【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 7

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1通常の名無しさんの3倍
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過去スレ
【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 6
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1220011475/
【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 5
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1212578381/
【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 4
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1209267080/
【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 3
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1205047619/
【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 2
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1202222711/l50
【IF系】もし種・種死の○○が××だったら【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1196438301/l50

まとめサイト
ttp://arte.wikiwiki.jp/

兄弟スレ
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 5【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1226476158/
2通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 15:31:30 ID:???
>>1
3通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 17:53:45 ID:???
>>1
乙です
4機動戦士ザクレロSEED:2008/12/01(月) 18:55:40 ID:???
 オーブ。ウナト・エマ・セイランの私邸。
 応接室に通したウナトの友人は、元より老境にあったのではあるが、その表情には年齢以上の疲れを滲み出させていた。病的にやつれたその身体をソファに沈ませているその姿は、死人のそれと言っても過言ではない。
 彼は、その顔に皮肉げな笑みを浮かべ、手にした水割り入りのグラスを掲げて、嘲笑混じりに言った。
「ヘリオポリスの住民は、外患援助の罪で起訴されたよ。君と話が出来るのも、ここに警察が踏み込んで来るまでだ」
 彼はヘリオポリスの住人。襲撃があった後、命からがら逃げ出してきた普通の市民……その筈だ。
 しかし今、彼と彼の家族は、政府と国民によって罪人にされようとしていた。
「それを笑わせてはくれないのだろうな」
 ウナトは苦い物を噛んだ様な表情を浮かべる。
 外患援助……国に対して外国から武力の行使があったときに、これに加担して、その軍務に服し、その他これに軍事上の利益を与えた者は、死刑又は無期若しくは二年以上の懲役に処する。そういう法律だ。
 本来は敵との内通者を裁く法であり、敵の侵攻を受けて降伏した国民を裁く為の法ではない事は言うまでもない。しかし、降伏して無抵抗である事が、敵に軍事上の利益を与えたという理屈が通っていた。
「つまり、ヘリオポリスの住民は全員、最低でも二年は牢に入れられ、最悪では殺されると言う事か? 馬鹿げている!」
 ウナトは怒りと苛立ちを露わに、手に持ったグラスを強く握りしめる。友人は肩をすくめながら答えた。
「裁判所がそれを認めたならな。何にせよ、全員が拘置所送りなのは間違いない」
 もっとも、代表首長が罪人だと言えば、捜査も逮捕令状も無しに対象を逮捕出来るような国なのだ。裁判所に司法の独立と法の平等を期待出来るかは疑問だった。
「これは政治的粛正だ……ジェノサイドだ! まともな国のすべき事じゃない!」
 ウナトの怒声に、友人の返す視線は冷め切っている。『ここはまともな国なのか?』と問いかける様に。その答えを知る一人がウナトではなかったかと。
 ウナトは怒りが冷めていくのを感じた。かわりに深い失望感が取って代わる。
「知っているかね? 陸戦協定違反の便衣兵については、オーブ政府はその罪を認めない……アスハ派はプラントに対し、オーブ国民は皆兵であり、全国民を正規兵と見なして構わないと啖呵を切るつもりだ。狂っている」
 議会でアスハ派閥の議員がそのように働きかけていた。現状、それを止めようとする声は小さく、無力も良い所だった。
 国民皆兵自体は忌むべき事でもない。国家を守る為ならば、その選択は十分に有り得る。
 だが、今の流れは違う。オーブ政府が国民全てに守らせようとしているのは、オーブの理念というお題目だ。国家と国民を危機に追いやってでも、オーブの理念を守ろうとしている。そこに今のオーブの異常性があった。
「既に国民の軍事訓練の義務化と、軍事予算の大幅増が提案されている」
 アスハ派議員が、軍拡路線を強力に推し進めようとしている。国民皆兵は名ばかりではなく、実際に全ての国民を兵士として扱うつもりらしい。
 理論的には、そんな急拵えの兵士に意味がない事は分かり切っていたが、議員も世論も「大事なのは理論ではなく、理念なのだ」と盛り上がっている。
「くくっ……あっはっはっはっは! はーっはっはっは! 牢獄の中で死ねる私は幸福かも知れないな」
 友人は笑い出す。以前、ウナトが最上のジョークを聞かせた時も、これほどには笑わなかった。
 もしこれが、舞台の上で行われているのならば、ウナトも大いに笑っただろう。しかし、この愚劇が行われているのはオーブという国の中であり、ウナト自身もまた演者の一人ときている。
 このままでは、権力を握り、危なげなく国を守りながら小狡く金を貯めて、引退して孫でも見ながら悠々老後を過ごすという、ささやかな夢すらも叶えられそうにない。
 何とかしなければならないのだが、ヘリオポリス襲撃事件以降の状況の流れは速すぎ、ウナト等セイラン派閥は後手に回っていた。
 まあ、それでも希望が全くないわけではない。
5機動戦士ザクレロSEED:2008/12/01(月) 18:56:11 ID:???
「もっとも、ウズミはそのどちらにも反対している。これは通るまいな。残された希望がウズミだと言うのが皮肉なものだが」
 アスハ派の首長であるウズミ・ナラ・アスハは、現在の急進的とも言える動きに慎重な対応を求めていた。
 ウズミは軍縮論者だ。非現実的な非武装中立論者ではないが、軍事力には常に縮小を求めてきた。
 MS開発を許可したのも、軍事産業方面での旨味の他に、既存の兵器よりも高性能なMSならば、より小規模な軍隊が実現出来るといった思惑がある。もっとも、ウズミにとってMS開発の重要さは、土壇場で無かった事にしたがった程度でしかないのだが。
 ともあれ、乗り気だった頃のウズミは、究極の超高性能機を作り、その一機のみでオーブを守るといった夢想を漏らしていた。実際には一機のみという事はないだろうが、これから先は少数精鋭の小規模な軍隊を目指したいのだろう。軍拡の流れはこれに反している。
「どうかな? “姫獅子”は、軍拡の必要性を煽っている様だが?」
 友人が、部屋の片隅にあるテレビにチラと視線を向けた。今はスイッチが入れられていないが、言いたい事はわかる。
 ウズミの娘、カガリ・ユラ・アスハはこの所、テレビに出ない日はないというくらいの人気ぶりだった。彼女はヘリオポリスの悲劇を語り、その悲劇を防ぐ為として国民の軍事訓練の重要さや軍拡の必要性などについて語っている。
 当初は、オーブの理念の重要さを語る娘に好意的だったウズミも、カガリが自分の政治に反し始めた事で、対応に苦慮しているようだった。
「ウズミには頭の痛い問題だろうが……いや、大きな問題はあるまい。所詮、もてはやされて増長した子供だ」
 カガリは、実際には背後にいる何者かの傀儡に過ぎないとウナトは考えていた。恐らくは、軍拡路線をとなえる急進的なアスハ派が背後にいるのだろう。敵がわかっている以上、背後のアスハ派にのみ気を付ければ良い。
 しかし、友人は意見が違う様だった。
「どうかな? 怖いのは、むしろ国民だ。今の熱狂ぶりを見たかね? あの姫獅子が命じれば、殺人とて喜んで行われるだろう。彼女はオーブの理念という神に仕える異端審問官で、国民は邪悪な魔女を捜し求めている」
 実際にカガリによって断罪されたヘリオポリス市民……彼自身と家族は、政府と国民によって罪人として殺されようとしている。だからこそ言えるのかもしれない。
「オーブは国民の声が政治に及ぼす影響は小さい。氏族の力の方が大きいからな。しかし、氏族とて国民だ。この熱狂は氏族にも影響を及ぼすだろう」
「なるほど……忠告として受け取っておく」
 ウナトは友人の言葉を真摯に受け止めた。友人は、ウナトの言葉に初めて穏やかな笑みを浮かべる。
「そうか、これで君に一つ、餞別を残せたという物だ」
 友人のその台詞に、ウナトは言い返そうとした。しかしその時、応接室のドアがノックされる音が響く。
「旦那様、警察の方がお見えです」
 ドアの外から、使用人が言う。
 時が来た……だが、友人は取り乱す事はなかった。
「ウナト。最後に乾杯をしようじゃないか」
 言いながら、空になっていた自分の手のグラスに酒を注ぐ。それから、ウナトが急いでグラスを空けるのを待ってから、ウナトのグラスにも酒を注ぎ入れた。
 ウナトは、友人が注いでくれたグラスを持ち、乾杯の口上の為に口を開く。
「君と君の家族の安全を祈って……」
「いや」
 乾杯を言いかけるウナトを、友人は止めた。そして、彼が替わって乾杯の口上を述べる。
「オーブの未来に」
「……オーブの未来に」
 二人はグラスを掲げ、一息に中身を飲み干した。別れの杯を……
 
 数日後、ウナトは友人の死を知った。
 警察での取り調べ中の心臓発作と発表された彼の死体が遺族の元に返ってくる事はなかった。
6機動戦士ザクレロSEED:2008/12/01(月) 18:56:51 ID:???
 

 ヘリオポリス襲撃から十二日が経った二月六日。ユウナ・ロマ・セイランは、民間商船に乗ってヘリオポリスを来訪した。
 民間商船は、港外で駐留ZAFTによる臨検を受け、武器類の持ち込みが無い事が確認された後はすんなりと通される。
 ここに駐留するのが実戦部隊であり、こうした臨検などに慣れていないのが幸いだった。乗客の身分の照会などされていれば、ユウナの場合は多少面倒になったかも知れない。もっとも、ZAFTからの情報提供の求めにオーブ本国が応じるとも思えないのだが。
 ともあれ船は港へと着き、乗客の下船が許可された。
 このヘリオポリスで降りるのは、ユウナの他、セイラン派が用意した調査員と支援スタッフ。短時間で良くも集めたものだと感心する位には居るが、その数は決して多くはない。
 そして船は、乗客の他に積荷を下ろし始めている。
 積荷は食料や医薬品などの支援物資で、全てセイラン家が私財で購入した物だった。今のオーブに、ヘリオポリスの支援をしようと言う声はほとんど存在しない。戦って死ねば困窮はしなかったろうと言う、乱暴な声はよく聞かれたが。
 何にせよ、ヘリオポリスは完全に見捨てられた土地となっていた。いや、むしろ堕落と腐敗の象徴として、誅罰の対象となっている。
 ユウナが地球を立った時に既にそうだったのだから、今はどうなっているのか知るのが楽しみだ……と、ユウナは思っていた。知る為には、まずは長距離通信設備が要るだろう。
「カガリは、頑張っているかなぁ」
 今日も演壇の上で糾弾の声を上げているだろう少女の事を思い、ユウナは薄い笑みを浮かべる。
「いっぱい頑張って、凄い輝いて欲しいな。その輝きを消す瞬間が……スッとお腹を開いて、ピンク色の……おっと。うふふ」
 幸せな妄想に浸っていたユウナは不意に前屈みになり、微妙な足取りで船を下りていった。
7機動戦士ザクレロSEED:2008/12/01(月) 18:57:42 ID:???
 

「この腰抜けがぁ! もう一度言ってみろ!」
 今やZAFTの占領下にあるヘリオポリスの港湾部の一室、いわゆる赤服のお坊ちゃん達にあてがわれた待機室で、イザーク・ジュールの怒声が盛大に上がっていた。
 その怒声を叩きつけられているのは、イザークに胸ぐらを掴まれているアスラン・ザラ。
 アスランは、イザークの怒りに少しも動じる事無く、決意を胸に言葉を返した。
「軍を辞める。もう決めたんだ」
 事の始まりは、キラ・ヤマトだ。
 かつての親友とは、ほとんどわだかまりが無かったのですぐにかつての仲を取り戻した。
 キラは昔と変わっていなかった……だが、アスランは変わっていた。彼は兵士となり、憎しみで戦い、ナチュラルを殺す事に心動かされる事も無くなっている。キラはそれを悲しみ、昔の優しかったアスランに戻って欲しいと願った。
 争いだの愁嘆場だの和解だの色々あって、アスランは決意したわけだ。軍を辞める事を。
「このまま戦えば、俺はまた大事な人を失ってしまう……そう気付いたんだ」
「……くっ! 貴様、本気で……」
「……おい」
 激昂しかかるイザークを、二人の争いを見ていたディアッカ・エルスマンが肩を叩いて止めた。そして、イザークの耳元に囁く。
「あのな……」
「っ!? な、男同士だぞ!?」
 何を囁かれたのか、イザークはまるで何か汚い物に触れていた事に今気付いたのだと言わんばかりにアスランの胸ぐらを掴んでいた手を放し、何か振り払う様に手を振った。
 それから、アスランを嫌悪と不安の混じる表情で見てから、何かの間違いである事を祈るかの様にディアッカを見る。
 ディアッカは、沈鬱な表情で首を横に振った。
 イザークは続けて、アスランと仲の良いニコル・アマルフィを見る。待機室の真ん中に置かれたテーブルにつき、事を見守っていたニコルは、イザークの視線を受けて困った様な表情で僅かに首を縦に振った。
 イザークは、深い深い溜息をつき、それから哀れむ様な目でアスランを見て言う。
「……もう良い。俺には理解出来んが、好きにしろ」
「いや、待て。何か勘違いしてないか?」
 イザークの不穏な反応に、アスランは困惑を露わに詰め寄ろうとした。が、イザークは後ずさってアスランから距離を取る。
「触るな。俺にそんな趣味はない」
「安心しろイザーク。お前はアスランの好みのタイプじゃない。むしろ危険なのは……」
「え? 僕ですか!? 困りますよそんなの」
 嫌悪丸出しで言うイザークに、ディアッカが言いながらニコルの方を見る。ニコルは、困った表情を浮かべてアスランの方を見て答えた。
 それで、だいたいの状況を悟り、アスランはその顔に怒りの表情を浮かべる。
「お前達……俺とキラの関係を、そんな不純な物だと思っていたのか!? ふざけるな、キラはそんな奴じゃない! キラは……そんな奴じゃないんだ」
 言い立てるとアスランは、一同に背を向けて待機室を出て行った。
 その背を見送り、ディアッカが苦い表情で呟く。
「……自分がそう言う奴だって思われた事は否定すらしないのかよ」
 アスランにしてみれば、キラを侮辱された事に怒るあまり、自分の事をすっかり忘れただけではあるのだが……この場の誰もが、それを察するどころか、ディアッカと同意見であったのは言うまでもない。
 アスランの性癖について疑惑が深まった所で、待機室の空気は重くなった。
 特に、アスランを密かにライバル視すらしていたイザークはショックが大きかった様で、苛立ちを隠せずにいる。ライバル……つまりは、その実力を認めていた男が、ノーマルな同性として微妙な性癖を持っていたというのだ。ショックを受けない筈がない。
8機動戦士ザクレロSEED:2008/12/01(月) 18:59:41 ID:???
「くそ、あんな男を俺は……」
 後悔たっぷりにイザークは声を吐き出す。
 蔑めば内心でアスランを認めていた自分が惨めだし、かといってアスランをライバルとして評価し続ける事はもう出来そうにもない。
 もう少し理解力ついてくれば、それもまた人の個性であり非難すべきではないと、事実を受け止める事が出来るのだろうが、まだ十代の若者にそれを求めるのは難しい物があった。ましてや、癇癪の激しいイザークの事である。
 まあ、全てが悪い事ばかりではない。アスランが軍を辞める決意を固めた事について、イザークは納得に到っていた。つまり、人に理解出来ない性癖を持つのだから、人に理解出来ない決意を固めても仕方ないと。
 それが無ければ、イザークはアスランの決意を決して認めようとはしなかっただろう。認めなかったからどうだと言うものでもないのではあるが、当面の間はつきまとって怒鳴り散らす位はしただろうし、最悪、キラを原因と見て怒りをぶつける可能性もあった。
 アスランにとっては不本意かも知れないが、実際には良い結果だったのかもしれない。
「ま、まあ、アスランの事はともかく……」
 空気の重さに辟易としたニコルが、とりあえず話題を変えようとした。
「みんなは、これからの身の振りって考えてますか?」
「とりあえず、連合MSを持って凱旋だろ?」
 他に何があるんだと言わんばかりにディアッカが返す。
 議員の子息である自分達がこの作戦に就いたのは、政治的な理由が多分に含まれている。それぐらいの事がわからないディアッカではない。
 母艦のヴェサリウスが航行不能状態にある等の不測の事態で動けないで居るわけだが、議会としてはさっさと呼び戻して宣伝に利用したい筈だ。英雄となった議員の子息という、戦争を遂行する議員達の正当性を象徴するものを。
 それを考えると、アスランの様に軍を辞めるというのも悪くはない。軍を退いたとしたら、今度は政界で生きる事になるのだろう。英雄という肩書きは強力な武器となる筈だ。
 何にせよ、プラント国民に連合MSを奪取した英雄達を大々的に宣伝する所までは、確実に起こる事だった。そして、それを拒否する理由は誰にもない。
 だからこそ、ディアッカはニコルの質問に返したのだ。他に選択がないのに聞く意味は何なのかという問いを含めた答えを。
9機動戦士ザクレロSEED:2008/12/01(月) 19:00:12 ID:???
「ラスティは残るって言ってるんですよ。この艦隊に。それで、他のみんなはどうなのかなって思ったんです」
 ニコルは、肩をすくめてそう答えた。
 残って何をするか……考えるまでもなく、普通の兵士として前線で戦闘を続ける事になるだろう。それだけだ。そこに何も利は見いだせない。
「あいつ、何を考えてるんだ? 残ると言ったのが、イザークならわかるけど」
「俺ならわかるとは、どういう事だ!?」
 ディアッカが首をかしげて言った台詞に、イザークが噛みつく。ディアッカは、釣り針に魚がかかったのを見た釣り人みたいにニヤリと笑い、すぐに言い返した。
「お前なら、政治の道具になるより、ナチュラルと戦ってプラントに貢献する事を選びそうだと思ってよ。それに、クルーゼ隊長の仇をとるって息巻いてたろ?」
「ぐ……それは確かにそうだが……」
 イザークは言葉に詰まる。確かにその通りで、その選択が許されたなら喜々としてそうした事だろう。そう、許されれば。
「ママには逆らえないもんな」
 ディアッカは、イザークの弱みを突いた。
 イザークの母親もまたプラントの議員だ。彼女は、イザークが危険な任務に赴く事を望んではいないが、英雄になる事は望んでいた。
 その辺り、出世をさせたいという様な息子を思っての部分もあるだろうが、政治的にそれが求められていたと言う意味合いの方が強い。過保護極まりない部類に入る彼女は、愛息子を戦場に送り出す事に、さぞかし悩んだ事だろう。
 それが今や、イザークは英雄となって堂々と凱旋出来る様になった。となれば、イザークに、これ以上の危険な行軍を望むわけもない。つまり、戦い続ける事を選択するなら、イザークは母親の意思に逆らう事になる。
「母上は関係ない!」
 母親離れ出来ていない事を揶揄され、イザークは怒りに声を荒げた。
「れ……連合MSを、本国まで持ち帰るのが任務だ! それを放棄して、ここに残る事など出来るものか!」
「おっ、上手く逃げたな。俺もその言い訳を使わせてもらうぜ」
 怒るイザークの前で、ディアッカは感心した様に言う。それから、改めて首をかしげた。
「ま、でも、そうなるよな。俺達の任務は、連合MSを奪って持ち帰る事だ。ここに残って戦うなんて、大儀も無ければ、政治的意味もないし、出世とも関係ない。アスランみたいに恋人に言われたとかでもなければ、理解出来ないよな」
「恋人ですか? そう言えば……何か冗談で、恋をしたとか何とか言ってたましたよ。本当に誰か好きな人が居るのかも知れませんね」
 ニコルが、何日か前の事を思い出しながら口を開く。
 ラスティが、浮かれた様子で何やら口走っているのを聞いた。もっとも、その内容はどう考えても冗談以外の何物でもなかったのだが。
「あれに恋人ねぇ?」
 ディアッカは、疑問に出しながらも、それは無いだろうと確信していた。
10機動戦士ザクレロSEED:2008/12/01(月) 19:00:44 ID:???
 

 ヘリオポリスにあった連合のMS開発基地は、MS奪取時のZAFTによる戦闘行動と、その後のアークエンジェル脱出の際に連合軍の手で行われた破壊工作により、かなり徹底的に破壊し尽くされていた。
 しかし、MSの部品や、コンピューターなどの情報源となりそうな物が破壊を免れ、瓦礫に埋もれて残っている事から、ZAFTによってその発掘作業が行われている。
 作業はまず、瓦礫の山となった地上の建物を取り除く所から始まっていた。
 乱暴に行ってはならない。瓦礫の下に埋もれた物を傷つけない様、慎重に慎重を重ねて瓦礫を除去する。そういった作業にも適しているのが、MSと言う物であった。
『なあ、ミゲル』
 ミゲル・アイマンは、通信機から聞こえるオロール・クーデンブルグの声を聞き流しつつ、MSを使った瓦礫除去作業に集中する。
『……おい、黄昏の屑拾い』
「うるさいな! 何だよ、さっきから!」
 ミゲルは思わず通信機に怒鳴り返した。
 その間も、ミゲルの乗るオレンジ色の機体、ミゲル専用ジンは掴み上げた瓦礫を集積場所に放り投げる作業を続けている。
『いや、ZAFTのエースが高性能専用機で穴掘り作業ってのは、どんな気分かと思って。楽しいか?』
「お前だって、ジン・ハイマニューバで穴掘りだろうが! 高機動性を活かして、ちゃっちゃと作業を進めろよ!」
 ミゲルが睨むモニターの中、オロールが乗るジン・ハイマニューバが、やる気なさげに瓦礫を持ち上げ、適当極まりなく放り投げるのが映っていた。
 ミゲル専用ジンもジン・ハイマニューバも高性能機なのだが、こんな作業ではその性能を生かせるはずもない。と言うか、作業用の低性能機で十分だ。
『せっかく新型が手に入ったのに、最初の任務がこれかよ……機体が泣くぞ』
 ミゲルにも、オロールの嘆きは理解出来た。
 新型MSに乗り、連合との一戦で華々しいデビューをと逸っていた所が、与えられた任務は穴掘りである。ミゲルも、連合の新型MAとの雪辱戦を望んでいたのに、完全に思惑とは違ってしまった。
 連合MS奪取の達成を補完する重要な任務だという事はわかるのだが……
「しょうがないだろう。ワークス・ジンなんて無いし、ツィーグラーのMS隊は哨戒任務に要る。俺達しか浮いてないんだよ」
 免許があれば誰でも使える、ワークス・ジンの様な作業用MSは無い。ローラシア級モビルスーツ搭載艦ツィーグラー所属のMS隊は、母艦と共に周辺宙域の哨戒任務に出動している。
 一方、ローラシア級モビルスーツ搭載艦ガモフは、先の戦いで受けた損傷を修理中。また、所属するMS隊がミゲルとオロールの二機分しか無い事から、率先して動ける態勢にはなっていない。つまり、暇なMSはガモフ所属のミゲルとオロールしか居ないわけだ。
『半端はつらいねぇ』
 オロールもその辺りは理解しているので、溜息混じりにそう言ってくれた。
「ああ……こんなんじゃ、給料も上がらないしな」
 ミゲルも溜息をつく。弟の治療費に金が要るのだ。いつまでも、こんな所でしけた任務をしていたくはない。
「新しくMSでも見つかれば別かも知れないけど」
 ZAFTが全く情報を掴んでいなかった未知のMSがヘリオポリスから持ち出されたと聞いていた。ひょっとすると、他にもまだあるかも知れない。
 ミゲルは独り言を呟きながら、そんな事を考えていた。と……
『おい、ミゲル!』
「何だよ。愚痴ならもう聞かないぞ」
 オロールからの再度の呼びかけに、ミゲルはウンザリしながら答える。
 だが、オロールが伝えたかった事は、愚痴などでは無かった。
『瓦礫の下に空間がある! 格納庫っぽいぞ!』
11機動戦士ザクレロSEED:2008/12/01(月) 19:01:17 ID:???
「本当か!?」
 ミゲルは、今自分が担当している場所を放棄して、オロールの元へと向かう。
 オロールは、さっきまでの態度とは打って変わって、せっせとジン・ハイマニューバを動かして瓦礫を除去していた。
 確かに、ジン・ハイマニューバの足下には、四角く切り抜いた様な大きな穴が開いている。恐らく、元からあった搬入口か何かで、上の建物が崩れて塞がってしまったのだろう。
 幸い、穴は埋まっておらず瓦礫が乗っているだけの様で、瓦礫を除ければ中に入れそうだった。
「よし、手伝うぞ」
 ミゲルは、その穴を埋める瓦礫を取り除く作業に参加した。しばらくの間、二人はMSを使って黙々と作業を続ける。
 瓦礫を取り除き、後は建物の骨組みだった鉄骨だけとなって穴の底が覗ける様になると、どうやら穴の底は巨大なエレベーターになっている様だとわかった。つまり、何か大きな物を地下に搬入する為の入り口と言うわけだ。
「……本当にMSとかがあるかもな」
『良いなそれ! 本当なら、ボーナスもんだ』
 オロールが喜びの声を上げて、鉄骨の片づけを急ぎだした。MSのパワーを持ってしても折り重なって絡み合う鉄骨はなかなか動かないが、それでも本数が少なくなってくると作業は楽になり作業進行も早くなる。
 しばらくすると鉄骨は全て取り除かれ、そこには穴だけが残った。
『よし行こうぜ』
「ああ」
 二人は、MSを軽く跳ばせて、穴の中へと入らせる。
 スラスターを軽く噴かせて、緩やかに下に降りると、そこには壁一面の巨大シャッターが待ち構えていた。
「基地の電源は死んでるんだったか?」
『ああ。こじ開けるしかないな。俺は右。お前、左な』
 シャッターと言っても、鋼鉄の一枚扉だ。なかなか破る事は出来そうにない。シャッターを動かすには電気が要るが、そんな物の復旧はしていない。
 オロールが言って、シャッターの右側に取り付いた。ミゲルは左につき、シャッターに専用ジンの指を添える。
『せーの』
 オロールの声が聞こえると同時に、ジン・ハイマニューバがシャッターを持ち上げ始め、シャッターが軋みを上げた。
 ミゲルも、専用ジンでシャッターを押し上げる。二機のMSのパワーで、重たいシャッターはゆっくりと持ち上がっていった。
 ややあって、シャッターは完全に持ち上がる。
 その奥に広がっていたのは、かなり広い空間。しかし、そこにミゲルとオロールが夢見た様な物は無かった。
『MAだな』
 オロールの声は落胆に近い。そこにあったのはMA。
 ここは開発部門ではなく、整備工場だったのだろう。半ば分解された状態のMAが、整備台の上に置かれたまま放置されている。
「連合の新型は無いか?」
 ミゲルはモノアイを動かして中を眺め回す。
 思い出すのはザクレロ。あの新型MAなら、連合製MS並に価値がある。
 MAはナチュラルが使う時代遅れの兵器というのがZAFTでの共通認識になっているので、認めない者も多いだろう。しかし、戦った自分達は、あれが事によってはMSよりも厄介な敵になるだろう事を知っていた。
 もし、実物が手に入るなら、解析して対策を練る事が出来るわけだ。
 しかし、ここには新型MAも無かった。オロールが舌打ち混じりに言う。
『全部、メビウスとか言う奴だ。おっ、こっちのこいつだけメビウス・ゼロだぜ』
「宝の山かと思ったら、ゴミの山か」
 流石に、普通のMAなど必要ない。
『つまらねぇな。全部、ぶっ壊すか?』
 オロールがそう言って、整備工場の奥へと入っていこうとする。ミゲルが、参加しようとは思わないまでも、「好きにしろ」とでも言おうと考えた所で……何者かが通信に割り込んだ。
12機動戦士ザクレロSEED:2008/12/01(月) 19:01:48 ID:???
『壊すですって!? 何、馬鹿な事言ってるのよ! これだから、MS乗りは……』
 若い女の声。それは、すっかり怒りの色に染まっている。
『あんた達の足下。踏まないでよね』
 言われてモノアイを向けると、いつ降りて来たものやらか、つなぎの作業服を着て安全ヘルメットを被った人がいた。見た目、少年の様でもあるのだが、さっきの声の主という事は少女なのだろう。
 作業服と言うことは、メカニックか何かなのだろうか?
 彼女は携帯通信機を使い、ミゲルとオロールに向かって声を荒げていた。
『ほら、ぼさっとしてないで全部運び出しなさい! 壊さない様に慎重にね』
『待てよ、こんなガラクタ、どうするんだ?』
 オロールの疑問は、ミゲルも同感だ。MAなんかを大事に扱う意味は全くわからない。
 しかし、少女にとってガラクタという表現は好ましくはない物の様だった。
『ガラクタですって!? MSなんて機械人形の玩具みたいな物に乗ってるくせに!』
『玩具だって!? 聞き捨てならないぞ、この……』
 オロールの言葉に少女が噛みつき、それを受けてオロールが怒鳴り返す。
 後は、低俗な悪口の応酬……馬鹿アホ間抜けなどという基本はもちろん、お前の母ちゃんでべそ等という様な高度な語句まで飛び出す始末。ちなみに後者を言ったのは少女だった。
 ともあれ、話を聞いてるとどうも、少女はMSとMSパイロットがたいそう嫌いらしい。
『MS乗りなんて最低ね! 女の子に、よくもそんな事が言えたもんだわ! まあ、MS乗りなんて臭くて風呂にも入らない、外を出歩く服もない、女の子にもてない連中なんだもの。女の子の扱い方がわからなくて当然よね!』
『も……もてないだと!? お前に何がわかる!』
「オロール、お前の負けだ」
 いい加減、口喧嘩を聞くのにウンザリして、ミゲルは口を挟む。それから、わざと慇懃に少女に疑問をぶつけた。
「で、お嬢様はMAをどうなさるおつもりで? 運び上げるのは構いませんが、それだけ教えてはいただけませんか?」
『MAでマフィンを焼くとでも思う?』
 少女は冷たく一言で返す。それから、ミゲルの方は話が通じるとでも思ったのか、少しだけトゲを引っ込めて話を進めた。
『ともかく、基地で見つかった物は全部回収する様に命令が出てるでしょ? 横着してないで、MAも全部回収しなさい』
「わかった。確かに、命令は全部回収だ。全部回収しよう」
 口は悪いが、少女の言い分が正しい。とりあえず回収するのが自分達の任務であって、捨てるかどうかの判断は誰か他の人間がやってくれる。
「オロール。ここから、運び出せる物は全部出すぞ」
『面倒くせぇ。俺、瓦礫除去に戻るわ。ここは任す』
 オロールは、手伝うのはまっぴらだとばかりに、外へ向かってジン・ハイマニューバを歩かせていった。
 残されたミゲルは、どうした物かと考えながら、少女に目を落とす。
 少女は奥へと駆け込んで、整備中のMAが並ぶ中を走り回っていた。凄い楽しそうである事はわかるが、何が楽しいのかは全くわからない。
「何だかな……」
 ミゲルは、とりあえず手近な物から運んで、さっさと終わらせようと、専用ジンの操縦桿を握り直した。
13機動戦士ザクレロSEED:2008/12/01(月) 19:02:21 ID:???
 

 敵がいない。敵を探せ。
 思考はただそれだけを繰り返す。
 先ほどまでモニターを埋め尽くしていた敵の姿を求め、トール・ケーニヒは灰色のモニターを見つめていた。その瞳は散大し、意思の光を宿しては居ない。ただ、敵の存在を求める一つの部品であるかの様に。
 ハッチが開かれて、暗いコクピットの中に光が差し込む。トールはその光にも反応しない。操縦桿を握る手は、敵の出現を警戒して、硬く握られたままだ。
「お兄ちゃん」
 コックピットの中に入ってきた何かが、軽く背伸びをしながらトールの唇にキスをした。
 柔らかな感触……誰かの声がトールの頭の中で響いた。
『好…………ール。……な時……ど……こん……だ…………せて。好き……ト………………時で……私……っと一緒……………………』
 みつからないからだのぶひんくろこげでばらばらになったほのおのなかできりさかれるわらっていたはしっておちてくるせんとうきが…………み……り……ぃ。
 声は苦痛の記憶を呼び覚ます。その記憶は、苦しみ無き忘却の彼方に消えたトールの自我を強制的に引き戻した。無から狂気の中へ。
 トールの無機質なその瞳に、僅かに意思の光が灯る。
 そしてトールは、キスをしてくれた少女に微笑みを向けた。
「ああ、ミリィ。どうしたの?」
 ミリィと呼ばれた少女、エルは寂しそうに微笑む。
「……お兄ちゃん、朝ご飯の時間だよ? 一緒に食べよう?」
 
 ヘリオポリス地下の秘密のシェルター。そこでトールは少しずつ壊れていく。
 壊れたトールは、新型試作MAミステール1のシミュレーターを動かし続けた。食事も、睡眠もとらなくなり、ただただモニターの中の敵機を破壊する事に集中する。それも肉体的消耗が激しい高G環境型シミュレーターでだ。
 おそらく、そのままであったならトールはすぐに死んだ事だろう。
 その命を繋いだのは、エルという少女だった。
 エルは、起きている間はずっと、トールがシミュレーターに入らない様に気を付け、食事と睡眠を取らせる様にした。
 しかし、エルが眠っている間に、トールはシミュレーターに入ってしまう。その度に、エルはシミュレーターを止め、今の様にしてトールをシミュレーターの外へと連れ出した。
 エルと一緒にいる間、トールは普通の暮らしが出来る。少なくともそう出来ているように見える。エルの事を、死んだ恋人のミリアリアだと思い込んでいる事以外は。
 エルがどんなに話しかけても、トールはエルではなくミリィを見て、ミリィに話している。自分がトールの前に居ない様で、エルは少し寂しかった。
 それでも、エルはトールと一緒にいようとする。そうしないとトールが死んでしまうから。そうなれば、本当に一人になってしまうから。
 このいつまで続くかもわからない、シェルターでの二人だけの生活を、出来るだけ長く送れる様に……エルは頑張っている。
14機動戦士ザクレロSEED:2008/12/01(月) 19:02:53 ID:???
 
 シミュレータールームから居間へと移り、二人は朝食に保存食を食べていた。
 と……エルが不意に箸を止め、トールに話しかける。
「……ねえ、お兄ちゃん」
「何、ミリィ?」
 食事を止めて、そう返したトールの前、エルはまた寂しそうな笑みを浮かべた。そして僅かに黙り込み、それから意を決した様に言葉を続ける。
「エルって呼んでくれないかな?」
「どうして? あだ名か何か? でも、俺にとってミリアリアはミリィだし」
 理解出来ない様子でトールは首をかしげた。ミリアリアのあだ名はミリィで良い。
「ああ、さては何かに影響されたんだろ? しょうがないな、ミリィがどうしてもって言うなら……」
「ううん、いいよ。やっぱり、呼んでくれなくて良い」
 エルは顔を伏せて、トールにそう返す。伏せられた顔の下、膝の上にポタポタと涙の滴が落ちた。
 ミリィをエルと呼ぶのではなく、エルをエルと呼んで欲しい。その思いはトールへは伝わらない。
「え? ミリィ、泣いて……」
 涙を見てトールは慌てふためいた。何故、エルが泣くのか、トールにはわからない。狂った心では、わかるはずもない。
「どうしたんだ、ミリィ? えと……ごめん、俺、何か言ったか? 泣いてちゃわかんないからさ」
 それでも、何とかしてあげたくて、トールは必死でエルに話しかける。しかし、その言葉はミリィに向けられた物だ。エルを傷つけている事に、トールは気付けない。
 救われない少女と、救えない少年。そんな二人だけの世界に、いきなり土足で踏み込む者が現れた。
「おや、女の子を泣かすなんて良い趣味をしてるじゃないか。良いよね、女の子が震えながら涙を落として命乞いする所とか。その後は、少し希望を見せてあげて、それから絶望に落っことすとまた……」
 エルの泣き声に割り込んだ喜悦混じりの声。居間のドアを開け放って、いきなり現れたユウナ・ロマ・セイランは、初対面の二人に遠慮無く話しかける。
「良いなぁ。僕も混ぜてくれないか? ああ、もちろん食事の方にね」
「……あんた誰だよ?」
 驚きに泣きやんだエルを背にかばいながらトールが言った言葉は、されて当たり前の質問であった。
15機動戦士ザクレロSEED:2008/12/01(月) 19:03:25 ID:???
 

 オーブ宇宙港。宇宙から降りてきたそのシャトルは、無事に滑走路に着陸した。
 ヘリオポリスから降りてきたシャトルにはマスコミがすかさず食いつき、何処で聞いて集まってきたのか民衆が取り囲んで罵詈雑言を浴びせるという様な展開が当たり前だったのだが、このシャトルにはそういった事は起きていない。
 かわりに黒塗りの高級車が一台止まっており、その横に一人、軍服姿の男が居る。
 シャトルのドアが開けられ、タラップが下ろされた。軍服姿の男……レドニル・キサカ一等陸佐は、すかさずタラップの下へ行き、直立不動の姿勢で待機する。
 すぐに一人の痩身の中年男がシャトルの中から姿を現した。彼は、眼鏡の奥の目を日差しの眩しさに細め、それからタラップを降りてくる。
「やあ、キサカ君。オーブの潮の匂いが混じった空気も、久しぶりに嗅ぐと良い物だね」
「プロフェッサー・カトー。ご無事で何よりです」
 タラップを降りきって親しげに声をかけてきたカトーに、キサカは敬礼で返す。それを受けてカトーは、苦笑いで答えた。
「無事だけど苦労したよぉー。宇宙はサハクの目があるからね。まくのに随分と遠回りをしてさ。シャトルの居心地は上々だったけど、何せ狭くてねぇ。風景も代わり映えしないだろう? 飽きちゃった。しばらくは宇宙はこりごりだね」
 そんな事を言いながらカトーは勝手に車を目指して歩いていく。キサカはそんなカトーを追い抜き、先に車につくと後部座席のドアを開けて中へ誘導した。
「ああ、ありがとう。悪いねキサカ君」
 カトーは導かれるまま車に乗り込み、座席に腰を下ろす。
 キサカはドアを閉めかけ、ふと気付いた様にその手を止め、カトーに聞いた。
「プロフェッサー、手荷物などはございませんか?」
「ああまあ、着の身着のままで逃げたからね。そうそう、荷物と言えば、アストレイはサハクの手に落ちた様だよ。とは言え、彼らに出来るのはそこまでだろうね」
 キサカに聞かれた事から話がそれて、カトーは何やら話を続ける。キサカは慌ててそれを遮った。
「プロフェッサー。ここでその様な話は……」
 人払いはしてあるが、防諜が万全の場所というわけでもない。あまり、不用意に発言をされては困る。
「あー、そうか。ごめんごめん。内緒だったね、アレ」
 カトーはペコペコ謝った後、自らの頭を指で突いて見せ、ニヤと笑った。
「重要な物は全てここにあるから大丈夫だよ」
「了解です」
 キサカはドアを閉め、それから自ら運転席に回りハンドルを握る。
「では、まいります」
 車は走り出した。宇宙港を抜け、何処かへ向けて……
16機動戦士ザクレロSEED:2008/12/01(月) 19:04:54 ID:???
 機動戦士ザクレロSEED‥‥以上。

 ZAFTは概ね遊べてる
 キラとアスランはお幸せに

 オーブは暗くなる一方
17通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 19:25:08 ID:???
GJ!!
オーブが、オーブが突っ込みどころが多すぎて困る、独裁者の政権維持の為ではなく、純粋な善意によって為したというのは、どう評価したものか。

ユウナ・・・、ある意味、さすがカガリの幼馴染で婚約者?。
狂気の傍にいると、だんだん狂気に染まっていくといいますし。
18通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 19:28:55 ID:???
ユウナwwwwwww
19通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 20:29:24 ID:???
フヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ

狂気じゃ、狂気じゃあぁぁぁぁ!
20通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 20:50:07 ID:???
ラクスの生死は不明で、プラントに帰って来たアスランはキラとキャッキャウフフ
シーゲルがブチ切れて東方不敗化するんですねわかります
21通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 21:03:41 ID:???
なんというユウナ……
このユウナは間違いなく発狂済みのグリグリ目玉な石川賢絵

しかしオーブがおぞましすぐる
日本と半島と赤の悪い所だけを混ぜ合わせたような酷さだ
22通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 21:08:47 ID:???
黒幕ひょっとしてユウナか?
23通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 21:11:11 ID:???
あの被害者叩きっぷりだと一億総ν速+民といった方が的確でわ
24通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 21:24:40 ID:???
ν速+でもあそこまで酷くねーよwwww

まぁ某国の工作員なら別だろうが
25通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 21:29:08 ID:???
狂気と馬鹿は似て非なるもんだからなあ
26通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 21:35:28 ID:???
痛ν住民なら
27通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 02:08:27 ID:???


アスラン(笑)

ユウナが狂っとる。
こりゃ、オーブ関係者なのに狂わないのはカズィの特権か?
28通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 02:36:26 ID:???
今思えば、カズィはリアル俺達だったな
そしてあそこでAAを降りたカズィはテロに参加する事を逃れた勝ち組
29通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 06:18:54 ID:???
>>27
愚連隊のタラ化して再登場しない事を祈る(余所ではアスランにアレをやった)
30通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 09:44:33 ID:???
カトー教授登場で、オーブでのMS生産フラグが立ったな
31通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 11:57:30 ID:???
>>29
チビって言われて「俺にチビって言った奴は〜」の奴?
タラ格好良すぎるだろ。どう見てもギャグキャラにしか見えないのに
32通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 13:02:05 ID:???
カガリと狂信者の民衆に比べればウズミが――あくまでも相対的にだが――、
まだわずかにかろうじてほんの少しだけはマトモらしく見えなくもないというのが何とも。
もっとも、いずれ軟弱と糾弾されて下克上だか文革だかばりに引き摺り下ろし殺される
伏線に過ぎないのかもしれないが。
あとユウナ、狂気はいいけどここのカガリにピンク色のハラワタが詰まってると
考えてるあたりまだまだ甘かったりして。
全身理念ぶくろになってて、どこをちょん斬ろうがかっさばこうが
なんだかよくわからないものがでろーんと溢れ出してくるに決まって……
おや誰かきたよu

           離s

      TシkE

33通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 13:17:44 ID:???
拉致されそうになりながらも必死にキーボードを叩く>>32
34通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 13:47:57 ID:???
憲兵隊のものだ!>>32を拘束する!
35通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 18:07:14 ID:???
腸食いたくなってきた
36通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 18:41:43 ID:???
今晩はホルモン鍋だ
37通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 19:07:33 ID:???
鍋の具材ですか?
二本足の羊ですが美味しかったでしょう。
ヘリオポリスの名物なんです。
38通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 19:58:00 ID:???
いつの間にかオーブが中国かルルイエになったらしい

フヒヒヒヒヒヒ…
39通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 20:46:51 ID:???
いあ!すとらま!
40通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 22:11:16 ID:???
おまいら、現在のSAN値をいってみろ
41通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 22:19:48 ID:???
ははは、そんなの100あるに決まってるじゃないですか
10……
42通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 22:25:18 ID:???
5…
ザクレロ落としや甘々スレで回復せねばヤバい
43通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 22:28:43 ID:???
7……
ザクレロだけでなく、金色でも下がる事があるのがキツいな












フヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ
44通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 22:37:30 ID:???
<`∀´>オーブバンチャーイ!!<`∀´>オーブバンチャーイ!!<`∀´>オーブバンチャーイ!!<`∀´>オーブバンチャーイ!!<`∀´>オーブバンチャーイ!!
<`∀´>オーブバンチャーイ!!<`∀´>オーブバンチャーイ!!<`∀´>オーブバンチャーイ!!<`∀´>オーブバンチャーイ!!<`∀´>オーブバンチャーイ!!
<`∀´>オーブバンチャーイ!!<`∀´>オーブバンチャーイ!!<`∀´>オーブバンチャーイ!!<`∀´>オーブバンチャーイ!!<`∀´>オーブバンチャーイ!!
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<`∀´>オーブバンチャーイ!!<`∀´>オーブバンチャーイ!!<`∀´>オーブバンチャーイ!!<`∀´>オーブバンチャーイ!!<`∀´>オーブバンチャーイ!!
45通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 22:43:45 ID:???
此処も狂気の世界に飲まれたか……
46通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 23:19:30 ID:???
狂ってる?狂ってるのはお前らの方かもしれんぞ?
47通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 23:25:31 ID:???
なんだか自分が狂っているのか、此処が狂っているのか判らなくなった。

48通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 23:34:23 ID:???
オーブのハウメア崇拝が、シュブ=ニグラス崇拝でもなんの不思議はないな。
ハウメアは多産であり、また、何度も生まれ変わっては、自分の子孫と結婚したといわれている。
というし。

ところで夢想家ウズミのSAN値は40、カガリのSAN値は0(邪悪な魔術師や深きモノ並)、
と思うんだが、ユウナ、そしてトールのSAN値はどの程度だと思う?。
49通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 23:36:29 ID:???
トールはもう0だろ
ユウナは案外30ぐらいはある
50通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 00:47:58 ID:???
オーブの事を考えると………鬱だ。
幸せな二人の未来について語ろうぜ。
キラとアスランについてな……。
51通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 00:59:41 ID:???
>>45
ありがたいことに私の狂気は君達が保障してくれるというわけだ。
よろしい、ならば私も問おう。
君らの正気は一体どこの誰が保障してくれるのだね?
52通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 01:06:04 ID:???
トールが主人公だったら。
53通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 02:26:12 ID:???
SS久しぶりに書こうかと思ったらアクセス規制食らってて涙目
携帯ではなあ!(´・ω・`)
54通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 09:50:05 ID:???
スーパーロボット系のノリで種・種死
55通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 15:57:17 ID:???
もしも種・種死が熱血系のノリだったら
56通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 17:04:56 ID:???
もしも、種の最初でマリューさんにアスランが射殺されてたら。
ラスティじゃなくてアスランが撃たれてた可能性って十分あるところが怖い。
この場合は、キラがアスランと気がつく前になってたら
普通にキラ連合ルートか?
『状況は聞いている』
画面の向うでジブリールはネオに言った。
『想定外の介入だ。仕方があるまい』
「そう言って頂けると助かります」
ネオはほっと息をついた。
『だが、我が軍の目的は黒海及び中東地域の鎮圧だと言う事を忘れるなよ。ミネルバなど、たかが個艦だ。潜水艦
多少が付いているとしても、ザフトの地上兵力は先の戦役で大部分を失っている。ミネルバがわれらの手をすり抜
けて宇宙に行こうが地上にいようが一艦で何が出来る。こだわってはならんぞ。ザフトはコマーシャルに使いたい
ようだがな』
「ええ、そのようで」
『アークエンジェルがまた出てくる可能性もあるが……相手の戦力がわからん以上無理押しはするな。こいつらも
所詮は個艦だ。アークエンジェルが地中海に出てくるなら、我が軍はカスピ海の方から圧力をかける。準備は出来
ている。こちらは順当に黒海地域を奪回するだけだ。ユーラシアが独立運動で戦力が低下しているのだ。増援は
すぐ送れるかわからん。とりあえずジョージ・w・ブッシュにユークリッド隊を乗せてスエズに送った。手元の戦力、
くれぐれも大事に使え』
「はっ」
『改アークエンジェル級一番艦『ガルガリン』も、もうすぐ就役だ。楽しみにしておけ』
「楽しみにしておきます」
通信が終わるとネオは溜息をついた。
「ふふ。物分りのいい上司を持つと助かる」


「指示された物です」
ルナマリアはタリアに言った。そして、今日アスランを尾行した時のデータを差し出した。
「ありがとう。悪かったわね、スパイみたいな真似をさせて」
「いえ、艦長もフェイスというお立場ですので。その辺りの事は理解しているつもりです」
「ふふ」
「でもあの……」
「え?」
「できましたら少し質問をお許しいただけますでしょうか?」
「当然の思いよね。いいわよ、答えられる物には答えましょう」
「ありがとうございます。アスラン・ザラが先の戦争終盤ではザフトを脱走し、やはり地球軍を脱走したアークエン
ジェルと共に両軍と戦ったと言うのは既に知られている話しです」
「ええそうね。本人もその事を隠そうとはしないわ」
「しかし、その事も承知の上でデュランダル議長自らが復隊を認め、フェイスとされたと言う事も聞いています」
「ええ」
「ですが、今回の事は……あの……そんな彼に未だ何かの嫌疑がある、と言う事なのでしょうか? 私達はフェイス
である事、また議長にも特に信任されている方と言う事でその指示にも従っています。ですがそれがもし……」
「そう言う事ではないわ、ルナマリア」
「ぇ……」
「貴方がそう思ってしまうのも無理はないけど、今回に関しては目的はおそらくアークエンジェルの事だけよ」
「ぁ……」
「彼が実に真面目で正義感溢れる良い人間だと言う事は私も疑ってないわ。スパイであるとか裏切るとかそう言う
事はないでしょう。そんなふうには誰も思ってないでしょうし」
「ぁぁ……」
ルナマリアはほっとしたように溜息をついた。
「でも今のあの、アークエンジェルの方はどうかしらね」
「ぁ……」
「確かに前の大戦の時にはラクス・クラインと共に暴走する両軍と戦って戦争を止めた艦だけど。でも今は? 突然
現れて先日のあれでしょ?」
「はい」
「何を考えて何をしようとしているのか全く解らない。どうしたって今知りたいのはそれでしょう」
「はい」
「アスランもそう言って艦を離れたのだけれど。でも彼はまだあの艦のクルーの事を信じているでしょうね。オーブ
の事も。ほんとは戦いたくはないんでしょう」
「ぁぁ……」
「だからそういうことだと思っておいてもらいたいんだけど。いい?」
「ぁはい。でしたら私もあの……」
「兎に角ご苦労様。この件はこれで終了よ。いいわね?」
「はい」
「モニターしていた内容もこの部屋を出たら忘れてしまってちょうだい」
「ぁ……」
ルナマリアの記憶に、アスランと話していた男性が口にした『本当のラクス・クライン』と言う言葉が蘇ってきた。
「……」
「なに? まだ何か?」
「……」
「ルナマリア?」
訝しげにタリアが聞く。
「ぁ!」
ルナマリアは我に返った。
「どうしたの?」
「ぁいえ!何でもありません……。ご指示通りに致します。すみませんでした」


「と言うように、まあ策としては至ってシンプルです」
ネオが、ユウナとトダカに作戦案を説明する。
ミネルバがディオキアを出航すると言う情報が入ってきたので早速ブリーフィングである。
「しかしそれで本当に上手くいきますか?」
トダカが疑念を言った。
「そもそもその情報の信頼度はどれくらいなのです? 網を張るのはよいのですがミネルバがもしも……」
「トダカ」
ユウナが口を挟んだ。
「今回の作戦は、ミネルバを沈められたらいいなぁ、程度の物だ。本来の作戦目標は黒海の制圧。ミネルバが他の
ルートを取ればそれはそれだ。でしょ? 大佐」
「ぁ……」
「ふ……」
ネオは首をすくめた。
「だが、本気で沈めたがっている事は沈めたいですからね。しっかりお願いしますよ」
「微力を尽くしましょう」
「今度はあの奇妙な艦は現れないと思いますが……」
ここでカガリが口を挟んだ。
「いいや、奴らは絶対来る!」
「ふむ。万が一そのようなことになっても大丈夫ですね? あれは敵だと、仰いましたな。カガリ様は」
「そうだ。だが討つにはオーブ軍は戦力不足とも言った。ただ一方的に損害を受けるだけだとな! アークエンジェル
が出てきたら、おとなしく退け!」
「さて、どうしましょうかねぇ」
ネオは確証を与えなかった。
「だったら自分で勝手にやれ! 私は一度忠告したからな! もう知らんぞ!」
周りの者は、はらはらしながら見ているのだが、ネオとカガリのやり取りはどこか兄妹がじゃれている雰囲気であった。


「あ、アスラン!」
艦長室を出たルナマリアは声を上げるとアスランに走り寄った。
「ああ。どうしたんだ? 艦長に用事でもあったのか」
「うん、ちょっとね……」
「そうか」
沈黙が二人を包んだまま、二人は歩き出す。
「ねぇ……」
ルナマリアがぽつりと言った。
「ん? なんだ?」
「アスラン、離れないよね? ずっと一緒だよね?」
「ん……さぁ、どうなるかな。上が異動しろって言えば……」
「……アークエンジェルに、行っちゃわないよね?」
ルナマリアは勇気を振り絞って言った。
「ふ……」
アスランは微笑んだ。
「俺は……ザフトのアスラン・ザラだ」
「ふふ。嬉しい」
ルナマリアはそっとアスランに肩を寄せた。


アークエンジェル――
「オーブ軍がクレタに展開!?」
「と言う事はやはりまたミネルバを?」
マリューは心配気な口調で言った。
「ええ、確証はないですがターミナルもそう考えるのが妥当だろうと」
「ミネルバがジブラルタルへ向かうと読んでの布石か。連合も躍起になってますね」
「どうしたんです?」
キラが顔を出した。
「暗号電文です。ミネルバはマルマラ海を発進」
「ぇ!」
「南下を開始したと」
「これで決まりね。オーブ軍はクレタでもう一度ミネルバとぶつかるわ!」


「ジェス!」
「よお、どうしてた」
ジェスは店に入ってきたミリアリアに声をかけた。
「あは。私が前戦役の時アークエンジェルに乗ってたって話したわよね」
「ああ、すげえよなぁ」
「会ってきたの。アークエンジェルの人達と。また、乗っちゃおうかなって思ってたんだけどね、まだ、ジャーナリスト
としてやり残した事がある気がしたから……。私が一人アークエンジェルに乗ってもしょうがない気がしたし。ジェス
さんとの約束もあったしね」
「嬉しいねぇ」
「ところで、こちらの方は?」
ミリアリアはジェスの隣に座っている男を見ながら言った。
「やあ。こんにちは、お嬢さん」
「こいつは、カイト・マディガン。俺の護衛って所かな」
「そうなんだ。よろしくお願いします。……何見てたんですか?」
カイトの前には一冊のパンフレットが広げられていた。
「ああ、これか」
「『ダガー.PS. 〜ダ・ガー〜 プラスシチュエーション LOGOS THE Best』?」
ミリアリアは表紙の文字を読み上げた。
「ああ、ダガーの最新ヴァージョンさ。伝手があるから買おうと思ってな。見てもいいぞ」
「へぇ! なになに? 『前ヴァージョンから53点の改良を加えました。再び、ラミネート装甲を加えたダガーシリー
ズ。そんな新世代のビーム兵器への対処とストライカーが生み出す汎用性を考えた機体をベースに繰り広げられ
る安心で頼もしく、爽快な戦場ストーリーが幕を開けます。ダガーLでは省かれていた、あんな機能やこんな機能も
? 新たにPS装甲も追加決定! 耐ビーム性能は最初期版の2倍、システムディスクは2枚組と未曾有の大ボリュ
ームでお届け!』…………」
……ミリアリアは絶句した。
その時、一人の男が入ってきた。
「おい、ジェス。ミネルバをはじめとするザフト軍がマルマラ海を出航したそうだ。また戦闘になる可能性が高い」
「――!」


「いよいよ出発かぁ」
休憩室でジュースを飲み干しながらシンはつぶやいた。
「また、邪魔してくるんだろうね、地球軍」
マユも苦々しそうに言う。
「じゃ、そろそろオンだから。お姉ちゃん気をつけてね」
「まっかせなさい!」
「はーい、マユちゃん」
そこに、向うから声がかかった。
「あ、ハイネさん」
「心配は猫をも殺すって言うぜ。そ・れ・に! 今回はボズゴロフ級が山ほど付いてる。それにグルジア艦隊もな」
ハイネはマユの肩を叩いた。
「そうですよね! カーペンタリアから来た時とは大違い!」
「ああ、ミネルバだけでよく頑張ったな。今回負けたら大恥よ?」
「そうですよね、うん」
「頑張ろう!」
「「おー!」」


「敵艦隊、艦影捕捉!」
タケミカズチのオペレーターが報告する。
「ん……」
ユウナは頷く。
「ミネルバと……情報に寄ればグルジアの海軍ですな。数が多い」
トダカが言う。
「そうだねぇ。相手も本腰入れてきたな」
「距離60、11時の方向です!」
「総員合戦用意。繰り返す、総員合戦用意」


「前方に艦影」
バートがタリアに報告する。
「え?」
「なんだとっ!」
「空母1、護衛艦3!」
「それだけ? 後の艦艇は?」
「確認できません」
「索敵厳に、急いで。オーブ艦だけなんてことはないはずよ」
「はい!」
「ブリッジ遮蔽、コンディションレッド発令」
「はい! コンディションレッド発令! コンディションレッド発令! パイロットは搭乗機にて待機せよ。繰り替えず、
パイロットは搭乗機にて待機せよ」


「目標、主砲射程まであと40!」
「敵艦隊からのモビルスーツの発進は?」
トダカが尋ねる。
「まだです!」
「よし! 八式弾のシャワーをたっぷりとお見舞いしてやれ!」
「砲術! 八式弾一斉射! てぇ!」


八式弾とは自己鍛造弾である。途中で子弾に別れ、シャワーのように、ミネルバを中心にザフト・グルジア合同艦隊
に降り注ぐ。
「砲撃、来ます!」
「ええっ」
「モビルスーツ発進停止! 回避しつつ迎撃!」
着弾による衝撃がミネルバを襲う。
「表面装甲、第二層まで貫通されました!」
「くっそー! 自己鍛造弾のシャワーだ!」
「ダメージコントロール、面舵更に10!」
「9時の方向に更にオーブ艦! 数3!」
「「えっ!?」」


「意外と効いているじゃあないか」
ユウナはつぶやいた。
向こうに見えるザフトの新型艦――ミネルバは煙を上げている。
自己鍛造弾の貫通力は直径と同程度である。オーブの護衛艦の砲は250ミリ。子弾に分かれるので当然それより
貫通力は落ちる。本格的な戦いの前に一発食らわす程度にしか考えていなかったのだが。
「ミネルバは高速宇宙戦艦と聞くが、装甲は案外薄いようだな」
「そのようですな」
トダカが答える。
「道理で、修理の際にもオーブの作業員に装甲に触らせなかったわけだ。じゃ、攻撃隊発進中止。用意していた
弾数が尽きるまで八式弾による砲撃を続けろ。出来る限り対空火器を潰すんだ。そうすれば攻撃隊もやりやすくなる」
「はっ」


弾雨がミネルバに降り注ぐ。
「艦長、このままでは……!」
「どうしようもないでしょう! モビルスーツを出すわけにも行かないわ!」
『艦長、発進させてください!』
通信が入る。
ルナマリアからだった。
「でも……」
『このままじゃ、やられるだけです! 大丈夫、セイバーはVPS装甲です!』
「……いいわ」
タリアは決心した。
「セイバーとインパルスを出して!」

「ルナマリア・ホーク、セイバー、出るわよ!」
「アスラン・ザラ、インパルス、発進する!」
続く。
65通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 18:24:32 ID:???
ヽ(`Д´)ノウワワーン! ママンこのダガーが欲しい!欲しい!
66通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 18:36:23 ID:???
乙です
しかしまたネタがwww
そういやレイの影が薄いな…
67通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 18:47:31 ID:???
>>65
つ寒ジム
68通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 18:50:53 ID:???
>>65
つジムクゥェル
69通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 18:53:13 ID:???
>>65
アースワームジム
70通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 19:03:42 ID:???
>>65
うジムC
71通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 20:03:06 ID:???
>>65
ゼネラルモーターズ株
72通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 20:05:28 ID:???
ダ・ガー〜プラスシチュエーション?
ロゴスは曲芸かよw
73通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 20:49:35 ID:???
投下乙
この話のジブはまともで理解があるから、ネオとオーブは助かってるな〜
これで本編と同じジブだったら、オーブの立場は悪いことになってそうだ

それにしてもトダカは無能だなあ……本来の作戦目標をユウナに説明されるなんて……
74通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 20:49:47 ID:???
なんという曲芸商法ww
75通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 21:01:31 ID:???
このロゴスは責められても仕方がないwww
76通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 21:17:52 ID:???
GJ早速コレクターカイトが買いに来てるw
まあカイトも選ぶだろうけどw
77通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 22:41:34 ID:???
ロゴスの曲芸商法wwwwww

本編で何で連射しないのか謎だった八式弾のフルコースきた!!
78通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 23:14:19 ID:???
ロゴスの曲芸商法って前もどっかで見たなw
79通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 23:26:44 ID:???
・w・
が顔にしか見えなくて吹いた

しかしミネルバ紙装甲すぎるw
よく大気圏突入出来たなw
80通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 03:08:06 ID:???
>>78
ああ、アムロin種スレだな

なぜわかったかというと改変して張ったのは俺だからだ!
今書き込みログから確認した

こんな所で見る事になるとは思わなかったw
81通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 04:05:02 ID:???


どっかで見たと思えば曲芸商法かw
このロゴスは酷いw
酷すぎるけど、ラインナップが見てみたくなるのもまた本心。

そして連合ファン待望のAA版連合ktkr?
でも、連合の艦なのに盗品AAをネームシップにして良いんだろうか?
82通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 14:56:08 ID:???
>81
かといって撃沈された「ドミニオン」をネームシップにするのも
縁起が悪い。
仕方がないから変更せず使っているんだろう。

ただ、改アークエンジェル級といっているということは、AAよりも
かなり強化されている可能性があるよな。
紙装甲のミネルヴァでどれだけ耐え切れるか。
まぁ、その前に相手にされない可能性もあるけど。
83通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 16:42:18 ID:???
>>82
それもそうか。
新しいネームシップの名を考えても良いんだろうが、
二次創作ってことも考えるとわかりやすさも重要。
実質がAA級なのに新規クラス名は良くないよな。

結局、AAしかねーなorz
84通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 21:52:00 ID:???
金色の人乙です

しかしここの聖帝様はかなりまともだな・・・
というかラクシズ以外みんなまともに見える

ユークリッド隊と改AA級ならAAも沈められる・・・か?
85通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 22:30:24 ID:???
>84
デュランダルもジブリール以下ロゴスに比べると矢張りおかしいのでは?
どう考えたってこの状況のロゴスを単なる死の商人だといっても誰も耳
を貸さないか、貴様らのほうが虐殺を平然と行っている殺人集団だろ。と
いう感じになりそうなのだが。
86通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 23:29:39 ID:???
まあ、ドミニオンもアークエンジェルが離反した後に作られたけど
アークエンジェル級二番艦って名前だったしなぁ
87通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 23:33:56 ID:???
>>85
すまない「比較的」が抜けてたわ
議長はともかく現場レベル・・・
というかアスランがまともなんでザフトもまともに見えたというか

議長が今後どんな行動に出るか期待という事で
88通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 01:38:21 ID:???
しかしミネルバ一隻でどうこうできるもんじゃないってのはまさに正論だよなあ
無理してまでミネルバを沈める意義はそこまでないし
89通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 17:21:28 ID:???
Wスレで、アーサーらモブ3人が小遣い稼ぎにモルゲンにAA改装案売ったら
キラクスと逃亡生活するはめになって、敵になって出てきたという改AA級もいたなw
90通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 22:14:25 ID:liG7eFpt
>89
それはクロデスの方じゃなかったっけ?
9190:2008/12/05(金) 22:15:16 ID:liG7eFpt
すまんあげちまった
9290:2008/12/05(金) 22:16:07 ID:???
ほんとすまん
93通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 02:21:41 ID:???
沈まない事が前提の戦艦が紙とか…。

あれか巡洋戦艦なのか?
たしかに脚が速かったからその可能性はあるなぁ…。
94通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 23:49:23 ID:???
当たらなければどうということはないってノイマンさんが言ってた
95通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 14:53:26 ID:???
ナチュラルが乗ってたAAは至近距離からの砲撃をらくらく回避し、尚且つ超装甲だった

ザフト、真似しようとするもラミネートが作れない

ふん、くやしくないもんね!
代りに機動力を上げてやる!
カスのナチュラル如きがひらひら避けれてたんだ
優秀なコーディネーター様が運用する
AA以上の性能を持った(多分)艦なら当たる事なんてないはずだ!!!

