一番奇抜なガンダムってどるだ?

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1通常の名無しさんの3倍
どれだろうな…
2通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 18:37:49 ID:???
完全に作品としての方向転換を図った
って意味で言えば、Gガンダム系統の機体でFA
3通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 18:39:38 ID:???
あえてEz-8
4通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 18:41:31 ID:???
>>1
スレタイはきちんと確認しろよ。
「どるだ?」っておいw
5通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 18:58:30 ID:???
>>1は事情通で、来年のガンダム情報を入手し
そのガンダム・ドルダが一番奇抜らしいけど、本当か?
と聞いてるんだろ
6通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 19:00:29 ID:???
種外伝の機体
7通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 19:00:55 ID:???
ピンクの髪の毛だろどう考えても
8通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 19:02:15 ID:???
00のガンダムアブルホールだろ
9通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 19:14:29 ID:???
>>5
そうか。00の次はガンダムドルダなのか!
で、どんな設定?>>1
10通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 19:29:29 ID:???
ドルダってギリシャ文字っぽいな
ラムダみたいな
11通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 19:35:11 ID:???
まずドルダって何語よ
12通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 19:58:31 ID:???
ガンダムドルダって00二期に出てくる機体だろ?
雑誌に線画載ってたけどかっこよかったな
あれもキュリオスみたいに変形するんだね。
13通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 20:04:31 ID:???
ドルダ→ドルチェにパージするよ
14通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 20:10:21 ID:???
コーヒーメーカー機能を搭載してるんだってな>ドルチェ
15通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 20:38:21 ID:???
ん?ナドルのこと?
16通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 20:39:44 ID:???
ドルダー
17通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 20:44:16 ID:???
ドルゲー!!
18通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 21:01:41 ID:???
ドルダにもGNファングついてるんだってね
あとGNスナイパーライフルみたいなのも付いてたしロングレンジ攻撃はお手の物っぽいな
誰が乗るんだろう・・・気になる
19通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 21:05:03 ID:???
サジじゃね?
20通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 21:13:14 ID:???
いや、ルイスかもしれんぞ
キュリオスのシールドがでっかくなったようなシールド持ってたけど
あれも展開してクローが出てくるのかね?
21通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 22:17:08 ID:???
俺はマリナ様って聞いた

地下神殿に隠してるとか
22通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 22:45:34 ID:???
>>21
それなんてアカツキ?
23通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 22:45:45 ID:???
とりあえず投下しとく

クロー出るよ
パイロットは女性
GNフィールド展開できるよ
あとハンブラビの海蛇みたいなんついてる

ほんじゃ
24通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 22:49:57 ID:???
バレ師降臨wwwww
ドルダ期待wktk
25通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 23:00:27 ID:???
もしやドルダに乗るのはリジェネか?

期待age
26通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 23:35:21 ID:???
ナドレvsドルダ
絶望した。
27通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 23:58:30 ID:???
一番奇抜なガンダム…ドルダ
それに乗る女パイロット

メカデザが気になるな
28通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 00:08:25 ID:???
メカデザインはまだ非公開なんだよな
あのフォルムから見るとちょっと永野護入ってるような気もするが宮武も入ってるように見える
やっぱり00の柳瀬さんかね
29通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 00:19:20 ID:???
想像して描いてみるのもアリだな
30通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 00:19:47 ID:???
ドルダーってガンダムなのか?
どう考えてもMAの名前だぞ
31通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 00:26:05 ID:???
ちゃんとしたガンダムだぞ
GUNDAM−DOLLDAだっけ?綴りうろおぼえなんであってるかどうかわからん
32通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 00:46:24 ID:???
トランザムみたいにDOLLとDAで切るのかな
DAは何かの略称っぽいな
33通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 00:50:56 ID:???
DOLL=人形?
DAはなんだろうね
きっと深い意味が込められてるんだと思うが
34通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 00:52:53 ID:???
>>33

トランザム搭載のモビルドールシステムの機体→DA
35通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 01:02:04 ID:???
Down Angel(堕天使)じゃね?

堕天使の英訳知らないけど
36通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 01:53:03 ID:???
フォールンエンジェル
37通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 01:54:15 ID:???
DA・天使
38通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 01:59:43 ID:???
Dead or Aliveだと予想
39通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 02:58:35 ID:???
ノーベルガンダムには萌えたお(^ω^)ノシ
40通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 03:54:33 ID:???
マーメイドガンダムってあったよな?

あれは奇抜のいきを遥かに超えたガンダムだ…
41通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 12:04:30 ID:???
それらをも越えるドルダ
42sage:2008/06/12(木) 14:03:37 ID:oSKM41we
>ドルダ
ビリー・カタギリがとうとうガンダム開発ですか?
4342:2008/06/12(木) 14:06:38 ID:???
名前欄間違った・・・
44通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 14:42:31 ID:???
風車よりすごいのか?
45通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 14:45:01 ID:???
クラウンガンダムやマンダラガンダムも忘れないで
46通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 15:26:23 ID:???
奇抜なガンダムドルダを誰か描いてくれ
47通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 15:28:49 ID:???
何が奇抜ってドルダだろうに!!!!
48通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 16:50:55 ID:1G1PAKEU
49通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 16:53:17 ID:???
>>48
これが…ドルダ……
50通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 16:54:12 ID:???
>>48
み、みの虫か?
5148:2008/06/12(木) 16:56:05 ID:???
ちなみにこれまだシルエットだから
52通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 17:02:59 ID:???
>>51
これがシルエットだと?!
一体どうなるんだ?!
53通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 17:19:04 ID:???
次回のポケモンにも参戦するんだってな>ドルダ
54通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 17:28:37 ID:???
>>48
ドルダとてMSだろうに!!
55通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 18:46:32 ID:???
落書きにもほどがあるwwww
56通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 19:21:20 ID:???
>>1
どるじゃない。
57通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 19:49:35 ID:???
>>56
いや当ってるよ
58通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 20:37:45 ID:???
>>56
機動戦士ガンダムドルダ
2010年4月放送開始
次のガンダムだよ
59通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 22:20:45 ID:???
00の新ガンダムかと思ってたら新番組か
今からwktk
60通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 22:41:52 ID:???
情報が錯綜してるな
61通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 23:04:13 ID:???
カメラとVアンテナがありゃなんでもいいMFなめんなw
62通常の名無しさんの3倍:2008/06/13(金) 06:19:50 ID:???
僕が一番上手くドルダに乗れるんだ!!
63通常の名無しさんの3倍:2008/06/13(金) 07:11:22 ID:???
ドルダとかどるだけ〜
64通常の名無しさんの3倍:2008/06/13(金) 10:07:54 ID:???
仮面ライダーダルダスレの真似じゃねーか
65通常の名無しさんの3倍:2008/06/13(金) 10:29:00 ID:???
仮面ライダードルダ?
66通常の名無しさんの3倍:2008/06/13(金) 10:55:31 ID:???
ウルトラマンドルダ?
67通常の名無しさんの3倍:2008/06/13(金) 12:39:30 ID:???
>>57
いや一番奇抜なガンダムってどるだ? と言われたらどるじゃないと答えるしかw
68通常の名無しさんの3倍:2008/06/13(金) 14:27:12 ID:???
フリーチベットの象徴、マンダラガンダム
69通常の名無しさんの3倍:2008/06/13(金) 15:19:14 ID:???
さて…そろそろ…
機動戦士ガンダムドルダについて
語り合おうか…
70通常の名無しさんの3倍:2008/06/13(金) 15:46:00 ID:???
ドルダのドルはもしかしたら$なんじゃないか?
エススラッシュとかそんな機能を持ってるんだよ
71通常の名無しさんの3倍:2008/06/13(金) 19:24:13 ID:???
聞いた話によるとドルダとは墓守を意味する言葉らしい
古代超文明の遺産とかだったりして・・・
72通常の名無しさんの3倍:2008/06/14(土) 10:37:15 ID:???
初の百合物らしい
73通常の名無しさんの3倍:2008/06/14(土) 22:43:54 ID:???
74通常の名無しさんの3倍:2008/06/14(土) 23:39:45 ID:???
>>73
ドルダすげえwww
75通常の名無しさんの3倍:2008/06/15(日) 00:13:43 ID:???
DULLDA system
76通常の名無しさんの3倍:2008/06/15(日) 00:19:09 ID:???
進宇宙暦10年――

人々が地球軌道の宇宙コロニーや火星軌道コロニーに移り住むようになって10年が過ぎた。
火星開発公社はテラフォーミング後の調査のため、調査隊を火星に派遣する。
調査を進める中、調査隊は火星の地下に謎の建造物を発見した。
しかし、人類が火星の地下に何かを建造したことは、過去に一度もない。
地下建造物の調査を始める調査隊。
異星人のものかと思われたそれは、地球人類が建造したものであると判明する。
それは今の地球人類が宇宙に進出する以前に、別の地球人類が火星まで行ったいう証明だった。
そんな中、調査隊の一員であるクラン・R・ナギサカは、建造物の格納庫で、
人型の巨大ロボット「GUDAM DOLL-DA」と、その中で眠る謎の少女を見付けるのだった。
混乱する調査隊。
しかしそんな調査隊を無視するように、公社から緊急の知らせが届いた。
火星コロニー群が独立を訴え、地球に対し戦争を開始した、と。
地球人類の歴史は改竄されたのか。火星コロニーの独立戦争は。
その時、永き眠りから少女が目覚める……
77通常の名無しさんの3倍:2008/06/15(日) 00:34:26 ID:???
GUDAMwwwwwww

GUNDAMに訂正よろしく
78通常の名無しさんの3倍:2008/06/15(日) 01:22:49 ID:???


79通常の名無しさんの3倍:2008/06/15(日) 07:07:16 ID:G+xGXBZ3
>>76すげえw続きを待つ!!
80通常の名無しさんの3倍:2008/06/15(日) 08:30:41 ID:???
とりあえず少女は記憶喪失設定がいいな。
81通常の名無しさんの3倍:2008/06/15(日) 09:43:58 ID:D9cI6P6k
コロニー落としは必須
82通常の名無しさんの3倍:2008/06/15(日) 11:05:41 ID:???
$だ・・・俺が$だ!!
83通常の名無しさんの3倍:2008/06/15(日) 11:32:00 ID:???
お前を$す!
84通常の名無しさんの3倍:2008/06/15(日) 12:17:53 ID:???
ドルダ・・・俺は僕は私は!!
85通常の名無しさんの3倍:2008/06/15(日) 19:55:36 ID:???
>>76
火星が舞台になるガンダムって初めてか
86ジム・クゥエル:2008/06/15(日) 20:23:00 ID:EBMWcTVI
GRIMOIREという名の
ページに、機動戦士ガンダムKanon
というやつがあるけど、最初は火星の
ジオン残党が敵だよ。長いけどな。
87通常の名無しさんの3倍:2008/06/15(日) 21:01:42 ID:???
ドルダいいよドルダ。
せっかくだからガンダムドルダの設定作ってエロい人
88通常の名無しさんの3倍:2008/06/15(日) 22:21:17 ID:???
今川がやる予定だった没企画キャナルガンダムも火星が舞台
Gガンダムに代わってしまったが
89通常の名無しさんの3倍:2008/06/16(月) 02:15:30 ID:???
F90も火星だっけ
90通常の名無しさんの3倍:2008/06/16(月) 04:00:20 ID:???
誰が仮性だ!!(`・ω・´)プンプン
91通常の名無しさんの3倍:2008/06/16(月) 10:50:29 ID:RIhc3xKe
>>90
m9(^д^)プギャー
92通常の名無しさんの3倍:2008/06/16(月) 11:28:24 ID:???
モノアイガンダムのシスクードかな?
93通常の名無しさんの3倍:2008/06/16(月) 14:41:11 ID:???
どるだ最強!!
94通常の名無しさんの3倍:2008/06/16(月) 15:30:07 ID:???
ドルダって環境に良いらしいな
95通常の名無しさんの3倍:2008/06/16(月) 21:26:28 ID:???
龍神導師仁宇

だって龍に変身しちゃうんだぜ龍に
96通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 00:16:35 ID:???
パラレル設定の魔法少女マジカル☆どるだもよろしく
97通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 11:27:37 ID:???
久々の創作スレ期待age
98通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 11:29:06 ID:???
期待age
99ドルダ描いた人:2008/06/17(火) 13:11:39 ID:???
夕方に火星軍の量産機投下するわ

俺下手だけどごめんね
100通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 14:45:05 ID:LnW6lrGS
100げt
101通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 14:48:24 ID:???
>>99 頑張れ
102通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 17:30:52 ID:???
http://imepita.jp/20080617/620850

MAS-06
ローズ

地球圏との戦争に向けて開発された火星コロニー群の主力機
MASとは Mars Action Suit の略である

主兵器のM-69tmビームライフルは火星コロニー群の優れた技術を存分に使用した最新兵器である
ちなみにビーム兵器は今のところ他のコロニー群や地球ではビーム兵器自体開発されていない

他にも様々な装備が開発されている

103通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 17:42:13 ID:???
ライフル吹いたw
104通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 17:42:23 ID:???
ザクを彷彿させるデザインだな
105通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 17:45:43 ID:???
ライフルで吹いたw機体かっけえww
106通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 18:16:29 ID:???
試しにキャラデしてみた、古参は違和感を覚えるかも知れない。

ttp://imepita.jp/20080617/643890
名前 宗谷頃奈
年齢 15
生年月日 10月4日 
血液型 AB型
身長/体重 158cm/43kg

地球圏の雪原地域で暮らす純血の日本人で火星軍大尉の父を持つ。
幼い頃に家庭内暴力が原因で母親と一緒に地球圏まで逃れてきた。
そのトラウマか、人見知りが極度に激しい。眼鏡をかけているが特別
視力が悪いわけではないらしい。


107通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 18:36:48 ID:???
http://imepita.jp/20080617/666240

EA-002
グワッシュ

地球や各コロニーでよく使われるMS
元々は作業用として作られており背部の大型ブースターユニットには作業用アームがつけられている

軍用の主装備としてS01 100mmマシンガン プラズマ実体剣などがある
108通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 18:51:26 ID:???
http://imepita.jp/20080617/675670

EA-002-N
ナギサカ専用グワッシュ

ナギサカ専用のグワッシュ

操縦技量の高いナギサカに合わせて機体の軽量化、新兵装の追加などの変更点などが見られる

機体各所に見られる文字やコクピット部の顔は整備士達よるナギサカに対するイジメである
109通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 18:52:40 ID:???
>>106>>107 GJ
キャラデザ上手いね
MSもプチモビみたいな感じで斬新
110MSデザイン:2008/06/17(火) 18:54:59 ID:???
言っておくがキャラデザの人と俺は別人だぞ
俺がキャラかいたらメカ以上に酷くなるwww
111通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 18:59:04 ID:???
いじめ酷いww
ボスボロットかと思ったw
112通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 19:21:06 ID:???
なぜ軽量化とかしてんのに整備士がイジメするんだw
113通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 19:37:40 ID:???

ttp://imepita.jp/20080617/692440
名前 グレン・ベル
年齢 15
生年月日 8月29日
血液型 O型
身長/体重 163cm/49kg

頃奈のクラスメート。勉強よりも遊ぶ事、三度の飯より遊ぶ事を優先とする
みんなのムードメーカー的存在。サッカー部に所属、実力も相当なものだろう。
努力家である反面、アスペルガー障害を持っており、みんなにはそれを隠している。
114通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 19:47:07 ID:???
ていうかナギサカって性別どっちよ?
115通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 20:08:02 ID:???
>>76ですがなんだか盛り上がってるので本編書いてみようかと思います
クオリティは期待しないでねwwwww
116通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 20:11:13 ID:???
ちなみにクラン(ナギサカ)は>>72を参考に女性を想定しますたw
117通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 20:27:16 ID:???

