1 :
名無しさんの主張 :
2006/01/20(金) 21:53:46 日本は今日まで発展してきました。 時には、外国から文明、技術を導入して。 時には、外国と戦争をして。 日本は今日まで存続してきました。 そして今、日本は平成18年を迎えています。 来年からも色々なことが起きるかもしれません。
2 :
名無しさんの主張 :2006/01/20(金) 22:09:51
平成もいつ終わるかは分からん。 祇園精舎の鐘の音、 諸行無常の響きあり、 娑羅双樹の花の色、 盛者必衰の理をあらはす、 おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし、 たけき者も遂にはほろびぬ、 偏に風の前の塵に同じ。
3 :
名無しさんの主張 :2006/01/20(金) 22:34:05
ライブドアショック。 今日までの株価、明日からの株価。 寒波も再来だ。
4 :
名無しさんの主張 :2006/01/20(金) 22:51:41
過去は過去、 未来は未来、で医院蛇ないの?
5 :
名無しさんの主張 :2006/01/20(金) 23:30:11
これからは、人口がどんどん減って、どんどん高齢化していく.... 日本全体が過疎に... そして..
6 :
名無しさんの主張 :2006/01/21(土) 10:59:55
>5 それならば、移民を受け入れて、活性化しよう。 もっと移民の数を増やそうや。
7 :
名無しさんの主張 :2006/01/21(土) 11:08:22
アホなことぬかすなよ、それじゃ第二の台湾じゃねか。
8 :
名無しさんの主張 :2006/01/22(日) 01:04:59
移民受け入れだけが、少子高齢化を解決する。 これ以外に道はない。
9 :
名無しさんの主張 :2006/01/22(日) 09:20:16
10 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/01/22(日) 19:29:49
11 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/01/22(日) 19:34:11
/// まえがき 1 ///////////////// 堺屋 太一著 「日本とは何か」 1991年 講談社発行より まえがき 「日本とは何か」 これはわれわれが日本人である限り、永久に追い求めなければならない テーマであろう。とくにいま、この一九九〇年代においては、これが重要な 問題である。外には国際情勢の抜本的な変化があり、内には史上はじめての 「豊かな社会」と高齢化の急進展がある。 /////////////// 堺屋太一著 ///
12 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/01/22(日) 20:56:10
/// まえがき 2 //////////////////// これまでにも「日本論」または「日本人論」は、さまざまに論じられてきた。戦後に おけるその系譜を略述すれば、日本後進国論から出発し、やがて日本特殊論に 傾き、最近では日本式経営や日本型官民協調体制への礼讃論が擡頭する一方、 知日外国人からは新たな日本特殊論ともいうべき議論も出はじめている。 いうまでもなくこの変遷は、日本の経済的発展と並行している。そしてそれは、 明治から昭和初期、太平洋戦争の敗北に至るまでの「日本論」の変化とも類似 している。明治中期までは、もっばら「欧米列強に立ち遅れた日本」が強調され、 それまでの日本的特色を否定するものが多かった。いわゆる「脱亜入欧」論である。 /////////////// 「日本とは何か」 ///
13 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/01/23(月) 21:15:55
/// まえがき 3 ///////////////////////// ところが、日露戦争の戦勝後は、日本文化の独自性を強調する日本主義が擡頭、 「古きよき日本」への憧憬が強まる。それがさらに昭和に入ると、「日本よい国、 強い国」式の自信過剰が生まれ、やがては欧米近代文明に対する批判へと発展 する。ここでいう「よい国」とは、正義の国、つまり自国の倫理を世界に拡げるべき 国という意味であり、「強い国」とは軍事力の優れた国という意味である。この二つを 重ね合わせると、武力を以てしても日本的倫理を世界に拡げてもよいという「日本 神国論」に行きついてしまう。戦前の日本が、相手の意向を無視した侵略行為を、 「王道楽土の建設」「大東亜共栄圏の新秩序」と称してはばからなかったのも、 こうした自国評価、つまり「日本論」があったからである。 //////////////////////// 1991年刊 ///
14 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/01/24(火) 21:58:12
/// まえがき 4 ////////////////////// 明治から昭和初期にかけての日本における「日本論」の変化の背景には、 日本の軍事的成功があった。第一次世界大戦後は、日本人の大多数が、 軍事的に成功していると信じていたのだ。当時の日本人が心から「軍事大国」 となることを願っていたとはいえないが、「外国に蔑まれない国づくり」から 出発した明治の近代化は、軍事力を基準とする国際比較を、唯一の成功の 尺度とする風潮を生んでいたのである。 //////////////////// 講談社文庫 ///
15 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/01/25(水) 22:27:30
/// まえがき 5 ////////////////// 経済を尺度とすることが一般化した今日から見ると奇妙にさえ思えるのだが、 一九三〇年代の日本人には、はるかに豊かなアメリカやイギリスに対しても、 日本文化の優越性と日本的社会体制の良好さに見習うように説いた者も少なく ない。それは大川周明(経済学者)や荒木貞夫(陸軍大将)のような右翼的国粋 主義者に限ったことではない。いまは五千円札の肖像に納まっている新渡戸稲造 (国際連盟事務次長)のような「国際人」でさえも、その必要性を大いに強調している。 外国生活の経験がある外国語上手に、自国礼賛論者が多いのは、後発国に多い 現象である。日清・日露、第一次大戦と、幸運にめぐまれて勝ちつづけただけで、 たちまちこの国には、日本は欧米近代文明の利点と伝統的精神文化のよさを合わせ 持った社会、という自画自賛がはじまったわけだ。 ///////////// すぐ絶賛発売中!///
16 :
名無しさんの主張 :2006/01/25(水) 23:06:30
http://hasumi-bokin.jp/ ここ、目標金額を越えてるのにまだ募金つのってる。
募金の初期のころ、コンビニにこの人用の募金箱があって、同じ市の出身だってんで、
何かできないかな〜、と思って昼飯のランクを1ヶ月だけ下げて、そのぶん
を毎日募金してたのよ。あと、株やってるから、配当金を少ないけど全部。
・・・・・で、最近HPみたら、目標金額こえてるのよ。それはいいさ。
でも、会則に8000万集めたら速やかに募金停止するってあるんだよな。
おいおい、いくら集めて、何に使うか明確にしろや。
事務局にmailで改善を申し入れても無視。なんか腹たっちゃったよorz
18 :
マーリン :2006/01/26(木) 01:03:26
移民だけは禁止せねばならない。
19 :
マーリン :2006/01/26(木) 01:12:48
少子高齢化を解決することが正しいとは思わない。 経済的には技術力のみが売り物になっていた日本には資源も土地もない。 今やその技術さえも、以前は発展途上国と呼ばれていた国に生産を任せてしまった ために真似をされ、そして追い抜かれる。単純に「多数の高齢者を支えるために若者を 増やせ」という考えは、通用しない。なぜなら国内に仕事がなくなるからだ。 成長の果てには老化があるのが必定。日本は老後に入る。 今までの暮らしを無理矢理維持しようとせず、身の丈に合った生活を考えるべきだ。
20 :
名無しさんの主張 :2006/01/27(金) 15:34:10
人が損得勘定で動くとすると 人の集まりが社会なので 社会は損得勘定で動くことになる
21 :
名無しさんの主張 :2006/01/27(金) 15:58:23
今年あたりヒルズに飛行機でもつっこむんじゃないか? イスラム系によって・・
22 :
穴埋男@京都今週注意 :2006/01/27(金) 20:20:43
23 :
朝日批判する奴はウヨに洗脳されている :2006/01/27(金) 20:24:33
24 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/01/27(金) 23:22:56
/// まえがき 6 ///////////////////// じつは、この種の部分的な視野での評価、短期的な動向に酔いやすいことも また、日本的特色の一つだ。この国には文化を体系的に見る社会気風と、 雰囲気に流されやすい集団主義の気性があるからだ。 こうした「日本強国論」、日本こそ正義とする「日本神国論」が、日本を 国際的孤立に向かわせ、やがて太平洋戦争へと突進したことを思えば、 今日の「日本論」の風潮も、ある種の危険を孕んでいるといえなくもない。 ////////// 講談社より絶賛発売中! ///
25 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/01/28(土) 21:12:46
/// まえがき 7 ///////////////////////// それぞれの国、それぞれの民族は、みな独自の文化を持っている。その意味では、 日本文化が特殊なのは当然であろう。問題は、この文化の特殊性を肯定するあまり、 政策や経営の特殊性擁護に利用し過ぎてはならない、ということである。ましてや、 それを一部集団の利益擁護や特定官庁の権限保持に多用してはならない。国際 社会とは、それぞれに特殊な文化を持つ国や民族が、ある程度の気色悪さに耐え ながらも、妥協し協調しながら一般的ルールを形成する場だからである。 /////////////////////// 堺屋太一著 ///
26 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/01/29(日) 21:00:01
/// まえがき 8 ////////////////////// この場合重要なのは、日本にとって変えられる特殊性と変えやすい特殊性とを 見きわめることであろう。変えやすいものなら、一部の抵抗を排しても国際協調の ためには変えなければならない。幸いにして日本人は、多くの面を変えることの できる文化(それこそ日本文化の特殊性の一つ)を持っているのである。 そして、変え難いものなら、その由来と理由を世界に説き、理解と納得を求める べきだ。たとえそれによって、日本と日本人の利益と評判が損なわれたとしても、 破滅的な衝突よりはましなはずである。 本書は、そうした観点から、歴史に遡って日本の由来と現実を見つめた日本の 姿を描こうとする試みである。・・・・・ ///////////////// 「日本とは何か」 ///
27 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/01/30(月) 22:31:11
28 :
墓穴を掘りエモン :2006/01/30(月) 22:36:48
宣伝はやめてください
29 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/01/31(火) 22:18:02
/// 工業モノカルチャー社会 1 /////// 堺屋太一著 「日本とは何か」 講談社 1991年刊 より 第一章 平成の日本 「天国」日本の実態 - 工業モノカルチャー社会 効率の悪い「経済大国」 ・・・・・経済環境や社会的地位が急激に上昇した場合人間は自己評価の 両極分解に陥りやすい。一つは、済的社会的上昇を成し得た自分の能力に 対する過大評価であり、もうひとつは周囲の扱いや冷たい視線から生まれる 自己嫌悪だ。 この心理が、ときには下品な富の顕示や強引な権力の乱用を招き、ときには 過剰な被害者意識を募らす。それでいて内心では、「みんなに好かれたい」 という渇望が絶えない。いわゆる「成金心理」である。今日、国際社会における 日本には、これに似た心理があることは否定できないだろう。 //////////////// 堺屋太一著 ///
日本は、完全にカオス国家になってると思う…混沌とした不安と様々な欲望が、老若男女を問わず渦巻いている(ちょっと地獄っぽい)
31 :
名無しさんの主張 :2006/02/01(水) 06:24:17
何のことはない日本を貶めてるのは日本人なんだから
32 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/01(水) 22:26:49
/// 工業モノカルチャー社会 2 /////// 日本の自己過大評価は、行政機関や一部の産業界、言論人によって組織的に 宣伝され、広く日本人自身が信じ込むようになった「偉大な経済大国・日本」の 自己イメージであり、「勤勉で有能で規律正しい日本人」の自画像である。そして それを裏づける統計数値や評価尺度が、官僚機構から発表され、マスコミ等を 通じて流され、一部言論人によって増幅されている。 たとえば、最初に並べた「経済大国」を示す諸数字だが、これ自体は正確であり 何の作為も含まれていない。しかし、このことから日本は「経済効率のよい国」、 「世界に広めるべき優れた経済体制をつくり上げた社会」という印象まで植えつけた のには、数値の選択と報道の仕方に依存するところが少なくない。 ////////////// 「日本とは何か」 ///
僕は海外で日本人のイメージを聞いたとき、 「勤勉で規律正しい民族」だと言われたくない。 そんなつまらない、世界の女にモテナイような民族であることは、恥である。
34 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/02(木) 21:21:50
/// 工業モノカルチャー社会 3 ///////////// 今日、自動車や電気製品などに代表される規格大量生産型工業の分野では、 日本製品がきわめて強い国際競争力を持っているのは事実だ。価格が安いだけ ではなく、製品の品質も優秀だし納期も確実だ。不良品の率はきわめて低く故障の 回数も少ない。二十年前までは日本の工業製品は、もっぱら価格の安さで世界に 売り込んでいたため、低賃金だのダンピングだのといった非難が激しかったが、 いまではそんないいがかりをつけられることは滅多にない。何しろ日本の工場は、 極度に合理化されハイテクで管理されているため、製品はすべて自動的に高級化 してしまう。この国では、家庭用ドアの滑車に使うボールベアリングまで、宇宙ロケット用と 同じ超精度の良質品が使われている。ミクロン単位の精度の自動制御工作機械を 設置した工場では、そんな製品ばかりが安価に大量に生産されるのである。 ///////////////////////// 1991年刊 ///
35 :
名無しさんの主張 :2006/02/02(木) 21:25:57
36 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/03(金) 21:31:20
/// 工業モノカルチャー社会 4 ///////// こうしたことは、工業の各分野で見られ、そしてそれが「日本の経済力と 技術力は世界一」という自負を生み、「日本こそ効率のよい優れた社会」 という自己評価を定着させている。 しかし、それは日本の一面に過ぎない。もう一度、元に戻って日本の 全体像を見ると、また違った「実態」が見えてくる。 現在の為替レートで換算した一人当たり国民総生産では、日本は世界第一流の 高さだが、それぞれの国の生活費などを加味した「実質国民総生産」で見ると、 日本と旧西ドイツとアメリカとはほぼ同じだ。日本銀行の国際比較統計などでは、 日本よりも旧西ドイツやアメリカのほうがわずかながら高く、イギリスやフランスは やや低いといった数値になっている。為替換算よりもずっと差は少ないのである。 /////////////////// 講談社文庫 ///
37 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/05(日) 22:41:24
/// 工業モノカルチャー社会 5 ////////// ところが、一九九一年九月の日本生産性本部の調査によれば、勤労者一人当たりの 生産性は、日本は主要先進国のなかではスウェーデンに次いで二番目に低い。 この国の就業率は四九パーセント、先進諸国のなかでも断然高いのだ。 しかし、日本の労働時間は一九九〇年で年間二千四十四時間、アメリカに比べて 一割、イギリス、フランスより二割、旧西ドイツと比べれば何と三割以上も長い。長い 時間働いているのに、勤労者一人当たりの生産性はいたって低いのである。 通勤などに費やされる時間を加えた労働拘束時間で見ると、この差はさらに大きく、 日米の差は二割、日独では四割以上にもなる。大雑把にいえば、日本人が一年 かかって行う生産を、同じ時間ずつ働けば西ドイツ人は八ヵ月、アメリカ人は十ヵ月で 仕上げる勘定だ。 /////////////////// 絶賛発売中!///
38 :
オナニー革命 :2006/02/05(日) 22:47:56
みんな、オナニー革命で世界平和を築こう!! オナニー革命とは、オナニーを通じて真の平和な社会を築いていく革命である!! みんな、世界平和のためにオナニー革命に協力してくれ!!
マジレス。 日本は過去の歴史において外圧的勢力によって歴史を変動 させてきたが、近々訪れるであろう転換期には、内部的に日本は崩れていくと思う。 もう底辺が崩壊しつつあるが。 それは何か。 私が思うにテロでも、外圧的な力でもない。それに備えるだけの力というか、 他国と交渉を結ぶだけの外交能力が日本にはある。それだけ、日本の中枢に飛行機が 突っ込むとかビルが爆破なんて事はできないだろう。 結論として、「HIVウィルス」が日本を破滅させる正体だと予測する。 日本文化は成熟した。 多様な価値観がある。それは多面的で統一感がなく、バラバラだ。 それが性という人間の持つ生理欲求に食い込み、不治の病を爆発的に増産させるだろう。 今も、どこかでHIV感染者が出ているはずだ。 夫が、妻が、彼女がHIVに感染してるかもしれない。 日本は内部から崩壊。 砂上の楼閣が崩れるのは、たやすい。
中国なんてエイズ大国だ。あんな国、国交閉鎖したほうが良いと思う。 ウィルス大国だ。キモい。 アメリカは極端な二極分化社会。黒人が差別されて虐げられてる。 普通にスラムあり。犯罪地区あり。貧乏人は死。ここは日本のはるか数年先を 示している。 日本の民主主義は、どうせアメリカと同じ道を歩む。 猿真似だけして、アメリカの悪い部分と日本の悪い部分を融合させた社会になるだけ。 ひいては二極分化、敗者復活できない社会、スラム化、エイズ蔓延、ジジババ超増産、 子なし、生きがいなしといった最低の社会になるだろう。 どの道、HIVと超老人大国化により没落するのは必然。 ほっといても腐ってく国。上が腐ってるから
41 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/06(月) 21:51:02
/// 工業モノカルチャー社会 6 ////// このため、勤労者が自由に使える「可処分時間」は、ドイツ人のほうが日本人よりも 三倍も多い。とくに東京都市圏では通勤時間の延長で、一般勤労者の「可処分時間」は 極端に少なく、七〇年代から八〇年代にかけての十年間に、睡眠時間さえ十八分も 減少している。 日本が一人当たり国民総生産が多いのは、この国の社会と企業が効率的だから ではなく、大勢が長時間働いているからに過ぎない。文学的な誇張を交えていえば、 「日本人はみんなが夜も眠らないで働いて、やっと欧米並みの生産を上げている」 のである。 /////// 講談社より絶賛発売中! ///
42 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/07(火) 22:27:03
/// 工業モノカルチャー社会 7 ////// 巨大な無駄を生む日本の体制 日本は技術水準の高い国だといわれる。ファクトリー・オートメーションは 断然世界一だし、オフィス・オートメーションも世界一流だ。いまでは各家庭に までファクシミリが入り、中学生がファミコンを操り、主婦がワード・プロセッサーを 叩いて手紙を書く。生産面での技術ばかりでなく、日常生活での電子技術の 普及も著しい。 ///////////////// 堺屋太一著 ///
43 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/08(水) 22:50:19
/// 工業モノカルチャー社会 8 /////// 日本は経済以外に資金と労働力を費やさない国である。防衛費はGNPの 一パーセント、アメリカの六分の一、西欧諸国の四分の一以下だ。軍務に 服する人の数も全就業者の○.三九パーセント、欧米に比べて全国民に 占める比率は二分の一から五分の一に過ぎない。宗教関係の支出も人員も 少ない。この国では僧侶も神官も大半が副業として行われており、宗教が 経済活動に支障をきたすことはごく少ない。 ////////////// 「日本とは何か」 ///
44 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/09(木) 22:24:59
/// 工業モノカルチャー社会 9 ////////// そのうえ、ボランティア活動も低調で、それによって企業の運営が妨げられる こともない。要するに日本は、防衛も宗教も顧みず、ただひたすらに経済の ために資金と人材を集中しているのである。 また日本は、労働の質のよい国だ、ともいわれている。教育が普及しているのは 前述の通りだが、それぞれの生徒学生も、じつにまじめだ。それだけに平均的な 勤労者の技能と知識は、欧米先進国に比べてもかなり高いといわれている。 そのうえ、圧倒的多数の勤労者は、哀しいまでの責任感と組織忠誠心を持っており、 欠勤も労働争議もきわめて少ない。 ////////////////////// 1991年刊 ///
45 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/10(金) 21:53:34
/// 工業モノカルチャー社会 10 /////////// 加えて現在の日本は、「世界史上空前」といわれるほどに有利な人口構造に なっている。六十五歳以上の高齢者の比率こそ一二.五パーセントと上昇した (一九九一年)が、それ以上の速度で十四歳未満の年少者が減少したため、 労働適齢人口が全体の六九.六パーセントを占めるに至った。高齢者率の 高い西欧諸国や子供の多いアメリカに比べて、国民一人当たリの生産効率を 高めるには有利な状況である。 ////////////////////// 講談社文庫 ///
46 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/11(土) 22:23:32
/// 工業モノカルチャー社会 11 //////// 今日の日本は技術が優れ労働の質がよく、国民全体がよく教育され、 近代機器に親しんでいる。経済以外にはお金も人も使わず、大勢の人々が 働き盛りの年齢で実際にも就業しているといるという、このうえもなく恵まれた 条件にある。それにもかかわらず、労働拘束時間当たりの実質生産額でいえば アメリカや旧西ドイツよりはるかに低い。フランス、イギリス、スペインよりも 下なのである。これはいったいどういうことだろうか。 /////////////////// 絶賛発売中!///
47 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/12(日) 22:59:18
/// 工業モノカルチャー社会 12 //////// 一方では、日本の工業製品は、高度に自動化された工場で忠誠心あふれる 勤労者によってつくられるため、コストも安く品質もよいといわれながら、国全体 として見れば、これほどまでに効率が悪いのは何故か。それは、この国の工場は 効率的であっても、それ以外の面に巨大な無駄があるからに違いない。 実際、日本は工業製品の国際競争力の強さとは裏腹に、その他の分野は著しく コストが高い。日本の農業の規模の小ささと生産性の低さは、すでによく知られている。 農業所得のうちで価格保証と政府補助に依存する部分が七五パーセントにも 達しているのだ。 ///////// 講談社より絶賛発売中! ///
48 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/14(火) 21:47:35
/// 工業モノカルチャー社会 13 /////////// 流通業もまた非効率だ。「アメりカでは二人がつくった自動車を一人が売っているが、 日本では一人がつくった車を二人が売っている」といわれるように、日本の流通業は きわめて無駄が多い。工業製品の工場蔵出し価格と末端小売価格を比べると、 アメリカは一.七倍、西欧諸国も二倍以下なのに、日本だけは三.○倍だという 調査結果もある。同じ値段のものを売るのに、日本は欧米の二、三倍も費用が かかるのである。 /////////////////////// 堺屋太一著 ///
49 :
名無しさんの主張 :2006/02/15(水) 02:58:46
相続税を100%にせよ! 相続税を100%にせよ! 相続税を100%にせよ! 相続税を100%にせよ! 相続税を100%にせよ! 相続税を100%にせよ! 相続税を100%にせよ! 相続税を100%にせよ!
50 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/15(水) 22:06:32
/// 工業モノカルチャー社会 14 //// もっとも、日本の流通業とりわけ小売業におけるサービスの質が高いことも無視 できない。日本の小売業は営業時間も長いし、品切れも少ない。配達も無料なら アフターサービスも徹底している。何より誇るべき点は包装のよさで、包み紙や 容器の豪華さは「断然」を三度くり返したくなるほど諸外国を上回っている。日本の 消費者は、概してそうした高級な流通サービスを求めているのである。 しかし、この点を加味したとしても、なお日本の流通業が不合理非能率を多く 抱えていることは否定できないだろう。 ///////////// 「日本とは何か」 ///
51 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/16(木) 21:12:52
/// 工業モノカルチャー社会 15 ////////////// 飲食店やホテルなどのサービスも割高だ。ニューヨークやパリで最高級のディナーを 食べても三百ドルになることはないが、赤坂や新橋の料亭なら千ドルも珍しくない。 銀座や北新地のクラブは水割数杯で三百ドルを請求する。そしてそこにサラリーマンが 大勢通っている。企業交際費という独特の制度が、個人消費とはかけ離れた高価な サービスヘの需要を生み出しているからだ。 //////////////////////////// 1991年刊 ///
52 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/17(金) 22:52:37
/// 工業モノカルチャー社会 16 ////////// 金融や情報関係のコストも諸外国より高い。損失補損の発覚で明らかになったように、 日本の証券取引の手数料は欧米に比べて平均して二倍ほどもかかる。加えて最近 目立つのは調査企画、デザイン、編集テレビ番組づくりなど、いわゆる「知恵の値打ち (知価)」のコスト高だ。土地価格のべら棒に高い東京のオフィスに、大勢が寄り集まって 議論と親睦を積み重ねなければ、何事も進まないシステムになっているからである。 要するに日本は、「経済大国」とはいうものの、本当に量質ともに誇り得るほどの 生産力と競争力を持っているのは製造工業、それも自動車や電気製品に代表 される規格大量生産型の工業製品だけである。日本の実態は、経済活動全般が 優れた「経済大国」ではなく、多くの面で非効率と無駄を抱えながらも、規格大量 生産型の工業だけがとび抜けて発展した「規格大量生産大国」なのである。 ////////////////////// 講談社文庫 ///
53 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/19(日) 18:42:18
/// 工業モノカルチャー社会 17 /////// 「歪な繁栄」を生んだ「最適工業社会」 世界を圧する生産量と競争力を誇る規格大量生産型工業と、非効率と無駄を 抱える流通・情報・知価創造 ― この極度の不均衡こそ、今日の日本を解く鍵 といってよい。前者を重視すれば、日本は世界に冠たる「経済大国」、人類の 模範ともいえる「天国に最も近い国」だが、後者のほうを主に見れば、日本は 非効率で楽しみのない社会、「豊かさの実感できない国」である。 //////// 講談社より絶賛発売中! ///
54 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/20(月) 21:52:19
/// 工業モノカルチャー社会 18 ///////// また、企業規模などの点から、この落差を説明することも難しい。概していえば、 流通業には中小零細規模の事業所が多く、それを保護しようとする「大規模小売 店舗規制法」等の存在が流通合理化を妨げているのは、ある程度事実だろう。しかし、 それがすべての原因とは考え難いし、非効率が小売業にだけあるわけでもない。 規制の少ない卸売でも不可解なまでの迂回とコスト高が存在する。金融業や 情報産業の規模は諸外国に優るとも劣らぬものになっているし、知価創造分野にも 少なからぬ数の大企業がある。それにもかかわらず、いやむしろそれ故にこそ、 日本のコストは割高になっているのである。 /////////////////////// 堺屋太一著 ///
55 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/21(火) 21:20:22
/// 工業モノカルチャー社会 19 ////////// 要するに、この国では、同じような水準の人材が、同じような原理で組織された 企業体によって、同じように熱心かつ勤勉に働いているにもかかわらず、 規格大量生産型の製造工業は世界を圧するほどの生産力と競争力を持ち、 流通業や情報産業などはひどく非効率な状況にあるわけだ。この大きな落差は 何故か。一言にしていえば、日本社会全般に広まっているすべてのものが、 規格大量生産型の製造業には適しているが、それ以外の産業や社会活動には 適していない、ということである。 //////////////////// 「日本とは何か」 ///
56 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/22(水) 21:55:50
/// 工業モノカルチャー社会 20 ///////// 実際、日本の政治行政は、規格大量生産の普及拡大のために多大の努力を 払っている。 たとえば、工業製品には行政によって「JISマーク」なるものが制定されており、 ネジやビスから鋼材や電気製品にまでそれに適合するよう求められる。建築基準法も 消防法もきわめて厳格で、建物のデザインも内部空間もこれによって著しく限定される。 「建物を設計するのは建築家ではなくて、建築基準法だ」といわれるほどだ。道路基準、 公園基準、電気施設基準などの厳重さはいうまでもない。そのうえ、それぞれの 施設運営についても、道路交通法や公園管理規則などがあリ、自由な使用は ほとんど認められていない。 /////////////////////// 1991年刊 ///
57 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/23(木) 21:40:59
/// 工業モノカルチャー社会 21 //////// 日本の都市には公園が少ないといわれるが、その少ない公園がますます使い難く されているのだ。人間に対する医療でさえも「標準医療」によって規格化され、 差額ベッドは罪悪視されている。 こうした各種の商品や施設・サービスの規格基準化は、商品サービスの種類を 少なくし、消費者の選択の自由を狭めるが、規格大量生産には有利な環境を つくり出す。八○年代からはじまった商品やサービスの多様化が、容器の色や形を 多様化する、「目先を変える」小手先仕事にならざるを得なかったのはこのためである。 ////////////////////// 1991年刊 ///
58 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/24(金) 21:47:07
/// 工業モノカルチャー社会 22 //////// 教育も情報も規格化 教育に対する官僚統制も徹底している。この国では、昭和十六年の「国民学校令」 以来半世紀にわたって、初等教育においては私立学校の新設を事実上禁止する 「初等教育公立主義」が採られている。そしてその公立学校においては、一通学区域 一学校の「強制入学制度」が厳格に実行されている。このため、教育の需要者たる 生徒と父兄の側には学校選択の余地がない。日本の子供たちは、自分の好みも 個性も無視され、官僚の定めた学校に強制的に入学させられるのである。 ///////////////////// 講談社文庫 ///
59 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/25(土) 22:32:21
/// 工業モノカルチャー社会 23 //////// そのうえ、こうして強制入学させられた学校では、官僚の定めた教科が機械的に 教え込まれ、年月とともに押し出される。しかもそこでは、官僚の定めた指導要綱 によって、不出来な科目ほど長く厳しく教え込む「欠点除去型」の教育が徹底されて いる。恐ろしいことに最近では、それでもまだいささかの好みと個性を発揮する 「悪質な生徒」がいるというので、服装・髪型から挙手歩行の姿勢に至るまでを 共通化する「校則」なるものがつくられ、その厳守が強制されている。校則とは、 生徒にわずかな個性と自己表現をも許さぬ管理規制なのだ。 こうした画一化教育は、学校生活から楽しさをなくし、生徒の創造力と個性を 破壊するが、その半面では、共通の知識と技能を付与し、苦痛に満ちた時間に 耐える習慣を叩き込む点では効果を発揮する。そしてそれは、規格大量生産の 現場で働くのにふさわしい労働力の養成にはじつに効率的である。 ////////////////////// 絶賛発売中!///
60 :
オナニー革命 :2006/02/25(土) 22:34:56
今日もオナニー、明日もオナニー
61 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/26(日) 18:32:57
/// 工業モノカルチャー社会 24 ////////////// さらに、この国では各種産業団体や職能者の団体が、官僚の主導のもとにつくられ、 その本部を東京に置き、事務局長や専務理事に役人OBを採用する慣例ができ上がって いる。これらの産業別職能別団体が、直接的にも事務局内の官僚OBを通じても、 官僚機構の指導を徹底させる機能を果たしている。このことは企業や職業人の競争を 抑制し、消費者物価をつり上げる結果にもなるが、半面、工業製品の規格化を徹底し、 産業界や各種業界の過当競争を防止するのにも役立っている。 また、放送や書籍の流通を、東京一極に集中させる制度も半世紀間つづいている。 これによって日本全国の情報環境は均一化し、地方の特色と誇りは失われて しまったが、同一規格の商品やサービスが全国で販売使用しやすい統一市場を つくり上げたことも見逃せない。 //////////////// 講談社より絶賛発売中! ///
62 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/02/27(月) 21:11:47
/// 工業モノカルチャー社会 25 ////////////// 加えて日本では、「行政指導」の名のもとに、法律によって付与されている以上の 行政介入を、官僚たちが無制限に行うことも容認されている。官僚たちは、企業や 地方自治体を従わせるためなら、目的や趣旨のまったく異なる権限を利用する こともはばからない。 たとえば、薬局の出店開設を制限することは、憲法で認められた「職業選択の自由」 に反するとの最高裁判所判例があるにもかかわらず、製薬会社に対して薬の卸売を しないように指導することで、官僚が好ましくないと考える薬局の新設を妨げている。 もし製薬会社がこの指導に従わなければ、当該製薬会社の新薬は何十年も許可 されない恐れがあるのだ。 //////////////////////// 堺屋太一著 ///
63 :
ポイントマン :2006/02/28(火) 06:40:21
記念カキコだ!!