の逆切れコンボですか?
96通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 15:23:57 ID:???
>>95
次のシーンはこの戦いの詳細を聞いた開発者がアイゴーファビョーンと面白い発言をする予感が
97通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 18:14:02 ID:???
それだと、AAの起源はプラントニダって発言に……
98通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 19:15:08 ID:???
スーパーコーディネイターの研究をしてたのはヒビキよりパトリックの方が早くスーパーコーディネイターも人口子宮もプラントが起源ニダ

パトリックは出生率向上に人口子宮の研究をしていたがヤキンで吹っ飛ばされたニダ
99通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 19:52:50 ID:???
そういやヒビキ博士ってコーディなん?
宇宙で研究してたし、スパコディ開発に入れ込んでたとこからコーディっぽくもあるけど
コーディ自体ナチュラルの作品だけど、スパコディもナチュの作だったら
コーディって優秀な開発能力は持ってないよな

歴史に残る名画5枚と名曲3曲と彫刻陶芸6点を生み出せたら撤回する
100通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 20:35:37 ID:???
>>99
キラは第一世代
101通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 20:55:21 ID:???
実子のカガリがナチュラルな時点で丸分かりだろう
102通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 21:32:32 ID:???
>>99
兵器関連だけで見ても、小型ビーム兵器やPS装甲やビームシールドやらはナチュラルが先に開発してるし
コーディだから開発能力も優秀って訳ではないっぽいな
103通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 21:38:39 ID:???
創造力は並だが、模倣力が異常に高い。Gの腕とか。
104通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 22:35:44 ID:???
>>102
優秀な技術を持つ一握りの天才より大量の凡庸な技術者のが有利なのです

1st連邦も種連合も持てる自転車より複雑な機械をつくる技術者総動員でMS開発をしてMS技術で上回る事が出来た。
105通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 22:42:14 ID:???
いま気が付いたが種一話を1stで例えると
デニム、ジーン、スレンダーがプロトガンダム、G3ガンダム、ガンキャノンとジーンが破壊したMSをそのまま脱出して中破したジーンのプロトガンダムが次の回にはFAガンダムになっているくらいの超展開だったんだな
106通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 22:53:47 ID:???
>>103
コーディって模倣から進化させるのが上手い印象だな

>>104
新規開発力はもろに資金力とマンパワーによるからなぁ
107通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 23:23:46 ID:???
>>105
では「もし種がもっと1stに似ていたら」

クルーゼは単艦でヘリオポリスの調査をするが先走ったラスティの行動でストライク以外のGが破壊されミリアリアの親が死にラスティとミゲルはキラの乗るストライクに撃破され死亡
宇宙に出たAAにクルーゼのシグーが通常の三倍のスピードで迫り「あの武器は見ていません!!」と言いニコル死亡
アルテミス付近で予備のジンを届けに来たゼルマンが老朽艦ガモフを沈められプロトジンで出て返り討ち
アルテミスに着いたらAA前艦長死亡でナタルが正式に艦長になるもクルーゼのトラップでアガメムノン級が座礁してAAはアガメムノン級をローエングリンで破壊

大気圏に突入するAAをクルーゼのヴェサリウスが強襲しストライクのミョルニルでディアッカ死亡、イザークは大気圏で燃え尽きる
ジブラルタル近くに降下したAAにアスラン率いるジブラルタルの部隊が攻撃を開始しアスランはクルーゼに謀殺され
婚約者の敵を討つ為にMS輸送機でAAに攻撃をして返り討ちに遭うラクス

現議員の子供を全員ヌッ殺したAAの討伐に虎がAAに迫る
一方、キラはラクスの言葉で親友とその婚約者と友人を皆殺しにしたと知り新兵がかかる病気に

…テラ50円
108通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 23:24:46 ID:???
だがヒビキ夫妻のどっちも金髪じゃないのにカガリが金髪というミステリー

もしも実はカガリの方が能力がナチュラルに毛が生えた程度のコーディネーターで
キラは本当はスパコディでもなんでもないただのナチュラルだったら
109通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 23:34:58 ID:???
>>108
父親のほうは金髪じゃなかったか?
歳をとると多少くすんだりするんじゃなかったっけか
110通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 01:06:01 ID:???
>>108
砂漠で半袖なカガリがナチュラルに毛が生えた程度だと?
111通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 01:40:29 ID:???
カガリはナチュラルに(2次性徴的な)毛が生えていると読めた
112通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 01:42:56 ID:???
だがあれだけ僕はコーディネーターですから、とかやめてよね^^とか言ってたのに
いざ「残念でした!あなたコーディネーターじゃなくてただのナチュラルだったの!」って
言われたらキラ+AAメンバーはどんな行動取るんだろうか
113通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 05:02:38 ID:???
「すべての面で平均的な能力を持つコーディネーター」だったりして

それはそれで凄いと思うがw
114通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 07:56:22 ID:???
>>113
技術として評価するなら、完全な平均に設定できる方がよほど凄い。
でも、スポンサーとか一般人からは全然評価して貰えない可能性大

結局、超人を作った方がウケが
115通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 10:50:49 ID:???
いや、発現する能力を完全に調節できる事の証明として、
ハイエンドモデルとローグレードモデルの標準機を作ったのかもしれんぞ。
スポンサーにアピールする為に、戦闘仕様でさ。

116通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 11:11:46 ID:???
なんとなく、キラは才能ある分野とそうでない分野で能力に極端な差があるイメージ
発現する能力を調整できる証明として、そのように偏った遺伝子調整を施した、とか
117通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 17:26:45 ID:???
確かキラはプログラミングは得意だけど、自己流でかなり無理矢理なプログラム作るらしいな
118通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 18:20:39 ID:???
>>117
これってよく言われていることみたいですけど
ソースはなんざんしょ?

というか自己流だろうがなんだろうが短時間であれだけのものを動かせる
プログラムを組めるんだから十分超天才といっていいような。

自分なんかその百分の一以下のプログラムですら今ヒーヒー言っているのにw
119通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 18:27:31 ID:???
実はあのときキラが組んだプログラムとは

↑:上
←:左
→:右
↓:下
○:ジャンプ
□:サーチ
△:射撃
×:格闘
120通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 18:45:18 ID:???
>>118
劾がオーブでキラのOSを最適化した時の
小説よ
121通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 23:26:51 ID:???
>>119
それ、何てXM3?w
122通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 23:28:48 ID:???
外伝は外伝、本編だけならって事でしょ。
123通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 00:16:00 ID:???
>>119
マリューが動かせたはずのストライクがサイだと土下座になったのは
キラがキーコンフィグ弄りまくってたからだなw
124通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 00:49:07 ID:???
たしか、種死でコーディ用に設定されたと思うストフリをさらに
いじりまわしてたから、たぶん、普通のコーディでも扱えんOSだと思うぞ。
125通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 00:51:05 ID:???
つか、コーディじゃないと扱えないOSってなんだ?
ナチュラル向けのOSとか
126通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 00:56:24 ID:???
meなんじゃね?
127通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 01:02:47 ID:???
コーディ用:DOS
ナチュ用:マッキントッシュ
ぐらいの差じゃねーの
128通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 07:33:56 ID:???
>>121
そんなレベルじゃないから、そんなレベルじゃないからw
129通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 10:58:37 ID:???
>>125
コーディ用OS・・・高度で複雑;これくらい難しくてもコーディネイターなら扱えて当然!というコンセプト
130通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 12:30:32 ID:???
操作の一つ一つがコーディでないと扱いきれないような、もの凄い操作手順で、
実質的にコーディじゃないと使えないプロテクトと化してるに違いないと言ってみる。


なお、そこまで性能が無いコーディは整備とか艦艇乗組員とか、そういう仕事に回されます。
MSパイロットと比べて格下、二流と思われているかどうかは、好きにしてくれ。
131通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 12:50:56 ID:???
アスランを運んでグラスパーに撃墜された輸送機の機長はパイロット試験を年齢を理由に落とされ仕方ないから輸送機のパイロットになった。

MSの操縦を断られる年齢から飛行機の操縦を習って機長になれるってある意味恐ろしいな…
小説版種はどっかに行ったから機長が何歳か忘れたがパトリックと同じとか書いてあったから多分、50〜60才
132通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 14:48:10 ID:???
機種転換試験のようなものを年齢理由にはねられただけだと思うのだが
133通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 15:17:42 ID:???
輸送機の機長はプラントに来る前は旅客機のパイロットだった。とか
時代設定的には有り得るしな。
134通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 16:34:13 ID:???
>>122
モーションに痛いバグがあるのは本編でも描写されてるぞ
135通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 18:28:54 ID:???
>>132
戦争に余裕があるのに、年齢の高い人間とかとる理由はないからな。
コーディの高年齢層(=初期コーディ)は貴重だろうし。

でも、まだまだ大人と言えない年齢のアスランとか戦争してるのは、プラントの年齢別人口構成がいびつだからかもしれない……
136通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 18:43:07 ID:???
後に作られたコーディの方が技術の向上でスペック高いからじゃねーの?
137通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 19:51:20 ID:???
しかし、本編にそんな物凄い操作をしている描写は一切ナシ
フルバースト時に至っては視線すら動いていないから、自分で標的をロックしているとは思えない
凄いのはOSの書き換え(とされる)場面くらいか?
なお、高速なタイピングはコーディネーターでなければ不可能だそうな
CE世界の人間は総じてスペックが低いようだ・・・
138通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 20:24:23 ID:???
第一世代は二つに分けられる

ブームの頃に生まれまくった能力にばらつきがある一般コーディ
アスラン父とかは金かけてる特別なコーディ



139通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 20:24:35 ID:???
輸送機の親父さんは血のバレンタインで「自分も何かの役にたちたい」と志願した組でアスランのイージス輸送任務に誇りを持っていた
そして、バカガリに撃墜されるもバカガリを撃墜し爆砕した




しかし、それがアスランの蝙蝠伝説のきっかけになってしまうのであった。
140通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 20:28:29 ID:???
アスランの所為で死んでも死に切れない人達が……

ニコルのパパン&ママンとか
141通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 20:38:18 ID:???
>>138
特別なコーディはジョージグレンを作った連中が遺伝子操作を行って製作。ジョージグレンは完成サンプル。
一般のコーディはジョージグレンの情報を元に適当に値段付けて遺伝子操作して製作。

こんな感じかな?
142通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 20:42:11 ID:???
>>140
ニコルのパパンはラクスの所為ともいえる
143通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 21:01:20 ID:???
>>137
それに別に操作中に高速タイプって必要じゃないよな。
揺れるし刻々と変化する戦場で一々コンソールから打ってたらどんなに高速でもおっつかん。
時間かかってもいいから戦場外で必要操作量を最少にするようプログラムやマクロを作り込んでおく方がよっぽどいい。
なんか微妙な自尊心の満足のためにわざと未完成なプログラム使ってるんじゃなかろうかと邪推してしまう。
新兵器を容易に相手に扱わせないと言う意味では戦略としては間違っちゃいないんだが、
そのための手段がなんだか非常に的外れと言ったらいいか。
144通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 21:49:37 ID:???
キラのタイピング音からすると、確かに高速だが、その手の職種の人間ならば普通に出来るレベル
しかしCEの世界でうっかりこれをやると、コーディネーターという事がバレるそうな(小説版アストレイより)
そういう世界のOSを我々の常識で推し量ってよいものか?
145通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 22:09:40 ID:FVo1FBYi
速度はともかく、より完成度の高いOSを組めるのはシンの方だったりする
まあ原作(高山版)の話だが
146通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 22:13:06 ID:???

キラ=池田犬作
147通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 22:25:51 ID:???
キラさんはコクピットにいながら接地圧を変更できる超人ですぜ
148通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 22:41:45 ID:???
>>145
そうか、やっぱい原作ありアニメは地雷が多いんだな
149通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 22:52:21 ID:???
ドラマCDでキラは裏技ハックが得意という話があったな。
150通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:00:43 ID:???
スーパーハカーw
151通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:05:03 ID:???
>>140
あれ?ニコルパパって死んだっけ?
ママがニコルのピアノの前で泣いてるのは見たが
152通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:06:03 ID:???
>>149
ってか、キラの趣味が公式でハッキングだった気がするんだが
153通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:14:52 ID:NnS8uZwg
>>151
無印の時点では自由&正義強奪に絶望して自殺、の予定だったんだけど種死では設定が変わって生存になった
何故か裏切り者の凸に生前のニコルの演奏が入ったCDを渡して、涙を流しながら感謝するパパンがいた

あれ、これ何て洗の(r
154通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:18:01 ID:???
>>151
死んでるかは知らんが、息子のような犠牲をこれ以上出したくないという想いで作った新型機は
息子を殺した張本人に好き勝手に乗り回されてるな
155通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:19:28 ID:???
>>153
CD渡すシーンなんてあったのか…w


そういやイザークって民族文化の研究だかが趣味だけど、ユニウス落としで
遺跡とか破壊されたことにイザークが何か言うようなシーンがある作品って今まであったっけか
156通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:26:43 ID:???
ニコルのご両親かわいそうに…泣けてきた
もしミーアの代わりにラクスが死んでいたらか何かの話でニコルのお母さんがキラに対してその事を言及してたな
157通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:45:29 ID:???
ニコルのお母さんの話はルナifだった。すまん
ミーアと一緒に出てきてたからごっちゃになってた
158通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 00:03:13 ID:???
>>153
し…知らんかった……てっきり自殺が公式だと思い込んでたのに
ある意味ムウ生存よりむごくないですかソレ。
ガロードinCEだと、対自由シミュ中に凸が文句つけに来て追い返される場面でレイが
「息子を失った悲しみで作り上げた自由をその息子の仇に乗り回されるとは
  自殺したアマルフィ氏も死んでも死に切れますまいお気の毒に」
とまで言い放たせてたもんだが…
159通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 00:17:52 ID:???
>>153
惨いなそれ……
洗脳って言葉よりおぞましい何かというか……
160通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 07:27:25 ID:???
イザークの民族文化研究ってのがありえないんだよな。
アレだけナチュラルを嫌っていてなんでナチュラルの民族文化を研究できるんだ?
161通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 07:44:24 ID:???
>>153
死人の尊厳すら奪っていくのか
162通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 07:56:18 ID:???
>>160
過去の偉人の名前をフネに使うような連中ですよ。
ダブスタ極まりない。

過去の文化を「徹底的に劣ってる!コーディの居ない人類の暗黒時代は酷かった!」と貶す研究でもやってるのかと疑ってみるか?
163通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 09:31:11 ID:???
》162
〉ダブスタ
どこぞの国の人が
「日本人シネ!日本のアニメはイキロ」
とか言うのと同じだろ。
俺らだって
「負債シネ!シンはイキロ」
とか言うことあるし。
そんなに変わんねーよ
CEもこっちも人間なんてさ。
164通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 09:55:51 ID:???
>>162
いや、ナチュラル差別と、過去の歴史否定は関係ない

・過去の偉人達が作った人類発展の輝かしい歴史
・歴史の積み重ねの果て、ついに人類の進化型コーディ誕生
・コーディこそ、過去の歴史を引き継ぎ発展させる超人類
・進化に取り残されたナチュラルは言わばサル

こういう歴史観だから、土台である過去は否定されないわけだ

ついで言うと、民族文化と過去の文化はイコールじゃないぞ
165通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 12:11:09 ID:???
その過去の歴史や文化を築いてきたのは一人残らずナチュラルなわけだが。
それらと今自分が生きてる現在のナチュだけを都合よく切り分けるのは…
これなら地球占領後に歴史文化の破壊焚書に乗り出したグラドス人の方がまだ筋が通っておるわ。
166通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 12:23:46 ID:???
他スレでクローンラクスネタ見たら、無性にバカピンクの続き読みたくなったわ|ω・`)
167通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 12:25:37 ID:???
>>160
余所だとイザークは「力ある魔術書?それならあるお」とか言い出したり議員になってからは「新生ジュール隊は東アジアの巨人伝説を調べに五島列島に向かえ!!」とか言い出す困った人に
168通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 12:53:15 ID:???
>>167
ん?あれこれ逆襲のギガンティ(ry
169通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 17:38:26 ID:???
>>168
逆襲のドアンザク
170通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 17:52:20 ID:???
黄金のハイパーモードになって岩を投げMSを蹴り飛ばすんですね、わかります
「敵艦からモビルスーツの発進を確認!」
「八式弾の中を……掻い潜って来ます!」
「ちっ。あの2機か!」
ミネルバから出撃してきたのがセイバーとインパルスである事を確認するとユウナは舌打ちした。
「八式弾砲撃中止、迎撃用意、攻撃隊発進せよ! ミネルバの周囲の艦艇を叩け!」
「了解!」
「護衛艦は有線大型対艦ミサイルでの攻撃に移れ!」


「2時方向上空にオーブ軍ムラサメ9!」
「レイとマユを出して。トリスタン、イゾルデ照準左舷敵艦群!」
「はい!」
「まだあの空母がいるはずよ。索敵急げ!」
「はい!」


「またモビルスーツを出してきたか……ん? あれは!」
ユウナはグゥルに乗ったザクである事を確認する。
「攻撃隊に退避命令を出せ! 敵艦に八式弾一斉射!」


再びミネルバに八式弾が襲い掛かる!

「きゃあ!」
『大丈夫!?』
ルナマリアから通信が入る。
「馬鹿! こっちに気を取られるな! ……無事か!? マユ!」
「なんとかね……ちょっち被弾したけど、まだ動けるわ!」
マユはレイに答える。
八式弾にグゥルを破壊された二人はミネルバの甲板に降り立つ。
「まだまだ! 負けないわよ!」

「ちっ」
タリアは舌打ちした。
「甲板に落ちたならしょうがないわ。マユとレイのザク、ミネルバとエネルギー直結準備! 防空に当たらせて!」
「はっ」
「これ以上自己鍛造弾を撃たせるな! インパルスとセイバーには敵機をこちらに誘導するように言って! 敵機を
盾にするのよ!」
「はっ」

「トリスタン、イゾルデ、てぇ!」
アーサーがもう何度か数え切れない台詞を叫ぶ。
一機のムラサメが射線に当たり、海上にその残骸を撒き散らす。
「グレートシトキン、パブロフ、トライデント、セントオーガスチン、レダウトおよびカトマイ浮上! 各艦よりバビ隊発
進しました」
すべてボズゴロフ級潜水艦だ。彼らの護衛はありがたかったが、逆にミネルバの行動を縛ってもいた。
ミネルバだけなら高空を飛んで逃げられたかもしれない。だが今はそんな事を考えている場合ではなかった。
「9時方向よりオーブ艦群、更に接近!」
「アーサー、対艦ミサイル。レイとマユにも牽制させて。余裕が出来たらエネルギーをミネルバと直結させるのを忘
れずに!」
「はい!」
「クレタを基点に挟むつもりね。はぁまずいわ。転進しても、もう一方に追い込まれる……グーン隊を出すように要請
して! 下から攻めて突破するのよ」
「グルジア所属の護衛艦群、上甲板に深刻なダメージとの事!」
「はぁ、仕方ないわね、撤退させて」
「はい……『幸運を祈る』との事です」


「ソコワダツミ、ミサイル発射口被弾」
「クラミズハ、前へ出ます」
「目標、針路を二四○に転進」
「意外とボズゴロフ級の数が多いな。これは手ごわいぞ」
「はい、ユウナ様」
「防空隊は例の敵モビルスーツ2機を牽制できているな」
ユウナは言った。
「はい。その後発進した別の敵飛行モビルスーツ群には別の隊を当たらせています……あ、地球軍艦艇より防空
隊モビルスーツの発進確認しました」
「それでいい。今のまま牽制に専念させろ。くれぐれも、色気を出させるなよ。八式弾を掻い潜って出撃してきた奴等
だ。あれは特注品だぞ。機体も、パイロットも」
「はっ」
「八式弾はまだあるな」
「あるはずです」
「もったいないな。一部の護衛艦を、迂回させろ。八式弾を叩き込むんだ」
「しかし……この艦の防御が」
「この艦はムラサメで守る! 後方にいるんだ。稀な攻撃位回避して見せろ!」


「とうとう始まったなぁ」
ジェスがミリアリアに言う。
「ええ。でも、モビルスーツから戦闘を見るなんて初めて」
『ほいほい前に出て行くんじゃないぞ』
カイトから通信が入る。
「はいはい」


「右舷後方、上空よりムラサメ12!」
「取り付かせるな! 撃ち落とせ!」
「はい!」
ここでタリアは最後の予備兵力を出す決断をする。
「敵機がここまで接近してきたならもう自己鍛造弾はない! グフ、バビ、発進させて! ゲイルのザクもガナー
ウィザード装備、エネルギー供給ミネルバと繋いで甲板に上がらせて!」
「はい!」

「お前らいい気になるんじゃないよ!」
発進したグフが、ドラウプニルを連射する。降下体勢に入ったムラサメが被弾する。
「さて、どうするかな」
バビに乗ったショーンはつぶやいた。
「なんも指示がないとなぁ。俺にはハイネほどの腕はない。単独行動は危険だな。ま、ハイネの援護でもするか」
ショーンはハイネの後方に陣取った。


「奴等のモビルスーツはほっとけ。防空隊の連中に任せて我等はミネルバを!」
攻撃隊の馬場は叫んだ。
「馬場一尉!」
「あれさえ落とせば全て終わる!」
「は!」

「トダカ一佐、別働隊より水中に感ありとの報告! 反応約50! モビルスーツの模様!」
「くっ! 数が多すぎる! 護衛艦を分離させるべきではなかったか?」
トダカは焦る。
「……水中電話は使えるな? トダカ?」
ユウナは落ち着いた様子で言った。
「はっ。しかしあんな物で何を?」
「いいから僕のマイクと繋いでくれ」
「はぁ」
マイクが繋がった事を確認するとユウナは言葉を発する。
「こちらはユウナ・ロマ・セイラン。ブラウ・サロン応答せよ」
古い時代の水中電話特有のくぐもった声でなく、デジタル復調されたクリアな声で応答が返ってくる。
『こちらブラウ・サロン。符丁を確認する』
「了解した」
『K―113203』
「Y−432210」
 それからまた沈黙。そして通信が入る。
『了解。そちらをユウナ・ロマ・セイランと確認』
「良し、ザフトの水中用モビルスーツらしき物約50、展開中だ。叩けるな?」
『了解』
通話は終わった。
「……今のは?」
トダカが疑問符が顔に付いたような口調で尋ねる。
ユウナは肩をすくめていたずらっぽく答えた。
「なに、オーブの秘密兵器さ」

「セイバー、インパルスは?」
タリアが尋ねる。
「共に敵機10機余りと戦闘中!」

「艦長!」
降下してくるムラサメ隊を見てアーサーが叫ぶ。
「取り舵いっぱい! 機関最大!」
ミネルバと繋がり、エネルギー切れの心配の無いガナーウィザード装備ザクのオルトロス高エネルギー長射程
ビーム砲からビームが連射される!
2機のムラサメが被弾する!

「はあぁぁぁっ!!」
ムラサメ隊からミサイルが放たれる!

そのミサイルが――一斉に爆発した。

「なに?」

「オーブ軍! ただちに戦闘を停止して軍を退け!」
天空から、フリーダムが舞い降りた。

アークエンジェルが、海中から上昇してくる。オーブ軍艦艇の前に主砲を撃ち、進路を妨げる。

「オーブはこんな戦いをしてはいけないんだ! これでは何も守れはしない! 地球軍の言いなりになるな! 
オーブの理念を思い出すんだ!」


一瞬、オーブ軍の手が止まる。
「ちゃーんす!」
ルナマリアは一気に反撃に転じた。
「いい気になるんじゃないわよ!」
たちまち数機のムラサメを叩き落す!
ムラサメの包囲網を突破する!
「艦長! 私が道を開きます!」

「了解、気をつけてね。アークエンジェル、フリーダムは攻撃されない限り攻撃するな。今はこれ以上敵を増やした
くない!」

「いっくわよー!」
セイバーは逆落としにオーブ護衛艦に突き進む。大出力プラズマ砲をぶち込む!
海面すれすれで引き起こし、隣の護衛艦へとまたプラズマ砲を叩き込む!


「ああ!」
カガリはオーブ艦がやられる光景に呻き声を上げた。ドラッグのフラッシュバックのように視界が歪み、めまいがして
前に倒れかかる。
その身体を脇から支える手がある。
「大丈夫か!?」
「あ、ああ。ユウナ。すまん」
カガリはぎりっと歯噛みをするとスクリーンを睨みつける。
そこでは、ザフトの赤いモビルスーツが次々にオーブ別働隊を攻撃していた。
だるい……
ふいに倦怠感が襲って来る。リタリンで押さえていた覚醒剤の禁断症状が現れてきたようだ。
負けるか!
カガリはフリスクと頓服のリタリンとL-チロシンのカプセルを口の中に放り込み、噛み砕く。苦さと痛いほどの爽やか
さが口の中に広がる。


「ルナ! 援護する! 思いっきりやれ! 艦橋を潰せ!」
うるさく付きまとっていたムラサメを撃破して包囲網を抜けたアスランが叫ぶ。
「任せてください!」
アスランの言葉にルナマリアは勇気100倍! アスランの援護に万全の信頼を置き、後ろの心配をする事無しに、
目の前の護衛艦の艦橋に向かって大出力プラズマ砲をぶち込み! 護衛艦は内部から破裂したように艦橋が吹
き飛んだ。

「あ……」
キラはセイバーに向かってフルバーストする。
しかし大気圏内での空中戦・それに伴う砲撃戦に特化しているセイバーはそれを避け、セイバーはクレタ島西岸か
ら回りこんできた護衛艦にプラズマ砲を叩き込み続ける。

「道が開いた! 全速全進! 僚艦にも伝えて!」
タリアは叫ぶ。

「あいつ……!」
キラは眉をひそめ、スラスターを全開にしてセイバーを追う。
「やめろキラ!」
そこに、インパルスが飛び込んできた。
「アスラン!」
「こんな事はやめろと、オーブへ戻れと言ったはずだ!」
「……」
キラは無言で答えた。
アークエンジェルがオーブヘ戻れない事情など、アスランは知らない。


「あれ……あのモビルスーツ、キラとアスランだ……」
戦いを見ていたミリアリアがつぶやく。
「なんだって!? 前戦役時の英雄か?」
「ええ……」
「なんでまた戦う事に……」

「カガリ様……あれは……」
トダカが観戦しているカガリに尋ねる。
「ほっとけ」
少し怒りの混じった声でカガリは応じる。キラの言葉のせいで、ザフトのモビルスーツの逆檄をくらいムラサメが落
とされたのだ。オーブの軍艦がやられたのだ。オーブ国民が死んだのだ。それもこれも……
「くそう、今は力が無い。だが……ラクスの野郎、いつか必ず……ぶっ飛ばす!」

「うおぉぉぉーーー!」
キラがアスランに拘束されている隙に。
ムラサメ隊がミネルバに向かってミサイルを発射する。
彼らが機首を返したのと同時に、ようやく迂回に成功した護衛艦群が八式弾を連射する!

「きゃあ!」
甲板上のザクに着弾する。
「マユ! ゲイル!」
ミネルバも八式弾の着弾に揺れた。

その時、アークエンジェルの主砲がミネルバとムラサメ隊の間をなぎ払う。護衛艦群の進路を邪魔するように海上
目掛けてリニアカノンが放たれる!

「本格的に邪魔に入るねぇ。潮時かな」
ユウナはむっつりと言った。
「残念ですが。潮時でしょうな」
トダカが応じる。
「攻撃隊下がらせて。別働隊、敵艦隊と距離を取らせろ」
「はっ」


「下がれキラ! お前の力はただ戦場を混乱させるだけだ!」
アスランはキラと対峙した。
「アスラン! カガリのした事を無駄だって言うの?」
「仕掛けてきているのは地球軍だ! ならなにか!? お前達はミネルバに沈めと言うのか!!」
「どうして君は!」
「『どうして君は』の後はなんなんだ! 意味のある事が言えるなら言ってみろ! まともな反論が出来るならしてみろよ!」
「なんで君は!」
「だからその後の台詞はなんなんだ! どうせ言えやしないだろう! 意味のある事なんか! だから戻れと言っ
た! 討ちたくないと言いながらなんだお前は!!」
「分かるけど……君の言うこともわかるけど……でもカガリは、今きっと泣いているんだ!」
「はぁ!?」
「こんな事になるのが嫌で、今きっと泣いているんだぞ! あのオーブ艦隊の中で! 何故君はそれが分からない
! なのにこの戦闘もこの犠牲も仕方がない事だって、全てオーブとカガリのせいだって、そう言って君は討つのか!
 今カガリが守ろうとしているものを!」
「カガリの名前を出すな! 結局お前はお前の祖国を、オーブを優先的に守りたいだけじゃないか! 男がピーシャカ
喚くな! お前がザフトを討つと言うなら……!」
アスランの目が光った。
「なら僕は君を討つ!」
「俺はお前を討つ!」
二つの機体がぶつかった。
キラは思った。
このアスランの攻撃は!
手加減できない――!
まだ死ねない!
キラは無意識にインパルスの胴体を狙った!
「――!」
ふいに、アスランを取り巻く世界が遅くなる。
フリーダムのまだほんのわずかな動き。だが……
「軌跡が見える!」
アスランは一瞬でキラの意図を把握した。
咄嗟にインパルスの下半身を切り離す! 重量が軽くなったインパルスの上半身はフリーダムのビームサーベル
を下にかわし、フリーダムの両腕を切り裂いた!
「あ……?」
キラは呆然とした。信じられなかった。フリーダムが、自分が、アスランに負ける事など。

「アスラン!」
その時、セイバーが下から上昇してプラズマ砲を打ち上げてきた。
虚を突かれフリーダムの脚が撃ち抜かれ飛散する!
「くっ、脚なんか飾りだ!」
キラは気を取り直した。
スラスターを全開にして急上昇すると、フルバーストで牽制しながらアークエンジェルの方へ帰還していった。

「アスラン! 大丈夫ですか!?」
「ああ」
アスランは再びインパルスの上半身と下半身を合体させる。
「さあ、ミネルバは敵陣を突破したようだ。俺達も帰ろう、ルナ」
「はい!」
『これはどう言う事ですかな』
ユウナはネオに尋ねてきた。
戦いが終わった周囲では地球軍艦隊とオーブ艦隊の救助作業が行われている。
『地球軍がもっと気を入れて攻撃してくれていれば、敵艦を撃沈できたかも知れないのに。あなた方は防衛してい
ただけのようですが? そう見えたのは私の気のせいですかね?』
少し怒りの混じった声でユウナは尋ねた。
ネオは唇を吊り上げた。
「正直に言いましょう。前回の行動から考えて、オーブ軍に全幅の信頼を置けなかった。それだけですよ。それに、
こちらは元々ミネルバが沈もうが逃れようがかまわない戦いだったのでね、あなた方と違って」
『――!』
ネオの言葉に込められた意味をユウナは察した。この戦いは、オーブにとって身の証を立てなければならない戦い
だったと言う事だった。地球軍の信頼を得るために。
「いやぁ、しかし、あなた方はこうしてザフトと戦う意思を明確に示してくださった。信頼していますよ。今は、ね」
『くっ』
「ああ、アスハ代表のご助言の通り、アークエンジェルを攻撃せずに無駄な損害を出さずに済みました。お礼申し
上げます。オーブの諸君の活躍、黒海の奪回の折にも頼りにしてますよ。では」
ネオは通信を切った。
「ふふん。まぁ我が軍には損害は少なかったし、まぁまぁかな?」
「お人が悪い事で」
J.P.ジョーンズの艦長が笑った。
「しょうがないだろう? 損害を抑えよ、とのジブリール殿のご命令だったんだから。まぁ、オーブ艦隊はスエズに
戻ったらしっかり修理してやるさ」


「キラ! キラ君! どうしたの!?」
コクピットから降りてこようとしないキラを気遣ってマリューが声をかける。
「アスランが……本気で僕を殺そうとした……許せない……」
キラはコクピットの中でガタガタ震えていた。その顔は恐怖と怒りの表情だった。
続く
180通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 18:31:39 ID:???
キラの反応が微妙

変わりすぎ
181通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 19:04:30 ID:???
>>180
何言ってんだ、原作と一緒だろ
182通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 19:26:12 ID:???
収拾付かなくなりつつ無いかい?
183通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 19:29:19 ID:???


逆ギレで不殺撤回ktkr
キラはともかく、AAはザフトの味方しかしてないような気がするが、
これは裏切り者のカガリを許さないという奴なんじゃ……
184通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 19:31:10 ID:???
もともと金色の〜のキラは病んでるんだぞ
それに最強だと思ってた自分+フリーダムが下に見ていたアスランにやられたんだ
プライド傷付けられてぶち切れフラグじゃないか

にしてもフリスクwwwwwww
185通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 20:38:32 ID:bOvla8jH
>>180
確かに反応が違うな





こっちの方が原作より人間味がある
これが負債が描いたキラだったら、「アスラン…どうして分かってくれないんだ……そうであるなら僕は!」とか、
ブツブツ電波垂れ流しながら表面上は迷ってるフリして静かに殺意を燃やすよ
186通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 20:52:59 ID:???
まあ、そもそも凸が変わりすぎだがw
187通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 21:27:52 ID:???
凸をここまで変えるんならキラも「ちゃんと述語をしゃべれる人間」
にして欲しかった気もするが、まあ今後のキラに期待
188通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 21:38:40 ID:bOvla8jH
金色はシンがショタっ子だから、その分まで凸とカガリに頑張ってもらうしかない
189通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 21:51:21 ID:???
いやいやここはルナとマユにだな
190通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 23:31:38 ID:???
もし種、種死のMSをSDサイズにしてSDガンダムをやったら

悪のMS軍団の手から世界の人々を守るガンダムズ、真面目なリーダーν、
Z先輩と共に主役チームを担う新入りデスティニー
今日も敵のアジトを一つ潰して束の間の平和を謳歌していた主役チーム
そこでデスティニーが勇気を出して恋するガイアちゃんに告ろうとするが
敵MS軍団のひとりに割り込まれ、ガイアちゃんはさらわれ主役チームは敗北、涙に暮れるデスティニー
191通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 00:20:01 ID:???
ガイアちゃんにはインパルスじゃね?それかカオス
カオスのガイア抱っこが今も忘れられないw
192通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 01:27:44 ID:???
フルカラー劇場か?

スレチだがフルカラー劇場ってボンボン終了とともに連載終了だっけ?
193通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 08:13:58 ID:???
なんかの雑誌に他の漫画と移ったと聞いた
194通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 12:12:43 ID:???
もしもシンの性格が楽俊だったら
さぞかし出来た人間で議長も舌を巻くほどのインテリキャラになってたろうな、と
十二国記読みなおしてて思った
195通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 13:54:53 ID:???
全裸で主人公(女)に抱きつくあの楽俊ですか
196通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 14:06:21 ID:???
楽俊はインテリキャラのわりにそんなにインテリだって思わせないのが良い
外伝読むとかなり勉強してるってのわかるんだが

シンが楽俊ならアスランは玄狼真君か
197通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 14:42:57 ID:???
ヤクの禁断症状対策にフリスクてw
凄い発想だな
198通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 17:43:50 ID:???
フリスクスレのネタだと!?
199通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 17:52:07 ID:???
もしも種死が

ボンボン版Vガンダム
あるいは
ボンボン版餓狼伝説

の、ノリだったら
200通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 17:54:40 ID:???
>ボンボン版V
一瞬、某カテ公が出てくる漫画が思い浮かんだ件
そして、その心は?
201通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 17:59:00 ID:???
>>200
キラ様が、リアルなナイトガンダムみてーなMSに乗って大暴れです
202通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 18:18:22 ID:???
どっひゃーコロニーに大穴あいちまった
とか
必殺!フェイズシフトパンチ!
とか
アーマーシュナイダーで三枚下ろしにしてやる
とかそんなかんじ
203通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 20:53:50 ID:???
アロンダイトV字斬か…
ユニウス落下の時はありったけのビームサーベルを束ねてみたらどうだろう!
とか言いそうだな
204通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 21:18:54 ID:???
もし種をボンボン版ロックマンXのノリでやったら

キラは最初はザフトのB級コーディでありながら同胞のナチュ狩りを目の当たりにして「お前も撃てよ」とけしかけられた後
同胞を撃つ、かな?
205通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 22:37:01 ID:???
ボンボン版ロックマンXってそんなだったんだっけか
206通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 02:07:08 ID:RwVNVo0L
シン「そいつら(連合の連中)はせいいっぱい闘った…… なにもはずべきところはねぇ
   自分の手をよごさぬ闘いをしかけたてめぇ(キラ)こそ闘士じゃねぇだろ
   なにが不殺だ てめぇの不殺はでたらめだよ
   うっお―――っ!! くっあ―――っ!! ざけんな―――っ!
   こいつ(チェストフライヤー)の使い道はまだあるぜ――っ!!
   てめぇ… なめとんのか? MS戦に理屈はいらねぇ! 魂のはいったエクスカリバーなら―― どんなもんでも打ちぬくぜーっ!!!!」

キラ「シ……シン  てめえ…… てめえよくもラクスにもらったフリーダムを……わたしは許しませんよーっ!」
207通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 02:29:28 ID:???
Xがアルティメットアーマー手に入れてイっちゃったやつしか覚えてないな
208通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 02:37:14 ID:???
ラストが1クールのEDの背景のような展開になる
種と種運命
209通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 05:33:39 ID:???
>>208
荒れ果てた大地
ボロボロになったMSに戦艦
世界の終わり(っぽい)ってことか
まさに戦後があんな感じなのでは?
210通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 05:43:20 ID:???
あれはED詐欺だったなぁ
途中からキャラも時系列もばらばらの異空間のEDになったし
211通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 08:30:15 ID:???
>>209
ラクスの手の上で踊るミーアとか
212通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 09:15:31 ID:wXbsmkKb
>>206
機動戦士ガンダムシードサニー
213通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 19:19:18 ID:???
>>208
ラストが種死3クールEDのような展開になる種と種死ってのはどうだ?
メインキャラが誰も死なず、皆が仲良くなって終わる
214通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 19:25:21 ID:G2g0kTL+
>>213
むしろ全員死亡&地球圏滅亡で別の星に転生する…事もできず、
魂になってさえ憎しみあって争い続ける無間地獄
215通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 22:31:45 ID:???
>>202
サトー隊長が何か勘違いした和室で

「心得た」

ですね?
216通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 22:51:35 ID:???
>>212
サニーパンチ乙
217通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 23:44:06 ID:???
>>213
むしろ最初から戦争なんて起こさなければいいんじゃね?
もし本編通りの内容でラストだけ変えるとするなら議長に頑張っていただいて
テロメア大丈夫にする薬と適応者でなくとも子供が出来る薬を作ってもらえば何とかなりそうな気もしないでもない
クルーゼが何とかなれば他は自然に仲良くなれそうな気がする
218通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 00:30:13 ID:???
笑う仮面のクルーゼなら…
219通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 02:26:35 ID:???
>>206
シンがテリーでレイがアンディだとして…誰がパンツ男になるんだ?
アスラン?
220通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 15:22:53 ID:???
パンツ男はイメージトレーニングと十分な休養でパワーアップする男……。
221通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 21:09:49 ID:???
もし種キャラでレイズナーをやったら

ヘリポリの見学にやって来た大西洋連合からの留学生サイ達はザフトMSの襲撃を受けるも
ザフトから持ち逃げしたストライクを駆るキラに助けられて「地球は狙われてる」と言われるんだろうか
222通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 22:53:14 ID:kO0GFufi
他スレのSSだが「VL-MAX発動!」ってネタがあって吹いたw
223通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 06:30:36 ID:???
ふんぐる いむぐる うなふ
くとぅるふ るるいえ うが・なぐる ふたぐん
224通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 09:06:43 ID:???
>>221
ということは同じメガネとしてサイが『敵を欺くにはまず味方から』をやるんだな?
225通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 09:08:14 ID:???
>>221
疑われる上に殴られるキラの姿を見て腐女子発狂



…主人公が酷い目に遭うBL物なんて掃いて捨てるほどあるのに、なぜSEEDの
キラだけはあんな大事にされてるんだろw
226通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 11:02:39 ID:???
凸にヤラれまくってるだろw
227通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 13:16:53 ID:???
キラ=エイジ
トール=デビット
ミリアリア=シモーヌ
サイ=ロアン
フレイ=アンナ
カズイ=アーサー(笑)
カガリ=穿いてない
アスラン=ゲイ先輩

あれ?違和感が・・・
228通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 14:59:58 ID:???
シモーヌはあれで一応良家のお嬢だしミリィとフレイを入れ替えるべきでは。
あとエリザベス先生は嫌だけど魔乳として問題は、ゴステロをどうするかだ。
早い段階でキラが手にかけたミゲルにするか、傷を食らって凶暴化する遺作がいいか…
229通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 18:00:08 ID:???
キラ「え!ぼ、僕がガンダムのパイロットに!?」
ttp://jfk.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1229102514/

vipで今やってるコレ結構面白い
230通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 19:02:33 ID:???
すげぇクオリティたけぇwwwwwwwww

サイ良い奴だな
231通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 03:27:43 ID:???
何かノリがキラ様と似てる
232通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 03:42:54 ID:???
1スレ目は終わって2スレ目に突入したな
これはまとめスレに納めるべきクオリティ
233通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 06:35:25 ID:???
畑違い……ってわけでもないけど
別の板なんで、一応向こうの作者さんに了解取った方がよくね?
234通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 07:33:57 ID:???
vipは基本一期一会だろjk…
235通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 12:11:58 ID:???
ノリは確かにキラ様に似てるとオモタ
しかしいいテンションだw
236通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 00:01:17 ID:???
キラ「え!ぼ、僕がガンダムのパイロットに!?」
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1229276126/

続ききてるー
237通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 06:39:47 ID:???
もう勝手に載せていいんじゃないだろうか
vip系のまとめサイトもよくあるし
238通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 11:59:22 ID:???
ググってみたら一応まとめてあるブログがあったな。
まあvipにもやるおシリーズみたいなまとめサイトは複数あるし、
一応新シャアのまとめであることを断った上で載せるのが適切じゃないか?
239通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 12:11:14 ID:???
ここでまとめたよって事後承諾にしつつアドレスはっときゃいんでね?
240通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 12:28:37 ID:???
VIPは、そういった収録に対して怒る奴もいるから、事後承諾は危険だぞ
普通に考えても、別板からしゃしゃり出てきて勝手な事をされたら不快だろう

作者には許可を得ておけよ
241通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 17:47:53 ID:???
新シャアから来たがまとめていい?とは書いたんだがスルーされたんだよなぁ
242通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 17:57:24 ID:???
せめて作者がいる時間を狙うべきだったな。
243通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 18:00:20 ID:???
今も書き込んでる人いるけど向こうの作者がいる時間帯に
書き込みなおしたほうがいいんじゃね?  
ついでにまとめWikiのUrlも貼って、ここにまとめたいって書いたほうがよさげ
「では行こうじゃねえか。お行儀よくな、おめえら」
地球軍のコンドラチェンコ大佐が言った。
周囲から笑い声が起こる。
ガルナハンで何が起こったかは既に地球軍に知らされていた。
誰もがガルナハンで虐殺された戦友の仇を取りたがっている。
カスピ海のトルクメニスタン沿岸から次々とジェットストライカーを付けたダガーLを主力としたモビルスーツ隊が発
進していく。
その後を武装した兵員を乗せたヘリコプターが追う。
……
「第一小隊、準備良し」
「第二小隊、準備良し!」
「第三小隊……」
程なく。
暗闇の中、モビルスーツ隊はガルナハンを包囲した。
「降伏勧告をしろ。一応な」
「はっ」
スピーカーからガルナハンに向かって降伏勧告がなされる。
『ガルナハン住民に告ぐ! 先に行われた地球軍兵士虐殺の犯人、テロリストどもを引き立てて連れて来い! 
そうすれば残りの住民には寛大なる措置を約束する。一時間待つ――』
その時、ガルナハンから一斉に銃撃の音が起こった。バズーカの音も聞こえてくる。
「ガルナハンの馬鹿野郎どもが! 攻撃開始!」
「「了解!」」
何機かのダガーLは飛び立ち、空中からロケット弾を浴びせる。
地上からはモビルスーツの援護で歩兵が地歩を固めていく。
わらわらと町の住人らしき者が銃を手に向かってくるが、スローターダガーの足の甲部に内蔵された50口径12.5mm
の対歩兵用機関砲が火を吹き、彼らを掃討する。
「大佐! 子供が銃を持って撃っております!」
「潰せ」
「はっ、あの……」
「子供だろうが銃を手に取って向かってきたら敵だよ、少尉。子供でも立派なテロリストだ。彼らの勇敢な心に報いる
には、弾丸を持って報いるしか俺は知らん」
「はっ」
「……ゲリラ戦なぞやる方が悪いんだ。民間人に多大な被害が出るのは当たり前だ。もし無実の者がいたならゲリ
ラを恨め!」
そう言うとコンドラチェンコ大佐は夜明けの光の中を、そろそろ終盤に入った掃討作戦の指揮を執るために飛び立った。
……
この日、ガルナハンの町は崩壊した。生存者は当時の住人の1/5だったと言う。
その中にコニール・アルメダと言う少女の名前があったかは定かではない。
生き残った住人達はロシアの奥地へ強制移住を余儀なくされた。
ガルナハンの町には、寒冷なロシアの奥地から、エイプリルフール・クライシスに耐え抜いた者達が移住して来、
明るい顔でガルナハンの町の再建に取り組み始めた。


「メインエンジンに深刻な損傷はありません。ですが火器と船体にはかなりのダメージを負いました」
アーサーがタリアに報告する。
「ふぅ、所詮は試験艦……か。もうちょっと装甲に気を配ってもらいたかったわね。いくら機動力に優れると言っても
砲のスピードに対抗できやしないのだから」
ここはギリシャのイオニア海に接する西側の岩陰である。ここにミネルバとボゴスロフ級の7隻は息を潜めていた。
「モビルスーツもウォーリア2機が大破、ファントムが中破と厳しい状況です。ボゴスロフ級の方も半数のモビルスー
ツがやられたとか。バビに……水中でも、データに無い巨大なモビルアーマーらしき物と真ん丸いモビルスーツ群
に撃退されたと。敵の新型でしょうか?」
「はぁ、新型、か。景気がいいことね、地球軍も。ジブラルタルまでもうあと僅かだというのに。またここで修理と言う
のは辛いけど、仕方ないわね」
「はあ……」
「毎度毎度後味の悪い戦闘だわ。敗退した訳でもないのに」
「……」
「対空、対潜警戒は厳に。あとお願いね」
「はっ」

「じゃあ結局またルナがやったのか? 敵艦」
ヴィーノがシンに尋ねる。
「敵艦隊だって。ミネルバの前に立ちふさがる敵艦隊にさー、急降下してドドドーとプラズマ砲を」
「へぇ〜」
「アスランさんもすごかったんだよ! 迫り来るフリーダムのビームサーベル。インパルスは咄嗟に――」
「シン!」
そこに、マユが声をかけて来た。
「ぅ、あ、お姉ちゃん! 大丈夫?」
「『大丈夫?』じゃないわよあんたはもう……。人が被弾したって言うのに見舞いにも来ないで」
「ぅぅ…だって僕ずっとオンだったんだもん」
「……まあ、いいわよ。それよりアスランさんは? どうしてるか知らない?」
「ああ、そう言えばあっこに居たかなぁ……」

「く……ぁ?」
「あ、アスランさん!」
マユはモビルスーツデッキにいるアスランに声をかけた。
「こんな所にいたんですね」
「あ、ああ」
「……私のザク、やられちゃって」
下ではマユのザクを前に整備員が頭を抱えていた。
「ああ。怪我は大丈夫か?」
「おかげ様で。機体が壊れてくれたんで、私は軽症で済みました」
「そうか……」
「見ましたよ、録画で! すごいじゃないですか! 咄嗟にインパルスを分離させるなんて、さすがアスランさんです!」
「いやぁ……。あ、ルナはどうしてる? ルナもたいした活躍だったじゃないか」
「ルナは……部屋で落ち込んでます」
「落ち込む?」
「ほら、あの子、オーブ出身でしょう? だから」
「ああ……」
アスランは苦笑した。
そう言えば軽く落ち込んでいるこの気分はなんだろうと思っていた所だ。
似た物同士、か……。


「さてさて、スエズまで下がれて良かったと言うべきか。しっかり修理や整備が出来るな」
「さすがに被害が大きかったですからな」
ユウナの言葉にトダカが答えた。
「少し、積極的になりすぎたか。ムラサメだけで遠くから攻撃させとけばよかったか?」
「さぁ、どうでしょう。モビルスーツに載せられるだけのミサイル、空対地ミサイル『ドラッヘASM』では、攻撃力もそれ
なりしかありません。八式弾の効果もありましたし。護衛艦が近づいての大型ミサイル有線誘導もそれなりに効果が
あったものと思われます」
「ふむ」
「……地球軍の奴ら……」
カガリは悔しそうに呟く。
「オーブは小国だからねぇ」
ユウナはのんびりとした口調で答える。
「そうしてこのまま良い様に扱われるのか? それでいいのか!?」
「オーブは中途半端なんだよ」
「中途半端?」
「スカンジナビアくらい国力が大きければ、侮られるほど弱からず、やれるだろうけどもさ。オーブは圧力掛けて使
いやすい国力なんだ」
「スカンジナビアか。中立志向だよな」
「ああ。オーブよりはるかに強力な軍隊を持っているにも関わらず、オーブに対するような圧力は地球連合は掛け
ないね。強力な軍隊を持っているからこそ、かな。オーブは再構築戦争で独立国として残ったのが不思議なくらい
だ。ご先祖様達は思ったんだろうねぇ、国力上げなきゃってさ」
「もっと、強くならなきゃいけないのか」
「逆の道もあったんだよ。マスドライバーとか価値あるものを作らず、オーブの周辺の島国がやってるように原始生
活のままでさ。そうすりゃわざわざ干渉もしてこない」
「だが、それは……」
「そうだね。今更できない。それに、大洋州との位置が悪すぎる。どっちにしても戦争に巻き込まれてたなぁ。はは
は。それでかな。小国にも関わらず宇宙コロニーを建設したのは」
「オーブが道を求めるなら、宇宙?」
「かも知れない。……資金はある。事態が落ち着いたらもう一度再建しよう」
「資金? オーブの復興に大西洋の資金が関わってるんだろう? 更に出させる気か? あまりにひも付きになっ
てしまわないか?」
「いや、まったくフリーの資金だ」
「そんな金がどこに!?」
「聞くな。僕にだって訳がわからない資金なんだから」
その時、兵士が入ってきた。
「カガリ様、飛行機の準備が出来たとの事です」
「そうか。じゃあ、ユウナ。無事でな」
「ああ、カガリも元気で。タツキ・マシマは信頼できる人だと思うよ。彼とよく相談して、やってくれ。国に帰ったら、
身体を大事に、ゆっくり休んでくれ」
「ああ」
カガリは応接室を出て行く。ユウナも後を追う。
外に出ると、大型の飛行機が待っていた。これで、ビクトリア基地を経由して一気にオーブまで行くのだ。
カガリはそれに乗り込む時、後ろを振り向いた。
父――ウズミ、ウナト。アスラン。キラを始めとするアークエンジェルの乗員。
ある者はこの世を去り、ある者は行方知れず。またある者とはいつの間にか心が違え……。
暑い砂漠であるのに、カガリは衣を剥ぎ取られたかのような寒さと寂しさを感じた。
また、会えるよな?
カガリは自分に言い聞かすと、飛行機の中へ入っていった。

「いやぁ、とうとう来てくれましたか!」
ネオは手を広げてスエズ基地に着いた空母ジョージ・w・ブッシュの艦長達を出迎えた。
「ご活躍は常々。お待たせしました。新編なったユークリッド隊を持ってきましたぞ」
「期待しています。さぁ、基地には地元のうまい料理が用意してありますよ!」
ネオは一行の先頭に立つと歩き出した。


その頃アークエンジェルは海底に潜んでいた。
「あーあ、どうしますかね」
アーノルド・ノイマンがぼやいた。
「ええ、ほんとに。フリーダムの修理はなんとかできたけど……」
マリューが答える。
「アークエンジェルだけじゃ、争いを止めるといっても限界があります。パイロットの替えがいないのがどうしようも
ないですね」
「……待ちましょう。キラ君はきっと立ち直ってくれるわ」
「ええ……お茶でもどうですか?」
「頂くわ」
ノイマンは皆にお茶を配って廻った。
画面では、ニュース番組に混じって、時々CMのようにラクスの演説映像が流されている。ノイマンが流しているのだ。
「またラクス様の映像か?」
茶化すようにダリダが言った。
「好きなんだよ」
照れたようにノイマンは言った。
「ラクスの歌じゃなく演説動画が好きってのも変わってるな、お前」
「ははは……」
ノイマンは苦笑した。その目は笑わず、乗員を観察していた。

「お邪魔してもいい?」
マリューはキラの部屋に入った。
「あ、すみません。こんなところでサボってて」
「いいわよ。貴方一人でほんとによく頑張ってるもの、また」
「え?」
「大丈夫?」
「……なんか、何でこんな事になっちゃったのかなって思って。何でまたアスランと戦うような事に。アスランの奴
本気で僕を殺そうとした……。僕達が間違ってるんですか? ほんとにアスランの言うとおり、議長はいい人でラ
クスが狙われた事も何かの間違いで……僕達のやってる事の方がなんか馬鹿げた、間違った事だとしたら……」
「キラ君……。でも、大切な誰かを守ろうとする事は決して馬鹿げた事でも間違った事でもないと思うわ」
「え?」
「世界の事は確かに分からないけど。でもね、大切な人がいるから世界も愛せるんじゃないかって、私は思うの」
「マリューさん……」
「きっとみんなそうなのよ。だから頑張るの。戦うんでしょ。ただちょっとやり方が、と言うか思う事が違っちゃう事も
あるわ。その誰かがいてこその世界なのにね」
「……」
「アスラン君もきっと守りたいと思った気持ちは一緒のはずよ。だから余計難しいんだと思うけど、いつかきっと、
また手を取り合える時が来るわ。あなた達は。だから諦めないで。貴方は貴方で頑張って」
「はい」
「ね。うふふ」
「……マリューさん」
「なぁに?」
「僕、宇宙に行ってきます!」
急に、躁転したようにキラは明るく口調を変えた。目がキラキラと輝いている。
「ええ!?」
「僕がアスランに負けるなんて、変だと思いませんか?」
「え? え……」
いきなり変わった、憎しみの籠もるその表情にマリューは戸惑う。瞳が、ぎらぎらした物に変わった。マリューは思
わず後ずさる。
そしてそれは気のせいかと思うほど一瞬に消え、寂しげな少年の表情に変わる。
「やっぱりラクスがそばにいないと僕は……だめなんです」
「そんな事ないわよ、あなたはしっかり……もうすぐラクスさんも戻るわ。そうすればきっと。ね? だからそれまで
頑張って」
「もう、決めました」
キラはさっぱりした顔で微笑んだ。
「まず決める。そしてやり通す。いつもの事です。アークエンジェルは、見つからないように海底に隠れていてくださ
い。必ずラクスを連れて戻ってきますよ」
「ふぅ。そう……」
マリューは気遣わしげに溜息をついた。

宇宙――
「オーブの件ですが、どうしたしましょうか? だいぶ、オーブ軍人への浸透は進んでおります。……例のサイオキ
シン麻薬も使いまして」
『ターミナル』のメンバーがラクスに報告をする。
ターミナル――先の戦役時より以前に、ラクス・クラインが父、シーゲルにも秘密に作り上げた組織である。
「それでいいわ。麻薬付けの軍人など使い物にならない物だけど、オーブ軍に戦う事を期待している訳ではないか
ら。……カガリ・ユラ・アスハをクーデターの際に再び捕まえて駒にすることもできます。駒にできなければ表に出
ずに代表首長として発言していてもらう事も。オーブの後ろ盾を得る事には大きな意味があります」
「では、計画通り、進めます」
「はい」
「ところで、プラントのラクス様の贋物の事ですが。一応の目処が付きました」
報告する、ラクスを支援する組織『ターミナル』の人員の『贋物』と言う言葉に嫌悪感が混じる。
彼はラクスの信奉者なのだ。
「仕込みは出来たのですね?」
ラクスは、ターミナルの組織の者に尋ねた。
「はっ。ターゲットにはさすがにガードが固く、近づく事が出来ませんでしたが、その身近な者達には」
そう、前戦役時に、いや、それより以前からラクスが作り上げた支援組織、『ターミナル』はプラントに深く食い込んでいた。
「後、報道関係の者にも手広く。大抵の出来事には対処できるでしょう。後はあなたがは引き金を引けば、発動します」
「そう、ありがとう。わたくしはあのような者が存在する事が許せないのです」
壁に向かって、ラクスは冷たく嗤った。キラなどには決して見せない顔をして――

「止めてくれ! ここは俺達の土地だ!」
「ふん、動物が口を開くか」
ウラン鉱山の技術員らしい男が悪態をつく。
「やれ!」
銃声が響く。抗議したアボリジニの頭が弾ける。後ろのアボリジニの腹に血の花が咲く。次々にアボリジニ達が倒
れていく。
「ははは」
オーストラリア人はかつてと同じように、まるで動物を狩る様にアボリジニを『狩った』。
しばらくの後、動いているアボリジニは一人もいなくなった。
銃を持った男が一人のアボリジニの死体に近づく。
そのアボリジニは手に絵筆を持っていた。
「ふん。少し留守した内にゴミが入り込みやがって。何が世界遺産だ」
男はつまらなそうにその絵筆を踏み潰す。
ここはオーストラリア――カカドゥ。古くからアボリジニが太古から文化を刻み付けて来た場所である。
「さあ! さっさと採掘を再開するんだ! ……へへへ、これでいかがです?」
「うん、ありがとう。綺麗になったね」
後ろに控えていた大洋州の要人達は鷹揚に頷く。
もし、カガリ・ユラ・アスハがその男を見れば気づいたかもしれない。その男達の表情が、目の輝きが、ラクスを称
えるアークエンジェル乗員の表情にそっくりだと。
アボリジニが世界最古の文化を刻みつづけてきたカカドゥ。
大湿原に水鳥が、ワニが命を育みつづけてきたカカドゥ。
世界遺産に指定された人類の宝であるカカドゥ。
そこでは今、ブルドーザが大地を切り裂き始める。
地下のウランを掘り出すために――


スカンジナビア王国――
二人の男女が話していた。
「まったく! ユーラシアの独立派! この段階で暴発するなんてとんだ計算違いだわ!」
「さようで。まさか今、行動に移れるような装備、資金を調達できるなどとは思いもしませなんだ。供給元がどこだか
調べさせますか?」
「いいわ、今更。充分な装備・資金があれば我が国が止めたって聞かない連中よ。我が国の働きかけで活動を休
止したと言う事は追加の供給が無かったと言う事。裏にどこがいるか知らないけれど、彼らにとって独立派の役目
は済んだ言う事だわ。さほど損害を受けない内に潜伏させる事ができたのでしょう?」
「はっ」
「それより、ザフトが黒海から撤退したようね」
「はい。ジブラルタル基地からも撤退する動きがあるようです」
「それは困るわねぇ。ザフトにはまだまだ西ヨーロッパで頑張ってもらわないと」
女性がクスクス笑った。
「ザフトに、手助けをしてあげましょう。西ヨーロッパへの働きかけ、鈍り無い様にね。東アジアもね。混乱は大きい
方がいいのよ」
「はっ」
男は出て行った。
……諸国民は混乱の収まる事を希求し……か。
女性はある言葉の一節を思い出した。確か前戦役時にスカンジナビア王国が出した声明の一説だった。
だが。混乱を望む者はいるのだ。今ここに。
スカンジナビア王妃アレクサンドラは声を立てずに嗤った。


「お願い! レイジングバール、持ちこたえて!」
「行け! バールディッシュ!」
「なーにやってんだ、おめえら」
「あ、隊長」
「いやぁ、ただ黙々と作業するのも面白くないもんで」
ここはガルナハン。
地球軍兵士がモビルスーツに乗ってバールの様な物で作業をしている。
「これはなんです? 隊長?」
兵士が尋ねた。
そこにはモビルス−ツの装備らしい新しいコンテナが運ばれてきていた。
「ああ……。これは、高周波円匙だそうだ」
「要するに、シャベル?」
「無駄に技術使ってませんか?」
「何を言うんだ」
心外そうに隊長は言った。
「塹壕戦でもっとも敵の命を奪った頼りになる相棒は拳銃でも銃剣でもなく円匙だぞ?」
隊長は高周波円匙を手に取った。
「す、すごい!」
「まるでバターに突き刺しているようだ!」
ガルナハンの復興は順調に進みそうだ。


「ラクス!」
宇宙に来たキラは、エターナルと合流すると、ラクスに飛びつくようにして駆けてきた。
「来てしまったのですね」
ラクスは溜息をつくとキラに言った。
元より、いざとなれば上昇するシャトルに追いつくほどの推力を持つフリーダムである。簡単なブースターを取り付
けるだけで宇宙に来てしまえた。
「うん……。これが正しいのかわからない。でも今行かなきゃ後悔する。そう思ったんだ」
「まぁ、しょうがないですわね」
ラクスは少し嬉しそうに苦笑した。
「では、キラ、付き合ってくださいな」
「どこかへ行くの?」
「……メンデルへ」
「メンデル!?」
「ええ。ギルバート・デュランダルが研究員として勤務していたといいます。そこに行けば、彼が何を望み何を考え
ているのかわかるかもしれません」


「不気味だな。まるで……」
ユウナはつぶやいた。
「ええ。もぬけの殻です」
トダカも訝しげに答える。
オーブ軍は指示された港湾に侵攻する計画だった。ザフトから奪回するために。
だが……そこにはすでにザフト軍は存在しなかった。
オーブの攻撃は、罠を警戒して長射程のミサイルとムラサメだけを送り、すでに損傷も激しいまま係留されている
現地の国の艦艇を沈めた。
攻撃が港湾施設を叩き終わる。
程なく、降伏する旨と交渉を求める通信が現地政府より送られてきた。

「じゃあ、俺も出てくるわ。後を頼むぞ」
艦隊がディオキアが近づくと、ネオは副司令官に言った。
「はぁ、しかし大佐の身で自ら出撃というのは……」
「いいじゃないの。第二次大戦で地上勤務拒否して出撃しまくったドイツのルーデルは大佐だぜ?」
ハンス・ウルリッヒ・ルーデル――アンサイクロペディアに嘘を書かせなかった男――あんな人外を常人が真似し
ていいものか?
副司令官は尚も諫言しようとしたが、ネオの猫を思わせる仮面が目に入る。
この人も常人じゃないよなぁ。こんな仮面被ってるなんて。
副指令はため息を一つついた。
金色(こんじき)の艦隊編終わり。
不沈戦艦強奪作戦発動編へ続く。
255通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 21:32:26 ID:???
GJ!
悪役であるはずの、地球連合の連中がずいぶんと明るくて、一番いい「人間」してますね。

ラクス派、見事なまでに悪の秘密結社、サイオキシン麻薬の恐ろしいのは、中毒性ではなく、
その催奇性といいますが、コーディーの常で正常な子が生まれにくいラクスが、世襲制国家
の元首として子を残さねばならないカガリにサイオキシンを投与するのに、底知れない悪意
を感じる。
256通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 21:46:42 ID:???