http://imepita.jp/20080617/730110

名前 楠川煉滋
年齢 16
生年月日 5月15日
血液型 B型
身長/体重 175cm/53kg

頃奈のクラスメートであり、グレンの親友。1年前くらいまでは不良だったが、
家族でアメリカへ旅行に行った時に自爆テロに巻き込まれて以来、改心する。
成績は悪いものの、テロや紛争を防ぐために軍人になるのが夢である。
118通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 20:33:55 ID:???
キャラデザイン的にほのぼのガンダムだな
119通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 20:49:23 ID:???

http://imepita.jp/20080617/739760

名前 ギデオン・マクドガル
年齢 30
生年月日 9月13日
血液型 A型
身長/体重 183cm/67kg

火星圏調査隊の一員。クランと組んで任務をするのは「DOLL-DA」発見時が初。
私用にグワッシュを何体も所有しており、各地のジャンク屋から選りすぐりのパーツで
カスタムしている事から「マスターグワッシュ」という異名を持つ。
120キャラデザの人:2008/06/17(火) 20:58:13 ID:???
キャラデザするにあたってリヴァイアス参考にした。
ちなみにギデオン(というか調査隊)の服は仮。
正式には決定してないのでみんなの意見を取り入れてみようと思う。
121通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 21:06:46 ID:???
んじゃ、俺も描いたので
薄くてごめんね!
http://imepita.jp/20080617/758210
122通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 21:14:08 ID:???
お、なかなかいい感じじゃないか
足の描き方とか結構好みだw
123通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 21:29:14 ID:???
>>122
素早いレスさんくす!
元デザイン>>102がなんとなく好みなのでアレンジしてみましたが、ウケたようでなにより。

他にも見てくれた方、いたらさんくす!
124通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 21:33:15 ID:???
ドルダの色つき版でけた
http://imepita.jp/20080617/770580
http://imepita.jp/20080617/770740


最後にネタバレ注意
http://imepita.jp/20080617/775520
125通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 21:34:34 ID:???

http://imepita.jp/20080617/769120

名前 伊吹・アダルベルト
年齢 17
生年月日 11月1日
血液型 A
身長/体重 156cm/44kg

帽子とポッキーがトレードマークの地球圏のL4のコロニーに住む女子工科学生。
13歳の頃に趣味で始めたプログラミングを学校に見学に来ていたソフトウェア会社
の社長に気に入られ、アルバイトをしている。メール相手である頃奈とは匿名の関係
である。



…なんだかこのスレ盛り上がってきたな、今後が楽しみだw
126通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 21:44:19 ID:???
キャラデザの人だけどクランってどういう設定にする?
今のところ出ているのは「火星調査隊」「女性」とかだけど…
後は謎の少女の設定。自分のキャラじゃないから意見を聞きたい。

それとこのスレは良スレの予感。期待あげ
127通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 21:51:00 ID:???
http://imepita.jp/20080617/781830

ヴァイス・トロニクス

調査団所属のMS整備士
ナギサカのグワッシュの塗装をした張本人である
彼自身はナギサカに惚れているが、好意ゆえにナギサカにちょっかいをかけてしまい、ナギサカ本人にはイジメだと思われている。

整備士ではあるが一応MSの操縦免許を取得しており緊急時には自ら出撃する



ごめん やっぱ俺下手だわ キャラデザの人 これをリファインしてくれorz
128通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 22:14:34 ID:???
ついにアトー改が世に出るときが来たようだな…!
129通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 22:15:32 ID:???
本編担当の人の進行次第じゃないか?
130通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 22:43:51 ID:???

http://imepita.jp/20080617/817220

とりあえずヴァイスを描いてみた。イメージを崩したらスマソ
131通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 23:06:28 ID:???
Gの影忍とブラスターマリだろ。
当時としては画期的な作品だった。

奇抜故にイロモノ扱いされてたが。

132通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 23:33:19 ID:???
シンシア
年齢 不明(外見年齢で16前後)
身長/体重 163cm/49kg

ドルダと共に発見された少女。ポジティブで活動的な性格。
記憶喪失になっており、まだ名前しか思い出せていない。ちなみにドルダは彼女の生体認証が無いと起動しない。


高校の時の美術の成績がドルダな俺が絵を書いたら酷いことになるから、無責任にも設定だけ書いてみた。
「シンシア」の名前は新シャアから取っうわなにをするやめ(ry
133通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 04:19:51 ID:???
Doll-Device Archive No.01 マーズ





 現在も尚、地球では紛争が続いている。
 しかし、宇宙開発は進み、宇宙コロニーが正式に居住地化するその年、
地球各国と月国家、そして各ラグランジュポイントのコロニー群による
地球圏連合によって、進宇宙暦(Advanced Space Development=ASD)が
新たな国際年号として発足された。

 進宇宙暦10年(ASD10)。
 人々が地球軌道や火星軌道コロニーに移り住むようになって10年が過ぎた。
 地球圏連合加盟国は資金を募り、火星のテラフォーミングに力を注いできた。
 そして、進宇宙暦が10年目を迎えるこの年、テラフォーミングが終了し地球化した火星に、
第一次調査隊が舞い降りた。
 軌道エレベータにより地上に降りる一行。
 ノーマルスーツを着用し、調査用機材と共に第一歩を踏み出す。
 地表は、地球の大地と大差なかった。
「呼吸は、出来るのでしょう?」
 第一次調査隊の副隊長である女性、クラン・R・ナギサカが言った。
 その顔は嬉々として、希望に溢れている。
 彼女には家族がいなかった。
 遠い昔に、痛みと共に亡くした記憶だった。
134通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 04:23:37 ID:???
「はい。可能です。大気正常。地球の成分とほとんど変わりません」
 モニターと睨めっこを続けていた女性隊員の一人、ミランダ・ウォンが事務的にそう告げる。
 眼鏡が印象的で、太陽光が反射してキツく光っていた。
 そんなミランダに困ったように一瞬だけ苦笑を見せると、
クランは静かにその顔を覆い外気を遮断しているヘルメットを外した。
「…………これが、火星の空気」
 肌に触れる微風。
 匂いも、感触も、全てがコロニーとは違う。
「第一号を取られてしまったな」
「すみません。マクドガル隊長」
 後ろから聞こえた声に、小さく肩を揺らし、クランは振り返る。
「いや、第一号は動物実験で放たれたマウス達か。私はコロニー育ちだが、やはり星は違うな」
 続くように、周りの者達もヘルメットを脱いでいく。
 クランに声をかけた男性。調査隊の隊長、ギデオン・マクドガルだ。
「火星の大気も人工的に創られたものだというのにな」
「そうですね。やはりそれは、火星も生きているということなんじゃないでしょうか」
 見渡す限りの土色。
 広がる地平線。
 それらを見ながら、黄昏の時が過ぎていく。
「おーい、積み荷は全部降ろし終わったぞー」
 火星の大地を眺めていた二人に、乾いた声をかけるのは、
調査隊の男性技師であるヴァイス・トロニクスである。
「医療器具もオッケーです! みなさん、じゃんじゃんケガしちゃってくださいね!」
 機材の陰からひょこっと顔を出したのは、調査隊の医療担当、モモ・マレーンだ。
 あっけらかんとしたその言動に、呆れる者、短く溜息をつく者、大きく溜息をつく者。
 そして微笑ましく見詰めるのは、クランだった。
 第一次調査隊は、この5人によって構成されている。
 年齢も性格も様々だが、火星への第一歩を踏み出すために選ばれた者達なのだ。
135通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 04:25:27 ID:???
 クランはギデオンと顔を見合わせる。
 ヴァイスに言われ、互いに考えは同じなのか、どちらからともなく頷く。
「では、隊長、準備が整い次第、作業を開始しましょう」
「そうだな。トロニクス君、グワライダーを起動させてくれ」
「へいへい。了解」
 積み荷の一つであるコンテナのハッチを開くと、中からは10メール程だろうか、
少々丸みを帯び、背部からは作業用のアームが伸びている機械が姿を現した。
 モビルワーカー(MW)。重機に代わり、地球や各コロニーで工事などに使用される機械である。
 コックピット式になっており、精密な作業にも適しているのだ。
「掘るんスか? 隊長殿」
「軌道エレベータ建造時に、MWで少量の土は持って帰ったそうだが足りないらしいのだ」
「了解ッス」
 ギデオンの言われ、ヴァイスがグワライダーに乗り込もうと昇降ワイヤーに掴まった。
 ヴァイスの視線とクランの視線が、重なる。
「……何か、言うことはないのかよ」
「え? 貴方との仕事は一度や二度じゃないでしょう?」
「チッ」
 あからさまに嫌そうな顔をして、ヴァイスはコックピットへ登っていった。
「私、何か悪いこと言ったかしら」
「どんかーん」
 首を傾げるクランに、モモは肩を竦めてやれやれと呟いた。

 グワライダーが動き始めた。皆が下がり、それを見守る。
 ただ一人ミランダだけは、未だにモニターを凝視していた。
 怪訝そうに、眉が動く。
136通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 04:27:41 ID:???
 心なしか瞬きも多くなっている。
 それは、モニターを睨み合いを続け疲れ目になっているわけでも、
彼女の視力が悪いからというわけでもない。
「計器の故障……ではないわ。そんなはずが」
 ぶつぶつと、信じられなさそうに同じ言葉を繰り返す。
「どうかしたのか。ウォン君」
「いえ……地層の調査を行っていたところ、この先約1キロ程の地下に、熱源を……」
 報告する自分自身が信じられないのか、語尾が弱々しい。
 そんなミランダの言葉に、目を丸くするギデオンとクラン。
「熱源? なんのだ?」
「と、突然現れたので私も計器の故障だと思ったんですが、これは明らかに地下に建造物が」
「建造物……? まさか。ここは未開拓の土地なのよ」
 ミランダの持っているモニターを覗き込む二人。
 しかし、ミランダが言うとおり、モニターは地下に何かがあることを示していた。
「テラフォーミング以前にどこかの国が建造したのではないか?」
「そんな、考えられません。どこの国だと言うんです。月?」
 答えのない議論。
 持ち込んだ機材は、故障がすればアラームが鳴る。
 そのアラームさえ故障しているというのだろうか。
「あのぉ、迷ってるなら、行ってみたらどうですか?」
 問答しあっているギデオンとクランに、モモはそう告げるのだった。

 作業を中断し、熱源を確認した地点へ急ぐ。
 有り得ないこと。誰がそうだと信じて疑わない。
 しかし、計器はそこにあると示している。
137通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 04:32:10 ID:???
「ったく。土いじりの次は宝探しか」
「ぼやかないでよ。でも、真実なら人類始まって以来の大発見だわ」
 コックピットには、ヴァイスと共に、クランも搭乗していた。
 牽引しているコンテナには、機材とギデオン達が乗っている。
「火星人かよ。発見したらエヴィデンスゼロワンとでも名付けるか?」
「もう……。貴方はいつもそうやって物事を茶化す。だから彼女が出来てもすぐに別れるのよ」
「……チッ」
 また、あからさまに機嫌が悪くなった。
 そんなヴァイスに、困って溜息をつく。
 クランは子供が好きだったが、子供のような性格のヴァイスは苦手である。
 決して嫌いではないが、会話が続かない。
 ヴァイスは友好的ではないが、自分から話しかけてくることもある。
 だから嫌われていないと、そう信じてはいるのだが。
『トロニクス君、一旦停止してくれ』
 沈黙を、ギデオンの声が救ってくれた。
 グワライダーがある地点で停止する。
「私は降りて様子を見てくるわ」
「…………」
 返事は、なかった。
 仕方がないと、返事を待たずに、クランはコックピットを降りた。
「どうです?」
「地下30メートル程ですね。やはり何があります」
「そうか。…………MWでは埒があかないな。爆薬を使おう」
 ギデオンの決断に、クランは驚いた。
「わ、私は反対です! まだテラフォーミングが終わった直後の不安定な状態なんですよ!?」
「だが、この地下建造物をそのままにしておくこともできないだろう」
138通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 04:33:48 ID:???
「地殻を刺激したらどうするんです!? それに、今回の調査内容からは逸脱しています!!」
 必死になって止めようとするクラン。
 しかし、ギデオンは首を縦に振ろうとはしない。
「君とは初めての仕事だったな。副隊長を務めた回数は?」
 突き刺すようなギデオンの視線が、クランを襲う。
 あれだけ騒いでいたクランが、凍ったように動かなくなった。
「………………これが、就任初の任務です」
「そうか。私は16回隊長職を務めたことがある」
 自信と誇り。
 悔しいが、クランは勝てる気がしなかった。
「あのL4第8コロニーテロ崩壊事件の時も、コロニー内の調査にあたった」
「経験の差、と。そう仰りたいのでしょうか」
 これ以上反論すれば、自分が惨めになるだけだった。
 クランはギデオンの返答を聞かず、一歩二歩と、俯いたまま退いていく。
 そんなクランを横目に、ギデオンは無線をオンにする。
「トロニクス君、爆薬を使用する。君はそのまま待機していてくれたまえ」
『了解ッス』
 無線を切ると、ギデオンはコンテナに向かう。
 気まずい空気の中、クランを一瞬見てミランダがギデオンを追った。
139通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 04:37:10 ID:???
 クランは拳を握る。
 拳はふるふると小さく震えていた。
「クランさん……」
「ごめんね。モモちゃん。私、まだまだね」
 顔を上げるクランだが、その顔はどこか暗い。
「爆薬の使用を反対したのは、私的なことなのよ」
「え?」
「私ね。数年前、地球で家族と暮らしていた頃に、家族を失ってるの」
 左腕を押さえながら、寂しそうにクランが言う。
「建物が崩れてね。……妹の15歳の誕生日だった」
 モモは、かける言葉を見つからず、ただクランの顔を見ていることしかできなかった。
 クランは泣いていなかったが、じんわりと瞳が滲んでいることがわかった。
 クランの過去など余所に、爆薬の設置は刻々と進んでいく。
 そして……
「皆、離れろ。耳を塞げ!」
 ギデオンが注意を促す。
 次の瞬間、爆破のスイッチが押された。

 爆音が辺りにこだまする。
 粉塵が舞い、それが霧のようになっていた。
「ソウヤ君……まさか君が、ここまでする人間だったとは」
 爆破されたドアの向こう側にいた男性が、震えながらも声を発した。
 火星コロニー自治区代表、ブルックリン・ハミルトンである。
 霧のような粉塵の中から、影だったものが姿を現す。
「これも全ては、火星コロニー独立のため!」
 手にした日本刀が床を突き、鋭い音を響かせる。
 現れたのは、火星コロニー群独立運動家、宗谷陽光(ソウヤヨウコウ)その人だった。
「我々、火星コロニー群独立運動団体は今この時をもって、地球圏連合に対し独立を宣言する!」
 鞘を抜き、刀身を掲げる。
「ダイモスよりもたらされた技術が、我々を勝利へ導くのだ!!」
 刀を高く突き上げる陽光。
 ハミルトンが静観する中、陽光の周りを囲む男達の雄叫びのような歓声が、一斉に巻き起こった……
140通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 04:39:49 ID:???
ここでCM。5人の調査隊のアイキャッチ。

