医師法:診療義務等

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1無責任な名無しさん
医師法に
診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、 正当な事由がなければ、これを拒んではならない。
とありますが、飲酒は「正当な理由」でしょうか?
飲酒していても診察を断れないなら、通常時でも起こるようなミス(点滴で出血とか)で訴えられ敗訴することはあるのでしょうか?
判例等、ご存知の方がいたらご教授ください。
2無責任な名無しさん:2001/08/18(土) 03:12
おりゃあよっぱらってないろ〜
といって千鳥足で歩けば拒否できるでしょう。
3無責任な名無しさん:2001/08/18(土) 09:42
>>1
 むしろ断らないほうが道義的責任が重いと思われ。ただ、救急告示や当番病院の
当直のように「酔っぱらっていてはいけないとき」に酔っぱらっていると、
訴えられるかも。
4へたれ開業医:2001/08/18(土) 10:30
“病気”は正当な拒否理由になるそうです。
酩酊状態が病気と同じかどうか、、、。
医者が風邪ひいて執刀し手術ミスした場合は、、、?
ようわからん。
5無責任な名無しさん:2001/08/18(土) 11:31
「酔ってます」はぎりぎりセーフ
胸を張れることでもないけど
6無責任な名無しさん:2001/08/18(土) 11:37
>>1
 「正当な理由」の他に「診療に従事する」がポイント。救急病院の当直医が
「診療に従事できないほど酔っぱらっている」という理由で断ったら、(診療に
従事する)医者不在ということで医療法違反になるばかりでなく、救急に関する
各種補助金の不正受給になりかねないので注意すること。
7無責任な名無しさん:2001/08/18(土) 13:24
この間そういう事件がありましたねぇ
患者側の気持ちもわかりますが、医師側が酒飲んじゃったから、
いっさい手当てできない、と言われると、実際問題困りますよね
古来から日本人が持つ、思いやりのの心があれば、問題はおき
ないのでしょうね
81:2001/08/18(土) 15:05
もちろん当直のときは飲みませんが・・・
・病棟患者の容態が急変
・救急外来に当直医では対応できない専門性の高い病気の患者が来た
などで、当直でなくとも自宅から呼び出されることがあります。
365日飲まずに過ごすというのは無理なので皆様にお伺いした次第です。

>7
まさにその事件をみて「人事ではないなぁ」と思った次第で。
事件当事者の医師は、休日にもかかわらず当直医には任せず
自分で病院に出向いて処置をして。
それであんな記事をかかれてしまってはあまりにかわいそう。
9無責任な名無しさん:2001/08/18(土) 16:10
>>8
 オフで自宅で飲んでいる者までなんで「診療に従事する医師」なのさ?
救急指定or当番病院以外の病院については、通常の入院患者+せいぜい
受診中の外来患者の通常管理ができる医者をおいておきさえすればOK。
 それの医者が見切れない飛び込み患者には「専門外」ということで
断るのに何のためらいも要らない。
 ただもし、仏心を起こして、オフ中のあなたを呼びだし、そのあなたが
病院に出勤してきたら、その段階で「診療に従事する医師」になる。
 あ、そうそう、ポケベル当直(懐かしい言葉・・)というのもあるが、
それに当たっていたなら、診療に差し支える飲酒はダメよ。それは
あんたの責任・・
10無責任な名無しさん:2001/08/18(土) 17:12
よく聞くのは、電車や飛行機の中で、「どなたかお医者様はいらっしゃいませんか?」となったとき、
医者は断れないらしいよ。それがこの条文の意味じゃないの?
但し、酔っぱらっていれば断ることができるそうで、
だから電車などに乗ると必ず酒を飲む、という医者を知っている。
1110:2001/08/18(土) 17:13
そういう意味で、「診療に従事する」というのは、
「診療時間中の」という意味じゃないんじゃないかな。
129:2001/08/18(土) 17:32
>>10
 そんなことはありません。電車や飛行機の中でそんな呼びかけがあっても
応じる必要は全くありませんし、仮に医者だと言うことがばれたにしても、
正々堂々断っていただいて結構です。マスコミは冷酷な医者とののしるで
しょうが、気にしないで結構です。
 もしあなたのおっしゃることが真実なら、医者は24時間365日、
ボケで入院してもいない限り断れないことになりますよね。
 真偽をお確かめになりたかったら、国会の傍聴席で腹痛を起こして
坂口厚生大臣か中原ソウ参議院議員(歯科医師だけど医者でもある)に
助けを求めてみたら?
13無責任な名無しさん:2001/08/18(土) 18:20
>>12
うん、あんたが、道ばたで七転八倒してても、ほっとくからいいよ
14無責任な名無しさん:2001/08/18(土) 18:58
>>12
ばかだなあ。
国会議員は、「診療に従事する医師」じゃないだろうが。
思いつきでモノ言うなよ。
1510=11=14:2001/08/18(土) 19:03
ここに、それらしきことが書いてあるよ。
http://village.infoweb.ne.jp/~fwik7750/lecture-jms/lec98-2.htm
1612=9:2001/08/19(日) 00:06
>>14
 バカはどっちだよ? 要するに診療に従事する医師というのは、現にスタンバイ
しているか社会通念上スタンバイしていると見なされうる者のみ。具体的には「現に
診療中の者」、「当直医」、「病院に呼び出されうる立場の医師」のほか、「開業の
場所に隣接して居住している開業医」などさ。15の判例だってみんなその範囲だろう。
飛行機や列車内で診療拒否して訴えられた例でもあるのかい?それとも、あんたの
自宅に患者(病院ストーカー)が押し掛けてきたら診るのかな?ww

