1 :
ジュン :
05/01/23 15:12:33 ID:ZmiUJmv6
2GETニコッー!! - ~ lヽ、 /ヽ ~ - i! ゙ヽ、 / ゙i! ..,,_ .,,.;;''⌒ヽ - ~ l ゝ-─‐-/' i! , ,__,,;'" "'; ,ノ ~ - ,/" i!''" ....゙'';;..,,;; ,,Y" - ~ ,/' 〈 'i;;- 、,, ~ - ~ ニコッ i' 'i, ゙"ヽ、 - ~ i! ⌒ / ⌒ * ,'i ..゙) ~ 'i,::: `_,、ヽ ::::::: ,/ ゙",;''i,-‐'"" ,,-‐''"ヽ、 ヽ,_ノ ,,-‐ ,..;;;゙" ( ,,, ''ヽ、,,.._ _ ,,.-‐''" _..,,..;:;-:"`´ ヽ,..-‐'' ,.-‐''" ノ-‐''"´ ( ,. -'" ヽ、,,.. -‐'''"
204 名前: 白雪☆ ◆oueCYiA2e6 [sage] 投稿日: 05/01/13 10:33:07 ID:Zh+kdqNw 24. 「わいは、八(はっ)ちゃんや。よろしくなー」 「は、はぁ・・・リオです、どうぞよろしく・・・って!タコ!」 「タコで悪かったなあ!ああん?せっかく声かけてやったちゅーに・・・せっかく・・・ ううっ、うわぁぁぁぁぁん。わいは・・・わいは・・・せっかくお客さん来はったから暖 かく迎えちゃろうと思っただけやねん・・・それを・・・アンタは・・・ううっ、うわぁ ぁぁぁぁん!」 い、いや・・・そんなに泣かれると・・・困っちゃうなあ・・・でもタコって泣くの? 「わ、悪かったわよ・・・タコさん」 「タコさんやない!八ちゃんや!」 「は、八ちゃん・・・」 「フン、最初からそういう風に応答すればええねん!」 ・・・完全に向こうのペース。わたしにはどうしようもないわね・・・
206 名前: 常居接人 ◆uBn9oxeVFg [sage] 投稿日: 05/01/13 20:08:29 ID:R46gpncZ 4回戦も南三局に入り、俺の逆転トップは非常に厳しい状況となった。 気持ちを切り替え、次の最終戦のことを考えていた俺は、配牌を取って一気に眼が覚めた。 一三八九@ABEH2359 ドラ9ソー 『いい感じの手が入ったな。これをモノにできれば…』 逆転も可能。そんなことを考え、一刻も早くツモを見たかった。だが、親の岡部が第一打を打たずに考え込んでいた。 『何やってんだこのおっさん?』 岡部を不審に思い、6っつの眼がヤツに視線を送った。 「悪いな。…だめだこりゃ」 吐き捨てるようにそう言うと、岡部が手を開けた。 一一五八九H1369東西北□ 「これじゃどうしようもないからな。素直に流すぜ」 この流局で俺の勝負手も流れた。頭の中は例のフレーズが渦巻いた。 『辛いねぇ、厳しいねぇ』 俺はそれを振り払うように、配牌を崩し卓の中へ流し込み、必死でゆとりを取り戻そうとした。
12 名前: 常居接人 ◆uBn9oxeVFg [sage] 投稿日: 05/01/20 20:34:47 ID:rIJGOdJq 結局、あの配牌が4回戦最後の希望だった。南3局、オーラスと長塚が立て続けにノミ手を和り、ヤツの逃げ切りで終わる形になた。 「…ちょっとトイレ休憩」 オーラス終了と同時に俺は立ち上がり、部屋を出た。部屋を出るとき、神山たちの不安げな表情が視界に入った。 重い足取りで廊下を歩く俺の頭の中では、最終戦に向けての不安が渦巻いていた。 『負けたくない。この勝負、もう金だけの問題じゃない。プライドを賭けての勝負だ。だが、勝てるか?』 「……さん。本多さん」 自分との会話に夢中だった俺の耳に、神山の声が聞こえた。声のするほうへ眼を向けると、神山が相変わらず不安そうな表情を覗かせていた。 「本多さん、大丈夫ですか?」 「ああ、神山さんか。考え事してたから気づかなかった」 「本多さん、私たちには見守るしかありませんが、頑張ってください。不安でしょうけれども、他の3人も同じはずです。だから…」 俺は神山の言葉を右手で制し、こう言った。 「神山さん、気合を入れたい。俺の面一発張ってくれ」 「良いんですか?こう見えて私は力ありますよ」 「そのほうが好都合だ。遠慮しないでやってくれ」 「それでは」 次の瞬間、俺の頬が乾いた音を立て、同時に痛みが来た。神山のビンタは強烈だった。 「アリガト、気合入ったよ」 神山に礼を言い、俺はトイレに向かった。効き目があったのか、不安感は大分無くなり、心にゆとりが取り戻せた感覚だった。
