1 :
氏名黙秘:
2 :
氏名黙秘:02/05/03 16:02 ID:???
dat逝くのが運命なんだ。
無駄なことはするべきではない。
流れに身を任せるのだ。
ゆったりとね。ゆったりと。
流れに身を任せるのだ。
3 :
:02/05/03 17:30 ID:a596/T/8
「問題が間違ってたと思う?」女がそう訊ねた。
鼠はビールを一口飲み、ゆっくりと首を振った。
「はっきり言ってねみんな間違ってるのさ。」
「何故そう思うの?」
「うーん。」鼠はそう唸ってから上唇を舌でなめた。答えなど無かった。
「私は指が擦り切れるくらい一生懸命にシケタイを読んだのよ。とても苦しくて
死ぬかと思ったわ。それでね、何度も何度もこんな風に考えたわ。
私が間違ってて問題が正しいのかもしれないって。私がこんなに苦しんでいるのに
何故まこつは何もせずに憲法前文の上にじっと座っているんだろうってね。」
女はそう言うと軽く笑って、しばらく憂鬱そうに目の縁を押さえた。
鼠はモジモジしながらあてもなくポケットを探った。三年振りに無性に
煙草が吸いたかった。
「まこつが死ねばいいと思った?」
「少しね。」
「本当に少し?」
「…忘れたわ。」
二人はしばらく黙った。鼠はまた何かをしゃべらなければならないような気がした。
「ねえ、絶対権力は絶対に腐敗する。」
「誰の言葉?」
「アクトン卿。」
「過去スレがdat落ちしてからもう二度と君には会えないと思ってたよ」
「あなたは私と会うといつも同じことを言うのね」彼女はそう言って笑った。
「だって論文試験が終わるまで、しばらくのあいだ来られないんだっていう
書き置きを残しておいたでしょう」
「しばらくというのはね、待ってる方にとっては長さが計れない言葉なんだ」
と僕は言った。
「でもたぶん、そういう言葉が必要な状況というのがあるのよ。
そういう言葉しか使えない場合がね」と彼女は言った。
「そして、たぶんというのは重さの計れない言葉だ」
「そうね」と彼女は言って、いつものあの軽い微笑みを顔に浮かべた。
「ねえ、ひとつ質問していいかしら」
「どうぞ」と僕は言った。
「今年は受かりそうなの?」
僕はマコツに電話をかけ、今年こそ択一に合格したいんだ。
話すことがいっぱいある。話さなくちゃいけないことがいっぱいある。
世界中に択一以外に求めるものは何もない。択一に通って論文を受けたい。
何もかもを択一から最初からはじめたい、と言った。
マコツは長い間電話の向こうで黙っていた。
まるで世界中の細かい雨が世界中の芝生に振っているようなそんな沈黙が続いた。
僕はその間ガラス窓にずっと額を押し付けて目を閉じていた。
それからやがてマコツが口を開いた。『君、今どこにいるんだ?』と彼は静かな声で言った。
僕は今どこにいるのだ?
僕は携帯を持ったまま顔を上げ、渋谷の駅前をぐるりと見まわしてみた。
僕は今どこにいるのだ?でもそこがどこなのか僕にはわからなかった。見当もつかなかった。
いったいここはどこなんだ?僕の目に映るのはいずこへともなく歩きすぎていく無数の人々の姿だけだった。
僕はどこでもない場所のまん中からマコツを呼びつづけていた。
6 :
氏名黙秘:02/05/04 01:03 ID:???
やがて、いつものように朝がきて、僕はコーヒーとトーストの
軽い朝食をとると、髭を剃り会場に行く準備をした。
やれやれ、また総択か。
僕にとって、直前模試は苦痛以外の何物でもなかった。
今までろくに過去問も解いていないし、民法の細かい知識に
ついてはほとんど勉強していないからだ。
願書を出してしまったので無意識的に申し込んでしまったが
第1回目を受けたときから、僕はとても後悔していた。
周りの人々がページをめくるパラパラカサカサという音、
僕の前にある不規則模様のマークシート、長い鉛筆、白い消しゴム、
そして過ぎ行く時間。
そういった全てに、僕はうまく馴染めなかった。
たまに見覚えのある肢があったとしても、他の肢はとても手に負えなかった。
僕は、そのマークシートを無表情に回収する予備校のバイトを憎んだ。
そして、それが機械的に処理されて点数になって打ち出されてくることを想像して
絶望的な気持ちになった。
友よ、三時間半はあまりにも長く、あまりにも短い。
7 :
エッセイ風:02/05/04 01:11 ID:???
僕はまったく政治的な扇動に興味を持たなかったし、そういう活動をする
人々とはうまくやっていけないと思っていた。択一の憲法でたまに政治的
に偏りのある学者の文章が出てくると、背筋のあたりがむずがゆくなって、
こんな問題を受験生に解かせることそのものが、憲法に反するのではないか
と思った。それでも、問題を解かないわけにはいかないし、「このような
思想調査に準ずるような設問には答えられません」と答案に書き込んだところ
で、答案は機械が読むだけだから、まったく無意味な抵抗だった。
「『穂』のつく法曹にはロクなのがいない」こんなことを言ってはばからない
友人がいたが(彼は先に研修所に行ってしまった)、確かにそうだ。水島朝穂、
福島瑞穂、浦部法穂。まあ直接的な害はないのだけれど…。
8 :
氏名黙秘 :02/05/04 01:36 ID:???
>>7 >「『穂』のつく法曹にはロクなのがいない」
禿しくウケタ(w
9 :
幽霊:02/05/04 04:34 ID:qws/USri
穂積陳重だが、何か?
10 :
氏名黙秘:02/05/04 07:57 ID:???
択一試験後、僕はスターバックスに入ってコーヒーを飲んだ。
そして、僕は思った。言葉にするととても陳腐だ。
「択一落ち」は、魔骨授業と対極にあるのではなく内在するのだと。
11 :
海外からファンの独り言:02/05/04 08:56 ID:Xzg9s31x
司試からはなれて8年になりますけど、
前スレじっくり読みました。大学生時代=司試受験時代の彼女が
村上ファンだったこともあり、羊やらノルウェイやらピンボールやら
むさぼり読んだ記憶があります。
とても切ないというか懐かしい気持ちがしました。是非続けてください。
ちなみに私は択一三連敗でこの世界から足洗いましたが、
何となく敗北感を引きずっています。
12 :
氏名黙秘:02/05/04 09:25 ID:???
お気に入りに入れました!!!
13 :
氏名黙秘:02/05/04 09:53 ID:???
1986年のB型ワープロって村上春樹っぽいておもう。
14 :
氏名黙秘:02/05/04 11:00 ID:???
過去スレの最後にある、
村上龍的司法試験も
オモロイ
15 :
氏名黙秘:02/05/04 11:24 ID:z8HCkrE0
前スレで何作か書き込んだものです。
最近このスレのこと思い出して
「ああ、あのころ(去年の司試板)は良かったな」
などと思って少しアンニュイになっていました。
1さん、ありがとう。
あと名作選やってください。
択一がんばりましょう。
16 :
氏名黙秘:02/05/04 11:29 ID:???
F択?
やれやれ、と僕は思った。
どうして僕がそんなモグラの糞みたいなものを
受けなければならないんだ?
消滅時効完成、主債務者の債務の承認、保証債務の承認...。
そこで僕は行き詰まった。何かが欠けていた。それも大事なものだ。
そのために問い全体が現実感を喪失したまま宙に漂っていた。
何だ? オーケー、ちょっと待ってくれ...、思い出す。
保証人が主債務者の債務の承認を知って...信義則だ。
判例は何と言っている? 主債務者が時効を援用した場合は?
...どうしても思い出せない。
あなたのせいじゃない、と彼女は言った。そして何度も首を振った。
あなたは悪くなんかないのよ、精いっぱいやったじゃない。
違う、と僕は言う。違うんだ。僕は何ひとつできなかった。
指一本動かせなかった。でも、やろうと思えばできたんだ。
人にできることはとても限られたことなのよ、と彼女は言う。
そうかもしれない、と僕は言う。でも終わっちゃいない、いつまでもきっと同じなんだ。
終わったのよ、何もかも、と彼女は言う。
合格発表の次の日、彼女は消えた。
そして僕は司法試験をやめた。しかるべき時がやってきて、誰もが試験をやめる。
ただそれだけのことだ。
18 :
レスも村上風で:02/05/04 12:30 ID:JGiLSaKF
去年の37は、本当のところ、傑作だ。
19 :
氏名黙秘:02/05/04 13:00 ID:i6qJf2ey
「ひとつ伺いたいことがあるんですが」と僕はいった。「ヴェテのことです」
「ああ、あれね」と魔骨は何でもなさそうに言った。
「あれはいったいどういう組織なんですか?」
「反社会的組織だよ。そんなこと考えれば分かるだろう?
君だってサスをただ観察していただけじゃないだろう?」
「いや、そうじゃなくて、どうして伊藤塾に入ってヴェテになるんですか?