 アメリカの話だけど、飛行機内で応紹した医師の医療行為には「善きサマリア人の
行い」というのが適用される。すなわち、善意で診てやるんだから、悪意がない範囲
での失敗には目をつぶるということさ。この法則がない日本の場合、仮に飛行機内の
「応紹義務違反」で訴えられても、そもそもそんなものはないし、負けるはずがないね。
17かんた:2001/08/19(日) 00:56
医師の応召義務について,昭和24年厚生省通達が出され,
判例の流れもほぼそれに沿った内容となっています.
↓通達
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/%7Ehourei/cgi-bin/t_docframe.cgi?MODE=tsuchi&DMODE=CONTENTS&SMODE=NORMAL&KEYWORD=&EFSNO=713

個々の事例の応召義務については医療機関の設備,場所,人員などにより
臨機応変に裁判所が判断します.例えば満床は診療を拒む正当事由と
なりますが,大病院では取りあえず外来で治療を続けながら
ベッドを確保することが可能という理由で正当事由とはならない,
ということなどです.

飲酒についても同様で代替医療機関があれば正当な事由となるでしょうし,
無医村であればよほどの酩酊でもない限り応じなければいけないかも
知れません.もちろん,その際でも開業医が診療所と隣接している自宅で
飲むのと,勤務医が病院から離れた自宅で飲んでいるのでは差が出ると思います.

詳しい文面は忘れましたが,過去の名古屋地裁の
裁判例で「一般的に・・・医師に対して年中無休無制限の義務を課すのは
実際的ではない.」と応召義務の限界についての見解が出されています.

よって応召義務はかなり厳しいものですが,飲酒時も含めて
あくまでもケースバイケースと言えるでしょう.
1812=9:2001/08/19(日) 01:14
>>17
 あのなあ、おれが一貫して問題にしているのは「診療に従事する」と
いう部分であって「正当な理由」についてコメントしているわけではない。
 17の通達にしても「正当な理由」の列挙であって「診療に従事する」と
いう部分の説明ではない。(唯一、診療時間外についてふれているけど、
勤務先医療機関の中にいる医者はスタンバイ状態=診療に従事するという
のはあったりまえじゃない? ただそれを飛行機内にまでもちこむことに
無理があると言っているのさ。

