニシリン)=清春に殺される。〜7人目 >92 ●月森(ワイズ)=清春に殺される。〜9人目 >118 ●テツ(ラルク)=マナに殺される。醜く。〜16人目 >224 ●ナオ(イルミナ)=銃で致命傷→爆死〜2人目 >35-36 ●ノイジー(マシンガンズ)=SHUSEの親友。研次郎に殺される。〜22人目 >250-253 ○hyde(ラルク)=眞呼を撲殺。ダイ(灰銀)を撲殺。敦を爆殺。真矢を撲殺。 ●ヒデキ(シャムシェイド)=ガクトの親友。大佑に殺される。〜3人目 >42 ●藤田幸也(ジルス)=インディー界の頭。ナオを銃殺。ヤスに殺される。〜4人目 >54 ●眞呼(デッドマン)=あいえを刺殺。直後hydeに殺される。〜15人目 >217 ○マナ(マリスミゼル)=テツを銃殺。 ●雅(デュール)=さとちを銃殺。ガクトの前で自殺。〜23人目 >274 ○ヤス(ジャンヌ)=幸也を刺殺。ダイ(S)を銃殺。こういちとじゅんじを銃殺。 ●ユーキ(ジュラシック)=清春に殺される。〜5人目 >59-72 ●ヨシキ(X)=尊望の的。キリトによって殺される。 ●竜太朗(プラトゥリ)=真矢を尊敬。研次郎に殺される。〜21人目 250-253 只今18+1人死亡
28+1人死亡だYo!! スマソ
503 :
1 :01/12/25 09:59 ID:Tt03+dWT
応援してくださる方がいっぱいいて、すごくうれしいです(感涙 わざわざ感想スレまで立ててくれたみたいで・・・。 でも、できればこちらで述べてくれると助かります。 一人で黙々と書いているのは孤独で寂しいので・・・。 みなさんの声援がかなり励みになります。 きっとアンチの方もいらっしゃるでしょうけど、なるべくやんわりとお願いします・・・。 すぐに凹むタチなので(ニガワラ 雅が実物と性格が全く違ったようで、すみません・・。 実は彼のことはよく知らなくって・・・。 勝手にいい人だと思っていました。 本当にすみません。 フィクションということで、どうか許して下さい(ナキ hydeとヤスは関西弁にしてみます。 急に言葉使い変わってチョト変ですが、ご勘弁を。 ・・・長々と書いてスミマセン・・・
504 :
Nana :01/12/25 10:02 ID:7URzh2bb
1さんダイシの話感動したYO!!
505 :
Nana :01/12/25 10:10 ID:2lcKvPBQ
カグラ麺出してください!! 一志・・・キモい。裏声がすさまじい。あおりが変。 楓弥・・・丸顔。ファンに堂々と氏ねと言うヤナやつ。 稼いだお金は殆どおやつに消えている。 真・・・近頃頭がボンバー。がりやせ。可愛いタイプ。 女雅・・・ラバ顔。上半身むちむち。二の腕太い。天然。 白水・・・リーダー。料理なら何でも得意。いいひと。
506 :
Nana :01/12/25 10:12 ID:2DgfPmA7
ラットキラーがゼンインぶち頃してくれるさ!!
507 :
Nana :01/12/25 11:19 ID:U0jNVZ1h
京さんをどうか素敵に書いてくれYO!
508 :
Nana :01/12/25 11:33 ID:0NJY1m1n
>492 どこぞの駄スレって、なんのスレなのか気になる(w
509 :
Nana :01/12/25 12:35 ID:7PrfyqJV
昨日パソ使えなくてずっと気になってきてみたら!! これから読んできますー! あ、あともし良ければ、、サキトを出して欲しいです。。 サキト−デュールのボーカル。歌が下手。一生懸命でそれが空回り(藁 雅の自殺を一人悲しむ、、、みたいな・・ 性格やら何やらは1さんの想像のままで結構ですので! もちろんすぐに殺してくれてもかまいません(藁
510 :
Nana :01/12/25 12:40 ID:ZTfoLp69
ラットキラー乱入 ズガボコベキズカゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・天 サキト死亡 名前も出ぬまま登場人物Aとして死亡してます
511 :
Nana :01/12/25 12:41 ID:mqSgYJCN
本当に面白いです! もう毎日更新されているのを見るとうれしくてたまんないです! ほぼ2ちゃんでまっさきにこのスレ見てます! 1さん、大変だと思いますが頑張って下さいね! >508 禿同
512 :
Nana :01/12/25 13:12 ID:X0cI6NEB
Kくんんー…Kくんと大師と飼育あたりに涙です 1さんがんばて下さい!! 大佑にはちょこっとたつーと絡んで欲しかったな…ボソ でもおもしろいっす!!!
513 :
Nana :01/12/25 13:18 ID:lPrOq7b0
q
514 :
Nana :01/12/25 13:30 ID:jccnEeqo
今日初めてここ見ましたが良いです!1さんがんばってください。 ラピュータのakiちゃんを出していただけたら嬉しいです。 「こういちくん大好き」と公言してるおっさんです。 こういちの死に涙しました・・・あああ(;´Д`)カコイイ
515 :
Nana :01/12/25 15:20 ID:3MV+F8/A
このスレさっき見つけて一気に読みました。すっごい面白いです! 1さん続き楽しみにしてます。 ピエロの他のメンバーは何してるのか気になりますので できたら登場きぼんです
516 :
Nana ◆IZAML2yc :01/12/25 15:34 ID:wkh+kcOt
うむむ・・・いざむん死んでしまったのかぁ・・・ それと出演して欲しい麺を書くときは、その人の使用言語(標準語・関西弁etc.)も 書いてはいかがでしょう? >512 禿げDo!圭と大師には泣いた。 死体見て嘔吐する圭に萌えた自分、逝ってよしかな(藁
517 :
Nana :01/12/25 15:40 ID:E3XfXqNP
>勝手にいい人だと思っていました。 ・・・1さん面白すぎです(w なんか良い人そうで好きです! 頑張ってくださーい!
518 :
Nana :01/12/25 17:59 ID:LywQyJvp
元清春ファソで現アンチな私には彼の活躍ぶりがとってもフクザツ(ワラ でも面白い!真ちゃんが良い人のまま氏んでくれてよかったよ。
519 :
Nana :01/12/25 18:13 ID:KwdQhFpE
NEW SODMYのAYAくん(G.) →前のバンドBLue−B時代にDirと交流有り。(歌詞カードにもバンド名を載せ合ってた) デルやルナシー好き。細身で割と小柄。現在は元ラレ犬の上城と眉と同バンドです。
520 :
Nana :01/12/25 18:35 ID:Ej+qN02+
はやく続き読みたいな〜age
521 :
Nana :01/12/25 18:51 ID:fnJ7zeZu
おもしろいね
522 :
Nana :01/12/25 19:14 ID:YkVac/OQ
想像して読んでるけど例えば京が白目のコンタクト装着して 日本刀やらナタやらを振り回して追いかけて来たら怖いわ〜(小さいけど
523 :
Nana :01/12/25 19:26 ID:GaumkJHc
同じく想像なんだけど、サイコの2人が戦闘バージョン(?) の衣装着てるのが頭の中にあって クローゼットの中隠れてる時なんか凄い狭そうだなぁとか思ってしまった(藁
524 :
1 :01/12/25 20:33 ID:Tt03+dWT
この殺戮遊戯が開始された日、武道館内に阿鼻叫喚が飛び交う中、ディアラビのマサはひとり冷静だった。 ヨシキの死体を見た瞬間はさすがに驚いたが、それでも以前から『この日』が来る事を予想 していた自分にも気付いていた。 このプログラムが発動された際、彼の心の九分九厘は諦めが締めていた。 他人を殺してまで生き残るのは自分の柄ではないし、それを達成する程の執着心は昔から皆無に近い。 しかも、よりにもよって彼に支給された武器は、なんと“ハリセン”であった。 「こんなもんで、どう戦えっちゅうねん!」
525 :
1 :01/12/25 20:35 ID:Tt03+dWT
彼はもはや戦うことを放棄していた。 どう考えてもハリセンで人を殺せるわけはない。 (とりあえず、眠ろう) 彼は人目につかなさそうな場所を選び、一眠りすることにした。 「マサ・・・マサ・・・?」 何時間くらい経ったのだろう。まどろみの中で誰かの呼ぶ声が聞こえる。 ふと目を覚ますと、目の前にはジャンヌのヤスが立っていた。 「おまえ、こんなとこで何してんねん。」 ヤスは半ばあきれながらそう言った。
526 :
Nana :01/12/25 20:36 ID:E8SZPcbf
自分の好きな麺が活躍してる(?)のはうれすぃ〜よ yasu、実物よりこっちのキャラの方が萌える(藁 のいじーはしゅーせの敵討ち、もちっと頑張ってほしかったな・・・ 何より首謀者がキリトなのが適役過ぎてイイ!(藁 1さん、楽しみにしてるのでぎゃんばってね!
527 :
1 :01/12/25 20:39 ID:Tt03+dWT
ヤスとマサは先輩・後輩の仲である。 マサは声の主がヤスだと知ってほっと胸をなでおろした。 (まさかヤスさんが俺を殺すことはないやろう) しかし、そんなマサの思いと裏腹にヤスは銃を目の前につきつけてきた。 ヤスにはマサを殺す気はなかった。 ただ、彼の戦闘意欲を試してみたかったのだ。 しかし当のマサは、その思いを知ってか知らずか、相変わらず戦闘意欲の欠片も見せない。 「来い、来いよ!! どうした、この臆病者が!! 俺がそんなに恐いんか!?」 すると、マサはデイバックを肩から外し、憂鬱げに武器を取り出した。 ・・・ハリセンだ。 ヤスは驚くと同時に、思わず吹き出しそうになる自分がいる事に気付いた。 『ハリセンとは…あいつと絶妙な取り合せやな…』 だがマサがその後とった行動はヤスを不機嫌にさせた。 マサはそのハリセンをヤスに向い放り投げた。
528 :
Nana :01/12/25 20:40 ID:OixM5E1D
おお! マサが出て来た! しかもちゃんとリクエスト通り武器がハリセンだ〜♪(小躍り 1さんありがとう!!
529 :
1 :01/12/25 20:43 ID:Tt03+dWT
「どういう意味や・・・俺を侮辱するんか、マサ!!」 さすがに憤怒の表情でヤスが怒鳴る。 「戦う前に諦めるんか? 情けないで!! 」 「・・俺には、俺にはどうしても仲間を殺して生き残る事が真の勇者とは思えないんです!! 」 マサはそう叫んだ。 「…奇麗事や。戦わずして生き残れやせぇへん。」 「戦います!! 戦いますよ!! でもそれは今回選ばれたバンドマンに対してではない!! こんな馬鹿げた事をして喜ぶキリトさん!! そしてその裏側に隠れる国家権力に対してです!!」 ヤスは思わず言葉を失う。無茶だ…現実逃避か? それとも気が触れたのか? 「マサ、目ぇ覚ませ!! お前の気持ちは痛い程わかる。でも、それは無謀…」 「ヤスさんは、強くなりたくないんですか?」 「・・・何?」 「俺は強くなりたい!! 人として、男としてもっと強くなりたい!! だから戦います、この現実を引っくり返す為に…」 「マサ…」 「俺は人を殺める強さなんていらない!! 殺されない強さが欲しい!! 「……」 「奇麗事ですよ、わかってます。幼稚な夢かもしれない… でも、俺は守ります。自分の命を、誇りを、ヴィジュアル系バンドを!!」 それから暫くの間、再度の沈黙が訪れる。
530 :
1 :01/12/25 20:45 ID:Tt03+dWT
「・・・前から変な奴やとは思っていたが、ここまで変人やったとはな。」 ヤスは苦笑いした。 「・・でも俺はお前に掛けてみるわ。お前の大甘な戯言に・・・」 「せやけどな、」 口を開いて何か言いかけようとしたマサを遮る様に、ヤスは語り続ける。 「ただ一つだけ条件がある。死ぬな。どんな事があっても生き続けろ。 そして何時の日か、お前の手でヴィジュアル系を再興してくれ。 」 マサは血が出る程、唇を噛み締めながら強く、そして何度も頷いた。 それを見たヤスは、今まで見せた事のない優しい笑顔を見せた。 ヤスは不思議だった。過去一度も先輩らしい事をしてやった覚えもないのに、この若者は 自分を必要としてくれている。
531 :
1 :01/12/25 20:47 ID:Tt03+dWT
『人間は人間関係によって、人間として存在できる』という言葉がある。 人間はただ一個で存在する場合、単なる畜類に過ぎない。 その人と人とが接し、関係する『縁』の中にあるからこそ、人間でいられるという意味らしい。 ヤスはその『縁』を目の前の男に感じていた。というより、彼がそれを気付かせてくれた。 ヤスがその場を立ち去ろうとした、その時・・・
532 :
1 :01/12/25 20:50 ID:Tt03+dWT
「・・・人の気配がするで!!」 「えっ!?」 「馬鹿、大きい声を出すな」 わずかだが草木が靡く音に混じって、荒い吐息が聞こえる。 間違いない。 しかし、ヤスは腑に落ちなかった。 あれだけ長時間、無防備な体制が続く中、何故仕掛けない? 味方か? ならば声を掛けてくるはずだ。 「ぐはっ!!」 一発の銃声の音と共に、マサの叫び声が響いた 「!!・・・マサ!!」 ・・・致命傷であった。 相手はよほどのヤリ手であろう。 ヤスは腹立たしかった。さっきまでの会話を聞いてたんやろ? それなのに何故、マサを狙おうとする?! ヤスは怒りの加わった声で、凛として叫んだ。 「誰やっ!!」 最後の最後に一つになることができた師弟。 そんな彼らをあざ笑うかのようにマサの死体の背後から出てきた相手はつぶやいた。 「・・・場違いだな」
533 :
1 :01/12/25 20:51 ID:Tt03+dWT
とっさにヤスが銃を構えると、 同じように自分に銃を向けた清春の姿がそこにはあった。 「・・・」 「・・・」 ・・・こいつは殺し慣れている。 それは清春を見たヤスの感想であったが、 同時にヤスの目を見た清春の感想でもあった。 危険な相手だ…少なくとも無傷では勝てない。 それはどちらの心の呟きだったのか。 「・・・」 「・・・」 数瞬の沈黙の後、二人は全く同じ行動をとった。 それはいずれ互いが最後の対決の相手になるかもしれないという 直感だったのだろうか? 同時に銃をおろした二人は、互いに背を向け…ゆっくりと歩き去った。 胸中に再戦を約して。
534 :
Nana :01/12/25 21:04 ID:alXWKBYP
ヤヴァイ、マサ萌え。リアマサを知らずに(ワラ
535 :
Nana :01/12/25 21:25 ID:HB6MpMtC
清春・hydeはハマリ役だと思うけど 正直yasuが重要キャラになるとは思ってナカータよ(yasuファソだけど 1さんもyasuも(藁)ガンバレ!
536 :
Nana :01/12/25 21:29 ID:egLA78GA
ぎゃーヤス萌えっ(藁)
537 :
Nana :01/12/25 21:30 ID:0bm09uEv
>535 同じく。最初出てきたときは まさかここまで中心人物になろうとは…(藁
538 :
ファナ麺 :01/12/25 21:34 ID:alXWKBYP
石月努:ヴォーカル・最年少だがリーダー。ファナ結成時は15歳の現在24歳。 切なげな楽曲を生産するが性格・ファソーンセンスは一言で言うなら チキドン。しかしそれすら石月流。語尾が〜デス、マスとカタカナがち。 和也:上手ギター。数年前まで口数少ないセクスィキャラで売っていたが単に 話ベタだったらしく何かが吹っ切れた現在ホェホェ節全開の和みキャラ 大ブレイク中。最近まで卵割れない電車乗れない社会人失格系。 Shun:下手ギター。電車に轢かれた事2回他、様々な生きる奇跡。 ド田舎生まれの現ややギャル男。友達は多い。 RYUJI:ベース。1番の営業上手。しかしライヌでは1番構ってくれヴォーカルと 人気を二分する。「〜でゴザイマス、グフゥ」 徹:MIXから歌までこなすドラム。ファナの良心。しかし何気に謎が多い。 国立大工学系学部中退。ワガウマ王子のお守り役。
539 :
ファナ麺 :01/12/25 21:35 ID:alXWKBYP
ハッ読みづらい・・・逝ってきます(ナキ
540 :
Nana :01/12/25 21:44 ID:0Xp//knQ
>538 竜ちゃん人気二分してるの? 知らなかった… ってか、これほとんどプロレスのと一緒?
541 :
Nana :01/12/25 21:45 ID:0Xp//knQ
ちなみに邦楽板で張り切り中のSOPHIA松岡氏キボン。
542 :
Nana :01/12/25 21:52 ID:z8t4aaZ9
>540 プロレスのと一緒かどうかは分からないけど 邦楽板のとは微妙に違いがあると思われ。
543 :
Nana :01/12/25 22:06 ID:v1TVtKeD
ここに古川(ヌーキキ)が参加してたらどうなるんだろう。 人間よりも鳥や昆虫に愛情深い人だから、何の躊躇も無く殺してそうだなー。 「アンタ生き残ってても成功しなさそうだし。死んじゃった方がいいっしょ」 とか言って、ニヤリと薄笑い浮かべながら(藁 それにこの人何されても死なない気がする。だって古川だから(苦藁
544 :
Nana :01/12/25 22:09 ID:rtm+BfGu
続きキボーン!
545 :
Nana :01/12/25 22:14 ID:k0IAOLHs
>522 (小さいけど にワロタ!!!(藁 怖いのかカワイイのかわからんne(w
546 :
Nana :01/12/25 22:16 ID:alXWKBYP
>540 出戻り。 ライヌ中はね@カパ
547 :
Nana :01/12/25 22:39 ID:JBDUrV30
つづきはまだかなあ
548 :
Nana :01/12/25 22:45 ID:2TGXNICK
見てる人に提案だけど。1サン以外、sageにしない? 感想とかあってぐちゃぐちゃになってきてるから。 ゴメソ、勝手に提案とかして・・・何となく気になってたから。
549 :
Nana :01/12/25 23:13 ID:E3XfXqNP
>548 禿同!今言おうと思ってた(藁
550 :
nana :01/12/25 23:19 ID:v8IAdj6P
>548 同意。モー板のサウンドノベルもその形式でやってるけど、 良い具合に進んでる。
551 :
Nana :01/12/25 23:29 ID:eX6ISjwf
マサにょんが死んじゃったにょーん泣…
552 :
Nana :01/12/25 23:29 ID:tbY1u/KP
ヤスvs清春に萌えた。 そんな私はhydeヲタ。(藁
553 :
Nana :01/12/25 23:38 ID:JBDUrV30
京とかガクトはどうなったのか気になるyo!
554 :
Nana :01/12/25 23:44 ID:qyMs2efW
TU-KA、キーパーソンはひっそり生きてるマナだろ!! あんまり出てこないのがますます不気味で キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!! といった展開を願います>1さん
555 :
Nana :01/12/25 23:45 ID:Xvrb31/D
今何日目なんだろう・・・
556 :
Nana :01/12/25 23:46 ID:JBDUrV30
>555 そういえば最近アナウンスないね
557 :
Nana :01/12/25 23:46 ID:k0IAOLHs
1さん最高です!!(ハァト 冷酷イカレhyde・・・イィ!(・∀・) 京タン水没じゃなくてヨカータYO♥(´д`;)藁
558 :
Nana :01/12/25 23:47 ID:0Yzbby0e
邦楽板の方、誰かageて下さい…(ナミダ
559 :
Nana :01/12/25 23:47 ID:eaLm8SKE
>555 定時報告はまだ2回しかないYo! 1回目が朝だったから 今は 2日目?の夕方ぐらいだと思われ
560 :
Nana :01/12/25 23:50 ID:lJLMV/6Y
ここ見るのが楽しみでもあり、日課になりつつある…(ワラ 1さん頑張れ!!
561 :
1 :01/12/26 00:04 ID:wunRT+fC
図書館に銃声が響く。 この図書館は清春が千聖を殺した市立の大きな図書館である。 その銃声が十数回続いた後わずかな静寂。 そしてその静寂を引き裂く爆発音。 ソフィアの松岡充は図書館内を息を弾ませながら走り回っている。 銃弾と爆発から逃げているのだ。 銃撃と爆撃の主はカリガリの研次郎。左手にノイジーから奪ったグロック34、 右手にオートマチックのワルサーPPK9ミリ、更に手榴弾まで持っている。 まさにスーパーストロングの名に恥じない装備と言えた。 (おいおい、いつの間にあんなに武器手に入れたんだよ?) 本棚に身を隠しながら、松岡が心の中で不平を訴えている間にも、近くに手榴弾が転がってくる。 なんとか爆発をかわし別の本棚に隠れるとまたそこに銃弾が撃ちこまれる。 とりあえず身を隠そうと入り込んだ図書館に、こんな厄介な先客がいるとは。 (…オレの手持ちの武器でどう戦えってんだ?) 松岡の武器で今使えるのは、警棒、防犯スプレー、そして吹き矢。 戦力の違いは明らかである。
562 :
1 :01/12/26 00:07 ID:wunRT+fC
状況を愚痴っている間に、銃弾が棚を突き抜け松岡の顔の近くを掠めた。銃声が近い。近付いて来ている。 追い立てられ壁際に移動した時、研次郎が松岡の移動に気付かず投げた手榴弾は、本棚の側面に当たり 運悪く松岡が移動した方向に転がってきた。 (うぉ、マジかよ!?やべぇ!!) あたりに爆音が鳴り響く。 爆風は本棚を薙ぎ倒し、本を吹き飛ばした。 「―――ったくツキがねぇなぁ。・・・・!」 咄嗟に給湯室に飛び込み爆発をやり過ごした松岡は、 ぼやきながらも何かを見つけた。
563 :
1 :01/12/26 00:09 ID:wunRT+fC
「松岡さぁーーん!!どこ行きましたぁ!?」 研次郎の叫び声が図書館に響く。当然返事は無い。銃のマガジンを入れ替えながら辺りを見回す。 (本棚の下敷きにでもなったのでしょうか?) 考えていると、少し離れた2階への階段を上がる松岡の姿が見えた。 研次郎は、その賢そうな顔に満面の笑みを浮かべる。 (彼は私の手でブチ殺しましょう…じわじわ追い詰めて。) 研次郎は松岡を追いかけた。 一応用心しながら階段を上る。 反撃は無いまま2階に着いた。 2階も多くの本棚が静かに立ち並んでいる。 静けさに苛立ち研次郎は再び叫んだ。 「松岡さぁん!ちったぁ反撃したらどうなんです!?」
564 :
1 :01/12/26 00:10 ID:wunRT+fC
何の反応も無い。 そして研次郎が行動を始めようとした時、『ガーー』と物音が聞こえて来た。 そして本棚の間から本を運ぶ台車が現れ、研次郎の目の前で壁にぶつかり止まる。 その台車の上には火のついた携帯用のガスコンロが乗っており、 ガスコンロには何かの缶がテープで固定されていた。 スプレーの缶だ。 研次郎が状況を理解するかしないかの刹那、研次郎の眼前でスプレーは破裂音と共に爆発した。
565 :
1 :01/12/26 00:11 ID:wunRT+fC
「ぐぁあぁぃがぁぁあぁーっ!!」 辺りに刺激臭が立ち込め、声にならないような呻き声を上げ研次郎は転げ回る。 缶が破裂した時に飛び散った缶の中身をもろに全身で浴びたのだ。
566 :
Nana :01/12/26 00:11 ID:CaURgoLK
初めてこのスレ見ました! 凄いですね!!今更ですが、台紙と飼育の話とっても 感動でしたホロリ イザムが出てきた時はどうしようかと思いました藁 今リアルタイムですか??邪魔しちゃってスイマセン汗 1さん頑張って!!
567 :
Nana :01/12/26 00:12 ID:xTT6wV1g
松ちゃん出てきた。ありがつ1さん。
568 :
1 :01/12/26 00:12 ID:wunRT+fC
缶は勿論防犯スプレーである。 「思ったより随分上手く行ったわ。我ながら大したもんや。そう思わねぇか?」 松岡は自画自賛しながら投げ出された研次郎の銃を二つ拾い上げた。 そして土下座のような姿勢でうずくまる研次郎の後頭部を踏みにじる。 「なぁ何とか言ってみろや。」 そんな余裕を見せつける松岡の顔が固まった。研次郎の手に二つ手榴弾が握られていたからだ。 そのピンが今抜かれた。弾かれるように松岡は階段の所に駆け込み、必死で下の踊り場へ飛び降りた。 直後に轟音が轟き、風と煙と塵が踊り場まで降り注ぐ。 「うひゃ〜、さすがに死んだな、こりゃ。」 降りかかる塵に顔をしかめながら松岡は2階を見上げた。 その後、満足げに戦利品を確認して図書館を離れた。
569 :
1 :01/12/26 00:13 ID:wunRT+fC
ニューソドミーのアヤとデュールのサキトは不意に聞こえてきた音に足を止めた。アヤは雷かと思い窓から空を見た、だが空は快晴だ。 「……何の音だ…」 「どっかで誰かが爆弾でも使ったんだろ。それもわりと近くだな。やりあってるヤツがいるんだろう。」 アヤは図書館の方向を見ながら言った。そしてサキトに問い掛けた。 「サキト…行くか?」
570 :
Nana :01/12/26 00:13 ID:/gxub3pc
充がんばれっ!! 1さんもがんばれっ!!
