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583goblet
>>576さん(>>582-584 kyupin >>585 goblet)

【この質問に関してはkyupin先生のお答えは引用させて頂きます】
 まとめとして、私の補足は最後にします。

近年の考え方は、「うつ病の人は脳内の神経伝達物質の枯渇状態があり、
そのため代償性に(脳内の伝達物質の)レセプターが増加している」と
いうもの。(ちょっと専門的ですいません)

抗うつ剤、特に3環系抗うつ剤やSSRIの投与後、すぐに効果が出ない理由
として、ダウン・レギュレーションという概念がある。

これは、SSRIなどの抗うつ剤は神経末端の神経伝達物質を増加させるが
それだけではすぐに変化が起こらず、この後、レセプターの数が減って
きて初めてうつに対する効果が出現する、というもの。

だから、似た効果をもつ抗うつ剤を合わせて服用した場合、相乗効果と
いうより、むしろ単に薬を増やした結果に等しい感じになると思う。

もともと分裂病に比べ、うつ病については多剤併用はあまり行われていない。
抗うつ剤は効果が基本的に似ているので、分裂病よりは意味が少ないから
だろう。 (kyupin)
584goblet:2001/07/29(日) 23:14
だからといって、2種類以上の抗うつ剤を使用するのがいけないという
わけではない。僕も2種類以上使うことがあります。

僕は少ない量をダラダラ使うのは嫌いなので、一種類の抗うつ剤をしっかり
した量使うことが多いですが。

現在発売されてないですすが、MAO阻害薬はSSRIなどと併用禁忌です。医師が
出したものならば、2種類以上処方されていたとしても大丈夫と思います。

抗うつ剤でも割に眠くなるタイプのものがあって、睡眠を改善するために夜
だけそういったタイプを併用することもある。(テトラミド、デジレルなど)

数種類併用している処方でも、明らかにおかしいような処方は案外少ないです。

脳内物質がぐちゃぐちゃに成ったなんてことはないと思います。w (kyupin)
585goblet:2001/07/29(日) 23:15
ところで、このダウン・レギュレーションという仮説は僕はあやしいもんだ
と思う。

というのは、最近発売のSNRIのトレドミンはいやに効果が早くて、この仮説で
は説明できないからだ。(3〜4日で効果が出る)

ドグマチールも効果が早いが、これは上の仮説で説明できる機序で効果が
発現するとは思わないので、例外的な薬物と思っていた。ドグマチールは
効果が弱いしね。

SSRIやSNRIは、基本的に神経末端部位の伝達物質を増加させるので、ほとん
どすべての薬物で効果が遅れないと、ダウン・レギュレーションの仮説が
崩れてしまうと思う。

逆にいえば、こういった効果出現の早い薬物の出現をみれば、上記概念に
沿わない劇的な抗うつ剤の存在を暗示していると個人的には思っている。

おそらくトレドミンは従来の考え方によらない抗うつの機序があると思う。
(kyupin)