 名古屋地裁の判例は知らなかったが、極めて妥当とおもう。それが
「診療に従事する」ということについての真っ当な解釈だよね。
191:2001/08/19(日) 01:41
たくさんのご教授ありがとうございます。
話を総合すると、入院患者の容態が急変した場合、
主治医は飲酒中であれば診療を行わず、
当直医に任せてよいということになるのでしょうか。
それはそれで、実際の臨床の現場では文句が出そうですが・・・
2012=9:2001/08/19(日) 02:02
>>19
 そうそう、それでよいのです。
 そもそも応紹義務は患者側の招きに対するもので、入院患者の急変に
より応紹義務が生じる範囲は当直医と包括的には「病院」ということで、
当直医や院長から呼び出されるあなたに生じるものではありません。
 あなたに応紹義務があるとしても、それは就業規則の範囲のお話で
医師法は関係ありません。
 もしそれで手に負えなくなったら他の医師(他病院を含む)を呼ぶか
転院させればよいことで、一連のことで対外的に責任をとらされるのは
当直医と病院管理者くらい。ったあなたは病院内で責任をとらされるこ
とになるかも知れませんが、就業規則違反さえなければ、仮に院内処分を
受けても無効訴訟で勝てます。
 ただ、もしその入院患者の主治医があなたなら、応招義務はやや微妙かな?。
21かんた:2001/08/19(日) 06:42
>「診療に従事する」

医師法第19条にある応召義務は,第17条に規定されている医師の医業独占
からくる公法上の義務です.そして「診療に従事する」=「医業を為す」と
解釈できます.医業を為すとは,反復継続の意思を持って医行為を行う
ことで,この解釈は判例としても確立されています.
↓判例
http://courtdomino2.courts.go.jp/schanrei.nsf/FMain?OPENAGENT&0&93D14751EE0CE5EE49256AAC0075CB13&1

以上の理由によりたまたま機内に乗り合わせていた医師などは診療に従事する
医師ではないため応召義務は生じません.尚,応召義務には罰則規定が
ありませんが,場合によっては行政処分が下されます.
↓厚生省通達
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/%7Ehourei/cgi-bin/t_docframe.cgi?MODE=tsuchi&DMODE=CONTENTS&SMODE=NORMAL&KEYWORD=&EFSNO=728

応召義務は医師と患者の関係を規定する私法ではないため従来は
これを根拠に損害賠償請求は出来ないとされてきましたが,
判例の流れは応召義務違反により患者側に損害を与えた場合,
損害賠償請求が認められるようになっています.

尚,米国と法体系の異なる日本にはGood Samaritan Lawsがありませんが,
ローマ法の流れを汲むヨーロッパ大陸諸国と同様事務管理という条文があります.
機内で急病人治療に当たった場合,民法第968条緊急事務管理が成立するため
免責となる可能性は高いのですが,一般になじみがある法律ではないため
この概念を周知させることにより救急のボランティア医療が促進されるとは
考え難いところです.ですから,日本版良きサマリア人法の新規立法も
検討すべきと考えています.
22かんた:2001/08/19(日) 06:43
訂正
民法第968条→民法第698条
2312=9:2001/08/19(日) 09:05
>>21かんたさん

>以上の理由によりたまたま機内に乗り合わせていた医師などは診療に従事する
>医師ではないため応召義務は生じません.
は小生の主張していたとおり、このとおりと思いますが、あなたの引用されている
判例や通達のどの部分から「診療に従事する」範囲を読み込めばよいのでしょうか。
 また、「医業」と「診療に従事する」との関係はどうでしょうか。

 ×応召 ×応紹 ○応招 ですね。
24無責任な名無しさん:2001/08/19(日) 10:03
>>17
うーん、「訴えられた例」ねえ・・・行政法規と民事・刑事関連法規の違いもわからないようじゃ
議論ができないね。もう少し頭を整理したほうがいいよ。
応招義務違反は医師法という行政法規違反。しかも罰則がない。従って、この違反をすれば必ず刑事・民事で訴えられるということにはならないんだな。
もちろん、応招義務違反でも不法行為を構成しうる、として21さんのあげた話や
オレの引用した15であげたサイト内の判例がある。しかし、応招義務違反、イコール
不法行為を構成、ではないよ。

>>かんたさん
あなたの引用する判例や定義付けから、結論「飛行機内での医師は応招義務がない、となるのか
わかりません。かみくだいて説明してください。
2512=9:2001/08/19(日) 14:41
>>24
 ここは2ちゃんねるであって大学やLECではないぞ。おまえがどんなやつか
知らないが、自分の無知無力をを隠すのに、よりにもよって
>行政法規と民事・刑事関連法規の違いもわからないようじゃ
>議論ができないね。もう少し頭を整理したほうがいいよ。
だとさ。
 笑わせるじゃないか。この2ちゃんねるスタジアムでできない議論なら、
おまえの不戦負けじゃん。ppp。

