1 :
氏名黙秘:
2 :
氏名黙秘:04/09/06 05:16 ID:???
早起きは三文の徳
2ゲット
3 :
氏名黙秘:04/09/06 06:46 ID:???
4 :
氏名黙秘:04/09/06 07:32 ID:???
修正旧過失論の論証が分からない。
5 :
30:04/09/06 08:22 ID:???
6 :
30:04/09/06 08:26 ID:???
>設立趣意書
>絶対量的に勉強時間が足りてない気がすると、 添削・模範解答ほど有用な勉強資料はないはずなのに、
>論文の添削はまったく役立たずなものばかりで、しかもボロクソの「模範解答」がついてくる。
>そうすると「こっちは本番まで時間がないんじゃ、ボケ」と思って、メチャクチャ腹が立ってくるんですよね。
>ここにいるみなさんのなかに、添削や「模範解答」を評価してる方なんて全然いません。
>だから、それらに対する「怒り」がこのスレの存在理由であるというのは、
>その「怒り」は表現する必要もないくらいの大前提ということなんです。
>どうしようもない(と思える)採点者や救いようのない「模範解答」に対する不満は、
>このスレではもう少し具体的な論文・論点に関して語ることが有益だと思います。
7 :
氏名黙秘:04/09/06 12:21 ID:???
前スレの>573
@私企業の場合を先に検討した根拠はなんですか?
→その方が流れがよく書けると自分は思いました。
A709条の問題にはなりえるのではないでしょうか?
→内定とかとった後で、採用破棄になるとか、保護に値する期待権が生じた後に限ると思います。
Bまた、一で公務就任権という題目をあげながら、その小項目で私企業への採用を要求する権利、
を論じるのはちょっとちぐはくなような気もします。
→自由競争のメカニズムという視点から、私企業では法律の規制なし、公務員の場合は規制あり
という流れにしたかったので、特にちぐはぐだとは思いません。
ちょっと所要ができました。以下はのちほど。
8 :
氏名黙秘:04/09/06 12:40 ID:???
前スレの>573
C>それ以外の事由による差別は、人権の性質に応じて二重の基準によって判断すべきである
ここに2重の基準の具体的規範を入れるべきようにも思えます。
→僕も読み直してみて、14条の一般論に関する論述が薄いなと感じたので、おっしゃるとおり
だと思います。この部分を書き直してみます。
D三は多少わかりずらかったです。
→僕も解答に迷いました。他の答案例とかを参照すると、頭髪の自由の問題としているものが
多かったので・・・。
→目的の正当性を認めて、手段の必要最小限度性で切るほうが、書きやすいですね。ありがとう
ございました。
一、本問では、ある市の一般職員になろうとする者の公務就任権が、他の受験者との関係で、差別されている。
まず、本問で比 較の対象とされている私企業が、同様の差別をした場合について考えてみる。
1.私企業が、設問のような採用条件を設け、健常者あるいは長髪の男性の採用を拒否したとしても、
憲法違反ではない。
そもそも私企業に対して採用を要求する人権は存在しない。私企業は、契約自由の原則により、
自由に従業員の採否を決 定できる。
もっとも巨大企業の場合、その社会的影響力にかんがみ、私法の一般条項を通じて、人権規定が
間接的に適用される。し かし、採用拒否は契約前の事実行為にすぎないから、法律行為の無効に
関する民法90条違反の問題は生じない。また、不 法行為(民709)の権利侵害を認めることも困難である。
このように私企業の場合、憲法違反の問題は生じないが、採用に当たり不当な差別をした企業は、
世論の非難を浴び、自 由競争のメカニズムの中で淘汰されていくから、不都合は生じない。
2.これに対して、自由競争のメカニズムのはたらかない公務員の採用の場合、差別的な採用が行われ
ないように、法律(設 問では条例)で採用条件を定める必要がある。
なぜなら、公務就任権は、公務員の選定罷免権を保障した憲法15条1項で保障された人権だからである。
二、本問の条例では、身体障害者について健常者に優先して一定割合で採用することが
定められている。
1.このように社会的弱者に優先枠を設けるアファーマティブ・アクションも、健常者に対する
逆差別にならない限り憲法14条に違反しない。問題は、逆差別となるか否かの判断基準である。
思うに、「法の下の平等」(14条1項)とは、同一の条件の下では同一の取扱いをしなければ
ならないという相対的平等を意味する。そして、この相対的平等の要請は、法適用においてのみ
ならず、立法においても作用する。
差別的立法の合憲性の審査については、次のように考える。
思うに、後段列挙事由による差別は、歴史的に差別が行われてきた事由を列挙したものである。
したがって、それに該当するときは、違憲の推定をはたらかせ厳格に審査すべきである。それ以外
の事由による差別は、人権の性質に応じて二重の基準によって判断すべきである。
すなわち、精神的自由権や参政権のように、個人の人格の発展や政治的意思の表明に関する
人権について差別がなされたときは、目的の必要不可欠性と手段の最小限度性とを厳格に審査する。
これに対して、経済的自由権に関する差別については、合理性の基準による緩やかな審査で足りると考える。
2.本問の健常者たる身分は、自己の意思によって脱却できない地位ではないから、
「社会的身分」に当たらない。しかし、公務就任権という参政権(15条1項)の性質を
有する人権に関する差別であるから、目的の必要不可欠性と手段の最小限度性とを
厳格に審査する。
思うに、公務員の採用決定について身体障害者に優先枠を設けるということは、社会
的弱者の救済を目的とするから、福祉国家の理念(25条)や勤労の権利(27条)に照らして
必要不可欠な目的である。
しかし、その手段として優先枠を設けるということは、社会的弱者の救済を国民全体の
コストとするのではなく、採用試験のボーダーライン上にある受験者のコストにするものである。
トップクラスで合格する者には影響はないし、結局、ボーダーライン上にある一部の者の
公務就任権を侵害することになる。
それゆえ、設問にいう一定の割合が、条例の目的を達成する上で社会通念上合理的と認め
られる範囲を超えれば、必要最小限度の差別的取扱いとはいえず、違憲になると考える。
三、肩までかかる長髪の男性の採用を拒否することは、歴史的に差別されてきた女性の
公務就任を促進するためのアファーマティブ・アクションではない。したがって、後段列挙
事由である「性別」による差別ではない。しかし、長髪男子であることという受験者の属性
によって、その公務就任権に差別を設けるものであるから、目的の必要不可欠性と手段
の必要最小限度性とを厳格に審査しなければならない。
条例の目的は、公務員に清潔感をもたせるとか、住民感情に配慮するといったものであろう。
このような規制目的が必要不可欠かどうかは議論のあるところであろうが、少なくともこれらの
目的は憲法が保護しようとする利益には当たらない。
しかし、毎日シャンプーしていれば、長髪が特に不潔というわけではない。また、男子の長髪が
不潔であり、女子の長髪が不潔でないと考えるのは、あまりに主観的な言い分である。規制する側は、
一部の住民の意見を、全住民の感情と強弁している可能性もある。
したがって、目的の必要不可欠性に疑問があるだけではなく、手段において必要最小限度を超えて
いるので、14条に反する不合理な差別であると考える。
以上
13 :
131:04/09/06 20:18 ID:???
>>1さん
>>30さん
スレ立て乙です。
>>9-12 非常に分かりやすくなってますね。規範とあてはめの分離、自分も気をつける契機になります。
14 :
573:04/09/06 21:36 ID:FVHinRu7
わかりやすくなって参考になります。
@一では大前提として、公務就任権を問題にしています。しかし、私企業の場合に公務就任権が問題になりえますか?
A>しかし、採用拒否は契約前の事実行為にすぎないから、法律行為の無効に
関する民法90条違反の問題は生じない。また、不法行為(民709)の権利侵害を認めることも困難である。←
事実行為でも、不法行為は問題になり得ますよね。とすれば、
>>7で、おっしゃるように、
>>保護に値する期待権が生じた後に限ると思います」の一文を挿入した方がいいと思います。
B三
結論として、目的は必要不可欠でなく、手段は必要最小限でない、ということですから、
>>しかし、毎日シャンプーしていれば・・・」ではなく、「そして」乃至「また」という接続詞で
つなぐべきではないでしょうか?い。
15 :
573:04/09/06 21:44 ID:FVHinRu7
一1私企業による差別は、私人の職業選択の自由の侵害、乃至、他者との関係で、平等権を侵害されている、と考える余地はありませんか?
侵害されていると考える余地がある場合には、709条の問題にはなり得るように思えますが、どうでしょうか?
16 :
481:04/09/06 22:31 ID:???
>>9-12 > もっとも巨大企業の場合、その社会的影響力にかんがみ、私法の一般条項を通じて、人権規定が
> 間接的に適用される。
「巨大企業の場合」という留保は不要なのではないでしょうか。
> 1.このように社会的弱者に優先枠を設けるアファーマティブ・アクションも、健常者に対する
> 逆差別にならない限り憲法14条に違反しない。
「逆差別」という概念の意義が不明確だと思います。
極端な話、アファーマティブ・アクション=逆差別ともいえますし。
「逆差別にならない限り」という留保は不要なのではないでしょうか。
単に審査基準の選択・あてはめの問題に解消してよいのではと思います。
> 2.本問の健常者たる身分は、自己の意思によって脱却できない地位ではないから、
> 「社会的身分」に当たらない。
当たる、というあてはめのほうがいいような。
わざわざ芦部説を持ち出す必要がなくなり、論述がすっきりしますし。
> それゆえ、設問にいう一定の割合が、条例の目的を達成する上で社会通念上合理的と認め
> られる範囲を超えれば、必要最小限度の差別的取扱いとはいえず、違憲になると考える。
なぜ「それゆえ」でつながるのかわかりませんでした。
> 三、肩までかかる長髪の男性の採用を拒否することは、歴史的に差別されてきた女性の
> 公務就任を促進するためのアファーマティブ・アクションではない。したがって、後段列挙
> 事由である「性別」による差別ではない。
アファーマティブ・アクションでなければなぜ「『性別』による差別ではない」といえるのか
わかりませんでした。
17 :
418:04/09/06 23:21 ID:???
>>15 > 一1私企業による差別は、私人の職業選択の自由の侵害、乃至、他者との関係で、平等権を侵害されている、と考える余地はありませんか?
> 侵害されていると考える余地がある場合には、709条の問題にはなり得るように思えますが、どうでしょうか?
どのような法律構成でしょうか。私人間直接適用説でしょうか。
平等権侵害より、人格権侵害構成のほうがよりとりうる構成だと思います。
ただ、動機・行為態様の悪辣性等の絞りがかかると思われます。
18 :
河童:04/09/07 10:28 ID:???
>>1さん、30さん
重ね重ね新スレ、どうもありがとうございました。
さて、
>>9 一の2
>これに対して、自由競争のメカニズムのはたらかない公務員の採用の場合、
>差別的な採用が行われないように、法律(設問では条例)で採用条件を定める必要がある。
>なぜなら、公務就任権は、公務員の選定罷免権を保障した憲法15条1項で保障された人権だからである。
これは、やや問題でしょう。自由競争のメカニズムの不存在は、あくまで周辺理由のひとつです。
最も核心的な問題点としては、公権力が、例えば「長髪」、例えば宗教、例えば性別を理由に、
国民の公務員就任権を否定することが13条、14条、19条、20条等との関係で許されるか、ということでしょう。
(私企業には契約自由の原則が妥当するが、国家・地方公共団体はそうではない。)
この点について、「外国人=非日本国民」を理由に公務員就任権を否定することは、
国民主権という重大な制約根拠があって、一定範囲で許されると解されていますよね。
それとの比較上、「長髪=公務員就任権を全否定」の正当化根拠はあまりに脆弱ということになりましょうか。
(ここまで含んでいるご指摘もあるようにも思えましたが一応)
19 :
河童:04/09/07 10:36 ID:???
そういえば、長髪の自由の憲法上の根拠(13条)・・・もっと積極的にいくなら、
長髪の自由は憲法で保障されるか(あるいは、保障されていること)については触れたほうがよいのでは?
これが高校生について保障される人権か、という判例関連問題の応用とでもいうべきものでしょうから。
これが憲法上保障された(あるいは、十分に尊重されるべき)ものであるとするならば、
ますます合憲審査基準を厳しく設定する根拠のひとつになりますよね。
20 :
氏名黙秘:04/09/07 13:00 ID:???
21 :
氏名黙秘:04/09/07 13:10 ID:???
>>14 @その直後に、私企業に対して採用を要求する人権はないといっているから、問題はないよ。
Aややこしくなるから、言い切りの方がいいと思う。
B目的審査において、目的にケチをつけているわけだから、「しかし」よりも、順接の方がいいですね。
22 :
氏名黙秘:04/09/07 13:11 ID:???
>>20 512KB規制をご存知ですか?
ここは次スレ。
23 :
氏名黙秘:04/09/07 13:17 ID:???
後段は男女差別じゃないの?
長髪差別はなんかずれてない?
24 :
氏名黙秘:04/09/07 13:18 ID:???
>>15 「侵害されているかが問題となる」に訂正してください。
>>16 中小企業は不景気で苦労しているので、人権の私人間適用はかんべんしてください。
>「逆差別にならない限り」という留保は不要なのではないでしょうか。
→でも、芦部はそんな書き方してなかった?
>アファーマティブ・アクションでなければなぜ「『性別』による差別ではない」といえるのか
わかりませんでした。
→女性差別というのは、女性の人格蔑視に基づく差別に限定すればいいと思うのです。
まあ、それに当たるか否かを厳格に審査する必要はありますが。
→ここでは性別による差別ではないといことよりも、前段との関係で、アファーマティブ・
アクションではない、ということだけを言いたかったのです。
25 :
氏名黙秘:04/09/07 13:43 ID:42fl0J9U
>>21 @問題ない、思いこむののは結構ですが、読者に誤解を与えるという意味です。
26 :
481:04/09/07 14:09 ID:???
>>24 > 中小企業は不景気で苦労しているので、人権の私人間適用はかんべんしてください。
大企業だけに私人間適用されるとすると、その理論的根拠、
また、どこで 中小との線引きするのか、という大きな問題が生じてくると思います。
間接適用説に立つ限り、中小企業に適用されると考えたとしても、
特別不合理な結論は回避できると思うのですが。
> >「逆差別にならない限り」という留保は不要なのではないでしょうか。
> →でも、芦部はそんな書き方してなかった?
厳密な法律概念(法的規範)として使われるべき概念ではないように思いました。
芦部も法的規範としては使ってないように読めます。
もっとも、書いてる意味は読み取れるので、あまり気にするほどのことではないのかもしれません。
ただ、「逆差別か否か」という規範をあえて立てずとも、
単に条文にあてはめた方が、論述の流れとしては、良いように思います。
> →ここでは性別による差別ではないといことよりも、前段との関係で、アファーマティブ・
> アクションではない、ということだけを言いたかったのです。
そうだとすると、性別による差別(男性差別)なのではないか、という疑問が生じてきます。
14条後段列挙自由の問題にしないのはなぜでしょうか。説明がいると思います。
27 :
氏名黙秘:04/09/07 17:22 ID:42fl0J9U
どうみても、初学者がかいた論文だから、
そのつもりで、コメントしてあげたほうがいいよ。
28 :
氏名黙秘:04/09/07 17:32 ID:???
>>26 区別基準は明らかではないが、もともと巨大な社会的権力による人権侵害から
個人を救済できないか、という問題意識から生じた論点でしょう?
つまりカリブ海のへそのゴマのような国家(人口2,500人)が人権侵害をしたの
と、従業員2万人の巨大企業が人権侵害をした場合と、どこが違うの?
背景には政治学の多元的国家論のような国家観がある。つまり、人口2,500人の
国家なんて、部分社会みたいなものじゃないか?あるいは、人口の多い国家であって
も、企業の倫理と国家規範が衝突したとき、平然と国家規範を無視して企業倫理を
優先してしまうビジネスマンは多い(贈賄や背任事件で、取締役を庇って出頭する
経理部長を想起せよ)。それだったら、人口の多い国家だって部分社会のようなもの
だろう?だったら、国家と社会的権力を同視していいんじゃないか?
29 :
氏名黙秘:04/09/07 17:33 ID:???
だから私人間効力の論点というのは、元来社会的権力を念頭において議論されて
きた。巨大企業に限定したのは適切ではない。巨大労働組合や巨大宗法人も含む
からね。でも、本問では就職が問題になっていたので、巨大企業を例に挙げた。
そうすると、個人vs個人の争いに私人間効力をあてはめるのは、本来スジが悪い。
だいたいプライバシー権vs表現の自由の問題なんて、最初は民事判例。あとから
憲法学者が首を突っ込んできた。そして、プライバシー権の請求権的側面とか
言い出して、公法上の論点に加工して、民法学者が首を突っ込めない領域に
持ち去った。
要するに、公法学者と民法学者の縄張り争いみたいな論点よ。
30 :
氏名黙秘:04/09/07 23:16 ID:???
>>28 こういった考え方は、三菱樹脂判例が否定してるよね。
少数説としてはあるのかな?一般的ではないね。
31 :
氏名黙秘:04/09/08 02:39 ID:???
っていうか、あんまりそういうイデオロジックな対立点にハマらない方がいいよ。
32 :
氏名黙秘:04/09/08 08:53 ID:???
>>31 っていうか、間接適用説内部で、そんな対立点なんて存在しないでしょ。。。
33 :
河童:04/09/08 11:40 ID:???
私は本問ではすっかり長髪差別が問題になっているのかと思い込んでいましたが、
差別の問題とするなら23さんご指摘のように(というか、誰もが当然の前提にしているように)
男女差別で、長髪の自由が問題ということなら、 13条の問題とするのが適切ということになりましょうか。
ということなら、本問は一貫して差別の問題として取り扱ったほうがよさそうですから、
男性のみ長髪を禁止することは十分に合理性があるかないか、みたいな書き方がいいかもしれませんね。
(もちろん、14条後段の列挙事由などについても論じなければなりますまいが)
そして、長髪禁止目的を不潔・清潔や公務員としての身だしなみとして論じればよいと思います。
この点、女性と同じ髪の長さなら、必ずしも男性だけ不潔ということにはなりますまいし、
身だしなみについても、もはやネクタイもつけず、ポロシャツを着ている公務員が多いなか、
身だしなみ云々を強調するのはおかしいですよね。
結局はひどく抽象的な「一般国民の目」というものを気にしての規律であって、
長髪禁止は具体的根拠に欠けるように思います。
*本問についてどうも集中力に欠けました。申し訳ありません。
平等原則は去年痛い目にあったばかりなので、私は省エネさせてください。
34 :
河童:04/09/08 11:42 ID:???
一応、議論は収束してきたようですので、新たな答案をアップします。
私は今回から統治に入ります。辰巳さんの問題です。
問題
人事院が公務員の給与引き下げを勧告したことを受けて、政府は最高裁判所に対し、インフォーマルに、
裁判官の報酬を減額することは憲法に違反しないかどうかの判断を求めた。それに対し、最高裁は裁判官会議を開き、
議論の末、かかる状況における裁判官の報酬の減額は憲法に違反しないと判断し、その旨を政府に伝えた。
このことの憲法上の問題を論じなさい。
(なお、この問題で裁判官の報酬を引き下げることが憲法に違反するかどうかについて論じる必要はない)
35 :
河童:04/09/08 11:43 ID:???
一 本問では、政府が裁判所に対して憲法問題などについて質問し、裁判所がその意見を政府に示すという、
いわゆる勧告的意見の一種が問題となっている。
1 まず、かかる勧告的意見のメリットとしては、
@違憲の法律やそれに基づく処分等による人権侵害を事前に防止することができる、
Aまた違憲の法律や処分が効力を発揮する前に抑止することによって社会秩序を不安定にせずにすむ、
B勧告的意見を前提にした立法・処分等により、政治機関が無益な労力を費やすことを防止できる、
C前述ABと関連して、通常の違憲審査よりも勧告的意見のほうが違憲判断を多く下す傾向となると考えられるため
違憲審査制度の存在趣旨に合致する、D重大な憲法問題に関しを迅速に解決することができる、等が挙げられよう。
また、勧告的意見は国会や政府など政治機関側が自発的に裁判所に判断を求めてくるものであるため、
41条あるいは65条の趣旨に抵触するものではないといえる。
2 しかし、勧告的意見には数々のデメリットもある。
すなわち、T裁判所を不当に政治的紛争に巻き込む危険性が高い、
U利害関係者が自己の主張を述べる機会を保障されないまま、その利益を不当に侵害される危険性がある、
V対立利益を代表する弁護士等から弁論を聞く機会がない場合には、
十分な情報に基づいて判断を下すことができなくなる危険性がある等である。
36 :
河童:04/09/08 11:44 ID:???
3 こうしてそれぞれを列挙してみると、前述のメリットとデメリットとは密接に結びついていることがわかる。
(1)例えば、B勧告的意見を前提にした立法・処分等により、政治機関が無益な労力を費やすことを防止できる、
というメリットを活かそうとすれば、立法・処分の助言となるように裁判所が具体的に問題点、
それに対する改善点を指摘したほうがよい。しかし、そのことは少なからぬ部分で立法政策・行政活動に
関与することにつながり、I裁判所が政治的な紛争に巻き込まれ、司法権の独立が害される危険性も高くなる。
(2)あるいは、@違憲の法律や処分等による人権侵害を事前に防止することができる、というメリットについて、
あくまで裁判所が違憲であるという判断の勧告的意見を出す場合に限られるということに注意が必要である。
すなわち、これとは逆に、問題となる法律や処分に対して合憲であるという判断の勧告的意見を出す場合には、
V対立利益を代表する弁護士等から弁論を聞く機会がなく、十分な情報に基づかないまま、
しかもU利害関係者に自己の主張を述べる機会を保障せず、裁判所はその者たちに不利益な判断を下すことにより、
不当な人権侵害を誘発する危険性が高いことになる。
4 結局、国会・政府の人権制約、あるいは憲法の精神に抵触するおそれのある立法・処分に対して、
人権保護の砦にして憲法の番人たる最高裁があらかじめ合憲のお墨付きを与えることは、
立法権・行政権と司法権の不当な結託となりかねず、権力分立に反するおそれが強いといえる。
そこで、勧告的意見の対象となる事項の性質を十分に吟味した上で、その適切な運用を図るべきである。
具体的には、人権問題に関する勧告的意見については、民主主義・福祉主義的観点から人権制約となる
立法・処分をなすことが予定されている国会・政府と、自由主義的観点から人権保護を責務とする裁判所が、
勧告的意見という形で協働することは憲法上予定されておらず、権力分立の観点から問題があるため、
極めて例外的にのみ許容されるとすべきである。
逆に、国家統治に関する事項については、勧告的意見の有用性(メリットABCD)が相対的に大きい一方で、
デメリットは大きくないので、一定の範囲内で許容されて然るべきであろう。
37 :
河童:04/09/08 11:44 ID:???
二 以下、以上のことを踏まえて具体的に本問について検討する。
1 まず、本問で勧告的意見の対象たる裁判官の報酬引き下げの可否という事項は、確かに、
人権というよりは憲法的問題の性質が強い(79条6項、80条2項参照)。
しかし、裁判官の報酬引き下げについては、@問題となる不利益は事前に阻止する必要性の高い性質のものでなく、
また、その扱いによって特にB社会秩序を広く不安定とすることもなく、更にD迅速に解決しなければならない性質の
憲法問題とも思われないため、かかる勧告的意見を許容するメリットは決して大きくない。
2 他方で、本問のような審判者たる裁判所そのものと密接に関連性を有する事項について勧告的意見を求めれば、
I裁判所が政治紛争に巻き込まれるおそれが少なくなく、また、II下級裁判所の裁判官は自己の主張を述べる機会を
保障されずに、報酬減額という不利益を実質的に甘受せざるを得ない立場に置かれるともいえ、デメリットは大きい。
3 なお、司法権の独立に関して、裁判の公正を確保するためには裁判官の自律性を保障することが不可欠であるため、
裁判所自身でさえも、裁判官の自律性を侵害するような自主運営は許されないと解される。
とすれば、下級裁判所の裁判官に自己の主張を述べさせる十分な機会を設けずして、最高裁が裁判官会議で
報酬減額合憲の勧告的意見を決定したことによって、不利益を被る者の手続保障がなされたと解すべきではない。
4 以上より、本問における勧告的意見は憲法上許されないと考えるべきである。
38 :
河童:04/09/08 11:46 ID:???
*答案作成後記
この問題については、いつだったか(2年くらい前?)実際に新聞で読んだ記憶があります。
最高裁長官が「いまの国家財政・景気の現状等を見ると、裁判官だけが減額されないというわけにはいかないだろう」
というような俗世(世論・政治・官僚)に媚びる形でのコメントを述べていたようにも記憶しています。
裁判官という職業人は、たとえそれが大衆その他に自己保身・利己主義的に思われてさえもなお、
毅然として理念的に正当な権利というかシステムを擁護すべき存在だと思いますし、
私はそういう態度ができないから絶対に裁判官にはなれないな、と思いもするのですが、その辺どうなんでしょうね。
9条を引き寄せるまでもなく、憲法と「政治」(政治家がやるものだけでなく広い意味のです)の問題は、
実質的には「政治」が先にくる、というのが私の感覚ながら、答案レベルにどこまでそれを出すかは重要な課題です。
なお、模範解答は「抽象的違憲審査」の問題が念頭にあるようですが、「インフォーマル」なので違和感がありました。
それに関連して、正直、冒頭付近(4行目)に、
※この点について、かかる勧告的意見は、具体的な争訟と関係なく抽象的に合憲性の判断を行うものではあるが、
インフォーマルな判断開示要請に対して同様にインフォーマルにレスポンスをすることは、
何らかのことを「決定」(81条)するものではなく、「裁判所」(同条)の行う裁判とは別個のものである。
したがって、勧告的意見の合憲性は、憲法が81条によって最高裁判所に抽象的審査権を与えているか否かとは
直接的には関係がない問題といえる。*
というような文章を入れようかどうしようか悩みました。
答練などで類似問題が出て、本問を抽象的審査権の問題として書く中上級者の論文受験生が多ければ書いておきたい、
というのが私のスタイルなのですが、現時点ではなんともいえませんね。
この問題は、政府でなく国会が最高裁を「相談相手」にした場合のほうが最近の出題傾向に合致する気がします。
(どっちも合致しねぇよ、と言われてしまえばそれまでですが、「出題傾向」なるものが信用できないのもまた事実)
そこで一応、そういう問題にも柔軟に対応しやすい答案を心がけたつもりです。
39 :
氏名黙秘:04/09/08 21:40 ID:???
>>32 っていうか、間接適用説内部のこといってんじゃないよ。
40 :
131:04/09/08 23:51 ID:???
>>34-38非常にためになる答案ですが、以下の点指摘させて下さい。
> 一1 41条あるいは65条の趣旨に抵触するものではないといえる。
> 4 立法権・行政権と司法権の不当な結託となりかねず、権力分立に反するおそれが強いといえる。
矛盾していませんか?はじめの> 趣旨 には権力分立も含まれますよね。
> 3(2)しかもU利害関係者に自己の主張を述べる機会を保障せず、裁判所はその者たちに不利益な判断を下すことにより、
> 不当な人権侵害を誘発する危険性が高いことになる。
もともと立法時には個別の利害関係者の告知・聴聞は予定されていない(国政調査や事実上の答申等はあり得ますが)
ので、主張の機会を与えないことが人権侵害につながるかやや疑問です。
間接的に違憲立法作成手続きに関与したことを「誘発」と表現しておられるのでしょうか。
> 二1 しかし、裁判官の報酬引き下げについては、@問題となる不利益は事前に阻止する必要性の高い性質のものでなく、
> また、その扱いによって特にB社会秩序を広く不安定とすることもなく、更にD迅速に解決しなければならない性質の
> 憲法問題とも思われないため、かかる勧告的意見を許容するメリットは決して大きくない。
司法権の独立に反する(3で述べられていますね)ことからすれば、B社会秩序を広く不安定とするといえそうでは?
また、この文脈に先立って憲法問題としていることから、「しかし」より「そして」のほうがつながりがよいように思います。
41 :
131:04/09/08 23:52 ID:???
(続き)
あてはめに関して、抽象的規範として
> 一4 極めて例外的にのみ許容されるとすべき
> 一定の範囲内で許容されて然るべき
のように立てられていますが、この段階で「前述したメリット・デメリットを総合考慮して判断」等の
具体的(でもないですが)規範を立てておくと二のあてはめ部分が生きると思います。
> *裁判官という職業人は、たとえそれが大衆その他に自己保身・利己主義的に思われてさえもなお、
> 毅然として理念的に正当な権利というかシステムを擁護すべき存在だと思いますし、
同感です。去年だかの口述試験でも裁判官の報酬減額が問われており、司法試験委員も関心を寄せているようですね。
なお、私は本問なら抽象的違憲審査権の問題はいちおう書くと思います。というかそれ以外書けなさそうです(汗)
42 :
氏名黙秘:04/09/09 00:08 ID:???
>>34-38 本問でなされるべき条文解釈、ないし基本概念の説明が全くなされてないですね。
それどころか触れてさえいない。
これはちと痛いのでは。
毎度のことですが、憲法の答案においては、結論をどうするかはそれほど問題ではなく、
憲法の基本概念の理解をとおして、書き手の憲法観が答案から「透けて見える」ことが
答案上一番大事だと思われます。
利益考量の結果ではなく、その枠組みの設定の仕方が問われているとでもいいましょうか。
その点が不十分で、単なる政策論を論じてるように読めてしまうのが残念です。
「本問でなされるべき条文解釈、ないし基本概念の説明」はおわかりでしょうか。
43 :
氏名黙秘:04/09/09 01:56 ID:???
保守
44 :
氏名黙秘:04/09/09 04:58 ID:gE0oX1Ov
>>42 本問でなされるべき条文解釈、ないし基本概念」を42さんはどのようにお考えになりますか?
辰巳はなんで抽象的意見審査を問題にしたのだろう?
45 :
河童:04/09/09 11:56 ID:???
>>40 >41条あるいは65条の趣旨に抵触するものではないといえる。
これは、個別の条文としての41や65条を取り上げて、他の機関の役割を侵害するものではない、
ということが言いたかったのですが、ご指摘の部分はうまく書けていないなと思っていました。
>間接的に違憲立法作成手続きに関与したことを「誘発」と表現しておられるのでしょうか。
これは、合憲性の疑わしい立法に最高裁があらかじめ「お墨付き」を与えてしまうと、
人権侵害の可能性、またその是正が困難になる可能性が高まるという程度の意味で書きました。
確かに「誘発」は、表現として正確さを欠きますね。
>司法権の独立に反することからすれば、B社会秩序を広く不安定とするといえそうでは?
実際問題として、裁判官の給料が3%カットされたからといって社会秩序の影響はないかな、と。
微妙な認定ではありますけれども。(減額の幅についてまで論じるスペースはないでしょうし)
>>42 >「本問でなされるべき条文解釈、ないし基本概念の説明」はおわかりでしょうか。
残念ながらわかりませんでした。いつもながらに、憲法センスの乏しさには泣かされます。
どの条文、どの文言を拾えばよいか考えましたが、あまりピンときませんでした。
>(なお、この問題で裁判官の報酬を引き下げることが憲法に違反するかどうかについて論じる必要はない)
という但書について、出題者が不要とする条文の範囲を確定するのが困難でした。
46 :
氏名黙秘:04/09/09 14:36 ID:???
76条1項ないし裁判所法3条1項でしょ。
勧告的意見をなす権限が「司法権」にふくまれるのか、
ふくまれないとして、それが許されてよいのか、
について、司法権の本質とからめて論じると、
憲法解釈論としての体をなしてくるように思われます。
47 :
氏名黙秘:04/09/09 14:39 ID:???
>>38 > この問題は、政府でなく国会が最高裁を「相談相手」にした場合のほうが最近の出題傾向に合致する気がします。
どういった趣旨でしょうか。
48 :
氏名黙秘:04/09/09 20:21 ID:gE0oX1Ov
49 :
氏名黙秘:04/09/09 21:02 ID:???
>>48 特段の事情のない限り、
メール欄にsageと入れて貰えると助かります。
50 :
河童:04/09/09 23:53 ID:???
>>46 なるほど。スッキリと納得できました。
確かに、憲法の論文として76条1項の「司法権」の解釈が大切ですね。
しかし、正当な法学の勉強をしていない私には書き方が非常に難しい・・・。
大枠としては、「司法権の定義→勧告的意見は司法権に含まれない→
→しかし、最高裁がなし得ることは司法権の行使にとどまらない→
→勧告的意見はメリットもあり一定範囲で(あるいは例外的に)認められるべき→
→本問では認められない」みたいな流れでよろしいのでしょうか?
もし、お時間さえよろしければ道筋をご提示いただければ幸いです。
>>47 人権制約立法かなんかに関する勧告的意見を題材としたほうが問題としてはオーソドックスで、
答案作成者の憲法の理解程度をはかりやすいと思っただけのことで、たいした根拠はありません。
51 :
氏名黙秘:04/09/10 10:56 ID:???
>>50 司法権の要素、ないし、裁判所が行使する権限として不可欠なもの、
いいかえると、裁判所が行使する権限として正当化できるために憲法上不可欠なもの
について、どう考えるかによって、答案の筋が大きく変わってくると思います。
どのようにお考えでしょうか。
52 :
河童:04/09/10 23:34:41 ID:???
>>51 憲法的にいえば、裁判所の役割は「人権保障」と「憲法保障」だと思っています。
そして、私は普段から「人権保障」に重点を置くとして論じています。
・・・なるほど、聞かれていることと的が外れたことを応えてしまっているかもしれませんが、
そう考えてみると、アップ答案を作成した当初より、あるべき答案のイメージがなんとなしに浮かんできます。
53 :
51:04/09/11 00:37:31 ID:???
>>52 私が問題にしているのはそのようなものではないです。
「役割」ではなく、不可欠な要素つまり本質です。
つまりそのような「役割」を果たすために不可欠と考えられている要素ということです。
(なお
>>52は裁判所の役割というより司法審査の役割だと思われます)
一般には司法権行使には事件性の要件が不可欠とされてますね。
では、なぜ事件性の要件が必要とされているのか、
その理由が、裁判所が行使する権限として不可欠なものを画するのに
関連してくるのではないか、
というのが、考え方の筋道の一つの例になると思います。
裁判所に与えられる権限は憲法上限界があるのは当然の事でしょうが、
その限界は、単に利益考量や他の機関の権限侵犯から画されるのではなく、
司法権を付与された裁判所の性質から導かれるものがあるのではないか、
という問題意識は一般に共有されているものと思います。
そのような問題意識を反映した論述をなすべきではないでしょうか。
54 :
氏名黙秘:04/09/11 01:18:51 ID:ltxNXrR/
くだらないスレなんであげときますね
55 :
氏名黙秘:04/09/11 02:23:38 ID:???
56 :
河童:04/09/11 09:36:31 ID:???
>>53 なるほど。「事件性」のことも少し考えて、答案でも間接的に触れているのですが、なかなか難しいです。
つまり、切実な利害関係を有する者を当事者として裁判を追行させてこそ、
適切な人権保障や憲法保障がなされる、というようなことを書くべきなのでしょうか。
そうだとすれば、辰巳の模範解答が「抽象的審査権」について論じていることと通じてくるような気はします。
とにかくこの週末、「司法権」の意義等について図書館で芦部やら何やら読んで、
新たな答案構成のインスピレーションが湧いてくるのを期待したいと思います。
57 :
氏名黙秘:04/09/11 14:33:40 ID:???
岩波芦部はこの辺のことは薄すぎますね。他の本を見るべし。
58 :
河童:04/09/12 23:10:05 ID:???
>>57 ありがとうございます。
実は、この週末はそれどころではありませんでした。
・・・・誠に勝手ながら、無期休養(案外短いかもしれませんが)させていただくことにしました。
復帰したばかりで情けない限りですが、一身上の都合(司試と直接は関係なし)により、
ネットをやっていられる状態ではなくなってしまいました。
30さんや131さん、特に最近では他にも色々な方に大変お世話になったので、一応ご報告しておきます。
ほんとうにすいません。スレの健全な発展を願っています。
59 :
氏名黙秘:04/09/13 09:37:58 ID:???
自分にまけないで!
60 :
氏名黙秘:04/09/13 11:35:13 ID:???
おら、まけたぽ
ヽ○ノ ヽ○ノ
( )
ノ> _ト ̄|○ <(
61 :
氏名黙秘:04/09/13 22:01:35 ID:???
寝ウンコの合憲性
62 :
氏名黙秘:04/09/14 03:09:27 ID:???
元スレ終了しマスタ。
63 :
氏名黙秘:04/09/14 10:04:36 ID:???
どなたかアプどうぞ。
64 :
氏名黙秘:04/09/14 23:38:42 ID:???
何を?
65 :
氏名黙秘:04/09/15 02:03:34 ID:???
ぽこちんアプ
66 :
:04/09/15 05:27:26 ID:???
67 :
お題:04/09/15 08:17:45 ID:???
Aは、Bに対する債務を担保するため、自己所有の甲建物に抵当権を設定し、その旨の登記を経由した。その後、Aは、Cに甲建物を売却したが、Cへの所有権移転登記を経由する前に、Dの放火により甲建物が全焼した。
この場合に、A、B及びCは、それぞれDに対して損害賠償を請求することができるか。
AがDに対して損害賠償を請求することができるとした場合、AのDに対する損害賠償請求権又はDがAに支払った損害賠償をめぐるB及びCの法律関係はどうなるか。(平成8年度第1問)
68 :
氏名黙秘:04/09/15 16:28:34 ID:???
セミナーの解答は秀逸でした。
69 :
氏名黙秘:04/09/16 09:37:34 ID:???
ここも終了かな?
70 :
:04/09/16 13:06:14 ID:???
投稿者を待ちましょう。マターリと。
71 :
131:04/09/16 23:40:01 ID:???
>>67保全うp。
1.設問前段
(1)Aの請求
ア.甲建物の所有権侵害を理由とする損害賠償請求(709条)
AはCに建物を譲渡しているが、依然Aに所有権が帰属するか。所有権の移転時期が問題となるが、
現実には債権契約と同時に物権も移転することが当事者間においては便宜であるから、債権契約に向けた
意思表示と異なる独自の物権移転の意思表示は不要と解する。
そこで、意思主義(176条)の原則から、特約なければ債権的意思表示と同時に物権も移転すると解する。
本問では特約ないことから、売買契約締結時にCに所有権が移転している。
よって、かかる請求は認められない。
イ.売買代金債権侵害を理由とする損害賠償請求(709条)
としても、放火なければ受け取れたはずの売買代金債権侵害を理由とする損害賠償請求は認められないか。
この点、甲建物引渡し債務が社会通念上消滅していることから、反対債務たる代金支払債務も危険負担
により消滅しているのではないか、消滅していれば請求が認められるため問題となる。
本問では確かに形式的に534条1項の適用場面であるが、同条の規定する債権者主義の趣旨である
「利益の存するところ損失も帰する」という原則は、投機売買にしか妥当しない。また、実質的にも
危険負担の根拠は支配を収めたといいうる後の自己責任に求めるべきである。
そこで、同条項の適用範囲を制限し、支配を収めた時点、具体的には登記・代金支払時点以降に限り
適用すべきと解する。
とすると、本問Cは登記を経由しておらず、支配を収めていないため、534条1項の適用場面ではない。
そこで、原則どおり536条1項の債務者主義が適用され、反対債務たる代金支払債務も消滅する。
したがって、売買代金債権侵害を理由とする損害賠償請求は認められる。
72 :
131:04/09/16 23:40:44 ID:???
(2)Bの請求
ア.抵当権侵害を理由とする損害賠償請求(709条)
確かに抵当権は非占有担保ではあるが、物権たる性質上、交換価値に対する直接の支配性を有している。
そこで、担保価値に現実の不足をきたしていれば「損害」ありといえ、不法行為成立の余地がある。
もっとも、弁済期後でなければ換価額が確定できず、損害賠償請求はできないと解するため、現段階では
Bは抵当権侵害を理由とする損害賠償請求をなしえない可能性がある。
イ.物上代位(372条・304条)
としても、所有者Cの損害賠償請求権に物上代位することができるため、不都合はない。
(3)Cの請求
前述のとおり、甲建物の所有権侵害を理由とする損害賠償請求(709条)をなしうる。
なお、不法行為者は登記ないことを主張できる「第三者」(177条)にあたらず、登記ないCでも構わない。
さらに、引渡債権侵害を理由とする損害賠償請求(709条)も別途なしうる。この場合も登記は不要であり、
旧訴訟物理論からは、所有権侵害の主張と別に不法行為に基づく損害賠償請求原因のひとつとなる。
2.設問後段
(1)BA間
Aの債権は担保目的物の滅失により生じる点において、Cの損害賠償請求権と同様の性質を有するから、
Aの損害賠償請求権に物上代位することもできると解する。
もっとも、Dの二重払いの危険との関係上、Dの払渡し前に差押える必要がある(304条1項但書)ため、
DがすでにAに支払った損害賠償については物上代位できない。
73 :
131:04/09/16 23:42:51 ID:???
(2)CA間
CはDに対して独自に損害賠償請求をすることができるが、Dが資力に乏しい場合など、Aだけが
債権の満足を受ける可能性がある。
しかし、それでは請求者間の公平に反することから、@引渡債権が帰責性なく履行不能となっており、
A履行不能と同一原因に基づき目的物の代償といえる利益を取得した場合、買主は代償請求をすることが
できると解する(1条2項)。
本問では@Aを充足するから、CはAに甲建物の実売価額や代金を勘案し相当な範囲で代償請求をなしうる。
(3)BC間
CはBの抵当権の負担を覚悟していたから、Bの物上代位が優先し、Cは残額につき代償請求できるに
すぎない関係に立つ。
※ 問題意識がどこにあるのか分からない。とりあえず簡潔な論述を心がけたので面白味がないかも…。
74 :
氏名黙秘:04/09/17 03:41:50 ID:???
>>72-74 A→Dの債権侵害に基づく損賠請求が認められ、かつ、B→Dの請求が認められるという結論は不合理では。
75 :
氏名黙秘:04/09/17 04:22:31 ID:???
原則どおり536条1項の債務者主義が適用され、反対債務たる代金支払債務も消滅するのに
CはAに甲建物の実売価額や代金を勘案し相当な範囲で代償請求をなしうるとすれば、
Cがえらい得するような気がするのだが。
76 :
氏名黙秘:04/09/17 06:37:19 ID:???
危険の移転と所有権の移転は、論理的には一致してる必要はないにしても、
実際上は一致してないと本件みたいに不都合が生じる。
あと、担保の毀損滅失による期限の利益喪失って問題にならないのかね。
77 :
裕子:04/09/17 11:27:01 ID:???
>>67>>71 > 現実には債権契約と同時に物権も移転することが当事者間においては便宜であるから、債権契約に向けた
> 意思表示と異なる独自の物権移転の意思表示は不要と解する。
この二行は不要では。流れとしてもバランス的にも。
> イ.売買代金債権侵害を理由とする損害賠償請求(709条)
債権侵害の要件の特殊性に触れた方がよいのでは。故意がいるとか。
>>72 > もっとも、弁済期後でなければ換価額が確定できず、損害賠償請求はできないと解するため、現段階では
> Bは抵当権侵害を理由とする損害賠償請求をなしえない可能性がある。
> イ.物上代位(372条・304条)
> としても、所有者Cの損害賠償請求権に物上代位することができるため、不都合はない。
物上代位権と損害賠償請求両方認める可能性を考えるのでしょうか。
両者の関係について一言欲しいかも。独自の損害賠償請求は認めないのが多数説ですし。
> 前述のとおり、甲建物の所有権侵害を理由とする損害賠償請求(709条)をなしうる。
簡単にでも要件を検討しといた方がいいかもしれないですね。
> さらに、引渡債権侵害を理由とする損害賠償請求(709条)も別途なしうる。
うーん。これはどうなんでしょう。いらない気がするんですけど。所有権侵害で十分では。
一応理論的には問題になるでしょうが、わざわざ請求することは考えにくい気が。
> Aの債権は担保目的物の滅失により生じる点において、Cの損害賠償請求権と同様の性質を有するから、
> Aの損害賠償請求権に物上代位することもできると解する。
BはCの債権への物上代位で満足すべきような気がするんですけども。ちょっとわかりません。
78 :
裕子:04/09/17 11:28:20 ID:???
>>73 > CはBの抵当権の負担を覚悟していたから、Bの物上代位が優先し、Cは残額につき代償請求できるに
> すぎない関係に立つ。
Cの代償請求権に物上代位、ということになるんでしょうか。
たしかに優先はするんでしょうけど、表現が若干わかりにくいです。
> ※ 問題意識がどこにあるのか分からない。とりあえず簡潔な論述を心がけたので面白味がないかも…。
自説から一貫した処理ができるか、ということでしょうね。それだけで大変でしょう。難問だと思います。
もし、本番でこれだけ書ければ十分ではないでしょうか。
79 :
裕子:04/09/17 11:49:44 ID:???
>>74 >
>>72-74 > A→Dの債権侵害に基づく損賠請求が認められ、かつ、B→Dの請求が認められるという結論は不合理では。
二本認めといて、連帯債権として考えるんでしょうか。
たしかにBは物上代位だけで済ますのが簡単ですよね。
それより問題は、Aの損賠請求が認められると同時にCの損賠請求が認められることだと思うのですが。
結局
>>75 > 原則どおり536条1項の債務者主義が適用され、反対債務たる代金支払債務も消滅するのに
> CはAに甲建物の実売価額や代金を勘案し相当な範囲で代償請求をなしうるとすれば、
> Cがえらい得するような気がするのだが。
この話につながるんでしょうが、もちろんCの二重取りとかDの二重払いが許されるはずはないので、
その点をどう処理するかが難しいですね。
Cが代償請求権を取得することによって「損害」がなくなる、とかどうでしょう。
>>76 > あと、担保の毀損滅失による期限の利益喪失って問題にならないのかね。
債務者自身の行為によるものではないので通常は問題にならないかと。
80 :
氏名黙秘:04/09/17 12:23:21 ID:???
Cが代金債権を逃れた上に所有権侵害に基づく損害賠償を取れるって結論はありえないでしょう。
81 :
氏名黙秘:04/09/17 12:24:20 ID:???
×代金債権→○代金債務
82 :
氏名黙秘:04/09/17 12:40:17 ID:???
>>80 Aが代償請求権取得すると考えたら問題なくない?
83 :
131:04/09/17 20:51:08 ID:???
>>74>>75 三者間で配分がなされることで十分だと思っているのですが、
金額等の事情が問題にないのでうまく濁せませんでした。確かにいいわけが必要ですね。
>>79裕子さんの指摘につながるのですが、
> もちろんCの二重取りとかDの二重払いが許されるはずはないので、
> その点をどう処理するかが難しいですね。
という点は、練りこみ不足になっています。連帯債権というほどの結合関係もないような感じですし、難しい。
>>76 > あと、担保の毀損滅失による期限の利益喪失って問題にならないのかね。
債務者Aが担保の毀損滅失をなした場面ではない(と思う)ので、問題にならないでしょう。
>>77 > この二行は不要では。流れとしてもバランス的にも。
不要といえば不要ですが、あっさり書くと問題の所在が出せないように思ったので。
> 債権侵害の要件の特殊性に触れた方がよいのでは。故意がいるとか。
消滅しちゃってるので、結論を左右しないと思い、省きました。
> 両者の関係について一言欲しいかも。独自の損害賠償請求は認めないのが多数説ですし。
そうですね。請求権競合説です。我妻民法案内も確か競合を認めていたので倣いました。
ただ、これがはじめの請求関係の複雑化の原因になってると考えると、再考の余地がありますね。
84 :
131:04/09/17 20:56:16 ID:???
> 簡単にでも要件を検討しといた方がいいかもしれないですね。
不法行為の問題の定石なので、ちょっと迷いました。問題ないように思ったので省きましたが、
確かに本問はストレートに不法行為の問題なので、検討すべきだったかもしれません。
> うーん。これはどうなんでしょう。いらない気がするんですけど。所有権侵害で十分では。
> 一応理論的には問題になるでしょうが、わざわざ請求することは考えにくい気が。
> BはCの債権への物上代位で満足すべきような気がするんですけども。ちょっとわかりません。
おっしゃる通りとも思うんですが、請求者に有利なことはいちおう挙げておいてもいいのかなという気がします。
>> CはBの抵当権の負担を覚悟していたから、Bの物上代位が優先し、Cは残額につき代償請求できるに
>> すぎない関係に立つ。
> Cの代償請求権に物上代位、ということになるんでしょうか。
それ(B→C>C→A)に加えて、B→A>C→A、ということもいいたかったんですが、わかりにくいですね。
ここら辺のゴチャゴチャの処理が本問の肝っぽいことからすると、言葉足らずが目立つ格好になりましょうか。
※ 書いているときはややこしい問題だとは思わなかったのですが、事後処理とかけっこう複雑ですね。参りました。
85 :
:04/09/17 21:12:10 ID:???
実は最も難しい問題の一つだったり。
86 :
裕子:04/09/17 21:15:06 ID:???
>>80 なるほど。これは大問題ですね。
結局はBが吸い上げるので本問ではあまり表面には出てこないですけども。
答案ではAの債権侵害の損賠請求が常に認められるような書き方になってるので
わかりにくかったんですけど、通常は認められないですよね。
債権侵害の故意は普通はないでしょうから。
Aの代償請求を認めるんだったら、最初から債権消滅させるなよ、
とか思いますけど、そうするしか仕方ないのかな。難しい。
まあ、危険負担者と所有権者は一致させておくのが無難でしたね。
87 :
131:04/09/17 21:38:12 ID:???
>>80>>82>>86 これ、どうなんでしょう。制限説の落とし穴なんでしょうか。
理論的問題は別として、抵当権者が一人勝ちして、あとの取り分公平となると、
所有者が売主に優先しても結論やむなしかなあとも思いますが。
> 債権侵害の故意は普通はないでしょうから。
権利侵害との相関性から故意までは不要だと思ったので、特に不都合とは思わなかったのですけど、
ここら辺の感覚がずれているんでしょうか。また悩ましい。。
88 :
氏名黙秘:04/09/17 21:50:21 ID:???
>>87 > 権利侵害との相関性から故意までは不要だと思ったので、
これはどういう意味?
89 :
131:04/09/17 22:58:47 ID:???