つーことで急ごしらえの駄作でほんと申し訳ないですw
誤字脱字の訂正と後半の投下はまた後日!
141通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 06:00:43 ID:???
いいよイイヨウ
142通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 07:05:43 ID:???
GJいい感じだ!
これからの展開にwktk
143通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 13:58:09 ID:???
GJ、テンポが良くて良い感じだ!ちょっとキャラデザしてみた。

http://imepita.jp/20080618/497490
クラン・R・ナギサタ

http://imepita.jp/20080618/498120
ミランダ・ウォン

http://imepita.jp/20080618/498900
モモ・マレーン

144通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 14:57:10 ID:???
上手いねぇ
145通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 15:04:10 ID:???
>>143
是非コテハン付けてくれ。このスレで一番キャラデザ上手い
146通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 15:24:34 ID:???
絵師は限定しなくてもいいよな
PC絵師も見てみたい
メカもキャラももっとこいこい
147バルド ◆oa4CABeVT2 :2008/06/18(水) 16:19:35 ID:???
>>144-145
レスサンクス、今のところは…だけどなw

新キャラ貼ってみる。
個人的にはこういった民間人は描いてて楽しいな。

http://imepita.jp/20080618/583400
名前 シオン・紫藤
年齢 16
生年月日 6月9日
血液型 O型
身長/体重 166cm/55kg

地球圏L2の第3コロニーで暮らすジャンク屋の少年。12歳になるまでは一人っ子
だったので甘やかされて育てられた。至って普通の家系なのだが、ジャンク屋を
しているのかと言うと「小遣いが貰えないので稼ぐしかない」との事。義妹を溺愛
するというちょっと困った義兄ちゃん。

http://imepita.jp/20080618/571960
名前 ヘルガ・紫藤
年齢 14
生年月日 3月19日
血液型 AB型
身長/体重 153cm/40kg

ドイツで生まれ育った戦災孤児。10歳の頃にL2のコロニーに住む紫藤家の養子になる。
義兄のシオンと一緒にジャンク屋を営んでいる。血は繋がっていなくとも本当の兄妹より
深い絆を持つ。

148MS:2008/06/18(水) 16:42:37 ID:???
そろそろ謎の少女の名前を き め な い か
149通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 16:44:26 ID:???
シンシアだろ?
150通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 17:29:05 ID:???
http://imepita.jp/20080617/770580

ガンダムドルダ

調査団のクランが発見したMS
起動時にGUNDAM Dall-da と画面に表示される
コクピット内部は過去シリーズにおける全天周モニターである

武装はコクピット下にあるビーム砲

肩部にあるビーム集光機にはIフィールドのようにビームを弾く効果があるようだ(実体弾は弾かない)さらに集光機からはビームサーベルのようなものを発生させる。しかし通常接近戦時は集光機から機体全体にエネルギーを送り機体全体をビームで包み、突進を行う

本機には「Doll-da システム」という物が搭載されている
このシステムは本機の駆動系やエネルギーなどの全てを管制している

このシステムにはいまだ解明されていないブラックボックスが存在する
151通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 17:38:21 ID:???
http://imepita.jp/20080618/630840
http://imepita.jp/20080618/630400
http://imepita.jp/20080618/630310


ドル・デー

火星コロニー軍に所属している謎のMS

ドルダと同じくコクピットは全天周モニターである

武装は専用ビームライフルとビームサーベル
この機体には「Dall-de」と呼ばれるドルダシステムに似たシステムが搭載されている

Dall-deシステムが解放されると通常時の3倍以上のスピードを出す(それ以上という説もある)

152バルド ◆oa4CABeVT2 :2008/06/18(水) 17:54:49 ID:???

http://imepita.jp/20080618/640000

謎の少女 シンシア

とりあえずバルドの脳内にある謎の少女のイメージとして、「ひらひらした感じ」
がいいと思ったのでそうしてみた。

>>150-151

ドル・デーはターンX的な位置付けか?
153通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 17:58:06 ID:???
地球側の機体を書いてみた。誰か批評ヨロ。
http://imepita.jp/20080618/641680
http://imepita.jp/20080618/641450
http://imepita.jp/20080618/641210

ガーランド
形式番号 MSAM-08
全高 17.5m
本体重量 60.2t
装甲材 発泡金属
武装 ビームサーベル
M08ビームアサルトライフル(高周波ナイフ)
4連装ミサイルランチャー×2
ショルダーシールド

MBMはMainButtleAsaulltModuleの略称。08は統一宇宙歴8年に製作された機体と言うこと。
整備性や操作性など総合的に非常に優秀なMSで、特に各所のスラスターにより高い運動性を誇る。
統一宇宙歴10年までの総製造機数は22機。エースパイロットに優先的に配備されているが火星コロニー群の独立戦争のために増産が決定されている。
機体色はスカイブルー。

・ビームサーベル
ショルダーシールド裏に装備。シールドに付けたままでもビームを出力できる。
154バルド ◆oa4CABeVT2 :2008/06/18(水) 18:00:53 ID:???
>>153

MSのデザインが正統派ガンダムって感じで良いね
ショルダーシールドに惚れたw
155通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 18:06:48 ID:???
>>153

ザクウォリアー的位置付けの機体かい

とりあえず俺のやつよりはかなりマシだと思うよww
156通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 18:10:05 ID:???
>>153
いい感じのデザインです!高性能量産機ぽくて

ただ、ビームサーベル装備という点が気になるけど、他のメカデザインした人とは別の人?
157今までのMS描きました以下DAYC:2008/06/18(水) 18:11:55 ID:???
>>156
俺とは別人だよ
158通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 18:16:47 ID:???
やべえぇぇwktkが止まらないww
159通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 18:25:08 ID:???
http://imepita.jp/20080618/662160

ガンダムドルチェ


正体不明のMS

160バルド ◆oa4CABeVT2 :2008/06/18(水) 18:54:03 ID:???
>>159

ちょ、RX-78w

本編に出てたキャラを補完してみた。

http://imepita.jp/20080618/672170

名前 宗谷陽光
年齢 39
生年月日 7月26日
血液型 A型
身長/体重 176cm/67kg

http://imepita.jp/20080618/672680

名前 ブルックリン・ハミルトン
年齢 47
生年月日 1月31日
血液型 O型
身長/体重 187cm/122kg
161通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 19:06:01 ID:???
>>160
ちょwww宗さんカワエエwwwwww
162通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 19:38:22 ID:???
さて、前回に引き続き(?)、ドルダをアレンジしてみました
奇抜じゃなくてごめんね!
http://imepita.jp/20080618/703240
http://imepita.jp/20080618/704380
163バルド ◆oa4CABeVT2 :2008/06/18(水) 20:09:28 ID:???
>>162

スゴイ、是非プラモ化してほしい!


http://imepita.jp/20080618/724430
↑これアイキャッチかな?
164通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 20:19:15 ID:???
>>163
賛辞の言葉ありがとう!
そちらのイラストはまさにアイキャッチって感じでいいですね

物語の続きもきになるね
165MSデザイン:2008/06/18(水) 21:10:37 ID:???
俺はもう引退か……短い間だった
166通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 21:13:18 ID:qodLxfeU
普通に考えてGガンに出てくる雑魚ガンだろ。
167通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 21:17:22 ID:???
もしやドルダは可変MSかな?
168sage:2008/06/18(水) 21:17:28 ID:9uAM9G1W
>>166
なにがよ?
169通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 21:19:10 ID:???
170通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 21:52:38 ID:???
>>165
いやいや!俺はあくまでアレンジしかできん
しかも筆がめちゃくちゃ遅いんだ
そんなこと言うなよ…
171 ◆59FQTvUDNo :2008/06/19(木) 00:19:59 ID:???
しまった!地球じゃビーム実用化されて無かったんだ…。読み返して気が付いた。ローズのデザイナーさんマジスマソ。うっかりしてますたorz
明日ガーランドのライフルのデザインやビームサーベルなど、細部を変更して再うpします。地球の一般量産機も明日の夕方ごろうpする予定。
172通常の名無しさんの3倍:2008/06/19(木) 03:04:30 ID:???
何だこのスレw
とにかく絵師の方々がGJすぎる。

自分は絵なんて10年単位で書いてないぐらい下手だから世界観設定を煮詰めてみるよ。

・これまでの世界観設定のまとめ
コロニーへの移民開始から10年。
移民開始に合わせて進宇宙暦に改暦。
地球には複数の国家が存在。月にも国がある。
地球、月、(地球軌道の?)コロニーによる地球圏連合。
地球圏では紛争があり、テロ事件もある。
コロニーは地球軌道と火星軌道にある。
火星は地球圏連合の火星開発公社によるテラフォーミング完了直後。
主人公達は最初の調査隊として地上に降りる。
火星地上は無人のはずだが、過去に到達していたと推測される人類の遺物がある。
火星コロニーが独立戦争を開始。
火星コロニーの技術水準は高く、ビーム兵器が実用化されている(他の地域はプラズマ兵器止まり?)。
作業用ロボットのMW(モビルワーカー)が地球、コロニーを問わず用いられている。

こんなもんかな。
じゃあいよいよ設定を補完していこう。
…まず一番大きいやつなんだが、
テラフォーミングにかかる時間、ギデオン(30歳)がコロニー育ちであることを考えると10年は短い。
ってことでストーリー開始時点で進宇宙暦50年を提案する。

まあこれでもテラフォーミングには足りない気がするしはじめからコロニーと同時進行はきついから、
コロニーよりも前にテラフォーミングを始めてたことにしよう。
テラフォーミングのための宇宙ステーションがコロニーに発展したということで。

流れとしては
火星は数ヶ月かかるほど遠いので、長期滞在できる施設ができるまで無人ミッション中心。
調査、テラフォーミング、火星軌道上のステーション建造を行う。

有人探査の実績を重ねつつ、ステーションを完成させて有人ミッション本格化。
ちなみに地上より宇宙の方が地球行きに燃料を食わないので、
地上はまだ基地を作らずたまに探査しに降りるくらい。

開発の拡大を続け、コロニーへの移民開始。

最初は1つだったコロニーも増える。
この頃にテラフォーミング完了。ストーリーの開始時点。
軌道エレベーターも完成し、地上の開発が始まる。

眠いから他の設定はまた次の夜考えるわ。

ちなみに自分は基本的に後付で設定作るつもり。
ストーリー職人や絵師の皆さんが考えた設定を深めていくぜ。
あ、細かいキャラ設定とメカ設定は別の人頼む。
173通常の名無しさんの3倍:2008/06/19(木) 03:11:08 ID:???
自分の中でのシンシアのイメージ
ttp://ranobe.com/up/src/up278953.jpg
174通常の名無しさんの3倍:2008/06/19(木) 12:51:33 ID:???
何だこのスレのクオリティw
175バルド ◆oa4CABeVT2 :2008/06/19(木) 13:00:47 ID:???
時間が出来たので書き込みしてみる

>>173

うはwカワエエ!
てゆか俺なんかより全然上手いw
176 ◆59FQTvUDNo :2008/06/19(木) 19:38:36 ID:???
昨日批評を書いてくれた人達dクス。
ライフルとちょっとした修正をしてみた。

http://imepita.jp/20080619/701500
http://imepita.jp/20080619/703420
http://imepita.jp/20080619/701240
ガーランド
形式番号 MSAM-08
全高 17.5m
本体重量 60.2t
装甲材 発泡金属
武装 D-2ダガー
M-1Fアサルトライフル
4連装ミサイルランチャー×2
ショルダーシールド

MBMはMainButtleAsultModuleの略称。08は統一宇宙歴8年に製作された機体と言うこと(統一宇宙歴はまだ揺れるみたいなので暫定)。
整備性や操作性など総合的に非常に優秀なMSで、特に各所のスラスターにより高い運動性を誇る。
統一宇宙歴10年(仮)までの総製造機数は22機。エースパイロットに優先的に配備されているが火星コロニー群の独立戦争のために増産が決定されている。
機体色はスカイブルー。

・D-2ダガー
シールドの裏に装備。通常のナイフとしても利用できるがプラズマを纏わせる事で裁断力が著しく向上する。だがバッテリーの消費が激しいので多用は出来ない。
177通常の名無しさんの3倍:2008/06/19(木) 20:44:59 ID:???
こんばんは本編の人です
>>172の方、考察ありがとうございます
>>58でガンダムドルダは2010年放送wのガンダムということで
単純に進宇宙暦10年としたのですが確かに10年は短い気がしますね
2010を逆にして進宇宙暦0102年ならどうでしょうか
SFは奥が深いのでまたポカやらかすと思いますがその?%
178通常の名無しさんの3倍:2008/06/19(木) 20:47:33 ID:???
こんばんは本編の人です
>>172の方、考察ありがとうございます
>>58でガンダムドルダは2010年放送wのガンダムということで
単純に進宇宙暦10年としたのですが確かに10年は短い気がしますね
2010を逆にして進宇宙暦0102年ならどうでしょうか
SFは奥が深いのでまたポカやらかすと思いますがその時はどうぞ指摘お願いしますw

キャラや機体の絵師のみなさん、いつも楽しみに見させてもらってます
設定を全部拾いきれるかはわかりませんがこれからも投下の方よろしくお願いしますね





ではCM終わり。アイキャッチは日本刀を構えた宗谷。
179通常の名無しさんの3倍:2008/06/19(木) 20:49:32 ID:???
 宇宙を翔る十数機の戦闘機。
 モビルアーマー(MA)。地球圏の各国の軍が運用しているロボット。
 即ち、兵器である。
「なんだこれは!? こんなMA、見たことがないぞ!」
 地球圏連合火星コロニー駐留軍所属のMA、イーグルクロウのパイロットの一人は目を疑った。
 宙域に現れた機影は、 未確認の正体不明機。
「人型? 前例がないぞ。こんな機体!」
 地球圏では、人型の機動兵器は存在していなかった。
 バランス制御や材質の問題が生じ、地球圏では人型の機動兵器は開発されなかったのである。
 人型の機動兵器はない。
 その先入観があるためか、イーグルクロウのパイロットは驚きを隠せないのである。
 接近してくる正体不明機のその手には、銃らしきものが握られている。
 攻撃の意思があるという、明確な表れだった。
「各機、警戒を行うな。目標は……」
 言い終える間もなく、コックピットは爆炎に包まれた。
 正体不明機から放たれた、一条の光。
 それによって、次々とイーグルクロウは撃墜されていく。
「ヒャハハハハハ! こりゃあ爽快だぜェ!」
 正体不明機。その1機を駆るパイロットが、意気高らかに声を上げる。
 かつての火星の地のような深紅の、まるで薔薇のような色彩の機体。
 MAS-06ローズ。火星コロニー群の独立を訴える者達によって結成された火星コロニー義勇軍の機動兵器。
 モビルアーマーではなくモビルスーツ(MS)と分類を持つ、機体だった。
180通常の名無しさんの3倍:2008/06/19(木) 20:51:10 ID:???
 イーグルクロウを全滅させ、ローズはまた移動を始める。
『スウィフトさん。ソウヤ殿がつい先程宣言を!』
「ククッ。そうか。とうとう始まるか」
 口角が上がり、ニヤリと怪しそうに笑みを浮かべる。
 ニコラス・スウィフト。この男もまた、地球に反旗を翻した者の一人だった。

