>>365 学説によれば、田中亘教授は、TosTNeT1を使った場合であっても、
市場を介して取引した場合であれば、事前合意があっても、TOB規制に
ひっかからないと語っている(商事法務配信メルマガ緊急特集号外)。
これに対し、上村達男教授が、感情的に反論したメルマガが配信されてきた。
個人的には、現行法の解釈では、田中亘教授に分があるかと思っている。
1 事前合意があっても、決済が市場で行われている以上、有価証券の「買付け等」
としては市場で行われたと評価するのが形式論(罪刑法定主義からすれば、形式
論が大事だ)
2 事前合意が確定的に(値段については、前日の終値の+−7%と値段決定の
方法に関する大枠があるが、仮に、金額まで確定していたとして)あればTOBをし
なければならないとなれば、証取27の2からすれば、累計3分の1の場合だけでなく、
1回の取引量が5%以上の取引についても、現実にTOBしなければいけなくなる。
これは、持株解消のために使われるTosTNeTの市場としての機能を著しく削ぐことに
なって現実的でない。持株解消の際は、大抵、価格も量も事前に打ち合わせを繰り
返し、決まってから、知らないふりをして取引されるものだから。
3 そもそも、新法が3分の1超を目指す場合だけTosTNeTの使用をできなくする
との方向性で検討されている以上、現行法では適法と考える方が筋。
4 一番悪いのは、国策の持株解消に際して、大量の株式が立会取引に流入してきて
株の乱高下を招くことを恐れて「市場内相対取引」を実現する手段としてTosTNeTの
導入を決めた金融庁、というのが結論
なもんで、株を取得した経緯がどうたらこうたら、という話は、正直、疲れた。