投票によって選出された参加者は以下の通り。
主催者:荒木飛呂彦
舞台:杜王町
地図:
ttp://www26.atwiki.jp/bizarre/pages/4.html 【第一部:ファントムブラッド】4/7●ジョナサン・ジョースター/●ロバート・E・O・スピードワゴン/○ウィル・A・ツェペリ/○ダイアー/○ジョージ・ジョースター1世/●黒騎士ブラフォード/○タルカス
【第二部:戦闘潮流】4/7 ●ジョセフ・ジョースター/○シーザー・アントニオ・ツェペリ/○シュトロハイム/○リサリサ(エリザベス・ジョースター)/●ストレイツォ/○ワムウ/●カーズ
【第三部:スターダスト・クルセイダーズ】8/10 ○空条承太郎/○モハメド・アヴドゥル/○花京院典明/○J・P・ポルナレフ/○イギー/ ○ホル・ホース/○ミドラー/ ●ペット・ショップ/●ヴァニラ・アイス/○DIO
【第四部:ダイヤモンドは砕けない】7/9○東方仗助/○広瀬康一/○虹村億康/○岸辺露伴/●山岸由花子/○墳上祐也/○ヌ・ミキタカゾ・ンシ/○虹村形兆/●吉良吉影
【第五部:黄金の風】7/9 ○ジョルノ・ジョバーナ/○ブローノ・ブチャラティ/○ナランチャ・ギルガ/○トリッシュ・ウナ/●プロシュート/●ギアッチョ/○リゾット・ネェロ/○セッコ/○ディアボロ
【第六部:ストーンオーシャン】 8/9 ○空条徐倫/○エルメェス・コステロ/○ウェザー・リポート/○F・F/○ナルシソ・アナスイ/○エンリコ・プッチ神父/○ジョンガリ・A/●スポーツ・マックス/○リキエル
【残り38人】
第1条/キャラの死、扱いは皆平等
第2条/リアルタイムで書きながら投下しない
第3条/これまでの流れをしっかり頭に叩き込んでから続きを書く
第4条/日本語は正しく使う。文法や用法がひどすぎる場合NG。
第5条/前後と矛盾した話をかかない
第6条/他人の名を騙らない
第7条/レッテル貼り、決め付けはほどほどに(問題作の擁護=作者)など
第8条/総ツッコミには耳をかたむける。
第9条/上記を持ち出し大暴れしない。ネタスレではこれを参考にしない。
第10条/ガイドラインを悪用しないこと。
(第1条を盾に空気の読めない無意味な殺しをしたり、第7条を盾に自作自演をしないこと)
以下の主張はナンセンス。
人気キャラが弱いキャラに殺されるのが嫌
投票を得たキャラが無下に殺されるのが嫌
能力、支給品に差がありすぎるのは平等ではない
【基本ルール】
全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
勝者のみ元の世界に帰ることができる。
ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
開催場所は、荒木のスタンドで作られた異次元世界であり、外に逃れることは不可能である。
開催場所は、杜王町。
MAPはこちら
ttp://www26.atwiki.jp/bizarre/pages/4.html 【首輪と禁止エリア】
プレイヤーは全員、荒木のスタンドで作られた首輪を取り付けられている。
首輪の爆弾が発動すると、そのプレイヤーは死ぬ。(例外はない。爆発後にC・ダイヤモンドで治す等は不可能)
この首輪はプレイヤーの生死を常に判断し、荒木にプレイヤーの生死と現在位置のデータを送っている。
また、プレイヤーには説明されないが、実は盗聴機能があり音声・会話は荒木に筒抜けである。
首輪が爆発するのは、以下の条件の時である。
荒木が放送で指定した禁止エリア内に、プレイヤーが入ったとき。(首輪が自動で爆発)
首輪を無理やり取り外そうとしたとき。(〃)
24時間で、一人も死者が出なかったとき。(全員の首輪が一斉に自動で爆発)
プレイヤーが、荒木に不利益な行動をとろうとしたとき(荒木本人がスイッチを押すことで、手動の爆発が可能)
【放送】
放送は6時間ごとに行われる。
放送内容は「禁止エリアの場所と指定される時間」「過去6時間に死んだキャラ名」「残りの人数」
禁止エリアは一度の放送で3区画ずつ(2時間ごとに1区画ずつ)増えていく。
【主催者】
荒木飛呂彦。使用するスタンドは『バトル・ロワイヤル』。
破壊力B 持続力無限大 スピードC 精密動作性C 射程距離無限大 成長性D 空間変化系
能力…指定した空間内を外界から孤立させる。脱出するには発動時に定められた条件をクリアするかスタンドを解除させるしかない。
【参加者】
参加者は、上記の通りこれ以上の増員は絶対に認められません。
参加者の容姿、記憶、能力は、そのキャラクターを最初に書いた人に委ねられます。
(例:東方仗助・4部終了後 ジョルノ・ジョバーナ:ブチャラティに会う前)
そのキャラクターを最初に書く人はいつから来たのか明言を、
続けて書く人は前の話をよく読み時間軸の矛盾が起こらないように注意してください。
ただしそのキャラクターが選出された部内での時間軸にしてください。
よって3部代表の承太郎は4部バージョンや6部バージョンで出ることは認められません。
また、「作中で死亡したキャラクターが生き返った」は無しです。
あくまで死亡する前の時間軸から連れてきただけになります。
よってキャラクターは誰に殺されたなどの記憶はありません。
【能力制限】
スタンドは、スタンド使い以外でも視認可能。ただし、接触・破壊はできない。
柱の男は、頭を潰されれば死ぬ。
肉の芽、GER、バイツァダスト、メイド・イン・ヘブンは使用不可能。カーズの究極生命体化も不可。
【支給品】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給される。
「食料(パン数個)」「飲料水」「懐中電灯」「開催場所の地図」「鉛筆と紙」「方位磁石」「時計」
「デイパック」「名簿」「ランダムアイテム」以上の9品。
【ランダムアイテムについて】
「ランダムアイテム」は『ジョジョ作中に登場するアイテム』『日用品』『現実の武器』等から選択。
猫草、ココ・ジャンボなどのスタンド能力を持つ支給品を登場させてもOK。
ただしアヌビス神はキャラを乗っ取ってしまうという性質上不可。
連載中のため今回参加を断念したSBRも支給品のみなら可。
『参加者に能力を付与してしまう可能性』のあるアイテム(石仮面・弓と矢・聖人の遺体など)は不可
予約(仮)
キャラ被りを防ぐため、自分の書きたいキャラクターを予約することができます。
例 【予約】:空条承太郎、DIO
期間:予約当日から三日間。予約期間後は、他の人が予約または投下してもOKです。
予約しなくても投下することはできますが、その際は他に予約している人がいないか十分に確認してから投下しましょう。
一週間予約
@期間→1週間。その後は他の人が投下してもOK(一言断って貰えると助かる)。
A権利→本編で2作以上採用されている作者のみ。新人はまず2回採用を目指そう。
B途中報告→2〜3日目に1回と、5〜6日目にもう1回。
C間に合わなかったときのペナルティ→次回だけ予約の期限が3日以内に。
*間に合わなくても、投下しても構わない。その代わり、なるべくお早めに。
*その際も、途中報告をちゃんとする。
トリップ
投下後、作品に対しての議論や修正要求等が起こる場合があります。
書き手は必ずトリップをつけてください。
投下宣言
投稿段階で被るのを防ぐため、投稿する前には必ず議論スレで 「投下します」 と宣言をして下さい。
いったんリロードし、誰かと被っていないか確認することも忘れずに。
キャラクターの参加時間軸
このロワでは登場キャラクターがいつの時点から召集されたかは「そのキャラクターを最初に書いた人」にゆだねられます。
最初に書く人は必ず時間軸をステータスにて明言してください。ステータスについては下記。
ステータス
投下の最後にその話しに登場したキャラクターの状態・持ち物・行動指針などを表すステータスを書いてください。
テンプレはこちら。
【地名・○○日目 時間(深夜・早朝・昼間など)】
【キャラクター名】
[スタンド]:『名前』
[時間軸]:ここはキャラの登場時間軸。できるだけわかりやすく
[状態]:(ダメージの具合・動揺、激怒等精神的なこともここ)
[装備]:(武器・あるいは防具として扱えるものはここ)
[道具]:(ランタンやパソコン、治療道具・食料といった武器ではないが便利なものはここ)
[思考・状況](ゲームを脱出・ゲームに乗る・○○を殺す・○○を探す・○○と合流など。複数可、書くときは優先順位の高い順に)
【作中での時間表記】
深夜:0〜2
黎明:2〜4
早朝:4〜6
朝:6〜8
午前:8〜10
昼:10〜12
日中:12〜14
午後:14〜16
夕方:16〜18
夜:18〜20
夜中:20〜22
真夜中:22〜24
【現在の座標】
『深夜』
【C-2】<アイスクリーム屋周辺>●黒騎士ブラフォード [28話/1日目深夜]
【D-2】<鋼田一の鉄塔傍>●スポーツ・マックス [21話/1日目深夜]
【D-4】<露伴の家付近>●ストレイツォ [5話/1日目深夜]
『深夜〜黎明』
【C-9】<別荘地帯(室内)>●スピードワゴン [7話/1日目深夜〜黎明]
『黎明』
【D-4】<岸辺露伴宅−仕事場>●ヴァニラ・アイス [26話/1日目黎明]
【D-5】<公衆電話前>●プロシュート [30話/1日目黎明]
【G-5】<虹村家前路上>●ペットショップ [32話/1日目黎明]
『黎明〜早朝』
【E-3】<杜王駅西口広場>●山岸由花子[37話/1日目黎明〜早朝]
【H-5】<杜王町南>トリッシュ/シーザー[44話/1日目黎明〜早朝]
『早朝』
【C-4】<ぶどうヶ丘病院前>リキエル/噴上裕也[41話/1日目早朝]
【C-5】<杜王町の街中>●ジョナサン/シュトロハイム[41話/1日目早朝]
【C-8】<別荘地帯>●カーズ [29話/1日目早朝]
【D-3】<線路脇ビル群の路地(吉良とギアッチョの死闘跡)>ウィル・A・ツェペリ/リサリサ[48話/1日目早朝〜朝]
<線路脇>●吉良吉影/●ギアッチョ [40話/1日目早朝]
【D-5】<市街地>エンリコ・プッチ[43話/1日目早朝]
【E-6】<杜王町東の病院>アヴドゥル/ダイアー/虹村億泰[36話/1日目早朝]
【E-7】<杜王グランドホテル(1406号室 and 屋上)>ジョージ/ホル・ホース [34話/1日目早朝]
【F-3】<杜王駅近くの民家>セッコ/ウェザー・リポート[47話/1日目早朝]
【G-7】<路上>花京院典明[46話/1日目早朝]
【H-6】<橋から街中心部方向に向かう道>ワムウ/タルカス/ヌ・ミキタカゾ・ンシ[45話/1日目早朝]
『早朝〜朝』
【F-4】<F-3とF-4の境界付近の路地>F・F/ジョンガリ・A[51話/1日目早朝〜朝]
【H-3】<橋の入り口>空条徐倫/ミドラー[55話/1日目早朝〜朝]
『朝』
【C-8】<吉良邸前の道路>ナランチャ[52話/1日目朝]
<吉良吉影の家>DIO[59話/1日目朝]
【E-3】<杜王駅駅前広場>アナスイ[61話/1日目朝]
【E-4】<駅前広場入り口付近>広瀬康一/イギー/岸部露伴[61話/1日目朝]
【F-4】<ムカデ屋二階>空条承太郎[60話/1日目朝]
【G-2】<住宅地>エルメェス/東方仗助/●ジョセフ[58話/1日目朝]
【G-5】<虹村邸跡の前の路上>虹村形兆/ブチャラティ[57話/1日目朝]
【H-4】<民家>ディアボロ[54話/1日目朝]
『朝〜午前』
【H-7】リゾット[56話/1日目朝〜午前]
『午前』
【D-3】<D-2とD-3の境目付近の湖のほとり>ジョルノ/ポルナレフ[53話/1日目午前]
投下完了です。
>>1 ありがとうございます。ホント感謝です。
お言葉に甘えて、新スレ初投下いきます。
「出血が・・・止まらない・・・」
放送の後、花京院典明は民家で休息をとっていた。
改めて傷の処置をし、食料のパンを胃に押し込んだ。
「これから・・・どう動くか・・・」
じきに赤く滲んでゆく止血帯を見ながら、花京院は考える。
考えることによって、ともすれば薄れそうになる意識を押し留めるために。
「何処にいる・・・承太郎・・・?」
一刻も早く仲間と合流し、荒木を倒すための策を練らねばならない。
「ポルナレフ・・・会えるのか・・・僕は・・・」
『磁力』を操る敵から受けた傷は、頭部を含め全身に及んでいる。
このままでは、仲間に出会うまえに、自身が殺されてしまう可能性が高い。
「いや・・・それより先に・・・失血死・・・か・・・」
たった6時間のあいだに、13人もの人間が死んだ。殺しあいの末に。
自分もいずれは・・・重症を抱えた花京院が、そう考えたのも無理はない。
「ジョセフさん・・・!」
敬愛するジョセフの死が、彼の不安をいっそう駆り立てていた。
心の奥底に棲みついた不安は、さらに致命的な『臆病さ』を生む。
「・・・どうして・・・あまりに・・・早すぎる・・・!」
他愛のないジョークを飛ばすジョセフの姿が、脳裏に浮かんでは消えてゆく。
体力は、少しは回復した。しかし花京院は、立ち上がることができなかった。
「ジョセフさんが死んだ・・・あの機知に富んだ、ジョセフ・ジョースターが!
僕もこのまま・・・仲間を探し当てることも・・・できずに・・・」
悲痛は激しさを増し、彼を自暴自棄に陥らせるかに見えた。
しかし、
「・・・いや・・・僕は・・・」
ジョセフの死は、いつしか花京院に『覚悟』をもたらしていた。
心を刺すような悲しみは、一転して冷静沈着な怒りへと変わっていた。
「・・・どうやら・・・勘違いをしていた・・・」
『臆病さ』はいつも、花京院の卓越した『思考力』の裏返しにほかならない。
「このままでは・・・遅かれ早かれ・・・失血死する・・・それは『確実』・・・そう・・・
『味方に攻撃すれば目を覚ます』・・・それくらい『確実』なんだ・・・!」
見知らぬ町に放りだされた不安によって、無意識のうちにわずかに乱されていた彼の思考
は、しだいに温かさを増してゆく朝日のなかで、落ち着きを取り戻しつつあった。
「いま・・・重要なのは・・・『仲間を探す』・・・こと・・・じゃあなかった」
花京院はおもむろに地図を広げると、記憶にしたがって目を走らせる。
「・・・重要なのは・・・この最悪の・・・状況を・・・『生き延びる』ことだ」
・・・そして、伝えることだ・・・『誰か』に・・・荒木の秘密を・・・」
『法皇の結界』に、再び活力がよみがえる。
「そうだ・・・仲間を・・・なんてのは・・・僕の『甘え』にすぎなかった。
承太郎たちで・・・なくてもいい・・・『誰か』に伝えれば、『意志』は受け継がれる。
たとえその場で・・・僕が・・・殺されるとしても!」
死を覚悟した花京院の眼は、これまでにない『決意』に満ちていた。
「・・・だとすれば・・・一番近いのは・・・」
地図を閉じ、結界を保ったまま、民家を後にした花京院は進路を北に向けた。
*********
この俺、ホル・ホースは『拳銃使い』だが、『狙撃手』じゃねえ。
ほとんどの奴等はそこんトコを勘違いしてるようだが、おなじ『銃』でも拳銃と狙撃銃
はまったくの別モンだぜ。なにが言いたいかっていうとだな、だから当然、『拳銃使い』が
『狙撃』も得意と決まってるわけじゃねえってことだ。
言い訳じゃねえぜ。
俺はたんに『事実』を述べたまでだ。俺は根っからの『拳銃使い』、それは『事実』さ。
だが遠距離での『狙撃』はできねえ、それもまた紛れもねえ『事実』だ。
だから、俺にとっちゃこの狙撃銃はとんだ「宝の持ち腐れ」ってやつだ。作りからしても
おそらく、かなり性能の良いものに違いない。射程距離は1キロってとこか? おまけに、
このスコープの倍率ときたら! 軍隊も真っ青のシロモノだぜ。
もちろん『狙撃銃』だからって、引き金も引けねえってわけじゃあねえ。だが、さっきの
野郎をぶち抜いたときみたいな目に遭うのは、もう御免こうむりたいね。はずれた肩はなん
とか入れたが、痛みがひどい。これじゃあ、この狙撃銃でまともに狙えるのはせいぜい200
メートルが良いトコだろう。まったく、俺としたことが情けない話しだぜ。
このホテルを中心に半径200メートルが、俺の『テリトリー』というわけだ。
まぁもっとも、いま独りきりの俺には、戦う気なんざ微塵もないがね。
俺はもともと、誰かと『コンビ』で力を発揮するタイプだからな。
このホテルの屋上にいるのは、あくまで『見張り』のためだ。『見張り』に徹するっての
は、あんまり上等な役回りじゃねえが、生き残るためには仕方がない。客室でおネンネして
るジョースターの旦那が、回復するまでの辛抱ってわけさ。
そういえば、放送で『ジョセフ・ジョースター』が死んだって話してたな。確か承太郎の
祖父に当たるジジイだったか。それに、『ジョナサン・ジョースター』もだ。こいつは確か、
ジョースターの旦那の息子だったな。『アイス』ってのもやられたようだが・・・俺には関係
のない話しだ。みんなまとめて、ご愁傷さまってやつだぜ。
ジョースターの旦那が目を覚ましたら、放送の内容は伏せておいたほうがいいかもな。
とことん利用してディオに取り入ってやるぜ。いや、ここはひとつ承太郎たちを言い含め
てやるってのも、快感かもしれないが。まぁ、ゆっくり考えるさ。
・・・って、オイオイ、俺が頭を使い始めた途端、誰か来やがった。
来たってもそれは、このスコープで覗いて見える範囲まで近づいたって意味だがな。
ここから、北西に500メートル程のところだ。なんだ、まだガキじゃねえか。あいつも参加
者らしいな。首輪をつけてやがる。しかしよぉ・・・首輪はいいとして、頭のあれはなんだ?
変わった帽子だな・・・いや、包帯かもしれん。
妙にビクビクしやがって、あれで警戒してるつもりかよ。
『殺してください』って看板ぶらさげて歩いてるようなもんだぜ。
・・・っと、こっちばっかりに気をとられてちゃマズかったな。
南の方角からも一人お客さんだ。こいつは・・・承太郎の連れにいたヤツじゃあねーか。
名前は確か・・・『カキョーイン』とかいったか。ダセェ名前だぜ。それに、よく見りゃあ
コイツすでにけっこう重症じゃねえか。ずいぶん派手にやりあったな。
まぁ何にせよ、このまま行けば二人はぶつかる。何も手をくださずとも、潰しあえばどちら
かが死ぬことになる。俺としてはまさに、『高見の見物』ってわけだ。
いい気分だぜ、相手に気づかれずに誰かを『利用』するってのはな。
・・・って、まさかこの二人、知りあいじゃねえよな?
*********
花京院が目指した場所、それは『病院』だった。
しかし、第一の目的は『治療』ではない。
この『ゲーム』が、最初の6時間であれだけ多くの犠牲者を出すほど残酷で激しいものであ
るとすれば、死なずとも深手を負った参加者は少なくないだろう。そして、そうした『誰か』
が目指す場所といえば、設備の整った『病院』か診療所が候補にあがるだろう。
治療を終えたその『誰か』に、あるいはその『誰か』に付き添っている仲間に、荒木の秘密
を伝えること・・・それが花京院にとってもっとも優先順位の高い目的だった。
もちろん、仮にそこに誰もいなかったとしても、『病院』であれば自身の治療ができる。
『輸血』の設備もあるだろう。その場合は、治療をしながら、後に来る参加者を待つことがで
きる。より好ましいその可能性も考えに入れたうえでの選択である。
戦闘の起きやすい町中をむやみに歩き回るより、自然と人が集まる場所で待つ。深手を負っ
た花京院にとって、それが現時点で最善の選択肢だった。
半径20メートルの『法皇の結界』を張っていれば、至近距離からいきなり襲われるといった
心配はほとんどない。だが、それでも、探知した相手が敵か味方かまで判断することができる
わけではない。花京院は、もし何者かが網にかかったら、戦わず回避するつもりだった。もち
ろん、それが誰であるかを見極めることができれば、それに越したことはない。
だが、出会いは予想外のかたちで彼を訪れた。
前方100メートル以上離れたところにある交差点、『法皇の結界』の射程範囲を遥かに超えた
先に、一つの小さな人影があった。遠すぎて、年齢や性別までは確認できない。
「誰だ・・・承太郎か・・・? いや、違うな」
その人影は、何かを探し求めるかのようにキョロキョロと周囲を見回している。用心深げな
仕草とは裏腹に、こちらにはまったく気づいていないようだ。
「承太郎なら、あんな目立つ行動はとらない・・・」
民家のかげに潜みながら、花京院は考えた。
「ポルナレフなら」と思った矢先、人影は十字路を東へ折れた。
「いずれにせよ・・・ここでの戦闘は回避しなければ・・・」
花京院は、手近な角を右に折れた。
あのまま真っ直ぐ進んで、引き返してきた相手に遭遇するのは避けねばならない。そのため
には、相手の行く先を見極めてから回避する必要がある。だがそれ以上に、相手が誰であるか
を確かめておきたいという気持ちも、彼にはあった。
傷をかばって歩く花京院の左前方、民家の屋根越しに『杜王グランドホテル』の看板が目に
入った。この建物も、ほかの参加者が隠れるのには好都合である。しかし、逆に云えばそれだ
け探しだすのは面倒だということになる。花京院のスタンド能力をもってしても、20階建ての
このホテルを探索するのは、骨が折れるに違いない。
花京院は角のマリンスポーツ専門店のかげから、北の方角を覗き込んだ。
「さっきのヤツは、まだ現れていないか。・・・だがそれも、時間の問題だろう」
しかしながら、花京院のこの予想は外れることになる。
それからゆうに5分が過ぎても、さきほどの人影が花京院の視野に現れることはなかった。
『法皇の結界』にも、誰かが通過したことを示す反応はない。
「妙だな・・・まさか、僕のことに気づいていたのか?」
その可能性は低いと考えながらも、花京院は次の手を打った。
「ハイエロファント・グリーン!」
道路沿いにスタンドの触肢を伸ばし、大通りや、建物と建物のあいだ、曲がり角などをくま
なくチェックさせる。三次元ではなく二次元、つまり平面上であれば、『ハイエロファント・
グリーン』は、いっそう広い範囲を索敵することが可能だ。
「・・・いたぞ! 150メートル前方・・・さっきの角に隠れている!」
やはり、相手もこちらに気が付いていたのだろうか? 今度はその可能性もしっかり考えに
入れながら花京院は、相手の出方をうかがいつつ、次のプランを模索していた。
*********
ピコーン、ピコーン、ピコーン・・・
コンビニエンスストアのかげで、ナランチャはレーダーを凝視していた。
モニターには、同じサイズの光点が二つ、点滅を繰り返している。
「ヤバイなあぁぁぁ、見つかったかもなぁぁぁ」
光点は、通りの斜め向こうのホテルにいる生物の存在を示している。そのうち一体は、14
階の客室に潜んでいる。そしてもう一体は、屋上に陣取っているらしい。
「まさか動物ってことはないよなぁ。俺は学校は行ってないけどさぁ、動物はホテルに泊まっ
たりしないってのはさぁ、それくらいは分かるぜ、常識だもんなあぁぁぁ」
ナランチャは、自分に言い聞かせるように、何度もうなずきながら呟いた。
「それに屋上のこいつはよぉ、さっきからずーっと、こっちの角に止まったまんまだしよぉ、
さっき覗いたとき、何か光が反射してキラッと光ったんだよなぁ。あれはスコープじゃねえの
かなぁ、狙撃とかに使うさぁ。だとしたらヤバイよなぁ、絶対ヤバイ!」
だが、もし相手がこちらを発見したのなら、どうして攻撃を仕掛けてこないのか。
実際、ナランチャの頭を悩ませているのはそのことだった。
「気づいてるのに攻撃を仕掛けてこねえってことは、つまり・・・どういうことだ?」
もし相手が攻撃を仕掛けてきたなら、もちろんナランチャは反撃しただろう。または、相手
に発見されている可能性が全くない状態であったとしたら、ナランチャはやはりためらいなく
不意打ちを仕掛けたに違いない。
もちろん、相手が攻撃してこないのは、攻撃の射程距離外だからかもしれない。
あるいは、たんに戦意がないだけのことかもしれない。それらの可能性は高い。
しかし、
「ひょっとすると、俺のことを知ってるヤツなのかもしれない」
その考えはナランチャを魅惑した。もしその考えが正しいとすれば、屋上の人物は『敵側』
の人間ではなく、ナランチャの『味方』だということになる。
「ブチャラティ・・・」
真っ先にその名前が、ナランチャの心に浮かんだ。
「ジョルノ・・・」
その男は新入りだが、とても強い『精神』の持ち主だ。
「誰だろうと関係ない・・・殺らなきゃ・・・でも・・・いや・・・」
ブチャラティとジョルノ! もし今ホテルにいるのが、この二人だとしたら。
その希望は、確かにナランチャを魅惑した。しかし、その希望に勝るとも劣らない恐怖が、
彼の心に巣くっていた。第一にそれは、この残虐なゲームの主催者であるアラキに対する恐怖
だった。そのうえに、先刻出会ったディオという男に対する凍てつくような恐怖が根を生やし
ている。けれども、それらすべてを養っているのは、わけもわからないまま二人の人物を殺害
してしまった、自分自身に対する恐怖だったかもしれない。
「殺やなきゃ・・・ブチャラティ・・・関係ねえ・・・殺される・・・まえに・・・」
**********
なんだ? おい、おかしいんじゃねえか?
南から来たカキョーインは、北から来た帽子野郎に気づいて身を潜めている。一本東側の通
りに出てくるのを、じっと待ってるってわけだ。それはわかる。戦う気があるのか、それとも
逃げるつもりか・・・そいつは知らねえがな。
だが、こっちの帽子野郎は、なんでいきなり立ち止まったんだ? T字路の角の所で、これ
まで以上に警戒して身を潜めてやがる。ヤツの姿はコンビニのかげに隠れちまって、俺のいる
屋上からは見えない。帽子野郎が東に曲がった段階では、カキョーインの姿に気づいた様子は
なかった。それなのに、どうして隠れたりするんだ?
あるいは・・・気づかなかったふりをしていたのか?
くそっ! やきもきするぜ。早くぶつかりやがれってんだ。
俺は、スコープの倍率を上げて、帽子野郎の潜んでいる辺りを注視する。
・・・なるほど、多少イラついて注意を怠っていた。それは認めるぜ。しかしな、
ゴウンゴウンゴウン・・・ゴゴゴゴゴゴゴゴゴオォォォォォォ!
振り返った俺に向かって、ラジコン飛行機が突っ込んできやがった!
しかも、ご丁寧に機銃から実弾をバラ撒きながら迫って来やがる。
ボラボラボラボラボラボラボラボラボラ!
「う、うおあああぁぁぁ! なんだ、コイツはっ!?」
避けきれなかった弾丸が、俺の腕や太股に命中する。
射撃の精度は、イマイチ正確じゃないようだが。
「ちくしょう、戻ってきやがる!」
突然の攻撃に対処しきれず、ぶざまにぶっ倒れながら、俺は叫んだ。
あの急旋回! ラジコン飛行機にこんなマネはできねえ。
「スタンド、か!? うおおおぉぉぉ!」
ボラボラボラボラボラボラボラボラボラ!
今度は、弾丸の大部分を避けた。来るのが分かってれば、それほど怖くねえ。まとめて食ら
わなければ、弾丸一つひとつの威力はそれほど強くはないようだ。
しかし、それほど広くもない『屋上』っていうこの場所が正直ヤバイぜ。少しずつ体力を削
られて、じわじわとフェンス際にでも追い詰められたら、マズイことになる。
ボラボラボラボラボラボラボラボラボラ!
そして実際に! この戦闘機の動きはそれを狙っている動きだ!
だが、あれがスタンドだとして、本体は何処にいるんだ? 何処から俺のことを確認してや
がる? まさか、ジョースターのやつが!? これはあの男の・・・いや、これだけのスタン
ドがあるなら、さっき襲われたときに出さなかったのはおかしい。
ボラボラボラボラボラボラボラボラボラ!
てことは、下にいるガキどものうち、どっちかのスタンドか! だが、カキョーインのスタ
ンドにこんな能力はなかったハズ。とすると、あの変な帽子をかぶったガキか!
ヤツが立ち止まって隠れたのは、カキョーインに気づいたからじゃねえ。発見されていたの
は俺のほうだったんだ。どうやって探知したのかは分からねえがな。
俺は貯水タンクの後ろに隠れて、戦闘機スタンドの攻撃をやりすごした。
戦闘機はやや遠方まで飛び去ったあと、例の急旋回でこちらに向き直ろうとする。
タンクの上から回りこまれたこの状態では、俺の姿が丸見えだ。
もっとも、やつに『眼』がついているとしての話だが、な。
「エンペラー!」ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!
旋回中のスピードが落ちた瞬間を狙って、俺は『エンペラー』の銃弾をぶち込んだ。
計三発の弾丸は、通常ならありえない軌跡を描いて、戦闘機の後背部に命中する。
『拳銃使い』の面目躍如ってとこか?
*********
「いったい、何が起こってるんだ?」
始めに響き渡ったのは機関銃のような連続した発射音だった。花京院が音の来た方角に目を
やると、ホテルの屋上を旋回する小さな物体が見えた。
しばらくすると、さらに別な銃声が聞えた。さきほどまでの唸るような発射音とは違って、
単発の拳銃を続けざまに発射したような音が、静寂の町にこだました。
「屋上で争っている者がいるのか? ・・・あるいは?」
どちらか一方は、さきほどの人影が放ったスタンド攻撃かもしれない。すでに戦闘準備に
入ってしていたのだとしたら、その人物が隠れて出てこなかったのも合点がいく。
しかしそうすると、その人物のスタンドの射程はかなり長いということになる。立体的な
索敵範囲だけを比べれば、『法皇の結界』よりも広いと言えるだろう。だが少なくともいまの
ところ、花京院やそのスタンドに気づいている様子はない。
「いずれにしても、いま動くのは上策じゃないな」
ハイエロファントの送ってくる情報に注意しながら、花京院は呟いた。
「もうしばらく、様子を見る」
*********
「ぐおぉぉぉ痛てえぇぇぇ! ちくしょう! またやりやがったな!」
全身の激痛を耐えながら、ナランチャはレーダーを睨み付けた。
「テメェ!ちくしょう、ブチャラティのスタンドじゃねえ! ジョルノでもねえ!
くそっ! もう手加減しねえぞ!」
叫んでから、ナランチャははっと気が付いた。
「手加減・・・なんて、最初っからしてねえ!」
ボラボラボラボラボラボラボラボラボラ!
相手のスタンドは、攻撃の種類だけをみれば自分によく似ていた。
全身に刻まれた傷からして、銃弾のようなものを撃ちだして攻撃するタイプだろう。
『エアロ・スミス』と違って、狙いはかなり正確なようだが。
「うおぉぉぉ! また撃ちやがった!この野郎オォォォォォォ!」
左腕に空いた銃創をかばいながら、ナランチャは叫んだ。
早く倒さないと、階下の住人が加勢にやってくるかもしれない。
「だが・・・! 決定的なのはよぉ、射程距離の差だぜ!」
何度か攻防を繰り返すうちに、分かったことがある。屋上にいる敵のスタンドは、おそらく
本体のすぐそばから攻撃してきている。そしてどうやらその攻撃は、『エアロ・スミス』との
距離が遠ざかるにしたがって、威力が弱まるらしいのだ。
「ならよぉ、テメェの攻撃の届かねえところから攻撃してやる!」
叫ぶが早いかナランチャは、『エアロ・スミス』を急上昇させた。
*********
ドッゴオォォォォォォォォォォォォォォォン!
これまでになく大きな爆発音とともに、ホテルの屋上で火柱が上がった。
「スタンド攻撃・・・でなければ手榴弾か何かか?」
屋上を見上げていた花京院は、しかし、やがて別な何かに注意を奪われた。
「なんだ・・・こいつ・・・『飛び跳ねて』いる・・・」
ハイエロファントが送ってくる、150メートルほど北にいる人物の情報だ。
「・・・歓喜・・・『喜んで』いるってわけか・・・
・・・『勝利』を確信し・・・足を踏み鳴らして・・・!」
もはや間違いない。たったいま屋上で爆発を起こさせたのは、ハイエロファントが探知して
いる人物のスタンドだ。おそらく、何かの飛行物体を模したスタンドだろう。
「なるほどな・・・しかし・・・」
そうなると厄介なのは、その飛行スタンドの索敵能力である。その人物のいる場所からホテ
ルの屋上までは、数10メートル弱の距離がある。数10メートルの距離を立体的に探知でき、
その範囲に攻撃を仕掛けることができるスタンドというわけだ。
「スタンドは・・・まだホテルの上空を飛び回っている・・・」
おそらくは、止めを刺したかどうかを確認しているのだろう。
「だがいまは・・・爆煙のせいで探知不能といったところか・・・?」
いずれにせよ、恐ろしい能力を秘めたスタンドであることに変わりはない。
少なくとも、このまま北西の病院へと向かうわけには行かない。
相手に見つからずに回避するのは、きわめて難しいだろう。
「だが・・・それならそれで、策はある・・・ハイエロファント・グリーン!」
*********
「うおぉぉぉぉぉぉ! やった! 殺ってやったぞ!」
ナランチャは、歓喜の叫びをあげていた。『エアロ・スミス』が投下した爆弾はまちがい
なく、レーダーに映った光点の中心を捉えて爆発したのだ。
「勝った! ザマーミロ! 黒コゲか? コッパ微塵か?」
傷の痛みも忘れてナランチャは、その場で小躍りした。
「どうだ!思い知ったか! 俺の勝ちだぜ! 俺は勝ち続けてやる! 死んでたまるか!
これからもずっとだ! 俺は死なねえ、絶対に生き残って・・・う、・・・ぐわぁ!」
悦びに湧くナランチャの身体を、奇妙な紐状の物体が絡めとっていく!
「な、なんだこれ! な、まさか、奴のスタンド・・・?」
抗おうとしたが、もはやまにあわない。淡く緑色の光沢を放つその紐はすでに、油断した
ナランチャの全身に、幾重にも巻きついていた。目と耳だけを残して。
「くそっ! 締め付ける『力』自体はそれほど強くないのに・・・何重にも巻きつかれて
身動きが・・・できない! あの野郎!近距離型じゃなかったのか!?」
だが、そのときナランチャは、もう一つ別の可能性に気がついた。
「そうだ! 14階にいたヤツ! あいつが援護に来たのかもしれねえ!」
だが、『エアロ・スミス』の爆弾によって生じた二酸化炭素のせいで、レーダーで屋上を
探知することはできない。それなら範囲を変えて14階を探知すればよいのだが、思わぬ攻撃
を受けて混乱したナランチャは、その単純なことに気づかなかった。
「ちくしょう、油断したぜぇぇぇ。けどよおぉぉぉ・・・スタンドはスタンドでしか攻撃で
きないってんならよおぉぉぉ、そうするまでだぜ! 戻れ!エアロ・スミス!」
ナランチャの命令が飛ぶと、ホテル上空を旋回していた『エアロ・スミス』が、およそ信
じがたい角度でエンジン音とともに急降下してくる。もちろん、その銃口は本体であるナラ
ンチャ自身にむけられているのである。
「ぶちこめエアロ・スミス! この『紐』をぶっとばせぇぇぇ!」
だが、次の瞬間ナランチャは自分の目を疑った。
「どうした、エアロ・スミス!?
なんでそんなトコで引っかかってんだあぁぁぁ?」
建物のあいだの狭い隙間に入り込んだ『エアロ・スミス』は、そこに張り巡らされた目に
見えない無数の『紐』に絡めとられ、コントロールを失っていた。
「エアロ・スミス! ちくしょう!どうなってんだあぁぁぁ?」
*********
『ハイエロファント・グリーン』の触肢が相手のスタンドを捕捉したのを確認してから、
花京院は相手との距離を縮めていった。どれぐらいの距離で相手のスタンドに探知されるの
かを知るには、これしかない。とはいえ、スタンドと本体の両方を捕らえている以上、探知
されたとしても攻撃されることはないはずだ。
案の定、本体のいるT字路から100大メートルを切った辺りで、叫び声が聞えた。
「テメェ! もう一人いやがったのか! 騙しやがって!