まさか、オーブの復興もターミナルじゃ、ターミナル=ラクシズの仕業じゃwwwって事か?
まあ、暗殺やってたぐらいだし、別に不思議じゃないけど。
そして、マスゴミ工作でベトナム戦争やイラク戦争みたいに連合やオーブの足を引っ張る気かw
さらにウランとか、サイオキシン麻薬漬けの人間に採掘させるとか。プルトニウム作って核か、核なんだな。

皆が「ミーア逃げてぇ」と書き込みまくる日も近い……
257通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 23:55:21 ID:???
なにこの吐き気を催す真の邪悪集団ターミナル
AAの人達がとばっちり過ぎるw
それにしてもターミナルの工作がまんまKGBだわwww
あとガルハナン、ロシア糸とドイツ系が仲良く復興してんのか?
ドイツ軍のスコップ格闘術は世界一ィィィィィイイ!!!
258通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 00:17:52 ID:???
バールに吹いた
259通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 00:32:29 ID:???
人類の遺産が……
素晴らしき文明の、文化の、歴史の形跡が……
ピラミッド爆破したり、ゴルゴダの丘をコンクリで固めたり、イスラム聖地アレを燃やしたりするくらいの大暴挙
他国に知られたらプラントと大洋州は
嘗てのスペイン&イエズス会の様に『文明の破壊者』として憎悪の対象になるんだろうなぁ
260通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 00:50:12 ID:???
ウラン鉱山を開拓してたのはラクシズ関係者で良いんだよな?

あと随所にネタが仕込まれてるようだがKGBとか元ネタplz
レイジングバールとバールディッシュの元ネタはなのはだよな?
261通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 03:08:03 ID:???
キラ「え!ぼ、僕がガンダムのパイロットに!?」
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1229276126/449

許可取れたぜ
262通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 04:06:08 ID:???
許可ktkr
263通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 07:50:31 ID:???
>>261
何処に分類する?
264通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 08:12:37 ID:???
こっち的なスレ分類だと「もしも種キラがキモオタだったら」になるんじゃね
265通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 08:53:34 ID:???
キラ「これはフリーーダム!!」
266通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 09:10:49 ID:???
>>263
もしもキラがVIPキャラだったら
267通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 09:52:39 ID:???
>>263-264
キャラ性格改変系ってのは名前が面倒だな。


「VIPまとめ>キラが〜」にしてしまえと言う説も(ry
268通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 12:13:10 ID:???
でたwww「バールのような物」www
269通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 12:28:18 ID:???
どうしても「バールのような物」に目がいくよな。

でも、高周波円匙なんて「まるでバターに突き刺しているようだ」な威力だぞ。
重機の技術革命だろ、これw
ザフトでなく連合が作業用MSの系譜の後継者とかワロス状態だろ
270通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 18:56:39 ID:???
スターシップトゥルーパーズ3思い出した。
271通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 22:22:23 ID:???
>>254
GJ!
ドイツは中将ですら戦闘機乗って出撃してるからな。
272通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 22:32:18 ID:???
IF総合に「キラ「え!ぼ、僕がガンダムのパイロットに!?」でいいんじゃね?
変に改変する必要もないだろう
273通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 22:36:53 ID:???
作品の最初か最後に
この作品はVIPからの作品です
VIPの方々ありがとうございます等々書いたらどうだろうか
274通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 02:58:43 ID:???
ちょっと聞きたいんだが、「種後、種死前」の物語を投下するのはいいんだろうか?まあ要はシンが主人公でアカデミーの話を書きたいんだが
275通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 02:59:48 ID:???
ありだと思うよ
276通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 10:14:22 ID:???
シンがアカデミーの生徒(?)だったらだから全く問題ないと思う
277通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 11:43:19 ID:???
ああ、先を越された。どうしようかな。キラの性格が「キラさん」「キラ様」だったら
でも書くか
278通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 13:09:03 ID:???
キミはキミだ
書けばいいじゃないか
279通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 14:04:45 ID:???
>>275
>>276

ありがとうございます。でもまだ一話目も書き終えてないから他に書きたい人がいたらお先にどうぞ。
280通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 15:41:12 ID:???
シャベル装備のダガーが核ザクのVPS装甲を貫く夢を見た
281通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 17:04:41 ID:/vgzmt2r
実戦におけるスコップの恐ろしさを知りたい方は高橋幸二の「わっぱ列伝 爆造」という漫画を読むべし
>>260
はい、バールはなのはネタです^^ 「バールのようなもの」
あとはー書いてく内にKGBっぽくなったと言うか
283通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 19:41:01 ID:???
しかし、いい年したおっさんがなのはごっこをする光景をリアルで見たら俺の残念な腹筋が壊滅する予感
284通常の名無しさんの3倍:2008/12/20(土) 07:01:01 ID:???
誰も触れないので俺だけコニールの無事を祈っておく
285通常の名無しさんの3倍:2008/12/20(土) 19:52:36 ID:???
もし種死のラクスがビジョンはないが政治抗争の手腕は卓越している(悪い意味で)一流の政治屋として
描写されていたら。ヤキン戦後の状況ではどんな優位な講和を結んでもプラント国民の評価が下がると判断して
カナーバに責任押し付けたり、マルキオハウスでセイラン派の切り崩しを図る描写があったり、
常にプラントのクライン派と連絡している描写があったり。
286通常の名無しさんの3倍:2008/12/20(土) 20:10:09 ID:???
それならまだ納得というか理解の範疇に収まる。
実際必死のロボットバトルを尻目にそういうある意味まともな政治家達の
やりとりで情勢に決着がつけられてしまった「ダグラム」や「バクシンガー」
という実例もあるしな。
287通常の名無しさんの3倍:2008/12/20(土) 21:43:19 ID:???
>>286
ダグラムと言えば1話の朽ちダグが有名だが、アレって種死最終話のディスティニーと被るよな…


鉄の腕は萎え…
鉄の脚は力を失い…
砂に埋もれた砲は二度と火を噴く事はない…
鉄の戦士は死んだのだ
運命も死んだ、伝説も死んだ…
だが月面の光にさらされながら巨人は確信していた。
若者は今日も生き、若者は今日も走っていると…

巨人は若者の声を聞いた。
吹き渡る宇宙の風の中に確かに聞いた…
288通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 00:10:55 ID:???
もしシンが金の亡者だったら

キラのアンチテーゼとして生まれたなら
この位はっちゃけさせた方がいいんじゃなかろうか
289通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 00:38:51 ID:tF9+SOa3
>288
アフターではあるが、まとめサイトで金の亡者と化したシンが見られるぜ
とても小物臭がするが
290通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 00:39:33 ID:MLqZwqMq
あの種割れならぬ金割れするシンか
291通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 00:40:55 ID:???
キラのアンチテーゼだというなら勤勉な努力の人だな
MSパイロットなんてやらないで堅実に働いてるし、もちろん主人公にはならないタイプ
292通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 00:47:55 ID:???
シンは努力の人という設定が確かにあった筈だが、はて?
293通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 01:37:25 ID:???
金割れシンは戦闘能力だけならシン主役SSの中で最強だろ
294通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 03:30:57 ID:???
金の亡者シンってまとめのどれ?
295通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 05:51:23 ID:???
>>294
逆襲のシン
296通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 10:09:53 ID:???
>>292
自由倒すとこまでぐらいだろ
あとはそんな描写ねえし、死に設定w
297通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 10:34:29 ID:???
>>296
確かに、インパに乗ってる時期(自由を討つまでの辺り)しか、努力描写はこれといって無い気がする
298通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 10:39:20 ID:???
むしろキラと同等の天才じゃないのかと思う事はあるな。あれだけヨイショヨイショ
され生まれながらにして最高の人類でちゅね〜ってもてはやされたキラを、ちょっとの
予習で墜とすシン……キラのアンチテーゼではないだろ。
299通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 10:58:26 ID:???
カウンターとして描写するんだったら何回も挑んでは達磨を繰り返して
地表に叩き着けられて大怪我するとかした後にインパルスの特性いかした変態軌道とかで相打ちに持ち込んで
シンだけフライヤーで離脱して、やってやったぞ!ってのが好みだなぁ
300通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 11:35:45 ID:???
シンは努力する才能のみで登りつめたって感じがする
301通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 12:27:38 ID:???
議員の子供ではない赤服だかららしい

ルナまで赤とはよっぽど人材の居ない年だったんだな(10秒後蒸発
302通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 12:36:48 ID:???
まあ叩き出した戦果は、議員のボンボン共ばかりだったいつぞやの赤服組より遥かに上だがな
303通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 12:50:11 ID:???
確かにルナマリアは酷ぇな・・・
レイも凄腕描写が全然ないし・・・インパルスどころか、奪われた他のGのパイロットにすら選ばれてないし・・・
304通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 13:26:39 ID:???
まあ商業的に考えてルナマリアとレイはカラーリングザクを売り出すためにザクに乗ったんだろうな
ん、なんかどこかの話で議長がバンダイはロゴス…げふんげふん
いや、忘れてくれ
305通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 14:00:07 ID:???
キラといいシンといい、工夫して戦ってるのは最初に乗った機体だけって事でおk?
306通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 14:02:39 ID:???
>>305
うん、二人とも乗り換えてから劣化してるような気がする
307通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 14:15:49 ID:???
一応、アカデミーで一位〜三位を取ってるんだけどなぁ。議員のボンボンとはいえ
アスラン・イザーク・ニコルは(ドラマCDでのニコルの発言より)
炒飯が何位だったかは知らん

(カンニング疑惑とはいえ)追試受けるような3人が赤服とかマジで人材いなかったんだろうな
308通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 14:21:04 ID:???
>>307
いや、そもそもたった2年前にコロニー一基分(村一個位?)の国民全滅+戦争で死者多数

やってる時点で人材が潤っている国が居たらおかしいわ。
2年でそんな野菜みたいにポンポン人材ってのは補われる訳じゃないんだから。
>>305
ディスティニーは工夫していると思うがな。
簡単に言うと器用貧乏だから状況によって武装とか戦い方を変えなきゃだし
フリーダムはビーム砲撃機体ってだけだからまぁビーム撃ってるだけでなんとかなる。
ミーティア運用で多少複雑さは増すけど
309通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 14:34:29 ID:???
キラはストライク時代、シンはインパルス時代がそれぞれ絶頂期だよ。フリーダムとかストフリに乗った
キラとストライクに乗ったキラが戦ったら、どっちが勝つか解らん
310通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 14:36:59 ID:???
間違いなく一人目のストライクに乗ったキラが勝つだろ、イボルブ的に考えて
311通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 15:01:22 ID:???
あれに乗ってるのはキラじゃないよ。もしキラだったとしても、キラという名の
ガンダムファイターだよ
312通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 15:22:17 ID:???
>>309-311
ああ、昭和の仮面ライダーの子供向け本で
「どうしてライダーはいつも怪人に勝てるの?」という質問に対する答えのひとつに
「怪人は脳改造までされてるので、ショッカー首領の指令がないと十分に動けず
 どうしてもワンテンポ遅れてしまう、その点ライダーの脳は元のままなので
 常に自分でフルに考えてチャンスを逃さずつかむからだよ」
というのがあったのを思い出すな。
313通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 15:25:33 ID:???
「あの船には守りたい人達がいるんだ!」
「ラクスの邪魔するなんて許せないじゃない?」

同一人物の発言とは思えヌェー
314通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 15:51:31 ID:???
深いなその子供向け本w
315通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 16:36:19 ID:???
結局、人間の脳に勝る演算装置は無いって言ってるようなもんだなw
316通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 17:33:55 ID:???
317通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 17:34:10 ID:???
職人の匠の技は機械より高性能だよ。
反応速度も機械より反射神経で行動できる人間が上。
エリア88でそんなセリフがあったなぁ。
318通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 21:24:22 ID:???
>>317
地上空母の無人戦闘機群のこと?
319通常の名無しさんの3倍:2008/12/22(月) 01:12:47 ID:???
人間の脳が最高の演算装置か……

スキンヘッドに水ぶっ掛けられながら稼働して、
超弩級戦艦に列車砲で砲撃戦仕掛けた水冷式射撃指揮装置辻正信なんてのを思い出した
320通常の名無しさんの3倍:2008/12/22(月) 04:57:05 ID:???
vipキラのまとめまだっスか?
321通常の名無しさんの3倍:2008/12/22(月) 07:55:33 ID:???
>>319
懐かしいな。
何処で見たんだか忘れたけどそのネタは覚えてるよ。
322通常の名無しさんの3倍:2008/12/22(月) 19:30:37 ID:???
>>320
やり方がわからん
323通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 00:19:28 ID:???
俺もわかんねぇ
324通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 19:26:43 ID:???
暇そうなのでお題
もしシンがホモだったら
325通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 19:50:24 ID:???
もしも外交という概念が存在したら

連合内部を何とかまとめていくべく腐心するアズラエル
NJの限定投下でプラントの独立を目指すシーゲル
連合とプラントの間で賢しく立ち回り生き残るウズミ
ってここまで書いてガンダムの出番がないことに気付いた
326通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 20:54:23 ID:???
もしもティターンズがテストしていたのがMk-IIじゃなくてGATシリーズだったら・・・
2話で4機奪われて、残ったストライクもエゥーゴへ・・・
あれ?全部奪われちゃった☆
327通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 21:30:20 ID:???
>>326
スレちがいだヴォケ
328通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 21:35:49 ID:???
もし連合がG五機を守り通していたら
その逆のザフトがG五機を全部強奪したら
329通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 21:52:44 ID:???
もしキラがクヨクヨ考えないタイプの男だったら
330通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:03:09 ID:???
早い段階で赤福軍団全滅してクルーゼも左遷
いい事尽くしだな
331通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:38:59 ID:???
>>325
連合は主要3カ国の調整が上手くいかない、
ザフトはクルーゼの陰謀と強行派に引っ張られるのだろう。
(強行派の筈のパトリックすらもが弱腰路線扱いされたりするかも)

ウズミは戦争を長引かせるためとして、連合とザフトの絶滅論信者に
支援したりするウザイ奴だったりするのだな。
332通常の名無しさんの3倍:2008/12/24(水) 09:32:07 ID:???
もし東アジア軍がオーディアンのシナゲリラ部隊だったら
333(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2008/12/24(水) 19:32:45 ID:???
「じゃあ、坂井。頼むぞ。列機を失った事の無いお前の強運に期待する」
小園航空隊司令は、ネオの列機を務める事になった坂井三郎中尉に言った。
「任せといてください。司令官は俺が絶対守ります」
坂井は胸を叩いた。

ネオの率いるユークリッド隊は、敵を撃滅すべく勇躍して出撃した。
「……何も見えませんね」
坂井が、それでも注意深く目を皿のようにして辺りを見回しながら言う。
「西沢、お前はどうだ?」
ネオは少し離れて飛行している西沢にも尋ねる。
西沢広義中尉――彼も坂井と同様に敵の発見が非常に早い事で知られている。
「こちらも、敵機発見できず」
「そうか。では、第一から第四小隊、引き続き上空の警戒に当たれ。残りは地上部隊の支援に当たる」

『ポートエリア3、制圧完了』
ディオキア上空を旋回し、指揮を取るネオの元に報告が上がってくる。
「よーし。いいぞ。ザフトの置き土産があるかもしれん。注意しながら制圧を続けろ」
地雷を警戒し、まずモビルスーツが先行、続いて歩兵が機敏な動きで要所を確保していく。
『港湾エリア14、制圧完了』
『市政庁に突入開始、抵抗無し……』
「ふーん」
ネオは呻った。
「もぬけの殻か」
『司令官! 市政庁にてディオキア市長と接触。抵抗はしないとの事、司令官との会談を求めております』
「わかった。俺も事情が知りたい。市政庁前の広場に着陸する。警戒に当たれ」
『了解!』

「一体どうしちゃったんだろうね、まったく。せっかく新型のダガーで乗り込んできたってのにさ」
ミューディーがぼやいた。
彼らはモビルスーツに乗り、市政庁の警護に当たっている。
「戦いがないなら、その方が楽でいい」
スウェンが答える。
「何、ザフトが逃げたって、どこまでも追ってやる。追って行けばいつかは戦うさ」
シャムスが言う。
「ま、そうだけどね」
「気を抜くな。司令官に何かあってみろ」
スウェンは油断無く辺りを見渡した。

334(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2008/12/24(水) 19:33:07 ID:???
「ようこそ、ディオキアへ! いやぁ、ザフトがこの町に居た期間、生きた心地もしませんでしたよ。地球軍が戻って
来てくれて、まことに安心しました」
ディオキア市長は手を広げた。
ネオは苦笑した。この市長は、ザフトがディオキアに進出した時もこの調子で出迎えたのに違いない。
「ザフトとは結構うまくいっていたと聞いていますが? ほら、先日のラクス・クラインのコンサートの時など、ディオ
キア市民も盛り上がっていたようですな」
ネオはさりげなくディオキアの情報は知っているのだと漏らす。
「おお! それはもう、市民の安全を守るために必死でしたからな。しかし、本心からではありませんで。いや、まっ
たく。ザフトの連中は来た時はうまい事を言っておきながら、逃げる時は後に残される市民の事なんぞ考えませんでね、まったく」
「ザフトは、逃げたと?」
「ええ、ええ。先日ザフトの艦艇が出航したのを皮切りに、シャトル、輸送機、詰めるだけ積み込んで町から去って
しまいまして」
「ふ……む。いや、そうですか。まぁ、再び彼らがこの町に来る事はないでしょう。今度こそ、我ら地球軍がザフトを
本国まで追い詰めますからね」
「そう願いたい物です。ところで……ザフトがこの町に居た間、地球軍より礼儀正しいと言う者もおりまして。いや、
まことに怪しからん事ですが、今後の地球軍との友好関係のためにも軍の規律の維持にはぜひご配慮を……」
下手に出ながら、言う事は言う男だった。ネオはこう言う男を嫌いではなかった。
「もちろんですとも。規律はしっかり守らせますよ。ウォッカ飲んで酔っ払っている連中と我々大西洋連邦は違います」
ネオはにこやかに微笑んだ。


335(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2008/12/24(水) 19:33:33 ID:???
「じゃあ、ルナ。邪魔しないでよね」
マユがきつい口調で言った。
「だーれが! 勝手にやりなさいよ」
ルナマリアも刺々しい口調になる。
「じゃあ、そう言う事で」
マユは去って行った。
「……ふん、だ。私も誰か誘って外出しようかなぁ」
ルナマリアは少し肩を落として呟く。
「やぁ、ルナマリア。久しぶりだね」
その時、ルナマリアは後ろから声をかけられた。
「あ、貴方は!」

336(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2008/12/24(水) 19:34:11 ID:???
「さすがにいい基地ですね! 景色もいいし」
「うん」
マユに引っ張られるようにして外出したアスランは、生返事を返した。
「後で、海岸に行ってみません?」
「ああ」
「アスラン・ザラ君だね?」
その時、アスランは、声をかけられた。
「あ、はい。そうですが」
「カーペンタリアのジェフリーから君がザフトに復帰したと聞いてね、待っていたよ」
「あ、元司令官の!」
「そうそう」
その男は嬉しそうに頷いた。
「あ、私、外そうか?」
マユは言った。
「あ、ああ、すまない」
マユは二人から離れて距離を取った。
「私は、この基地の警備隊隊長のケビン・ラッドだ。ザラ派さ」
「ザラ派……」
「おっと」
アスランの目に走った陰りを見て取ったか、ケビンは言葉をつないだ。
「ユニウス7を落とした連中とは一緒にしないでくれよ」
「はぁ」
「確かに、ザラ議長は最後の方はやる事がおかしかったかも知れん。だが、君は人が人生にした最後の行動で
その人全てを評価してしまうかい?」
「……いえ」
「うん。我々プラントは人口が少ない。圧倒的な兵器を作って、それで地球連合に妥協を迫ろうと言うやり方は、
今でも正しかったと思っている」
「そう言って頂くと、父も救われます」
「……君は、いつまで軍にいる?」
「はい?」
「ただの軍人で終わるなよ。上に行け、上に。……俺の目からすりゃあ、今のデュランダル議長も現場を知らん。
黒海を制圧しろだのなんだの。ディオキアからの護衛、多いとは思わなかったか?」
「あ、はい。カーペンタリアを出発した時とは大違いで」
「黒海のボズゴロフ級、根こそぎ持ってきたのさ。撤退も兼ねてな」
「え?」
「今頃、ディオキアはカラだ。ディオキアだけじゃない。黒海の基地は全てな。現場の判断で、撤退させてる。先の
大戦で消耗した我々にとっては黒海に手を広げるなんぞ過ぎた事なんだ。……ジブラルタルも、放棄される予定だ」
「ええ?」
「ジブラルタルを維持していても、意味は無いからな。地上戦力はカーペンタリアに集中する。カーペンタリアを防
衛して、大洋州と連絡さえ出来ていれば、ザフトはまだ戦える」
「そこまで……戦況は悪いのですか?」
「まだ、現実にはなっていないがね。今の内に退く所は退いて固めようって事だ。アスラン……助言だ。君は機会
を見つけて軍を辞めろ。政治家になれ。ザラ派は、迫害されているが、今でも繋がりを取っている。何かあれば力
になるぞ。じゃ、またな」
そう言ってケビンは去って行った。
アスランは、ただ立ち尽くしていた。

337(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2008/12/24(水) 19:34:32 ID:???
「マリュー、あなたが愛しているのは、アーノルド・ノイマン……だんだん彼が気になります」
知らずに飲まされた幻覚剤でせん妄状態に陥っているマリューにノイマンはささやいた。
「いや、いやぁ! あの人は、私が愛したあの人は、陽電子砲で……いやぁー! マモル!」
「違う! ちょっと気に入っていただけだった。そんなにショックじゃなかった。そうなんです。たいした事ではなかった」
「違う……違う……」
「くそっ。ラクスのようにはうまく行かんか! さぁ、これからあなたにキスする人は、あなたをとても愛している人です」
そう言うと、ノイマンはマリューにキスをする。
「……ムゥ? マモル?」
「くっ」
マリューの呟いた男の名を耳にすると、ノイマンははっと身を起こした。
「くそう、今はまだ。だが、今にこの女如き……」
ノイマンは目を血走らせて言った。
「たかが恋人を殺されたくらいで、恨むように、復讐のように反撃しておきながら、憎しみは戦いを生む、だと? はっ!」
ふと思う。ナタル・バジルールは最後に何を思っていたのだろう。
あれだけ男がブリッジにいて、一人ぐらい男気のある奴はいなかったのか?
少なくとも自分が同じブリッジにいたなら、身を捨ててでも助けに入ったはずだ……
偶然宇宙服を着て生き残りその情報――ナタルの最後を伝えたドミニオン乗員は、即座にノイマンに射殺されていた。
「お前は何をしていた」との台詞とともに……
ノイマンは状況に流され、アラスカ戦後、地球軍に出頭しなかった事を死ぬほど悔やんだ。
あの時マリューが言った台詞――『ザフト軍を誘い込むのが、この戦闘の目的だと言うのなら、本艦は既に、その
任を果たしたものと判断致します』――の通り、命令は果たしていたのだ。脱走せずに出頭していれば、もしかした
ら、と。もし自分がバジルール中尉と一緒の艦に配属されたかもしれない。そうすれば。俺だったら。
空しい後悔がノイマンの頭を巡る。

『マリュー・ラミアスがあなたを愛するようにしてあげましょう。後はどうするも自由』
ラクスの甘い囁き。
ノイマンがマリューにもそれなりに魅力を感じていた事をも見抜くような。
悪魔の囁きだったろうか。だがノイマンはその囁きに乗ってしまった。感情は妄執へと変わり……
「あなたはアーノルド・ノイマンが気になる。とても気になる。男性として気になる……」
ノイマンはマリューに向かって呪文のように、台詞をいつ終わるとも知らず繰り返す。
「いや、いや……」
うまくいかない事に、ノイマンは不意に乱暴な気分になった。そうだ。どうせこんな女。
マリューの拘束を少し結びなおす。
そしてノイマンはマリューに強引に身体を重ねた。
「いや、いやあぁぁぁぁ!」
「ふふふ、もっと叫べ! もっと悲鳴を上げろ!」
どうせお前がいくら苦しんでも、ナタルは帰ってこないのだ……
小刻みに動き続けるノイマンの頬に涙が流れた。


338(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2008/12/24(水) 19:34:53 ID:???
「アスランさーん!」
「ん? シンか? どうした?」
アスランにシンが駆け寄ってきた。
「お姉ちゃんとデート中すみません」
「い、いや、デートとか……」
「驚かないでくださいよ? デュランダル議長が、ジブラルタルに来てるんです!」
「なんだって!?」
「それで、アスランさんを呼んで来いって!」
「わかった! すまんが、マユに謝っておいてくれ」
「はい!」

「遅くなりました」
アスランはデュランダルの前に出ると敬礼した。
「何、構わんよ。私も急に来たのだ。君達の活躍を聞いているよ。色々あったがよく頑張ってくれた。
「ありがとうございます!」
「アスラーン!」
「ぁ……」
アスランにミーアが飛びついた。
「お元気でした?」
「ぁぁ……」
「会いたかったですわ」
「ぅぅ……お久しぶりですラクス」
アスランは、なぜか横側から冷たい視線を感じた。
「さて、話したい事も色々あるが、まずは見てくれたまえ。もう先ほどから目もそちらにばかり行ってしまっているだろう?」
「「あ!」」
格納庫に、明かりが灯される。
「ぁぁ…」
そこには2機のモビルスーツが通電していないPS装甲特有の鈍い色を湛えて立っていた――

339(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2008/12/24(水) 19:35:14 ID:???
「ZGMF-X42S、デスティニー。ZGMF-X666S、サイタマ。どちらも従来の物を遙かに上回る性能を持った最新鋭の
機体だ。詳細は後ほど見てもらうが、おそらくはこれがこれからの戦いの主役になるだろう」
「ああ……」
アスランは溜息をついた。
「君達の新しい機体だよ」
「私の新しい、機体?」
アスランは問いかけた。
「うん」
デュランダルは説明を続けた。
「右の物がデスティニー。デスティニーは火力、防御力、機動力、信頼性、その全ての点においてインパルスを凌ぐ
最強のモビルスーツだ」
「ぁぁ…」
アスランは再びため息を付いた。
インパルスの強化型と言う事はあれが、きっと自分の機体になるのだろう。
「一方のサイタマは量子インターフェイスの改良により、誰でも操作出来るようになった新世代のドラグーンシステ
ムを搭載する実に野心的な機体でね。どちらも工廠が不休で作り上げた自信作だよ。どうかな? 気に入ったかね?」
「はい! 凄いです!」
アスランは嬉しそうに言った。
「……」
対して、ルナマリアは何を思っているのか無言のままだった。
「アスラン、デスティニーには特に君を想定した調整を加えてある」
「え? 私をですか?」
「最新のインパルスの戦闘データを参考にしてね。いや、フリーダムとの戦いなどは、私も見たが感動した! 
すばらしい瞬間的判断、操縦だったよ」
「はぁ。いやぁ」
アスランは少し頬を赤らめて、照れた。
「君の操作の癖、特にスピードはどうやら通常を遙かに越えて来始めているようだね」
「えぇ……」
「いや凄いものだな君の力は。このところますます」
「いえ、そんな」
「インパルスでは機体の限界にイラつくことも多かったと思うが、これならそんな事はない。私が保証するよ」
「はい! ありがとうございます!」
「ルナマリア。君の機体はこのサイタマと言う事になるが、どうかな? ドラグーンシステムは」
「……」
ルナマリアは無言だった。
340(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2008/12/24(水) 19:35:21 ID:???
「私は君なら十分に使いこなせると思うな」
「……」
「どうした? ルナ?」
暗い顔をしてうつむき無言のままのルナマリアを気にして、アスランも声をかける。
「ルナマリア? どうかしたかね? 具合でも?」
デュランダルも気遣うような声をかける。
「……な……」
ようやく、腹の底から搾り出すかのような声をルナマリアは上げる。
「うん?」
「なんで……なんで!?」
「うん?」
「なんで! サイタマなんて名前なんですか!?」
「うん、命名者に言わせると、これは全く新しい簡単で印象的で独創的な名前なんだそうだ。私にはあまり専門的な
事は解らんがね」
「か、改名! 改名してください! どうか! お願い!」
ルナマリアはデュランダルに縋った。
「うん? 別に私はかまわんが……なんと変えるのかね?」
「ええと……レジェンド、とかどうですか?」
照れくさそうにルナマリアは答えた。
「いいとも」
デュランダルは鷹揚に微笑んだ。
「複雑な名前がいいんだね? ボウモア・レジェンド。マッカラン・レジェンド。タカラ純レジェンド。シーガスリーバル・
レジェンド・スペシャルリザーヴ、と言うのもいいね」
「ぎ、ぎちょ〜〜〜! やめてください! 頼みますぅ!」
デュランダルの服の裾を掴み、ルナマリアの目尻には涙が浮かんでいた。
341(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2008/12/24(水) 19:35:44 ID:???
続く。
342通常の名無しさんの3倍:2008/12/24(水) 19:45:40 ID:???
サイタマwwwwwwwwww
343通常の名無しさんの3倍:2008/12/24(水) 20:43:49 ID:???
いつの間にか議長がアフラン化したらしい
「足など飾りだ」とか言いそうだ
344通常の名無しさんの3倍:2008/12/24(水) 21:13:22 ID:???
なんというウィスキーwwwww
345通常の名無しさんの3倍:2008/12/24(水) 21:49:37 ID:???


サイタマwww
議長、命名は専門的じゃなくてもわかるからツッコメよww
346通常の名無しさんの3倍:2008/12/24(水) 22:51:13 ID:???
サイタマ激吹いた
347通常の名無しさんの3倍:2008/12/24(水) 23:09:33 ID:???
サイタマいいじゃないかサイタマwwww
348通常の名無しさんの3倍:2008/12/25(木) 02:05:34 ID:???
GJ!

ていうかマモルwww
349通常の名無しさんの3倍:2008/12/25(木) 07:29:48 ID:???
お、まとめにVIPのSSきてるね
肝心のパー速は少し止まってるみたいだが

というか最近左のメニューバーの更新がほとんどねぇな
更新項目かサイト検索から見たいSS直接指定しないとだめだ
350通常の名無しさんの3倍:2008/12/25(木) 17:52:37 ID:???
議長……確信犯ですよね
351160 ◆bNjyEVHuYM :2008/12/26(金) 00:53:35 ID:???
超久しぶりの投稿です。
妄想だけはいっちょ前に膨らんでいたのですがなかなか筆が進まず('A`)
とりあえず小分そばみたいに一区切りごとにちょこちょこと小出しにしていこうと思います。

あと題名は
「ぼくがかんがえたシンがしゅじんこうっぽいおはなし」
略して「ぼくシン」で。
352ぼくシン ◆bNjyEVHuYM :2008/12/26(金) 00:57:12 ID:???
前回までの話
・BTW発生
・キラ再び立ち上がる
・アレックスセイバー受領
・カガリ、オーブの連合との結託を受諾

「……こんなことになってしまって、本当に済まないと思っている」
カガリはミネルバの停泊している埠頭でタリアに頭を下げた。
「いいのです。状況が状況ですし……それに、完全に修理と補給が済むまで猶予を持っていただけたことには感謝しています」
「まあ、それぐらいしか我が方には出来ませんしな。なにせあなた方とはこれから敵になるのですから」
ウズミの渾然とした物言いにタリアは表情を曇らせる。
「戦場で名誉などあるか、といえばそれまでですが……オーブが名誉ある国であることは我らミネルバのクルーが保証します」
「ありがとうございます。ところで、あの赤い目の少年――シン=アスカ君はどうしていますか?」
カガリはやや肩をすくめた。タリアは意外な顔をしたが、すぐにその件については察した。
「おそらく自分の機体の整備でもしているのでしょう。もう降りてはこないと思います」
(随分と嫌われたものだな。無理もないが)
カガリは内心自嘲した。かつて家族を焼き、また今自分を売ろうとする奴を好きになるほうがおかしいか。
「……では、言伝を頼みたいのです。これを彼に」
かすかに憂いを潜めたカガリの目を見据えながら、タリアははっきりと首肯した。
「なんなりと」
353ぼくシン ◆bNjyEVHuYM :2008/12/26(金) 00:58:21 ID:???
「エリカさん、これが今のルージュなんですか?」
MS格納庫にたどり着いたキラが、意外そうにエリカに尋ねた。
「ええ。IWSPっていう複合兵装ストライカーパックを参考にして新たに組み上げたものよ」
「……ずいぶん重武装のようですが、空戦に耐えうるんですか?」
「エクステンダーのおかげで大分出力が上がったからね。かつてのフリーダムのような純粋な高機動機には適わないけど、それでも結構な時間は滞空できるようになってるわ。
……まあ、気に入らなければエールに戻すけどね」
エリカは胸を張ったと思えば、肩をすくめてみたりとせわしなく動いた。
キラは内心この全部乗せラーメンのような機体に不安を抱いていたが、表情には出さず黙っていた。とりあえずはテストしてみないことには始まらない。
「――わかりました。とにかく、あのザフトの艦が出港してから外で動かしてみましょう」
「本当に!?よかった、こんなゴテゴテしたの使いこなせそうなのはなかなかいなくってね!皆あんまり試してくれなかったのよ」
「……ああ、はい……」
(……そりゃこんなのよりはもっとシンプルに使えるほうが戦場には堪え得るよなあ……)
本当に大丈夫なのかな、キラは内心苦笑した。
「それで、こいつはなんて呼べばいいですか?」
「そうねえ……見た目からそのまんま『アーシェ』って呼んでたわね」
「アーシェ……灰、ですか」
たしかにそのままだが、別に悪くはないと思った。
「分かりました。このアーシェ、乗りこなせるよう頑張ります」
「そうしてくれるとありがたいわ。じゃあ、細かい点を説明するわね」
そうしてエリカはアーシェに関する詳細を語り始めた。
――久しぶりの戦場――
またそこに出ることになるのか、とキラは軽い身震いに襲われた。
354ぼくシン ◆bNjyEVHuYM :2008/12/26(金) 01:00:49 ID:???
ミネルバのクルーは整備士達を含めた全員がブリーフィングルームに集まり、タリアがその出港の旨を伝えた。
「おそらく……というか間違いなく、連合の艦隊がオーブの領海を包むように待ち構えているわ。レイ、シン、ルナマリアはそれぞれミネルバの周りに展開して、守りを固めてもらいます。
また、目的地のカーペンタリアから味方の増援が来ることが考えられますが、距離の関係上間に合わないとみていいでしょう。そこで、攻撃を集中させないよう外側から回り込むように動きます。
なお、シンには言伝を承っているので少し残りなさい。諸君らの健闘に期待しています」
タリアが命令を伝え終わると総員は敬礼をして、シンとタリア、アーサーを残して持ち場に戻り始めた。
「――言伝とはなんでしょうか?艦長」
シンは言葉こそ丁寧だが、何かを察したのか不機嫌さを押し殺したような声で言った。
「カガリ代表からよ」
その一言で、やはりと言わんばかりにシンの表情がキッと締まった。無視してタリアは手紙を差し出す。
文面にはこうあった。
『――シン=アスカ君。君の家族の不幸に関しては、それは何を弁解しようと私たちオーブの責任であることは否定できない。そして、私達はザフトを追い出さなければならない――国を焼かないため――にだ。
恨むなら恨んでくれて構わない。そして、オーブが周りの国を焼こうとしている時、君にはオーブを討つ権利がある。存分にやってくるといい。
オーブ首長国連邦代表 カガリ=ユラ=アスハ』
「……」
シンは怒りと悔しさ、そして悲しみがない交ぜになったような形容しがたい感情に満たされた。
「その手紙に何をしたためてあるのか私達は知りません。だけど、代表は代表なりに国をどうにかしようともがいているのよ。君は君の出来ることをしなさい」
そう言うとタリアとアーサーは立ち去った。
シンは軽く呆然自失にあったが、やがてその目に光が取り戻されると、格納庫へと駆け出して言った。その眼は以前より強く、それでいて粗暴ではない意思が灯されていた。
355ぼくシン ◆bNjyEVHuYM :2008/12/26(金) 01:03:53 ID:???
今回はここまでです。短。
次は戦闘メインの話と思われます。
356通常の名無しさんの3倍:2008/12/26(金) 01:40:21 ID:???
おっ、このカガリはカッコいいな。続きに期待。
357ぼくシン ◆bNjyEVHuYM :2008/12/26(金) 01:46:58 ID:???
あ、致命的な間違いが・・・
>>352のウズミ→ウナト でした、なにやってんだorz
358通常の名無しさんの3倍:2008/12/26(金) 06:48:11 ID:???
オリジンにてザクレロ無双
359通常の名無しさんの3倍:2008/12/26(金) 12:23:29 ID:???
二人ともGJ!
てか大空のサムライとサイタマwwww
>>355
シン「『二度とオーブを焼かない』方法……それはアンタが死ぬ事だ」
銃声――

色々あったが、名実ともにオーブのトップになるセイラン。
ウナト「君のおかげでオーブは討たれずに済んだ。代表として礼を言う」
シン「…俺は英雄なんかじゃない。アスハを殺したのは私怨です」
361通常の名無しさんの3倍:2008/12/28(日) 14:18:37 ID:???
カーソン家のエレン
362274 ◆IMIO2MAqvA :2008/12/28(日) 16:24:23 ID:???
>>274でシンのアカデミーの頃の話を書きたいと言った者です。第一話を投下します。
363274 ◆IMIO2MAqvA :2008/12/28(日) 16:28:07 ID:???
頭上で光の雨を降らせる天使。天使の降らせた光の雨は、僕から家族を奪っていった。オーブはその理念を守り通したけど、国土と、僕の家族は守れなかった。

もう、オーブにはいたくなかった。



「IF」――GUNDAM SEED DESTINY :Sin in Academy



「プラントは君を必要としている!」という黄色い文字の上には、剣を構えた灰色のMS。後で知った事だけど、こいつは「ジン」というらしい。僕の名前に良く似てるな、と思った。
MSのパイロットは、昔プラントのテレビ番組でMSを見て以来、憧れていた仕事の一つだ。でも、父さんや母さん、マユの命を奪ったのは、他ならぬMSだ。正直、悩んだ。

「お名前は?」
「シン・アスカです」
「出身は?」
「オーブです」
「ほう、移民の方なんだね」

結局、僕はプラントの義勇軍「Z.A.F.T」に入る事に決めた――入れるかどうかは、また別問題だったけど。アカデミーに入る事が出来れば、部屋が与えられ、給料が貰える。何といっても、食べていかなくちゃならないんだから、四の五の言ってはいられなかった。
「MSのパイロットになる」という事については、「家族の仇を取る」と考える事にして、無理矢理自分を納得させた。
元々運動神経は良い方で、実技試験――と言っても体力テスト程度のものだったけど――にはそれなりの自信があった。けど、僕程度の運動神経は、プラントじゃ別段大したものでもなかったみたいだ。
筆記の方もギリギリだったみたいで、後に発表された合格者の順位は、下から勘定した方が早かった。
とにかく、僕は「アカデミー」に入る事が出来た。

「大戦が終結し、軍隊の存在がその意義を問われている今、諸君の役目は、危ういバランスの上に成り立っている平和を維持する事である。諸君の力で……」

プラント最高評議会のギルバート・デュランダル議長という人の話を聞き、その他プラントの偉い人の話を聞き、その他色々な注意事項やらを聞き、たっぷり四時間の入学式を終えて、僕は、偉い人の話が長いのはオーブでもプラントでも変わらないんだな、と思った。
コーディネイターというのはナチュラルよりも優れた人間らしいけど、話を簡潔にまとめる能力に関しては、どちらも落第点なんだという事を知り、ちょっとがっかりした。
364274 ◆IMIO2MAqvA :2008/12/28(日) 16:31:16 ID:???
「……暇だな」

その日、する事がなくなり、僕は本でも読もうと思ってアカデミー内の図書館に行った。少しでも暇になると、亡くした家族の事が思い出されて、辛かったんだ。
それに、家族の事を思い出すと、それを奪ったMSの事も一緒に思い出されて、怖くなった。同時に、自分の中で何か黒いものがむくむくと膨れ上がるような感じがして、怖かった。

「何読もう……」

適当に歩き回りながら、本棚に収まった本たちの背表紙を流し読む。図書館には僕と同じように暇を持て余した人達がいて、なんとなく親近感が湧いた。

「ねえねえお姉ちゃん、見てこれ!『濃い空』があるよ、この図書館!」
「うわ、意外となんでもあるのねえ。てっきりもっと軍隊色の強いものばっかり置いてるのかと思ってたわ」

赤毛の女の子が二人、場を弁えずに騒いでいるのを見て、僕はちょっとムッとした。

(それに、あの本)

「濃い空」――マユが読んで、「すっごい泣ける」と言って僕にも勧めてきた本だ。壊滅的な日本語とやたら生々しいセックスの描写ばかりが目立っていて、とてもじゃないが読めたものじゃなかった。
小学生の読むものじゃない、と思って、「無くした」と言って捨ててしまったのを覚えている。マユにはかなり怒られたけど、正直後悔も反省もしていない。

「うるさいな……」

ぼそりと呟いた声は、騒ぐ赤毛の二人組以外の声がしない図書館では通った。こちらを振り向いた赤毛の二人組がモロに視界に入り、言わなければ良かった、と内心後悔した。
ツインテールの赤毛がショートカットの赤毛――さっき「お姉ちゃん」って呼ばれてた方だ――に何事かを囁き、ショートカットの――ええいめんどくさい、「お姉ちゃん」でいいだろ「お姉ちゃん」で――赤毛が頷き、こちらに向かって来た。
面倒な事になった、と思って、とりあえず目の前の本棚から適当に本を引っ張り出し、夢中になって読んでいるフリをした。
365274 ◆IMIO2MAqvA :2008/12/28(日) 16:33:07 ID:???
「ごめんなさい、うるさかったわね」

しかし、「お姉ちゃん」は見事に僕の夢中っぷりを無視した。空気読んでくれよ。

「別に……。俺の方こそ、悪かったよ」

本に夢中になっているフリをしながら、適当に返事をするフリをする。我ながら完璧だ。会話が繋げなくなれば、相手も引き下がってくれるだろう。

「ホントよね、全く」

は?

「何?その無愛想な返事。入学して早々そんなんじゃ友達出来ないわよ」

なんだよそれは!そう叫びそうになる僕と僕の持った本の間に、ずいっと「お姉ちゃん」の顔が入ってくる。さっきよりもよっぽど叫びそうになった。

「ちょっと、聞いてる?」
「き、聞いてるよ!」

ふうん、と呟いた「お姉ちゃん」の視線が、僕の持った本のタイトルに移った。

「……お邪魔しちゃってごめんなさい」

あれ?いきなりなんだよ?

「そんな可愛い顔しといて、やっぱり男の子なのねえ……」

いきなりわかったような事を言って去っていった「お姉ちゃん」を不審に思って、自分の手の中の本に目をやった。

「……『昼下がりの団地妻〜愛欲の果てに〜』……」
366274 ◆IMIO2MAqvA :2008/12/28(日) 16:34:24 ID:???
第一話終了です。なんか酷い始まり方ですが、よろしくお願いします。
367通常の名無しさんの3倍:2008/12/29(月) 02:01:51 ID:???
ひでえwwwww
368通常の名無しさんの3倍:2008/12/29(月) 20:12:02 ID:???
ラッキースケベと呼ばれる下地がもうこの頃から……
369(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2008/12/30(火) 18:45:30 ID:???
「お帰りなさいませ、代表!」
「「お帰りなさいませ」」
軍用機から降り立ったカガリを、マシマ・タツキらが出迎える。
「苦労を掛けたな、お前達にも」
「いえ、代表こそ」
「ところで」
カガリは声を小さくした。
「マルキオ導師は尋問したか?」
「は、一応、話を伺いましたが知らぬ存ぜぬ。まったくモビルスーツが格納されたシェルターの事など知らなかったと」
カガリは難しい顔をした。あれはアスハ家で作らせた物だ。マルキオも承知の上だった。
「なんにせよ、尋問しようにも導師は地球連合外交官の肩書きを持っておりまして……」
「こうなったら私が直々に事情を聞くか……」

だが、カガリがマルキオ邸に着いた時、マルキオは姿を晦ましていた。
キラの母親にも事情を聞いたが、本当に知らないようだった。
カガリはカリダ・ヤマトを収監し、子供達は他の養護施設へと送った。
「そう言えば、ハルマ・ヤマトの具合はどうだ?」
カガリは随員に尋ねた。
キラ・ヤマトの養父ハルマ・ヤマトは前戦役後、しばらくマルキオ導師の孤児院の手伝いなどをしていたが、精神に
変調を来たし、病院に収容されていた。
「は、未だ回復しておりません。窓を異常に怖がります。相変わらず、変な視線を感じたり奇妙な羽音が聞こえる
と主張して…… 相変わらず『いあ! いあ!』とか不明な叫び声も上げますし」
「そうか。気の毒にな。さて、まだやる事があるな」
「は?」
「アークエンジェル、アークエンジェル乗員の国際指名手配をしておいてくれ」
カガリは随員にファイルを渡した。
「……このリストの中には、キラ・ヤマトの名も入っておりますが、よろしいのですか?」
「構わん」
その時のカガリの顔は、紛れもなく為政者の顔であった。


「猊下、ここに居られたので」
ベルットーネ枢機卿は、テラスに立っていた老魔法王ベネディクトに話しかけた。
「ああ、夜空はいい。神の実在を実感できる壮麗さだ。いつか……行って見たいものだ。はは。夢物語だがな。で、
なにか?」
「……オーブに居住していたマルキオが、いずこともなく姿を消したそうです」
「――! まぁ、奴がどう姿を消そうと、どこに現れようと今更驚かぬが……。何を為そうとしているのか、引き続き
奴の情報を集めよ」
「はっ」
「マルキオめ……」
ベネディクトは呟いた。
「もし神の道に沿わぬ背徳的な事を為そうとしているなら、再び矛を交わさねばならんかも知れん……」


370(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2008/12/30(火) 18:45:51 ID:???
誰もいなくなったマルキオの館。
そこに、三人の男女がまるで空中から飛び出るように、姿を現した。
「タイムパトロール、両澤千晶よ!」
「同じく、福田己津央だ! 時間犯罪を目論んだ罪によりおとなしく両手を上げて……」
「……誰もいないようだぞ」
「そのようだな、菁滋。ちっ。先を越されたか」
「だいぶこの世界の改変は進んでいる。早くしなければ……米帝に世界を支配させるなど! なんとしても防がね
ばならん!」
「菁滋は相変わらずアメリカ嫌いねー」
「それにしてもマルキオ導師とは何者だ?」
「さぁな。ミニスカトニック大学入学以前の経歴はわからん」
「ふん! あの下品な大学!」
両澤は罵った。
またか、と竹田菁滋は溜息をついた。
ミニスカトニック大学の女子学生の制服はミニスカだった。
両澤はもはや自分がミニスカが似合わない状態であるので女子大生に嫉妬しているのだった。
「ともかく、奴を捕まえれば全てがわかる。行くぞ」
福田が言った。
次の瞬間、現れた時と同じように3人の姿は消えた。


371(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2008/12/30(火) 18:46:17 ID:???
「カーペンタリアに合流せよ、か。簡単に言ってくれる」
マハムール基地指令、ヨアヒム・ラドルは呟いた。
この地域のザフトの戦力は低下していた。
地球連合によるガルナハン奪回も指を加えて見ているしかなかったのだ。
『――空襲警報発令! 空襲警報発令!』
サイレンが鳴り響く。
ヨアヒムは地下壕へと避難する。

「野郎ども! ザフトの連中もちったぁ骨のある奴らだろうが、どうにも放っちゃ置けねえ! 気張れよ!」
野中五郎少佐は侠客染みた言葉で部下に叱咤する。
「合点でさぁ!」
部下達も、侠客言葉で答える。
へへ。ここまで侠客としての演技を出来ているなら、心配する事はないな。
と野中は思った。
野中達が乗っているのはAー30対地攻撃機、通称サンダーボルトV。総勢10機。それを、20機のユークリッド隊が
護衛する。
「わざわざ来てやったんだ。何かいい獲物はいねえか?」
「あれは、どうでやすか? でっかい陸上戦艦がありやすぜ!」
「ようし、第4と第5小隊は空港、地上施設を叩け! 後は陸上戦艦にでかいのぶち込もうぜ!」

野中達の爆撃隊を発見すると、マハムール基地のバビ隊は迎撃のために飛び立った。
その数約60機。全力出撃である。爆撃隊と比べ約2倍。バビが垂直離陸が可能なために出来た芸当だった。
マハムール基地の誰しもが迎撃の成功を確信した。

迎撃に出てきたバビが、機関砲を撃って来る。
「ふ……効かんよ」
爆撃隊の護衛隊隊長リチャード・ボング少佐はひとりごちた。
彼のユークリッドには操縦席の前に女性の絵が描いてある。リチャードの婚約者のマージの絵だった。
「マージ、君を傷付けさせなどしないさ!」
すでにビームシ−ルドは展開されている。
バビの機関砲弾はビームシールドに防がれる。
リチャードはバビがその機関砲弾を浴びせてくるのに構わず突撃すると、ユークリッドの52mm7連装ガトリング機関
砲を叩き込む。バビは爆散した。
「ふ……バビごときにビーム砲を使うまでもないわ!」

372(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2008/12/30(火) 18:46:33 ID:???
「な、んだと!?」
バビのパイロットは驚愕した。
機関砲も、ミサイルも、効かない! 敵機の前面に膜があるかのように防がれている。
「こうなったら!」
一機のバビがモビルスーツ形態になり、バビの最も高い攻撃力を誇るアルドール複相ビーム砲を放つ。
だが、それも敵機の前面に膜があるかのように拡散してしまう。
そしてモビルスーツ形態になった事で表面積を拡大させたそのバビは、蜂の巣の様に敵機の機関砲弾を浴びる
と、墜落していった。
バビ隊は混乱し、一方的な狩の獲物となった。
後に、この空戦は『マハムールのターキーシュート』と呼ばれるようになる。

しばらくの後、警報は止んだ。地球軍の爆撃隊はようやく去ったのだ。
「被害報告です――」
部下が報告する。
「陸上戦艦『デズモンド』大破、『バグリィー』大破。もう使い物にはならんでしょう。敵の攻撃が陸上戦艦に集中した
ので、空港施設、地上施設の損害は、比較的軽微です」
ははは。陸上戦艦など。どうせ、もう使い道など無いのに……無駄な事を。
「はははは……」
ヨアヒムは屈折した喜びを胸に覚えた。
ここまでやられればいっそあきらめもつくと言う物だ。
「基地を撤収する! 詰めるだけボズゴロフ級と輸送機に積み込め。詰めない物は破壊しろ。ブービートラップも
忘れるなよ!」


373(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2008/12/30(火) 18:46:50 ID:???
「ラクス、これを見つけた。見てくれ、とんでもない事が書いてあるぞ」
ここはメンデル。
バルトフェルドが、一冊の大学ノートを持ってきた。
「拝見しましょう」
ラクスとバルトフェルドは目で合図をし合った。
ラクスはそのノートを手に取った。何が書かれているか確認するようにパラパラとページをめくる。
「それではキラを、呼んでくださいな」
しばらく後、キラがやって来た。
「どうしたの? ラクス?」
「デュランダル議長が、何を考えているかわかりました」
「ええ?」
「このノートは、メンデルでデュランダル議長の同僚だった者の物です。これに、デュランダル議長が何を考えてい
たのか書かれていました」
「それで、なんと?」
「デュランダル議長は、遺伝子によって職業を割り振る事を考えていたようです。それをデスティニープランと名づ
けていました」
「……?」
「運命計画――それは、遺伝子によって人生を決めさせられるのも同じ事。キラ。あなたはコンピュータをいじるの
が好きでしょう?」
「うん」
「でも、コンピュータとまったく縁の無い仕事を強制されたら? そして、それを決めるのは誰なのでしょう? デュラ
ンダル議長でしょうか? それは全人類を支配しようとする事です。それは人が神になろうとするのと同じ……」
「そんなのとんでもない! 働いたら負けじゃないか!」
「そう。とんでもない事です。なんとか阻止しなくてはなりません」
「うん、絶対に阻止しなくちゃ!」
意気込むキラを、バルトフェルドは少し離れた所からなんとも言えない光を目に湛えて見つめていた。


黒海を制圧した地球軍とオーブ海軍はイタリアのタラントに入港した。地中海西部は彼らの物だった。

「景色のいい所よね。さすが地中海って感じ」
ミューディーがはしゃぐ。
入港したばかりだが、艦の外へ出る事を許されたのだ。
「ああ。休暇、取れるらしいな。トマト料理でも食べに行こう」
シャムスも嬉しいらしい。声が弾んでいる。
「そして鋭気を養った後は! 一気にジブラルタルを取る!」
「はは。そう気張るな、原田」
スウェンが左之助の肩を叩く。
「簡単に考えるなよ。ザフトは黒海から無傷で撤退した。ジブラルタルに戦力を集中してると考えられる」
向こうから歩いて来た人がスウェン達に話しかける。
「あ、笹井少佐!」
スウェン達は敬礼する。ユークリッド隊の中隊長、笹井醇一少佐だった。
笹井も微笑んで答礼する。紅顔の美青年である。
「楽にしてくれ。ま、気を緩めず、楽しもうと言う事だな」
「はい!」


374(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2008/12/30(火) 18:47:10 ID:???
「うーん。デスティニーか……」
アスランは休憩室でコーヒーを飲みながら考え込んでいた。
「あらためてデータを詳しく見るとなぁ。試作品だけあってまだ練れていない様だが……。どう言った使い方をすれ
ばいいのか? 格闘、砲撃。いずれにせよどちらかの装備がデッドウェイトになる、か。機動力を生かしてすばやく
射点に着き、遠距離射撃、と言うのがいいかもな。格闘は緊急事態と割り切って。どうせ俺は前線には出ずに指揮
に集中したいし。よし。次は、インパルスとセイバーを誰に任せるか……」
「よっ!」
声がかけられた。
「あ。ハイネ」
「色々考えてるんだなぁ」
「ええ、まぁ。各自の特長を生かして新しいフォーメーションをと」
「そうか。俺は戦闘馬鹿だからそう言うの苦手でな。尊敬するぜ」
「いやぁ」
「お前、早く上に行った方がいいかもな。いつまでも最前線で切った張ったしてねぇでさ。もったいねぇよ」
「ありがとう、ハイネ」
「じゃ、あまり根詰めるなよ!」
ハイネは去って行った。入れ替わりのようにルナマリアが部屋に入って来た。
「あ、アスラン!」
「やぁ、ルナ」
「休憩中ですか? はい、差し入れ! 軽いものでもどうですか? エビとカニのグラタンです」
「ああ、ありがとう」
「エビとカニって言ってもこれ、MREじゃないんです。プラントの物とは大違い! 基地周辺で取れた物持ってきた
んですよ? タバスコ使わなくても臭みが無いんです!」
「ああ、そうなんだ」
プラントでよく食べられる海産物、エビ・カニなどの甲殻類は下水で養殖されており臭みがある。それをごまかすた
めに唐辛子が用いられていた。海鮮ジョンゴル鍋が流行ったのも頷ける。
だが、ルナマリアの感動は、プラントの上流階級だったアスランにはいまいち伝わらなかったようだった。
「何、してたんですか?」
「ああ。デスティニーの戦い方とか、インパルスとセイバーを誰に任せようとか、フォーメーションをどうしようとか、
色々な」
375(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2008/12/30(火) 18:47:17 ID:???
「……それ、私も考えてたんですよ」
「うん?」
「宇宙と、地球上じゃ、フォーメーション変えた方がいいかもしれない。ほら、レジェンドって、一応空飛べるけど、
地球上じゃ機動性はセイバー程じゃないんですよね。ドラグーンも使えないし。だから宇宙なら前衛から中衛まで
こなせると思うんだけど、地球上じゃ中衛から多数の砲を生かして砲撃支援するのがいいかな、とか。まぁ、ミネル
バ、もうすぐ宇宙に帰れば必要なくなりますけどね」
「そっか。そうだよな。地球上と宇宙じゃ別けるべきだな。じゃあ、ルナは地球上でのフォーメーションはどう考える?
 ちなみに、俺の考えではデスティニーは遠距離からの砲撃がいいと思ってる」
「そうですね、じゃあ、グフに前衛やってもらって、レジェンドは中衛。バビ、セイバーが前〜中衛、ガナーザクとデス
ティニーが後衛、インパルスは状況によりシルエットを切り替える、でしょうか?」
「うん、なかなかよさそうだな。……でも、結構しゃべってくれるんだな。この間は機嫌でも悪かったのか?」
「え? この間って……あ!」
ルナマリアは思い出した。
マユと一緒に居た時だ。
「あの時は……その……」
言える訳無いじゃない! マユに遠慮してたなんて!
「あ……。その、女の子の日、とか、ああ、なんだ、俺、無神経な事聞いたかもしれない。ごめん!」
「へ?」
アスランは真っ赤になってルナマリアに謝った。果たして彼は何を想像したのであろうか?
「でもよかったよ。嫌われてるようじゃなくて」
「嫌いだなんて! むしろ私はアスランの事……あ……その……す……」
ルナマリアの顔も真っ赤になった。
「その……用事思い出したんで失礼します!」
「あ? ああ、またな」
どこまでもニブいアスランだった。
376(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2008/12/30(火) 18:47:27 ID:???
続く。
377通常の名無しさんの3倍:2008/12/30(火) 19:32:47 ID:???
>>「タイムパトロール、両澤千晶よ!」
>>「同じく、福田己津央だ! 時間犯罪を目論んだ罪によりおとなしく両手を上げて……」

ココで吹いたw
378通常の名無しさんの3倍:2008/12/30(火) 21:39:11 ID:???
>>377
どう考えても時空犯罪者じゃねぇかwww
379通常の名無しさんの3倍:2008/12/30(火) 23:16:22 ID:???
てか、マルキオのあまりにも●●●●●●●●っぷりに誰も突っ込まな……ああ、窓に窓n(ry
【そろそろ飽きてきたとも言う】
380通常の名無しさんの3倍:2008/12/31(水) 02:02:15 ID:???
ブルコススレの最新ネタをwww
381通常の名無しさんの3倍:2008/12/31(水) 02:17:13 ID:???
乙です
しかしそうだろうと思ってたがブルコススレ住人かwww
382通常の名無しさんの3倍:2009/01/01(木) 02:10:14 ID:???
ブルコススレはなぜかCE最高の外交力を持つのはプラントのカナーバと認めている
誰かあいつの交渉がどんなんか書いてほしいわ
383通常の名無しさんの3倍:2009/01/01(木) 09:05:12 ID:???
確かに最終決戦に投入した戦力は互いにボロボロだったが、連合には月面基地や地上などにまだ山ほど戦力があった
しかもザフトはプラントを不法占拠したテロリストで、人類の1割を虐殺した
のみならず、NJ投下は常識的に考えれば、たった人口の1割で済んだのが奇跡と言えるほどの大災害
こんな状況下で、停戦のみならずプラントを国家として認めさせるってーなは、フィクションでも最高級の交渉能力がなきゃ不可能だ
384通常の名無しさんの3倍:2009/01/01(木) 09:07:02 ID:???
ああ、月面っつーか、月の裏側な
地理的にも宙域封鎖は簡単なわけで、連合側が優勢であることは間違いないのです
385通常の名無しさんの3倍:2009/01/01(木) 13:26:11 ID:???
つまりあの戦争はプラントの勝利だったと
386通常の名無しさんの3倍:2009/01/01(木) 13:41:59 ID:???
M導師が暗躍している気がする
387通常の名無しさんの3倍:2009/01/01(木) 13:54:36 ID:???
>>385
戦略目標(?)達成してるからな
地上部隊は壊滅でボアズは陥落して切り札のジェネシスは破壊され目と鼻の先まで連合軍が来てて連合軍には余力がまだまだあった
それでもプラントが独立できたのはカナーバの外交力チートすぎ、と
388通常の名無しさんの3倍:2009/01/01(木) 14:15:12 ID:???
あるいは連合側が聖人君子な優しさを発揮したか、その両方か
389通常の名無しさんの3倍:2009/01/01(木) 17:29:54 ID:???
種世界を裏から全てを操っているのは北斗七星(セプテリオン)
マルキンはセプの一員、コーディの製造技術は第五世界からというネタが出てきた
兄弟スレ行きでパイプオルガンの所の事後報告しか思いつかなかったがな
390通常の名無しさんの3倍:2009/01/01(木) 18:28:46 ID:???
実はザフトにはジェネシスβと呼ばれる秘密兵器があって
その存在をちらつかせて交渉をしたとか
裏で黒服のネゴシエーターを雇っていたとか
391通常の名無しさんの3倍:2009/01/01(木) 20:28:18 ID:???
まて、そのネゴシエイターは交渉相手を武力で説得する人だぞ?
392通常の名無しさんの3倍:2009/01/01(木) 22:34:53 ID:???
そのくらいのタフネゴシエータなんだよ、カナーバ
じゃ無きゃ
制圧寸前のテロ集団を無罪放免にした上、自分達の財産(プラント&資源採掘用に運んできた小惑星)
を無償譲渡の上正式に国家認定、一党独裁を続行&軍隊の所持を認めるなんてありえねえ。
普通交渉を打ち切ってプラント制圧して自分達の工場に戻すだろ?
元々自分のをテロ集団に乗っ取られてただけ、いわば宇宙に浮かぶ理事国の領土なんだし
393通常の名無しさんの3倍:2009/01/02(金) 00:49:49 ID:???
いいかげんスレチ
394通常の名無しさんの3倍:2009/01/02(金) 02:12:27 ID:???
誰かカナーバの超ネゴシエートSS書こうぜ
俺は書かないが
395通常の名無しさんの3倍:2009/01/02(金) 09:57:13 ID:???
ここはIfスレ
だから、もしカナーバが無能だったらSSとか
396通常の名無しさんの3倍:2009/01/02(金) 12:02:09 ID:???
>>395
プラントは植民地に逆戻り
ザラ派議員、兵士等のアスラン、サトー、ジュール隊、ドクターの懐柔は出来ずそのまま死刑確定で逃亡。
そして、ネオザフト(アスラン)VS連合の0083or逆シャアの開始
397通常の名無しさんの3倍:2009/01/02(金) 12:22:13 ID:???
>>395
無能と言うか普通の外交能力だったら、で十分でしょ。

プラント無条件降伏。
プラントに連合が入る。
永遠+自由、正義(ラクシズ)の引渡し要求。
NJ投下決議で賛成した人は公開処刑。
ザフトは武装解除。
食料生産コロニー廃棄。
第三世代研究施設破壊。
一部の軍が武装解除拒否で残党化。