64 :
ポイントマン :2006/02/28(火) 06:47:15
65 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/03/01(水) 21:54:51
/// 工業モノカルチャー社会 26 //////// 一九九一年夏に発覚した証券業界における大口投資家への損失補填も、こうした 環境のなかで起こった事件だ。日本の証券業界は、大蔵省の免許制によって競争が 制限され、大蔵省の定めた高率の手数料を得ることができる。これによって膨大な 利益が保証された証券会社は、有利な大口取引を勧誘するために、損失補填という 条件を持ち出した。結果としては、一般投資家の犠牲によって、特定の企業が利益を 得ていたことになるだろう。 こうした行政指導は、多くの場合、産業界の競争を抑制し、消費者価格をつり上げ、 供給者を保護する効果を上げる。したがってそれは、企業の資本蓄積を厚くし、 先行投資と技術改革に役立っている、といえる。 //////////////////////// 1991年刊 ///
66 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/03/02(木) 22:51:52
/// 工業モノカルチャー社会 27 ////////////////// 要するに今日の日本は、官僚の主導のもとに供給者が業界ごとに協調して競争を 抑制し、規格大量生産を拡大発展させるのに有利な社会体制をつくり上げているのだ。 昭和十六年以来半世紀にわたって、こうした「官僚主導型業界協調体制(官導体制)」を つづけてきた結果、日本では消費者の選択の自由は狭くなったし、消費者物価も 上昇した。生徒が個性と独創性を伸ばすことも、地域が特色を出すことも難しくなった。 さまざまな情報に接することも、自由に営業することもでき難い。その代わりに、 規格大量生産型の工業には最も適した社会を形成することはできたのである。 今日の日本は、そのようにしてつくられた「最適工業社会」、いわば「工業 モノカルチャー国家」なのだ。自動車や電気製品に代表される規格大量生産型の 工業において、日本が量質ともに優れた能力を誇っているのは、その結果であり、 規格大量生産型工業以外の分野に多くの非効率と無駄を抱えているのもまた、 このためである。 ////////////////////////// 「日本とは何か」 ///
67 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/03/03(金) 22:54:56
/// 工業モノカルチャー社会 28 ////////// 日本式経営の利点と欠点 今日、日本人が自慢としている多くの特色は、この「最適工業社会」において 養われたものだ。したがって、日本が誇りとする「優れた特長」は、「規格大量 生産型の工業に適している」という意味に他ならない。たとえば、いまや多くの 日本人が「世界に広めるべき日本文化」とさえいっている「日本式経営」なるものも、 その典型である。 「日本式経営」の特色は、次の三点に集約できるだろう。第一に終身雇用制と 年功序列賃金体系と企業内組合の三つを柱とする閉鎖的な労使慣行、第二は 決定権の下部分散と事前根回しに象徴される集団主義、第三は極端に低い 配当性向と極端に多い交際費が示している企業の従業員共同体化である。 /////////////////////// 講談社文庫 ///
68 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/03/04(土) 18:45:50
/// 工業モノカルチャー社会 29 //////// この三つは相互に関連がある。終身雇用的労使慣行があるために企業は 従業員共同体化し、共同体であるが故に権限は下位に分散する集団主義になる。 そしてその結果、従業員は共同体から離れ難くなり、終身雇用にしがみつく わけである。 こうした「日本式経営」は、従業員の企業忠誠心を強めるとともに、企業の内部留保を 厚くし、先行投資を活発にする。同時に、下位者に至るまで決定権が分散しているため、 企業としての意思決定に時間がかかるが、いったん社内合意が生まれれば 浸透力が強く全従業員の協力が得られやすい。日本の企業が成長力が高く、 労働争議が少なく、しばしば全社一丸となって技術革新や経営強化に励めるのは このためだ。そして、そんな企業の集積こそが、日本経済全体の成長力となり 生産力となり国際競争力となっているのである。 //////////////// 講談社1991年刊 ///
69 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/03/06(月) 22:03:09
/// 工業モノカルチャー社会 30 /////////// 限りなく均質化する内志向 十年前、一九八〇年代のはじめには、欧米でもアジア諸国でも、「日本式経営」が 高く評価されたことがある。世界経済を混乱に陥れた二度の石油危機を乗り切って 経済を安定させ、いち早くエレクトロニクス技術を導入して世界の工業をリードする ようになった日本経済の成功に注目した外国人のなかには、その基礎としての 「日本式経営」に着目、これを「人間資本主義(人本主義)」と呼んだ学者もいる。 「日本式経営は、国民経済に発展をもたらし、社会全般に技術革新を広め、企業を 成長させ、従業員を安心させる素晴らしい方式だ。ここでは人間こそ企業の資産 という考えがあり、長期計画で人材の育成と技術の習得が行われている」などと いわれたものだ。マレーシアでは「ルック・イースト」が唱えられ、国民に日本や 韓国の企業経営のよさと勤労者の勤勉を見習うよう呼びかけられたほどである。 ///////////// 講談社より絶賛発売中! ///
70 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/03/08(水) 21:40:01
/// 工業モノカルチャー社会 31 ///////// しかし、八○年代も末になると、こうした「日本式経営」に対する賛美は影を潜め、 むしろ批判のほうが強まってきた。九〇年代初頭のいまは、欧米でもアジア諸国でも、 「日本式経営」の閉鎖性に対する非難のほうがはるかに強い。 それは単に、日本経済が一段と発展し、日本の企業がアメリカの映画会社や 不動産を大量に買収しているためとか、アジアにおける存在感過剰とかいったこと だけではない。より本質的には「日本式経営」がよりよく知られるようになった結果、 それが規格大量生産型工業以外では非効率的であり、企業規模の拡大を前提と しなければ成り立たないことが明確になったためだ。 ///////////////////// 堺屋太一著 ///
71 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/03/10(金) 22:00:43
/// 工業モノカルチャー社会 32 ///////////// 以上のような事実を見れば、日本の経営者や官僚や評論家が、「日本式経営こそ、 世界に広めるべき日本文化」と鼻をうごめかすのもうなずけなくもない。しかし、 同じ「日本式経営」で行われている流通や情報や知価創造が、諸外国に比べて 著しく割高である事実も見逃してはならない。 終身雇用制では過剰雇用(社内失業)を招きやすく、決定権が下位に分散した 集団主義では意思決定が遅く、配当性向を低くする共同体化した企業では仲間擁護 になり経費負担が大きい。操業率が比較的安定している製造業では有利な終身雇用が、 変動の大きい情報や知価創造では不利になる。規格大量生産では利点の多い 集団主義が、創造と決断の機会の多い流通情報では欠点になる。そして投資の多い 製造業では優位を得る共同体化が、流通情報では交際費の多い利権体質となって 経費をかさませるのである。 ////////////////////// 「日本とは何か」 ///
ウイルスか? 3OnF3..さんは自すれ立てればいいのに。 そしてそのスレのそのレスに誘導すれば焦点が
73 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/03/13(月) 20:51:54
/// 工業モノカルチャー社会 33 ////////////// 「日本式経営」なるものは、企業規模が拡大する成長過程で、意思決定の機会の 少ない規格大量生産型工業が、内部志向的発想に徹している場合にのみ、大きな 利点を発揮する経営方式なのだ。これが低成長(または縮小傾向)の企業に適用 されると、たちまちにして過剰雇用になる。かつての国鉄や現在の農林関係団体は その典型だ。また、意思決定の回数の多い多種少量生産型産業で実行されると、 やたらとコストと時間がかかる。日本の情報産業や知価創造が非常に高価なのは このためだ。そしてそれが外国と接触すればさまざまな摩擦を呼び、ときとして 倫理的非難も浴びる。この国での談合体質はその現れである。 //////////////////////////// 1991年刊 ///
74 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/03/16(木) 21:42:21
/// 工業モノカルチャー社会 34 //////////////// 実際、終身雇用的労使慣行と集団主義と共同体化を特色とする「日本式経営」の なかでは、すべての従業員は共通の倫理と美意識を持つことが強いられる。誰もが 自分の勤める企業の発展こそが「社会正義」と考え、職場で与えられた仕事の 完成成就が「社会的目的」と信じて疑わない。「会社のため」とさえいえば、相手の 予定を無視することも、法規に違反することも、すべて容認されると思っている。 「仕事だから」とことわれば、親類の葬祭も家族との約束も、全部免除されると 信じている。いや、そう考えなければ「よき従業員」と認められない仕組みと雰囲気が 「日本式経営」にはつきまとっている。 /////////////////////////// 講談社文庫 ///
75 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/03/19(日) 21:01:24
/// 工業モノカルチャー社会 35 ////////////// このため、日本人の目はつねに職場共同体の内部へと志向し、価値基準は 職場共同体の利害によって測られてしまう。このことは、個人の個性や創造力を 麻痺させるだけではなく、職場共同体の価値基準に従わない者を排除すること にもなる。つまり「日本式経営」のなかで「よき従業員」であるためには、思想の 自由と家族や地域社会への帰属意識を放棄し、職場共同体にのみ従順な 「職場単属人間」でなければならないのだ。 ///////////////// 講談社より絶賛発売中! ///
76 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/03/24(金) 22:54:04
/// 工業モノカルチャー社会 36 /////////// 企業にとっては、従業員が強い忠誠心と帰属意識を持つことは、経営上有利で あろう。だが、各企業の従業員が、自分の帰属する企業の利益のみを「正義」と 信じることは、社会的負担を大きくし、国際摩擦を激しくする。「日本式経営」の 成果の一つとされてきた「カンバン方式」が、道路などの公共負担を大きくするとして、 さすがの通産省さえ規制に乗り出さざるを得なくなったのは、いかにも象徴的な 出来事である。 /////////////////////// 堺屋太一著 ///
77 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/03/28(火) 21:40:51
/// 工業モノカルチャー社会 37 ///////// 「省益あって国益なし」の官僚共同体 しかし、民間企業の場合はまだしも許容できる範囲があるが、それが官公庁になると、 はるかに深刻な問題を生む。日本の官僚たちが忠誠心を持つのは、その官僚が 終身雇用的に帰属するそれぞれの省庁であって、日本国または日本政府ではない。 日本の官僚は、自分の属する省庁の利益、とりわけその権限の拡大と慣例の厳守に こそ情熱を燃やす。権限と慣例こそは官公庁の資本、それぞれの省庁の組織を拡大し 予算を増大する基本要素である。官僚が自分の官公庁に忠誠とは、それぞれの省庁の 権限拡大と慣例擁護に熱心だという意味である。 そしてその結果は、官僚の目は必然的にその所管業種に集中し、発想は所管業種の 保護育成に向かう。所管業種を保護育成し、規模の拡大と官庁依存を強化すれば、 おのずからその官庁の権限が拡大し、慣例は厳守されるからである。 ///////////////////// 堺屋太一著 ///
78 :
名無しさんの主張 :2006/03/29(水) 01:36:31
相続税はもっと累進的にかけ、 金持ちは一代限りで終わらせなければならない。 私腹を壊さないと、資本主義は駄目になってしまう。 政府は取った遺産を法人で所有させるか、所得再配分にするか、 新規ベンチャーへの資本として有効に生かせばいい。 生まれがどこでも競争が出来る社会にするのが好ましい。
79 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/03/30(木) 20:53:44
/// 工業モノカルチャー社会 38 ////////////// 「日本の官僚は優秀だ」とよくいわれる。仕事の熱心さと専門分野での知識の深さ では、おそらく世界一だろう。しかし、彼らの視野はそれぞれの省庁とその所管業種の 枠を出ることがない。彼らの価値基準には、省庁とそれに帰属している官僚共同体の 利益以外の尺度は入り得ない。このため、各官庁の政策や行政が日本国または 日本社会全体に有利か不利かを考える余裕などまったくないし、あってはならない。 官僚が自己の属する省庁の権限と慣例に忠実であり、所管業種の利益を図るのは、 ある意味では当然のことだ。しかし、そればかりが重視されると、国家としての 基本方針も立たないし、政治行政としての総合調整に服することができない。 /////////////////////// 講談社1991年刊 ///
80 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/03/32(土) 22:29:04
/// 工業モノカルチャー社会 39 //////////// 本来、国家の基本方針の策定と政策の総合調整は政治の仕事だ。しかし、 政治家が大所高所からの調整機能を発揮しようとすれば、官僚機構は「外音勢力 による権限と慣例の破壊」と見なして強く反発する。そのことが、官僚たちと 結合したマスコミによって支援されるこの国で、各省大臣や国会の各委員長の 手腕も、それぞれの関係する省庁の官僚たちの意向をどれだけ忠実に 押し通し得たかによって決める、という評価基準を確立してしまった。そして その意味での「よき政治家」には、各省官僚の熱心な支援が約束され、 各省所管の業界からの助力が期待できるのである。 //////////////////// 「日本とは何か」 ///
81 :
名無しさんの主張 :2006/03/32(土) 23:00:26
今のエリートの頭のレベルって信じられないほど低下してるよ。もうこれは幼児退行と言っていいね。実態を知ると震え上がる
82 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/04/03(月) 20:51:59
/// 工業モノカルチャー社会 40 ////////// このため、個々の官僚はきわめて熱心であり専門的知識に長けているにもかかわらず、 全体としての日本の行政はきわめて非能率であり、不整合でもある。一つの官庁が ある方向への施策を打ち出すと、他の官庁はその独走を恐れて対抗案を出す。 各官庁間の権限範囲が複雑に入り組んでいるため、一つの官庁が新しい政策を 展開することで権限範囲を拡げるのを、他の官庁は警戒し妨害する。今日、国際問題に 関する日本の対応の遅さがしばしば問題になるが、その主たる原因も官庁間の 調整に手間取るためだ。 官僚としての優劣が、国家または国民の総合的利益を 実現する判断の正確さと実行の迅速さによって測られるとすれば、日本の官僚は けっして優秀とはいえないだろう。 ////////////////////// 1991年刊 ///
83 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/04/06(木) 20:29:55
/// 工業モノカルチャー社会 41 //////////// 官僚と教師のための教育制度 日本で「優秀」と信じられているもののなかには、「日本式経営」や「日本的官僚」の ように、日本的尺度 ― つまり規格大量生産の拡大発展こそ正義とする尺度 ― に おいてのみ「優秀」なものが少なくない。日本が世界に誇る学校教育もまた、その 一つである。 今日、日本の学校教育に対してはさまざまな批判がある。とくに生徒の暴力事件や 教師の不祥事が露見したときにはそれが高まる。しかし全体としては「日本の初等 教育は優秀だ」との見方はいまだに根強い。「日本の教育は上に行くほど悪くなる。 小・中学校は規律も正しいし、成績も優秀だが、大学生は勉強もしないし個性もない。 独創的な学説や研究が大学から発表されることも少ない」というのが大方の評価だろう。 ///////////// 講談社より絶賛発売中! ///
84 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/04/08(土) 22:01:52
/// 工業モノカルチャー社会 42 /////////////// 日本の大学が欧米に比べて創造的な研究が乏しいのは、おそらく事実だろう。だが、 小・中学校が優秀だというのは疑わしい。教育学者や文部官僚が挙げるその根拠は三つ、 就学率の高さと、教室での規律の正しさと、数学や理科・地理の試験結果が諸外国に 比べてよいことだ。しかし、これで日本の初等教育が優れていると結論できるだろうか。 就学率の高さは、学校教育の内容や制度のよさによるのではなく、日本の伝統である。 明治維新の年(一八六八年)、日本ではすでに成人男子の四〇パーセント、女子の二五 パーセントが寺子屋等の教育機関に通った経験を持ち、読み書きソロバンができた。 同じ年、世界で最も進んだ工業国であったイギリスでも、教育機関に通った経験者は 男子の二五パーセントに過ぎなかった。その当時、女子の入学を認める学校はヨーロッパ にはなかったのである。このことを考えれば、豊かで子供が少ないいま、日本人の就学率が 高いのは当然だ。この国には衣食を削っても子弟を学校に通わせる慣習が古くからあったのだ。 /////////////////////////// 堺屋太一著 ///
85 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/04/10(月) 22:32:21
/// 工業モノカルチャー社会 43 //////// 教室における規律の正しさも、それが生徒の自覚によるものでなく、教師の厳重な 監視の結果だとしたら、教育の良否を決める尺度とはなり得ない。どこの国でも軍隊と 監獄は規律正しい。だからといって、軍隊や監獄の仕組みが最良の教育方法とは いえない。指導要綱と校則に縛られた日本の学校は、それに近い状況といえなくもない。 このことが生徒の個性と独創性を抑圧しているマイナスも無視できない。 ///////////////// 講談社1991年刊 ///
86 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/04/13(木) 21:04:03
/// 工業モノカルチャー社会 44 ////////////// 数学や理科の国際共通試験で、日本の中学生や高校生が、韓国、イスラエルと 並んで優れた成績を収めているというのも、必ずしも学校教育の優秀さを示すとは 限らない。日本特有の入試用受験技術が教え込まれた結果とする見方も有力 だからだ。現にドイツの中学生に日本式の受験技術を三時間ほど講義したところ、 たちまちその学校だけは日本以上の試験結果になったという例もある。もし、 試験の成績のよいことが教育の優秀さの尺度だとすれば、その功績は学校よりも 学習塾に帰すべきであろう。 /////////////// 講談社より絶賛発売中! ///
87 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/04/16(日) 20:32:43
/// 工業モノカルチャー社会 45 /////// 要するに、国民全員が初等教育を受け、規律正しく教師の管理に服し、数学や 理科などの基礎知識と基本技能を身につけることが、教育の善悪を測る尺度とする 考え方は、規格大量生産の現場で働く人間として使いやすく役に立つ人材をつくる ことこそ教育の目的、という発想に立ってのことである。 より大きな視野で見るならば、教育の良否は、第一にその教育を受けた人間が 幸せな人生を送り得るかであり、第二には人類の繁栄と進歩とに貢献し得るかである。 そして第三には同じ成果を上げるのに、本人の苦痛と父兄の負担が少なく効率的に 行っているかどうかである。 //////////////////// 講談社文庫 ///
伝統というと何でも良いものだと勘違いしている者が時々居るが、大きな間違いだ。 悪しき伝統、悪弊と言うものも有る。 天皇制は正にそれに当る。 天皇制が出来てからと言うもの、日本人は長い間、重税や徴用に苦しめられて来た。 自民党と公明党は教育基本法を改定して子供達に「伝統を重んずる国を愛する心」を押し付け様としている。 伝統に固執した時、進歩は止まる。 インカやアステカの様になると言うことだ。 男尊女卑、封建的上下意識、天皇万歳、談合、天下り、癒着、町内会。 みんな伝統だ。 悪しき伝統、悪弊を断つ改革なくして、進歩は無い。 その進歩に必要な心を子供達から摘み取る積もりらしい。
89 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/04/18(火) 22:19:22
/// 工業モノカルチャー社会 46 ////////////// 今日の日本の学校教育が、こうした尺度から見たときに、優れたものといえる だろうか。現に諸外国での評価はけっして高くない。少なくとも日本の学校教育が、 楽しいものではないこと、人類の進歩に役立つ創造力に富んだ個性を育てるもの でないこと、そして本人の苦痛と父兄の負担の大きいものであることは確かである。 日本という社会を考える場合に重要なことは、こうした全人生的全社会的な 見地からの学校教育に対する評価や批判が、日本の教育界や文部官僚から ほとんど出ない点である。つまり、この国では、教育もまた教育官僚と教師の 仲間内の評価に固まる内志向に徹しているのである。 ////////////////////// 講談社1991年刊 ///
90 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/04/22(土) 19:02:05
/// 工業モノカルチャー社会 47 //////////// 他人の負担を顧みない日本の組織 これに似たことは、もう一つの日本の自慢、治安についてもいえる。日本が犯罪の 少ない国であり、犯人逮捕率も非常に高いことは前述した。しかし、それが日本の 警察制度の優秀さという説には疑問が残る。日本は徳川時代以来、きわめて治安の よい社会であり、公的な警察機関がごく小規模だった大坂の町や僻地の農山村でも、 犯罪率は非常に低かった。日本は古くから被統治能力の高い社会なのだ。今日の 治安のよさもその伝統に負うところが大きい。 //////////// 講談社より絶賛発売中! ///
ニュー+見てると、あんなアホばっかで大丈夫なのかなと思う
92 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/04/27(木) 21:16:12
/// 工業モノカルチャー社会 48 //////// 他方、現在の日本の警察は、安全性を重視するあまり、人々の自由な 行動を規制するのに躊躇することがない。このため、重要国賓や国家行事 となれば東京中が交通規制で大渋滞、市民生活と経済活動が著しく 妨げられる。だが、警察当局がそれによる市民の負担に配慮する気配は まったくない。警備の観点からの完備を期するあまり、社会全体の利便や 生活の楽しみが破壊されている現実を直視しないのである。 ///////////////////// 堺屋太一著 ///
93 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/04/30(日) 18:15:50
/// 工業モノカルチャー社会 49 ////////// 同様のことは、建築物の安全基準や公園の管理にも現れている。日本の 建築費は諸外国に比べて著しく高い。その原因の一部は、あまりにも厳格な 建築基準法や消防法にある。建物の安全性に責任を持つ建設省や消防庁は、 自己の責任を果たすためには建物の建設と利用にかかわる不便や費用を 顧みない。それでいて日本の火災件数当たり焼死者数は欧米に比べて 十二倍以上である。 公園の管理が杓子定規で使い難いことは前述したが、施設の面でも管理 重視の基準制度ができている。都市内の公園は、規模によって都市公園と 児童公園とに分かれているが、そのそれぞれに面積当たりの植樹や施設が 定められている。 ///////////////////// 堺屋太一著 ///
94 :
名無しさんの主張 :2006/04/30(日) 19:39:33
95 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/05/03(水) 21:50:14
/// 工業モノカルチャー社会 50 //////// それも、「一〇〇平米当り上木×本、中木×本、下木×本」という厳格なものだ。 小規模な児童公園の場合は、ブランコと古タイヤの遊具などをつくることも、 「例示」という形で指導されている。 こうした基準を厳格にすれば、つくるのには知恵が要らず管理するのも容易だ。 公園空間の供給者たる自治体職員は有難いだろう。しかし利用者にとっては おもしろみがなく、街には特色がなくなってしまう。本来、市民のためのはずの公園が、 建設管理者の安易さを優先させる結果になっているといっても過言ではない。だが、 この国の官僚機構では、そんな規格基準が問題にされることさえ滅多にない。 官僚の目は、官僚機構内部の責任回避と仕事のやりやすさにのみ向けられ、 それによって引き起こされている外部の不便と負担の大きさに向けられることはない。 /////////////// 「日本とは何か」 ///
この国の一番の失敗は、努力が何たるかを教えずに努力という言葉だけを教えた点にある。 質や才能といった器が大事だということを理解してないのが多すぎる。
97 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/05/05(金) 21:15:21
/// 工業モノカルチャー社会 51 /////////////// 落差の激しい同心円的帰属意識 こうした内志向は、各人の帰属意識に応じて、ときにはさらに細分化され、 ときには大きく拡大する。同じ企業のなかでも、自分の属する部課や支店が 優先され他の部課や支店と厳しく区別する。そのため、ときには同一企業の 部課や支店が顧客の取り合いに血道を上げることもある。 しかし、いったん共通の「外敵」が現れれは、相対的共通性を求めて結束する。 税制や行政の問題では各業界が団結する。外国からの新規参入には、 業界こぞって反対する。業界への帰属意識を持つ企業経営者同士は強い 連帯感で結ばれている。ふだんは過当なまでの競争をくり返している同業各社が、 政府への対応や外国との競争で「業界のため」となれば、不思議なほどに まとまりがよくなるのである。 要するに、日本人の多くは、各段階ごとに他と区別する落差の激しい同心円的 帰属意識を持っている。 ////////////////////////// 1991年刊 ///
98 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/05/08(月) 21:24:05
/// 工業モノカルチャー社会 52 //////////// 当然、この心理状況では、外国は最も外側に置かれる。このため、日本人の思考の なかで、強く意識する国内とそうではない外国との間には、天地の落差がある。世界の どこかで航空事故があれば、まず「日本人旅客」が問題となり、「いませんでした」と いえば急に記事も小さくなる。「いた」となれば、それ以降の報道は、その日本人のこと ばかりになる。いずれにしても、「外国人」は無視ないし極度に軽視されるのである。 人命にかかわる航空事故でさえこれだから、経済や習慣のことになれば、外国人無視は より著しい。貿易摩擦の問題でも、外国からの輸入で日本の産業が被害を受ければ 大騒ぎになるが、日本の輸出で被害を受ける外国の産業や労働者にはきわめて鈍感だ。 というよりも、外国の事情に対する想像力が、ほとんどの日本人には欠けている。そして そのことを、日本人は冷酷とも異常とも思わない。世界中がそんなものだと思い込んで いるからである。 ///////////////////////// 講談社文庫 ///
99 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/05/12(金) 22:08:54
/// 工業モノカルチャー社会 53 ///////// 一九九〇年代に入って、ようやく批判されるようになった「一国平和主義」も、 その延長線上の問題といえるだろう。戦後の日本人は、自国が戦争に 巻き込まれることを恐れるあまり、世界の平和がいかにして保たれているかを 考えようともしなかった。「狭くない海」で隔てられたこの島国と同様の国々 ばかりが、全世界に拡がっていると信じたがってきた。そしてそのなかでは、 わずか半世紀前に犯した侵略戦争当時の日本自体の社会心理さえも忘却 してしまっている。このため、多くの日本人は、平和と反戦を叫んでいれば 平和が自動的に生まれると思い込むことで、世界の平和を守るために 払われている努力と負担に想像力を及ぼさない。内志向の日本人は、 あらゆる面で、外延的な想像力を働かせる習慣がないのである。 //////////////// 講談社1991年刊 ///
100 :
イランジン :2006/05/14(日) 00:28:38
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101 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/05/17(水) 21:52:09
/// 工業モノカルチャー社会 54 //////// 「顔」のない経済大国 外国で、「日本について何を知っているか」と質問すると、返ってくるのはたいてい 商品名だけである。「トヨタ、ニッサン、ホンダ、ソニー、パナソニック、キャノン……」 といった類なら、十や二十はすぐにも並べられる外国人は多い。しかし、日本の文化や 制度、風習についていえる外国人はごく少ない。せいぜい「スシ」や「ヤキトリ」に 代表される料理名と柔道空手などの武道系スポーツが思い出される程度だ。 とくに稀少なのは個人名、比較的日本とのかかわりが深いアメリカでも、個人的知人 以外の日本の人名を一つでも咄嗟にいえる人は五人に一人以下である。日本の テレビ局が一九八七年に行った調査では、アメリカで最も知られた日本人は「テンノウ・ ヒロヒト」だが、それでもやっと七パーセントである。 //////// 講談社より絶賛発売中! ///
102 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/05/21(日) 20:51:18
/// 工業モノカルチャー社会 55 //////// 「国名から何が思い浮かぶか」 − この調査を、日本以外の国について行うと、 結果はまったく逆になる。アメリカでもヨーロッパでも、日本自身においても、 出てくるのはまず人名、次いで文化が多い。たとえば、アメリカといえばまず 「ワシントン、リンカーン、チャップリン、ケネディ、マリリン・モンロー」であり、次いで 「野球、ジャズ、ハンバーガー」といった類だ。イギリスといえば「シェイクスピア、 チャーチル、エリザベス女王」であリ、次に「競馬、二階建バス、ウィスキー」、 ドイツといえば「べートーベン、ゲーテ、ヒトラー」と「音楽、ビール」、中国といえば 「孔子、楊貴妃、孫悟空、毛沢東」と「中華料理、漢詩、書道」である。 ////////// 講談社より絶賛発売中! ///
103 :
名無しさんの主張 :2006/05/21(日) 20:56:02
在日はなんだろう
104 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/05/26(金) 22:20:09
/// 工業モノカルチャー社会 56 /////////// もちろん、日本でも外国でも、人名や文化の内容がまったく知られていない 国は多い。セイシェルやベリーズの国名から何かを思い浮かべることの できる人は、特別の関係者かよほどの物識りであろう。だが、そういった国は、 商品名もまったく知られていない。 日本のように商品名だけは知れ渡りながら、人名も文化の内容も知られて いない国は、ほかにどこがあるだろうか。思い浮かぶのはスリランカの紅茶と サウジアラビアの石油ぐらいだ。おそらく、たいていの外国人が十も商品名が 並べられるのに人名は一つも思い浮かばない国は、世界中で日本だけでは ないだろうか。つまり、日本は「顔のない経済大国」または「工業製品だけを 吐き出すブラック・ボックス」なのである。 /////////// 講談社より絶賛発売中! ///
105 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/05/30(火) 21:55:51
/// 工業モノカルチャー社会 57 /////////// いま、日本は「特殊な国」か、「特殊ではないのか」という議論も盛んだが、 少なくとも、この点ではきわめて「特殊」だ。そしてそのことこそ、日本を 考えるうえで最も重要な鍵でもある。そこに、今日の日本と日本人の特色が 集約されているからである。 権限が下部にまで分散している日本では、工業製品の設計や企業の経営を、 特定の個人の名前と責任に帰すことは難しい。もし、あえてそれをする者が あれば、嫉妬深い仲間から大いに非難されるだろう。そしてそれこそ、内志向の 日本人の最も恐れるところである。 ///////////////////////// 1991年刊 ///
106 :
死の丸 :2006/05/30(火) 22:21:10
インドネシアに政府が派遣した国際援助隊のテントに張り出した日の丸、何あれ?w これ見よがしと言うか、押し付けがましいと言うか、2chで旗や歌は直接感性に訴える視聴覚効果があると教えられて、バカの一つ覚えでやってるのだろうが、アジア諸国じゃ日の丸は侵略の象徴になっている。 そんなものデカデカと出しても顰蹙を買うだけ。 逆効果だ。 国体が変わったら国旗国歌も変える、これ世界の常識。 変えてないと言う事は内容も変わってないと言う事。 日本は非民主国家だと世界にアピールしているだけw
107 :
イランジン :2006/06/04(日) 13:29:25
i .: : :.l : :|i :!,. ;t 十l: l.l: l |:L_ .i`i: : l / l : : : :l::: :l: :i l:! __!, l:l l:! ll,._` l.|:!:. l / l : : : :l : l::l ,.r‐t-!、 tl rt-!、 l:l::i.. l / | .: : :;,,l : :l:! / iー' l l' l l.!i::l:: l ,.、 l : : :i,ヘl:: :l:l ` ヒ,__,ノ ヒノ. 'il:: l:: l /,,,,,,\ l :: :: ヽ,i:: :l゙ "" ___ ' "i : !:;,! ,.. -ー'' ll;;;;;;;;;;;;゙i゙i ! : : : : : l ::l !`' Y /:r'´ /::/ l ヽ;;;;;;;;;;;l l 天皇陛下は | : : : : ,: l:::lゝ.,, ヽ、 ' ,, イ:!i l;;;;l p | l;;;;;;;;;;;l l シゴトしろ!! l : : : : i: :ヽl : : :`T'' r:;‐''::´i: : l! .l;;;;l .leer. .l ,/;;;;;;;;;;;l l l :: :l : :l: : : : :,.K´` t, λi:;!: : ::li゙‐.!;=!r ...,,,__ ll;;;;;;;;;;;// l :l :l: : l:: : :i :!. `'' t ` ''´ lヽ;!: !' /つヘ~t \ '''''/ l :l :l,:: l: : :l,l ::', .i (…) .l ヾ、 iλニ l `´ ヽl`! ;:ハ: ;:l:::i: :l .l. '" l ヽ,,..〉i⊂ニ ! \ ゛ ,ソヽ! ;;i l l '´ |;;;;;l,r' \ !.l .l l ,,ィ`ー' \
108 :
名無しさんの主張 :2006/06/04(日) 13:33:13
↑右翼の実態 そしてお前も仕事しろ
109 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/06/04(日) 18:25:13
/// 工業モノカルチャー社会 58 //////// 政治家や芸能人など知名度が職業的に必要な人々を除けば、 圧倒的多数の日本人は、外国や世間一般の著名度よりも仲間内の 評判をたいせつにする。学者や芸術家でさえも、世間での作品業績の 評価と著名度よりも、学界や文壇、画壇の人格的評判を気にするし、 そうすることが「利口な生き方」になっている。 //////////////////// 講談社文庫 ///
110 :
イランジン :2006/06/08(木) 21:31:26
ノi_,.- z__ __, , ( / / ,r<,__, / |! ,r┘ ,.−− 、 >‐' 天皇なんかイランわ!! / |!、 _,ノ '´ ̄`_,. ‐'´ヽ、 / 、′|!| ー‐/ // i \ <,_ー‐ ト!_,.-'^ー''ー'´ ̄'¬‐ 、_、,_ | ’ |!| _,ノ'1l ト、ヽ、ヽー=ニニ/´ / / } | |、 | / | ヾヽl、_v'ニニ ヽ!>)| ! / / / / l ヽ、_ | //| ソi7  ̄´ /イ | |/ /‐'´ ̄`マ_,.‐'¬ `'! |/_ | / |ヾニコ / /へ、| |‐'´ ヽ、r j i `′ / | _`二k jl l LJ'´ _,ノレr'´ '′ | ̄`ヽ.´´  ̄「| / / ー=;‐' 、 、 `ヽ. ,. ‐¬ j \ l ! /// / f'リ_,_'、nヽ>' _,ノ ヽ \ >〉// / ノイ{'=i ´,、 リ>'゜,、-'゙/ ゙、 −- 、_\.イ{´/ / } ハ、<r'ニ´ /´\( j、_ ー‐`ヽj_} _,. 〉 ノ' >lj'r'r/´ `ヽ, / `ー、 `< / | 1´′ ! / ,_____,.>、'''"~´ ̄ ̄>'^' 、 i ! _,,、-¬ ! \ ー-、__,>、 // \,_ 。 j ト、 ´"''−- 〉 /\ /`ー<_/ /'−-
111 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/06/10(土) 18:53:47
/// 工業モノカルチャー社会 59 ////////// この国では外国にも個人名の知られるような独創的個性は、 それぞれの専門分野の人脈には入り難い。むしろ自らの個性と 自己主張を抑え、それぞれの属する企業、官庁、学界、文壇、 画壇等において、当たり障りのない世話好きとして生きるほうが、 はるかに生きやすく成功率も高い。なかには、ただそれだけを 何十年間かつづけたことで、学界や文壇、画壇の「重鎮」となった 人も多い。斯界の最高位とされる学者や文人が、学術的業績や 著名な作品が皆無に等しい例もけっして珍しくない。 ////////////////// 「日本とは何か」 ///
112 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/06/12(月) 21:55:42
/// 工業モノカルチャー社会 60 ////////// 日本国内の、それもそれぞれの専門家集団のなかでしか 知られない世話役的人脈ほど普遍性のないものはない。 それがきわめて重要だという日本社会の評価基準は、完全に 国際性を欠いている。日本人の海外旅行が一般化し、海外駐在が 増えた今日でも、この点ばかりは改まる気配がない。 むしろ若年層ほど人脈的思考が強まっている。 /////////////////// 講談社1991年刊 ///
113 :
名無しさんの主張 :2006/06/16(金) 22:16:10
★中村教授に技術賞 青色LEDの開発たたえ
フィンランド政府などが出資するミレニアム技術賞基金(本部・ヘルシンキ)は15日、
優れた技術者に与える2006年の同賞を、青色発光ダイオード(LED)を開発した
中村修二米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(52)に授与すると発表した。
賞金は100万ユーロ(約1億4700万円)で、技術者を対象とする賞としては世界
最高額という。授賞式は9月8日にヘルシンキで開かれる。
同基金は、中村教授の功績で青色や白色LEDの大量生産が可能になり、省エネ
照明や、大容量のDVDへの応用も進んで、人々の生活の質を向上させたと評価した。
中村教授は、同基金を通じ「青色LEDが与える一番のインパクトは省エネで、世界
の貧しい国を助けるのに役立つ」とコメントした。
(共同通信) - 6月15日22時11分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060615-00000241-kyodo-soci 7 名前:名無しさん@6周年 投稿日:2006/06/16(金) 02:56:07 ID:j4A2K7hp0
日亜化学はこの人の技術は使えないとか言ってたろ
8 名前:名無しさん@6周年 投稿日:2006/06/16(金) 02:56:10 ID:aRHDrb850
日本政府は彼に何かしたのかな?