>>88 権利侵害の態様が重大なので、それとの関係で主観的要件は軽くてよいということです。
債権侵害に物権侵害より加重された要件が性質上必要であることは分かりますが、
不法行為においては主観的要件も権利侵害の範囲確定要件となると(おおまかに)思っています。
なので、債権の消滅という重大な結果を導くようなDの債権侵害行為にはいわゆる「故意」なくともよかろうと。
もっとも、失火ではなく放火なので未必の故意ありといって構わないようにも思いますが。
90 :
氏名黙秘:04/09/17 23:38:51 ID:???
>>89 > 権利侵害の態様が重大なので、それとの関係で主観的要件は軽くてよいということです。
ここでの権利侵害は所有権侵害でなく債権侵害だよ。それはわかってますでしょうか。
債権の存在を認識してないのに「権利侵害の態様が重大」?
給付を侵害して債権が消滅するときは債権の認識が必要とするのが一般でしょ。
> もっとも、失火ではなく放火なので未必の故意ありといって構わないようにも思いますが。
放火するときに債権侵害するかもと思ってる人はあんまいないのでは。
というか未必の故意でも足りないんでしょうね。認識が必要。
91 :
131:04/09/18 00:11:57 ID:???
>>90 > 債権の存在を認識してないのに「権利侵害の態様が重大」?
> 給付を侵害して債権が消滅するときは債権の認識が必要とするのが一般でしょ。
債権は相対的権利ではあっても、権利であることに変わりはないから(不可侵性がある)、
認識があろうがなかろうが、客観的には権利侵害が存在する。
客観面に即したかたちで、法的保護も(学説一般に考えられる程度より)広くすべき。
したがって客観面が債権消滅の場合、認識までは不要、と考えているわけですが。
>> もっとも、失火ではなく放火なので未必の故意ありといって構わないようにも思いますが。
> 放火するときに債権侵害するかもと思ってる人はあんまいないのでは。
> というか未必の故意でも足りないんでしょうね。認識が必要。
だから、ここはかみ合わなかろうと思います。
裏づけもないんで、悔い改めたほうがいいですかね。
92 :
:04/09/18 00:22:10 ID:???
>>91 >>90さんは、債権の存在の認識が必要だと述べられており、
その考えを採用する人が多いと思いますよ。
93 :
氏名黙秘:04/09/18 00:46:25 ID:???
債権って目に見えないからね。公示性がない。
認識を要求しないと結果責任になってしまいかねない。
94 :
氏名黙秘:04/09/18 11:20:38 ID:???
>>91 > 裏づけもないんで、悔い改めたほうがいいですかね。
そだね。債権総論(各論じゃないよ)の教科書読み直すのが吉
95 :
131:04/09/18 12:34:50 ID:???
>>92-94 ということで、一般的な考えにあらためようと思います。ご指摘ありがとうございました。
この問題にはまだ議論の余地があるかもしれませんが、流れを無視して次の答案もうpします。
「甲株式会社から同会社○○支店の営業を譲り受けたAは、その営業を甲株式会社○○支店の
通称で行っていた。Aは、Bに、甲株式会社○○支店長A名義で約束手形を振り出し、右手形は、
BからCに裏書譲渡された。Cは、右手形を満期に支払場所に支払提示したが、支払を拒絶された。
この場合に、Cは、甲会社及びAに対し、手形金を請求することができるか。」
(昭和58年度商法第2問小問1)
96 :
131:04/09/18 12:35:57 ID:???
1.Aに対する請求
(1)Aをあらわす名称として甲株式会社○○支店長A名義を用いた場合
まず、Aは甲会社○○支店の営業を譲り受けたにすぎず、株式会社として活動を行っている
わけではないから、一人会社の肯否は問題とならない。
そのうえで、Aには自己が手形債務負担をする意思があるが、かかる通称名義がAを示す
署名として有効か、前述のようにAは個人経営のうえで甲会社○○支店の営業活動をしている
にすぎず、「支店長」のような地位にないであろうことから問題となる。
この点、手形債務は原因債務とは別個かつより重い債務であることから、手形署名には
@手形行為者自身に負担内容を確認させる主観的意義、A手形取得者が有効な手形債務負担が
なされている手形であるとの認識をすることを可能とする客観的意義が存する。
そこで、署名として有効といえるのは、@Aを充足するような名義を用いた場合に限られ、
特にAを充足する観点から、通称使用の場合には、手形の同一性を客観的に示すために名義の
周知性・慣用性が必要と解する。
本問では、Aは普段から甲会社○○支店の名義で営業を行っていたことから、Aが「甲会社
○○支店」であることは取引通念上公知の事実である。とすれば、Aが実際には「支店長」たる
地位にはないとしても、Aが同支店についての営業権限あることについては客観的に同一性が
認められるから、一回限りの通称でも周知性・慣用性が認められ、署名として有効である。
したがって、Cは、Aに対し、手形金を請求することができる。
97 :
131:04/09/18 12:37:42 ID:???
(2)甲会社をあらわす名称として甲株式会社○○支店長A名義を用いた場合
Aには甲会社の営業を行う権限はなく、手形振出し権限もないのが通常であることから、
本問手形振出しは無権代理行為となり、Aは77条2項・8条により無権代理人の責任を負う。
もっとも、同条は手形流通保護のための法定担保責任であるから、保護に値しない悪意・
重過失の所持人に対しては責任を負わない。また、無権代理は物的抗弁であるが、ひとたび
善意者が介在すれば流通保護の観点から瑕疵は切断されると解する(絶対的構成)。
したがって、Cは、BないしCが無権代理につき善意無重過失であれば、Aに対し、
手形金を請求することができる。
2.甲会社に対する請求
(1)Aが振出人としての責任を負う場合
この場合、手形債務負担の意思ない甲会社は原則として手形債務を負担しない。
もっとも、甲は甲会社○○支店の営業をAに譲渡し、甲会社○○支店名義での営業を放置
していることから、名板貸人の責任(商法23条)を負わないか。
たしかに、放置は明示の「許諾」ではなく、同条の直接適用は認められない。
しかし、同条の趣旨は権利外観法理にあるところ、明示の許諾と同様の帰責性あれば右の
趣旨が及ぶ。そして、黙示の許諾あれば明示の許諾と同様の帰責性ありといえる。
また、権利外観法理の趣旨からは相手方の「誤認」は善意無重過失であることが必要であるが、
手形の高度の流通性に鑑みて、直接「取引ヲ為シタル者」でなくとも保護が及ぶと解する。
98 :
131:04/09/18 12:39:41 ID:???
本問では、営業譲渡するほどの密接な関係にあるAが甲会社○○支店名義で営業をなしている
ことを甲会社が覚知しえないはずはないので、営業の放置により黙示の許諾ありといえる。
したがって、Cは、BないしCがAの営業であることにつき善意無重過失であれば、甲会社に
対し、手形金を請求することができる(商法23条類推)。
(2)Aが振出人としての責任を負わない場合
甲会社は追認(民法116条類推)しない限り原則として手形債務を負担しない。
もっとも、手形行為にも表見代理規定の類推適用が認められ、手形の高度の流通性に鑑みて、
転得者にも適用があると解する。
本問では、確かに甲は甲会社○○支店の営業をAに譲渡しているものの、Aが甲会社を代理
するような事態を予見しておらず、基本代理権の授与に相当する帰責性ないのが通常である。
したがって、Cは、例外的に甲会社に基本代理権の授与に相当する帰責性がある場合に、
BないしCがAに甲会社の代理権ないことにつき善意無重過失であれば、甲会社に対し、表見
代理の成立を主張し、手形金を請求することができる(民法109条類推)。
※ 代理方式のわりに、Aと別人格の甲会社○○支店が存在するわけではないため、こんがらがりました。
絶対的構成にしちゃっていいのかも、ちょっと自信ありません。
99 :
氏名黙秘:04/09/18 16:28:57 ID:???
手形客観解釈の原則を真っ向から否定する挑戦的な答案
>手形署名には
@手形行為者自身に負担内容を確認させる主観的意義、A手形取得者が有効な手形債務負担が
なされている手形であるとの認識をすることを可能とする客観的意義が存する。
そこで、署名として有効といえるのは、@Aを充足するような名義を用いた場合に限られ、
特にAを充足する観点から、通称使用の場合には、手形の同一性を客観的に示すために名義の
周知性・慣用性が必要と解する。
この論証ってオリジナル?署名の意義から承知性を導くのは個人的には
見事だと思うんだけど・・・おれもこれ借用してオウケイかな?
Aの主観的意図によって場合分けしてるのは明らかな積極ミスでしょう。
102 :
131:04/09/19 00:39:56 ID:???
>>99 すみません、具体的にご指摘いただけますでしょうか。
恥ずかしながら、手形客観解釈の原則が本問でどのように問題となるのか分かりません。
>>100 スタンダード100の論証をちょい修正しています。もちろんお使い下さい。
>>101 認定したほうが事案に即しているのでしょうけど、講学上このような構成にしました。
積極ミスかどうかは微妙だと思いますが、実際は小問2もあるのでスペース上書けませんよね。
>>102 文言証券性って言葉、聞いたことありますか?
Aの主観的意図で手形金請求につきCの満たすべき要件が変わってくるんですか?
104 :
131:04/09/19 03:14:43 ID:???
>>103 ええと、103さんは99さんでしょうか。(ちなみに101さんでもありますか?)
> 文言証券性って言葉、聞いたことありますか?
> Aの主観的意図で手形金請求につきCの満たすべき要件が変わってくるんですか?
これについては、たしかにおかしいような気もしますが、
たとえばAがBを騙った場合(手形面上には振出人「B」)、
> 文言性あるいは客観解釈を貫けば常にBが債務負担すべき(Aは手形面上不存在)
> しかし不当
> そこで一定限度で文言性も減退
というような関係にあるのでしょうか。
Bの側から見れば、Bは署名をしていない以上、債務負担をしないのが原則になりますよね。
すなわち、Bについてみれば、文言性いかん以前に自己の債務負担意思のあるなしで当然に結論が変わるはずです。
とすれば、手形行為者の意思いかんによって当然に手形上の権利関係も変化するはずであって(たとえば追認)、
> Aの主観的意図で手形金請求につきCの満たすべき要件が変わってくる
と思いますし、これを認めないとすれば静的安全をあまりに害すると思うのですが。
>>104 なんか根本的なことを誤って理解してるみたいですが。
文言証券性が意思自治の原則によって修正を受けるのではなく、意思自治の原則が文言証券性
によって制約を受けるんですよ?
>たとえば甲が乙を騙った場合
偽造の場合に債務負担意思がないのは当然です。
だから偽造の効果を無効と考えるにせよ、無権代理と考えるにせよ、偽造の抗弁は物的抗弁です(判例・通説)。
乙名義の偽造手形の取得者丙が乙相手に手形金を請求した場合、手形要件の文言解釈以前に
まず偽造の抗弁が提出されます。
乙が偽造の立証に失敗すれば、振出人欄の記載の解釈(といっても「乙」と記載されてる以上解釈
の余地はないですが)によって記載通り乙が手形責任を負います。
乙が偽造の立証に成功すれば、今度は「乙名義」の外観作出につき帰責性があれば、いわゆる表見偽造
の責任を負います。(←偽造の効果を無権代理と捉える立場)
被偽造者乙が“手形の文言証券性によって”責任を負うのは上のような意味においてです。
要するに、取引の安全のためにわざわざ文言証券性が認められているのに、
文言証券性が静的安全を害するから云々という議論はおかしいってことです。
107 :
:04/09/19 19:11:16 ID:???
131さんは偽造者の責任、105さんは被偽造者の責任を
論じていて、すれ違っているような気がする・・・
いずれにせよ、105さんの考える答案構成の骨子を
提示していただければ、検討する素材が増えて有益かと。
108 :
131:04/09/19 20:15:52 ID:???
>>105 なるほど、よく分かりました。
> なんか根本的なことを誤って理解してるみたいですが。
まさしくおっしゃる通り、入り口が逆なわけですね。有益なレスありがとうございました。
それを踏まえて、よろしければ
>>107さんのいうように答案構成の骨子を提示していただけませんか。
私見では、見たことない構成ですが以下のようになります。
甲株式会社○○支店長A名義が文言解釈上、甲会社○○支店の代理方式だとすると、
1.対A
(1)文言証券性から原則請求NG
(2)無権代理責任により請求OK ←※ここがやや疑問
2.対甲会社
(1)文言証券性から原則請求OK
(2)無権代理の物的抗弁OK→請求NG
(3)表見代理成立の再抗弁→請求OK(→Aに求償の余地?)
Aは自然人、甲は法人、なのに
甲株式会社○○支店長A名義が
Aをあらわす名称として使われることなんてありえるのかな?
110 :
105:04/09/20 00:50:51 ID:???
>>108 分かりましたと仰ってますが、たぶん分かってないと思います。
手形の文言証券性なんて議論の当然の前提で、全く争いのない話ですから答案上
にいちいち書いたりはしません。
偽造の挙証責任のところに引っかかったのかな?
この挙証責任は文書真正の推定(民訴二二八条四号)を覆すためのもので文言性ゆえに
課せられる物ではないです。
たとえば「A代理人B」という署名を何ら権限のないCが勝手に偽造したケースを考えてみてください。
署名の解釈以前にまずは署名の真贋が問題ですよね。
○
甲 代理人 A
甲株式会社(本人名) ○○支店長(代理関係) A(代理人名)
×
甲代理人(肩書き) A(本人名)
甲会社○○支店長(肩書き) A(本人名)
131さんの発想
甲会社○○支店(本人名) 支店長(代理関係) A(代理人名)
112 :
:04/09/20 01:46:27 ID:???
113 :
105:04/09/20 02:23:29 ID:???
>>112 答案構成を書いて欲しいの?
1 甲の責任
(1)無権代理ゆえ原則責任は負わない(ただし追認)
(2)表見責任は負うか
ア Bのもとで表見代理が成立すれば負う。
イ Bのもとで表見代理が成立しない場合、「第三者」に第三取得者が含まれるか。
否定。
2 Aの責任
(1)無権代理人の責任を負う(八条)
(2)表見代理が成立することを理由として、手形金請求を逃れることは出来ない。
なるほど、111をみるとよくわかる。
仮にAがC会社の撃セった場合、
AがCを表す名称として。っていうのは考えられませんでしょうか。
116 :
:04/09/20 13:21:42 ID:???
>105さん
>>113を見ての感想なんですけど、
仮に、問題文が「Aは、Bに、甲株式会社○○支店長A名義で約束手形を振り出し、
右手形は、BからCに裏書譲渡された。
Cは、右手形を満期に支払場所に支払提示したが、支払を拒絶された。」
という部分だけでしたら、その構成で何の問題もないのだと思います。
ただ、問題文の「甲株式会社から同会社○○支店の営業を譲り受けたAは、
その営業を甲株式会社○○支店の通称で行っていた。」という部分を
いかに評価するか、という点が残されていると思います。
おそらく、105さんは、この部分を甲の表見責任につき、
帰責性を基礎付ける事情だと考えているのではないでしょうか。
(ちなみに、根拠条文は何条ですか?)
ただ、事態を別の角度から見ると、名板貸の場面に似ているようにも見えますよね。
ちょっと事案の見え方が違っているんだと思うんですよね。
ですから、このような評価を前提として、多くの予備校の過去問解説(W新論文、
スタン、L徹解)が、131さんの答案でいう、1(1)と(2)の場面に分けているのだ
と思います。
でもって、この予備校解説の筋から疑問になってくるのは、
>>109の点でしょう。
全くありえないかというと、そうでもないような気がしますが、
説得的な回答がちょっと考え付かないので、とりあえず保留させて下さい。
とまれ、131さんの場合分けがありえないわけではないと思いますよ。
#
>>107の趣旨は、要件事実論ベースの答案構成をされるのかなーという点にありました。
>>113が普通だったので、お手数をかけてしまいましたね。
>>113氏の答案構成と
>>95-98氏は矛盾するのでしょうか?
>>113氏の答案構成に加えて
甲の責任で
表見責任の可能性に加えて、131氏のように、名板貸の責任追及したら論理ミスになりますか?
また、
Aの責任で、
無権代理責任追求に加えて、
131氏のように、
甲株式会社○○支店長A=A(∵周知性、慣用性)と主張して、
Aに責任追及することは論理ミスになりますか。
(立証方法の点で実益があるとも思いますが)
誰もいない河
河童も消えた。
ジャパネットカッパ
再現を晒そっかどうしよっか考え中。
121 :
:04/09/24 06:57:42 ID:???
待ち
昭和58年第2問で偽造を書くべきかどうかは、少し迷った。
「甲会社○○支店の通称で営業をしていた」からすると、Aに債務負担の意思
があるということになる。
営業主が偽造をするということは、自殺か夜逃げか刑務所を覚悟しているでしょう?
それとも甲会社が追認してくれるような深い関係にあるとか・・・。
めったなことでは偽造はできないから、偽造ではないと、答案のなかで言い切った。
しかし、この問題文から、偽造の可能性が完全に排除されているかというと、
可能性としてないわけではない。
もっとも、現実問題として、偽造をしようと思うと、支払場所が印刷された甲会社
の手形用紙と銀行届出印を盗むか横領しない限り、不可能。
偽造を論じさせる問題であるならば、いかにも偽造らしい問題文になっているはずだ
と思い、偽造は書かなかった。「いかにも偽造らしい問題文」とは、甲会社の帰責
事由に関する事情が書いてあること。特に、甲会社の印章や当座預金名義を使わせて
いた、という事情。
>>123 しかし、偽造がないと言い切るには、問題文に「Aは自己の営業上の債務の支払にため」
Bに、手形を振出した、とか書いて欲しいよね。そうすると明確になる。
ここで偽造を問題にしている意味がよく分からん。
126 :
:04/09/29 09:40:43 ID:???
HO
>検討問題一覧
>9(憲法(平成2年第1問))
>34(憲法)
>67(民法(平成8年第1問))
>95(商法(昭和58年第2問小問1)
129 :
131:04/10/02 21:37:34 ID:???
ちとアクセス規制が長すぎました…orz
月も替わり論文発表も間近なわけですが、どなたでもご気軽にうp下さい。
>131さん
こんにちは、30でございます。
このスレの今後について、
話し合いをさせていただきたいと思っております。
連絡手段ですが、こちらまで。よろしくおねがいします。
[email protected] # フリーメールでOKです。
一応
132 :
河童:04/10/05 23:35:13 ID:???
長らく書き込みせずに申し訳ありませんでした。
ご心配をおかけしましたが、私は心身ともに非常に健康な状態を保っています。
一週間ほどまったく勉強失せず、現在は基本書を読みつつも、
かなり勉強時間を落としているのがよい方向に出ているようです。
私的な理由で申し訳ありませんが、勉強時間や勉強方法を再検討した結果、
積極的に自分の答案をここにアップすることはやめることにしました。
みなさまにいただけるご意見は非常に有益なものですが、
時間的な関係でいえば、やはり生身の人間と検討会をするほうが効率的だと思うに至りました。
ここでお世話になった皆様どうもありがとうございました。
沢山の皆様にお世話になりましたので、特に固有名詞はあげないつもりでしたが、
30さん、131さん、裕子さん、このお三方にだけはとりわけ感謝していますので、
「ほんとうにありがとうございました」と繰り返しお礼を申し上げます。
このスレが残っていれば、たまに顔を出すこともあろうかと思います。
勝手かつ陰ながらスレの健全な発展を願っています。
カッパちゃん
元気でね。
あたいもがんばる。
134 :
:04/10/06 02:56:05 ID:???
135 :
河童:04/10/07 04:31:29 ID:???
参りました。
試験の合格発表関係で眠れなかったことはないのですが、
昨年結婚した親友夫妻と酒を飲み過ぎて眠れません。
明日は朝一番で歯医者の予約(大手術)が入っているのに・・・。
そこで、合格発表前に自分なりに結果論にならないように今年の自分の答案と、
感想のようなものをアップしてみようと思います。
再現をアップしている方たちに較べるとあまり役に立たないかもしれませんが、
ご参考までにお時間がある方はご覧ください。
136 :
河童:04/10/07 04:42:37 ID:???
憲法。
主観=正直全然わかりません(A〜D)。希望はA
1問目
自分なりのアピールポイント(正しいか自信なし。後述も同じ)
=前科者の前科経歴がプラーバシーに属するのか、
裁判の公開(81条?条文忘れました)などと絡めてかなり厚く論じる。
=前科者という民主主義における少数者を保護すべく裁判所はある程度厳格な合憲審査基準を採用すべきとした。
自分なりのこうすればよかったポイント(失敗)
=安易にLRAの基準を採用→LRAの他のより制限的でない手段を上げないまま違憲の結論。
知る権利や子供のための地域的集団自衛を最初に書きながら、規範をうまく定立できず、あてはめとバラバラになる。
やはり論文試験最初の問題だけに、うまく書けなかった。
2問目。
自分なりのアピールポイント
設問後段を裁量論として論じる。
議員定数不均衡を例にとって、選挙に関して国会の裁量を広く認めすぎる判例を批判。
国会自身の組織を決める選挙に関する事項に裁量権を広く認めすぎるべきでないとして違憲。
こうすればよかった(失敗)点。
民主主義(主に43条)についてほとんど何も書けなかった。
このスレでご指摘いただいたように、私の憲法観がまるで伝わらない、と言われれば納得。
非常に有益なご意見をいただいたと実感しています。
137 :
河童:04/10/07 04:47:20 ID:???
民法
主観C〜E 希望C
1問目。
アピールポイント=特になし 641条一本。
反省点=債務不履行について書かなければならなかった。(契約費用等の損害あり)
請負に関する相殺の主張について全然無理解であったことを露呈した。
2問目。
アピールポイント=特になし。
反省点=本人が信義則で封じられる権利の代位行使について、
代位行使するほうが本人に有利になる実質的理由はないとして否定すればよかったものを、
代位行使者も本人が信義則で封じられる権利は封じられる、としてしまった。
書き方がひどくて信義則の相対性について勘違いしていると読まれる可能性大。
138 :
河童:04/10/07 04:53:43 ID:???
商法。
主観G 希望D〜E
1問目。
アピールポイント=設問後段で、事前の公示がないときには無効事由になるとした理由として、
無効事由を極めて狭く絞ることの正当生は、事前公示があり、株主に差止の機会が保障されていることが前提であるとして、
バランス感覚をうまく表せた。
失敗9=アピール1
50円という価格で株式を受け取ったQ社に対して責任追及の必要性を強調。
しかし、280条の11でなく、294条の利益供与としてしまう。アホ。いまでも後悔の嵐。
失敗=会社の損害をなんの論述もなく認めてしまう。
きちんと通常の株価であれば得られた財産が得られなかったことや、会社の信用等が失墜することを書けなかった。
2問目=子供の作文。ひどい。手独を落とす。262条も落とす。14条も嘘を書く。1ページ汚い削除と挿入。
139 :
河童:04/10/07 04:59:48 ID:???
刑法。
主観A〜C 希望A
1問目。
そつなく書いたつもり。
いまにして思えば、作為犯と構成すると実行行為の概念を緩め過ぎるとして批判すべきだったが。
2問目。
既述のように横領罪の未遂犯を認定・・・ひどい。
ただし、この問題については試験前の6月に発売した平成15年度の重要判例集を熟読して自分なりに熟考していた。
昨年もATM関連について平成14年度の重要判例集がそのまま出た感じで「私文書変造」でもホームランが打てた。
いまだに密かに淡い期待をしている。
試験前でも6月発売の前年度の重要判例集は必ず買って自分なりに読み込み考えるべきと思う。(特に刑法)
140 :
河童:04/10/07 05:04:43 ID:???
民訴。
主観A〜C 希望A
1問目。
辰巳とLEC両方で類似問題を見た。
自分なりに弁論主義との関係で証明責任を考えていたので満足できるデキ。
予備校ほぼそのままでどのような成績となるのか。一行問題では重大な関心点。
2問目。
手続保障と紛争解決の実効性のために、小問2は乙債権について300万円全部の不存在に既判力。
また小問3は乙・丙両債権について不存在について既判力。
ある程度守れたはずだが、ほとんどまったく114条2項の「文言」を書かなかったため、
これで成績が悪ければ、「条文」及び「文言」を大事にしなかったせいだと思う。猛省。
141 :
河童:04/10/07 05:16:31 ID:???
刑訴。
主観A〜C 希望A
1問目。
令状主義についてしつこいほどに厚く書く。
逮捕状には捜索・差押対象が明示されていないことを強調。
うまく書けたと思う。ただし、後段で領置を落とす。
準用=条文をうまく使えない弱さを克服しないといつまでたっても訴訟法はダメ。反省。
2問目。
供述証拠たる自白と物的証拠の性質の違いを強調して違法排除説を厳格に適用すべきとする。
任意性説と違法排除の重畳説を「二兎を追う者一兎をも得ず」の危険性ありとして批判。
十分にうまく書けたと思う。
ただし、捜査官の欺モウについて批判を繰り返しながら、なぜ欺モウを使うのがいけないのか、
被疑者を精神的に不当に圧迫する、という理由についてまったく書けなかった。猛省。
乙については、伝聞法則→絶対的特信情況難しい→仮に絶対的特信情況→違法排除すべきとする。
賛否両論だが、ホームランにも大失敗にもならないと思う。書き直したいとは思わない。
142 :
河童:04/10/07 05:22:27 ID:???
全部希望通りなら合格ですが、まぁ、そうはいかないでしょう・・・。
合否は明日にはわかりますが、成績が判明するまでにはもう少し時間がかかりますね。
いずれにしても、みなさまの参考になるように、結果が出たらもう少し詳しく分析・アップします。
やはり合格発表前にある程度書いておかないと、
結局は結果に引っ張られて自分なりの分析はできないと思い立ち、
眠れない機会を利用してスレ違いでスレを消費してしまいました。
かなり自己満足的な連続書き込みで申し訳ありませんでした。
どうぞ答案をアップなさる方はお気になさらずにアップしてください。
uo
発表前夜あげ
145 :
河童:04/10/08 18:00:39 ID:???
無念の不合格です。
あとは成績評がきたときにここで敗因の分析をして、
一応2ちゃんねるを卒業しようと思います。
一番の敗因は問題文を読み間違えた商法の2であると思っていますが、まさに後の祭・・・。
言い訳は男らしくありませんし、受験生ならば環境を含めて誰にでもあるものでしょうから、
グチはこれだけにしておきます。
最後に、このスレの関係者で合格なされた方、ほんとうにおめでとうございます。
口述試験、気を抜かないでください。では。
146 :
:04/10/08 18:07:52 ID:???
>河童
つωT`)ヾ (゚Д゚ )…ガンガレ
お陰様で論文パス(たぶんすれすれ)
口述まで気をひきしめていきましょう!!
148 :
:04/10/09 08:31:54 ID:???
>河童者
流石スレから出張してきましたよ・・・っと。
さて,流石スレからの続きだが,
河童者の答案は,基本事項がガタガタという印象だった。
現場思考は良いことだが,予め理解しておくべき基本事項まで,現場で考えてはいけない。
漏れは,河童者の刑法の答案についてコメントを入れたが,指摘した点は基本事項ばかり。
そこがガタガタでは,非常に筋が悪いとの印象を与えるぞ。
予め理解しておくべきことは理解しておく。
本試験では今まで考えたことがないことを聞かれることがあるから,
その部分は,基本の理解をベースに現場で考える。
基本を繰り返し勉強して体にたたき込め!
その上で,競馬もがんがれ!
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ`) / ⌒i 最後の一言が流石だよな,兄者。
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
150 :
河童:04/10/09 15:22:19 ID:???
>>149 Fさん、率直なご助言ほんとうにありがとうございます。
私も思考力や応用力では自分がかなり上だと思っていますが、
答練では私より常に点数がとれている友人が合格したのを見て、
お祝いの言葉を言いながら基礎力の大事さを思い知りました。
答練で1200人中1000位くらいしかとれていなかった去年、なまじ評価がよかったので、
今年は答練で真中くらいにいたのに、なぜか7割くらい合格できると思ってしまっていました。
今後は答練で必ず成績優秀者に名前が載せられるくらいに頑張ります。
来週から答練を受けにいきます。必ず来年は合格します。
昨日は15人ほどに報告の電話をして、その倍のメールを打ってほんとうに悔しい思いをしました。
「なぜ一年間、もう少し頑張らなかったのだろう」と思います。
毎日自分の家で集中して2時間計って2通の答案を作成する等の「辛いこと」から逃げて、
ここでアップしたりして、その分の代わりになるくらいの勉強をした気になっていました。
ネットでの勉強や友達との法律雑談、環境(例えばバイトをする)を言い訳にして、
辛いことから逃げていたら、この試験は運次第の試験になってしまうということを知りました。
それらのことは決してマイナス面ばかりではなく、大きな得るものもありますが、
環境(親・家族・友人との関係、金銭面)や自分の精神衛生面をマネジメントするのも、
この試験ではすごく大切なことで、それらのことで後悔するのはもう十分です。
来年は3度めの正直で100%受かります。そういう勉強をして臨みたいと思います。
・・・彼女とはとりあえず別れないことで決まりました。これも言い訳には絶対できないことです。
Fさんには法律に関してよりむしろ、精神衛生面でお世話になりました。
これから精神衛生面は自分で強くなること、彼女等への感謝を胸に刻むことで解決することに決めました。
ただ、もし、貴方がこれからも司法板に存在し続けるのでしたら、またたまにお世話になりたいと思います。
いままでありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
>>150 漏れも,応用力には自信があった。
はっきり言って,択一程度ならそれで受かる。
しかし,論文試験で,基本を疎かにして応用力に任せて答案を書いたら,こっぴどい評価で落とされた。
翌年は,ひたすら基本の勉強に努めて合格した。
応用力に自信があればこそ,基本を重視ですよ・・・っと。
∧_∧
∧_∧ (´<_` ) 珍しく良いことを言うなと思いきや,
( ´_ゝ`) / ⌒i 体験談だったとは流石だな,兄者。
/ \ | |
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基本とはなにか?
基本の習得教材はなにか?
を教えていただければありがたいのですが。
最近叩く台がない
154 :
河童:04/10/11 12:23:31 ID:???
みんなに基本の大事さを指摘してもらい、かつ口では基本の大事さを繰り返しながら、
全然基本を大事にしなかった愚かな男が、試験に不合格という結果が現実となって、
もう一年間頑張らないといけなくなったと知り、絶望的な気分で、
しかし、やることがわかっている分、少し昂ぶった気分で、
ようやく基本の大事さが身に染みてわかったそのときに殴り書いたこと。
これらのことを気持ちでわかっても実践していない人、今年の私のような人に実践してほしい。
絶対に受かりたいなら我流はダメです。
155 :
河童:04/10/11 12:24:49 ID:???
勉強方法
1 常に条文を引け。
2 なるべく周辺条文も引け。
3 判例を引け。
4 定義・趣旨を繰り返し書け。実際に自分の手で紙に書け。
5 常日頃から自分の頭で考えろ。=常日頃から自分の言葉で書け。
6 家で時間を計って本試験のつもりで実際に構成して答案まで書け。
7 自分の情けない答案と真正面から向き合え。
答練
すべてにおいて実戦感覚で受けろ。
絶対になめるな。
毎回絶対に成績優秀者になれ。
答案が返却されたら徹底的に自分の答案の改善点等の見直しをしろ(構成、時間の使い方その他についても)。
とにかく自分の情けない答案から目を背けず、現実を直視しろ。
156 :
河童:04/10/11 12:29:51 ID:???
具体的な答案の書き方、原則→例外で書け、などは省略しました。
最後になりましたが、裕子さん、合格ほんとうにおめでとうございます。
このスレ参加者から合格者が出たことを非常に嬉しく思います。
どうか口述試験も無事に合格してください。
どうも「黙る」のが一番マズイようです。
高校時代の同級生(3年前)及び、私を「ボクも口述に落ちたときの秋風は身に染みた」と
励ましてくれた大弁護士先生(30年前・・)もそれでアウトだったとか。
157 :
131:04/10/11 17:58:26 ID:???
>>河童さん
遅ればせながら、結果、残念でした。ただ、
>来年は3度めの正直で100%受かります。そういう勉強をして臨みたいと思います。
こういう気持ちでいる限り、この結果を乗り越えていけるでしょうね。
私は論文おろか択一合格すらままならない身なのに、こうした努力があまりにも足りない。
そういうことがようやく見えてきました。悲しいかな、馬鹿は死ななきゃ直らないですね。
ほんとうに勝負の年だと、脳漿をぶちまける想いでやることをやります。
この板を利用するしないにかかわらず、お互い最善を尽くしましょう。
>>論文合格者のみなさん
是非最終合格なさって下さいね。心より応援申し上げます。
予備校の過去の答練をアプしても著作権侵害とか、問題はないのでしょうか?
159 :
河童:04/10/12 13:12:59 ID:???
>>158 問題ないと思います。(少なくとも、私は問題ありませんでした)
ここのところ、この板を個人板のようにして申し訳ありません。
この板を健全に発展させていただけるならば嬉しい限りです。
最後に成績をアップして、自分なりの分析・反省点を書いたら、
答案に対して意見をいうだけの人間になりますので、宜しくお願いします。
131さん。
お互い辛い勉強をしないといけませんね。
思えば、131さんに一番言われ続けてきたこと(基礎の重要性)を無視した結果がこれです。
自分のメールの引用になりますが、
残念ながら不合格になるまでの私は何を見ても聞いても無駄だったような気がします。
例えばヘビースモーカーは数多くいます。そして、そのほとんどが「タバコは医学的に見ていいことは何もない」
「100%健康に悪いからやめろ」「肺ガンは一番苦しんで死ぬぞ」と言われながら、
そのことを理性的にわかっていても「俺はいいんだ。なんとなく俺だけは肺ガンにならない気がするし」というように思っています。
更に、その大多数が遠い親族や直接に関係のない上司などがタバコが原因の肺ガンで死んでも、やはり気持ちに変わりはありません。
なぜなら、自分で痛い目にあっていないからです。
ところが、実際に自分が肺ガンになったとき、絶望やこの世のものとも思えぬ苦しみを味わったときになって初めて
「なんであのときタバコをやめなかったんだろう」というよりは、
「なぜ人の意見を聞かなかったのだろう。そして、その意見を実行しなかったのだろう。自分でもわかっていたのに・・」と
辛い、しかし自業自得でしかない現実に打ちひしがれながら、ひどく後悔します。
たぶんこの話をしてもヘビースモーカーはタバコを吸うのをやめないでしょう。
私のような高慢な受験生は相変わらず基本をおろそかにして、密かに自分の才能を過信して辛い勉強から逃げるでしょう。
自分で痛い目を見ていないわけですから・・。
→131さんは、来年択一に合格してください。そして、論文で私と同じ思いをしないように心がけて勉強してください。
過信していいじゃん!!司法試験なんて過信してないひとは受けようとも
思わない。
興味をもって愉しみながら勉強しよう!!
>>158 少なくとも設問と自分の答案や講評はあpしても問題ないと思われます。
コテ半さんが居なくなりそうですから、新しいメンバーが入って答練問題でも何でも
あぷしてスレ継続は歓迎されると思われます。
hoshu
ほっせ
まっつん荒らし登場につきage
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ`) / ⌒i
/ \ | | ネタ書きもせずにageとは,流石だよな漏れら。
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
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165 :
河童:04/10/14 16:46:56 ID:???
成績通知きました。
いまさら何を見ても驚かないつもりでした(驚く瑞々しさもない・・)ので、
全然驚きませんでしたが、ほとんど下三法勉強しないで受けた去年とほぼ同じ順位です。
総合B
憲法 G
これには正直驚きました。どうにもなりません。
憲法の論文の書き方をまったく無視すると、このようになるという典型でしょう。
問題1は定立した規範とあてはめがまったく乖離していましたし、
問題2は小手先の論理ばかりで、憲法観がまったく表せませんでした。
さすがにショックですが、一からやり直せると思いますし、
年明けくらいになって、自分で一応納得できるレベルにきたと思ったら、
またどこかでどなたかに答案を見ていただくつもりです。
(今度こそご批判を謙虚に真摯に聞きます)
民法B
何がどうよかったのかわかりません。悪い部分は山積みです。
問題2はそれなりに基本を書きましたが、
問題1は法律論を無視して理屈をこねて641条一本で書きました。
しかも、択一レベルの「重大な」ミスを連発・・・正直???
商法D
これも信じられません。G確定だと思いました。下三法はやはりレベルが相当低いのでしょうか。
とにかく今週から答連がはじまるため、いま急いで勉強していますが、
法律の論文の書き方を身につけながら、自分が劇的にレベルアップしているのを感じます。
答練は絶対に成績優秀者になりつづけます。
166 :
河童:04/10/14 16:47:36 ID:???
刑法C
不覚です。特に2問目は準備万端だったので、必ずAをとらなければならない科目でした。
とにかく構成要件の一つ一つを手際よく認定していく、ということをまったくしませんでした。
民訴A
昨年のスーパーG(おそらく白紙級)から一気の上昇。
1問目は予備校の答案そのものに独自の視点を少しだけいれました。
2問目は条文の数字(114条2項)だけで文言をまったく無視(答案にも書かない)しましたが、
とにかく条文の趣旨は書いて、必要性と許容性で書きました。
やはり下三法はレベルが低いのかも。
刑訴C
これは憲法に次ぐショック。もう少しよい評価を期待していました。
ただ、論理は自分でも上出来なほどうまく書けたと思っていますが、
やはり条文・文言を軽視して、要件、要件に関するあてはめを無視してしまいました。
167 :
河童:04/10/14 17:05:10 ID:???
まずは6科目共通した答案の書き方の常識的な基礎をマスターすることが大事だとわかりました。
なにせ私の条文・文言の軽視は、勉強の仕方でも実際の答案の書き方でも致命的でした。
(ひどいときは、いきなり解釈論を展開して、どの条文やどの文言について解釈しているかも明示していなかった・・)
とにかく六法を引きまくる勉強の仕方をします。今週からの答案に向けてやる気満々です。
今後は答案作成の作法や心得を9ヶ月間の答練や自主的答練で身につければ、
どの科目でどんな問題がきても本試験で平均以下の評価は絶対にこないような気がします。
六法を読んでいても、百選を読んでいても、予備校の模範答案を読んでいても、他人の答案を読んでいても、
いままでまったく見えていなかったことが嘘のようにいろいろなことが透けて見えてくる気がします。
では、しばしのお別れを。新生河童の答案を批評していただきたくなったら、また戻ってきます。
>>167 いままでみえなかったことって例えば、なんですか?
169 :
河童:04/10/15 19:43:28 ID:???
不合格の判明直後、そのショックで生まれてはじめての蕁麻疹があっという間に肌という肌に浮き出、
それとともに、頭の表層をもやもやと流れていただけの当板・書籍・伝聞で蓄積された論文の書き方一切が、
カミナリで打たれたように私の全身を伝い、脳髄と血液に染み込んだように感じられたのです。
自分ではこれを「悟り」と呼んでいます。
択一は去年「悟り」をひらいた後は、模試平均・今年の本試験ともスゴイ点数でした。
ところが論文は「悟り」をひらけずにいました。それが不合格のショックにより、受験後2か月ほどの間、
「不合格だったら、我流はダメで、ここをこういうふうに改善しないといけないんだよな」と漠然と考え続けてきたことが
一気に明確な形をとって噴き出し、ようやく「悟り」をひらけたのです。(要は謙虚に他人の話に耳を傾けただけですが)
これをきちんと表現するのは難しいし、もちろん自分なりの「悟り」後にもまだまだ学ぶべきことは山盛りです。
ただ、ご質問にお答えすれば、たとえば、条文のひとつひとつにも「必要性・許容性」が充ちていて、
それが「対立利益の調整」にも繋がっているのだと思います。
また、たとえば、論文答案で「反対説批判」を書くときは、それが「対立利益」の明示になるのみならず、
自説の「必要性」にも「許容性」にも繋がっていくと思います。
つまり、とにかく論文試験のありとあらゆる教材には、原則・例外・フォロー・一般論・特殊事情・定義・趣旨・
明文ある・なし・解釈の必要性・必要性・許容性・対立利益の調整・判例・法律構成・要件等々の、
巷で使い古されたこの試験のキーワードと呼ばれる概念がゴロゴロと転がっています。
そして、たとえば判例・学説・予備校論証のどの文言・表現がどのキーワードに配慮したものかなど、
それらをなるべく一つ一つきっちりと意識しながら密接に結びつけて勉強して理解していく、
そして、自らの答案がそれらを反映したものになるように努力していくことが大切なのだと思います。
170 :
河童:04/10/15 19:48:24 ID:???
私は基本を無視した去年、大変運よく(いまにして思えば運悪く)Aを3つももらったため、
勉強不足と基本の無理解の違いに気づかず、一年間きてしまいました。
それと一番私が勘違いしていたのは、自分の理論に都合のよい法律や理論を探してあてはめるのでなく、
法律という土台がまずあって、そこに立脚して私の理論を展開していかなくてはいけないということでした。
このようなことは、市販の論文の書き方本とか、予備校の基礎講座で学べるものなのでしょうが、
私はようやく自分の苦い経験を通して、自分の頭と気持ちで納得して理解して実践できるようになりました。
さて、成績通知もきて気持ちも新たになりましたので、今後は自分の勉強時間を大切にするため、
ご質問にお答えできないかもしれませんが、この板で得られたことは惜しみなくこの板に返したくて返信しました。
みなさん、勉強頑張りましょう!! もちろん答案アップもお待ちしています。
最後に、この試験は膨大な出題範囲から「たった」12問しか出題されない以上、そして採点者が異なる以上、
運が大きな要素であることは間違いありません。私も運がよければ、今年の実力でも合格できたと思います。
しかし、いまは「12問も」出題される以上、不運を恨む必要がないほどの実力を有することはもちろん可能で、
毎年、幸運な、のみならず、優秀な合格者が抜けていく以上、合格を確実にできる試験でもあると思っています。
>>170 確かに,運勝負の要素があることは否めないにしても,
たとえ運が悪くても合格できるだけの実力を付けることが大事だよな。
実力をつけると言っても,ウルトラCを狙う必要はない。
地道な基本の積み重ねが,結果的にウルトラCに繋がるんだよな。
河童者が悟りを開いたようなので,一安心しましたよ・・・っと。
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ`) / ⌒i 今どき「ウルトラC」か・・・。
/ \ | | ベテの臭いプンプンの言葉遣いだな,兄者。
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
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>>165 > 商法D
> これも信じられません。G確定だと思いました。下三法はやはりレベルが相当低いのでしょうか。
> とにかく今週から答連がはじまるため、いま急いで勉強していますが、
> 法律の論文の書き方を身につけながら、自分が劇的にレベルアップしているのを感じます。
> 答練は絶対に成績優秀者になりつづけます。
漏れの感覚では,
予備校答練の中でも商法が最も本試験問題から乖離していたな。
細かい知識を聞きすぎる。
まぁ,今はどうなっているかわからんが。
とにかく,答練の優秀者に載り続けること(=答練で良い点を取ること)よりも,
本試験で書く答案と同じスタイルで書ききることに重点を置いた方がいいな。
漏れも成績優秀者だったけど,答練では点数よりも,
答案スタイルを確立することを最優先に考えていましたよ・・・っと。
∧_∧
∧_∧ (´<_` ) お陰で,本試験では12通全てを
( ´_ゝ`) / ⌒i 同じスタイルで書き切れたんだよな,兄者。
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保守
さああてと・・・・
保守
hoshu
おっす!!
カッパくんは悟りひらいた後どうしたのかなあ?
生きてのか死んでるのか・・・・それさえもいまとなってわからない・・・
あれ?まだきてないな?
もうだめかな、ここも?
だめぽ?
181 :
河童:04/10/25 12:39:31 ID:???
お久しぶりです。「悟り」後、まずは順調です。
最初の答練では期待通りの、いままでとったことのないような成績がとれました。
法律論を書く、という意識をしただけで効果覿面です。
こんなことなら、もう半年前に気づきたかった・・。
もちろん、これからも油断せず勉強していこうと思いますが、
たまには自分なりに考えた答案をアップしていこうとも考えています。
「悟り」後、まだ勘違いしている部分も是非ご指摘いただきたいですし、
今度は十分に謙虚な耳も持っていると思いますので。
またそうなったら、みなさま宜しくお願いします。
おかえりぽ!!!
悟り後の答案みてみたいぽ!!
よろしくぽ!!!
がんばってね。
184 :
河童:04/10/28 22:42:59 ID:???
どこかのプロレスラーとかバスケット選手のように、いい加減な復帰を繰り返していますが、復帰第一弾です。
これは問題として学説の対立が激しい等の理由から、あまり「悟った」のが伝わらない答案になってしまいました。
しかし、来年あたり怪しいと思っている営業譲渡の問題を選びたくて、これにしました。
原則・例外とか、趣旨・定義とか、要件とか、文言解釈とか、それらのことは次回以降ということで・・。
それにしても、@法律の知識・メカニズムの理解、A現場思考力、B答案の書き方、は三位一体ですね。
わたしは、@Bがまったくありませんでしたが、これを意識してからは見違えるように答練の成績が上がりました。
X社は関東に2つ関西に1つの工場を有する製造業の株式会社であるが、そのうちの関西にある1つの工場及び
それに属する一切の営業をY社に譲渡したが、X社は右譲渡につき株主総会の特別決議を経ていなかった。
その後もY社は営業を継続し、当該譲渡契約につきX社に異議を述べず、代金の一部についてもX社に支払っていた。
しかし、その後長期間経った後、Y社は経営が不振に陥ったので、残りの代金の支払を逃れるため、
X社が株主総会決議を経ていないことを理由として、譲渡契約の無効を主張した。
この場合の商法上の問題点について論ぜよ。
また、譲渡当時Y社がX社の完全子会社であった(現在は親子会社関係にない)場合はどうか。
185 :
河童:04/10/28 22:43:40 ID:???
一 設問前段について
1 本問で、Y社がX社における株主総会決議の不存在を理由として無効主張をしているということは、
本問取引が「営業ノ・・重要ナル一部ノ譲渡」(245条1項1号)にあたることを
前提にしていると考えられる(245条1項本文参照)。
そこで、まず本問取引が営業譲渡にあたるか、245条1項1号にいう営業譲渡の意義について検討を要する。
(1)思うに、245条1項1号では、営業譲渡について規定した24条以下と同一の語句が用いられている以上、
営業譲渡の意義も同一に解することで法解釈の統一を図り取引の安全を確保すべきである。
よって、同条同号にいう営業譲渡とは、@一定の営業目的のために組織化され有機的一体として機能する財産の全部
または重要な一部の譲渡であり、Aこれにより譲受人に営業活動を受け継がせ、B当事者が特約で排除しない限り
譲渡人が25条に定める営業避止義務を負うものをいうと解すべきである。
(2)この点について、245条の趣旨が譲渡会社の株主保護にある以上、前述ABの要件を問題とすべきでない
とする見解もあるが、営業に関する人的要素、とりわけ顧客関係等の経済価値を軽視する点で妥当でない。
また、通常@の要件を満たす取引においてはABの要件も満たされるものであるので、
実際上の相違は大きくないため、私見のように解することで法律行為の明確性、取引の安全を重視すべきである。
(3)本問では、具体的事情は明らかでないが、@X社の3つのうち1つの工場とそれに属する一切の営業の譲渡は、
営業財産の「重要ナル一部」の譲渡というべきであろうし、A譲受人Y社が営業活動を受け継いでいる。
したがって、特約で排除されない限りBX社が競業避止義務(25条)を負うことになるのであり、
本問取引は245条1項1号の営業譲渡に該当する。
186 :
河童:04/10/28 22:44:46 ID:???
2 そうであるとすれば、取引にあたってはX社の株主総会特別決議が必要であるため(245条1項本文、343条)、
これがない以上、Y社の主張通り取引は無効となるのか。
思うに、245条1項は、譲渡会社の株主保護のために株主総会の特別決議(343条)まで要求したのであるから、
この決議を欠く場合には、原則どおり無効と解すべきである。
3 では、本問Y社の無効主張は認められることになるのか。
(1)譲渡会社において株主総会決議を経ない営業譲渡について、譲受人側からの無効主張の可否が問題となる。
この点について、譲渡人のみが無効を主張し得るとすると、譲受人は無効を主張されるまで
営業譲渡を有効に扱うことを余儀なくされるなど、著しく不安定な立場に置かれリスクを負わされることになるので、
特段の事情がない限り譲受人の無効主張を肯定すべきである。
もっとも、Y社は営業を継続し、本件契約についてX社に異議を述べず、かつ代金の一部も支払っている。
さらに、Y社は契約から長期間経過後に、経営が不振に陥ったため代金支払を免れるため、
X社が総会決議を経ていないことを奇貨として無効を主張している。
よって、Y社の無効主張は信義則(民法1条2項)に反するという特段の事情があるとして、これを許すべきでない。
(2)なお、営業譲渡は特別決議を経なければ本来無効であるが、
譲渡会社は譲受人に悪意・重過失ある場合にのみ無効の主張が許されるとする相対的無効説を前提に、
譲受人からの無効主張を否定する見解がある。これは245条の趣旨があくまで譲渡会社の株主保護であるとしながら、
取引の安全に一定の配慮を示す見解である。しかし、譲渡会社の株主保護を重視するならば、
そもそも特別決議を経ない営業譲渡は無効とすべきである。
また譲渡人が偽造等無効の株主総会承認決議の議事録謄本を交付していた場合等には、
譲渡会社に対する責任追及(261条3項、78条、民法44条1項)、取締役に対する責任追及(266条ノ3第1項)
をもって十分に保護され得るので不都合はないと解する。
187 :
河童:04/10/28 22:45:24 ID:???
4 以上より、本問の取引は前述@ABの要件を満たし、245条1項1号にいう「営業」譲渡にあたるが、
Y社の無効主張は信義則に反するものとして許されない。
二 設問後段について
1 本問のように、営業譲渡先がX社の完全子会社であるY社であった場合もX社の株主総会特別決議が必要か。
2 この点について、親子会社間で営業の譲渡がなされても、親子会社は実質的に一体であるから、
事業のあり方に変更はないとして、特別決議を不要とする見解もある。
3 しかし、決議を不要とすると、子会社に譲渡された営業は親会社の株主の意思を問うことなく、
親会社の代表取締役ないし取締役会のコントロール下に入るため、
245条が特別決議まで必要として株主を保護しようとした趣旨が没却される結果となり、妥当でない。
実際に、本問では、譲受人である子会社とは現在親子会社関係にないということで、
親会社の株主にとってはその意思を問われることがないまま、当該営業を手放す結果となっている。
また、会社の新設分割に関して株主総会の特別決議が必要とされていること(374条3項)との均衡上、
原則通りこれを必要と解すべきである。
4 よって、完全子会社に営業譲渡する場合にも、株主総会の特別決議は必要と解すべきであり、
本問営業譲渡は無効であり、特段の事情のない限り、Y社はそれを主張できることになる。
もっとも、本問でも、設問前段と同様にY社の無効主張は信義則に反し認められない。
188 :
河童:04/10/28 22:49:07 ID:???