571 :
Nana :01/12/26 00:14 ID:5Kwpui6x
あぁ〜けんじろさん死んじまったのか・・
572 :
1 :01/12/26 00:15 ID:wunRT+fC
「?…行くって……まさか……今の爆発の所に?」 「そう。こんな所にじっとしてても誰かに殺されるかもしれない。 それなら自分から戦うさ」 「・・・・・・・・・・・・」 黙って下を向いたままのサキトにアヤは少し苛立った。 サキトは雅が死んだことを例の放送で知り、ずっと落ち込んだままだったのだ。 彼の気持ちはよく分かる。 だが放って置く訳にはいかなかった。
573 :
Nana :01/12/26 00:15 ID:o4oqdkUK
1サン以外sageてね。
574 :
Nana :01/12/26 00:16 ID:5Kwpui6x
>573 忘れてた スマソ
575 :
1 :01/12/26 00:16 ID:wunRT+fC
「積極的に殺しをしてるヤツが何人かはいるハズだ。そんなヤツが勝者でいいのか?」 語気を荒げるアヤに、それまで押し黙っていたサキトがやっと口を開いた。 「……だからって俺たちが誰かを殺したらそいつらと一緒じゃないか…」 アヤはその言葉に軽く溜息をつき、間を空けてから答えた。 「わかってるよ、そんな事は。 ……だから僕はもし生き残れたら殺したヤツの家族に会いに行く。 もしそこで死んでくれって言われたら、喜んで、とは言わないが死ぬよ。 そのくらいは覚悟してる。 このくらいで罪が償えるなんて思わないが、それがこの状況での僕なりの責任の取り方だ。」 「…アヤ……」 アヤはサキトの依然として暗い表情を吹き飛ばすように彼の肩をぽんと叩いた。
576 :
1 :01/12/26 00:19 ID:wunRT+fC
(あ〜あ、ったく、ホンマにツキねぇな。…神様ってのがいるんやったらひでぇ奴やな。) 鬱陶しそうな顔をする松岡の視線の先にアヤとサキトがいる。 向こうも気付いているようだ。 サキトは右手に銃を持っている。 アヤも右手に銃を持ち、左手には今飲んでいたのか 栄養ドリンクの瓶らしき物が握られている。 二人との距離はおよそ15m。 道は両側にブロック塀があり曲がり角が5mほど先にある。 松岡は思案を巡らせた。 (戦うってのはゴメンやな…となると逃げるか、いややっぱり近付いて裏切るのが一番やな。
577 :
1 :01/12/26 00:21 ID:wunRT+fC
サキトは明らかにビビってるしアヤは同じ事務所だったよしみがあるし。 ・・・ってヤな事思い出したな、同じ事務所って…) そんな事を考えながら、松岡は手に持っていた銃をズボンの両ポケットにしまい両手を挙げた。 この行為はかなり危険なのだが、松岡は二人の態度から基本的に戦う意思が無いのを感じ取っていた。 「待ってくれよ、アヤ!オレはやりあう気なんて無いんやで!」 松岡は二人に聞こえるように多少大きな声を出しながら近付いた。 当然哀願するような表情は忘れない。 だが思惑に反してアヤは松岡に銃を向けた。
578 :
Nana :01/12/26 00:22 ID:k6yfKezv
ああ、嬉しい!!サキトが出てる〜! 1さんサンクス!今日はリアルタイムで見てますー がんばってください!
579 :
1 :01/12/26 00:26 ID:wunRT+fC
「とりあえずそれ以上近づかないで下さい。さっきの爆発は松岡さん? 銃も一つは松岡さんのじゃないでしょ。誰のです?」 「ちょ、ちょっとアヤ、いきなり銃向けなくてもいいやないか!あんまりやわ!」 油断していただけに演技以上に驚く松岡。 更に戸惑うサキトを尻目にアヤは続けた。 「悪いですけど、松岡さんを信用出来ない。僕たちに気付く前の松岡さんの笑顔を見てしまいましたから。 この状況であんなに楽しそうな顔を出来る人を信用なんて出来ません。」 (何考えてんやこいつ!?そんな事でオレに鉄砲向けてんじゃねぇよ!!) 毒づきながらも、最悪銃を下ろさせれば充分だと自分に言い聞かせ、 松岡は芝居を続けた。
580 :
1 :01/12/26 00:28 ID:wunRT+fC
「…ってそれタダの勘やないか!そんなんで殺されたんやたまらんわ! オレは研次郎にいきなり襲わ…」 「松岡さあぁアぁァあーーんッ!!!」 松岡の芝居は突然の闖入者の無粋な叫び声によって打ち切られた。 振り向いた松岡は演技無しに驚く。 研次郎だ。 左の手足は焼けただれ、鼓膜も破れているのか耳の辺りにも血が滲んでいる。 更に未使用だった防犯スプレーの爆発をモロに浴び、目もろくに見えていないハズだというのに 研次郎は確実に松岡のいる所へ手榴弾を投げてきた。 しかし松岡は落ち着いてブロック塀の曲がり角に逃げ込み爆発をやり過ごす。 そして研次郎の出現と 爆発に驚くアヤ達に大声で話し掛けた。 「どうせまだ一人も殺ってないんやろ?あとは任せるから頑張ってくれよな。
581 :
1 :01/12/26 00:29 ID:wunRT+fC
そいつマジでしぶといから気いつけた方がいいで?じゃあな!」 松岡はいい加減疲れた身体に鞭打って走ってその場を離れた。
582 :
Nana :01/12/26 00:34 ID:2Zrv2LMW
サキトが出てる・・(感動
583 :
Nana :01/12/26 00:38 ID:xTT6wV1g
今日の更新はもうないのかな?
584 :
Nana :01/12/26 00:42 ID:S+f3r0XF
松岡も嫌なやつだな(ワラ
585 :
Nana :01/12/26 00:46 ID:2Zrv2LMW
今日は終わりかな?寝よっと・・ 1さんおつかれ様です!続き楽しみにしてます
586 :
Nana :01/12/26 00:57 ID:sXrtpNH5
アヤがカッコイイ・・・(感動
587 :
sage :01/12/26 00:57 ID:Uu65HwSv
アヤくんと松岡、カナーリ仲良かったのに・・・(涙 でもアヤくん出してくれてサンクスです!! お疲れ様!!!!!
588 :
Nana :01/12/26 00:59 ID:Sn/2kik1
1さんお疲れさまー。アナタ天才(ハァト この研次郎さん、意外とリアルに頭に浮かぶ・・・。
589 :
Nana :01/12/26 01:01 ID:k6yfKezv
松岡がちゃっかりしててなんか好きだ(藁 サキト、サキトらしくダサくて気弱で萌え〜!
590 :
587 :01/12/26 01:11 ID:Uc1mq4J6
sageって書く場所間違えた・・・。 スマソ。逝ってきます・・・。
お願いっす・・。 小川&hydeが出るなら是非ともSAKURAタンを・・・(元ラルク現ジグゾ) ガクトと清春が出るならTETSUタンを・・(元マリス現ジグゾ) ヨシキが出てるならhideちゃんを・・・・特別待遇で・・(涙 DENRYOはマイナーなんで出さなくて良いです・・(元バイセク現ジグゾ)
592 :
nana :01/12/26 01:13 ID:9vmNWosp
>590 次からは半角でsageてね。
593 :
Nana :01/12/26 01:17 ID:7tgF+Z19
>591 ジグゾってヴィジュアルなの?
594 :
Nana :01/12/26 01:21 ID:Fb0UWYYx
Sゆな出して下さい!! 女好きでパチンコ好きで鬼畜で暴力魔で偉そうで腹黒でむかつく奴だけど 本当は繊細で弱くて傷つきやすくていい奴。頭の切れもいい。 すぐ殺していいんで、出してください!
595 :
Nana :01/12/26 01:21 ID:2DS+sFuL
>591 マイナーって(ニガ バイセク好きでDENファソだった私には痛いお言葉(ワラ >593 多分違うと思われ。
596 :
Nana :01/12/26 01:24 ID:ltHDVnTG
マッチャソ妙に好き(ワラ
597 :
Nana :01/12/26 01:31 ID:K7/6jIIY
是非ともTAIZOをお願いシマス・・・ 天然&頭弱い割にたまに鋭い事を言う無邪気で超腹グロな無駄に容姿の良い若造(標準語かつ微妙に敬語) アイジやらプラトゥリ麺やらカリガリ麺やらと仲良かったりします これは感想要望スレに書くべき??あそこは放置??
598 :
Nana :01/12/26 01:34 ID:K7/6jIIY
是非ともTAIZOをお願いシマス・・・ 天然&頭弱い割にたまに鋭い事を言う無邪気で超腹グロな無駄に容姿の良い若造(標準語かつ微妙に敬語) アイジやらプラトゥリ麺やらカリガリ麺やらと仲良かったりします これは感想要望スレに書くべき??あそこは放置??
599 :
Nana :01/12/26 01:36 ID:K7/6jIIY
しまった連続・・・・・・・(禿鬱 スミマセン逝きます 1さんマンセー!
600 :
Nana :01/12/26 01:40 ID:0RTkvnPg
>597 あそこは放置ね(ニガワラ そういえば削除依頼は出してあるのかしら?
601 :
Nana :01/12/26 01:42 ID:7bAdi/oh
すずきこうじきぼん
602 :
Nana :01/12/26 01:48 ID:mijXVkl2
>594 私も遊汝出して欲しい! 貴方の言う通りな人だけど誰よりもバンドの事真面目に考えてていい奴。 1さん良かったら出して下さい!
603 :
Nana :01/12/26 01:51 ID:0RTkvnPg
>601&602 1さん以外はsageてね
604 :
Nana :01/12/26 02:03 ID:blNHkDDu
この研次郎マジで怖い…。 生で見たらおしっこチビりそーだ…(怯 ((((゚д゚;))))ブルブル
605 :
Nana :01/12/26 02:08 ID:cYlFAy0o
ラルクのTetsuが出てるみたいなんで、ついでにZIGZOのTetsuも出してください(;´Д`)ハァハァ Manaのことを逆恨みして登場するZIGZOテツ。でも逆にManaに首を締められどつかれて死す。みたいな感じで…。
606 :
Nana :01/12/26 02:18 ID:KkG+QXqJ
一応ミゼラーなんでキャラ解説を・・ マナって見かけは女ですが メンバーの中では一番男です(ワラ エレガントゴシックが基本なので汚い言葉は発しませんが 腕っ節も強いと思われ。 あと、ゲームオタクです。ファミ通とも縁が深いので 編集部にでも逃げ込めるでしょう。 てか、マリスは他の麺が弱すぎなんだがね〜(藁
607 :
774 :01/12/26 02:43 ID:sOx3jYZx
キャラ追加お願いします。 私もsakura出てホシイ… 爽やかに生残る気マンマンで。彼は男気タップリですが死に方はアフォらしくお願いします。 そしてラルクのkenタン(関西弁)とユッキー(標準語)も出して欲しいです。 kenは櫻と仲良かったんで是非対決させてあげてださい。
608 :
774 :01/12/26 02:44 ID:sOx3jYZx
スマソsage忘れ…sage
609 :
Nana :01/12/26 02:45 ID:0RTkvnPg
>608 メール欄に半角sage(ワラ ぶっちゃけ同盤土からはもうイイ気が・・
610 :
Nana :01/12/26 02:47 ID:2DS+sFuL
>609 私も今書こうとした(ワラ<sage もう頼むの止めにした方が良くない? そんなに出れるのかと思ったり・・・
611 :
Nana :01/12/26 02:51 ID:5N6iT1q2
>609 胴衣。 まだ出てない盤面もいるし、同バンドは当分いらんと思う まぁ因縁関係によりけりかな?(藁
これっていずれはざっと500人くらいのヴィジュアル麺が氏んでくのかな(稿 ハナから相方殺されたMICHIとか1エピソードくらいはなんか書いてみたいね。
613 :
Nana :01/12/26 06:20 ID:DYiYGk/m
>>611 禿同
同じバンドはもういらないと思う。
1さんも大変だと思うし知らない人が見たら面白くないから。
それだったら色んなバンドから1人づつとかのがいいと思う。
614 :
Nana :01/12/26 12:42 ID:RPhSbf0q
何気にまだ一言も台詞ナッシングな俺様はどういうキャラなんだろう・・・。
615 :
Nana :01/12/26 12:57 ID:IOj776m8
充リクした者です!! >1さんアリガト〜♥イイ感じですね(藁 ドラマもでる事だし演技ってとこもイイ!!
616 :
Nana :01/12/26 13:07 ID:aO3axkXD
SUGIZOに頑張ってもらいたいです
617 :
Nana :01/12/26 13:22 ID:+6+CpGKa
サキトリクした者です!! 読んでて思い出しました、確かサキト「好きなアーティスト」にhydeって書いてありました (オフィ参照) 参考までに、是非。
618 :
Nana :01/12/26 13:48 ID:+6+CpGKa
もう一つ、追加・・サキト、「好きな音楽」にジャンヌダルクって書いてあります。 再び参考までに、是非。 それでは1さんがんばってくださいー!
619 :
Nana :01/12/26 14:02 ID:tP4g48Vs
www.geocities.co.jp/AnimalPark-Shiro/7361/bt/btbt01.htm これまでの内容全部まとめました
620 :
Nana :01/12/26 14:04 ID:EUR7n//b
サキト、ジャンヌ好きだよね。 ラ犬逝ってるし、今は知らんけど前携帯の着メロにしてたし(藁 1さん頑張って下さい! おてつを殺すManaちゃん萌え…
621 :
Nana :01/12/26 17:41 ID:4r+0Gz9p
サキト、カラオケの十八番はHeaven'splaceだって言ってたYo!
622 :
Nana :01/12/26 17:56 ID:6A/f5KuW
>621 Heaven's Driveでしょ
623 :
Nana :01/12/26 17:59 ID:6A/f5KuW
>621 スマソ 素で間違えた(ウトゥ
624 :
Nana :01/12/26 19:07 ID:JtgqtmAd
>620 サキトJanneのライヌ来てるんですか?かなり感動(ワラ今度探してみようかな
625 :
Nana :01/12/26 19:08 ID:B7Z8frIH
上がってたから期待したら違ったYO ウワアアアアン(ノ;´Д`)ノ〜┻━┻
626 :
Nana :01/12/26 19:14 ID:qyiv9GZr
>625 禿堂
627 :
Nana :01/12/26 19:50 ID:f04opGeP
>624 1さん以外はageんなよー。 sageてくれ!!マジで! このスレが上がってるとみんな期待するんだから。
628 :
Nana :01/12/26 19:59 ID:HiCFa/rp
私も
>>597 と同様、太三お願いしたいです。
彼はナルシストで目立ちたがりやな宇宙人です(w
>>597 太三の性格説明ワラタ
629 :
Nana :01/12/26 20:27 ID:/XApF+aX
サキト、ヘブン図プレイス十八番なんだ〜(藁 聞いてみたい
630 :
Nana :01/12/26 20:37 ID:9pNioubt
私もSAKURAきぼん…(ボソーリ >607 「男気タップリ、死に方はアフォらしく」って最高! すっげーやっちゃんっぽい!(藁 というわけで1さん、是非それでお願いします。(ワラ SAKURAは、えーと、目つきが悪いので悪人に見られがちだけど、 中身は意外に気のいいあんちゃんな江戸っ子です。 「黒しか着ない」と公言するほどに黒色を愛しているので、 武器も、黒いものでないと使用しないかもしれません。 使用言語は江戸前語です。
631 :
1 :01/12/26 21:03 ID:wunRT+fC
「研次郎さん!俺です!アヤですって!」 アヤは明らかな敵意を持って近付いてくる研次郎を説得しようと声をかけた。 無駄だろうとは思いながらも。 そしてやはり研次郎は止まらず、新しい手榴弾のピンに手をかけた。 「松岡さぁぁん…あなたたちどっちが松岡さんなんです……」 「アヤ、ど、どうする?」 サキトが戸惑っている間に手榴弾が飛んでくる。 それは見事に自分達の所へと向かって来た。 「とりあえず避けろ!」 二人は研次郎のいる方とは逆に飛んで地面に伏せた。 さっき自分達のいた辺りで爆発音が聞こえ、 続けて石つぶてが爆風に乗って二人にぶつかった。
632 :
1 :01/12/26 21:05 ID:wunRT+fC
起き上がり研次郎の方を見ながら、アヤはまだ決心出来ずにいた。 研次郎を殺すことを。 サキトには大見得を切ったが、いざ戦う段になると手が震えた。 考えている間も研次郎はゆっくりと近付きながら痛々しい左腕に提げたデイパックから手榴弾を 漁っている。 だが手榴弾が残り少ないのか腕の感覚が弱まっているのか、なかなか見つからないようだ。 (今だって!何やってんだ!早く動けって!) 動けないアヤの視界に、ようやく手榴弾を手にした研次郎が映る。 研次郎はもう15m程の距離に来ていた。 「サ、サキト、逃げろ!!」 自分の心の束縛を解くためにアヤはあらんばかりの声で叫んだ。 そしてライターを取り出す。 その時研次郎が投げた手榴弾はアヤを大きく外れブロック塀の向こうの民家に飛び込んだ。 もう研次郎の身体に限界が来たのだろう。 それを悟ったアヤは、さっきの手榴弾の爆発によって飛んでくる破片を気にも止めず 左手に握り締めていた瓶の口から覗いている導火線に火を付けた。
633 :
1 :01/12/26 21:07 ID:wunRT+fC
そしてそれを研次郎に向かって投げた。 研次郎は痛みに転げ回っていたが20秒ほどで動かなくなった。 ―・・・サキトは? 「!!」 なんとサキトは民家のほうへ逃げていたのだった。 そう、研次郎のそれた手榴弾の飛んでいった方角へ・・・。 「サキト…」 アヤは未だに震える自分の手を見ながらつぶやいた。 大きすぎる無力感と悲しみに包まれ、涙すら流せなかった。
634 :
1 :01/12/26 21:08 ID:wunRT+fC
「アヤ!大丈夫か!?しっかりしろ!」 アヤは虚ろな表情のまま、自分の身体を揺する人物を見た。 ガクトだ。 「……あぁ…ガクトさん……何してるんです?…こんな所で……」 「それはこっちのセリフだろ!身体は大丈夫なのか? とりあえず誰か来る前にどこかに行こう。ここにいたら危ない!」 ガクトは力無くうなだれるアヤに肩を貸し、近くのコンビニに身を隠した。 「何があったんだ?アヤ。あそこにいたのは研次郎とサキトだろう?」 抑えながらも力を込めた声でガクトは何度も問い掛けていた。 そしてようやくアヤは自嘲気味に呟きだした。 「…僕は人を殺してしまった……研次郎さん…サキトも……助けようとしてたのに……」 ガクトはアヤがゆっくりと今まであった事を話すのを最後まで黙って聞いた。 そして聞き終えても無言のガクトにアヤは言った。 「ねぇガクトさん…あなたの銃、貸してくれませんか……」
635 :
1 :01/12/26 21:09 ID:wunRT+fC
「……貸したらどうするんだ?自殺でもする気か。」 厳しい表情でガクトは問い返す。 そんなガクトを気にも止めず、疲れ切った顔でアヤは答えた。 「…もういいでしょう?もう疲れたんです……」 そんなアヤをガクトは無言で思い切り殴りつけた。 そして力無く倒れこんだアヤの胸倉を掴み激昂した。 アヤは少なからず動揺を見せる。だが顔を逸らして言った。
636 :
1 :01/12/26 21:10 ID:wunRT+fC
「…何がわかるんだ……あなたに何がわかるんだ!」 「わかるさ!僕だって…雅くんに命を貰ったんだから……」 ガクトは苦しそうな表情を見せながらも雅との事を全てアヤに話した。 大佑に狙われた時、その後のヒデキたちとの別れ、雅との再会と戦い、そして結末まで。 話し終えたガクトの瞳は先程のアヤとは対称的に強い光を灯していた。 そして真っ直ぐにアヤを見つめる。 「負けるなよ!」 そう言って、ガクトは去っていった。
637 :
1 :01/12/26 21:16 ID:wunRT+fC
震えながらカグラの一志は自分の好きな言葉を思い出していた。 『華のないバンドマンでもトップになれる』 それを体現していたラルクのテツは一志にとって理想とも言うべき人物だった。 そのテツが自動車整備工場で死体になっているのを見たとき一志は心の底から恐怖した。 もしかして次に狙われるのは…。 テツの例から安全な隠れ場所などないことはわかっていた。 こうなったら誰でもいい、近づいた奴を一人でも多く道連れにしてやる! そう思い一志は銃を構え、茂みに隠れていた。 何時間経ったのだろうか? 二時間?三、五時間? だが実際には茂みに隠れて五分と経っていないことを一志は知らなかった。 その時一つの大きな影が視界に入った。
638 :
1 :01/12/26 21:28 ID:wunRT+fC
誰だ?あの影は・・・ヤスさん? 一志は容赦なく引き金を引いた。 しかし弾はわずかに標的をそれた。 すかさず第二射に移ろうとしたその時! 「誰や!そこにおるんは!」 違う!ヤスさんじゃない!同じ関西弁だが・・・誰だ!
639 :
Nana :01/12/26 21:31 ID:Rou+BYMO
サキポン死んじゃったのかな…でも死体確認の描写無いし…。 だけどサキポンだからなぁ…。
640 :
1 :01/12/26 21:31 ID:wunRT+fC
「なんや?お前誰や?」 ソフィアの松岡充! 直接の面識はないが、この業界にいる者なら彼を知らない者はいない。 撃たなければ!だが体が動かない。 これが恐怖か! そしてこの男はなぜ撃たれたのに平気でこちらに向かってこれるのだ? これが松岡か…
641 :
1 :01/12/26 21:33 ID:wunRT+fC
「返事せい!返事!挨拶もろくにできへんのか!最近の若いもんは!」 その言葉が届くか否かの間に一志の体は吹き飛ばされた。 一志が顎に強烈な平手を食らったことに気づくのには数秒かかった。 圧倒されて動けないあいだに松岡が接近していたのだ! なにか言わなきゃ! 一志は慌てて口を開いた、だが一志の口からでた言葉は 「おがごげ…!」 顎の骨が砕けている! 「ちゃんと喋れや!何て言うてるかわかれへんやろ!」 松岡が前蹴りを叩き込む、一志は咄嗟に両腕で受け止めたがまたも吹き飛ばされた。 何とかして敵意が無いことを示さなくては! そうだ!喋れないなら、両手を上げて降参の意思表示をしよう! それは束の間の夢に過ぎなかった。 一志が上げようとした両腕はぴくりともしない。 先ほどの一撃で折れていたのだ。 どうすればいい?