20 名前:名無しさん@6周年 投稿日:2006/06/16(金) 03:12:00 ID:dH/LRGOT0
会社の協力も無視して全部自分の手柄にして
いくらもうけたんだろう
114 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/06/19(月) 21:42:52
/// 工業モノカルチャー社会 61 /////////// 日本文化が他の国々のそれに比べて特別の伝統と微妙さを 持っていることも、日本語が翻訳し難いニュアンスを含んでいる ことも事実だが、日本の文化的孤立性はそうした「過去」にばかり 起因するわけではない。現在ただいまの日本と日本人の持つ 強い内志向的発想と仲間内評価の重視もまた、日本をして 「顔のない経済大国」にしている大きな − おそらくは最大の − 要因であろう。 /////////////////////// 講談社文庫 ///
115 :
オナニー革命 :2006/06/22(木) 03:04:07
今日もオナニー!!明日もオナニー!!
116 :
イランジン :2006/06/23(金) 18:36:10
宮内庁の野村一成東宮大夫は23日、定例記者会見で、皇太子ご一家が8月中旬から下旬にかけて私的にオランダを訪問し、雅子さまの治療を兼ねて静養されると発表した。 皇太子ご一家としての外国訪問は初めてで、静養を目的として私的に海外を旅行するのは過去にはなかったケース。 雅子さまの治療を担当する東宮職医師団は「静かな環境でのご静養、特に3人でゆっくりと時間をお過ごしになることは治療的に有意義」などとする見解を宮内庁を通じて公表。天皇、皇后両陛下も理解を示しているという。
117 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/06/24(土) 19:54:25
/// 工業モノカルチャー社会 62 ////////// 工業モノカルチャー大国 平成の日本社会全般に広まった内志向と仲間評価の優先は、 日本式経営の精神的基盤にもつながっている。内志向は職場単属型の 人間を育て、閉鎖的労使慣行を生みやすい。仲間評価の優先は、 権限の下部分散による集団主義をつくりやすい。そしてその二つが 永年つづけば、企業全体が従業員共同体と化すことにもなるだろう。 同じことは、政府官僚組織にも、政治家、学界、文壇、画壇にも 拡がっている。平成の日本は、日本式経営の原理と心情が全面的に 拡がった社会ということができる。 //////////// 講談社より絶賛発売中! ///
118 :
名無しさんの主張 :2006/06/25(日) 07:20:06
安倍シンゾウは小学校から私立(成蹊)この男はなんの苦労もしていない。 受験すらしていない。まさに格差社会の象徴。 こんな人物しか次期候補にでてこないのはそれだけ日本の社会が劣化してる 証拠。
119 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/06/30(金) 22:49:07
/// 工業モノカルチャー社会 63 /////////// 日本式経営は、規格大量生産の製造業に適した組織原理であるとすれば、 それが全社会的に広まった平成の日本は、規格大量生産に適切な社会、 つまり最適工業社会である。 だからこそ、規格大量生産型工業においては、日本は世界に冠たる生産力と 競争力を誇っている。トランジスターも自動車も、電卓もICも、規格大量生産段階に なれば、必ず日本が最大の生産力と競争力を発揮した。コンピュータでさえも、 多品種少量生産の大型化時代にはアメリカにかなわなかったが、大量生産の 小型化が進むにつれて日本が優位に立つようになっている。パソコン、ファミコンに 至っては圧倒的だ。日本社全が、規格大量生産に適した心情と組織原理を 持つ限り、この状況はつづくだろう。 /////////////////// 「日本とは何か」 ///
120 :
名無しさんの主張 :2006/06/30(金) 22:56:12
でも、多くを アジアに取られつつあるんだろう
121 :
イランジン :2006/07/02(日) 13:37:58
.|.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:l|:::|::|‐'"|:::|::::::| ゙、::从 ,.-‐__ ゙、゙、::::|メ人ノ:.:.:.:::|:::| |.:.:.:.:|.:.:.:::::::::l|,‐'||:::::::|:_|ニ二 ゙、l:| ''"イ::::::゙'、、,._:::| |=、|.:.:::::::|::| |.:.:.:.:|.:.:.:.:::::::l|:::::l|::,/:::::: ̄ヽ |:::::::::::゙、゙、ヽ |/ヽl.:.:.:.:.::|::| l|.:.:.:.::|.:.:.::::::::l|:::::///::::::::::::| |○:::::::::| l;ゝ/ヽ |.:.:::::::|::| 天皇といえば封建社会の象徴!! /|.:.::::::|.:.::::::::::l|:::::゙、イ |○:::::o:| ゙、:::::::::o| / /,.- ノ.:|::|::::|_:| |:|.:.:.::::|l.:.::::::::l:|::::|l:゙、゙、ヽ::::::::ノ ‐‐--,,.' ./:,. /::::|:|::::|ヽ| 国民から年貢や税を取り立てて今に至るわね。 /,|.:.:.::::|l.:::::::::::l:|::::|l::ヽ ヽ‐''"~ ヽ 〃〃 /,.,‐'":|.:.:::|:|::::| l| l| |.:.:::::|l.:|.::::::::l:|:::|.:|::l、.、 〃〃 ┌──┐ ./::|::::l:::|.:.:::|::|:::| || 天皇は神だとか言うひともいるけど l| |.:.:.:::|l、:|::::::::l::|:ヾ、:l|::゙..、. ゙、 .| ./:|:::|::::|:/.:.:.:|::|::/ l| l| |.:.:.:.:|lヽ|:::::::::|、l::゙、ヽ|::::::::゙'::...、 ゙ヽ、,/ ,..‐'"::::::|:::|::::/::::::/|::|/ |l ただの人間なのよ! |l |.:.:.:.:.|lヽ|::::::::::|:l:::゙、ヽ|:::::::|:::::::::::゙,'‐,.,.,.__,.,.‐'" |::::::::::ノ|::|:::/:::::/‐l/ | |::::::::| ゙、|:::::::::、|::::\\::::|::::::::::::| .|::::::::/ノ::|::/::::/ / 戦後の教育に洗脳されてるだけやのよ!!! l|:::|::| ゙、:::::::゙、゙、ヽ\ヽl|_,.,.ノ ゙.、::ノ/ノ|/:::/ / l|ノl ,メ、゙、::::| \ヽ ヽ / ,.,.‐''" ヽ_‐'" ////''゙''ヽ、 l|l'"./ ヽ\゙、 ヽ/‐'" ,.,.-‐''''"~ヽ、___/"// ゙'ヽ、
122 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/07/06(木) 21:51:30
/// 工業モノカルチャー社会 64 /////////// しかし、より迅速な決断と多様な創造を要求される多品種少量生産の 超大型技術分野や情報や流通などの面では、日本式経営の持つ 雇用硬直性と集団主義は少なからぬマイナスになるし、行政機構に 持ち込まれれば総合調整不能な供給者優先行政になってしまう。 ましてや、決断と創造そのものである政治や学術・芸術になれば、 「密室の停滞」以外の何ものも生まれない。要するに今日の日本は、 すべてが規格大量生産型工業に適するようにつくられた「最適工業社会」 であり、そのための心情と組織原理だけが全社会的に定着した 「工業モノカルチャー国家」なのだ。 //////////////////////// 1991年刊 ///
123 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/07/16(日) 18:50:16
/// 工業モノカルチャー社会 65 /////////// かつてスリランカやキューバのような典型的なモノカルチャー国では、すべての 土地が紅茶や砂糖の生産に適するように改造された。優れた労働者とは茶畑、 砂糖きび畑で働ける人材のことを指した。政府官僚は紅茶や砂糖に関する知識と 技能によって組織されたし、情報機構はそれに関する報道に適するように組織 されていた。このため、極端なモノカルチャー社会では、当該産業(スリランカの 紅茶やキューバの砂糖)の生産はきわめて効率的に行われたが、それ以外では 不合理と非効率と無知無策が著しかった。このため、いったんモノカルチャー 体制に陥った社会は、それから脱出することが容易ではない。 /////////////////////// 講談社文庫 ///
124 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/07/22(土) 19:55:50
/// 工業モノカルチャー社会 66 /////////// この例は、「工業モノカルチャー国」日本にも当てはまる。近代工業の 拡大発展を目指して、制度、組織、教育、市場構造、地域構造等から 人間の評価や行動基準までを、規格大量生産型の製造工業に適合させて きたため、それ以外の分野には不合理と非能率と無知無策が積み重なっている。 だがそれが、規格大量生産に適合してつくり上げられた社会体制と価値判断の 結果であることに気づく者は少ない。このため、多くの日本人は、この国に 渦巻くようになった不安と不満を、根本的な社会の質の問題としてではなく、 ごく個別的な部分的手直しや担当者の変更ないしは再教育程度で改善 しようとしているのである。前述した一九八○年代の「貧しさ探し」は、 その典型といえるだろう。 /////////////////// 「日本とは何か」 ///
125 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/07/29(土) 19:48:36
/// 工業モノカルチャー社会 67 /////////// 「豊かさ」とは好みが満たされることだ もっとも、工業は紅茶や砂糖のような単一商品ではないし、そこで利用 される技術も多様である。何よりも新製品の開発を通じて、ほとんど無限に 需要が伸びる。したがって、規格大量生産型工業への特化は、日本に 経済発展をもたらしたばかりではなく、全社会的な近代工業化を促した。 また、特定農産物に依存するモノカルチャー経済のように、国際市況の 変動に国民経済が左右される危険も少ない。つまり、経済的に見る限りでは、 きわめて有利な分野への特化であった、といえる。 ///////////////////// 絶賛発売中! ///
126 :
名無しさんの主張 :2006/07/29(土) 20:09:47
127 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/08/04(金) 22:16:30
/// 工業モノカルチャー社会 67 /////////// しかし、たとえそれが、技術的基盤の広い需要拡大率の高い工業製品群 であったとしても、特定産業への特化は、社会全般の多様性と選択性を 乏しくする点では、モノカルチャー社会的特色をまぬがれない。今日の日本が 「顔のない経済大国」なのはそのためだ。そしてそのことが、統計的な 数値の「豊かさ」にもかかわらず実感としての「豊かさ」が乏しいという 結果にもつながっている。 /////////////////// 「日本とは何か」 ///
128 :
名無しさんの主張 :2006/08/04(金) 22:48:25
今月さぁ広島と長崎の原爆記念日があるけど 「記念日」って基本+イベントの時使うよな! 原爆記念日ってかなり−イベントだよな! という事は「記念日」って使うの変じゃね?
129 :
名無しさんの主張 :2006/08/05(土) 19:51:49
age
130 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/08/12(土) 19:36:54
/// 工業モノカルチャー社会 68 /////////// 昭和二十四年といえば、餓死する人はいなくなり、子供の出生率が最高に なった年である。つまり、単に生物として生命を保ち子孫を絶やさぬだけなら、 その程度でも可能なのだ。人間がそれ以上の所得を求め、より多くを消費 するのは、感覚的心情的社会的な「好み」を満たしたいからである。 ところが、人間がそれぞれの「好み」を満たすためには、ただお金があればよい、 というものではない。お金があること(つまり所得の高さ)は、「好み」を満たす ための経済的可能性を与えるという点できわめて重要な必要条件には 違いないが、けっして十分条件ではない。本当に「好み」が実現されるためには、 もう二つ、「好み」に適した選択を可能にする多様な供給がつねに継続している ことと、それを実現するための時間的余裕のあることが伴わなければならない。 /////////////////// 「日本とは何か」 ///
131 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/08/18(金) 21:30:43
/// 工業モノカルチャー社会 69 /////////// 人間が本当に「豊かさ」を実感するのは、自らの「好み」が満たされた場合 である。生活水準がきわめて低い場合なら、何よりも「生きる糧」がたいせつ だが、それに必要な物的需要はさほど多くはない。ある研究家の調査によれば、 もし今日の日本で、一九四九年(昭和二十四年)頃の平均的な生活をする とすれば、持ち家が前提なら東京でも四人家族で月七万四千円もあれば 十分だという。 ////////////////////// 堺屋太一著 ///
132 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/08/24(木) 22:20:38
/// 工業モノカルチャー社会 70 /////////// すべてを規格大量生産型工業に適するように仕組んだ日本社会には、 あらゆる面で供給の多様性が乏しく、それぞれの「好み」を満たすだけの 選択の自由がない。初等教育は没個性的均質教育に統一されているし、 病院医療は標準医療制度によって規制されている。商店街のつくりも 公園の造作も似たようなものだ。そのうえ、東京一極集中政策によって 頭脳機能にたずさわる職業を選べば、東京における狭小な住居と長距離通勤を 強いられるし、地方での生活を求めれば、規格大量生産の現場か創造性の 乏しい地域サービス業務にしか就業の場がない。この国では、職業と 生活とを、ともに「好み」に合わせて選ぶことは不可能に近い。 ////////////////////// 1991年刊 /////
133 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/09/02(土) 01:07:48
/// 工業モノカルチャー社会 71 /////////// 日本が、本当に「豊かさ」を実感できる国になるためには、より多様な供給を許し、 より多くの選択の自由を可能にしなければならない。だが、それは、工業モノカルチャー 社会としての利点、「最適工業社会」をある程度放棄することをも意味している。 規格大量生産型工業の発展拡大によって経済的に成功を収めた日本が、あえてそれに 踏み切れるか否かは、「平成の日本」の重大な課題である。日本がいま、この二十世紀の 末に、そのような「最適工業社会」を形成しているのは、日本国土の風土、そこに 生きた日本人の歴史、そしてそれらが生み育てた日本文化の長い伝統に由来する ことだからである。 /////////////////////// 講談社文庫 ///
134 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/09/03(日) 19:30:02
/// 工業モノカルチャー社会 72 /////////// 未来を考えるときには、まず現在を知らなければならない。 現在を知るためには過去を探らなければならない。日本の 未来を考えるためには、この国の由来を見きわめるべきだ。 国際的な位置づけにおいても国内的な体制改革においても、 きわめて重大な時期にさしかかったいまこそ、「日本とは何か」を、 われわれ日本人は見つめ直してみるべき秋だろう。・・・・・ /////////////////// 「日本とは何か」 ///
135 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/09/07(木) 22:11:53
136 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/09/10(日) 19:50:39
/// 日本における「文明の犯人」 1 //// 堺屋太一著 「日本とは何か」 講談社 1991年刊 講談社文庫, 税込価格:\580, ISBNコード:4061855948 より 第五章 文明を左右してきた資源と人口 ・・・・・ 日本における「文明の犯人」 外国文化を取捨選択する習慣 ・・・・・始代から中世に至る世界の文明の能様を追ってみたのは、ほかでもない。 日本の文化、日本人の性格を考えるうえで、この国の「文明の犯人」、資源環境と 人口と技術の関係を整理してみたい、と考えたからである。 ////////////////// 堺屋太一著 ///
137 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/09/15(金) 22:03:19
/// 日本における「文明の犯人」 2 /////// 何度も指摘しているように、日本は島国だ。それも周辺の地域とは「狭くない海」で 隔てられた「半孤島」である。だから、文化や文明、技術、情報、それに少数の 人々が入ってくることは古くから可能だったが、資源を大量に運ぶことも、大人数の 集団が一挙に移動してくることもなかった。絹糸や陶磁器を持ってきたり、銅や銀を 持ち出したりすることはできても、大量の燃料や食糧を輸出入することは明治以前の 日本ではあり得なかった。つまり、資源環境でも人口動態でも、ほぼ日本列島の 内部で完結していたわけである。その意味で日本は、一種の実験室的な国だった といえるだろう。 ///////////////// 「日本とは何か」 ///
138 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/09/22(金) 21:29:13
/// 日本における「文明の犯人」 3 /////// ただ技術や思想だけは、他の諸国以上に外国に依存していた。したがって 日本は、資源環境と人口動態の異なる場で生まれた技術や思想を利用する ことになる。そのことが、日本の発展を特殊なものにした。 日本に大陸の進んだ技術や文化が入り出したのは、この国の歴史がはじまる 以前のことらしいが、本格的な流入は四世紀頃はじまったと見てよいだろう。 灌漑、農耕、冶金、工芸、建築などの新しい技術が、仏教や儒教などの 思想とともに、帰化人によってもたらされ、土地と資源の開発が急速に進み 古代国家が形成される。これによって日本は、遅ればせながら始代から 古代に転換する農業革命を経験したのだ。 //////////////////////// 1991年刊 ///
139 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/09/28(木) 23:16:42
/// 日本における「文明の犯人」 4 //////// それまでの日本にも、いくつかの小地域的な「政権」があった。最近の発掘で 「大和王朝」の形成は三世紀に遡ると見られるようになったが、統治力が及んで いたのは河内平野と大和盆地ぐらいで、その周囲はまだ未開といってよい状態だった。 そしてそれとは別に北九州や出雲にも小勢力があり、越前あたりにも何らかの 政治勢力があったらしい。自然の水流によって米作を行っていた程度では、 いずれの政権でも資源の量も限られ人口も少なかったことであろう。 そこへ中国から朝鮮半島を経由してどんどん新しい技術が入ってくる。新技術を 持った人々が帰化人として流入する。このため、飛鳥時代後半から土地開発が進み、 関東以西が統一された。この結果、日本は人口の割には物財の豊富な時期を 経験することになる。それが頂点に達したのは、おそらく奈良時代の初期であろう。 ////////////////////// 講談社文庫 ///
140 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/10/03(火) 23:31:29
/// 日本における「文明の犯人」 5 //// このため、奈良時代には華やかな大型文化が花開いた。西暦七四七年に 着工された世界最大の銅溶着像・奈良大仏は、その成果をいまに伝えている。 大仏建立時の東大寺は、現在見るものよりもはるかに大きかった。大仏殿は いまの二倍ほどの容積だったし、その左右には九十メートルを超える七重の塔が あったという。全国の人口が五百万人以下だった当時としては、何とも凄いものを つくったものだ。しかもそれは、日本古来の文化とは正反対に、建物は朱塗り 仏像は金箔貼りというきらびやかなものだった。奈良時代の日本人は、いかにも 古代文明的な物財誇示の好みを持っていたのである。 //////// 講談社より絶賛発売中! ///
141 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/10/05(木) 23:10:01
/// 日本における「文明の犯人」 6 /////// しかし、この頃すでに先進国の中国では古代文明が衰退して久しく、宗教的な 社会主観の社会、つまり中世が完成していた。このため、日本への技術の流入も 一通りのことがすむと中断する。そのうえ、これと一緒に流入した思想はいかにも 中世的で、古代文明にあこがれる日本人には受容し難いものが多かった。 素晴らしい先進国で普及しているのだから、よいはずだと思ってみても、どうにも 納得ができない。ごく一部の外国かぶれが感心するだけで、一般庶民にはなじめ なかった。 このことから日本人は、外国文化のある部分を受容し、他の部分を峻拒する 選択の習慣を身につけた。古代の日本人は、中国文化の熱心な模倣者であり、 多くのことを中国に学んだが、同時に、他の国々には例を見ないほどの頑固な 拒否者でもあった。 ///////////////////// 堺屋太一著 ///
142 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/10/09(月) 22:38:29
/// 日本における「文明の犯人」 7 //// たとえば「宦官」は中国文化の重要な一部であり、朝鮮や西域はもちろん、 遠くペルシャやビザンチンにまで拡がった。しかし、日本だけはこの制度を ついに入れなかった。遊牧社会の経験がない日本には去勢の技術が なかったからだという説もあるが、それだけとは思えない。銅の溶着技術を 学んで四十年間で世界最大の大仏をつくったほど技術習得力の高い 日本人が、去勢の技術だけは学べなかったはずがない。日本人はその 習慣を真似ること自体を拒否したのだ。 日本人が拒否した中国文化のなかには、道教思想や易姓革命、同姓不婚、 科挙の制度、北宋画および肉食の習慣などがある。もし日本が、もう 五百年早く、中国において古代文明が栄えていた漢代に農業革命を起こす 状況になっていたとすれば、より多くのことを中国に模倣したかも知れない。 ////////////// 「日本とは何か」 ///
143 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/10/16(月) 22:16:18 ID:yojXWp3Q
/// 日本における「文明の犯人」 8 ///// 短かった日本の「古代」 日本が農業革命を進めたとき、先進国・中国は既に中世に入っていた。この 時期的ズレは、日本人に外来文化を取捨選択する習慣を身につけさせただけ ではなく、外来文化の「日本化」をも義務づけた。物財が多いことに幸せを感じる 古代的発想に立っていた飛鳥・奈良時代の日本人には、神仙思想や仏教思想に どっぶりと浸った隋・唐の中国思想は、そのままでは受け入れられなかったからだ。 このため、奈良時代も末期になると、中国文化のなかから受け入れやすいものを 選んで日本化する動きが強まり、独自の日本文化へと昇華していく。日本人が 漢字で日本語の発音を書き写すことに満足せず、これを簡略化して表音化する 仮名文字を早々とつくり出したのは、その現れである。 ///////////////////// 1991年刊 ///
144 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/10/20(金) 22:44:10 ID:SquFcFlR
/// 日本における「文明の犯人」 9 /////// しかし、その半面では、中国と日本との文化発展時期の大きなズレは、日本の 古代を急激で短いものにもした。学ぶべき師・中国が新しい技術開発を停止 していたため、蓄積された技術群を学び終えると、それ以上の新技術が入らなく なってしまったからだ。その頃、中国で発達していたのは、日本人には分かり難い 社会主観、つまり宗教的思想の深化だったのである。 八九四年、菅原道真の提議によって、日本は遣唐船を廃止する。このとき、 菅原道真は、「もはや中国へ行っても買うものがない」といっている。「学ぶべき 新しい文化が生まれていない」という意味だ。それからの三百年間に、中国から もたらされた主要な文化は、禅に代表される非生産的宗教思想であった。 /////////////////////// 講談社文庫 ///
145 :
名無しさんの主張 :2006/10/22(日) 08:12:18 ID:STKGh7He
「日本型うつ病社会」の構造 加藤諦三 PHP研究所 2003年の本なので、内容がちょっと古い 第1章心の病にかかっている日本人 第2章高度経済成長で日本人が失ったもの 第3章日本人の心理を無視した景気回復政策 第4章うつ病社会を生きる人々 第5章変化をどう受け止めるか 第6章日本の活路 心理学者から見た停滞する日本の現状と未来 経済論に哲学がない! テレビにでてくる経済評論家は、ちったあ心理学を学べ! といったところでしょうか
146 :
名無しさんの主張 :2006/10/23(月) 23:31:51 ID:+pMhcuxV
性交経験をカースト制度に例えると、 素人童貞・・・バラモン(聖職者) やりたくてもできない真性童貞・・・クシャトリア(王侯貴族) 素人・風俗ともに非童貞・・・バイシャ(平民) あまり性交に執着しない真性童貞・・・シュードラ(奴隷) カースト以下w 素人非童貞で風俗童貞・・・アチュート(不可触賎民)
147 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/10/27(金) 21:43:24 ID:3VdR+4/n
/// 日本における「文明の犯人」 10 /////// だが、その間にも日本の人口は急増、平安時代初期には八百万人近くに なっていたと見られている。奈良時代初期の四百万人に比べると、ほぼ一世紀の 間に二倍になったわけだ。このため、技術の進歩が止まり、開発可能な土地と 資源が限界に達すると、日本は資源不足社会になっていく。平安の世は、 時が進むにつれて文化が小型化するのはこのためである。 平安時代には華やかな王朝文化が花開いたとはされているが、そこで展開 されたのは、きめ細やかな人間関係を中心とする小型文化だった。平安貴族は、 物財に興味を示さず、その生産量を拡大するための施策も採らなかった。 彼らの多くは、整った律令制政府機関の高官だったが、その関心はもっぱら主 観的美意識の世界に注がれていた。 /////////// 講談社より絶賛発売中! ///
148 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/11/01(水) 23:16:10 ID:kpeokS+i
/// 日本における「文明の犯人」 11 ////// 『源氏物語』の主人公光源氏は、この時期の典型的な貴族像であったろう。 右大臣の要職にありながら、ただただ美意識の世界に耽溺した光源氏の生き様は、 清談にうつつを抜かした晋の司徒(首相)王衍を思わすものがある。「古代」と「中世」 とを、文化の態様と人々の意識によって分けるならば、少なくとも平安時代前半には 日本の中世がはじまっていたというべきである。 つぎにこの国で資源が豊富になり、モノ余りの社会が実現するのは十六世紀の 戦国時代だ。室町時代の中頃、十五世紀後半になると、また中国から新しい技術が 入ってきた。それは中国の「亜近代」ともいうべき宋代に完成された技術群である。 ///////////////////// 堺屋太一著 ///
149 :
オナニー革命 :2006/11/01(水) 23:34:17 ID:mr9AcUSN
みんな、オナニー革命で世界平和を築こう!!