6 :
( ´∀`)ノ7777さん :05/01/23 21:30:14 ID:4tMck0lc
期待あげ
7 :
めすわんこヽ(´▽`)ノ ◆mesUinul.U :05/01/23 21:41:32 ID:D78wCkZD
元文芸部
ゆとりが戻ってきた感じの俺は、脳内で電卓を叩いた。 トータルポイントで俺はトップに立っている。以下、女、岡部、長塚の順だ。 女は俺より上で、浮いていれば逆転できる。岡部と長塚は俺と女を沈めて、大トップが必須条件。 岡部と長塚の条件は厳しいものだが、奴らも相当な打ち手、何かを仕掛けてくるはずだ。 『派手な喧嘩になりそうやな。でもまぁ派手なのは嫌いや無いしな』 頭の中に浮かんだのはインチキ関西弁。これが出てくるということは、ゆとりのある証拠。俺の口元は自然にほころんだ。 部屋に戻ったとき、神山と眼が合った。俺はウインクしながら右手の親指を立て、勝負の場に戻った。 「お待たせ。さてと、始めようぜ」 俺の声色と、表情が明るいことに三人は戸惑ったような雰囲気だった。予想通り岡部が声をかける。 「兄ちゃん、妙にハイテンションだな。クスリでもキメてきたか?」 「俺はタバコと酒以外のドラッグはやらないよ。長塚、サイ振れよ」 岡部に応えつつ、俺はゆっくりと長塚のほうに目をやり、ヤツを促した。長塚がサイボタンに触れ、サイコロが回転した。 サイコロが2と5を上にして止まった。起家は岡部で俺はラス親、岡部は起家マークを置きこう言った。 「ハナからトばすぜ」 俺は心の中で『望むところだ』と応え、笑顔で岡部に視線を向けた。 「気持ち悪いな。絶対クスリキメてるだろ?」 岡部は視線を外しながらサイボタンに触れ、最後の半チャンが幕を開けた。
9 :
( ´∀`)ノ7777さん :05/01/25 04:44:44 ID:BYjAE5/2
ほしゅ みんな創作しる!おれはむり!
お題を募集します。 書けないかもしれないけど。
11 :
( ´∀`)ノ7777さん :05/01/25 11:07:43 ID:BYjAE5/2
>>10 こないだの北斗みたいなやつおないがいします
25. 「まあ、座れ」 近くにあった岩場(今度は本物)に座って、話し始める。タコと話を始めるのはわたしが世 界で最初なんじゃない? 「で、何しに来よった。『蒼の世界』に。リオはんは」 「そ、それは・・・こっちが聞きたいんですけど」 「やっぱりわいのことをそうやって邪険に扱うのかぁぁぁぁぁ!ここにきた理由も話せな いくらい、わいのこと嫌いなのかぁぁ!ううっ、うわぁぁぁぁぁん!」 んもう、やりにくいなあ・・・ とりあえず、わたしが地上の世界(なんかヘンな響きだけど)から吸い込まれるようにして こちらに来たこと、どうしようもなく途方に暮れているときに出会ったことを説明してみ たけど・・・ 「ふうん」 ふうん、じゃなくって!ほら、こういう時ってここから抜け出すためのヒントとかくれた りするんじゃないの?
死ぬ気で保守
14 :
>>ほいころ :05/01/27 00:59:22 ID:qJH2meGP
時計と水割りとCD-ROMで
>>11 ただの続編じゃつまんないですよね。
>>14 スロにからめるのが難しいが・・・うーん。
なんか考えてみます。
サイコロは1と6を上にして止まった。長塚が素早く山を切り、ドラをめくる。表示牌は六萬。 間髪をいれずに岡部が配牌を取り始めた。 「泣いても笑ってもって感じだな。でもよ、俺としてはお前らと勝負できて結構満足してるんだよ」 岡部は配牌を取りつつそんなことを呟いた。 「そんなこと言っていいのかよ?あんたあのジジイに飼われてるんだろ?勝たないとヤバイんじゃないの?」 俺がそう問うと、岡部はタバコを咥え、火を点けながら応えた。 「俺は万田会長に飼われているわけじゃねぇよ。分かりやすく言えば、代打ちの派遣会社をやってるんだ。 高谷と会田でケリがつくと思ったんだけど、スジモノが絡んできて話がでかくなったんで俺が出てきたんだ」 「ふーん。岡部さんあんた社長だったんだ」 「ああ、代打ち派遣業、有限会社岡部サービスの社長だ。お前らウチに入らないか?今よりいい待遇を保障するぜ」 岡部が煙を吐きながらそんなことを言った。俺が苦笑いをすると同時に長塚が口を開いた。 「おっさん、こんな場所で求人するなよ。…でも面白いな。後日詳しいこと聞かせてくれよ」 最後の言葉は、近くにいる俺でも耳を澄まさないと聞き取れないほどの小声だった。それに応えて岡部も同じくらい声を潜め言った。 「ゴツイ兄ちゃん、アンタ組の代打ちだろ?アンタがその気なら組との話は俺がつけるぜ」 岡部と長塚がどこまで本気で言っているのかは、分からなかった。岡部が咥えタバコで1ピンを切り対局が始まった。