 グワライダーと人力によって、一時間程で瓦礫の撤去は終了した。
 眼下には、人工物だと一目でわかる外壁が姿を見せている。
 爆発は、その外壁の一部にまで到達しており、内部への進入が可能となっていた。
 そうなれば、ギデオンはこのまま内部の探索まで行うだろう。
 制止は無理だと、クランは諦めていた。
 しかし、ただで諦めるつもりは、彼女にはなかった。
「隊長、建造物の中を調査するというのでしたら、私一人でいかせてください」
「なんだと?」
「この件は、今回の調査任務の対象外と考えます。隊長である貴方が、任務外のことを?」
 考えを曲げるつもりはない真直ぐすぎる視線。
 そして、クランの意見も、間違いではなく正しいのである。
「隊長、計器の扱いに長けているミランダさん、技師であるヴァイス、医療担当のモモちゃん」
「君が行くのが、妥当というのか」
「各々の役割を適切に分担した結果です」
 興味がないと言えば嘘になる。
 だが、便宜上任務の一部としなければ、職務放棄に変わりないのだ。
「わかった。許可しよう。私より、細身の君の方が活動範囲は広そうだ」
 頑なだった者同士、どちらが折れなければ決着はつかない。
 建造物を発見した際のいざこざが、教訓として刻まれていた。
181通常の名無しさんの3倍:2008/06/19(木) 20:52:14 ID:???
 決着がついたその時を見計らったのか、クランの前にロープが投げられる。
 投げたのは、開いたコックピットから顔を出したヴァイスであった。
「やるんならさっさとやれ。俺はそろそろ昼飯が食いたい」
「了解」
 ヴァイスのぶっきらぼうだが、優しさを含んだ言い方に、ク
182通常の名無しさんの3倍:2008/06/19(木) 20:53:32 ID:???
 決着がついたその時を見計らったのか、クランの前にロープが投げられる。
 投げたのは、開いたコックピットから顔を出したヴァイスであった。
「やるんならさっさとやれ。俺はそろそろ昼飯が食いたい」
「了解」
 ヴァイスのぶっきらぼうだが、優しさを含んだ言い方に、クランは笑った。
 ロープを装着すると、足場を確認しながら、徐々に下へ降りていく。
 ヴァイス、モモ、ミランダ、そしてギデオンが、クランを見守る。
 ロープを軽く引き、張りを保ちながら、クランは一歩一歩確実に、外壁に空いた穴へと急ぐ。
(やはりこれは、人が作ったもの……)
 間近で見る外壁は、自分達が普段目にする建物の素材と、何ら変わらないように思える。
 クランは上にいるグワライダーを見た。
 グワライダーから伸びるロープは、まだ余裕がある。
 グワライダーから自分を見ているであろうヴァイスに合図を送り、クランは穴の中へ降りた。
「ロープを。ゆっくりと降ろしてください」
 無線を使って、ヴァイスに指示を送る。
 返事はなかったが、ロープに繋がった自分が静かに下に向かうので、安心する。
 建造物の中は、空いた穴から入る光だけしかなく、内部がどれ程の広さなのかも把握できない。
 クランは落ちた瓦礫の上に着地する。
 瓦礫の下の床は頑丈なのか、落ちてきた瓦礫でも大した損傷はない。
 クランは空いた穴を見る。
(天井だけが壊れた? 天井の壁は、床とは違う材質?)
 老朽化して脆かった、というわけではないように感じる。
「扉……ハッチ」
 想像でしかないが、どこかで確信している。
 クランは、ライトを点けた。
 目の前に飛び込む、情景。
「これは……!!」
 片膝をつき、王の前で一礼をする騎士のように。
 巨大な人型の機械が、そこにはいた。
183通常の名無しさんの3倍:2008/06/19(木) 20:55:13 ID:???
 ロープを外し、クランは恐る恐るそれに近付いていく。
 地球人類が住むこの世界のどこにも、人の形をした巨大な機械は存在しないはずなのに。
「貴方は誰? 何処から来たの?」
 幼い子供に問いかけるように、クランは呟いた。
 そして、あるものを見付ける。
 胸部らしき場所に、アルファベットの羅列。所々掠れており、全てを読み解くことはできない。
「これは、地球の、ものなの?」
 本当に、月かどこかの国が、この建造物を造ったというのだろうか。
 アルファベットを、目で追う。
「ドール、ディーエー……ドルダ?」
 綴られたその言葉を呟く。
 機械に触れようと手を伸ばす。
 しかし次の瞬間、天井に亀裂が入った。
 天井が崩れる。
 そう思ったクランの中に、記憶がフラッシュバックする。
『お姉ちゃん!!』
『シンシアぁッ!!』
 叫ぶその声は、崩れ落ちる壁に掻き消される。
 記憶と重なるように、建造物の天井も、落下してくる。
 クランは、意識を手放した。

 ハッと覚醒した時には、自分は運良く人型の機械の間に倒れていて。
 助かったことを感謝しながらも、落ちた天井と衝突したはずなのに、
横に倒れただけでほぼ無傷に近いそれを心底不思議に思い眺めている。
184通常の名無しさんの3倍:2008/06/19(木) 20:57:33 ID:???
 クランは先程とそれが、一つだけ違っていることに気付く。
 胸部が、開いているのだ。
「コックピット……? モビルアーマーなの?」
 人が乗っているのだろうか。
 クランはゆっくりと、コックピットらしきそこへ近付いていく。
 もしも敵意がある者が乗っているなら、気絶している時に殺されていたはずだ。
 そう考え、クランは中を覗いた。
「えっ……!?」
 中には、少女がいた。
 年齢は、15か16。亡くした妹に近い気がした。
 自分と同じように気絶しているのか、或いはもう死んでいるのか。
「うっ……」
「生きてる。貴女、大丈夫!?」
 生きていることがわかり、思わずクランは近寄っていた。
 外傷がないことを確認し、体を揺する。
 すると、少女は静かに、瞼を開いた。
「…………あなた、だれ?」
 虚ろな表情で、そう問われる。
 クランは少女が無事なことに安堵し、口を開いた。
「私はクラン。クラン・リザレクター・ナギサカ」
 柔らかい口調で、そう名乗る。
『ナギサカ君、聞こえるか!?』
 今度はこちらから訊き返そうとしたが、ギデオンの声が飛び込んできた。
「は、はい! 聞こえます」
『無事なようだな。良かった。上で大変なことが起こった』
「地上で何かあったんですか?」
『いや、もっと上だ。火星コロニーの独立強硬派が武装蜂起した』
185通常の名無しさんの3倍:2008/06/19(木) 21:01:21 ID:???
 ギデオンの言葉を聞き、クランに緊張が走る。
 以前から火星コロニーでは民衆が独立を訴えていた。
 火星のコロニーは決して豊かとはいえず、移民を開始して100年以上経過した今も、
管理、統括を行っている地球圏連合の食料自給の制限によって貧困にあえいでいる。
 過激な運動家がいるのは知っていたが、まさか武装蜂起にまで発展するとはと、
クランの表情が暗くなった。
「わかりました。……ロープは大丈夫みたいですね。至急戻ります」
 外を見て、まだロープが垂れ下がっているのを確認して、クランはそう返した。
『頼む。強硬派の機動兵器、人型らしい。
それが軌道エレベータのステーションにも向かっているらしいのだ』
「人型……? 了解しました」
 人型と聞いて、すぐにこの機体が浮かんだ。
 この施設は、火星コロニーの独立派が建造したものなのか。
 ならこれは、火星の兵器なのか。
「……来る」
「え?」
「近付いてる」
 少女が、言った。
 ギデオンの話を聞いていたのだ。
 強硬派がステーションに向かってるということ言っているのだろう。クランはそう思った。
 しかし、それは少し、違っていた。
 開いていたコックピットハッチが閉まっていく。
「な、何を!?」
 次々と点灯していくモニター。
「起動システム正常……うぅっ」
「どうしたの? 大丈夫!?」
 呻く少女に、クランが声をかける。
 しかし少女は、クランの声が聞こえないのか、無視をするのだった。
186通常の名無しさんの3倍:2008/06/19(木) 21:03:25 ID:???
 機体が大きく揺れ、クランは少女が座るシート脇にやむを得ず滑り込む。
 しがみつき、揺れに耐えるしかない。
「駄目……思い出しては駄目……駄目……」
 クランは呪文のように、そう繰り返す。
 暗く狭い空間に閉じ込められた悪夢のような記憶。
 それが彼女を恐怖させていた。
 機体が立ち上がり、両翼のように展開していたシールドが、体を包むように前部に展開する。
 そして、一気に飛び立った。
「ぐっ……ああああっ!!」
 肉体にかかる負荷に、クランが叫ぶ。
 機体はそのまま上空まで飛翔を続け、火星を離脱することを示していた。
 どれくらいの時間が経ったのだろう。
 自分が死んでいないことを理解して、瞼を開く。
 体を包むような若干の浮遊感。
「宇宙……!?」
 クランが驚きの声を上げた。
 モニターに映る景色は、地上のものではない。
 機体は、宇宙にいた。
「接近する機体を確認。殲滅する」
 モニターがこちらに向かってくる数機のMS、ローズを映し出す。
「何をするの……?」
 嫌な予感がして、クランが少女に問う。
 少女は、冷たく、まるで人形ような瞳で、それらを見ていた。
 機体の腹部が、エネルギーを収束を始める。
 そして次の瞬間、巨大な光の渦が、ローズに向けて放たれた。
「ああっ…………」
 眼前の光景に、クランは自分の目を疑う。
 光の渦は数機のローズを包み込み、そして消し去ってしまった。
187通常の名無しさんの3倍:2008/06/19(木) 21:04:59 ID:???
「私は……わたしは……くっ、うああああああ!!」
 ローズを消し去った直後、突然、頭を押さえ少女は苦しみ始めた。
 何が起こったのか。
 何が始まるのか。
 苦しみもがく少女を見ながら、クランはただ得体の知れない不安に、震えた。

To Be Continued...
188通常の名無しさんの3倍:2008/06/19(木) 21:09:50 ID:???
>>177>>181の書き込みが完全に反映されてませんのでスルーしてください

今回もまた誤字脱字の見直しをしてません
前半も訂正している時間がなかったので、誤字脱字を見付けたらじゃんじゃん指摘してくださいw

今日は木曜洋画劇場も火星を舞台にした映画ですね
%0
189通常の名無しさんの3倍:2008/06/19(木) 21:42:30 ID:???
>>188
乙 とりあえず急遽イーグルクロウの設定作ってみた


http://imepita.jp/20080619/777411

EMA-03
イーグルクロウ

人類がMSを運用する以前から使用されていた機体。元々は宇宙コロニー開発用に開発された

武装は二連装キャノン
本機はMSに比べ汎用性に欠けており現在では一線を引いているもののその生産性と整備性から現在でも生産は続けられている
190通常の名無しさんの3倍:2008/06/19(木) 22:00:55 ID:???
http://imepita.jp/20080619/777600

ガンダムドルダ【Doll-da】

ドルダシステムを解放したドルダ。外装が剥がれ本体が出現する

通常時より機動性は格段に上がっている

武装は肩部ビームガトリングガンとビームサーベル
ビームサーベルは出力調整でより巨大なビームブレイドにすることができる


システムは10分間だけ解放され時間がくれば強制的に外装が自動的にはり付く(解放時は外装同士がくみ合わされ巡航形態になり、自動的に動く)
191バルド ◆oa4CABeVT2 :2008/06/19(木) 22:13:52 ID:???
今、隙を見て書き込んでる

明日にでもニコラス投下するわ
それと、本編GJ!詳しい感想も後ほど
192 ◆59FQTvUDNo :2008/06/19(木) 22:21:16 ID:???
本編さんGJ!
>>189に完全に先を越されたがちょっと落書きしてみた。
イーグルクロウをデザインしてみたけどなんか駄目だ。俺には奇抜さが無さすぎる。
http://imepita.jp/20080619/801570
193通常の名無しさんの3倍:2008/06/19(木) 23:26:36 ID:???
バリアを張りながらビームキャノンでなぎ払い、近くの敵はビームを展開して体当たりをするドルダ…

かっこいい戦い方と思うのは俺だけじゃないはず…
194通常の名無しさんの3倍:2008/06/19(木) 23:28:45 ID:???
本編の人、ちょっと気になった事を書いておくので見て欲しい。
・火星側はビーム(勝手に荷電粒子砲と解釈)の技術が実用レベルで発展している上に保有している量産型MSがビームライフル実装。
・地球軍はビームも使えないしMSも使えない(ワークローダーみたいなのしか無い)。

これじゃ幾らなんでもパワーバランスが酷すぎないか?
地球軍がMSくらい保有してないとマズい希ガス

他はGJ。wktkが止まらないwwwwwww
195MSデザイナー:2008/06/19(木) 23:33:06 ID:???
>>194
いやこの設定作ったのは俺なんだがwwww
196MSデザイナー:2008/06/19(木) 23:49:45 ID:???
ノーマルスーツデザインしてみた

下手だから誰かうまくアレンジしてくれると助かる

http://imepita.jp/20080619/857010
197通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 01:04:48 ID:???
ふう…ようやく描けた
みんなGJです!特に足付きMAはイカス!
さて、今回はドル・デーです
ドルダの赤いライバル機
ドルダの速そうなイメージと対極の重厚なフォルムにしてみました
http://imepita.jp/20080620/029020
http://imepita.jp/20080620/030670
ノシ
198通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 01:27:40 ID:???
ドルダのメカデザよ
Gガンやシド・ミードを越えてみせろ
199172:2008/06/20(金) 01:59:17 ID:???
>>178
なるほどw 放送予定が元ネタだったとは。
0102の方が変にきりが良い数字じゃなくて自然でよさそう。

>>194
これはあれだ、奇抜なガンダムなんだから人型にこだわらないことで作品の奇抜さを発揮しても良いはずだ(ぇ
とにかく地球側の出方に期待だな。

>>185
食料自給制限→不足分を地球圏から輸送→割高でしわ寄せは火星市民に
という流れが見えるな。
これは隠れて生産してるやつや密輸してるやつが火星側にいそうだ。
独立派の資金源かも。

自分たちで生産させれば楽なのにわざわざ自給を制限しているということは、
地球側は火星コロニーの命綱を握って言いなりにしておきたいのだと考えられる。
ってことは火星コロニーの技術でぼろもうけしつつ、
相応のものを火星コロニーに還元しないで懐に収めてるな。
それで火星コロニーの発展が進まずに地球からの開発支援だよりで、100年経っても貧困が続くわけだ。
アフリカのどっかでありそうだな。
それとも技術はあるから、それなりに裕福な層も多い中国みたいな感じかな。

食料という点で考えると、テラフォーミングが完了した段階で蜂起したのは
地上での食料生産を地球の管理下に置かれる前に何とかできることと、
地球側が開発を進めなくても自分たちで勝手に食料が生産できる段階になったことという
2つの利点が考えられるな。
200通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 03:46:28 ID:???
地球側の主力兵装はリニアカノン辺りが良くないか?
ビーム兵器は発射までのタイムロスが有り連射が効かないが撃たれて仕舞えば回避は不可能に近いが減衰率もあり近距離に強く威力有りって感じで
対する地球側は初速が速く連射が可能で減衰率も低くが機動兵器サイズでは威力に問題がある。因みに重力下では弾速が速過ぎる為扱いにくい武装である(火器管制システムで修正できていが激しい運動中では修正仕切れない)

突っ込み処満載だがこんなのどうよ
201通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 03:52:41 ID:???
補足

リニア兵器は弾が大気圏離脱速度を越えてしまうので弾道は上に向かうって聞いた事がある
202通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 04:49:53 ID:???
電磁加速兵器云々を見るたび思うのだがコロニーレーザーのような超大型のレールキャノンとかあったら楽しそうだよなあって思う
砲身が長ければ長いほど加速できるのだから極限までの加速が可能なレールガンとかすごそう。
203通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 08:14:34 ID:???
>>202
マスドライバー並みのリニアキャノンみたいなもんか
そういやガンダムでマスドライバーを攻撃兵器にした例ってあまりないな
204バルド ◆oa4CABeVT2 :2008/06/20(金) 10:47:02 ID:???

http://imepita.jp/20080620/381240
ニコラス・スウィフト

ちょっと凶悪なイメージがあったのでそれっぽくしてみた

あ、あと本編読んでて思ったがシンシアは>>173の.verの方が
イメージに近いな

205通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 11:37:36 ID:???
>>204 悪人過ぎるw
206バルド ◆oa4CABeVT2 :2008/06/20(金) 12:26:41 ID:???
またもや登場は当分先になるであろう新キャラを貼ってみる。

http://imepita.jp/20080620/429180

名前 V-01
年齢 2
生年月日 4月1日
身長/体重 50cm/10kg

http://imepita.jp/20080620/429970

名前 V-02
年齢 1
生年月日 10月6日
身長/体重 50cm/10kg

L4のコロニーに本社を構えるソフトウェア会社・水月より発売されている
伊吹が開発したAI(人工知能)プログラム。「V」とは「Variable」の略称であり、
開発に使用したスクリプトの規格である。MSやMAにインストールする事も可能。
01は主に射撃補助、02は主に回避補助を得意とする。
207通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 18:22:18 ID:???
wikiが欲しくなってきたな
208通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 20:02:11 ID:???
この作品じゃガンダムってどういう位置付けの機体なの?
209バルド ◆oa4CABeVT2 :2008/06/20(金) 20:36:04 ID:???

