1 :
名無し調教中。:
2 :
名無し調教中。:2009/09/08(火) 17:06:47 ID:/lzr9eKe
wiki編集パスは『男を○○』の○○部分を半角ローマ字で
女のほうが荒らされて消えたみたいなので注意しましょう
しかしss投下がトドメとはなんという仕事量
前スレ
>>820 あえての3で
どうつながるのか展開が気になる
前スレ
>>821 むしろモンハンのノリ?で採取して飲み食いしてたら思わぬ栄養量がでも
3 :
名無し調教中。:2009/09/08(火) 17:36:17 ID:quGhTGXn
>>1 乙です。
今スレも盛り上げていきましょう。
「げぷっ、食べ過ぎた。」
森谷は、戸村と武智につられて食いすぎて膨れた腹を抱えながら自分の部屋に戻った。
しばらくは今日覚えられたことを書き留めたノートやメニューを眺めていたが、
明日に備えて早めにベッドに入ることにした。
今日のようにのんびり昼まで寝ていることはできない。
電気を消し、ベッドに入って今日の出来事を思い出す。
戸村も武智もすごくいい人だし、おいしい食事を腹いっぱい食べられる。
ここにいるとこれまでの嫌なことを忘れられるような気がした。
でも、一人きりになって暗闇を相手にしていると、
それまで心のどこかに隠れていた不安や後悔がじわじわと染み出してくる。
『お前をこんな出来損ないに育てた覚えはない。こんな……』
『おたくのせいでうちの息子が……』
『お前のせいで俺まで……』
家を出てから、ずっと付きまとってきた思い出したくない言葉が襲い掛かってくる。
たまらず布団に潜り込み、頭を抱え込んだ。
ふと、さっき風呂場で聞いた話を思い出す。
家族も家も失った武智は一体どんな気持ちだったのか。
本当に一人ぼっちになった絶望感はきっと自分なんかとは比べ物にならないだろう。
いつの間にか自分の頬を涙が伝っていることに気づく。
風呂場で流したのとは違う悔し涙。
一人でも自分の力で生きてきた武智。
両親さえいないのにしっかり生きてしっかり笑ってる。
それに引き換え自分はどうだ?
何不自由なく暮らしてきたくせに、親とけんかして家を飛び出したくらいで
自分が世界で一番不幸だなんて思い込んで。
まるっきり甘ったれたコドモじゃないか。
情けない。そう思うと涙がとめどなく溢れてくる。
なんとか涙を拭うと、武智の笑顔が頭をよぎった。
涙を抑えられなかった自分に兄弟になろうと言ってくれた不器用だけど優しい言葉。
まるで本物の兄に慰められるように心が安らぐのを感じた。
でも、本当に自分に武智の家族になる資格なんてあるのだろうか?
武智のもう一つの言葉が胸に引っかかる。
『いつか話す気になったらお前のこと聞かせてくれよ。』
あの時は、なぜか武智の言葉に導かれるように素直にうなずいてしまったけど、
今はとても言える気がしない。
こんなこと打ち明けたらなんて思われるか。
もしかしたらやっと見つけたこの場所にさえいられなくなってしまうかもしれない。
そんなことを考えただけで怖くて体が震える。
だけど…。
それにいつまでもこんなあやふやな状態でいるわけにはいかないだろう。
このまま逃げ続ければ、いずれ戸村にも迷惑が掛かることになる。
どちらのケジメもいつかつけなきゃいけない。そんなことは自分が一番分かっている。
(俺も武智さんみたいに強くならなくちゃ。)
いつになるかわからないけど、いつか…。
そして、武智さんにも…。
……。
***
「森谷君、2番卓に唐揚2つ持っていって。」
「3番卓片付けて、お客さん通して。」
「6番卓7番卓、お冷ついできて。」
パツパツの厨房服に身を包んだ戸村がカウンター越しにあわただしく指示を出す。
翌日のランチタイム。森谷の初仕事である。
広さの割りに客席数が少ないから、3人でも大丈夫だと戸村は言っていたのだが、
昼時あたりから客が途切れることはなく、店の入り口近くの待ち席も足りないほどである。
森谷にしてみれば、息をつく暇もなく次から次へと作業が出てきて目が回るような忙しさだった。
経験のない森谷はまだ周りを見て判断することができないのでどうしても動きが出遅れる。
戸村や武智にとっては、料理を運びつつ他の客席にも気を配るのも自然な動作であるが、
トレイ運びもおぼつかない森谷は一つのことに集中してしまうと周囲が見えなくなってしまう。
戸村が次の動きを指示をしてくれなければ、どこから手をつけてよいのか分からず
ホールの真ん中に突っ立ってオロオロとしてしまうところだ。
空いた客席を片付けようとすると、戸村と同じく厨房服を着た武智に肩を叩かれた。
「こっち片付けとくから、その間にお冷とお絞り用意してお客さんの案内を頼む。
あと3番卓、そろそろ注文決まりそうだから、注意して見ててみ。」
「あ、ありがとう。」
厨房の方はもっと忙しいはずなのに調理の合間を縫ってフォローを入れてくれる武智に
感謝しつつも、森谷は自分の力不足を余計に実感する。
「はぁ〜。終わった。」
準備中の看板を入り口に掛け、片付けたばかりの客席で一息ついている森谷の前に
コツリと小さな音を立てて大きめの皿が置かれた。
オリーブの実としっとりとした魚の身で彩られたスパゲティーだった。
「お疲れ様。お腹空いたでしょ。」
「もう晩ご飯?」
「違うよ、これはおやつ。ランチタイムの後って小腹が空くんだよね。」
森谷も仕事前に早めの昼食はしっかりとっている。
昨日の晩ほどの量ではないが、この店でいう2品分を食い終えた時は、
今日はもうこれ以上何も食えないと思っていたし、これからちゃんと動けるのかすら心配だった。
しかし、忙しさに身を任せているうちに腹の中の昼食はすっかりこなれたようだ。
目の前で湯気を立てるスパゲティーのいい匂いに反応し、口の中に涎が溢れてくる。
「いただきます。」
さっそくフォークに手を掛けようとする森谷を戸村の手がひょいと遮った。
「ストップ。この商品名は何でしょうか?」
突然の問題に、森谷は答えに詰まった。
トマトベースのスパゲティーは何種類かあった気がするが名前が出てこない。
「え〜っと、う〜ん。…ボロネーゼ?」
「ぶ〜。武智君、正解は?」
「プッタ。」
武智は厨房の中で何か作業しながら答える。
「正式名称は?」
「プッタネスカ。娼婦風パスタ。」
「はい正解。森谷君は残念だけどお預けだね。」
戸村が森谷の皿に手を掛け、そのままさっと持ち上げて見せた。
「え、そんな…。」
もうスパゲティーを受け入れる体勢だった森谷の胃袋が寂しげにぐぅと鳴いた。
「嘘だよ。でも次はちゃんと言えるようにね。」
再びゆっくりと目の前に置かれた皿を見て、
森谷は心の中で今日中に料理の名称くらいは全部覚えようと誓った。
「そうそう、じゃねえと本当にお前の分まで店長が食っちまうぞ。
店長の出っ腹のせいでこれ以上厨房が狭くなったらどうするつもりだよ。」
武智が両方の手でそれぞれ皿を運んできて、同じ客席にどさりと置いた。
片方は森谷のと同じ皿、もう片方はピザを載せるための大皿で、
それぞれスパゲティーがこんもりと盛り付けられている。
「その時は君が細くなれば問題ないんじゃないかな?
なんなら君の分も食べてあげるよ。」
「けっこーっす。」
武智は席に着き、自分の分に客席に備え付けてある粉チーズをたっぷりとふりかけると
戸村にとられないうちに、とでも言うようにさっさと食べ始めた。
戸村もソファ席に腰掛ける。
「そういえば森谷君にスパゲティー出すの初めてだったね。
森谷君のがレギュラーサイズ。武智君の食べてるのがダブル。俺のが3倍。
ダブル以上はメニューに載せてないからなかなか出ないけどね。」
レギュラーと言ってもその量は森谷がこれまで見てきた一般的な大盛りと同じくらいの量だ。
森谷はおやつという扱いで食べてもいいものかと一瞬思ったが、今は深く考えないことにして、
武智に続くようにフォークを手に取った。
スパゲティーを食べつつ、仕事について森谷の方から質問をしたり、武智と戸村がアドバイスをしたり
(なぜか途中で武智の方に胡椒挽きが飛んだり)しながら、3人はほぼ同じタイミングで食べ終えた。
戸村と武智が心地よさそうに食後の気だるい満腹感に浸っている横で、
森谷は商品名を覚えようとメニューとにらめっこしていたが、
突然思い出したように戸村の方をに顔を向けた。
「ところで戸村さ…、店長。チャレンジメニューって?」
「ああ、そういえばまだ説明してなかったね。
ちょっとこっちに来て。」
戸村はむくりと身を起こして席を立つと、森谷をレジの横へ連れて行った。
レジの隣に並べて置かれたのは、大人数人が一度に乗れそうなくらい大きな体重計だった。
「これ、体重計?」
「そう。チャレンジメニューには体重当てクイズがつくんだよ。
お客さんが店員一人を指名して、その人の体重を予想するんだ。
で当たったら、食事代無料。まあ、ほとんど俺が指名されるんだけどね。」
「なんか店長の体重知りたがる奴が多くてな。
そんじゃいっそクイズにすっかってことで始まったってわけ。」
いつの間にか横にいた武智が補足する。
(戸村さんの体重…。確かに気になるかも…。)
「森谷君も一回やってみる?もし当たったら食事券2千円分あげるよ。」
(…それ、意味ある?)
賞品のことはさておき、戸村の体重がどれほどなのかはなかなか興味深い。
森谷はスパゲティーでさらに膨れたように見える戸村の厚みのあるお腹をじっと眺めてみたが、
100kgどころではないということくらいしかわからない。
「う〜ん、難しい。ヒントない?」
「ヒントか…。じゃあ。」
戸村は後ろを向くと、両手を体側につけた状態からを軽く持ち上げて見せた。
ちょうど小さな子供が「抱っこ」をせがむような体勢だ。
「持ち上げてみていいよ。」
「店長。それ、ある意味いじめ。」
カツーン。戸村が後ろを向いたまま投げた木ヘラが武智の頭を直撃した。
痛みに悶える武智をよそに、戸村は両腕を軽くぱたぱたと動かして「早く」と催促する。
「(こわっ)じゃ、じゃあ、…失礼します。」
森谷はおそるおそる戸村の腰に手を掛けてみた。
大きな背中にぴったりとくっつく形になって、わきの下から手を通し、
両腕を腹の周りにまわしてみると、腹の前でギリギリ手を組むことができた。
後ろから抱きついた戸村の体は、厨房服越しにも脂肪の感触が伝わってくるほどで、
背中もわき腹も尻も全部がむにゅりと柔らかく、
力を込めるほど肉の中にどこまでも腕が飲み込まれてしまいそうな気がした。
見た目の通り戸村の体の大部分は脂肪が占めているのは間違いないようだ。
そのまま腹の肉に腕を引っ掛けるようにして、腰に力を込めて踏ん張り、
一気に持ち上げようとしてみたが、肉がわずかに持ち上がるばかりで体全体はびくともしない。
想像した以上の重量感である。
だめだ。
森谷は諦めて腰にまわした手をゆっくりと解いた。
結局、持ち上がらないくらい重いということしか分からない。
「どう?わかった?」
「え、え〜っと、100kg…ぐらい?」
少し、というかだいぶ気を遣っていた。
内心、実は200kgくらいあるのではないかと思っていたのだが、
正直に言って戸村が気を悪くするといけないし、まして武智の二の舞にはなりたくない。
ふと隣を見ると武智が自分の頭を擦りながら、
「んなわけねぇだろ」とか言いたそうに森谷の方をじーっと見ていた。
「じゃあ、正解を発表するよ。」
戸村が足を乗せ体重をかけると、がたん、体重計と重厚な音を立てた。
やがてデジタルの表示盤に浮かびあがった表示を戸村が読み上げる。
「207.5kg。残念だったね。」
残念というわけではないのだが、心の中の予想通りで森谷は反対に驚いた。
しかし、体中で感じた柔らかな肉の感触を思い出すとその数字にも妙に納得してしまう。
「てんちょ〜、ま〜た太りましたね。」
「ははは、店を始めてから80kg以上太ったからね。今更どうってことないよ。」
「…昨日気にしてるっつって殴ったくせに。」
「そうだっけ?まあ、細かいことは気にしない。
…さて遊びはこの辺にして、そろそろディナータイムの支度をしないと。
夜はもう一人アルバイトの子が来るけど、昼より忙しくなるからしっかり頼むよ、森谷君。」
武智はどこか納得できなそうにぶつぶつと何かつぶやいていたが、
やがて戸村といっしょに厨房のほうへ向かっていった。
二人が行ってしまったのを見届けると、森谷はそっと体重計に乗ってみた。
「え…。」
思わず口から小さな声が漏れてしまった。
63.0kg。
これまで数週間歩き続けてきたというのに、家を出たときよりも少し増えていた。
14 :
きのと:2009/09/08(火) 18:11:46 ID:qokngMsK
>>ひのえさん
遅くなってすみません。
俺は武智がうまく使いこなせていないようです。
ひのえさんのようにいきいきした武智が書ければいいんですが。
完結レス数オーバーしました。
50くらいまで延ばしますか。
>言ノ葉
ss乙です。
俺は2が見てみたいけど、先に書かれてしまいました。
そちらもがんばってください。
15 :
名無し調教中。:2009/09/08(火) 23:19:25 ID:VuNXfxLa
前スレ
>>801です
いつの間にか新スレが^^
ssおつです
207.5kg…すげー…
面白いssばかりで大満足w
16 :
ひのえ:2009/09/09(水) 03:25:49 ID:SWNimeWf
>>皆さん
すすすすす・・・スイマセン┏○ペコ┏○ペコ
99%前スレと断絶したの俺の所為です・・・
500KBが目安だってことすっかり忘れてました(´。・ω・。`)
今度から気をつけます。
>>きのとさん
いいえ、良いペースだと思います。
キレイにまとまってるようにも思うし^^
書き手によって勝手に動いてくれるキャラ違いますよね^^
きのとさん側では、逆に森谷がいきいきしてると思います(o^―^o)
レスについては・・・、そうしましょう!(俺が変なとこクローズアップしたから・・はは・・(*・ω・)*_ _))ペコリン)
>>2 3ですな。承知つかまつった。
17 :
名無し調教中。:2009/09/09(水) 09:43:02 ID:L8nQgNJP
ss乙です。
自分新参なんですが、このスレすごい活気ですね!
まとめwikiにあるssの感想とかって、ここで言ってもいいんですかね?
連載中のも含めどれもこれも萌えるssばかりで凄いです…
18 :
ひのえ:2009/09/09(水) 13:50:59 ID:0JyxEDH6
>>17 過去スレから引き継いでいるものなので、ここに感想とか書いても良いと思います。
まとめwikiお疲れ様です。
はわー・・・『恋のリサーチ』・・そう言えばそんなSSも・・・
初めて書いた上に勢いに任せすぎて暴走気味になったので筆を止めてから幾年月・・・
つづきが見たいと言う人がいた場合だけ、リレーと言ノ葉が終わってから再開することにしよう・・・
19 :
名無し調教中。:2009/09/09(水) 15:28:35 ID:XpkxT34d
整腸剤で太るって…
本当なのかねぇ
20 :
ぽ:2009/09/09(水) 20:46:52 ID:fKN0s5cE
遅くなりましたが、8:40締め切らせていただきました。
ちょっとわかりにくい結果になってしまったようです。
会場はどうやら東京が一番多いようですね。ということで、今回は東京ですかね?
次回、大阪・名古屋などですかね?票からすると、名古屋になりそうな気がしますが…
2会場同時開催という手もあるとは思いますが…
日程ですが全体では21日の開催の意見が多いのですが、東京会場に絞込みをして検索してみると
東京8票中、20日が7票 21日が6票と微妙に20日のほうが人気のようです。
ということは、20日かな?
それと、名古屋・大阪に関しても一応調べてみました。
名古屋は7票中、22日が4票と一番多いですが、結果が割れているようですね。
大阪は5票中、19・21日が3票ですね。
参考までに…
時間は、東京で絞るとお昼から・夕方が7票ということで少なくても午後からですね。
2次会・遠方から来る人を考えると、夕食より少し早いぐらいの時間で集まる感じでしょうか?
場所は、「鍋ぞう」が出てますね。
http://r.gnavi.co.jp/a068815/ http://r.gnavi.co.jp/a068817/ http://r.gnavi.co.jp/a068847/ に詳しい情報が出てますね。新宿だと3店舗あるようですが、どれのことだったんだろう?
しかも、店舗によって予算が違うし。(微々足るものですが…)
この後のことを予想すると…
参加表明をもらって、人数確認して、集合時間・場所を確認して(時間は16:30とか?場所はお店の前とか)って感じですかね?
お店の予約は、人数によってという感じでしょうか?
21 :
名無し調教中。:2009/09/09(水) 22:27:34 ID:zTcziQ1c
>>17 ぜひお願いします。
ここのところssへの感想のレスが少なくなってきている気がしますが、
少しでも思ったことを書いてもらえると、スレ全体も活気付くし、
職人さんの励みにもなるんじゃないかと思います。
>>ぽさん
乙です。
このまま幹事をお願いしてしまっていい流れでしょうか?
おおまかな流れは決まってきているようなので、
集合時間、場所、どの店にするか等は
ぽさんが指定してくれればいいと思います。
余計なことかもしれませんが、
もし2会場でやるなら日にちをずらしたらどうでしょうか?
20日は東京、22日は名古屋とか。
希望者は2回参加も可にすればたくさんの人と交流できるし、
予算、移動の都合の悪い人も1回は参加しやすくなると思います。
そんなこんなで、結局最後に自分の体重を計ってちょっと吃驚したその日から3日が経ったある日の、例によって夕飯時である。
森谷が『アットホーム』にやってきてから既に5日、拾われた日も含めると6日を終えようとしていた。
早くも『アットホーム』に馴染んだ森谷は、まるで昔からここに居るのが当たり前に見える程に打ち解け、常連客にも顔見知りが増えた。
生来の不器用さもあって仕事ぶりの方は、まあ、まだ、ぎこちないが、真面目に一生懸命仕事に取り組む姿を評価されている実感がある。
とにかく森谷は今日も充実した1日を過ごし、幸せだった。
そう、ある一点を除いては・・・
それにしても今日はまたテンテコマイの忙しさだった。その所為か自然といつもよりも空腹を感じる。よりにもよってこんな日に・・・
『きょ・・今日のお代わりは、1ぱ・・いや、2杯迄にしよう・・、オカズは・・べ・・勉強の為だもん・・しょ・・しょうがないもん・・ね・・』
森谷は、誓ったそばからグラつく誓いを胸に食卓に座った。
今夜のメニューは、武智が腕をまくって(←ふるえよ!)作った得意料理の数々だった。
『海老と帆立のグリルアメリカンソース』
『チキンとビーンズのチリトマトソース』
『ラム肉の香草塩釜焼き』
そして極めつけは大きいボウル一杯の『サフランバターライスのサラダ黒オリーブ添え』、後はコンソメスープと丼飯(←あーあ、ここまで洋風だったのに・・・)。
「それじゃあ、みんな、今日もお疲れさまぁ〜、はい、いただきまぁーす。」
戸村の合図と共に、今日も戦いの火蓋が切って落とされた。
お代わりにお代わりを重ねる武智、よそいながら自分の飯も盛る戸村、「いけない、もう、これで終わりにしなきゃ」と思いながらもお代わりをしてしまう森谷、三者三様に食べて食べて食べまくる。
勢いよくムクムクと膨らんでゆく武智の腹、戸村はそれ以上に物凄く食べている筈だが、元々デップリとした腹周りである為、目を見張る様な変化は感じない。
しかし、確実に胃袋が膨らむに合わせて分厚い贅肉の層が押し出されるように、腹がドデンと膨らみせり出ているのがわかる。
そして、気がついてみると森谷のオカズは付け合わせも残さずキレイさっぱり腹におさまり、丼ぶり飯大盛4杯、コンソメ2杯分の体積もあいまって、丸々とポッコリ膨らんでいた。
森谷は、柔らかなシルエットがでないように大きめのシャツを整えて隠す。
『ど・・どど・・どうしよう・・また、食べすぎちゃった・・』
「うぅぅぅっぷ、もー食えねー・・・、かぁーっ、旨かったぁー。」
武智が丸々ドッシリ膨らんだ腹をタパンと叩いて擦りつつ言う。
「うー・・・ん、流石に今日は食べ過ぎたかもねぇ・・・和食じゃ勝ち目ないのに、洋食の腕もあがっちゃうなんて・・また太っちゃうよ、まいったなぁ・・」
戸村は、全く参ったように聞こえない声で言いながら、デップリ、ドデンと突き出た太鼓腹を撫で擦る。
「美味しかったです。ごちそうさまでした。うぷ。」
そして森谷は、今日(人生で)初めて認識した悩みを思い返して複雑な感情を抱きつつ、それでも礼儀正しく「ごちそうさま」を言った。
今日はじめて認識した悩み・・・、それは、ランチタイムが終わって洗濯当番の仕事をこなしに風呂場にいった時の事だった。
森谷は、脱衣籠を回収して洗濯場に行こうとして籠からあふれた衣類を取り落としてしまった。
「あーあ・・」と呟きつつ衣類を拾おうとしたその時だ。
ぶにゅぅぅ
腹部に柔らかな違和感、と言うか圧迫感を感じた。しかも何やら張りつめたように腹が苦しい。
森谷は吃驚してバッと居住いを正した。何やら物凄く不吉な、もやもやとした不安な空気が漂う。
『お・・お昼、食べすぎちゃったかなぁ・・はは・・そうそう、た・食べ過ぎたせいだよね・・』
実際のところ、お昼は3時間も前に食べ終わり、既におやつの時間を過ぎて少し小腹がすいてきた位であったが、勿論森谷の頭の中ではその事実は黙殺された。
森谷は自分を無理やり納得させつつ、確かめるように自分の腹に手の平を広げて擦る。
何だか、ちょっとなだらかなカーブを描いているような・・・、た・・食べ過ぎて腹が張っているんだ!そうに違いない!
そう言い聞かせて、いよいよ自分を納得させるためにもヘソ周りの腹をグッと押してみる。
『ほ・・ほぅら・・こんなに固・・・い゛!?』
ぶにゅぅぅ・・
手の平が・・・柔らかい何かに少しく沈んだ。
「うっ・・嘘だ!?」
どこぞの鉈振り少女の様な叫びは、しかし、森谷の驚愕を少しもなだめてくれない。どころか、一層混乱の度合いを増していた。
こっ・・これってもしや・・ふと・・ふとっ・・
冷汗が頬を伝う。もんもんとした頭で思いを巡らせていると、ふとアルモノが森谷の目にとまった。
今の森谷にとっては正に禁断の果実・・・、ヘルスメーターである。
『の・・のらなきゃ・・・でも、見たくない・・み・・見なきゃ、でも、のりたくない・・』
数分間ヘルスメーターを睨んで更に悶々としていた森谷だったが、やがて意を決したようにギュッと目を瞑ってヘルスメーターにのった。
ギシィ・・
今まで気にしたこともない、物が軋む音が、いつになく森谷を不安にさせる。
思い切って目を開けた森谷が目にしたものは・・・・
『70』
森谷は確信した。
自分は疑う余地なく太ったのだと・・・しかも7sも・・・(よく考えたら平で計算しても1日の摂取カロリー10,000以上オーバーしてるし・・)
25 :
名無し調教中。:2009/09/09(水) 23:10:12 ID:iYP8Q4E5
あぁあ…!
やっぱ東京強いなぁ…
僕は名古屋しか参加できないです(´・ω・`)
うぁー行きたいまじで←
森谷が人生初めてのほろ苦い経験を反芻しおえると、武智は、進んで後片付けをするといって厨房へ入っていった。
森谷は申し訳なく思いながらも、戸村から、今夜のメニューについてレクチャーとテストを受けることになったので手伝えずに残念に思った。
不器用な自分のこと、今は何でもいいから実技を磨きたい。
しかも、森谷には進んで体を動かしたい理由があった。
テストが終わると戸村は武智に声をかけ、「風呂に入ってもう寝るね」と言って席を立ったので、森谷は早速武智を手伝おうと思い厨房に入る。
厨房に入ると、武智が手慣れた機敏な動作で洗い物をしているのが見えた。
調理器具の方は既に片付け終わり、綺麗に水気も拭われて几帳面に棚に納まっている。
『早いなぁ、もう終わりそう・・・間に合わなかったか・・・』
とにかく、手伝えることがないか聞いてみようと思って近づいて行くと、サラミを咥えながらグビリと缶ビールを煽る武智に出くわしてしまった。
『のわっ!』
双方驚きの声を上げる。驚きの内容は異なっていたが・・・。
「あっ!えっ?び・・ビール・・って、お酒!?あうあう・・。」
『お酒は二十歳から』のキャッチフレーズが森谷の脳裏を駆け巡る。
「ちょっ!ばっ!おま!シーーー・シィィィィィ!・し・・静かにっ!」
武智は慌てて濡れた手で森谷の口を抑えると、森谷が戸村の事を思い出して目で頷くのを確認する。
そして、仕方がないと言う風情で溜息をつき、冷蔵庫からあるモノを取り出して言った。
「はぁー・・、みっかっちゃーしゃーねーや、ホレ!」
そして、冷たく冷えた缶ビールを森谷に手渡す。
「へへへ、共犯共犯。」
「え・・あの・・飲めないよ・・飲んだことないもん・・そ・・それにお腹が・・」
そう言って森谷は、率先して体を動かしたい理由、そう、件の最近ぷくぷく、ふっくらしてきた上に、今夜も腹いっぱい食べて膨らんでしまっている自分の腹を擦る。
大きめの上着の所為で、まだ、外からは変化がわかり難いが、ぷにゅり、と軟らかい感触が手の平に伝わった。
「ばっか!酒と甘味は別腹別腹、いーからグーッといってみ?グーッと!」
森谷の言葉を間違って受け取った武智は、見本を見せるようにグビグビ喉を鳴らしながら、お前もいってみ?と森谷を促す。
森谷は、しばらく武智と缶ビールを見比べていたが、やがて意を決したようにチビリとビールに舌をつけてみた。
『に・・苦い・・』
苦いよコレ?不味いよコレ?と目で訴える森谷に、武智は笑いをかみ殺す。
「ばっか!ビールは喉ごしっ!グーッといったれグーッと!!」
森谷はホントかなぁという顔をしながら、ギュッと目を瞑ってグイィーッと缶ビールを煽り・・・・・・一気に飲み干した。
「・・・・っっぷあぁーっ!」
おおー、良い飲みっぷりぃ!と思って見ていた武智だが、一瞬の後に、厄介事になりそうな雰囲気を感じとる。
そう、缶ビール一缶で森谷の目はしっかりと座っていた(何て安上がりな・・・)。
「あー・・えーと、もしもーし?森谷君?」
「んあぁっ?」
「・・・・・・・。」
「・・・・・・・ぅおぉい!」
「え・・あ・・はい。」
「注げ!」
「え・・注げって・・あの、缶ビール・・」
「いーから注げぇぇぇ!」
「ぅ・・ぅあ・・はい!」
武智は、森谷の只ならぬ雰囲気に飲まれて微妙な敬語で応えると、取りあえず自分の500ml缶から森谷の350ml缶にビールを注いでみた。
森谷は途端に満足気な顔になって、またもグーッと飲み干す。
しばしの間をおいて、森谷の態度が豹変した。
「・・・ぇっ・・グズッ・・ごめん・・ゴメンナザイ・・うぇぇぇっ・・」
まさに千変万化、今度は泣き上戸らしい。
武智は焦って宥めにかかるが、森谷は聞こえていない様で、泣きながらも武智の缶ビールをかすめ盗ってグビグビグビッと飲み干す。
「ふにゃあぁ・・・。」
意味不明の声を上げる森谷、もうトロントロンの目で気持ち良さそうにフワフワと雲の上でも歩いているかの様だ。
「お・・おい・・だだだ、大丈夫かよ、オイ・・」
「ふにゃあ?」
「うはぁ、全然ダメじゃん・・おい、ちょ、部屋いくぞ、部屋、オイ」
「やぁーだぁー、もっと・・飲むぅー・・」
「やだって・・・お前、いや、もう無理だから、ホレ、だーかーらぁー、大人しくしろって!」
イヤイヤを繰り返す森谷にいい加減武智が辟易してきたところで、暴れていた森谷が突然ピタリと止まった。
「おう?良し良し、いーこだなぁー。ホレ肩貸してやっから。」
武智が機嫌をとる様な優しい声で言う、が、森谷は動こうとしない。
少し大きめの瞳で上目がちに武智を見つめながら徐に両腕を開いて言った。
「・・・・・・・・・・・・だっこ」
ズキューン
この仕草が武智の胸を射抜いた。
『!?・・・・・・・・やべっ!かわええ!!』
口では「オイオイいくつだよお前」とか言いながら、武智の心はかなり揺れていた。
「お兄ちゃん・・・・・・・だっこ」
『!?』
お兄ちゃんとぉ〜〜〜、きたもんだぁ〜〜、はわわ〜〜〜・・・
熱い衝動が武智の体を駆け巡る。もう我慢できない。その癖口では・・・
「しょ・・しょーがねぇーなぁー、よっ・・よよ酔ってんだもんな、しょ、しょうがねぇよなぁ・・うん・・」
誰が聞いているでもなしに、何だか言い訳がましくのたまいながら、ソロソロ・オズオズと前抱きの体勢に入る。すると森谷は武智をギューッと抱きついてきた。
「おう、飲ませちまってわりかった、わりかった・・・眠たいかぁー、そうか、そうか。」
武智は、もう赤ちゃんに対する様な言葉使いになっているのに気付いた様子もなく、森谷を前抱きのまま抱き上げた。
『あっ・・アレ?』
抱き上げた瞬間、武智は違和感をいだいて立ち止まる。
『何だか、その・・かなり・・・・重くないか?』
武智は、抱っこしてもらって直ぐに寝息をたて始め、グッスリ幸せそうな森谷を見つめる。
目ばかり大きいホッソリした顔が・・・・ある筈だったのだが、ぷっくりと丸みを帯びて一層可愛い(←武智ヴィジョン)顔がそこにあった。
そう言えば、ちょっと前までもっとずっと細かったような気がする。
というか・・・
前抱きなので、片手で尻を支えているのだが、この尻が何とも、その、ふっくら、もっちり肉付きが良い・・ような・・・?
ピッタリとくっ付いている上半身も、ぷくぷく、軟らかい肉に覆われてモチモチとしているような・・・。
もう片方の腕で脇腹下から反対側の片口近くまでをカバーする体勢なので否応なしに、その辺りの感触が伝わってくるのだが・・・
この脇腹も腹も背中も、何ともぷくぷく、ムッチリと・・・
『やぁーらけぇー・・・いやいやいや、違うだろ俺!』
自分突っ込みを入れつつ、その癖ちょっとギュムーッと抱きしめる。
『つまりだな・・・コレ、太ってネ?コレ、結構・・いや、かなり太ってネ?』
太ったと言っても元が細めの体つきだった為、武智の腕力からすると、それ程重たく感じる重さではない筈だった。
軽いという頭でいたので吃驚したというのが本当のところだろう。
しかし、体感するところ、恐らく70kg前後はあるものと思われた(←わぁーお、ドンピシャ)。
『まあ・・(ギリギリ)成長期だもんな。うん、普通普通・・か・・可愛いし・・ありあり。』
そう考える辺り、既にかなり重症だったが・・・
「ま、俺も人の事いえねーしな・・・」
武智は、今朝方計ったヘルスメーターの数字を思い起こして一人苦笑いを浮かべる。
森谷と初めて会った日72sだった体重は77sになっていた。
運動量と基礎代謝が違うので森谷より太るスピードは遅かったが、それでも5s太ったことになる。
脇腹と下腹、ヘソ周りの肉づきを考えると、タンクトップはキツイ体型になりつつあった(なのではいていない)。
それでも、実用的な筋肉に過不足なく鎧われた武智の体は力強く、うってかわって軽々と森谷を部屋まで送り届けると、森谷を寝台に寝かしつけ、武智は一旦身を引いた。
そして、無邪気な寝顔を眺めていたが、しばらくして、少し迷ってから再び身を寄せ、森谷のぷくぷく、つやつやの頬っぺたに『ちぅ』とキスをした。
「・・・これは、おやすみのチウ・・・うん、おやすみのチウだから・・・」
武智は、森谷のぷくぷく、もっちりの可愛い体を抱きしめた時から、結構大変なことになっている下半身についてはこの際無視してすることにした。
そうして、若い欲求を持て余した武智は夜のジョギングへと出かけていくのだった。
31 :
ひのえ:2009/09/10(木) 00:31:06 ID:8k3QmMmD
きのとさん
ひのえ分はこんな感じで・・・
何とか50レス台(←あ)で終われるといいですなぁ・・・(-人-)
ぽさん
本当にご苦労さまです。
色々とお任せしてしまう感じて・・と、とりあえずお礼を(*・ω・)*_ _))ペコリン
でもホントワクワクしてきたかも・・・
32 :
名無し調教中。:2009/09/10(木) 04:46:59 ID:5J5dNsBi
>>15です
ssおつです
あれっ武智君はまだ70台だったのね。
これは、二人ともどこまで増えるか楽しみだ。
ぽさん
ご苦労様です
東京かぁ…行けたら、高速バスで行こうかな…
33 :
ひのえ:2009/09/10(木) 08:53:14 ID:qq6q7vXj
>>32 ううーん・・
ここだけ悩んだんですけど77sから82sにしようか・・・
でも森谷が武智より重たくなっちゃったらそれはそれで森谷ショークで萌えるかなぁとか
後から逆転太りってのもいけるかもーとか考えてたら・・・勢いで(←またかよ・・)
武智はアットホームに来たとき177cm68kg位かなーと考えていたので
鞭のような実用筋肉に覆われた体→ちょっとお肉が(登場時)→その肉このままじゃ・・・(現在)位に思って頂ければ・・・(ノд−。)
34 :
名無し調教中。:2009/09/10(木) 11:23:26 ID:55QqWWOU
17で感想〜と言った者です。
ss乙です!リレーは先行きがわからなくてわくわくしますね。
まとめwikiで一気に読んだので意見が偏っちゃうかもですが、自分個人の感想なのでご了承下さいm(__)m
自分は一年日記が好きです!経過や描写も萌え所たっぷりなんですが、登場人物のキャラがしっかり立ってるのが作品としておもしろかったです。トラくんとお母さん好きすぎますw
幸運の石も続きが気になります!活発な子が太る話が好きみたいです、自分w
入れ替えみたいに、積極的に太りたがる話も面白いと思います。太りたいのに太れないジレンマと、太りたくないのに太るジレンマが同居してて、このスレっぽいなぁって思いました。
戦士と盗賊の、盗賊の開き直り方もいいと思いました。痩せてなきゃいけないはずの職業なのに、堂々と太ってるところに萌えました。
どれもこれも萌えたんですが、感想となると長編贔屓になっちゃいました…;すみません;;
35 :
言ノ葉15:2009/09/10(木) 16:20:31 ID:P+A3iImR
→ 何とか時間を稼がなくては・・・
『迷い路』編
「すみません。今まで嘘をつくとかつかないとか、そんなに重要に考えたこともなくて…その…時間をくれませんか?考える…時間を…」
俺は、何とかして考える時間を稼ぎたい一心で『言ノ葉』に訴える。
しかし・・・
“おけ、なれは既に汚れた言葉を弄しておる。始祖との固き絆は小揺るぎもせぬが、なれと我との縁はここで消ゆるか…”
深く悲しい声で『言ノ葉』がそう言った瞬間、シャランシャランと橘の鈴の実が共振し、灯が消え、木々が消え、石畳が消え、社が消える。
ただ虚空に2本の橘の木が漂い、輿も力者も?き消えた闇に『言ノ葉』が佇む。
そしてまた、金縛りにあったかのように微動だにできない俺の元に漂いくると、俺の胸に手を添え、そして軽く押した。
“さらば、始祖のよすがよ。なれは罪ある者となる……”
俺の目の前で世界は暗転した。
遠ざかる意識の中で俺は『言ノ葉』の語る言葉の続きを聞いたような気がする。
万の虚言を弄せし者 その報いを受けん
汚れしその言ノ葉は 厭うべき印を穿ち
その現身は罪業の重きに震えるだろう
しかし、全ては闇の中だ。
36 :
名無し調教中。:2009/09/10(木) 16:20:34 ID:5J5dNsBi
>>32です
名前考えると言いながら全く思い付かない俺がいる==;
>>33 あー文句に聞こえたらごめんなさい
文句ではないです><
徐々に肉が付いていく感じでいいと思いますよ
俺にはこんなSS創作スキルはないや…
うらやましい限りです
37 :
言ノ葉16:2009/09/10(木) 16:46:10 ID:P+A3iImR
朝の陽ざしの中で、俺は目を覚ました。
玄関の扉が半開きになっている。どうやら玄関で寝てしまったらしい。
そんなに疲れていたのだろうか?ジム通いは少々控えた方が良いかもしれない。
俺は昨日の奇妙な夢を振り払うように玄関の扉を閉めてリビングに向かう。
時刻は午前7時30分、結構寝入ってしまったようだ。
俺は急いで浴室へとむかう。
昨日ジムでシャワーは浴びてきたが、何だか夢見が悪かったせいもあってサッパリしたい気分だった。
しかし、流石に2日連続遅刻は不味い。
手早く服を脱いで浴室に入ろうとした時、俺は不思議なものを自分の体の上に見つけた。
洗面所の鏡に映った俺の上半身、昨日夢の中に現れた『言ノ葉』が軽く押した部分が小さな紅葉型に紅くなっている。
まるで子供の手形がおされたように・・・
更に手形の真ん中、丁度ウルトラヒーローのカラータイマーがついている辺りに、10円玉位の大きさの突起物がついていた。
「なっ・・・なんだよ、これっ!」
突起物は、例えるなら紐を通す穴が開いていない勾玉を二つくっつけて円形をなしている様な形状だった。
材質もヒスイかメノといった感じだが色は薄い青色をしていた。
『まさか!夢じゃなかった?夢じゃなかったって言うのか!?』
俺は、シャワーを浴びるのを止め、リビングのソファーに座りこんで悶々と思考を巡らせる。
夢じゃなかったとしたら、俺はこれから嘘をつくたびに罰を受けなければならないのか?
これがその印だとでもいうのか?
こんな奇妙なものをつけて一生生きていけって言うのか?
こんな・・こんな奇妙な・・・、奇妙なものを・・つけて?・・・そうだ!
『びょ・・病院だ・・病院に行こう。話しても信じてもらえないだろうけど、単にこの突起物を取り除いてもらえればいいじゃないか。』
そうと決まれば。
俺は鞄から入れっぱなしの携帯を取り出して会社の番号を選びだした。
会社に病院に行ってから出社する旨を伝える為だ。
38 :
言ノ葉17:2009/09/10(木) 17:21:48 ID:P+A3iImR
数回コールすると、同じ課の池上が電話にでた。
池上に伝えてもらおうとしたが、渋られた揚句課長に代わると言って受話器を置かれてしまった。東堂だったら良かったのに・・・
『チッ、面倒くせえことしやがって…』
直ぐに課長が電話にでる。俺は、池上に対してと同じように弱弱しい声で言った。
「すいません。今朝はちょっと病院に行ってから出社しますので、少し遅れるかと思います。許可を頂こうと思って…電話しました。」
我ながらしおらしくか細いがでたものだ。
しかし、課長は常の神経質さで、理由を問うてきた。まあ、当然と言えば当然か。
だが、理由をそのまま言うわけにもいかない。
「…はい、今朝起きたら何だか具合が悪くて、熱もあるみたいなんで、風邪かとおもうんですっっっ…んぐぅっ!!」
適当に誤魔化そうとした俺だったが、会話の途中で奇妙な不快感に襲われて苦しげな声を漏らしてしまった。
例えて言うなら、食べ物が喉に詰まりそうになったかの様な、少しく苦しい不快感とでも言おうか。
胸の突起物が鈍く青く明滅している。
俺は今、誤魔化そうとして嘘をついたことに気付いた。
これが、罰なのか?
しかし、その不快感もほんの数秒で消え、直ぐにもとにもどった。
『何だ、この程度の不快感なら騒ぐほどの事じゃないじゃないか…あほらしい…』
「おい!大丈夫か?病院に行ってきなさい。何なら休んでも良いから…」
電話の向こうから課長の声が聞こえる。
そういえば、まだ会話の途中だった。
「いや…仕事もあるので、病院にだけ寄らせてもらいます。」
そう言う俺に感心したようなことを言う課長の声を聞きながら、俺は、『今日も世界はチョロくできてるゼ』と思ってほくそ笑み、サッと着替えて自宅を後にした。
********************
39 :
言ノ葉18:2009/09/10(木) 17:45:25 ID:P+A3iImR
俺は、病院によって昼過ぎに会社に到着した。
それにしても、病院での一幕を思い出すと、暗い気分になる。
何しろ変な突起物ができたといって通された整形外科で触診を受けた俺は、危うく精神科へ連れて行かれるところだった。
医者には、俺の胸についた突起物が見えないようだった。
看護婦にもみえなかったのだから、俺以外には見えないのかもしれない。
一応触ってももらったが、俺の目には医者の指が勾玉の様な突起物を透けてその下の肌に触れた様にしか見えなかった。
俺は、その場を切り抜ける為に嘘をつくことになり、3度程あの不快感に襲われる羽目になった。
病院に行っても何も解決しなかった。
いや、例えこの突起物が取り除けたとして、それで解決するとも限らない。
どうやら俺は焦り過ぎて骨折り損のくたびれ儲けを演出しただけだったようだ。
「はぁぁ………」
俺は席について何度目かの溜息をついた。考えても、考えても、何の解決法も見つからない。
いっそ、この不快感は持病と諦めるかとも思ったが、ああも正確に嘘を見分けて不快感を与えられては、たまったものじゃない。
俺は、更に暗い気分になって気持ちが悪くなってきた。
精神的なものだろう、そう言えばさっきから何だか締め付けられるように苦しい様な気もする。
「よっ、勇。お前大丈夫か?体調悪いならやっぱ早退した方が良いんじゃね?」
掛け声は軽いものだったが、俺の状態を確認して直ぐに心底心配したような声になる。
以前は坂口憲二に似ていると持て囃された容貌はまだ片鱗を残しており、体型も俺の視点ではデブでしかないが、他の奴等に言わせれば太ってはいるがデブと言う程ではないという。
俺としても、俺にぞっこん惚れているのがバレバレなだけに、見た目でライバル視していた以前よりは仲よくしてやっても良いと思うようになっていた。
「ああ……、そうしようかなぁ……何だかさっきからちょっと苦しくて…」
すると、心配そうにしていた東堂だったが、何かに気付いた様に言う。
「お前、ちょっとベルト締め付けすぎじゃないか?ベルト食い込んでるぞ?」
40 :
名無し調教中。:2009/09/10(木) 17:53:14 ID:VswrLjls
>>22 腕をまくって(←ふるえるよ!)
に見えた俺は末期
と言いつつ支援
41 :
言ノ葉19:2009/09/10(木) 18:21:46 ID:P+A3iImR
そんな馬鹿な?
俺は慌ててベルトを確認する。
すると、東堂の言う通り、ベルトが少し腹に食い込んでいた。
ウエスト70cmジャストの俺は、ベルトを一番きつい穴に合わせていた。
「お前、細いから締めてないとズボン擦り落ちそうだもんな、俺は最近ベルトし忘れても気付かないのが悩みだぜぇ。」
俺は、そう言ってタパンタパン腹を叩く東堂に愛想笑いを浮かべつつ、ベルトを締め直す。
2cm間隔の穴を一つすすめてみたが、まだ少しきつい、俺はもう一つ穴をすすめた。
平静を装ってはいたが俺は内心混乱していた。
いつもと違うベルトをしてきたのだろうか?
しかし、どのベルトも一番キツイ穴で対応していた筈だ。
それじゃあ・・・いや、しかし・・・
「…ぃ……い…おーい、電話、電話だとよ、勇でれるか?橋田のオバちゃん。」
自分の思考に集中して聞こえなかったようだ。
橋田?何だあのババアか、うちの部署では皆がファイナンシャルプランナーの資格を持っている。
保険を勧めるにもトータルケアが必要とされる時代の性で、つまり、客の要望を聞くという建前の元に雑談に付合わされるのが常のことになりつつあった。
仕方ない、金持ちで大口だし、こいつに気に入られるのも給料の内だ。
「はい、お電話代わりました上田です。どーも、橋田様ご無沙汰しております。今日はどういったご用件でございますか?」
用件は簡単だ。30になる娘のファイナンシャルプランを立てて欲しいと言うことだった。
『あー、あの行かず後家か…プラン組むのは良いが、独り身で君で良いんだろうな?面倒臭え結婚を視野に入れるかとか聞きづれえじゃねーか。』
「上の娘さんでいらっしゃいますね?ええ、憶えておりますとも、橋田様のプランをたてたのは私ですよ?はは、あの橋田様に良く似たお綺麗な…」
ドクンッ
あの不快感が襲ってきた。しかし、今度は身構えていた所為で何とかやり過ごした。
「はいはい、あ、成程ですね。ご結婚なさる?いやー新郎の方が羨ましいなぁ…」
ドクンッ
今度は無視する余裕さえあった。この程度の不快感、慣れれば何てことはない。
42 :
言ノ葉20:2009/09/10(木) 18:46:27 ID:P+A3iImR
「はい、はい、えーそんな、僕と下の娘さん何てつり合いませんよぉー、高嶺の花ってヤツですよ。あー、橋本様となら考えても良いなぁ…」
ドクンドクンッ
連続で襲いくる不快感に顔をしかめつつ、挨拶をして受話器を置く。
勝った。俺はそう思っていた。
何のことはない、罰を受けるといってもこの程度なら、何が神だ、俺は心底あそこで承諾しなくて良かったと思った。
それにしても……何だか、また…苦しい……
ま…まさかな……
俺は少々不安に思いながら、ベルトを確認した。
するとどうだろう、先程緩めた筈のベルトがギッチリ腹に食い込んでいた。
う…嘘だ…そ…んな…馬鹿な……
いつもは気にならない体にピッタリとしたタイトなシルエットのスーツが、座った状態だと、かなり窮屈に感じる。
そう、何となく、こう、パツパツに張り詰めている様な感じだ。
俺はある可能性を頭にチラつかせながら、慌てて席を立つと、挨拶もそこそこに会社を出て自宅へと向かった。
俺は自宅に着くと汗で湿って更に窮屈に感じるスーツを脱ぎ棄て、下着一枚になって浴室に向かった。
そして、洗面所の脇にあるヘルスメーターにのる。
ギシッ
何だかいつもより軋む音が大きい様な気がする。
ある可能性で頭がいっぱいになり、不安は一層深くなった。
勘違いであってくれ、俺は心底祈った。
しかし、俺の不安は無情にも的中した。昨日ジムで計った時には60kgだった体重は………
68
43 :
ひのえ:2009/09/10(木) 18:53:41 ID:P+A3iImR
>>33 あ、はい。わざわざ、ありがとうございます。
いやー、読み返すとちょっと自分でもそう思ったので……
言ノ葉は、本日はここまでで終わります。
こっちは長くても40レス位で終われそうな予感……(-人-) ワカンナイケド
あまり他の人の迷惑にならない様に頑張らせて頂きますので、よろしくお願いします(*・ω・)*_ _))ペコリン)
44 :
名無し調教中。:2009/09/10(木) 19:08:20 ID:5J5dNsBi
>>36です
ssおつです。肥満化来たー^^
紙の力で+8kg…
デブ嫌いのキャラがブクブクに太るとどうなるのかw
わくわく^^
45 :
きのと:2009/09/10(木) 22:31:33 ID:8WJnUlv8
>>ひのえさん
乙です。
相変わらず仕事が早いですね。
登場する料理がおいしそうで、満腹表現も一層輝いて見えます。
3ヶ月なんとか体型をキープしてきた武智もそろそろ?
そしてかわいい森谷もいいですね。
>言ノ葉
嘘を隠すために嘘を重ねて泥沼に…。
どこまで太るか楽しみにしています。
46 :
名無し調教中。:2009/09/10(木) 23:25:35 ID:ePFriBED
>>21 2回に分けた20日東京、22日名古屋、
大いに賛成です…!
47 :
言ノ葉21:2009/09/11(金) 10:54:38 ID:awk+B/qi
表示が次に移行する。
22%
俺は愕然とした。
『ヶ…軽肥満じゃないか…この俺が軽肥満…ひ・・ひま・・ん…』
8kg体重が増えた、それは良い(全く良くなかったがこのパーセンテージの数値に比べれば)。
昨日ジムで確認したデータは次の通りだ。
身 長:175p(これは昨日計ったわけじゃないが変わりようがない)
体 重:60kg
体脂肪率:12%
B:79 W:70 H:73
俺は頭の中で計算する。こんな時は三徳で与えられた無駄に明晰な頭脳が呪わしかった。
8kg増えた体重の全てが脂肪ということで間違い。
俺は、気が遠くなりそうな感覚を覚えた。
どおりでベルトの穴が4つも進む筈だ。2cm間隔の穴が4つ、8pか9pかいずれにしてもメジャーを持ち出して計る気にはなれなかった。
しかし、何故だ?俺は考えた。しかし、この時俺の中で既に答えはでていたのだ。ただ認めたくなかっただけで……
そう、俺は罰とはどんなものかと『言ノ葉』に問うた。
『言ノ葉』は何と答えた?
“それは、そうよな、なれの心のあり方によって異なる・・・としか言えぬな。”
心の在り方……俺の心の在り方、…ま…さか…
『俺はデブが嫌いだ。』
過去何度も頭をよぎった思考がフラッシュバックする。
もう、疑いようもない。俺は神罰のメカニズムを多分正確に理解した。
『言ノ葉』の神罰は、与えられた者がもっとも心の中で忌み嫌っている変化をその身にもたらす。
俺の場合は、信じたくはないが、デブになる。つまり、脂肪が体に纏わりついて太るということだろう。
俺は今日の状況を思い起こす。不快感を感じたのは俺が嘘をついた数と同じ8回、増えた脂肪も8kg……、もう間違いない。
『一度嘘が口から漏れる度に1kg脂肪が増える!?』
48 :
ひのえ:2009/09/11(金) 11:00:41 ID:awk+B/qi
言ノ葉21
いきなり間違い発見(←だから整理してから書き込めと…)
誤:8kg増えた体重の全てが脂肪ということで間違い。
正:8kg増えた体重の全てが脂肪ということで間違いない。
ごめんなさいOrz
そして、もしかしたら俺が前スレにとどめを刺した所為で、このスレを探して彷徨っている人々がいませんように…
もしそうだったらどうしよう…ウジウジ…折角色々盛り上がってたのに…
はー南無南無…(-人-)
49 :
名無し調教中。:2009/09/11(金) 12:59:54 ID:JVnD4TOR
44です
ひのえさん
ssおつです
まとめwikiにもこのスレ書いてあるし、大丈夫だと思いますよ。
嘘をつくたびに脂肪+1kgって…巨デブへの道が開かれたかな?^^
50 :
言ノ葉22:2009/09/11(金) 14:10:21 ID:awk+B/qi
認めたくない、しかし、数字は嘘をつかない…皮肉な話だ。
俺は洗面台の鏡の中の自分をじっくりと見た。
まだ、パッとみは標準体型と呼んでも良い。しかし裸の体はどこがというのではなく、ムチムチ、ぷくぷくと、ふっくらした様に見える。
昨日までの俺の体をケーキの土台に例えるなら、脂肪と言う名のクリームをタップリ綺麗に塗り固めたかのような、そんな感じだ。
えぐれていた部分が、柔らかいもの(脂肪)で埋まった状態、それが今の俺だった。
これ以上、もう、2〜3kgでも脂肪が増えようものなら、底地が埋められて平地となった上は、もう山をなすしかない。
シャープな印象の細面だった顔も丸みを帯びてぷっくりしてきている。
8kgの純粋な脂肪の増加がもたらした変化は、俺にとっては耐えがたいものだった。
俺は居た堪れなくなってリビングまで退散し、ソファーにドサリと腰を下ろした。
途端に腹に違和感を感じる。
みれば、肉が、贅肉が…厚みは2〜3センチ位の四つ位の段になって腹を圧迫していた。
『こ…これが…世に言う3段腹か…3段じゃないけどな…ははは…はは…』
泣きたい…実際涙が滲んだ。
しかし、泣いて等いられない。どうにかしなければならない事は、まだまだ沢山あった(というよりも、一つとして減っていない)。
服!そう、服だ!
あのパツパツのスーツを着てコソコソ隠すように会社から帰ってきた記憶がよみがえる。
俺は片っ端からスーツを着てみた。
どれも似たり寄ったりのタイトでスリムな体を強調する為にかたどられたスーツばかりだ。
どれもこれもがパツパツだった。
『買い替えよう。それしかない。』
そう決心して俺は普段着をあさった。
しかし、スーツ以上に細身の体を喧伝してまわる為に作られた様な服ばかりだ。
シャツがピチピチ、ならばと思い季節外れのジャケットを羽織ろうとすれば腕からしてパツパツ、胸はいいが腹が無理等々、一長一短あったがとにかくどれもダメだった。
最後のジーンズに手をかける。
51 :
言ノ葉23:2009/09/11(金) 14:11:42 ID:awk+B/qi
『足は良し、モモは…きっつい、尻も…くそ、ヤバイ、あと・・もうちょっ…と…』
腹を思い切りへこましてリベットの様なボタンを汗だくになって留めようとするが、ギリギリのところで引っ掛かりもしない。
次第に腹にこめた力も緩み、手も痺れを切らして滲む汗に指が滑った。
途中まで締まっていたジッパーが途端にビィーと広がる。
全滅だ。
俺は全ての服の中で一番ましなパツパツ感の服を着たまま散乱した洋服の寝台に横たわって息を切らして大の字になった。
後は放心したようにボーッとする他何も思いつかない。
俺には、少なくとも今までの俺にとっては、こんなパツパツでボタンが何とか留っている様な服を着て堂々と外を練り歩くという選択肢はなかった。
そ…そうだ、あいつだ。あいつを上手く使えば…。
俺は、今まで考えついた中で一番の名案を思いついてガバリと起きあがる。
ミリミリッ
腹周りの生地が軋む。一番ましと入ってもパツパツの服を着ていることをすっかり忘れていた。
『ヴッ…危ない危ない…。』
俺は、少し慎重に携帯をあさり、あいつの番号を選択する。
東堂健太郎
東堂は、2コールもしない内に電話にでた。
「もっ…もしもし?勇か?どうしたんだよ、お前?俺呼びとめたのにサッサと行っちまうんだもん、驚いたゼ。こっちからかけるか迷ってたんだ…」
東堂は、かれこれ30分も携帯を睨んで悩んでいたのだと言う。変な奴だ。
「で?大丈夫か?どこも痛くないか?薬飲んでるか?俺…」
痩せ薬でも飲めとでも言うのか?東堂はその後も心配していたという様な話しを延々としそうな勢いだったので、俺はある程度聞いてから割って入った。
「あのさ…ちょっと頼みたいことがあるんだけど…、お見舞いがてら買ってきて欲しいものがあるんだ…。」
東堂は、「お前んちに!?行っていいのか!?」と踊りだしたい様な声で言うと、ふたつ返事でOKする。
52 :
言ノ葉24:2009/09/11(金) 14:12:06 ID:awk+B/qi
「ぁ…俺ついお前が俺を頼ってくれたことが嬉しくて…、すまん不謹慎だよな?こんなはしゃいじゃって…、ホントに体調は大丈夫なのか?」
俺は、自然な流れでこう答えた。
「いやぁ…結構体調悪くてさ…、明日休まないといけないかもしれない…ッうぐぅっ…。」
ドクンッ
しまった!そう思った時はもう遅かった。
ミリメリッ…
服が軋む。そして、ピッチリした服を着ている所為か、体中がブルンッと震えて体に脂肪がまとわりついたのを実感した。
「いっ…いや、大丈夫。それで買って来てもらいたいものなんだけど…」
俺は、今の叫びに心配そうな声で話しかけてくる東堂を制しつつ、所望の物を伝える。
黒地のジャージ、メーカーも指定した。サイズはスタイリッシュな傾向があるメーカーなので一応Lサイズを所望する。
「Lッ?お前、下手すりゃSじゃないか?あー丈もあるからMか?え?お…お前それ自分で着るのか…あの…それとも…さ…あの…」
言い淀む東堂の言いたいことは本来ならばサッパリな筈だが、俺は本当に無駄な明晰さで予測がついた。
つまりアレだ。下らない事に東堂は俺に男がいないかを心配しているらしい…、どういう思考回路だ。
みんながお前と同じ趣味だと思うなといってやりたい。
「まさか!親父のだよ親父の、頼まれたのに買いに行けないからさ…ハグぅうっ……。」
ドクンドクンッ ブルルルゥン
し…しまった…と思ったが、やはり遅かった。パッツリ張り詰めた服に押し込められた贅肉がムクムクと膨れ上がり、横に圧迫する。
ミリメリッ……ボンッ
上着のジャケットのヘソ周りを留めていたボタンが吹き飛んだ。
ミリミリミリッ
ボボンッ…カラカラカラカラカラ…コロン
続けてズボンのウエストを何とか留めていたボタンが弾け飛び、カラカラと回って虚しい音と共に止まった。
「……ぃ……い……おい!大丈夫か?スゲー音したけど…。」
俺は内心泣き叫びたい衝動に駆られながら、もう嘘をつくわけにはいかないと考えて、とにかく早く来てほしい旨を伝えて携帯を切った。
53 :
ひのえ:2009/09/11(金) 18:53:18 ID:awk+B/qi
昨日の夜にチョットだけ書いた1レス分を朝に、昼休みに書いた分を2時くらいに書き込みました。
6時半に仕事が終わったので2スレ分位書きましたが、自分スレが連続しすぎなので懐にしまっておきます。
それじゃあ、今日はもつ焼きで一杯いってきまぁーす^^
54 :
名無し調教中。:2009/09/11(金) 19:16:11 ID:JVnD4TOR
49です
ひのえさん
ssおつです
面白いことになりそうだ^^
Lの次は2Lをスキップして3Lかな?w
モツ焼きで一杯…いいなぁー^^
55 :
名無し調教中。:2009/09/12(土) 03:39:09 ID:8Bp/cwaI
お世辞も無理とか日常的なことを条件にされるとブクブクいくだろうな
条件式肥満化はどつぼにはまりそうだ
56 :
言ノ葉25:2009/09/12(土) 08:15:06 ID:ukuzNbHK
携帯を切った俺は、もうパッツンパッツンでどうしようもなくなった服を脱いで下着姿になると(下着までピチピチだ)、慌てて洗面所に向かった。
『何だか体が重い、ちょっと腹とか胸とか、ぷっくり弛んできてないか?こう、動くたびに少し揺れている様な……っ、き…気のせいだ…』
洗面台の鏡からは少し目をそらしつつヘルスメーターを目指す。
ギシィィッ…
先程よりも重たそうな音が響いて俺の胸を締め付ける。
「ヒッ!?」
俺は思わず悲鳴を上げた。
74
『そっ…そんな…68kgだったんだから3回で71kgだろっ!?2倍じゃないか!』
混乱した頭で胸の突起物を見ると、今朝よりずっと青みが増していた。
水色に近い青だったものが、薄いながらもサファイアの様な深みのある色に変わっている。
ピピッ
28.5%
『にじゅ…はっ…!?ひ…まん?…肥満!?』
肥満肥満肥満肥満肥満、俺の頭で肥満の2文字が大合唱を上げていた。
どうせ肥満だ、どうでも知るものか。俺は半ばヤケクソになりながら洗面台の鏡を見た。
全身柔らかい印象はあったもののどこもかしこも真っ平らだった先程の俺とは違う。
言いたくないが…、丸い。俺は早くも自分の自棄鉢に後悔していた。
全身に満遍なくついたと思われる6kgの脂肪が俺の体を所々、まあるく、ぷっくりとしたものに変えていた。
まず、平らだった胸がぷっくりと丸みを帯び、まだ角ばっていた肩のラインも贅肉がついて、まあるい撫肩になりつつある。
そして、そう腹だ。
腹周りはブヨブヨンとした贅肉に覆われ、ややなだらかなラインを描いている。
特に脇腹にはタプリと贅肉が盛り上がっており、そこからヘソ周りと背中の半端までをグルリとその盛り上がった贅肉がまとわりついていた。
57 :
言ノ葉26:2009/09/12(土) 08:15:40 ID:ukuzNbHK
尻もモモもムッチムッチとボリュームを増して太り、パンツのゴムは腹に食い込み、足口はモモに食い込んでいた。
まだ、世間一般的に見てデブと後ろ指を指される様な体型ではないが、完全に太っている。
体重当てクイズであれば、10人中8人が80kg前後にビットしそうな太り方だ。そう俺の基準では完璧にデブである。
脂肪オンリーで膨らんだ体の存在感に涙が出た。
俺は発狂しそうな勢いで涙を滲ませながらうわ言のように叫んだ。
「いっ…嫌だ、うわああ…こ…これは俺じゃない…これは俺じゃない…これは俺じゃない、このデブは俺じゃなぁぁぁいっ…あ…っふぐぅッ…そ…んな…」
ドクッ ドクッ ドクンッ ドクゥンッ
ぷくっ、ぷくぷくっ、たぷるんっ
目の前で俺の体に贅肉がまとわりついていく、胸に、肩に、脇に、腹に、ぷるんぷるん、タプンタプンッと音がする様に膨らんでいく…
『そんな、こんなの、こんなのただの独り言じゃないか!』
独り言も言葉には違いなかった。当然膨らむ体は止まってくれない。
ブヨブヨンッ、脇腹の肉の厚み恐ろしい勢いで増す。
プクンプクンと尻が柔らかく大きく膨らんでいく。
モモがムクムク、ムチリムチリとその体積を増やし丸く太く膨らんでいく。
ビッ ビィィィィッ
尻とモモの溢れかえる贅肉の圧力に耐えかねてパンツが両サイドの縫い目から張り裂けた。
贅肉の増量がようやくおさまった頃には、俺は世間一般から見ても十分デブと言える程にタプンタプンの脂肪を蓄えた姿に変貌していた。
そして無情にも乗り続けていると再度計測を開始する機能がついたヘルスメーターが、止めを刺すかのように無慈悲な数字を告げる。
82
35.5%
58 :
ひのえ:2009/09/12(土) 08:25:47 ID:ukuzNbHK
ただいま戻りました。
肉刺盛ともつ焼、焼き肉を食べまくり、カラオケでつまみを食らい、ラーメンと餃子と半ライスを平らげて
終電を逃し、友人と一緒にマン喫で夜を明かしました。
ふー隣が1.8人分位の人だとペアシートの狭いこと…(←お前も1.3〜1.4人分だからだろ)
結局こんな時間にレス入れるなら昨日いれといても良かったかも…(-人-)
59 :
名無し調教中。:2009/09/12(土) 09:11:40 ID:jlb/vLW7
ss乙です。
この状態で東堂がきたらいろいろと大変なことなりそうだ。
現実でも肥満化に励んでいるようで、そちらも頑張って欲しいです。
友人もあまり痩せる気がないみたいで一安心ですね。
60 :
名無し調教中。:2009/09/12(土) 22:12:15 ID:OFIWr4SO
目指せ!!体脂肪100%
61 :
名無し調教中。:2009/09/12(土) 23:29:04 ID:jlb/vLW7
100はともかく体の半分以上が脂肪になったらどんな気分なんだろう。
寝転がるだけでふかふかのベッドの上に乗ってるような感じなのかな。
62 :
名無し調教中。:2009/09/12(土) 23:36:28 ID:4Amzzq93
リアル路線だと死んじゃうけどwマンガ路線だといいなソレw>100
63 :
言ノ葉27:2009/09/13(日) 02:35:31 ID:zOkYdBM5
俺は、ショックを通り越して心が麻痺してしまったようだ。
もうショックで倒れこむ様な気にもならず、のろのろとだが、とにかく出来ることをやろうと体を動かし始めた。
「は…はは…この動く度にタプタプ腹の肉が揺れるデブが俺…この俺が…肉を揺すって動くデブに…はは…は…」
自虐的な薄ら笑いを浮かべて独り言を呟きつつ二の腕や腹の贅肉をタプタプ揺すりながらリビングに散乱した服を片付ける。
ブンニュュュ…
屈むと腹に肉があつまって裸なのに腹が圧迫されて苦しかった。
テーブルの角や椅子に脇腹や二の腕、尻等をぶつける。自分の横幅と言うか体積をまだ把握できていないのだ。
そして昨日はなかった22sの脂肪が重たく俺の体にのしかかっていた。ズッシリと体が重い。
更に裸なのにダラダラと汗をかいている自分に気づき、また落ち込んだ。
『汗をダラダラかくデブが俺、この俺が汗っかきの肥満体に…ははははは…』
俺がタオルで汗を拭っているとインターフォンが鳴った。
ピンポーン
東堂だ。
どこもかしこもブヨブヨと贅肉に覆われ、顔は丸く顎にも肉が余ってきていたが他の部分と比べればかなり軽傷だった。
まぶかく毛布をかぶった状態なら、まずばれることはないだろう。
俺は覚悟をきめて用意していた毛布を頭からかぶって出迎える。
扉を開けて入ってきた東堂は俺の学芸会のお化け屋敷のお化け役の様な格好に驚いていた。
しかし、偶々着るものがなくてこの下は裸なのだと言ったら何故かゴクリと固唾を飲んでそれ以上追及してこなかった。
「…あー…勇がいってたジャージな、あったぜ。ラストだってよ、良かったな。ホレ。」
勧めたソファーに腰かけた東堂が、しばしの沈黙にも耐えられずに目的のものを出して言った。
俺は、礼を言ってそれを受け取る。内心毛布からだした手のぷっくり感に東堂が気付かないか、そればかりを心配していた。
大体受け取ったこのジャージも今では満足に着れるのかどうかも怪しい。
このブランドはスタイリッシュなシルエットが売りで、Lサイズでも他ブランドのMとLの間程度の大きさだ。
今の俺は下手をすれば普通ブランドのサイズで2Lはいっているかもしれない。いや、確実にいっている。
64 :
言ノ葉28:2009/09/13(日) 03:32:45 ID:zOkYdBM5
目的のものを受け取ると、いよいよ会話がみつからない。大体このために来るように仕向けたのだから当然だ。
いつもなら、俺の方からどうでもいい話題をふって会話を盛り上げてやるのだが、今はそれも憚られた。
どう考えても嘘をつかずに済みそうもないからだ。
俺が何時になく押し黙っているので東堂の方も、会話を切り出し難いようだった。
というか、初めて俺の自宅に来た所為かソワソワしているというか、緊張しているようだ。
一体何を考えているのか……
しかし、先程見た自分の脂肪太りのブヨンブヨンの体をじっくりと見せられた所為か、俺には東堂の姿がいつもと印象が違って見えた。
今なら太ってはいるがデブではないという周囲の感想にも耳を傾けられる。
頭身にバランスがとれている所為もあるかもしれないが、全体的にムッチリと太くはあるが弛んだ様な印象は一切なく、ガッシリとした印象の方が強い。
人を表現するのに有名人の名を出すのはどうかと思うが、太る前の東堂は本当に坂口憲二に似ていた。
だから当然、太った今も多分坂口憲二がアウトドアに太ったらこんな感じかもしれないという姿形をしている。
つまり太っていても基本的に男前なのだ。
俺は東堂に嫉妬した。以前にもこういう風に嫉妬したことがあったように思う。
よくよくそう言う星周りなのかもしれない。
いずれにしろ、同じ太るにしてもこういう太り方ならここまで絶望はしなかっただろうと、そう思われた。
だからこその神罰なのだろうけれど……
俺はふと冷静に考えた。これからどうするべきだろうかと…
結果は惨憺たるものだ。俺には、また麻痺した感情が戻ってきたなら、本当にもう自害するか失踪するかしか俺のとれる道はないように思われた。
俺が目の前で緊張した面持ちでソワソワしている東堂を見ながら絶望的な答えを冷静に出したその時だった。
「おっ…俺!おおお…お前に大事な話があるんだ!」
意を決したように東堂がそう言ってきた。
「こ…こんな、お前が体調悪くてしんどい時に言うことじゃないって、自分でもホントそう思うんだけど、聞いてほしい!」
…この時点で俺には大方の予想がついた。俺は自虐的なある思いを抱きつつ東堂に頷いてその話の続きを聞いた。
65 :
言ノ葉29:2009/09/13(日) 04:24:45 ID:zOkYdBM5
「俺!お前が好きだ!お前じゃなきゃ駄目なんだ!ホント初めてなんだこんな気持ち!俺と…俺と…、俺と付き合ってくれ…いや、下さい!」
俺は空々しく聞こえる東堂の告白を聞きながらワナワナと怒り震えた。
俺が好きだ?俺じゃないと駄目?お前が俺の何を知っているというんだ?