その仕組みが知りたいんです。ただの好奇心で」
伊藤真はちょっと考えていた。
20 :
氏名黙秘:02/05/04 13:15 ID:xatlT+Hb
彼が宗教団体の宗教活動上の地位にあることに基づいて、
宗教法人である当該宗教団体の代表役員の地位にあることが
争われているとする。僕は、原則として、彼が宗教活動上の
地位にあるか否かを審理、判断すべきだ。けれども、僕は、
宗教上の教義や信仰の内容になんかにまで判断が及ばない。
僕の決める筋合いのものじゃない。これは、昔から決まって
いることなんだ(最高裁昭和五五年四月一〇日第一小法廷判決)。
だから、もし彼の宗教活動上の地位の存否を審理、判断するときに、
当該宗教団体の教義ないし信仰の内容に立ち入って審理、判断しなきゃ
ならないときには、僕は、彼が宗教活動上の地位にあるか否かを
審理、判断することができないから、ぐるぐる回って結局、宗教法人の
代表役員の地位の存否についても審理、判断することができない
ことになる。つまり、彼の宗教法人の代表役員の地位の存否は、
僕が決めることじゃない。裁判所法三条にいう「エウリピデス」に
当たらないというしかないのだ。メルドー。
21 :
氏名黙秘:02/05/04 13:28 ID:xatlT+Hb
ある雨の日曜の午後だった。僕はそのとき、ルイヴィトンのボストンバッグの
中に、自分のセカンドバッグや友人のセカンドバッグなんかを入れて、身なりを
整えて外出しようと玄関から半身出たところだった。
突然、数人の男に襲撃されて、羽交い絞めにされ、倒されて引きずられたまま、
玄関から食堂の方まで移動させられた。僕はその頃、一千万円の借金が
あって、返済でもめていたから、きっとそのことに関係して、ヤクザが
拉致しに来たものだと直感した。
僕は男たちに必死で抵抗したけれども、食堂の方まで倒されたまま引きずられ
て、両手を背後にねじ上げられて、何も身動きがとれなくなっていた。
僕は、その数名の男達に「君たちの名前は何というのだ」とたずねてみた。
すると男たちは口々に「警察や」と答えた。このとき初めて僕は数名の男達が
捜査官であるとわかった。
僕はリノリウムの床に座ったまま押さえつけられていたが、ひとりの捜査官は
「ガサ令状がある」といって僕に冷酷な視線をよこした。けれども、その
「ガサ令状」は遂に最後まで見せられることはなかった。そして僕が、
ルイヴィトンのボストンバッグまで取られまいとしていると、捜査官は、
僕の首を絞めたり、両脇を押さえたりして、僕からバッグをもぎ取った。
僕は、捜査官らにバッグを取られた後も床に座ったまま、首、両肩等を
押さえつけられていたところ、捜査官の中から「あった」という話し声が
聞こえた。僕は「返してください。それは僕の大事なものなんです。ほかの
ものでは代わりにならないのです」と叫んだが、その声は捜査員らのやかましい
足音にかきけされて、彼らの耳にまで届かなかった。
22 :
はるき:02/05/04 13:39 ID:0ybFquPK
僕は27歳で、その時伊藤塾のロビーのシートに座っていた。
やれやれ、また択一か、と僕は思った。
COMデスクの休憩時間が終わり、天井のスピーカーか小さな音でBGMが流れ始めた。
そのメロディーは、いつものように僕を混乱させた。
いや、いつもとは比べ物にならないぐらい激しく僕を混乱させ揺り動かした。
僕は頭が張り裂けてしまわないように身をかがめて両手で顔を覆い、そのままじっとしていた。
やがて、猫顔のCOMデスク嬢がやってきて、気分が悪いのかと面度臭そうに聞いた。
大丈夫、少しめまいがしただけだと僕は答えた。
「大丈夫?」
「大丈夫です。ありがとう」と僕は言った。
猫顔のCOMデスク嬢は、にこりともせずに、いってしまった。
BGMは、塾長の応援メッセージに変わっていた。
僕は顔を上げて、COMデスク前を執拗に歩きまわっているサスペンダーを眺め
自分がこれまでの受験人生の過程で失ってきた多くのものの事を考えた。
僕は、もうすぐ28歳になろうとしていた。
前と同じCOMデスク嬢がやってきて、僕の隣に腰を下ろし、もう大丈夫か
と訊ねた。
「大丈夫です。ありがとう。ちょっと哀しくなっただけだから
(It's all right now,thank you.I only felt lonely,you know.)」
と僕は強がって微笑んだ。
23 :
氏名黙秘:02/05/04 15:22 ID:???
他スレ(
http://school.2ch.net/test/read.cgi/shihou/1009299429/l50)
でハケーン!
この作者、相当の実力者とみた。
381 :氏名黙秘 :02/03/31 22:23 ID:???
村上春樹風に語る答案。
カメラを買ったところ、ちょっと気がつかない場所に故障が見つかった?
やれやれ、と僕は思った。そんなことについて、僕が何を知っているというのだ。
僕は思わず息を飲んだ。東部戦線の亡霊達が運んできたような沈黙が試験会場を
包んだ。それはもはや沈黙ですらなかった。あるいは、天国の壁を白く塗る作業
というのは、こんな感じかもしれないと思った。特定債権と不特定債権に分けて
考えればよいのだろうか。悪くない。「悪くない」と声に出して言ってみた。
24 :
氏名黙秘:02/05/04 18:20 ID:???
37 名前: 氏名黙秘 投稿日: 2001/05/10(木) 20:51
「僕はね、た、た、択一の勉強をしているんだよ」
と6月1日に会ったとき、彼は僕にそう言った。
「択一が好きなの?」
と僕は訊いてみた。
「うん、合格したら法務省に入ってさ、た、た、択一の問題作るんだ」
なるほど世の中にはいろんな希望があり人生の目的があるんだなと
僕はあらためて感心した。
25 :
氏名黙秘:02/05/04 18:30 ID:???
26 :
:02/05/04 20:17 ID:z745Y8H/
昨日、僕は近所のLECへ行った。自習室へ行くのは実に半年振りだった。
2階の23教室に入るとなんだかひどく混んでいて、僕の座るスペースなどないように思えた。
外に出て煙草を吸っているうちにふと気がつくと、垂れ幕が下がっていて教育訓練給付制度と書いてある。
僕はひどく混乱し、そこに立ちすくんだ。
どおりで普段人の押し寄せない予備校に人が集まるわけだ。ところで彼らは本気なのだろうか?
教育訓練給付制度?
僕はその制度についてはほとんど何もしらない。深い井戸の底のみずすましほどにしか知らない。
よく見ると親子連れらしき人達もいる。一家4人でLEC。悪くない。
「ようし、お父さん社労士に受かったらギリシャに島買うぞ!」
「それはそれは」と僕は心の中でつぶやいた。
あるいは僕はこう言うべきだったのかもしれない。
「今日は、お嬢さん、この六法を差し上げますからその席をゆずってはいただけませんか?」
しかし僕の記憶している限り、LECの自習室はいつも殺伐としていた。
地下のラウンジにホームレスがたむろしていた頃もあった。あるいは司法書士受験生の女子が
「司法試験やってる人達は、もっと自分を知るべきだと思うの。」
と声高に話しているうちに、土色の顔をした受験生が六法を大声で音読し始めたこともある。
僕はLECのそういった雰囲気を愛していた。女性や少年には理解できぬはずのその世界を。
しばらく時間を潰しているうちに席が空いたのでそこへ座った。隣りのテーブルの女性達が話しているのが聞こえてくる。
「択一の泉っておもしろい名前ね。」
「斧を放り投げたら妖精が出てきそう。」
「じゃあ論文の森には狼が住んでいるのかしら。」
やれやれ、と僕は思った。
僕は回想に耽った。入門講座に入って間もない頃、高野講師の早口に手が追いつかず、論証をいくつも
書き損なったこと。何故彼は、我々に休む間を与えてくれないのだろう、とぼんやり思いながら
国分寺の三省堂書店で、一橋大生の視線を横目に体系別択一過去問を実価で買ってしまったこと。
僕は預言する。
5月の太陽の下、司法六法と頭痛薬の入ったバッグを背負って、栄え通りを歩きながら、僕は預言する。
君達はいつか崩れ去るだろう、と。何年先か、何十年先か僕にはわからない。でも君達はいつか確実に
崩れ去るだろう。
得意げな顔をして、何が「シケタイ」、だ。渋谷に地所を買い、六大学のキャンパスにパンフレットを
ばら撒き、高い受講料を納めさせ、ベテラン達の屍体の上に君達が作ったものはいったい何だ?ただの
入門テキストと不必要な情報が書き込まれた講義録。それだけじゃないか。
君達は本当に法曹として生きていく覚悟ができているのか。司法試験受験生の肩書きが欲しくて、基本書
と法学者の名前を呪文のように唱えているだけじゃないのか。
長年LECの講座と答練を受けてきた僕にとって、もっとも忠実な伴侶は体系別論文過去問だ。
体系別論文過去問というのは、昭和24年度以降の論文本試験問題がすべて収まっている問題集だ。
その代わり、解説が少なめになるのはやむをえない判断であることを僕は知っている。
体系別論文過去問。これこそがこの世で読む価値のある、ほとんど唯一の書物であると言ってもいい。
初心者は目先の人気商品に飛びつけばいい。
そのことで君達をとやかく責めるつもりはない。でも僕は、僕の書きたい答案を書き続ける。
27 :
氏名黙秘:02/05/04 20:47 ID:???