642 :
1 :01/12/26 21:35 ID:wunRT+fC
松岡がゆっくりと近づいてくるのが見える。 一志は、なけなしの勇気を振り絞って踵を返した。 逃げ切れるか? そのときだった。 ぴちっ! 聞きなれない音がした。 それが自分のアキレス腱が切れた音だとは一志にはわからなかった。 いや…もうどうでもよかったのかもしれない。 喋れない、手足も動かない。 自分が単なる肉隗に過ぎないことを悟った一志は…考えることをやめた。 「何寝とんねん!」 もはや呼吸すら止まった単なる肉隗を、松岡は容赦なく踏みつけ続けた。
643 :
Nana :01/12/26 21:37 ID:zfEr9PXc
ままままちゅおかこわいよ〜 ((((゚д゚;))))ブルブル
644 :
Nana :01/12/26 21:38 ID:cnrv0nUR
ヒィー(((゚д゚)))ガタガタ
645 :
Nana :01/12/26 21:40 ID:cnrv0nUR
あ(w ケコーンしてくれ>643
646 :
Nana :01/12/26 21:41 ID:zfEr9PXc
>645 え!?ドキドキ ・・・・・・・・・・イイヨ(ハァト
647 :
Nana :01/12/26 21:43 ID:PWryqetk
こんな所で愛が芽生えてるよ(ゲラ
648 :
Nana :01/12/26 21:43 ID:qDnjqjOd
松岡がコワイ・・・・・・
649 :
1 :01/12/26 21:47 ID:wunRT+fC
ピエロのアイジは焦っていた。 冷たい冬の風が頬にふきつけてくる。 そんな当たり前のことが 今のアイジを殊更苛立たせた。 この5時間半、ずっと彼は歩き続けていた。 しかし収穫と言えば途中で拾った鉄パイプ、そして誰かが争ったであろう場所で見つけたデイパック一つだけだった。 だが、二人死んでいたのに一つしか無かったという事は一つは誰かが持ち去ったのだろう。 とりあえず拾ったが中身には期待できそうも無い。 そう思いながら駐車場の中程で車と車の間に身を隠し中身を確かめていた時思わぬ事が起こった。 更に奥の車の陰から何者かが立ち上がるのを見つけたのだ。距離にして3〜4m。 様子からすると眠っていたらしい。 (アイツは……誰だ??なんか変な服着てるな。ヘンなヤツが多いのか?バンドマンってのは。) 自分自身もバンドマンだというのに、一瞬自分の状況を忘れてしまっていた。
650 :
Nana :01/12/26 21:52 ID:qDnjqjOd
1さんスキです(藁) 頑張ってね
651 :
Nana :01/12/26 21:52 ID:PWryqetk
アイジ、自分もよく変な格好してるクセに・・・(ワラ
652 :
Nana :01/12/26 21:56 ID:S+f3r0XF
アイジ、ボーカルが首謀者なのに、参加させられてるのね・・・(ワラ
653 :
Nana :01/12/26 21:58 ID:PWryqetk
>652 ゴメソ。自分、アイジ出してってリクした・・・(ワラ 1さんにどう料理されるのか楽しみ。
654 :
1 :01/12/26 22:00 ID:wunRT+fC
(っと、呑気に考えてる場合じゃない。チャンスだ。アイツには悪いが死んでもらう。) そう考えアイジは車の陰からデリンジャーをその相手に向けた。その時、 『コホッ』 アイジは軽く、本当に軽く咳き込んでしまった。 相手はそれを聞き逃さずこちらを振り向く。 ・・・敵は清春だった。
655 :
Nana :01/12/26 22:02 ID:zfEr9PXc
清春、どんな服着てたんだよ・・・。
656 :
nana :01/12/26 22:03 ID:1YYvwHqv
敏弥・・・Toshiyaを・・・(しつこくてゴメソ
657 :
Nana :01/12/26 22:05 ID:S+f3r0XF
>653 私、首謀者サイドで出てくれるのかと思ってたからビクーリしたよ・・・ アイジ、幸せに死んでくれ・・・
658 :
1 :01/12/26 22:06 ID:wunRT+fC
しかし焦りながらも意外と冷静にアイジは引き金を引いた。 充分弾は当たる。 ……筈だった。しかしアイジの期待に反し清春は無事だった。 それもその筈、弾が出なかったのだから。 アイジの持つデリンジャーは弾を一発しか装填出来ないタイプだったのだ。 だがアイジは銃器に詳しい事もなくまだ何発かは残っているだろうと楽観的に考えていた。 おまけに拾った銃に予備の弾丸がある訳も無い。 アイジは己の短絡さを悔いた。 そんなアイジを嘲笑うように清春はすぐに車に身を隠しながらアイジの方に銃を撃ってきた。 あちらには充分弾があるようだ。 (クソッどうすりゃいいんだよ、クソッ!) 銃声と共に降って来る車の窓ガラスの雨を浴びながらアイジの苛立ちは強まっていく。 その時、アイジは拾った方のデイパックを踏みつけた。 その足はデイパックの中にまだ見つけていなかった 『何か』があるのをアイジに知らせた。
659 :
nana :01/12/26 22:09 ID:1YYvwHqv
>655 スゲー藁たよ・・・
660 :
1 :01/12/26 22:11 ID:wunRT+fC
さっきまで晴れていた空がすっかり雲に覆われている。今にも一雨来そうな空模様だ。 (フゥ、アイジがバカで助かったな。 でも、なんで奴がこんなとこにいるんだ?首謀者じゃないんか?ま、いっか。) アイジの方に威嚇射撃しながらやや目覚めきっていない頭の中で清春は安堵の息をつき、そして考えた。 ――全く打ち返してこない所を見ると少なくとも持ち弾はあまり無い。 爆弾の類が来る気配も無い。 また、弾が無いのに気付かない程度のオツムで銃器の扱いにも慣れていないだろう。 という事はこちらが明らかに有利である。 こちらが有利であることは向こうも承知だろう。 ならアイジは今、必死でどうするか考えている筈だ。 こちらから時間をやって相手に対策を 考えさせてやる必要は無い。 まして何か思い付かれたら厄介だ。そして結論。 ――――こちらから攻める。 目覚めに比例して冴えてくる頭で、清春は瞬時に相手と自分の状態を分析し、結論を出した。 更に相手の思考を乱すために言葉を投げかける。 アイジに最も効果的な言葉を。
661 :
Nana :01/12/26 22:11 ID:6OXGAIHD
今夜更新されていた分読みました! 今回もかなり楽しませてもらいました。 続きも楽しみにしてます☆ 頑張って下さいね。
662 :
1 :01/12/26 22:14 ID:wunRT+fC
「おい、アイジ!首謀者はキリトだろ?いいのか?」 その言葉にまんまと乗せられ、冷静さを失ったアイジが車の陰から頭を出す。 待ち構えていた清春はアイジの位置を確認すると、もう一発銃を撃ち、アイジの頭を引っ込ませた。 その隙に車の陰を飛び出し、素早くアイジの隠れている所へ駆け寄る。 そしてアイジの顔を確認するより先にアイジめがけて二度引き金を引き、勝利を確信した。 だがそこで清春は意外なものを目にする。 車と車に挟まれたそこにはアイジでは無く銀色の壁があり、 その壁に先程放った銃弾はめり込んでいた。 そして壁の上の方に開いた穴からアイジらしき二つの目が 清春を覗き、無言のまま壁は清春めがけて突っ込んできた。 (ちっ、何だよこりゃ!盾なんか持ってんじゃねぇよ!) 清春は完全に虚を突かれ、苦し紛れに銃を放つ。 だが迫り来るジュラルミンの盾の体当たりは、 全く止まることなく清春の身体を突き飛ばした。
663 :
Nana :01/12/26 22:15 ID:zfEr9PXc
変な服の二人、頑張れ!!
664 :
1 :01/12/26 22:18 ID:wunRT+fC
突き飛ばされた清春はその先にある、空いた駐車スペースに倒れこみ、持っていた銃は数メートル 向こうの車の下に滑り込んだ。 アイジは更にそのまま盾で清春の身体を上から押さえつける。 左手と左膝で盾ごと清春に乗りかかりながらアイジは目を血走らせていた。 「キリトのことを出すな!」 アイジは盾に更に体重をかけた。 盾の下でもがきながらも清春は冷静である。 「…この野郎、ブッ殺してやらぁ!!!」 アイジはそう叫び鉄パイプを握り潰さんばかりに右手に力がこもった直後、 彼の身体は弾かれるように清春から離れ、地面に倒れ込んだ。 アイジは右足から全身を走った衝撃に身体の自由を奪われながらも何とか清春の方に首を回した。 そこには左手にスタンガンを持った清春が立っていた。 パラパラと雨が降り出してきた。 清春は念のためデイパックを拾い上げスタンガンをしまった
665 :
Nana :01/12/26 22:21 ID:u02tfV5c
正に、硝子の破片を浴びて〜♪だね(ワラ 1さんウマイわ〜。
666 :
1 :01/12/26 22:21 ID:wunRT+fC
「殺したいんなら無駄口叩かずさっさと殺せ。それが出来ないからこうなる。」 そう言って清春はデイパックから別に取り出した銃をアイジに向け近付いた。 それを見ているアイジは何とか左手を地面に立てて起きようとするが上手く行かないようだ。 右手に鉄パイプを握り締め何か言いたげに口を動かすが言葉は出ない。 清春はそのざまに笑みを漏らした。 「さすがのアイジも形無しだな。まぁお前は頑張った方だよ。 しかし、なんであんたが参加してるんだ? ま、そんなことどうでもいいが。…じゃあな。」 言い終えた清春の向けた銃口をアイジは強く睨みつけている。 まるで勝負の最中に何かを狙うような目だ。 次第に強まる雨の中、その違和感に清春が気付いた時には、アイジの右手の鉄パイプは力強く 振り抜かれていた。 鈍い音を立てて銃が宙を舞う。 アイジは、清春が鉄パイプを思い切り叩き付けられた 右手を押さえている間に、ふらつきながらも清春の胴にタックル、というよりももたれこんだ。 二人はもつれ合いながら地面に倒れこむ。清春はすかさずアイジを振り払おうとした。 だがスタンガンによってダメージを受けている筈のアイジは、凄まじい力で清春の首を鉄パイプで 押さえつけそのまま馬乗りになった。 更に清春の首にアイジの体重がかかる。 (…演技かよ……このゴリラがぁっ…普通動けねぇぞ……) 清春は左手で鉄パイプを何とかずらそうとするが、アイジは鬼の形相で更に力を込めて来る。 身体を揺すってもマウントは外せない。 次第にゆっくりと遠のく意識の中で清春は右手を腰にやった。
667 :
1 :01/12/26 22:25 ID:wunRT+fC
大きな音と共にアイジは腹に灼けるような痛みを感じ、口から血の飛沫を吹き出した。 降りしきる雨も今アイジの腹部から溢れ出す血を流しきることは無い。 清春は完全に力の抜けたアイジの下から抜け出し、うずくまりながら咳き込んでいた。 (隙だらけだ。) そう思ってもアイジの身体には力が入らない。 時間と共にアイジの血と命を奪っていく。 まるでザルに水を注いでいるかのように。 呼吸を整えた清春は立ち上がりアイジを見た。 その左手には今アイジを撃ったワイズ月森から奪った銃、スミス&ウェスンM629Cが握られていた。
668 :
1 :01/12/26 22:26 ID:wunRT+fC
清春は地面にへたり込んだまま動かないアイジを見ている。 遠目には死んだようにも見えるが まだ呼吸はしているようだ。 いつもの清春ならこのままアイジを撃っておしまいだろう。 だが清春はとどめを刺さず口を開いた。 「…まだ生きてやがる、しぶといヤローだな。そんなに敵討ちがしたいのか?」 その言葉を聞いた瞬間アイジの身体が急に動き、清春に向かって来た。 完全に油断していた清春は、それでも咄嗟にアイジへ向けて銃を撃つ。 辺りに銃声が響いた。 「ぐぅぁっ!…」
670 :
Nana :01/12/26 22:30 ID:0aa8Re2b
あいじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!!
671 :
Nana :01/12/26 22:32 ID:BtiOquLO
あいじあいじあいじー! かっこいいよぅ!!あ゛ーっナキ!
672 :
Nana :01/12/26 22:33 ID:S+f3r0XF
アイジよ永遠なれ。 生き残ってほしかったけどね・・・アイジだけに
673 :
1 :01/12/26 22:33 ID:wunRT+fC
―呻き声を出したのは清春の方だった。 痛みで感覚の無い右手を庇い、清春は思わず片手で銃を撃ってしまったのだ。 ・・・皮肉にも、月森の銃で。彼がしたのと同じように。 そして銃弾はアイジには当たらず、銃を地面に落としてしまう。 アイジは銃声すら聞こえなかったのか何の躊躇も無く接近し、清春の右腕ごと胴体に両腕を廻した。 「チッ、離れろこの死に損ないがっ!」 清春は自分の身体に抱きつく形になったアイジの肩に何度も左肘を落とし、顔面を殴り、膝で突く。 だがもうアイジは虚ろな表情のまま方膝を地面につきながらも腕の戒めを弱める気配を見せない。 何か嫌な予感を感じた清春は首を捻って自分の身体に廻されたアイジの腕の先を見た。
674 :
Nana :01/12/26 22:33 ID:0aa8Re2b
やべぇ…涙が… ぐすっ…
675 :
1 :01/12/26 22:39 ID:wunRT+fC
アイジの左手は右の手首をがっちりと握り、右手にはボールのような物が握られている。手榴弾だ。 この手榴弾はアイジが拾った研次郎のデイパックに残っていた物である。 そしてアイジは右手の手の平で手榴弾を包み、指先でピンを抜こうとしていた。 「!!…お前、自爆する気か!?離せ、クソッ!!」 清春は火が付いた様に身体を振り回してアイジから逃れようとするが離れる事は無い。 むしろアイジの力が徐々に強まってくる気さえする。 アイジの目はもう彼の身体の限界を告げていた。しかし最後の力で手榴弾のピンに指をかけた。 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」 清春は歯を食いしばり声も出せずに必死でもがく。 そして既に豪雨となった雨の中、辺り一帯に爆発音が木霊(こだま)した。
676 :
Nana :01/12/26 22:40 ID:K7/6jIIY
ぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁああ・・・・・・・・・・(マジ泣
677 :
Nana :01/12/26 22:41 ID:wL9A4YG6
あ、ああああああああいずぃ〜〜〜(ナキ
678 :
アイちく :01/12/26 22:42 ID:S+f3r0XF
スタンド、バイバイかも! …ぽっちも、バイバイかも?
679 :
Nana :01/12/26 22:43 ID:t+0qJzEJ
>676-677 何か二人とも似てる 落ち着きなYO!(ワラ
680 :
Nana :01/12/26 22:44 ID:6OXGAIHD
大興奮!!!
681 :
1 :01/12/26 22:44 ID:wunRT+fC
通り雨だったのか先程までより雨脚はかなり弱まってきた。 コンクリートの壁を背に、地面に座り込んでいる男の身体には所々血が滲んでいる。 彼はデイパックからタオルを取り出し、顔と髪を拭いた。そして下を向いていた男は視線を上げる。 彼の3m程向こうには別の男の死体が転がっていた。 その死体を眺めながら、しばらく言葉を忘れていた男はようやく感傷を込めず呟く。 「…運が無かったな、アイジ……」 男は、サッズの清春だった。
682 :
676 :01/12/26 22:44 ID:K7/6jIIY
>677 ケコーン?(w
683 :
Nana :01/12/26 22:47 ID:wL9A4YG6
>679 だ、だだだだだだだだって まさかアイジなんかにこんなカコイイ氏に方が出来るなんて!(バク いや、マジ悲しいんですけどでもあーもうなんだかギャウー ていうか1さんマンセー!
684 :
1 :01/12/26 22:47 ID:wunRT+fC
―――10分程前、清春にしがみついたアイジがようやく手榴弾のピンを抜いた瞬間、 アイジの頭は破裂した。 彼の頭に装着されていた装置が爆発したのだ。 ・・そう、キリトによって。 アイジはキリトの側近のはずだった。 だが、彼の考えについていけなくなり、抵抗していたのだ。 突然アイジを襲った悲劇に状況を飲み込めないまま、清春はアイジの手から手榴弾を奪い、 放り投げて爆発を逃れた。 直後、清春の疑問は定期放送によって解かれる。 相変わらずふざけた放送だったが。 疲れきった身体を起こし、清春は立ち上がる。 そして水と汗と血と塵に塗れた姿のまま、アイジの死体にもう一度目を向けた。 そして、ふと何かを思い付いたように清春は自分のデイパックを拾い上げ、何かを取り出す。 そしてジュラルミンの盾と落とした武器を拾い、駐車場を離れた。 ――残されたアイジの横にはピエロの『FINALE』が置かれていた。
685 :
Nana :01/12/26 22:49 ID:INYEKYBO
アイジ、さすがは元特攻隊長(だっけ?)。 鉄パイプってのがらしくてステキングっす。
686 :
677 :01/12/26 22:49 ID:wL9A4YG6
>676 ・・・私なんかで、いいの?(ワラ
687 :
Nana :01/12/26 22:49 ID:PWryqetk
1さん、アイジ出してくれてありがとう! 先手を取ろうとしてドジ踏む所とか、らしくて良かったです(ワラ 最期もかなりの漢にしてくれて・・・(ナキ これからも頑張って下さいね〜。
688 :
Nana :01/12/26 22:49 ID:0aa8Re2b
清春生きてやがったナ!! ちきしょ〜〜〜〜〜!!!!
689 :
676 :01/12/26 22:50 ID:K7/6jIIY
>677 君じゃなきゃダメなんだ!(どーん むしろ1さんとケコーンしたいYO!マンセー!!!(ナキ
690 :
Nana :01/12/26 22:51 ID:S+f3r0XF
ヤバイ・・・1さんに本当に嵌りそうです・・・ FINALEってあたりも アイジってば(・∀・)イイ!ヤツに・・・うっうっ(ナミダナミダ
691 :
Nana :01/12/26 22:52 ID:/LMNCA1K
これ最初っから読んでると 微妙に邦楽板からのコピペであることがわかっちゃうね・・・。 でも全部が全部、コピペなわけじゃないと思うし キャスティングもカナリピターリだと思うんで 頑張って下さいね、1さん!
692 :
Nana :01/12/26 22:56 ID:/LMNCA1K
特攻隊長!?元ヤンだったのか・・・。
693 :
677 :01/12/26 22:57 ID:wL9A4YG6
>676 ウレシイ・・・・(ウルウル ヘナーレ・・・1さんホントにアナタって人は・・・
694 :
Nana :01/12/26 23:07 ID:9pNioubt
アイジカコイイ〜〜〜〜〜〜!(ナキ そしてそれでも生き続ける男、清春の今後に期待!(ワラ
695 :
1 :01/12/26 23:07 ID:wunRT+fC
>691 最初の方はほぼ邦楽板のコピペです(ワラ でも途中から違うんですけどね・・・ また今後ワンシーン使わせてもらう予定です。 設定とかは変えますけど。
696 :
Nana :01/12/26 23:09 ID:eXqG625X
ぁぃずぃカコイイ・・・実はキソトに逆らってたところに萌え!!!(ワラ もうこの後彼の活躍はないのね・・・悲しい。。 以下P麺3人はヤパーリキソトの手下ってことなのかしら?? しかしアイジが元特攻隊長なんて長年ピヘラーやってて初めて聞いたよ(ニガ
697 :
1 :01/12/26 23:10 ID:wunRT+fC
BLUEのサキとアリヒトは身を隠していた近所の公園から歩き出そうとした 。 二人は例のアナウンスで幸也の死を知り、神経が過敏になっていた。 その時、その過敏になった神経が不自然な草の揺らぎに反応した。 アリヒトはイングラムを油断なく構えて、そちらを向く。 「やめて、うたないでください」 二人はその顔に見覚えがあった。FEELのタイゾーだ。 自分に向けられている銃口に、タイゾーは泣きそうな顔になりながら訴えた。 「お願いです、銃を下ろしてください」 アリヒトはこういう時どう言えばいいのか一瞬困った。 しかし、昔見たドラマのワンシーンにこんな場面があった気もする。 ええと、たしか 「両手をあげろ。動くなよ、わかったか?」 タイゾーは何度も頷いて、言われたままに万歳の体勢をとった。 アリヒトはゆっくり近づきながら、仔細にタイゾーの様子を観察した。 武器は、携帯してないようだ。
698 :
Nana :01/12/26 23:12 ID:qDnjqjOd
タイゾーだ!!
699 :
Nana :01/12/26 23:13 ID:eXqG625X
次はタイゾーかぁ・・・微妙な出演順ね(ワラ
700 :
1 :01/12/26 23:13 ID:wunRT+fC
「誰かと一緒にいたくて。 ブルーの二人なら俺のこと殺そうとなんてしないと思って・・・・・・」 ああ、彼には少なくとも敵意はない。 震えるタイゾーの唇から囁かれる言葉に、アリヒトは警戒心を解いて銃口を外しながら言った。 「他に誰か見ませんでした?」 タイゾーは首を横に振った。 考えてみれば、もしも誰かと出会っていたなら こうして一人ノコノコ歩いている可能性は低いだろう。 「あの・・・、一緒にいてくれますか?」 タイゾーが期待を込めた瞳で二人を見つめる。 が、アリヒトは決心に従って彼に告げた。 「俺は、今から、このろくでもない事をさせる奴らをぶっ殺しにいく。それでも、一緒に来ますか?」 タイゾーは、目を丸くしていた。 まさか、ついてきてくれるなどとアリヒトも考えてはいない。 第一、武器も持たない彼についてこられても足手まといだ。 月に照らされた公園に一抹の淋しさを含んだ風が吹きぬけた。 と、タイゾーが口を開いた。 「俺、今までどういう方法をとるのがいいかとか、 考えたりしてたんですよ。 ・・・ねぇ、レビンさん」 「 ・・・え??レビ・・」 ―ひゅん!
701 :
Nana :01/12/26 23:14 ID:/LMNCA1K
>1さん >でも途中から違うんですけどね・・・ あ、そうでしたか。それは失礼致しました。(アセ 実は自分、邦楽板の方をちゃんと読んだわけじゃないんで、 偉そうなこと言えない(バク えらく長い話になりそうな気がしますが、頑張って下さい。 応援してます。
702 :
1 :01/12/26 23:15 ID:wunRT+fC
イングラムを握っていた腕が根元からどさりと地面に落ちた。 アリヒトは声にならない絶叫をあげる。 腕の切断面を残りの手で押さえつつ、後ろを振りかえる。 幅広の刃をもった片手斧を手に立っているのは、タイゾー? いや違う、あれは・・・・・・ 意識する間もなく、胸の奥が燃えるように熱くなる。 正面のタイゾーが袖に隠し持っていた果物ナイフを アリヒトの心臓めがけて深深と突き刺していたのだ。 口元から、吐息に混じって血の霧が夜の空気に舞う。 「アリヒト!!しっかりしろ!」 サキが叫びながらアリヒトの身体をゆする。
703 :
676 :01/12/26 23:16 ID:K7/6jIIY
タイゾー!!!アリガトウゴザイマス!!ギャヒー!
704 :
1 :01/12/26 23:16 ID:wunRT+fC
しかし、彼の意識はすでになかった。 と、その時、背後で大きく何かを振りかぶる気配がした。 「うっ」 サキは、もう身体の自由が利かなくなっていた。 斧が自分の背中の中央に 食い込んでいくのを、ただ為すがままに受け止めるしかなかった。 訳が分からないまま、サキは崩れ落ちていく。 数分後、サキが完全に動かなくなったのを確認してから、 2人はその隣で笑いあった。 「うまくいきましたね、レビンさん」
705 :
Nana :01/12/26 23:16 ID:K7/6jIIY
676のままだった・・・鬱死
706 :
1 :01/12/26 23:18 ID:wunRT+fC
「レビンさんのおかげです、ありがとう」 血に濡れたナイフをアリヒトの汚れた服で拭いながらタイゾーが言うと、 レビンはちょっと眉を上げた。 二人の人間を惨殺したというのに、彼らには一片の暗さもなかった。 2人は予定以上にうまくいった成果の前で喜びを分かち合っていた。 レビンは地面に落ちているアリヒトの腕からマシンガンを奪うべく、 指を1本1本丹念に引き剥がそうとしている。 「別にお礼なんてええで、タイゾー。俺やって、タイゾーに死んでほしくないんやし」 黙々と作業に没頭しながら、レビンは口先だけの返事を返した。 「それにしても、こんなに上手くいくなんて」 「何言ってんのや、タイゾー」 やっとイングラムM10をもぎ取ったレビンは、新しい玩具を 手に入れた子供みたいにその重さを確かめながら言った。
707 :
1 :01/12/26 23:19 ID:wunRT+fC
そう、元はと言えばこの作戦−−2人一組でのおとり作戦を 提案したのは、レビンの方からだった。 「相手が油断した時が最大のチャンスやな、やっぱ」 それはそうなのだろう、だがタイゾーの胸には何か割りきれない思いが生まれていた。 先程のアリヒトの真っ直ぐな瞳にさらされた時から。 呟くように、タイゾーは言った。 「でもレビンさん。ブルーの二人を、殺す必要があったのでしょうか?」 レビンがぴくりと顔をあげた。
708 :
Nana :01/12/26 23:20 ID:+SYpuCeb
悔しいー――――――!!!!!! あいじーーーーーーーーー(ナキ
709 :
1 :01/12/26 23:21 ID:wunRT+fC
「あの二人は、僕たちを殺すつもりなんて全然なさそうだった。 それにアリヒトは、このプログラムを止めさせると言っていました」 レビンは鼻で笑った。 「甘いで、タイゾー。それもすべて、演技やったって可能性もあるやん。 信じきったところで、後ろからズドンと・・・・・・」 「レビンさん!」 タイゾーは悲しかった。彼はこんな冷酷な考え方をする人間だったのか? 「・・・・・・それに、反抗しようとしても無駄やと思うで、タイゾー」 レビンがポツリと言った。 そして彼は立ちあがってイングラムM10を構えると、 さっきまでブルーの二人が隠れていた土管に向けて軽く試射を行った。 ばららっと夜空に甲高い音が響く。 期待通りの威力で銃痕が土管に刻まれていった。
710 :
1 :01/12/26 23:22 ID:wunRT+fC
「いつかは誰かに殺されるかもしらん。・・・だから文句言うなや、タイゾー」」 レビンはイングラムの銃口をタイゾーに向けた。 「・・・・・・レビンさん?」 タイゾーは泣きそうな顔になっていた。 「冗談はやめて下さい、危ないじゃないですか、レビンさん」 無理にでもレビンを信じて、タイゾーは平静を装いつつ声をかけた。 レビンは抑揚のない声で言った。 「冗談やと思う? タイゾー」 そう問い返すレビンの顔にはいつものかわいい面影などまったくなかった。 狂気を宿した一人の男の顔に変貌している。 タイゾーは混乱した。 「なんでですか?レビンさん・・・」
711 :
Nana :01/12/26 23:22 ID:qDnjqjOd
わーそうきたか・・・・
712 :
1 :01/12/26 23:23 ID:wunRT+fC
レビンは薄笑いを浮かべつつ、言った。 「ほんまはもっと人数が少なくなってからにする予定やったんやけどな。 迷いの生まれたタイゾーじゃ、肝心なとき足を引っ張りそうやから」 そして瞬間、視線を手に持ったマシンガンに移して、レビンは続けた。 「こんないいモノがあるんやったら、もう協力の必要もあらへんし。 タイゾー、ヘンなとこだけ運がええなぁ」 タイゾーの顔が強張っていく。 涙が、こぼれた。強い感情の波に、身体中が震えている。 「聞きたいことはそんだけなん? じゃあ、さよなら、タイゾー」 おもむろにレビンが引き金をひき絞った。 さっきと同じ甲高い音が、響く。
713 :
1 :01/12/26 23:24 ID:wunRT+fC
身体に無数の銃痕を刻みつけられて、タイゾーはゆっくりと倒れていった。 消え行く意識の中で、タイゾーは思った。 これは、罰なのかもしれない。 自分の都合だけであの純粋なブルーの二人を殺したことの。 そのままレビンは倒れたタイゾーの身体に近づいていく。 マシンガンを痙攣しているタイゾーの脳天に突きつけ、再度撃った。 頭蓋が割れて、脳漿が飛び散り、レビンのつま先にまでかかった。 「俺を信じた時点で、タイゾーの負けやってん」 言い捨てるとレビンは斧とマシンガンを手に次の獲物を探して歩き出した。
714 :
Nana :01/12/26 23:25 ID:9pNioubt
あぁ…タイゾー… ワンパクでもいい、たくましく育って欲しかった…(ナキ
715 :
Nana :01/12/26 23:27 ID:0r3GHu53
邦楽のバトロワのアド教えてー
716 :
Nana :01/12/26 23:29 ID:K7/6jIIY
タイゾ・・・・・切ない でもイイコのまま逝ってヨカタよぅ・・・アヒャー!
