>>144 一 Xの請求について
Iによる契約の誘引に対するXの申し込みにより契約は有効に成立する。なぜならたとえIが詐欺目的でありXがそれを
冗談と知っていたとしても、Iの動機は未だ実現するに至っておらず、心裡留保(民法第93条)によりXはIの真意を推測
していたとしても自己の意思表示どおりの契約責任を負わねばならないからである。ゆえにこの時点でIX間には有効な
契約がある。
次にIはその契約に基づきXに仕事の履行を求めたが、Xは仕事に取り掛からないので契約上の義務不履行がある。さら
にはむしろXに契約の意思がなかったことが明らかとなっているので、むしろ、IがXに対して信頼利益などの損害賠償請
求をしうる余地が出てくる。XがIに対して民法上の主張をすることは不可能である。
二 Hの請求について
事実が意味不明であり、法律論を展開する以前の問題がある。
以上