17 :
( ´∀`)ノ7777さん :05/01/27 23:16:44 ID:qJH2meGP
ほす
ほしゅ
26. 「あ、あの・・・」 「む!リオはん、今、わいがろくに役にも立たない上に肝心なところでは『ケン、あっち でラオウを見たぜ』とかアバウトなお助けキャラだと思ったやろ!」 「は?な、なんですかそれ?」 「い、いや・・・違うならええんや」 「八ちゃんさん、この世界ってなんなんです?」 「さっき言ったやろ。『蒼の世界』や」 そういう意味じゃなくて・・・ 「リオはんのいいたいことはわかっとるって。ジョークで言っただけや。まだまだ若いのぉ」 「若いですもん」 「要するにここがどこで、なんなのかが知りたいんやろ?」 (無視されてるし・・・ま、聞きたいことが聞けそうだから我慢しよう) 「まあ、早い話が海の中みたいなモンや」 「は、はあ・・・だったら、わたしはなんで呼吸できてるんですか?」 「海の中『みたい』といったろう。正確には海の中ではない。なにせ、ここにはチェリー やらスイカもあるからのう」 なにがなんだかさっぱり・・・
保守
ほしゅ
今日は仕事休みなので夜になったら書きます。
27. 「八ちゃんさん、わたしはどうやったらもとの世界に戻れるんでしょう?」 「さあなあ・・・あ、そういえば」 「知ってるんですか?帰る方法」 「メシ作ってるんやった」 「・・・」 いい加減プチッっといってしまいそうなわたし。でも八ちゃん以外に頼れる人はいないと いう悲しさ・・・もういや・・・ 「冗談だ、冗談」 冗談は顔だけにしてよ、ホント! 「何か言ったか?」 「え?あ、何も言ってないです!ほ、ほら!八ちゃんさん、この世界の住人なんでしょ う?だから何か知ってるんじゃないんですか?」 誰がどう見ても動揺してるわたし。八ちゃんは8本ある脚の2本を目の前でからませて (つまり腕組み?)考えているよう。
24 :
( ´∀`)ノ7777さん :05/01/31 12:09:09 ID:+Nldys9W
イイヨイイヨー!
東一局、最初に動いたのは長塚だった。 「ポン」 5巡目、女の切った西を喰い、長塚は西を二枚曝し、9ソーを切った。 今までのパターンから考えると、ここで岡部が何か言うはずだったが、ヤツは無言だった。 「岡部さん、珍しく何も言わないんだな…」 そう言いながら、次の言葉(イヤミ)を考えていた俺は、岡部の表情を見て毒気を抜かれた。 俺の眼に映った表情は、中坊の頃、行きたくもない修学旅行で見た、仏像のように悟りきったような表情だった。 「お前ら。俺はお前らに出会えたことを感謝している。何に感謝しているか。と聞かれるとはっきりした応えは出せないが…」 岡部はそこまで言うとタバコを咥え、ゆっくりと煙を吐き出しこう言った。 「…神だろうが仏だろうがどっちでも構わない。お前らと勝負できることを感謝している」 「どうしたんだ?急に変なこと言い出して。勝負はあきらめたのか?」 長塚がそう言うと、岡部は穏やかな表情で応えた。 「あきらめてはいないが。お前らと出会ったことだけでも収穫だな。もう一度言う。ウチの会社に入れば高待遇は保障するぜ」 岡部と長塚が会話している間に、8巡目に入った。 「うん?ツモった。安いけどな」 長塚がツモった2ピンを表にして牌を倒した。 二二六七八BC789 A 西(ポン)西西 「和り癖つけておかないとな」 長塚と「兄貴」がまたダブって見えた。俺はそれを振り払うように頭を振った。
ほしゅ
28. 「おお、もしかすると『夜の世界』にいけるかも知れんなあ」 「よ、夜の世界?」 「そうや。満月の晩、どこかに開かれるという扉からいけるらしい」 (条件多すぎな上に、どこに扉があるかわからないってことは・・・どうしようもないん じゃないの?) 「帰る方法じゃなくて済まないが、わいにはコレくらいしか思いつかんな」 「い、いえ!そんなことないです。いろんな情報集めないとわたしもなにがなんだかさっ ぱりわからないし・・・」 「そうやな。いつか元の世界に帰って、リオはんのかーちゃん見つかるとええなあ」 「うん、ありがとうございます!」 それからわたしと八ちゃんさんはいろんな話をした。『蒼の世界』には昔は若い人がいっ ぱい遊びに来ていたらしいんだって。朝から晩まで混んでいた世界。でも今となっては一 部のマニアの人しか来なくなっちゃったんだって。コレも時代の流れやなあ、と八ちゃん さん。一旦はリニューアルしたんだけどあまりヒットしなかったみたい。なんかよく分か らないけど、時代の流れって寂しいよね。新しい技術や機械が発明されるのはとっても喜 ばしいことだけど、それによって消えていくものとか機械とかあるから。