地上にもう一人! 隠れていたってことかあぁぁぁ!」
「・・・おまえが『慎重な』やつで・・・その狭い隙間に潜んでいてくれたのが幸いした。
僕たちは・・・案外似たもの同士かもしれないな」
まだ見ぬ人物に向かってさらに近づきながら、花京院は言った。
「だが・・・戻す・・・と思っていたよ・・・それは・・・確信していた」
相手との距離が100メートル以上あったさきほどの状況では、『法皇の結界』を相手の周り
に張りめぐらすことはできない。しかし、建物と建物のあいだの狭い隙間であれば、ハイエロ
ファントの触肢をクモの巣のように張り渡すことができた。
「なに・・・? なんのことだ!」
「おまえのスタンドさ・・・戦闘機の形をした・・・名前は・・・知らないがね」
交差点に辿り着いた花京院は、怒りの形相でこちらを睨みつけている少年と対峙した。
「このクソ野郎! 俺やエアロ・スミスをどうするつもりだ!」
その少年――ナランチャは、唯一自由に動く目玉をギョロギョロさせてわめいた。
「エアロ・スミスというのか・・・なかなか良い名前だな」
「なにっ!?」
「だが・・・そう簡単に名前は明かさないほうがいい・・・名前を知られるということは、
相手に支配されるということを意味するからだ・・・わかるかな?」
「う、うるせえ! なに言ってんだテメェエエエエエエ!」
正直なところ、花京院はひどく驚いていた。どうすれば、自分と同じ年頃の(おそらくは
年下の)少年が、これほどまでに残酷で苦悶に満ちた表情をもつに至るというのか。
「屋上の相手との関係・・・僕の仲間のこと・・・おまえの目的・・・聞きだしたいことは
山程あるが・・・まずは僕の話を聞いてもらおうか」
「誰が聞くか! この紐をほどきやがれ! そうでなかったら殺せ! このままテメェの
腐った声をきくぐれーなら、死んだほうがましだぜ! オエェェェッ!」
花京院にとって、承太郎たちの情報はもちろん気になる。
この少年の能力なら、複数の参加者の動向を把握していても不思議ではない。
しかし、花京院にはそれ以上にまず果たすべき『使命』があった。
*********
(なんだあぁぁぁ? 何話してんだこいつ!?)
紐(状のスタンドを操る)男の話は、ナランチャの理解を越えていた。
(荒木の能力・・・? そんなの考えもしなかったぜえぇぇぇ)
『空間と時間を操る能力』!
教会での荒木の仕業は、すべてこのことで説明がつくと紐男は言う。
そう言われればそんな気もするが、ナランチャにはよく分からない。
「それならよおぉぉぉ! あの放送はどうなんだ? 目の前の砂がいきなり文字みたいになっ
てよおぉぉぉ、あれはどうやって説明するってんだあぁぁぁ?」
「放送・・・確かにそれはまだ・・・考慮に入れてなかったな」
「ンだと、テメェ! ナメてんのか!」
すっかり相手のペースに乗せられていることに気づかず、ナランチャはわめく。
(なんだぁコイツ・・・自分の身体ももう『フラフラ』なんじゃねえのかあぁぁぁ?)
「いや・・・しかし・・・そう・・・説明はつく・・・おそらくね。
砂が動いたってのは、教会で見せた人体浮遊と同じ理屈だろう。周辺の空間を操作すること
で、砂自体が動いているように見せかけることができる。問題はむしろ僕のほうだ。なにより
僕の場合は、捨ててあったテレビに映像と声が流れたんだが・・・おまえの場合とは違ってな
・・・しかし、おそらく原理は同じことだ」
目眩を起こしそうなナランチャを無視して、紐男は続ける。
「音声も映像も、それを構成している最小単位は『波』だ。音や光の『波』が・・・ものすご
いスピードで空間のなかを進んでいく。そしてそれが僕たちに届くとき、僕たちはそれを音声
や映像として認識する。その『波』が発生した瞬間に・・・『空間』を操作して別の場所につ
なげれば・・・それはまるで・・・音声や映像が飛んできたみたいに・・・思われるんじゃな
いか? あたかも・・・その場で壊れたテレビが喋りだしたかのように・・・」
*********
「もう・・・いいぜえぇぇぇ・・・グラッツェ!」
花京院の言葉をさえぎるかのように、しかし思いのほか静かに少年は言った。
「ありがとう・・・? 理解したってことか? 僕の話を理解し・・・ほかの参加者にも伝
えてくれるってことか? だとしたら、報われる・・・これで、僕も・・・・」
出血のため再び意識が遠のきかけていた花京院は、すがるように言った。
だが、少年の答えは激しい皮肉と憎悪に満ちたものだった。
「グラッツェってのはよぉ、テメェの話の内容に関してじゃあねぇぜ・・・そっちはよぉ、
まるで分かんなかったぜえぇぇぇ、俺ってばアタマ悪いからなあぁぁぁ」
「分からなかった・・・? そうか・・・ならもう少し単純に・・・」
「だからよおぉぉぉ、もういいって言ってんだぜえぇぇぇ! 『時間』はたっぷり稼いでも
らったからなあぁぁぁ、グラッツェってのはよおぉぉぉ、そのことだぜ!」
このときになって始めて、花京院は危機を感じた。彼らしくもない不覚だった。少し揺ら
ぎかけた意識のなか、荒木の秘密を伝えることに夢中になっていたとはいえ。
「エアロ・スミス!」
少年の言葉に促されるように、花京院は空を見上げた。
戦闘機型のスタンドの腹部から、一個の爆弾が投下されるところだった。
「はっはっは! ありがとよ! エアロ・スミスが爆弾を装填する時間をくれてよぉ!
あの爆弾はよぉ、エアロ・スミスがテメェのスタンドに捕らえられた『後で』装填された
もんだぜ。だからよぉ、テメェの紐に『縛られてる』ってことはねえ!」
「そうか・・・そういうことか・・・」
「テメェのスタンドに『包まれて』守られてる俺は無事だろうがよおぉぉぉ!
『包んでる』テメェはどうかなあぁぁぁ? このインテリ野郎があぁぁぁ!」
「・・・間にあうか・・・? エメラルド・・・スプラッシュ・・・!」
*********
ちくしょう! やってくれたぜ!あのガキ!
帽子野郎のスタンドが爆弾を投下した瞬間、俺のなかに焦りはなかった。
そもそも独りで戦いを始めたときから、何か嫌な予感はしてたしな。
戦闘機スタンドは俺の射程外に出たわけじゃあなかったが、かといって致命傷を与えられ
る距離でもねえ。人体と違って、急所が何処にあるかも分からねえんだからな。
だから俺は、落ちてくる爆弾の弾頭に向かって『エンペラー』の引き金を引いた。
狙いはもちろん見事的中! 爆弾は俺には届かず、空中で四散したってわけだ。
とはいえ、近距離で爆発に巻き込まれたのは事実だ。背中に火傷を負ったらしい。
それになにより・・・衝撃波と爆音で・・・意識が朦朧としていやがる。
だがそのとき俺は、決して聞きなれたとは言い難いが、やけに懐かしい声を聞いた。
「ポル・・・フ君!・・・っかりしろ!・・・か? どうして・・・に・・・」
やれやれ、まさか、コイツに助けられることになるとは・・・な。
とそのとき、遥か下方から、太い爆発音と鈍い衝撃が伝わってきた。
あのガキ・・・今度はカキョーインとやりあってやがんのか?
「な・・・が・・・戦っ・・・大変だ・・・爆・・・気を・・・助け・・・!」
え・・・いま何を・・・まさかそれって・・・おい、ジョースター!
ダメだ・・・声にならねえ・・・止めろ・・・行くんじゃねえ・・・
「ま・・・君から・・・客・・・その・・・通りの二人・・・行く・・・!」
マジかよ・・・そんな・・・俺・・・・・・ナマエ・・・・・・
【杜王グランドホテル(E−7)/1日目/午前】
【花京院典明】
[スタンド]:『ハイエロファント・グリーン』
[時間軸]:DIO相手に結界を張った時点
[状態]:大量失血(思考力低下)・重傷(特に両足・歩行不能)・気絶
[装備]:アーミーナイフ
[道具]:支給品一式+リゾットから奪った食料
[思考・状況]
1)荒木の能力・・・まさか僕の予想通りなら何て恐ろしい能力なんだ
2)できるだけ多くの参加者に荒木の能力を伝えなくてはならない
3)2のためなら、自分の命も投げだす覚悟(もちろん無駄死にはしない)
4)とはいえ、できれば治療もしたいし承太郎たちと合流もしたい
【ナランチャ・ギルガ】
[スタンド]:『エアロ・スミス』
[時間軸]:ヴェネチア入り後
[状態]:全身に銃創(処置済み)・気絶
[装備]:ヌンチャク、ハート型の飾り(@DIO)
[道具]:支給品一式 ・拾ったガラスの破片
[思考・状況]
1)生きてる・・・なら、俺の勝ちだ!やった!(高揚感)
2)ブチャラティ達だろうと誰だろうと会ったらブッ殺す!
3)機会があれば、可能なかぎりディオの命令を遂行する
4)DIOに対する恐怖心・絶対に敵に回したくない
5)どんな手を使おうと絶対に生き延びる
6)荒木の能力・・・? ダメだ俺にはさっぱり分かんねえ
【ホル・ホース】
[スタンド]:『皇帝』
[時間軸]: エジプトでディオに報告した後
[状態]:全身に銃創(処置済み)・背中に火傷(低度・処置済み)・気絶
[装備]:狙撃銃(フル装填)
[道具]:支給品一式
[思考]:
1)ジョースターの野郎!余計なコトすんじゃねえーーーッ!
2)出来るだけ戦わずにやり過ごしたい(でも覚悟はキメる、やる時はやるぜ)
3)利用できる味方を増やしたい
4)とにかく生き残りたい
5)ジョースター郷を利用し尽くす
【ジョージ・ジョースター1世】
[スタンド]:なし
[時間軸]: ジョナサン少年編終了時
[状態]:疲労困憊(怪我人を背負って階段を上下したため)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(狙撃銃の予備弾)、ライター
[思考]:
1)三人の怪我人を介抱する
2)出来る限り争いを阻止する
3)危険人物相手には実力行使もやむを得ない
4)荒木の打倒
5)ジョナサンとディオの保護
[補足1]:花京院とナランチャは『エアロ・スミス』の爆弾で気絶しています。(相打ち)
[補足2]:ジョージは花京院・ナランチャをホテルの医務室(3F)で介抱しています。
[補足3]:ホル・ホースはホテルの最上階レストランで気絶しています(処置済み)。
[補足4]:ジョージは、ホル・ホースの名前を『J・P・ポルナレフ』だと思っています。
投下完了しました。
というわけで、ジョージ大活躍!のSSでした。
それにしてもちょっと長すぎましたね、スミマセン。
ご意見・修正案など、よろしくお願いします。
GJ!!!
危うし花京院とホルホースって感じですね。
ジョージが率先して助けに言ったのは
息子を失ってしまったから?
あ、感想もこっちに書いた方が良かったか?
まだ前スレ残ってるし、向こうに書いてしまったが。
>>32 >>33 さっそくのコメントありがとうございます!
気絶して、目覚めたらベッドで寝てた、というような、
ありきたりなリレーを考えてたんですが。補足で説明を
加えただけではダメでしたか・・・申し訳ない。
ジョージの動機も含めて、追加した方が良いかもですね。
他の皆さんのご意見も参考に、後日まとめて修正します。
乙です。3つ巴の入り混じる展開はとてもよかった。
ただやっぱり補足1〜3の状況も書いてほしかったかなーと思ったり。
ジョージがホルホースと別れてから気絶しているナランチャと花京院を介抱するまでのくだりは特にそう感じました。
作品が長すぎるからダメ、という事はないので大丈夫ですよ。
個人的には修正スレにぜひ投下してほしいです。
>>33 前スレはもう埋まりそうだからこっちに書いたほうがいいかもしれませんがまだ大丈夫でしょう。
ベネ!
投下します
『えー皆聞こえてるかな?それじゃあただいまから一回目の放送を行いま〜す』
「何ィッ!おのれッどこにいる!」
突然聞こえてきた荒木の声に私は警戒態勢を整え、周りを見渡す。
「おい!お前達ッ!気をつけろッそこら辺にあの荒木とかいうやつがいるぞッ!」
「気をつけるのは、ダイアー。おまえの方だ。無闇に大声を出すんじゃない」
アブドゥルが私の忠告を無視する。あのあほが……。
「バカか!おまえは!やつの声がすぐ近くから聞こえて来るんだぞッ。周りには放送設備なんぞ無いし民家しか」
この瞬間、私は背中に衝撃を感じた。億康に背中を殴られたのだ。(軽くだが)
「ちょっと黙ってろよてめえ。あれ見てみろよ」
億康は私に対してかなり苛ついているようだ。鋭い目で私を睨みドスのきいた声で威嚇してくる。なぜだ?全くわからない。
とりあえずそんな疑問は脇に置き億康が指差した方向を見る。
「なっなんだあれはッ」
民家の窓ガラスに不鮮明ながらも荒木の姿が映っている。奴の声もどうやらその窓から聞こえているようだ。
これはいったいどういう冗談だ?こんなことがありえるのか?いくら吸血鬼でもこんなことはできないし、波紋でも当然できない。
そこまで考えると、私は一つの可能性に気がついた。スタンドだ。
おそらくスタンドなら可能なのだろう。しかし本当に何でもありだな……。
「アブドゥルさん。荒木のスタンドがあんたの言っていた『記憶を操る』スタンドならこんなことはできないんじゃねえの?」
「チッチッチッ。荒木にだって協力者の一人や二人いてもおかしくは無い」
「あっなるほど。それもそうだな」
「やっぱりこれもスタンドとかいう奴な……」
「待て。荒木が今から死者の名を言っていくみたいだぞ。話は放送が終わった後だ」
アブドゥルと億康は素早くメモを構える。私も渋々デイパックからメモを取り出し書く準備を整えた。
……おのれ。こいつら、私の言葉を知能が低く話もできない赤ん坊の発言のように捉えおって。なんという屈辱だ。
* * *
『じゃあ、おおむねそうゆうことでよろしくね―――』
放送が終わった。私の知り合いで死んでしまったのはジョナサンとかいう奴とストレイツォ。
これで知り合いはツェペリさん一人だけになってしまった。
ストレイツォがたった六時間で死んでしまうとはな……。老師トンペティの下で共に修行してきた奴の死、さすがにこたえるな。
しかし……悲しんでいる暇はないのだ。許せストレイツォ。私は何とかして荒木を倒さなければならないのだ。
ジョナサンの死は……正直、それほど悲しくは無い。ジョナサンと私との関係はお互いに顔と名前を認知しているだけ。
奴が死んで少しは悲しかったが、何てことは無い。私は吸血鬼と戦う身であるため人の死には慣れていた。
「ジョナサン・ジョースター。ツェペリさんは気に入っていたようだがやはり大した事無かったんだな」
私は何とはなしにそっと呟いた。何の感情もこめずに静かに軽く言った。しかし、この発言がそもそもの始まりだったのだ。
「おまえ、もういっぺん言ってみろ。誰が大した事ないだってぇ」
億康が再び私を威嚇する。なぜだ。今度ばかりは本当にわからないぞ。もしかすると、私がさっき言った言葉に関係があるのか。
「いや、だからジョナサン・ジョースターはやはり大した事なかったと言ったんだが……。すまない。死者を冒涜するのは最低の行為だな」
「そうじゃねえーッ!微妙にセリフ変えてんじゃねえよッ!おまえが『大した事無い』って言ったのは『ジョセフ』・ジョースターだろうがッ!
ジョナサンとか言う野朗なんかどうだっていいんだよぉー!てめえ言い逃れしようって腹かーーー?」
「……え?」
この瞬間わたしの思考はショートした。わたしが『大した事無い』と、言ったのは『ジョナサン』だ。『ジョセフ』でも『ジョニー』でも無い。
つまり、この不良を気取っている若造は聞き間違いをしたと言う事なのか?
「え?じゃねえよ、なんか言いやがれッどうせてめえは由花子も大した事無いって思ってるんだろうがッ!」
……こ、この少年、聞き間違えたというより、少し混乱してきているのではないか?
由花子とか言う奴、わたしは全然知らんぞ。なんだかヤバイ雰囲気になってきた。
「か、勘違いだ。君の聞き間違いだよ。それに由花子って誰だ」
「しらばっくれんじゃねえッ!この野朗ッ!ぶん殴ってやるッ」
億康が拳を振りかぶる。まずいぞ、これは……。それにしてもこの億康という男、頭悪すぎだろ。
どうする?このまま争いになるのはまずい。こいつにはスタンドがあるしなあ。とりあえずッ
億康の硬く握られた鉄拳が私に襲い掛かる。私は素早くそのパンチを見切り、全く危なげない動作で拳を受け止めた。
老師トンペティによる荒行の賜物だ。
「誤解だッ!話を聞いてくれ」
「聞く話なんて、何もねえぜッ」
億康が例のスタンドを発現させる。どうする。今度こそどうすればいいんだ?戦うしかないのか?
私は勝てるのか?この得体の知れないスタンドにッ。
「二人ともやめろッ!!!」
天をも割く大声が響いた。声の主はアブドゥルである。
億康はアブドゥルの事を私よりかは尊敬しているのであろう。素直に私から離れスタンドを消した。
しかし、彼の目は依然私を睨んだままである。
「アブドゥルよお。あんた聞いてなかったのかよ。こいつ確かに言ったんだぜ。『ジョセフ・ジョースターはやはり大した事無い』ってな」
「しかしダイアーは否定しているみたいだぞ。そうだな?」
「当たり前だ!億康の聞き間違いだよ。わたしは『ジョセフ』ではなく『ジョナサン』と言ったんだ。
まあどちらにしてもわたしは死者を冒涜してしまったのだがね。それに私はジョセフ・ジョースターなんて知らん。出会った時に言ったはずだ」
必死の思いを言葉に込めて言う。アブドゥルは私を信じてくれるか?
「違う。アブドゥル信じるな。俺は確かにこの耳で聞いたんだぜ」
アブドゥルは真剣な眼差しで私を見つめる。おまえはうそをついてるのか、本当のことを言っているのかと、目で問いかけてくる。
私の目を見つめたままアブドゥルがゆっくりと口を開く。
「私はダイアーが何を言っているのか。聞き取れなかった。私もジョースターさんが死んでしまって悲しかったからな……。
しかし、ダイアーが何かぶつぶつ言っているのは見た」
すかさず億康が口を挟む。
「それだよッ!こいつはその時言っていたんだ。今はただ言い訳しているだけだぜぇ。こいつは俺達を敵に回すわけにはいかないからな」
『敵に回すわけにはいかない』どういう意味だ?
「なぜそう思う。私も場合によっては君たちに反抗するかもしれないぞ?」
「へっ、出来るわけないだろ。てめえの波紋で俺達のスタンドに勝てるとでも思ってんのかよ」
「何イッ!!私の波紋が、老師トンペティの下で長年磨き上げてきた私の波紋が君たちのスタンドに敵わないとでもッ!波紋を嘗めるなッ」
声を張り上げ叫ぶ。私はこいつらにいくら嘗められても構わない。しかし、『波紋』だけは別だ。
吸血鬼に対抗するため先人達が必死の努力で練り上げてきた波紋だ。
こんな若造に嘗められるわけにはいかない。『波紋でスタンドに勝てるかな』と、私自身が思ってしまったことがあるが、それは別にいい。
とにかく、吸血鬼や波紋のことを何も知らない軟弱者にバカにされるわけにはいかないのだ。
「俺は波紋だけを嘗めてるわけじゃないぜ。『てめえ』を俺は嘗めてるんだよ。おまえなんて大した事無い奴だ。
俺達に出会わなかったら速攻で死んでるに決まってるッ!」
「よくも、よくも言ってくれたな億康……。」
億康に向けて歩を進める。私の必殺技の間合いまであと少し。
「やめろダイアー」
アブドゥルが私の前に立ちはだかる。億康も憎いがこいつもまた憎い。こいつも億康と同じように私と波紋を馬鹿にしているのだろう。
私への接し方でわかる。
「億康と少し話がしたい。おまえがいると億康が冷静でいられないからな」
……話だと。何を相談するというのだ。私を追い払う算段か?二人でぶん殴るための話し合いか?
悲観的な考えが浮かぶが、事実、私が億康と絡むと何の話も進まない。私は素直に、彼らに背を向け地面に腰を下ろした。
「……私は言っていないぞ。アブドゥル」
「そうであることを願っている」
* * *
「あいつは絶対に言ったぜ。ぶん殴ってやろうぜ。アブドゥル」
「おまえはすぐに『ぶん殴る』だな」
ダイアーから少し離れた場所で私と億康の話し合いが始まった。
私としては、できるだけ争い事は避けたい。
億康が言うように、ダイアーがジョースターさんのことを馬鹿にしたのであれば、やはりそれは、私にとっても、億康にとっても、許しがたい行いだ。
しかし、だからといってダイアーと殺し合いを始めるわけにはいかない。スタンドは持っていなくともダイアーは一応仲間だ。
こんな状況だ。仲間は一人でも多い方がいい。それに殺し合いをするという事はゲームに乗るという事だからな。
あの巨悪、荒木の思惑通りだ。ゲームに乗るくらいなら死んだほうがましだと私は考えている。
私の考え方を、この少年は理解してくれるだろうか……。
「億康、少し考えてくれ。ここで彼と争ってどうする。血が流れるだけだ。荒木の思う壷だぞ」
億康は不機嫌そうに私の言葉に反応する。
「あんたは悲しくねえのかよ。ジョースターさんが死んじまったんだぜ。
俺の友達……ほとんど話しかけられたことなかったけど由花子って女もだ。俺は二人のこと考えると……なんつーかイラついて来るんだよ
絶対にあの野朗を許せねー程になァァァァ!」
億康の叫びが杜王町にこだまする。ダイアーにも届いたはずだ。
この少年の気持ちは痛い程よくわかる。私だって悲しい、悔しい。しかし、その気持ちをダイアーにぶつけるのは駄目だ。
それはただの八つ当たり以外の何物でもない。
「おまえの気持ちはよくわかる。私だって悲しい。ダイアーが本当にジョースターさんを馬鹿にしたのであれば、私だって許せない。
しかし今は状況が違う。真に憎むべき相手は荒木だろう?私達はダイアーに対する怒りを抑えなければならない」
億康が沈黙する。億康はかなりイラついている。表情、目などから彼のイラつきを充分に察する事ができる。
私はこの時ある疑問を感じた。それは、ジョースターさんはこの億康という少年といったいいつ、どこで出会い、親交を深めたのだろうということだ。
ジョースターさんはなぜ日本の不良にこれほどまでに思われているのだろうか。
いや待てよ。億康は承太郎を知っていると言った。億康は承太郎と同級生?たしか億康は『承太郎さん』と言っていたな。
ということは承太郎の舎弟といった所か?それとも後輩?
承太郎が海外からはるばるやって来た自分の祖父に、自分の舎弟である億康を紹介。そんなことをあの承太郎がするだろうか……。
私が疑問について考えを巡らしていると、億康が沈黙に耐えられなくなったのか、ゆっくりと話し始めた。疑問はとりあえず置いておこう。
「俺は頭悪いけどよ、あんたの言う『理屈』はわかるぜ。でももう無理だ。どうやっても、ダイアーを疑ってしまう。
アブドゥル、悪いけどよ。俺は感情で動いてしまうタイプなんだ。
例えばよお、誰がどう考えても正しい道ってのがあるよなあ。俺もなるべくその道を行きたいんだ。だけど俺はよ、たまに道を間違えるんだ。
その場の気持ちとかに惑わされてな……だけど俺はそれでいいと思ってる。理屈よりも『感情』で動く。
それが俺だ……馬鹿にしても、構わないぜ」
言い終わると、億康は私に背を向け歩き出した。
「どこへ行くッ!」
「もう話し合うことなんか何も無いぜ。
俺がいると駄目だ。もうダイアーといっしょに行動できない。あんたはダイアーと行動してくれ。俺は一人で行動する……。
お互い生きてたらまたどこかで会おうぜ」
……これほどまでか。億康、おまえにはこれ程の思いがあったのか。ジョースターさんとどんな関係だったのだろうか。
ダイアーは言い間違えただけかもしれないのに、憎むべき相手は荒木なのに。
それほどまでに、死んでしまったジョースターさんと由花子という女を大切に思っていたのか……。
私もどちらかといえば直情型の人間だ。
億康から、ダイアーがジョースターさんを馬鹿にしたと聞いた時、私も一瞬、殴ってやりたいという衝動に囚われた。
私はあの時、億康と同じように殴りかかろうとしたのだ。
しかし、私より先に億康がダイアーに殴りかかったことによって、私にこのチームをまとめなければという責任感が生まれ、
その責任感が私の衝動を急激に萎えさせたのだ。
できれば億康を引き止めたい。私の『心』がそう言っている。
しかし一方で、私の『頭』は、「場を乱すような奴とはいられない。このまま行かせてやれ」と言っている。
どちらが正しいのだ。私は億康を引き止めたいのだ。しかし、彼とダイアーが協力できるはずがない。
三人のうち二人が常に小競り合いをしている。そんな状況でどうやって打倒荒木の仲間を集めることができる。
『心』と『頭』、どちらに従えばいいんだ。
脳裏にジョースターさんの姿が浮かぶ。ほんの少しの間であったが、共に行動した仲間……。
彼の仇を討ちたい。そう、何が何でも荒木を倒さなければならないのだ。
私は……億康を引き止めなかった。『頭』の声に従ったのだ。億康自身が言ったようにまたどこかで会えればいいのだが……。
「待てッ!億康!どこへ行くッ!!」
私の背後でダイアーが叫んだ。しかし、億康は何も言わずに、私とダイアーに背を向け歩き続ける。
「待てッ億康ッ!止まれッ」
「無駄だ!ダイアーッ!億康はおまえと行動したくないんだ。ほっといてやれッ!」
私は叫んだ。貴様のせいで億康は行くというのに……。ダイアーに対して怒りすら湧く。私は『感情』を抑えなければならないのだが……。
「黙れアブドゥルッ!私は億康に謝りたいんだッ!
私はジョセフという男を知らないにも関わらず、私の知っているジョナサンと姓が同じという理由で『大した事は無い』と馬鹿にしてしまったッ!
それを謝りたいんだッ!許してくれ億康ッ、君が指摘したように私は確かに馬鹿にしたッ!本当にすまない!
戻ってきてくれッ!億康ッ!そして私を罰するためにこの顔を殴ってくれッ!」
私は目の前の光景を疑う。スタンドを持たず、私達よりもはるかに弱いくせに、妙に偉そうなあのダイアーが謝った。自分の罪を認めて謝ったのだ。
億康は歩みを止めた。振り返りツカツカとダイアーのもとへ歩いていく。その顔は怒りで震えていた。
「手加減はしねえ、絶対にッ!」
パァンという小気味良い音、ダイアーは地面に倒れた。痛そうに顔面を押さえている。
億康は怒りと苛つきによって息を荒げている。私は恐る恐る億康に尋ねてみた。
「ダイアーを許してやってくれないか?そして、また……私達と共に行動してくれ」
億康はいまだ怒りに燃える目で私を見つめる。
「……正直、まだ苛ついてんだがよぉ。俺はダイアーを殴った。だから、この件は水に流しておくぜェ……。
まだ、奴は大嫌いだがな……大人に、なるぜ」
私は微笑み、億康の肩を軽く叩いた。大丈夫だ。きっと何とかなる。
我々はきっと荒木を倒すことができる。私には妙な確信があった。
「大丈夫だ億康。我々はきっと……ジョースターさん達の仇を討てる」
ダイアーがふらつきながらもゆっくりと立ち上がる。億康が殴った痕はあざとなって残っている。
「アブドゥル、君の番だ。君もジョセフと親しかったのだろう?」
私は拳を硬く硬く握り締め、ジョースターさんへの思いを拳に込め、ダイアーの頬を思い切り殴った。
* * *
さっきの一連の出来事が終わった後、私達は再び打倒荒木の意志を持つ参加者を探すため、移動を開始した。
億康とアブドゥルに殴られた頬が痛む。いや、奴らに『取り入るため』にわざと『殴らせてやった』というべきか……。
全く、本当に思い切り殴りおって、痛いではないか。億康はいまだに、『自分がただ聞き間違えただけ』という事に気づいていない。
きっと私が悪いと頭から決め付けているのだろう。アブドゥルも同じ事、奴は常に私に向けて猜疑の眼差しを送っていた。
これは人権侵害だ。小学生でもわかるぞ。
私は億康とアブドゥルが話し合っている間、自分のデイパックの中身を確認していた。私の支給品はただの紙切れ。
アブドゥル達に出会わなければ、スタンドの存在を知らなければ、私はこの紙を『ただ』の紙と見なし捨ててしまっただろう。
しかし、私はスタンドの存在を知っていた。この紙にも何かあるんじゃないかと思ったのだ。
案の定、そうだった。紙を開くと中から出たのはビンに入った青酸カリ。私は少し迷った。アブドゥル達を殺すか否か……。
結論を出すのにそれほど時間はかからなかった。奴らを殺す。
私には、知り合いはもうツェペリさんしかいない(ディオとか言う奴も知り合いと言えば知り合いなのだがな)。
それ以外は赤の他人。自分の命のためだ。ゲームに乗ろう。これが一つ目の理由。
二つ目の理由、奴らは、スタンド使いは自分のスタンドに絶対的自信を持っており、我らの波紋をまるでお遊戯かのように、嘗めている。
我らの波紋には歴史がある。スタンドごときに嘗められてたまるか。
ここまで馬鹿にされてきたんだ。ここまで嘗められてきたのだ。億康とアブドゥルが憎い。
奴らに、スタンド使い共に、波紋の恐ろしさを、このダイアーの恐ろしさを思い知らせてやる。
私の殺人計画はこうだ。まず、彼らに誤り、信用してもらう。続いて、何とか騙して青酸カリを飲ませる。苦しんでいるところを私の波紋パンチで止めを刺す。
私の必死の演技のかいあって億康と仲直りすることができた。億康はどうかしらないがアブドゥルは私のことをけっこう信頼しているような気がする。
波紋よりスタンドの方が上だと、君たちは思っているのだろう?
この私、ダイアーは大した事無い奴だ、ただのヘタレだと君たちは思っているのだろう?
そうでないことを証明してやる。この私自身がッ!
* * *
なぜ億康はこれほどジョースターさんの事を思っているのか。日本の不良と外国人の老人が、これほど親しくなるものだろうか。
億康に聞けば一番早いのだが、残念ながら今はジョースターさんに関係する質問をできるような空気ではない。
そもそもジョースターさんが億康と親しかったのであれば、彼をエジプトへの旅に同行させたはずだ。
億康はスタンドを持っている。充分、戦力になるはずだ。
もし親しかったのであれば、イギーのような扱いにくい犬を助っ人として呼ぶのでなく億康を助っ人として呼んだはずだ。
しかし、呼ばなかった。同行させなかった。(億康が断っただけかもしれないが)私はジョースターさんから一度も億康のことを聞いていない。
つまりどういうことか……。私はずっと考えやっと答えを見つけた。簡単な事だ。荒木の『記憶を操るスタンド』こいつがあれば簡単だ。
荒木は億康にジョースターさんとの友情という記憶を植え付けたのだ。たったそれだけのことだ。
しかし、ここにある問題が発生する。さきほどの揉め事は億康のジョースターさんへの思いがなければ絶対に起こりえない。
億康のジョースターさんへの思いは荒木が植えつけた。つまりこう言えるのではないか?
『さっきの一連の揉め事は荒木が仕組んだもの』もしかすると、記憶を植えつけられたのは、億康だけではないかもしれない。
ダイアーにも何かの記憶を植えつけたのかもしれない。もしかすると参加者全員に何かしらの記憶を植え付けたのかも……。
もし荒木が参加者全員に何かしらの記憶を植え付けたのであれば、こう言える。
『我々の全ての行動は荒木によって管理されている』
もしこれが本当なら想像以上に恐ろしい能力だ。しかし、穴はある。荒木の性格を理解していれば、次の展開がある程度読めてくるはずだ。
荒木は自分の好み通りにゲームを動かしたいはず。おそらく……もっと凄惨に、もっと残酷にしたいはず。自分に反抗する者など決して許しはしないはず。
『シナリオはゲームが始まる前から荒木に決められている』
しかし、これらがもし本当なら私がこの事に『気づけた』のはなぜだろうか?荒木が私に気づく『きっかけ』である記憶を仕込んだのだろうか。
何のために?
……なんだか頭が痛くなってきた。とにかく、私の推測が正しければ、荒木の好み通りに、ゲームはどうあっても凄惨に、残酷になってしまうだろう。
どんな些細な事にも注意しなければ……。
億康とダイアーに記憶を操るスタンドのことを説明した時、二人が余りピンとしていなかったのは、
『きっかけ』の記憶が植えつけられていなかったためだろう。
推測が正しければ私しかゲームを止められる者はいないはずだ。
おそらく、『きっかけ』の記憶を仕込まれたのはこの私だけだろうからな。
荒木によって全参加者の希望である『記憶』を植えつけられたこの私しか荒木を止められない。
つまり、私こそが希望の光……と言う事なのか?
【F−6/一日目/朝】
【ジョジョ屈指の噛ませ犬夢のコラボ+1】
【モハメド・アブドゥル】
[スタンド]:『魔術師の赤』
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(ランダム支給品はもう確認したかも)
[思考・状況]
1)チームをまとめつつ打倒主催の仲間を集める(とりあえず仗助)
2) 3)に気づいたのはおそらく自分だけなので自分しかゲームを止められないと考える
3)このゲームのシナリオは実はもう荒木によって決められているのでは?
4)荒木のスタンドによってこのゲームはどうしようと残酷なことになると予想。些細な事にも充分注意して行動する。
【備考】アブドゥルは荒木の能力を記憶操作と勘違いしています。
【ダイアー】
[能力名]:波紋
[状態]:鉢植えが当たって頭にコブ、殴られたため頬が痛む(アザになっている)
[装備]:青酸カリ
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1)億康とアブドゥルとの信頼を築き、どうにかして青酸カリを飲ませ殺す(波紋でとどめをさしたい)
2)スタンドよりも波紋が上という事を証明するためゲームに乗る(殺すのはスタンド使い優先)
3)ツェペリに会った時はどうしよう
4)自分を嘗める者は許さん
【虹村億泰】
[スタンド]:『ザ・ハンド』
[状態]:左手欠損、ジョセフと由花子を失った悲しみ
[装備]:閃光弾
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1)ダイアーに対しての怒りをできるだけ抑える
2)打倒主催の仲間を集める(とりあえず仗助)
3)波紋は大した事無いと思っている
4)聞き間違えたかも、という考えは全くない
投下終了
お疲れ様です。
ダイアー・・・
ダイアーゲームに乗るのか
まぁ、ヤムチャ化脱却にはいいのかも試練
正直、ダイアヴドゥル原作とキャラ変わりすぎと思うけど最初からそうだったしいいや
状況は殺伐としてるのに妙に微笑ましいな、このチームw
「3バカ」とでも呼びたくなる。いや情報足りないなりに頭使ってるアヴには失礼か。
ダイアーさんは、まあ、うん。
変わりすぎ、というか、ダイアーさんは情報自体が少ないしな。
ここまで小物感溢れるヘタレではないのは確かだw
トンペティ師が弟子入りを認めたからには精神力もしっかりしてたんだろうし。
…同門のスト様が2部であっさり堕ちてるのを見るとその基準は微妙な気もするが。
まあ壊れすぎだろと思わなくもないが、波紋にかなりの自信を持ってた人だから
波紋を馬鹿にされたと感じて2人に反感を持つという流れはありだと思った。
片や長年の修行で身に着けた技術、片や生まれ付きとか矢に刺されたりとかで手に入った能力だしなあ。
GJ!
アブドゥルのかなりぶっとんだ推理に吹いたw
しかしお約束アイテムの青酸カリきたねぇ・・・
これは信用してたらハイウェイスターくらいしか見破れないような・・・
少しダイアーさんが可哀想になってきた
申し訳ありません。
私生活で今週一杯とても文章を作成&投下できる余裕が無くなってしまいました。
もともと今日までの期限ですが、予約期間を延長しても無理と判断しました。
ここで一旦予約を破棄させていただきます。
今回、数日キャラを拘束してしまって本当にごめんなさい。よろしくお願いします。
ジョジョオタで最近見ています
自分の好きなキャラが出るとwktrしますね
アブドゥルさんの推理もかっっこいいです
アヴドゥルの推理は別に良いが、億康がホントウゼェ。
言っちゃなんだがこれじゃ殺されても文句は言えない。
そりゃ死者を冒涜したのは事実だが、
自分の間違いとは少しも考えないのか?
俺がこんな感情移入するのもどうかと思うが…
まあバカだから
これがバトロワというものだから
疑惑がうずまいてこそのバトロワだからな
◆v8Ybu3DWXAッ!お前がそのもどかしさを
伝えることを狙っていたのなら予想以上の効果を挙げたぞッ!
支給品がわかってないのはアブドゥル、ポルナレフ、ギアッチョ、ストレイツォ。のこり4つか?
よーやく埋まりそうだな。
あとDIO様も判明していないぞ
>>63 そーいやそうか。荒木が持ってんだっけ?
次の放送の時にはどっかに設置しそうな流れだったんだっけか。
前回、
時折、世界を発動させ、家周辺を軽く調べることも忘れない。
と書きましたが、太郎との整合性を忘れてました。4つほど案を考えましたが、どれにすべきでしょうか?
申し訳ありません。
1)世界を発動させるというのは召喚しただけで、能力は使ってない
2)承太郎はDIOとの直接対決の時と違い時を止めるのを意識していないので認識してない
3)書かれてないだけで承太郎も気付いてる
4)この1文をけずる
>>65 既にDIOはカーズとの戦闘で世界の時止めを使っているぞ。
それにDIOは几帳面な性格じゃあないからそこまで意識しなくてもいいような気がするな。
でも4つから選べと言われたらB。これが一番矛盾がない。
>>65 普通に時止めないでザ・ワールド出して見回りさせてたんだと思ってた。
でも、よく考えたら悪魔や恋人戦から見て、特に描写の無いスタンド使いは本体の目に入らない範囲はスタンド出してても認識できないように思える。
プッチ神父やディアボロも近くで本体が見張ってたし。
よって見回りの文を削るのが妥当と思う。
コメントありがとうございます。
誤植も幾つかあったりで、お恥ずかしいかぎり。
>>28以降を追加・修正という方針でいきます。
>>68 ガンガレ
>>65 やっぱりこの後の書き手の裁量まかせにしたほうがいいから混乱を防ぐために削除でいいんじゃね?