これってオーブも同様なんだよな。
連合脱走兵+オーブ残党で連合を攻撃したんだから。
398通常の名無しさんの3倍:2009/01/02(金) 19:23:15 ID:???
普通の外交能力なら普通にプラント殲滅だろ
そもそも植民地に逆戻りもなにも、プラントは元々複数の国が共同で建設した工業コロニー群で、単なる工場だ
399通常の名無しさんの3倍:2009/01/02(金) 20:25:48 ID:???
要は工場の労働組合が出向してきた工場長とか追い出してここは自分の工場だと言ってるもんだな
本社のほうはふざけんなと色々やって結果、トラブル頻発

カナーバという組合の交渉役がやり手で完全に別会社だと対外的に認めさせてしまった

400通常の名無しさんの3倍:2009/01/02(金) 20:42:42 ID:???
武力で占拠とか無関係な世界中の人々も皆殺しになりそうなテロとか半端ないテロリスト集団
401通常の名無しさんの3倍:2009/01/02(金) 20:46:25 ID:???
>>399
いや、その例えだとガチで工場の雇われ従業員がここは俺達の国家だと言い張ってる感じ
402通常の名無しさんの3倍:2009/01/03(土) 00:33:50 ID:???
>>401
労働組合が労働争議の条件に「工場の無償譲渡」を条件にして会社側が拒否したら
工場を武力制圧して無差別にテロを開始、社長宅だけじゃ無く他の会社の電気もガスも水道も破壊
その後、工場を会社側が制圧
でもカナーバの交渉で「工場の無償譲渡」が決定無差別テロも無罪放免
403通常の名無しさんの3倍:2009/01/03(土) 07:19:23 ID:???
カナーバがこの交渉はフェアではないとか言い出したり、極悪犯罪者を無罪放免にするSSを書けばいいのですね
404通常の名無しさんの3倍:2009/01/03(土) 10:24:21 ID:???
わずか二年でしかもアスハを元首に据えた状態で主権を回復したオーブも大概だ
405通常の名無しさんの3倍:2009/01/03(土) 13:42:22 ID:???
結論:負債補正が(3年で)何とかしてくれました
406通常の名無しさんの3倍:2009/01/04(日) 13:53:00 ID:???
以下旧シャアより引用。

53 :通常の名無しさんの3倍:2007/09/17(月) 18:43:59 ID:???
では、企画段階のシロッコとはどのような存在だったのか。同じくLDボックスに収録されている84年付の富野メモには次のようにある。

■パプテマス・シロッコ
出生の秘密を持つ彼は、現代医学が生んだ超人間であったかも知れない。設定は用意してあるが、本作品では説明しない。
サイボーグという範疇では説明できない。その意味で言えば、完全に人である。
(ここまで引用。以下略)


…シロッコって初期設定ではスーパーコーディネイターだったのか…
ってことで「もしキラの性格がシロッコみたいだったら」?
407通常の名無しさんの3倍:2009/01/04(日) 14:58:25 ID:???
>>404
つユニウス条約
408通常の名無しさんの3倍:2009/01/04(日) 15:17:59 ID:???
>>406
クルーゼが論破される
409通常の名無しさんの3倍:2009/01/04(日) 16:23:29 ID:???
>>406
一般兵の声を当てる
410通常の名無しさんの3倍:2009/01/04(日) 19:07:36 ID:???
>>406
ドラグーン(ファンネル)を切り払う
411通常の名無しさんの3倍:2009/01/04(日) 20:46:49 ID:???
逆を考えてみた
バスク「シロッコ!貴様!」
シロコ「やめてよね、本気になったらOT(キミ)がNT(ボク)に敵うわけないじゃない」
412通常の名無しさんの3倍:2009/01/04(日) 21:35:08 ID:???
ああっ生まれて初めて、多分最初で最後にバス蛸を応援したくなるッッッ
413通常の名無しさんの3倍:2009/01/04(日) 23:58:31 ID:???
そういやシロッコが種世界に来てシンパ増やしてくスレが昔あったなぁ
414通常の名無しさんの3倍:2009/01/06(火) 12:03:35 ID:???
>>413
もしZキャラがスレのパプテマスさまだな。
いい歳してシンと同期でアカデミー入って、シンパ増やしつつ種死開始へってやつだったな
415通常の名無しさんの3倍:2009/01/06(火) 13:20:07 ID:???
>>414
シンと同期なのかよwww浮きすぎだろww
416通常の名無しさんの3倍:2009/01/06(火) 14:35:58 ID:???
つ「U.Cガンダムは老け顔が多い」
417通常の名無しさんの3倍:2009/01/06(火) 17:12:23 ID:???
あれはシロッコさが足らない気がした
どうせなら女口説きまくって成り上がりとか見たいw>シロッコ主役
418通常の名無しさんの3倍:2009/01/06(火) 18:35:21 ID:???
他人の婚約者寝取りまくるキラさんに通ずる所があるなw
419通常の名無しさんの3倍:2009/01/06(火) 20:22:39 ID:???
つまりカガリとラクスに対する枕営業でザフト兼オーブ宇宙軍准将の階級を手に入れるシロッコ様と
420通常の名無しさんの3倍:2009/01/06(火) 20:26:30 ID:???
そうすると
もしも種の主人公がシロッコ様だったら

OSの組替普通にやれそうだし艦長以上に戦闘に目が利くしアスランと親友はないだろうから
イージスは奪取されなかろうし他3機も瞬殺できるだろうし…あれ、AA的にいい事ずくしじゃね?
421通常の名無しさんの3倍:2009/01/06(火) 22:47:27 ID:???
取りあえずAA艦長に就任
片手間にパイロットとして出撃しつつ新型MS開発
さらっと連邦軍内の地位を手にいれドミニオンの艦長に
同乗していた盟主を謀殺、ブルコスの権力掌握
422通常の名無しさんの3倍:2009/01/06(火) 22:50:14 ID:???
>>421
フレイを誑かして女王にでも据えそうだな
423通常の名無しさんの3倍:2009/01/06(火) 22:59:21 ID:???
そして何故かムラサメが突き刺さって死亡
424通常の名無しさんの3倍:2009/01/06(火) 23:05:59 ID:???
カズィの精神を連れて逝きます
425通常の名無しさんの3倍:2009/01/06(火) 23:08:14 ID:???
>>423
だからドリルは取れといったのだ・・・
426通常の名無しさんの3倍:2009/01/07(水) 02:32:17 ID:???
>>419
カガリとラクスはシロッコの好みには合わなさそうだ
枕するのも嫌な感じで
427通常の名無しさんの3倍:2009/01/07(水) 07:14:53 ID:???
>>426
んー、カリスマあって御っしやすい女性を女王に据えたいから、そうでもないだろ
つか、シャアと違ってシロッコは女に関しちゃ懐深い
428通常の名無しさんの3倍:2009/01/07(水) 11:58:58 ID:???
単に利用するだけでなく
それなりに自分の女という作品に
愛情をこめるしたいした男だよ。
429通常の名無しさんの3倍:2009/01/07(水) 17:03:34 ID:???
サラが死んだ時も怒ったしたしね。
シロッコとしては、
カガリは種のオーブ侵攻前なら嫌いにならんと思う。
ラクスは…正直わからん。
430通常の名無しさんの3倍:2009/01/07(水) 17:27:55 ID:???
行動の可否とか関係なく女を取り込めてしまうってのがシロッコの強み
取り込んだら完全に自分色に染め上げちまうしなw
431(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/07(水) 18:08:29 ID:???
『まあ、メンデルへ行ってきたの?』
「ええ、カナーバさん。そちらは変りありませんか?」
ラクスは誰もいないエターナルのブリッジで、アイリーン・カナーバに語りかけた。
『順調に、状況は悪くなっているわ。つい先日配給制が再開されたわ。それで、メンデルには何を?』
「ええ、デュランダル議長の瑕疵になる物が見つかったのです」
『ああそう。彼も、クライン派からも非難する声が上がり始めているわ。同士を取りまとめ中よ。無理ないでしょうね。戦争がうまく行ってないのだもの。プラント市民も気まぐれなものよ。私もユニウス条約を結んで早々に辞任させられて幸いと言うところかしらね』
「――カナーバさん。先の戦役後、あなたが評議会議長を引き受けてくれた事は決して忘れませんわ。あなたが成
し遂げた事の大きさもわたくしはわかっていますわ」
『ふふふ。ありがとう。でも、あなたにも同じ事ができたと思うわ」
「いえ、まさかわたくしにそんな……」
「あら本当よ? まぁいいわよ。あなたに泥を被らせる訳には行かなかったものね。プラント市民はそれはもうユニ
ウス条約に不満を持ったようだから。それよりプラントにはいつ帰ってくるの? ここではあなたの贋物が大人気よ。
プラント市民にもあきれたものね』
「今は……まだ。機会を待ってください」
「ああ、待ち遠しいわ、ラクス。早く帰って来てね? あなたがいなければどうしようもないもの。待っているのよ、本
当に」
「ええ、ありがとう」
通信は終わった。
ラクスはふいに眉をしかめた。何か、砂糖を入れすぎた紅茶を飲まされたような気分になったのだ。
このもやもやした気分は何だろう?
ラクスはぶるんと頭を振ると、大洋州に根を張るテロリストグループ、『海の猟犬』のボスに向けて次の通信をはじ
める。
「ああ、ポール・ワトソンさん。ご機嫌いかが? 相変わらず捕鯨船に酪酸投げ込んでますか? 大洋州の様子は
どうかしら? ウランとプルトニウムの確保は……」


――バチカン――
「アナキン。君が友達に暴力を振るったと言うのは本当ですか?」
一人の神父がアナキンに話しかけた。
「はい。事実です」
アナキンは悪びれずに言った。
「でも、そいつは殴られて当然の事をしました。ちゃんと手加減もしました」
アンデルセン神父は振り返ると言った、
「アナキン、君は強い。だからこそ、言います。今度やる時は、七倍、いや、七の七倍手加減をしてやりなさいと。
外に出せば、普通の暴力事件の被害者で通る傷を負ったのですよ? あなたの友達は?」
「……はい」
アナキンはうつむいた。
「理解しているようですね? では、友達に謝りに行けますね?」
「はい!」
「よろしい! いいですか? アナキン。よく覚えておきなさい。容赦なく暴力を振るって良い相手は悪魔共と……」
神父はにこりと笑って言った。
「異教徒共だけです」


432(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/07(水) 18:08:49 ID:???
「私がインパルスに?」
「そうだ。艦長とも相談して決めた」
アスランはレイに微笑んだ。
「マユは、射撃ならお前と同じくらいの腕前だが、お前は格闘戦でもそつなくこなせる。インパルスの特長を活かせ
るだろう」
「しかし、ハイネが居るのでは?」
「ハイネは、グフで対モビルスーツ格闘に専念したいそうだ。やれるな? 俺はお前ならやれると信じている」
アスランは微笑みながらレイの肩に手を置く。
「はい、微力を尽くします!」

「私がセイバー……大丈夫かなぁ?」
「マユなら大丈夫よ」
「格闘戦なんて自信ないし」
「あら、私だってセイバーで格闘なんてした事ないわよ?」
「そうだっけ?」
「うん。とにかくまずはモビルアーマー形態を生かして敵の攻撃に当たらないように動き続ける事。それだけでかく
乱と言う役割は果たせるわ。攻撃なんて慣れてからやればいいのよ。砲撃はマユのお得意でしょ?」
「うん、私頑張る。頑張るから!」

「やっと宇宙へ帰れるんだねぇ」
ショーンは呟いた。
「ああ。とんだ地上暮らしだった。ほっとするよ」
ゲイルが答える。
「そう言えば、カーペンタリアで積んだゾノ。なーんにも使わなかったなぁ」
「使う機会がなくて幸いさ。護衛が付いててくれたからな」
「バビともお別れか。いい機体だったがな。機動性が高いのが、いいね」
「宇宙じゃねえ。ブレイズウィザード使うか、いっそグフでももらっちゃどうだ?」
「それもいいかもなぁ」
「グフ! いいねぇ!」
二人の後ろから声がかけられた。
「あ!」
「ハイネ!」
二人は敬礼する。
「グフで活躍してぐふふ。なーんてな」
三人は吹き出した。

433(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/07(水) 18:09:08 ID:???
石鹸をたっぷりスポンジに付けて、身体を拭う。その刺激が肌に心地よい。ひとしきり洗い終わると、シャワーで石
鹸の泡を流す。瑞々しい肌が水滴を弾く。
「ん……ふぅ」
水流が肌を流れる心地よさにため息を付く。
きゅ、と蛇口を閉めるとお湯が止まる。
肌に水滴が残る。キラキラとした宝石のようなそれをタオルで拭う。輝かしい肌が姿を現す。

「あ、アスランさん!」
シンが部屋を出ると、ちょうどアスランに出会った。
「お、シンじゃないか。シャワー浴びたのか?」
アスランは目ざとくしンの濡れた髪に目を留めると、くしゃっと撫ぜた。
「は、はい……。……いいなぁ……」
シンはアスランの逞しい身体に見惚れた。
「ん? 何がだ?」
「ほら、僕って男っぽくないでしょう? お姉ちゃんはモビルスーツに乗って戦っているのに、僕はオペレーターで……」
「なんだ」
アスランは、シンの頭をもう一度くしゃっと撫ぜた。
「オペレーターだって大事な仕事だぞ? オペレーターがきちんとオペレートしてくれなければ、俺達はまともに戦
う事もできん。自分に自信を持て」
「……はい……ところでアスランさん!」
シンは、明るい声に変わって聞いた。
「ん?」
「女の子の裸って見た事あります?」
「ぶっ……!」
「僕、お姉ちゃんのならありますよ。よかったら、お姉ちゃんのシャワーシーン隠し撮りしてきてあげましょうか?」
「ば……! からかうな、シン!」
「あはは、本気ですよ。お姉ちゃんも喜ぶかも知れないな。アスランさんが自分の裸に興味あるって知ったら! 
その気になったらいつでも言ってください。じゃ!」
シンは走り去った。
「まったく……」
アスランはため息をついた。

434(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/07(水) 18:09:30 ID:???
「あっ!」
アスランは向こうから歩いてくる二人組みを見つけた。ルナマリアとマユだ。
「あ! アスランさん!」
マユが敬礼する。ルナマリアも、少し緊張感の混じった視線をちらっとマユに投げかけると、アスランに敬礼する。
マユの……裸か……。
アスランは思わずマユの裸身を想像してしまった。
栗色の髪に肌を……。胸の大きさも。
うん、ミーアよりも、俺の好みに近いかも知れない。
「どうしたんですか? 顔、赤いですよ?」
マユがアスランの顔を覗き込む。
「わぁ! い、いや……」
アスランは慌てて心を立て直す。
「いや、マユ。セイバー、頑張れよ」
「はい! 頑張ります!」

ルナマリアとマユ、二人が去って行く後姿をアスランは見る。
ルナマリアのミニスカートとニーソックスの間に目が吸い付けられる。そこから見える太腿の肌が艶かしく感じられ
る。その輝くような肌色がアスランの脳裏でルナマリアの身体全体に広がり、ルナマリアの裸体が完成する。
「ルナの裸か……見てみたいな」
思わず呟いて、アスランは慌てて周りを見回し、誰もいない事にほっとする。
「いかんな、シンがあんな事言うからだ」
アスランは2・3回頭を振ると、ルナマリア達と反対方向へ歩いて行った。


435(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/07(水) 18:09:51 ID:???
「うーん、おいしい!」
「ミューディーのおかげだな」
スウェン達は小さな小料理屋で食事をしていた。
「こう言う事は地元の人に聞いた方が一番だからね。イタリア語習ってて良かったわ」
ミューディーは得意そうにフォークにパスタを絡めて食べる。
「やあ、君達」
声がかけられる。
「あ! 笹井少佐!」
スウェン達は立ち上がると敬礼する。
「この店はおいしいかい?」
答礼しながら笹井は尋ねる。
「はい! おいしいです!」
「そうか。じゃあ、ここにしようか」
笹井は後ろに立っている坂井達に言う。
「ええ、そうしましょう。じゃあ、君達、ご一緒させてもらうよ」
坂井がスウェン達に言った。
笹井達はしばらくメニューを眺めると、笹井が注文を取りまとめ、注文していく。
「笹井少佐は、イタリア語がお出来になるのですか?」
シャムスが尋ねた。
「ああ、士官学校で習った。君達は?」
「ミューディーが個人的に習っていて。ここの店も地元の人に紹介してもらったんですよ。おかげでうまい物が食
べられます」
「そうか」
笹井は微笑んだ。
「ジョン、そのナイフは実用品かい?」
西沢が、ジョン・デイカーが腰に下げている小さなナイフを見て尋ねた。
「ああ、これですか。んー、お守りって言うか。家に代々伝わっている物でしてね。親父がお守り代わりに持ってけ
と」
ジョンは鞘からナイフを抜いて見せた。黒い刀身が現れる。
「ふうん。珍しいな」
「ええ、どうやら黒曜石で出来ているみたいで」
「綺麗にクラック(内部のひび)が入っているな。光が当たると虹色で綺麗だ」
「ああ、祖父は『暁の剣』なんて呼んでましたっけ。惚けた祖父ですが、この剣が冒険に誘うとか何とか」
その時、店の中が急に騒がしくなった。
店の主人がラジオの音量を大きくする。
「なんだってんだ?」
笹井とミューディーは、ラジオの音に耳を傾ける。ラジオからは緊迫した声でアナウンサーが何かを伝えている。
「……ちょっと! こりゃ、とんでもない事が起こったよ!」
ミューディーが驚きの声を上げた。
「ああ。艦に戻った方がいいな」
笹井も、その柔和な顔を緊張させて立ち上がった。


436(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/07(水) 18:09:58 ID:???
「なんだと!?」
その知らせにジブラルタル基地司令官は驚きの声を上げた。
「間違いないのか?」
「間違いありません。西ユーラシア――スペイン、ポルトガル、フランス、ドイツでクーデターが発生。新政権は地球
連合を非難、プラントへの支持を表明しております」
「……」
それは、外部の者から見ればザフトにとって喜ばしい状況になったと思ったかもしれない。だが……
「これでは……」
司令官室はまるで通夜の様な沈黙に包まれた。
「この基地を撤退、する事はできなくなったか……」
「ええ。この状況でジブラルタルを放棄すれば、ザフトへの支持が一気に崩れます」
「どうせ、クーデター政権など脆い物だと言うのに! プラントが彼らを支援する国力があればまだしも……」
「そんな物、ありませんな。プラントが支援を欲しいぐらい疲弊していると言うのに」
「ここで耐久するしかありませんな。撤退が許されるくらいに損耗するまで」
「……」
「そして壊走にならない程度に、か。難しい仕事だな」
「しかし、やらねばなりません」
「ともかく、デュランダル議長にはすぐにプラントにお戻り頂かねば!」


そして世界は更に混迷の度合いを深める。
東アジア共和国でクーデターが発生、ザフトへの指示を打ち出す。これに反発した各地は東アジア共和国からの
分離独立を宣言、地球連合への支持を表明。
更に、中部ユーラシアでクーデターが発生、ザフトへの支持を表明。スカンジナビア王国は現地民に治安維持を
要請されたとして、中部ユーラシアへ国境を越えて進出した。
437(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/07(水) 18:10:45 ID:???
続く。
今回のサービスシーンはシンちゃんでした♪
438通常の名無しさんの3倍:2009/01/07(水) 19:01:30 ID:???
ハァハァハァハァハァ………





アッ―――――!

GJ!!
439通常の名無しさんの3倍:2009/01/07(水) 19:31:00 ID:???
ちょっとシン誘拐してくる
440通常の名無しさんの3倍:2009/01/07(水) 21:25:55 ID:???


クーデターの連鎖はラクシズ大暗躍ですか?
これができるならデュランダルなんて、黒歴史ノート無しで失脚させられるだろww
441通常の名無しさんの3倍:2009/01/07(水) 22:15:26 ID:???
>>433を読んでるとコレを思い出した。
http://koyakudvd3.blog42.fc2.com/blog-entry-1821.html
442通常の名無しさんの3倍:2009/01/07(水) 23:45:06 ID:???
>>441
君は何故、こんなすてきなブツを「思い出せる」んだ?
443通常の名無しさんの3倍:2009/01/08(木) 00:44:30 ID:???
シン「んーー……
       (>>433冒頭)
              読者サービス(はぁと」

ハイネ「(粉砕バットでシンをKOして)きっさまぁ」
ヴィーノ「冗談に見えないんだよおまえのは!!」
444通常の名無しさんの3倍:2009/01/08(木) 03:08:21 ID:???
よ、夜明けの軍団を召喚……。

ジョンの祖父さんって、額に黒いビンディー付けてるのかね(苦笑)
445通常の名無しさんの3倍:2009/01/08(木) 11:55:15 ID:???
誰も気にしてないけどアンデルセンとアナキンってwww
446通常の名無しさんの3倍:2009/01/08(木) 18:08:50 ID:???
シンのシャワーシーンGJ!
この作品でシンの見方が変わりそうだ。
447通常の名無しさんの3倍:2009/01/08(木) 18:43:40 ID:???
今の所休眠中orz のシンマユ姉弟スレのようなガチ幼児ではなく
しかもチョイませ気味ときてるからな。
もし万一◆Lna0TEvcJM氏のタガが外れるような事態が発生した日にゃ




                       ウッ…………ふう………
448通常の名無しさんの3倍:2009/01/08(木) 19:34:52 ID:???
>>447
変態紳士自重しろw
449通常の名無しさんの3倍:2009/01/09(金) 19:02:45 ID:???
VIPのキラSSの14話が削除された?
450通常の名無しさんの3倍:2009/01/09(金) 22:15:09 ID:???
復活しとる。
しかし何で消えてたんだろう?
451通常の名無しさんの3倍:2009/01/10(土) 01:35:23 ID:???
もしキラの性格が種開始時ですでに『葡萄酒』そのものだったら
452通常の名無しさんの3倍:2009/01/10(土) 19:33:28 ID:???
この手のスレでこういうのアレだが、「素材はいいんだから俺が1から再構成してやるぜ」的な才気溢れる奴読みてえ。
453通常の名無しさんの3倍:2009/01/10(土) 21:04:17 ID:???
454通常の名無しさんの3倍:2009/01/13(火) 23:11:22 ID:???
ロゴスA「ユニウスセブン落下についてのプラントの回答は?」
ジブ「一部の悪質なテロリストの仕業であり、プラントは一切関与していないと」
ロゴスB「テロリストか……テロなら仕方ないな( ・∀・)」
ジブ「ちょwwテロリストだという発言を鵜呑みされるおつもりですか!?」
ロゴスA「向こうがそう言っているんだ。信じても良いんじゃないかなと思うんだ( ´∀`)」
ジブ「せめてテロリスト達の引き渡しだけでも求めなければ!」
ロゴスB「それについては何と言っているんだ?」
ジブ「全機大気圏に突入、自爆したため証拠は残ってないと」
ロゴスA「自爆したんじゃ仕方ないな( ´∀`)」
ジブ「そんなあっさりww私が思うところ今回の騒動はプラント側の悪質な陰謀です
  ……ファントムペインがたいそう面白いものを送ってきてくれました」
ロゴスA「ジンだな」
ジン「これは思いもよらぬ最高のカード
   これを許せる人間などどこにもいない
   そして、それは、このうえなく強き、われらの絆となるでしょう
   今度こそ、奴らのすべてに死を!です
   青き清浄なる世界のために」
ロゴスB「……ジンなんて珍しいものじゃないぞ( ・∀・)?」
ロゴスC「テロリスト達が鹵獲したものを改修、使用したものではないという証拠は( ^∀^)?」
ロゴスA「そもそもなぜファントムペインが当該宙域にいたんだい( ´∀`)?」
ロゴスB「じゃあ市民の暴動を抑えるという方針で( ・∀・)」
ロゴスC「いいと思います( ^∀^)」
ロゴスA「賛成です( ´∀`)」
ジブ「ちょww」
ロゴスA「君は随分と戦争がしたいらしいな( ´∀`)」
ロゴスC「必要なら戦争をするのも良いかもしれないけどね( ^∀^)」
ロゴスB「食料の78.4%を地球にたよっているプラントがいまさら地球を駄目にする作戦を立てたなんて馬鹿みたいな証拠じゃ戦争は認められないね( ・∀・)」
ジブ「ならば地球の食料を当てにしなくてもいい事情、いつぞやのユニウスセブンのようなことを……」
ロゴスA「ソースは( ´∀`)?」
ジブ「……ありません」
ロゴスB「じゃあ、プラント側の援助に感謝するという声明を出して、復興を優勢するという方針で( ・∀・)」
ロゴスA「賛成( ´∀`)」
ロゴスC「それが妥当ではないでしょうか( ^∀^)」
ロゴスA「……君達も環境団体なら地球環境がこんなことになったときくらい地球を心配したほうがいいと思うよ
    その方が戦争なんかよりもよっぽど青き清浄なる世界のためだと思うよ( ´∀`)」



戦争回避
455通常の名無しさんの3倍:2009/01/13(火) 23:20:29 ID:???
なんと理性的なwwwwwwwwwww
たしか以前こんなスレあったよな。
456通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 00:11:29 ID:???
ロゴスの代表の一人のコーラとコーラサワーが出会ったら
457通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 00:11:51 ID:???
>>454
常識的に考えて、戦争やってる暇ねーよな

テロリスト残党をザフトの刺客と勘違いして過剰反応したAAがなにかしでかしそうではあるが。
458通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 07:31:19 ID:???
>>454
なんと言うジブ&一族フルボッコ
459通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 16:56:34 ID:???
そういやブルコスってもともと環境保護団体なんだよなー
本編じゃコーディ排斥団体としか思えない描写だけど
460(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/14(水) 17:16:33 ID:???
「ずいぶんと、地上は大騒ぎのようだな」
デュランダルは嗤った。
「さすがです、議長!」
ミーアがはしゃぐ。
「現場が勝手に黒海から撤退した時には驚いたが……。黒海制圧を命じたのは、私とてそれなりの目算あっての
事だ。今回の事で現場もわかっただろう」
「ええ! 西ユーラシアが親ザフトになるなんて!」
「しかし、ちょっと引っかかるな」
「え?」
「中部ユーラシアや東アジアには工作をしていなかったのだが……ふうむ」
デュランダルは考え込んだ。
「誰か、別の組織が動いているのか? しかしこの一斉のタイミング。奴らの手も西ユーラシアに伸びていたという
事か? ……まぁ、いい。では、ラクス。これから少し君の力を借りねばならん」
「はい!」
執務室の、扉が開いた。


461(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/14(水) 17:16:57 ID:???
「どうするのかね、ジブリール」
「まったくだ。せっかくザフトを追い詰められるか、と思ったら、これだ」
西ユーラシア政変より数日後。ロゴスの会合が開かれる。
「ふ……ん」
ジブリールは黙ったまま微かに眉をひそめる。
「ユーラシアにこの短い期間で何度動乱が起こったと言うのだね? 君らのコントロールに何か問題があるのじゃな
いかね?」
ブルーノ・アズラエルが、ジブリールを庇う様に発言する。
「……」
ユーラシアのロゴス幹部は痛い所を突かれた、と言うように押し黙る。
皆が沈黙した所でジブリールは話し出した。
「配布した資料をご覧ください。各地に成立した親ザフト政権の評価です」
「……脆弱だな」
「政権と言えるのか?」
「ああ」
「ごたごたの中でユーラシア中央部はプーチンが台頭してきたか……味方にすれば心強い」
「その通り。彼らの政権基盤は非常に弱い物です。親地球連合派が抑えている地域も数多く、新政権が成立した
と言うより、半ば内乱状態。地球連合が実力で介入すれば簡単に引っくり返る程度の物です」
「……だが、その戦力をどこから調達すると言うのだね?」
「ジブラルタル攻略部隊からかね? 中東を押さえている部隊からかね? カーペンタリア攻略部隊からかね?」
「いずれから引き抜いても、ザフトが息を吹き返してしまうぞ」
「ええ。それで……」
ジブリールは言葉を切った。
「スカンジナビア王国に、西ユーラシアに進攻してもらいます」
「スカンジナビアだと!? しかし、あの国はユーラシアへ攻め入ったのだぞ? 現地民から治安維持を要請され
たなどと理屈を付けてはいるが」
「しかし、事あるごとに自分達は地球連合の一員だと宣伝しておるな。完全に敵とも割り切れんよ」
「私もここしばらくスカンジナビア王国の代理人と腹の探りあいをしまして。彼らの真意がようやくわかりました」
ジブリールは言った。
「それは?」
「彼らの望む物は、『冬戦争』で失った領土の奪還です」
「『冬戦争』と来たか!」
「大昔の話ではないか。西暦1930年代か」
「執念深い物だな」
「いやいや、領土を失った恨みと言う物は……」
462(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/14(水) 17:17:25 ID:???
「と、言う訳で。中部ユーラシアは、スカンジナビア王国と共同して、速やかに親地球連合の政権を復活させます。
……ユーラシア地区のロゴス幹部の皆さん、新政権には因果を含めて、スカンジナビア王国へ領土の返還をさせ
るようにお願いします」
「まったく厄介な事を……」
「因果堂の最新作を贈ればいいのかのう?」
「いや、それは違うだろう」
「では因果応報氏自身を……」
「アッー!」
「貴様、軍事板住人だな! そうに違いあるまい!」
「そこから離れろ!」
コホン。
ジブリールは咳払いをした。
「そして、中部ユーラシアが収まれば、中部ユーラシアの軍を西ユーラシアへ、と言う訳にはいきません。まずは
治安維持に忙殺されるでしょうから、代わりにスカンジナビアの軍をそのままドイツ、フランス、スペインへと進攻さ
せます。幸い、西ユーラシア各地へ大規模なザフトの増援が送られたと言う情報も入っておりません。味方が苦
い時は敵も苦しいのです! 最初に負けた、と思った方が負けます」
まったく。早く西ユーラシアの親ザフト勢力を鎮圧しなければイタリアに居るセトナに会えないじゃないか。
とジブリールは思った。
「ジブラルタル攻略はどうするね?」
「予定通り、行います。ただしゆっくりと進軍させます。ザフトは、対応する戦力を張り続けなければならないでしょ
う。西ユーラシアを支援する余力を無くしてしまうのです」
その時、一人のロゴス幹部が慌てた声で叫んだ。
「大変だ! みんな、DS放送のch.747、プラントチャンネルを見てみろ! デュランダルの野郎だ!」
「ch.747? アニマルプラネットだが……。海亀の産卵がなにか?」
ブルーノ・アズラエルが訝しげに言う。
「「それはCS放送だ!」」
彼は思いっきり突っ込まれた。


463(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/14(水) 17:17:49 ID:???
「では議長、よろしいですか?」
テレビ局員が言った。
「ああ頼む。始めよう」
「3・2・1……キュー!」
「皆さん、私はプラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルです。我等プラントと地球の方々との戦争状態が
解決しておらぬ中、突然このようなメッセージをお送りすることをお許しください。ですがお願いです。どうか聞いて
いただきたいのです」
デュランダルは話し出した。
「私は今こそ皆さんに知っていただきたい」

「艦内に流して。各員可能な限り聞くようにと」
タリアはアーサーに言った。
「はい」

『こうして未だ戦火の収まらぬ訳。そもそも、またもこのような戦争状態に陥ってしまった本当の訳を』
「なにこれ?」
「議長の緊急メッセージだと」
「「え?」」

「各国の政策に基づく情報の有無により、未だご存知ない方も多くいらっしゃるでしょう。現在、世界各地で、大きな
動きが起こっています。プラントと地球、コーディネーターとナチュラルが手を取り合おうと言う!」

「ラクス……これ……」
キラは眉をひそめてラクスに話しかけた。
「ええ、では、私達もまいりましょう」

『我々の軍は連合のやり方に異を唱え、その同盟国であるユーラシアからの分離、独立を果たそうとする人々を人
道的な立場からも支援してきました。こんな得る物の無いただ戦うばかりの日々に終わりを告げ自分たちの平和な
暮らしを取り戻したいと。戦場になど行かず、ただ愛する者達とありたいと。そう願う人々を我々は支援しました。な
のに和平を望む我々の手をはねのけ、我々と手を取り合い、憎しみで討ち合う世界よりも対話による平和への道を
選ぼうとしたユーラシア西側の人々を連合は裏切りとして有無を言わさず弾圧しようとしているのです!』
ここで、画面は地球軍によるガルナハンの住人への弾圧、そしてガルナハンの破壊の光景が映し出される。
更に、地球軍のプラントへの核攻撃シーンへと移る。

「ジブリール! どう言う事だねこれは!」
「何をしようと言うのかねデュランダルは」
その時、ジブリールを心配するように黒猫のスキピオがペロリとジブリールの手を舐めた。
「ふ……」
ジブリールはスキピオに微笑んだ。
「落ち着きましょう、皆さん。彼が何を話そうとするのか? 私も興味があります」

464(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/14(水) 17:18:13 ID:???
『何故ですか? 何故こんなことをするのです! 平和など許さぬと! 戦わねばならないと! 誰が! 何故言う
のです! 何故我々は手を取り合ってはいけないのですか!?』
その時、一人の女性が、画面の横から現れ、デュランダルを指示する事を行為で示すかのように彼の肩に手を置
いた。

『このたびの戦争は確かにわたくしどもコーディネイターの一部の者達が起こした、大きな惨劇から始まりました』

「ラクス様だ!」
「ラクス様!」
その放送を見ていたプラントのコーディネーター達から声が上がった。

『それを止め得なかった事、それによって生まれてしまった数多の悲劇を、わたくしどもも忘れはしません。被災さ
れた方々の悲しみ、苦しみは今も尚、深く果てない事でしょう。それもまた新たなる戦いへの引き金を引いてしまっ
たのも、仕方のない事だったのかもしれません。ですが! このままではいけません! こんな討ち合うばかりの
世界に、安らぎはないのです! 果てしなく続く憎しみの連鎖も苦しさを、わたくし達はもう十分に知ったはずでは
ありませんか? どうか目を覆う涙を拭ったら前を見てください! その悲しみを叫んだら今度は相手の言葉を聞
いてください! そうしてわたく達は優しさと光の溢れる世界へ帰ろうではありませんか! それがわたくし達全て
の人の、真の願いでもあるはずです!』
再び、ここでデュランダルが話し出す。
『なのにどうあってもそれを邪魔しようとする者がいるのです。それも古の昔から。自分たちの利益のために戦え
と、戦えと! 戦わない者は臆病だ、従わない者は裏切りだ、そう叫んで常に我等に武器を持たせ敵を創り上げ
て、討てと指し示してきた者達。平和な世界にだけはさせまいとする者達。このユーラシア西側の平和を求める
人達への弾圧も彼等の仕業であることは明らかです! 間違った危険な存在とコーディネイター忌み嫌うあのブル
ーコスモスも、彼等の創り上げた物に過ぎないことを皆さんは御存じでしょうか?』

「ん……?」
「ニャー」
再び、スキピオがジブリールの手を舐めた。

『その背後にいる彼等、そうして常に敵を創り上げ、常に世界に戦争をもたらそうとする軍需産業複合体、死の商人
、ロゴス!彼等こそが平和を望む私達全ての、真の敵です!』

「なんだと!?」
ジブリールは叫んだ。
画面には、ロゴス所属の財閥の情報が流され始めていた。

『私が心から願うのはもう二度と戦争など起きない平和な世界です。よってそれを阻害せんとする者、世界の真の
敵、ロゴスこそを滅ぼさんと戦うことを私はここに宣言します!』
再び、デュランダルの後ろの女性、ミーアが話し出す。
『わたくし達の世界に、誘惑は数多くあります。より良き物、多くの物をと。望む事は無論悪い事ではありません。
ですがロゴスは別です。あれはあってはならない物。この人の世に不要で邪悪な物です。わたくし達はそれを……』

その時、画面が乱れ、回復する。そこには一人の女性が映っていた。
『その方の姿に惑わされないでください』

465(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/14(水) 17:18:35 ID:???
「あ!」
「ん?」
「え?」

その女性の顔は……

『わたくしはラクス・クラインです。わたくしと同じ顔、同じ声、同じなの方がデュランダル議長と共にいらっしゃるこ
とは知っています。ですが、わたくし、シーゲル・クラインの娘であり、先の大戦ではアークエンジェルと共に戦い
ましたわたくしは、彼女とわたくしは違う者であり、その想いも違うと言う事をまずは申し上げたいと思います』

「おい! 何だよこれは!」
突然、画面が二分割され、ミーアとラクスが並べて映し出される。

『わ、わたくしは……!』
ミーアは必死に言葉を繋ごうとするが、言葉が出てこない。
『わたくしはデュランダル議長の言葉と行動を支持しておりません』
対してラクスは毅然と宣言した。

「こちらの放送を止めろ!」
うろたえるミーアを見て、デュランダルカメラの前から走り去り、スタッフに叫んだ。
「は! いやしかし……」
「いいから止めるんだ! 奴等の思惑に乗せられているぞ!」
「は!」
だが、なぜか画面からうろたえるミーアの姿は消えなかった。
「ぇぇぃ!」
デュランダルは罵った。

466(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/14(水) 17:18:49 ID:???
『戦う者は悪くない、戦わない者も悪くない、悪いのは全て戦わせようとする者。死の商人ロゴス。議長のおっしゃ
るそれは本当でしょうか?』
ジブリールは、ただ画面を見つめていた。
『それが真実なのでしょうか? ナチュラルでもない、コーディネイターでもない、悪いのは彼等、世界、貴方では
ないのだと語られる言葉の罠にどうか陥らないでください!』
「何が目的だ?」
いぶかしげにジブリールは呟いた。
『無論わたくしはロゴスを庇う者ではありません。ですがデュランダル議長を信じる者でもありません。我々はもっ
とよく知らねばなりません。デュランダル議長の真の目的を……!」
「――ふざけんじゃないわよ!」
その時、ラクスの声をかき消すように叫び声が響いた。
「「……!?」」
叫んだのは、うろたえる事をやめたミーアだった。
ミーアは腰に手を当てて叫び続ける。
「今頃のこのこ出てきて自分は本物ですとか言ってるんじゃないわよ! 先の戦役後、プラントも地球もガタガタし
てるの放置してたくせに!! 自分だけどっかに引っ込んで、プラントを見捨てていたくせに! あんたがいないか
らあたしがプラントを鎮めるしかなかったんじゃない! 勇気づけるしかなかったんじゃない! 今のプラントの『ラ
クス』はあたしよ!」
す……と一瞬ラクスの表情が消える。ミーアの台詞を放置し、言葉を紡ぐ。
「……『皆、己の良心に従い、為すべき事を為してください!』』

一人の男――ミーアのマネージャーがすごい勢いで突進してくるのがカメラに映る。
彼はナイフを持っている。
「あのナイフはどこから出てきたんだ!」
「そこの警備員が渡した!」
「取り押さえろ!」
その指摘された警備員は抵抗する事も無く、ただ虚ろな目をしていた。
「いや! やめて!」
ミーアは抵抗するが男の力にはかなわない。マネージャーはミーアの腕をしっかりとつかみ、そして口を開いた。
「なぁ。もう良心がうずいて限界や。こいつ、ラクス・クラインの偽者やでー。今まで騙しててごめんなー」
どこか棒読みのようにマネージャーは虚ろな目をしてカメラに向かって言うと、抵抗するミーアの首筋目掛けてナ
イフを滑らせる!
鮮血が飛び散り、ミーアは崩れ落ちる。マネージャーも、次に自らの頚動脈に深々とそのナイフを突き刺し、崩れ
落ちる。
……誰もが、硬直していた。
「は、早く放送を止めろ!」
誰かが叫ぶ。だが、係りの者は放心した様に、惨劇の起こった方を向こうともせず、動かない。カメラマンも、どこか
魂の入っていない様子で惨劇の後を映し続ける。
いつの間にかラクスを映していた画面は消え、ただミーアが血だまりに倒れている画面だけがただ映る。
……しばらく後、プラントチャンネルはようやく、河を客船が航行している環境画面に切り替わった。
467(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/14(水) 17:19:06 ID:???
続く。
468通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 17:25:23 ID:???
なんというnice boat...
469通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 17:29:17 ID:???
軍板に帰れと言いたいところだが、受け入れて貰えないなw

しかし、またサイオキシン麻薬かw
ミーアの正論を手下に「己の良心に従わせ」殺させることで終了させようとは、ラクスの逆ギレ執念は恐るべし。
470通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 17:38:56 ID:???
何という地球教徒w
ミーアカワイソス
471通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 18:04:41 ID:???
面白かった。
でもシンのお色気シーンが無いのは残念です。
次回はシャワーシーン以上の物を期待しています。
472通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 18:45:44 ID:???
まあこの後ジブに反論されて終わんだろうな。
軍需より民需のほうが大事とか言われて。
473通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 18:45:53 ID:???
nice boat!
474通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 18:51:17 ID:???
軍需産業言い出したら三菱だってそうなんだよなぁ

しかし軍需産業が儲けたいから戦争引き起こすってどんだけアホな考えなんだろ
某所では手作りロケットだので紛争してるってのに
475通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 18:58:57 ID:???
某手袋買いに行くように戦争起こした少女の話の解説に
「戦争は最大の消費行動」ってかいてあったからな
……今の地球の状態でそんな無駄遣いする余裕なんてちっとも無いけどな!
476通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 19:00:37 ID:???
たぶん、アメリカ様を見て軍需産業が悪とか考えたんだろうなぁ。種スタッフは
477通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 19:24:19 ID:???
一気にテンションとSAN値が下がった。
478名無し(ラサ在住):2009/01/14(水) 19:41:19 ID:???
マネージャーが怖すぎて吐血しそうだった。
479通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 20:07:24 ID:???
ミーア…本当の事を言ったばかりに…
480通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 20:15:23 ID:???
なぁ・・・
最近ザクレロ投下されてないよな?
なんでこんなにSAN値が下がるんだい?
481通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 20:35:19 ID:???
麻薬中毒者な配下を使って邪魔者を始末する、ラクス怖過ぎる

あぁ、SAN値が下がるし、悍ましさのあまり吐瀉りそうだよ…
482通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 20:42:56 ID:???
マジで無能なYESマンじゃないと生き残れない厳しい世界ですね。
483通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 20:45:59 ID:???
下手をしたら次はセトナが凶刃に倒れる可能性が…
484通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 20:54:20 ID:???
>>483
セトナが殺されたら確実にジブリールは発狂しマーシャン組も発狂するな
485通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 20:55:12 ID:???
ホラーすぎるだろwww
486通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 21:00:16 ID:???
そんでもって敵対勢力火星ってか
487通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 21:06:01 ID:???
だが悲しい事に火星は連合の倍の基本材料の埋蔵量とロウ開発のVL(それも流出済み)以外は地方都市並みの国力
488通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 21:12:29 ID:???
その場合はアグニスが漫画版クロノクルみたく運命顔になってユークリッド無双してくれると期待する。
489通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 22:49:04 ID:???
>>484
何故かマーシャンはラクスとくっついてロゴスに喧嘩を売りそうな気がw

「惑星間の距離など知るか、ボコボコにしてやる」が現実になりかねん
490通常の名無しさんの3倍:2009/01/14(水) 22:51:33 ID:???
逃げる暇すらなく、遠隔操作で人殺しとは、良い身分だな、ラクシズは

因果応報の鉄槌はまだか!
491通常の名無しさんの3倍:2009/01/15(木) 18:20:34 ID:???
ユーラシア連邦は分離してもメリットはあまり無いと思うのだがなぁ
双方にとって

それにしたってラクスは外道
しかし、ここまできたらむしろ応援するぜ
対デュランダル的方面で
492通常の名無しさんの3倍:2009/01/15(木) 22:41:33 ID:???
もしもSEEDキャラに子供ができたら

以外とシンの子供はいい子になりそうだ。種死前のシン的に考えて
493通常の名無しさんの3倍:2009/01/15(木) 23:01:47 ID:???
ハウス食品もレーション作ってるから軍需企業になりますか?
世界中ドンビキ確定だな、これは……
老魔法王に聖伐宣言されても仕方ないレベル
494通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 16:17:49 ID:???
軍需工場に電力を送ってる電力会社も
軍需工場に部品の流通をしてる運輸会社も
軍需企業なんでしょデュランダル的に
ロゴス=全世界経団連だってのが公式のはず

理事国って形で国家が間に入ってるがプラントの出資者の連合でも有るんだよなロゴス
495通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 16:43:22 ID:???
実に不謹慎だが
北の将軍様「北朝鮮と日本の友好を邪魔しようとする存在が有るそれが『拉致被害者家族連絡会』だ」
みたいな滑稽さを感じる
496通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 17:06:00 ID:???
まとめサイトの小説読んでるとシンに足りなかったのはいい上司だと思う
497通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 17:19:02 ID:???
シンに足りないのは『正しい情報』だと思う
オーブの情報操作で「コーディ差別の無いのはオーブだけ」ってなってる
からオーブを出たら自動的にプラントに行くしかない
プラントをテロリストが理事国から奪い取った海賊島と同レベルの場所だと知ってれば行かなかったかも
なにより月面都市とか生き残りのコロニー群とかのコーディ差別の無い場所の情報はシンにあったのだろうか?
大西洋連邦が実はコーディにダダ甘な国だって情報は視聴者にすら隠されてたが
498通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 17:42:34 ID:???
コーディに厳しいのはユーラシアだっけ?
499通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 18:02:05 ID:???
設定として大西洋連邦がコーディーに甘いってどっかにあったの?
そもそも合理主義のアメリカ人が遺伝子最適化しただけの「コーディネーター」に
一国をあげて反対するなかろうっていう後付の考察だと思ってたが
500通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 19:07:53 ID:???
地球在住のコーディの心境を旧シャア的に語ると
「ヌケサク(プラント)のせいでコーディネーター(ZZ信者)全員が基地外認定されちまったじゃないか!?」
501通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 19:24:32 ID:???
つか設定なんぞろくに考えんで話書いてるから辻褄おかしくなってるんだろw>コーディ関連
502通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 19:45:00 ID:???
ユーラシアもなんだかんだでカナードに専用部隊とか用意してやってるしなぁ
503通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 19:50:41 ID:???
ガルシアが生きてたとかなwwwww
504通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 21:18:44 ID:???
>>499
ブルコススレ発の願望的オリ設定
505通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 21:32:01 ID:???
そうでもない
盟主王の企業でGAT開発の主要メンバーにコーディがいたり
大西洋軍にコーディを受け入れて、態々ジンのパーツ生産用の工場建てたり
コーディであるサハク姉弟と公平なビジネスをしてたり
ブルーコスモス内にコーディがいたりする公式設定
506通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 21:36:38 ID:???
サハク姉弟ってコーディだったのかよw
507通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 21:36:44 ID:???
コメリカ人だと率先して白い肌、金髪、青い目、男ならマッチョ、女ならモンロー風に遺伝子操作しそうだ。
それか逆に人を作るのは神だけに許された行為、でコーディが少ないか。
508通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 21:41:57 ID:???
>>505
戦争前後やジャパンバッシングの激しかった頃のアメリカですら色々分けて考えてた訳だから
そういうのはあまり差別とは関係ない部分だよ
509通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 21:48:45 ID:???
設定のちぐはぐが凄すぎる
コーディマンセーなら

NJ投下でクソ猿ナチュラルへの制裁とするだけでなく、それで混乱した地球に衛星軌道からMS部隊
を投入して、連合のコーディ収容施設から同志達を救出(拉致?)って来るような作戦をして、同志を
ほとんど救出したけどザフトはボコボコになりました、おかげで戦線は膠着状態です。
あと、連合側がくどくて視聴者が飽きるぐらいに人質作戦をとりまくる。
このぐらいに吹っ飛んだシナリオにでもすれば良かっただろうに。
510通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 21:49:50 ID:???
>>508
コーディネーターでなければ人間にあらずっていう態度とは全然違うとは思わんかね
511通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 22:00:31 ID:???
>>510
地球側の話をしてたのにいきなりプラントの妄言と思うけどそれを持ってこられても困るわw
512通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 22:08:48 ID:???
そういやイザークの設定なんだが民族学だかが好きだけどナチュラル見下してるってのはどういう設定なのかね
513通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 22:11:39 ID:???
>>512
文化を賛美しつつも、その国の人間は見下すというのは結構普通の事じゃないか?
514通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 22:17:01 ID:???
>>513
あー、中国美術好きだけど中国人pgrみたいなもんか
サンクス
515通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 22:20:03 ID:???
>>513
「過去の人類は良かった」「今の人類はダメだ、コーディじゃないとダメだ」って所かw

良くツッコミ喰らう艦船名なんかにも出てるよなぁ、こういう考え。
コーディの何処がナチュと何が違うかわからねぇが、世の中に
マルチスタンダードはよくあることだから突っ込む必要もないだろう。
516通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 22:20:30 ID:???
2ちゃんで言うと三国志好きが今の中国人を嫌ってる感じか
なんか遺作に親近感が沸いてきた
517通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 22:38:44 ID:???
コーディは便利だからな
518通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 22:43:08 ID:???
>>516
イザークはフィールドワークで現地住民ともっとふれあって、
コーディ至上主義のバカらしさを悟れそうなキャラだよな。
設定だけ見てるとw
519通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 22:59:16 ID:???
グレイトゥの趣味が日本舞踊とかマジワケワカメ
お前は見た目も性格もサンバでカーニバルしてる方が似合ってるはずだw
520通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 23:03:40 ID:???
日本の文化という点で嫌な想像が

1.原形が残ってない
2.(自主規制)
3.日本とつけばおkとばかりに余所の文化圏の舞踊が日本舞踊と称される
4.コーディ独特の進化をとげ、似て非なる物に
521通常の名無しさんの3倍:2009/01/16(金) 23:53:30 ID:???
そもそも日本って国が無くなってて、その文化がそっくりオーブに根付いている時点での日本舞踊って何だ?
522通常の名無しさんの3倍:2009/01/17(土) 00:07:30 ID:???
多分失われた文化なんだよ
俺らが見たら「日本舞踊……?」ってなる感じの
523通常の名無しさんの3倍:2009/01/17(土) 00:22:17 ID:???
朝鮮辺りが起源を主張してるんじゃないか?
524通常の名無しさんの3倍:2009/01/17(土) 00:28:04 ID:???
>>523
むしろ、海外の日本料理店でキムチが出てくる(経営者・料理人が非日本人)という話に近い物があると想像してみる。

中国か朝鮮かはしらんけど、全く違う物になってそう。
525通常の名無しさんの3倍:2009/01/19(月) 16:46:11 ID:???
日本が北と南で分割されてる時点で押して知るべし
526通常の名無しさんの3倍:2009/01/19(月) 18:43:08 ID:???
北と南?
東と西の間違いじゃね?
527通常の名無しさんの3倍:2009/01/19(月) 19:13:46 ID:???
津軽海峡で分断されてるから南北にしたんだが
528通常の名無しさんの3倍:2009/01/19(月) 19:21:12 ID:???
日本語でおk
だったら四国九州沖縄どうなるんだ?w
529通常の名無しさんの3倍:2009/01/19(月) 19:34:55 ID:???
当然南だろ、津軽海峡より南だから
530通常の名無しさんの3倍:2009/01/19(月) 19:56:00 ID:???
>>528
おまえさん、種世界の世界地図見た事無いのか?
東西というよりは南北だろ。
531通常の名無しさんの3倍:2009/01/19(月) 20:02:30 ID:???
種世界の事言ってたのかwwwwwwwwwww

種世界に日本なんて国ありません
532通常の名無しさんの3倍:2009/01/19(月) 20:17:48 ID:???
CE世界で「太陽の黙示録」は可能だろうか?
533通常の名無しさんの3倍:2009/01/19(月) 20:42:37 ID:???
ジパングとか沈黙の艦隊の人の漫画だっけ?
534通常の名無しさんの3倍:2009/01/19(月) 22:17:31 ID:???
>>526=528=531
恥ずかしいからってそんな典型的な荒しな書き込みするなよw
535通常の名無しさんの3倍:2009/01/20(火) 02:56:25 ID:???
>>526は現実世界で日本が東と西に分割されてると思ってるのか……
536通常の名無しさんの3倍:2009/01/20(火) 04:58:13 ID:???
>>526
電力会社の社員さんですか?
537通常の名無しさんの3倍:2009/01/20(火) 07:05:41 ID:???
JRという線も捨て切れない
538通常の名無しさんの3倍:2009/01/20(火) 07:33:58 ID:???
うどん屋かもしれない
539通常の名無しさんの3倍:2009/01/20(火) 07:52:58 ID:???
地質学かムーな人なのかも。
540通常の名無しさんの3倍:2009/01/20(火) 12:37:56 ID:???
おまえら…
541通常の名無しさんの3倍:2009/01/20(火) 18:19:00 ID:???
脳味噌が戦国時代の人と言う線も棄てがたいな
東軍西軍に分かれてるし
542通常の名無しさんの3倍:2009/01/20(火) 18:29:01 ID:???
RING of REDの中の人かもしれない
あれなら、ソ連領の北海道と共産主義国の北日本は東側で、南日本は西側諸国の一員になる
543通常の名無しさんの3倍:2009/01/20(火) 22:45:12 ID:???
日本東西分裂といえば
官僚万歳で護送船団方式な資本主義日本
儲かりまっかー、大阪のあきんどたちが幅をきかす共産日本
そんな設定の小説がむかしあったよな
544通常の名無しさんの3倍:2009/01/20(火) 22:54:41 ID:???
ここなんのスレだよw
545通常の名無しさんの3倍:2009/01/21(水) 12:54:00 ID:???
>>544
現在、一気に削られたSAN値とダーク太陽化が降臨しかねないほどのSUN値の回復中
546(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/21(水) 18:34:24 ID:???
「な……これは……」
ジブリールは、ロゴスの皆は、モニターに映し出されたこの惨劇に息を呑んでいた。
「ジブリール! 助けてくれ!」
ユーラシアの、ロゴスメンバーの一人――フランス、LVMHグループの会長、サノレコヅが悲鳴を上げた。
「どうしたんです!?」
「軍が! クーデター政府軍が屋敷を取り囲んで……! 群衆も大勢!」
「なんだって!? 手際が良過ぎる。デュランダルめ! 用意していたか! 西ユーラシアは危険だ。脱出できる
者は早く脱出を! まずブリュッセルへ移動してください! すぐにファントムペインの一隊を差し向けます!」
「ジブリール、私の所には親地球連合側の政権軍が保護に来てくれた。閣僚らも一緒だと言う。私は彼らと行動を
共にするよ」
ユーラシアのロゴスの一人が言った。
「そうですか。お気をつけて!」
会合は否応なく散会になった。


「ミ、ミーア……」
アスランは放心していた。
ミーアが……腕を組んできたミーア、朝起きたらベッドに寝ていたミーア、キスをせがんだミーア、明るく笑うミー
ア、だけど、心の底では寂しそうだったミーア。
それが……。誰が? 何のために? ミーアが死んで誰が得をする? アスランの思考は怒りをエネルギーにし
て駆け巡った。
――ラクスか!
アスランは確信した。
それは、密林をでたらめに進んだら偶然出口に出たのと同じ事だったのかも知れない。
だが、アスランは遮る枝を切り開き、底なし沼を泳ぎ切り、真っ直ぐに正解にたどり着いていた。
天然の振りをして、心の底ではとんでもない事を考えていた女。使える人材に目をつけ、使えない人材は切り捨
てていた女。あの劇場で、職務を果たそうとしただけの、ラクスを逮捕に来た警官達を皆殺しにして平然としていた
女。2年も同じ国――オーブに住んでいたのに、いざと言う時の連絡先をミリアリアには教えておきながら自分に
は教えなかった女。結局自分を信頼などしていなかった女。それが、自分に好意を寄せてくれていたミーアを殺した!
アスランの顔が歪んだ。
「許さんぞ、ラクス……」
低い怨嗟の言葉がうつむいたアスランの喉から漏れた。
その言葉を聞いたのは、近くにいたレイだけだった。が、レイは何も言わずにただアスランを見つめていた。


547(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/21(水) 18:34:51 ID:???
「カガリ様。あれは……」
「タツキ。とうとう出てきたな。ラクス・クラインが」
「ええ。しかし、何と言う事件が起こってしまったのか!」
「……ラクスの差し金かも知れんな」
「ラクス・クラインの?」
「ああ、あれは冷酷な所のある女だ」
「しかし、デュランダル議長の演説、リッターグループやグロート家の名まで出すとは、何を考えているのでしょう?」
「ああ、提示された者の中にはオーブと深い関わりのある者もいる。いや、オーブだけじゃない。彼等のグローバル
カンパニーと関わりのない国などあるものか! それをどうしようと言うんだデュランダル議長は! タツキ、会見
の用意をしてくれ。デュランダル議長に反論するぞ」
「はっ」


548(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/21(水) 18:35:15 ID:???
「マンネルヘイム大将、前へ」
その声に従い、マンネルヘイムは前へと進んだ。目の前の玉座には、スカンジナビア国王、カールが座る。彼は
マンネルヘイムに元帥杖を手渡した。
「汝をスカンジナビア王国、国家元帥に任じる。祖国のために、力を尽くせ」
「ははっ」

「閣下、おめでとうございます」
「おめでとうございます!」
マンネルヘイムの部下達が、次々に祝いの言葉を掛ける。
彼は鷹揚に手を振る。
「で、これからの行動はどう致しますか?」
「我が軍単独で、ドイツからスペインまで進軍し、親ザフトのクーデター軍を叩き潰す!」
なんとも素早い事である。
理由があった。混乱の中、ユーラシアに台頭してきたプーチンと言う男が、スカンジナビア軍のちょっとした助力を
得る事でユーラシア中部をまとめると言う手腕を見せたためである。
彼はスカンジナビアからの影響を受ける事を嫌い、スカンジナビア軍の撤退を要請。中部ユーラシアに派遣された
スカンジナビア軍の兵力は速やかにデンマークへと移動した。
なおプーチンはその卓越した能力をもって中部ユーラシアを治めると、東部ユーラシアの混乱を鎮めに軍を派遣した。
「現地の、親地球連合軍と協力した方が損害は少ないのでは?」
「今回は、時間をかける事が出来ないと言う政治的判断が優先されているのだ。いったん動き出せば、ジブラルタ
ルまで止まらんつもりだ」
「補給は?」
「それはさすがに現地の親地球連合軍が協力してくれる。でなければ一気に南進など出来ない」
マンネルヘイムと彼の幕僚は、一見今更な事を話しているように見える。だが、こうして漏れが無いかチェックして
いるのだ。
この問答は彼の司令部に到着するまで続いた。
「では、少し時間をもらうよ」
マンネルヘイムは言った。
「はっ」
マンネルヘイムは整然と整列した兵士達に向き直る。
549(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/21(水) 18:35:35 ID:???
「兵士諸君、今回の任務は自分の下の世話もまともに出来ん地球連合の阿呆共の尻拭い。要は連中がオムツを
穿き忘れてしまったらしいと言う事だ」
兵士達が笑い声を上げる。
「連中の締りの悪いケツから漏れた糞の滓を始末するなど私もしたくは無い。だが! この戦には冬戦争で奪われ
た領土の奪還がかかっている!」
「「おお!」」
「諸君、私は戦争を、地獄の様な戦争を望んでいる。諸君、私に付き従う戦友諸君。君達は一体何を望んでいる?
 更なる戦争を望むか? 情け容赦のない糞の様な戦争を望むか? 鉄風雷火の限りを尽くし三千世界の鴉を
殺す嵐の様な戦争を望むか?」
「 「戦争!!  戦争!!  戦争!! 」」
兵士達は歓声を上げる。
「よろしい。ならば戦争だ! 我々は満身の力をこめて 今まさに振り下ろさんとする握り拳だ。だがこの北の果て
でニ世紀もの間堪え続けてきた我々にただの戦争では もはや足りない!!  大戦争を!! 一心不乱の大戦争
を!! 我々を忘却の彼方へと追いやり眠りこけている連中を叩き起こそう。髪の毛をつかんで引きずり降ろし眼を
開けさせ思い出させよう。連中に恐怖の味を思い出させてやる。連中に我々の軍靴の音を思い出させてやる。天
と地のはざまには奴らの哲学では思いもよらない事があることを思い出させてやる」
スカンジナビア軍の兵士達は戦意を湛えて傾聴している。
「我等スカンジナビア軍で、親ザフトの糞蛆虫共を地獄へと叩き込んでやるぞ!!」
「「おおーーー!!!」」
「スカンジナビア軍総司令官より全部隊へ。 目標、ジブラルタル! 西ユーラシア奪回作戦、状況を開始せよ! 
征くぞ、諸君!」

――この日、200万のスカンジナビア王国軍がデンマークからドイツに向かって南下を開始した。


550(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/21(水) 18:36:01 ID:???
「なんと言う事でしょう」
ラクスは顔を覆った。
「わたくしが顔を出さなければ、わたくしの偽者さんは無事でいたかも……」
「ラクス、ラクスが悪いんじゃない」
キラが、慰める。
「そうですよ、ラクスさんが顔を出さなくてもああなっていたかもしれない。犯人は、良心に咎められていたって」
ダコスタも慰める。
バルトフェルドは、我関せずとコーヒーを啜っていた。
それに、ノイマンが小声で文句をつける。
「あなたも何か言わないと。他の者に不審を持たれます」
バルトフェルドは、ふん、と鼻で笑い、ラクスの方を向くとただ一言言った。
「ラクス、気にするな」
どうせ気にしちゃいないだろうがな……と言うバルトフェルドの呟きは誰にも聞かれる事なく彼の口の中へ消えた。


「あ、アスランさんだ」
休憩室にアスランの姿を見つけ、マユが声を掛けようとするより一瞬早く、別の声がした。
「アスラン! インパルスの操縦なんですけど」
「うん?」
アスランとレイは熱心に話し出した。
「……マユ」
「へ? ああ、ルナ」
「どうしたのよ、ぼーっとして」
「ん、最近、アスランさんに声がかけづらいなぁって……いつもレイがくっついててさ」
「それだけレイはインパルスの習熟に一生懸命なんでしょ? あんたもセイバーの習熟頑張りなさいよ。私が教え
てあげるから」
「へーい」

「なぁ、レイ」
ひとしきりインパルスの操縦について話した後、アスランはレイに聞いた。
「フリーダムを倒す、いい方法は無いか?」
「……私が見た所、フリーダムは相手の武装、カメラ等を優先的に狙い、急所は狙って来ません。そこを狙えば……」
「あいつは、自分の命が掛かってるとなれば平気で急所を狙ってくるさ。クレタでの戦いは見たろう?」
吐き捨てる様にアスランは言った。
「しかし、あなたはインパルスでフリーダムを破った」
「インパルスの、分離できると言う特徴で、裏をかけただけだ。また同じ手が通じるとは思えん。それに、今はデステ
ィニーだ」
アスランはそれなりにキラを評価していた。
「……そうですね。フリーダムのデータをしっかり検証してみましょうか。一緒に考えましょう、アスラン!」


551(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/21(水) 18:36:27 ID:???
「よう、帰ったぜ」
ジェスは救援キャンプにいるセトナに声をかけた。
「あ、ジェスさん」
「それから……」
ジェスは後ろに居たミリアリアを前に押し出す。
「ミリアリアってんだ。俺と同じジャーナリストさ。セトナを取材したいってさ。いいかい?」
「ええ……構いません」
返事はした物の、セトナはどこか心がここにあらずといった感じである。
「ジェスさん、この間のプラントのデュランダル議長の放送は見ましたか?」
「ああ」
「あの放送の後、ロゴスの方達が襲われていると言うのは本当なのでしょうか?」
「ああ、西ユーラシアじゃクーデターで親ザフト政権になっちまってるからなぁ。そいつらが、襲っているようだ」
「……ジェスさん。頼みがあります!」
決意を込めた声でセトナは言った。