>>21 かんたさん。ぜひご教示お願いします。
26うんこ逝ってよし!!:2001/08/19(日) 14:52
お前にとっては2chはスタジアムであって、勝ち負けの問題になるのかよ(藁
さっさとパチンコに逝け!!
そんで貢いでこい!!
2712=9:2001/08/19(日) 14:57
>>26
 このような捨てぜりふを残して逃げ出しましたとさ。
メデタシメデタシ
28うんこ逝ってよし!!:2001/08/19(日) 15:28
残念! 俺の書き込みは26が最初。妄想でモノを言うのはいい加減やめたら?

>(診療に従事する)医者不在ということで医療法違反
所で6を見ると笑っちゃうんだが、12=9ってヴァカだよね〜
こういう書き込み見てると思わずほっとするんだけど。
以降の書き込みは、必死で検索かけて付け焼き刃的に
知識を詰め込んだようですな〜
2912=9:2001/08/19(日) 16:06
>>28
>>(診療に従事する)医者不在ということで医療法違反
>所で6を見ると笑っちゃうんだが、12=9ってヴァカだよね〜
 にげたうんこがこっちを振り向いて下呂出しています。

 あのなあ、病院には必ず(医師が隣接地に居住する場合を除いて)「当直医」を
おかなければならないわけ。その当直医が医療行為ができない正当事由を構成する
ほど酩酊していたら、すなわち「医師不在」ということになるじゃん。
30無責任な名無しさん:2001/08/19(日) 16:09
やった〜
当直医自身の職務懈怠が問題なのであって、いることにちがいはない。
3112=9:2001/08/19(日) 21:07
>>30
 29をよく読め。いないも同然の医者とは、怠慢で医療行為をしない医者のことではなく、
応紹義務を正当事由で免除されるほど医療行為不能の酩酊状態になっている場合のこと。

 それとも、意識不明の医者でもいさえすればいいのかな??
32無責任な名無しさん:2001/08/19(日) 21:22
緊急事態の時、素人が傷口抑えてるより
酔っぱらい医者でも治療してもらった方がいいなぁ
3324:2001/08/19(日) 21:42
>>12=9
オレは、24で書いて以来、この33までカキコはしてないが?
24時間ここに貼り付いているわけではないのでね。
つまりアンタに呆れている輩が、オレ以外にもいるってことだね。ははは。

それから>>25への返事ね。
オレの「議論」は24に書いてあるから。アンタはわからないようだったけど
一応説明してあげたんだよ。
アンタ、まさか法律家じゃないよね?常識論(自分が常識と思っている範囲のね)しか言ってないからな。
法律家だったら同業者として恥ずかしいよ。
3424:2001/08/19(日) 21:47
それから、かんたさんに説明して、と書いた真意だが
かんたさんは詳しいようだが、その割に論理的飛躍があるので、一応丁寧に尋ねただけだ。

それに、12=9だって、自分だってかんたさんに23で質問しているじゃん。
ぷぷぷ。
このスレで自爆して一人負けだな。
35かんた:2001/08/19(日) 21:52
航空機内で急病人が発生したときにたまたま同乗していた
医師に対して応招義務は生じないというのは私の仮説で
確立された学説ではありませんし,そのような判例も通達もありません。
しかし,以下の4つを根拠により私は応招義務なしと判断しています。