どうせ、俺の姿形と普段の人あたりの良い態度から抱いた幻想だろうが!
今の俺はなぁ、醜くブクブクと肥え太ったブタ野郎なんだよ!
俺は先程から抱いていた自虐的な考えを実行に移すことを衝動的に決めた。
この姿を東堂に見せつけてやる。
そして裸足で逃げ出すこいつを嘲笑い、明日には今までの人生全部を引き払ってどこか遠くへ行ってしまおう、そう思ったのだ。
俺は目深にかぶっていた毛布を取り払い、肥え太った脂肪ばかりの体をあらわにする。
先程自分の目にさらす時さえ腹を凹ませて少しでも細く見えるようにしていたのが嘘のように、俺は寧ろドデンと腹を膨らませて仁王立ちになった。
俺のブクブク太った体を見てビックリしたに違いない東堂は、驚きの声をあげる。
「おっ…お前、その体っ、どどど…どうしたんだ!?」
俺は驚く東堂を鼻で笑って言ってやった。
「どうでもいいだろ、そんなこと。とにかく俺はこんなブックンブックンに太っちまったんだよ!残念だったなぁ!?」
「俺はなぁ、お前が好き好き言うようなお綺麗な奴じゃねーんだよ。」
「デブもブサイクも嫌いなら、金、顔、体、頭、何でも俺以上にもってる奴は大っ嫌いなんだよ!」
「外面良く対しても心の中では悪態と嫉妬の言葉を投げつける様な奴なんだよ!」
「その癖、金、顔、体、頭、何でも俺以下の奴等は見下す様な、そんな汚い奴なんだよ」
66 :
言ノ葉30:2009/09/13(日) 04:25:25 ID:zOkYdBM5
俺は一気にまくし立て、気がつくと涙が頬を伝い落ちていた。
そして俺は脱力したように膝をついて言った。
「…なんだよ…俺って良いとこなんてどこにもないじゃん…はは…ほら、もうわかったろ?もう帰れよ…」
いつの間にか涙が視界を奪う程に流れ出ていた。近くでギシリと東堂が立ちあがる音がする。
早く行け、俺はもうそれだけを心に思っていた。
ふっと目の前に影がにじんだように感じた。
次の瞬間俺は暖かい大きなものに包まれていた。
東堂だ。東堂がその逞しい腕で俺を抱きしめてくれていた。
そして耳元で深く心地いい声で囁いた。
「知ってるよ。お前の本当の姿も、本当の優しさも、俺はお前の見た目や外面に惚れたんじゃない…お前は忘れてるだろうけど…」
俺はもう信じられないものを見るような眼で東堂を見た。東堂が何を考えているのか全く分からなかった。
「信じても信じなくてもどっちでも良い、俺はお前が好きだ。お前自身が好きだ。どんな姿になっても…、だから言ってくれ、何があったんだ?」
嘘だろ?
「お前の力になりたい。言ってくれ、何があった?」
東堂の真剣な眼差しに心が揺らぐ、信じたい、信じていいのだろうか?
俺は……
1.信じたい。本当の事を打ち明ける。→『分かち合うヘヴィな幸せ』ルート
2.信じられない。それに話して何になる?→『別れ道、後悔と追憶』ルート
67 :
名無し調教中。:2009/09/13(日) 04:32:59 ID:oxhrkWnJ
SS乙です
あぁ、東堂が遂に告白を!
今後が気になります…
何だかんだで幸せになってほしいので
1を希望します
68 :
ひのえ:2009/09/13(日) 04:38:06 ID:zOkYdBM5
中途半端な時間に起きてしまったので続き書いちゃいました。
テンション高めなので暴走モード突入です。
いやー無駄な心理描写があったりしてアレですな…しかし長さとしては確実に40位で終われます(●-`ω-)b ZO!
無駄を省く術を体得しないと…(←だから整理して書き込めとw)
因みにどっちを選んでも肥満化は進行します。
当り前か…
いずれにしても下駄は預けたゼ><b
69 :
にき:2009/09/13(日) 11:21:34 ID:ubBVYuqj
>>34 うひっ、ありがとうございます!楽しんで頂ければ幸いです。
僕も幸運の石ちょう好きです…!
ほんとここの書き手の方々はレベルが高いので、読んでて面白いし為になるのと同時に投稿する度にビクビクしてます…
>>ぽさん
東京開催は20日で決定でいいんでしょうか?
ちょっと仕事の都合があるので、決定と断定されるならそれがありがたいのですが…身勝手な話ですみません><;
予約とかとる場合って参加者確定(人数)させないと厳しかったりするんですかね…?
70 :
名無し調教中。:2009/09/13(日) 12:55:01 ID:jhJezTEh
>>オフ
名古屋のほうでよければ、店の予約しますよ。
そろそろ時間も迫ってることですし。
ぽさんに代わって参加表明のアンケートだけでも取っておこうかと思います。
↓
ttp://enq-maker.com/4aB5zKX 火曜までの夜6時までにぽさんから連絡がなければ
参加表明があった人数で予約しようと思います。
人数によって個室取れなかったり店が変わったりするかもしれません。
東京の方のセッティングをしてくれる方がいたらレスください。
71 :
70:2009/09/13(日) 18:07:08 ID:jhJezTEh
わかりにくい書き方をしていしましました。
すみません。
>>70で東京と名古屋の両方の参加確認をやってます。
両方に参加することも可能にしたいと思います。
72 :
名無し調教中。:2009/09/13(日) 19:03:02 ID:233QgDRA
73 :
70:2009/09/13(日) 20:28:35 ID:jhJezTEh
>>72 確かに前回のアンケート結果を見ると、昼からの希望者が多いようですね。
すっかり夕方からやるものだと勘違いしていました。
申し訳ありません。
すでに答えていただいた方は申し訳ありませんが、やり方を変えます。
会場の他に時間帯(昼・夕方)まで指定してもらうことにして、
意見の多かった方の時間帯で開催ということにしようと思います。(多数決)
(昼・夕方の両方は場所を押さえるのが大変そうなので、
どちらか一方のみでの開催がいいと思います。)
すでに答えていただいた方は、お手数がもう一度答えていただけますか。
ttp://enq-maker.com/4aB5zKX
74 :
名無し調教中。:2009/09/13(日) 23:17:47 ID:F7zxeJXo
54です
オフ会
その日は都合が悪くなっていけなくなってしまいました;;
行きたかったのにぃ><
75 :
名無し調教中。:2009/09/14(月) 00:25:25 ID:AzFG81cS
肥満化してしまったわしは、スリムだった頃の写真持参で参加しようと思う。
76 :
名無し調教中。:2009/09/14(月) 00:30:04 ID:Bwt7yrx/
オフ行ける人がうらやましいデブです
どうか自分の分まで楽しんできてください
77 :
名無し調教中。:2009/09/14(月) 00:39:27 ID:G3IrS5qh
オフ参加したいですが
行けても大阪までな為今回は断念…orz
行く方は楽しんできてくださいね〜
78 :
名無し調教中。:2009/09/14(月) 00:42:15 ID:X8d9mo02
>>75 ビフォーアフターwktk
たっぷり食べてさらにお腹を大きくしてほしいです
79 :
名無し調教中。:2009/09/14(月) 07:48:40 ID:gIO5znfR
>>78 自分のへそにどんなことをしても手が届かないくらい
さらに大きなお腹になりたいです。
今はウエスト160〜170cmの間くらい。
肥満化が止まらない様子を皆さんに確認してほしいです。
80 :
ぽ:2009/09/14(月) 10:07:49 ID:Z2qSCq7G
ぽです。すみません。仕事の応援が入ってしまいネットに入る気力が残らない毎日を過ごしてました。
あ、でも、食べすぎで食事前と後でひどい時はウエストが2センチ増えました。
そんな話はおいといて…
きのとさん、ありがとうございます。名古屋はお任せしたいと思います。
東京ですが、予約しますか?三件あるので、問題はないと思うのですが…
(まぁ、人数によりますが…)
というか、自分が幹事になっても何もできませんが…
81 :
名無し調教中。:2009/09/14(月) 11:43:34 ID:XIQAsl5S
参加者増えるまでもう少し待ってみては?
キャンセルがあると幹事さんに迷惑かかるし、
大変だから、5〜6人までならば予約なしでも
大丈夫だと思いますよ。
82 :
ひのえ:2009/09/14(月) 17:21:31 ID:rY5EmYyx
オフ会
はうー、楽しみだなぁ
何か手伝えることがあったらお手伝いしますぜ
しかし…SS書き込んでるとエッチー部分も書いてしまうので合うのが恥ずかしくもあるかも…
でも、余程のことがない限り行かせて頂きますのでよろしくお願いします。
言ノ葉は、自己満足全開で甘々、エロッちく仕上がりそう…
書き込んで良いのか迷うな…(←お!初めて整理するか?ゴメンナサイ多分しません。)
レス数は後8位?今6まで書いてるので多分間違いない!
83 :
70:2009/09/14(月) 21:41:23 ID:j9vVJXlA
>>ぽさん
戻ってきてくれて安心しました。
勝手ながら参加確認をさせてもらっています。
ご迷惑でなければよかったんですが。
東京の方の予約をしてもらえるのであれば
お願いしたいと思うのですが、どうでしょうか?
俺は東京の方も行くので、手伝えることがあれば手伝います。
>>81 わかりました。様子を見ることにします。
ただ、火曜か水曜の時点で一旦店の空き状況は確認して、
可能なら仮の予約をしてみたいと思います。
名古屋は想定したより参加者が少ないようです。
もしあまり人が集まらないようなら、
予約なしで行ってみてもいいかもしれません。
「ん…。」
ブランドカーテンの隙間から差し込む柔らかな日差しで森谷はゆっくり目を覚ます。
時計を見ると11時を少し回ったところだった。
こんな穏やかな目覚めは久しぶりかもしれない。
いつもなら武智の威勢のいいドアノックが目覚まし代わりだ。
(今日は定休日か。
俺がここに来てちょうど一週間になるんだな。)
寝起きのまどろんだ空気を堪能するように、大きな動きで背伸びをすると
ゆっくり思考が働き始めたものの、なんだかまだ頭がぼーっとしている。
そういえば昨日はどうしたんだっけ…と、辿れる限り記憶を辿ってみると、
おぼろげに昨晩の記憶がよみがえってきた。
生まれて初めて飲んだビールは想像していたよりずっと苦くて変な味だった。
でも、武智に言われるままに無理やり喉の奥に流し込んでいってみると、
頭がカーっとなって、心臓がすごい早さでドグドク脈打ち始めて…。
それから急にふわふわっと気持ちよくなって…。
その後ははっきりとは覚えていない。
でも夢か現か、力強く、ややもちもちとした心地よい腕に抱かれたような…。
(それから、その後…。
ありっこない。そんなの絶対夢に決まってる。)
夢とは分かっていても、その瞬間、その感触を頭の中で再現しようとするだけで
顔中が熱を持って赤らんでいくのが自分でも分かる。
いけないいけないと、頭に手を当て妄想を振り払う。
(そういえば武智さんは?
昨日ここまで連れてきてもらったみたいだし、お礼を言わないと。)
森谷はベッドから起き上がると、壁に掛けてあったシャツとズボンに着替えた。
ここに来たばかりの時に着ていた服や持っていた服が肉付いた体のせいで
少し窮屈になってしまったために、見かねた武智に譲ってもらったものである。
おさがりをもらうなんて何だか本当の兄弟みたいでうれしかった反面、
自分の太ったという事実をよりはっきりとした形で認めなければならず、
武智にも遠まわしに太ったということを指摘されているようで恥ずかしかった。
森谷は自分の部屋を出ると、隣の部屋のドアをノックした。
「武智さん、起きてる?」
間隔を空けて何度か呼びかけてみたが、中から返事はない。
朝の早い武智のことだからもしかしたらもう出かけているのかもしれないとも思ったが、
一応中を確認してみることにした。
「入る、よ?」
ゆっくりと部屋のドアを開けて中へ入ると、部屋の主はベッドで熟睡中だった。
床に転がっていたダンベルにつまずかないよう気をつけながらそっとベッドに近づいていくが
武智は目を覚ます様子もなく、気持ちよさそうに寝息を立てて眠り続けていた。
寝相のせいで薄手の掛け布団が跳ね除けられ、Tシャツがめくれて丸見えになった腹が
寝息に合わせて高くなったり低くなったりするのが、おもちゃのようで何だかおかしい。
武智の腹も森谷同様にこの一週間でだいぶ脂肪を蓄え丸みを増してきていたが、
脂肪の奥に隠れた腹筋のラインはいまだにうっすら浮き出ていて、
ぱっと見た感じでは「太っている」という感じではない。
考えてみれば森谷よりもたくさんの量を食い続けているにもかかわらず、
武智が辛うじて体型を維持できているのは、背丈と基礎代謝だけが原因ではないだろう。
森谷が武智の腹にすっと手を伸ばしかけたとき、
下のほうから、どすんどすんどすんという地響きのよう音とかすかな振動が迫ってきた。
森谷は驚いて手を引っ込めると、部屋のドアが勢いよく開き、戸村が入ってきた。
戸村は森谷を気にも留めずにベッドに近づくと、武智の肩を思い切り揺すって起こした。
「な、なんだ?て、店長?」
いきなり起こされた武智は混乱したように目を白黒させる。
「ちょっと厨房まで来い。」
それだけ言うと、状況を把握していない武智を置き去りにしたまま、
戸村はまたどすどすと下へ降りていった。
口調も表情もいつもの戸村からは想像もできないほど荒っぽく、森谷まで混乱する。
「…朝から何なんだよ。あ、森谷、おはよ。」
「お、おはよう。
戸村さん、なんか怒ってたみたいだけど?」
「ああ、よくわかんねえけど、さっさと行ったほうがよさそうだな。」
武智はあくびをしながらもさっと着替えると、部屋を出て階段を降りていった。
呼ばれたわけではないが森谷も後をついていく。
二人が下に降りて厨房へ向かうと、戸村が腕を組んで待っていた。
戸村は武智の目を睨むと、今度は流し台の中に視線を落としてそちらに注目するよう促す。
「何だこれは?」
「…あっ。」
流し台にビールの空き缶が2本置きっぱなしになっている。
武智は心の中で「しまった」とつぶやいた。
昨日森谷に気を取られていて、飲み終えた缶の処理をするのを忘れていたのだ。
「武智。お前俺をなめてるのか。」
笑顔の似合うはずの顎までたっぷりと肉付いた丸顔が、今は赤鬼のように見える。
自分の3倍近くもある巨体にすごまれた武智はビクッと体を強張らせた。
「ガキのくせに酒飲んでいいと思ってるのか!」
戸村が怒鳴りながら、どすんと流し台に手の平を叩きつけると、
きれいに片付けられて重ねられた食器までが武智を責めるようにがたりと音を立てた。
もう片方の手はわなわなと震えていて、今にも張り手が飛んできそうだ。
さすがの武智もヘビに睨まれた蛙のように固まってしまい、言い訳をすることもできない様子だ。
「店長。俺…。」
森谷が横から口を出した。本当はこの場から逃げ出したいくらい怖かったが、
武智だけに責任を押し付けることにはどうしても耐えられなかった。
武智が森谷の方に「馬鹿、引っ込んでろ」と目で訴えたにも関わらず森谷は続けた。
「俺もいっしょに飲みました。」
「お前もか。
未成年が酒飲めないことを知らないわけじゃないよな。
どういうつもりだ!」
森谷を怒鳴りつけながら戸村が大きな握りこぶしを流し台に叩きつけると、
今度はその振動でティーカップが一つ床に落ちて、がしゃんと大きな音を立てた。
自分の方に向けられた叱責の言葉に森谷は何も答えられず、ただその怒りをやりすごそうと下を向く。
「森谷には俺が無理矢理飲ませたんだよ。」
今度は森谷が「なんで」と武智の目を睨んだ。
せめて二人で叱られれば少しは怒りも分散するだろうに。
一体何のために共犯になったのか。
「そういうことか。
とにかく、お前ら今日は飯抜きだ!表で頭冷やして来い!」
店の外にまで聞こえそうな戸村の怒号に追い立てられ、二人は一目散に店の外へと逃げていった。
店から少し離れたところで、二人は冷や汗を拭った。
「お〜、おっかねぇ。」
「でも、未成年がお酒はやっぱりまずかったと思う。」
「お前は本当に真面目だな。
それより腹減らねぇ?俺、朝飯食ってないから。」
「うん、俺も今起きたところ。でも俺お金持ってない。」
「バイト代まだ出てないもんなぁ。よし、俺がおごってやるよ。」
こうなることを予想していたのか、それともただの偶然なのか、
武智はしっかり財布は持ってきていたらしい。
「でも。」
「いいからいいから。昨日のお返しだ。」
「お返し?俺何にも…。」
「へへ、何でもねえよ。行こうぜ。」
武智はまだ戸惑っている森谷の手を掴むと半ば強引に歩き始めた。
「たまにはうちの店にないもの食いたいだろ。」
そう武智に案内された場所は回転寿司の店だった。
「さぁ食うぞ。お前も遠慮せず食いまくれよ。」
武智は早速流れてきた皿をいくつかまとめて取り目の前にに並べると、
すごい勢いでむしゃむしゃと食べ始めた。
森谷も最初のうちは少し遠慮していたものの、1皿、2皿と食っていくうちに、
だんだんと食欲が止められなくなってきて、武智に負けない勢いで食うようになってきた。
以前ならせいぜい15皿も食えば満腹だったのが嘘のように、1貫1貫がするすると胃袋に入っていく。
20皿を食い終えても、まだ胃袋にはだいぶ余裕があるように思えた。
毎日アットホーム基準の料理を食ってきた成果は、体の内部にも現れてきているようだ。
(本当に胃が大きくなったんだな。)
森谷は少し膨れた腹を撫でながら、まだ収まりそうのない食欲を感じた。
「お〜だいぶ食ったな。え〜っと10…、20…、
ん、よく見たらお前の安い皿ばっかじゃん。金のことなら遠慮すんなって言っただろ。」
武智に指摘されると、森谷は少し恥ずかしそうにうつむいた。
「好きなものたまたま安いだけ。シーチキンとか卵とか。ガキっぽいかな?」
やっぱり安上がりな奴だ。
武智としては安く満足してくれれば言うことはないのだが。
「んなことねえよ。俺も結構好きだし、遠慮してるんじゃねえならいいんだ。」
そう言って武智はシーチキンの軍艦巻きをひょいひょいっと2皿続けて取った。
それからしばらくして、ようやく満腹した二人の前にはそれぞれ高い皿の山が築かれていた。
「うぷっ、食った食った。やっぱたまにはこういうのもいいよな。」
武智は積み上げられた皿を満足そうに眺めながら、50皿分を詰め込んだ腹を優しく擦った。
「武智さん、ごめん。げぷっ。俺調子に乗りすぎてこんなに。」
森谷も一人で40皿を平らげてしまい、自分で驚いていた。
その腹は丸く膨れ、武智にもらったシャツも腹の部分が少し窮屈そうだ。
「気にすんなよ。いい食いっぷり見せてもらったぜ。
俺にはまだ及ばないけどな。」
1万円以上の出費も気にしていないように、武智は膨れた腹をぽんと叩いた。
「さて、腹ごなしにちょっと歩くか。」
店を出た武智は、近くにある川沿いの遊歩道に森谷を連れて行った。
長く続く遊歩道から水面を眺めると、夏の日差しがきらきらと涼しげに反射して、
のんびりとした散歩をするにはもってこいのコースである。
「この辺は俺のジョギングコースなんだ。」
「ジョギングしてるんだ。
毎日あんなに忙しいのに、いつの間に走ってるの?」
「夜、仕事終わった後とかにな。小一時間ぐらいだけどな。」
(やっぱりそれなりの努力してるんだ。)
今朝見た武智の体を思い出すと、急にたるみ始めた自分の体が少し恥ずかしくなった。
「それにしても、今朝の店長はおっかなかったな。」
武智が突然思い出したように話しかけた。
「うん、戸村さんがあんなふうに怒るなんて思わなかった。
こう言ったらなんだけど、お酒飲んだくらいでさ。」
武智の手前、「家出は認めているのに」とは口に出さなかった。
森谷は通っていた学校の同級生のことを思い出す。
自分は飲んでいなかったものの、同級生にも飲酒を経験している者は結構多く、
武智に勧められたときも、それほど悪いことだと思っていなかった。
「店長ってああ見えて責任感の強い人だからな。」
「責任感?」
「ほら、俺らってさ、親がついてないし学校も行ってないから、
他にわりぃことをわりいって言ってくれる大人がいないだろ。
だから余計に心配になるんじゃねえの?」
「武智さんは分かっててビール飲むんだね。」
「仕事の後の一杯はうまいからなぁ。
確かに店長は大人として俺を叱ろうとしてるけど、
俺だって何にもわかんねえガキじゃない。
あのくらいなら飲んでも平気だってことぐらい分かってる。」
「俺はとてもそんなふうには考えられないよ。
実際、昨日ビール1本飲んだだけでそれから先のこと全部忘れちゃったし。」
「いや、ありゃ無理矢理飲ました俺が悪かった。」
「ちゃんと断らなかったのは俺だよ。
…もしかして俺、戸村さんにものすごい迷惑掛けてるんじゃないかな。
もちろん、世話になってるってだけで厄介なのはわかってるけど、
でも、そんなに心配掛けてるなんて思わなかった。」
「そんなら、俺だって同じようなもんだろ?」
「でも、武智さんは料理ができるし、店の役に立ってる。
それに比べて、俺は料理一つまともに作れないのに…。」
「仕方ねえだろ、まだ一週間だぜ?
お前ががんばってること、俺も店長もちゃんとわかってるから。
それにお前が来てから、店長毎日楽しそうだぜ。」
「楽しそう?」
「ああ、なんつーか、前よりいきいきしてる感じだな。
それに食欲もますます旺盛になったかもな。
アレ以上ぶっとくなってどうすんだよなぁ?」
武智は笑っていたが、森谷は黙り込んでしまった。
励まされてうれしかったが、その言葉にどう答えていいか分からない…。
もっと役に立ちたいのに、どうすればいいのか分からない…。
「なあ、そんなに料理のことが気になるなら俺が教えてやろうか?
俺も勉強中だし、店長にはまだまだ敵わねえけど、
お前に教えてやることぐらいはできるからさ。」
「え、でも、戸村さんは厨房の仕事はまだ先だって…、」
「仕事としてじゃなくて、仕事終わってから個人的に教えてやる。
材料も店で使うものと別に仕入れるようにすりゃ店の迷惑にはならなねえ。
だから、それでいいだろ。」
「でも、武智さんに迷惑じゃ…。」
「迷惑迷惑って、それ逆にショックだぞ。もうちょい兄貴を頼りにしてくれよ。
…昨日みたいにさ。」
「へ?昨日?」
「何でもねぇ。とにかくそういうことにケッテー。」
武智はそれ以上の反論をさせないかのように、いきなり走り出した。
そして、後ろから「待ってよ〜」と追いかけてくる森谷に気づかれないよう、
こっそり自分の腹を擦ってその感触を確かめてみた。
(なんて、格好つけて言ったものの、仕事の後にまた料理か。
こりゃしばらく夜のジョギングは中止かもな。しかも寝る前の夜食付きか…。)
武智が軽く撫でた腹は、以前より確実に脂肪の厚みが増してきていた。
二人は適当に時間を潰し、日が傾く頃になって店に帰った。
(店長、まだ怒ってっかな〜。)
武智は店の前でごくりと唾を飲むと、ゆっくりと店のドアに手を掛けた。
「あ、お帰り。」
ドアを開けると戸村はいつもどおりの笑顔で料理の皿を席に運びながら二人を迎えた。
二人はほっとしたような、肩透かしを食らったような複雑な気分だった。
「お腹空いたでしょ。今ちょうどご飯できたところだよ。」
「店長、あの、酒のこと、すみませんでした。」
「すみませんでした。」
二人はすかさず揃って頭を深く下げた。
「ああ、ちゃんと反省してくれればいいよ。
二人とも、手を洗ったら並べるの手伝ってね。」
「え、でも、今日は、ごはんぬきじゃ…、んぐ?」
喋りかけた森谷の口を武智が慌ててふさいだ。
「(馬鹿、黙っとけ。)あ〜もう腹ペコペコで、腹と背中がくっつきそうですよ。」
森谷と武智は手を洗うと、戸村を手伝い皿を席に並べ始めた。
こうして、二人は何事もなかったようにその日の夕食にありつくことができたのだった。
96 :
きのと:2009/09/14(月) 23:04:45 ID:j9vVJXlA
>>ひのえさん。
50を超えてしまいました。
とりあえず70くらいまで延ばしますか。
言ノ葉の方はラストが近いようですね。
どうやらハッピーエンドのようですが…。
そちらも楽しみにしてます。
97 :
名無し調教中。:2009/09/14(月) 23:45:49 ID:UPstAEUm
>>オフ会
名古屋案外、人少ないっすね(´・ω・`)←
え、人少なくても勿論やりますよね?
次の日から森谷の料理修行が始まった。
「ま、ホントは洋食テンチョに教わった方が良いかもだけどな、ホラ、俺祖母ちゃんに料理習ったから和食のが得意だし、感覚の人だから。」
修行を始める前に暗雲が立ち込めそうな発言をした武智だったが、食材の扱いや、包丁や調理器具の使い方等、人にものを教えるのが性にあっているのか、指導も的確でわかりやすかった。
ただ、自分で言ったとおり調味料の分量等のことになると別人のようにわかりにくくなった。
「ここでガツンと塩効かせて」とか「スカーッとクミンシードいってみよう」、もっと悪いと「いい感じに味を調えて」等と言う時もあった(料理版長嶋監督)。
実際のところ武智が量りもせずに、ババッと塩をふって、チャチャッとクミンシード入れたら、いい感じに味が調うという有様なので性質が悪い。
森谷にとっては、調味料についてはもう、試してガッテン的なチャレンジが必要だった。
しかし、森谷は基本的に真面目なので、武智がふった塩や、いれたクミンシードの量等を大体記録して本番を迎えるので無難な出来には仕上がるのだが……
それが店に出して恥ずかしくないかと問われれば、やはり答えは否だった。
そして、武智も自作品を商品に掘り下げるのは自分自身にしかできないと考えていたので、自然レシピ体得の仕上げは森谷に委ねられた。
なので、流れとしては武智が今日の課題料理を教えながら作って森谷が試食。
次に森谷が教えられた通り課題料理を作って武智が試食して改善点をコメント。
最後にコメントされた部分について自分なりに改善して課題料理を作り2人で試食、という流れで行われた。
一回に一人前を目安に作ることにしたが、それでも一レシピにつき二人とも1.5人前(味見分があるので少し森谷のが多いが)の料理を平らげることになる。
当然分量はアットホームサイズだ。
最初の一週間は、食材の扱いや、包丁や調理器具の使い方等基礎修行だったので問題なかったが、いざレシピ体得という段階になると次第に問題が明るみになってきた。
2人とも目に見えて(森谷は前からな気がするが更にアップテンポで)太ってきたのである。
それでも武智は、レシピ習得段階四週間目に突入した今日の昼まではタンクトップ姿を通していたが、夜には簡易調理服に着替えて出てきた。
こともあろうにあの戸村に「そのお腹でタンクトップは見苦しいからやめた方が良い」と諭された為である。
まだまだ許容範囲と考えていた武智には二重にショックな出来事だった。
では、森谷はと言うと、料理特訓前の一週間でもそうだったが、これまでの16年の人生で太った経験がなかった為、太り始めると何をどうしていいか解らなかった。
なので、太らないようにしようと言う行動に一貫性がない。
食事を減らしてみたり、夕飯で全てを台無しにしてみたり、武智をまねて運動をしたらご飯がさらに美味しくなって食べ過ぎてみたり……
それらの行動は、結局のところ望んだ方向とは真逆の効果をその体にもたらしていた。
武智は元々逆三角形体型に肉がついたので腹周りのボリュームは同じ体重の人間よりも少ない。
元マッチ棒とは言え、寸胴体型に肉が付いた森谷はすっかり武智の腹周りを超えてしまった。
履けていたお下がりの服が(と言うより最近では武智が今着てる服をシェアしようとしても)着れなくなってしまったことが森谷にとっては一番のショックだった。
あの戸村に腹が見苦しいと言われた武智、その武智よりも立派な腹周りに成長した森谷、どちらも自分こそは最高にショックを受けていると思っていた。
何とも似た者同士の義兄弟である。
「弟よー、俺と心の傷をなめ会おうゼ、ベイべー。久しぶりにお風呂でスキンシップぷりーず…」
仕事が終わった途端武智が森谷に向かって怪しげな合成英語をふりかざしながら後ろから圧し掛かってきた。
「おーもーいー!ヤダ、絶対俺のが太ってるもん。このお腹だけはもう見せられないんだからっ…」
最近隠すという行為に異常な執着を見せ始めた森谷がにべもなく断る。確かに隠したくなるような丸々としたお腹が存在を主張していた(つまり隠せてない)。
「いや、俺脱ぐとスゲーから!本気絶対後悔させないから!」
どんな会話か…、何にせよ武智は食い下がりに食い下がり何とか丸め込んでお風呂でスキンシップ権を獲得した。
風呂場につくと、武智は森谷を促し、自分が後から入って後ろ手に脱衣所のカギを閉めた。
ニヤリ
森谷は思った。「騙された!」と…
「ふっふっふっ…素直なコブタちゃんメ。罠とも知らずに飢えたオオカミさんにノコノコついてくるとはな……」
武智は、そう言って服を脱ぐ。確かに脱いだ武智の体は凄かった。以前より格段にボリュームアップしている(脂肪とか贅肉とか脂身とかが)。
胸は依然は実用的な筋肉に覆われて頼もしい印象しか与えなかったが、今は筋肉の土台に脂肪の層が分厚く積もってボディビルダーが体を絞る前の様なムッチリ感だ。
そして腹は、これは流石に戸村がタンクトップは見苦しいと諭しただけはあった。
筋肉の土台にガッチリしたイメージを残しつつも、脇腹にダブンと分厚い贅肉の段を成しているのを皮切りに全体的にムッチリタップリ贅肉が余っている。
森谷は、この姿を見て、先程の武智のセリフで、自分がコブタと言われたことには納得していたが、ある一点だけは承服できなくなった。
ジト目でズカズカ武智の目の前まで移動すると、おもむろに武智の腹のヘソ斜め下辺りを指でつついた。
ぷにううう
森谷の人差し指が第二関節まで沈む。
「餓えた…オオカミさん……ねぇ?」
そしてボソリと一言。
「うんぐぅっ、やべ、オオカミさん太り過ぎた……反省…、て、おい言うようになったな……コブタちゃん…」
肥えたオオカミさんは、そういうコブタちゃんにはお仕置きだとばかりに、素早く器用に森谷を裸に剥いた。
先程は丸い体を隠せてない等と言ったが、何の、よくこれだけの肉を隠しおおせたものよと褒めてやりたい位の肉づきの良い体が顕わになる。
正直武智もこれ程とは思わなかったのでいつものリアクションがとれなかった。
どこもかしこも、ぷっくり、たぽたぽの柔らかそうな脂肪に覆われている。
それはマッチ棒から雪(肉?)だるまへの華麗(?)なる変身だった。
肩にも肉がついてなだらかになり、胸はぷっくらと脂肪のおっぱいが出来上がっている。
更に急に太った為か乳輪が楕円形になって乳頭がちょっと埋没気味だ。
しかし、何より特筆すべきはその腹だろう。
ぷっくりと、まん丸く、そして大きく成長したブットイ涙線形を思わせるシルエットの腹、本当にどこをとってもぷくぷく、たぷたぷ、ぱつぱつとしていた。
だらしなく弛んでも仕方がないところだが、そこは若さなのか丸くパッツリとした印象しかない。
まあ、太り方としては武智方向というよりは、完全に戸村方向に向かっているのは確かだったが…
「あー…えー…と、お…大きくなったもんだなぁ…兄ちゃんウレシイ…」
動揺が隠しきれない声でいらんことを言う武智に、森谷は……
「ばっ…馬鹿ぁー!だから見せるの嫌だって言ったのに…もぉー…ヤダー!」
森谷はべそをかくポーズをとろうとしてしゃがみ、そして…ドデンとひっくり返った。
自分で自分にびっくりした森谷は仰向けのまましばし呆然とし、やがて本気で泣き出しかねない声で叫びだす。
「うわーん、嘘だー!もー…バカバカバカ俺の馬鹿ー、何でこんな太っちゃったんだよぉー!」
この状態の森谷に対して、「いや、お前、めたくそ食ってたから」とは武智でも言えなかった。
どうやら、しゃがもうとして転がったのが相当ショックだったらしい。
武智は内心「これ、かわええ」と思ってしばし見ていた。
が、このままでは戸村のメガトンフライ返しとかが飛んできそうな気がしたので必至になだめる(だったら、いらんこと言うな)。
「ばっか、おめーそんなん普通だよ。俺がお前頃の時はもっとデブデブーッとしてたっつーの!」
「(ギリギリ)成長期なんだから、その内(多分)縦に伸びて丁度良くなるって!」
(俺がこいつ位の頃って2年前じゃん…適当言いすぎたか…?)
しかし、森谷は驚異の素直さで武智の適当発言(心の底からそう願ってる『大人の意見』)を鵜呑みにする。
「ホントに?俺身長伸びる?」
武智は上目使いに胸を打たれて既視感を抱きつつ頷く。
「おう、ホントホント!伸びる伸びる!オオカミさん嘘つかない!(←オオカミさんは嘘しかつかんだろうが!)」
武智はまたもや無責任に完全肯定し、森谷はそれを真に受けたのかどうかは分からないが、取敢えず機嫌を直して2人で浴室へと移動した。
2人は互いに以前とは違う広さを誇る背中とそのムチムチ(森谷はどっちかというとモッチリモチモチ)した肉感を感じながら、背中の流しっこをして浴槽に入る。
武智は以前と変わらず悠々と浴槽に足を延ばし、以前と同じように森谷を持ち上げて武智が上、森谷が下で上下クロスして湯船につかろうとした。
しかし、森谷がむずがる。
「やっ、ダメ、ムリ、絶対持ち上がんないから、そしたらへこむから…」
武智は何を今更といった風に返した。
「ばっか、俺を甘く見んなよ。ジョギングとかは休止中でも筋トレには余念がないゼ!」
そして、かまわず森谷の両脇にムニュリと手をかけ、持ち上げる。
『ふっごっ!こ…こいつは…予想以上にっ…お…オモテエッ…!』
内心森谷の成長ぶりに舌を巻く武智だったが、大見栄をきった手前表面上は涼しい顔で(手がぶるぶる震えていたが)ひょいと持ち上げて以前と同じ体勢にした。
「なっ?軽い軽い、ホレ足足…ん、俺の脇腹辺りに通し…てっ!?」
そのまま、やはり以前と同じように自分の脇腹に森谷の足をつけようとしたが、スペースに入らない。
ねじり込めば何とかなりそうだったが……
「うっ…やべ、これ足ぶっとくネ?」
武智が思わず言ったこの一言がいけなかった。
確かに森谷の足は、ぷっくり、ふくふくとお肉で膨らんではいたが、自分だって脇腹の肉がタップリついて以前より極度にスペースを奪っていたのだから……
「な゛っ!?ち…違うねぇ―!武智さんの脇腹のお肉がヤバイだけだもんね!」
瞬時に武智に応酬する森谷、それは、もしかしたら初めての事だった。
「ふぐっ!?そゆこという?お前がいう?脇腹どころか前も後ろも、まん丸ヤバ肉な癖に!」
武智自身一番気にしている脇腹を指摘されて何時になくむきになってしまった。
「ヴッ!?ななななな…武智さんの馬鹿、デリカシー零!脇腹にチャンピオン肉ベルト巻いたレスラーデブ!」
ちゃ…チャンピオン肉ベルト!?
武智は思わず水中の自分の腹を見る。
湯船につかってL字体勢になった武智の腹には確かに立派なチャンピオンベルトをかたどるかの様にダブッとした贅肉がしっかりと巻きついていた。
武智は図星を指されたことに気付いて更に我を失った。
「ぬ゛!?ででで…デブってお前、どの口がそゆこと言うんですかぁ?どの腹で、
どの胸で、そゆこと言うんですかぁっー?」
もうガキの口喧嘩だった。
更に事態は実力行使へと発展していく。
武智が両方の手の平で森谷の胸の肉と腹の肉をガッチリと掴んで揉めば、森谷も負けじと両方の手の平で武智の両脇腹をムニュリと掴んで掻きまわす。
ジャバジャバ、モミモミ、ザブザブ、ムニムニ……
十数分もそんな応酬を繰り返した処で、やはり武智の方が先に我に返った。
冷静さとは真逆の原因が武智の(少なくとも表面上は)冷静さを取り戻したのである。
武智は森谷の体を触り倒したことで、いつの間にか息子が元気になってしまったのであった。
『やっべ、こんなやり取りでおっ立つとか、ヤバすぎだろ。もう病気だな…』
「あー…止め止め。ストーップ、醜い争いは止めようゼ、コレ…不毛すぎる。」
武智はウンザリした様を装ってそう宣言する。
しかし、森谷は武智の脇腹を掴んだまま放さない。その癖肩で息をして何もしゃべらなかった。
何だか様子がおかしい。
「お…おい、もしかして、逆上せたか?よっ…と、ホラ出んぞ。」
そう言って森谷の手を脇腹からはずし、自分が先に洗い場にでて森谷を引き上げようとする。
しかし、やはり森谷は体中をピンク色に染め上げながらも洗い場に出ようとはしない。
にも関わらず、やはり肩で息をして苦しそうである。
「やっ・・も…もーちょっとしたら出るから…さ…先に出て武智さん…」
そしてそんな事を言う。
「お…おい、まだ怒ってんのか?悪かった、お前が正しい、だからホラ、取りあえず出ろって!」
そう言って尚も抵抗しようとする森谷を力づくで洗い場に引き上げる。
しかし、下から持ち上げるのと、上から引き上げるのでは勝手が違った。しかも武智の方も湯船で滅茶苦茶暴れたおかげで少しく消耗していたのである。
引き上げる途中でバランスを崩し、ゴチリと後頭部を軽くぶつけた。
「お・いってー……」
森谷はどうしたか?バランスは崩したもののちゃんと洗い場には引き上げられた。
但し、武智の体に覆いかぶさるように、タポンタポンの重たい体を預ける様な体勢で……
106 :
ひのえ:2009/09/15(火) 12:30:45 ID:rvqhk7CO
きのとさん
こんな処でバトンタァーチッ!
ふふふ…下駄は預けたぜ、ベイベー(←お前そればっか)
やはりアットホームだと切り方がどれも中途半端になるなぁ…何でだ?
全部は入らないけど細切れにすると短いのに1レス使っちゃうみたいな。
どうでも良い事実ですが、ひのえはSS書く時声優をあてて想像したりしてたりして…
因みに武智は杉田智和の声で想像してたりして……
ss乙です!
陥没のくだりですごく萌えました・・・
ss乙です。
せっかくだから、森谷君が一人前になるときには、
戸村店長の体重を超えるまで太らせてほしいな。
109 :
70:2009/09/15(火) 21:07:37 ID:Q43l0rDX
>>オフ(名古屋)に参加される方
22日名古屋の方ですが、昼の方が都合がいい人が多いので
昼から開始にしたいと思います。
時間、集合場所は予約が取れ次第このスレで連絡します。
今のところ個室が取れそうです。
明日の夜8時ぐらいまでに別の案がなければ予約を入れようと思います。
食べ放題ですが多少値段が高いので、
もっといい店を知っている人がいれば今のうちに教えてください。
>>97 ぜひやりましょう。
楽しみにしています。
110 :
きのと:2009/09/15(火) 21:38:10 ID:eFGDxShw
>>ひのえさん
乙です。
料理修行が本格的ですね。
おかげで二人ともずいぶん立派になりました。
お腹に溢れるお肉がとても素敵です。
111 :
70:2009/09/16(水) 21:53:42 ID:vudWeLoH
>>111 すいませんが名古屋辺り
あまりよく知らないので
できれば名古屋駅に集合の方が
ありがたいのですが・・・・
わがまま言って
申し訳ありませんorz
113 :
70:2009/09/17(木) 01:10:27 ID:HwweZVTO
車の人もいるようなので全員の集合場所は現地にしたいと思います。
11:30に名古屋駅の桜通口の金の時計前に来てくれればいっしょに行きます。
>>113 ありがとうございます…!
わざわざすいませんorz
オフ会幹事さんご苦労様です。
参加希望者の多い東京の方もどなたか宜しくお願い致します。
116 :
ぽ:2009/09/17(木) 21:43:59 ID:oIZIuce7
118 :
ひのえ:2009/09/18(金) 10:11:23 ID:IPitM21p
ぽ さん
お疲れ様です。
お忙しい中まとめ役をして頂き、頭が下がります。
新宿にはめったに行かないので早めにいってマックポテトでも…
119 :
言ノ葉31:2009/09/18(金) 11:09:57 ID:wYRJG9w8
『分かち合うヘヴィな幸せ』エンド
東堂を信じたい。何故だろう、そう思った。
俺は全てを打ち明けた。『言ノ葉』のこと、三徳のこと、神罰のこと、その全てを。
信じる筈がない。俺はそう思っていた。当然だ。俺が同じ立場なら信じない。
「し…信じられないだろ?信じられるわけないよな?神様だぜ、神様…はは…」
しかし、東堂は俺の話をかみしめる様にジッと聞いた後一言。
「信じるよ。」
真摯な瞳でそう答えた。そして真剣にどうすれば良いのか考えている。答えなんかでっこないのに……
チリチリ
まただ、俺は何だかもどかしいムズムズとした感情が胸にちらつくのを感じた。
先程の2回目の告白の文句が頭をよぎる。
『信じても信じなくてもどっちでも良い、俺はお前が好きだ。お前自身が好きだ。どんな姿になっても……』
顔が熱ってきた。そう言えば…、俺は自分が裸であることを思い出した。
そして先程から優しくあやす様に東堂の腕に抱きしめられていることも…
以前とは違う次元で恥ずかしいという思いが湧いてくる。
今更遅いが精一杯お腹を凹ませて身をよじり、毛布を手繰り寄せ、そして今度は頭だけ出して体を隠すように毛布を羽織った。
「あっ…いや、その…すまん。裸のお前に抱きつくなんて…その…嫌だよな…好きでもない奴に…」
勘違いした東堂が、すまなそうに、ちょっと傷ついた様に弱弱しく言う。
『違う。そうじゃない。』俺の心が叫んでいた。
俺は、気がつくと身を引いて距離をとろうとしてくれている東堂のシャツを掴んでいた。
「い…いやじゃ…ない。」
俺は一体何を?裸の体に抱きつかれて、しかも相手が男で、嫌じゃないわけないだろう…ま…また、太ってしまう………
120 :
言ノ葉32:2009/09/18(金) 11:11:22 ID:wYRJG9w8
しかし、何時までたっても何も起こらない。
「あ…、あーと、い…いやじゃないって…、その…い…いいのか?」
手探りするように聞いてくる東堂に俺は…俺は……
「……うん。」
頷いていた。今度も何も起こらない。俺はもう自分でも認めるしかなかった。
俺は東堂の温もりを求めている。もっと言えば、俺の心は東堂に囚われ始めていた。
再び身を寄せてくる東堂に、今度はやはり別の次元で気になってしまうことがあった。
「お…おお、お前こそっ…こんな、こんな脂肪まみれの…で…デブが相手でも…いいのかよ?」
だから、俺はぶっきらぼうに、そんなことを聞いてしまう。
すると東堂は眼差しも強く毛布を掴んで剥ぎとってしまった。
そしてムッチリムチムチの俺の体を抱きしめてくれる。
「ばっか、言っただろ、俺はお前そのものに心底惚れてんだって…その…ほら、この通り…さ…」
東堂は、俺のぷくぷくの手を掴んで、その手を東堂自身の股間にそえる。
『かっ…固い…そして…でかい…』
俺は一気に体温が2〜3度上がってしまったように感じた。ドキドキする。男の股間を感じてこんな気持ちになるなんて……
俺はそんな簡単な男じゃない!そんな簡単な男じゃないんだ!
「ばっ…お前、東堂っ、おおお…親父くせーことすんなっ、こんの若年寄!嫌だやめろ!離せよ嫌だっつってんだろ!気持ちワリーんだよ!!……あ゛っぅ…ぐうっ…馬鹿太るなぁっ!」
ドク ドクン ドックウン
俺が意地を張って言った言葉の嘘に反応して俺の体がまたブクブクと太る。
胸に腹に腕に尻にモモに、ぷくぷく、たぷたぷ、ぷるん、と贅肉が纏わりついていく。
前に横にブクブク、ムッチムッチ膨らみ太っていく腹、分厚いながら三段腹だった腹が遂に極度に分厚いうっすら二段腹のデップリとしたものに変わる。
もう殆どデッカイ太鼓腹(但し形は別にして無茶くちゃ柔らかそう)になってしまった。
胸の贅肉もタップリとボリュームを増して盛り上がり、にゅ…乳輪が楕円形に広がってちょっと埋没している(うー、結構ショックだ…)。
当然俺を抱きしめている東堂にもその肉が溢れる感覚が伝わってしまう訳で…。
(それに、ここまで言葉が短いとどの部分が嘘だったのかまで丸わかりだろう。)
121 :
言ノ葉33:2009/09/18(金) 11:12:59 ID:wYRJG9w8
「こっ…これが神罰って奴か……って、え?でも、そ…それじゃ…お前……」
言うな、その先は言うな!そして離せ!
俺は自分でも無駄な抵抗と思える程の意地っ張りさで心の中でそう叫ぶ。当然抵抗しようとしてもてんで力が入らない。
「俺っ…嬉しい…お前にとっては憎い神罰だろうけど…悪い、嬉しい…俺…俺っ…俺っ!」
東堂が感極まって俺をキツク抱きしめてくる。そして息を荒げながら片方の手で自分のワイシャツを引き千切りそうな勢いで脱ごうとする。
しかし、もどかしそうにボタンに手をかけるが、興奮して指が汗で滑ってしまう。
そうしている間にもフンフンと俺の首筋(があった)に鼻を押しつけて俺を感じながら幾つものキスを降らす。
こんな姿になった俺をこんなにも求めてくれるなんて……
それに余裕のない、ギリギリまで興奮して身を寄せ、顔を押しつけてくる東堂を、不覚にも可愛いと思ってしまう自分がいた。
これは、いよいよ重症だ。その上俺の方まで釣られて興奮してしまう。
俺は息が荒くなるのを必死に隠しながら、その癖先程から無駄な抵抗をしていた手の方は、いつの間にか東堂のベルトを外そうとしていた。
「ば…馬鹿。初めて事におよぶ高校生かお前は!こう…スルッとスマートにだな…あっ…アレ?」
俺は余裕でベルトを外すつもりだった。しかし、汗で滑ってどうにも上手くいかない。
大体さっきの肥満化で指まで太くぷっくりとしてしまい、勝手が違うのだ。
「あ・・えと、待てよ。直ぐに外すし、落ちつけ…」
俺が東堂だったらお前が落ちつけと言いたくなるような慌てぶりだったと思う。
しかし、東堂はもたもたとベルトを外しにかかっている俺を見て一瞬動作を止めた。そして…
「勇っ!おっ前、スッゲー可愛い…も…もーほとんど反則…」
東堂はそう言うと、もう辛抱たまらんというふうにワイシャツに手をかけ、ブチブチブチッとボタンごと上着を引き千切り、ベルトも金具に噛んでいる革の部分から引き千切って下着ごとズボンを脱ぐ。
全体的にはデカい印象、脂肪混じりの筋肉で覆われた太めの、レスラー体型とでも言おうか(ちょっと所々贅肉がつき過ぎてはいるが)、そんな感じの逞しい体が姿を現した。
122 :
言ノ葉34:2009/09/18(金) 11:18:55 ID:wYRJG9w8
もどかしそうに、そして力強く、東堂が俺を抱きしめる。
裸の素肌と素肌が触れ合う。電撃が走った様なというと言いすぎかもしれないが、触れ合った瞬間ピリリとした快感を覚えた。
俺は一生懸命に腹をへこませて最後の見栄をはるが、苦しい位に、そして躍動的に抱きしめてくる東堂に翻弄されて次第に腹に構えた力が緩んでいく。
東堂が俺の肩口に鼻面を押し付けて首筋(何度もくどいが、だった部分)に口づけ、時々強く吸う。
俺の口から快感の声が漏れそうになるがぐっと堪えた。
片方の手が俺の胸を弄り、もう片方の手を脇から背中にまわして引き寄せるように抱きしめる。
ムニィィッ
俺は興奮してちょっと下半身を押し付け気味にしながらも、どうしても自分の体にタップリとついた贅肉が押し合いへしあい、ムニムニと圧迫されるのが気になってしまう。
「ハッ…ハァッ…やばい、勇ん体、肉柔い…ハッ…すっげエロい…ハァ…」
俺が必至で腰をよじったり、腹をへこましたりして誤魔化そうとしているのに、東堂は武者振りつく様に引き寄せて放さない。
「ばっ…お前っ、ハァ…他に…ハァ…言う事ねーのかっ!がっつくな…ハァ…馬鹿!」
俺は言うに事欠いて肉柔いとぬかした無礼者を小突く、しかし、当人は気にした様子も無く、今度は片身を引いて、胸を弄っていた手を腹に這わせた。
「あっ…うっ…馬鹿、ダメだ、やっ…そ…そこだけはっ…」
俺は自分自身一番恥ずかしさを覚えるデブの象徴たるデップリした腹に手を這わされて、始めて抵抗らしい抵抗を試みる。
それ程俺はこの腹に恥ずかしさを覚えていた。
しかし、力で東堂に勝てる筈がない。
123 :
言ノ葉35:2009/09/18(金) 11:29:57 ID:wYRJG9w8
東堂は這わせた手をヘソ周りで止め、手の平いっぱいに腹の肉を鷲掴む。
力任せにではなく、かなりソフトに、しかし、それでいて決して離さず、ヘソの周りの肉を弄り掻きまわす。
タップ タップ タプン タパ タパッ タプン
耳をふさぎたくなる様な音をたてて波打つ俺の腹の肉、俺は恥ずかしさが頂点を極めると共に、ヘソの内側からムズムズともどかしい快感が湧いてくるのを感じた。
下半身が疼く。
「あっ…ハッ…ああっ…」
遂に快感の声が漏れてしまう。慌てて堪えるが、東堂は聞き逃さなかった。
「やばっ…勇サイコー可愛い…ハァ…もっと聞かして…ハァ…」
こんな処をこんな風にされてこんなに気持ち良くなるなんて……
俺は自分で自分が信じられなかった(後で知ったことだが東堂の弄った部分も性感帯の一部だったらしい、後で少し安心した)。
俺は再び少しく抵抗を試みる。
すると東堂は、ヤメロ、ダメだと繰り返す俺の口を口づけで塞いだ。何度も、何度も…
余裕のなさそうに、もどかしく俺をくみしだくかと思えば愛撫は巧みで、キスさえ上手い、一体この男は性行為に慣れているのか、慣れていないのか。
いずれにしても俺は思いがけず巧みな東堂の口づけに酔い、また、それが自分自身を昂らせ、抵抗する心も、羞恥心も薄れていくばかりだった。
既に夢心地の域にたっしそうな俺を引き戻したのは、誰あろう、東堂自身である。
東堂自身も最高潮に達しようとしているのか、俺の太股を片側から持ち上げにかかったのだ。
グムニュュュウゥゥッ
大量の肉が集積して腹を極度に圧迫する。死ぬほど苦しい。東堂もそうだが、俺自身、自分の有り余る贅肉を甘く見ていたようだ。
しえんが必要かな
125 :
言ノ葉36:2009/09/18(金) 13:04:04 ID:wYRJG9w8
とにかく事に及ぶどころの騒ぎじゃない。どんな体位でする気なんだお前は?
それに何だか、先程までの巧みさと異なり東堂の仕草もぎこちなかった。
「ちょっ、まっ…ぐ…ぐるじぃ…ホント言いたかないけど、今の俺の腹じゃ無理…、ちょ、ストップ!ハウスハウス!」
制止の声も何のその、昂った東堂は夢中だった。俺自身男である以上男の急所を打つこともできない。俺は悪いと思ったが思い切り頭を殴った。
「ハウスッ!!」
そう言って睨んだ先には、犬の耳としっぽが生えて見えるかの様な東堂が、昂りを必死で堪えている姿があった。
「ちょと、お前、何かおかしいから手短に聞くけど、挿入の経験あんの?」
東堂はぐっと詰まって一向に返事をしない。
ややあって小さい声で一言。
「な…ない…」
『本気か!?あの芸能人並の極上の容姿を何に使ってたんだ!太る前のこいつは!?』
俺は、なるべく(俺にしては)東堂を気遣いながら言った。
「あー、今日のところは挿入禁止!てか、考えたら何処に入れる気だったんだ?お前!あー…そんな目で見るなっ…俺が悪いみてージャンカ!」
キュゥゥゥゥン…
情けない顔に鳴き声の幻聴まで聞こえる始末。
仕方なく、俺はやや考えて両手を広げて東堂を促してやった。
「言っとくけど股で受けんだからな!それと普通の体位で頼むゼ…、…えーと、…知ってる?スマタ…俺が下だけど。」
強がりつつ、最後にちょっと不安になって質問する。
東堂の顔がパッと明るいものへと変わった。ブンブン頷く(やばい、アホみたいだか可愛く見える)。
知ってるかどうか怪しい仕草だったが、まあ、普通予測がつくだろう。
(それとも、四つん這いのバックでスマタって選択のがよかったか?この体が楽そうには感じるが……)
何より俺も不完全燃焼なのは一緒だ。
(認めたくないが、何か、もうこいつに惚れてしまったのは間違いないらしい。)
『し…仕方がないから、お預けくらった犬みたいで情けないから、可哀想だから、慈悲の心でしてやるんだから!』
俺は、内心自分の天邪鬼さにうんざりしながらも、口に出したら3回は太りそうな意見を心の中で呟いた。
126 :
言ノ葉37:2009/09/18(金) 13:09:08 ID:wYRJG9w8
東堂は、俺の股の贅肉の茂みに東堂自身を穿ちながら、幾つもの口づけを降らせ時に舌を這わせる。
そして片方の手で俺の胸や腹の肉を揉みしだきながら、もう片方の手で巧みに俺自身を扱く。
(本当に経験ないんだろうな!?何だこの口舌と両手による3点攻めは!)
俺は、激しい快感の海に翻弄されながら、そんな事を考えるが、次第にそんな憎まれ口を考えることも出来なくなってきた。
良すぎる。こんな気持ち良いのは初めてだ。
俺はいつの間にか必死に股で東堂自身を受けながらも東堂の背中にギュッとしがみついて快感を貪っていた。
「ハッ…ハァ…好きだ…ハァ…勇…愛してる…ハァ…好きだっ…好きだぁ…ハァ…」
東堂は、好きだ、愛してると、うわ言の様に繰り返しながら激しく穿ち、優しく、時に強く俺への愛撫を繰り返す。
俺は極度の快感に押し潰される様に、つい素直な言葉が口を出てしまう。
「ハァッ…あっ…い…俺っもっ…好き…健太ろ…好きっ…ハァ…」
そうだ。口に出してみて実感した。俺は東堂が好きになってしまったらしい。
東堂は俺のこの言葉を聞いて更に、俺の体に変化が無いのを知って更に更に昂り、そして俺達は、喜びと快感の絶頂で、殆ど同時に果てた。
******************
東堂はグッタリしている俺をキレイにしてくれ、驚異の腕力で俺を抱いて風呂場へ運んでくれた。
そして何くれと世話を焼いて体を清めてくれる(但し、お返しに体を洗ってやったら興奮して2ラウンド目に突入された。)。
2ラウンド終了後、俺を抱いて寝室に運び、危うくない所作で俺を寝かせ、自分も寝台に入る。
(諸々の事情で大きいベットを買っておいて今日ほど自分を自画自賛したことはないだろう。勿論心の中でだが。)
127 :
言ノ葉38:2009/09/18(金) 13:16:39 ID:wYRJG9w8
俺は、昨日今日で太った超にわかデブなので、デブがつらい体勢さえも理解していなかった。
正直これ程仰向けが苦しいものとは思わなかった。しかし、この太りようでは仕方がない。
(先程東堂の目を盗んでヘルスメーターにのった時には、90kg41%という数字を叩き出し、危うく卒倒しかけた。)
俺は、ぼんやりと神罰について考えていた。どうやら、8という数字がキーワードらしい。
神様の世界では何か意味があるのかもしれない。90kgになって確信した。
神罰は8度受ける毎に階梯が上がるらしい。そしてその度に胸の突起物は青さを増す。今ではサファイアの様な深い青色をした突起物を見て。
多分今では一度の神罰毎に3kg脂肪が増えていく筈だ。
俺は改めてそれにしても脂肪だけで太ると言うのは大変なことだと思った。
先程鏡に映った自分の姿を思い返す。姿形だけなら3ケタ超えてないのが嘘のようだった。
「なあ勇?何考えてる?」
俺が仰向けに寝るのを断念して東堂とは反対側を向いて横になっていた。
だから、東堂には俺の不安で微妙な表情をしている顔は見えない。
それでも、後ろから優しく腕をまわして抱きしめてくれる。東堂の温もりが俺の表情を穏やかなものにした。
「べ…別に…、ああ、そうだ。お前さっきさ、俺の優しさも、本当の俺も知ってるって言ったよな?アレってどういう意味?」
俺は相手の質問を利用して質問する。やってみれば、嘘をつかなくても都合よく会話を成立させることもできるようだ。
「あー…、あれな、あのさ、2年前の…、捨て猫の件憶えてるか?」
そう言われて、俺はある出来事を思い出した。
それは2年程前の事だ。
東堂も今より30kg前後も痩せていて、坂口憲二に似ていると持て囃されていた頃の事だった(今でも十分男前だが…←惚れた欲目)。
128 :
ひのえ:2009/09/18(金) 13:35:39 ID:wYRJG9w8
>>124 ありがとうございます^^
後もうちょっと(4〜5レス位)つづく(太る)のじゃ
1つの話に1Hがマイルールになりつつありますな……苦手な方にはお目汚し御免です。
ss乙です!
順調に太ってますねwwもしこれを機に東堂がデブ専に目覚めたりしたら、惚れた弱みで自ら嘘つきまくって太ったりするんでしょうかw
130 :
名無し調教中。:2009/09/18(金) 17:01:28 ID:0aGpaDdl
INHUMAN!! , INHUMAN!!
このスレッドの住人さんたちは人間以下でありますです。。。
なので、こんなシリーズは今すぐ潰れて下さいです。。。
WARNING!! , WARNING!!
このスレッドは危険指数としては最高の
100(とても有害なスレッド)に指定されましたです。。。
なので、もう書き込んじゃいけませんです。。。
NOTICE!! , NOTICE!!
以下の文章は、荒らしと認定されましたです。。。
『C』
『支援』
『保守』
131 :
にき:2009/09/18(金) 18:06:34 ID:qooyfRAM
>>ぽさん
仕切りありがとうございます。お疲れ様です。
場所、日時、了解しました。月並みですが何か目印とかって必要だったりしますか??
ss乙です。
三段腹から二段腹へ
だんだん球体へ近づくお腹がいいですね。
>>113 114ですが、自分たちも何か目印的なのあった方が
駅で分かりやすく落ち合えますかね?
東京参加組のひとりです。
デブの集まりを見つければいいよ!!
何の打ち合わせもなしに集まるのはきついんじゃ…
と行かない人が言ってみるけど時間的にもう遅いか
136 :
70:2009/09/19(土) 22:32:48 ID:61M+K6Wz
>>133 特に必要ないと思いますが、
何かいい考えがあれば教えてください。
>>70 あっ、じゃぁ僕髪の毛がド金髪なんで
金髪がうろついてたら声かけてください(´・ω・`)
明日の東京参加予定だけど、
人が多い新宿で集まれるかどうかいまさらすごく不安になってきた。
おれは185超えの身長、割と太め体型だが、人ごみに埋もれちまうかもな…
139 :
ぽ:2009/09/20(日) 02:21:11 ID:0Gg7Isx3
今帰ってきました。
確かに…
自分明日、バッグに「ANO THER EDITION」と書いた黒いバッグ持っていきますね。
ちなみに出口間違えなければ一か所しかありませんから大丈夫だとは思うのですが…
おはようございます
妙に楽しみで、一睡もできませんでしたw
>>ぽ氏
幹事や各配慮、ありがとうございます。
めいっぱい食べて楽しみましょう、いろいろ。
141 :
パーマン4号:2009/09/20(日) 10:52:01 ID:wH8CwvsW
あー遅れてしもたわー。
10分くらい集合時間に遅れそうなんやけど、
誰か待っとってくれへんやろかー?
よろしくたのんますわ。
20分に着いたのだが、大江戸線にD2聞いても
そんな出口は無いと言うし、
店に聞いたらハルクの方、東口というし
かえろかな(泣)
143 :
ぽ:2009/09/20(日) 11:49:35 ID:cvcVX/nx
そろそろ行きますよ!
エレベーターがD2の出口です。
12:00まで待ちますね!
144 :
にき:2009/09/20(日) 11:52:03 ID:YMAgQ8Do
ハルク前、バス乗り場あたりで僕だけ別動で待機してます。ピンクの上着に黄色いフードが僕です。
145 :
ぽ:2009/09/20(日) 11:54:13 ID:cvcVX/nx
大江戸線の出口で、ハルクまできたら、目の前にユニクロがあります。
その道に出たら大通りに沿って坂を下り始めたら、います。
ケンタとMacの間です。
どちらかで会えると良いですね。
146 :
ぽ:2009/09/20(日) 12:06:53 ID:cvcVX/nx
申し訳ないですが、店に先に行きます。
ニキさん+パーマンさん+今いるメンバーで先に行きます。
147 :
にき:2009/09/20(日) 12:08:46 ID:YMAgQ8Do
ええと、そちらで合流出来ましたか??
一応待機してますが…
148 :
ぱーやん:2009/09/20(日) 12:10:51 ID:wH8CwvsW
いま西口に来ました。
判明したのは大江戸線新宿駅ではなくて、新宿駅西口駅でした。
149 :
にき:2009/09/20(日) 12:12:28 ID:YMAgQ8Do
>>ぱーやんさん
了解しました^^引き続きハルク前、バス乗り場付近にいますので、声かけてください。
150 :
ひのえ:2009/09/20(日) 12:14:30 ID:x8XPLw+9
まってまーす
にき組きたらいきましょー
みなさんすいませんです。1時間歩き続けて疲れました。 いまビックカメラ横です。
152 :
まんぞう:2009/09/20(日) 19:52:39 ID:wH8CwvsW
みなさん今日はお疲れ様でした。
また、大変ご迷惑をかけ失礼しました。
ぼくの50kg台→170kg台のビフォーアフターを
楽しんでいただけましたでしょうか。
各SSを書いている人達にお会いできて、
本当に良かったです。また是非会いましょうね。
東京の部お疲れ様でした。
……50→170…仕事でいけなかったのが悔やまれる…
154 :
がる丸:2009/09/20(日) 22:07:51 ID:abVppcXK
オフ会お疲れさまでした。
寝落ちせず帰還しました。
50→170、楽しませていただきました。やはり写真があると違いますね。
次回はもっとコアでフェチ深い会話がもっとできるといいな。
幹事のぽさんお疲れさまでした。
うおー今日だったのか!
うらやましい!!
156 :
ひのえ:2009/09/20(日) 23:45:28 ID:x8XPLw+9
無事のご帰還゜*。★おめでとうございます★。*゜(*V_v艸)……………・、λ チェッ(←ぁ)
銭湯なんて人生で2回か3回しかいったことなかったので楽しかったです。
帰りにほっぺたいむの「鯛あられ」と「ふわふわえびせん」と「かりんとう」と「白かりんとう」
と「満月」というお菓子を買って食べながら書いてます。
このほっぺたいむシリーズとか、カロリー表示があるので便利ですよね(@^▽^@)
あと残ってるのは「満月」だけですが、計算すると2000kcal前後摂取できてますぜ旦那><b
ぽさんには幹事役をしてもらいましてお疲れ様でした☆(o・ω・o)ゝ
目下の悩みはぺヤングソース焼きそばを食べるか否かですな……今日話にでたから食べたくて買ってきたんですけど
結構お腹が丸っと………
157 :
ぽ:2009/09/21(月) 02:11:17 ID:PueWYAwh
みなさん昨日はありがとうございました。
疲れ果てたためか帰ったらものすごく眠くなり、寝てしまい…
起きたら、無性に走りに行きたくなり走ってお腹がすいてすき屋で、ねぎとろ丼(大盛り)を食べ
今、無事帰還しました。
幹事あんなんで良いのでしょうか?
いい加減具合200%でしたので、みなさんのフォローがないと無理でございます。
また、自分としては次回のお泊まり会の話のほうが、楽しみでしかたないです。
名古屋でもこの話出るかな?
東京昨日だったんだね、行きたかったぁぁ
まんぞうさんのビフォーアフターを見たかった・・!
159 :
にき:2009/09/21(月) 10:59:48 ID:fKJi5tXq
お疲れ様でしたー。
けっこう問題もなくまったりと過ごせて楽しかったです><
僕は二次会まででドロップしましたけど、その後も楽しかったみたいでなによりです。
急にバランスを崩して、とっさに肩にしがみついたため、
森谷は抱きつくような格好で武智の体に圧し掛かっていた。
頭を打ったショックなのか、体を強く圧迫されたせいなのか、
それとも森谷が自分を押し倒しているという状況のせいなのか、武智の思考が一瞬停止する。
目を開けて視界に入ってきたのは、まだ目を閉じた森谷の顔だった。
シャンプーのかすかな匂いが優しく鼻腔をくすぐる。
背中からふくらはぎにかけて感じる無機質なタイルの冷たさと、
体の上に重く圧し掛かる森谷の温かさと柔らかさが対照的で、
長湯で逆上せた体の感覚も徐々に戻ってきた。
森谷の胸から二の腕にまで付いた肉が、武智の首に柔らかく巻きつき、
腹に付いた重量感たっぷりの肉が潰れたようにぶにゅりと武智腹の上に覆いかぶさる。
その包み込むような柔らかさは、体全部に肉が密着しているようだ。
そして、ある一点、ちょうど自分の腹の上辺りに感じる脂肪の柔らかさでない部分、
全身をうっすらと桜色に染めた体の最も熱い部分の感触がしっかりと伝わってくる。
(森谷も…?)