29. 「ところで八ちゃんさん?」 「なんや?八ちゃんと呼んでくれ」 「満月の晩って、いつくるんですか?」 「あ?そういや、今満月だったか?ほれ、アレや」 !!! 八ちゃんの1本の脚が指差した(脚差した?)先は・・・わたしが向かおうとしていた青白 い光。ってことはアレが・・・ 「アレが光ると満月ってことや」 どうして先に言ってくれないんですか!!!ということはどこかに『夜の世界』へ通じる 扉が開いてるってことじゃないですか!急いで探さなきゃ。 とはいっても、この世界ってどれくらい広いのかもわからないし・・・ってあら? 「八ちゃん、あれは?」 ちょっと先にみえる空中(海中?)に浮かんでる四角い物体を指差してみた。さっきまであ んなのなかったと思ったけど。 「あー、アレが扉や」
一番下だ
30 :
( ´∀`)ノ7777さん :05/02/03 19:08:35 ID:EpasyKpy
あげとく
30. ど、どうしてそんな重要なことをそんな簡単に言ってのけるの・・・この人は・・・早く しないと扉が閉まっちゃうじゃない!急いでいかないと。飛び上がって急いで移動する。 背中から声がした。切ない声が「リオはん、も、もうお別れかいな・・・」 「・・・」 「せやかて、仕方ないのう。リオはんはこの世界の人間ではないしなあ。会ったばかりな のにもうお別れかいな・・・人生って寂しいものやなあ・・・」 「・・・」 わたしにはお母さんを探すという目的があるの。お父さんが殺された謎を解明する必要が あるの。クリスがなぜわたしの前から去ったのか調べる必要があるの。それまでは、わた し頑張らないと。だから、八ちゃん。また、必ず戻ってくるよ。また、絶対遊びにくるよ。 来る方法がわからなくても、こうやって来られたんだもの。絶対来るから! 「せやな・・・わかった。リオはんが遊びに来てくれることを信じて、わいは待ってると するか。だが、必ずオカン見つけてくるんだぞ!」 「うん!絶対見つけて戻ってくるよ!八ちゃん、だからさよならはまだ言わない!」 扉は普通に私たちの世界にある扉と同じような感じ。でも、なんか仰々しい深紅の扉。わ たしは後ろを振りかえって八ちゃんに手を振る。もちろん笑顔で。また戻ってくるもの! ちょっと出かけてくるだけ。だから、ね。
>>29 を見た後スレ一覧見たら・・・ホントに一番下でした。なんかスゴイネ(なにが?
プロローグ 199X年、世界は核の炎に包まれた。 すべての生物は死滅したかと思われたが、どっこい人類はしぶとく生き残っていた。 ただ、破壊された街と同様、人々の心も荒廃していた。 力がすべてを支配する時代。 力無い者は怯え、隠れるように暮らしながら、誰もがこう思った。 「世も末じゃ・・・救世主はおらんのか」と。 そんな中に現れた、ひとりの男。 それが「北斗神拳」継承者であるこの俺、ケンシロウ、なんだけど・・・
(1) 俺は最近こんなふうに思ってる。 力ある者が生き残り、力無い者が淘汰されること自体は、歴史を遡れば人類がまだ原始人だった 頃から繰り返されてきた「優性種が保存される為のシステム」のひとつであり、暴力が淘汰の手段 となるのも、絶対に悪いとは言い切れないのではないか、と。 大体、この世に「絶対悪」なんてものが存在するだろうか?戦争がいい例だ。第一次から第三次 までの世界大戦、列強各国は自らが正義であることを主張、それを大義とし敵国を攻撃した。しか し、そんなものは「相対悪」に過ぎない。国の数だけ、もっと言えば人間の数だけ存在する、極め て主観的な主張である。 今、俺の目の前でナイフを振り回しながら「ヒャッハー!!」などと奇声をあげているあの男。彼の大義 によれば、俺はキング様の統治を脅かす無法者といったところであろう。そして俺は、彼と対話に よって解決を図ろうなどとはこれっぽっちも考えていない。俺は彼を殺すだろう。人さし指一本で、 つまり「力」によって。 彼と、俺と、違っている点がひとつでもあるか?