皆さん、コメントありがとうございます。
太郎が気付いてると、その戦闘中に利用できそうになっちゃうので、この文を改正します。
× 時折、世界を発動させ、家周辺を軽く調べることも忘れない。
○ 時折、窓から周辺の様子を軽く伺うことも忘れない。
今からWikiに書きなおしてきます・・・直接やって問題ないですよね?
皆さん、迷惑をおかけしました。
もう陽が昇りだしてるのに大丈夫か?
>>71 流石にその辺はスタンドにまかせるとは思うけどなぁ。
近距離スタンドには遠隔視は無いんじゃないか?
>>73 何も遠隔視じゃあなくてもちょっと本体から離れた場所までスタンドが直接見に行けばいいような気がする。
ホワイトスネイクみたいに。
>>74 ホワイトスネイクは遠隔操作に近いだろ
エボニーデビル戦とかラバーズ戦とか見る限り言及や描写の無いスタンドは本体に視覚情報送れなさそう
スタープラチナがやってなかったか?
スタプラの見ている映像を承太郎がそのまま見ている描写はない
また承太郎が目潰しをくらった時はスタプラの目も閉じてしまっている
ただスタプラの見た情報を間接的に伝えてもらっている描写はあるが
まあつまりDIOも世界に見回りをさせて、何かを見つけたら世界に報告してもらうという風にはできると思う
どうも設定が災いして変な風になっているようですね・・・
>>77 太郎が、双眼鏡をスタプラに見せているというシーンがありますよ。
なので、窓から見ているのは世界ということで。世界が日光を浴びても死ぬということであれば不味いかも知れませんが。
※現在、放送後でまだ進んでないキャラ
○エンリコ・プッチ神父→傷が回復するのを待っているようだが……
○シュトロハイム →参戦時期がジョセフとの再開前or前後なので悲しみさらに大?
【最強の波紋師匠タッグ】
○ツェペリ/○リサリサ →カワイソスな状況になるのは間違いなさそう
【エッレ・イタリアーノ シニョーラ エ シニョリーナ】
○トリッシュ/○シーザー →ディアボロ(ドッピオ)が接近中。他に近い所にいるのはブチャ達か?
【 H☆S & S☆H 】
○噴上裕也/○リキエル →ぶっちゃけスルーしても問題な(ry
【闇の重戦士チーム 宇宙人添え】
○ワムウ/○タルカス/○ヌ・ミキタカゾ・ンシ→どこに隠れているかで大きく明暗が分かれそう。
【角砂糖同盟】
○ウェザー・リポート/○セッコ →この中では一番動かしやすいかも?
80 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/02/25(日) 19:07:55 ID:ke92rbOl
なんだか停滞気味な感じ
気味じゃねぇ
修正スレに修正稿を投下しました。時間が空いてスミマセン。
状態表も変化したので、リレーの際にはご留意ください。
遅レス申し訳ありませんが・・・
◆vVaTIBWCAAさん
この状況でまだ「ネタ探し」とか言ってる露伴先生・・・流石です。
◆v8Ybu3DWXA
青酸使っちゃったらダイアーさん・・・波紋の威厳は保てるのか?
どちらも読み応えありました。続きも期待してます!
◆v8Ybu3DWXAさん
呼び捨てにしちゃいました・・・スミマセン。
>>82 修正乙。
花京院が虫の息……遂に3部の正義側から死者が!?
ナランチャもジョージに見つかったら間違いなく助けられるんだろうからかなりヤバイ。
次の展開が非常に楽しみな締めだったよ。
>>82 えーと修正が来たからWikiで編集したんだけど、ギリギリ50KB以上あるので
前後編に分けないといけないみたいです。
なので、分けるとしたら後半はどこからなのか申し出てくれるとありがたい。
50kb以上ある時は
Wikiモードではなくワープロモードかそのままモードで編集すれば大丈夫ですよ
>>88 いやぶっちゃけそうなんだけど勝手にやるのもアレだしね。
他ロワでは実際前後編として扱っているところもある。
だから書き手さんの意見を一応聞いておきたいと思ったわけです。
>>86 コメントありがとうございます!
>>87-89 お手数おかけしてスミマセン。
Wikiには詳しくないため、申し訳ありませんが、
前半=本スレ
>>18まで 後半=本スレ
>>19から
という方針で、お願いします。
真ん中ではないですが、戦闘開始の前後ということで。
何か問題や不都合があったら、また教えてください。
えっと……再びですが
【ツェペリさん、リサリサ、シュトロハイム】予約します。
期待
期待
期待……といい続けてもアレだなww
Wikiで何か要望ある?オレはそろそろ各キャラの説明文が欲しいと思ってたり。
知らない奴は編集しようがないし知ってる奴も誰からやればいいのやら。
じゃあ、それやるよ
説明というのは、原作内でいいんですか?
とりあえず好きなDIO様、ジョージ卿を入れてみた。こんな感じ?
まぁ、いいんじゃないか?
とりあえず他のロワであったキャラ紹介のテンプレあったんで
置いときますね
【名前】
【出展】
【種族】
【性別・年齢】
【外見】
【性格】
【口調】一人称、二人称、三人称、特別な呼び方など
【特異能力】
【備考】
そんなのがあったとは。やり直してきます
作者の皆様乙です
続き楽しみにしています
ダイアーさんは青酸カリを使うなら波紋を利用して欲しいなあ
水を操ったり出来るんだからさ
ふふっ、波紋入りの青酸カリは苦しかろう・・・
しかしもう期限は切れてしまっていいるようですが・・・
>>82 遅レスですが、面白かったです!!
花京院もナランチャも死ぬのかと思ってドキドキしました
人格者ジョージのお陰で誤解も解けてナランチャも思い直してみんな同志になるよね……?
と期待してますが
そうはいかないのがパロロワなんだろうか
>>91 待ちに待ったダッグキター!しかも軍人付きw
全員失意のドン底で難しいでしょうが
書き手さん頑張って〜!
104 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/02(金) 11:13:14 ID:8JHMbRha
初レスで遅レスすいません
◆v8Ybu3DWXAさん
ダイアーさんの青酸カリですが
二部の死の結婚指輪(?)で代用できないでしょうか?
そちらの方がジョジョのアイテムとして適当だと思うのですが
できないまたは青酸カリの方が後のSSで展開が面白くなるのであれば
スルーしていただいてかまいません
掲示板初心者なのでマナー等を注意していただけたらうれしいです
>>102 fk8氏は二作以上採用されてるから期限は来週の火曜までだぜ
つかまだ3日も過ぎてないが
>>104 青酸カリより死の結婚指輪の方がいい、なんてのはあんたの好みだろ
矛盾じゃないから却下
>>104 あと最後の行は全くいらない
自分を卑下するコメントはやめてほしい。
掲示板のマナーを解説しているサイトはいくらでも
あるから自分で調べろ
投下します。
「急げェェェ急げェェェ事態は一刻を争っているのだァァァ!! 」
戦車のように猛然と走るサイボーグ、ルドル・フォン・シュトロハイム。
噴上裕也とリキエルから『戦略的撤退』をとった彼は全速力で杜王町を走っていた。
戦のしんがりを務め、全てを託してくれたジョナサン・ジョースターの仇をとるために。
そして、あの二人を倒すうえで必要な戦力と仲間を探すために。
今、この状況で即戦力になりうるは……自分が最初に出会った一癖も二癖もあるジャップの漫画家、岸辺露伴。
彼も噴上達と同じく『スタンド使い』。餅は餅屋の理屈で彼の自宅を目指すことを決めた。
地図と支給品を置き去りにして道に迷った時はどうなることかと思ったが、
彼の自宅を目指すのなら元来た道を辿ればいいだけのこと。
なんとか無事であればいいのだが――
『えー皆聞こえているかな? それじゃあただいまから一回目の放送を行いま〜す』
悪魔の点呼が始まった。おどけた男の声が自分の怒りの波を掻き立てる。
これから耳にするであろう現実は、既に自分にとってわかりきったことだからだ。
それは紳士ジョナサン・ジョースターの偉大なる死。
万が一を願っていた己の心をあざ笑うかのような現実。、耳を塞いでも鼓膜に突き刺さるようかの事実。
しかし放送はさらに思わぬ人物の名も口にした。
柱の男の消滅のために手を組んだ石油王―-ロバート・E・O・スピードワゴン。
柱の男の長たる象徴であり、諸悪の根源である化け物――カーズ。
柱の男の恐怖など全く寄せ付けない機転と才知に溢れた、いまいましいイギリス人――ジョセフ・ジョースター。
シュトロハイムは呆然とする。
何気なく自分の耳をいじり、機能を確認する。どうやら誤作動は起こしていないようだ。
つまり、事実。石油王の死も、化け物の死も、そして……いまいましいイギリス人の死も全て真実なのである。
「なんたる醜態だJOJO! 見損なったぞッ! 貴様という奴は……貴様という奴は……おめおめと死んどる場合かーッ!! 」
一体いかなる手段で奴らは死に至ったのだろうか。
我がナチスに勝る……いやほぼ互角の破壊力を持つ兵器を装備した者がいるのだろうか。
あるいは、『スタンド使い』なる者による討伐を受けたのか。
考えるだけで、怒髪天を打ちそうだ。
しかし愕然としていたシュトロハイムは、知らず知らずの内にゆっくりと左手で額にあて、天に向かって敬礼をしていた。
それはジョジョに出会い、ジョジョに出会えなかった軍人による、
誇り高き男たちへの追悼と惜別の念を込めたささやかなるハナムケであり、謝罪であった。
日光に照らされた彼の右目レンズが、キラリと光る。
今日は涙のせいか、いつもよりいっそう輝いて見えた。
※ ※ ※
吉良吉影とギアッチョが死闘を演じた線路沿いに佇む一組の男女の影。
毅然と立つ女の名はリサリサといい、失望のあまり座り込む男の名はツェペリといった。
放送手段に驚きはしたものの、それ以上の衝撃が二人を襲っていた。
男の悲しみは尋常ではなく、体内で反響し脳髄から過去の記憶を浮かびあがらせていた。
『ツェペリさん、あなたとぼくは共通点がある。似た過去がある。教えてください波紋の使い方を!!どんな苦しみにも耐えます。どんな試練も克服します』
『なぁ! ツェペリのおっさんよォ おれにもよぉその「波紋法」とやらは可能か?やってみたいんだ !おせーて! おせーてくれよ! おれもあんたらの力になりてえんだよ!
この町のどこかにディオのやつがいると思うと! あの野郎だけはゆるせん!おれは物は盗むがあいつは命を盗むッ!! 』
『初めまして。ストレイツォと申します。あなたも肉体の鍛錬のために「波紋法」を学びに?……なるほど、石仮面の謎を調べるためにやって来たのですか。
あなたは自分の運命を受け入れることのできる、誇り高き信念をお持ちのようですね』
血気盛んで有望な若者ほど蝉のように短命で、生き残るのは自分のような老いぼればかり。
これが師・トンペティから告げられた予言――死への宿命だというのか。
自分の『運命』はうら若き青年達に未来を託すためだとばかり思っていたが、、
待ち受けていたものはその期待をことごとく裏切る現実だった。
だが、仮に本当に自分が死んだ後に蘇っているのならば……この状況こそが蘇った自分の新たなる『宿命』なのかもしれない。
「ミスターツェペリ、心の整理はついたかしら」
女の問いで我に返る。彼女の姿は自分の目にたまる水でぼやけるせいかよく見えないが、態度は極めて冷酷だ。
親しき者達との別れに悲しい素振りも見せず、涙も流さず、喘声もあげない。
だが、本当に悲しくないはずがない。気丈にふるまおうとしているだけなのだ。
自分に声をかけたかと思えば、いつの間にやら先へ先へと歩いていた。
一時の感情に流されず、自分の目的を確実にこなそうとする姿勢。なんと立派な波紋戦士であろうか。
※ ※ ※
「な……何が起こったというのだァーッ!!」
確かに同じ道を引き返したはずだったのだ。
少々契機の調子が不完全とはいえ、家宅と周りの風景を見間違えるほど我が頭脳は劣悪ではない。
とはいえ……未だに信じられない事態になっている。
そう、岸辺露伴の家の崩壊。
ヴァニラ・アイスの襲撃でやぐくなった建物は自ら崩れ落ちたのだが、そんなことをシュトロハイム自身は知る由も無い。
シュトロハイムは焦った。
先ほどの放送では生存者の名はよばれなかったが、生死の境を迷っている人間がいる可能性はある。
つまり露伴は……この建物に生き埋めになっているのかもしれないのだ。
しかしこの瓦礫の山から人一人を見つけるのは至難の技。
いくらサイボーグの身体を持つ男でも片腕がない状態では半日はかかってしまうだろう。
ここで無駄な体力を使ってはせっかく命を賭したジョナサンに申し訳が立たない。
「ええい! 迷っとる場合かァーッ!! 」
が、シュトロハイムは自慢の鋼鉄の肉体を動かしていた。
左手の指と掌の力、左腕の力、左肩の力を使って破片を取り除いていく。
どれほどの器かまるで分からないほどの短い付き合いのはずなのだが、
もしこのまま彼を見捨ててしまったら、潰えてしまう気がしたのだ。『希望』という光が潰えてしまう気がしたのだ。
……そしてシュトロハイムが数十分この行為を行った結果彼自身が、この行動が徒労に終わることを悟り始めたころ、
「彼ら」は現われた。
「久しぶり……と言ったほうがいいのかしら。随分と荒っぽい再会ね、ルドル・フォン・シュトロハイム」
シュトロハイムの救出作業は力任せに行われていた為、あたりに騒音を撒き散らしていた。
そのため、近くを歩いていた人間を呼び寄せることとなり……結果的に、彼は『希望』を招いたのだ。
※ ※ ※
「オマエはJOJOの師匠である、波紋使いリサリサ!! そしてそっちの男は……貴様の知り合いか? 」「“ミスター”ウィル・A・ツェペリ。あなたも知ってる私の弟子、シーザー・アントニオ・ツェペリの祖父にあたり、
ジョセフ・ジョースターの祖父、ジョナサン・ジョースターの波紋の師匠にあたる」
「ツ、ツェペリだと!? ならば貴様はジョナサンの言っていた屍生人だという事か! 」
「馬鹿モン! 屍生人なら早朝の外で無事なわけがなかろう。正真正銘の人間じゃよ。
お主は信じてくれんだろーが……ん、お主ジョジョを知っているのか!? 」
「あ……ああ……話すと長くなりそうだ。だが今は手が離せないんだ。
この瓦礫に生き埋めになっているかもしれないオレの仲間を見つけるのが先だ」
「それならワシらにまかせんかい。この瓦礫全体に『波紋』をながして生命反応を調べてやるからそこで指をくわえて待っちょれ」
ツェペリ達が波紋を流した結果、生命反応は瓦礫からは感じとれなかったらしく、
それを聞いたシュトロハイムは安堵の息を漏らした。
そして3人は、互いがここで体験した情報の交換を行った。
シュトロハイムがジョナサン・ジョースターの勇姿を語れば
「フッ……『ツェペリさん仕込みの究極!深仙脈疾走(ディーパスオーバードライブ)』か……
ジョジョの奴、最後の最後までカッコよく散りおって……」
と、ツェペリが再び涙を流し、
また、岸辺露伴から受けたスタンド使いのレクチャーを話せば
「それが本当なら荒木の能力が死人を蘇らせること、という私達の仮説も大いに修正の必要があるわね。
しかしミスターツェペリをはじめとした私たちにとっての“死者”が存在しているのは確かなのは間違いないのだけれど。そして岸辺露伴……あなたに自分の能力を話さない所をみるとかなりキレる男のようね」
と、首を捻る。
議論の進展もさほど進まず、話題も収束しかけたときにツェペリは何気ない質問をした。
「お主たちの生きている時代で、誰が死者なのか教えてほしい」と。
ところが、この質問は3人にある結論を導き出した。
リサリサの指した死者はシュトロハイムよりも多かったのだ。
この謎の種明かしは実に単純である。
シュトロハイムは柱の男討伐、及びエイジャの赤石奪還のためにスイスに赴く時代から、
リサリサは柱の男たちとの因縁が決着した時代から、それぞれやってきたのであった。
つまり、シュトロハイムにとってシーザー、柱の男達はまだ死んでいないことになる。
同じ時代に生きていたはずの二人がここでは互いに記憶の間で生じる若干の時の「ズレ」があったのだ。
この「ズレ」こそ……荒木の能力の最大のヒントと成りえる物だったようだ。
「これで荒木が死者を蘇らせる能力を持っている可能性はほぼゼロということかしら……?
どう決着がつくかはあえて具体的に話さないことにするわ。
しかし私の存在していた時代では柱の男たちとの決着がつく前に、あなたが死ぬことは有り得ない」
「つまり荒木は……例えるなら時空を超えて私たちをこの場に集めることが能力に近いものをもっているということか?
ナチスでそんな超絶技術をやろうとしてたアホ共がいたが……しかし奴はなぜこんなまどろっこしいことを……?
貴様とオレが知り合う前の時代で生きていた時代から呼び寄せたほうがより円滑にこの殺し合い進められたのではないか? 」
「何かあるんじゃよ。そうしたかった、もしくはそうせざるをえなかった何かが……」
こうして、荒木の能力をスタンド能力に近いものと仮定したうえでの議論は終了し、これからの指針について話すことになった。
まず、この町と荒木やスタンド能力への更なる調査。
次にシュトロハイムの本来の目的である噴上裕也とリキエルのいる病院への襲撃。
この二つのこともふまえて、3人とも意見は一致した。
「もっと仲間を増やそう」と。
波紋戦士として一万人にひとりの適性を持つジョナサン・ジョースターを倒すほど、スタンドの性質には底知れぬ凶悪さがある。
よって当面の目標は荒木に反逆の意思を持つスタンド使いの仲間を増やし、この状況への更なる理解。
そして戦力が十分になった後、あらためて病院へ向かう作戦を実行することになった。
特に、シュトロハイムが出会った岸辺露伴という男の捜索は最優先事項。
彼は荒木への反逆の意思を見せていた。つまり露伴の仲間なら同様の考えを持つ者がいる可能性が高い。
そして一刻も早く、さらなるスタンド使いの情報を彼から得なければならない。
そして3人にはもうひとつの結論が出来ていた。それは――
※ ※ ※
「待っていろォォォォォ岸辺露伴ンンンン噴上裕也ァァァリキエルゥゥゥ!!! 」
岸辺露伴の家から少し南に進んだ住宅街。ツェペリ達から譲り受けた余りのデイバッグを担ぎ、シュトロハイムは再び走り続ける。
仲間を探すため、増やすため、旅の再開である。
身体の調子も依然良好。そして今回は頼もしい道具も新たに手に入った。
不思議な矢の形をしているが、説明書曰く参加者の首輪探知機らしい。首輪に反応するとその方角を向くという物らしい。
リサリサ達が自分を発見できたのはこの道具のおかげらしく、なんとも便利な支給品である。
なんとしても約束の時までには間に合わせてみせると祖国の誇りに掛けて誓うと決めた。
あの病院の二人を打倒する戦力を、この手に掴むために走る!!
「確か第4放送までに病院前で集合だったなァァァァ! まずは南東に向かってゼンソクゼンシィィィィン!!」
※ ※ ※
岸辺露伴の家だった瓦礫の前でウィル・A・ツェペリは一人、シュトロハイムが去った後のリサリサとの会話を思い出す。
――フーッ 暑苦しい男だったわい。だがとても若さと情熱に満ち溢れておる。
ジョジョも自分の遺志があのような男に受継がれているのなら本望じゃろうて――
――……それじゃあ私達もここで別れましょう。予定通りに――
――本当にいいのか? 我々3人がそれぞれ別行動をとるなんて……単独行動は自殺行為じゃぞ?
ワシやあんたはある程度、波紋で周りを探知可能じゃから奇襲を受けることはないと思うが、あの男はどーかのう――
――だからあの支給品を彼に渡したのです。私達が持つよりは彼が持つほうがいい。
ジョナサン・ジョースターが全く太刀打ち出来なかったスタンド使いに、我々が束になってかかったところで勝算はよくて五分でしょう。
他のスタンド使いもおそらく同等の力を持っていると考えるのが妥当。あれは私達の波紋とは別の次元の力です。
私はスタンド使いからもっと直接話しを聞くべきだと思うわ。
だから後の病院の襲撃のための仲間の収集……なるだけ多くの同志を募る為の効率を優先すべきと判断したまで――
そう言って去っていく彼女の後ろ姿は、相変わらず“冷酷”の空気を帯びていた。
最後の最後まであくまで弟子の死に動じていないフリをするつもりだったのだろう。
事実、シュトロハイムもツェペリもジョセフ・ジョースターの死亡を話題に上げてはいない。
「話すな」と言わんばかりの彼女のオーラがサングラスの奥から湧き出ていたためである。
3人別々に行動をするという彼女の提案に乗ったのも、彼女にあることをさせる為であった。
このまま自分達が一緒にいては決してすることはない行動をしてもらうのだ。
「ん……これはなんじゃ? 」
一人、岸部露伴邸のポストにもたれていたツェペリは、ポストの中からカサカサとなる音を聞き取った。
おそるおそるポストの蓋を開けると、そこには置き手紙があった。
早速手紙を読んでみると、そこには男の不満がたらたらと書かれていた。
『フン! この手紙を見つけたあんたはそーとーの暇人のようだなッ!!
この手紙が何かの役にたつとでも思ってポストを開けたのかい?
違うだろう。どーせグチャグチャになった僕の家を野次馬根性で見る為にここに来て、
たまたまこの手紙を見つけたんだろう? さあ笑えよ!!
改装したばかりで新築同然なのにまた自宅をボロボロにされたこの僕を!!
変に情けをかけてもらう位ならいっそ笑ってくれたほうが百倍マシだからなッ!
どうだ、スッキリしたかい? スッキリしただろうッ!
……まぁ、その、なんだ。
万が一誰かがここに来た時に瓦礫をこれ以上ひっかいて、まわされるのも困るしな。
それで人を呼び寄せでもしたらさらに野次馬が増えるだろう。それは僕も嫌だ。
万が一、僕の知り合いがこの手紙を読んだ時のことを考えて、書いておこう。
僕は無事だ。
だが、よけいな情けはいらないぞ。怪我もしていないし、この通りピンピンしてる。
もしも僕の家をひっかきまわした後この手紙を読んだアホへ、ざまあみろ。
そんな野次馬根性だから損をするのさッ!
ただ……ここで悪態をついてもしょうがないからな
一応、一応だが「心配してくれてありがとう」と、言っておく。あくまで社交辞令だがね』
――岸辺露伴――
結局、最後にお礼を述べているこの手紙の主にツェペリは思わず笑ってしまった。
この岸辺露伴という男は実に自分本位で、トンチキで、奇妙な男らしい。
「……ちょいと興味が湧いてきたわい」
ツェペリは露伴の手紙を懐にしまうと、瓦礫の山を後にした。
※ ※ ※
私、リサリサ(エリザベス・ジョースター)はあの崩壊した家宅から南に進んでいる。
3人の間で決まった約束「第四回放送までに仲間を集めて、病院前に集合する。それまでは各自単独行動」を遂行するために。
もう悲しみからも大分立ち直ってきた。戦士たるもの、常に仲間との別れはつきものであり、常識。
悲しみで涙する余裕があるならば、より密度のある波紋を練るために集中するべきだ。
例え、赤ん坊だった自分をあの船の事故から救ってくれた命の恩人であるジョナサン・ジョースターと死別したとしても。
例え、その赤ん坊だった自分を立派に育て上げてくれた狂気の波紋戦士ストレイツォと死別したとしても。
例え、死んだ夫の復讐に走った私を財団の総力を尽くしてかくまってくれた恩人、スピードワゴンと死別したとしても。
そして例え、波紋戦士としての才能も申し分なく、才知と勇気に溢れていた自慢の弟子であり…………
『ちくしょうーーッ!! てめーーッ! なに様のつもりだ! ゆるせねえ! 美人なだけになおさら怒りがこみあげるぜ! 』
自慢の…………弟子で……あり…………
『先生―ッ かっ……感動したぜッ! はっ早く次の修行にうつってくれ! おっ俺はなんでも乗り越えてみせるぜッ! 』
………自慢の…………息子でも………………あり…………
『てめーッ 今 おれのことバカモノっていったなァァ〜〜? ん?
ギャにィィーッ なんでおれの名が墓に刻んであるんだ!? ま……まさか! この葬式は!?
オーーノォーー信じらんねーッ!! 』
…………息……………………子で………………………………………………
『死亡したのは……ジョセフ・ジョースター――』
「そんなハズがないッ!! 」
声をあげて私は叫ぶ。自分の人生でもおそらく最初で最大の呼吸量。
腹の底からありったけの気を込めて、広がる空に向かって解き放つ!
この目で自分は何度も見たのだ。自分の息子の類まれない才能によって生み出された数多くの奇跡。
2千年続いた石仮面と波紋の歴史に決着をつけた男が死ぬはずがない
我が息子の運命は、プッツリと断ち切れる細い糸のような脆い運命じゃあない。
息子はきっと生きている。この目でこの手で確認するまでは……たとえ何があろうと信じない。
ツェペリ達はおそらく私が気丈に振舞っているフリをしていると考えたゆえに、一人になる事を許してくれたのだろう。
荒木は私の大切な人の死を語って私の動揺を誘おうと企んだのであろうか。
これしきのことでこの私が動じると思っているのだろうか。
否、否、否、否、否、否、否、否、否、否!!!
私の脳は一秒間に十回否定した。
まだ、涙を流す必要はない。これは、まやかしなのだ。ジョセフはきっと生きている。
きっとあっと驚く手段で死んだフリをしているに違いない。あの子には自信を持ってそう言い切れる。
私は波紋の達人。しかし冷静ではない。
ここまで私達の誇り高き運命をコケにするのなら……容赦はしない。
荒木だろうと、噴上裕也だろうと、リキエルだろうと。
そしてジョセフの死を肯定しようとする者なら……誰であろうと!!
最も……そんな奴らでも病院襲撃の時までは私たちの手駒として動いてもらおうかしら。
私のよーな転んでもタダで起きないタイプの人間は、そのくらいの欲張りは許してもらいたいわね。
さて、私の独り言はこれで終わり。さっさと先へ進むことにするわ。
【ぶどうヶ丘病院襲撃隊S(シュトロハイム)班(チーム名はあくまで仮称)】
【住宅街 (D-4)から南東に進行中/一日目/朝】
【シュトロハイム】
[能力]:サイボーグ
[状態]:右腕喪失(だが痛みはない)。生身部分、『波紋』によって完全回復済み(むしろパワーアップ?)
[装備]:ゲルマン民族の誇りである自らの肉体
[道具]: 支給品一式、『矢の形をした首輪探知機』(ギアッチョの支給品)
[思考・状況]
1) ジョナサンの仇を取る(その為に信頼できる仲間を探す)
2) ツェペリ、リサリサと第4回放送時に病院(C-4)の前で集合する。
3) 露伴、シーザー、ツェペリとリサリサの知り合いを最有力候補として合流を図る 。
4) ジョースター卿とDIOに出会った時、二人を倒すかどうかは保留。
5) もちろんワムウ、荒木には警戒する。
※シュトロハイムの持っている矢の外見は、スタンド能力を発動させる矢にそっくりですが別物です。
あくまで首輪のある方向を指し示してくれるだけで、それ以外はただの矢です。(方位磁石のようなもの)
【ぶどうヶ丘病院襲撃隊Z(ツェペリ)班(チーム名はあくまで仮称)】
【岸辺露伴の家の前(D-4)/一日目/朝】
【ウィル・A・ツェペリ】
[能力]:波紋
[時間軸]:双首竜の間で、天地来蛇殺の鎖に捕らえられた瞬間。胴体を両断される直前。
[状態]:左肩に小さな傷があるが治療済み。 ジョナサン達を失ったことへの悲しみ。
[装備]:ショットグラス×2、 水入りペットボトル(共通支給品だが、波紋カッターや波紋センサーに利用可能)
[道具]: 支給品一式×2、拡声器(スポーツ・マックスの支給品) 、薬草少々(ツェペリと分けました)、
岸辺露伴の手紙
[思考・状況]
1)第4回放送までに病院(C−4)襲撃の為の仲間を探す。 特に岸辺露伴、リサリサの知り合い。
2)参加者の中にいる吸血鬼・屍生人を倒す。
3)ジョースター卿が屍生人になっているかどうかを確かめる。もしかしたら違う?
4)未知の技術『スタンド』についてさらなる検証を重ねる
[備考]:ツェペリは、荒木が『時空』に関わる力を持っているのかも、と考えましたが自信ゼロ。
スタンド能力の大原則はシュトロハイムから聞きました。。
【ぶどうヶ丘病院襲撃隊R(リサリサ)班(チーム名はあくまで仮称。というか意識してない)】
【岸辺露伴の家(D-4)から南へ進行中/一日目/朝】
【リサリサ】
[能力]:波紋
[時間軸]:第二部終了後。ジョセフとの母子関係を明かしアメリカ移住を決めた頃
[状態]:右脛に小さな傷があるが治療済み。 冷酷に振舞っているが、冷静ではない。
[装備]: アメリカンクラッカー×2
[道具]: 支給品一式、薬草少々(ツェペリと公平に分けました)
[思考・状況]
1) ジョセフの死はこの目で見るまでは信じない。他の死者に関しては保留。
2) 第4回放送までに病院(C−4)襲撃の為の仲間を探す。 特にシーザー、岸辺露伴。
3)ジョセフの死を肯定するものは信頼しない。あくまで病院襲撃の手駒として利用するまで。
4)もちろんワムウ、荒木には警戒する。
5)未知の技術『スタンド』についてさらなる検証を重ねる
[備考]:リサリサは、結局『柱の男』についてツェペリに説明しそびれています。
[備考]:リサリサは、荒木が『時空』に関わる力を持っているのかも、と考えましたが自信ゼロ。
スタンド能力の大原則はシュトロハイムから聞きました。
投下終了しました。それでは失礼します。
投下お疲れ様です
乙!
やっぱシュトロハイムいい奴だわ〜w
それと細かい事なんですが
怒髪天を’衝く’です
あとシュトロはナチスなんで敬礼は腕を斜め前に突き出すものでは?
乙!
放送の後の微妙な人情を描き分けていて良かった。
ドイツ人なら「ジャップ」じゃなくて・・・なんだろ。
にしても、だんだん交戦が難しくなってきたかも。
この時間は、のんきにお昼寝してる奴らもいるしね。
>>126 「東洋のゲルマン民族」w
まあヒトラー自信も日本人を内申差別してたらしいしいち軍人が日本人をジャップって呼ぶくらいはいいんじゃないか?
シュトロハイムにその考え方が合うかはともかくとして
128 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/03(土) 00:31:07 ID:BHBqYly3
>>105 そうですか、わかりました
矛盾がないので却下なのはそのままでいいのですが
訂正したい部分があるので訂正だけします
二部の死の結婚指輪→一部の東洋の毒薬
>>106-107 これからそうしてみます
あと前レスで書き忘れたのですが
矛盾とまでいきませんがDancing In The Street の
最後の部分で康一くんが露伴先生をココ・ジャンボの中に入れなかったのが
気になったのですがどうしてでしょうか?
完全に忘れてました……orz
修正したほうが良い?
それとも次の書き手さんにまかせた方が良い?
>>126 >>127 ジャップってもともと差別用語ではなく短縮語だからいいんじゃないか?
侮蔑語として使われたのは第二次世界大戦後だし
131 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/03(土) 02:36:34 ID:py2Z26I4
リサリサは杖助の祖母にあたるんだっけ?
そうだよ
>>117 彼女にあることをさせる為であった。
この「あること」って何?読みきれてないだけかな?
学生はもう春休みなのか?うらやましい
>>133 リサリサが泣ける用に気を利かせたってことだと思う
>>135 最初はそんなところかとも思ったんだけど、
>>117 このまま自分達が一緒にいては決してすることはない行動をしてもらうのだ。
「行動」を「してもらう」というのが引っかかる。
なので、作者の意図があるなら聞いておきたいと。
深読みしすぎじゃね?
もっと浅くでいいと思うよ。
>>127 確かドイツの科学力は世界一だから
科学力の遅れている日本を見下していた
って解釈してた人いたぞ
皆さん指摘、ありがとうございます。
>>125 確認したところ、ナチスの敬礼は右手を出して“選手宣誓”の形をとるそうで……修正させていたただきます。
>>126-127 ジャップのくだりは私もよくわからなくて、過去のシュトロハイムのSSを参考にしていました。
もうちょっと自分で調べて、納得のいく答えが見つかったらその形に修正しようと思います。
>>129 ココ・ジャンボの能力は康一も知っているはずなので、矛盾とは言えないまでも違和感はあるかもしれません。
修正したほうがいいかもしれません。
>>133 他の皆さんの指摘どおり、ツェペリは感情をあらわにしないリサリサを気づかって単独行動を許可しました。
ようは「一人で行動しなよ、それなら私たちを気にせずに泣けるでしょ? 」的な意味を込めてました。
ちょっと自分でも伝わりにくいくだりがあったような気がするので少し修正させていただきます。
140 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/03(土) 17:44:53 ID:l2xLx6FD
ある事をさせる為、って言うより「ある事を出来るようにする」の方が表現的にただいい気がするんだけどなぁ。
「ある事を出来るようにする」だとあんまり複線っぽくない気がする
そうか?
「させる為」ってーとなんか傲慢なイメージなんだよな。
『スタンド』などというけったいな能力者が存在する事が判明した以上、単独行動は危険だが。
気丈な彼女の事だ、我々が共にいるとやりたい事も出来ないだろう。
無理に引き留めても我々の信頼関係にヒビが入りかねない。
みたいな感じ。
>>シュトロハイムのジャップ発言
俺らだって『外人』発言するからそれくらいは良いんじゃん?
そうか?
「させる為」ってーとなんか傲慢なイメージなんだよな。
『スタンド』などというけったいな能力者が存在する事が判明した以上、単独行動は危険だが。
気丈な彼女の事だ、我々が共にいるとやりたい事も出来ないだろう。
無理に引き留めても我々の信頼関係にヒビが入りかねない。
みたいな感じ。
>>シュトロハイムのジャップ発言
俺らだって『外人』発言するからそれくらいは良いんじゃん?
投下乙です〜
ダイアーといいリサリサ先生といい、
原作とまた違った味が出てて良いね!
三者三様の死者への悼み方がうまく描かれてて良かった
特にシュトロハイムが良かった
ついでに露伴も露伴らしくツンツンしてて良かった
何も置き手紙までそんな憎たらしく書かなくていいじゃないかwと笑ってしまったよ
>>143 たしかにつじつまは合うかもしれないが衝撃がこないんだよ
したらばの修正スレに修正したもの投下しました。
なおジャップの件ですが、
>>130>>138といった皆さんの意見をふまえると、どっちの意味でも差し支えなさそうです。
自分で調べましたが、特に深い意味がなくても日本人をジャップと呼ぶことは海外ではままあるそうなので、
(こちらでいう、『よお外国人』? に近い形だそうです)修正は無しにしました。
お疲れサマ
DIOって死んだ人間からも吸血できる?死体の血って固まる?
確か血液って空気に触れると凝固起こすんじゃあなかったか?
死体から血が吸えるかは分からないが
たぶん新鮮なものなら可能かも
つか原作でジョセフの死体から血を吸ってたじゃないか。
あれ死体だったのか
>>151 死んだら体内の血も固まるのかなーとか思ったんだ(あの時ジョセフは仮死っぽかったけど)。
実際凝固した血も吸えるという描写がなかったからさ。
死斑が身体の低い部位に出るってことは、少なく
とも死後数時間は流動性があるってことでは?
ついでに便乗するようだけど質問、
オープニングの『教会』は杜王町にある?
荒木もゲーム内の杜王町の何処かにいる?
あるとしたら(いるとしたら)何処なんだろう。
書き手に任されてる部分もあるとは思うけど。
>>154 『教会』自体は杜王町にあるという設定だったはず。荒木のいるところも教会でFA。
ただ、教会は原作では登場してるかどうかはわかんね。
ふと思ったんだけど、まとめサイトは結局どうなったの?
今はもう俺自身wikiの方で読めているから十分なんだけど・・・
もうスレの中で話題にも出ていなさそうなんで
ここいらでもういっぺん議論して対処した方が良いのでは?
まとめサイトは警告を一応出して
無いようであれば今後はwikiで全て保管ということでよいのでは?
>>157 したらばはあそこのまとめサイトを使わせてもらってるから放置でもいいかもよ?
質問。柱の男はこのロワで日光を浴びるとどうなるの?
サンタナのように石化して終わり?
その筈というかその描写しかないし
もしも雨が街全体に降ってきたらDIO達も自由に行動できるんだけどなぁ
吸血鬼は雨雲越しの太陽も駄目なんじゃないの?
柱の男ならかなりいけるだろうけど。
過疎ってきたよ………
>>162 ジャンロワじゃ普通に行動できたし、
それくらい活躍させてもええんでないの?
>>162 あくまで日光を直接あびるのがいけないわけだからね。
夕方ギリギリだと普通に活動してたっぽいからいいと思うんだ。
シュトロハイムが武器に使っていたのが紫外線なら曇も危険じゃね?