ここのスレは油断すると森圭司の「青六」になる
28 :
氏名黙秘:02/05/04 20:51 ID:???
なるほど「妄想」ってことか。
29 :
氏名黙秘 :02/05/04 20:52 ID:???
30 :
氏名黙秘:02/05/04 21:05 ID:woCnqDto
>>26 うむ、かなり春樹を読み込んでいるね。
彼の小説はすべて20回以上読んでいる僕が言うのだから間違いない。
31 :
氏名黙秘:02/05/04 21:55 ID:iE0lB8VA
ピース
32 :
氏名黙秘:02/05/04 21:59 ID:???
>>26はこのスレ(過去分含む)でも屈指の名作だ。
最後は2ちゃん節まで効かせてイイ!
33 :
氏名黙秘:02/05/04 22:19 ID:???
ベテもいりゃ初受験者もいる。
だけどね、人並みはずれた強さをもったやつなんて誰もいないんだ。
みんな同じさ。
合推とってる奴はいつかなくすんじゃないかとビクついてるし、合
推とってないやつは永遠に合推とれないんじゃないかと心配してる。
みんな同じさ。
だから早くそれに気づいた人間はほんの少しでも過去問まわそう
って努力すべきなんだ。まわす振りだけでもいい。そうだろ?
合格の確信がある人間なんてどこにもいやしない。
合格するって自分に言い聞かせられる人間がいるだけさ。
34 :
氏名黙秘:02/05/05 00:26 ID:???
我々は302教室を出て、川に沿って歩いた。僕は車を持っていなかったので、
ただただどこまでも歩くしかなかった。やがて道はゆるい上り坂になり、
あたりは夜に咲く白い花の香りに覆われた。うしろを振りかえると、高田馬場の
の駅が黒々と眼下に広がっていた。教室からはまだカトシンのうめき声が
花粉のようにまわりにこぼれ落ちていた。風は柔らかく、月の光が彼女の
髪に濡れた光を投げかけていた。
彼女も僕も、まったく口をきかなかった。ローラー答練のあとでは、何も
しゃべる必要もなかった。彼女はまるで道案内をされる盲人みたいに
ずっと僕の肘をつかんでいた。
35 :
氏名黙秘:02/05/05 00:47 ID:7G4/PIR5
私はベテ男と結婚した。
私がベテ男と出会ったのはある駅近くの図書館だった。
ベテ男と知り合うにはうってつけの場所というべきかもしれない。
若い人々で賑わった図書館のロビーの、暖炉からいちばん遠く離れた
隅っこの椅子の上で、ベテ男は静かに鈴木会社法を読んでいた。
もう択一に近かったのだけれど、論文合格発表後のような冷たく鮮やかな光が
彼のまわりにだけはまだとどまっているように私には感じられた。
「ねえ、あれがベテ男よ」と私の友人が小声で教えてくれた。
でもそのとき私はベテ男というのがいったいどういうものなのか全く知らなかった。
私の友だちもよくは知らなかった。ただ彼がベテ男と呼ばれる
存在であるということを知っているだけだった。
「きっとベテらしく説教臭くて自慢話ばかりなのよ。
だからベテ男と呼ばれているんだわ」と彼女は真剣な顔つきで私に言った。
まるで幽霊か伝染病の患者の話でもしているみたいに。
36 :
氏名黙秘:02/05/05 00:50 ID:???
僕は悲鳴をあげるために思いきり息を吸い込んだ。誰でもいいから、誰かに
この地獄からひっぱり出してほしかった。しかし僕は結局叫びはしなかった。
ほとんど直観的に、こんなことが本当に起こるわけはないと思った。僕は
そう感じた。これは試験委員によってもたらされたただのまやかしなのだ。
試験委員は僕に声をあげさせたいのだ。僕が一度声をあげてしまえば、僕の
体は永劫にマコツのものになってしまうのだ。それこそ試験委員の望んでいる
ことなのだ。
38 :
氏名黙秘:02/05/05 00:56 ID:???
「でも結局のところ、苦労して証拠を集めたのに公判には出せないんだろ?」と
友達が訊ねた。
「ある意味ではね」と彼女が答えた。
「ある意味で証拠排除というのはある意味では無罪の認定なんだろうね?」
「ま、そうね」と彼女は言って笑った。
「しかしそういう残酷で暗い真相が令状主義の潜脱とかいう建前で隠されるとは
どうしても思えないんだけれどね」と彼は言った。彼女は検察あがりの最高裁判事
だった。
「でもとても面白いと思うよ」僕ははじめて口を出した。「つまり論証としてさ」
彼女は僕の方を向いてにっこり笑った。
「フゴフゴ」と友達が言った。
39 :
氏名黙秘:02/05/05 01:16 ID:???
僕はいつもと同じように朝食のトーストを食べ、いつもと同じように辰巳に行った。
スモール校舎の自習室。白い壁。
しかしその日はいつもとちがって人がごったがえしていた。よく見てみると校舎に
垂れ幕が下がっていて、「特別セール」「加藤先生ご推薦の基本書」などと書かれていた。
僕はセールごときで普段買わないような基本書を買うような受験生が見ていられなかった。
やれやれ、基本書か。僕が受付嬢と話しながら眺めていると、仲間4人で司法試験を受ける
という団体がやってきて、よーし団藤買っちゃうぞー、やっぱり刑法は山口だなどと話した。
僕は、何も話しかけることができなかった。何も話すべきではなかった。彼らに六法を投げ
つけて入口を空けさせ、ロビーに殺伐とした空気をふりまくべきだった。
僕は他の受験生と喧嘩をしたことはなかったが、いつ喧嘩が始まってもおかしくないと思い
ながら、答練に臨んでいた。
ようやく僕は四階にたどりついて、教室の右端の教壇からは死角になる席についた。
右隣を見ると、こんどはまた別の団体がいて、やっぱ前田だろ、などと言っていた。
もううんざりだ。彼らが前田について何を理解しているというのか。彼らは本当に
司法試験を勉強しているのか。やっぱ前田だろと言いたいがために、虚構の受験生を
演じているのではないか。そんな疑念を僕は胸の中に押し込み、愛用のペンを取り
出して答練の開始を待った。
僕はもう五年も続けてローラーを受けていた。世間は僕のことをベテランと呼ぶの
だろう。その呼ばれ方はいささか不本意だったが、不適切であるとも言いがたかった。
僕は五年以上の経験から、基本書は大塚だと決めていた。これだけが真理であって、
他の基本書は欺瞞にすぎないと思っていた。大塚は意味の無い独自説が多いのだが、
妥当性が少ない。だから僕は仕方なくそれに大谷説を合体させることにしていた。
僕はそのせいかもしれないけれども、ここ二年間は択一で落ちていた。しかし
僕は素人ではないのだから、シケタイやデバイスを読んで満足できるような、
軽薄な受験生にはなれなかった。僕は何も考えなかった。
40 :
氏名黙秘:02/05/05 11:46 ID:???
「あげ」と言いながら緑はブラジャーをたくしあげた。
41 :
氏名黙秘:02/05/05 12:07 ID:???
155 名前: 氏名黙秘 投稿日: 2001/05/17(木) 13:27
「あなたは、いったい何のために勉強しているの?」と彼女は言った。
「訴因変更」と僕は言って、机の上のコーヒーを飲み干した。新聞のインクをしぼり取ったような味のするコーヒーだった。
「人生の訴因変更をするためなんだ。僕という人生の同一性まで変えるつもりはない。でも訴因を変えなきゃならないんだ。それは大変な作業だけど、それがないと人生が公訴棄却されてしまうんだ」
42 :
氏名黙秘:02/05/05 12:09 ID:???
214 名前: エルモのすけ 投稿日: 2001/05/27(日) 13:39
僕が三番目に寝た女の子は、僕のペニスのことを「あなたの身分なき故意ある道具」
と呼んだ。
僕は以前、身分なき故意ある道具についての一行問題を想定して短い答案を
書こうとしたことがある。結局答案は完成しなかったのだけれど、その間じゅう
僕は身分なき故意ある道具について考え続け、おかけで奇妙な性癖にとりつかれる
ことになった。全ての物事を数値に置き換えずにはいられないという癖である。
僕は講義に出るとまず明白にベテランと思われる受講生の数をかぞえ、
択一過去問で「君はそういうけれど、それについては(イ)という批判があるよ。
僕は(ロ)と考えるんだ〜」という形式の問の数を全てかぞえ、暇さえあれば今まで
論文の答案に書いた「思うに」「そもそも」の語の数をかぞえた。
当時の記録によれば、僕は2651問の択一過去問を解き、254回「判例同旨」という語を使い、
31回セミナーの無料ガイダンスに出席したことになる。
その時期、僕は全てを数値に置き換えることによって他人に何かを伝えられるかもしれない、
そして他人に伝える何かがある限り僕は真性身分犯の身分を取得できると真剣に思っていた。
しかし、当然のことながら、僕が択一の答練で合推を超えた数やセミナーA館に貼ってある
真知子のポスターの数やNo.52でさりげなく3を選んでしまった人の数に対して誰一人として
興味など持ちはしない。そして、僕は身分者としての反対動機の形成ができず
あいかわらず正犯の単なる道具にすぎなかった。
そんなわけで、択一不合格を知らされた時、僕はこっそりはがした23枚目の真知子のポスターを
丁寧に折りただんでかばんにしまい込むところだった。
43 :
氏名黙秘:02/05/05 12:10 ID:???