平静を装って必死の思いで押さえ込んでいた感情が今にも噴出しそうになる。
どうすべきか、武智の中で理性と本能の綱引きが繰り広げられていた。
兄として、その体を立ち上がらせるべきか。
男として、その体を思うさま抱きしめるべきか。
武智は獲物を目の前にした狼のような自分の心と体を押さえつけるのに必死だった。
混乱していたのは森谷も同じだった。
事故とはいえ、裸で武智を押し倒して抱きついてしまったのだ。
そして、同時に森谷にとっては危機的な状況でもあった。
絶対に知られたくなかった自分の劣情が今、武智の前に晒されている。
誤魔化そうにも、それは柔らかくも弾力のある腹のあたりに当たっていて、
その気持ちよすぎる感触が余計に心を昂ぶらせ、制御できない大きさへ育っていく。
心臓の鼓動がどんどん早くなっていく。
森谷は焦りと恥ずかしさと心地よさの板ばさみになり、
一瞬全てを忘れて体の動くままにしてしまおうかという誘惑に負けそうになった。
森谷が閉じた目を開けると、武智と目が合った。
何かに耐えるような震えた目は、まるで自分を拒絶しているかのようで、
その目を見た瞬間、森谷の頭に不完全だったが理性が蘇った。
そして襲ってきたのは背筋が凍るような恐怖だった。
とんでもないことをしてしまった、と。
一瞬にして頭の中に最悪の展開でいっぱいになる。
「あ、あの、これは…。その、ごめんなさい。ごめんなさい。」
森谷は何度も謝りながら、その体に似つかわしくない早さで武智の上から体を起こし、
少しふらつきながら浴室を出ると、そのドアを強く閉めた。
(どうしよう、絶対ばれた。どうしよう…。どうしよう…。)
逃げ出したところでどうにもならないのだが、
パニックを起こした頭ではそんなことは考える余裕もない。
森谷はとにかくこの場から逃げようと、そのまま体も拭かずに風呂場を出て行くと、
どたどたと階段を駆け上がり、自分の部屋に逃げ込んだ。
森谷は自分の部屋のドアを閉めると、電気もつけずにベッドに潜り込んだ。
武智や戸村が今にもこの部屋にやってくるのではないかと考えると、震えが止まらない。
数分か数十分か、わずかな時間が森谷にはとても長い時間に感じられた。
やがて下の方から階段をゆっくりと上ってくる足音が聞こえてくるのを感じて森谷の体に緊張が走る。
足音は部屋の前で止まり、聞こえてきたノックの音はいつも武智がするような勢いのあるものではなく
落ち着いた調子のものだったが、森谷は硬く目を閉じ体を強張らせた。
「森谷、着替えとタオル持ってきたぞ。開けてくんねえかな。」
武智が穏やかな口調で話しかける。
「俺が悪かった。ごめん。
そりゃ、いきなりあんな格好になっちゃ驚くよな。
俺は気にしてないから。開けてくれよ。な。」
とりあえず自分を責めに来たのではないらしいことに、森谷は少し安心する。
それから、武智は何度もドア越しに森谷に話しかけたり、謝ったりしたが、
ドアの向こうには誰もいないかのように何の反応も返ってこない。
武智の声を聞くたび、森谷はドアを開けることができず震えているだけの自分が心底情けなくなる。
「…わかった。お前が出てきてくれるまで俺ずっとここで待ってるから。
落ち着いたら出てきてくれよ。」
そう言ったきり武智の声は途絶えた。
静まり返った暗闇の中、森谷は不安と戦っていた。
あれほど恐れていた武智の声が、今となっては心の支えとなっている。
武智を信頼したいという気持ちがだんだん勇気に変わってくる気がした。
もし、受け入れられなければその時はその時だと、森谷は覚悟を決め、
タオルケットで体を覆うとベッドから立ち上がり、部屋の鍵を開けた。
ゆっくりとドアを開くと、少しほっとしたような武智の顔があった。
電気をつけて武智を部屋へ招き入れると、森谷の方から口を開いた。
「見たの?俺の…、」
「ああ…。見たっつーか、腹に当たってたんだけどな。
気にすんなって、逆上せたんだろ?」
武智の気遣いにそのまま便乗してごまかしてしまうこともできたが、
森谷は静かに深呼吸をして、本当のことを話す決意を固めた。
「…正直に言う。
武智さんの体、お腹の周りとか胸とか触ってて、気持ちよかったから。
それから、武智さんの上に倒れて抱きついたら、やっぱり気持よくて…、
ごめん。男のくせに、変だよね。」
「へ、変なんかじゃ、ないぞ。」
「じゃあ、武智さんは俺のこと軽蔑してないの?」
「当たり前だろ。(つーか俺の、見てなかったのかよ。)」
武智の言葉を聞き、森谷の表情に現れていた緊張が少し解けた。
もう一度深呼吸をすると、そのまま勢いに任せるように、思い切って口を開いた。
「好きな人が…、いたんだ。」
「何の話だ?」
武智が突然の森谷の言葉に首をかしげる。
「ここに来る前の話。先輩だったんだけど。」
「その人、男か?」
森谷がゆっくり頷く。
だいぶ落ち着いてきたものの、まだ瞳が怯えたようにわずかに震えている。
「俺はその人のことをただ想ってればいいって考えてた。
でも、それだけじゃ辛くてどこかに吐き出したくて、
日記にその人のことをこっそり書いてたんだ。その日あったこととか話したこととか。
だいぶ楽になった気がしてたんだけどさ…。
親父に日記見られたんだ。それで、俺が男が好きだってことがばれた。
出来損ないって言われたけど、それだけなら別によかった。
俺も自分で自分がおかしいと思ってたから。
でも、親父が、学校に押しかけてっいったんだ。
学校とその先輩のせいで息子がおかしくなったって言って。
俺が気づいた時にはもう遅かった。
話はとっくに学校中に広まってて、先輩まで周りからホモ呼ばわりされてて…。
俺、地面に頭こすり付けて先輩に謝ったけど結局許してもらえなかった。
俺、消えちゃいたかった。
もう二度と学校にも家にも帰れないと思って家を出たんだけど、
戸村さんに助けられて、武智さんに会って、ちょっとずつ忘れてたんだ。
けど、今日武智さんにばれて、急に怖くなったんだ。
もし武智さんや戸村さんに嫌われたら、俺、もうここにいられない。
今度こそ俺のいるところがなくなっちゃう。そう考えたら、怖くて怖くて。」
しえんが必要かな?
支援ー
武智がのタオルケットの上から森谷の肩を優しく抱く。
「心配すんなよ。
俺も店長もそんなことでお前を嫌いになったりするわけないだろ。」
森谷は長い間の心に支えていたものが取れたように、ふっと小さくため息をついた。
武智は、表情を確かめると、今度は少し視線を外しながら言った。
「それに…、俺だって、お前の、その、太った体が、え〜っと、き、気持ちよくて…。
だからこんなになっちまって…。
ああ、もう、しょうがねえだろ、気持ちいいモンは気持ちいいんだからさ。」
武智が顔を赤く染めるのを見て、森谷は少し笑ってしまった。
すっかり安心したらしい森谷を見て、武智も苦笑いを浮かべる。
「何笑ってんだよ。それよりお前、今日寝床はどうするつもりだ?
廊下と階段は俺が拭いといたけど。」
武智に言われて森谷がベッドの上を見る。
大きな体を拭かずにベッドに潜り込んだから、ベッドの上はびしょ濡れだった。
「あ…、どうしよう。」
「しょうがねえな。今夜は俺のベッド半分使わせてやるよ。
俺とお前じゃ、ちっと狭いかもしれないけどな。」
今度は武智がずる賢い狼のようにニヤニヤ笑う番だった。
その時、森谷の腹からぐぅ〜という大きな音が聞こえてきた。
森谷はそれどころではなかったが、風呂から上がってすでにけっこう時間が経っていたのだ。
「へへ、腹が減っては戦はできねえってか。
ん…?腹が減って…? げっ、しまった。下で店長待たせっぱなしだった。
森谷、早く着替えろ。急がねえと…。」
武智に促され森谷がすばやく渡された服に着替えると、二人で下へ降りていった。
「…ああ、遅かったか。」
二人が見たのは、テーブルに並べられた空っぽの皿といつになく大きな戸村の腹だった。
どうやら皿の上の料理はすでに残らず戸村の腹の中に収められた後のようである。
「げぇ〜っぷ。
二人とも遅かったね。冷めちゃうといけないから片付けちゃったよ。
悪いけど、二人は適当に作って食べてね。ふぁ〜あ。」
戸村は皿の山をひとまとめにして流し台に運ぶと、膨れた腹を撫でながら大あくびをして、
冬眠前に脂肪をたっぷり蓄えた熊のようにのしのしと寝床へ向かっていった。
二人はその後姿をしばらく呆然と眺めていた。
「…武智さん、どうする?」
「チクショウ、店長め…。こーなったら
俺たちも店長に負けねえぐらい作りまくって食いまくるぞ。」
食べ物の恨みがそのまま料理への情熱と食欲に転換されるところが武智らしい。
その夜の武智の包丁には異様な熱が込められ、指導を受ける森谷はついていくのがやっとだった。
169 :
きのと:2009/09/21(月) 20:10:12 ID:xde3z2VY
>>ひのえさん
どう処理していいのか分からなかったので
差し戻させていただきます。
あとはよろしくお願いします。
90ぐらいまで延長しますか。
そろそろラストの形が見えてきたと思います。
あれ、名古屋オフって
今日で合ってますよね?←
171 :
ぽ:2009/09/22(火) 11:07:29 ID:i8j2koYY
今日ですね。
ただ自分はかなり遅刻しそう。
凄い渋滞。
まだ、掛川です
>>70 おはようございます。
すいませんが名古屋駅で
迷子です←
金の時計が
見つからない…orz
172です。
発見できました、金の時計。
付近の壁にいます←
>>オフ
店を予約した者です。
10分ほど遅れます。
地上で待っててください。
175 :
ぽ:2009/09/22(火) 12:07:00 ID:i8j2koYY
まだトヨタです
こりゃ二次会から参加かな?
30分まで店の外で待ちます。
先に行きます。
名古屋オフ、どんなかんじなんだろうな
東京のといい、途中経過書いてくれたっていいじゃないかぁ!
それとも何か?そんな暇もないくらい楽しくだべっていちゃついてるのか!?
はああああいきてええええ!!;;
179 :
ぽ:2009/09/22(火) 20:04:50 ID:i8j2koYY
名古屋は、サンドイッチ食べました!おいしかったですよ!基本的には、東京であったことを話す感じでした。
180 :
名無し調教中。:2009/09/22(火) 22:51:19 ID:q77pn+lq
74です
オフ会お疲れ様でした
俺も行きたかったなぁ…
途中経過とかもうちょっと聞かせてくれるとうれしいです
名古屋オフ、お疲れ様でしたー。
東京オフの話など、たくさん聞かせて頂きまして
色々面白かったですw
有難うございました!
182 :
名無し調教中。:2009/09/23(水) 12:03:16 ID:lHxfbh2M
危険領域に入っていますのよ。
これで書き込みできなくなりましたわん。
ラエー - %)#
一生書けなくってよ!!
(回数と時間がどのくらい経ったか分かりませんわん)
INHUMAN!! , INHUMAN!!
このシリーズのスレッドは最低の人間より更に下でありますです。。。
なので、今すぐ潰れて下さいです。。。
WARNING!! , WARNING!!
このスレッドは危険指数としては最高の
100(とても有害なスレッド)に指定されていますです。。。
なので、もう書き込んじゃいけませんです。。。
NOTICE!! , NOTICE!!
以下の文章は、荒らしと認定されていますです。。。
『C』やそれと同音異字のもの
『支援』やそれと同音異字のもの
『保守』やそれと同音異字のもの
犬肥満と読み間違えて、スレ違いだろとツッコミを入れてしまった。
夏休み始まる前が68kg
終わりの今は73.6kgになったw
>>183 犬肥満と言われてクレド・ガッハウがデブくなるのを連想した
粉モノが好物らしいが、アレって太るよね?
アルタ人組は地球人と見た目変わらんし、ネズミはネズミだし、アイツは変装用装備無いと外を出歩けンからな
「地球の食べ物は美味しい」ってバーディーも言ってたし。まあ、アイツの主食が主食だからあんまアテに出来ないけどw
二の腕を太くしたい…
でもなかなか太くならないんだよなぁ
自分も二の腕と足を太くしたいんだけどなかなか・・・
走りこみと筋トレするのが一番の近道かな
そして筋トレやめるとあっという間にぷよぷよに…なるのかな
wikiのssをまとめてくれた方、乙です。
俺は半分ぐらいまとめたところで、用事で出かけてしまったんですが、
帰ってきたら3スレのまとめができあがっていて驚きました。
逆にきっかけをありがとうだったよ
あとでやろうあとでやろうで表でまとめただけだったので
あれで其の三分はおわりでいいはず
其の三から連載中の其の四分はまだ追加してません
193 :
幸か不幸か:2009/09/25(金) 02:59:43 ID:tojIvBKw
深夜遅く、終電もとっくに過ぎた時間に、アパートの階段がかんかんと音を散らす。。
二階突き当たりの角部屋、鍵がかかっているかを確かめるように、かちゃかちゃとドアノブが握られる。
近所に気を使っての事なのか、静かに丁寧に、ドアは開かれた。
「…ただいま。」
「お、おっかえりーっ」
引きつった笑顔で出迎える男の鼻先をでこぴんで弾きながら、帰宅した男がしゃべりだした。
「あーよかった。僕鍵かけ忘れたのかと思ったぜ。」
「い、いやぁ、帰って来てたんだけど、なんか連絡いれづらくて、その、」
言葉に詰まりながらも、ぽいぽい脱ぎ捨てられる服を拾い、洗濯カゴに入れていく。
「で、なんで今の時間帯におうちにいるのかな??」
パンツ一枚になった姿から発せられる言葉に、思わずびくっと体が震える。
言おうか言うまいか、うんうん唸った挙句、小さく手を挙げてぽつりと呟く。
「く、クビになっちゃったー…あはっ」
「笑うとこかっ!アホ犬はこれ、お預けな。」
「きゃいんきゃいんっ!」
そう言うとパンツ一枚の男は、冷蔵庫にいくつかのスイーツをしまった。
「う〜…そ、そういって、シュウまた1人で全部食っちまうんだろっ」
「犬上が反省したらやるっての。僕が食う前に反省したら。」
「…なんかずるいな、それ…」
そう言われつつ、べりっとゼリーの蓋を剥がす。
「んむ、いいから、次の仕事考えろって。」
スプーンに大きくとったゼリーを口の中で砕きながら、とんっと額をこづいた。
軽くこづかれた額をさすりながら、犬上はおずおずとこう返した。
「そ、それなんだけどさ、やっぱもう少しの間、前みたくしてちゃダメ、かな…なんて、なんてねーっ」
自分で言いながらも、きっと言い返されると同時にどこかしらをこづかれるだろうと予測して、体が勝手に防御姿勢をとっていた。
「…いや、僕もそんなにドメ男じゃないから。ぶたないから。」
「あ、ご、ごめん、つい、なんとなく手が勝手に…あはは」
「しばくわ阿呆」
ぱっと手がどいた所を見計らって、見事にチョップが突き刺さった。
「やれやれ…仕方のない奴…」
194 :
幸か不幸か:2009/09/25(金) 03:03:08 ID:tojIvBKw
遡る事ずっと前。立花秋成と犬山椛の付き合いは小学生の頃からだった。
二人は小学校、中学校、高校まで、所謂腐れ縁というやつで遠くない位置にいた。
仲は良く、お互い勉強もそれなり、運動もそこそこに、ルックス面でも申し分なし。
お互いの決定的な違いは、その性分というか天性の部分で、秋成が努力と才能の人とするなら、椛は強力無比な天運の人だった。
日常的なちょっとラッキー、程度のものから、狙い済ましたような強運まで、椛は当然ながら常日頃一緒に居る秋成も恩恵にあやかる事も少なくなかった。
遡る事ちょっと前。高校を出てから一人暮らしをしていた秋成の家に椛が転がり込んで来た時も、「住所教えたわけでもないのに、強運の無駄遣い」で納得して済ませてしまったほどだった。
「おー…おっ、いっっっ…け…っ、いったぁっ!」
デジタルのカウントアップが30000という数字を叩き出す。笑顔の店員からその数字が記載されたレシートを受け取ると、椛は小さくガッツポーズをした。
すぐさま店の奥で本を読んでいた秋成を呼び出すと、景品カウンターを経由して二人は店を出た。
「どんだけ?」
「30k発。しめて12万。」
「僕さぁ…絶対パチンコって人をダメにしていくと思うんだよねぇ…といいつつ現金ってすげぇよなぁ…」
びらっと拡げられた万札を財布にしまいながら、椛の笑顔は苦笑いに変わった。
「ま、まぁ、なんていうか才能の有効活用っていうか…あはは…」
「別にいんじゃね。でも僕、犬上はいつか運使い切って死ぬと思うな。」
「俺もそう思う。」
「で、しばらくはこんな感じ?」
「面目ない…ちゃんと入れるモンは入れるから勘弁してっ」
「いやまぁ、いいけど。おかげさまで僕も最近ツいてるし。」
「あ、そうなんだ。」
近所のパチンコ屋から帰った二人は、部屋に入るなり布団に寝転んだ。
「あーしんど。なんで休みに朝からパチンコ並びに付き合わされるかな…」
「お詫びにお昼おごるって。えと、今日はピザがいっかなー」
店屋物の広告置き場からピザ屋のチラシを出して眺めていると、椛は自分の方を見ている秋成と目が合った。
「…な、何?辛いのヤだったら、俺のとは別にシュウの分もとっていいけど…」
「いや、そんなこと言ってないけど。辛いのはヤだけど。」
195 :
幸か不幸か:2009/09/25(金) 03:05:09 ID:tojIvBKw
「じゃ、えっと、シュウのはこっちで…」
「犬上さぁ、太ったな。」
「えっ!?い、いやいやっ!」
突然そう切り出されて、椛は慌てて首を横に振った。
「いや、別にだからどうってことじゃないけど。」
「よ、よくわかんないんだけど…その流れ…え、俺太った?」
「ん…うちに来た時よりかは。俺と似たような体型だったろ。」
そう言ってその場に座ると、秋成は服の裾を胸元まで捲り上げた。
やや色白い肌ながら、割れた腹筋や張りのある胸筋がのぞけた。
「えー…あ…こりゃ確かに…」
同じように椛が服を捲くると、へその下にはぽよっとした段が形成されて、へそから上も若干むっちりしていた。
「なんかちょくちょく重たいもん食ってる気がしたからな。」
「全然気にしてなかった…あはは…」
「つか、ジム勤めの僕と何もしてない犬上が同じ体型だったってことがそもそも僕は不思議だったんだけども」
「なんかねー。太りにくい体質っていうか…ま、だいじょぶだいじょぶ、そのうちダイエットするから」
「…やっぱ強運に任せたニート生活がまずいんじゃ…」
「そ、そういえばさ、シュウ最近いいことあったんでしょ、なになに?」
服を戻してお腹をさすりながら、流れを変えようと少し前の話題を蒸し返した。
「え、あぁ、うん。この間買った宝くじ、1万円当たってたんだ。ほらっ」
少し自慢げにニヤけながら、秋成は当選発表の記事と、現物を財布から取り出した。
「え、へー…あっ、ほんとだ、当たってる!」
すごいっ、と拍手しながら、椛はあることを思い出した。
「…うわ何その顔。なんかすっげーイヤな予感すんだけど僕。」
「あー…そ、そうかも。俺もその宝くじ買ってたの思い出しただけなんだけど。」
「やめろよーマジもう何億とか。どろどろしたのヤだぞ…」
取り出した宝くじと当選番号を見合わせていた椛の表情が、一瞬凍りつく。後、秋成に苦笑を向ける。
「あ、えと、その、結論から言うと、当たってる。」
「はい出てけー。犬上自分でマンション買えるだろ、そんだけありゃ。」
「む、無理無理っ、100万が2つだけだもんっ」
「…十分過ぎるっつか、逆に生々しくてどうリアクションしていいかわからん…」
微妙な顔を見合わせながら、二人はとりあえずピザを注文する事にした。
196 :
にき:2009/09/25(金) 03:07:48 ID:tojIvBKw
しばらくぶりですが、またちょっと小話失礼しますね。
今回はなるべく短期完結にするつもりなので、あと2〜4回ぐらいの更新でオチつけるつもりです。
既にオチ見えてる気もしますが、また少しの間よろしくお願いします。
>>191-192 wikiの更新お疲れ様です。ありがとうございます^^
197 :
ぽ:2009/09/25(金) 08:22:52 ID:QqvTQRz6
そうそう。名古屋と両方出たので共通で出た話題のお話をしておくと今度はどっかのロッジなどを一晩借りて
大夕食会なんていうのも面白いのでは?という意見でした。
名古屋でも東京でも面白そうということになってました。
それと、両方のオフに出たためかウエストが気持ち大きくなってしまいました(笑)
時期的な部分は11月の後半の連休などということで出てましたね。
もうオフ会云々はブログなりSNSでやれよ
いい加減スレ違い
>>196 ss乙です。
名前の読みは、
犬山(犬上?)が いぬやま もみじ
立花が たちばな しゅうせい
でいいんでしょうか?
肥満化アンケに回答させていただきます。
Q1.なに(手段)・だれが肥満化させる?
例:男が、女が、超常現象・呪いが、環境が
・男が対象を監禁して太らせる。
Q2.肥満化人数は?
例:1、2、3、大人数
1人
Q3.肥満化後の体の大部分は?
例:脂肪、筋肉、水、謎の液体
脂肪
Q4.太らせるならどの体型から
例:痩せ、普通、モデルイケメン体型、大柄、マッチョ、並デブ
大柄かガチムチあたり
Q5.体重や身長、スリーサイズの変わり具合は?
例:ぽっちゃりの2桁体重、ボリュームがある3桁体重、小デブ、大デブ、肉塊
体重80くらい→150くらい。自分で動けなくなるくらいまで。
Q6.変貌振りを実感させる美味い表現は?
例:服のボタンとばし、服破ける、汗だらだら、いままでできた運動をさせる
今までできた運動+汗だらだら
Q7.肥満化につけられるようなアクセントは?
例:豚鼻耳、剛毛化、多汗症、体臭
剛毛化+多汗症
Q8 好きな年齢層は?
例:高校生ぐらい、20代前半
20代後半〜30代前半
Q9 好きな体の部位は?
例:腹、胸、二の腕
腹、胸、太もも
Q10 無理やり太らせるのと本人の意志で太るのどっちがいい?
(補足:本人が太りたがっているかどうか)
嫌がってるのを無理やりの方がいいです
Q11 どうやってかわいがる、もしくはいじめる?
例:食べ物を口に突っ込む、マッサージしてあげる
食べ物を口に(ry
Q12 最近太り気味なことを気にし出した男(シチュ自由)にどんなアドバイスをする?
「太っても気にすることはないさ」or「もっと太ったほうがいいと思う」
Q13 太ったことをごまかす言い訳は?
必死に現実逃避or自分が太ったことを受け入れる
Q14 ある朝起きたら100kg太ってた。さてどうする?(回答者が女→太った男になったとしたら?)
変わらずぐーたら生活を送ると思う。
以上です。
>20代後半〜
いいね。
まだ肌の張りつやや若さがありながら
お腹の成長の加速が期待できる時だな。
203 :
名無し調教中。:2009/09/26(土) 23:24:01 ID:Eg9Xlw7N
180です
>>202 20代後半はそんな感じの時期だったのか!
20代前半の俺はまだまだこれからだなw
19の俺は(ry
>>203 もうすぐ夏休みも終わるけど、夏の間に太りましたか?
と言っても、すぐに食欲の秋になるけど。
それとsage進行で。
オフの話が意外と出てなくて寂しい
思ってるほど盛り上がらなかったのかな
>20代後半
社会人になってもも学生時代から贔屓にしていた山盛り食堂でたらふく食ってたら
代謝がおちてきて徐々に肉がついてくるぐらいか
208 :
名無し調教中。:2009/09/27(日) 22:09:37 ID:/fqB+Kfl
203です
>>205 相変わらず83kgです。
我ながら情けない><
>>208 sage進行って言葉が目に入らなかったの?
まさかsageも知らないの?
>>208 水泳は続けているのかな?
どのくらいまで太りたいか考えるとか、
運動量と食事量を見直すとか、
目標を決めるといいかもしれないですね。
のんびりがんばってほしいです。
208です
すまん、見落とした
212 :
幸か不幸か:2009/09/28(月) 03:10:34 ID:h68O4r0E
こんこん、と軽いノック音が響く。
「どぞん。」
「ほれ、こっち犬上の。」
部屋の扉を開けて、秋成が差し出した箱を受け取ると、椛はゆっくりとその箱を開けた。
隙間からもれていた香りが勢いよくあふれ出し、二人の鼻先をつついた。
「ん〜…幸せ…」
「毎日食っててよく飽きないよな…僕無理。」
口の端からとろけたチーズの糸をひきながら悦る椛に、「ナイ」とハンドサインを送る。
「まぁ本音とタテマエって大事だよなぁ…ところでシュウのは何?」
「カレーモントレー」
無意識に答えてから、秋成は自分の発言にはっとなり、口元を押さえる。
当然そんなことに意味はなく、目の前にはにやつく椛の顔があった。
「モントレー美味いよなぁ。うんうんっ。」
「や、ちがっ、これはだな、あくまでついでであって、」
「俺毎日食ってるけど、毎日ついでってこと?」
にやつく椛の顔にいらつきながらも、秋成は返す言葉がなかった。
「ふふふん、まぁいっけど、夜ご飯はどうすっかな」
「ぐっ…夜ってお前、今昼なのに、まだ食うことの算段かよ」
「健康的でいいだろっ。」
「健康的ってお前…一日中パソコンか食うかしてないじゃないか。おかげでほら、なんだその腹。」
びっ、と秋成が強く指差した先には、以前は無かったはずのシャツの膨らみがあった。
膨れている…というよりは、大きくたるんでいる、という表現が正しいかもしれない。
前屈姿勢で出来た段々にシャツが挟まり、ところどころ汗で色が変わっている。胸元にも大きな段があり、変化は一目瞭然だった。
「金があるのをいいことにぶくぶく太りやがって…二十台アタマのしてていい体じゃねーだろ。」
「俺はいーの。俺はもはや太る事を楽しんでんのっ。」
ぺろりとLサイズのピザをたいらげると、水分代わりに栄養補助のゼリー飲料を2つ3つ、一気に飲み干した。
「ふぅ…それに、たかだか体重7,80kgぐらいで騒ぐようなことでもないじゃんっ」
そう言いながら、椛は大きく変化した自分の腹や胸元をさすった。
手が動くたびにぼよぼよと柔らかそうに震え、中身が脂肪だけということが伝わってきた。
213 :
幸か不幸か:2009/09/28(月) 03:11:40 ID:h68O4r0E
「犬上がよくたって、僕にとってはダメなの。弊害があるのっ。」
そういいながら、秋成は無意識に自分の腹をさすった。
大して変化は見えないが、触ってみると表面だけ少しぷにっとした感触が返ってくる。
「そんなの太ったうちに入んないって。俺なんか外でるたびに『また太った?』て聞かれるぜ?」
神妙な顔つきの秋成をよそに、椛は満足げにそう答えた。
あれから大口の宝くじを当てる事に味を占めた椛は、宝くじが始まる度に売り場に足を運ぶようになった。
持ち前の強運による力技で、どのくじも無難に100万、200万辺りの賞金を攫っていった。
と、同時に、逆にそれ以外では外に出ることも皆無になった。
この生活を始めた辺りから気付いた自分の肥満化願望も後押しして、わずか数ヶ月で体質が改善されてか、椛はどんどん太るようになった。
「前の服なんかもう着れないしな。今のもデカいけど、多分そのうち…アッ」
「アッじゃねぇっ。自分想像して勃ってんなっ。」
「ぐぇっ」
上から股間を踏みつけるように下ろされた足が、椛の腹に阻まれ、短く嗚咽が漏れる。
「あー…不幸だ…付き合って食った自業自得とはいえ、こいつに釣られて少しでも太っただなんて…」
「だからシュウのは太ったうちに入らないっての…」
「僕はジムインストラクターなの。インストラクターが体型管理出来てないなんて、仕事上あっちゃいけないのっ。」
そう言い放つと、秋成は椛の部屋を後にした。
「なにもそこまで気にしなくてもなぁ…わかんないかなぁ、この萌えが…」
シャツの裾から手を入れて、直接自分の体を揉みながら、椛は呟いた。
「でも俺、てっきり太りにくい方だと思ってたのになぁ…なんか思い違いでラッキーっ」
そう言いながら、食後に高ぶってきた体を鎮めるために、椛は服を脱ぎ、パソコンの画面を点けた。
「んー…あーぁ、どうせならこーゆー、外人みたいな体質だったらもっとラッキーなのに。俺も、ショウもっ。」
部屋の中には、動画のBGMと、カチカチというマウスの音だけが響いていた。
214 :
幸か不幸か:2009/09/28(月) 03:12:43 ID:h68O4r0E
「あれ?ただいまー。」
ガチャ、と玄関のドアが閉まる音と、椛の声が廊下を抜ける。
「シュウー、シュウ?あり、なんでこんな時間に居んの?」
居間には、だらんとソファーに横たわる秋成の姿があった。
「…なった」
「うぇ?」
なんとなくデジャヴを感じるやり取りと、聞こえづらかった言葉を遅れて理解し、椛は「しまった」と思った。
「クビに!…なっ、た…」
「え、ええと…その…やっぱあれ?太ったから?てやつ?」
こくん、と小さく秋成は頷いた。
椛にしてみればとてもそうとは思えないレベルの変化ではあったが、一応前よりも少し、秋成は太っていた。
とはいえ見た目にもそこまで変化はなく、多少体つきがむっちりした程度のもの。数字にしても3,4kg程度の変動だろう。
それに比べれば、以前大きめに買ったはずのシャツが張り詰めている椛の方が「太った」と言える変化だった。
「え、ええと…なんだ、その、えと、」
「あー…いい、いい、大丈夫。ちょっとの間だけほっといて。で、職探すさ。」
悪いけどしばらくはお前の貯金で、と付け足すと、秋成は自分の部屋に戻った。
しばらくすると、コンコン、と秋成の部屋の扉が叩かれ、そのままゆっくりと開かれた。
「あー、え、えと、あれだ。メシは食おうぜ?元気出るし、な?」
そう声をかける椛の手には、いつもと同じようにピザの箱が二つ抱えられていた。
初めは凹んだ様子でピザをつついていた秋成も、食事が進むにつれて落ち着いたのか、徐々に普段通りの笑顔に戻っていった。
「んふ…ぅ、ありがとな、椛」
「はえっ!?」
「え、いや、メシ誘ってくれて。元気出たぜ、僕。」
「そ、そっか!いやぁ、早くいつものシュウになれよなっ」
「おうっ。まぁ、休職中ぐらい椛が家の事やってくれるとか、してくれるともっと嬉しいかな。」
「む、善処…する。さっきもピザ屋のあんちゃんに、久しぶりに見たら随分太った、って言われちまったんだぜっ」
慣れないことさせるなよなっ、と椛が続けると、思わず秋成も笑顔がこぼれた。
プシュッ、と勢いよく炭酸を噴いたコーラで乾杯すると、二人の会話にはより一層笑顔があふれた。
215 :
にき:2009/09/28(月) 03:13:49 ID:h68O4r0E
>>199 いきなり誤字出してますね…><;
名前は犬上が正しいです。読み方はそれぞれ合っています。
216 :
ひのえ:2009/09/28(月) 09:41:50 ID:EYSt/Ai+
きのとさん
ちょっち忙しくてここを見に来るのも疎らに……
SS乙です。
&レス延長歓迎です。
住人の方々には、ちょっとダラダラ感あるかもですが、ご容赦を……
にきさん
わーい、しばらく来れない間に新作が!
まとめて読めて得した気分だわーい^^
忙しい期間で得したことが一つ
先日のオフ会(東京)の時に計測した体重より体重2.6kg&腹周り3cm増えました。
帰りにランプ亭でおろし牛皿W大盛&牛丼大盛購入して食ったり、帰ったらピザしか頼むとこなくて
ピザだけじゃ飽きるなと思いパスタとサイドメニューも…とかしていた所為ですな……
後、自分成長法則を発見
70kg後半辺りからの経過から算出
『1kg贅肉を蓄える毎に約1cm腹周りが豊かになる法則』
因みに友人1人、知人1人の体験でも大体そこら辺だそうな…(特に太りたいって人達と違うので記憶曖昧そうだけど…)
それにしてもジャニーズみたいな引き締まった体のやつを
ぶくぶくと太らせたいものだ・・・
>>215 ss乙。
自分で太ることが楽しめるっていいな。
働きもせず食っちゃ寝じゃきっとぶよんぶよんだろうな。
*************************
確かに俺が悪かった。
武智は後悔していた。戸村による無情な夕飯消失事件を眼にして少し熱くなりすぎた。
そんでもって、おにQのオンパレードメニューにしてみたりもした。
腕にもよりをかけ過ぎたかもしれない。
武智としては、自費で発注した材料に偶々、そろそろ使い切った方が無難な材料が結構あった所為だと言いたい(見苦しい言い訳…)。
現在武智の頭を悩ませるモノ…それは、情熱と食欲に任せて武智と森谷が作り、今や二人の腹にキレイにおさまった、何の祝い事かと問われ
て然るべき料理の……山だった。
豪州牛(アットホームでは値段と味のバランスから豪州産かタスマニア産牛肉を使用)のローストビーフ(2s)特製ガーリックソース。
モチとチェダー&モツァレラチーズの自家製ベーコン重ね巻焼き(裏メニュー武智Ver)。
エスニック風ミートローフ(1s・シシカバブをミートローフ風にアレンジした料理)。
厚切スペアリブのBBQソース(2s・骨含む)。
ソーセージケーキ(アメリカンドックの材料で甘くないケーキを焼いた様な料理)濃厚トマトソース・マスタード添え。
オニオンスープ。
丼飯(やっぱ【落ち】きた……)
常人が見たら正気を疑う夕飯の量だ。
食いきれたのかって?
ええ……食い切りましたとも!
ついでに言うと武智は、森谷の「おいしい」「これスゴイ」コールに酔った挙句、モッチーズベーコン(長いので省略)に感動した森谷に自
分の分までアーンして悦に入ったりしまくりやがりましたとも!
***回想シーンの為表記が一瞬かわります***
森:「お餅とチーズがのびるよ〜。むいぃ〜〜〜おいひ〜。」
武:(か…かわええ……)
武:「お…俺のもくーか?」
フォークでおずおず森谷の口元へ
森:「ぱくぅ…むいぃ〜〜〜(←口でモッチーズのばしてる)。」
武:(か…かわええ……何か別の生物っポ…)
エンドレス
*********************
武智がちょっと怖くなって餌付けの箸をゆるめたのは、出ることを確信していた残り物が出なそうだと気付いた辺りからだった。
武智はちょっと気になり良く思い返してみた。
確かローストビーフやソーセージケーキ等のコールドフードとして保存が可能なものを残すように取り分けていった筈だ。
当然先程の餌付けでモッチーズは武智の分も殆ど森谷の腹におさまっている。
では、他の料理は………?
武智も結構食べたが先程から食わせるのが楽しくてあまり箸が進んでいない。
しかし、テーブルの上の料理は残りわずかだ…。
武智は森谷の腹に目を向けた。
森谷の腹はデップリぱんぱんに膨れ上がり、トレーナーをムリムリとヘソの上へと押し上げ、プリンッと柔らかそうな分厚い贅肉がはみだし……
て、深いヘソをあらわにしていた。
『……え……えーと…かわいい…かわいいけど…このボリュームはコブタちゃんと言うか……』
そういえば森谷は何杯お代りを訴えただろうか………?
それに森谷はスッカリ太ってしまった自分の体を嘆いていなかったか…なのにこの食べっぷり、ちょっとおかしいだろ?
「お代りー!」
満面の笑顔でお代りを訴える森谷、武智は思い出した、これで9杯目であると…
業務用の補助炊飯器(メインの半分の量)に引きつり笑いを浮かべながら手をかけた武智だったが、空であることに気付いて手を止める。
そして何事か迷った後、素早い動作で自分の丼の飯を森谷の丼に移し、何食わぬ顔で言った。
「いやー、俺ってば食いすぎちゃったかなぁー、これラストな、ラスト!」
そう言われて初めて森谷も自分の膨れて肉のはみ出た腹に気付いて必死にトレーナーを下げる。
「あ…あれ、俺も夢中で食っちゃったから、えと…俺これで何杯目だっけ?」
武智は笑顔を凍りつかせたまま、しばし先程自分の太った体を気にしてジタバタと悩んでいた森谷の姿を思い浮かべた。
『うわーん、バカバカバカ俺の馬鹿ー、何でこんな太っちゃったんだよぉー』
何故だろう正直に伝えてアレをもう一度再現するのは…、どうにも気が引けるような気がする…、そう思った武智は……
「…4……いや…5は…い…だったかな?」
優しいウソをついた。
同時に武智は、森谷をこれ程までに太らせてしまった責任がかなりのウエイトで自分にあることを自覚した。
考えてみれば、森谷はここに来た当初マッチ棒のような体型だった。
それが1ヶ月ちょっとでここまで(体重を確認したわけじゃないが1月前より30…下手すりゃ4…)太るのは、食生活の激変が原因であることに疑いはない。
武智自身は以前から結構食う方だったが、やはりここにきて戸村と張り合うように食うようになり、自主的に体を動かして何とか体型を維持した経験がある。
そう考えれば戸村の責任かとも思えるが……
しかし……
武智は最近めっきり太って体重計を前にすると及び腰になる自分の体を改めて確認した。
森谷ほどではないにせよ、固いながらも手を添えて掴めばブンニュリ鷲掴める胸の贅肉。
全体的にポッテリとして、特に脇腹からヘソ周り、背中までをグルリと覆う分厚い脂肪。
筋肉の土台の上にコッテリのった腕・尻・モモのブヨブヨ、ムッチンムチンの厚い脂身。
元来の体格が狼を思わせる実用的な筋肉に覆われた均整のとれたモノであることから、一目見て「デブい」か「デカい」かで言えば……
まあ、まだ「デカい」印象の方が強いのがせめてもの救いといった状況である。
そうだ、戸村と張り合うだけなら自分は何とか体型維持できていた。
にもかかわらず現在の自分は1ヵ月前に比べてどう見ても20s前後は太ってしまっている。
すると、やはり最大の原因は…………
そう、森谷の料理修業である。
「え…えーと、今日は色々あって何だか疲れたなぁ…あー、レ…レシピの伝授は…今日はやめとくか…はは…き…きっちり…め…メモっとけよ?」
原因を確信した武智は、罪悪感からそう言うと、ちょっと残念そうな森谷を自分の寝室に追いやって、後片付けに逃避した。
*********************
磨く必要もない銅鍋をピカピカに磨き、厨房が新店舗かと見紛う清潔さに輝きだした頃、武智は森谷を自分の寝室にうながした時の少し邪な感情を思い出した。
無類の手際の良さで無我夢中で後片付け(現実逃避)をしていた為スッカリ忘れていたが森谷が自分の寝室で寝ているのだ。
兄代わりだゾ!惚れた腫れたに兄弟分もクソもあるか!自室への道すがら武智の心は葛藤していた。
しかし、元来本能で生きるタイプ(素で思いやりや気遣いが出来る半面考えて行動するタイプではない)の武智である。
直ぐにショートして、出たとこ任せな考えに切り替わる。
『えー、アレだ。兄代わりとして優しく抱きしめて眠る!』
『ををっ!そうだよ、これならギリギリ兄弟間スキンシップ規約(←?)内だ!』
『……んで、流れによってはモニョモニョチョメチョメとだな……』
武智は、最終的にはモニョモニョチョメチョメな妄想を抱きながら自室の扉を開けた。
しかし、扉を開けた先には、綺麗に整えられた寝台が横たわるばかりだった(←既に自分でいそいそと隠すもの隠して整えるもの整えてた。)。
『………え?ももも…森谷は?』
肥えた狼さんの邪な考えに気付いたのか?とか、何とか武智が悩んだり考えたりする前に風呂場の方でデッカイ奇声と言うか悲鳴の様な声が木霊した。
ふんぎゃゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?
森谷だ。
武智は急いで風呂場へと向かった。
脱衣所の扉は開いていた。
入ると隅っこの方で縮こまって(というか丸まって…)カタカタ震える森谷がいた。
「おう…、どうした!?森谷!何があった?怪我してないか?痛くないか?腹は…」
ビクゥッ
「腹」という単語を聞いた森谷が大きく震えて、やはり縮こまったままカタカタ震え続ける。
「お…おい…どど…どうしたんだ?あっ頭か?痛いとか、しんどいとか、重いとか…」
ビビクゥッ
「重い」という単語を聞いた森谷が更に激しく、痙攣するように震え、そして、オズオズ、ブルブルと腕を上げつつある方向を指さす。
その先には…
「んあ………えー…と、体重計がどうかしたか?」
森谷がふるえながら指さす方向には、先日戸村が買い換えたばかりの計測履歴機能・体脂肪計付体重計があった。
計測履歴付き…
新しい体重計…
奇声じみた悲鳴…
そして震えて縮こまる森谷…
キュピーン
武智の脳裏にある推理が展開した。
武智はそろそろと体重計の方へ歩いていき、計測履歴のボタンを押す。
ピッという電子音がして事前の計測履歴が展開された。
2009/9/28 PM10:50 体重107 体脂肪率43%
「……………………あー…や…やっぱり……(3ケタの大台をサックリと…しかも42%って…)。」
迷探偵武智の推理は的中した。
恐らく森谷はこの体重計に乗り、叩き出された数字にショックを受けて悲鳴を上げたのだろう。
「えー…と、ま…まあ、何だ…あっ…そうだ、な…何でこんな時間に体重何て計りにきたんだよ、お前…」
武智は慰めようとしてとっさに慰める言葉が見つからず、明後日の方向に話を反らした。
「べ…ベットに座った時…に、お・・お腹が、お腹のお肉が太股に乗っかってるのに気がついて、ふ…太ったなぁって…、そしたらドンドン自分がどの位太っちゃったのか気になって…」
理由を説明する森谷に、合点がいって頷く武智。
「ふんふん・・・なるほど…、お前んとこのベットマットレスに直接布団敷いた様な高さの座敷みたいな感じのヤツだからな…腹を意識する体勢になる前に寝転がっちゃうもんな…」
「た…体重計に…の…乗ったんだけど、お腹が邪魔で見えなくて、そ…それでお腹凹ましたんだけど凹まなくて…、押しつけるようにお腹を抑えつけたら、お…お肉か・・・お肉が・・・み…みて…」
森谷は武智の方に向き直るとトレーナーをたくしあげてデップリ真ん丸とした腹をさらし、両手で腹の真ん中あたりを抑えつけた。
ぶんにうぅぅぅぅぅっ・・・
両手の平が森谷の腹の肉にズンブリと沈んでいく。
「そ…その上、計測履歴を見たら…ひゃっ…ひゃく・・・ひゃくぅっっ・・・」
ドンドンとションボリしていく森谷に、武智はもう見ていられなくなって優しく抱きしめた。
「ばっか、おめー、男がそんなん気にスンナ!言ったろ?まだまだ成長期なんだから直に丁度良くなるって!なっ?」
よしよし、と丸くなった背中を優しく撫でてやる(でも、言ってることは結構適当じゃあ・・・)。
225 :
ひのえ:2009/09/30(水) 00:08:45 ID:eIz+G5FC
もーちょいしてから、続きいれます(*・ω・)*_ _))ペコリン
「で…でも、107kgが適正体重になる身長って…?」
変に鋭い森谷の指摘に武智が一瞬言葉につまる。
『・・・・に・・・2m・・くらいっかな……とか、答えたらヤバいよな・・・』
「ばっ!お前、こまけーこと気にスンナよ!適正体重なんざ所詮世間が決めた基準だろーが!型にはまっちゃいかん型にはまっちゃ!世間に挑め若者よっ!」
武智は、答えに窮した癖にサラリと世界基準を敵に回した(本能ってこわい・・・)。
「大体なぁー、お前が107kgなら俺なんて何kgだよ、ばっか、おめー気にし過ぎ!ホレみてみ!」
何となく説得の感触を掴んで調子に乗って自分も体重計に乗る。
ガション
自信満々で飛び乗った体重計がはじきだした数値は………
体重 97kg 体脂肪率 34%
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「あ゛っ(え゛っ)!?」
一瞬の沈黙の後、目を点にして2人そろって疑問符を口にする。
「あーーー・・・・・・・・・あ・・・・・・・・・・・・・・アレぇ?」
武智の一連のこの間抜けな行動が森谷の心に止めを刺した(本能ってこわい)。
さすがにマックのLサイズ×2セットはキツかった…
「うわーん、どーせ俺なんかキングオブデブなんだあー、もーこのまま戸村さん一直線なんだあああああ!」
「贅肉より筋肉のが重いのにぃ、俺なんかコンな何処も彼処もポヨンポヨンのブヨンブヨンなのに、武智さんより10sも重いなんてぇぇぇっ……」
「もー、俺なんて10s太ろうと20s太ろうとどーでもいーんだ、どーせデブなんだ、で・・ででで・・・デブ・・・デブになっちゃったんだぁぁぁぁっ!うわーん!」
スイッチが入ったように嘆きだす森谷。
そんなことない、気にするなと宥めていた武智だったが、しばらくしてやはり……ショートした。
「馬鹿野郎!!」
武智の一喝に一瞬で森谷が静かになる。
「あんだけバカスカ食ってりゃ太って当たり前だろ!うろたえんな、デブの何が嫌なんだ!?見た目か?」
真剣に問いかける武智に森谷がオズオズと答える。
「だ…だって、俺こんな太っちゃって、嫌われちゃう。みんな優しいから嫌われなくても、好きになってもらえないよ…。」
「嫌われるって誰にだよ!先輩か!?ばっか、んな奴こっちからふってやれ!」
「ち…違う、先輩にはもう嫌われちゃってるもん…、た…武智さんはどうなの?こんなに…ふ…太っちゃった俺のこと嫌いになったりしない?す・・好きになってくれる?」
弱弱しくそう言う森谷に武智が何でもないことのようにサラリと答える。
「ばっか、誰が嫌ってやるもんか!この腹も!」
武智は少し高めの鼻をトレーナーをたくしあげてデブンとあらわになった腹のヘソの穴に突っ込むようにしてヘソ下のブリンとした腹にチウと口付ける。
「この胸も!」
武智は、グイっと、森谷のトレーナーを更にたくしあげ、ボヨンと弾んであらわれた胸にもチウと口付ける。
「こんのプクプクのホッペも、クリンクリンの瞳も。」
武智は、森谷のプックリとした頬に、そしてクリンとした瞳の涙の滲んだまぶたにチウと口付ける。
「ちっきしょっ、めっちゃ、かわいいじゃんか!全部好きだ、大好きだ馬鹿野郎!」
そして最後に森谷の体をギューッと抱きしめた。
森谷はしばしポーっとしていたが、確かな力強い腕に抱きしめられ、ハタと気付いた様に………
「お…お…俺も、俺も武智さんのこと…大好き。」
そしてしっかりと抱きしめ返した。
ゴホンッ エヘンッ
今まさに自分たちの世界に浸りきろうとしていた2人の背後から大きな咳払いが聞こえた。
戸村である。
考えてみれば当然だった。静まり返った居住スペースでギャアギャア、ドスンドスン大騒ぎしていれば、如何に寝つきの良い戸村でも起きようと言うものだ。
戸村はジットリとした目で抱きつきイチャコラしている2人を見つつ言った。
「君たちネ……、青春するのも不純同性交遊するのも良いけど……。」
嵐の前の静けさ、あくまで淡々と指摘する戸村だったが、一瞬にして豹変する。
「何時だと思ってんだこのエロガキ共!!はいはい、離れた離れた!お前らアレですか?俺を寝不足殺す気か何かですか?」
「大体夜中にイチャコラは自室で静かにして下さいネ、はいはい、たく、重量級同士でイチャコライチャコラ、暑苦しいよ全く!」
気迫のある戸村の言葉に縮こまっていた2人だったが、最後の発言には猛然と反論した。
「テンチョ(戸村さん)にだけは言われたくねー(ない)!!」
思わぬ反論に一瞬目が点になった戸村だったが、しばしの沈黙の後にスチャリとあるものを取り出す。
2人がヒヤリと背筋に悪寒を感じる暇もなく神業の打撃が連続で2人を襲った。
スパコラスパーン
得意の便所スリッパである。その後2人は耳を引っ張られながら武智は自分の寝室に、森谷は客間に放り込まれ、気持ちを確かめ合った2人はあえなく淋しい夜を過ごしたのだった。
230 :
ひのえ:2009/09/30(水) 15:34:30 ID:5DcmETwm
>>きのとさん
やー、やっぱり場面に集中して時間進まず…ごめんなざい(T-T)
思うがままにじゃんじゃかいっちゃってくださーい!
………よろしくおねがいしますぅ
>>227 おー、マクドLサイズ×2をオヤツですかな?
がんばれ肥満化、ビバ肥満化!
231 :
きのと:2009/09/30(水) 21:35:49 ID:PoOs/LFQ
ss乙です。
森谷の食欲が大変なことになっていますね。
与えれば与えただけ食べてしまうまさに仔豚のようだ。
お腹の肉の分厚さ、柔らかさの表現も相変わらずお見事です。
とても気持ちよさそう…。
ひのえさん乙です。
森谷君、可愛いですなあ……
料理も全部美味そうで、俺も食いたくなりました
233 :
言ノ葉39:2009/10/01(木) 12:12:08 ID:BJ5vqiGR
俺は、会社の裏手の路地に捨て猫を見つけた。
当時の俺の会社は、新市街が駅の西口側に開発が進んだのに合わせて、旧市街の東口側が居住区画を広げる為に再開発が進行している区画にあった。
今では新市街に会社の本拠地も移ったが、当時は旧市街の再開発区画に取り残された様な感じだった。
その所為か会社の裏手はもう殆ど人通りも無く、動物を捨てるには格好の環境だったのだろう。
よくある段ボール箱に入れられてというパターンではなく、無造作に地味なタオルケットに包まれた姿だった。
俺は、捨て猫と瞳があった瞬間どうしてもそのままにしておくことが出来なくなった。
しかし、俺のマンションはペット禁止な上に、管理が結構厳しく、連れて帰る訳にもいかない。
俺は当時既に移転準備で資料室が移転先に移動していたことに目をつけ、そこで飼う事に決めた。
初日の帰りに医者に連れていったところ大分衰弱しているので、入院するか、安静にして栄養補給に努めるかだと言われた。
但し、今はケージが一杯なので隣町の病院を紹介するか2週間後にケージが開くのでそれまで飼主側で対処するかだということだった。
俺は少し迷ったが、隣町の病院が遠かったこともあって、2週間位ならと自分で対処することにした。
必要なものを運び入れ、毎日最後に帰宅する。
人も無く、物も移動してしまった部署のある小さな倉庫棟であった為見周りも無かったが、万一ということもある。
真夏でもあるしエアコンをつけて帰らなければ猫が耐えられない。
連日帰宅が遅くなり猫の世話も大変だったが俺は毎日が楽しかった。
少しづつ猫の方も元気になってきている様に感じられ、幸せな気分で毎日を過ごしていた。
様子を見に行くと、時々、猫にエサをやった形跡があったりしたが、ばれた様子もなかったので放っておいた(後になって知ったことだが、それは東堂だったらしい)。
ある日、俺はどうしても抜けられない仕事で遠方を訪れていた。
勿論出張前に元資料室のエアコンはつけてきていた。
しかし、人知を超えたハプニングとはどうしても起きるものだ。
その日町で大規模な停電があった。
出張先から戻り、停電のことを知って急いで駆け付けたが無駄だった。
234 :
言ノ葉40:2009/10/01(木) 12:12:51 ID:BJ5vqiGR
猫は随分前に冷たい骸になっていた。
俺は泣いた。何故自分は隣町の病院に猫を預けなかったんだろう?可愛くていつでも一緒にいたかった。でもそれも俺のエゴに過ぎない。
何で自分勝手な人間なんだ。全部俺の責任だ。
俺は、猫の名前さえつけていないことに気がついた。何時でもつけられると思っていた。何てつけようか迷っていた。
俺はいつの間にか声をあげて泣いていた。そして、気がつかない内に傍らには東堂がいて、俺の肩を抱いてくれていた。
俺達は猫を埋葬して、その後東堂に慰められながら正体を失うまで飲み明かした。
その日だけは、計算も何もなく、東堂に何を話したのかさえ全く覚えてはいない。
「あの日、お前は、猫が死んだのは自分の所為だって言って泣いてた。」
「どうしようもない運命ってやつを、自分の責任だって、自分を責めて涙を流せるお前に俺は惚れたんだ。」
そんなことで、自分で言うのも何だけど捻くれた小悪魔みたいな俺が偶々見せた涙に惚れたって言うのか?
「でさ、あの後、しこたま飲み明かしただろ?その時俺勢いで告白しちゃったんだ……」
「一目惚れだって、そしたらお前いったんだ。自分より格好良いヤツとはつきやってやらないって……」
「だから俺頑張って格好悪くなるように努力したんだぜ。」
これって努力の結晶ってやつ?そう言って東堂はブニュリと片手で自分の腹の肉を鷲掴んでみせた。
その時、俺は、再び心の底から東堂に対する好意が湧いてきた。俺はしっかりと東堂の方に向き直って、照れ臭いので無言でギュムッと抱きついた。
東堂はドギマギと俺を抱き返し………
俺達は本日3度目の合体を果たして、幸せの内に眠りについた。
俺は夢か現か、まどろみの中で『言ノ葉』の声を聞いた。
“やれ、行幸なるかな。魂の伴侶を得たなれは2人で一つの魂となった。正しき言ノ葉を紡ぐ伴侶に感謝するのだな。お前の罪は濯がれた…”
次の日、俺は試しにあからさまな嘘をついてみた。俺の体には何の変化も生じなかった。
235 :
言ノ葉41:2009/10/01(木) 12:14:42 ID:BJ5vqiGR
それから2ヶ月が経った。
俺たちはそれぞれの賃貸マンションを解約して共同名義でマンションを購入し、そこに移り住んだ。
そして、俺は、会社を辞めた。
太った体で外に出歩く勇気もなければ、会社に行く忍耐等はもっとなかったからだ。
そこで、健太郎(最近はこう呼んでいる)に、痩せるまでは外に出たくないと素直に伝えたら、寧ろ家にいてくれる方が嬉しいという事になった。
あの時の健太郎の喜び様は傍で見ているこっちの方が恥ずかしい程だった。
嫁を娶ったとでも思っているのだろう。
まあ、あれだけ手放しで喜ばれれば、俺も悪い気はしないので、俺は今だ主夫の地位に甘んじている。
俺は、言ノ葉の神罰から免れたことをまだ健太郎に話していなかった。
最初は、からかうつもりで腹をさらしながら「嫌いだ」といって変化が無いのを見て焦る健太郎を観察して楽しんだりしていた。
しかし、その内に他の理由からどうしても話づらくなってしまった。
その理由とは………
「ただいまー。おーい勇ぅー今帰ったぞー。」
健太郎だ。俺は玄関へさり気なく近づき、リビングのドアが開いた所で初めて気付いた様に如何にも面倒臭そうに(装って)言ってやる。
「何だ、健太郎か……お帰り、飯も風呂も出来てるぞ、どっちにする?」
面倒臭そうな割には飯も風呂も完璧に整えているのは、まあ、責任感だ、責任感。
「うほ、今日もすげー豪勢だな。俺の好きなもんばっか。あ、弁当もスゲー旨かった。重箱開いてたら会社の連中に冷やかされたゼ。」
困ったように言う健太郎の口元がにやけている。嬉しくて嬉しくて仕方ないということがバレバレだ。
まあ、当然だ。俺には三徳の恵みがある。
家事に才智を振り分けた今はカリスマ主婦というかプロ並と言っていいだろう。
「そ…そうか?普通だろ?そ…それよりどっちにするんだよ?飯?風呂?」
俺は何だか恥ずかしくなって誤魔化す様にたたみかけた。
すると、健太郎はいきなり俺を抱きしめて激しく口づけ、有無を言わせず俺をソファに座らせ、耳元で囁いた。
「この場合、やっぱりお前が欲しいって言うのがお約束だろう?」
236 :
言ノ葉42:2009/10/01(木) 12:16:09 ID:BJ5vqiGR
俺は真っ赤になって、抵抗する姿勢をとったが、それでもやっぱり、最近強気の姿勢の健太郎に降参してしがみくように抱き返してしまう。
すると、健太郎は、俺が一生懸命死力を尽くして凹ましている腹をいつものように掴んだ。
最近の健太郎の愛撫は腹か胸からなのだが、だんだんと入念になって来ている様な気がする。
そのままいつもの様に躍動的に腹と胸の肉を弄ぶ。
ダブゥン タップタップ ダブン ダブンッ…
「やべー、スゲー勇、エロい…俺癖になりそう…てかもう癖になってる…」
そう言って胸と腹の隙間に顔を埋め、息を荒げてフンフンしながら夢中で俺の肉を掻き分ける。
そして俺たちは今日も風呂も飯もしないまま、合体した。
その後風呂に入り、飯という事になった。
飯の最中に健太郎がふと気付いた様に話しかけてくる。
「いや、それにしても、やっぱり嘘つかないで生活するのって大変なんだなぁ…ちょっとしたことでも太っちまうんだもんな……」
俺は咽込んで危うく口の中の物を出しそうになる。
「ぶっほっ、ななな…何だよ急に…」
すると、健太郎は少し恥ずかしそうに言った。
「い…いや、その、俺は何か最近この、やーらけー勇の体にメロメロだから、嬉しいんだけどさ…」
「ただ、すっげーボリュームが増したみたいだから…勇的にはキツイのかなぁ…とかさ…」
俺は、息を飲んで自分の体を改めて確認する。
以前のウエスト以上になったブクブクの腕。
ムッチンムッチンに太ったなだらかな丸みの肩。
ボインボインに膨らんだモッチリとした胸。
そしてドデップリと突きでた巨大な太鼓腹。
そう、俺が嘘をついても太らなくなったことを明かせない理由はこれなのだ。
237 :
言ノ葉43:2009/10/01(木) 12:20:24 ID:BJ5vqiGR
俺は、神罰を免れた当初、このままスルスルと痩せていくと信じて疑わなかった。
もともと太りにくい体質で苦もなく体型維持出来ていたからだ。
しかし、予想に反してブクブクブクブク肥え太り、1ヶ月で20kgも贅肉を蓄えてしまった。
考えてみれば当たり前だ。
1日中家の中で運動といえば家事を行う位、しかし、肉体の欲するままに食べる量は増える事はあっても減る事はない。
加えて、以前は太りにくかった俺の体質も、神罰を受けてから食ったら食っただけ太る極度に太りやすい体質に変質していた。
どうやら神罰による脂肪の増加は、根本的に脂肪細胞を増やしてしまうものだったようだ。
言わば成長期にしこたま太ってしまった肥満児と変わらない太りやすさになってしまったのだ。
俺は1ヶ月前112kgという数字をはじきだしてからというもの恐ろしくてヘルスメーターに乗っていないことを思い出し、再び戦慄した。
日々自分を誤魔化しながらここまで生活してきたが、普通に考えて1ヶ月の蓄積が俺を112kgのまま放っておく筈もなく、前以上に太ってしまっているのは容易に予想できた。
『そ…そうすると…ま…まさか…もう130kg位に…いや、まさか…でも、この腹、この胸…ふ…太った…今更だけど滅茶苦茶太った…』
「あ…ゴメンな…勇は怠惰太りしてるわけじゃないんだから…俺とは違って病気みたいなもんなんだし…」
「俺、最近は寧ろお前が俺をキライにならないか、そっち方が心配なんだよ…」
そう言って健太郎は自分の腹を擦った。
余分な肉がついているとは言えデブと言う印象はなかった健太郎だが、俺が毎日作る気合の入った飯や弁当のおかげですっかりデブが板につく程になっていた。
俗に言う幸せ太りというやつだ。
デップリドッシリとした腹がその成長ぶりを誇示している。
「じ…実はその…一昨日会社の健診で測定したら…137kgになっちゃってて…いや、びっくりしたの何のって…周りからは幸せ太りにしても太り過ぎだって冷やかされたけど…。」
238 :
言ノ葉44:2009/10/01(木) 12:28:41 ID:BJ5vqiGR
137kg!?俺が言うのも何だがそれは急激にかなり太り過ぎなのでは?
俺は改めて、よく健太郎の姿を確認する。
逞しさを感じさせる丸太の様な腕、でもその肉付きはムッチリムチムチと張り詰めた脂肪が溶け込んでいる。
ガッシリ山なりにさえ感じる肩、でもその肩は硬い筋張った筋肉よりもモッチリモチモチの贅肉に、より彩られている。
胸はパッツリパンパンに張り詰めてバインとした膨らみを描いているが、タップリボインボインの俺の胸とは全然違う。
そしてその腹、デップリ丸々としてパンパンに張り詰め、筋肉の土台に物凄い量の脂肪がまとわりついた、適度の固さに弛みを感じさせない太鼓腹だ。
俺は相変わらず男臭くて、でも整った健太郎の顔を見つめ、信じられないことに、もうデブの中でも相当なデブになってしまった健太郎を…
全部丸ごと愛しく感じていることに気がついて赤面し、カーッと頭に血が上るのを感じた。
そして今だけだと自分に言い聞かせて、素直な気持ちを口にする。
「一回しか言わないから良く聞けよ。俺ってば健太郎にベタ惚れ、めちゃくちゃ好き、すんげー愛してる。以上!」
健太郎は、初めて面と向かって夜の営み以外で素直に告白されて目を丸くして驚き、直ぐに慌ててもう一回もう一回言ってくれと縋りついてきた。
だけど俺は、もういつもの捻くれた自分に戻って代わりの言葉を返してやった。
「ただし、俺より軽くなったら即別けれるけどな。」
健太郎は瞬く間に青くなって急いで俺を体重計に乗せ、136kgであることを確認して(嘘だろ、死にたい…)、焦ってお代わりを訴えた。
ま、別れる気はないけど、俺と別れたくない一心で慌てて飯を掻き込む健太郎が愛しくて、俺はもう少しこの意地悪を続ける事に決めた。
【終わり】
今日の昼
ミニスナックゴールド+コッペペン+カップ焼きそば
炭水化物多すぎだなw
また太りそうだ
240 :
ひのえ:2009/10/01(木) 16:16:18 ID:BJ5vqiGR
>>きのとさん
あざっす^^
肉感や肉音とかは時々自分の腹とかで試してから書いてたりして……
どうしてもボリュームが足りないからアレですが……
(主人公連中が尋常じゃないスピードで太るからw)
>>232 ありです^^
俺も森谷可愛くて好きです。武智も男前で好きだけど。
料理は作ったことあったり、食べたことあったり、食べたいなぁと思った料理を出してます。
肥満化するなら作ってでも食べさせるゼねべいべー><b
報酬は腹の肉もみでヨロです。
ss乙!
幸せ太りいいわぁ
>「ただし、俺より軽くなったら即別けれるけどな。」
この捻くれで二人とも脂肪がさらにのっていくんだろうかw
過疎…?
暗いと思ったなら自ら明かりを付けようぜ
どうせ太らせるなら自分で動けなくなるまでブクブクに太らせたい
職人が投下するの待ってるだけじゃなくて
ネタはなしたり自作したり色々できるもんな
食欲の秋でフェアとかあってもいいもんだが
食べ放題食べ歩きとかさせたいもんだ
食欲の秋ですか
小学生ぐらいの子が
太るのはいいですねぇ
よく妄想するんだ。
学生客がメインの定食屋で
日替わりの500円定食が、a定食とb定食のふたつがあり、
会員限定で、おかずが両方のミックス定食(ごはんと味噌汁のお代わり自由)を設定。
で、会員は毎月1回体重測定があって、クラスごとにミックス定食の値段が決まる。
ミックス定食の値段は、測定時の体重が
〜119kg:1000円
120〜139kg:900円
140〜159kg:800円
160〜179kg:700円
180〜199kg:600円
200kg〜:500円
(会員は店にマヨネーズのボトルキープ可能)
...そんなシステムに釣られて、体重全階級制覇してしまう学生が続出、
常連のほとんどが入学して一年間までに200kg超になる---
そういう「食い物で釣る」店を経営できたらいいなって。
これは現在より少し前の話である。
俺達の夏休みが終わろうとしていたある日。
俺、間島四郎はゼミで出された課題を必死こいて終わらせようと躍起になっていた。
そんな時間も余裕もない俺の元へ、空気も読まずにジャンジャカ携帯へ電波を飛ばしてきた奴がいた。
同級生の川野大輔である。
のほほんとしていて、緊張感が無く、お調子者で甘えん坊将軍な奴だが、ホンワカユルキャラ系の性格と表情に似合わず結構イケメン面な奴である。
俺と奴とは入学以来からの腐れ縁であり、俺としては一方的に依存されている立場といっていいだろう。
その日も、情けない鳴き声混じりの口調で電話をかけてきた。
「ひぇぇぇぇん…四郎ぉー、四郎ぉー、俺…俺どうじよう。何でもするから助けてぇぇぇっ…お願いだよう…今すぐきてよう…えぐえぐ…」
お前はいくつだ?等とつっこむ暇もなく、どこまでいっても一向に要領を得ない大輔の懇願。
これは奴の言う通り直接いった方が早期解放につながると踏んだ俺は急いで身支度をして大輔の家へ向かった。
辿り着いた先は、都心の3LDK・オートロック・オール電化の高級マンション。
奴はここに一人で住んでいる。
親がいくつも所持している不動産物件の一つだそうだ。
因みに3人兄弟の末っ子で他の家族は全員海外住まいだそうな…、いやはや、全く別次元の生き物としか言いようがない金持ちのボンボンだ。
俺はコンシェルジェデスクで用件を伝えると、既に話が通っていたらしく住居エリアに通された。
なれた足取りでサッサと大輔の部屋まで行くと呼び鈴を押す。
「うわぁぁ、やっぱり来てくれたんだねぇ!俺うれしいよう。入って入ってぇ!」
スピーカーからノホホン声が聞こえてくる。
俺は間延びした男の甘え声に少しイラッときながら下らん理由だったらどうしてやろうと考えながらズカズカと上がり込んだ。
部屋の中は掃除が行き届いており、いつも快適な温度に保たれている。
ただ、今日は何時になくひんやりとして感じた。
そう言えば、大輔の家にくるのも久しぶりだ。感覚を忘れかけてるのかもしれない。
確か一ヶ月前、他の友達と一緒に海に行って以来か。
俺はリビングへと辿り着いたが誰もいないことに気づき足を止め、口を開こうとした。
しかし、絶妙なタイミングでキッチンから大輔の声が聞こえ、俺は口をつぐんだ。
「あぁ〜、適当に座っててよう。今飲み物とお菓子もっていくから〜。」
何だキッチンにいたのか、出迎えの用意とは殊勝な心がけだ。
しかし、それにしても、最早安心しきった緩々の声にさっきの悲壮感を含んだ懇願は何だったのかと思い至り、俺は顔をしかめた。
だが、また絶妙にイラつきに発展する直前のところでキッチンから大輔が姿を現す。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
その時、俺は一瞬で理解した。
先程の悲壮感漂う懇願の理由を……
ドスドスと少し足音をたててキッチンから姿を現した大輔姿があらぬ方向に変貌していたからである。
「うおうっ、おまっ、どうしたんだよ、その体はっ!?」
一月前の大輔とは別人だった。
ノホホン緩々な性格や表情に似合わず整っていたシャープな顔はプックリ丸顔になり、姿形まで緩々に…。
キメ細やかな肌に柔らかそうな体つきながら細身だった体は丸々として、胸にも腹にもタップリと脂肪をつけ…色々柔らかそうだ。
キュッとしまった小さかった尻はムッチンプリンと大きめサイズへと…
足首こそそれ程変わらぬもののモモについた肉はあくまでプヨプヨと柔らかに、そして丸い………。
「えへへっ、暑くて、だるくて部屋からでないでいたら、ちょっと太っちゃって…あ、あのう…み…見た目ほど重たくないんだよ?ホントだよ?」
す…少しって………
俺はズカズカと大輔の目の前まで移動すると、おもむろにガッシリと脇腹の辺りの肉を鷲掴む。
「あぁん…。」
奴の口から場違いな甘い声が漏れ、ムンニュリと柔らかい肉が手の平一杯に掴みこめてしまった。
「ん。確かに少し、すこしっだな。すこおし太った。あーお前元々細かったから、すくぉおし位太ったって無問題あーあ全く無問題。」
俺はそう言うと手を離してクルリと踵を返すとスタスタと玄関まで歩きながら付け加えた。
「俺ゼミの課題あるから、すくぅぉうし太って健康になれて良かったな、んじゃ…」
次の瞬間俺は経験したことのない重圧をその身に感じた。
奴がイキナリ俺に向かってダイブした挙句、腰にしがみついてあの情けない声を発したからである。
肉体的にも精神的にも界王様の特訓かと思う程の重々しさだ。
「いやあー、うそおー、行かないでよう!ごめんよう!俺、俺何でもするから助けてぇ〜、お願いい〜、少しじゃなくて沢山太ったって認めるからぁ〜〜えぐえぐ…」
俺は、死力をつくしてマトワリつく子泣大輔を引きずり歩くが、大輔もくらいついて離さない。
「お願い―、何でもあげるからぁ〜、何ならこの家の部屋一つ唯で住んでくれていーからぁ〜、だから、だから見捨てないでよう…俺何でもするからぁ〜」
ピクンッ
俺の体が痙攣した。脳裏に計算高い俺会議の声が木霊する。
『家賃タダって良くネ?バイト代と仕送りでウハウハじゃネ?』
「水道光熱費は?」
俺はバイト代と仕送りを合わせて何とか生活している地方出身学生なので所帯じみているのだ。決してセコイ訳ではない。断じてない。
「え?すいどうこうねつひって何?とにかく俺を見捨てないで付きっきりでこの体を何とかしてくれるんなら何にも要らないからぁー、おーねぇーがぁーいぃー!」
俺は内心、水道光熱費という単語すらピンとこない大輔の金持ち加減にイラッとしながら、必死にすがりついてくる大輔が哀れに感じた。
そう、ホントに仕方なく、誠に遺憾ながら、純粋な友情・努力・希望の為に、大輔のダイエットに助力してやることを承諾したのだった。
「先ずわだ!」
俺のダイエット講義開始の合図にフンフンと真剣に耳を傾ける大輔。
バリポリ バリポリ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「菓子をくーな!菓子をおおおおおっ!」
ダイエットについて講義する間もなく(というかそれ以前の問題だ)、既に人の話中に菓子を頬張り始める大輔に俺のイラつきが爆発する。
バッと大輔からポッキリンキー(コーンポタージュ味)を奪い取ると上空で逆さまにし、ザーッと一気に自分の口に放り込むとブァリブォリガリゴリと咀嚼して一気に飲み込む。
「こんなもんは!こぉーだ!」
俺はいっそ清々して、どーだこの野郎とばかりに宣言する。
要は奴にカロリーを摂取させなければいいのだ。簡単簡単。
「うぅぅぅ、ひどいよう、俺ポッキリンキー大好きなのにぃ。鬼ぃ悪魔ぁ!」
俺はカッチンきて、奴の腹の肉を鷲掴み、肉揉みの刑に処してやった。
「ナマ言うな、オラオラオラオラオラオラぁ、ポッキリンキーはこの肉そぎ落としてから食えオラー…」
ゼエゼエ…。少し熱くなりすぎた。
奴はまだ「ううう…もうお婿にイケない…責任とって…」とかほざいていたが…
俺は息を整えると本日初めての(自分で言うのも何だが)、マトモなレクチャーを開始した。
「大輔、お前意志弱すぎ。ダイエットは出来る事からコツコツと、今やれ直ぐやれが基本だ!そこでお前に最適なダイエット法がある!」
俺は満を持して宣言した。
「レコーディングダイエットだ!取りあえず書くだけ!あーら不思議スルスル痩せて僕も私もナイスボデー!!というダイエット法だ(多分←あっ)!」
奴は目をキラキラと輝かせて俺を崇め奉った。
「ほえー、すごいよう、書くだけで痩せちゃうなんてぇー、四郎天才〜俺ソンケーしちゃうよう!」
………。悪気はなかったが、このダイエットが俺の天災ぶりを遺憾なく発揮し、奴のボケぶりを改めて認識させる第一歩の踏み出しだった。
俺は、俺とした事が大輔のスタートサイズを把握することを怠っていた事に気づき、嫌がるあいつを体重計に乗せ、暴れるヤツを縛り上げるようにメジャーで計測した。
現在 :体重84kg 体脂肪率31% B92 W102 H99
因みに以前:体重62kg 体脂肪率18% B82 W75 H79
1ヶ月で22kgも肥えやがったのかと、信じられないものを見た気持になりながら、努めて冷静に俺は言った。
「じゃーな。俺アパート解約して引っ越しの準備してくっから、言った通りちゃんと食ったもの書いて書いて書きまくっとけよ!」
つまり、ありていに言うと、ちょっくらビビって逃げ出したと………。
しかし、俺はとにかく必要な事なのだと言い聞かせて自宅へ帰った。
そして、大家と戦争し、引越し屋と丁々発止の鍔迫り合いを演じて、何とか引っ越しにこぎつけた頃には既に2週間がたとうとしていた。
『ちょぉぉぉっと…無責任すぎたかな…、しゃ・・しゃーねー、引越しの荷物出しながら本屋でダイエット本でもよんどくか…。』
俺は多少罪悪感に苛まれて、本屋でダイエット本を読みあさった。
そして、レコーディングダイエットなるものが、実は食事制限系のダイエットに他ならない事を知って愕然とした。
何でも書くことによって心理的ストッパーがウンタラ、食事見つめ返すことで食事のバランス恒常効果がカンタラ…
つまりは書けば痩せると言うものではないらしい。
『しっ…しまったああああっ、やばっ、あの馬鹿、もももも…もしや、い・・急ごう、取りあえず気持ち急ごう…』
自分で自信満々勧めておいて馬鹿もチョンも無いものだ。
俺は奥ゆかしい性質なので語尾は少々及び腰になって大輔ん家に行かないで帰ろうかと本気でなやんだが、最早帰るところは大輔ン家しか残されていなかった……。
253 :
ひのえ:2009/10/05(月) 20:23:28 ID:Ph9cGK7q
また、つまらぬモノを書いてしまった…
今回はドタバタコメディです…
書きすぎだって?