「地球の皆さん。私はセトナ・ウィンタースです」
セトナはカメラに向かって静かに話し始めた。
「皆さんはもう、過日のプラント評議会議長、デュランダル氏のテレビ演説をご覧になられた事と思います。私は、
皆さんに伝えたい事があり、こうしてカメラの前に立ちました」
セトナは震えを押し殺しながら、しゃべった。
「(落ち着いて!)」
ミリアリアが、声を出さないようにしてセトナを励ます。セトナはそちらをチラッと見ると小さく頷き、言葉を続ける。
「ご存知でしょうか? デュランダル氏に批判された現代の財閥にとって軍需がどれ位の比率であるか?」
画面が切り替わる。デュランダルによって晒されたロゴスを主とした財閥毎の収入における軍需の比率図が示される。
「ご覧の通り、軍需の比率はとてもとても小さな物です。それはなぜか? 確かに、軍需産業は発注者が国家その
ものという事で、契約履行がほぼ安定しており、受注が得られれば民間企業としては経営が安定できます。現在
の世界の多くの財閥や巨大企業がその繁栄期には戦争特需で急成長した時期があったように、戦争によって
繁栄する部分もあります」
画面は再びセトナを映し出す。
552(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/21(水) 18:36:55 ID:???
「しかし! 現代戦は国家財政を大きく消耗させてしまうため長期的な需要とはなりづらいのです。逆に戦争終結
で投資が無駄になることも多いのです。そんな物に、果たして誰が財閥の繁栄を賭けられる物でしょうか? 更に。
再構築戦争終結後は軍縮が進み兵器市場が縮小していました。先の戦役が起こらなければ、更に軍縮は進んで
いたでしょう。皆さん。現代の企業家は全世界を巻き込んだ大戦争などと言う物を決して望みません。なぜなら現代
の戦争は彼らの資産を徹底的に破壊し、良質な労働者と言う資源を戦争に取られてしまうのですから。資本主義
の発達した現代、最も大きな消費は民需です。これを減退させる戦争は企業にとって悪夢に他なりません。実際
に、皆さんの国の経済白書を見てください」
再び、画面に図表が映し出される。世界各国の歳出の図表だ。
「そこに、答えがあります。エイプリルフール・クライシスの被害、そしてヤキン・ドゥーエ戦役による被害の復旧の
ために、却って各国の歳出に占める軍事費は削られているのです!」
画面はまたセトナの姿を映し出す。ここで、セトナは言葉を切り、きっとカメラを見据えた。
「私は、今、皆さんに告発いたします! ギルバート・デュランダルこそが真実を捻じ曲げ、大衆を扇動しようとする
アジテーターであると!」
セトナは、胸の前で両手を組んで、静かな口調に戻って言った。
「皆さん。私の言った事をすぐに皆、信じてくれとは言いません。しかし、一時の感情に流される事無く、冷静な心
できちんとしたソースを見て判断して欲しいのです。真実は何かを……」
「カット!」
声が響いた。
セトナは緊張の糸が切れた様に、ふらつく。ミリアリアはバスタオルを持ってセトナに駆け寄り、震えるセトナの体を
包んだ。
「セトナさん、頑張った! よくやった!」
ジェスも駆け寄る。
「よかったぜ! セトナ! お前さんの言いたい事は、きっとみんなに伝わる!」
セトナはようやく安心したようにふっと二人に微笑んだ。

セトナの放送の効果は果たしてどれくらいの影響を世界に与えただろうか。確かな事は、同日、ドイツのベルリンに
親地球連合の政権が復活し、親ザフトの軍はベルリンを追われた事である。


デンマークから一気にドイツに攻め込んだスカンジナビア軍は、即日の内にハンブルグに進駐した。
「まずは、幸先よしか」
ドイツの人口第二位の都市に軽く進駐できた事に幕僚は気をよくする。
「相手を甘く見るなよ。ベルリンの政権から追われただけだ」
スカンジナビア軍のドイツ侵入と呼応してか、ベルリンには親地球連合の政権が復活していた。
ハンブルグの市民はそれを歓迎して、またスカンジナビア軍を歓迎して迎え入れた物だった。
「で、敵は今どこか?」
「ザールラント州、ザールブリュッケンに本拠を移したようです」
「そりゃまた……ずいぶんと逃げたな。フランスとの国境近いじゃないか」
「ブリュッセル――ベルギー方面からの攻撃も恐れての事と思われます」
「フランスへの脱出も考えに入れているかと。良い街道がパリまで通っていますから」
「うん」
マンネルヘイムはうなづいた。
「後の処理は、ベルリンの政府にやらせよう。準備が出来次第、親ザフト軍をドイツから追い出す!」


553(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/21(水) 18:37:02 ID:???
「あ、アスラン!」
ルナマリアは部屋から出てきたアスランにちょうど出会った。
「ああ、ルナ」
「その、最近、すごく頑張ってるようだけど大丈夫?」
「ああ、気力は充実している」
アスランは笑った。
「色々、アスランと話したいなって思って。その、ラクス様の事とか」
「ラクス……」
アスランは目を閉じると上を向いた。
「やっぱり、偽者だったんでしょうか? ディオキアに来てたりした、あの……」
「知ってたさ」
アスランは言った。
「え?」
「知ってたさ。あのラクスが本物じゃない事くらい。当たり前だろう」
「あ、そうですよね。アスランですもんね」
「だが、君は本物だから正しく、偽者だから間違っているとか言うつもりか?」
「え、いえ……」
「ミーアと言ったんだ。あの娘は……。プラントのために必死で頑張っていた。今のプラントにとってミーアがラクス
だったんだ。贋者なんかじゃない。誰が否定しようと、俺だけはそれを認めてやる。俺は……ラクス・クラインを許さない」
低い声でアスランは言った。
「え?」
「俺は……それでいい」
そう言うとアスランは歩き去って行った。
ルナマリアは心配そうな瞳でその後姿を見送った。
その少し横、少し開いた扉を隔てた部屋の中で、レイは、椅子に座り俯いていた。膝に置かれた手にぽたぽたと涙
が零れ落ちた。
554(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/21(水) 18:37:14 ID:???
続く。
555通常の名無しさんの3倍:2009/01/21(水) 19:50:53 ID:???
乙!
少佐wwwwwwwwwwwwww
556通常の名無しさんの3倍:2009/01/21(水) 20:02:52 ID:???
乙www
どこから突っ込めばいいんだwwwwwwwwwwwwww
557通常の名無しさんの3倍:2009/01/21(水) 20:29:15 ID:???
……えーと。
549の辺りが理想郷とらハ板の「リリカルなのはAnother〜Fucking Great!〜」第十話の演説シーンとそっくりな件について。
558通常の名無しさんの3倍:2009/01/21(水) 20:32:23 ID:???
>>557
知らないのか?
その演説の元ネタはどっちもヘルシングって漫画の演説だ
ヘルシング 少佐 演説
でググってみろ
559557:2009/01/21(水) 20:37:35 ID:???
>>558
そりゃ知ってる。
「要は連中がオムツを穿き忘れてしまったらしいと言う事だ」でググってみろ。
その結果の一番上の奴だ。
560通常の名無しさんの3倍:2009/01/21(水) 21:04:10 ID:???
GJ!
素晴らしい!少佐の演説、アスランの決意、セトナの反論……最高のショーだ!!
アグニス達が見たらどう思うんだろう(笑)
ジェスが……あのジェスが!ちゃんと役に立った!!(ハイジ風)
561通常の名無しさんの3倍:2009/01/21(水) 21:10:35 ID:???
(゚д゚ 三 ゚д゚)マユ主人公ものはここでやってもいい? そりとも避難所池?
562通常の名無しさんの3倍:2009/01/21(水) 21:12:22 ID:???
マユ主人公スレって、今はもう無いんだっけ?
ならここでやってもいいんじゃないかな
563通常の名無しさんの3倍:2009/01/21(水) 21:14:30 ID:???
>>554

アスラン、漢やってるなぁ
セトナにげてぇ、そいつはラクスの手下だぁ

>>561
ここはIF系汎用スレだから、おkと思う
564通常の名無しさんの3倍:2009/01/21(水) 21:28:45 ID:???
ミーアのマネージャーは対ミーア用の刺客として用意(薬漬け)としても
ミリアリアも薬漬けなのかな?
565通常の名無しさんの3倍:2009/01/21(水) 21:33:57 ID:???
ミリアリアが薬漬けだって描写は今のところ出てきてないな

つか虎も薬飲んでないんだな
566通常の名無しさんの3倍:2009/01/21(水) 22:34:37 ID:???
あの犯人を調べればサイオキシン中毒だって事は直ぐに判る。
そうすりゃプラントと連合が手を結んで麻薬撲滅で協同戦線だって可能だろうに。
・・・もしかして名雲さんサイオキシン中毒なのか?
567通常の名無しさんの3倍:2009/01/21(水) 22:44:29 ID:???
アスランがまともなのはいいんだけど、まだ信用できない俺がいる
568通常の名無しさんの3倍:2009/01/21(水) 23:10:36 ID:???
>>567
あ、同じ事考えてる人がいたwww
アニメの凸のKYとキ○ガイぶりのせいで、この話のアスランもいまいち信用出来ないんだよな
569通常の名無しさんの3倍:2009/01/21(水) 23:15:32 ID:???
>>564
思想漬けだったらもっと酷いことになりそう

>>565
虎、ノイマン、ミリミリア、……あれ? 共通点があるかも?
570通常の名無しさんの3倍:2009/01/21(水) 23:55:35 ID:???
>>569
思い人を亡くした組?
571通常の名無しさんの3倍:2009/01/22(木) 00:55:03 ID:???
投下乙〜
アスランが無茶苦茶かっけぇ、一度ルナマリアの気を引くために
ハイネのセリフをパクってた時はロクデモネー奴だと思ってたけど
見直したぜ
572通常の名無しさんの3倍:2009/01/22(木) 05:37:56 ID:???
ルナマリア主人公の綺麗なアスランも見たことあるからそんなに違和感は……

まぁ、逆シンでフルボッコ→キラにジュッ、っていう哀れな凸ランもあるけど。
573通常の名無しさんの3倍:2009/01/22(木) 11:28:06 ID:???
投下乙。
教皇閣下やプーチンに続いてサノレコヅにマンネルヘイム……
なんかもうSAN値がジェットコースター並みの勢いで上がったり下がったり
574通常の名無しさんの3倍:2009/01/22(木) 19:26:03 ID:???
大隊指揮官殿www
下手すると老魔法王が例の軍隊と若本神父を派遣しかねんwww
575通常の名無しさんの3倍:2009/01/22(木) 21:05:49 ID:???
>>574
この作品のヴァチカンは、イスカリオテ+ジェダイ騎士団
どう考えてもCEを100回焼き尽くしてもお釣りがくるな
576通常の名無しさんの3倍:2009/01/22(木) 23:49:25 ID:???
カール・グズタフwwww強すぎるぞwwww
577通常の名無しさんの3倍:2009/01/23(金) 13:47:24 ID:???
本編の凸も大概だけど、カミーユとガロードが出る二本は本編より最底な凸が見れる
578通常の名無しさんの3倍:2009/01/23(金) 14:27:41 ID:???
本編と称するアニメですら凸は裏切り者属性が存在するからね。

アスランとして生きるためのIFは、
ラクシズに招待されたときに否定する(凸は何故ザフトに入ったのか、そんな設定もありました)、
ブレイクザワールドでザラ派の尻馬に乗る(ラクス裏切ってるけどw)、
種死全般としてもとりあえずザフトの犬を続けていく(同じくラクスを(ry)、
もしくはザフトへいかない(二重の裏切りはしない)、
って所か。
579通常の名無しさんの3倍:2009/01/23(金) 14:52:14 ID:???
クルーゼが生きていたら、みたいなブルコスに行くIFもあるね
580通常の名無しさんの3倍:2009/01/23(金) 16:53:24 ID:???
>>578
つ「キラとよりを戻して軍を引退」
581Alto:2009/01/24(土) 01:06:43 ID:umdGTt+F
失敬、>>549の最初の部分は私のオリジナルです。
後半のヘルシングはともかくとして。
慣れない場所、場違いだと言うのは分かるのですが気になったので一応。
然して気にもしませんが一言入れて置いてくださると助かります。

ヘルシングネタ、カッコイイですよね。
582(仮) ◆Lna0TEvcJM :2009/01/24(土) 01:40:47 ID:???
Altoさんありがとうございます。
ご指摘の部分はかっこいいと思ったので使わせていただきました(;´▽`A``
皆様Altoさんの
「リリカルなのはAnother〜Fucking Great!」
おすすめです。是非!
583Alto:2009/01/24(土) 02:07:29 ID:umdGTt+F
>>582

はい、確かに。

かっこいいと言って下さって私としても嬉しい限りです。
少々余計にして高慢やも知れませんが、お互いに執筆活動を頑張りましょう。
この場この時、応援させていただきます。

では。
584通常の名無しさんの3倍:2009/01/25(日) 02:01:27 ID:???
ザクレロにスカートつけてザクレ=ラング
585通常の名無しさんの3倍:2009/01/25(日) 23:59:42 ID:???
アスランが裏切り等をせずに格好良く種死を生き延びるにはどうすればいいか。
物凄く難易度の高い問題だと思う。
586通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 00:07:05 ID:???
キラキラ言わなきゃいいじゃん
頼れる上官としての姿で通せばいいだけだ
達磨にされるような醜態も晒さないだろうし、素直に伝説受領して真っ向からラクシズと対峙してくれればいいのさ
587機動戦士ザクレロSEED:2009/01/26(月) 00:12:42 ID:???
「僕はユウナ・ロマ・セイラン。職業は自宅警備員だ」
 トール・ケーニヒとエルが住む秘密のシェルターに突然現れた男は、自分の事をそう紹介した。
 その自宅警備員様が何をしているかというと、居間のビデオデッキを駆使してビデオのコピーを大量生産している。何のビデオなのかはわからない。
「本当は、大学通ってたんだけど……“美味しそう”な娘がいてさ。僕は婚約者一筋なんだけど、ちょっと“浮気”しちゃってね。まあ、僕は浮気性みたいで、ちょいちょい“浮気”をしちゃうんだけど。いや、ともかく」
 ユウナは、訝しげな表情を浮かべているトールとエルを前に、作業の手の傍らペラペラと恋愛体験談を話していた。元は、自分の正体と何故ここにやってきたのかを話すはずだったのだが、すっかり話が変わってしまっている。
「夏期休業の一ヶ月を二人きりで過ごしたんだけど、楽しかったなぁ。特に彼女の“手”料理は最高だったよ。ピアニスト志望だっただけあって、なかなかに繊細でね。いつも二人で食事をしたな。美味しく料理を食べる僕を見る彼女の目は今も忘れられない」
 思い出しつつユウナは思わず舌なめずりをする。
 食事で大事なのは、料理の味ばかりではない。やはり食卓を共に囲む相手というのも重要だ。ただ、ずっと一緒にいたいという願いが叶わないのが少々問題だった。カガリとはずっと一緒に居る事に決めているので、同じ楽しみ方は出来ないだろう。
「彼女が無くなった時には、寂しくて涙が出たな。思い出と“彼女の欠片”を海に撒いて、それで僕の一夏の恋は終わったわけだけど……でも、その彼女の事でちょっと周りが騒がしくなってね。煩わしさを避けて、休学する事にしたんだ」
 その話を聞いたトールとエルの、ユウナと“恋人”は死別したんだなという理解は正しい。状況を正確に把握している訳ではないが、結論としては。
 ともあれ、ユウナはそれを良い思い出であるかの様に語った。それからユウナは、最後に肝心な所を全部飛ばして締めにする。
「次の恋と婚約者への愛を思いながら実家を守っていたら、今回のヘリオポリスの事件があってね。で、暇をしているならって事で、父に命じられて、僕はここに来たと」
「……あんた、本当に誰で、何しに来たんですか?」
 トールが訝しげな表情を崩さずに聞く。何せ、ユウナはまだ名前以外に何も言っていないに等しい。
 そんなトールの問いにユウナは作業の手を止め、苦笑を浮かべて答えた。
「セイランの名を出した時に気付いて欲しかったなぁ。ほら、氏族のセイランだよ。僕はそこの不肖の息子」
 エルが、セイランと繰り返されたのを聞いて思い出す。
「あ……パパの偉い人?」
「パパ?」
「あの……」
 問い返したユウナに、エルは自分の父親がヘリオポリスの行政官だった事を説明した。
 エルの父親であるヘリオポリス行政官が所属した政治派閥はセイラン派であり、つまりセイランは父親が仕えた人物だと言う事となる。
「そうか、行政官殿の……そう言えば、エルちゃんには昔、会った事があるね。ずっと小さい頃だから憶えてないかもしれないけど……セイラン派閥の集会にご両親と一緒に来ていた君は、妖精の様に可愛らしかったよ。僕は憶えている……」
 クスクスと笑いを混ぜながら記憶の中から過去を掘り出したユウナは、エルを嘗め回す様に見つめる。あの時は、ちょっと手を出そうか迷ったものだ……
 何となくその視線に嫌な物を感じて、エルはトールの背後に隠れた。それを見てユウナは、表情を変えて朗らかに笑って見せる。
「恥ずかしがり屋さんだなぁ。大丈夫だよ。僕は婚約者一筋だからね」
 先ほど、ちょいちょい浮気をすると言った人物の台詞ではない。
「まあともかく僕がセイランである以上、このシェルターの間借り人としての資格はあるってわけさ。ここなら、ホテル代が浮くしね。それより、君達の事を教えてくれないか? なぜ、君達は二人きりでここにいるんだい? 特に……君」
 ユウナはトールを指差す。エルは、行政官の娘という事で、ここにいる理由は理解出来た。しかし、トールの事はまだ何も聞いていない。
「ああ、俺はトール・ケーニヒ。カレッジの学生で……」
 トールは自分の事と、何故ここにいるかの説明を始めた。それには、あの惨劇の日の事を語らなければならなくなる。
 アスハの演説。市街で始まった戦闘。そして戦闘の中に渦巻いた人々の狂気……
588機動戦士ザクレロSEED:2009/01/26(月) 00:13:16 ID:???
「……そうして、俺は父を殺した」
 呟く様に言ってから、トールは黙り込んだ。
 狂気に囚われた父親を殺した事……やはり、その事を口に出すのは辛い。もっとも、まだ口に出せる程には軽い出来事であったのだとも言えるのだが。
「……続けて」
 ユウナは内心ではこの生々しい証言を喜んでいたが、それを隠して先を促した。
 トールは頭を振って、父の死に様を頭の中から追い出し、話を続ける。
「街を脱出した俺とミリィは、壊れた車を見つけて……中にミリィと彼女のお母さんが居て……」
 それでどうなった?
 ミリィは車の中にいて、でもミリィは一緒にいて医者を呼びに、車の中のミリィのお母さんを救う為に、でもミリィのお母さんはMSに轢かれて磨り潰されて……ミリィは……ミリィが……
 記憶が錯綜する。
「あれ? 思い出せないな」
 トールは表情の全く消えた顔で呟く。
「でも、気がついたら、このシェルターに向かっていたんだ。ミリィと二人で」
「へぇ……ミリィねぇ?」
 ユウナは、トールの説明がおかしい事に気付いていた。ミリィという少女とエルが、トールの中で混じり合っている。
 問いつめてみても良かったのだが、トールの様子から狂気の匂いを感じたユウナは、敢えてその事に触れるのは避けた。
「エルちゃんの話も聞いてみようかな。いや、ミリィちゃんだっけ?」
「ミリアリア・ハウです」
 トールは、ユウナが親しげにミリィと言った事が気に障って、少し強い口調で彼女の名を訂正する。
「うんうん、良い名前だ。でも……」
 本当の名前じゃあない。
 ユウナは、トールの軽い嫉妬混じりの言葉を聞き流しながら言いかけた台詞を途中で切った。エルが、名前の事が話題になった途端に、辛そうな表情を浮かべたからだ。
 話題を続けて、その表情をたっぷり楽しみたいという欲求はあったが、それで話が進むとも思えなかったので諦める。
 そして、情報を整理すべく少し考えた。
 何があったのかは知らないが、トールにとってエルは、ミリアリア・ハウという少女の代わりになってしまっているのだろう。
 そして、こんな状況だ。エルの方は、ただ一人の同行者であるトールに頼らざるを得なかった。例え、自分に他の人間を重ねて見られていたとしても。
 その辺りの細かい事情は、エルの話を聞けばわかるだろう。
 ただ、エルとしての話を聞くには、エルをミリィだと思っているトールの存在は邪魔になりそうだった。
 エルの話は、エルがミリィではない事実に基づくだろう。トールはそれを理解する事を拒むだろうから、恐らくはトールの中だけの真実に基づいて口を挟んでくる。事によっては話を止める為に実力行使をするかもしれない。
 エルに話を聞くなら、トールが居ない時が良いだろう。きっとその内、チャンスはあるはずだ。そう判断してユウナは、話の流れを変える為に冗談めかして言った。
「トール君には焼き餅を焼かれてしまったみたいだね。こりゃあ、お邪魔虫はあまり余計な事はしない方が良いかな」
「え? いや、そんなつもりじゃ!」
 トールは慌てふためきつつ照れている。この反応だけなら、思春期の少年そのままの微笑ましさだ。背後には、狂気に犯された本質があるにしても。
 ユウナはそんなトールに笑う。これは随分と面白い物を見つけたものだと、内心で喜びつつ。
 ユウナのその笑みを見て、エルは強い不安が沸き起こるのを感じていた。
 それは、少女の勘だったのかも知れない。エルにはユウナが、自分とトールを再びあの地獄の様な戦場に連れて行く存在のように思えたのだ。
589機動戦士ザクレロSEED:2009/01/26(月) 00:13:48 ID:???
 

 朝、エルは一人、ベッドの中で目覚めた。隣のベッドに寝ていた筈のトールの姿は無い。これはいつもの事だ。
 エルは起き出してすぐ、身支度も調えずパジャマのままスリッパをつっかけて部屋を出た。着替えなどは、トールを“起こして”からでも出来る。
 ただ、途中で洗面所によって歯を磨く事は忘れなかった。トールが気にするとも思えないのだが、やっぱりエル自身が恥ずかしいかなと思うので。
 エルはその後にシミュレータールームへと向かう。トールはそこでシミュレーターを動かしているはずだった。それをエルが止めて、それから二人の一日が始まる。
 それがいつもの事。しかし、今日は違った。
 シミュレータールームの扉が開いた直後、エルの耳に大きな音が飛び込んでくる。
 砲声と爆発音の入り交じる暴力的な音。そして、その音の中から、一つの声が届く。
「おはよう、エルちゃん」
 シミュレータールームの中、コントロール卓に座るユウナ。彼の前にある大型モニターが映像を映し出しており、エルが聞いた音はその映像に合わせて発生していた。
「これを見た事はあるかな?」
 ユウナは、入り口で足を止めて不安げな表情を浮かべるエルにモニターを指し示す。
 コントロール卓を弄った事はないので、モニターが映っているのを見るのは初めてだ。
 モニターに映し出されていたのは宇宙だった。そして、星の海を飛ぶ、鋼の蜘蛛の如き試作型ザクレロ・ミステール1。その姿は、格納庫で見た物と同じ。
「トール君だよ」
 ユウナはモニターを見つめて薄く笑う。
 モニターの中でミステール1は戦いを続けていた。
 MSジンの放つ銃弾を装甲ではじきながら高速で宙を突き進み、擦れ違いざまにヒートサイズでジンの胴を薙ぐ。直後に放ったビームが、ミステール1を狙撃しようとしていたもう一機のジンを貫き、火球に変えた。そしてミステール1は、加速してその場を離れていく。
 目標は、眼前に浮かぶZAFTのナスカ級。ミステール1は、対空砲火を受けて装甲表面に火花を上げながら高速接近し、艦の直前で対艦ミサイル四発を放った。迎撃しようも無い距離で放たれたミサイルは、次々に艦に突き刺さって爆発する。
「おっと、ナスカ級じゃあトール君に失礼だったか」
 ユウナは言いながら、手元のコンソールを弄くる。
「じゃあ、これはどうかな? オーブの最新鋭艦だ」
 オーブ軍イズモ級宇宙戦艦が、撃沈されたナスカ級の向こうに現れた。直後、猛烈な砲撃と迎撃のMAメビウスの群れがミステール1に襲いかかる。
「お兄ちゃん!?」
 エルは思わず悲鳴の様な声を上げた。そんなエルに、ユウナの笑み混じりの声がかけられる。
「大丈夫だよ。これは現実じゃない」
「お兄ちゃんに意地悪しないで!」
 ユウナを睨み付け、エルは言った。ユウナはエルのその怒りを、笑顔で受け流す。
「意地悪じゃないさ。それより……ちょうど良いや。君からも話を聞こうと思っていたんだ。トール君の居ない所でね」
「え?」
 トールの居ない所でと言われ、エルは戸惑い、怯えて後ずさった。ユウナは、悪意のない事を示す為に両腕を大きく開いてみせる。
「何もしないよ。今はね。ともかく……トール君から事情を聞いたけど、エルちゃんに遇った辺りから彼の記憶が歪んでいるね? 君をミリィと呼んでいるのもおかしい。違うかい?」
 ユウナに問われ、エルは少しの沈黙の後に頷いく、そのまま口をつぐんだ。
「事情を聞かせてくれないかな? トール君は普通の状態じゃない。このままにしてはおけないだろう?」
 利用するにせよ排除するにせよ。そう続く所をユウナは敢えて言わなかった。
 助けるとか治療するとかいった考えはない。しかし、ユウナの台詞に、エルはそれを期待したのだろう。
 だから、エルは重い口を開いた。
「お兄ちゃんは……ミリィって言う人を殺されちゃったの」
 そしてエルは、トールを襲った悲劇と、エルとエルの母親に起こった出来事を語り出す。
「……あの日、家でママが私を呼んだの。パパの所に行くって」
590機動戦士ザクレロSEED:2009/01/26(月) 00:14:22 ID:???
 

 あの日……エルは自宅の居間のソファに身体を預け、テレビのリモコンを片手にチャンネルを回していた。楽しみにしていたアニメが入らないかと思ったのだが、どの局も同じ映像しか流していない。
『みんな、本当に大事なものが何かを考えて欲しい!
 オーブの理念が失われようとしてる今、私達は何をすべきなのか。
 このまま、オーブの崇高な理念が失われるのを見ていて良いのか!
 心あるオーブ国民のみんな、私達と共に戦おう! オーブの理念を守る為に!』
 テレビの中、カガリ・ユラ・アスハが強い言葉で訴えかける。エルはそれに興味を持てず、退屈さに溜息をついていた。
 そんなエルとは裏腹に、家の中は騒がしい。母親や使用人達が、かなり慌ただしい様子で家の中を歩き回っており、時折、電話をしては声を荒げている。
 そんな状況ではあったが、最初のMS襲撃があった後の事であり、一時とはいえシェルターに逃げ込むなどの騒ぎがあった後なので、騒がしいのも仕方がないとエルは思っていた。むしろ、それを理由に仕事から帰って来られない父親の方を心配していた。
「エル……」
 身体を揺すられ、エルは目を覚ます。ソファの上で、少し眠っていたらしい。
 目の前に母親が居た。泣いた様に目を赤くした彼女は、エルをソファから立たせながら言った。
「あのね……今から一緒に出かけるの」
「? 何処に?」
 問い返すエルに、母親はエルのお気に入りのリュックを背負わせながら答える。
「パパが作った秘密の場所よ。ほら、地図もあるわ。エルのリュックに入れておくからね? もし私に……ううん、一緒に行きましょうね」
 そう言って、母親は最後に首を横に振って自分の言葉を打ち消した。そして、一枚の紙をエルのリュックに入れる。
 リュックは何が入っているのか、かなり重い。エルは後で知った事だが、リュックにはディスクがたくさん入っていた。
「ねえ、秘密の場所にはパパも来る?」
「!」
 エルの無邪気な問いに、母親の表情が強張る。そして、その両目に涙の滴が浮かんだ。
「……ええ、そうね。パパも待っているわ」
 言いながら、母親はエルを抱きしめる。エルは……何となく、父親に何かあったのだと悟った。
「ママ? パパに……」
591機動戦士ザクレロSEED:2009/01/26(月) 00:14:58 ID:???
「奥様! お嬢様! お急ぎください!」
 問いを重ねようとしたエルだったが、それは部屋に踏み込んできた老執事の声によって妨げられる。
「来ました。連中は、奥様やお嬢様までも手にかけるつもりです。お嬢様、失礼」
 老執事は、そう言いながらエルの身体を抱き上げ、足早に歩き始める。母親はその後について歩き出し、流れた涙を指で拭き取った。
 三人は家のガレージへと向かう。普段、外出の時は家の入り口まで車を回してもらうのだが、今日はそうではないらしい。それに、ガレージには車があったが、運転手の姿が無かった。
 老執事はそこでエルを下ろし、先に立って車のドアをあける。
「どうぞ」
「……貴方は?」
 車を前に、母親が聞いた。それに答え、老執事は笑う。
「別に逃げさせていただきます。ご安心を」
「……」
 老執事の言葉に、母親は何かを悟ったのか沈黙し、ゆっくりと首を横に振った。
 そんな母親に、老執事は笑顔で別れを告げる。
「奥様には、御本家の頃からお仕えさせて頂きました。今思い返してみれば、こんな老爺にはもったいない、本当に充実した日々でした。残念ですが……これにて、お暇を頂きます。さあ、奥様、お急ぎください」
「……ごめんなさい。ありがとう」
 母親は俯きながらそう言って、逃げる様に車の運転席へと乗り込んだ。
 エルはそんな母親と老執事のやりとりを黙って見ていたが、母親が車に乗ったのを見て、自分も助手席へ乗り込む。
 老執事は、運転席と助手席のドアを閉めて回り、それから深々と頭を下げた。
「行ってらっしゃいませ」
「いってきまーす!」
 いつもの様に、エルは出立の挨拶をする。
 走り出す車を、老執事はいつになく晴れやかな笑顔で見送っていた。
 車はガレージから出て庭を駆け抜け、正門ではなく裏門へと向かう。そして、車が門をくぐって屋敷の外へと出た時……タタタタンと言う弾ける様な連続した音が、屋敷の方で鳴ったのをエルは聞いた。
 母親が身を強張らせ、アクセルを踏み込む。車は加速し、街の郊外へと向かって走り始めた。だが……その背後に一台の車が迫ってきたのは、まだ走り出してからそう時間の経たぬ内の事だった。
 それは、軍用エレカ。高機動車というオフロード車に似たタイプの物で、屋根の上に軽機関銃が設置されており、屋根に空いた穴から身を乗り出した男がそれを構えている。軽機関銃は、エルと母親の乗る車に向けられていた。
 母親は、それに気付いてすぐに車を加速させる。しかし、軍用エレカは全く遅れずについてくる。
 その時のエルは、母親の強張った表情と、背後にぴったりと付けてくる軍用エレカの関係はわからなかったが、何か怖い事になっているのだとは悟り、助手席で震えていた。
 やがて、車は街を出る。この先は開発地域とやらで、何もない平原や森が続き、外壁に当たるまでは何の施設もない。
 車は、郊外の森の側を抜けていく。と、そこに来た時、エルはふと窓の外を見上げた。
 空から下りてくる人……MSジンの姿が見える。
 直後、背後から、先ほど屋敷を出る時に聞いたのと同じ連続音が響き、車がいきなりスピンを始めた。エルは助手席にシートベルトで留められたまま振り回される。
 ――僅かな時間、エルは気を失っていた。
 目覚めたエルは、まっさきに母親がいる運転席を見る。母親は……右肩を鮮血に染め、ハンドルにもたれる様に身体を倒していた――
592機動戦士ザクレロSEED:2009/01/26(月) 00:16:47 ID:???
 

 過去を話すエルは、堪えきれぬ涙を滴にして落としていた。
 トールとミリアリアとの出会い。母親の死。そして、対MS用ホバークラフトの墜落とそれによるミリアリアの死。それ以降、エルの事をミリィと呼ぶ様になったトール。
 シェルターに逃げ込み、そしてそこで出会ったMA。シミュレーターの虜になり、エルが呼び戻さなければずっと戦い続けるトールとの生活。
 それが、エルの体験した全てだ。
「……辛い話をさせたね」
 内心、最高のジョークを聞いた様な浮き立つ気分が湧いていたが、ユウナはそれをおくびにも出さず、エルに優しく言ってやる事に成功した。そっと指先で涙を拭いてあげる仕草など、実に絵になった事だろう。
「そうだ、君のママが持たせてくれたディスク……後で見せてくれないかな? きっと、大事な物が入っていると思うんだ」
 言われて、エルは素直に頷いた。
 ユウナが思うに、セイラン派にとって隠蔽したいが消す事は出来ない何かしらの資料か、今回の事件の裏事情の記録か何かだろう。何にせよ、回収しておく必要がある。
「ありがとう。じゃあ、トール君のシミュレーションも終わった様だし、みんなでご飯にしようか。トール君を呼んできて欲しいな」
 それからユウナはそう言って、シミュレーターのコックピットを開放する操作を行う。
 シミュレーションは既に終了していた。連戦であったが為、さすがにイズモ級とその麾下のMA隊を撃破する事は出来なかったか、ミステール1はモニターの中で撃破された瞬間のまま停止している。
 どうも、メビウスの編隊から対艦ミサイルの飽和射撃を受けたらしく、全身を爆炎に包まれていた。さしもの怪物も、数十倍という数の差の前には苦戦するらしい。それとも、トールがまだミステール1の真価を発揮出来ていないだけか……?
 ともあれ、トールの方はまだシミュレーターを続けるつもりの様で、先ほどからコンティニューを選択し続けている。それは、ユウナが止めていた。幾ら何でも身体に負担がかかるシミュレーターをやりすぎだと感じたし、ユウナもそろそろ朝ご飯を食べたかったのだ。
593機動戦士ザクレロSEED:2009/01/26(月) 00:17:17 ID:???
 シミュレーターのアームに振り回されていたコックピットが停止して、ハッチが開く。それを見て、エルは小走りにトールの元へと向かった。
 コックピットに身体を入れて何事かをしているエルを見ながら、ユウナは僅かに口元に笑みを乗せる。
 ユウナは、トールとエルの話を聞いて理解していた。地獄と化したコロニーを逃げまどい、幾多の死に関わった果て、恋人の死によって心を壊したトール。そして、エルの事を。
 エルの母親は、暴徒に襲われたのではなく、軍に襲われたのだろう。
 恐らくは父親である行政官も、同じく粛正の対象となっている筈だ。カガリの“公式発表”では、戦いを前にして逃げた事になっているが、何処にも逃げ場のないコロニーから何処に逃げるというのか? また、逃げるとしても妻子を置いて逃げるものか?
 彼らが消された理由は、恐らく「オーブの理念に反する」という理由。ただ、それは現場の人間に与えられた大義名分であり、本当の理由はカガリの演説とその後の武装蜂起を阻止される事を事前に防ぐ為だろう。
「しかし、酷いなぁ」
 ユウナの口から呟きが漏れる。
 最後の対MS用ホバークラフトの墜落の下りがエルの証言通りだとするなら、彼らは意図して避難民の真上に墜落したという事になる。
 その理由もまた、恐らくは「オーブの理念に反する」というものだろう。今のオーブで叫ばれているオーブの理念に対する観点に立てば有り得るし、逆にそれ以外で避難民を殺す理由は思いつかない。
 なるほど、彼らはオーブの理念に殉じた英雄というわけだ。ユウナ自身。自分がサイコパスである自覚はあるが、それでもそこまで狂っていない自信がある。
 ユウナが、見つからない様に色々と気配りして、やっと一人ずつ殺してると言うのに、彼らは堂々と数十人数百人を殺してみせた。しかも、ユウナは見つかれば縛り首だが、彼らは英雄としてもてはやされている。
「本当、酷い不公平だ。あやかりたいねぇ」
 ユウナは喉の奥で笑い、そうなった時に自分が楽しめるかどうかに思いをはせた。
 国民の前で、ユウナは賞賛を一身に浴びながら、全てを失って絶望に沈むカガリに緩慢な死を与える。そして、その死体を保存し、ユウナという一人の英雄を讃えた永遠のオブジェとするのだ。全国民がカガリの死体を侮蔑する中、ユウナだけがそれを愛し続ける。
「……おっと」
 その想像に熱い物がムクムクと頭をもたげてきた感触を感じ、ユウナは少し前屈みになりながら想像する事を止めた。
 トイレで発散出来る程度ならまだ良いが、ここで堪えきれなくなると少々困る。ここにいる二人は、ユウナにとって重要な存在となりそうなのだから。
 シミュレーターの中から出てくるトール、彼を気遣うエル。ユウナは、このシェルターには寝床と作業場を求めて来ただけだったのだが、思いもかけない拾い物をしたらしい。
「狂気に囚われた少年と、正義の名の下に父母を奪われた少女……か」
 ああ、随分と楽しめそうじゃないか。ユウナは内心に沸き立つ物を感じていた。
594機動戦士ザクレロSEED:2009/01/26(月) 00:17:49 ID:???
 

 ヘリオポリス市街。ZAFTの襲撃から二週間が経った今でも、戦場となった市街には戦いの傷跡が深く残されていた。
 弾痕の刻まれた建物や焼け焦げた建物が未だ残り、崩壊していくままに放置されている。
 死体などは、人々の回収作業により見える範囲では全て回収されていた。だが、未だに見つけられず、埋もれている死体も多いと推測される。
 建物から出た瓦礫や戦闘に巻き込まれて破壊された車などのゴミは車道からどけられ、かつて歩道だった部分に積み上げられていた。
 道は狭くなったが、何一つ問題はない。今のヘリオポリスを歩く人はほとんど居ないし、走る車も緊急車両以外は見かける事もないからだ。
 ZAFTが出した治安維持の為の外出禁止令は解かれていたが、外へ出ても商店も職場も開いていないので何もする事がない。ゆえに誰も家の外に出ようとはしない。
 数日前までは復興に向けた動きがあり、アルバイトやボランティアとして参加した人も多く、破壊された市街にもそれなりに活気があった。
 また、商店などは営業再開に向けて働き始めていたし、企業でも瓦礫の中から書類を掘り起こしてでも仕事を再開しようと努力していた。
 失われた物への悲しみを振り切り、破壊されたヘリオポリスを元に戻そうという熱意がそこには見られた。
 しかし今、人々は重苦しい諦観に沈んでいる。
 『オーブ本国が、ヘリオポリス市民を断罪しようとしている』この事実が伝わってしまったのだ。自分達にオーブ国民としての未来がない事を知った人々からは復興の熱意は完全に消えてしまった。
 それは、ヘリオポリス市庁がオーブ本国との超長距離通信を復旧させた頃から、通信技術者とその上司、さらにその通信によって得た情報を渡された議員達、そういった人々から少しずつ漏れ出ていた情報ではあった。
 しかし、それはまだ一部の人々以外には噂の段階でしかなかったのだ。
 状況を決定的にしたのは、オーブ本国での放送を収めたビデオ。
 今のヘリオポリスでは視聴出来ない本国の放送である以上、外部から持ち込まれた物である事は確実である。極僅かな人数であるがオーブ本国から自主的にやってきた、復興支援スタッフの誰かが持ち込んだのだろう。それも意図的に。
 ビデオはヘリオポリスにある民放テレビ局へと送りつけられた。また、市街のあちこちで、何者かがビデオを置いて回ってもいる。
 全ての情報を隠す事が出来なくなり、ヘリオポリス市庁は本国との通信によって得られた情報を含めて全てを公開した。
 すなわち……ヘリオポリス市民には最早未来を生きる事は許されていないのだという事を。
595機動戦士ザクレロSEED:2009/01/26(月) 00:21:58 ID:???
 

 オーブ本国。その日、プラントより、ヘリオポリス襲撃事件とオーブの中立違反に対する交渉が持ちかけられた。
 オーブに突きつけられた条件は以下の通り。

・中立違反に関わる連合加盟国と取り交わした約定や協力内容等の情報開示
・連合加盟国との協力関係の即時停止
・上二件の遂行を確認する為の査察団の受け入れ
・中立違反に対する賠償金の支払い
・ヘリオポリスの領土割譲
 ・ヘリオポリスに現住する全オーブ国民の移住

 以上を受け入れれば、オーブの中立の維持を認める。ぬるい条件だった。
 これは、この機にオーブが連合軍として参戦してしまう事を恐れた為だろう。
 オーブは、ZAFTにとって重要な地上拠点であるカーペンタリア基地への格好の橋頭堡となりえるし、宇宙に軍を上げる為に必要なマスドライバーを有してもいるからだ。
 幾ばくかの賠償金を取り立て、何人かのスタッフを送り込んで中立を維持させれば、プラントとしては十分に利益が出る。オーブにはコーディネーターも多いので、同族殺しを嫌った事もあるかも知れない。
 オーブとしては、中立維持の為に連合を売る事に躊躇はない。情報開示と協力関係の停止は喜んでやるだろう。査察団の受け入れも大した問題ではあるまい。
 問題は別にあった。それは、ヘリオポリス自体だ。その事で、オーブ国会は紛糾した。
「『他国の侵略を許さず』オーブの理念をお忘れか? ヘリオポリスはオーブ領だ。プラントによる占領を許してはならない!」
 議員の多数を占めるアスハ派議員が声を上げる。それに対して噛みついたのは、別のアスハ派議員だった。
「占領!? ヘリオポリスは未だ継戦中だ。オーブは、他国の侵略を許さない」
「では、オーブとプラントは戦争中か? ならば、中立違反の賠償を支払う意味は何処にある?」
 アスハ派議員及びそれに従う氏族の派閥の議員達が声を上げ合っている。他の派閥の議員には、発言の機会すら与えられない。発言を行おうとする議員の挙手に、議長は無視を決め込んでいる。
「プラントに、ヘリオポリスの無償での即時返還を求めよう。それが、オーブの理念的に正しい対応というものだ!」
「それを聞き入れる理由がプラントにあるのか!」
 痺れを切らした他派閥の議員が、席を立って声を荒げた。議長がその議員を咎めるが、その議員は言葉を並べ続ける。
「プラントに賠償金なりを払ってヘリオポリスの返還交渉を行うべきだ!」
「賠償金を支払うという事は、プラントの侵略行為とその結果によりヘリオポリスが奪われ、プラントの物となったと認める事だ。侵略を許した事になる!」
 そうだそうだと、議場を割れんばかりの賛同の声が埋め尽くす。
 その勢いに黙り込み、発言していた他派閥の議員は、憮然とした表情でそのまま議場から出て行った。その後に、何人もの議員が続いて出て行く。正直、馬鹿らしくて議論を続ける気にもならなかったのだろう……どうせ、何を言っても無駄なのだ。
 他派閥の議員の多くが消え、アスハ派を中心とする主流派と呼ぶべき議員だけが残り、邪魔は居なくなったとばかりに議論は弾んだ。主に、オーブの理念を守る為にはどうするかという方向で。
 許されるなら、尻尾を振って見せてでも、中立国としての座に戻りたいのがオーブの隠す事なき本心だ。しかし、ヘリオポリスの存在が、プラントとの対立を自国の戦争としてしまう。
 オーブの理念『他国の侵略を許さず』により、ヘリオポリスへの侵略を許すわけにはいかない。侵略を許す事になるプラントへの領土割譲などもってのほか、プラントと戦ってでも奪い返すより他に道はないのだ。
 しかし、オーブより遙かに強大な連合軍が苦戦するプラントを相手に、オーブ軍の勝算は無いに等しい。
 連合軍に参加して助力を得るという手段も、『他国の争いに介入しない』というオーブの理念によって使えない。
 今となっては、ヘリオポリスはオーブにとって厄介物だった。
 もし、ヘリオポリス襲撃時に、ヘリオポリス自体が破壊されていればこの様な事はなかっただろう。
 失われた地を取り戻す事は出来ない。対応は賠償問題とならざるを得ないのだ。それならば、中立違反との相殺を計る事も出来ただろう。賠償をプラントが拒否しても、『他国の侵略を許さず』と拳を上げつつ地道に賠償を求めていくというパフォーマンスが出来た。
 しかし、ヘリオポリスは存在している。
「ヘリオポリスさえ無くなれば問題は無くなるのですよ!」
 誰かがそう叫んだ事に、議場は大いに喝采した。
596機動戦士ザクレロSEED:2009/01/26(月) 00:22:28 ID:???
 とはいえ、それで何か決まるわけではない。結局、プラントに対する返答に猶予はまだある事から、この議論は持ち越しとなった。
「……くだらないな」
 議場を去ることなく、一人の観客として眺めていたウナト・エマ・セイランは呟く。
 どうして、現実に即した対応が出来ないのか? むしろ、現実をオーブの理念にあわせて曲げようとするのは何故なのか? 問いたいが、問うても答えは返らないだろう。答えではなく、オーブの理念のお題目が飛んでくるだけだ。
 ウナトは呆れながら、酷い議論の飛び交う議場を見渡した。その中、ウズミ・ナラ・アスハの渋面を見つけて、ウナトは意図せず眉を寄せた。
 どうやら、この議論はアスハ派が中心となってはいるが、ウズミが中心という訳ではないらしい。アスハ派の中で派閥の分裂でも起こっているのだろうか? では、ウズミに対立する、もう一派は何なのか……カガリを担ぎ上げている者達なのは確実だが。
 ウナトが考え込んでいる間に議題は次に移っていた。
 次に議題にかけられたのは、現在ヘリオポリスに住む市民への対応。プラントからの要請にもあった「ヘリオポリスに現住する全オーブ国民の移住」の件だ。
 しかしこれは、プラントからの要請とは関係なく議論される事になる。
「次に……ヘリオポリスの反逆者の件です」
 議場がざわついた。
 平然としている議員が多い様だが、驚いたり不快げにしたりしている議員も少数だが居る。ざわめきは、後者が起こしたものだ。
 それら後者の議員はウズミを中心に座っている。彼らは生粋のウズミ派という事だろう。
 しかし、その数は少ない。恐らくは、個人的にもウズミと親しい者……つまり、ウズミの思想を直接知る者だけなのだろう。
 それ以外の者達は、オーブの理念を守る事こそを重要と考えているという事だ。
「ヘリオポリスでは、軍民問わず決死の抵抗運動が行われた事は周知の通りです。しかし一方で、恥ずべき事ながらオーブの理念を守るという国是に従わず、ヘリオポリスを明け渡した者達が居る事もまた事実です」
 議題を述べた議員が、議場のざわめきを無視して言葉を並べる。
「彼らオーブの理念への反逆者は、未だヘリオポリスで罪に問われる事無く、生き延びています。これは、命を賭して戦ったヘリオポリスの真の国民達への裏切りでもあり、決して許されない事です」
 その議員は言葉を止め、改めてはっきりと言い放つ。
「全ヘリオポリス市民を逮捕拘束し、オーブ本国へ移送。厳正なる司法の場で裁きを行う事を提案します」
 言い終えるや、あらかじめ決められていたかの様に拍手喝采が巻き起こる。誰もが賛同している様だ。
「……なるほど、生け贄が欲しいか」
 唸る様にウナトは言った。
 ヘリオポリス市民の抹殺に等しい行為を行う意図は、恐らくは単純な事だ。
 見せしめと、自らの正当性の宣伝。
 つまり、オーブの理念にさほど熱心ではない者には、オーブの理念を守らなければヘリオポリス市民同様に扱われるのだという恫喝となる。
 一方、オーブの理念を守らない事を犯罪として裁く事によって、自分達、オーブの理念を第一に掲げる者達を法に認められた正義と印象づける効果もある。
 なるほど、素晴らしく効果的だ。しかも、今の流れならば、それは正義の行いとして讃えられる事だろう。
 ウナトは吐き気を覚え、席を立つ。これ以上、愚劇を見続けるのは苦痛以外の何物でもない。
 去り際にウナトは、ウズミの席に目をやった。
 ウズミは苦悩しているかの様に両手で頭を抱え込み、じっと何かを考えている。
 やはり、この流れはウズミが作った物ではないのだろう。ウズミが糸を引いていたのなら、彼はもっと堂々とし、さらには事態の前面に立っているはずだ。彼の娘のカガリが、今まさにそうしているように。
 ウズミとは一度会って、腹を割った話をしてみるべきかもしれない。今の流れを何処かで変えないと、自分にとってもウズミにとっても望まぬ結果に導かれるだろう。
 ウナトは、ウズミと会見の機会を得る事に決めた。
 そうしてウナトが去った後、その日の議会は「残留するヘリオポリス市民の即時回収」「その為のオーブ宇宙軍の派遣」を決定して終了する。
 それは、戦地にある国民を保護するという名目ではなく、外患援助の罪を犯した犯罪者の逮捕という側面に重きが置かれていた。
597通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 00:39:34 ID:???
支援
598通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 00:52:20 ID:???
相変わらずスゲー地獄だわ
599通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 00:58:18 ID:???
ひっかかちゃったのかな?
600機動戦士ザクレロSEED:2009/01/26(月) 01:01:32 ID:???
 

 ウナトは自らの屋敷の隠し部屋に入り、そこに置かれた超長距離通信機の前に座って、へリオポリスにいるユウナに連絡を取っていた。
 通信は連合の衛星を介して厳重に秘匿しており、オーブの他氏族に漏れる心配はない。情報をやりとりする以上、それだけの用心をする必要があるとウナトは判断していた。
「……と言うわけだ。そちらに、市民を逮捕すべくオーブ軍が派遣される」
『へぇ〜? なりふり構わないものだねぇ』
 へリオポリスのシェルターの中に用意された通信室にいるユウナが、ウナトの連絡にニヤつきながら答える。そんなユウナに、ウナトは任務を任せた事への若干の不安を感じながらも、質問を返した。
「お前の方の首尾はどうだ?」
『MAとシェルターは確保したよ。色々と情報も仕入れた。やっぱり、行政官殿は降伏の準備をしていて……オーブ軍に抹殺されたらしいね』
「ほう? それが明らかになれば……」
 ユウナの返事に、ウナトは興味を持って身を乗り出す。しかし、ユウナは肩をすくめて首を横に振って見せた。
『残念、この情報は、オーブ本国では意味がないよ。オーブの理念という大義名分の前じゃあね。売国奴は皆殺しって雰囲気でしょ?』
「むぅ……」
 ユウナの言うとおりなので、ウナトは呻いて黙り込む。
 行政官が謀殺されたと発表しても、その理由がヘリオポリスの降伏工作を進めていた事だと言われれば、行政官が一方的に悪にされかねない。
 へリオポリスでの情報収集にはウナトも期待していたのだが、そう簡単には都合の良い展開にはならないようだ。
「まあ良い。MAを回収出来ただけでも成功だ。お前は、MAをシャトルに積んで脱出しろ。オーブ軍が来る前にな」
『ああ……その事だけどね』
 ユウナは、まるで今思いついたのだとばかりに軽く言い放つ。
『連合軍とのコネを紹介してくれないかな? 政治にも関われるような、出来るだけ偉い人が良いや』
「な!? 何を言ってるんだ?」
 突然の申し出に戸惑うウナトに、ユウナはまるで何でもない事の様に言う。
『んー、へリオポリスの住人が反逆者だって言うなら、もっと本格的に反逆者にしてやろうかと思ってね。父さんもほら、無実の市民が麦みたいに首を刈り取られる所なんて見たくないでしょう? だったら協力してよ』
「それは……だが、お前は何を望んでいるんだ?」
 ウナトが、確実に賜れるだろう市民の死を避けたいのは事実だ。
 しかし、それを避ける為に何をしようと言うのか? 背筋に寒い物を感じつつ、ウナトはユウナに聞く。今は、息子である筈のユウナが全く理解出来ない。
 ユウナは、実に晴れやかに笑う。
「僕が望むのは、カガリだけだよ」
 ユウナは笑っていたが、その目だけは暗い光を宿していた。
601通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 01:01:42 ID:???
ユウナ最高だ
彼女の手料理を本人の前で食うとか
602機動戦士ザクレロSEED:2009/01/26(月) 01:02:03 ID:???
 機動戦士ザクレロSEED‥‥以上。

ユウナ大活躍開始

何だか戦闘もなくて、地味きわまりないSSになってきたなと
603通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 01:03:21 ID:???
>>602
いやいやGJ!
むしろ戦闘シーンよりもこういう話が読みたい
604機動戦士ザクレロSEED:2009/01/26(月) 01:03:25 ID:???
>>599
がっつりと引っかかってました
サルを甘く見たなぁ。せっかく支援して貰っても効果無いなんて
605通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 01:08:49 ID:???
地味どころか足元を這い上がってくるような恐ろしさが…
GJ!
606通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 01:14:42 ID:???
投下乙かれ!

ユwウwナw
ちょww
って感じでした
手料理食うな
皆まともじゃないけど比較的マシな狂人というか……
この言い方もアレだけど
607通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 01:21:06 ID:???
自分が狂ってると自覚してるだけこの世界じゃあ救いようがあるんじゃないかな
まともな方が珍しいぐらいだし
608通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 01:23:26 ID:???
ユウナは食人もしたのかw
609通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 01:25:46 ID:???


オーブはどいつもこいつもキチガイだらけだなwww(注:褒め言葉です)
それでもユウナがマシなレベルに見えるのは、何故!?


しかし、空の化け物以上に放置できないこのレベルのキチガイの居る世界なら、ザフトとブルコスですら手を組みそうな……
610通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 01:52:17 ID:???
ユウナに期待していたらやっぱりユウナもダメだったwww
エル逃げてーそっから逃げてー
……意外とウズミとウナトはマシなのか?
国民の皆さんに合掌
611通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 01:55:13 ID:???
……単なるエログロ趣味ってだけじゃなく実践が伴ってたのか……
しかもかの吉良吉影でさえ「食う」所までは行かなかったろうに…
し、しかし大部分のオーブ国民に比べればはるかにまともに思えるのが凄い。
これに比べりゃ連合とザフトなんか直接対話の一つもすればすぐ手打ちできそう。
特に今ヘリオにいるミゲル達はいずれ来るオーブ本国軍からナチュラルを含む
残存市民を守って戦うなんて羽目になりかねないし。
612通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 01:56:12 ID:???
相変わらずのユウナの狂人っぷりにワロタwww
「手料理」は「手料理」でも、「手を」料理した訳だwwww

何はともあれ、GJ(グロジョブ)&GJ(グッドジョブ)
613通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 02:16:43 ID:???
ウズミは娘や国民の暴走を制御できなくなって頭抱えてるのかもしれないが
ヘタに軌道修正なんかしようものなら自分もサクっと殺されそうだし
フランケンシュタイン博士の心境ってやつだろうか…
614通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 04:00:30 ID:???
このカガリに関しては、キラと天秤に掛けてこいつを養子にした理由がよくわかる。
なにしろラクスがコーディを煽動するかのような能力を持っているし。
もしかするとそれ以上かもしれないが。

さて、ラクスとシーゲルの同様に、カガリとウズミも父親の死か。
それともウズミにはフラグをぶちこわす起死回生の一手があるか?
615通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 04:11:26 ID:???
あいかわらずSAN値が下がるSSですね。
GJでした。
616通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 06:04:41 ID:???
…どうやら俺は最初に読んだ時に、内容を正しく理解するのを拒んでいたらしい
慎重に読み直すまで、ユウナの話の正しい意味に辿りつけなかった
…辿りつかない方がよかったかも知れないが
617通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 10:52:24 ID:???
>「彼女が無くなった時には、寂しくて涙が出たな。
『無くなった』が誤字でないところがミソなわけね。
いやおそらくミソまできれいに……
618通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 13:05:21 ID:???
”手”料理の時はまだ生きていたのか・・・
619通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 14:30:21 ID:???
もしキラが外道だったら
ラクス引き渡しの時に人質である事をアピールしてアスランをAAに
妙な真似したらラクス殺すと言って捕虜にして
更にアスランを使ってザフト兵を殺しまくる

うん、ないな
まず連れ帰れないや
620通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 18:15:31 ID:???
GJ!
オーブヤバすぎwww
621通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 18:44:37 ID:???
>>419
昔、ヘイトスレのキラ様という凄すぎる外道がいたな
622通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 18:54:13 ID:???
あれも見事に狂った世界観だったな。
623通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 19:31:57 ID:???
恐怖のオーブを読むとサイやフレイがほのぼのして見える
トールとサイ、同じようにMAに乗っているのにこの差は・・・
624通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 20:02:08 ID:???
サイが事情を知らないだけで、ヘリオポリスに残ったサイの両親はきっちり巻き込まれてるんだろうけどな
625通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 20:14:53 ID:???
ザフトが占領するとヤバイって事で連合国籍の奴らはAAで逃げていったはずだが
626通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 20:21:49 ID:???
サイの両親はオーブ国籍だろう
連合に移民申請したのはサイ一人だし
627通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 20:22:10 ID:???
>>621
アンカーミスだと思うけどその先もあながち的外れじゃないw

しかし20話を機に読み返してみたけど、アズラエル曰く客寄せパンダ扱い予定の
AAをよそに、ガンダム奪還の妄執に取り憑かれた痴将ハル公の第8艦隊と
生き残り住民抹殺の為に動いたオーブ本軍とがヘリオポリスに向かってるわけか。
条件提示して現在様子見?のザフトと三つ巴でどんな戦いになるのやら。
ヤマト一家は凸とともにもうプラント本国に出立してるのか否かとか、
エルたんが貞操どころか本来の文字通り食べられかねないのはいいのかとか
暗黒覚醒しないまま略奪完了物品に含まれてる?ラクスはもう肉便○あるのみかとか
ああとにかく続きが待ち遠しい!
628通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 20:45:46 ID:???
・・・なんかここの住民も狂気に侵されてないか?
629通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 21:24:10 ID:???
狂気と戦う者もまた、ある種ひとつの狂人なのだ、
深淵をのぞきこむ時、深淵もまた君をのぞきこむ・・・・。



ともかくザクレロさんGJ!!、今回もいい感じにSAN値がガリガリ削られましたよ。
ヘリオポリスに迫る第八艦隊にオーブ艦隊、某最強の傭兵やジャンク屋が来るか分かり
ませんが、これにトール&ザクレロが参加するなら、さぞや綺麗な地獄が見れるでしょう。
630通常の名無しさんの3倍:2009/01/26(月) 22:32:19 ID:???
なんという小佐辺りが歓喜しそうな地獄絵図www
631通常の名無しさんの3倍:2009/01/27(火) 00:01:05 ID:???
ザクレロ、登場人物がバラバラに動いてるから、今誰が何してるのか把握が難しいよな
632通常の名無しさんの3倍:2009/01/27(火) 00:21:33 ID:???
ユウナ……
屍食経典儀でも読んでSAN値がゼロになったのか、ってくらいヤヴァイな
あのカガリにしてこの婚約者ありといった感じだ
オーブキチガイすぎて乾いた笑いしかでねぇ……
633通常の名無しさんの3倍:2009/01/27(火) 01:10:09 ID:???
恋人○っちゃうとか佐川君かよぉ
明らかに倫理は狂ってるんだけど一方で恐ろしく達観しているキャラ立てが素敵すぎる
634通常の名無しさんの3倍:2009/01/27(火) 01:40:19 ID:???
>>633
そういや佐川さんはあんまし美味しくなかったとか言ってたな…
肉食中心じゃなくて菜食者の肉だったら生臭くなくなるんだろうか。

つーか人肉食してるとクールー病になるんじゃなかったっけ?
あの脳がスポンジになる奴。
635通常の名無しさんの3倍:2009/01/27(火) 02:07:13 ID:???
血みどろグチャドロは見慣れてるからある意味肝っ玉は据わってるのかも。
感覚が狂って鈍磨してるともいうけど。
636通常の名無しさんの3倍:2009/01/27(火) 02:16:15 ID:???
もはやマリューのザクレロの戦闘シーンこそが一服の清涼剤というかオアシスに。
俺、オクで落としたMIAザクレロ届いたらガンダムデカールの連合マーク貼るんだ……
637通常の名無しさんの3倍:2009/01/27(火) 03:26:19 ID:???
うひょー!!ザクレロさん来てた!
うひょー!最高、トールの活躍やユウナのアレっぷりがたまらない。
ユウナが連合のお偉方とつながるフラグ・・・・
次回も楽しみです。
638SEED DESTINY “M” 1/9 ◆NXh03Plp3g :2009/01/27(火) 08:36:59 ID:???
 C.E.71…………
 宇宙往還の設備、マスドライバーを、新たに、かつ早急に確保する必要性に迫られた地
球連合は、その為に既存の施設を持つ海洋国家オーブに侵攻した。
 この突然の連合軍侵攻に対し、オーブの動きは緩慢だった。
 『他国に攻め込まず、他国に攻め込ませず、他国の侵略に介入せず』のオーブの理念は、
なんら生かされていなかった。中立国を詠うならば精強でなければならないはずの軍は、
実戦に際して混乱しており、情報系統は錯綜し、本来の存在意義である“オーブの国土、
およびオーブ国民の生命と財産の保護”にはなんら寄与していない、場当たり的な戦闘を
起こしているだけだった。否、それでもまだ、連合軍部隊に立ち向かっている部隊はマシ
な方だったのである。
 連合軍の侵略対象は、主にマスドライバー施設のあるカグヤ島だったが、軍需工場の集
まるオノゴロ島にも攻撃は及んだ。
 スラスターによる跳躍で次々とカグヤ島に乗り入れるストライクダガー、それを阻止し
ようと激しく射撃するM1アストレイ。艦砲射撃を受けるオノゴロ島。その両島では、戦場
と化した真っ只中を、まだ避難民の脱出が、しかも装甲も持たない徴用民間船で行われて
いた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
 その一家、4人家族も、火事場から焼け出されるように、避難船のいる港湾へと向かっ
て走っていた。
「マユ、しっかり!」
「う、うん」
 母親に手を繋がれ、少女は脚をもつれさせかけながら走った。
 反対側の手には、ピンク色の、手のひらサイズの物体。
 それが、脚にあわせて振られていた手から、ポロッと零れ落ちた。
「あっ、マユの携帯!」
 ピンク色の携帯電話は、少し離れた、斜面の木の根元に引っかかって止まった。
 とたんに、少女は脚を止めてしまい、その方向を振り返る。
「そんなのいいから! 早く来なさい!」
「でもぉ! マユの大切な携帯なの!」
 無理やり引っ張ろうとする母親、その手を振り解こうとする少女。すると、一緒に連れ
合っていた少年、少女の兄が、2人を掻き分けるようにして飛び出した。
「俺が取ってくる」
「シン!」
 少年は身軽に斜面の木の根までたどり着くと、引っかかっていた携帯電話を拾い、斜面
を跳ね返るように登った。
「ほら、マユ」
 手を伸ばし、携帯電話を差し出す少年。受け取ろうと手を伸ばす少女。その間の光景に、
青と白の目立つ色に包まれたそれは、割り込んできた。
 次の刹那────
 少女の視界を光が、全身を熱と衝撃が包んだ。
639SEED DESTINY “M” 2/9 ◆NXh03Plp3g :2009/01/27(火) 08:37:24 ID:???