717 :
Nana :01/12/26 23:31 ID:t+0qJzEJ
>715 307にあるYO
718 :
nana :01/12/26 23:32 ID:bGLx01Hv
レビン渋ー(゚д゚;)
719 :
1 暇なので一気に更新 :01/12/26 23:34 ID:wunRT+fC
Sのユナは、高層マンションの通路に居た。 外は弱い雨が降り始めていた。 急激に気温が下がる中、ユナはぼんやりと外を眺めている。 同じバンドのメンバーであるダイはもうこの世にいない。 親友の仇を討とうと心に決めたユナだったが、その手段は見つからない。 「弾を持ってる相手を捜せだなんて、無理だよ……」 ユナは弾倉の無いマシンガンを持って、途方に暮れていた。 彼のマシンガンは、ノイジーのそれと同じ『とっかえ弾システム』であったのだ。
720 :
Nana :01/12/26 23:35 ID:PWryqetk
レビン、やっぱ実はムキムキなだけはある・・・。 太三、安らかに逝け!
721 :
1 :01/12/26 23:36 ID:wunRT+fC
その時だった。 ウィイイイン…… エレベーターの作動音がする。 「……誰かが来る!?」 ユナは慌てて物陰に隠れた。 エレベーターの音が止まり、もし足音が聞こえれば、 この階に誰かが来たことになる。 そして、足音が聞こえなければ、他の階。 他の階だったら、階段を下りて逃げよう。 この階だったら……どうしよう? ユナは手元のマシンガンを見た。 弾が無い状態で、どう立ち向かえば良い? 相手が銃器以外なら、殴ること位は出来るかもしれないけど…… 焦りと不安が、ユナの心をよぎる。 そして、エレベーターの音が止まった。 扉が開き、足音が……聞こえた。 「(…来た!)」 ユナの緊張はピークに達する。
722 :
1 :01/12/26 23:37 ID:wunRT+fC
しかし、足音はユナの潜む場所とは逆方向に進んで行く。 「(良かった……こっちじゃない)」 ユナはホッと一息つくと、物陰から顔を少し覗かせ、歩く人影を見た。 その人物は、無防備な後姿を見せている。 隙を見て逃げようとしたユナだが、ふと、あのシステムの事を思い出す。 「あの人……弾、持ってるかな……」 「動くな!」 ユナの声が、通路に響いた。 ドアに鍵を差し込んだ姿勢で、ニューソドミーのアヤが動きを止める。 「そのまま、両手を挙げて……」 ユナはマシンガンを構えながら、ゆっくりとアヤに近付く。
723 :
Nana :01/12/26 23:38 ID:ge0EVETg
そのとき!!!
724 :
1 :01/12/26 23:38 ID:wunRT+fC
アヤは両手を挙げる。 抵抗する様子は無いようだ。 ユナはアヤの背後につくと、銃口をアヤの背中に突きつけた。 背後に回ってしまえば、弾無しは誤魔化せる筈……そう思ったからだ。 「殺しはしない。武器、持ってるんでしょう?」 「ええ……」 「出して」 アヤは肩に掛けたバッグを外すと、それをユナに渡した。 ユナは銃口をアヤに向けつつ、バッグの中身を確認する。 バッグの中には、小さな拳銃が一つ、入っていた。 ――アヤが使っていた銃ではない。 だが、ユナはそんな事は知る由も無かった。 ユナは銃を確認すると、アヤに問い掛ける。 「この銃、弾が入ってないけど。……どこ?」 するとアヤは、消え入りそうな小さな声で答えた。 「なかった。大きな、別の銃の弾ならあったけど……」 「その、別の銃の弾は、どこにあるの?」 するとアヤは、ポケットから何かを取り出す。 「これ……?」 それは紛れも無い、マイクロウージーの弾倉だった。 「それ……」 ユナがそう声を上げた瞬間、アヤは弾倉を通路の奥へと勢い良く放り投げた。
725 :
1 :01/12/26 23:39 ID:wunRT+fC
ユナの目線が、その弾倉を追う。 その一瞬、アヤは隠し持っていたベレッタを構えると、ユナに向けて数発、撃ち放った。 サイレンサーを通した乾いた銃声が、通路に消えて行く。 アヤは哀しげな表情で、ユナに言った。 「ユナくん……あなたは、戦う目的を間違えています」 「ど、どういうこと……」 ユナはそう言いながら、床に倒れ込んだ。 腹部が焼けるように熱い。
726 :
1 :01/12/26 23:40 ID:wunRT+fC
アヤはユナのバッグを取り上げ、話し続ける。 「あなたの目的は、ダイくんの仇を取る事。 でも、このプログラムの目的は、『勝ち残って真のバンドマンになる』事。 違うじゃないか。全然、意味が違うじゃないか……」 アヤは暗い表情のまま、再びユナに銃を向ける。 「ちょっと……何言って……」 ユナは苦痛に顔を歪めながらも、再びその場に立ち上がった。 「……友達を殺されて、仇を討つ…… 当り前じゃないか……当り前のことじゃないのかよ!!」 ユナはそう叫ぶと、アヤの頬を思い切り強く叩いた。 アヤの体が、大きく横にふらつく。 その隙を縫って、ユナはアヤが鍵を差し込んだドアの向こうに逃げ込んだ。 素早く鍵を抜き、ドアを閉め、そしてロックを掛ける。 自分を追い込む形になってしまったが、 何とか反撃の態勢を整えさえすれば、逃げ出す事は出来る…… ユナはそう考えると、武器になりそうな物を探し始めた。
727 :
1 :01/12/26 23:40 ID:wunRT+fC
アヤには強力な武器が渡ってしまっている。 ドアが破られるのは時間の問題だ。 それまでに何か…… 彼を足止め出来る物さえあれば、どうにかできる…… ユナは被弾した腹部を押さえながら、キッチンを物色し続ける。 その時―― ぱららららら…… マシンガンの銃声が外から響いた。 それと同時に、ドアノブが凄まじい金属音を上げて破られる。 アヤは室内に入り込むと、キッチンの床に座り込んでいるユナを見つけ、呟いた。 「あんまり部屋を荒らすなよ」
728 :
1 :01/12/26 23:41 ID:wunRT+fC
ユナの呼吸が、荒くなり始めていた。 出血がかなりの量に達している。 もう助かる見込みは無い。 しかしユナは、脱出を諦めてはいなかった。 玄関への距離を慎重に見計らいつつ、アヤの隙を窺っていた。 「ねぇ……アヤくん、何人殺した?」 ユナが問い掛ける。 「一人……、研次郎さん、一人だけです。 機関銃の弾も、研次郎さんが持ってました。」 アヤは小さな声で答えた。 「そう……人殺しした気分はどうだった?」
729 :
1 :01/12/26 23:42 ID:wunRT+fC
ユナのその言葉に、アヤは一瞬、肩を震わせた。 「やめて……やめてくれ……」 アヤの手が震え出し、銃口が下を向きはじめる。 「俺だって、本当は、人殺しなんてしたくない。 でも……こうしなければ、生き残れないから……だから……」 「だから、人殺しをしても平気なんだ……」 ユナのその言葉に反応するように、アヤの目から涙がこぼれ落ちた。 構えた銃口は完全に下がり、アヤは真っ直ぐ下を向き、俯いていた。 その隙を、ユナは見逃さなかった。 「……お喋りが過ぎたみたいだね……」 ユナはフォークを握り締めると、それを鈴音の腰に突き刺した。 「!?」 突然襲った痛みに耐え切れず、アヤは床に倒れ込む。 その隙を突いて、ユナは玄関へとダッシュした。
730 :
1 :01/12/26 23:43 ID:wunRT+fC
(あの扉さえ越えれば、外に出られる) (ここを走り抜ければ、まだ望みがある) その思いが、限界に近いユナの体を支え、動かしていた。 しかし、その思いは一瞬にして破られる。 ぱらららら…… アヤが放ったマシンガンの弾が、ユナの両膝を砕いた。 「……ぃああああっ!!」 悲鳴を通り越した叫び声が、部屋中に響く。 ドアを目の前にして、ユナは二度と立ち上がれない体になっていた。 そしてアヤは、マシンガンの想像以上の威力に恐怖していた。 血肉が飛び、その中の白い物までが砕ける姿が、目に焼き付いて離れない。
731 :
Nana :01/12/26 23:44 ID:85L/I5G/
気になってリロードしまくり。 遊汝萌え〜
732 :
1 :01/12/26 23:44 ID:wunRT+fC
「いや……いやあぁぁぁっ!!」 アヤはそう叫ぶと、腰のフォークの事も忘れ、外へと飛び出した。 駆けて行く足音が、一気に遠くなって行く。 部屋に一人残されたユナは、もはや虫の息だった。 だがしかし、外へ出るという気持ちだけは、未だくすぶり続けていた。 「駄目だ……まだ、終わってないんだからさ……」 ユナはそう呟くと、腕の力だけで体を移動させ始めた。 ドアの外へ出て、エレベーターのある方向へと這いずって行く。 膝から下は、まるで糸の切れた操り人形の様にあらぬ方向へ向き、 床には血のラインが引かれて行く。
733 :
1 :01/12/26 23:45 ID:wunRT+fC
幸い(?)、エレベーターホールは部屋のすぐ近くだった。 ユナは必死の思いでボタンに手を伸ばす。 やっと届いた『下り』ボタンを押すと、ドアが開いた。 ユナは中に入り込むと、ドアの正面を向く格好で、壁に背中を付けた。 車椅子用の低位置ボタンが、ちょうど手の届く位置にある。 そしてユナは、『1』のボタンを押した。 エレベーターが下降し始める。 「ダイ……仇、取れそうにないよ……」 その時、ふと、声がした。 「ユナ、もう、充分だよ」 聞き覚えのある声だ。 「……ダイ?」 そしてユナの目の前に、ダイの姿が現れた。 ダイは正座をして、ユナの目の前で微笑んでいる。
734 :
Nana :01/12/26 23:46 ID:ge0EVETg
まじ面白い!!!
735 :
1 :01/12/26 23:46 ID:wunRT+fC
「……お迎え……なんだね……」 ユナのその言葉に、ダイは黙って頷いた。 「ユナ、もう充分だよ。 僕のことを大切に思ってくれる……それだけでいいんだ。 それに……人殺しをするユナくんなんて、見たくない。 もう休もう……ゆっくり、休もう……」 「ダイ……ありがとう……」 ユナの頬を、涙が伝った。 ダイの姿は、幻覚が見せた物だったのかもしれない。 しかし、この時のユナにとっては、紛れも無い『現実』の姿だった。 「さあ、行こう……」 ダイが、エレベーターのドアを開ける。 そのドアの向こうからは、まばゆいばかりの光が差し込んでいた。
736 :
Nana :01/12/26 23:47 ID:t+0qJzEJ
>733 全然OKだと思いますYO! ありがとう。
737 :
Nana :01/12/26 23:47 ID:85L/I5G/
遊汝〜!!
738 :
1 :01/12/26 23:47 ID:wunRT+fC
エレベーターのドアが、開いた。 待ち伏せていたアヤが、憔悴しきった表情のまま、ユナにマシンガンを発射する。 ぱらららら…… 銃声は、強く降り始めた雨音にかき消された。 そしてその豪雨の中、アヤは当ても無く走り去って行く。 エレベーターの中では、血の雨に濡れたユナが一人、横たわっている。 もう動かないその表情は、微かに笑みを浮かべていた。
739 :
Nana :01/12/26 23:48 ID:85L/I5G/
マジで感動した。
740 :
1 :01/12/26 23:49 ID:wunRT+fC
もう今日はここまでにしたほうがいいかな? 今日暇だったので(ニガワラ イパーイ作ったんだけど、明日にしたほうがいいのかなぁ・・・?
741 :
Nana :01/12/26 23:50 ID:v25yHiRt
まだ見たいです!!
742 :
Nana :01/12/26 23:50 ID:ge0EVETg
やだぁ〜〜〜!!!!もっと教えてYO!
743 :
Nana :01/12/26 23:50 ID:eXqG625X
1さん、このスレだけで終わりそうもない??ずーっと続くの?
744 :
Nana :01/12/26 23:51 ID:85L/I5G/
見たいッ。
745 :
Nana :01/12/26 23:52 ID:t+0qJzEJ
>742 1さん以外はsageてね。
746 :
Nana :01/12/26 23:52 ID:9pNioubt
馬路感動した… 1さんありがとう…(涙
747 :
Nana :01/12/26 23:52 ID:v25yHiRt
久し振りに小説(?)読んで泣いてしまったYO!!
748 :
Nana :01/12/26 23:52 ID:M9T/zq6S
欲を言えばもっと見たい…(ボソッ 気になって寝れないんです。 1さん才能ありすぎです…
749 :
Nana :01/12/26 23:53 ID:ge0EVETg
僕は死にましぇーん それでー
750 :
nana :01/12/26 23:54 ID:Rhd+gXJl
どうか続きを…(ノ´Д`)ノ
751 :
Nana :01/12/26 23:54 ID:RIOFtifB
遊汝ぁ〜(ナキ
752 :
1 :01/12/26 23:54 ID:wunRT+fC
>743 とりあえず、勝手に最終回だけは考えました。 ・・・かなりしょぼいかもしれないけど(ニガワラ でも、どれだけで終わるかわは分かんないです・・・ 出演麺が増えてきたので・・・ このスレで終わらせたほうがいいんですかね??
753 :
Nana :01/12/26 23:54 ID:OjD7+cM2
感動・・(ナキ
754 :
Nana :01/12/26 23:55 ID:Q5Pfoq/I
盛り上がってるのはいいんだけど個人的にはこのスレで終わらせて欲しい。 2とか3とかまで作られると少々ウザイ
755 :
Nana :01/12/26 23:55 ID:85L/I5G/
こっちだと松岡悪人だったけど、 邦楽板の松岡×aikoは感動した!!
756 :
1 :01/12/26 23:56 ID:wunRT+fC
あ・・・あげてしまった スマソ とりあえず、続き書きます。
757 :
Nana :01/12/26 23:56 ID:ge0EVETg
それでもなお壱拾分ほど座って待った後、 僕は毛布に身をくるみ横になった。 しかし眠れなかった
758 :
Nana :01/12/26 23:57 ID:K7/6jIIY
自分は次スレまで続いてホスィ・・・・・・
759 :
Nana :01/12/26 23:57 ID:t+0qJzEJ
>757 あの…(ニガワラ
760 :
1 :01/12/26 23:58 ID:wunRT+fC
疲れ果てて重くなった身体を引き摺るように、住宅街を歩く。 さすがのスギゾーとて、幾度もの戦いをくぐり抜けたせいでかなりの疲労が溜まっていた。 どこでもいい。とにかく誰にも見つからない場所で休息を取りたい…。 そんな事を思いつつフラフラさまよい歩いていると、一軒の家から何やら物音が聞こえてきた。 「ジャーン、ジャッ、ジャッ、ジャーン・・・」 (……ギターの音!?この非常事態に呑気にギターのチューニングかよ) そう思うとただでさえ疲れているのに、さらに力が抜けた。 が、ふと気が付いた。 (……ギター!?ま、まさか!) いついかなる時でもギターをひく男。 心からギターを愛し、音楽に対する姿勢はいつでも真剣な男・・・。 …その存在を思い出したスギゾーは、音のする方へ向かった。 そっと家の門を開き、音が聞こえてくる庭を覗いて見ると…いた!やっぱりそうだった。 「…ユー!?」 ジャンヌのユーがそこにはいた。
761 :
Nana :01/12/26 23:58 ID:+SYpuCeb
続けてー 素で号泣〜〜〜〜〜〜〜
762 :
Nana :01/12/26 23:59 ID:PWryqetk
脊椎反射な感想レスが多いから このスレだけでは納まらなそうな気がする。 もう700中盤だし・・・。
763 :
1 :01/12/26 23:59 ID:wunRT+fC
あまりにも予想通り過ぎて、呆気に取られて思わず声をかけてしまった。 そのユーはと言えば、縁側に腰掛け、呑気にギターを弾いていた。 「おう、スギゾーさんじゃないっすかぁ」 「…ユー、こんな所で何やってるんだ?」 「ん〜?ギターっすよ」 ユーはのほほんとそう答えると、ジャーンとギターをならした。 「いや、見りゃあ分かるけど…何もこんな時に…」 「・・・何か知らへんけどいきなり連れ去られて、 こんな荷物持たされて『殺し合いして下さい』とか言われて。 もうわけ分からんのですわ。 ま、仕方ないっすけどね。だからせめて気分転換に、と思って」 …相変わらずのユーに、スギゾーは呆れて何も言えなかった。 それに気付かないのか、ユーは言葉を続けた。 「 まあ、幸いこの辺りには誰もおらへんみたいやから 今夜はここに隠れて、朝になったら誰か探しに行こうかなって考えてたんすよ」 「隠れてって…ユー、ギターの音思いっきり道まで聞こえてたぞ」 「えっ!?まあ、誰もおらんのやし、ええんちゃうん?ハッハッハッ」 (おいおい、現に俺がここにいるし、俺じゃなかったらどうする気だったんだよ…) 呑気に笑うユーを見て、呆れまくるスギゾーだった。
764 :
1 :01/12/27 00:00 ID:rYSJ6j9f
そう、今までと違って、スギゾーはユーを攻撃をする気がまったくなかった。 相手のあまりの無防備さに、呆気にとられてしまったせいかもしれない。 「まあ、そんな所に突っ立ってないでこっち来て座ったらどうです?」 ユーはチョイチョイと手招きをした。 スギゾーは大人しくそれに従って、ユーの横に腰掛けた。 「スギゾーさんは…このゲームに乗ったクチなんですね」 「え……」 図星を突かれたスギゾーは、言葉を失いうつむいた。 「見りゃわかりますって。その格好…シャツについてるのは、誰かの血でしょう? それに火薬みたいな臭いもするし。拳銃か何か使ったんやないですか? よく無事でしたねぇ」 相変わらずの呑気な口調でユーはそう語った。
765 :
1 :01/12/27 00:01 ID:rYSJ6j9f
「……ユー、俺を責めないんか?」 スギゾーはうつむいたまま、振り絞るような、小さな声でユーに問いかけた。 「だからさっきも言ったでしょう?仕方ないって」 ユーはスギゾーの方に向き直り、言葉を続けた。 「スギゾーさんは戦って生き残る方を選んだ。俺は戦わずに生き残る方を選んだ。 人それぞれちゃいます?それとスギゾーさん…俺を殺る気、ないでしょう?」 再び図星を付かれ驚いたスギゾーは、顔を上げてユーの方を見た。 「何つーか、殺気がないんすよ…今のスギゾーさん。ちゃいますか?」 「…ああ、そうだ。俺にはおまえを殺るなんて…出来ない」 「何でです?今俺を殺れば、一人減ってスギゾーさんも有利になるんちゃいます?」 ユーはスギゾーの目を見て、キッパリと言った。 「な…何言ってるんだ!?俺には出来ないって!それに…俺、生き残る価値なんて…」 「いや、スギゾーさんは生き残らなあかん…それに、他の奴に会ったらそいつを殺るんでしょう?」 「………」 「とにかく、ここでお別れしましょう。」 ユーは厳しくも優しい口調でスギゾーに言った。
766 :
Nana :01/12/27 00:01 ID:GEeF23J1
今バトロワよんでます
767 :
1 :01/12/27 00:01 ID:rYSJ6j9f
「俺は誰も殺らへん。殺らないで済むならそうしたい。でも、スギゾーさんにも生き延びてほしい。 スギゾーさんが俺を殺って生き残るなら、俺はそれでも構へん。 せやけど、スギゾーさんは俺を殺れないって言わはるし…一緒にいてもしゃあないでしょう。 スギゾーさんは自分の信じた道を行って下さい…俺は俺の信じた道を行きます。たとえ間違っていたとしても・・・」 ユーの言葉が、スギゾーの胸に突き刺さる。 自分の信じた道…間違っていたとしても、引き返す事は出来ない。 「…わかった。じゃあユー…元気でな」 スギゾーはそう呟いて立ち上がった。 「ええ…この状況で元気でってのもアレっすけどね」 ユーはそう言って苦笑した。 「スギゾーさん……死なないで下さいね。生き残って、またギター弾いて下さい。」 「ユー…」 こんな時に…優しい表情で語りかけるユーの言葉が、少し辛かった。 (強くなったな、ユー・・・)
768 :
Nana :01/12/27 00:02 ID:ENog4X/e
私もできればこのスレで完結キボーンぬです。 キリなさそうだし
769 :
1 :01/12/27 00:02 ID:rYSJ6j9f
そう思いながら、スギゾーはユーに背を向けて歩き出した。 道へ出ても、振り向く事はなかった。 それが・・・ユーの命取りとなった。 スギゾーが家から離れたのを物陰から確認する人影が一つ…何やら荷物を抱えたhydeだった。
770 :
1 :01/12/27 00:03 ID:rYSJ6j9f
hydeは他に人がいないのを確認すると、ユーのいる家の裏口へとまわった。 「まさかこんなに早く実験できるとはなあ」 hydeは嬉々としてそう呟くと、音を立てないように勝手口のドアを開けた。 荷物をそっと下ろし、台所へ上がりこむ。 忍び足でユーのいる縁側の方へと近付き、様子をうかがった。 hydeは音も立てずに素早くユーに近付いた。 ユーの背後で一瞬両手を大きく広げ、ガッとユーの首に巻きつけた。 「うがっ…だっ…誰や…」 ユーは苦しげに言葉を吐いた。 しかし誰なのか確認する前に、あっという間にユーは落ちてしまった。
771 :
1 :01/12/27 00:04 ID:rYSJ6j9f
腕の中でグッタリとしているユーを担ぎ上げ、hydeは家の中へと入っていった。 居間にユーを放り出し、勝手口の荷物を持ってくる。 中から取り出したのは鎖と十数個の錠前。金物屋から失敬してきた物だった。 hydeはユーを柱にもたれるように座らせ、それを鎖でグルグル巻きにした。 そしてもがいて外れないようにと、丁寧に錠前で留めていく。 巻きつけた鎖をグッグッと数度引っ張って、外れないことを確認すると hydeは荷物を抱えて庭へ降り、正面の門を通って道路へと出た。 そして再び荷物を漁り、数本のビール瓶を取り出した。 瓶の中には液体が7割ほど入っていて、口からは布が数センチ伸びていた。 火炎瓶――――さきほど高校の科学室で、作り方を調べて用意したものだった。
772 :
1 :01/12/27 00:04 ID:rYSJ6j9f
「高校の科学室に、あんな物騒な本置いといてええんかな… 俺が教師やったら、絶対にあんな本入れさせへんのやけどなぁ」 その本があったおかげで火炎瓶が作れた事を棚に上げて、hydeは呟いた。 そして瓶を軽く振って布に火を着け、垣根越しにユーのいる家に向かって投げ込んだ。 ガチャン!ボンッッッ! 「おおっ、火ぃ着いたかあ…おもろいなぁ。もっと投げてみようっと」 hydeは次々に火の着いた瓶を投げ込んだ。 ガチャン!ガチャン!ガチャン!ボンッ…ボボボボボボ… どうやら家自体にも火が着いたらしく、垣根越しにも伝わってくるほどに火の勢いは増していった。 「ふーん…やっぱり危険やな、火炎瓶は…」 hydeはそう呟くと、メモを取り出して「火炎瓶・数本で居住物に着火可能…」などと書き込んだ。
773 :
1 :01/12/27 00:05 ID:rYSJ6j9f
スギゾーは、ユーに会う前よりも疲れていた。そして、動揺していた。 当のユーは呑気にギターのチューニングなんかして…いつもと変わらぬユーだった。 自分の取った行動を否定もせず、しかも「殺りたければ殺れ。今、ここで」などと自分に言ってきた。 わからない………己の命を差し出してまで、自分に生き残れと言う。 「スギゾーさんに殺られてスギゾーさんが生き残るなら、本望や」なんて… 「生き残れ」と自分に言った。 「………俺は、そんなに価値のある人間なんかじゃ…価値のあるバンドマンなんかじゃないのに」 スギゾーは、戸惑っていた。どうしていいのか、わからなくなっていた。 力なく、トボトボと身体を引き摺るようにうつむいて歩いていた。
774 :
1 :01/12/27 00:06 ID:rYSJ6j9f
すると、急に足元が明るくなり自分の影がハッキリと、昼間のように浮かび上がった。 「え…」 ふと振り返ると、一軒の家が燃えていた…さっきまでいた、ユーの潜む家だった。 「―――――ユーッッ!!!」 スギゾーは一目散に燃え上がる家へと駆け出していった。 スギゾーが家までたどり着いた時、hydeは燃え盛る火をニヤつきながら見つめていた。 「hyde?何やってるんだ?」 hydeが………なぜここに?なぜ火を見て笑っている? 「ああ、スギゾーさん…戻ってきはったんですかぁ・・・」 hydeはニヤついたままスギゾーを見て呟いた。 「戻ってきたって…hyde、まさかこの火事…」 「ああ、実験っすよ、実験。火炎瓶のね。 ほら、ひょっとしたらライブの演出で火炎瓶使うかもしれないやないですか。 どれぐらいの威力なんか確かめておかんと…」 hydeは事もなげにサラリと言った。