150 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/11/05(日) 19:31:49 ID:82SFSWFd
/// 日本における「文明の犯人」 12 //// その第一は、沼地から水を抜いて水田に変える排水技術、あるいは山地に水を 供給する高度な灌概技術である。次には新しい作物が流入する。さつまいも、 木綿、莱種、いんげん豆などだ。この二つが相まって、これまで農地に適さないと 思われていた土地が耕作に活用されるようになり、可農地が大幅に増えた。 こうした新しい技術によって開発された土地の生産力を背景にして、各地の地主 (豪族)が勢力を伸ばし、自立した領主として領地経営に当たるようになる。 室町幕府の中世的支配が崩れ、実力のある者が勢力を拡げる下克上の時代が はじまったのだ。そしてそのことがまた、組織の強化と人材の発掘となり、一段と 経済を盛んにした。 ////////////// 「日本とは何か」 ///
151 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/11/09(木) 21:53:35 ID:z7LZcjbJ
/// 日本における「文明の犯人」 13 /////// 十六世紀になると、各地の豪族たちは競って新技術を導入し、土地を開発し、 利水施設を建設する。ちょうどその頃には、坑木で支えて深いところまで鉱石を 掘る鉱業技術も入ってきた。精錬や冶金の技術も進んだ。十六世紀後半になると、 これに南蛮の技術も加わった。なかでも重要なのは「金銀吹き分けの術」と いわれた水銀精錬法である。このお陰で日本の金銀銅の生産量は大幅に伸び、 貨幣用金属が十分に蓄えられた。これが土地開発による農業生産の増加と 相まって商業の発展を促し、適地適産を進めた。 ////////////////////////// 1991年刊 ///
152 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/11/12(日) 20:18:14 ID:523+HeCl
/// 日本における「文明の犯人」 14 //// 織田信長が関所を廃して「楽市楽座」を行ったのは、増大する商業需要に 対応した政策だった。当初はそれを秩序の破壊と恐れた畿内の商人たちが、 数年後には熱烈な信長支持に転向するのも、統一市場の形成による巨大な 利益を実感したからであろう。逆に将軍足利義昭や本願寺が反信長になったのは、 その政策の革新性が旧勢力全体の基盤を滅ぼすものだったからである。 //////////////////// 講談社文庫 ///
なんか、気付けば、北斗の拳に出てくる、権力者に逆らえない庶民みたいになってる あ〜、なんか今の世の中、徒党を組んで好き勝手するムキムキ傲慢な種類の方が得な気がする やっぱ現実は、基本的に暴力なり権力なり、力が支配するんだな
154 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/11/15(水) 23:25:56 ID:AsJ2i/1U
/// 日本における「文明の犯人」 15 ////// 日本のルネッサンス − 戦国時代 「戦国時代」といえば、とかく弱肉強食の戦乱の世と思われ、か弱い 庶民は武将の野心と強欲に苦しんだ悲惨な時代という印象を持たれがちだが、 けっしてそればかりではない。下克上の乱世を呼び起こしたのは技術の 進歩と開発の進展による経済力の拡大であり、生活の向上と人口の 増加であった。 ///////// 講談社より絶賛発売中! ///
不公正な選挙制度、小選挙区制で出来た衆院でいよいよ教育基本法改悪案が可決される見込みとなった。 産めよ増やせよで老人の為に子供の乱造を奨励していたのは、実は、兵役人員の確保でもあったw 兵役に素直に従う国民の養成、それが今回の教育基本法改悪の目的だ。 小選挙区制の暴走が続くw こんな制度に誰がした?
タバコで少なくとも、2兆8千億の国庫負担が起きている。
タバコ税の収入を、 国の医療負担費が大幅に上回るため。
タバコの適正価格は、マクロ経済学上は1400円となる。
1本あたり8円の国庫負担が 起きているのが実情。
そして非喫煙者は知らない大きな副流煙被害を受けています。
タバコ税を大増税し被害者救済にまわさせましょう!
この時期は、タバコ増税について税制調査会で話し合われる。
厚生労働省はタバコ増税を提言しており、
今回こそタバコ大幅増税を実現するために我々は意見しようではないか!
結果は2006年12月に出る!がんばろう!
政府へ意見しよう!
http://www.e-gov.go.jp/policy/servlet/Propose また路上禁煙条例化によって子供の健康の害が
更に減りますので最寄の役所などに陳情しましょう!
/// 日本における「文明の犯人」 16 /////// 確かに戦争は多く、その都度、家を焼かれ田畑を荒らされ、暴行殺害を 受ける百姓も多かったが、それとて、それ以前の時代の野盗乱輩の被害 よりはましだった。当時は庶民百姓といえどもけっしておとなしい被害者 ではなく、ときには武士になり、ときには落武者狩りをする大胆で獰猛な 集団だった。「本能寺の変」で織田信長が殺されたというだけで、たちまち 各地の地侍や百姓が猛り拉ち、堺から伊勢に出ようとした穴山梅雪の一行は 殺されたし、甲斐にいた河尻秀隆は城ぐるみ潰された。まだ、武士と農民の 区別がはっきりしていなかったのだ。 ////////////////////// 堺屋太一著 ///
158 :
名無しさんの主張 :2006/11/19(日) 20:52:42 ID:SkKzdS3i
>>149 北関東支部でミッションコンプリート(`∧´ゝ)
159 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/11/23(木) 21:27:20 ID:QCDT0KRa
/// 日本における「文明の犯人」 17 //////// 経済の発展は、人口の増加をもたらした。平安初期から室町中期まで 日本の人口は大して増加せず「応仁の乱」の頃もまだ八百万人前後だった。 ところが、この頃から顕著に増えはじめ、一六〇〇年の関ケ原合戦の頃には 千六百万人に達していたという。百年余りの間に、ほぼ二倍になったわけだ。 そのうえ生産性も向上、国民総生産はこの間に約三倍になったと見られている。 一人当たり国民所得は、一・五倍に増えたわけだ。 こうした人口の増加と物的生産の拡大を基礎として、専業武士が生まれ、 商工業が発展し、日本は再びモノ余りの時代を迎えた。信長や秀吉の下劣な までの物欲は、この時代の日本人が光源氏とは逆の形而下的発想を持っていた ことを示している。 /////////////////// 「日本とは何か」 ///
160 :
名無しさんの主張 :2006/11/23(木) 22:39:06 ID:iwn9GnWl
代わりはいくらでもいなくなったなー。
161 :
名無しさんの主張 :2006/11/24(金) 00:09:33 ID:bsPoN1v4
失われた10年 埋まらない10年 少子化は独身中年が原因 バブル崩壊で婚期を逃した空白の世代。
162 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/11/25(土) 20:51:40 ID:P3z/svmz
/// 日本における「文明の犯人」 18 //// 豊かな余剰生産物を収奪した権力者たちは、きらびやかな大型文化を開花させた。 建造物は急速に巨大化し、絵画はきらびやかな金貼りとなり、武具は自己顕示の 装飾で埋め尽くされる。安土・桃山文化といわれる絢燗豪華な大型文化時代である。 十六世紀は、ヨーロッパでは「ルネッサンス」と呼ばれ、古代の合理精神と写実美術が 復興した時期として栄光を以て描かれている。しかし、政治的に見れば写実美術の 花を咲かせたイタりアでも、宗教革命を進めたドイツでも、小国分裂の慢性的戦争状態 にあり、当時の日本よりもはるかに残酷な破壊と悪辣な陰謀が渦巻いていた。 戦国時代の日本も似たような状況にあったのだが、この国では経済の発展や技術の 進歩文化の革新よりも戦乱のほうを重視して「戦国時代」と呼ばれている。それも この国には、派手な戦争が少なかったためであろう。 //////////////////// 1991年刊 ///
163 :
名無しさんの主張 :2006/11/25(土) 21:56:35 ID:NW4NhNED
宣伝です。12月2日(土)午後2時から、渋谷区立中央図書館で 講演会「手塚治虫の残したものと現代」が催されます。講師は漫画 評論家の石子順氏。先着順で入場無料です。手塚漫画は現代にどん な影響を与えたのか。先日のNHKスペシャルでもやってましたね。 そうだ。申し込みはрO3−3403−2591まで。
164 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/12/05(火) 22:20:26 ID:ZbQC7QWH
/// 日本における「文明の犯人」 19 /////// 成長志向に支えられていた豊臣家の組織 こうした戦国時代に生きた人々は、物財の豊かさに幸せを感じ、それを求める 成長志向が強かった。そしてそれの強い人物が成功し、強い組織が発展した。 その象徴が豊臣秀吉でありその組織・豊臣家である。 およそ日本史上に、豊臣家ほどの急成長組織はほかにない。もとはといえば 尾張中村郷の貧しい百姓の子倅の「猿」が、織田信長に仕えて三十年余りで 天下を取ったのだから凄まじい。今日でいえば中学卒の落ちこぼれが、 中小企業に入社、その企業の成長とともに出世し、やがて子会社の責任者から 世界有数の大企業の創業者になったようなものだ。 ////////////////////// 講談社文庫 ///
165 :
名無しさんの主張 :2006/12/06(水) 00:08:43 ID:6LkXh2F7
将軍や関白の直属大名にはなりたくないよねー。
166 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/12/10(日) 20:40:25 ID:+Me6x2OH
/// 日本における「文明の犯人」 20 /////// 当然、その組織も拡大したし、組織構成員も出世した。それだけに、秀吉自身も その家来たちも成長志向に燃えていた。はじめは貧乏足軽で足軽頭の秀吉に 仕えた人たちが、次々と大将になり一城一国の主となった。とくに秀吉が近江長浜 五万石の大名になった頃からは連戦連勝、出世は目の前にぶら下がっているかの ようだった。そんななかで育った若者たちが、しっかり働き手柄を立てれば、必ず 加増されるという成長期待を持ったのも当然だろう。秀吉の家来の逸話のなかには、 成長志向を賞賛する物語がじつに多いのである。 /////////// 講談社より絶賛発売中! ///
167 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/12/15(金) 22:46:31 ID:Y6p+a2HB
/// 日本における「文明の犯人」 21 ////////// たとえば、石田三成だ。彼は十五、六歳で秀吉の小姓となり、二十歳代にして 近江水口四万石の殿様になった。このとき秀吉は、切れ者の石田三成が おもしろい家来を集めているに違いないと期待し、一ヵ月ほどしてから聞いてみた。 「佐吉や、そろそろ家来は集まったかな」 佐吉というのは三成の幼名である。これに対して、三成は、 「お陰さまでようやく一人だけ……」 と答えた。 「四万石もやったのに、まだ一人しか傭っていないとは何ごとか。その一人とは誰だ」 ////////////////////////// 堺屋太一著 ///
168 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/12/18(月) 21:44:53 ID:ayIeZCmu
/// 日本における「文明の犯人」 22 ///// そういった秀吉に、三成は胸を張って答えた。 「島左近にござります」 島左近は大和の筒井順慶の家老だったが、順慶の死後浪人となったが 隠れもない当時の名士、多くの大名が十万石で抱えようとしたのを断りつづけた といわれるほどの男である。しかも、年齢は石田三成よりは二十歳も上だった。 「あんな有名人が、たった四万石のお前のような若造によく仕える気になったな。 お前はいったい何石やった?」 「二万石をやりました」 四万石のうち二万石やれば、石田三成には二万石しか残らない。さすがに 秀吉も、「古来、殿様と家来の禄高が同じとは聞いたことがない」 と驚くと、三成は、 //////////////// 「日本とは何か」 ///
169 :
◆3OnF3KiVxQ :2006/12/23(土) 20:06:07 ID:W1LVNBXY
/// 日本における「文明の犯人」 23 ///////// 「いや、それはこの次、左近を使って私は手柄を立て、十万石に御加増 いただく。さすれば釣り合いが取れまする」 と答えたという。 この話は石田三成が人材を非常に大切に、優れた人材のためには禄を 惜しまなかった美談とされているが、もう一つ重要なことは、次に手柄を 立てて加増されることを前提にした人事方針、成長志向の経営思想だ。 この傾向は石田三成にかぎらず、豊臣秀吉や織田信長の家来には多く 見られる。秀吉の組織が強かった原因の一つも、次の成長を前提として 現存収入以上の人数を集めたところにある。現代風にいえば、強気の 先行投資をやっていたわけである。 ////////////////////////// 1991年刊 ///
170 :
ニ−ト・引きこ森に告ぐ! :2006/12/23(土) 20:15:34 ID:tBsiFz12
>>169 でも、人の行動は、欲だけではなく情と言うものが絡むからねえ
もうみんな「日本国」に飽き飽きなんですよ。 全世界の人々がビックリして腰を抜かすような改革が必要なんですよ。 例えばもう国家である事を辞める。日本民族集合体とでも名乗る。 日本株式会社でもいい。政府は経営陣で残りは皆従業員でいい。 皇室はもっとたくさんあっていい。政権交代ならぬ皇室交代が頻繁に起こって 民主的で良い。社会は階級制にする。ただしJリーグみたいに個人に昇降格システム がある形で。一等従業員とか5等住民とか。子供はみんな5等からスタート。 思い切って自然破壊や資源の浪費が激しい経済活動や娯楽は憲法で禁止する。 車は全員軽自動車でなければならないとか、住宅は市営以外禁止するとか。 賭博は競馬以外は禁止。競馬だけ馬の種の保存目的で継続する。 牛肉やマグロは高い税金を掛けたり。性風俗税を25%ぐらいとって全部 学校教育に使うとか。死刑を廃止する代わりに出家刑を設ける。死刑レベル の受刑者は浮世への復帰は生涯禁止する。去勢や不妊手術を施して全身永久脱毛して 刺青して基本的人権は大幅に制限して戸籍も抹消して身分は特殊公務員にする。 住民は皆がテレビやパチンコやグルメを辞めて、学問や運動や武芸や踊りや 音楽や芸術やらを娯楽として楽しむようになればいい。数学がブームになったり 全国各地で腹筋大会が行われたり、朝はラジオ柔道とかラジオ空手が盛んになったり ダンス教室が現在の30倍に増えたり、カラオケスナックが廃れて各地の飲み屋街が 全部ライブハウス街となって飲み主体じゃなくて歌う主体、演奏主体で飲酒は二の次 になって行楽地には皆が写生しているような週末が当たり前の世の中になるといい。
172 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/01/01(月) 00:09:05 ID:hkc1qMx8
/// 日本における「文明の犯人」 24 ////// 「人事圧力シンドローム」による朝鮮出兵 ところが秀吉が天下を取り、小田原城が落ち九戸の乱を治めて、九州、 東北の先まで平定すると、武士の世界にはもう成長の余地がなくなった。 成長を前提にした経営を行っていた各大名家も、その家来たちもはたと困った。 いまのサラリーマンが、毎年、定期昇給があることを前提にしてローンを 組んでいたのに、急に成長が止まり、昇給が望めなくなったのと同じである。 企業全体としては、先行投資で完成した施設が、国内市場の限界で 稼働できない状況といってもよい。 ////////////////////// 講談社文庫 ///
173 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/01/02(火) 19:44:29 ID:C5e5ECg2
/// 日本における「文明の犯人」 25 ////// では、どうすればよいか。豊臣家臣団ではさまざまに議論があったが、 結局は「日本が満杯なら朝鮮へ行こう」ということになった。今日の企業で いえば「国内市場が満杯なら海外に輸出を」というのと同じである。 じつは、これが成長組織の陥りやすい「人事圧力シンドローム」現象である。 最初に内部の人事的理由から「何か新しいことをしなければならない」と 決めてから、できそうな事業を選ぶから、悪い事業にでも飛びつくのである。 一九九一年に生じた「バブルの崩壊」もこれに似ている。高度成長に 慣れた各企業は、余剰資金と余剰な人材を不動産や株式の投資に集中、 ずさんな開発計画に入れ揚げた。とにかく何かをしなければ、企業の成長と 人事のローテーションが回らなくなっていたのである。 /////////// 講談社より絶賛発売中! ///
174 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/01/05(金) 21:05:50 ID:w5tBHMJ6
/// 日本における「文明の犯人」 26 /////// こうした現象は、これから日本の企業では、まだまだ起こるだろう。企業内に 人が溢れ、大卒の社員がだんだん高年齢になる。それに役職を与えるためにも、 定期昇給をつづけるためにも、成長は不可欠だ。結果としては、「比較的まし」 と思われる事業計画を選ぶ。そしてそれはたいていの場合、これまでの 成功体験をくり返す古い方法である。 豊臣秀吉の試みた新規事業・朝鮮出兵も、軍事的に領土を拡げる古い方法 だったが、結果は大失敗だった。これが契機となって家臣団は分裂、豊臣家は 滅びてしまう。武士社会の成長時代は、百年ほどで終わったのである。 /////////////////////// 堺屋太一著 ///
175 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/01/11(木) 22:05:59 ID:nOOm2rRK
/// 日本における「文明の犯人」 27 ////// 成長意欲のある大名を潰した家康 ゼロサム社会で成長を望む者が現れると、安定が失われる。そのことを 知っていた徳川家康は、これからは成長を期待すべきでないことを、武家社会に 徹底的に教え込む必要を痛感した。そのために家康は、いささかでも成長意欲 のある大名は潰した。 まず福島正則が潰される。関ケ原の合戦では最大の功労者として、安芸と 備後四十七万石の大名になった正則を一難くせとしかいいようがない理由で 取り潰してしまう。ほんとうの理由は、この男に強い成長志向があったこと、 そしてそういう者は潰されることを、世間に知らせるためであったろう。 ////////////////// 「日本とは何か」 ///
176 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/01/17(水) 22:47:03 ID:lp5Ya/od
/// 日本における「文明の犯人」 28 //////// 関ケ原の合戦で西方についた大名は、敗戦によってほとんどが取り潰されるが、 そのとき、禄高は減っても生き残った者は、その後で潰されることはまずなかった。 上杉、毛利、佐竹、立花などは禄高が一度は減るが、爾後は長く安泰だった。 鍋島や島津に至っては、ほぼ旧領安堵の形である。 家康と二代将軍秀忠が元和以降に潰したのは、関ケ原の合戦において、 忠勤これ努めた人々である。 もともと徳川家に反抗した大名を潰しても、「昔の怨み」と見られるだけだが、 忠義な者を潰すと、その理由をみんなが考える。それによって家康は、 成長志向を持つことがいかに危険か、実物教育をしたかったのだ。 //////////////////////////// 1991年刊 ///
177 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/01/24(水) 22:58:56 ID:0+Cmdiqx
/// 日本における「文明の犯人」 29 /////// 現在でも、中小企業のいくつかが倒産した程度では、誰も驚かない。 バブル経済の崩壊、土地神話の消滅を顧うのなら、「絶対に大丈夫だ」、 「まさか政府も見捨てられまい」、と思われている一流大企業が、ただ 土地投機という理由だけで倒産したなら、世の中は非常に衝撃を受けて、 各企業とも二度と土地投機には手を出さなくなるだろう。それを家康は 意図的にやったのである。 /////////////////////////// 講談社文庫 ///
178 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/02/02(金) 22:05:33 ID:nxRkL6G4
/// 日本における「文明の犯人」 30 //////// 福島正則、加藤清正、加藤嘉明ら、豊臣恩顧の大名でありながら 関ケ原では徳川に加担して働いた人々の家をつぎつぎと取り潰した。 なかでも悲劇的なのは、最上義光だ。この大名は徳川家康に忠実で、 関ケ原の合戦のときには上杉景勝の軍隊を一手に引き受けて大奮戦、 多くの犠牲者を出した。しかも最上義光は、長男が豊臣秀吉に乞われて 大坂城に在って豊臣秀頼と親しかったというだけの理由で殺してしまう。 徳川家康も、織田信長に武田と内通する嫌疑をかけられた長男の 信康と妻の築山殿を殺しているが、最上義光の場合はもっと極端だ。 嫌疑のかかる前に息子を切腹させたのだから。 //////////////// 講談社より絶賛発売中! ///
179 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/02/06(火) 23:05:29 ID:wZPYAr7n
/// 日本における「文明の犯人」 31 //// それほどの忠勤を励んだ最上義光の家を、家康はあえて取り潰した。 最上家には戦国の覇気、つまり成長意欲があると見たからである。 さらに家康は、武士がヒゲを生やすことも好まなかった。もともとヒゲは 強く見せるために生やすものと見られていたが、強く見せようなどという 考え自体、戦場での武勲を求める成長意欲の発想である。 このため、大名はみなヒゲを剃り、かえって間が抜けたように見せようと 努めた。加賀百万石の前田家三代目の殿様前田利常のごときは鼻毛を 伸ばしてその先にトンボをつけて歩いた、というエピソードまである。 ////////////////// 堺屋太一著 ///
180 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/02/14(水) 20:33:38 ID:XudUDrTG
/// 日本における「文明の犯人」 32 //////////// ここまで成長意欲を禁止されると、「武士は何のために生きるのか」 という疑問が湧いてくる。 これに最初の解答を与えたのが鈴木正三(江戸前期の仮名草子作者)だった。 彼は、「武士は物欲を捨てて精神修養に努めるべきだ」という哲学を打ち出した。 おそらく鈴木正三は、この発想を儒教のなかから考え出したのであろう。 朱子学以降の儒教は、勤勉を奨励するが、その勤勉とはけっして物的生産を 励むことではない。学問的勤勉さや礼法への忠実など、物的生産以外のことを 勧めている。この学説を興した朱熹(茱子の本名。一一三〇年〜一二〇〇年)が 生きたのは、中国亜近代の末期の商宋時代、成長が期待し難くなった頃だった ことは注目に値する。 ////////////////////// 「日本とは何か」 ///
北海道警察の捜査協力費、捜査費の請求の殆どが虚偽だったことが明らかになったが、
これは道警に限った事ではない。道警では内部告発者が出て隠し切れなかっただけ。
総ての県警で同様な事が行われていると思われる。となると毎年国民から80億円近くが
警察によって騙し盗られている事になる。
それは、一連の警察による詐欺横領事件が問題化してからの警察庁の対応振りを見ても分る。
今までは領収書に氏名が記入されていた為に不正が発覚するとヤバかったが、
これからは氏名を記入しなくてもいい事、つまり、実質的に領収書ナシでもいい事になった。
この事から、警察庁の指揮又は承諾の元に全県警が組織ぐるみでやっている裏金作りである事がうかがわれる。
北海道警では、盗んだ金を連帯責任として、道や国に返すと言っているが、
横領がバレていない他の県警で盗んだ億と言う金をあっちから持って来てこっちにホイ、
右から左にホイってな感じだったら、何の反省にも制裁にもならない。
捜査協力費、捜査費の請求の殆どが架空である事が明らかとなった以上、
この制度自体を廃止するべきだと思う。
http://society5.2ch.net/test/read.cgi/police/1157768673/463-537
182 :
名無しさんの主張 :2007/02/14(水) 20:53:05 ID:32Lr2XOn
講談社の本は在日支配のこと書いてない。チョンに支配された。
183 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/02/18(日) 20:04:56 ID:jIXlvurS
/// 日本における「文明の犯人」 33 /////// 鈴木正三の考えは、徳川幕藩体制下での武士階級には一つの解答と なった。彼らはもともと生産的な階級ではない。したがって、物質的な豊かさを 競わなくとも、剣の腕や儒学の教養を評価されれば、武士社会ではそれなりの 名誉を得ることができた。幕府はそれに応じるように、物財の豊かさ(禄)と 権限の大きさ(権)と格式の高さ(位)とを別個のものとし、それぞれに ある程度の満足と不満を分かち合う制度をつくっていく。禄は外様の大名が多く、 権は幕閣に加わる旗本に強く、位は京の公家が高い。物財の豊富な時代から、 それが乏しい時代への転換が、支配階級としての武士社会から用意された わけである。 ////////////////////////// 1991年刊 ///
184 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/02/25(日) 19:45:04 ID:Oin63xyO
185 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/02/28(水) 23:36:37 ID:aL8V4jKC
/// 日本における「文明の犯人」 34 /////// 日本的勤勉とソフトウェア文化 商家の家訓にはゼロサム社会での生き方 しかし、この時期(幕初)には、経済はまだ急成長をつづけていた。戦乱の 終焉と社会の安定によって、軍事に投入されていた資金と人材が土地開発や 商業活動に投入された結果、経済は発展し人口は増加した。一六〇〇年の 関ケ原合戦から元禄中頃までの約百年間に、またしても人口が二倍近くになり、 国民総生産が三倍になったと見られている。 ///////////////////// 講談社文庫 ///
北海道警察の捜査協力費、捜査費の請求の殆どが虚偽だったことが明らかになったが、
これは道警に限った事ではない。道警では内部告発者が出て隠し切れなかっただけ。
総ての県警で同様な事が行われていると思われる。となると毎年国民から80億円近くが
警察によって騙し盗られている事になる。
それは、一連の警察による詐欺横領事件が問題化してからの警察庁の対応振りを見ても分る。
今までは領収書に氏名が記入されていた為に不正が発覚するとヤバかったが、
これからは氏名を記入しなくてもいい事、つまり、実質的に領収書ナシでもいい事になった。
この事から、警察庁の指揮又は承諾の元に全県警が組織ぐるみでやっている裏金作りである事がうかがわれる。
北海道警では、盗んだ金を連帯責任として、道や国に返すと言っているが、
横領がバレていない他の県警で盗んだ億と言う金をあっちから持って来てこっちにホイ、
右から左にホイってな感じだったら、何の反省にも制裁にもならない。
捜査協力費、捜査費の請求の殆どが架空である事が明らかとなった以上、
この制度自体を廃止するべきだと思う。
http://society6.2ch.net/test/read.cgi/police/1157768673/463-537
187 :
名無しさんの主張 :2007/03/01(木) 17:35:46 ID:t9uVrPie
箱者は立派に作っても中身のない社会になってしまった。
188 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/03/05(月) 22:24:28 ID:0b/DCPOq
/// 日本における「文明の犯人」 35 ////// しかし、この成長も元禄中頃をピークに急速に終焉する。技術の停滞と 資源供給の限界から、投資対象がなくなったのだ。これによって、経済界 つまり町人の社会にもゼロサム現象が現れた。 その結果、第一にカネ余り現象が出現、金利が下落する。徳川時代には 高利貸しが多かったが、信頼できる投資対象への貸出金利はじつに安い。 享保以降になると、当時のプライムレートともいうべき大名貸しは三パーセント 以下、はなはだしいときにはニパーセントをさえ下回った。効率のよい開発 プロジェクトがなくなったからだ。つまり、ヒト余りモノ不足になったのである。 ////////// 講談社より絶賛発売中! ///
189 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/03/07(水) 22:44:01 ID:6V3DGCS9
/// 日本における「文明の犯人」 36 /////// 第二に猛烈な不況が起こる。元禄末期から宝永にかけて景気は下り坂となり、 華やかな楽観主義は姿を消し、悲観的厭世的な気分が流れる。近松門左衛門の 心中ものが流行したのもこの時代だ。それはやがて享保の大不況、大飢饉へと つづいていく。 第三には、町人社会でも成長志向潰しが起こる。新興成金の紀国屋文左衛門、 奈良屋茂左衛門が倒産、投獄の憂き目を見たし、戦国以来の老舗・淀屋辰五郎も 闕所(財産没収、大坂追放)の処罰を受けた。「その贅沢目にあまる」という、 あいまいな理由だった。 /////////////////////// 堺屋太一著 ///
190 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/03/14(水) 22:39:52 ID:DQuiWZYq
/// 日本における「文明の犯人」 37 ////////// 町人はもともと豊かさを求める階級であり、資産の多寡でこそ評価が定まる 人々だ。それにもかかわらず、社会全体としての成長性は乏しくなり、資産を 蓄え生活をエンジョイすることが悪となれば、深刻な問題に突き当たる。 経済経営の次元だけではなく、人間はいったい何のために働くのか、商人たる 者は何故に勤勉であらねばならないか、という人生論的哲学問題が起こってくる。 元禄末期から享保にかけて約五十年間、日本の町人社会はこの問題を 前にして七転八倒の苦悩を味わう。 /////////////////////// 「日本とは何か」 ///
191 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/03/17(土) 20:12:39 ID:eu6p+a49
/// 日本における「文明の犯人」 38 //// この間に多くの商家に家訓が生まれた。鴻池家訓や三井家訓などは、この 時代期のはじめに書かれたものだ。したがって、これらの家訓は「守りの教訓」、 つまりゼロサム社会のなかで見失われがちな商人道徳と生き残り策とを主眼 にしている。なかでも強調されているのは、贅沢を戒め、怠慢を叱り、人間関係の たいせつさ、つまり不況に備えての財貨の蓄積と勤勉慣習の維持と忠誠心の 確保をすることだ。 ///////////////////// 1991年刊 ///
中国の産業スパイ、設計データ大量ダウンロード デンソー中国籍技術者逮捕
何年にもわたり、余罪数百件
同様のスパイが国内で数千人活動中という
ところが、デンソー側と政府筋は罪を問わない模様
大手自動車部品メーカー「デンソー」(本社・愛知県刈谷市)に勤務する中国籍の技術者が、
約13万件にのぼる設計図面のデータをパソコンにダウンロードし、持ち出したとして、愛知県警は
16日、同市神明町6丁目、同社社員、楊魯川容疑者(41)を横領容疑で逮捕した。県警は、
データを取得した動機や背景を調べている。
外事課と刈谷署の調べでは、楊容疑者は、同社敷地外に無断で持ち出さないことを条件に
借りていた会社のノートパソコンに、社内データベースから設計図面のデータ約13万件を
ダウンロード。会社側の許可を得ずに、2月5日ごろ、自宅などに持ち出し、私物のパソコンに
接続してデータをコピーするなどの目的に使用し、このノートパソコンを横領した疑い。
同社は2月14日に社内調査で楊容疑者に説明を求めたところ、持ち出しを否定。楊容疑者
は同月16日、急きょ中国に帰国し、3月4日に再入国したという。