だって書き込みしないと淋しいんだもん
我慢したんだよう2〜3日
またちょっと我慢しよ…
>>253 GJ!
嗚呼、変り果てた身体になってるんだろうなぁw
「やほーい…、今帰ったぜー…大輔ぇー…どこだぁー…無事かぁ…。」
勝手知ったる何とやら、俺はかねて預けられた鍵を使って大輔の家に入り、微妙に恐る恐る、そして努めて陽気なセリフを吐いた。
「あー、四朗ぉーおそいよう。もー帰ってこないのかと思ったよう俺ぇー。」
すると、待っていたかのように大輔がドスドスと足音も重々しく満面の笑顔で現れた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「どえええええええっ!?お前、そ…その体!…な…何て…。」
『お約束な…』
俺は最後の言葉を飲み込んで心の中でつぶやいた。
大輔は何を勘違いしたか、更にうれしそうに言う。
「えへへへ、ねね、俺そんな驚く位痩せた?やっぱりな―、最近こうウエストがキューッとしてきた様な気がするんだァ。」
確かにキューッと言うかギュムーッとパンツもジャージも食いこんで腹の肉が天下分け目の大騒動に発展している。
こいつはコレで苦しくないのか、締め付けられてまるきり楕円のヒョウタンと化している(ていうか気付けよ普通気付くだろ…)。
ツルツルぴかぴか、血色の良いマシュマロの丸顔。
首はあるのかないのか顎肉もタプリ。
細く華奢なイメージは遠い海の彼方、まあるいなだらかな肩から二の腕のラインもぷっくりと…。
胸の脂肪はグラビアアイドルの盛りを過ぎた熟女の貫録、それでいて肌はプルリと瑞々しい。
腹はあくまで丸く、デップリとジャージのズボンが食いこんで楕円のヒョウタンの如く、それでいて、肉感肉質はあくまでタプンタプン。
信じられない、あり得ない、一体どんだけ食ったらここまでブクブクと……
「痩せるかアホタレ!ノート貸せノート!」
アホタレと言われてガーンとショックな表情でドタドタと自室へ翻し、再びドスドス戻ってくる(おいおい、どーでもいいけど、腹の肉揺れてる揺れてる!)。
ノートの束を持って………
「えーと、何スカこれ?お前はアレですか?町民運動会の景品担当の人か何かですか?」
ソレは言い過ぎだった。ノートは24Pのノートが6冊だ、景品に供したら一瞬で消えて暴動が起こるだろう。
しかし、同時に、レコーディングダイエットで2週間で使うノートの数で無いことも確かだった。
「おりゃー、確かに食ったもん書けた―言った。だけどなぁ、コレ明らかにノート埋めるために死ぬ気で食ってんだろー!そうじゃなけりゃこの量説明できん!」
俺は自分のいい加減な指導は取りあえず置いておいて、大輔のボケのボケ倒し部分を指摘した。
「だだだ…だって、食べた物書けば書くほど痩せるんでしょお?俺死に物狂いで頑張って食ったんだよう…。」
大輔のこの不思議解釈に再び俺は(自分の事は棚に上げて)爆発する。
「んなわけあるかぁー!食ったもん書けば書くほど痩せるって何処のマジックアイテムですかこのコクヨノートは!」
「俺はアレですか?どこぞの縁日で願いが叶う日記帳とか配るあの人ですか?どこのどいつが書くだけで痩せるとかホラふきやがった!こんちくしょー。」
俺も自分で言いきってふと気付いた。俺じゃん言ったのと……
しかし後戻りはできない。が、如何にボケボケの大輔でも流石に気付いてつっこみをいれてくる。
「四朗が言ったんじゃあん。書くだけで痩せるってえー。」
ご機嫌も流石に悪く、するどい口調でつっこむ大輔、しかし、今の俺には恥も外聞もなかった。
「え…い、言ってねーよそんな事っ!(←いいえ、言いました。)」
おくればせながらしえんが必要かな?
あと、我慢なんて身体に悪いですぜ
俺がそう言い切った瞬間、俺はかつてない重圧に見舞われる羽目になった。
ドッシーーーン!!
大輔が俺に捨て身のダイブを決行したのである。
大輔の有り余る贅肉が、溢れかえる脂肪が、膨れ上がった脂身が俺の体をギュウギュウ、ムニュンムニュンと圧迫する。
「ぐぅぇえええっ…、お…おも、押しつぶ…殺されるぅ…。」
俺も大概力が強い方だが、体勢が悪い所為もあって全くビクともしない。
「言ったよねえ?ねえ、言ったでしょう?書いたら痩せるって言ったよねえ?」
ネットリと俺の罪をほじくる大輔、奴は本気だ、本気で押し潰殺される!
「ふんぐっ、いー…言った言った!俺が悪かったっ!今度は真面目にやるっ…、だだだだからノケっ!ホント死ぬ!!ののの…のいて下さい、たのんます…」
俺が最後は涙交じりに訴えると、ようやく大輔はヨッコラショッ、ゴロンと転がって身を退ける。
「えへへへ、わかってくれれば良いんだよう。頑張ってね四郎ぉ。それで、次は何するのぉ?俺何でもするよう。」
頑張んの俺かよ!!
まあ、良い、俺にはこの2週間全部自分の為に使って今日ここへ来る前に30分位ダイエット本を読みこんで至った素晴らしい秘策がある。
「ふふん!まっかせなさーい!我に秘策ありっ!!」
俺の秘策はこれだっ!
「あっ、ねえねえ、このチョコおいしーんだよう、えへへ、あーん。」
やたら高そうなゴテゴテしたチョコの箱を広げて、性懲りもなく口に運ぼうとする大輔。
今だ!秘策発動の時!
俺は、素早く大輔のチョコの箱を奪い取ると、シュパパパパパッとゴデゴテした一口チョコ32個入りを頬張り、ムチョムチョと咀嚼する。
「あ゛あ゛あ゛あ゛…、お…俺のチョコぉぉぉぉ…。」
大輔の口から抗議の声が漏れる。
俺はチョコで口を一杯にしながら言ってやった。
「ふぉれふぁぶぉひゅーだ(これは没収だ)!んがっくっくっ、てかこれ旨すぎる!やっぱいーもん食ってんなぁ。」
俺は、一気に頬張り飲み込んだのを後悔した。それ位、食べたことも無い程旨いチョコだった。
「何で、俺のチョコとっちゃうんだよう…、欲しいって言えばあげるのにぃ…。」
大輔は、理解力の欠如した泣き言を言う。俺は満を持して秘策を明かしてやった。
「ふっ…、これが俺の考案した秘策中の秘策!胃袋へのパスカット作戦!!俺が何千冊ものダイエット本を読みあさった結果(←嘘)、得た結論それは…。」
「食わなきゃ痩せる!!!」
ジャジャジャジャーーーーン!!!(て、何も考えてねーじゃん…)
「ひっ…ひどいよう…それじゃ俺の食べ物ぶんどる気なのぉ?」
まだ理解できんのか…、アホめ……。
俺はおもむろに両手で大輔の太鼓腹の肉を鷲掴むと腹肉揉みだしの刑に処してやる。
もにゅもにゅもにゅもにゅもにゅにゅにゅにゅ…
「おらおらおらおらおらおらおらっ!どの腹で言ってんだデブ!チョコはこの肉そぎ落としてから食えや、おらっ!」
ゼエゼエ…。
少し熱くなりすぎた…ま、まあ…俺もカロリー消費しないとな…。
奴はまた「ううう…もうお婿にイケない…責任とって…」とかほざいていたが…俺は無視した(この遣り取りちょちデジャブー。)。
昔の人は言いました。ダイエット、するなら、食わなきゃ、無問題。
んー、含蓄あり含蓄あり………
俺はしばらくは自分の考えの素晴らしさに感動していたが、直ぐに大輔の大食い生活で肥大した超人的な食欲を甘く見ていた事に気づいた。
何しろ食事と食事の間に以下の様な遣り取りを7、8度繰り返すのだから堪らない。
「えへへ、お取り寄せグルメぇ、泰珍楼の大肉マンおいしほんだよねえ、あーん。」
毎度毎度性懲りもなくどこから出すのか食い物を口に運ぼうとする大輔。
「没収!んがんがんがっ、んぐっ。うんめ―、何これ!」
俺は素早く両手程もあるデカイ肉マンをぶんどり、奪い返されないようにキツツキの様に素早く肉マンをかじり飲み込む。
「いいもんねぇーだ。泰珍楼の満月月餅あるもん。あーん。」
「まてまて!それも没収!がががががっ、んがっくっくっ、うへ、真ん中にある玉子とココナッツの餡旨すぎ!」
「もう、いじわるなんだからぁ、ロエルのチェリーパイ食べちゃうもんねぇだ、あーん。」
「う…うぷ、まっ…まてぼ…没収だ…、はむはむはむ…んぐっ…げぷ、旨い…けど1ホール食うか普通…。」
エンドレス
俺は、旨すぎる食べ物でパンパンになって、まるっとぽっこり膨れた腹を擦りながら、極楽の様な苦行の様な、良くわからない食生活をおくる羽目になってしまった。
SS乙です!!
食べ物が全部うまそうで
自分も何か食べたくなっちゃいますねぇ
ss乙です。
ミイラ取りがミイラになっていくw
二人の意地の張り合いがエスカレートしてゆく様が面白い(・∀・)
なんたらのチョコレートケーキ、かんたらの叉焼饅、うんたらの自家製ヴルスト詰め合わせ、なんちゃらのキドニーパイ、うんちゃら山のローストビーフ……俺は旨い物の渦に飲み込まれていき……
そして、一週間がたった。
俺は現在、人生最大のピンチに遭遇していた。
ダイエットを補助する名目でジャージ姿で過ごした一週間、洗面所であるものと格闘する羽目になるとは思わなかった。
俺が格闘しているあるモノとは……、そうジーパンである。
足首はスルリとクリアー、太股は結構ピッチリ目だが何とかクリアー、ケツはパッツリだが取りあえずクリアー、そして…
「ふっぐっ!ぬおおっ!つをっ!!」
ミリミリミリと音がするほどジーパンの生地を両手で引っ張りながら、何とかボタンを留めようと試みる俺。
しかし、俺の体は力一杯引っ張りながら悶絶するかのような奇妙な体勢変化に身を躍らせてジットリ汗ばんでしまい、指が汗で滑って締まりそうだった生地が解放されてしまう。
ピッ ジ―――― ぷるんっ…
いっ…今「ぷるんっ」とか言わなかったか?今解放されたジーパン生地に押しやられジッパーが下がった拍子に「ぷるんっ」とか聞こえなかったか?
俺は青ざめた顔で洗面台の鏡を見た。
この後の体重測定を意識して上半身裸、パンツとジーパン(履けず…)という姿だ。
そして、裸の上半身はたったの一週間でもたらされた変化を如実に主張していた。
全体的にムチムチと張り詰めた様な雰囲気に包まれており、心なしか所々丸い。
特に脇腹にムッチリ贅肉がつき、もう少しで絶妙なラブハンドルに仕上がりつつある。
今「ぷるんっ」と音をたてたのはこの脇腹からヘソの周りの贅肉だった。
「やっ…やべ…太った…、俺また太った…。」
当然と言えば当然だが、大輔の「胃袋へのパスカット作戦」により、めちゃんこ旨い高カロリーな食べ物を毎日しこたま詰め込んだ所為で俺は自分でも目に見えてぷっくりと太ってしまった。
俺は片手で自分の脇腹の肉をつまむ。つまむ気だったのにムンニュッと少年週刊誌位の厚さで掴めてしまった。
俺は冷や汗をかきながら意を決して体重計に乗った。
ギシィッ…
ギュッと瞑った目を開く。
74kg
「ぐっほっ、やっべっ、うっそ、9kgも増えてんじゃん!一週間て7日だよ?一日一キロってどこのコトワザだよ!てか一キロ以上だよ!!」
うろたえて一人ボケ突っ込みをしながら呟くと言うか、叫ぶ。
「どうすんのっ、どうすんのっ、どうすんのっ俺ぇっっっ!?」
俺は、本気で続きをWEBに委ねたい思いに駆られる。
「あれぇ、声がしたけど何かあったのお?四郎ぉ。」
ギシギシと足音をたてて現れた大輔は……、全く痩せていなかった……。
俺は慌ててTシャツを羽織り、自らのムッチリボディを隠す。
「おっまえ、俺がこんだけ苦労してんのに何だよっ!ちっとも痩せねーじゃんか!馬鹿!デブ!!」
いきなり俺に切れられた大輔は、目をパチクリしながら何故かホンワカ、ニッコリ笑って言った。
「えへへ、俺痩せたよぉっ。偉い?俺偉い?」
大輔は撫でてくれとばかりに頭をぐりぐりと俺の体に押し付ける。
俺は不覚にも大輔の変化に気がつかなかった自分を恥じつつ、そうかそうかと抱きしめ撫でてやる。やっと苦労が報われたか…ホロリ。
「で、何キロ痩せたんだ?」
「900グラム!」
ビキッ
俺は無言でガッシリ、ムンニュリと大輔の腹の肉を鷲掴みにして腹肉揉みだしの刑に処す。
むんにゅむにむにむにむにむにむにむにぶんにぃぃぃぃっ
「オラオラオラオラオラっ、このボケ・カス・デブ!お前を900グラム痩せさせるのに俺が9キロ太るなんざ、どんだけ数字のマジックなんだよ!こんにゃろっ!」
ゼエゼエ…ハァハァ…ゼヒゼヒ…。少し熱くなりすぎた。それにしても自棄に息が上がる。これも太ったせいか?
奴はまたまた「ううう…もうお婿にイケない…責任とって…」とかほざいたが、俺は冷たくスパンっと腹を叩いて黙らせる。
どうすれば良いんだ……、俺は途方に暮れた。
「森谷ぁ…。可哀想になぁ、こんなに痩せちまって…。
これからお前の好きなものたっぷり食わせてやるからなぁ…、…んぁ?」
武智が目を覚ますと、抱きついていた薄手の掛布団がよだれでべたべたになっていた。
(夢か…。そりゃそうだよなぁ。)
武智はぽりぽりと頭を掻きながら、昨日腕の中に感じた本物の森谷の体を思い出す。
『武智さんのこと…大好き。』
森谷の少し震えながらも甘えたような声が頭の中でありありと再生される。
続いて、ふっくらと丸みを帯びたこぼれるような笑顔、柔らかな体の抱き心地を
思い出すとそれだけで自然と顔がにやけてしまう。
お互いの気持ちを言葉と体で確かめ合うことができた最高に幸せな瞬間だった。
(そういや昨日はイイトコで店長の邪魔が入っちまったからなぁ…。
そうだ、今日は休みだし、森谷誘ってどこか遊びに行くか。)
そうと決まれば善は急げと、武智は着替えを済ませ、森谷が寝ている客間の扉を力いっぱいノックした。
「起きろ〜。」
武智は声と同時に勢いよくドアを開けるたが、そこに森谷の姿はなく布団もきれいに片付けられていた。
「ありゃ?も〜りや君?」
普段は自分より早く起きることなどまずない森谷がいないことに武智は首をかしげた。
(あの寝坊助にしては早起きだな。もう飯か?)
武智は森谷を捜して下まで降りていくと、戸村が朝食の支度をしていた。
「武智君、おはよう。」
「店長、おはよ。森谷知らねぇ?」
「ああ、森谷君なら帰ったよ。」
「ああ、自分の部屋に戻ってたのか。んじゃ、もう朝飯だし呼んできてやるか。」
武智が2階に戻るため振り返ろうとした瞬間、戸村の声が掛かった。
「違う違う、実家に帰ったんだよ。」
戸村が当然のことのようにさらりと言ったため、
武智は一瞬その意味が理解できず、その場で固まってしまった。
「え…、は?はぁああああ?」
数秒遅れて、武智の大声が厨房に響き渡る。
「じ、実家?な、なんで?」
「さぁ?今朝早く『家に帰ります。』って言って出て行ったよ。
とりあえず、昨日までのお給料は渡しておいたけど。」
「な…、何で。店長、何で止めなかったんだよ。」
「何でって…。俺が止めることじゃないから。
森谷君には森谷君の事情があるんだし、帰るかどうかは森谷君が決めることだよ。」
「じゃ、じゃあ連絡先は?どこに住んでるとか、電話番号とか。」
「聞いてないよ。」
武智の顔からさあっと血の気が引いていく。
森谷は携帯を持っていないため、連絡手段はもうない。
「うそだろ…。くそっ。」
武智は慌ててどたどたと2階へ駆け上がると、慌てて森谷の部屋へ向かった。
もともと森谷の部屋は同年代の男の部屋と比べると物が少なく、
一見するとどこにも変化がないことから、森谷が出て行ってしまったとは信じられなかった。
「手紙とかないのか?
せめて、連絡先書いたものとか…。」
武智は森谷の机の引き出しを順に漁っていったが、それらしいものは出てこなかった。
そして最後の引き出しを開けたが、やはり手がかりになるようなものはなく、
代わりに1冊の本だけがぽつんとそこに横たわっていた。
「この本…、これまで置いていっちまったのかよ…。」
武智は本を手に取ると、ぱらぱらとめくり始めた。
〜数週間前〜
森谷が料理修行を始めて2、3週間ほど経ったある日のことだった。
武智はいつものように森谷を風呂へ呼びに来ていた。
「森谷、風呂入ろーぜ。」
ノックとほぼ同時に武智が部屋のばっとドアを開けると、
ベッドに寝そべっていた森谷はびくっと体を震わせてとっさに腹の下に何かを隠した。
「わ、ちょ、ちょっと待って。」
慌ててそういいながら、森谷は腹の下に隠した何かベッドの下に滑り込ませるが
そんな不自然な行動を武智が見逃すはずがない。
「ふふ〜ん。森谷く〜ん。今ベッドの下に何隠したのかな〜?」
武智は素早くベッドに近寄るとベッドの下に手を突っ込んでごそごそと漁り始めた。
「な、何でもない。わ、だめ、見ないで。」
武智を止めようと必死に抵抗する森谷だったが、力で敵うわけがなく、
なすがままされるがまま、そのプライバシー侵害行為を許してしまうしかなかった。
そしてついに武智の手がそれを探り当てる。
「お、森谷のひみつ、み〜っけ。」
武智は森谷の反応を楽しむようにゆっくりとベッドの下から手を引き抜き、
「じゃ〜ん」と言って、手に掴んだものを森谷と自分の目の前に晒した。
「あれ?…なんだよ、これ料理の本じゃん。」
武智は少しがっかりしたように、ぱらぱらと中身をめくって見たが、
やはり正真正銘、料理の作り方を紹介した本だ。
「…うん、初めてバイト代が出た時に買ってきたんだ。」
「なんでこんなもん隠すんだよ?」
「それは…、せっかく武智さんが教えてくれてるのに、
本なんて見てたら、武智さんのこと信用してないみたいで失礼かなって…。」
森谷はすまなそうに視線を下げた。
「ばっか、謝るなって。いいんだよ、やりたいようにやれば。
俺のいいとこはまねすりゃいいし、本で学べることはどんどん学べばいい。
それでも満足できなきゃ店長に聞いたっていい。
お前が上達してくれりゃ、俺もうれしいぞ。」
「本当?」
「ああ、だからもうこそこそする必要ないからな。」
武智は笑いながら、森谷の肩を叩いた。
「うん、わかった。俺頑張るよ。
…実は最近、この本を見ながら一人で作って練習してたんだ。」
「一人で?いつの間にだよ?」
「武智さんが寝ちゃった後、深夜とかに厨房を借りて、こっそり…。」
森谷は大きくなり始めたお腹を面目なさそうに撫でる。
「それに、武智さんのレッスンの後、
ちょっと時間が経つとまたお腹が空いてきちゃって…。」
武智の笑顔が凍りついた。
ここのところ、武智自身も当初の課題料理の量では物足りなくなってきてしまい、
少しずつレッスンの課題料理の量を増やしていたのだ。
一般の客に出したらほとんどがギブアップするであろうその量を平らげた後、
数時間もしないうちに、森谷はさらにもう一食食っていたのである。
ほぼ同じ量を食っているのに、森谷の方が肉の付くペースが圧倒的に早く、
武智は不思議に思っていたのだが、ようやく謎が解けた。
「あ、ああ、そうなのか、がんばれよ、はははは。」
好きなようにやれと言った手前、森谷のやる気を削ぐわけにもいかず、
もはや武智は笑うより他なかった。
その後も深夜の”秘密の”自主特訓は続けられた。
森谷は自分なりにいろいろ試しながら少しずつ料理のセンスを磨いていったが、
同時に武智を上回る体重と食欲を自ら生み出してしまったのだった。
〜〜〜
(あいつ、この店が大好きだって言ってたのに。
料理も楽しいって言って、あんなに頑張ってたのに。
それに、俺のことだって…。)
森谷のメモ書きでいっぱいになったページをめくっていると、
武智の目の奥からじわりと涙がこみ上げてきた。
「森谷。なんで黙って出てっちまったんだよ…。」
武智は森谷のベッドに倒れこむと、まだ大好きな匂いの残る枕に顔を埋めた。
***
それからどれほどの経ったか。
武智が再び顔を上げると、朝から何も食っていなかったためか腹の虫がぐぅ〜と大きく鳴いた。
「ああ、腹、減ったなぁ…。」
武智は力なくつぶやくと、肩を落として厨房へ向かっていった。
そして、森谷や戸村でさえ食いきれるか分からないほどの大量の食材を並べると、
何かに取り憑かれたように一気に料理し始めた。
ぽっかりと空いた心の穴を埋めるために武智が逃げこんだ道は…、
ヤケ食いだった。
275 :
きのと:2009/10/06(火) 18:33:49 ID:xPxMTju4
>>ひのえさん
新作乙です。
ダイエットするつもりが、逆に…っていう発想が面白いですね。
割り込み失礼します。
このままなら100レスくらいで本当に終わりそうな感じだと思います。
276 :
ひのえ:2009/10/06(火) 22:39:35 ID:KqYSKdf/
>>254 ┏O)) アザ━━━━━━━ス!
>>257 ゚+。゚ アリガd ゚。+゚d(`・Д・´d) その言葉を頂いて、直ぐに遠慮がなくなりましたwヾ(=д= ;)ォィォィ
>>258 ┏O)) アザ━━━━━━━ス!
>>262 ♪感謝☆(人゚∀゚*)☆感謝♪あの月餅またたべたいなあ・・・
>>263 ┏O)) アザ━━━━━━━ス!
>>きのと
(人'▽`)ありがとう☆
いけますな、ふふ、100いけますな^^
きのとさんもお疲れさまです^^
>>276 次々と襲い来る御取り寄せの数々から庇った挙句、ダイエットしなきゃならない奴よりタップタプでプリンプリンした身体になりそうwww
そして、3ヶ月がたった。
森谷がいなくなった心の隙間は埋まらなかったが、流石に意識して自棄食いすることは無くなった。
しかし………
「……武智君さぁ…、俺が言うのもなんだけど、最近良く食うねぇ…。」
戸村が、武智の本日6杯目のお代わりをよそいながら、本日8杯目の自分のお代わりをよそいつついった。
「ふぉおっふか(そうっすか)?んぐっ、普通ッスヨ普通。」
武智はオカズを咀嚼して飲み込みながら答える。
2人しかいないこともあり、最近はカウンター席で食事をすることも多くなった2人だが、今日はやはり片付けの手間を考えてカウンターで横並びに食事をしていた。
戸村は、自分の飯をカウンターにおいて横に並んでいる武智のまるっとデップリ突き出たお腹を横から擦った。
「ぶっほっ、なななな…何するんスカ!テンチョ、くすぐってー上にびっくりキモイっスヨ!やや…やめて下さいよっ!」
武智が途端に飯を吹きながら抗議する。
「いんやぁ〜、太った太ったとは思ってたけど、本当に随分と立派に育ったもんだなぁ〜と思ったらついね。それにしても、かなり脂肪太りって感じになっちゃったもんだねぇ。」
ニヨニヨと仲間入りを歓迎する笑みを漏らしながら戸村が指摘する。
「ふんぐっっ、…そ…そんなことっ…。」
武智は我が身を省みて「そんなことない」という言葉を飲み込んだ。そう、「そんなこと…大いにある」のだ。
男らしく整ってはいるが、ぱっつり、テカテカの丸顔。
まだしもガッシリとしたシルエットながら随分と丸く柔らかそうな脂肪に包まれた肩から腕のライン。
胸はパッツリパンパンで固めの印象、筋肉の土台に根付いき、ボリュームは別にして形の良い筋肉と脂肪の共演した胸もバインッと…。
脇腹からヘソ周りにかけて蓄えられていたチャンピオン肉ベルトは、以前はなかった横にも縦にもタップリタプタプについた脂肪によって埋まっている。
それによりデップリとした太鼓腹を形成され、更に以前は、まだまだ締まっていた尻のラインもドッシリ大きく成長している。
3ヶ月前、筋肉に脂肪がついた固太りの延長線上にいた武智。
彼は1ヶ月の自棄食い期間を経て20kgも体重を増やした。
その後、重量を増した体を持て余して有酸素運動を怠ったおかげで筋肉は減っていないが脂肪が大量に増えてしまっていたのである。
「たたた…確かに俺太りましたけど、まま…まだまだテンチョに比べれば足元にもおよばねーッスヨ!」
苦し紛れの反論を試みた武智だったが、戸村のニヨニヨ笑いは止まらない。
「流石に、足元にはぁっ…、及んでるんじゃないのぉ?ニヨニヨ、ほうらこのお肉!これなら俺の腰元位には余裕じゃないかなぁ?」
戸村の大きな手の平いっぱいに鷲掴んで更に余る適度な固さを持ちながらやはり柔らかい肉、分厚い紛れもない脂肪の感触だった。
「うぐっ、いやいやいや、何をおっしゃるお代官様程ではっっっ!」
なおも食い下がる武智に更にニヨニヨ笑いを深めつつ傍らからあるモノを取り出す。
体重当てクイズ用の体重計である。
「そこまで言うなら乗ってみようか?ほらほらほらほら、ほらっ!」
「うっぐぐぐっ…いっ…いいっすよっ!」
無駄に虚勢を張って胸を張り、拍子にデブッと腹がでたせいでシャツがたくし上がる武智、多少ぎくしゃくしながらも体重計に乗った。
ミシイッッ…
虚勢を張って恐る恐る目を閉じる様な事はしなかったが、そんなことしなくても今の武智には体重計の数字は見えなかった。
食い物を詰め込んでいなければ辛うじて見えたかもしれないが、ドッシリパンパンに詰め込んでまるっと膨らんだ今の腹では……み…見えない。
「へぇぇぇぇっ、ほぉぉぉぉぉっ、ふぅぅぅぅぅん、成程ぉー、きてるねぇー。」
戸村がこれ見よがしに驚きの声を上げる。
「ななな…なんすか!?何がきてるんすかぁー!」
ニヨニヨと笑いつつ焦らす戸村。
「えぇぇ?わかるでしょう?結構きてるよーこれはー?」
「ぅっぐぅっ…いっすよ降りてみっから!」
武智は、ドスリと荒々しく体重計から降りて数字を確認する。
「ぐぅえっ!!」
134kg 39.5%
「ねっ?きてるでしょぉー?俺が今223kgだからヘソ上位には及んでるんじゃない?」
ガガガガァァァァァン
取りあえず、そんな発言は今の武智には聞こえていなかった。
この3ヶ月で37kgも太ってしまったとは、最早床に両手をついて自己嫌悪のズンドコである。
「あぁーあ、こんなにブヨンブヨンになっちゃって、森谷君が帰ってきたらさぞ驚くだろーなぁー。」
戸村のニヨニヨ笑いはまだまだ続く。
「うっ…うるさいっスヨ!森谷には森谷の人生がある、森谷が決めたことだって言ったのテンチョじゃないっすか!今更蒸し返さないで下さいよ!」
腹を擦って丸みと厚みを気にしつつ武智は戸村にくってかかった。
しかし、戸村が涼しい顔で返した言葉は一瞬で武智を極楽と地獄へいったりきたりさせるものだった。
「だから、森谷君、自分でここに戻ってくるって決めたんだよ。戻ってくるんだよ彼。今日電話があったんだけど、君いなかったからさ。でも、良かったね?」
「え゛っ!?」
武智は目を点にしながら頭を真っ白にしてそう言うしかなかった。
『森谷が帰ってくる?森谷が帰ってくる。森谷が帰ってくる!』
「いいいいいいいっ、いゃっほうっ!!ホントっすか?ホントっすね?ううっしゃ!俺は今もーれつに喜んでいるゥゥゥっ!!」
ニヨニヨからニコニコにほほ笑みを変えて、戸村は武智を優しく眺めながら最後にポツリといった。
「森谷君、太っちゃった武智君に気づいてくれるといいね?結構別人だもんね?ははは。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「えっ…?いいい…いくら何でも、べ…べべべ…別人は言いすぎでしょ?」
焦って汗をジットリとかきつつ自信なさげにすがる武智に戸村は無情にもいった。
「うんう、結構別人だよ。」
戸村の無情な一言が武智を奈落へと突き落とし、タップリ30分、ブツブツと何事かを呟きつつ時に自己肯定と自己否定を繰り返す奇妙な生き物に変えた。
その間にも戸村は森谷が来月には帰ってくるらしい等色々小ネタを披露していたのだが、武智は耳で聞きつつ黙殺した。
しかし、元来本能で生きる武智は人生最長の悩み時間を経て導き出した結論は………
「俺っ、今日からダイエットするっ!森谷に会うまでに1グラムでも多く痩せるっ!」
という。扱く単純なものだった。
その日から武智のダイエット生活がはじまった。
先ずは3ヶ月前までは日課だったジョギングからだ。
パッツンパッツンのジャージに無理やり体中の肉を押し込め、ジョギングシューズを腹の肉に悪戦苦闘しながら準備を整える。
そして、勢いよくジョギングを始めた。
15分後、武智は、滝のような汗をかきつつ死にそうに荒い息づかいでドスドスと失速するジョギングらしき運動をする肉塊(デブ)と化していた。
「ぶっはっ、ぶっほっ…ゼヒッ、ゲホッ…、うっ…うそだ…ぐ…ぐるじい、体がおも…すぎるっ…ぶへっ、くっそ、何だこれ腹の肉揺れてんよ…おい、ぶほっ…。」
ドスドス、タップタップ、重そうな足音とともに音をたてて揺すれる腹の肉。
ジャージが汗でベットリと張り付き、既にジッパーを下げて露わになったティーシャツは、汗で透けて肉色さえ透かし見せている。
筋トレは別にして有酸素運動から遠ざかって丸3ヶ月、武智の体は有酸素運動的になまりきっていた。
しかも、日課をこなしていたころと比べて40kg近く重たい体が数字以上に武智にのしかかる。
「ぶほっ、っもっ・・も、ムリっ!ゼヒッ…きゅ…きゅーけー…小休止!ぶへっ…」
ドッシーンッ
その後5分も肉を揺すって辿り着いた公園の芝生に転げるように仰向けに倒れ込む武智。
荒い息に呼応してまあるく腹が山の様に膨らみ上下する。
それを眺めつつビショビショのTシャツの上からぴちゃぴちゃタパタパと腹を叩いて擦りながら、前途多難なダイエット生活を思い途方に暮れるのだった。
不屈の闘志で再び起きあがり、やはり20分後にボロ雑巾のようになってアットホームへ帰宅した武智に戸村が飲み物を渡して迎えてくれた。
「んぐっんぐっんぐっ、ぷっはーっっ、生き返るー!うんめー!…って、おいコレ!?」
快く受け取って一気飲みした武智が馬鹿だった。
戸村が手渡した飲み物はノビール(幻の乳酸飲料・初期の物は余りにカロリーが高すぎて倦厭された)。
本日の消費カロリー台無しである。
やるのだこの人は、こういうジョークにならないジョークを………
ズガァァァァァーンッ、青ざめてガックリ肩を落とす武智。
「あー・・・アレっ?どどどどーしたの?やだなぁジョークだよジョークッ…中身はほら0カロリーのアミノカルピス…あ…れ?ごっめーん、間違えてカルピスいれちゃった。てへっ。」
いずれにしても消費カロリーは埋まってしまった。
「ちっきしょぉぉぉぉぉっ、テンチョなんか、大っきらいだぁーーーっ!」
ドタドタドスンドスン
「唯でさえ俺の重さで悲鳴あげてるんだから、床抜かないでねー。」
イラッとくる台詞を尻目に無視して床を分抜くつもりで事更に体重をかけて駆け上がる武智。
そして、武智は自室の寝台にダイブして不貞寝した。本当に前途多難である。
********************************************************************
さて、更に一月がたった。
武智のダイエットは思うように進まず、それどころか5kg程体重を増やしてしまったほどだ。
辛うじて体脂肪率は据え置きなところが多少固太り方向に回復の兆しとも思えたが傍から見れば誤差だよ誤差、といったところだった。
森谷の帰りを心待ちにする反面、デブデブに太った自分をどう思うかなど悩む日々である。
そんなある日、見慣れないドデカイ影を背負った人影がひとつ、本人は物陰からチロチロとアットホームを覗っている様だがバレバレもここまで来ると天晴な幅の人物が何やらマゴマゴと迷いつつ立っていた。
その人物とは……………
283 :
ひのえ:2009/10/07(水) 17:16:48 ID:qkQ9R4Vx
おK
きのとさんにバトンターッチ!
最後を締めてくれるなり、最後の最後で下駄を突き返すなりしてくだせいw
体脂肪100%になったら布団にされちゃうんだろうなぁw
>>284 かわいいな。
体重どのくらいなんだろう?
体格を活かしたギャグっていいよな。
まえさかくんですな。
170の140くらいじゃなかったかな。
ちゃんとホームページあるよ。
豊満裸体画像もね。
どこにあるかは、人に聞かずに自分でしらべましょう!
足にも肉をつけようと少し前からスクワットしてみた
そしたらちょっと太くなった
>>288 もうすでにデブすぎてちょっとの運動で汗だくなんだが
スクワットってどの程度やれば効果でるかな?
>>289 俺の場合、毎日50回程度でも効果出たよ
>>289 痩せちゃうよ
どうせなら脂肪でもっと太くはできないかな?
筋肉太りもいいもんだ
張りのある腹、動けるデブ
太鼓腹もあるが胸、腹、尻、足と全体的に太くなる
>>291 何も脂肪太りだけが肥満化ではないと言っておく
筋肉つけて運動しなければ次第にブクブクに太ってくって聞いたけど本当かしら
>>293 運動してた頃と同じだけ食べればって但し書き付きだよ
>>290 ありがとう
まずは毎日50回を目標にやってみます
>>291 足にもっと筋肉つけないとバランスが悪いので・・・
目指すは脂肪大目のガチムチ!
俺は考えるのが苦手だ。取りあえず途方に暮れてはみたものの「胃袋へのパスカット作戦」より良い考えは閃かなかった。
まあ、4〜5分悩んだくらいで新たな秘策が湧いて出るなら世の中にデブは存在しないだろう。わかってはいるのだ、わかっては………。
しかし、俺の苦労も解ってもらいたい。
俺がそうして4〜5分悩んでいる隙にも、どこから湧いて出るのか、次々と旨いものを取り出して口に運ぼうとする大輔が居たのでは考える暇もないというものだ。
「だぁーっ!没収没収!お前わかってんの?ダイエットしてんだろ、ダイエット!とにかくこれは没収だぁー!わしゃわしゃわしゃ、んぐっく、げぷ。」
俺は、危うく折角減った900gを不意にしようとする大輔を止め損ねるところだった。
危ない危ない…、にしても、またこのガルガンチョワとかいう処のミートパイの旨い事旨い事。
やばい、あれから3日しかたってないのに、また太ってないか俺?
腹を擦って肉の厚みを気にする俺に大輔がやっとこ返答を返してきた。
「わかってるよう、だけど、目の前においしそうなものがあるとつい手がでちゃうんだもん。」
すまなそうな顔をする大輔、だがなぁ、俺は騙されないぞ。そもそも、おかしいんだよこいつは…。
「あのなあ…、何でこんな次から次へと食い物がお前の目前に現れやがるんだよ!おかしいだろ前提が!!」
俺は当然の疑問を口にした。全く、この疑問を口にするのにタップリ10日間かかったぜ(俺がアホみて―じゃねーか)。
「だってぇ、年間購入で毎日何かしら届くんだもん…、お金も払っちゃってるし…自動的に届いちゃうんだもん…。」
大輔はそう言って自室から数枚の書類を持ち出してテーブルに広げて見せた。
御馳走便
パティシエからの手紙
シェフのお勧めグルメ便
フランスから愛をこめて
本当はおいしいイギリス夢グルメ
お家で満漢全席
etc etc
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「で…でもお前…、宅配便の受け取りとかしてんのみたことな…い……。」
大輔は俺の指摘にキョトンとして俺の手を握るとぐいぐいと玄関に引っ張っていく。
そして玄関のドアを開けてドアの横にあるメタリックな四角い窓の様なものを指して言った。
「家は、100%宅配ボックスなんだぁ。冷蔵機能付で冷凍品以外はここに入ってくるの。一階のコンシェルジェデスクで宅配の受領はすませてくれちゃうんだぁ。」
俺は、一般庶民の中でもかなり庶民的な生活者なので、全くピンと来ずにポカーンとしてしまった。
金持ちめ、そんなに何でもかんでも人任せにするからブクブクブクブク太るんだよ。コンチクショーと俺は心の中で叫んだ(多少妬み有)。
「うぅーん。そうだよねぇ…、俺ダイエットしてるんだもんねぇ…、ちょっと惜しいけど、廃棄してもらっちゃおっか?」
大輔が何でもないことの様にサラリと言った。
「へっ……?」
『お前今何つった?』俺の心の底からある感情が燃え上がる。
「こんのっ!ぼっちゃんがぁー!この御馳走様方をお捨てになるとかいいやがりましたか?この口はぁー!?配達品1つに付5000〜10000円もすんじゃねーか!!」
「何さまだこのヤロー、お天道様に謝れ!いや、まず俺に謝れ!モッタイナイだろうがぁぁぁぁぁっ!!」
もったいない!もったいなさすぎる!俺には出来ない!
「これも、これもこれも、これもっ、みぃぃぃぃぃんな、俺が食うから、さわんなよー!さわんなよー!捨てたらころっぞ!コンチクショー!」
今度は大輔がポカーンとする番だった。
俺は、宅配ボックスの中から賞味期限が短いものを選んでテーブルに並べ、片っ端から整理していく、まあ、つまり俺の腹の中へ。
北海道花畑農園生キャラメル、搾りたて牛乳から作ったチーズケーキ、ドイツの田舎町からヴルスト詰め合わせ、イタリアンソフトサラミの詰め合わせ、飛騨牛ステーキ用牛肉1kg等々。
貧乏根性丸出しで、食べ物を粗末にしてなるものかと食べて食べて食べまくった。
2時間後俺は動けない程に膨らんだ丸っと重たい腹を抱えて、苦しさに唸る変な生き物と化していた。
これから先が思いやられる。食べ物でパッツンパッツンに膨らみきった腹を擦るとムチリと確かな脂肪の感触。
やはり3日前より更に厚みを増したように感じて青ざめる俺だったが、どうしようもなかった。
すげえ
バイパス大食いがこれから1年続くのか。
もしかして、更に追加注文とか?
ワクテカ止まらねえ...
毎日毎日食っては膨れ、膨れては太り…
人間アドバルーン製造師だなダイスケwww
多分肉ダンゴみたいになってるんだろうなあ、太り過ぎて。
俺は、大分こなれてきたが、まだまだまるっとして重たい腹を抱えて何とか起き上った。
バイトに行かなければ。
正直大輔の家に厄介になっていれば、家賃はタダ、水道光熱費もタダ、食費はご覧の通り、唯一携帯の支払位が今の俺の支出になっており、仕送りだけでも金が自然と貯まっていく状況だった。
しかし、この生活がいつまで続くか分からない。
何しろ大輔のダイエットの補助を頼まれてここにいるのに、大輔は一向に痩せる気配がないのだ(まあ、本人は900g痩せたと喜んでいるが…)。
いつお役御免になるか全く見当もつかない。
今のうちに貯められるだけ貯めておかねば…、そう思って俺はガテン系の厳しいけどバイト代の高いバイトをいくつか入れていた。
「あれぇ、何処行くの?四朗ぉ、ウィーフィット付き合ってよぉ、ゲームしようよう。」
大輔が出かけようとする俺に気づいてそう言って呼び止める。
「ばーいーとー。俺はお前と違って稼がないとこの先、生活できネーの!」
俺は、全くボンボンが、俺の行く手を阻むんじゃねーとばかりに冷たくあしってやった。
「やだやだやだぁー、遊んでくんなきゃヤダぁー!」
駄々っ子かよっ、俺はじたばたしつつそう騒ぐ大輔に辟易して言った。
「無茶言うな阿呆、年中食って寝て遊んでられるかよ、パーカ。」
すると、大輔はまたまた信じられないことを言い出した。
「じゃー、俺バイト代出す!日給1万円だすう!だからいいでしょ、なぁーなぁーなぁー!」
俺は耳を疑った。
「え゛っ!?ちょっ、お前本気か?お前と一緒に食って寝て遊ぶだけで日給1万てお前…。」
「いや待て!そもそもいくら何でもそんな金払う資力大学生がある筈が…はは、冗談だよな、なっ?」
すると、大輔はキョットーンという顔になって(何だよ感覚おかしいの俺の方だってのか?あーん?)言った。
「うんう、本気ぃー。俺もっと欲しいって言われると思って安めに言ったんだけど…、全然払えるよ。だってこのマンション全部俺名義だし、毎月家賃入ってくるもん。」
おいおい、マジかよ。ありえねーだろ、お前はおぼっちゃま君か何かですか?
俺はあいた口がふさがらなかった。
唯でさえ家賃高そうな、全部で80戸はあるこの高級マンション全部自分のものって…、なんぼなんでも神様不公平過ぎるだろ…おい。
俺の脳裏で次世代計算機が猛スピードで数字を弾く。
チーン!
「しっ…しっかたねぇーなぁー!そそそ…そんなに俺と一緒にいたいってんなら、そそ…そーしてやるかな。うん。」
俺がそう言うと途端に嬉しそうになる大輔。
「うわぁーい、じゃさ、じゃさ、ポッキリンキー食べていーでしょ?ゲームはさ食べながらしたぁい。」
俺は、取りあえずポッキリンキーを無言で没収し胃袋にしまう。
それにしても、まだ半分冗談じゃないのかと半信半疑の頭で言ったのだが、逆に満面の笑みで喜びを表現する大輔に肩透かしをくった思いだった。
本当に良いのだろうか…、旨いモン食って、極上のペットで寝て、何でもそろったインドアグッツに囲まれて遊んで、それで月30万。
こりゃあ、この世の極楽にきちまったかな?俺。
などと思いつつ、満願堂のロールケーキをかじりつつ、わけもなく大輔の頭をグリグリ撫でてやる。
大輔がもっと撫でてくれとばかりに体を押しつけてきたが、今日ばかりは大輔様様である。
俺は、大輔の求めに応じて、たまご屋の生プリンを食べながら桃鉄をし、ピーナツクリームミニパケットをかじりながら格闘ゲームに付き合って、いつの間にか2人で寝こけてしまった。
ああ…、本当に極楽だよ…何て自由なんだ、寝たい時に寝て、食べたい物を食べたい時に食べたいだけ食べ、大輔に付き合って遊ぶ。
自堕落でも良い、何とでも言え!ビバ、自堕落!俺は心底そう思っていた。
少なくともこの時は…………
デブカップル誕生キタ〜!w
今週のジャンプの表紙にはむらむらさせられた…脳内で
もち米を大量に無理矢理食わせつづけて人間鏡餅に
大量の食事を取らせ続けるシチュってどんなのがあるかなー
一時的じゃ意味がないから相撲部に入部とか環境モノは思いつくんだが
そんなこんなで一週間が経ち、俺の中である疑問が沸々と湧いてきた。
俺は今日こそと思い疑問を口にする。
「大輔よぉ、お前、痩せる気ないだろ……。」
今まさに産直便『最高級タラバ』の肉厚の足にかぶりつこうとしている大輔は少しうろたえて咽込んだ。
「げはっ、もぉ、急に何言うんだよぅ、俺、俺ちゃんと痩せる気あるもんっ!」
俺は、目を眇めてジトーっと大輔を眺めながら、最早『大輔・胃袋へのパスカット作戦』を続行したくても出来ないほど詰め込まれた自分の腹を擦りながら言った。
「嘘つけ、最近いくら何でも届けられる食いモン多すぎんダロ!俺食い切れてねーし!」
途端にばつの悪そうな顔をしてごにょごにょと呟き始める大輔。
俺がハッキリしゃべれと一喝するとビクリとなってベラベラとしゃべりだした(以外に肝が座ったヤツ…)。
「えへへ、バレちゃったぁ。だって、四郎が俺の食いモンに触るなって、ゆーから、追加発注しちゃったぁ。あ、同じのじゃアレだから別のだけど。」
「だってさ、俺アンマ痩せないし、痩せようと思ったのも大学行くのにこんな太っちゃったら恥ずかしいなぁとかそー言う理由だったし。」
「でも、大学行かなきゃって思ったのって四郎と一緒に遊びたかったからだしぃ、でも四郎大学行かなくても今は俺と遊んでくれるし、そしたら太っててもいっかなぁーって…。」
出るわ出るわ、大輔の本音の数々を聞き終わり、俺は、無言で大輔のデブデブの腹の肉を両手で鷲掴み、腹肉揉みだしの刑に処す。
ぶんにゅぶにゅぶにゅぶにゅぶにゅにゅにゅにゅにゅん…
「おらおらおらおらおらおらおらっ!このデブ!そーいう大事なことは早く言えっ!俺がお前の代わりに食いまくる理由、もーねーじゃねーか!!」
ゼエゼエ…ハァハァ…ゼヒゼヒ…おえっぷ。熱くなりすぎた。てか、熱い…それにしても息は上がるわ、吐きそうだわ。こ…こりゃ、ま…また太ったかな俺?
奴はまた婿に行けないとか言うのだろう。そう思って大輔をみると、自棄にニヤニヤと笑ってこっちを見ている(な…なんだコイツ、気持ちワリー)。
「俺、もう四郎にデブって言われてもアンマリ悔しくなぁーい。だってさ、四郎も最近かなーりおデブなんだもん。えへへ、仲間仲間。」
は? お前今なんつった?
言うに事欠いて、この俺に…、でででででで…でぶぅっ!?
そそそ…そりゃあ確かに俺も太ったさ。でもなぁっ、お前にデブだ。仲間だ。と言われるほど太った覚えはない。断じてないっ!
「どこをどーしたら、この俺をデブだなんて言えるんだっ!この口はぁっ!」
俺は堪り兼ねて怒鳴り散らす。しかし、大輔は涼しい顔でいった。
「とーくーにー、ここをこうしたらデブぅ!」
大輔が、俺の…、食いモノが詰まりきってパンパンに固い筈の腹に両手を添えて、肉を鷲掴もうとする。
ははは、パーカ、バンバンの腹を掴めるかパーカ。
ブンニュュュュュッ
「ぐげぇっ!!嘘ぉっ!」
俺は思わず驚愕の声を上げた。
大輔のグローブの様な(これは言い過ぎだが)手が、俺のバンバンで固い、掴む余地がない筈の腹の肉をタップリと鷲掴む。
そそそ…そんな馬鹿な!これは、嘘だっ!幻覚だ!幻聴だ!そ…そうだよ。こんな短期間でそんな…そんな…
しかし、このムズムズとくすぐったい様な感触は、紛れもなく自分の体、腹周りから感じる感覚だ。
「うっそじゃなぁーい。えへへ、思ったよりぶにゅぶにゅーだネッ。最近運動不足じゃなぁい?」
うっっ、うるさいっ、お前よか動いとるわいっ!
「ううう、うるせーっ!お前に比べりゃ月とスッポンだっ!ちくしょー、俺はお前の分はもー食わねーからなっ!」
すると慌てた様に言い返す大輔。
「月とスッポンまでの差はないよーだっ、いいもーん。残ったら捨てちゃうもんねーだ!」
捨てるっ?俺の耳がダンボ化し、俺は大輔の胸倉を掴んで言った。
「てんめぇー、ごちそう様を捨てやがったら絶交だかんなっ!いーか、絶交だぞっ!!」
俺は、食いモノと金を無駄にする奴は大っ嫌いなのである。断じてケチ臭いわけではない!
大輔は俺の余りの迫力に目を丸くしてブンブンと頭を上下に動かして頷いた。
しばらくすると、俺に怒られたことに不貞腐れたのか自室に籠ってしまった大輔だったが、1時間後にソファに寝そべって腹ごなしをしている俺の前に、メジャーと体重計をもって現れた(まだ、プーと頬を膨らませている)。
俺は何時になく嫌な予感がした。
なので無理やりタヌキ寝入りを決め込む。
「寝たふりしても無駄だも―ん。起きないならこのまま計っちゃうからネ。」
奴は寝そべっている俺のジャージのジッパーを降ろし、薄いTシャツをあらわにする。
ある程度押し込められていた贅肉がタプッと外になだれこむ感じがした。
『うっっ、ホントにヤバいなぁ俺の腹…、おっ…おいマジか?そのまま計ったら肉が集まって余計に太く計られちまう…。』
「ふっ…ふふ、ふわぁーあっ、のわっ、お前何してんだコイツ!」
俺は、焦りつつも何とか体裁を整えて、今起きた風を装った。
「えぇー、ホントに寝てたの?ま、いいけどぉ、ねね、ホントに月とスッポンか計ってみよーよ!ネッ?ホントに月とスッポンだったら日給2万円に上げちゃうからっ!」
にっ…ニマンエンッ!
「・・・・・・・・・・・・・・・。ししし…しっかたねーな、そんかし、ゼッテー2万な!今日からだぞ、いいな!へへへ…吠え面かくなよ!ゼって―お前のが20kgはデブいっ!」
ビシィッと大輔に向かって指をさす俺、しかし、当の大輔は気に留めた風でもなく、じゃ、最初俺からね、とさっさと体重計に乗ってしまう。
ギッシィッッッ
案の定やたら重そうな音をたてて表示された数値は………
112kg 42%
「あっ…アレっ?前みたいに間食するようになったの最近なのに…10kgも増えてるぅっ…。」
やった!アホだっ!あの、俺がココに越すまでの間のほったらかしの2週間で18kgも太った大輔だ。これ位まではデブってると思ったぜ!
くくく…、これなら俺は宣言通り20kg差の92kgまでなら勝利確定だ。
なんぼ何でもあれから10日である。まさか74kgから92kgまでは太るまい。
俺は幾分、いやもう自信満々で体重計に飛び乗った。
なんぼ何でもあれから10日である。まさか74kgから92kgまでは太るまい。
俺は幾分、いやもう自信満々で体重計に飛び乗った。
ギッシィィッ
うっ、やはりかなり重そうな音をたてる体重計。少し焦る俺、そして、はじきだされた数字は……
90kg 34%
ぶっっっっ!う…嘘だっ!そりゃ92kgじゃないけど、そりゃないぜ…、10日間で16kgも太ったってのか?
ありえねー、これは何かの間違いだ!
心の中で完全否定した俺だったが、グルグルと走馬灯のようにこの10日間の食生活が思い出される。
朝昼晩としっかり食って、夜食さえ食らい、更に食事と食事の間に貪った間食の数々。
満願堂のロールケーキ、たまご屋生プリン1ダース、ピーナツクリームミニパケット12本、巨匠アップルパイ、牛・豚・馬ジャーキー詰め合わせetc etc
あうぅ…、やばい、心当たりがあり過ぎる。
しかも、バイト止めてから岩の様に動かない生活をおくっていた気もする(運動の一環として飲み物とってこーい、とか大輔にさせて自分はグータラ…)。
俺はTシャツ越しに自分の腹を確かめる。
タポッと柔らかい感触、マルッとパッツリ、でっかい存在感、指で脇腹とヘソの間の肉をつつくと、ズブリと第3関節まで人差し指が埋まった。
「あーあ、絶対100kgはあるとおもったのにー、ちえーっ、やっぱ四郎運動してたからなぁー、太りにくいのかもねぇ。」
バッカ野郎、太りにくいもんか!10日で16kgだぞっ!ああああああっ!デブだっ!大輔が何と言おうと俺デブになっちまったんだぁ!
大輔はまだブツブツと何事か呟いていたが、俺の耳には入ってこなかった。
太ってしまった体の所々を確認する度に溜息をつく俺。
もはや俺の頭には自分が太ったという事実しかなく、途方に暮れて黙りこむしかなかった。
何とかしなければ………
しえんが必要かな?
いつもいい作品をありがとうございます
しかし、もちろん何ともならなかった。
それと言うのも大輔の奴がまた悪魔の囁きに近い言葉を俺に投げかけたからだ。
俺は昨日の今日で悩んでいた。
90kgになった自分を誰が想像できただろうか?俺は痩せる為に運動したい半面、外に出てこのマルッとした体を曝したくなかった。
あたりまえだ。どこで誰が見ているかわからない。
誰が見ても以前の自分と判る筈がないとも思ったが、それはそれで滅茶苦茶傷つくに違いない。
俺がウジウジと悩んでいると、それを見た大輔が話しかけてきた。
「ごめんねぇ、そんな悩んじゃうとは思わなかったんだぁ、だって四郎、太った太ったって言う割にガバガバ食べてたからフェイクで気にしてないのかと思ったんだモン。」
うっ、そう言われると耳が痛い。確かに自分の体型の変化に気づきながら、ダイエットは明日からな女共と同様にバカスカ食っていたのは俺である。
「でもさぁ、明後日から学校じゃない?その体で行く気あるぅ?俺はねぇ、行きたくなぁい。」
うぐっ、それは俺も行きたくない!それはもう切実に!
「でネ…、思ったんだけどぉ、大学って何で行くのかなぁ?」
俺はようやっとマトモに声に出して返答を返した。
「そりゃ、将来良い会社に入って、良い給料もらって、良い暮らしするためだろ…。」
俺の回答に大輔がニコーと笑って先を続ける。
「だよねぇ。でもさ、初任給で月60万貰える会社に勤める自信ある?三食昼寝に間食付きでただで住居を与えてくれる会社あるぅ?」
ない!そんなんあるわけねーし!俺は表情で答えていた。
「でしょ!でね、俺四郎のこと大好きなんだぁー、一緒に居ると超楽しいし、同い年だけどお兄ちゃんて言うか保護者みたいでさ、俺んチ親も兄弟もいないでしょ?だから…」
まあ、確かに、俺もこいつとはボケと突っ込みの絶妙な凹凸を感じるが…
「四郎がね、どーしても大学行きたいなら良いんだけど、ずぅーとオレんとこいてくれない?不安なら雇用契約って形でこのマンションの管理会社に雇用した形でも良いから…ね?」
え?あー、俺今物凄く良い条件で何の苦労も無く安定職にありつける場所に立ってネ?
「そしたらさぁ、ガッコ行かなくていいじゃん?そしたらさぁ、太ったとか何とか気にしなくてもいいじぁん?」
うん。た…確かにそう…かも?
「大体さぁ、退学した訳じゃないから何時でも復学できるでしょ?時間はターップリあるし、すこーしづつ楽―に痩せればいいんじゃなぁい?」
う…、そ…そうだよな。急にドカーンと痩せようと考えるからいかんのだ。良い事言うなぁ大輔。
「そ…そうだなっ、俺ってば柄にもなく焦っちゃって、そうそう、俺もお前の事好きだし、一緒に居て楽しいし、お前がそっこまで言うなら、どーしてもって言うなら考えんことも…。」
この期に及んで横柄な態度の俺に、大輔は満面の笑みで言った。
「どぉーしてもっ!!」
拝まれた俺は、もう自尊心を弄られる様にして、しゃーねーなぁーと頷いた。
俺って何でこんな単純なんだろう。この後俺はすこーし後悔することになる。
ま、結構後の事だけど………
315 :
ひのえ:2009/10/13(火) 18:14:50 ID:vXoFmdZh
>>312 支援ありがとうございます^^
美味しくいただいて頂ければ幸いです。
ss乙です。
食べ物でパンパンに膨れた大きなお腹。
その上に乗っかったたっぷりの贅肉をぶにゅ〜。
考えただけで気持ちよさそうですね。
ああ、夏休みで止めておけば…w
こうして深みにはまっていくんですね…w
悲惨な体型になってそうだw
次の日から俺達のズボラライフが始まった。
朝は遅くまで寝て、先に起きた方がもう片方を起こす。
そして隣室(左右の部屋も大輔が個人使用してるらしい)にホテルのビッフェの様に用意されてた和食と洋食の朝食を取る。
その後は昼飯まで、2人でソファーに寝そべって日替わりお取り寄せグルメを楽しみつつテレビやDVDをホームシアターで観賞。
この時、大輔が時々頭を撫でてくれと言う時は撫でてやる(これも仕事の内だ、ただ最近ガッシリ抱きつく様になってきたのが気になるが…)。
隣室に用意された和・洋・中・アジア・創作の中から日替わりでチョイスされたビッフェ形式の昼食に舌鼓を打ち。
2人で別の隣室に用意されたハンモック(根元が強化ワイヤー←ね…念の為…)で昼寝をしつつまどろんでは菓子を食らい。
おやつは、2人のお取り寄せグルメを交換したり、かっさらったりしながら貪りつつテレビゲームに夕食まで興じる。
夜は夜で隣室に用意された昼より豪華な感じの和・洋・中・アジア・創作の中から日替わりでチョイスされたビッフェ形式の夕食を腹がくちくなるまで食い散らかす。
風呂に入った後、最後はマッタリと甘いものや冷たいものを食べながらテレビ・DVD・ゲームに興じ、甘いものに飽きたら塩気のあるものを食べて寝る。
いや、改めて書き出してみるとズボラライフというか、何というか、ある意味この世の楽園的な生活だ。
すこーしづつ楽―に痩せる件はどうしたかって?
あー…、や…痩せる痩せる。もーちょいこの極楽を味わったら直ぐ痩せる。
いやー…わ…わかってるんだゼ。俺だってこんな生活してたらヤバいって…。
いやほら、もったいないじゃん。痩せたらもー太りたくねーし、痩せる前にこの快楽を味わい尽くしとかな男がすたるヤン!(←いきなり関西弁)
大体、俺よか確実に太ましい人間が横にいると、なんだかなぁー安心しちまうんだよなぁ。
いや、だって、旨いんだモン(モンじゃねーよ俺っ!大輔菌が感染した…)。
俺はそんなダメダメな理由を並べて自分を誤魔化しつつ、ますますグータラなライフサイクルに陥っていった。
朝起きて鏡に向かう度に、何だか昨日よりふっくら、丸々として見える体。
俺は段々と鏡に映る自分の姿を横目に見て、太り続ける自分に気づかないフリをするようになった。
末期だよ、末期だよ俺!大丈夫か俺!隣でブクブク肥え太る大輔の姿が自分に重なり時々陰鬱な気持ちになりながら、瞬く間に1ヶ月の時が流れた……
大輔、動けなくなるまで肥えて太るフラグきたなw
323 :
きのと:2009/10/15(木) 00:12:13 ID:vdYtiViK
>>ひのえさん
ss乙です。
二人ともすっかり食欲に逆らえなくなってしまったようですね。
ますます表に出られなくなりそう。
リレーですが土曜くらいまで締め切りを延長させてください。
太った姿を見られるのが恥ずかしいから表に出られない
太った体で着られる服がないので表に出られない
太った体ではドアが通れず表に出られない
太った体ではエレベータが使えず表に出られない
太った体では満足に動くことができず表に出られない
さぁどれだ!
当然全部だ!
「うっ!くっっ!ほぉっ!!」
俺は脂汗をかきながら気合を入れてパウンドを繰り返していた。
ある朝目を覚ますと仰向けの状態から起きあがり辛く、あくまで起きあがり辛く、なっている事に気づいた。
決して起きあがれないわけではない!断じてないっ!
俺は最後の気合とともにぐぐぐーっと身を起こす。もう少し、もう少しだ!
体がグッショリと汗ばみ、腹が圧迫されて苦しくて苦しくてたまらない。
「ふっっ…ぐぅっ…ぬうううっ…ぶはぁっ!」
ドデェン…タップッ…タプ…タッ…プッ
うげ…、揺れてる、俺の腹の肉揺れてる。
俺はもう少しのところで肉の圧力に押し戻されて勢いよく仰向けの状態に戻される。
「はぁっ…はあっ…はぁ…ぶはっ…ぶはっ…」
俺も男だ。素直に訂正しよう。ある朝目を覚ますと仰向けの状態から起きあがれない程のデブになってしまった事に気づいた(←自虐的)。こんちくしょー!
Tシャツが汗で張り付いて透けてしまっている。肌色も露わにボディラインもクッキリな体。
丸々パツパツの肩と腕、タルタルという感じは無いがパッツリ張りがあってマルッと膨らんだ胸。
デップリプリンプリンに育った丸々とした固いゼリーの感触のぷるるん太鼓腹。
こいつだ!こいつが俺の腹筋運動というか起きあがるのを阻害する最大のガンだ!こいつめこいつめ!俺は腹の肉をもみしだいてみる。
揉みだして肉を減らそうとするように。
ぶんにゅ ぶにゅ ぶにゅ ぶにゅゅゅっ ぽよよよよん…ぽよん…よん…ョ…
虚しくなって放してもぷるるん揺れる腹の肉、更に汗ばむ体、ぐわあああっ、だめだこりゃゃゃっ!デブの中でもかなりのデブじゃないか今の俺?
この1ヶ月、自分を極々甘やかして太り続けた体。
一体何kgの贅肉を身にまとってしまったのか……
10kg?…そりゃ虫が良すぎるか…20kgか?まさか30kgってことはないよな…ははは…1日1キロってか…ははは…ううう、それにしても腹が重苦しい…。
汗ばむ体に、体重やサイズの事を想像して脂汗が加算される。
「うにゃぁ〜、どーしたのぉー汗だくジャン四郎ぉ、むちゃむちゃ…」
不幸のズンドコを噛みしめている俺に能天気に問いかける大輔。
俺の太りようも相当なものだが、改めて確認してみると大輔の太りようは尋常じゃない。
それにしても何て余裕なんだ…インペリアルのチーズケーキパーを両手に持ってかじってやがる。
まさかこいつ起きあがれるのか?俺大輔以下になっちまったのか?
いやいやいや、見てみろこいつのこの体。これより太ってりゃいくらなんでも気づくって!
贅肉で山の様にドッシリ、モーッチリとした肩と腕。
ボインボインのタップンタップンに丸々弛んだ胸の肉。
横にも縦にもデップリダブンダブンに膨らみきった腹は太鼓腹を通り越して柔らかな肉の尋常じゃない分厚い肉の段で金持ちの家の立派な大きい鏡餅の様。
尻にもドドドン肉がつき、マルッとタプンと、全身をデフォルメ化するなら限りなく球体に近い卵型というか…皆まで言うまい、丸いよ!丸すぎるよお前!
「い…いや、何でもない。そう言えばお前仰向けの状態から起きあがれる?」
改めて吃驚しつつ問いかける俺に、大輔はキョトンとしながら応える(ま…まさか、できんの?俺おかしいの?)。
「うんう、全然!とっくの昔に全然全くできないけどぉ?」
大輔のそれが何か?的な表情にポカンとする俺。
「えっ、お前気にならんの!?」
「何でぇ?あっ、起きあがれなくて苦しいんでしょ?こうしてねぇ横になってうつ伏せ状態に転がってから起きあがると…うんにゅぅぅぅぅっ!」
俺にお手本を見せるつもりなのか実演してくれる大輔。
どうでも良いけど、膨れた腹の所為で横に転がるのにも脇腹の肉がたわんで滅茶苦茶苦しそうなんだけど……。
「ネ…ネッ?ぷはっ…はあはあ…んぐっ。」
これしきのことで汗ばみ息を上げる大輔、俺は汗だくになって折角実演してくれた大輔に申し訳なくて同じようにしてみる。
言った通り、今度はスルリと楽々起きあがる事が出来た。
「うっは、こりゃ楽ちん〜じゃーん。」
思わず喜びが口を出る俺。
「でしょでしょ?わーい、これで1件落着―えへへへ。」
『うんうん、あはははははは。』
て、おい!
「ちっがぁーう!!」
俺は思わず突っ込んだ。
タプンッ
俺が突っ込んだ大輔の胸の肉がタップンぷるると揺れる。
「あほかっ!何の解決にもなってねージャンカ!この肉デブだぞ、なっ?太ってカッコワリーじゃんか俺達!そこだよそこ!問題は見た目!俺ら若いんだぞ!この肥満体はないだろ!」
核心をついた(筈)の俺の言葉に、大輔はニヘラニヘラ笑って返す。
「えーなんでぇー?四郎、かっこいいよぉ、俺大好きぃー。」
幼子の純真な瞳でそう言う大輔、俺は不覚にも嬉し恥ずかし赤くなってしまった。
「うっ…、お…おう、そ、そうか?へへへ、やっぱ俺って太ってもかっけーか、へへ…、よぉーし、よし、お前もかーいーぞ。ぬいぐるみみてーで。」
恥ずかしさを紛らわすために大輔の頭をグリグリと撫でてやる。
大輔は大輔で俺の腹に思いっきり抱きついてくる。
うーみゅ、肉親の情に飢えてるんだな、憂い奴め。
だけどこいつ、何だか最近スキンシップ激しくネ?腹も随分でかくなっちゃったし苦しいんだけど俺……。
Tシャツに頬を擦りつけてグリングリン左右に首(←肉に埋もれてっけど)を回して擦り擦りというかモニュモニュする大輔。激しいなおい。
「かっこいー。かっこいーよぅ四郎ぉ。大好きぃー。気持ちいー。固めのゼリーみたぁい。」
むっ!固めのゼリー発言は聞き逃せねー。俺は大輔をポカリと殴って引き離した。
「しっけいな!ぜぜぜ…ゼリーってお前なぁ…。はぁ…、もーいーや、飯飯、飯食おーゼ。俺腹減った。」
さっさと行こうとする俺にジタバタしつつ大輔は……
「うわ、いや、おいてかないでぇー、おーこーしーてー!俺お菓子食べ過ぎちゃった。一人じゃ起きれないよう!」
話してる間中シットリ系の洋菓子を食べ続けた大輔の腹は、横に転がって起きあがった時より1回り大きくなってしまっていた。
さっきもかなりきつそうだったもんな…、はぁ、しょーがねーなぁー…
俺は、大輔の両手を引っ張り上げて起きあがらせ、2人で食堂というか隣室へ向かった。
今日も結局くっちまうんだろうな…、いや、俺太ってもイケてるみてーだし、もう少し、もーちょっとだけ、この極楽生活を味わってからだなぁ。
ガッツリ痩せれば良いんだよ!うん、そうだ!