「おいケン、シケたツラして何考え込んでんだよ」 バットだ。初めて会った時から感じていることだが、こいつとはどうも合わないところがある。 一体こいつは自分を何だと思ってるのだろう? 「・・・俺を、どう思う?」 「はぁ?突然何言い出すんだよ」 「さっき人を殺した俺を、お前はどう思ってついて来てるんだ?」 「人を殺したって・・・ありゃしょうがねぇだろ?」 「どうしょうがないんだ?」 「どうもこうも、悪い奴だからだろ?」 「じゃぁ俺は正義か?お前は正義か?」 「当たり前だろ!あいつらにくらべりゃ」 「いや、比較することに意味なんかないんだ」 「・・・だってさ、あいつらは村人を殺すけど、俺達はそんなことしねぇじゃん!」 所詮はガキだ。安っぽいヒューマニティーだけは人一倍ってやつだ。 「バット、村人は正義か?村人に罪はないのか?」 「ない・・・と思うけど」 「自分達が直面している危機に立ち向かおうともせず、何の主義主張すら持たず、ひたすら我が身 の無事だけを祈り、旅人である俺達には水一滴恵もうとしなかった彼らが正義なのか?」 「・・・」
「あれが正義だってんなら、俺はまだ、自らが信じ未来を託す指導者のために命をかけて立ち向か ってくるさっきのモヒカン野郎の方にシンパシーを抱くがね」 「ケッ、あんなのキングにくっついてるただのチンピラじゃねぇかよ!」 「あいつもお前を見て、まったく同じことを思ってただろうな」 「な・・・」 「お前、あいつと同じ気持ちを抱いて俺についてきてるか?」 「・・・」 「お前はまだガキだ。あのチンピラと同じことをやれとは言わんよ。ただ、本気でそう思ってるか どうか聞いてるんだ」 バットはうつむいたまま立ち尽くしていたが、不意に顔をあげてこう言った。 「分かんねぇよ。それにさ・・・」 「それに、何だ?」 「ケン、じゃぁあんたの正義って何だよ?」 「・・・」 今度は俺が言葉に詰まる番だった。さっきからそれを考え続けていたのだ。 「昨日だって、キングの手下をやっつけて村人を救ったじゃねぇか。あれがケンの正義じゃねぇの かよ?」 「客観的にはそう見えたかもしれん。しかし、俺の実感から言えば、あれはただ降り掛かる火の粉 を払っただけにすぎない。それが結果的に村人を助けただけであって、村人を助けるために戦った って訳じゃないんだ」
「答えになってねぇな。ケンの正義は?って聞いてんだよ」 「・・・そう簡単に見つかるもんか」 「じゃぁ偉そうに俺を問い詰めるのもヤメとけよ」 「あぁ、そうだな。今の俺は」 「今のケンは・・・何だよ?」 信じるものも持てず、あるべき未来も描けず、ただ戦いを繰り返すだけの人殺しだ。 「ケンは・・・立派だと思うわ」 細い路地から不意に現れた、小さな人影がそうつぶやいた。 「リン!ったく、どこ行ってたんだよ」 「バット、ごめんね。今夜寝る場所を探さなきゃと思って・・・」 「あぁ、もうそんな時間か。で、食い物は?」 「少しだけ、分けてもらえたわ」 「そりゃありがてぇや。続きは後にして、行こうぜ、ケン」 「二人とも先に行っててくれ。夜明けまでには戻る」 「どこへ行くの?」 「ちょっと気になることがあるだけさ。心配するな、リン」 「分かったわ・・・気を付けてね」 「あぁ」 あの男に会えば、何かが分かるかもしれない。あるいは殺されるかもしれないが。
結末も考えずに始めてしまいましたが ニーズがあれば続きを書きます。 >白雪☆さん 読んでますよ。連載中にお邪魔しちゃってスマソです。 >常居さん 忙しそうですが、続き楽しみに待ってます。
自宅から書けないので携帯から。 >ホイコーローさん イイヨイイヨ(・∀・)お邪魔歓迎でつ。 上ででてきたお題はいつかでるのかしら?楽しみです
乙。保守
今帰りました。 ホイコーローさん続き楽しみに待ってます。 こっちの続きは明日書きます。
てs
長塚の和りに、一瞬だったが女が不快そうな表情を浮かべた。彼女はまたもとの無表情に戻り、俺と長塚へ交互に視線を送った。 「あなたたち知り合い…よね」 女の言葉に長塚は無言で頷き、俺は彼女の目を見つめ言った。 「ああ、確かに知り合いだ。あんたの言いたいことは分かるぜ。俺らが組んでるんじゃないかって疑ってるんだろ?」 俺の言葉に、女は厳しい目つきで応えた。その目は俺と長塚の関係を疑った目つきだった。 「残念ながら、俺らはつるんではいない。長塚の安手は俺へのアシストに見えるだろうけど、今回はお互いにガチンコでぶつかってる」 俺がそこまで言ったところでサイコロが止まった。女はまだ納得できない様子で配牌を取り始めた。 「…俺と本多が組む?冗談じゃない。本多と組んで勝負するくらいなら両手の指全部つめるぜ」 長塚はそう言いながら配牌を取っていた。ヤツの目には尋常ではない光が宿っていた。 重くなりかけた空気を軽くするべく、岡部が口を開いた。 「姐ちゃん。つまんねぇこと言うなよ。兄ちゃんたちがつるんでいても勝てば問題ないだろ?」 女は岡部のほうに視線を移し、言った。 「それもそうね。…続けましょう」 女が無表情のまま切り出したのは一萬。それを受け、長塚が山に手を伸ばした。
