1 :
氏名黙秘 :
03/11/19 14:40 ID:BlbhbmiV 自分の作った論証を晒し、みなさまの批判を受けつつ、 メンテナンスしていこうというスレです。
2 :
氏名黙秘 :03/11/19 14:41 ID:???
いいね
3 :
1 :03/11/19 14:47 ID:BlbhbmiV
それでは、言いだしっぺの私から。 担保目的物の売却代金への物上代位の論証です。 担保目的物売却代金に物上代位(372条・304条1項本文)できるか。304条1項の「其目的物ノ売却」に担保物権の売却が含まれるか否かが問題となる。 この点、抵当権には動産先取特権と異なり遡及効があるので(333条参照)、担保権者の保護としてはこれで十分といえ、売却代金に対する物上代位を認める必要はないとも思える。 しかし、物上代位は、目的物の交換価値が現実化したときにその具体化された交換価値に抵当権の効力を及ぼす制度と解されるところ、担保目的物の売却代金も目的物の交換価値の現実化といえる。 よって、304条1項の「其目的物ノ売却」は担保目的物の売却を含むものと解する。 したがって、抵当権者は売却代金に対して物上代位できると考える。
4 :
氏名黙秘 :03/11/19 14:47 ID:???
面白いね
5 :
氏名黙秘 :03/11/19 14:48 ID:???
遡及効 ←ネタみえみえ
6 :
氏名黙秘 :03/11/19 14:49 ID:???
7 :
1 :03/11/19 14:51 ID:BlbhbmiV
>>5 ここで遡及効という表現は適切ではなかったでしょうか?
過去に答練で書いたときは指摘を受けなかったのですが…。
8 :
氏名黙秘 :03/11/19 15:11 ID:???
抵当権者は抵当不動産の売却代金に対して物上代位権を行使できるか。 思うに、物上代位とは、抵当権とは抵当目的物の交換価値を支配する担保物権であることに鑑み、 抵当目的物の交換価値が現実化した場合に、その価値代表物に抵当権の効力が及ぶことを認める制度である。 そして、抵当目的物の売却代金は抵当目的物の交換価値が現実化した価値代表物と言える。 そうであるならば、抵当目的物の売却代金には抵当権の効力が及び、抵当権者は、これに対して、 物上代位権を行使できると解すべきである。 もっとも、抵当権には動産先取特権と異なり追求効があるので(333条参照)、抵当不動産そのものに 抵当権の効力が及ぶ以上、売却代金に対する物上代位を認める必要はない、との批判もありえる。 しかし、……であることから、このような批判は当たらないと考える。
9 :
氏名黙秘 :03/11/19 15:17 ID:BM/l+9+H
今まで何度もこういうスレがたったが すぐに消えていった・・ 論証をこんなところで完成させようという時点で 終わってるし、 他人の論証を採点してやるような奇特な馬鹿は そんなにはいない。 合格者はそもそも忙しい。 というわけで・・ チーン!
10 :
1 :03/11/19 15:18 ID:???
うわー!遡及効じゃなく追求効だった!ずっと勘違いしてました! 答練でも読み流されてたんだろうか…。
11 :
氏名黙秘 :03/11/19 15:35 ID:???
「其目的物ノ売却、賃貸(略)金銭其他ノ物」に売却代金が含まれるか問題となる。 この点、物上代位の趣旨は、目的物の価値が現実化した場合に、その現実化した価値に抵当権の効力を及ぼして、 抵当権者を保護することにある。 かかる趣旨に鑑みれば、「略」には売却代金が含まれると解する。売却代金は、目的物の価値の現実化したものといえるし、 効力を及ぼすことが抵当権者の保護になるからである。 趣旨からすると、こんな感じ?条文の解釈がないから駄目か。
12 :
氏名黙秘 :03/11/19 16:43 ID:???
11の論証は駄目だね。どうしてこれが問題となるのかが、これじゃ分からん。
13 :
氏名黙秘 :03/11/19 17:22 ID:???
>>12 売却代金は物上代位の対象たりうるか。「其目的物ノ売却、賃貸(略)金銭其他ノ物」に売却代金が含まれるか問題となる。
14 :
氏名黙秘 :03/11/19 17:27 ID:???
>>13 304条をそのまま読んだら、売却代金に物上代位できるようみ読めるじゃん。
にもかかわらず、物上代位できないとする見解があるでしょ。これらの学説の
分かれ目はどこにあるのか?ってことだよ。
15 :
氏名黙秘 :03/11/19 17:28 ID:???
>>12,13 11ですが、確かに。
16 :
氏名黙秘 :03/11/19 17:31 ID:???
抵当権には追求効があるため、物上代位の対象とする必要がないとも思える。 そこで、。「其目的物ノ売却、賃貸(略)金銭其他ノ物」に売却代金が含まれるかが問題となるも、含まれると解すべきである。なぜなら、304条が「其目的物ノ売却」とする文言に合致するからである。
17 :
氏名黙秘 :03/11/19 17:33 ID:???
抵当権には追求効があるため、目的物の売却代金を物上代位の対象とする必要がないとも思える。 そこで、「其目的物ノ売却、賃貸(略)金銭其他ノ物」に売却代金が含まれるかが問題となるも、含まれると解すべきである。なぜなら、304条の「其目的物ノ売却」との文言に合致するからである。 修正
18 :
氏名黙秘 :03/11/19 17:40 ID:???
>>17 その論証は非常にマズイ。メイン論点でそんな論証を書いたらGのおそれあり。
論証とひとくちに言っても
@条文の文言レベル
A立法趣旨のレベル
B学説適用の結果どうなるかを考えるレベル
とか、段階があるんだよ。@で決着がつかないからAで争い、それでもだめなら
Bで争うわけ。ところが、
>>17 の論証はAのレベルで論じるべきなのに、@に
先祖帰りしてる。だからいけない。
なぜ文言に合致することが、追及効よりも重視されるのだろうか?それは文言に
忠実な通説の実質的な理由が追及効という理由よりも勝ってるからだろ?
19 :
≠17 :03/11/19 17:54 ID:???
>>18 ・・・。なぜなら、物上代位は目的物の交換価値が現実化したときにその価値代替物に対して抵当権の効力を及ぼすのであり、売却代金はまさに目的物の価値代替物といえるからである。
20 :
氏名黙秘 :03/11/19 18:08 ID:???
前提論点に拘ってると落ちるぞ。
21 :
氏名黙秘 :03/11/19 18:16 ID:???
>>19 @条文→物上代位肯定←価値代表物
しかし
A追求効→物上代位否定←内田説
しかし
B抵当制度をどう見るか
=融資を得易くするには抵当権の効力を拡大すべし
→追求効あるも物上代位肯定
22 :
氏名黙秘 :03/11/19 18:22 ID:???
>>18 の勝ってるとする理由が
>>21 のBである。
(抵当の社会的作用経済的機能をどう考えるか)
その点について、ひとつの見方を選択する(理由などいらん)
すると例えば、物上代位の制度趣旨を重視する解釈をすべき、となる。
23 :
氏名黙秘 :03/11/19 18:42 ID:???
僧増設の論証です。 思うに、手形の署名のみで手形債務が発生すると考えるべきである。 けだし、手形の発生時期を早めることで、手形の流通性と被支払性をより確実なものにすることが可能になるからである。 この点、交付して手形債務が初めて発生するという交付契約説がある。 しかしこの説では交付献血において、手形債務の発生を肯定できず動的安全を害し妥当でない。 また交付契約説をととっても権利概観理論により、交付献血を処理すれば足りるという反論があるが、債務を負担する側にいかなる奇跡自由を要求するのかが明確でなく妥当でない。 権利概観理論のような一般条項に安易に頼るのではなく、動的安全の要請自体を手形理論に反映させる必要があるのである。
24 :
氏名黙秘 :03/11/19 18:46 ID:???
こうしたほうがいい。 思うに、手形の署名のみで手形債務が発生すると考えるべきである。 けだし、手形の発生時期を早めることにより、【善意取得の機会を拡大し、もって】 手形の流通性と被支払性をより確実なものにすることが可能になるからである。
25 :
氏名黙秘 :03/11/19 18:56 ID:???
外観理論は動的安全を確保するために持ってきたもの。 だから動的安全と関係ないかのようなニュアンスは避けたほうが よろしいかと。 あと、外観理論の根本的問題は、手形債務が、 @条文もなく、つまり法定の効果として発生するのでもなく、 A当事者の効果意思(抽象的or具体的)によって発生するのでもなく、 条理によって発生することを認める点で、私法の一般法理の 例外を認める点にある。 手形行為も民法の法律行為と同じだという出発点にたちながら、 民法の通常の対処法とは異なる明文なき外観法理をもってくるわけだ。
26 :
氏名黙秘 :03/11/19 18:59 ID:???
批判するやつ、批判だけじゃなくてこうしたほうがいいってのも書けや
27 :
氏名黙秘 :03/11/19 19:01 ID:???
耐火性建造物を放火した場合の「焼損」の意義の論証です。 どなたかよろしくお願いします。 では、本問では放火罪の既遂に達しているか。「焼損」(108条)の意義が問題となる。 思うに放火罪の本質は、炎の継続性・発展性を利用して公共の危険を発生させることにある。 したがって、「焼損」とは、火が媒介物を離れ独立して燃焼を継続しうる状態に達したことを言うと解する。 ただし、耐火性建造物については、独立して炎を上げてなくても、延焼の危険が継続発展しうる程度に高温で酸化した状態に達することをもって「焼損」したものと解する。 なぜならば、かかる状態に達すれば、公共の危険を発生させたといえるからである。
28 :
27 :03/11/19 19:05 ID:???
スマソ。訂正。 延焼の危険が継続発展しうる程度→継続発展しうる程度
29 :
氏名黙秘 :03/11/19 19:19 ID:???
30 :
氏名黙秘 :03/11/19 19:33 ID:Gw/zoW65
焼損とは火力による物の損壊を意味する[大塚]
31 :
氏名黙秘 :03/11/19 19:36 ID:???
>>27 @放火罪の本質
A木造家屋の特質
B焼損の意義
C耐火性建造物の特質
DBの意義の修正
独立燃焼説の場合、BはAを前提としてるので、前提がAからCに変われば、
Bも修正したほうがいい。@にも合致するから、、、という論法はどう?
27の論証は突然耐火性建造物がでてくるのが良くない。木造家屋との対比を
行うべき。木造家屋の特質は独立燃焼説のどの論証にもあるでしょ。
32 :
氏名黙秘 :03/11/19 19:56 ID:???
>>27 難燃性建造物については、焼損の語義から言ってこのような解釈も可能なことを指摘したほうがいいかも。
33 :
27 :03/11/19 19:59 ID:???
>>31 なるほど。独立燃焼説はそもそも木造家屋を前提としているので、
いきなり耐火性建造物について書いちゃまずいのですね。
放火罪の本質だけから理由付けできると考えていたので…。
>木造家屋の特質は独立燃焼説のどの論証にもあるでしょ。
魔骨の論証にはないんですよ。魔骨のは公共危険犯の側面を重視して
独立燃焼説をいきなり書いてる。
34 :
27 :03/11/19 20:06 ID:???
レス、ありがdクスです。
>>32 高温に酸化した=火力による物の損壊ということですか。
もと理系の漏れとしては、酸化=燃えている=炎なくてもいいじゃん、
という感覚なもので。
>>1 今年やっと受かったものです。
論証は一つの論点につき完成度の高いものを一つ用意するのではなく、
一つの論点につきいくつも論証を用意したほうがいいですよ。
その方がアドリブができるようになるから。
36 :
1 :03/11/19 23:31 ID:BlbhbmiV
みなさん、忌憚なきご意見ありがとうございます。
参考になる書き込みが多く、勉強になります。
>>35 1つの論点につきいくつも論証を用意するというのは、通説、反対説…
という風に道筋の違うものを用意しておくということでしょうか?
それとも、厚く論じるバージョン、簡単に流す論証…という風に
同じ説について幾つかの論証を用意すべきということでしょうか?
ご意見お待ちしています。
37 :
氏名黙秘 :03/11/19 23:40 ID:???
>>36 うーん。俺は、論証の中に
「対立している根本」と「役に立つ条文・文言」だけを用意して
後は、その場で「アドリブで書く」のが最上だと思うけどね
厚く論じる場合は、ある程度でっちあげる。
粗い論証でも、きっちり答案構成していれば跳ねることすら可能だと
というか、、、採点してて、論証はしっかりしてても、構成がいい加減な答案多すぎ、、、
38 :
氏名黙秘 :03/11/19 23:42 ID:???
構成がしっかりしているというのは、具体的にはどういうことをいうのでしょうか
39 :
氏名黙秘 :03/11/19 23:51 ID:???
40 :
氏名黙秘 :03/11/19 23:52 ID:???
ここでアドバイスしてくれている人、すごい説得力だ・・・ 俺も、これだけ質のいい理解ができるようになりたいものだ。
41 :
氏名黙秘 :03/11/19 23:53 ID:???
>>37 論証の中の「対立している根本」とはなんですか?
理解力がなくてすんません。
42 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:01 ID:y6XAfv99
鑑定士受験生なのですが、民法のいい参考書(論文上達)とかご教授ねがいます。 レベルは入門レベルです。(調査士程度)
43 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:07 ID:???
>>37 さんの言うように短く覚えて、それに厚く書くこともできるようにしておく。
最後2行が重要かと・・・
このスレに相反するが論証はどれだけ正確に厚く書いてもダメ。
答練では点取れても本番ではたいした加点にならないよ。
キーワード書いてあって嘘がなければ大丈夫。
44 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:08 ID:???
>>38 凄く抽象的に言うと、論理が通ってる事
問題提起するにせよ、論じるにせよ「何故、そんなことを言うのか」が
きちんと見えてくる文章。その典型が「三段論法」であり
また、「問題提起→論証→あてはめ→結論」だとは思います
ただ、これは基本書を「項目立てに注意しながら」読む必要があるかな
>>41 たとえば、Xが、乙社代表取締役Y(と登記されてた)に対し訴えを提起した
でも、実は本当の代表取締役はZで、Yはなったことは無かった
Xの訴えは認められるか(問題文、粗いですけど、そこは容赦)
この論点、その気になれば論証長くなりますが、要点は一つです
こいつを押さえれば、あとはアドリブが難とでも聞きます
超典型論点なんで、解りやすいとは思いますが、なんでしょうか?
45 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:10 ID:???
>>42 スレ違いのような・・・
伊藤真の試験対策講座でどう?
46 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:14 ID:???
>>43 普段の勉強ではしっかりした論証を書けるようにしておかないと、
いざ典型論点が真正面から問われた場合、書き負けるんだよな。
まあ、論証点は本試験では意外と少ない、というか、あんまりない
らしいね。だから、本試験では、スカスカの論証でもいいけど、
(論文試験は分厚い論証の吐き出しコンクールじゃないから)
それだって、しっかりした理解に基づいていないとね。
47 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:17 ID:???
>>46 これまた相反する問題だけど。
論点問題(たくさん論証しなきゃいけない問題)は、超典型論点しか出ない
すると、、合格しうる人間は論証だけだったらみ〜〜〜んなきちんと書ける
つうか、落ちるやるすら書ける
合否を分けるのは何かっつうと、結局構成になるのだよね
48 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:18 ID:???
>この論点、その気になれば論証長くなりますが、要点は一つです >こいつを押さえれば、あとはアドリブが難とでも聞きます 逆に言うと、アドリブが出ないような理解だと、ヤバイかもねw 短い論証の暗記だけだと、アドリブが出来ないこともあったりするしね。
49 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:19 ID:???
良スレ
50 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:20 ID:???
>>48 そうなのだよ。そして、論証暗記ほど、そんな理解から程遠いところへいけるわけだ
51 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:22 ID:???
>>37 の「構成」というのがピンとこない人が多そうだな。
52 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:24 ID:???
ただ、構成がすぐわかるようなら、そいつは天才だよ 論証の中でも「構成」を意識する手もあるけどね
53 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:25 ID:???
>>47 だからね、手厚い論証を書けと言われて書けることは、当然だんだよ。
それも出来ない人がいるから、普段からできるようにしておなかないと、
合格ラインには行けませんよ、ということ。
54 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:26 ID:???
論証はロングバージョン、ショートバージョン、反対説集め、薄めなど、そのときの乗りでとにかく沢山作るといいと思います。
個人的な考えなので他の合格者は違うことを言うとも思いますが、私は「論証を作ること=勉強」でしたから。
ちなみに、
>>37 のいうことも一理ありますね。
基本書を読みながら論証を作るのではなく、問題を解きながら論証を作るといいと思います。
構成力もつきますよ。
アドリブについては結局理解が伴ってないと難しいと思います。
要は分かっていればなんとでも書けるんだよね。
ただ、読み手に簡潔に理解を伝えるには普段から論証があったほうがいいかなってことです。
自分の論証作成方法書いておきます。
例えば憲法で二重の基準が出てくる問題の答案を参考に二重の基準の論証を作るんです。
参考答案は合格者かそれに近い実力者が書いてるものでしょ?
それについてあれこれ考えながらもっとよい表現でかけないかって悩むんですよ。
で、他に二重の基準が出題されてる問題を探してそこの参考答案も見るんです。
そうやっていくうちにどんどん上手くなっていくと思うんですけどね・・・。
56 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:29 ID:???
>>44 ありがとう
問題を解くにあたって「構成」の意味を理解してるつもりの人が多いと
自分も思っていました
いつまでも聞けなくて、本試験まで突入してしまう受験生が多いのでしょう
これは暫く前に合格者に言われたことですが・・
57 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:31 ID:???
58 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:32 ID:???
>>8 なんだけど
この論点、結局は「抵当権者にどこまで目的物の価値への追及を認めるべきか」というのが基礎にある
限定すべきか、するならば何故か。これは設定者側の「使用収益」を保護しなければならない事もあるが
後順位抵当権者の存在を無視できないという、「具体的事情」も影響している
他方、限定する必要無い、という見解は「つうか、借りた金返せないなら競売されるだけじゃん」
だったら、物上代位を認めちゃった方が、誰も損しなくない?という思考がある。
それを、昔なら「価値の実現化」と現してたけど、今はそんな言い回しはやらない(から覚えてもあんま得しない)
ここら辺を押さえて、あとは問題文にあわせて(これが死ぬほど重要)でっち上げましょう
まあ、試験までに一回論証に目を通す事は有意義だと思います
後、上の対立構造を、一回答案上で書いてみるとかね(これは論証を作る事も兼ねます)
59 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:34 ID:???
何気に良スレ。
60 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:35 ID:???
61 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:38 ID:???
>>60 悪くない、これを本試験で、きちんとしたところにかけるなら
まあ、「不合格にはならない」
ただし、頑張って、脳みその容量を使ってまで覚える代物とは思わないかな
「反対説や自分の説の中に、対立する要点は全く出てきてない」あたり、ダメと思うポイントかな
62 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:43 ID:???
>>61 うーん、一度、お手本を見ないとよくわかりませんですよ。
>>58 の言うことを論証に入れると、論証が厚く「なりすぎ」じゃないですか?
63 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:43 ID:???
ところで、抵当権(担保権)の物上代位については「価値権説」「特権説」「折衷説」とかありますが 近時の判例は、基本的には値権に立ちつつ、利害関係人の「具体的な利益の考量」で判断しているといえます だから、ある意味折衷説ですけどね。たくさんポコポコ出てきてる判例を眺めて見ると良い発見があるかも? これができたら、ライバルを1LAP置いていけますね。
64 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:44 ID:???
>>8 の論証って、セミナーの合格講座あたりの論証じゃね?
65 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:46 ID:???
>>44 >超典型論点なんで、解りやすいとは思いますが、なんでしょうか?
分からないです。
原告の信頼保護と手続の安定の調和でしょうか?
答を教えてください。
66 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:49 ID:???
67 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:50 ID:???
お手本かあ。個人的には、問題文もないのに論証を書くのは、書きにくいことこの上ないですが 論点 抵当権者は抵当不動産の売却代金に対して物上代位権を行使できるか。 (反対説;担保権を追及できない場合に物上代位を認めれば良い)←問題にあわせ好きなところに放り込む 自説;(形式論)物上代位は、担保権保有者に、その目的物からの価値派生物を把握することを認めたもの 実質論;物上代位できないなら、担保権者は競売するだけ。
68 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:51 ID:WwK9To02
69 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:54 ID:GhVelpXz
>抵当権には動産先取特権と異なり なんていうフレーズがある時点で死んでるよ。
70 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:56 ID:???
>>67 >実質論;物上代位できないなら、担保権者は競売するだけ
たぶん、ここがあるかどうかの違いだと思いますが…
なんとなくですが、分かるような気がします。ありがとうです。
でも自分でやってみるのは、うまくいくかなあ。
丙案合格者さんですか?
71 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:57 ID:???
>>65 その通り。まあ、調和というより「どっちを優先すべきか」なんですけど
手続保障は外せないのか(若しくは調和させるにせよ、手続保障に傾けるべきか_
それとも、
「保障されるべき人間が掛かる事態を招いた事に帰責性があるなら」手続保障は信頼保護に譲歩すべきなのか
そこだけです。後の理由付けは、おまけです(すると論証は一気に短くなりますね)
有名な過去問がありますが、アレ、判例をあてはめると「見事にずれる」構成になってるんですよ
まあ、合格者もズレまくってたでしょうが、ぴったり合えば、それはもう、一気に跳ねたでしょうね
典型論証を覚えたら自動的にズレたとは思います。そういう風に作ってありましたからね
72 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:57 ID:???
>69 なんで?
73 :
氏名黙秘 :03/11/20 00:59 ID:???
>>69 逆だよ。反対説は
担保権を追及できない場合に物上代位を認めれば良い
すると、動産先取特権の場合は、追及できないから認めなきゃ
抵当権はそんなことねえよ!ってなる。実は非常に重要
74 :
69 :03/11/20 01:04 ID:GhVelpXz
論証としては素晴らしい言及なんだけど、 本試験ではそんなこと書かない方がいいと思う。
75 :
氏名黙秘 :03/11/20 01:07 ID:???
>>74 ちょっと待った。
抵当権と先取特権とで、物上代位につき、結論が異なるのは、
追及効の有無にあるのが、問題の所在でしょ?
我妻見ても、売買代金の物上代位を抵当権につき認める実益がないのは、
追及効があるからだって、書いてある。
だから本試験で書いたほうがいいに一票。
76 :
69 :03/11/20 01:10 ID:GhVelpXz
うん。 でも、ただ単に、追求効がないと端的に書けばいいだけの話じゃないか? 1行問題なら話は別だが。
77 :
氏名黙秘 :03/11/20 01:10 ID:???
思うに、刑法の任務は反社会的な性格を有する者から社会を守ることにある。 したがって、行為者の反社会的性格が飛躍的に徴表したときにこそ「実行の着手」 を認めて、未遂犯を成立させるべきである。
78 :
氏名黙秘 :03/11/20 01:11 ID:???
79 :
氏名黙秘 :03/11/20 01:12 ID:???
本試験で書くべきかは、問題文で決めるべきに一票 だから、結構69支持。俺73だけど かかなきゃいけない場合は、問題文が臭いと思う スレからズレまくってしまったね、、、
80 :
69 :03/11/20 01:12 ID:GhVelpXz
ちょっと神経質だったかなぁ。 まぁ、採点者はそんな細かいところ読んでないと思うけどW
81 :
氏名黙秘 :03/11/20 01:14 ID:???
思うに、刑法の任務は反社会的な性格を有する者から社会を守ることにある。 したがって、教唆行為を通じて行為者の反社会的性格が飛躍的に徴表したときに 教唆未遂を認めてよく、必ずしも被教唆者の実行の着手を要しないと解すべきで ある。
82 :
69 :03/11/20 01:14 ID:GhVelpXz
ちょっと、話題を変えるけど、 その論証を3行で書くならどう書くわけ? 長めの論証の是非を云々するより、 そういうことの方が重要かもね。
83 :
氏名黙秘 :03/11/20 01:21 ID:???
>>71 さん、ありがとうございます。
本試験がそういうトラップを仕掛けれくるのであれば、
構成だけじゃなく、パーツと思われていたような論証の中身も
柔軟にしなくてはいけないのかもしれませんね。
84 :
氏名黙秘 :03/11/20 01:24 ID:???
>>83 そう柔軟に。つまり、粗くて良いこと
でも、一生懸命基本書を読んで、法律をマクロに深く理解する事は大事です
>>82 どの論証が良い?指定してくれ
85 :
氏名黙秘 :03/11/20 01:32 ID:???
86 :
氏名黙秘 :03/11/20 01:35 ID:???
無いよ。使わないものを批判する必要は特に無い
87 :
氏名黙秘 :03/11/20 01:37 ID:???
少数説ゆえの憂き目か。
88 :
69 :03/11/20 01:46 ID:GhVelpXz
89 :
氏名黙秘 :03/11/21 01:18 ID:???
age
90 :
氏名黙秘 :03/11/22 20:40 ID:???
age
91 :
氏名黙秘 :03/11/22 21:08 ID:???
思うに、えっちなのはいけないと思います!
>>81 ううむ。そんな説で書いたことないけど・・・。
俺ならこう書くよ。
ってか、ネタ?
一行目はこのままでいいかな。
>思うに、刑法の任務は反社会的な性格を有する者から社会を守ることにある。
そして教唆行為自体に犯罪を志向する社会的危険性はあるといえるので社会防衛の必要性は高い。
よって被教唆者が実行行為を行わなくとも教唆行為自体に実行行為性を認め、
教唆行為の時点で教唆者には教唆の未遂罪が成立すると解する。
93 :
氏名黙秘 :03/11/24 00:37 ID:???
◎法人に犯罪能力はあるか この点、法人には行為や自己決定を行う能力なく・刑罰は自由刑が中心→否定?→ 思うに、→社会的実在として活動しており、機関とは別個に法的・道義的非難の対象となるべき →法人機関による行為・自己決定を観念でき、→また、罰金刑は可能→刑事政策的にも犯罪能力 を肯定し、法人の違法行為を抑止すべき→肯
94 :
氏名黙秘 :03/11/24 00:39 ID:???
手形債務が発生するのはいつか。 この点、証券を作成・署名した時点と解する。 手形取引の安全を図る趣旨である。
95 :
氏名黙秘 :03/11/24 00:41 ID:???
俺なら 法人には行為や自己決定を行う能力なく、刑罰は自由刑が中心であることから 否定すべきとも考えられるが、それでは法益保護が十分図れないとも考えられる 「問題提起」 思うに、@実在論(行為性)A機関性(意思決定) ゆえに、法人には犯罪能力がある
96 :
氏名黙秘 :03/11/24 00:46 ID:???
>>95 >法益保護が十分図れないとも考えられる
たしかにこのフレーズは漏れも入れたいんだけど、
罪刑法定主義のフォローを入れる必要が出てこないかなと思って。
97 :
氏名黙秘 :03/11/24 00:49 ID:???
ただ、肯定説の根本は法益保護だからねえ。 バランス論としては行為性と意思決定性で罪刑法定主義の範囲内といえるかとは思う それ以上に、この論点を展開するとは思えないので、あんま手を広げたくは無かったり
98 :
氏名黙秘 :03/11/24 00:52 ID:???
わかった。たしかに法益保護は特に問題ないだろう。 しかし、この論点、出てもおかしくないし、いまの予備校排除の風潮を見ると、 うってつけの問題だと思うよ。けっこう基本だし。
99 :
氏名黙秘 :03/11/24 00:53 ID:???
良スレです
すると、罪刑法定主義の要請とは何か?がちょっと気になるなあ 要は「者」の概念の問題だと思うのだが 確かに「刑法≒倫理」の時代は否定説は説得力を持つけど 「刑法≠倫理」となれば、意思決定論はもはや理屈に合わない 焦点は「行為性」に置かれると思う。 すると、「法人は実在か、法的制度か」が問題になりそう
刑法で、法益保護を論じると、結局、「必要のための処罰」というニュアンスがどうしても出てくる。 司法試験では、法益保護→処罰肯定という論証はあまり問題視されてないし、基本書でも そういう書き方は多く見られると思うけど、 細かいこと言えば、そういうフレーズを書くなら、罪刑法定主義とか謙抑制についても 論じてやる必要があると思うんだよね。
たしかに。まあ、法益保護は刑法の任務だが 罪刑法定主義という足枷をどう扱うのか?の流れで俺は行くと思う 俺だったら、罪刑法定主義については「行為性」を大転回 謙抑性は「責任者処罰だけじゃ足りないのだ」を大転回 かな(分量によりけりだが)
でも、基本書でもそこまで扱ってないよ。
故意責任の本質→ そして規範は構成要件の形で国民に与えられている→ 因果関係も構成要件要素である以上、故意が認められるためにはその認識が必要である →そして、行為者が認識した因果関係と実際の因果経過とが相当因果関係の範囲内で符合している場合には、規範の問題に直面していたと言える →この場合→認識と実際で因果経過に食い違いがあっても、故意の成立は認められる →あてはめ→〜と・・・は相当因果関係の範囲内である。
105 :
氏名黙秘 :03/11/26 19:24 ID:uCKZ8S5H
公務を執行するにあたって、また公権力を実行するにあたって 根拠となる法は「何か」という事を 行使の対象となる市民へ説明する法的根拠っていう事を考えるとなんかある? それとも、行政側はそんなもんに答える義務は全くない?
不利益処分の場合は告知聴聞が必要
この点、認容説(=結果発生の可能性を認識し、認容していることを要する)→ しかし→認容といっても、無関心といったもの等意思とは無関係な情緒的要素に故意を認め、悪しき人格態度を処罰することにつながる →次に、蓋然性説(=単なる可能性を超えて蓋然性の認識がある場合には未必の故意)→しかし→単なる可能性と蓋然性の区別は曖昧であり、 故意の限界を画する基準たりえない→思うに→故意責任の本質→あえて犯罪を行う意思が必要→認識が行為者の意思に結びついたことが必要(動機説) →犯罪事実を認識して、それを行為の動機としたことが必要→あてはめ(認識した結果を実現する意思があれば肯定する)
109 :
104 :03/11/28 21:47 ID:???