ああ、俺は何てお調子者なんだ。
何となくもう、おわかりだとは思うが、俺はこの時後もどりできるギリギリのラインに立っていた事を後になって思い知る事になる。
330 :
ひのえ:2009/10/15(木) 13:00:00 ID:buzKv+aQ
昨日の夜書いた分とお昼休みに書き進めた分はこれで終了です。
ををっ、もしや、今までで一番短くおわれそう?まだまだ油断はできないわな…
>>きのとさん
OKでーす。難しいところで振ってごめんなさい^^
ちょこちょこコメント下さる方の嗜好をチョイスして取り入れてみてますが
全部ごちゃ混ぜにするといくらなんでもな感じなので次回に取り入れたりし
ようと思います^^
2月14日
∧ モグモグ
/´。 `ーァ
{○々゚0l´ <チョコ味か
/ っ゚д゚ )
| / ヽノヽ
>> >>
5月5日
∧ モグモグ
/´。 `ーァ
{○々゚0l´ <柏餅ウマー
/ っ゚д゚ )
| / ヽノヽ
>> >>
9月
∧ モグモグ
/´。 `ーァ
{○々゚0l´ <月見団子ウマー
/ っ゚д゚ )
| / ヽノヽ
>> >>
/\
/´。  ̄フ
{ ○々゚0 l <太ッテシマッタ…
| ヽ ノヽ
> >
SS乙!
これ二人とも起き上がれなくなったら終わりじゃないか……
二人そろって人間水枕化キター!!w
これからが地獄だ…www
_ ∩
( ゚∀゚)彡 人間プリン!人間プリン!
⊂彡
ここまでくると服の補充が間に合わなくなってきそうだなw
デブ二人が裸で同居とかなったら暑苦しそうだ
デブって実は結構体ひんやりしてるんだぜ
ソースは俺
あれからどれ位たっただろう。まあ、おそらく数日かな?大学いかねーし、最近何曜日だとか何日だとか考えても意味ないし…
仰向けから腹筋で起きられなくなったあの日、体重測定と体位測定を行ったところ驚きの結果を目の当たりにすることになった。
俺 体重122.5kg 体脂肪率40.5% B124 W134 H130
大輔 体重143.5s 体脂肪率51.5% B147 W161 H153
俺は大いに焦って瞬時にダイエットすると騒いだのだが、大輔に痩身健康飲料をためしてみればと言われ……
飲めば痩せるというフレーズに魅かれて試してみる事にした。
そんなわけで、俺は大輔から勧められた甘くて白い砂糖の入ったミルクみたいな飲み物(俺は「痩せミルク」と呼んでいる)を飲み始めた。
その上、これが思いのほか滅茶苦茶旨いので今では好んで飲むようになっていた。
「よっこらっ…しょぉぉぉっ!んっ!?くぅぅぅぅっ!ぶはっっ!」
最近では、一端横になってから勢いをつけて横に転がりうつ伏せの体勢になってから起きるのが常識になっている俺。
しかし、この日は直前で痩せミルクと一緒にしこたま山と詰め込んだドーナッツが仇となってブデンッ、ブデンッと何度も押し戻されてしまう。
ちょっ、あれ?おかしいな…、うっく、…食い過ぎた?
ブデンッ ブデンッと脇腹にタプッと集まった肉が押し返される度にパウンドして音をたてる。汗がぶわっとふき出し、はぁはぁと息も上がってきた。
「だっ…だめだっ…ぶはっ…はあはあ…んぐっ、く…食い過ぎたんだよな?うん、どど…ドーナッツの食い過ぎた…はは…うん、そうだそうだ…はぁはぁ。」
俺は言い知れぬ不安を胸に息を整えつつ、横向きに寝転んだ体勢だとタプゥンと横向きに弛んだドデカイ太鼓腹を擦る。
ぶにゅんぶにゅんのミッチリ詰まった脂肪の感触に冷や汗が出てきた。
控えめに言っても、また、そう、かなり太ってしまった様な気がする。
しかし、そんな筈はない。俺は痩身飲料を飲んでいるんだ。痩せないとしても太る筈は…ない…よな?
そうこう悩んでも、起きあがれない状況に何時しか眠り込んでしまった俺は、大輔に起こさた。
幾分腹もこなれてきた様で今度は何とか起きあがる事が出来たので少し安心する俺だった。
これは…しえんが必要…なのかな?
萌えるスペックだ…
俺は大輔に連れられて、少々ボーっと呆けた頭で食卓についた。
大輔は最近いつの間にか家具の模様替えをしたようで、シックな黒い本革のソファに隣り合って座り食事をとるようになっていた。
しかし、最近何だか大輔が食いモノそっちのけで俺の体にホッコリともたれかかったり、抱きついてウニウニしたりして過ごす事が多くなった気がする。
まあ、これも給料の内かと思い、別段気持ち悪くも感じなかったのでされるがままにしているのだが………
「ほぁー、俺四郎にひっついてると安心するんだぁー、えへへ、あっ、これ旨いよ!牛の叩きが入った生春巻きみたい、ポン酢で食べるとサッパリ!ネ?」
最近大輔はそんな事を言っては自分で食べておいしかったものを俺の口に運んでくれる。
「おっ、んっ、んまいんまい。はむはむはむはむ…あっ…お…お前も食えよ?」
そして、勧められる食いモノが大抵俺好みで滅茶苦茶旨いため俺も遠慮なく食べまくってしまい大輔の分が少なくなってしまうのだった。
まあ、他にも品数は腐るほどあるので問題ないのだが………
「あっ…うん。でも、もーいーや、お腹一杯。それにこれ以上太ったらホントに歩けなくなっちゃうモン。」
はにかみ笑いの大輔。ぷっくり丸々でポヨンポヨンの先日よりも1回り大きくなった極度の肥満体。
元々整っていた顔がベースになっている所為か赤ちゃんか子供の様な雰囲気の顔が可愛い。
そういえば、確かに助け起こさないと起きられなくなってから大輔はあんまり食べなくなった様な気がする。
俺のもったいない病のせいで残る食べ物の量はあまり変わらないので、その分俺の腹に納まっているのかと思えば少し空恐ろしくすらあった。
ま…まあ、俺の場合は痩身飲料「痩せミルク」を飲んでるしな!大丈夫大丈夫…だ…だよなぁ?
俺はまた盛大に飲み食いしてしまった所為でドデップリと丸々膨らみ肥大している腹を擦って不安になる。
大きくなってないかこれ?今朝も仰向けになるのに苦労したし…、もしかして…いや、まさかな…。
俺は更に不安になって、痩せミルク痩せミルク等と口に出してワザとおどけながら、傍らの白い甘い液体を飲みほした。
これさえ飲んでいれば大丈夫…な筈。なんてったって大輔が言うにはNASAが開発した画期的な痩身飲料らしいし…うん、大丈夫だ!
等と思いつつ体重計やメジャー等から逃れ遠ざかって幾日か。
既に心の中では真実を認識しているのに表層意識がそれを拒んでいることに、この時の俺は気づけなかった。
しえんが必要かな?
343 :
ひのえ:2009/10/16(金) 19:30:49 ID:GlIge3HF
>>339 >>342 支援頂きありがとうございます^^
ぐぬう…しかし…今宵はここまでと言う事で…┏○ペコ
大輔…策士よのうw
自分に匹敵するデブにする気満々じゃねーかwww
むしろ、四郎が自分ではもう動けなくなるまでプリンプリンに太らせるつもりだろw
で、ぶよぶよにデブった四郎を弄ぶうちに自分も…w
いやもう大輔は起きられないみたいだ
これで四郎も肥えていったら……
使用人雇って無限肥満化…
乙です
太って身動きとれないとかツボ過ぎて死ねる
その影は、ランチタイムを終え準備中の看板が掛けられたアットホームのドアの前に、
ゆっくりと近づくと、しばらく何かを考え込んでいたようだが、やがてドアに手を掛けた。
カランという音とともにゆっくり店の扉が開く。
その音を聞いて、厨房で皿洗いをしていた武智が応対に出る。
「すいませ〜ん、今日はもうランチ終わ…。あ。」
そこに立っていた人物を見て、武智の動きが止まった。
もこもこのダウンジャケットを着込んでいてもわかるどっしりとした体つき。
大きなボストンバッグを抱えるのが少し窮屈そうに感じるほど腕は太く、
少し恥ずかしそうに微笑む肉付いた丸顔はまぎれもなく武智が待ち望んでいた人のものだった。
「も、森谷?」
「武智さん、久しぶり。」
あまりに突然のことで、武智はそれ以上の言葉が出てこなかった。
森谷が帰ってきたらどんなふうに振舞ったらいいか、ずっと考えていたはずだったのに、
いざ本人が帰ってきてみると、かける言葉が見つからなくなってしまう。
もっと他に言うことがあるだろうに、半ば混乱した武智は、
森谷を見て最初に思ったことをつい口に出してしまった。
「お前…、すげえ太ったな。」
森谷ががくっと肩を落とす。
「ひどいなぁ。
久しぶりに会ったっていうのに、まずそんなこと言う?」
「しかたねえだろ、ホントのことなんだから。」
「た、確かに前よりちょっと太ったけど…。
あ、そうだ、これならどう?」
森谷は荷物を床に置くと、いそいそとダウンジャケットを脱ぎ始めた。
本人は少しでも体の幅を小さく見せようとしたつもりなのだろうが、
厚手の生地に隠されていた体のラインがあらわになり、
結局その体の成長が余計にはっきりと分かるようになってしまった。
丸く突き出した腹が以前より確実にボリュームを増していることは服の上から見ても明らかである。
「やっぱり太ってるだろ。」
「うぅん…。
でも、そういう武智さんだってかなり太ったんじゃないの?」
「う…。」
墓穴を掘った。武智は自分の発言を後悔する。
今武智が着ている厨房服は以前は戸村が着ていたものである。
この一月は何とかサイズが変わっていないものの、
わずかに体重が増えたことで、それもすでにきつくなり始めていた。
少しでもましな体で森谷に会うためにとダイエットに取り組んでいただけに、
森谷の言葉が武智に与えたダメージは大きかった。
「ははは、言われちゃったね、武智君。」
大きくうなだれる武智の様子を見て、おかしそうに笑いながら戸村が出てきた。
そしてその笑顔のまま森谷の方に向き直り優しく声をかける。
「お帰り、森谷君。」
「戸村さん、ただいま。
また、お世話になってもいい?」
「もちろん、大歓迎だよ。」
森谷と戸村のやりとりを聞きながらやっと少し心の整理ができてきたのか、
それまで頭を垂れていた武智がくわっと顔を上げた。
「そうだ。お前なんで急に帰っちまったんだよ。心配したんだぞ。
それに、なんで黙っていっちゃったんだよ。」
武智は今まで聞きたかったことを一気に吐き出す。
数ヶ月間ずっと溜め込んできただけに、
その言葉には怒りや苛立ちも込められていたようだった。
森谷は武智の気持ちを受け止めるように、じっと武智の目を見つめ返した。
「ごめんなさい。
俺、意志が弱いから話すと武智さんを頼っちゃうと思ったんだ。
でも、どうしても自分の力で何とかしなくちゃいけないことだと思ったから。
家に帰って、親父とちゃんと話してきたんだ。
自分の気持ちも、この店で助けられたことも、これから自分がやりたいことも。
少し時間がかかったけど、やっと分かってもらえたみたい。
学校に正式な退学届も出してきたし、転出の手続きもしてきた。」
森谷の言葉を聞いてずっと抱え込んでいた不安な気持ちが消え、
武智はふっと小さくため息をついた。
(嫌いになったわけじゃなかったんだな。
この店も、俺のことも。)
そして、一歩踏み出すことができた森谷が前よりも一回りも二回りも大きく感られ、
自分の方がよっぽど子供みたいだと思うと、苦笑いの混じったため息が漏れた。
武智が納得したらしいのを見て、今度は戸村から森谷に話しかけた。
「それで、森谷君のやりたいことって?」
「俺、もう一度ここで働きたい。それで、働きながら料理の勉強をしたい。
料理作るのって楽しいし、食べることが大好きになっちゃったし。」
そこまで言って、森谷は恥ずかしそうに一度下を向いた。
そしてゆっくりと目線を戻すと少し小さな声で話し始めた。
「それで、いつか、いつになるか全然わからないけど、
俺も自分の店が持ちたい。
アットホームみたいな店を自分で作ってみたい。」
戸村は森谷の気持ちにこたえるように大きく頷くと優しく笑った。
「それが森谷君の夢なら俺は応援する。
思う存分勉強するといいよ。」
「ありがとう、戸村さん。」
「いいのか?店なんかやったら、ホントに店長みたいな体になっちまうぞ。」
武智が冗談っぽく言って、戸村の方へ視線を移して見せた。
「いいんだ。
俺、すっかり食べることが大好きになっちゃったから、
がまんして痩せるより、その方がいいよ。
…実は家に帰って少しダイエットしてみようとしたんだんだけど、
毎日毎日、お店の料理のことばっかり考えてて全然痩せるどころじゃなかったよ。
結局、食べる量はここにいた頃と変わらなかったかもしれないなぁ。
あんまり食費がかかるから、親父に出てけって言われちゃった。」
森谷は自分の腹をぽんと叩いておどけてみせた。
「もう限界だよ。アットホームの料理をお腹いっぱい食べたい。」
その時タイミングよく森谷の腹がぐぅ〜と大きな音を立てたため、
武智と戸村は顔を見合わせて思わず笑ってしまった。
「ははは、じゃあ今夜は森谷君の復帰を祝して腕によりをかけてご馳走作っちゃうよ。
武智君、ディナーの臨時休業の看板出してきて。」
「了解〜。」
少し楽しそうに出て行く武智の後姿を見ながら森谷は、
今夜のこと、これからの生活、そして将来のことを考え胸を躍らせていた。
しえんが必要かな?
355 :
きのと:2009/10/17(土) 19:03:06 ID:hCoNAlZk
遅くなってすみません。
ひのえさん、ラストをお願いします。
おー、SS乙ですー
森谷くんが二重の意味でたくましくなってる…
痩せ方、ダイエット法の本は多いけど、
健康的な太り方を紹介した本って見たことないな。
「きれいな太鼓腹の作り方」とかないもんかな。
>>357 そこまで高望みはしないけど、
私はこうやって太りました的な、
体験記ぐらいは出版されていいとおもうんだが。
で、写真付きでビフォー・アフターを紹介してもらえたら、
絶対買うんだけど。
>>358 だけど実際にでるとなるとフォトショ加工を織り交ぜた嘘八百になりそうだよねぇ
しかしそれはそれで後追いで体型がシナリオ通りに変わっていく展開を期待してしまう
ザ・中年太り
>>359 結婚後肥育されたのかな?
愛があればどこまでもー
その夜は大人数用のテーブルに森谷の大好物が処狭しと並べられた。
焦がし醤油ニンニク風味鶏肉の唐揚
餅とチーズの自家製ベーコン重ね巻き焼
エスニック風ミートローフ
子羊のブルターニュ産塩釜焼き
タスマニアンビーフのグリルデミグラスソース
シーフードサラダ・オニオンと香草のジュレ・レモンドレッシング
バターサフランライスのラ
イスサラダ・黒オリーブ和え
etc. etc.
森谷が味わった事があるものから、味わったことが無い新メニューや裏メニューまで十数品。
久しぶりに三人そろった団欒の食卓、皆大いに食べ、そして無礼講ということで大いに飲んだ。
(但し、森谷は飲めない事が判明しているのでその分食べまくった。)
それにしてもどうだろう、久しぶりに見る森谷の食欲は以前に増して凄まじかった。
武智の自棄食い時の食欲もこれには負けるという程の食べっぷりである。
どおりで既にぶっちぎりで自分の方が太ってしまったと思っていた武智が驚く程の横幅になって帰ってくる筈だ。
最初の内は、いつも通り食べていた武智と戸村だったが、この2人をして箸を止めさせる森谷の食欲に、戸村はつい我が身も省みず自然と森谷の食欲と体型の話をふる。
「それにしても、前もかなり食べる様になったなって思ったけど、比べ物にならない位凄い食べっぷりだね…。その横幅も頷けるなぁ…。」
その戸村の発言に目を向いて反論したのは森谷ではなく武智だった。
「ばっ!なんちゅーこと言うんですか?テンチョのが凄まじいでしょうが横幅は!それに横幅がどうとかデブとか肥満とか森谷には禁句だって話し合ったじゃないですか!?」
武智は予て森谷を向かい入れる時に備えて話し合っていた内容を指摘する。
「え…と、俺はデブとか肥満とかは言ってないんだけど………。」
はっ!武智はしまったという顔になり油の切れたブリキ細工の様にギギギと森谷の方を顧みた。するとどうだろう………
以前は太ったとか横幅がとかデブだとか肥満だとか言う単語で涙目になっていた森谷とは思えない程晴れやかな表情で少し苦笑して森谷は言った。
「もぅ、気にしないでよ武智さん。俺何だかふっきれちゃって、言ったでしょ痩せようとしたって、それが痩せるどころかドンドン太っちゃって140kg超えた辺りから嘘みたいにどうでもよくなっちゃったんだ。」
森谷は、まあ、あんまりデブデブ言われるとちょっと気になるけどね、と言いながらデップリ、ドッシリ、タプタプの腹を擦りながら自嘲気味の笑みを浮かべた。
武智は、やっぱり今の俺よりも、もっとずっと太ましいんだなぁと考えながら森谷のお代わりをよそう。
笑いの絶えない楽しい食事は夕方前から始まったにも関わらず午後11時まで続いた。
今日の世界まる見え、逆ダイエットと聞いてわくわくしてたんだが…、
…女か。
>>364 それを男に置き換えて想像するんだ!
そしたら…ほら、こんなに萌えるw
まぁ、変換すればネタにはなるだろうし見て損はないと思うが
>>365 男に変換したら、PJを思い出したw
でも、PJもやせ始めたしね。残念だ。
「うぅ〜〜〜ん、もう食べられないよぉぅ…。」
ドッシン!ギシギシッ…
尻もちをつく様にして森谷が自室のベッドに倒れ込む、盛大なパウンド音とともにスプリングが悲鳴をあげた。
「うっ、くるし…ダメだ…仰け反っちゃうよ…食べ過ぎたぁ…」
森谷の全体的に満遍なく丸々としてデブリとした腹が、今夜のこの上も無い大食いに胃袋がパンパンにせりでて胸の下から急激なカーブを描いていた。
全身モッチリプリンプリンの張りのある贅肉で覆われており、ともすればある意味戸村に比肩する太さに見える。
脂肪の密度が高いのだろうか……?
ああ、でもどれだけ太くても良い、何しろ極度に肥えたとはいえあの愛しい森谷が帰って来てくれたのだから。
武智は森谷の食欲に圧倒されて箸が止まった所為か、いつもより余裕ある腹具合に、ついつい体も軽やかにスキンシップを求める。
ギュム――ッ
改めて感極まった様に正面から森谷を抱きしめてその存在を確かめる。
「森谷ぁ、ホント、森谷だよ!森谷、森谷ぁ、もー何処にも行くんじゃねーぞ!」
森谷はきつく抱きしめられて嬉しい半面腹が圧迫されて抗議の声をあげた。
「ちょっ、苦しいよ武智さん!ででで…でちゃう…中身でちゃうっからっ!」
おお、悪ぃ悪ぃ…といってガバリと離れる。
「それにしても、良くあれだけ食えたなぁ、流石のテンチョも箸とりおとしてたぞ…、まぁーたデッカクなって兄ちゃんウレシイっ!」
武智はいつもの調子に半端戻ってそう言いながら、ふざけて森谷の巨大なモチモチの腹を撫で擦る。
「んー…、ま…まあね…怖い位太ったよね俺…。って、武智さんも人の事言えない位デッカクなったでしょっ!」
帰ってきた森谷は強かった。
そう言って二の腕をタプリと揺すりながら武智の腹を叩く、タッパーンと破裂寸前の水枕の様な(どんな物体か?)すごぶる良い音が木霊した。
「うぐぅっ…、そそ…そうだよな、俺今139kgもあんだもんな…体脂肪率39%ってないよな…ははは。」
武智は今更ながら早合点で一方的にショックを受けつつ自棄食いに走った自分を情けなく思った。が、森谷の反応は別のものだった。
「えええええっ!武智さん!139kgしかないのっ!うそっ、仲間だとおもってたのにっ!39%って脂肪少なっ、うう…裏切り者ぉー!」
急に昔の森谷に戻ったようなうろたえ様にちょっと唖然となる。ジタバタ始める森谷、オロオロする武智。
「おいおい…、何だよ急に…、139kgしかって…あっ…!えっ?まさかお前っ!?」
森谷はやっぱり森谷だった。
「うっ…、そっそうだよっ、俺…俺187kgあるもんっ!体脂肪54%あるんだもんっ!あーどうせデブですよ、いいえ巨デブですよ!もー戸村さんの影踏んでますよーだ!」
武智が自分と同レベルのデブになったように思えて少し安心していたらしい。
少し客観的に見比べればわかりそうなものだが、そこは贔屓目というやつだろう。
森谷も自分の方が太っているとは思っていたが、まさか50kg近く差があるとは…ショックだった。森谷はすっかり元の森谷に戻ってしまった。
「いくら武智さんでも、こーんな巨デブじゃ嫌いになっちゃうでしょ?」
森谷はそう言って武智に向かって涙をためて上目使いに聞いてくる。
武智は思った。計算か!計算なのか!?
武智の獣の部分が咆哮する。秋の室温に涼しささえ感じる空間でさえシットリ汗ばんでいる森谷の引っ付き気味のTシャツを乱暴にむしり取る。
タプリンッと露わになった肉、肉、肉。
久しぶりに見る森谷の体は以前の倍豊かに感じた。
モチモチの餅肌にミッチリギッシリ脂肪が詰まって破裂寸前といった感じだ。
実際肉割れもなくツルリとしているのが奇跡の様な状態だった。
上からじっくりと下へと視線を移せば、肩から二の腕のラインに角ばった処はまるでなく、全てが丸々と太くタプタプと柔らかい肉感を吹聴している。
胸は何カップだか聞きたくなるようなタップリモッチリビックサイズ、乳輪も広がって更に埋没している。
そして、特筆すべき腹は、雪ダルマの体に使う位の大きさの固めに突き上がった餅を優しく地面においたら自然とこうなるであろう球体に近い楕円形。
それでいて、やや下に重心が傾くパッツリで有りながら弛んだ風情、背中を見れば分厚い肉の段が乗っかっている様に感じる程の重なった肉が印象的だ。
尻もモモもこれらを支えて余りある豊かさでドッシリと全体の太さを整え、絶妙なバランスを保ってタルタル、ダルダルな体付きになるのを防いでいる。
見る人が見れば芸術的ですらあったかもしれない。
まあ、見る人が見ればだが………。
そんな事関係ない人物がここに一人いた。
「森谷…、可愛い…、こんのプクプクのホッペも、クリンクリンの瞳も、この胸も、この腹も、全部可愛い…。好きだゼ森谷…。」
体の部分に口づけを降らせながら、熱っぽく愛を語る武智、荒削りながら男らしい整った顔立ちも相まって、真剣な表情をすると自棄に格好良く見えた。
何だか以前にもこんなことがあった様な気がする。
森谷はポーッとなって武智を見つめ返す。
裸の体に武智の指が滑り出した。
腕を背中に回し(回りきらないが)、胸を優しく、しかし、しっかりと掴んで愛撫する。
「あっ…はっ…たけ…ちさん…。俺も好き…。大好き…。」
その声を聞いた武智がもどかしく自分の服を引き千切る様にして脱ぎ散らかし、森谷のズボンも荒々しく奪い去る。
「はぁっ…かっ…可愛い森谷…、好きだ…はぁっ…。」
逞しい筋肉の上に極度に分厚い贅肉がついた固太りの最終形態の様な武智の体。
しかし、以前から気にしていた腹周りには森谷には及びもつかないがデップリと重厚な贅肉が纏わりついている。
武智の肉と森谷のその倍以上ある肉とがぶつかり合い、タッパンタッパンとシットリとした肌と肌が叩きあう様な音が木霊した。
「どうしよう…俺のあそこ変…どうしよう…むずむずするよ…俺どうしよう…」
もどかしそうに快感を訴える森谷に、いよいよ猛り狂う武智、ただどうしようもなく森谷を可愛がりたい衝動が武智の猛りを凌駕する。
股間に顔を突っ込んで片手を森谷の物にそえつつ、もう片方の手で森谷の腹を弄り、森谷の物を口に含んで舐る。
太った所為で随分と可愛くなってしまったソコが武智の舌で固く大きくなっていく………。
「あふっ…ダメ…武智さ…ダメ…も、いく…でちゃう…。俺もぅ…あっっ!」
何処で覚えたか武智の巧みな舌使いに翻弄されてあっという間に絶頂を迎える森谷、解き放たれた森谷の快感の証が熱く武智の口内を踊る。
ゴクンッ
それを飲み下した武智を森谷が恥ずかしそうに抗議する。
「やだ、馬鹿、汚いよ武智さん!そんなことしなくてもいいのに…。」
武智はペロリと舌舐めずりをして言った。
「俺がしたくてしたんだよ。んー…思ったよりちょい苦な味だな。それよりさ…」
「俺のも結構ヤバい…な?もう我慢できねぇ…。」
武智は森谷の手を掴んで武智自身に触れさせる。武智の逞しい部分が森谷を感じて猛っていた。
森谷は同時に愛しさを覚える。これは俺を感じてこうなっているんだと思うと堪らなく嬉しかった。
しかし、森谷はどうしてあげればいいのか分からずに、結局はこう言うしかなかった。
「俺っ…どうしてあげたら良いのかわかんない…武智さん、俺の事好きにしていいから、俺に武智さんを教えて…。」
武智はその言葉に本当に我慢できなくなって自分自身を森谷に押し付けた。
巧みに事に及ぼうと試みるが体型の問題でスタンダードな形にはもっていけない。
その内にも、首筋や唇にキスを降らせ、胸や腹をタップンタプンと弄っている内にどうにも我慢できなくなってしまった。
夢中になって体を擦りつけている内に自然と先っぽが納まるポジションが生まれた。
柔らかく、適度な圧力を感じる甘美な空間、突き動かせばブニュリと根元近くまで納まり、ズップと音をたてて更に武智自身を柔らかな圧力で押し返す。
味わったことのない不思議な快感だった。
武智は森谷の柔らかな固めにつき上がった餅の様な贅肉の所為で深く深く穿たれたヘソに武智自身を抜き挿す快感におぼれた。
森谷は森谷でヘソの穴をその様に圧迫され自分の極度に分厚く纏わりついた腹の肉と肉との間に武智自身を厚く重ね納めることに快感を覚えていた。
はぁ…はぁ…と熱い吐息が重なり2人の快感を絶頂へと導く。
ズップ タプンタップン ズプ タップタップ タプンっ
「あっ…くっ…森谷好きだ!好きだ!もー離さねぇっ!」
「んっ…はぁっ…武智…さん、俺も、俺も大好き!もうずっと一緒、一緒にいて!」
ビュッ
2人は絶頂に至った快感を解放し、心地よい気だるさの中で幸せのまどろみを享受した。
これからは毎日、2人でずっと一緒にいる。そのことを心から信じ合いながら幸福な眠りへと落ちていった。
それから瞬く間に半年の時間が流れた。
戸村は、先月270kgを超え、体重過多で厨房を引退した。
現在は店を2人に任せ、サイズダウンに努めているが、食べる量が調整できずにプールで運動しているにも関わらず痩せるどころか少しづつ太り続けている。
森谷は、ホールスタッフを退いて厨房に入り、武智の助手をしながら料理の腕を磨いていた。
時々後ろ姿を戸村と間違えられ、ショックで涙目になるのは相変わらずの森谷だ。
しかし、それも頷ける。森谷は200kgの大台を超え、今や211kgの巨体を有しているのだから………
そして、一番の成長株が武智だ。
料理の腕は元々戸村に比肩するものがあったが、最近ではオリジナルメニューが受入れられ少しづつ定番の戸村レシピより注文が増え始めていた。
経営手腕もたいしたもので、特にスタッフを引っ張っていく姿と力強さが体型を超えて周囲に好意を持たれる呼び水になっていた。
「はあっ…。」
武智は下ごしらえを終えて休み時間に店のテーブルに突っ伏して重苦しい溜息をついた。
最近悩みが尽きない。原因は森谷だった。いや、この場合自分自身と言うべきなのか…。
今日昼の部が終わった処でバイトの琴美ちゃん(17才)から告白を受けた。
可愛い子だし悪い気はしなかったが、嫌な予感がして即時「付き合っている奴がいる」とハッキリ断ったのだが、いつものパターンだとソロソロ来るころだ。
カランコローン 最近つけたカラス細工のウインドチャイムが鳴る。
「ただいまぁー。足りないもの買ってきたよ。武智さん。」
来た! 朗らかな声とは裏腹に言い知れぬ圧迫感をもった言葉が武智を苛む。
「あっ…、それとぉー、これ俺からのプレゼント、夜の部の前に食べてね?」
ドサッ ドサドサドサ どさっ
森谷は、ニコニコしながらチョコレートケーキ、レアチーズケーキ、苺のタルトを1ホールづつ、塩豆大福、きんつばを一箱づづ重ねて武智に差し出す。
「えっ…こ…これっ、全部かっ?あう…それは…ちょっとぉ…。」
武智は甘いものがそれ程得意な方ではない。森谷もそれは知っていた。
しかし、おやつと言えばお菓子である。それに森谷にはどうしても沢山食べてもらわないと気が済まない理由があった。
「ちょっとぉ…何?食べてくれるよね?俺の愛。食べてくれるでしょ?琴美ちゃんの手作りクッキーは受け取ってたじゃん?」
受け取った。確かに受け取ったが3ヶ月前に学校の実習で作ったから味を見て欲しいといわれて受け取ったものだった。
「いや…あれは…そのほれ…。」
何事か言いわけしようとする武智、それを許さない森谷。
「食べるでしょ!?俺の愛!!」
たたみかけられた武智は………
「は…はい、ありがたく頂戴させて頂きやがります…。」
そしてヤケクソの様にケーキや大福を食い散らかし始める。
これが最近武智が告白を受ける女性に接触する男性でも森谷と同タイプの子と接触する度に繰り返されるお馴染の光景になりつつあった。
森谷は武智が大好きだった。だからいくら太っても大好きな自信がある。
だから武智の格好良さを目当てに(惚れた欲目発動)横槍を入れる輩が許せない、所謂森谷は大変な焼き餅焼きだったのである。
森谷は、悪い虫がつきそうになる度に武智を太らせようとした。
お陰で武智は体型の面でも一番の成長株となっていた。
只今体重199kg体脂肪44%
今日のこれで200kgの大台を記録するかもしれない。
でもまあいいか…武智は思った。これも森谷が武智を愛している証なのだと…
日常茶飯事になりつつあるオヤツを食べ終えてパッツリ重くなった腹を抱えて準備中の札を降ろし厨房に入る。
カランコローン ウインドチャイムが涼やかな音をたてた。
『いらっしゃいませ!ようこそ、アットホームへ!!』
【終わり】
373 :
ひのえ:2009/10/21(水) 15:13:20 ID:OvhXA/lf
日曜日含めて昨日まで出張だったので今日お休みもらって書き上げました。
途中寝ちゃったけど………
取りあえずアットホーム103で終了です…ながくなりましたなぁ
そして、官能小説かよ!と突っ込まれそうなシーンも2レス分だけいれちゃいました。
無い方がおかしい展開だったから…苦手な方はスルーの方向で……
もう一本も頑張りますので、今後ともよろしくお願いします^^
きのとさん、長くなりましたがリレー〆られてよかった。楽しかったです。
ありがとうございました^^
374 :
きのと:2009/10/21(水) 18:44:56 ID:tm2xwQoa
お疲れ様です。
最後にうまくまとめてくれて助かりました。
二人はこれからもますます仲良く太っていくのかな?
リレーは初めてでしたが、こちらこそ楽しかったです。
機会とネタがあればまた共同で書くのもいいかもしれないですね。
もう1本の方もがんばってください。
お二方リレーss完結乙!
平均体重が200こえるとかすごい食堂だw
すごい読み応えだw
お二方乙!
保守
太り過ぎて動けなくなるまで行くと駄目な人は多いのかね?
俺はマンガチックに動けなくなっちゃうのもアリなんだがw
>>378 俺は、だめじゃなく、むしろそれを最終目標にしてほしかったりする。
起きている間は、食べること以外なにもしない(できない)なんて、
こちらのやりたい放題じゃないか。
リアルでも、デブの食い過ぎて動くのがつらいなんて言葉に萌える。
人間ババロアとかどうよ?
多少動くのがつらい、体が重いってくらいならいいけど、
ほとんど動けないのはさすがに行きすぎだと思うな。
ただし二次とか妄想なら問題ない。
極端な話、部屋いっぱいに膨れ上がってもOK。
俺はさすがに部屋いっぱいとかは困るかな
そんな相手を前にしてどこいじればいいのかわからんし
しかし詰まってるという感じは好き
ロッカーに隠れていたらいつのまにか肥満化、ギュウギュウに詰まったりとか
今まで通れたドアを通るのに苦労するとか
>>382 そんな時はウォーターベッド代わりにタプンタプンの身体の上で跳ねたり寝転がったりしたれw
「うっっくらっせぇっっっ!」
俺は、今日も何とか仰向けに転がり起きつつ、寝台に腰かける体勢で休んでから気合を入れて立ちあがった。
あれからどれ位たっただろう?
最近本当に日付や曜日を気にしなくなった所為で、時間の感覚が鈍っている様な気がする。
それどころか、最近頭に靄がかかった様なボーッとした感覚を覚える。
太った所為か?動きが緩慢になった様な気もするし、体の重苦しさは増すばかりだった。
その所為か、寝苦しさを覚えて俺は最近早起きになっていた。
そうは言っても以前のバイト生活の頃の5時、6時起きと言うわけではなく、8時を回っている。
それでも最近の俺達にとっては早起きすぎる程だ。事実大輔は起きていない。
俺は手持無沙汰になって、早起きついでに宅配ボックスを確認しに行くことにした。こんなことをするのも何ヶ月ぶりだろうか?
のっそのっそと緩慢な動きで廊下を歩く俺。
歩を進める度にユッサユッサ、タップタップと揺れる体の肉。
特に腹の肉は動きを止めても暫くボヨヨンと揺れ続け、俺はボーッとした頭でも焦りを覚える。
明らかに太っている。
着々と横幅を増し下方向への視界を狭める腹周り、最近見た目上の変化が見られない大輔とドッコイドッコイ、いや、もしかしたら………?
俺の頭を恐ろしい考えが過ぎる。
俺はその考えを振り落とす様に頭を振って先を急いだ。
宅配ボックスを開けると、俺の大好物の数々がギッシリと詰まっていた。
俺は思わず舌舐めずりをしてそれに手を延ばす。
それにしても、俺が旨いと言った商品がリピート品として直ぐに届くのはどういう事だろう?
俺は、ふとそんなことを考えたが、答えがでるでもなく、構わず食いモノが入った箱を抱え込んだ。
ドサッ
すると、何かが床に落ちる音が聞こえた。
どうやら、抱え込んだ隙間から何かが床に落ちてしまった様だ。
「おっとと、やべーやべー、んよっと。んっ?っとっとっとっ!?」
俺は屈みこむようにして落としたものを拾おうとした。
しかし、下方向に重心が傾けられたことで腹の肉がトップリと前にせりでて、腹の尋常でない重さで前につんのめりそうになる。
寸でのところで倒れこまずには済んだものの、流石にこれはかなりのダメージを俺の心に与えた。
『腹の重さで前のめりになるなんて…俺…どんだけデブったんだよ?おい!』
俺はショックを取りつくろう様に落し物を放って淡々と廊下を戻り、テーブルにグルメ便の箱を置く。
そして、手ぶらの状態で先程の落し物をした位置まで戻ると、再度落とした物を拾いにかかった。
『さっ…さっきは、両手いっぱいに荷物もってたからな…アレだ!荷物が重かったんだよ!うん、そうだそうだ…』
俺はそんなカラ元気を心の中で披露しつつ、その癖、慎重に慎重を重ねて体勢に気を使いながらゆっくりと屈みこむ。
タップ…
また腹の肉の重みが増した様に、逆らえない絶対の重力を感じて脂汗がにじむ。
ズッシリ…
重い…、このままではバランスを崩してしまう。しかし、もう後戻りはできなかった。
俺は一気に屈むと落し物に手を延ばし…
腹の重みでもろにバランスを崩して、あえなく前に倒れ込む。
デップリドッシリと太りきった体が、前に倒れていく、走馬灯のようにゆっくりと背景が移ろう。
これは顔面ダイブに違いない。
この重さだ。痛いに違いない。いや耐えられない様な激痛が襲うだろう。鼻血が出るかもしれない。
俺は心で身構えつつ、どうしようも抵抗のしようもなく倒れて行った。
ドッシィィィィィィン ポヨン、タップ、ポヨン…
しかし、何時まで経っても想像した激痛は襲ってこない。
いや、確かに腹の辺りが床にパウンドした所為で結構痛いが、激痛とか、痛くてしょうがないといった感じではない。
一番心配していた顔面ダイブについても、顔、いや、それどころか鼻先までも床につく気配すらない。
俺の顔は床から10p程浮いていた。
前に延びた手を顔と地面の隙間に通し、突っかかるところまで探ってみる。
先ず胸の肉が床につき気味になっていた。
しかし、やはり床にべったりくっつくことなく、少々浮き気味になっている。
手に胸の贅肉の圧迫感を抱きながら、更に下へと(というか奥へと)進めていく、まあ、胸が浮き気味な段階で結果は想像がついていたのだが………
そう、腹である。
腹の肉の層がぶ厚すぎて、前に倒れこんだにも関わらず腹の肉がバウンドして衝撃を吸収し、あまつさえ、腹の肉の所為で顔や腕や脚先が床につかずに浮いてしまっていた。
俺は確信した。痩せミルクだ何だと自分を誤魔化している内に、自分が取り返しのつかない巨デブに変貌してしまった事を……
おお久しぶりのss乙
遂に巨デブ化キタなw
そして大輔はどんな有様なんだろうか…w
薬局のダイエット商品コーナーを見て回るのが楽しい。
脂肪過多…、皮下脂肪がたまって…、お腹まわりがだぶだぶ…、
想像力をかきたてる販促グッズがいっぱい。
つーか、この状態、自力じゃもう動けないんじゃw>腹が邪魔で手足が届かない
触手に犯されて淫乱調教され太らされそうになり逃げようとしても快感が欲しくて逃げられない
そのまま巨体になってガバガバになった尻に卵植えられても感じちゃって苗床として体型維持されながら堕ちる
グロいな
とゆうか規制面倒くせぇ
そういえば、れ。さんはどこに行ったのだろうか…
393 :
名無し調教中。:2009/11/05(木) 00:15:56 ID:4dgcRxAu
保守
動けなくなるまで太るけど垂れずにプリンプリン張ってるほうが萌える
体中の肉が垂れ下がった、いかにも脂肪まみれって感じの肥満体も好きだな
こぶしをめり込ませたらどこまでも沈んじゃいそうなぶよぶよの体なんて、
抱きついたら気持ちよさそうだと思う
見た目パッツリだが触ると超低反発でズブズブズブとめり込んじゃうのも
どこの拳法殺しだw
だがそれがいい
型に入れた状態で肥満化させることにより脂肪が圧縮
筋肉がなくとも高密度の贅肉で張りと埋没度を両立した太鼓腹に
俺はしばらく茫然として自分の腹に乗っかってうつ伏せになっていたが、やがてノロノロと手を床につけ、腕を突っ張って起きあがった。
今まで床に腹の肉が付き息苦しくとも重たくは感じなかったが腕を突っ張った瞬間腹の肉が持ち上がって、下への重力を実感した。
ドッシリと重たい腹の肉…、このまま、またうつ伏せに倒れこんでしまいたい衝動に駆られつつも、俺は何とか体を起こすことに成功した。
壁に寄り掛かって一息つく俺、周囲を見渡すと、ふと俺の目に見慣れない小包が入ってきた。
先程俺が落とした荷物だ。
横に倒れかかって横腹のタプンタプンの贅肉に悪戦苦闘しながら小包を手にする。
小包に添付された伝票は英語だった。
俺は、辛うじてラボといえば研究所だったかな?程度に読解して、何となく気になり小包を開く。
すると、中から原文と翻訳文書、そして、俺が愛飲している『痩せミルク』がでてきた。
俺は吸い込まれる様に翻訳文書に目を通す。
『本品は、宇宙環境及び極地における身体機能の恒常性を確保する為に開発された総合栄養食品である。』
『宇宙環境での携帯にはパッケージング処理を要する。』
『また、常飲にあたっては、以下の事に注意する事。』
@非常に高い吸収性を有し、人体に必要な栄養素を総合均衡的に備えているが携帯を企図して100ml当り1000カロリーの高栄養食品である事。
A総合均衡的に栄養素を備えている為、過剰摂取による悪影響を自覚することが困難であり、栄養素及びエネルギーの内容を熟知して使用する事。
B極地での経口を企図して体内に脂肪として蓄えられやすく、脂肪の蓄積を安全に誘導する成分が付加されている為、通常環境での使用には向かない事。
C著しい過剰摂取により、人体への致命的影響に発展する恐れは報告されていないが、朦朧感や思考能力の一時的な低下が見られる場合がある事。
そこまで読み進めて、俺は、頭の中が真っ白になっていくのを感じた。
どういう事だ?
大輔は、これはダイエット食品だと言っていた。
しかし、この内容を見ると、それとは対極にあるものであるように思える。
俺は、ダイエット食品だと信じてカブカブと愛飲していた忌々しい液体を放り投げると、ダブンダブンと波打つ贅肉を無視して、鼻息も荒く大輔の寝室へ向かった。
バダンッ
勢いよくドアを開けると、のんびりとカットフルーツを食べながら本を読んでいた大輔が驚きの声をあげる。
「どどどどどど…どうしたのぉ、そんな怖い顔して、何かあったのぉ?」
呆けた顔してボケたことを言う大輔に肩透かしを食らいながら、しかし、今日の俺は誤魔化されなかった。
「どーしたもこーしたもあっか!こりゃーどう言うこった!大輔!お前俺の事騙したのか!?」
俺は、大輔に翻訳文書を叩きつけつつ怒鳴り散らす。
大輔はオドオドしながら翻訳文書に目を走らせる。
「だだだだだって…ダイエット食品だってきいたんだもん。ステイツで大ブームって言うから取り寄せたんだモン。そんな筈ないもん。うえええ…。」
遂に涙をためて訴え始める。
「ほ…ほらぁ、注意点の後に少量で満腹感を得られる上に非常にバランス良く総合的に必須栄養素を摂取可能、通常の食事と置き換える事により美しく健康的にやせる事ができるって…。」
言い訳がましい大輔に俺は再度切れた。
「ばっ…置き換え食品だなんて知らなかったぞ!でたらめ言うな!俺をだましてどうするつもりだ!?」
すると、大輔は本当に涙を流しながら訴え始める。
「でたらめじゃないよう…、俺言ったもん。これ出す時ちゃんと言ったもん。先にこの飲み物飲むとお腹一杯になって自然と食べる量が抑えられるって書いてある通り言ったもん!」
「俺が四郎を騙して何のメリットがあるんだよう…俺、四郎大好きだもん。四郎の事騙したりしないもん!」
俺は初めてこの液体を勧められた時の事を思い返してみた。
たしか………
大輔わざとなんじゃね?www
402 :
クズのれ。:2009/11/06(金) 22:04:07 ID:ic7TTh9F
お久しぶりです。
れ。改め、クズのれ。です
長い間音沙汰無しで申し訳ありません(´・ω・)
大学祭やらイベントやらで忙しく全く話の続きが書けてない状態でして…
また、書きためたら投下させていただきますのでもう暫くお待ちください
ホントに遅筆過ぎて申し訳ありませんorz
>>402 キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
ゆっくりと待っているので頑張ってくださいね!
404 :
名無し調教中。:2009/11/10(火) 01:35:46 ID:T7JTOWid
保守
405 :
名無し調教中。:2009/11/10(火) 11:07:11 ID:eA9lm/jo
危険領域に入っていますのよ。
これで書き込み出来なくなりましたわん。
ラエー:一生書けなくってよ!!
(回数と時間がどのくらい経ったのか私には分かりませんのよ)
INHUMAN!! , INHUMAN!!
このシリーズのスレッドは最低の人間より更に下でありますです。。。
なので、今すぐ潰れて下さいです。。。
WARNING!! , WARNING!!
このスレッドは危険指数としては最高の
100(とても有害なスレッド)に指定されていますです。。。
なので、もう書き込んじゃいけませんです。。。
NOTICE!! , NOTICE!!
以下の文章は、荒らしと認定されていますです。。。
『C』やそれと同音異字のもの
『支援』やそれと同音異字のもの
『保守』やそれと同音異字のもの
俺は、その日も大好物を山とよそったプレートを前にワシャワシャと食べまくっていた。
何故なら、その日を最後に大輔の家から一端出ようと心に決めていたからだ。三桁の大台を遥かに超え、ブクブクと太りきった体を絞ってから帰ってくるつもりだった。
だから俺は最後の晩餐とばかりに食べる事に夢中だったのだ。
大輔が「痩せミルク」について話したのは確かその時だったと思う。
「ね…ねえ…、ホントに明日出て言っちゃうのぉ?」
不安げな表情で弱弱しく語りかけてくる大輔、俺は食べる事に夢中ながら、少し可哀想に感じてしまう。
「んがっ、…ん、しゃーねーだろ。予想以上に太っちまって、ここらで何とかしないと俺一生デブなままの気がするしよ…はぐっ。痩せて戻ってくっからさ。」
俺は片手で大輔の頭を撫でながら宥める。
「やだよぅ、それなら家で痩せればいいじゃん。温水プールもあるしジムだってあるし、人に見られたくないなら貸し切りにするし!」
真剣な眼差しで決して退かこうとしない。いつものほのぼの系の大輔からは想像もつかない様子に俺は少し驚いていた。
「だってよう…、こんだけ潤沢に食い物が溢れかえってると誘惑に負けて太る一方だろ?ジムとかプールとか意味ない位飲み食いしちまいそうだしさ…。」
そう答えた俺に、大輔はシュンとなって黙り込んでしまう。俺は、間が持たなくなって再び食事に専念した。
暫く黙っていた大輔だったが、ピカッと閃いた!とばかりに唐突に話しかけてきた(俺はビックリしてステーキを喉に詰まらせてしまった。)。
「だったらさ、だったらさぁ、アメリカで今大ブームのダイエット飲料があるんだって!俺自分用に取り寄せたんだけど、四郎、それ使ってみたら?」
なるほど…、試してみるのも良いかもしれない。しかしだ………
「ふんがっぁーごっごっ…!!?」
俺はステーキ肉を喉に詰まらせてそれどころではなかったのである。
一心不乱に飲み物に手を延ばし、流し込む俺。
「これがねっ、ナサで研究開発されたヤツでね!…………でね、………するとね、………するんだって!」
確かにあの時、何とか俺を引きとどめたいらしい大輔は尚も提案を継続していた。
しかし、俺はその時、あわや食い物を喉に詰まらせて新聞に出るか否かの瀬戸際で、一心に食い物を飲み下すので精一杯だった。
俺は、その後、しつこく食い下がってくる大輔にタジタジしながら、明日まで考えてみると言って席を立ち、結局一つも考えないまま満腹に任せて眠りについた。
翌日目を覚ました俺は、いつもの様に異様な空腹を抱いており、『こりゃ…金もあるし、外にちょっと出ただけじゃ痩せねーんじゃね?俺』と考えながら食堂に向かった。
そして、わくわく顔で『痩せミルク』の瓶を差し出しつつ俺の声を待つ大輔。
俺は溜息をつきつつ言った。
「わぁーったよ!その話し、乗る乗る。その痩せる牛乳見てーなの飲むよ。それでいいんだろ?」
もったいぶって、さも本当は外に出てガンガン搾ってイケてる体を取り戻せるのに、しょうがないから付合ってやる、そんな言い方だったと思う。
(考えてみりゃ、俺ちょっとヤな奴くね?)
「わぁーい、ホントぉー、やったやった。四郎と一緒、四郎と一緒!」
無邪気に喜ぶ精神年齢を疑う大輔の姿に毒気が抜けて、俺は空腹を訴える腹に応えて大いに食い、大いに「痩せミルク」を飲んだ。
そういえば、大輔は食い物と「痩せミルク」を交互にガバガバ飲み下す俺をキョトンとした顔で見ていたような気もする。
***********************************
て…、こた…何か?これって俺が悪いの?大輔の説明をいい加減に聞いてた俺のが悪いってことに何のか?
でもよっ?仮に俺が生返事でいい加減に聞いてたにしろ、間違った飲み方してんだから直そーゼ!頼むよ大輔っ!
あー……、俺に余計なこと言って、また出てくとか言われたくなかったんだろうな…コイツ……。
俺は、まだグシグシ涙をぬぐってる大輔に近寄って頭を撫でてやる。
「ごめんな。俺が良くお前の話し聞いてなかったんだよな?俺がさ、悪かったよ…だからさ…泣くなって。俺もう何処にも行かないから…な?」
俺のこの言葉に、まだ涙をにじませながら、それでも満面の笑顔で喜びを表す大輔。俺は不覚にもそんな大輔を愛おしいと感じた。
「ホント?ホントのホント?約束だからね!四郎っ、ずっーと一緒ってことだよね?四郎っ!ダイダイダァーイ好き!!」
俺の丸々とデップリタップリ巨大化した腹にガッシリと抱きついて顔をグリグリしながらそう言う大輔に、俺は苦しい腹を押して衝動的に初めてのキスをした。
しかし、この後俺は、この時また以前の自分の真っ当な道に戻る機会を永遠に失う分岐点にいたことを知ることになる。
のだが………、考えてみればこの時点で自明の理だったような気もする。
しえんが必要かな?
3ヶ月後、俺は…、いや、俺達は以前のマンションの屋上階にいた。
ワンフロアを改造しただだっ広いものだ。
いやぁ…金持ちだ金持ちだと思っていたが、大輔はホントぉに金持だった。
特注のキングサイズワイドベット、リクライニング機能付きで快適な寝床。
周囲はガラス張りで4フロアに分かれておりガラス張りのダイア型の寝室を中心に4つのフロアを負荷無く行き来出来るよう工夫が凝らされている。
天井までガラス張りのサンセットバスルームは段差が3pづつ非常に緩やかな傾斜で浴槽(と言うより1フロア全部風呂)が深くなっていく造りだ。
負荷少なく、邪魔な突起物等一切ないバリアフリーの食堂。
同様のコンセプトのリビング。
最後はフラットスペース&玄関こみの直通エレベーター(最上階には元々直通エレベーターがあったらしい、そりゃその部分は改装できねーもんな…。)。
まさに至れり尽くせりだ。
「四郎ぉー、はい、あーーん。」
甘い声で以前の腹周りを超す程の太さに成長した俺のデブデブボヨボヨの腕に抱きついて甘えながら旬のフルーツのロールケーキをワンカットづつ俺の口に運ぶ大輔。
結局、大輔はあの後スルッと痩せた。とは言え、三桁の大台を失うことはないだろうが…。
そして俺はと言うと………。
「お前なぁ…、ぶっちゃけ、ワザとだろ?」
俺は口元に運ばれた旨そうなロールケーキに食らいつきたい衝動を必死に堪えながら、ジト目で大輔を睨んでいった。
「え゛っ…な゛っ…なにがっ?」
あからさまに引き攣りながら尚もケーキを俺に食わせようとする大輔に俺は青筋を立てつつ言った。
「何がじゃねーぇぇぇぇっ!俺減量中だっていったろ!せめて自分で起きあがれるくれーまで痩せるっつったよなっ!?」
そう…俺は…、大輔とは逆に食べるに任せて太り続けた結果、自分一人では起きあがる事が出来ない程の巨デブに成り果ててしまっていた。
今…何kgだろう…正直考えたくも見たくもないが、前回の計測の結果を大輔が黙っているので…相当デブったのは確かだろう…。
「えー…、四郎、こんなにどこもかしこも丸々つるつるテカテカで、ポヨンポヨンのブヨンブヨンで、もー最高なのにぃ…。痩せちゃヤダ。痩せたら弛むよ!」
「うぐっ…た…たる…弛む…弛むかな…なぁ?」
俺は「似非痩せミルク」を飲み続けている所為か、今だパッツリして段々にはなってもタルンタルンな部分が欠片もない自分の体を見まわしながら不安になった。
太った。非常に滅茶苦茶太ったのはもう取り返しがつかないから良いとして、皮やら肉やらがダルンダルンになるのだけは勘弁願いたい。
「弛むよぉ…ホラ、俺180kgから112kgまで痩せたらこんなだもん。」
そう言って大輔はシャツをたくしあげる。
確かに以前のパッツリ感はなくタルッとしている様な気がする。
まあ、嫌悪を抱く様な代物でなく、大輔故に、また違って可愛くもあるのだが…。
そんな事を考えて俺はハタと気づく、ちきしょう、ここは都会のエデンの園だぜ…、2人しかいないからなのか、ドンドン大輔に魅かれちまう自分が怖い。
「そ…そっか…なら、一口…ハグっ…うお!うま!も1個…むぐっ、うっく…旨すぎ、やいコラ寄こせっ!」
ワシワシワシ…んぐッ…
ハッ…、また…食ってしまった。どうなってんだ?俺の食欲………
「はぁい…もー一本。今度はストロベリーオンリーだよう。」
にこやかにケーキを差し出しつつ、リクライニング機能で枕に寄り掛かるような体勢の俺のまるっとドデカイ、肉の山と化した腹に愛おしそうに両手を一杯に広げて抱きつく大輔。
自棄に幸せそうな溜息をつきながらグリグリグリグリ体やら顔やら何やらを押しつける。
「うぐっ…、も一本くってもいーけど…、こないだの体重測定の結果教えろ…。」
キョトンとする大輔。ちくしょう、はやくしろ。かぶりついちまいそうだ…。
「えー……、言ったら絶対食べる?」
「あー食う食う。絶対食う。」
大輔は、ちょっと迷いつつ、じゃあ教えるねと、俺の耳元に口を添えボソボソボソッと何事か呟いた。
「どおおおおおえええええっ!!384kgぅぅぅぅぅっ!?」
俺は告げられた数字が予測の範囲を遥かに超えていた為、絶叫しつつ白目をむきそうになる。
「俺っ、くっ…食わない!ちょっとぐらい弛んでも痩せる!今度こそ痩せる!」
俺は衝動的に減量宣言をする。
すると大輔はニコリと笑って一言。
「嘘つきは泥棒の始まりだよ?そう言う人は、起きあがらせてあげないんだから…。」
ヴっ…、俺は今や自分では起きあがれない。
起きあがってしまえば未だしも動けるのだが、特に成長が著しい腹周りの所為で起きあがる事はどう足掻いても不可能になっていた。
「ヴ…、わ…わかった食う。食うから、そんなこと言うなよぉ、ホラこっち来いって。大輔の好きなことしてやるからさ。」
俺はストロベリーロールケーキにかぶりつきつつ片腕に大輔を抱いた。
大輔はほのぼのする様な裸の触れあいと密着が大好きで、頭を撫でてもらったりフレンチキスをしてもらうのが好きなのだ。
要は肉親の情、愛に飢えていた生活によりもたらされた嗜好だろう。
そうしていると俺の方でもホンワカ気持ち良くなってついウトウトとしてしまう。
俺は夢の世界に誘われるか否かの境で、大輔の声を聞いた気がした。
「もっともっと太って俺無しでは生きられなくなっちゃえばいいのに…、前に俺から離れるっていった所為なんだからね…。もう、絶対離さないから…」
俺が熟睡していると思っての事だったのか、それとも既に夢を見ていたのか?しかし、これが現なら、大輔は「痩せミルク」の頃から俺を巨デブに……?
沈みゆく意識の中で何事か不安な考えが過ぎったが、次に目を覚ました時にはスッカリ忘れてしまっていた。何だったんだろうか?
でも、まあ、いいか…俺、好きな奴と好きなことして好きなだけ飲み食いして…幸せ…だもんなぁ…。
俺は再び眠りに落ちて行った。
先のことなんてわからない。
ただ、これだけは確信している。この先も俺の体は大輔の愛を受け止めて太り続ける事だろう…。
【終わり】
413 :
ひのえ:2009/11/10(火) 18:30:08 ID:T40o1t4V
支援ありがとうこざいます。
途中空白期間を作ってしまいましたが何とか終幕を迎える事が出来ました^^
他のSSも早くみたぁーい、と、我儘をちょっとだけ暴露しつつ次作を考えてみようと思います^^
見て頂いた方、ありがとうございました^^
乙ー
四郎がうらやましいぜ…
しえん遅れてすまぬ…すまぬ…
お疲れ様でしたー
それにしても大輔の策士ぶりには恐れ入った
そもそも大輔が夏太りしたのも計算ずくだったりして…
大輔悪いやっちゃなーw
四郎はこれから大輔専用水枕への道を驀進するのかw
ちゃっちゃとプリンプリン膨れ続けて、指一本動かせ無い人型プリンになっちゃってくださいwww
417 :
ひのえ:2009/11/11(水) 11:37:03 ID:Dv/rMd6V
>>414 四朗の方が羨ましいとは………太りキャラですな!?
>>415 大輔は計算でなく天然で無邪気故に最凶の太らせキャラ
四朗はいい加減で大雑把に見えて優しく面倒見が良い兄貴肌である意味大輔とのカップリングで相乗効果を発揮する太りキャラ
て、感じ書きました^^
>>416 悪気がないからこそ…恐ろしい…子…
俺も四朗がうらやましい
水枕にされてみたい…
むしろそんな環境と相手(太る方も太らせる方もがいることが羨ましい…
と読んでて思った
人間マシュマロになっちゃったな四郎www
この時点でもうほぼ完全に動けないんじゃね?w
四郎、まんまと肉体水枕にされちゃってまあw
このペースなら1ヶ月後には完全に自力で動けないほどブクブクぷるんぷるん太って、
モッチリタップリプリン男に生まれ変っちゃいそうw
半角wと洋菓子に例える特徴的な文章の癖は
なんとかしたほうがいいんじゃないかな
と思った
日付変わる度に似たような感想を3回も書けるのは素晴らしいな
そんなことよりおなかがすいたよ
そんじゃ、
>>424に食料をプレゼント。
さっき買った老祥記の豚まんと、ユーハイムのバウムクーヘンどうぞ。
マンガ的に食い物詰め込んで膨らます→そのまま消化パツンパツンの風船デブにしたりされたりしたい
428 :
にき:2009/11/15(日) 01:57:04 ID:PuMpeAFE
どうも御無沙汰してます。にきです。
前回の投稿から間が空いてしまってすみません。
今回投稿していたものは、荒くても早いサイクルで…と考えていたのに、実行できずに流れてしまっていて本当に申し訳ないです><;
つきましては、僕の勝手な了見なのですが、一旦「幸か不幸か」は下げさせていただきます。
しっかりと練った別の作品を卸すにしろ、中途の物はちゃんと切り上げておきたいので…;
「幸か不幸か」自体は、手元で完結させてから再度投稿、もしくはWIKIに直接投稿させていただきます。
半端な事をして申し訳ないです、お目汚し失礼しました。
二次元妄想限定だが、太りに太ってキングスライム状態にしたい…
ドラクエのアークデーモンをダンビラムーチョ並のぶよぶよの体になるまで肥育したい
431 :
名無し調教中。:2009/11/15(日) 22:18:32 ID:482nda62
危険領域に入っていますのよ。
これで書き込み出来なくなりましたわん。
ラエー:一生書けなくってよ!!
(回数と時間がどのくらい経ったのか私には分かりませんのよ)
INHUMAN!! , INHUMAN!!
このシリーズのスレッドは最低の人間より更に下でありますです。。。
なので、今すぐ潰れて下さいです。。。
WARNING!! , WARNING!!
このスレッドは危険指数としては最高の
100(とても有害なスレッド)に指定されましたです。。。
なので、もう書き込んじゃいけませんです。。。
NOTICE!! , NOTICE!!
以下の文章は、荒らしと認定されましたです。。。
『C』やそれと同音異字のもの
『支援』やそれと同音異字のもの
『保守』やそれと同音異字のもの
>>430 ダンビラムーチョすげーいいよな
オレはもし人間から魔族になれるならダンビラムーチョかドラゴンヘビーになる
アークデーモンがダンビラムーチョになるのなら、ダンビラムーチョは?w
デンデン竜はかなりエロい体型だと思う
やっぱり乳がでかくないとダメだな〜オレは
アークデーモンがダンビラムーチョ、ラプソーン、そしてキングスライムへと出世していくのだな
体型がw
つか、顔以外突起も何もないつるりとしたキングスライム体型まで太らせるのは肥満化の範疇逸脱してね?w
俺はそう言うの大好きだけど
意識もそれなりにはっきりしてるんだけど全く動けないとか萌える
モンスター職か
ドラクエでもモンスター職とかあったのは7だけかもったいない
捕まえたら体内にとり込んで上下から栄養注いでぶくぶくブヨブヨ太らせて、、
太るにつれて身体が丸く、手足が太短くなっていき、
最後はゴムボールに顔だけ状態まで太らせて「ペッ」て吐き出すキングスライムの新種はまだですか
因みに、「ペッ」された哀れな犠牲者はそのまま止まる事を知らずに太り続け、
最後には新たなキングスライムとなって新たな犠牲者(ry
441 :
ひのえ:2009/11/18(水) 16:42:23 ID:rqDIyP+P
>>428 いつまでも・・・いつまでもまってまーす!!
と、昨日胸と脇の間に肉割を見つけてウツな俺がイッテミタ・・・
でも、ホント、楽しみに待ってます!未だ藍色茜色の赤根先輩萌えが止まらない位だからw
人を殺すことではなく肥満化させることが目的の魔物とか怖いな
被害にあった村は飢餓で苦しむんだぜ
その魔物がでるにあたっての副次効果で土地が豊かになるとかあれば大丈夫そうだが
むしろ食わないとドンドン増えてしまうキノコとかな
肥満化前はそんな食えないだろうし積みじゃないかw
食べきれるようになった頃には村人全員立派な体ってオチか?
結局飢餓になりそうだから大きくなった体を活かして冒険者になったりするのもいそうだ
きのこだと他にもパワーアップしそうなイメージ
ドグマチールはこの世の中にある唯一の肥満薬である
それを利用しドグマチール漬けにして一気に肥満化させる とかみてみたいよな
『すべてがデブになる』はよかった
主に
>>445の効能とか
俺は♀の肥満化もいけるから2重で美味い
>>445 肥満体相当に太る食べ物は素晴らしい
まして謂れが『バランス栄養食品』と健康で力士並みの体になれるからな
閉鎖状況というのもなかなかに想像を掻き立てられる
北斗の拳でケンシロウに太るヒコウ突かれて
ブクブク太りだすとか見てみたいよな
このスレ的にブラック・ジョークって漫画のガンボートとかってどうなの?
454 :
国檻:2009/11/24(火) 17:09:54 ID:eJofH9bh
「あれ、か」
暗い茂みから、音を立てることも無く二つの人影が飛び出した。
木々の間を抜けるその足の運びは軽く、一直線に森を抜けると、その人影は崖の上に立っていた。
崖から見下ろす景色は明るい光が溢れ返り、飛び出した勢いで覗き込んだ片方の男は思わず後ずさりして、その場にしりもちをついた。
「あかるっ、アホかあれ。アホかあれ。」
「二回いう事かよ…夢いっぱい、実いっぱいでいい事じゃねぇか。」
差し出した手を引っ張られ腰を上げると、男は再度、崖下に広がる景色を見つめた。
今は月も降り始める時間だと言うのに、路地の様々な場所で煌く街頭。
外を出歩く人の姿こそないものの、大きな住宅区に囲まれた公園。
そしてなによりも、外壁の無い城下町…顔を見合す二人には、とても想像出来ないものが、そこには広がっていた。
「きっとあれやろ、王様が黒死病を操る魔法使いで、武力抜きでも絶対の防御力を…」
「お前、いくつになるんだよ」
「うるさいわい、アホっ」
足元からの光に照らされて浮かぶ、褐色の二人の男の姿。
白い髪の男と黒い髪の男のしょうもない言い合いはしばらく続き、街の明かりも段々と日の光に摩り替わっていた。
「…ぼちぼち行くぞ、おい」
「…へいへーい」
「サクッと儲けて豪遊するんだろ」
「へいへーい」
「…お前、優先的に楽していいから…」
「ほんまーっ」
「やっぱやめた」
そういうなり、白い髪の男は返事を聞かんとするように急ぎ足で崖を下り始めた。
駆けながら再び口論を始める二人の姿からは、昨日の颯爽と森を駆ける姿は微塵も感じられなかった。
455 :
国檻:2009/11/24(火) 17:11:16 ID:eJofH9bh
土埃を浴び、衣服も乱れたままの男が二人、『街』の入り口に立っていた。
崖の上から見た景色通り外壁が無いため、入り口と言えるようなものは特に無く、言ってみれば外へ繋がる路地の端全てが入り口だったが。
「…なんか拍子抜けっつーか…」
そうこぼしながら『街』へ足を踏み入れると、近くを歩いていた通行人が数人、男達の姿に気付いた。
「うわめっちゃ見られとるやん。何これ晒しもん?いやあながち間違いでもないけど」
「黙って、無視して進め」
勝手に喋りだす口を掌底で押さえつけ、無理矢理腕を引いて歩き出そうとすると、近くで立ち止まっていた男が二人に話しかけてきた。
「旅人さん?」
「…何か問題でも」
「入国審査って…しました?多分、まだですよね」
「入国…国っ…!?」
二人の格好を見てそう判断したのか、質問を投げかけた男はこくりと頷いた。
「和国へようこそ。だーいじょうぶ、うちの入国審査落ちるのなんか、犯罪者ぐらいなもんですって」
「お前、話が違っ」
「ほんまーっ」
街の男に背中を押されて歩きながらも、いらつく相槌に軽くフックが飛んだ。
「あははっ、お二人とも面白い方なんですね。芸人さんですか?」
はぁ、と深くため息が漏れるのを見て、すかさず余計なフォローが入る。
「ちゃうねん。自分らこう見えてもクールでスタイリッシュなハンターさんやねん。対人・家屋専門の。」
「げっ…い、人だ…、俺達…っ」
慌てて入れたフォローのフォローが耳に届いているのかいないのか、男は二人の間から手を出し、正面の建物を指差した。
「あちらで、簡単な入国審査の手続きが受けられますので。しかし、旅人さんだなんて、いいですねぇ。」
それじゃあ自分はこれで、と軽く手を振り、男は去っていった。
「ええ人やったのう」
うんうん、と頷く頭にげんこつが落ちる。
「どこに自分の正体晒す犯罪者がいるんだよっ」
「いっつ…お前げんこで中指とがらせんなや!アホかほんま!」
「…まぁいい、一目見て旅人ってわかる度にあれじゃ厄介だ。行くぞ。」
456 :
国檻:2009/11/24(火) 17:12:22 ID:eJofH9bh
「はい、お待たせしましたー。ではこちらに続きの署名と必要事項を…」
役所というには少々簡素な、大きな書類棚がいくつかあるのと、係員が二人いるだけの入国審査所で、二人は手続きをしていた。
内容はごく簡単なもので、職業や目的、滞在予定期間などの申請をするだけのものだった。
さすがに国際手配書と照らし合わせられるぐらいはしたが、本当にそれだけで、正直セキュリティとしては緩すぎる入国審査だった。
「シロ様、クロ様。旅芸人の興行目的でのご滞在ですね。」
「…おう。そうだ、通貨は…」
袋から財布を取り出そうとすると、係員がその手を静止した。
「ああ、少々お待ち下さい。そちらはこの後の手続きになります。」
「そやでー。金の事がっついたらあかんでー。」
キッ、と睨み付ける返事を繰り出すと、そのやり取りを見ながら係員は思わず噴出してしまった。失礼しました、と頭を下げると、係員は説明を続けた。
「それとですね、ご滞在期間が未定…とのことですが、こちらはどうされるご予定ですか?」
「未定は未定だ。どうしようもないな。」
「それですと、ご滞在用のパスの発行が少々滞ってしまいますが…」
そこまで言いかけて、奥にいたもう一人の係員が、言葉を挟んだ。
「もしシロ様方がよろしければ、ご旅行滞在ではなく、国民になられてはいかがでしょうか?」
そうなると話が違う、と、すぐさま席を立とうとする。慌てた係員は引き止めるように、こう話を続けた。
「申し訳ありません、私の説明不足でした。実は入国審査は共通の物で、ご滞在も国籍を置かれるのも、手間自体は同じなのです。」
「そんなうまい話あるわけないやん、アホ」
「和国のモットーは、誰にも等しく富を、です。」
笑顔でもなく、誘うでもなく、ただ真剣な顔で、係員はそう言葉を発した。
国籍を置くというのは、身分を丸々移す行為であり、それは軽々しく出来るものでもないし、ましてや簡単に行えるわけが無いことである。
こういった役所の人間に成績があるのかどうかは知ったことではないが、そこまでして興味を持たせようとする事は、少なからず話の続きを聞く気を起こさせた。
「続けろ」
457 :
国檻:2009/11/24(火) 17:13:02 ID:eJofH9bh
係員の説明は丁寧でわかりやすく、かつ、二人にとってなんら損害のない事がはっきりと分かる内容だった。
滞在者は施設利用等の補助が受けられ、仕事の斡旋も受けられる、旅人を後押しするような国の保護が見えた。
国民は施設利用の補助等はないものの、それ自体が家を持つべきとして与えられ、職の有無に関わらず生活の保障を受けられるというものだった。
また入国・出国は比較的自由に簡潔に行えるものであり、国民となった後もそれは例外でないことも説明された。
「こんなアホみたいな話、ぽこぽこ転がっとるわけないやろっ」
そうぎゃーぎゃー騒ぐ隣で、ここに来るまでの事を思い返し、一人冷静に考え込んでいた。
崖の上から見た街の状態や、国のモットーが嘘偽りないものであるなら、考えられなくは無い、が…
「悪いが、繰り返し確認するぞ。国民の権利とかいうのは何のリスクもなく保障されるものなんだな?」
「ええとですね…リスクと申されますと少々心苦しい気はしますが、基本的には無償で与えられるものです。」
そう言いながら、係員は書類の項目を指差し、つーっとなぞった。
「また、国民も滞在者と同じく、出入国は自由に出来、国外で和国の保護を適用するか否かも自由に出来ます。よろしいですか?」
「…ん、確認すべきは、それぐらいだな。」
「はああああああちょお待てやコラ!!なるんかい国民にぃぃぃぃ!!!」
「悪い条件は特に見当たらないしな。国民の義務も特に縛られるものでもないし、書面自体に虚偽を罰するともある。」
「後から「実はこうこうこうなんですわーへっへっへ」つー反則技はナシってことやな」
「…ま、そういう事。他になんかあるか?」
「なるわああああああ国民んんんん!即決やろアホかお前!!」
いちいち相手をするのにも疲れたのか、激しいリアクションを無視したまま、書面にサインが施された。
「それでは少々お待ち下さい。只今、シロ様方のご自宅をご案内する係のものを呼びますので。」
そう言われてお茶の入ったカップに手を添えると、口に運ぶ間もなく後ろの扉が開いた。
「お待たせ致しました、それではこちらへどうぞ!」
「…待ってねーっつか、茶ぐらい飲ませろ…」
SSktkr!