*後記
また宜しくお願い致します。
そして、レスくださってこの板を保守してくださっていた方達にお礼を申し上げます。
どうもありがとうございました。
さて、今回の答案に関連して、まず疑問があります。
判例のように無効主張は誰からでもできるとした場合、譲受会社の債権者が無効を主張してきたらどうなりましょう?
信義則違反は主張できないでしょうし、原則無効→信義則の理論では行き詰まることもあるような気がします。
理論的には譲渡会社の追認を擬制するとかでしょうか・・。
これは株主名簿書替の不当拒絶とか株券発行の不当遅滞とかの場合も同じですが、私はこれらの場合、信義則でなく、
法律(204条2項、206条1項)の適用自体を排除することにより、会社でなく他の株主に主張された場合にも、
株主としての地位を主張できるとしています。
あまり、「悟り」が表面に出ませんが、最後の論点で374条3項を引き合いに出すあたり、
条文を大事にするという意識が出てきて、自分なりの成長かなと思ったりしています。
「模範解答」作成より、条文や法律構成・要件を大事にして答案を作成する技術を磨くことが先決だと思う今日この頃。
厳しいご批判・ご意見、そして私の疑問へのお答えをお待ちしております。どうぞ宜しくお願い致します。
なお、たまにしか接続しないことにしましたので、レスが遅れるのはご容赦ください。
最後に、チェゲバラの青年時代をモデルにした映画を見ました。
自分の中の使命感を奮い立たせる素晴らしいデキでしたので、どうも気が入らないときなどにはお勧めです。
189 :
131:04/10/30 00:01:09 ID:???
>>184-188勉強、順調なようですね。また頑張っていきましょう。
> 一2Y社の主張通り取引は無効となるのか。
> 原則どおり無効と解すべきである。
> 3(2)なお、営業譲渡は特別決議を経なければ本来無効であるが、
原則を後に書いているので、流れが悪いかなあと思います。
反対説の存在が問題の所在になるので、書くなら前のほうがいいのでは?
> 3(1)もっとも、Y社は営業を継続し、本件契約についてX社に異議を述べず、かつ代金の一部も支払っている。
> さらに、Y社は契約から長期間経過後に、経営が不振に陥ったため代金支払を免れるため、
> X社が総会決議を経ていないことを奇貨として無効を主張している。
いきなり信義則のあてはめになっていますが、規範を先出しすべきと思います。
「特段の事情がない限り〜」という部分で「例えば信義則違反など」、と言っておくとか。
二では、けっきょく条文の形式的適用なので展開する必要があるのか疑問です。
問題意識は分かるのですが、ちと空中戦になっているという印象です。
> 最後の論点で374条3項を引き合いに出すあたり、条文を大事にするという意識が出てきて
スタイルの違いもあるとは思いますが、許容性で個別に条文を挙げるより、
問題提起や形式的な原則論で条文の文言を的確に示したほうがいいのではないでしょうか。
例えば二においては形式的には245、〜だが〜みたいなことを頭に持ってくるとか。
あと、実際に書くときは反対説は削られるでしょうが、もう少し全体をコンパクトにしても書き負けないと思います。
> 判例のように無効主張は誰からでもできるとした場合、譲受会社の債権者が無効を主張してきたらどうなりましょう?
主張を許しても問題ないのでは?
危ないとこにいた 保守
>>187 微妙だけど、やっぱ、原則=形式 決議不要、もっとも、特殊事情=親子会社、そこで、という展開で、はじめに原則ぶっちゃけたほうがわかりやすかったのかな、とも思う。
しかし、悟りはすごいね。もっと、悟後の論文要望!!
192 :
:04/11/04 04:10:59 ID:???
kappa
194 :
河童:04/11/05 13:37:07 ID:???
なんだかアップの意欲が湧いてきません。それは勉強の意欲とは関係ありません。
結局、答案作成における「構成」の重要性や、様々なケースにおける「要件」と、
その一つ一つの要件に関する「解釈」を勉強することの重要性が理解できたため、
「模範解答」の作成を追求することにそれほど重きを置かなくなってしまったからです。
基本が固まれば、答案構成だけで十分というのは一理あると思えるようになりました。
主に「法律構成」「要件」「あてはめ」と、適切な個所に適切な「解釈」ということです。
もちろん、実際に答案全文を書く勉強方法からも逃げたらいけないわけですが。
・・自慢混じりになりますが、択一については、模試では10回中8回は刑法満点でした。本試験でも満点でした。
しかし、今年の論文試験では「横領」に関する論証を、「背任」に関する論証と半ば混同して書いてしまいました。
また、「横領未遂で可罰」みたいに書いたのは既述のとおりです。
狙っていた問題だっただけに、ますますほんとに情けなかったです。(あれで評価Cなら・・・まともなら!)
そして、それこそやはり法律の論文を書けていなかった証拠だと猛省していまに至り、勉強方法を変えたわけです。
もっとも、他の方に聞きたいこともありますので、近いうちに民訴の答案をアップしたいと思います。
いま勉強していまひとつスッキリしない「補助参加の利益、参加的効力及び訴訟告知の効力について」です。
>河童さん
いい感じですね。
この勢いで来年の本試験まで突っ走れば,
あっという間だと思います。
がんばれ!
私も頑張ってますよ。では。
# トリップを変えました。
>>194 > 主に「法律構成」「要件」「あてはめ」と、適切な個所に適切な「解釈」ということです。
河童者も,ようやくそこに気付いたか。
問題のないところは,珍理論など展開せずに,基本的に判例に乗ってアッサリ済ませて,
勝負所(=適切な箇所)で,しっかり解釈すれば受かるんだよな。
∧_∧
∧_∧ (´<_` ) 本試験でも,そういう答案を書くと決めておけば,
( ´_ゝ / ⌒i 普段の勉強も,自ずと変わってくるわけだな。
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
まぁしかし,たったそれだけのことすら出来ない受験生が
大多数というのが現実なんだよな・・・。
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ / ⌒i 兄者もちゃんと出来ていたか疑わしいけどな。
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__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
>>294 刑法択一満点というのは驚異的ですね。
なにやったらそうなったのかちょっと教えてください。
なに読んだ?
199 :
河童:04/11/09 20:40:12 ID:???
30さん、Fさん、みなさんこんばんは。
勉強は順調です。
基本書も読むようになりました。
答練の成績も文句ありません。(半分がやっとだったのが、いまやほとんど上位5%以内!!)
そこで、どうしても論理を一貫できなかった補助参加の利益と参加的効力、訴訟告知の効力の三者間の関係について、
少し時間をかけて自分なりに自説をまとめてみました。基本は守ってないかもしれませんが、わりと意欲作です。
分量オーバーですが、自分なりに自説を確立しておけば応用が利くと思っています。
問題
補助参加の利益(42条)、参加的効力(46条)及び訴訟告知による効力(53条4項)について論ぜよ。
200 :
河童:04/11/09 20:41:54 ID:???
一 補助参加の利益について
1 第三者が他人の訴訟に補助参加するための要件として、第三者たる補助参加人は
「訴訟の結果に利害関係を有する」こと、すなわち補助参加の利益が必要とされる(42条)。
2 では、第三者は、いかなる場合に「訴訟の結果に利害関係を有する」といえるか。
(1)この点について、補助参加するために「訴訟の結果について利害関係」が必要とされるのは、
第三者に自己の権利保護の手段を与える利益と、他方で訴訟が必要以上に複雑化することを防止し、
相手方の応訴の負担を回避することとの利益を合理的に調整させ、参加人の範囲を限定するためである。
(2)よって、まず「利害関係」とは感情的・経済的利害関係では足りず、法律上の利害関係を必要とすべきである。
(*省略可能 具体的には、例えば、甲に対する乙のX土地の所有権確認及び土地明渡請求訴訟が係属中として、
第三者丙は甲と兄弟として人的愛情があることや、
甲の一般債権者としてその責任財産を保全したいということを理由としては、「利害関係」を有するとはいえない。
しかし、丙がX土地の差押えをなしていた場合には「利害関係」を有することになる。)
201 :
河童:04/11/09 20:42:45 ID:???
(3)次に、「訴訟の結果に利害関係を有する」を考えるにあたっては、
前述の利益調整の観点からすれば、既判力にとらわれずにその範囲を決すべきである。
そこで、「訴訟の結果に利害関係を有する」とは、原則として判決主文で示される訴訟物に対する判断によって
当該第三者の法律上の地位が影響される場合をいうが、理由中の判断であっても、重要な争点に関する判断であれば、
これにより第三者に法的地位ないし法的利益に一定の影響を与え得るため、このような場合も含むものと解する。
具体的には、例えばAがBの建設中の建物に売却した家具を搬入するという契約を締結したが、
契約主体がBか建設業者のCか不明な場合、AのBに対する売買代金請求訴訟の係属中に、CはAに補助参加できる。
この場合、確かにAの契約相手方当事者はBでなければCであるという論理的択一関係にはなく、
事実上の択一関係があるに過ぎないため、Aの請求棄却の判決によってCの法的地位は直接的には影響を受けない。
しかしながら、CはA側に補助参加してAを勝訴させることにより、Aから後訴を提起されることを防げるため、
なお「訴訟の結果に利害関係を有する」というべきである。
202 :
河童:04/11/09 20:43:29 ID:???
二 参加的効力について
1 補助参加がなされると、一定の場合を除き、補助参加人には裁判の「効力」が及ぶとされる(46条)。
2 では、この「効力」の意義についていかに解すべきか。
(1)この点について、「効力」を既判力と同様に解する見解もあるが、
既判力は一律的拘束力により法的安定性を図ろうとするものであるため、
様々な除外事由(46条1号ないし4号)を定められた「効力」と同一視するのは妥当でない。
(2)思うに、補助参加は参加人が被参加人を勝訴させることによって自己の利益を守る制度である。
また、訴訟追行に制約があり手続保障の十分でない補助参加人と、
相手方当事者との間に信義則(2条)を超えて何らかの拘束力が生じ得るのを認めるのは妥当でない。
とすれば、同条にいう「効力」とは、参加人が被参加人に協力し、または協力し得たにもかかわらず、
被参加人が敗訴した場合は、その敗訴責任を参加人にも負担させるのが衡平であり、
紛争の一回的統一的解決にも資することから認められた特別の効力であると解すべきである(参加的効力)。
(3)よって、この効力は被参加人敗訴の場合、参加人・被参加人間に生じるものであり、
判決主文に包含された訴訟物たる権利関係の存否についての判断だけでなく、
判決理由中でされた事実認定や法律判断にも及ぶものと解する。
もっとも、理由中の判断については、参加的効力は敗訴責任を分担するために認められたものであるから、
それが生じるのは判決の主文を導き出すため必要とされた主要事実にかかる認定及び法律判断であって、
実際に攻撃防御が十分に尽くされた事項に限られると解する。
具体的には、例えば前述の例で、AのBに対する売買代金請求訴訟において、
CがAの側に補助参加して契約当事者はBであると攻撃防御を尽くして十分に争ったにもかかわらず、
AがBに敗訴した場合において、CはAから売買代金請求訴訟の後訴を提起された場合、
前訴判決主文の理由中の判断である「契約当事者はBではない」ことに参加的効力が生じ、
「契約当事者は自己でないこと」は別段、「契約当事者はBである」との主張をなし得ないことになる。
203 :
河童:04/11/09 20:44:13 ID:???
三 訴訟告知による効力について
1 当事者が訴訟の係属中に「参加することができる第三者」に対して訴訟告知をなすと、
被告知人は当事者間の訴訟に補助「参加しなかった場合においても、・・参加することができた時に
参加したものとみな」されて、前述の参加的効力(46条)に服するものとされている(53条1項、4項)。
2 ここで、同条1項にいう「参加することができる第三者」の意義をいかに解すべきか問題となるが、
前述した補助参加についての「訴訟の結果に利害関係を有する第三者」と同義であると考える。
もっとも、例えば前述の例で、AがCに訴訟告知をしたにもかかわらず、Cが補助参加しなかった場合には、
Cは「契約当事者はBである」ということについて何ら攻撃防御を尽くしていないため、
かかる事項について参加的効力は生じない。
このことは、Cが補助参加した場合と較べて、不均衡な結論であるとも思われる。
しかし、訴訟告知制度が被告知者の手続保障のみならず、告知者の利益のための制度であるとしても、
本事例のように事実上の択一関係に過ぎない場合に、すなわち被告知者が判決理由中の判断について
利害関係を有するに過ぎない場合に、訴訟告知を受けたことのみをもって、
被告知者が後訴において極めて不利な立場に立たされ得るとすることは、むしろ当事者の公平を害することになろう。
なぜなら、被告知者は補助参加しても補助参加人の従属性を規定した45条2項により、
十分に手続保障を与えられるとは限らず、にもかかわらず補助参加しなければ不利益を被り得るとすることは
被告知人にとって煩雑であり、酷だからである。
なお、かく解しても、Aは訴訟告知してもCが訴訟に補助参加しないときには、Cに対して別訴提起の上、
AB間の訴訟と弁論の併合を申立てれば、両者に敗訴するおそれはないため、Aの保護に欠けることはない。
204 :
河童:04/11/09 20:48:31 ID:???
*後述
まだよく考えていませんが、補助参加できる者が訴訟告知を受けた場合、判決主文の事項に関しては、
無条件に参加的効力が及ぶとしてよいものか・・。きっとよくないのだと思います。
やはり、訴訟告知の効力と参加的効力は切り離して考えるべきなのかもしれません。
具体的には、「参加することができる第三者」(53条)と「訴訟の結果に利害関係を有する第三者」(42条)とを
統一的に同義であると考えるのは無理があるのではないかと疑いを持っています。
もっとも、事例問題であれば、適当に必要性と許容性で実質論を書いて凌げる気がしますが。
ご意見・ご指摘お待ちしております。
特に、「そんなことは誰々の基本書に書いてある」という情報があればいただきたいものです。
なお、レスはこまめにできませんが、ご容赦ください。
ちなみに、おかげさまで私はとっても元気です。
すごいね
悟りですな・・・・
他の科目もこんな感じでいってるのかいな?
207 :
河童:04/11/12 12:21:03 ID:???
*実質的なご意見等のレスがないうちから、早速、具体的な事例問題で検討してみました。
*確か辰巳かレックの答練問題ですが、判例がベースの問題であることは間違いないと思います。
*問題
甲は乙に対し、乙が施主となって建築したカラオケボックスに納入した家具等の売買第金請求訴訟を提起した。
甲は、本件訴訟以前に建設業者Aに対し、Aからの注文により上記カラオケボックスに、
本件家具等を納入したとして売買第金請求訴訟を提起したが、その訴訟において、
Aは「注文者は自分でなく、施主の乙である」と争ったため、甲は乙に訴訟告知したが、乙は補助参加しなかった。
結局、甲はAに敗訴し、その判決が確定したが、その判決の理由には「本件商品はAが購入したものではない」とされ、
傍論として「乙が購入した」と認定されていたという経緯がある。
甲A間の判決の効力は甲乙間の訴訟に効力を及ぼすか。また、甲は前訴でどのような措置を採るべきであったか。
208 :
河童:04/11/12 12:27:46 ID:???
一 設問前段について
1 前訴の当事者ではない乙には、甲A間の判決の既判力は及ばない(115条1項)。
2 しかし、本問甲は乙に対して訴訟告知(53条)をなしている。
ここで、訴訟告知がなされると、被告知人は当事者間の訴訟に補助「参加しなかった場合においても、
・・補助参加することができた時に補助参加したものとみな」されて、
46条の規定に従って当事者を名宛人とする裁判の効力に服することとされている(53条4項)。
3 では、乙が訴訟告知の効力を受けるか、まず46条の「効力」について明らかにしておくのが有用である。
(1)この点について、「効力」を既判力と同様に解する見解もあるが、様々な除外事由(46条各号)のある「効力」は、
一律に決すべき制度的拘束力という既判力の本質に反するため、妥当でない。
(2)思うに、補助参加は参加人が被参加人を勝訴させることによって自己の利益を守る制度である。
とすれば、「効力」とは、参加人が被参加人に協力し、または協力し得たにもかかわらず、被参加人が敗訴した場合は、
その責任を参加人にも負担させるのが衡平であることから認められた特別の効力(参加的効力)であると解すべきである。
(3)よって、この効力は被参加人敗訴の場合、参加人・被参加人間に生じるものであり、
判決主文に包含された訴訟物たる権利関係の存否についての判断だけでなく、
判決理由中でされた事実認定や法律判断にも及ぶと解する。
もっとも、参加的効力は敗訴責任を分担するために認められたものであるから、
判決主文以外にそれが生じるのは判決の主文を導く上での重大な争点の認定及び法律判断であって、
実際に攻撃防御が十分に尽くされた事項に限られると解する。
209 :
河童:04/11/12 12:28:38 ID:???
4 次に、乙が「参加することができる第三者」(53条1項)にあたるか検討する前提として、
補助参加の要件である「訴訟の結果について利害関係を有する第三者」(42条)の意義を明らかにする必要がある。
(1)この点について、前述のように参加的効力(46条)が判決理由中の判断にまで及び得るとする以上、
判決主文で示される訴訟物に対する判断によって法律上の地位が影響される場合に限らず、理由中の判断であっても
重要な争点に関する判断によって法律上の地位が影響される場合にも、当該要件を満たすと考えるべきである。
(2)本問では、確かに、乙のAに対する本件商品の売買代金支払義務の有無は、
前訴における甲のAに対する本件商品の売買代金請求訴訟の結果によって論理的に決せられるという関係にはない。
しかし、事実上Aの契約相手は甲でなければ乙という関係にあり、重要な争点である理由中の判断によって
法的地位ないし法的利益に影響があるため、乙は前訴の「訴訟結果について利害関係を有」していたというべきである。
(3)よって、乙は「参加することができる第三者」(53条1項)にあたり、「効力」(46条)を受け得ることになる。
210 :
河童:04/11/12 12:29:48 ID:???
5(1)もっとも、かく解しても、結論として本問では、甲の訴訟告知による参加的効力は何ら乙に及ばない。
なぜなら、確かに甲A間の訴訟の「購入者はAでない」という部分は
主文を導く上で重要な主要事実にかかる認定といえる。しかし、かかる主要事実の認定について、
補助参加していない乙は、なんら甲と協力して攻撃防御を尽くしたわけではないからである。
(2)なお、この点について、乙が訴訟告知に応じて、あるいは自主的に甲A間の訴訟に甲を勝たせるために参加し、
「購入者はAであるかAでないか」について十分に攻撃防御を尽くした結果、甲が敗訴した場合には、
「購入者はAではない」という理由中の判断について参加的効力が生じると解される。ゆえに甲乙間の後訴において乙は
「購入者は自分でなくAである」と主張できず、甲は有利な地位を獲得できるため、かかる結論は不均衡とも思われる。
しかし、たとえ訴訟告知制度が告知者の利益のための制度という一面を有しているとしても、本問のように
事実上の択一関係に過ぎない場合に、すなわち被告知者が判決理由中の判断について利害関係を有するに過ぎない場合に、
訴訟告知を受けたことのみをもって、被告知者が不利な立場に立たされ得るとするしたのでは、
むしろ当事者の公平を害することになろう。
なぜなら、被告知者は補助参加しても十分に手続保障を受けられるか定かでない(45条2項)にもかかわらず、
補助参加を強制されるのでは、煩であり酷だからである。よって、自説の結論は妥当である。
6 以上から、前訴甲A間の判決は甲乙間の訴訟に効力を及ぼさない。
二 設問後段について
1 以上のように、「Aが購入したのではない」という認定が甲乙間の訴訟に効力を及ぼさないとすると、
甲の乙に対する後訴において「甲A間で売買契約が成立していた」というような認定の下、敗訴してしまうおそれがある。
かかる理不尽な敗訴を回避するために甲は前訴においてどのような措置を採るべきであったか。
211 :
河童:04/11/12 12:30:35 ID:???
2 甲は前訴において乙を被告に追加する旨の申立てをすることが可能であったか、
いわゆる明文なき主観的追加的併合の可否が問題となるが、かえって訴訟の混乱や濫訴を招きかねないため、
これを否定すべきである。後述のように法は別訴を提起の上弁論の併合を申立てるという方法を用意しているのであり、
弁論の併合の是非は裁判所の裁量に委ねられていると解すべきである。
3 また、甲としては、乙をAと共同被告として訴え、同時審判の申出(41条)をすることもできない。
なぜなら、前述のように甲A間の訴訟物と甲乙間の訴訟物たる権利関係とは「法律上併存し得ない関係」ではなく、
事実上の両立し得ない関係であるにすぎないからである。
4 結局、甲は、乙が補助参加をしないと判明した時点で、甲A間の訴訟係属中に別訴で乙に対する訴訟を提起した上で、
裁判所に対して弁論の併合(152条)の申立てをすべきであった。この場合に弁論の併合が認められれば、
乙を同一手続で被告とすることができるため、紛争の統一的解決が図られ、
先述の例のような前訴と矛盾する認定をもって敗訴することはなくなるといえる。
なお、前述のように弁論の併合は裁判所の裁量で行われるわけであるが、かかる場合には
甲の弁論併合の申立てが権利濫用にあたるなどの特段の事情がない限り、裁判所は弁論の併合をなすべきと考える。
*後述
*どうにか確実にAがとれるくらいにはまとまった気がしますが如何でしょうか。
*明文なき主観的追加的併合を認めない説の私としては、やや苦しくなる問題ではあります。
212 :
河童:04/11/12 12:34:59 ID:???
*裕子さん、最終合格おめでとうございます。
*私の唯一の生身の司法試験の友人は、刑法で10回以上撤回したけど大丈夫だったそうです。
そいつは、論文試験後にCブックを読んで目からうろこが落ちたといっていました(話しをしていてもそのレベル)。
(まあ、私も似たようなものですが・・。更に私の場合は、基本書を読んで二枚目のうろこも落としているところです)
約4年間にわたって朝の6時に起きて、夜中までひたすら予備校の答練の答案構成などして毎日を過ごしていたようです。
効率の悪い間違ったやり方で努力して力づくで合格する・・そのパワフルさには脱帽です。
なお、そいつと話しをしたところ、口述対策をしていた段階で私と同じ悟り方をしたらしく、
それを戦友の私に伝えてくれようとしたとか。・・半年遅い・・。
あと試験後、帰りに寄った飲み屋で興奮気味に「刑訴だけは絶対にスーパーA」とか言っていたくせに、Fだったとか。
自白法則・伝聞法則の趣旨や定義、関係をみっちり書いても、条文・要件をおろそかにすると・・という典型でしょう。
申し分ないね。申し分なくておもろくない。
も、ちっと苦手分野で申し分ありそうなのにしてくれ。
強いていうと
4を論じる実益を述べたほうがいいかな?
つまり、乙に適格がなければ、そもそも効力が及ばない、ってことでしょ?
215 :
河童:04/11/15 13:03:13 ID:???
さて、民訴の勉強をしていたのですが、ずいぶん前にできていた商法の答案をアップします。
いま辰巳の答練を受けているのですが、良問と思える問題があったからです。
それにしても、加藤晋介という講師は本格派と宣伝されていて、問題はよいのですが、
相変わらず「模範解答」については、なんとかしてくれ、という感じです・・。
問題
民法上の代理と、商法における代理を比較した上で、無権代理行為があった場合の本人・無権代理人の責任について、
民法上の原則と商法上の名板貸、手形法上の無権代理行為が行われた場合の責任の異同について論ぜよ。
216 :
河童:04/11/15 13:03:50 ID:???
一 民法上の代理と商法上の代理について
1 民法は代理について顕名主義をとり(民法99条1項)、非顕名の場合については、
相手方が代理人において本人のためにすることを知り又は知り得ベかりし場合(悪意又は有過失)に限り、
本人にその効力が生じるとする(民法100条但書)。
したがって、本人と代理人の契約上の責任発生は、択一的である。
2 これに対して、商法504条は、民法の代理の特則を定め、非顕名主義を原則とした上(本文)、
相手方が本人のためにすることを知らない場合につき、代理人に対して履行の請求ができると規定する(但書)。
同条の効果については争いがあるが、同条の趣旨は、大量・反復的になされる商取引の便宜・簡易・迅速性を
確保することと並んで、本人・代理人と相手方の利益の合理的調整を図る点にあると考えられる。
そうであるとすれば、相手方と本人の間に契約は成立しているが(本文)、
但書によって相手方と代理人との間にも相手方・本人間と同一の法律関係が生じ、
相手方は本人あるいは代理人との法律関係を択一的に主張できると解するのが妥当である。かく解すれば、
相手方は契約時また選択時の取引主体に対する期待が裏切られることはないのでその保護としては十分であり、
他方で本人・代理人が負う責任も妥当な範囲でおさまる。なお、但書の規定の適用要件として、
同条の趣旨が商取引の便宜・簡易・迅速性を確保することにあることに鑑み、
相手方が善意無重過失であれば足りると解する。
3 結局、両者の差異の根拠は、民法の代理が通常の場合、代理の対象となる行為及び、
その相手方も決められており、1回的な行為であるのに対して、商法の代理は多様・反復・継続的な取引について、
特定多数又は不特定多数の相手に対して、簡易・迅速になされるべきものである点に存する。
すなわち、商法の場合、簡易・迅速が求められ、また継続的・反復的代理であるがゆえ
非顕名主義を採用する必要性と許容性が存するのであり、同時に主観的要件も悪意・重過失と緩和されている。
また、相手方の信頼を民法の場合より保護すべく、主観的要件を緩和するのみならず、
択一的でなく選択的に本人あるいは無権代理人を相手方として契約責任を追及できるとしているのである。
217 :
河童:04/11/15 13:05:02 ID:???
二 無権代理行為と無権代理人の責任について
1 民法の原則
(1)本人の責任
無権代理行為がなされた場合、本人は追認しない限り(116条参照)、原則として責任を負わない。
ただし、相手方保護の観点から、民法109条、110条、112条の場合において、
表見代理の成立を認め、本人に契約履行の責任を負わせ、善意・無過失の相手方の保護を図っている。
(2)無権代理人の責任
無権代理人は、本人の追認がない限り、善意無過失の相手方に対して、無権代理人の責任を負い、
その責任の内容は履行またはそれに代わる履行利益の損害賠償である(民法117条)。
(3)なお、表見代理が成立して相手方に対して本人が契約上の責任を負い得る場合であっても、
無権代理人の責任が否定される理由はないため、相手方保護のため相手方は択一的に責任を追及できると考える。
2 名板貸
(1)名板貸人の責任
名板貸人は、名板借人とは別個の営業主体であるため、原則として名板借人の行為に責任を負わない。
しかし、営業のために自己の氏名・商号等の使用を許諾した者と取引した者が、
善意無重過失で自己を取引主体であると誤認した場合に、名板借人と連帯責任を負うとされている(商法23条)。
この名板貸責任(商法23条)は、民法109条の特則であり、外観作出に対する責任といえる。
(2)名板借人の責任
名板借人は、名板貸人が23条の責任を負うか否かにかかわらず、本人として契約上の責任を負う。
これは、そもそも名板借人自身が主観的にも客観的にも契約当事者であることによる。
(3)このように、択一的あるいは選択的でなく、名板貸借人両者が連帯責任を負うのは、
相手方としては両者を同一の取引主体であると期待して取引するため、その期待を保護する必要があるからである。
この点で、民法の代理や商法504条の場合と異なるといえる。
218 :
河童:04/11/15 13:05:43 ID:???
3 手形法上の無権代理(手形法8条)
(1)本人の責任
本人は、無権代理行為に対して、原則として責任を負わない。
もっとも、民法の表見代理規定に基づき善意無重過失の相手方に対して手形上の責任を負い得る。
そして、その場合における「相手方」には、民法・商法の無権代理の場合と異なり、
無権代理人の直接の取引相手のみならず、その後の譲受人も含むものと解すべきである。
なぜなら、手形取引の安全確保と促進のため、相手方の主観的要件は緩和する必要があり、
また転々流通を予定する手形においては前述の目的達成のため、直接の相手方のみならず、
通常の民商法の取引では代理権の存在を信頼する立場にない第三者をも保護する必要があるためである。
(2)無権代理人の責任
手形法8条は、民法の無権代理人の責任の特則である。すなわち、手形法8条は、
手形債務が代替可能な金銭債務であることと相俟って、無権代理人自身が手形上の責任を負うこととしたものである。
したがって、同責任は履行や損害賠償責任ではなく、法定の独自の手形上の債務であるという点において、
民法上の無権代理人の責任とは異なる。また、かかる独自の責任であるため、
表見代理が成立して本人が責任を負い得る場合であっても、無権代理人はその責任を免れない。
もっとも、手形法8条の責任も手形の流通保護のための法定責任であると解される以上、
悪意又は重過失ある相手にはその責任を負わないと解する。
三 以上のように、本人・無権代理人等の責任は、無権代理人等の責任の性質、
相手方の抱くであろう期待等に応じて、それぞれ異なっているといえる。
219 :
河童:04/11/15 13:06:56 ID:???
*後述
なんとなく、ガチャガチャな答案で、またも綺麗に流れるような答案とはいきませんでした。
もう少しどこかに視点を固定して、一本筋を通した答案にするほうがよいのかもしれませんね。
いまのところ事例問題でなく、こういう問題のまとめ方が課題となっています。
*先日の民訴の答練で「悟り」の「実践」を実感しました。
上位5%どころか、一ケタ順位が続く最近の成績を見ていると、来年の夏までが長く感じられてしまいがちです。
もっとも、様々な基本書・判例100選には吸収すべき知識が山ほどあるので、充実して過ごせそうですが。
人もあまりいませんし、刑訴の勉強に入るので、またしばらくお休みします。
すごい、すごい、これだけ書ければ合格答案間違いない!!
見違えたね!!!
保守しとくよ
おわりか?
カッパさん
苦手科目で悟りの威力をしめしてください
河童さん、元気?
225 :
河童:04/11/26 23:59:04 ID:???
みなさん、こんばんは。おかげさまで、私は大変元気です。
苦手科目、というと、憲法・・ということになるのでしょうが、
答練の順番的に憲法はアップするなら年明けですね。
是非、憲法の答案は見ていただきといと思っています。
いま刑訴の勉強をしていますが、2回の個人的な本試験の経験から、
六科目の中で一番レベルが高い?と思われるのが、刑訴のような気がします。
自己分析によると、私が完璧に書いたつもりで、評価が伸びないのは、
要件を大事にしないことと、細かな条文が拾えていなかったせいだと思います。
いずれにしても、答練の成績がよく択一が得意なだけに、少し緊張感が薄れてきたので、
漠然とした(しかし漠然としてしかいないことに大変な)危機感を抱いています。
どこか図書館ででも一緒に自主的答練をして、添削し合う仲間がほしいのですが・・。
非法学部出身で、基礎講座とか一切とっていない私には、なかなか適材が見つかりません。
このままだと今年と同じ後悔をしそうで怖い・・・。
余計なお世話かもしれませんが、私と同様に少し気が緩んできたみなさんは、
「あの恐怖感=屈辱感」を思い出して、もう一度気持ちを奮い立たせてください。
学者本一冊も持ってないのに・・択一キング満点連発って河童ちゃん凄いかも。
ちまたの択一チャンプは大抵予備校チャイルドだよ。本人が公言するか秘匿するか別にして
おれ伊藤チャイルドだけど択一だめぽ
受かった人と刑法の話ししてもなんでこいつがとおもうんだけど・・・
河童ちゃんガンガレ
230 :
河童:04/12/01 00:03:17 ID:???
刑訴の論文は週明けくらいに・・・。
取調受忍義務肯定説の人間でしたが、やはり否定説に戻ろうかと思案中です。
(取調受忍義務肯定はわりと書きやすいのですが、人と違うことをする必要はもはやないという気持ちです)
択一に関しては、ドブ浚いをするような努力が一番大事だと思います。
いまは論文の勉強と密接に関係させて勉強していますが(憲法の合憲審査基準の定立等)、
去年の私はとにかく択一マシーンと化して問題を解きまくることで、「悟り」をひらきました。
今年合格した友人も、択一マシーンと化すことで高得点マシーンになっていました。
とにかく論文で通用しない勉強方法でも択一では有効ということもありますので、
苦痛とは思いますが、択一が苦手な方は、より大きな「あの苦痛」を味わわないためにもご一考ください。
231 :
河童:04/12/03 21:51:26 ID:???
今週末から刑訴の答練が開始されるのですが、やはり取調べ受忍義務の有無が悩みのタネです。
そこで、みなさまにご意見をいただきたく簡単な答案をアップしてみました。
謙虚な耳を傾けますので、どうか久しぶりに厳しい助言をいただきたくお願いします。
問題
逮捕・勾留中の被疑者の取調べについて論じた上で、余罪を取調べることが許されるか、
許されるとした場合には、その限界はいかなるものか論ぜよ。
232 :
河童:04/12/03 21:52:39 ID:???
1 逮捕・勾留中の被疑者取調べについて 〜被疑者の取調べ受忍義務の有無について〜
捜査機関は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者に出頭を求め、
これを取り調べることができるとされている(198条1項本文)。
そして、「逮捕又は勾留」中の被疑者には更に取調べ受忍義務が認められると解する(同条項但書反対解釈)。
実質的に考えて、厳格な強制処分法定主義(197条但書)の下、取調べの有用性は否定できないからである。
取調べ受忍義務を認めることは、被疑者の黙秘権(憲法38条1項、法198条2項)を実質的に侵害するとして、
これを否定する見解もあるが、いつでも取調室から退去できるとしながら、「取調べ中であること」のみを理由に、
接見指定(39条3項)を認めることは不自然といえる。
それよりも逮捕・勾留の基礎となる被疑事件につき、取調べ受忍義務を認めることによって、
任意の取調べとの区別を明確ならしめ、身柄拘束状態を利用しての余罪取調べや、
任意同行後の宿泊を伴うような取調べの適法性を厳格に判断するほうがむしろ人権保障に資すると考える。
また、黙秘権の保障については取調べ受忍義務があるからこそ、それが一層重要なものになるともいえよう。(蛇足)
なお、取調べ受忍義務が認められるとしても連日連夜に及ぶような態様の取調べが禁止されるのは当然である。
以上より、身柄拘束のある被疑者には取調べ受忍義務が肯定される。
2 被疑者に対する余罪取調べの可否について
余罪とは、逮捕の基礎となる被疑事実ではない被疑事実たる犯罪のことをいう。
かかる余罪につき、被疑者に対してまったく任意の取調べをすることは198条1項本文を根拠に許容される。
なぜなら、まったくの任意捜査を禁止する必要はないし、被告の身柄拘束や手続負担の軽減のため、
逮捕・勾留・起訴が繰り返されることは避けるべきであるため、これを積極的に認めてよいからである。
233 :
河童:04/12/03 21:55:09 ID:???
3 被疑者に対する余罪取調べの限界について
余罪取調べが認められるのは、あくまで任意捜査としてであるから、
逮捕・勾留がないにもかかわらず、取調べ受忍義務を課すような態様の取調べをなすことは、
身柄拘束中にのみ取調べ受忍義務を認めた198条1項但書の趣旨に反し、更には人権制約の最たる身体拘束について
司法的抑制を及ぼそうとする令状主義(憲法33条、法199条)に反して、重大な違法となる。
そこで、余罪取調べが真に任意の取調べであったか否かを判断する必要性がある。
この判断にあたっては、被疑者・捜査官の主観、取調べの態様、内容、時間、状況等を総合的に考慮すべきである。
たとえば弁護士が余罪について取調べをしないように再三にわたって捜査機関に申し出たにもかかわらず、
これを無視してなされた長時間に及ぶ継続的な余罪取調べは違法となる。
また、すでに逮捕被疑事実について被告人が起訴するに十分な自白をしながら、
専ら余罪について自白を得るために、被告人の意思に反してなした取調べも違法である。
ただし、連続放火事件や通り魔事件のように、本件と余罪の間に密接な関係があるような場合には、
本件と余罪の取調べの内容もまた密接であるといえるし、また前述のように逮捕・勾留・起訴が繰り返されることは
避けるべきであるため、被疑者の真の同意があったかを中心に、違法性の判断は慎重にすべきである。
4 被疑者に対する余罪捜査のための接見指定
逮捕・勾留がない余罪については、取調べ受忍義務が否定される以上、
その取調べを理由として弁護人の接見交通権を制限することは許されないことになる。
以上
234 :
河童:04/12/03 21:55:53 ID:???
*後述
イロイロなところで、このようにストレートに聞かれるのではなく、
「取調べ受忍義務に触れる必要があるのかどうなのか・・?」という問題にあたることがあります。
特に、取調べ受忍義務を否定すると、取調べ中にそれを理由に接見指定できるとすることにためらいがあります。
また取調べ受忍義務がないことを当然の前提にしたり、逆にこれがあることを当然の前提にしたりする記述について、
なるべく避けなければならないと思いつつ、これを書かなければスッキリしないときもあります。
どうも過去問検討が最も有効で、かつ最も基本的な重要事項を書けるようにならないといけないのが刑訴のようですが、
来年あたり取調べ受忍義務を真正面から聞かれても不思議ない気がするので、これをまず固めたいと思っています。
235 :
X:04/12/04 01:33:20 ID:???
私も受忍義務肯定説で書いてました。特に問題はなかったです。
個人的にはデメリットよりメリットの方が大きいと思うのですが(受験上)、
いかんせん、学説上は少数説ですし、受験生でも少数派なので、
それなりの覚悟といいますか、人よりしっかり書かんといかんというのはありました。
この立場の一番の根拠はやはり条文になるのではないでしょうか。
反対説をたたくときも、条文上苦しいことが最大の批判になるように思います。
また、黙秘権の侵害に対する配慮は必須だとおもいます。
ミランダルールに準じた保護がなされる限りで許される、見たいな感じで。
>>232 > 取調べ受忍義務を認めることは、被疑者の黙秘権(憲法38条1項、法198条2項)を実質的に侵害するとして、
> これを否定する見解もあるが、いつでも取調室から退去できるとしながら、「取調べ中であること」のみを理由に、
> 接見指定(39条3項)を認めることは不自然といえる。
これは接見指定の要件につき判例を前提にしたものだと思いますが、
接見申立てに取り調べ中断効を認める立場にたてば、的外れな議論になると思います。
まあ、接見指定の議論を持ち出すのは唐突な印象ですね。
特に聞かれない限り、触れる必要もないと思います。ご指摘自体は正当なものだと思いますが。
2以降は後日にします。
>また、黙秘権の保障については取調べ受忍義務があるからこそ、それが一層重要なもの
になるともいえよう。(蛇足)
→書くならもう少し説明が必要では?
∵通説が受認義務を認めない実質的理由が黙秘権の保障を台無しにしないためであり、
それが受験上の通説でもあるから
>余罪取調べが認められるのは、あくまで任意捜査としてであるから、
>逮捕・勾留がないにもかかわらず、取調べ受忍義務を課すような態様の取調べをなすこと
>は、 身柄拘束中にのみ取調べ受忍義務を認めた198条1項但書の趣旨に反し、更には人
>権制約の最たる身体拘束について 司法的抑制を及ぼそうとする令状主義(憲法33条、法
>199条)に反して、重大な違法となる>
まとめると、
1)原則 許容∵任意
2)そして 受認義務なし
3)よって 受認義務課すようなら取調不可
4)また、 令状主義
そこで、・・・
1)と4)のつながりが悪い。令状主義(の精神)を及ぼす理由があったほうがいいのでは?
(もっとも論文の森には事件単位を否定してから貴兄と同様、令状主義潜脱説に流している)
例えば、
4a) 別件逮捕の禁圧する必要
4) そこで、令状主義・・・
因みに従来の実務では制限なしとする一方、別件基準説に立ちつつ、受認義務は被疑事実
に限られるが例外として被疑事実と密接な関係のある余罪についても受認義務が生じるが、
それ以外は任意である、という説があるそうです。(福井刑訴法講義)
237 :
河童:04/12/04 09:10:57 ID:???
>>235、236
Xさん(この神出鬼没ぶりは・・?)、大変有益かつご丁寧な助言、どうもありがとうございました。
しかも、明日の答練に間に合うように迅速なご助言痛み入ります。
取調べ受忍義務肯定説でいって、ヘボな論文では印象的にも一番マズイですよね。
また取調べ受忍義務肯定説を採る以上、他の記述・論点等でも人権偏重的論述でなく、
実務を意識したものでなければバランスが悪いと思っています。
ここのところ刑訴規則なんかもけっこうキッチリ押さえて、
故平野先生の「実例刑訴(?)」とかいうのを勉強したりしました。
最終的には年末までの答練を通して考えますが、
様々な場面で肯定説でもうまく書ければ肯定説でいこうと思います。
刑訴は、過去問を見る限りサプライズがない科目なので、
問題を解きまくることで、肯定説でまとまるかを見極めたいと思います。
238 :
X:04/12/04 09:32:23 ID:???
>>236は私ではありません。
別件基準説とかのことはここでは考えなくていい気がします
239 :
河童:04/12/04 18:25:20 ID:???
・・・お騒がせして申し訳ありませんでした。
やはり取調べ受忍義務を認めれば認めたで、認めないのと同じくらいに無理があるな、
と思い至り、結局のところ取調べ受忍義務は否定説でいこうと方向転換しました。
とにかく、スポーツや芸術と違って記録の更新を狙うのではなく、
この受験は今年でいえば1500/7500になればいいモノですので、
無理にガチャガチャやる必要はないという気持ちです。
Xさん、236さん、どうもありがとうございました。
ちょっと無責任なコメントですが・・・232は自分の頭の中だけで書いている(他人の頭の中を無理に覗きこまないと理解しにくい)
論理の運び方という気がしました。
なことない。かっぱさま、つぎのアプおねがいね。参考になるわん。
参考になるわん、けど論理が飛んでいるだよ、途中で反転してるいろいろな立場のごった混ぜ?
243 :
河童:04/12/08 01:01:36 ID:???
常習罪と一事不再理効について
これは去年の判例がベースになった問題なので、私が密かに今年の本試験で狙っていた問題です。
自分なりに頭を使って考えた結果、どの文献にも(*私の文献調査能力については・・)見当たりませんが、
自説ができたので紹介しておきます。批判的にご笑覧ください。
問題
被告人Aは、平成12年4月1日、単純窃盗の訴因(X罪)で起訴され、有罪の判決を受け、
同年4月26日にこれが確定した。その後、Aにさらに平成11年12月に行われた、他の窃盗の事実(Y罪及びZ罪)が
あることが判明したため、Aは平成12年11月24日それぞれについて単純窃盗罪の訴因で起訴された。
X罪とY罪、Z罪が実体法上、常習特殊窃盗罪の関係にある場合、裁判所はどのような裁判をすべきか。
244 :
河童:04/12/08 01:03:12 ID:???
一 一事不再理効について
1 本問では、AはX罪について有罪判決を受けているところ、これと実体法上、
常習特殊窃盗罪として一罪関係にあるZ罪とY罪について起訴されているのであるから、
Z・Y両罪には一事不再理効が及び、裁判所はAに免訴判決(337条1号)を下すべきではないか検討を要する。
2 これを検討する前提として、まず一事不再理効の根拠と内容について明らかにしておくのが有用であろう。
思うに、一事不再理効の根拠は、被告人の地位の安定確保や人権保障(1条)の観点から、一度刑罰を受ける危険に
晒された以上、二度と同じ危険に晒されないという二重の危険(憲法39条後段)に求めるのが妥当である。
とすれば、検察官は公訴事実の同一性の範囲内にある事実について訴因変更できたはずであるから(312条1項)、
この範囲の事実について被告人は処罰の危険に晒されたというべきである。
よって、一事不再理効は公訴事実の同一性の範囲内に及ぶと解すべきである。
245 :
河童:04/12/08 01:03:59 ID:???
二 本問の結論
1 本問において、Z罪とY罪は、X罪と実体法上一罪関係にある以上、原則通り一事不再理効が及ぶとして、
裁判所は免訴判決を下すべきではないか。
2 この点について、かかる結論は、実体法上一罪の関係にある犯罪につき、その一部の犯罪(本問でいえばX罪)の
起訴時には発覚していない犯罪(本問でいえば、Z罪・Y罪まで)についてまで
検察官に事実上不可能な同時訴追義務を課すものであり、不当に被告人を利するものであるとして批判する見解もある。
確かに、本問のような常習特殊一罪については、その一罪性の希薄性から、
例外的に一事不再理効を認めないことがまったく不合理であるとはいえない。
しかし、かかる見解では捜査機関が恣意的に実体法上の一罪を分断することにより、
不当な訴追の繰り返しが可能となるため、被告人に過重な手続負担を強いることになりかねず、被告人の地位の安定確保、
人権保障という一事不再理効の趣旨を没却するおそれがある。
また、実質的に考えてみても、かかる見解を採れば、捜査機関に発覚していない余罪(の嫌疑)がある被告人は、
自己に不利益となる訴追の繰り返しによる過重な手続負担を避けようと思えば、
余罪について同時訴追が可能となるよう捜査機関に自白(申告)するより他になく、
実質的に自己負罪拒否特権(憲法38条1項)を侵害されることになる。
更に、自白すべき余罪がない場合(本問でいえば、真実AがZ罪・Y罪について無関係である場合)には、
これらについて被告人に再度の手続負担を課すことを許容するかかる見解の不当さは、より一層明らかであろう。
3 よって、常習特殊一罪の場合にも、被告人の地位の安定と人権保障のため、
一事不再理効は原則通り公訴事実の同一性の範囲内に及ぶと解すべきである。
以上より、裁判所はZ・Y両罪について、Aに免訴の判決(337条1号)を下すべきである。
以上
246 :
河童:04/12/08 01:04:51 ID:???
後述
*検察官の訴因構成権限の理論について触れたほうがよいのかもしれませんが、あえて手を出しませんでした。
*どう考えても、最高裁の結論は被告人の自己負罪拒否特権を侵害するように思えます。
結論自体に批判は少なくないようですが、私のいう理由については、学者さんもあまり噛み付いていないようです。
黙秘権を実質的に侵害するとして取調受忍義務を否定するくらいなら、
この最高裁判決は、黙秘権どころか半自白強制を是認するものなのだから、もっと噛み付いてもいいと思います。
私の考え違いがあれば別ですが。
*問題は、X罪について無罪だった場合ですね。X罪が無罪なのに、ZY罪について訴追を許さないというのは、
さすがに結論として不当のような気がします。その場合は、一罪性の希薄性とかいって判例にのっかろうと思っています。
247 :
X:04/12/08 13:55:04 ID:???
最新判例ですね。ケイ素では聞かれる可能性は低いとこですけど、
理論的に重要な問題を含んでますので、やっておく価値はあると思います。
>>246 > *検察官の訴因構成権限の理論について触れたほうがよいのかもしれませんが、あえて手を出しませんでした。
なぜでしょうか。
ここが一番の問題点になると思います。
これを落とすと、問題に答えてないことになりかねないように思うのですが。
また、
理論的には最高裁の結論になるはずだけど、実質的な考慮によって修正を加える、
という流れならこの結論もわかるんですけど、
原則論がごっそり抜けてますので、単なる政策論・価値判断を論じているように見えます。
248 :
X:04/12/08 14:01:34 ID:???
あと、一罪の一部起訴も問題になりえますね。。。
ひょっとして、検察官の訴因構成権限ってこのことをおっしゃってるのかな?
わたしは、訴因外の事実を理由に免訴していいかっていう話のつもりでしたが。
age
250 :
河童:04/12/09 17:35:19 ID:???
*まったくもってXさんのおっしゃる通りです。全然、真正面から問題に応えようという姿勢がない答案になっていました。
最近、やや気が抜け気味でしたが、厳しいご指摘で少しだけ目が醒めました。どうもありがとうございます。
本試験の憲法で類似の答案を書いてG評価を食らってきたのに、また同じことを繰り返してしまいました。
このマヌケな自己流答案だけはどうにかしないと、来年は蕁麻疹程度ではすまないことになりそうです・・。
そこで、Xさんへの感謝の念と自分への憤りをこめて、少し手直ししてみました。自信はあまりありません。
問題
被告人Aは、平成12年4月1日、単純窃盗の訴因(X罪)で起訴され、有罪の判決を受け、
同年4月26日にこれが確定した。その後、Aにさらに平成11年12月に行われた、他の窃盗の事実(Y罪及びZ罪)が
存在することが判明したため、Aは平成12年11月24日それぞれについて単純窃盗罪の訴因で起訴された。
X罪とY罪、Z罪が実体法上、常習特殊窃盗罪の関係にある場合、裁判所はどのような裁判をすべきか。
251 :
河童:04/12/09 17:35:53 ID:???
一 一事不再理効について
1 本問では、AはX罪について有罪判決を受けているところ、これと実体法上、
常習特殊窃盗罪として一罪関係にあるZ罪とY罪について起訴されているのであるから、一事不再理効が及び、
裁判所はY・Z両罪について免訴判決(337条1号)を下すべきではないか検討を要する。
2 これを検討する前提として、まず一事不再理効の根拠と内容について明らかにしておくのが有用であろう。
思うに、一事不再理効の根拠は、被告人の地位の安定や人権保障(1条)の観点から、一度刑罰を受ける危険に
晒された以上、二度と同じ危険に晒されないという二重の危険(憲法39条後段)に求めるのが妥当である。
そうであるとすれば、検察官は公訴事実の同一性(単一性)の範囲内にある事実について
訴因変更できたはずであるから(312条1項)、この範囲の事実について被告人は処罰の危険に晒されたというべきである。
よって、一事不再理効は公訴事実の同一性(単一性)の範囲内に及ぶと解すべきである。
二 本問の結論
1 本問において、Z罪とY罪は、X罪と実体法上一罪関係にある以上、公訴事実の同一性(単一性)が認められ、
一事不再理効が及ぶとして、裁判所は免訴判決を下すべきとも思われる。
しかし、かかる結論は、本問のZ罪・Y罪のようにこれと実体法上一罪の関係にあるX罪起訴時には
発覚していなかった犯罪についてまで検察官に事実上不可能な同時訴追義務を課すものであり、
不当に被告人を利するものであり、真実発見(1条)の要請に反し、妥当ではないのではないか。
2 そこで、常習特殊一罪について、いずれかの犯罪で実体判決を受ければ他の犯罪事実についても
一事不再理効の生じるとしてよいか、各犯罪事実の間に公訴事実の同一性(単一性)が認められるかが問題となる。
252 :
河童:04/12/09 17:36:50 ID:???