とりあえずwiki作ってきたよ

http://www8.atwiki.jp/gundam_dollda/

今のところ編集は誰でも出来るので
誰かwikiの編集が上手い人、手伝ってくれ
210通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 20:46:34 ID:???
一番乙な>>209ってどるだ?
211バルド ◆oa4CABeVT2 :2008/06/20(金) 21:15:53 ID:???
ところで、この作品の正式タイトルってどうするよ?
やっぱりU.C.じゃないから機動戦士は使わないだろ

副題を入れないにしても

「ガンダムDOLL-DA」、「ガンダムD」という最低2択あるしな

あと、誰かタイトル決まったらでいいから「ロゴ」作ってくれ
Wikiが華やかになるし、映像化する時に必要だから


212通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 21:19:21 ID:???
新シャアだから新機動戦士ガンダム Dolldaでいいじゃない
213通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 21:25:19 ID:???
そういやDolldaの他にガンダム出ないの?
今ふと火星を舞台にしてるってことでガンダムマルスとかいうのがいてもよさそうだと思ったんだがw
214MSデザry…以後DAYC:2008/06/20(金) 21:31:24 ID:???
>>213
ドルチェがいます
215通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 21:36:32 ID:???
>>214
>>159か…忘れてますた。すまんw
216通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 22:40:20 ID:???
浮上
217 ◆59FQTvUDNo :2008/06/20(金) 22:55:46 ID:???
>>213
そいつデザインしてみる。
明日の昼過ぎには完成させるつもり
218通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 23:00:53 ID:???
大量にガンダムがいるのは正直好かん
219通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 23:06:22 ID:???
最大5体で
220DAYC:2008/06/20(金) 23:08:57 ID:???
クソッ!デザインと本編のスピード差が激しすぎるから投下するべきか迷うwww


強化型ドルダとか後継機とか既に案はむちゃくちゃ出来てるのにww
221通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 23:15:34 ID:???
落とせ、落とせ!!!
その方がいい
222バルド ◆oa4CABeVT2 :2008/06/20(金) 23:26:04 ID:???
落とす方を薦める

俺だって案は結構あるから気にするなw
どうせ過疎ってるんだったら投下して活性化したほうがいい
223通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 23:30:49 ID:???
過疎?
お前どんな速いスレにいんの?
224通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 23:32:39 ID:???
>>217
マジかw
ならカラーリングは赤中心で頼むわ
あとキュリオスのシールドみたいなギミック希望
注文多くてすまん
225通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 23:37:45 ID:???
本編の人は設定全部拾えるかわからんて言ってるんだし好きに投下すれば良いのよ
226バルド ◆oa4CABeVT2 :2008/06/20(金) 23:40:13 ID:???
>>223

新シャアだとVSスレとかIDスレとかね
227通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 23:41:10 ID:???
トンファーとかハルバード装備してる機体とか斬新
228バルド ◆oa4CABeVT2 :2008/06/20(金) 23:42:15 ID:???
まぁ…アレだ
勝手に価値観押し付けてたんだったら悪かったorz
>>222の三行目は忘れてくれw
229 ◆59FQTvUDNo :2008/06/20(金) 23:44:25 ID:???
>>224
把握。
ただ色塗りは期待しない方がw一応善処はしてみるけどw
230バルド ◆oa4CABeVT2 :2008/06/20(金) 23:46:03 ID:???
ファンネル系の武器にカメラを付けるとかどうよ?
231通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 23:46:54 ID:???
そういやドルダにはファングついてんだよな
>>18によると
232通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 23:55:54 ID:???
>>206
AIか!
戦闘が華やかになりそうだな。
プログラムなのに画像があるのは初音ミクみたいなものかな?
233通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 23:56:38 ID:???
>>231
それは00に出るドルダのことだよ
234通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 00:01:51 ID:???
>>233
00セカンドシーズン→ガンダムドルダって続くための伏線かw
235172改め設定考証:2008/06/21(土) 00:02:12 ID:???
>>233
なるほど。
ガンダムDoll-daは00からそのまま続いている世界観で、
00にも顔見せで出てるんだな。

つまり
00:コロニー建造中

移民開始
↓約100年
Doll-da
というわけか!
236通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 00:20:07 ID:???
そしてDoll-da→U.C.へ…
237通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 00:47:17 ID:???
他の作品との関係はない方がいい稀ガス
そういうしばりは奇抜さがなくなると思う
238通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 00:58:27 ID:???
縛るも何も縛ってないから兵器さ
239通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 01:04:40 ID:???
まあ、やるなら劇中劇みたいな感じにするとかどうだ?
ガンダム00がドルダの世界で実写ドラマになってるとかw
240通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 01:10:32 ID:???
ガンダムフリーダムとフリーダムガンダムみたいなもんだろう
241通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 01:39:59 ID:???
まあまずドルダにおいてのガンダムの位置づけと意義、何機あるのか〜とかを考えないとな
242通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 02:08:26 ID:???
>>241
とりあえず当面の位置づけとしては、
謎の施設で謎の少女とともに発見された謎のMSなんだろうな。

まあこれ以上はストーリー次第か。
何機あるかはどうにでもなりそうだけど。
243通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 05:59:01 ID:???
Doll-Device Archive No.02 ステーション





 少女は、静かに深い闇からの覚醒を果たす。
 視界に映るのは、白く広がる天井。
 少しばかり視線をずらすと、自分を見守り続ける女性の顔が見えた。
「あなた、だれ?」
 そう尋ねると、女性は困ったように笑った。
 そして、優しい眼差しで少女を見る。
「クラン・リザレクター・ナギサカよ。さっきそう名乗ったでしょう?」
「さっき……?」
 少女は、眉を顰めた。
 クランの言っていることに、覚えがない。
 そんな少女の反応に、クランの表情も変わる。
「まさか、何も覚えていないの? 火星の地下で貴女に会ったこと」
「火星、地下…………うぅっ!」
 クランの言ったことを自分の中で思うと、頭痛が走った。
 痛みに少女は呻き、額を押さえる。
「平気!? モモちゃん! モモちゃん!!」
 少女を心配して近寄る。
 体を支えると、少女は苦悶の顔で、こちらを縋るような目で見た。
「思い出そうとすると、頭が痛くなる……怖い」
 ゆっくりと額から下ろされた手は、震えていた。
244通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 06:02:42 ID:???
 深刻な、自身に起こっている異変に、少女は震えている。
 そんな少女に、クランは親心のような感情が、胸を締めつける。
 親心。否、妹を思う姉の心。そう言った方が正しい。
 ありし日の、まだ生きていた頃の妹と、少女を重ねて。

 しばらくして、少女は再び眠りについた。
 クランは部屋を出た。
 此処は、火星軌道エレベータのステーション。
 少女が気絶したその後、クランはなんとか火星で発見した機体を操縦し、
ステーションに戻ったのだった。
 クランは驚いた。MWなどの作業機械とは操縦系統が全く違うだろうとは思っていたが、
人型の機体であるにも関わらずその操縦が非常に簡略化していることに。
 簡略化といっても単純というわけではないが、操縦方法を覚えるのは楽であった。
(やはり、独立派が開発した機体なのかしら)
 頭に浮かぶ疑問。
 あの機体の破壊力は凄まじいものだった。
 腹部から放たれた光は、今までに見たこともない兵器で、クランは心の底から畏怖した。
 一瞬にして数機のローズを消し去ったそれを開発したのが、火星コロニーの独立強硬派だとしたら。
 だが、クランはその考えを拭う。
 そうだとしたら、少女が同じ人型の機体を攻撃するはずがない。
 そもそも、地下のあの施設をどうやって建造したというのだ。
 工事により発生する熱源を、宇宙から観測されてしまうではないか。
 クランは結論の出ない憶測を、続ける。
245通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 06:05:15 ID:???
「クランさん!」
 そんな中、後ろから声をかけられ、クランは振り返った。
「モモちゃん……」
「クランさんも、格納庫に? あの子はどうなんですか?」
「えぇ。一度目が覚めたんだけど、また眠ってしまって」
 クランは、モモに先程の経緯を説明する。
 クランと出会ったことも、火星を飛び出し宇宙で大暴れしたことも、何も覚えていない。
 それに加え、思い出そうとすれば頭痛が起こるということを。
「うーむ……専門じゃないですから詳しくはわからないですけど、記憶障害の一種かな」
「記憶障害……」
「言葉は普通に喋れるなら、恐らく自分に関係していることだけとか」
 何か思い出したくない記憶でもあるのか。
 クランはまた、悩んだ。
 少女は一人だった。一人で地下に眠っていた。
 飲食はどうしたのだろう。そんな疑問も浮かんだ。
 だがそれよりも、クランの頭の中を占めるのは、少女が独りだったことだ。
 あの機体のパイロットとして、あそこにいたのか。
 しかし、年端もいかない少女を、あんな場所に置くのは非道なことだと、クランは思った。

 やがて、格納庫に到着する。
 格納庫には、残りのメンバーがいた。
「この機体、どうです?」
 操縦が出来たといっても、完璧というわけではなく。
 なんとも情けない格好で鎮座しているそれを見ながら、クランが訊く。
「なんとも言えん。戦闘機から発展したものをMAと呼ぶが、これはそれとも違う」
 ギデオンが複雑な面持ちでそれに答える。
246通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 06:09:07 ID:???
 胸部付近で何やら作業していたヴァイスも、諦めた表情で降りてきた。
「レーザーカッターを使ってみたが駄目だな。傷はつけられたが……」
 肩を竦めて、技師としての自信を喪失してしまっている。
 クランは、機体に近付いた。
 ヴァイスがつけたという傷を見付けると、そこで起こっている光景に驚く。
「これは……なに?」
 傷の周りを、小さな光の粒が呼応している。
「ナノマシンなんじゃねぇかとは思うんだ」
「ナノマシン? ナノマシンが今まで不治とされていた病気を治療したってニュースは知ってるけど」
「機械の修復ができるナノマシンが実用化されたなんて聞いたことがない」
「オーバーテクノロジーの塊ですね」
 クランとヴァイスが会話の中に、ミランダが入ってきた。
 携帯用のモニターを片手に、彼女も機体の調査をしていたのだ。
「機体はそのナノマシンによって、ブラックボックス化しているようですね」
 パタンと音を立てて、モニターが閉じられる。
 ミランダも、お手上げ状態だった。
「解析は不可能です。トロニクスさん、ナノマシンを採取することはできませんか?」
「いや、やってみたがな。気化するみたいに消えるんだ」
「じゃあ、私達の周りもナノマシンが充満していると?」
「そうかも知れん。だがこうやって普通に息してるんだ。人体に害はないさ」
「そうですね。あの、この修復の過程についてなんですけど……」
 話題についていけなくなり、クランはそそくさとその場を後にする。
 そして、未だに機体を眺めていたギデオンの近くに寄った。
247通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 06:15:10 ID:???
 ギデオンの表情は先程と変わらず、心境も複雑そうだった。
「あんなに地下に興味を持っていたのに、どうかされたんですか?」
「何もかも初めて尽くしでね」
「16回、隊長職を務められたんじゃ?」
「事実は経験より奇なり、さ。おかしな事態だよ」
 あまり大袈裟なことは口にするのではないと、ギデオンは思わず自嘲した。
 クランはクランで、根に持っていたことの仕返しができて、少々嬉しそうである。
 クランの顔を見られなくなったギデオンは、話題を変えるためか、
ずっと黙っていたモモに顔を向けた。
「マレーン君、スタッフを呼んできてくれと頼んだのだか」
 そう訊けば、モモは困った顔をして、口を開く。
「おかしいのはこのロボットだけじゃないんですよぉ」
 泣きそうな顔をして、情けない声が口からでる。
「スタッフの人、どこにもいなくて……」
「いない? どういうことだ?」
「わかりませーん!!」
 再度訊かれ、モモは怒ったようにそう返す。
 そう、本当にわからないのだ。
「機体を運ぶ時、通信できないことがわかってライトを点滅させて誘導してくれたのに」
「我々がここに上がってくる時もアナウンスがあったよ。だが、顔を見たわけではない」
「どういうことでしょう? 私達が火星に降りる時は、確かにいましたよね……」
 まるで幽霊か幻にでも遭ったかのように、自信のなさそうな口調でクランが言う。
 ステーションといっても、まだ一般に向けて公開されていない施設。
 今いるはずの関係者は自分達と、施設管理を火星開発公社から任された火星コロニー民のはず。
 火星コロニー民。そう考えた時、クランとギデオンに、嫌な予感が走った。
248通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 06:19:53 ID:???
「皆、集まってくれ。どうやらステーションも不穏な雰囲気だ」
「考えたくはないけれど、ステーションのスタッフにも独立派がいるかもしれない」
 疑心暗鬼だといい。
 クランはそう願う。
 しかし、その願いは叶わなかった。
「その通りだ。公社の火星調査隊の諸君!」
 格納庫に響く、若い男性の声。
 ドアが開くと、銃を持った十数人の男達が流れ込んでくる。
 そして、銃口が一斉に、クラン達へ向けられた。