225 名前: 氏名黙秘 投稿日: 2001/05/29(火) 00:55
「ねえ、結局52番の正解はどれなんだ?」
「どれでもいいんだよ」彼は言った。
「どれでも?」僕はいささか混乱して聞き返した。
「そう、どれでもさ。予備校は4と言う。
5と言うところもあるかもしれない。
法務省もそのうち答えを出すだろう。
君はもしかしたら全然別の、1とか2とか3にマークしてるかもしれない。
でもいずれにしても本質的な差なんてないんだ。
それぞれの世界でそれぞれの答えがあるだけさ。」
彼は、まるで出来の悪い生徒を諭すようにこう言うと、
満足そうに煙草に火をつけた。
「でもそれじゃ受からないだろう。」
「そうかもしれない。でもそれは大きな問題じゃない。
自分の答えは自分の世界ではすべて受け入れられるんだ。」
妄想だ。僕は思った。それじゃヴェテの妄想じゃないか。
彼にそのことを告げようと思ったが、彼が勉強に費やした時間と
金のことを考え、そうするのをやめた。
彼には彼のシステムがあるのだ。
44 :
氏名黙秘:02/05/05 12:11 ID:???
255 名前: 氏名黙秘 投稿日: 2001/06/03(日) 10:21
取締役という生き物は、いつも悪いことをするのではないかと
疑われながら生きている。しかし僕はこの性悪説のかたまりの
ような生き物が恋しくてたまらなかった。会社のために業務執
行しているはずなのに、解任動議を出されたり、代表訴訟を打
たれたりしている。報酬さえも自分で決めることができない生
き物なのだ。退職慰労金をもらうのも気が引ける。僕は取締役
になりたい。できれば代表取締役になって悪行の限りをつくし
たい。経営判断の原則でもカヴァーできないほどの任務懈怠。
善管注意義務なんてくそくらえだ。僕は会社本人のためだけで
なく、自分のためにもする意図をもっているのだ。法人が社会
的に実在するものであったとしても、僕の行為には二面性があ
る。僕の行為は会社の行為であるけれども自分の行為でもある
のだ。
45 :
氏名黙秘:02/05/05 12:11 ID:???
258 名前: 氏名黙秘 投稿日: 2001/06/05(火) 01:38
株式と社債とは似て非なるものだ。昔から言われている。
株式は会社の所有権が細分化されたもの。社債は会社が
おおやけに起債した債権。それぞれ役割というものがあり、
それぞれ性格がちがい、それぞれに独特の味をもっていた。
最近では社債が株式に似てきているとか、株式が社債に似て
きているとかいわれているが、そんなことはどうでもよかった。
僕にとっては株式と社債は別のものだった。株主総会と社債権
者集会では雲泥の差があった。それが何によるものかはわから
ない。ただ僕には社債は肌にあわない。それだけは確かだった。
46 :
氏名黙秘:02/05/05 12:16 ID:???
89 名前: 氏名黙秘 投稿日: 2001/05/13(日) 06:52
「でも解くしかないんだよ」と彼は言った。
「それもとびきり上手く解くんだ。みんなが感心するくらいに。
解くんだ。解きつづけるんだ。何故解くかなんて考えちゃいけない。
意味なんてことは考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ。
そんなこと考え出したら足が停まる。一度足が停まったら、もう
おいらには何ともしてあげられなくなってしまう。
だから、解くんだよ。3時間30分、時間の続く限り。」
1です。みなさんうまいですね。
今日は頑張りましょう。きつくなったらこのスレッド思い出します。
では。 チャオ。
↑私はこれが名作だと思うよ。
去年、本試験の時、まじでこれ思い出したことを思い出す。
47 :
氏名黙秘:02/05/05 15:43 ID:???
それは我々が学ばねばならない真理の一部でしかなかった。
このスレが僕に教えたのはこういうことだった。
どのような新作をもってしても去年のあの熱気を取り戻すことはできないのだ。
どのような新作も、どのような創意工夫も、どのような煽りも、どのようなコピペも、
あの盛り上がりをもう一度再現することなどできないのだ。
我々はdat落ちしたあのスレを時おり懐かしんでのぞいてみることしか出来ないし、
そしてそのことは、次にやってくる5月の第2日曜日に臨むには何の役にも立たないのだ。
48 :
氏名黙秘:02/05/05 21:53 ID:???
「鳥の声がうるさいので窓を閉めてくれ」という男がいた。
暑くて死にそうだった。
49 :
氏名黙秘:02/05/05 23:18 ID:???
「ねえ、司法試験の2次ってどんなのですか?
魔骨さんみたいな人ばかりが受けに来るんですか?」
「まさか。大体はアホだよ。アホじゃなきゃ変質者だ。
法曹になろうなんて人間の95パーセントまでは屑だもんなあ。
これは嘘じゃないぜ。あいつら字だってロクに読めないんだ」
50 :
氏名黙秘:02/05/05 23:21 ID:???
このスレ読んでマジ泣いてしまった。
相当つかれてるんだな。
あと一週間の辛抱だ・・・
51 :
氏名黙秘:02/05/05 23:23 ID:???
「そして結果無価値というようなものも持ち合わせていないんでしょうね?」
「もちろんない」と彼は言った。「論文試験にはそんなもの必要ないんだ。
必要なものは前田ではなく判例通説だ。」
「でも、そうじゃない論文もいっぱいあるんじゃないですかね?」と僕は訊いた。
「柴田のような論文は好きじゃないか?」
「よしてくださいよ」とぼくは言った。
52 :
氏名黙秘:02/05/05 23:25 ID:???
53 :
氏名黙秘:02/05/05 23:28 ID:???
あ〜あ、あまりにレベルが低すぎる。
何の文学的素養もなければ、村上春樹も読んだことないやつは書き込むな!
54 :
氏名黙秘:02/05/05 23:29 ID:???
55 :
氏名黙秘:02/05/05 23:29 ID:???
>>53 「なら君が書いて欲しいものだ」と僕はつぶやいた。
56 :
氏名黙秘:02/05/05 23:32 ID:???
57 :
氏名黙秘:02/05/05 23:46 ID:???
「ねえ、53はなんであんな馬鹿なことを書いたのかしら」
「さあ。しかし、人間には言葉があるんだ。君にも、僕にも」
58 :
氏名黙秘:02/05/06 00:18 ID:???
>>53 見たところ、村上春樹を読んだことのない奴は書き込んでいないようだが。
巧拙に差が出るのは仕方ないよ。
君のような発言は萎縮させる効果しかないので控えて欲しい。
59 :
氏名黙秘:02/05/06 00:21 ID:???
予備校なんてやめちゃって
デカダン酔いしれ
暮らさないか
白い壁に「堕天使」って描いて!?
60 :
氏名黙秘:02/05/06 01:31 ID:???
僕はageるしかなかった。それしか道はないんだ。
61 :
氏名黙秘:02/05/06 09:17 ID:???
>>58 「すみません、反省してます」と53はつぶやいた。
62 :
氏名黙秘:02/05/06 13:34 ID:???
「なにも謝ることはないんだよ。ここは司法試験板で、君はさびしいベテなんだ。
君はここに来たいときに来ればいいんだ。僕はそういうのに馴れている。
君は何も気にしなくていい」
63 :
氏名黙秘:02/05/06 23:45 ID:???
age
64 :
氏名黙秘:02/05/07 20:09 ID:IEuLQVK3
村上春樹からの手紙
拝啓。司法試験受験生の皆様、本試験直前の頃、いかがお過ごしでしょうか。僕はあいかわらず
毎朝4時に起きてジョギングをこなしています。よく「走りながら何を考えているのか」というような
ことを訊かれますが、そういうときには僕はきまって、司法試験受験生の幸多き未来を祈りながら
走っている、と答えます。そう言うと相手は、「あれ?」という顔をしますが、本当のことなのだから
仕方ありません。
さて、ここにこういう掲示板があって、いわゆる「ネタ」で皆さんが楽しんでおられるという話は
安西水丸さんから聞きました。早稲田大学文学部キャンパス前にある、「レトロ」という今風の
カフェのご主人が昔、乃木坂のバーで働いていたころ安西さんと知り合って、それ以来そのご主人
を通して司法試験受験生やら公認会計士受験生やら、いろいろと苦労なさっている若い人達の話を
聞いていたのです。
僕も一応早稲田大学を卒業したことがある身なので、それなりに関心をもってそれらの話しを
聞き、僕の知らない世界で日夜、過去問を解いたり、分厚い教科書を読んだり、六法全書を
読みこんだりしている人達がいるんだなあ、と思いながら自分の学生時代のことを思い出したり
しています。でもどの話も、僕にとっては遠い世界のことで、いまひとつピンとこなかったんですね。
すこし自分の事を話し過ぎたかもしれません。21世紀の法曹を目指している方々に、何か励みに
なるような文章を書いてくれ、と言われたのですが正直言って何を書いたらよいものか、こうしている今も
僕にはよくわからないのです。
でも今日、大磯の海岸前の国道を、近くにキャンパスを持つ有名私立大学の学生らしき若者達が
サーフボードを車の屋根に載せて、意気揚揚と通りすぎていくのを見ているうちに、君達のことを思いだし
いてもたってもいられない気持ちに駆られて、パワーブックの電源を入れたのです。
僕は君達に与うべき知識を何も持ってはいません。だから試験直前の時期に、なにか気の利いた言葉を
臆って君達にリラクゼーションをもたらす、という芸当はできません。あるいは誰かが言っているように
憲法前文―”まえぶん”と読むんだそうですね。今まで知りませんでした。―を読むのが効果的なのかも
知れません。
憲法を作った人達の理想を思い出せ、とか言う人もいますが、さすがにそれは違うんじゃないかと思いますが。
そんなものはロバのウンコです。どんなときでも、大切なのは熱いハートとクールな論理です。鋭くあろうと
思わないでください。理論なんて結局間に合わせのものに過ぎないんですから。
そういうわけで、僕は僕の仕事をし、君達は君達の課題をなんとかこなしながら時間というのは過ぎていく
わけですが、どうか最後まであきらめないでください。
最後に、羊男世界がいつまでも平和でありますように。
平成14年5月7日 大磯にて
65 :
氏名黙秘:02/05/07 21:26 ID:???