(1)この点について、当事者主義を採る現行法(256条6項、298条1項、312条1項)の下、
審判対象たる訴因の設定権限は検察官が有するところ、検察官は一罪の一部起訴をなし得る。
そのことを前提に、裁判所は検察官の設定した訴因に拘束されるため、公訴事実の同一性(単一性)についての判断は、
基本的には前訴及び後訴の各訴因のみを基準としてこれらを比較対照することにより行うのが相当だとする見解がある。
この見解によれば、本問では前訴も後訴も単純窃盗として起訴されているため、両者を結ぶ常習性という関連性はなく、
前訴の確定判決の一事不再理効は後訴に及ばないことになる。
よって、後訴裁判所は検察官の設定した訴因通り、Z・Y罪という単純窃盗罪について実体審理の上、
有罪・無罪の判決をなすべきことになろう。
(2)確かに、常習特殊一罪については、その一罪性の希薄性から、例外的に公訴事実の同一性(単一性)を認めず、
したがって、一部起訴によって一事不再理効の生じる範囲を限定することがまったく不合理であるとはいえない。
しかし、かかる見解では捜査機関が恣意的に実体法上の一罪を分断することにより、
不当な訴追の繰り返しが可能となるため、身柄拘束の長期化や裁判手続・量刑の過重を含めて、
被告人に不当な負担を強いることになりかねず、被告人の地位の安定確保、
人権保障という一事不再理効の趣旨を没却するおそれがある。
また、実質的に考えてみても、かかる見解を採れば、捜査機関に発覚していない一罪関係にある余罪がある被告人は、
自己に不利益となる訴追の繰り返しを避けようと思えば、余罪について同時訴追が可能となるよう自白するより他になく、
実質的に自己負罪拒否特権(憲法38条1項)を侵害されることになる。
すなわち、本問でいえば、Aは遅くともX罪が確定する前の段階で、Z・Y罪について自白しておかなければ、
後にZ・Y罪についても起訴されて不利益を被るおそれがあることになり、
Aの自己負罪拒否特権は実質的に侵害されることになるといえる。
253 :
河童:04/12/09 17:38:40 ID:???
(3)思うに、そもそも起訴の段階で検察官に訴因設定権限が認められることと、後訴が提起された場合に、
裁判所がその適法性を判断するに際して検察官が設定した訴因に裁判所の判断すべき範囲が拘束されるかは別問題である。
むしろ、公訴事実の同一性(単一性)についての判断は、後訴裁判所が「公平な裁判所」(憲法37条1項)として
検察官の設定した訴因に拘束されることなく、被告人の地位の安定等を考慮してなすべきであろう。
そうであるとすれば、常習特殊一罪についても前述のように被告人の地位の安定や自己負罪拒否特権など人権保障のために、
各犯罪事実について公訴事実の同一性(単一性)を認めるべきである。
よって、常習特殊一罪の場合にも、各犯罪事実に公訴事実の同一性が認められるところ、
そのいずれかで実体判決を受ければ、他の犯罪事実についても一事不再理効が及ぶと解する。
3 以上より、裁判所はZ・Y両罪について、Aに免訴の判決(337条1号)を下すべきである。
*最高裁判決が出たことと、レックのしょうもない模範解答&レジュメの印象が強くてあまり深く考えませんでしたが、
この問題は、よく考えると本来なら私の手が出ないような超難問ですね。
(今年の刑法では、受験生の手におえないと思っていた二重横領が出たので、一応ケアはしておきますが)
私の理解が正しければ,そもそもZ・Yの両罪も常習窃盗罪の一部にあたるにもかかわらず、常習窃盗罪で起訴すれば、
一事不再理効が及ぶことになるため、Z・Yの両罪についてもわざわざ単純窃盗で分断して起訴しているわけですね。
どれだけ事案(及び常習特殊一罪)の特殊性を理解しているかをアピールできるかの問題と考えれば、
検察官の訴因設定権限を根拠として、あっさりと後訴を適法としてよいのかもしれませんね。
(私は、自己負罪拒否特権にこだわり過ぎです)
新潟少女監禁事件の併合罪処理でも、柔軟な解釈がなされましたし、現実的には妥当な結論でしょうが・・。
254 :
X:04/12/10 08:59:17 ID:???
非常によくなったと思います。
みんなできないでしょうから、これだけ書ければ十分合格答案になるでしょうね。
ただ、ちょっと気になったとこですが、
>>251 > 2 そこで、常習特殊一罪について、いずれかの犯罪で実体判決を受ければ他の犯罪事実についても
> 一事不再理効の生じるとしてよいか、各犯罪事実の間に公訴事実の同一性(単一性)が認められるかが問題となる。
ちょっとわかりにくい表現だと思います。
神様の目から見れば、公訴事実の同一性(単一性)が認められるのは当然ですから…
ここでは、裁判所は検察官の設定した訴因に拘束されるという原則論を提示して、
それならこうなるはず、という結論を出した方がわかりやすかったように思います。
>>252 > (1)この点について、当事者主義を採る現行法(256条6項、298条1項、312条1項)の下、
> 審判対象たる訴因の設定権限は検察官が有するところ、検察官は一罪の一部起訴をなし得る。
この論点は別枠で論じた方がよかったのでは?ここではあまり関係ない気がするのですが。
> (2)確かに、常習特殊一罪については、その一罪性の希薄性から、例外的に公訴事実の同一性(単一性)を認めず、
> したがって、一部起訴によって一事不再理効の生じる範囲を限定することがまったく不合理であるとはいえない。
というか、当事者主義の原則から公訴事実の同一性(単一性)を認めないことになるのがむしろ原則論ではないでしょうか。
255 :
X:04/12/10 09:02:01 ID:???
>>253 > そうであるとすれば、常習特殊一罪についても前述のように被告人の地位の安定や自己負罪拒否特権など人権保障のために、
> 各犯罪事実について公訴事実の同一性(単一性)を認めるべきである。
というより、訴因外の事実を考慮してよいってことではないでしょうか。
その結果、公訴事実の同一性(単一性)は確かに認められるんですけども。
> 私の理解が正しければ,そもそもZ・Yの両罪も常習窃盗罪の一部にあたるにもかかわらず、常習窃盗罪で起訴すれば、
> 一事不再理効が及ぶことになるため、Z・Yの両罪についてもわざわざ単純窃盗で分断して起訴しているわけですね。
そういう場合もあるかもしれませんが、現実には、捜査段階では常習犯かどうかわからずに起訴して、
実はあとで常習とわかった、という場合が多いんでしょうね。判例もそうじゃないでしょうか。
この場合、一時不再理効を認めてよいかは結構悩みどころだと思います。
わりと最高裁の論理も納得行くのではないでしょうか。
問題はわざと分断して起訴した場合ですよね。
この場合、最高裁の論理によると、一見不都合な結論になるようにも思えます。
もちろん、それでもOKという考え方もありだとは思いますが。
民訴 平成13年第1問 「弁論主義は自由心象主義の適用範囲にどのような影響を及ぼすか」
答案構成ですが、評価お願いします。
1(1) 弁論主義の定義
(2) 弁論主義の根拠
(3) 弁論主義の内容 第1テーゼ〜第3テーゼ
2(1) 自由心証主義の定義
(2) 自由心証主義の根拠
(3) 自由心証主義によれば、裁判所は、訴訟資料から経験則を利用して事実を認定すると
いう過程を自由な心証によって行うことができる。したがって、自由心証主義の適用範
囲は、@裁判資料の選択、A経験則の取捨選択、B事実の認定であると考えられる。
以下@〜Bにおいて、弁論主義がどのような影響を及ぼしているか検討する。
3 @証拠資料の選択について
(1) 自由心証主義→いかなる証拠方法を証拠調べの対象とするか、また、証明力の有無・
程度の評価は裁判官の自由な心証に委ねられる。
ただし、証拠資料はあくまで弁論に顕出されたものに限定される←弁論主義の第3
テーゼの影響
すなわち、証拠方法はあくまで、当事者の申出があったものに限定される。
また、証拠制限契約は有効なので、これに反する場合は証拠能力を否定しなければ
ならない。
(2) このように、証拠資料の選択について、弁論主義により制限されるという影響を受
ける。
4 A経験則の取捨選択について
(1) 経験則の定義
→ 一般常識に属するものと、専門的なものがある。
(2) 一般常識に属するものは、裁判官は通常これを備えているので、自由な心証によってこれを
取捨選択できる。弁論主義の影響は受けないことになる。
これに対し、専門的な経験則については、裁判官はこれを備えていないし、仮に備えていて
もその信用性は薄い。したがって、専門的な経験則は 事実に準じて当事者の申し出に従った
鑑定によって顕出されるべきである。←弁論主義の第3テーゼの影響
(3) このように、専門的な経験則については、弁論主義の影響を受ける。
5 B事実の認定について
(1) 裁判所が自由な心証によって事実を認定できるといっても、そこで認定される事実はあくま
で口頭弁論に現れたものに限られる。←弁論主義の第1テーゼの影響
また、当事者間で争いのない事実については、裁判所はこれを判決の基礎としなければなら
ない。←弁論主義の第2テーゼの影響
(2) もっとも、弁論主義の根拠が私的自治である以上、ここでいう「事実」は権利の発生・変更
消滅に直接関わる主要事実に限られる。したがって、間接事実や補助事実は弁論主義の影響は
受けないことになる。これは、間接事実や補助事実が証拠類似の機能を有していることからも
肯定される。
(3) このように、主要事実の認定について弁論主義の影響を強く受ける。 以上
上に書き込みをした者です。
議論していただきたいのは、自由心証主義の適用範囲についてです。
合格答案やA答案を読みましたが、どれも自由心証主義の内容は書い
てあるのですが、どうも「適用範囲」という出題にきっちり対応できて
いないような感じがしたので、上の@〜Bという構成をしました。
また、他の答案にはA経験則の取捨選択については一言も触れていな
かった(加藤晋介先生もそうでした)ので、内容的におかしいところが
あればあるかもしれません。その辺も指摘していただけたら光栄です。
なんで経験則が自由心象主義の適用範囲にはりるかよくわからない。
なんでそう考えたんですか?
261 :
河童:04/12/11 11:34:44 ID:???
30さん、Xさん、どうもありがとうございます。
>そういう場合もあるかもしれませんが、現実には、捜査段階では常習犯かどうかわからずに起訴して、
>実はあとで常習とわかった、という場合が多いんでしょうね。判例もそうじゃないでしょうか。
>この場合、一時不再理効を認めてよいかは結構悩みどころだと思います。
>わりと最高裁の論理も納得行くのではないでしょうか。
→私が言いたかったのは、
X罪で起訴・有罪確定した段階では、Z・Y罪が発覚していなかった、
それゆえにX罪とZ・Y罪を恣意的に分断しているということはありません。
しかし、Z・Y両罪は同時に発覚しているのだから、X罪がなければ、
このZ・Y両犯罪事実だけでも常習窃盗罪として起訴すべきところです。
しかし、後訴裁判所にZ・Y罪を常習窃盗罪で起訴してしまうと、
X罪との関係で一事不再理効が及んでしまうことになるので、
Z・Y罪を恣意的に分断して、単純窃盗として併合罪として起訴しているのではないか、ということです。
もっとも、受験生レベルでこれ以上議論しても深みに嵌ってしまうだけかもしれませんので、
とりあえずXさんにいただいたご助言をもとに判例の理論をよく理解しておくにとどめます。
恣意的に分断した事例問題の場合には、「権利の濫用」(規則1条2項)で対処すればよさそうですし。
>260
伊藤民訴(第3版)の経験則違反のところで、「経験則違反についても、
それが自由心証主義の限界を超えるとみなされるときには、法令違反の
一種として扱われる」(p.659)
「通常人の常識の属する経験則の適用を誤ったり、または採用すべき専
門的経験則の採用を怠ったりした場合に限って、自由心証主義(247)
に違反したものとして、法令違反と同様の取り扱いを受ける」(p.660)
とあります。
「経験則違反が自由心証主義の限界を超える」などという記述は、経験則が
自由心証主義の適用範囲に含まれることを前提にしているのだと考えたのです
がおかしいのでしょうか?
>>257 >@裁判資料の選択、A経験則の取捨選択、B事実の認定
@ABが証拠方法の無制限の場面なのか証拠力の自由評価の場面なのか分かりませんが、
>262のような考えは正しいと思います。
>5(3) このように、主要事実の認定について弁論主義の影響を強く受ける。
というのは誤りでは?
主要事実の認定は証拠力の評価による帰結ですから、
評価の前提となる証拠方法の(弁論主義による)制限と表現上混同されているような気がします。
<問題>
Aが死亡し、その相続人であるYは、限定承認をした。
その後、被相続人の債権者Xは、Aに対して有していた金銭債権1,000万円の支払を求める訴えを
Yを相手方として提起した。
1.この訴訟において、Yが限定承認の事実を主張したところ、これが認められ、
相続財産の範囲で1,000万円を支払えとの判決がされて確定した。
その後、Xが「Yは、相続直後に相続財産を隠匿しており、限定承認には無効事由がある。」と主張して、
確定判決の効力を争うことができるか。
2.この訴訟において、Yは、限定承認の事実を主張しなかったところ、
1,000万円を支払えとの判決(相続財産の範囲で支払えとの限定は付されていない。)がされて確定した。
Xは、この確定判決に基づき、Yの固有財産に対して強制執行をし債権全額の満足を得た。
その後、YはXに対して、不法行為による損害賠償を求める訴えを提起し、
「Xが、限定承認の事実を知りながら、1,000万円の給付判決を得て強制執行をしたのは違法である。」と主張した。
確定判決の効力との関係で、Yの主張の当否を論ぜよ。
<Answer>
1
Xは、限定承認無効事由を主張して、本問確定判決の効力を争うことができるか。
原審は、限定承認事由の存在を認定し、留保付給付判決を下し、当該判決は確定している。
そこで、限定承認事由の存在につき既判力が(114条)生じていればXの主張は排斥され、Xは判決の効力を争うことができない。
そこで、既判力が及ぶ客観的範囲が問題となる。
この点、114条によると、既判力は原則として判決主文及び相殺の抗弁の判断についてのみ生じる(114条1項2項)。
これは、紛争解決の終局性を確保するための必要最低限の要請であり、主文及び相殺の抗弁については当事者の手続保障が十分に確保されていることを根拠とする。
もっとも、その他の判決理由中の判断であっても、当事者の一方が後訴において実質的に前訴を蒸し返すような不誠実な行動をとり紛争解決の終局性が要請される場合は、
当該判断事項につき前訴において当事者の手続保障が十分に確保されていたことを条件に、信義則上(2条)、既判力に準じた通用力を及ぼすことができると解する。
ここで、上記の基準を本問にあてはめると、限定承認事由の存在は判決理由中でなされた判断であり、既判力は及ばない。
もっとも、Xが判決確定後に限定承認事由を争えるとすると、前審の判決を実質的に無意味なものなり、限定承認事由の有無につき再抗争が起こり、紛争は蒸し返えされる。
このことは、法的安定性、訴訟経済の観点から問題があるばかりでなく、紛争は既に解決したものと信頼したYの利益をも害する。
また、限定承認事由はその存在が認定されると判決主文に留保付給付判決として表示されるのであり、その存在は当事者の主要な攻撃防御方法の対象となるのであって、
当該事由につき既判力に準じた効力を及ぼしたとしても、処分権主義・弁論主義の下に自由に攻撃防御を展開できた当事者は不測の不利益を受けることはなく、Xは手続保障を侵害されない。
よって、限定承認事由の判断については、信義則上、既判力に準じた通用力が及ぶ。
以上により、Xの主張は当該効力によって遮断され、Xは判決の効力を争うことができない。
2
Yは、限定承認事由を知りながら留保なしの給付判決を受け強制執行を行ったXの行為は違法である、と訴え、主張する。
Yは、限定承認事由について前訴では何ら主張していない。
にもかかわらず、本訴訟において突如言及している。
Yの主張の妥当性を確定判決の効力との関係で検討する。
小問1の解説で既に述べたよう、限定承認の抗弁については、信義則上、既判力に準じた通用力が及ぶ。
この点、本問におけるYは限定承認の抗弁を提出していないため、形式的には当該効力は及ばない。
しかしながら、後訴においてYがなした本問の主張は、前訴においてYがとった行動と実質的に矛盾抵触するものであり、
このような主張を許すことは、法的安定性・訴訟経済を害するばかりでなく、紛争の解決を信頼したXにとって著しく酷である。
また、Yは前訴において限定承認の旨を争う機会を十分に保障されており、その旨を争わなかったことにつき自己責任を問いうる。
よって、自己の怠慢を相手方当事者に転嫁するYの主張は信義則(2条)に照らし妥当でない。
以上より、Yの主張は、信義則の観点から、不当な主張である。
特に付け加えることはないであろう。
完成品に付言は単なる蛇足にすぎない。
>>262 自由心証主義=弁論の全趣旨及び証拠調べの結果を自由な心証に従って事実認定
心証=証拠、事実に対する裁判官の判断。
つまり、普通、自由心証主義の対象は当事者の主張する事実、提出する証拠が適用範囲
=対象なわけですよね。
で、引用される箇所の趣旨は、
自由といっても合理的でなければならない、そこでその事実証拠を評価するさい、
使用している経験則が不合理であるなら、自由心証主義の限界を超えるーーー
裏から言えば、自由心証主義といども、合理的自由心証主義でなくてはならない、
ということではないでしょうか?、
例えば、
1 アル中は金を返さない(傾向がある)(経験則*1)
2太郎はアル中だ。(主張事実)
3太郎は 金を返さない。(経験則・自由心証に基づく事実認定)
で、普通は2が自由心証の適用範囲というわけじゃないですか?
(1が合理的でなければ、合理的自由心証主義の限界を超えます)
法律を事実に適用して権利の有無を判断するように、経験則を事実に適用して事実の
有無を判断する。前者の適用範囲が具体的要件事実であるように、後者の適用範囲も
事実・証拠であるわけで、自由心証主義の適用範囲ということであれば、やはり、事実・証拠ということになるのではないでしょうか?
当事者がある経験則を主張した場合、その評価は自由心証主義の適用範囲ということも
いえなくはないかもしれませんが・・・どうもうまくいえないですけど・・・すんません。
>>263 ご指摘ありがとうございます。
私は、「証拠資料からある主要事実について自由心証により確信に至ったとしても、
その主要事実自体が口頭弁論に顕出されていなければ当該事実を認定することはでき
ない」、逆に、「証拠資料からある主要事実の不存在が自由心証により確信されても、
自白が成立している場合は当該事実の存在を認定しなければならない」という意味で
弁論主義の影響を受けると考えたのですが、この考え方が間違っているのでしょうか。
それとも、「このように、主要事実の認定について弁論主義の影響を強く受ける」と
いう文章がおかしいのでしょうか。
>>267 ご指摘ありがとうございます。
私が問題にしているのは、経験則の取捨選択について自由心証主義が
適用されるのではないのかという点です。あなたの具体例で言うと、1
という経験則をそもそも選ぶかどうかは裁判所の自由な心証にゆだねら
れているのではないのかということです。
例えば、専門的な経験則(例えば医療事故における因果関係に関する
もの)などの場合は、例えばある鑑定人の主張する経験則や論理法則を
採用するかは裁判所の自由な心証にゆだねられます(これは証明力の評
価にあたると思います)。
このような内容のことを、
>>257>>258の答案のように、@とAで区別
するのは考え方として正しいのかどうか。経験則といっても幅広いもの
なので統一的に自由心証の適用範囲だと考えるのは間違っているのかと
いう点について指摘していただけたら光栄です。
>>269「適用範囲」という言葉のとらえ方かもしれませんが、私はこの語から、
自由心証主義の適用対象と受け取りました。
そして、適用対象ということになれば、やはり弁論の全趣旨、及び、事実・証拠
ということになるのではないでしょうか?
自由心証主義のもとでは
経験則などを「使って」対象たる事実・証拠を合理的に評価・判断しますが、
経験則そのものは原則として対象とならない、つまり経験則は「適用範囲」という普通の
語義においては適用の前提あるいは適用されるさいの道具であって、適用範囲=対象ではない、と考えました。。
271 :
263:04/12/12 18:23:11 ID:???
>>268 ご理解について異論ありません。
こちらが変な読み方をしていたようです。失礼しました。
>>269 追加
間違いというわけではないと思う。
つまり、原則、適用範囲は事実・証拠であり、経験則は適法方法に位置づけらるのだと思う。
しかし、不合理な経験則を使った場合など、 経験則も証明対象になることもある以上、
経験則の合理性が証明対象となり、その場合はー例外的といっていいかどうかわからないがーーー自由心証主義の適法範囲ということになる、というのが正確なのではないか、と思います。
、
>>258 >もっとも、弁論主義の根拠が私的自治である以上、ここでいう「事実」は権利の発生・変更
消滅に直接関わる主要事実に限られる。
これは当然には言えないのではないか、と思う。根拠が私的自治でも弁論主義の対象は
間接事実まで含まれる、ということもできる。また、私的自治を広く当事者の意思の尊重
ととるならむしろ間接事実まで含まれる、とするほうが自然なのではないか、と思います。
273 :
主席:04/12/12 23:28:31 ID:???
他の掲示板でも質問したのですが、全く回答がなかったのでどなたか意見下さいmm
【平成13年2問目】
甲は、乙に対し、自己の所有するA土地について偽造書類によって甲から乙に所有権移転登記がされているとして、甲から乙への所有権移転登記の抹消およびA土地の所有権確認を求めて訴えを提起した。
1乙の債権者である丙は、甲乙間の訴訟に補助参加することができるか。
【私の答案】
1 小問1
(1)省略
(2)省略→規範定立
すなわち、訴訟物たる権利関係の存否如何が補助参加申立人の法律上の地位の論理的前提関係にある場合、当該参加申立人は「訴訟の結果について利害関係を有する」といえる。
(3)ここで、上記(2)の基準に本問の事実をあてはめると、丙が乙の単なる債権者でしかない場合、丙は「利害関係を有する」第三者であるとはいえない。
なぜなら、確かに丙は甲の請求が棄却されればA土地を乙の下に留めておき事実上これを担保として自己の債権の安全を図ることができるが、
これはあくまで事実上・経済上の利益であり、丙の債権者たる地位は甲請求の認容・棄却如何により論理的には何ら影響を受けず訴訟結果との間に法律上の利害関係があるとはいえないからである。
これに対して、丙がA土地上に担保権を有する債権者である場合、訴訟物たるA土地所有権の帰属如何によって丙の担保権設定の有効性は影響を受けるため、
訴訟物たる権利関係の存否が参加申立人丙の担保権者たる地位の論理的前提関係にある場合といえ、丙は補助参加の利益を具備する者として甲乙間の訴訟に補助参加することができる。
【疑問点】
債権者が担保権を有する場合のあてはめは、上記答案の記述で正しいでしょうか。
色々調べたのですが、具体的な記述が見当たらなかったので、皆さんの意見を聞かせて下さい。
あてはめいい
規範定立とその根拠も教えて。
275 :
主席:04/12/13 05:24:46 ID:???
(1)
丙は、甲乙間の訴訟に補助参加(法42条)することができるか。
補助参加が認められるためには、参加人が「訴訟の結果について利害関係を有する第三者」(法42条)であるといえなくてはならない。
丙は、甲・乙との関係で「第三者」ではあるが、「訴訟の結果について利害関係を有する」といえるかが問題となる。
(2)
まず、補助参加し得る人物の範囲を明確に確定するため、「訴訟の結果について」とは「判決主文中の判断について」と解される。
また、民事訴訟は本来的に私人の法律的利益の救済を図るために設けられた制度であるから、「利害関係を有する」場合の「利益」とは、法律上の利益のみを指し、感情的・事実的・経済的利益は含まないと解する。
すなわち、訴訟物たる権利関係の存否如何が補助参加申立人の法律上の地位の論理的前提関係にある場合、当該参加申立人は「訴訟の結果について利害関係を有する」といえる。
(3)
ここで、上記(2)の基準に本問の事実をあてはめると、丙が乙の単なる債権者でしかない場合、丙は「利害関係を有する」第三者であるとはいえない。
なぜなら、確かに丙は甲の請求が棄却されればA土地を乙の下に留めておき事実上これを担保として自己の債権の安全を図ることができるが、
これはあくまで事実上・経済上の利益であり、丙の債権者たる地位は甲請求の認容・棄却如何により論理的には何ら影響を受けず訴訟結果との間に法律上の利害関係があるとはいえないからである。
これに対して、丙がA土地上に担保権を有する債権者である場合、訴訟物たるA土地所有権の帰属如何によって丙の担保権設定の有効性は影響を受けるため、
訴訟物たる権利関係の存否が参加申立人丙の担保権者たる地位の論理的前提関係にある場合といえ、丙は補助参加の利益を具備する者として甲乙間の訴訟に補助参加することができる。
以上です。
理由付けは薄いです。
小問2との関連で割けるスペースを考えると、規範はシンプルに立てざるを得ないなと思って。
よって、法律構成を批判されれば脆い答案だと思います。
276 :
主席:04/12/13 05:26:09 ID:???
【訂正】
×
感情的・事実的・経済的利益は含まないと解する。
○
感情的・事実的・経済的利益は含まない。
Thank you ♪♪
278 :
主席:04/12/15 08:16:43 ID:???
【問題】昭和57年第2問
窃盗罪で起訴された事件を審理した結果、裁判所は強盗の事実につき証明があったとの心証を得た。その後の手続としてどのような経過が考えられるか。ただし、右の窃盗と強盗とは公訴事実の同一性があるものとする。
1 地方裁判所の場合
2 簡易裁判所の場合
【質問点】
最近、実践的・実用的な解答を書くべく試みているのですが、どうも採点基準が明確でなく困っています。
上記は、横25字縦47行で書いたものですが、法的理解が十分に表現されている合格答案と言えるでしょうか。
評釈よろしくお願いしますmm
279 :
主席:04/12/15 08:18:56 ID:???
【解答】
1 小問1について
(1)本問においては、窃盗罪たる事実によって公訴が提起されている以上、裁判所はたとえ強盗罪の事実につき確信を得たとしても強盗罪につき審理し判決を下すことはできない。
審判対象の設定は、起訴独占主義(法247条)のもと検察官の専権とされているからである。
よって、検察官から強盗罪への訴因変更の請求(法312条1項)があり、訴因を変更を完了した場合は、その限りで強盗罪につき有罪の判決を下すことができる。
(2)検察官が訴因の変更を請求してこない場合、裁判所は検察官に対し、強盗罪につき確信を得たとして訴因の変更を命じることができる(法312条2項)。
ただし、この命令はあくまでも裁判所が後見的な立場からなすものであり、審判対象の設定が検察官の専権であることからすれば形成力は認められない。
また、当事者の公平を保つ見地より、当命令の義務性を認めることはできず、裁判所は道義的観点より釈明義務を負うにすぎない。
よって、裁判所が訴因変更命令を発しなかったとしても、このことが法令違反となることはない。
(3)結果として、検察官が訴因の変更を請求してこない場合、裁判所は現在の訴因たる窃盗罪につき審理し、有罪・無罪の判決を下すこととなる。
280 :
主席:04/12/15 08:21:56 ID:???
2 小問2について
(1)検察官より訴因変更の請求がない場合、現訴因たる窃盗罪につき審理・判決をなさなくてはならないことは小問1と同様である。
(2)もっとも、訴因が強盗罪に変更された場合、簡易裁判所は強盗罪につき事物管轄権(裁判所法33条1項2号)を有せず、いかなる手続きを踏むべきか問題となる。
まず、管轄違いの公訴が提起された場合、裁判所は原則として管轄違いの判決を言渡し訴訟を終了させることとなる(法329条)
しかし、訴訟を終了させることは、今まで積み重ねられた公判手続が無駄となり訴訟経済に反する。
そこで、簡易裁判所は決定により本件を管轄痴法裁判所へ移送することが考えられる(法332条)。
しかし、これは認められない。
なぜならば、本条は簡易裁判所が事物管轄権を有することを前提に、事案が複雑である等簡易裁判所の審判に適さない事情があれば地方裁判所へ移送することを認める規定であるし、
移送を認めれば簡易裁判所における審理内容がそのまま流用され被告人の適正手続きを受ける権利(憲法31条)を侵害するからである。
結果として、裁判所は管轄違いの判決を下すこととなる。
281 :
河童:04/12/15 09:59:35 ID:???
>>273以下
>補助参加し得る人物の範囲を明確に確定するため、
>「訴訟の結果について」とは「判決主文中の判断について」と解される。
これは理由付けとしてどうでしょうか。
通常意識すべき反対説は「判決主文について」なのですから、こちらの説のほうが明確です。
200あたり(だっけ?)のところに補助参加等について拙文答案が2つほどあるので、
ご参考にしていただければ幸いです。
あとご質問のあてはめについては、結局、「法律上の利害関係」とかいっても、
この要件は判例を見ても個別具体的なケースに応じて決せられるものであると思うので、
「多数存在する一般債権者にまで補助参加を許すと、
補助参加のデメリット=訴訟の混乱・複雑化等のおそれがあるからダメ」→法律上の利害関係といえない。
「他方、差押権者や担保権者は、補助参加を許して手続保障が必要な程度に具体的な利害関係を有しているといえ、
一般差権者に補助参加を許した場合のような弊害は少ないと考えられるため、OK」→法律上の利害関係といえる。
みたいな強引な理論でも、理由付けがしっかりしているほうがいいと思います。
282 :
河童:04/12/15 10:03:50 ID:???
>>279 >(3)結果として、検察官が訴因の変更を請求してこない場合、裁判所は現在の訴因たる窃盗罪につき審理し、有罪・無罪の判決を下すこととなる。
これでは足りないと思います。
なぜなら、強盗の事実につき証明があったと問題文にある以上、縮小認定について論じるべきだからです。
私なら訴因変更命令等について論じた後、縮小認定の理論を肯定した上で、得意の小手先の技で、
「窃盗で起訴されるような強盗は、窃盗罪でも量刑次第で十分に処罰範囲を確保できる」みたいなフォローをし、
訴因変更がなされなかったら、窃盗罪で有罪判決を下すべきとすると思います。
sage進行よろ
284 :
氏名黙秘:04/12/15 16:12:59 ID:7tzU6Twx
285 :
主席:04/12/16 20:01:31 ID:???
>>281 返答ありがとうございます。
>>補助参加し得る人物の範囲を明確に確定するため、
>>「訴訟の結果について」とは「判決主文中の判断について」と解される。
>これは理由付けとしてどうでしょうか。
>通常意識すべき反対説は「判決主文について」なのですから、こちらの説のほうが明確です。
これは言われていることの意味がいまいちわかりません。
通常意識すべき反対説は主文のみならず判決理由中の判断も含むとする説ではないでしょうか。
ただ、理由中の判断も含むとすれば、その範囲を決する基準が曖昧となるから、
その意味で、
>補助参加し得る人物の範囲を明確に確定するため、
>「訴訟の結果について」とは「判決主文中の判断について」と解される。
との記述にしました。
理由付けが薄いのは分かるのですが、間違ってはないんじゃないですか。
286 :
主席:04/12/16 20:05:58 ID:???
>>281 >「多数存在する一般債権者にまで補助参加を許すと、
>補助参加のデメリット=訴訟の混乱・複雑化等のおそれがあるからダメ」→法律上の利害関係といえない。
>「他方、差押権者や担保権者は、補助参加を許して手続保障が必要な程度に具体的な利害関係を有しているといえ、
>一般差権者に補助参加を許した場合のような弊害は少ないと考えられるため、OK」→法律上の利害関係といえる。
>みたいな強引な理論でも、理由付けがしっかりしているほうがいいと思います。
参考になります。
私の解答は、「補助参加のデメリット=訴訟の混乱・複雑化等」の観点が全く抜け落ちてますね。
もう一度検討してみます。
287 :
主席:04/12/16 20:17:45 ID:???
>>282 一応、文字数制限との関係で、「窃盗罪につき審理し、有罪・無罪の判決を下すこととなる。」との記述に縮小認定を含ませたつもりだったのですが、強引でしたね。
ところで、強盗罪が認定される場合は縮小認定法理によると常に窃盗罪は成立するのでしょうか。
本問に対する某教授の解説によると、審判対象訴因説を前提に、訴因変更がなされない場合は「窃盗罪につき有罪・無罪の判決を下す」との記述があったので。
奪取罪・盗取罪たる両罪の性質に照らせば、「強取」ある場合常に「窃取」ありと言えるような気もします。
ということは、上記教授の記述は縮小認定法理に争いを持たせた上での記述ということになるのでしょうか。
288 :
河童:04/12/18 22:06:45 ID:???
>>285 私の勘違いでした。申し訳ありません。
負け惜しみのようですが、理由付けはしっかりしたほうがよいと思います。
基準の明確性に加えて、敗訴責任を分担させることが正当化できるのは、
参加人・被参加人ともに攻撃防御を尽くすことになるであろう部分である、
とでもすればよいと思います。
>>287 確かに、2項強盗の場合には窃盗罪にすることはできないような気がしますね。
その場合には、縮小認定法理はやめたほうがよいですね。勉強になりました。
とにかく「裁判には理由を付さなければならない」というのは手続法では明文もあることです。
法律の論文ですからね。私は今年の不合格後は、特に「理由付け」に気をつかっています。
289 :
主席:04/12/20 22:20:25 ID:???
>>288 なるほど。
敗訴責任の分担の指摘でしたら分量もとりませんし、かつ「結果」を「主文」と解することの理由に最適ですね。
参加的効力の理解も間接的に示せ非常によいと思いました。
盗ませてもらいます。
290 :
主席:04/12/20 22:22:28 ID:???
【問題】
便せんに約600字に及ぶ脅迫文言を記載し、これを郵送する方法によって害悪を告知した脅迫罪の事実において、検察官は、起訴状の公訴事実に、証拠として請求する予定の右文書に記載された脅迫文言の全文を引用して記載した。
この場合における公訴提起をめぐる問題点について論ぜよ。
【コメント】
本日書きたてです。
典型論点ですが、なんかまとめるのに苦労しました。
ちょっと頭でっかちというか、抽象論に過ぎたきらいがあるように感じます。
どんな感じでしょう。
291 :
主席:04/12/20 22:23:41 ID:???
【解答】
1
公訴提起おいては、予断排除の観点から、起訴状一本主義が採用されている(法256条1項)。
そして、予断排除を貫徹するため、起訴状において裁判官に予断を生じさせる虞のある資料を引用することは許されない(法256条Y項)。
これらは、終局的には裁判所の公平性を維持することを目的とする(憲法37条1項)。
一方において、起訴状における公訴事実の記載には、訴因の明示が要請される(法256条3項)。
訴因の明示は、日時・場所・方法等をもって罪となるべき事実を特定して行わなくてはならない。
本問において、検察官は、起訴状の公訴事実の記載にあたり、犯罪の「方法」たる600字の脅迫文言を全て引用することで、罪となるべき事実を確定し、訴因を明示しようした。
しかし、このような引用は、事件につき裁判官に予断を生じさせる虞のある引用といえ、予断排除を規定した法256条6項に抵触する違法なものではないか。
2
そもそも、予断排除と訴因の明示は、その性質上、究極的には相容れない関係であり、その優劣の基準は解釈に委ねられることとなる。
この点、訴因の明示は、公判における審判対象を特定するとともに、被告人の防御権の範囲を確定するため要請される。
確かに、以上の意義に照らせば、訴因を明示することは重要であるが、その明示は審判開始後事後的に補完することも可能である。
これに対して、予断排除は、裁判所の公平性を維持することで刑事被告人の公平な裁判所で裁判を受ける権利(憲法37条1項)を保障し、もって刑事訴訟制度に対して国民の信頼を得ることを目的とするものである。
そして、一度生じた裁判官の予断は、訴因の明示の場合と異なり、事後的にその瑕疵を治癒することは、不可能である。
とすれば、予断排除は訴因の明示に優先するものであり、訴因の明示は法256条6号に抵触しない限りで行えば足りる、といえる。
このことは、訴因の明示が「できる限り」(法256条3項)の枠内で要請されていることとも合致する。
292 :
主席:04/12/20 22:24:24 ID:???
3
以上基準に従い本問事実を検討すると、検察官が引用した脅迫文言は、公判廷において証拠として請求される予定のものであるが、
これを起訴状に記載することは、裁判官が公判以前に一方当事者の証拠と接触することと同視でき、裁判官が当該事件につき何らかの予断をもつことは避けられない。
たとえ、本事件が脅迫文言の要約摘示によるとそのニュアンスを伝えること困難であったとしても、訴因の明示はあくまで法256条6項の枠内で求められているのであり、証拠として請求予定の文書の文言を全文引用することは許されない。
4
よって、本問における検察官の訴因の明示は、法256条6項に違反するものである。
そして、本規定に違反する公訴提起は無効であり、裁判所は公訴棄却の判決を下すこととなる(法338条1項4号)。
(以上、24字/51行)
293 :
主席:04/12/20 23:02:09 ID:???
あと、今日思ったのが、
>この場合における公訴提起をめぐる問題点について論ぜよ。
との問いに対し、当該公訴提起の適法性・可否を論じるのは予備校答案に毒されているのではないかな、ということでした。
「問題点」について論ぜよ、とあるのであれば、可否に限定して論じるのではなく、広く問題点に言及した方がよいのではないかと。
であれば、脅迫文言の性質の違いごとに場合わけしてもっと詳細に論じた方がよかったのかな、と。
とりあえず、毎回、分量制限と内容充実の調整に苦労します。
>>288 敗訴責任の分担を理由にするの?
敗訴責任の及ぶ範囲ってどこ?
295 :
主席:04/12/21 07:09:33 ID:???
w
参加的効力は判決理由中の判断についても生じますね。
だめじゃんw
参加的効力をちゃんと理解していなかったこと、
間接的に示した結果となりました。
296 :
主席:04/12/21 07:10:35 ID:???
あー自己嫌悪 氏の
間違いわかってよかったじゃん。
298 :
主席:04/12/21 22:44:47 ID:JgEBp8ZW
>>282 河童さん。今日、復習をしていてふと思ったんですけど、本問においては縮小認定は一切問題になりませんよ。
なぜなら、強盗の訴因で起訴され窃盗の心証を得た場合ではないからです。
窃盗の訴因で起訴されている本問においては、「窃盗<強盗」なわけで、縮小認定は一切問題とならないんじゃないですか。
299 :
主席:04/12/22 10:13:57 ID:???
過去ログ見てて思ったんですけど、みんな答案長すぎない?
深く理解することは大切だと思うけど、答案への表現はまた別で、あくまでコンパクトにまとめる練習すべきだと思うんですけど。
新作問題が提示される本番において、あの量書くのは実質無理だと思うし、できるとしてもやるべきじゃない。
本番においては、量書く時間があるなら、もっと問題文を丁寧に分析して質練った方がいい。
問題文を丁寧に分析するってのは、別に問題文の文言を逐一拾ってあてはめの分量を増やすということではなく、
問題を解決するにあたりより有効・適切な観点を設定するということ。
それは難しいし、私も全然できてはいないけど、普段からそういう練習をすべきだと思う。
300 :
主席:04/12/22 10:28:49 ID:???
あと、叩き台にするにも叩く人がいないので少しさびしいです。
とりあえずネタはたくさんあるので、適宜継続してアップします。
現時点で取り組んでいる勉強の範囲はそれぞれ異なるでしょうから、タイミング合えば叩いてみて下さい。
301 :
河童:04/12/22 12:14:35 ID:???
主席さんの答案の長さについてのご意見はひとつの意見です。
私は、本試験であれほどの長さの答案が書けてはいませんが、ちょうど不必要に丁寧な部分が
削げ落ちて(残念ながら必要な部分が劣化することもあります)長さはぴったりになるので問題ないと思っています。
もちろん、本試験の問題に合わせて、必要な部分を選別して答案構成していく練習は必要でしょうけど。
今年不合格になるまで勉強方法のほとんどを間違えていたと思っていますが、
あくまで自分の経験と戦略的には、この答案の長さは間違っていなかった数少ないものだと思っています。
*一事不再理効をもうひとつ考えてみました。
問題
甲は、「平成16年3月1日、甲はAに対してBの財物を窃取するように唆した」という訴因で起訴されたが、
その後、「同日、甲はBから財物を窃取した」との訴因に変更された。更に、検察官が
「同月3日、甲はAがBから盗んだ財物を購入した」との訴因に変更請求した場合、裁判所はいかなる措置を採るべきか。
また、窃盗罪について甲に無罪判決が下された後、検察官が盗品等有償譲受罪で甲を起訴した場合はどうか。
302 :
河童:04/12/22 12:15:48 ID:???
一 設問前段について
1 本問では、検察官によって窃盗罪から盗品等有償譲受罪への訴因変更が請求されているが、かかる訴因変更請求が
「公訴事実の同一性」(312条1項)を害しない限り、裁判所は原則としてこれを許可しなければならない。
そこで、本問における訴因変更前後の窃盗罪と盗品等譲受罪との間に「公訴事実の同一性」が認められるか、
当該要件の判断基準が問題となる。
この点について、被告人の防御権の保障と迅速な法適用(1条)、訴訟経済の調和の見地から、
変更前後の訴因に示される両事実の基本的部分が同一であれば、「公訴事実の同一性」があるとすべきである。
具体的には、両訴因の間に、日時・場所・方法等の基本的事実関係の同一性ないし近接性があれば、
公訴事実の同一性を認めるべきである。そして、その判断にあたっては、
一方の事実が認められれば他方の事実は認められないという択一関係を考慮すべきである。
なぜなら、かかる関係にある場合は一つの事実しかありえないので同一性があると認められやすいからである。
本問では、両訴因はBの財物という同一の客体が問題となっており、Xがその占有者となるという点でも共通している。
更には、時間的にも3月1日と同月3日と近接しているのみならず、通常の場合、
窃盗罪と盗品等有償譲受罪とは両立せず、択一関係にあるといえる。
よって、両者には「公訴事実の同一性」が認められる。
303 :
河童:04/12/22 12:16:53 ID:???
2 そうであるとすれば裁判所は訴因変更を許すべきか。
本問では、すでに当該訴因変更の前に一度訴因変更がなされていることから問題となる。すなわち、
起訴当初の訴因である窃盗教唆と新訴因たるべき盗品等有償譲受との間には択一関係が認められず(併合罪関係にある)、
「公訴事実の同一性」を否定すべきところ、窃盗罪という中間訴因を介在させることにより、
かかる訴因変更を認めることは不当ではないか問題となる。
この点について、中間訴因を介在させることにより訴因変更が可能な範囲を拡大することは、
訴因の有する被告人の防御権の保障という機能を害するとして、これを否定する見解もある。
しかし、流動的な審理の過程でこのような事態が生じることはやむを得ず、
312条1項の文言もかかる訴因変更を許容するものであると解すことができる。また、被告人の防御権保障は、
裁判所が公判手続の停止(312条4項)をなすことや、審理の経過や訴因請求の回数・時期によっては、
検察官の権利の濫用(規則1条2項)として訴因変更請求を排斥することにより図り得るため、不当でない。
よって、中間訴因が介在する場合であっても、訴因変更請求前後の間に「公訴事実の同一性」があれば、
前述のように権利濫用となるような特段の事情がない限り、訴因変更請求は許されるべきと解する。
3 以上より、裁判所は特段の事情がない限り、検察官の訴因変更請求を許可し、
その際、被告人の防御権の保障のために必要があれば公判の停止をすべきである。
304 :
河童:04/12/22 12:17:31 ID:???
二 設問後段について
1 本問において、窃盗罪に関して甲が受けた無罪判決の一事不再理効は後訴たる盗品等有償譲受罪に及ぶか、
これが及ぶとすれば裁判所は免訴判決(338条1号)を下すべきであるため問題となる。
この点について、一事不再理効の根拠は、被告人の地位の安定や人権保障(1条)の観点から、一度刑罰を受ける
危険に晒された以上、二度と同じ危険に晒されないという二重の危険(憲法39条後段)に求めるのが妥当である。
であれば、検察官は公訴事実の同一性の範囲内にある事実について訴因変更できたはずであるから(312条1項)、
この範囲の事実について被告人は処罰の危険に晒されたというべきである。
よって、一事不再理効は公訴事実の同一性の範囲内に及ぶと解すべきである。
2 本問では、設問前段で述べたように、窃盗罪と盗品等有償譲受罪との間には公訴事実の同一性が認められる。
したがって、甲が窃盗罪について無罪判決を受けた以上、後訴たる盗品等有償譲受罪にも一事不再理効が及び、
裁判所は甲に免訴判決を下すべきである。
3 なお、窃盗罪から盗品等有償譲受罪への訴因変更が審理の経過等に鑑みて被告人の防御に重大な不利益を与えるとして
裁判所により権利濫用として認められず、窃盗罪について無罪となっていた場合、かかる結論は不当であるとも思われる。
しかし、裁判所が訴因変更を許さないほど前訴において被告人に手続的負担があったということであるから、
むしろこの場合にも一事不再理効を及ぼすほうが結論として妥当であると考える。
305 :
河童:04/12/22 12:22:00 ID:???
刑訴は答練の成績がいま一つ。成績優秀者にならなくなってきてしまいました。
もう少しじっくり書ける問題ならいいのですが、どうも重要論点ばかり詰め込み過ぎの問題が多くて時間が足りません。
本試験では、唯一といってもよい時間が余る科目だけに……。
しかし、答練の成績が悪いことについて言い訳してはいけないのは、今年で身に染みたので、なんとか頑張ります。
*いきなりアップしたので、全然新しい書き込みを読んでいませんでした。
失礼しました・・。主席さんの答案についての意見は後日必ず・・。
>>298 心証基準説だと縮小認定になるわけですね。これも勘違いでした。
306 :
河童:04/12/22 12:43:00 ID:???
>>291 短い食事をとりながら読ませていただきましたので、取り急ぎ、コメントを。
>予断排除を貫徹するため、起訴状において裁判官に予断を生じさせる虞のある資料を引用することは許されない(法256条Y項)。
これらは、終局的には裁判所の公平性を維持することを目的とする(憲法37条1項)。
>予断排除は、裁判所の公平性を維持することで刑事被告人の公平な裁判所で裁判を受ける権利(憲法37条1項)を保障し、
もって刑事訴訟制度に対して国民の信頼を得ることを目的とするものである。
予断排除の原則が「公平な裁判所」の実現のため、というのは重要なことですが、
その理由付けとして、やはり刑訴のキーワードたる「当事者主義」を出してほうがよいと思います。
通常の受験生は当事者主義の根拠条文を示すときも256条6項を()書きで書いていると思いますし。
すなわち、当事者主義をとり、裁判所を第三者的な地位に置くことによって、
公平・中立な審判者たらしめようとしている、という趣旨を書くといいと思うのですが。
(理由付け、というよりは趣旨?)
趣旨や理由付けまで「あっさり」では、基本的な理解を示せない危険性があり、
やはりどのような採点者にあたっても理解していることを示せるようにすることが必要だと思います。
憲法で「人権保障のため」とだけ理由付けすることなどが典型ですが、抽象的に過ぎては、
「究極的には正しいけど・・ほんとに理解してるのか?」と採点者に疑わせることになると思います。
カッパがんがれ
主席がんがれ
309 :
主席:04/12/25 21:31:05 ID:???
>>302 >>本問では、両訴因はBの財物という同一の客体が問題となっており、Xがその占有者となるという点でも共通している。
枝葉の指摘で悪いのですが、Xとは甲を指すものですよね。
最近は、優答みてて試験委員が求める最低限がいまいち分からずへこんでます。
とりあえず数こなそうかな、と。
また来ます。
私も、河童さんの問題に解答書いてアップしようと思います。
さようなら。
310 :
:04/12/31 03:48:52 ID:???
ヽ(`д´;)/ うおおおお!?
あけましておめでとん
313 :
河童:05/01/08 21:13:50 ID:???
*だいぶ長い正月休みをとってしまいました。
*択一の模試が今日からはじまりましたが、幸いこちらの不安はない現状なので、論文の勉強6割で頑張ります。
(1日10時間集中して勉強できれば、4時間で択一が1年分60問潰せる・・という計算をしています)
*さて、懸案の憲法です。苦手意識はないのですが、論文の書き方の根本が間違っていたことは理解しています。
*そろそろ本番に向けて緊張感が出てくる時期だと思うので、お時間が許す限りでご批判ください。
問題
1 Aは甲公立高校において、Aが信仰する宗教の教義(絶対的平和)に基づき、
必修科目である体育の柔道実技に参加せず、代替的措置を求めた。しかし、これが認められず、
Aは体育の授業につき単位を認定されなかった結果、同校の校則に基づき退学させられるに至った。
2 Bは乙公立小学校において恒常的に実施されてきた日曜参観に授業に、牧師である両親の主催する教会学校に
出席することを理由に日曜参観授業に欠席したため、同校の方針通り指導要録の出欠席欄に欠席と記載された。
この場合に生じる憲法上の問題点について検討せよ。
314 :
河童:05/01/08 21:14:28 ID:???
一 信教の自由とその制限について
1 本問では、各小問を通じて、甲乙のなしたABに対する不利益処分が、
ABの信教の自由(20条1項)を不当に侵害するものではないか問題となっている。
この点について、信教の自由は内心的活動にとどまる限り絶対的に保障されるべきであり、
また宗教的行為として外部的態度を伴なう場合であれ、それが内心の信仰と密接に関わるときには、
個人の人格的生存のために精神的自由の一環として、厚く保護されてしかるべきである。
もっとも、個人の信仰に基づく外部的態度が社会生活上形成された一定の規範に抵触する場合には、
信教の自由も絶対的無制約でなく、その規範に従って合理的かつ相当な範囲で不利益な扱いを受け得ると解すべきである。
2 なお、ここで各小問におけるABに対する不利益処分が、必要かつ相当な範囲であるか否かの判断に際して、
政教分離原則(20条3項)を無視し得ない。
すなわち、同原則は神社・神道が事実上国教化されたことにより信教の自由が不当に害された過去を反省して、
国家(公権力)と宗教の過度の関わり合いを禁じることにより、
国民の信教の自由を間接的に保護せんとする制度的保障であると解される。
そこで、ABの信教の自由を理由として不利益処分を特別に免除することが、政教分離原則に反すると判断される場合には、
ABにルールに従った不利益処分を受忍させることが正当化されやすくなるというべきである。
そして、政教分離原則をどの程度厳格に捉えるか問題となるが、多様な宗教が教育や福祉に関わり社会に浸透している今日
福祉国家の下(25条以下)で国家が宗教に関わる事物に一切介入しないということは事実上不可能である。
そこで、@問題となる行為の目的が宗教的意義を有し、かつA特定の宗教を助長、
促進する効果を有する場合には憲法20条3項に反すると解すべきである。
以上を前提に、以下で各小問を検討する。
315 :
河童:05/01/08 21:15:07 ID:???