>>159-160 ワムウが日光に焼かれて苦しんでる描写あるよ。波紋レンズ越しの光だけど。
あの苦しみ方や、シーザー・ワムウ両名の言動を見るに、
ツメを誤らず日光を浴び続けていたら死んでた、と見るのが正しいかと。
……てか、原作ちゃんと嫁。
ちなみにサンタナは波紋でも殺しきれない、日光浴びても石化だけ、という謎の存在。
普通に考えて「作者が途中で設定を変えた(笑)」ということなんだろうけど、
穿った見方をすれば、その不死性こそがサンタナの能力だったと考えることも可能。
「風」「炎」「光」に並ぶ、「石」あるいは「大地」のモード、石になることで日光や波紋にすら耐える、とかな。
雨雲越しの太陽はちょっと分からない。実例がない。
ただ、天気の変化を普通の人間以上に恐れそうだとは思う。
いや、波紋を直接流さなきゃ倒せないから蹴りにいったんだろ
最初の調整である程度レンズの狙いつけれても全身隈なく浴びせるのは無理だったろうし
もう手から離れてるから
石になるのは日光に対する防御策だろ?
登場した時石だったし
石の時は波紋も通じない、触れると喰われる、
だから完全な石になる前に決着をつけたかったんじゃないの?
日光当たったとこ、ひび割れて石っぽく書いてるし。
サンタナはモードも持ってないから赤子のようなものなんでしょう
仮にあるなら「肉」ぐらいだろ
「大地」て……ないわ
それこそオリ設定だ
>>167-168 ありがとう。
柱の男は日光あびれば大ダメージ。(石化はサンタナだけだからちょっと微妙だが)
でも結局は波紋を流さないと死なないっぽいと考えればいいのね。了解。
一瞬で強いのを全身に浴びたら石になる前に死ぬと思うけどな
同系のスレがいっぱいあるところに移動しろってのが板移動の趣旨じゃね?
俺はこっちのがいいけど。
>>171 週間少年漫画行けって命令に従ってジャンプ2が移動したら同じ人物がまた移動先で削除依頼出してたな
ウザい粘着だ
一応避難所用意しとけばいい・・・ってどっかにあったな どこだっけ
うわ、ここも削除される可能性あるのか…
お気に入り登録すれば重大なダメージは回避できる…かな?
>>1にあるまとめサイトとまとめWikiをお気に入りに登録しておくことをおススメする。
それと避難所は「したらば」のことだぜ。
ウィキのキャラ紹介がやたら充実しててワロタ
特にダイアーさん
ダイアーさん愛されすぎだろ……常識的に考えて……www
これを見るとジョジョって愛されてるなぁって思うw
ダイアーさんwwww
他のキャラも充実してるなあ
キャラ紹介読むだけで楽しいw
もう終わり
182 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/16(金) 13:41:36 ID:ebedq+nY
未完
微妙
いくら過疎だからってここで終わりにはさせたくないなあ。
頑張って書き手になってみようか・・・無駄だと思うけど
そう思うなら文章の練習と思って頑張ってみたらどうだ?
過疎ってるし文句言う奴もおらんだろ、もしかしたら他の書き手も戻ってくるかもしれんしな
この程度の過疎でうろたえてる様じゃぁ先は暗いぞ
うろたえるなッ! ジョジョロワ住人はうろたえないッ!
社会人にとって三月はマジで修羅場だから大目に見てくださいな
SS書くどころか、まともに家に帰れないなんて……
ジョジョ読者の年齢層高いしみんな忙しいんだろうな
文を書けるなら続きを書きたいが……
そして時代は流れる…
因縁とか人間関係があってこそ、バトルが燃えるんだ。
自分では力不足ですが、書かせていただきますがかまいませんねッ!
何を書くのがいいでしょう?
まあまあ。過疎った!て言葉は、2ヶ月間誰も書かなくなってから言おうよ。
>>79に放送前のキャラが書いてあった
ツェペリ・リサリサ・シュトロは書かれたから、それ以外?
書くとしたら重戦士ですがまだ予約しない方向で
なので皆さん書きたい方はどうぞ
・・・と思っていますが、そういうのはアリ?
>>194 とりあえずあまり構ってちゃんするのは止めたほうがいいと思う
すいません自重します
それじゃ
>>194は無かった事に・・・
突然ですが予約させて下さい。
【予約】ジョージ・花京院・ホルホース・FF・ジョンガリA・ナランチャ
初投稿ですが頑張ります。
199 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/18(日) 14:27:24 ID:P5jRH56L
期待
と不安が
先日書き手に回ってみようかといったものです
【予約】ウェザー・リポート セッコ
初小説なので皆さん投下後にご指摘等お願いします。
投下予定は火曜あたりに。
え〜、数時間前に予約した私ですが、文章完成につき投下させてもらいます。
実を言うと
>>184を書き込んだ時点で文章作成を始めていて、完成したので余裕を持った予約する、と言う方法をとらせてもらいました。
この方法がアリかナシかはツッコミをお願いします。ですが
第2条/リアルタイムで書きながら投下しない
に反しない、ということをこの場を借りて明言させていただきます。
では、ウェザーリポート・セッコ 投下開始します
俺はさっきからずっとこの男と遊んでいる。
いや、楽しんでいる俺が言えることではないが、遊んでいると言っても実際のところはただの餌付けだ。
相手の名はセッコ。初めて会話した時に「殺しまくって乗り切る」と宣言した人間と同一人物とは到底思えないほど、遊んでいて楽しい男だ。
しかし、ずっと遊んでいる訳にもいかない。俺はここで定期的に角砂糖を投げていた手を止める。それに気が付きセッコが怒りの声を上げる。
「おい!ウェザーよぉ〜てめぇなんで急に角砂糖投げんのやめんだよぉ!」まあ当然だろう。
しかし、こいつの怒りに触れるような言動は今は控えなくてはならない。出来るだけ落ち着いて声にする。
「作ったそばから投げてちゃあこっちも疲れるさ。だからこれから少し角砂糖を作り置きしておきたいんだが。そうすればお前が欲しい時にすぐにあげられるだろ?」
これはあながち嘘ではない。常に同じ形の角砂糖を作り、それを風に乗せて打ち出しているのだ。もっと言えば俺のスタンド−ウェザー・リポート−は精密な動作には向いていない。
これ以上続けていたらセッコの納得する角砂糖の精製が出来なくなることは目に見えている。そうすれば同盟の決裂にもなりかねない。そしてなにより、砂糖の量が心配だ。
「あぁ〜そういう事なら理解可能だぜぇ。じゃあ俺はお前が作ってんの見てるからよ。ちゃっちゃと作ってくれよォ〜」
どうやら怒りは収まっているようだ。しかし俺のスタンドを解除させて休ませてくれるほどは気は長くはないらしい。
俺はもう随分と慣れてしまった手順で角砂糖を作り始める。もちろん、セッコの目の前でだ。セッコは楽しそうな目で角砂糖が出来るところを眺めている。
当初は中を空洞にした角砂糖にして極力砂糖を消費しないようにとも考えていたが、こんなに見られていてはそれも無理だろう。そう考えていた矢先、セッコから声がかかる。
「なぁ〜ウェザーよお〜。さっきからなんで1個づつしか角砂糖作らねぇんだよ」 俺は本当の事を口にする。もちろん、怒りを誘わないように。
「俺のスタンドはそこまで精密な動きが出来ないからな。1個づつ丁寧に作らないとお前だって嫌だろう?」
「なァるほどなぁ〜。だったらいいぜ。許してやるよ。サボってるんだったら許さねぇけどなぁ〜」
許す、許さない、と言う単語に少し反応したが、これはどうやら本心で疑っているわけでもなさそうだ。正直言って、こいつは頭も悪そうだから、会話で出てくるこういった言葉もその場のみの感情でしかないだろう。
「俺が1個づつしか作らない理由が分かったろ?まだ全部作るのには時間がかかるからそんなに・・・―――!?」
ずっと見ていなくてもいいぞ、と言おうとした時だ。部屋にあるテレビのスイッチが入ったのだ。セッコも驚いている。
反射的に家中の風の動きを探る。しかし、反応はなかった。テレビに映っている男――荒木は話し始める。
『えー皆聞こえてるかな?それじゃあただいまから一回目の放送を行いま〜す。』
そうだった。我ながら情けないところだったがセッコとの角砂糖遊びに夢中で放送を聞き逃すところかもしれなかったのだ。
しかし、今こうしてはっきりと放送を聞いている。聞き漏らすわけにもいかない。セッコは・・・・・・どうやら彼も放送に真剣なようだ。食い入るようにテレビを見つめている。
『・・・・・・じゃあ、おおむねそうゆうことでよろしくね―――』
プッツリと放送が切れた。俺自身が心をひどく動かされるような人間は死んではいないようだ。徐倫も・・・エルメェス、F・Fも無事か。アナスイは俺が心配しなくても大丈夫だろう。
禁止エリアも俺たちがいる地点とは遠く、移動の強制はなさそうだな。顔写真の入った名簿と地図にそれぞれチェックを入れる。
放送中は沈黙が流れていたが、すぐにセッコが話し始める。
「――・・・おいウェザー、角砂糖つくらねぇのかよお」 やはり角砂糖のほうが放送よりも重要らしい。現に、放送の途中からセッコは画面こそ見ているものの集中力が途切れているのが見て取れていた。
だがここで「そうだな」と作業に戻るわけにはいかない。多少なりセッコの意見を聞いておきたい。
「ああ。だがちょっと待て。なに、すぐ作ってやるよ。だから少し、話をしないか?」
「はあ?・・・まぁいいか。だけど絶対ぇーにサボるんじゃあねえぞ」どうやら了承してくれたようだ。ああ、とだけ短く答え、俺が切り出す。
「お前は、今の放送をどう感じた?誰か知っているやつとかが呼ばれたりしたか?」
「どう感じた?あー・・・よくわかんねぇな。俺が知ってるやつは、プロシュートとギアッチョだけだ。」
どうやら素直に話をしてくれるらしい。角砂糖に注意が行く前に話し続ける。
「そうか。そいつらは知り合いなのか?仲間だったりしたのか?」
下手に同情してもセッコは反応しないだろう。情報を得ることに集中した。後でもう一度名簿の写真を見ておこうと考えているとセッコから答えが返ってくる。
「いや、俺も知ってるのは名前と顔くらいだ。あいつらは暗殺チームで周りから嫌われてたからな。俺も好きじゃない」
暗殺、チーム・・・ギャングか何か、こいつがいた環境はどうやらまともな連中はいなさそうだな。俺は続ける。
「そうか。それじゃあ禁止エリアについてはどう思う?俺たちとは関係なさそうなところばかりだよな?これじゃあ意味がないと思わないか?」
「・・・・・・おめぇ質問しすぎだよ。教師かなんかかぁ〜!?」セッコが怒り交じりで反論する。すかさず答えた。
「悪かったな。じゃあ角砂糖を2個やるよ。最後まで話したらもう3個やろう。」
「うおぉっ!!分かってんじゃないか!」机の上に置きっぱなしだった角砂糖を早くも、しかし律儀に言いつけどおりの2個だけ手に取りセッコは浮かれている。
「ほら、角砂糖食ったら答えろよ?」
「・・・あぁ、そういやぁ禁止エリアなんて言ってたな。別に俺にゃあ関係ないねぇ」
さっき集中力がなさそうだったが、ここまで話を聞いていなかったのか・・・これ以上放送やゲームの本質に関わる質問は無駄かもしれないな。
「そうか。じゃあ最後の質問だ。これ答えたらあと3個食っていいぞ」
「おう!早く何でも聞け!」セッコは怒っている口ぶりではないものの、じれったそうにしている。もったいぶった言い方は出来なさそうだ。
「よし。 ・・・お前の支給品は何だった?まだ見せてもらってないぞ。」
役に立てるものがあることは期待していなかった。だが聞かない訳にもいかなかった。
使えるものなら使っておきたいし、支給品が受け渡してもらえるということは信頼の証にもなる。セッコがデイバッグを手元に引き寄せ、中からひとつの石を取り出す。
「これだ。齧っても美味くねぇからしまってた。」その宝石は朝日を受け、キラキラと不思議な光を放っている。手にとって少し眺めた後セッコにそれを返した。
「そうか。まぁ使えなくともお前に支給されたものだ。持っているといい。じゃあ約束どおりそこの3個食っていいぞ」
「まぁな〜。綺麗だしよぉ〜。」セッコは残る3個を口に頬張りながら窓越しに差す朝日に石をかざしていた。その一瞬だった。
どんなタイミングでか、朝日と石の角度がピタリと重なった瞬間、石の中心からまるで太陽を凝縮したような光線が―ほんの一瞬だけだったが―発射されたのだ。
「うおぉっ!!?」とっさに顔面をよけたセッコの頬に血が流れた。傷は深くはないようだがセッコの怒りを買うにはちょうど良かったかも知れない。
「何だぁこの変な石はよおォ!!ぶっ壊してやる!!『オアァァァ―――――・・・・・・!!』」
「止めろっ!」とっさにセッコを抑える。本能というか勘というか、その石は壊してはいけない気がしたのだ。
「何でだ!!俺は怪我したんだぞ!痛くはねぇけどよぉ!この怒り!このムカツキ!止めらんねぇ!」
「落ち着け、俺はその石の使い道が分かったんだ」とっさに口を開く。セッコは肩で息をしながらも聞いてくる。
「この石の使い道だと!?」
とっさに開いた口が迷わないうちに俺は自分の推測を話す。どこまで理解してもらえるだろうか・・・
「あぁ。今俺の位置から見ていて分かったんだがその石は光を吸収だか反射だかして光線のように出来るみたいなんだ。」セッコに動きはない。少し落ち着きを取り戻しているようだ。
「と、言うことはだぞ?俺の天候を操る能力があれば、晴れ間を作ることも出来る。つまり、自由自在にその光線を撃てるって事になる。」
「何が言いてぇのかよくわかんねぇ」セッコは落ち着いてはいるものの、いまだに理解しきれていない様子だ。
「ピーンと来いよセッコ。今それを壊したら俺たちは強力な武器を失うんだ。」
「・・・・・・なァるほどなぁ〜。お前やっぱ頭いいぜぇ」どうやらやっと理解したようだ。しかし俺の心には違和感が残る会話だった。
セッコに最も分かるように軽々しく『武器』と呼んでしまった『それ』はもっと何か、重要な使い道があるのではないのかと。
もしかしたらこの世界の中に『この石』を必要としている人物がいるのではないのか。そうしたらこの『石』は、渡すべきなのでは・・・?
この事をどうにかしてセッコに伝えたい。しかしどう伝えればいい?あくまでも今現在俺はゲームに乗るつもりはないが、セッコは違う。
うっかり「信頼できる人物にその石を託してみよう」なんて言ったら今この場で同盟が決裂してしまうかもしれない。慎重に言葉を選ぶ。
「なあセッコ。お前はこの石に武器意外に使い道はあると思うか?」 すぐに返事が返ってくる。もう石は机の上に置いてあり、セッコは角砂糖を口の中で転がしていた。
「いや、武器としか思わねぇ」
「おいおい、それは俺が武器だと言ったからだろ?支給されたのはお前だ。セッコ、君の意見を聞こう」
「・・・後で角砂糖よこせよ。 俺が最初見たときは美味そうに見えた。だけど齧ったら硬くて食えねぇ。捨てようかと思ったけど綺麗だからとっといた。それ以外は別に興味ねぇなあ」
興味がない・・・・・・これはいい返答かも知れない。この石を俺が持っていれば、同盟の決裂などで別々に行動することになっても俺の好きなように石を扱える。
それに、この返答ぶりからして、セッコは俺に石をよこしたことも忘れてしまうだろう。
「そうか、じゃあ・・・その石俺にくれないか?がっつくようだが、俺はそういう綺麗なものが好きなんだ。角砂糖と交換してくれよ。な?」
「ホントだな?じゃあ早く角砂糖くれよ!!」どうやら角砂糖に勝るものはセッコの価値概念にはないようだ。
「そうだな・・・いくつほしい?2個か?」わざと少なめに言っておく。
「えぇ〜!!もっとくれよぉお〜!」当然ながら駄々をこねるセッコ。やはりこいつがゲームに乗ろうとしている事自体信じられない言動だ。
「嘘だよ。5個やろう!」ここで懐柔できるだろう。たかだか砂糖で良いのならこの『希望』になりうるかも知れない『石』は安いものだ。
「うおぉう!!うおっ!!」セッコの反応から、了承だと直感で理解した。
「よしッ!!じゃあ投げるからな。手は使うなよ!!」スタンドで風を起こす。セッコが歯で受けるところもどことなく見飽きてきた。それでもつくづく感心してしまう。
「よ〜しよし、いいだろう」さすがに頭を撫でるような事はしなかったがセッコをほめる。セッコも嬉しそうだ。だが会話を切らないで俺は続けた。
「・・・じゃあ、これからどうするかを考えようか、セッコ」
角砂糖をガリガリやっているセッコが振り返る。
「どういうことだよ?」まあ、セッコの反応にしては良い方だと思う。興味を示してくれるだけでもこちらとしてはありがたい。
「だから、せっかくこの石の使い道もわかったんだから、と外に出てみるか」出来るだけ声の調子を下げる。
仮にも「乗っている」宣言をした男を屋外に連れ出すのはまずい。こいつのスタンドも屋外のほうが威力を増しそうだと言うことも理解しているうえでの結論だ。
「それとも、もう少しこの家の中で待ってみるか。セッコ、お前はどっちがいい?」さっきとは裏腹にやや決定の意思を強く押し出した口調で話を締める。
「・・・どっちでもいいなぁ〜。」どことなく無愛想ないつもの口調で返事が返ってきた。そして、これほどまでに自分の意見を言いやすい答えはそうはない。
「なら、もう少しこの家で落ち着いていよう。さっきの放送の間俺は『雨』を降らせていなかったし」そう、本当は遊びに夢中で放送と同様に雨なんか忘れていたのだ。
「・・・それに、さっきお前にあげたから、また角砂糖作り置きしないとな。」角砂糖の話を付け加える。当然、セッコの反応も良くなり
「そおぉ〜だよォ〜。てめ〜話ばっかりで結局サボってやがったなァ〜!?」冗談のような本気のような怒り口調。角砂糖に関することでここまで怒る事が出来るのは世界中探してもセッコくらいだろう。
「悪かったな。急いで作るよ。じゃあ、とりあえず角砂糖が全部出来るまではこの家にいよう。いいな?」
「あぁ〜。じゃあ作ってくれよ。また見てるからよォ〜。」
・・・・・・どうやら全てを了承してくれたようだ。最も、話の半分はまともに理解していないのだろうが。
俺はまた机に向き直り、角砂糖製造に取り掛かる。同時に屋外にも『雨』を降らせ始めた。状況は放送の前と同じに戻ったって訳だ。
―――・・・俺が、この『石』の『力』を知った事意外は。
【角砂糖同盟】
【杜王駅近くの民家(F-3)/一日目/朝】
【セッコ】
[スタンド]:『オアシス』
[時間軸]:ブチャラティ達と闘う前
[状態]:右頬にエイジャの光線による切り傷(深くはない)仗助のラッシュの痛みは癒えた
[装備]:オアシスのスーツ
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1)角砂糖製造を眺めることに夢中(でもやっぱり本物がいい)
2)ウェザーと第四放送まで同盟(今の所裏切るつもりはない)
3)会った奴は倒す
4)ウェザーは(チョコラータ程ではないが)好き。とりあえず従っていれば問題ないだろう。
5)仗助と会ったら決着をつける
6)ゲームで優勝する
※3以降の思考はほとんどウェザーの説得と角砂糖によって忘れてしまっています。
【ウェザー・リポート】
[スタンド]:『ウェザー・リポート』
[時間軸]:ヘビー・ウェザー習得直前
[状態]:健康
[装備]:簡易角砂糖、砂糖を入れた袋(砂糖そのものの量は少ない。ほとんど角砂糖にしている)
[道具]:支給品一式・顔写真付き名簿・少量の塩・スーパーエイジャ(セッコからもらった)
[思考・状況]
1)角砂糖作りを続ける(全ての砂糖を角砂糖にするべきではないとは思っているがほとんど使っていくつもり)
2)角砂糖を使ってセッコを利用・見張る
3)スーパーエイジャの真の持ち主ともいえるべき人物を探したい。(使用目的を聞きたい)
4)セッコと第四放送まで同盟(セッコに裏切られる前に裏切る)
5)徐倫達を探す(角砂糖製造が終わり次第この家を出て動こうと思っている)
6)プッチ神父を警戒
7)打倒荒木
※エイジャに関してはあくまで真の持ち主から使用目的・方法を聞くことと、セッコが悪用することを防ぐためで
実際にウェザー自身がエイジャで何か行動を起こすつもりではありません。
ふぅ〜っ 初めて 小説を書いちまったァ〜〜〜
でも想像してたよりなんてことないな
・・・すんません嘘です調子乗りましたorz
初小説で戦闘は書けないと思ったので、ウェザーがエイジャの秘密を知り、今後の行動方針を決定すると言う内容で書いています。
セッコは今のところ問題ないということにしてありますが今後どう行動するかは次の書き手さんにお任せいたします。
誤字や設定の矛盾、原作と台詞の言い回しが違う等ありましたらツッコミをよろしくお願いします。
次回もこの感じで書き続けたいと思うのでアドバイスやリクエストありましたらそちらも重ねてお願いします。
最後に、
>>203も同じタイトルですが付け忘れたことをお詫びします。 では。
GJ!
ウェザー本当セッコを飼い慣らしてるな。よ〜しよしとか言ってて吹いたw
初めて書いてこれなら全然OKなんだぜ? これからも頑張ってほしい。
気になったのはウェザーが雨を降らしていた事かな。
放送後も雨を降らしていたのならその事を状態表に加えたほうがいいと思う。前のSSの時間軸ではまだ雨を降らしていないっぽいからね。
GJ。
後にも繋がりやすそうな展開で、掛け合いも面白く読めたよ。
ウェザーの台詞がところどころ花京院入ってて笑った。
初SSってことなんで1つ言わせてもらえば、台詞の後は改行があった方が読みやすいな。
>>209-210 評価とご指摘ありがとうございます。ところどころ花京院を入れたのは意識していましたが
ありのまま(ry のような明らかな台詞使いは出来ないと考え、
あまり差し支えない台詞で「ウェザーが言ったらこうなるだろう」という程度で書かせてもらいました。
これからしたらばのほうに状態表変更、改行の追加とそれによる多少のつなぎ文章追加の修正版作品を投下してきます。
放送後、聞いた人がどう行動するか、移動などの「つなぎ」になる文でよければ今後リクエストなど含めて書いていって、
戦闘のほうは別のベテランの書き手さんに任せる・・・なんて方法もとりたいなと思っています。
また何かありましたらよろしくお願いします。
面白かったです
ウェザーがおもしろいですね
この二人組すげー好きなんだよ!!w
GJ!!かなりわろた
連投になりますがまた予約させてください。
【予約】噴上祐也・リキエル
前回のような繋ぎの文章ではありますが、このスレを過疎らせたくない『一心』で書いている小説です。
投下予定は今晩〜明日中になりそうです。
期待してます
頑張って下さい。
198です。
予約分投稿します。
自分でも信じられない位の量になった為、
3つに分けます。
「………ん」
僕が目を覚ました時に先ず目に入ったのは見覚えの無い天井。
そして貫禄と寛容を兼ね備えた紳士風の男性の、僕を覗き込む顔だった。
「おぉ、気付いたかね」
「ココは?……ッ!」
身を起こそうとして、余りの激痛に再びベッドに沈む。
「無理をしてはいかん!君は今、ひどいケガを負っているのだ」
倒れた僕に毛布を掛けなおし、男性は言葉を続けた。
「ここは杜王グランドホテルの一室。
君はホテルの前で倒れていたのでここまで運び、手当てさせて貰った。
ここに運び込んでから君は1時間ほど気を失ったままだった。
君の置かれた状況をざっと説明すると、こんな所だ」
「あ、ありがとうございます。
僕の名は花京院典明。宜しければ貴方のお名前を聴かせて頂けますか?」
「私の名はジョージ・ジョースター1世。
花京院君の事はポルナレフ君より聴いているよ」
「!!」
ジョースター卿のこの言葉に、僕は一瞬体の痛みを忘れた。
ジョースターさんの所為を名乗るこの人の何も驚いたが、それ以上に…
「ポルナレフが居るんですか!?」
遂に信頼出来る仲間に会えたのだ!
そしてその時、扉が開き一人の男が入って来た。
「ジョースターさんよぉ。タオル血まみれだったんで捨てといたぜ。
洗う水すら勿体無いからな」
「!!ポルナレ………フ…?」
そしてその男を見て、僕は愕然とした。
中に入って来た人間は、或る意味ポルナレフと対極に位置する人間だったのだから。
そして入って来た人間に対して警戒を強める。
「ホル・ホース!!」
「ゲッ!起きたのか!!」
「貴様…!」
上半身を起こし、ハイエロファント・グリーンを出現させた所で、2つの声に遮られた。
「わ〜っ!!待て待て待て待て!」
「ん?ポルナレフ君がどうかしたのかね?」
「…え?」
ジョースター卿は、ホル・ホースの事をポルナレフだと思っている?
「ポルナレフ…?こいつが、ですか?」
「うむ。彼も怪我をしていたのだが君より一足先に目を覚ましてね。
君の手当てを手伝ってくれたのだよ」
僕の手当てを!?コイツが?
混乱している所に、ホル・ホースが僕の首へ腕を回し、耳元で囁いてきた。
「詳しい話はあのおっさんが居ない所でしようや。
取り敢えず俺はアンタに危害を加えねえ。
だからアンタも、今は名前をバラさないでくれ」
「…」
「頼む」
整理に時間が掛かりそうな状況だが、
ホル・ホースのおかげで一命を取り留めた事は事実のようだ。
「分かった」
そう告げ、ジョースター卿に向き直る。
「ジョースター卿は、今までずっと、ポルナレフと一緒に?」
…ポルナレフ、済まない。
「あぁ、実は…」
そして、ジョースター卿と“ポルナレフ”から今までの経緯を話して貰った。
「…で、その時戦闘機型のスタンドに襲われて…」
「!!」
そこまで聴いて、僕は傍と思い出した。
「そうだ!あの少年は!?」
突然声を上げたことに二人は面喰らったようだった。
「少年って」
「その戦闘機型スタンド使いの少年です。
僕の付近で倒れていませんでしたか?」
「君の周りも何も、君の事で手一杯でとても付近の事は…」
「助けに行かなくては!」
立ち上がろうとする僕を、ホル・ホースが制す。
「おいおい、俺はそいつに攻撃されたんだぜ?
おまえだってそうだったんだろうがよ。
敵を助ける義理が何処にある?」
「彼は僕を殺そうとはしていなかった。
自分が生き残ろうとしていただけなんだ」
「つまり近付いたら殺されるって事だよな」
「だからって…!」
始まった僕とホル・ホースの言い合いを止めたのは、ジョースター卿の言葉だった。
「分かった、私が行こう。君達はここで休んでいてくれ」
「え?」
「何だって?」
彼の言葉に二人して驚き、振り向く。
「二人とも怪我を負っている。特に花京院君、君は人の救助が出来る体では無い。
だからここは私が行こう」
「ジョースター卿…」
僕らに言葉を続けさせず、ジョースター卿は部屋を出て行った。
* * *
私が少年を見付けた時、彼は瓦礫に埋もれ意識を失っている、或いは死んでいるように見えた。
「君!大丈夫かね!」
慌てて駆け寄り、少年の生死を確かめる、
「…」
良かった。どうやら生きているようだ。
一安心し瓦礫を取り除こうとした所で、上の岩盤が崩れ落ちて来た。
「…ッ!!!」
間一髪落ちる岩盤を支え、少年の頭上へ落ちるのを防いだが、
この岩盤を落ちないよう支える事しか出来ない。
その所為で私も全く身動きが取れなくなってしまった。
今、私に出来る事は少年に気付いて貰う事だけだ。
「君!しっかりしたまえ!君!!」
岩盤を両手で支えながら声を掛ける。
暫く全くの無反応だった少年は
「しっかりしたまえ!!」
「……ん…」
何度目かの声に漸く応じた。
「あ………れ?」
「気が付いてくれたか」
ほぼ全身が埋まっている少年は、首だけ回しキョロキョロしている。
そんな少年に私は告げた。
「済まないが私はこの岩盤を支えるので精一杯なんだ。
君、自力で抜けられないかね?」
* * *
瓦礫に埋められた後俺は気を失い、
気が付いたら瓦礫が崩れようとするのを目の前のオッサンが防いでいた。
そして
「済まないが私はこの岩盤を支えるので精一杯なんだ。
君、自力で抜けられないかね?」
と言って来た。
何だぁ?コイツ、動けない俺に止めを刺そうってのか?
一瞬そう考え、エアロ・スミスでこのオッサンごと瓦礫を吹き飛ばそうとも思ったが、
すぐにそれが勘違いである事が分かった。
このオッサンは俺の上に落ちる瓦礫を支えてるんだ。今、俺はオッサンに助けられている。
オッサンを撃ち殺そうものなら瓦礫に今度こそ潰される。
だから言う通り、必死になって抜け出ようとした。
が、
「ダメだ、体がうごかねぇ」
「そうか、ならポルナレフ君か花京院君を呼んでくれないかね?
あのホテルの中に居る」
「呼ぶって?」
「大声で叫んでくれれば良い」
何故かオッサンは俺を助けようとしているみたいだ。
自分が助かる為なら手を離して後へ一歩引けば良い。
そうすればオッサンは助かるし、敵(俺の事だ)も一人消せる。
なのに何で…?
「声も出せない状態なのかね?」
オッサンの声に俺は現実へ引き戻された。
「あ、あぁ。声なら出る」
「ならば頼む」
「分かった。…良し」
そして俺が声を出そうとした時、
「!!」
オッサンの後に二人の人間の姿が見えた。
銃を持った男とカバンを持った女の二人組。
俺はそいつらに向かって叫んだ。
「てめぇら、誰だ!」
俺の言葉に、オッサンも首だけ後ろへ向ける。
二人組は俺達から50mほど離れた所で立ち止まった。
そして女の方が男へ喋る言葉を聴いて、俺は驚いた。
「ジョンガリ・A。こいつらどうする?」
「!!」
ジョンガリ・Aだって?
DIOの言ってた一人じゃねぇか!
「ジョンガリ・A?お前がジョンガリ・Aなのか?」
銃を持った男は俺の言葉に反応した。
「俺はお前を知らんが」
「DIOからの伝言があるんだ!!助けてくれ!!」
* * *
水の確保をしにジョンガリ・Aと一緒に海辺へ向かおうとした時、
どでかい建物の前に人が居た。
そしてそのうちの一人、瓦礫の下敷きになっているガキがとんでもない事を叫び、あたしは仰天した。
「DIO…だと?」
DIOといえばプッチ神父の仲間、つまりは敵じゃねえか。
やはりコイツ、ジョンガリ・Aは敵…
ドン!!
そこまで考えていたあたしの思考は、隣から響く銃声によって遮られた。
* * *
このゲームが始まってから最大の衝撃だった。
DIO様が私に伝言を残していらっしゃる。
この子供からの伝言を聞くだけで、恐らくDIO様の下へ辿り着く事が出来る。
それより何より、DIO様は私を必要となさっている、という事実が俺を歓喜に奮わせた。
その後の俺の決断は迅速だった。
今の言葉を聴いた時点で、F・Fには敵だと認識された筈。
思ったより早い始末となったが、
最早不要の存在となったF・Fを撃ち殺し、
『ライク・ア・ヴァージン』の親機を手に入れる。
そして瓦礫の下敷きの子供から伝言の内容を聞く。
その筈が…。
「エメラルドスプラッシュ!!」
俺の弾丸は、降り注ぐ無数の緑石に弾き落とされた。
「何ッ!?」
瞬間、俺は気付いた。
この場にはまだ他に人間が居たのだ!
* * *
ここまで僕を担いできたホル・ホースに僕は告げる。
「じゃあ、約束通りホル・ホースは少年の救出を頼む」
「ったく、余計な事しなけりゃいいのに…」
ジョースター卿が部屋を出た後、僕はホル・ホースから話を聴いた。ヤツはこう言っていた。
「俺は生き残りたい訳よ。ただそれだけ。
でも、DIOがこの世界に来てどう考えると思う?
まさか、皆で協力してアラキを斃してメデタシメデタシを考えてます、とでも?」
「いや、全員皆殺しにした後荒木も殺す、といった所だと思う」
「正解正解。つまりDIOの下に着いた時点で俺の生き残りは無いって事。
だったら、犠牲者少なくアラキを斃そうというジョージのおっさんに味方した方が、
生き残れる確率は高い訳だ」
「…」
コイツらしいというか相変わらず日和った考えだ。
そう考えていた時、外から声がした。
様子を見ると、何とジョースター卿が落盤を支えている。
しまった!彼が身動き取れないように瓦礫を積んだ為、崩れたか!
「助けに行かなければ!」
「え〜っ?おめぇのスタンドであの岩砕きゃいいじゃん」
「そんな事したら、ジョースター卿たちが砕けた瓦礫の下敷きになってしまう」
「って事は…」
「ジョースター卿と一緒に岩盤を取り除く」
「力仕事かよ」
そして愚図るホル・ホースを連れ出しホテルを出ると、状況は更に変わっていた。
ジョースター卿達に接近する、男女二人組を捉えたのだ。
「おい、どうするよ?」
ホル・ホースが訊ねて来たので返答する。
「少し様子を見よう。
ジョースター卿達が危ないと感じたら、僕が割り込む。
その間にホル・ホースはジョースター卿達を助けてくれ」
「おいおい、そいつはゴメンだぜ。何でそんな危険な事しなきゃ…」
「じゃあ、お前があの二人を相手にするか?」
「ったく、テメェは命の恩人を何だと思ってんだ。
分かったよ。ジョースターのおっさんを助けに行かせて頂きますよ」
ブツブツ言っているホル・ホースを尻目に外の状況を見ると、
銃を持った男が動き出していた。
「エメラルドスプラッシュ!!」
次の瞬間、僕は銃目掛けてエメラルドスプラッシュを放った。
ホル・ホースはジョースター卿の下へ走って行った。
「(さて、僕もやるべき事をやるか…)」
少年を助けるまであいつらの注意をこちらに向けなくてはならない。
まともに歩けないので壁に寄り掛かりながら、
薄れ掛けている意識を必死に繋ぎ止め、
それと同時に、消え掛けるハイエロファント・グリーンを、力を振り絞って出現させた。
せめて、この闘いで犠牲が可能な限り少なくて済ませるよう、自身に誓いながら…。
休憩
=≡=
/
〆 . .∈≡∋
|| γ ⌒ヽヽコノ ||
|| .| |:::| ..〓 .||
./|\人 _.ノノ _||_. /|\
∧_∧
( ・∀・)
( ∪ ∪
と__)__) 旦
* * *
後で銃声が聞こえ、あたしが振り向いた時、ジョンガリ・Aの銃口はあたしを向いていた。
つまりジョンガリ・Aは、チャンスを見計らってあたしを殺そうとしてたってワケだ。
なるほど、やっぱりそういう腹積もりだったってワケかよ。
ただ、まだ疑問は残っている。
何であたしに当たらなかったんだ?
至近距離、あたしは殆ど動いていない。加えてコイツは銃のプロだと言っていた。
それなのに何であたしに弾丸が当たらない?
その時、ホテルから二人の男が姿を現した。
一人は西部ガンマン風の男で、もう一人の男を置いて走り去った。
そして残されたもう一人の人間の姿を見てあたしは驚いた。
立っていたのは傷だらけの学生。
足下もおぼついていなくて、立っている事すら難しいように見える。
背後に男のスタンドが見える。多分アレがあたしを助けたんだろう。
「逃げろ!ヤツは未だ貴方を狙っている!」
男の声にジョンガリ・Aの方を向くと、
…確かにあたしを狙ってやがる。だが、
「うぜぇ」
ヤツが撃つ前にあたしがF・F弾を炸裂させた。
F・F弾をその身に受けたジョンガリ・Aは吹き飛ぶ。
「…ッ!!」
傷だらけの男の、息を呑む声が聴こえた。
ヤツが倒れたのを見届け、あたしは男に向き直った。
「何故あたしを助けた?」
コイツ達が何者かは分からないが、信用する訳には行かない。
が、あたしを助けてくれたのも事実だ。
(まあ、そんな事されなくてもあたしは全く問題無かったが)
借りが出来た以上、返さなきゃならんだろう。
「殺したのか?」
あたしの質問に、男は質問で返して来た。
「え?」
「何故あの男を殺したんだ?」
ここでウソを言うと、あたしの質問にもウソの答が返って来る気がする。
そう思ったあたしは、正直に答える事にした。
「殺らなきゃ殺られてた。それにコイツがDIOの仲間だってんなら、あたし達の敵だ」
「あたし達?」
「そう、あたしや除倫、エルメェス、エンポリオ、ウェザー、アナスイ、…」
「…」
警戒を解かず私の答を淡々と聴いていただけの男の表情は、次の名を聴いた時一気に豹変した。
「…承太郎」
「…!!承太郎!?貴方は空条承太郎の仲間なのか!?」
「あ、あぁ」
男の勢いに、つい返事をしてしまう。こっちの質問に答えて貰って無いってのに。
「そうか、承太郎の…。しかし、僕が知らないという事は…」
そこまで呟いて、男は考え込んでしまった。
「おい、あたしの質問にも…」
「済みません、後二点質問させて下さい。
貴方のお名前と、貴方が承太郎と一緒に居たのが西暦で何年かを」
あたしの発言は遮られた。しかも何故か敬語になってるし。
「さっきからお前が質問してばっかじゃねぇか。あたしの質問にも答えろ!」
若干キレ気味に男に言うが、
「これで最後ですから」
と返答してきた。
「ったく。あたしの名はF・F。もう一つの答は2015年だよ」
「やはり、未来の仲間か…」
あたしの答に、ワケ分からない事を呟く。
「イイ加減答えろ!アンタ何モンだ?何故あたしを助けた?」
「名を名乗らず、礼を欠き申し訳ありませんでした。
僕の名は花京院典明。1980年、承太郎達とDIO打倒の旅に出た者です」
「1980年、承太郎と…?」
除倫からその話は聴いている。しかしこの男が…?