1.診療を拒む「正当事由」に関する学説及び過去の判例からの類推。
2.事務管理に関する学説からの類推。
3.条文の解釈。
4.慣習。
36かんた:2001/08/19(日) 21:52
1. 診療を断る際の「正当事由」に関する学説及び過去の判例からの類推。
応招義務は,医師に医業独占を認める免許と引き換えに国に対して負う
公法上の義務で,診療を拒む際には正当な事由が必要とされています(1)。
正当な事由について裁判所は,患者の病状,診療を求められた医師または
病院の人的・物的能力,代替医療施設の存否等の具体的事情を考慮して
事例ごとに判断しています。そして過去の判例・学説・通達で示された正当な
事由について,平林は下記のように簡潔にまとめています(1,2)。
・医師の不在または病気などにより診療が不可能な場合。
・専門外の診療を求められたのに対して,利用可能な他の専門医が
いることを告げてこれを拒否した場合。
・夜間・休日の診療体制が整備されている地域で,夜間・休日に
診療を求められたのに対して,担当の医療機関で受診するように告げて,
これを拒否した場合で,かつ,応急措置が必要とはされない場合。
・勤務医が自宅で診療を求められたときに,これを断った場合。
37かんた:2001/08/19(日) 21:53
さらに,再掲ですが,名古屋地裁では判決中に医師の応招義務に関して
一歩踏み込んだ「一般的」見解を出しています。
「一般に医師は(中略)祝祭日または休日などの休診日あるいは診療時間終了後に
おいてまで常に通常の診療時間帯と全く同程度の診療業務に就くべき義務を
負うわけではない。けだし,そのように解しないと,医師に対し年中無休の
無限定の責務を課すことになり,実際的ではないからである。」(3)。
以上,学説上は自宅にいる医師に応招義務が課されないこと,裁判所からは
医師に無制限の責務を課すのは実際的ではないとの見解が出ていることから,
たまたま居合わせた医師に対して応招義務が生じないと類推されます。
38かんた:2001/08/19(日) 21:53
2.事務管理に関する学説からの類推。
小野幸二編著書の「債権各論」305ページには以下の記載があります(4)。
「たまたま乗車していた医者が急患に会い,本人の依頼を受けずに
応急処置したようなときは,緊急事務管理となる。」
内田貴著書の「民法U債権各論」514ページには以下の記載があります(5)。
「たまたま医者が行き倒れの人を見つけて自分の病院に運び治療をした場合は
どうだろうか。医師の治療行為は事務管理になるが・・・・。」
このように法律学者は,たまたま居合わせた医師には民法697条事務管理もしくは
民法698条緊急事務管理が成立すると考えています。697条及び698条の
成立要件の一つが「本人との関係で,法律上の義務がないこと。」です。
医師法と民法はその法的性質が異なりますが,国民は医師の国に対する
義務の反射的利益を受けていること(1)及び応招義務違反により患者に
損害を与えた場合民法第709条不法行為に基づく医師の民事責任が
認容されていることから,応招義務を民法である事務管理の
要件「法律上の義務」に含めることは可能と考えます。
以上のことから法律家たちは通りすがりの医師は応招義務を
持ち合わせていないと解釈していることが推測されます。
39かんた:2001/08/19(日) 21:54
3.条文の解釈。
医師法第19条は「診療に従事している医師」に対して応招義務を課しています。
これは裏を返すと診療に従事していない医師に対して応招義務を
課すことには法律的理由がないことになります。つまり通りすがりの医師には
応招義務が生じないと解釈出来ます。第17条医業独占規定との関連も重要です。
「医業をなすこと」と「診療に従事すること」の関連については
何ら判例も通達も出ていませんが,医師法第17条と第19条は
独占的特権を与えるが故の応招義務,という表裏一体の関係にあるので
同じ意味と解釈出来るのではないかと私は考えています。
千葉地裁であった「小児科たらい回し事件」の判決中に以下の記載があります。
「病院は,医師が医業をなす場所であって傷病者が科学的でかつ適正な診療を
うけることが出きる便宜を与えることを主たる目的として運営されなければ
ならないから,医師についてと同様の診療義務を負っていると解すべきである。」
つまり,「医師が医業をなす場所は診療義務を負っている。」ということです。
これは医師法第19条を病院にも当てはめた判決ですが,19条の表現を使って
書き換えると「医師が診療に従事する場所は診療義務を追っている。」となります。
従って,「医業をなす」=「診療に従事する」と解釈しています。
40かんた:2001/08/19(日) 21:55
前記のように医業とは医行為を業とすることです(1)。
これを航空機内の「診療」に当てはめると,業としているかが
焦点となります。しかし,これも前回書いたように,「医業とは反復継続の
医師をもって医行為を為す」ことが判決にて確立されています。
従って,機内でのその場限りの「診療」は医行為となっても業には
あたらず,医業をなしていない=診療に従事していないと解釈可能です。
従って,第17条との関係からも医師に対して応招義務は生じないと考えます。
41かんた:2001/08/19(日) 21:55
4.慣習。
航空機内で診療している医師たちに報酬は支払われていません。
英国の医師が機内での診療に対して航空会社に報酬を請求した
少額訴訟がありましたが,会社も裁判所もこれを認めず医師側が敗訴しました(6,7)。
さらにこの医師の行動に対して世界中の医師から疑問の声があがりました(6)。
このことから,航空機内での医療行為においては報酬請求権が認められないことが
慣習となっていることがわかります。医師に応招義務だけ課しておいて報酬を認めない
のであれば法益の均衡が崩れることになります。従って慣習法からも
医師の応招義務は生じないと推測されます。