二 小問1について
1 本問では、Aの信仰する教義は反社会的なものではなく、また、Aの柔道の実技授業を受けないという行為は
内心の信仰と密接に関わるため20条1項の保護を受け、これに対する不利益処分はAの信教の自由を制約することになる。
問題は、甲がAの望んだ代替措置を許さず、形式的に校則に従ってAを退学処分にしたことが、
合理的かつ相当な範囲であったといえるかである。
2 この点について、確かに@柔道の実技は心身の健全な成長にとって効果的なものであり、
またA代替的措置をとるには手間がかかる上、Bそれを行えば他の生徒に対する関係で不平等となり得るため、
甲の処分にまったく合理性がないわけではない。
しかし、@柔道の実技でなくとも、心身の健全な成長のためにはレポート提出やランニング、筋肉トレーニングといった
適切な代替的手段があり、またA前述の代替的措置をとることに限られた人的・物的設備の中でも困難なわけではない。
そして、B代替的措置の内容に十分に配慮すれば、他の生徒に対する関係で不当に利益な扱いとはならない。
3 そして、Aのために適切な代替的措置をとることが、政教分離原則に反するか問題となるが、
@代替的措置をとることは、Aに体育の単位を取得する機会を与えるという世俗目的であるといえ、
A前述のように代替的措置の内容に十分に配慮すれば、Aの仰する宗教を助長する、
あるいはその印象を他の生徒に与えるなどの効果もほとんどないといえる。
よって、Aに一定の代替的措置をとることは、政教分離原則にも反しない。
4 以上を総合的に考慮すると、進学率の高さから高校教育も義務教育の延長といえる今日、
柔道の実技授業を受けないことを理由に、退学というAの学習権(26条1項)を制約する重大な不利益処分をなすことは、
合理的かつ相当な処分とはいえない。
よって、甲が適切な代替的措置を認めず、形式的に校則を適用してAを退学処分に追い込んだことは、
その信教の自由(20条1項)を不当に侵害するものとして違憲である。
316 :
河童:05/01/08 21:15:58 ID:???
三 小問2について
1 本問でも、Bの信仰する教義は反社会的なものではなく、また、
Bの日曜参観授業を受けないという行為は内心の信仰と密接に関わるため、信教の自由の保護を受け、
これに対する不利益処分はAの信教の自由を制約することになる。
では、乙が形式的に自校の方針に従ってAを欠席処分にしたことが、合理的かつ相当な範囲であったといえるか。
2 この点について、確かにBを欠席とする代わりに代替的措置をとったところで、
@それはAに指導要録の出席簿欄に出席と記載させるための世俗目的であり、Aやはり適切な代替措置をとる限りで
Aの信仰する宗教の助長する効果は生じないであろうため、政教分離原則に反するとはいえないと考えられる。
3 しかし、本問でBの受忍すべき不利益処分は、指導要録の出席簿欄にその一日のみ欠席と記載されるだけであり、
Bの教会学校に出席するという宗教行為に対する制約としては、事実上かつ極めて間接的なものにとどまる。
そうであるとすれば、乙が同校の指導方針に従ってかかる軽微な不利益処分をBに課すことは、
なお合理的かつ相当な範囲にとどまるというべきである。
4 したがって、乙の処分は憲法20条1項に反せず、合憲である。
以上
*正直、合憲審査基準の定立についてはまだ課題ばかりが残ります。
*この点、刑訴が終わったばかりのせいか、「必要性(合理性)」と「相当性」で押しましたが、
大きな失敗はないような気がします。(必要最小限とかすると、小問2は必要最低限の制約か疑問に思いました)
*自分の意見を出し過ぎずに対立利益に配慮して、うまくまとめることが重要なんだ、と肝に命じて勉強するつもりです。
ううううん、第1印象・・・総論長すぎ
age
規範
>もっとも、個人の信仰に基づく外部的態度が社会生活上形成された一定の規範に抵触
する場合には、 信教の自由も絶対的無制約でなく、その規範に従って合理的かつ相当な
範囲で不利益な扱いを受け得ると解すべきである
→この規範が出てくる理由が判然としない。宗教の自由に対立利益の重要性を考慮する
ことなくなんでこの規範がでてくるのかわからない。
あてはめ
>合理性がないわけではない。しかし、@柔道の実技でなくとも、心身の健全な成長の
ためにはレポート提出やランニング、筋肉トレーニングといった
適切な代替的手段があり、またA前述の代替的措置をとることに限られた人的・物的設備の中でも困難なわけではない。
そして、B代替的措置の内容に十分に配慮すれば、他の生徒に対する関係で不当に利益な扱いとはならない
→合理性はある、しかし代替措置が存在するなら相当性がない、というなら、
相当性は厳格に解釈すべき、などと一言いれるべきでは?
320 :
河童:05/01/13 23:38:50 ID:???
>>319 なるほど。@規範を導く根拠(+人権制約根拠)が弱い、と。これは課題ですね。
A「相当性は厳格に解釈すべき」という一言があるとないとでは、
書き手のバランス感覚についての印象が全然違う気もします。
大変参考になりました。どうもありがとうございました。
憲法は苦手意識がついてしまって、その払拭に右往左往しています。
基本書はぼちぼち読んでいますが、憲法は論文の書き方自体が問題なのかも・・。
*次は統治の問題です。みなさんお忙しそうですが、ご批判・ご指摘いただければ幸いです。
問題
@最高裁の憲法判例は下級審を拘束する、A最高裁で判例変更をなすには特別多数の裁判官の意見の一致を要する、
という内容の法律が制定された場合の憲法上の問題点について述べよ。
321 :
河童:05/01/13 23:39:34 ID:???
一 はじめに
本問法律@Aの合憲性を論じる前提として、そもそも裁判所の事務処理が立法事項であることを確認しておく。
すなわち、主権者たる国民(前文、1条)の代表機関たる国会(42条、43条)が独占する「立法」(41条)とは、
治者と被治者の自同性を確保すべく一般的・抽象的な法規範の定立であると解すべきところ、
裁判所の事務処理に関する事項であっても、一般的・抽象的法規範であれば「立法」に含まれると解すべきである。
よって、司法権の独立(76条等)を害するなど憲法上許されない場合以外には、裁判所の事務処理も立法事項となる。
二 法律@について
1 本問法律@は、下級審が最高裁判所の憲法判例を重視することにより、憲法の統一的解釈や法的安定性が図られ、
国民の予見可能性も高まるというメリットがある。しかし、最高裁の判例に法的拘束力を認めることが
@裁判官の独立(76条3項)を害さないか、またA下級裁判所の違憲審査権を奪うことが81条に反しないか問題となる。
322 :
河童:05/01/13 23:40:12 ID:???
2 76条3項との関係について
(1)最高裁判例に法的拘束力が認められるか、認められるならば、法律@に問題はないと考えられるため検討を要する。
まず、憲法76条3項の「法律」に判例が含まれるか問題となるが、76条3項は裁判にあたり
裁判官が客観的法規範に従う旨を定めたに過ぎず、成文法のほか慣習法・判例などの不文法も含むと解すべきである。
また、平等の理念(14条)から同種の事件は同様に取扱われるべきである。
よって、76条3項の「法律」には判例も含まれると解する。
(2)では、法的拘束力まで認められるか。
確かに、76条3項の「法律」に判例も含めて考える以上、法的拘束力も認めるのが妥当と思われる。
しかし、日本では英米と異なり判例法主義をとっておらず、司法権の独立は司法権内部においても妥当するところ、
法的拘束力まで認めると下級裁判所の裁判官の独立を害する結果となる。
(3)そこで、判例の拘束力はあくまで事実上のものに留まると解すべきであり、
これに法的拘束力を与えることは下級裁判所の裁判官の独立を害し、76条3項に反すると解すべきである。
323 :
河童:05/01/13 23:40:43 ID:???
3 81条との関係について
(1)仮に、下級裁判所にも違憲審査権を認めることが81条の要請であるとすれば、
本問法律@はこれを奪うことになるため、同条に反し違憲となるため、検討を要する。
(2)思うに、81条の違憲審査権の法的性格は、裁判所が、具体的な訴訟事件を裁判する際に
その前提として裁判に必要な限度で適用法上の違憲審査を行う方式であると解される(付随的審査制)。
なぜなら、司法とは具体的な権利義務に関する争いに法令を適用して紛争を解決する作用をいうが(76条1項)、
81条は「第6章司法」の章に定められており、違憲審査権は司法作用に付随するものとして81条に明記されたものと
解されるし、また、抽象的審査に関する出訴権者・手続等の規定が憲法上定められていないからである。
(3)そうであるとすれば、81条は文言的には「最高裁判所」についてのみ規定しているが、
下級裁判所も最高裁同様に司法権を行使する機関であるところ、これについても具体的な訴訟事件の解決のために
必要な限度で違憲審査権を与えていると解すべきであり、法律をもってこれを奪うことは同条に反する。
4 結論
以上より、本問法律の前段@は、下級裁判所裁判官の独立を侵害し、また下級審の違憲審査権を奪うものとして、
76条3項・81条に反し違憲である。
324 :
河童:05/01/13 23:41:14 ID:???
二 設問の法律後段Aについて
1 憲法判例の変更について、法律によって特別多数の裁判官の一致を要求することは合憲か。
(1)先述のように下級審が最高裁判所の憲法判例を重視することは、憲法の統一的解釈や法的安定性が図られ、
国民の予見可能性も高まるというメリットはある。しかし、他方で憲法判例については、
硬性憲法においては憲法改正が極めて困難であること、また憲法の抽象性を考え合わせると、
政治や経済の社会的変化に柔軟に対応する必要があることから、大幅な変更を許す必要性が高い。
そうすると、一般の判例よりも要件を厳しくすることにそもそも合理性は認められないことになる。
(2)また、大幅な政治や経済の社会的変化があったことに基づいて、
裁判時の最高裁判所の裁判官の過半数が判例変更を妥当としているにもかかわらず、
過去の最高裁判所の判断がそれに優先し得るとすることは、裁判時の最高裁判所に違憲審査権を与えた81条に反する。
2 更に、特別多数決は民主主義においては多数派支配の行き過ぎに対する歯止め的な役割を果たすが、
憲法及び法律のみに拘束され、その良心に従って独立して職権を行う裁判官(76条3項)の裁判においては親しまず、
法律によって特別多数決方式を採用することは許されないと考えられる。
3 以上より、設問の法律後段Aは不合理な規定であり、裁判時の最高裁判所の違憲審査権を侵害し、
また司法権の独立を害するものとして、81条、76条3項等に反し違憲である。
325 :
河童:05/01/13 23:46:03 ID:???
*後記
*「裁判官の独立」(76条3項)・・という記述は正しいのかわかりません。
また図書館にいって基本書で調べてみるつもりです。
これもレ○クの問題なのですが、レッ○の模範解答は辰巳にも増して酷いような気がします。
採点もかなり酷いし、やはり気の合う、互いにやる気を出し合えるような優秀な勉強仲間がほしいです。
1)立法事項かー肯定∵立法=一般抽象的
→これは司法試験的には、これでいいとも思いますが、個人的には腑に落ちない
点があります。当該法律の名宛て人は誰ですか?@では下級審裁判官、Aでは最高
裁判所裁判官ということになるかとも思いますけど、これで一般的抽象的と言えるかどう
か疑義が生じ得ると思います。もっとも学会的にはあまり問題にされていないようにも
思いますので気にする必要はないかもしれません。
2)@法律について
あ)76条3項に反しないか?ー反する
→いろいろ書いてありますが、直裁に裁判官の独立を害し、76条に反する、でよいのでは
ないでしょうか?つまり、事実的拘束力云々の議論を挟まなくて良いのではないか?
い)下級審の違憲審査権を侵害しないかー肯定
下級審に違憲審査権の有無の議論はいいとして、それを前提になぜ、どういった点で、
本問法律は下級審違憲審査権を侵害するのかの論証がないように思います。
327 :
河童:05/01/16 19:08:14 ID:???
また、余計なことをイロイロ考えてしまいました。なかなか納得できない悪い癖です。
76条3項の「法律」に判例も含めるが、判例の拘束力はあくまで事実上のものに留まるとする見解についてです。
この見解に立った場合、「判例が事実上の拘束力を有するのは判決の結論を導く上で意味のある法的理由付け、
いわゆるレイシオ・デシデンダイの部分に限られる」とすることは、おかしくないですか。
あくまで事実上の拘束力、というのであれば、傍論にも事実上の拘束力はあるような気がするのですが・・。
(なにせ予備校のレジュメはいい加減で・・)
100選にも下級審の違憲審査権のところで出てきますが、よくわかりづらい論点だと思います。
通説的な理解でいくと、国会が制定した一般の法律であっても、
「法律」(76条3項)として、事実上の拘束力にとどまると考えるのですか。
それとも、一般の法律も最高裁判例も「法律」に含まれるけど、両者を法的拘束力の点では区別するということですか。
ここまで書いきて、下級裁判所も法令違憲判決を下す場合には、国会の制定した一般の法律にも拘束されないことに
なるのですから、もともと「法的拘束力」ってなんなんだよ、って話になるような気がしてきました。
どなたかキチンとご理解している方がいらっしゃったら、ご教授いただけると大変嬉しいのですが。
328 :
河童:05/01/16 19:08:59 ID:???
ちょっと考えた論証を附記しておきます。
*確立された最高裁判例は「法律」(76条3項)にあたるか。
思うに、76条3項は裁判にあたり裁判官が客観的法規範に従う旨を定めたに過ぎず、成文法のほか慣習法・
判例などの不文法も含むと解すべきである。また、平等の理念(14条)から同種の事件は同様に取扱われるべきである。
よって、76条3項の「法律」には判例も含まれると解する。
*では、最高裁判例に下級審に対する法的拘束力まで認められるか。
この点について、76条3項の「法律」に最高裁判例も含めて考えたとしても、
それは下級裁判所の裁判官を法的に拘束するものではないと考えるべきである。
なぜなら、そもそも国会の制定した一般の法律の場合であっても法令違憲判決を下す場合には、
これに法的に拘束されるわけではないので、裁判官は必ずしも「法律」(76条3項)
に反する一切の判断ができないわけではないからである。
329 :
河童:05/01/16 19:11:38 ID:???
326さん、どうもありがとうございます。
よく考えてみます。
330 :
河童:05/01/16 22:58:24 ID:???
326さんにご指摘いただいたことと、
いま考えていたことがちょうどリンクしていたため、
改めてちょっと書き足して(直して)しておきます。
最高裁判例に下級審に対する法的拘束力まで認められるか問題となるが、
76条3項の「法律」に 最高裁判例が含まれるとして考えたとしても、
それは下級裁判所の裁判官を法的に拘束するものではないと考えるべきである。
なぜなら、そもそも下級裁判所にも違憲審査権(81条)が与えられていると解すべきところ、
裁判官は職権行使の独立を保障されている以上、違憲判決を下す場合等、
必ずしも「憲法」そのもの以外の「法律」に法的に拘束されるわけではないからである。
よって、確立した最高裁判例があったとしても、下級裁判所の裁判官は職権行使の自由に基づき、
これに反する判断を下すことも許されると考える。
こんな感じです。
学説ではカッパさんが抱くのと似たような疑問から、、
事実上の拘束力認めるなら実質的に法的拘束力認めるのと同じ、という見解も
有力です。ex.長谷部p34
>>330はちょっと暴走しすぎではないでしょうか?
これだと法律であれば明文に反する裁判も職権行使の独立の名のもとに可、ということに
なりかねず、立法権を明らかに侵害します。
333 :
氏名黙秘:05/01/17 19:38:51 ID:???,
判例に法的拘束力を認めることは、
41条に反するのではないかとの観点が
より重要だと思います。
たしかに、そうですね。
ところで、事実的拘束力を認めるのと法的拘束力を認めるの実質的にどこが違うとおもいますか?
335 :
河童:05/01/19 23:45:47 ID:???
>>332 法律の明文に反する裁判であっても、
その法律が違憲であるとの判決を下すことを前提にしたものであれば、
職権行使の独立の名の下に可、ということですので、それは問題ないかと。
もちろん333もおっしゃるように、41条に反するのではないか、
というのが最大のポイントだとは思っています。
そこのところを省略してしまっているので、また勘違いしているように思われて当然ですね。
すいませんでした。実際の論文では、41条を強調しようとは思っています。
334について、私は、「事実的拘束力」とか「法的拘束力」とか、
そういう危うい「単語」を使うのをやめようかな、と思っています。
336 :
:05/01/24 19:38:56 ID:???
刑訴は最高だったのにね・・・
あたいもがんばろおおっと。
338 :
河童:05/01/29 23:41:00 ID:???
明日から民法なので頑張って難問にチャレンジしてみました。
文献もロクに調べないくせに、結構、疲れました。
それにしても、択一はおそろしいレベルを維持していますが、憲法と刑訴(Aの経験なし・・どころか憲法は・・)は、
やはり苦手意識があるのか答練でもイマイチの成績でした。
自分で時間を計って何本でも過去問や基本問題を解かないとダメとわかっていながら、なんとなくだらけています。
(ほんと誰か俺を殺してくれ、と、たまに思います)
問題
AはBに建物を賃貸している引渡しているが、建物をCに売却した。この場合に、ACとBとの間の法律関係は、
177条と467条1項のいずれで規律するのが適切か。
また、その後に、AがBに対する将来の賃料債権を自分の債権者Dに担保のために包括的に譲渡してしまったら、
CD間の法律関係はどのように規律されるべきか。
339 :
河童:05/01/29 23:41:53 ID:???
一 前段について
1 本問で、AはCに建物を売却しているが、当該建物には対抗力を具備した賃借人Bが存在している
(借地借家法31条1項)ところ、賃貸借関係について、まず明らかにしておく。
(1)この点について、本問のように目的不動産に対抗力を備えた賃借人がいる場合には、
所有権の移転に伴ない賃貸人の地位も移転すると解すべきである。なぜなら、かかる場合には、
譲受人は賃料債権で投下資本を回収すべきというのが当事者の合理的意思に合致するからである。
また、所有権者と賃貸人の分離を認めれば、法律関係が複雑になり妥当でない。
(2)なお、契約上の地位の移転に関して、通常重大な利害関係を有する相手方当事者たる賃借人の同意なくして、
賃貸人の地位の移転を認めることは許されないのではないか問題となるが、賃貸債務は非個性的なものであり、
賃借人に看過し難い不都合があるなど特段の事情がある場合を除いて、賃借人の同意は不要と解する。
(3)よって、本問でもABの関係では、問題なくBが建物の所有者であるとともに賃貸人となる。
340 :
河童:05/01/29 23:42:45 ID:???
2 本問でACとBとの間の法律関係は、どのように規律するのが適切か。
(1)この点について、まず467条1項の趣旨は、債務者への通知またはその承諾を債務者や
その保証人等に対する対抗要件として、債務者の二重弁済の危険を防止しようとした点にある。
そこで、自己の関知しないところでAからCへと契約上の地位の移転がなさる債務者たる賃借人Bの二重弁済の危険を
防止するには、前述の467条1項の趣旨が妥当し、同条項のみをもって処理することで十分であるとも思われる。
(2)しかし、かかる場合に467条1項のみで規律すると、不動産の二重譲渡の場合などに、
債権の準占有者に対する弁済(478条)による免責や供託(494条後段)が可能とはいえ、賃借人が紛争に巻き込まれ、
事実上の二重弁済の危険が生じてしまう。
(3)確かに本問のような場合、新賃貸人と賃借人は物権的支配を相争う関係ではないから
177条が本来予定している場面ではない。しかし、賃借人の二重弁済の危険を防止すべく、
法律関係の明確性・画一的処理の必要性から、賃借人は登記の欠ケツを主張するにつき正当な利益を有する者として、
177条の「第三者」にあたると解すべきである。また、不動産の譲受人に登記の具備を求めることは酷ではない。
よって、新賃貸人たる地位を賃借人に主張するためには、登記が必要であると解する。
(4)そして、通常登記に注意を払わない賃借人にいちいち登記を確認させることは妥当でないので、
新賃貸人は不動産の所有権を得たこと及び登記を具備したことを賃借人に対して通知すること、
あるいはその承諾を得ることが、対抗要件となると解する。
かく解することで賃貸人の地位の移転に賃借人の承諾を不要とすることとのバランスが保てると考える。
(5)以上より、本問のような場合、BとCの法律関係は177条と467条1項の双方の趣旨から規律するのが妥当であると解する。
341 :
河童:05/01/29 23:43:28 ID:???
二 後段について
1 後段では、新賃貸人Bと旧賃貸人たるAから未発生の賃料債権を譲受されたDとの優先関係が問題となっている。
2 この点について、債務者の債権譲渡に対する認識を通じて、
「第三者」に対して債権帰属についての公示機能を果たさせようとした467条2項で規律することが考えられる。
しかし、未発生の賃料債権が誰に帰属するかの問題と、
既に有効に存在する債権を前提に、対抗要件について規定した467条2項とは、別次元の問題である。
すなわち、前述のように所有権の移転の効果により賃貸人の地位が移転すると解すべき以上、
そもそも将来の賃料債権はAC間でCに帰属すべきものであり、建物売買契約時に当事者の特約がない限り、
将来の賃料債権の処分権はAにはなく、賃料が発生する時点の所有者たるCにあると考えるべきである。
3 そこで、未発生の賃料債権の譲渡を受けたDのような者が保護されないか問題となるが、
未発生の賃料債権の帰属については所有権登記という極めて強力な公示方法がある以上、
賃借人に対する対抗要件をもって「第三者」に対する対抗要件とするのは妥当でない。
他方で、Dのような者は未発生の債権であると承知の上で債権譲渡を受けているのであり、
他に抵当権の設定を受け登記するなどの手段が可能であった以上、過度に保護する必要はない。
よって、未発生の賃料債権の帰属については、177条の規律する場面であると考える。
そして、かかる場合における未発生の賃料債権の譲受人は、
不動産の権利関係につき利害関係を有する「第三者」にあたると解すべきである。
4 以上より、本問では、Cが建物の所有権登記を具備した後に発生する賃料債権については、
DはBとの関係で対抗要件を具備していても、Cに優先し得ないというべきである。
342 :
河童:05/01/29 23:45:01 ID:???
三 まとめ
設問の前後段を通して債権のみならず物権の問題が密接に関係するため、467条と177条双方で規律する必要性があり、
その場合においては公示機能が強力な177条がより優先的に類推適用されるとして、
不動産に関する法律関係の安定を重視すべきと考える。
*この問題は去年のレッ○の公開模試2回めの第2問がベースとしていますが、
模範解答は設問後段でCとDについて467条2項の問題として、Dが優先するとして処理しています。
問題はいいのですが、絶対におかしい(将来の賃料債権の特殊性を無視しているのでは?)と思ってアップしてみました。
*ちなみに、慶応の平野君(いま慶応の学部生を教えていますが、福沢諭吉以外は「先生」でないのだとか)の出題です。
みなさん、頑張りましょう。・・自分が一番頑張りたい今日この頃ですが・・。
343 :
氏名黙秘:05/01/31 01:30:18 ID:IDwHf+IF
あげますね。
民法 一読了解 平野はどうかしらんが筋は一貫していると思う。
勉強になりました。
345 :
河童:05/02/02 00:18:18 ID:???
ある方にせっかくヒントをいただきましたがよくわかりませんので、
全然関係ないかもしれませんが、自分なりに少し考えて思いついた結果を書いておきます。
通常の(?)将来債権の債権譲渡の場合、例えば、開業資金を融資してもらった歯医者が銀行に対して、
社会保険診療報酬支払基金との間で今後3年間に生じる診療報酬債権を譲渡して、467条2項の対抗要件を備えた場合、
将来債権譲渡に467条2項の対抗力を認めても不都合はありません。
なぜなら、他の債権者は歯医者の診療所(不動産)なり、歯科医器具なりを差押えれば、現実に営業できなくなり、
譲渡すべき債権自体が発生しなくなるので、債権譲渡の公示の弱さを考えてもなお、
他の債権者との関係で不公平とまでいえないからです。
これに対して、不動産賃料の場合は、賃借権に対抗力がある場合、他の債権者は、
不動産の差押えこそできても肝心の賃貸料の差押えができない(厳密にいうと、銀行に対抗できない)のでは、
銀行ばかりが得することになり(というか、債権に対して物権なみに強力な担保を獲得することになり)、
公示が弱い債権譲渡にそこまでの効力を認めることは、債権者間の公平を害すると考えるべきですよね。
もちろん、債権者間の公平のみならず、不動産取引の健全の観点からも467条2項で規律をするのは妥当でないと思います。
競売にかかっていた土地を買ったら賃料はとれませんでした、というのも理不尽な話ですからね。
ということで、とにかく債権譲渡に物権なみの担保把握力を認めるべきではない、という結論です。
346 :
河童:05/02/02 12:03:26 ID:???
といいますか、端的に「債権>物権」がマズイといえばよいのかも・・。
強力な公示手段があって、その重要性から保護の必要性が強い「賃借権」のみ特別扱いで、
他の債権(賃借権に付随する賃料債権しかり)にまでこれを拡大するわけにはいかない・・と。
辰巳のライブ本をやっています。さすがは大学教授です。勉強になります。
過去問もやらないといけませんでした。反省。反省。
347 :
:05/02/07 13:14:08 ID:???
ライブ本いいのか?伊藤だっけ?
かっぱ、元気にしてるのか?
はい、元気にしてますよ。すごく勉強してます。今年は絶対合格します。
ほんまかいな?
sc
353 :
:05/02/16 07:11:56 ID:???
かっぱ
ぱっか
355 :
河童:05/02/17 08:55:53 ID:???
択一は相変わらず、絶好調です。50点くだったことはありません。
答練も25をキープ、今年は受かります。
みなさんも頑張ってください。
356 :
河童:05/02/18 13:03:34 ID:???
あれ、ついに偽物が・・。355は私ではありません。
なんか個人識別をしなければいけないのでしょうが、
どうもその気にもなりませんし、あまり悪意を感じる内容でもないので、
しばらく様子をみてみます。(答練は25点キープしていないんですよね・・)
実は、今朝から(悪い意味で)問題となっている金融会社が親父の勤める会社でして・・。
情報を収集するため久しぶりにネットにつないでみて、ついでにきてみた次第です。
ライブ本は、憲法と民法(貞友)と刑訴をやりましたが、よかったと思います。
特に、憲法の統治は自分のやっていたことが全然的外れだったことが、
ようやく何となくわかったような気になりました。みなさん頑張りましょう。
>>355 主席。おイタしちゃダメよw。
>>356 元気そうで何より。棟居は若干癖があるからあまり気にし過ぎないで。
河童がんがれ!
358 :
河童:05/02/19 19:43:58 ID:???
あれ、ついに偽物が・・。356は私ではありません
・・・それにしても、ずいぶん凝った偽物だな。
私は毎日10時間くらい勉強してます。
みなさまも風邪などひかぬようがんばってください。
359 :
河童:05/02/20 23:31:55 ID:???
えええーーー。私が本物です。択一は55点平均キープ。基本書は持っていません。
答練は26-7点キープです。毎日15時間勉強しています。みなさんがんばりましょう。
360 :
河童:05/02/22 10:50:25 ID:???
あれま、また、私の偽物が・・・
択一は50点
答練は25点くらいが平均です。
気を引き締めています。
みなさまもお風邪など引かぬよう頑張ってください。
本物の河童さんならトリップつけてください
362 :
河童:05/02/24 12:26:13 ID:???
まだ、害意があるとはおもいませんので
トリップはやめておきます。
花粉症でまいってます。
けど、模試はいい調子で頑張ってます。
こんどまた掲載しますので・・・
「撤退が認められない受験生にとって
合格が唯一の投下資本回収手段である。」・・・
∧_∧
∧_∧ (´<_` ;) 痛ましいほどに
サラ. (;´_ゝ`) / ⌒i 切実だな。
サ-ラ / \ | |
/ 、 ヽ | |
__(__ニつ、⊂ニ_)__/.| .|____
\___\ (u ⊃
365 :
河童:05/03/04 19:27:11 ID:???
河童です。アップする河童が本物の河童だと思ってください。(356以来です)
受験生のみなさまは時期的に、こんなもの読んで、しかも批判してやってる場合ではないと思いますが、
秋口くらいに「ダメ出し」していただいたのに、うやむやにしていた問題が、ようやく自分なりに改善できましたので、
アップさせていただきます。遅くなりまして「ダメ出し」していただいた方には誠意のなさをお詫び申し上げます。
(苦手な憲法も、ちゃんと「苦手」と意識してから、だいぶ目途が立ってきたように思います)
問題
人事院が公務員の給与引き下げを勧告したことを受けて、政府は最高裁判所に対し、インフォーマルに、
裁判官の報酬を減額することは憲法に違反しないかどうかの判断を求めた。それに対し、最高裁は裁判官会議を開き、
議論の末、かかる状況における裁判官の報酬の減額は憲法に違反しないと判断し、その旨を政府に伝えた。
「本件勧告的違憲」の憲法上の問題を論じなさい。
(なお、この問題で裁判官の報酬を引き下げることが憲法に違反するかどうかについて論じる必要はない)
366 :
河童:05/03/04 19:28:02 ID:???
一 76条1項との関係について
1 本問では、勧告的意見が問題となっているが、これは憲法76条1項にいう「司法権」の行使にあたるか、
これにあたるとすれば同条を根拠に許されると考えられるため、まず検討する。
この点について、「すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する」とされる。
ここでいう「司法権」は歴史的に形成されてきた特殊な紛争解決作用を意味し、
その発動のためには、@事件性の要件(当事者間の権利・法律関係に関する争いかどうか)、
A法律上の争訟の要件(裁定方法が憲法・法律の解釈適用であるかどうか)が必要と解される。
なぜなら、@について、当事者対立構造をとる民事訴訟の基本的な構造上、最も利害関係の対立をする当事者に
その手続への参加の機会を与え判断を下すのが、デュー・プロセスの保障の要請から最適である点に根拠が求められ、
Aについては、非民主的機関たる裁判所が、審理判断可能な事件のみをふるいにかけて判断することにより、
自己制約的にその正当性を維持し、その判断に対する信頼を保持することに根拠が求められるからである。
そうしてみると、本件勧告的意見は、@の要件を欠くといえ、「司法権」の行使とはいえない。
367 :
河童:05/03/04 19:28:38 ID:???
2 もっとも、およそ事件性を欠いた紛争についての客観訴訟は、「司法権」の行使としては76条1項に反するが、
仮に「法律において特に定める」(裁判所法3条1項後段)場合にも、裁判所の権限とすることは許されないか。
この点について、@の要件を欠いても、事件性を擬制できるだけの内実を備えたものであれば、
その紛争を解決することは裁判所の役割に相応しく、「司法権」の行使に準じるものと考えてよく、
76条1項に反しないと解する。例えば、客観的訴訟である住民訴訟がこれにあたる。
では、本件勧告的意見が事件性を擬制できるだけの内実を備えているといえるか。
この点について、一方当事者ともいえる政府の質問に対して、最高裁判所がインフォーマルに応答する勧告的意見は、
当事者対立構造をとらず、事件性を擬制できるだけの内実を備えていない。
(なお、「裁判官」には最高裁判所裁判官以外にも下級裁判所裁判官も含まれるのであり、
最高裁判所裁判官のみをもって「当事者」ということはできない)
よって、「法律において特に定める」ことによっても、本件勧告的意見は憲法76条1項に反し、
「司法権」の行使に準じるものとしては許されないと解すべきである。
368 :
河童:05/03/04 19:29:10 ID:???
二 権力分立(41条、65条、76条1項)との関係について
1 もっとも、裁判所は「司法権」以外の権限を行使することがまったくできないわけではない。
例えば@事件性の要件はもちろん、それを擬制できるだけの内実もないが、
行政機関相互の権限分配に関する客観訴訟である機関訴訟も合憲であると解されている。
そこで、「司法権」以外の権限行使として、本件勧告的意見は許されるか、
司法権の独立(76条3項)、及び権力分立との関係で問題となる。
2 この点について、勧告的意見は@裁判所を政治的紛争に巻き込む危険性が少なからずあり、
A利害関係者が自己の主張を述べる機会を保障されず、また裁判所が十分な情報に基づくことなく判断を下すことにより、
国民の利益を不当に侵害される危険性があるといえる。
これらのデメリットは@に関しては司法権の独立を害されるおそれがあり、
またAに関しては違憲審査権を与えられ(81条)、人権保護の砦・憲法の番人たる最高裁が、違憲の疑いのある国家行為に
あらかじめ合憲のお墨付きを与えることになり得、立法権・行政権と司法権の不当な結託となりかねない。
そうであるとすれば、裁判所に対して、国民の権利・法律関係に極めて関連性の薄い機関訴訟のような権限を
「司法権」とは別に与えることは、憲法秩序に反するとまではいえないが、
国民の権利・法律関係に密接に関わる事柄について、裁判所に勧告的意見をなす権限を与えることは、
互いの権力を抑制し、国民の権利・自由を守ろうとした権力分立の趣旨に反するというべきである。
4 これを本問についてみると、裁判官の報酬を減額できるか否かということは、
第一次的には憲法上の問題(79条6項、80条2項参照)であるが、個々の裁判官の財産権(29条1項)や、
適正手続の保障(31条)といった基本的人権にも密接に関わる問題である。
よって、「司法権」以外の権限として最高裁判所が本件勧告的違憲に応えるという権限を行使することは、
司法権の独立や権力分立の趣旨に反して許されない。
5 以上より、本問における勧告的意見は憲法上許されない。
369 :
河童:05/03/04 19:30:13 ID:???
*後記
司法権の独立に無理に触れる必要はなく、権力分立に絞って書いたほうがベターかもしれませんね。
なんとなくグダグダになってしまった印象です。
また、「その他法律において特に定める」の論点は、インフォーマルで法律によって定めていないので、
余事記載ですが、イロイロな問題に対応できるように確信犯的に書いておきましたのでご承知ください。
なかなか闘志が湧いてきませんが、今年は自分のためだけに負けられない気持ちで頑張ります。
おひさです。
頑張っておられるようですね。
たしかに、なにがいいたいのかあまり伝わってきませんでした。
1)司法権の行使として許されるか、「司法権」の意義が問題となる。
否定
としても、
2)他の国家機関に対して、
勧告的意見を出す権能を裁判所に付与することは許されるか?
否定
基本的にこういうことなのでしょうか?
371 :
河童:05/03/08 21:12:11 ID:???
>>370 まさしくそのとおりです。
もう少し簡潔に書いたほうがよいですね。(2ページちょいくらいの論文?)
苦手な憲法に限っては、そういう書き方を練習しようと思っています。
.
373 :
河童:05/03/10 11:27:12 ID:???
最近はなかなか調子いいです。
やる気満々。
またUPします。よろしく。
374 :
河童:05/03/15 19:41:18 ID:???
憲法は佐藤幸二を読んで感動しています。
みなさんにもお奨めです。
おまいら答案の添削読んでる?
377 :
氏名黙秘:2005/03/21(月) 12:15:49 ID:???
佐藤幸治はまず「憲法の”物語”性」を読むともっと感動できる。
もう感動しすぎて他の本なんか読めなくなるくらいに。
378 :
河童:2005/03/21(月) 22:58:20 ID:???
久しぶりにきました(371以来)。
こんな人格がほしい人がいるなら、別にあげてもいいと思っていますが、
果たして373・374さんは何を考えているのでしょうか・・。
ちなみに、私は佐藤幸治は読んでいません。
浦部という先生の本がたまたま図書館にあったので、
「確か試験委員だったな」と思って読みましたが、
むしろ佐藤幸治批判がやたら目立っていたような気が・・。
>376 やはり添削は読んだほうがよいと思います。
そして、添削者が指摘してくれない点まで自分でチェックするのが大事だと思います。
379 :
河童:2005/03/22(火) 21:38:31 ID:???
遅くなりましたが刑法の問題も1問アップしておきます。
択一の本格的準備で忙しくなってきた時期でしょうが、余裕があれば、ご指導・ご批判いただければ幸いです。
3年目になって論文のヤマをかけたりする余裕ができてきたので、今年の刑法は間接正犯を狙っています。
本問は、構成要件が実質的に重なり合う故意ある道具と、間接正犯の成否の問題です。
・・・問題は自分で考えたもので拙いものですが、それなりに考えさせられる問題だと思っています。
問題
Aは生まれついて重度の心臓病を患っており、心臓部にペースメーカーを埋めている。
甲はAを殺そうとして、情を知らない乙に対して金属バットを渡して、
「アイツは俺の友達だ。ちょっと驚かせてきてくれ」といって、それでAの背中を軽く小突いてくるように依頼した。
実は、一見通常のものと見えるその金属バットは極めて強力な磁力を帯びたものであり、
それをAの心臓に接近させた場合、ペースメーカーに狂いが生じ、客観的にAが死亡する十分な可能性が認められた。
甲から多額の借金をしていたが、返済の延期を承諾してもらったばかりの乙は、
その程度の依頼ならば果たしてやろうという気になり、これを実行したところ、
金属バットがAの背中に触れるか触れないかのところで、Aのペースメーカーに狂いが生じて、Aは死亡した。
甲と乙の罪責について述べよ。
380 :
河童:2005/03/22(火) 21:41:02 ID:???
一 乙の罪責について
1 乙は、金属バットでAを小突くことによってAを死亡させているが、
乙に殺人の故意はないため、殺人罪(199条)は成立しない。
2(1)では、乙は金属バットで小突くという暴行(208条)の故意で、Aの死亡の結果を生じさせているため、
傷害罪(204条)あるいは傷害致死罪(205条)が成立するか、結果的加重犯の成否に関して問題となる。
思うに、結果的加重犯が加重結果についてまで責任に問われるのは、
基本犯のなかに加重結果に対する高度な危険が含まれているからである。
そうであるとすれば、基本犯となる行為と加重結果との間に因果関係がある場合には、
その結果を行為者に帰責しても責任主義には反しないと考える。
そして、因果関係の機能は、偶然的結果を排除し行為者に帰責する適正な範囲を確定する点にある。
そうであるとすれば、違法性の本質は社会倫理規範に違反する法益侵害にあると解されるところ(行為無価値説)、
因果関係の存否は、行為時に一般人が認識し得た事情に加え、行為者が特に認識していた事情を基礎として、
一般人の立場から判断すべきである(相当因果関係説)。
(2)これを本問についてみると、一般の健康人であると見え、
また行為者たる乙もそのように思っていたAの背中を金属バットで小突くという行為から、
Aの死亡の結果が生じることはもちろん、傷害の結果が生じることも通常ではありえないことから、
乙の行為とAに生じた死亡ないし傷害という結果との相当因果関係は否定される。
よって、乙に傷害致死罪ないし傷害罪は成立しない。
3 以上より、乙には暴行罪が成立する。
381 :
河童:2005/03/22(火) 21:44:53 ID:???
二 甲の罪責について
1 甲は、乙の行為を利用してAを死亡させているが、甲に殺人罪(199条)が成立するか、
間接正犯の成否が問題となる。
2 この点について、間接正犯の成立根拠は、これを正犯として扱う以上は利用者の正犯性に求められるべきであるが、
実質的には被利用者を自己の道具として利用することにより犯罪を実現する点(行為支配性)に求められる。
そうであるとすれば、利用者の利用行為に実行行為性が認められる場合に、間接正犯が成立するとすべきである。
具体的には、利用者において@主観的には故意の他に、他人を道具として利用して目的の犯罪結果を実現させる意思と、
A客観的には、利用行為によって被利用者の行為をあたかも道具のように一方的に利用して
目的の犯罪結果を実現することが必要となる。
3(1)これを本問についてみると、@利用者たる甲は、主観的に殺人の故意を有し、
本問の事情を知らない乙を自己の道具としてAを殺害しようという意思が認められる。
(2)Aの要件について、乙には暴行罪の故意が存在するところ、犯罪の故意ある乙が道具と評価できるか問題となる。
一般的に、被利用者にある犯罪を行う故意があり、それが利用者の意図した犯罪と異なる犯罪についてのものであれば
利用者の意図した犯罪についても被利用者に規範の問題が与えられていないといえる。
そうであるとすると、被利用者のいわゆる道具性を肯定してよく、利用者の行為に実行行為性を認め、
間接正犯の成立を肯定してよいと解する。
もっとも、本問では、利用者甲の意図した殺人と、被利用者乙の認識した暴行とでは人の生命・身体を保護法益とし、
その侵害態様も類似していることから、実質的に構成要件の重なり合いが認められ、
乙は規範の問題に直面していたことから、道具性は否定されて間接正犯は成立しないのではないか問題となる。
382 :
河童:2005/03/22(火) 21:45:49 ID:???
この点について、刑法上暴行罪と殺人罪では法定刑に著しい差異があり、
また現実的に考えてみても暴行と殺人とでは規範の問題として極めて大きな隔たりがある。
そうであるとすれば、被利用者乙が暴行に対する規範にしか直面しない場合には、なおその道具性を肯定して、
甲の教唆行為にAの死亡という構成要件的結果を発生させるという現実的危険性が認められると考えられることから、
間接正犯は成立し得ると解する。
(3)以上に加え、@Aの要件について、本問では(ア)甲が債権者という優位な地位を利用していること、
(イ)乙にしてみれば甲の依頼が単純な行為であるだけに拒否するのが困難なこと、
(ウ)外形上依頼された行為の法益侵害性が極めて軽微であり反対動機の形成が困難であることなどを総合考慮すると、
これらを認定しやすいといえよう。
(4)したがって、甲には、乙の行為を利用した殺人罪の間接正犯が成立する。
4 以上より、甲には殺人罪の間接正犯が成立する。
*後述
勘違いがあるかもしれませんが、参考までに問題意識と思考過程を附記しておきます。
本問は共犯の処罰根拠に関わる問題とも考えられるため、正面から共犯の処罰根拠を論じてもよいような気がします。
純粋惹起説をとれば、「正犯のない共犯」が肯定されるので、甲は「殺人罪の教唆犯」、
乙は暴行罪ないし傷害罪・傷害致死罪という結論でもよいように思われます。(自信なし)
しかし、自説にと考えている混合惹起説では、「正犯のない共犯」は否定されるため、どう処理してよいものやら・・。
そんな問題意識で、こんな問題と論文を書いてみました。
間接正犯のあてはめに逃げているだけかもしれませんので、ご指導・ご助言いただければ、とても嬉しいです。
基本書をだいぶ調べましたが、「構成要件が実質的に重なり合う故意ある道具と、間接正犯の成否」の問題は、
見つかりませんでした。よい情報があれば、その情報もご教授いただければ、と思っています。
383 :
氏名黙秘:2005/03/27(日) 09:17:43 ID:???
最判昭和25年7月6日食管法違反事件は有名
384 :
気象予想士:2005/03/28(月) 23:51:47 ID:???
>383 ありがとうございます。そういえば、その判例は知っています。
しかし、私が考えているのは、故意ある幇助の問題ではありません。
例を出せば、平成4年の問題を少し変えた問題を考えているのです。
問題
甲は乙にAに日本刀で切りつけたら100万円の報酬を与えると約束した。
そこで、乙がAに傷害の故意をもって日本刀で切りつけたところ、Aは、
身をかわしたため、通常であれば2週間で治る程度の創傷を負うにとどまったが、
血友病であったため、出血が止まらず、死亡するに至った。
甲は、Aが血友病であることを知っていて、これを殺害するつもりであったが、
乙はその事実を知らなかった。
甲及び乙の罪責について述べよ。
本番で出たら案外みんな書きあぐむ気がします。
385 :
氏名黙秘:2005/03/29(火) 03:29:16 ID:???
>384
一方的支配利用がないので殺人罪の間接正犯は成立せず、
傷害致死罪の教唆犯になりそうだが、
乙は折衷的相当因果関係説だと傷害罪にとどまりそうなので
正犯より共犯の方が法定刑が重くなってしまうし、
共犯従属性に抵触しそうで嫌ですね。
386 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/04(月) 23:14:14 ID:???
がんっばれ!
387 :
氏名黙秘:2005/04/06(水) 22:09:30 ID:???
フツーに共同正犯のように思うが・・・。
388 :
氏名黙秘:2005/04/10(日) 11:19:02 ID:???
>>384 この事案で幇助とするのは、判例、
学説は批判
「構成要件が実質的に重なり合う故意ある」場合「道具」といえるか、そこが問題、
そこで、共同正犯とすべきという見解がある。
基本書は何をお使いですか?
389 :
気象予想士:2005/04/10(日) 19:53:39 ID:???
>>385、388
あれれ? 河童クンでなく、私が質問をしてしまっていますね。
なにはともあれ、どうもご返信ありがとうございます。
基本書は憲法と民訴・刑訴はだいぶ読みましたが、
刑法は疑問に感じた個所だけチョロチョロいろんな基本書を読んでいます。
あとはセンスを磨くために、ひたすら判例本を読んでいます。
>379の問題の場合は、「道具性」をかろうじて認定してもよさそうな気がしますが、
>384の問題の場合は、「道具性」を認定するのは無理筋だと思いますので悩んでいました。
ところで379の問題は、乙に殺人の故意がないので「殺人罪」の幇助犯を成立させることはできないと思いますが。
(前田センセイの『最新判例』を読んでいるかぎり、乙に殺人の故意を認めることは不可能ではないでしょうが)
やっぱり考えれば考えるほど難しい問題だと思います。
390 :
:2005/04/24(日) 12:35:02 ID:???
391 :
河童:2005/04/29(金) 19:06:51 ID:???
お久しぶりです。
択一模試は受けに行っていませんが、好調キープです。
今年は絶対に悔しい思いはしたくありませんので、
まずは択一を軽く一蹴したいと思っています。
択一後もアップできるかどうかはわかりませんが、
みなさま、まずは論文への挑戦権を確保すべくもう一頑張りしましょう!!
392 :
:2005/05/04(水) 23:58:16 ID:???
393 :
河童:2005/05/08(日) 23:26:43 ID:???
とりあえず得意の択一では生き残り確定です。
またしばらく出現しないと思いますが、論文も頑張ります。
板を保守してくださっている方、大変感謝しています。
どうもありがとうございます。
論文に気持ちの向かっている方、みなさん共に頑張りましょう。
394 :
氏名黙秘:2005/05/19(木) 00:01:10 ID:???
保守しときますね
395 :
氏名黙秘:2005/05/19(木) 14:45:46 ID:???
s
396 :
:2005/06/04(土) 13:29:35 ID:???
397 :
氏名黙秘:2005/06/09(木) 20:03:19 ID:xeQcl413
age
398 :
河童:2005/06/10(金) 14:19:33 ID:???
保守してくださる皆様、どうもありがとうございます。
*たまにつまらない?ことに、今更ながら考えが及んだりしたため、ちょっと息抜きに書いておきます。
*物権の移転時期は考えはじめると奥が深いですね。この時期だけに深みに嵌らないように気をつけますが。
→こういう事案はよくあります。
譲渡人が第1譲受人とA不動産の売買契約を結んだ。代金の支払・引渡・登記移転はいずれもなされていない。
そこで、譲渡人は第2譲受人と同不動産の売買契約を締結して登記を移転してしまった。
この場合には、所有権の移転時期の受験生通説からいくと典型的な二重譲渡にならないのですね。
なぜなら、第1譲受人との関係で代金支払・引渡・登記移転がない場合には、
譲渡者は売買契約には拘束されるが、いまだに完全な所有権者ですね。
ということは、第2譲受人との関係では正当な所有権者として物権の移転権限を有していることになります。
ということは、A不動産の所有権に関しては第2譲受人が背信的悪意者であっても登記を備えた第2譲受人が優先します。
→そうなると、第1譲受人としては、譲渡人に対して債務不履行(415条)を追及するとともに、
第2譲受人に対して、債権侵害(不動産の所有権移転請求権)を理由に、不法行為責任を追及することになりますね。
債権侵害については、認識可能性の低さ及び債務者の人格権尊重の観点から、
侵害者に故意がなければ成立しないと解されますが、背信的悪意者の場合には故意が認められますから。
どこかの基本書とかにはもっと頭がよく整理されているのかもしれませんが、
所有権の移転時期と危険負担の移転時期との関係を考えていたら、今回の考えに思い当たりました。
(あと、譲渡担保権者が背信的悪意者に目的不動産を譲渡した場合の理論的思考も絡んだのかも)
論文を受ける皆様、あと少し頑張りましょう!!
399 :
河童:2005/06/23(木) 22:04:04 ID:???
人がまったくいませんね。
いちおう保守しておきます。
400 :
:2005/07/13(水) 20:41:15 ID:???
保守
401 :
河童:2005/07/18(月) 22:51:50 ID:???
全然手応えなし。。
一昨年・昨年のように、気絶するようなミスはまだ発見されてませんが、消化不良も甚だしいです。
憲法1問目小問2は、公衆の場を禁酒にするかどうかは主としてマナーの問題であって、
国民全体で決すべき事柄であるから、国民代表機関たる国会の判断を尊重して「明白性の原則」を基準にしながら、
道で酒飲んだだけで勾留されてたまるか!と無理矢理「酒に強い人もいる・煙害とは違う」みたいな感じで、
違憲にしてしまいました・・。酒好きとか、個人的意見を強く出さないように誓ったはずなのに・・。
なお、アメリカの州ではこんな法律当たり前で、酒を剥き出しで持って歩いているだけで逮捕される州もあるとか・・。
憲法2問目は難問でしたが、問題意識にまったく気づけず。むしろ、問題意識ゼロで書いたから守れたのかも・・。
民法1問目は、主張・反論型でまずまず納得のデキ。
保証人が従属性から同時履行の抗弁権を主張できる以上、解除やら相殺やらは論じませんでした。
民法2問めは、わざわざ2900万円・200万円となっているのに、「不可分性」というキーワードがヌケ。
これだけは痛恨。終了直後に気づいて、隣のおばさんがまだ書いていたので1行書き足そうと思うも、
その気持ちが行動に出てきませんでした。久しぶりに弱い自分を痛感。
(ちなみに、隣のおばさんは時計で計ったところ、終了後に全科目3分近く書いていました。たくましい。)
あと些細なミスではありますが、A(でしたっけ?)に庭石の所有権がすでにないのに、
代位行使して所有権に基づく権利は行使できない、と書いてしまいました。
商法は2問ともローラー答練かと思いました。無難に書けましたが、浮きはしなさそうです。
402 :
河童:2005/07/18(月) 22:53:31 ID:???