「う、うう……うう……っ」
 頭がぼうっとする、記憶が少し飛んだような感覚を受ける、右腕が熱い。頭が、痛い。
 顔を上げる。まず飛び込んできたのは、ピンク色の携帯電話。それを握っている手。
 ────あれ、でもどうしてあの手はあそこにあるんだろう?
 あやふやな思考でそんなことを考える。だが、それに続く光景を見たとき、意識に衝撃
が走った。
 一緒にその携帯電話を握るようにして、そのまま斃れている────少年。
 混乱しつつ辺りを見回すように振り返る。
 さらに視界に飛び込んでくる、変わり果てた姿の父母。
「う……あ……ぁぁっ……」
 脳細胞を、神経のシナプスを焼け爛れさせるかのような激情が、奔流となって全身を駆
け巡る。
「おい、まだ生存者がいるぞー!」
「大丈夫か……って、うっ……」
 駆けつけた、オーブ軍制服の男たちが駆け寄ってくる。そして、その異様な光景に思わ
ず一瞬、立ちすくんだ。
 まだ幼い少女が、右腕を千切られている。
 にもかかわらず、少女は泣き叫ぶどころか、仁王立ちになり、その姿に似合わない、し
かし強い気迫を感じさせる雄叫びを上げていた。
「うあぁぁぁぁっ……ああああぁぁぁっ!!!!」
 ────マユ・アスカ。11歳。
 父母、そして兄を失った彼女は、その歳、姿からは信じられない程の、激しい怒りの炎
を、かすかに紫がかった瞳にたたえていた。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY “M”
 PHASE-01
640SEED DESTINY “M” 3/9 ◆NXh03Plp3g :2009/01/27(火) 08:37:49 ID:???

 Oct・2・C.E.73
 プラント、アーモリー1。工廠地区。
 すでに第一線を退き、保安部隊用に使用されているモビルスーツ、ジンが、メタリック
のボディに装飾を受けて、歩いている。
 そのうちの1機が、道路を走行している軍用オフローダーと接触しかけた。
「きゃっ」
 オフローダーの方が急ハンドルでジンをかわす。助手席に乗っていた少女が、反射的に
ダッシュボードに縋り付き悲鳴を上げた。
「ん、もう! 安全確認義務違反、再講習6時間だぞ」
 助手席の少女、マユ・アスカは、接触しかけつつすれ違ったジンを振り返り、憤ったよ
うな表情で、そうしつつもおどけた様にそう言った。
 指差す右手には、肘より上まで届く、白い長手袋をはめている。
「ははっ、厳しいな、マユは」
 隣の運転席で、ステアリングを握るヴィーノ・デュプレは、苦笑して、からかい気味に
そう言った。
「あ、ヴィーノお兄ちゃん、私の事馬鹿にしてる?」
「いえいえ、そんなことありませんよ、ザフト・レッド様」
 これまた茶化すように、ヴィーノはそう言った。
 2人とも、マユは淡い緑のキャミソールに黄色のミニスカート、ヴィーノは緑色のシャ
ツにグレーのコットンパンツという私服姿だが、この内部にいる以上、当然ZAFT軍組織
の一員だった。
 マユはプラントに渡った後、数ヶ月の講習を受け、教育検定で飛び級を判断され、ZAFT
軍事アカデミーに進学。
 入学後も驚異的な成績を示し、特にMSパイロットとして類稀なる才覚を持つとされ、
教練課程を修了。
 その際、成績優秀者に送られる上級隊員としての証、ザフト・レッドを贈呈された。
 とは言え、マユはまだZAFT正規部隊の規定年齢に達していない。したがってザフト・
レッドも、名誉称号としてであり、その年の卒業者に贈られたザフト・レッドの規定人数
の中には、マユは含まれていない。
「そんな意地悪な言い方しなくたっていいじゃない」
 マユは助手席でむくれながら、不満げにそう言った。
「悪い悪い」
 ヴィーノはニタニタ笑いながら、軽口をたたく。
「でも、ミネルバも明日には竣工、ヴィーノお兄ちゃんたちとはしばらくお別れかぁ」
 ヴィーノは整備要員だったが、MS教練隊では教練用のMSを共用する“お隣さん”同士
だった。
 加えて、同じく教練隊でマユと共に訓練を受けたチームも、新たに就役する大形MS搭載
戦闘艦『ミネルバ』の搭乗員として配属される予定だった。マユだけが、非実戦部隊の教
練隊付として残ることになる。
「就役後は月軌道艦隊って言われてるけど、それでも戻ってこれるのは1ヶ月以上は先だ
な」
 ヴィーノは薄い笑みで、ステアリングを握りつつそう言った。
「今日はせいぜい大騒ぎしなきゃね」
 マユは笑顔になって、そう言った。
641SEED DESTINY “M” 4/9 ◆NXh03Plp3g :2009/01/27(火) 08:38:13 ID:???

 オフローダーは工廠地区を出て、官舎街に隣接する商店街で、一旦路肩に寄せた。
 助手席から、マユが軽やかに飛び降りる。
「それじゃ、俺、ヨウランやゲイル達拾ってくるから」
「うん、また後でね」
 ヴィーノはステアリングとシフトレバーに手をかけたままマユに言う。マユは返事をす
ると、踵を返して商店街に向かおうとする。
 その時。
 ドンッ
「きゃっ」
 マユは衝撃を受けて後ろに弾き飛ばされ、車体に背中を打って、その場に尻餅をついた。
「あいたた……」
 背中を右手で擦るようにしながら、マユは顔を上げる。
 そこに、ぶつかってきた相手が見えた。
 金髪の緩い癖のついた髪をショートカットにした、自分と同年代くらいの少女。
「おーい、ステラ、何やってんだ、おいてっちまうぞ」
 彼女の連れか、2人組みの若い男性──1人は少年といっても差し支えない年恰好──が、
少し離れたところから、声を発している。
「あ、うん」
 ステラ、と呼ばれた少女は、短く返事をすると、すっと立ち上がり、マユに一瞥もくれ
ずに、たたたっと走り去ってしまった。
「あ、ちょ、ちょっと……」
 マユが慌てて手を伸ばし、声をかけようとするが、すでに相手の後姿は離れている。ス
テラは振り返りもせずに、残りの2人と合流し、歩いていってしまった。
「なんだ、あいつら」
 少し憤ったような表情で、オープンの運転席から一部始終を見ていたヴィーノが不満げ
言う。
 手を伸ばしたまま、呆気に取られていたマユだったが、立ち上がろうとして、それに気
づいた。
「あれ?」
 マユの足元に、鉄の棒のようなものが落ちている。
 マユはかがんで手を伸ばし、それを拾い上げた。
「あの人の落し物かな」
 マユはそう言って、探るようにその鉄の棒らしきものを撫でた。
 すると、棒の様に見えたそれは1点で止められた複数の板状のもので、開くことが出来
た。
「なんだい、そりゃ」
 ヴィーノが覗き込んでくる。
「鉄の……扇子?」
 マユは扇子というものの存在は知っていた。だが、一切が金属で出来たそれを見るのは
はじめてだった。
 マユや、ましてやヴィーノが知る由もないが、それは鉄扇と呼ばれ、れっきとした武器
のひとつだ。
 たためば寸鉄として打撃に、広げれば刃として切りつけることが出来る。
 もっともそれほど実用性が高いわけではなく、A.D.前半期の日本の武人の、装飾具のよ
うなものだった。
642SEED DESTINY “M” 5/9 ◆NXh03Plp3g :2009/01/27(火) 08:39:19 ID:???
「あの、ステラって人が落としたのかな?」
 マユはステラ達が歩き去った方を見て、呟くように言った。
「あんな人にぶつかっといて謝りもしない連中のもん、ほっときゃ良いって。でなきゃ貰
っちまえ」
 呆れた様子で、ヴィーノはそう言った。
「そういうわけには行かないって。後で届けておかなきゃ」
 そう言って、マユは鉄扇をポケットに差し込んだ。
「それよりヴィーノお兄ちゃん、いいの? ゲイルお姉ちゃん、遅れると怖いんじゃない?」
「わ、そうだった」
 マユが言うと、ヴィーノはオフローダーのインパネに据えられたクロノグラフを覗き込
み、げっと驚いたようにすると、慌ててシフトレバーを入れた。
「それじゃ、30分後にここで!」
 ヴィーノはそういいながら、車を発車させる。
 マユはそれを見送ってから、自分も商店街に向かって歩き出した。
643SEED DESTINY “M” 6/9 ◆NXh03Plp3g :2009/01/27(火) 08:40:51 ID:???

 一方。
 ステラ・ルーシェは、同行者のスティング・オークレー、アウル・ニーダと共に、マユ
達とすれ違うように、徒歩でZAFTの工廠地区にたどり着いていた。
 軍用オフローダーが出迎えるように走ってきた。運転席に乗っていたZAFTの制服を着た
男は、最年長の青年、スティングがカードのようなものを見せると、黙って頷いた。そし
て、3人にオフローダーに乗り込むように指示する。
「? どうした? ステラ」
 そこで、スティングはステラが落ち着かなさそうに、上着のポケットを探っている事に
気づいた。
「ないの、あれ……」
 ステラが、仕種を止めずに答える。
「あー、あの変な団扇みたいなやつか」
 少年、アウルが軽口を聞くように言う。
「どこかに落としたのか?」
 スティングは子供を諭すような口調で、ステラに訊ねる。
「解らない……」
 ステラは首を左右に振った。
「いまさらしょうがないっしょ、予定通り行かないと、ネオに怒られるぞ」
 アウルは肩を竦めつつ、そう言った。
「うん……」
 ステラは後ろ髪を引かれるような様子で、頷いた。
「早く乗ってください。歩哨に怪しまれます」
 運転席の男が、3人を急かす。
「行くぞ、ステラ」
「うん」
 スティングが促し、ステラもしぶしぶと、車に乗り込んだ。
644SEED DESTINY “M” 07/10 ◆NXh03Plp3g :2009/01/27(火) 08:42:45 ID:???

「さて、ゲイルお姉ちゃんにお仕置きされてるのかな?」
 一度工廠地区に戻ったマユは、軍用の腕時計を見ながら、工廠地区内のヴィーノ達との
待ち合わせ場所に立っていた。
 私服姿から、ザフト・レッドの制服に着替えている。
 待ち人来たらず。ボーッと立ち尽くして、きょろきょろとあわただしい周囲を見回す。
「あれ……」
 ふと、きらきらと鮮やかに金髪が視界に入り、視線をそちらに向けた。
「あれ、ステラさん?」
 その姿を確認して、思わず声に出してしまう。
 制服のズボンのポケットを探る。忙しさにかまけてまだ届けていなかった鉄扇が、尻ポ
ケットに入っているのを確認すると、マユは迷わず駆け出した。
「おーい、ステラさーんっ、ちょっと待ってよー」
 マユは声を張り上げるが、MSや車両の上げる音で聞こえないのか、ステラ達は振り返る
こともなく、建物の影に入ってしまった。
「はぁ、はぁ……見失っちゃったか……」
 ステラ達を見失った場所まで走ってきてから、辺りを見回す。
「?」
 そこで、MSのハンガーのひとつが、扉が開けっ放しになっていることに気がついた。
「どーして、この扉、開けっ放しなの?」
 マユは怪訝に思いつつ、ハンガーの中を覗く。
 そこには、鉛色をしたMSが3体、収納されていた。
 PS装甲の待機状態。そして、特徴的なツインアイの頭部。
 その存在だけは知っていた。ZAFTが開発中の新型モビルスーツ3機。
「…………」
 マユは立ち尽くす。
 自然と脳裏に浮かんだのは、青と白のモビルスーツ。
 同じく青緑色を基調にしたMS、カラミティと、乱闘を繰り広げる。
 ──足元には避難民。無辜の市民のはずだった。
 その中に、自分達もいる。
 携帯電話が手から零れ落ちる。我が侭を言う自分。拾いに行くと言って土手を駆け下り
た兄。
 閃光。
 衝撃。
 熱。
 次に視界に写ったのは、引き千切られた自分の右腕。それに向かってピンク色の携帯電
話を差し出したまま斃れた兄の姿。やはり斃れている両親。
 ────もし、あの時自分があんな我が侭を言わなければ……
645SEED DESTINY “M” 08/10 ◆NXh03Plp3g :2009/01/27(火) 08:43:47 ID:???
 マユはぶんぶんと、激しく首を左右に振って、フラッシュバックする記憶を振り払った。
「こんなことしている場合じゃなかった」
 自分に言い聞かせるように呟く。
「そうすると、あの3人はメーカーのテストパイロットか何かなのかな?」
 誰に聞かせるわけでもなく呟き、小首をかしげた。
 それならば、軍服を着ているわけでもないのに、軍の工廠施設にいるのも説明がつく。
 そう考えながら、MSのコクピットに伸びるキャットウォークへと、階段を上がった。
「ステラさーん、いないのー?」
 キョロキョロと見回しながら、2機のMSの前を通過し、マユが入ってきた方から一番奥
のMSのコクピットの前まで来たとき。
 タタタタタタ……
 突如、発砲音が聞こえてきた。
「えっ?」
 音源の方を振り返る。コントロールルームの方だった。
 詳細はわからないが、尋常ではないことが起こっている事は理解できた。
 マユは様子を伺いながら、MSの影に身を潜める。
「丸腰……」
 反射的に腰のホルスターに手を伸ばして、拳銃を携行していなかったことに気付き、後
悔する。
 何か武器になるように物はないかと、着衣を探ると、尻ポケットに固い感触を見つけた。
「何もないよりはマシかな……」
 それをポケットから取り出し、握り締める。
 様子を伺おうと、目の前のMSの胸によじ登る。
 発砲音は聞こえなくなったが、見下ろすと、ZAFTの整備員や歩哨が、血にまみれて斃れ
ているのが見えた。
 そして、キャットウォークに通じる階段を、カンカンと登ってくる音が響いた。
 並べられている2機のMSに、誰かが取り付いたのが見えた。より詳しく伺おうと、身を
乗り出す。
 と、その時。
 ゆらりと、マユが乗っているMSが揺れた。誰かがコクピットを開けようとしたのだ。
「わっ、え、ちょっと……きゃっ」
 バランスを崩し、手を滑らせ、マユは頭部からまっ逆さまに、キャットウォークめがけ
て落ちる。
 ごいーん♪
 かなり良い音が響いたが、マユが激突したのは硬いキャットウォークの床ではなかった。
646SEED DESTINY “M” 09/10 ◆NXh03Plp3g :2009/01/27(火) 08:45:02 ID:???
「あいたたたたた……」
 よろけながら立ち上がり、激突した何かを振り返る。
 まだちかちかとする視界の中に、人が倒れていた。
「って、え? ステラさん!?」
 マユは、斃れているステラに驚いて声を出した。
 しかし、直後に、さらに驚愕する事態が起きる。
 並べられていた、他の2機のMSが起動した。VPS装甲が鮮やかに染まり、ツインアイ
に光が点る。
 そして。
 突然、その2機は腕を振るい、武器を使って、ハンガーを破壊し始めたのである。
「ちょっ、ど、どうなってるの!?」
 キャットウォークが、目の前から先がぐにゃりと曲がって、あらぬ方向に分断されてい
る。マユは身構えつつ、困惑の声を出した。
 マユの困惑をあざ笑うかのように、2機はハンガーの壁が破壊されると、そこから覗く
向かいのハンガーに向かって、発砲し、破壊しつくそうとする。
「いったい……なにやってんのよ!?」
 わけが解らなかったが、とにかく事態を収拾させなければならないと感じた。その為に
は、目の前の2機を停止させなければならない。
 自分の近くには、MSが1機。
「ステラさん、ごめんね」
 とにかく、生身のままでは危ないと、ステラを担いでコクピットに入り込む。気絶した
ままの相手に謝罪の言葉を口にしながら、なるべく身体が動かないようにデッドスペース
へ押込んだ。
「私に、扱えるかな……?」
 シートに腰を下ろし、メインコンソールと向かい合う。疑わしそうに呟きつつ、起動ス
イッチを入れる。
 メインディスプレィに、OSの起動画面が表示された。

 Generation
 Un subdued
 Nuclear power source
 Drive
 Assault
 Module
 COMPLEX
647SEED DESTINY “M” 10/10 ◆NXh03Plp3g :2009/01/27(火) 08:45:54 ID:???
「設定デフォルトか……動かないよりマシってだけだね」
 憔悴した顔で、呟く。

 ZGMF-X88S GAIA

「ガイア……」
 表示された機種名を、マユは口に出して呟いた。
 VPS装甲が起動し、全身が黒に近い灰色をベースにした色に染まる。
『おい、ステラ、何をもたもたやってんだよ』
 通信用ディスプレィに、自分よりわずかに年上くらいの少年の顔が映し出された。ステ
ラといっしょにいた少年だ。
『早くしないと、ネオに怒られちまうぜ』
『あまり急かすなアウル。全部が資料通りとは限らないんだ』
 別のもう1機から、さらにやや年上の青年の顔が映し出された。こちらも、先程ステラ
といっしょにいた男の1人だ。
 ────奪う? ZAFTの新型MSを奪って……
 マユは、視線を横に走らせ、その視界にステラを捉えた。
「まさか、ステラさん達はテロリスト?」
 怪訝そうに眉を寄せ、息を呑む。
 だが、それも一瞬のこと。
『おいステラ、早くしろってば』
 緊張感のない表情で、アウルと呼ばれた少年が言う。
 その口調に、無性に頭に血が上った。
 OSの画面を確認する。武器は────
「これかっ」
 通信と外部スピーカーの両方をONにし、叫ぶ。
『いい加減にしろぉっ!!』
 ヴァジュラ・ビームサーベルを抜き、ガイアに構えさせる。
『げっ!?』
『何!?』
 アウルが間抜けな声を出す。もう1人の強奪犯も驚愕の声を上げた。
 マユは腹の底からわきあがってきたそれを声に出し、叫ぶ。
「そんなに戦争がしたいの? アナタたちはっ!!」
648SEED DESTINY “M” 11/10 ◆NXh03Plp3g :2009/01/27(火) 08:47:17 ID:???
>>638-647
以上です。

現在まとめサイトににも収録されているもののリライトです。
しかし第1話なので、大して変わっていません。orz
この先続けるならがらっと変わる部分もあるかと思います。
649通常の名無しさんの3倍:2009/01/27(火) 15:38:12 ID:???
乙です。
続き楽しみにしてます。
650通常の名無しさんの3倍:2009/01/28(水) 17:07:20 ID:???
もし種のユーラシア連邦と東アジア共和国が、OOの人類革新連盟だったら
651(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/28(水) 18:24:46 ID:???
――ザールブリュッケン
「もぬけの殻か」
「親ザフト軍は、既にフランス国内に脱出したとの事です。メス(metz)にかなりの規模の部隊を確認」
「ようし、メスへ進出する!」

メス前方にはドイツとフランスの親ザフト軍が共同で陣を張っていた。
戦いはスカンジナビアのサープ50グリペン多目的戦闘機が突撃する事で始まった。
グリペンは親ザフト軍のウィンダムらとまともに戦おうとせず、その高速を生かして突破、地上部隊を爆撃した。
その攻撃は5波にも及んだ。祖国防衛のため、シェルターの様に整備が十分にできない場所でも整備ができるよう
に、高い整備性を実現した、いいグリペンならではの成せる技、である。

ウィンダムが補給のために地上に降りた所に、スカンジナビア王国がオーブからライセンス生産をしていたムラサ
メが襲来、更に親ザフト軍は損害を受けた。
親ザフト軍バゼーヌ司令官は、メスに撤退し、救援を待つ。
スカンジナビア軍は第1軍及び第2軍でこれを包囲。

「元帥! シャロンの地にて敵軍が集結中との情報が入りました!」
「うむ。第1軍及び第2軍はメスの包囲を続けろ! ワシは第3軍を率いて敵軍の終結が完了しない内に、叩く!」
マンネルヘイムは第3軍を以ってシャロンの地の親ザフト軍を急襲した。損害を受けた親ザフト軍はセダンに撤退、
補給と兵士の休息をさせた。
スカンジナビア軍第3軍は後を追いセダンに到着。親ザフト軍はこれを確認するも、軍の消耗のために直ちに撤退
することはできなかった。
翌日、Strv222リニアガンタンクを主力とするスカンジナビア軍3個装甲師団が到着。セダンでムーズ川渡河作戦を
開始、グリペン、ムラサメによる激しい支援爆撃の下に橋頭堡を確保し、1個装甲師団が渡河に成功した。以後、
ムーズ川各所で残りの装甲師団も渡河に成功し、マンネルヘイムはセダンを包囲する事に成功する。
親ザフト軍は包囲を突破する努力を続けたが、司令官のマクマオン将軍が負傷し、兵員も多数負傷したため、つ
いに降伏するに至った――


フランス国内の親ザフト軍は壊滅したかに思えた。だが、パリの親ザフト政権軍はなおも抵抗を続ける。

「なんだと? パリで奴らに捕まったロゴスの幹部と……」
「ええ、親地球連合派のクレマン・トマ将軍と、ルコント将軍も共に銃殺されたそうです」
「何考えてやがる」
「自棄になったか」
「パリ第19区や20区の奴らが蜂起しました! サンテ刑務所を襲撃! フルーランスやアンベールと言った札付き
の政治犯を釈放、いや、開放しています」
翌日、パリ市庁舎に赤旗が立つ。親ザフト政権と共産主義者の醜悪な合体であった。


652(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/28(水) 18:25:05 ID:???
「姉さん……」
セトナのテレビ放映を見てアグニスは呟いた。
あんな必死な姉は、はじめて見る。
地球で、大切な人が、守りたい人がたくさん出来たんだな……
アグニスは少し寂しさを覚えた。
スカンジナビア王国、アレクサンドラ王妃はアグニスに話しかけた。
「あなたのお姉さまは立派ね。しっかりしていらっしゃる」
「ありがとうございます。そう言われると私も嬉しくなります」
「ほんとに、こう二人の演説を並べてみると、プラントのデュランダル議長の主張が無茶苦茶だと言う事がわかっ
てしまうわねぇ」
アレクサンドラは溜息をついた。
「どうして、デュランダル議長はあんな事を言ったのかしら?」
「……しかし、スカンジナビア王国まで戦争に介入するとは思いませんでした。これで仲裁する者がいなくなってし
まった」
「ほほほ」
アレクサンドラは笑った。
「頭に剣を突きつけられて、気にせず眠れる者が居りますか? そうした場合、対処は二つだけ。お分かり?」
「いえ……」
「こちらも相手に剣を突きつけて、いざと言う時は道連れだと宣言する。……残念ながらこれはユニウス7落下で
無意味になってしまったわ。残るは、力づくで自分に突きつけられた剣を振り払うだけよ」
「残念です」
「私も残念。まぁ、大西洋連邦は最低でもプラント住民を地上に移住させるつもりらしいわ。わが国もそれに協力し
てプラント住民の受け入れの用意はしているわ。それより……」
アレクサンドラは言った。
「オーブのアスハ代表も、デュランダル議長に反対する声明を出したわ」
「……! それは、文章だけではなく、実際に姿を現して、ですか?」
ナーエが驚きの声を出した。
「ええ、後で見るといいわ。録画してあるから」
「お前達、どうする?」
アグニスはガルト・デル・ホクハ達に尋ねた。
「そうですな。アスハ代表が見つかったとなると、いったん、我らはオーブに帰るべきかもしれません」
「そうですね。いったん、帰りましょうか?」
サース・セム・イーリアも答えた。
「そうそう、アグニス、あなた、キラ・ヤマトの事を話していたわね。先日オーブからこんな手配書が回ってきたのよ」
アレクサンドラは、アグニスに書類を手渡した。
「……これは! アークエンジェルとキラ・ヤマトの手配書!? 署名はアスハ代表!」
「アスハ代表は、まっすぐで、それでいて統治者としての伸びしろを感じさせる、いい子だったわ。一体キラ・ヤマト
は何をしたのかしらねぇ?」
アレクサンドラはため息をついた。
「ええ。アスハ代表については私もそう思いました。……状況を知るべきです、アグニス。オーブに向かいましょうか?」
「そうだな、ナーエ」
「そう言う事なら、私はワシントンに連絡を取ってパナマ運河使用許可を取っておきましょう」
「ああ、頼む。まほりん」
「はいっ!」
井沢真秀はすっかりアキダリアの皆と打ち解けていた。


653(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/28(水) 18:25:24 ID:???
――バチカン
「課長殿! フランスで独・仏連合親ザフト軍が大敗したそうです」
法王庁特務局第13課、バチカンの表に出ない荒事を取り仕切るそれ――通称『特務機関イスカリオテ』の課員が
アンデルセン神父に駆け寄ってきた。
「結構なコトじゃないですか? 独逸のプロテスタント共がたくさん死んだんでしょう」
「あ、はぁ」
「もし主を愛さない者があれば、呪われよ。マラナ・タ。エイメン! さぁ、フランスに巣食う、神を否定する背徳者共
に神罰を喰らわすのです!」
「それから、各地の騎士団が参集してきています。……彼らの前では司教と呼んだ方がいいですかね?」
そう、実はアンデルセン神父は『特務機関イスカリオテ』を率いる司教だったのだ!
「いいですよ、いつもどおりで」
アンデルセン神父は課員に笑った。

「「エイメン! エイメン!」」
「クールランテ剣の友修道騎士会総勢340名参陣!」
「聖ステパノ騎士団トスカナ軍団総勢257名参陣!」
「マルタ騎士団総勢2457名参陣!」
「ジェダイ騎士団総勢108名参陣!」
カラトラバ・ラ・ヌエバ騎士団はスペインが内戦状態のため来ていない。
集った騎士団はアンデルセン神父に膝まづいた。
「教皇聖下の御命により我ら参陣致しました。我らの参陣と共にアンデルセン司教はアンデルセン大司教となられます」
「我ら軍団は第9次十字軍を編成。総指揮権をアンデルセン大司教猊下に委ねます!」
「AMEN(たしかに)。全身全霊でお受けする」
アンデルセンは答えた。
「目標はフランス、死都パリ! 熱狂的再征服(レコンキスタ)を発動する! コミーどもを滅ぼせ!」
「エイメン!」
「エイメン!」
「全軍進撃! 神罰の地上代行の時来たれり!!」
バチカンは動き出した。


654(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/28(水) 18:25:48 ID:???
「ええぃ! 何者だ! あのセトナ・ウィンタースと言う娘は!」
デュランダル議長は怒鳴った。
「幸いにして、地球向け放送であるので。プラントで見る者は少ないでしょう」
評議会議員が言った。
「しかし、先の議長のテレビ会見の時の事件について、市民からの問い合わせが殺到しております。如何致しますか?」
「む……」
デュランダルはしばらく黙り込んだ。そして、晴れ晴れとした顔になって言った。
「私が自ら説明しよう。会見の準備をしてくれ」

しばらく後、デュランダルはカメラの前で全てを語った。
ラクスの偽者を立てた事について総ての事実を包み隠さず語った
自身の影響力の不足を補うために、ミーアと言う少女をラクス・クラインとして登場させ、プラントの統治のため、政
治的に利用したと……
それをよく思わない勢力のために、ミーアが狙われた事、周囲の者に、正体不明の薬物の使用の痕跡が見られる
事、精神操作の形跡が見られる事、下手人のミーアのマネージャーは死亡した事、ミーアは未だ生死の狭間にある事。
今回の事態を招いてしまった自身の愚かさをいっそ清清しいと感じるほど率直に語り、その非を詫びた。

プラントを統べる評議会議長が、プラント全市民に対し、己の非を認め、その頭を深く下げて許しを請うた……

この衝撃的な映像は数えきれないほど繰り返し報道され、今までプラント一般市民からは天才肌の、完全無欠の
政治家とも錯覚されていたデュランダルが過ちも犯す等身大の人間であると、広く民衆に伝えることとなる。

こうなると、不思議なものでデュランダルを批判していた者達からも
『政治家は清濁併せ呑まなければならない』
『清廉潔白のみによって国は治まらぬ』
などとデュランダル擁護の意見が沸き起こる。
また、ミーアに対しては一日も早い回復をと圧倒的な同情が寄せられた。

655(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/28(水) 18:26:05 ID:???
「ははは……」
「議長?」
秘書が訝しそうにデュランダルを見る。
「いや、自嘲していたのだよ。結局、自分の力を一番信じていなかったのは自分だったと言う訳だ。なんともはや」
「調子に乗ると、また失敗しますよ?」
「はっきり言う。気に入らんな」
「どうも。気休めかもしれませんが、私は議長は補佐のし甲斐があると思ってますよ」
「ありがとう。しかし、サイオキシン麻薬か! どこの誰が?」
「サイオキシン麻薬ともなれば、地球連合も撲滅に躍起になるはず。刑罰も重い。個人ではなかなかできますま
い。裏にそれなりの組織がいるものと」
「大洋州に使用している分が流出したのではないか?」
「可能性はあります」
「大洋州の警戒を厳にしろ、一層な。裏にザフトがいる事を悟られてはならん」
「はっ」
「……しかし、ミーアには気の毒な事をしたな」
「未だICUだそうですね」
「ああ……。なんとか助かってくれればいいが……」
部屋の通話機のベルが鳴った。秘書が出た。
……秘書は、デュランダルを見ると、首を振った。
ミーア・キャンベル死亡の知らせだった。


656(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/28(水) 18:26:32 ID:???
「なんだと!?」
「馬鹿な!」
「ありえん!?」
宇宙――アメノミハシラ近辺ではある実験が行われていた。
試作されたある新装甲に対する実験である。
イズモ級の主砲225cm2連装高エネルギー収束火線砲「ゴットフリートMK.71」が確かに直撃したはずなのだが……
その装甲は、原型を留めて其処に在った。
「物理的な力に対する耐性もPS装甲をはるかに凌駕する。おまけに電磁波に対してのステルス能力もある、か……」
ロンド・ギナ・サハクが呟いた。
「弟よ。ゴールドフレームだが。PS装甲&ミラージュコロイドと、あの新装甲どちらを取る?」
「決まっている! あの装甲だ!」
「ふふ。そう言うと思った。生産した装甲は優先的に廻そう。とは言え、まぁ、せいぜい作れるのは2・3機分か。……にしても」
ミナは考え込んだ。
「こんな研究が行われていた形跡など、宇宙のどこにも、プラントにも宇宙樹にも、DSSDにもなかった。まるで突然
この世界に現れたかのようだ。あの数多くのモビルアーマー、モビルスーツの設計図もだ。ウナト、お前は一体ど
こからこんなデータを手に入れたと言うのだ? ウナト、お前は一体何者だったのだ?」


「援軍、出さざるを得ないか?」
ジブラルタルでは深刻な会議が開かれていた。空気が重々しい。
「ああ、各地の親ザフト政権が悲鳴を上げてザフトに泣き付いてくる」
「計画的に敗退するにしてもだ。このままでは一気に壊走になりかねん」
「ミネルバに行って貰うか?」
「あの艦にはさっさと宇宙に行ってもらいたいのだがな。本国を固めてもらわねば」
「やむを得ん。ジブラルタルに余裕は無い」
こうして、ミネルバにユーラシア西部への派遣が命じられた。まず目指すはパリ。
だが、ミネルバがパリに着く事は永遠になかった――
657(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/01/28(水) 18:27:49 ID:???
続く。
めんどくさいのでマクスウェルの存在はオミットしました。
658通常の名無しさんの3倍:2009/01/28(水) 18:45:04 ID:???
GJ

ミーア…
659通常の名無しさんの3倍:2009/01/28(水) 19:17:17 ID:???
>>「ジェダイ騎士団総勢108名参陣!」
いやいやいや、ちょっと待て!!!www

パリコミューンオワタ\(^o^)/

総司令官アンデルセン猊下……か。案外前線に立てなくてフラストレーション溜めてそうw
660通常の名無しさんの3倍:2009/01/28(水) 19:23:12 ID:???
GJ!
ついに老魔法王が動いたwww
661通常の名無しさんの3倍:2009/01/28(水) 19:58:38 ID:???
ジェダイ騎士団wwwwwwwwwwwwwww


逝ったのか、ミーア…
まさか病院にもラクスの手が
662通常の名無しさんの3倍:2009/01/28(水) 20:40:23 ID:???
あああ・・・ミーアに生存フラグが立ったと思ったのに・・・・・
663通常の名無しさんの3倍:2009/01/28(水) 20:49:48 ID:???
もう騎士団全員モーターヘッドに乗ってても驚かねえwwwwwwwwwwwwwwwww
664通常の名無しさんの3倍:2009/01/28(水) 22:31:58 ID:???
ジェダイなら生身でガンダム倒せそうだなぁ
665通常の名無しさんの3倍:2009/01/28(水) 22:58:33 ID:???
>663
モーターヘッドとジェダイの組み合わせだったら世界を
熱狂的再征服(レコンキスタ)出来そうな気も。
何れにしろプラントの無神論者共は世界で触れてはならない存在
の怒りを買ったな。

パリの全滅確定。パリ市民全員異端として焚刑に処されそう。
666通常の名無しさんの3倍:2009/01/29(木) 00:33:37 ID:???
種死後世界でフレイ生存みたいなものって、このスレでOKですか?
667通常の名無しさんの3倍:2009/01/29(木) 01:00:40 ID:???
種関連If総合だしいいんじゃね?

だが、種 死後世界 フレイ生存 で
紺碧会で活躍するフレイを見てしまったのは俺だけでいい
668通常の名無しさんの3倍:2009/01/29(木) 01:19:22 ID:???
ってかジェダイ騎士団って明らかに地球人じゃないのが混ざってそうなんだがw
669通常の名無しさんの3倍:2009/01/29(木) 04:51:33 ID:???
もとから地球人なんて一人もいないぜw
670SEED 戦後30年目の愛:2009/01/29(木) 05:59:17 ID:???
(SEED 戦後30年目の愛 序章)

CE103年、秋 オーブ

あの大戦から30年が過ぎた。


「フレイ、もう僕は超えてしまったよ。父の年齢を」

「もし君との子供が生きていたら32歳になってたかな」

墓の前にたたずむ紺のスーツを着崩した男がそうつぶやいた。

「君の墓に来るのは久しぶりだね。ヒビキ家の墓はなれたかい」

帽子を脱いで、花を供えた隣の軍人風の男が

「閣下、そろそろよろしいですかな」

「ああ。」
「午後から代表質疑がありますので」

軍服姿の男が時計を気にしながらいった。

「さあお乗りください」
黒塗りの車が横付けされて、男は乗りこんでいく。

質素な服の男の名は、キラ・ヤマト
671SEED 戦後30年目の愛:2009/01/29(木) 06:02:14 ID:???
オーブ首長国連邦の准将閣下であり、摂政殿下であり、カガリ・ユラ・アスハの実の双子である。
ラクス・クラインの夫であり、大戦を和平に導いたフリーダムのパイロット。
スーパーコーディネーターで、ユーレン・ヒビキ博士の息子ということは公然の秘密であった。

「閣下、3ヶ月後の日本国の紀元2800年祝賀行事には摂政殿下として参加されるのですか」
「ああ。あれは僕の役目だからね。カガリにばかり負担はかけられない」

オーブの首長であるカガリには後継ぎはなかった。かといって養子も取らなかった。
カガリ自身はキラに全権を譲るつもりでいた。いや、正確にいえばアスハ家から英雄キラ・ヤマトのヤマト家に《禅譲》するつもりだった。

キラには幸い妻と三人の息子たちがいた。
その妻とは、かのプラントにおいて黄道政治同盟を立てたシーゲル・クラインの愛娘、ラクス・クラインであった。

ラクスは評議会の政治よりキラを選んだ。その結婚は愛ばかりではなくプラント・オーブ間の友好の懸け橋という極めて政治的な結婚だった。

「フレイ、時間の流れは残酷だ。何もかも変えてしまったよ。あの戦争さえなければ。
でもあの戦争があったからこそ学ぶものもあったし、僕は素晴らしい人を得たよ」


30年、キラは政治の世界に身を投じた。
それは自身の平和への思いの表現だった。

プラントに白服待遇で迎え入れるという話もあったが、カガリのために、いや故国のために蹴った。
改めてオーブの国防大学校に入りなおし、参謀本部に入り、事務畑を歩いた後、国防次官を経て上院議員になった。
そして五大氏族の推薦を得て摂政殿下の地位に就いた。

…………
672SEED 戦後30年目の愛:2009/01/29(木) 06:04:31 ID:???
…………

「おまえは何をしてるんだ、こんなところで!」
「イザーク、ディアッカ」

「アスラン、坊主の真似事なんかやめてザフトに戻って来い」

「俺は、俺は、戻る資格なんてない」

「俺は、俺自身の優柔不断さで、ニコルを、ミーアを、メイリンを失ってしまった。それだけじゃない。この手は汚れてるんだ。おれには戻る資格もない」

「メイリンはあれは不幸な事件だ。おまえは悪くない」

「あれは俺がオーブの駐在武官じゃなきゃ起こらなかった。メイリンには、あいつには、腹に……」

「この、腰ぬけが!しっかりしろ」
「よせ、イザーク。妻と二人の子供を喪ったやつに言う言葉じゃない」

「煩い!お前は黙ってろ、ディアッカ
なんで貴様のような屑坊主のために、インドくんだりまで俺たちが来るしかなかったんだ?おれは評議会がある、ディアッカは士官学校の校長だぞ
お前がこんなところでくすぶってるから悪い
それになんだその頭と恰好は?そんなぼろきれはさっさと脱ぎ棄ててこれを着ろ!
お前には似合わん」

黄昏のなかで、男たちは立ち尽くしていた。
673SEED 戦後30年目の愛:2009/01/29(木) 06:06:39 ID:???
続く。

674通常の名無しさんの3倍:2009/01/29(木) 10:52:58 ID:???
30年後とはまた大きく時計を進めた話だな。それでいて安易な子世代物で無さそうなのは評価できる。
あとはこれ種でやらなくてもいいんじゃねえのって出来にならなければ期待できそうだ。
675通常の名無しさんの3倍:2009/01/29(木) 11:29:28 ID:???
旧赤服三人の場面も三十年後なのかな。
プラント殊に種死アフターなら若くして要職に就くこともあるだろうし
イザークなら年食っても口調の激しさはあまり変わらなさそうだし…
しかしアスラン乞食坊主もとい修業僧かよ?
676通常の名無しさんの3倍:2009/01/29(木) 12:37:22 ID:???
GJ!
しかしジェダイやアンデルセンのおかげで新型装甲の影が薄いwww
677通常の名無しさんの3倍:2009/01/29(木) 13:05:25 ID:???
GJでした
だけど新型装甲のくだりがガンダニュウム合金の効果にそっくりなんで誰も突っ込まないんだろう。
678通常の名無しさんの3倍:2009/01/29(木) 13:45:11 ID:???
シンが何をやってるのかが俄然気になるな>30年後
679通常の名無しさんの3倍:2009/01/29(木) 16:59:17 ID:???
ウホッ、いいグリペン・・・
680通常の名無しさんの3倍:2009/01/29(木) 19:20:13 ID:???
>>675
インドの坊主を乞食とか言うんじゃない
ホームレスだの物乞いとは違うんだよあの人達は


公式設定では種の30年後に何があるとかは特に無いんだっけ?外伝とかで
00は30年後だかの設定の外伝があったはずだが
681通常の名無しさんの3倍:2009/01/29(木) 19:30:12 ID:???
>>678
まさかCCAシャアポジ…?
直接か命令かは分からないが、メイリン母子殺して、ルナマリアも…?
682通常の名無しさんの3倍:2009/01/29(木) 19:31:04 ID:???
托鉢僧とでも言えばよかったと?
それよりむしろメサイア戦後のラクシズ統治で30年も人類文明が
維持できたらしい事の方が驚きだ。
683通常の名無しさんの3倍:2009/01/29(木) 19:32:36 ID:???
>>682
とでも言えばよかったと?とか…
なにその上から目線
684通常の名無しさんの3倍:2009/01/29(木) 19:51:58 ID:???
>>680
確か老人になったカズイが過去を振り返るみたいな話があったとか聞くが、実際に見たことはないな
685通常の名無しさんの3倍:2009/01/29(木) 19:54:30 ID:???
>>684
ニュータイプだかの最終ページで連載してたコラムだ
老人になったカズィ(と思われる老人)が三馬鹿の飲んでたグリュエプタンの無毒版を
スタミナドリンクみたいに飲んでるってくだりとかあったな
どんな内容だったかは忘れたがそれだけは覚えてる
686通常の名無しさんの3倍:2009/01/29(木) 22:00:21 ID:???
sage
687SEED 戦後30年目の愛:2009/01/30(金) 04:59:16 ID:???
(1部 曙光)
…………

「アスラン、おまえは今のプラントに必要だ。若造どもはブレイクザワールドの苦労を知らない!
どっちを向いても教科書を丸暗記した馬鹿どもばかりだ。
ザフト中央が、中央が、ばかりで話にならん。
俺たちみたいな古だぬきが必要だ」

「どっちにしても野ウサギみたいな人材がないからな。プラントには」

「わかってる。貴様は黙ってろ。ディアッカ」

「はいはい。孫がいるお爺さんの言うセリフ買ってんだよ」

「なんかいったか?」

「別に」

「で、俺は何をすればいいんだ。俺はお前たちみたいに縁者もない。地盤もない。」

アスランは袈裟を脱ぎ棄て、漆黒の軍服に身を包んだ。

「お前、たしか義弟にシンって小僧っ子がいたよな。あの夫婦はどうした。あいつらに頼ればいい
特務隊だったろう。おまえの役に立つかもしれないぞ」

「あいつら、とっくに地球に帰ったよ。軍隊なんて嫌になったって」

「まだ若いのに惜しいことを……」

「お前が世話をしなかったせいだぞ。アスラン。
口ばかり一丁前で兄貴気取りのくせに、こういう肝心な時は役に立たんな。このボケが。
そういえばフリーダムは連絡取ってるのか」

イザークは携帯電話をおもむろに取り出し、アスランに渡した。

「貴様の問題は、貴様で解決しろ」
688SEED 戦後30年目の愛:2009/01/30(金) 05:07:16 ID:???
国際情勢は大きく様変わりした。
メサイア要塞攻防戦でデュランダルがその《息子》レイ・ザ・バレルと戦艦ミネルバのグラディス艦長と自決した後、
プラントの地球における立場はなくなった。

プラントの混乱の影響を受けたのは大洋州であった。混乱の中、親プラントの軍部左派がクーデターを起こし臨時政府ができた。
臨時政府はCE80年のクライン派の議会選挙無効化宣言により再編成され、オセアニア・コーミューンと改称し議会は空虚な笑劇と化した。
ただ、CE70年代前半のプラント本国のクライン派とは違い、思想こそ同じではあるが、シーゲルの愛娘、ラクスを盲従していなかった。
ラクスを《シーゲル・クライン思想の内部破壊者》として、その抹殺を公言してやまなかった。
コーミューンの面々は恐るべきことにほぼ半数が政治犯で、評議委員、閣僚の8割が高卒以下であった。
《ナチュラルの似非学問》の影響からどれだけ遠いことが重要視され、
合法的な議会政治、国家憲法、大統領、政治家、政党、宗教家が次々と追放された。

…………

…………
「ヨウラン、寒いな」

「ああ、オセアニアって南だからあったかいと思ったけどさみイなあ」

「ミネルバに乗ってた頃が楽しかったな」

「シー。特務隊に聞かれたらどうするんだ。おれたちは《大砲の肉》にされるぞ」

「ま、それを考えればマスドライバー建設の方がラッキーだな」

《大砲の肉》とは前線での使い捨てを意味する兵隊言葉であった。
689SEED 戦後30年目の愛:2009/01/30(金) 05:19:17 ID:???
「だけどよ、なんで重機じゃなくて俺たち人足をシコタマかき集めてるんだ」

「しらねえよ。なんでもMSは大西洋軍の監視が厳しくて持ち込めないらしい」

「でもよ、ジンとかザウートは?」

「みんな革命政府に貸しちまったじゃねえかよ」

戦後、メサイア攻防戦に参加した艦艇の乗組員の扱いはひどかった。

評議会議員の子息や親族でない緑服や黒服の兵士たちはことごとく政治犯とのしての扱いを受けた。
軍服こそ着用は許されたが、大洋州に流刑同様の扱いになった。

「オーブでも助けに来てくれたらなあ」

「冗談でも、縁起でもねえこと言うなよ
あんなナチュラルのサルの国なんかに誰が救いを求めるんだよ

そういや、おめえ、あのサル山の大将に食いかかったっけな」

「それはシンだろ」

「馬鹿!もう一回その名前を言ってみろ。おれたちは後頭部に一発食うぜ」

ディーノはスコップを落とし、その場にへたり込んでしまった。
690SEED 戦後30年目の愛:2009/01/30(金) 05:30:55 ID:???
…………

…………
作業にあたらされている軍人の姿はもはやその栄光すらなかった。

その痩身と弊衣からは兵匪と間違わんばかりの姿であった。

穴だらけのつなぎ、薄汚れた顔、傷だらけのヘルメット、すり減った軍靴……

水がゆに、かたいパン。あたたかい食事は一切なし。カップ数杯の紅茶……

広大な大地に柵や檻といったものはないが、逃げだせば、それは死を意味した。

列車で運ばれていく中、通り過ぎていく家々は皆窓がなくぼろきれや屑で詰めてあった。
至る所にゴミが溢れかえり、人々はそれをあさっていた。
恐ろしいほどの貧困……

(これが、大洋州か……俺が若いころ見たのとは違うな)

一介の都市労働者風の男は鉄板の入った窓をこっそりあけながら覗いていた。

その男の名は、ムウ・ラ・フラガ。
691SEED 戦後30年目の愛:2009/01/30(金) 05:33:05 ID:???
続く。
692通常の名無しさんの3倍:2009/01/30(金) 09:05:14 ID:???
寒すぎる……投下gj。
693通常の名無しさんの3倍:2009/01/30(金) 09:10:09 ID:???
あっさり袈裟脱ぎすぎwとは思ったがGJ
694通常の名無しさんの3倍:2009/01/30(金) 09:12:12 ID:???
お寒い……
投下乙

なんかよくわからんけど、分からん内は何も言わない
でも、とりあえず名前は間違えるな
695SEED DESTINY “M” PHASE-02 01/10 ◆NXh03Plp3g :2009/01/30(金) 11:11:32 ID:???
「あっちゃあ〜」
 ザフト・レッドの少女──ただしプラントでは成人──、ルナマリア・ホークは、これ
から新造艦に搭載されるはずだった愛機が、ハンガーを破壊され、その瓦礫が降り積もっ
た状態で仰向けに倒れているのを見て、思わず手で顔を覆った。
 歩哨の兵や整備員達が、その瓦礫を撤去している。
「急いで、乗り込めるだけで良いから」
 ルナマリアはそう言ってから、隣に同じように倒れているもう1機のMSに向かう。
「レイ、一体どうなってるの、これは」
 同じくザフト・レッドを着た金髪の、美形の少年、レイ・ザ・バレルに、問いただすよ
うに言う。
「俺にも解らん。だが、あまり良い状況ではないようだ」
 レイはそう答えた。
 その時。
『そんなに戦争がしたいの? アナタたちはっ!!』
 MSのスピーカー越しの声が、あたりに響く。
 ルナマリアとレイは、軽く驚いたように、音源の方を向いた。
 新型機2機に、やはり新型の1機がビームサーベルを構えて、対峙している。
「あの声……マユちゃん?」

機動戦士ガンダムSEED DESTINY “M”
 PHASE-02

「うそだろ、ステラの奴、やられちまったのかよ!」
 新型試作MSのうちの1機、アビスに乗り込んだアウル・ニーダは、そのコクピットで、
目を円くして、そう言った。
『直ちに機体を停止させて投降しなさい! 今のうちなら、あなた方の生命の安全は保証
します!』
「けっ、ふざけんなよ!」
 アビスはビームジャベリンを構え、ガイアに向かって突進してきた。
「くっ!!」
 マユはとっさにアンチビームコート・機動防盾を構えさせ、凌ぐ。
 バチバチバチバチッ
 穂先を機動防盾で受け止めつつ、ガイアとアビスが絡み合う。
 ────踏み込みが深すぎる、オートバランサーが!
 思った以上に沈み込んだガイアに、マユは憔悴する。
 ────でも、条件はあっちも同じはず!
「でやぁっ!!」
 思わず掛け声を発してしまいつつ、アビスを蹴飛ばして間合いを取る。
696SEED DESTINY “M” PHASE-02 02/10 ◆NXh03Plp3g :2009/01/30(金) 11:12:02 ID:???
「しまった!!」
 マユは反射的に失敗を感じた。ガイアに蹴飛ばされたアビスは、そのまま別のMSハン
ガーに突っ込んだ。内部にあった、停止状態のジンともつれ合う。
「お、おい、アウル!」
 もう1機、カオスに乗り込んだスティングは、アウルに援護に入ろうと、飛び出しかけ
るが、
 バシュ、バシュ、バシュ、バシュ!!
 激しい火線が、カオスを掠める。
 保安部隊のディン数機が、上空からカオスめがけて射撃していた。
「鬱陶しいんだよ、雑魚が!」
 スティングはカオスの肩部に搭載されるビームポッドを向けると、ビームライフルとあ
わせて、ディンの群れに掃射する。
『やめなさいよぉっ!』
 外部スピーカー越しのマユの叫びと共に、ガイアがカオスをシールドタックルで突き飛
ばした。
「!?」
 ロックオンアラート、咄嗟に4脚形態に変形させながら前転するように避ける。
「こいつ!!」
 アビスのフルバーストが、一瞬前までガイアのいた空間を凪ぐ。
 起き上がり様に、ガイアを2脚形態に戻す。
「この、踏ん張れ!」
 沈み込もうとする腰を、ペダルを踏み込み、マニュアル操作で踏ん張らせる。
『こちらLHM-BB01。ガイアの搭乗者はどなたですか!?』
 マユに聞き覚えのある声が聞こえてきた。
 カオスの射撃がガイアを狙う。4脚形態に転じて、前方に突っ込むことで射線を外す。
「ぬぅ!?」
 スティングが声を漏らす。
 ガイアは背中のグリフォン・ビームブレイドを展開し、左右に揺らしながらカオス、ア
ビスに向かって突っ込んでいく。
「この!」
「こいつ!」
 ガイアとカオスが交錯する。カオスは射撃を直前で諦めて、ガイアをかわす。
 マユはガイアを振り返らせながら2脚形態に戻し、2機と対峙させた。
「こちらガイア、搭乗者はアーモリー軍管区MS教練隊マユ・アスカです」
 メインディスプレィ越しに2機を睨みながら、マユは『ミネルバ』からの通信に答える。
『マユちゃん!? マユちゃんが乗ってるの!?』
 無線の向こうで、マユがよく知る1人──メイリン・ホークは思わず、砕けた言葉で驚
愕の声を出していた。
697SEED DESTINY “M” PHASE-02 03/10 ◆NXh03Plp3g :2009/01/30(金) 11:12:25 ID:???
 だが、マユはそれどころではない。スティングは取り回しの悪いビームライフルを諦め
ると、ガイアと同型のヴァジュラ・ビームサーベルで斬りかかって来た。マユは無理に回
避せず、機動防盾で受け止める。
 バチバチバチバチッ
 刀身ビームとアンチビームコートの間で激しい火花が散る。それを受け止めつつ、マユ
は自ら間合いを詰めてきたカオスに、天頂方向から斬撃を入れた。カオスは、遮二無二振
り払って間合いを取り、斬撃から逃れる。
「あぁん!!」
 マユは不満げな声を上げる。オートバランサーの設定が出来ていれば逃さなかった。
「でもそれなら、奪った機体で、どうしてここまでできるの!?」
698SEED DESTINY “M” PHASE-02 04/10 ◆NXh03Plp3g :2009/01/30(金) 11:12:56 ID:???

「ルナマリアー」
 仰向けになった機体から、歩哨や整備員達と共に軍手をはめた手で瓦礫を撤去していた
ルナマリアを、その胸部あたりに取り付いていた者が呼ぶ。
 MSのコクピットハッチが開けられている。ルナマリアは反射的に手に持っていた瓦礫を
地面に放ると、そこへ向かって駆けて行った。
「機体の状態がわからん、無理だと思ったらすぐに引き返せ」
 ハッチの横に控えていた整備員が、そう言った。
「解ったわ、ありがとう。どいてて」
 整備員達に笑顔で例を言ってから、ルナマリアはハッチを閉めつつ、起動スイッチをい
れる。ディスプレィにOSの起動画面が表示され、計器類のバックライトが点灯する。
『レイ! どいて』
 残っていた瓦礫をパラパラと降らせつつ、乗り込んだMSの上半身を起しながら、ルナマ
リアは外部スピーカーで言う。
 レイと、彼の機体に取り付いていた整備員や歩哨たちが、そのMSの上からわらわらと地
面に降りる。
 ルナマリアは紅い愛機の右腕で、レイの灰白色の機体の胸部から、瓦礫を払った。
『先に行ってるわよ!』
 ルナマリアは自機を立ち上がらせると、静圧モードでスラスターを噴射してアシストさ
せつつ、3機のMSがもつれ合っている方へと駆けて行った。
699SEED DESTINY “M” PHASE-02 05/10 ◆NXh03Plp3g :2009/01/30(金) 11:13:28 ID:???

『あー、あー、マユ・アスカ』
 マユが、ガイアでカオス、アビスと取っ組み合いつつ対峙を続けていると、今度は男性
の声が、通信越しに響いてきた。呼出IDは先程と変わらずミネルバ。副長のアーサー・ト
ラインだ。
『君に正式に与えられた任務を伝える。カオスとアビスの捕獲だ』
「捕獲ぅ!?」
 マユは思わず、あからさまに不愉快そうな声で反芻してしまう。
 その間も、カオスのビームポッドの射撃を受ける。シールドで耐えていると、そこへア
ビスが突っ込んできた。
「この」
 ざっ、とすり足の要領でわずかに下がると、ビームジャベリンをシールドで受け流しつ
つ、返す刀をアビスにいれる。アビスは、紙一重、つまり最小の動きでそれをかわした。
「やってみますが、相手の機体の保証はしかねます!」
『保証はしかねるって君、アレは我が軍の……』
 アーサーに女々しい言葉に、マユの怒りが爆発する。
「こっちは! OSの設定も終わってない機体で! しかも2対1の戦いをさせられているんで
す! その上生け捕りなんて、無茶だって、ちょっと考えればわかるでしょう!! このエロ
ゲーム脳!!!!」
 直属の上官ではないことをいいことに、マシンガンのようにアーサーに怒鳴り返す。ド
サクサ紛れに秘密も暴露する。
 そうしながらも、アビスの突撃をかわして4脚形態にさせ、ビームブレイドで突っ込む。
『アウル!!』
「あぶねぇっ!」
 アビスの身体を捻ってよけさせつつ、アウルは戦慄の声を漏らした。
「エロゲーム脳って……」
 一方、ミネルバブリッジでは、アーサーが、メイリンをはじめとするブリッジクルーに
白い目で見られている。
 白服の女性、艦長のタリア・グラディスが、眉間にしわを寄せて頭を抱えた。
『本気で生け捕りしろって言うんなら、まともな応援をください! ディンやジンじゃ、
足手まといなだけです!』
「い、いや……しかし」
 アーサーが、答えるべき方策を見つけられず、戸惑っていると、
「失礼するよ」
 ブリッジ後方の出入り口で、リニアモーター式の自動ドアが開き、黒い長髪の痩躯の男
性が入ってきた。
「ぎ、議長」
 アーサーは素っ頓狂な声を上げる。
700SEED DESTINY “M” PHASE-02 06/10 ◆NXh03Plp3g :2009/01/30(金) 11:14:05 ID:???
「議長!」
 タリアも驚いて振り返り、立ち上がりかけた。
 プラント評議会議長、ギルバート・デュランダルは、立ち上がって敬礼しようとするブ
リッジクルーを、手で制してから、
「状況はどうなっているかね、タリア」
 と、険しい表情で訊ねた。
701SEED DESTINY “M” PHASE-02 07/10 ◆NXh03Plp3g :2009/01/30(金) 11:14:34 ID:???

「一体、何がどうなっているんだ!」
 オーブ連合首長国代表、カガリ・ユラ・アスハは、デュランダル議長との非公式会談を
申し入れ、その最中にこの事件に巻き込まれた。
 プラント側のSP、それに護衛の随員と共に避難中だったが、着弾の爆風で押し返され、
はぐれてしまった。
 振り返れば、3機のMSが取っ組み合いを続けている。
「ああ、あぁぁ……」
 ツインアイを持つ3機のMSの戦いに、カガリはデジャヴを覚えると、言葉にならない声
を漏らしながら、一瞬、呆然と立ち尽くしてしまった。
「カガリ!」
 直後、1人のサングラスをかけた若い男性が、背後からカガリを庇うように抱き寄せる。
「死にたいのか!?」
 オーブから同行している随員、アレックス・ディノは、カガリを叱責するように言った。
「す、すまない」
 カガリは顔を僅かに赤らめつつ、申し訳なさそうに言った。
「いや、はぐれてしまったこっちも悪い。すまん」
 アレックスは言いつつ、カガリを庇うようにしながら、周囲を見渡した。
 流れ弾や瓦礫が断続的に降り注ぎ、生身の人間が無事に歩いていけるような状況ではな
い。
 しかし、そのうちに、視界に比較的無傷な状態で横たわっている、青緑がかった灰色の
MSが目に入った。
「あれだ!」
 アレックスはカガリを抱えたまま、そのMSに向かって駆け出した。胸部に向かって飛び
乗る。
 コクピットハッチのドアロックはかかっていなかった。
「ど、どうする気だ?」
 問いただしてくるカガリをコクピットのシートの脇に押込めると、アレックス自らはそ
のシートに納まる。イグニッションスイッチのキーは差したままになっていた。起動スイ
ッチを入れる。
「ゲイツRの改修機か……?」
 アレックスはOSの起動画面を見つつ、呟く。表示された形式号はZGMF-601F『GuAIZ-F』。
計器類のバックライトが点灯し、メインディスプレィにメインカメラの画像が出た。
「こんなところで、君を喪うわけには行かないんだ!」
 アレックスは言い、ゲイツFを立ち上がらせた。
702SEED DESTINY “M” PHASE-02 08/10 ◆NXh03Plp3g :2009/01/30(金) 11:15:08 ID:???