新聞で偶然魔骨の死を知った友人が電話で僕にそれを教えてくれた。彼は電話口で
朝刊の一段記事をゆっくりと読み上げた。平凡な記事だ。大学を出たばかりの駆け
だしの記者が練習のために書かされたような文章だった。
何月何日、どこかの街角で、誰かの運転するトラックが誰かを轢いた。誰かは業務
上過失致死の疑いで取り調べ中。
66 :
氏名黙秘:02/05/07 21:40 ID:???
僕がはじめて魔骨と会ったのは一九八四年の秋、僕は二十歳で彼は二十一歳だった。
予備校の近くに小さな喫茶店があって、僕はそこでよく友だちと口述ゼミを組んだ。
僕らは論文に受かったこともないし、そこはたいした店ではないけれど、そこに行けば
僕が渥美東洋の真似をして友だちを罵倒しても誰にも迷惑をかけずに済んだ。
彼はいつも同じ席に座り、背筋を伸ばして講義録を読みふけっていた。まだ頭には
パーマがかかっていなかったが、彼にはどことなく親しめるところがあった。
67 :
氏名黙秘:02/05/07 21:48 ID:???
間コツは言うんだ。
おれの鴨は高学歴でプライドの高いバカ大学生だって。
そして、続けてまた言うんだ、そういう奴等のプライドをくすぐってやるようなことを
言うとあいつらは幾らでも金を吐き出すんだと。
68 :
氏名黙秘:02/05/07 21:50 ID:???
僕は彼女の向かいの椅子に腰を下ろし、コーヒーを飲みながら、昔の連中の話をした。
彼らの多くは大学を卒業してずいぶん経っていた。一人は自殺し、一人は行方をくら
ませていた。そんな話だ。
「一年間何をしてたの?」と彼女は僕に訊ねた。
「いろいろさ」と僕は言った。
「少しは賢くなったの?」
「少しはね」
そしてその夜、僕ははじめて答練で二六点を取った。
69 :
氏名黙秘:02/05/07 21:52 ID:???
僕は模試で合水を取った。
だが、それだけだった。
模試で号水を取ったところで本試験に合格するとは限らないのだ.
70 :
氏名黙秘:02/05/07 22:03 ID:???
僕はベッドの中で新しいガール・フレンドの髪を指先でいじりながら、
ずっと晋介のことを考えていた。
僕の思い出す辰巳はいつも秋の終りだった。401教室の机は氷のように
冷たく、僕は分厚いセーターを着込んでいた。後ろの大きなガラス窓から見
える町並みは濃い鉛色で、無数の街灯は晋介の白髪を思わせた。
「何を考えているの?」と彼女が訊ねた。
「魔骨のこと」と僕は言った。
71 :
氏名黙秘:02/05/07 22:08 ID:???
僕は自分が択一試験中に勃起していることに気付いた。
それは僕が今まで経験したことがないぐらい強く激しいものだった。
72 :
氏名黙秘:02/05/07 22:10 ID:???
七時半になると僕は解答速報会を抜け出て簡単な夕食を食べた。
そしてこの先こんな日曜日をいったい何十回くりかえすことになるの
だろうとふと思った。「静かで平和でマコツな日曜日」と僕は口に出して
言ってみた。日曜日には僕はねじを巻かないのだ。
73 :
「愛と幻想のベテラン」 村上龍:02/05/07 22:32 ID:ZMeHGnYI
<俺はベテだ。
選ばれない子供だ。
俺には、不満しかない。
論文を突破できないからだ。
世の中には二種類の人間がいる。
普通の人々と、選ばれない人間だ。
現代のすべての問題は、普通の人々を司法試験に合格させすぎていることから発生している。
丙案が、すべてを支配しているのだ。
今の受験生は、丙案採用後、幸福な幻の中で学んできた。
養鶏場のブロイラーが見る幻だ。
法務省の奴らは、予備校を養鶏場とすることを認めた。
俺たちは認めない。
若いというだけで合格するのはあきあきした。
若い人間には合格して欲しくない。
お前らには何の力もないんだ!
俺には不満が鬱憤している。
テレビのレポーターに射精したい。
新聞記者に射精したい。
ディスクジョッキーに射精したい。
すべての評論家に射精したい。
政治家に射精したい。
教育家に射精したい。
労働運動家に射精したい。
坊主に射精したい。
世界を、養鶏場から、野性への戻す。
俺たちは、ベテランだけの、独裁をめざす。
レック、セミナー、辰巳、伊藤塾を見ろ、崩壊寸前だ。
時間は、ない>
74 :
ベテラン鈴原冬二の口述試験 「愛と幻想のベテラン」:02/05/07 22:44 ID:ZMeHGnYI
俺は教室のドアを開け中に入り、怒鳴った。
「触るな、俺は鈴原冬二だ、俺とこの六法に触る奴は殺すぞ」
試験委員は耳を押えてよろけ、一人は倒れ、一人は手をついた。
俺は一度座った椅子から飛び降り、ケミカル・メスを三人の顔に吹きかけた。
二人の顔は恐怖と苦痛に歪み、地面を掻き毟りながらあっという間に昏倒した。
「合格にしろ
俺は鈴原冬二だ、
合格にしないと殺すぞ、合格にしろ
俺は鈴原冬二だ、
合格にしないと殺すぞ、
合格にしろ
俺は鈴原冬二だ、
合格にしないと殺すぞ」
耳が裂けこめかみが破裂するのではないかと思うほどの音量に耐えて、怒鳴り、
掴みかかってくる教授には刑法39条の条文を突きつけてケミカル・メスを吹きかけた。
75 :
氏名黙秘:02/05/08 01:02 ID:X8K6frWf
村上龍VER.も、面白すぎ・・
ところで、64はモノホンか??
76 :
氏名黙秘:02/05/08 01:08 ID:???
>>ところで、64はモノホンか??
俺も気になる。でもまさかねぇ
77 :
氏名黙秘:02/05/08 01:31 ID:???
違うと思うが。「アンダーグラウンド」「約束された場所で」を書いた後なら
この異様な司法試験受験界を見て、ああは書けまい。
78 :
氏名黙秘:02/05/08 01:33 ID:???
>>64の元ネタが知りたい
久々に上手いなーとおもた
79 :
氏名黙秘:02/05/08 07:50 ID:???
間コツは言うんだ。
おれの鴨は高学歴でプライドの高いバカ大学生だって。
そして、続けてまた言うんだ、そういう奴等のプライドをくすぐってやるようなことを
言うとあいつらは幾らでも金を吐き出すんだと。
80 :
64:02/05/08 14:08 ID:y8FTUSzx
元ネタはありません。9割がたオリジナルです。
ただ、試験会場で配ってる「伊藤真からの手紙」のパロディだったんですが…
私も早稲田の演劇出身でして、「レトロ」のマスターの話はこないだし入れたものです。
私と村上さんの中間くらいの代に和田助教授がいるんですが、ものすごく春樹に似た
喋り方とかをするんで、その先生を思い浮かべながら書きました。
おほめ頂いた方々、ありがとうございます。お礼が遅れました。
でも井上靖の「ある偽作家の生涯」を思い出しました…
そのうちに自分のストーリーと文体で何か書いてみます。
82 :
氏名黙秘:02/05/09 17:47 ID:A93TQX/A
「どうして弥永はあれだけ資格があっても学者をしているの?」と緑が訊ねた。
僕は少し考えてから、「そういう生き方もあるんじゃないかな。司法試験に受
かってから、左翼活動家になるとか。」
「左翼活動家?」
「例えば、だよ。」
83 :
氏名黙秘:02/05/09 19:04 ID:bSJwrGaV
「本試験というものはあくまで試験にすぎません。
華やかではありますが、それはいわば連続した短答オープンの
ひとつの帰結でしかないのです。
真の意味は、つまり我々のアイデンティティーとしての
司法試験受験生であるということを確認する作業は
この行為の連続性の中にこそあるのです。
本試験とはあくまでその追認行為にすぎないわけです。」
「ツイニンコウイ?」
「壮大なデジャ・ヴュです」
僕はなんだかよくわからないまま肯いた。
典型的なベテのレトリックだ。
84 :
氏名黙秘:02/05/09 19:24 ID:bSJwrGaV
「で、あなたは『やればできる、必ずできる!』って信じてるの?」
「信じてます」
「どうして?」
「どうしてって、信じてるからですよ」
「論証できる?」
「信念と論証は無関係です」
「そういえばそうだな」
僕はあきらめて憲法の個数問題に戻った。
ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ、むっつ・・・
「でも論証できますよ」と運転手が言った。
「本当?」
「本当です」
「どんな風に?」
「だってわたしは今年合格しますから」
我々はしばらくのあいだ黙り込んだ。
85 :
氏名黙秘:02/05/09 19:30 ID:bSJwrGaV
「ずいぶん渋滞してますねえ」
と運転手は言った。
「まったく」
と僕は言った。「でもさ、今年うかるって話なんだけど・・・」
「ええ」
「本当に今年うかるの?」
「そうですよ。嘘ついたって仕方ないでしょう」
「その、つまり、いつから司法試験うけてるの?」
「もう何年になるかなあ。あれはソウル五輪の年だったから」
「時よ止まれ、君は美しい」
「そうそう、それです。」
86 :
氏名黙秘:02/05/09 20:52 ID:vN/LxlpX
「これはレモンの匂いですか」
「いいえ、夏みかんです」
87 :
氏名黙秘:02/05/09 20:54 ID:???