 第1火星コロニー。
 そこは、火星コロニー独立を訴える運動家達、
今は火星コロニー義勇軍と化した者達に占拠されていた。
 代表官邸の執務室では、陽光と数人の部下が言葉を交わす。
「蜂起は成功。各コロニーに駐留していた軍は次々と降伏しています」
「そうか。でなければ話にならない」
 幸先の良い報告を聞いても、陽光の顔は険しいままだった。
 それは、これだけで全てを満足したわけではないということの表れだろう。
「我々の火星移民は希望に溢れているはずだった。しかし、蓋を開ければ食料自給の制限」
 日本刀の鞘の先が、また大きな音を立て床を突く。
「全ては火星にある! 我々が独立すれば、火星の占有権を主張すると地球圏連合は恐れたのだ!!」
 陽光が声を荒げる。
「そのせいで我々は100年もの間、貧困にあえいできた。
しかし! 今、そこから脱出しなければならない!!」
 また鞘が床を突く。
 部下達は一斉に、陽光に向き直る。
249通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 06:25:07 ID:???
「全ては火星コロニー民のため!! 全ては火星コロニー独立のため!!」
「支配者達から自由を奪い取れ!! 自分達で物を生み出すのだ!!」
 部下達はその言葉の復唱を続ける。
 声が枯れるまで。息が出来なくなるまで。
 そんな時、一本の通信が、陽光の元に入った。
『ゲェッゲッゲッゲ。何やら派手にやっとるようじゃの』
 執務室の大型スクリーンに映し出されたのは、老人だった。
「プロフェッサー・ティモール。何か用か」
『儂が開発したMSはどうかと思っての。ゲゲッ』
「至って順調だ。駐留軍の部隊を圧倒していると続々報告が入ってきている」
『当たり前じゃッ!!』
 老人、プロフェッサー・ティモールの怒号が、執務室に轟いた。
 音が割れる程のそれに、部下達は思わず耳を塞いだ。
『全ては儂の頭脳とダイモスの遺跡にあったロストテクノロジーの賜物!
儂の人型機動兵器構想は正しかった。それなのに地球の馬鹿共は……』
「地球の学会を離れ、火星圏で研究を続けていた貴殿の昂ぶる熱意は、私も買っている」
 ただ一人陽光だけは、ティモールの言動に表情一つ変えないでいた。
「それで、地球圏侵攻のための艦隊はどうなっている」
 決して強気の姿勢を崩さない陽光。
 それは、大型スクリーンに映る老人に対しても同じだった。
『ゲッゲッゲ。各コロニーからジャンク屋を集めて現在鋭意建造中じゃ』
「了解した。ジャンク屋達も火星コロニー民。くれぐれも酷使はしないよう頼む」
『ゲェッゲッ! ヨウコウ、鬼のようなお前でもコロニーの民にはその涙を見せるか……』
 ティモールは、いやらしく笑った。
『安心せい。丁重に扱っておる。ではこれで通信を終了するぞ』
 一方的に、通信は切れた。
 嵐が過ぎ去った後のように、胸を撫で下ろす部下達。
250通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 06:26:27 ID:???
 陽光は、深く息を吐いた。
「食えん爺だ……」
 しかし、利用できるのものは骨の髄まで吸わなければ、勝つことはできない。
 真に討つべき敵は、火星圏にはいないのだから。
251通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 06:33:30 ID:???
ここでCM。アイキャッチはピンチのクランと険しい表情の宗谷。





今回も前半のみです。いかかでしょうか。
みなさんのアイデアが良すぎて頑張って拾おうと必死ですw
火星圏と地球圏のパワーバランスですが、地球側が圧倒的不利なのには理由があります
って今回ちょっと匂わせたのでわかりますねw

ドルダ以外のガンダムについてですが
ドルチェを“現”地球製のガンダムとしてドル・デーと共に出そうと考えています

では後日、後半の投下の時にお会いしましょうノシ
252通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 14:01:29 ID:???
なんか、新しいレスが見れない
200くらいまでしか
なんでだろう?てす
253通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 14:02:31 ID:???
解決しました
なんだったんだろう…
254DAYC:2008/06/21(土) 16:07:20 ID:???
誰かドルダを立体化してくれないかな

デュナメスのシールドとか使えそうだけど
255DAYC:2008/06/21(土) 16:25:17 ID:???
http://imepita.jp/20080621/585430


ゼーレ・ポピー


火星コロニー軍に所属する中尉
赤いMS ドルデーを操縦する天才パイロット
「選ばれし騎士」を自称する

その自称に恥じない実力を持っている

記憶がない
256バルド ◆oa4CABeVT2 :2008/06/21(土) 21:52:52 ID:???

http://imepita.jp/20080621/777360
プロフェッサー・ティモール

火星コロニー独立運動団体の切り札であるMS開発の第一人者。
元々は地球で人型機動兵器の研究をしていたが学会で受け入れてもらえず
火星圏で研究を続け、遂にMSの実用化に成功した
本編を見るに、凝り性で頑固な正確であると推察される。

http://imepita.jp/20080621/778090
ディラン・クロス

火星圏出身の少年兵。数で劣る火星圏は少年兵を起用することは
珍しくない。彼の場合、自ら兵に志願し、現在は地球人としてテロ活動を
している。ちなみに楠川煉滋の経験した「自爆テロ」は彼が主犯。
しかし、実際に自爆したのは彼ではないらしい。
257通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 21:53:35 ID:???
>>254
腹部ビーム砲はストフリかな

そういえばこのスレの本編以外は誰でも投下していいのかな?
258バルド ◆oa4CABeVT2 :2008/06/21(土) 22:08:34 ID:???
誰でもいいと思うよ
259通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 22:26:07 ID:???
まぁ自分勝手に絵を落とすスレみたいになってるからSSも勝手にすればいい
260通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 22:51:34 ID:???
確かにw
てかドルダ熱冷めてきたみたいだね皆
261通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 23:56:38 ID:???
進行が遅いとどうしてもgdgdになっちゃうから書き手は何人かいた方が良いとオモフ。
262 ◆59FQTvUDNo :2008/06/21(土) 23:58:55 ID:???
マルスのデザインが定まらない…明日に持ち越し
263設定考証:2008/06/22(日) 00:44:46 ID:???
>>249
もう地球へ向かう準備とは。火星側は用意が良いな。
まあ、火星から地球へ数ヶ月かかることを考えると早いほうがいい。

問題は何故地球へ向かうかだ。
地球から増援が来るまでの時間を考えると、来る前に火星圏は制圧できる。
そうなれば長旅で疲れた敵を撃退するだけで、自分たちで勝手に暮らしていけばいい。
そうしないということは、地球側でドルチェが出てくるというバレから考えて
火星側が地球のMSの存在を知っていて、それを脅威と見なしているということかな。
「真に討つべき敵」というのが気になるぜ。
264通常の名無しさんの3倍:2008/06/22(日) 01:08:10 ID:???
>>261
書き手はリレー方式がベストってことかな?
265通常の名無しさんの3倍:2008/06/22(日) 16:52:09 ID:???
age
266試しに書いてみるだ:2008/06/22(日) 20:56:03 ID:???
分厚いスーツ越しですら、冴えた空気を感じている。
白銀に光る肌を眺めながら、クランはゆっくりと月の大地に降り立った。
弛んだコードを引き寄せた。ぴん、と張りつめたのを確認して、背部からエアを吐き出しながら彼女は飛んだ。
「ナルコレプシー、こちら01よ」
『オーケー、聞こえてる。デブリには気を付けろよ』
メットに響く音声はクリア。この低い男性の声は、オペレーターのカナンだろう。
「ルナリアンはきれい好きだわ、私たちと違ってね」
か弱い声が割って入った。
『クラン』
「シンシアも。何をそんな声を出すの?」
『ちがうの。いってらっしゃい』「……行ってくるわ」
これで三回目ね、と頭の中で数える。一回目はノーマルスーツを着た時、二回目は自分たちの船――ナルコレプシーを出る時。
(心配してくれてるのかしら)
あの子の感じている事は分からないわ……、とクランは声には出さずに呟いた。
火星の地下遺跡でシンシアを発見してから、クラン達は命からがら火星軍から月へと逃げ出して来た。
その追撃の際に破損した、ナルコレプシーの通信機類の代わりに、今クランが目と耳と口となっている。
つまり、偵察と交渉だ。
近くに地球側の施設があると知り、救助を求める為に。
267試しに書いてみるだ:2008/06/22(日) 20:59:40 ID:???
本編の人じゃないんだけど、謎の少女の名前を勝手にシンシアにしてしまった……
初投下でよくわからないんだがこんな感じでおk?
268通常の名無しさんの3倍:2008/06/22(日) 23:51:46 ID:???
>>267
GJ
269 ◆59FQTvUDNo :2008/06/23(月) 00:05:52 ID:???
http://imepita.jp/20080622/860290
下書きうp。ガンダムの顔って難しいんだな。かなり書き直した。
明日こそはライフルとシールドをデザインしなくては。
>>267
おkおk。上手い
270通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 01:20:12 ID:???
>>267>>269>>本編の人
GJ

そういや俺はナルコレプシーじゃないかと一時期悩んでたwww
271通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 02:30:55 ID:???
まさか検尿でスレ検索する日が来ようとは・・・
272通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 02:31:24 ID:???
誤爆したスマソ
273通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 15:21:09 ID:???
なんという過疎…おもわずageしてしまった
このスレは確実に落ちる
274 ◆59FQTvUDNo :2008/06/23(月) 15:59:24 ID:???
急に過疎ったw
275通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 17:54:41 ID:RC9jpmhm
保守
276通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 17:55:00 ID:???
じゃあ俺の妄想投下していい?
先にでてきたガンダムマルスについての電波なんだけど、ファンネルにカメラってのから電波を受信
本編の人が設定拾うの大変かと思い自重してたんだが

ガンダムマルス
可変・探索・狙撃型MS
昔ドルダの存在を脅威に感じていた存在が開発していた、ドルダの地下遺跡を調査及びドルダの回収、破壊を目的とした機体
その為探索能力に長け、狙撃・離脱戦法を得意とする。
接近戦に関してはガーランドに劣る

装備
センサーシールド…センサー内蔵型のシールド。サダルスードが持ってるみたいなの
         但し刺突攻撃ができるよう先端は尖っている
ビームサーベル…一応一本背中あたりにある
ビームダガー…主に投擲用。二本腰に装備
カメラファンネル…カメラのついたファングみたいなの。主に攻撃用ではなく地下遺跡調査の為に使用
         センサーシールドと内部のセンサーとリンクしており、広範囲の探索が可能
         もちろん攻撃用としても遜色ない。八個でよくね?
ビームピストル…二本。デュナメス参照
スナイパーライフル…主力武器(のはず)狙い撃つ!(はいはい)

あとは捕縛用のクローみたいの。個人的にはジャベリンが四つのクローを形成って今思いついた

まあキュリオス+デュナメス+サダルスードみたいな。
敵でも味方でも好きにして。でもパイロット日本人はやだな。漢字名はもうごちそうさまです
絵は後日投下するかも
あと叩いてくれていいよ。ただのオナニーだから
277通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 18:00:46 ID:???
あ、あと装備にテールブースター追加。
さすがにゴテゴテしすぎか…
でもドルダに対抗できねーもん
278通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 18:39:57 ID:???
一部のメカ以外、ほぼオリジナルで書いてもいいかな?
279 ◆59FQTvUDNo :2008/06/23(月) 18:42:49 ID:???
>>276
出来ればマルスの設定は作らないで欲しいんだけど…
280通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 18:52:40 ID:???
ドルダは途中で強化改修なりドルダシステムが作用したりで奇抜になるといいな
頭が3つついてるとかすべての武器を体内に格納してるとか
281通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 19:01:35 ID:???
>>278
却下
282276:2008/06/23(月) 19:17:59 ID:???
>>279
マジかwすまん。
じゃあ名前変えるわ、まあ思いつかないんだけどw
283通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 19:22:27 ID:???
一部を残すなんて言わずに完全オリジナルで書いたほうがいいんじゃないか。
284通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 19:24:35 ID:???
>>283>>278宛で
285通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 19:24:56 ID:???
>>278
ドルチェに関しては賛成
286通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 19:41:24 ID:???
この流れはとりあえず本編の人とキャラデザ&メカデザの人を待とうぜ
287 ◆59FQTvUDNo :2008/06/23(月) 20:39:37 ID:???
どゆこと?最初から始めるの?
288DAYC:2008/06/23(月) 21:02:07 ID:???
とりあえずドルチェ書き直してくれる人はいつでもどうぞ


ドルチェは流石にやっつけすぎたわ
289通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 21:09:42 ID:???
>>287
いや、意見を仰ぐという意味で
今までのは今までのでGJ
290通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 23:29:21 ID:???
過疎
そういや本編の人がいないと機能しないよな、このスレ
色々忙しいんだろうけど
ドルダは宇宙の塵となってしまうのか…
291通常の名無しさんの3倍:2008/06/24(火) 00:06:51 ID:???
絵描くの下手でも適当に妄想MS描いて投下して良いスレは此処ですか?
292通常の名無しさんの3倍:2008/06/24(火) 00:33:47 ID:???
こんばんは本編の人です
後半はまだ出来てないので今は投下できませんサーセンw
でもこの流れを見ると投下は早めの方が良いようですね

自分はできる限り投下されたキャラやメカの設定は拾うようにしていますが
物語のプロットがすでに出来ているので全ては拾いきれないと思います

キャラメカもそうですが、本編のSSも自由に投下すれば良いと思います
それこそ私が書いた>>76のあらすじなども気にせず「これがドルダだ!」というものをw

それではまた後日!
293通常の名無しさんの3倍:2008/06/24(火) 00:53:14 ID:???
おぉ、ポチポチ打ち込んでたら本編の来てたw
お邪魔じゃなければしばらくつづけてみたいと思いますが、取り敢えず投下してみます。
なるべく設定等沿おうとは思いますが、ストーリーはパラレルみたいな感じで。
294試しに書いてみるだ:2008/06/24(火) 00:54:05 ID:???
>>266
クランとナルコレプシーが通信を行えるのは、ノーマルスーツの腰から伸びた、緊急時の通信用コードのおかげだった。
命綱の役割も果たすそれが伸びる範囲は約1km以内。艦に搭載されていた月面図では、この近くに施設があるはずだったが――。
(何も無し、か)
地球所属である月ならばそうそう死にはしないだろうが、助けがなければ緩やかな死を待つのみである。
O2だって無限ではない。
クランには、急にメットが息苦しいものに思えてきた。
『クラン、大丈夫か?』
「大丈夫よ。それより、付近の警戒をきちんとしなさい。私ももう大分離れてるのよ」
『分かってるよ。なあ、本当に――』
「行ってくる」
通信を切り、クランは大地を蹴る。彼女の身体が、ゆっくりと旋回しながら宙を舞う。
星空。
蒼い影を残しながら、地球が流れていった。
「……感傷に浸る暇は無いのよ」
まず生きる事を考え、次にシンシアをどうするかを考え、それから――
目には見えないはずの、「やるべき事の山」が高く積もっている様が見えるようで、クランはうんざりした。
だが、それすらも今は許されない。まだ偵察任務は終わってはいないのだ。
星空に目を走らせる。
295試しに書いてみるだ:2008/06/24(火) 00:55:09 ID:???
星々の冷たい光が、身体を突き刺すようだった。
「ウサギもカグヤも居ないのね」
呟きはナルコレプシーには届かない。今は通信を切っていた。
やかましいカナンの声を、今は聞きたくなかった。
「異常無し。ついでに目標の施設も……。うん?」
一周して月面と向き合った身体を星空に向き直す。
一瞬、視界の隅に光の筋が通った気がした。記憶が正しければ、それはMSのノズルフラッシュだ。
二つ、三つ。
「……来る? ナルコレプシー!」
『勝手に通信を切るな! どうした』
光は更にもうひとつ増える。規則的に動くそれは、流れ星などでは決してない。
(そうであれば、願い事を叶えて欲しいものだ……!)
内心で愚痴を溢しながら、カナンへと報告する。
「ノズルフラッシュを三機……いえ、四機確認した!」
『月面軍所属機の可能性は!』
「そんなこと――もう遅い!」
まだ小さくはあるが、MSの形が肉眼で見える程に接近していた。
舌打ちしながら、クランはすぐにナルコレプシーの方へ身体を向ける。強くエアを噴射させる。
コードを手繰りよせながら、彼女はナルコレプシーへと飛んだ。
296通常の名無しさんの3倍:2008/06/24(火) 03:47:29 ID:???
>>291
ここですね