乙です!
支援必要かな?
460 :
国檻:2009/11/24(火) 18:35:26 ID:eJofH9bh
建物を出て、街並みを過ぎ、三人は広い公園を歩いていた。
「少し距離があって申し訳ない、外来の方の住宅区はこの先なんです」
「でもこの先って、ここいらよりデカい家ばっかなんちゃうのん?」
ぐるっと指を回しながら、辺りの家々を見回す。立ち並ぶ一軒家はどれも普通の家族単位で生活するには申し分ない大きさで、いかにも活気溢れる市民街という感じだった。
「あ、よくご存知ですね。どちらでその話を?」
「そんなもん上から見りゃあ一目瞭然」
「他の旅人に、聞いたことがある。…それと、昨日ここに来る途中に山の上から見る機会があってな」
余計なことを、と思わず手を張ろうとしたが、なるべく不自然な事にならないように会話を補った。
「山って…城の向かいにある、あの山の事ですか?」
「ん…そうだが」
「…旅人さん、すごいんですね…あの山って、山賊やら人買いやらの根城になってるって聞いてますけど」
やはり面倒な事になりそうだ、と小さく舌打ちをしたのが聞こえたのか、もう一人の男がすかさず声を上げた。
「いーやいやいや、あんなモン、俺らにかかりゃあなんの問題もないわい!」
「おい、これ以上余計な」
「なんせ俺らはスーパー☆ラッキーやからな!」
一体なんの自信があってそう言い切ったのかはわからないが、呆れる男の隣で案内人は拍手をしていた。
「そうですよねっ、無事に和国までたどり着いて、国民にもなられる方々ですもんねっ、そりゃあラッキーだ!」
満足げに案内人が前を進むと、その後ろで無音の張り手が飛んだ。
そのまま公園を抜け、少し街頭の少ない路地を出たところに、先ほど見てきた家々よりも一回り大きい家が数件立ち並んでいた。
「お疲れ様でした。それでは、こちらがシロ様、クロ様のお住まいになります。」
そう案内されたのは、まだ建ってから使われた形跡の無い、立派な一軒家だった。
通り道で見かけた家に居た人々は同じく『国民になった』ものなのであることと、まだいくつかの家は空き家らしいことが、途中で説明された。
461 :
国檻:2009/11/24(火) 18:37:26 ID:eJofH9bh
「いっやー、これはええのぉ。マジでええんかのぉ。」
説明も生半にシャワーを浴び、和国の衣服であろう『浴衣』を纏って、ご機嫌に踊り狂っている。
「お気に召されたなら何よりです。それでは私はこれで。」
深々と頭を下げると、案内人は部屋を出た。
「ったく…人の気も知らねぇで…」
そう言いながら、机の上には先程の話をまとめた書類が広げられた。
「やっぱ、こーゆートコでめんどくせぇな。」
「えっ、ちょっ、リスクがどうとか大丈夫って言ってたやんっ!?」
「聞け。まず聞け。」
乾きかけの黒い頭をがしっと掴みんで、おとなしく自分の方を向かせる。
「生活の保障ってのは最低限のモンらしいし、不自由なく暮らすだけならまだしも、贅沢すんには働けっつーことらしいな」
「詐欺くさっ、やっぱ詐欺くさっ」
「いや、見た感じ食料の配給は十分過ぎるぐらいだし、この家だってなんら問題はなさそうだ。」
「やっぱええとこやーん。和国ステキっ」
「つまり賃金はそのまま贅沢の為の貯蓄になるって事だな。」
「ほんまーっ」
「なんとも、俺達泥棒さんの出番が増えそうな話じゃないか。なぁ」
「せやな!移住者の稼ぎまんま俺らがゲットやな!」
ぐっ、と握りこぶしを合わせると、二人から思わずにやけ笑顔がこぼれた。
突き出した腕がそのまま黒髪の頭を押さえ、ヘッドロックを決める。
「初日だけでぼろぼろミスやらかしそうになる相方じゃあちと不安だがな」
「ひぃぃぃ、すま、ぐまっ」
ぱんぱん、と腕が叩かれ、首が開放される。
「…まぁ、偽名と職業はお前のアイディアだからな。今日の分はこれでチャラだ。」
「対価安っ!」
「ところで、なんなんだ?この名前。お前さらっと出してたけど、意味あんだろ?」
「どっかの国のこれの呼び方やったわ」
自分の頭を指差しながら、クロはそう答えた。
「それがクロで、俺の場合はシロって事ね」
がさっと撫でた白い髪は、室内灯を受けて金色にも見えた。
462 :
国檻:2009/11/24(火) 18:39:32 ID:eJofH9bh
繁華街の賑わう声も聞こえる、天気のいい昼下がり。
公園の端には人だかりが出来、その中に素早く飛び回るクロの姿があった。
「おーきに、おーきにっ」
愛想を振りまきながら抱える帽子の中には、様々な価値の硬貨が日光を受けて煌いていた。
「そんじゃ、今日はここまでっ!また今度なーっ!」
「おーうっ」
「クロももーちっと笑えやっ」
「シロさんまたねーっ」
拍手と声援を背中で受けながら、二人は公園を後にした。
まっすぐ家に帰ると、二人はテーブルに向かい合わせに座り、カキンッと金属製のジョッキのぶつかる音を響かせた。
「いやー、ボロ儲けやな、ほんま」
「…なんか当初と予定、随分違うけどな」
「それはそれ、これはこれ。金になってるんやから何も問題ないやろっ」
クロはぐいっとジョッキを飲み干すと、気持ちよさそうに口を拭った。
二人が周囲の住人に『仕事』をする為には、無職で何かを企んでいる隣人というイメージは良いものではなかった。
ここは入国時の設定通り旅芸人を装うのがいいだろうと提案したのはクロで、シロは渋々その案に乗った形で、公園での『興行』を始めたのだ。
元々のクロのお調子者っぷりと、真面目にキレて突っかかるシロのキャラクターも活きてか、何故か軽い人気者状態になるまでになり、今に至る。
「この調子やと、なんや別に悪させんでも十分リッチやんなぁ、俺ら」
「…そんなんじゃ、ここを出たら生きていけなくなってるな、そのうち」
「ええっ、俺てっきりここで永住すんのかとっ」
「アホかお前はっ!」
がっと身を乗り出して言い放ってから、慌てて席に腰を下ろす。
「はーん…は〜〜〜〜ん…?」
「っ…お前がしょっちゅうやかましいから、うつっただけだ、黙れっ」
思わずツッこんでしまったことに赤面して、クロはそっぽを向いた。
と、その時、こんこん、と小さくノック音が室内に響いた。もう夕闇も陰る時間だと言うのに。
クロが扉を開くよりも早く、ぎぃっと開いた扉の前に立つ正装の男は一言、二人にこう告げた。
「夜分遅くにすみません、少々城の方まで、ご同行願います」
463 :
国檻:2009/11/24(火) 18:40:12 ID:eJofH9bh
二人が城を訪れると、広間の入り口に見覚えのある男が一人立っていた。
「あぁ、すみません、本当にすみません」
こちらに気づきぺこぺこと頭を下げながら近づいてくるその男に、シロが声をかけた。
「何が悪いのか知らんが、あんたの紹介してくれたあの家、気に入ってるぜ」
「は、はい、そのですね、実は入国審査の時に手違いを起こしてしまいまして…」
「それに関しては、私から説明いたします。」
スッ、と手を出して会話を止めたのは、城まで案内してきた正装の男だった。
「さて、シロ様。と、呼ばせていたきましょうか」
その物言いに、シロとクロはざっと身構えた姿勢をとった。
「まずはお話を。悪いようにはいたしません。」
二人の反応を見ても態度を変えないその姿に、ひとまずシロは警戒を解いた。
「入国審査…まぁ、あってないようなものなのですが、一応ルールというものが御座いまして」
「重犯罪者の受け入れは出来ないってことだろ」
「一応こちらの確認しているものでは、殺人等は記録されていませんので、軽犯罪の処置となりますがね」
「ばっ、オイコラ、俺らなんもしてねーっつの!」
「クロは何もしていない。それは本当だ。」
「そういう事でもかまいません。ですが、法は法ですので…」
そこまで聞いて飛び掛るクロを、シロが押さえつける。
「…本来なら、衣食住における制限区域での生活での入国になるのですが、お二人はもう地域の方々と暮らしていらっしゃるようです。今更移転の手配はいささか本意ではありませんので、短期間の拘留…という形で、免をとらせていただきたいと思っています。」
「…クロは、」
「今まで通りに暮らして頂いて結構です。シロ様も、拘留中に周囲の環境へは影響がないように手配させていただきます。」
「相変わらずうまいことだらけなんだな、この国は」
シロは大きく一度頷くと、黙ってクロを帰らせた。
464 :
国檻:2009/11/24(火) 18:42:18 ID:eJofH9bh
「これが懲罰房ね…なんかの冗談だろ」
「お前さん、外来民だからな。傭兵か?盗賊か?」
見た目はとても『牢』としての環境とは思えない、普通の家具に囲まれた普通の部屋が、シロに充てられた『牢』だった。
「旅芸人、かな」
「それにしちゃ、随分と鍛えこんだ体だこと」
囚人服への着替えを見ていた看守が、何の気なしに感想を述べた。
元山賊で旅芸人のその体は、しっかりとした無駄のない体つきで、囚人服に指定されたツナギを着込んだ姿も気持ちのいいストレートなシルエットだった。
「罪状は?」
「…ま、盗みを少々」
「そか。そりゃま、残念だったな」
ツンとした態度でベッドに腰掛けると、シロは辺りを見回して、看守に尋ねた。
「窓無いんだな、ここ。空気悪いぜ。」
「地下だからしょうがない。ま、ここに来れるなんて贅沢なもんなんだぜ?」
「そりゃそうだ」
他愛も無い話をしていると、看守が鉄柵の小窓を開き、食事の乗ったトレイをいくつか室内に置いた。
「…ここホント、牢獄かよ。」
「ま、これがお前の仕事だからな。」
「は?そりゃなんだ、聞いてないぞ」
「和国の民、誰にも等しく富を。要するに残飯処理が罪人の仕事であり、富なワケだ。」
「…アホか。捨てるぞこんなもん。」
「自由にしたらいい。ゴミ箱には限界があるし、部屋に置いといても腐るだけだ。あぁ、模範囚って知ってるか?」
看守の悪意の無いにやけ顔に目をやり、出された食事を見直すと、乾いていた喉に唾が飲み下される音がした。
先ほどの会話の「残念だったな」の指すところが何かに気付くと、シロの頬には汗が流れた。
「…随分と平和的鬼畜要求だな、オイ」
「刑期は三ヶ月…ま、どうなるかだな。誰にも等しく富を、じゃあまた見回りの時間にな」
wktk
466 :
国檻:2009/11/24(火) 23:57:50 ID:eJofH9bh
七日。それだけの時間が、シロと『牢』に訪れた。
牢の中には時計も置いてあり、看守が使っている物と照らし合わせてみても進み方は同じだった。
シロはここでの生活が始まってから色々と考え、模索していた様子だったが、ここ二日程は特に何の変化も無く過ごしていた。
二日に一度着替えの交換があったり、望めば読み物も貸与される。牢と呼ぶには、あまりにも快適過ぎる場所だった。
どうしても気になるのは、それだけは仕方なく、というように設置された便器の定期清掃の回数が妙に多い事と、嫌でも視界に入る食事だった。
「あと三日もすれば、クロさんだっけ?面会に来るかもな」
「…面会まで自由なのか、この温室」
「はははっ、温室たぁ違ぇねぇ。正直その中が羨ましいぜ」
看守が笑いながらそう話すのも頷けるような環境だったのは、シロも理解していた。
「こんな上等な扱いで、あんたらにイジメ喰らう事も無く、おまけに出る時には『仕事』の手当ても出るとすりゃあ…そうだろうよ」
「面会だけは十日に一回だがな。俺ぁ外に母ちゃんいるから、そりゃ耐えらんねーわ」
「…ところで、物は相談なんだが…」
「またそれか」
ふぅ、と看守がため息を漏らすと、シロは申し訳なさそうな顔で部屋の隅にある皿を指差した。
467 :
国檻:2009/11/24(火) 23:58:13 ID:eJofH9bh
皿には変色した『料理だったもの』が盛られており、窓の無い個室を覆うには十分な悪臭を放っていた。
シロは最初、それこそ本当に料理にはそっけない態度をとっていた。腹が減った分だけ食べ、それでも更に繰り出される皿は知らん振りをしていたのだ。
それが通じたのも三日目までで、異臭を放つ食事に危機感を感じて、新たに運ばれてくる料理は極力食べつくさなければならなくなった。
罰と富の両立というものをひしひしと感じながら、普段の食事量では考えられない量を腹に詰め込んでいた。
「…今だってぎりぎりおっつけてるのに、あんな前の無理だ…だから、その」
「わかったわかった、けどバレたら怒られるの俺なんだから、今回限りにしてくれよな」
「すまない」
そう会話を終えると、看守はシロから皿を受け取り、手持ちの袋にそれを入れて、出口の傍に置いた。
「しかしアンタは食い切るの、早い方だよ。今までは二、三回ぐらいは俺が世話やいてらぁ」
入れ違いで新しい食事を牢に運びながら、看守はシロを褒めた。
「…正直しんどい、こりゃ確かに罪人の扱いなのかもな…」
部屋に立ち込める匂いから、数時間前の食事を思い出すと、シロの表情はうんざりしていた。
468 :
国檻:2009/11/25(水) 00:01:34 ID:eJofH9bh
「こちらです。」
「シロっ!っておおおおおい!!」
面会に来たクロがシロの牢の前まで来ると、突然大きなツッこみを入れた。
想像していたのとは違う、あまりにも普通な環境で、山盛りの食事をかっ食らうシロの姿に、心配を通り越して笑い出してしまった。
「な、ちょ、おま、アホやろ!…ていうかアホやろ!極楽かここは!」
「おう。いや、まぁ、どうにもそうらしい…なんつっって」
「冗談まで言えとるやん!!あーもー心配してソンしたわっ。大丈夫なん?」
口の中にあるものを飲み下し、シロは大きく頷いた。
「なんかこれ、仕事らしくてな…残飯処理だそうだ。」
「ハハハ…残飯てお前これ…俺よかええもん食うとるやろ…ずるいっ!俺も捕まるっ!」
「あっはっは、やっぱ面白いな、芸人さん達よ」
「「ほっとけ!」」
看守に同時にツッこみを入れると、シロが一つ咳をたて、話を切り替えた。
「お前、大丈夫そうか?」
「ご近所さんと仲良うしとるわ。はよ出て来な、ソロデビューしてまうで」
「…別の意味で心配いらないな、お前…」
「俺よかシロやろ。どうなん?」
「三ヶ月らしいな。俺の頑張り如何らしいが。」
そう言いながら、シロは今しがた食べ終えた食事の皿を持って見せた。
「…って事は、食えば食うほど…!って事か?あはは、そんなんしたらシロ、帰ってくる頃にはぶくぶく太っとんちゃうか」
「あっはっは、笑えねーなぁそれ」
頬を伝う汗と、目が笑えていない表情が、シロの心境を物語っていた。
無意識に擦った腹が少し張っていたのも、クロからは見えていない事が救いだった。
「ほんなら俺、また十日後に来るわ。チョーシこいておもろいことになっとらんよう注意しときやっ。」
そういい残すと、クロは看守の後について、牢の階段を上っていった。
「…はは、人の気も知らねぇで…っとに」
ツナギの中に手を入れて自分の体を触っていると、シロは今後の自分を想像して、食事を口に運ぶ手が鈍くなった。
「国檻」…これは…萌える!
素晴らしく萌える予感アリ!!!!
頑張ってくだしゃー^−^
470 :
国檻:2009/11/28(土) 04:41:59 ID:DddBAy2u
十日置きにクロが面会に来るのも、早数回。
変な話だが、お互いが今の環境に慣れてきていた。
「お、精が出るのう」
カンカン、と鉄柵を叩く音に、シロが顔を上げた。
「…まぁな。」
額の汗を拭いながら、シロは一言返事をした。
「やっぱ、ここだと筋トレしてても、ダメなんかのぉ。腿んとこぱんぱんやん」
「ま、しねーよりはマシって感じだろ。」
はは、と軽く自嘲気味に笑うと、ツナギの上から軽くお腹をさすった。
流石に二人が予想していた通り、シロはここでの生活で多少なりとも太っていた。
入所してからサイズの変更がされていないツナギでは、腿や尻部分は軽く張り詰め、満腹時にはお腹の膨らみもはっきりと見て取れるようになっていた。
「せやけどなんもしてへんせいかなー。俺まで最近太ってきたわ。」
「…それを俺と比べるのか、オイ」
見た感じの変化は皆無なその姿に目をやりながら、シロが軽く舌を鳴らす。
「あはは、まぁまぁ、帰ってきたらちゃんとダイエットせなな。ところでどうしたん?普段より元気ないな?」
「…昨日今日と、なんか飯少ねーんだよ。願ったり叶ったりなんだが、どうも調子狂うな。」
「今城内にいらっしゃるお客様が、きっちりお食事されてっからな。」
にひひ、と看守が笑いながら話題に入ってきた。
「あー、せやったな。豪華すぎて忘れとったけど、シロは残飯食ってんやったっけ。」
「残飯が無きゃ普通のメシもない…ま、普段多すぎるからな。いい機会だ。」
そう話してる最中にも、シロのお腹からはぐきゅぐきゅと音が鳴り出しているのを聞いて、クロは笑いを堪えた。
「ほんなら俺、ぼちぼち帰るわ。あんま喋ると余計腹減るやろ」
「余計なお世話だ。…またな。」
軽く手を振ってクロを見送ると、シロはベッドの上に仰向けに寝転んだ。
ふぅ、と軽く息を吐いて直接さすったお腹は、今までは感じたことの無い感触を掌に伝えていた。
「…ま、痩せんのも自由なメシも、まずは出てからだな…」
我慢我慢、と口の中で唱えると、シロはそのまま眠りについた。
471 :
国檻:2009/11/28(土) 04:42:34 ID:DddBAy2u
「朗報」
カンカン、と鉄柵を叩く音が響くと、シロは腕の肘から先だけを上げて、起きている事を示した。
「お客様、お帰りになられたぞ。」
「ははは…そりゃ朗報だ…」
乾いた声で、シロの声が返ってくる。
結局残飯がまともに送られてこない生活は、クロの面会が三回起こる程に続いた。
三度目にいたっては、差し入れをもってこようかと心配されるような状態での面会だった。
「四人が四人とも、みーんなデカいんだもんよ。ありゃメシ残しそうにないな、確かに。」
両腕を広げて、帰った四人組がどれだけ太っていたかというアピールをするも、シロの耳にはちゃんと届いてはいなかった。
「…ま、今日の夜からはまた食いきれねぇ程来るって。とりあえずこれ、今持ってきた分な。」
看守が牢の中に運び入れたのは、最近の食事であるパン一欠けらと、少量のサラダくずだった。
のそのそと体を起こすと、シロは先に水を口に含み、喉を潤してから食事に取り掛かった。
食事と言っても量が量なだけに、トレイに乗っていたものは一瞬で空の器に姿を変えた。
食事を終えるとそのままベッドに戻り、はぁ、と大きく息を吐いた。
「ごっそさん。俺寝るから、メシ来たら起こしてくれよ。正直限界。」
「おう。久しぶりすぎてびっくりするような、ちゃんとしたもん持ってきてやるからな。」
一言ずつの会話を終えると、ベッドからはすぐに寝息が聞こえてきた。
472 :
国檻:2009/11/28(土) 04:44:17 ID:DddBAy2u
「うわっ」
看守は驚いた声をあげ、よろめいた勢いで尻餅をついた。
声をかけ直前に、勢いよくがばっと起き上がったシロに気圧されての事だった。
「食うぞ」
「わー待て待て、俺出るから。俺出てからにしてくれ。」
いそいそと看守が牢を出ると、待ちきれんと言わんばかりにシロは床に並べられた料理に飛びついた。
つい最近、今朝までの食事が嘘のような、大皿が4つも5つも並んだ相当な量の料理を、シロは口に掻き込んだ。
ある程度勢いで食べ続けたところで、水で口の中の物を流し込むと、シロは一息ついて看守の方を見た。
「ふぅ…危うく、餓死させられるかと思ったぜ。」
「おう、まぁ結果的に刑期がそんなに変わらなくなっちまったが…満足するなら、とりあえず食っとけ食っとけ」
「言われなくても…ところで、こんな多かったか?」
半分以上手をつけたところで、シロが看守にそう問いかける。
「さぁなぁ。元々結構量はあったとは思うが…例のお客様の影響で、量にも変化が出てるんじゃないのか?久々だし、キツいか?」
疑問に思ったこととは裏腹に、シロ自身に抵抗感は無く、食事をする手も動いたままだった。
「いや、腹減ってるし、丁度いい。多分こんなもんだったんだろ」
俺の勘違いかもな、と続けながら、シロは食事を終えた。
久しぶりに大量に食べたせいか、食事を終えた途端に数回、「うっ」と嗚咽を漏らした。
「おいおい大丈夫か…別に一気に食わんでも、誰もとりゃしないのに。どうせお前さんが食わなきゃいけないもんだしな。」
「でもどうせまた来るんだろ?なら配分変えても同じだろ。うっ。」
不自然に張り詰めたお腹をさすりながら、シロは壁に寄りかかった。
「そういやそれ、キツいんじゃないのか?今日の着替えの時にでも、上のサイズ持ってきてやろうか」
「いや、それは…そうだな…じゃあ、頼む」
改めて太ったことを自覚させられるようで、サイズを上げる事には抵抗があったが、次に来る食事の事を考えるとそうも言っていられないことが想像でき、シロは看守に頭を下げた。
今も既に満腹のお腹が内側から圧迫して苦しいのだが、ファスナーを降ろすとだらしなくなった体が見えてしまうのが恥ずかしく、それを隠すようにシロはベッドに寝転んだ。
473 :
国檻:2009/11/28(土) 04:45:34 ID:DddBAy2u
久々の食事らしい食事に疲れと満足感を覚えたのか、サイズが新調されたツナギに着替えた後もしばらくの間、食事を終えるとベッドに横になるようになり、ひいてはそれが習慣づいていた。
「もう明日か」
「んくっ、そうだな…」
器の中身を掻き込んで飲み下し、口元を拭きながら二人は牢の中の時計に目をやった。
「ふぅ…最後の晩餐、ごっそさん」
「お粗末さん。いい食いっぷりだったぜ。」
相変わらずの量を収めたシロのお腹は張り詰め、ぽん、と手を置くと軽く小気味いい音が返ってきた。
「しかしここに来て太ったなぁ、お前さん。明日クロさんが見たら驚くだろうなぁ」
前々回の面会は城の警備が強化された時で面会が行えず、前回の面会時は嵐に遭っていたそうで、城内が開放されることがなく、刑期満了である明日は、実に一月ぶりの再会だった。
「…ほっとけ。次にあんたに会う時には元通りになってるさ。」
「お、また捕まってくるってのかい?」
「前言撤回、もう会う事はないな。」
ははは、と笑いあうと、シロはいつも通りベッドに腰掛けた。
474 :
国檻:2009/11/28(土) 04:46:23 ID:DddBAy2u
改めて自分の体を見やると、この三ヶ月でそれはひどい変化をしたものだ、と自覚せざるを得なかった。
ツナギの上からでも分かる、わき腹についた肉は段を成し、図鑑のような厚みで腰を一段大きく構えさせている。
最初は満腹のせいで張り、せり出していたお腹は、今では少なからず自前の厚みを持っている。
少なからずどころか、座っている状態では腿の上にその厚みが乗り、しっかり重さまで感じられた。
それに伴って厚みを持った胸は、胸板と呼べるものではなく、手を添えると柔らかい感触が伝わってくる。その胸も腹も、下を向くと視界に入ってくるというのは、今までにない事だった。
腕や足なども、ぼてっとした太さはあれど、とても筋肉で構成されているようには見えなかった。
半ば諦めるような変化が訪れたのも極最近、食生活が元通りになったこの一ヶ月程度でのことだった。
「…よっ、と…」
看守に見えないように向き直してから、シロはツナギのファスナーを半分程下げた。
あれから更に一つ、サイズを大きくしたツナギだったが、今のシロの満腹状態には耐えられたものではなかった。
内側からせりだしそうになる圧力を押えながらゆっくりとファスナーを下ろしきると、やっとリラックス出来たのか、そのまま横になった。
「明日からはダイエットだな…こんな体、山賊の名折れだぜ…」
そう呟きながら、仰向きでも山形になったお腹を二、三回ぽんぽん、と叩くと、大きく伸びをして眠りについた。
支援
(*´д`*)ハァハァ・・
萌えてきた、いや、元から萌えてたけど、萌えさかってきた!
お腹ぽんぽんはいいですね。
和む。
478 :
国檻:2009/12/02(水) 03:27:00 ID:8KS3sCAe
「やっとか…ふぅ…」
「やっとてお前、15分ぐらいやんけ」
ばんっ、とクロが背中を叩くと、シロの背中に広がった湿り気が手に伝わった。
「うおっ、何もそんな汗だくならんでもっ」
「…好きでなってんじゃーねっつの…」
クロに聞こえるように呟くと、さっさと家の中に入り、ドアを閉めてしまった。
「あっ、ちょ、ほんのじょーだんやぁんっ」
遡る事数十分前。
無事刑期を終え、看守の用意してくれていた、今のサイズに合わせた私服を纏ったシロが城門を出ると、そこには両手に袋を抱えたクロの姿があった。
「お」
まで発して、クロの言葉は、爆笑の中に掻き消えた。
「…なんだよ。なんか文句あっかよ。」
「ひぃっ、ひぃーっ、いや、悪い、そんなつもりじゃ、ひぃっ」
堪えきれずに荷物を放り、地面をばんばん叩く姿にいらつき、シロが一人で帰路につこうとする。
「あああっ、ごめごめっ、堪忍したってぇな」
荷物を抱えなおしながら、クロは小走りでシロの隣まで駆けて来た。
「しかし大変やったなー。クロ今いくつなん?」
「…知らん。中に体重量るようなもん無かったし、俺自身あんまり知りたいもんじゃないな。」
「ま…せやなぁ」
クロの視線が自分のお腹に向いている事に気付き、不自然じゃないように軽く力を込める。歩きながらで保たれるわけもなく、再びシロのお腹はぼよっと前へ突き出した。
「最後に会った時、そんなんちゃうかったよなぁ」
「最後ちょっと、頑張りすぎたみたいだな。」
他人事の様に話すシロの様子を感じてか、そこからの帰り道はなるべく関係の無い話で間を持たせる事にしていた。
「なぁ、俺が悪かったって」
「いや、別にそんなに気にしてない。だからあんま蒸し返すなって。」
シロが適当に手を振ってクロを宥めていると、テーブルにある食器の数の多さに気が付いた。
479 :
国檻:2009/12/02(水) 03:28:53 ID:8KS3sCAe
大皿が二枚、小鉢も五つ、六つとそれなりの数が出ており、何よりも目に付いたのは偶数本で散らばった棒だった。
「なんだあれ。串…にしては変に太いな。」
「…なんだかんだ言って、食うトコに目がいってへん?シロ」
自分でもはっとした様子で、シロは首を左右に振った。
「あれはな、「ハシ」っちゅーねん。和国の食器やと。」
そう言いながらクロが「ハシ」を手にとって見せた。二本の棒が簡易トングのように動き、余りの「ハシ」を掴んで見せた。
「どやっ。うまいもんやろーっ。これ最初マジ使い方わけわからんくて苦労してんねんで」
「ほー…さぞ練習頑張ったんだろうな。」
「おうっ。シロがおらん間何もしてへんかったわけちゃうねんでっ」
「で、こんな事にもなってるわけか。」
言うのと同時に、シロがクロの服の裾をまくると、腹筋のラインが薄れ、触るとぽよっとした感触のあるお腹が露わになった。
「うわちょ、せ、セクハラーっ」
きゃーっ、と言いながら自分の顔を隠すクロの姿に飽きれて、シロはすぐに手を離した。
「いや、違うだろ。俺は太らなきゃならない環境だったけど、お前がなんでこんなことになってるんだって話だ。」
「それはちゃうで!一つ言っておくけど、俺のんはちょっとボディがたるんだだけ。シロのは明らかに太ったって言うんやで。」
「…もういい、なんか収拾つかなくなりそうだ。…とりあえず、俺、痩せるからな。」
「おうっ、気張りや!」
「お前もだよ!…ところで、ハシってのは一回に四本も五本も使うもんなのか?」
「俺タコと違うわ」
「じゃ、つまり、客が来てたってことか?」
テーブルの上にあるハシをまとめて手に掴むと、その数は六本あった。
「ああ、そういうことか。来とったで。最近よぉ話しとるご近所さんな。」
「…『普通』の住人なら、挨拶に行っとくべきなのか?俺も」
「うーん…俺個人のダチみたいなもんにゃからなぁ…ま、別に挨拶してもええんちゃう?シロもこれから会う事あんで。」
少なくとも留守中にこれだけクロが親しくしていた相手なのだから、今後も付き合い自体はあるのだろう。
そう考えると、尚の事挨拶ぐらいはしておこうという気になった。
480 :
国檻:2009/12/02(水) 03:29:42 ID:8KS3sCAe
「ほい、これがシロや。」
「あ、お勤めご苦労様ですー。僕がアカ」
「あ、俺アオ。どぞ、よろしく」
「二人ともなー、名前なんてったか俺覚えられてへんねん。せやけ、アカもアオもあだ名やねん」
「まぁわかりやすいしねぇ」
「クロもどうせ偽名なんだろ?」
「あはは、そらそうやろー」
目の前で弾む会話に完全においていかれて、シロが四人の中で孤立していた。
というか、ちょっと空気がトびすぎててどう切り込んでいいかわからない、といった方が正しいかもしれない。
「あー…えと、まず、おいクロ。何さらっと偽名とか冗談こいて…」
「あ、シロ、こいつらな、同業者やねん。」
「同業…って、オイ、お前まさかそんな冗談に正直に応じてなんでもかんでも話してるんじゃ」
「あ、ひどーい。ホントに同業者だよ。元、だけどね」
そう答えたのは二人の男の背が高いほう…アカだった。
「まぁほら、事情知ったるっていうか…実は外来住宅区の半分以上は同業みたいだしね。」
そこまで聞いて、更にシロは言葉が詰まった。少し頭の中で整理をしながら、とりあえず一つだけ反論することにした。
「同業同業って、だってあんたらそんなに太って」
「だから、それこそ俺らが同業って事だって、今お前納得出来る体だろ?」
もう一人の男、アカとの頭一つの身長差を抜きにしても、一目見て太りすぎだとわかる体躯のアオが、そう返した。
そう言われれば確かに、外での犯罪者であれば、シロと同じように禁固に遭って太ったというのは、わからなくもない。
「いやしかし、それにしたってちょっと、それはいくらなんでも…」
「あはは、太りすぎってこと?」
アカがぽんっと大きなお腹を叩いた。小さく左右に揺れ動いたのがわかるぐらい、そのお腹はでっぷりと前へ突き出ていた。
「それもわかるって。シロさん、今日帰ってきて初日なんだろ?それならぼちぼち帰ったほうがいいぜ」
「つーか、俺を差し置いてデブ論議してんなや、このデブ共!」
「「「やかましいわ」」」
三人のツッこみが綺麗にハモった所で、とりあえず挨拶も途中にして、二人は家へ戻る事にした。
なんでも、役人が来る、とアカ達に説明されたからであった。
481 :
国檻:2009/12/02(水) 03:31:41 ID:8KS3sCAe
夕闇の中二人が家に着くと、丁度扉の前で佇んでいる男の姿があった。
男は寄ってくる二人に気が付くと、ぺこり、とお辞儀をした。
「ええと、こちらシロさん、クロさんでお間違いないでしょうか?」
「あぁ、役人さんだろ。とりあえず中に入れよ。」
自分達が入るのと一緒に役人を部屋に通すと、そのまま三人は席に着いた。
「お話、早いんですね。もう誰かに伺ってましたか?」
「役人が来る…とだけな。」
「なるほど」
役人がカバンから取り出した書類をテーブルに広げると、クロは興味なさそうにそっぽを向いた。
「また紙切れ…面倒な国やのぉ。」
「はは、まぁそう言わずに」
役人は広げた中から2枚の紙を残し、残された紙にきゅっ、きゅっとペンでアンダーラインを引いた。
「この度は、生活補助のお話に参りました。」
「補助って…もう受けてるやん。俺ら外来民やからな。」
「それとは別にですね…ええと、これです。ちょっと、失礼かもしれませんが。」
「国の影響下で就労が困難になってしまった者には、生活の保障を受ける権利が発生する…か」
役人が指差した項目を、シロがそのまま読み上げた。
「ええとですね、割とよくある事なので率直に申し上げますが…シロさん、入国時に比べて、大分お太りになられたようで…」
482 :
国檻:2009/12/02(水) 03:32:25 ID:8KS3sCAe
「…まぁな。でも国の影響下っつっても、罰みたいなもんだろ、俺の場合。」
「一応ですね、この場合の国とは、この国内で起こった事に対する全て、という事でとっていただいてかまいません」
「具体的にはどうなんねや?」
「はい。この場合ですね、シロさんの体重の変化を計測、提出してからになりますが…補助金の支給ということになります。」
「…85。25kg太った。」
「ちょおおおお、やっぱ量ってたんやん!つーかそんなにぐぶっ!」
言葉よりも一発の拳が、的確にクロを黙らせた。
「参考までにですが…それですと、200万程でしょうかね。」
「はぁ!?」
崩れ落ちたはずのクロが、飛び上がってそう声をあげた。
「うまいもん食ってぶくぶく太って、その上金までもらえるってお前そんなウマい話が」
「すみません、国の方針なので…」
そう言われてしまうと何も言い返す言葉がない、と、シロとクロはお互い目線を交わしてから黙った。
役人は他愛も無い諸注意と説明を付け足すと、「それでは」とあっさり帰ってしまった。
ぽかんとする二人の腹の虫が、室内に響いた。
無限ループの予感…
ss乙です。
タイトルの意味がだんだん見えてきましたね。
485 :
国檻:2009/12/03(木) 02:42:50 ID:ArNI8mLH
「う〜…さぶさぶ…」
大きな上着を羽織った姿で、クロが手をこすり合わせている。
少し肌寒い風の中、道の隅に舞う落ち葉は枯れ落ちたものばかりで、公園の景色も物寂しいものがあった。
「っは…、寒いなら、動け、っての…っ」
ぜぇ、はぁ、と息を切らしているシロの頭からは、うっすらと湯気が立ち上っていた。
「えー、ええやん。別に俺デブちゃうし。」
「おまっ…クソッ」
「あー、いたいた。」
シロが走り出そうとしている所にアカ達二人が通りがかり、手を振りながら呼び止める。
「今日も頑張ってるねー。はいこれ差し入れ。」
「ん…サンキュ。…て、違うだろ!!」
「ついにノリツッコミまでマスターしたのか。やるな。」
アカから手渡された焼き芋をしっかり握りつつ、シロは身振り手振りまでつけてアオにツッこみを入れた。
「シロ、太ってから芸人っぽくなったよねぇ。前はすっごい作り笑いしてたのに。」
ほふほふ、と焼き芋を口の中で転がしながら、アカがぽつりと呟いた。
「芸人って…だから、俺はそもそも芸人じゃないの知ってるだろ」
「同業って知ったのはクロと話してからだもん。その前は公園の芸人さんとお客さんだったわけだし。」
「俺も最初聞いたときはびっくりしたわー。ふらふら歩いとったら声かけられてん。なんやちょっとした有名人やな」
なー、なんて言いながらきゃっきゃ騒ぐ二人を尻目に、シロとアオは空気の違う話をしていた。
「…ホント、あんたらが同業だってのが未だに信じられないな。」
「それはお互い様だろ。あの能天気なパートナーじゃ苦労するだろ。」
「…まぁな。けど、その図体よりはマシかな。家業復帰は絶望的だろ?」
「は、違ぇねぇ」
そうこう話をしながら、シロは差し入れの焼き芋をたいらげてしまっていた。
「うあ…また、やっちまった…」
「はい完食ー。シロってばダメだねーっ」
くすくす笑いながら、アカ達は手を振り、その場から去っていった。
「…絶対あれ、俺が痩せるの邪魔してんだろ…」
「どーだかのぉ。ま、シロが全然これっぽっちも痩せてへんのは事実やけどな。」
焼き芋を食べ終えて親指を舐めながら、クロがそう答えると、シロは黙って再び走り出した。
「よーやるわ、ほんま。」
486 :
国檻:2009/12/03(木) 02:51:19 ID:ArNI8mLH
「ところでよ」
テーブルに並んだ料理のうち、手元に寄せたスープとパンを口にしながら、シロが尋ねた。
「あいつら…正直どうなんだかな」
「さぁ?100とか150とか、そこらちゃうんかな」
シロとは逆に、山と盛られたマッシュポテトや肉料理をつつきながら、クロがそう答えた。
「…別に体重の話じゃねぇよ。元同業とは聞いたけど、あれじゃ生活出来ねぇだろ」
「なんでよ、出来るやん別に。」
「あの図体で、どう盗みが出来るってんだよ。当り屋でもすんのか?」
パンをちぎりながらシロがそう投げると、クロの手元からシャンッ、と食器のこすれる音が鳴った。
「どうもこうもないわ。ここで暮らす分には何も問題ないやん。お手当て様もあるしな。」
「あー…ここ出る気、無いんだな…」
「そらそうやろ。いたれりつくせりでメシまで美味い、こんな国早々に出るアホおらんがな。ま、アカ達は出たくても出られへんのやろうけどなっ」
笑いながら次々と料理をつつくクロの姿を、シロは自分の手を止めて眺めていた。
「…お前、最近太ったろ。」
「ん?太ったで?」
487 :
国檻:2009/12/03(木) 02:51:50 ID:ArNI8mLH
あっさりと返ってきた素っ頓狂な言葉に、シロは呆れてため息をついた。
「お前…人が頑張って痩せようって時に、相方が太ってどーする…」
「でも全然痩せられてないやん。つか、シロも太ったやろ。」
「ぐっ…」
痛いところをつつかれて、シロは思わず自分のお腹に視線を落とした。
格段に、というわけではないが、牢を出た時に比べると確実にその体は大きくなっていた。
「こーゆーメシ我慢しても、ちょこちょこ食ってんの知ってんねんで。そんなら正面切って太った方がマシやわ。あーアホらし」
テーブルの上の皿があらかた空になると、クロはがっついていた手を止めて満足げにお腹をさすった。
確かにそのお腹は、今だシロ程ではないにしろ、明らかにぽっこりと盛り上がっていた。
「俺のこれはな、先行投資や。生活費稼ぐために仕方なく太ろうっていう、まぁ言わば優しさやな。」
「…勝手に言っとけ、そのうち俺よりデブって後悔すんなよ」
「お、ついに自分がデブって認めたんやな。」
「な、ちがっ、それとこれとは…ただの言葉のあやだ、断じて違うっ」
慌てて否定するシロを宥めるように頭を撫でると、クロはそのまま立ち上がり、一人寝室へと向かった。
「ちと食いすぎてしんどいわ、先寝る。おやすみなー。」
そう言い残し、ぱたんっ、と扉が閉まった。
「…知らんぜ、ホントによ…」
488 :
国檻:2009/12/03(木) 02:55:15 ID:ArNI8mLH
「おああいっ!」
「はいはい」
どん、と山盛りによそわれた茶碗をアカから受け取ると、クロは凄い勢いでそれを口の中に掻き込んだ。
「おい、程ほどにしといてくれよ。あんまやるとそいつ」
「いや、手遅れ君だな。ありゃ。」
アオがシロの忠告を遮って指差したクロの顔は、それはそれは満足そうなものだった。
それと同時に、日々続くその満足感に裏打ちされた、しっかりと肉付いた体も同時に視界に入ってきた。
「ありゃもう、お前より太いんじゃねぇか?」
「…微妙だな。」
シロが言葉に詰まったもの頷けるように、クロはこの短期間で、シロの体型に追いつき追い越すと言わんばかりに太っていた。
シロはあまりいい気はしていないものの、クロ自身の意欲とアカ・アオの唆しも後押しして、四肢はむっちりと太り、お腹や胸元は服の上からでもわかるぐらいに盛り上がっていた。
「まぁ、なんだかんだ言ってもクロは大丈夫だろ。この辺りで打ち止めだろうな。」
「アオが言うと説得力あるんだかないんだかわかんねぇよ。」
そう言いながらシロは、自分の倍はありそうなアオのお腹をぽんっと叩いた。
「むしろ危なさそうなのはお前さんだろ。」
「…なんでだよ、意味わからん」
「半端にダイエットなんか考えてると、この生活、後が辛いぜ?それに」
突然声を潜め、アオが耳打ちをしてきた。
「あそこのメシ、知っちまったんだろ?」
びくっ、と自分の体が震えるのがわかったシロは、すぐに言い返すことが出来なかった。
「最初はほれ、冗談じゃねぇとも思うような量だったけどよ、美味ぇことは美味ぇんだ。文句なく。」
ごくり、と生唾の下る音が自分の中に響くのを感じながら、シロは小さく頷いた。
「段々慣れてきちまうと、割と食えちまうしな。つーか、慣れちまって、こっちのメシが不満なぐれぇよ」
シロは最初、それも覚悟の上で、更にダイエットの為に一食あたりの量は標準以下で我慢をしていた。
アオの話を聞いて、まるで今そこにあるかのように、無理矢理なまでに並べられた料理の数々がシロの頭の中をめぐった。
「ちょっと、味わうつもりで、ぽろっと盗みやって、自首こいて……おい?聞いてるか?」
「え、あ、あぁ…気をつけないとな…」
返事をするも、シロは心ここにあらず、気付けば考え事をしていた。
489 :
国檻:2009/12/03(木) 02:55:55 ID:ArNI8mLH
「よぉ。やっぱ、また会ったな。」
かちゃり、と錠を落とす音が牢に響く。
「…やっぱり、っていうのがちょっと引っかかるけどな。」
「戻ってくるやつ多いんだぜ?割とな。」
慣れたようにツナギに着替えると、シロはベッドに寝転んだ。
「キツいな」
「お前さん、外で太って帰ってきたな?そんなんじゃもう泥棒は廃業だな」
あっはっは、と大笑いする看守につられて小さく笑うと、シロはぱつぱつに張り詰めたツナギのファスナーを少し下げた。
「で、今回の刑期は、と…ん、お前さん、何したんだ?」
「…実はここに来る前に、人、殺したことあってな。」
「自首ってのぁ悪くはないが…長いぞ?盗みなんかに比べりゃ、当然の事だが」
「…まぁ、そりゃそうなんだろうな。ま、いいさ。模範囚にでもなればいいんだろ?」
牢に入った時から鳴る腹の虫を黙らせるように、看守は牢に今回の『仕事』を運び入れながら、会話を続けた。
「まぁ、それで頑張るってんなら、一年、頑張ってくれや。」
「あぁそうだな、まぁ仕事じゃしょうがない。とりあえず食うしかないな。」
看守の言葉に耳を傾ける余裕もなく、まるで自分に言い聞かせるようにそう言い放つと、シロは運ばれてきた料理に飛びついた。
ひさしぶりに味わうその味・量共に申し分ない食事に、口に運ぶ度に心踊り、同時に半端に下げられたファスナーも少しずつずり下がっていった。
「食ってるとこ悪いが、今回の禁固措置の説明するぞ。前回とは量も時間も違うから気をつけないと…」
看守がそこまで話したところで、からんらかん、と連絡を告げる鐘の音が聞こえてきた。
すぐさま看守が通話管ですぐに行く旨を伝えると、シロにおざなりな説明をしたまま、階段を駆け上がっていった。
「あいつらじゃあるまいし、好きで飲み食いするわけじゃねーんだからな…出たら痩せる、ちゃんと痩せる」
一通り平らげて、久しぶりに満腹になったお腹をさすりながら、シロはそう呟いた。
ss乙!
これは取り返しがならない予感……
491 :
にき:2009/12/05(土) 15:42:19 ID:n/F7zFZi
どうもお久しぶりです。国檻、ちょこちょことお楽しみ頂けていれば幸いです。
おそらく次の更新で締めます。あんま惰性で書いてもよろしくないので…
ところでNARUTOファンブックの最新刊の巻末漫画がやばいです。
新エロ忍術、半端ねぇ火力でした。
kwsk
何気に周りの住民たちも元山賊とかで3桁余裕な体型だったりするのだろうか
きっぱり締めれるのも腕だよなぁ
惰性で続けてしまうと展開的にも体型的にもグダグダになってしまう……
NARUTOにエロ忍術が効くようなデブ好きキャラなんていただろうか?
494 :
にき:2009/12/06(日) 03:10:02 ID:g2N8ZrRS
>>492 >>493 ナルトが相撲取りになります、とだけ。
描写がそこまで肥満化っぽくはないので、やや脳内補正必要かもしれませんが…
読んだがナルトが力士に変化するだけじゃんw
最近のマンガは食いすぎて膨れてそのままデブっちゃうようなのがホントにないのな…
>>496 最近のじゃなくてもいいのでそんな展開の漫画でおすすめあったら教えてください
498 :
国檻:2009/12/09(水) 02:47:09 ID:2PTjE6nD
カンカンッ、と、金属がぶつかりあう音が響く。
その音に反応して、看守が牢に入り、積まれた大皿を引き下げる。
「今日もま、見事な食いっぷりだねぇ」
「んふ…おう」
丸々と膨らんだお腹をさすりながら、シロがそう返事をした。
シロが牢に入りなおしてから、早くも三ヶ月程の時間が経っており、その間には様々な習慣が出来ていた。
先ほどのスプーンと鉄柵をぶつける音もその一つであり、食事終了を告げる合図になっていた。
「最近また残飯に回ってくる量も増えてるってのに…なんだい、以外とあっけなく食えちまうもんなんだねぇ」
「…馬鹿言え、それなりに無理してるっての」
ふぅ、とゆっくりと息を吐きながら、シロは適当な壁に寄りかかった。
少し息を整えると、ファスナーを下げて服を緩め、そのまま上半身部分を脱いで降ろした。
「いよっ。相変わらずたくましいねっ。」
「…相変わらずつまんねぇ嫌味だな」
「なはは、そう言うなって」
看守がたくましい、と嫌味を投げたシロの体は、少なくとも以前とはまるで違うものだった。
済ませた食事の有無に関わらず大きく山形に膨らんだお腹は、大きすぎて腰掛けた足を軽く開かせている。
上着を脱いだせいで露になっている胸も、痩せていた頃とは形を変え、見た目にも柔らかそうにお腹の上に垂れ広がっている。
太く丸く張り詰めた二の腕も強調されているが、盛り上がった脇の肉に押し上げられているのも、以前との違いだった。
もちろんシロ自身、こんなに思い切り太ったことを自覚していないわけではないが、望んでいるわけでもないのもまた事実だった。
「俺はな、贖罪に来てるだけなんだよ。ちゃんとまっとうに生きてやろうって」
「「だから出たら痩せるから大丈夫」」
シロの言葉に狙いを定めて、看守がわざとハモらせる。
「お前さん、それ口癖みたくなってっけど、本当に大丈夫なんだかなぁ」
はっはっは、と大笑いする看守に目をやりながら、無意識のうちに大きく育った自分の体を軽く揉む。
認めたくはない、認めたくは無いが、自分でもこの行き過ぎた体を実感させられると、思わずシロはこう呟いた。
「アオの野郎よりはマシだ」
…認めたく、なかった。
499 :
国檻:2009/12/09(水) 02:56:06 ID:2PTjE6nD
いつものようにベッドから起き上がり、着替えるたびにきつさを訴えるツナギを着込み、鉄柵のそばに座る。
食事を詰め込む前で余裕のあるツナギを引っ張りながら、『仕事』の要求をしようと顔を上げると、そこには看守の姿がなかった。
「…おーい。奥にいんのか?」
その後も数回看守を呼ぶ声をあげ、しばし間を置いた。
それでも看守は現れず、次第に少しいらだち始めると、シロは立ち上がって意味も無く牢内をうろうろと歩き出した。
またしばらくして腰を落ち着け、おーい、と同じように声を上げても、看守は一向に現れなかった。
「…おいっ!」
いい加減にいらだちが収まらず、堰を切ったようにガンガン鉄柵を叩き始めた。
そのまましばらく怒りを鉄柵にぶつけ、ひとしきり大きな呼び声をあげつづけると、シロは力尽きてその場に仰向けに倒れこんだ。
息を荒げて汗だくになりながらも、改めて空腹を感じると、ゆっくりと起き上がって再び鉄柵を握り、声を上げた。
「おいっ…どーいう事なんだよっ…」
先ほどまでとは違い、呟くようにそう言葉を出したところで、とす、とす、とす、と何かが階段を降りて来る音が聞こえ、シロはその音に神経を集中させた。
近づいてくる足音は看守のものとは違う、もっと重く、音よりも床に響く足取りだった。
見えてくる姿は、鮮やかな色合いと、しっかりとした着込み方をしている着物姿。
体のバランスから男なのだろうと見て取れた。
というのも、顔は動物を模した仮面に隠れて見えなかったためである。
一度も見たことのないその姿に、看守相手のように声を出すわけにもいかず、黙って牢の中ほどに引っ込んだ。
今までにない緊張感の中、シロが気を張っていると、着物の男はシロの牢の前で立ち止まり、じっとシロを見つめた。
「…なんなんだ、あんたは」
そうシロが問いかけても、ただじっと見つめたまま、着物の男は微動だにしなかった。
「…おい、なんなんだ」
そこまで言いかけたシロの言葉を遮るように、ガンッ!と一回、着物の男が鉄柵を叩いた。
その場の緊張感に負けて、シロは大きくびくっと震えると、思わず少し後ずさりをした。
その様子を見るなり、仮面の下からくすくすと笑い声が聞こえると、シロはようやくそれが誰なのか理解した。
500 :
国檻:2009/12/09(水) 02:59:28 ID:2PTjE6nD
「…久しぶりに来といて、どういう冗談だよ、おい」
「…ぶふぁっ!いやー、ちょー、ありえへんんんん!!びくってなった!びくって…ぶふっ」
その身なりにまとった緊張感を台無しにするかのように、クロはげらげらと笑い声をあげながら、その場で座り込んで地面を叩いた。
「…お前はなんだ、俺を怒らせに来たのか、おい」
そう言いながらシロが鉄柵に寄って話しかけると、ひぃ、ひぃ、と呼吸を整えながら、クロが仮面を外して向き直った。
「そうやでー。この駆狼サマがおちょくりにきてやってんねでー。」
「おちょ…はぁ?…何様だお前。あいかわらず発音悪ぃな…クロサマよ」
「クロやのうてクロウ。耳ん中まで太ったんちゃうかこんアホ。せいぜい顔面とその体だけにしとき。」
ふふん、とクロがせせら笑うと、再び空腹のいらだちに駆られてシロが物凄い勢いで鉄柵を掴んだ。
「おおーっ、危ない危ない。まだまだ素早いもんやなぁおデブちゃん」
「デっ…人が手ぇ出せないのいいことに調子乗ってんなオイ!お前出たらどうなるかわかって」
「わかれや。わかってへんのはお前の方やっちゅーねん。お前そんなアホとちゃうかったやろ?」
そこまで言われて、シロは頭を落ち着け、目の前のおちゃらけた顔を睨みながら状況整理をした。
「…嵌めた、ろ」
「大正解☆御褒美に飴ちゃんやるわ。ほれ、あーん」
目の前に一粒、飴を差し出されると、シロは怒っていた事も忘れて反射的に口を開いた。
「くくっ、ほんま食べるの大好きやなぁシロ。もうデブまっしぐらやな。」
「ぐっ…う、うるせぇっ」
そう言って飴を吐き出そうとするも、思わず口の中で躊躇って、仕方なくまた舐め戻す。
「…説明しろよ。さすがにわかんねぇ事が多すぎる。」
「せやな。まぁ最初っから全部ウソやな。ぜーんぶ。」
「…狙い目な街がある、盗みは巧くないから俺に来てほしい、ってトコか。」
会話を続けながら、シロはベッドに戻り、ぼふっと勢いよく寝転んだ。
「うん?やけに物分りええな…開き直ったんか?」
「…まぁな。続き、話せよ」
「なんやつまらん…ま、ええわ。和国ではな、野党撲滅キャンペーンやっとんねん。」
話に沿うか沿わないか、あまり関係はなさそうな、大げさな身振り手振りを加えながら、クロは話を続けた。
501 :
国檻:2009/12/09(水) 03:10:17 ID:2PTjE6nD
「基本的にみんな仲良くしましょーってトコやねん。和国のワってのは仲良くって意味な。
せやから外壁も無い。そやけど外はそんなコト知ったこっちゃない。ならどうするかって言ったら」
「こうやって、誘い込んで悪さ出来なくするわけだ。」
ぽんっ、とシロがお腹を叩いた音が牢内に響く。大きなお腹はその弾みで揺れ、時間差で腹の虫も牢内に響いた。
「簡単に外来民があんなゼータク出来る訳ないやろ?
言うなればあれは外檻やな。牢の順番待ちみたいなもんや。」
「手前ぇも太っといてよく言うぜ。」
シロが皮肉ると、クロはそれを受けてうんうん、と頷いた。
「そうそれ。そこやねん。俺この仕事何回目かになるけど、今回お前を落とし込むために結構太ってもうて」
そう言って着物の前をはだけさせると、確かにシロには及ばないものの、クロの体はむっちりと太った体つきになっている。
「ほんまはこんな話しに来ぉへんで?なんちゃらかんちゃら刑期が延びたー、って言って、他はここで飼い殺しにしとんねん。」
そう言われれば確かに、今の食事に満足している以上、食事を優先させればここを出る理由は特に無いのかも、とシロは考えた。
「死刑制度ないねん。めんどい国やけど、そこがええとこでもあるしな。」
「檻みたいな国だな…で、今回はお前がぶくぶく太って、どうしたって?」
「やかましいわ!…そんでやな、俺この仕事引退すんねん。退職金と終身楽なポジションきっちりもろて。」
「で、景気のいい別れの挨拶ってか。そりゃどうも。」
「おいこら、何勝手な読みこいとんねん。」
ごそごそと片袖を漁ると、クロは二つの鍵を取り出した。
「…正直、お前気にいっとったし、俺の条件飲むなら解放したるわ。」
「…随分上からじゃねーか。ま、いいけどよ。で?」
「俺のペットになったらええねん。別にそんな、動物扱いとかケツとか要求したりせぇへんで。ま、愛嬌のある抱き枕っちゅートコやな。勿論今とおんなじメシもイケるで。」
「いいぞ。それでも十分気色悪いけど、普通ならな。」
「せやけど結構気色悪い注文やから…はぁぁ!?即決かいこのアホ!?」
「…うるせぇな。俺もお前、別に嫌いじゃねぇよ。いいからメシ食わせろ、このアホ」
お互いに言い合うと、クロは牢の鍵を開け、シロは窮屈そうに牢を出た。
502 :
国檻:2009/12/09(水) 03:18:33 ID:2PTjE6nD
「…おいコラ。いつまで食っとんねんこのデブ。」
「人の事言えんのかデブ。鏡見ろ、鏡」
「おーおー見たるわ。すまんのぉうちにはお前の体全体が映る姿見がのぉて」
食器がぶつかりあう音を鳴らしながら残りの食事を取り合うのは、いつものこと。
「あっ、わっ、ちょっ、お前家主様をなんだと思ってっ」
あああ、と漏れる声の先で、最後の一皿を抱え込むシロの姿も、これまたいつものこと。
「んく…っぷはぁ、努力だって努力。ヤヌシサマのマクラが心地よくあるように頑張ってんのわかれよ、アホ」
「ほざけアホっ。ちょっと甘くみてりゃお前どんどこ太りやがって、枕どころかベッドちゃうんかいこら、こら!」
ぼすっ、とクロがシロのわき腹を打つと、ぽうんっと反対側まで波打つ様子が、ぴっちりとした服の上からも見て取れた。
「本気で言ってんのかお前。お前みたいなの乗せたら、どんなベッドも耐えられねっつの。」
負けじとシロがクロのわき腹を打つと、それもまた、ぼよっと波打つのがはっきりとわかった。
「う…はぁ…なんでふつくしい俺が、こんなデブのせいでこんな体に…」
「…お前、元々目悪いのか?」
「アホかお前は!ツッこみ方間違っとるわ!!」
「またやってる」
部屋に入ってきていたアカとアオが二人の声の上から被せて、大きな声で会話を止めた。
「ノックの意味ねぇな、こりゃ」
「…用件なんだよ、お前らまで一緒だと狭いんだよ」
「一番太ってる奴がそれ言うか…まぁいいや。」
アカが差し出した綺麗な小さい封筒を受け取り、びっと勢いよく口を切った。
「…なんや、皇子さんか」
封筒の中には、新しい罪人が牢に入る旨、それを踏まえての城での食事会の招待状だった。
「…なるほど、こういうカラクリなわけか。」
「ま、あの絶食期間はキモだよな」
同じくアカに『引き取られた』身分であるアオが、シロにそう補足する。
「ほんなら、ちょっくらお城へお仕事に行きますか」
「メシ食ったばっかだっつの」
「それなら、シロはよしとくか?」
「バカ言え、俺が行かなきゃ…と、あぶね」
口の端からこぼれそうになる涎をすするその姿に大笑いしながら、一同は城へと向かった。
とある山すその崖の上には、とある城下町に狙いをつける、二人の山賊の姿があった。
支援
SSお疲れさまでした^^
毎回ムラムラしながら堪能させて頂きました^^
もー何か好みです、出るSS出るSS萌えます><b
そんなお話に触発されて衝動でSS始めちゃおうかと思います┏○ペコ
お目汚し、失礼いたしやす!
505 :
『リミット』:2009/12/09(水) 20:48:05 ID:7cjCmlKY
俺の名は前田正太、三十路を近く控えた会社員だ。
今日は大学時代の同級生3人と3年ぶりに集まって飲むことになっていた。
小規模ながら所謂『同窓会』と言うやつである。
俺は昔から痩せの大食い、旨いものを食べるのが好きな食通で通っており、今回の同窓会の幹事に選ばれていた。
役徳を良いことに自分の食いたい物を踏まえての店選びだったが、30代の食い物好きがこだわった店だ、誰にも文句を言われない自信はある。
だが、その日の俺は幹事として、あってはならない事態に陥っていた。
そう、『遅刻』である。
大学時代から変わらない173p64kgの体型を維持していたが、体力・持久力には衰えを感じる今日この頃、俺は全力疾走で予約した個室へ滑り込んだ。
ガラガラガラッ
しかし、個室の戸を開けて現れた顔ぶれは、想像していたものとは違っていた。
俺は思わず「間違えました!」と言って戸を閉めそうになる。
506 :
『リミット』:2009/12/09(水) 20:49:58 ID:7cjCmlKY
「おーい、おいおいおいっ!」
戸の近くにいたズングリとした男が体型に似合わぬ高めの声で俺を呼びとめた。
「まぁーちがってねーっての!この薄情もんが!」
その隣の、こちらは更に太く厚みのある体を窮屈そうにしている男が言葉を継ぐ。
「まぁー…、俺もここに来た時は結構驚いたけどね…ムリねーわ…正直…。」
そして一番奥にいて入口からでは見えにくい位置に居た男が消沈した声で最後を締めくくった。
改めて見るとこちらには見覚えがあるように思える。
かなりふっくら…というか、ムッチリといった体型ではあるが、この中では辛うじて普通体型に近いその男は、今日会う筈の一人に顔立ちが似ていた。
「お前…釜田か?」
507 :
『リミット』:2009/12/09(水) 20:50:59 ID:7cjCmlKY
少し不安に思いながら問いかける俺に、問いかけられた釜田?以外の2人が爆笑する。
『ぶっ…ぶははははっ!だから言ったろ、お前も俺達と同類だってよ!ぶはははははっ!』
笑い転げる(約1名本当に転がりそうだ…)2人を尻目に釜田と思しき男は憮然として言い放つ。
「うっ…うーるせーっ!お前ら名前さえ連想できねー変貌ぶりだろーが!一緒にすんじゃねー別人28号ども!!」
どうやら釜田で間違いないようだ。すると他の2人は………。
俺はようやっとこの場に居る男達が俺の同窓生であることを悟った。
そして、それは新たな明日への第一歩だった。
508 :
『リミット』:2009/12/09(水) 20:52:19 ID:7cjCmlKY
俺は、取りあえず席についてレントのロックと黒糖空豆を注文した。
他にはコース料理で先付が運ばれてきていたが、聞くことは山ほどありそうなので長持ちしそうなツマミを頼んだという訳だ。
「えーと…、ムッチリ・ポヨポヨが釜田なのは、まあ判るとして…、そっちのズングリ・デップリが…中井?で、こっちの一番横幅とってるドスコイ・デブデブが梶本か?」
俺はグビリとレントを飲みながら先付を突きつつ、黒糖空豆を頬張りながら言った。
「ムッ!ポッ?」
「ズンッ!デップ?」
「ドスコッ!デブデッ?」
親友3人だと発覚した男達への容赦のない表現に驚愕の声をあげる面々…、ちょっと言い過ぎたかな?
「こいつらは知らんが、俺はムッチリポヨポヨじゃない!まだまだ、結構締まってるんだ!やや太り気味の普通体型だっ!」
(太り気味なんだろ?普通体型じゃねーじゃん…)
「いーや、お前はムッチリどころか既にデブだ。俺のズングリ・デップリの撤回を求める!俺はガッシリだ!断じて筋肉なんだ!」
(ガッシリ…そのキツク食い込んだ腹周りとはみ出た贅肉は何だ…?)
「どーでも良いけど、ドスコイだけは勘弁してくれ…。」
(口が悪くてスマン…だが真実だ…)
>>502 ss乙!
国檻は完結なのかな?
シロの様をみるに飼い殺しされているのは檻から溢れてそうだなw
新ssの人も待ってるよー
個室が窮屈そうだわw
510 :
『リミット』:2009/12/09(水) 22:49:12 ID:7cjCmlKY
三人三様の文句を並べる男達に俺は内心で突っ込みつつ、更に冷たく問いかける。
「で?お前ら何kgあんのよ?体重は?」
『んぐっ…』
3人とも相当言いたくないのか言葉に詰まって微動だにしない。
「んじゃあ、独断と偏見で…お前ムッチリ、で…お前ズングリ、そんでお前はドスコイ、以上。」
『待て待て待て待て…何て思いやりのない奴だ!言う!言うから止めれ!』
慌てふためく3人、明日から関係者にその仇名が流布する事を恐れているのである。
3人は『お前言えよ』『何だよお前先言えよ』『どー考えてもお前が先だろ』と言い合っていたが、やがて、やはり一番ダメージが軽そうな釜田から答え始めた。
「74kg。」
「俺は89kg…但し、筋肉だ!」
「…98kg……2週間前までは…。」
数字を聞くと成程、納得の太り具合、肉付き具合だ。
俺達は3年前、身長体重共に1〜2p、1〜2kgの差で横並びだった。
後ろ姿は見分けがつかないと良く言われていた程だ。
それがどうだろう、今や一人として別の仲間と見間違えそうな奴はいない。
まるで別人だ。
いや、見まわして良く良く考えれば…そう、まるで一人の人間が太っていく過程を追っているかの様に、見まわす順に段々とデブり具合を増していく。
が、とにかく、俺の良く知る面々では無くなっていた。
そういう訳で俺の出した結論は………
「ところで、ムッチリ釜田、ズングリ中井、ドスコイ梶本、お前ら何でまた、んなブクブクブクブク太ったん?」
『おいおいおいおいっ!俺ら暴露損かよっ!!てか何処の芸人?それともクリスチャンか何か俺ら!?』
511 :
『リミット』:2009/12/09(水) 22:51:06 ID:7cjCmlKY
針千本の太い方の様な突っ込みを入れる3人を呆れた表情で見やりながら、俺は一人また一人分だけ頼んだ蓮根の肉挟み揚げを頬張った。
取りあえず、俺の質問への答えは3人が3人とも醜い足の引っ張り合いというか、自分だけは太ってない、太ったとしても不可抗力なんだ!と主張した関係で複雑で長い話になってしまった。
そこで、見る方もダルイと感じると思うので要約することにする。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
『ムッチリ成長期:釜田くんの場合』
釜田が太りだしたのは半年位前からだという、休日に出かけようとして久しぶりに普段着に袖を通した時、違和感を感じたのが始まりだった。
「少し太ったかな?自分もそろそろ年だし食生活を考えよう」と気を遣いだしたにも拘らず、ぷくぷくと平均月2〜3kgの感覚で太り続け現在に至る。
それは恐怖だった。そんな馬鹿な!と思ってみても、緩むボディライン、はみ出る贅肉は隠せない。
焦り、抵抗しつつも緩々と太り続けて3段腹、釜田は自虐的にその厚みが増す度に、凹め凹めと腹を擦り、肉を掴んだ、が、当然何の救いにもならなかった。
なので今現在に置いても太ることへの恐怖で身が縮む思いだといった釜田だったが、実際にはパカパカとコース料理を平らげていた。
そりゃそうだ。食べなきゃ太るまい。だが、以前よりは確かに食べなくなっていた。
料理の旨い不味いには興味が薄かったものの、こいつも痩せの大食いで通っていた筈だ。
前より食べなくなったのに着実にぷくぷくとムッチリ、ムチムチ太り続ける体…確かに恐怖だ。俺も気をつけよう………。
とか言いつつ、鳥天3人前をペロリと平らげる俺だった。
512 :
『リミット』:2009/12/09(水) 22:52:59 ID:7cjCmlKY
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
『ズングリ増量記:中井くんの事情』
中井が太りだしたのは丁度1年前らしい。
普段作業着に着替える中井は中々自分が太った事に気づかず、周囲が肉体労働系のガチムチ集団だった為、中井の変化を指摘する者がいなかったのも肥満に拍車をかけた。
中井自身は決定的な事実を叩きつけられる前に太った事には気づいていたのだが、そんな筈はないと否定して自分を誤魔化し続けていたらしい。
実際は、ツナギを着用する時に腹を凹ませたり、体をよじったりしなければ着られなくなってくるのだから気づかぬ筈はないのだが、人間心理の不可思議を感じずにはいられない。
しかし、決定的な事件は程なく起きるべくして起きる。
弁当を食べるのに仕事仲間とベンチに腰掛けた瞬間。
バッツリ、ビビーッとツナギが裂け、汗で肌色に透けたTシャツに覆われた豊かな腹の贅肉が裂け目からデップリ、ボヨヨヨンと姿を現わしたのである。
その日から中井の仇名は「デブ中」になった。
デブ中毒なのか、生中とかと一緒で中くらいのデブの意なのか、はたまたデブの真っただ中という意味なのかは判然としなかった。
しかし、非常に不愉快極まりない仇名をつけられて肉体労働に勤しみながら太り続けて現在に至ると言う事だ。
俺は追加した牛スジの煮込みを一人でがっつきながらズングリの哀愁漂う姿を眺めていた。
513 :
『リミット』:2009/12/09(水) 22:54:28 ID:7cjCmlKY
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
『ドスコイ急増記:梶本くんの運命』
梶本が太りだしたのは1年半前だった。
しかし、自分は多分太るべくして太ったのだと言う。
梶本は洋食屋の料理人だった。
下積み期間を経て自分の店を出したのが丁度この時、ストレスもあり、残り物は更にあった。
元々、梶本を含め俺達のグループは全員が、一緒に飲み歩いているといつの間にか付き合っている別の友人がブクブクと太ってしまう程に太りにくい体質、更に梶本は他の3人の様に大酒大食は余りしない方だった。
その梶本が毎日の様にストレス発散の為に食べ、残り物の始末の為に、また食べる生活を送る。
ま、確かに3人の中では一番納得のいく太り方だろう。
きっと、日々ムクムクと膨らんで行く自分の体に焦りながらも、すぐ目の前にある食べ物を我慢できず食べ、自作の残り物を勿体ないと思っては食べ、ムッチリタップリと脂肪を蓄えて行ったのだろう。
はみ出た肉に気を取られながら、少し体勢をずらせばボタンが弾けて飛びそうな調理服に身を包む梶本……目の前の体格を見れば容易に想像できた。
しかし、デップリと突き出した腹、タップリとはみ出した脇腹の贅肉、豊かな胸、どこもかしこも丸い体。
食べても太らない、太ることを心配したことがなかった奴がこんなにブクブクと急に太るだろうか…?