刑法は、乾坤一擲の答案を書こうと思っていたのにまったく凡人の答案・・。一番ガッカリの科目です。
いま一番熱い(と勝手に思っていた)因果関係か間接正犯がほしかった・・。 悔しいです。
民訴は、1問目は第一審重視により「迅速・経済・公正な裁判」が実現できるため、
控訴審については証拠提出を制限する方向性で規律している、という一本槍で書きました。
見開き1ページ弱で、12通中の最短答案ですが、なんとなく相対的には今回で1番よいかも。
2問目は、「また既判力絡みで、しかも基本的な問題出しやがって!」と思いましたが、
基本さえできていれば答案の書き方で勝負が決まるような感じもあって、悪くないかもしれません。
刑訴1問目は、無難に適法→違法→適法(ただし違法を引き継ぐ)みたいな感じで書けました。
2問目が、最後に後味の悪い、12通の中で最悪のデキ。苦手な伝聞法則。3年連続は・・・と思っていたら。。
「そんなに伝聞法則が大事なのか、バカヤロウ!!」と心の中で叫びながら怒り心頭で書きました。
総じていうと、去年よりはマシでしょうが、ダンゴ状態を抜け出す確固たる自信はなし・・。
かなり厳しいことは覚悟しています。
403 :
氏名黙秘:2005/07/19(火) 23:41:15 ID:/e8BkBih
1
404 :
河童:2005/07/25(月) 21:15:29 ID:???
今年もイロイロな問題検討スレを放浪してきましたが、
去年のように悶絶死するようなミスはありませんでした。
もっとも、憲法1を小問2として書いて、問題文の立法目的を無視。
民法は占有改定&問題文の読み間違えがありましたが・・・。
刑法は承継的共同正犯を論じずに、身分犯→207で傷人まで・・・。
刑訴2は構成を非伝聞で書いていたのを直に伝聞で書いたので、何を書いてきたかわからず。
憲法C・刑訴Cなら受かる気がしないでもないのですが。
405 :
氏名黙秘:2005/08/02(火) 15:12:40 ID:???
406 :
氏名黙秘:2005/08/02(火) 17:35:02 ID:???
407 :
河童:2005/08/05(金) 20:51:59 ID:???
今年も憲法が死因となる予感がプンプンしてきました・・・
ひどく辛い気持ちです。
今年ダメだったら、人間が腐ってきたので10月に就職することは決めています。
しかし、択一は誰よりも自信がある私にとって、論文の倍率が来年も5倍だとすれば、
来年は今年よりも合格しやすくなる気がしてきました・・。
消極的ながら、前向き? 某ローに合格したときに、いっておけばよかったのかも・・。
やはり辛い試験ですね。
408 :
氏名黙秘:2005/08/18(木) 22:14:00 ID:???
保守
409 :
氏名黙秘:2005/08/19(金) 21:13:26 ID:???
>択一は誰よりも自信がある私にとって
基本書ゼロ、予備校レジュメと答練のみ
なのにスゴイね。でもそれが本試験の真実。
410 :
河童:2005/08/23(火) 02:31:55 ID:???
遅くなりましたが、基本書ゼロではありませんよ。
今年度は基本書を全科目読んで臨みました。
もっとも、基本書ゼロの時代から択一は得意でしたが。
よく見たら、試験直前期に398で所有権の移転時期について論じているので、
本番でも所有権の移転時期と占有改定を論じてしまったのかも。よい評価を期待。
411 :
河童:2005/08/31(水) 23:59:33 ID:???
本日、8月31日をもって発表までネットを封印しようと思います。
(いまはひたすら文学・哲学・批評の本を読んでいますが、再就職するつもりです)
誰も見ていないかもしれませんが、最後に一応保守しておこうかな、と。
・・合格してるといいな。合格してないと未来が一寸先も見えない感じです。
でも、3年間頑張って受からなかったら自分のせいだっていう気持ちになって、
怒りや不甲斐なさは自分の内におさめられた気がするので、また今後頑張れるお思います。
412 :
氏名黙秘:2005/09/09(金) 23:19:40 ID:???
age
413 :
氏名黙秘:2005/09/14(水) 18:09:55 ID:???
乾坤一擲
414 :
氏名黙秘:2005/09/18(日) 21:49:32 ID:???
乾坤一擲
415 :
河童:2005/09/20(火) 00:43:50 ID:???
なんででょう。保守してくれる人がいるんですね。
ありがとうございます。10月7日にご報告できればいいのですが。
416 :
氏名黙秘:2005/10/04(火) 16:25:28 ID:???
乾坤一擲
417 :
河童:2005/10/07(金) 09:32:03 ID:???
いよいよです!
合格できていた場合のみ本日ご報告致します。
成績も到着し次第、追ってご報告します。
どうか合格していますように!!!
この板に関係する全ての受験生の幸運も祈っています。
418 :
河童:2005/10/07(金) 20:50:33 ID:???
みなさん、とりわけ一人だけ固有名詞を出すなら30さん、
ほんとうにお世話になりました。今年はなんとか合格できました。
改めて御礼のカキコ(と自分なりの論文の極意カキコ)をしますが、
まずはご報告まで。みなさん、ほんとうにありがとうございました。
口述頑張ります。
419 :
氏名黙秘:2005/10/07(金) 20:54:22 ID:???
おめでとう!河童さん!! 口述頑張ってください!
30氏掲示板住人より
420 :
裕子:2005/10/07(金) 23:10:51 ID:???
河童さん,おめでとうございます。
口述試験は大変な試験だと思いますが、あと少しの辛抱。頑張ってください!
421 :
氏名黙秘:2005/10/07(金) 23:59:25 ID:???
保守した甲斐がありました。河童さんおめでとうございます。
河童さん、論文合格おめでとう。
口述、死ぬ気でがんがれ!
423 :
河童:2005/10/08(土) 07:33:37 ID:???
>419さん、裕子さん、421さん(保守ありがとうございます!)、そして30さん、
他のみなさん、早速のお言葉、ほんとうにありがとうございます。
*今年は30さんの教え・心構えをかなり忠実に守れたつもりです。
再現の研究や答練ノートの実践が血となり肉となったのだと思います。
*裕子さんの怜悧な批評の言葉が胸に突き刺さったままだったので、
「統治」で小論文のようなものを書こうと思ったそばから痛み出し、
憲法のGを避け得たのかもしれません。
刑訴などでも問題に真正面から取り組めました。
*131さん、どういう状況にあるかわかりませんが、今後もお互い頑張りましょう!
だいぶサボっていたので、口述の勉強を死ぬ気ではじめます。
では、口述後に。
ノシ
425 :
河童:2005/10/11(火) 10:49:31 ID:???
>424
ほんとうにお世話になりました。
さて、口述が終わったら、スレに恩返しする意味で、得意の民法と商法の答案の書き方について、
今年の論文の「模範解答」を具体例としてアップしたいと思います。
刑法・民訴も得意なのですが、民法・商法は答案の書き方自体にひとつの提案がありますので。
とりあえず試験直前に私がブツブツ言いながら読んでいたメモの内容をアップしておきます。
毎回の答練で、これを守れるようになれば合格をグッと手繰り寄せられると思います。
426 :
河童:2005/10/11(火) 10:50:46 ID:???
全体
1問題文を3回読め・絶対に読み間違えるな。特に登場人物。
読み終わった問題文を見ながら、構成前に3回深呼吸しろ。構成後にもう1度問題文を読め。
(1)一点豪華主義の問題にみえても、実は全然そうでないことが多いから気をつけろ。
(2)ローラー答案みたいな問題でも、実は奥が深いことも多いから気をつけろ。
(3)2回目か3回目は「まっさら」な心で読め。
「今年も〜〜かよ」、「やった! 直前にやった〜〜だ」という先入観は厳禁だ。
2 構成+論述。
(1)総論+冒頭。
@絶対に真正面から問題意識に応えた論文にしろ。
=過不足なく書け。自分の議論に持ち込むな。両当事者に配慮。
A対立利益をズバッと簡潔に指摘しておく。
=制度の長所(必要性)と短所+短所のフォロー(許容性)。
B制度の本質・本来的役割を必ず指摘する。そして、本問ではそれより重要となる機能があってはじめてそれを論じる。
C前提問題を処理したり、大前提を処理しておく。それには条文や条文の要件を使う。
D条文をひけ。ひいたときに、「要件」をきっちり意識しろ。
Eナンバリングの仕方とか、比較の仕方について十分に検討しろ。
F答案経済を考えろ。それが論述の整合性・一貫性にもつながる。
427 :
河童:2005/10/11(火) 10:51:40 ID:???
(2)各論+論述の注意
@総論と各論を絶対にリンクさせろ。
A自分の定立した規範とあてはめを対応させる。
B規範とあてはめをきっちりと分離する。
=あてはめに該当する部分を規範の部分で書かない。
C絶対に、小問間の整合性とヒント性に注意しろ。
D文章は短く、キリッとさせろ。名詞の多様。
E主語・述語をきっちり。
F一般論をうだうだ書かない。
G基本・基本・前提。条文。条文から導かれる当たり前の前提。
Hキーワードリンクだ。
(3)その他
@とにかく定義・趣旨を最初に考えろ。実際に論述しろ。
A原則例外・必要性許容性・形式論実質論・一般論特殊事情。
B条文解釈。(文言解釈)。要件。法律構成。を大事にする。
C明文があるかないか。違法・無効か適法・有効か。を明示。
D問題提起は対立利益を反映しろ。
Eとにかく問題提起にも論述にも理由付けが大事だ。
理由付けは趣旨からの理由付けがよい。
F余裕がある限り、周辺条文まで探る。
G判例・その射程。規範やあてはめで判例の事例を意識して論述。
H一般論・1行問題は具体例を出して論じる。
I合理的期間論や損害賠償の内容について、「1歩」踏み込め。
428 :
河童:2005/10/11(火) 10:52:25 ID:???
(4)その他 2
@簡単かつ重大なこと、当たり前のことは絶対に書く(基本)。
A挿入できるよう・読みやすいように適当に行換しろ。
Bナンバリングが多少多くなっても、キリのいいところでは切れ。
C凡百が間違えそうなところは、サラリと批判しろ。
Dのちのち数多く書く単語は、早めに(略)を出す。
E問題提起(定義)→趣旨→規範(必要性・許容性)→あてはめ。
F問題提起→趣旨→原則→例外(=必要性・許容性)→あてはめ
Gそして、趣旨。わからなくなったらとにかく趣旨を考えろ。
→各論点も小手先の論述よりも、趣旨・大原則から導いていることをアピールしろ。
Hなんでも大原則とか基本中の基本に戻れ。例えば、刑訴なら任意捜査=必要性・相当性。令状主義の趣旨。権力分立の趣旨。
I最後に「問題文をよく読め!」と繰り返しておく。登場人物だけでなく、訴訟物が「所有権確認」と「所有権に基づく引渡請求」とかで違かったり、そこが問題意識の場合もある。
***諦めるな!!食らいつけ!!大事にしろ!!***
429 :
河童:2005/10/11(火) 10:56:27 ID:???
以上の内容そのままをプリントアウトして休み時間に読んでいました。
個人的な勉強の集積があってはじめて理解できる内容もあるでしょうから、
具体的に何を言っているかわからん、というものがある場合にはご質問ください。
なお、ナンバリングはほとんど意味がありません。
思いついたままに書き足していったものですので・・・。
430 :
河童:2005/10/13(木) 18:31:33 ID:???
CAAAAA A 142
自信がなかった憲法がC止まりだったのが勝因・・?
いずれにしても思った以上の圧勝でした。
今年は10回受けたら10回受かるつもりで頑張ってきたので納得の成績です。
10回受けたら10回受かるようにするために、試験前から得意の刑法と民訴のAは計算できていましたが、
民法と商法でも絶対にAがとれるよう答案の書き方を工夫してきました。
その工夫を口述後にアップするつもりですので、ご興味おありの方はしばしお待ちください。
(もったいぶらずにいえば、民法・商法は、当事者の主張・反論形式の論述をする、というだけですが)。
432 :
氏名黙秘:2005/10/21(金) 01:27:14 ID:???
口述頑張れ保守。
433 :
氏名黙秘:2005/10/24(月) 23:02:24 ID:???
がんばれage
434 :
氏名黙秘:2005/10/27(木) 18:18:07 ID:???
乙カレ保守
435 :
河童:2005/10/27(木) 20:27:52 ID:???
>431‐434
みなさま、最後までほんとにどうもありがとうございます。
とりあえず遅刻もなく、激怒されることもなく、あきれられる程度で無事に終わりました。
たぶん大丈夫だと思います・・・。
数日中に430の内容をアップできればいいと思っていますが、
なかなか法律をやる気が・・・。
>>435 順調だったようだな。
口述賞の単勝は,河童者で決まりだな。
ディープインパクト並の倍率なのが難点だが・・・。
∧_∧
∧_∧ (´<_` ) 菊では,ディープインパクト外して玉砕したんだよな,兄者。
( ´_ゝ / ⌒i
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
*乙カレー。
朗報待ってまつでつ。
>>435 無事合格したら,後進を指導してやってくれ。
漏れも,かつては2ちゃんで・・・(ry。
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ / ⌒i ・・・何か嘘くさい話だな,兄者。
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
漏れも,かつては2ちゃんで・・・
・・・コテハンでネタを連発することにより、
多くの受験生を珍妙な方向へ導きましたよ、っと。
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ / ⌒i (ry の部分ってそういう事だよな。
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
河童者さま、論文の極意など、ご指導ご鞭撻
心よりお待ち申し上げます。
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ / ⌒i お、すばやい変わり身
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*マジで期待しています
>>438 過去ログ参照と言いたいところだが,とっくの昔にdat落ちしてるんだよな・・・。
∧_∧
∧_∧ (´<_` ) ・・・ギコネコスレのことか,兄者?
( ´_ゝ / ⌒i
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も者が不合格とは残念だな・・・。
司法板には,優秀なネタ師は合格するとの伝統があるから,来年こそ・・・。
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ / ⌒i やく者が受かってる時点で,嘘くさい伝統だけどな。
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442 :
河童:2005/10/31(月) 20:36:53 ID:???
だぁああ〜、どうしてもやる気が起きず、すごい中途半端なものをつくってしまいました……。
(それでも作成できたのは、「も」さんにまで登場していただいたせいかもしれません)
「模範解答」を作成するつもりが、自分が本番で書いたものを補強・清書した程度のものに……。
それでも、とりあえず主張・反論形式の答案がどんなものかはおわかりいただけると思います。
問題
工場用機械メーカーAは、Bから工場用機械の製作を請け負い、これを製作してBに引き渡した。
その工場用機械(以下「本件機械」という)は、Bが使用してみたところ、
契約では1時間当たり5000個程度の商品生産能力があるとされていたのに、
不具合があって1時間当たり2000個程度の商品生産能力しかないことが判明した。
そこで、Bは、直ちに本件機械の不具合をAに告げて修理を求めた。この事案について、以下の問いに答えよ。
なお、各問いは独立した問いである。
443 :
河童:2005/10/31(月) 20:37:54 ID:???
1 Bはこうした不具合があったのでは本件機械を導入する意味がないと考えているが、
本件機械を契約どおりの商品生産能力の機会とする修理は可能である。Aが修理をしようとしないので、
Bは代金を支払っておらず、また、Bには商品の十分な生産ができないことによる営業上の損害が発生している。
この場合に、Bの代金債務についての連帯保証人であるCは、Aからの保証債務の履行請求に対して
どのような主張をすることができるか。
2 Aが修理をしようとしないため、Bはやむを得ずDに本件機械の修理を依頼し、Dは修理を完了した。
その後、Bは、営業不振により高利貸からの融資を受ける状態になり、結局、多額の債務を残して行方不明となり、
Dへの修理代金の支払もしていない。この場合に、Aは本件機械の引渡しの際にBから
代金全額の支払を受けているものとして、Dは、Aに対してどのような請求をすることができるか。
444 :
河童:2005/10/31(月) 20:39:00 ID:???
一 小問(1)について
1 まず、Cは連帯保証人であるため、催告・検索の両抗弁は行使できない(454条、452条、453条)。
2 そこで、連帯保証人Cは保証債務の付従性(448条、446条)から、
主債務者BのAに対して有する瑕疵修補請求権(634条1項本文)に基づく同時履行の抗弁権(533条)を援用して、
保証債務の履行を拒絶することが考えられる。
これに対し、Aは連帯保証人には補充性がないため、
Cは主債務者Bの抗弁を援用することはできないと反論することが考えられる。
この点について、連帯保証人は補充性がないにとどまり、
主債務者が主張できる抗弁を援用できない地位に置かれるわけではない。よって、Cの主張に理由がある。
3 そこで、Aとしては、同時履行の抗弁権を行使できるとしても、同権利は当事者の公平を実現するために
認められたものであるため履行を拒絶できる範囲は不履行度合に応じて割合的であり、
自分は請負契約の目的物を完成・提供している以上、代金全額の支払拒絶はなし得ないと主張することが考えられる。
これに対し、Cとしては、目的物である本件機械には、生産能力が目的の半分以下という重大な瑕疵があり、
営業上の損害まで生じている以上、むしろ全額の支払を拒絶できるとすることが当事者の公平に合致する、
と反論することが考えられる。
この点について、本問では本件機械に重大な瑕疵があり、また修理可能かつ修理請求をされているにもかかわらず、
これに応じず連帯保証人に代金請求をなすAの態度は不誠実である。
そして、主債務者Bにより請負契約の解除(635条本文)がなされる可能性さえある本問では、
全額の支払拒絶をできるとすることが当事者の公平に合致すると考える。
よって、Cの反論に理由があると考える。
4 以上より、Cは(連帯)保証債務の付従性に基づき、AがBに対して有する同時履行の抗弁権を援用して、
Bの請求全部を拒絶すると主張することができる。
445 :
河童:2005/10/31(月) 20:40:09 ID:???
二 小問(2)について
1 Dとしては、行方不明のBが債務超過であるにもかかわらず、
Aに対して有する瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求権(634条2項)を行使していないことから、
Bに対する修理代金債権を保全する必要があるとして、前述請求権を代位行使(423条1項)することができる。
(1)そこで、Dとしては@請負債務が完全な仕事の完成を目的とするものである以上、
634条2項に基づく損害賠償請求権の範囲は履行利益であり、Aその範囲で代位権を行使するとした上で、
B自己への直接の引渡請求を主張することが考えられる。
これに対し、Aは@は認めるとしても、Aその範囲はDの被保全債権の範囲にとどまり、
B直接引渡請求までは認められないと反論することが考えられる。
(2)まず、Aについて、債権者代位権は債務者の責任財産の維持・充実を図る制度である以上、
Dの主張に理由があると考えることもできる。しかし、個人主義の原則の下、
他人の財産管理に対する干渉は最小限度にとどめるべきであるので、Aの反論に理由があると考える。
(3)次に、Bについて、債権者代位権の前述制度趣旨からは、債権者平等の原則の下、
債権者への直接引渡請求は認めるべきでなく、Aの反論に理由があると考えることもできる。
しかし、債権回収に熱心な債権者が事実上の優先弁済を受けうるのは不当でなく、
また債務者が受領を拒絶する場合を想定すると、債権者への直接引渡請求を認める必要がある。
更に、Aについて債権者代位権の行使の範囲を被保全債権の範囲に限定する以上、
Bについて債権者への直接引渡請求を認めることが妥当である。よって、Cの主張に理由があると考える。
(4)まとめると、Cは、Aに対してBの損害賠償請求権を代位行使するとして、
A被保全債権の範囲内でB金銭の自己への直接の引渡しを請求できる。
446 :
河童:2005/10/31(月) 20:41:17 ID:???
2 次に、DはAに対して、不当利得返還請求権(703条)に基づき、修理代金相当額を請求することが考えられる。
これに対し、Aは前述1のようにBに対する損害賠償債務を負担しており、
これが代位行使される可能性がある以上、「不当利得」はない、と反論することが考えられる。
この点について、Aの反論に理由があると考える。
なお、Dは留置権(295条1項)や同時履行の抗弁権を行使して代金債権を確保することが可能であった以上、
債権者代位権と別に、Aに対する直接請求権を認める必要性はないと考える。
よって、Dの不当利得返還請求は認められない。
以上
447 :
河童:2005/10/31(月) 20:43:05 ID:???
*後記
どうもこの答案では、残念ながらあまり主張・反論型のよさが出ていない気がします……。
しかし、主張・反論型答案がよいのは、まさに実戦向きなことで、自動的に利益衡量を表現できること、
論点落しがないこと、採点者に読みやすいことが挙げられ、その長所は苦しくも表現できていると思います。
どこまで「主張」の部分に取り入れて、どこまで「反論」の部分に取り入れて、
どこまで「まとめ・自分の意見」の部分に回すか、この書き方をマスターするためには練習(実践)あるのみですが、
ある程度でもマスターしていたことが凄い武器になったように思います。
内容について、論点間のウェイトの置き方に異論は多いと思いますが、
主張・反論形式で書くとこのようなウェイトになりました。いまでも悪くないバランスだと思っています。
*もちろん、叩き台ですので内容ともども答案形式についても批判的にご検討ください。
(例えば、判例は意識して書いていますが、判例の規範はうまく書けていません)
ちなみに、今回は民法2・商法2で主張・反論型形式で書きました。
しかし、ひょっとしたら商法1・民訴2でさえ!、主張反論型で書けたような気はしますし、
それは利用者の工夫と日々の練習・実践次第だと思います。
*なんか意気込んでいたわりには、セコイ答案になってしまって気がして、情けないやら悔しいやら……。
絶対に、論文試験の民法2もアップしようと思うので、もうしばしお待ちください。
448 :
森三中:2005/10/31(月) 23:35:31 ID:???
( ´,_ゝ`) ちょっと通りますよ
チャリン ( O┬O
チャリン ◎-ヽJ┴◎
449 :
河童:2005/10/31(月) 23:49:42 ID:???
民法2の「占有改定」について書きたいのですが、やっぱりどうしても書けません。
とにかく、こういう論述をするのがよい、ということだけ書いておこうと思います。
実は「おまいらの死因を教えれ」スレで書いたことですが、
合格者のカキコであると判明していないとまともに読まれないので、繰り返しておきます。
まず、今年の民法2で搬出物について抵当権の効力が及ぶかについて、「星野説」をとった場合、
「抵当権は目的物の価値全部を把握する担保権であるので、第三者に善意取得されるまで及ぶ」
という星野説の結論をそのまま書いた上で、あてはめ=結論にもっていくのは印象がよくないと思います。
私は、「抵当権は目的物の価値全部を把握する担保権であるので、搬出物にも抵当権の対抗力が及ぶ」→
「このように解することが登記を備えた帰責性のない抵当権者の保護のため妥当であるし、
また取引の安全は善意取得制度により確保できるため不都合はないと考える」としました。
つまり、学説の結論をポンと書く(予備校・参考書のブツギリ論証をする)のではなく、
論点間の連続性・整合性を意識して論述することで一線を画せると思うのです。
450 :
河童:2005/10/31(月) 23:50:25 ID:???
直前にアップした民法1の債権者代位権の行使範囲+直接引渡請求の可否の論述についても同じで、
「行使可能範囲」を限定する以上、「直接引渡請求」を認めるべきである、という論点間の連続性を意識しています。
(逆に、直接引渡請求を認めないのであれば、行使可能範囲を限定する正当性がない)
他に、例えば今年の商法2で、「支配人」に関連する論述について、
「支配人」の意義について実質説の論証をする→「表見支配人」の意義について論述する段階で、
「支配人」の意義について前述のように実質説を採用する以上、
取引安全のため「表見支配人」の意義について、支店の実質は不要と解する。
自説からも支店の実質がないことは、「重過失」の有無の判断に際して重要な要素となるため、取引の安全を図りうる
とか、そんな感じで書けばいいと思います。
小問間のバランス・論理一貫性のみならず、論点間のバランス・連続性・論理一貫性を意識できれば無敵でしょう。
そして、主張・反論→まとめ形式答案は、それを容易にするために極めて有用だと思います。
*なお、問題によっては小問1で主張・反論型の答案形式をとっておきんがら、
小問2ではそれを放棄している、という答案でも印象は悪くないので、ご心配なく。
うーん、我ながらグダグダです……。
ここ1週間ほぼフロイトとラカンを読んで過ごしたので、どうにもならなくて当然といえば当然かも……。
451 :
河童:2005/11/01(火) 00:03:00 ID:???
>森三中
どうもこんばんは。あまりしばしば出現しないと思いますが、
なるべく受験生のみなさんのお役に立ちたいと思っています。
時間の浪費にもなり得ますが、うまくネットを活用してください。
452 :
森三中:2005/11/01(火) 21:52:33 ID:???
>>河童
上の方から読ませてもらいました。
色々歩んできたんですな、自分のことのように嬉しく思ってるし、
本当に合格おめでとうと言いたい。
商法も参考にしたいので、アップ待ってます。
∬
∬
,.._,/ /〉_________
/// //──∧__∧ ─::ァ /| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/// //~~'~~(,・∀・ ,)~~/ / | < 河童さま,マリガd
.///_// "'''"'''"'" / / / \__________
//_《_》′─────‐ ' / //
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| /w w
└┬─┬─┬─┬─┬.┘/
├┬┴┬┴┬┴┬┤//
├┴┬┴┬┴┬┴┤/ww
⌒⌒ ̄ ̄⌒⌒ ̄ ̄'''w 【 風呂井戸にハマる,の図 】
454 :
河童:2005/11/06(日) 17:25:30 ID:???
商法について、少し書きます。
ただ11月9日の最終の合否をおそれているのか(実は4科目で打ち切りを食らったみたいです)、
合格しても変わらない生活に嫌気がさしているのか、どうも元気がありません。
受験勉強はしなくてよくなったわけですから、やっぱりちゃんと働かないと健全な精神は維持できませんね・・。
とにかく商法についても、「模範解答」が書きたいのですが、中途半端なものでお許しください。
今年度の論文の商法1の要約問題と構成です。
(ほんとは商法2のほうが主張・反論型で書けるものですが、力が湧きません)
問題
小問1 甲社では、「本総会終結時に退任する取締役Aに対し当社の退職慰労金支給規程に従って
退職慰労金を支給することとし、その具体的な金額、支給時期及び方法の決定は取締役会に一任する。」と決議した。
小問2 乙社では、1年前の定時株主総会で任期2年、月額70万円として選任されていたB専務取締役について、
取締役会決議によりその職務内容が非常勤取締役に変更されたため、「Bの月額報酬を7万円に変更する」と決議した。
455 :
河童:2005/11/06(日) 17:26:16 ID:???
一 小問1について
1 本問決議の有効性を争おうとする株主としては、@お手盛り防止という269条の趣旨から
退職慰労金も「報酬」(269条1項)に含まれる、A本問のように金額等を取締役会に一任する、という決議では、
「株主総会ノ決議ヲ以ッテ定」めているとはいえない、と主張することが考えられる。
これに対し、会社側としては、@「報酬」とは職務執行の対価をいうところ退職慰労金はこれに含まれない、
仮に含まれるとしてもA「株主総会ノ決議」を得ており、退職慰労金支給規程が存在する以上
269条の前述趣旨にも反しない、として決議は有効であると反論したいところであろう。
2 まず、@について、会社の受任者たる取締役(254条3項)の報酬決定は、
本来業務執行の一環として取締役会の決定事項たるべきである(260条1項)ところ、
269条の趣旨は株主側の主張するようにお手盛り防止にあると解される。
そうであるとすれば、支給者・被支給者(取締役)間の特殊な人的関係の存在や、
支給者が自己が退職するときに有利となるよう支給額を過大にする可能性があることを考慮すれば、
退職慰労金も「報酬」にあたると解すべきである。
よって、株主側の主張に理由がある。
3 次に、Aについて、お手盛り防止という269条の趣旨を全うさせるためには、
少なくとも具体的な支給額ないし最大額を明示して決議すべきであると考えることもできる。
しかし、我が国の社会通念からすると具体的な支給額は保護されるべきプライバシーにあたると考えられており、
退職取締役は通常一人ないし少人数であることからすれば、最大額を明示して決議させることは酷な場合がある。
そこで、私は株主総会の招集通知(232条)の付属資料、あるいは株主総会の株主の質問権・
取締役の説明義務(237条ノ3)等を通じて、退職慰労金支給規程の内容が株主に知り得るものであり、
かつ取締役の恣意を許さない程度に明確なものであれば、本問のような決議も有効としてよいと考える。
よって、甲社の退職慰労金支給規程に関して、上記のような事情があれば、本問決議は有効であると解する。
456 :
河童:2005/11/06(日) 17:27:03 ID:???
二 小問2について
1 本問決議の有効性を争おうとするBとしては、取締役と会社とは委任契約(254条3項)がなされている以上、
これを契約当事者である会社側から一方的に変更することはできない、と主張することが考えられる。
これに対して、会社側としては、確かに一方的に契約内容の変更は許されないのが原則である。
しかし、Bは取締役会において適法に専務取締役から非常勤取締役とされており、職務内容が著しく変化して、
提供すべき労務が縮小している。よって、@事情変更の原則により、契約内容の一方的変更も許される。
または、乙会社においては、職務の変更がなされた場合には、それに合せて報酬も変化するという社内慣行がある。
そして、ABは当該慣行を知っていた以上、これに従うという黙示の合意をした上で契約関係に入ったものであるから、
契約の一方的変更ではない、と反論することが考えられる。
2 会社側の反論に対して、Bは更に@Aについて、そのような反論は、
取締役の財産権を保障した257条1項但書を潜脱するものとして許されない、と再反論することが考えられる。
まず@について、株主構成の変動・株主の権力争い等により「正当ノ事由」なくして
退任を迫られ得る取締役の財産権を保障した257条1項但書の趣旨から、Bの再反論に理由があると考える。
そして、Aについても257条1項但書を潜脱するような場合、社内慣行を主張することは許されないと考える。
3 まとめると、Bについて職務執行等に関して著しい懈怠・非行があった等、
Bを非常勤取締役に降格して報酬を70万円から7万円へと10分の1に減額するのに
「正当ノ事由」がある場合に限って、本問決議は有効であると考える。
以上
457 :
河童:2005/11/06(日) 17:27:52 ID:???
*後記
例によって分量が多いのは、実戦では自然に削れるためでご容赦ください。
この「中途半端」な答案で何が訴えたかったかというと、まず第1に、繰り返しになりますが、
主張・反論型答案によって、強制的に木目細かい利益衡量がなされるということです。
第2に、>……株主総会の招集通知(232条)の付属資料、あるいは株主総会の株主の質問権・
取締役の説明義務(237条ノ3)等を通じて、退職慰労金支給規程の内容が株主に知り得るものであり……
の部分です。これは他の問題が出た場合に論点として書く練習をしてきた論述の一部なのですが、
この問題でも「利用できる」というふうに判断したため、小技として使いました。
私は、日常から主張・反論型の答案を書いたり、勉強した論点間のつながりを意識した答案を書くことによって、
どんな問題でも自然と利益衡量する姿勢が生まれ、論述に厚みが出てきたんだと思いますし、
勉強してきたことを少しでも無駄にしない姿勢で、常に自分の頭を使って構成・論述に取り組むことが、
一歩抜け出す答案を書くための要素であり、それは空振りの危険のないホームラン狙いを可能にするものだと思います。
まだ、なにか書けると思いますが、思ったほどお役に立てることが書けていません。
家庭教師流に叩き台があるとやりやすいんですが、あれは時間を使いますからね……。
458 :
氏名黙秘:2005/11/06(日) 19:49:56 ID:???
良スレですね。
ちゃんと問題検討して、今後参加させていただきたいと思います。
河童さん、よろしくおねがいいたします。
459 :
氏名黙秘:2005/11/09(水) 20:02:40 ID:???
460 :
氏名黙秘:2005/11/09(水) 23:03:07 ID:???
age
461 :
河童:2005/11/10(木) 23:28:04 ID:???
親族のゴタゴタで遅くなりましたが、無事に最終合格しました。
ともに切磋琢磨し応援してくださったみなさま、どうもありがとうございました。
改めて深く御礼申し上げます。
*浜省よ。
今週末に最後の勝負のようだ。(論文発表日の翌日に会ったっきりの再会・・)
こちらはどうも敗色濃厚だが、新たな一歩のためにも、きっちりとケリをつけてくるよ。
>>461 最終合格おめでd!
予想どおり河童者の単勝で決まりでよかったでつ・・・っと。
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ`) / ⌒i まっつんの単勝を買ってたんじゃなかったのか,兄者?
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463 :
浜省:2005/11/11(金) 12:40:01 ID:fl78VPFl
>>河童
最終合格、おめでとう。今までおつかれさん。
商法のアップもありがとう。参考にさせてもらうよ。
敗色濃厚?もし敗戦ならきっちり敗戦してくるといい。
敗戦からの復興に成功できる漢だからな。
これから世界も広がるし、うらやましいぞ、
彼女が居ても虚しいものは虚しいしな。
>463
痛いほどよくわかる。
>彼女が居ても虚しいものは虚しいしな。
(ついでにいうと、合格しても虚しいものは虚しい)
それでも俺たちは前に進まないとな・・。
元彼女とはいま長電話でヨリを戻さないことで決定した。
一応日曜日に会うことにしたけど、単なる儀式で彼女に気持ちがないのは十分にわかった。
結局、一時的にでも虚しさを埋めるのは、よきパートナー(彼女・妻)と、よき友人だと思う。
浜省よ、来年絶対に合格して人生の虚しさを埋めるよき友になってくれ!
(もちろん、来年でないといけない理由はないけど、これまたもちろん来年であるに越したことはあるまい)
>>464 修習に行ったら合コンでウハウハですよ・・・っと。
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ`) / ⌒i 実務に出てからは,忙しすぎて合コンに行ってないよな・・・。
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466 :
氏名黙秘:2005/11/12(土) 12:26:46 ID:???
そうなんだよな・・・事務所と自宅・裁判所・顧問先を往復する毎日。
修習中しか相手探せないよ。
>>466 同志よ・・・。
うちに来ている修習生に合コンをお願いするのもみっともないよな・・・。
. . : : : :: : : :: : ::: :: : ::::: ::: ::: :::::::::::∧_∧:::::::::::::::::::::::::::::::: 兄者,それだけはやめれ・・・。
. . .... ..: : :: :: :::: ::::::: :::::::::::/彡<_`; )::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
Λ_Λ . . . . . . . / :::/ ⌒i :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
/:彡ミ゛ヽ;)ー、. ./ :::/ ::| |: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/:: ヽ ヽ、 :::i(_,ノ ::| |:: . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/;;: | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|.__ | .|____.: . . .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ.  ̄ ̄| FMV |_ (u ⊃
|_____|/
468 :
気象予想士:2005/11/12(土) 14:36:59 ID:???
>>467 教え子(非受験生)の大学生に合コンをお願いするのも、やっぱりみっともないか?
∧_∧
∧_∧ (´<_` ) ある意味,467よりみっともないだろ・・・。
( ´_ゝ / ⌒i
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>>468 それは,みっともないどころか,うらやますぃ・・・。
. . : : : :: : : :: : ::: :: : ::::: ::: ::: :::::::::::∧_∧:::::::::::::::::::::::::::::::: 兄者は,もうオサーンだもんな・・・。
. . .... ..: : :: :: :::: ::::::: :::::::::::/彡<_`; )::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
Λ_Λ . . . . . . . / :::/ ⌒i :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
/:彡ミ゛ヽ;)ー、. ./ :::/ ::| |: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/:: ヽ ヽ、 :::i(_,ノ ::| |:: . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/;;: | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|.__ | .|____.: . . .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ.  ̄ ̄| FMV |_ (u ⊃
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470 :
浜省:2005/11/13(日) 15:54:54 ID:K3pg7XAY
>>河童
合格しても、彼女の心までは取戻せないと知ってしまった、
その虚しさは推量するに余りあるよ。
俺がたとえ合格しなくても傍に居てくれてる彼女の存在はでかい、
それなりの歳でリスクを負っても付き合ってくれてるんだからな・・・
もっと有り難く思わないといかんな。
>結局、一時的にでも虚しさを埋めるのは、よきパートナー(彼女・妻)と、よき友人だと思う。
>浜省よ、来年絶対に合格して人生の虚しさを埋めるよき友になってくれ!
(もちろん、来年でないといけない理由はないけど、これまたもちろん来年であるに越したことはあるまい)
いまさら何を言ってんだ?w おまえは既に俺の心の友なんだが。
来年(あるいは再来年)ブラザーの前にリアルに現れっから、待っといてくれ。
ブラザーとはリアルでも良き友になれそうだ。
それにしてもこのスレは良スレだ。住人はいい香具師ばかりだな。
471 :
氏名黙秘:2005/11/14(月) 20:46:08 ID:???
勉強させてもらいまっさ。
472 :
河童:2005/11/16(水) 11:30:37 ID:???
はい。大惨敗で、日曜日の昼間に完全にフラれて、
夕方から友達と飲んで、その後丸1日の記憶がまったくありません。
(もちろんアルコールのせいです・・)
どうもしょうもないことばっかり書いてますので、
このショックから復活できたら、お役に立つカキコもしたいと思います。
>浜省
彼女が俺に対して未練があったんで、それに反応して俺にも彼女に対する未練があったんだと思う。
結局、「傷のない別れなんてあるはずない」んだな。きっちりと最悪の形で別れたよ。
亀にイロイロ言った手前もあるしな。
>いまさら何を言ってんだ?w おまえは既に俺の心の友なんだが。
ありがとう。仮にこの板がなくなって連絡が途絶えることがあっても、
来年の死因スレ(検討スレ)を覗かせてもらうからな。そして、必ずおまえを見つけ出すよ。
そしたら、発表日の掲示板で会おう。ほんと頑張ってくれ。
473 :
河童:2005/11/16(水) 11:49:20 ID:???
>30さん
下記の通りですが、絶海の孤島にいらっしゃるとか、お仕事が忙しいとか・・。
ご興味があればご一報ください。
>浜省
そういえば浜省よ。
発表前に鎌倉に行くとか言っていたが、
高校時代にお世話になった先輩が司法試験やっていて、
12月付近から逗子とか横浜とかで勉強会を催すという計画があるんだ。
もし、家が近いのなら勉強会に参加してみてはどうだ?
こっちもそんなことしたことないし、ほんとに始めるかさえ不確定だが、
おまえのカキコから答案を想像すると、基礎の部分が足りていない気がする。
俺も基礎の部分がほんとに確立したのは今年の春を過ぎてからだし、
ひとつ最低のレベルまで下りてきてみて(もともと謙虚な男とはわかっているが)
答案の書き方や勉強の仕方について一からやってみないか?
俺はそれで成功できたと思ってるし、だからある程度のノウハウも持ってる。
予備校より100倍マシな添削くらいはできるしな。
474 :
浜省:2005/11/18(金) 12:04:25 ID:YYtM2KBK
>>河童
大惨敗? あとは時間と出会いが解決してくれる。
俺も前の彼女に完膚なきまでに凹まされたが、別離から数年を経て今は親友だ。
>仮にこの板がなくなって連絡が途絶えることがあっても、
>来年の死因スレ(検討スレ)を覗かせてもらうからな。そして、必ずおまえを見つけ出すよ。
待ってるぞ。やけにAAを貼る奴が居たら要注意だw
475 :
浜省:2005/11/18(金) 12:43:42 ID:???
sageるの忘れてた。
>おまえのカキコから答案を想像すると、基礎の部分が足りていない気がする。
>俺も基礎の部分がほんとに確立したのは今年の春を過ぎてからだし、
>ひとつ最低のレベルまで下りてきてみて(もともと謙虚な男とはわかっているが)
>答案の書き方や勉強の仕方について一からやってみないか?
>俺はそれで成功できたと思ってるし、だからある程度のノウハウも持ってる。
合格者様に対しては言葉遣いってものがあるんだろうが、俺とブラザーの仲
なので(勝手に)、以降もそこらへんは端折らせてもらうことを断っておきたい。
今年は民訴と商法以外の科目は死因らしき死因もなかったために
かなりの希望を持っていた。
しかし、それらの科目さえ主観とのズレを叩きつけられてしまった。
正直、何をどう書けばよかったのか、どう対策していけばいいのか分からなくなった。
今までと同じやり方では二の舞だ。そこで、優秀答案を片っ端から読んでみた。
なんとなく掴めそうではあるが、はっきりしたものが見えてこないまま、
もやっとした感じで勉強を再開してるのが現状。
基礎の部分が足りてないのは指摘のとおりだと思う。
民訴・商法のカキコを見ればおのずと知れるだろう(結局は全科目なのだが)。
476 :
浜省:2005/11/18(金) 12:44:11 ID:???
ここ2年敗退の原因は、基礎部分の欠如に加えて、択一対策に傾注しすぎて、
論文前にはヤマを張って進めざるを得なくなったことかもしれない。
民訴・商法以外はヤマが当たったが、主観どおりの成績ではなかったわけだから、
結局は一人相撲だったということになる。なんともお粗末だな。
ブラザーが基礎を確立するまで・答案の書き方や勉強の仕方についてノウハウを得て
成功するまでの軌跡を俺も辿りたいと思う。最近知ったこのスレを見て、ブラザー
は知識・方法論ともにかなりの実力者と分かった。
これが分水嶺だったという書籍、資料や講座があるとしたら是非教えて欲しい。
くれくれ君で申し訳ないが。本来自分で見出すものだと分かってはいるが・・・
謙虚かどうかは分からんがw、最低のレベルまで降りようが何だろうが
手段は問わないつもりでいる。
今年落胆させてしまった多くの関係者に対して、次回は何とか結果で報いたい。
ブラザーの前に現れたいしな。
しかし、我ながら赤裸々だなw
477 :
河童:2005/11/19(土) 11:51:42 ID:???
>浜省
俺は、非法学部ながら予備校の講座というもの一切を受けないで、
ひたすら択一の過去問・予備校問題を解き、定評のある論文問題集を解いてきた。
(論文の問題集は辰巳のライブ本が秀逸だと思う)
そして、浜省は「択一対策に傾注しすぎ」たといっているが、
択一の勉強は上3法の最大の論文の勉強でもある(とりわけ刑法)。
というか、いまの時期の択一の勉強は、論文に直結する仕方をしなければならない。
つまり、択一の勉強のときに面倒くさからずに論文用六法で条文をきっちり引いたり、
優れた(自分で妙に納得できる)記述を見つけたら、ちゃんと自分の頭を使って、
論文用の論証に練り直してストックしていきながら、それを反復練習で使いこなせるようにしたり・・。
先日、合格者の集まりにいってきたが、少し時間のかかった人は、
ほとんどの人が「論文は運だ」といっていた。俺もそのことは否定しなかった。
でも、心の中では「運でない合格もある」と思った。
一番大事なことが「屈辱」を忘れずに、面倒がらずに勉強すること。
以下に、十分にまとまっておらず、かなり長くなるが、
俺が答練を受ける前や自分で時間を計って過去問を解く前に眺めていた紙の内容を書く。
478 :
河童:2005/11/19(土) 11:52:44 ID:???
答案の書き方
1 問題文を3回読め+一点豪華主義の問題にみえても、実はそうでないことが多いから気をつけろ。
2回目か3回目は「まっさら」な心で読め。「今年も〜〜かよ」という先入観は厳禁だ。
2 総論できっちり対立利益をズバッと簡潔に指摘しておく。前提問題を処理したり、大前提を処理しておく
=条文の要件を使う。反面、うだうだ一般論を書かない。文章はとにかく主語述語をしっかりさせて、
キリッと端的にまとめる。アッサリだ=聞かれていることにキッチリと真正面から応える=出題意図の把握=
メリハリの利いた答案を書く=論点を濃く・数多く書きすぎない=絞れ。主語述語の対応。
ピシッとだよ、ピシッと。理由や「(条文解釈)」の理由付けの中身をしっかり
2 総論と各小問・各論がきっちりとリンクするようにする。基本基本基本。
論点の周辺をきっちり認定する。必要な条文をきっちり指摘する。
*自分の定立した総論や規範に対応させる。問題文や法文に対応させる(違法でない、とか、無効でない、とか。)。
勉強方法
1 常に条文を引け。
2 なるべく周辺条文も引け。
3 判例を引け。
4 定義・趣旨を繰り返し書け。実際に自分の手で紙に書け。
5 常日頃から自分の頭で考えろ。=常日頃から自分の言葉で書け。
6 家で時間を計って本試験のつもりで実際に構成して答案まで書け。
(定評のある過去問集を買ってきてやれ)
7 自分の情けない答案と真正面から向き合え。
479 :
河童:2005/11/19(土) 11:55:19 ID:???
答練
すべてにおいて実戦感覚で受けろ。絶対になめるな。毎回絶対に成績優秀者になれ!!
答案が返却されたら徹底的に自分の答案の改善点等の見直しをしろ!!(構成、時間の使い方その他についても)。
とにかく自分の情けない答案から目を背けず、現実を直視しろ!!
1 問題文を読む段階。
→問題文を読み間違えない。散りばめられた事情の意味をその場で探る。
→うまい話には裏がある。
(刑訴とか、なんだ〜〜についてだけ論じればいいのか、という問題は、実はそうでないことも多い。)
*問題文を3回読め。2回目か3回目は「まっさら」な心で読め。「わっ、今年も中止犯かよ」とか
「今年も伝聞法則か」とか「遂に補強法則か」とか絶対に先入観にとらわれるな。
*同じような処理の問題(小問間で、あるいは共犯者甲と乙とで)の場合には、
なぜ同じような話しが出てくるのか、出題意図を見抜け(小問間の差異、ヒントになっていることも多い!
甲と乙とでは身分が違うとか、甲にとって現住建造物だが乙にとって非現住建造物とか)。
480 :
河童:2005/11/19(土) 11:57:06 ID:???
2 構成段階。
→再現できるくらい、しっかりと(すっきりと)構成をする。そのときに答案の全体の流れをきちんと決める。
答案経済を考える。
しっかりと条文を引いておく。余裕がある限り、周辺条文まで探る。
条文解釈。(=法的性質や文言解釈。)。法律構成・要件。
明文ある・なし・原則・例外・原則貫く・フォロー・一般論・特殊事情・定義・趣旨・
必要性・許容性・判例・問題提起(=問題意識)とキーワード、法律構成、
論じていることの(当該問題のなかでの)重要性(もちろんそれぞれ違いがある)などをとにかく意識して書け。
法律構成を含めて自分の論述の理由を書け。
自分の妥当だと思った結論の理由は少し考えれば出るので落ち着いて考えろ。そのままいい加減なことを書かない。
自分でも納得できないワケのわからないことは、答案に書かない。
構成段階で思い浮かばなかったことはいい加減に書かない。常日頃から自分で採用しない説、言いまわしは採用しない。
書く順番として、実効性なし→あり。救済にならない→なる。事前→事後
原則=なに(適法・違法、有効・無効、許される・許されないとか)が原則かを明示・
例外=例外はあくまで例外であるから、慎重に認定しなければならない。「例外」だからこそ、
それを認める「必要性」と「許容性」が強調される。
合理的理由のない限り、というのも「原則」であり、合理的理由があれば「例外」もOKということである。
原則・例外でなく、、「形式的に考えるとA→しかし、実質的に考えるとB」みたいなのも、一種の原則→例外だ。
規範とあてはめをきっちり分けろ!!
必要性・許容性について、明文のある既存の規定についても、その趣旨を論述するときなどは、
必要性と許容性を意識することが必要。なぜなら、解釈で必要性と許容性を考慮するのはもちろんだが、
法律こそ必要性と許容性を考慮した上で規定されているからである。それは利益衡量においても同じことである。
なお、他説批判を論じる場合、それは自説の必要性につながる。
よって、自説による利点(必要性)・自説のフォロー(許容性)を論じればよい。
→逆にいえば、自説の必要性や許容性につながらないときは、他説批判はしなくてよい。
481 :
河童:2005/11/19(土) 11:59:53 ID:???
要件。条文の文言。どの条文の文言に関する解釈か等はっきり明示。
その結論になる理由、法律構成をはっきり明示。
法律構成(=「原則と例外」の原則)さえしっかりと記述できれば、
最後は妥当な結論のために多少無理な論理(「例外」)も通る。特に信義則などを理由にすればよい。
両当事者の利益を衡量。
両当事者のみならず、対立利益の衡量。すなわち、今年の憲法・刑訴法では、自分の意見が強過ぎて、
対立利益に対する配慮を欠いたために、点数が伸びなかった。自分の正当性をゴリ押しではダメ。
明文があるか、ないか。(明文がない場合は、「原則」として一般原則に従う。
しかし「例外的」に解釈による補充の必要あり。→明文がない場合、明文ある場合との比較も大事)。
条文は類推か適用か。類推適用の場合、なぜ類推適用すべきなのか書け。
(直接適用できない理由=(形式的判断)と、類推適用できる基礎があること(実質的判断)。必要性・許容性など)
問題となる条文や制度自体の必要性から論じると、論文が流れる。
規範をしっかり定立する。定立した規範と対応したあてはめと結論。
→自分で立てた規範(これが問題で聞かれていることに対応するようにする)に
対応するようにあてはめをして結論を出す(そうすると、問題で聞かれていることに対応する結論が出る)。
条文や制度の有する本来的役割を常に意識して答案にもあらわす。
つまり、新株発行であれば、「資金調達」が大目的。違法配当なら、会社は営利団体だが株主の間接有限責任が大切。
証拠保全なら、本来的には証拠保全。その視点を欠いた論述はダメ。
六法の行間は読まなければならないが、採点者に答案の行間を読ませてはいけない。
ひとつの文章はすっきり要点を書いて短くまとめる。→絶対に読みやすい文章を書く。
また、論理を飛ばさない。当たり前だと思う効果、結果等をきっちりと順を追って書く。
とにかく読みやすい文章を心がける。
制度の必要性→それを書く必要性→必要性→論点を論じる必要性、みたいに、
実体面も形式面も必要性→必要性で書いていけるようにすると、答案が流れる。
482 :
河童:2005/11/19(土) 12:00:31 ID:???