>>292
乙です

>>294-295
GJ
297 ◆59FQTvUDNo :2008/06/24(火) 06:37:21 ID:???
>>291
スマソ
298通常の名無しさんの3倍:2008/06/24(火) 10:26:02 ID:???
>>297
>>291に悪意はないと思うのだがw
それとお前さん上手いぜ
メカデザの人もGJ
単純な絵のうまさじゃなくて求められてるのはあくまでデザインだ

さて、自らのオナニーで投下したガンダムの名前何にすっかなwww
299通常の名無しさんの3倍:2008/06/24(火) 16:20:37 ID:???
保守
300通常の名無しさんの3倍:2008/06/24(火) 16:25:26 ID:???
300
301278:2008/06/25(水) 00:02:45 ID:???
とりあえずプロローグ部分書いたんで投下します。
一部の機体名と火星少女云々以外はほぼオリジナルです。
302通常の名無しさんの3倍:2008/06/25(水) 00:06:30 ID:???
 新宇宙暦073年、地球の軌道エレベータ周辺に位置するコロニーの一つ、『エルゴン』の管制が一つの機影を捉えた。
望遠カメラで一段ずつ拡大されたモニターが映し出したのは、宇宙空間に浮かぶMA(モビルアーマー)らしき灰色の機体である。
左右非対称の形をした本体の後部には、長距離航行用と思わしき大型ブースターが接続されている。
角張って歪な本体と洗練されて丸みのある追加パーツとの形状の不釣合いは、いかにも取って付けたという観があった。
ここエルゴンは旧式の田舎コロニーである。日ごろ寄航するのは輸送船くらいのもので、戦闘用のMAが、それもわざわざ追加ブースターを背負ってまで立ち寄るのは珍しい。
管制官は物見高くなりつつも、給料を貰っている手前、真面目に職務を遂行するべくポテトチップスまみれの手でマイクを握った。
「えー、こちらエルゴン管制室。そちらの機体名と所属を述べよ。しかるべき手続きが終わり次第、スペースポートへ誘導する。……ところでアンタの機体さ、まるでミノムシみてえな見た目だな?」
 そうおどけた調子で付け足してみたせいか、灰色のMAから通信は返ってこなかった。
冗談を無視された管制官は気を悪くして、荒げた声で怒鳴りつけた。
「おいコラ、ミノムシ野郎、返事しろ。それ以上近づけば問答無用で不法入港と見なすぜ」
 ようやく、灰色のMAから返答が帰ってくる。しかしそれは音声ではなく文字情報であった。

――DOLLDA――

「……どるだ? なんだそりゃ」
 DOLL(人形)のことかとも思われたが、わざわざDAをつけて自己主張する理由が解せない。
管制官がなにかのアナグラムだろうと一人合点してあれこれ頭を悩ませ始めたのと同時に、モニターに映る灰色のMAの機首が割れ、それから数瞬間遅れて彼は光に包まれた。


303通常の名無しさんの3倍:2008/06/25(水) 00:10:15 ID:???
 シヴォーフにはまだ耳の横で、エマージェンシーのブザーがやかましく鳴り響いている気がした。
彼の意識はほとんど薄らいだ状態であったが、気の遠くなるほど訓練を繰り返した肉体は、滞りなくMS(モビルスーツ)起動の動作を行い、今や発進を待つのみとなっていた。
狭いコックピットに計器の音が響くと、ようやく五月蝿い耳鳴りが治まってくれた。しかしそれと同時に、引きつった心臓が烈しく鼓動し始めた。
シヴォーフにとって初めての実戦である。いくら演習で負けなし、コロニーのトップエースと認められ最新鋭機を任されたとはいえ、戦場で殺し殺される段となればその精神状態は新兵と何ら変わりない。
シヴォーフは逃げてしまいたかった。出世も月へ移住するという夢も、全てをかなぐり捨ててでも助かりたかった。
全天周囲モニターが起動し、自分の体とコンソールを除いた全てが消え去った。手を伸ばせばすぐ届くところに格納庫の壁があるのと同じく、自分の死も目前に迫っている心地であった。
足が震えた。操縦桿を握る手も緩み始めた。
『中尉? ラーグ中尉? 応答願います』
と彼の耳に馴染みのある声が響いた。見れば開かれた正面ウインドウにオペレーターの女性が映っている。
気遣う表情で窺う彼女を眺めていると、シヴォーフの震えが止まった。
「……大丈夫、いけます」
『シヴォーフ……気を付けて』
「ああ」
 シヴォーフは恋人のためにもこのコロニーを守らなければならないのである。
半球形の頭部のモノアイが彼の意志に呼応するかのように輝き、人間でいう肩甲骨の部分に位置するスラスターと、股間が盛り上がって後ろへ突き出された形の可変式メインスラスターに膨大なエナジーが送られる。
「シヴォーフ・ラーグ、ドグッシュいきます!」
 未だに慣れない最新鋭機ドグッシュの強烈な加速に顔を歪ませながらも、シヴォーフは瞳に決意を宿していた。
304通常の名無しさんの3倍:2008/06/25(水) 00:13:01 ID:???
 管制官にミノムシと形容された灰色の機体は、コロニー・エルゴンの管制室を破壊してから、それ以上の砲撃を加えるでもなく、コロニーから距離を取って宇宙空間に静止していた。
外観の調和を損ねる追加ブースターは先ほどの砲撃の後に切り離されていたが、目を引くそれがなくなったためによりいっそう本体の異質さが際立っている。
よくよく注意して見ると、ごつごつしたブロック状の各パーツに混じって、流線形の滑らかな箇所が覗いて見える。
その部分だけおそろしく色が白く、灰色の中にぼんやり浮かび上がって、喪服を着た女性のあの艶かしさと同種のそれをかもし出している。
 機体の背後には、もはや前時代の遺物となった軌道エレベータが見え、嘗て栄華を極めたバベルの塔を下へたどって行くと分厚い灰色の雲の中へ消えている。
この雲の姿を言い表すには、木星のガスを灰色に染め直しただけと言ったほうがわかり易い。
 人類発祥の地である地球は、年号が新宇宙暦と改められたと時を同じくして完全に見捨てられた。
気候変動、生態系云々以前に、純粋な汚染が地球の自浄作用を上回ったのである。
宇宙移民はそれ以前より行われていたが、それがかえって環境悪化を助長する原因となった。
コロニー国家と地球連邦との対立である。その後の展開はわざわざ語るに及ばない。慢性的に頻発する紛争、発展して全面戦争、そしてまた紛争に戻る。
どちら側も自分たちの住居であらざる所を攻めるので手段を選ばない。先に根を上げたのが地球の大地であっただけのことである。
黒い雨が降り注ぎ、細菌兵器の変質した未知の病原菌が蔓延る大地に、もうそれ以上人間は生きて行くことが出来なかった。
地下に潜っていた熱心な地球崇拝者たちでさえ、新宇宙暦001年には一人残らず宇宙へ上がって行った。
全人類共有の財産といわれ、地上にエネルギーを供給し続けていた軌道エレベータは、今はもはやソーラーパネルを剥ぎ取られて情けない有様を見せ付けるに留まっている。
その周辺に残るのは、貧乏人か、さもなければ地球の姿を見ていたいという物好きだけが住む旧式のコロニーばかりである。
305通常の名無しさんの3倍:2008/06/25(水) 00:16:12 ID:???
 シヴォーフの守るコロニー・エルゴンも、そうした最下等コロニーの一つである。
配備される兵器も中古や型落ちばかりなので、各コロニーからかき集められて合流した数十機のMSのうち、殆どが旧式であった。
一応は現行機として活躍しているグワッシュなどまだいい方で、中には作業用ポッドに銃座を取り付けただけの代物もちらほらある。
この程度の軍備でさえ宇宙連邦政府は過剰と考え、予算削減を迫っている。
こんな何の利点もない辺境コロニー郡に攻撃を仕掛けるテロリストなんぞあるわけないというのが彼らの言い分であった。実際、今の今まではそれで良かった。
『エルゴン管制塔を砲撃した機体の周辺に他の機体の反応は在りません。敵機は一機のみと思われます』
 シヴォーフの恋人の通信に続いて、あちこちのMSから安堵の息を付く声が聞えた。
中には調子に乗って、「戦いは数だぜ」なんて威勢の良い台詞を吐くお調子者もあった。
『ですが、機体ブロックの構造を解析した結果と、砲撃の際の記録映像より、敵機は可変MS――それもガンダムタイプである推測されます』
 通信機から息を呑む声が聞えた。すぐさまどっとざわめきが起こり、「嫌だ、死にたくねえ」と呆然と掠れ声で呟く者もいた。先ほどのお調子者の声であった。
 ガンダムタイプとは、主にビーム兵器を搭載したMSの総称である。
どのような装甲でさえも一撃で破壊しその材質自体を崩壊・爆発させるビーム兵器は、特殊な粒子を制御するために大掛かりな演算装置を用いるので、通常は戦艦や要塞にしか搭載されないといわれている。
小型化も可能ではあるが、それには通常の三倍以上の費用と時間とが必要で、必然、ビーム兵器を搭載したMSは莫大なコストをかけたワンオフ機とならざるを得ないと一般では知られている。
「しかしガンダムタイプは兵器としては欠陥品だ」とシヴォーフは考えた。
ガンダムはその過剰な攻撃力に比べて、装甲や機動性そのものは普通のMSと大差なく、通常兵器の最高水準に見合った性能でしかない。
その上ビーム兵器に莫大なエナジーを食われるので持久戦も得意で無い。
シヴォーフの乗るドグッシュの基本性能なら、戦略次第でガンダムを撃墜することも無理な話では無いのである。
306通常の名無しさんの3倍:2008/06/25(水) 00:18:12 ID:???
『砲撃以来、敵機は文字情報の送信を続けたまま動きを見せていません。
敵機から送られる文字情報より、以後敵機を一時的に「ドルダ」と呼称します。フォーメーションを整え次第、各機はドルダへの攻撃を開始して下さい』
 射線をコロニーに重ねないよう後続の機体を静止衛星軌道に配置し、シヴォーフのドグッシュを中心に六機のグワッシュで編成された切込み部隊は、不規則な機動をとりながらドルダとの距離を詰めて行く。
全戦力のうち三分の二は防衛のためコロニーに周辺で待機させているので、ガンダムを直接相手にするのはシヴォーフの率いる部隊に任されている。
「しかし妙だ。コロニーを襲撃するテロリストにしては、やぶ蛇を突っつくような仕方だ」
 渇いた唇を舐めて、シヴォーフは視認出来る距離に入った敵機をにらみつけた。ドルダはビームを一発放ったきり悠然と灰色の惑星の上にまどろんでいる。
「何かをおびき出す……いや、待っているのか?」
 そう考えた瞬間、ドルダの機首で小さな光が瞬き、
「各機散開!」
と叫び終わるのと同時にシヴォーフのドグッシュとすれすれの位置を真紅の光芒が流れて行った。
股間のメインスラスターを小刻みに前後させ、その機動で目まぐるしく変わる視点の中、
『畜生! 腕がやられ――』
と通信が聞え、先ほどと程近い座標にビームの第二射が通り過ぎる。
「カマッセ! 応答しろ!」
 飛び散った破片が視界の隅にちらと見え、ウインドウのレーダーに「LOST」と表示される。
「各機垂直軌道をとりつつ敵機に取り付け! ビームといえども直線だ! 変形する前に仕留めるぞ!」
 シヴォーフは右腕に装備した100oリニアライフルでけん制しつつ、スラスターの推力を全開にした。
エナジーと推進剤の残量が見る見る減って行き、コックピットにアラートが鳴り響く。敵機の後方へと回り込んだときにはエナジーのゲージが半分を切っていた。
シヴォーフたちが必死に射線から逃げ回っている間、ドルダは旋回を繰り返すばかりで、こちらを嘲笑っているかのようであった。
「舐めやがって……!」
 リニアライフルを高出力モードに切り替える。チャージ開始で射程距離の数値を増やし始めると同時に相対距離を真っ直ぐ詰めて行く。
いつ撃たれるかもしれない、二つの照準が重なるまでの時間がシヴォーフには永遠にも感じられた。
307通常の名無しさんの3倍:2008/06/25(水) 00:21:59 ID:???
 機首が下がり始めた。照準はまだ離れている。後部ブロックが分割され、その上部を構成していた箇所が、折りたたまれた状態から本来の形へと戻り始めた。照準はようやく端同士が重なったところである。
シヴォーフが焦りと恐怖からトリガーを引いた時には、ドルダは既に人の形態を取って、右腕と化した機首のビーム砲をドグッシュへと向けていた。
ドルダの放ったビームはリニアライフルの弾丸を苦もなく蒸発させ、リニアライフルごとドグッシュの右腕を抉り取った。
 真紅の光が収まっても、シヴォーフは生きているのやら死んでいるのやら解らない心地のまま、ぼんやりと「ガンダム」の姿を見つめていた。
教本で見たどの「ガンダム」にも似ていない。
辛うじて共通な部分は、鶏の頭のような輪郭のヘルメットから覗くツインアイと、ただもうくっつけただけといった感じで鶏冠の脇にちょこなんと着けている左右対称のアンテナだけであった。
巨大な右腕にはマニピュレータはなく、MA形態での機首に当たるビーム砲が折れ曲がって腕の形を繕っている。
両足は左右不均等の形をして、踵、脛、膝、腿、それぞれの裏表にこれでもかといわんばかりのスラスターが乱雑に取り付けられ、そのためか、まともに歩けるか疑わしいほど肥大化している。
そうして、何よりも目に付くのは、胸の左半分と、そこから伸びる左腕にかけての箇所である。
スモウレスラーを連想する灰色で不細工な他の部分から一転して、純白のそこは、女性の肉体のように流麗で丸みを帯び、すっきりした感じを与えている。
左腕は恐ろしく細かった。そして、右腕より短かった。クロールをするような体勢でMAの姿をとっていたことも納得できた。
片輪のMS――シヴォーフはガンダムドルダについてそのような印象を抱いた。子供のころに絵本で見たノートルダムの怪物のことを思い出した。
『よくもラーグを!』
 通信に続いて一機のグワッシュが高周波ブレードでドルダに切りかかった。
ドルダは全身のスラスターを駆使してその巨体に似合わぬ軽やかな機動で攻撃をかわし、同時に背中から、長い柄と、柄の先端に取り付けられたスプーン状の幅広の刃からなる武器を取り出した。
純白の細腕が手にしているのは、一見したところ白兵戦用円匙であるらしかった。
308通常の名無しさんの3倍:2008/06/25(水) 00:26:09 ID:???
『高周波スコップだと? アステロイドならともかく、オープンスペースならこっちのほうが!』
「止せ、デッド!」
 グワッシュのブレードとドルダのスコップが切り結んだ瞬間、スコップの尖端から赤い光が伸び、そのまま抵抗なくブレードをすり抜けてグワッシュの胴体へ吸い込まれた。
「ビームスコップ……」
 そうして、ひぃと気の抜けた声を上げて袈裟斬りにされたグワッシュの半身を、ドルダが流れる動作でシヴォーフのドグッシュへと蹴り飛ばす。
凍った血のこびり付いたコンソールの残骸がドグッシュのメインカメラに当たった。
 シヴォーフがOSを再起動し、抱きつくように片腕で絡みついたグワッシュをやっとのことで振りほどくと、既に彼の仲間は一機しか残っていなかった。
彼がシールドを捨てて高周波ブレードを構えたときには、その一機のグワッシュもコックピットをビームスコップで串刺されていた。
ドルダは細腕を一振りしてはやにえを放り投げると、横合いから来るドグッシュの捨て身の突進を何でもないように回避した。
そうしてそのまま止めも刺さずMA形態に変形して、コロニーへ向けて飛び去って行った。
 片腕を失ったドグッシュがたどり着いたとき、コロニー防衛隊は惨憺たる有様であった。
数多のMSの残骸が漂い、死に切れなかった幾人かのパイロットの声がオープン回線で聞えてくる。
ゆっくりとして、のん気にも感じられる断末魔は、コロニーエース・シヴォーフ・ラーグ中尉の精神を無力感と絶望とでいよいよ追い詰めていった。
青ざめた彼が黙々と指令室との通信を試みていると、オートにしてあったドグッシュの高性能カメラが最望遠でガンダムドルダの姿を映し出した。
ちょうど、装甲に傷一つないドルダが、防衛隊の最後の生き残りと思わしき作業用ポッドをスコップで殴り飛ばす場面である。
エナジー節約のためか、ビーム刃は生やしていなかった。音も無く装甲がひしゃげ、作業ポッドは運動エネルギー保存の法則に従ってコロニー・エルゴンの外壁へ叩きつけられた。その姿はコミカルで小気味良くさえあった。
 しかしシヴォーフは笑ってばかりもいられなかった。ドルダが右腕の銃口を、コロニー・エルゴンに向けたのである。
「やめろ」
 展開された砲口に、真紅の光が収束する。
「おい、やめろよ」
 声が、震えていた。
「冗談は止せって」
309通常の名無しさんの3倍:2008/06/25(水) 00:28:59 ID:???
 光の帯がコロニーを貫き、線を描くように、二度三度と念入りに往復した。指令室のあるブロックは二回も塗りつぶされた様子であった。
か弱い女性などひとたまりもないであろう。一拍遅れて、ドルダがなぞった跡にそって連鎖的に爆発が起こり、継ぎ接ぎの外装ごと各ブロックがばらばらに崩れ始めた。
 コロニー・エルゴンの崩壊の仕方は予想したより緩やかであった。ソーラーパネルが全部飛んで行ってしまうまでに十分もの時間を要していた。
シヴォーフは早くも退屈を感じ始めた。そんなとき、最後までメインシャフトにしがみ付いていた廃棄ブロックの一つから、真紅の光芒が閃いた。
そうしてそこから、何かが光の尾を引いて一直線にガンダムドルダへと向かって行った。
「なんだろう、あれ。流れ星かな? ううん、流れ星はもっと、ばぁーっとするもんな」
 だらしなく口を半開いてその光景を眺めていると、突如指令用回線が繋がって、野太い男の声が耳に入った。
『こちらコロニー・プロネーシス指令室、ただ今コロニー・エルゴンより発進した機体は友軍機である。機体コードはGEY-002ガンダムドルチェである。繰り返す……』
「なんだよそりゃ、エルゴンはもう無いんだぜ。ふざけすぎだよ。いまさら出てきて、なにがガンダムドルチェだよ」
 望遠レンズで捉えたガンダムドルチェは、ドルダの半身と同様に純白の機体であった。
ドルダが片輪の醜い怪物女だとすれば、全身が純白に包まれているドルチェは、穢れを知らぬ美しい乙女と形容できると、少しばかり頭が可笑しいことになり始めたシヴォーフは考えた。
人体の外観を損ねるスラスターは、かかとから生えた薄く広い翼型のそれと、肩より垂れる長いショールに似たそれに集中している。
肥え太ったドルダとは正反対で、痩せすぎの観があるほど繊細に本体が作られている。
蟷螂型の頭部は、あるべきところに収まっていると感じられるが、それには顔と呼べるものは無い。
人間の耳に当たる箇所から伸びた二つのアンテナと、絶え間なく点滅する大型のバイザーのみが表情を与えている。
武装は、左右の手のひらに仕込まれたビームサーベルを兼ねるビーム砲と、スカート状に腰へ接続されている八枚の有線式オールレンジ攻撃用兵器である。
310通常の名無しさんの3倍:2008/06/25(水) 00:32:31 ID:???
 二機のガンダムは互いにビームを撃ち合い、赤い光芒でコロニーの残骸に追い討ちを食らわせながら、螺旋の軌道を描いて徐々にドグッシュの目の届かぬところへ消えて行った。
「やられちゃえよ、ガンダム。どっちも、やられちゃえよ。この、ふざけやがって……」
 シヴォーフはコンソールを操作して、エナジーの残量を確認した。
救助隊が来るまで酸素を維持するだけのエナジーは、ぎりぎり残っていた。
シヴォーフは二機のガンダムが消えた方角へ機体を向けて、殆どのエナジーをスラスターに送った。数十秒加速してからあとは慣性にまかせた。
 ドグッシュがたどりついたのは、初めに仲間を殺されたのと同じ宙域であった。
軌道エレベータと地球を背にして、それぞれ満身創痍のガンダム二機が斬り合っている。
ドルダは右腕と左足、それから右足の膝から下が欠けていた。ドルチェには両足が残っていたが、どちらの翼も焼き切られ、そうして左肩から先がばっさりと無くなっていた。
ビームの刃は実体剣のそれとは違って鍔迫り合うことがない。
傍からは空振りばかりで不毛な殺陣を演じ続けているだけに見えるが、ドルダがスコップを振り回すたびにドルチェの身体は欠け、ドルチェがサーベルを一閃するごとにドルダの装甲は抉られて行く。
決着は近かった。そうして、傍観者の望み通りそれはすぐに訪れた。
 サーベルをすり抜けて、ビームスコップがドルチェの腰の中心を貫いた。スコップを素通りして、ビームサーベルがドルダの左胸に突き刺さった。
二体のガンダムは同時に身震いして、ぐったりと互いの身体に垂れかかった。相打ちである。
311通常の名無しさんの3倍:2008/06/25(水) 00:58:19 ID:???
まさにOOの後といった感じ
GJですよ。
312通常の名無しさんの3倍:2008/06/25(水) 01:04:05 ID:???
 ドグッシュの通信機がノイズを捉えた。
覗き見の愉悦に身を震わせていたシヴォーフは周波数をでたらめに弄くりまわし、ひとつこの人非人どもの声を傾聴してやろうと神経を高ぶらせた。
『……に……で……かったの?』
 若い、女の声である。舌足らずの調子が、少女であるとも感じられた。
『……ああ、そ……いい……これで、いいんだ』
 そのしゃがれた男の声を聞いて、シヴォーフは全ての事情――殆どが彼の身勝手な憶測であるが、大筋としては間違っていない――を了解した。
「ふざけんな、みんな死んだんだぞ。お前らのせいで、お前らが殺したんだぞ。悲劇の主役気取りで悦に浸ってんじゃねえ! 
なんだよオイ、くだらねえ戦場のロマンスかよ。そんな二束三文の感傷のためにおれは、おれたちは殺されたってわけかよ!」
 機能を停止した二機のガンダムが、引力に囚われて灰色の惑星の中へと溶け込んでいく映像を最後に、ドグッシュのコックピットの電源が落ちた。
同時に酸素の供給が途切れて、シヴォーフの意識も薄らいで行った。




