収入なく水も止められ、３０代姉妹が餓死

「85年8月、東京都足立区の都営団地の一室で、腐敗したふたりの女性の死体が発見された。ふたりはそれぞれ25歳、23歳の姉妹で、死因は餓死だった。（略）遺体のそばには姉の字で「死んでやる」とだけ書かれた古い封筒があった。

（略）母親は病弱、父親は事業に手を出し、ほとんど家に戻らず、母子家庭同然の状態で生活保護を受けていた。もともと自閉症気味だった妹は中学に入ると手ひどいいじめにあい、学校を休みがちになった。姉は母親の看病をしつ、妹を励ましつつ、自分は商業高校に進学。しかし高3のとき父親が莫大な借金を抱えて帰ってきて、翌年にガンで死んだ。同時期に妹はバセドー病にかかり、姉の就職を期に生活保護も打ち切られた。」

「姉は妹と母親の医療費の支払と父親の残した借金の返済に追われた。その仕事熱心さは職場でも評判だったが、11万円の月収では賄いきれず、サラ金に手を出す。やがて返済金額は300万にも膨れ上がり、職場には催促の電話がかかった。しかしそれでも姉は熱心に仕事を続けた。

　母親は83年についに病死、しかし遺骨の受け取りは親戚から拒否された。この頃から徐々に姉も生活に嫌気がさしてきた。（略）10月には隣室に食物を恵んでもらいに行ったが、しばらくして近所の人が心配して声をかけたときは「もう構わないで」と答えた。（略）団地のすぐそばには地区の福祉事務所があったが、相談に行くこともなかった。」

もし借家を持っていたのに家賃を払ってもらえなかったのなら
借家人こそ糾弾されるべきだ。決して水道局の職員や電力会社、ガス会社ではない。

「　…唖然とさせられるほどの不幸である。餓死という自殺手段は、このくらい悲惨な事が続いてはじめて選べるものだ。疲れ果ててしまって心中する気力もないのである。

（略）彼女（注：姉）の人生は、自殺を肯定するか否かの踏絵のようなものだ。無論生きようと思えばそれなりに可能だったはずだが、彼女は助けを拒んで死を選んだ。（略）彼女の「死んでやる」の一言に対して切り返す言葉は、たぶんない。」

「完全自殺マニュアル」鶴見済　太田出版　1993

この本のなかで一番衝撃を受けた事例でした。
もちろん、今回の事件はまた事情が違うのでしょうが、まあ、こんなこともあったのだ、ということで。
なお、如月小春がこの事件を題材に戯曲を一本書いています。「MORAL」に収録。

>>362
>悪いと思うのは生活保護＋枠内の収入てのが一定なとこ。その金額
>以上の給与もらえない限り生活保護に頼り切るから悪循環。
>がんばればそれなりに段階的に受給も減るけど段階的にはトータルの収入が
>あがる、とかそういう工夫できないもんですかね。

生活保護費は一定の枠じゃないよ。
働けば働くほど収入が増えるようになっている。
その制度を悪用して、生活保護を切られない程度にしか働かない人が多いんだよ。

日本は借家人のほうが保護されるからな。

>>366-379
俺もこの記事見て、真っ先にそれ思い出した｡

>>370
相談を受けたときには１０万円以内なら、というのを必ず聞くので
（もっとも名義を複数集めるからそれ以上という話は多い）収入が
一定金額以上になればＮＧと理解していました。個人的には雇っ
たことありませんが段階的になっているんですか？

>>373
収入があっても段階的に控除できるようになっています。

生活保護を受けるまで落ちぶれても、生きる価値があるか？


それが問題の本質だ。

>>375
生活保護を受給している人が落ちぶれているというより実感としては
生活保護さえ受給してないで落ちぶれている人の方が多いです。

生きる価値云々は不明です。

>>999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999

>>374

勉強になりました。ありがとうございます。

彼らの言い分では働いて収入を得るとトータルの収入が減って生活
が苦しくなる、だったです。

>その制度を悪用して、生活保護を切られない程度にしか働かない人が多いんだよ。

これ、なんとかならないですかね。

心無い人が多いですね・・・
レスを読んでいて悲しくなりました。
人ってもっと優しいものだと思います。
きっとあなたも普段は優しいあなたなのでしょうね。
そう信じさせて下さい。