http://www.asahi.com/national/update/0316/TKY200703160253.html
日本政府が技術者の育成もしないでずっと冷遇しつづけたせいでしょ 工学部の学生がめちゃめちゃ減ったから中国から雇わざるを得ない、と まぁ政府の中が技官と事務官で昇進差別してるくらいだからな 技術立国が聞いてあきれるわ この先は、金を動かすことと、舌先三寸の交渉力でやってくしかないね
195 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/03/21(水) 22:20:27 ID:ckoQLemP
/// 日本における「文明の犯人」 39 ////////// たしかに個人または一商家としては、その通りであろう。しかし、みんなが 勤勉に働き、みんなが倹約したら、経済のマクロ・バランスが崩れることも 明らかだ。日本国全体としては、生産ばかり増えて需要が著しく不足する。 つまりミクロの正義がマクロの不幸を招く「総合の誤謬」が生まれてくる。 賢明にも日本人は、この矛盾に早々と気づき、それをどう解決すべきかに 苦しんだ。じつはこれは、古代末期、西暦二世紀から五世紀にかけて、 地中海世界や中国の人々が遭遇した問題である。その結果、彼らは物的な 豊かさよりも内面的充実を図る宗教へと流れていった。日本の場合にもそうした 動きはあった。その典型は、伊藤身禄が提唱した富士講である。 //////////////////////////// 講談社文庫 ///
196 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/03/28(水) 22:54:24 ID:4npzh+O0
/// 日本における「文明の犯人」 40 /////// 勤勉と倹約の矛盾に答えた石門心学 伊藤身禄は、三井家と同じく伊勢・松阪の出身で、江戸に行って商家を興し、 大成功をおさめた。きわめて勤勉かつ倹約の伊勢商人の一人であったらしい。 ただこの人の他と違ったところは、みんなが一生懸命に働いて倹約すると マクロ・バランスが崩れることに気づき、その解決を探索した点である。彼が 到達した結論は六根清浄を唱えて富士山に登ることであり、実質的な 富士講の開祖となった。 /////////// 講談社より絶賛発売中! ///
197 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/03/31(土) 22:18:00 ID:LSgiUaoY
/// 日本における「文明の犯人」 41 //////// 「銭金は浮世を渡る船筏」と唱えるように、富士講はきわめて現世的な 金銭肯定の思想だが、その一方では、六根清浄といいつつただただ富士山に 登る「徒労の勧め」でもある。勤勉でありかつ倹約であることが生産過剰を 生まないためには、「徒労」をくり返すほかはないというのだから、当時の 町人たちの悩みがいかに深かったか分かるだろう。 それでも、富士講の共鳴者は多く、一時はかなりの勢力にもなった。 しかし批判もあった。あまりにもあからさまな徒労では、積極的な解決には ならないからである。 //////////////////////// 堺屋太一著 ///
198 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/04/11(水) 23:54:20 ID:5uNREVyG
/// 日本における「文明の犯人」 42 ///////// この問題に最終的な解決を与えたのは、石田梅岩である。この人は丹波の 出身で、京都に出て呉服屋の丁稚になったが、その呉服屋が倒産してしまう。 しかし梅岩はそれを親にもいわず、無給で丁稚をつづけていた。おそらく極度に 厳格だった父親の影響だろう。 石田梅岩の父親は百姓だったが、梅岩が子供の頃、栗を拾って家に持ち帰ると、 その栗は山の境界線の右に落ちていたか左に落ちていたかと問いただし、 左に落ちていたと答えると、「それはウチの山のではないから戻してこい」 といって夜中に山へ行かせたという。 ///////////////////// 「日本とは何か」 ///
199 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/04/14(土) 23:51:03 ID:Lm/mgU0W
/// 日本における「文明の犯人」 43 //// この父親は、梅岩が奉公に行くときも「奉公先は親と思え、親である以上は 奉公先の恥をいいふらすようなことをしてはいけない」と諭した。梅岩はその 教えを守って、奉公先が倒産したことを父親にも言わなかったのだ。結局、 何年か経って親が様子を見にきて、店は閉まり生活は極貧、さすがに憐れに なって梅岩を連れて帰った。それからしばらく、梅岩は丹波で百姓をしていたが、 二十歳を過ぎてから、ふたたぴ京都に出て黒柳という呉服屋の丁稚になった。 ///////////////////// 1991年刊 ///
200 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/04/18(水) 23:03:08 ID:A2CevvFv
/// 日本における「文明の犯人」 44 //////////// 普通、丁稚は十二、三歳からはじめ、二十歳前後になると手代に、三十歳前後で 番頭に出世する。石田梅岩は、手代になる年齢で新入の丁稚として黒柳に入った わけだ。いまでいえば、三十歳で中卒扱いで入社した落ちこぼれのようなもの だったろう。 それでも延々と丁稚を務めて、やっと四十歳ほどで番頭になる。たいていの人なら、 番頭を終えて退職、一家を構えて妻帯する年頃だ。当時の商家では、番頭でも 住み込みの間は結婚できなかった。 人生五十年といわれた時代に、四十歳近くなってはじめて妻帯できるというのだから、 徳川時代の商売人はきわめて禁欲的だ。モノ不足のゼロサム社会で安定を目指す ためには、それが必要だったのだろう。 ///////////////////////////// 講談社文庫 ///
201 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/04/22(日) 19:31:17 ID:+uI/R479
/// 日本における「文明の犯人」 45 //// これでは女郎屋通いがはやったのも不思議ではあるまい。江戸の女郎屋は 単身赴任の武士がおもな客だったが、大坂のそれは商家の手代番頭である。 大坂には南の道頓堀に芝居小屋があり、北の新地に女郎屋があった。歓楽街を 市の真中におくと、手代や番頭がちょっとの暇に遊びに行ってしまうから、 それができないように、あえて時間のかかる南北両端においたのだ。ソフトを 考えた都市計画といえる。 石田梅岩は長い青春をこの禁欲的な世界で過ごし、四十歳になってやっと 番頭になった。ここで彼は退職して塾をはじめるのだが、その間にいろんな 啓示を受けて、石門心学の基本を悟ったといっている。 //////// 講談社より絶賛発売中! ///
202 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/04/25(水) 23:21:36 ID:e6BDPwur
/// 日本における「文明の犯人」 46 /////// 日本人の労働観、勤勉観のもとになった石門心学 石門心学の基本は「諸業即修業」、という言葉に尽きる。すべての業 - 農業商業 など - に一生懸命に従事することは人格の修業になる。仕事は生産活動である 以前に人格の修業である、とする考えだ。 だから人間はまず勤勉でなければならない。勤勉でなければ立派な人格は磨けない。 同時に仕事が人格修業であれば、生産効率にこだわる必要がない。つまり、勤勉と 倹約の両立を、人格養成という教育哲学に転化することで、経済的生産性を無視 するようにと説いたのである。 ////////////////////// 堺屋太一著 ///
203 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/05/02(水) 22:30:37 ID:1Wqu2KcM
/// 日本における「文明の犯人」 47 ///////// 石田梅岩の発想をまとめたことばに「人、三刻(六時間)働きて三石の米を得。 我、四刻(八時間)働きて三石と一升を得。何と素晴らしき」というのがある。 三刻働いて三石なら、一刻当たりの生産性は一石だが、四刻働いて三石と一升なら、 最後の一刻は生産性は百分の一になる。しかし、四刻働くことが人格の修業に なるのであれば、なおかつ一升でも増えれば素晴らしい、というわけである。 この考え方は当時の日本人の悩みに適切な解答を与えたため、急速に拡がって いった。石田梅岩が番頭を辞めて京都で塾を開き、最初は通りに向かってただ 一人講義をやった。そのとき聞いていたのは大根をぶら下げた百姓一人だけだった、 と梅岩自身が書いている。 //////////////////// 「日本とは何か」 ///
204 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/05/05(土) 19:38:00 ID:0JIp1N1g
/// 日本における「文明の犯人」 48 //// ところが、これがたちまちにして共感を得、三年後には大坂分校まで できている。アッという間に全国に広まり、「石門心学」といわれる思想体系 にまで発展したのである。 戦国時代以来の歴史と社会風潮を長々と書いてきたのはほかでもない。 この「石門心学」が、今日に至るも日本人独特の労働観と勤勉観を生み、 現在の日本の商品・サービス市場にも重大な影響を与えているからである。 マックス・ウェーバー(一八六四年〜一九二〇年)は、ヨーロッパの 資本主義精神は、プロテスタンティズムから生まれた、と指摘している。 /////////////////// 1991年刊 ///
205 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/05/13(日) 19:47:00 ID:KGHtGD8Z
/// 日本における「文明の犯人」 49 ////// 中世ヨーロッパを支配したカトリックの思想は、中世のモノ不足時代に完成したため、 物財の豊富さには興味を示してはならないという「清貧の哲学」で貫かれている。 プロテスタントもマルチン・ルター(十六世紀の宗教改革者)が宗教革命の火ブタを 切った当初は単純素朴、むしろカトリック教会の権威に名をかりた金集め主義を批判 するものだった。ところが、時あたかもルネッサンス期、イタリアやスペインでは 物財に対する関心が高まり、写実美術と地理的発見が進んでいる最中だったから、 物財の生産に注目するカルビニズム(十六世紀の宗教改革)が起こり、まず「勤勉」が 肯定される。これが中世以来の清貧と結びついたから、勤勉かつ倹約の清教徒 (ピューリタン)思想が生み出された。 ///////////////////// 講談社文庫 ///
206 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/05/17(木) 22:19:55 ID:gDfxIW3x
/// 日本における「文明の犯人」 50 //// しかし、勤勉で倹約ならマクロ・バランスがとれないのは、日本もヨーロッパも 同じだ。このため一時は、イギリスに清教徒革命を起こすほどの勢力を持った ピューリタンも、結局はヨーロッパに住めなくなり、アメリカ大陸へ移住せざるを 得なくなってしまう。勤勉かつ倹約を唱える清教徒の安住の地は、資源が豊富で 土地が広いアメリカにしかなかったのだ。 これに対して、新大陸への移住も輸出拡大もできなかった日本の町人は、 思考的苦闘の末に、「石門心学」に救いを見出した。ヨーロッパで勤勉にして 倹約を唱えた人々が、アメリカに渡って原始林と戦っていた頃、日本の町人たちは 勤勉に人格修業性を認め、少ない資源と土地に「一所懸命」の努力をしていたのだ。 //////// 講談社より絶賛発売中! ///
あぼーん
208 :
名無しさんの主張 :2007/05/19(土) 13:59:52 ID:Y9lGVZ5I
はっきり言おう 日本を定期的に腐敗させている原因は 退廃文化 仏教である 歴史上の人物の中には何とかこの勢力をつぶそうと したものが何人かいる
209 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/05/19(土) 22:28:19 ID:fzXwot5N
/// 日本における「文明の犯人」 51 /////// ところが、同じプロテスタントでも、かつてユグノー派(十六〜十八世紀のフランスの 宗教改革者たち)と呼ばれた人々は、勤勉を肯定する一方で清貧を否定した。 勤勉に働き財産を築けば、それを使って大いに人生を楽しめばいいではないか、 と考えたのである。この思想も、カトリックからは大弾圧を受け、フランスから 追い出されてベルギーやオランダに移動する。これこそマックス・ウェーバーのいう 資本主義の精神につながるプロテスタンティズムであった。この精神に基づき、 十七世紀のオランダは生産を伸ばし、海運を発展させるとともに、需要豊かな 市民文化をも展開した。 //////////////////// 堺屋太一著 ///
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
214 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/05/27(日) 19:35:15 ID:c6+aTomi
/// 日本における「文明の犯人」 52 ////// 日本の石門心学は、勤勉を重視すると同時に倹約=清貧をも善とした点で、 ウェーバー的プロテスタンティズムとは大きく異なっている。しかもそれを 人格修養と結びつけたことによって、外国には見られない独特の労働観を生み、 人間評価をもつくり出した。たとえば、禅宗の修行では、まず最初に拭き掃除を 毎日やらす。そうした仕事を勤勉にやれば禅の心が分かるというのである。 しかし、これは禅本来の思想ではなく、石田梅岩の思想を取り入れた結果である。 ////////////////// 「日本とは何か」 ///
215 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/06/03(日) 21:28:11 ID:FwpBLzKL
/// 日本における「文明の犯人」 53 ////// 禅宗だった石田梅岩が石門心学を唱えたことで、日本における禅思想は大きく 変わった。というより、鎌倉時代の禅とはまったく違ったものになった。 中世の中国で生まれ鎌倉時代に日本に持ち込まれた禅本来の思想はきわめて 禁欲的形而上学で達磨大師のように九年間も壁に向かって思索と内省に努める ことこそ偉大だとした。壁に向かわないで農耕にいそしんだのでは尊敬されない、 勤勉ではなく清貧を重んじる中世思想の一つである。 ///////////////////////// 1991年刊 ///
216 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/06/09(土) 20:49:59 ID:7oRycRuP
/// 日本における「文明の犯人」 54 //// 欧米で、現在の日本を誤解させているグループの一つに、禅の研究家たちがいる。 彼らが研究の対象にしているのは、主として鎌倉禅であり、生産活動を嫌い精神修養 のみを求める中世思想である。このため禅研究家のなかには、日本人の労働観を 誤解し、今日の日本人が会社で長時間働くのは、政府と企業による強制としか 考えられないと主張している。 しかし、今日、日本人が知っている禅は鎌倉禅とはまったく違ったもの、徳川時代 中期以降に石田梅岩の思想を加えてつくられた禅である。同じ名称を受け継ぎ、 同じ組織を継承していても、時代によって内容は違ってくるものだ。 ///////////////// 講談社文庫 ///
217 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/06/13(水) 22:36:19 ID:zzCzG4av
/// 日本における「文明の犯人」 55 /////////// 勤勉に遊ぶ日本人 「石門心学」の「諸業即修業」の思想は、モノ不足ヒト余りがつづいた 徳川時代にあらゆる面に広まり大きな影響を与えた。たとえば、かつての 農民は暇さえあれば田んぼへ行った。今日は暇だから草引きでもしよう、 今日は用事がないから麦踏みしようというように、「遊んでいてはもったいない」 という発想で生産性を無視して働いた。そうしなければ、農民としての 人格が疑われたからである。 //////////////// 講談社より絶賛発売中! ///
219 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/06/17(日) 19:51:52 ID:pPFWihBS
/// 日本における「文明の犯人」 56 //////// いまでも果物屋などには、休日なしで夜遅くまで開けている店がある。 そういう店に行って、午後九時以降に買いにくる客の人数を聞くとせいぜい 二、三人、売上げにして五、六千円にすぎないという。照明費などを差し引くと 大した儲けにもなっていない。それでも店を開けているのは「どうせ奥の 部屋に引っこんでいても店番しても大差がない」という。無為なる時間の否定、 何もしない時間を「もったいない」と思う日本人の価値観の現れだ。 //////////////////////// 堺屋太一著 ///
220 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/06/23(土) 20:04:58 ID:6rFtcQfY
/// 日本における「文明の犯人」 57 //////// 日本人は「無為なる時間」に価値を認めない。このことはレジャーやバカンスに ついてもいえる。もともと「バカンス」というのは「大いなる空白」という意味だ。 欧米人の発想では空白でなければバカンスではない。だが日本人は、バカンス といえばスポーツか旅行か観劇か音楽鑑賞か、何かをする時間だと思っている。 新聞論調にも「休日は増えたけど依然としてゴロ寝組が多い」と嘆かわしげに 書いている。ゴロ寝こそが本当のバカンスだ。別荘でも、海岸や野山でも、 「無為なる時間」を過ごすために行くのだ、とは思ってもみない。 /////////////////// 「日本とは何か」 ///
221 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/06/27(水) 23:11:50 ID:x949raT0
/// 日本における「文明の犯人」 58 /////// だから、日本人は短い休暇を勤勉に遊ぼうとする。ハワイの観光局の調査では、 日本人が三泊四日でくれば、アメリカ本土の人が二週間滞在するのと同じ額の お金を使うという。アメリカ人は海岸でブラブラして二週間を過ごすが、日本人は タクシーを雇ってあちこちを見物し、買い物にまわり、やたらとゴルフに出かけるので、 一日当たりの消費金額は数倍になる。 これが現在の若者になると、さらに著しい。自分の好き嫌いにかかわらず「スキーを やらないと嫌われる」、「スキューバ・ダイビングができないのは格好が悪い」と 必死に訓練をする。何が流行か何をみんながしているかを、流行情報誌で探す。 彼らの「遊び」は、格好よく見せ仲間を集めるための「修養」なのである。 //////////////////////// 1991年刊 ///
222 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/07/01(日) 20:45:53 ID:hcvXeOC9
223 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/07/07(土) 18:42:37 ID:HDDf8Wws
/// 日本における「文明の犯人」 59 ////// 細部重視のトータル下手 資源の限られた社会において、無為なる時間を嫌って勤勉に働くとなれば、 少ない資源と土地に多くの労働が注がれる。その結果は細部にこだわり、 限られた材料に多くの労働力を注ぎ込む美意識が生まれる。文字通りの 「一所懸命」こそが生産者の勤勉の証、つまり人格高潔の証明ともなるのだ。 ///////////////////// 講談社文庫 ///
224 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/07/14(土) 21:54:35 ID:1dhCP6VI
/// 日本における「文明の犯人」 60 /////// そうだとすれば、細心の注意と目立たぬ心配りが重要になってくる。これが 極まれば、おのずから製品自体の機能や見ばえからは遊離した部分に凝る 現象が生まれる。ここから、外国のマイスター(職人)とは違って、どうでもよい ところを指摘して自らの勤勉を実証する日本的「職人芸」または「職人気質」が 生まれた。着物の裏の仕立て様、什器の底の木目、溶接の背面などが、この国の 市場ではいまも重要だ。それが十分に配慮されていない外国製品は日本では 売れないのである。 /////////// 講談社より絶賛発売中! ///
225 :
名無しさんの主張 :2007/07/14(土) 23:06:34 ID:WOcBxn4q
今日までは西洋の邪法を授かっていた。 明日からは再び神仏の日本に返り咲く。
226 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/07/21(土) 18:51:13 ID:F6F6qDf3
/// 日本における「文明の犯人」 61 ////////// かつてあるテレビ会社が、アメリカの家庭用品である鍋を画面に紹介して 注文をとって売ったことがある。ところが、商品が発送されると苦情が殺到した。 その鍋は周辺が塗装されていたが、火がかかる底の部分には当然ながら 塗装がない。それを買った消費者の苦情は、この塗装してある部分と してない部分との境界がきれいな円ではなく、ペイントの流れや滲みがある、 というものだ。 ////////////////////////// 堺屋太一著 ///
227 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/07/25(水) 21:27:22 ID:wMUCavgI
/// 日本における「文明の犯人」 62 ///////// 販売したテレビ会社は、アメリカの製造会社にペイントが流れ落ちている部分を 直すよう要求した。これにアメりカの会社は驚いた。鍋には熱いものが入って いるから目より高く上げて底を見るのは危険である。鍋の底は見えないのだから どうでもよいではないか、というのがアメりカ側の回答だった。しかし、日本人は そういう見えないはずのところにこそこだわる。 見えないところまで凝る日本的職人気質は、それによって自分の勤勉さ、 引いては人格的高潔さを主張する。そしてそれこそが玄人(専門家)だと信じて 疑わない。結果としては、日本の玄人は細部を重視するあまり、全体を軽視する 傾向が強くなる。 //////////////////// 「日本とは何か」 ///
228 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/08/03(金) 22:32:04 ID:7gBL3fqz
/// 日本における「文明の犯人」 63 /////// 建築物にしても、細部の施工は何とも見事だ。たとえばパネルの貼り方などは じつにていねいで、床のタイルもセンター(中心)から両側に貼り分けて 双方の隅に同じだけ余らすようにする。外国では一方から順番に貼っていって、 半端は片側にだけ残す例が多い。それでも両側が同時に見えない広い 部屋では、違いもわからないし、何の影響もない。しかし、日本の専門家たちは、 そんな「横着」をけっして見逃すことがない。 ////////////////////////// 1991年刊 ///
229 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/08/05(日) 22:44:48 ID:Fe/jc/Xz
/// 日本における「文明の犯人」 64 ///////// その半面、ビル全体を見ると、外国のほうがむしろ格好がよい。さらに 街全体となると外国の街はじつにきれいに映える。細部を重視する日本では、 細部担当者の意向を抑えて全体調整を行うことが難しいからだ。 このことは組織そのものにも影響している。日本の組織は、トップのコントロール は弱く、部課長や係長の権限が強い。細部を担当する下部にこそ権限がある。 資源が不足しているなかで、勤勉を重んじ労力を猛烈に投入してきた徳川時代、 とくに享保以降の日本人の思想が、そこにも反映されているのである。 ///////////////////////// 講談社文庫 ///
230 :
名無しさんの主張 :2007/08/06(月) 12:10:50 ID:eUOy+rf3
今日まで戦いはしなかったが、明日からはちゃんころやばかちょんの国に爆弾を落とす。
231 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/08/16(木) 19:52:08 ID:Iq7RgBqX
/// 日本における「文明の犯人」 65 ///////////// 今日、日本の工業製品の輸出競争力の強さの秘密は、この細部のよさ である。トータル・デザインを外国から導入して、細部を日本的勤勉さで 製作すれば、品質良好な製品が生産できる。逆に、外国製品が日本で 売れない理由の一つは、細部の悪さ、小さな故障の多さにある。これから 日本が世界的な市場になるためには、そうした日本市場の特殊性を 知らせなければならない。また、その特徴は最近生まれたのではなく、 日本の歴史と伝統に根差したものであることをも知らせる必要があるだろう。 日本の直面する経済摩擦には、集団主義や成長志向による供給者側の 問題点ばかりでなく、この国の消費者の独特の美意識もまた、大きな要因に なっているのだ。 ///////////////// 講談社より絶賛発売中! ///
232 :
名無しさんの主張 :2007/08/16(木) 22:47:57 ID:9SYxmQLk
例えば戦後ドイツなんかだと「謝罪」なんて事より、実を伴う具体的な政策 …例えばトルコ系移民への積極策とか、ナチ戦犯追求への時効廃止とか、 表現の自由を曲げてでもナチ礼賛を禁止するとか、 他国から文句をつけにくい「実践」ってヤツを伴って動いてきたのです。 ネオナチとか歴史修正主義とか色々ありますけど、 「オレの戦後の誠実さにケチはつけさせないぜ」と、 ドイツ自らが啖呵を切れるだけの事はちゃんとしてきた訳です。 翻って日本の場合は、戦後の借款やODAで侵略先各国への国家賠償を兼ねさせ、 日本国内での侵略戦争美化や隣国蔑視・敵視は 放ったらかしのままずっとごまかしてきたみたいで。 要は金とモノだけあてがえばモンク無ぇんだろ?!っていう態度ですから、 「真摯さに欠ける」だの「腹の底では反省してない」だのと 外国から言いがかりを付けられてツッ込まれうる部分を、 改めずにずっとやって来た訳です。 これじゃまるでモノとネット回線でだけ外界と繋がるヒッキーキモオタクみたいですが、 そもそも東西冷戦構造下、奇跡的にモノと金だけで大国に なってしまえた戦後日本自体が、そういう対外関係ってなモノを ろくに努力せずに来たという経緯がある気もします。
233 :
名無しさんの主張 :2007/08/16(木) 22:52:54 ID:I8C2IktC
強い皇国日本を取り戻せ。日本に縄文人などいなかった。神が日本を造られた。歴史の授業は神話におきかえるべき。
234 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/08/19(日) 20:44:22 ID:ZmnNm4C8
/// 日本における「文明の犯人」 66 /////////////// 資源不足が生んだソフトウェア文化 モノ不足ヒト余りの時代が長かったことは、もつ一つ重大な影響を残した。 資源を必要とするハードウェアよりも、人手によってその利用価値を 高めるソフトウェアが重視されることである。 世界中にあって日本にはないものは「都市城壁と手錠」といえる。 前者についてはすでに何度も述べたが、後者の手錠が欠落しているのも、 それに劣らず重要である。 ////////////////////////////// 堺屋太一著 ///
235 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/08/23(木) 23:08:11 ID:rWGJ8lvo
/// 日本における「文明の犯人」 67 ////// 人間の社会では、犯罪人や戦争捕虜など身体の拘束が必要な人物が 必ずいる。それだけに、手錠や足枷、首枷などの身体拘束器具は、どこの 国でも早い時期に生まれた。ところが日本だけは、西洋文明を真似た 戦国時代にごく少数つくられたらしいほかは、明治に至るまで、まったくなかった。 いや昭和のはじめまでまだ少なく、大部分の警察官は「捕縄」を腰に ぶら下げていた。 日本に身体を拘束すべき犯罪人がいなかったわけではない。日本人は、 それを縄という汎用材で間に合わせ、手錠、首枷のような専用具はつくらなかった。 捕縛者の身体を傷つけず、かつ逃げられないように人間を縛ることは簡単 ではない。相手もプロの盗賊や間者になれば「縄抜けの術」などを心得て いるからなおさらだ。 ////////// 講談社より絶賛発売中! ///
236 :
名無しさんの主張 :2007/08/23(木) 23:12:36 ID:Zwk2QbTs
fdさ
237 :
被害者を演じる在日韓国朝鮮人 :2007/08/27(月) 21:42:16 ID:xidLRRNR
■強制連行の嘘 昭和14年以降に始まった国家権力による朝鮮人徴用の形態は、 1.大量採用期(昭和14年〜昭和16年) 2.官斡旋期(昭和17年〜昭和18年) 3.徴用期(昭和19年〜終戦) の3期に区分される。 戦局の拡大による炭鉱労働者の不足に対し、政府は「労務動員計画」を策定し、朝鮮人採用が始まる。 それ以前にも朝鮮人労働者の移入はあったが、日本に来ざるを得ない状況を作り出したのは日本併合によるものであったとしても、来る・来ないの選択の自由はあったのである。 第1期は、「募集」という形式であった。朝鮮総督府が割り当てた地域に日本企業の募集人が出掛けて行き、募集を行った。 第2期になると、「朝鮮職業紹介令」が公布され、「朝鮮労務協会」が設立されるなど 官による斡旋が行われるようになる。同時に石炭統制会が募集地域割当ての事務を代行するようになり、労務協会と連携して事業主の希望する募集地域、割当人員などを朝鮮当局と折衝した。官主導による募集の開始。 そして第3期には、朝鮮においても「徴用令」が適用されるようになり、このことが現在、在日朝鮮人どもが声高に主張する強制連行などという“神話"の元となる。 太平洋戦争当時、多くの日本人の若者が赤紙一つで戦場へ送られた状況とは異なり、朝鮮人たちは日本国内での仕事に従事していたのである。 その当時は一応朝鮮は日本であったのだから、連中はある意味優遇されていたといわざるを得ない。 ちなみにこの強制徴用された人数は245人とのこと。とどのつまり現在日本にいる在日朝鮮人、在日韓国人および朝鮮系日本人、韓国系日本人のほぼすべてがそれ(徴用) とは全く関係ないものたち、つまり密航者とその末裔であるという結論にいたる。
238 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/08/27(月) 22:21:40 ID:hD1NWd6L
/// 日本における「文明の犯人」 68 //////// このため日本では「縛り術」なるものさえ考えられた。これが徳川時代 中期以降になると様式化され、相手の職業(身分)、性別、年齢によって 十三種類にも分かれる。武士用、町人用、僧侶、女性など、それぞれに 型が決まっており、これだけを習熟するためにも三年の修業が必要とされた。 それでも、この国では、手錠という便利な専用具をつくろうという発想は、 ついぞ生まれなかった。ハードウェアに頼るのは、専門家として恥ずかしい ことだったのだ。 //////////////////// 「日本とは何か」 ///
239 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/09/02(日) 20:18:36 ID:MjqELfCJ
/// 日本における「文明の犯人」 69 /////// このことは、あらゆる面に見られる。外国の住宅は、食堂、居間、寝室と 機能的に分かれているが、日本の住宅は同じ形式の座敷が並び、ソフトウェア (利用技術)によって食堂にも居間にも寝間にも使う。襖をはずせば大広間、 冠婚葬祭も自宅で行えるという便利さだ。 食事に使う道具も箸一つ。ナイフ、フォーク、スプーンからエスカルゴ専用の ハサミまで並べる洋食とは大違いだ。その代わりに、茶道のようなソフトウェアが 発達した。モノ不足ヒト余りの徳川時代には、専用具に頼らず、ソフトウェアで 解決することが専門的知識と人格高潔の証と見られていたのである。 //////////////////////// 1991年刊 ///