あ、忘れた!
110 :
104 :03/11/28 21:52 ID:???
でも、それって必須?相当因果関係内つってるんだから推測してほしいな。 「どの程度必要か」は論証のテーマからして、それで十分答えてると思うが。
↓の論証はダメ?(新しい人権の論証ね) 人権は人間であることから認められるものであり、 憲法上の人権規定は例示列挙に過ぎない。 人格的生存に不可欠と考えられる権利・利益は 13条により保障されているのである。
>>111 一行目と二行目がちょっとつながってないと思う。
>>107 批判とすれば、あまりに「ブロック論証」で、あえて事前に用意するには値しないような
容認説と動機説が具体的にどう違うのか?という気もする
どっちも意思説で、言い回しだけが違うだけじゃない?
>>111 人権は、人間であることから認められるものであり、
憲法上の規定に尽きるのもではない。(こっちの方が良いとは思う)
憲法上規定されていない人権は、
個人の尊厳を定める13条により保障されていると解する。(こう繋げる)
>>111 それじゃ作文だよ。何で13条なのか、一言理由を書こう。三段論法じゃなくてもいいから。。
>>113 認容と動機の違いはでてるんじゃないかな?確かに用意は不要だな。
ただ、容認と動機は、限界事例でどう違うのか?と この論証を読んだ試験委員は思うんじゃない? つうか、故意とは?という論証を展開しなきゃいけない場面は創造できない、、 だったら動機説だけ用意すれば良いと思う。 なお、字面はあってても、いかにも本質がわかってなさそうな論証なのが アピール度、逆に高いと思う(落とされる方向に)
117 :
麻原 :03/11/29 00:20 ID:???
>>116 おいおい、認識と意思は明らかに違うだろ。
「ピストルで心臓狙って撃つけど撃って、死んでいいとは思ってない」で考えてみよう。
もちろんめちゃくちゃな例だけど、刑法ってこういう科目だからねー。
あと、こういう基本的なことは、詰めておいてもいいと思う。
故意、故意って言葉つかってて、その内容がわかってないのはやっぱヤバイと思うしね。
>>117 当たり前すぎるが、認識と意思は明らかに違う。
だが、容認と意思と「動機」はどう違うのだ?
認識と意思が結びついたとき、と動機説は言うが
じゃあ、どっちが重要なんですか?
意思と結びつくような認識、ならば認識説の亜流
認識と結びつくような意思、なら意思説の亜流(だから容認説に近い)
俺なら、問題提起に「意思と認識のどちらを重視すべきか」と織り込む
119 :
麻原 :03/11/29 00:31 ID:???
@認識しても「どうでもいいや=認容」というのはやっぱりダメということだろう。 A認識して「よし、やっちゃる」という場合が、反規範的人格態度ということだろう。 もちろん、議論の実益はどこにもない。
>>58 かな〜り遅レスですが。まあいいでしょ。
ここでやってる実質的判断は
>>18 で言うとBのレベルのことだな。
>>58 で
言ってることは、肯定説を適用したら利益考量上どんなメリット、
デメリットがあるか、反対に、否定説だとどうか、というものだから。
ところが
>>8 の論証はAのレベルでしか行っていないものだ。注意されたし。
前提論点ならAのレベルで軽く流しておけばいいが、厚く論じる必要が
あるときはBのレベルまで論じておくべきだ。
動機説は意思は行為に含まれるから、故意の内容じゃないって説だろ? 認識と意思のつながりを問題にしてるんじゃないかな。
つまり、認識があり、それが当該行為の行為意思に繋がっていることをもって故意と呼ぶ。
age
∧_∧ ( ・∀・) ( ) | | | (__)_)
死にそうなスレですからテストさせてください。論証じゃなくて論文です。 このような問題に対して、このような答案はどうでしょうか。 辰巳のローラー答練です。 従前の中央集権体制を改め、地方自治を充実させる観点から大幅な財源移譲を実行するとともに、 過疎と老齢化で自律的運営不能な自治体が発生することを防止するために、 一定時期までに人口5万人以下の市町村は近隣自治体と合併することを義務付け、 合併対象が都道府県を跨ぎ、あるいは地域としての連続性を欠くいわゆる「飛び地」となるときは、 総務省の許可を要するとする法律を作成したとして、憲法上の問題点を論ぜよ。 1 「地方自治の本旨」(92条)について まず、本問法律の問題点を論ずる前提として、憲法92条は地方公共団体の組織・運営に関する定めを法律事項とする一方、 それは「地方自治の本旨」に基づいていなければならないとするため、「地方自治の本旨」について明らかにする必要がある。 思うに、憲法が第8章をもって地方自治制度を規定した趣旨は、国家の権力を中央の政府と地方の政府とに分け、 権力の分立を図ることにより権力の濫用を抑制する点(自由主義的側面)と、 国政における代表民主主義制を補完し国民の国政参加を充実させる点(民主主義的側面)にある。 とすれば、「地方自治の本旨」とは、権力分立という自由主義的側面を実現するための団体自治と、 住民の政治参加という民主主義的側面を実現するための住民自治が尊重されるべきこというと解する。 よって、地方自治制度は統治構造の不可欠の一部として保障されたものであり、 その本質的内容たる団体自治と住民自治を核心とする「地方自治の本旨」を侵すことは 法律をもってしても許されないと考える。 以上を踏まえた上で、以下、本問法律について論じる。 2 大幅な財源移譲について この点については、中央政府に対する対抗力を高める意味で団体自治の充実の観点からはもちろん、 また、住民が自ら身近な政策を判断・実行する程度・機会が広がるのであるから、 住民自治の充実の観点からも望ましいものといえる。 そして、現在の地方自治制度の脆弱さを考えたとき、 かかる財源移譲は「地方自治の本旨」に適うものというべきである。
3 本問法律における合併強制の合憲性 本問法律が、一定の市町村に合併を強制することは「地方自治の本旨」に反しないか。 まず、そもそも市町村が「地方公共団体」(92条)にあたらなければ、「地方自治の本旨」に反してもなお、 市町村に合併を強制する前段の制度も合憲と考えられるので、「地方公共団体」の意義が問題となる (1)「地方公共団体」の意義については、前述の自由主義的側面(団体自治)と、 民主主義的側面(住民自治)の実現という地方自治制度の趣旨から考えると、「地方公共団体」といえるためには、 @一定の地域住民が経済的文化的に密接な共同生活を営み、共同体意識を有し、 A一定の行政需要があることが必要であると考えることができる。 なぜなら、@・Aがあってはじめて団体自治・住民自治が要求され、また実現できるからである。 なお、当該地方公共団体が歴史的に行政執行等地方自治の基本的権能を与えられていたことは、 それにより共同体意識及び地域的行政需要が醸成される面があるので、 @Aを判断する上でひとつの大きな要素となる。 これを現行の市町村についてみると、@Aとも問題なく認められるため、市町村は「地方公共団体」といえる。 (2)では、一定時期までに5万人以下の市町村に合併を強制する本問法律は「地方自治の本旨」に反しないか。 まず中央政府に対する権力の抑制を実効的なものにするための自由主義的側面・団体自治の観点からは、 市町村の規模を一定基準に引き上げるのは好ましいものとも考えられる。 しかし、民主主義的側面・住民自治の観点から考えると、 5万人以下という決して規模の小さくない市町村まで大規模のそれに合併を強制されることになり、 合併された少数派住民の住民自治が著しく損なわれる結果となる。また5万人という基準を考えると、 例えば鳥取県などでは幾つもの市町村同士が合併を余儀なくされることになり、 寄せ集めの市町村になることにより、合併後も住民が共同体意識を保つのは困難であると考えられるため、 やはり住民自治を著しく損なう結果となろう。
(3)以上より、住民の意思をまったく無視して、本問法律の強制合併制度を施行することは、 「地方自治の本旨」に反するといえ、92条に反し違憲であると考えられる。 なお、仮に本問法律と類似の制度を施行するときには、地方自治に対する侵害を防止する95条の趣旨から、 住民の意思を確認するために、各市町村ごとの住民投票を必要とすべきであると考える。 4 本問法律における許可制の合憲性 それでは、一般的に都道府県の境界を跨ぎ、あるいは「飛び地」となる合併に総務省の許可を要する点については、いかに解するべきか。 思うに、地方公共団体の単位として市町村の上位にあたる都道府県の境界を越えた場合、 住民の共同体意識が強いということは一般的に少ないし、あるいは「飛び地」合併の場合は 互いに共通の地域基盤をもたないゆえに共同体意識のみならず、共通の行政需要が存在することも考えづらい。 よって、一部の都市(例えば東京都)に権力が集中する、 あるいは住民が目先の利益を求め不当な意思形成をする危険が生じる場合があることを考え合わせると、具体的な基準が問題となろうが、 許可制を採用すること自体は憲法に反しないと考える。 っていうか、面倒くさいものですね。 しかも読んでもらうのは更に面倒くさそう。 結構「模範解答」に疑問があって、 自分の考える模範答案を叩き台にして どこかで議論しようと考えましたが、 もうやめます。
GOODですからあげておきます。
案外、すぐに反応してくださる方がいて感激しました。 前に似たようなことやったときは、2週間も発見されなかったものですから。 ありがとうございます。できれば、実質的な論評・議論をお願いします。 ちなみに、私は2年目受験生で、日曜日に辰巳のローラーを受けています。 去年は論文2000位でした。
>>127 形式面
・ >とすれば、「地方自治の本旨」とは、権力分立という自由主義的側面を実現するための団体自治と、
住民の政治参加という民主主義的側面を実現するための住民自治が尊重されるべきこというと解する。
よって、地方自治制度は統治構造の不可欠の一部として保障されたものであり、
ここはつながってないと思います。
・2でも問題提起を
・ >92条に反し違憲であると考えられる。
結論は「考え」ないほうがいいと思います。
内容面
・ >地方公共団体の単位として市町村の上位にあたる都道府県
市町村と都道府県は単位として同等で、上下はありません。
本番で書いたらちょっと危険かもしれません。
僭越ながら書かせてもらいました。
よく勉強されてますねー。読んでて泣きそうになってきた(こんなの書けねー)
他人の答案は参考になります。
スレ趣旨と違うけど・・
132 :
131 :04/01/20 19:18 ID:???
あと、 ・4では「確かに団体自治・住民自治に反しそう。 しかし〜」>思うに、 ともっていったほうが答案全体の一貫性が出るような気がします。 好みの問題ですかね。スレ汚しすいません
133 :
外野手 :04/01/20 23:50 ID:???
>>125 せっかく答案を晒されている以上、コメントさせて頂きやす。
しかし、まぁこれで2年目ですか・・・
まず131氏と同様の指摘となりますが、
>その本質的内容たる団体自治と住民自治を核心とする「地方自治の本旨」を侵すことは
>法律をもってしても許されないと考える。
>以上を踏まえた上で、以下、本問法律について論じる。
と論じてますから、「2 大幅な財源移譲について」でも3と同様に
「地方自治の本旨」に反しないかとした方が読みやすいかと思います。
一番気になったのは「4 本問法律における許可制の合憲性」です。
ここであてはめられている基準は3で述べた「地方公共団体」の意義の基準と同じなのですが、
どういう意図なのでしょうか。
この問題は考えたことないので解答がどうなっているのか知りたいところです。
>>131 >市町村と都道府県は単位として同等で、上下はありません。
>本番で書いたらちょっと危険かもしれません。
確かに、131さんのおっしゃるとおりですね。
論述したい内容はともかく、表現方法を再考しないといけませんね。
辰巳の「模範解答」にこのように書かれていたので、うっかりしていました。
「模範解答」や受験生の「優秀答案」を何通り読んでも納得のいくものはありません。
みんなマニュアルどおりでオリジナリティに欠けるように思います。
だからこそ、私は自分で考えた模範解答を書くことこそ、
応用が利くという意味を含めて論文の一番の勉強方法であると思います。
貴重なご意見ありがとうございました。非常に参考になりました。
外野手さんへ。
これについては、「模範解答」には全然まともに書かれていないように見えます。
結局、「地方自治体の制度自体は法律事項であることに鑑みれば、
「例外」について許可制をとることは違憲とまではいえない」としています。
ちなみに、私の考えでは地方自治体・地方自治の本旨に対する制約の度合いが少ない、
という意味で、「地方公共団体」の意義の基準を用いましたが、確かに説明不足ですね。
答案の付録を見ると、都道府県を跨ぐ場合は、都道府県の境界自体を変更する方向性で考えればよく、
かかる許可制は違憲の疑いが強い、ということです。
しかしながら、そう解すると今度は、東京都に権力が集中するような危険が出てくる、
ということを指摘したかったわけでして……。要検討ですね。
適格で鋭いご指摘ありがとうございました。
*私は、月1の草野球でセカンドをやっていますので、「内野手」です。
思った以上に有益なご指摘をいただき、おふた方には感謝いたします。
どうもありがとうございました。
>>132 よく読むとまったくもって131さんのいうとおりです。
学説上は違憲の疑いが強いとされているらしいので、
やはり悩みを示すためにも、そのような流れで論述すべきですね。
決して、好みの問題でも、スレ汚しでもありません。貴重なご指摘です。
また、近いうちに第2弾を掲載させていただきたいと思います。
136 :
第2弾 :04/01/21 16:25 ID:???
私は、昨年の論文は「FAAAFF」という成績でした。 去年は基礎的な実力不足・絶対的勉強不足でしたので、 「民法・刑法・商法」も本来は他と同じくFの実力しかないにもかかわらず、 A評価をもらえたのは、いわば「フィニッシュブロー」的な論証や当て嵌めができらからだと思います。 そこで、基礎的な実力アップはもちろんですが、 「フィニッシュブロー」になり得る論証や当て嵌めを少しでも多く蓄えるのが、 合格への近道になると思うのですが、いかがでしょうか。 私の論文がそういう「フィニッシュブロー」を備えた論文答案になっていれば嬉しいのですが。 今回も辰巳のローラー&「論森」の問題です。 *衆議院議員選挙に立候補した甲は、選挙運動期間前から、選挙区内の選挙人方を個別に訪問し、 自己への投票を依頼した上、無届のビラを頒布した。そのため甲は、公職選挙法129条、138条1項及び、 同法142条1項違反として罪に問われた。甲は、この公選法の規定は憲法21条に違反して無効であり、 無罪であると主張した。甲の主張は認められるか。 1 選挙運動の自由について 本問公選法の各規定が憲法21条に違反して違憲であると旨の主張の当否を検討する前提として、 まず選挙運動の自由が憲法21条によって保障されることを確認する必要がある。 この点、政治活動の自由は、自己の政治的意見を対外的に現して人格的生存を達成する上で(自己実現)、 また代表民主制の前提として(自己統治)極めて重要な人権であり、 選挙運動は政治活動の最も典型的なものでともいえることから、当然に21条の保障を受けると解すべきである。 そして、本問で問題となっている事前運動、戸別訪問もビラ配りも選挙運動の自由の一環として 当然に21条の保障を受けるといえる。
137 :
第2弾 :04/01/21 16:27 ID:???
2 選挙運動の自由の規制について もっとも、選挙運動の自由といえども絶対無制約に保障されるわけではなく、 他の憲法上の権利・価値との調整のために一定の制約に服する(13条)。 具体的に、ここでは主に選挙の公正確保の要請との調整から必要最小限の制約に服することになる。 この点に関して、47条はその文言から「選挙に関する事項」は国会に広範な裁量の余地を認めたものと解し、 国会の定めるルールが合理的であれば特段の事情がない限り、選挙運動の制限は違憲とならない見解がある。 しかし、国会が国会自身の組織に関わる選挙について広範な裁量権を有するとすれば、 選挙を通じて立法の過誤を是正するという民主制の過程そのものが破壊され、 回復が困難になるのは例えば議員定数不均衡問題を見れば明らかである。前述のように選挙運動の重要性からは、 選挙運動の自由を規制する立法については、厳格な基準で判断すべきと考える。 具体的には、立法目的の正当性及び立法目的を達成するためにより制限的でない他の選び得る手段が存在しないか 否かにより判断すべきである(LRAの基準)。 3 公選法129条の合憲性について 公選法129条(事前運動の禁止規定)の目的は、事前運動を許せば、過当競争を招き、 また候補者間に経済力の差による不公平を生むため、これらをの弊害を防止し、 選挙の公正を確保しようというものであり、かかる目的は正当といえる。 しかし、その目的を達成するためには、マスメディアの利用など特に経済的負担の大きい手段の規制で足り、 事前運動を一切禁止する必要まではない。 また、実際に、政治活動と選挙運動の区別は極めて曖昧なものであり、 それゆえ罰すべき事前運動の限界が不明確なため、むしろ候補者間に事実上の不公正を生ぜしめる結果となっている。 表現の自由を制約する規定は、萎縮効果を防止するためにできる限り明確な内容を持たなければならないことを 考え合わせると、本規定にいう「選挙運動」の内容は明確とはいえず、その点でも本規定は妥当性を欠く。 よって、公選法129条は選挙運動の自由を保障した憲法21条に反し違憲無効であり、甲の本問主張は認められる。
138 :
第2弾 :04/01/21 16:30 ID:???
4 公選法138条1項の合憲性について 公選法138条1項(戸別訪問の禁止規定)の目的は、買収・利益誘導等を防止して選挙の公正を確保すること、 並びに選挙人の迷惑を防止することにあると解され、かかる目的は正当といえる。 しかし、右目的を達成するためには戸別訪問を全面的に禁止する必要はなく、訪問時間や人数、場所等を制限したり、 事後処罰を定める等、より制限的でない他の手段が存在する。しかも、企業をはじめ団体を巻き込んだ不正に較べ、 戸別訪問で選挙の公正が侵害される危険は大きくないといえ、必ずしも規制の必要性が高いとはいえない。 よって、公選法138条1項は選挙運動の自由を保障した憲法21条に反し違憲無効であり、甲の本問主張は認められる。 5 公選法142条1項の合憲性について 公選法142条1項(ビラ等の頒布制限)の目的は、不正競争の防止・選挙資金の不平等を是正することによる 選挙の公正の確保及び、ビラの散乱等による環境悪化の防止にあると考えられ、かかる目的は正当といえる。 しかし、目的達成の手段としては、選挙費用を制限する、立候補者に環境美化のための負担を課す等、 より制限的でない手段が存在する。しかも、ビラは他の運動方法に較べ選挙費用を特段に増大させるものではなく、 必ずしも規制する必要性が高いとはいえない。 よって、公選法142条1項は選挙運動の自由を保障した憲法21条に反し違憲無効であり、甲の主張は認められる。
139 :
第2弾 :04/01/21 16:34 ID:???
6 判例に対する批判 私見に対し、判例は、@選挙に関して国会に広い立法裁量を認め、A不正の防止、B選挙人の迷惑等を根拠に、 幅広く選挙運動を制約する本問公選法の規定をいずれも合憲とする。 しかし、前述のように@国会自体の組織に関わる選挙に関して広い立法裁量を認めては、 民主制の過程そのものが破壊されかねず、現実的に、本問諸規定のように選挙運動を全体的に制限することにより、 知名度の高い、あるいは有力な選挙地盤を持つ現職議員、世襲議員に著しく有利となり、 国会議員の高齢化や組織の停滞につながっている。 また、判例のいうA不正の危険は極めて抽象的なものであり、表現の自由を規制する根拠として妥当でない。 そして、B選挙人の迷惑について、前述のように配慮が必要としても、最高裁がこれを強調することは、 本問の各規定をはじめ全体的に選挙活動に対する制約を合憲としていることと考え合わせると、 国民の政治に対する無関心が深刻化する今日の状況に対する認識・配慮が著しく欠けるというべきである。 7 結論 以上より、事前運動の禁止、戸別訪問の禁止並びに文書頒布の制限について規定する公選法129条、138条1項、 及び142条2項の規定は違憲無効であり、甲の本問主張は認められる。 以上 ちなみに、量的には4Pギリギリくらいですが、 いざ答練や本番で書くとなると、8割弱くらいしか書けないので、 量的な心配はないというのが実情です。
>A評価をもらえたのは、いわば「フィニッシュブロー」的な論証や当て嵌めができらからだと思います。 当て嵌めはわかるけど「フィニッシュブロー」的な論証ってどんなのかな? 添削じゃなくてスマソ
141 :
外野手 :04/01/21 22:31 ID:???
>>136-139 某コテハンさんでしたか。とはいえ、その辺の動向に疎いのでどなたかはわかんないや。
>だからこそ、私は自分で考えた模範解答を書くことこそ、
>応用が利くという意味を含めて論文の一番の勉強方法であると思います。
この方針に共感を覚えます。判例を読みながら考える勉強をしていれば自然と
決め手となりうることが書けるようになるのではないでしょうか。(と信じてやってますが)
この辺は私よりも某スレでの相方、冷シャブタンの方が精通しているのでご覧くだされ。
3 公選法129条の合憲性について
>表現の自由を制約する規定は、
>萎縮効果を防止するためにできる限り明確な内容を持たなければならないことを
>考え合わせると、本規定にいう「選挙運動」の内容は明確とはいえず、
これは明確性の基準によるものではないでしょうか。
結論はいいのですが、LRAの基準で考えていく流れに沿わないように思います。
4 公選法138条1項の合憲性について
>しかも、企業をはじめ団体を巻き込んだ不正に較べ、 戸別訪問で選挙の公正が侵害される危険は大きくないといえ、
>必ずしも規制の必要性が高いとはいえない。
5でも同様の記述があるのですが、(規制の必要性について)
「立法目的を達成するためにより制限的でない他の選び得る手段が存在しないか否か」
という規範を立てている以上、それと関連づけと述べた方がいいのではないかと思います。
つまり、規制の必要性は低い→より制限的でない手段で足りるという方向性で盛り込めばいいのでは。
6 判例に対する批判
>国民の政治に対する無関心が深刻化する
>今日の状況に対する認識・配慮が著しく欠けるというべきである。
これはどうなんでしょうか。これでは非政治的であるべき裁判所に政治に対して配慮しろということになりませんかね。
また、私ならばということですが、戸別訪問の禁止に関する判例の使った「猿払事件判決」と同様の
基準への批判を書くつもりです。
>*私は、月1の草野球でセカンドをやっていますので、「内野手」です。
やるのは野球よりもサッカーなんですけど。流れで「外野手」となりました。
>140 それは、言葉のアヤかもしれません。すいません。 私は勉強歴が浅いので、論証と当て嵌めをあまり区別せずに記述しまして…。 貴方の言葉で、その違いを改めて考え直して理解しました。 外野手さん。 >>今日の状況に対する認識・配慮が著しく欠けるというべきである。 >これはどうなんでしょうか。これでは非政治的であるべき裁判所に政治に対して配慮しろということになりませんかね。 これに関しては、あくまで「政治的無関心」を防止すべきということで、 裁判所が特定の政治の立場、内容に立ち入るわけではないので、よいのではないでしょうか。 私は、森前首相が「選挙の日は雨だったんだからみんな家で寝ていてくれればいいのに」という趣旨の発言をしたのを、 強烈に覚えていまして、はたして民主主義国家の一国の宰相がそれでいいのか、と思ってきたのです。 そこで更に司法の勉強をするようになって、裁判所がいわば政府・国会の政治的無関心政策に追従していてよいのか、 という視点を今回の答案で考えさせられたので、このように論じました。 私は社会人を経験していることもあって、答案にオリジナリティを出すためにも、 自分の経験を踏まえた視点で書くということを大事にしていきます。 その意味で、万人に対する「模範解答」からは遠ざかるかもしれませんが。 公選法129条の合憲性については、 表現の自由に対する明確性の原則に触れている答案を見たことがなかったところ、 考えている最中に気づいたので、あえて指摘してみました。 そのため、ご指摘のように取って付けたような印象になっていますね。 流れにうまく組み入れられるように要検討します。 ちなみに、これ以上の言及は避けますが、 某コテハンといってもただのお遊びスレ住人でして……。 今夜も的確なご指摘ありがとうございました。
143 :
河童 :04/01/22 01:02 ID:???
外野手さん。 >この辺は私よりも某スレでの相方、冷シャブタンの方が精通しているのでご覧くだされ。 どこのスレでしょうか? 差し支えなければ教えてください。 2ちゃんねるは息抜きに使えるのですが、勉強に有益なスレがなかなか見つかりません。 (このスレの発展を期待しつつしばらく様子見してみるつもりですが) *ハンドルネームをつけました。
144 :
131 :04/01/22 01:07 ID:???
>>河童さん >「フィニッシュブロー」になり得る論証や当て嵌めを少しでも多く蓄えるのが、 合格への近道になると思うのですが、いかがでしょうか。 個人的には反対です。 司法試験ではみんなが当たり前にできることを当たり前にできていれば受かる試験なので。 答案を読む限り、ちょっと頭が良すぎるかな・・という印象を受けるので、 よけいに筆が滑ったときに危ないのではないでしょうか。 当たり前のことというのは、具体的には >同法142条1項違反として罪に問われた。甲は、この公選法の規定は憲法21条に違反して無効 という問題文に対して >本問公選法の各規定が憲法21条に違反して違憲であると旨の主張 「違反して無効」というフレーズを形式的に一致させることだったり、 >まず選挙運動の自由が憲法21条によって保障されることを確認する必要がある。 >他の憲法上の権利・価値との調整のために一定の制約に服する(13条)。 条文引用を丁寧にすることです(21条1項、13条後段・12条後段)。 21条1項2項の違いを受験生が分かっているのか、試験委員は紙の上からしか見ないわけですから。
145 :
131 :04/01/22 01:09 ID:???
(続き) また、いちばん大切なのは論理の流れだと思います。 >まず選挙運動の自由が憲法21条によって保障されることを確認する必要がある。 この点、政治活動の自由は、自己の政治的意見を対外的に現して人格的生存を達成する上で(自己実現)、 また代表民主制の前提として(自己統治)極めて重要な人権であり、 選挙運動は政治活動の最も典型的なものでともいえることから、当然に21条の保障を受けると解すべきである。 明文ない→政治活動の自由が21条1項で保障→選挙活動の自由も同様 というのが論理ですよね。 解釈の必要性と、政治活動の自由の保障根拠が抜けてしまっています。 私もそうですが、分かっているところほど論理ミスをしてしまうものです。 もっと単純に考えても十分おつりがくるぐらいよく書けていますから、 思い切って量を削って、書くところを絞ってみるのもよいと思いますよ。 合格者でもないのに偉そうなこといってすみませんが。
146 :
河童 :04/01/22 01:23 ID:???
>>131 さん
「当たり前のことを当たり前にやる」。まさしくおっしゃる通りです。
特に憲法と訴訟法は、それが大事なんだと記述のように論文オールFを食らって痛感しました。
私の答案の脇が甘いのは承知しているのですが、具体的に指摘していただけると大変助かります。
どこもそうなのでしょうが、答練は決して安くなのにまともな「添削者」が極めて少なく、
適当な「採点者」がほとんどという印象ですからね。
しかし、やはり「より高確率に」合格を狙いにいくならオリジナリティは大事だと思います。
去年の敗戦をもう一度反省して、131さんのご忠告に従って今後基礎も大事にしてやっていきます。
147 :
河童 :04/01/22 01:34 ID:???
既述ですが、実際の試験では量的に準備していた「模範解答」の8割を論述するのが限度です。 そこで、全体の8割でなく、「基礎10割」・「オリジナリティ6割」で合計8割くらいで書けたら最高ですね。 なんだか目指す方向性が見えてきた気がします。 外野手さんは主に内容面で、131さんは主に受験技術やセンスの部分で助言をいただき、大変参考になります。 131さん、夜遅くにありがとうございました。
148 :
131 :04/01/22 01:37 ID:???
>>河童さん >適当な「採点者」がほとんどという印象ですからね。 同感です。参考答案などもまさに解答例と同じ筋のものがほとんどですし。 基礎は当然としてオリジナリティを、ということなのですね。 問題意識があってとてもよいと思います。私も爪の垢を煎じて飲みます。
149 :
河童 :04/01/22 10:34 ID:???
*そういえば、「フィニッシュブロー」的な論証ということでいえば、 昨年の論文刑法で、消費者金融のカード詐欺について、 カードをもらってすぐに現金を目一杯引き出した場合に、カードに対する詐欺に加え、現金に対する窃盗が成立するかにつき、 →カードをもらった直後に現金を目一杯引き出しており、カードと現金は同一主体に帰属する法益であり、 いわばカードは現金を詐取するための金庫の「鍵」に過ぎないということを、 消費者金融では、カードさえ発行してもらえば、すぐに現金を引き出せる。 消費者金融の窓口のお姉さんは、カード発行権限を持っている。 消費者金融会社は、カードさえあれば現金がすぐに引き出せるのを承知で、 窓口のお姉さんにカード発行権限を与えている。 とすれば、窓口のお姉さんを詐欺してカードを詐取することは、 消費者金融会社から現金を詐取したも同然である。 よって、カードと現金に対する詐欺一罪のみが成立する。 ……というような論証を現場思考でしました。 これ以外に、ボロボロだった刑法がAだった理由が見当たりません。 (本当にボロボロでG確実だと思いました) 2ちゃんねるにおける評価は、「初学者」は「基本どおりに書け」というもので、 散々でしたが、現場思考で書いた論文は説得力が違うのかもしれません。 ……しかし、131さんに再三指摘されるように、私は基礎がおろそかですね。 刑法は、3月になってから論文を固めるつもりなので、この話はここまでにします。 ただ、論文の採点基準について少しでも参考になればと思いまして書きました。
150 :
131 :04/01/22 18:05 ID:???
>>河童さん
>現場思考で書いた論文は説得力が違うのかもしれません。
知らない論点ほど論理をしっかりつなげようとするからではないでしょうか。
特に刑法のように規範が長い科目では、ついつい論理を端折りがちなので(故意責任の本質とか)、
論理さえしっかりしていれば原則を修正しても評価されるように思います。
その意味で
>>149 の論証はしっかりしていると思います。
河童さんの基礎がおろそかということは決してないと思いますよ。
怖いのは、意識しないところでうっかり論理矛盾や破綻を起こしてしまうことです。
自分もよくやってしまうので。
論証に採点基準が無い分 筋の通った現場思考は良い点つきそう。
152 :
河童 :04/01/22 21:52 ID:???