出たな廃土!(藁 なんか1だけで収まりそうもないですよね。 そしたら、まとめて下さっている方(ジオの)にUPして頂けると嬉しいな。 …普通の同人サイトになってしまいそうだけど。 とにかく応援してます>1さん リロードしまくり。私も鯖負担に加担しまくり(氏
776 :
1 :01/12/27 00:06 ID:rYSJ6j9f
「…中にユーがいるんだぞ!hyde、まさか…」 「あー、ついでにね、人が燃えちゃうとどうなるんやろー?って、それも確かめようと思って。 ユーくんには悪いけど、実験台になってもらいました。今ごろ中でもがいてるんとちゃいますか?」 表情一つ変えずに言ってのけるhydeに、スギゾーはこのゲーム始まって以来の、心の底からの殺意を覚えた。 「実験だとぉ…hydeぉっ!ふざけた事言いやがって!」 スギゾーはhydeに向けて拳銃を構えた。 「おっと、俺と戦ってる暇なんてあらへんのとちゃいますか? 早くせぇへんと、ユーくん焼け死んでまうかもしれへんで。ええの?」 ニヤニヤといやらしい下品な笑みを浮かべ、hydeは言った。 「鎖でグルグル巻きにして繋いでまったからなぁ。逃げられへんのとちゃう?」 「…くっそーっ!」 スギゾーは拳銃を下ろしhydeを睨みつけ、すぐに踵を返してユーのいる家へと飛び込んでいった。
777 :
Nana :01/12/27 00:07 ID:eHo+K24h
じゃぁ、前に立てた、感想スレを再利用すればいいんじゃないの? 新しくスレ立てるのが駄目なら、それを使えば・・・ 私としては、最後まで見たいです。 あまりダラダラ長く続けるフシも無さそうだし
個人的にはこのまま続けて欲すぃ気も… マジおもろいッス!! 最近暇スレより先にここに来る自分(藁
779 :
1 :01/12/27 00:07 ID:rYSJ6j9f
「さ〜て、と…これで救助のデータも取れるかな?」 hydeはそう言うと、再びメモを取り出した。 スギゾーはさっきいた庭先へと向かった。が、そこは既に火の海と化していた。 「くそっ…こっちはダメか」 ならばと玄関へ戻り、ドアを開けようとしたが…鍵がかかっていて開かなかった。 スギゾーは拳銃を取り出し、ドアノブに銃弾を撃ち込んで壊した。 そして何とかドアを開け、家の中へ飛び込み居間へと向かった。 「ユー!」 ユーは柱に縛られたまま、意識を失っていた。火の手は縁側を燃やし尽くして、部屋の中まで広がり始めていた。 「ユー!ユー!」 スギゾーはユーの肩を持って揺すった。すると、ユーは意識を取り戻した。 「ユー、大丈夫かっ!」
780 :
1 :01/12/27 00:08 ID:rYSJ6j9f
「…ああ…誰かに後ろから絞め落とされて…あー?何で俺、縛りつけられてんのや? あれ?スギゾーさん、何でここにいるんすか?早く行って下さいって言ったやないですか…」 「そんな事言ってる場合じゃないんだよ!火事だ! 絞め落としたのも、火を着けたのもhydeの仕業だ!今、鎖外すから!」 スギゾーはそう言うと、錠前に向かって拳銃を構えた。 玄関の鍵のように、一つずつ壊していくつもりだった。 「おいおいおい…いくつ鍵付いてんっすか?」 ユーがスギゾーに尋ねた。 「さあ…20個はないと思うけど…」 スギゾーは拳銃を撃つ手を休めずに答えた。 「あーそう……スギゾーさん…弾もったいないから、もうやめてください」 ユーはスギゾーにそう促した。
781 :
Nana :01/12/27 00:08 ID:pEmQ6eAS
このまま1で無理矢理終わらせるのもなぁ・・・ キリがないというのも分かりますが自分完全にハマってるんで 正直もうちょっと続いて欲しかったり。出て欲しい麺がいたり(ワラ
782 :
1 :01/12/27 00:08 ID:rYSJ6j9f
「は?…何言ってんだよ!これ外さなかったらおまえ焼け死ぬぞ!?」 スギゾーはユーの思いもよらぬ言葉に驚き、声を張り上げた。 「だって、支給された武器の弾は数に限りがあるんでしょう? こんな所で20発も使ってしまったらスギゾーさん…後で困るでしょう」 「そんなの後で何とかすればいい!それより今は、おまえを助ける方が先だろ!」 スギゾーはそう叫ぶと、再び拳銃を構えて撃とうとした。 「…じゃあ、弾一発で助かる方法があるんすけど…スギゾーさん、やってくれますか?」 「弾一発って……ユー、まさか…」
783 :
Nana :01/12/27 00:08 ID:T4OYr/Sp
すっげーhyde鬼畜!(藁 私も最後まで読みたいです。 このスレで終わらせる為に後半カットするなんてことになると チョピーリ哀しい。
784 :
1 :01/12/27 00:09 ID:rYSJ6j9f
「ええ…俺を撃って下さい。俺を殺して下さい。そうすればスギゾーさんは助かるし、俺も無駄死にせぇへんで済む」 ユーは真っ直ぐにスギゾーを見つめ、きっぱりと言った。 「最後の頼み、聞いてくれますよね?スギゾーさん……俺を撃って下さい。そして生き延びて下さい!!」 「……っ!ユーっ!」 スギゾーの目から涙があふれた。 そんな事をしている内に火はどんどん燃え広がり、縁側周辺の天井が崩れ始めていた。 「ほら、早くしないとスギゾーさんまで焼け死んでまう。俺も焼け死ぬのは勘弁やから。 さっきも言ったやないですか?なぶり殺しは嫌や。苦しむのも嫌や。 スギゾーさんの手で………キレイに、楽にさせて下さい。」 ユーはそう言うと、笑みを浮かべた。 スギゾーはあふれる涙でユーを直視出来なくなっていた。
785 :
1 :01/12/27 00:10 ID:rYSJ6j9f
「ねぇ、頼んますよ。せめて死に方ぐらい…最後なんやから選ばせてください」 その言葉に意を決したのか、スギゾーは拳銃をユーの左胸にあてがった。 「そうだな…hydeなんかに殺られるぐらいなら・・・俺が・・・俺が殺るよ」 そう言いながら震える両腕に力を込め、グッと拳銃を握り締めた。 「スギゾーさん・・・ありがとうございます。これからも頑張って下さい。 スギゾーさんは…この世界に必要なバンドマンだって事、忘れないで下さい・・・。」 「…ユー…じゃあ…撃つぞ!」 その言葉に、ユーはニヤリと笑って頷いた。
786 :
1 :01/12/27 00:11 ID:rYSJ6j9f
バンッッッ! ………一撃、本当にたったの一撃だった。 何人も撃ってきたスギゾーにしてみれば、造作もない事だった。 「無駄に弾を使わんでくれ」というユーの願いも守れた。 「ユー…ちゃんとやったぞ…」 涙が止まらない。問いかけても、もうユーは返事を返してくれなかった。 ジリジリと背中に熱を感じて、スギゾーは我に返った。 居間の半分以上が炎に包まれている。 早く逃げないと巻き込まれてしまう――――。 ユーを置いたまま脱出するのは心苦しかったが、逃げない事には約束が守れない。 「生き延びて下さい」…ユーの最後の頼み。 「ユー…全てが終わったら、骨拾いに来るからな…待ってろよ。」 スギゾーはそう呟き、軽くユーに手を合わせてその場を離れた。
787 :
1 :01/12/27 00:12 ID:rYSJ6j9f
玄関側は、もう既に火の海だった。だが幸いな事に勝手口側はまだ火の手が上がってなかった。 そこから脱出し、正面へとまわる。 Hydeを…仕留める為に。 「ハイドォォォォォッッ!!」 スギゾーは叫びながら拳銃を構え、家の前へと飛び出した。 しかし、そこにhydeの姿はなかった。 ユーを撃った拳銃の音を聞いて、その場を離れたらしい。 「…絶対に…絶対にゆるさねぇ…」 殺さなくても良かった仲間を殺してしまった。 全てはhydeのせい…hydeがくだらない「実験」なんかしたせい…。 スギゾーに新しい目的が加わった。 生き残る事。そして… 「hydeは、俺がこの手で殺ってやるっ!必ずだっ!」 燃え盛る炎を背に、スギゾーは誓った。
ユー・・・スギゾー・・・(涙
789 :
Nana :01/12/27 00:13 ID:T4OYr/Sp
あぁぁああぁぁゆぅぅぅぅぅぅ!!!!!! 馬路号泣… しかしそんな私はhydeヲタ…(バク
790 :
Nana :01/12/27 00:13 ID:sMNiDAtn
youちゃん・・・アンタって子は・・・・(滝涙
791 :
1 :01/12/27 00:14 ID:rYSJ6j9f
「あれ?アヤやん!おまえ生きてたんやな。入って来いよ。」 アヤがレストランへ入ると、場に似つかわしくない程の笑顔を浮かべて松岡がアヤを招いた。 「!松岡さん・・・!」 覚悟を決めて店に踏み込んだアヤは勿論、一緒にいたヤスも驚いている。 「ほら、アヤ、銃下ろせよ。たまにはゆっくり話さへん?最後になるかも知れないんやし。」 アヤは松岡のマイペースぶりに勧められるまま席に着き、 2人に研次郎やサキト、ユナの事などを話した。 「ほー、おまえなかなか頑張ってんねんな。」 「他人事みたいに言わないで下さいよ。松岡さんのほうが頑張ってるんでしょ? 「まあ、ぼちぼちな。ところでヤスはどうなん?」 「うるせーな。わかってるよ、次話すって。」
燃える男、杉。 ステキだ・・・ 廃土許すまじなんだけど、 微妙に萌えてる自分がいるYO(藁
793 :
1 :01/12/27 00:15 ID:rYSJ6j9f
アヤの話に反応した二人のやりとり。まるで下積み時代の苦労話のようだ。 ふとアヤの脳裏にそんな懐かしさが去来する。 口には出さないが松岡も人恋しかったのだろう。 「こんな状況」なら無理も無い………こんな状況? アヤはやっと現実を思い出す。いま自分たちが巻き込まれているふざけたデスゲーム。 目の前で楽しそうにしている二人はその話をしているのだ。 今生き残っている者は皆人殺しだ。だがそれぞれのスタンスから大別して3種類の人間に分けられる。 ガクトの様にこのゲームを真っ向から否定し殺人を拒否しながらもある種の偶然で生き残っている者、 アヤの様に否定はするがある部分を受け入れている者、 そして基本的にこのゲームを肯定する者。 ・・・目の前の二人のように。
794 :
Nana :01/12/27 00:16 ID:Y0ULaSqo
これこれっ!! 邦楽板でもかなり感動した!!
795 :
Nana :01/12/27 00:17 ID:OtbXgzcb
今更なんですが…アイジの過去って有名なんじゃないの? 昔、長野県人ピエラー(しかもアイジの実家の御近所さん…)から 聞いたんで、てっきりピエラーには周知の事実だと…。 特攻隊長だったかどうかはいまいち記憶が薄れてて断言出来ませんが、 長野県内の「ナイトエンジェル(要和訳)」という族に在籍してたってのは確かデス。
796 :
1 :01/12/27 00:17 ID:rYSJ6j9f
既に懐かしさは影を潜めた。それと同時に懐に挿した二丁の銃が質量を増していく。 「……ヤ!おいアヤ、聞いてんのか?」 「えっ?…あぁ松岡さん、どうしたんですか。」 「どうしたじゃないやろ。ボーッとして話聞いてへんやんか。サキトのことでも思い出してたんか?」 「えぇちょっと、ね…」 (違うんだ、松岡さん…オレはこれからアンタたちを…) 「………殺すんだ。」 アヤは銃を抜いた。様々な想いと共に。
797 :
Nana :01/12/27 00:17 ID:tiuSGU1T
他板の話は出来れば出さないでほしいな。 なんかネタバレされそうでハラハラする。 何も知らない状態で楽しみたいんだよ〜。
798 :
Nana :01/12/27 00:18 ID:FA66g/Nt
youちゃん…普段ぼーっとしてるのに 最期がかっこいいじゃないかぁーー(ナキ 廃土に仲間を殺されたのをyasuが知ったらどうなるのか… ちょっと気になる。
799 :
1 :01/12/27 00:18 ID:rYSJ6j9f
場を静寂が支配している。 アヤの両手に握られた黒い鉄の塊がそれを強要していた。 塊の先端が捉えた先で二人の男はそれぞれの表情を見せる。 ヤスはいくらか驚いた顔をしていた。だが松岡の表情には妙な含みがあった。 「随分余裕ですね、松岡さん。」 アヤが口を開く。 「まぁ、ね。昔取った杵柄ってヤツかな?人の表情見るのは得意やし。何より付き合い長いやろ。」 返す松岡の顔には笑みが浮かんでいる。 銃口を向けられた事に対する緊張も多少はあるようだが。 「…なぁアヤ、それ安全装置外れてへんで?」 「!」
800 :
ちと :01/12/27 00:19 ID:e0DexWw0
SUGOZO〜〜〜〜(泣
801 :
Nana :01/12/27 00:19 ID:Y0ULaSqo
ごめんなさい〜。 つい。あの話は本当に感動したから此処でも見れて嬉しくて。
802 :
1 :01/12/27 00:20 ID:rYSJ6j9f
その言葉にアヤは視線を下ろし松岡に向けている銃を見た。 考えればユナの遺体から入手してから一度も使っていない事を思い出したからだ。 しかし安全装置などどうすればいいのか全く知らない。 そこで一つの疑問、松岡は本当に銃について知っているのか? 答えはすぐに出た。 「アヤってほんっまに素直なんやから(藁)」 視線を戻したときには松岡もアヤとヤスの両方に銃を向けていた。 はめられたのだ。
803 :
Nana :01/12/27 00:20 ID:pEmQ6eAS
>795 それは道化師スレでやって頂戴・・・(ニガ
804 :
Nana :01/12/27 00:20 ID:ikqKzy3Q
1さん・・サイコーです! 杉さんとユウちゃんの話・・ボロナキです
805 :
Nana :01/12/27 00:20 ID:IQtwGDM2
>800 SUGOZO?
806 :
1 :01/12/27 00:20 ID:rYSJ6j9f
松岡はたっぷりの余裕を顔に出しながら続ける。 「これでアヤとは五分やな。不利なのはヤス…アレ?」 いつの間にか松岡とアヤの間に大きな銃があった。デザートイーグルだ。 「…バレてたん?」 「今のはちょっとな。そんな三文芝居やったらアヤくんしか騙せへんで。 そんなんで来年からドラマ出て大丈夫なんすか?」 それまでのくだけた表情はヤスには既に無かった。 ヤスは右手のデザートイーグルを松岡、左手にFNファイブセブンという銃をアヤに向けている。 そのことで三人の間にはそれぞれの伸ばされた腕と銃によりいびつな三角形が出来ていた。
807 :
1 :01/12/27 00:21 ID:rYSJ6j9f
店内の空気が張り詰めていく。 今まで無かった、というより全員が隠していた緊張感が一気に噴き出し、 場の空気を目視できそうな勢いで塗り替えていった。 そして耳に痛いほどの沈黙。三人ともが残りの二人に、二人の向ける銃口に目を走らせる。 その状況で松岡が口を開いた。 「でもええんか、ヤス。その銃片手で撃てるん?反動スゴイやろ。」 「……確かにえらい反動やったな、さっき撃ったけど。 じゃあ撃てるかどうか松岡さんの身体で試そうか?」 「…………」 そしてまた沈黙が訪れ、誰も動けずにただ時間だけが過ぎる。 店内には時計も無く時間の経過がわからない。 まだ5分も経っていないような、30分以上続いているかのような心地悪い沈黙は続いた。 全員が額から汗を流す。蒸し暑い店内と緊張が余計に発汗を促した。 そんな時に不意に物音が聞こえた。一度だけなら全員が幻聴だと思ったかも知れない。 だが物音は店の奥から確実に三人のいる所へと近付いていた。
808 :
1 :01/12/27 00:22 ID:rYSJ6j9f
足音だ。 一番最初にアヤの顔色が変わった。足音の主を見たのだ。 続いて松岡。完全にヤスの背後から足音は聞こえていた。 振り向くに振り向けない状態にヤスは苛立つ。 そんなヤスの心中を察したわけではないのだろうがアヤはその人物に話しかけた。 「なんであなたが…ここにいるんだ……潤…さん。」 ヤスは驚きのあまり今の状態も忘れ振り向いた。 とはいえ他の二人ももう忘れていたが。 そこには確かにピエロの潤が立っていた。
809 :
1 :01/12/27 00:23 ID:rYSJ6j9f
迷彩のアーミールックに身を包み粘り気のある笑顔で。 笑みを崩さない潤に気味悪さを感じ3人の表情はやや固まる。 そんな場の雰囲気にも冷静なまま、松岡は潤に聞いた。 「なんで潤くんがここに居るん?」 「君らに餌になってもらおうと思ってね。」 「餌?…どういう意味や。」 「分かりやすく言うと、君らに死んでもらうって事です。」 今この場に居ること自体が不思議な男から聞かれた意外な台詞に全員が身構える
810 :
1 :01/12/27 00:24 ID:rYSJ6j9f
そのままヤスはデザートイーグルを潤に向けた。もちろん両手で。 しかし、 「ヤス!銃はヤバいって。足元足元!」 松岡の声に止められ視線を落とした。そして潤の足元の2つの物体に気付く。 業務用の5キロLPガスボンベ。 潤に気を取られ気付いていなかったのだ。 「銃はやめといた方がいいで。とっくに厨房にはガスが充満してるし、 こっちにも流れてきてる。そろそろ匂ってくるんちゃう。」 ヤスは鼻に意識を集中して空気を吸い込んだ。 微かに、だが確かにガスの匂いが混じっている。 「チッ、大分前に裏口からでも入ってきてたんやな。」 舌打ちしながら仕方なくヤスは銃を懐に仕舞った。 その様子に潤の笑みが更に粘り気を増す。
811 :
Nana :01/12/27 00:24 ID:0jd8q20t
>795 もう2年以上ピスレ続いてるけどそんな話は一度も出たことがありませんYO ネタでも聞いた事なし・・・そのピエラーのデマの可能性十分です(ニガ うぅ・・・SUGIZO・・・・(ナキ
812 :
1 :01/12/27 00:25 ID:rYSJ6j9f
「正解。ずっと様子は見てたよ。ガス臭くてちょっとキツかったけどね。」 「それよりさっきの死ねってのはどういう事やねん。殺し合いをさせてんのはテメェらやろうが。」 松岡が口を挟んだ。潤はそんな松岡を鼻で笑ってから答えた。 「…あのなぁ、君たちの生き死になんざどうでも良くなったんです。 そんな事より100倍大事な用事ができたんですよ。」 「ハァ?何言ってんのアンタ。つーかアタマ大丈夫?」 松岡は呆れ顔で潤を馬鹿にした。だがまるで潤の耳には届いていないようだ。 「『あの男』を殺す為には俺の手にしっかり血をつけとかなきゃダメなんだよ。 狂気が足りないんだ今の俺には。お前らはそれを補う餌なんだよ、分かるだろ。」 さっきまでは常人の物に見えていた潤の目がみるみる狂気を帯びていくのが分かる。 そしてそれに併せて口元の笑みが亀裂のように広がっていく。
813 :
Nana :01/12/27 00:25 ID:pEmQ6eAS
潤まで参加ですかっ?! キリトマンセーなのに・・・(ワラ
814 :
1 :01/12/27 00:25 ID:rYSJ6j9f
「んなもん分からねぇよ。」 ヤスは腰からサバイバルナイフを抜いた。それを見て潤は笑う。 「あぁ、それで誰を殺したんだっけな。幸也さんでしたっけ・・・」 「・・・くだらねぇ。」 言い終わると同時にヤスは潤との間合いを一気に詰め、潤の胸を目掛けナイフを突き出す。 「少しは理解出来たらしいな…一応天才と言われただけはある。」 だが潤は喋りながら、ヤスの突き出した右手を左手の甲で払い 安全靴を履いた左足をヤスの右膝の表にめり込ませた。 「〜〜〜〜っ!!!!!」 ヤスは痛みに声すら出せずに地面を転がる。
815 :
1 :01/12/27 00:26 ID:rYSJ6j9f
「狙いはいい。銃もそうだが的の小さい頭部にそうそう素人が当てられるもんじゃないから、なっ!」 続けて潤は、言い終わりに併せヤスの横っ腹を蹴り上げた。 ヤスは更に悶絶する。 潤の表情はいつの間にかこの上なく冷徹に変貌していた。 もはや、彼はいつもの潤ではなかった。
816 :
1 :01/12/27 00:27 ID:rYSJ6j9f
潤はうずくまるヤスに一瞥もくれずサバイバルナイフを拾い上げた。 そしてポケットから別のナイフを出し、その刃の先をヤスに駆け寄ろうとするアヤに向ける。 次の瞬間にはその刃はアヤの腹部に突き立っていた。 スペツナズナイフ――刃の部分を飛ばすことの出来る殺傷能力の高いナイフ――だ。 何が起こったか分からないままアヤが倒れこむ。 「!!?」 松岡もヤスも驚きに固まった。
817 :
1 :01/12/27 00:27 ID:rYSJ6j9f
だが潤は、さも当然と言わんばかりに吐き捨てる。 「そんなに驚くなよ。 俺の相手にそんなポンコツは要らないから仕方ないだろう。」 「ポンコツ?」 言葉の意味が分からず松岡は聞くともなしに呟いた。 「あぁお前らは知らなかったんだったな。そいつはどの道もうじき死ぬんだよ、癌でな。」 「……癌?」 松岡は戸惑う。誰の事だ? アヤ? でもアヤはこの間も普通にステージに上がっていたじゃないか。 「表向きは内臓疾患だったな。でも本当はあちこちに転移して手遅れになった癌なんだよ。 でどうせなら最期までステージに上がりたいなんて言ったらしいぞ。 メンバーにとっちゃ迷惑な話だよなぁ。いつ死ぬか分からんのに。 でもバンド考えりゃそうそう断れんしなぁ。」
818 :
nana :01/12/27 00:28 ID:4XLAZzkW
潤何気に滅茶苦茶強いね(藁
819 :
1 :01/12/27 00:28 ID:rYSJ6j9f
松岡はアヤを見た。アヤはなんとか起き上がり壁にもたれかかっている。 そのナイフの突き刺さった腹部は絶え間なく血を流し、素人目にはとても大丈夫とは思えない状態だった。 「なぁ松岡くん、誰かの死体から持ってきたポン刀があるだろう。そんな奴はいいから早くかかって来い。」 「…ケッ、何でも知ってるんやな。でも別にここでやり合う必要はねーんだよ。」 松岡は背後にある店の出入り口に目を向けた。 そう、外に出ればいい。そうすればガスは関係無くなる。 しかしその考えも見透かしたような潤の笑い声に遮られた。 「ハハハそこの扉なら開かないぞ。外から閉めさせといたから。」
820 :
1 :01/12/27 00:29 ID:rYSJ6j9f
「折角高い税金払ってるんだ、使えるものは自衛隊でも使わないと。」 そう言って潤はトランシーバーを手に持って見せる。 自分が命令して閉めさせた、と言いたいらしい。 「これで自分の置かれた状況が分かったか?この店には窓も無い。 変に高級ぶった店の造りが災いしたなぁ、アハハハ。」 心底楽しそうに笑う潤を尻目に、松岡は鬱陶しそうに顔をしかめ舌打ちしながら デイパックの中の日本刀を一息で鞘から抜いた。
821 :
1 :01/12/27 00:30 ID:rYSJ6j9f
ここまで思い付く限りの策で生き延びてきた松岡の考えは全て潤に見抜かれている。 それでも松岡の顔はまだ余裕を漂わせていた。 「良かったすね、自衛隊をアゴで使えてさ。キリトのおかげっすか?(藁) でも潤くんさぁ、俺の趣味が『剣術』って知ってた?」 松岡は刀を構える。 その佇まいから先程の言葉が虚勢でないことは容易に見て取れた。 だがその松岡を見て潤はサバイバルナイフを地面に放り捨てた。 そして潤は丸腰のまま、松岡に向かって無言の上に薄笑いで手招きをした。 潤の挑発に松岡の顔が不快感に歪む。
822 :
1 :01/12/27 00:31 ID:rYSJ6j9f
いや正確には『そう見えるように』演技をした。 普通なら松岡は挑発する側の人間である。 だからこそ冷静に考えることが出来た。 潤という人間は自分と同じく計算高い。 それはあの男が今の状況を作り出したことからも実証されている。 つまり何の打算も無く丸腰になるような男ではない。さっきはhydeを素手であしらった。 しかし何か、恐らくスペツナズナイフ以上に性質(たち)の悪いものがあるとほぼ確信していた。 だから敢えて挑発に乗り手の内を探る、その為の演技なのだ。 刀を持つ手に力を込め、冷静さを欠いたフリで潤に走り寄る。 勿論、潤に妙な動きがあった時には反応できるよう気配りは忘れずに。 しかしあと2mのところまで迫っても潤は身構え以外の動きを見せない。 松岡はそのまま潤に切りかかった。 横薙ぎに振られた切っ先が潤のがら空きの脇腹に達しかける。
823 :
Nana :01/12/27 00:31 ID:kItXbUG+
1さん、youチャンをこんまにもカコヨークしてくれてありがとう!! いちファンとして、カナーリ嬉しいです!