44 :
◆PrrrrrrrrY :05/02/06 23:43:27 ID:+nu6pTQl
てs
31. 扉をあけようとするけど、さび付いているのかすごく重い。引っ張ってもびくともしない わ。コレでもかという力で引っ張ってみても開く気配がない。女の子の力だけじゃ無理っ てこと? 「リオはーーーーーーーん。それ、引くンやないでえ!押すンやーーーーー」 「・・・」 そ、そういうことでしたか。背中に恥ずかしい冷や汗をかきながら今度は思いっきり押し てみる。勢いをつけて扉にぶつかるくらいの勢いで。せーのっ! 扉が開いた瞬間瞬く光に包まれて、わたしは扉に吸い込まれていった。まぶしすぎて回り は全然見えない。体が溶けるような感覚がする。自分が溶けるような・・・いつしかわた しは気を失ったみたい。 『蒼の世界』Fin. ☆ タコスロ/大タコスロ(ミズホ:A400/A600-AT) ☆ クランキーコンドルと双璧をなす技術介入機。リールのスベリ(タコチューテーブル)と、 ビタ押しの快感。リプレイハズシによる獲得枚数UP。これらにより長期にわたって人気を 誇ることになる。「大」のほうは・・・(ry わたしは、BARが見えなくて泣いた記憶が・・・同じスベリなら、地球の裏側からスベっ てくる初代コンチネンタルとか、アラジン、ミスマジのほうが好きだなあ。
自宅から書けるようになったっぽい(`・ω・´) とりあえずダラダラ書いてます・・・いまいちオチがなくて すんまそんorzもうすこし内容を精査しなきゃな・・・ ていうか、ケンシロウまだー(チンチン
白雪さんおつかれさん
32.夜の世界 BGM:Comming Out Of Dark(Gloria Estefan) 現実世界から、蒼の世界へ。蒼の世界で出会ったタコの八ちゃん。でもそれもつかの間。 現実世界へもどるためにまずは夜の世界へ。とはいっても・・・いつ戻れるのかしら。な んだか、一生このままな気もしないでもないんだけど・・・もう、弱気なリオ。 (だいたい、なんでタコなの?んもう、わけわかんない!) (でも、悪い人(タコ?)じゃなかったし、せっかくの来訪者だって言ってたし、本当は すごくいい人(タコ?)だったのかもしれないなあ) (あんな感じですぐに別れちゃったけど・・・いつかまた会いに戻らなきゃ!) (というか・・・ここはどこ?) まだ目が慣れないなあ。秋の風みたいに、冷たいんだけどそれでいてどこか暖かさを残す ような空気を感じるわ。どこか森の中みたいな感じ。木々のかさかさ言う音が聞こえる。 襲われるかもしれないし、早く目を慣らさないと。 うっすらと目を開いてみると・・・やはりここは森の中みたい。夜のようだけど、月の明 かりが強いからかしら、周りはよく見える。ということはここは現実世界のどこか?
(2) 80人殺しただけで、俺はあの男の前に立つことができた。 (80人殺しただけで、か・・・) 俺は自嘲気味に苦く笑った。ひどく荒んじまったもんだ。自分の正義などという、他人にはどう でもいいことを確かめるために、80人もの人命を躊躇なく奪い、しかもそれを悔いてさえいない。 (あの日からだ。力ずくでユリアを奪われたあの日から・・・) その憎むべき相手が今、俺の目の前に立っている。 「久しぶりだな、ケンシロウ」 相変わらずキザな野郎だ。しかし、あの日のヤツとはどこかが違う。 「憎いだろうな、俺が・・・だが、お前と戦う前にどうしても言っておきたいことがあるんだ。聞 いてくれないか?」 「何だ、言い訳か?」 「どう取ってくれても構わない」 シンは一度深々とした息を吐いてから喋り始めた。 「確かに俺はお前からユリアを奪った。正直、俺はユリアに惚れてたよ。だが、それだけの理由で あんなことをした訳じゃないんだ。・・・拳王だよ、ヤツもまた彼女を狙っていた」 「拳王が!?」 「初耳だったようだな。俺にはユリアを攫う以外、拳王から彼女を守るいい知恵が浮かばなかった んだ」
「・・・しかし、ユリアは死んだんだろ?ここから飛び下りて!」 「噂を聞いたか。しかしそれは彼女を守るために俺が流したデマだ。彼女は・・・生きてる」 「本当か!?」 「あぁ、もっとも、もうここにはいないがね」 「なぜ?どこへやったんだ!?」 「拳王の配下が真相を確かめに来たのさ。だから逃がした。どこへ行ったのかは俺にも分からん」 「そうか・・・」 「ユリアのためを思ってやったことだが、今の話が言い訳になるとは思っていない。もしかしたら お前に任せておいた方が安全だったかのかもしれんしな。だから、謝る。すまなかった」 「・・・」 投げ付けようと用意していた悪罵が消えてしまい、俺は文字通り言葉を失っていた。 「さぁ、始めようか」 寂し気に微笑みながらシンは立ち上がった。 「始める?何を?」 「何って、戦いをさ。お前は俺を殺しに来たんだろう?あと2〜3年生きて、やりたいこともあった んだが、しょうがない、諦めるよ」 「待てよ、待ってくれ!」 「この期に及んで、俺を未練がましい男にするな!いくぞ、ケンシロウ!ワターッ!!」 相変わらず微笑んだままのシンの攻撃をかわし、反射的に拳を叩き込む。 キザな白いスーツが朱に染まる様を、俺は呆然と見ていた。