>>131 さん ありがとうございます。
>>151 さん 具体的な論文の内容につき、ご参加お待ちしています。
さて、今回は首相公選論です。これも辰巳の先週末のローラーです。
小泉が三日ほど前に首相公選制の導入についてテレビでだいぶ語っていましたが、
道州制や憲法改正とともにやはり論文で狙われやすいタイムリーな話題ですよね。
問題
日本国家が不況・高齢化等の現況を切り抜けるため、強力な政治的指導者を必要とするため、
総理大臣の選出について、国民投票を設けるべきであるとする「首相公選論」があるが、
これについて現行憲法の観点からどのように評価すべきか論ぜよ。
1 はじめに
本問においては、首相公選制の採用により国民投票制度を導入することが違憲とならないか、
すなわち@国民主権(前文、1条)、及びA議院内閣制(66条3項、67条等)
ひいては権力分立原理(41条、65条、76条1項)に反するのではないか問題となる。
153 :
河童 :04/01/22 21:55 ID:???
2 国民主権と首相公選論 日本国憲法は国民主権を採用する(前文、1条)。そして、その一環として、 国民の公務員の選任・罷免権(15条1項)が規定されている。そのため、首相公選論の是非を判断するにあたっては、 日本国憲法における国民主権及び15条1項の意味を検討する必要がある。 (1)まず、国民主権とは、国家権力の正当化根拠が国民に存するという正当性の契機と、 国家権力の究極の行使者は国民であるという権力的契機が不可分に結合した原理であると解する。 なぜなら、このふたつが揃ってはじめて名実ともに国民主権といえるからである。 (2)もっとも、日本国憲法は、代表民主制の下(41条、43条)、 直接民主制制度を例外的に定めるのみである(79条2項、95条、96条)。 このことは、直接民主制による場合には民意の反映が確保される反面、 多数派支配による少数者の人権侵害や独裁の危険、それに伴う憲法秩序の破壊のおそれがあること、 また国政レベルでは国民の判断能力に限界があり、むしろ代表者の討論による統一的国家意思の形成によるほうが 一層人権保障が図られると考えられる点に理由があると考えられる。 とすれば、現行憲法の下では、国民主権は権力的契機よりも正当性の契機が強調されるべきであり、 明文ある憲法改正(96条)に準ずるような最重要事項に関することを例外とするとしても、 国政に関して法律により直接民主制制度を導入することに、憲法は消極的であると解すべきである。 (3)そして、かかる国民主権の解釈からは15条1項にいう「国民固有の権利」も 公務員の地位が終局的には国民の意思に基づくことを要求するにすぎず、 国民に公務員の任免について具体的な権利を付与する趣旨ではないと解すべきである。 (4)したがって、「首相公選論」は国民主権(前文、1条)及び、公務員の選任・罷免権を規定した 15条1項に反するとまではいえないが、そこから積極的に要請されるものでもないといえる。
154 :
河童 :04/01/22 21:56 ID:???
3 議員内閣制及び権力分立原理と首相公選論 次に、「首相公選論」は議院内閣制及び権力分立制に反するものではないか、本問からは明らかではないが、 首相公選制には法的拘束力を有する国民投票を要求するものと、そうでないものがあるので、以下、別個に検討する。 (1)法的拘束力を有する首相公選制については、憲法67条が議員内閣制度の一環として 内閣総理大臣の選任権限を国会に与えている以上、違憲であることは明白である。 (2)これに対して、法的拘束力を持たない諮問的な意味を有する国民投票による首相公選制は、 一義的に67条に反するとまでいえないため、議員内閣制度には反しないと考えることも可能であろう。 しかし、諮問的意味にせよ国民投票制を採用するときには、議会の選任と国民投票の結果が一致するときには、 内閣総理大臣に憲法が予定する以上の権力を持たせ、一元的に議会に対して責任を負うべき議員内閣制のバランスを 崩すことになり、他方議会の選任した内閣総理大臣と、国民投票が選出した内閣総理大臣指名者が異なる場合には、 内閣が議会に対して責任を有し、かつ国務を総理するものとして国政の運営にあたることが著しく困難になろう。 (後者の場合は、本問首相公選制の狙いである、強力な政治的指導者の出現をむしろ妨げる結果になる。) このような点を考えるとき、議院内閣制を採用するわが国において、 諮問的なものといえども首相公選制を採用することは、議院内閣制度に反するものといえる。 のみならず、いわゆる政党国家現象・行政国家現象の下、行政権が肥大化した今日において、 内閣と国会の均衡・相互抑制を図り、国民の自由と権利を保護せんとする権力分立の原理からも 首相公選制は国権の最高機関たる国会(41条)の地位を更に低下させるものとして許されないというべきである。 (3)なお、仮に憲法改正(96条)を伴って首相公選制を採用しようとした場合であっても、 前述のように権力分立原理の観点から、67条をはじめ議院内閣制に関する部分のみを憲法改正すれば、 その採用が許されるわけではないと解すべきである。
155 :
河童 :04/01/22 21:57 ID:???
4 まとめ 以上より、「首相公選論」を採用することは、現行憲法の下では国民主権(前文、1項)には反しないとしても、 議院内閣制(66条3項、67条)、権力分立原理(41条、65条、76条1項)の見地から許されない。 なお、独裁の危険等が大きい首相公選制を採用せずとも、議員内閣制の下において 政治的に強力な指導者を求めることが可能なはずであって、問題とされるべきは 今日の政党政治の機能性の低さであると考えられる。 後述 *「67条」は、2項も内閣総理大臣の指名に関する規定であり、衆議院の不信任決議案(69条)は 首相公選制になった場合にどうなるのか、という問題意識も持つべきだと思うので、 あえて「67条1項」としませんでした。本当は首相公選制が法的拘束力を持つものの場合、69条はどうなるのか、 という論点も書きたかったのですが、法的拘束力を持つときは67条違反が明白であるのでやめました。 *また、まとめの直前に、「生半可な憲法改正があっても許されない」という趣旨のことを書きました。 これは、現在政治的に議論が盛んなものとして、道州制はともかくとして、二院制の廃止や、首相公選論は 憲法改正とセットで論じられていることですから、是非とも答案にそれを反映させるべきだと思ったのです。 おそらく、本問では触れる必要がない、という「添削者」のありがたいコメントをもらうと思いますが、 本試験の「採点者」にはネガティブアピールには絶対にならないはずだと信じて自分のポリシーに従います。 *統治の問題ゆえなのか、人権である15条1項に触れている答案は見たことがありませんが、 やはり明文で公務員の選定権利について規定している以上、触れるべきだと思うのですが……。 こう毎晩では、みなさまの勉強ライフに差し支えがあるといけませんから、ご無理をなさらない範囲で論評ください。
156 :
131 :04/01/23 00:55 ID:???
>>河童さん ・2(1)(2)は2(1)にまとめる。(ワンブロックワンテーマ) ・15条1項に触れるなら、1 はじめにで先出ししておく(書ききった後で挿入すればよいと思います)。 ・>このことは、直接民主制による場合には民意の反映が確保される反面、 多数派支配による少数者の人権侵害や独裁の危険、それに伴う憲法秩序の破壊のおそれがあること、 また国政レベルでは国民の判断能力に限界があり、むしろ代表者の討論による統一的国家意思の形成によるほうが 一層人権保障が図られると考えられる点に理由があると考えられる。 →「現行憲法がこのような原則を採る趣旨は、・・・点にあると考えられる。」として内容の予測可能性を出す。 ・>(1)法的拘束力を有する首相公選制については、憲法67条が議員内閣制度の一環として 内閣総理大臣の選任権限を国会に与えている以上、違憲であることは明白である。 →67条が内閣総理大臣の選任権限を国会に与えている趣旨は、・・・にある。 とすれば、かかる趣旨に反する以上、違憲である。 (3)も67条の趣旨に反する、としてリンクさせる。 ・>今日の政党政治の機能性の低さであると考えられる。 →現行憲法下における今日の・・・。として問題文にリンクさせる。 統治の問題も問題提起・趣旨・規範・当てはめという流れで書くと読みやすくなると思います。 >本試験の「採点者」にはネガティブアピールには絶対にならないはず 同感です。特に憲法は「今」の視点が出題意図の中心になっていると思いますので。
157 :
河童 :04/01/23 01:06 ID:???
>>131 さん
なるほど。的確なご指摘、今夜も遅くにありがとうございます。
・>統治の問題も問題提起・趣旨・規範・当てはめという流れで書くと読みやすくなると思います。
これはまったくその通りですね。頭と体に染みつかせないといけない書き方というか習慣ですね。
まだまだ論文を書く本数が足りないのでしょう。(私は専念してやっても一日5本が限界です)
自分の論文をみなさまに論評いただく企画は、明日で第一部憲法編を「完」とします。
ほんとうにお付き合いありがとうございました。
おかげさまで基礎を大事に論文を書くことに対する意識がだいぶ高まり、
なんだか気持ちが引き締まりました。
2月からは択一模試も受け始めるので、「第二部」は微妙ですが……。
158 :
外野手 :04/01/23 01:38 ID:???
>>河童氏
時間がないので首相公選制についてのコメントは後日にさせてくだされ。
気が向いた時にでも見てください。
>どこのスレでしょうか? 差し支えなければ教えてください。
>2ちゃんねるは息抜きに使えるのですが、勉強に有益なスレがなかなか見つかりません。
http://school.2ch.net/test/read.cgi/shihou/1069060126/ ここで私も構成をUPしているので、お時間があるときにコメント頂ければ幸いです。
数通の答案を拝見しましたが、どれも内容が濃いものでとても有意義でした。
またどこかでやりとりしましょう。
159 :
河童 :04/01/23 20:52 ID:???
今回は最終回に相応しく、やはりタイムリーな問題を選びました。 先日の最高裁参議院議員定数不均衡判決で改めて注目を浴びると思われる「合理的期間論」です。 ベースは昨年の辰巳の問題です。実に有意義な問題だと思いますので、みなさまもご検討ください。 問題 「制定当初は合憲だった法律が、その後の社会的事情の変化によって違憲状態になった場合であっても、 裁判所は直ちにそれを憲法違反とするのではなく、合理的な期間を徒過してもなおそれを立法府が是正しない場合に はじめて憲法違反と判決すべきである」という見解について論評せよ。 また、裁判所が法律の無効を宣言するが、判決の効果は一定期間経過後にはじめて発生するという内容の判決を 下すことの当否を論ぜよ。 1 設問前段について (1)本問見解は、いわゆる合理的期間論と呼ばれるものであり、 判例上も議員定数不均衡訴訟において採用されているが、本問見解は、現行憲法上、どのように評価できるか。 (2)そもそも裁判所に違憲審査権(81条)が付与された趣旨が多数派の専横から少数派の人権を保護する点に あることからすれば、合理的期間の経過を問題とするまでもなく、違憲状態にあるとの判断を下す以上は、 原則としては違憲判決を下すべきである。 しかし、裁判所は非民主的機関ゆえ国民代表機関(42条、43条)たる国会の判断を最大限尊重すべきであり、 司法消極主義の要請も無視できない。また、社会の状況が刻々変化しているのは否定しがたい事実であり、 そのような状況を考えれば裁判所は違憲状態を理由に直ちに違憲判決を行うことよりも、 むしろ国民代表機関たる国会の判断によって是正されることを促すにとどめるのを相当とする事柄もある。 そこで、事件の性質によっては、合理的期間論自体は肯定されてよい。
160 :
河童 :04/01/23 20:53 ID:???
(3)ただし、本問見解では合理的期間論を採用するにつき、@問題とされる人権A不利益の内容やそれを被る対象、 B違憲状態となった時期及びCその経緯、D「合理的期間」の具体的な内容等が明らかになっておらず、 運用次第では結局、人権侵害を放置する結果にもなりかねない。そこで、合理的期間論を採用すべきか否かは、 前述@ないしCの要素を総合的に考慮して、慎重に判断すべきであり、 また合理的期間論を採用するとしてもDについて最大限配慮を示すべきである。 例えば、判例上合理的期間論が採用された議院定数不均衡事件についてこれをみると、 @問題とされる人権は選挙権そのものでなく、その価値の平等であり、民主主義社会では重要ではあるが、 直ちに救済することが必要不可欠という性質の人権ではない。またA不利益を被っているのは都市部の国民であるから むしろ多数派といえ、更にB人口は常に変動するものであるから違憲状態になった時期の把握は困難であるといえる。 よって、これらを総合的に考慮すれば、初期の議員定数不均衡事件において、 判例が合理的期間論を採用していたことは妥当といえる。 しかしながら、近年の議院定数不均衡事件においては、過去再三にわたる裁判所の違憲判決 あるいは厳しい警告を含んだ内容の合憲判決にもかかわらず、国会が対処しないのは怠慢という他なく、 C違憲状態となった経緯を考えれば、今後合理的期間論を採用することには抑制的であるべきだと考える。 また、D合理的期間の具体的内容に関しては、確定判決の時期や衆議院の場合は解散など 様々な事情を考慮するとしても、本来違憲の状態なのであるから早期の是正を促すべく、 原則として違憲判決後はじめての当該議院の国政選挙までの期間を「合理的期間」とすべきである。 (4)よって、本問見解は、合理的期間論を採用し得るという点については妥当としても、 その基準や具体的内容につき、一切明らかにしていない点で妥当でない。
161 :
河童 :04/01/23 20:54 ID:???
2 設問後段について (1)本問判決は、法律の無効を宣言するが、判決の効果は一定期間経過後にはじめて発生するというものであり、 いわゆる将来効判決と呼ばれるものである。そして、この場合、その違憲判決の効果は遡及しないものと解されている。 かかる判決を裁判所が行うことは妥当か。 (2)この点に関して、我が国の憲法上裁判所に認められている違憲審査権は前述の司法消極主義や 権力分立(41条、76条1項)との関係から具体的事件の存在を前提とする付随的審査性であると解されるところ、 憲法は本来的に個人の人権保障を憲法秩序全体の保護よりも重視しているといえる。 そうだとすれば、将来効判決によっては憲法保障機能はある程度果たせても、 個人の権利救済が直ちには図られないため、本問見解は妥当でないとも思われる。 しかし、他方で直ちに違憲の効力が生じるとなると、それにより社会が混乱し、 より重大な人権がより広範囲にわたって害される場合があることも否定し得ない。 また、かかる事態を憂慮して、裁判所が違憲判決を下すこと自体に消極的になっては本末転倒である。 そこで、具体的には@問題とされる人権A不利益の内容やそれを被る対象、 及びB社会秩序の安定の要請などを総合考慮した上で、C「一定期間」の具体的な内容をできる限り明確にすれば、 かかる将来効判決を下すことも許され得ると解する。 本問でも議員定数不均衡事件を例にとってこれをみると、@・Aに関しては先述の合理的期間論で論じたとおり、 直ちに救済することが必要不可欠という性質の人権ではないし、B選挙を直ちに無効とした場合には 当選した議員の関与した立法の無効等、社会的に大きな混乱が生じるおそれが強い。 よって、将来効判決を下すことも許され得る。また、将来効判決の効力が生じるC「一定期間」に関しては、 合理的期間論で論じたとおり、原則として次の当該議院の選挙までの期間ということになろう。 以上より、前述のように@ないしBの要素を総合考慮することが前提であり、 判決に際してCの要素につき配慮する必要があることを強調しておくが、 かかる将来効判決を下すことができるとする本問見解は妥当といえる。 以上
162 :
河童 :04/01/23 20:55 ID:???
後記 *外野手さんのいるスレにお邪魔しましたが、みなさんよく勉強していますね。 特に文献を大切にしているので、本問についても私が自分の頭で考えてみた考慮すべき諸要素よりも、 基本書等にかなりきっちりとしたものがあるのかもしれませんね。 書物は自分より賢い人が、自分より興味を持って時間をかけて書いたものですから大切にすべきですよね。 私は判例についてはそこそこ勉強していますが、恥ずかしながら基本書は一冊も読んだことがありません。 今年の論文試験が(受けられたとして)終わったら、読もうと思っていますが、なかなか時間的にきつくて……。 *本来、合理的期間論については、他の人権が問題となっている場合にも採用できるか、という問題意識が大事です。 しかし、どうしても議員定数不均衡が中心の論述になってしまうのは仕方ないのではないでしょうか。 *また、憲法保障機能との関係で論述が足りない気もします。 すなわち、議員定数不均衡の場合は、どちらかといえば多数者である都市部の人間が不利益を被っています。 これを、人権保護を重視する見地から「だからこそやや大目にみてもよい」とするのか、あるいは、 憲法保障機能を重視する見地から「だからこそ憲法秩序が大きく害されている。それゆえ迅速・厳格に是正すべきだ」 とするのか、合理的期間論の採用に関して私の論文はそれにつき十分に論じていない気がします。 もっとも、欲張りすぎてもいけませんが。みなさまもご検討ください。 *また、131さんに再三ご指摘いただく基礎的なことを大切にする姿勢からは、 やはりもう少し「原則→不都合性→例外(必要性・許容性)」のパターンに乗せたほうがよいのでしょう。 今回は最後と言い訳して好きなように書かせていただきましたが、もしお時間あればご容赦なくご指摘ください。 *131さん、外野手さん、本当にどうもありがとうございました。すごく勉強になりました。
163 :
131 :04/01/24 17:56 ID:???
>>河童さん おもしろい問題ですね。参考になります。 内容について、>「原則→不都合性→例外(必要性・許容性)」のパターンという点を若干検討したいと思います。 >原則としては違憲判決を下すべきである。 しかし、裁判所は非民主的機関ゆえ国民代表機関(42条、43条)たる国会の判断を最大限尊重すべきであり、 司法消極主義の要請も無視できない。また、社会の状況が刻々変化しているのは否定しがたい事実であり、 そのような状況を考えれば裁判所は違憲状態を理由に直ちに違憲判決を行うことよりも、 むしろ国民代表機関たる国会の判断によって是正されることを促すにとどめるのを相当とする事柄もある。 そこで、事件の性質によっては、合理的期間論自体は肯定されてよい。 ・「原則〜である。しかし、〜。」という構造はうまくパターン化されています。 (ちなみに以降の「ただし〜」も例外の限界付けだということが分かりやすいです。) ・必要性・許容性についても同様に、思い切ってパターン化するとよいと思います。 必要性→>社会の状況が刻々変化している∴判断につきある程度期間を加味する必要 許容性→>裁判所は非民主的機関∴政治的判断能力に乏しい∴国会 ちょっと分かりにくいですが、必要性ではなるべく法的評価を加えず、逆に許容性では事実評価を加えないということです。 「非民主的機関」とか「国民代表」というのは憲法上の評価ですので、許容性に絞って書きます。 要するに、今どのブロックの議論をしているのかの区別をはっきりさせて自分と読み手の混乱を防ぐことが大事になります。 こういうのはゲーム感覚で、馬鹿馬鹿しいほど愚直にやると楽しめると思いますよ。 最後まで細かいことをいいましたが、少しでも参考になれば(こちらは参考になりました、、)。 今年の最終合格をお祈りします。頑張りましょう!
164 :
河童 :04/01/24 20:19 ID:???
>>131 さん
今年の論文で、「合理的期間論」なんて出たら嬉しい限りですね。
そのときは(そうでないときでも)「口述」なり「司法修習」でお会いしましょう!
*このスレもどうにか維持・発展していればいいんですが。
民法・刑法もご指導いただきたい論文ができたときはアップするつもりではありますが。
>河童さん、外野手さん ここでしたか。ようやく見つけました。良い検討会になっていますね。 >131さん、およびスレ住人の皆さん はじめまして。 >このスレを存続させるための助言 予備校の答練の問題文全文はうpしない方がよいかもしれません。いろいろ方法はあると思います。 なお、ネット上には答練検討掲示板もあります。また、日曜答練については、あほ〜を覗くと吉。 あと、いろいろ荒らしが入って検討に困難をきたす場合に備えて、予備的に、個人のHPの掲示板も 利用できるように、問い合わせてみます。 >補足 たぶん今年、このスレから合格者が出ますよ。ちなみに、昨年のわたくしの合格予言(複数の大学 の受験生です)は10割でした。みんな、がんばれ!
166 :
河童 :04/01/25 10:25 ID:???
>>165 某スレ、30さん。すいません。
あちらのスレにも案内情報を出しておけばよかったですね。
わざわざお探しいただき、ありがとうございました。
ご案内を出そうか迷ったのですが、なんだかあちらのスレを見ていたら、
ちょっと色彩が違うというか、有態にいえば、
わざわざご案内するレベルでもないかもしれないと思ってしまいまして。
みなさん、私の知らない学者さんのこととかまでよく勉強していますからね。
もちろんアップしたものは合格答案として申し分ないものと自信を持っていますが。
*私はパソコン音痴でして、HPとかはよくわからないのでお気遣いなきように。
*お互い頑張りましょう。ありがとうございました。
167 :
外野手 :04/01/28 23:15 ID:???
>>152-155 まず国民投票が法的拘束力を有する場合は明らかな憲法違反ですから
出題可能性が低そうですね。
>現行憲法の下では、国民主権は権力的契機よりも正当性の契機が強調されるべきであり、
私は「正当性の契機が強調されるべき」というのは少し危うい表現だと思っています。
いわゆる人民主権論を唱える立場ならば直接民主的制度である国民投票制を
導入することを積極的に論証できそうですが、通説の立場からすると
この点は国民主権論から一義的に結論が出るものでなく、他の憲法規定の解釈から考えることなると思うのです。
どう書くかとても難しいところです。
>>159-162 あら探しをしてきたのですが、なかなか見つからないようです。
・1(3)や2(2)で設問に即した文章と一般論とが入り交じっている印象があります。
常に問題に即した書き方をするのも大事なので悩むところなのですが、
規範とあてはめの分離と同様、分けて書くとより読みやすいと考えます。
(131さんのご指摘は参考にさせて頂きます。)
・2の将来効判決について。
個別的効力説を採る(と思うのですが)立場からすると、将来効判決は原則として認められないとなりますね。
その視点も入れて、原則→例外で書くとよりよいのではないでしょうか。
「憲法保障と個人の権利救済」という点から書くことが間違いだという訳ではありませんが。
まとめ。
答案の内容は充実しており素晴らしいと思います。
憲法解釈から離れないように意識すれば、規範と区別したあてはめ部分で
河童さんのオリジナリティは生きるはずです。以上、送ればせながら。
168 :
河童 :04/01/29 23:04 ID:???
>>167 外野手さん、ホームでお忙しいなか、アウェイ遠征ありがとうございます。
>>憲法解釈から離れないように意識すれば、規範と区別したあてはめ部分で
>>オリジナリティが生きるはずです。
再三基礎の部分を大事にするようご忠告いただいていますから、
前半部分を重く受け止めさせていただきます。
どうもどうもありがとうございました。
*あちらは、民法に入りましたね。
私は民法は法律でなく、徹底的に腕力・飛び道具・寝技?で勝負しようと思います。
(早い話が、難しい話がサッパリわかりません。細心の気配りと大胆な発想が武器です)
そのためにはまず最低限度の法律知識を身につけることが大前提ですから、
このスレに書き込むことももあちらにお邪魔することもなく、
しばらく独りでコツコツ勉強したいと思います。
というか、ちょっと訊きたい。 あんな答案を本試験で書けるわけ? すごいな。
170 :
河童 :04/01/30 10:30 ID:???
>>169 もちろん、万全な準備が必要です。
憲法や訴訟法なら50個程度、自分なりの模範答案を作成します。
そして、ひとつの論文を10個くらいに区切って頭の中にインプットしておけば、
答案書くときに切り貼り切り貼りしていくだけで論文はできます。
(ただし、区切ってインプットした論述同士の結びつきを理解することは大事です)
そして、基礎をおろそかにしないことと(これはご忠告いただいたことです)、
設問に即してオリジナリティを出す部分を考えて、ジョイントに細心の注意を払うだけです。
人の書いたものでは、そのように分割して頭にインプットしておけず、
したがってインプットを小出しに組み合わせるようなアウトプットも不能でしょう。
あと既述ですが、現実的にあの8割書ければ合格答案だと思いますし、
量的にも時間的にも、それが限界なのではないでしょうか。
*偏見かもしれませんが、憲法と訴訟法はそれで大丈夫な気がします。
なにせ去年はFFFでしたから……新たな勉強方法を試しています。
171 :
河童 :04/01/31 01:25 ID:???
民法は書き込まないつもりでしたが、頭が混乱したので、批判的に指摘していただきたくアップしました。 こんな単純・典型的な問題が現実的に出題されるとは思いませんが、理解を深めるためにむしろ最適かと思いまして。 Aは、平成元年1月にBからB所有の甲地を取得して、引渡を受け暮らしているが、移転登記は具備していない。 平成10年になってBが死亡し息子Cが相続したが、Cは甲地の登記がB名義のままであったことから、 これを自己所有と思いこみ、同年の10月にこれをDに売却し、登記をDに移転した。 その翌年=平成11年1月にAは、Dに対して、時効取得を主張して所有権移転登記請求をなした。 本問Aの請求は認められるか。 1 はじめに AとDはBあるいはBを包括承継したC(896条)を起点とした二重譲渡の譲受人同士の関係にあるといえ、 その観点からは、Dが登記を先に備えている以上、DはAに優先するのが原則である(177条)。 しかし、Aは時効取得の主張をしているため、その主張に理由があるかについて別途検討を要することになる。 2 自己物の時効取得の可否について まず、AがBから有効に甲地の所有権を取得して以来、10年間にわたって占有を継続しており、 自己物の時効取得が可能であれば、Aの主張が認められる可能性があるため、 まず自己物の時効取得の可否について明らかにする必要がある。 この点に関連して、そもそも時効制度の趣旨は、永続した事実状態を尊重して、法律関係の安定を図る点にある。 とすれば、162条の「他人ノ」という文言を形式的に解釈する必要はなく、 自己物についても時効取得できるとすることが時効制度の趣旨に合致するといえる。 よって、Aは甲地を10年間善意無過失で占有していたことから時効取得の主張をすることが可能と思われる。
172 :
河童 :04/01/31 01:27 ID:???
3 時効と登記の関係について しかし、Aが時効取得し得るとしても、AがDに所有権移転登記請求をなすには、Aの時効取得をDに対抗できる 必要がある。そこで、177条に関連して、時効取得者と第三者との関係をいかに解すべきかが問題となる。 (1)この点、時効取得を第三者に対抗するには登記が必要であるが、時効完成当時の所有者は「当事者」に相当し 「第三者」でないから登記なしに対抗でき、また時効の起算点については占有の開始時とし 任意選択を許さないとする見解がある。 この見解は、占有期間が長いことによって却って時効取得の効果が弱まることがあり、 前述の時効制度の趣旨に反するとの批判があるが、時効取得による登記が可能になった後には登記を要求すべき という価値判断を基礎にしているとみられる。 なるほど一見、かかる見解には説得力があるように思われる。 しかしながら、本問のような二重譲渡における未登記の第一譲受人の場合についてみると、 そもそも譲渡者に土地の登記がある間は、第一譲受人はいつでも登記移転請求をなし得たのであるから、 時効取得者(=第一譲受人)は時効取得まで登記請求ができなかったという前記見解の価値判断は、 その基礎において妥当性に欠ける。このことは、本問においてAは平成元年に甲土地をBから取得して以来、 平成9年10月までCに対して移転登記請求をなし得たのであり、登記を請求できなかったのは CがDに登記を移転した同年同月からわずか3ヶ月間にすぎないことをみても、明らかである。 にもかかわらず、本問において前記見解を貫けば、Aの時効完成時の「当事者」たるDは、 Aの本問請求を拒めないことになり、更にAに甲土地を時効取得されたのは3ヶ月とはいえ、 時効中断手続をとらなかったDの過失も小さくないことから、DはCに対して取消権を行使できず、 満足のいく損害賠償請求も望めないだろう。その結果として、Bの相続人たるCはAとDに二重に、 しかも有効に甲地を売却したことになり、二重利得を得ることになり、 一方、Dはほとんど無償で甲地を失うことになってしまう。 このような結論が現実的に妥当性を有するのか、極めて疑問であり、 Aに先んじて登記を具備したDにあまりに酷であろう。
173 :
河童 :04/01/31 01:30 ID:???
(2)以上より、不当な結論を避けるため、時効取得と登記の関係が問題となる場合は、 個別具体的なケース・類型に応じて、妥当な処理を検討すべきであると解する。 そして、本問のような二重譲渡における未登記の第一譲受人による時効主張(有効未登記型)の場合は、 177条の本来的適用場面であると解することにより妥当な結論が導けると考える。 なぜなら、二重譲渡においてのみならず不動産の譲受人はまず登記の具備を考えるべきであり、 また二重譲渡により登記を具備できなかった劣後譲受人は、 譲渡人に対する責任(415条、709条等)の追及が可能といえるからである。 4 結論 よって、本問においてAは177条の対抗関係で優るDに対して、 時効取得に基づく甲土地の所有権移転登記請求はなし得ない。 なお、AはDが甲土地の登記を備えた平成9年10月の時点より、前述のとおりDに177条の関係で対抗できない ことになるから、実質的に「他人ノ不動産」(162条2項)を占有していると評価でき、 その時点より改めて10年間善意無過失で占有していれば、Dに時効取得を主張できることになる。 以上
174 :
河童 :04/01/31 01:33 ID:???