答案を書き終わったら、絶対に見直しをする(見直す時間をつくれるようにする)。
見直しは落ち着いて、間違いがみつかるように。間違いを見つけたときに慌てず、
正しい答えを書けるようにもう一度落ち着く。
→見直し時間がほとんどなくていいようにするために、構成を相当きっちりやる、ということも大事。
簡単かつ重大なこと、当たり前のことは絶対に書く。→挿入できるように、それなりに行換しろ。
ふと当たり前のこと、自分の結論の理由がわからなくなったら、現場で落ち着いて考える。絶対にわかるはずだから。
ちょっとしたことでも思いついたことはアピールできるなら、必ず書け。
それが自分の結論の理由とかの場合はとくに大事。
多くの人が間違えそうなところは、サラリと批判しろ。
常日頃から頭を使え=常日頃から自分の言葉で書け。
483 :
河童:2005/11/19(土) 12:02:45 ID:???
とにかく法律構成と要件さえきっちり書けて、あとは必要性と許容性とかで応用が利けば全部A取れる。
例えば、定義→原則(必要性・許容性)→不都合性→例外(必要性・許容性)→あてはめみたいな順番で書く。
また、制度の本来的目的→その帰結→しかし、例外の必要性・許容性
(みたいな感じ=例えば、債権者代位権は責任財産保全の制度→ゆえに、代位行使する債権の範囲は制限されないはず
=しかし、債務者の財産権に対する干渉は最小限度にとどめるべき、とか)。
また、要件を書くときに要件@ABがある場合においては、解釈が必要となる@を論じるのはもちろんだが、
解釈の必要のないABも押さえた記述をすると、好印象ということになる。
規範とあてはめをきっちり分けろ!!
とにかく答練、択一、勉強方法、司法試験に関する全てを絶対になめるな。
*趣旨→趣旨から導かれる形式的結論→対立利益に配慮した結果の実質的結論。みたいな感じ。
@主観的限界、A客観的限界、B時的限界などを小問@ABで問う問題もあるので、ケアすること。
@捜査段階A公訴提起段階B公判段階C判決段階みたいな感じで論じる場合もある。
*日本語をしっかり。採点者に行間を読ませるな。短く分かりやすく的確な表現で。
ひとつひとつ丁寧に認定すること。理由付け=それを論じる実益。必要性・許容性。
小問間で一貫性=総論の部分を大事にする。総論と各小問の対応=規範と当てはめの対応。
過不足なく=自分の議論に持ちこまない=真正面から問いに応える=答案構成を大事にする。
判例=その射程を意識する。判例=途中まで判例にのっかっていくつもりで。
484 :
河童:2005/11/19(土) 12:04:06 ID:???
3 実際の答案作成段階。
→問題提起、常に条文をひいた足跡が残るような問題提起に心がける。(条文の文言)
規範をしっかり定立する。定立した規範と対応したあてはめ。結論。
定義・趣旨を絡めて、
原則・例外(趣旨から例外の正当生)。原則・貫いてフォロー。
4 理由付け
「両」当事者に配慮した実質的理由付けをまず考え、
それを支える法律構成を考える。
いわゆる必要性と許容性を意識する。
許容性には、@価値判断に基づく実質的許容性、
A法の趣旨に遡った法的許容性、
B条文の文言を使った形式的法的許容性の3つのレベルが有ることを理解する。
そして、必要性、許容性(@ABの順)で論証を進める。
4 規範の定立
規範はできるだけ具体的に立てる。
重要性が異なるからこそ、あてはめになやみを出す。
5 結論
妥当な結論を書く。問題文を最初に読んだときに書いた結論を書くようにする。
自分が立てた問題提起に対応する結論と問題できかれたことに対する結論の双方をしっかり書く。
全科目。判例は大事。条文。条文の文言。他の条文や制度との比較。どの要件で論じているかを明確に意識。
問題提起や規範定立の充実(なにゆえに問題提起が必要なのか、そのような規範を定立することが必要なのか等)。
対立利益に対する配慮。
法律構成を大事に。問題の前提や基本を最初に明示。
* とにかく趣旨だ。わからない問題・論点に出くわしたら、関連ありそうな条文とか
* 原理・原則・制度とかの趣旨を考えてみる。そこから答えを導いて来い!!!
485 :
河童:2005/11/19(土) 12:11:16 ID:???
と、まあ、俺はこんな感じに書き殴ったものを持っていた。
一度一度の答練とかで、自分でこれらのことを実践できているか、
ちゃんと点検・反省する。とにかく反省が一番大事だと思う。
そういう努力をしていれば、毎回、論文本試験を受けたも同然の経験値が積めるわけで、
決戦の夏までに大きな差となる。
これはF氏に受けた助言であるけど、とにかく6科目とも「自分の答案の書き方」を確立させること。
答練で、「自分の答案の書き方」(俺はこれを「システム」と呼んでいた)をマスターできれば、
本番でもワケのわからないことは書かないで済むから。
採点者が読みやすい、自分でも書きやすい、自分なりの答案の書き方を確立してくれ。
(俺の場合、主張・反論型が民法・商法の「システム」だったわけ)
とりあえずこのへんで・・・
486 :
河童:2005/11/19(土) 12:16:18 ID:???
そういえば、例えば「システム」は、1科目にひとつではない。
憲法の人権と統治で「答案の書き方」が異なるのは当たり前だし、
1行問題と事例問題でも然り。
ある程度、出題形式は限られている以上、幾つもの「システム」を確立してくれ。
この答案の書き方=システムを確立させて、問題を見てすぐにどのシステムでいくか、
パッと選択できるセンスが身につけば、論文は怖いものなしだと思う。
河童者も,この一年で随分成長したな。
去年,河童者の刑法の答案を講評したときには,正直唖然としたが・・・(スマソ)
∧_∧
∧_∧ (´<_` ) 兄者は,合格前年はG落ちだったよな。
( ´_ゝ`) / ⌒i 心がけ次第で,一年で最終合格しうるってことだよな。
/ \ | |
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河童者は,上記のカキコの内容を,一年間徹底してやったんだろうな。
浜省も,ガンガレ。
再現うpして,河童者にコメントしてもらうと良いぞ・・・っと。
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ`) / ⌒i 兄者は,コメントしてやらないのか?
/ \ | |
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__(__ニつ/ FMV / .| .|____
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いや,受験を離れて結構経つから,すっかり知識が抜けてしまってるんだな。
先日は,債権者代位に無資力要件が要るってことを忘れていたし・・・。
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ / ⌒i それは酷いな,兄者・・・。
/ \ | |
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489 :
気象予想士:2005/11/19(土) 14:41:56 ID:???
>>487 >去年,河童者の刑法の答案を講評したときには,正直唖然としたが・・・(スマソ)
私も、やく者の馬券予想を最初に見たときは正直唖然としましたよ・・・っと。
∧_∧
∧_∧ (´<_` ) 理由付けも全然いい加減だし、
( ´_ゝ`) / ⌒i 必要性も許容性もない馬券ばっかりだったもんな。
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
ところで、河童クンはいつもと口調が違ったようだが・・・
浜省に宛てて書いたからだろうか・・・?
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ / ⌒i 兄者、ネット多数人格に、
/ \ | | いい加減収拾がつかなくなってきたな・・・
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
*河童=気象予想士(ブラザー、以下多数)
(河童クンの口調は、浜省に熱い気持ちを伝えるために、今後もたまに無頼になります)
>>489 エリザベス女王杯の三連複は,しっかりゲットしましたよ・・・っと。
∧_∧
∧_∧ (´<_` ) 収支ddで大威張りとは,流石は兄者。
( ´_ゝ`) / ⌒i
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
ところで,漏れもネット多数人格に収拾がつかなくなってきたな・・・
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ / ⌒i ・・・全部ネタスレだろ,兄者。
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
*氏名・F・黙秘=やく・F・みつゆ(やくみつゆ@,以下少数)
491 :
河童:2005/11/19(土) 14:50:19 ID:???
>浜省(だけに対するものではないのですが、くだけた口調で書きたいので・・・)
民訴はこれでAしか取る気がしなくなった・・・というやり方がある。
以下の「エッセンス」と俺が呼ぶ趣旨・単語・概念を大事にするだけのことだ。
問題に対して思考する場合も、実際に理由付けを論述する場合も、
参考書を読む場合も、常にどの「エッセンス」が絡むかを頭に描く習慣をつけてくれ。
492 :
河童:2005/11/19(土) 14:51:05 ID:???
「依頼者の利益」「責問権」「主要事実・間接事実」「公共性」「主要事実」「当事者の意思の尊重」
「自主的紛争解決」「紛争の実効的解決」「権利救済=裁判を受ける権利」「実体法」「手続法」
「裁判所に対する国民の信頼」「請求の基礎の同一性」「主要な争点」「訴えの利益」「訴訟物」
「既判力」「裁判所の釈明権」「審判対象の明示」「被告への防御権の範囲の明示」
「手続保障=自己責任=不意打ち防止=当事者の公平=攻撃防御を尽くさせる=充実した審理=真の紛争解決」
「基準の明確性」「手続の明確性」「手続の安定」「当事者の証拠収集手段」「争点証拠の整理」「集中審理」
「訴訟遅延」「訴訟経済」「手続の安定=訴訟行為は無効」「法的安定性」「紛争の早期解決」
「当事者の地位に互換性がなく、証拠の偏在」「真実発見」「当事者の証拠収集手段=弁論主義の第3テーゼ」
「当事者の公平」「当事者適格」「私的利益・公益的利益」「弁論主義・主要事実」
「対世効=弁論主義の排除=職権主義による補充」「既判力の正当化」「手続保障」「自己責任」
「充実した審理」「当事者の意思を合理的に解釈」「相手方の法的立場を不当に不安定にしない」
「訴訟手続の簡明化」「当事者の既得的地位を保護」「信義則」「当事者間の公平」「代替的手続保障」
「判決効の矛盾を回避・防止」「被告の応訴の煩」「原告の権利救済=裁判を受ける権利」「判決の合一的確定」
「弁論の全趣旨として斟酌される」「間接反証」「法律要件分類説の修正」「証明困難な主要事実」
「紛争の蒸し返し」「相手方の既得的地位の保護=相手方の信頼保護」「手続の安定の要請」
「将来給付請求の訴えの利益=判決を下す具体的必要性=請求適格+あらかじめの必要性」
「手続保障に伴う自己責任」「処分権主義」「先決的な権利関係」「禁反言による相手方の信頼保護」
「確認訴訟の訴えの利益」「訴訟物」「真実発見」「確認訴訟の有する紛争の予防的機能」
「公共の制度たる裁判制度の機能維持を図る」「審理が混乱」「訴訟の遅延や複雑化」
「証拠収集方法の拡充」「立証の困難の救済」「証明妨害に関する224条の類推適用」「集中証拠調べ=182条」
「責問権の放棄・喪失」「証拠調べの開始」「弁論の分離・併合・制限・一部判決・中間判決」「審級の利益」
493 :
河童:2005/11/19(土) 14:56:56 ID:???
これらの「エッセンス」はとにかく互いに密接に関わっている。
その関わり合いを常に意識しながら勉強してくれ。
一見すると、こんなに沢山あるのかよ、と思ってしまうが、
やってみるとホントそんなに大した量ではないぞ。
俺はそこまでしかなかった(無意識にできた)が、1行問題や事例問題を解く場合、
どの「エッセンス」をメインで使い、どの「エッセンス」をサブとして使える問題であったか、
確認してみるといいと思う。
あと、論証を自分でつくるのは一番有効な勉強方法だと思う。
民訴の場合、「エッセンス」を大事にした論証を自分なりにつくってストックしていってみてくれ。
494 :
河童:2005/11/19(土) 15:00:45 ID:???
具体例を1つ・2つ。
* 裁判が公共の制度として利用者の信頼を確保し、真の実効的な紛争解決を実現するためには、
豊富な証拠資料に基づき当事者が主張・立証を尽くした充実した審理の結果、紛争解決方法が導かれる必要がある。
(当事者による証拠収集手段の拡充などを論じる場合の呼び水)
* 訴えの利益が訴訟要件として要求されるのは、無益な訴訟を排除して相手方当事者を保護し、
人的・物的資源に限りがある公共の制度たる裁判制度の機能維持を図るためである。
そして、確認の訴えは対象が無限定であるとともに、判決に執行力が認められないため、無益な訴訟が生じやすい。
そこで、確認の利益の有無については、@確認訴訟という手段、及びA確認対象として選んだ訴訟物が、
紛争解決にとって有効・適切か、B紛争に即時確定の利益があるか、という視点から慎重に吟味しなければならない。
また、このような視点から絞りをかけることによって、確認の訴えが有する紛争の予防機能
(=法的安定性の確保)を有効に働かせることができるといえる。
495 :
浜省:2005/11/19(土) 23:52:39 ID:???
>>河童
すごく丁寧に書いてくれてありがとう。
随分と手間を掛けさせてしまったと思う。
そう、こういうものが欲しかったんだよ、
出力して俺のマニュアルにさせてもらうよ、真面目な話。
次回はブラザーの前に現れることができるようにガンガルぜ!
>>F殿
ありがとうですm(__)m
ここはかなりの良スレですな。
ここ以上の良スレは見たことないかも。
去年からここに住んでれば良かった・・・。
河童もそうであったと思われるように、
答案アップしたときは講評願えればと思います。
>浜省
とにかくこの試験は恥をかくのをおそれたらダメだと思う。
合格したヤツだって、みんな恥ずかしいほどレベルが低かったりする。
(俺も口述は平均以下で、権利自白も言えなかったし・・)
だから、自分の情けない答案と真正面から向き合うとともに、
「恥ずかしいから」という気持ちを捨てて、謙虚に一から勉強して、
わからない(長いあいだ心にひっかかっている)ところは、
些細なことでも聞いてほしい。
答案をちゃんとアップしてくれよ。
497 :
浜省:2005/11/20(日) 15:12:33 ID:???
比較的デキが良かったと思っていた憲法の1問目だけ答案を再現してみた。
以下、晒してみます。
498 :
浜省:2005/11/20(日) 15:17:16 ID:???
【憲 法】
第 1 問
酒類が致酔性・依存性を有する飲料であり,飲酒者自身の健康面に与える悪影響が大きく,酩酊者の行動が周囲の者に迷惑を及ぼすことが多いほか,
種々の社会的費用(医療費の増大による公的医療保険制度への影響等)も生じることにかんがみて,次の内容の法律が制定されたとする。
1 飲食店で客に酒類を提供するには,都道府県知事から酒類提供免許を取得することを要する。酩酊者(アルコールの影響により正常な行為が
できないおそれのある状態にある者)に酒類を提供することは当該免許の取消事由となる。
2 道路,公園,駅その他の公共の場所において管理者の許可なく飲酒することを禁止し,これに違反した者は拘留又は科料に処する。
この法律に含まれる憲法上の問題点について論ぜよ。
499 :
浜省:2005/11/20(日) 15:18:05 ID:???
1 小問1
本問法律制定は、飲食店の酒類提供の自由を侵害し、違憲ではないか。
(1) 飲食店で客に酒類を提供する行為の自由は、それが職業選択に基づく
営業の自由に属する行為と言えることから、22条1項で保障されると解する。
(2) もっとも、飲食店の酒類提供の自由といえども、他者の人権との関係における
実質的公平の原理である「公共の福祉」(13条、22条1項)により、必要かつ
合理的な制約を受ける。
(3) では、本問の法律制定は、飲食店の酒類提供の自由に対して必要かつ合理的制約
といえるか。当該自由に対する違憲審査基準が問題となる。
思うに、飲食店の酒類提供の自由といった営業の自由に対する制約となる立法と、
社会福祉政策を図るための立法の重要性との調和の見地から、立法裁量に広狭を認める
べきである。
そこで、国民の生命・健康の安全を図るためといった消極目的の制約に対しては、
政策判断に関わる程度が小さいために裁判所の判断にも馴染むことから、
厳格な合理性の基準(@目的が重要で、A目的と手段との間に実質的関連性が認められれば
合憲)を用いるべきである。
他方、社会福祉政策を図るためといった積極目的の制約に対しては、政策判断に関わる
程度が大きいためにこれに長けた立法府の裁量に委ねるべき部分が大きいことから、合理性の
基準(@目的が正当で、A目的と手段との間に合理的関連性が認められれば合憲)を用いるべき
である。
500 :
浜省:2005/11/20(日) 15:19:20 ID:???
(4) これを本問法律制定についてみると、「飲酒者自身の健康面に与える悪影響が大きく,
酩酊者の行動が周囲の者に迷惑を及ぼすことが多い」ことから酒類提供を制約するといった点では、
消極目的の制約といえそうである。
しかし、「種々の社会的費用(医療費の増大による公的医療保険制度への影響等)」を抑えるために
制約するといった点では、積極目的の制約と言えそうである。とすれば、両目的を有することになる。
(5) このように、両目的を有する場合、規制態様も加味してその合憲性を実質的に判断していくべきと考える。
この点、表現の自由と言った精神的自由権は原理的に社会福祉政策との兼ね合いが要請されるものでは
ないことからその立法裁量も厳格に判断すべきである。
しかし、営業の自由はこれと異なり、兼ね合いが要請される点からその規制立法における裁量をより広く
認めても良いと考えられる。
そこで、規制目的が正当で、規制手段が目的との関係で合理性を有すれば合憲と判断すべきである。
501 :
浜省:2005/11/20(日) 15:20:00 ID:???
(6) これを本問に見ると、その規制は上記のように消極・積極の両目的を併せもつが、これに不当性は認めら
れないと考えられ、規制目的は正当といえる。
そして、その規制態様は飲食店で客に提供する場合に免許取得を要すること、および、酩酊者に酒類を
提供した場合に免許を取消すことである。このような規制は、飲酒者は通常、飲食店での提供を受けて
自由にこれを飲酒できることから、その供給源である飲食店に免許取得を義務付けることで、実質的に
飲酒者自身の健康面に与える悪影響を食い止め、酩酊者の行動が周囲の者に迷惑を及ぼすことを阻止
しうるし、種々の社会的費用(医療費の増大による公的医療保険制度への影響等)の発生を阻止しうる
ことから、合理性を有すると言えよう。また、そのような多義的目的を有する規制に反して酒類提供をなした
飲食店に、その提供の対象が酩酊者である場合に限って免許を取消すことは合理性の範囲内にあり、
行き過ぎとまでは言えないと考える。
とすれば、本問法律制定は規制目的が正当で、規制手段が目的との関係で合理性を有するといえる。
(7) 以上より、本問法律制定は、飲食店の酒類提供の自由(22条1項)を侵害するものではなく、合憲である。
502 :
浜省:2005/11/20(日) 15:20:38 ID:???
2 小問2
本問法律制定は、飲酒することの自由を侵害し、違憲ではないか。
(1) 飲酒することの自由については、憲法上明文がない。
しかし、明文がない権利であっても、個人の尊厳の実質的確保の要請から、
あらゆる生活領域の行為の自由が13条の幸福追求権により保障されると解する。
このように解すると人権のインフレ化が懸念されるも、まずは上記の見地から人権として保障し、その
保障の程度について軽重を認めればこれを回避できると考える。
そこで、飲酒することの自由もまず13条によって保障される。
(2) ただ、そのような自由も無制約ではなく、「公共の福祉」(13条)による必要かつ合理的な制約を受ける。
(3) では、飲酒することの自由(13条)に対する規制の違憲審査基準をいかに解するか。
この点、飲酒することの自由は13条で保障される人権ではある。
しかし、飲酒という性質上、その結果として周囲に対する迷惑にもなりうる点で「公共の福祉」による
制約がまさしく妥当することから、立法裁量を尊重し、厳格な基準を用いるべきではないと考える。
そこで、@規制目的が正当か、A手段との間に合理的関連性が認められるか(合理性の基準)で
判断すべきである。
503 :
浜省:2005/11/20(日) 15:21:14 ID:???
(4) 本問に見ると、@目的は酩酊者の行動が周囲の者に迷惑を及ぼすことを防止する点にあるが、これは
酩酊者の行動は予測困難なこともあり、おう吐や、大声で叫ぶなどの周囲の迷惑が生じやすいことから
正当と言えよう。Aその手段としては、道路,公園,駅その他の公共の場所に限って飲酒を制約している。
一見これはわが国の習慣的な行事ともいえる花見等にてらすとその制約手段として行き過ぎとも思える。
しかし、そのような場合には管理者の許可を得れば飲酒することも可能であるし、許可申請を要する点で
実質的にも酩酊者が発生しにくくなる効果も有すると考えられることから、公共の場所で酩酊者の行動が
周囲の者に迷惑を及ぼすことを防止するうえでは、合理性が認められないとは言えない。
とすれば、本問法律制定は@規制目的が正当で、A手段との間に合理的関連性が認められる。
(5) 以上より、本問法律制定は、飲酒することの自由(13条)を侵害するものではなく、合憲である。
※1項・2項ではなく、小問と書いてしまった。
※二重の基準論を書くべきなのだろうけど、端折ってしまった。
※小問1(3)では迷った。目的ごとに分けて書いてしまおうか、判例の場合とは違うけどその基準を類推してしまおうか。
結局、時間との兼ね合いで後者を取ってしまったけど、今書いてみても筆運びにやはり唐突さというか無理がある。
結果、あてはめもぐちゃぐちゃになってしまっているように思う。※小問2はかなり焦って書いてた。小問1との比較もなし。
本番中・本番後しばらくはまあまあのデキだと勘違いしてた。結果、まさしく自慰に終った・・・orz
基礎知識・パターンの欠如です、はい。「その・これ」も多用しすぎかと。
単に余白に書かれた答案構成を見て本文を思い出しつつ答案の形で書いてみてるだけなのに、かなり時間かかるし
疲れますな。これも事前の答案構成がしっかりできてなかった証拠です。
>思うに、飲食店の酒類提供の自由といった営業の自由に対する制約となる立法と、
>社会福祉政策を図るための立法の重要性との調和の見地から、
>立法裁量に広狭を認めるべきである。
「調和の見地」という言葉の使い方がおかしくないか?
一方に「人権」があって、他方に「人権制約の必要性」があるから調和が必要になるわけで、
言葉の選び方とか論理の持って行き方がおかしいと思う。
こういう部分で、常日頃から自分の頭で論証を考え練り続けてきたヤツと差がつくんだと思う。
何度も繰り返しになるが、常日頃の勉強において自分の頭で考えて、
自分だけのベストだと思われる論証をつくって・精錬していくことが大事だと思う。
俺は、憲法が苦手だから(G→G→C)偉そうなことはいえないが、
(しかも今回もパニくって半分も力を出せなかったし。)
小問1では厳格な合理性の基準、小問2では合理性の基準で書いた。
以下、俺が自分で考えた論証を貼っておく。
こういう論証を反復練習(練り込み)で身につけておいたから、
パニくってもCで収まったんだと思う。
*経済的自由の規制の場合
この点について、営業の自由を含め経済的自由に対する規制については、その目的や
これを必要とする社会的事実が多種多様であるため、それらを考慮した上で憲審査基準を決すべきである。
→環境保全のための規制の場合
本問法律改正の目的は、国民生活の安全確保のみならず、環境保護にある。
このような国民生活の安全をどのように保護していくか、どの程度まで環境保護を進めるべきか、
あるいは次の世代にどのような環境を残す責務があるか、という事柄は国民自身が決すべき性質の事柄であるので、
非民主機関たる裁判所の判断よりも、
主権者たる国民(前文、1条)の代表機関たる国会(42条、43条)の判断が尊重されるべきである。
そうであるとすれば、裁判所としては、原則として国会の判断を尊重すべく、
本問における合憲審査基準は、正当な立法目的を達成するために規制手段が合理的なものであれば合憲となる、
合理性の基準が妥当すると考える。
→BSE問題による規制の場合
本問法律の目的は、国民の食の安全を確保することにあり、BSE問題に関連して、
相対的に危険性の高いアメリカ産牛の輸入をいかに扱うべきかは、消費者たる国民が自ら決すべき性質の事柄である。
→そうであるとすれば、裁判所としては、アメリカ産牛の輸入の規制については
国民代表機関たる国会(42条、43条1項)の判断を尊重すべきであり、
規制手段が明白に合理性を欠く場合以外は、本問法律を合憲とすべきである。
個人的に、本問1の酒類販売の自由は、普通のマニュアル通りに書けばいいと思う。(浜省のもOK)
小問2の、公の場における飲酒の自由をいかに規制するかは、国民のマナーに関する事項であり、
裁判所より国会の判断を尊重すべき、として合理性の基準で書いた。
それでもって、飲酒について「歩きタバコ」と比較して、火のついたものを持って歩くような危険はない、
覆流?煙のように喫煙行為それ自体が直接的に他人に害悪をもたらすものではない、
として違憲にすれば、酒好きな自分なりの答案になったかな、と思う。
とにかく、予備校の論証なんていうのは、自分の頭をつかって勉強していれば、疑問や不満だらけだと思う。
自分で論証を考え練り込んでおくと、どういう場面でなにを論じることが重要だかも身についてくるし、
いざとなったときに本番でも応用がきくと思う。
*あんまり講評になってなくて悪いが、人権の「システム」はいいと思う。
ただ、一個一個の論証に「練り込み」が足りない印象だ。
507 :
浜省:2005/11/20(日) 21:43:06 ID:???
>>河童
鋭い講評ありがとう。
「調和の見地」の部分は俺自身なんだかひっかかりながら書いてた。
内容的には、営業の自由保護も大切だが、それを過当保護すると
他方の福祉政策の実現にとって障害となることから、立法裁量を尊重しつつ
その裁量にも軽重を認めて判断すべし・・・ということを書きたかったんだが、
確かに調和の見地ってのは外れてるわ。どっかで見たような予備校の論証を見て
理解できたらその言い回しを使ってきたし、長ければ削って使うとかラクしてた。
挙句に間違いなんだからな。目も当てられん。
自分の頭を使って書いてない、論証に練りこみが足りてない、
これらに返す言葉がない。指摘、ありがとう。これから自分のストックしてきた
論証を見直して自分の考え・言葉に置き換えながら進めて行こうと思う。
>*経済的自由の規制の場合
これいいわ。頭を使って考えてればいくらでも応用が利く論証だな。
是非使わせてもらうよ。頭を使って書くためのいい訓練素材にもなるし、
筋の流れのなかでどう自分の判断を示めすかにおいても参考になる。
とりあえず最初の憲法だけアップしてみたけど、他はまだ再現してないっす。
追々再現してアップしてくので、また講評よろしくっすm(__)m
508 :
浜省:2005/11/20(日) 21:56:15 ID:???
論文対策は主に論文の森を軸に、その穴は過去問でカバーする方法を取ってきた。
最近、刑訴の主要な過去問の答案(構成)を自作してるんだけども、見てもらえる?
509 :
浜省:2005/11/20(日) 22:22:04 ID:???
平成12年・第2問
被告人は、「X日、Y町のA方において、同人の高級時計を窃取した。」として起訴されたが、
公判では、「その時計は、そのころ、同所付近において、知人から、盗品であるかもしれない
と思いながらも5万円で買い受けたものである。」と主張している。証拠調べの結果、
裁判所は、被告人の主張どおりの事実の心証を得た。
1 裁判所は、窃盗の訴因のままで、盗品の有償による譲受けの罪で被告人を有罪とすることができるか。
2 窃盗の訴因のままでは有罪とすることができないとした場合、裁判所はどうすべきか。
1 設問1
裁判所は、窃盗の訴因のままで、その心証である盗品の有償による譲受けの罪で
被告人を有罪とすることができるか。
(1)盗品有償譲受罪で被告人を有罪とするのに訴因変更(312条1項)が必要か。
訴因変更がいかなる場合に必要かについて条文上明らかでなく問題。
∵ 現行法の採用する当事者主義訴訟構造(256条6項・298条1項等)においては、
審判対象は一方当事者たる検察官が主張する具体的事実たる訴因である。
→ とすれば、事実に変化があった場合には訴因変更が必要となるのが原則である。
▲ しかし、わずかな事実の変化でも常に訴因変更が必要とすると、
迅速な裁判の要請(憲法37条1項)・刑罰権の迅速な実現(1条)を害する。
→ そこで、訴因が被告人の防御範囲を明示する機能も有することにかんがみ、
訴因変更は一般的に被告人の防御に不利益を及ぼす事実の変化があった場合に
必要とすべき
(2)(あてはめ)本問では、窃盗と盗品有償譲受とではその態様が全く異なり、その防御方法も
異なるため、一般的に被告人の防御に不利益を及ぼす事実の変化があったといえる。
→よって、盗品有償譲受への訴因変更が必要である。
(3)よって、裁判所は、窃盗の訴因のままで、その心証である盗品の有償による譲受けの罪で
被告人を有罪とすることができない。
510 :
浜省:2005/11/20(日) 22:28:08 ID:???
2 設問2
窃盗の訴因のままでは有罪とすることができないとした場合、裁判所はどうすべきか。
(1)訴因変更が可能である場合には、裁判所は検察官に釈明を求めて(規則208条)
を訴因変更を促すべきである。
↓
(2)では、訴因変更が可能か。訴因変更には新旧訴因間で「公訴事実の同一性」(312条1項)が
認められる必要があるが、その判断基準をいかに解するべきか。
∵ 現行法の採用する当事者主義訴訟構造(256条1項・298条1項等)においては、
審判対象は一方当事者たる検察官が主張する具体的事実たる訴因である。
そして、訴因には被告人の防御の範囲を明確にする機能がある。
→ 「公訴事実の同一性」は、被告人の防御に対する不意打ちにならない場合、
すなわち、基本的事実関係が同一の場合に認められる。
さらに、その判断にあたっては一方の事実が認められれば他方の事実は
認められないという関係(択一関係)があるかを考慮すべき。
ただ、択一関係がなくとも、実体法上一罪の関係にある場合(単一性)には、
紛争の一回的解決の要請から「公訴事実の同一性」を認めるべき
(あてはめ) 本問では、客体はAの「高級時計」で共通しており、日時や場所も
「X日、Y町のA方」と「そのころ、同所付近」として近接しており、また、
窃盗の事実があれば盗品有償譲受の事実は認められないという択一関係もあり、
基本的事実関係は同一と言えることから、「公訴事実の同一性」が認められる。
→よって、訴因変更は可能である。
↓
(3)訴因変更が可能であるとして、検察官が釈明に応じて訴因変更請求をしてきた場合(312条1項)
→ 裁判所はこれを許可して、盗品有償譲受罪で被告人を有罪とすべきである。
511 :
浜省:2005/11/20(日) 22:28:52 ID:???
↓
(4)ア、検察官が釈明に応じず訴因変更請求をしない場合
→ 裁判所は検察官に対して訴因変更命令(312条2項)を発することができる。
↓
イ、では、裁判所は訴因変更命令をなす義務まで負うか。
∵ 訴因の設定・変更は検察官の専権(256条3項、312条1項)
→ 訴因変更命令をなす義務を負わないのが原則。
↓しかし、
▲ 常にその義務を負わないとすると、無罪とせざるを得ない場合が生じ、
実体的真実発見の要請(1条)を害するため妥当でない。
→ @犯罪が重大な場合で、A訴因を変更すれば有罪となることが証拠上明白である場合には、
例外的に訴因変更命令の義務を負うと考える。
(あてはめ)本問では、@盗品有償譲受は窃盗を誘発・助長する点で重大な犯罪といえる。
しかし、Aその有罪が証拠上明白である事実は認められない
→よって、訴因変更命令の義務までは負わない。
↓
ウ、では、訴因変更命令に検察官が従わない場合,命令どおりの訴因に変更されるか。
訴因変更命令に形成力が認められるかが問題。
∵ 訴因の設定・変更は検察官の専権(256条3項、312条1項)
→ 訴因変更命令に形成力は認められず、あくまで検察官による訴因変更請求
が必要と考える。
→ 訴因変更がない限り、裁判所は無罪判決(336条)をなすことになる
↓
エ、以上より、裁判所は検察官からの盗品有償譲受への訴因変更請求がない限り、
窃盗罪につき無罪判決(336条)をなすべきである。
>浜省
・・憲法の次に自信のないのが刑訴なんだよな・・。
ゆえに合格者とか思わないで、批判的に聞いてくれ。
(誰か的確な講評ができる人がいれば、彼のために講評してあげてくださるようお願いします)
まずは、俺の用意していた論証から書いておく。
*当事者主義構造を採る現行法の下(256条6項、298条1項、312条1項等)、
審判対象は当事者たる検察官が主張した犯罪事実たる訴因であると解される。
→よって、訴因には@裁判所に対して審判対象を明示し、それを確定する機能と、
A被告人に審判対象を告知し、その防御権を保障するという機能がある。
(↓)
*訴因変更制度は、Aに関して被告人に不当な不利益のない範囲で、
@について審理の現状と審判対象のズレを修正して、真実発見・迅速な法適用(1条)及び
訴訟経済を実現するため認められたものである。そこで、「公訴事実の同一性」の判断は、
(A)国家の刑罰的関心が同一か、(B)被告人の防御権を不当に害さないか、を基準に判断すべきと解する。
そして、その判断に際しては、両事実の基本的部分の同一性や非両立性、
重要な証拠の共通性などが重要要素となると解する。
アップされた答案が書ければ、絶対A間違いなしだと思うが、やはり本番でここまで要求するのは難しいと思う。
そこで、「論証ひとつとっても自分の頭で考えているな」と採点者に印象付けることが必要になってくる。
特に、「論文」に関しては来年度も倍率は5倍程度だろうし、択一で実力者が落ちやすくなれば、
今年より「簡単」になると思うので、「確実」に受かるだけの実力をつけないともったいないからな。
そういう点で、「論文の森」というのは俺も優れた問題集ではあると思うが、所詮は初学者向けであるとも思う。
論証も甘いし、ほんとに学者・実務家がキーポイントとするところを押さえていない気がする。
そこで、辰巳の「ライブ本」がいいと思うんだ。俺はほんと、これでいかに自分が甘かったかがよくわかった。
>窃盗と盗品有償譲受とではその態様が全く異なり、その防御方法も異なるため、
あとは、論述で具体的なところまであと一歩、突っ込めるかどうかが他との差をつける鍵だと思う。
補強法則のところでやったはずだが、後者は「有償で譲り受ける」という行為がキーポイントだ。
そういうふうに、他の論点でキーポイントとなる知識を、他の論点でも使えるようにするといいと思うぞ。
例えば、「窃盗と盗品有償譲受とでは、前者が直接被害者の占有を害する犯罪であるのに対して、
後者は本犯者を通じてなされる犯罪であり」とかいう感じの論述になるかな。
そして、刑罰的関心にしても、被告の防御権にしても、訴訟経済(=迅速な裁判・法適用)にしても、
それらを考える際に(百選とか読んで)「重要な証拠の共通」は大事な要素だと俺は思ったので、
なるべく論証に組み込んだりするようになった。本問の場合だと、おそらく「盗まれた時計(=被害品)」が
変更前後の訴因を問わず最大の証拠になるところ、訴因変更不要の結論につながりやすいため微妙だが、
訴因変更不要の結論をとる場合(例えば恐喝の動機だけが異なる場合)などには、有効な論証になると思う。
俺は、Aをとった科目も多かったし、「合格者」の話をそっくりそのままは真に受けてこなかった。
(合格者だって、オールAじゃない。俺も3回受けても憲法はCが最高だし)
だから、ずっと俺なりの勉強方法があると思ってやってきたし、俺の言っていることや、
やり方も是非批判的に受けとめて、自分に合うように改良してやってくれ。
ただ、「刑罰的関心の同一性」とか、「非両立関係」だと何故に控訴事実の同一性を認めやすいのかとか、
刑訴は自分でよく納得できないキーワードが多かった。
そこで、それらのキーワードについて、とことん自分なりの論証を練り上げるよう努力することが、
刑訴において何が重要か(嗅ぎ分けるセンス)を学ぶ最大のキッカケになったように思える。
……特に、読み込みもせずに講評たれているので、殴り書きになって申し訳ないが、
例えば、浜省も「被害品=客体」について、ちゃんと書いているよな。
これを「主要な証拠の共通」という概念で自分の中に=自分の論証の中に、持っておくといいと思う。
そして、答案経済が大切。例えば、小問1で、「被害品は共通であっても犯罪の行為態様が違う」ため訴因変更必要、
としておいて、小問2では「犯罪態様こそ違うが、犯罪日時・主要な証拠が共通するため」とかいう感じにすれば、
答案経済的にも優れているし、小問1の論述も厚くなる。
という感じ……。なんかやや適当でスマン。繰り返すが、自分の論証を練り上げることだ。
その精錬の過程で、その科目に対する大局観が身につくはず。
515 :
浜省:2005/11/21(月) 12:10:24 ID:???
>>河童(無頼)
丁寧な講評またまたありがとう。
アップした答案(構成)はひと月前くらいに作成したものだけど、
合格するために実際これでいいのかどうか迷いつつ作成してた代物。
ゆえに実際に合格者から見てどうなのか、講評が欲しくてアップしてみた。
>そういう点で、「論文の森」というのは俺も優れた問題集ではあると思うが、所詮は初学者向けであるとも思う。
>論証も甘いし、ほんとに学者・実務家がキーポイントとするところを押さえていない気がする。
>そこで、辰巳の「ライブ本」がいいと思うんだ。俺はほんと、これでいかに自分が甘かったかがよくわかった。
論証は基本的に論文の森の論証に加除修正を加えたり、Cブックの巻末論証から引っ張ってきたり
してきた。ブラザーよ、俺が自分の頭で考えてないのが答案見ただけで良く分かったなw
試験委員にもバレバレだったんだなw
自分でも答案暗記型にはまってしまってると思う。中途半端に論証を手直ししてるから、
むしろそのままの参考答案を暗記した方がまだマシかもしれない。
答案暗記型の限界(壁)は感じてた。そこにブラザーの指摘内容だ。
ブラザーは多少謙遜してるようだが、俺自身が合格者の抽象的アドバイスを聞いてきた
なかでは出色だし、成績も最優秀だと思う。俺は合格者のアドバイスに対しては比較的クール
な方だが、ブラザーのレスには変な言い方だがいちいち納得させられる。どう聞けばいいのか
何が疑問の主体なのか漠然として分からなかった部分にピンポイントで触れてくるというか。
で、ライブ本は立ち読み程度しか見たことがないが、ブラザーが推してるので
もう一度じっくり見ようと思う。これによって今までの自分の論証(パクリだが)
がガラッと変わるかもしれない。ブラザーは全科目のライブ本をやった?
516 :
浜省:2005/11/21(月) 12:10:47 ID:???
>あとは、論述で具体的なところまであと一歩、突っ込めるかどうかが他との差をつける鍵だと思う。
>補強法則のところでやったはずだが、後者は「有償で譲り受ける」という行為がキーポイントだ。
>そういうふうに、他の論点でキーポイントとなる知識を、他の論点でも使えるようにするといいと思うぞ。
俺自身、知識不足なのか使える形で覚えてないだけなのか定かではないが、
このコメントにはハッときた。優秀答案を読んできたなかで漠然と感じてたものは
これだったかもしれない。ここだけでなく基礎知識の見せ方を論証の具体例で教えてくれ
てるのは本当にありがたい。
ブラザーの講評は本当に有益だ。ここまで丁寧に書けば相当の時間を割いてくれてる
と思うが、頭が下がる思いだ。ありがとう。俺は幸運だな。
>ブラザーは全科目のライブ本をやった?
やった。貞友民法でいいと思ったので全科目やった。
受験中は金がないだろうから(っていうか修習中も金なんてないが・・)
俺のライブ本でよかったら贈与するぞ(書面によるものだ)。
俺はネット社会の住人で最もネットを使いこなせない男の一人なので、
贈与をお望みの場合、連絡のつけ方は浜省に任せるよ。
(よく知らないが、フリーアドレスみたいなのをつくれるんだろ?)
模範解答の部分に俺の書き込みがあるが、有益であれ、あまり邪魔にならないと思う。
(俺は本好きだから、本来は本に直接書き込みなんてできない人間なんだが、
背に腹はかえられず、合格のため涙を飲んで直接書き込んだんだ)
とにかく俺も半分程度しか納得できない問題と論述で、今年も力を出し切れず終わったと思った。
しかし、思わぬ圧勝だったので、自分のやり方に間違いはなかったと思っている。
1年間(なんてもうないよな!)、信じ抜ける・実践しつづけられる自分の勉強のやり方を見つけてくれ。
518 :
浜省:2005/11/21(月) 20:08:50 ID:???
おう、やるぜ俺は。
贈与してくれるですと?
全科目の値段調べて、イタタ〜ッになってたのだが。
ユーズドも出てないみたいだし。頂けるならありがたい。
っていうか、そこまで痒いところに手が届くなんて流石だな。
書き込みはブラザーの思考も読めるし、むしろ望ましいわ。
で、連絡方法なんだが。
俺も詳しい方ではないんだけど、フリーメールのアドレスを取った。
まあ、ここの住人は良い人ばかりなので大丈夫だと思うけども。
fates1999▲mail.goo.ne.jp
▲の部分を@に置き換えて送ってくれるとありがたい。
まずは連絡手段の確立ということで、とりあえず内容は何でもいいかな。
ブラザーと分かるコメントが入ってると助かるわ。
そちらからのメールもフリーメールがいいなら、
その取り方が分からなければ、その旨言ってくれる?
時間がある時で勿論いいので、よろしくたのんます。
色々考えてやはり遠慮しとく、という場合も一報くれるとありがたいす。
◆
◇
◇ ∧ ☆
/ 丶 *
/ ∧_∧ヽ
< ( ´_ゝ`) >
\/ ヽ/
ヽ /
∨
. ∧_∧
(・∀・ *) 河童者アリガd タメニナリマス
⊂ ⊂ )
(__(__つ
520 :
気象予想士:2005/11/23(水) 17:45:40 ID:???
>も者
かえって恐縮ですよ・・・と
∧_∧
∧_∧ (´<_` ) おもしろく見てるが、来年100%の合格のためにも、
( ´_ゝ`) / ⌒i ドラスレとかで頑張り過ぎないでほしいものだな。
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
も者は関西人だよな・・・?
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ / ⌒i 浜省はヤバいほどのご近所さんだったが、
/ \ | | リアル社会での協力はできないよな・・・
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
*もさん、ほんと頑張ってください!(BY河童)
>>520 も者は神戸っ子だよな・・・?
ルミナリエでばったり・・・,なんてこともあるかもな?
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ / ⌒i ルミナリエ・・・。
/ \ | | 一人で行くのか,兄者・・・?
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
*もさん,栗スマスなぞ目もくれず,頑張ってください!(BYみつゆ)
522 :
氏名黙秘:2005/11/25(金) 01:03:30 ID:???
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ タメになる良スレだお!
ヽ 〈
ヽヽ_)
沈んでるスレを色々見てたらココを発見しました。
河童タソの書込みを参考にさせていただきます。
523 :
河童:2005/11/25(金) 12:59:35 ID:???
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ ネットサーフィンし過ぎちゃダメだお!
ヽ 〈
ヽヽ_)
是非、参考にしてください。以下、繰り返し・繰り返し強調することだけ。
法律の条文・要件を大事にして、それを大前提として解釈をしてください。
自分の意見・考え方より、法律先にありきです。
そして、解釈するときには、その科目の大原則まで立ち返ってください。
刑法なら「罪刑法定主義or責任主義VS法益保護or適切な処罰範囲の確保」とか、
民訴なら「訴訟経済VS手続保障」とか、刑訴なら「社会秩序維持VS人権保障」とか
民法なら「誰に帰責性があるか、リスクを負わせる正当性があるか。誰を保護すべきか」とか。
とにかく理由付けも論理の展開も趣旨・必要性・許容性といったことを大事にしてください。
524 :
522:2005/11/25(金) 23:51:22 ID:???
貴重な助言ありがとうございます。
私も先週刑訴12年2問を書いていたのでうpさせていただきたいと思います。
忌憚なきご意見頂戴したいと思います。
一 小問1について
1 裁判所は窃盗罪(刑法235条)の訴因のままで心証を得た盗品の有償による譲受けの罪
(同256条2項前段。以下、盗品等罪とする)で被告人を有罪とすることができるか。
訴因と心証が食い違っているので心証にもとづき判決するには訴因変更(312条1項)が
必要となるのではないか問題となる。
(1) この点、当事者主義の訴訟構造(247条、248条、256条3項等)の下においては
審判対象は一方当事者である検察官の主張する具体的事実たる訴因である。
それゆえ、訴因と異なる事実を認定するには訴因変更が必要となる。
もっとも、訴因事実と心証を形成した事実に些細な食い違いしかないときにも常に
訴因変更を必要とするのも煩雑であり訴訟経済に反するので妥当でない。
そこで、審判対象を設定し、被告人に防御すべき範囲を告知するという訴因制度の
趣旨から訴因の同一性が失われたときに訴因変更が必要となると考える。
すなわち、訴因事実と心証を形成した事実に@社会的法律的意味合いを異にするような
重要な事実の違いがあり、Aそれにより被告人の防御に実質的な不利益を及ぼすときには
訴因の同一性が失われ訴因変更が必要となる。
ここでA被告人の防御に実質的な不利益を及ぼすときとは、訴訟の進行状況に応じて
個別具体的に判断するとその基準が不明確となってしまうので、そのような事実の違いが
あれば一般的抽象的に被告人の防御に不利益が生じるときをいう。
525 :
522:2005/11/25(金) 23:52:07 ID:???
(2) 本問では、窃盗罪と盗品等罪は財物を奪取する行為と盗品を譲受ける行為で社会的意味合い
が異なると共に、財産犯の本犯と事後従犯的性格を有する犯罪であり法律的意味合いを異に
する重要な事実の違いがあるといえる(@)。
また、被告人は窃盗罪を否定するために盗品等罪を主張しているので訴訟の進行状況から
個別具体的に判断すると防御の不利益は生じないようにも思えるが、そのような実行行為も
異なる事実の違いがあれば一般的抽象的に判断すれば被告人の防御に不利益が生じるといえる(A)。
(3) よって、訴因の同一性が失われており訴因変更が必要な場合にあたるので原則として裁判所は
窃盗罪の訴因のままで盗品等罪で有罪とすることはできない。
2 もっとも、訴因事実と心証を形成した事実との間に(a)大小関係が認められ(b)心証を形成した事実
について検察官の予備的・黙示的訴追意思が認められ(c)被告人に不意打ちとならないときであれば、
縮小認定により訴因変更を経ることなく心証を形成した事実を認定することができるが、本問では
もし盗品等罪で訴追されたのであれば被告人も盗品等罪の成立要件につき防御を尽くすであろうと
思われるので、縮小認定は(c)被告人に不意打ちとなるので許されない。
526 :
522:2005/11/25(金) 23:52:52 ID:???
二 小問2について
1 では、窃盗罪の訴因では有罪とすることができないから心証を形成した事実である盗品等罪を有罪と
するには訴因変更が必要であるとしても、窃盗罪から盗品等罪への訴因変更をすることができるか。
両訴因が「公訴事実の同一性」(312条1項)の範囲内にあるといえるか問題となる。
(1) この点、訴因変更の制度は被告人の防御の確保という訴因制度の趣旨を害さない範囲で審判対象の
変更を許し、訴訟の一回的解決を図ることを目的とする。
そこで、同趣旨に反しない範囲、すなわち新旧両訴因の基本的事実関係が同一な範囲で「公訴事実の
同一性」が認められ訴因変更が許されると考える。
なぜなら、基本的事実関係が同一といえれば被告人が予想外の事実を対象とする防御を強いられる
不利益を負うこともないし、訴訟の資料も継続利用できるので訴訟経済にも資するからである。
そして、二つの事実が両立し得ない関係にあるときはいずれかの事実しか存在し得ないのであるから、
両事実は基本的事実関係が同一であるいえる。
(2) 本問では、被告人にAの時計について窃盗罪が成立すると不可罰的事後行為となるため盗品等罪は
犯し得ないのであるから、両事実は両立し得ない関係にあり基本的事実関係が同一であるといえる。
(3) よって、両訴因は「公訴事実の同一性」の範囲内にあり訴因変更をすることができる。
527 :
522:2005/11/25(金) 23:53:30 ID:???
2 したがって、検察官が訴因変更請求をしてきたときには裁判所は訴因を変更し、既に心証を得ている
盗品等罪について有罪とするべきである。
3 これに対し、検察官が訴因変更請求をしてこなかったときには当事者主義訴訟構造の下における
真実発見(1条)の見地から、裁判所はまず訴訟指揮権(294条)の行使及び求釈明(規則208条1項)により
検察官に心証を開示し、訴因変更を促すべきである。
4(1) それにもかかわらず検察官が訴因変更請求をしてこなかったときに後見的立場から裁判所は職権で
訴因変更命令を出す義務があるか問題となるも、当事者主義訴訟構造の下においては訴因の設定・変更は
検察官の専権であるから(256条3項、257条)裁判所に訴因変更命令を出す義務は原則としてないと考える。
(2) もっとも、真実発見の要請が大きく訴因変更命令を出さずに元訴因につき無罪とすることが著しく
正義に反すると認められるとき、すなわち、(ア)訴因変更をすれば新訴因につき有罪とできることが
証拠上明らかであり、(イ)新訴因が重大な罪となるときには例外として訴因変更命令を出す義務が
あると考える。
本問では、新訴因たる盗品等罪は刑の上限が10年以下の懲役であり、法定刑として無期懲役や死刑が
定められていないのであるから(イ)重大な罪であるとはいえない。
よって、裁判所には訴因変更命令を出す義務はなく、窃盗罪の訴因につき無罪とするべきである。
以上。
528 :
522:2005/11/26(土) 00:07:57 ID:???
河童タソのレスを見て自分の答案をみてみると
@「重要な証拠の共通」というのが出せていない
A「非両立なら基本的事実関係が同一」というのが本当に理解できているのか怪しい
B「X日、Y町のA方、高級時計を5万円で」などの事情がまったく使えていない
等々の問題点が多数浮かび上がってきます。
特にBはマズイんじゃないかと思っています。
本問の論点は典型にもかかわらず書くときに大分時間がかかってしまったのも問題です。
また小問1の縮小認定の話は不要なところでしょうかね。
小問2の最後のほう(2,3,4)が駆け足になってしまっているのも印象が悪いかもしれません。
河童タソがこのスレで一年間答案をうpしながら勉強してきて見事に合格した軌跡を見ましたので
自分も答案の悪いところを他の人に批評してもらおうという気持ちになれました。
ご覧になった方のご意見をお待ちしております。
529 :
522:2005/11/26(土) 00:21:21 ID:???