「まあいい。で、何であたしを助けた?」
「あの、ジョンガリ・Aという名の男から
DIOの情報を訊き出そうと思っていたのですが…」
「答になって無い」
あたしの射る様な視線を受け、花京院は顔を背け、
「こんな理不尽なゲームに付き合う必要は無い。
命を落とす人間は少ない方が良い。そう思いませんか?」
と言って来た。
そしてこいつの視線を追うと、その先には
瓦礫の下のガキを救おうとしている二人の男がいた。
その内の一人は、さっきのガンマン風の男だ。
なるほど、そういう事か。
あの二人はコイツの仲間なんだな。
「!!」
その時、瓦礫が崩れ二人の上に落ちて来た。
辛うじて二人は押さえたものの、岩盤を支えるだけで精一杯のようだ。
「ジョースター卿!!」
叫ぶ花京院に私は言ってやった。
「OKOK。あたしが援護に行ってやるよ」
「え?」
花京院が振り返る。
「あんたには借りがあるしな」
そうあたしが立ち上がろうとした時、
「待て!」
花京院がいきなり声を荒げた。
「な、何だよ。いきなり」
「ジョンガリ・Aが居ない!」
花京院の声にジョンガリ・Aの死体の方を振り向くと、
…ヤツの死体は消えていた。
* * *
こいつはヤベェ!
何でこんな事になっちまうんだよ!
DIOからの伝言なら俺宛にもあるかも知れねぇ、
そう思って、この小僧を助けようとしたら…。
「ぐおおぉぉ……!!」
何でこのタイミングで瓦礫が崩れて来るんだよぉ!
「………ッ!!」
ジョースターも余裕は無さそうだ。
俺も全くねぇ。首を動かす事すらままならねぇ。
逃げることも出来ねぇ。そんなことしたら三人まとめて下敷きだ。
全く、利用価値があると思ってジョースターに付いてりゃ花京院を助けるし、
ジョースターの前じゃ殺せないからと花京院の手当てすれば、
その花京院のせいでこのざまだ。
どいつもこいつも恩を仇で返しやがる。
おい、花京院!お前、この状況見えてんだろ!
さっさと何とかしてくれよ!
* * *
「ハイエロファント・グリーン!」
花京院が叫ぶと、再びコイツのスタンドが出現した。
「法皇の結界!」
続く花京院の声に、スタンドがヒモ状に変化し、辺り一面がヒモで覆われる。
…まるでいつぞやのストーン・フリーの様に。
「F・Fさん。ジョンガリ・Aはあの背後に隠れている様です」
糸のスタンドから何かを感じ取ったのだろう、
花京院はホテルの一角を指し、あたしに言って来た。
「さて、どうやって取り押さえるか…」
「あぁ、そいつなら問題無い。
あたしがアイツから50m離れるだけで爆死する」
「え?」
「そういう腕輪が付いているんだ。ヤツには」
そう言ってあたしはヤツと逆の方向に走り出し、
「待て!迂闊に動くな!」
ドン!
制止の声と銃声が同時に聴こえ、あたしは吹き飛ばされた。
―――後頭部を貫かれ。
* * *
辛うじて立っていた僕はF・Fさんが斃れる光景を目の当たりにし、
ずるずると壁をずり落ち、地べたにへたり込んだ。
最悪の事態になってしまった。
F・Fさんは凶弾に斃れてしまい、ジョースター卿達は救助の筈が二次災害に巻き込まれ身動きが取れない。
そして、放っておいたら僕達を皆殺しにするであろう、ジョンガリ・A。
ヤツを斃す事は不可能では無い。再び銃を撃つ前にエメラルドスプラッシュを叩きこめば良いだけだ。
しかしその後、ジョースター卿達の救出をする術が無い。
僕には岩を支える力どころか立つ力さえ残されていないのだ。
僕が長くない事は十分過ぎる位理解している。
つまり、数時間後に残るのは六人の死体だけとなってしまう。
もう全員死ぬしか道は無いのか?
荒木の能力を知るものは居なくなってしまうのか?
「……ッ!」
僕は頭を振った。
そんな結果を受け入れる訳には行かない。
考えろ、考えるんだ。
最悪でも、あの三人だけは救出できる方法を!
しかし僕の意志とは裏腹に、僕の体力はどんどん失われて行く。
それに呼応するかのように、法皇の結界の糸もその数を減らして行った。
兎に角、今僕が出来る事は時間を稼ぐ事だけだ。
緩めればすぐに落ちてしまう意識を気力のみで繋ぎ止め、
僕はジョンガリ・Aに向かって言葉を発した。
* * *
勝負はついた。F・Fは斃れ、側の男、花京院という名のスタンド使いは瀕死状態。
残りの人間は崩れ落ちる瓦礫を支えるだけで精一杯。
…何もしなくても死ぬような連中ばかりだ。
弾を込め直している所に、花京院から声を掛けられる。
「お前のスタンドは見切った」
「…」
「お前のスタンドは弾丸を操る能力」
弾を込める手が止まる。そのままヤツは話を続けた。
「僕が知るスタンド使いに銃がスタンドという人間がいる。
そいつは弾丸もスタンドなので自在に軌道を操る事が出来る。
お前の場合は、あくまで銃は銃であり、弾丸もただの物質。
放たれた弾丸の軌道を変える事しか出来ない。しかも変えられるのは1回だけだ。
何回も軌道を変更出来るのならば先の一発で僕も一緒に撃ち抜かれている筈だからな」
「…」
「図星か」
若干の見当違いこそあれ、ほぼ正解のようなものだ。
しかし、俺の優位は変わらない。
「それが解ったからどうだというのだ?
お前では俺を斃す事は出来ん」
「何故だ」
「お前が俺を斃せないほど弱っているからだ。
ほら、お前の糸のスタンド、時間と共に段々と量が減っているだろうが」
「…ッ」
花京院が息を呑む気配がした。
すかさずさっきの言葉を言い返してやる。
「図星か」
実際、スタンドの糸はかなり減ってきている。
最早俺の周りに数十本在る程度だ。
恐らく花京院は意識を保つのすら厳しいのだろう。
俺自身も放って置いて良いケガではないが、
この場に居る全員を殺し、『ライク・ア・ヴァージン』を入手した後手当てするだけの余裕はある。
何せ相手は抵抗出来ないのだ。
悠々自適と弾を込める俺に又花京院が何か言い始めたが、
もう無視する事にした。
やつを撃ち殺すのに必要な情報は遮断する。
耳に入るヤツの声も、消え行く硝煙の臭いも、口元にある糸くずの感触も、
胸元から流れ、止まりかけている血の感触も、
やつのスタンドが段々となくなる気配も…。
弾丸を装填し、マンハッタン・トランスファーに狙いを定める。
マンハッタン・トランスファーに当たり反射した弾丸は、確実に花京院の頭を貫く。
そう、F・Fのように。
「………」
暗殺時に相手に掛ける言葉など無い。
俺は無言で引き金を引いた。
「………?」
引き金は引いた。それはおれ自身としては既に終えた作業の筈だった。
後はマンハッタン・トランスファーが反射した弾丸がヤツに命中するだけなのに…。
「!!…う、腕が…動かない?」
どういう事だ!?これは!!
動揺する俺に、壁越しに花京院の声が掛かる。
「相手のスタンド能力を知らずに闘う事は敗因へと直結し易い。
だからスタンド使い同士の戦いでは、相手のスタンドの能力を見極める事が最優先なのだ」
俺は、自分の意志と裏腹に銃を取り落とし、足が勝手に動いて花京院の前に姿を現した。
壁にもたれ掛かり俺を見る花京院は淡々と喋り続ける。
「法皇の結界は弱まって消えていたんじゃ無い。
より細い糸状になってお前の口から内部に潜り込んだんだ。
そう、お前に感知されない位細い糸になって…」
ま、まさかさっきの口元の糸くずの感触は…!
そしてこいつがペラペラと喋っていたのは、それから俺の気を逸らすため…!?
「今、お前の体を操らせて貰っている。体内に潜り込んだハイエロファント・グリーンが…ね」
く、くそっ!
花京院の前に無防備に立たされる。最早俺に成す術は無い。
血の気を失った顔で、しかし冷静さは全く失っていない顔で花京院は告げた。
「さぁ、お仕置きの時間だ」
* * *
ジョンガリ・Aの自由は奪った。
この男の腕を内部から破壊し、銃を持てないようにしても良いのだが…
「さて、お前からは色々と訊きたい事があるが、それらは後回しだ。
先ずお前がやる事はジョースター卿達の救出。
その次にF・Fさんの埋葬だ」
「…ッ」
「行け!!」
弾かれた様にジョースター卿の下へ走り出すジョンガリ・A。
これで三人を助けられる筈だ。
警戒は解けないが、少々の安堵の息を吐いた。
と、
「あたしを埋葬する必要なんて無いぞ」
「!!」
死んだ筈のF・Fさんが起き上がりながら僕に声を掛けてきて、僕は仰天した。
「だ、大丈夫なんですか?」
「あぁ、あたしは頭を撃ち抜かれた位じゃ死なないからね。
死んだ振りして、ヤツが姿を表わした時に殺ってやろうと思っていたんだが」
「貴方は一体…?」
唖然とする僕に、F・Fさんは
「お互い色々訊きたい事があるだろうが、まずはアレ、何とかした方がいいな」
と、親指でジョースター卿達を指した。
ジョンガリ・Aと組んでいたという不安要素は残るものの、
動けない僕の代わりに手伝ってくれると言うのなら有難い。
「…お願い出来ますか?」
「任せな。…っと、そうだ」
ジョースター卿の下へ走り出そうとしたF・Fさんはふと足を止め、僕に近付いて来た。
「な、何を…?」
警戒し、ハイエロファント・グリーンを出そうとしたが、その前に
「借り返しのついでだ」
そう言ってF・Fさんは僕の前にしゃがみ込み、傷口に触れた。
「え?」
彼女が触れた途端、傷が治って行く。
次々に傷を治しながらF・Fさんは言った。
「応急処置だ。傷口を埋めただけなんで痛みは残るが、
出血したり、動く事で傷口が開いたりする事は無くなる筈だ。
このまま大人しくしていれば、直ぐにちゃんと動けるようになるよ」
確かに傷はなくなっていた。
暫く休んでいれば、体力も回復するだろう。
「あ、有難う御座います」
F・Fに礼を述べると、F・Fさんは
「これで貸し借りゼロだからな」
といって、今度こそジョースター卿の下へ走って行った。
「…違いますよ」
もう聴こえないであろう、F・Fさんの背に向かって、僕は呟く。
「借りが出来たのは、僕の方じゃありませんか…」
休憩
ウズウズ…
=≡= ∧_∧ I'm ready.......
/ \ (・∀・ )/
〆 ⊂ つ∈≡∋
|| γ ⌒ヽヽコノ ||
|| .| |:::|∪〓 .||
./|\人 _.ノノ _||_. /|\
wktkしつつ支援。
面白いっすね
後編も楽しみです
ごめんなさい。
連続投稿規制に引っ掛かりました。
>>232と
>>233のおかげで
又続けられます。
* * *
「せぇ〜のぉ!!」
最初二人だけだった俺の上の瓦礫をどかす人間は、いつの間にか四人に増え、
もうほとんど全部、どかし終えていた。
助けられている間、俺はずっと考えていた。
なぜこいつらは俺を助ける?
さっき会ったDIOとは全く別の意味で、今俺は命を拾おうとしている。
DIOと会った時命を拾ったのは“殺されなかったから”だ。
DIOが何もしなかったから、俺は生きている。
でも、こいつらは全く違う。
こいつらが何もしなければ、俺は死んでいた。
明らかに俺を“助けよう”としている。
何で俺を助けるんだよ。俺は周りの人間を殺すことしかしてないのに。
俺…
俺は…
「最後だ。せぇ〜の!」
ガラガラ…。
俺の上の瓦礫は全てどけられた。
そして、最初から助けてくれていたオッサンが
「大丈夫かね?」
と言いながら近付いて来る。
そしてその手が俺の肩に触れた時、俺の中で張り詰めていた“何か”が弾け…
「う…うぁ、うぅぁぁああ!!!」
俺は声を上げ、泣き始めた。
* * *
少年が私の胸に飛び込んで泣き始め、少々驚いた。
今まで死の恐怖に耐えていたのだから、押さえていたものが噴き出してしまったのだろう。
そう思い、少年の肩を抱いていると…
「お…俺…、俺、殺しちゃったよ…」
泣きながら少年は声を絞り出した。
殺した?この少年が?
「こ、殺したくなかった…俺だってホントは殺したくなかった。
でも、死にたくなかったから…。殺さなきゃ殺されると思ったから…」
「…」
「なぁ〜に今さングッ!」
ポルナレフ君が口を挟もうとしていた所を、
先ほどジョンガリ・Aと呼ばれていた男の手がポルナレフ君の口を塞いだ。
良い判断だ。今は彼の言葉に耳を傾けるべき時だから。
「俺…、どうしよう……?」
「君は自分のした事を後悔しているんだね」
此処で初めて、私は少年に語り掛けた。
「うん、…うん」
「君に過去を変える力は無い。悔いても君が殺してしまったという事実は変えられない」
「…ッ!!」
腕の中の少年が体を強張らせる。
「だがね、君には未来を変える力がある。
これから先、君が後悔する事の無いよう生きれば良いんじゃないかな。私はそう思うよ」
「…」
「先の先、君が振り返った時、今の君の様に後悔しない為に…」
「………っ、…ぅ」
先程とは異なり、小さく肩を震わせて少年は泣き始めた。
私の腕の中で良いのならば、ゆっくり泣かせてやろう。
今はゆっくり泣くが良い。泣き止んでから先、少年が二度と後悔する事の無い様に…。
少年、ナランチャ君が泣き止んでから1時間後、
私達は再びホテルへ戻り、一同で情報交換を行なった。
ナランチャ君が花京院君を見るなり攻撃しようとしたり、
私がジョンガリ・A君の縄を解こうとしてポルナレフ君に慌てて取り押さえられたり
逆にポルナレフ君がナランチャ君を縛り上げようとするのを私が押さえたり色々あったが、
現状こうなっている。
F・F君により皆の傷を治し、
ナランチャ君のスタンド能力で周囲の、花京院君の能力でホテル内の監視を行なっている。
現在、この区域には私達以外の生物は皆無らしい。
此れから私達はこの場の五人を仲間と認め、
アラキ打倒と味方の探索を今後の行動方針と定める事で決定した。
そして、皆で纏めた情報は、
@スタンドについて
Aアラキのスタンド能力について花京院君の推理
B各時代背景について
・19世紀初頭
該当者 ; 私(ジョージ)
仲間 ; ジョナサン(息子)、DIO(息子)、スピードワゴン
敵、要注意人物 ; 無し
・1980年
該当者 ; 花京院君、ポルナレフ君
仲間 ; 承太郎、アブドゥル、ジョセフ、イギー(犬)
敵、要注意人物 ; DIO、ミドラー、ホル・ホース、ヴァニラ・アイス
ペットショップ(鳥)(襲撃されたプッチとリゾットも要注意との事)
・2000年
該当者 ; ナランチャ君
仲間 ; ブチャラティ、ジョルノ、トリッシュ
敵、要注意人物 ; 居るのは確かだが名前が分からないとの事
・2010年
該当者 ; F・F君
仲間 ; 徐倫、エルメェス、ウェザー・リポート、アナスイ
敵、要注意人物 ; プッチ、マックス、ジョンガリ・A
CDIOについて
DIOはポルナレフ君達の時代のDIOらしい。
バッグを要らないと跳ね除けた(私が要注意人物と定めた)あの男で、
吸血鬼化してポルナレフ君達と闘って入るそうだ。
そしてナランチャ君はDIOに会い、以下メッセージを受けたそうだ。
“第三放送から夜九時までに杜王グランドホテルで待ち合わせ”
伝令先は
ホル・ホース、ミドラー、ジョンガリ・A、タルカス、プッチ
他に、ワムウを探しているらしい。
wktk
ナランチャ君を助けている時、彼は「DIOからの伝言がある」と言っていた。
DIOの情報を少しでも得たかった私は、危うくその瞬間、腕の力を抜きそうになったほどだ。
そして彼を助け、DIOの情報を得たのだが…
「…」
もう、どれ位の間愕然としていたのだろう。
私が要注意人物だと直感したあの人間が、DIOだと、あの聡明な子だと云うのか。
いや、今あの子は人間ですらない、吸血鬼になっているらしい。
そして今ここに居る青少年達と死闘を…。
受け容れ難い事実だった。
いや、今でも半信半疑だ。頭では現実を受け容れているものの、
感情は飽く迄否定しようとする、その状態だ。
しかし、現実から目を背ける事は判断を見誤らせる。
現実を受け容れ、其処から的確な決断を下さねばならない。
DIOが第三放送時より此処に来ると云うのなら…。
私は皆に告げた。
「今後の方針について、皆に提案がある」
* * *
よっしゃ!
DIOからの伝令、確かに聞いたぜぇ〜っ。
なんてこたねぇ。このままここでじっとしていれば良いだけじゃねぇか。
しかもDIOにジョースターを手土産に出来るし、一石二鳥だわ。
よ〜し、ようやく俺にも運が向いてきたぁ!
ポルナレフのふりをするのももうすぐ終わりだな。
俺がそう考えていた所に、ジョセフがとんでもない提案をして来やがった。
「今後の方針について、皆に提案がある」
何なんだ一体、と思っている俺に続いた言葉は…
「私達は、一旦此処を離れるべきだと思う」
ジョースターがそう告げ、俺は仰天した。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ、ジョースターさん。
ここに居れば貴方の息子さんに会えるんですよ?何でわざわざ…」
「君らとDIOを会わせる訳にはいかないからだ。
君らにとってDIOは不倶戴天の敵かも知れないが、私にとってDIOは愛すべき息子だ。
君らに会わせると死闘が始まると云うのなら、未然に防がなくてはならない」
「…う」
「ポルナレフ君、君は此れを機にDIOに挑もうとしているのだろう。
だが、此処は私に免じて一先ず退いて貰えないだろうか」
「で、でも…。そ、そうだ、花京院!わざわざDIOの居場所が分かっているのに
敵前逃亡はねぇよなぁ?」
どうしてもここを離れるワケにはいかねぇ。
俺は花京院に同意を求めた。
コイツならDIOを斃すため、ここに残ろうと言うはずだ。なのに…
「いや、一旦退こう」
「何ッ!?」
余りに意外すぎる返答に俺はまた仰天した。
「折角のチャンスを逃すのかよ!?」
「DIOに対する対処法が僕らの中で定まっていない。
そんな中DIOに出くわしても混乱するだけだ」
「…く」
「未だ僕達には情報が足りません。
拠点を移して未だ出て来ていない情報を改めて交換し、
ジョンガリ・Aからも情報を引き出し、DIOへの対応を含めた今後の方針決定するのが最良と思います」
「うむ。私もそう考えていた所だ」
僕の発言にジョースターが肯く。
「でもさぁ。拠点変えるって、何処にすんだ?」
忌々しいガキ、ナランチャの言葉にジョースターが応える。
「基本的に君らの仲間が辿り着きそうな所が良いだろう。
例えば病院とか駅、食料品店等だ。そしてF・F君の要望通り水のある所が良い。
水は我々にとっても必要だからね」
「お天道様の下、こんな大勢でぞろぞろ歩くのか?敵に見付けて下さいって言ってるようなもんだぜ?」
そう言うのはF・F。
「花京院君とナランチャ君が居れば、近付く相手を察知しながら行けるだろう。
ナランチャ君のレーダーに引っ掛かったら花京院君が相手に気付かれない様探る。
味方だった場合は対応する時代の人間が声を掛ける。
アブドゥルならポルナレフ君達、ブチャラティならナランチャ君、と云った具合に。
敵、或いは判別不能の相手の場合、拠点決めを優先し気付かれない様に逃げる。
攻撃は最低限、防御はしっかり、だ」
ジョースターはそう返す。その言葉に、F・Fが呟いた。
「確かにこのチーム、防御力に関しては鉄壁だからなぁ。
遠距離レーダーに中間距離バリア、回復担当まで居るって、どんだけ防御性能特化してんだよ」
「ジョースター卿やF・Fさんの言う通りです。上手くすれば各時代の味方に会える可能性も有る」
花京院の発言の後、ナランチャが又質問する。
「見つけたのがノラ犬やノラ猫だったらどうすんだ?」
「そうだな…。仕留めて食糧にでもするか。
こう見えても、私は狩猟が得意なのだよ」
そう言って、ジョースターは猟銃を構える真似をする。
ジョースターの軽口に、全員が笑っていた。のんきな奴らめ。
「では、各自体を休め、30分後の午後0時、第二放送を聴いた後に出発する。それで良いかな」
ジョースターの声に皆が肯く。俺もしぶしぶ肯いた。
あ〜ぁ、どうやってDIOに会うかなぁ。
* * *
出発の準備を進めながら僕は考える。
何時の間にか5(+1)人で動く事になったが、監視する必要がある人間が三人いる。
ナランチャ・ギルガ。
DIOや死への恐怖に屈し、近付く者全てを殺そうとしていた少年。
ジョースター卿のカリスマと慈愛に触れ自分を取り戻した、とも考えられるが、
アレが演技である可能性は捨てきれない。(まず問題ないとは思えるが)
又、敵が分からない、というのがどうも胡散臭い。
ナランチャ君自身を疑う、と云うよりもDIOが敵でないのなら、
F・Fさんの場合とは異なり、共通の敵と云う訳では無いのだ。
彼の敵を僕たちの敵とみなせるか、実際会ったときに判断せねば。
ホル・ホース。
奴がこの場に居座ろうと主張したのはDIOに接触する為。
奴が裏切るのは間違いない。
ホル・ホースが裏切るタイミングを見極め、
皆に危害が加わるのを防がなくては。
その為にはナランチャ君、F・Fさんの協力が必要だ。
ただ、彼のお陰で僕がこうして生きている事も事実だが…。
そして、ジョージ・ジョースター1世。
ジョースター卿がこの場を去ると言い出したのは、僕達とDIOを会わせない為だけでは無い。
真意は“DIOに一人で会う為”だ。僕達を危険、つまりホテルから遠ざけ、一人で向かおうとしている。
しかし、それはジョースター卿の死を意味する。それだけは防がなくては。
その為には…
* * *
荷物をまとめ、俺は考えていた。
DIO。
やっぱりあいつに会うのは恐い。
でも、もう二度と恐怖に自分を見失うようなマネはしねぇ。
DIOを目の前に、目をそらさずにいられるか分からねぇ。
足なんてガクガク震えるだろう。もしかしたらチビるかもな。
でも、あいつに有ったらまず言ってやる。
「二度とテメェには負けねぇ」
って。
* * *
ジョンガリ・A。やっぱりあたしを裏切りやがった。
情報引き出すまでは再起不能に出来ねぇが、たっぷり尋問してやるからな。
それにしても、と、あたしは考える。
初めてだ…ここに来て。
そう、周りの人間と一緒に笑ったのは。
徐倫達との思い出も、一緒に笑っていた時を思い出すと暖かい気持ちに包まれる。
だからあたしは、こいつらを仲間と認めようと思う。
一緒に行こう、こいつらと。
…徐倫、早くお前に会いたいよ。
お前もこの中に混ざれば、一緒に笑えるはずだから。
【杜王グランドホテル(E−7)/1日目/午前】
【花京院典明】
[スタンド]:『ハイエロファント・グリーン』
[時間軸]:DIO相手に結界を張った時点
[状態]:疲労(F・Fの処置により傷は塞いだ。貧血の為体力は回復しきっていない)
[装備]:アーミーナイフ
[道具]:支給品一式(リゾットから奪った食料を皆で分けて昼食にした。その時の水はF・Fに譲渡)
[思考・状況]
1)このチームを守りつつ、出来るだけ多くの人に荒木の能力を伝える
2)チーム内の3人(ジョースター卿、ホル、ナランチャ)は警戒せねば
3)2で、特にジョースター卿は、第三放送時より杜王グランドホテルに来るDIOと一対一で会おうとしている。阻止せねば
4)3の為には、ジョースター卿が会う前にDIOに会い、斃すしかない。
5)ナランチャ君とF・Fさんにホル・ホースの事を伝え、いざと云う時一緒に取り押さえるようお願いする。
6)荒木打倒の手段を考えねば。荒木の能力に弱点は無いのか?
【ナランチャ・ギルガ】
[スタンド]:『エアロ・スミス』
[時間軸]:ヴェネチア入り後
[状態]:大体健康(F・Fの処置により傷は塞いだ。動けば痛む程度)
[装備]:ヌンチャク、ハート型の飾り(@DIO)
[道具]:支給品一式 ・拾ったガラスの破片
[思考・状況]
1)ジョースターさんの言う通りだ。俺はもう後悔するようなことはしねぇ。
2)DIOは恐いが、DIOを恐れて人を殺すのはもっとイヤだ。
3)今はこいつらと一緒に居よう。特に、ジョースターさんのために!(普段のブチャラティへの忠誠心並)
4)ブチャラティやジョルノに会いてぇ。まさか、俺みたいになってねぇよな?
5)色々ありすぎてこんがらがってきた。誰が敵で、誰が味方なんだ?荒木の能力?
【ホル・ホース】
[スタンド]:『皇帝』
[時間軸]: エジプトでディオに報告した後
[状態]:大体健康(F・Fの処置により傷は塞いだ。動けば痛む程度)
[装備]:狙撃銃(フル装填)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1)よっしゃぁ、DIOからの伝言だぁ〜っ!第三放送後に杜王グランドホテルだな
2)せっかく杜王グランドホテルに居るってのに、何で移動すんだよ?
3)まぁ、花京院とかに俺の考えばれたらマズイし、今は大人しくついてくか。スキあらばすぐおさらばよ
4)とにかく生き残りたい
5)ジョースター郷を利用し尽くす。上手く事が運べば、DIOに献上出来るかも
【ジョージ・ジョースター1世】
[スタンド]:なし
[時間軸]:ジョナサン少年編終了時
[状態]:少々の疲労(休みはとったが、疲れは取りきれていない)
[装備]:レミントン2連装デリンジャー、予備弾、トニオさんの包丁(ジョンガリ・A装備品を花京院より手渡された)
[道具]:支給品一式(狙撃銃の予備弾)、ライター
[思考・状況]
1)新たに出来た仲間達と共に拠点を移し、今後の策を練る
2)第三放送後、一人でDIOに会いに行く。説得出来るか、さもなくばこの手で引導を…
3)出来る限り争いを阻止する
4)危険人物相手には実力行使もやむを得ない
5)荒木の打倒
【F・F】
[スタンド]:フー・ファイターズ
[時間軸]: さよならを言う『あたし』になる寸前
[状態]:健康(頭の傷は完治)
[装備]:F・F弾
[道具]:『ライク・ア・ヴァージン』親機(装備済み)、子機×4(ディパックの中)
至急品一式×2(ジョンガリ・Aの分を手に入れたが、食糧のみのバッグは皆で食べた。
花京院から貰った水も消費済み)
[思考]:
1)とりあえずはこいつらと一緒に行動しよう
2)水の確保
3)ジョンガリ・Aの奴、やっぱり裏切りやがった。たっぷり拷問してやるからな
4)徐倫達を探す(花京院やナランチャのスタンド能力なら探せるんじゃ?)
5)一応行動を共にしている訳だし、こいつらが怪我した時はあたしが治してやろう
【ジョンガリ・A】
[スタンド]:フー・ファイターズ
[時間軸]: 徐倫にオラオラされた直後
[状態]:胴にF・F弾の傷(止血はしたが、F・Fの治療は無し)
両手足を縛られた状態。
[装備]:無し(装備一式は花京院がジョージに渡した)
[道具]:『ライク・ア・ヴァージン』子機(右手首装着)
(支給品一式はF・Fに持って行かれた)
[思考]:
1)まずはこの状況をなんとかせねば!
2)DIO様の伝言は何か、あのナランチャという小僧から訊き出す
3)2の後、『ライク・ア・ヴァージン』の親機をF・Fから奪う
4)3の後、こいつらから逃れる術を見付ける
5)可能ならこいつら(特に花京院)に一矢報いるか、出来れば斃す
[補足1]:花京院を除く全員が、ホル・ホースを『J・P・ポルナレフ』だと思っています。
[補足2]:花京院はナランチャ、ホル・ホースを警戒しています。ジョージも別の意味で警戒しています。
[補足3]:ホル・ホースはナランチャを警戒しています。
[補足4]:戦闘の為、ナランチャはホル・ホースと花京院を嫌っています。(警戒はしていません)
[補足5]:ホル・ホースはDIOの伝言内容に夢中で、伝言にあったプッチ神父と闘った事に気付いていません。
[補足6]:全員、情報を纏めて出てきた『敵・要注意人物』を特に警戒するようになりました。
[補足7]:ジョージは『一人でDIOに会いに行く』と云う考えが花京院にばれていると気付いていません。
[補足8]:ホル・ホースは『DIOの下へ行く』と云う考えが花京院にばれていると気付いていません。
[補足9]:ナランチャは、首輪の盗聴器を皆に話していません(単に忘れているだけ)。
[補足10]:彼らの話し合いを、ジョンガリ・Aは聴かされていません。
GJ、おつ
ジョンガリ・Aのスタンドが間違ってるからあとで直してな
おつかれ。面白かったです。
GJ!!そしてお疲れ様です。
とても読みごたえのあるいい文章でした。
なんだか呼んでいて自分の投下に自信がなくなってきた・・・orz
俺の投下は20時をめどに。。
>>247 しまったミスってる
呼んで→読んで
投下20時→22時 で。
初投稿の分際で、長々と済みませんでした。
根気強く読んでくれた皆さんに感謝です。
もし、又書くような事があったら。
前編位のボリュームにしますね。
製作秘話を。
実は今回の話、
今までの方達が花京院の死亡フラグをバンバン立ててくれたおかげで
「今回で死ぬと思っていた人も多いのでは?」と思い、
読者の皆さんが、花京院が死なないかやきもきさせ、
中編が終わった時に
「よかったぁ」と、安堵の息を吐くような内容にしました。
そんな方が一人でもいれば成功です。
…が、問題が一つ。
この話を書いている内、ジョージに愛着が湧いちゃったんですが。
これで、第二放送後の(今の所)最大の激戦区ともいえる
杜王グランドホテル戦は第三放送まで一息吐いた
…と、思います。
そうなるかどうかは、今後の書き手さん次第ですね。
修正は何日か経ってから入れます。
>>245の指摘以外、
中編の題名は「屈折」じゃなくて「反射」だろ、とか
ナランチャの決心で「DIOに有ったら」になってるとか、
まだまだ出てきそうなので。
うわ、間違えた。
誤:
これで、第二放送後の(今の所)最大の激戦区ともいえる
杜王グランドホテル戦は第三放送まで一息吐いた
正:
これで、第一放送後の(今の所)最大の激戦区ともいえる
杜王グランドホテル戦は第二放送まで一息吐いた
乙です
おもしろかったです
あとジョージは自分のことを一世と名乗るのは変じゃないかなと思います
では、俺もこの流れに乗ってリキエルと噴上、投下していきたいと思います。
>>198氏の後なので少々プレッシャーですが、また評価、指摘のほう、よろしくお願いします。
では。
朝日が窓から差してきた。時計は・・・午前8時を回っている。
俺は――機械の軍人を見逃し、1人の男を殺した俺は――今、病院のロビーにいる。隣で右手を押さえている男、リキエルと一緒に。
《運命》によって出会い、命のやり取りを終えた後、「ずっとここに立っていても仕方がない」とどちらからともなく病院に入り、ソファーで休息を取り、
そして―――荒木の『放送』を聞いたのだ。病院のテレビ、スピーカーはもちろん、電光掲示板さえも放送の文字を映し出していたのだ。驚かないほうがおかしい。
しかし、このリキエルという男は、放送にやたらと関心を示していた。時折深く頷いていたり、何かぶつぶつと独り言をつぶやいていたりもした。
恐らく・・・放送で荒木が言っていた《運命》と言う単語に共感したのだろう。放送の中ではたったの一度しか言っていない、その『言葉』に。そして、リキエルが口を開く。
「13人か・・・なんと『神』に因縁深い数字なんだ・・・このゲームで滅ぶ《運命》にあった者達の魂も、こうして神父を祝福し、押し上げていくのか。
そして・・・あのシュトロハイムという男も、やはり生き延びたようだ。彼の《運命》もまた強いものだな。最も、神父の持つ《運命》の前にはそれも無に等しいのだろうが・・・」
――なんでこいつはこんなに冷静なんだ。もう既に13人もの人間が死んでるって言うのに・・・
・・・その中に、あの殺人鬼、吉良吉影もいて―いや、ありゃ仗助の嘘だったかな・・・―とにかく殺人鬼(かも知れない男)を殺すほど強い奴等がいるってのに・・・
・・・それに、禁止エリアだって俺たちが放送の後ずっと黙りこくってる間に早くも一つ目が作動したってぇのに・・・
「ん、どうした噴上。顎が痒いのか?」
リキエルに声を掛けられ我に返る。無意識で弄っていた顎からも手を離した。ヤバい、このハンサムな俺が放送如きにビビッちまっていたのか・・・ゆっくりと返事をする。
「いや・・・平気だ。何でもねぇ。それよりおめーのほうは右手、いいのかよ?」
「ああ。さっき添え木も当てて包帯も巻いたじゃあないか。そりゃあ痛いが、この骨折もひとつの―」
「運命だ、って言うんだろ?」
「そうだ。分かってきたじゃないか」
分かりたくなんかねぇよ。と心の奥で吐き捨て、その気持ちを切り替えるために、俺はリキエルにひとつの―しかしとてもシンプルな―質問をした。
「・・・で、これからどうするよ?その『神父』とやらは探さなくていいのか?」
「もちろん探すさ。俺の運命・・・いや、ここでは《使命》と言うべきか・・・それは『神父を探し出し、ささやかな祝福すること』だ。」
それが当然であるかのように力強くリキエルは即答した。
「じゃあ、すぐにでもこの病院を出て神父探しをする、ってことだな?」
「当然だ。今の俺の生きがいはそこにある。」
はあ、やっぱりそうなるのかよ。俺はどこまでこいつと《運命》を共にしなければいけないんだ・・・それに――
「・・・そもそも神父ってのはいったい何者なんだ?詳しく聞かせろよ」
声に出して質問した。俺はかれこれ一晩中『神父』だの『祝福』だの聞かされてきたが、神父の存在についての詳細はリキエルから殆ど聞いていなかったのである。
「――そうだな。ここを出る前に話しておくのもいいだろう。そして、これを聞いたらお前の《運命》もまた、変わる。」
リキエルは俺に語り始めた。
ある夜、3つの流れ星と共に自分が『兄弟』達と、そして『神父』と出会ったこと。
父親の存在を知り、DIOと言う男の存在を知り、そしてそれが『神父』の体に宿っていたこと。
彼のためにジョースターの血と対立し、そこに自分の存在が少しだけ見出せたこと。
そして、戦いの中で神父が追い求めていたものは《偶然》であり《運命》であると知ったこと。
だからこそこのゲームの中で神父に出会い、祝福をすることを自分の生きがいとしていること。
―――はぁ。なるほどね。俺には良く分かんねぇって事が・・・分かったよ。それに・・・そんなことが本当にみんなの『幸せ』に繋がるのか?
でも、まっ、話してもらったんだ。礼は言っとくか。
「そうか。よく分かった。じゃあ、少しでも早く外に出ないとな。神父の運命についてけなくなるぜ」
ほとんどが建前の、感謝なんかこれっぽっちもない言葉を吐きつつも・・・言い出した手前、荷物をまとめ始めた。
「よし、お前からその言葉を聞きたかったぞ。噴上。」
やたらと目の色が輝くリキエルの返事に俺は正直言って落胆した。考えてみたらそんな強い《運命》を身につけようとしている神父の前じゃあ、俺なんて力になれないんじゃあないか?
そして、最後にゃあ「お前は神父のために死ぬんだ」とか言われて、最期の最期まで運命扱いで俺は殺されちまうんじゃあないか・・・・・・?