後述 *本問における問題点 *民法で必要な膨大な法律知識に自信がないため、かなりこじつけでも現実的妥当性を求めてやまない私ですが、 本問Aはすでに10年間甲土地で暮らしています。 そうすると、甲土地を取得したと思ったら手放さなければならなくなったDよりも、A保護の必要性は高く、 むしろ本問でメインである時効制度の本質を考えれば、やはり結論としてAを保護すべきなのでしょうか。 そうであるとすれば、上記答案で批判した判例の見解こそ妥当な結論を導けるということになりますね。 *仮にそう考える場合には、上記答案では「Aが甲土地の時効取得をDに対抗できるとした場合、 DのCに対する責任追及が難しいため、Dに酷である」としましたが、DのCに対する責任追及の有効な方法が フォローとして必須になりますね。この点、Cにとっては他人物売買だったのですから、Dが登記を得ることにより、いったんは完全な権利を取得していたとしても、 Cに対する有効な責任追及の手段はあるのかもしれませんね。そこのところはどうなのでしょうか。 もし、Dが優先するとした場合は、AはCに対して不法行為責任を追及できるのは間違いないと思うのですが。 *時効の起算点については、私の答案は本問においては登記に時効中断効を認めることになっています。 Dが甲土地の「権利の上に眠りはじめる」のが、その時からだと思ったからです。 →→民法に関しては、わざわざ手直しいただくほどのことがまだ書けていないように思います。 面倒なときは「基本書を読め」というようなコメントをいただければ十分です。 ただ、このようなケースでDが所有権を失った場合の、Cに対する責任追及については他人物売主の責任や、 過失相殺といった話で済むのかどうか疑問に思っています。
175 :
河童 :04/01/31 10:54 ID:???
一夜明けて更に考えました。大雑把に私の思考経路を書いておきます。 やはり、このようなケースでは虚偽の外観に対するAの帰責性を考えれば、 登記まで得たDが保護され得るべきである。 しかし、正当に権利を得て10年近く住んだAの事実状態も保護の必要性が高い。 こうして考えてみると、AD両者の利益の調和を図るためには、 問題文からは明らかにされていないDの主観的要素を考慮する必要がある。 なぜなら、そもそも10年近くも暮らしているAとDが二重譲渡の関係にあるというのは、 両者の甲地の取得経緯を考え合わせると形式的な解釈に過ぎるからである。 10年近くも居住しているAとDが二重譲渡の関係とは、もはや言い難い。 具体的には、Aを甲地における真正の権利者としながら、 94条2項の趣旨などからDが善意無過失の場合に限ってDを保護すべき。 よって、Dが取得当時善意無過失の時はAは時効取得により対抗できないが、 Dが取得当時悪意有過失あったときは、Aは時効取得を主張するまでもない。 (Aが10年間近く住んでいたことは、Dの善意無過失の証明に不利となる) →これは、二重譲渡の場合に94条2項で解決は無理があるのかもしれません。 そうであれば、上記の結論を得るためには端的に177条の解釈において悪意者排除論をとって、 やはりAとDは二重譲渡の譲渡人同士の関係にあるが、Dが取得当時悪意の場合は保護されない、 とするのが一番単純で明快なのかもしれません。 その後に、ぐだぐだ本問における利益衡量を書いて、結論の正当性をアピールできますし。 この場合も177条の解釈ですませることになり、時効の主張は無理=関係ない、とするので、 問題の趣旨に応えるという姿勢からは疑問ですが、考えた答案の評価は悪くないと思います。
というかそもそも時効制度ってそういうものでは? 例えばこのAが取引によって土地を取得したのではなくフラッとやってきて 住み着いても善意なら10年で時効取得するわけだし。 その10年の間にその土地の本来の所有者がB→C→Dと正当に移転しようが Aの時効取得は認められる。時効制度とはそういう制度なのでは?
177 :
河童 :04/01/31 15:03 ID:???
>>176 いや、まったくもっておっしゃる通りです。
しかし、判例理論を形式的に貫いて極論すれば、時効完成のたった一日前にでも
権利を取得して登記を備えた所有者は「当事者」として時効取得者に対抗できず、
時効完成後に権利を取得した第三者は「第三者」として時効取得者に対抗できる。
この結論は少し不都合な気がして、不都合なケースにどう対応したらよいかを考えたのです。
民法の問題はナマモノですから、少し事情が違うだけで論述すべき具体的な結論も違うと思うのですが、
先ほどの例でいえば「1日」が「3ヶ月」だったら?というのが、前記の設問なわけでして、
そこでどのように妥当性のある結論を導いていくのかを考えたつもりなのです。
……基本書でも読んでもう少し理解を深めないと、対問題に対する応力が不足しそうですね。
それは譲受人は現場を見て確認することが出来たのに怠ったという理由で あと何日で時効だろうとこの理由がかわらなければ譲受人が土地を取得できない ことは正当化されえると思うような気がします。 というか思うんですけど、 174とか175とかの流れというか結論だと、時効制度があり、その時効制度を 検討していながら、時効制度を完全に無視した結論の仕方をしてるよね? 時効制度が176のようなものだとすれば、時効制度があるにもかかわらず それを無視して対抗問題のみで処理するとかそういうのはちょっと不可能 だと思う。 で、時効制度を無視できないとすれば、適用する以外にないわけなんだけど、 その場合に河童さんの言う妥当な結論を導くためには、時効制度の内容自体を 別な説にした方がいいように思う。 例えば、学説の中にも登記が移転するたびに時効期間ははじめから起算される という学説もあるし、時効制度を認めながらそれを無視して対抗問題等で 解決しようとする流れよりも、そういう学説をもってきた方がいいんじゃないかな?
179 :
河童 :04/01/31 21:22 ID:???
>>178 178さんのおっしゃることは一理ありますが(176さんかな?)、
結局は「土地の登記をほったらかしておいた=虚偽の外観作出に帰責性のある」Aと、
「登記を信頼して土地を買い受け、登記を備えた」Dのどちらの利益を保護するか、の問題でしょう。
そして、答案ではそうなっていませんが、(本試験ででたら今度は場合分けするつもりです)
Dが取得の際に「善意無過失」と「悪意(+有過失)」の場合で、場合わけをする以上、
登記を備えた譲受人たるDが善意無過失の場合に泣き寝入りするというのはおかしいと思うのです。
Dが土地の所有権を確認する場合に、登記を見たらずっと先代BとCの登記しかないわけですから、
善意無過失で取引することもないとはいえないと思いますし。
民法は、膨大な知識が必要とされる反面、持っている知識で妥当な結論を導ける科目でもあります。
時効制度を聞いてきたと思われる設問に対して、「時効と登記の関係」で論じてもいいと思います。
そして、私は時効制度をハナから無視して結論を導いたつもりはなく、本設問においては、検討の結果、
「時効制度」より「177条(94条2項?)」の趣旨が優先する場面である、ということを論じたつもりです。
いずれにしても他人物売買等、もう少し勉強が進んでからもう一度この問題は検討したいと思います。
私は、どのような結論を導くにしても、土地問題で負けた当事者たるA又はDが、
Cに対してどのような責任追及ができるか、という「フォロー」の部分で勝負するつもりですから。
だから >「時効制度」より「177条(94条2項?)」の趣旨が優先する場面である ということ自体が成り立たない、ありえないと思う。 つまり、そう書くのは間違いの可能性、つまり減点される可能性が強いと 思うな。 時効取得は総論の問題、対抗問題はあくまで物権の問題という意味でもそれは 言えるし、 時効制度が一定の事実状態を無条件で認める制度であり、 その要件が満たされてるのに、177条を優先させる論理的根拠がないというか 民法学的な根拠がないというか
民法にも体系というものがあるでしょ?
182 :
131 :04/02/01 02:00 ID:???
ふらっと立ち寄りました〜。みなさんの議論はちょっと難しすぎるのでざっと。 >時効中断手続をとらなかったDの過失も小さくない 登記簿確認だけでなく現地検分の方法が可能ですよね。占有は明らかでしょうし。 >DのCに対する責任追及が難しいため、Dに酷である」としましたが、DのCに対する責任追及の有効な方法が フォローとして必須になりますね。この点、Cにとっては他人物売買だったのですから、Dが登記を得ることにより、いったんは完全な権利を取得していたとしても、 Cに対する有効な責任追及の手段はあるのかもしれませんね。そこのところはどうなのでしょうか。 もし、Dが優先するとした場合は、AはCに対して不法行為責任を追及できるのは間違いないと思うのですが。 704でいいのではないでしょうか。 二重譲渡の事案は不完全物権変動とかいってぼかしてしまうので、 はっきりいってよく分かりません。他人物売買にはならないと思うのですが。 とりあえず177「第三者」の定義出しは必須ではないでしょうか。 答案では触れていないので。あまりつっこめなくてすいません。
>131さん、氏名黙秘さん はじめまして。ちょっとお邪魔します。後にも述べますが、131さんのコメントはかなり的確だと 思います。氏名黙秘さんは1人なのか複数なのか分かりませんので、的が外れたコメントになって いるかもしれません。 >河童さん まず、確認事項ですが、河童さんの立場は、 AD間の対抗問題――→Aが負ける――→取得時効と登記の問題 ・悪意者排除説 (事実上、Aが勝つが) ・類型論(二重譲渡型) →登記尊重説的処理 ということですよね。これは、星野先生の流れを汲む学者によって主張されているようですよね。 この立場の人たちは、本来、二重譲渡で解決する問題であって、この場面で広く取得時効を認める ことには否定的です(本来、時効制度を道徳的なものとは見ていないし、裏道ではなく本筋から解 決すべきだという発想があるように思います)。これはこれで筋が通っています。なお、争点Iの 山田解説も参照のこと。 また、これは鎌田先生あたりの分析にかかるのですが、現在では、公信力説(対抗問題における 94条2項類推による処理)の主張を容れて、 ・真正権利者が正しい登記をしていない―――・登記にたいする第三者の信頼 ことにつき帰責事由があること →真の権利者が権利を失っても やむをえない事情 というバランスの問題と捉えています。この分析によると、両者の利益較量を統一的に理解する ことができそうです。 つまり、Dが悪意であれば、Cの登記にたいするDの信頼は保護に値しませんから、悪意者排除説 によって、Aが勝ちます。これで終わりでしょう。ただ、Dが善意(無過失)であれば、Dの信頼 が保護されますし、その上で、Aが取得時効を問題にしても、Aは、正しい登記をしようと思えば できたのですから、権利を失ってもやむをえないといえるでしょう。そこで、登記を取引の基準に しようとする発想によって、登記を具備するDが勝つということでしょう。十分にバランスはとれ ていると思われます。
>氏名黙秘さん 氏名黙秘さんの立場は、いわゆる占有尊重説の立場に近いと思います。また、判例法理でも、時効 完成前の第三者であれば、占有尊重説的処理になりますから、時効取得が認められることになりう ると思います。ただ、これは既に立場の違いでしょう。河童さんの立場も十分にありうるものであ り、現に主張している学者もかなりいます。 >あえて苦言を呈しますが。。。 ということで、河童さんの立論は十分に成り立つとは思うのですが、いかんせん基本的な間違いと 思われるところが散見します。 この場面は、相続と登記の問題のうちで、大きな論点ではないものの、大前提として書かれている 部分にかかわります。AとDとは対抗問題ですが、相続法上はB=Cなので、起点はB=Cとなり、 他人物売買にはならないと思いますよ。ここは本番では即死判定されかねないところだと思います。 また、権利を取得できなかった者については、二重譲渡で負けた者の処理と同様です。ここは、サ クっと出ないとまずいと思います。メインは履行不能→損害賠償でしょうが、その他にもいろいろ あります。調べればすぐに分かるので、あえてここには書きませんよ。 今回の書き込みは特別です。以後は原則として書き込みません。 では、ごきげんよう。
185 :
河童 :04/02/01 08:55 ID:???
みなさま、とりわけ某スレ30さん、特別措置どうもありがとうございます。 これから答練&択一模試なので、時間がありませんので、手短なお礼で失礼します。 やはり、民法は学者さんの本を読まないとダメですね。 基本的な部分が弱いのは重々承知しています。 択一の勉強で基礎を固めつつ、論文の勉強で頭を悩ます、 というスタンスで今後いきます。どうもありがとうございました。 *131さん、久しぶりです。民法も頑張りましょう。
186 :
河童 :04/02/02 00:12 ID:???
帰ってきて某スレ30さんにご指導いただいたことを読み直して見ました。 私は本問は「二重譲渡」ではありますが、「二重譲渡」でないような気がしていたんですね。 なにせ、設問を読む限りでは、自分の所有物かどうかもわからず他人に土地を売るCもCですが、 そのCが自分の相続した土地だと誤信したことに同情できる一面もあると思いまして。 そうすると「悪意」の「二重譲渡」でなく、「善意」の「他人物売買」のようなイメージがあります。 これは10年間、Cは土地所有権とまったく関係なくすごし(もっとも、登記は被相続人B名義ですが) 土地に住んだAの土地所有権が確固たるものになっている気がしたこともあるでしょう。 「B=Cを起点とした二重譲渡」というのが自分で書きながら腑に落ちなかったんですね。 そこで、昨日の私は94条2項類推の可能性を考えついたみたいです。 そうすると、この場合は真の所有者はA(ただし虚偽の外観に帰責性あり)という構成ですから、 CがDに土地を売ったのは「他人物売買」になるのかな、と。……混乱してますね。 基礎知識を押さえた論述ができれば、法律構成は問わないのが民法論文のような気がするので、 やはり繰り返し繰り返しご指摘いただき、自戒するように基礎体力をつけないといけませんね。
187 :
30 :04/02/02 03:34 ID:???
>河童さん
指導なんてもんじゃありませんし。単なる1意見にすぎません。ちょっと偉そうに書いてしまった
ようですね。反省してます。あと、わたくし、
>>165 と
>>183-184 しか書いてませんよ。
で、
>>186 なんですけど、二重譲渡にかんする河童さんの発想も、1つの筋として存在しています。
篠塚先生あたりのお考えだと思います。そうしますと、Cも他人物売主の責任を負う可能性が生じる
ような気もしてきました。う〜ん。考えたことがあまりない筋なので、よく分かりませんね。ただ、
民法の他の分野の処理に重大な影響を及ぼす可能性があると思われます。結局、この筋で書くかどう
かは、ご自分のリスクで対応すべきことなのかもしれませんね(これ、よく書いてますが。。。)。
試験のレベルは違うんですが、昔、わたくしは学部試験でこれと同じ問題が出題されて、河童さんと
ほとんど同じ発想で答案を書いたことがあります。とりあえず、評価はBでしたよw。参考にはなら
ないでしょうが。
それから、基礎体力云々の話なんですが、学者本を読まないとダメという人がいますが、それは違う
と思います。河童さんは、択一合格経験者以上ですから(論文A評価だし)、思い込みの場合もあり
ます。薄い本を読むとスッキリするかもしれません。やぶ医者(ニセ医者!)の処方箋ですがw。
188 :
30 :04/02/02 03:35 ID:???
>氏名黙秘さん
>>183 のカキコで、「的が外れた」といっているのは、氏名黙秘さんのコメントではなく、わたくし
の氏名黙秘さんへのコメントが「的を外れ」てているかもしれない、ということです。気分を害され
たらごめんなさい。
>おまけ
掲示板の書き込みの場合は、段落ごとに1行空けると読みやすいかもしれません。特に、河童さんの
ばあいには、「*」の前で改行した方がいいかも。うpする答案は、別にしなくていいと思います。
形式面の美しいカキコなどを参考にしてはいかかでしょうか。
なお、書き込みの形式面が美しい人の答案は、手書きの答案も形式面が綺麗なことが多いような気が
します。読む人の立場に立てるからかもしれません。結構、重要かもと言ってみるテスト。
いずれにせよ、おっさん受験生の戯言なので、スルーしてもらって構いません。
では、ごきげんよう。
189 :
河童 :04/02/02 10:49 ID:???
某スレ30さん、毎度どうもありがとうございます。 向こうの板を見ているとレベルが違うので、こちらに出入りしていただくと、 大事な時間を割いてご指導いただいている気がして、どうも気がひけてしまいます。 ここもでいずれお役に立てるようなモノをご提供できたらと思います。 しかし、私は法学部卒ではないので実際にはよくわかりませんが、 学部試験で「B」の理論では、やはりいけませんよね。 Cの責任を限定的にしてあげる余地もあるかと思いまして、 「他人物売買」の責任を考えたこともあるのですが、 自分でも本音では本試験で使える理論ではない気がしています。 では、この話はここまでで。ほんとうにありがとうございました。
191 :
河童 :04/02/05 12:31 ID:???
*まず前の時効の問題についてですが、やはりDがAが10年間住んでいる土地であることに悪意であった場合、 二重譲渡の問題であるとしても、資本主義的自由競争原理の下で、社会生活上正当な自由競争の範囲内の取引とは、 本問事情からは到底言えないため、Dは177条の「第三者」にあたらないとして解決することにしました。 Dは土地がほしければ、Aと交渉すべき場面に間違いありませんよね。(しかもDはCまで騙している) 物権の勉強を今週から始めて初めて気づいたのです。 そして、問題文を眺めていたら、「模範解答」なるものに疑問を持ったため、懲りずに書き込んでみました。 今週の範囲=物権について、「模範解答」のマニュアル性に我慢できなかった問題です。 (全然見当外れではないといいんですが、やや不安。) 問題 Aは、唯一の財産である自己所有の甲土地をBに売却したが、登記移転をしないうちに、 同土地をCに二重に譲渡し登記を移転してしまった。BはCに対して甲土地についていかなる主張をなし得るか。
192 :
河童 :04/02/05 12:33 ID:???
1 177条にいう「第三者」の範囲について 本問で、Bとしては、Cに対して甲土地の所有権及びそれに基づく移転登記請求を主張できれば一番よい。 それはすなわち、AB、AC間での二重譲渡関係においてBがCに優先するという主張に他ならないが、 BはCより先に土地の売買契約を成立させたものの、CはBに先んじて登記を備えている。 そこで、Cが177条にいう「第三者」にあたれば、かかるBの主張は認められないことになるため、 「第三者」の範囲が問題となる。 この点に関して、177条の「第三者」とは、物権変動の当事者以外の者で登記の欠ケツを 主張する正当な利益を有する者をいうと解するが、その主観的様態は条文からは明らかではないため検討を要する。 思うに、177条も資本主義的自由競争原理の下での規定であり、社会生活上正当な自由競争の範囲内の取引は たとえ悪意者であっても同条の「第三者」として保護されるべきだと考える。 したがって、かかる範囲を超え、登記欠ケツを主張することが信義則に反するような、 いわゆる背信的悪意者に限って、「第三者」に該当しないことになる。 以上から、Cが背信的悪意者と認定されれば、BはCに対して甲土地の所有権を主張し得ることになる。 2 債権者取消権(424条1項)について そこで、Cが背信的悪意者と認定されない場合には、唯一の財産である甲土地の売却により、 Aが無資力になる場合、Bとしては、AC間の売買を詐害行為として取り消すことを主張できれば、次善の策になる。
193 :
河童 :04/02/05 12:34 ID:???
(1)まず、BのCに対する被保全債権は、当該土地の所有権に基づく引渡し・登記移転請求であるため、 特定物債権を被保全債権とする債権者取消権が認められるか問題となるが、認められると解する。 そもそも、債権者取消権において被保全債権が金銭債権であることが要求されるのは、 それが一般財産保全の制度であることから、被保全債権は金銭的なものでなければならないと解されるからである。 とすれば、特定物債権も究極において損害賠償請求権に変じ得る以上、 債務者の一般財産による担保が必要である点は金銭債権と変わりはないといえる。 したがって、本問でもBのAに対する債権は前述のように特定物債権ではあるが、 177条にいう「第三者」として保護されるCが登記を具備した場合は、その時点で履行不能となり、 損害賠償請求権に転じていることから、これを被保全債権として債権者取消権を行使し得る。 (2)次に、Aの売却行為が詐害行為となるか、売却価格が不相当に安価な場合は問題ないが、 本問のように相当な場合には問題となる。 思うに、詐害行為の成否については、単なる係数上の資産の増減を基準とするのではなく、 責任財産の保全という制度趣旨そのものから具体的に判断するのが妥当である。 そこで、詐害行為にあたるか否かについては、一般財産の係数上の減少や法律行為の客観的態様及び その効果等の客観的要素と、債務者の主観的態様との一切の事情を総合的に考慮して判断すべきと考える。 なお、この点に関して、不動産を消費隠匿しやすい金銭に変えることは債権者に対する 責任財産の実質的担保価値を減少させるものであるため、原則として詐害行為にあたるとする見解もあるが、 不動産の価格は変動幅が極めて大きく、売り時を逸すると大きな損失となることも少なくないため、 債務者の財産管理・運用に対する重大な侵害となるのであり、かかる見解は妥当ではない。 もっとも、本問においては、Aが二重譲渡してまで土地を金銭に変えることは、 財産隠匿のおそれなどが強いといえるため、原則としてCへの売却は詐害行為にあたるとしてよい。 そうであるとすれば、Cがかかる事情につき悪意の場合には、Bは債権者取消権を行使し得る(424条1項)。
194 :
河童 :04/02/05 12:35 ID:???
Bは債権者取消権を行使し得る(424条1項)。 3 177条と424条1項の関係について (1)以上を前提に改めて考えてみると、CがAの二重譲渡がBに対する詐害行為にあたると認識していた場合に限り Bは債権者取消権を行使できることになる。 しかしながらCがかかる認識を有していた場合には、そもそもCは社会生活上正当な自由競争といえる範囲を 逸脱した者というべきであり、177条にいう「第三者」にあたらないと解すべきである。 よって、この場合にはBは所有権に基づいてCに対して甲土地の引渡しと登記移転の請求を主張し得ることになる。 他方で、Cが前述のような認識を有していなかった場合には、Cが177条にいう「第三者」にあたる限り、 Bは当該土地の所有権を主張できず、債権者代位権も行使できないことになる。 (2)結局のところ、本問のように177条と424条1項が同時に問題となるような場合、 Bは二重譲渡の関係でCに劣後する以上、Aに対する責任追及(415条、709条等)を優先して考えるべきであり またAにはB及びCに土地を二重売却した代金によりそれに応える程度の資力があるはずである。 そして、なんらかの事情により十分な資力がないときには、前述のようにCがかかる事情につき悪意の場合には、 177条にいう「第三者」にあたらずBは当該土地の所有権を主張できるし、 Cが善意の場合にはBは債権者取消権も行使し得ないという関係にあると考える。 4 まとめ 以上より、Bは、AにBの責任追及に応えるだけの資力がないことに悪意で甲土地の二重譲渡を受けた場合など、 Cが177条にいう「第三者」にあたらない背信的悪意者と認定される場合に限って、 甲土地の所有権に基づく引渡し及び移転登記請求の主張をなし得る。 以上
195 :
河童 :04/02/05 12:37 ID:???
* 後述 私の答案は、基本的には二重売却した売却代金でAはBに責任をとれ、という結論ですが、 きっと現実的には、甲土地しか財産がないのに、かかる二重譲渡をするようなAは、 Bが責任を追及しようとしたときにはすでに無資力(というか債務超過で差押えの嵐?)なのでしょうね。 そうすると、Bは自分も差押えにのっかっかっていくしかないので、満足には責任追及できないでしょう。 しかしながら、だからこそそんなAと不動産売買をするのに登記具備を怠ったBの落ち度は大きいでしょう。 基本的にC保護で妥当な結論だと思うのですがいかがでしょうか。 *190の空カキコがやや気になりますね。と一応いってみますが、実はあまり気になりません。
>>河童さん こんにちは。177と424の関係は考えたことがありませんでした。 なので、もしかしたら変な指摘かもしれないのですが、、 >177条にいう「第三者」として保護されるCが登記を具備した場合は、その時点で履行不能となり、 損害賠償請求権に転じていることから、これを被保全債権として債権者取消権を行使し得る。 > 他方で、Cが前述のような(詐害行為であるとの)認識を有していなかった場合には、Cが177条にいう「第三者」にあたる限り、 Bは当該土地の所有権を主張できず、債権者代位権も行使できないことになる。 前者では「第三者」にあたることが424行使の要件になり(社会通念上の履行不能)、 後者では「第三者」である限り424もできないとしますよね。 177と424の主観的要件をリンクさせて、このような処理になるのはなるほどと思うのですが、 177は対抗する特定第三者に対する(狭い)主観を問題とし、 424は一般債権者に対する(広い)主観を問題とするものであって、リンクしないような気もします。 >CがAの二重譲渡がBに対する詐害行為にあたると認識していた場合に限り など、両者を並列的に考える点で疑問なのですが、、どうなのでしょうか。
197 :
河童 :04/02/05 21:44 ID:???
>>196 こんにちは。私は初学者も同然というとさすがに謙遜ですが、一般的な中級者にすぎません。
それゆえみなさまにご意見をいただきたいと思っている次第でして、まずレスに感謝します。
さて、196さんの疑問にうまく応えられるかはわかりませんが、
両者を並列的に考える点で疑問ということに関して、私は学者さんの話がどうなっているかは知りません。
(結局、学者さんの話は全然知らないんですね。当面調べる時間がないため、その気もないのが問題です)
ただ、この場合は、「大は小を兼ねる」という言葉がありますが、
196さんの言葉を借りて言えば、「広いは狭いを兼ねる」ということになるのではないでしょうか。
つまり、424の「詐害意思」を持っている場合には、二重譲渡に関しても背信的悪意者と評価されるべきです。
一方で、登記を備えた第二譲受人が第一譲受人に対して背信的悪意者と評価される場合(怨恨等)であっても、
相当の対価を支払って土地を取得した場合には、一般債権者に対しては「詐害行為」とはならないはずです。
ですから、私は177と424の範囲がまったく重なり合うわけではないと思いますし、
答案にもそれを反映させようとは思ったのですが、確かに不十分だったようです。
どうでしょう。196さんの疑問に応えることができているでしょうか。
>>河童さん ごめんなさい。名前忘れてました・・。 両者は必ずしも重なり合わないということなんですね。 読んでいてなんとなくしっくりこなかったのですが、 結果的に重なり合いが生じるというくらいのニュアンスでしょうか。 それなら私のいうような不整合(?)はないですね。 はっきりいって私もしょぼい中級者なので(^^;)、、失礼しました。 あと、424でもB自身に対する引渡し・移転登記請求を認めるお立場ですか?
199 :
河童 :04/02/06 01:25 ID:???
>>198 〉ごめんなさい。名前忘れてました・・
また、お忘れのようですが、どなたですか?
424については分量的に詳しく書きませんでしたが、直接引渡・登記移転請求は微妙ですね。
通常の場合であれば通説・判例のいうとおり(?)正当性はないでしょう。
しかし、本問のCは無資力なのに土地を二重譲渡するようなヤツですから、
具体的なケースによっては直接請求もありかもしれませんね。
結局、単純すぎる事案で淡白な問題文の場合は、通説・判例に従って論述し、
問題文を読んでたら少しA&Cがめちゃくちゃにひどすぎるヤツラの場合には、
オリジナリティを出す論述をするのが私のスタンスですので、
あくまで上記問題の場合を考えれば、通説・判例に従って、直接請求は認めないと思います。
200 :
131 :04/02/06 01:32 ID:???
>>河童さん また名前入ってなかったですね。131がお送りしてました。 直接請求がらみはやっぱり分量問題でしたか。 以前から仰っていた事案ごとのオリジナリティというのは、 まさにこういうことなんですね。ケースに合わせると。なるほど。
201 :
河童 :04/02/06 01:39 ID:???
あ、どうも。やはり131さんでしたか。 民法てこずってます。 憲法は「模範解答」を50も作れば十分理解できたつもりになりましたが、 民法は100近く作らないと不安が募りそうな感触です。 辰巳のローラーにあわせているので、来週は債権に入らなくてはいけませんが、 物権の勉強が全然足りない気持ちで一杯ですね。 お互い頑張りましょう。
202 :
河童 :04/02/06 01:50 ID:???
すいません。直接請求の件。 債権者取消権は総債権者のためのものですから、A&Cがひどいヤツでも、 債権者取消権を行使した場合は、やはり直接請求は認めるべきではないのかもしれません。 A&Cがひどいヤツの場合は、資力のあるAに不法行為責任を追及していく手もありますし、 やはり事案によって考えるとしか言いようがないと思います。
204 :
30 :04/02/06 08:48 ID:???
>>190 >>203 は、わたくしです。保守のために空カキコ。余りにも下がり過ぎていたので。
スレ汚しスマソ。
205 :
河童 :04/02/06 10:17 ID:???
30さん どうもありがとうございます。 このスレを気にしていただけるだけで嬉しいです。 相変わらずの早起きさん(?)ですね。 お互い頑張りましょう。
206 :
30 :04/02/09 06:37 ID:???
保守。しばらく書き込めないかもしれないので、700に近くなったら(今が440くらい)、 定期にageて下さい。深夜ではなく、朝方がいいと思いますけど。ではまた。
207 :
河童 :04/02/09 09:55 ID:???
30さん 毎回どうもありがとうございます。 民法2回の答案書き込みだけでも、自分の中でははっきりしましたが、 私の感覚で論文を書くには判例・通説(?)の背信的悪意者排除論はキツイですね。 (具体的な事情によって現実的に妥当な結論を導くのが難しい) どうも悪意者排除論も盛り返してきているようですが、判例が固まっている以上、 これを批判することに紙面を割くことは紙面が足りない科目の民法では得策ではないでしょう。 そこで、第二譲受人等を「背信的悪意者」と認定すべき場面を増やしていけばいいような気がします。 例えば、書き込んだ2問では、第二譲受人は単純悪意でも「背信的悪意者」と評価できますね。 なんとなく、ようやく自分が中級者となったことを実感できてきた今日この頃です。 (なにせ、民法は昨年の答練を通して最高で24しかとれませんでしたから……)
208 :
河童 :04/02/14 00:41 ID:???