240 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/09/06(木) 23:10:16 ID:HFVyY9gK
/// 日本における「文明の犯人」 70 ////////// 「型の文化」が生んだ教育大国 専用具に頼る欧米では、特定の専門家が器具を生産して供給すれば、 他の人々はさほどの苦労もなくそれを利用できる。しかし、ソフトウェア 文化の日本では、消費者それぞれが利用技術を習得しなければならない。 当然、そのための伝授、教育が必要になる。このためにまず、伝授する 教師を大量に育成する必要がある。それを可能にするため、徳川時代 中頃からはソフトウェアの様式化、つまり「型の文化」が確立される。 ///////////////////////// 講談社文庫 ///
241 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/09/09(日) 20:12:37 ID:plQqE1R7
/// 日本における「文明の犯人」 71 /////// 武道にも茶・華道にも、囲碁将棋にも、読み書きソロバンの教育にも、 「型」が定められ「定跡」ができ上がる。「型」さえ覚えれば、まず基礎基本は できるのだから、「型」だけ教えられる者でも初等教育の教師は務まる。 徳川時代後半に、全国の農村にまで寺子屋や武芸道場が広まったのは このためだ。 一方、一般庶民のほうも物財よりもソフトウェアを重視、子孫に金銀財宝を 残すよりも教育をつけることに熱心になった。幕末期において、すでに 日本が「教育大国」だったのもこのためであろう。 /////////// 講談社より絶賛発売中! ///
242 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/09/21(金) 22:31:51 ID:Ay5ADCGU
/// 日本における「文明の犯人」 72 /////////// このことは、日本人の平等性と情報共通性を高めるとともに、 「生なりの文化」を純粋化するのにも役立った。万人に教えられる 「型」であれば、特殊技術の必要な、不自然な動作発想では 困るからである。 その半面、個性と創造力を抑圧することにもなった。まず先人の 定めた「型」を教え込まれ、「型破り」は禁止され、「我流」は 軽蔑された。「我流」こそ個性であり、創造である。 こうしたこともまた、明治以降の近代化、とりわけ戦後の 規格大量生産型工業社会の確立に大いに関係している。 この国では、欧米先進国から流入した技術や知識を「型通り」に 真似る中堅技能者が大量に養成できたのである。 ・・・・・ ///////////////////////// 堺屋太一著 ///
243 :
名無しさんの主張 :2007/09/21(金) 22:50:27 ID:VF509mRR
137 やっぱタロサでしょ。 sage New! 2007/09/21(金) 21:27:01 ID:hkhZdKhp0 TVQ、麻生支持者のコメント ★鳩山邦夫法務大臣 (民主党、鳩山由紀夫の弟) 「麻生氏の魅力は底知れない。必ずや日本を率いるリーダーになれる人間だと信じている」 ★中川昭一前政調会長 「福田氏は卑怯者だ。安倍政権のころは何もしなかったくせに今頃出てきて何様だ。 古賀元幹事長や山崎前副総裁など論外。彼らは安倍政権の時はキャンキャンと わめきたてて口を開けばひたすら ”批判”だけ。対案について聞けば口を 閉ざしてただ”批判”に終始。こんな人間が幹事長とか外務大臣とか 要職に就けば日本は終わる。(伊吹会長の、「麻生推薦人の我が派の支持者は 名を貸しただけ。」について) 知らぬは伊吹会長だけということでしょう。 まあ結果は開けてみれば分かる。志帥会は麻生氏支持が実は多い」 ★甘利明経済産業大臣 「安倍改革は中途だ。ここで終わらすべきではない。麻生氏は安倍氏の最も 信頼していた人間だ。クーデターがどうだとか荒唐無稽な噂が流れているが そんなことは無い。私や中川前政調会長、菅選対総局長などが麻生氏を支持して いる点から見てもそれは明らか。安倍氏の改革を継承できるのは麻生氏。 福田氏は安倍氏とは元々全然違う考えだし、それを支持している古賀元幹事長など は安倍政権の時は何もしなかったくせにいまさらコソコソ出てきて権力中枢を 握りたいなど泥棒同然だ」 ★三原朝彦氏(津島派) 「福田氏など過去の遺物。麻生氏は少なくともここ数年で、政調会長や総務大臣・ 外務大臣などを歴任して幹事長まで務めてきた。現状を良く認識している。 適任だろう。(古賀氏や山崎氏について聞かれて)同(福岡)県の議員が県連に 圧力をかけて福田支持を求めているようだがこんな酷いことは前代未聞。 安倍政権下何も手伝おうとしなかったくせに何を考えているのやら」
244 :
名無しさんの主張 :2007/09/22(土) 20:03:21 ID:R1UaNWis
小渕、高円宮、安倍が政府専用機(航空自衛隊所属)に乗った直後に体調を崩した。たぶん実行犯は北朝系。ちなみに高円宮は南朝系。
245 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/09/26(水) 21:53:45 ID:TQlcxZXi
あぼーん
あぼーん
あぼーん
249 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/09/29(土) 22:45:13 ID:EOcPfUIS
/// 繁栄と限界 1 /////////////////// 堺屋太一著 「日本とは何か」 1991年 講談社発行より ・・・・・ 第六章 最適工業社会の繁栄と限界 最適工業社会への道 「豊かさ」への仕組みとは これまで五章にわたって「日本とは何か」を論じてきた。 日本には世界に類のない数々の特色のあることを述べ、その由来を 風土と歴史とから語ってきた。そうした特色が、今日の「豊かな日本」を 築くうえで大いに役立っていることをいいたかったからである。 ///////////////// 「日本とは何か」 ///
250 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/10/07(日) 20:05:10 ID:A4h+MMyH
/// 繁栄と限界 2 /////////////// しかし、それだけでは日本が豊かになった説明にはなっていない。 日本の風土は有史以前からのものであり、日本人が実際主義の 気風を持ったのは千四百年も前からである。この国に共同体への 帰属意識の強い集団主義の気性が生まれたのも、情報共通性が でき上がったのも、大昔のことだ。比較的新しい石門心学的勤労観や 細部重視の美意識が確立されてからさえ二百年以上も経つ。それにも かかわらず、長い間、日本は貧しかった。この国が世界一流の豊かさを 誇るようになったのは、二十世紀の後半、とくに一九七〇年代からである。 ////////////////// 1991年刊 ///
251 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/10/13(土) 20:55:17 ID:q4MN80I5
/// 繁栄と限界 3 //////////////// したがって、日本の風土や歴史文化は、この国を豊かにする潜在的な 要素ではあっても、直接的な原因ではなかったのは明らかである。 一九七〇年代以降の日本が大いに豊かになり得たのには、これらの 諸要素を結合して生まれた「豊かになる仕組み」があったからだ。 この最終章では、その仕組みについて論じ、それと風土や歴史文化との 関わりをまとめることにしたい。 だが、その前に、いま一度、日本の現状に立ち戻って日本社会の 構造と体質および気風と気性を明確にしておく必要があるだろう。 正確な現状認識がなければ、正しい結論には達しないからである。 ////////////////// 講談社文庫 ///
252 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/10/14(日) 20:10:55 ID:gIAB3o84
/// 繁栄と限界 4 ////////////////// 生産者の天国、消費者の地獄 いま、日本がたいへん豊かな国であることは、誰もが認めるところだろう。 第一章で述べたように、一人当たりの国民所得は世界最高の水準に達し、 一人当たりの資産は世界断トツになり、国際収支は大幅な黒字をつづけている。 外国に対する投資も世界一なら、経済協力金額も世界一(一九八九年、 ただし九〇年にはアメリカに次いで二位)だ。しかも物価は安定し、失業者は 少なく、犯罪件数も事件発生率も少ない。このような豊かさを生み出したのは 何かを一言でいえば、「最適工業社会」である。つまり、近代工業の特色である 規格大量生産に最も適した世の中を、この国がつくり上げることに成功した のである。 ////////////////// 絶賛発売中! ///
例えば、パニックや被害妄想だ。 精神病と接していると伝染する事がある。 特に複数の患者の中に身を置くとその確率が高くなる。 その良い例がカルトだ。 複数の患者に説教されている内に感染する。 最近の大きな出来事では、ブッシュがイラクに大量破壊兵器があると言い出して イギリス、ドイツ、オランダなどがイラクに侵攻したが、大量破壊兵器は無かった。 その為に何万人ものイラク人が死んだ。 過半数のアメリカ人が被害妄想に感染した。 この様な事はカルトや国だけでなく、身近なあらゆる所で起こる。 人間は精神活動する動物だ。 それは簡単に狂う。 相撲部屋のリンチ事件とか体育会系クラブの集団レイプ事件など犯罪に結び付く例も多い。 警察の組織挙げての公金横領なども一種の精神病状態だろう。 良心が何処かに吹っ飛んでしまっているのだね。 大事な事は、複数の患者の中に身を置かないことだ。
254 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/10/21(日) 19:36:13 ID:reAZe1wg
/// 繁栄と限界 5 ////////////////// ところが、日本人一人一人の実感として、世界一の豊かさが信じられるか といえば、必ずしもそうではない。確かに、戦前や終戦直後よりははるかに 豊かになったことは、誰もが認める。十年前に比べても豊かになった、という 人は多いだろう。だが、「世界一」といわれると首をかしげたくなるに違いない。 「日本人の所得はアメりカを上回っている」といわれても実感がない。 「君たちは世界に稀なる資産家だ」といわれても白けた気分になる。 「日本の住宅は世界一流の広さ」といわれると、疑わしい気分になってしまう。 われわれの生活は、「豊かさ」とは無縁な不安と苛立ちに満ちているのである。 //////////////////// 絶賛発売中 ///
255 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/10/28(日) 19:00:36 ID:7cOOmh80
/// 繁栄と限界 6 /////////////////// 何故に日本人は、世界一豊かな状況にありながら、これほどまでに余裕と 安心のない生活に追われているのだろうか。それを一言でいえば「最適工業社会」、 つまり誰もが選択の余地の少ない規格品で暮らさなければならない世の中 だからである。 人間は生産者であり消費者だ。生産者(稼ぐ人)として見れば、今日の日本人は まことに幸せである。給与も高いし失業の心配も少ない。企業の経営も商店の 営業も保護されている。生産の現場は安全で清潔、労働秩序もきわめて厳格、 そのうえ相当数の人々は、会社の交際費でかなりの娯楽まで楽しむことができる。 日本の交際費は年間約五兆円、GNP比率で見れば、アメリカ、イギリスの六倍、 旧西ドイツの八倍にもなり、株式総配当額をはるかに上回っている。 ///////////////////// 堺屋太一著 ///
256 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/11/07(水) 21:08:22 ID:TtKg4iGq
/// 繁栄と限界 7 //////////////////// その半面、消費者としての日本人はいたって不幸だ。物価は高いし家賃も高い。 電車も飛行場も満員だし、病院のベッドを取るのもコネがいる。役所の手続きは やたらに複雑で書類の数は多い。何よりの不幸は選択の自由が乏しいこと、 小・中学校は厳格な通学区域で縛られていて、居住地によっていやな学校でも 強制的に入学させられる。病院の種類も少ないし、商店の種類も少ない。遊びも 安全基準と各種規制でがんじがらめ、ちょっと気の利いた買い物や遊びのためには 何十万円もかけて海外に行かざるを得ない。お金はあっても好きなことができない、 それが日本の現実である。 ///////////////// 「日本とは何か」 ///
257 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/11/15(木) 21:26:32 ID:7AsPoMns
/// 繁栄と限界 8 //////////////// 要するにこの国は、「生産者の天国、消費者の地獄」なのだ。そうなったのも、 最適工業社会のせいである。 では、何故に日本は最適工業社会になったのか、世界百数十ヵ国のなかで、ただ 日本だけが、最も厳密な最適工業社会をつくり得たのか。いま日本でまた世界で 論じられている日本論や日本人論は、結局のところこの問題に帰結するだろう。 それだけに、この問題の解答には、これまで論じてきた日本的特色のすべてが 絡んでいる。この国の風土、牧畜と都市国家の経験を欠いた歴史文化を体系として 考えない実際主義、稲作農業の永い伝統から生まれた集団主義、初等教育を 広めるために便利な「型の文化」、そうしたもののすべてが、今日の最適工業社会の 形成に重大な影響を与えていることは間違いない。 ////////////////// 1991年刊 ///
258 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/11/23(金) 21:56:05 ID:b0uc7EFZ
/// 繁栄と限界 9 //////////////// しかし、日本が古くから最適工業社会であったわけではないのも事実だ。 この国が規格大量生産型の工業において巨大な生産力と高い技術力を持ち、 自動車や電気製品の分野で世界を席捲せんばかりの勢いを示すように なったのは、一九七〇年代から、たかだか二十年ぐらい前からである。 そのことを思えば、日本の風土や伝統が、日本人の集団性や実際性が、 それに役立っているというだけでは十分でないことは明らかだ。 ///////////////// 講談社文庫 ///
259 :
名無しさんの主張 :2007/11/24(土) 12:05:52 ID:j3FX9RSS
月並みな意見を述べたいと思う。 今の日本の一番の問題点は、昔ながらの文化が消失していることであると思う。 現在日本は少子化に悩まされているわけだが、この問題にしても、 女性が「人生」というものに美や幸福を感じないからこそ、子作りは無為である と考えてしまっているからではなかろうか。 日本は外国から科学をを吸収し、同時に文化を捨ててきた。 確かに科学のような学問は、お金を稼ぐために非常に有用であるため、 生きるうえで必ず必要であることは疑いようのない事実である。 しかし同時に人間が生きるうえで絶対的に必要なことがもう一つある。 それは、「人生に意味はあるのか」という問いへの答えである。 その問いこそは生きる人間の心にたびたび顕れ、そして執拗なるまでに その答えを求めるのである。その答えがなければ、生きていけぬからである。 そしてこのような問いに答えられるものは、科学ではなく、文化や哲学、思想、 宗教などがこれにあたるのだ。 黒船の来航からというもの、科学の威力に日本人は何度も度肝を抜かれてきた。 そして、科学こそは万能であると勘違いしてしまったのである。 いまこそ我々は、物質面を豊かに成す科学と、 心を豊かに成す文化や宗教などを同時に所有し、 真に強く、真に幸福な人生を歩むべきである。
260 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/11/30(金) 22:10:51 ID:FjxfPGUR
/// 繁栄と限界 10 /////////////// そこには、長い歴史のなかにつちかわれてきた日本社会の伝統的気風と 気性を、最適工業社会の実現に向けて働かせる決定的要素があったはず である。そしてそれは、この国が飛躍的な産業発展を遂げる時期、つまり この二十世紀において起こったことでなければならない。 そのようなものを探すとすれば、やはり一九四一年(昭和十六年)に 確立された政策体系、いわゆる「官僚主導型業界協調体制(官導体制)」に 行き当たるであろう。 /////////////// 絶賛発売中! ///
目を覚ませ。 目の前にあるモノが全てだと思わない事。 むしろ、一番目に見えないモノが最もこれから必要な事と言うのを認識しておくこと。 私には答えは言えない。しかしこれは妄言ではない。 目覚めの時は近いが、目の前の世界は果たしてどれほどその姿を、 あらゆる言い伝え、教え、そして数多の今まで見えなかったもの通りに表れたか。
262 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/12/06(木) 22:19:12 ID:xeAJqiGg
/// 繁栄と限界 11 ////////////////////// 産業革命の本質 周知のように、近代工業は産業革命によってはじまった。そしてその 産業革命とは、十八世紀後半にイギリスではじまり十九世紀前半のうちに 西ヨーロッパやアメリカに拡がった産業経済の変革現象を指している。 日本にこの現象が波及したのは、十九世紀末から二十世紀初頭、 明治維新によって欧米の近代工業技術と近代的制度が流入、それを 完全な模倣で学びはじめて三十年ほど経った頃であった。 /////////////////////// 絶賛発売中 ///
263 :
名無しさんの主張 :2007/12/07(金) 10:39:29 ID:h0XmMrRr
自民民主公明は、電子選挙投票を実現させようとしています。 一切の証拠が残らない選挙。 ブッシュは電子選挙のおかげで勝って戦争をしているのです
264 :
名無しさんの主張 :2007/12/08(土) 00:45:53 ID:J0DvXCRU
■■主な先進国の年間労働時間(過去数年の平均)■■ 韓国2350 アメリカ1900 日本1850 (※サビ残は含まれていない。推定年間+530=2380) カナダ1700 スイス1700 イギリス1650 デンマーク1550 スウェーデン1550 フランス1450 ドイツ1450 ノルウェー1350 オランダ1300 ※サビ残という悪しき風習は日本だけのようです・・・ 計上されていないサビ残を含めると、おそらく韓国より多いのではないでしょうか。 あなたの時給をだして世界平均約1600時間を掛けて12で割ってみましょう。 その額があなたが「普通」に働いた月給です。 多い分は全て「過剰労働」で得たものです。 おおまかな時給の出し方 年間総支給額(ボーナス含む)−交通費÷12÷月出勤日数÷一日の労働時間 ※比較のため夜勤手当等の割り増しは入れないで下さい。 ※有給は消化出来る平均を含めて下さい。
265 :
名無しさんの主張 :2007/12/08(土) 11:53:45 ID:ET86avpb
2007年12月07日 地球の危機 立て替え立て直しのこの時、この世に生を受けるも意味あることなり。 日本は神国なり。日本の民はそもそも神と共にありき。神に一番近き民族なる。 さなる神国の民、神から遠く離れ魂穢すを神いたく悲しまれん。 今、神は様々なる現象にて人が目覚め、神と共にありし日々の魂を取り戻すことを切に望まるる。 時は迫れり。 今、様々なる事象にて人を立て分けん。 すでに立て分ける魂は決まりておるなれど、まだ間に合うぞ。まだ救いはあるなり。 今この時ほど神が神の存在を人に知らしめんとさるるはかつてなきことなり。 この人類の最大の危機の時、神の最後の呼びかけなり。 神と共にありし日々のことを思い起こすことをただひたすら望まるる。
266 :
名無しさんの主張 :2007/12/08(土) 11:54:28 ID:ET86avpb
立て替え立て直しは避けられぬ。 破滅へと向うこの地球を浄化し、神と共に歩む平和なる世、蘇らせんためなり。 人は己が一番可愛く、己の家族、友人、知人が大切ならん。 そは人間としては当たり前なれど、よくよく考えてみるがよけれ。 日本の国が、世界が人も動物も生きられぬ地となりし時、己一人、己を取り巻く人間のみ生きながらえたとしても、そこに幸せあるや否や。 何の価値あるや。 人も動物も自然も小動物もすべからず調和し、循環してこそ初めて幸せもたらされん。 今、地球は病みゆくなり。 温暖化の現象は人がのんきにかまえている間に、議論している間に、確実に進行す。 海も本来の命無くしつつあり。 本来住むべき命は滅亡し、本来住めぬ生き物繁殖す。 海も山も人間を支える自然なり。 人間の命を支えるものなり。 なれど、海も山も真の役割果たせず。 なれば天変地異、様々な形にて襲いくる。 人間の病は人間の命を保たんために表るるものなり。 地球も同様なり。地球の病は天変地異にて浄化するより他に道なし。 人は不幸の中に幸せ悟り、苦労ありて成長す。 病に苦しんだ者、災害経験したる者、命の重さを悟りゆく。 人は何の苦労も不幸もなくただに平穏無事なる生活なれば何も悟りえず。 今、人は足るを知るべし。 不幸、災難、災害、襲いたる時人ははじめて足るを知るらん。
立て替え立て直しも立て分けも避けられぬものなり。 神は幾度も人に気付きの機会を与えられ、呼びかけ続けられたる。 なれど、地球はもう取り返しのつかぬ所まできたりし。 もう時は無きこと、悟れよ人よ。 今この時神を信じるや否やを論ずる時になし。 あの霊能者、あの宗教者は本物だ、偽物だと論じている時にもなし。 神は今この時、神の言葉を伝える者多く必要なれば、日本の民に気付きを与えるためたくさんの神の言葉を伝える者降ろされたり。 神の降ろされし者ならば、真理は一つ。皆同様なり。 日本の民はそもそも一番神に近き民族なり。 神は日本の民に皆々に、今気付きあれよと望まれん。 今、神を信ずるや否やを論じている時では、既になし。 この宇宙も地球も自然も人間も万物事象全てが神がお造りになり、全てがお仕組みにて循環するものなれば。 この地球が最大の危機を迎えるを人は真に気付きて、神を手伝い、手足となりて立て替え立て直し成功させんと、行動起こすを神はひたすら望まるるなり。
268 :
名無しさんの主張 :2007/12/08(土) 16:30:31 ID:99WGMlaq
台湾人を叩く奴は全部チョン 悪い事は全部チョンのせい 李登輝を日本の総理大臣にしよう 日本人は台湾人が大好き 日本人は台湾が好き!朝鮮嫌い! 日本に来る台湾人歓迎!朝鮮人出て行け! 台湾人はマジでかわいい ヴィック・チョウは日本女性に大人気 日本人種は在日チョン用語 金美齢は絶世の美女
269 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/12/09(日) 20:02:52 ID:CD4UGWJx
/// 繁栄と限界 12 ////////////////// 前述のように、欧米人が近代工業技術を発明し利用し、それに適した制度や 組織をつくり出すまでには、三百年にわたる精神的遍歴と社会的葛藤があった。 その成果をたった三十年で受け入れたのだから、日本の速度は驚異的である。 だが、それだけに日本の「近代」の受け入れ方はごく表層的だった。その日本が、 七十年後にはどこの国よりも完全に近い近代工業社会(最適工業社会)を 築き上げたのだから、不思議といえば不思議である。 しかし、そこには不思議ばかりではない理由もあった。日本は後進工業国 であったが故に、諸外国が経験した戸惑いや妥協なしに純粋な近代社会を つくり得た面も多いからである。 ///////////////////// 堺屋太一著 ///
270 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/12/12(水) 22:30:40 ID:0R4EVUTi
/// 繁栄と限界 13 //////////////////////// 産業革命は、現象的に見れば、蒸気機関で動く大型機械群を使った 工業生産が社会の主要な生産形態として確立される現象、つまり、 一連の技術革新現象だった、といってよい。 しかし、単なる技術革新ならそれ以前にもあったし、その後にも起こっている。 そのなかで、「十八世紀の後半にイギリスではじまり十九世紀のうちに 西ヨーロッパやアメリカ、日本に広まった蒸気機関で動く大型機械群の導入現象」 のみを、とくに「産業革命」として特記するのは、これを契機として、産業のみならず、 経済社会の全般が変革したためだ。つまりこの時期の一連の技術革新によって 近代工業社会が出現したのである。 ////////////////////// 「日本とは何か」 ///
271 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/12/16(日) 19:28:58 ID:4dtmJp2D
/// 繁栄と限界 14 ///////////// 蒸気機関で動く大型機械群を備えた工業が登場すると、そのための 生産設備を一人一人の個人(労働者)が持つことはできない。また、 一人(または一家族)で、そのような生産設備を操業し運営することも できない。このため、生産設備(生産手段)を持つ「資本家」と、 生産手段を持たず労働力のみを提供(販売)する「労働者」とに 分かれることになった。 ///////////////// 1991年刊 ///
272 :
名無しさんの主張 :2007/12/19(水) 19:57:27 ID:0JDaUwrT
>>271 で、君は今の資本主義社会をどう思っているんだい?
273 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/12/20(木) 00:00:51 ID:657KPIt5
/// 繁栄と限界 15 ////////////////// 産業革命以前の社会においては、働く者はそれぞれに生産手段を持っていた。 農民は耕作する土地の権利を持ち、スキやクワを持っていた。鍛冶屋は道具を持ち 仕事場を備えていた。馬車屋は車を持ち馬を飼っていた。商人は商品と屋台と 商売をする権利を持っていた。ところが、工場制工業生産がはじまると、生産手段を 持たない労働者が大量に発生した。彼らは、何の生産手段も持たないが故に、 どこででも働けたし、どこにでも居住できた。力ール・マルクスが、「自由なる労働者」 と呼んだ人々の群れである。近代工業社会とは、こうした「自由なる労働者」が 多数を占める社会なのだ。 //////////////////// 講談社文庫 ///
274 :
名無しさんの主張 :2007/12/20(木) 11:26:25 ID:5YNT48TX
機械が発達し人手が足りてしまっている産業で、果たして次の革命がくるのか?話しは変わるが今だにパチンコやスロットをやってる人達は何なんだ。そんなに金捨てて楽しいかな?理解できん。
275 :
名無しさんの主張 :2007/12/20(木) 11:35:46 ID:5YNT48TX
先ずはこうした国が運営できんギャンブルを排除する事から始めほしいな、そもそも生きて行くのにギャンブルって必要か?日本に今一番足りない物を明日から考えてほしい
276 :
名無しさんの主張 :2007/12/20(木) 17:24:50 ID:u6xF0wTg
>>273 歴史はよく分かったから、
これから日本の社会はどうなるべきだと思っているのかを
教えてくれ。
今日までの社会を振り返るのは確かに良いことだが、
それは、未来にその教訓を役立てていくという大前提があっての話だ。
277 :
名無しさんの主張 :2007/12/21(金) 01:15:24 ID:5LVqpBPF
経営者(会社)に対して改革案を!雇っている物は利益に対して80%以上を人件費に浪費する事!もちろん維持費等省いた純利で、このくらいの事やって初めて日本は良くなると思う。ガンバレ政治家達よ!
278 :
名無しさんの主張 :2007/12/21(金) 01:45:08 ID:XfE/cNXH
人間が極力不必要な世の中になっているわけだ。 基本的に全てロボットに任せて、人が判断すべき職業と ロボットの管理業務に人を置く。 余った人間は1億とは言わないが、一人一人が何かを生産する手段を持つ。 特に農業と介護業務だな。半自給自足にする。半分は売ればいい。 農業は米以外はほとんど自給できていないから、まずは50%を目標にして、 最終的には75〜80%に持っていく。 都市部の空いた敷地は、マンションなど造らずに、畑地化する。 作り方は各地元のJAなんかが素人に教えてやればいい。 それとなにせ小麦、大豆を輸入に頼り過ぎ。アメリカ南米は小麦からバイオエタノール に使えるとうもろこしへの生産にシフトしている。 うどん、お好み焼き、たこ焼きの原料くらいは全て自国で賄おうぜ!
279 :
名無しさんの主張 :2007/12/21(金) 02:26:32 ID:hkGIi/Uk
■■主な先進国の年間労働時間(過去数年の平均)■■ 韓国2350 アメリカ1900 日本1850 (※サビ残は含まれていない。推定年間+530=2380) カナダ1700 スイス1700 イギリス1650 デンマーク1550 スウェーデン1550 フランス1450 ドイツ1450 ノルウェー1350 オランダ1300 ※サビ残という悪しき風習は日本だけのようです・・・ 計上されていないサビ残を含めると、おそらく韓国より多いのではないでしょうか。 あなたの時給をだして世界平均約1600時間を掛けて12で割ってみましょう。 その額があなたが「普通」に働いた月給です。 多い分は全て「過剰労働」で得たものです。 おおまかな時給の出し方 年間総支給額(ボーナス含む)−交通費÷12÷月出勤日数÷一日の労働時間 ※比較のため夜勤手当等の割り増しは入れないで下さい。 ※有給は消化出来る平均を含めて下さい。
280 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/12/23(日) 23:32:45 ID:pQSzimKY
/// 繁栄と限界 16 ///////////////// 一方、機械が発達してくると、人間を機械に置きかえるほうが有利になる。機械は 人間よりもはるかに強力であり動きが正確だ。だが、機械は動きが単純で判断能力が ない。したがって、人間労働を機械に置きかえるためには、単純な動きで生産できる ように製品を定形化し、判断が要らないように材料と完成品を規格化しなければならない。 つまり、規格化が大量生産には不可欠なのである。すべての製品を単純な形態の 部品に分解して規格化し、大量に生産して、それを一定の順序で組み立てるように すれば、機械化の応用範囲は広まり、人間労働の必要量は減少する。つまり、労働 生産性が向上し、製品の品質と均一性が高まる。したがって、こうした規格大量生産に 適した社会こそ、近代工業に適した社会ということができる。そしてそれを最も徹底 させたのが最適工業社会である。 /////////////////// 絶賛発売中! ///
281 :
参謀 :2007/12/24(月) 14:59:51 ID:W4w3iKCZ
我国は長らく幕府(武家による政治)が国を治めておりました。 それは明治維新によって一時終わりを告げました。 明治の時代は栄光に輝いております。 しかし、よく見てみれば、かなり愚かで危険な脆弱な国として始まったのであります。 すべての伝統を捨て、こっけいなほどの欧米かぶれで、一言で言えば現日本に似たダサい国である。 おそらく、欧米人たちは日本のコントをみて大笑いしていたと思う。 後に国家として成功して本当に良かった。 失敗すれば、世界で最も愚かで馬鹿な国と永遠に物笑いの種にされるところでありました。 その成功をもたらしたのは、軍人であります。 国の組織のあり方の改革なら欧化は生き残りをかけた国策として理解できるが、 文化風習すべてを欧米人のまねをし、欧米人に媚びる政策は当事者でなくとも真に恥ずかしく思う。 「日本語を廃止し、ローマ字にすべし」 「欧米人との結婚を奨励し、民族改革すべし」 国民の血税で、鹿鳴館など建て、贅沢なパーティを毎日のように開いて欧米に媚びる当時の文官どもは 当然、改革に伴う貧乏生活を強いられていた国民に非難罵倒されていました。 こんなゴミのような日本を世界の列強入りをさせたのは、 大日本帝国陸海軍であります。 もっとも、軍の制度も猿真似であり、格好も欧米かぶれで見たくれはダサい。 しかし、日本の武人の生き残りには内容があった。 伊藤博文のような優れた指導者や軍人出身のすぐれた政治家、官僚の下、 軍人は世界をあっといわせる獅子奮迅の働きをして、日本を光り輝かしめたのであります。 そして、それは日本人に日本人としての誇りを取り戻させたのであります。 消え行く商人国家から強くたくましい健全で心豊かな日本にするには 自衛官の地位を向上させなくてはならない。
∩ ∩ い_cノ / ̄>O `c/・ ・っ (ニニニ)△△ ("●" ) (・ω・`)[‖] O┳Oノ)=[ ̄てノ ̄ ̄] ◎┻し◎ ◎――◎=3 喫煙者のいない世の中、プライスレス!