龍も春樹もメチャオモロイ。
どちらも、ファンの俺にとっては、
オマイラ、ほんとにオモロイ。
でも、大丈夫か?
12日。
ちょと心配。
88 :
氏名黙秘:02/05/10 00:14 ID:???
僕は日曜にはねじを巻かないのだ。
89 :
氏名黙秘:02/05/10 00:23 ID:???
「GOは喧嘩するの?」と彼女が質問した。
「GOはよく喧嘩するよ」と魔骨は言った。「半島系の人間はみんなそうだ
けれど、GOの頭の中には一人ずつ人間に細かい順位があるんだ。ひとつの
社会に五十人の受験生がいると、ナンバー1からナンバー50までの受験生
がいる。それでGOはその社会の中で自分の位置をちゃんと認識してるんだ
よ」
「すごいのね」と彼女。
「そうしたほうが彼は行動しやすいんだ。一番偉い人間を罵倒すれば、あ
とは黙っていてもついてくるからさ」
90 :
氏名黙秘:02/05/10 00:29 ID:???
「何もかも終わったんだな」と魔骨は言った。「何もかも終わった」
「終わりました」と僕は言った。
「きっと君に感謝しなくちゃいけないんだろうな」
「僕はいろんなものを失いました」
「いや」と魔骨は首を振った。「君はまだ受け始めたばかりじゃないか」
「そうですね」と僕は言った。
僕が試験室に向かって歩きはじめたとき、魔骨はアスファルトにうつぶせになって
声を殺して泣いていた。彼はこの早稲田大学のキャンパスで学んだ学徒たちが南京で
行った蛮行を嘆いていたのだ。それが正しいことなのかどうか、僕には最後までわか
らなかった。
91 :
五反田亮一:02/05/10 06:03 ID:nH5uotvr
僕は択一会場にいた。試験官の合図で試験は開始された。
第1問
「『羊』にはキリスト教的な意味がある」とする見解の
根拠とならないものはどれか。
1羊をめぐる冒険で「先生」の住む家には糸杉が植えられている
2僕は「黒服の男」に電話をかけた時に星を13個紙に書いて気を紛らわせていた
3十二支のヒツジ(未)は午後2時と南南西を表す。
4当時村上は奥さんを喜ばせることを第一の目的として小説を書いていた
5ダンスダンスダンスにおいて暗い空間の中で羊男を探すシーンがある。
その時「僕」は右右右右と曲がって行く。
正解肢は3だ。その理由はこうだ。
1.糸杉はキリスト教で死を意味する。
因みに「先生」から「羊」は出て行った。
2.13という数字はキリスト今日で不吉な数字だ。
別に羊と関係はないが、別に良い。
3.一二支のヒツジはキリスト教と関係がない。
因みに羊が登場する時刻は決まって午後2時だ。あの爆破の時も。
僕は思い出した。鼠は北海道に行った。そして鼠も十二支に存在する。
そしてそれは北を表すのだ。それで鼠は北海道に行ったのだ。
4.この肢は「PLAYBPY」1986年5月号から作られたのだ。
そして彼女は「キリスト教倫理がその教養のすべて」なのだ
(「GORO」1984年2月23日号)。
因みに僕が彼女と出会ったのは大学のクラスで隣り合わせた時。
クラスは「アメリカ帝国主義のアジア侵略」。
彼女は僕に「帝国主義って何?」と訊いた。
5.この肢は難しい。
僕は「マタイの福音書」の条文を思い出す。
そうだ、「羊の位置は右、山羊の位置は左」とどこかに書いてあった。
意味は分からないが、大抵のものに意味なんてないのだ。
問題は解けた。でも僕はやれやれと思う。なんてマニアックな問題なんだろう。
しかも見解は別にして、記述はすべてテクスト通りだ。
僕はうんざりしながら第2問を解きはじめた。
92 :
氏名黙秘:02/05/10 12:28 ID:wlCT4NhB
<さあ、今のうちに逃げるのよ>
後ろでしげおの声がした。
僕は驚いて振り向いたが、後ろにはマコツしかいなかった。
マコツもあっけにとられたように後ろを振り向いていた。
<さあ、早く逃げなさい>
もういちどしげおの声がした。
僕はマコツの手をとって正面のドアに走った。
そしてドアを開け、転がるようにして外に出た。
早朝のLECには人影はない。
僕とマコツはラウンジを走り抜け、レジュメセンターの窓をこじ開けて
LECの外に出た。そして息のつづくかぎり走り、やがて走り疲れて
公園の芝生に寝転んだ。
ふと気が付いたとき、僕はひとりきりになっていた。
マコツの姿はどこにもなかった。
僕は立ち上がって、大声でマコツを呼んだ。
返事はなかった。
夜はすっかり明けて、朝の太陽が最初の光を木々の葉に投げかけていた。
マコツはどこかへ行ってしまったのだ。
家に帰ると母親が朝食を作って僕を待っていた。
「おはよう」と母親が言った。
「おはよう」と僕も言った。
そして我々は朝食を食べた。むくどりも平和そうに餌をついばんでいた。
まるで何もなかったみたいだ。
択一に落ちたことについて母親は何も言わなかった。
母親の横顔はいつもよりほんの少しだけ悲しそうに見えた。
でもそんな気がしただけかもしれない。
それ以来、僕は一度もLECに行っていない。
もう一度そこに行って、あの地下自習室の入り口を確かめてみたい
ような気もする。
でも僕はもうあそこに近づきたくない。
夕暮れにさかえ通りを目にするだけで、僕は足がすくんでしまうのだ。
時々、ロッカーに残してきた新品の判例六法のことを考える。
そしてマコツのことを考え、しげおのことを考える。
でもどれだけ考えてみても、いったいどこまでが本当に起こったこと
なのか、僕にはわからない。
わからないままに、僕はどんどんあの自習室から遠ざかっていく。
今でも僕の判例六法はLECの片隅に置かれ、
マコツはこの司法試験受験界のどこかをさまよっているに違いない。
そう考えるのはとても哀しい。
僕のやったことが本当に正しいことだったのかどうか、
それさえ僕には確信が持てない。
93 :
氏名黙秘:02/05/10 21:27 ID:???
魔骨揚げ
94 :
氏名黙秘:02/05/10 21:49 ID:YDOkYxHC
かあさん、俺もう別のことやろうかなあ。
僕の言葉にも母親は答えなかった。
まるで赤の他人のようにご馳走様もいわないで
部屋を出ようとすると後ろから彼女の悲痛な
声がきこえた。
あんた、どうすんのよ!
95 :
氏名黙秘:02/05/10 21:58 ID:???
「さて」と僕は思った。
96 :
氏名黙秘:02/05/11 01:04 ID:KT13gLrl
「君は少し変わっているのかな?」と試験官は訊いた。
「変わってないです」と僕は言った。
「通常の判断能力を有する一般人です。ただ冗談が面白くないだけです」
彼は涙の筋のついた顔を上げて僕を見た。
「徳島市公安条例事件」と彼は非現実的な声を出して言った。
すべてのものは通り過ぎる。そんな風に僕たちは生きている。
このようにしてマコツは法曹の扉をくぐった。
97 :
氏名黙秘:02/05/11 08:26 ID:???
「100げっと!」とマコツはつぶやいた。
そんなふうに、彼の言葉にはいつも決定的になにかが足りないのだった。
98 :
氏名黙秘:02/05/11 10:07 ID:???
解くしかないんだ。解き続けるしかないんだ。時間が終わるまで、
ただやみくもに解くしかないんだ。
99 :
氏名黙秘:02/05/11 13:09 ID:PApPi7h5
yarebadekiruどういうわけか間コツの言葉が未変換のまま
頭の中を去来した。そしてそれはほかの知識を追い出した。
もうだめだ。早く変換しなければ。頭の中のスペースキーを
押し続けた。
94って誰のパロ?
101 :
氏名黙秘:02/05/11 21:47 ID:AC5sWX/B
鬱age
102 :
氏名黙秘:02/05/11 22:15 ID:WFZxx1Ga
僕は丁寧に歯を磨き、それからキチンと整えられた布団に入った。
頭の中でクモザルとアシカが激しくダンスしている。
やれやれ、彼らはどうして僕の頭なんかを気に入っているのだろう?