債権総論に入りました。だんだん民法の理解が深まってきた気が…。 131さんはもちろん、よろしかったら、30さんや外野手さんその他の方も一言・二言いただければ幸いです。 もっとも、そのレベルに達していない場合には択一の勉強もボチボチ開始される頃でしょうし、お気になさらずに。 相変わらず、向こうのスレはレベルが高い(高すぎる?)……。 私には一人で勝って気ままに書き込んでご意見いただけるこのスタイルが合っているような気がします。 なお、30さんにご忠告いただきましたが、今回は辰巳の問題ほぼそのままです。 勉強をはじめて1年半、辰巳一本、浮気なしでお金を払い続けているので許してもらいます。(安い模試だけですが) 問題 医師甲は、診療所の開設、診療機器の設置等に際し、丙から7000万円の融資を受け、その担保として、 丙との間で甲が乙(社会保険診療報酬支払基金)との間で今後8年間に生じるであろう診療報酬債権を、 7000万円を限度で丙に譲渡する契約を結んだ。この譲渡は、7月1日に内容証明で乙に通知された。 その5年後の6月、甲は経営状態が苦しくなり、別の債権者丁に対する借金を返済できなくなったため、 同年7月1日から翌年6月末日までの1年間の報酬債権(1000円)を差し押さえられ、 その旨の通知書が6月15日に乙の下に届いた。 丁は1000万円を有効に取得できるか論ぜよ。 1 はじめに 丁は1000万円を有効に取得できるか。 設問における診療報酬債権を丙が有効に取得し、これを丁に対抗できるとすれば、丁は有効な差押えをなし得ない。 そこで、丙が当該債権の取得を丁に対抗し得るか否か、@債権の特定性、A将来債権の譲渡の有効性、 B対抗要件の効力の発生時期の各点から論じる。
209 :
河童 :04/02/14 00:42 ID:???
2 債権の特定性について 債権譲渡においては、その対象となる債権が明らかでないと、譲受人や債務者、 更には第三者などの取引の安全を害することになりかねないため、目的となる債権が特定される必要がある。 したがって、将来の一定期間内に発生する複数の債権を譲渡の目的とする場合には、 その対象となる範囲や、期間の始期と終期が明確であることが要求される。 これを本問についてみると、債権譲渡の目的たる診療報酬債権は、 確固たる契約により公的性格の強い団体である乙との間で発生し、その額は7000万円を限度、 その期間は譲渡の日から8年間と明確であるから、当該債権は特定性に欠けるところはないといえる。 3 将来債権の譲渡の有効性について 甲のなした債権譲渡は、譲渡の日以後8年間に発生しうべき債権を譲渡するものであるが、 このようにかなり遠い将来に発生する債権を譲渡するときでも、通常の債権と同様に譲渡することができるのか、 債権の譲渡性を認めた466条は、原則として既に発生している債権を予定していると思われることから問題となる。 この点について、将来発生すべき債権を目的とする債権譲渡については、 その債権の発生の確実性を要求する見解があるが、私的自治の原則の下、当事者が諸事情を考慮した上で、 債権が見込みどおり発生しなかったときの責任まで含めて、契約を締結すると考えられる以上、 そのように限定する必要性はないはずである。 むしろ、例えば本問のようなケースにおいて将来債権の譲渡契約をなすことは、債務者の親族など無理な人的担保や 債務者の生活基盤たる住居など無理な物的担保をとるよりも、新規事業者の資金調達のために好ましく、 債権者においても将来性のある事業者にこのような形で融資することは、実質的に担保的機能を有するため、 積極的にこれを認めるべきである。 よって、将来発生すべき債権を目的とする債権譲渡についても通常の債権と同様に譲渡し得ると解するべきであり、 本問で甲が丙に譲渡した診療報酬債権は、譲渡の日以後8年間に発生する将来債権であるが、有効に譲渡し得る。
210 :
河童 :04/02/14 00:43 ID:???
4 将来債権の対抗要件の効力の発生時期について このように丙は甲から有効に債権譲渡をなされているとしても、丁のような第三者に対抗し得るのか。 債権譲渡における対抗要件については、債務者に対する確定日付ある通知ないしは債務者の承諾が必要とされる (467条2項1項)ところ、本問のように譲渡の対象となる目的債権がいまだ発生していない時点の通知でも、 対抗要件としての効力が生ずるのか問題となる。 この点に関して、前述のように将来債権の譲渡に担保的機能としての有用性を認める以上、 それを実効的なものにすべく、いまだ発生していない将来債権についても、 通知・承諾が行われた時点を基準に直ちにその効力が発生するとすべきである。 本問においては、丁の差押えの通知が乙に到達した時点で既に内容証明郵便による丙への譲渡通知が到達している。 したがって、丙の債権譲受は丁の差押えに優先することになり(467条2項)、 丙は債権の譲受を丁に対抗することができる。 5 結論と補足 以上より、丁は1000万円を有効に取得することはできない。 なお、このように丙が甲の報酬債権を遠い将来分まで実質的な担保として優先的に取得できるとすることは、 通常かかる事情を知り得ない丁のような他の債権者にとって不公平であるように思われるが、 例えば丙が診療所や診療機器などを差し押さえてしまえば甲は営業できなくなり、 丙に譲渡すべき報酬債権も発生しなくなる。 そこで、丙が甲に営業を続けさせることが自己の債権回収に資すると考えれば、丙は甲の他の債権者に対して、 甲の債務の肩代わりをするなどしなければならないであろうし、診療所・診療用機器等を差し押さえて清算したほうが よいと考えれば、その後は報酬債権も発生しないのであるから、かかる結論が不公平とはいえないと解する。 **後述 あまりありません。すぐ上の5の部分がいい加減かもしれませんが、まぁ許容範囲かな、と。 債権総則は物権に較べて勉強がだいぶ楽でした。それゆえにおもしろくない、と感じられたのは嬉しいことです。
211 :
131 :04/02/15 01:40 ID:???
>>河童さん 百選28の事例ですね。また形式面に付いてコメントさせていただきます。 >2 債権の特定性について 債権譲渡においては、その対象となる債権が明らかでないと、譲受人や債務者、 更には第三者などの取引の安全を害することになりかねないため、目的となる債権が特定される必要がある。 したがって、将来の一定期間内に発生する複数の債権を譲渡の目的とする場合には、 その対象となる範囲や、期間の始期と終期が明確であることが要求される。 内容はまったく問題ないのですが、ワンクッションおいてもいいのかなという気がします。 確かに、債権譲渡は原則自由である(466T本文)。 しかし、その対象となる債権が明らかでないと第三者などの取引の安全を害する。 そこで、取引の安全保護の見地から、目的となる債権が明らかといえる程度に特定される必要がある。 そして、債権が明らかといえる程度に特定されるのは、保護の対象たる第三者などが債権の範囲を明確に知りうる場合である。 具体的には、債権の限度額や、期間の始期と終期が明確である場合にはこれをみたすと考える。 ちょっと極端に論理をつなげてみました。さすがにこんなに長ったらしく答案には書けないと思いますが、 やりたかったのはひとつには原則・趣旨・規範の分離、 もうひとつはあてはめとリンクする規範の定立です(限度額という部分)。 わざわざ‥と思われるかもしれませんが、ひとつのスタイルとして見ておいていただければと思います。
212 :
河童 :04/02/15 02:08 ID:???
131さん、こんばんは。 いつもご指摘ありがとうございます。 民法は、私にとって紙面が足りなくなる唯一の科目。 深く民法について理解していれば、うまく理解していることをアピールしつつ、 各論点について短く論述していけるのでしょうが、これがなかなか難しいですよね。 民法は、複雑な事例問題が出た場合は、かなり乱暴な論述でいくつもりです。 もっとも、去年の憲法1問目のように基本中の基本が出た場合、そのようなやり方では「G」を食らうため、 〉原則・趣旨・規範の分離、もうひとつはあてはめとリンクする規範の定立(限度額という部分)という、 基礎をしっかりと身につけなければいけませんね。 **情けないことに100選はまだ読んでいませんでした。 **早速確認してみます。
213 :
河童 :04/02/15 09:25 ID:???
保守。
214 :
河童 :04/02/15 09:27 ID:???
……し損ねました。
215 :
外野手 :04/02/16 01:18 ID:???
>>208-210 お久しぶりです、河童さん。
本問は「分析と展開2-8」でも取り上げられており、重要な問題ですね。ということでコメントさせて頂きます。
> 2 債権の特定性について
あてはめの記述が豊富とも言えるのですが、規範とあてはめが一致してないようにも見えます。
> 3 将来債権の譲渡の有効性について
確実性は要求しないという点はいいのですが、
一応発生の可能性は要求される旨書いた方がよろしいかと。
もちろんこれを要求しない(一応判例の立場とも考えられます)としてもいいのですが、
自分の見解が書いていないので一応指摘しておきます。
> 5 結論と補足
>事案を全体的に眺めて公平な結論を導く能力があるかをみた。
という今年の民法第1問目の出題趣旨からしても、この部分の指摘は評価されると思います。
最判H11.1.29(百選2・28)の分析を踏まえて論文対策を考えると、
将来債権譲渡の有効性の問題で重要なのは、譲渡契約当事者間でのリスク配分という視点だと思われます。
これは債権発生の可能性(構成3)の問題において配慮しておくべきでしょう。
(例え可能性が低くても、譲渡契約当事者間でそれが織り込み済ならば無効とはならない。)
また、公序良俗違反を理由として譲渡契約が無効となりうるという点も考慮しておくべきだと考えます。
充実した構成をUPされているので私も積極的にコメントしたいのですが、
やはり択一って恐いもので・・・
気になる問題についてはコメントできればいいなと思います。
216 :
河童 :04/02/16 22:52 ID:???
外野手さん、貴重なご指摘どうもありがとうございます。 向こうのスレもお忙しそうですから、気が向かれたときにご登場いただければ嬉しいです。 **去年は択一で落ちても仕方なし、という気持ちが半分くらいあったので、むしろ気が楽でしたが、 今年は択一に物凄いプレッシャーを感じます。今年はじめて択一の恐ろしさがわかった気がします。 とにかくお互い勉強頑張りましょう。
この板、ロースレばかりで昔の殺伐感がなくなったよなあ・・・。 こういうスレがあると昔を思い出すよ。
218 :
河童 :04/02/16 23:00 ID:???
>>217 間違えてあげてしまったら、どなたかいらっしゃいましたね。
別に殺伐とはしていないような気がしますが、「必死さ」のようなものはあるかもしれませんね。
なにせ受からなくてはなにもならない試験ですものね……。
そもそもがかなりヤクザな試験だと思いますが、
それにしても「ロー」時代突入直前の大変な時期にクビを突っ込んだものだと思う、今日この頃。
219 :
217 :04/02/16 23:07 ID:???
>>218 レスありがとう。実は去年の最終合格者です。
去年まではこのスレみたいな勉強系スレに必死で書き込んでいたもので
こういうスレを見るとかなり感慨深いんだよね。
俺って、2ちゃんのおかげで合格したのかも・・・。
あなたも頑張ってください。きっと道は開けます。
220 :
河童 :04/02/17 13:10 ID:???
217さん、合格者でしたか。おめでとうございます。 そろそろ修習ですから、2ちゃんねるともお別れの時期?ですね。 こういうスレにいると、ご参加いただいたみなさまの合格も、 自分の合格に近いくらい願いたくなりますよね。 今年こそ合格できるように頑張ります。217さんも修習頑張ってください。 真に切磋琢磨すべきは、修習後ですものね。
(法)中央 16 > 1 立教 22 = 同志社 Я57-2 > 7 明治 9 > 3 学習院 12-2 > 立命館 6 > 関学 Я8-23 > 2 青学 6 > 3 法政 > 関大 Я4-36 (経)同志社 Я50-2 > 明治 16 > 9 立教 12 > 関学 Я13-2 > 8 学習院 5 > 3 青学2 = 2 立命館 = 青学 9 > 2 中央 18 > 関大 Я1-18 > 2 法政 (商)同志社 Я27-1 > 立教 17 > 5 明治 10 > 関学 Я6-2 > 6 学習院 4 > 3 中央3 = 3 立命館 = 中央 8 > 5 青学 7 > 2 法政 > 関大 Я1-17 (文)立教 33 > 同志社 Я64-7 > 3 明治 6 > 5 学習院 12 > 11 青学 5 > 4 立命館 5 > 関学 Я13-19 > 1 中央 12 > 8 法政 > 関大 Я3-34 (理)立教 8 > 同志社 Я53-5 > 0 明治 14 > 7 青学 15-11 > 立命館 4 > 関学 Я13-14 > 3 中央 5 > 0 学習院 2 > 関大 Я15-58 > 0 法政
(法)中央 16 > 1 立教 22 = 同志社 Я57-2 > 7 明治 9 > 3 学習院 12-2 > 立命館 6 > 関学 Я8-23 > 2 青学 6 > 3 法政 > 関大 Я4-36 (経)同志社 Я50-2 > 明治 16 > 9 立教 12 > 関学 Я13-2 > 8 学習院 5 > 3 青学2 = 2 立命館 = 青学 9 > 2 中央 18 > 関大 Я1-18 > 2 法政 (商)同志社 Я27-1 > 立教 17 > 5 明治 10 > 関学 Я6-2 > 6 学習院 4 > 3 中央3 = 3 立命館 = 中央 8 > 5 青学 7 > 2 法政 > 関大 Я1-17 (文)立教 33 > 同志社 Я64-7 > 3 明治 6 > 5 学習院 12 > 11 青学 5 > 4 立命館 5 > 関学 Я13-19 > 1 中央 12 > 8 法政 > 関大 Я3-34 (理)立教 8 > 同志社 Я53-5 > 0 明治 14 > 7 青学15-11 > 立命館4 > 関学 Я13-14 > 3中央5 > 0 学習院 2 > 関大 Я15-58 > 0法政 (Я=立命館との相関関係)(直近無し・データ0は前年度適用)
223 :
河童 :04/02/19 00:53 ID:???
根っからの文系の私には恐ろしい書き込みが……。 って、文系じゃなくても意味がわからないかもしれませんが。 こういう言葉はあまり好きじゃないんですが、 まさしくなんだか「微妙な」書き込みですね……。 土曜日までに債権各論の書き込みをしたいので頑張ります。
河童さんは1の方ですか? 真摯に自らの論証を晒す人にはみんな誠意を持った対応するものですね。 このスレはめずらしく心が洗われます。 ぜひこのようなスレだけは荒らされずに生き残ってほしいです。 私も次回は1つ晒してみますので 議論のできるツッコミよろしくお願いします。
225 :
河童 :04/02/20 08:45 ID:???
>>224 こんにちは。私は1の方ではありません。
過去のを読んでいただけたらわかりますが、
死に絶えていたスレに寄生させてもらったものです。
みなさまのおかげでどうにかスレも続いています。
ここは中級者向け(上級者向けでないという意味で)なので、
遠慮なさらずに書き込んでみてください。いまは民法です。
スレを見ている方がなにか思うところがある場合には色々ご指摘いただけます。
択一も近づいてきましたので議論はあまり活発にならないかもしれませんが。
ちなみに、sage進行でお願いします。
226 :
131 :04/02/20 17:10 ID:???
にわかに人が増えているようで、いい感じですね。
>>224 >私も次回は1つ晒してみますので
うpされた論証は参考になります。
ぜひお願いします。
227 :
河童 :04/02/21 19:38 ID:???
**今回は債権各論です。 **日常的な問題で、民法について考えてみました。なかなかおもしろい辰巳の問題です。 (辰巳さん、明日も午前中答練、午後択一模試にいきますので、問題文掲載許してください) 問題 Aは宅配すし販売業者Bの店を訪れ、3000円を渡して自宅へのすしの宅配を依頼した。 Bは、Aを、電話でしばしば自分の宅配を利用してくれている同姓同名のCと取り違え、C宅へとすしを届けた。 留守番をしていたCの子で大学4年生のD(22歳)は、自分のためにCがこのすしを注文したものと考え、 届けられたすしを受け取って食べてしまった。この場合におけるABCD間の法律関係を説明せよ。 一 はじめに 1 契約当事者について ABCD間の法律関係を説明する前提として、「Bは、Aを、電話でしばしば自分の宅配を利用してくれている 同姓同名のCと取り違え」ているため、そもそもBとすしの宅配に関する契約をした当事者は ACいずれであるとみるべきか、すなわち意思表示をしたのは誰と評価すべきか問題となる。 この点について、当事者間の意思表示の内容が問題となる場合には、表示行為の客観的な解釈、 両当事者の表示行為に対する信頼、出エン者、更には当事者の過失や態度等を総合的に考慮して決すべきである。 そうすると、本問では客観的にAB間で契約が成立しているとみるべきであり、申込者たるAに落ち度はなく、 出エン者もAであって、更にBが契約の相手方を確認せずに誤信しているなどの事情を総合的に判断して、 契約はAB間に成立していると考えるべきである。
228 :
河童 :04/02/21 19:38 ID:???
2 BのDに対するすしの交付について 次にBのDに対して行った宅配すしの交付の法的意味を明らかにするのが有用であるが、 これは不当利得(703条)にあたるのではないか。不当利得返還請求権が成立するためには、 @ 利得、A損失、B両者の因果関係、C法律上の原因がないこと、の各要件が必要であるところ、 A 宅配すしの契約がAB間でなされているとみる以上、Dは法律上の原因なくしてすしという「利益ヲ受ケ」、 B Bに「損失ヲ及ホシタ」といえ、両者の間には因果関係も認められるため、これが成立する。 3 以上を前提として、以下ABCD間の法律関係を検討する。 二 AB間の法律関係について 前述のように、Bとすしの宅配に関する契約をしたのはAであるため、BはAにすしを届けるという債務がある。 それにもかかわらず、BはA宅にすしを届けていないため、債務不履行責任を負う結果、 AはBに対して履行を請求し、又は損害賠償を請求し(415条)することができる。 更に、催告の上解約の解除をなし得る(541条)が、通常すしなどの宅配は「一定ノ期間内ニ履行」すべき 定期行為といえるので、時間の経過等によっては催告なしの解除も可能であると解する(542条)。 三 BC間の法律関係について これについて、Bの誤信に基づく宅配行為によりCはなんらの利益も得ていない。 そこで、BC間にはなんらの法律関係も存在しないとみるべきである。 四 BD間の法律関係について 前述のようにBD間には不当利得関係が成立しているが、 「Dは、自分のためにCがこのすしを注文したものと考え」ていることから、善意の受益者といえる。 そこで、DはBに対して、「其利益ノ存スル限度ニオイテ之ヲ償還スル義務ヲ負ウ」(703条)ことになるが、 Dは「届けられたすしを受け取って食べてしまっ」ているため、現存利益は存在せず、 DはBに対してなんらの返還義務はない。
229 :
河童 :04/02/21 19:40 ID:???
五 AD間の法律関係について 1 不当利得関係について AD間に不当利得関係が存在するか、ここでも@利得、A損失、B両者の因果関係、C法律上の原因がないこと、 の各要件を検討する。 まず、Dに@利得は存在する。しかし、Aは損失を被っているようにも思われるが、 Aの損失は過失により誤配したBに対する責任追及をもって填補されるので、A損失が存在しない。また、 同様にAの損失はBが填補すべきことを考えたとき、B両者の間に因果関係があるとはいえないと解すべきである。 よって、AD間に不当利得関係は存在しない。 2 債権侵害に基づく不法行為責任について 次に、DはAのBに対する宅配すしの提供という債権を誤配されたすしを消費することにより侵害しているため、 AはDに対して債権侵害に基づく不法行為責任(709条)を追及して損害賠償請求できないか問題となる。 この点については、本問のような帰属侵害型の債権侵害の場合には、 その成立につき侵害者に過失があれば足りると解されているが、 本問Dの家では親CがしばしばBの宅配すしを利用しているというのであるから、 Dが宅配すしについて自己に処分権限があると誤信したことに過失はないと考えられる。 また、そもそも本問のようなケースでは、Aの損失は、善意のDでなく、 契約者の確認もせず過失により損害を発生させたBによって填補されるべきと考えるのが妥当である。 よって、AはDに対して不法行為責任も追及できない。 六 まとめ 以上より、本問におけるABCDの法律関係については、 BがAに対して債務不履行責任(415条)を負うのみであり、ABはDに対してなんらの請求もできないことになる。 * *後述 上級者の方は心配ないのでしょう。 しかし、「模範解答」をみれば「なるほど」という問題ですが、いきなり本番で目の前に出題されると、 こういう問題に対して経験が浅い場合(民法の理解が浅い場合ともいいますが……)、かなり危険ですよね。 過去問でも冷蔵庫の不法投棄に関する事例問題がありましたが、あんなのが出たら、私は結構ヤバそうです。 ああいうタイプの問題に対するよい参考書・問題集をご存知の方がいらっしゃいましたら是非教えてください。 お忙しいなか、お手数ではありますが宜しくお願いします。
230 :
131 :04/02/22 01:23 ID:???
>>河童さん こんばんは。おもしろいけどめんどくさいタイプの問題ですね‥。 私がいうのもなんですが、こういう問題ほど論理だと思います。 >当事者はACいずれであるとみるべきか、すなわち意思表示をしたのは誰と評価すべきか問題となる。 この点について、当事者間の意思表示の内容が問題となる場合には、表示行為の客観的な解釈、 両当事者の表示行為に対する信頼、出エン者、更には当事者の過失や態度等を総合的に考慮して決すべきである。 この規範はちょっと唐突に思えます。 本来、AB以外は契約関係にないはずですよね。 信頼云々の事情で第三者を巻き込む余地を作るなら、 客観主義、主観主義のデメリットにひとこと触れたほうがいいように思います。 Dはすしを食べたのに対価を負わないのは不公平だ、とか。 また、「当事者」の範囲を問題にしているのですから、規範中では「当事者」というのを避け、 「表意者」とか「関係者」とかいっておくほうが無難なように思います。 それと、一2の問題は四で論じてもいいと思うのですが、前出しする必然性はありますか? ちょっと分からなかったので。
231 :
河童 :04/02/22 22:24 ID:???
131さん、こんばんは。 >この規範はちょっと唐突に思えます。 確かに。問題提起(問題点の指摘)がヘタくそですね。 一番気をつけないといけないミスです。 >それと、一2の問題は四で論じてもいいと思うのですが、前出しする必然性はありますか? 全然ありませんね。不当利得の問題だという意識が強かったもので……。 情けないことに「模範解答」を叩き台にして書いたので、この配置のおかしさに無自覚でした。 ほんとにこういうことをご指摘していただけると助かります。 私は択一模試がまずまず好調。もうしばらく論文の勉強主体に頑張れそうです。 お互いに頑張りましょう。
232 :
河童 :04/02/24 01:33 ID:???
今回は辰巳のローラー答練Dです。先日採点されたものが返却されたのですが、 「模範解答」に従順な採点者だったらしく、芳しい評価を受けられませんでしたので書き込みます。 「模範解答」は小問2では丙に1000万円の配当で丁はゼロとしますが、私には疑問です。 (もちろん、どこかで私の勘違いがあるのかもしれませんが) どうも問題文自体があまり明確でなく、わかりにくい気もしますし、今回ばかりは少し不本意な模試でした。 問題 甲は乙に6000万円を貸し渡し、これを被担保債権として乙の所有地(本件土地)に1番抵当権を設定した。 その後、丙は、乙に1000万円を貸し渡し、これを被担保債権として本件土地に2番抵当権を設定して登記した。 その後、乙は、本件土地を丁に譲渡して所有権移転登記を行った上、丁との間で、乙が甲に4000万円、 丙に1000万円弁済し、丁が残り2000万円を甲に弁済して抵当権を抹消することにした。 丁はこの甲への2000万円の弁済をしたが、乙はこの甲と丙への弁済をしなかったところ、 甲はかかる事情につき善意無過失の戊に対して上記甲の乙に対する6000万円の債権を譲渡した。 戊は、乙からこの譲渡について異議を留めない承諾を得て、また抵当権の付記登記も得た上、 抵当権実行のための競売手続を申し立てたところ、本件土地は5000万円で競落された。次の設問に関して論ぜよ。 (1)本件競売手続において、丁と丙に配当される金額はいくらか。 (2)丁の甲に対する2000万円の弁済が、乙に支払われるべき本件土地の売買代金の一部で行われていた場合、 本件競売手続において、丁と丙に配当される金額はいくらか。
233 :
河童 :04/02/24 01:34 ID:???
一 小問(1)について 1 はじめに 本小問において、丁丙に配当される金額を確定するためには、第一順位の抵当権者である戊の抵当権が 把握している被担保債権額を確定する必要がある。以下、検討していく。 2 丁の第三者弁済について 本件では丁が甲に対して2000万円を弁済している。 そして、丁は抵当権設定者であり債務者でもある乙から本件不動産を譲り受けた第三取得者であって、 抵当権実行による所有権喪失を阻止するという点で、「利害ノ関係」(474条2項)を有する第三者といえる。 よって、丁の弁済は有効であり、甲に対して2000万円弁済したことによって、 甲の貸金債権6000万円は一部消滅し、その債権額は4000万円となる。 3 乙の異議なき承諾について (1)もっとも、甲の当該債権は戊に譲渡されており、その際に乙は戊に対して異議なき承諾(468条1項本文)を している。この異議なき承諾は、債権取引の安全を図るべくかかる承諾に公信力を与えたものと解されるところ、 債権譲受人の戊は「善意無過失」であったのであるから、乙は債権の一部消滅を戊に対抗できない。 (2)では、丁丙も乙の異議なき承諾による債権の一部消滅を対抗できなくなるのか。 この点について、異議なき承諾をした者が抵当権の完全な処分権限を有している場合には、 異議なき承諾の効果により抵当権も全債務額を担保すると解すべきである。 しかし、本問の丁や丙のような異議なき承諾前の抵当不動産の第三取得者や後順位抵当権者がいる場合、 このような利害関係人までが自己の関知しない債務者の異議なき承諾により不利益を被るとしたのでは、 当事者の公平に反するし、不合理である。よって、丁丙は、丁の弁済による債権の一部消滅、 すなわち第一順位の抵当権の縮減を戊に対抗できると解する。 なお、戊の抵当権に対する信頼の保護は、債権譲渡人である甲に対する責任追及によって図られるべきである。
234 :
河童 :04/02/24 01:36 ID:???
4 一部弁済者の抵当権の実行ついて (1)本件丁は乙との約定に基づいて弁済していることから、かかる弁済により乙に対して 委任事務処理費用の償還請求権(650条1項)を取得する。従って、丁は自己が支払った2000万円を債務者乙に 求償し得ることになり、その求償権を実現するために債権者とともに抵当権を実行できる(502条1項)。 (2)そこで、丁は競売手続に参加することができるが、その配当にあたっては戊の有する債権と 丁の有する債権のいずれが優先するか。この点について、抵当権者は一部弁済を拒絶できることを重視すれば、 平等の割合で配当を受けると考えることもできよう。しかし、もともと抵当不動産の第三取得者は 抵当不動産につき抵当権者の存在とその権利を認識して取得しているのであるから、抵当権者の権利を優先しても 不測の損害を被ることはない。そうであるとすれば、むしろ抵当権の不可分性(372条、296条)を重視して、 一部弁済によっては抵当権者の抵当権に対する期待を奪うべきではない。 よって、抵当権を実行した場合、戊が丁に優先する。 5 結論 以上より、まず戊が第一順位の抵当権に基づき4000万円の配当を受ける。 その結果、丁が第一順位の抵当権者甲に代位することにより残額1000万円の配当を受け、 丙はなんらの配当も受けられないことになる。
235 :
河童 :04/02/24 01:37 ID:???
二 小問(2)について 1 丁の求償権の有無について 小問(1)で検討したように、戊の申し立てた競売手続において丁及び丙は、 その被担保債権額が4000万円に留まることを主張し得ることになる。しかし、本件では小問(1)と異なり、 丁の甲に対する弁済が独立した出エンではなく、抵当権設定者であり債務者でもある乙に支払うべき 売買代金の一部をもって弁済に充てられている。そこで、この場合も小問(1)と同様の処理でよいか問題となる。 この点について、乙丙間で債務の引受特約が結ばれたとみるべきで、丁は乙に対する求償権を取得しないと考え、 戊が4000万円の配当を受け、残りの1000万円は第二抵当権者である丙が受けるとする見解もあろう。 しかしながら、丙乙間のかかる事情によって丁の弁済行為による求償権の存否に差異が生じるのは 当事者の公平を考えたとき妥当でない。なぜなら、丙乙間のかかる事情の存否により不当に害される者は存在せず、 他方で、かかる事情が存在したことを強調すれば、丙だけが一部代位できなくなるという不利益を被るからである。 また、実際にかかる場合には、丁は乙に対して、 約束の弁済を怠った債務不履行責任(415条)、あるいは本件土地の担保責任を追及できる(567条)が、 かかる場合の乙は得てして無資力であり、これでは丁に酷である。 よって、丁の弁済行為は乙丁間の当事者の合理的意思解釈として、乙が丁との約束を守らなかった場合には、 小問(1)と同様の第三者弁済になると解すべきである。 2 結論 以上より、本小問でも小問1と同様に、丁が1000万円の配当を受け、丙はなんらの配当も受けられないと解する。 **後述 **いま私は、本問のケースで丁が1000万円しか回収できないことが果たして妥当なのかを考えています。 すなわち、乙が無資力である場合に、甲は5000万円しか回収できなかったはずの債権を6000万円全て回収でき、 その分の1000万円は丁のフトコロから出ることになります。それが果たして妥当なのか。
236 :
河童 :04/02/24 01:39 ID:???
**最初から考えてみると、甲は2000万円の弁済を受けているにもかかわらず、 おそらく戊に債権を6000万円分の価値があるとして譲渡したのでしょうから、 6000万円受け取ったと考えて計8000万円を手にしています。そして、4000万円しか回収できなかった戊から、 2000万円の請求を受けることになりますので、結局6000万円が手元に残ります。 **ここで、甲の戊に対する6000万円の譲渡行為と乙の異議なき承諾により、 丁の2000万円の弁済は不当利得になるため、その2000万円から配当金として丁が得た1000万円を引いて、 丁は甲から1000万円の不当利得返還請求が認められそうな気もします。 **結局、本問の場合につき、抵当不動産の第三取得者たる丁に乙の契約違反及び無資力のリスクを負わせるべきか、 そうでないのかの問題なのでしょうが、ちょっと自分の中でブレがあって焦点が定まらず、答案ではぼかしています。 **おそらく乙の約束違反や無資力は新たに取引関係に入った丁が負うべきリスクであり、 結果的に甲が得して丁が損することは仕方ないのでしょうが、 本問の甲は一部弁済の債権譲渡をするようなヤツで、乙もそれに異議なき承諾をするようなヤツですから、 ふたりはグルの可能性もあり、私はどうしても想像力を逞しくして丁保護を考えてしまうのです。 それならそれで、甲乙がグルで丁を嵌めたような場合は、特段の事情があるとして論じるのもよいかもしれませんね。 もっとも、完全に紙面不足でしょうし、もっと基礎を大事にしろという当然のご指摘を頂戴しそうですが。。。 なんだかんだで結構頭の体操になった問題だったような気がしてきました。 **少し独り善がりで長くなりすぎました。反省。 ++最後に、前前回の「将来の債権譲渡」は消費者金融の悪用について勉強していませんでした。猛省。
237 :
30 :04/02/24 03:47 ID:???