283 :
名無しさんの主張 :2007/12/25(火) 02:02:13 ID:LoRMvFb0
医学部歯学部薬学部獣医学部を4年制にして医学部歯学部の学費も薬学部獣医学部並みにして 再チャレンジしやすい国になってくれ!! 大学なんて無駄に休みが長いから絶対に可能なはず。
284 :
名無しさんの主張 :2007/12/25(火) 06:23:58 ID:Wp9WVwH2
12.8 リチャード・コシミズ名古屋講演会 「真の愛国者が日本を救う」
http://video.google.com/videoplay?docid=6122301316446344460&hl=en 2007年12月8日名古屋・明倫ホール
独立党マニフェスト提唱を始め、内容の濃い講演会となりました。
リチャード・コシミズ集大成。 必見です。
プログラム
第一部
00分00秒 Bloggerヘンリー・オーツ 氏 講演
20分15秒 在日コリアンの独立党員チョン氏 講演
44分03秒 リチャード・コシズミ 講演
第二部
45分30秒 リチャード・コシミズ右翼・暴力団・カルトの関係を語る
1時間33分05秒 リチャード・コシミズ独立党マニュフェスト提唱
2時間31分42秒 質疑応答
285 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/12/27(木) 22:33:24 ID:oTqE9Rvt
/// 繁栄と限界 17 //////////////////// 日本が最適工業社会をつくったというのは、「規格大量生産に最も適した世の中に なった」ということだ。現在、日本が世界に誇る国際競争力を持っている分野は、 規格大量生産が可能な分野に限られている。工業のなかでも規格大量生産ができない 伝統工芸品や一品生産的な大型航空機、原子力機器では、日本の生産量と競争力は けっして強くない。コンピュータでも、規格大量生産になじみ難い大型機器が志向されて いた間は、日本の競争力は弱かったが、八○年代に入って小型量産機器が普及すると、 たちまちにして日本の独壇場と変わってしまう。農業やサービス業、知価創造的な 分野などで劣るのも、規格化と大量生産化ができないからだ。 ////////////////////// 絶賛発売中 ///
286 :
◆3OnF3KiVxQ :2007/12/29(土) 19:04:58 ID:LJIDxaGQ
/// 繁栄と限界 18 //////////////// 明治以来日本は、欧米列強に劣らぬ近代工業国家をつくろうとした。それは、 とりもなおさず、規格大量生産に適した世の中をつくり上げることであった。 日本が量、質ともにそれに成功したのは戦後、とくに一九七〇年代以降である。 戦後の日本は、そのためにすべての政策を動員したばかりでなく、情報機関と 教育と生活規制によって、それが当然と信じるような社会環境をつくり上げた のである。 /////////////////// 堺屋太一著 ///
287 :
名無しさんの主張 :2007/12/29(土) 23:08:56 ID:ixK/fN3c
20代から30代の、笑いのツボっておかしい。 世の中狂ってきてるなぁ、としか思えません。
288 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/01/01(火) 00:24:32 ID:tW8hYP+/
/// 繁栄と限界 19 /////////////////// 「安定」から「効率」へ − 正義の転換 前述のように、近代工業社会を生み出した精神は、合理主義、つまり物財の 多さを幸せと感じる美意識と、効率を正義と信じる倫理観だ。それが日本に 定着したのは、けっして古いことではない。 徳川時代の日本では、最大の正義は「安定」であって「効率」ではなかった。 成長志向を弾圧した徳川家康の築いた政権・徳川幕府は、どれほど「効率」を 犠牲にしても「安定」を追求してやまなかった。あえて大井川に橋をかけなかったのも、 複数帆柱の船舶の建造と運航を禁止したのも、人と物との移動が容易になる (効率がよくなる)ことで、人口の均衡と地域市場が崩れて安定が損なわれるのを 恐れたからである。 ///////////////// 「日本とは何か」 ///
289 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/01/02(水) 18:59:48 ID:ox/INs+K
/// 繁栄と限界 20 //////////////////// 勤勉と倹約とをともに強調して、マクロの均衡とミクロの安定を両立させる一方、 労働を人格修養の手段と考えて労働の効率を無視するようにと説いた石田梅岩の 石門心学が、人々の共感を得たのも、安定を第一とする社会コンセプトがあった からである。 ところが、アメリカからきた「黒船」は、「安定」よりも「効率」を重視する近代思想を 提示した。このことは、日本社会を一変させるに十分だった。これによって、 それまでの最大正義だった「安定」が否定され、すべてを革新する効率追求が 正義になってしまう。いわゆる「尊皇攘夷」から「文明開化」への転換である。 ///////////////////////// 1991年刊 ///
290 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/01/04(金) 22:20:12 ID:bhd0C0xv
/// 繁栄と限界 21 //////////////////////// この変化の激しさは世界史上にも例を見ないほどであった。それというのも日本人には、 そのときその場の多数の意見を正義とする相対的正義感が定着していたから、 日本の伝統的な気風と気性が、明治維新では見事に発揮されたわけである。 一方、これに対する抵抗はいたって弱かった。「黒船」が現れるまでは圧倒的な 権威と権力を持っていたはずの徳川将軍も、それに忠誠を誓っていたはずの諸大名も、 たった十年のうちに自ら進んで権力を放棄した。「三河以来三百年」の天下の旗本 たちも、幕府を擁護しようとはしなかった。このとき、あくまでも徳川家と徳川幕府に 忠誠であろうとしたのは、会津・桑名などの大名とごく少数の旗本御家人、および 新撰組のような臨時雇いのガードマンだけだった。 それというのも、この国にはみんなと違うことを恐れる集団主義の気性があった からである。 ////////////////////////// 講談社文庫 ///
291 :
名無しさんの主張 :2008/01/05(土) 14:07:00 ID:B1CNWq9i
2008年01月04日 戦い 2008年、人の心を蝕みゆく悩み、悪心、邪気と戦いて己の心の悪に打ち勝たねばならぬ時なり。 己の魂浄化し、魂清め向上せんと努める者を神は神の光もちて導かん。 なれど、己の悪に打ち勝てぬ者にはさらなる厳しき禊ぎ与えん。 定めは二通りに立て分けらるる。 人は今すぐに己の心の悪、素直に認め正すがよし。 人自ら己の罪を量りて自ら審きて自ら罪償うなれば、神は人を審かぬものなり。 人は己の罪を隠し、神の目をも欺かんとするなれど、神の御前にはごまかしは通じぬ。 自分の罪から目を逸らすなかれ。 自らを見つめ、己自身にて審き、償うなれば、神はただ足許照らし見守るばかり。 人の定めははっきりと二極化するなれば、今まずは己を立て直すことから始めるがよけれ。 己に神宿らせるも、邪宿らすも己の心次第なり。
292 :
名無しさんの主張 :2008/01/05(土) 17:03:06 ID:zDygKL2U
すごいと思うのは教育・研究に力を入れないこと。技術の発展というのも あるけど、民衆の相対的なレベルも上がると思うんだが・・・。 株とか、すぐ手元に金が入るのは奨励してるみたいだが・・・。 人間を使い捨てにするような社会は、次の代に続かなくなるよ。
293 :
曹操 ◆tr.t4dJfuU :2008/01/05(土) 18:09:05 ID:B1CNWq9i
>すごいと思うのは教育・研究に力を入れないこと。 まったく同意 すごい すごい国 だが、このゆがみの結果は数字だけでものごとを評価するタイプには まったく認知できない 最後まで問題なし、と言い続ける輩が多いことだろう
294 :
名無しさんの主張 :2008/01/05(土) 18:39:14 ID:WOo1T+Sj
日本政府による朝鮮人強制連行を国連で唱えてゆくべきだ。 日本政府及び、日本国民は強制連行の賠償から逃げている。 強制連行が、無かった等と嘘を言触らす、一部の反動保守勢力こそ歴史を 重く受け止め、今こそ朝鮮人強制連行を認め、謝罪し、誠意のある賠償を 政府に求めるべきなのである。 日本が国際的理解を得るには 国内の強制連行問題を清算するしかないのである。
295 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/01/05(土) 19:05:33 ID:wez/p2SF
/// 繁栄と限界 22 ///////////////////// 死よリ怖い仲間はずれ 人間は誰しも他人に好かれたいと思う。だが、その度合が日本人ほど 凄まじい民族はいない。とくに日本人が、自分の属する集団のなかで 嫌われることを恐れるのは、極端である。日本人が恐れる死以上に こわいのだ。外国人は(ときには日本人自身も)、日本人は死を恐れぬ 民族だと思い込んでいるが、これほど大きな誤解はない。むしろ、 他の民族以上に死を恐れる。 //////////////////// 絶賛発売中! ///
296 :
名無しさんの主張 :2008/01/05(土) 19:26:59 ID:Zn0RD1Ml
>>295 >人間は誰しも他人に好かれたいと思う。だが、その度合が日本人ほど
凄まじい民族はいない。
その度合という、数字が明確ではないな。
>とくに日本人が、自分の属する集団のなかで
>嫌われることを恐れるのは、極端である。
どこの誰と比較して極端といっているのか、不明
>日本人が恐れる死以上に
>こわいのだ。外国人は(ときには日本人自身も)、日本人は死を恐れぬ
>民族だと思い込んでいるが、これほど大きな誤解はない。むしろ、
>他の民族以上に死を恐れる。
外国人という、あいまいな存在を持ち出して語りたがる文系。
客観的でもなんでもないな。ステレオタイプの連打。
297 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/01/06(日) 17:26:14 ID:rA3AptKa
/// 繁栄と限界 23 ////////////// たとえばガンと診断したときに、患者本人に告げるべきかどうか、 日本の医学界ではしばしば問題になる。日本では多くの場合知らせないが、 外国では成人の場合はたいてい本人に知らせる。 「あなたはガンです。あと三ヵ月の寿命でしょう。いまのうちに遺言を書き、 牧師を呼んでお祈りをしなさい」というわけだ。キリスト教の終油の秘跡は、 死ぬ前に行う儀式であり、「お前はこれから死ぬぞ」といって額へ十字に 油を塗る。 ///////////////// 絶賛発売中 ///
298 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/01/12(土) 19:49:32 ID:FdapIMAv
/// 繁栄と限界 24 /////////////////// ところが、日本の仏教の引導は、死んでから棺桶の前で渡す。生きているうちに 坊さんがきたら、患者はびっくりしてしまう。不治のガンも同様で、日本では大体に おいて本人には告げないことになっている。このため、患者が遺言を書くこともなく、 相続問題をこじれさせる例が少なくない。しかし、それにも合理的な根拠がある。 ガンを告知すると、結果が著しく悪いのである。 外国の統計では、患者に不治のガンを告知した場合も告げない場合も、ほぼ 同じくらい生きるそうだ。つまり確実に死ぬといわれても、それで気を病んで寿命を 縮めることは少ないらしい。 /////////////////////// 堺屋太一著 ///
299 :
○× :2008/01/12(土) 20:02:02 ID:???
>>293 >このゆがみの結果は数字だけでものごとを評価するタイプには
>まったく認知できない.
数字だけ見て学力低下だ!授業時間を増やせ!なんて
本質を考えず騒いでいる人が多い。
301 :
名無しさんの主張 :2008/01/12(土) 20:14:50 ID:MNSnDd17
そうだな。。 本質的な問題提起があっても 必ず物質的・量的な問題や基準にすりかえて 平気な顔をしているやつが多い
2008年01月12日 穏やかな信仰心 人は皆々神の子なるを気付き、魂清め人として向上するを心がけるべし。 人は道に迷い、苦しむ時宗教求め、神を求めるなり。 なれど、宗教と神は異なれり。 信仰心と宗教もまた異なれり。 宗教に入りても信仰心持たぬ者あれば、宗教に入らずとも信仰心持つ者もあり。 人の世は物質社会なれば物質無き世成り立たず。 なれど、あまりに物質主義に傾けば魂穢れ道過つなれば、神の教えを伝えるために神は宗教者を降ろされたり。 なれば真の宗教者は神の教えを人に伝え、道過つ事なきよう導くが役割なり。 信仰心は人間が神の子であるなればどの者にもあるものなり。 なれど、あまりに強き信仰心は時に人の考えを偏らせ、己の宗教、己の信仰のみ正しきと他者に耳を傾けぬ盲信を生むなり。 信仰心は特別な心になし。人皆々が心の奥に持つものなれば、自然な心の中から湧き起こる信仰心は、心のどこかでいつも神を思う穏やかなものなり。 あまりに強き信仰心はかえりて心曇らせ、己を見失い、その強き思いゆえに不幸、悲しみ襲いたる時、神への恨みを持つこともありなん。 人が信仰心を持つ時は平穏なる気持ちにて、いつもほのかに神を思いて、いつも他者の幸せを心の中に祈ることを神は望まるる。 そもそも神は人の傍にあり。 いつ、いかなる場所にても神は見守られん。 神と人とがお互い助け合い協力しあい、人は神を敬い、神は人を愛で共に生きし遠い遠い日々。 その頃の日本の民の心を取り戻せよと、神は望まるる。
303 :
名無しさんの主張 :2008/01/16(水) 19:55:55 ID:dTu3o9hz
おれが、小学校高学年のとき、バブルが崩壊した。 何のことか分からなかった。不景気に陥ったらしい。 企業は、若者の採用を拒否した。 程なくして大学に行くやつは馬鹿、クズ、ごみという世論が、 沸き起こった。 それから、10年・・・。好景気らしい。就職は大卒ならOK。 何のことは無い。企業は、若者の採用を0にしたことを非難されないよう、 マスゴミと一緒に、大学生の批判を始めたのである。
304 :
名無しさんの主張 :2008/01/16(水) 20:01:20 ID:1zMoiSmm
>>301 どこが、本質的な問題提起だ、笑わせるな
305 :
名無しさんの主張 :2008/01/16(水) 20:07:34 ID:VGVeFPwl
306 :
名無しさんの主張 :2008/01/16(水) 20:08:45 ID:VGVeFPwl
よっぽど卑屈な性格かと推察しますが なにかが気に触りましたか? ケケケ
307 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/01/16(水) 21:37:04 ID:LA/c50Yf
/// 繁栄と限界 25 /////////////////////// ところが、日本での統計では、告知した場合には、断然死期が早まってしまう。 ある有名なお坊さんが、 「自分は若い頃から修行して仏に仕え、精神修養をしてきた。けっしてガンを 告げられても驚かないから、本当のことをいってくれ」 というので、お医者さんが、 「じつは、ガンです。あと六ヵ月ぐらいの寿命でしょう」 といったところ、翌日から食事もできなくなり、二週間で死んでしまったという例もある。 医者が病状から判断した期間に比べて、日本人の場合は、告知された人は 告知以前の予想余命の平均三分の一ぐらいの期間で死んでしまうといわれている。 要するに、日本人は死を恐れるのであり、生命に対する執着、現世的欲望の 強い民族なのだ。 ////////////////////// 「日本とは何か」 ///
308 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/01/19(土) 20:01:26 ID:rMaj5T2L
/// 繁栄と限界 26 ////////////////// では、それほどに死を恐れる日本人から、特攻隊を志願する若者が相当数 出たのはなぜか。外国には、切腹や特攻隊が喧伝されているため日本人は 死を恐れぬ民族だと思いがちだが、じつは違う。特攻隊を志願して、幸いにも 出撃前に終戦になって生き残った人々にインタビューした記録を見ると、志願の 理由を「国のために死ぬ気になった」と答えた人は、一割以下だった。 あとの人々は、「行きたくはなかったけれども、みんながやかましく行け行けというから、 断れなくなった。仕方がなかったのだ」 /////////////////////// 1991年刊 ///
309 :
名無しさんの主張 :2008/01/20(日) 21:30:16 ID:JFRRAVJH
ところで中国に行った派遣社員は元気にやっているの????
310 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/01/26(土) 19:33:20 ID:/YhqBF8C
/// 繁栄と限界 27 /////////////////////// というのである。日本人にとっては、みんなの意向、つまり自分の属する集団の 意思と見られるものに逆らうことは、恐ろしい死以上に恐ろしい。水利に頼る 水田農業に親しみ、村落共同体を離れては生きていけなかった日本の伝統が、 集団に逆らえない性格と習慣を、日本人全体に植えつけたのである。 こうした集団主義の気性が、神と仏とを同時に祭る相対的正義感の気風と 相まって、日本社会のムードと日本人の倫理観を一挙に激変させることが しばしばある。幕末から明治維新にかけての十年余りの間にもそれが起こったのだ。 ///////////////////////// 講談社文庫 ///
311 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/02/07(木) 22:52:50 ID:E1RYePGs
/// 繁栄と限界 28 //////////////////// 文明開化から官僚主導ヘ アメリカの黒船がはじめて現れたとき、全国民のほとんどが攘夷を唱え、 安定社会の継続を主張した。もっともこれには、徳川幕藩体制を守ろうという 積極的理由よりも、外国の要求に屈したくないという民族意識のほうが強かった だろう。しかし、馬関戦争や薩英戦争によって、それが大きな損失を伴うと 分かると、たちまちにしてムードが変わった。 /////////////////// 絶賛発売中! ///
312 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/02/10(日) 20:10:25 ID:bRcNdvg4
/// 繁栄と限界 29 ////////////////// そしてそうなれば、従来の体制はすべて否定され、誰もこの流れに抗し難くなって しまうのが日本だ。二百五十年にわたって圧倒的な権威と実力を誇った徳川幕府が、 抵抗らしい抵抗もできないままに倒壊しただけではない。各地の大名も武士階級も、 その地位と特権が主張できなくなる。寺院も神社もヨーロッパ風の発想で再編成 させられる。土地所有や職業団体も一挙に近代資本主義の概念で決定されてしまう。 歴史や国語の教科書さえも、欧米の近代理論によって書きかえられてしまうという 有様だった。「文明開化」が流行語となり、「脱亜入欧」が叫ばれた。単に「入欧」 (ヨーロッパ近代文明に親しむ)だけでなく、「脱亜」(これまでの東洋的学識と慣習を 捨てる)までいわれるのだから凄まじい。明治の人々は、仏教を推奨しながら 「敬神の詔」を出した聖徳太子よりも性急だった。 //////////////////// 絶賛発売中 ///
313 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/02/16(土) 20:15:39 ID:nLm2F9uS
/// 繁栄と限界 30 ///////////////// この結果、維新以来二十年を経ずして、日本には欧米を模倣した概念や制度や 組織が生まれ、近代技術を取り入れた工場や鉄道ができ出した。しかし、本当に 日本社会を近代工業社会につくり変えることは、ムードと模倣だけではできない。 このためには、近代的大工場を数多くつくるだけの資本を蓄積し、それを効率的に 投資運用する大組織と、そこでつくられた同一規格の商品を大量に販売する 統一大市場と、大量生産の現場で働くにふさわしい多数の人材とを用意しなければ ならない。 ///////////////////// 堺屋太一著 ///
314 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/02/23(土) 20:15:41 ID:nqcR94s7
/// 繁栄と限界 31 ///////////////////// 社会ムードとして近代精神を肯定した日本は、それを実現するための大企業の 育成と統一市場の形成と人材の大量要請を目指して邁進する。これにはそれぞれに 抵抗があったが、比較的短期間で成功し得たのは、やっばり日本的伝統の作用である。 ここでとくに重要なのは、専門家を重視する下意上達の組織的伝統と、「令外の官」を 生み出した情報共通性であったろう。 ///////////////////// 「日本とは何か」 ///
315 :
:2008/02/23(土) 20:53:10 ID:begpsJd0
316 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/03/01(土) 19:25:38 ID:EjsA8Jru
/// 繁栄と限界 32 /////////////////// 近代文明の特色の一つは、細分化、専門化である。とくに規格大量生産の場に おいてはそれが徹底している。つまり、一つの概念が形成されると、それを部門別、 部品別に分解、それぞれに最適のものをつくり、組み立てれば最適の製品がつくれる という仕組みになっている。 規格大量生産では、全体を決める概念発案者はわずかだが、それに従って製造に あたる部門担当者は数多い。それもできるだけ部分に細分化すれば、それぞれを 深く究めて最善を尽くしやすいので、コストを引き下げ品質を向上することができる。 ////////////////////// 1991年刊 ///
317 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/03/08(土) 19:46:08 ID:phhbHDse
/// 繁栄と限界 33 ////////////////// したがって、規格大量生産を巧く行うためには、全体の概念を生み出す少数の天才と、 かなりの数の部門別改良者(中堅技師)と、その意図するところを忠実勤勉に実行する 多数の現場勤労者が必要である。日本的集団主義が膨大な数の忠実勤勉な現場勤労者を 生み出す条件になったとすれば、細部重視の下意上達慣習と「型の文化」の伝統は、 かなりの数の中堅管理者を育成する基盤になった。 日本には、全体概念を創造する天才は少なかったが、幸いなことに、それらは外国から 流入した。このお陰で、かなりの数の中堅管理者と多数の勤勉な現場勤労者を用意 できた日本は、急速に工業化することができたのである。 ////////////////////// 講談社文庫 ///
318 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/03/15(土) 23:10:45 ID:wH1Zy90q
/// 繁栄と限界 34 ////////////////// 出稼ぎ産業だった戦前の製造業 アジア諸国のなかでは、日本だけが急速に工業化した。しかし、昭和の初期、 一九三〇年代までは、まだ幼稚な段階だった。製糸業と紡績業とは量質ともに 世界的水準に達していたが、他の産業、とりわけ近代工業社会においては中核と なるべき重化学工業は、規模も小さかったし技術的にも劣っていた。何より重要 なのは、社会構造においても人生設計のなかでも、近代工業はまだ信頼すべき 就業の場とは考えられていなかったことである。 /////////////////// 絶賛発売中! ///
今、右翼政党自民党が計画しているコミュニティ基本法は、 戦争中に戦争推進に利用された町内会の隣組の精神的復活の為の布石だ。 日本の民主主義の発展を阻害してきた三大要因である、 天皇制、儒教思想、町内会強化の動きの一つだ。 横文字を使った洒落たネーミングだが、 住基ネットが実は国民総背番号制であった様に、名前に騙されたらあかんよ。
自民党が最近ナチ党に見えてきて仕方が無いんだぜ。
321 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/03/22(土) 23:58:21 ID:g279ducH
/// 繁栄と限界 35 //////////////////// 終身雇用が一般化した今日からは信じ難いほどだが、一九三〇年代までの日本は、 世界で最も労働者横転率(労働者が勤め先の会社を変わる率)の高い国だった。 首切りも多かったし、それを抑制する法規もなかった。それどころか、日本には解雇の 制限や事前通告などは不必要だという「理論」さえあった。いわゆる「出稼ぎ労働理論」 である。「日本の工場や商店の労働者は、農家の次、三男や娘たちが主であり、 精神的にも経済的にも郷里の家族に深くつながりを持っている。だから、たとえ 勤め先で解雇されても故郷に帰れば、親兄弟が温かく迎えてくれる。そこで農業の 手伝いをしていれば、生活は苦しくとも飢え死にすることはない。 /////////////////////// 絶賛発売中 ///
322 :
名無しさんの主張 :2008/03/24(月) 13:33:49 ID:oC7W2ZAY
★鳩山法相「粛々と死刑執行」 「治安の良い国つくる第一歩」
・鳩山邦夫法相(衆院福岡6区)は22日、地元福岡県久留米市であった自身の後援会
主催のパーティーで演説し、「(死刑執行は)抑止力になって治安の良い国をつくる
第一歩だと考えている」と死刑執行の意義を強調し、今後も続ける意向をあらためて
示した。
鳩山法相は「人を惨殺しておいて、自分の命だけ助かるという死刑廃止論にくみする
気持ちはない」と強調。「粛々と死刑は執行しなければならない」と述べた。
昨年8月の就任以降、鳩山法相は6人の死刑を執行した。同日は、福岡市の市民団体
「死刑廃止・タンポポの会」(山崎博之代表)が鳩山法相の事務所を訪れ、死刑執行への
抗議と法相辞任などを求める文書を事務所のスタッフに渡した。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/20080323/20080323_004.shtml
323 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/03/29(土) 19:47:01 ID:1d9dKRcz
/// 繁栄と限界 36 ///////////////////////// そのうちに景気が回復、勤め口が見つかれば、また都会に出て勤め、何年かの間に 貯金をする。次の不況の折にはまた郷里に帰り、蓄えた金で田地の一反でも買い、 親兄弟の農業を手伝って過ごし、景気の回復を待ってまた勤めに出る。そのときには、 自分の買った田地を親兄弟に貸し与え不況の間世話になった礼とする。このようにして 女性は高等小学校を出てから結婚するまでの約十年間を、男性は四十前後までの 二十年余りを過ごし、やがて不惑の声を聞く頃(四十歳前後)には、郷里に生活基盤を 築いて農業に戻る。それが健全なる臣民の理想の人生というものであろう。 ////////////////////////// 堺屋太一著 ///
324 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/04/05(土) 23:04:25 ID:hgXfIbtT
/// 繁栄と限界 37 ///////////////////////// 欧米諸国では、そうした温かい大家族制度がないから、労働者が勤めを解雇されれば 親子路頭に迷う。だからこそ解雇の制限も労働者の団結闘争も必要なのだ。それに対し、 大きくいえば天皇陛下を長として国家全体が家族をなし、細かく見れば各家系の本家を 核とする大家族の美風があるわが国では、欧米のような解雇制度も団結闘争も必要ではない」 というのである。戦前、合理主義一本槍の欧米に比べて、日本が優れている点として 強調されていた日本的伝統とは、この大家族制度による家族福祉の存在だった。 //////////////////////// 「日本とは何か」 ///
325 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/04/10(木) 22:37:51 ID:rOxlK/HQ
/// 繁栄と限界 38 /////////////////////// もちろん、これには労働者側の不満もあったが、大半の勤労者は何となく納得して いたといえる。生涯を工場や商店の従業員として暮らすことを望む者は少なかったし、 平均寿命の短かった当時は、中年から帰農できる可能性も高かった。長男が肺結核で 若死にすることもあったし、養子の口も珍しくなかった。 要するに、一九三〇年代までは、製造工業はまだ、社会経済の中核になっていなかった ばかりでなく、人生を通じて身を置くほどの安定した職場とも考えられていなかった。 民間企業のサラリーマンは、大学卒の管理職でも「浮草稼業」と呼ばれていた。つまり、 当時日本はまだ、近代工業社会の入口、ごく低い段階にとどまっていたのである。 //////////////////////////// 1991年刊 ///
326 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/04/12(土) 19:47:33 ID:C8ZWYlXr
/// 繁栄と限界 39 ///////////////////// それには三つの理由があった。第一は、資本蓄積が乏しかったことだ。明治以降、 欧米の制度と技術を学んで強引な殖産興業政策を推進したとはいえ、三百年の 準備期間と百五十年の実績を持つ欧米に、五十年で追いつくことはできなかった。 第二は、工業製品の市場が未熟だったことだ。軍備の近代化と産業の発展とを 同時に推進した明治政府の政策は、軍需や公共需要を生み出した半面、国民大衆の 生活水準を抑圧し、耐久消費財などの工業製品の国内市場を狭くしていた。昭和初年 (一九二六年)、この国にあった乗用車は四万台、ラジオは三十三万八千台(NHKとの 契約台数)、電話は六十二万八千本に過ぎない。 //////////////////////// 講談社文庫 ///
327 :
名無しさんの主張 :2008/04/12(土) 19:52:10 ID:ow5rBv3H
328 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/04/19(土) 19:45:46 ID:KDy5VhVl
/// 繁栄と限界 40 //////////////////// 第三の理由は、この国に工業用原材料とすべき天然資源が乏しかったうえ、一九三〇 年代は世界的にも資源不足時代だったことだ。日本は国土が狭く平野が乏しいので、 工業用原材料の農業生産には適さない。羊毛、皮革などの動物性のものはもちろん、 徳川時代の鎖国体制のなかでは盛んだった綿花栽培も、国際競争力のあるようなもの ではなかった。鉱物資源も種類は多いが産出量は少なく、採掘には人手がかかる。戦前、 この国で国際競争力のあった工業用原材料といえば、労働集約的な生糸と比較的資源に 恵まれていた銅だけである。不利な輸入原材料に頼らねばならなかったことは、産業の 発達と資本蓄積の妨げになったといってよい。 /////////////////// 絶賛発売中! ///
329 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/05/02(金) 21:23:01 ID:Gucac8zK
/// 繁栄と限界 41 /////////////////////////////// このため、第一次大戦後の日本政府は、市場と原材料を求めてアジア大陸に進出 する。だがそれは、アジア諸国や欧米との緊張を高めた。軍事官僚(いわゆる軍部)は、 これを梃としていっそうの軍拡を推進したが、それだけまた、生活の場での需要は 圧迫された。こうした状況のなかで、さまざまな抵抗を排してつくられたのが「官僚主導型 業界協調体制(官導体制)」または「昭和十六年体制」といわれるものである。 今日の日本を最適工業社会にまで発展させたのは、この体制の成果なのである。 ////////////////////////////// 絶賛発売中 ///
330 :
名無しさんの主張 :2008/05/03(土) 08:53:36 ID:a2CG649H
●●暫定税率復活で政治家達が早速豪遊!!●●
ガソリン税の暫定税率を元に戻す法律が成立したことを受け、政府・
与党の幹部は4月30日夜、東京・銀座の高級料亭で祝杯をあげた。
町村官房長官は与党幹部に対し、再議決について礼を述べたという。
http://www.news24.jp/108456.html ↑
ここで政府がある事に触れていないことを感じてほしい。
今までの無駄使い分を徹底的に無くすという事を全く考えていない!