その他、良くないかも、と思った点です。
C訴因変更の要否や可否の問題提起のところに「判断基準が明文なく問題となる」と入っていない。
D「基本的事実関係が同一なら訴訟の資料も継続利用できて」って
民訴の請求の基礎の同一性とごっちゃになってるかもしれない雰囲気。
E小問2の3、4のナンバリングは 3、4(1)、(2) を 3(一)、3(二)(1)、(2) にしたほうが良いかも。
F全体的にくどい。
530 :
河童:2005/11/26(土) 00:47:40 ID:???
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ 酔っ払ってるお!
ヽ 〈
ヽヽ_)
後日講評もしますけど、横浜在住とか横浜・品川にこれて時間がつくれる人なら、
直接私と話をしてほしいお。連絡とれる方法を教えてくださいね。
(今日から5連チャンで飲みつづけです・・弁護士・編集者相手)
私は教師根性の丸出しの男で、普通に生身の人間として触れ合えば、
めちゃくちゃ論文合格のタネになる男だと思います。
私に直接合えば、予備校の10倍は目から鱗が落ちると思います。
(もともと予備校の模範解答や論証を疑うのがこのスレの発生原因ですし)
あーあ、酔っ払ってます。このスレでは伝え切れないことがあるのは確かですので、
ほんとに受かりたくて、品川・横浜まで出てこれる方は、フリーアドレスでもお伝えください。
531 :
河童:2005/11/26(土) 01:03:20 ID:???
あなたのように、本気で司法試験に受かりたい人には自分のノウハウを教えたい。
私はやはり不満だらけになってしまう論述で、あなたは間違った勉強方法をしていると思います。
この論述ができればAだと思いますが、所詮は「運がよくて」合格を狙うレベルの答案だと思います。
10回受けて8〜9回合格を期する答案ではありません。
まず、ご自身でご指摘なさっているように、
>@「重要な証拠の共通」というのが出せていない
>A「非両立なら基本的事実関係が同一」というのが本当に理解できているのか怪しい
>B「X日、Y町のA方、高級時計を5万円で」などの事情がまったく使えていない
>等々の問題点が多数浮かび上がってきます。
です。
特にBについて、実戦でどこまで使えるかわかりませんが、私の勉強した限りでは、
盗品の時計を盗難被害から2日後に所持している人物は、窃盗罪で怪しい人物です。
しかし、盗品の時計を盗難被害から2週間後に所持している人物は、むしろ窃盗罪より、
盗品等罪の犯罪について怪しい人物であって、窃盗罪で怪しい人物ではありません。
(窃盗犯人は、領得物について早急に処分したがるのが人情だし、真理=心理だと思います)
そのような知識をバカにしないでほしいし、自分のものにしてほしいです。
それは試験に出なくても、実務を考える=自分の頭で考える、ということだと思います。
あなたもほんとに浜省と同じで、自分の頭で論証を考えているのか、いまいち疑わしい。
とにかく自分の頭で論証を考えてほしいし、自分で存分に勉強して自分の論証を練り込んでほしい。
532 :
河童:2005/11/26(土) 01:23:46 ID:???
いろいろ講評を書いていたのですが、ダメです(全部消しました)。酔っ払いです。
あなたの論述はすごくよく考えられている論述にも思えてきました・・。
とにかく私が言いたいのは、常に予備校(参考書)の模範解答と論証を疑い、
自分自身を納得させらる答案・論証をつくってください、ってことです。
自分自身を納得させられない答案や論証では、100%受かるレベルまではいきつきませんから
自分自身を納得させられる答案や論証を目指して勉強してください。
533 :
浜省:2005/11/26(土) 14:51:07 ID:???
( ´,_ゝ`) ちょいかたぶりに覗きにきたよ
チャリン ( O┬O
チャリン ◎-ヽJ┴◎
>522さん
リアル世界で河童に個人レクチャーを受けた者の責務(報恩?)として
書かせてもらいます。
目からウロコ?真実です。説明も分かりやすいし。
俺は今、河童の極意を念頭に刑訴過去問をあらためて検討しはじめました。
河童が直接会って教えたいというのは、文章だけでは伝えにくい・書くのが大変
というところがあるからです。それにしても想定の範囲を超えて親切でいい男
ですよ、河童は。
不快に思われたら非常に申し訳ないが、河童のレクチャーを受けた後だと、
俺の答案は貴君の答案の要約に近いと感じます。つまり、俺の答案をもう少し
丁寧に書けば、貴君のような答案になる感じでしょうか。
そして、俺の上記答案は結局予備校答案の論証を切り貼り・勝手に短縮したもので
構成されてます。これは答案暗記型・めんどくさがりやの最たる手段ですかね。
あてはめ等では自分の言葉を散りばめて誤魔化してはいますが、
論証は借り物で、まあこんな感じじゃないの?こっちの方が覚えやすいよな、
と折り合いとつけて済ませてきました。
河童が酔っぱらいながらも「浜省と同じで」と感じたのは、「運がよくて」受かった
のではない実力者が読んで、結局は答案から同じ匂いがしたからではないでしょうか。
もっとも、同時に「すごくよく考えられている論述にも思えてきました」と
あるので実際は分かりませんがw 酔っ払ってないときに読んで貰ったほうが
いいかも・・・それで真実「運」の要素に左右されない答案なら、前以て非礼を
お詫びしておきます。
と同時に俺も河童の極意についての理解がまだ足りてないことに・・・うっ。
534 :
522:2005/11/26(土) 21:17:19 ID:???
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ レスさんくすだお!
ヽ 〈
ヽヽ_)
>>河童タソ
致酔性・依存性を有する飲料を摂取しながらもコメント頂きありがとうございます(笑
事務所の説明会や就活で毎日がとても忙しい時期に受験生の相手をして頂いて感謝します。
連絡方法を、と言っておられたのでメアドです
[email protected] 当方は杉並在住ですので品川でしたら余裕であります。
折を見て連絡を頂ければ、と思います。
>>浜省タソ
元々講評を頂戴したくてうpしているので不快に思うかも、等はお気になさらないで結構ですよ。
私の論述も基本的に伊藤塾の論述をもとにして、理由付けの不備や論理展開の舌足らずなところを
学者本や判例の言葉で補ってるものですので論証臭さは抜けきれていないと自覚しております。
自分なりの論証と答案の極意は日々暗中模索しているところであります。
極意・・・掴みたいですなぁ。
>>520,521
も者は、
こりん星に住んでいるんだ こりん・・・と
∧_∧ !!
∧_∧Σ(´<_` illl) (この三十路オサーンが!!!)
( ´_ゝ`) / ⌒i
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
536 :
522:2005/11/26(土) 22:37:55 ID:???
引き続き本日書きました刑訴平成3年2問もうpさせて頂きます。
御手すきの方がいらっしゃれば講評していただければ幸いです。
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ 問題文だお!
ヽ 〈
ヽヽ_)
甲は、「乙が、X日、Y宝石店から貴金属を窃取した際、同店前で見張りをして
乙の犯行を幇助した」との事実により起訴された。
次の場合において裁判所は訴因変更を許可することができるか。
1、検察官が、本件訴因を、乙との窃盗の共同正犯の訴因に変更請求した場合
2、検察官が、1の共同正犯の訴因に加え、Y宝石店への建造物侵入の訴因を
追加請求した場合
3、仮に、1の共同正犯の訴因変更請求が認められたとして、更にその訴因を
「同日ころ、乙が窃取した貴金属を買い受けて贓物を故買した。との訴因に
変更請求した場合
いちおう補足
こりん星・・・小倉優子が生まれ育ったと自称する星(たぶん)
538 :
522:2005/11/26(土) 22:38:28 ID:???
一、 小問1について
裁判所が本問訴因変更請求を許可することができるためには甲の窃盗幇助
(刑法62条1項、235条)の訴因と窃盗の共同正犯(同60条、235条)の訴因が
「公訴事実の同一性」の範囲内にあることが必要である(312条1項)。
そこで「公訴事実の同一性」の判断基準が問題となる。
1、この点、「公訴事実の同一性」は被告人の防御権を確保するという
訴因制度の趣旨を害さない限度で、訴訟の一回的解決の便宜を図る事を
目的とする訴因変更制度の限界を画するための概念である。
そこで、訴訟の一回的解決が図れるとともに被告人の防御を害さない
場合に、すなわち、新旧両訴因の基本的事実関係が同一である場合に
「公訴事実の同一性」が認められると考える。
そして、新旧両訴因事実の日時場所等が近接類似し両事実が両立し得ない
関係にあれば社会的に一つの事実しか存在しないといえるので、両事実の
近接類似性及び非両立性で基本的事実関係の同一性を判断すべきである。
2、本問では、甲の窃盗幇助の訴因事実と窃盗の共同正犯の訴因事実は
X日にY宝石店から貴金属を窃取するという同一日時の同一場所における
同一物を被害物とする事実として近接類似性が認められる。
また、両事実は正犯を実行行為以外の方法で幇助する者と正犯となる者
として犯罪への関与形態が異なるため、一方が成立する場合には他方は
成立し得ないのであるから両事実には非両立性が認められ社会的には一つの
事実しか存在しないとして基本的事実関係の同一性が認められる。
3、したがって、両訴因は「公訴事実の同一性」の範囲内にあるので
裁判所は訴因変更請求を許可することができる。
539 :
522:2005/11/26(土) 22:38:58 ID:???
二、 小問2について
裁判所が窃盗の共同正犯の訴因に加えて建造物侵入(刑法130条前段)の訴因の
追加請求を許可することができるためには両訴因が「公訴事実の同一性」の
範囲内にあることが必要であり、両訴因事実が両立し得るときには両訴因事実の
基本的事実関係に同一性が認められるためには両訴因に公訴事実の単一性が
認められることが必要である。
なぜなら、両訴因に単一性が認められれば社会的には一つの事実と評価
し得るからである。
1、この点、公訴事実の単一性は実体法上の一罪の場合に認められるところ、
本問の甲のX日のY宝石店における窃盗の共同正犯と建造物侵入は牽連犯
(刑法54条1項後段)となり科刑上一罪であるので実体法上の一罪にあたり
公訴事実の単一性が認められる。
2、したがって、基本的事実関係の同一性が認められ両訴因は「公訴事実の
同一性」の範囲内にあるので裁判所は訴因変更請求を許可することができる。
三、 小問3について
裁判所が窃盗幇助の訴因から窃盗の共同正犯の訴因に訴因変更した後に
更に検察官が盗品等罪(刑法256条2項前段)への訴因変更請求をしてきたときに
これを許可することができるためには@窃盗の共同正犯から盗品等罪への訴因変更
が可能でありA訴因変更の限界にあたらず訴因変更が許されることが必要である。
1、ではまず、窃盗の共同正犯から盗品等罪への訴因変更が可能か(@)。
(1) この点、前述のように両訴因事実が非両立の関係にあれば基本的事実関係の
同一性が認められ「公訴事実の同一性」の範囲内にあることとなるので
訴因変更が可能である。
(2) 本問の窃盗の共同正犯と盗品等罪はX日のY宝石店における貴金属という
同一物を対象とする限り窃盗の本犯者は盗品等罪については不可罰的事後行為
となるので、両訴因事実は非両立の関係にあり基本的事実関係の同一性が
認められる。
(3) したがって、「公訴事実の同一性」の範囲内にあり訴因変更が可能である。
540 :
522:2005/11/26(土) 22:40:03 ID:???
2、もっとも、当初訴因である窃盗幇助と新訴因である盗品等罪は併合罪(刑法45条前段)
であるので両訴因事実は両立し得る関係にあり、かつ実体法上の一罪ではないので
公訴事実の単一性が認められず基本的事実関係の同一性が認められないことから
「公訴事実の同一性」の範囲内になく訴因変更が許されない関係にある。
それにもかかわらず間に窃盗の共同正犯という訴因を介在させることで結果的に
窃盗幇助から盗品等罪への訴因変更を許してしまって良いのか。
訴因変更の限界が存在するのか、明文なく問題となる(A)。
(1) この点、確かに訴因の設定変更は当事者たる検察官の専権であり(256条3項、
257条、312条1項)審判対象は検察官の主張する具体的事実たる訴因なのであるから、
訴因変更の可否も審判対象たる現訴因を基準に判断すべきであり当初訴因を
基準とした訴因変更の限界は存在しないとも思える。
しかし、中間訴因を介在させることで訴因変更が無限に可能となることと
なってしまっては、それに伴い防御の対象を変更することを余儀なくされる
被告人が被る不利益は計り知れないから、被告人の防御の確保という訴因制度の
趣旨に反することとなり妥当でない。
そこで、訴因変更には原則として限界はなく検察官は現訴因を基準に判断して
要件を満たす限りは自由に訴因変更請求をなし得るものの、例外的に被告人に防御の
準備の期間(312条4項)を与えたとしても被告人の防御に実質的な不利益を生じ
させてしまうときは、当該訴因変更請求は権利の濫用(規則1条2項)として
許されなくなるという限界が存在すると考える。
541 :
522:2005/11/26(土) 22:40:42 ID:???
(2) 本問では、X日にY宝石店から窃取された貴金属についての窃盗幇助及び
窃盗の共同正犯、盗品等罪であれば被告人は当該貴金属の所持について正当な
方法で入手し正当な権原を有することを証明できれば良いのであるから、
かかる訴因変更がなされたとしても被告人に防御の準備の時間を与えれば足り、
被告人の防御に実質的な不利益は生じない。
(3) したがって、訴因変更の限界にあたらず本問訴因変更は許される。
3、よって、裁判所は訴因変更請求を許可することができる。
以上。
ついに真面目に勉強している人の邪魔を・・・ orz
522タソ スマソ
543 :
氏名黙秘:2005/11/26(土) 22:51:00 ID:???
本問は「公訴事実の同一性」を狭義の同一性と単一性に二分せず
狭義の同一性判断の中で単一性を用いるような書き方をしてみました。
(石丸先生の「刑事訴訟の実務」の中にそんな感じの記述があったような)
そのせいで小問1の規範と小問2の冒頭が矛盾しているようにも感じられて
しまうかもしれません。(自分でもちょっと怪しいと思ってる)
試しに狭義の同一性と単一性に二分する書き方にしてみたやつもうpしてみますので
そこを差し替えてお読み下さい。
ただ、自分で書いていて判例のように「基本的事実の同一性」で判断するはずなのに
(ということは非両立性は同一性判断の一環として用いるはず・・・)平野説のように
最初の段階で両立・非両立で分けて狭義の同一性・単一性の話としているのが
変な感じがしました。
もしかしたらコレも変な展開になってしまっているかもしれません(汗
544 :
522:2005/11/26(土) 23:06:56 ID:???
一、の1、をコレに差し替えてください。
1、この点、被告人の防御権を確保するという訴因制度の趣旨を害さない限度で、
訴訟の一回的解決の便宜を図る事を目的とする訴因変更制度の限界を画する
ための概念である「公訴事実の同一性」は更に狭義の公訴事実の同一性と
公訴事実の単一性に分けて判断すべきである。
すなわち、新旧両訴因が両立し得ない関係にあるときは両訴因事実の日時場所が
近接類似していれば基本的事実関係が同一であるからいずれか一つの事実しか存在
し得ないという狭義の公訴事実の同一性の問題となり、両立し得る関係にあるときでも
両訴因事実が実体法上一罪の関係にあれば社会的事実としては一つであり刑罰権も
一つしか発生しないという公訴事実の単一性の問題となる。
545 :
522:2005/11/26(土) 23:07:26 ID:???
二、をコレに差し替えてください。
裁判所が窃盗の共同正犯の訴因に加えて建造物侵入(刑法130条前段)の訴因の
追加請求を許可することができるためには両訴因が「公訴事実の同一性」の
範囲内にあることが必要である。
1、そこで前述の基準で判断する。
2、本問では、甲のX日におけるY宝石店での窃盗の共同正犯と建造物侵入は
両立し得る関係にあり、両罪は牽連犯となるので実体法上一罪の関係にあり
公訴事実の単一性が認められ社会的事実としては一つであると評価できる。
3、したがって、両訴因は「公訴事実の同一性」の範囲内にあるので
裁判所は訴因変更請求を許可することができる。
546 :
522:2005/11/26(土) 23:11:20 ID:???
>>542
あ!
もタソ初めまして、こんばんは。
ドラスレいつも楽しませて頂いております。
なかなか書込みがなかったのに被るとは、偶然ですね♪
547 :
浜省:2005/11/27(日) 00:21:05 ID:???
ども。ちょうど刑訴過去問をやってるので、522さんに乗っかってw
同じ問題で考えた論証をちょっと晒してみます。
自分の言葉で書こうとすると、どうしても稚拙な感じがする・・・
まだ基礎知識不足なんでしょうが・・・うまく書けてるか、甚だ疑問。
同問題では、俺は総論を置いたのでそれを晒してみます。
河童の極意を念頭に、唸りながら考えたんですが、なかなかどうして大変です。
548 :
浜省:2005/11/27(日) 00:24:09 ID:???
1 本問では各問において検察官が訴因変更請求(312条1項)をしているが、
裁判所はこれらを許可することができるか。
裁判所が訴因変更を許可できるためには新旧両訴因が「公訴事実の同一性を
害しない限度」(312条1項)になければならない。
しかし、その判断基準に関しては条文に明らかではない。
そこで、どのような場合に「公訴事実の同一性を害しない限度」と判断すべきか
問題となる。
(1)そもそも、現行法の採用する当事者主義訴訟構造(256条1項・298条1項等)
においては、審判対象は一方当事者たる検察官が主張する具体的事実たる訴因である。
この訴因には@被告人の防御範囲を明確にする機能およびA裁判所に対して審判対象を
明示する機能がある。
(2)そして、法がこのような訴因につき変更を認めた趣旨は、係属中の訴訟手続において
訴因変更を認めないとすると、紛争の一回的解決の要請・訴訟経済の見地から問題である
ため、これを認める必要性がある点、および、新訴因への変更が被告人の防御に対する
不意打ちにはならず @の機能を害しない場合にはこれを認める許容性がある点にあると解される。
(3)そこで、新訴因と旧訴因とで基本的事実関係が同一である場合に「公訴事実の同一性を
害しない限度」と判断すべきと解する。
そして、その判断にあたっては一方の事実が認められれば他方の事実は認められないという関係
(択一関係)があるかを考慮すべきである。
ただ、択一関係がなくとも、実体法上一罪の関係にある場合(単一性)には、紛争の一回的解決
の要請から「公訴事実の同一性」を認めるべきである。
なんだかなあ・・・俺より522さんの方が実力が上だと思うけどなかなか苦労(失礼w)
してるように、この基準んとこの問題は結構混乱しちゃうわ。
549 :
浜省:2005/11/27(日) 00:25:04 ID:???
っつーか、体裁めちゃくちゃになってる・・・スマソ
550 :
浜省:2005/11/27(日) 00:56:07 ID:???
ん、(2)から(3)に入ったとこがちょっと唐突だ・・・_| ̄|○
551 :
氏名黙秘:2005/11/27(日) 01:18:48 ID:???
どこが?
552 :
浜省:2005/11/27(日) 02:30:15 ID:???
1本問では各問において検察官が訴因変更請求(312条1項)をしているが、
裁判所はこれらを許可することができるか。
裁判所が訴因変更を許可できるためには新旧両訴因が「公訴事実の同一性を
害しない限度」(312条1項)になければならない。
しかし、その判断基準に関しては条文に明らかではない。
そこで、どのような場合に「公訴事実の同一性を害しない限度」と判断すべきか
問題となる。
(1)そもそも、現行法の採用する当事者主義訴訟構造(256条1項・298条1項等)
においては、審判対象は一方当事者たる検察官が主張する具体的事実たる訴因である。
この訴因には@被告人の防御範囲を明確にする機能およびA裁判所に対して審判対象
を明示する機能がある。
(2)この点、検察官は公益の代表者として公訴提起・公判維持の役割を担う
ところ、係属中の訴訟手続において検察官の訴因変更請求を認めないとすると、
紛争の一回的解決の要請・刑罰法令の迅速な実現(1条)を害する。したがって、
訴因変更を認める必要性がある。
しかし、無制限な訴因変更は被告人の防御に不意打ちとなる場合があり、
@の機能を害するおそれがあるため、これを許容することはできない。
そこで、法は許容性の枠組として「公訴事実の同一性を害しない限度」と
設定し、その限度での訴因変更を認める趣旨と解される。
(3)とすれば、新訴因と旧訴因とで基本的事実関係が同一である場合には、
被告人の防御に不意打ちとならないことから「公訴事実の同一性を害しない限度」
と判断できると解する。
そして、その判断にあたっては一方の事実が認められれば他方の事実は認められ
ないという関係(択一関係)があるかを考慮すべきである。
ただ、紛争の一回的解決の要請から、択一関係がなくとも実体法上一罪の関係に
ある場合(単一性)には、「公訴事実の同一性」を認めるべきである。
こんな感じでどうかな・・・
553 :
522:2005/11/27(日) 23:12:21 ID:???
こんばんは。
私の講評は所詮は予備校論証ベースですので軽く聞き流してみてください。
最近は接続詞の流れと理由付けにこだわってるつもりです。
552について講評してみます。
@ 552は(1)から(2)へつながる接続詞が「この点」では流れがおかしいような気がします。
その流れだとしたら「そして」等の方が妥当ではないでしょうか。
(1)から(2)への流れという点では548のような感じで問題がないかと思います。
A 「検察官の訴因変更請求を認めないとすると、紛争の一回的解決の要請・刑罰法令の迅速な実現(1条)を害する」
というように「便宜である。妥当でない。害する。反する。酷である」等を書くときには
なぜそれが「酷だったりする」のかを書くべきかと思います。
今回だと「紛争の一回的解決」の前に「心証事実について有罪を獲得するためには別訴提起によらざるを得なくなり」
と入れたりすれば良いのではないでしょうか。
554 :
522:2005/11/27(日) 23:12:44 ID:???
B これは皆あまり書かなそうですし蛇足な感もありますが「基本的事実関係が同一である場合には、
被告人の防御に不意打ちとならない」ことの理由もできれば示した方が良いのではないでしょうか。
私は平成12年2問では理由を示してみましたが平成3年2問では削ってみました。
>同趣旨に反しない範囲、すなわち新旧両訴因の基本的事実関係が同一な範囲で
>「公訴事実の同一性」が認められ訴因変更が許されると考える。
> なぜなら、基本的事実関係が同一といえれば被告人が予想外の事実を対象とする防御を強いられる
> 不利益を負うこともないし、訴訟の資料も継続利用できるので訴訟経済にも資するからである。
の部分です。
ただ、これはくどい感も否めないと自分でも思います。
採点する方々は規範が挙げられているかのみではなく、こういった規範を出すまでの理由が
書けているかを評価するという噂を聞いたりすると多少くどくても書きたくなってしまいます。
冗長にならないように気をつけないといけないですね(汗
以上ですが、私の書き方だとしつこい感じの文章になってしまう虞もありますので
あまり参考にならない講評かもしれません(失礼しました
555 :
河童?:2005/11/28(月) 00:06:27 ID:???
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ 酒は致死性飲料だお!
ヽ 〈
ヽヽ_)
そろそろ死ぬ・・・,かもな?
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ / ⌒i 禁煙はしてはみたが・・・。
/ \ | | いまのペースだと死ぬぞ,兄者・・・?
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
*直接話すので、アップ当事者はお許しください。
556 :
河童?:2005/11/28(月) 00:15:54 ID:???
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ ネットのし過ぎは禁物だお!
ヽ 〈
ヽヽ_)
*繰り返しになりますが・・。
勉強のやり方がわかったら、ほんとに「自分のため」だけに頑張ってください。
余裕のある合格者が他人のために頑張りますので。
ね・・? Fさん?
557 :
浜省:2005/11/28(月) 00:57:19 ID:???
>522
講評サンクスです。
@「この点」は←次にくる「しかし」と条件反射的につなげて書いてしまう癖が
あるようです。後からは読み返されないことを考えると、論理的にもよくないですね。
接続詞はそれほど重視してませんでしたが、考え直しますm(__)m
Aおっしゃるとおりです。正直言いますと、「なぜそれが」という∵付けのところ
でボロを出すことがちょっと怖いんですね。ここでは、別訴提起の煩までは
考えが及びますが、二重起訴?公訴棄却?とか頭にちらついちゃって
ボロを出すくらいなら端折っちゃおうと・・・基礎知識の正確な理解に自信がない故
ですm(__)m 先は長いなあ・・・。
B講評、本当にタメになります。多少くどくても理由づけの理由づけみたいなことは
示したいですね。俺はどうも思考の過程でまだ借りてきたフレーズに直結させてしまう
癖が抜けないというか、理由づけの理由づけを示すことを意識できるようになってない
と反省しました。あと、一文を短く書こうとする意識が強いのですが、理由づけの理由
づけを入れると長くなりますよね、ここらへん、うまい書き分け方をしたいです。
522さんの論証に対して俺が講評できることはほとんどありません。
内容面でははるかに俺を凌いでるようですので・・・申し訳ないm(__)m
あくまで形式面でですが、強いて言えば、544の論証は一文を
もっと短くして積み上げていった方が読みやすいかも、といった程度の
ことです。その点、接続詞が得意だといいですね。
558 :
浜省:2005/11/28(月) 01:00:56 ID:???
>>河童?(555〜556)
分かりました(笑) 以降、控えます。
ではまた、リアルにて。
その前に死なんでくれよw
559 :
522:2005/11/28(月) 23:29:41 ID:???
>>557 たしかに1文長いですね(汗
2文に分割したりしてみました。
やっぱり短い方が読みやすい気がしますね。dクス。
>>555-556 最近は毎晩ネットやっちゃってます(マズイ
ハ_ハ
やっぱり ('(゚∀゚∩ 控えめにするお!
ヽ 〈
ヽヽ_)
地道に勉強しますね。
560 :
河童?:2005/11/29(火) 12:05:48 ID:???
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ 珍しくシラフだお!
ヽ 〈
ヽヽ_)
(っていうか、このキャラ+語尾のかわいさったらないですね!)
522さん、刑訴の講評は手抜きさせてください。
大変よさそうなので、刑訴に自信のない私ではもはや添削できません。
私が伝えたいのは、今年の商法の新株予約権について、「知識問題だ!」とか、
「改正法出しやがった!」とか、そういう考え方はおかしいということです。
新株発行は昨年も出題されていますし、最重要知識です。
そうであるとすれば、その応用で「資金調達が関係ないなら、株主保護がキーワードだな」
とわかるはずなのです。ついでにいえば、「発行時期」の重要性もわかるはずです。
これは、試験委員ではありませんが、商法で有名な某大学教授に直接聞いたため間違いないと思います。
結局、少しポイントをずらして受験生が商法のキモを理解しているか聞きたかったのでしょう。
また、民訴の「一審と二審の関係を踏まえて」とか「弁論主義と絡めて」という、
最近の1行問題の出題について、このキーワードは単なるヒントだと思ってください。
控訴審における攻撃防御方法の提出について書くのに、控訴審の構造を書かないでいいはずがないのであって、
また同じように、証明責任の機能を論じるのに、弁論主義に触れなくていいはずがないのです。
これをヒントでなく、「さすが本試験! 斬新な視点だ!」とか思ってしまったのなら、
勉強の仕方が間違えていると思ったほうがよいと思います。
561 :
氏名黙秘:2005/11/29(火) 21:29:54 ID:???
_ ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
⊂ ⊂彡
(つ ノ
(ノ
562 :
522:2005/12/05(月) 00:26:05 ID:???
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ ひさしぶりだお!
ヽ 〈
ヽヽ_)
そうなんですよね。
問題文に指定があるのはその分なにを書くべきか教えてくれていて親切なんですよね。
趣旨をもとに条文解釈して基本から解きほぐしていく勉強を心がけてみようと思います。
レスさんくすこでした。
563 :
氏名黙秘:2005/12/10(土) 16:39:13 ID:???
保守
564 :
氏名黙秘:2005/12/11(日) 15:53:41 ID:???
hoshu
565 :
522:2005/12/11(日) 20:00:37 ID:???
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ 一週間ぶりに来ても誰もいないお!
ヽ 〈
ヽヽ_)
566 :
河童:2005/12/12(月) 22:11:46 ID:???
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ みんな頑張って勉強しているんだお!
ヽ 〈
ヽヽ_)
ボクもマルクスから勉強をし直しています!
ボクの好きな、若きマルクスのロマンティックな言葉=文章があります。
「人間を人間として、また世界に対する人間の関係を人間的な関係として前提としてみたまえ。
そうすると、君は愛をただ愛とだけ、信頼を信頼とだけ交換できるのだ」
ボクにはクリスマスに予定がありません。
もし、弟者もクリスマスにご予定がないのでしたら、
どうか弟者の予定のないクリスマスの1日を、
ボクの予定のないクリスマスの1日と交換してください!
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ / ⌒i なにがボクだよ・・・いい年こいて弟相手に告白の練習か?
/ \ | | 当日はどうせ寂しく有馬記念の前日予想だろうがな・・・。
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
*独り者のみなさんに、夢のような聖誕祭を!
*相手がいる人間には、ゾッとするようなそれを!!
568 :
氏名黙秘:2005/12/20(火) 01:21:29 ID:???
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ どんな計画を練っているのぉぉぉ!?
ヽ 〈
ヽヽ_)
569 :
522:2005/12/20(火) 12:21:48 ID:???
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ 河童タソには今年書いた民訴の答案8通を
ヽ 〈 プレゼントするお!
ヽヽ_) 答案指導とプレゼント交換だお。
当日までに何も予定が入らなかった場合には私まで御一報どうぞ(笑
570 :
河童:2005/12/20(火) 18:21:50 ID:???
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ 民訴は自信あるお!
ヽ 〈 でも、522タンの提案はなんだかおかしいお!
ヽヽ_)
*答案の添削はお断りです(時間ばかり食って成果が乏しい)が、
答案指導ならしますよ。クリスマスのお誘いはお断りさせていただきます(笑
571 :
522:2005/12/21(水) 08:30:23 ID:???
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ やっぱおかしいのがバレたお!
ヽ 〈
ヽヽ_)
浜省氏も絶賛する河童タソの答案指導、興味津々であります。
品川でしたら行けますので折を見てメアドに連絡でも頂ければ、と思います。
[email protected] ←来年に向け取得したメアドです。
572 :
河童:2005/12/21(水) 12:42:25 ID:???
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ クリスマスの予定もできてご機嫌だお!
ヽ 〈
ヽヽ_)
あれれ?
ボクはだいぶ前に
[email protected]に一度メールしましたよ。
試してみたら、いまは改めてできないようですので、新年明けてから連絡します。
573 :
河童:2006/01/06(金) 11:18:40 ID:???
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ 明けおめだお!
ヽ 〈 年末から熱を出して、全然めでたくないお!!
ヽヽ_)
574 :
氏名黙秘:2006/01/08(日) 00:14:54 ID:???
w
575 :
受験者:2006/01/17(火) 12:35:40 ID:1L4tDSnJ
576 :
カッパ:2006/01/20(金) 02:33:01 ID:???
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ Xmasのあのコは・・だけど、かわいいあのコと同じ研修地だお!
ヽ 〈 同士たちも択一を軽視せず勉強頑張ってくれお!!
ヽヽ_)
*みなとのヨーコ横浜横須賀ぁ〜♪
>>576 何やら浮かれているご様子ですが,
実務修習地では,漏れが河童者の指導を担当するかも知れませんよ・・・っと。
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ`) / ⌒i ・・・世も末だな,兄者。
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
578 :
気象予想士:2006/01/25(水) 19:33:53 ID:???
河童者はこの板の住人とはみんな直接の連絡手段を持って利用しているので、
この板も用なしだが、住人が合格を報告する板としてとっておきますよ・・・っと。
(も者もマジで頑張れ!)
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ`) / ⌒i ・・・上に一人だけ会ってもわからない香具師がいるような。
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
579 :
522:2006/01/26(木) 00:35:29 ID:???
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ のぞいてみたお!
ヽ 〈
ヽヽ_)
8ヶ月ぶりに択一解いたら完璧に解き方を忘れてて酷い目に遭ったお。
短答オープソ1回目 8-14- 8=30 (゚Д゚ )ポカーン
短答オープソ2回目16-13-16=45 (゚*゚) アナルー
短答オープソ3回目16-17-18=51 (・ω・) ホッ
択一と論文のリンクした勉強というのが実践できているのか怪しいものだけれど、心がけてはいますよ・・・っと。
580 :
さごじょう:2006/02/03(金) 17:49:22 ID:???
河童さん、ご無沙汰しております。
当時は522さん同様、数字の名前だったので覚えていらっしゃらないと思いますが、
2004の論文試験主観客観で、いろいろお世話になった者です。
河童さん、最終合格されたのですね。おめでとうございます。
しかしこういうスレはそのときのと同様深く静かに潜行していたのですね。
このスレを見つけられたこと、そして河童さんに祝辞を述べられたことを嬉しく思います。
ところで僕はまた今年を目指すのですが、
河童さんの「自分の納得のいく論証」にこだわる姿勢はそのときから感銘を受けていました。
僕も今後過去問答案をアップしていきたいと思いますので、よろしくご指導お願いします。
581 :
522:2006/02/03(金) 23:39:15 ID:???
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ あげるお!
ヽ 〈
ヽヽ_)
河童氏にはお世話になってます。
今夜は友人に誘われるままに私も焼肉を食しました。
582 :
かっぱっぱ:2006/02/04(土) 01:12:00 ID:???
さごじょうさん!
522に今日(昨日)、「法律」・「論文」について教育してきました。
自分でいうのもなんですが「サービス」ではおかしいくらいのデキで「教育」していると思っています。
(だから、522もお世話になっているとコメントしたのでしょう、たぶん・・・)
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ ちゃんと勉強して今週受かれお! 522!
ヽ 〈
ヽヽ_)
さごじょうさんがもし横浜・東京付近に在住であれば、何らかのアドバイスを直接にしたいと思います。
正直、面倒でこのスレではごちゃごちゃ偉そうなことは言えません・・・。
なので、直接のアクセスができればここにメアドでもアップしてください。
ボクは、真剣に司法試験を合格したい人のどこまでも味方のつもりです。
583 :
かっぱっぱ:2006/02/04(土) 01:17:14 ID:???
522、今年受かれだった。今週は受からないよね。出願忘れないように。
さごじょうさん、ボクが自分なりにつくった模範答案が一科目100通くらいあるので、
直接会えなくても(会わないとあまり意味がないと思いますが)、
ワードのデータだけでもあげたいと思うので、できればメアドでも教えてください。
584 :
さごじょう:2006/02/04(土) 21:18:44 ID:???
585 :
浜省:2006/02/06(月) 11:23:23 ID:UJLsKq4a
[昭和59年−71] 正誤問題
2.甲が乙所有の不動産を何らの権限なく自己の名において丙に
譲り渡す旨の契約を締結した場合には,乙がこれを追認したときでも,
その契約は,乙について効力を生じない。
論文でその思考過程を追うとすると。
(1) まず、甲の行為に無権代理(113条)は成立しない。
甲は何らの権限もないことから、「代理権を有しない者」
に当たるが、99条の「本人のためにすることを示して」
契約を締結したわけではなく、「他人の代理人としてした契約」
という要件を充たさないからである。
(2) もっとも、甲の行為は他人物売買(560条)にあたる。
すなわち、本問契約の売主である甲は、乙所有の不動産という
「他人の権利を売買の目的」としていることから、乙所有の
不動産を取得して」これを丙に「移転する義務を負う」。
586 :
浜省:2006/02/06(月) 11:24:36 ID:???
(3) ただ、本問では、不動産の所有者である乙が甲丙間の契約
を追認している。
この点、無権代理における追認(116条)の場合と異なり、
他人物売買における追認の規定はない以上、乙が追認しても、
契約当事者は甲丙であるから、乙に効力は生じないのが原則である。
しかし、乙・丙の利益状況を考えると、乙は本問契約を追認
しているので乙に効力を生じさせても乙に不利益は生じない。
他方、丙としても本問売買契約の意思表示をした以上、その効果
として不動産を取得したいであろうから、561条で売主の担保
責任を追及するよりは、追認によって乙に効力を生じさせること
が丙の合理的意思に合致するであろう。
(4) そこで、甲丙間の他人物売買契約につき、乙の追認に効力
を生じさせることができないか、その法律構成を検討する。
この点、無権代理における追認規定(116条)は、113条
の無権代理を基礎とするものであるから、「他人の代理人として
した契約」ではない他人物売買の場合には直接適用できない。
もっとも、前述の利益状況は、まさしく無権代理の場合と類似
していることから、他人物売買についても類推の基礎がある。
そこで、甲丙間の他人物売買契約について、116条を類推
適用し、乙の追認によって乙に効力が生じると解する。
本当にすいません、あげてしまいましたm(__)m
587 :
さごじょう:2006/02/06(月) 13:45:26 ID:???
これを僕が書くすると、(1)は(3)以降に組み込むと思います。
522さんの論証をそのまま生かして書くと以下のとおりではないでしょうか?
(1) まず、甲の行為は他人物売買(560条)にあたる。
すなわち、本問契約の売主である甲は、乙所有の不動産という
「他人の権利を売買の目的」としていることから、乙所有の
不動産を取得して」これを丙に「移転する義務を負う」。
(2) もっとも、本問では、不動産の所有者である乙が甲丙間の契約
を追認している。
この点、無権代理における追認(116条)の場合と異なり、
他人物売買における追認の規定はない以上、乙が追認しても、
契約当事者は甲丙であるから、乙に効力は生じないのが原則である。
しかし、乙・丙の利益状況を考えると、乙は本問契約を追認
しているので乙に効力を生じさせても乙に不利益は生じない。
他方、丙としても本問売買契約の意思表示をした以上、その効果
として不動産を取得したいであろうから、561条で売主の担保
責任を追及するよりは、追認によって乙に効力を生じさせること
が丙の合理的意思に合致するであろう。
(3) そこで甲の行為を無権代理(113条)に類似するものとして
甲丙間の他人物売買契約につき、乙の追認に効力
を生じさせることができないか、その法律構成を検討する。
この点、無権代理における追認規定(116条)は、113条
の無権代理を基礎とするものであるから、「他人の代理人として
した契約」ではない他人物売買の場合には直接適用できない。
もっとも、前述の利益状況は、まさしく無権代理の場合と類似
していることから、他人物売買についても類推の基礎がある。
そこで、甲丙間の他人物売買契約について、116条を類推
適用し、乙の追認によって乙に効力が生じると解する。
588 :
さごじょう:2006/02/06(月) 13:46:06 ID:???
しかし、そもそも僕は以上のような考え方には疑問があります。
560条が他人物売買を有効と規定するのは
転売を当初から念頭において、この者が本来の所有者から
目的物の所有権を取得することを想定してるはずだからです。
とすれば、まず乙の追認は、新たな甲乙間の売買契約の成立であり
甲丙間の売買契約も円滑に履行される。とするのが原則だと思います。
しかし、このような考え方は迂遠に過ぎ
乙に直接効力を生じさせる方が、当事者の意思に合致すると考えれるから
無権代理構成を準用して、追認を認める。
こういう論述がどこかで必要だと思うのです。
そして僕がスッキリしていないのは結論なのですが
乙の追認は、乙丙間に売買契約を成立させるものなのか
という点なのです。
うむ・・・さごじょうさんの登場により、久しぶりに法学ファンを見た気がします。
ボクがいう法学ファンは、人間評価的にはプラスで、司法試験的にはマイナスの人です。
ボクは法律の本質についての理解や探求心はさごじょうさんに遠く及ばない気がします。
>まず乙の追認は、新たな甲乙間の売買契約の成立であり
>甲丙間の売買契約も円滑に履行される。とするのが原則だと思います。
>しかし、このような考え方は迂遠に過ぎ
>乙に直接効力を生じさせる方が、当事者の意思に合致すると考えれるから
>無権代理構成を準用して、追認を認める。
>得こういう論述がどこかで必要だと思うのです。
これは疑問です。さごじょうさんのいう当事者の意思の「当事者」は誰なのか?
自ら「追認」をしようとする乙の合理的意思に合致するのは間違いありませんが、
自ら無権限を知って自己の名で売却した場合の甲はもちろん、
仮に契約後に売買目的物が値下がりして、もはや売買契約を有効としたくない丙がいた場合、
追認の効力を認めることは、必ずしも甲・丙の合理的意思に合致しないはずです。
>そして僕がスッキリしていないのは結論なのですが
>乙の追認は、乙丙間に売買契約を成立させるものなのか
>という点なのです。
この点については、上記とリンクするのですが、
(なお、浜省氏には昼前にメールした内容と同様になりますが)
ボクも契約の当事者に乙がなるとは必ずしも思いません。
なぜなら、無権代理の場合はそもそも「乙代理人甲」として契約していますので、
当事者が「本人」たる乙になるとしてもいいと思いますが、
本問のようなケースでは、契約当事者でない名もなき「乙」が追認をしただけで、
当事者になるというのはおかしいと思うのです。(効果帰属は妥当な結論でしょうが)
契約の当事者でなくても法律効果が帰属するということは、
単独行為や第三者のための契約でもあることですしね。
ま、浜省氏にもメールしたことですが、深く考え過ぎないところは考え過ぎないでください。
判例も深く理論を突き詰めていないのですから・・・。
591 :
さごじょう:2006/02/07(火) 12:46:06 ID:???
>さごじょうさんのいう当事者の意思の「当事者」は誰なのか?
自ら「追認」をしようとする乙の合理的意思に合致するのは間違いありませんが、
自ら無権限を知って自己の名で売却した場合の甲はもちろん、
仮に契約後に売買目的物が値下がりして、もはや売買契約を有効としたくない丙がいた場合、
追認の効力を認めることは、必ずしも甲・丙の合理的意思に合致しないはずです。
ここでは舌足らずになりましたが、乙丙のことです。
無権代理と構成する以上、甲はもはや契約の外にいる(せいぜい代理人)はずだからです。
しかし河童さんがおっしゃるように、甲の合理的意思に合致しないはずです。
例えば甲は100万円で丙に売る契約をしておいて、乙から90万円で目的物を買うつもりだったという場合が他人物売買の典型例だと思いますが、乙丙で直接の契約成立となると、
乙にしてみれば甲に売るより高値で売れて、丙としても「甲をはずして甲より高く買ってやったんだから、2万円くらいキックバックよこせ」と言えれば、乙丙は万々歳でしょう。
やはり、甲乙・乙丙の両方の売買が成立しないと、仲間はずれにされた甲にのみ不利益が生じ、不公平なはずなのです。あえて無権代理構成をフォローしようとすると、上に書いたような舌足らずな論証になってしまうのです。
まあ、僕の考えはおくとして、判例のこの「乙に効果が帰属する」という考えでいくと、この例の場合、乙はいくらで誰に目的物を売ることになるのでしょう?
592 :
河童:2006/02/07(火) 12:46:50 ID:???
*みなさん、ネットであまり時間を消費し過ぎないようにしてください。
*久しぶりにシラフで、主としてさごじょうさんに書きます。
*書き捨てなので、ヘタクソですがお許しを。
司法試験論文において、どのように問題提起をするかや、
どの程度の考え方(上記問題の場合、「無権代理」と考えること・
あるいは批判の対象とする反対説の論述等)を基準とするか、
ということについて、ボクの考え方は以下の通りです。
一緒に司法試験を受けているライバル一般の、もっといえば金太郎飴的予備校答案の、
更にはかつての法律に対する理解が浅過ぎた頃の自分の、きっと書くであろう法律構成や、
要件の解釈、価値判断、妥当と思える結論を基準として、批判の対象とするのです。
多くの受験生の答案は「正しくない」・あるいは「説得的でない」のです。
例えば、昨年の刑法1論文問題で、加工者である丙(?)に「当然致死帰責すること」や、
未遂の教唆者たる乙(?)を形式的な理論だけで「不可罰とすること」は、
たぶん「正しくない」し、絶対に「説得的でない」。
少なくとも、説得的に「当然致死帰責した」人や、
理屈だけこねて説得的に「不可罰とした」人は見たことがありません。
そこで、私はその「説得的でない」人たちを基準にして(意識して)、
責任主義・不当な可罰範囲の拡大防止や法益保護の要請という実質的理由を全面に押し出しました。
いわば、反対説を学者の説でなく、理解の浅い・自分の頭で考えていない受験生の答案にしたのです。
これはほんとに有効だったと思います。
理解の浅かった頃の自分をやっつける答案というのは、説や理由付け・結論を変更した、
自分自身を納得させる過程を書けばいいだけですしね。
このやり方をマスターするためには、本番の現場で多くの人が書くことを
予想しなければなりませんが、経験則からこれは簡単なはずです。
・・・まだ言い足りませんが時間です。中途半端な書き捨てですいません。
593 :
さごじょう:2006/02/07(火) 13:39:54 ID:???
>理解の浅い・自分の頭で考えていない受験生の答案にしたのです。
これはほんとに有効だったと思います。
これは説得的ですね。
*みなさん、ネットであまり時間を消費し過ぎないようにしてください。
実は他人物売買は僕にとって、民法における最大の疑問点だったのです。
例えば、2重売買ではなぜ他人物売買と言わないんですかね。
この質問を最後に仕事に戻りますので、よろしくお願いしますm(_ _)m
>例えば、2重売買ではなぜ他人物売買と言わないんですかね。
考え過ぎ。考え過ぎ。
強いていうなら、177条・178条があるので他人物売買と言わないんでしょうね。
不完全物権変動説とかの考えもこのへんと関連しているのでは?
ま、いずれにしても学者さんが考えればいいことは学者さんに任せてください。
どこまで書けばいいか、自分でよく考えてください。
「凡百の受験生を基準とせよ」(とボクの「論文の心得」には書いてありました)
595 :
氏名黙秘:2006/02/08(水) 17:31:12 ID:???
ほお
てす
597 :
氏名黙秘:2006/02/09(木) 00:53:14 ID:???
いいな。ここ。
598 :
河童:2006/02/09(木) 18:40:28 ID:???
>浜省
添削が遅れましたが、まだおかしいですよ。
以下のように主観から入らないで、客観から入ってください。
(最初から、「無権代理にあたらない」、など書く必要はないのです。
要件が足りないのは116条の類推の検討のときに書けるのですからね)
本問では甲丙を当事者とする他人物売買(560条)であり、当事者でない乙が追認したところで
甲丙間の契約の効果が乙に帰属することがないのが原則である。
そして、甲に顕名(99条)のない本問では116条を直接適用することはできない。
もっとも、本問の場面では116条と利益状況が類似しており、乙の追認により法律効果を乙に帰属させても
不当に不利益を被る者がいないことも116条の場合と同様である。
そうであるとすれば116条の類推適用により、乙の追認によって契約の効果は乙に帰属するとしてよいと解する。
(判例の結論に同旨)
こんな感じですかね。みんな頑張ってください!
599 :
さごじょう:2006/02/10(金) 23:48:49 ID:???
>>例えば、2重売買ではなぜ他人物売買と言わないんですかね。
>考え過ぎ。考え過ぎ。
強いていうなら、177条・178条があるので他人物売買と言わないんでしょうね。
不完全物権変動説とかの考えもこのへんと関連しているのでは?
ええ?これも考えすぎなんですか?
とにかく民法は原則論をどこから始めるのかで悩んでます。
600 :
氏名黙秘:2006/02/11(土) 10:30:24 ID:???
600
601 :
河童:2006/02/11(土) 20:04:05 ID:???
>599
そういわれると、私も同じ悩みを長いこともっていましたね。
(シラフで思い出してみると・・・)
それで、177条と178条があるので他人物売買といわないのだと、
どこかで見て納得した記憶があります。
しかし、第1譲渡から10年後に二重譲渡した場合、もはや二重譲渡でなく、
他人物売買なんじゃないのか?とかも思いましたけどね。
とにかく、その疑問を抱くのは、基本を大事にして結論を丸呑みにしていない証拠で、
スジのいい疑問だと思いますけども、択一も厳しいのでほどほどに・・。
勉強が進めば答えの見えてくる長年の疑問もあります。
602 :
気象予想士:2006/02/11(土) 22:16:14 ID:???
論文を教える相手に、一人くらい美人の女性がいてもよさそうなものだが。
そしたら、親身に手取り足取り・・・
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ`) / ⌒i ・・・ついに本音が出たな、兄者。
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__(__ニつ/ FMV / .| .|____
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*男はせめて合格して喜ばせてくれ(笑)
>>602 司法美人よりも,スッチーと合コンですよ・・・っと。
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ`) / ⌒i 経験者は語る,か。
/ \ | | 流石は合格者だな,兄者。
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__(__ニつ/ FMV / .| .|____
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まぁ,漏れは,スッチー合コンには呼ばれなかったわけだが・・・。
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ / ⌒i 事務員タンとばかり合コンしてたよな,兄者・・・。
/ \ | | (しかも,実りが無かったなんて言えないなぁ・・・。)
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604 :
気象予想士:2006/02/15(水) 23:09:26 ID:???
>>603 いまだにスッチー神話って生きてるんですか・・・っと。
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ`) / ⌒i プッ 吉永さゆり世代までじゃないか?
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なにせ昨今の飛行機業界ときたら値下げ競争・不祥事・内紛・原油高等々と、
厳しい現実に直面しているしな・・・。
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ / ⌒i 数の増える弁護士業界も他人事とは言えんだろ。
/ \ | | (上の人も競走馬ならぬ馬車馬のように働かされているらしいし)
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605 :
522:2006/02/20(月) 23:30:23 ID:???
/⌒ヽ
/ ´_ゝ`) おちそうだったのでageますよ
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U .U
606 :
氏名黙秘:
>>601 二重売買の場合はあなたがいっているように不完全な物権の変動しか生じていないから、
所有権は完全には移転しておらず、「所有権らしきもの」が残っている。
したがって、二重売買の売主も「他人物」の売主ではなく、自己所有物の売主にあたる。
意思主義を採用し、意思表示のみによって物権が移転するとされるのと矛盾するのではな
いかとも思われるが(現に矛盾するのだが)、登記を対抗要件としたことと考え合わせて
不完全な物権の変動なるものを観念することになる。
理論的にはあまり説明し切れていないのだが、適当な理論がないので仕方がない。
このあたりをついて近江を代表とする物権変動には「物権行為」を要するとする見解から
批判を受けるのである。
ただ、あまり深く考える必要がないのはその通りだね。