>河童さん とんでもない難問ですね。暫く悩みました。わたくしは書けませんよ。この問題。 小問(1)は、(第三者による)一部弁済であるために、抵当権の復活の論点が、債務者と第三取得 者とで、ややこしい(全部弁済で債権が消滅しているわけではないので、無担保債権として残る部分 が生じるかということですよね)。加えて、一部弁済と代位の論点まで、くっつけているから、難し いんですよね。 なお、戊が甲から債権を買う場合には、6000万円では買わないような気がします。かなり安いと思い ますけど。また、この状況で6000万円と思った戊であれば、そんな人は保護しなくてもいいのでは? で、小問(2)なんですが、わたくしは模範解答に賛成です。丁の乙に対する求償権が発生していない と思いますから、代位しないと思いますけど。 そんでもって、丁が配当0という点ですけど、このような場合、丁は乙から土地を安価で買っています し、また、2000万円は、本来、土地の売買代金であったはずのお金ですから、小問(1)と比べて、 ダダ同然で配当を受けられることになってしまいそうです。ここまで保護する必要はあるのでしょうか ねえ? なお、抵当権の復活の論点は、丙との関係でも問題になるから、丙は1000万円ということで、いいん でしたっけ?ちょっと確認。 全然、自信がないので、おかしな点を指摘して下さい。ではまた。
238 :
河童 :04/02/24 10:29 ID:???
30さん、どうもこんにちは。ご意見ありがとうございます。 30さんにご指導でなく、ご意見しかいただけないほどの難問とは思いませんでした。 まず、「なぜなら、丁乙間のかかる約束の存否により不当に害される者は存在せず、 他方で、結局守られなかったにもかかわらず、かかる約束が存在したことを強調すれば、 丁が一部代位できなくなるという不利益を被り、丙がその分の利益を得るからである。」 最後から8行目くらいの文で「丁」と「丙」を致命傷的に書き間違えています。以上のように訂正してください。 >なお、戊が甲から債権を買う場合には、6000万円では買わないような気がします。かなり安いと思い ますけど。また、この状況で6000万円と思った戊であれば、そんな人は保護しなくてもいいのでは? しかし、戊は「善意無過失」で乙が「異議なき承諾」をしています。 問題文に沿うと戊の保護は全面的に必要だと思いました。(全体的にあまり現実味のない問題だと思いますが) >で、小問(2)なんですが、わたくしは模範解答に賛成です。丁の乙に対する求償権が発生していない と思いますから、代位しないと思いますけど。 私は、丁が2000万円出し損になるのが酷だと思いました。 答案には乙の無資力要件までは出していませんが、乙が甲丙に弁済するという約束を守らなかった場合にのみ、 丁は丙に優先して1000万円の配当を受けられるとしています。条件つきで代位できるとしたほうが妥当だと思います。
239 :
河童 :04/02/24 10:31 ID:???
>そんでもって、丁が配当0という点ですけど、このような場合、丁は乙から土地を安価で買っています し、また、2000万円は、本来、土地の売買代金であったはずのお金ですから、小問(1)と比べて、 ダダ同然で配当を受けられることになってしまいそうです。ここまで保護する必要はあるのでしょうか ねえ? 結局、ここが私と30さんの見解の相違でして、丁は土地を幾らで取引したかに関係なく、 結局のところ取得した土地は取り上げられています。しかし、弁済金にしろ土地代金にしろ2000万円を出費している。 だから、「タダ同然」でなく「2000万円の出費」で1000万円の配当しか受けられなくなると思います。 そして、乙が無資力の場合(かかる場合、往々にして乙は無資力)に、丁は損害賠償請求できず酷だと思います。 ですから、「模範解答」のように、この2000万円のリスクを丁が負うとして妥当なのかな、と。 負うとしても、本問(2)のような場合には、「弁済」は「弁済」なので代位できるとすべきだと思うのです。 冒頭のように(致命的に書き間違えていますが)乙・丁間の約束は守られていないわけですから、 丁の弁済行為だけが乙丁間の「約束」に拘束される必要はないと思います。 丙は丁乙間の約束の有無により「不当に」害されるとはいえませんから。 >なお、抵当権の復活の論点は、丙との関係でも問題になるから、丙は1000万円ということで、いいん でしたっけ?ちょっと確認。 これは問題ないと思います。 私は、念頭に乙が無資力の場合を置いているので、おかしなことになっているのかもしれません……。
240 :
224 :04/02/24 10:39 ID:???
>>231 河童さん、これ辰巳の模範解答からですか?
セミナーの模範解答もひどいけど、辰巳もよく似たものですね。
まあ、LECや魔骨は論外らしいですが。
私はまだインプット主体に論文をやってるんで
まだ晒すと宣言した論証晒せてないですが、この模範解答の前置きが
ひどいのは僕にもわかります。こんなの書いてたら時間がムダになります。
セミナーの模範解答もいつも4ページぎりぎりなんですよ。
僕はアウトプットはいかに時間内に効率よくやれるかを
考えながらインプット中です。
従って、今度晒す論証は自分なりの言葉で晒すつもりです。
自分の言葉でないと理解できないし、本番で短時間で書けないからです。
しかし択一が調子よくて論文に集中できるとは羨ましい。
僕は少し択一あせってきたので、自分の論証も先送りになりそうです(T_T)
241 :
224 :04/02/24 10:57 ID:???
すしの問題について遅ればせながら追加です。 AD間には何らの関係も存在しないのは明らかなので ここはページを削ってもいいのではないでしょうか? Dに過失を認めようがありません。 しいていえば22歳にもなったんだから 親に確認の電話くらいしろということですかね。 そうすると703条の利益の存する程度も 問題文の3000円を使って、生活費なのか浪費なのかも 考慮すべきということになりますかね。 ところで今僕は憲法にハマってるんですが、 今物権債権で議論になってるから今書くとややこしいですよね。
242 :
30 :04/02/24 11:24 ID:???
>>238-239 こんにちは。
>> なお、戊が甲から債権を買う場合には、6000万円では買わないような気がします。かなり安いと思い
>> ますけど。また、この状況で6000万円と思った戊であれば、そんな人は保護しなくてもいいのでは?
> しかし、戊は「善意無過失」で乙が「異議なき承諾」をしています。
> 問題文に沿うと戊の保護は全面的に必要だと思いました。(全体的にあまり現実味のない問題だと思いますが)
無茶苦茶、語弊のある言い方を、臆面もなくしてましたね。戊は全面的に保護されます。戊が6000万円払って甲が
もうけたとしても、それはそれでいいのではという意味でした。
>> で、小問(2)なんですが、わたくしは模範解答に賛成です。丁の乙に対する求償権が発生していない
>> と思いますから、代位しないと思いますけど。
ここも、いい加減でした。原則として求償権が発生するが、被担保債務を引き受けて、売買代金から控除した場合に
発生しないんですよね。答案にもありますよね。
ただ、条件付きの代位というのが成立するのかは疑問のような気がします。弁済による代位って、そういうイメージ
じゃない、としか言い様がないんですが。
いずれにせよ、弁済による代位は、弁済から即、生じると言うのではなく、求償権が発生しないと、はじまらないと
いうのが根本にあります。
243 :
30 :04/02/24 11:24 ID:???
で、河童さんの話に戻りますが、 > 私は、丁が2000万円出し損になるのが酷だと思いました。 > 答案には乙の無資力要件までは出していませんが、乙が甲丙に弁済するという約束を守らなかった場合にのみ、 > 丁は丙に優先して1000万円の配当を受けられるとしています。条件つきで代位できるとしたほうが妥当だと > 思います。 これですけど、丁ってやはり土地を安く買い受けているでしょうし、かつ、こんなに抵当権がボコボコ付いている 不動産を買っているんですから、それなりにリスクを甘受しているように思いますよ。 その上で、小問(2)は、不動産ブローカーである丁が、「2000万円分は甲にやるから何とかしてよ」って話を まとめたような事例のような気がします。被担保債務を引き受けたと考えるのであれば、なおさらリスクは甘受し ないといけないような気がしませんか? 甲と乙がグルという話ですが、乙は実際上、甲の言いなりという感じで無留保承諾をしてると思います。で、実際 上、ほとんどの債権譲渡は無留保承諾ですし、また、甲は債権を譲渡してお金の回収をしたいというのが合理的な 行動であり何ら咎められるもんでもないと思います。ですから、このような事情まで加味して丁を保護すべきなん でしょうか?別に変ではないような。 とりあえず、こんな感じで。
244 :
30 :04/02/24 12:05 ID:???
>>243 > その上で、小問(2)は、不動産ブローカーである丁が、「2000万円分は甲にやるから何とかしてよ」って話を
> まとめたような事例のような気がします。
もう無茶苦茶。説明を修正します。
「2000万円は俺が甲に払うよ」っていいながら、乙から、ほとんどダダ同然で土地を剥がしてるような事案という
ことです。で、うまく話を言って皆を丸め込んだものの、乙が逃げちゃって話が潰れたら金を回収しにかかってると。
でも、うまくいってたら、この土地を転売してボロ儲けですから、ハイリスク=ハイリターンな商売ですよねw。
まあ、すごく丁を悪者に仕立ててしまいました。リアルの30の正体に繋がりそうです。
イメージって人によって随分違いますよねw。それはそれで面白いです。河童さんは、丁(不動産ブローカー)の代理
人向き。わたくしは、丙(信金?)、あるいは戊(ちょっとヤバイ人?)の代理人向き。ってとこですか?
ではまた。
245 :
224 :04/02/24 13:17 ID:???
>>243 >これですけど、丁ってやはり土地を安く買い受けているでしょうし、かつ、こんなに抵当権がボコボコ付いている
>不動産を買っているんですから、それなりにリスクを甘受しているように思いますよ。
いや、小問1では2000万円+αで丁は土地を買ってるはずです。
そしてこの+α分が乙が残りの5000万円を弁済できるかというリスク分のはずです。
問題文からこの+α分は読み取れませんが、明らかに2000万円は
債権者に法定代位する期待があって弁済したはずで、
500条の正当な利益に争いはあるも、私は丁はこれにあたると考えます。
小問2はこれが弁済でなく売買代金の一部として
甲が代理受領したという論点だと考えます。
理論構成が若干複雑ですし、多様な考えが成り立つ問題ですが
河童さんの結論は妥当だと思います。
246 :
243 :04/02/24 13:23 ID:???
小問1では2000万円+αで丁は土地を買ってるはずです 舌足らずでした。 小問1では2000万円の弁済+αで丁は土地を買ってるはずです と訂正します。
247 :
河童 :04/02/24 14:14 ID:???
うーん。千客万来(おふたかたですが)。嬉しい限りです。 まず最初に224さん、憲法ですか……。頭が民法で次は刑法ですが、論文に対するコメントくらいできます。 どうぞアップなさってください。「自分の言葉で」という姿勢には大賛成。 ある法律の適用ケースを具体例と「自分の言葉」で論述できることが理解の深さを測る尺度だと思います。 また、「模範解答」のひどさは深刻で、その怒りがこのスレ(寄生後)の存在理由だと思っています。 さて、本問。 あまり深深と議論しているのは、残念ながらこの差し迫りつつある時期に相応しくないので、 みなさまが自分なりの納得さえできれば、次に進んでもよいかと思います。 結局のところ、問題文の曖昧さゆえに、議論が拡散している気がしますね。 すなわち、本問においては、乙丁間の約束の成立時期や甲の債権譲渡の時期、 更には競売の時期などがはっきりせず、各事情の時間的な相関関係がまったく曖昧です。 この点、各事実が時間的に接着して起こったのであれば、丁の保護が必要だと思います。 他方で、乙丁間の約束から競売まで長期間あって、乙丁間の約束のときから土地価格が暴落したような場合には、 そのリスクは土地の第三取得者たる丁が負ってもいいと思うのです。そこで、やや噛み合わない議論になったのかと。 妥当(公平)な結論を重視して論述するには、少し妥当でない問題だったのかもしれませんね。
248 :
30 :04/02/24 14:58 ID:???
>224さん はじめまして。あまり寝てなくて、わたくしのカキコが分かりにくいですね。ごめんなさい。 >明らかに2000万円は債権者に法定代位する期待があって弁済したはずで、500条の正当な利益に >争いはあるも、私は丁はこれにあたると考えます。 まず、結論の確認ですが、小問1は、丁は代位すると考えてますよ。1000万円。河童さんもそう ですよね。224さんは同じでしょうか? 小問2について、わたくしは、丁は代位できないので0。丙は1000万円です。河童さんは、丁が 1000万円。丙が0。224さんも河童さんと同じ結論ですよね。 で、かなり目が醒めてきたので、計算しちゃいます。乙丁間の土地の売買代金をXとします。 >小問1 ・丁の出捐額 :売買代金X+第三者弁済額2000 ・配当額 :1000 ・差し引き額(損失額):X+1000 >小問2 ・丁の出捐額 :(売買代金X−割引額2000)+第三者弁済額2000 = X ・配当額 :0 ・差し引き額(損失額):X *ここで条件よりX≧2000(小問2でもお金を払っているはず)。 ただ、担保が(6000+1000)万円も付いていますので、あまりXは高価ではないはず。 競売価格も5000万円ですし。これを超えるのはあまり考えられないと思いますけど。
249 :
30 :04/02/24 14:58 ID:???
このとき、小問2で丁に1000万円配当すると、損失額がX-1000になります。売買代金から控除 することで、小問1と比べて、2000万円も損失が少なくなってますけど、いいんでしょうかねえ? 小問2の方が乙に実際に渡る金額が少ないのに、丁のリスクが小さくなるのは変な感じがしますね。 ただ、より差額が小さい方が(わたくしだと1000万円)良いような気がしませんか? まあ、基本的に乙は債務超過でズブズブでしょうから、担保を抜こうとしてお金を出しても、ドブ に捨てるような感じで出しているとは思いますけど。戻ってこなくても良いくらい?うまくいった ら、大儲けですし。 とはいいつつも、よく分かりません。計算間違いがあったら指摘して下さい。ではまた。
30さん、結論全く同じです。 よって小問2は河童さんとは異なってました。すみません。 小問2は代理受領と構成し、乙丁間の債権的効力しか認められないから 〜中間省略〜丙の方が優先し、丁は結局1銭ももらえない ということになるかと思います。 丁の損失についての計算は、問題が配当の配分だから ここでは触れないでおきましょう。私も頭がクタびれてきました(笑)。 ちなみに私は辰巳を受けていないので、このスレ見てからの即興です。 問題文はあいまいながら、頭の体操にはいいかな(いや良過ぎて及ばざるがごとし?) と思ってます。ただ河童さんの悩み方から見るに、 問題よりも解説がいい加減なのではないでしょうか。 この問題は前述したように様々な理論構成が考えられます。 僕も解説ベッタリのアホな採点者は相手にしてません。 頭の体操ができたと思って先に進みましょう!
251 :
250 :04/02/24 15:27 ID:???
245=224 です。 またまた訂正です。ダメだ。ボケてきちゃった。
252 :
河童 :04/02/24 17:45 ID:???
みなさんのご意見が出揃いましたね。 30さんの解説はよくわかりました。納得です。224さんも同様のご意見のようですね。 本試験ではもうちょっと現実的な問題で論述しやすいと思いますので、私もあまり悩まないことにします。 それにしても、やはり私はまだまだですね。今後も精進します。 みなさまお疲れのところを大変ありがとうございました。
私も択一のプレッシャーがかかってきました。 今から合推ある人が羨ましいです。 といいながら今からWの論文講座行ってきます。
今から合推あってもしゃーないよ。
255 :
131 :04/02/24 18:08 ID:???
乗り遅れましたね。議論は収束したようですが、一意見を。
>>243 の
>丁ってやはり土地を安く買い受けているでしょうし、かつ、こんなに抵当権がボコボコ付いている
>不動産を買っているんですから、それなりにリスクを甘受しているように思いますよ。
という考えにのります。
丁はわざわざなした土地取得により物上保証人類似の立場に立つわけですから、
>>245 の
>明らかに2000万円は債権者に法定代位する期待があって弁済したはずで、
というのはもっともだと思いますが、
丁の損害は自由競争の範囲内のリスクにとどまり(金額の多寡にかかわらず)、
抵当権者を害してまで求償の期待を保護する利益は大きくないと考えます。
502条の検討で利益調整が図れるので、まあ不当でもないような気もしますし。
ゆえに、河童さん(模範解答)の結論に一票を投じます。少数派ですね。
256 :
河童 :04/02/25 00:39 ID:???
>>255 どうもこんばんは。131さん。
繰り返しになりますので手短に。
私は丁の保護とともに、乙が無資力の場合において、
本来は抵当権競落分の5000万円しか債権回収できないはずの甲が、
6000万円丸まる回収できるのが気に食わないのです。
なんだか問題文を読んだ印象で、丁保護など本当はどうでもよくて、
甲に憎しみさえ感じはじめている自分がいるんですね。
甲のヤロウは、乙の弱みにつけこんで一部弁済済債権の譲渡なんてしやがって〜、……という具合です。
なんというか30さんが答案に論述者のキャラクターが出るといっていますが、
私の場合は、問題文の登場人物そのものに好悪を感じてしまうのです。
その結果、個性が出て成功するより、基礎がおろそかになって失敗する可能性が高いということを、
自分の考えの足りないところと基礎の弱さをご指摘いただいて自覚できたことこそが、
このスレを続けてきて最大の収穫だと思っています。
みなさまに改めて多謝。
257 :
30 :04/02/25 01:18 ID:???
なかなか面白かったですね。大変、勉強になりました。 ちょっと書くのを迷ったのですが、甲さんのお話。補足しておきます。 甲さんは実際の事例では都市銀行とかに相当すると思います。1番抵当を付けられる立場ですから。 で、甲が6000万円回収できるのは、ずるいじゃないか。担保価値は5000万円なんだから、って思う のは、素直な感想だと思います。やっぱり都銀って狡い、と。 でも、ちょっと考えてみますと、甲さんは、6000万円を、競売により土地から回収したというよりも、 むしろ債権を上手く売り捌いて回収した、とみることができるんじゃないでしょうか。 お金の回収をするという点では、担保から回収するという方法もありますが、債権の売買によって回収 するという方法もあるわけですから、1つの方法に固執することなく、素早くお金を回収した甲さんは、 それなりに立派ともいえますよね。早いもの勝ち、強いもの勝ちの論理です。一つの見方の提示です。 答案に論述者のキャラクターが出るという点についてですが、これは、とても大切なことのようです。 答案の訴えかける力が違うといっていた試験委員の先生もいらっしゃいました。消してしまうのは勿体 無い。ただ、一面的な論旨になって、あぼ〜んにならないように、常に、いろんな人の立場に立って、 考えてみる訓練をするのが良いと教えてくれた人がいました。この人は実は、わたくしの指導教官です。 何とかの教えみたいですねw。ですから、いつも意識的に訓練しています。まだ未熟ですが。ではまた。
258 :
河童 :04/02/25 01:28 ID:???
30さん。こんばんは。 それにしても、相変わらず時間的に神出鬼没な方ですね。 ちょうどいま、向こうのスレで30さんのまとめで勉強させていただいていたところです。 こちらでもいろいろとアドバイスありがとうございます。 またオモシロイ問題が書けたらと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。
30さん、この問題はこれくらいにしましょうと言ってましたが 銀行関係者の名誉にかけて、これだけは反論させていただきます。 甲さんは実際の事例では都市銀行とかに相当すると思います。1番抵当を付けられる立場ですから。 で、甲が6000万円回収できるのは、ずるいじゃないか。担保価値は5000万円なんだから、って思う のは、素直な感想だと思います。やっぱり都銀って狡い、と。 都市銀行はじめ、銀行法や信用金庫法で規制されている金融機関は 返済状況をコンピューターで把握していまして、常に金融監督庁の検査を受けています。 従って、一部弁済を受けた後、しめたと思って一部弁済前の金額で 債権譲渡するようなマネはしません。 これは明らかに街金の手口です。こんな甲を保護する必要はないわけです。 逆に丁は小問2で保護を受けられないのは 売買代金の一部として甲に払うくらいなら、 3月までなら、この土地をタダ同然で買い取って さんざんこの土地の前で迷惑行為をやったあげくに 2000万円くらいでテキジョ(漢字が出ないよ〜)して しまえばよかったのです(これはヤクザの手口ですね)。 この場合の丁は乙にダマされたわけです。 よって甲は関係ないのです。
補足です。どうも問題がややこしい上に、即興で書いてるもんで 抜けることがおおいです。 小問2は甲は関係ないといいましたが、 不当利得分があれば当然返還対象になります。 問題が配当の分配だったのでかような表現になりました。
261 :
30 :04/02/25 11:29 ID:???
>>259-260 なるほど。よく分かりました。
>>257 は、わたくしの実務への無知、偏見から
発した、大変失礼な記述だと思います。銀行関係者の皆様、撤回の上、慎んで
お詫び申し上げます。ごめんなさい。
224さん、ご指摘、ありがとうございました。
30さん、いえいえ、実際不公平な債権放棄で血税をつぎ込んでいただいている 立場ですから、批判されてもしょうがない業界ではあります。 どちらにしても司法試験はあらゆる時事問題を想定して 考える必要があります(特に憲法)から、このスレで 各人の得意分野の話をできればいいですね。 抽象問題から具体例を挙げることも一行問題では必須ですし。 ところで辰巳の憲法の問題はよかったですか? セミナーは例えば 「インターネットでハンドル名に対し名誉毀損発言をした場合の憲法上の問題点を 論ぜよ」なんてワケのわからない問題が出てました。 一部試験委員(多分もう辞めてる)の好きな論点らしいです。 しかし論点といっても、こんなものはこいつ以外の本には載ってません。 論文講座はどこもイマイチですね。
アレッ????なんでアガっちゃったんだろ????
265 :
30 :04/02/25 14:12 ID:???
>224さん
>>262 わたくしもローラーの問題は、このスレでみてカキコしているだけなので、詳しくは分かりません。
セミナーのその問題は、予想答練なんかで結構、出ていますよ。ニフティーサーブ事件や高橋先生の論文が、
きっかけになっているようですが。放送大学のテキストだけじゃなくて、憲法Iにも載っていたと思いますよ。
予備校の問題は一通り集めたつもりなので、面白いものだけ摘んで検討しています。わたくしは、へたれ受験
生なので、論文の前に必死で答案ファイルを憶える人です。ダメダメな人です。
>>263 メール欄のsageのうち、sが全角になっているからだと思います。半角でsageと入れないと、アガりますよ。
なお、専用ブラウザでsageチェックいれておくと、アガりませんよ。ではまた。
266 :
131 :04/02/25 16:49 ID:???
>>224 さん
>>262 ご存知かもしれませんが、ニフティサーブ事件については
一審:東京地裁平9.5.26
二審:東京高裁平13.9.5
です。著名な判例ですので、押さえておいて損はないと思います。
表現の自由の判例がらみはいつ出てもおかしくないので(去年は14条の基本論点でしたので)、
むしろ答練は論点補充のために利用してもいいのではないでしょうか。
基本はアウトプットなのはもちろんですが、明らかに細かい論点は別として、
本番では人権判例を知っていた方が少なからず有利ですから。
267 :
河童 :04/02/25 23:56 ID:???
みなさん、こんばんは。 ニフティサーブ事件。全然知りませんでした。 >「インターネットでハンドル名に対し名誉毀損発言をした場合の憲法上の問題点を 論ぜよ」なんてワケのわからない問題が出てました。 私もワケがわかりません。いきなり模試で見たらワケがわからんと思ったでしょう。 この問題は131さんに判例のご紹介をいただきましたので、 自分で勉強して調べるのでお構いしていただく必要はありませんが、 憲法では特にこういう問題がありますよね。 そもそも予備校の問題は、出題自体は判例類似ならば、「良問」といえ、 また、出題者の意図を大きく越えて「良問」となる場合も多くあります。 (例えば、みなさんで議論した前回の問題がよい例ですよね) しかし、問題は、まさしく問題を作成した「人間」に模範解答の責任がとれず、 いわゆるこのスレでいう「模範解答」しか用意されていないということでしょう。 (「人間」について講師の時は実力不足?どこかの大学教授の場合は「なぜか」自分で作成しない?) ですから、問題は出た問題を考え抜けばいいと思っています。 その考え抜いたことがどのような評価を受け得るのか、 それをここで試させていただけることが私の勉強法の最大の支えだと思っています。
268 :
河童 :04/02/26 00:08 ID:???
ちなみに私も様々な自分なりの模範解答を用意するための勉強をしていますが、 アウトプットの訓練は模試なり自宅なりで2時間をはかって2通の答案を書くことが一番でしょう。 これが一番面倒で、時間が足りないと感じているときには一番遠ざけてしまう勉強方法ですが、 結局、論文答案は「生き物」であることが多いので、これを避けてはいけない気がします。 私は現在週末に1回1教科2通の論文答案を書いているだけで、 このままだとこれが敗因になりそうだと自戒の念をこめつつ書き込んでおきます。 美味しいところだけ食べようとすることは、現行司法試験では禁物ですよね。
269 :
224 :04/02/26 22:21 ID:???
ニフティは知ってます。しかしこれはクッキー(スペル忘れました) が誰か特定できるという事案です。明らかに射程が違います。 射程外だと全く論ずるに値しない問題です。 しかも対抗言論なんていうのは、明らかにマイナーです。 差別的言論ならば別の構成(例えば芦部)でも論ずることはできます。
270 :
河童 :04/02/26 22:58 ID:???
予備校の問題・「模範解答」はもう言っても仕方ありますまい。 次の論文にいきます。(本問でも私も悪いけど、予備校もちょっと……) **前置き そもそも地役権は、送電線架設目的のために設定できるのか、また、地上権の設定されている土地には、 土地所有者・地上権者の合意を得ても、地役権は設定できないのか、という致命的な2大疑問が私にあります。 さすがに「模範解答」もそらくらいはしっかりしているだろうと、信用してみましたが……はたして真実は? (情けないことに手持ちの資料で調べても確信を得られませんでした。いい加減、基本書くらい買わないと…トホホ) それを踏まえてから、お読みください……。(私もかなり情けないけど、辰巳さん。ほんとお願いしますよ。) 問題 甲電力会社は、乙が所有する山林の空中に送電線の架設を計画しているが、 その山林に、丙が立木所有を目的とする地上権の設定を受け、その旨登記してあることが判明した。 この場合、甲電力会社が当該山林に送電線の架設を目的とした地上権、地役権、賃借権の各土地利用権を 設定するにはどのうような方法をとればよいか。 また、上記で各土地利用権を設定できるとした場合、対価、存続期間、終了後の権利関係の視点から、 いずれの土地利用権が最も有利かについて、当事者双方の立場から検討せよ。
271 :
河童 :04/02/26 22:59 ID:???
1 はじめに (1)本問で、甲会社が送電線を架設するために、まず甲会社は土地の所有者たる乙との間で何らかの土地利用権を 設定することが考えられる。しかし、乙所有の土地には既に登記のある丙の地上権が存するから、 乙はこの地上権と同じ内容の用益物権を新たに設定することはできない(177条)。 ここで、地上権は目的の範囲内で他人の土地を全面的に用益する物権である(265条)。 甲会社が設定しようとしている地上権、地役権及び賃借権はいずれも乙所有地を用益する権利であり、 丙の地上権と他人の土地を用益するという点で内容が同じであるから、 甲会社は乙との間で各土地利用権を設定することはできない。 (2)そこで、次に、甲会社は地上権者たる丙との間で各土地利用権を設定することが考えられる。 しかし、丙の地上権には目的の登記があり、甲会社は乙に対して立木所有目的以外の用益を対抗することができない。 そのため、丙との間で各土地利用権を設定しても、送電線架設の目的を達成できない。 そこで、甲会社としては、かかる目的を達成するためには、丙の地上権を消滅させた上で、 土地所有権者たる乙との間で土地利用権を設定する必要がある。 2 各土地利用権の設定方法 (1)まず、甲会社としては、丙の地上権を消滅させるために丙に地上権を放棄(268条1項)してもらうか、 乙と丙に交渉して、丙の地上権を約定によって解除してもらう必要がある。 (2)その上で、甲会社は乙と各土地利用権を設定することになる。まず、@地上権は、 甲会社と乙の契約によって送電線架設を目的として設定できる(265条)。次にA地役権は、乙所有地を承役地、 甲会社の送電線が設置されている土地を要役地として両当事者の契約によって設定できる(280条)。更に、 B賃借権は、乙が土地を使用・収益させ、甲会社が賃料を支払うことを約することによって成立する(601条)。
272 :
河童 :04/02/26 23:00 ID:???
3 地上権、地役権及び賃借権の有利不利 (1)対価について 地上権(266条)と地役権(280条)は法律上対価が必要とされていないが、 賃借権は対価が必要とされ(601条)、敷金(619条2項但書)もある。もっとも、実際に設定するとなると、 土地利用権を自由に処分できる地上権、土地の使用収益が全面的に可能な賃借権の対価は大きく、 甲会社にとっては乙の所有地を部分的に承役地として使用でき、土地の占有権限のない地役権が安価であり、 最も有利であろう。他方、乙にしてみると、対価の大きさに加えて、 土地を適切な状態で使用・収益させる債務を負わないという点を考え合わせると、 地上権が最も有利といえるのではないか(実際に、丙に地上権を設定している)。 (2)存続期間について これについては、甲会社にとっては、送電線の架設のような場合、 可能な限り長期間継続して土地利用できることが望ましいので、用益地として機能を果たす限り存続が認められる 地役権が最も有利といえる。他方、乙にしてみると、 一般的に存続期間の長い地上権(268条)よりも、存続期間が短い賃借権(604条)のほうが有利であろう。 (3)終了後の権利関係について 甲にとっては、投下資本の回収が可能な利用権が有利といえるが、 送電線・鉄塔類については土地所有者に有用なものといえず、 いずれにしても収去義務(地上権につき269条1項、賃借権につき616条、598条)を負うから、 結局は譲渡が自由で対価も期待できる地上権が最も有利といえる。 他方、乙にしてみれば、土地の明渡時まで敷金による債務の担保がなされる賃借権が最も有利といえる。
273 :
河童 :04/02/26 23:04 ID:???