だがそれは間違っていた。
彼らは僕が呼んでいたのだ。
僕は布団を整えたりせず、いつもどおり混乱した夜を過ごすべきだったのだ。
択一の前日にはさまざまなことが起こってしまう。
それは避けられることだったかもしれないし避けられないことだったかもしれない。
けれど僕はそれを避けようとするべきだったのだ。
103 :
おかえし:02/05/11 22:17 ID:e13+zpww
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| 主よ、18が氏にますように、、、、、、
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今読んでたら102はついさっき俺がやった失敗とおんなじだよ(鬱
105 :
氏名黙秘:02/05/12 03:10 ID:Hg20Krd3
春樹は政治家の羽田に似てるあげ
アヒャヒャ
魔骨は言うんだ。
おれの鴨は高学歴でプライドの高いバカ大学生だって。
そして、続けてまた言うんだ、そういう奴等のプライドをくすぐってやるようなことを
言うとあいつらは幾らでも金を吐き出すんだと。
108 :
龍之介:02/05/12 23:07 ID:???
将来に対するぼんやりとした不安。
はげ
かっこう
111 :
俺様:02/05/13 15:44 ID:???
こら、自己採点で44にいってないくせに、受かったふりして訴訟法をやるな。
↑誤爆?
僕の目の前には、何も書かれていない51番から60番までのマーク欄が広がって
いた。僕はその空白を埋めることができなかった。埋めるべきではなかった。
もはや遅いのだ。平成11年、我らが年。窓の外ではヘリコプターのけたたまし
い音がひびき、早く避難してください早く避難してくださいと叫ぶ声が聞こえ
る。しかし、その教室の誰も席を立とうとはしなかった。僕はエンピツを置い
て壁の落書きを探しはじめた。僕の求めるものはどこにも書いていなかった。
114 :
氏名黙秘:02/05/14 04:03 ID:b3KphIBd
>>86 >>114 な、なつかしすぎて涙出てきた。やめてくれよぅ。
小4の国語だっけ?
つーかぜんぜん春樹じゃないし。
ネタください
その日僕は、例年のように「NHKのど自慢」を見終えると、洗面所で顔を洗い、
この日のためにとっておいた新しいシェービングフォームをつけ、いつになく
丁寧に髭を剃った。洗いざらしのジーンズとシャツを着て外に出ると、
うららかな春の日差しが僕の5回目の受験を祝福してくれていた。
試験会場までは15分程度、近隣の排気ガスと粒子状物質のせいでメーターも
ミラーも役に立たないほどに汚れた愛車に颯爽と跨りアクセルを噴かした。
会場に着いたのは試験開始10分前、万時予定通りだ。僕は、お揃いのジャンパー
を着た予備校の人間がたむろしている正門を避け、脇の小門から大学に入ると、
教室配置の掲示板へと慣れたように進んだ。
途中、ブツブツとなにやら独り言を呟く眼鏡をかけた背の高い受験生と徒競走の
ようになったが、それが例年と違った唯一の出来事だった。
僕は鞄から受験票を取り出し受験番号を確認すると、白く大きな掲示板を見上げた。
1号館・・・万事予定通りだ。僕は歩き出した。何人かの係員の「本日の司法試験は
午後一時半から開始となります。受験生はお急ぎ下さい」という声も耳に入らなかった。
教室に入ったのは試験開始5分前。万事予定通りだ。僕は席に座ると、大きく深呼吸
して神経を集中させようとした。試験監督が口を開いた。「遅れて来た人のために
注意事項をもう一度説明します。本日の試験は・・・・・」
「やれやれ・・・・でも16号館だったら走らなければいけなかったかもしれない」
来年こそは早めに会場に着こう、僕はそう決意すると試験に備えて目を閉じた。
118 :
◆R6iChoco :02/05/19 19:53 ID:EPwZa7fH
このスレ見てる人は、春樹作品の何がお気に入りだったのかな?(当時)
わたしはダンス×3とかかなぁ。あれ好きだったなぁ。
五反田くんのいかれっぷりが良かった。
ハツミさんのだめんずっぷりも愛しい(他作品だが)
しかしなんであんなにきちがいばっかり登場するんですかね。>春樹さん
作家の文章を真似しているうちに、文章が上手くなるってさ。
>>119 そりゃあんた・・・。
美味くなるくらいまで真似してる時間あったら判例や学者の文章真似すりゃいい。
文章は確実に下手になるが論文には受かる。択一は知らん。
>>120 とりあえず最高裁判例の真似をしてみること。
下級審のは玉石混淆。
学者の文章は、昔のはともかく最近のは石ばかり。
やっぱ今年の珪素の大ヤマは
「援交人の石鹸交通券」で決まりだな
「あげ」と言いながら緑はブラジャーをたくしあげた。
124 :
◆R6iChoco :02/05/22 19:40 ID:4qKm1P9M
今年はあんまり新作でないねぇ。
職人さん期待あげ
125 :
:02/05/24 01:52 ID:???
126 :
氏名黙秘:02/05/25 00:09 ID:scv/eNjR
あげ
ネタ切れかな・・・
ただいま新人募集中
択一試験で燃え尽きた心を癒す一文を求む
むらむら
9月に久々の長編新作発売age
131 :
氏名黙秘:02/05/27 11:31 ID:2/EPHxXO
択一前の時間が貴重な時期にしか
伸びないスレ
伊藤塾はLECの対極としてではなく、その一部として存在している。
保全
ぼくはときどき不安になることがある。
実はまこつがこの世に何人も存在しているのではないかと。
保全
あがれ!
2chなんかに労力を費やすヴァカはこの板にはいないと思われ(ププ
きっとここの作者たちってみんな択一受かって論文やってんだろうな。
スマン、現在修習中だ。
140 :
ホワイト・アルバムさん:02/06/17 21:15 ID:TtCEhKGT
I once had a girl
Or should I say she once had me?
・・・・・・
And when I awoke
I was alone
This bird had flown
So I let a fire
Isn't it good Norwegian Wood?
142 :
氏名黙秘:02/06/20 13:58 ID:2cij7PlN
26と35はすばらしい。
土色の顔をした受験生とベテ男か(笑)。
確かにいる。
彼はなぜ土色の顔をしているのだろう?
初期の頃のほうが、面白いですね。
とりあえず、上げときます。
143 :
氏名黙秘:02/06/22 19:41 ID:HEr+0Hi/
23=26=64さん素晴らしい。どうか論文直前にも筆を進めてくださいませ。
144 :
氏名黙秘:02/07/03 21:16 ID:nos3oPTF
揚げよう
現在、中篇程度の長さになる文体模写系の小説を構想中です。
いましばらくおまちください。
146 :
氏名黙秘:02/07/13 12:53 ID:kX0EITmJ
論文を受けるというのは非常に重大なことのようにも思えるし、
逆にまるでたいしたことじゃないようにも思える。つまり自己療養行為
としての論文があり、暇つぶしとしての論文がある。
終始自己療養行為という論文もあれば、終始暇つぶしという論文もある。
はじめは自己療養行為であったものが暇つぶしで終る例もあれば、逆の場合もある。
なんというか我々の試験勉強はバブリアンの試験勉強と根本的に異っているのだ。
我々はバブリアンではない―これは僕の試験勉強にとって、ひとつの重大なテーゼである。
147 :
氏名黙秘:02/07/13 12:56 ID:kX0EITmJ
三科目目の試験で、彼らは僕にひどく答えにくい質問をしてきた。
「倉庫証券と船荷証券の異同を論ぜYO!」
僕は思考を止めて目を閉じ、時に流れるにまかせた。時は僕を流しつづけた。
僕はどれくらい黙っていただろう、試験官の小役人が一つ咳払いをした。
時計が五時を指した。周りのペンの音がゆっくりと壁の中に吸い込まれてしまうと、
沈黙がその間隙にもぐりこんだ。
「もう一年?」と鼠は言った。
「いいとも」と僕は言った。
148 :
氏名黙秘:02/07/17 06:37 ID:IvGQdJeP
あげよう
149 :
春子:02/07/23 20:08 ID:T4ZoMFuh
お台場の観覧車を見ていると、燃やしたくなったりする人いますか?
納屋を焼くように、観覧車を焼いてみたくなる人っているのかな?