そしたらみんなは『幸せ』になれるかも知れねぇが、そこで死ぬ俺は『幸せ』なんかじゃねぇ・・・
――嫌だ、死にたくねぇ。俺の手が顎に触れる。マズい、手を放さねぇと恐怖に飲まれちまう・・・顎から・・・恐怖が・・・手を・・・―――
「南に行こう。しかし、駅前ではなく・・・商店街に向かって、真南に、だ」
またしてもリキエルの一言で我に返ることになった。気がついたらほとんど無意識の内にリキエルと一緒に病院を出ていた。
勝手に自分の足が歩いちまっている。リキエルの背中を見ながら歩いていたみたいだ・・・
無理をして恐怖を心の奥に押しやり、俺は・・・改めてその理由を問う。正直なところ、もう自分の事をハンサムだと言っている余裕すらない。
「南?しかも商店街だと?」
「ああ。地図を見ていてそこに何か強い運命を感じたんだ」
「・・・そうかい。」
予想できる答えがそのまま返ってきた・・・聞かなければ良かったと後悔する。
「だけどそこに誰もいなかったら歩き損だぜ?」
せめてもの強がりを言う。
「そんなことはない。なにか感じるものがある。」
・・・あっそ。そこに肉体が通じ合う家族でもいるってぇのか!?チクショウ!!声には出さなかった。いや、出す訳にもいかないがな。
「とにかく、俺達二人はそこに行く《運命》なんだ。行かなくてはならない。」
・・・また運命さんのお出ましか。ふぅ、と声に出さずにため息をつき、肩をすくめる。最も、デイバッグを担いでる肩じゃあまともにすくめたりは出来ないんだが・・・
―――・・・デイバッグ、だと?これって、確か・・・あの『デスマスク』が入ってるやつじゃあないか!?あの・・・とても強い《運命》を持っているようなあの顔の。何で俺が『これ』を持ってきてるんだ・・・!?
ってことは、この『顔』のヤツも俺達が向かう先に来るんじゃあないのか?そういう《運命》なんじゃ・・・俺も半日リキエルと一緒にいて、考え方が似てきたらしい。
だが、その仮定がまた俺の恐怖を煽る。
――待てよ?て事はやっぱり俺は死にに行ってるようなもんじゃあないか。こいつは、リキエルは平気だろうけど、俺はそんな運命なんかに自分の死を委ねたくない。
仮にこの『顔の男』がいなくても最終的にはやっぱり神父に・・・そうじゃなくても誰か別のヤツと遭遇して戦うことになったら・・・大体なんだ?『二人は』って。勝手に人の運命を・・・・
それに、そんなことで得る『世界中の幸せ』なんて・・・そりゃあ俺の取り巻きのあいつらも幸せになるんならとも思ったが・・・やっぱり・・・俺は・・・・・・・・・・・・
――・・・・・うわぁああぁあああああアァァ!!!!!!俺は死にたくねえ!!!運命なんかに巻き込まれたくはねえんだ!!どっか遠い別の世界でやってくれ、そんな事!!!
* * * * * * *
「どうした噴上。疲れたか?少し遅いぞ」
振り返り俺は問いかける。立ち止まった噴上は、下を向いたまま答えた。
「・・・・・悪い、リキエル。俺、死にたくねぇんだ」
「ハッ?なにを言っている?」
俺は自分の命さえも《運命》に委ねる決意をしていた。死ぬことを悔いることはない。だから・・・この友の発言に驚きを隠せなかった。
「・・・だから、俺は死にたくないんだ。運命なんてのもどうだっていい!!俺はそんな運命に巻き込まれて死ぬほどお人よしじゃねぇんだ!」
噴上の手は顎にピタリとくっつき、離れようとはしなかった。あの手はなんだ・・・?何のサインだ・・・もしかして、ビビッてんのか?《運命》の存在に・・・いや・・・《死ぬこと》に!?
「・・・何バカなことを言っている!俺達の《運命》は神父への祝福だッ!それに比べたら俺達の肉体的な死なんか・・・」
気がついたら俺も声を荒げている。しかしその声も噴上の耳には、もう・・・届いてないみたいだった。
「――うるせぇッ!!だったらてめぇ1人で祝福でも何でもしてやりゃあいいだろう!!勝手に俺の運命まで決め付けやがって!!」
噴上がデイバッグを放り投げる。ドシャアッと音を立てて俺のの足元まで滑って来たデイバッグの、その開けっ放しだった口からあの『顔』が覗いた。
「・・・そうさ!その顔の持ち主だってどーせ『強い運命の持ち主だ』とか『こいつとは会う運命』とか言うんだろうッ!だがそいつは絶対にヤバいヤツだ!!直感だがそれは分かる!!
だから俺はそんな運命に翻弄されて・・・俺が死んで、他人が幸せになるくらいなら・・・俺は、そんな世界は願い下げだッ!!!」
・・・確かにその『顔』は、強い《運命》の持ち主だった。一目見て分かる。神父の祝福もそうだが・・・こいつの運命もまた、興味深い・・・
噴上が叫び続けているが、そんな恐怖に押し潰された弱々しい叫び声でなんかでは、俺の心は・・・動かないぜ、噴上。
* * * * * * *
知らず知らずの内に俺は自分の胸にたまっていた思いを全て目の前の男に向かって叫んでいた。涙が流れているのも自分で分かる。まったく、我ながら情けない姿だぜ。
リキエルは何も言わなかった。さっき声を荒げていたときとは裏腹に、表情が動くこともない。感情と言ったものが見受けられない。
悲しんでいるのか?怒ってんのか?それとも・・・またこれも《運命》ってぇのかい?
リキエルの野郎は俯いて・・・『顔』を眺めていた。まぁ、今の俺にはそれさえも、どうでもよかった。
「・・・・・・今まで迷惑かけたな。じゃあな。――祝福してやれよ・・・神父をよォ」
踵を返す。手が震えて力が入らない。ずるりと、手からボーガンが滑り落ちた。・・・あァ、俺まだこんなもん持ってたのか。右手が微かに痺れている。
もう何も言うことはない。俺は走り出した。無我夢中だった。リキエルの“ロッズども”が追ってくるかもしれなかった。いや、そんなことよりも・・・立ち止まったら《運命》の《恐怖》に押し潰されそうだった。
俺は―――止まれなかった。
「待て! ・・・・・・俺とお前は、もう一度めぐり合う《運命》にあるッ!!その時は・・・!」
後ろで何か叫んでいる。でも耳を貸しちゃあいけない。俺は、俺は・・・―――
リキエルは、友を失った悲しみと、その友の情けなさへの怒り、そして、自分の《運命》に従う気持ちの入り混じった心境で、ついさっきまで友だった男の背中に叫んだ。
「俺とお前は、もう一度めぐり合う《運命》にあるッ!!その時は・・・その時はッ!殺し合いの、敵同士だッ!!」
ロッズで追う事はしなかった。自分は噴上裕也を見逃す運命だったのだ、と言い聞かせた。涙は流さなかった。神父のために自分個人の感情を剥き出しにしてはいけなかった。
そして、リキエルもまた、デイバッグから覗く『顔』を拾い・・・《運命》の感じる方向へと、歩き始めた。
――ある1人の男は、自分の命のために世界の全てを、幸福を捨てた。
――また1人の男は、世界の、神父のために自分の命を捨てるだろう。
杜王町に、日が昇り始めた――
【 H☆S & S☆H コンビ解散】
【線路沿いの道 (D-04)/一日目/朝(8時過ぎ)】
【リキエル】
[スタンド]:『スカイ・ハイ』
[状態]:右手首を骨折(添え木&包帯で応急処置)。疲労は回復。感情の起伏が少ない。
[装備]:未確認飛行生物ロッズ(多数。呼べばいつでも来る)
[道具]:支給品一式×2、植物図鑑、ディアボロのデスマスク(シュトロハイムのランダム支給品)(リキエルのランダム支給品は未確定)
[思考]:
1) 神父の願いを叶える手助けをする。『運命』が神父を導くはず、と信じている。
2) 神父、あるいはDIOに対立するものを狩り、排除する(なおDIOへの敵対は神父への敵対、と判断)
3) 噴上裕也の言動に動揺、落胆。(次にあったら殺し合いを宣言)
4) 神父のために自分の感情を出す訳にはいかないと考えている。
※リキエルはまっすぐ南に行くつもりで駅前などには興味を持っていません。
【噴上祐也】
[スタンド]:『ハイウェイ・スター 』
[状態]:健康。恐怖による錯乱状態。走り続けている。
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]:
1) 運命の恐怖、死への恐怖から逃げ出したい。
2) どこでもいいから自分の心の落ち着く場所がほしい。
3) 今止まったら運命に押しつぶされてしまう!と思っている。
4) 無我夢中に走ってはいるが、もう病院には行きたくないと思っている。
※D-04の北西(線路の東がわ)に噴上の支給品(デイバッグ×2、双眼鏡、ボウガン(鉄球なし))が放置されています。
噴上は荷物の全てを捨てておおよそ東の方向(露伴宅方面)に向かって走っていますが本人は方角も何も考えていません。
・・・以上で投下終了です。
>>198氏の直後で、比較したらかなり短い文章ではありますが
俺の文才じゃこれが限界ですorz
今回はウェザー、セッコに比べ駆け引きが多かったので
設定や文章の矛盾等がかなりあるかもしれません。
スペース空けたら文章の変なところで改行されてしまったのが心残りですが・・・
とにかく評価を待ちたいと思います。
お疲れ様です
ふんがみ逃げましたね
今後の展開が楽しみです
お疲れ様&GJです。
全然謙遜する必要無い位良い出来だと思います。
内容自体も当然面白い上、
後続の方が続け易い終わらせ方してますし、
読んで疲れない量ですし。
まさかの展開にwktkです。
>>◆C9UOxHGVmM
ジョースター御一行が旅に出たのは1980年だっけ?
確か1987〜9辺りの気がするんだが
261 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 09:10:37 ID:PsrzF9+b
乙!両職人共お疲れ様。
噴上やばいよ。どっちに転んでもダメそうな気がしてきた。
でもこれで新たな組み合わせ、またはバトルが展開しそうで
期待大。
あと、ホル・ホースの思考がDIOに傾倒してるのがおかしい気がしたが、
時間軸を見ると一度屈服した後なんだった。そう考えると、未だにDIOに
頼られている(?)とか思っている辺り、痛いヤツだな。好きだけど。
ワムウタルカスミキタカ予約します
両方面白かった。ジョンガリ噴上かわいそ。
ついでに、ちょっと思ったこと。感想代わりに。
1)F.Fは海水でも生きられるのか?(どっかで既出かも)
2)それにしても、F.Fチームはよく歩いた(4キロぐらい?)
3)ジョージ他は、DIOの現在地を知っているのか?
どれも矛盾じゃなくて、たんに気になっただけね。
どっちもSUGEEEEEEEE!
>>262にも期待
ところで
>>256の「朝」って8時過ぎってことは「午前」でいいんだよね?
二人ともGJ!
ジョンガリ噴上オワタwwwww
>>260 1986年ぐらいじゃなかったか?
>>262 期待してるぜ
>>263 プランクトンは海水タイプと淡水タイプがあるからね。確か前にもちょっと議論の種になったけど結論は出ずじまい。
先延ばしにするのはアレだけど海に行くイベントがおきたら考えればいいような気もする。
FF達が歩きすぎなのはジョージが放送30分前、と言ってる。単に時間軸が朝じゃなくて昼のミスだと思う。
(3)はどーなんだろ……◆C9UOxHGVmM氏はそのつもりで書いたのかな?
なぁ、どうでも良い事かもしれないけれど、気になったんで言う。
バトルの舞台になっている杜王町は、参加者以外の生物は居ないんだよな?
それって、リキエルの操るロッズはどうなんだ……?
考えない方が良いかな?
えー皆さん評価ありがとうございます。意外にも酷評がなくて驚いてるくらいです。
>>264氏のとおり8:00は「午前」でした。時間の表記のところまで目が届いていなかったので
今からしたらばのほうに修正版の状態表のみ、投下してきます。
F・Fのプランクトンは個人的には「スタンド、新生物」と割り切りたいところですが・・・
リキエルのロッズは、今更無しにすると他の(ジョナサンや放送など)文章に支障も出るので良いのではないでしょうか。
一応スタンドを中継して呼んでる訳ですし。
ワムウ達を投下します
>>266 あくまで個人的な意見だがロッズも一緒に荒木によって連れてこられたんじゃない?
ジョルノ&ポルナレフの「黄金の意志」でポルナレフが負傷したまま連れてこられたように。
ロッズはスタンドじゃないしね。
私達が乗った吸血馬が駅に着いた数分後、東の空からすがすがしい太陽が昇ってきました。
私の指の傷は駅に入る直前にタルカスとワムウに見えない角度でティッシュを使い抑えていたのでもう出血していません。
私は橋の所での二人の会話を思い出しました。太陽を嫌っていた節がある二人にとっては危機一髪だったのではないでしょうか。
私は横目で二人をそっと眺めてみました。
案の定、タルカスは冷や汗をかいていました。彼とは対照的に、ワムウはそれほど慌てた様子は見せませんでした。
先ほどの二人の会話からして彼らは太陽が苦手なはずです。
どれくらい苦手なのかはわかりませんが、二人はわざわざ杜王駅まで避難しに来ました。『相当』苦手……のようです。
ではなぜワムウはあんなに落ち着いていたのでしょう。ますます疑念が深まります。
私がこの謎についての適当な答えを探そうと思考を始めた時、声が聞こえてきました。どこから聞こえてきたか、それはわかりません。
とにかく私の周り全方位から荒木の声が聞こえてきたのです。
荒木の声は、少し前の、この殺し合いが始まる前の杜王町を思い出させるかのような静かで、のんびりとした響きを持っていました。
* * *
「じゃあ、おおむねそうゆうことでよろしくね―――」
放送が終わりました。地球人は野蛮なものです。この六時間でなんと十三人もの参加者が尊い命を散らしてしまいました。
私の知り合いで死んだのは、ジョセフ・ジョースターさんと山岸由花子さんの二人。
私は彼らと特別な親交があったわけではありません。会話をしたことなんてほとんどありません。
私にとって二人は友人と言うよりはむしろ、他人に近かったのではないでしょうか……。
ですが、二人の死という事実は私の心に想像以上の衝撃を与えました。知り合いの死、私は216年間生きてきて何度か体験してきました。
……しかし、いくら経験してもこの悲しみからは逃れられないようです。
ワムウとタルカスは放送が始まるころにはチャリオットから降りて駅内の探索を始めていました。
放送が始まると二人は動きを止め、周りを見渡し音源を捜し始めました。
しかし、荒木が死者を読み上げ始めると、(おそらく知り合いの名が呼ばれたのでしょう)二人は捜すのを止め放送に耳を傾けていました。
放送が終わり、禁止エリアをメモした後も、彼らのすることは変わりません。ひたすら無言で探索です。
しかし私は見逃しませんでした。
黒騎士ブラフォード、という名が呼ばれた瞬間、タルカスが一瞬、ぴたりと動きを止めた事を。
カーズ、ジョセフ・ジョースターの名が呼ばれた時のワムウのなんとも言えぬ悲哀に満ちた表情を。
私は見逃しませんでした。
ワムウとジョセフさんは親しい仲だったのでしょうか……。橋での出来事からしてワムウは紛れも無い悪です。ゲームに乗っています。
そんな悪と、あの評判いいジョセフさんが親しくなるものでしょうか。むしろジョセフさんはワムウを退治しようするのでは。
……私はしばらく思考していたのですが、いつまでたっても適当な答えを自分の心の中に作り出す事が出来ません。
まあ仕方の無い事です。もともと無理だったのです。私はジョセフさんやワムウについてあまりにも無知です。
ワムウに関係する疑問はこれで二つ目、別にそれ程大切な疑問というわけではありませんが……機会があれば解明したいですね。
「ワムウ様。放送の事で少し聞きたいことがあるのですが」
タルカスは駅内の探索という機械的な動作を一時中断して、申し訳なさそうに話しました。
タルカスに背を向けていたワムウは無言で振り向きます。
「ワムウ様。お知り合いの名前を呼ばれましたか?」
「……おまえはどうなんだ?」
「黒騎士ブラフォード……わしの戦友です……情けない事に少し心を乱されてしまって」
二人の間に再び沈黙が訪れます。ワムウはタルカスに対して何と答えるのでしょうか。
紛れも無い極悪人の二人ですが彼らは(少なくともタルカスは)知り合いの死について悲しみを感じているようです。
ワムウが話し始めました。
「俺の知り合いも死んだ。しかし気にする事は無い。悲しみなんぞに参っているようでは真の強者にはなれないのだタルカス。
乗り越えるのだ。悲しみを越えてこそ真の強さがある。そもそも死んでいった者達を悲しんではいけないのだ。彼らは何かの死闘のはてに死んだ。
彼らには敬意を払えッ!悲しみを越えるほどの敬意をッ!」
「敬意……悲しみではなく敬意……ですか」
「くだらん話はもう終わりだ。さっさと駅を調べろ。何者かが潜んでいるかもしれん」
ワムウがそう言うとタルカスはすぐに、申し訳ありません、というような事を言い、私が今いるチャリオットの位置からは見えない所へ行ってしまいました。
『悲しみではなく敬意』、私はこの言葉を心の中で数回呟きました。確かにそういう考えもあります。
しかし、私達には決してできない考え方。人間達や私達は親しい人が死んだ時は長い時間ずっと悲しむのが普通です。
というより、悲しむ事しかできないと思います。悲しまずに敬意を払うなんて考え方、生き物をぶっちぎりで超越しているかのような何かを感じます。
ワムウ……彼は超越している。普通ではない。
ふと、チャリオットから駅の様子を眺めてみるとそこにはもう誰もいませんでした。私は周りをゆっくりと警戒しながら見回しました。
誰もいません。ワムウもタルカスもいません。吸血馬さえも今は眠っているようです。
私のちょうど真正面にはさんさんと日の光を受けている駅の出入り口があります。ここからそれ程離れていません。
これは……もしかしてここから逃げ出すチャンスなのでしょうか。ここから全力で走って日光の当たる所へ行きさえすれば良いのです。二人は今いません。
しかし、あまりにもあっさりしています。何ていうのでしょうか……。逆に怪しく感じます。罠ではないのでしょうか。
このまま隠れていればブチャラティさん達が助けに来てくれるかもしれませんし……。
それに日光の下に行ったとしても彼らはまだ追いかけてくるかもしれません。
見つかってしまっては何の言い訳もできません。一瞬で私は八つ裂きにされるでしょう。戦ってもたぶん勝ち目はありません。
それに相手は二人います。どちらかが私を視野の端で捉えさえすれば、私はもう終わりなのです。
なんだか不安要素ばかりあるような気がします。成功する可能性なんてあるのでしょうか。
再び周りを見渡します。さっきよりも注意深く……。
やはり、いません。逃げるチャンスです。駅から出た後は私が残してきた血痕を辿ればたぶんブチャラティさん達と合流できるでしょう。
やはりこのチャンスを活かすべきです。どれだけ可能性が低かろうと……それは決してゼロではない。
私は変身を解き鎖から元の体に戻りました。そしてゆっくりと、猫のようなしなやかで静かな動作で慎重にチャリオットから下ります。
下りた私はひとまずチャリオットの陰に隠れ辺りを見渡します。ここからならチャリオットの上にいた時は見えなかった所も見る事が出来ます。
……ワムウもタルカスもいない。
大丈夫です。この脱出は成功します。後は素早くあの出口へと走るだけ。
私は覚悟を決め杜王駅の出口へと走り出しました。
私の靴と地面がぶつかる事によって生じる音。私の衣服がこすれる音。その他いろいろな物音。
物音なんて気にしません。ただ私は全力で走ればいいのです。
あと少し、あと少しで、太陽の下へッ!
あと少し、あと少しで、逃げられるッ!
ブチャラティさん達の所へ行けるッ!後数メート……ッ
まずいッ!ヤバイッ!殺されるッ!心臓が破裂するほどの衝撃ッ!
突然、ワムウが現れたのですッ!何も無いところから急に。まるで透明人間が急に姿を現すかのように。
私に背を向けているのでまだ見つかってはいませんが今にもッ!
ワムウは何かしらの気配を感じ取ったのでしょう。素早く振り返るッ
(やばいィ〜どうすればッ!どうすればいいんだあ〜〜〜)
私は急いでもう止血できていた指を再び噛みました。血が一滴だけ出るくらいにできるだけ柔らかく噛みました。
冷たい金属音ッ!ワムウが振り返って見た物。それは私ではありません、地面に落ちる鎖、唯一つッ!
* * *
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ワムウは何一つ言葉を発さずに私(今は鎖ですけど)を睨み続ています。
沈黙……。疑わしそうに私を睨む。私の頭は緊張と恐怖でどうかしてしまいそうです。
ワムウは今、こう思っているのでしょう。
なぜここに鎖がある。誰が持ち出したのだ。俺は落ちる瞬間を見た。そこに落ちているの見たのではなく落ちていく瞬間を見たのだ。これはどういうことだ。
怪しい。怪しいぞこの鎖。タルカスには悪いが……
破壊させてもらおう。
そして今目の前にいるワムウも私の心の中のワムウと同じように、鎖をゆっくりと掴み持ち上げたのです。
(ヒィエエエエエエエッ!まずいッ!破壊されてしまうゥッ!せめて、せめて『アレ』に気づいてくれえッ!)
「タルカスッ!来いッ!」
ワムウはいきなり凄まじい大音量でタルカスを呼びました。あまりに大きな音だったので、私はさらに慌てました。
今、私はあの仗助さんとの協力サイコロの時のように、岸部露伴さんにばれそうになった時のように、冷や汗をかいてしまっているかもしれません。
案の定、鎖は私の汗によってうっすらと濡れていました。
「どうかしましたかッ!ワムウ様ッ!」
「お前、鎖を俺に向かって投げたか?」
タルカスは言っている意味がわからないかのような顔をしています。
「いえ、投げていません。何かあったのですか」
「この鎖がここで、チャリオットからは何メートルもあるこの場所で落ちているのを見た。おまえの仕業ではないとしたら……いったい誰の仕業だ。
何のためにこんなことをしたのだ」
「我々以外の誰かがこの鎖を盗ろうとしたのでは?」
ワムウは鎖を睨みます。今のところはまだ汗には気づかれてはいません。
「たしかにそうかもしれない。それも可能性の一つ。だが俺は鎖が落ちているのを見たのではなく落ちていく瞬間を見たのだ。
つまり、鎖のすぐ近くに落とした者がいたはずなのだ。
鎖を手から離し地面に着くまでの間にその場から素早く離れ俺から見つからないような所に隠れられる身体能力を持った奴はそうはいまい」
「さっきワムウ様が言ったように誰かがチャリオットから鎖を投げたのではないでしょうか?」
「見知らぬ者が近づいてくるのだ。吸血馬が黙っていないだろう」
吸血馬は眠っているはず、と思い私は視野の端に映っている吸血馬を注視しました。
起きています。もしかして眠っている時の方が珍しいのでしょうか。ああ、運がいいのか悪いのか……
「俺の手下の吸血鬼に手がドアノブそっくりの奴がいた。くだらんことだがそれが奴の能力の一つだ」
「はあ。でもそれがいったい……」
「つまり俺が言いたい事はッ!」
まずい。この流れは非常にやばいです……。このままでは。
皆さん色々有難うございます。
>>245さん
>>252さん
>>260さん
>>263さん
>>265さん
の指摘事項は纏めて修正します。
まだまだ出てくると思いますので、御指摘御願いします。
ちなみに
>>263さんの質問について、
1)不明です。ただ、F・Fは「海水を求めて」東へ向かったのではなく、
「ジョンガリ・Aの言葉に従って」海方面へ進んだら
ホントに海に着いてしまった訳です。
2)歩きましたねぇ〜。ちなみに
>>265さんの言う通り、
時間軸をミスっていますので、
正確には朝6時前後に出発して10時過ぎにホテルと云う感じです。
4時間で4キロは遅過ぎですが、多分警戒しながらゆっくり歩いたんでしょう。
にしても、よくホテルまで誰にも遭遇せずに来れたなぁ。
3)何も考えていませんでした。
自分に決定権があるのなら、一般人のジョージは分からないのでは?
一般人でも分かるなら、
ホリィが学校の承太郎と心通じる筈ありませんからw
にしても、ふんがみあぼーんですかねぇ?
リキエルが「殺しあう運命」なんてニクイ演出してますから
それまでは死なないと思ってるんですが。
「誰かが妙な能力でこの鎖に変身しているッ!」
ああ、気づかれたッ!
ワムウが鎖の両端を掴み引きちぎろうと力を込めます。
凄まじいパワー。ああ私はここまでなのでしょうか……。私はただ地球に来ただけなのにこんなわけの分からないゲームに参加させられて……。
こんな所で死ぬのでしょうか。ああ黙ってブチャラティさんを待っていればよかった……。
体が、熱い、千切れる、痛い。しかしッ声を出すわけにはいきませんッ!ぐうううううぁあぁぁああぁあああああッ!痛いッイタイッ!
「この鎖を引きちぎってみればわかる。本物の鎖ならこのままただ千切れるだけだッ!」
駄目だ。もう限界だ……。仗助さん、億康さんどうか生き残ってください。
「待ってくれッ!その鎖は本物です。間違いありません」
タルカスが叫びました。すっと、ワムウの力が緩みます。
「なぜそう言える。根拠はあるのか?」
「わしは長年鎖を愛用の武器として使ってきた。だから分かります。その鎖は本物です。その質感、音。偽者のわけが無いッ!」
「下らん事を……おまえはこの鎖を破壊されたくないからそう言っているだけじゃないのか?」
この問いかけにタルカスは少しの間、黙りました。頑張ってくださいタルカス。私の命はあなたにかかっています。
ああせめてどちらかが『アレ』に気づいてくれれば……。
「確かにそうです。わしは鎖を壊されたくない。だから言っています。しかしその鎖は本物です。
その鎖さえあればわしはもっとワムウ様の役に立つ事が出来るッ!」
「元より貴様なんぞに何の期待もしておらんわ。おまえはただ俺の身の回りの雑事をこなしておれば良い」
そんな……バカな。ひょっとして、タルカスのおかげで助かると思ったのに……。
再び私の体に耐え難い痛みが走ります。ワムウは少しずつ力を強くしていきます。私に変身を解く隙を与えているのでしょう。
早く変身を解かないとどんどん痛くなっていくよ、と私を脅しているのです。
変身を解くわけにはいかない。もしワムウかタルカスが『アレ』に気づいた時私は鎖でなければならないのです。
しかし……もう。
「そんな、ワムウ様。どうか考え直してくださいッ!」
「考え直すことなど何もな……」
急に、急にです。突然、ワムウが力を抜きました。ふっと、力が弱くなったのです。
ワムウは私から目を離し地面を睨んでいます。そうか。ついに、ついに『アレ』を見つけたんだ。
「ワムウ様?どう……したんですか?」
沈黙に耐えかねたタルカスがワムウにそっと問いかけました。
ワムウは鎖を捨て、地面にしゃがみました。何かを凝視しています。
「タルカス見ろ。血痕がある。鎖が落ちていた場所の近くに血痕がある。血はまだ乾ききっていないぞ。ついさっき、という感じだ」
そう、私がワムウに見つかる寸前に残しておいた血痕。
「外を見てみろ。血痕がずっと続いている。この駅に向かって、続いている。いやこの鎖に向けてと考えたほうが正しいか……
つまり……ついさっき、何者かがこの鎖を奪いに来た。我々の目を掻い潜り、盗もうとしたのだ」
「なるほどッ!そしてワムウ様に見つかりかけたから、鎖をおとりに使い急いで隠れた」
「その通りだ。おまえが始めに言っていた通りだったな。
つまり、奴はこの鎖を盗ろうとした泥棒は一瞬で隠れられる身体能力、または特殊能力を持っているという事だな。
しかし、盗人め。どこかを怪我をしているらしいな。怪我した体で来るほどこの鎖が大事なのか、それともただ単にまぬけなだけか」
276 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 21:22:29 ID:PsrzF9+b
ドキドキ・・・ウズウズ…
「ワムウ様、この鎖は……どうなさるのですか?」
タルカスが申し訳なさそうに聞きます。
「俺が引きちぎろうとしてもこの鎖は何の反応も示さなかった。おそらくこれは本物の鎖なのだろう」
「ではそれはわしにくださいますか?」
「しかし、盗人は無理をしてまで、血を流してまでこの鎖を奪いに来ているのだ。この鎖には普通の鎖とは違う何かがあるような気がする。
一応、破壊しておいた方がいいだろう」
「えっ!」
……しまったアッ!声だしてしまったぁぁッ!もう助かると思って安心してしまったああああああああッ!
沈黙、長い長い沈黙。タルカスがキョロキョロと周りを見ています。幸いな事に、私の出した声はずいぶんと小さかったようです。
彼らは、少なくともタルカスは音源に気づいていない。
「フフフ、マヌケめ。この鎖を破壊されるのがそんなに嫌か。いいだろう。壊さないでおいてやる。いつでも、どのタイミングでもいいぞ。
奪いに来い。返り討ちにしてやろう」
良かった〜。ワムウも音源には気づいていないようです。ワムウは鎖をタルカスに投げ歩き始めました。
「タルカス、この鎖を持って盗人が駅の中にいるかどうか徹底的に調べるのだ。盗人がそいつを奪いにくるかもしれん。何者かを見つけたら俺を呼べ。
俺が盗人に死を与えてやろう」
「ワムウ様、鎖をくださるのですか?ワムウ様が持っていた方が……」
歩いていたワムウは歩を止め振り返ります。
「フフフ、確かに鎖を持っていた方が盗人に会えそうだな。だがおまえを試してやる。
鎖を持っているおまえは本当に役に立つかをな。だが注意しろ、その鎖には何かあるような気がする」
そう言うとワムウは駅を徹底的に調べに歩き始めました。
「感謝します。ワムウ様……」
タルカスがそう言うころにはワムウはさらに歩いて行き、私達のいる所からは見えなくなっていました。
はあ。良かった。助かったあ……。私をほっと安堵しました。
しかし安心したのもつかの間、私はタルカスによって彼の顔の辺りにまで持ち上げられました。タルカスが鎖をじっと見ています。
どうしたんでしょう。まさか疑っているのでしょうか。この人は鎖が必要なはずです。まさか、まさかさっきのワムウみたいな事はしないですよね。
長い間、鎖を見ていた彼はそっと呟きました。
「これは盗人の血か?鎖に微かだが血がついている」
なんだ。そんな事ですか。もうその傷は心配ないでしょう。もう出血する事は無いでしょう。ほとんど治癒していま……
べろり
(ひっヒェェエエエエェエエエッ!舐められたぁッ!指をッ!私の指をッ!この人、どうして私の指を舐めるんですか〜ッ!)
べろり
(何回舐めるんですかぁッ!)
「全然足りんな。もっと血がほしい」
そう言うとタルカスは鎖を肩にかけ歩き始めました。
鳥肌が立つなんてレベルではありません。恐ろしく気持ち悪かったです。なんとか声を出さずにすみましたが、これからもこんなことがあるのでしょうか。
ああ、ブチャラティさん、形兆さん早く助けてください〜〜。
【闇の重戦士チーム 宇宙人添え】
【杜王駅 (E-03) 1日目 朝〜午前】
【ワムウ】
[モード]:『風』
[時間軸]:首だけになり、ジョセフが腕を振り下ろした瞬間
[状態]:服が少し焦げている
[装備]:手榴弾×9
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1) 駅の中を調べて盗人を捜す
2) 鎖(ミキタカ)を少しだけ怪しく思っている
3) 戦いを楽しみつつ、優勝を目指す。ただ深追いはしない。
4) 従者として、しばらくはタルカスを従えておく。
【タルカス】
[種族]:屍生人(ゾンビ)
[時間軸]:ジョナサンたちとの戦いの直前。ディオに呼ばれジョナサンたちと初めて対面する前。
[状態]:無傷。
[装備]:【ミキタカが化けたフック付きの長い鎖】。
[道具]:支給品一式
[思考・状況]:
1)駅の中を調べて盗人を捜す。
2)ワムウへの絶対的な忠誠。
3)ワムウと共に戦う。戦いの愉悦を彼の下で楽しむ。
4)取り逃した虹村形兆、ブチャラティ、ミキタカへの僅かな執着心(ワムウの命に背いてまで追う気はないが)
【ヌ・ミキタカゾ・ンシ】
[スタンド?]:『アース・ウィンド・アンド・ファイアー』
[時間軸]: 鋼田一戦後
[状態]:【フック付きの長い鎖】に化けた状態。タルカスに片手で握られ、肩に掛けられている。千切られそうになったので体全体が痛い
[装備]:なし
[道具]:ポケットティッシュ (支給品一式はブチャラティが持っています)
[思考]:
1) タルカスたちには絶対に気付かれたくない。そのため、当面はただの鎖のフリを続ける。
2) タルカスたちに気付かれないうちにこっそり逃げ出したい。
3) 脱出後、ブチャラティたちとの合流を図る
4) 味方を集めて多くの人を救いたい。
[備考]:ミキタカは形兆のことを「ゾンビのようなもの」だと思っています。
[備考]:タルカスもワムウも、タルカスが手にしている鎖がミキタカであることにまだ気付いていません。しかしワムウは怪しいと感じています。
[備考]:ミキタカは自ら道路に血を垂らし、ブチャラティたちが追う手がかりを残しています。
彼らが通った道には、点々と血の跡が続いています。ワムウ達はもう気づいています。
[備考]:ワムウとタルカスは鎖を盗もうとしている参加者が近くにいると勘違いしています。そして駅につづいている血痕もその参加者のものだと思い込んで
います。
[備考]:ミキタカの冷や汗は結局気づかれませんでした。
[備考]:吸血馬1頭+チャリオットは駅の中に置いています。
投下完了
タイトルは怪物に捕らわれた異性人について、ではなく怪物に捕らわれた異星人について 、です。
性ではなく星
なんて間違いしてるんだ俺……
>>4WwFMz1GCcさん
お茶吹きましたw
緊張感はしっかりあるのに
最後のミキタカの叫びが漫才以外の何物にも見えず、
涙で目の前が見えません。
とどめに
>>280。
何てとっておきのネタをwww
…途中割り込みスミマセンorz
282 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 21:41:52 ID:PsrzF9+b
乙!!!
ミキタカ視点は初?だったか?淡々としているようで実に読ませルッ!
273→275は、マジで投下の続きが待ち遠しかった。
あ、あと
>>271の2行目、「退治しようするのでは」の「と」が抜けてる。
大した事ないけど一応。
◆C9UOxHGVmM氏
GJ!お疲れ様です。
読みやすく、しかもこのゲームの中なのに笑える、というところが良かったです。
ミキタカ「らしさ」が出ていて面白く読むことが出来ました。
これからの「やれば出来るんだ」という「ミキタカらしさ」に期待します。
>>274 確かにF.Fはジョンガリの提案に従ったんだけど、
>>221 水の確保をしにジョンガリ・Aと一緒に海辺へ向かおうとした時、
が気になったということね。細かいことかもしれんけど。
それとDIOの居場所のことは、ナランチャが話したかどうか?ね。
現在地を聞いてたら、ジョージは会いに行くかもしれないし。
>>282修正点の指摘ありがとうございます。
では
>>271の二行目を
「退治しようするのでは」から「退治しようとするのでは」に修正します
>>◆4WwFMz1GCc氏
GJ! これはイイ。面白い!
千切り殺されたら痛そうだね。
連投スミマセン。
投下乙です。
異性人フイタwwwwwwwwwww
ミキタカまじ綱渡りだな。タルカスがちゅぱちゅぱ申したか。
でもこのままのほうが生き残りやすい気がするのはおれだけ?
>>284 DIOの居場所をナランチャが喋ったかどうかはオレも作中ではっきりすべきだと思う。
ナランチャがうっかり話しそこねる(思い出せネェ的な)展開でもいいんだし何も触れられていないのはマズイっす。
>>284さん
>>287さん
おぉ!そちらの方でしたか。
じゃあ、文を訂正しますね。
「ジョンガリ・Aに連れられるまま海辺の方へ…」
で良いですかね?
現在地の方も勘違いしてました。
補足に
「ナランチャは忘れて話しそこねた」
と書き加える事にします。
作者が忘れてたので(汗
御指摘有難う御座います。
多分まだあると思いますので
宜しく御願いします。
訂正は週末にまとめてする予定です。
289 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 22:24:24 ID:PsrzF9+b
>>287 いや、逆にこのままずっと逃げられないだろう。それに、
敵が現れたら武器として振りまわ・・・いや、後は次の書き手さん次第か。
◆C9UOxHGVmM さん。これは言われると益々気になってしまうので、あえて言います。
ナランチャは皆にDIOの居場所を問い詰められなかったか?って疑問。
気にしすぎか。うーん、できば本文中に何らかで入れて欲しい。 のだが。
>>289さん
う〜ん。確かに居場所を聞くのが普通ですね。
ただ、居場所を聞いておきながら
「拠点を変える」
なんて決定を下す事に違和感を感じる人は出て来ないのでしょうか?
出てこないのでしたら、
まとめ情報に「DIOの居場所」を付け加える修正で終わりですが、
これではダメ、と言うのでしたら
ナランチャ覚醒後を大幅変更する必要がありそうです。
どちらが良いか教えて下さい。
291 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/22(木) 23:29:08 ID:PsrzF9+b
確かに、拠点を変えるってのは、この話の中で重要ポイントだから、
いじってしまうと、皆の動機云々、色々変わる恐れがある。
口出ししておいて何ですが、やはり「備考欄の付け足し」で良いと意見を変更させていただきます。
連絡遅くなり申し訳ありません。
>>291さん
いえ、あなたの疑問は至極まっとうだと思います。
今後こういうミス起こさないよう精進しますので、
これからも宜しく御願いします。
皆さん申し訳ありませんが、
今回は理由をぼかして
「ナランチャから聞いていない」
と修正します。
(ナランチャが何処でDIOと会ったか覚えてないって出来ればいいんですが、
さすがのナランチャもそれくらいは覚えていそうですし)
言いだしっぺなんで提案をば、
ナランチャ居場所を話す
いますぐ全面対決には花京院が反対
ナランチャも内心は怖れている
ホル・ホースもいまは目立ちたくない
ジョージもDIOと全員で会うのは避けたい
同じ理由からホテルに居るのもマズイ
→拠点移動
ただし、ジョージは一人で会いに行くつもり
ホル・ホースもそのつもりかもしれない
それゆえ花京院は、この二人を警戒している
ざっとだが、こんな流れを組み込んではどうか?