3 まとめ (1)以上より、土地利用者たる甲の立場からは、総合的に考慮して地役権が最も有利であると考えられ、 土地所有者たる乙の立場からは総合的に賃借権が最も有利であると考えられる。 (2)もっとも、甲会社が必要な送電線・鉄塔等の設置・空間占有部分は安全性確保の点を考慮しても かなり限られているであろうし、山林(立木)の所有権や土地利用権を全て譲り受け、あるいは変動させるのでは、 あまりに費用が多くかかり、乙丙当事者の合意も得られにくいであろう。そこで、乙が地上権者になるとともに、地上権の登記に立木所有に、送電線架設を加え、 当事者間の特約により、丙に従前どおり実質的な地上権者として山林の所有をさせればよいと解する。 なお、乙は公共性が高く、社会的信用がある電力会社であるため、 地上権者であった以前よりも各段に不安定な立場に置かれる丙の合意も得られるものと解する。 **後述 **山林に送電線……実によく見る光景ですが、土地利用権は実際にどうなっているのか考えさせられました。 **かなり想像が入っている(嘘を言っている?)ので、遠慮なく基礎の弱さともども無知を指摘してください。 **なにより「地役権」の理解のなさが致命的です。択一で出たら、「送電線」はダメにすると思うんですが。 **地役権の場合、不動産登記法(113条)によると土地の一部で細切れでもよいみたいですね。 **実際には電力会社の乙が金に物を言わせ、丙の山林ごと買い取って、山林業にも副業で手を出すというか、 資産として持っておくということもあるのでしょうか。電力会社は金持ちですからね(原発醜聞もノーダメージ?)。 **電力会社が極めて公共性が高く、(少なくとも経済上)社会的信頼があるだけに、 これが今回の私の個性発揮ポイントだと思ったのですが、いかんせん専門的事実・法律(民法)に関する知識が浅く、 「閃き」がありませんでした。実際には国家権力を背景とする敷地利用権を保障されていてもおかしくありませんね。 以上。なんとも「甘えた答案アップ」ですが、お時間ある方はどうぞ宜しくお願い致します。
274 :
30 :04/02/26 23:32 ID:???
河童さん。択H7-33 辰巳 詳解2 No.388 p.519をご覧になってますか?残りは、いずれ書きます。
275 :
河童 :04/02/26 23:33 ID:???
ぎゃーー。 失礼しました。まったくもって勘違い。 空中部分に「送電線のみ」の設置でしたね。 スレの無駄遣いをしてしまいました。 まったくなんということを……。 しばらく対処を考えさせてください。さすがに凹みました。
276 :
河童 :04/02/26 23:39 ID:???
30さん。スレ違い書き込みでしたね。 今回のアホ答案は見なかったことにしてください…… というわけにもいかないので、ご紹介いただいた択一問題をもちろん確認するとともに、 考え直した修正答案を手短にアップできるように努力します。 いやー、失礼しました。
277 :
河童 :04/02/27 00:12 ID:???
30さん、早速確認しました。 なんとなく見たことのある問題でしたから、 この択一の問題がベースになっていると気づくべきでしたね。猛省。 「良問」です。 おかげさまで様々なことがわかりましたが、唯一わからないのは、 地上権の登記が「立木所有目的」となっている場合に、 地上権者に「送電線設置目的」の賃借権設定権を設定する権限があるかです。 っていうか、辰巳さんも択一の問題集であそこまで「詳解」してるなら、 あんなにひどい論文模試の「模範解答」つくらないでよ…… おかげでひどい恥かかされちゃったよ……(恥かきついでに責任転嫁しておきます)。
278 :
131 :04/02/27 00:42 ID:???
>>269 >ニフティは知ってます。しかしこれはクッキー(スペル忘れました)
>が誰か特定できるという事案です。
この点についてはおっしゃる通りですが、
>明らかに射程が違います。
という点にはやや疑問を感じます。
というのも、私人間の名誉毀損事件で同定可能性を考慮する構成としては、
@そもそも名誉権侵害の余地があるか(私人間効力以前に検討)する、
A私人間効力内のあてはめにおいて考慮する、というパターンがあると思われますが、
後者の構成では、完全な匿名性がなくても、侵害態様との関係等から違法性を認定しうるためです。
また、今回の答練のようなおおまかな問いかけに対してであれば、
同定可能性ある場合(ニフティの射程ですね)とない場合で場合分けができます。
この処理は、確かに判例を知らないと問題意識が出しづらいので、「細かい」論点には妥当しません。
もし、参考答案が場合分けを前提としている(出題者が要求している)のであれば、
224さんのいう「細かい」問題だったと思います。
>しかも対抗言論なんていうのは、明らかにマイナーです。
ニフティ一審ですら対抗言論に触れていないので、その通りかもしれません(ちなみに二審は触れています)。
最高も触れるだろうとは思います。某塾では基本事項扱いなのですが・・。
279 :
131 :04/02/27 01:17 ID:???
あと、余計なお世話ついでにもう一点。 対抗言論は名誉毀損事例とプライバシー侵害事例の対比で有効な視点です。 すなわち、 名誉毀損:対抗言論が機能(真実性を反駁して直ちに名誉を回復できる) プライバシー侵害:対抗言論は機能しない(もうばれちゃった) なので、前段後段で両者を同時に問うような問題が出た場合に書きやすくなるとは思います。 ほんとに余計なお世話で失礼しました。
280 :
河童 :04/02/27 02:45 ID:???
**131さん。私の恥ずかしい答案にまったく触れていただかなかったことに感謝。武士の情けですね。 **大幅改訂版です。トホホ… 問題 甲電力会社は、乙が所有する山林の空中に送電線の架設を計画しているが、 その山林に、丙が立木所有を目的とする地上権の設定を受け、その旨登記してあることが判明した。 この場合、甲電力会社が当該山林に送電線の架設を目的とした地上権、地役権、賃借権の各土地利用権を 設定するにはどのうような方法をとればよいか。 また、上記で各土地利用権を設定できるとした場合、対価、存続期間、終了後の権利関係の視点から、 いずれの土地利用権が最も有利かについて、当事者双方の立場から検討せよ。
281 :
河童 :04/02/27 02:46 ID:???
1 はじめに (1)本問で、甲会社が送電線を架設するために、まず甲会社は土地所有者たる乙との間で 何らかの土地利用権を設定することが考えられる。しかし、当該土地には既に登記のある丙の地上権が存するから、 原則として乙はこの地上権と同じ内容の用益物権を新たに設定することはできない(177条)。 ここで、地上権は目的の範囲内で他人の土地を全面的に用益する物権である(265条)。 甲会社が設定しようとしている地上権、及び賃借権は、丙の地上権と内容が同じ(ほぼ同じ)であるから、 甲会社は乙との間で両土地利用権を設定することはできない。 これに対して、地役権(280条)については土地の一部を利用するために設定することも認められているため、 甲会社は送電線を設置するのに必要な範囲で、乙との間で地役権の設定をすることができるようにも思われる。 しかし、地上権が目的地を全面的に使用・収益する物権である以上、 地役権の設定権限を含む当該土地の使用・収益に関する処分権限は地上権者たる丙にあるとみるべきであり、 甲会社は土地所有者たる乙との合意によっては、地役権を設定することはできないと解すべきである。 (2)そこで、次に、甲会社は地上権者たる丙との間で各土地利用権を設定することが考えられる。 しかし、丙の地上権には目的の登記があり、甲会社は乙に対して立木所有目的以外の用益を対抗することができない。 そのため、丙との間で各土地利用権を設定しても、送電線架設という目的を達成できない。 (3)結局、甲会社としては、本問目的を達成するためには、乙丙両当事者ともに働きかけることを前提にした上で 設定すべき土地利用権を検討しなければならない。
282 :
河童 :04/02/27 02:47 ID:???
2 各土地利用権の設定方法 (1)まず、甲会社としては、乙・丙と交渉して丙の地上権を消滅させた上で、 乙との間に各土地利用権の設定をすることが考えられる。 (2)また、甲会社は、地上権者たる丙の承諾を得ることにより、乙との間で 送電線設置を目的とした立木の上空空間に区分地上権を設定することが考えられる(269条の2第1項・2項)。 なお、この場合には、丙の地上権を消滅させる必要はない。 (3)更に、甲会社は、乙に当該地上権の目的に「工作物」の設置を加えてもらい、丙の地上権を譲り受けるか、 丙との間で賃借権あるいは地役権の設定を受けることが考えられる。 3 地上権、地役権及び賃借権の有利不利 (1)対価について 地上権(266条)と地役権(280条)は法律上対価が必要とされていないが、 賃借権は対価が必要とされ(601条)、敷金(619条2項但書)もある。もっとも、実際に設定するとなると、 土地利用権を自由に処分できる地上権、土地の使用収益が全面的に可能な賃借権の対価は大きいのが一般的で、 甲会社にとっては土地の占有権限のないが、乙の所有地を部分的に承役地として使用できる地役権が安価であろう。 また、区分地上権は前述のように丙の地上権を消滅させることなく設定できるため、 これも同様に安価であり、この両者が有利である。 他方、乙・丙の側にしてみると、対価の大きさに加えて、土地を適切な状態で使用・収益させる債務を 負わないという点を考え合わせると、地上権が最も有利といえるのではないか。 (2)存続期間について これについては、甲会社にとっては、送電線の架設のような場合、 可能な限り長期間継続して土地利用できることが望ましいので、存続期間を永久と定められる地上権か、 用益地として機能を果たす限り存続が認められる地役権が最も有利といえる。 他方、乙・丙の側にしてみると、一般的に存続期間の長い地上権(268条)よりも、 一般的に存続期間が短い賃借権(604条)のほうが有利であろう。
283 :
河童 :04/02/27 02:48 ID:???
(3)終了後の権利関係について 甲にとっては、投下資本の回収が可能な利用権が有利といえるが、 送電線については土地所有者に有用なものといえず、いずれにしても収去義務(地上権につき269条1項、 賃借権につき616条、598条)を負うから、譲渡が自由で対価も期待できる地上権が最も有利といえる。 他方、乙・丙の側にしてみれば、土地の明渡時まで敷金による債務の担保がなされる賃借権が最も有利といえる。 3 まとめ (1)以上より、土地利用者たる甲会社の立場からは、総合的に考慮して乙・丙間で 地上権の目的に「工作物所有」を加えてもらった上で、丙との間で地役権の設定を受けるか、 あるいは丙の承諾を得た上で乙との間で区分地上権の設定を受けるのが最も有利であると考えられる。 他方、乙・丙の立場からは総合的にどういう形にせよ甲会社に賃借権を設定するのが最も有利であると考えられる。 (2)もっとも、甲会社の送電線の設置空間は安全性確保の点を考慮してもかなり限られた空中部分だけであろう。 そうすると、わざわざ丙の地上権を消滅させた上で乙と新たに各土地利用権の設定を受けたり、あるいは、 丙から地上権を譲り受けたりするよりは、乙・丙の協力あるいは承諾の下、登記を変更の上で 丙から地役権の設定を受けるか、乙から区分地上権の設定を受けるかするほうが簡易かつ経済的である。 また、かかる方法によれば乙・丙にしても、それによる負担は皆無か極めて軽微であり、 両者ともに甲からそれなりの対価を得ることができるため、三者間の土地利用権設定も円滑にいくと思われる。 *後述 *結局、全然使えませんね…。私が目をつけた本問の特殊性→乙は公共性が高く、社会的信用がある電力会社である。 *30さん、迅速なレス感謝致します。今晩中あのまま答案が放置されていたらと思うと……。 *今回の答案で恥の上塗りになったりして……。 *やはり、人様にみていただく答案は一晩くらい寝かさないといけませんね。痛感。そして、もう一度猛省。
284 :
河童 :04/02/27 03:03 ID:???
最後に、ニフティについての憲法の問題についてですが、 どのような問題にも論述するべきこと・論述できることは色々あるような気がします。 人によっては、問題文の取るに足りないと思われる点に目をつけることもありますし。 (私はその「思わぬ点」に目をつけることを武器としようと思っています) 結局、自分の考える模範解答をここに書き込んで、いろいろな意見をもらうことによって、 「悪問」も「良問」に思えてくるものだと思いますので、 224さんも腹の立つ「悪問」や採点に納得いかなかった問題の模範解答を書き込んでみてください。 お時間の関係もあるでしょうが、一度自分の答案を叩き台にしてみなさんに議論されてみると、 ほんとうに勉強させてもらえることが多いと思います。 私は、224さんにおいでいただいた抵当権の一部弁済債権の問題は、 まぎれもない「悪問」で「ひどい採点」をされたと思いましたが、いまは必ずしもそうは思いませんし。 「模範解答」に対する怒りは、大恥をかかされて倍増中ですが。(というか自分への情けなさが勝ちます…)
285 :
河童 :04/02/27 10:29 ID:???
目覚めて追記。修正。 甲会社に乙がもはや賃借権を設定できない理由は、177条によるものでなく、 むしろ丙という地上権者に当該所有地の全面的な使用・収益権があるためとすべきですね。 乙に賃借権設定権限はもはやない、と。 また、地上権の譲渡によって山林の所有権まで移転するわけではないので、 丙から地上権自体を譲渡してもらってもいいかもしれませんね。 そうすれば、甲会社は公共性が高く、社会的信用がある電力会社ゆえに、 地上権の処分等によって、丙の山林を危うくすることはない、とできますし。 *まだまだどうしようもない間違いがあるかもしれませんが、一応よく勉強できました…。 論文の勉強は択一にも役立つこと、その逆もまた然りなことを珍プレーで改めて実感。 これが去年度にはなかったことなので、今後の択一の勉強にも実が入ります。
286 :
224 :04/02/27 11:05 ID:???
131さん、余計なお世話でなく、有意義な議論になって 嬉しいです。ちなみに対抗言論の件、 名誉毀損やプライバシー侵害は古くからある話で 別に判例理論でも十分に説明されてきたのに、 なぜこのような独自の見解を創造したのかというのが 僕の疑問です。説明がしやすいからでしょうか? しかし実は昨日新保先生の講義聴いて納得しました。 所詮予備校の問題と思って割り切ってください。 予備校は当ててナンボですから。 出るとは思えませんが、出たら今日やったなと思い出してください。 とのことでした。 ま、最近は僕は模範答案や添削はあまり読んでません。 当てるのが使命だとしたら論点主義になるのは当然だし 論点関連図やその個別の解説は非常に充実してますから それを読んでから書くようにしてます。
287 :
224 :04/02/27 11:21 ID:???
河童さん、では今納得できない問題を1つ。 多分セミナーのスレもあってボコボコに批判を浴びてる問題なのですが 資産家Aは高齢で判断能力が相当低下しており、不動産売買の経験も皆無だったが 不動産業者Bから、都心の高層マンション最上階の一室の購入を勧められた。 AはBから「この部屋は眺望・日照がよく、居住環境もいいので永住するには最適だし 必ず値上がりするから今買っておけば大きな利益が得られる。」と数回にわたり 執拗に説得されたため、やむを得ずBを信じてその部屋を購入し、代金を支払った。 ところが、Bは契約当時、隣地に超高層ビルの建築が予定されていることを知っており その2年後に完成したため、目的たる眺望・日照を享受できなくなった。 また、Aが購入する前に、同じ階に暴力団幹部がBから購入した部屋があり、 Aはそれを知らなかった。その後暴力団員が多数マンションに出入するようになり 共用部分を私物化し、深夜まで宴会をして気勢を上げたり、敷地内や前面道路で示威行動 するなどの迷惑行為を繰り返したため、Aが購入した部屋の市場価格は半減した。 AのBに対する民法上の請求・主張としていかなるものが考えられるか。 なお、特別法は考慮しなくてよい。
288 :
224 :04/02/27 11:31 ID:???
ここで私が納得できないのは、問題ではなく模範解答です。これによると 意思無能力による無効 錯誤無効 詐欺取消公序良俗違反による無効 契約解除 をズラズラと並べて山も何もないものでした。 「請求・主張としていかなるものが考えられるか。」 の問題には答案構成は不要なのでしょうか? まず第1に意思無能力や公序良俗は意味不明です。 何でもかんでも書いたという感じです。 その後の請求主張は誰でも書けると思いますが 何によって差をつけるのでしょう。 第2に模範答案によると 契約解除の場合のみ損害賠償請求ができるとなっています。 これは値下がり分のことを言ってるとも思えるのですが 原状回復義務という点では無効取消と同じはずです。 私の書いた答案構成は、私が特定される可能性がありますので ご容赦ください。アドレス教えていただければお送りしますが。
289 :
河童 :04/02/27 15:39 ID:???
なんだかなぁ…。という感想です。 わりと似た問題が辰巳さんにもありました。 いずこも同じなんですよ、「模範解答」を含めましてね。 224さんのお怒りはごもっとも。 (ちなみに今年から市販の問題集ではかなり評判がいいので、 新保120選をやっていますが、少なからず疑問の答案があります) さて、問題についての雑感。 まず、私はA爺さんが判断能力が相当低下していても、意思無能力までは認定できないと思います。 なぜなら、Aが居住環境の良さや値上がりを期待している点で意思能力はあるでしょうし、 こういう高齢者について安易に意思無能力としたのでは、制限能力者制度が無駄になるからです。 (これは簡略ながら答案に書くと思います) 「公序良俗違反」はこういう社会的弱者=高齢者(資産家で多額の年金受領…?)相手の詐欺商法の場合に、 詐欺取消同様に、妥当な結論を導くのに有効な手段だと思います。 ついでにヤクザ事務初が近隣にあるのは動機の錯誤になるというのはなんか判例でありましたよね。 ということは、ヤクザ幹部の部屋が同じ階にありますから瑕疵担保もいけそうです。 そこで、詐欺・錯誤・瑕疵担保・公序良俗の競合が問題になりますね。
290 :
30 :04/02/27 15:46 ID:???
>>288 わたくしが直接の名宛人ではないので、答えて良いものか躊躇しましたが、考えるところを若干、呈示させて
下さい。よろしくお願いしますね。
> ここで私が納得できないのは、問題ではなく模範解答です。これによると
> 意思無能力による無効
> 錯誤無効
> 詐欺取消公序良俗違反による無効
> 契約解除
> をズラズラと並べて山も何もないものでした。
> 「請求・主張としていかなるものが考えられるか。」
> の問題には答案構成は不要なのでしょうか?
本試験で、整理の視点に気付かず、本当に訳が分からないときには、並べてしまうかも?
ただ、わたくしは研修所流のモノとカネの整理で書きます。実務家の先生は、よくご存知の事項なんですが、
予備校の答練で書くとひどい評価を食らうことがよくあります。ですから、各人のリスクで。
> まず第1に意思無能力や公序良俗は意味不明です。
> 何でもかんでも書いたという感じです。
高齢者取引保護の法理というのは、成年後見関連の法改正が叫ばれていた時代に新井論文等をきっかけに学会
でも議論されていたものです。この問題意識を伊藤先生が日曜答練で出題されたことがあります。これが現在
の『民法の底力』に収録されています。なお、これは別のスレでも検討されています。参考になるかもしれま
せん。
で、本題ですが、「考えられる」主張なので、おそらく成立しないと思っても若干でも可能性があるのなら、
やはり書いても良いような気がします。ただ、意思能力にかんしては、契約の内容、効果を理解するのが困難
とまではいえないと思われますし、公序良俗については、不当勧誘行為の位置付けが難しいところですよね。
291 :
30 :04/02/27 15:47 ID:???
> その後の請求主張は誰でも書けると思いますが > 何によって差をつけるのでしょう。 整理の視点と流れ(つながり)ですかねえ?これがうまくいかないから、これ。という感じで。 > 第2に模範答案によると > 契約解除の場合のみ損害賠償請求ができるとなっています。 > これは値下がり分のことを言ってるとも思えるのですが > 原状回復義務という点では無効取消と同じはずです。 ここの点については、逆に、教えて頂きたいのですが、この問題では、マンションの一室の購入契約自体だけ でなく、契約成立前の段階で問題になる情報提供義務や、契約終了後の関係である余後効については検討され ていないのでしょうか?このあたりまで考えると、全く同じとまではいえないのかもしれません。 どこまで突っ込んで考えれば良いのか?迷うところです。問題文の事案が前段、後段に分かれていますから、 ある程度、書いて欲しいのかもしれません。ただ、本番なら絞って書くとは思います。 問題文を見て、ちょろっと考えただけなので、間違いが山積みかと思います。ご指摘、よろしくお願いします。
292 :
河童 :04/02/27 15:54 ID:???
そして、競合が問題になるのは、要件の問題もありますが、主張期間の問題が大きいでしょう。 すなわち、錯誤や公序良俗違反の主張は期間制限が明文にありませんので、被害者保護に向きます。 本問の場合、信義則等によって主張期間の制限をする必要もないでしょう。 また、損害賠償については、瑕疵担保等や解除による不当利得よりも、 被害者保護のためには断然不法行為責任の追及でしょう。 これなら、セールスマン個人及び業者・上役個人(使用者)にも責任を追及できます。 こういうインチキ不動産会社はいつ倒産=トンズラするかわかりませんから、 不当な利益を得た個人責任の追及が大事だと思います。 また、触れ忘れましたが、契約締結における説明義務みたいものもありますよね。 超高層ビル完成による日照権侵害は、債務不履行責任を問うことができるかもしれません。 論点は、10ページあっても足りないほどにあります。 そこで、私なら被害者保護に重点を置いて、この問題を攻めてみると思います。 ごく簡単に一通り主張できるものをズラズラ並べてから、 取消・無効主張や責任追及の主張期間、損害賠償の相手の範囲・その賠償範囲を論述します。 なんかいい加減な記述ですいません。日課の昼寝前でして……。
293 :
30 :04/02/27 16:05 ID:???
>>286 近時、「対抗言論」ということが言われているように思えますが、実は、O.W.ホームズが「思想の
自由市場」(エマースンなら「真理への到達機能」)を説いた時代から言われていたものらしいで
す。
で、その後の批判によって、「思想の自由市場」なんて幻想じゃないか、とか、真理が生き残るか
どうかの保障なんて全くない、とかの批判に晒されました。
これについては未だ決着はついていないのですが、IT技術の発達によって登場した(実は軍事技術
w)インターネット上では、「思想の自由市場」に近い仮想空間が実現されてきています。
そうすると、この仮想空間内での内容規制については、「対抗言論」が成立する範囲では保護すべ
きだろう、というのが流れだと思います。つまり、ここで再び脚光を浴びたと言うのが、より実際
に近いような気がします。
ただ、上の論旨の明確なソースがすぐに挙げられないので、鵜呑みにしないで下さい。ではまた。
294 :
河童 :04/02/27 16:05 ID:???
ぬわー。すいません。30さん。交錯しました。 昨夜の大失態からキャラが変わってきてしまったような気が…修正しましょう。 どうやら30さんは、追及できる責任の範囲を他人より広げて答案の個性というか、 自分の確かな知識と能力を答案に表そうとされるのかもしれませんが、 私は、こういう問題では一貫して被害者保護という観点から論述するスタイルです。 私は法学部出身でもなく、勉強も浅い……。 ですので、30さんのような正当な法学部系の方?には知識の確実さや豊富やでは到底敵いません。 だからこそ別の切り口から勝負というのが、基本書も読んでいない穴を埋める武器だと思っています。
295 :
224 :04/02/27 16:23 ID:???
結局私が模範答案に言いたいのは 山も何もなく、ただズラズラと主張しうるものを並べている点です。 平成14年第2問にも「いかなる法律的方法があるか。」 という問題が出ましたが、これは父親が面倒見られたくない息子に 替わって債務を負担したいというものでした。 これならズラズラ並べるのはわかります。 しかしそれでも趣旨は明らかに474条2項がワケのわからん条文だ ということが問題意識であって、同条項の趣旨を 他の抵触するような条項にいかに影響を及ぼさせるかを 考えさせる問題です。ということは 常に問題意識を何に見出すのかを考えさせるのが司法試験であるはずなのです。 従って一行問題であっても、最初の15分間は答案構成に使うはずです。 しかしこの模範答案はもういきなりダラダラ書き並べただけというものです。 さらに問題なのは、添削者はこれを基準にしか添削できないということです。 事例問題なのだから、全ての文章を使って、すなわち 1.認められやすい主張(この時点で意思無能力などというものは逝ってしまいます) 2.金の取り返しやすい方法 を模索しながら、一番いい被害者救済方法を 呈示して、その他の方法はなお書きにすべきだと思うのです。 291さんの質問は「契約成立前の段階で問題になる情報提供義務や、 契約終了後の関係である余後効については検討されていないのでしょうか?」 ということでしたね。 情報提供義務については論じられてますが 契約終了後の関係である余後効については検討されてません。
296 :
30 :04/02/27 17:11 ID:???
>河童さん いえいえ、こちらがリロードしないで書き込んだのが失敗でした。原因はこちら側です。交錯を避け得たのは わたくしの側です。ごめんなさい。 >224さん わたくしの方針は、最後に一番いい方法を持ってくる場合が多いです。落とし込む感じと表現するのですが、 なんといっても1受験生のつぶやきですから、説得力はありません。各自が好きな方法を採ればいいと思いま す。セミナーの単純羅列型にならないように、また、くどくならないようにしようと心掛けているつもりです。 >常に問題意識を何に見出すのかを考えさせるのが司法試験であるはずなのです。 そのとおりだと思います。ただ、本番では気付かないことが結構ありますし、これだと思って書いて失敗して 1年を棒に振った人も沢山いるので(わたくしも経験あり)、対処方法については戦略を立てています。上手 く行く人は、すんなり行くんですけどねえ。う〜ん。 なお、30は、某スレでも使っているHNです。ではまた。
297 :
224 :04/02/27 17:12 ID:???
それと30さん、補足です。 別に名宛人は限定してません。河童さんがおっしゃってるのは みんなの意見を聞くために晒してみてはどうですか? ということでしたから
298 :
河童 :04/02/27 17:37 ID:???
昼寝終了しました。 間違えていたら大変失礼になりますが、224さんは私と同様に勉強歴が浅い方ですか? とにかく採点者や「模範解答」に怒っていても仕方ありませんよ。 私も去年はずいぶんネットに愚痴を書きましたが、今年は諦めの境地です(まだだいぶ文句言っていますが)。 なにせ、ある採点者ときたら、一時、私が自問自答式をやめたスタイルで個性を出そうと論述していたら、 「問題提起してください。」というセリフが論点ごと全個所に赤ペンで書いてあって、 「俺は基本書も読んだことない男だけど、おまえの基本書には全部自問自答式で書かれてるのか?」 と真剣に悩んだというか、あきれた記憶があります。(今度、そのスタイルで一問アップしたいですね) 司法試験に合格するのが一年や二年遅れたところで、こいつらには近い将来でも絶対に負けない、 と思いましたし、司法試験で予備校出身者があまりにダメだからロースクールができた、というのも、 頷けるといえば頷けると思わされてしまいます。残念なことですが。 繰り返しになりますが、模試は時間を計った上で誤魔化しが利かない条件で論文を書く、 (実際には六法に書き込みがあったりしますが…)ということ自体が大事なのだと思います。 むしろ、どこの予備校もアホみたいな「模範解答」しか作っていないのであれば、 自力で、あるいはどこかの環境のよいソサエティをもって、より質の高い勉強した者が勝つ、 ということになりますので、私は歓迎すべきだと最近では開き直りました。 どうしようもない(と思える)採点者や救いようのない「模範解答」に対する不満は、 このスレではもう少し具体的な論文・論点に関して語ることが有益だと思います。 224さんは、マニュアル式の論文に疑問を感じるのを通り越して、怒りを感じているのですから。 もちろん私たちもそれは同じことですから、このスレにいるのです。
299 :
224 :04/02/27 17:37 ID:???
30さん、なんか私も交錯してしまってましたね。 そんなことでレスありがたく参考にさせていただいてます。 ちなみに30はハンドルネームだったのですか? 30さんが誰かが特定されて名誉毀損を受けたら 訴えてやる〜!って言えるわけですね。
300 :
224 :04/02/27 18:03 ID:???
あと河童さん、詳しい中身はまた学校から帰ってから書きます。 ちなみにエラそうに言ってる割に私は去年基礎講座終わったばかりです。 3月で勉強初めて丸2年になります。
301 :
30 :04/02/27 18:05 ID:???
>224さん
このスレでのハンドルネームです。
↓
±? 学者系演習書についての千考察―巻之四 ±?
http://school.2ch.net/test/read.cgi/shihou/1075130797/l50 このスレでは、わたくしがボコボコに叩かれている姿が見られて
面白いかもしれませんw。
なお、もう周りの人間には、かなり特定されてしまっています。。・゚・(ノД`)・゚・。
書き込み内容ですぐ分かるみたいです。この世界は本当に狭いです。
このスレも、すごく良スレになってきてますよね。わたくしを除き、
結構、地頭のレベルが高い人が多い感じがします。
そろそろ夕飯の時間ですね。ではまた。
302 :
224 :04/02/27 23:10 ID:???
303 :
河童 :04/02/27 23:49 ID:???
224さん、ケツが青いとは思いません。 ただ、絶対量的に勉強時間が足りてない気がすると、 添削・模範解答ほど有用な勉強資料はないはずなのに、 論文の添削はまったく役立たずなものばかりで、 しかもボロクソの「模範解答」がついてくる。 そうすると「こっちは本番まで時間がないんじゃ、ボケ」と思って、 メチャクチャ腹が立ってくるんですよね。 私もまったく同じでしたから、よーくわかるんですよ。 しかし、結局のところ不満に思っても、自分の精神衛生が悪くなるだけです。 ここにいるみなさんのなかに、添削や「模範解答」を評価してる方なんて全然いません。 だから、それらに対する「怒り」がこのスレの存在理由であるというのは、 その「怒り」は表現する必要もないくらいの大前提ということなんです。 だから、ここにいるとホッとできるんですね。 *ちなみに新保問題集からアップしてもらえれば、民法はどれも自分なりに考えています。
304 :
河童 :04/02/27 23:57 ID:???