以上の4つの理由により私は航空機内にたまたま乗り合わせた医師には
応招義務がないと考えています。
もっとも私は法律の素人なので,法学的誤りがあるかも知れません。
ご意見等御教示お願いします。
42かんた:2001/08/19(日) 21:56
引用文献
1.平林勝正;医師に対する法的規制,医療と人権,40-80,1984年,有斐閣,東京.
2.渕上玲子;専門科目外の医療をする医師の義務,医療過誤訴訟法,167-179,2000年,
青林書院,東京.
3.判例タイムズ519号,221-233,1984年.
4.小野幸二編著;債権各論,1990年,八千代出版,東京.
5.内田貴;民法U債権各論,1997年,東京大学出版会,東京.
6.Dyer C. Doctor demands payment for helping airline passengers. BMJ, 701, 317, 1998.
7.In-flight incidents [editorial] Lancet; 352: 1719, 1998.
4324:2001/08/19(日) 22:15
>>かんたさん
詳細なレス、ありがとうございました。
やはり法律家でなく、医療関係の方ですか?

さて、詳細な解説、とてもありがたく思います。私もオフィスに医療法や医師法のコンメンタールがなく、
正確な議論ができないので恐縮なのですが、問題点の指摘をさせて頂きたく。
本問題で最大の問題は、「診療に従事する」の解釈が、現に診療に従事中の医師のみのことをさすのか、
日常的に診療に従事している者も含むのか、の問題だと思います。
推測で物を言っては恐縮なので、私の方でも調べてからレス致します。
44ななし:2001/08/19(日) 22:19
>>43
とりあえず、うちでは後者の解釈でできるだけ対応してる。
だけど、専門外は勘弁という本音を持つ医者は多いね。

だって、専門以外はほとんど何もできない医者って多いし。
4543:2001/08/19(日) 22:33
>>44
そのほうが安全ですね。
法律家としても、そういうアドバイスをする方が安全ではあります。
46無責任な名無しさん:2001/08/20(月) 09:29
あげ
47異邦人さん:2001/08/20(月) 21:28
機内で病気になった。だけど唯一の医者は酔っ払ってる!

その時、酔っ払いに治療を頼むか、着陸まで我慢するか。究極の選択だ!
48無責任な名無しさん:2001/08/22(水) 07:52
>>47
>機内で病気になった。だけど唯一の医者は酔っ払ってる!
>その時、酔っ払いに治療を頼むか、着陸まで我慢するか。究極の選択だ!

 この場合、医師に応紹義務はないものと信じていますので、「究極の選択」を
するのはあくまでも医師の側であると考えています。
49無責任な名無しさん:2001/08/22(水) 09:20
>本問題で最大の問題は、「診療に従事する」の解釈が、現に診療に従事中の医師のみのことをさすのか

狭義で前者、広義で後者。
どちらも理論的には成立つものです。したがって、裁判官によって判断がわかれるところでしょう。
もちろん刑事であれば有罪になる可能性はほぼなし、しかし民事であれば五分五分でしょう。
というのも、現に患者が被害状況にあり、医師が保険に加入していて敗訴しても実損なしだと
判決は微妙にぶれることがありますので、ケースバイケースとしかいいようがないです。

なお、かんたさんご指摘の「医業独占と治療義務」の論点は、将来判例ができる際に
おそらく重要な判断基準になると思われます。
50無責任な名無しさん
>>49
>・・医師が保険に加入していて敗訴しても実損なしだと

医師の保険(たとえば医師会のA2会員保険など)って、飛行機の中の
ボランティア診療行為までカバーされるのだろうか?

無理だと思う→例としてあげるにはふさわしくない と思うけどな。