手遅れだったか・・・そして、IDは、動きだす。
ミキタカ好きだー!!原作であまりスポット当たらなかっただけに
こういううまい小説で見るとすごく楽しいし嬉しい
>>217〜について、
一から作り直して修正の所に入れておきました。
後半とか皆の思考がかなり変わってますので、
このスレのやつは忘れて下さい。
>>296 乙です。チーム名がついたんですねw
進行状況まとめです。何かの足しになれば。
【現在の座標】
『深夜』
【C-2】<アイスクリーム屋周辺>●黒騎士ブラフォード [28話/1日目深夜]
【D-2】<鋼田一の鉄塔傍>●スポーツ・マックス [21話/1日目深夜]
【D-4】<露伴の家付近>●ストレイツォ [5話/1日目深夜]
『深夜〜黎明』
【C-9】<別荘地帯(室内)>●スピードワゴン [7話/1日目深夜〜黎明]
『黎明』
【D-4】<岸辺露伴宅−仕事場>●ヴァニラ・アイス [26話/1日目黎明]
【D-5】<公衆電話前>●プロシュート [30話/1日目黎明]
【G-5】<虹村家前路上>●ペットショップ [32話/1日目黎明]
『黎明〜早朝』
【E-3】<杜王駅西口広場>●山岸由花子[37話/1日目黎明〜早朝]
『早朝』
【C-5】<杜王町の街中>●ジョナサン/シュトロハイム[41話/1日目早朝]
【C-8】<別荘地帯>●カーズ [29話/1日目早朝]
【D-3】<線路脇>●吉良吉影/●ギアッチョ [40話/1日目早朝]
《生存者》
『黎明〜早朝』
【H-5】<杜王町南>トリッシュ/シーザー[44話/1日目黎明〜早朝]
『早朝』
【D-5】<市街地>エンリコ・プッチ[43話/1日目早朝]
『早朝〜朝』
【H-3】<橋の入り口>空条徐倫/ミドラー[55話/1日目早朝〜朝]
『朝』
【C-8】<吉良吉影の家>DIO[59話/1日目朝]
【D-4】<岸辺露伴の家から南東へ進行中>シュトロハイム[64話/1日目朝]
<岸辺露伴の家の前>ツェペリ[64話/1日目朝]
<岸辺露伴の家から南へ進行中>リサリサ[64話/1日目朝]
【E-3】<杜王駅駅前広場>アナスイ[61話/1日目朝]
【E-4】<駅前広場入り口付近>広瀬康一/イギー/岸部露伴[61話/1日目朝]
【F-3】<杜王駅近くの民家>セッコ/ウェザー・リポート[65話/1日目朝]
【F-4】<ムカデ屋二階>空条承太郎[60話/1日目朝]
【F-6】<杜王町東の病院>アヴドゥル/ダイアー/虹村億泰[63話/1日目朝]
【G-2】<住宅地>エルメェス/東方仗助/●ジョセフ[58話/1日目朝]
【G-5】<虹村邸跡の前の路上>虹村形兆/ブチャラティ[57話/1日目朝]
【H-4】<民家>ディアボロ[54話/1日目朝]
『朝〜午前』
【E-3】<杜王駅>ワムウ/タルカス/ヌ・ミキタカゾ・ンシ[68話/1日目朝〜午前]
【H-7】リゾット[56話/1日目朝〜午前]
『午前』
【D-3】<D-2とD-3の境目付近の湖のほとり>ジョルノ/ポルナレフ[53話/1日目午前]
【D-4】<線路沿いの道より南に進行中>リキエル[67話/1日目午前(八時過ぎ)]
<線路沿いの道より東に進行中>噴上裕也[67話/1日目午前(八時過ぎ)]
『昼』
【E-7】<杜王グランドホテル>ジョージ/花京院典明/ホル・ホース/ナランチャ/F・F/ジョンガリ・A[66話/1日目朝(11時30分)]
>>297 乙です。
放送後未だ動きのない人たちの行動くらいでいいならまたがんがって書きますが
リクエスト等ありましたらお願いします。そのほうが気合も入るので。
※現在、放送後でまだ進んでないキャラ
○エンリコ・プッチ神父→傷が回復するのを待っているようだが……
【エッレ・イタリアーノ シニョーラ エ シニョリーナ】
○トリッシュ/○シーザー →ディアボロ(ドッピオ)が接近中。他に近い所にいるのはブチャ達か?
>>300 乙です
>>299氏には申し訳ないですが一応放送後進んでないほうを優先で書きます。
まだ予約入れないので他の書き手さんもどうぞ。
ではしばらく書きますので1週間前後はROMの方向で。
>>301 期待します、
個人的にはプッチの方読みたいかなと。どうぞご参考までに。
【ワムウ、タルカス、ミキタカ、承太郎】予約します。
期待
気になったんだけどトリッシュはドッピオがボスの正体であることを知ってたっけ?
306 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/26(月) 16:04:16 ID:HhiRy8r3
>>305 調べた。知らないのが正解。
ちなみにドッピオ=ディアボロはバトロア内では誰も知らない。
ブチャラティはドッピオに出合った時点で目で物を見ていない。
唯一ポルナレフが5部最終戦中にドッピオの事を説明してただけ。(部下の少年って感じで)
>>296 修正お疲れサマ。
エメラルド・スプラッシュが弾丸を叩き落とすってのはスゴすぎ。
腕に当たって狙いを逸らしたとかで、良いのではないでしょうか。
修正スレの
>>136でDIOについて、
>いや、あの聡明な子が、居場所を知られながら 其処に留まるとは考え難い。
とありますが、このチームは吸血鬼が日光に弱いことを知らないのでしょうか?
ホル・ホースや花京院あたりが知っていたら教えていそうな気もするのですが。
>>305 でも、トリッシュの最初の登場SSでは知っているような口ぶりだったぞ。
これは…書き手さんと原作どっちを優先すべきかねぇ。
>>306 サンキューやっぱ直接会ってないよな。
>>308 第23話だな。
トリッシュの時間軸がディアボロ撃破時だからジョルノ達からあとでドッピオのことを聞いていたの……かも。
>>296 修正乙。
見た感じではちょこちょこ直すべきところあるとは思ったけどね。
「そう、あたしや除倫、エルメェス、エンポリオ、ウェザー、アナスイ、…」
「…」
「…承太郎」
「!!承太郎!?貴方は空条承太郎の仲間なのか!?」
「あ、あぁ」
条太郎の名を言ったとたんの男の態度の急変に、つい返事をしてしまう。
こっちの質問に答えて貰って無いってのに。
とかな。
「俺は生き残りたい訳よ。ただそれだけ。でも、DIOがこの世界に来てどう考えると思う?
まさか、皆で協力してアラキを斃してメデタシメデタシを考えてます、とでも?」
「いや、全員皆殺しにした後荒木も殺す、と云った所だと思う」
ホルホースと花京院の会話「全員皆殺し」ってなってる、ココもちょいと気になったところ。
>>307 個人的には弾丸打ち落としでも良いと思う。
エメラルドスプラッシュは、タクシーのドアくらいは吹っ飛ばす威力持ってるから。
弾丸くらいは弾けるとおもうよー。
>>307 日光に弱いことを知ってるからこそ「逆に考えるんだ」で、そう判断かもしれかもしれない。
そのあたりは次の書き手さんにまかせてもいいような。
>>310 そうですねー、威力よりは精密度の問題です。
>>311 かもしれないかもしれないですか、お任せします。
>>312 E・スプラッシュは精密性はない感じだったからねぇ……
数打ちゃ当たるかんじだから、適当に撃って、その内の一部が弾丸に当たった、と見ても良いかと思ったのです。
314 :
306です。:2007/03/27(火) 17:47:16 ID:6Gl9gowC
>>309 肝心のロワ内を読んでなかった・・・
まあ、私も書き手さん優先で良いと思うなぁ。
最初のSSでトリッシュのキャラ立ちが出来ているから。
蛇足だが、原作読み返したけどディアボロ戦は展開激しすぎ。
ちょっと3日以上かかりそうです。申し訳ありません。
予約延長を申請したいのですがよろしいでしょうか。なんとか早く仕上げますので……。
予約したいと思います。
【エンリコ・プッチ神父】
例によって繋ぎ文章ではありますが、他の書き手さんの補助にでもなれればと思います。
投下予定は明日の夜をめどに。
>エメラルドスプラッシュについて
修正入れます。
ただ、弾丸弾きはホル・ホース戦で実際にやってますので
ありえない事ではないかと。
>DIOと日光について
次の書き手さんに任せて良いと思いますが、
あえて自分の考えを述べるのなら、既に知っているでしょうね。
ちなみに
『DIOは日光に弱いから吉良の家から動けない。
だから留まっている筈だ』
と云う考えは当てはまりません。
ジョージにとって、DIOは
『日光を遮りながら移動する方法などすぐ思い付く』位聡明な子なので。
…また見当違いの返事しちゃったかな?
>>310さんの修正について
前者は修正入れます。
後者は『全員』を省けば良いのですかね?
で、修正は暫く経ってからで。
多分数日中にまだまだ出てくると思いますので。
そして、(こっちの方がメインの理由ですが)
現在新しい話を考えていますので。
と云う訳で、予約です。
【康一、露伴、イギー、プッチ、リキエル】
ごめんなさい。キャンセルで。
どうでもいいけど敵キャラがだいぶ死んだな
ジョージ軍団も強そうだし、ジョジョキャラ相手にたたかう敵スタンド使いも大変だな
>>317氏
もしかして俺が先に予約入れてしまったからでしょうか・・・なんか申し訳ないです。
さすがに素直に引くのも後味悪いので明日予定通り投下しますので、
それがダメで廃棄になった場合の投下でいいのではないでしょうか?
◆yxYaCUyrzcさん
いえ、リロードせずに書き込んだ自分が悪いだけです。
貴方のSSは毎回楽しく読ませてもらっていますので、
今回も楽しみです。
前から気になってたんだが
「エアロ・スミス」→「エアロスミス」
じゃないか?
昨日の投下予約のプッチですが、今投下します。
文章そのものは短いですが多少動かそう、と言う感じの内容です。
>>321氏、この文章の後につなぐ事が出来るような作品でしたら貴方の予約も改めて期待します。
では、投下開始します。
『ゲーム』が始まってからおよそ半日。
日が昇りだしたにも関わらず未だ薄暗いある民家の中。そのリビングで私、エンリコ・プッチは荒木の放送を聴いていた。
ホテルでの戦いの後に“馬”と『巡り合い』、そして・・・これは手近なところを選んだだけだが、とにかく・・・家に入り、
そして傷を癒すために休息を取っていたのだ。さすがに、意識がいつ消えるかと言う状況、眠る訳にはいかなかったが――
出来るだけ動かず・・・全身の力を抜き足を投げ出し椅子にぐったりと倒れるように腰掛けて“糸”の力に回復の全てを委ねていた。
まったく、皮肉なものだ。まさかあの空条徐倫の精神―ストーン・フリー―と同じ“糸”に癒される事になるとは・・・
そんなことを考えていた矢先の放送だった。リビングのテレビが勝手に喋り始め、隣の寝室からはラジオだろうか・・・声も聞こえている。
驚きはなかった・・・しかし、この『天国への最後の試練』は生易しいものではなさそうだな。
あの荒木のスタンド能力も私の求める『天国』のような『完成』したひとつの『形』なのだろうか。
まぁ、内容や荒木に関しての考察は後にしよう・・・今は放送の全てを記録せねば。
手は未だ動かせる余裕はない。『ホワイトスネイク』にペンを持たせ、放送に聞き入る・・・・・・
荒木が、語り始めた―――
* * * * * * *
―――ふむ、実に興味深い内容だったな。放送を聴き終えた私の感想は実に単純だった。
ジョースターが、ふたり、死んでいた。
スポーツ・マックスも死んでいたがもはや関係ない。荒木の事も、今考えるべきことではなくなった。重要なのは、ジョースターの事、そして、DIOの事。
この放送で呼ばれた2人のジョースターは私が知る空条の人間ではない。しかも、名前から考えるに・・・純粋な『ジョースターの一族』だろう。
先ほどあのDISCに映っていたジョジョと呼ばれていた子供はどちらの『ジョジョ』なのだろうか。あの父親は一体名簿にある、どのジョースターなのだろうか・・・
ふぅ。とため息をつく。あぁ、先程のあの男の記憶DISC・・・持って来ればよかったな。こうして休んでいる間、続きを読みたかったと何回も思っていた。
背後の気配を忘れるほど見入った記憶は今までにそう何度も出会うことはなかったし、『記憶』の方のDISCを集めることはしなかった。読むほどの価値のない者達ばかりだったから。
あの男はいつの時代の人間なのか・・・『ジョジョ』と、そして『ディオ』と呼ばれていた少年達・・・彼らはまだほんの12,3歳程にしか見えなかったが・・・
いや・・・DISCにこだわっていたらあの場で死んでいたか・・・?私はあの場で死ぬべき人間ではなかったのだ。DISCの事もあるが、優先するべきはやはり『天国』であり『DIO』なのだ。
ともかく過ぎてしまったことを今更考えていても仕方あるまい。そんな私個人の感情・・・いや、感傷という心の弱さが「敗北」につながり「天国」を目指せなくなる要因なのだ。
―――そう言えば、私は今までDIOの少年時代の話を聞いたことはなかったな。ふと頭にそんな事がよぎった。
DIOとは色々と話をした。最も弱いスタンドの話、魂の形を見ることの出来る芸術家たちの話・・・
スタンドの事、私の能力を引き出したあの“矢”の事。人と人との出会いについて。引力について・・・
しかし・・・DIOはあまり自分の事を話しに出してくることはなかった。
まぁ、DIOが話そうとしなかったし、私も自ら聞こうとはしなかったのだが。
私はDIOのために、そして天国にたどり着くためのわだかまりを排除しようと、ジョースターの血を絶やす、と・・・考えてはいた。
だが、ジョースターたちの事は考えたこともなかった。死んでいった『ジョジョ』達はどのようにして各々の誇りや勇気といった力を手にしてきたのか?
彼らの力は何と戦い、何を生んだのだろうか・・・?彼らの力の前に屈したもの達は何者なのか。このゲームにも参加しているのか・・・?
そこにはやはりDIO―否、ディオ・ブランドー・・・だったかな。あの男のDISCと話から推測する限りは―とにかく、“ディオ”が関わっていたのだろうか?どのように?
彼らにもやはり“痣”はあるのだろうか?DIOの首にもあの星型の“痣”があるが・・・あの肉体は誰のものなんだ・・・?
そこで私ははたと気が付く。友人の真の部分というものは別の誰かが教えてくれるものなのかもしれない。そして、それが新たな出会い・・・だが――
―――DIO、すまない。私は君の友人だが、本当は君の事を何も知らなかったようだ。
時を止めることもさることながら、君が自分の骨を体内から取り出し、謝罪の証として私にくれた時、君が人間でもスタンドでもない能力を持っていることを確信はしたが、
君が、いつ、どうやって『人間をやめ』たのか。星型の痣を持つ誰かの肉体をどこでどうやって手に入れたのか・・・
知りたい。もっと空条ではない『ジョースター』の事を。そして、DIOではない『ディオ・ブランドー』の事を・・・
―――とにかく、このまま考えていても埒が明かないな。DIO、君のもとへ行こう。私がこんな所でぐずぐずしている訳にはいかない。
私が求めていた天国はあくまでも『DIOが行き着くところ』だ。私はいなくなった君の意思を継いでいただけなのだから。
だから私はこのゲームの中、君に出会い、そして共に天国へ行き着くのだ。そうでありたい。だから、急がねばならない――
この傷も“馬”の力か、“神”のご意思か・・・完治とはいえないがどうにかなりそうだ。もう出血はしていない。
右足は・・・とりあえず形にはなっているな。歩くことは出来るか・・・?歩けなかった場合、そして車のない今、移動はどこまで出来るか・・・?
とにかく・・・今は全身の傷を確認しよう。この“糸”は抜糸出来るのだろうか・・・?傷口によってはもう塞がっているものもある。
ためしに糸に触れてみる。少し、ひっぱてみた。傷口は開かなかったが糸を縫った穴からの多少の出血がある・・・やはり、抜糸はやめておこう。この程度の事ならいつでも出来る。
そっと、立ち上がる。リビングの中を2,3歩、ゆっくりと歩く。どうやら、歩けるみたいだ。しかし・・・さすがには走ることは出来なさそうだな。
支給されたパンを水で流し込む。もうこの家に帰ってくることはない。しかし、私が偶然この家に入ったこともひとつの『巡り合わせ』であり『運命』なのだ。
その一つ一つの小さな運命を手繰り寄せ、天国へと向かうのだ。そう考え、家を出る前にゆっくりと深呼吸をする。
デイバッグは・・・もう、必要ないな。私のこの体じゃあ持っていたところで役に立ちはしないだろう。むしろ邪魔だと言っていい。
残ったパンも、水さえも・・・栄養は今十分に摂取した。そして、今の私の体調―自分のスタンドが自分のものでないような奇妙な感触―ではこれ以上の食事はまともに摂る事は出来ないだろう。
残った糸だけ懐に収め、手ぶらで玄関に向かう。足音は右耳からしか聞こえてこない。さすがに、いくら休んでも破れた鼓膜は元には戻らないな。いくらこの“糸”でも耳の中までは縫うことは叶わない。
やや日光の差し始めた廊下を通り過ぎ、玄関の前で立ち止まる。
そっと目を瞑った。もちろんドアを開けたところに敵がいることを警戒するためでもあったが、少しの間、もう一度考えを整理する。その集中のために―――
「2・・・3・・・5・・・7・・・」
2桁までの素数なら考えずとも浮かんでくるが・・・ゆっくりと、確実に、口に出して素数を数え始める。
「11・・・13・・・17・・・19・・・」
首筋に―――痣に―――手を当てる。
「23・・・29・・・31・・・」
動いているもの。止まっているもの。どこか、誰か、までは分からないが・・・
明らかにこの肉体、DIOと融合したこの体が――他の“痣”の持ち主の肉体と共鳴している事がはっきりと分かる。
「37・・・41・・・43・・・」
太陽が昇り始めている。DIOは、きっと、どこかの家にいるのだろう。この日光の元、彼は動けず・・・動かずに私の事を待っているのだ。
「47・・・53・・」
見当が付かないから手当たり次第、と言うのは私のするようなことではない、それこそ空条徐倫がやりそうなことだが・・・
まあいいだろう。文句も愚痴も言っていられない。全てはDIOの元へ、『天国』へ、向かうために―――
「・・・とにかく、出てみよう。ここから一番近い感じがする『止まっている痣』は・・・」
―――南。
【市街地(D-5 エリア中央から南よりの民家)/1日目・朝】
【エンリコ・プッチ】
[スタンド]:『ホワイトスネイク』
[時間軸]:刑務所から宇宙センターに向かう途中
[状態]:ホワイトスネイクの暴走状態:左耳鼓膜破裂、歩けるが走れない程度の負傷。疲労はない。
[装備]:無し
[道具]:僅かのゾンビ馬(一つの怪我が治せる程度)のみ
[思考・状況]:
1)目指すは南。 戦いは(自分の状態から)出来るだけ避けたい。
2)DIOに会いたい。そして、ディオ・ブランドーと話がしてみたい。(強い好奇心)
3)ジョースター家の抹殺。しかし、彼らの事を知りたいとも思う。(こちらはあくまでも興味程度)
4)天国への道を探し出す。DIOを天国に連れて行き、そこに自分もついていく。
※プッチ神父が南と感じた反応は承太郎です。この話の時間は60話「スタープラチナは止まらない」とほぼ同時なのでまだ丈太郎は動いていません。
南への歩くルートは地図上のシンデレラ東側を迂回するように行く予定です。
D-5 エリア中央から南よりの民家内にプッチのデイバッグ(ワイヤー、食料他の支給品)があります。
以上で投下終了です。
文章は自分の前2作よりもかなり短いですが
もともと隠れようとしていたプッチだったらこの程度が妥当かと思いましたので。
あと、自分の小説とリレーするのは何ですが、リキエルも南(現在プッチ方面)に歩いていますが
プッチとは道1つか2つ分西側を歩いている感じで。プッチとリキエルが平行に南に移動しているとでも言えばいいのでしょうか。
この状態も状態表に追加すべきなら改めて修正入れますが皆さんその他のご指摘等ありましたらお願いします。
329 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/28(水) 11:15:39 ID:ASwWcyi+
>>328 おお!リクエストに応えて頂いてありがとうございました。
ただ、最後の3行で、丈太郎という誤字があるようです。
>>330 GJなんだぜ。
プッチが動いたことによって町の中心部が激戦になりそうだ。
六部は読んでないからわからんが意外とプッチってDIOのこと知らないんだな。
リキエルは時間的に午前だしすれ違いで出会わないんじゃあないんじゃね?
安価ミス・・・orz
何か、驚いた
意外に好評で何よりです。
ではとりあえず状態表のみ変更して投下してきます。
投下します。
私達が最初にいた「靴のムカデ屋」からここまで距離と、我々の歩調から逆算してみます。
現在時刻はおそらく午前7時45分過ぎでしょう。
右手には「カフェ・ドゥ・マゴ」、左手には「ぶどうヶ丘銀行」がございます。
私達の現在地は【E-3】でしょうか。
さすれば目の前の広場の先にある建物は「杜王駅」と判断できます。とてもとても大きな建造物です。
誰かが休息をとったり隠れたりするのにはもってこいの場に違いありません。
そして……今しがたあの建物から人影らしきものを一つか二つ認識したのでございます。
おそらくは現在のだんな様、空条承太郎氏が見たという集団の一派でございましょう。
主催者である荒木が支給した『紙』から私が出てくるのと、入り違いに目の前から去っていったそうです。
彼らは快活なスピードで馬を走らせていたそうですから、馬の体調も考慮して休憩をとっているとも考えられます。
これで本当にその集団が杜王駅にいればこの上なく良いのですが。
ここだけの話……だんな様は本当はその集団を追うつもりはなかったのです。
彼らは見るからに危険な雰囲気を持ち合わせていたそうで、「モメ事に巻き込まれそうだ」と逆方向に行こうとしておられました。
逆方向に進んで、その先で出会う者とあわよくば共闘する算段をたてていたのです。
しかし「人は見かけによらない」という諺もございます。
私にようにおぞましい姿形でありながら、だんな様の助けとなる者もこの世界では存在しているわけで。
もし、件の集団が味方として我々を出迎えてくれるのならば、だんな様の「仲間を探す」という目的が果たされます。
そして私達のように「道路にずっと続いていた血痕」を辿ってくる人間ともいずれ接触できるでしょう。
彼らを敵か味方を判断するのは、実際に接触してからでも遅くはないとアドバイスさせていただきました。
だんな様はいぶかしげな顔をしていましたが、「やれやれだぜ」とつぶやくと快く私の助言を受け入れてくれました。
と、ここまで哀れな下僕である私、ヨーヨーマッが今まで起こった経緯を頭の中で反芻してみましたが、正直不安です。
私が視認した人影のことをだんな様に話してよいものでしょうか。
うっかり発言して結果見間違いだったら、まただんな様の「スタープラチナ」でヒドイことをされそうです。
別にヒドイことをされるのはいいのです(というかモットシテ)。だんな様の足を引っ張るのが嫌なのです。
この見るからに不良のレッテルを貼られていそうなアホ丸出しの空条承太郎……氏は今の私の主人なのですから。
あれ? でも……かつてのだんな様『DアンG』はえーと……どこにいるんだっけ? 荒木に囚われているん……でしたっけ?
あれ? そうなんだっけ? というか本当に捕まっているんだっけ?
荒木には「『DアンG』に『能力を使うな』と命令されました」と言えって命令されたよーなされないよーな……。
そもそも私の本体は本当にこの杜王町にいたのか? 気づいたらこの私、ヨーヨーマッだけがここにいたんじゃなかったっけ?
いや、それだとオレが存在できるはずがねーし……どうなったんだっけ?
あれ?
……えーとそんなことはどうでもいいんだ。オレが……私が話さねばならないのはそんなことじゃない。
『駅の入り口から人影が見えたこと』を話すかどうか迷っていたんだ。そうだ、思い出した。
この際ボコボコにされてもいいや。今しか話すチャンスはないだろうし……
早速だんな様にこの事を告げようと思います。
※ ※ ※
「だんな様、あの駅から人影らしきものが見えました。接触を試みますか? 」
「……問題は『仲間になるかどうか』だ。オレたちが一番気をつけなくちゃあならないのはそこだぜ……。
それに『戦力になるかどうか』も重要っちゃあ重要だ。
別に見捨てるつもりはないが後々面倒なことになりそうだしな……そこらへんもしっかり見極めなくちゃあならない」
どうやらだんな様は駅に入るつもりのようです。人影が見えていたのでしょうか?
毅然と歩くだんな様の後を私はコバンザメのよーにへこへことついて行くことにしました。
広場の池を尻目に、駅の改札口を通過します。
杜王駅は中も思ったより広く、私自身がとてもちっぽけな虫けらに感じます。
それもそのはずです。駅の中には恐ろしく巨大な化け物が潜んでいたのですから。
その格好は全身に甲冑をつけた兵士のようです。手には長い鎖を持っていて、鋭い視線と覇気が渦巻いています。
「何者だ」
甲冑男が問いかけてきます。野太い声から生まれる重圧は並み大抵のものではありません。
さっきまで渦巻いていた覇気がこちらに飛んできたような気がします。
しかしだんな様は冷静に軽い自己紹介をし、自分達は無駄な争いをするつもりはないと説明しました。
相当な肝っ玉の持ち主ですね、だんな様。
すると相手も名を名乗りました。「タルカス」という騎士だそうです。
私もつられて自己紹介をしてしまいました。別にだんな様以外の奴なんかに名乗る必要は無いのですが。
男は私が『意志のある支給品』であることに驚いていましたが、すぐさま話題を変えます。
「貴様らがこの鎖を盗もうとしていた輩なのか? 」
一体全体どういうことでしょう。あの怪物の私物を盗もうと普通だれが考えるでしょうか。
だんな様、私共々彼の誤解を解くために身の潔白を説明しようとしますが、なかなか信じてもらえません。
タルカスにしてみれば、よほど鎖が大事なのか、かなり疑り深くなっているのかもしれませんね。
だんな様は諦めたらしく、「この場も去るし、その鎖をとることもしない」と約束した上で、
荒木を倒そうと思っているかどうかの旨を聞く質問をしました。これに対し、タルカスは少し考えてこう答えました。
「わしはあのお方のように戦いを楽しむだけ。荒木がどうであろうと知ったことではない。
どの道わしが生き残る可能性は万に一つもないのだからな。貴様達で勝手にやっていろ。
だがもし仮に……荒木が我々の邪魔をすることがあるのならば、そのときは容赦なく叩き潰すだろう」
だんな様はそれを聞くと帽子を深くかぶり、また「やれやれだぜ」とつぶやくと黙ってしまいました。
本当にこれでいいのでしょうか……?
※ ※ ※
あああ〜〜〜何ということでしょうかッ! あなたが来てくれるなんて私は実に運がいいッ!
このヌ・ミキタカゾ・シン、もう二度とこのまま一生を終えるものだと思ってました。
でもそれももう終わりです。私のSOSの「血痕」を追ってくれたんですね? 承太郎さん!
大丈夫です。タルカスはあなたが偶然ここに来たものだとすっかり騙されていますよ!
助けに来てくれてありがとうございます……もうなんてお礼を言えばいいのやら。
あなたがここに来たということはブチャラティさんや形兆さんもいずれここにくるということッ!
これはコーラを飲んだらゲップが出るくらい確実なことです。
あとはタルカスに気づかれないようにいかにに伝えるかが問題ですが、
隙を見て鎖の一部分を元の状態に戻して承太郎さんだけにこっそりと見せればいいでしょう。
後は承太郎さんが多少強引にでもなんとかしてくれると思います。
ワムウが駅を探検にいっている今ならそれがチャンスッ!
タルカスを仕留めることが出来るはずです。今なら日も照っていますからね。
それにしても……ヨーヨーマッさんでしたっけ? 『意志のある支給品』だなんて変わっています。
ポケットティッシュやフォーク、馬……荒木は一体なんの意図があってこれらを支給品として皆に配ったのでしょう?
実に奇妙なことです。私の星の光線銃や飛行船も誰かに支給されているのならありがたいのですが……。
「ちょっとよろしいでしょうかだんな様、この『タルカス』ですが……」
おや? ヨーヨーマッさんが何か聞きたそうにこっちを見ていますね。
「本当に強いのでしょうか? 」
………………えええええええええええええええええええええええッ!?
ちょっと、アナタ何を言ってるんですかァーッ!? 冗談じゃあありまセンッ!
恐らく今全員の時間が止まったような気がします。そりゃあそうですよ。
せっかく穏便に済みそうだったのに……火に油を注ぐようなことを言ってしまって。
「「どういうことだ」」
あああ、タルカスと承太郎さんの返答ががさりげなくあっているじゃあないですか。
ヨーヨーマッさん、あなたは一体何のつもりでこんなことを痛たたたたたたたたた。
タルカスやめてください、私に八つ当たりして鎖を引っ張ったりしないでくださいィ……。
※ ※ ※
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………
まず……一つ言えることはこの目の前にいる『タルカス』が間違いなくプッツンしかけている点だ。
やれやれ、この哀れな下僕のせいで厄介なことになっちまったぜ。
どーでもいいことで足をひっぱりやがる。
「だんな様、私は思うのです。このタルカスという男は見るからに大きな体です。だんな様よりもずっと大きい。
しかし……それだけではこの男の実力ははかれません。ひょっとしたら見掛け倒しの可能性もあります。
第一、戦うことが好きだといってるわりには、いずれ敵として立ちはだかる荒木にはそっけない態度です。
本来ならば嬉々として暴力の限りを尽くしながら、この町にいる者や荒木と戦いに明け暮れているはず。
しかしこんな駅の日陰でこそこそしています。
休憩中だったのかもしれませんが……本人はどのみち優勝はできないとはっきり言い切っていますし」
「貴様……何が言いたい」
「私とだんな様はあなたが『仲間として協力してくれるかどうか』、『荒木を倒す戦力になるか』をしっかり見極めたいのです。
弱者はいずれ勝手に死んでいきます。その場で肉塊(ミンチ)になって終わりです。
別にあなたを見捨てるつもりはありませんが、足手まといは後々面倒ですしね……重要っちゃあ重要なんです」
この野郎……オレの言葉をまんま受け売りしやがったな。
正直ここまでくると哀れさを通り越して何も言えねぇ。
あくまでオレの言ったことを忠実に実行するつもりなのか……それとも全て狙ってやってんのか?
「だんな様……だんな様が見かけた者は『集団』だったのは間違いないのでございましょう?
『集団』というものは何かと『上下関係』がございます。そして『下位』の者ほど自由を許されない……。
他の方はどこへ行かれたんです? できればその方々の実力も是非見極めさせていただきたいのです」
「だ……だ ま れ」
「おいヨーヨーマッ! それ以上喋るんじゃあねェッ!」
「差し支えなければ教えてください。あなたは集団の中では……
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
雑魚なんですか? 」
ド ン!
「WRYYYYYYYYYYYYYYYYEEEEEEEEEEEEEAAAAAAAAAAAAAAHHHHHHHHHHHHHHH!!!!!!!!!!!!!!!! 」
やれやれ……ついにプッツンさせちまった。
例えるなら野球少年が民家に入ったボールを取りに行こうとする途中、その家の番犬の尻尾を踏んじまったってところか。
早速ご自慢の鎖を思いっきり振り回して威嚇してやがる。
ま、こいつはとりあえずボコッて眠ってもらうとしてあの下僕との付き合いを考えなきゃな……。
「貴様らァァァァァ生きて帰れると思うなよォォォォォ! 」
「すまん。ウチの下僕が悪いことを言ったな」
「弱者は肉塊(ミンチ)になるとかぬかしてくれたなァァァァァ? 肉塊(ミンチ)になるのはッ……」
「てめーだろうな……オラァッ! 」
バグオォォォ――z__ンッ!!
「――いいやお前たちだ……」
※ ※ ※
爆音轟く焔。
灰燼踊らせる風。
生物を吹き飛ばす衝撃。
それらを作り出したものはちっぽけな火薬のびっくり箱。
そのびっくり箱を投じたのは巨躯の生物。
拠点の散策を終えて、友にも満たぬ“奴隷”のもとへ戻る途中だった“首領”は騒音を聞きつけた。
長い学ランを着た男と異形の形をしたモノと自分の奴隷が生み出した喧嘩の音。
仮初の安住地を手に入れた自分の『運』には感謝しているが、無礼な来賓は望んではいない。
番犬の粛清と、客のお引取りの意を込めて――この男、ワムウは彼らに手榴弾を投げつけた。
横槍を入れることは自分の主義に少々反するが、これであの男に少しでも近づけるのなら我慢できる。
既に死んでしまった若き波紋のビート……ジョセフ・ジョースター。
奴のような抜け目の無さ、シンプルさ、相手の予想の上をいく発想……これが今最も自分が必要とするもの。
今回はそのシンプルな気持ちに従った。
テレビの電源をリモコンで切るように……何気なく……それとなく……三発ほど投げ込んだ。
投げた数は五月蝿い人数にあわせた。
ただ、それだけだ。
「さて……タルカスよ、よもや死んではいまいな?」
腐っても屍生人。
耐久力だけはいっちょ前なのだから恐らく生きているだろうと判断し、構わず投擲した。
実際、誰が生き残っていようとそれはワムウにとってどうでもいいこと。
タルカスがこれで死ねば手ごろな奴隷がいなくなる。だがしかしそれだけのこと。
むしろこれで全員無事だったらと思うと、期待で胸が膨らむものだ。
強者どもは、必ず立ち上がって来る、這い上がって来る。それが楽しみでならない。
また、突き落とすことが出来るのだから――。
※ ※ ※
………………………ルカ…………………
…………タ…………ル………………ス…
…………タ…………ルカ……………ス…
――――タルカス!
「誰だ……わしを呼ぶのは……」
フフフ……共に我が身を骨の髄まで王に尽くした旧き戦友の声を忘れるとはな……。
遂に堕ちるところまで堕ちた先の、どん底まで突き破ったか?
……私だ。貴様と同じく「77の輝輪」の試練を越えた黒騎士……。
「ブ、ブラフォード!! まさか……オレは屍生人としての人生、いや“屍生人生”をも遂に終えてしまったのか」
何を言う。お前はまだ終っちゃあいないぞ。
お前はまだ彷徨っているだけだ。勿論この世とあの世のことじゃあない。お前自身の信念が、だ。
あの様はなんだと聞いているのだ。
騎士道に反する者に怒りを感じたり……なりふりかまわず卑怯な手を使ったり……
主となる者を転々と変えたり……私の死に動揺したり……ささいな揶揄に腹を立てたり……
貴様のやっていることにはまるで一貫性がないのだ。
我らが主、メアリーの死を目の当たりにしながらエリザベスを恨んで死んでいく時のあの“迷いの無さ”がない。
オレが戦った素晴らしき友、ジョナサンにはその“迷いの無さ”がなかったぞ?
「き……貴様はDIO様の敵、ジョナサン・ジョースターとこの地で引き分けたのかッ!?」
……何の話だ?貴様もオレと同じく『屍生人としての二度目の死』を目前にしてあの『モリオーチョー』に招かれたのではないのか?
ジョナサンとはここでは会わずじまいだ。残念なことにな……まあいい。
とにかく貴様はもっと純粋になるべきだ。
「こ………このわしに……迷いが……? 」
オレはお前の一貫性の無さを責めているんじゃあない。
いずれはハッキリと己の、タルカス自身としての志を再び掴んでほしいんだ。
それは川の流れのような清らかなる善の志でもよし!
それは悪魔の奴隷のような薄汚れた闇の志でもよし!
それは勇猛戦士として戦に全てをかける志でもよし!
迷いのせいで道を選べないのなら……今は『その時』ではないのだろう。
タルカス、大いに悩め。大いに考えろ。普段使わない脳味噌を存分に動かせ。
さすれば『その時』がやってくる。
「ブ……ブラフォード……」
オレが生者として生きていた世界の友人よ。
オレが自分の剣に刻んでいたあの言葉をおまえに捧げよう
――――Luck(幸運を)!
「……ブ……ラ……」
そしてお前の未来へこれを持って行けッ!
――――Pluck(勇気をッ)!
フフ…進め! 誇り高き77の輝輪の試練をのり越えた男よ。
ジョナサンと共に貴様の行く末を、オレは見守っている――――
「フ……ォー……ド…………!」
※ ※ ※
痛た……もう少しで死ぬところでした。
タルカスが怒り狂った時はもうだめかと思いましたが、まさかいきなり手榴弾が飛んでくるとは想定外でしたね。
爆発のどさくさで彼の手から脱出できたのは非常にラッキーです。これに乗じて逃げ切れる……はずだったのに。
今度は爆発のせいで駅の入り口が通れなくなってしまうとは……完全に塞がれちゃってます。
光が全く見えません。おおお、なんという悲劇……。
承太郎さんは無事なのでしょうか……まさか生き埋めになっているのでは。
助けに行きたい……でも私の能力も私自身も瓦礫を動かすようなパワーを持っていませんし……。
反対側の入り口や、線路をつたって駅からこっそり出ることも出来なくは無いのですが。
しかしあのワムウを騙しきることができるでしょうか。今度不穏な動きを見られてしまってはいくらなんでもマズイ。
ああ……やっぱり鎖のまま誤魔化し続けるしかないのでしょうか。
もっと彼らの裏をかく……それこそ自分を守ってくれるように上手く丸め込めれたらいいのに。
タルカスは支給品であるヨーヨーマッさんにすら簡単に言い負かされてましたからせめて彼だけでも…………。
…………………支給品……?……意思のある……支給品…………
『支給品』ッ!?