太らない体質に胡坐をかいてると痛い目に会う。梶本の太鼓腹がそう言っている様な気がして、俺は、串焼き24本盛り合わせ(追加注文)の喉の通りが悪くなった気がした。
支援
オチが楽しみだ!
516 :
『リミット』:2009/12/10(木) 02:30:45 ID:4FqdE09c
自分達の肥満化話を話し終えて、やや項垂れ気味に腹や胸に手をやる自虐的面々を尻目に、俺は追加注文したイチボの石板焼きを堪能していた。
「なんだよ、ドスコイ刺身くわねーのか?ムッチリも湯葉揚げ旨いのに…、あーっ!馬刺し残してんじゃんズングリ!?んじゃ、くれ!」
勿体無い、とかポーズを取りつつ、スッカリ決定事項として不愉快な仇名を呼びつつ人の食い物にまで次々手を伸ばす俺に、流石に他の面々が声を上げた。
「おまっ!黙ってみてりゃあ、さっきから、バクバクバクバク!大食いだ大食いだとは思ってたけど、前より食欲増してねーか!?」とムッチリ。
「大体無神経に食い過ぎなんだよ!俺らの話聞いたら普通箸止めるだろ!」これは、ズングリ。
「まあ、何にしてもお前だけは殆ど変わらないモンなぁ…、3年前まで同じ様な体型だったのにさ…、前よかフックラしたけど…月と鼈だよ、ホント…。」
ん?おい待てよドスコイ!?誰がフックラしたって?
「俺、前と体型変わってないぜ?ずぅーっと64s。」
すると、全員ジットリと俺の体を舐めまわすように見ると口ぐちに言った。
「いーや!3年前より太ったね、これ確実!」
「そうそ、肉付も良くなって、頬っぺたテカテカじゃんか!」
「デブを甘くみんなよ、他人のデブには滅茶苦茶敏感なんだからな!」
う…そう言えば、最近少しばかり食べすぎな気もする…、少し位は太ったかもしれない。
俺は指摘されて初めて、太ったと言われるバツの悪さを味わい、そして苦しくなってきたウエストを緩めると、パンパンに張った腹を擦った。
固く、ポコッと出た腹、しかし、意識して探ってみるとナルホド、ムチリと弾力を微かに感じる部分があった。
ヘソの周りと、脇腹辺りにである。
ともすれば見落としてしまうような僅かな物ではあるが、確かに脂肪だった。
517 :
『リミット』:2009/12/11(金) 02:15:47 ID:7hRItUDF
腹周りを探りつつ、無言になった俺に、他の3人がニヤニヤと嫌らしい笑いを浮かべながら話しかけてくる。
「いんやぁー、いよいよ、来ちゃったかぁー、正太も俺らの仲間入りかぁー?」
「そうそう、最初は気づかねーんだよなぁー、いつの間にか忍び寄る影?来るぞ来るぞぉー!」
「最近服がきつくなったとか、何か窮屈な感じとかしない?それがシグナルだよなぁー。」
どいつもこいつも、妙に嬉しそうな表情で正直気持ち悪いと思ったが、状況が状況である。何しろ生きた証拠が目の前に3人もいるのだ。
30年近く痩せの大食いで生きてきて、急にブクブク太り始める。そんな筈は無いと考えつつも、妙にソワソワした気分になる自分がいた。
しかし、そう言えば、今着ているこの服、キツクは無いが、先月は逆に少し緩かった様な気がする。俺はピッタリフィットした服に少しばかりの危惧を感じた。
「ばっ…バッカ!太ってねーよ、昨日も大酒飲んだからさぁ、むくんでんのッ!お…お前らと一緒にすんなよ!たくっ、俺が太らない体質なのはお前らが良く知ってんだろ!」
焦れる自分を誤魔化す様に、大袈裟に否定しつつ、無駄に虚勢を張って串焼きを追加注文した俺。
更に締めに運ばれてきた御櫃のご飯を一人抱え込んで、食っても太らないことをアピールするかのように我武者羅にかきこんだ。
「なぁーんだ…つまんねーの…、良いよなお前は、忘年会シーズン満喫かよ…俺は明日からダイエットだよ…全然痩せねーし、俺挫折しそう…。」
「可笑しいと思ったんだよ…妙に顔の輪郭が丸くなったなぁと思ったら、酒でむくんでんのかよ…紛らわしい…。」
「ま…まあ、何にしろ気をつけた方が良いぜ、もうすぐ30だろう…俺もその辺りからブクンブクン太ったからさぁ…」
518 :
『リミット』:2009/12/11(金) 02:16:48 ID:7hRItUDF
『妙に顔の輪郭が丸くなった』と言う単語に砂を飲み込む様な心境になった俺を尻目に、心底残念がる面々、最後の梶本の発言が辛うじて俺の身を思いやっていそうな程度だ。
そんな事を考えている内に、サービスで定評のあるこの店の店員も、そろそろいい加減にしろよ、と言う風に水菓子とお茶を運んでくる。
しかし、最後の梶本の発言で話しはあらぬ方向に進んで行くことになるのだった。
「あー、30と言えばさ、俺6月生まれじゃん?俺も太りだしたのそこら辺からだなぁ…。」
「えっ?あっ、釜田も?俺も、俺もっ!俺と梶本一浪組じゃん?俺も去年の11月辺りから太りだしたんだよなぁ…。」
「………、みんなそうなのか?俺も去年の4月からブクブク太り始めちゃって…、そりゃーもうアレヨアレヨという間に3ケタ目前……。」
そこまで言ったところで、全員しばし無言になり、暫く茶をすする音だけが木霊した。
『でもさぁ…偶然にしても…怖いくらいの一致だなぁ……。』
誰ともなく口を開いて出た言葉は同じものだった。俺まで同じセリフを吐いてしまい、また、暫く沈黙が流れた。
「そう言えばさぁ…俺思いだしたことあるんだよね…。」
最初に沈黙を破ったのは釜田だった。
釜田が話し始めた学生時代の昔話を聞いた俺達は、更に不可解な気分に陥ることになる。
釜田の話した昔話、それは…
@『都市伝説』っぽい話
A『医学だか生理学』的な話
B『怪談か何か』そんな感じの話
中年太りかとおもったらまさかの選択式なのかな?
選択権があるなら@、Bが気になるからそこから選んで@で
しかし『都市伝説』と『怪談』の違いてなんだろうね
スタートが遅いだけで皆どすこいクラスなりそうだw
SS乙!続きが楽しみすぎるwww
A
@!
ぜんぶ!
@
はじめまして、
いや、宝物のように素敵なスレがあるとは知りませんでした。
本当は全部見たいといいたいところをおいておいて、
一番どうとでも出来そうなのを選んでみます。
Q1.なに(手段)・だれが肥満化させる?
男が、
正直なんでも好きですが…
Q2.肥満化人数は?
1を集中させて、
沢山の人がドカンといっぺんに太るのも捨てがたいですが
Q3.肥満化後の体の大部分は?
脂肪、やわらかくてぼよんぶよん、
筋肉も負けないくらい好きです。
Q4.太らせるならどの体型から
筋肉達磨がブヨブヨになるのが一番でしょうか
Q5.体重や身長、スリーサイズの変わり具合は?
四桁いっちゃえとか妄想します、
身長も必要ならどんどこ、
身長変わらず達磨式も良いですが
Q6.変貌振りを実感させる美味い表現は?
自分の体を触って確かめる
Q7.肥満化につけられるようなアクセントは?
どんどんうすのろになる感じが良いです
Q8 好きな年齢層は?
二十台から三十前半
Q9 好きな体の部位は?
腹、筋肉
Q10 無理やり太らせるのと本人の意志で太るのどっちがいい?
わけもわからずぶくぶくと太って行くというのが萌えます、
他もどんとこいですが
Q11 どうやってかわいがる、もしくはいじめる?
体を肉にうずめます
Q12 最近太り気味なことを気にし出した男(シチュ自由)にどんなアドバイスをする?
そうかな?
ととぼけてみせる
Q13 太ったことをごまかす言い訳は?
これから取り返すから大丈夫
Q14 ある朝起きたら100kg太ってた。さてどうする?
原因を探してワンスアゲイン
527 :
『リミット』:2009/12/12(土) 17:36:36 ID:OQo1t+WC
釜田の話した昔話、それは出だしから何だか都市伝説ッポイ話だった。
「俺たちが大学3年の時さ、チェーンメールだとか呪いのメールだとか、携帯を主体にした不幸の手紙的なメールが流行ったの覚えてるか…?」
いきなりふられても応えに窮する内容だ。
携帯と言えば、当時仲間内で流行ったのがFOMA端末だった。
当時まだまだMOVA端末の方が薄くて軽い上に同程度の機能を有しており、今考えるとアホな流行だったなぁと思う。
しかし、この手の話は聞いただろうか?俺は黙って水菓子を食いながら先の話を待った。
すると梶本がいいタイミングで合いの手を打つ。
「不幸の手紙?あの同じものを○○人に送らないと不幸になるとかそんなヤツだったよな?そんなん流行ったっけ?」
そうだ、そんな怖そうなモン流行った記憶がない。
「いや、そのままの文面じゃなくてさ、色んなパターンで、中には原型もと止めてない冗談ッポイものもあって、ワザとパロッてあったりして爆笑もののメールとかあってさ。」
釜田のその言葉に俺の頭に閃くものがあったが、それは皆も同じだったらしく、先ずは中井が声を上げた。
「あっ!アレかぁー、覚えてる覚えてる!『恋の橋渡し』とか言うメールきて吹いた覚えある!」
「アッ俺も!貴方の好きな相手を友人3人にメールで送ると思いが通じるとか言う、あったりまえやんけー!みたいなっ!」と、これは梶本。
「そうそう、でさ、稲生って覚えてる?アノ同じゼミで俺らと一緒に飲み歩いてた。」
稲生…稲生……、確か、1年の頃ゼミで知り合って3年の頃大学を辞めた奴だ。
一緒に飲み歩くようになり、2年の半ば頃にはヒョロかった体型が今の梶本並にドスコイ体型になってしまった、いわば俺らの飲み歩き被害者だった。
528 :
『リミット』:2009/12/12(土) 17:56:33 ID:OQo1t+WC
「そう、そいつさ、2浪組だったじゃん。で、親父が亡くなったとかで実家の旅館継ぐとかで大学辞めたんだよな。」
「俺、5年前社員旅行でそこ使ったんだ。それから稲生と年賀状とか遣り取りするようになってさぁ。」
なんだか話が見えない。チェーンメールの件と稲生の件、何か関連性あんのか?と思いつつも何となく引っかかるものがあって話を遮る気にはならなかった。
「あいつ俺らと違って太りやすい体質だったじゃん?5年前会った時は、まあ梶本1.5倍増量中みたいな体型でさ、何と132s!」
「俺らと付き合って飲み食いが癖になった所為だとか言われた位で、毎年着実にブクブク太っていく様が年賀状でわかって怖い位だったんだけどさ…。」
「それが…2年前の年賀状で急に昔の体型に逆戻りしてて、すげー細くなっててたんだよ!」
「最終的には160…いや、170sはありそうな巨デブだったのにだぜ…?」
それは驚きだ。稲生の元の体型と言えば普通体型より細い。
元々小食な奴で、出会ったころは酒もやらなかったから維持できていた体型だ。
俺は釜田に当然の疑問をぶつけてみた。
「びょ…病気かなんかじゃねーの?」
すると釜田は我が意を得たりといった表情で続けた。
「俺もそー思って電話してみたんだ。」
「そしたら、自分自身その線を疑って検査したんだけど、全くの健康そのものって診断で、寧ろ年齢にしては問題がなさすぎる位だって言われたんだとさ…。」
愈々もっておかしい、と同時に、俺の中で引っかかるモノを感じ少々ソワソワしながら話の先をまった。
「稲生自身、不思議で不思議で堪らなくなって色々調べたらしいんだわ。」
「したら、不意に昔奇妙なメールが来たことを思い出して、で、あの頃FOMA流行ったろ?端末探して開いて見たら、こんなメールを見つけたんだってよ。」
そう言って釜田は携帯を開いて問題のメールを展開して見せてくれた。
その内容は次の様なものだった。
529 :
『リミット』:2009/12/12(土) 18:27:30 ID:OQo1t+WC
ぎょうてい『このメールは三皇神農の古事に習った道教による呪(まじな)いのメールです。下記の大極図を中心とした図形を見て下さい。』
スクロールすると大極図を中心に意味不明の漢字と図形でゴテゴテの図形が現れる。更にその下にスクロールするとまた文章が現れた。
『この図形は、貴方の脳に直接働きかけて齢30を数えるまでに貴方の悪しき体質を改善してくれます。』
『このメールは福音です。届いた事に感謝して3人の人に送ってあげてください。』
『尚体質の改善を望まない方は、このメールを5人の人に送った後図形を展開し逆さにしてこれを見つめ、そのまま速やかに破棄して下さい。それでは再来。』
530 :
『リミット』:2009/12/13(日) 11:20:49 ID:iB/CbNwN
このメールはっ!!
それを見た時、俺の中で先程からソワソワと心を乱していた感覚の正体が明らかになった。
俺はこのメールに見覚えがあったのだ。
そして、それは俺だけではなかった。
「これ…俺見覚えあるわ…。」と中井。
「俺も…見て思い出した。俺の携帯にも昔きたことある…。」梶本。
「やっぱり!?稲生の奴がさ…送信履歴に俺らのアドレスがあったから少しきおをてた方がいいかもって連絡があってさ…俺もマサカと思ったんだけど…。」
そう言って釜田の目は中井のズングリムックリとしたドッシリとした丸いシルエットをなぞる。
釜田はそうして、梶本のデップリと前にせり出て脇からも肉が溢れている腹周りを眺め、最後に自分のタプッと溢れ始めた腹の贅肉を擦ってため息をついた。
「ま…まさかな…。ぐ…偶然だよ偶然…!」
「そ…そうだよね、ちゅ…中年太りってヤツだよな、認めたくないけどさ…。」
「ははは…でも、冗談だけど、ひょっとしたら正太も30境にブクンブクン太っちまったりして…。」
みんなが口々に言うその言葉が、誤魔化しであることはヒシヒシと感じられた。
そして俺は、みんなの視線が俺のポコッとした腹に集中している事に気付いて、反射的に叫んだ。
「ばっ、なっ何だその目は!?あるわけねーだろ、お前らのは中年太り!俺は太らない体質なのっ!?見るなっての、コラッ、これは食い過ぎて張ってるの!」
そして、一しきり空虚な馬鹿笑いをして、同窓会は解散となった。
その頃には俺の中で例のメールが本物であろう事は確信に近くなり、メールにある通り5人の人に送らねば奴等と同じデブ街道まっしぐらであろう。
俺は、土日を利用して埼玉の実家に帰ることを決めた。
30才の誕生日まで6日を迎えた木曜の夜だった。
531 :
『リミット』:2009/12/13(日) 11:24:07 ID:iB/CbNwN
529の「ぎょうしゅん」は削除。
530の7行目「やっぱり!?稲生の奴がさ…送信履歴に俺らのアドレスがあったから少し気をつけた方がいいかもって連絡があってさ…」
の間違いです┏○ペコ
おつおつ
こっから肥満化が始まるのか…!?
乙です!
太る過程が見られるのかな―。
釜田くらいのぽっちゃり体型好みだw
黄色いアーマーに黄色いヘルメットを身につけた逞しい青年が部屋で両手足を吊られていた。彼は戦隊ヒーローのイエロー。それが今、悪の組織に捕まっていた。
「く……くそっ! 俺をどうする気だ!」
イエローは正面にいる男に声を荒げた。その男は世界中の男を太らせようと企む組織、ブタンダーの総帥であった。
総帥自体も筋肉の上にたっぷりと脂肪がついた肥満体型である。
「ククク……どうするも何もお前も肥満体にするだけだ。こいつらのようにな」
そう言って総帥の後ろにはずらりとタイツを来た太った男達が並んでいる。
彼らは捕まえられ洗脳され肥満化された挙句、戦闘員となった一般市民達であった。
彼らを助け、組織を潰すために日夜イエロー達は闘っていた。
「イエロー。お前は体格が良い。さぞかし良い肥満体になるだろう。
では早速……いや、それだけでは足りないな」
命令し様としていた総帥は二重顎に手をあて考え込む。
「総帥! お前が何をしても屈しない! 俺はすぐに脱出してやる!」
今にも噛み付きそうな雰囲気で吼えるイエローを見ていた総統はやがて手を下げて言い出した。
「屈しないか……そうだな、お前を単に肥満化させても心は折れない。
なら。お前の心が折れるような事をするか。組織に下らせればお前の仲間にもダメージになるな」
総帥は邪悪な笑みを浮かべると戦闘員の1人に耳打ちをした。チューブのついた機器を戦闘員が次々と部屋に運んでくる。
その間ずっとイエローは暴れ鎖を外そうとしていたが失敗し、休憩をするついでにその作業を見ていた。
(あれを使って今まで肥満化を……! このままじゃあ俺も……!)
しかし考える暇は無かった。戦闘員がイエローに近づきアーマーを脱がしだしたのだ。
ヘルメット以外裸になったイエローにもう2つ機器が前後に配置される。
「な……何してんだ、やめろ! ぐうっ!」
イエローは苦痛の声を上げた。尻穴に棒のような物が強引に突っ込まれたのだ。同時に性器にもチューブが被せられた。
更に声を上げた口にチューブを突っ込まれる。イエローが反応する間も無く液体が流れ込んだ。
喉を通る感触に悪態をつこうとしたイエローは体に違和感を感じた。
体が妙に火照っていている。そして。
「な、何でこんな時に……」
徐々に勃起してくる自分の性器を見て唖然とする。そこへ立ち上がった総統が声をかけた。
「それは組織が作った物の副産物でな。強力な媚薬や増精剤を混ぜたものだ」
ククッと総統は笑う。イエローの逞しい体を太らせるだけでなく、組織の肉奴隷にする。
それが「心を折る」方法だった。最も、総統自身、太ったイエローは好みに合うと思い、この方法を取った。
「媚薬だと!? あぐっ……まさか、尻に……」
「バイブを入れさせてもらった。気持ち良くなってきたかな?」
痛みだけだった尻がいつの間にか痛みが消えているのをイエローは感じていた。
性器のチューブも連動して刺激を与え、すっかり性器は勃起している。
「ふ……ぅうっ……く、そっ!」
快感が強くなっていく下半身に悶絶し、興奮した息を吐きながらもイエローは総統を睨んでいる。
その瞬間、尻のバイブとチューブが一層激しく動き出した。
「が、あああっ!」
イエローは叫び声を上げると射精した。精液はチューブを通りタンクへ行く。
それでも止まらないバイブを耐えながら息を落ち着けていると。
「何か忘れていないか?」
総統が言うとイエローの口に別のチューブが突っ込まれ、また液体を飲み込まされる。
「一回射精する毎に1kg。ククク……どうなるだろうな?」
その言葉を聞いてイエローは顔を青ざめる。
こうしてイエローの肥満化と調教が始まった。
総帥も戦闘員もいなくなった部屋の中、イエローは1人性欲と戦っていた。
「はぁっ……落ち着け俺……」
先程飲まされた液体によりまた性欲が湧き上がったが持ち前の精神でそれを抑えていた。
性器と尻のチューブも止まっていてこのままなら射精せず、太らずに済む。このままなら。
「ああっ! 尻がっ!」
動き出したバイブに悶え、腰を思わず前に突き出す。射精はしなかったがそれだけで性器は勃起した。
たった2度液体を飲まされただけでここまで尻の快感が強くなった事にイエローは恐怖する。
すぐにバイブの動きが止まり、イエローは刺激から解放された。
(イキてえ……)
過ぎった考えを頭を振って消し去る。こんな事を考えてはいけない。
イエローは気を紛らわし、性欲を抑えながら二日目を迎えた。
目を覚ましたイエローは周りに戦闘員がいることに驚いた。太った体とぴっちりとしたタイツが何人も並んでいる。
「何のようだ!」
イエローはすぐに戦闘員の様子がおかしい事に気付いた。全員が息を荒げて更にタイツの股間は三角を作っている。
「な、な……お前等。まさか……」
一斉に戦闘員がイエローの体を貪りだした。
イエローの乳首や性器を何人もの戦闘員が舐める。感度が上がっているイエローは歯を食いしばって声を出さないよう耐えている。
「っ!」
そこへバイブが昨日より激しく動き、更に戦闘員がそれを前後に動かしている。
必死で耐えている口から僅かだが声が漏れている、戦闘員は一層愛撫を激しくしていく。
「ぐぁっ……やめろお前等! やめ……イっちま……うああっ!」
だらだらと先走りを垂らす亀頭を責められペニスから精液を吹き出した。
戦闘員はそれを一滴残さず舐めとり、敏感になっているペニスや乳首をまた舐め、バイブを前後する。
射精の余韻に浸っていたイエローは液体を飲まされてまた感度の上がった体を戦闘員に陵辱される。
一週間も経った頃にはイエローの体は大分開発され、ほんの少しの刺激でペニスは勃起する程になっていた。
「くそ……くそぉ……」
それでもまだイエローの心は折れていない。そして調教も序盤でしかなかった。
部屋の扉が開く。だが入ってきたのは戦闘員ではなかった。
「よぉイエロー。無様な姿になったなあ、おい?」
丸々と突き出た腹、その上に乗る大きな胸、巨大な尻のアーマーを着たブタンダーの怪人1人だけがいた。
でっぷりと肥えた怪人はまん丸とした腹を揺らしながらイエローに近づきその体を見回した。
前よりも肥えた体。がっちりはぽっちゃりと化した。それでも戦闘員や怪人よりも痩せている。
「まだ全然デブじゃねえなぁ。俺の腹に比べたら全然雄じゃねえ。
これからどんどん太らせて雄にしてやるからな。……いや、雌か?」
怪人はたっぷりの『雄』の腹をイエローに見せつけながらいやらしい笑みを浮かべる。
「もう俺はこれ以上太らない……!」
「ほーここはこんなになってるのにそんな事言えるのか?」
怪人はイエローの性器を扱き出す、戦闘員達に何度も弄られ、敏感になったそこに顔を近づけ亀頭や竿を舐める。
イエローは耐え切れず声を上げペニスから先走りが垂れし、そのまま怪人はペニスを咥え柔らかい口の中で何度も扱く。
「ぐう〜ああ〜」
悶えるイエローを満足げに見つめ、怪人は性器を離し後ろへ回る。
既に濡れているアナルに指を入れる。
「我慢するなよ。ケツで何度も射精させてやるからよ。そんでもっと太りゃあもっと気持ちしてやる。
……おいおいもう3本も入るのかよ。淫乱だな、お前は!」
「ひっ……! ひあっ、あああ〜」
ぐちゅぐちゅとアナルをかき回される度イエローのペニスはびくびくと震え、鈴口から溢れた先走りはペニス全体を濡らしている。
だが怪人はすぐに指を抜き、包茎の巨根をあてがう。
「や、やめてくれ! 入れられたくなんて……!」
「ああ!? 知るかよ、お前は俺達の豚肉奴隷になるんだから犯すに決まってんだろうが!
これからケツでしかイけなくしてやるからな!」
怪人は一気にイエローを貫いた。
開発されたアナルから来る快感にイエローは一瞬で射精する。
イエローはただ嬌声を上げながら何度も突かれ、下から持ち上げられるだけである。
「おう、どうだ! 気持ちいい……かぁ! おい!」
「あぁっ! はぁぁっ! ふぁ……ひゃぁっ!」
あまりの快感に答えられないイエローを怪人はただ犯しつづける。
口から涎を垂らし、気付かない内に腰を動かして快感を貪り、ペニスからはだらだらと精液が漏れる。
そのペニスを後ろから扱かれると甲高い嬌声を上げてイエローはまた射精した。
「俺もイくぞ! あ……おおっ!」
「も、もうイきたくな……ひゃあああああっ!」
怪人は奥を思い切り突くとイエローの腸内へ精液を流し込んだ。
同時に射精していたイエローも中だしの熱と量を感じペニスをまた勃起させている。
自身の精液に塗れた巨根を怪人は抜いた。
中に出された精液がアナルから漏れる事さえイエローを興奮させた。
「今日は1発だけにしてやる。日毎に増やしていくからな」
それだけ言うと怪人はペニスをそのままに部屋を出て行く。
そして肥満化が始まる。イエローが射精したのは5回。つまり5kg。
「あ、ああぁ……また太っちまったぁ……」
腹や尻、胸が膨れ、腕や脚にも贅肉が付きだす。着実に太っていく体に恐怖しつつもイエローはそれを受け入れつつあった。
太りたくない、けど気持ちよくなりたい。でももっと太ればもっと気持ちなれる。
太る度に増大する快楽に徐々にイエローは溺れていく。精神の肥満化も順調に進んでいった。
しえんが必要かな?
精神の肥満化イイ!
嫌がっていたはずがいつの間にか自分から望んで太りたくなるってのに萌えた
なんて素晴らしい悪の組織だろうかw
>>にきさん
亀ですが国檻乙でした。
お互い幸せならペットもいいですね。
ところで、2スレの「戦士と盗賊と」の設定とキャラクターをお借りして
1本書けたら…と、少し考えているんですが、
よかったら使わせてもらってよろしいでしょうか?
>>『リミット』
乙です。
みんなで仲良く中年太り…。いいことです。
>>525 >4桁いっちゃえ
際限がないのが妄想のいいところですね。
一度そんな肉の塊に埋もれてみたい…。
542 :
にき:2009/12/14(月) 20:45:55 ID:fw2S75nH
遅くなりましたが、国檻完結です。お付き合いいただき、ありがとうございました。
ちょっと早駆けだったので色々意味不明な点あったかもしれません、そこに関してはすみません…
正直投稿文字数に引っ掛かって削ったりもしたので、まとめサイトに載る際には原文を足したりするかもしれません。
>>504 ありがとうございますっ。
僕もリミットにやにやしながら楽しみにさせていただいてます^^
自信家の崩れてく様には萌え萌えします…w
>>509 完結です。お付き合いくださってありがとうございました。
ちょっと今回背景描写をちゃんとする手間を省いてしまったのですが、飼い殺しレベルになっている住人は、牢の外でそれなりの職務と引き換えに食事を与える事になっています。キツくしても逆らえなくなってから、ということですね。
>>534 なんという素敵なシステム…複合欲求に正直になれない縛りって萌えますね!
ssがんばってくださいっ!
>>541 ありがとうございますっ。
本当は原題「君はペット」だったんですけど、あまりにもオチが見えてるのと、同じタイトルの一般作品があったので…
「戦士と〜」ですが、正直凄くうれしいです!是非お願いしますっ><
実は国檻も同じ世界軸だったんですが、内容削ったらそこまで表現が追い付かなくなってしまっていたので…
何かわからない部分や設定等あったら、なるべく早くに答えるようにしますので、お気軽に聞いてください^^
543 :
『リミット』:2009/12/14(月) 21:18:02 ID:CqxVj5BW
翌日、12月18日の朝、俺は腹部の飽満感で少々苦しさを覚えて早朝5時に起床した。
そう言えば昨夜同窓会から帰ってから小腹がすき、どうしても腹の虫がおさまらずに(そのままの意)ビックペヤングとカップラーメン、菓子パン3つを平らげた事を思い出す。
しかし、朝食を食べ始めると厚切の食パン8枚をピザトーストとピーナツバターでペロリと食べられてしまう自分に少し疑問を覚える俺だった。
『昨日の出来事でナーバスになっているだけだ。』
事実いつもこの程度、いや、もっと多くの朝食を取っているのだから特に敏感になっているからこんなに気になるのだとしか思えない。
俺は食後に昨日の釜田の話を思い返してみた。
要約するとメールを受け取った人間は30才までに5人の人間に同じメールを送り、図形を逆さまにして見つめた後メールを消去しない限りは体質が変わってしまうらしい。
多分、釜田達が太り難い体質で、稲生が太り易い体質だった事から考えると、メールは単純に、そして無機質に現状の体質を反転してしまう効果があるようだ。
「しかし、30才までにというのが罠だよなぁ…、俺も受け取ったのにスッカリ忘れてたもんな…、全然時間あるし、くだらねー悪戯だと思ってたし…。」
恐らく、釜田達も、そして俺達にメールを送った稲生自身も、30才までにという悠長なタイムリミットが設定されていた為に、後回しにした挙句忘れてしまったというのが真相だろう。
スッカリ忘れたか、途中で放置してしまったのかの違いはあるが、5人送って消去しなかったからこそ稲生は体質が反転してスルスル痩せてしまったに違いない。
そう結論付けて、俺は念の為早いうちに実家に帰って件の携帯を探そうと心に決めた。
『齢30を迎えるまでに』というからには問題ないとは思うが、オカルトである。
機械仕掛けの様にピッタリこの日から効果が現れるとも限るまい、速いに越したことは無い、そう思った。
それにしても体質と言うからには『太り易い』『太り難い』だけではないだろう。
俺は冷え症だが、この体質だけ改善するわけにはいかないのだろうか?
そんな事を悶々と考えて脳内会議も本筋からも逸脱し始めた俺だったが、ふと昨日は着替えただけでそのまま就寝してしまった事を思い出し、浴室に向かった。
544 :
『リミット』:2009/12/14(月) 21:21:38 ID:CqxVj5BW
ザックリと服を脱いでシャワーを浴びる。
湯のつたう体のラインを手でなぞる様にすべらせて洗うと、何だか柔らかい弾力を感じる気がして気分が悪くなる。
まるで脂肪のヴェールをまとっているかのように時々すべる手がフニュリと柔らかな感触を覚えるような………。
手の平が体から離れる際にプリンッと細かく弾むような……、そんな感じだった。
『いつもこんなもんだ。今まで特に気にしなかっただけだ。気にしない気にしない…。』
俺は呪文の様にこんな文句を心の中で繰り返しながら少々おざなりにシャワーを終えて洗い場をでる。
俺は、バスタオルで頭をガシガシ拭いて体をサラリと拭い、ふと何かが気になって洗面台の前で目を止めた。そして無意識の内に鏡の中をじっとのぞき見る。
何だか体のラインがぼやけて見える様な気がする。何と言えばいいのか、ここがこう違うと言えるものではないが、角ばって見えていたものが丸みを帯びて見えるというか…。
確かに昨日奴等が言った様に顔の輪郭もふっくらとしてきた様な気がする。
すると、絶妙のタイミングで洗面台の脇で埃をかぶり3年間使っていない、機能だけは充実したヘルスメーターが目に留まる。
ふらふらとスイッチを入れる。電池はまだ十分に残っていたようで待機画面が表示された。
そのまま、ギシリとヘルスメーターに乗り、食い入る様に数値の変化を眺める。
変わっていない筈だ。変わっている筈がない。俺は痩せの大食いで今まで生きてきたんだ。まさか…、そんな急に…。
ピピッ
はじき出された数値に俺は目を見開いて驚いた。
確かに先月付き合いで行った温泉スパで計測した数値は64kgだった筈だ。
昨日今日の食べ物が体に残っていたとしても、腹も身の内、65kgか、多く見積もっても66kg程度な筈だった。
しかし、俺の目に入ってきた数値は………
体重70.5kg 体脂肪率22%を示していた。
545 :
『リミット』:2009/12/14(月) 21:26:47 ID:CqxVj5BW
やはり効果は既に現れ始めているのか?
俺はその日、一日中、その事と体重・体脂肪のことで頭がいっぱいだった。
携帯で自分の顔を撮って見てみたが、成程、やはり顔の輪郭が丸みを帯び始めている。
しかし、忘年会シーズンという事もあって周りは浮腫んだ顔ばかりだし、自分も周囲も気づかなかったのも無理は無い。
確かに最近スーツを着用する時に、ピッチリ感というか、窮屈な感覚を覚えたり、ベルトを忘れても困らなかったりと、よく思い返せばシグナルは沢山聞こえていた筈なのに…。
それでも昼時には空腹を覚え、いつも通り同僚と中華の食べ放題等をしこたま食べつくしてしまう俺。
ひとしきり食べてポッコリ丸くなった腹を擦ると、やはり昨日同様ムチリとした感触がある。これが…贅肉の感触、これが太るという事なのか……?
一月で急に5〜6kg太ったのに、元々大食いの所為で食い過ぎて膨らむ腹部を考えて多少余裕のあるサイズで服を揃えており、窮屈さを感じなかったのも原因の一つと思われた。
だが、そう言えば、一月前には、空腹時にズボンを履いた状態で手の平をズボッとウエストに入れられる位の余裕があり、満腹時にやっとピッタリになる感じだった。
それが今では、空腹時に辛うじてピッタリだった腹部が、満腹時にはズボンのボタンを外してやっと楽になるという状態だ……。
俺は、どうしようもなく気になって、しきりに腹を、中でも比較的肉厚な弾力を感じる部分をムニムニと押し擦りながら周囲の同僚を見まわしてみる。
4人いる同僚の中で俺より痩せている奴等一人もいなかった。みんながみんな堂々たる腹周りをこれでもかと誇示している。
無理も無い、俺の大食いに付合って昼時に食べ放題で食事をするような奴等だ。
痩せの大食いの(いや、既に『痩せの大食いだった』というべきか…自信が無くなる…)俺に付合って飲み食いしてると普通の体質の人間はこうなってしまうという見本市だった。
ゲップをしながらデップリした太鼓腹をタプンと叩く同僚あり、丸まると肥えた体に押し広げられた上着のボタンがとまらない同僚あり…、よく見れば見るに堪えない肥満ぶりだ。
俺は家庭環境の所為か、こう言った肥満体を見ても、からかって弄ぶことはあっても嫌悪感は抱いたことがなかった。
546 :
『リミット』:2009/12/14(月) 21:30:50 ID:CqxVj5BW
しかし、それも他人が太ってる分にはということであり、自分が太る事は想定に入れていない。
今まで自分が蚊帳の外だったので気が付かなかったが…、今切実に思う、こうはなりたくない…絶対にと…。
そうして何時になく、じっと同僚の腹周りを見つめている俺の視線に気づいたのか、同僚の一人・前野が自嘲気味にタポンッと腹を軽く叩きながら言った。
「や…やっぱ、僕また太ったかな?自分でもちょっと太り過ぎだとは思うんだけどさぁ…、入社した頃は58kgでヒョロヒョロだったのに…今3桁超えそうな勢いだもんなぁ…。」
「い…いや、そういう意味で見てたんじゃなくて…その…。」
前野の言葉に言い淀む俺に、今度は元体育会系デブの川田が言った。
「ん?さっきから腹擦ってどうしたんだ?流石に食い過ぎたってことはねーよな?いつももっと食うもんな?」
7皿重ねられた大型プレートを見る面々、そう、いつもなら10皿は重ねられている筈だった。
「い…いや…これは…何でも…なくてその…。」
川田が、あっ、と声をあげて閃いたとばかりに喋りだす。
「もしかして、お前、ちょっと丸くなってきたんじゃないか?満腹って量でもないのにチャック全開だし…腹出た?」
図星に近い川野の言葉に俺は一瞬言葉に詰まり、そして直ぐに嘘まで交えて過剰なまでに反論してしまう。
「うぐっ……、ばっ、違うよっ!これは食い過ぎ!ここ来る前にハンバーガー6つ食ったのっ!その所為!丸くなんてなってねーよっ!!」
冗談のつもりで言ったであろう川田も前野も一瞬言葉を失った様に俺を見つめ、一瞬後に、ドッと笑った。
そして、口々に『ムキになるなよ、わかってるって、痩せの大食いだもんな!』と締めくくると何事も無かった様に事務所に戻るのに席を立ち始めた。
指摘はまったくの図星だった。この程度でチャック全開とは、腹が出たとは思わないが、ウエストが増しているのは確かだ。
これでこのままの食欲で俺の太り難い体質がそのまま逆転したらどうなってしまうのだろう…。
俺は頭を振って最悪の可能性を振り落とした。……正直、考えたくなかったのだ。
そして俺は、もう矢も盾もたまらず、早退して直ぐにでも実家に帰って件の携帯を探すことを決意した。
SS書いてくださる職人様方、超乙です!
あなた方のお陰で生きてゆけます。マジで。
>>542 いつもクオリティの高い文章で萌えまくってます。
本当にありがとうございます!
548 :
『リミット』:2009/12/14(月) 22:11:16 ID:CqxVj5BW
「あららら、アンタ、ほそっこいのは相変わらずだけど…、ちょっと見ない間に良い感じに逞しくなってきたんじゃない?」
これが実家に帰って第1声に母親が吐いた台詞である。
俺は心底ゾッとした。
俺の父親は53才、母親は50才と、30近い俺の両親としては比較的若い2人だが、母親の方が子供の俺からしてみれば胸を張っては吹聴できない秘密を持っていた。
父親は172p169kg、母親は168p42kgの凹凸夫婦、そして俺の母親:千恵は、所謂デブ専だったのである。
男らしくありながら何処か優しげな父親とは反対に、女らしくありながら何処か逞しいと言うか、男前な雰囲気を醸し出す女、知恵。
年の割には若く見え、スタイルも良いという、周囲には年齢不詳と不思議がられる存在だが、怖い位の料理の腕と、驚異的なまでのバランス感覚の持ち主だった。
何しろ、出会った頃は172p60kgの好青年だったという父親:正太郎を、俺がもの心がつく頃には相撲取りも裸足で逃げ出す巨デブに育て上げた人物なのだ。
しかも、本人に気づかせる事無く、相撲取りに輪をかけて良好な健康状態を保っての巨デブ化に、医者も首をかしげる始末だったと言う。
当人曰く、「我が夫ながら逞しくって…、格好良くって…、ホント惚れ惚れする体だわぁーん。」だそうで、処置なしである。
それでいて本人はデブ専であるとは一向に認めないのも不可解の極みだ。
更に、二つ上の兄と三つ下の弟は基の容姿は母親寄りなのに体質の方は、ばっちりと父親似で、タイプは違えどデップリ、ドッシリとした肥満体の持ち主に育っている。
母親にしてみれば子供の頃はコロコロ・プクプクして可愛い、そして、大人になった今はドッシリ・ガッシリとして逞しくて頼り甲斐があるのだそうだ。
俺はと言えば青年時代の父親に瓜二つの容姿でありながら体質的には母親似で痩せの大食いだったので随分と残念がられた。
「アンタは正太郎さんに似て格好良い上にアタシに似て大食いなのに全然ちっとも太らないから、食べさせ甲斐がない。」等と、末恐ろしい言葉を吐いては嘆いていたものだった。
その母親から逞しくなってきたかと問われたのだ。これは普通の人に太ったんじゃない?とデリカシー無くズバリと言われるに等しい。
549 :
『リミット』:2009/12/14(月) 22:14:20 ID:CqxVj5BW
正直、俺が太りやすい体質になりつつある事がばれたらどうなる事か………。
俺は背筋が寒くなる感覚を覚えつつ、連日の飲み会でむくんでるんだと、うそぶき、姿勢を正して、冷や汗を滲ませながら、まだ目立たない腹を極力凹ませて2階の自室へ急いだ。
自室について、息を吐き、凹ませた腹の力を抜く、途端にジーパンが窮屈に感じて、これはヤバい…、そう思った。
そして、俺は片っ端から大学卒業の際に前の住み家から送ってそのままにしてある荷物をひっくり返して携帯を探し始めた。
俺は焦っていた。後5日である。後5日で今までの食べても太らない体質から食べたら食べただけ太る体質へと変化しきってしまうのだ。
痩せの大食いで暮らしてきた俺に今更この食欲を押さえて暮らすこと等不可能に違いない。
俺は目を血走らせながら、荷物を漁って漁って漁り倒した。
俺にしては珍しく、夕食を食うのも忘れて探し続けた結果、午前1時30分、晴れて大学時代の携帯電話を探し当てたのだった。
几帳面に充電器もそろえてあったので、早速コンセントに差し込み、チップを交換して電源を入れる。
焦る気持ちを押さえて受信メールを流し見ると、果たしてそのメールはあった。
俺は、メールアドレスを変更して比較的気に入らない同僚&後輩(同年代で30間近の奴)を5人選んで素早くメールを送ると、図形を逆さまにして見つめた後、直ちに消去した。
仁科(12/20生)、海藤(12/24生)、佐竹(2/4生)、間山(3/12生)、幸島(3/27生)。
俺のように大食いではないが、痩せており、太りにくい体質であることを誇示して、俺の同僚の愛すべき太め達を苛める嫌な奴等だ。
そして、俺と時を同じくして、或いは2〜3ヶ月後には30才を迎える面々だった。
先程までの悲壮感は何処へやら、ワクワクソワソワとした気持ちが溢れてくる。
俺は途端に明日からの毎日が楽しみになってきた。
それと同時にグウグウと腹が空腹を訴え始める。
俺は1階に下りると、冷蔵庫を漁り、炊飯器を漁り、安心しきって食べまくった。
そして、4合炊きの炊飯器一杯の飯と、冷蔵庫の残り物を食べつくし、丸々とポッコリ突き出た腹を満足げに擦りつつ、自室へと戻っていき、寝台に入ると安らかな眠りについた。
550 :
『リミット』:2009/12/14(月) 22:25:27 ID:CqxVj5BW
日曜遅めに東京に帰った俺は、翌日から年末の業務に追われつつ、忘年会シーズンを満喫した。
大いに食って、大いに飲んだ。そして、仁科を飲みに誘い、太りそうな旨いもの漬けにするのも忘れなかった。
自分自身も肩まで浸かり切った感は否めないが、俺は太らないからいいのだ。
本当に充実した毎日だった。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
551 :
『リミット』:2009/12/14(月) 22:26:21 ID:CqxVj5BW
数年来に充実した連日の忘年会を楽しみ、暴飲暴食の嵐を抜けて、12月29日、俺は正月を過ごすために実家への帰路に付いていた。
今回の年末年始は夫婦そろって熱々旅行に出かけるとのことで、兄弟全員に帰省命令がでている。
32才で結婚もせず俺を小さな子供の頃の様に接してくるインテリ風の太った兄と、27才にもなって俺にまとわりついてくる元ラグビー選手の太った弟が待ち構えているだろう。
暑苦しい兄弟模様が繰り広げられるであろう実家への道すがら、俺は不意に違和感を覚えた。
電車の椅子に腰かけた腹が何気に苦しい。
気になったので擦って見るとコーデュロイのズボンが食い込んでいた。
『まさか…、ふっ…太った?』
そう思った俺だが、心の中ですぐさま否定した。
太る筈がない。
そうだよ、俺は今まで食べても太らなかったが、痩せもしなかったではないか。
最近の暴飲暴食で元の体重にまで痩せる訳がない、自分は5kg太った先々週のまんまの体型なのだ。
5kg以上の脂肪が体に付くのは凄い事だ。そりゃあズボンもきつくなるさ………。
しかし、何だか今の自分の論理思考は可笑しい…俺にはそう感じられた。
心の中で誤魔化しを呟きながらも心はざわつく、腹周りを確かめるように擦る手は焦れて乱暴になった。
タポッ… ボヨッ… 押し擦ると感じる感じた事のない弾力に冷や汗が滲む。
この押すとボヨッとした弾力は、明らかにうっすらムチリと感じられていた以前の感触とは違うような…?
ズボンの上にダブッと腹の肉の段が乗っかっている様な気が………。
そう言えば、何で俺はいつものジーパンを履いてこなかったんだろう?
あのジーパンだって大食いを見越して余裕をもったサイズだった筈なのに………。
目の端に捉えて手にも取ったのに自分はジーパンを履こうとは思わなかった。
何かに気づかないふりをしてはいないか?
しえんが必要かな?
553 :
『リミット』:2009/12/14(月) 22:35:02 ID:CqxVj5BW
『そ…そんな筈は無い!俺はちゃんと5人にメールをして消去もしたんだ!そうだ!今年は例年よりかなり食べ過ぎたんじゃないか?その所為だ!ちょっと気をつければ元に…。』
そう言って傍らに置いていたダウンジャケットを乱暴に掴むと、気になる体を隠す様に羽織った。
そして目を閉じる。
できれば、もう何も考えたくなかった。
しかし、依然として腹周りはギュウギュウと窮屈さを訴えている。
暫く我慢していたが、結局気になってしょうがなくなった俺は、席を立って洗面所に向かった。
誰もいないのを確認してカーテンを閉める。
先ずはジックリと自分の顔を見つめる俺。
ふっくらとして丸い…ムッチリとして肌がテカッて見える。
以前に直視した時よりもずっとムチムチとプックリしていた。
モヤモヤソワソワと不安は募る。もう我慢できなかった。
俺は思い切って上着のタートルネックを下から下着ごとたくし上げた。
ボヨンッ
すると下着がズボンから引き出されると同時に少なくない振動が俺の腹部を襲った。
鏡に映ったその現象を目の当たりにした俺は茫然と立ち尽くした。
下着が引き出される勢いに応じてボヨンッと振動したもの、その正体は、言わずと知れた俺の腹の脂肪、贅肉である。
勢いでズボンが下にずれた所為で脇腹のムッチリと立派なラブハンドルも露わになり、ヘソの周りにタプッと集まった贅肉は更に結構な厚みで盛り上がっている。
太ったのだ…間違いなく、俺は……先々週よりも更に…太ってしまったのだ。
554 :
『リミット』:2009/12/14(月) 22:41:42 ID:CqxVj5BW
『そ…それでもこの間の釜田よりは、ましな感じだよな…?』
俺は意地汚く釜田のあの体よりはマシだと言い聞かせるように心の中で呟いた。
しかし、見れば見るほどダボッと贅肉で緩み、タプッと腹周りの肉が余った体…。
五十歩百歩なのは誰の目にも明らかだった。
いや客観的に見れば寧ろトータルでやっと同列、俺の方が肥えて太く見える部分もあるという感じだ。
まあ、現在の釜田の体がどうなってるかは知らないが……、それが何の慰めにもならないことはわかった。
この情けなくブヨブヨと丸く太り始めた体に比べれば、顔の丸み等物の数ではない。
顔も以前と比べれば十分丸い、栄養が有り余ってそうな血色ではあるが、このボディラインは顔の丸さからは想像できなかった。
正に、脱いだら凄いんです状態である。
顔だけで寄ってきた相手が体を見たら、いや少なくともこの腹を見たら、詐欺だと訴える、俺ならそうする。
多分腹が出てても食い過ぎの所為と言う先入観と、この着痩せ体型のお陰で、忘年会シーズン中、周囲から俺が特に太ったとの指摘がなかったのだろう。
俺は、当然何故か、そしてどうするのか?と考えるべきところなのに、何を考える気力をも無くして上着を元に戻して整えると、トボトボと席に向かって歩き始めた。
動くたびに下腹の肉の段がタプタプと振動する様な錯覚を覚えたが、最早気にする余裕も無い。
席に戻った俺は放心したかのようにドサリと座り、重さで椅子がギシリと軋む音がして内心、更に鬱になった。
そして、そのまま目的の駅まで寝たふりをして過ごし、何事も無かった風を装って実家への家路についたのだった。
メタクソな連投失礼しましたTT
まだ1回も書き込んでないのに何故か仕事場の方が規制かかって書き込めず、家で書き込み忘れる始末。
たまってしまって、こんな感じになってしまいました。
誤字脱字も多く、読みにくいでしょうが、もう少しお付き合い頂ければ幸いです┏○ペコ
↑とか、言いつつ長くなる悪寒…。
>>541 ┏O)) アザ━━━━━━━ス!
思いつきからのスタートなので、あっしにも先がわからないと言う…盛り込み過ぎて破綻しないように気をつけます┏○ペコ
>>552 支援┏O)) アザ━━━━━━━ス!
>>にきさん
あっしゃー、ひしひしと「戦士と盗賊と」のソウルを感じましたぜ><b
ま、ムラムラする方向で・・・・。
にきさんにも少しでもムラムラしてもらえると嬉しいッスわー。
>>555 続きキテタ!超乙です!
太り始めのこの焦ってる感じがたまらん(゚∀゚)
肉の描写が最高っす。
更に数日が経った。イエローの体重は110kg以上になっていた。
突き出た腹、そこに乗る平たい胸、バイブが見えにくくなった尻。怪力が自慢だった腕は贅肉で丸くなりぷるぷると少し揺れるようになった。
戦闘員程に肥えたイエローは目の前に置かれた鏡を見ていた。
(俺……もうこんなにデブになったのか……)
自分の太った体を見て溜息をつき目を外そうとするが何故か外せない。ぷっくりとした体がエロい、と感じ、股間が少し大きくなる。
(はぁっ……もっと太ったら俺、どうなるんだろう?)
この腹も、胸や顔も丸くなるんだろうか。これ以上肥満して、巨デブになった姿を見てみたい……。
(何考えてるんだ俺は! クソッ! これも全部あいつらのせいだ!)
イエローは頭を振る。しかし彼の体は興奮したままであった。
扉が開く音がしてイエローはすぐに見やる。怪人でなく総統が立っていた。
「おはよう、イエロー。久々に会ったがまるで別人になったな」
総統は太り具合を確かめるようにイエローの腹や胸、二の腕や太ももを愛撫しながら言った。
「うぁっ……何を、するんだ」
イエローを無視して総統は手にした機械のボタンを押す。すると一瞬で鎖の位置が変わってイエローは四つん這いになった。
「ククク……太い素晴らしい体だ。それにここも……」
尻を撫で、揉みながら総統は指を3本一気にイエローのアナルに入れた。既に濡れていたそこはあっさりと受け入れ、甘い快感がイエローの体に走る。
「すっかり淫らになっているな。どうだ? 気持ちいいだろう?」
蕩けたように口を開き、涎を垂らすイエローに総統はキスをする。
(ダメだ……このままじゃ……ああ、でも……)
頭は拒絶してるのに体は素直だった。怪人の舌を求めるように貪り、口を汚しあう。総統が後ろへ回るとイエローは物足りなさそうに舌を出した。
「あぁ……早く……はやくいれてくれぇ……」
何度も犯され注がれ疼いて仕方ないアナルを総統に向けて腰を振る。
肥満化を受け入れ、マゾになった精神では体から湧き上がる性欲が抑えられない。
もっと肥満化してこの太った体を見て欲しい。このガバガバのアナルを犯して欲しい。
「いいだろう。最後の調教だ、堕ちきれ、イエロー!」
総統が巨根に相応しいペニスで一気にイエローを貫いた。
「んああぁぁっ! 太いのがぁ……!」
歓喜の声を上げてペニスから先走りを垂れ流すイエロー。巨根の中を抉る刺激に酔いしれ、舌を出し嬌声を漏らしつづける。
「い、いいっ! チンポがぁ……ひぃっ! もっと、もっと突いてくれぇ!」
「なら……何を言えばいいか、分かるな!」
ダメダ、イッチャダメダ。僅かに残った理性はそう言った。だが。
「あ、あ、きもちいいいいいっ! そこっ! チンポきもひいいぃぃ……!」
前立腺を何度も突かれ、贅肉で埋もれたペニスを扱かれ、勃った乳首を抓られ、イエローの理性が消えていく。
モウガマンデキナイ……。
「お、おれはぁ……あひぃぃっ!」
一際強く突かれイエローの体が震え、仲間との記憶が消えていく。
「ブタンダーのぉ……そうとうさまのぉ……んはぁっ!」
自分から腰を振り肥満した体を揺らし中のペニスを締め付け、自身のペニスからは射精のように先走りを流す。
「せいどれいですぅぅぅ! ふぁ……あ、い、いくっ! チンポいくううぅぅぅ!」
娼婦のような嬌声を出し、蕩けた顔に笑顔を浮かべながらイエローは射精した。
溜まってきた精液が尿道を通る快感に叫び、喘ぎ、涎を垂れ流す。
「なら……その証を中に注いでやる! 出すぞ!」
総統はそう言うとイエローを最奥を突いて射精した。
中に注ぎ込まれる精液を感じ、イエローのペニスもドロリと精液を垂らした。
「なかにいっぱいせいえきはいってるぅ……きもちいい……」
快感の余韻に浸っていたイエローの口にチューブが突っ込まれる。
流れてくる肥育剤を待ち望んでいたかのように自分から飲み干していく。
腹は脂肪を蓄え丸々とした贅肉の塊。胸は風船のように丸く乳首も肥大化している。精液と汗で濡れた巨大な二つの贅肉、尻は雄臭い異臭を放っている。
腕は筋肉の代わりに柔らかな脂肪で包まれ垂れる程、足も筋肉は消えうせ贅肉だからけの肥大したものになった。
背中は肉の段段が出来、腕が持ち上がる程に肥満した脇は汗臭い。顔は以前の面影が無くなり二重顎、ぷっくりした頬、一重になった目のデブ顔へと変わった。
やがてチューブが抜かれると肥満した自分の体を満足そうに見つめ腹を撫でた。
「もうお前は俺の物だ。分かったな?」
囁く総統の言葉にイエローの脳が麻痺していく。もう逃れる事など不可能であった。
「はい……俺も、もっと総統様のチンポ欲しいです……」
1人のブタンダーの幹部がでっぷりと太った体を汗だくにしながらどこかへ向かっていた。
少しして大きな扉の前に立ち息を落ち着けノックする。
返事が返り幹部が部屋に入る。
豪華な机の後ろには巨体を収める大きな椅子に座る総統。幹部は出来るだけ早く歩きその前に立つ。
「そこへ置いておけ」
幹部に背を向け窓の外を見たまま総統は言う。幹部は報告書を置くとすぐに部屋を出て行った。
「お前の仲間は頑張っているな。見るか?」
総統は下を向いて喋りかける。
そこには一心腐乱に総統のペニスをフェラチオするイエローの姿があった。
汗臭さと雄臭い150kgの巨漢は欲望に濁った目を向け横に首を振った。
「そんな事よりも総統様。早く抱いてください。もう俺我慢できません……」
太いバイブを咥えた尻を振りながらイエローは総統に抱きつき柔らかな胸へ顔を埋める。
総統はその巨漢を抱きしめ頭を撫でキスをする。何度も唾液を交換し合い舌も貪り合う。
「ククク……いいだろう。抱いてやる」
イエローは嬉しそうに頬を染めて張り型を抜いてキングサイズのベッドで仰向けになる。
広がった太鼓腹を揉みながら総統は勃起したペニスを広がりきったアナルへとあてがう。
そのまま挿入するとイエローは甘い嬌声を上げてぎゅっと締め付けた。
「太いチンポが入ってるぅ……! はぁっ……いいよぉ……!」
イエローは恍惚とした表情で両手で自分の乳首を強く摘み肥満した体を揺らして更に快感を得ようとする。
既にイエローのペニスは何度も射精し精液が駄々漏れになっていた。
「気持ちいいの大好きぃ……愛してるぅ……総統様ぁ……」
心が壊れ残ったのは肥満化された巨体と肥大化された肉欲だけ。
正義の味方のイエローはいなくなった。ここにいるのは性欲に支配された巨漢だけである。
完
ssおつです
ムラムラしてきたw
リアルでも肥満化したいなぁ…
胸大きくしてみたいとか…
なんというssラッシュ
>>526 >二十台から三十前半
継続中の『リミット』といい、そこそこ中年近くても全然ありなのね
今の時期なら去年もあったけどサンタ化とかもありそうだ
>>555 ss乙!
何かメールに穴があったのかな? しかし肥満化するなら大歓迎だぜ
焦る感じの描写が美味しいなぁ
間に合わなかった同級生3人と送信先の5人の変貌や母親をはじめとする家族の活躍が楽しみだw
>>560 ss乙!
見事なエロ豚に肥満化したなぁ。その肥満っぷりに羨ましがってる戦闘員もいそうだ
なんだか顔がちくちくすると思って目を覚ませば、なにやら白くちっこいのが飛び跳ねていた。
(おぉ! ようやく起きたか)(なに?やっとか)
(これから仕事の時間じゃというのに暢気な物じゃ)(ミヤコの暮らしですっかりだらけおって)
口々になにやらやかましい!
「あ゛ぁ?」不機嫌に唸ると白くて跳ねる何かは、
まだ白み始めてもいない窓の外を指差し言った。
(見よ、もうこのような時間じゃ)(だのにお前といえばサボって寝てばかり)(我等田の神、ほとほとあきれ果てる)
正直頭は働いていない、が、これだけは言える。
「何いってんだお前ら…? 眠いから帰れ」億劫そうにうつ伏せになると多分睨んでいたんだろう、
床の上で飛び跳ねるちっこくて白いのがあわてている。
(な、なんと罰当たりな)(我等を忘れたと申すか)(父君が大変な時)
(我等が知らせに着てやったというに)(我等を愚弄するとは)
『こうなれば、そなたをミヤコにいられぬよう、我等が恵みを与えよう』
なんか、唱和してるが、正直こっちは眠い、というかもう目蓋は落ち、意識を手放していた、
眠りの縁に落ちる前、妙に体がぽかぽかして、満足げな奴らの声を聞いた
(これでよい)(ミヤコの仕事など)(話に聞くヤクシャとか言うのであろう)
(なればこれでよい)
満足げな声に、いや、それはいくら偏見でも無いだろうと言う突っ込みは声にならんなかった。
564 :
『リミット』:2009/12/15(火) 20:23:02 ID:8/m5Da7e
俺は実家の玄関前で迷っていた。
このまま引き返そうか?そして正月休みの間の約一週間、人生初めてのダイエット生活を送るべきなのでは?
しかし、俺の中の本能が直ぐに反論する。
ダイエット?冗談じゃない!人一倍食欲がある俺に食事制限など不可能に決まっている!
俺は特に意志が強いとか、ストイックに健全な生活を送っていたお陰で痩せていたのではないのだ。
もって生まれた体質の所為で痩せてたのだから………
ん?ちょっと、待て?何だかもうメールの所為で体質が変わった前提で考えているが可笑しいじゃないか!?
メールの効果は無効化した筈だ。
そうだ…、やっぱり今年の年末は人生最大に食い過ぎたに違いない。それに俺も30な訳だし、少しは代謝も下がろうというものだ。
『いつもの通り、いや、少し気をつければ徐々に元に戻る筈だ…、そうに違いない!』
俺は寒さと空腹も後押ししてか、後々考えれば大いに自分に甘い考えから玄関のドアを開けた。
「た……ただいまぁ…。」
しかし、内心その事に気づいてもおり、兄弟から「太った」「肥えた」「丸くなった」等の単語をなるべく聞きたくないとの思いから、帰宅の挨拶が極々小声になってしまう。
出来る事なら誰にも気づかれず、このまま自室に籠って、深夜に残り物でも漁って空腹を満たしたい気持ちでいっぱいだったが、経験上それが不可能であることも解っていた。
ドッドッドッドッドドドドドッ!!
地響きかと疑う程の振動、床が悲鳴を上げているかのような音が木霊する。
「正兄ちゃん!お帰りいいぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」
弟の智明だ。俺の声に反応する精度は正に地獄耳級の困ったブラコン兄弟の下である。
俺は覚悟を決めて目を閉じた。いつものアレがくる、そして俺の体付きの変化に気づいて言うだろう、「太ったねぇー」と………。
ドウッンッ ギュムゥゥゥゥ
タックルをかます勢いで突進し、直前で労わりながらも力強く抱きついてくるのがいつものパターンなのだが、今回は違っていた。
565 :
『リミット』:2009/12/15(火) 20:26:30 ID:8/m5Da7e
いつにも増してギュウギュウと押し付けられる体、苦しすぎる!俺の容積が増えた所為か?しかし、圧力を感じているのは俺の方だった。
「くんくんくんっ、あふっ…正兄ちゃんのニホイ…安心するぅ…。」
息苦しさに目を開けた俺の目に写った智明は、夏に会った頃の姿とは変わっていた。
「お…おぅ…ただ…い…まぁ…、よせよう、アツクルシイダロ……。」
俺の声が驚きに負けて台詞が棒読みになっていく。
智明は俺の3つ下の27才、俺より6〜7pタッパがあり、短髪で、クッキリした眉、力強い眼差しと、どこか頼りがいのある雰囲気を醸し出す男だ。
高校、大学とラグビー部に所属し、社会人になってからもラグビーを続けていた。
しかし、別方向にも才能豊かな奴で、成人前後から小説家を目指して小説誌に投稿し、今年の夏に賞を受賞してデビューが決まった。
それを期にラグビーからは暫らく遠ざかるとは聞いていたが………
俺の体を圧迫するものの正体、それは、智明の見事に成長した太鼓腹だった。
多少固めではあるが筋肉では勿論ない。その証拠にギュムッと抱きつかれている今はブニュン、ブニュンと物凄い弾力による反発を感じる。
夏頃、受賞の祝いで会った時には、ガッシリとした筋肉質の逆三体型に、分厚い脂肪が乗った様な体型だった。
しかし、今の智明の体型は、ガッシリした印象はそのままに以前はそれ程ではなかった腹の肉が特盛りに増加してデップリ、丸々と太鼓腹を形成している。
むろん、全体的にも筋肉の土台に乗った脂肪の層が一回り以上厚くなったような感じだ。
566 :
『リミット』:2009/12/15(火) 20:30:45 ID:8/m5Da7e
智明はしばらくの間、ギュウギュウ抱きつき、グリグリ顔を押しつけ、クンクン臭いを確かめる大型犬の様な動物的スキンシップに熱中していた。
しかし、どうしても智明の増量した肥満体を凝視してしまう俺の視線に気づいて体を離すと、ドデンッと丸々膨らんだ腹を擦って恥ずかしそうに言った。
「やっ…やっぱ目立つ?缶詰で運動らしい運動できなくてさ…。」
「えと…筆が進まないとストレス発散すんのに食い物に手が延びちまってさぁ…、た…体重は12〜3kgしか増えてないんだゼ?腹にばっか肉が付くから見た目太いだけで…。」
自分の体型変化について、ちょっと顔を赤らめて言いわけする智明だったが、視点が違うのか俺の体型変化は眼中に入らなかったようだ。
「やっぱ、正兄ちゃんはデブらなくて良いなぁ、運動できてた頃はそれ程思わなかったけど、今は羨ましいよ、俺。」
どうやら自分の体型を基準に目が慣れきっているのか、俺の体型変化は智明にとって変わったと認識されていないようだ。つまりデブの認識がザルなのだ。
俺は、不覚にもこれに安心してしまった。
これが本格的に道を踏み外す前触れだとは、この時の俺は気がつかなかった。
567 :
『リミット』:2009/12/15(火) 20:33:05 ID:8/m5Da7e
俺はまとわりついてくる智明を振り切って自室に到達すると、本格的に悩み始めた。
実家に置いてある服は高校時代のものが主で比較的現在の服よりもタイトだ。
着れないことは無いだろうがボディラインを強調したくない。
かといってダウンジャケットや大きめの上着を家の中で着こんでいる訳にもいかない。
考えたが良い考えも浮かばず、もうどうでもいいかと諦めかけた時、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
「正兄ちゃん、いる?」
智明だ。俺は少々食傷気味にドアを開ける。
すると、智明が紙袋を持って立っていた。
「今着替えて下降りるとこだけど、どした?」
智明は、今じゃなくても良かったんだけど、と言って紙袋を差し出す。
「これ、俺が最近気に入ってるノーブランドの服なんだけど、軽くて吸水性もあって、室内着としては最高なんだ!正兄ちゃんも着て見てよ。同じ色だけど3着あるからさ。」
俺は、この絶妙のタイミングで懐に飛び込んできた御助けアイテムを手に、無関心を装いつつ内心智明に大感謝していた。
智明が人懐っこい笑みを浮かべてリビングへと降りて行くと、早速紙袋を開けて見る。
中からは、ミックスグレーのスウェットの上下が3着出てきた(因みに上着の内1着はスウェットパーカーだった。)。
何のてらいも無いが、野暮ったくもなく清潔感があって好印象なフォルム、そして特にズボンの方のゴムの絞りが緩く、紐で調整できるようになっていた。
しかも、肌触りが滅茶苦茶良い上に軽く、大きめなのに手足のパースとしてはピッタリとしていて着せられている感じがしない。
何れにしても、今の俺には願ってもない最高の贈り物だった。
俺は、気分も良くスウェットの上下を着てリビングへと降りて行った。
568 :
『リミット』:2009/12/15(火) 20:47:20 ID:8/m5Da7e
すると兄の啓太郎が夕食を運び並べているところだった。
啓太郎は32才、都内の一流ホテルでフレンチのチーフシェフを務める料理人だ。
俺と変わらない背丈ながら、横幅は現在の智明以上、完璧なアンコ体型、プニプニ、ポヨポヨ柔らかそうな脂肪で丸く丸く太った体を有していた。
厨房ではどうしているのだろうか?以前聞いた処では132kgだったが、取りあえず夏に智明の祝いで会った頃よりもまた少し太ったようである。
「あー、お帰り正ちゃん。寒かっただろう?今日はフォンデュ・オ・フロマージュだよ。正ちゃんの好きだろ?」
智明と殆ど同じベースの容姿でありながら、智明よりもソフトでより優しげだ。
その点については特に俺に対しての喋り口調が小学生の頃と変わらないのが要因の一つかもしれない。
「あっ!スウェット、早速来てくれたんだっ!へへっ良いでしょそれっ!」
智明が俺の服装を見て嬉しそうに笑いながら啓太郎兄貴の目を盗んで、塊りのエメンタールチーズに手を延ばす。
啓太郎兄貴は俺と智明のやりとりに笑顔を凍りつかせたまま、即座にチーズに延びた智明の手をベチーンと思い切り払い飛ばして言った。
「智明!いじきたねーことすんなっ!溶かす分が減るだろがゴラァッ!!」
すかさず智明も抗議する。
「ってぇぇぇぇぇっ!!ケチ癖―んダヨ、馬鹿兄貴!作家先生の手ー傷つけたら損害賠償請求すんぞゴルァァ!」
何で俺が正ちゃんで弟の智明が呼び捨て?俺が正兄ちゃんで啓太郎兄貴が馬鹿兄貴なのか…、謎すぎる家の兄弟を眺めつつ素朴な疑問が浮かんだ。
しえんが必要かな
570 :
『リミット』:2009/12/15(火) 21:42:33 ID:8/m5Da7e
俺は、少し気をつけて食おうと決心したばかりなのに、その遣り取りを見ていて、溶かす前のエメンタールも酒に会うんだよなぁと思いつつ、つい口に出てしまう。
「……溶かす前のエメンタールも旨いんだよなぁ…。」
すると兄貴は即時一転して素早くナイフで一口大に削り出したエメンタールを俺に差し出してにこやかに言った。
「だよなぁ?溶かす前のも旨いよなぁ、正ちゃん味見してくれるか?新しい処から空輸したヤツだから念の為にさぁ。」
エメンタールを俺の口元に運ぶ兄貴に対して、赤くなった手を擦りながら智明がやはり猛烈に抗議する。
「せけーんだよ、馬鹿兄貴!食い物でつるとかよ!正兄ちゃん、俺、シャルキュトリーでイベリコペジョータ買ってきたんだ!一緒に食おうゼ!な?ロモイベリコも有るからさ!」
食い物で釣るなと言った舌の根も乾かぬ内に自分自身もスペイン産のサラミと生ハムの包みをドサリとテーブルに置いて、俺の関心を買おうとする。
そして、あのとろける脂身の舌に絡みつく触感を思い出して涎がでそうになる俺に、分厚く切った一切れを口元に差し出した。
これで、母親がいると、この小競り合いが大事に発展する前に、ある程度の処で引き留めるのだが、箍が外れた2人はどこまでも小競り合いを止める気配なく張り合い続ける。
次々と俺の前に並べられる御馳走を前に、俺は、もう太るとか太らないとか、そんな事はスッカリ忘れてしまった。
交互に俺の口に食い物を運んで関心を買おうとする2人。
それにつられるかの様に、兄貴のフォンデュと色とりどりの料理に舌鼓を打ち、智明のサラミを食らい、パンチェッタを咀嚼し、生ハムを貪った。
571 :
『リミット』:2009/12/15(火) 21:43:04 ID:8/m5Da7e
ミックスグレーの大きめのスウェットパーカーに隠れた腹がムクムクと食い物で満たされ、膨らんでいく。
それが、もう止めとけ、いい加減にしろというシグナルに思えたが、俺無意識に思いっきり無視した。
自分が日頃の大食いより更に食い過ぎた事に気がついたのは、パンパンに膨らんで締め付けられてもいないのに苦しくて仕方ない腹を抱え、緩慢な動きで炬燵に寝転んだ後だった。
ドッシリとした腹部が存在感を主張し、はたと俺の中の危機感が覚醒する。
炬燵の中で丸々とパッツリ膨らんだ腹を押し擦り、タポンタポンの腹をゲプリと億尾を漏らす俺、傍から見れば何事もなかったような情景だが、内心後悔の嵐が巻き起こっていた。
『ななななっ…何やってんだ俺―――!!あわわわわ…ヤバい…これ…ふ…太る絶対…。』
よっぽど無かった事にしたかったのか、それとも満腹で自然とそうなったのか定かではないが、俺は炬燵に入ったまま眠りこけてしまったのだった。
>>569 支援┏O)) アザ━━━━━━━ス!