政治家の考えはあくまで、自分たちの吸っている甘い汁は減らしたくない。
だから、税収が減ればその分国民の為に使う金が無くなるんだよと言う。
今こそ、税金泥棒達を徹底的に問い詰めなおし、税金の使い方を正すときだと思う。
※コピペをお願いします。
税金(直接税・間接税)は、政治家や高級官僚にとっての「利潤」必死ですね。日本のためだけに働けない、世界的には民間銀行並の日銀の、非公務員高級職員達とは別世界の話でしょうね
332 :
社会人 :2008/05/04(日) 20:10:07 ID:rPjH7r+M
高等学校の必修科目未履修問題は、誰もが可笑しいとは思っていたが、前の年度で問題にな らなかったら大丈夫という前年度踏襲の組織体ならではの問題であった。他に前年度踏襲の 組織体ならではの問題がある。ただ、問題にしないし、摘発しないだけである。その一つに、 労働法基準法違反がある。部活動は、勤務でもなく仕事ではないため、ボランティアのため 勤務時間に入っていない。しかし、実際は何らかの部の顧問にならざるをえなく、強制され たボランティアである。(部活動の顧問は法的には拒否できるが知られていない) また、教員の成績で重要な評価項目に、また学校の重要な柱に部活動があり、部活動がこれ らの証拠からして、労働時間であることは明白である。そうすれば、全国の中学校、全日制 の高校はすべて、運動部は朝錬、夜中まで練習休日返上での練習があたりまえになっており、 大半の教員が時間に拘束されている。これらの拘束時間を労働時間算入すれば、労働基準法 違反であることは明白。以前と違って、夏休み等でも拘束をともなう勤務が常態化している ことから、労働基準法違反であることは疑いようのない事実。誰がこの実態を告発するか。 また、どの県のどの学校の校長から逮捕されるのか。あるいは、どの県のどの労働基準監督 署の署長から不作為で摘発されるのか。校長が免職になっても、年齢からして、家族に迷惑 が少なく、最高の部類の給与をもらっていることからして、財政支出削減には、有効な処理 であり、過去の校長の退職金の返還、教頭、教育委員会も合わせれば、先進国でも最低の教 育予算の穴埋めにも最適な処理になると確信します。校長、教頭、教育委員会の補充はいく らでも補充がききますし、若い人を起用し、活力ある学校にする絶好のチャンスです。 類似したことは、労働基準監督署の署長周辺にもいえます。誰が、この実態の告発をし、 公務員の人減らしにより、英雄になるのか。国や県、自治体の財政が厳しく、公務員の人減 らしが進行中のおり、どうなっていくのか。
平成20年5月31日 リチャード・コシミズ 福岡講演会
http://dokuritsutou.main.jp/newversion/2.17kouenkai.htm ■主 催 独立党
■テ ー マ 1.「売国小泉の再登板を許すな。国民を不幸にする構造改革=民営化は、ロックフェラー化だった。」
2.「オウム事件の首謀者は、ロックフェラーと金正日だった」
■日 時 5月31(土) 14:00 〜 17:00
■場 所 JR博多駅徒歩圏内
■ゲスト 独立党有志など(予定)
■サテライト
会 場 なお、今回の講演会においては、当日、東京、名古屋、大阪3拠点の会場
(以下、サテライト会場と称します)へ福岡の講演会場の映像・音声をライブ配信する
特別企画「福岡講演・東名阪サテライト講演会&公開学習会」を実施します。
福岡の会場に足を運ばなくても講演会がライブ聴け、質疑応答の時間には福岡会場と双方向
で結びますので、サテライト会場で講演者に質問が可能です。
もちろんサテライト会場においても一般(賛助会員以外)の方の参加も可能ですので、
是非、最寄の会場への参加お申し込みをお願い致します。
●東京:JR池袋駅近く(東京都豊島区)
●名古屋:地下鉄栄駅近く(名古屋市中区)
●大阪:大阪府大阪市内
なお、サテライト会場も詳細が決まり次第、告知致します。
334 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/05/04(日) 20:32:48 ID:My4ZCagd
/// 繁栄と限界 42 /////////////////////// 官導体制の確立と推進 工業化のための規格統一 規格大量生産社会を目指す政策は、地域を代表する保守的分権論者の多かった 帝国議会の抵抗に遭い、容易に進まなかった。このため、昭和に入ると官僚・ 軍人たちは議会の権威を失墜させることに努め出す。 議会制民主主義を破壊しようとする者の策謀は、古代ギリシャ以来変わらない。 金銭疑惑を喧伝することだ。明治時代の政治家たちは、豪壮な邸宅に住み何十人もの 使用人を置いていた。山県有朋の椿山荘を見ても分かるように、明治の元勲たちの 豪華な生活は、とうてい陸軍大将の給与や爵位報奨でまかなえるものではない。 しかし、彼らの金銭問題が重大な政治問題に発展することはなかった。 //////////////////////// 堺屋太一著 ///
335 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/05/11(日) 19:31:24 ID:84eNk+DN
/// 繁栄と限界 43 ////////////////////////// ところが昭和になると「珍品三品事件」など、些細なことが重大問題になり、しばしば 政争の具にも使われた。この時代の政治家は「井戸塀」といわれるほどに私財を 磨り減らして選挙と国政に当たったのだが、マスコミの金銭疑惑追及は厳しさを増す。 その背景には、議会の権威を失墜させようとする官僚軍人の組織的思惑が働いて いたのである。 その集大成ともいえるのが、昭和九年のデッチ上げ疑惑「帝人事件」だ。昭和 三年の金融不況によって倒産した鈴木商店が設立した帝国人絹(現帝人)の株式が、 日銀融資の担保流れとして政府に保有されていた。その払下げをめぐって政官界を 巻き込んだ大汚職があった、というのがこの事件の筋書きである。 ///////////////////////// 「日本とは何か」 ///
336 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/05/16(金) 22:37:12 ID:hD1NWd6L
/// 繁栄と限界 44 /////////////////////// 発端は時事新報の特ダネだったが、以降六ヶ月、各新聞が詳細に報道、会合の 出席者や場所まで具体的に書かれたため、たいていの者はそれを事実と信じ込んだ。 こうした「世論」を背景に、現職大臣を含む十数人の政治家、官僚、若手財界人が 逮捕起訴されたため、時の斎藤実内閣は総辞職。そのあとには岡田啓介海軍大将の 内閣が生まれる。 //////////////////////// 1991年刊 ///
337 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/05/24(土) 18:51:11 ID:2MtKSYa/
/// 繁栄と限界 45 //////////////// この事件は三年余りにわたる裁判の結果、「事実無根のデッチ上げ」であることが 判明、被告全員が無罪となった。しかし、その間に「二・二六事件」が起こり、 国家総動員法が成立し、軍務大臣(陸軍大臣・海軍大臣)現役制が復活していた。 このため、敗戦まで議会政治が権威と機能を回復することはなかった。裁判は 被告たちの個人的名誉は守ったが、民主政治は守れなかった。この点では、 ナチスのデッチ上げた「国会放火事件」とも共通している。 ///////////////////// 講談社文庫 ///
338 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/06/08(日) 21:07:18 ID:Sd5ztCZ2
/// 繁栄と限界 46 ////////////////// こうして議会勢力を抑え込んだ軍人官僚たちは、昭和十三年(一九三八年)の 国家総動員法の成立を契機に、次々と法規を改正強化して「官僚主導体制」を つくり上げた。それが完成したのは昭和十六年(一九四一年)前後である。 したがってこれを「昭和十六年体制」とも呼ぶことができるだろう。 これには三つの柱があった。その第一に、規格大量生産を徹底させるための 規格化基準化である。 /////////////////// 絶賛発売中! ///
339 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/06/15(日) 22:10:48 ID:4NwlE1/V
/// 繁栄と限界 47 //////////////////////// 工業製品については「日本工業品規格」が定められ、ネジやビスからラジオや 家具まで基準規格が設けられた。以来、規格化標準化は商工省現通産省の重要な 政策の一つとなる。農産物でも、お米は一等米から五等米までの等級制になったし、 お酒は酒税法の改正によって特級、一級、二級の三種類に限られた。施設の面でも 基準法規や安全基準が決定された。建築基準や電気工作物基準も厳しく定められたし、 鉄道施設基準も全国一律に定められた。昭和十五年までは、各地の駅舎には地域の 個性を生かした建物も多かったが、それ以降は全国一律で規模だけの違いとなる。 ////////////////////////// 絶賛発売中 ///
340 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/06/22(日) 19:34:54 ID:Nhq91gc0
/// 繁栄と限界 48 /////////////////////// 医療に対しても標準医療なるものがつくられた。規格主義の究極は、全国民の 服装を統一する「国民服令」(昭和十六年)だった。成人男子の服装を甲・乙二種類の 国民服に限定しようというものだったが、ナチの制服を真似たデザインは日本人に 似合わず、はなはだ不人気に終わった。 この規格化標準化は、戦後に至ってますます強化される。終戦直後の占領下では 一時緩和されたが、独立を回復するとともにいち早く強化された。日本工業品規格は JISマークと名を変え、企業の自由採用になったが、公共事業や官庁消費をJISマーク 製品に限ることで事実上強制された。 /////////////////////// 堺屋太一著 ///
341 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/06/28(土) 22:41:17 ID:AJebXyuJ
/// 繁栄と限界 49 /////////////////////// 農産物については米価の等級制が長く維持されたばかりか、新たに JASマークもつくられた。標準医療制度に至っては、いまも「差額ベッドの規制」や 「基準外病院の禁止」などますます厳重に適用されている。 一九七〇年代まで、日本の官僚は「国民車」の選定や「ハウス55」計画など、 全国民に一律の規格品を供給する政策を推進しようとしていたのである。 /////////////////// 「日本とは何か」 ///
342 :
名無しさんの主張 :2008/06/28(土) 22:54:09 ID:DUHGEuP5
毎日新聞によると日本人は変態なんだそうです。 何が目的なのか分かりませんが、釈明一つ無い様なので 毎日新聞英字版が垂れ流していた記事の一部まとめとき ました。 ■思春期の受験生の集中力を増すために母親はフェラチオで息子の性的欲望を解消する。 ■24時間オルガズムが止まらない病気で苦しむ日本人女性の数が増えている ■六本木のあるレストランでは、コックは食事の前にその材料となる動物と獣姦する ■福岡の米祭りは、顔にベトベトの白い液体を塗るため、AV業界が「顔射」と呼ぶものによく似ている ■日本人の若い女性はファーストフードを食べると性的狂乱状態になる ■日本人主婦は皆コインランドリーに附属のコインシャワーで売春している ■日本のティーンたちはバイアグラを使ってウサギのようにセックスをする ■日本の最新の流行 : 70歳の売春婦 ■老人の売春婦の人気にもかかわらず、日本では小学生の売春婦にも仕事がある ■屋外でセックスをすれば、犬の散歩がもっと楽しいものになる ■日本の女子高生は、刺激のためにノーブラ・ノーパンになる ■利益は痛みという犠牲を伴う、と十代の売春婦は発見する ■ほとんどすべての漁師は海でマンタとSEXしている ■男色は日本の伝統。八坂神社では女装祭りを行っている ■日本男子は柔道や空手の部活で男相手に童貞を捨てている ■日本の首相は結婚生活ではなくオナニーで政権が取れると言っている ■横浜の女装祭りはゲイの宣伝になる ■日本人女性の55%は、出会ったその日に男と寝る。 (失恋した女性や孤独な女性がどのようにして一夜で男と寝るか、という記事) ■かつてパールハーバーと南京大虐殺を起こした日本政府が、 ペドフィル(児童性愛者)向けのマンガを作ってオタクを自衛隊にひきつけようとしている
343 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/07/06(日) 20:35:31 ID:Va2Pntau
/// 繁栄と限界 50 ///////////////////// これと並行して(ときには先行して)、企業の統合合併も強引に進められた。 一県一行原則による地方銀行の統合、電力会社の日本発送電一社への統合、 製鉄業界での日本製鉄の出現、地方私鉄の合併などがそれである。企業の 数を減らし、製品の種類を限定することで、規格大量生産の実を上げようとした のである。 この政策も占領下では中断、いくつかの企業が分割され、財閥企業グループも 解散させられた。しかし独立の回復と同時に企業統合が進み、一九六〇年代からは 金融グループとして戦前以上に強化されることになる。戦後日本が目指した 最適工業社会の形成に役立つと考えられたからである。 /////////////////////////// 1991年刊 ///
344 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/07/13(日) 22:31:37 ID:rRRn5OSg
/// 繁栄と限界 51 /////////////////// 「国民学校令」で人格の規格化を図る 最適工業社会を目指した「官僚主導体制」の第二の柱は、人間の規格化、 つまり規格大量生産に適した均質的な人材の養成である。昭和十六年の 「国民学校令」は、その最終的到着点といえるだろ。 「国民学校令」は、その名からも分かるように、ナチスの「フォルクス・シューレ」を 直訳したものだ。当時「革新官僚」といわれた日本の新進気鋭の役人たちは、 ナチスのつくった「フォルクス・シューレ」の仕組みに驚嘆かつ賛同。ナチスの 法律を正確に翻訳した「国民学校令」をつくったのである。 //////////////////// 講談社文庫 ///
345 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/07/19(土) 21:25:47 ID:SNJw2ByU
/// 繁栄と限界 52 /////////////////////////// その「国民学校令」によって定められた仕組みの要点は二つある。一つは、私立学校、 とくに初等教育での私立の新設は認めない、いまある私立学校もことあるごとに廃止し、 究極的にはすべて公立学校のみにするという「初等教育公営制」である。これは戦後にも 厳格に守られ、現在も私立の小・中学校の新設は非常に難しい。 第二の要点は、一通学区域一学校制度の通学区域を設け、居住地によって通学する 学校を決める「学区制強制入学方式」である。この制度はいまも厳重に保たれている。 今日では公立の小・中学校が一通学区域一学校なのは当然のようにさえ思われて いるが、このような制度が厳格に実施されているのは、共産圏と日本ぐらいである。 /////////////////////////// 絶賛発売中! ///
346 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/07/26(土) 21:12:47 ID:wTNwi4eO
/// 繁栄と限界 53 ///////////////////////// 以上の二つを組み含わせると、教育の需要者たる生徒や父兄の側には学校選択の 自由がなくなる。私立学校をつくらせないのは、指定された公立学校に入らない抜道を なくすためだ。教育の需要者たる生徒や父兄が学校を選ぼうとすれば、「越境入学」 として罪悪視されてしまうのが今日の日本である。 この仕組みが目指したのは、すべての学校に「平均的生徒群」を集めることだ。 大阪市東区に音楽の上手な子ばかり誕生とか、東京都世田谷区に算数の得意な 子ばかり居住ということは絶対にあり得ない。つまり学校別に生徒群の個性的偏りが なくなる。したがって、学校も個性的な教育はいっさいできないわけである。 ////////////////////////// 絶賛発売中 ///
347 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/08/02(土) 21:47:37 ID:Vpuq3kkb
/// 繁栄と限界 54 ////////////////// たとえば、ある学校が音楽を重点に置いた教育をしたなら、音楽の好きな数人の 生徒は喜ぶが、あとの子供たちは困ってしまう。ある学校が小学校から英語を重点的に 教えようとなったら、英語の嫌いな子供は怒るだろう。したがって、結局はすべての 学校が、官僚の定めた標準的な教育しかできないわけである。 ナチスの教育官僚が考え出したこの教育統制は、国民から個性を奪う悪魔的天才性が あった。すべての学校が同じ教育しかできないとなれば、国の決めた教育が実施され、 完全な規格・画一教育が行われる。全体主義体制を目指していた戦争前の日本の 官僚たちもこの方法を取り入れた。そしてそれを戦後も「学校格差の是正」の美名の もとに推進し、より徹底させてきた。これが規格大量生産の遂行に有利だったからだ。 ///////////////////// 堺屋太一著 ///
348 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/08/16(土) 20:14:32 ID:wcDO2DnF
/// 繁栄と限界 55 //////////// 教育問題といえば、とかく戦後の六・三制から議論をはじめ、教科書の内容や教師の 資質に及ぶ教育の「中身」の論議になりがちだが、重要なのは「国民学校令」以来の 教育の「仕組み」である。このナチス的仕組みの下に、戦後は個性的な生徒を悪とし、 すべての生徒を均質化することを理想とするように教育指導が行われているのである。 /////////// 「日本とは何か」 ///
349 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/08/23(土) 19:48:43 ID:mB8MJiMR
/// 繁栄と限界 56 ////////////////////// 欠点とともに個性をなくす教育 日本の学校では、先生は不得意な科目ほど熱心に教えてくれる。体育が上手で 数学の苦手な子供には、数学の補講をしてくれる。英語が上手で理科のできない 子には、理科の宿題を出す。けっして、できる科目のほうを先に進めるような補講は してくれない。つまり長所を伸ばすより欠点をなくす教育をしているのである。 結果としては、子供たちの能力に大小の差はあっても、みんなが長所も欠点もない 円い相似形になる。優等生はオール5、普通の子はオール3、それがよい子なのだ。 5もあるが2もある子供は「悪い子」、つまり個性を残した不真面目な生徒と 見なされてしまう。 //////////////////////////// 1991年刊 ///
350 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/08/30(土) 19:41:37 ID:zED0hOmK
/// 繁栄と限界 57 /////////////////// これでは、学校では不得手な科目の時間が増え、得意な科目の時間が減る。 人間は下手なことは嫌いだ。だから、いまの学校では嫌いな時間が増え、 好きな時間が減る仕かけになっている。これで学校へ行くのが好きという子供が いたとすれば、人格的に欠陥があるとみてもよい。日本の教育が重視しているのは、 嫌いな時間に耐え、苦手なことを長時間やる辛抱を養うことであり、みんなと 同じ知識技術を身につける協調性を備えることなのだ。そうした人材こそが 規格大量生産の現場に役立ったからである。 ///////////////////// 講談社文庫 ///
351 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/09/12(金) 22:06:44 ID:wgwcT6F+
/// 繁栄と限界 58 ///////////////////////// 教育を規格化し生徒の能力を相似形にすれば、新入社員の教育訓練も容易だ。 大学卒の優等生なら大体これぐらいの能力はあるはずだと推定できるし、普通の 高校卒ならこれぐらいの知識があるということも分かる。だから、それを基準に して社内訓練をはじめればよい。辛抱強く協調性に富んだ人材だから、決められた とおりの仕事を勤勉かつ確実にやるはずである。 //////////////////////// 絶賛発売中! ///
352 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/09/20(土) 21:33:12 ID:dVfjAG7i
/// 繁栄と限界 59 ///////////////// 一方、教育を規格化均質化すると、生徒を測る尺度も一律になる。生徒の能力が同じ 円形なら面積の大小によって順位がつけられる。したがってその尺度(いわゆる偏差値) によって測られた優れた生徒の集まる大学が、優秀大学ということになる。このため、 戦後は大学の間に東京大学を頂点とするピラミッド型のヒエラルヒーが確立され、 偏差値によって進学対象が決められるようになった。そしてそのことがまた、子供たちを ただ一つの尺度に適うように勉強させる受験競争を激化させることにもなった。ナチスの 教育思想を取り入れて、昭和十六年に施行された「国民学校令」の仕組みこそが 戦後教育の原点であり、日本国民の均質化を徹底させる受験地獄の源泉ともなって いるのである。 ////////////////// 絶賛発売中 ///
353 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/10/05(日) 19:05:54 ID:kGK1NKW0
/// 繁栄と限界 60 ////////////////////// 戦後も何度か教育改革が問題になり、実際にもいくつかの改革が行われた。 しかし、その都度、受験地獄はひどくなるばかりで、緩和されることはけっして なかった。「国民学校令」の仕組みが手つかずに残されてきたからだ。そして そうなったのは、この仕組みが規格大量生産の近代工業社会に適していた からにほかならない。 /////////////////////// 堺屋太一著 ///
354 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/10/19(日) 20:10:50 ID:qTqUoeZ8
355 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/11/08(土) 21:56:06 ID:d6ORlCVQ
/// 繁栄と限界 61 /////////////////////////// 頭脳機能の東京一極集中 最適工業社会を目指す官導体制の第三の柱は、有機型地域構造の形成、つまり 東京一極集中の推進である。 有機型地域構造とは、国土全体を一つの有機体、いわば人間の身体のようにする という発想である。国土全体が一つの人体であれば、頭は一つでなければならない。 したがって、全国的な頭脳機能は特定の一都市、つまり政府の所在地である「首都」に のみ集中しなければならない。 ////////////////////////// 「日本とは何か」 ///
356 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/11/29(土) 20:36:18 ID:oh86I5qs
/// 繁栄と限界 62 //////////////////// では、頭脳機能とは何か。それを当時の官僚たちは、経済統制機能と情報発信 機能と文化創造活動と規定した。そしてそれらを東京一極に集中する巧妙な方策も 生み出した。 まず、経済統制機能の東京集中のためには、各業界に業界団体をつくらせ、その 全国本部を東京に置かせ、官僚OBを専務理事や事務局長に送り込んだのである。 これは鉄鋼連盟や自動車工業会などの産業別団体から日本医師会や文芸家協会 などの職能別団体に至るまで、あらゆる供給者団体に及んでいる。 //////////////////////// 1991年刊 ///
357 :
名無しさんの主張 :2008/11/30(日) 17:23:56 ID:nnb1FqD9
∧∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / 中\ < すばらしい案あるアルな。早速「層化とミンス」を動かしてボロ儲けアル。 ( `ハ´) \ ( ~__))__~)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ■国籍法改正が通ると認知ビジネスとして仕事にする人間が出て来る可能性がある! ・小児性愛者が途上国の子供を「購入」して我が子として引き取ることが出来ます。 ・実子として引き取られた子供は虐待が表面化しない限り逃げることは出来ません。 「実の親子」なので民事不介入の原則により警察は簡単には手を出せないのです。 ・新潟少女監禁事件のようなことが容易に起こるでしょう。 ・他にも臓器移植用に子供を販売するビジネスも出てくる可能性が高いです。
358 :
◆3OnF3KiVxQ :2008/12/25(木) 23:38:40 ID:7/CdYKRZ
/// 繁栄と限界 63 ///////////////////// この結果、企業経営者も医師や作家の類も、全国団体の役員となり団体本部に しばしば呼び出されるようになると、東京居住を強いられる。政府は、経営者や 各種職業人が東京に住んで団体役員になることを促すため、団体役員にのみ 勲章を与え名誉を讃えた。このようにしておけば、全国団体の役員になるほどの 大企業の首脳や有名人は東京に集まり、おのずからその企業の本社機能も 文芸活動も東京に集中する。 ////////////////////// 講談社文庫 ///
359 :
◆3OnF3KiVxQ :2009/01/10(土) 23:13:36 ID:Z5eXSxDo
/// 繁栄と限界 64 ////////////// 一般に、企業の本社機能の東京集中は営業の便利さのためだといわれているが、 関西や名古屋から東京への本社機能の移動を詳細に調べると、たいていの企業で まず東京に移ったのは社長室、秘書室である。全国団体の役員となった(または なろうとする)社長や会長は東京滞在が多くなるからである。これに次いで東京に 移るのは、金融部門と宣伝広報部門である。前者は金融界が大蔵省に統制されている ためであり、後者は情報発信機能が東京に集められたためである。逆に最も後まで 地方に残るのは営業関係と総務関係、つまり商売と人事は東京に移る必要が 乏しかったのである。 それだけに、政府官僚は業界団体本部を東京に集めることには、ことのほか 熱心だった。とくに戦後、規格大量生産が確立されはじめた一九六〇年代からは、 それが強化される。 //////////////// 講談社文庫 ///
360 :
◆3OnF3KiVxQ :2009/01/24(土) 19:01:06 ID:TeUGdIrU
/// 繁栄と限界 65 ///////////////// しかし、すべての産業界がこれに従順に従ったわけではない。たとえば繊維業界は 明治以来関西を中心に発展、大部分の企業の本社が大阪にあり、各種団体も大阪に できていた。六〇年代初期から通産省は、これを東京に移動させようと働きかけて いたが、六〇年代末に至って日米繊維貿易摩擦が発生したのを機会に、強引な 移動を図った。当時、「敵はアメリカではなく大阪、繊維業界団体が大阪にいる限り アメリカとの交渉には責任が持てない」と公言してはばからぬ官僚もいたのである。 結局このときは、繊維業界の側が各種別団体(紡績協会、化繊協会など)の 上部機関として「日本繊維工業連合会」を新設して、その本部を東京に置くことで 妥協したが、その後も政府の強引な「指導」はつづき、多くの団体本部が東京移動を 余儀なくされた。 ///////////////////// 絶賛発売中 ///
361 :
◆3OnF3KiVxQ :2009/02/14(土) 22:00:39 ID:j5K+iILp
/// 繁栄と限界 66 /////////////// 情報発信機能も文化創造も 第二の情報発信機能については、より簡明な方法が採られた。 まず電波情報では、昭和十六年当時、唯一の電波情報発信機関であった日本 放送協会(NHK)の規則を改正、全国放送の発信は東京放送局(AK)に限ると決めた。 それまでは全国放送の三五パーセント内外を担当していた大阪のBKも、それ以降は 放送範囲が近畿二府四県と三重県の伊賀地区および自動的に電波の届いてしまう 四国の一部に限定されてしまう。 ///////////////// 堺屋太一著 ///
362 :
◆3OnF3KiVxQ :2009/03/21(土) 21:32:10 ID:K4fORVcZ
/// 繁栄と限界 67 /////////////////////// 戦後、民間放送が誕生したときにも、この思想が厳格に踏襲され、世界に類例を 見ない「キー局制度」が考え出された。つまり、民間放送ネットワークのなかで最大の 発信力を許可された局にのみ全国番組編成権を与えて「キー局」とする。そしてその キー局は東京都以外では許可しない、というわけである。もっとも、これには全国 最初に民間放送をはじめた大阪などから抵抗も強かったので、大阪に四つ、名古屋に 二つ「準キー局」なるものを認め、全国放送も可能にしたが、全国番組編成権は あくまでも東京のみとした。 ///////////////// 「日本とは何か」 ///
363 :
名無しさんの主張 :2009/03/21(土) 21:53:32 ID:0NwsRCFf
バブル弾け以降の金融市場の負債産処理叶わず外資参入助長しサブプラで遂にして暴落 派遣制度の拡充で経団連の維持機能と引換に安定雇用制度の崩壊 人口減退逆三 ヤミネン公僕国民搾取 堅調回帰とは裏腹たんに暴落下降没落をつき進んできたに過ぎない。
365 :
◆3OnF3KiVxQ :2009/04/12(日) 22:21:28 ID:vB0kKFaT
/// 繁栄と限界 68 //////////// このため、大阪や名古屋の局でドラマを制作全国に放送しようとすれば、東京の キー局に番組に入れてくれるよう陳情しなければならず、その際には東京側の厳格な 審査と指導を受けることになる。つまり「地方らしさ」という名目のもとに、伝統産業か 事件ものしか許されない。セリフや配役まで厳格に審査されるし、こじつけたような 地方色が強要される。これでは、地方は滅びゆく産業と事件事故ばかりの「文化 果つるところ」と見えてしまうのも避けられないだろ。 /////////////// 1991年刊 ///
366 :
◆3OnF3KiVxQ :2009/05/05(火) 19:31:42 ID:FpMMbUyh
/// 繁栄と限界 69 /////////////// もう一つの情報発信、文字印刷物については、文部省思想局の指導によって 書籍元売が四社に統合され、そのすべてが東京に集められた。 この結果、県境を越えた書籍の販売はすべていったん東京に運び込まなければ ならなくなった。いまでは、大阪市で出版した本を橋一つ渡った尼崎市の書店に 置くのにも、必ず東京に持ち込んで送り返さなければならないようになっている。 このことは、地方の出版社にとってコスト高になるばかりでなく、輸送期間だけ 締切りが早くなる。したがって時事問題を掲載する雑誌類は、東京以外では出版 できなくなり、すべての出版活動を東京一極に集中させる結果になったのである。 ///////////////// 講談社文庫 ///
367 :
◆3OnF3KiVxQ :2009/06/21(日) 21:40:16 ID:Froqpzqa
/// 繁栄と限界 70 ////////////////// 何故に情報発信機能の東京一元化が必要だったか。それは全国の情報環境を 共通にして、日本全体を規格品の統一市場にしようという発想があったからだ。 全国ネットの情報は東京からしか出ないから、日本国中の情報はすべて同じ。 規格大量生産品の販売にはきわめて良好な情報共通性ができ上がった。東京から コマーシャルを流せば、北は北海道から南は沖縄県まで同じコマーシャルが流れる。 だから、同一規格商品を売りやすい。東京で情報管理が完全にできるのである。 同時に、頭脳は一つだから企画設計などの機能も東京にだけ集中する。その結果、 企画設計者も個性が乏しくなり、共通の規格に従いやすい。結果としては最適工業社会が 完成しやすいわけである。 ////////////////// 絶賛発売中! ///
368 :
◆3OnF3KiVxQ :2009/08/19(水) 23:35:31 ID:vWMibxXW
/// 繁栄と限界 71 /////////////////////////////// 文化創造活動の場は東京だけ 第三の頭脳機能とされた文化創造活動に関しては、文化創造に必要な施設と 団体を東京に集中する方策が採られた。特定の機能と目的を持つ施設はすべて 東京にのみつくる。歌舞伎のための国立劇場も、オペラ専用の第二国立劇場も、 陸上競技の国立競技場も、すべて東京にのみ設ける。一方、地方には、何でも できる施設、多目的ホールや団体展覧会用の美術館だけを配置する、 というのである。 ///////////////////////////////// 絶賛発売中 ///
369 :
◆3OnF3KiVxQ :2009/10/12(月) 22:05:28 ID:uzj3Xk6s
/// 繁栄と限界 72 /////////////////////////////// この政策によって、地方都市に多数つくられた多目的ホール(戦前はナチス流に 「全体劇場」と呼んだ)とは何ものか。多目的ホールとは、シンフォニーでも、歌舞伎でも、 オペラやバレエでも、講演会でも何でもできるホールという意味だが、何でもできる ということは、何をやっても最適でない、ということでもある。つまり多目的ホールとは、 無目的ホールのいい換えなのだ。 歌舞伎をするには下手寄りの直角に花道がなければならない。シンフォニーホール なら緞帳は不要である。オペラの舞台は高さが高いが回り舞台はないほうがよい。 ///////////////////////////////// 堺屋太一著 ///
370 :
外国人参政権は、日本の領土を失う危険がある :2009/10/12(月) 22:20:58 ID:bBmwiq1L
2chニュース速報版
【産経新聞】外国人への地方参政権付与は憲法違反だ。付与するなら憲法改正すべきである。
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1254532950/ 219:名無しさん@十周年:2009/10/03(土)12:04:15ID:HZgVKWeAO
サンケイの言うことはもっともな上に、ちょっと前のスレにもあったが
この法案が通ると対馬や石垣島みたいな国境に近い島が
あっという間に近隣国の人間で占められ、挙句、島民の総意として
近隣国への合併を希望してるなんて言い出すことが現実に起こり得ると思う。
その時、第三者の外国人は経緯のことなんて知ったこっちゃないから、
とんでもないことになると思う。
民主党は、DQNの親の買収資金捻出の為、国の進める究極の太陽光発電である40余りの水力発電所(ダム)計画を中止し、 地方が進めている87ヶ所の水力発電所計画を中止させようとしている。 年間約100億kWh、200万世帯分の太陽の恵みを無にし、代わりに化石燃料をバンバン燃やして発電するんだと。 民主党のこの愚行により、向こう四年間日本のクリーンエネルギー政策は停滞し、その間に地球は更に温暖化し、 異常気象による巨大台風が発生し、本土を直撃し、どれだけ多くの農作物や家屋の被害を出し、人が死ぬことか。 それで二酸化炭素の発生量を25%減らすとぶち上げる。 言行不一致、支離滅裂。 思い付き政権。 低脳に政権を取らすと国民が苦しむ。 何年か後、DQNの親の道楽に貴重な国民の税金が消えてなくなり、何も残っていないのと 140基のダムが新たにそそり立ち、ばんばん水力発電している国とどっちが良いか普通に考えれば分かることだ。
You can configure more trust anchors for the other signed zones, but the trust anchors for the zones in red are sufficient for full validation of all zones. ,
And third, and probably most importantly, simplifying the benefit formula as part of a larger Social Security reform. ,
374 :
日本崩壊! :2009/10/24(土) 00:43:27 ID:???
age
376 :
◆3OnF3KiVxQ :2009/12/30(水) 00:00:33 ID:xbUsV43x
/// 繁栄と限界 73 ///////////////// それぞれの出し物には、それ特有の施設と演出があり、何でもできることは あり得ない。つまり、多目的ホールでは、「似たようなもの」はできても、「本物」は できない。したがって、そんな施設を本拠にして楽団や劇団が育つことはあり得ない。 「本物」の音楽や演劇を志向する芸術家は、特定目的の施設のある東京以外では 住めないわけである。 こうした多目的ホールを全国各地に配置したのには、文化創造活動を東京に 集中する意図が隠されていた。 /////////////// 「日本とは何か」 ///
377 :
◆3OnF3KiVxQ :2010/03/06(土) 22:16:18 ID:psWzMesc
/// 繁栄と限界 74 //////////////////// この政策も、戦後になって一段と強化され、自治体に対する補助金交付規則によって 厳重に実施されている。たとえ県単独事業(国の補助金を受けない事業)としてでも、 オペラ劇場や歌舞伎座をつくったとすれば、たちまち中央官庁からは「おたくの県は 随分余裕があるらしいな。それなら他の補助金も遠慮してはどうかね」という厭みを いわれる。これにたまらず県庁の役人は「知事、やっばり多目的ホールにしましょうよ」 ということになるから、個性的な施設は絶対にできない。日本の官僚は、「令外の官」 以来の伝統に従って、法規の定め以上に判断と干渉を行うのである。 ///////////////////////// 1991年刊 ///
378 :
◆3OnF3KiVxQ :2010/06/11(金) 21:40:31 ID:kDjPUeTA
/// 繁栄と限界 75 /////////////// 「手足の機能」を押しつけられた地方 それでは、東京以外の地方はどうすればよいのか。それは「手足の機能」、つまり 生産現場と規定されている。したがって、地方の開発は工場誘致しかあり得ない。これを 積極的に支援したのが、高度成長時代に打ち出された「工業先導性理論」だった。 「大規模工場は自主的に立地を選べる唯一の生産施設であり、また地域への波及効果も 大きい。これに対して第三次産業や経済上部活動は地域の経済活動に従属して発達 するものに過ぎない。だから、地域を開発するには工場誘致するしかない」というわけだ。 ///////////////// 講談社文庫 ///
平成22年の日本と23年からの日本。 違くなる?