>>149 おい、俺が今度の週末に乗るから、それまで待て。
151 :
氏名黙秘:02/07/28 12:15 ID:zue3DlCj
age
152 :
氏名黙秘:02/07/28 12:19 ID:a0FPL3eT
おもしろい。
153 :
氏名黙秘:02/07/28 12:27 ID:WMDGGWtj
そ
★村上春樹新作長篇新情報
新潮社「波」2002年8月号の9月刊行予定本の筆頭に、
「海辺のカフカ」(上・下)とあった。
2冊本とは大いに楽しみだ!
age
保全
論文やる日課というのは僕の場合すごく厳密に決まっているんです。朝に書く。夜は書かない。
論文を書いているとき、朝はどんなに遅くても四時には起きます。
もっと早く起きるときもよくある。三時とかね。目覚ましをかけなくても、身体が勝手にぱっと目覚めちゃうんです。
そして目覚めるともうすぐに机に向かって書き始めちゃうんです。そしてコーヒーを飲みながら、
四時間か五時間ぶっとおしで書きます。出来上がるのは4ページある解答用紙でいうと、ちょうど5通。
それより多くも書かないし、少なくも書かない。これもゲームのルールみたいなものです。ルールってけっこう大事なんだ。
それから運動をして、午後はだいたい本を読んだり、散歩をしたり、翻訳をしたりします。
短い昼寝もする。夜は何もしなくて、音楽を聴いたりビデオを見たりして、九時くらいには寝ちゃうかな。
ナイトライフなんて皆無です。
そういう作業を毎日続けていると、その反復リズムの中に自分がすっと入り込んでいくのがわかります。
入っていって、勉強をして、それから出てくる。論文解答に関して、機械的な反復を馬鹿にする人は多いけど、
そんなことないです。反復性には間違いなく呪術的なものがあります。ジャングルの奥から聞こえてくるドラムの響きみたいにね。
そこに自分を自然に同化させることが大事なんです。入りたいときに入れて、出たいときに出られるという状態に保っておく。
ただし、正しい反復を行うには、かなりフィジカルな基礎体力が必要です。
深く集中しつつ、なおかつ規則的に反復するわけだから。普通の人っていうとなんだけど、訓練してない人にはなかなか簡単にはできないんじゃないかな。もちろん世の中には生まれつきそういう自在な能力が備わっている人もいるんだろうけど。
で、毎日5通書いて、一月に150通、半年で900通。これで出来上がり。
そこから分量を減らし気味に答案構成化、結局700個くらいで落ちついたわけです。
160 :
氏名黙秘:02/08/20 03:12 ID:VnPZR3pN
やれやれ、
ラーメン屋に入って塩メンマを注文した時、なかなか玄人だと思った。
僕は考える。
マコツについて僕は考える。
彼はその風貌からは全く想像できないくらいのハードゲイだった。彼の所属
する超法律系川越サンバカーニバルというサークル内の女子部員たちはそん
なことは知らない。ただ、煙草の吸い方が格好良いだとか、指が綺麗だとか、
チンポが大きいだとか、ただそれだけだった。
僕はマコツに心酔していた。僕は自分のアナルにマコツのペニスを射れてもら
うのが一番の愉しみだった。
授業が終わって2人で円山町へ急いだ。改札を抜け、駅を出るとセンター街の
ルノアールへめがけ人力車を走らせた。僕はマコツを会う約束をしていた。
僕がそこに着いた時、マコツは待ちくたびれてまるで使用済みのコンドームみ
たいになっていた。僕は隣のお姉さんが超巨乳で我慢できなかったから、
連日の宅配コギャルでひどく疲れていたから、ウェイトレスに「牛丼、並、
紅だく、卵も」と注文した。
僕が牛丼を食べ終わる頃にようやくマコツが入ってきた。
「やればできる、お布施キボンヌ」
同時にマコツの携帯が鳴った。マコツは携帯に出るや否や、
「明日?いーとも」
と言った。
僕は呆れてカバンからシケタイを取り出した。
やれやれ
スルメ会会員です。
保全
ノーベル賞取りへ
9/12、最新作『海辺のカフカ』発売age
現在B5で14枚ほどまで来ました。でもストーリーが完結するのに
まだその数倍必要なようなです。今年中にはなんとか終わらせられるかな…
オリジナルの小説の構想がストップしてしまってるので、早く終わらせたいです。
海辺のカフカの文体模写まだ〜?
マコトは品川区で生まれた。家は東京湾のすぐ近くにあって、ときどき砂混じりの
風が窓ガラスにあたって乾いた音を立てた。父親は港区内で歯科医を開業
している。非常にハンサムな人で、とくに鼻筋は『白い恐怖』の頃のグレゴリー
ペックを髣髴とさせた。残念ながら―と本人は言う―マコトはその鼻を受け継いで
いない。彼の弟も受け継いでいない。あの美しい鼻を作り出した遺伝子は
どこに消えちゃったのだろうとマコトはときどき不思議に思う。もし遺伝の
川の川底のどこかに埋没してしまったのだとしたら、それは文化的損失と言う
べきかもしれない。それくらい立派な鼻だった。
マコトの母親は31歳の若さで亡くなった。心臓に生まれつきの構造的欠陥が
あったのだ。母親が死んだとき、マコトはまだ3歳にもなっていなかった。母親に
ついてマコトが思いだせるのはかすかな肌の匂いだけだ。母親の写真は辛うじて
数枚残されていた。結婚式での記念写真と、マコトを産んだ直後のスナップだ。
マコトは古いアルバムをひっぱり出して、何度もその写真を眺めた。外見に
限って語るならマコトの母親は、ごく控えめに表現して「印象の薄い」人だった。
小柄な女性で、平凡な髪型をして、首をひねりたくなるような服を着て
いごこちの悪い微笑みを顔に浮かべていた。そのまま後ずさりをして、背後の
壁と一体化してしまいそうに見える。マコトは彼女の顔だちを頭に焼きつけようと
努力した。そうすればいつか夢の中で母親に会うことができるかもしれない。
手を握ったり、話をしたりすることもできるかもしれない。しかしそれは
うまくいかなかった。一度覚えてもすぐに忘れてしまうような顔だちなのだ。
夢の中どころか、まっ昼間に一本道ですれちがったって気がつかないかも
しれない。
父親は死んだ母親の思い出話をほとんどしたことがない。もともとがなにごと
によらず多くを語らない人だったし、それに加えて生活のあらゆる局面において
(あたかもそれが口内感染症の一種であるかのように)情緒的表現を避ける
傾向があった。マコトの方も死んだ母親について父親に何かを尋ねたという記憶
がない。でも一度だけ、まだ幼いころ、何かのおりに「ぼくのお母さんは
いったいどんな人だったの?」と質問したことがある。彼はそのときの
会話を鮮明に記憶している。
父親はよそを向いて、しばらく考えていた。それから言った。「とても
物覚えがよくて、字のうまいひとだった」
奇妙な種類の人物描写である。ぼくは思うのだが、彼はそのとき幼い娘の
心に深く残るなにかを語るべきだったのだ。彼がそれを熱源にして、自らを
温めていくことができる滋養あふれた言葉を。この太陽系第三惑星における
彼のおそらくは根拠不確かな人生を、曲がりなりにも支えてくれる、軸と
なり柱ともなる言葉を。マコトはまっ白なノートの1ページめを広げてじっと
待っていたのだ。でも残念ながら(というべきだろう、やはり)、マコトの
ハンサムな父親はそういうことのできる人ではなかった。
マコトが6歳のときに父親は再婚し、二年後に弟が生まれた。新しい母親も
美人ではなかった。それに加えて、とくに物覚えもよくなかったし、字だって
うまいとは言えない。しかし親切で公正な人だった。自動的に彼の義理の
娘となる幼いマコトにとっては、言うまでもなくそれは幸運な出来事だった。
いや幸運というのは正確な表現ではない。彼女を選んだのはあくまで父親
だったからだ。彼は父親としてはいくぶん問題があったが、伴侶の選び方に
かけては、一貫して聡明で現実的だった。
義母はマコトをその長く入り組んだ思春期を通して、揺らぐことなく愛して
くれたし、彼が「駒場を出たら国Tを辞めて司法に集中する」と宣言
したときにも、もちろんそれなりの意見はしたが、彼の意志を基本的に
尊重してくれた。マコトが小さい頃から熱心に朝日新聞を読むことを喜び
励ましてくれたのも義母だった。
172 :
氏名黙秘:02/09/17 14:33 ID:vBgSKXPg
あえg
サンスクリット語でいうと、デジャブゥだ。
174 :
氏名黙秘:02/09/19 02:23 ID:A0fbawho
僕は、だんぜんホシノ君がいいです。
のりもいいし、いいおもいもできるし・・・
ナカタさんもすてがたいですね。
ちょっと気になったのは佐伯さんの恋人をリンチした人たち
が裁判で過失致死になっているところです。
傷害致死じゃないかなあとちょっとひっかかってしまいました。
でもこまかすぎだと自分でも思います。
それでは
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ご指摘ありがとうございました。おっしゃるとおりです。たしかに「傷害致死」が正しいのです。あとでわかって、増刷ぶんからはすでに変更されています。初版をお持ちの方はすみませんが、
「過失致死」を「傷害致死」と書き直しておいてください。物語の筋にはあまり関係ありませんが、なにとぞよろしく。ところで土橋さんというお名前ですが、ヤクルトの土橋くんは、今年あまり調子よくありませんでしたね。関係ないとは思いますが。
176 :
氏名黙秘:
「でもそいつが受かるかまだわからねえわけだ」
マコツさんはきっぱりと首を振った。「はい。まだわかりません。」
「そいつはたぶん・・いま、公開答錬を受けつつあるんだろうね?」
「はい、そういうことであると思います。ホシノさんがおっしゃるように、
まだ受けつつある途中であるようです。そしてマコツはそれが受け終わる
のを待っているのです」
「そうすれば、つまりそいつが受け終わっちまえばということだけど、い
ろんなことはみんな無事に解決して、いよいよ合格するってことなんだろ
うね」
マコツさんはもう一度きっぱりと首を振った。「いいえ、ホシノさん、そ
れはマコツにはわかりません」