『意思持ちの支給品』…… これは……使えるかもしれないッ!
私もヨーヨーマッさんのよーに『なりきる』……まるで意思を持っている『鎖』、はたまた変幻自在の『道具』としてッ!
ようは私の顔や正体が彼らにバレなければいいのですから、役に立つ便利な下僕というフリをすればいいんですッ!
どうしましょう……タルカスは気絶していますし、今すぐワムウに掛け合ってもいいものか。
……問題は血痕ですね。あれについての質問をされたらなんて言い訳すれば……しらを切るしかないのでしょうか?
ワムウ達は血痕の主を必ず見つけ出すつもりでしょうし……
ああ〜〜、ブチャラティさん、形兆さんやっぱり早く助けてください〜〜。
※ ※ ※
……今、オレは何をやっている。オレは……無事なのか?
ここは……そうか、駅の外まで吹っ飛ばされたのか。ここから駅に入ることはもう不可能だな。
体はどうだ……左腕が折れてやがる。全身が痛ェ。体で無くなった箇所は……ねえみてぇだ。
とっさのこととはいえ、時を止めて完全に逃げ切るつもりだったんだがな……五体満足なだけ充分奇跡か。
やれやれだぜ。
まさか人のタイマンにいきなり手榴弾投げつけてくる馬鹿がいるとは……。
あのタルカスっていう奴が一人で駅に来ていたわけではないということを、すっかり忘れていたぜ。
チッ……たかが仲間探しのハズが、なんでこんなしょーもねえことになちまったんだ?
「アガガ……だん゛な゛様……だんな゛様……ご無事でずが? ……返事を゛じでぐだざい」
「……そうだてめーだ」
オレはこの哀れな下僕のせいで足を引っ張られちまったんだ。(足は無事だがな)
冗談じゃあない。もう沢山だぜ。さっさと他の奴らになすりつけちまおう。
これ以上邪魔をされる位なら……。
「おお! だんな様……ご無事で! 私が盾となって爆風から身を守ったかいがありました!
そして飛ばされただんな様を受け止める為に、私がクッションのように下敷きになったのも効果があったようですね!
どうやら彼らとはもう交渉の余地は無いかと思われます。さっさとここを立ち去るのが良いでしょう」
……荒木のヤロー、なんて物をオレに送りつけやがる。こいつ……どこまでが本心なんだ?
どうやってオレを助けた? 本当にオレを助けたのか? 助けたフリをして恩を売ってんのか?
ただの下僕かと思っていたがツメが甘かったぜ。
このまま他人になすりつけても、オレが主人でい続けても胸糞の悪さは変わらねーってことか。
何が起こるかわからない……まさに『恐怖』を身につけてるってのはこうゆうことを言うのかもしれねーな。
……やれやれだぜ。
「だんな様……次の命令を私に……早く……私はあなたのお役に立ちたいのです」
【闇の重戦士チーム 宇宙人添え】
【杜王駅内部(E-3)1日目 午前】
【ワムウ】
[モード]:『風』
[時間軸]:首だけになり、ジョセフが腕を振り下ろした瞬間
[状態]:服が少し焦げている
[装備]:手榴弾×6
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1) 駅の中は調べ終わったので休憩。
2) 鎖(ミキタカ)を少しだけ怪しく思っている
3) 戦いを楽しみつつ、優勝を目指す。ただ深追いはしない。
4) 従者として、しばらくはタルカスを従えておく。(ただし死んでもどうってことはない)
爆撃で生き残ってたらちょっと褒めてもいい。
【タルカス】
[種族]:屍生人(ゾンビ)
[時間軸]:ジョナサンたちとの戦いの直前。ディオに呼ばれジョナサンたちと初めて対面する前。
[状態]:軽い全身火傷。瓦礫による全身打撲。
[装備]:なし(爆発の拍子にミキタカを手放してしまいました)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]:
1)気絶。
2)ワムウへの絶対的な忠誠があったが、自分にとっての志とは一体なんなのか大いに考える。
3)ワムウと共に戦って、戦いの愉悦を彼の下で楽しむはずだったが……大いに悩む。
4)取り逃した虹村形兆、ブチャラティ、ミキタカへの僅かな執着心(ワムウの命に背いてまで追う気はないが)
【ヌ・ミキタカゾ・ンシ】
[スタンド?]:『アース・ウィンド・アンド・ファイアー』
[時間軸]: 鋼田一戦後
[状態]:【フック付きの長い鎖】に化けた状態。千切られそうになったのと、爆発事故の影響で体全体が痛い。
[装備]:なし
[道具]:ポケットティッシュ (支給品一式はブチャラティが持っています)
[思考]:
1) タルカスたちには絶対に気付かれたくない。当面はただの鎖のフリを続ける。
現在、『意思あり支給品』のフリをするかどうかも検討中。
2) タルカスたちに気付かれないうちにこっそり逃げ出したい。
3) 脱出後、ブチャラティたちとの合流を図る
4) 味方を集めて多くの人を救いたい。
[備考]:ミキタカは形兆のことを「ゾンビのようなもの」だと思っています。
[備考]:タルカスもワムウも、タルカスが手にしている鎖がミキタカであることにまだ気付いていません。
しかしワムウは怪しいと感じています。
[備考]:ミキタカは自ら道路に血を垂らし、ブチャラティたちが追う手がかりを残しています。
彼らが通った道には、点々と血の跡が続いています。ワムウ達はもう気づいています。
[備考]:ワムウとタルカスは鎖を盗もうとしている参加者が近くにいると勘違いしています。
そして駅につづいている血痕もその参加者のものだと思い込んでいます。
[備考]:ミキタカの冷や汗は結局気づかれませんでした。
[備考]:吸血馬1頭+チャリオットは駅の中に置いています。
[備考]:杜王駅の東入り口は手榴弾の爆撃で起きた瓦礫によって完全に通行止めになりました。
[備考]:手榴弾の爆撃で起きた衝撃音が【E-3】中にひろがりました。
【杜王駅東入り口前(E-3)1日目 午前】
【空条承太郎】
[スタンド]:スタープラチナ
[時間軸]:ロードローラーが出てくる直前
[状態]:左腕骨折。全身に火傷。背中を強く打っている。冷静(荒木、DIOに対しての怒りはある)
[装備]:なし
[道具]:デイパッグ
[思考]
1:意識はある。ヨーヨーマッに命令するかどうか迷っている。
2:仲間や協力出来そうな参加者を探す
3:ヨーヨーマッを利用する(そろそろウザイ)
4:荒木を倒す、DIOを殺害する。駅にいた奴ら(ワムウ達)は無視。
5:『過去の人物の名』にやや疑問
*承太郎は、アヴドゥル、花京院、イギーがこの世界に生きている謎に気付いていません。
【ヨーヨーマッ(支給品)】
[現在の主人]空条承太郎(主人変更の命令があれば主人は変わる。ただし変更対象人物の同意が必要。
主人変更の命令をされた時、次の主人候補がヨーヨーマッの視界に入っていなければ命令は無効化される)
[装備]マスク
[持ち物]なし
[任務]
1:承太郎を「助ける」。
[備考]
・ヨーヨーマッは攻撃できない。能力も完全に封じられている(主人がヨーヨーマッ自体を利用して攻撃というのは可能かもしれない)
・主人の命令には絶対服従。しかし、命令を曲解して受け取ることもあるかもしれない。(ヨーヨーマッを殺すような命令には従えない)
・ヨーヨーマッは常に主人の半径20メートル以内にいなければならない
・ヨーヨーマッの主人が死んだ時又はヨーヨーマッが規則を破ったならヨーヨーマッは消滅(荒木によってDアンGの首輪が爆破される)
投下完了しました。それでは失礼します。
お疲れです
乙です
久々にじょうたろうが登場しましたね面白かったです
乙ー
ただミキタカの名前は、シンではなくンシ
乙
ヨーヨーマッの曲解は厄介だなあ……
承太郎哀れ
ん
なんかDAT落ちみたいに表示されてたけど、書き込めるのかな?
移転だそうですよ。
いったいなにがあったんだ?
俺が時を止めた
もしかすると前にスレチとか言ってたやつじゃね?
>357
移転ってどこへ?
何を言ってるんだ?
板のサーバーが変更されただけだろうが
別にどうってことはないぜ!
問題ないならいいんだけどこの3〜4月には書き手が忙しいってのがすごくあるからそっちの方が問題だと思う。
俺自身も休み終わるから予約考えてたシーザーたちも当分無理だし。
予約無しに投下します。
康一、イギー、露伴、プッチ、リキエルの
「杜王町駅裏路地戦」
です。
…僕はバカだ。
あの長髪の男に攻撃を仕掛けられ、怒り心頭していた。
だから、当たり前の事実に気付かない。
そう、「敵はあの男だけじゃない」という事に。
本来ならすぐ身を隠し、更なる戦闘から回避する努力をすべきだった事に。
そして、気付かなかったせいで…
* * *
「ガウ!」
コーイチがロハンを担いで歩き始めた直後、俺はコーイチに吠えた。
「イギー?どうしたの?」
コーイチが尋ねてくるが、俺は視線を前方に向け、低く唸る。
それでコーイチも気付いたらしい。
前方に何者かがいる事に。
俺は鼻が利く。どこら辺にどれ位の人間が居るか大体分かる。
ただ、そいつらがこっちに気付いていないのならわざわざ仕掛ける必要はねぇ。
例えば今こっちに近付いている奴も、さっきまでは全く動いてなかった。
だから気にはしていなかったんだが、さっきの長髪ヤローとの闘いで気付かれたか…。
「…」
近付いてきた奴は、目の前の道を折れた所に身を潜ませ、こっちを伺っているようだ。
「あの向こうに誰かが居るんだね?」
コーイチが訊いてくる。俺は応える代わりにひたすら睨み続けた。
これが承太郎だとか、ポルナレフのマヌケの匂いなら良かったんだが、
あいにく俺の知らない人間の臭いだ。
だから俺はコーイチにも警戒を促すため、唸り続けた。
* * *
イギーの警戒振りから察するに、
恐らくあの陰に隠れているのは、僕たちにとってあまり良くない相手のようだ。
しかし、下手に動く訳には行かない。
隠れている人が敵かどうかも分からないのにエコーズを出したりしたら、
相手が警戒してしまい、最悪無意味な戦闘になってしまうかも知れない。
まずは相手を知る事だ。
意を決した僕は、隠れている人に向かって声を掛けることにした。
* * *
私が一番近く感じる同族の位置まで、それほど距離はなかった。
なのに、それよりも更に短い距離で他の人間に出くわすとは。
そのうちの一人は…アナスイ!
アナスイは誰かと闘っていた。
そいつらの得体が知れないため、影から様子を窺っていたら、
アナスイは一人の男(『露伴』と呼ばれていた)と相打ちになり吹き飛んでいった。
残ったのは、相手に命令を書き込む能力を持つ男、露伴。音を具現化する少年。
そして砂を操る犬(『イギー』という名らしい)だった。
どうやらこの二人と一匹は行動を共にしているらしい。
今こいつらに私の存在を気付かれるのは危険だ。
そう考え、私は身を潜ませていたのだが…。
「そこの陰に隠れている人、僕たちを攻撃する意思が無いのなら10秒以内に出て来てくれませんか?」
少年が、私に向かってそう告げてきた。
既に気付かれていたようだ。
「出て来て僕たちに危害を加えないと約束すれば僕は貴方に何もしません。
ですが出て来ないのなら敵と考えます」
私のこの右足では闘う事も逃げる事も出来ない。
行動を共にする事も出来ない。
そんな事したら、露伴が目を覚ました時にどんな命令を書き込まれるか分かったものではない。
ならば…。
* * *
「!!」
姿を現したのは神父さんのような格好をした男の人だった。
「貴方は誰ですか?」
「返答が難しいな。
名を尋ねられたのならプッチと答えよう。
何者かを問われたのなら神父と答えよう」
「貴方はゲームに乗っている人ですか?」
「私が求めるのは天国への道のみ。
このゲームに乗る事で天国へ導かれるとは思っていない」
僕の質問への回答から察するに、どうやらこの人は僕達を殺すつもりは無いらしい。
と思っていたのだが…。
「しかし、君には死んで貰おうと思う」
「え?」
「ホワイトスネイク!!」
男の人の掛け声と共に多分神父のであろうスタンドが背後から攻撃を仕掛けて来た。
僕はその攻撃に全く反応出来なかった。
* * *
「ホワイトスネイク!!」
私が姿を現し、気を引き付けている内に、
既に少年の背後に回っていたホワイトスネイクが攻撃を仕掛ける。
そう、不意打ちで少年を殺し、露伴が目覚める前に犬を殺す。
そして露伴に止めを刺す。それが私の考えだった。が、
「何ぃ!?」
その攻撃を砂のスタンドが防御する。
確かあの犬のスタンドだ。
しまった!既に犬には気付かれていたか!
「判りました。貴方を敵と考え、暫く眠ってもらう事にします。逃げても無駄ですよ」
そう言って少年が近付いてくる。
「くっ」
一旦退こうと考え、後ろを振り向こうとして
…足が持ち上がらず、私は転んだ。
立ち上がろうとするが、地面についた手が離れない。
まるで地面が接着剤になったかのようだ。
「逃げても無駄だって言ったじゃないですか。地面にシッポ文字をつけましたから。ハイ」
シッポ文字。確かこいつのスタンドは音を具現化する能力。
という事は…。
地面を見ると、『ペタ』という文字が貼り付けられていた。
「くっ」
何とか離れないかともがくが、かえって接地面が増え、ますます身動きが取れなくなってしまう。
ならば…!
「エコーズact.2」
そう言ってスタンドを呼び寄せた少年に向かって、私は告げた。
「君は一点見逃している事実がある」
「?」
「君は今、私を拘束している。しかしそれは本体だけだ。私のスタンドは全く拘束されていない。
そしてそのスタンドは今ここにいない。果たして何処にいるか、君に分かるか?」
そう、ホワイトスネイクはこの場に居なかった。
ボーッとしている少年に状況を把握させてやる為、私は教えてやる事にした。が、
「わからないようだな。つまり…」
「スタンドが露伴先生を攻撃しようというのでしょう?」
私の発言は当の少年に遮られた。
そして少年は、まるでその事を予め予測していたかのように平然と、私に言い返して来た。
「無駄ですよ。露伴先生ならイギーが守ってますから。ハイ」
* * *
「ホワイトスネイク!!」
地面に転がっているロハンを、見知らぬスタンドがいきなり攻撃して来た。
多分、あの地面にへばりついてる奴のだろう。
が、その時奇妙な事が起こった。
いや、起こしたのは俺自身なんだけど。
何か考える前に、俺はロハンを助けていた。
別に助けようと思ったわけじゃねぇ。
コーイチと違って、こいつは犬好きじゃないし。
なのに体、いや、スタンドが勝手に動いていた。
ホワイトスネイクとかいうスタンドを、俺のザ・フールが砂で固めていた。
「何ぃ!?」
そのスタンドは俺がロハンを守ったことに驚いていた。
それ以上に俺が驚いてんだけど。
さっきのコーイチの時もそうだ。
どうやら俺は、無意識にこいつらを護っちまってるみたいだ。
何でだ?ザ・フールが一人歩きしてんのか?
俺の疑問をさておいて、
ザ・フールは今、露伴を攻撃しようとしたスタンドを捕縛していた。
* * *
「くっ」
ホワイトスネイクは犬の砂のスタンドに固められ、
私自身は地面から身動きが取れない状態だった。
「言ったでしょう?無駄だって。でも、何を言っても分かってくれないんですね。貴方は…」
しまった!あの犬に二度までも…!
しかし犬は少年の隣に腰を据え、此方を見ていた筈だ。
何故視界の外にあるホワイトスネイクの攻撃を見切ったんだ?
落ち着け、こういう時は素数を数えるんだ。
2、3、5…
とにかく、今は私もスタンドも身動きの取れない状態。
そして現在、私にDISCのストックは無い。
7、11…
しかし、少年と犬はそれぞれ私とホワイトスネイクに触れ、13、DISCにして取り出せる。
17…
つまり、何とかしてDISCを取り出せば、19、身動き出来る。
21、いや、23…。
くっ。2桁の時点で間違えるとは、今の私は余程の混乱状態にあるらしい。
そして、脱出方法を思いつく前に康一が迫って来た。
「act.2。この人を絞め落とせ」
私の首にエコーズとかいうスタンドが絡みつく。
29、何か無いのか?現在の状況を打破する方法を。
「え?」
それは余りにも突然の出来事だった。
康一がいきなり目を閉じた。
「!!」
これは!
「目、目が…開かない!!」
少年の慌てた声が聴こえる。
このスタンド能力は………スカイ・ハイ!!
ロッズを操っているのか!
ホワイトスネイクを束縛している砂がひいて行く。
どうやら少年の目が開かなくなったため、ロッズを叩き落そうとしているらしい。
その為ホワイトスネイクは身動きが取れるようになった。
リキエルは正しい判断をした。
お陰でホワイトスネイクは窮地を脱したのだから。
しかし、あの砂のスタンドが邪魔だな。
このスタンドを何とかするには…。
私は、どこか近くに居ると思われるリキエルに向かって声を上げる。
「リキエル!ひとまずロッズを停滞させろ!」
その声が届いたのであろう、暫くして少年は再び目を開けた。
* * *
俺が南に向かわねばならなかった運命について、
今にしてその意味を理解し、そして運命に感謝した。
俺が南に向かうのも運命ならば、南であの人物に会わねばならないのも運命。
そしてその途中で神父を救うのも運命だったのだ。
俺がこの場に出くわした時、神父は本人もスタンドも全く身動きの取れない状態だった。
神父の側に居たのは一見ただの学生にしか見えない小僧。
そしてその隣に鎮座する犬だった。
もう一人、少し離れた所に男が倒れているが、
意識を失っているようなので、今神父が身動き取れない状態にあるのとは無関係だろう。
つまり、小僧と犬のどちらか一方が神父本人を、もう一方がスタンドを捕縛していると考えられる。
そこで俺は小僧の視界を塞ぐ事にした。
そうする事で、神父かホワイトスネイクどちらかが自由になると踏んだのだ。
そして俺の思惑通り、視界を塞がれた敵は動揺し、ホワイトスネイクの束縛を解いた。
神父自身は相変わらず地面に伏したままだったが、私にロッズを停滞させるよう言ってきた。
神父の命令を受け、俺はロッズを空中に停滞させた。
* * *
「何が起こったんだ…?」
突然目が開かなくなったかと思えば、神父が誰かに呼び掛け、
再び目が開くようになった。
相変わらず神父は地面に貼り付けになっていた。
しかし、神父のスタンドがその隣に立っていた。
露伴先生の首根っこを掴んで…。
「露伴先生!!」
僕は混乱した。
何で露伴先生が捕まっているんだ!?イギーが護ってるんじゃなかったのか?
辺りを見回すと…
「!!」
イギーは僕の後ろで倒れていた。
* * *
束縛から解けたホワイトスネイクは、ロッズが停滞した後すぐさま露伴に襲い掛かった。
すると、砂のスタンドが再び攻撃して来る。
しかし、それこそホワイトスネイクの…私の狙いだった。
ロッズの攻撃を止めさせ、ホワイトスネイクが露伴に攻撃を仕掛ければ、
犬は露伴を護ろうとするはず。
そして、その時は犬自身が無防備なのだ。
私は、犬に向かってDISCを投げつけた。『後ろへ吹き飛ぶ』DISCを。
「!」
DISCによって後ろに吹き飛んだ犬は、壁に叩きつけられ気絶した。
そして砂はひいて行き、私は露伴を捕えた。
* * *
「安心しろ、こいつも犬も殺してはいない」
神父は、露伴先生を掴んだままそう言って来た。
「露伴先生を…どうするつもりだ」
僕は訊ねる。
「私を解放しろ。そうすればこれ以上何もしない」
「…」
「10秒待とう。それまでに解放しなければ殺す」
どうすれば良いんだ。
「10、9、…」
神父がカウントダウンを始めた。
今コイツを解放したからって、露伴先生が助かるとは限らない。
何せ、相手は平然と不意打ちを仕掛けてきたのだ。
「6、…」
しかし、解放しなければ露伴先生は必ず殺されてしまう。
「3、2」
「くっ」
時間が無い。僕は…
「!!おぉ。動ける」
僕はシッポ文字を外した…。
立ち上がる神父に向かって、僕は叫んだ。
「露伴先生を返せ!」
「いいだろう」
そしてスタンドが露伴先生を放り投げた。
「露伴先生!!」
放物線を描き、僕のほうへ向かって来る露伴先生を受け止めようとして、
「!!」
僕は突然身動きが取れなくなり、露伴先生がぶつかって倒れた。
* * *
露伴を投げ、少年がそちらに気を取られている隙に、私は少年に向かって動けなくなるDISCを投げつけた。
露伴を受け止めようとしていた少年はそのまま動けなくなり、露伴がぶつかり倒れた。
「………!!」
少年は何か言おうとしているようだが、体が完全に硬直しているその口では声になっていない。
「さて、これからどうするか…」
そして私がそう呟いた所に、リキエルが姿を現した。
思えば“この男”が“このタイミング”で“この場”に現れた三重の偶然、運が良かった。
いや、運が良かったのではない。そういう運命だったという事か。
私はリキエルに向かって言う。
「リキエル。お前をこの場に遣わした事を神に感謝しよう」
しかしリキエルは、姿を現すなり突拍子も無い事を言って来た。
「それより神父さん、俺たちは先にやらなくちゃいけない運命が待っています。
ひとまずこいつらは放っておいて、南へ向かいましょう」
私は戸惑い、反論した。
「何を言ってるんだ?リキエル。こいつらは天国への道を妨害する邪魔者だ。
邪魔者は排除しなくては、後でより大きな障害となる可能性がある」
しかし私の言葉に、リキエルはあくまで反発する。
「俺たちの運命は一刻も早く南へ向かう事です。
それ以外の事、例えばこいつらを殺そうとすれば運命は邪魔をして来るはず」
「…どうなるというのだ?」
「例えば、早くこの場を去らないとこいつらの仲間が嗅ぎ付けて来る、とか」
「…」
成程、有り得ない話では無い。
「俺の勘が告げてます。今、こうして留まっている事自体危険だと」
せめてDISCだけでも手に入れたかったのだが、
リキエルが『一刻も早く』と言った以上、それ以外の行動は運命を敵に回しかねない。
“それに、露伴のスタンドDISCは既に手に入れている”。
記憶DISCまで取ると死亡してしまい、人質として使えなくなるのでそのまま入れておいたが、
スタンドDISCを手に入れただけでも収穫だ。
残る一人と一匹のDISCは、又次の機会に手に入れるとしよう。
「分かった。今はお前の言葉を信じよう」
私は二人と一匹を放置し、リキエルと共に南へ向かって歩き始めた。
* * *
「露伴先生!イギー!」
二人が立ち去り暫くして、僕の体は再び動くようになった。
そしてすぐに露伴先生とイギーの無事を確かめる。
「…」
取り敢えず息はしているみたいだ。
一安心し、露伴先生を呼び起こす。
「露伴先生」
「………ん」
露伴先生を揺さぶっていると、意識を取り戻したようだ。
良かった。あいつらのスタンドに何かさせられたわけでもなさそうだ。
「…康一君?」
目を開けた露伴先生は、僕の姿を捉え、そう訊いて来た。
「露伴先生、大丈夫ですか?」
「ッ!だ、大丈夫とは言えないようだ。ケガが…」
露伴先生は起き上がろうとして顔をしかめる。
「あ、そうですね。でも目を覚ましただけでも良かった」
露伴先生の無事(とは言えないけど、取り敢えず再起不能になっていない事)を確認し、
僕はイギーを抱きかかえ、揺すって呼び掛ける。
「イギー。イギー」
「………!」
イギーも目を覚ました。
「目、覚めた?良かった…」
「…アギ?」
「あいつらは去ったよ。イギー、大丈夫?」
僕の問いにイギーは大丈夫だと言わんばかりに僕の腕から飛び降り、
辺りの臭いをかぎ始めた。
多分、近くに誰か居ないか確かめているんだろう。
「何かあったのかい?」
露伴先生が訊いて来たので、僕は露伴先生に、敵に襲われた事を話した。
「そうなのか。でも一応、そいつらは去ったようだし、僕も別段何かされた訳じゃ…」
「…?露伴先生?」
最後まで言い切らずに口を閉ざしてしまった露伴先生を訝しく思い、
何か思い当たったのかなと、僕は訊いてみた。
でも、その後の露伴先生の返事は、僕の予想を遥かに超えるものだった。
「康一君…」
「何かあったんですか?」
「スタンドが…ヘブンズ・ドアーが………出ない」
【駅前広場入り口付近(E-4)/一日目/午前〜昼】
【岸辺露伴探検隊】
【広瀬康一】
[スタンド]:『エコーズACT1・ACT2』
[状態]:疲弊/怒り/混乱
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、シャボン液
[思考・状況]:
1)露伴先生のスタンドが出ない!?プッチ神父たちの仕業か!
2)仗助君に会い、露伴先生の怪我を治してもらう。そのために仗助君の家を目指す
3)神父に再び会い、ヘブンズ・ドアーを取り戻す。そのために奴らを追って南へ
4)もっと力がほしい
5)アナスイへの怒り
6)打倒荒木。けど本当にできるのか不安
【イギー】
[スタンド]:『ザ・フール』
[状態]:疲弊/打撲(軽微)
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1)犬好きの子供(康一)が苦労してるので、しょうがないが協力してやる
2)さっきの臭いの奴は南へ行ってる。そして、この臭いは…承太郎!?(補足参照)
3)さっきから無意識にこいつらを護る事がある。何でだ?
【岸辺露伴】
[スタンド]:『ヘブンズ・ドアー』(プッチにDISCとして奪われた)
[状態]:重症(左脚・肋骨骨折、打撲多数、頭も打っている)/混乱
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ココ・ジャンボ
[思考・状況]
1)ヘブンズ・ドアーが出ない!!
2)ヘブンズ・ドアーを奪った奴らの所へ行って取り戻さなくては。ついでに再起不能にする
3)怪我を治したい(くそったれ仗助に治してもらうのは気が進まないが)
4)漫画のネタ探しする
5)康一の荒木打倒に協力する
6)荒木や『未来人』に『取材』したい
[捕足1]:露伴と康一のバッグはイギーがザ・フールで運んでいます。
[捕足2]:イギーが目覚めて辺りの臭いを嗅いだ時に、すぐ近くにいる承太郎の臭いを捕えました。
[捕足3]:イギーはプッチの臭いを覚えました。直接会ってない為リキエルの臭いは覚えていません。
[補足4]:プッチがヘブンズ・ドアーを盗った為に、露伴はスタンドが使えません。
[補足5]:プッチがヘブンズ・ドアーを盗った為に、イギー、アナスイ達への命令が消えた可能性があります。
【駅前広場入り口付近(E-4)を南下/一日目/午前〜昼】
【天国への道を探求する者達】
【エンリコ・プッチ】
[スタンド]:『ホワイトスネイク』
[時間軸]:刑務所から宇宙センターに向かう途中
[状態]:ホワイトスネイクの暴走状態:左耳鼓膜破裂、歩けるが走れない程度の負傷
[装備]:無し
[道具]:僅かのゾンビ馬(一つの怪我が治せる程度)のみ
[思考・状況]:
1)リキエルの進言に従い、南へ。戦いは(自分の状態から)出来るだけ避けたい
2)DIOに会いたい。そして、ディオ・ブランドーと話がしてみたい。(強い好奇心)
3)ジョースター家の抹殺。しかし、彼らの事を知りたいとも思う。(こちらはあくまでも興味程度)
4)天国への道を探し出す。DIOを天国に連れて行き、そこに自分もついていく
【リキエル】
[スタンド]:『スカイ・ハイ』
[状態]:右手首を骨折(添え木&包帯で応急処置)。疲労は回復。感情の起伏が少ない。
[装備]:未確認飛行生物ロッズ(多数。呼べばいつでも来る)
[道具]:支給品一式×2、植物図鑑、ディアボロのデスマスク(シュトロハイムのランダム支給品)(リキエルのランダム支給品は未確定)
[思考]:
1)神父へ出会えた運命に感謝
2)運命に従い神父と共に南へ。南で会う男が自分達にとってどのような人間なのか興味
3)神父の願いを叶える手助けをする。『運命』が神父を導くはず、と信じている
4)神父、あるいはDIOに対立するものを狩り、排除する(なおDIOへの敵対は神父への敵対、と判断)
5)噴上裕也の言動に動揺、落胆。(次にあったら殺し合いを宣言)
6)神父のために自分の感情を出す訳にはいかないと考えている
[補足1]:プッチは、出発時目的にあった『近くの同族の男』に会う事より、南に向かう事を優先しました。
投下完了です。
前回長すぎたため、
今回は短くする事を第一に書いてみたのですが、
どうも内容的に不完全燃焼気味です。
もう少し煮詰めてから投下するべきだったかも知れません。
とにかく一番気になる所は、
『ヘブンズ・ドアーがDISC化して、イギー達への書き込みがどうなるか』
です。
自分では分からないので、皆さんどう思うか教えて下さい。
何にしても、今は駅前が面白いですね。
いろんな組み合わせのバトルを考案出来るので。
投下乙!
天国扉が奪われたか・・・
あれ?スタンドのディスクって奪われたら、精神が奪われるのと同じ状況になるんじゃなかった?
前スレからコピペ。
483 :名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] :2007/01/30(火) 21:37:31 ID:qGYPAOjn
>>481 3(66)巻「6人いる! その@」のエルメェスの台詞よると、マックイイーンに一枚返してやったらとりあえず蘇生したらしい。
スタンドのDISCは絶対返さねーと言っているから、記憶DISCのみを戻したものと思われる。
4(67)巻「フー・ファイターズ そのB」では、そのマックイイーンは記憶のない男になっていたと言っている。
サヴェジ・ガーデン作戦後、スタンドDISCだけが戻った承太郎は植物状態だったが、同様の状態のはずのウェザーはそうではなかった。
……一枚だけDISCを抜かれた人間の状態に個人差があるとすると、考えてもあまり意味ないような気もするな。
>>377 前もその議論になったけど原作ではスタンドのディスクだけ抜き取られる状況がなかった。
ともあれ乙。ヘブンズ・ドアーの書き込みは解除になるだろうな。
だけど気になったのは
>このスタンド能力は………スカイ・ハイ!!
>ロッズを操っているのか!
スカイ・ハイはロッズしか操れないから下の文はいらなくね?
乙〜。
展開はよかったけど、ホワイトスネイクが露伴たちを襲う流れがちょっとわかりづらかったかも。
康一を襲う→イギーに邪魔される→今度は露伴を襲う→またイギーに邪魔される、でいいんだよね?
オレはDISCが抜かれてもそれまでのヘブンズドアーの書き込みは解除しなくてもいいと思う。
もうこれ以上ヘブンズドアーに書き込まれる奴が出てくることはなさそうだし。
381 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/04(水) 09:41:49 ID:sRZL5NS4
乙
俺としても書き込みは現状維持で良いと思う。
ヘブンズドアーは、書き込みしたり消したりする能力だから。
スタンド発動していない状態と、ホワイトスネイクに奪われた状態は、スタンドが露伴の元にあるか無いかの違いだけだから。
乙です
ヘブンズドアー書き込みは解除されないでいいのでは
いちいちCDとられて能力解除じゃ洒落にならね
投下乙です
DISC盗られても平気でいいんじゃない?
記憶を見ることもも書くこともあくまでも天国扉の能力だから
例えば神父が天国扉を頭に挿して書き換えたりしない限りは消えないと思う。
だからもっと極端言えば露伴が死んでも書き込みの解除はないと思う。
しかし、悪役の多くが早い時点でリタイアし、残った奴らも日中は引きこもり、或いは改心し、或いは殺生を禁じられてる。気付けば殺しうる人間が少なくなった。今の過疎の遠因もそれだ。殺せないバトロワは執筆できん。
ヘブンズドアからアナスイが解放されたら状況の流動化に一役買うかもしれん。個人的にはそう思う。次の作者にまかせては?
とりあえず、執筆者の皆さんはもっと気楽に登場人物殺した方がいい。戦うけど怪我してお別れって最近のお決まりパターンになってる。
>>385 オレもそう思った。ここから先のこと考えるともっと死んでもいい気がするな
だって現時点で新たにマーダー化しそうなのが墳上しかいねえ
露伴が死んでも天国扉の命令が残るのはやめといたほうがいいと思うがなー
>>385 今のところのマーダーを数えてみる。間違ってたらスマソ
マーダー
タルカス、ワムウ、DIO、リゾット・ネェロ、(セッコ)、ディアボロ
アナスイ、プッチ神父、ジョンガリ・A、リキエル
ステルスマーダー? ダイアー
マーダーになりそう 墳上
ステルスマーダーになりそう リサリサ、虹村形兆
DIOの部下で今のところ戦意が無いやつは保留
マーダーの数は10人で、タルカス、ワムウ、DIOの3人は昼は積極的に殺せない
セッコ、アナスイ(?)、ジョンガリ・Aの3人は理由があって今は積極的に殺せない
残り38人でこれは確かに少ないと思う
>>387 条件付きマーダーが多いね。
セッコはウェザー死亡かウェザーが許可。
アナスイは露伴死亡?
ジョンガリは花京院が法皇の緑を体から出せばいいけど武器なし。
ミドラーは承太郎を見つけて殺れれば無差別マーダー化。
リサリサは墳上リキエル狙いだけどジョセフの死を認める人も殺すんだっけ?
形兆はマーダー化するとしても・・・終盤だよね。
ボスとプッチに期待するしかない。
皆さんご意見有難うございます。
ヘブンズ・ドアーに関しては、
次の書き手さんにお任せする事にします。
次の書き手さんも、その方が自由度高いですし。
以下、書き手さんへのメッセージです。
読み手さんは読み飛ばして下さい。
では、改めて書き手の皆さんへご提案があります。
したらば辺りに
書き手専用相談スレを作るのはどうでしょう。
実は書き手さんへの相談事項とかあるのです。
例えば、私が書いた話で伏線を張っているのですが、
次の書き手さんにその事をお伝えしたいのです。
勿論、伏線を生かすかどうかは次の書き手さん次第ですが、
そういうものが有る事自体はお伝えしないと、
自分で続きを書かない限り、張った伏線を生かせませんので。
ここでそんなやり取りすると
読み手さんにネタばれしてばっかりで
楽しみが半減してしまうので、
そのようなスレを立てようと思うのですが、
書き手の皆さんの意見をお聞かせ下さい。
>>389 スレ立ては問題ないかと。
それに、そこで例えば「誰を動かす」とか「誰と誰を戦わせてみよう」などの話し合いも出来ると思うし。
・・・と新入りのくせに真っ先に賛成。
しかも
>>385-386で指摘されたような殺さない文章を一番書いておきながら。
もう季節も3月は越したしこの先は俺が書かなくてももう大丈夫だろうけど
>>389 私も賛成します。
物語の根幹に触れる話題を語る上では、
ある程度書き手同士だけでの意思疎通をするスレが必要でしょう。
例えば荒木の能力の、具体的な設定決めはこういった場が不可欠になってくるはずです。
また、伏線の把握がより楽になるのは良いことだと思います。
予想通りの展開の作品が集中する恐れもありますが◆C9UOxHGVmMさんのおっしゃる通り、
伏線使用の有無は個々の判断に任せればいいので、
他の書き手さんがスレで語られた伏線を逆手にとって想定外の展開を生みだす可能性もあります。
ある程度のネタバレは覚悟してもらうことになるので、この本スレと温度差が生じるかもしれませんが……
読み手さんの書き込みもアリにしてもいいかもしれません。
書き手だけに限定すると、アイディアが枯渇する可能性もありますから。
ジョジョロワを始めとしたリレー企画は数々の書き手さんと読み手さんあってのものですし。
お呼びじゃないと思いますが賛成
DIOとジョージらの今後の動向あたりはきちんとやらないと難しいでしょうし
生き残るキャラをあらかじめ決めておけば相当後まで伏線が晴れるでしょうね
>>390-392さん
ご意見有難うございます。
早速スレ立ててきました。
ぜひ活用して下さい。
後、これからの書き手さんにも教える必要がありそうですね。
予約する人が居た場合とか、気がついたら教えてあげて下さい。
新規の書き手さんは書きにくいだろうな今の状態
読み手も書き手もキャラに思い入れが強すぎて
マーダー化も殺されるのも避けたがってる気がする
主人公だろうと関係なく死んでってるのは良いんだけど
吉良とか暗殺チームは、生き残ってたら動かしやすかったろうな
単に自分が生き残ればそれで良くて、殺すの躊躇わない奴らだから
>>394 いきなり発狂してみんな殺してしまいした、じゃ急展開すぎてNGくらうかもしれんだろ。ただでさえ読み手も書き手も思い入れが強いんだから。
DIOやジョージ組はこのまま放送に入るのがほぼ確定だから書きにくいってのは同意だけどね。
逆に言うと嵐の前の静けさってやつさ。