824 :
1 :01/12/27 00:32 ID:rYSJ6j9f
だが松岡はそこで刀の軌道を止め攻撃を突きに切り替えた。 潤が防御すらしないことから、松岡は恐らく防弾チョッキでも着込んでいると予想した。 そして防弾チョッキの類は刃物で突き刺される場合には殆ど役には立たない。 だからこそこれで潤を殺せる…はずだった。 刀の先端は松岡の読みも虚しく潤の大きな腹で止まっている。 予測は見事に当たっていた。 ただ惜しむらくは、潤の身に付けた防具は渾身の突きすら通さないほど強力な物だったことだった。 次の動作を起こす前に右手で服の首元を掴まれ思い切り潤の方に引き付けられる。 その次の瞬間には潤の左肘が松岡の側頭部を捉えていた。 瞬時に打点をずらした為こめかみには当てられずに済んだが衝撃が側頭部を突き抜ける。 一瞬思考が停止し足が制御を失い倒れそうになる。
825 :
Nana :01/12/27 00:33 ID:rTgSd/JZ
1さん遊汝出してくれて有り難う! 頑張ってね!!
826 :
1 :01/12/27 00:34 ID:rYSJ6j9f
しかし潤の手は首元を持ったままそれを許さない。 更に膝を地面についた松岡の鳩尾に佐山は右膝を叩き込んだ。 鳩尾に受けた衝撃で松岡の思考が戻る。 だがその代わりに訪れた息も出来ない痛みに襲われた。 「…ぅぁぁっ…ぇふ……ぁぐぅ…」 呼吸どころか咳も出来ずに地べたに這いつくばる松岡を見下ろしながら潤は満面の笑みを浮かべた。 「…ぐほっ……ゴホッ、ゴホ…てめ……汚ね…ぞ……ぐぁっ!」 ようやく呼吸が戻りだした松岡の背中を踏みつけ、潤は再び怒りに満ちた顔になり胸元を親指で指した。 「本当にバカだなお前は。汚い?銃弾も刃物も通さねぇこのスーツがか?騙しなんざやって当然だろうが! このプログラムの首謀者は『ピエロのキリト』だぞ?あの男には何でもありなんだ!こんなもんで足りるかよ!」 潤は松岡を一喝するとヤスにしたのと同じように横っ腹を蹴り上げた。 松岡が痛みに転がる。 そして潤は松岡に近づき拾い上げた日本刀の先端を松岡の肩口にゆっくり押し込んでいった。
827 :
1 :01/12/27 00:34 ID:rYSJ6j9f
「ぐぁあぁっぁぁ!」 松岡の肉の感触を刀伝いに右手に味わい、潤の快感は沸点に達する。 「アッハッハッハッこれだよ。俺が欲しかったのはこの感触なんだよ。もっとだ、もっと味わわせてくれ。」 潤は松岡の肩から刀を引き抜くと最高の快楽を得るために刀を振り上げた。 「いい加減にしとけこのサド野郎!」 残念ながらお楽しみは突然背後から飛んできた椅子によって阻まれた。 潤は前のめりに膝をつく。 怒りの表情で振り返った先で今椅子を投げたヤスが店の出入り口の前に立っている。 そしてその背後の、潤が命令して封鎖させた筈の扉は何故か開いていた。
828 :
1 :01/12/27 00:35 ID:rYSJ6j9f
数分前――――ヤスは痛む右膝を庇いながら椅子を支えに立ち上がる。 潤と対峙する松岡を手伝わねばと思ったが、その前にアヤの様子を窺うために振り返った。 だがアヤはさっきまでの場所にはいない。 驚いたヤスがさらに見回すと、 血を流しながらも壁にもたれて立ち上がり、潤に閉ざされた筈の出入り口へと向かうアヤが見えた。 [ さっきの潤の言葉が聞こえんかったんか?腹刺されちゃしゃあないか… ] ヤスは仕方なく方向転換して右足を引き摺りながらアヤを追いかける。 この時には、さっきまで銃を向け合っていたことなどすっかり忘れていた。 「おいアヤ、ドアは開かへんのやで。じっとしてろ。」 ドアの前でアヤに追いついたヤスは声をかける。
829 :
Nana :01/12/27 00:35 ID:0jd8q20t
松岡頑張れ・・・・Pファンだけどこの潤最強にムカツクので殺ってくれ(ワラ
830 :
1 :01/12/27 00:35 ID:rYSJ6j9f
だがアヤはそれを無視して扉の取っ手に手を掛けた。 「おい!アヤ…」 「ゴホ…聞こえてますよ…でも口で言ってただけでしょ…」 「そうは言うてもお前……!」 ヤスの口が止まる。 アヤが少し押しただけで両開きの扉の間に隙間が出来たからだ。 僅かに出来た隙間から外の光が差し込む。 その縦に真っ直ぐに伸びた線は一ヶ所、真ん中のあたりが欠けていた。 丁度表側の取っ手のあたりだ。 この様子からヤスは予想した。
831 :
Nana :01/12/27 00:36 ID:iMZ+cfYL
サイトにまとめてくれてる人、 あきらかな間違いは修正してあげてくれ(w
832 :
Nana :01/12/27 00:36 ID:eHo+K24h
1さん、>826の2行目は、 ○更に膝を地面についた松岡の鳩尾に潤は右膝を叩き込んだ。 ×更に膝を地面についた松岡の鳩尾に佐山は右膝を叩き込んだ。 で良いのでしょうか…?
833 :
1 :01/12/27 00:37 ID:rYSJ6j9f
この扉の取っ手は太い棒状の物なのだが、 どうやらこの扉は今左右の扉の取っ手に何か棒のような物を渡してあるだけではないかと。 もしそうなら杜撰な仕事だ。まず潤の指示通りではないだろうがおかげでここを出られる。 ヤスはアヤを扉の横の壁にもたれさせると、痛みを堪えて距離をとり助走をつけて扉の中央に体当たりした。 何かが弾けるような音が鳴って扉は拍子抜けするほど簡単に開く。 見れば3cm程の太さの細い棒が二つに折れて地面に落ちていた。 棒の残骸を眺め、すっかり潤の口車を信じきっていた自分にヤスは軽く苦笑いした。 「松岡さん、早く来てください!ここを出るで!」
834 :
1 :01/12/27 00:38 ID:rYSJ6j9f
ヤスの声が響く。 松岡は身体を起こして状況を把握し立ち上がろうとしたが、 既に潤は立ち上がり今にもヤス達の方へ向かおうとしていた。 「ふざけやがってあの(自衛隊員の)ボケが!後でブッ殺してやる。」 だが走り出そうとした潤の右足の甲に痛みが走る。 足元を見ると松岡が、さっき潤の捨てたサバイバルナイフを靴の上から突き刺していた。 「ぐぅ……松岡ぁぁ…」 「へっ足の先までは着込めなかったみたいやな。とりあえずさっきのお返しさせてもらうで。」 松岡はナイフを抜こうとしゃがんだ潤の顔面に蹴りを入れ、素早く立ち上がって出口へと走った。
835 :
1 :01/12/27 00:38 ID:rYSJ6j9f
「おいアヤ、出るで。立てるか?」 ヤスはアヤを立ち上がらせようとしていた。 アヤの顔色は土色になっており、額には大粒の汗が浮んでいる。 アヤの肩に手を回した所でアヤはかなりはっきりした口調でヤスに呟きだした。 「…なぁヤスさん…」 「なんや?大丈夫か?」 「コウイチさんらを殺したとき…どんな気分でした?」 ヤスは言葉に詰まった。 あの時の、ラピュ―タのコウイチとジュンジを撃ったときの光景が甦る。 自分たちに銃を向けるヤスに笑いかける二人。 今後を気遣ってくれる二人。 あの後からヤスの銃を握る手は明らかに鈍っていた。 潤に対してもどこか本気になれない部分があった。 後ろめたさがアヤの言葉でくっきりと浮かんでくる。 なんと言えばいいのか答えに窮する。
836 :
1 :01/12/27 00:39 ID:rYSJ6j9f
「二人とも早く、潤が来るで!俺先に出るで。」 出入口まで来た松岡の声にヤスは我に返った。 そしてとりあえずアヤを連れて出ようとする。 だがヤスを真っ直ぐ見るアヤの目は答えを待っていた。それを聞くまで動く気は無いらしい。 ヤスは仕方無く溜息をつき呟くように答えた。 「…幸也さんの時は正直何とも思わなかった。コウイチさんらの時は……最悪だった。」 その言葉を聞くと、アヤは釣り糸と紙切れをヤスに手渡した。 この釣り糸はアヤが最初に支給された武器の一つであった。 「外からこの糸でドアを開かないようにして下さい。もう裏口は閉めてあります。」 言葉の通り、ヤスは店に踏み込む前に、中の人間を裏口から出られなくするために 釣り糸で裏口のドアノブを近くの電柱と何重にも固く結び付けておいたのだ。 まさか中に潤も居るなどとは知らなかったが。 「ちょっお前何言って…」 立ち上がったアヤは言葉を待たずにヤスを外へと突き飛ばした。
837 :
Nana :01/12/27 00:39 ID:TI9zgL/7
じゅ、潤むかつく・・・ アイジと偉い違いだ。
838 :
1 :01/12/27 00:40 ID:rYSJ6j9f
「おい!アヤ…」 「オレの死に場所はオレが決めます。 ヤスさんは黙って言う事聞いといてください!」 アヤはヤスの言葉をかき消すように叫んだ。 腹に刺さったナイフを抜き、胸元から出したサングラスをかけてヤスに背を向ける。 「アヤぁどけぇ!」 更に走ってくる潤の顔面をキックで蹴り飛ばした。 だがそれと同時にアヤの腹部から勢い良く血が吹き出し、流れ出る血が勢いを増す。 それでもアヤは両足を踏ん張らせて地面に立ち尽くし叫んだ。 「ヤスさん、早く閉めて!ガスが無くなっちまう!」 アヤの最後の強がりがヤスには余計に悲しく映った。 「………このお人好しのバカ野郎が…」 ヤスは苦悶の表情で扉を閉め、震える手で取っ手の間に釣り糸を何度も通し固く縛りつける。 もう膝の痛みなど忘れていた。空はまた雨を降らせていた。 「…これで終わりだな、潤。…ゴホッ」 咳を受けた手の平に血が飛び散る。その手を固く握りもう片方の手で拳銃を天井に向けた。 「アヤぁ、やってくれるじゃねえかこの死に損ないが! それでも俺は死なねぇよ。お前如きに殺られてたまるかよぉ!」 今にも怒り狂わんばかりの形相で吐き捨て、潤は店の奥、厨房の方へと走っていった。 裏口が閉ざされているのも知らずに。
839 :
Nana :01/12/27 00:40 ID:GEeF23J1
禿げシーク同意だ
840 :
1 :01/12/27 00:41 ID:rYSJ6j9f
「今度はテメェが焦る番だ。オレが…グブッ…引き金を引くまで精々逃げ惑いやがれ。」 アヤの身体の限界を知らせるかのように銃を持つ手が震え口から血が溢れる。 「…畜生!なんで開かねぇんだ、くそったれがぁ!…」 潤の叫び声が響いてくる。しかしもうアヤの耳には届いていなかった。 ガスの匂いももうしない。 明らかに全身の体温が下がっているのが分かる。天井に向けていた腕もいつの間にか下りていた。 目を開けているのもおっくうだった。 ぼんやりした意識の中、目を閉じるとメンバーの顔が浮かぶ。 メンバーが笑ってくれた気がした。 そしてふと右腕に感覚が戻る。 最期の力を振り絞ってアヤは引き金を引いた。
841 :
1 :01/12/27 00:41 ID:rYSJ6j9f
今、ヤスと松岡は[マンション建設予定地]の看板が立てられた空き地の片隅にある このプレハブ小屋で雨を避けていた。 窓からは爆発したレストランから立ち昇る煙がまだ見える。 休憩所として使われていたのだろうそこにはボロボロのソファーとテレビ、 あとは塗料などの入った缶などが散らばっているだけだった。 中に入った松岡は空の一斗缶に手ごろな太さの材木を数本挿して小屋の真ん中に置く。 それに少量シンナーをかけ、落ちていたライターで火を着けて焚き火にした。 「シンナーが燃え尽きたら匂い無くなるやろうから、それまで我慢しいな。」 シンナーの燃焼する匂いが篭らないように窓を開けながら松岡は話し掛ける。 ヤスは無言でソファーに腰掛けた。
842 :
Nana :01/12/27 00:42 ID:S6Cjuhkp
1サン以外はsageでね!
843 :
1 :01/12/27 00:42 ID:rYSJ6j9f
レストランの爆発を見てからここまでヤスは口を開いていない。 気力を失った訳ではない。 だが口を開く気にはなれなかった。 「じゃあヤスくん、俺もうちょっと燃やす木探してくるな。」 焚き火の前にしゃがみ込み、タオルで顔と頭を拭きながら松岡は言った。 それでもヤスは俯き加減のまま黙りこくっている。 松岡は、そんなヤスの目を盗んでさっきデイパックから取り出したものをタオルに包んだ。 それを火の中へ放り込み、小屋を出て行った。
844 :
Nana :01/12/27 00:43 ID:0jd8q20t
そろそろ生存確認データが欲しいところですな
845 :
1 :01/12/27 00:43 ID:rYSJ6j9f
ヤスは松岡の行動に気付かずソファーに背中を預けて天井を仰ぎ目を瞑る。 幸也、ダイ、コウイチ、ジュンジ、 マサ・・・ 自分が死を見届けた者達の顔が浮かぶ。そしてアヤ。 「何の為に殺すのか」そんな今更な問いが頭を掠めた。 [幸也さんを殺すときに腹は括った筈だろう…] ヤスは頭を振って忘れることに努めた。 ふと辺りを見回して松岡のいないことに気付き、薪を探しに行ったことを思い出した。 [戻ってきたら話でもしよう。そうすりゃ気が紛れるか。] そう思った直後、焚き火から大きな破裂音が聞こえ火の中から何かが飛び出した。 「それ」は真上に跳ね天井に穴を開ける。 とても薪が弾けたような物ではない。 更に爆竹を大きくしたような連続音とともに火中から入れ物の缶や小屋の壁に次々と穴が開く。 ―――銃弾か! 「それ」の正体は松岡が火にくべた余った銃弾だった。 絶え間なく銃弾が飛び交う中をヤスはソファーから身を起こし窓から飛び出した。 それでも小屋の壁を破り銃弾が飛び出してくる。
846 :
1 :01/12/27 00:44 ID:rYSJ6j9f
ヤスは地面に伏せて銃弾の雨が止むのを待つしかなかった。 程無くして音が止み、ヤスは身体を起こした。 痛みが走る。流石に無事では済まなかった。 左腕上腕部の肉は抉れ右太腿を銃弾は貫通している。 潤に蹴られた時すら比べ物にならない痛みは逆に笑いが漏れるほどだった。 「ハッ…ハハッ……ま、松岡さん…やってくれるじゃねぇか…」 松岡を非難するつもりなど無い。 むしろあいつの方が正しい。 ヤスは勝手に松岡を仲間のように思っていた自分の甘さを非難した。 そんなヤスに追い討ちをかけるように何かのエンジン音が聞こえてくる。 道路の方からだ。 道路に視線を移す。
847 :
Nana :01/12/27 00:44 ID:GEeF23J1
ごめんなさいぃぃぃぃ
848 :
1 :01/12/27 00:45 ID:rYSJ6j9f
するとそこに車が現れヤスの方を向いて止まった。 運転席に座る松岡は笑顔を見せていた。 腑抜けたヤスに置き土産を施した後、松岡は近くの道路脇に止められていた車の前に来ていた。 車はホンダシビックだった。 「ちぇ、FF車かよ。FRの方が好きなんやけど贅沢言ってもしゃあないしな。」 FF車とはフロントエンジン・フロントドライブ車の略で、エンジンも駆動輪も前に付いている車である。 ぼやきながら銃の柄で助手席のガラスを割り、ドアロックを解除して中に入った。 「非常事態には色々知識がある方が強いよな。俳優やって良かったよホンマ」
849 :
1 :01/12/27 00:46 ID:rYSJ6j9f
色々な世界の人間に成りきる俳優という職業を経験している松岡は、 そこらの人間より多くの物事に触れ、興味を持って記憶に留めていた。 そして松岡は鼻歌まじりに己の知識を披露し車のエンジンを起動させる。 いささか俳優から逸脱した知識ではあったが。 ヤスとの距離は約10m。 だがシビックはヤスの方を向いたままなかなか動かない。 まるで肉食獣が獲物の品定めを行うかのように。 その様子に苛立ったヤスが懐の銃に手を伸ばそうとする。 それを待っていたかのようにシビックは飛び出した。 松岡はアクセルを踏み込む。 とは言ってもまだ殺す気はないが。
850 :
1 :01/12/27 00:47 ID:rYSJ6j9f
あくまで様子見だ。 雨のせいで傷口を確認することは出来ないが、ヤスの緩慢な動きから置き土産の効果が見てとれた。 それでもヤスはその場を飛び退き紙一重で躱した。 その様子に松岡は満足げに笑みを浮かべる。 この程度で死なれては困るから。 そして少し走って方向転換し再びヤスを視界に捉えた。
851 :
1 :01/12/27 00:48 ID:rYSJ6j9f
立ち上がるのも困難であろう状態で、ヤスは足を引き摺りながら必死に距離を開けようとしている。 敷地から道路に出ようとしているのか。 その姿に不意に松岡の目頭が少し熱くなる。 仮にも、同じ関西出身バンドである。 後輩と言っても過言ではない。 彼は今、自分の前で必死に逃げている。 その姿が松岡に“らしくない”感情を抱かせた。 しかし涙など流す気は無い。 無駄な感傷が死を招くことは熟知している。 松岡は自分を切り換えた。 もう手を抜く気は無くなった。
852 :
1 :01/12/27 00:49 ID:rYSJ6j9f
無様に逃げ回るヤスなど本人にとっては当然、松岡もこれ以上見たくなかった。 しばらく様子を見ていた為ヤスとの距離は30m程になっている。 「じゃあな、ヤス。」 ヤスに最後の言葉を告げ、松岡はアクセルを踏んだ。 シビックのエンジン音が一際大きくなる。
853 :
1 :01/12/27 00:49 ID:rYSJ6j9f
背中越しに受ける音はまるで獣の唸り声のようだ。 今度は仕留めにくるつもりだろう。 「クソッ」 ヤスは、今の自分の状態からして加速してくる車の回避は余りに困難だと考えた。 懐からFNファイブセブンを取り出し一度眺めた後、向き直ってそれを構える。 そして急発進するシビックに向け、傷に響く衝撃に耐えながら何度も引き金を引いた。 ヤスのあがきに気付き松岡は座席に身を屈める。
854 :
1 :01/12/27 00:50 ID:rYSJ6j9f
しかし一発は助手席の方のフロントガラスに穴を開けたが、他は何発かが車体に当たっただけだった。 松岡は更にアクセルを踏む足に力を込める。 同時にシビックの速度が上がる。 あと20m・15・10…まだ無駄な抵抗を続けるヤスはもう目の前だった。 しかし――ボゥンッ――とくぐもった爆発音と共にボンネットは火と煙を噴き出した。 更にハンドルが松岡の意思を無視して左に回り、ヤスを目前にして進路は大きく横に逸れていく。 ボンネットの中がどんな状態かは分からないが、この車が制御不能になったことだけは 勝手に回り切って固定されたハンドルが雄弁に物語っていた。
855 :
1 :01/12/27 00:51 ID:rYSJ6j9f
「んだよ!?何発か当たっただけじゃねぇか、これだからFFはっ…」 八つ当たり気味に毒づく松岡の横目にヤスの顔が見え、それが離れて行く。 そしてシビックは轟音と金切り音とタイヤの擦れる音を同時に奏でてコンクリートの壁に激突した。 「ふぅ…」 ヤスは大きく溜息をつき銃に視線を落とす。 幸也から奪ったこの銃の妙な文体の説明書の中の一文を思い出していた。
856 :
1 :01/12/27 00:51 ID:rYSJ6j9f
――この銃、FNファイブセブンは200m先のケプラーヘルメットを貫通し、 50mの距離ではなんとレベルVAクラスの防弾チョッキを貫通する。 VAクラスだぞ。わかるか?わかんねーか。 まぁつまり現在存在するほとんどの防弾ベストが役に立たない、というとっても過剰防衛な銃な訳だ。 で、なにが言いたいかっていうとお前はラッキーってことだ。―― 説明書は不快なものだったがこの銃は役に立った。 普通の銃ではこうはいかなかったかも知れない。 ヤスはこの銃に口づけをした。
857 :
1 :01/12/27 00:52 ID:rYSJ6j9f
「…痛ってぇな……」 松岡は目を覚ました。 衝突のせいで身体のあちこちに痛みはあるがどうやら生きているらしい。 まだ殆ど動けないが。 壁にぶつかる直前にサイドブレーキを必死で引いたおかげかも知れない、などとまだはっきりしない頭で考えた。 そこでふと疑問が頭を掠める。天井が見えるということは寝転んでいるようだ。 それも天井に見覚えがある。さっきのプレハブ小屋だ。
858 :
1 :01/12/27 00:53 ID:rYSJ6j9f
松岡は部屋中に視線を走らせた。 そして見覚えのある頭を頭上に見つける。 壁にもたれたヤスが見下ろしていた。 「…助けてくれたんか。」 松岡は寝転んだまま憮然とした表情で話し掛ける。 ヤスは立ち上がらずに身体を引き摺るように松岡の横に移動し顔を覗き込んだ。 「不満そうっすね。」 「不満やわ。あんたはそんな人間やないやろ、アヤじゃあるまいし。」 松岡は助けてもらった恩も忘れて捲し立てる。
859 :
1 :01/12/27 00:53 ID:rYSJ6j9f
「おいおい、助けなきゃ今頃黒焦げになってったってのにお前ってヤツは…ったく。 …そういやまだ言うてなかったな…」 ヤスはコウイチ達を殺した時のことを、ゆっくりと思い出しながら松岡に話しだした。 「…それが俺を助けた事と関係あるんか?」 ヤスの話を聞き終えた松岡は身体を起こしながら聞いた。
860 :
1 :01/12/27 00:54 ID:rYSJ6j9f
ヤスは伏し目がちに答える。 「ちょっとコウイチさんらの気持ちが分かった気がしたんや。 松岡さんにはまだ先があるやろ。 思ったんや。別に生き残るのは俺やなくてもいいんやってな… あの人らやアヤも多分そんな気持ちやったんやろな…。」 「……ヤス…」 松岡は俯き、拳を固め微かに身体を震わせる。 そして静かに、抑揚を押さえた声で呟いた。 「あんたもそんなもんなんか…ヘタレのヤスなんざいらねーよ。」 感動などする訳がない。
861 :
1 :01/12/27 00:55 ID:rYSJ6j9f
それどころかヤスの言葉は松岡にとって失望に他ならないものだった。 陳腐な感傷に囚われたヤスなど見たくはなかった。 その想いが瞬時に殺意に変わる。 松岡はワルサーPPKをヤスに向けていた。 「!……松岡さん…」 「知ってるか?親切の押し売りはお節介って言うんやで。」 何の感傷も抱かずに松岡は引き金を引いた。
862 :
Nana :01/12/27 00:59 ID:ikqKzy3Q
あれ?
