栞の幸せこそ我が幸せ@栞スレpart3

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「全く、あんたって娘は……」
「でも、許してもらえて良かったですー」
栞の妊娠が発覚して早や一ヶ月。色々な騒ぎがあったが、水瀬家の家主の人柄と、
繊細そうに見えて意外にアバウトな美坂家の両親のおかげで、案外すんなりと話がまとまってしまった。
「でも、栞。あんた本当にそのまま学校に行くつもりなの?」
「はい! 学生ママさんなんて、ちょっとかっこいいですよね」
「全然かっこ良くないわよ……」
学年トップの成績の生徒の妹が学生ママ。香里は思わず長い溜息をついてしまう。
それに、香里にはもう一つ気がかりな事があった……。

「きゃっ」
突然香里の体がふらつくと、ペタン、と廊下に座り込んでしまった。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
栞は人差し指を口に当て、恐る恐る香里の顔を覗き込んでいる。
「だ、大丈夫よ。ちょっとつまづいただけ……」
「ふーん」
「ちょっと! その”ふーん”は何よ!?」
「何でも無いですー♪ さて、これから祐一さんの所に行ってきますね」
「栞! 待ちなさい!」
栞は姉の言葉を無視して、とてとてと廊下を走り、そのまま玄関から出て行ってしまった。
「……」
あの口癖は危ない。自分と同じだから良く分かる。間違いなく栞は何かを知っている。
そういえば、先程自分の顔を覗き込んだ栞の目は、悪戯っぽく笑っていなかっただろうか?
香里はまたもや溜息をつくと、のろのろと自分の部屋に向かった。
260227:2001/08/19(日) 20:11
自分の部屋にたどり着くと、香里はベットの上に体を投げ出し、ぼーっと天井を見上げた。
もう一つの気がかりな事。
ここしばらく”アレ”が無かった香里は、数日前、万が一を考え妊娠判定薬を買って来ていた。
それを試した結果は……。
「相沢君…おぼえてなさいよ」
逆恨みっぽい言葉をつぶやくと、香里はこれからの事について考え始めた。

学年トップの成績で、学生ママ。
「お姉ちゃん、おめでとうございますー!」
栞は間違いなくこう言って、心から祝福するだろう。
「香里はもうお母さんなんだから、体を大事にしなきゃダメだよ〜」
名雪はそう言って、何だかんだと世話を焼くだろう。
卒業式には羽織袴を着て赤ん坊を抱え出席、その横には同じく赤ん坊を抱えた栞が……。
「嫌ああああああああああああああああああああっ!!」
幸せだか何だかよく分からない妄想に身悶えしながら、ベットの上を転げ廻る香里だった。


>>229-231
まさかリレーになるとは。でも最近、かおりん萌え属性になってきました(笑
>>245さん
やっぱり何度書いても、しおりんは小悪魔になってしまいます(苦笑