「これで・・・いい・・・ここで俺がお前に殺されることが・・・あのデマに信憑性を持たせるだろ う・・・グハッ」 「シン!しっかりしろ!お前、やりたいことがあるんだろ!」 「・・・あぁ・・・ユリアがここにいた時、戦争で親を失った孤児を集めてな・・・彼女、慕われて たよ。そ・・・それで俺も情が移っちまって、な・・・。ユリアの代わりの人材を育成する計画があ ったんだが・・・フッ、柄じゃねぇよな・・・」 「シン!」 「・・・どうやらここまでのようだ・・・さらばだ、ケンシロウ!」 最後の力を振り絞ってビルから飛び下りたシンの姿が、穢れのない白鳥のように見えた。
ホイコーローさん乙です。 なんかケンシロウがエヴァのシンジ君に見えてきて仕方がないですw つづきまだー(チンチン
53 :
( ´∀`)ノ7777さん :05/02/10 11:50:25 ID:JWDGXAsx
/ ■\ (〜^◇^)<やぐやぐ♪
(3) 「やっぱケンはすげぇよな!朝飯前ならぬ晩飯前にシンの野郎をやっつけちまうなんて!」 半分村人に吹聴するように大声で騒ぐバットが煩わしい。 「それで、ユリアさんは?」 リンだけが、俺の乾いた心をつかの間潤してくれる。 「逃げたらしくてな。行方は分からないんだ」 「そう・・・心配ね」 「また探すさ。それしかない」 噂を聞き付けたのか、少しずつ村人が集まりだした。シンの死によって配下は姿を消し、村は平和 を取り戻したかのように見える。 「ケン!ケンったら!今日は村中でお祝いしてくれるらしいぜ!久々にご馳走にありつけるって訳よ!」 歓声に沸き返る村人たちを、俺は冷めた目で眺めていた。 違う、俺はお前らのために戦ったんじゃない。シンはお前らのために死んだんじゃない。何も知らな い、無力で間抜けな群集。
彼らは、考える、想像するということを知らないのだろうか? ベースに「力への服従」があったとはいえ、シンの支配によってこの地にはある秩序がもたらされて いたはずだ。シン亡き今後、なりを潜めていた、あるいはシンに嫌々服従していた無法者が跳梁跋扈す ることになるだろうというのに・・・ 「リン、済まないが俺はちょっと出かける」 「今度はどこへ?」 「分からない・・・ちょっとひとりになりたいんだ」 「そう・・・でも、ケン・・・ちゃんと帰ってきてね」 「分かってる」 俺はそっと騒ぎの輪を抜け出した。
(4) 行くあても無いまま歩きながら、俺はシンのことばかり考えていた。 シンの愛こそ本物だった。そうしてヤツは、自身の信じる愛と正義に忠実であろうとし、愛のため に命まで投げ出した。 俺だってユリアを愛している。しかし、逆の立場だったとして、俺にシンと同じことができただろ うか?それほど深く激しく、彼女を愛していると言い切れるだろうか? シンが死ぬべきだったとはどうしても思えない。死ぬべきはむしろ・・・ 「もし、そこの旅のお方」 振り向くと、なかなかイイ女が立っている。コレだ、今ユリアのことを考えていたばかりなのに、 行きずりの女に目を奪われている。これで本当にユリアを愛しているなんて言えるのか? しかも、考え込んでいたとはいえ簡単に背後を取られるなんて・・・死ね俺。 「!!・・・胸に七つの傷!・・・ついに見つけたぞ!」 何だか知らないが、どうやら俺を探していたらしい。しかもこいつ、よく見りゃ男じゃねぇか。死 ね!マジ死ねよ俺。 「アイリを!妹を返せ!」 「妹!?・・・お前、奪われた妹さんを探してるのか?」 「とぼけるな!こうなったら力ずくでも奪い返してやる!」 女どころか、こいつ相当な遣い手だ。こりゃいい、手間が省ける。
「お前の妹さんに心当たりは無いんだが、そんなに俺が憎いなら殺すがいいさ」 そう言って俺は大の字に寝転がった。 なんてくだらない人生だっただろう。親父から北斗神拳を習った。そこそこ遣えるようになった。 ユリアに恋をした。彼女を奪われたと勘違いして、シンをはじめ、殺すべきでない人々を数えきれな いほど殺した。 もうたくさんだ。死ぬべきは俺だ。ユリアを見つけたところで、こんな男とよりを戻すのはまっぴ らだろうし。 「・・・お前、本当に知らないのか?」 「あぁ。別に信じてもらおうと思っちゃいないが」 「・・・確かに、お前から邪悪な気は感じないが・・・それならなぜ命を投げ出すようなマネを?」 「どうでもよくなっちまったんだ。好きな女も、友も、人としてのあたたかな心も失くしてね」 「女と友・・・死んでしまったのか?」 「女はどこかで生きてるかもしれん。友は・・・死んだ。俺が殺した!俺が!この手で!」 「落ち着け!シャウッ!!」 横っツラを張られ、俺は我に返った。頬が幾筋にも切れ、血が滴っているのが分かる。 それから俺達は名乗りあった、ヤツの名はレイ。彼は妹が攫われたいきさつを、俺はユリアを奪わ れてからのことを語った。 いつも間にか、今日も日が暮れようとしている。