863 :
Nana :01/12/27 01:01 ID:ndOiOv9p
どうしたんだろ?
864 :
Nana :01/12/27 01:01 ID:j5IPyacS
>811 そうかもしれないですね。何せピエラーの言った事ですから(ニガ これ以上はスレ違いな話題なのでこれで止めます。 皆さんすいませんでした。では。
865 :
Nana :01/12/27 01:02 ID:S6Cjuhkp
松岡・・・(ナキ
866 :
Nana :01/12/27 01:03 ID:0jd8q20t
潤は脂肪したのですか?気になる
867 :
ひろ :01/12/27 01:04 ID:6ZpqopK9
松岡強いね…
868 :
nana :01/12/27 01:04 ID:cLoTS83D
ヤスはどうなる!?
869 :
Nana :01/12/27 01:04 ID:ikqKzy3Q
微妙な所で話とぎれた・・ 1さん今日は終わりですか?(シクシク
870 :
Nana :01/12/27 01:04 ID:vzjJOIqW
>866 あ、ピスレ上げた人だ(ワラ
871 :
Nana :01/12/27 01:05 ID:n+j7abMy
1サン以外はsageようよー
872 :
Nana :01/12/27 01:07 ID:0jd8q20t
>870 あらやだ!見つかったじゃないのおばさん 1さーん教えて
873 :
Nana :01/12/27 01:09 ID:tiuSGU1T
いい所で終わる・・・まるでドラマみたいだ!(・∀・)/
874 :
Nana :01/12/27 01:09 ID:vzjJOIqW
>872 おばさんのせいで嵐タンまで上げはじめちゃったYO(ニガワラ あれは厨房よけでもあったのに にしても1さん、急にストップ…と思ったらそういうことかな?>873
875 :
Nana :01/12/27 01:10 ID:GEeF23J1
松岡脂肪??
876 :
Nana :01/12/27 01:16 ID:Nr40boKY
youちゃーん・・(泣)
松岡清春激しく萌え あぁ、松岡生きていてくれ・・・。 杉にチョピーリ感動。
1さん、太三出してくれて有難う。
879 :
1 :01/12/27 01:21 ID:rYSJ6j9f
小屋の中に届く雨音は小さくなっていた。 今日は降ったり止んだりの天気らしい。 その雨音を縫うようにカチンという音が数回響く。 松岡は理解出来ずに更に繰り返し引き金を引いた。 だがワルサーが銃弾を吐き出す事は無かった。 「無駄やな。弾入ってねぇんやで。」 ヤスは半ば勝ち誇ったような笑みを浮かべながら呟いた。
880 :
nana :01/12/27 01:21 ID:uirgTidT
ヤス〜!! 清春との再戦はどうなるんだぁ〜〜〜!
881 :
Nana :01/12/27 01:23 ID:kItXbUG+
ヤッタ!1さんおかえりなさい。
882 :
1 :01/12/27 01:24 ID:rYSJ6j9f
そして松岡の視線はヤスが持つデザートイーグルの銃口に注がれる。 「運試しっすよ、運試し。松岡さんが撃ってくるのは分かってたからさ、 片方の銃だけ弾抜いといたって訳や。 さっきも言ったやろ?俺が生き残らなくてもいいって。…ただ、そいつが俺より強けりゃ、の話なんだよな。」 デザートイーグルを向けるヤスの左腕と右足は付け根が布切れで縛ってある。 「俺の勝ち…やな。」 ヤスの呼吸は微かに荒れていた。
883 :
Nana :01/12/27 01:24 ID:pEmQ6eAS
しかしなんて影の薄い主人公だろう(ワラ<ガクソ あと、キリトも出てきてないから寂しい〜 ピエロは後オサーンだけですな、出ていないのは・・・ 大人なオサーンがどういう役所で出てくるのか楽しみっす!
884 :
1 :01/12/27 01:27 ID:rYSJ6j9f
だがそんなことが気にならないほど松岡の視線は銃口に向けられている。 頭をフル回転させて助かる手段を考えた。 だが松岡の頭脳は求める結果を導き出す答えを割り出してはくれない。 体中を鳥肌が覆うような錯覚を覚えるほど松岡は自身の死を恐怖した。 何人もの死体を見たがまさか自分にその順番が巡ってくるとは。 まさかここまで自分が死を恐れるとは。
885 :
Nana :01/12/27 01:28 ID:sg2XURUj
アヤが最初から最後までカッコ良かった… ナキ 1さんありがとう。アヤのキャラに合ってたと思います!
886 :
Nana :01/12/27 01:29 ID:ikqKzy3Q
1さん帰ってきてる!!!
887 :
1 :01/12/27 01:29 ID:rYSJ6j9f
自分と敵しかいない。 この敵には簡単な騙しなど通じない。 この場面を切り抜ける手段が無い。 死という名の蛇が鎌首をもたげ喉元に食らいつこうとしている。 ――死ぬ?ふざけるな! 何の為にここまでやってきたんや! 結局ヤスの噛ませ犬で終わるのかよ!? 必死で最悪のイメージを振り切ろうと努力し足掻く。 だが目の前のヤスという名の死神はその鎌を人差し指で振り下ろすところだった
888 :
1 :01/12/27 01:31 ID:rYSJ6j9f
「あははははははははは。あっひゃはははははは・・・」 半ば狂気じみた笑い声がプレハブ小屋を包む。 ヤスのこめかみにグロック34を押し付けながら天を仰ぎ、松岡は笑いを堪えきれなかった。 傍にはさっきヤスを殴った血のついた特殊警棒とデザートイーグルが落ちている。 松岡はさっきまでの恐怖心の反動で笑いが後から後から噴き出した。 ――まさか不発だったとは。
889 :
1 :01/12/27 01:33 ID:rYSJ6j9f
ヤスのデザートイーグルからも弾は出なかったのだ。 雨に打たれ続けたせいなのか元々不発弾が混じっていたのかは分からないが、 とんでもなく幸運だった。 弾が出なかった時のヤスの間抜けな表情もビビりまくっていた自分も遠い昔のようだ。 そのヤスの顔面に特殊警棒をめり込ませ、すかさず銃を突きつけると、もう馬鹿笑いが止まらなかった。
890 :
1 :01/12/27 01:34 ID:rYSJ6j9f
そして一頻り笑った所でさぞや悔しがっているであろうヤスに話しかける。 「しっかし神様ってヤツぁ素晴らしいブック書きやがるわ。 そんなドラマ、出演してみてぇな。そう思わへん?」 しかし頬の肉が少し裂けたヤスはいたって冷静だった。 「別に思わねぇな。映画なんかじゃわりと良くあるんとちゃうんか? それよりこのブックにゃまだ続きがあるんやで。」 そして続けて出たヤスの言葉に松岡は耳を疑った。
891 :
1 :01/12/27 01:35 ID:rYSJ6j9f
「さっきのは嘘さ。その銃にも弾は入ってへんよ。」 「!!?」 松岡の思考は混乱した。 嘘やろ?ハッタリや。 そう思いながらも思い込むことは出来なかった。 「そう言うといた方が松岡さんも楽に死ねると思ったんやけどな。 ま、嘘やと思うんなら引いてみたらどうです。」 ヤスの表情は何の作意も匂わせない。 対称的に松岡の顔は引き攣っていた。
892 :
1 :01/12/27 01:37 ID:rYSJ6j9f
(そんな嘘をつく筈が無い。 でも最初から死ぬつもりが無いなら両方弾を抜くのが普通や。 いや、殺すつもりなら気絶している間に出来たはずや。 そうやハッタリや。) やっと結論は出たが、出すのが遅すぎた。
893 :
Nana :01/12/27 01:37 ID:1SXgqe9Z
サキト本当に死んじゃったのかな、、、(ウトゥ 私もこのまま続けてホスィ 無理矢理完結はチョピーリ寂しい
894 :
1 :01/12/27 01:38 ID:rYSJ6j9f
「やっぱり俺の勝ちやろ?」 松岡が思考を彷徨わせている間の一瞬の隙に、 ヤスは怪我人とは思えぬ動作でグロックを掴んで方向を逸らし、 会心の速度で銃を松岡の鼻先に押し付けていた。
895 :
1 :01/12/27 01:38 ID:rYSJ6j9f
「………やっぱり嘘かよ。」 今の松岡にはこれだけ言うのが精一杯だった。 「悪いな。ホラ、俺って何やらせても天才やから。いい演技やったろ?」 「…どこが。最悪の演技やったで……ふっ…ハハハ」 それまで強張りきっていた松岡の顔は何故か次第に口元から緩み出し、笑いを漏らす。
896 :
1 :01/12/27 01:39 ID:rYSJ6j9f
「あ〜あ、やっぱあんたにゃかなわねーか。そう思ったら気ぃ抜けてまったわ。」 嘘ではなかった。 自分の負けをはっきりと認識した時、 あれほど高まっていた恐怖心は松岡の中からすっかり霧散していた。 「さっさと殺ってくれよ。じらされんのは好きやない。」
897 :
Nana :01/12/27 01:40 ID:09LyBqEV
La'Muleの直さんと真さんを心中させて欲しかったYO!
898 :
1 :01/12/27 01:40 ID:rYSJ6j9f
「…あかん、松岡さんに…まだやってもらうことがある…」 「え?」 途端にヤスの身体は地震でも来たかのように震え出し、銃を床に落として崩れ落ちていった。 「おい……何してんだよ…?」 松岡は自分の足元に、そしてそれ以外にも床のあちこちに血痕が散っているのに気付く。 その夥しい血の量は今のヤスの状態を語るのに十分だった。
899 :
Nana :01/12/27 01:41 ID:Y0ULaSqo
続けるも続けないも1さんに委ねたい。 ずっと面白いからって出演者リクしまくってたら 1さんの負担にもなるだろうし。 でもこのスレで終わらせるとか決めたら、 無理矢理完結させるのも嫌だし。 マターリ1さんのペースで面白い話をお願いしたいです。
900 :
Nana :01/12/27 01:42 ID:buf4712y
>899 禿同
901 :
1 :01/12/27 01:43 ID:rYSJ6j9f
無言で床に仰向けで大の字になっているヤスを見下ろす。 その視線に気付いたのか地面を背にしながらヤスも足元の松岡を見下ろす。 そして右腕を動かし人差し指でしっかりと松岡の顔を指差し白い歯を見せる。 「松岡さんは絶対に生き残って下さい。そうすりゃ松岡さんをだませた自分が一番になりますから。」 ヤスが悪ガキのような笑顔でそう言い放つと、その右腕はゆっくり下りていった。 (それと・・・マサを殺った、清春さんを・・・) もう、それは声にはならなかった。 松岡はしばらくヤスを見下ろしていた。 ヤスの胸の浮き沈みが次第に小さくなっていく。
902 :
Nana :01/12/27 01:44 ID:bAF20UFv
>899 うん。同意。 1さんのペースで頑張ってください。 ずっとロムってました(藁
903 :
Nana :01/12/27 01:44 ID:/XgydRjQ
>899 禿同! 1サンがしたいようにして頂ければ嬉しいかなと。 周りで色々言ったら余計こんがらがるだろうし。 最後まで書いて頂けるだけで嬉しいです。1サン頑張って!
904 :
1 :01/12/27 01:45 ID:rYSJ6j9f
「…いい加減な事言うなや。死んだヤツが一番の訳ないやろ。 生き残ったもの勝ちなんだよ。つまり俺の勝ちや。残念やったな。」 松岡は語気は荒げず蔑むような視線を送りながら吐き捨てた。 もうヤスに聞こえているとは思えないが。 しばらく眺めた後、ずっと握っていたグロックをヤスに向け引き金を引く。 ヤスの身体は着弾の衝撃で動いたがそれ以上の反応は見られなかった。 「言われなくても生き残るに決まってるやろ。 ヤスに勝ったのに他のヤツに負ける訳あらへん。」 松岡はヤスに背を向け出発の準備を始めた。
905 :
Nana :01/12/27 01:45 ID:AIi9YqKr
うわー、壮絶だ・・・>ヤスvs松岡 今日は読みごたえたっぷりで嬉しい。1さんお疲れさま〜
906 :
Nana :01/12/27 01:46 ID:twAklOdC
松岡VSヤス、ついに決着か・・・。 いやーどんでん返しに次ぐどんでん返し。見事でした。
あ!松岡がテレビに・・・(藁 今までロムってました。 本当に面白いね。知らない麺婆さん達にも感動しました。 続きが気になる・・・ドッキドキ。 私も1さんが納得いく形で完結して欲しいと思います。
908 :
Nana :01/12/27 01:51 ID:cRqnP67s
1さん最高です。なんかもう尊敬します。 お疲れさまでした。続き楽しみにしてます。
909 :
Nana :01/12/27 01:52 ID:+/USMZzt
ヤス〜〜〜 マジで泣きそうになったよ 今日一日でジャンヌ麺二人も死んじった・・・
910 :
Nana :01/12/27 01:53 ID:ecWJ+ZsD
充リクした者ですが、実はカナーリヤスも好きで… 今ずっとリアルタイムで決着見れて良かったです♪ 本当面白いっ!
911 :
Nana :01/12/27 01:54 ID:bSnAPpif
1さんアイジ思いのほかカコ良くて涙すらしたよ…。 ロムってたけど思わず書きこんじゃった(藁)
912 :
1 :01/12/27 01:56 ID:rYSJ6j9f
今日はここまでです。 年末年始あたりはたぶん更新できません。 どなたか、続きを書いていただいてもけっこうです。 最終回は1000あたりで書きたいと思ってます。 とりあえず、ガクトは主人公なのでヒソーリとでもいいので、生かしといて下さい(ワラ 本当は、マナとの友情劇を書こうと思ってたんですけど・・・ そこんとこは書いてくださる方にゆだねます。
913 :
Nana :01/12/27 01:57 ID:ecWJ+ZsD
また更新できるようになったらでいいので >1さんに最後まで書いて欲しいな…なんて思ったり…
914 :
Nana :01/12/27 01:59 ID:+/USMZzt
あたしも1さんに書いて欲しいな
915 :
Nana :01/12/27 02:01 ID:PNjQk5wy
>913 いやいや禿同。 でも保全ageだけでこのスレ1000逝ってしまいそうな気も・・(ニガワラ
916 :
Nana :01/12/27 02:01 ID:sg2XURUj
同じく。下がりまくっててもいいんで1さんの書くバトロワが良いです
917 :
Nana :01/12/27 02:04 ID:pEmQ6eAS
私も1さんに書いて欲しいな。 文体が違うくなるの嫌だし。dat落ちする前にどっかの鯖にでも全部ウプして 新年を待ちたい〜。 個人的に・・・wyseの他のメンバーも出て欲しかったり。 プログラムに参加してないのなら全て終わってからチラリとでも・・・ さー、アイジの冥福祈って寝よう・・・
918 :
Nana :01/12/27 02:05 ID:1SXgqe9Z
私も1さんに書いて欲しい 1さんお疲れさまでしたー!楽しみにしてます続き
919 :
Nana :01/12/27 02:05 ID:eHo+K24h
私も1さんのがいいです・・・ 我儘かもしれませんけど・・・
920 :
Nana :01/12/27 02:06 ID:0TwHUz3t
みんなこのスレをブクマクしておこうね!! 下がり具合を見てあげるのも忘れずに!! 1さんへ ここまで充を生かしてくれてありがと(はぁと 1さんマンセー!
921 :
Nana :01/12/27 02:07 ID:KIxI4BtS
>971 そうゆう風に残されたメンバーも出てきてくれると嬉しいな。きっと号泣。 個人的には竜太朗を失ったプラ木が見たい。
922 :
921 :01/12/27 02:08 ID:KIxI4BtS
>917の間違いでした(アセ
923 :
Nana :01/12/27 02:14 ID:bSnAPpif
>禿同!
924 :
Nana :01/12/27 02:18 ID:o6/G3lCI
私もプラ木のその後きぼん! 竜太朗はあっけなかったぶん・・・ね。
てゆうか明らかにこうやってるうちに1000逝く。
926 :
Nana :01/12/27 02:26 ID:PNjQk5wy
>925 ウン、どうしよう?
927 :
Nana :01/12/27 02:28 ID:dz1FusGz
来年1さんが更新できるようになったら 新たにpart2立てればいいんじゃない?
928 :
Nana :01/12/27 02:52 ID:TI9zgL/7
だね
929 :
Nana :01/12/27 02:54 ID:SucA6Xb9
私も1さんの書いた続きが読みたい! 927にマンセー。 ガクトとマナの友情劇も読みたい!!
930 :
Nana :01/12/27 03:19 ID:UQ5QKCoa
リアルタイムで読めなかったのだが・・・ 1さん、ジャンヌのユウチャソだしてくれてアリガトー(ハァト リクエストしたかいがあったYO!! ユウチャソカナーリカコイイ最期だったな・・・ 泣いちゃったYO・・・ヽ(`Д´)ノウワァァァァァン!!!! 私も最後まで1さんに書いて頂きたい。。。
931 :
Nana :01/12/27 06:04 ID:9jWrDani
今更だが・・・杉いい奴だったのね。 廃土に殺られる時はぜひ何か一矢報いてから死なせてやって下さい(ワラ
●あいえ(デッドマン)=眞呼に殺される。〜14人目 >217 ●アイジ(ピエロ)=キリトを裏切り清春と戦うが殺される〜33人目>666-668>673>675>681>684 ●青(カリガリ)=清春を刺殺・・・と見せかけ、清春に殺される〜8人目 >97-104 ●アヤ(ニューソドミー)=研次郎を爆殺。サキトを誤って殺す。ユナに怪我をさせられるが直後銃殺。潤に刺され直後潤を巻き込み自爆〜39人目>838>840 ●アリヒト(ブルー)=レビンに殺される〜34人目>702>704 ●イザム(シャズナ)=シークの足を撃つ。シークに止めを刺す。ダイシを刺す。スギゾ ーに殺される〜27人目 >453-454 ○ガクト=主人公 ●一志(カグラ)=松岡に殺される。〜32人目>641-642 ★キリト(ピエロ)=首謀者 ○京(ディルアングレイ)=ケイに右目を潰される。真矢を撃つ。清春を狙って・・・水死。と見せかけ生きてた。 ○清春(サッズ)=ユーキを刺殺。千聖を毒殺。青を銃殺。月森を銃殺。拓磨を銃殺。 大佑を銃殺。マサを銃殺。アイジを殺す 。 ●ケイ(バロック)=青を尊敬。京の右目を潰す。自爆。〜24人目 ●研次郎(カリガリ)=竜太朗とノイジーを銃殺。松岡に爆死させられた、と見せかけ生きていたがその後アヤに殺される。〜30人目>564-565>568 >631-633 ●こういち(ラピュータ)=ヤスに殺される。〜17人目 >225-229 ★コータ(ピエロ)=キリトの側近 ●紺(ラムール)=ダイシに殺される。〜25人目 >393-395 ●サキ(ブルー)=タイゾーに殺される〜35人目>704 ●サキト(デュール)=アヤに誤って殺される。〜31人目>632-633 ●櫻井敦(バクチク)=hydeに殺される。〜20人目 >246 ●さとち(ムック)=雅に殺される。〜12人目 >125 ●シーク(サイコロ)=イザムに足を撃たれる。スギゾーに撃たれ、イザムにとどめを刺される。〜26人目 >417>419>436 ●SHUSE(ラクリマ)=寝ぼけていて、爆死〜1人目 >10 ●潤(ピエロ)=ヤスを刺す。アヤを刺す。松岡を刺す。松岡に刺される。アヤに殺される〜40人目>838>840 ●じゅんじ(ラピュータ)=ヤスに殺される。〜18人目 >225-229 ●真矢(ルナシー)=銃で撃たれてかすり傷。京に腹を撃たれる。hydeに殺される。〜13人目 >155 ○スギゾー=シークを撃つ。イザムを殺す。ユーを銃殺。
●ダイ(エス)=ヤスに殺される。〜6人目 >86 ●ダイ(ディルアングレイ)=hydeに殺される。〜19人目 >244 ●ダイシ(サイコロ)=紺を銃殺。イザムに刺される。スギゾーを殺すと見せかけ殺せず 自殺。〜28人目 >461>463 ●タイゾー(フィール)=レビンと組みサキを殺す。直後レビンに裏切られ殺される。〜36人目>710>712-713 ●大佑(蜉蝣)=ヒデキを殺す。清春を銃殺・・・と見せかけ殺される。〜11人目 >122 ●拓磨(ワイズ)=清春に殺される。〜10人目 >118 ●千聖(ペニシリン)=清春に殺される。〜7人目 >92 ●月森(ワイズ)=清春に殺される。〜9人目 >118 ●テツ(ラルク)=マナに殺される。醜く。〜16人目 >224 ●ナオ(イルミナ)=銃で致命傷→爆死〜2人目 >35-36 ●ノイジー(マシンガンズ)=SHUSEの親友。研次郎に殺される。〜22人目 >250-253 ○hyde(ラルク)=眞呼を撲殺。ダイ(灰銀)を撲殺。敦を爆殺。真矢を撲殺。ユーを殺そうとする。 ●ヒデキ(シャムシェイド)=ガクトの親友。大佑に殺される。〜3人目 >42 ●藤田幸也(ジルス)=インディー界の頭。ナオを銃殺。ヤスに殺される。〜4人目 >54 ●眞呼(デッドマン)=あいえを刺殺。直後hydeに殺される。〜15人目 >217 ●マサ(ディアラビ)=清春に殺される。〜29人目>532 ○松岡充(ソフィア)=研次郎に致命傷を負わせる。一志を撲殺。潤に刺される。潤を刺す。ヤスを殺す。 ○マナ(マリスミゼル)=テツを銃殺。 ●雅(デュール)=さとちを銃殺。ガクトの前で自殺。〜23人目 >274 ●ヤス(ジャンヌ)=幸也を刺殺。ダイ(S)を銃殺。こういちとじゅんじを銃殺。潤に刺される。 松岡に殺される。〜41人目>898>901>904 ●ユナ(S)=アヤに怪我をさせるが直後殺される〜37人目>730>732-733>735>738 ●ユー(ジャンヌ)=hydeに殺されかける。スギゾーに自ら殺される。〜38人目>782>784-786 ●ユーキ(ジュラシック)=清春に殺される。〜5人目 >59-72 ●ヨシキ(X)=尊望の的。キリトによって殺される。 ●竜太朗(プラトゥリ)=真矢を尊敬。研次郎に殺される。〜21人目 250-253 ○レビン(ラクリマ)=タイゾーと組みアリヒトを殺す。直後タイゾーを裏切り銃殺。 ただ今41人+1人死亡。
934 :
名無し :01/12/27 11:05 ID:DodytBiq
イパーイ進行してるね! これからも楽しみアゲといきたいが、サゲ
>932-933 お礼言っとくべきなのかなぁ? 最初にガイド造ったのあたしなんだけどね・・・ リアルタイムで見てないとやっぱダメなのね。はん。 粘着っぽいぞ自分。逝くか。
936 :
Nana :01/12/27 13:55 ID:FnfHqzL8
リスト、鉄69の解説にある醜く。って!(バクワラ
もう41人も氏んでるのか・・・; 私も続きは1さんに書いて欲しいです。 そして続きは例の感想スレにうpして頂けると嬉しい。有効活用で…
938 :
Nana :01/12/27 14:42 ID:RWSRZydX
1日で今のところ全部読んでしまった。 マジおもしろい。感動。 Laputa K&Jとジャンヌyouちゃん 好きなんだけど 3人ともかっこよくってよかったvv
939 :
Nana :01/12/27 14:59 ID:Gk/xWTtt
>935 作ってくれたんだからお礼は言うべき。 自分で作りたいんなら適当なところで書き込めばいいじゃん。 そんでもしかぶったらケコーンするだけさ(w 私は最初に作ってくれたあなたにも感謝しているよ。 それで、私も続きは1さんにお願いしたいな。 言葉は悪いけど、ここまで書いて他の人に任せるのはやめてくれ〜!(;´Д`) もうまじではまってしまってるんだからさ。1さんの感性が好き。 感想スレに続きをうぷというのは同意。 そしてそこでは他の人は突発的な感想書き込み自粛ってことにしてほしい・・・ できたらもう1スレぐらいで終わらせてほしいと思うから。 質問スレと同じで、特定の人がずっと書き込むわけだから、 マンセーばかりだと粘着アンチがやってくる可能性もあるわけだし。
>939 いや、寝てたのよ(ワラ 起きたらもう書いてくれていたと言う・・・。 あ、寝てるのが悪いのか・・・規則正しい生活してるだけなんだけど・・・ うん。そうだぁね。 >932-933 の方には感謝してます。 そして939さんもありがとう。ナキ
941 :
Nana :01/12/27 15:12 ID:kvMBjzcg
ブックマーク入れときまほ!!