「!?」
 2機と対峙し、ヴァジュラ・ビームサーベルを構えて焦れていたガイアの背後で、別の
MSが立ち上がる。ゲイツF。ゲイツRの既存機を、新シリーズのゲイツD相当に改修した機
体。
「新手かよっ!」
 一瞬、気をとられた隙に、アビスがフルバーストする。
 だが、その狙いはガイアではない。
「危ない!」
 マユは瞬時に、ゲイツFを庇ってガイアを跳ねさせた。
「しまった!」
 ガクン、予想以上に腰が沈み込む。アビスの射撃はシールドで凌いだが、勢いあまって
ゲイツFを突き飛ばしてしまう。
「ぐぅっ!!」
 ゲイツFのコクピットで、自らの腕力だけでシートにしがみついていたカガリが、不利
飛ばされて壁面に強かに打ちつけ、悲鳴を上げる。
「カガリ!」
 アレックスは驚いて、不安げにカガリを振り返る。
『ご、ごめんなさいっ!!』
 通信用ディスプレィに、自分達を庇ったと思われる新型機のパイロットが映し出された。
「! ……い、いや、助かった」
 アレックスは言いいつつも、
 ────いくらZAFTでも、こんな幼い子がMSに、しかも赤服だって?
 と、サングラスの下で、怪訝そうに表情を歪めた。
「もらったぁぁっ!!」
 ガイアのパイロットが背後の機体に気をとられたと認識したアウルは、ビームジャベリ
ンを構え、ガイアに向かって突進する。
 が、
 ドガァンッ
 強烈なタックルが、アビスを突き飛ばした。
 そのまま、地面に倒れたアビスにのしかかる。
『ごめんマユちゃん、遅れた』
 通信用ディスプレィに、アビスを突き飛ばした紅いMSから通信が入る。
「ルナお姉ちゃん!」
 ほぼ孤立無援状態だったマユは、ルナマリアの乱入に表情を明るくする。
 ルナマリアはMSが左腕に装備するバックラーから、対装甲アキナスを抜いた。折りたた
み式のストックを延ばし、パルチザン形態にする。
703SEED DESTINY “M” PHASE-02 09/10 ◆NXh03Plp3g :2009/01/30(金) 11:15:38 ID:???
 ZGMF-1600 ゲイツD。
 ゲイツRをベースにブラッシュアップした機体。使い勝手の悪い複合兵装防盾とポルク
スIVレールガンに変えて、オーソドックスなビームマシンライフルと延長ストック付の対
装甲アキナス(幅に比して刃渡りの大きい大形ナイフ)を装備し、PSではないものの増加装
甲を胸部に取り付けた、格闘寄りの汎用MSである。また元々の高推力に可動補助翼をつけ
ることで、簡易的ながらも大気圏内下での飛行・空中機動も可能にしている。
 外観上のゲイツRからの相違点は、増加装甲を被せた胸部が曲線を用いたラウンド状の
胸筋が張り出したようなデザインになり、その右・やや下寄りに75mm短砲身ビームガンが
覗いていることと、シールドが幾分小型になっている点だ。
 新規開発中だったZGMF-X1000とほぼ同格の性能とされ、しかも換装システムに頼らず汎
用性を持たせることに成功した為、コスト上の計算で有利になったことからこの2機を抑
えてZAFT主力MSの座を勝ち取った。
『この、神妙にしなさい』
 ルナマリアはパルチザンを構えさせたまま、アビスにのしかかって動きを封じようとす
る。
「アウル!」
 スティングは声をかけつつも、目の前ににじり寄ってくるガイアから離れることが出来
ない。
「くそ!」
 スティングはカオスにビームサーベルを構えさせ、ガイアに斬りかかった。
「くっ」
 マユはガイアにシールドを構えさせ、斬撃を受け止めようとする。
「もらった!!」
「えっ!?」
 だが、カオスはビームサーベルを振り下ろさず、ガイアのシールドを蹴飛ばした。その
反動で、カオスは飛び上がる。
「わ、私を踏み台にしたー!?」
 マユが驚いたように言う。
 カオスは肩部のドラグーン・ビームポッドを切り離し、ガイアにビームライフルを向け
てけん制しつつ、ビームポッドでルナマリアのゲイツDを狙った。
「きゃっ!?」
 ビームポッドの射撃を、ゲイツDはかわす。
「アウル、これ以上は無理だ、離脱するぞ」
 スティングは、新型ゲイツがアビスから飛びのいたのを見ると、アビスのアウルに向か
ってそう言った。
『けど、スティング!』
 射撃でけん制しながら飛び上がりつつも、通信用ディスプレィに曇った表情を出したア
ウルは、不満げな声を出す。
704SEED DESTINY “M” PHASE-02 10/10 ◆NXh03Plp3g :2009/01/30(金) 11:16:03 ID:???
「ステラのことは諦めろ、運が……なかったんだ」
 スティング自身も後ろ髪引かれるような様子で、しかしそう言った。
『ちくしょー、お前ら、後で皆殺しにしてやっかんなぁっ!!』
 カオスとアビスがフルバーストであたりを制圧射撃し、ガイアとゲイツDをけん制する。
アウルが外部スピーカーで捨て台詞を吐いて、2機はコロニーの限定的な重力の中を、バ
ーニアで上昇し始めた。
「この……ルナお姉ちゃん!」
『うんっ!』
 マユの言葉に、ルナマリアも険しい表情で頷く。
 2機のスラスターの輝点を追い、ガイアと紅いゲイツDは飛び上がった。
ゲイツD (ZGMF-1600)
○ゲイツRベースの汎用機。格闘戦寄りの汎用機。
○コンセプトは「グフより安くてザクより万能、ヘボが乗っても高性能」。
○動力:強化型バッテリー
○装甲:複合構造型強化金属合金
○胸部に増加装甲を被せており、グリル状の構造物のあった部分は覆い被され、曲線を用
いたラウンド状の胸筋が張り出したようなデザインに変わっている。
○基本武装
 MMI-GAU1600 近接防御システム/20mmガトリングライフル
 MMI-666A ビーム・マシンライフル(横型ドラム弾倉)
 M80-AAK 延長ストック付対装甲アキナス
 M1-BG短銃身ビームガン
 MMI-RG80W アンチビームコーティングウェポンキャリーシールド
 ショルダー固定アンチビームバックラー
 簡易飛行機能+オプションペイロード付強化スラスター
 EEQ7Sエクステンショナル・アレスター1基をオプション装備可。

ゲイツF
○新規生産ではなく、既存のゲイツRから直接改造してゲイツDに準じる性能とした機体。
○ゲイツRからの変更点
 MA-MV05複合兵装シールドをMMI-RG80Wアンチビームシールドに交換。
 ポルクスIVレールガンを取り外し。
 近接武器としてM80-AAK対装甲アキナスを装備。
 ビームライフルをMA-BAR726に変更、コンパクト化・補助バッテリー搭載型。
 モジュール式増加装甲装着。
706SEED DESTINY “M” PHASE-02 11/10 ◆NXh03Plp3g :2009/01/30(金) 11:19:37 ID:???
>>695-705
今回は以上です。

ゲイツDの設定は未完状態の他の作品から持ってきました。
(別の鳥で書いてますが、間違いなく本人です)
707通常の名無しさんの3倍:2009/01/30(金) 12:43:05 ID:???
GJ!!
既存のザフト系のデザインを継承するのは良い事だむしろザク、グフ、ドムイラネ
708通常の名無しさんの3倍:2009/01/30(金) 19:35:13 ID:???
ガイアは奪わせずステラは特にフラグ立てる前に捕虜か。
インパルスの存在には気づかれもせず、TVに比べればまずまずの結果かな。
もっともブッ飛ばされた分凸はともかくカガリが一段と文句言ってきそうな気が。
709通常の名無しさんの3倍:2009/01/30(金) 22:10:38 ID:???
>>687
シンは「弟」でいいのか?
710通常の名無しさんの3倍:2009/01/30(金) 22:21:57 ID:???
>>709
義兄弟ってやつじゃないか?
711通常の名無しさんの3倍:2009/01/30(金) 22:55:48 ID:???
>>708
種死第一話からの二次創作となると序盤の見せ場の一つとして
「さすが綺麗事は〜俺の家族はアスハに殺された!!」が来るわけだが
今回のような場合はどうなるのかwktk
>>709-710
アスランとシンで仮面ライダー地獄兄弟、というのが一瞬頭を
712通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 08:11:50 ID:???
>>710
シンの嫁
713通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 11:27:04 ID:???
アフター物でルナと結婚してるシンは珍しい
他はキラとシンが入れ替わる作品しか知らないな
714通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 12:42:19 ID:???
SS倉庫逆シンコーナーのLP氏というお人が
一貫してシンルナで書いていなさるよ。
もっともうち一つは………だが。
715通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 12:54:48 ID:???
本編での立ち振るまいが良くなかったんだろうな……
終盤のもあれだけ追いつめられせっぱ詰まった状況じゃ、吊り橋効果に見えて長続きしなさそうって印象があってもおかしくない。
716通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 13:01:45 ID:???
そういやここの過去スレで、凸庇ったとしてシンが凸もろとも殺す単発物もあったな
717通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 13:08:16 ID:???
遅レスだけど、だれも突っ込まないんで
>>670に浮霊との間に子供がいたようなセリフが・・・

水子?
718通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 13:38:36 ID:???
>>717
普通にもしもフレイとの間に子供がいたら、だと思ったな
719通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 14:09:14 ID:???
>>714
あそこは全般的にルナの扱い悪いからな……
一市民に成り下がってたり、シンの敵だったり。
720通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 14:35:11 ID:???
ルナはユリカと同じような二次創作だとヒロイン位置をとられるキャラだからな
まあ、主人公の美神さんの二次で主役作品がめったにないよりはマシかもしれない
721通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 15:15:57 ID:???
>>720
美神さんは一応主役なので(中盤以降は横島の方が主役っぽいが)、
ヒロインで一くくりに出来る人じゃないだろ。

大体GSにはルシオラという正ヒロインがいたわけで…あっさり死んだけど。
つーか扱いで言ったら復活後のおキヌちゃんの方が悲惨だろ。
722通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 16:58:51 ID:???
>>712
ルナと結婚していたら、シンの方が兄になるんじゃ? いや、よく知らんけど
723通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 17:08:52 ID:???
       ルナ−シン
アスラン−メイリン
 
こうだよな、家系図
んでアスランから見てルナは義姉、シンは義弟なんじゃないか?年下なんだから
724通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 17:35:56 ID:???
年齢は関係ないよ。年下の義兄だよ。
725通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 17:39:03 ID:???
日本以外ではどうなんだっけ?
まあ、新人類を自称する方々のことだから、旧来の文化をとりあえず否定しててもおかしくないとか思えたり。
すごい些末だしな。
726通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 17:48:40 ID:???
>>725
ところがコーディネーターの思想は「今のナチュラルの文化は昔の素晴らしい文化から劣化し過ぎているから我々が劣悪なナチュラルを排除し人類の文化を継承し発展させるのだ!」
727通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 18:01:43 ID:???
>>726
じゃあその素晴らしい文化を継承してた世界樹ぶっ壊して
グレイブヤードのテクノラノート集団を蘊奥の爺様除いて皆殺しにしてんじゃねーよと小一時間(ry
728通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 18:06:21 ID:???
簡単に言うとコーディネーターのナチュラル観
コーディネーターの親のナチュラル←僕達を生んでくれた素晴らしい人
子供をコーディネーターにしなかったナチュラル←この地球に這うゴキブリめえっ!!!11!!
729通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 18:07:55 ID:???
>>728
じゃあその子供をコーディにしたナチュラルとコーディごと
エイプリールフールクライシスで無差別虐殺で10億人ばかり殺したのは何事ですかと(ry
730通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 18:08:49 ID:???
ほら、プラントに住んでる奴以外のコーディは、コーディネイターじゃないから
猿のナチュラル以下の裏切りもんだからさwww
731通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 18:10:26 ID:???
>>729
プラントに住まないコーディネーターは裏切り者だ!
732通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 18:17:16 ID:???
「お前、よく女子供を撃てるな」「簡単さ、ナチュラルだからな」
「撃って逃げる奴はナチュラルだ!撃って逃げない奴は訓練されたナチュラルだ!ホント地球は地獄だぜー!」
733通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 18:22:32 ID:???
>>729
コーディネーターを作ったナチュラルは国際法違反で捕まるからプラントに行く子供を持つナチュラルは全員子供と一緒にプラントへ逃亡
そして地球が恋しくなった老人と親と地球で暮らしたい子供の一団はシーゲルの作った南米の回帰村行き
734通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 18:26:03 ID:???
>>733
コーディ作って逮捕されたくないから宇宙行って、プラント乗っ取っている奴が、
地上ならどこでも良いとか、いまさら条件を緩和するとか思えねぇ。

南米に縁のない奴が反乱するだろw
地球侵攻も親世代(ナチュ)から子世代孫世代(コーディ)への刷り込みがありそうだ。
735通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 18:35:15 ID:???
確か最初にコーディネーター(シーゲル、パトリック世代)を作ったのは時の権力者や金持ち……
736通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 18:37:25 ID:???
在日半島人かよw
737通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 18:40:12 ID:???
オーブもプラントもたぶん半島人ばっかだよ。
738通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 18:50:16 ID:???
実はマーシャンは火星送りになったニダー
実は再構築戦争で生き延びたのはニダーとニダーの混血だけ
実は種の世界にはニダーしか居ない
739通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 18:54:42 ID:???
何その世界? 地獄?
740通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 19:01:19 ID:???
>>739
いつもが地獄で常に絶望し幸せを知らないのならそれは日常だ
741通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 19:04:27 ID:???
>>738
なんとなく種の世界の滅茶苦茶で意味不明な設定もそれなら納得だw
742通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 19:06:13 ID:???
海鮮ジョンゴル鍋の正体は実は海鮮チゲ鍋らしいからプラントがニダーなのは間違い無い
743通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 20:12:54 ID:???
>>738-742
お前らの半島嫌いに全俺が吹いたw
744通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 20:29:49 ID:???
プラントで海鮮鍋が食えるってのも不思議な話だ
養殖?
745通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 20:34:11 ID:???
海鮮のようなもの
746通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 20:35:38 ID:???
親プラント国家からの輸入品だろ・・・
747通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 20:38:40 ID:???
将軍様「朝鮮しかない地球は要らない」
748通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 20:41:39 ID:???
なぜか全てのプラント型コロニーには海洋がある
749通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 20:42:54 ID:???
>>748
そういやラクスの家も海の近くだな
あれってかなり無駄な空間じゃね?
750通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 20:50:33 ID:???
普通は淡水にすると思うんだが・・・
751通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 21:32:15 ID:???
機械使ってるプラントで塩を使うなんてどんだけアフォなんだ。
プラント本体は大丈夫なんだろうけど全てを非金属で作るなんて無理だぞ。

やっぱりコーディ=馬鹿チョン説が有力なのかw
752通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 22:16:40 ID:???
あれは海じゃなくて湖説
凍った海から氷を切り出してAAの水にするとか不可能だろ
753通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 23:07:19 ID:???
水と塩は凍結する温度が違うので海を凍らすと淡水の氷が出来る

まあ、さすがにプラントの中に海はないだろ?
754通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 23:27:10 ID:???
魚や海老や鶏はプラント内で養殖可能だが豚や牛や羊は出来ないと言う謎設定

ナチュラル嫌いのイザークの趣味は日本舞踊と言う謎設定
755通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 23:36:33 ID:???
>>754
それは中国美術好きだけど中国人氏ねとか、宗教絵画とか建築様式好きだけど
神なんていない、ってのと同じ事だって前出てた
756通常の名無しさんの3倍:2009/01/31(土) 23:47:35 ID:???
豚はともかく、牛や羊は餌の問題があるんじゃねぇかなぁ
あいつら半端なく草を食うから、畑にも事欠くプラントじゃ無理だろう
757通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 00:03:56 ID:???
牛肉ってものすごく生産効率の悪い食物なんだって話を聞いたことがある
758通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 00:11:28 ID:???
>>754
遺作は民族研究だ。 炒飯が日舞。
どっちにしてもナチュ蔑視のコーディでは異端の趣味だろうな。

それとも俺達コーディが発祥で継承者だ、とか言ってるのかな。
759通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 00:12:21 ID:???
>>754
>日本舞踊
それディアッカの趣味。
760通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 00:34:38 ID:???
ディアッカの趣味は炒飯じゃないのか
761通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 00:41:05 ID:???
遺作「民族文化はプラント起源ニd……です」
762通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 00:59:14 ID:???
>>761
しつこいと笑えないぞ
763通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 01:12:50 ID:???
中朝云々持ち出す馬鹿は巣に帰れ、つか死ね
764通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 01:36:21 ID:???
>>758-759
あいつらザフトプラントの上流階級だし、プラントの一般人からみると政治的にありえない趣味が行える環境にいるのかもな。
765SEED 戦後30年目の愛:2009/02/01(日) 02:51:54 ID:???
海辺の白い家。
まるで恋話に出てくるような。
周りにはそれを覆うように季節ごとの樹木が植えられていたがそれほどの年数は感じられない。
大分、郊外から離れた場所だろうか。

黒い車から一人の男が降り、家に入った。
「今帰ったよ」
白いドアを開けると桃色の髪を結った質素な着物姿の女が立っていた。
「お帰りなさい、キラ」

わずか数時間の離別なのに、まるで何十年ぶりの再会の如く抱き合うふたり。
その女はラクス・クライン、今はキラ・ヤマトの妻であり、母である。
ラクスには祖国を捨てるには、祖国に捨てられるには、十分すぎる理由があった
766SEED 戦後30年目の愛:2009/02/01(日) 02:52:49 ID:???
デュランダル亡きあと、プラントは荒廃した。
従前からの労働力不足は未解決、それとは大量の青年層の無職。
戦争は青年の7割に戦死、重篤廃疾、不具を齎した。
政治犯や流刑者、捕虜……あらゆる手段を用いても解決できない労働力確保の限界。
戦後、評議会に招聘されたラクスは、本国の惨状と2度の暴走の無反省に失望を感じずにはいられなかった
もっとも議会とて《シーゲル・クラインの娘》に求めたのは《シーゲル・クライン思想の継承者》としての《偶像》で、
《政治家ラクス・クライン》ではなかった。
ラクスは父の追悼集会の最中から、父の部下や取り巻きたちのどこか余所余所しさを薄々感づいていた。
「結婚」という形で、キラと共にオーブへ。
議会は、この結婚を《「プラント・オーブ間の千載一遇の友好」》と喧伝、後に沈黙、ラクスの行動を背信行為と表明、
クライン派の重鎮達は転向者を除き、処刑。裁判無しの銃殺、25年の労働刑………。
767SEED 戦後30年目の愛:2009/02/01(日) 02:55:16 ID:???
「ラクス、明後日からの日本行きなんだけど、ヒビキ家に寄りたいんだけど…」
「キラ、私もそう思っていたところですわ。あと法事も一切行ってないのでお墓参りがしたいですわ」
「なんか僕以上に熱心だね……そういう気がつかないところまで気がつく、君が素敵だ」
「うふふふ……」

遠目で白けたように見つめている三人の若い男たち。
「また始まったよ」
「オヤジ、自分の年と精神年齢のズレに気付いてんのか?」
「ああ、なんか仕出かさないと良いけどなあ」

三人の男たちはキラの息子で、ショウ、アキラ、ユウ。
三人とも父が歩んだ道は選ばず、ショウは警察官、アキラは上院議員秘書、ユウは学生。

「お前たち、一緒に日本に行くかい?」
キラは尋ねた。
「二人で楽しんできて下さいよ。」
「もう兄弟は勘弁してよ」
「自分達の年考えてね!」

…………

…………
768SEED 戦後30年目の愛:2009/02/01(日) 02:57:28 ID:???
…………

「A中隊、前進!」
ブリッジの中に怒号が飛び交う。

「中尉!しっかりして下さいよ」

「そこのストライクダガー!なにやってる!死にたくなかったらもっと反応速度を上げろ!」

連続ミサイルがムラサメ一個中隊を包み隠すように降ってくる。

爆発音とともに水柱が立った。

全機撃墜か!と思った瞬間、ムラサメ一個中隊が駆け抜けた。

鮮やかな青のムラサメと両肩が赤に塗られたストライクダガーが追いかける。

信号弾が飛び、通信が流れた。

「訓練終了、全機帰投準備」
769SEED 戦後30年目の愛:2009/02/01(日) 03:00:38 ID:???
人々の話す言葉とムラサメという特殊な機体からオーブと勘違いしてしまいそうだがオーブではなかった。
そこは古の名を大和、近年まで東アジア共和国と呼ばれ、再び日本という名へ戻った。

プラントの影響力低下は全世界的規模に広がり、地図は書き換えられた。
かつて一片の紙切れによって東アジア共和国となった極東地域は、古からの名前を取り戻した。
オーブとプラントの講和が実現後、友邦数カ国と同時に共和国条約の破棄と反ザフト運動。
日本が先頭に立ち、親ザフトの駐留軍を鴨緑江まで追放、極東におけるザフトの影響力は地に落ちた。
オーブ、大西洋連邦の友好的中立を得、主権回復、歴史的領土も復元を成した。
770SEED 戦後30年目の愛:2009/02/01(日) 03:03:48 ID:???
…………
…………

「アスラン、まだメイリンのことを……」

「放っておいてくれ」

「うじうじと悩む男だな。貴様は!
何時まで黄昏てるんだ。死んだ奴は待っても帰ってこん。
まさか、お前まだ坊主の真似事をやるつもりか」

軍帽を目深に被りながら、アスランは言った。

「いやそれとこれとは別だ。決心がついた。
ここにも、オーブにも戻るつもりはない。
無論シンの世話にもならん。
俺は俺の道を行く」

「本当に良いのかよ?」

「で、お前、連絡はとったのか。」

「ああ、キラとは直接話ができなかったが一応は伝えておいた」

「悩む問題かねえ?」

「まあいい。サアこっち来いよ、まだお前に渡すものがある」

そう言ってイザークは駈け出した。
771SEED 戦後30年目の愛:2009/02/01(日) 03:08:23 ID:???
終わり。

追記
タイプミス多いと猛省中……
772SEED 戦後30年目の愛:2009/02/01(日) 03:09:05 ID:???
続くの間違い・・・・・・

773通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 03:20:30 ID:???
>>本国の惨状と2度の暴走の無反省に失望を感じずにはいられなかった
なんという他人事、このラクスは逝っていいと思うw
種死の時点でザフトって東アジアに勢力圏持ってたっけ?
まあ、日本があそこから独立したってことで全然いいんだけど
774通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 04:41:36 ID:???
>>773
高雄は?
775通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 04:44:51 ID:???
息子ズの肩書きが一人だけ浮いてるw
いや、父親も学生だったやん
776通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 04:53:52 ID:???
>>775
きっと農業カレッジの学生なんだよ
工業カレッジじゃなくて
777通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 10:10:59 ID:???
年齢書いてないから問題ないと思うが
たしか種死の時点でキラ18歳ぐらいだったし、30年後でも三男が十代後半かもしれない
778通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 10:23:18 ID:???
きっと職業学生なんだよ
779通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 14:15:26 ID:???
作中の子供らの嫌味>「もう兄弟は勘弁してよ」を見るに三男は遅くに出来た子なんだろ
780通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 18:55:36 ID:???
>773
東アジア共和国は種デスのデュランダル演説後のオペレーションラグナロク
以降は親プラント国家へと寝返ったはず。
781通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 20:18:33 ID:???
デュランダル議長に共鳴してプラントについた国だと、ラクス政権成立後は
やはり江戸時代の外様大名のように睨まれ冷遇されてるのかな?
もっとも世界全てが公平に歌姫の騎士団に抑えられているのかもしれんが。
782通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 22:11:05 ID:???
ラクシズ達が宇宙に行って、電波を流している間に
力を蓄えていた日本軍が連合軍残党と結託してオーブや地上にいるザフト軍を殱滅するという物を考えた事はあるが…
流石にスレ違いか?
783通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 22:15:03 ID:???
いいんじゃない?
784通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 22:40:24 ID:???
メインはほとんどオリキャラ&オリMSになるの?
むろん面白いなら友よウェルカムだだが。
785通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 23:00:09 ID:???
>>782
火葬戦記はそのトンデモを、戦闘と戦闘と戦闘でどうにかするものだぜw
786通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 23:03:18 ID:???
でも日本、南北で分断されてるんだが日本軍なんて維持できるのか?
そこらへんの疑問が足枷にならないならぜひ投下して欲しいな
種死のユニウス落としで元中国の首都は潰れてるし
787通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 23:05:59 ID:???
某スレの兄弟が種の世界に飛ばされて大暴れする話をずっと構想中だが
出来上がった処で、どのスレに投下すればいいんだろう・・・
788通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 23:08:41 ID:???
>>786
中共みたいな感じに、元の各国軍が地方軍閥化してたりしてw
789(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/02/01(日) 23:21:17 ID:???
>>787
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 6【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1230651332/

こことか?
790通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 23:31:23 ID:???
やっぱそっちかなぁ・・・
でもキラ・シン・セレーネは種の同一人物に成り代わってしまうんだ
791(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/02/01(日) 23:37:04 ID:???
こっちが向いてると思ったなら、いいんじゃない?
自分も、ジェダイ騎士団wとか出してるし
792通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 23:39:38 ID:???
00の放映が終わった後くらいに・・・投下できるといいな
できれば元のスレに投下したいけど、内容が内容だけに、ね
793通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 23:43:58 ID:???
どこの兄弟だかなんとなくわかったw
双子の片方がスイーツ番長か?
794通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 23:48:19 ID:???
うんにゃ旧板の某スレの兄弟
向こうに種とのクロスオーバーなんか投下したら荒れるよ
795通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 23:59:37 ID:???
それ、兄弟VS世界にしても世界側に勝ち目がねえw
796通常の名無しさんの3倍:2009/02/02(月) 00:25:57 ID:???
>>794
旧板か
じゃあわからんわ
797通常の名無しさんの3倍:2009/02/02(月) 00:28:47 ID:???
とりあえずヘリオポリスにフリ−ダムとV2が現れるのは確定してるw
でも種世界じゃ修理はおろか補給も満足に行えない機体ばっかだから、やがて追い詰められる
兄弟も種の地球圏に散り散りになった状態・・・
・・・なんだけどマイ・ロラン・コウはどこに飛ばしていいのやら判らない・・・
798通常の名無しさんの3倍:2009/02/02(月) 02:04:52 ID:???
某理想郷で見たヱヴァの二次創作を見て
種開始時に種死終了後の准将がやって来て、そのKYぶりにドン引きの普通のキラっていうのを考えたんだが
それはこのスレ向きかな
799通常の名無しさんの3倍:2009/02/02(月) 02:18:28 ID:???
>>781
逆シンの『ジオン公国の光芒』なんかそんな感じじゃね?
ガルナハンなんかレジスタンスメンバーが収容所にぶち込まれて、シンとコニールが解放したら今度は町に陽電子砲ぶっ放された。
あとラクシズプラントがイスラエルに裏切られたりしてた。

日本もシン側の同盟国だったけど。
800通常の名無しさんの3倍:2009/02/02(月) 02:22:14 ID:???
>>798
このスレ向きだと思う


種死のキラが種時代に戻ってくる、って話は前にあったっけ?
801通常の名無しさんの3倍:2009/02/02(月) 02:33:02 ID:???
…キラ⇔シンとか?
802通常の名無しさんの3倍:2009/02/02(月) 02:36:20 ID:???
>>798
何か昔そういうネタスレあったな
803通常の名無しさんの3倍:2009/02/02(月) 08:49:08 ID:???
ジャンル逆行か、そういえば種系では見たことなかったな
804通常の名無しさんの3倍:2009/02/02(月) 09:39:31 ID:???
エヴァにはまたはじめからというか逆行的な二次創作多いね
新劇自体にループ説、旧作エンド後説があるくらいだもんな
延々とループしながら大切な人を死なせない為、
より良い世界の為に奔走するキラ(orシン他)ってのもいいね
805通常の名無しさんの3倍:2009/02/02(月) 14:42:01 ID:???
>>804
ひぐらしみたいな感じ?
806通常の名無しさんの3倍:2009/02/02(月) 14:49:28 ID:???
ひぐらしの作者は仮面ライダー龍騎の大ファンなので、あの話はそこから考えたんだろうな
807通常の名無しさんの3倍:2009/02/02(月) 15:26:43 ID:???
>>804
こんなか?

キラがさらに凄いパワーを得て帰ってくる
 ↓
俺にガンダムに乗って欲しかったら1億円よこせとか無茶を言う
 ↓
乗ったら、小指一つでクルーゼ撃破
 ↓
女キャラ全員、キラ様にメロメロ。男はみんな、キラ様を褒めそやす
 ↓
キラ様、謎の新組織を設立。ブルコスやプラントなんかと戦争開始
 ↓
当然のようにキラ様大勝利。世界大統領に
 ↓
女キャラ全員と結婚して終了
808通常の名無しさんの3倍:2009/02/02(月) 15:36:34 ID:???
>>807
最低テンプレじゃねーかッ

で、ヘイトされるのは誰かね?
809通常の名無しさんの3倍:2009/02/02(月) 15:44:06 ID:???
一人目じゃね?
810通常の名無しさんの3倍:2009/02/02(月) 15:45:06 ID:???
クルーゼとアズラエルは確実にヘイト対象
敵に回ったというだけで、ナタルもやばい
811通常の名無しさんの3倍:2009/02/02(月) 18:52:31 ID:???
そんなの二次創作の某NTや某行動ですら見たことないよww(多分探せば出てくると思うけど気にしない)
812通常の名無しさんの3倍:2009/02/02(月) 20:31:15 ID:???
>>807
男がどんどん死に、女がばんばん脱ぐ。
私が書きたいのは、そんな世界だ。

……そー書いていた遅筆作家がいたなーと、ふと。
813通常の名無しさんの3倍:2009/02/02(月) 22:38:31 ID:???
ザクレロさん読んでると種ってホラーなんだなぁと思えてくる。
814通常の名無しさんの3倍:2009/02/02(月) 23:16:37 ID:???
>>810
それは俺が本編と認めたくないアニメそのものじゃないかw
黒歴史SSを書き連ねる厨の波長には合いそうだし、アニメよりもヘイトが強化されたSSなんぞ腐るほどあるんだろうけどw
815通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 00:08:38 ID:???
>>811>>807の先駆は某NTにあるぜ…過去ログみな
内容がアホすぎてマジ死ねる
816通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 00:10:47 ID:???
着流しを着て日本刀をぶら下げた工業カレッジの学生…
どこの変態だよ
817通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 02:58:41 ID:???
ラクシズ組がWW2にタイムスリップしたSSを出だしだけ書いて挫折した事がある。
この手のやつってあったっけ?
818通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 03:57:32 ID:???
種のキャラが現実世界に来たら

ってのはどうだったかなぁ
実際現実世界に来たら、をやってもラクシズが日本を乗っ取るSSしか思いつかない
オーバーテクノロジーってレベルじゃないし、フリーダム一機あれば自衛隊とか敵じゃないだろ
819通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 04:07:46 ID:???
>>818
近いもので、シンがレイバー世界に来てなんか平和に一労働者として働いているってのがあったな。
単発で終わっちゃったし、保管庫にも保管されてないけど。
820通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 04:33:53 ID:???
>>818
ところが、自由VS自衛隊スレではラクシズ完敗確定だった

補給が行えないんで、ラクシズ艦隊が来ても、すぐに餓死する
餓死を逃れても、整備が出来ないからすぐに疲弊してしまう
まさか、現実世界に来ても、アニメの中の補給無視っぷりが通用するなんて思うまいねと

あと、NJが無いからミサイルを撃ち込まれ放題で、実際には戦力的にもきつい
最悪、核を落とされれば死ねるしな
821通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 04:48:25 ID:???
>>820
あー、そうか補給ができないのか
しばらくは艦内の備蓄でしのげても底付くな
822通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 07:17:26 ID:???
>>801
アレが廃れたのは非常に惜しい
てか、燃える展開のいいところで続きが無いのが悲しい
823通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 07:20:46 ID:???
>>813
かなりサイコだよな
だが、それがいい。
824通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 07:56:13 ID:???
>>822
折れもアレは期待してたな。
シリアスとネタが共存してた数少ないSSだった。
フレイがシーマ様ポジションだったなぁ。
825通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 08:34:06 ID:???
あれ、どっかで見たなぁ
キラの逆行物というかなんというか
どうにかして自分が○○しないように過去を変えようとするんだがどうしてもそうなってしまう
自殺してもまた一からやり直すだけとかそういうの
826通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 10:02:51 ID:???
アレは怖かった。ラクスを拾わないようにしたら他のやつが拾って帰ってきたり、
ストライクに乗るのを拒否したら豹変したみんなに捕まえられて強制的に乗せられたり……
827通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 13:21:27 ID:???
どっかのサイトで
イザークの兄弟かなんかと逆行してたやつがあったな
828通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 14:41:15 ID:???
逆行はまだヌルい
本当にヤバいのは、現実の作者がキャラに憑衣してニコポ&無双、コレよ
829通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 14:51:06 ID:???
>>828
それって種のアニメじゃね?w
830通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 15:41:28 ID:???
>>828
実はコーディは超未来人が逆行して(ry
未来人の意志と技術を受け継いだある博士の手によりジョージグレンが生み出され、(略)
そして最後にラクス様とキラ様が生み出された。(略)
彼女と彼は最後の真なるコーディネーターであり、これ以降のそれは偽物である。
だから真なるコーディネーターの偽物を造った、ギルバート・デュランダルは裁かれた。

自分で書いてて思った。何処の新興宗教だw
831通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 16:17:38 ID:???
>>824
いままとめに残ってるのって
中の人がニコポナデポ完備のなんちゃってキラだったり
チハヤとかアリスって誰よなオリキャラ乱舞の色モノだったりするののは何故だ
832通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 18:09:42 ID:???
厨だから、まとめに残そうという行動力が発揮されることもあるのさ。
833通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 21:06:01 ID:???
>>825
それ、俺が書いた小ネタかも・・・
どうやっても「シナリオ」通りの糞展開になり、インパルスにブッ刺された所でヘリオポリスに逆戻りするやつ
1446546546回目(数字は適当)で「シナリオ」を破り捨てる
しかしラクスの手にも「シナリオ」が・・・
って内容だったような
834通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 23:05:53 ID:???
>>831
キラ⇔シンの事だがチハヤとかアリスなんて居たかなぁ。
835通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 23:14:45 ID:???
キラ⇔シンもあの綺麗なフレイ化したやつだけじゃないし

上の方に保存されてる奴が多分、それ系
つーか逆行ものって破壊力高いな
836通常の名無しさんの3倍:2009/02/04(水) 07:23:28 ID:???
あ、そういう事。
キラ⇔シンって 逆行のシン⇔キラ の事かと思ってた。
他のはねぇ・・・
837通常の名無しさんの3倍:2009/02/04(水) 10:09:33 ID:???
一番上に保存されてるの
>よりにもよってキラ・ヤマトとしての記憶がある。
よりにもよっててなんだよw
>こいつはトールだ。
www
つーか、カガリがヒロイン扱いなのは近親相姦だろ
838通常の名無しさんの3倍:2009/02/04(水) 14:01:30 ID:???
まあカガリヒロイン扱いでもいいんじゃないか
カガリがキラのきょうだいだって発覚するまでは普通にヒロインの一人で扱われてたし
839通常の名無しさんの3倍:2009/02/04(水) 14:15:49 ID:???
遺伝子的にスーパーコーディネイターは原形とどめないほどに改造されてるので
兄弟ではありません
840通常の名無しさんの3倍:2009/02/04(水) 14:29:46 ID:???
逆行のシン⇔キラは、個人的にずっと続きを待っているSSの一つだなぁ
作者さんがどこかに潜伏しているなら是非再開を検討してください
841通常の名無しさんの3倍:2009/02/04(水) 14:36:38 ID:???
投下する場所どこになるよ?
842通常の名無しさんの3倍:2009/02/04(水) 14:41:23 ID:???
こっちも新スレ建てるようか?
843通常の名無しさんの3倍:2009/02/04(水) 15:52:07 ID:???
まだ100KB以上残ってる、あせらないでいいだろ。
844通常の名無しさんの3倍:2009/02/04(水) 16:54:20 ID:???
>>841
ここでまずい理由でもあったか?
845通常の名無しさんの3倍:2009/02/04(水) 18:02:15 ID:???
>>844
ソレダ!! リアルにすっかり忘れてたwwwww
846(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/02/04(水) 19:57:19 ID:???
「結局、パリはどうなっとるんだ?」
「パリ市の24の新聞は現在の政権に反対しています」
「騒いでるのは、19区と20区。外国人と貧しい者だけです」
「……では、無差別爆撃と言う訳には行かんか」
「後が怖いですな」
マンネルヘイムの司令部は頭を抱えていた。
親ザフト軍はパリ市の市民を露骨に人質に使っていた。
聖職者が監獄に収容された、と言う話を聞いた時は、誰しも嫌な気分になった。
共産主義者が宗教を敵視する事は予想されていたが、それが現実となると衝撃は大きかった。
「……ヴァンドーム広場の円柱が、引き倒されたそうです。帝政を象徴するからと言う理由で」
マンネルヘイムは顔をしかめた。
「良き伝統も、宗教も、連中は批判し弾圧するのだろう。そんな奴らは一人残らずこの世から抹殺せねば」
マンネルヘイムは胸の前で十字を切った。
このままでは凱旋門さえも破壊されてしまうかもしれない。
誰もが民間人に被害の及ぶ、悲惨な市街戦を覚悟した。
だが……その心配は杞憂に終わる。
偵察のためにパリの下水道から潜入したスカンジナビア兵が見たのは、あちこちに倒れている死体だった。
そう、クーデター政権に参加した者すべて――もちろん第19、20区の愚かにもクーデターに同調した者達も含め
――が、女子供も、有象無象の区別無く、打ち倒され、血を流しゴミのように放り出されていた。
一体何者と戦ったのか、ぼろぼろに破壊されたモビルスーツがそこかしこで煙を上げている。
そして、親ザフト政権が立てこもっていたエリゼ宮では首班のエドワール・モローや共産主義者のリーダー、ヴァ
ルランが体中を銃剣に貫かれて亡くなっていた。
近くにいた住人に聞いて見ると、つい先日の夜中、大量のヘリコプターがやって来、クーデター政権が保持する区
画に次々と降下し、戦いの音が、絶え間ない悲鳴が続き、一夜にしてパリを支配していた賊徒は駆逐されたと言う
のである。
この知らせを聞き、スカンジナビア軍はパリに入城した。


その少し前――
「なにが、何が起こったんだ!」
セダンでの味方大敗の報を聞き、詰問に訪れたオルレアンの地区委員を出迎えたのは、昨日まで親しく会話を交
わしていた者達の屍の山だった。
「……くっ」
彼は踵を返した。
「何があったので?」
部下が呼びかけてくる。
「うるさい! ……いや、伝令を出せ。私はトゥールまで下がるとな。ルーアン、カーン、ナント、レンヌ、ル・マンの
各地区に頼む。」
「アミアンはいかが致します?」
アミアンは、ブリュッセルのあるベルギーに対抗するため比較的有力な部隊が張り付いていた。
「ああ、一応出しておいてくれ。それからザフトに救援要請を。強くだ。もし受け入れられない場合には、我ら、ザフト
の非道を世界に説いて地球連合に降伏してやる、とな!」


847(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/02/04(水) 19:58:01 ID:???
「何が、起こったんだ?」
奇しくも同じ台詞を、パリに入城したスカンジナビア軍もパリ市民に尋ねた。
「賊徒に監禁されていた聖職者達を連れてきました」
「おお、よくぞご無事で。賊徒はあなた方を殺害すると言う噂も流れておりましたでな、焦りました」
「ふふふ」
聖職者達はマンネルヘイムに微笑んだ。
「神の、ご加護があったのですよ」
「神の、ご加護?」
「そう。神のご加護です。あの夜、パリに天使が舞い降りたのです」
「十字軍が発動されたのですよ」
「聖戦です」
にこにこと微笑む聖職者達に、マンネルヘイムはさっぱり分からんと言うように首をひねった。


第9次十字軍は任務を終えて早くも帰還の途にあった。
「大司教様」
「普段どおり呼んでよいですよ、アナキン」
「はい。アンデルセン神父。スカンジナビアもプロテスタント――異教徒でしょう? なぜ、パリでは異教徒同士殺し
あうままにしておかなかったのですか? わざわざ十字軍まで出すなんて……」
「それは、パリの異教徒どもが無神論者のコミーどもと手を組んだからですよ。異教徒でも、心ある人々は神への
道に近い所にいます。神への畏れを抱いているのです。それは道こそ遠いものの正道へと通じるものです。です
が! コミーの糞ったれの赤どもは違います! 神への畏れなど毛頭無い! 現にパリの聖職者を収監して殺害
しようとしたじゃあありませんか! 彼らを救うためにも急がねばならなかったのです。エイメン!」


「あっという間にここまで追いやられるとはね」
「いや、まったく。弱いと言うか……」
「彼らの前でそれはだめよ? アーサー?」
「は、はい!」

ミネルバはトゥールでフランス残余の親ザフト軍と合流した。
「これで、全部、と言う訳かしら?」
「ええ、まぁ。フランス東南部の軍がありますが……彼らは地球連合派でして」
「とりあえず、まぁまぁの戦力と言ってもよさそうね。スカンジナビアと戦って、一当たり位はできそう」
ここには、アミアンの部隊も参集していた。だが、アミアンを放棄した代わり、フランス北部は完全に親地球連合派
の支配する所となっていた。
「しかし、ミネルバ一艦だけとは。これでは敗北しろと言うも同全ではないか」
ナントの地区委員が吐き捨てるように言う。
タリアはそれに不快を感じながら言った。
「我々は、負けに来たのではありません。私の策に従ってくれれば勝てます!」


848(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/02/04(水) 19:58:29 ID:???
「ふーん。スカンジナビア王国軍、ドイツを解放、旬日を待たずしてパリ開放かぁ」
シャムスが休憩室のテレビを見ながら呟いた。
「おお、なかなかやるのう」
原田が、効果こそ元となったγ-グリフェプタンに比べごくわずかになってしまったものの、副作用を完全に解消し
子供でも飲めるようになった栄養ドリンク『元気一発! グリフェプタン1000』をぐびっと飲む。
「なかなか、やるなじゃい。スカンジナビアも。ただ中立唱えて布団に潜り込んでいただけじゃないのね」
ミューディーも感心したように言う。
「おはよう諸君」
スウェンが休憩室に入ってきた。両手に何か持っている。
「お、出来たのか?」
「ああ、その他の衣服は別室でスタイリストが待っている」
スウェンは手にしていた物を広げた。Tシャツだ。アースグリーンの地にスカイブルーの地球が浮かんでいる。そこ
に『ブルーコスモス』と言うロゴが浮かぶ。
「ふーん、なかなかいいじゃない」
ミューディーは手に取った。そして服を脱ぎ出す。
「わ、馬鹿! ミューディ! ここで脱ぐな!」
「きゃはは、だーいじょうぶだって! どうせ見せブラだからぁ」
ミューディーはさっさと着替えてしまった。

「どう?」
Tシャツを着たミューディーはくるりと回った。
「ああ、似合っている」
「なかなかいいな」
ミラーと原田が言う。
「シラークザ近辺に着きました。皆さんご用意お願いしまーす!」
部屋の外から声がかかった。
「おおう、しかし、俺がスタイリストにかかるとは。恥ずかしいのう」
原田はあわてて部屋を出て行った。後の皆も続く。

「はーい、もっと笑ってー。ミューディーちゃん、いいよいいよー」
「こそばゆいなぁ、ミューディーちゃんなんて」
ミューディーは照れて顔を赤らめる。
「その照れた顔もグッド! いただき!」
「もう」
「ほら、ふくれっつらしてていいのい? いいの? 笑う顔が君の魅力だよ? そう! いい感じ!」
カメラマンの言葉に、ミューディーはどんどん魅力的になっていく。ちなみに、今日の化粧はおとなしめだ。
「シャムス! そろそろ混じれ」
シャムスの背が押される。
シャムスはミューディーと手を繋ぎ、カメラに向かってウインクしてみせる。
何枚かシャムスとミューディーの写真が撮られる。
すぐにスウェン達も混じり、最後はミューディーを真ん中にしたカットで終わった。
余談だが、カメラマンは男のイタリア人だけあって、ミューディー一人に注いだ時間の方がはるかに長かったのである。

849(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/02/04(水) 19:58:54 ID:???
「はーい、お疲れ様でしたー」
こうして世界遺産『シラクーザとパンターリカの断崖の墳墓群』での撮影は終わった。
「次は、『ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々』か」
「ああ、『アグリジェントの遺跡地域』までは車で行く予定だな」
「へっへっへー。どうだった?」
ミューディーがやってきた。
「ああ。見惚れた」
「ああ。見直したぞ」
「またまたー」
ミューディーはシャムスの背中をバシンと叩く。
「――っ! 本気で痛いよ! お前!」
ふっとスウェンが笑う。
「ミューディーの奴、照れてやがる」
「しかし、いいのか? こんなにのんびりして? まるで観光旅行だぜ。写真まで撮って」
「時間調整だそうだ。ジブラルタルはできるだけスカンジナビア軍と同時に攻めるとさ。映像は、宣伝で使われるそ
うだ。地球を守るファントムペイン! ってな感じで」
「そう言えば。今日回ったのシチリアの南岸だけだな」
ふとミラーが気づいたように言った。
スウェンは顔を曇らせた。
「北岸のティレニア海にはユニウス7の破片が落ちてな。壊滅状態だそうだ。世界遺産の『エオリア諸島』も……」
「そうか……」


850(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/02/04(水) 19:59:33 ID:???
「ふぁ〜あ」
エジプト・カイロにある武器屋の店長はあくびをした。事故なのか生まれつきなのか。片脚がない。義足だ。
ふいに、その右脚がない体が緊張する。
「だ、誰だ……いやぁ、あんたか」
店に入ってきたのは以前、武器を売った相手だった。
奇妙な相手だった。100発の弾丸が入った入れ物を80発まで試射し、20発の残りを持って行ったが、その腕前
と言ったらもう、1点に80発撃ち込み、まるで一発しか命中してないように見えた物だった。
「一体どうしたんで?」
店長は探るように問いかける。
「……お前が入れた不発弾、どこでどう言う役目を果たしたか……知りたくないか?」
「え!?」
店長はぎくりとした。
「い、いまなんとおっしゃいました?」
「100分の1の好奇心の結果を知りたくはないか……と言ってるんだ!」
「さ、さあ……旦那が、いったいなんの事をおっしゃってるのか、あっしにはさっぱり……」
「……」
男は無言で店長を見つめ続ける。
「……」
店長は、蛇に睨まれた蛙のようになった。
「聞きたくないんだな……」
ふ……と男は視線を外し、立ち去ろうとする。
「ま、まってください、旦那!」
店長は土下座した。
「だ、だんなっ も、申し訳ございません! つ、つい出来心で! やっちまったんでさ!」
男は立ち止まり振り向き、店長をじっと見つめる。
「い、一流と呼ばれるプロにちょいと小石を投げて見たくなったんでさ……そ、そう思ったら……つい、この手が……
100発の中に1発の不発弾を……」
「……」
「し、しかし旦那、どうしてあっしの事を……」
851(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/02/04(水) 19:59:56 ID:???
「不発弾が故意に入れられた可能性を当たっていった。最後に残ったのが、元プロで、まだ現役に興味のある……
おまえだ!」
「うっ!!」
「最初にお前の目を見た時に、それはわかっていた」
「そ、そうですかい。何もかもお見通しだったんですかい。その通りでさ……あっしも、元はプロの端くれに数えられ
ていた男なんでさ……この脚をちょいとしたミスでもぎとられるまではね! ……そ、それで……あの不発弾はどう
言うシーンに登場したのです!? お、教えてくださいっ 旦那!?」
「……おまえの期待していた以上のシーンに登場したよ……」
店長の目は歓喜に輝いた。
「えっへへへ執念でさ! これこそ執念でさ!」
「……」
男は無言で銃に消音器を付けた。
店長の顔が恐怖に染まる。
「お前も元プロだ……その結果が、どう言うシーンを作り出すかはわかっていたろうな……」
「も、もとプロと言っても、あっしはこの通り片脚の哀れな年寄りなんですよ……お、おねげえだ! かんべんして
おくんなさい! 命だけは助けておくんなさいよ、旦那!」
「……」
「だ、だんなのおっしゃることなら、なんでもします! 靴を舐めろとおっしゃるなら、よろこんで舐めます……」
店長はそう言うと、男の靴に口づけた。
「股をくぐれとおっしゃるなら、喜んでくぐります! だんな! こ、こんなあっしを……哀れなあっしを撃てるんです
かい……だんな……」
男は無言で狙いを付ける。
「だんな……」
――!
店長はよろよろと後ずさり、倒れる。胸には血のシミができていた。
「う、撃ちやしたね、だんな……こ、こんなあっしを撃ちやしたね……」
「……」
男は無言で店長を見下ろしている。
「へへへ……」
店長の頭が、ずるっと床に付く。
「だ、だんなはやっぱり……あ……あっしの見込んだ通り……超……一流のプロフェッショ……」
店長は息絶えた。男はそれを見届けると、何もなかったかのような堂々とした態度で店を後にした。


852(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/02/04(水) 20:00:22 ID:???
「つまり?」
「街道を、指示した場所に陣地構築して下さい。戦闘開始後は各自知略の限りを尽くして、敵が固まるようにしなが
らゆるりと後退して下さい」
タリアはユーラシア西部の親ザフト軍に説明した。
「それだけで、いいのか?」
「ええ。河を渡れば、橋も落としてくださって結構! 後はミネルバがやります!」


「セトナ!」
「お兄様!?」
セトナは信じ難い物を見た。
兄の、ジブリールが駆け寄ってくる。
セトナはふわりとジブリールの腕に包まれた。
「心配、したのだぞ。ドイツが親ザフト政権になった時は、お前と連絡が取れなくなってどうしようと思った……!」
「お兄様……うふ」
二人がひとしきり抱き合った所で声がかけられた。
「あのー、すんません」
「あ、ああ、何かな?」
名残惜しそうにジブリールはセトナから身を離す。
「俺、ジェス・リブルって言います! フォトジャーナリストです! セトナさんの取材をさせてもらっています!」
「ふふ。力が入っているな。楽にしてもらっていいぞ?」
ジブリールは微笑んだ。
足元で猫のブータとスキピオがじゃれあっている。
「ふふ。こいつらも久しぶりに会って嬉しいのだろう」
ジブリールはブータの背を撫でる。
「いやぁ。楽に、って言ってもらうと助かるわ。何しろロゴスの偉い人だって言うから緊張しちゃって」
「セトナが取材を許可したのだろう? セトナの人を見る目は信用している。だから君も信用できる人物なのだろう」
「あ、あの!」
ミリアリアが声をかけた。
「私もジャーナリストなんです! 取材させてもらっていいですか?」
「いいとも」
ジブリールはミリアリアに向かって鷹揚に微笑んだ。

853(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/02/04(水) 20:00:42 ID:???
「……つまり、今回、そして前回の戦役は、昔からある植民地の独立運動ではない。理事国が建設したプラント
(工場)を占拠したテロリストに対する、つまりテロとの戦い、と言った側面の方が強いでしょう」
「では、プラントとの和平はありえないと?」
ジブリールへのインタビューはもっぱらミリアリアが話し、ジェスは写真を撮る事に徹した。
「我々が望む物は、プラントで働くごく普通の労働者です。現在プラントに居住する者達は、自らその範疇から外れ
てしまった。ユニウス7は彼らに思い入れがある地だと言う事で、彼らの管理に委ねたが、結果はご存知の通りで
す。彼らは施設の管理能力の欠如も露呈してしまった。要するに地球の人々の彼らへの信頼は回復不可能なほ
どに失われてしまっているのです」
「では、このままどこまでも戦いを続けると?」
「いや、戦いの拡大は我らも望みません。彼らにプラントから退去してもらえるならばそれでよい。彼らにプラント
(工場)での労働者としての資格がなかった、と言うだけの話ですので。現在のプラント住民の地球への移住計画
も進めております。生活の面倒はプラントを離れてもきちんと見ますよ」
「地球上では、コーディネーターが不利益な扱いを受けるのでは?」
「そう、プラント住人、では無くコーディネイターとあなたも言います。ですが、それは間違いです。先の戦役では
一部の先鋭化した者達が、単に理事国とプラントを占拠したテロリストとの争いに過ぎなかった些細な事を、ナチュ
ラルとコーディネーターの争いにすり替えてしまいました。それが、戦争が拡大した原因です」
「現在は、違うと?」
「ええ。実際に調べてみてください。確かに新しいコーディネーターの作出は禁止されております。ですが、すでに
存在するコーデイネーターに関しては、地球軍、あるいはそれ以外の職場に、かなりの地位に地球を愛するコー
デイネーターがそれなりの数で存在し、その能力にふさわしい敬意を示されております」
「先日の、プラントのデュランダル議長の演説については何か?」
ジブリールはあふれてくる涙を抑えるかのように目頭を押さえた。
「……残念ながら、ギルバート・デュランダル氏、彼に扇動された者によって、犠牲者が出てしまいました。LVMH
グループの会長、サノレコヅ氏が先日、パリで暴徒によって殺害されたそうです。痛ましい事です。デュランダル
議長の論説への反論は、先日のセトナ・ウィンタース嬢の会見を見てもらった方がいいでしょう。あれは非常によく
まとまっています。ロゴスと名指しされたものを始めとする財閥は、現在行われているような戦争を望みません。
一刻も早い解決を望んでいるのです」
「では、ロード・ジブリールさん、長時間に渡り、ありがとうございました」

854(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/02/04(水) 20:00:52 ID:???
「ふぅ、疲れたぁ」
「お疲れさん!」
「では、私は次があるので失礼するよ」
ジブリールはスキピオを抱き上げる。
「気をつけてね、お兄様」
「ジブリールさん、ありがとうございました!」
ミリアリアも挨拶をする。
「ふ。良いジャーナリストになるのだな」
「あ、そう言えばジブリールさん。今更ですがイタリアへは何の用事で来られたのですか?」
「え……何の、用事……」
ジブリールは珍しく口ごもった。
「もしかして! セトナさんに会うためにわざわざ!?」
ミリアリアがわくわくした口調で尋ねる。
「あは。あはは。あはははは……」
照れ笑いながらジブリールはヘリに乗り込み去って行った。
「初めて会った時怖かったけど……普通の人ね」
「ああ。財閥のトップって言えばもっとエラソーにしてるかと思ったが」
「ふふ。私の自慢のお兄様よ!」
セトナは胸を張った。
855(仮)作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/02/04(水) 20:01:12 ID:???
続く。
856通常の名無しさんの3倍:2009/02/04(水) 20:35:24 ID:???
乙〜
神罰覿面「コミーというだけで十分だ、死ねぇ!」(AAry
世界の車窓から〜ファントムペイン編〜
時事放談、ゲストはロート・ジブリール氏でした
三本だて楽しませていただきました(ェ

ところであのゴ○ゴのパク……オマージュみたいな流れは一体どういった伏線なんだろうか……

チラシの裏
イタリア人自重しろw
857通常の名無しさんの3倍:2009/02/04(水) 21:01:38 ID:???
「シャアの慶次」の『GM13』を思い出して(ズギューンッ……ビシッ)
858通常の名無しさんの3倍:2009/02/04(水) 21:19:24 ID:???
ピンクを狙って撃った銃弾が不発弾だった理由がコレか
さすがピンク、運が太いな100発の中の1発の不発弾を引き寄せたか
でも理由がわかったから以前の依頼が有効になるのかな
859通常の名無しさんの3倍:2009/02/04(水) 21:31:28 ID:???


さすがはラクス、悪運の強さは異常。
某13氏への嫌がらせな不発弾すら招き入れるのか。
それともターミナルの既定事項か?
860通常の名無しさんの3倍:2009/02/04(水) 21:41:09 ID:???
全ては予定調和の内
某13氏へ一発の不発弾が送られる事も、それがラクスの狙撃時に使われる事も
最初から決まっていたのです
861通常の名無しさんの3倍:2009/02/05(木) 00:35:00 ID:???
ミリアリアが普通にジャーナリストしていてびっくり……。

こいつラクシズの手先じゃなかったんね。
862通常の名無しさんの3倍:2009/02/05(木) 00:40:51 ID:???
>>861
わからんぞ
ジブリールとかセトナがラクス様の邪魔になるかどうかの見定めをしてるのかもしれん
863通常の名無しさんの3倍:2009/02/05(木) 00:56:41 ID:???
スキピオ…
まさか、あのスキピオ・ヌマ・ブフリコラがシブに付いているということなのか!
864通常の名無しさんの3倍:2009/02/05(木) 01:07:06 ID:???
あるとしたら、キーワード型発動?

ミリミリア自身は、実際のジブリールやセトナをみているわけだが……さて、どうなるか
865通常の名無しさんの3倍:2009/02/05(木) 01:39:09 ID:???
>>864
アスランには教えていなかった連絡先を教えてるくらいだからな……
完全なラクス派か、何か仕組まれてる可能性が高いような
866通常の名無しさんの3倍:2009/02/05(木) 02:00:05 ID:???
議長を論破したのはいいとして、ヒロイン視されるのは一人で十分ということで
用がなくなったらキーワード発動でセトナの頚動脈カッ切って自分も死ぬとか
867通常の名無しさんの3倍:2009/02/05(木) 14:44:28 ID:???
>>866
スリーパーかよwww
868通常の名無しさんの3倍:2009/02/05(木) 18:56:57 ID:???
このSSのラクスは'ともだち、以上の危険人物だな。
869通常の名無しさんの3倍:2009/02/05(木) 21:38:32 ID:???
>>866
人間爆弾だな。
870通常の名無しさんの3倍:2009/02/05(木) 21:52:32 ID:???
>>869
静かなる中条の方を連想した俺って・・・
871通常の名無しさんの3倍:2009/02/05(木) 22:51:33 ID:???
>>870
ザンモットの方を連想してやれよ
872通常の名無しさんの3倍:2009/02/05(木) 22:52:35 ID:???
>>871
うわっ、ざんもっとになっとるw
873SEED DESTINY “M” PHASE-03 01/10 ◆NXh03Plp3g :2009/02/06(金) 00:19:25 ID:???
 カオス、アビスの射撃やら、ガイアやゲイツDとの格闘戦の流れ弾やらで、無残な姿に
なった工廠地区を、アレックスの操縦するゲイツFが歩いていく。
 アレックスはちらりと視線を脇へやって、視界に入ったカガリの姿に、ギョッとした。
「大丈夫か、カガリ」
「ああ……たいしたことはない」
 カガリはそう言った。
 額が綺麗に割れて、一見出血が酷いように見えたが、深手といえる傷はなかった。
「くそっ、これと言うのもZAFTがあんな新兵器を作るから……」
 カガリは、憎々しそうに歯を食いしばり、そう言った。
 だが、アレックスにとって、それは心穏やかではない発言だった。
「あのパイロットの判断は正しかった。割って入ってきてくれなければ、射撃でもっと深
手を負わされていた」
 少女パイロットを庇うように、アレックスはメインディスプレィから視線を離さずにそ
う言った。
「それは解っている。私にだって……」
 ────ん?
 アレックスは、カガリをわき目にちらりと見て、怪訝に思った。
 ────カガリは、パイロットの姿を見なかったのか?
 そう思いつつも、アレックスはゲイツFを進める。
 司令部施設か整備用ハンガーのある場所に向かい、カガリの手当てを頼もうとしている
のだが、工廠地区は大混乱で、とてもそれどころの状況ではない。
『工廠施設は整備能力を喪失している! 稼動するMSはミネルバへ向かえ!』
 ミネルバ。
 デュランダル政権下のZAFT軍が建造し、翌日に就役式を向かえるはずだった最新鋭大形
戦闘艦。
 ZAFTの軍拡に、端的に言うならイチャモンを付けに来たカガリにとっては、あまり快く
ない存在だろうが、仕方がない。
 アレックスは、ミネルバが就役式を向かえる予定だったドックの方へ、ゲイツFを向け
させた。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY “M”
 PHASE-03
874SEED DESTINY “M” PHASE-03 02/10 ◆NXh03Plp3g :2009/02/06(金) 00:19:48 ID:???

 コロニーの底面で構築される地表から距離をとり、人工重力の影響が低くなったところ
で、アビスはコロニーの壁面、その1点と向かい合う。
 ドガァアンッ
 アビスのフルバーストが、コロニーの壁面に向かって打ち込まれた。
 しかし、それは中の環境を守る為の強靭な構造材だ。軍事的な装甲を考慮したものでは
ないとは言え、MSの射撃ただ1度で穴が開くような代物ではない。
 だが、アビスは2度、3度と、一点に狙いを絞って何度も射撃を浴びせる。
 壁面はその熱量で赤熱し始めた。
『やめなさいよぉっ!!』
 追ってきたガイアが、アビスに向かって突進する。
「くっ、アウル、急げ!」
 良いつつも、カオスに乗るスティングは、ガイアの行く手を遮ろうと躍り出る。
 だが、そのカオスには、紅いゲイツDのドロップキックが突き刺さった。
『アンタの相手は、あたしよっ』
 適当な間合いが開いたところで、ルナマリアはパルチザンを構えさせる。
 ガァンッ
 ガイアのシールドタックルが、アビスを突き飛ばした。
「ちくしょー、いい加減にしやがれ!」
 頭に血が上ったような台詞を発しつつ、アウルはアビスにビームジャベリンを構えさせ
る。
「まて、アウル、俺が抑える。お前は早く穴を開けてやれ。でないとネオに叱られるぞ」
「ちっ」
 スティングの言葉に、アウルは忌々しそうに舌打ちをする。
 ガイアのコクピットに、後方からのロックオンアラートが響く。
「えっ!?」
 後方から、カオスのドラグーン・ビームポッドの射撃が、ガイアを掠める。
 そのカオス本体は、ルナマリアのゲイツDと絡み合っての格闘戦の最中だった。若干、
ルナマリアが押してはいるが……
「テロリストが、どうしてここまでのことを!」
 マユはバーニアを吹かし、高速で一度ビームポッドを振り切ってから、瞬時に4脚形態
に切り替えると、コロニーの壁面を蹴る。グリフォン・ビームブレイドを展開し、逆に、
ビームポッドめがけて一気に迫る。
 ビームポッドは散開し、ガイアのビームブレイドから逃れる。しかしマユはそのままの
勢いで、ルナマリアともつれ合っているカオス本体に迫る。
「このぉっ!!」
 2脚形態に戻しつつ、両手を組んだ状態で振り上げ、カオスの頭部めがけて振り下ろし
た。
875SEED DESTINY “M” PHASE-03 03/10 ◆NXh03Plp3g :2009/02/06(金) 00:20:42 ID:???
 ガィンッ!!
「ぐぉっ!?」
 スティングは、突然相対的上方から受けた激しい衝撃に、呻き声をもらした。カオスの
メインカメラの画像が乱れる。
 ガイアは紅いゲイツDとほぼ同高度に並び、カオスはそこからMS2機分ほど高度を落とし
た。
 だが…………
 ミシッ、グワァァァァン……
 ゴワァアァァァァ……
 その間も、アビスによって撃ち込まれたフルバーストにより、ついにコロニー外壁の一
点が崩れ、直径20mばかりの穴が穿たれた。
 外へ向かって空気が流れ出していく。
「しまった!」
 マユはその穴を見上げ、険しい表情で声を上げる。
 コロニー全体からすれば、軟式飛行船サイズの紙風船に針で穴を開けたような程度で、
直ちに中の環境がどうなるというほどのものではない。
 だが、その至近にいるものは別だ。漏れ出す空気は、外へ向かっての強烈な吸引力にな
り、周囲の物体を手当たり次第に吸い出そうとする。MSの推力程度では、これに抗うこと
は出来ない。
 猛烈な気流の中、カオスは2機の間を縫って、アビスと共に破口から外へ飛び出した。
「きゃあぁぁぁ!!」
 少し遅れて、ルナマリアの悲鳴と共に、ガイアと紅いゲイツDも、破口から外へと吸い
出されてしまった。
876SEED DESTINY “M” PHASE-03 04/10 ◆NXh03Plp3g :2009/02/06(金) 00:21:09 ID:???

「あーっ!? あいつら、勝手に!!」
 ガイアとゲイツDの識別シグナルが、アーモリー1の外に飛び出していったのを見て、ミ
ネルバのブリッジでは、アーサーがそう叫んだ。
 2人が独断専行で深追いしたと考えたのだ。
「ガイアのデュートリオン電送システム、リンク断。稼働時間残り300です」
 オペレーター席のメイリンが、そう声を上げる。
「ミネルバ、発進シークェンス開始します!」
 タリアが、毅然とした言葉でそう言った。
「し、しかし艦長」
 アーサーはタリアを振り返り、困惑気に言う。
「2人を見捨てるわけにも、強奪犯を逃がすわけにも行かないわ」
 タリアはアーサーにそう言ってから、艦長席を回して振り返り、
「議長は退艦を」
 と、指揮官席に座るデュランダルに向かって、そう言った。
「タリア、とても報告を待っていられる状況ではないよ」
 デュランダルは、険しい表情でそう言った。
「私も行く。リスクは承知している」
 デュランダルは強い意志を感じさせる表情と口調で、そう言った。
「ドックのコントロールシステムオンライン、ミネルバ、発進シークェンスを開始します!」
 メイリンが宣言する。
 ドック内に警告灯が点灯し、作業員が退避し始めた。
 一方。
「これで最後だ! ハッチ閉じるぞ!!」
 自身の発進シークェンスに移り、それまで解放されていたミネルバの着艦デッキのハッ
チが閉ざされる。
 最後に、1機のゲイツFが滑り込むように、そこに降り立った。
「あの機体は!?」
 緑の制服を着た、スレンダーな体つき、東洋人系の肉体的特長に、金色のメッシュの入
った栗毛をショートにした少女が、そのゲイツFを指差して、周囲の整備員達に聞こえる
ように声を上げた。
「!!」
 緑服の女性パイロット、ミレッタ・ラバッツは、そのゲイツFから出てきたのが、私服
姿の人間と見るや、腰元のホルスターからオートマチックの拳銃を抜く。コクピットから
床に降り立った男女の2人連れに、銃口を向ける。
 同時に、整備員の何人かがアサルトライフルを構えて、ミレッタに続くように、2人を
取り囲んだ。
877SEED DESTINY “M” PHASE-03 05/10 ◆NXh03Plp3g :2009/02/06(金) 00:21:34 ID:???
「抵抗しないで。指示に従えば命の安全は保障します」
 ミレッタは片手で銃を構えたまま、そう言った。
 そもそもこの事件は、テロリストが新型MSを強奪して起したものだという。正規のZAFT
の制服を着ていない人間は、そのテロリストの仲間の可能性もある。
「待て!」
 男の方は、手でミレッタを制するように声を上げた。
「抵抗の意志はない。こちらは、オーブ連合首長国代表、カガリ・ユラ・アスハ」
 アレックスは、寄り添っていたカガリを手で差し、そう紹介してから、
「自分は、随員のアレックス・ディノだ。デュランダル議長との会談の為訪れていたが、
この戦闘に巻き込まれ、避難の為に1機拝借させていただいた」
 と、自らも名乗り、事情を説明した。
「オーブの……代表?」
 ミレッタは怪訝そうに眉間に皺を寄せ、困惑気に言った後、軽くため息をついてから、
銃をおろした。そして、手で他のライフルを構えた整備員にも、それを指示する。
「自分は本艦所属のMSパイロット、ミレッタ・ラバッツです。艦内ではZAFTの指示に
従っていただきます。よろしいですね?」
 険しい表情で、改めてアレックスとカガリの2人を見ると、ミレッタは毅然とした口調
でそう言った。
「ああ、だが、ご覧の通りアスハ代表は負傷しておられる。治療をお願いしたいのだが」
 アレックスは、幾分口調を穏やかにして、頼み込む。
「解りました。ただしその前に、武器を預からせてもらいます。いいですね」
 ミレッタはそういい、銃口は下ろしつつも銃に手をかけたまま、アレックスに近づいた。
「解った」
 アレックスは言い、携行していた拳銃をミレッタに手渡した。
「それでは、医務室にご案内いたします。こちらへ」
878SEED DESTINY “M” PHASE-03 06/10 ◆NXh03Plp3g :2009/02/06(金) 00:21:56 ID:???