あっ、ちなみに「絶対量的勉強時間が足りてない」というのは、 1・2年では6教科一通り万全にするためには全然足りないということで、 一日・一日の勉強不足という意味ではありませんので、あしからず。 去年は私も毎日12時間くらい勉強したつもりでしたが、 完全な絶対量的勉強時間不足を痛感しましたから。 そういうときに見る「模範解答」に殺意すら覚えたということです。
305 :
224 :04/02/28 22:37 ID:???
結局こっちの大事な時間をムダにするな! ってことですよね。一生懸命答案構成考えてもその必要が ない問題に当たったら(さっきのボケ老人の話みたいな) 答錬の時間がもったいないですよね。 僕らが答錬を受けるのはあくまで本番を想定してるはずなのに 答案構成が必要ないなんて問題ありえません。 しかも添削が腐ってるのは初学者でもわかるという惨状。 その後基本書読み直したらこっちが正しいという始末です。 結局刑訴でいう伝聞になっててクソの役にも立たないんです。 それは新保先生もさっきのスレにもありましたが言ってました。 まあ、今の論文講座はライブで講義があるから救いです。 よってライブ講義と解説の論点図解を勉強するだけにして 論文は過去問と120選しか書いてません。 私は仕事も家庭もあるので、ムダな時間は使えないのです。
306 :
河童 :04/02/29 19:47 ID:???
また今日も大変な一日でした…。 そもそも辰巳さんは、午前=論文模試→午後=択一模試の順番は逆に考え直すべきな気がします。 論文はハードスケジュールで書かないとダメですが、択一は短期最大集中力勝負のはずなんですからね。 それにしても224さんはお仕事辞めていなかったんですか。それはシンドイですね。 私は家庭もないのでスッパリ辞めました。どうぞご家庭を大切にしながら頑張ってください。 224さんが効率の悪い「模範解答」とプロ意識(金を稼いでいる)の欠落した「添削者」へ大きな怒りを抱くのにも納得。 今後は無駄な時間を使わぬように私と一緒に不平・不満を封印しましょう。 (早速で恐縮ですが……) *本日返却答案には、「25」をバツして「24」の修正評価。 ワケわからんところだけ細かい気をまわしやがって…… 明日から刑法の勉強。しばらく私の答案アップはおやすみだと思います。
307 :
224 :04/02/29 22:13 ID:???
東大出てれば後は仕事中新聞読んでたら出世するという会社なんですよ。 それで少しは仕事で生かした経験を生かして 会社が傾いたときに、こいつらのリストラの訴えを受けてやろう と思って司法試験を目指してます。 かといって生活費が必要なので専業受験もできず時間がないワケです。 よって、非常にこのスレはありがたいです。 この前の怒りも新保先生(セミナー辞めたいらしいけど) によって癒されましたし、今日も少しは勉強進みました。 2人の子どもの書いてくれた絵を携帯しながら頑張ってます。
308 :
224 :04/03/02 14:42 ID:???
すみません。自分で質問して様々な回答いただきながら 内容の整理に時間がかかってしまいました。 結局本問の場合、契約解除が一番いい方法だという結論 をとることにしました。理由は 1.立証責任がBにある。 2.取り返す物は金銭だから、対抗要件の問題がなく、その点では どの構成でも同じ 3.一旦マンションに住んだあとの不法行為責任を追及しやすい。 以上です。みなさん、ありがとうございました。
309 :
河童 :04/03/03 01:20 ID:???
*前置き 案外早く刑法の論文が書けました。去年の夏以来、刑法論文の第一号です。 民法同様アップはやめようと思っていましたが、民法同様、早々とみなさまのお世話になることにしました。 というのも、刑法は民法と違い、妥当な結論を導くために判例が理論的根拠を明らかにしないことが多い科目です。 私は問題文を読むたびに「コイツは重い罪で有罪にしてやる」とか「コイツは既遂だ」とか、決めてかかるため、 理論を優先しないで(理論が難しくて理解できないので…)、フィーリング重視で書くことにしています。 それだけに、あまりに基礎がおろそかになっているところは厳しくご指摘いただきたく、早めにアップしました。 しかし、刑法論文に登場する人物は、民法以上にキャラが濃くてやりやすいといえば、私にはやりやすいのかも……。 問題は論文の森1問目です。 問題 以下の小問における甲、乙、丙の刑法上の罪責について論ぜよ。 (1)甲は、部下Aの勤務態度があまりに悪かったので、これを懲らしめようとAの頭部に素手で暴行を加えた上、 水深の浅い小川に突き落としたところ、Aは強度の脳震盪を引き起こし、 よろけながらようやく反対側の岸に這い上がった。ところが、これら一部始終を物陰から密かに見ていた乙が、 前前から気に食わなかったAに意地悪をしてやろうと、Aを小川に突き倒した。 Aは強度の脳震盪から回復していなかったため、立ち上がることができずに溺死してしまった。 (2)医師でないにもかかわらず風邪等の治療行為を反復継続していた丙が、風邪の症状を訴える患者Bに 治療法を指示したところ、その治療法が間違っていることが明らかであるにもかかわらず、 Bは医師の診察治療を受けることなく忠実に指示に従ったため、脱水症状を起こした上、肺炎を併発して死亡した。
310 :
河童 :04/03/03 01:22 ID:???
一 小問(1)について 1 甲の罪責について (1)甲は、Aを暴行して川に突き倒し、強度の脳震盪を引き起こしているので傷害罪(204条)の罪責を負う。 (2)では、甲は傷害致死罪(205条)の罪責まで負うか。 甲の行為がなければ、Aの死亡という結果もなかったことから条件関係は認められるが、 甲の行為後に乙の行為が介入しているので、甲の行為とAの死との間に因果関係が認められるかが問題となる。 (ア)まず、そもそも因果関係存否の判断基準については、因果関係が社会通念上、 違法・有責と考えられる行為を類型化した構成要件該当性の問題であることから、条件関係の存在を前提として、 その行為からその結果が生じるが社会通念上相当な場合に、それを認めるべきである(相当因果関係説)。 (イ)そして、相当性判断の基礎事情としては、構成要件が違法・有責類型であることから、 行為時に一般人が認識し得た事情、及び行為者が特に認識していた事情を取り込むべきと考える(折衷説)。 (ウ)更に、行為後に第三者の行為が介在した場合の因果関係の存否については、行為後に生じた事情についても、 等しく因果関係が進行する中、行為時に特殊事情が存在する場合と区別して考える必要はないので、 前述の折衷説に従い判断すれば足りると解する。 (エ)これを本小問についてみると、物陰に隠れていた乙の本問行為は行為当時の甲及び一般人にとって 予測不可能な事情であることを重視すれば、因果関係を否定することになろう。 しかしながら、甲は「水深の浅い小川」にAを突き倒しており、川底や岩に頭を強打する等、 Aの生命に危険な行為をなしており、実際にAは強度の脳震盪を起こしている。 しかも、乙に再び小川に突き落とされた際に「脳震盪から回復していなかったため」死亡したというほど、 強度の脳震盪である。また、Aはようやく反対側の岸に這い上がっているが、 甲はそれ(Aの安全)を確認してはおらず、そのまま水を飲んで溺死することも十分にあり得ただろう。 よって、甲の行為からAの死亡という結果が生じることは、乙の行為を考慮しなくてとも、 社会通念上相当といえ、両者の間に因果関係を認めるべきである。
311 :
河童 :04/03/03 01:25 ID:???
(3)そして、基本犯につき故意がある以上、重い結果との間に相当因果関係を要求すれば、 重い結果について行為者に責任を負わせても責任主義に反しないので、 結果的加重犯たる傷害致死罪の成立には死亡という重い結果に対する予見可能性は不要と考える。 (4)以上より、甲は傷害致死罪(205条)の罪責を負う。 2 乙の罪責について 乙はAを「意地悪のため」小川に突き倒すという暴行を加え、その結果Aを溺死させているので、 乙は傷害致死罪の罪責まで負うか。乙の行為がなければ、 Aの死亡という結果も生じなかったのであるから条件関係は認められるが、因果関係が認められるか問題となる。 この点について、自説である折衷的相当因果関係説からすると、乙は「一部始終を…見ていた」のであるから、 Aの様子から一般人であれば強度の脳震盪を起こしていると認識でき、かかる状態のAを小川に再度突き倒せば、 死の結果が生じることも社会通念上相当といえる。 そして、前述のように結果的加重犯たる傷害致死罪の成立に重い結果に対する予見可能性は不要であるところ、 乙も傷害致死罪(204条)の罪責を負う。 二 小問(2)について 1 本小問では丙が誤った治療法を指示してBを死亡させたことにつき、 業務上過失致死罪(211条)の罪責を問い得るかが問題となる。 (1)まず、本罪にいう「業務」とは、人の生命に対する危険性を有し、 社会生活上の地位に基づき反復継続して行われるものであるところ、「風邪等の治療を反復継続して」行う行為は、 そのような行為にあたるというべきである。
良スレ
313 :
河童 :04/03/03 01:29 ID:???
(2)次に、丙の指示に従うという被害者Bの行為が介在していることから、 丙の行為とBの死亡との間に因果関係が認められるか問題となる。 この点について、本小問では丙とBの人的関係や風邪の症状(重度か軽度か)、Bの年齢・生活環境・人格、 更には丙が指示した治療法といった要素が具体的に明らかではないため、自説である折衷的相当因果関係説からは、 一概に結論を下しにくい。ただ、Bに医師の診察治療を受けなかったこと、症状が悪化したにもかかわらず 丙の指示に忠実に従ったこと等、通常では予測しにくい事情(Bの過失)が認められるとしても、 なお丙の科学的医療を無視した指示行為は社会通念上Bの死という結果を招く危険のある行為であるといえ、 Bが医大生であった等の特段の事情がない限り、相当因果関係を認められると解する。 なお、このような結論は、Bがかかる治療法を忠実に守るような人間であることを知りながら 丙が本小問のような指示をした場合、あるいは生命に危険のある指示をなすにもかかわらず、 Bがいかなる人間かを知りもせずに同様の行為をした場合、いずれの場合にも妥当であると考える。 2 よって、丙は業務上過失致死罪(211条)の罪責を負う。 *後述 刑法に至っては、基本書はおろか判例百選すら持っていない私…。(さすがにこれは今週中に買いに行きます) 小問(2)は有名な判例がベースなので、百選も確認しないで書くのは恐縮ですが、お許しください。 *行為後に特殊事情が介在した場合の因果関係については、前田説が私の感覚に近いようですが、あえて回避しました。 刑法は一番学説にこだわるのが危ない科目だと思いますので。 去年は「手も足も出ない」という危険で一杯でしたが、今年は「自滅」の危険を管理できるようになりたいです。
314 :
河童 :04/03/03 01:29 ID:???
**繰り返しになりますが、私はできる限り、学説・論理よりも妥当な結論を重視したいと思っています。 本問では、甲のヤロウは「勤務態度の悪さ」で「部下Aを小川に突き倒す」とんでもないヤツなので、 模範解答では傷害罪に留まるとされていますが、断固、傷害致死罪を成立させました。 模範解答では、「水深の浅い小川」ゆえ危険性が少ないと解して当て嵌めをしていますが、溺死の可能性を別にすれば、 常識的に逆ですよね。岸から川底までの深さにもよりますが…。それを利用して逆の結論を導きました。 最高裁もこの事件ならおそらく甲に傷害致死罪の成立を認めるでしょう。(…かな?) 憲法の議院定数不均衡問題や、刑訴の任意捜査の限界、違法収集証拠の証拠能力の有無などに顕著ですが、 判例が妥当・穏当な結論を導こうとかなり苦心している以上、この苦渋の結論を容易に肯定するのは疑問ですが、 これに追従するのは効果的な手段だと思うのです。 判例は学説より、妥当な結論を導こうと、刑法・刑訴においてかなり必罰主義的色彩が濃いですよね。 判例より必罰的な論文答案はバランス感覚として絶対にいけない気がしますが、判例に近い分にはセーフでしょう。 (**向こうのスレで、憲法・議員定数不均衡につき「6倍以上でも全然OK」という論述が出たときに、 そのことを書こうと思ったのですが、難しい学者さんの話だったので尻込みしてしまいました。 学者さんは長い時間と分厚いページをもって学術的なことを書けますが、論文答案はそうはいきませんから**) 長くなりました。基礎がおろそかでは、妥当な(と思った)結論も虚しいだけです。よろしくご指摘・指導ください。
315 :
河童 :04/03/03 01:33 ID:???
どなたかageてくださいましたね。しかも、お褒めの言葉で。ありがとうございました。 ちょうどそろそろ翌朝にでも保守ageしないといけないと思っていたところです。
Waiver of Miranda Right unde N.Y. rule The issue is whether D validly waived his Miranda right. The rule under N.Y. law that is stricter than the Federal law is that it is necessary for statement to be admitted that D makes (1) a valid waiver of his rights (2) before making a statement. For a waiver of Miranda right to be valid, the rule is that Defendant' waved his right voluntarily, knowingly, and intelligently. After request of his attorney, he cannot waive his right in the absence of his attorney. Additionally, his statement made in the absence of his attorney is inadmissible. In this case,〜
>>314 妥当な結論というのは一般予防の見地から妥当な結論だろうね?
悪いやつだから刑務所に入れちゃえなんて発想じゃないよね?
英語晒しあげ
ミランダ右unde N.Y.支配の放棄 問題は、Dが正当に彼のミランダの権を放棄したかどうかです。より厳密なN.Y.法則の下の規則 Dが(1)aにする合衆国連邦法が、ステートメントが認められることが必要であるということであるより 述べる前の彼の権利(2)の有効な放棄。有効なミランダの権の放棄のために、 規則はその被告です」彼の権利を任意に故意に知的に振りました。リクエストの後に、の 彼の弁護士、彼は、弁護士の不在中の権利を放棄することができません。さらに彼のステートメント 彼の弁護士の不在中に作られた、許しがたい。この場合〜
320 :
224 :04/03/03 10:48 ID:???
河童さん、私も基本書といえばやっとセミナーのフェアで 民法買ったばかりです。民法は私の課題ですから。 ちなみに去年の択一もこれに引きずられて落ちてます。 大学では専攻だったのになんででしょ(T_T) しかし憲法も刑法も基本書持ってません。 デバイスと120選と判例で十分だと思ってるのですが、どうでしょうか? ただし判例は百選ではなく前田250選です。 商訴にいたっては、デバイスと「判例で書く」シリーズだけです。 今買っても読むヒマないし、何がいいのかわからないし・・・・
321 :
224 :04/03/03 10:52 ID:???
それと論文の森小問2ですが 医師免許のない治療行為は 傷害の故意があるし、業務上ではないはずですが。 後は死亡との因果関係を論ずるのかなと・・・・ 小問1は事実認定をどうするかだけですね。
322 :
河童 :04/03/03 11:02 ID:???
すいませんが、英語の文章は意味がわかりません??
それでも朝早くから訳してくださった方に感謝。
>>317 私は100%弁護士志望なのですが、刑法は裁判官の気持ちで書いています。
実際、親族を含めた被害者感情や遺族感情が重視される今日ですから、
事実上はそういう発想に近くても許されるのではないでしょうか。
(だから、私のような男は裁判官になっちゃダメなんですね)
最近よく30さんにおこしいただき、224さんも登場されましたが、
久しぶりに131さんにビシッと基礎の弱さを指摘してほしい気が…。
323 :
河童 :04/03/03 11:20 ID:???
あっ、224さん、おはようございます。 まず、私の論文について。 傷害の故意の認定は、本人が治療行為だと思って行っている限り、なかなか難しいでしょう。 「治療法の単なる指示」を傷害の実行行為として認定しなければならなくなりますし。 あと勉強方法について。 224さんみたいにあまり時間がとれない方には、有効かどうかわかりませんが。 私は(ここまでくるとバカ自慢のようですが)上三法は基本書どころかデバイス・シケタイ等、 予備校の参考書も持っていません。(下三法はC−book…)。 ひたすら択一の問題を解いて解いて解きまくって基礎を理解し、 判例を読んで(刑法除く)、論文の問題を解くことにより理解を深めてきました。 (そんな私でも刑法・民法論文は大丈夫でしたから、あまり過度にご心配なさらずに) 論文の場合、自分で一番有効だと思うのは、新保先生の問題集ならそれを徹底的に批判的に検討することです。 私は全科目、一日で新保問題集を半分くらいをザッと読みながら、たまに判例を確認しつつ、 自分で納得できないところを鉛筆を使って問題集にそのまま汚い字で書き込んでいます。 そのなかで自分で一度書いておきたくなったものを問題集をベースに答案化しています。 224さんでしたら、直接新保先生に質問できる機会もあるでしょうし、大変有効な手段かと。
↑ 激しくスレ違い。スレッドタイトル見れ。
ミランダルールってのはアメリカの判例法理だよ。
326 :
氏名黙秘 :04/03/03 11:45 ID:rB3GXy1b
>>319 >>彼は、弁護士の不在中の権利を放棄することができません。
ここは正確に訳されてる。すげーな翻訳ソフト。
>>325 最初にニューヨークの法だって書いてあるからそのくらいはみんな分かってると思われ。
>>327 U゚Д゚U ハァ?ミランダルールは連邦最高裁の判例法理だ。NY法との関係が問題になってるんだよ。
329 :
224 :04/03/03 11:59 ID:???
>傷害の故意の認定は、本人が治療行為だと思って行っている限り、なかなか難しいでしょう。 >「治療法の単なる指示」を傷害の実行行為として認定しなければならなくなりますし。 私は「脱水症状を起こした」点から、その治療法は 医師でもないのに、ヘンな薬物を飲ませたと問題文を読みました。 とすれば、十分に傷害の故意を認定できると思いますよ。 あと業務については 自動車運転については無免許でもそれ自体が業務と認められますが 薬物投与は免許がない以上、業務とはいえないし、 それがないと危険な行為であることは客観的に明らかですから やはり傷害の故意が認められます。 但し、河童さんご指摘の通り 問題文の治療法が何なのかがわからないというのが悪問ですね。 これがヘンな体操をさせただけというのであれば、 それが過失(そもそもムリがあるが)だとしても 脱水症状を起こすことに因果関係は認められず 無罪としかいいようがありません。 この場合、民法のように 「善意無過失ならば〜」というように場合分けしろって ことですかね。しかし、刑法の事例問題はあてはめ勝負の ところがありますからねえ・・・・・ ちなみに私は新保先生はビデオでしか見れないんですよ。 でも別の先生もなかなかいいですよ。 先生はいいんだけど添削者がねえ・・・・・
>>322 被害者や遺族の感情は犯罪の成否には関係ない。これは当たり前のこと。
それさえもわかってないのは基本がわかってないということだよ。刑罰は
復讐の代行じゃない。
>>328 えーと、何を興奮してるのかな?
最初にNYって書いてあるからアメリカの話だってことくらい誰にでも分かるよって言っただけなんだが。
確かに、おっしゃるとおり、上の方の英文は連邦法のミランダルールをニューヨーク法がより厳しくして
いると言うお話だね。
>>331 で、判例法理というのはどこから出てくるのかな?
↑ 激しくスレ違い。スレッドタイトル見れ。
現に無視されているスレタイに何の意味がある。
>>332 判例法理って言う訳はよく分からないんだが、個々のCase Lawのことを言いたいの?
それともPrecedentの積み重ねによって形成された各JurisdictionのRuleのこと?
連邦のRuleは最終的には連邦裁判所。各州のRuleはそれぞれ各州の最高裁判所ってのが
答えになるけど。そんなこと聞いてるの?
↑ 激しくスレ違い。スレッドタイトル見
アゲてまで言うことじゃない。
>>335 みんなはどうやってそれがわかるのかを聞いてるんではないかと。
↑ 激しくスレ違い。スレタイ通りにやりたい者に迷惑 スレ立てれば?
誰かスレタイどおりにやろうとしてるか?
オナニー法律論争はもうやめてくれ。 もう二度とスレ違いはやめてくれ。 迷惑だ。 わかったな?
絶対やめろよ。 自分のテーマで語りたかったら、そのスレを立てろ。それが道理だ。
つまり、
>>325 はミランダルールが判例の蓄積によって構築されたルールだってことを知ってると自慢したかったのか。
…人名のついてるアメリカのルールは判例から生まれたのは当たり前だし、そもそもルールってコモンローの国では
裁判所が作るものなのだけど。
>>343 すごい迷惑。エゴ丸出しだな。オマエハ。
頼むからやめてくれ。おれは論証を晒して、批判するということがしたい。超迷惑。
>>343 それをみんなが知ってると?
ミランダルールは1966年のMiranda v. Arizona でできたんじゃなかったっけ?
>>346 誰か論証をさらしてるか?したかったらしろよ。邪魔はしないよ。
>>347 すごい迷惑。エゴ丸出しだな。オマエハ。
頼むからやめろ。な?
やめろといいながらアゲル喪前らもどうかと思うぞ。
>>348 >>135 あたりまでは、論証のためにここに居たんだよ。そしたら河童とかいうやつにめちゃくちゃにされた。
おれは1から135までのように元にもどしたいの。頼むからもうやめてくれ。
答案構成もok?
かろうじて。
漏れは
>>325 の趣旨は、上の方の英語のレスはアメリカの話で関係ないからスルーしろという意味だと思ってました。
この興奮の仕方を見ると、
>>343 の言うとおり自慢したかったとしか思えません。
>>352 じゃあ論証を晒せば?スレタイどおりのスレを誰も維持しない現状で何を言っとるのかね。
論証まだ?
じゃあ、しょうがないので、不肖私めが。 The issue is whether the motion based on forum non-convenience should be granted. CPLR 327 provides that, upon motion of a party, if the court finds that the interests of justice require an action to be stayed or dismissed so that the action may be heard in a more appropriate forum in another state, the court may "stay or dismiss the action in whole or in part on any conditions that may be just". The courts evaluate the following factors:(1)whether the plaintiff is a state resident (if so, he has a stronger claim to be able to have his case heard in his home state),(2)whether the witnesses and sources of proof are more available in a different state or county; and (3)whether the forum's own state laws will govern the action (transfer is more likely if a different state's law controls). In this case...
361 :
河童 :04/03/03 18:28 ID:???
うーん。参った。やや荒れですね。 ここは過去を見ていただければわかりますが、もう誰もいなくなったスレだったんですよ。 それでもいまになって論証が晒したい人は晒せばいいと思いますが。 優秀な方が沢山いますので、大変有益だと思いますよ。 しばらくおやすみしますか…。
362 :
316 :04/03/04 02:18 ID:???
>>328 連邦法のミランダルールとNY法との関係が問題となっているのではなくて、NY法下でMiranda Rightを放棄したと認め
られる場合について述べています。連邦法よりも厳しいと書いているのは、連邦法とはルールが違うと言うことを知っ
ているよという部分点狙いの記述でさほど重要ではありません。よく、Unlike common lawとかUnlike Majorityと書くのと
同じです。
( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェーヘェーヘェー
364 :
131 :04/03/04 06:41 ID:???
おおー・・荒れている。。びっくり >>河童さん>309-313とりあえず気になる部分を挙げておきます。 >(1)強度の脳震盪を引き起こしているので傷害罪(204条)の罪責を負う。 生理的機能障害を惹起し、くらいの定義を入れてもいいと思います。 余裕があれば暴行の結果的加重犯の認定をしてもいいかもしれません。 >(エ)以降の当てはめ 一般にこういうあてはめがされるみたいですが、個人的には規範に対応していない感じがします。 基礎事情の確定をした上で、相当性の評価にはいるべきでしょう。 > 物陰に隠れていた乙の本問行為は行為当時の甲及び一般人にとって 予測不可能な事情であることを重視すれば、因果関係を否定することになろう。 予測不可能、でいったん切ってしまうといいと思います。 ここが分離していないため、 > そのまま水を飲んで溺死することも十分にあり得ただろう。 という部分は仮定因果付加みたいな印象を受けました。 それと、行為後の特殊事情の規範を別立てしておいたほうが分かりやすいと思います。 (「認識」の部分を「予見」ないし「表象」にするだけですが) あと、私が書くなら乙には殺人、丙には傷害と認定するかも知れません。 ちょっと恣意的すぎるとは思いますが‥。
トリップ付けてくれ
366 :
河童 :04/03/04 10:55 ID:???
131さん、ありがとうございます。 ご指摘いただいた点をみてみると、刑法も基礎で131さんに遠く及ばない模様。 刑法勉強期間はとりあえず4月まで。よく精進します。 しかし、224さんも丙に傷害を真っ先に考えていますが、 やはり判例をベースにした問題で、もちろん具体的事情が曖昧ではありますが、 判例以上に厳しい結論というのはどうなんでしょうか。故意と実行行為の認定の問題もあります。 (一回だけ)「治療法を指示した」という様態を考えると、何度もイタズラ電話をかけてノイローゼにした、 という事案とは、実行行為の態様(電話は音が鳴るうえ、反復性がある)に大きな質的差異があって、 むしろ、故意の認定はやはり困難でしょうが、「自己傷害教唆」というほうが近いような…。 もっとも、そんな無理な解釈・認定は実際的ではありませんが。 131さん、ありがとうございました。しばらくおやすみします。
367 :
河童 :04/03/04 11:15 ID:???
*おやすみを前に、はじめて「書き直し」をアップしてみました。すごくよくなりました。 131さんをわざわざお呼びたてさせていただいた甲斐がありました。多謝。いつもほんとうに助かっています。 (エ)これを本小問についてみると、物陰に隠れていた乙の本問行為は行為当時の甲及び一般人にとって 予測不可能な事情である。しかしながら、甲は「水深の浅い小川」にAを突き倒しており、 川底や岩に頭を強打する等、Aの生命に危険な行為をなしており、実際にAはかなりの期間「回復」しないほど 強度の脳震盪を起こしている。また、Aはようやく反対側の岸に這い上がっているが、 甲はその事実(Aの生命の安全)を確認せず、川に落ちたAを放置している。 そうであるとすれば、一般人であれば、Aを川に突き落とせば強度の脳震盪を起こして、 そのまま放置すれば、水を飲んで溺死することも十分に予測し得ただろう。 よって、甲の行為からAの死亡という結果が生じることは、予測不能な乙の行為を考慮せずとも、 社会通念上相当といえ、両者の間に因果関係を認めるべきである。
368 :
131 :04/03/04 20:04 ID:???
>>366 >むしろ、故意の認定はやはり困難でしょうが、「自己傷害教唆」というほうが近いような…。
>もっとも、そんな無理な解釈・認定は実際的ではありませんが。
そういうニュアンスの方が近いと思います。
はっきりいって、出題意図は前段後段で因果関係を比較させることにあるので
傷害認定はそれだけでG食らうかもしれません。
にもかかわらず傷害といってみたのは、本試験でそういう無理な認定をしないようにするための
防波堤みたいなものを作っておいた方がいいと思うからです。
本問はともかく、横領と背任の区別とか幇助と正犯の区別とか、
他の人がしないような無理な認定をしたのなら、なぜしたのかを明確にする意義はあると思います。
本問での傷害は、論点出しの意味と、こいつが過失犯か?という疑問に端を発しています。
ちなみに、傷害認定とすると流れは
@故意ありA実行行為性あり(被害者利用)B死亡結果との因果ありC治療行為の違法性阻却なしD法律の錯誤
みたいになりましょうか。盛りだくさんではあります。
が、小問間の比較からして、やはりベターではないですよね。
自分で気づけばいいのですが、得てして私は強引に論じてしまうので、、反省しきりなしだいです。
369 :
30 :04/03/04 20:53 ID:???
>河童さんへ これで終了されるのですか? 答案のアップ自体は継続されるおつもりでしたら、 スレ立てを依頼してきますけど。 「自分の答案を叩き台にして議論するスレ 」というスレタイですが。 >以前のスレ住人のみなさんへ お邪魔だったようですね。失礼しました。
有益スレあげ!
なんか、初心者同士で傷を深め合ってる姿はなんというか・・・かわいそうだな。
372 :
河童 :04/03/04 21:58 ID:???
131さん、こんばんは。 刑法はやはり「自滅」に注意ですね。 30さん、お気遣いありがとうございます。 あまり択一終了までは余裕がありませんが、できれば答案アップのスレはほしい気がします。 みなさまのおかげで、自分の答案は昨年とは段違いに進歩したと思いますので。 すいません。なにからなにまで甘えてしまって。 ようやくsageを覚えたばかりでスレ立ての依頼の仕方もイマイチわかりません。 どうぞよろしくお願い致します。
373 :
30 :04/03/04 22:34 ID:???
おもろいな。age
故意責任の本質あたりから逝きましょう。
山口説の故意責任の本質キボーン
責任故意の本質は、行為が行為者に帰属する為の主観的要件である。 BY堀内
>>377 堀内先生は、構成要件的故意を認めるのでしょうか?
>>378 もちろん否定です。構成要件に犯罪個別化機能は認めてないですから
山口先生に主張は近いかな。
故意責任の本質は、法的責任なのだが それは何か、といわれれば、法政策的な判断 どのような状態の人間について刑を科すことが、犯罪予防上必要かという判断 (ココでの観点は、役立つなら科すではなく、役立たないなら科すという意味) 犯罪事実を認識し、それを行為に実現した奴だけに法的責任を与える それが、故意責任の本質。 過去への回顧ではなく、未来への展望、とかっこよく言うが 怖くて使わない
>>379 なら、「責任故意」って言わないのではないでしょうか?
故意責任なら分かりますが。
で、この話は、故意が主観的帰責の問題であるという点を表明したものと考えて良いのでしょうか?
>>380 この論証は、ソースはどこでしょうか?
いわゆる予防的責任論の話でしょうか?
test
保守
age
補習