942 :
Nana :01/12/27 16:30 ID:BOSd6TtC
首謀者キリトを裏で操る黒幕は萬尊に1票(藁
>940 ごめんよ〜(ナキ そろそろ欲しいって人がいたから勝手に作っちゃった。 コピペさせてもらいました、スマソ。
944 :
Nana :01/12/27 18:18 ID:r5rfX219
ヤス氏なないでで!!!!!!!!!
945 :
Nana :01/12/27 18:21 ID:PNjQk5wy
>943 いやイイと思うよ。 940さんには悪いけどこのスレで絶対って1さんだけだと思うし。 2人ともお疲れ様。
>943 いやいや!!全然いいス! 結構1さんの書き込む時間と あたしの生息している時間が合わないので 丁度よくカキコできないんだよね; ありがとうございました♡ฺ♡ฺ これからもよろしく(謎
947 :
Nana :01/12/27 19:07 ID:FnfHqzL8
これにて一件落着〜(ワラ
948 :
Nana :01/12/27 19:29 ID:2W18FAQR
hydeが名前のとおり悪魔だ・・・。
949 :
なな :01/12/27 19:34 ID:YUUub3e9
アヤが出てて感動。 そしてアヤの死に方に感動。 個人的に1さんの書いた続きが読みたいです。
950 :
Nana :01/12/27 19:35 ID:Gk/xWTtt
>946 全然関係なくて悪いのだが、そのハートはどうやって出してるのか 教えてほしかったり・・・
>950 ♡ฺ &#9825&#3642を半角で。 >947さん はじめ皆さま ひえ〜、トラブルみたくしてしまって申し訳ありませんでした!!!
952 :
なな :01/12/27 19:49 ID:7Q9va9li
♡ฺ
953 :
なな :01/12/27 19:50 ID:7Q9va9li
ふつうのハートはどうやって出すんでしたっけ… 出し方忘れちゃいました…
>953 ♥ 9829; を半角で。1さん以外sageてね。
955 :
なな :01/12/27 19:53 ID:7Q9va9li
ありがとう!(謝謝)
だから下げないと・・・ みんなが1さんだと思って期待しちゃうからさ・・・
957 :
Nana :01/12/27 20:02 ID:twAklOdC
ハートの出し方だけじゃなく sageのやり方も知らないんじゃ・・・。 >なな E-Mail欄に半角でsageと入れてみ。
958 :
Nana :01/12/27 20:15 ID:Gk/xWTtt
>951 どうもありがとう♡ฺ 練習スレみたいになってしまって申し訳ないです(;´Д`)
959 :
Nana :01/12/27 20:15 ID:sZlXUeMT
UPしました。 はじめからは www.geocities.co.jp/AnimalPark-Shiro/7361/bt/btbt01.htm 600ぐらいからは www.geocities.co.jp/AnimalPark-Shiro/7361/bt/btbt27.htm 詳しくは、↓を見てください。 www.geocities.co.jp/AnimalPark-Shiro/7361/bt/bt.htm 1さんへ お疲れサマでした〜 これからもがんばってください 楽しみにしてます。
960 :
名無し :01/12/27 20:18 ID:WvIGpe54
1サソおつかれ! 私も全部1サソに書いて欲しいです。。。
961 :
四月演説 :01/12/27 21:39 ID:BSqBGYbQ
コスプレと隠蔽に邁進する親愛なるヴィジュアル系ファンの皆さん。(野次と罵声で偉大 なるキリトの言葉は二分間中断) 皆さん。(一分間中断) わがバンドを脅やかさんとする恥知らずな市場主義の輩が未だヴィジュアル系音楽界に 群れをなしています。 彼らは本来わがジャンルの一員となるはずだったスターアーティストを搾取し、騙し、 自らの市場主義の尖兵として洗脳し、ほしいままに操っています。(聴衆一同「オマエモナー」) そして、隙あらばヴィジュアル系音楽界のうちで最も知名度の高い我がバンドのメロディ を批判し、最高の結束力を誇るピエラーを滅ぼさんと、その狡猾さを剥き出しにし、姦計 をめぐらせているのであります。(聴衆のあちこちから「逝って良し」) さて、゛六十八番プログラム"は、そうした情勢下にあるわがジャンルには、ぜひとも必 要なイベントであります。 確かに、権力で集めたアーティストの命が幾千幾万と散ってゆくことについては、私自身 も血涙をしぼらずにいられません。しかし、彼らの命がこのジャンルの盟主、我らピエロ のファン離れを防ぐため役立つならば、彼らの失われた血は、肉は、神の御世より今に伝 えられましたる神風吹き荒れるわが本拠地に同化し、未来永劫、逝き続けるとは言えない でしょうか。(コピぺ、荒しの渦。一分間中断) ご存知の通りわがピエロにはミリオンセラーの方程式がありません。抑えはいずれも自作 自演、自責点のなすりつけと絶体絶命のピンチを提供する事への強靭な意志に燃える若き 志願者たちで構成され、彼らは日夜最前線でインディー落ちに身をさらしているのです。 プログラムを、一種の、そしてわがバンド唯一の勝利の方程式と考えていただきたい。 ピエロ離れを防ぐためには―――(後略)
962 :
Nana :01/12/27 21:43 ID:9A1rbvr0
1さんお疲れさま。 ダイシとシークの物語に感動した。。
963 :
1 :01/12/27 22:20 ID:rYSJ6j9f
「のど渇いたな。コーヒーでも飲もう。」 ガクトはアヤと別れた後、自販機の前に来ていた。 (コーヒーと言えばやっぱりキリンの『FIRE』だろ) そう思いながらボタンを押した、その時 「ボンッ」 爆発音と共に自販機がふっとび、破片が飛び散る。 「・・・っつ・・・」 ボタンを押した右手が負傷しただけで、幸い身体は無事だった。 (まさに『FIRE』だな) 苦笑いしつつ、そんなことをぼんやり考えていると 「ガクト?!大丈夫か?」 声のしたほうを振り向くと、そこにはマナが立っていた。
964 :
1 :01/12/27 22:22 ID:rYSJ6j9f
>961 あ、続き書いてくださるんですか? ありがとございます! とりあえず、ガクト、マナ編仕上げたので書いときます
965 :
1 :01/12/27 22:24 ID:rYSJ6j9f
「誰がこんな仕掛けしたんだろうな。・・・ったく、ばからしい。 なんかさ、もう全てが嫌になっちまったよ。 おまえも、もともとやる気ゼロだろ? それで、考えたんだ。このプログラムを失敗させればいいんだ、って」 「・・・え?失敗させる?どうやって・・・?」 ガクトは期待しつつ、尋ねた。 「このプログラムを確実に失敗させる方法はひとつ。」 ごくっと息を呑んでガクトは次の言葉を待つ。
966 :
1 :01/12/27 22:26 ID:rYSJ6j9f
「誰もこのプログラムに乗らなければ、成立しないさ」 ガクトはがくっ、っと肩を落とした。 マナは簡単に言うけれど、それが どれほど難しい事かをガクトはこの一昼夜の間に思う存分味わっているのだ。 が、マナは妙に自信ありげに言った。 「何とかなるって。大丈夫。現に、おまえのような やつだっているじゃないか。」 そう言われると、ガクトはくすぐったいような気がして、下を向いた。
967 :
1 :01/12/27 22:27 ID:rYSJ6j9f
「戦う気のないやつらだけ集めたいんだけど・・・・・・ でもそのためには、このプログラムに乗ってしまった相手を倒すしか道がないだろうな」 「え、倒すって、それって・・・・・・」 「放っておいたら、いつ隙を狙われるかわからない」 ガクトはそれでも、ちっちゃな声で食い下がった。 「なんとか話し合えないかな、そのやつらと」 「難しい、というか、現実的には不可能だろ。 乗ってしまったやつらは、他人を信じてはくれない。絶望的なまでにね。 せめて、良心を持ちつづけているやつらだけでも救いたいじゃないか」 あいまいにガクトは頷いた。 確かにマナの言うことは一面筋が通っている。 「さあ、一気に決着と行こうじゃないか」 そうマナは言い放った。 「決着?」 ガクトが問い返すと、己に言い聞かせるかのようにマナが檄を飛ばした。 「そう、ここで終わらせるのさ、こんなくだらない戦いは。 そしてこの悪夢のようなプログラムも」 「でも、どうやって?」 理解できないといった表情のガクトに、マナは真剣な面持で言った。 「呼ぶんだよ、ここに」 「呼ぶ・・・・・・?」 「そう。やる気になっている相手を、呼ぶ。こうして・・・・・・」 言うが早いか、マナは手に持っている六連装の拳銃を空に向かって 2発、間隔を置いて撃った。甲高く銃声が澄み渡った空に轟く。
968 :
1 :01/12/27 22:28 ID:rYSJ6j9f
「隠れろ、ガクト」 言われるままに、マナの後に続いてガクトは2つのデイバッグを手に 近くにあった車の陰に隠れた。 間もなく、遠くから静寂を打ち破る車の排気音が聞こえてきた。 どこから調達したのだろうか、真っ赤なオープンカーを駆って 何者かがそのまま柵の隙間から突入してくる。 敵はアクセルを踏んだまま、車内からバンバンと機関銃をばら撒いてきた。 すぐ鼻の先で銃弾の爆ぜる音がする。 そのうちのいくつかは彼らの隠れている車に着弾したらしく ガン、ガンと耳元から不協和音が響いた。 隣でマナが半身だけ身体を外に出して応戦している。 オープンカーはそのまま彼らの隠れている車の前を通りぬけ、 すぐそばで急ブレーキをかけて止まった。 交錯する際に見えたあの顔は、ラクリアのレビンだ。
969 :
1 :01/12/27 22:28 ID:rYSJ6j9f
ガクトはワルサーP38の銃身をぎゅっと握った。 すると再び、バンバンという音が轟いて 厄介な敵の到来を告げた。 弾は正確に車の周囲を叩いてきた。 ここからでは相手の姿が見えない。 相手にはこちらの居場所がばれている。 闇雲に撃ち返してもこのままでは弾の使い損だ。 「ガクト、いったん建物の陰まで退却しよう」 言うが早いか、マナが発砲しながら囮になるつもりか 見当違いの方角へ飛び出していく。 その一瞬の隙を突いて、ガクトも車の陰から飛び出し、近くの 建物の入り口へ転がり込んだ。 瞬発力、脚力に自信のあるガクトだから可能だった。 遅れていれば、鉛玉の雨でその場に釘付けにされていただろう。 少しして、マナも滑り込んできた。 「大丈夫か?」 ガクトの気遣いに、マナは余裕の笑みで応じる。 断続的にバン、バンと銃声がしていたが、やがて静寂が訪れた。
970 :
1 :01/12/27 22:29 ID:rYSJ6j9f
息を殺して、外の様子を窺う。車の辺りに動く影はない。 見失った? 軽いパニックに陥るガクト、しかしマナは冷静だった。 「レビンは僕達の行動を見ていたはず、油断するな」 言ったそばから、再びあのマシンガンの銃声が響く。 建物の側壁に無数の弾痕が開いた。また銃声がして、今度は 側壁の一部が吹き飛ばされた。内部までがら空きになる。 「回りこんだつもりか!? くそぅ!」 マナが牽制代わりに銃声のした方へ数発、撃ち返す。 ガクトも手持ちのワルサーP38でそれに続く。 緊張からか、銃撃の反動のせいか、手が震えていた。 けれど2人の抵抗などまったく意に介さぬように、バンバンと マシンガンによる狙撃が建物を襲う。 焦げ臭い匂いがして、壁や地面が傷だらけにされていく。 入り口近くにいたため、幸い被弾はしなかったが。 「マナ!」 ガクトが悲鳴に似た声をあげる。 マナは舌打ちした。 「だめだな、相手にはこちらが見えてるのかも・・・・・・逃げるぞ」
971 :
1 :01/12/27 22:31 ID:rYSJ6j9f
建物から撤退した2人は、なるべく遠くへと振り向きもせず走った。 「マナ、いったいどこへ?」 ガクトが息を切らせながら聞く。マナが怒鳴るように言った。 「どこでもいい、とにかく追いつかれない場所へ!」 火力が違いすぎる、逃げるしかない。 今にも後ろからまたあのバンバンという音が聞こえてきそうな気がして ガクトは耳を塞ぎたかったが、耐えながら走りつづける。 肩から担いだ荷物がやけに重く感じた。 「悪いな、ガクト・・・・・・計画ミスだったよ。 まさかあんな武器を持った相手がいるなんて・・・・・・」 ガクトは首を振った。 「いや、いいんだ。一人でいたら、きっと途方に暮れて 何もしないまま殺られてただろうし・・・・・・ マナのおかげで、戦ってやろうと思える力を貰えたから」 「・・・・・・ありがとう」 マナは照れくさそうに言った。
972 :
1 :01/12/27 22:31 ID:rYSJ6j9f
そして二人はベンチに隠れ、相手の様子をうかがった。 「・・・来たな」 そうつぶやいたマナの隣で、ガクトも確認すると頷く。 こちらめがけて駆け寄ってくる小さい人影が見えた。 黒光りするイングラムを小脇に抱えた男。 間違いない、レビンだ。 競うように2人はベンチから身を乗りだして、拳銃を構える。 先に火を噴いたのはマナの銃だった。遅れて、ガクトも撃つ。 耳が痛くなりそうな銃声の協奏曲。 『当たってくれ、頼む。』祈りながらガクトは引き金を何度となく引いた。 だが間合いが遠すぎるためか、弾は虚しく地上のコンクリートを叩く。 レビンは立ち止まる事なくこちらに向かってきたかと思うと そのまま滑り台に隠れた。
973 :
1 :01/12/27 22:32 ID:rYSJ6j9f
即座に、バンッ、と例のやつが来た。 慌てて身を屈める。 弾はベンチの足に弾かれて外れた。 息つく間もなく、反撃。 手を突き出して、カンを頼りに撃つ。 が、なかなかレビンまで届かない。 すぐまたマシンガンの掃射が飛んできた。 思わずガクトは首を竦める。 予備の弾を装填しながら、ガクトは強く思った。 死にたくない、負けてられない、こんな所で。 膠着状態のうちに、かちっ、とマナの銃が空撃ちする。 ホルスターに手をやり、マナは自分の迂闊さを呪いたくなった。 弾切れ? こんな時に。
974 :
1 :01/12/27 22:34 ID:rYSJ6j9f
「ガクト、バッグ借りるぞ!」 マナは反撃を続けるガクトの足元に転がっていた2つのデイバッグを開いた。 何でもいいから、武器を。 マナは縋りつくような思いでデイバッグの中をひっくり返した。 1つ目のバッグ、ガクトのバッグにはわずかな食料品しか入ってなかった。 駄目か、それでも諦めきれず2つ目のヒデキの形見のデイバッグを開く。 バーンという例の音がマナの焦りを増幅させる。 「マナ!」 もはやマシンガンの優位は押さえきれず、ガクトが悲痛な声をあげる。 神を罵りたい気持ちを堪えて、マナはバッグの中を掻き回す。 そして彼は、ヒデキのバッグの底に眠るそれに気付いた。 「ガクト、伏せろ!」 そう怒鳴ると同時に、マナは大きく振りかぶって、投げた。 訳もわからずガクトは床に伏せる。
975 :
1 :01/12/27 22:34 ID:rYSJ6j9f
数秒して、凄まじい轟音。 何事が起こったか理解できないままベンチにしがみつくようにして、ガクトは嵐がおさまるのを待った。 「・・・・・・やったぞ」 マナが言う。ガクトが、おそるおそる顔を覗かせると レビンの隠れていた滑り台の辺りは、跡形もなく四散していた。 きょとんとした顔でガクトが言った。 「マナ、今のは・・・・・・」 ヒデキのバッグの一番底に押しこまれていた物、それは手榴弾だった。 「そうか・・・・・・このバッグに・・・・・・」 興奮したように話すマナの言葉を聞きながら、ガクトは思った。 やっぱり最後まで、守ってくれたんだ、ヒデキ・・・。
976 :
nana :01/12/27 22:35 ID:LNvAVohv
あーレビン怖いよぅ(;_;)
977 :
1 :01/12/27 22:36 ID:rYSJ6j9f
二人は公園の入り口近くの 死角に隠れて次の誰かが現れるまで待つことにした。 ガクトは疲れきったように地面に座り込んでいる。 その隣でマナが、どこからか調達してきた予備弾を 再びその6連装の拳銃に装填していた。 そして、こともなげにつぶやいた。 「おまえの、負けだ。」 マナは手に持った拳銃をすっとガクトに向けた。 信じられない思いで、ガクトは突きつけられた銃口の先をみつめた。 思わず笑い出しそうになるのを抑えて、ガクトは言った。 「え、どういうことだ、マナ」 マナは表情を変えず、冷たく言った。 「ガクトと組んだのは、その方が有利だと思ったから。ただそれだけ」
978 :
1 :01/12/27 22:37 ID:rYSJ6j9f
―嘘だ、こんなの嘘だ。 マナは手に持った拳銃をもう一度、ガクトの額に向けて構えなおした。 マナのあの燃えるような言葉がすべて嘘だなんて、そんなはずがない。 戦闘のさなか、俺を絶えず気遣ってくれたあの気持ちは、絶対に打算なんかじゃない。 「だ、だから・・・・・・」 あれ? とガクトは思った。 マナの口調が途切れがちになり、よく見れば足も震えている。 突如として、マナの身体が崩れ落ちた。 「マナ!」
979 :
1 :01/12/27 22:40 ID:rYSJ6j9f
ガクトが抱き起こすと、マナの腹に大きな血の染みができていた。 いったい何時から? まさかあの戦いの途中で? マナが弱々しく、それでもお道化ながら言った。 「あーあ、このまま騙し通したかったんだけど・・・ も、持たなかったな、僕の身体。 ガクトが僕を憎んで、う、撃てば、全部きれいに・・片付い・・たのに・・・」 「マナ!! いやだ、いやだ!」 ガクトはまた泣いていた。このプログラム開始以来、どれほど泣いただろう。 マナはわずかに顔を傾けてそんなガクトの顔を慈しむようにみつめた。 「おまえは、今の調子で頑張って・・売れつづけて・・くれ・・・ でも・・昔・・一緒にバンドやってたことは・・忘れないで・・・・・・」 マナは途切れ途切れにそう言いながら、息をひきとった。 いくらガクトが揺すっても、もうマナは反応しなかった。
980 :
nana :01/12/27 22:47 ID:LNvAVohv
あーマナさん良い人!! マジ泣き入りました・・・。 1さんありがとう!
981 :
Nana :01/12/27 22:49 ID:AbJsM3OC
Mana様ぁあーーー!!!!(ゴウナキ …駄レススマソ
982 :
Nana :01/12/27 22:52 ID:2W18FAQR
マナが死んじゃったよぅ・・・(シクシク 1さんへプラ木の生き残ってる方々を出してください、お願いします。
983 :
Nana :01/12/27 22:53 ID:M8ik72Lc
マナティ・・・最期まで男だね、ヽ(`Д´)ノウワァァン!!
984 :
Nana :01/12/27 23:02 ID:T/z9wWVy
遊汝殺したぁぁぁ橙も死んだァァ(藁
マナキモイ。死んでくれてありがとう
986 :
Nana :01/12/27 23:19 ID:4wj7SQEy
987 :
Nana :01/12/27 23:20 ID:OBHCRKBN
ヤパーリ続きは1さんがいいなぁ。 みなさん、気長に更新まちましょうよぅ。餅でも食いつつ。
988 :
961 :01/12/27 23:27 ID:sKVy+ncG
>1サン あ、いえ、続きじゃないんです(アセ なんとなく思いついたんで書いてみたくて・・・あ、でもこのスレではキリト総統じゃないじゃん 紛らわしくてすみませんでした! このスレのバトロワも良いけど、本編に即したヴィジュ版バトロワ書いてみたいな〜・・・
989 :
Nana :01/12/27 23:38 ID:S6Cjuhkp
1サン、続きを書いてくれはったんですね! ありがとうございます!気長に待ってますv
990 :
nana :01/12/27 23:38 ID:LNvAVohv
>988 それじゃぁまたアナタが書いてみれば?(バク 961全部自分で書いたのだとしたら凄いと思うし でも本編に即しちゃうとあんま面白くない鴨と思ってしまう。 本編知りすぎてるし。 また新たに書いた方が面白いのでは?
991 :
961 :01/12/27 23:47 ID:sKVy+ncG
>990 本編とはいってもですね、100%即するつもりはありません。所々オリジナル入れて。 新たに書くとキリがないんで、本編知ってる人も知らない人も楽しめる感じに 書きたいなぁなんて…それに自分は新たに書けるほど文才もないですし。
992 :
nana :01/12/27 23:53 ID:LNvAVohv
>991 や、でも961オリジナルで作ったのだとしたら カナリ文才あると思いますよ? まぁアナタがやりたいのならやりたいようにやってみれば? で、上手く出来たらウpしてみれば? 私は読んでみたいんで(藁 てかもうすぐ1000逝くやん。 どーするん? もう書かない方がいいかな? 1000逝ったら最近すぐ削除されちゃうし...
993 :
Nana :01/12/28 00:09 ID:ywp7V0xb
要望スレのURLどなたか貼って下さい。 ブックマークしてる方。 そこで待ちましょう。
994 :
961 :01/12/28 00:11 ID:Iqg/4wDp
995 :
Nana :01/12/28 00:26 ID:Yg1wqqbx
自分でサイト作れば?>961 2ちゃんにアド貼ってくれれば読みにいくし。
996 :
Nana :01/12/28 00:30 ID:PYAwpHWa
>995 同意。 次に使うスレにでもアド貼ってくれ、961タン。
997 :
961 :01/12/28 00:32 ID:Iqg/4wDp
>995 自分でサイトかぁ・・・ 内容が内容だけにそこまでしたくないというのが正直(ワラ まあいいや、自分で書いて自分で楽しみます。お騒がせしました。 て優香今更だけど1さん頑張ってくださいねー!応援してます!
998 :
Nana :01/12/28 00:33 ID:/j3sQkoj
面倒だったらどこかのさびれた2ちゃん形式の掲示板でもいいかもね。 感想レスも付けやすいし
999 :
Nana :01/12/28 00:34 ID:PYAwpHWa
でも読みたいよ。 JBBSとかはどう?961タン
1000 :
千日前 :01/12/28 00:41 ID:yh2SxfVe
滋賀の人見てー
1001 :
1001 :
Over 1000 Thread このスレッドは1000を超えました。 もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。