東2局、和りをモノにしたのはまたしても長塚。 「ロン」 低く落ち着いた声で発声し、岡部の切った5ピンで牌を倒した。 二三四七七ABCEF 2(チー)34 ドラ西 長塚の手に女は眉をひそめ、何か言いたげな表情になった。だが何も言わず、厳しい目つきで長塚を睨んだ。 「そんな目で見るなよ。ずっと調子が悪かったから基礎工事が大事なんだ」 長塚はそう言うと言葉を続けた。 「基礎工事が終われば3コロにしてやるよ。じわじわと追い詰めてやるぜ」 親番を迎え、配牌を取った長塚はサディスティックな表情で一萬を切り、視線を俺に向けた。 「本多」 「なんだよ」 「今日の勝負で俺がお前より上だってことを証明するぜ」 俺は長塚を無視して、咥えたセブンスターの煙を肺に溜め込み、一呼吸おいて一気に煙を吐き出しこんなことを考えた。 『最終戦、ここまでは長塚の思惑通りだろう。だが、ヤツは俺を意識しすぎている。そこに隙ができそうだ』 俺は山に触れ、ツモった五萬を手の中に入れ北を切り出し、再び煙を肺に落とした。 「ふーん。コイツは…こうするのが最善だな」 岡部はそう言うと8ソーを横にして千点棒を出した。 「ダブリーだよ。かかって来いよ。派手にやろうぜ」 岡部はそう言うと、挑発するような笑みを浮かべ、俺たちを順番に見やった。 情報量が少ない以上、全員がこのダブリーに向かってくることが予想できる。だが、ここはソッコーで和りをモノにしなければ岡部のほうが苦しくなる。 『岡部のおっさん勝負に出たな。面白い』 俺はタバコをもみ消し、高揚感を味わっていた。
ほす
ほしゅ(´・ω・`) 続きかかなきゃだわ・・・
61 :
( ´∀`)ノ7777さん :05/02/14 05:54:55 ID:KZgkvs8O
三丁目下じゃあすいません、ずつ正確には全体そこをゾーン
33. あたりを見回しても木・木・木・木・・・木ばっかり。森なんだから当たり前?木以外に 何一つ見当たらない。聞こえる音はカサカサという木々のこすれる音と、フクロウの鳴く 声だけ。 ここまで状況を理解してふと思ったけど・・・ここって・・・すごい怖いんですけど。 明らかにオバケとか出ちゃいそうな雰囲気じゃない・・・狼とか出てきて食べられちゃう とか?そう考えると思考回路はブルーへ一直線になるわね。 どこをどう歩いているのか全然わからないんだけど、とりあえず月の出ている方向に向 かって歩いてみる。月は蒼かった。もしかして『蒼の世界』繋がりだったり?そんなこと ないわよね、さすがに。蒼いといっても、真っ青というわけではなく淡い水色がかった月。 その光が地面(といっても森なのでほとんど差し込んでこないんだけど)を照らしている。 森の緑と月の蒼い光が絡まりあって、幻想的な世界に見える(その分怖さ倍増なんだけど ネ)。 あら? 森が終わろうとしてる。やっと森の出口に出られたのかしら。月の方向に向かって正解 だったってことかしらね。ラッキーだったかも。はやる気持ちを抑えてゆっくり森の出口 に向かって歩いていかなくっちゃ。
GJ
34. 森の出口まではゆうに30分はかかったのは内緒。思ったより遠いのね。もうすぐ!と思っ ていた私は実は既にクタクタ。そういえばおなかすいたな〜 森を出るとそこは草原。青々と茂る草木。遠くが見通せるだけに森の中より不安は少なく なったね、ほっ。森の中ではあまり見えなかった月の光が草木一面に照っていて、青々と いうよりはエメラルドグリーンになっている感じ。そよそよと風が吹いていて、まるで自 分がエメラルド(宝石のことネ)の中にいるかのよう。時折吹く風が草木を揺らすことでエ メラルドが波打っているようにきれい。 なんて言ってる場合じゃないのよね・・・夜の世界に来たはいいんだけどこのまま誰にも 会わないままだとこの世界から抜け出すことも出来ないなんてことに・・・それにしても おなかすいたな〜 その願いが通じたのか、なんだかお肉が焼けるにおいがしてる。あとこれは・・・コーン スープのにおいかしら。どこかで食べ物が作られているに違いない!(というよりはそう 思わないとやっていけないわ・・・)。つまり人がいるってことよね! とにかくにおいのする方向へ!
俺の考えたとおり、岡部のダブリーに俺を含めた3人に焦った様子は無かった。 「まぁ当然向かってくるよな。ダブリーに降りるアホはいないよな」 岡部は機嫌良さそうに言うと、牌山に手を伸ばす。 「一発で…来ねぇ」 呟きながら岡部が三萬を切る。張り詰めていた空気が一瞬弛緩した。 「ダブリーは失敗だと思ってるだろ?でもよ結構プレッシャーかかるだろ?」 岡部が相変わらず機嫌良さそうに言った。この言葉に反応するものはいなかったが、確かにプレッシャーは感じた。 女が無表情のまま牌山に手を伸ばす。彼女がプレッシャーを感じているのかは分からなかった。だが、その目つきは獲物を狙う猛獣のような光があった。 女が切ったのを受け、長塚にツモ番が回る。ヤツはその大きな体から熱気を漲らせ、8ピンを切った。 「岡部のダンナ。通るか?」 岡部は長塚の言葉に笑みを見せ、頷いた。場には緊張した空気が漂い、俺は心地よさを味わいつつ牌山に手を伸ばした。