そして、恒例の脱字コーナー
直ぐ上の5行目は文章ぬけちゃってましたTT
【修正】
炬燵の中で丸々とパッツリ膨らんだ腹を押し擦り、タポンタポンの腹をかかえて、ゲプリと億尾を漏らす俺、傍から見れば何事もなかったような情景だが、内心後悔の嵐が巻き起こっていた。
ss乙です。
膨れたお腹を抱えてこたつでごろり。
実家に帰って正月太りのパターンですね。
それにしても、こんなお兄ちゃんが欲しかった。
>>560 SS乙でした
素晴らしい肥満化調教が見られて幸せです
ある意味戦闘員や怪人にされるよりも悲惨な末路だけど羨ましいw
>>571 なにこれこの兄弟可愛い!
ますます続きが気になります
>>572 ss乙!
これは両親が帰ってくる頃には鏡肉餅が3つ並びそうな勢いだw
母親が見たら喜びそうだなー
外出する服がなくなりそうだなぁ父親のお下がりとか貰うのかな?
はじめまして〜亀レスで失礼します。
>>541 >4桁いっちゃえ
ゴツイ人も大好きで、良く行く筋肉絵サイトなら見たことあるんですけどね、四桁…
ただ、肥って四桁だと、脂肪抜きの体重で100kgあるようなデカイ人でも、
体脂肪率90%必要って計算になってしまうのですよね。
>>562 >二十台から三十前半
個人の趣味の問題ですが、僕は筋肉達磨もガチムチも、ブックブクにブヨブヨも大好きなので、
筋肉を考えるとある程度の年齢があったほうが好きなのです。
SS>
お疲れ様です、お肉の表現とかさすがですね。
僕も肥育されたりとかはちょっと憧れますね、
…で、肉表現は旨くないと思いますが、釣られてSS投下行ってみます。
563の続きです。
眠い目をこすり起き上がる、
天井から下がる時代がかった照明にいつものように頭をぶつけ、目を覚ます。
「むぁ… またか… そのうち壊すな…」
自分の目と同じ高さの証明を見やる、一言で言うと大きな男だった。
まだ若いだろうが逞しい体つき、鼻歌交じりに身体を流し、
身だしなみを整えた頃に大型の炊飯器から炊き立ての御飯、
それに卵と牛乳を取り出し、卵をかけた御飯を食べる…
朝食としてはいささか乱暴な気もするが、それより問題なのはその量。
ボウルに炊飯器の中身をあけ、大量の卵で流し込む。
殆ど噛まず飲み込むそれは、逞しいが、いまいち引き締まった印象のない男の腹をゆるく弧に膨らませた。
「ごっそさん!」
頂きますを忘れた気がするが、そういって手を合わせて取り出したのはプロテイン、
牛乳パック一つと合わされたそれも瞬く間に男の腹に納まる。
一つ訂正、朝食というには失礼です。
いとおしく身体をなぜる男がげっぷをし、
大きな身体を、それでもさらに大きなジャージに身を包み出て行く。
部屋にはダンベルや、筋肉を取り扱った雑誌、そういう事らしい。
「寝坊して、好きなだけ食って、大学生最高」
そんな言葉を残して男は出かけた。
578 :
かいくんのにっき:2009/12/16(水) 11:07:33 ID:Zhs3YOVb
お目汚しとなります。
改行を減らすのに慣れてなくて、
とても読みにくいです、すいません。
それから、脱字コーナーです。
炊飯器の所。
一人暮らしにしては
と前につけて読んで下さい。
あと、食後、
内側に緩く弧を描いた腹が外側の弧に膨れ
として読んでいただきたいです。
おつきあい有り難うござまいました。
579 :
名無し調教中。:2009/12/16(水) 11:17:43 ID:uqxoaWy/
INHUMAN!! , INHUMAN!!
こ、この、
ジャ、ジャンルの、ス、スレは、
非人間的なんだな。。。
ぼ、ぼくは、
ひゃ、
>>130と、よ、
>>431に、
さ、賛成だから、
こ、これで、
か、完結して、
つ、潰れなきゃ、
な、ならないんだな。。。
さ、さようなら。。。
>>578 ss乙です。
卵かけご飯って噛まなくても流し込めちゃうから、
結構量食べられるよな。
それにしても炊飯器一杯丸ごとって…。
きっとお腹がすごいことになってるんだろうな。
582 :
『リミット』:2009/12/17(木) 18:36:03 ID:9+dZpzH2
翌日目を覚ますと、俺は寝ていた筈の居間のコタツから隣室のテレビとテーブルだけが置かれただだっ広い客間に寝かされていた。
普通なら、俺の体を気遣って布団を敷いて担いで寝かせてくれたことに感謝すべきところだが、問題は、その寝かされ方である。
敷布団を4つ並べて俺を真ん中に左右に啓太郎と智明が熟睡しているという、3人平均すると約30才になる兄弟のやることだろうか?
目の前で俺の左手を握ってスヤスヤ寝てるのが啓太郎兄貴、ということは、横になって寝ている俺を後ろから抱きついて寝てるのが智明だ。
首筋に寝息がかかってくすぐったい。どうでもいいけど智明雄臭い…。
智明は、ぴったり後ろについて、手を俺の腹あたりにして抱きついているのようだが、時々ランダムにヘソの辺りをさわさわと弄る。
タパッ… プニュ… ポヨッ… ブンニッ… ブニッ…
『腹が…こそばゆい…というかこれは……。』
気持ち良い…、以前、痩せていた頃腹周りを触られると猛烈にくすぐったくて気持ち良いとは思わなかった。
しかし、横になると重力に負けて重量感を感じる程お肉がついた今、腹をまさぐられると、不思議な事に気持ち良い、変な意味で…ムラッと…気持ち良い。
『はふっ…やっば、ちょっ、可笑しいからマジで!ヤバ…これヤバい!』
寝こけてるとは思えない巧みな指の動きに翻弄されつつ、このまま智明が目を覚ましたら腹の肉の感触で俺が太ったと気づかれてしまう事にはたと気がつく。
俺は何とか智明のミラクルハンド(名残惜しいと感じる自分の本能が怖い)から逃れて、起きあがろうとした。
583 :
『リミット』:2009/12/17(木) 18:37:17 ID:9+dZpzH2
本当に普段通り何の気なしに起きあがろうとしたのだが………。
ぶんにゆぅぅぅぅ…
まとわりつく智明の腕の所為もあるが、ひいき目に見ても腹部の圧迫感に負けて布団に引き戻される。
え゛っ!?と、目が点になる俺。
『うそーん!俺の腹ってそこまで肉厚になっちゃったのぉっ!?』
俺は確かめる様に自分の腹を押し擦る。
大食いの俺でも食べ過ぎたと感じた昨日の食い物もスッカリ消化しきった腹だが、それでもボヨッと存在感を主張し、無情にもムニュッと肉が掴めてしまう。
そ…そりゃあ、これくらい、少年週刊誌くらいの肉は掴めちゃうだろうと予想してたさ、でもさ、起きあがれないとかないだろ?
そうだ。そんな筈はない。そう思って今度は両手で勢いをつけて起きあがる。
少し圧迫感を感じたが普通に起きあがれた。
『や…やたっ!そうだよ!最近運動不足だからっ!だから腹筋が衰えたんだって!うんうん、そうだっ!そうに違いない!!』
そして俺は、無理やりに自分を納得させて客間を後にした。
584 :
『リミット』:2009/12/17(木) 18:38:08 ID:9+dZpzH2
客間を後にした俺は自分が少し汗ばんでいる事に気づいた。
無理もない、俺の倍以上の体積を持ち、脂肪にたっぷりと覆われた肥満兄弟にピッタリと囲まれていたのだからさぞ暑苦しかったに違いない。
俺は、昨日風呂に入ってないし丁度良いだろうと考え風呂場に足を向けた。
実家の風呂は循環式のいつでも快適温度が売りだ。
母親の実家が資産家であったお陰で家も裕福なので家屋も風呂もかなりの広さを持っている。
父と兄弟3人で一緒にはいる事ができるよう考えて大きく作ったという風呂は、特に実家に帰った時の俺の楽しみの一つでもあった。
脱衣所で服を脱ぎ始めた俺だったが上着を脱ぐ直前ではたと動きがとまる。
無駄に大きい洗面台、その備え付けの鏡が俺を蛇に睨まれた蛙に変えてしまったのだ。
『み…見たくない…食い過ぎた後なら腹出てて当たり前だけど…、今見て腹が出てたら……。』
昨日電車の洗面台でばっちりボヨンッと余った腹の贅肉を見た癖にと、自分でも思うが、俺にとってはまだまだ受け入れがたい事実なのだ。
痩せた体から一月ちょっとでムッチリボディーである。
ヘソ周りと脇腹の見事なラブハンドルはムッチリの域を超えてすらいるのだ。
見なかった事にしたくなっても仕方がないではないか。
俺は目をつぶってエイッヤアッと服を脱ぎ捨てるとそのまま自分の体から目を反らして浴室へ入っていった。
585 :
『リミット』:2009/12/17(木) 18:44:14 ID:9+dZpzH2
『あっ………甘かった……。』
俺はスッカリ忘れていたが風呂場の側にもデッカイはめ込みの鏡があったのだ。
どんだけナルシーなんだよ家の親は………。
いやがおうにも目に飛び込んでくる俺の体に以前は無かった肉、肉、肉。
顔の輪郭はフックラと丸みを帯び、以前は角ばっていた肩や腕もムチッと脂が乗って角がとれた様に丸い。
胸には弛む程の贅肉はついていないが、丸みががって、ミッチリ、パッツリと肉厚に張りつめて見える。
尻もモモも以前の型に脂肪のクリームをぺティナイフで塗り固めた様にキレイに一回りボリュームを増していた。
そして、昨日も俺の心に衝撃を与えた腹。
立派に育ったラブハンドル、そのムッチリ、タプッとした脇腹の贅肉の肉感が姿見をみただけで伝わってくる。
以前はへこんでいた胴周り全体が、凹んだ部分を埋める様に脂肪がついて下にいけばいくほど太くなる。
そして特にヘソ回りを中心とした下腹部にグルリとボヨンッとした肉の段が形成されていた。
俺は改めて痩せからムッチリ、一部タップリと太ってしまった自分の体に愕然としてしまった。
今日はこんな処で……、レス数を入れないで書いてるのでいくつ数える事になるか怖いです…
でも、このSS、変化を書きたいキャラが自然と増殖したお陰で、書きたいトコというかムラムラする情景が浮かびまくって…
長くてウザくなるかもしれませんが、お許しを┏○ペコ
>>581 新作オッチュ(。≧з≦)ノ⌒☆
筋肉で締まった逞しい体、どう変化してくのか楽しみだぁ(人д〃)
ssおつです
この兄弟愛はうらやましいなぁw
最近ssが多くてしかも面白いのばかりで大満足
胸は揉まれると男でも気持ちよくなってくるって聞くけど
お腹も揉まれると気持ちいいのかな。どんな感じなんだろう?
>>588 胸はやったことあるけど腹はやったことないなぁw
ちょっとやってみようw
外に出るのは楽しい、
鍛えた男の体が、昨日と同じように歩き、物に引っかかったり、頭をぶつけたり、
自分の体が日々大きくなるのが嬉しくてたまらない、先ほどかもいにぶつけた頭が痛むが、男はそう考えていた。
「うおわっ!?」
何時もの様に川沿いの道を力強く一歩踏み出した足はつんのめるようになった、
転びはしなかったものの、もう一歩、足を進めるにはぬかるんだ地面から足を引き抜くような、そんな抵抗があった。
「そういやぁ…」
寝ている間に雨の音を聞いた気がする、
ぱらぱらぱらぱらと、土の大地は乾いて見えて、しかし湿っていたのだろう。
身体を使うのは楽しい、日々筋肉でデカクなる気がする。
歩くごとに足を地面から引き抜くように歩いて、
不思議と力がわいてくるような感覚と、体の中に何かぐるぐる回ったような奇妙な感覚。
腹いっぱい食べたからと勘違いして、
男は気付かなかった、大きくする身体の為に、かなり大き目のジャージ、きつく絞った紐が腹に食い込み始めた事も
592 :
『リミット』:2009/12/18(金) 19:16:24 ID:Trulb4JF
俺は、浴室の石畳にヘナヘナとへたり込んだ。
すると腹部の圧力が増す。
見れば下っ腹が少年週刊誌合併号、その上に段々と重なる贅肉の段が少年週刊誌並みの厚さでボヨ、ボヨ、ボヨンッと三段腹を形成していた。
「ははははは……ダメだこりゃ……。」
俺の口から乾いた笑いがもれる。ようやく自分のデブを心から自覚したのだ。
ムチタプの体を念入りに洗い、湯船によくつかって、何事もなかったかのように浴室を出た俺は、側らの体重計にギシリと乗った。
ピピッ
体重計の画面は、体重84kg、体脂肪率29%を示していた。
「ははははは……だよねぇ…丸いもんねぇ…この体……はは……。」
連日連夜の忘年会で暴飲暴食の限りを尽くしたとは言え、10日前後で14kgもの増量だ。
そりゃあムッチリパンパン、ボヨッとボヨボヨにもなろうというものだ。
しかし、何故だろう。俺は完璧にチェーンメールの件をクリアーした筈なのに………。
俺はもう現実から目を反らし続ける事が困難になった所為も有って、不可解な部分を解明する方向で頭が働き始めた。
その時だった。
後日考えて見れば正に絶妙のタイミングで電話のベルが鳴った。
トゥルルルルルッ… トゥルルルルルッ…
昨日あの後も起きていたのか、他の2人が起きる気配は無い。
俺は急いで新しいスウェットの上下を着こむと居間の親機を目指して小走りに急いだ。
「あっ、もしもし正太?めっずらしーわね、アンタが一番早起きだなんて……そっち今日あたり雪降るんじゃない?」
開口一番失礼千万な台詞、母である。
「ん?今フィジー。ちょうどアンタに大事な話があったのよー。」
「あ、それと、この間急に帰ってきたじゃない?あん時誕生日お祝い出来なかったけど気にしてないわよね?もー30だもんねぇ?」
俺は、母が大事な話の前置きで何気なくしゃべったオマケの会話に驚愕した。
593 :
『リミット』:2009/12/18(金) 19:21:41 ID:Trulb4JF
「へっ?俺の誕生日23日だろ?この間帰った時は18日だったよな?前倒しで祝わなくてゴメンネって意味?」
俺は内心ドキドキしながらも当然の疑問を口にする。すると母は何言ってんのとばかりに俺にとっての衝撃の事実を口にした。
「はぁ?アンタの誕生日12月3日よ?確かに出生届は23日になってるけど、アンタが20才の時に言ったじゃない。出生届に間違いがあったって……。」
その言葉はズガーンと俺の胸に突き刺さった。
「なっ、ちょっ、そんなん聞いてなっ…。大体何でそんなっ……。」
「そう言えばアンタ、成人式で滅茶苦茶飲んでヘベレケだったもんねぇ…、何か今一かみ合わないとは思ってたのよね、あの後の誕生日…。」
俺はこの後の話しは内心ですら反応できずにただ聞くだけになってしまった。
そして聞けば聞く程頭が真っ白になっていくのを感じるのだった。
「あー、アンタが生まれた頃位には結構アバウトだったのよねぇー、ほら、良く聞くでしょ?3月生まれの子が4月に生まれた形で出生届だしたりって…。」
「地域によっても違ったみたいだけど、家の地域では智明の頃にはもうダメだったんだけどね…。」
「ま、あの子3月生まれでクラス一番遅い生まれだったのに他の子より大きかったから良いんだけどさ……。」
「それでねぇ、大事な話の方だけどね………ちょっとぉ?聞いてるぅっ?ねえってばっ!?」
聞こえてはいた……聞こえてはいたのだ。
しかし、答える気力がなかった。
俺は受話器を取り落としてしまった。
ガツッと受話器を取り落とした音に起きたのか、それとも既に起きていたのか。
客間からやってきた智明が茫然と立ち尽くす俺を心配そうに見ながら、取りあえず受話器を取って何事か話して暫くして受話器を置いた。
ssおつです
84kg…今の俺と同じだw
でも俺、三段腹じゃないや…負けた…?^^;
595 :
『リミット』:2009/12/18(金) 19:23:46 ID:Trulb4JF
「正兄ちゃん?あぅ…どど……どしたのっ?何かあった?あうあう……。」
オロオロしながら取りあえず優しく肩を抱いて擦ってくれる。
俺は地面がぐらつく思いがして智明の今の俺と比べても倍以上の厚みのある豊かな体に体重を預ける。
智明は、何故かオタオタとしながらギュムと俺を体重抱きとめてくれる。
ミッチリとして固めでありながら安心感を生んでくれる弾力のある脂肪の感触、俺は不覚にもホロリときてしまった。
『俺がした事って無駄だったんだ…食事制限なんて不可能だし、俺もうこのまま、ブクブクブクブク太っていくしかないんだ……。』
智明はオタオタしながらも俺が落ち着くまで優しく抱き続けてくれたのだった。
啓太郎が俺達を見つけて猛然と引き離すまでの間は………。
596 :
『リミット』:2009/12/18(金) 19:25:51 ID:Trulb4JF
俺は、智明と啓太郎兄貴に交互に慰められながら………。
「正兄ちゃん。ハバアに苛められたのか?それともババアからの勝手なあの話で驚いちゃったのか?大丈夫!俺が正兄ちゃんを守るから!安心しろって!」
母さんからの勝手な話とやらには覚えがなかったが、そう言って俺の肩を抱こうと腕を延ばす智明、その腕を遮るように叩き払って啓太郎が言葉を継いだ。
「アホ明に守られても不安にしかならないだろうけど、兄ちゃんがついてるからな、大丈夫…、ほら甘―いホットチョコレート、飲むと落ち着くから…なっ?」
そしてちゃっかり俺の頭を撫でつつもう片方の手でホットチョコレートを進めた後俺の手を握る。
「ずっけー!」「だまれアホ明!」「許さん馬鹿兄貴!」と罵声の応酬にも聞こえるが、多分、取りあえず慰めてくれているのだろう………。
掴みあいに発展する直前に俺は自分が落ち込んでいる事への説明を始めた。
チェーンメールのこと、太り始めたこと、今じゃヤバい位の太さに成長してきていること、誕生日を勘違いというか、食い違いがあった事等々…。
しかし、話し終えた俺を待っていたのは、2人の爆笑の嵐だった。
597 :
『リミット』:2009/12/18(金) 19:27:21 ID:Trulb4JF
ブハハハハハハハハハッ
こんな時ばかりタイミングを合わせた様に、2人して顔を見合わせた後、一斉に笑い始めた。
そして息も絶え絶えに2人して次々に言う。
「メ…メールがね、ぷっ、それで体質改善で、ぷぷっ、誕生日間違ったから太っちゃったんだ?…ぶっ、ぶぶぶっ。」
「無い無い、今どきチェーンメールって!ぶっ、だ…大体…ふふふ…太ったって…そんなん太った内にはいらないっての!」
「ぶはっ…そ…そうそう、太ってるっつーのはこーゆーデブンデブンの贅肉の塊りみたいな体を言うんだって!」
智明が、調子に乗ってドデンッと突き出た真ん丸の啓太郎の腹をタプンタプンと叩きながら言った。
啓太郎の腹周りの贅肉が叩かれてタップタップと揺れる。
啓太郎の笑いが凍りついた事に終ぞ気づかない智明は更に調子に乗って啓太郎の脇腹の肉をダブッと鷲掴みにする。
「みろよっ、正兄ちゃん!これこれ、この鷲掴みにしても、まだまだ余りまくってるブヨンブヨンの贅肉!これがデブるって事なのっ!!」
ブチッ
頭の血管が一本きれたかのような音がする。
啓太郎が堪忍袋の緒が切れたとばかりに智明に飛びかかり、両手いっぱいに夏と比べて倍以上に太ましくなった智明のデップリとした太鼓腹の脂肪をわしづかんで言った。
「てんめっ、さっきから聞いてりゃ贅肉の塊りだとか、ブヨンブヨンだとか、腐れデブだとか言いやがって、この肉!?てめーもスッカリ大デブじゃねーか!ああっ!?」
ブンニュブニュブニュ ムンニュゥゥゥゥッ タプン…タプン…
「うぐっ、やめっ、腐れとか言ってねぇっ、だっ…大体俺のはストレス太りっ!兄貴と違って俺元ラガー体型っ!鍛錬再開したらすぐにムキムキっすからっ!」
ボヨンッ タプンタプンッ ボヨンッ タップンッ
言い返しながらムキになって啓太郎の腹を叩きまくる智明、元々は俺の話だったのにいつのまにか2人の喧嘩に発展してしまっていた。
支援…
599 :
『リミット』:2009/12/18(金) 19:47:52 ID:Trulb4JF
「ムキムキ?デブデブの間違いだろ?」「何だと万年デブ!?」「くっそ!うっせ!只今増量中デブ!」とエスカレートする罵詈雑言。
俺はウンザリしながら止めに入った。
「ちょっ、兄貴も智明も止めろよッ!喧嘩するなっての!」
止めに入るが中々止めない2人に、俺は最終兵器をだす。
「止めないと……………嫌いになるぞッ!」
すると魔法の様にピタリと2人の動きが止まった。そして引きつりながらも肩を抱き合い仲良しをアピールしだす。
「ははは…馬鹿だなぁ、喧嘩なんてしてないよ、なっ兄弟?」
「そうそ…はは…喧嘩なんてとんでもないよ、なっ兄弟?」
「とにかく正ちゃんは太ってないよ、なっ兄弟?」
「そうそう、正兄ちゃんでば、寧ろ魅力倍増っつーか、なっ兄弟?」
引きつり笑いのまま、語尾に「なっ兄弟?」を連呼する2人、普通に喧嘩していた方が良かった気がする。
しかし、2人の口から漏れる言葉はいずれも俺の心を癒してくれた。
曰く………
●俺は太ってない。寧ろ少しは太るべき。
●太ったとしても俺の魅力は失われない。寧ろ倍増。
●正月くらいは少し太って当たり前、後で取り戻せばいい。
●気になるなら毎日交代で脂肪揉み出しマッサージしてやる。
●だから正月くらい気にしないでたべまくろう!
●我慢した方が後でもっと太るに違いない。経験上間違いない!
●お正月、みんなで太れば怖くない!
そして俺は2人に腕を引かれて浴室に連れて行かれ、服をはぎ取られ、2人もガバッと裸になる。
そして風呂場のはめ込みの鏡の前に並ばされた。どうやら如何に俺が2人と比べて痩せているのかを解らせたいらしい………。
600 :
『リミット』:2009/12/18(金) 19:50:04 ID:Trulb4JF
裸になった2人は正にデブの中のデブだった。
啓太郎兄貴、随分裸を見ていないが、やはり以前に増して豊かに肥え太っていた。
真ん丸な顔の輪郭、タップリ分厚いがバランスのとれた二重あご、勿論首は埋まり亥の首だけが確認できる。
肩も腕も丸い丸い曲線を描いて太く、動けば二の腕の肉もプルンッと揺れる。
胸がまたボリュームがあって溢れる様な贅肉と、張り詰めた弾力を保った形の良い脂肪のおっぱいを形成している。因みに楕円形に広がった乳輪は埋没。
そして、極めつけはその腹、マシュマロの様な柔らかな弾力があるドデンッと丸く丸く突き出た太鼓腹。
一つだけ円を、楕円というか極度に丸い涙形に見せるのに多いな役割を果たしているのがその脇腹にタプンタプンについた贅肉だ。
ドッシリアンコ型の堂々たる肥満体だった。
そして、智明。
筋肉の土台に乗った溢れる脂肪。
肩も腕もガッシリとした雰囲気を持ちながらムッチリと張り詰めて丸く、弾力がある。
胸は、ブリンッと丸く張り詰めて重力に負けない形の良さをもっており、つつけばムニュムニュと押し返す様な弾力に富んでいる。
そしてやはり、デップリと丸く突き出た腹は、夏の頃には殆どラブハンドルに余った肉しか見えんかったとは思えない存在感だ。
自分でもその急成長を自覚するだけあって、腹の丸さと大きさは啓太郎に迫るモノがあった。
その上2人とも、全体のバランスを崩さないボリュームで尻もモモも足もみんなモッチリと太っていた。
例え世間一般から見れば俺は既にデブというレッテルを貼られても可笑しくない体型であろうと、自分はまだまだ痩せていると信じてしまうボリュームがそこにはあった。
601 :
『リミット』:2009/12/18(金) 19:52:00 ID:Trulb4JF
俺はスッカリ安心してしまった。
そうだよ、俺なんてまだまだ序の口じゃん(←正に言いえて妙)。
それに確かにチェーンメール信じるなんてどうかしていたんだ。
あいつらが太ったのは?偶然偶然。
俺が太ったのは?食い過ぎ食い過ぎ。
稲生が痩せたのは?病気病気。
正月終わって普段の食生活に戻れば?痩せる痩せる。
後で考えれば、俺は何て自分に甘かったんだろう。
でもこの時の俺は、本当に心から安心しきっていたし、例え太っても正月太り、後で取り戻せると安易な考えに陥っていた。
俺は、折角だからこのまま風呂に入るという2人を残してコタツでミカンを食いつつ寝こけてしまった(←奥義・二度寝)。
602 :
『リミット』:2009/12/18(金) 19:54:01 ID:Trulb4JF
★【風呂場に残った2人】ここだけ正太がいないので三人称★
正太を見送った後、先ず智明が棒読み的な口調で啓太郎に問いかけた。
「み…見たか?馬鹿兄貴……?」
こんな時ばかり阿吽の呼吸で察した様に啓太郎が答える。
「み……見た。ヤバいな…アレ、…どう思うアホ明?」
茫然と話している風だった智明が関を切った様にしゃべりだした。
「やっべ!何あの可愛いお肉のつき方!ムッチリプックリさぁー!あへぇー…抱きつきてー!揉みてー!むしゃぶりつきてー!もっともっと太らせてぇー!」
大人ぶって澄ましていた啓太郎も童心に帰った様にしゃべくりまくる。
「ばっか、10年はえーよアホ明!俺がこの日をどれだけ待ったか…、きっといつかは太りだす、そう思ってさぁー、旨いものを与え続けて20余年だぞ!」
智明は、啓太郎に年月の長さを訴えられて反論したくなる。
「不純なんだよ馬鹿兄貴っ!俺は正兄ちゃんの全てが好きなんだっ!単なるデブ専なんかとは全然違うんだからなッ!俺は謂わば正太専なんだいっ!」
気持ちの純粋さを疑う様な智明の言葉に啓太郎も反論した。
「てんめー、俺だってお前見てムラッとこんわっ!俺だってなぁー!正ちゃんが可愛くて可愛くて仕方ないんだっ!痩せてたってずっと好きだった!俺だって正太専だ!」
その後はもう、「真似すんなデブ!」「そっちこそ真似すんなデブ」と醜い応酬が続いた。
しえんが必要かな?
604 :
『リミット』:2009/12/18(金) 20:28:40 ID:Trulb4JF
「大体なぁー!アホ明!お前弟の立場利用しすぎなんだよ!無邪気を装って甘えた声出しやがって!その上直ぐ抱きつくしよ!大体今朝お前絶対目ー覚めてたろっ、羨ましい事しやがってー!」
「何だと!エロ兄貴!昨日俺が布団敷いてる間に、チャッカリ正兄ちゃんお姫様だっこで運びやがって!俺だって正兄ちゃんの重さを感じたかったんだからなっ!」
……………………………。
疲れ果てるまで思いの丈を比べあった2人が行きついた結論は、それは……
とにかく正太に気持ち良く、幸せに太ってもらおう、そして2人の内どちらが好きか決めてもらうのだ、母の大事な話もあるしその後は…というものだった。
先ずは、滅茶苦茶な連投お詫び申し上げます。ムラムラきちゃって書き過ぎました。
お許しを…┏○ペコ┏○ペコ
>>588 おヘソの周りなど腹部にも性感帯があるそうです。実際気持ち良いですよ?w?
>>594 増量が控えめ過ぎましたかね・・・、太り方、主に太る部分は人それぞれということで…
>>598 >>603 メタクソな連投に支援(人'▽`)ありがとうございます☆今後は自重します┏○ペコ
そろそろ『リミット』も最終章『リミット・ブレイク』に向けて収束させていこうかと思います。
もう1段変化とムラムラを入れたらエンド選択肢を出そうかと…お付き合い宜しくお願いします┏○ペコ
二人掛りでデブらされていくのかw
母親の血は伊達じゃないなw
家族のデブ化ラッシュ攻勢でぶくぶくブヨブヨたぷんたぷんとお肉で膨れていくのか…w
521 名前:名無しさん@ビンキー[sage] 投稿日:2009/12/18(金) 08:19:56 0
肥育なら何を食べさせれば効率よく太っていくのか
522 名前: [―{}@{}@{}-] 名無しさん@ビンキー[sage] 投稿日:2009/12/18(金) 10:52:39 P
口と尻と尿道にチューブ差し込んで口のチューブからくそ不味い栄養剤と油とたんぱく質の混合物を流し込む
身動きもとれないししばらくすればぶくぶくに肥えるはず
尻と尿道は吸引かけて排泄物も自動で処理だ
脂肪が付きやすいよう危ないお薬を定期的に首筋から注射
肥育なら家畜扱いだと萌えるな
豚とかと一緒に育てて同列に扱って最終的には自分も豚なんだと思い込ませてやりたい
524 名前:名無しさん@ビンキー[sage] 投稿日:2009/12/18(金) 21:50:58 0
>>522 栄養剤がくそ不味い必要は特にないだろう。
だがあまり動かさないほうがいいよな。
とりあえず褥創ができない程度には動かさなくちゃな。
あとお肌がぽよんぽよんのたるんたるんになるように
全身に薬を揉みこまなくちゃ。
そういう薬の入ったプールに浸けるのもいいね。
>>609 どう見てもこのスレの人が紛れ込んでます本当に(ry
>>611 ぴんく難民板にあるドラクエおっさん総合スレ
>>605 ss乙!何気に父親以外全員デブ専なのかw
今は3人はいる鏡もそのうちはみ出るようになるのかな
母親の血は満遍なくいきわたってたのね
>おっさん総合スレ
今は中年以上の流れか?
額に浮かぶ珠のような汗、
歩くたびに漏れる吐息は熱く湯気でも吐いている様だ、
足取りは重々しく、一歩ごとに地面から足を引き抜く様に歩く。
「はぁっはぁっ… ふんっ! とうちゃくっ!」
会心の笑み、リノリウムの床に足を踏み下ろした男が期待する様な地響きのような足音はなかったが、
軽すぎた、
それまでと違い、あまりに普通の一歩に男は逆らえず、むしろタックルするように廊下の壁にぶつかっていった。
轟音、揺れたのは建物だったか、男自身だったか。
定かではないが彫りの深い顔に男臭い豪快な笑みを浮かべガッツポーズ
「今日の午後は臨時休講だと!? んじゃま、とっとと午前済ましていくか」
ドスドスと着実に重たげとなった足音を響かせ意気揚々と去る男の頭には先ほどまでの現象への疑問はなかった。
もっとも、疑問に思ってもどうにか出来たとは限らない。
>>586 ミ☆
Σ(◎Д◎)ノシ ナガレボシ!オネガイシナキャ
ありがとうございます。
ちびちびと進めさせております…
自分の中ではすぐ膨らみ始める話だったんですけど… あれ?中々はじめれません、すいません
616 :
名無し調教中。:2009/12/19(土) 10:42:32 ID:1smcnrvS
〉〉605
SSお疲れさまです。
育ってる様にほわほわしてしまいますね。
個人的にはSSの連投は大歓迎だったりしますけど、
衝動にまかせるのも宜しいかと。
>>615 SSオッチュ(。≧з≦)ノ⌒☆
ゆっくり進行だと長く楽しめそう^^
楽しみに待ってます^^
休みなので今日の分を早めに書き込んじゃいます^^
618 :
『リミット』:2009/12/19(土) 11:12:02 ID:fTVSRGJ/
俺が眠りから覚めた時、辺りは葱油のいい香りに包まれていた。
「正兄ちゃん、おはようっ!寝顔がかわい…じゃなくて、気持ち良さそうだったから起こせなくてさ、朝昼兼用になっちゃったけど昼飯は俺が作ったんだ!」
俺が起きたのを察知して爽やかに話しかけてくる智明、寝起きで呆けている俺だったが、体は空腹を訴えていた。
『葱油の香り…智明が作ったなら中華かな?俺智明の炒飯大好きなんだよなぁ…』
家の家族は俺と親父以外は炊事・洗濯・掃除と何でもハイレベルにこなす凄腕の家庭生活適合者達だった。
因みに俺と親父は食う役・着る役・邪魔せず寝てる役だ。(…そうだよっ!ハッキリ言って何も満足いくレベルで出来ないからだよ!それが何か!?)
啓太郎は言わずと知れた洋食のエキスパートだし、一流料理人とまではいかないが智明も母親に習って和食や中華を得意としている。
特に智明の逞しい体から作り出される鉄鍋料理は滅茶苦茶旨い。
手足のように軽く鉄鍋を振るう智明にかかると卵ふんわり、米パラパラ、調味料もバランス良く馴染み、葱の風味も生き生きとして最高の料理に早変わりする。
「今日は正兄ちゃんの大好きな鉄鍋炒飯だぜっ!後二色の韮饅頭、長芋と海老の春巻きとスーミータン!」
智明の言葉に涎がでそうになる。全部大好物だった。
俺は急にシャッキリ目が覚めた気分になって、いそいそとテーブルにつく。
テーブルの上には、鉄鍋一杯の炒飯(我が家ではこれが一人前・使用する鉄鍋は中鍋)とスーミータンが三つ並べられ、大皿に山と盛られた韮饅頭と春巻が湯気を上げていた。
「うんまそぉー!すげー智明!最高智明!大好き智明!いただきまーす!!」
俺の口から自然と漏れる智明への賛辞に大いに照れる弟・智明、大好きの言葉に真っ赤になる。(うーん、いつまでも童心のままの弟め、憂い奴。)
啓太郎兄貴は複雑な顔で「バカ明は、雑で野暮ったい料理だけは上手いからな…夕飯で吠え面かかしてやんぜ…クソっ!」と独り言を言いながら何気に闘志を燃やしていた。
俺はレンゲでガツガツと鉄鍋一杯の炒飯をかき込み、韮饅頭を頬張り、春巻をパリッとかじり飲み込む。
(旨い!旨過ぎる!これいくらでも入る!)
619 :
『リミット』:2009/12/19(土) 11:12:49 ID:fTVSRGJ/
俺はスウェットの下に隠れた腹が大量の食い物でムクムク、丸々と膨らんでいくのを感じながら、昨日の様な後ろめたさというか焦燥感の様なものは殆ど感じなかった。
何しろ両隣で俺の2倍か3倍太った男達が同じものを同じ様に食っているのである。
あの体よりはと安心する気持ちは、俺のとことん自分に甘いヘタレた根性と相まって、いよいよ増長した。
『食欲魔神の俺に結局我慢なんかできっこねーんだから、せめて食べることを楽しみまくらないと損だもんなっ!』
「うんめぇー!智明最高!大好き………だからお代りくれっ!」
朝抜きで腹が減っていたのか、智明の飯が余程旨かったのか、既にマルッとパンパンに膨らんだ腹を抱えて、もう一杯お代りをおねだりする俺。
智明は、またもや大好きの言葉に赤くなりながら気合を込めて立ち上がった。
「了解!大盛り超特急でお届けしまっす!」
ジャンジャカ鉄鍋を振う音を聞きながら、俺は大皿の韮饅頭と春巻を悪いと思いつつも2/3程平らげてしまう。
そして運ばれてきた出来たての炒飯を再びかき込み食いつくし、更に丸々とパンパンに膨らんだ腹を擦って言った。
「うぷっ、ちょっ…ちょっと食い過ぎたかなぁ…すげー腹になっちゃった……。」
スウェットの上からでも丸っと膨らみが解る程に出っ張った食い物でダブンダブンの腹をタパッと叩いて自省する。
しかし、その姿を食い入るように見つめていた智明と啓太郎兄貴の「朝昼兼用だから普通」「去年はもっと食ってた」「小食になったんじゃないか?」という言葉に、またも自省の心が霧散した。
俺は、満足して、寝ころぶのも、普通に座るのも苦しくなった重たい腹を抱えてコタツに向かう。
どうにも座りが悪そうにしていると、智明と啓太郎兄貴がじゃんけんを始めた。
「勝った方が座椅子!」
「恨みっこ無し!一本勝負!」
『じっけったぁぁぁぁぁっ!!』
「ぅしゃああぁぁぁぁぁっっっ!!!」
そして勝った智明が半端胡坐を組む様にして俺を支え、座椅子になってくれる。
620 :
『リミット』:2009/12/19(土) 11:13:51 ID:fTVSRGJ/
俺はちょっとこれはどうなんだ?と思いつつも、智明のボヨンッと弾力に富んだ胸の腹の贅肉を背にして体を預けると、その最高の座り心地に逆らえなかった。
智明は何だかソワソワとしながらも俺の体をシッカリ支えてくれる。
更にサービスとでも言うように脇の下をくぐって優しく俺の丸々とパンパンに張りつめた腹を満遍なく優しく撫で擦ってくれた。
『はふ……きんもち良い……ちょっとムズムズ変な気分だけど、ずーとこのままでいたいかも……。』
その光景を沈痛な顔で見ていた啓太郎兄貴だったが、何事か閃いた様な顔で台所へ消え、大きなアイスカップを持って再び戻ってくる。
「正ちゃん、正ちゃん、レディーボーデンのバニラっ、好きだろ!買っといたんだ!なな?あーんして、ホラホラ、甘いものは別腹…、あーん…。」
俺は苦しい腹に少し食うのをためらったがね結局は甘いものは別腹の合言葉に従って「あーん」をしてしまう。
背後から智明の抗議の声が上がる。
「ちっきしょっ、馬鹿兄貴、あーんとか…う…羨ましい…。」
「へへーん、悔しかったら代わってやっても良いぜ!」
「ぜってーーー、ヤ!」
結局智明は座椅子の役を譲らなかったが、それでも、啓太郎兄貴は、それは嬉しそうに俺の口にバニラアイスを運び続けた。
俺は、この世の極楽を垣間見ながら、アイスカップが空になると同時に、本日2度目の眠りについた。
621 :
『リミット』:2009/12/19(土) 11:17:58 ID:fTVSRGJ/
すいません。書きこむ前に読み返せと…Orz
直ぐ上7行目間違いあります。
【訂正後】
俺は苦しい腹に少し食うのをためらったが、結局は甘いものは別腹の合言葉に従って「あーん」をしてしまう。
>>616 ┏O)) アザ━━━━━━━ス!
SSおつです
う、うらやましい…幸せに太れそうですねw
623 :
名無し調教中。:2009/12/19(土) 16:10:24 ID:biV+6XUQ
INHUMAN!! , INHUMAN!!
こ、この、
ジャ、ジャンルの、ス、スレは、
非人間的なんだな。。。
だ、だから、
こ、これで、
か、完結して、
つ、潰れなきゃ、
な、ならないんだな。。。
さ、さようなら。。。
リミットブレイクしちゃったのかな?
自分を溺愛してくれるデブ二人と極楽生活とか憧れるわぁ…
いくらでもしえんしますんで自重などせずにやっちゃってください!
そろそろデブショタ化SSも・・・・・・
版権キャラ(それももともと太ったキャラ)が肥満化するSSを書いてみたいけどなかなか難しいね
>>625 レッツ創作
太→極太とか表現難しそうだな
服装とかは決まってる分考えなくてよさそうだが
キャラをまねるのも難しいか
やはり日常的に太っていく継続肥満化はいいねぇ
瞬間肥満化も面白いシチュはあったりするして
それぞれに旨みがある
エレベーターボーイのssみたいに狭所で肥満化させて
更衣室や教室をムチムチに詰めたりとか
これが継続肥満化なら徐々に周りが太っていくのを見れるという
時事からとっていくつかでてるけどサンタ化とかもありか
629 :
『リミット』:2009/12/21(月) 16:44:11 ID:3ovA0D9O
昼飯後、眠りから覚めるとムッチンムチンの智明の腕を枕にして向かい合った体勢だった。
どうやら、俺の体を支えていた智明も俺に片腕で枕を提供しながら、もう片方の腕で俺の腹を抱える姿勢でぐっすりなようで、安らかな寝息をたてている。
昔はカッチンカチンに見えた腕だが、以前に比べ大量に脂肪を蓄えた今はムッチリと弾力に富んで、しかも柔らかすぎず、まるで低反発枕のような心地よさである。
俺は、日頃の過剰なスキンシップは元より、最近の3人川の字寝、人間座椅子等の影響で慣れてしまったのだろうか?
状況的には、かなりアブノーマルにも関わらず、2度寝しそうな勢いで心地良い肉体に身を預けそうになる。
しかし、それを見越した様に頭上で大きめの声がした。
「ホラホラホラ!そこっ!そろそろ3時だから!起きた起きた!今日のおやつは本格派クレープだぞ!起きないと兄ちゃん食べちゃうぞ!」
俺の頭は瞬時に覚醒した。
啓太郎兄貴の本格派クレープ。
蕎麦粉の種と小麦粉の種の2種類の生地の種、クリーム系と各種ジャム、それとは別にコールドビーフと野菜、各種ソースのトッピング。
これが、また、旨いんだ!!
昼から3時間しか経ってないが、腹を擦ると満腹の張り詰めた感覚は既になく、ムニッと柔らかな感触しかない。
俺は、いつものことながら自分の消化力に驚きつつ、空腹を訴え始める体に食べる気満々で起きあがる。
「あーっ、食う食う、俺食う、クレープ食う!」
俺の声に目を覚ました智明も「俺も俺も!」と急いで起きあがった。
630 :
『リミット』:2009/12/21(月) 16:56:27 ID:3ovA0D9O
レタス、チーズ、そして、ツナマヨとオニオンたっぷりの蕎麦粉クレープ、ハム、蕩けるチーズとレタスにマヨネーズのクレープといくつもの組み合わせでかぶりつく。
特に美味しかったと感じた組み合わせでもう一巡り食べた後、今度はクリームと各種ジャム、ナッツとチョコレート等の甘いソースの組み合わせで十数種類を食し、更に美味しかったものをもう一巡。
最後にもう一度ツナマヨとオニオンのクレープを〆で食べた。
会社務めだとおやつという発想は無く、精々小腹を満たすチョコバーを細々と食うだけだ。
だから、これ程おやつという習慣が素晴らしいと感じた時は無かった。
(母は父至上主義なので両親がいるとこうはいかない。)
それ程充実したおやつだった。
当然、食べるに任せてムクムクと腹を膨らませた上に、丸々とパンパンに膨らんだ腹を抱えて、食い意地も汚く更に食べ続けた結果、昼の限界まで膨れた腹に逆戻りしてしまった。
スウェットの上からでも丸っと大きく膨らんだ腹を、ゲプリと億尾をもらしつつ擦りながら、またコタツへと避難する俺。
既にさっさと食べ終えて待ち構えていた智明に当たり前のように座椅子をさせて、腰も重たげにドスリと座る。
そして、また丸々と膨れた腹を智明に擦ってもらいながら、腹がこなれてくるまでと思いつつ、また寝こけてしまう俺だった。
俺の体内で驚異の消化力と太り易くなった体質とが相まって、驚異的な変化を起こし初めていたのだが、当の本人である俺には解る筈もないことだった。
寝ていたので気づかなかったが(食って寝たから起こった現象なのかもしれないが…)、本の時々、小刻みにプルンッと波打つ腹の肉。
胸でも腕でも尻でも似たような現象が起こっていた。
実際この振動に合わせる様にして俺の体中に満遍なく脂肪がまとわりつき続けていたのだが、大きめのスウェットに隠されて他の2人でさえ気がつかない有様だった。
ただ後日聞いた処では、中毒化した感のある智明の俺の腹周りを弄る癖のお陰で、智明だけは何だか腹の触り心地がドンドン良くなって辛抱たまらん、と思っていたようである。
631 :
『リミット』:2009/12/21(月) 18:09:10 ID:3ovA0D9O
『あふっ…、また寝ちまった…、まだ正月でもないのに良く寝るよなぁ…俺…。』
俺は眠い目を擦りつつ寝ぼけた頭で周りを見渡す。
『こいつも…良く寝るよなぁ…。』
智明は俺に腕枕を提供しつつ、やはりグッスリと寝ていた。
コタツから半端飛び出て、股間を引く様な変な格好である。
俺は、変な格好の智明を横目にドッコラセと重たい腰を上げる。
『それにしても………。』
起きあがり様、俺は僅かながら倦怠感に襲われていた。
何だかダルいというか、体が重い様な、特に腹部が重い様な、とにかく緩慢な感じがして足取りも重たく感じる。
後から計算して見ると、この時既に体重にして9kg前後は重たくなっており、増加した体重に見合っただけの贅肉が腕や肩や胸、特に腹周りにタップリと付いていた。
気づかぬ処で着実に変化の兆しも見えており、足音もドスドスとまではいかないが、ボスボスと重い音を響かせ始めていた。
また、その振動に合わせるように腹の肉がタプタプと揺れ、付いた脂肪の多さを誇示していたのだが、やはり大きめのスウェットに隠れて気づかない。
ただ全体的に丸みを増し、太くなった体は何となくスウェットのシルエットをドッシリとしたものに変えつつあった。
いずれにしても、こんなに食べれば食べる程ブクブクと肥え太ろうとは思わない俺は全然気がつかず、消化不良か何かだろうと考えていた。
ならば何故こんなに腹が空いているのか?その点にすら疑問を感じなかった俺はやはり現実から目を反らしていたのかもしれない。
632 :
『リミット』:2009/12/21(月) 18:14:39 ID:3ovA0D9O
俺は空腹を訴える割になだらかな丸みを帯びた腹を擦りながらキッチンへ向かった。
既に夕食の準備は整っており、智明が時を同じくしてデップリした腹を上着に手を突っ込んでワシワシとかきながら現れたので直ぐに夕食を開始する事になった。
その日の夕食は、啓太郎兄貴曰く、『遅すぎたクリスマスIN実家ディナー』だそうで、ローストチキンにローストビーフ、キッシュロレーヌ等クリスマスらしい料理で始まった。
しかし、その内に啓太郎の独壇場に対抗心を燃やした智明が、得意の男の料理、自己調達の良い肉を分厚く切って、塩胡椒を振り焼く、つまり単なる分厚いステーキを披露。
ならばと、啓太郎兄貴は、既に用意してあった鴨肉の『ガランティーヌ』を大皿一杯に美しく盛り付けた逸品で対抗。
こうなりゃ自棄だ!と、智明が秘蔵の本物の大きなカラスミを出してきて、カラスミタップリのカラスミパスタ特盛と共に、カラスミで酒を進めて応戦、etc.etc。
その後も、2人の競い合いは何処までも激化し、最後は何処の国のクリスマスだか解らなくなって、はち切れんばかりに膨らみきった腹を抱えた俺がギブアップするまで続いた。
その後、毎度お馴染、寝る事も普通の姿勢で座る事も適わなくなった俺は、丸々と膨らみきった大きな腹を抱えてコタツへと避難、待ち構えていた智明が座椅子になってキャッチ。
そして、既に決まり事になりそうな勢いでアップルパイとブルーベリートルテを持って啓太郎兄貴が甘いものは別腹と言いつつ手を握って「あーん」を要求する。
対する俺は、腹が苦しくて苦しくて仕方ないにもかかわらず、騙し騙し甘味を完食し、眠気を訴える始末。
すると、啓太郎兄貴は、今度は歯磨きまでしてくれるという、対赤ちゃん並みの甘やかし攻勢に出た。
俺はと言えば、既に断ろうにも食い過ぎで動けなくなっていた事もあってアッサリ身を委ねてしまう。
そして、スッキリした処で、眠気に耐えられなくなり、俺は、あえなく眠りの世界へと沈没したのであった。
支援必要かな?
一日9kg増量とか正月休みでどれだけいくんだ……ゴクリ
ss乙です。
お腹膨張場面が盛りだくさんでうれしい。
胃袋の限界値がどんどん上がって、
お腹がどんどん大きく膨れるようになるんだろうな。
635 :
『リミット』:2009/12/22(火) 16:18:50 ID:LgXFSRo3
そろそろ容量的に自重した方が良いですね…
以前残容量を誤って大量に書き込んでパンクの一因を作った前科があるので……
スレ立て申請等の経験もなく申し訳ありません。
おおもうこんな容量…
スレ立ていってきます
639 :
『リミット』:2009/12/22(火) 19:07:33 ID:EuK4eq2s
【正太が寝た後の2人】正太は寝ているので三人称
正太が眠気に負けて安らかな寝息を点て始めると、智明はゆっくりと人間座椅子の体勢を崩して正太をコタツから引き出し、横抱きにして立ち上がる。
すっかり眠りの世界へ旅立ってしまった正太の体は今朝チェーンメールの件と共に訴え聞いた84kgという数字よりもかなり重く感じた。
『ぐんむっ、84キロのつもりで持ち上げたけど…これ90以上ありそ…って、まさかな…、で…でも、そうなってくれると逆に……。』
智明の表情がニンマリとだらしなく崩れる。
腕を掴むように上半身を支えた手も、尻の辺りを掴んで下半身を支える手も、正太のモッチリと柔らかな厚い贅肉を確かに感じていた。
何だか顔も随分丸く可愛く、全体的にドッシリとしたエロい体格になってきてないか?
チェーンメール、これはひょっとしたらひょっとするかも?智明はそう思った。
智明は、そんな事をモンモンと考えつつ啓太郎の手によって温められ、寝具の整えられた客間に向かった。
客間の戸を開けるとブスくれた表情で遅いと訴える啓太郎が待ち構えていた。
智明は、名残惜しげに布団に正太を寝かせた。
急いだ為か頭はゆっくり優しく寝かせられたのだが、尻が中から落とし気味になってしまった。
ボウンッ…タップ…タプ…
拍子に正太のスウェットに隠されていた腹が少しだけ露わになり、肉がバウンドして音をたてる。
『うっほおおおおおおおおおおおおおっっっ!!!』
2人は内心感涙に咽び、歓喜の声を上げた。
露わになったモッチリ、タポタポのお肉に目を奪われた2人は手をワキワキと動かしながら今にもかぶりつきそうになる。
しかし、どちらともなくピタリと止まった。
「な…なあ?正ちゃん、随分と太って可愛くなってないか?」
啓太郎が極力抑えた声で言った。
「あ…ああ、やっぱそう思う?俺持ち上げた時思ったけど絶対84kgじゃなかった…90…5〜6はあると思う…。」
智明も、同じ疑問を抱いていた事もあって何時になく素直に啓太郎の問いに応える。
「………………………………………………。」
640 :
『リミット』:2009/12/22(火) 19:09:25 ID:EuK4eq2s
一瞬の沈黙の後、2人同時に閃いて押さえながらも大きめの声で言葉がハモる。
「やっべ!チェーンメール本気だっ!びばチェーンメール!やったねチェーンメール!凄いよチェーンメール!!」
そして、内心でそれぞれ情欲を滾らせ、愛情を暴走させ、ニンマリと表情を崩す。
『デップリ、モッチリ太らせ放題じゃん!このままじゃ俺、好きの気持ちが膨らんで破裂しそー!』と智明。
『俺の愛で、理想の肉体に育て上げるぜ!』と啓太郎。
2人して決意を新たに互いを見つめる。
何だかお互いがお互いに嫌らしいものを感じてムカッときた。
「エロ兄貴…、どうせロクなこと考えてないだろ?正兄ちゃんは俺の何だからなっ!変なこと考えんなよっ!!」
智明が先に牽制する。
「んだと、グゥラッ!エロ明!お前にだきゃー言われたくねーわ!お前こそ邪な事考えてんだろがっ!うおりゃ!!」
啓太郎が反論しつつ大人げなく先に手をあげる。
それ程強くこずかれた訳でもなかったが不意を突かれたのかバランスを崩して仰向けになってしまった。
ドゥンッ…タップン…タップン…
少なからぬ振動と共に正太とお揃いのスウェット一杯の贅肉が音をたてて波打つ。
「なっ!ちっきしょ!やりやがったなっ!馬鹿兄貴っ!てんめっ、ふっ…ふんぐっ…ぬはっ…うくっ…ぐむぅっ!」
智明は急いで体を起こし、やり返そうとするが、ブンニュリと抗らい難い腹の肉の圧力に押されて起きあがれない。
こんな筈は無かった。
ほんの数日前まで、腹の肉の圧力は日々増しているとは感じていたが、まだまだ抗らえない程ではなかったのだから。
ダブン、ダブンと、腹の肉に押し返されてはバウンドしながら、智明は何度も起きあがろうと足掻く。
641 :
『リミット』:2009/12/22(火) 19:12:46 ID:EuK4eq2s
「ぶははは、バーカ!デブ明、お前、腹の肉が邪魔で起きあがれねーの?まぁーた太ったんじゃねー!?そのドデカイ腹!俺以上の腹周りだな完璧に!」
啓太郎がその姿を見て、ここぞとばかりに言い募る。
「ちちち…ちっきしょぉっ!ぶはっ!こんにゃろ、俺知ってんだかんな!兄貴だってズボンのボタン留ってねーじゃねーか、デブ!兄貴も太ったんだろ!?」
どうにかこうにか起きあがり、今度は、啓太郎のトレーナーに隠れた留っていないズボンのボタンを指摘する智明。
啓太郎は図星をつかれて隠れて見えないにも関わらずサッと手の平で隠す仕草をとってしまう。
「語るに落ちたなデブ兄貴…どうりでパツンパツンに見える筈だゼ…!…にしても……。」
慌てて自分の体を確認する啓太郎に溜飲が下がったのか、自ら先程の凄まじい圧力の原因を確認してやり返す気を失ったのか、智明はやり返さなかった。
そして、どちらともなく顔を見合わせ、一瞬の沈黙の後、競い合う様にダッシュで脱衣所に滑り込む、………疑問を払拭するために。
ドンムッ ぶんにゅゆうぅぅ
2人一緒に脱衣所に突っ込んだ為に、ドアに引っ掛かる2人、改めて己の横幅に脅威を感じると共に相手に責任を転嫁する。
「てんめっ、腹凹ませろデブ兄貴!」
「くっそ!ぐ…ぐるじっ…!そ…そっちこそ!太りすぎなんだよデブ明!」
2人して身をねじるように全力でハマった体を抜こうとする。
ぶんにゅゆうぅぅぅぅ……ズッパン ブデンッ ブデンッ
全力で体を抜いたせいで勢い余って2人共がすっぽ抜けて尻餅をついた。
息が上がり、汗が滴る。
啓太郎は良いとしても、まだまだスポーツマンのつもりでいた智明はショックだった。
642 :
『リミット』:2009/12/22(火) 19:15:17 ID:EuK4eq2s
智明は、無理やり荒い息を飲み込んで啓太郎より先に目的の物に乗る。
ギッシィィィッ
重いものを乗せて悲鳴を上げるソレは次の瞬間目を覆いたくなる様な数値を叩き出した。
ピピッ
体重:134kg 体脂肪:41%
「うげぇっ、うっそ!一昨日127kgだったろ!?脂肪むっちゃ増えてんし!こっ…壊れてる!ぜってー壊れてるっ!!」
立ち尽くす智明を退かせて啓太郎もいそいそとソレにのる。「太ったんだよバーカ!」等という軽口は叩けなかった。
ミッシィィィィィッ
更に重たいものを乗せて悲鳴を上げるソレ、…もうお分かりだろう、体重計である。
ピピッ
体重:147kg 体脂肪率:51%
「うぐっ…、俺最近計ってなかったけど、どんだけ太っても140kg前後だろ……。」
智明が2人並んだ情景を直視し己の腹のデカさに青ざめて慌てだす。
「やべっ、俺このままじゃ兄貴肥える…いや超える!あ…明日から俺ダイエットするわ!並んでみると本気で腹のデカさ変わんねーもん!」
しえんが必要かな?
644 :
『リミット』:2009/12/22(火) 19:42:14 ID:EuK4eq2s
啓太郎は、「太った」「腹出た」「痩せる」を繰り返す智明を尻目に一人冷静さを取り戻して叱咤した。
「落ち着け馬鹿明!考えてみりゃ太って当然だろ!昨日の夜から昼、おやつ、今夜と、計算してみろ何万キロカロリー摂取したよ俺達?」
ぴたりと止まった智明が今更何言ってるのかといった風に答える。
「は?そりゃ2人共7kg前後太ってんだから5万位摂取してんじゃね?」
何が言いたいのか解らない智明に構わず啓太郎が話を続ける。
「今まで食っても太らなかった正ちゃんが俺達以上に太ってそうなのは別にして、俺達のは特に驚く事じゃない。単に正ちゃんと一緒に食い過ぎただけだ。」
その言葉には大いに異議ありの智明がジト目で反論した。
「あのなぁ…人間にはホメオスタシスって機能が備わってんの!急激な増加も減少も起らんように!どー考えても俺らのも異常だろ!!」
今度は逆に啓太郎の方が呆れてジト目で見返す番だった。
「急な増加ってお前、俺もそうだけど毎日パカパカパカパカ食いまくってんだろデブ!俺達のは脂肪が飽和状態を抜けて増殖し始めたんだよ!…多分。」
智明は、ジト目で見られて図星も指され、赤面しつつ反論しそうになるが、啓太郎が神妙な顔でそれを止めた。
「話したいことはそんな事じゃない!良いかよく聞け!正ちゃんの事だ…。」
その言葉にすぐさま神妙な表情になる智明。
「正ちゃんに気分良く食欲を満たしてもらって、可愛く可愛く太ってもらうには………。」
「そ…それには…?」
「それには…、俺達も同じ、いやそれ以上食って食って食いまくり、正ちゃんが自分の体型の変化を気にしない程に……。」
そこまで話して区切った啓太郎の話を智明が継いだ。
「俺達も正兄ちゃんが自分の体格の良さに気に病む事が無い位…、いや、むしろ安心して気が緩んじまう程に、ブクブク太らんといかんと?」
啓太郎は的を得たその問いに無言で頷く。
2人の表情に光明が射した。
645 :
『リミット』:2009/12/22(火) 19:42:48 ID:EuK4eq2s
「兄貴!」
「智明!」
「俺はヤルゼ!正兄ちゃんが、もっともっと可愛く丸く太る為なら、俺は兄貴を肥える!!肥えてみせる!!!」
「そーか、そーか、解ってくれたか!俺も頑張る!お前も頑張れ!今ほど兄弟愛をお前に感じた日は無いぜ!(これから先も無いけどな…)」
2人はこの日から目標の正月明けまで何としても正太に可愛く丸く太くなってもらう事を共通目標に戦時協定を結んだのだった。
にしても……アホらしい事をここまで真剣に、そして劇的に演出してしまうこいつらは何ておめでたいんだろう……。
そんなこんなで正太を可愛く太らせる会は、正太が全く預り知らない所で正式に発足された。
アーメン………
以上です。これ位の文章があと2〜3回で終わらせようかと……
この人達書くの楽しいんですけど、なんぼ何でも長すぎますもんね…
スレ立て_| ̄|○))オツカレサマデス
ホントに┏O)) アザ━━━━━━━ス!
支援頂いた方にも感謝感激雨霰です┏○ペコ
三人そろってデブまっしぐらw
これでママンが帰って来た頃には程よい巨デブ、もしくは肉鏡餅又は人型適温水枕が3個…w
>>646 ss乙! これは限界突破しそうな勢いだw
そのうち家の中ですれ違うのにも苦労しそうだな
長すぎが気になるなら他の小編でチョイ役として出すとかどうだろう
父親編とか啓太郎編とかメールが届いた同級生編とか親戚編とか
>>617 ミ☆コ
|(◎D◎)キャッチ
いつもありがとうございます、書いていていいんだという励みになります。
SSもとても素敵です、
このままセルフウォーターベットかが進むのでしょうか…?
お母さん、帰ってきたら狂喜乱舞ですね、あ、でも、何か大事な電話があったのがなんだったのか…?
ものすごくいい加減に計算してみたら…
弟さんが脂肪の重さで54キロぐらい、お兄さんが75キロくらい?
このまま兄弟仲良くどこまで伸びるんでしょうか…
いや、チェーンメールを守らなかった反動って怖いですね。
さて、時は少々流れ、講義を終えた男は部室へと来ていた
「なんだ、来たのかトド」
良く逃げなかった、そんな声にトドと呼ばれた男も負けじと
「それはこっちの台詞だ針金、それと俺の名前は誡だっつってんだろう」
にやりと笑って返した。
「僕が針金なんじゃなくお前が太すぎるだけだ、その資質は羨ましいが…
お前見てると羨ましくないな…っと」
針金、そう呼ばれた男は、例えるなら、ブルースリーの鍛え方が足りないようなそんな感じ、
細くしなやか、鞭のような肉体の成り掛けはダンベルを置きながら言った。
ただ、針金と呼ばれた彼の容姿は
「んじゃ、のびたくんだ、ちょっとその物言いは気になるが俺の体見てほえずらかくなよ?」
そういって脱いだジャージの上から出てきたのは見事な肉体、
日本人としても、二十歳を超えるか越えないかの年としても見事な筋肉に鎧われていた、
ただ、全身くまなく隆起させた肉体で異彩を放つ場所が一箇所、
すっと縦に一筋線の入った腹部がしっかりと厚い胸襟に負けない張り出しを見せていた…
「なんだなんだ、自信満々に言うから僕の負けかと思ったら一週間前より酷いぞ、トド」
無遠慮に針金…ボブカットに丸眼鏡でのびたくんとも呼ばれている…その逞しい身体をぺたぺたと触る、
逞しい、確かに逞しいが、その身体はまず柔らかい、ぽよぽよと薄い膜があり、
その下から筋肉のしっかりした弾力が帰ってくる。
特に腹部は柔らかかった、また鱈腹食べて来たんだろうが、それでも手の平で押せばしっかりと手形にへこむ。
言われた男、誡は自分の体をまさぐり、
しっかりと自己主張をする腹をプヨプヨと確かめ…
「俺、ノーカーボで頑張ってたんだぞ!? なんでだよぅ!!」
そんな絶叫がボディウェイト部の部室から響いていた。
おつおつ
さわりたいのぅ
ヤセやマッチョがロードローラーに轢かれてぺッタンコになった所を、
プロテインではちきれかけるまで膨らまして放置したら、
頭の天辺から手足の先までプリンプリンの巨デブになるのだろうかw
デブッたら性感帯も広がるのかな?
今連載中のssでは腹がポイントになってるけど
肥大化したら乳とか尻も性感帯になりそうな気がする
彼女取られた恨みで肥満化とか、つまらなさそうだけど
むしろ彼女とか作らないように肥満させてモテないようにするとか・・・
無人島に男数人で漂流してそこの果物のせいで肥満化も面白そう、書かないけど
原住民に新しい島民として徹底的に肥育されて逃げれなくなるとかも・・・
山奥のひっそりとした隠れ里に迷い込んだら、剛飯式に参加させられて…
【戦時協定虚しく居間で喧嘩する兄弟・正太不在に付き三人称】
智明は、朝の一仕事(胃袋への食い物底入れ作業)を終え、壁に寄り掛かって一息つきつつ、楽天的で豪快、悪く言えば大雑把な頭を悩ませていた。
そして彼が悩むとすれば、それはもう正太の事以外あり得なかった。
『ふんぬぅぅ…、どーするよ?あの、むっちんプリンな体…。可愛い…可愛すぎるぜ正兄ちゃん!何でそう理想的にムクムクモチモチ育つかなぁ!!』
『腹やら胸を対象に、常に手技で気持ち良くを心がけてたけど…そろそろ唾つけとかねーとな…。あの肉団子兄貴に気がされないとも限らんぜ…。』
『にしても……。』
智明はドッシリと太股に圧し掛かる、見るからに重たい巨大な腹を苦しげに眺める。
その腹は、デップリを通り越してドデップリとでも言おうか、以前ですら腹周りは巨デブの貫録を醸し出していたものが一回り、いや、二回りは太く大きくなっていた。
以前よりサイズアップしたスウェットの上着がヘソの上まで捲り上がり、ダブンッと分厚い贅肉の段を露わにしている。
(智明が正太にプレゼントしたスウェットもフリーに近い大きいサイズだったが、最近では以前の自分で着ていたスウェットを正太に着せている。以外に知能犯な奴である。)
脂肪で厚みを増した手の平で以前に増して大きく膨張した腹周りをなぞる。
なぞるだけでダブリと震え、モッチリした弾力が波紋の様に広がった。
半年前までラガー体型を自称していた智明である。
流石に溜息が洩れた。
「はぁっ…、や…やばい…、流石に調子に乗って太り過ぎたな…これ…。」
版権で肥満化いけそうなキャラってどれくらいいるんだろう
デブなら大体いけるか・・・食べ過ぎでいいわけだし
654>>
一寸違うし児童図書だけど、「ドリトル先生と月旅行」だったっけかな?
が似たようなシチュエーション?
657>>
それこそうまいことやればどうとでも出来そうな気がします。
病気だったり呪いだったり生活習慣の変化だったり。
>>654 なぜ書かないレッツチャレンジ
デブ専枠があるから肥満化させても極一部にはもてそうだが
食べるものがその果物しかないけどなぜか日常の食事より健康的に太って
救助された時に驚かれたりもありだな
遭難系は色々発展できる
>>658 世界観で手段は変わりそうだけど困るようなシチュはなさそうだな
ファンタジーなら魔法(例:NARUTOの忍術)
現代物なら環境変化やちょいSF
ヒーロー物なら敵怪人の能力
正月太りの主原因がモチといまさらだが聞いた
そんなに効果的なのだろうか
つミ【餅1つで茶碗1杯の御飯と同じカロリー】
餅食いすぎて鏡餅デブになっちゃうのはベタだが萌えるw
むしろ何も知らない犠牲者を鏡餅にして飾る神社とか良いよねw
毎年毎年、参拝者のうちの一人が「餅」に選ばれて…
少量で高カロリーは理想的だよな
量を食ったらその分体にたまるんだから
遭難物でそれしか食べられるものがない状況だと……
・美味い食べ物
・適度な運動
・ストレスを感じさせない環境
密室、遭難系で欲しいのはこんなもんか
屁とかスカトロはきつい
下品になるということで屁がでてしまうのはありだがスカは苦手だな
肥満化並にニッチだろうな
しかし『注入』とデブと同じになる『同化』は面白うそうなシチュ
映画であったある穴だかドアを通ると同じ人間になるというのと同じ使い方で
同じデブになるとかできそうだ
脂肪、肥満エネルギーを注入というとやはり拘束してからなのかな
戦隊物の敵怪人の技でありそうだ
生身だとキスとか挿入絡めることになりそうだな
キス通り魔で肥満エネルギー注入とか一人じゃ帰れないな
一度キスで肥満因子をうつされてキャリアになると
キスがしたくてしたくてたまらなくなるんだな
もちろん相手にも肥満化因子が伝染してしまう
アングルが悪いのか腹だけ出た昆虫体型にみえてしまう
全身まんべんなく太るのは難しいんだろうな
いい加減埋めないとな
埋め埋め