 ────私は、何故ここにいるのか……
 MSのコクピットの中で、自問自答する。
 MSの操作法は解っている。このGAT-04X ウィンダムは、自らの手足の様に動かすことが
出来た。
 だが、それが馴染んでいる様に感じられない。というより、MSパイロットである自分に
馴染むことが出来ない。
「私は、……どうして」
 呟きかけた瞬間、予定されていた識別信号を持つMSが2機、アーモリー1の外壁に内側か
ら開けられた穴から、飛び出してきた。
 ────それは、後だ!
 意識を切り替える。少し離れた場所に取り付いていた、ガンバレルストライカーを背負
ったウィンダムを、その2機に向けて発進させる。
 少し遅れて、2機のMSが、最初の2機、カオス、アビスを追いかけるようにして飛び出し
てきた。
 1機はZAFTの新主力MS、ゲイツD。紅いパーソナルカラーで塗られている。
 しかし、もう1機は……
「ガイア、だと!?」
 “彼女”、ネオ・ロアノークは、その光景に軽く驚いた。
 ほぼ同時に、ウィンダムにカオスからの通信が入る。通信用ディスプレィに、スティン
グの顔が映った。
『ネオ、すみません』
「ステラは失敗したのか」
 ネオは仮面をつけた顔で、淡々と問いかける。
『はい……』
 哀しげな表情で、スティングはそう言った。
「ならば……仇ぐらいは、とってやらんとな!」
 ネオはそう言うと、ウィンダムの背後のガンバレルを切り離した。
「MS隊、紅い奴を引き離せ。新型は、私がやる!」
 ガイアのコクピットに、複数のロックオンアラートが鳴り響く。
「え、ええっ!?」
 同時にロックオンされた、だがその相手の姿が見えない。いや、見えた。
「ドラグーン!?」
 困惑したマユは言う。踊らされるガイア。
 だが、それすらもまだ、本気で狙ってはいなかった。
「その機体、悪いが我々が頂いていく!」
 ネオは言い、ガンバレルに牽制させながら、ウィンダムでガイアに接近する。
 だが、その時。
879SEED DESTINY “M” PHASE-03 07/10 ◆NXh03Plp3g :2009/02/06(金) 00:22:22 ID:???
 パ・パ・パ・パ・パ・パ・!!
 飛び交うガンバレルを、的確に狙って、ビームライフルの光芒が奔った。
 命中こそしなかったものの、ガンバレルは動きを止められ、一旦母機に集束する。
『待たせたな、マユ』
 ガイアの通信ディスプレィに、金髪の美形パイロットが映し出された。
「レイお兄ちゃん!」
 マユの表情が明るくなる。
 ガイアの傍らに、灰白色のゲイツDが立っていた。
 一方、ルナマリアは────
「こいつら……この機体!?」
 カオスとアビスを追っていたが、別のMSの反応があったかと思うと、ルナマリアのゲイ
ツDに襲い掛かってきた。
 それは、低反射剤塗料で黒く塗られているものの、格闘戦に持ち込めば、そのシルエッ
トを確認することが出来た。
 識別表のデータを信じるなら、それはGAT-02L2 ダガーL。すなわち、
「それじゃこいつら、まさか、連合なの!?」
 ルナマリアはパルチザンとシールドでダガーLをいなしながら、怒鳴るように呟いた。
「母艦がいるの?」
 メインカメラ越しに前方を見て、マユは呟いた。アビスとカオスが離れていく。
『マユ、行け!』
 射撃でけん制しながら、レイがそう声をかけてくる。
「うんっ」
 アビスとカオスを追って、スラスターを吹かす。
 だが、そのガイアの行く手に、連合の新型機──ウィンダムが立ちふさがるように割り
込んできた。
「おっと、そうはさせんっ」
 ガンバレルを切り離し、ガイアを狙う。
 ────全包囲攻撃、でも、その唯一の死角は……
「そこだぁぁぁっ」
 マユはガンバレルがその射点を占めるより早く、ガイアをウィンダムめがけて突進させ
ていた。
「マユ、思い切りすぎだ!」
 レイは軽く驚き、怒鳴り気味に言った。
 懐に飛び込めばガンバレルの射撃は来ない。だが急機動の直後でガイアにも攻撃手段が
ない。レイはそう考えた。
 だが、ガイアは胴を捻らせ、グリフォン・ビームブレイドを展開。ウィンダムの胴に向
かって押し付ける。
「くっ!?」
880SEED DESTINY “M” PHASE-03 08/10 ◆NXh03Plp3g :2009/02/06(金) 00:22:49 ID:???
 バチバチバチバチッ!!
 間一髪、ガイアの一撃はウィンダムのビームコーティングシールドに遮られる。
「!?」
 ビームブレイドでの攻撃を凌がれたマユが、間髪いれずビームサーベルを抜こうとした
時、ウィンダムは腰元に装備されているスティレット・ロケットハンドグレネードを投げ
つけてきた。
 反射的にガイアにシールドを構えさせる。
 ドドドドンッ
「きゃっ」
 シールドを貫通することこそなかったものの、表面に突き刺さった状態で炸裂し、大き
くガイアを揺さぶった。
 ガンバレルの有効射程に収める為、ガイアの動きが止まった隙に、ネオはウィンダムを
ガイアから離し、間合いを取る。だが、その次の瞬間。
「!?」
 自らの後方で、閃光が走った。
881SEED DESTINY “M” PHASE-03 09/10 ◆NXh03Plp3g :2009/02/06(金) 00:24:31 ID:???

「ネットワークリンク確認、全システム異常なし。気密正常、各推進器正常」
 ブリッジに、オペレーターのメイリンの声が響く。
 アーモリー1のドックから宇宙空間へと出た『ミネルバ』は、ガイアとルナマリア機、
レイ機のシグナルを感知すると、その宙域へと急行する。
「前方、3機が複数の不明MSと戦闘中……その先、フネがいます、大形艦!」
 メイリンと背中合わせに座る男性オペレーターが、叫ぶように告げる。
「それが母艦ってわけね……」
 歯噛みしたようにタリアは呟いてから、矢継ぎ早に指示を出す。
「主砲戦用意、トリスタン、イゾルデ起動! ライトハンド装填!」
「ブリッジ閉鎖します」
 メイリンがそう告げる。ブリッジのガラス面が装甲で遮蔽された。
「アーサー、何やってるの!?」
「え、あ!?」
 前方の戦闘の様子に目を奪われ、ボーっと立ち尽くしていたアーサーに、タリアの檄が
飛ぶ。アーサーは慌てて、本来の席に着いた。
「照準、不明の大形艦! よーく狙って!」
「タリア、彼らを援護する方が重要じゃないのか?」
 タリアの指示に、背後で座っていたデュランダルが、ふと気付いて問いかける。
「そうですよ、だから、母艦を撃つんです」
 タリアはデュランダルを振り返り、そう言った。
「照準よーし!」
「ライトハンド全弾発射! 主砲撃ち方始めーッ」
882SEED DESTINY “M” PHASE-03 10/10 ◆NXh03Plp3g :2009/02/06(金) 00:24:54 ID:???

 プラズマ主砲が回避運動をとる“母艦”を掠める。ミサイルが次々に迫り、CIWSで何と
かそれを撃退していく。
「くっ、ここまでか!」
 ネオは忌々しげに呟くと、一気にガイアを引き離す。
「! 待て!!」
 ウィンダムの攻撃を想定していたマユは、逆に退いていく相手に、一瞬呆気に取られた。
 慌てて追おうとするが、
 ポーン・ポーン・ポーン!
 と、ミネルバから3色の発光信号が打ち上げられた。
「帰還信号……」
 それを見て、マユは一気に緊張が緩んだ。
「はふぅ……」
 脱力するように息を抜いて、シートに全身を預ける。
「あーもう、しつっこい!!」
 紅いゲイツDに、なおも絡み付いてくるダガーLを、ルナマリアは蹴飛ばすと、適当な間
合いが出来た瞬間に、その腰部に対装甲パルチザンを突き刺した。
 ダガーLの動きが止まると、相対的にミネルバに近い、ガイアの方に向かって近づく。
『マユちゃん、大丈夫?』
 ルナマリアが、ガイアに対して呼びかけた。通信用ディスプレィに、心配そうな顔が映
る。
「え、あ、えっと」
 マユは、そのルナマリアの問いかけがきっかけで、失念しかけていたそれを思い出した。
「う、うん、大丈夫、ありがとう」
 苦笑交じりの、若干引きつった顔で、ルナマリアにそう答えてから、つつ、と視線をわ
きに逸らした。
「私は……ね」
 小声で呟く。
『マユ、ルナマリア。ミネルバに帰還するぞ』
 通信にレイが割り込んできて、そう言った。
「う、うん」
 マユは、多少焦って返事をしつつ、ガイアをミネルバに向かわせた。
883SEED DESTINY “M” PHASE-03 11/10 ◆NXh03Plp3g :2009/02/06(金) 00:25:33 ID:???
>>873-882
今回は以上です。
884通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 00:30:26 ID:???
おつー

ま た 女 体 化 か ?
885通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 07:16:24 ID:???
女体化というより中の人が違うんじゃね。

しかしね、エグザスじゃなくてウィンダムなのになんでガンバレルをつける必要があるんだよ。
女フラガは勘弁してくれよ。
886通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 08:00:12 ID:???
別に姉御なフラガでもいいと思うな。
男キャラとくっつかなければ、だけど。
887通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 09:17:15 ID:???
フラガが種時点で死亡して、別のオリキャラがネオと名乗ってるんだと思ってたんだが…
888通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 09:24:32 ID:???
オリキャラかな? モノローグからすると種の死亡キャラっぽくない?
889通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 09:46:57 ID:???
>>888
パイロットの自分に違和感を感じる種のキャラ……?
まさかナタルか?
890通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 10:17:19 ID:???
>>889
ナタルねえ
つか、種の死亡キャラで女性とするとナタルかフレイにしかならん
あとはオーブ三人娘ぐらいだし
891通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 10:54:33 ID:???
>>885
ガンバレルストライカー…
892通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 11:00:52 ID:???
頑張れる、ストライカー?
893通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 12:14:01 ID:???
此処でまさかのフレイ
894通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 12:30:15 ID:???
>>893
実はエル
895通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 12:42:25 ID:???
ZZ?
896通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 12:44:54 ID:???
もし種・種死・00世界がフロントミッションだったら
897通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 12:45:36 ID:???
いや、シャトルで死んだ幼女の方だろ。
898通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 12:49:44 ID:???
『エル』ピー・プルとか?
899通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 14:09:22 ID:???
私がLです
900通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 15:09:32 ID:???
お誕生日プレゼントは絵本が良いと思うわ!
901通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 16:03:27 ID:???
>>896
終盤で男性主人公が仲間の男に告白されるんですね、わかります
902通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 16:36:49 ID:???
>>900
残念だったねえ・・・
903通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 17:01:33 ID:???
少なくとも種世界ではS型デバイスなんかはブルーコスモス開発のMSに標準装備されるだろうな。
俺は文才無くて無理だからだれか書いてくれないかな。
904通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 19:23:25 ID:???
ルカーヴとドリスコルがCE世界で大暴れするのなら一話だけ書いたな

もちろんルカーヴの機体は奇兵0型に似たアレ
905通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 19:28:06 ID:???
>>896
生身で大気圏突入ですね。分かります。
906通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 19:43:43 ID:???
>>905
江田島平八乙
907通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 22:14:42 ID:???
もしカガリの中身がパタリロだったら
908通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 23:11:23 ID:???
もしキラ・アスラン・シンがザクに乗って本気でケンカしたら
909通常の名無しさんの3倍:2009/02/07(土) 00:37:45 ID:???
喧嘩くらい生身でやりなさい
910SEED 戦後30年目の愛:2009/02/07(土) 00:39:35 ID:???
夕暮れのカルカッタ駅。

「なんなんだよこれは」

「まあ黙ってみろ」

「お前への俺たちからのプレゼントだ」

目の前の貨物列車のコンテナが開く

「なんだ、このMAは、イザーク」

「お前のものだ。名前はスクリーム」

「この機体はお前が所有した、イージス、ジャスティス、セイバーの最良の部分を合わせた複合機だ」
彼は説明しなかったがそれとはリフター分離機能、航空機形態。
高機動バルカン砲、ドラグーン・マニュピレーター。連結式ビームサーベル
ザク装備互換システム対応、対艦ロケットミサイル、速射砲、対MS無反動砲といった火器も充実。
「おい何をぼさっとしてる。さっさと列車に乗れ」
この列車はただの列車ではなかった。
通称《バトルメガトレイン》、正式名称はフィデリオ ZXBMTー02。
MS及MA最大80機輸送可能、全長は600メートル、50両編成。ミラージュコロイド標準装備、PS装甲。
300mm対空機関砲5門、250mm速射砲3門、ミサイルポッド12門。

「どこまで連れて行く気だ?」

「ビルマにあるザフト大使館までだ。そこからはオセアニアまでの直通便がある」
……

……
911SEED 戦後30年目の愛:2009/02/07(土) 00:41:34 ID:???
……

……
東京、渋谷。
主権回復後、日本は軍備増強と防諜システムの再構築に力を入れた。
その一環として主要都市は元より、都内各所に軍官学校、防諜機関関連学校を数々と建てた。
渋谷にある海軍大学校もその一つである。
海軍大学校の講堂から出てくるふたりの男。
若い男は白の軍帽に白の軍服、壮年の男はセーターにスラックス、銀縁に色付きレンズのメガネ。いかにも教授という感じだ
「アージル先生、この本ありがとうございました」
そういって軍服の男は本を返す。
「中尉、エドマンド・バークはどうだったかい?」
「非常に興味深かったです。ところで先生は以前、地球連合軍に参加されたということですが」
少し間をおいて
「……ヤキン・ドゥーエ戦役の頃だけだがね」
「すると少年志願兵でしたか。私の母も連合軍でたしかアーク……」
眼鏡の男は驚き、こう答えた。
「え、今何ていった。……アーク・エンジェル?」
「たしかそうだったような?ドミニオンという船だったかもしれません」
「階級は」
「最終階級は少尉だったような……」
「少佐の間違いでは?」
912SEED 戦後30年目の愛:2009/02/07(土) 00:44:53 ID:???
「いえ……。母を御存じなのですか」
「もしかしたらかもしれないな。中尉良く聞いてきてくれないか。
確か大西洋連邦のご出身だったそうだな、御母上の」
「そうです。如何されましたか?」
「んん、済まなかったね。立ち入った話を聞いて……」
彼は実は私もと言いかかったがやめてしまった。
中尉はそれを待たずに
「いえいえ私こそ。あと、中尉なんて呼ばずに昔みたいに響君で結構ですよ。先生」
「ああ」
「先生も母のことが気になるんですか」
「ほえ?見たことないヒト(他人の母親)のことを、まさか……」
「ははは。私、母と歩いていて何度かカップルと間違われたんですよ」
「お若いの?」
「そんなことないですが……」
略帽の水兵が駆け寄ってくる。
「中尉、艦長がお呼びです。はやく艦に」
「では先生、これで」

(まさか、副長……?でもあの艦はローエングリーンで……人違いか?)
……
……
913SEED 戦後30年目の愛:2009/02/07(土) 00:46:47 ID:???
……
……
暗い室内、拡大モニターが円卓を囲むように設置してある
「皆さん、《花火》はどうでしたか」
盲人と思しき男が立ち上がってそう答えた。
「ええ楽しませていただきました」
と一人が返した。
「そうでしょう、そうでしょう。
ははは、私らしくないですね
ついはしゃいでしまいましたよ。
あの火星人共の最後の断末魔のハーモニーは今でも憶えていますよ」
彼の目が見えなかったのが幸いだった。
周りの人物たちは顔を青くしながら引いていた。
「次は地球の掃除でもしますか。
まず極東あたりを掃除したいものですねぇ。
私を追放した大西洋連邦でも……
そうだ、パトリック・ザラの息子を呼びなさい。
面白いショーが見れますよ」
914SEED 戦後30年目の愛:2009/02/07(土) 00:49:14 ID:???
男達は立ち上がり、盲人に一礼をした。
「わかりました。導師様」

「早速、ロウ達に《仕掛》をさせなさい」
「はは!」「了解しました」

男たちはそういうと部屋を出て行った
「ラクス・クライン、キラ・ヤマト。貴方方は許しませんよ。絶対に」
一人残った男が、ふと尋ねた。
「導師様、私は・・・・・・」
「貴方はオーブの獅子の小娘を始末しなさい」
「了解しました」
彼は返事した瞬間、導師の開かない目が開いたような気がした。

外は季節外れの嵐だった……
915SEED 戦後30年目の愛:2009/02/07(土) 00:53:29 ID:???
…………
「旧型機で、どこまで在満ザフトと戦えるかだな」
「まてまてヤッコさん、新型MSもいれて5万台。こっちは可変型リニアガン450台と105ダガー230機」
「歴史上、少数精鋭で多数に勝った戦いはある。が、最初が肝心だな」
略帽を逆さまに被った男が一言
「いざと言う時は日本と大西洋連邦に助けを求めれば良いさ」


リーダー格らしき男が、
「俺たちが豆満江の向こうに出なきゃ良いだけじゃないのか?
いつまでも日本に頼っていては駄目だ。我々は我々式のやり方でいこう
変に戦うよりは、全滅は避けられる」
緑の軍服の男が立ち上がり
「所詮烏合の衆。屑拾いの連中が何人集まって軍閥作ったところで何になるのさ!」
リーダーが
「金間溟大尉、焦るな。時間を稼ごう
日本が、極東方面軍がどう動くかだ……」
916SEED 戦後30年目の愛:2009/02/07(土) 00:55:51 ID:???
続く。

917通常の名無しさんの3倍:2009/02/07(土) 01:03:21 ID:???
おつー

教授のキャラがよくわからん
ほえ?とか
918通常の名無しさんの3倍:2009/02/07(土) 07:19:03 ID:???
サイか?
919通常の名無しさんの3倍:2009/02/07(土) 11:14:51 ID:???
黒幕がピンクと敵対というのは他に類を見ないな。
しかし、序盤であることを差し引いてもどうにも分かりづらいような。
920通常の名無しさんの3倍:2009/02/07(土) 15:26:47 ID:???
映像がないからねー。
921通常の名無しさんの3倍:2009/02/07(土) 16:23:30 ID:???
マルキオとピンクが敵対関係にあるとは。。。
それ以前に火星で何をやらかしたんだ。断末魔とは。

東アジア共和国は崩壊しているようだが、なぜザフトが。
922通常の名無しさんの3倍:2009/02/07(土) 16:48:33 ID:???
>お前が所有した、イージス、ジャスティス、セイバー
明日欄じゃなくてイザがそういう役回りだったのか?
それとも所有していた・・・つまり個人的なコレクションのことか?
疑問のSEED尽きまじ。

背中に背負ったファトウムを分離して巡航形態に変形した後再合体するMSの姿を幻視したw
923通常の名無しさんの3倍:2009/02/07(土) 18:42:21 ID:???
描写の足りない脳内設定を垂れ流しているって理解してないよね
ラジオ番組だってもうちょいマトモに場面が理解出来るぜ?
924通常の名無しさんの3倍:2009/02/07(土) 20:42:15 ID:???
まぁ世の中には120_滑腔砲?だかなんだか1台でイージス3個小隊を壊滅させるような
最低SS書きがいるからな、たしか
925通常の名無しさんの3倍:2009/02/07(土) 20:52:05 ID:???
もし種シリーズの主人公が銀さんだったら
926通常の名無しさんの3倍:2009/02/07(土) 20:55:08 ID:???
それなら種のキャラ全部銀魂でまかなったらの方が手っ取り早い
927通常の名無しさんの3倍:2009/02/07(土) 21:02:29 ID:???
もしキラが乗り込んだのがストライクでなく●欲特●ゼ●リン●ーだったら
928通常の名無しさんの3倍:2009/02/07(土) 22:18:21 ID:???
>>924
どんだけだよw
すげー速射砲だなw
929通常の名無しさんの3倍:2009/02/07(土) 22:49:33 ID:???
ミリオタの大学生五人が戦国時代で某大名家を乗っ取り
前代並みに技術力や武器を引き上げてガソリンエンジンや自動小銃作ったり
挙句の果てに世界征服して天皇家をぶっ潰すとかいう火葬戦記もあってな
930通常の名無しさんの3倍:2009/02/07(土) 22:56:52 ID:???
昔、訓練を受けてない少年達がエアガン、ボウガンで中共軍と戦って追い払うSSもあったなあ。
今は残ってるか知らないが。
931通常の名無しさんの3倍:2009/02/07(土) 23:02:33 ID:???
世の中って、広いな……
932通常の名無しさんの3倍:2009/02/07(土) 23:18:09 ID:???
魔術書を手に入れたが高校生がフォーセリア世界でオーラバトラーを作ったSSもある。
933通常の名無しさんの3倍:2009/02/07(土) 23:56:30 ID:???
世の中にはマシンガンを食らってもちょっだけ痛いで済んで750貫(約2.8t)に押し潰されても地面にめり込むだけの主人公や愛が暴走して地球を破壊したヒロインがいる漫画があるから
自分は大好きですこの漫画
934通常の名無しさんの3倍:2009/02/08(日) 00:11:50 ID:???
まぁ穴座シードほど酷いのはそうそうない
935通常の名無しさんの3倍:2009/02/08(日) 00:23:48 ID:???
120ミリ滑腔砲でイージス三個小隊も、人口2000万で全世界相手の戦争も
同じぐらい滅茶苦茶だと思っちまった俺。
936通常の名無しさんの3倍:2009/02/08(日) 00:35:51 ID:???
いんだよ細けぇ事は
937通常の名無しさんの3倍:2009/02/08(日) 00:49:33 ID:???
多少無茶な設定でも重要なのはいかに話を面白く魅せるかによると思うんだ。
938通常の名無しさんの3倍:2009/02/08(日) 01:00:58 ID:???
最大の問題はそれに噛み付く奴がいるって事さ
それを華麗にスルーするのも職人に求められるスキルだ
939通常の名無しさんの3倍:2009/02/08(日) 08:48:13 ID:???
>>936
どれかの作者様ですか?
940通常の名無しさんの3倍:2009/02/08(日) 09:05:43 ID:???
金間溟
こうゆう厨房ネーム嫌いじゃないですけどぉなんて読むんですか?
あとぉ作者さんの自己投影分身乙ですかぁ
941通常の名無しさんの3倍:2009/02/08(日) 11:14:16 ID:???
一瞬、逆転裁判の法廷に鞭を持ち込む素晴らしいお方が出て来たw
942通常の名無しさんの3倍:2009/02/08(日) 11:38:22 ID:???
>933
作者がスイカのあれですね、わかります。
943通常の名無しさんの3倍:2009/02/08(日) 13:04:59 ID:???
>>935
いや…2000万人がプレデターで、全世界がやわらか戦車並の戦闘力なら可能だろうと思う。
944通常の名無しさんの3倍:2009/02/08(日) 14:17:32 ID:???
スコッパー御用達の最低SS作者が降臨しとるwwwww
945通常の名無しさんの3倍:2009/02/08(日) 16:10:11 ID:???
>>935は、後頭部からM16ライフル連射食らって死んだはずが数年後に
平気な顔で現役復帰し、その後墜落してきたジャンボジェットを素手で
支えきったナチュラルの元刑事の名言だ。
つかこの人がCEに来たら…てスレ違いだが。
946SEED DESTINY “M” PHASE-04 1/9 ◆NXh03Plp3g :2009/02/08(日) 18:45:46 ID:???
 地球連合軍・大形MS搭載戦闘艦『ガーティー・ルー』。
 そのシルエットは、かの『アークエンジェル』の改良型であることを表している。
 だが、その性格は、主力艦たるアークエンジェルとは、まったく違った。
 ミラージュコロイドでその全身を覆い、大形艦であるにもかかわらず優れた隠密性を発
揮する。
 地球連合軍第81独立機動群、通称『ファントムペイン』。特殊部隊である彼らが母艦と
するために提供されたのが、このフネだった。
 実際、内部に侵入した3人を援護・回収するべく、ガーティー・ルーはアーモリー・シ
ティのZAFTの守備隊に奇襲攻撃をかけ、軍港で待機していたナスカ級・ローラシア級数
席を沈黙させ、ZAFTの反撃を一時的に遅らせた。
 だが、さすがに時間を食いすぎた。新鋭艦と思われる大形戦闘艦がガーティー・ルーの
迎撃に参加し、守備隊も体勢を立て直しつつある。
「艦長、撤収!!」
 ファントムペインの指揮官であるネオ・ロアノークは、着艦デッキに自機である量産先
行型のGAT-04X ウィンダムを滑り込ませながら、艦橋にいる艦長のイアン・リーに向か
って、そう叫んだ。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY “M”
 PHASE-04

 ガーティー・ルー艦橋。
「敵ミサイル、第二波来ます!!」
 オペレーターの声。
 CIWSが迫り来るライトハンド・対艦ミサイルを撃墜していく。だが、至近で炸裂したも
のもあり、ガーティー・ルーの艦体を揺さぶる。
 そこへ、さらにトリスタン・プラズマビーム主砲が、ガーティー・ルーを掠める。
「ぐぅっ」
 仮面の女、ネオ・ロアノークは、その口元だけでも解るほど、苦悶に表情を歪ませ、脂
汗をかき、膨らんだバストが押し上げる胸元をかきむしるように押さえながら、艦橋に入
ってきた。
「大佐」
 驚いたように、壮年の男性、艦長イアン・リー少佐が、ネオに声をかける。
「いらん!」
 こちらに向かってこようとしたリーを、一括するように突っぱねてから、
「それより、状況はどうなっている?」
 と、苦しそうに呻きながらも、はっきりと聞き取れる声でそう、リーに訊ねた。
「あまりよくありません。撤収のタイミングが遅れました。追いつかれるかもしれません」
 リーの説明を聞きながら、ネオは指揮官席に着く。
947SEED DESTINY “M” PHASE-04 2/9 ◆NXh03Plp3g :2009/02/08(日) 18:46:09 ID:???
 すると、それにくくり付けてあった。ボックスの中から、使い捨て注射器型のアンプル
を取り出し、針を覆うアクリルカバーを外すと、軍服の袖を捲り上げ、左の二の腕に無造
作に注射した。
「もう少し引き付けてから……補助推進剤タンクを分離して爆破……敵のセンサー類を無
力化して逃げる……! はぁ……はぁ……っ」
 後方警戒モニターに映る、ZAFT新型艦の姿を見つつ、ネオは歯を食いしばりがちにしな
がら、そう命令した。だが、さすがにそれを精神力だけで耐えるのは無理になってきたの
か、荒い息をする。
「了解……」
 リーはそう言ってから、ブリッジクルーの方に向き直り、
「聞いたとおりだ、準備しろ!」
 と、声を上げた。
「了解!」
948SEED DESTINY “M” PHASE-04 3/9 ◆NXh03Plp3g :2009/02/08(日) 18:46:36 ID:???

「こんな娘まで巻き込まれていたとはな……」
 ミネルバ。第1医務室。
 軍医長はベッドに寝かされているステラの様子を見て、そう言った。
「すみません……」
 マユは俯きがちに、申し訳なさそうに言った。
「あなたのせいではないでしょう」
 軍医長はそう言って、マユの方を見た。
「しかし奇妙な話だ」
 軍医長が、呟くように言う。
「なにがです?」
 マユはキョトン、として、聞き返した。
「この子、見た目からしてナチュラルだ。にもかかわらず、気を失ったままMSのデッドス
ペースに押し込まれて、打撲や内出血はあるものの、軽傷だよ。こんなことってありえる
んだろうか」
 軍医長はもう一度ステラを見ると、頭を捻りながら、そう言った。
「一応、身体が暴れないようにはしましたし、それにOS未調整で、そこまで鋭い動きは出
来ませんでしたから」
 マユは言い訳をするように言う。
「それでも、だよ……まさか、強化人間……なんてことは、無いだろうな」
 軍医長はその単語を口にしつつ、払拭するように軽く笑った。
「強化人間?」
 マユは、その単語を反芻し、聞き返した。
「ヤキンの時に、連合が使った、薬物によって身体能力を向上させた、兵士のことだよ。
ブーステッドマンと言ったかな」
「薬物で、ですか」
「能力では平均的なコーディネィターを凌駕するものがあったようだが、情緒が不安定に
なって、統率に難があった上に、薬物依存症の状態で行動時間が限られた。つまり、成功
とはいえなかったようだね」
「薬物依存……」
 軍医長の説明を聞いたマユは、哀しそうな表情で軽く俯いた。そして、自分の、白い長
手袋に覆われた右手を見る。それから、視線をステラに移した。
「…………」
 何かを言おうとして、マユが口を開きかけたとき。
 グワッシャァァァン!! ズズズズ……
 突然、ミネルバが激しく揺さぶられた。
「うわぁぁぁっ」
「きゃあぁぁぁぁっ」
949SEED DESTINY “M” PHASE-04 4/9 ◆NXh03Plp3g :2009/02/08(日) 18:47:04 ID:???
 マユと軍医長は、衝撃に床から投げ出され、転がった。
「ふもふっ!!」
 さらに、マユの上に、ベッドから転げ落ちてきたステラが折り重なる。
「ぅ……ぁ……」
 その衝撃でか、ステラはマユの上に乗ったまま、目を覚ました。
「ステラさん、気がついたんだ?」
 マユはステラにのしかかられたまま、ぱっと表情を明るくした。
 だが、ステラは、そのマユの言葉にはまったく感応せずに、
「ここ……どこ? さっきのは、何……?」
 おずおずと、辺りを見回す仕種をしながら、ステラは不安げな表情で言う。
「あ……だ、大丈夫、ここはミネルバの医務室だから……うん」
 マユは慌てて笑顔になって、苦笑交じりにそう言った。
「ミネルバ……ネオ、ネオはどこ?」
 その単語を理解できなかったのか、ステラは不安そうな表情のまままたキョロキョロと
辺りを見回すと、誰かを探すような言った。
「ネオ?」
 マユは聞き返すが、ステラはそれが聞こえなかったかのように、首を横に振って、声を
出す。
「ネオがいない……ステラ、怖い……」
「え」
 ステラの態度に、マユははっとする。
「ステラ、怖い、いやぁぁぁぁっ」
「待って!!」
 ステラは上半身を上げて振り乱し、親とはぐれたことで恐慌状態になってしまった子供
の様に、暴れかける。
 だが、咄嗟にマユは、ぎゅっ、とステラを抱き締め、押さえつけるように力を入れつつ
も、頭を交差させたステラの耳元に、優しく言う。
「大丈夫、大丈夫だから。誰もステラさんを傷つけたりしないから……」
 だが、ステラの力は幾分弱まったものの、なおも暴れようとする。
「いや、ステラ、怖い!!」
 駄々を捏ねる子供の様に、ステラは声を上げる。
「だ……大丈夫、ステラさんのことは……そう、私が守るから」
 マユは咄嗟に、そんな言葉を口に出した。
「守る……? ステラを?」
 ステラは力を抜き、マユの顔を見た。
 ステラを落ち着かせようと、勢いで言ってしまったマユは、決まり悪く笑いながらも、
「う、うん……大丈夫、私が誰にもステラさんを傷つけさせないから」
 と、途中から笑顔を明るいものにして、そういいきった。
950SEED DESTINY “M” PHASE-04 5/9 ◆NXh03Plp3g :2009/02/08(日) 18:47:29 ID:???
「守る……ステラを……」
 ステラは、うわ言の様にマユの言葉を反芻する。
「さ、落ち着いたのならベッドに」
 軍医長が、そう声をかけてきた。
「あ、はい」
 マユは、軍医長に向かって返事をしてから、
「さ、ステラさん、怪我してるから……治さないと」
 と、言って、ステラにベッドに戻るよう促した。
「ステラ……守る……」
 うわ言のような言葉を繰り返しながらも、ステラは軍医長の指したベッドに戻った。
『マユ、マユ・アスカ』
 マユがほっと胸を撫で下ろすと、今度は館内放送が彼女の名前を呼んだ。
「ありゃ」
 マユは間の抜けた声を出す。
『ブリッジに出頭、報告をしてください』
「いけない、行かなくちゃ」
 呼び出され、マユは医務室を後にしようとした。
「ねえ」
 マユの背後から、ステラに声をかけられる。
「何?」
 笑顔になって、マユは振り返った。
「名前……」
 不安そうな表情で、ベッドに横たわったステラは、そう訊ねてくる。
「あっ、そっか」
 マユは決まり悪そうに苦笑して、一度ステラの方を向く。
「私はマユ。マユ・アスカだよ」
「マユ……」
 ステラは、マユの名前を反芻する。
「それじゃあ、また後でね」
 マユはステラに言い、再び踵を返した。
「うん……待ってる」
 マユはステラの言葉を聴きながら医務室をでる。その扉が閉まったところで、表情を重
くし、はぁ、とため息をついた。
「ウソ、ついちゃってるよね……」
951SEED DESTINY “M” PHASE-04 6/9 ◆NXh03Plp3g :2009/02/08(日) 18:47:55 ID:???

「マユ・アスカ、出頭しました!」
 ブリッジに入って、直立不動で敬礼し、申告する。
「戦闘に巻き込まれた民間人を医務室に届けており、報告が遅れまして申し訳ありません!」
 敬礼したまま、そう告げる。
 その正面に立ったタリアがまず返礼する。
「いや、ご苦労だった。マユ・アスカ。糾弾の意図はない。楽にしてくれたまえ」
 デュランダルが、砕けた口調でそう言った。
「状況は君も理解してくれていると思うが、我々はこれを看過することは出来ない。解る
ね?」
「はい、当然です」
 デュランダルの言葉に、マユははっきりと答えた。
「ついては、君を正式にガイアの搭乗員に補し、このミネルバの搭乗員として参加しても
らいたい」
「ええっ!?」
 デュランダルが言うと、今度はマユは目を円くして驚いてしまった。
 だが、声を出して割り込んできたのは、男性の声だった。
「議長、それはいくらなんでも。そもそも彼女は正式な実戦部隊の人間じゃないんですよ!?」
 アーサーが、慌てた口調で言う。
 マユは、本来なら正規のアカデミー卒業年齢までは非実戦部隊に配属されることになっ
ていたし、ガイアにも本来の搭乗員がいる。
 タリアは直接口には出さなかったが、やはりあまり良い顔をしていない。
「だが、この状況で、彼女ほどの人材を遊ばせておくのは適切ではないと思うがね」
「ですが……」
 アーサーは言葉に詰まりながらも、なおも食い下がる。
「そうか、それならばこうしよう。
 デュランダルは悪戯っぽい笑みを浮かべてそう言うと、懐から蓋の透明なプラスチック
のケースを取り出した。
 マユに差し出されたそれは、プラスチックのケースの中に、Fをかたどった襟章が納め
られていた。
「マユ・アスカ、君をFAITHに任命する」
 FAITH。プラント国防委員会直属戦術統合即応本部特務隊。単に特務隊と略称されるこ
ともある。
 “隊”と呼ばれるものの、実際には個々において他のZAFT軍組織隊員を統率し、作戦の
立案、戦力の抽出、実行の権限を有する、いわば上級将校である。
「議長、それこそ無茶な!!」
 アーサーが泡を食ったような表情で声を上げる。
 マユは、事態が理解できずに、目を円くして立ち尽くしていた。
952SEED DESTINY “M” PHASE-04 7/9 ◆NXh03Plp3g :2009/02/08(日) 18:48:18 ID:???
「そんなことは無いよ」
 デュランダルは薄く笑いながら、アーサーにむかってそう言う。
「彼女はあの状況で、ガイアの強奪を阻止し、なお襲撃者の撃退という充分な功績を上げ
ている。国防委員会も、私の決定に異は唱えないはずだ」
 デュランダルは自信ありげな表情で断言した。それから、マユの方に向き直る。
「襟章は予備のもので申し訳ないが、受け取ってくれるね、マユ」
「えっ!?」
 デュランダルは優しげな口調にして、マユにそう言った。
「あっ、は、はいっ、身に余る光栄、謹んでお受けいたします!!」
 我に返ったマユは、ガチガチに緊張した様子でわたわたとしながら、一度敬礼し、そし
て、おずおずと手を伸ばして、それを受け取った。
「FAITH……私が……」
 マユはまだ興奮した様子で、ケースに入ったままのFAITH襟章を見つめている。
『ブリッジ』
 ちょうどその時に、艦内通信で呼び出す声が聞こえた。
 通信用ディスプレィに、ミレッタの顔が映し出された。
『戦闘中のことで報告が遅れまして申し訳ありません。アーモリー1からの出港時、我が
軍のMSに搭乗した民間人2名を拘束。詰問したところ、オーブ連合首長国代表、カガリ・
ユラ・アスハとその随員と名乗っています』
 びくっ
 興奮冷めやらぬ様子だったマユだが、軽く身体を跳ねさせ、硬直させた。
「彼女がこの艦に?」
 デュランダルが、怪訝そうな表情をする。
『負傷なさっておりましたので、その治療をした後、現在は士官用ゲストルームの方に滞
在なさっています』
「解った。そのままくつろいでいただいてくれたまえ。私もそちらに行く」
 デュランダルはそう言った。
「そういうわけで、申し訳ないが私は失礼するよ。……マユ・アスカ?」
 デュランダルは、黙りこくって立ち尽くしたままのマユに、怪訝そうな顔をした。
「あっ、はっ、いえっ!! マユ・アスカ、任務に戻ります!!」
 マユは敬礼して、デュランダル達より先に、ブリッジを後にした。
953SEED DESTINY “M” PHASE-04 8/9 ◆NXh03Plp3g :2009/02/08(日) 18:49:06 ID:???

「本当にこんな設定にしていいのかよ」
 格納庫。
 正式に自らの愛機になったガイアを、マユはヴィーノと共にOSの初期設定をしていた。
「良いんだって」
 VPSの設定を見て、怪訝そうにするヴィーノに、マユはにんまりと笑いながら言う。
「4脚MAの弱点って手足でしょ、胴体は少し抑え気味でも良いんだよ」
「だからって、ここまで極端な設定にしなくても……」
 得意そうなマユに、ヴィーノは苦笑気味に反論する。
「ええい、この襟章が目に入らぬか」
「へいへい、フェイス様の言うとおりにいたしますよーだ」
 マユがおどけた様子で襟章を見せ付けると、ヴィーノも冗談交じりにそう言った。
 艦内からの外部電力で、ガイアのVPSに通電する。四肢が白に、胴体がやや暗めの青に
染まった。
「ふへへへへ」
 マユは自慢げに顔を綻ばせて、得意そうに笑う。
「次は、オートバランサーの……」
 マユが、キーボードに手をかけたとき、
「ZGMF-1600(シックスティーン・ダブルオー)、ゲイツDはもうご存知ですね」
 と、格納庫壁面のキャットウォークの方から、デュランダルの声が聞こえてきた。
 ちらり、とマユはそちらに一瞬だけ視線を向ける。
 その隣に、カガリ・ユラ・アスハと、その随員と思しき男性の姿を見た。
 マユはさりげなくを装って、シートに深く座りなおし、その相手から顔を隠した。
「ねぇ、マユちゃん?」
 ガイアの間接に取り付いたヴィーノと入れ替わるように、ルナマリアが、ガイアのコク
ピットに近づいてきた。
「見た? オーブのカガリ・ユラ・アスハだって」
「ふーん……」
 ルナマリアの問いかけに、マユは無関心を装って、そう言った。
「ふーんて、気にならないの? ヤキン・ドゥーエの英雄って言われてる人だよ?」
「別に」
 マユは、ルナマリアの顔を見ようともせず、キーボードを叩き続ける。
「どうしちゃったのマユちゃん? なんか様子が変だよ」
「そう?」
 後ろでデュランダルとカガリのやり取りが聞こえる中、マユはルナマリアに対してそっ
けない反応を続ける。
 だが────
954SEED DESTINY “M” PHASE-04 9/9 ◆NXh03Plp3g :2009/02/08(日) 18:49:30 ID:???
「だが、それでは今回の事はどう説明するのだ。あの新型機の為に貴国が被った被害のこ
とは!!」
 カガリの怒声が聞こえてきた。
 ビキッ、と、マユの額に血管が浮く。
「だいたい、どうして力が必要なのだ! 今更!」
 カガリは血が滲みかねないほどに力を入れて拳を握りながら、デュランダルに食って掛
かる。
「我々は誓ったはずだ! もう悲劇は繰り返さないと! 互いに手を取って歩む道を選ぶと!」
「誓っていません!」
 カガリがデュランダルに向かって、啖呵を切る如く言うと。
 別の声が、カガリの言葉を否定した。
「マユ……ちゃん?」
 ルナマリアが、唖然としたように見上げている。
 マユはガイアの胸元に立ち、憎悪すら感じさせる険しい視線で、カガリを見つめていた。
955SEED DESTINY “M” PHASE-04 10/9 ◆NXh03Plp3g :2009/02/08(日) 18:51:27 ID:???
>>946-954
今回は以上です。

次スレ立ててみます。
【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 8
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1234086864/l80
957通常の名無しさんの3倍:2009/02/08(日) 18:59:31 ID:???
>>955
乙乙ガンダム

しかし、なんと言う寸止め
958通常の名無しさんの3倍:2009/02/09(月) 11:19:21 ID:???
ガンダム三原色っぽいガイアってのは初めてかな?
ネオ子の正体はもとよりその病状、マユ対カガリの舌戦といいwktk。
959通常の名無しさんの3倍:2009/02/10(火) 23:09:13 ID:???
うめ
「なぁ、セトナと言う娘をどう考える? 経歴を洗ってみたが、作られた偽者ではなさそうだが」
バルトフェルドがラクスに尋ねた。
ラクスは親指を噛み締めた。
こんな事ならミリアリアも洗脳しておくべきだったかとラクスは心の中でつぶやく。
殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい同じ顔同じ顔同じ顔同じ顔同じ顔同じ顔同じ顔同じ顔同じ顔
同じ顔同じ顔同じ顔同じ顔同じ顔同じ顔嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌
いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺
せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ……
「おい、ラクス」
ラクスははっと己の想念から覚めた。
いや、セトナと言う娘の事など知らなかったのだ。どうしようもなかったとラクスは吹っ切った。
「……ただの、そっくりさんにすぎませんわ! ロゴスと繋がりがあるのでしょう? そんな娘、気にする事など!」
「そうかい。それならそれで別にいいんだ」
だけど……自分と同じ顔の少女が存在すると言うのも嫌な物だ。それが自分にとって邪魔になりそうなら特に。
ターミナルに命じてサイオキシン中毒者を送り込む手はずを整えておいた方がいいかもしれない。
「おい、ラクス」
再び自分の考えに浸っていた事にラクスは気づいた。
「なんでもありませんわ。それより、カガリさんを手中から失った事による計画の変更、よろしくお願いします」
「ああ、わかっているよ。だが、オーブはもうあてにしない方がいいかもな」
バルトフェルドはため息をついた。
「所詮ザフトにも劣るオーブ軍なぞ元々頼りにしていませんわ。ただ、国からのバックアップを得られる体制が取
れなくなると言うだけの事。それならいっそプラントを手中に収める方法を進めましょう。大洋州からの、例の物の
手配は?」
「進んでいる。十分な。世界を2回は滅ぼせる」
「そう。ならよいのです。私は世界の物、世界は私の物」
呪文のようにラクスはつぶやいた。


親ザフト軍がトゥールを放棄――その報に接したマンネルヘイムは機を逃さず追撃をする事に決定した。
戦いの様相は今までと違った。親ザフト軍はユーロファイタータイフーンを大量投入し、グリペンに対抗。スカンジ
ナビア軍に制空権を取らせなかったのである。
戦いの主役は地上に移る。ポワティエの手前20kmの平原で両軍は遭遇。リニアガンタンク、そしてランチャースト
ライカーを装備したウィンダム、ダガーが320mm超高インパルス砲『アグニ』を互いに撃ち合う。
親ザフト軍はじりじりと押され、ついにスカンジナビア軍はゆるやかな坂の頂上を占位する。
後は下方の親ザフト軍に向けてひたすら撃ち下ろし、斜面を下って突撃するだけである。
マンネルヘイムは勝った――と思った。

「今よ! ミネルバ、上昇!」
ロワール川の支流に身を潜めていたミネルバが姿を現す!
「……もう少し……そこ! タンホイザー、発射!」
「タンホイザー、てぇーーー!」
タリアの指示と同時にアーサーが叫んだ。
チェン・ジェン・イーがタンホイザーを発射する!
タンホイザーの射線は親ザフト軍を下に、斜面の頂上のスカンジナビア軍を一掃した。
「タンホイザー、エネルギー再充填急いで! 『パルジファル』発射!」
「はい! タンホイザー、エネルギー再充填! 『バルジファル』発射! 目標スカンジナビア軍中央!」
タリアの命令では省略されていた部分を補い、アーサーが指示する。彼もやる時はやるのだ。
地上用ミサイル『パルジファル』が混乱するスカンジナビア軍を襲う。
ミネルバは更に上昇する。
「タンホイザー、エネルギー充填完了!」
「マリク! 俯角を取って!」
「了解!」
ミネルバがスカンジナビア軍を見下ろす形になる。
「タンホイザー、発射!」
「タンホイザー、てぇー!」
再び、タンホイザーの光が街道上のスカンジナビア軍をなぎ払う――
「……残存スカンジナビア軍、撤退を開始しました。友軍、橋を落とし、河向うの陣地に撤退完了!」
「ふぅ。なんとかなったようね」
「ええ、これでスカンジナビア軍の侵攻も一先ず止まるでしょう」
「あくまで一時の事でしょうけどね」
「それにしても、タンホイザー、地上で使用するとこれだけの効果とは……陽電子博士がプラントに亡命してくれて
いなければどうなったか……」
「ともあれ、後は友軍に任せても大丈夫そうね。任務は果たしたわ。帰還しましょう」


スカンジナビア軍は、悄然としながらトゥールまで撤退した。
「調子に乗りすぎておったな」
マンネルヘイムは呟いた。
「いつの間にか、兎を狩る猟師の気持ちになっておった。ところが! 相手は爪も牙もある獣だったと言う訳だ」
「「……」」
幕僚達はうなだれて声も出ない。
「しっかりせんかい!」
マンネルヘイムは喝を入れた。
「這い上がろう。負けた事がある、と言うのが、これからのスカンジナビア軍の財産となろう」
これより、スカンジナビア軍は自軍のみで一気に攻めると言う方針を転換し、フランス東南部の親地球連合軍と
共同して、フランス西南部に逼塞した親ザフト軍に両面から圧力をかける事になる。


「なぁ、ミリアリア」
「なぁに? ジェス?」
「俺は、ジブリールさんが悪い人とは思えない。言ってる事はデュランダル議長の方が間違ってる様に思える。
セトナが言ってる事の方がもっともだ。もちろんユニウス7が落下してからプラントがあちこちに援助の手を差し
伸べた事も知ってる。地球軍が強引だったのもわかってる。だが……何と言うか、うまく言えねえが、まったくの
善人も悪人もこの世には存在しないと俺は思ってる。だから……プラントでも地球連合でもない、アークエンジェ
ルが何を考えているのか知りたいんだ。取材……できねぇかなぁ?」
「んー……ほかならぬジェスの頼みだしね。わかった! つなぎ取って見る!」


――彼は自分の運命を変えた2年前の事を思い出していた。

必ず倒すと思いつめた敵さえついに倒せず自分の運命を呪っていた、あの宇宙を漂っていた半壊したモビルスー
ツの座席。そこに、『彼』が現れたのだった。
いつの間にかいた、としか言いようがない。印象的な巻き毛と青い瞳のこちらを突き刺すような目をした少年。
『彼』は言ったのだ。
「そんなに寿命が短く生まれたのが憎いのなら、永遠の命をくれてやる」
と。
まるで魅了されていたようだった。『彼』から目が離せず、ただうなずく事しかできなかった。
そのまま『彼』の口付けを受け入れ、私は意識を失い、目が覚めた時には『彼』の一族となっていたのだ。
目覚めた私は、いつの間にか地球の鄙びた村にいた。『彼』はさまざまな事を語ってくれた。注意すべき事や、信
じがたい『彼』の過去などを。
そして『彼』は来た時と同じように、いつのまにかいなくなっていた。
私は自分の体の変化をすぐに実感できた。なにしろ薬を飲まなくともなんともないのだ。
私はすぐにでも私の可哀相な弟を一族に加えてやりたかったが、『彼』から注意されていたので、連絡を取るのは
控えていた。もう少し、彼が大人になるまで……

私は方々をさ迷い、この町にたどり着いた。『彼』の過去に出てきた名前の同じ名前のこの町に。
この荒廃した町のはずれに小さな家を建てた。
そして薔薇を植えたのだ。年を重ね、家の周りは薔薇に包まれるだろう。
そしてもし『彼』、エドガーがここに現れたら言ってやりたいのだ。「ポーの村へおかえり」と。

そんな静かな暮らしをこれからも続けていくつもりだった。
だが……再び戦争が起こり、ザフトは各地で負け続けている。この町の近くにも親ザフト軍が逃げ込んできた。
私は決心した。荷造りをし、家の手入れを隣人に頼むと、ポーの町を後にしたのだった。


フランスでの戦況が動いたのはトゥール・ポワティエ間の戦いより10日が過ぎた頃である。
フランス東南部の親地球連合軍がスカンジナビア軍の要請に答え、また、イタリア軍の後ろ盾を得てマシフ・サント
ラル(中央高地)に進出してきたのである。

「将軍!」
とうとう、残存親ザフト軍の指導者となってしまったモーリス・トレーズ大佐――暫定的に将軍のもとに伝令がやってくる。
「親地球連合軍はブリヴ・ラ・ガイヤルド、そしてトゥールーズからモントーバン、モンレジョーへ進出との事です」
「ううむ……」
モーリスは唸った。
しばしの沈黙の後、苦渋の決断をする。
「ポワティエを放棄する! ボルドーを拠点にアングレーム、ペリグー、アジャン、タルブに防衛線を張るのだ!」
モーリスはその防衛線で長期持久を図るつもりだった。
だがその構想は短期間で崩壊する。翌日、大西洋連邦の大西洋艦隊が、フランス西岸に進出しボルドーを攻撃
するとの情報が入ったのだ。
親ザフト軍は地球連合海軍が現れない内に、急ぎイベリア半島へと脱出していった。

イベリア半島の情勢は、大きく東西に分かれていた。地中海側のバルセロナ、バレンシアは親地球連合派。内陸
部ではマドリードが親ザフト派。他にリスボン、セビリア、マラガといったジブラルタル基地近くの都市が親ザフト派
であった。
しかし、それはマヌエル・アサーニャ率いる共産主義派の人民戦線政府がマドリードに成立すると変化する。
ポルトガルが人民戦線政府に反発、親地球連合派に着き、リスボンから地球連合の軍が上陸、マドリードを目指
したのである。
同時に、フランスから南下したスカンジナビア軍は大西洋連邦と協力し、一気にバスク地方を奪回、バリャドリード
を拠点とし、ドゥエロ川を挟んで人民戦線政府と対峙する――


「どうします? 艦長」
アーサーはタリアに尋ねた。
ジブラルタルからの司令は早急に帰還し、宇宙へ帰る用意をしろ、と言う物。そして……親ザフト軍からは悲鳴の
ような救援要請がミネルバに送られてきていた。
「んー」
タリアは悩んだ末、今一度親ザフト軍の救援に赴く事を決断した。

「お集まりの皆さん、グアディアナ川を使ってもう一度地球軍を罠にかけます」
タリアが皆に語りかけた。
「なんと! メリダから撤退すると言うのか!? あそこはセビリヤを守るための重要な要地……」
「また、取り返せばいいではありませんか。勝てばそれも可能です」
少々いらついた声でタリアが説得する。
「しかし、再び罠にかかるのかのう?」
「再び、スカンジナビア軍と戦うなら、相手も警戒して来ましょう。ですが、戦うのはリスボンから上陸したばかりの
大西洋連邦陸軍です。仮に、警戒されていたとしても陽電子博士の開発したタンホイザーはそれなりの被害を敵
軍に与える事でしょう!」


「そう、あなたがジェス・リブルさん? よろしくね」
マリューはジェスに微笑んだ。
「光栄です! 前戦役時の英雄に会えるなんて!」
「英雄、ねぇ」
マリューは苦笑した。
「大した事をした訳ではないのよ。英雄と言うなら、キラくんとラクスさんね」
「もう一人、プラント側、ザフトにも居たのでは?」
「ああ、アスランくんね。そうよ。彼もそう。なんで忘れちゃったのかしら」
マリューは頭を押さえた。
「頭痛でも?」
「ええ、ちょっと。でも平気よ」
「では、取材を続けます」
ジェスは言った。
「今回の戦役、あなた方は何を為そうとしているのですか?」
「戦争を、止めたいのよ。前のようにうまくいくかはわからない。でも、何かせずには居られなかったのよ」
「ずいぶん少人数のようですが? 失礼ですが、何が出来ると?」
「キラくんとラクスさんが帰ってくればなんとかなるわ。そう、私は彼らに希望を感じているの」
「そうそう、今までだってなんとかなってきたんだ」
「キラ達と合流すりゃ怖いもんなしさ!」
周りからも声が上がる。
「今は、ここで何をやられているのですか?」
ジェスは尋ねる。
「キラくんとラクスさんを待っているのよ。さすがに今は動きようが無いわね」
マリューは苦笑した。
「今は、彼らはどこに?」
「宇宙よ」
「行かせた理由を聞いてもよろしいですか?」
「行かせた……理由……彼らが、行きたがったから」
「それでは、まるでこの組織の指導者はその二人みたいですね」
「指導者って……そんな訳でも……」
マリューは困ったように口ごもる。
「キラくんとラクスさんとは、あなた方にとって何ですか?」
「希望よ」
夢見るような表情に変わりマリューは言った。
「そうだ、希望だ」
「希望だなぁ」
周囲からも、賛同の声が上がる。
「話題は変わりまして、プラントのデュランダル議長についてはいかがお考えですか?」
「……怪しいわ。言ってる事、やってる事はまともだけど……でも、私達には彼を疑うべき理由が出来てしまったの」
「それは?」
「襲われたのよ。ラクスさんが、コーディネイターの特殊部隊に」
「なぜ、コーディネイターと?」
「まだ正規軍にしか配備されていないモビルスーツに乗っていたし、ああ、バルトフェルド隊長が……」
「セトナ・ウィンタースさんの演説についてはどう思われました? 同じようにデュランダル議長には批判的なようですが?」
「……セトナ?」
訝しげにマリューは首を傾げた。
「ご存知、ありませんか?」
「ああ! 思い出したわ。ええ、彼女の事をもっともだと思ったのよ。ラクスさんも同じような事を言っていたはずよ
ね。デュランダル議長の発言には疑問が多いと。それで……なんで忘れちゃったのかしら? あんなに感銘を受
けたのに……頭が痛い……」
「大丈夫ですか?」
「……ええ、大丈夫」
「では、オーブのアスハ代表首長を知っていますね? 彼女の名前でアークエンジェルに手配書が回っています
がご存知ですか?」
「まさか、彼女が? だってカガリさんはこの船に…… いえ、オーブの空母に降りたんだった。そうよ。それっきり
カガリさんには会ってないわ。なんで忘れてたのかしら。そう。彼女は監禁されているに違いないわ。オーブを牛
耳っているウナト宰相が勝手に手配書を出しているのよ!」
「オーブ宰相、ウナト・エマ・セイランは暗殺されました」
「え? あ、そうね、そうだったわ。何で忘れてたのかしら。そう、今はマシマ家ね。マシマ家にオーブは牛耳られて
いるのよ。きっとカガリさんも軟禁されて……」
「アスハ代表首長自ら会見を開いていますが?」
「そんな! いえ、そう、そうだったわ。私はそれを見てひどくショックを受けたのよ。なんで忘れちゃってたのかし
ら。頭が……痛い! っつう!」
「すみません。マリュー艦長は具合が悪いようですのでここまでに!」
アーノルド・ノイマンがマリューをかばうように、飛び出してきた。
「あ、ああ」
ノイマンはマリューを抱えるようにして部屋を出て行った。
「……さ、ジェスさん、取材終わりよ。縁があればまた会えるさ! ね?」
ミリアリアは努めて明るい声で言った。
「ああ。とりあえず、出ようか」

「さあ、艦長、この薬を飲んで」
「……ありがとう。ノイマン。楽になったわ。それにしても……」
ミリアリア達と別れたマリューはため息を付いた。
「このまま海の底に潜って、何をしているのかしらね。私達は」
「修理の方は大体終わりましたが……どうしましょうね、本当に」
「今、地球軍の攻撃は、と言うよりスカンジナビアね。目指す所は明白。ジブラルタル」
「スカンジナビアには恩も在ります」
「攻める訳にも行かないわねぇ」
「艦長」
アーサーが言った。
「この状況でキラ君達が帰っても、出来る事はない、と考えます」
「……宇宙に行きましょうか?」
「ああ、いいでしょうね。何かあってもアークエンジェルなら地上のどこにでも降下できますし」
「そうしますか! 決めた!」
マリューは久しぶりに明るい顔に戻った。

「なぁ」
ジェス達はバレンシアの定宿に帰った。
「なんかぁ、変じゃなかったか? マリュー・ラミアス」
ジェスはミリアリアに話しかけた。
「うん、なんか、変だった。変だったし、キラやラクスさんの事を神様みたいに言うのも変だった」
「こういっちゃなんだが、洗脳と言うか、精神操作されてる人みてぇだった。マリューさんは」
「そうそう、それよ! マリューさんも、周りの人も!」
「……一人だけ、冷静な顔をした奴がいたな」
「ノイマンさん?」
「素人考えだが、彼がみんなに何かしているのかもしれねぇ」
「まさか!」
「まさかなぁ。だが……今度、精神科医連れて取材に行ってみるか? 専門家の目なら、何かわかるかもしれねぇ」
「……わかった。とにかくなんかおかしいもんね、アークエンジェル。前はあんな風じゃなかった!」

だが、ミリアリアがターミナルを通じて再びアークエンジェルにつなぎを持とうとした時、既にアークエンジェルは地
球上には居なかった。
「こうなりゃあ、オーブに行って見るかな。そしてアスハ代表首長に取材を申し込む! このままじゃぁ収まりがつかねぇ!」
「うん! 私もひさしぶりにカガリに会いたいし!」
続く。
(仮)です。正式題名決めました。
それから昔書いた短編を流用。
969通常の名無しさんの3倍:2009/02/11(水) 00:35:25 ID:???
陽電子博士wwwwwww
あとノイマンがアーサーに化けてるぞw
あう・・・ご指摘ありがとうございます。
971通常の名無しさんの3倍:2009/02/11(水) 01:10:40 ID:???
パンパネラ乙
ポーの一族というと萩尾望都だったかな?
たしか『彼』って、妹を幼い内にパンパネラにするって失敗やってるんだよね。

……であってるよな?かなり昔に読んだから記憶が曖昧だ。
それにしても、○○ー○さんが復活か。


陽電子博士とかヒドスwww
そんでもって、みるからにヤバイ状態だな、マリューは。
ミリミリアはラクスから放置プレイされていたのかw
972通常の名無しさんの3倍:2009/02/11(水) 02:43:20 ID:???
ミリィ行き違っててよかったよ…
もしラクスの居る時だったら間違いなくジェス共々拘禁されて
サイオキシン漬けにされてたろうから。
973通常の名無しさんの3倍:2009/02/11(水) 09:50:49 ID:???
GJ!
まさかのあの人復活ですか!?
974通常の名無しさんの3倍:2009/02/11(水) 13:01:43 ID:???
ミリアリアはマス“ゴミ”としての利用価値があったから連絡方法教えていたのでしょう。
975通常の名無しさんの3倍:2009/02/11(水) 17:28:23 ID:???
ミリアリアの認識じゃナチュラルとコーディの戦争らしいしな
そしてそれを報道で世界に撒き散らす……マスゴミだな
地球在住のコーディが迷惑するだろ
976通常の名無しさんの3倍:2009/02/11(水) 17:44:49 ID:???
>>975
ラクス様にナチュラルとコーディが融和できてるのは私たちだけというご高説を賜った結果でしょう。
977通常の名無しさんの3倍:2009/02/11(水) 17:45:49 ID:???
どの世界のマスコミもゴミだということを再確認しました
978通常の名無しさんの3倍:2009/02/11(水) 19:01:04 ID:???
エドガーでポー?
エドガー・アラン・ポーしかしらねーなw

売れないフリー記者のミリアリアはジェスと組めばそこそこまともに使えそうだな、毒×毒=裏返ったっっ!!ってとこかw

にしても陽電子博士吹いたwwwこれなら汚染の心配がないなwwwwwうぇwwwwww
それにしてもラクスが恐ろしい
「私は(ry」を呪文のように呟くとかどうみても狂人か魔王です、本当に(ry
979通常の名無しさんの3倍:2009/02/11(水) 19:21:24 ID:???
世界を2回滅ぼせるってなんなんだ?
980通常の名無しさんの3倍:2009/02/11(水) 19:39:12 ID:???
981通常の名無しさんの3倍:2009/02/11(水) 19:44:01 ID:???
巨神兵
982通常の名無しさんの3倍:2009/02/11(水) 20:06:14 ID:???
火の七日間か
983通常の名無しさんの3倍:2009/02/11(水) 21:33:41 ID:???
>>978
知ってるだろw
984通常の名無しさんの3倍:2009/02/12(木) 14:05:30 ID:???
同じ顔したセトナへの認識はやはり殺意一色か…
これで最後にどんでん返しのガルーダ廃棄場でもやったら皮肉でいいんだが。
985通常の名無しさんの3倍:2009/02/12(木) 18:28:10 ID:???
陽電子砲を種死になって地上でバンバン使うようになったけど、放射線とか気にしないでいいの?
という疑問の解決策、中華系研究者 陽 電子 博士を採用スンナwww
986通常の名無しさんの3倍:2009/02/12(木) 23:08:53 ID:???
つーか監督の考えていたとおり、「何かスゴイビーム砲」でいいんじゃないのか?
下手に「陽電子」なんて付けなくていいと思うんだが
987通常の名無しさんの3倍:2009/02/12(木) 23:25:26 ID:???
森田か……
988通常の名無しさんの3倍:2009/02/13(金) 00:30:33 ID:???
プクタン「エヴァのポジトロンライフルが格好良かったので使いましたwwwフヒヒwwwwサーセンwwwwwww」
989通常の名無しさんの3倍:2009/02/13(金) 09:25:16 ID:???
陽電子にしたのはプクではなく森田だぞ
990通常の名無しさんの3倍:2009/02/13(金) 14:15:31 ID:???
あと少しだから埋め
991通常の名無しさんの3倍:2009/02/13(金) 15:46:22 ID:???
もしもアークエンジェルがアンドロメダだったら
ナタル  「よし、特装砲をつかって隔壁を破壊コロニー内に進入する!」
ノイマン 「エネルギー充填120パーセント、フライホイール接続!」
ナタル  「拡散波動砲発射!!」

閃光が収まり、大穴の開いた隔壁の向こうにはコロニ内部ではなく宇宙空間が...

ナタル  「すでにコロニー居住区は、ザフトに破壊されていたなんて...」

埋め
992通常の名無しさんの3倍:2009/02/13(金) 19:47:46 ID:???
>>991
いや、お前が破壊したんだろw
と、埋めがてら言ってみる。
993通常の名無しさんの3倍:2009/02/13(金) 19:49:07 ID:???
宇目
994通常の名無しさんの3倍:2009/02/13(金) 19:49:13 ID:???
卯女
995通常の名無しさんの3倍:2009/02/13(金) 19:49:24 ID:???
996通常の名無しさんの3倍:2009/02/13(金) 19:49:31 ID:???
鵜目
997通常の名無しさんの3倍:2009/02/13(金) 19:49:44 ID:???
膿め
998通常の名無しさんの3倍:2009/02/13(金) 19:49:54 ID:???
999通常の名無しさんの3倍:2009/02/13(金) 19:50:09 ID:???
うめ
1000通常の名無しさんの3倍:2009/02/13(金) 19:50:20 ID:???
産めえ
10011001
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