――死者一万七千六百二十三名、行方不明者四万八千十六名、負傷者三百五十六名の犠牲を出したコロニー・エルゴン襲撃事件の公式記録はこれで全てである。
しかし、この事件の発端を探って行くならば、これより一年前に遡らなければならない。
新宇宙暦072年の火星における、アルフ・スメッグヘッド博士率いる火星開発公社の調査団とマスター・ベイト大佐率いる反宇宙連邦組織との間に発生した武力衝突の時期である。
313通常の名無しさんの3倍:2008/06/25(水) 01:07:51 ID:???
規制でレスが開きましたが、以上です。
314通常の名無しさんの3倍:2008/06/25(水) 16:01:33 ID:???
相変わらずの過疎w

>>313
GJ
ただ気になるとしたら、中尉ほどになったらそれなりに精神訓練受けてるはずだから主人公(?)の階級はもうちょい低くてもいいのでは?と思った
315通常の名無しさんの3倍:2008/06/25(水) 20:06:16 ID:???
>>76の本編の人の設定で地球軍でオーバーテクノロジー=ガンダムの技術を解明・研究している組織の外伝を考えてみたがどうだろう?
316通常の名無しさんの3倍:2008/06/25(水) 21:22:55 ID:???
http://imepita.jp/20080625/757740
ドグッシュ
股間部大型スラスターで高機動を誇るが、エナジー消費が激しい。
武装はシンプルで、高周波ブレードとカントーン・リニアライフルの二つ。
カントーン・リニアライフルは高出力モード時に銃身が延長する。
317通常の名無しさんの3倍:2008/06/25(水) 22:41:38 ID:???
振動している高周波ブレードをカントーンの銃身に当てると威力増大ですね、わかります
318通常の名無しさんの3倍:2008/06/26(木) 00:20:49 ID:???
www
319通常の名無しさんの3倍:2008/06/26(木) 01:19:40 ID:???
モモの「わかりませーん」の破壊力は異常
320通常の名無しさんの3倍:2008/06/26(木) 13:12:15 ID:???
hage
321通常の名無しさんの3倍:2008/06/26(木) 15:00:23 ID:???
今スレに足りないのはキャラのメカの絵と設定だ
322通常の名無しさんの3倍:2008/06/26(木) 15:29:00 ID:???
設定だけ増えても仕方なくない?
それを反映するストーリーがないと
323通常の名無しさんの3倍:2008/06/26(木) 16:44:11 ID:???
ストーリーに活用されるためのネタ提供だよ
324通常の名無しさんの3倍:2008/06/26(木) 16:55:58 ID:???
書き手以外の人が「設定だけ」すると足かせになる場合もあるし難しい所だねぇ。
ネタ提供、と言っても書いたからには何か反応欲しくなるのが人間のさがだから…。
325通常の名無しさんの3倍:2008/06/26(木) 17:31:08 ID:BzYu+W6X
ここまでホワイトドール無し
326通常の名無しさんの3倍:2008/06/26(木) 17:58:03 ID:???
なんだこのスレ崩壊したか。
327通常の名無しさんの3倍:2008/06/26(木) 18:21:17 ID:???
>>324
言えてる。
一時期の過疎の打開になればとメカの設定を投下した者だが、結局絵描けないw
やっぱ自重したままにしとけばwwwよかったw

本編の人やらキャラデザメカデザの人がいないとこのスレは成り立たないな。
328通常の名無しさんの3倍:2008/06/26(木) 19:29:11 ID:???
このスレは奇抜なガンダムの話をしつつ新作ガンダムドルダの話をするスレなんだ
329通常の名無しさんの3倍:2008/06/26(木) 19:40:52 ID:???
じゃあそんな感じでいこう
330DAYC:2008/06/26(木) 20:28:30 ID:???
331DAYC:2008/06/26(木) 20:29:29 ID:???
ごめんミスった
http://imepita.jp/20080626/736680
332通常の名無しさんの3倍:2008/06/26(木) 21:15:31 ID:???
>>331
これは何?ドルチェかい?
333通常の名無しさんの3倍:2008/06/27(金) 21:30:42 ID:???
もうこのスレは俺の物www
334雲呼丸:2008/06/27(金) 22:37:30 ID:???
いやいや、俺の物
335通常の名無しさんの3倍:2008/06/28(土) 00:59:10 ID:???
 銃を構える者達、独立派の一団。そして、対峙する調査隊。
 一触即発。ただ、触れて暴発するのは、片方のみ。
 クラン達は丸腰で、じりじりと近付いてくる者達に、ただ苦い顔をするしかなかった。
 火星に降りる前は、随分と丁寧な対応をしてくれたことを、調査隊の皆が思い出す。
 やはり独立を前には、地球側の人間には容赦はないのか。
「クラン……?」
 緊迫する中、どこからか聞こえた、幼い声。
 名を呼ばれたクランは、ゆっくりとドアの方に顔を向ける。
 そこには、あの少女がいた。
「来ちゃ駄目! 逃げてッ!!」
 クランが叫ぶ。
 その時、銃を構えた一人の男が、引き金を引こうとしていた。
 少女が、それに気付く。
「クラァァンッ!!」
 危険を察したのか、顔を強張らせて声を上げる。
 その時、それは起こった。
 鳴り響く銃声を掻き消すように、床が激しく音を鳴らす。
 クランの目の前を、何かが覆った。
「…………手?」
 薄目を開いて見ると、そこには巨大な手があった。
 あの人型の機体の手だ。
「助けたの? 私を……」
 少女が声を上げたから、反応したのか。
 少女が、クランを守ろうとしたのか。
 クランは少女との距離をはかる。
336通常の名無しさんの3倍:2008/06/28(土) 01:00:46 ID:???
 独立派の者達は、突然のことに混乱している。
 今ならいける。クランは確信した。
「シンシア、来なさい!」
 クランの声に、少女はびくんと反応する。
 少女は、すぐさま走り出した。
 それに気付き、独立派の者達が一生に少女に向く。
 しかし間一髪、少女はクランの胸に飛び込んだ。
「クラぁン……」
「よく頑張ったわ。シンシア」
 少女を強く抱き締め、クランは言う。
 怯えた表情をして、少女は顔を上げる。
「シンシアって、わたしの名前?」
「そう。貴女はシンシア……私の妹よ」
 言うべきではなかったのかもしれない。
 それは記憶が戻った時、彼女を傷付ける可能性もある。
 否、それはただの都合のいい言い訳だと、クランは自嘲した。
(ただのエゴね。自分の妹を、この子に重ねて)
 寂しそうに、少女を見つめるクラン。
 そんなクランに向くて、少女は微笑みを浮かべた。
「お姉ちゃん」
「!!」
 クランの目尻に、じわっと涙が滲む。
 黙ったまま、クランは再び、少女を、シンシアを抱き締めた。
337通常の名無しさんの3倍:2008/06/28(土) 01:05:15 ID:???
 しかし、ずっと抱き合っているわけにはいかない。
 クランはシンシアを離すと、迷いを振り払って、向き合う。
「シンシア、貴女はこれを、ドルダを動かせる?」
「ド、ル、ダ?」
「そう。この人の形をした、機械を」
 先刻、シンシアに呼応するように自分を守ったこの機体。
 記憶がないままでも、シンシアの意思があれば動くのではないか。
 チラッと、先程の騒動で後方のグワライダーの陰に避難したギデオン達を見た。
 クランに何か策があるのか察したのか、目があうとギデオンはしっかりと頷く。
 クランは、決意を固める。
 この状況を打破するには、これしかなかった。
「ステーションのスタッフだった方達に告げます!」
 クランは声を上げる。
「今から私達はこの機体、ドルダを使ってエアロックを破壊します!!」
 とんでもない発言に、独立派の者達は騒然となった。
 それを確認し、クランは更に続ける。
「我々はこの機体と後方のMWを使って脱出します! 投げ出されたくないなら待避しなさい!」
 怒鳴るようにそう言えば、独立派の者達は一目散に格納庫を出ていく。
 格納庫のドアが閉まり、ロックがかかった。
 これでしばらくは独立派の者達は入ってこない。
 クランは大きく息を吐いて、胸を撫で下ろした。
「はったりがきいて良かった……」
「だが、そのはったりを真実にしなければ、我々は助からんぞ」
 クランとシンシアの元に近寄ってきたギデオンが言った。
 他の三人も一緒である。
338通常の名無しさんの3倍:2008/06/28(土) 01:12:32 ID:???
「このグワライダーじゃ宇宙には出られねぇぞ」
 気まずそうに、ヴァイスがそう告げる。
「ドルダに全員を乗せるのは……無理よね」
 残念そうにクランは肩を落とした。
「ナギサカ君、そのドルダというのは?」
「この機体の通称です。いつまでも名無しのままでは呼び難いでしょう?」
 ドルダという言葉の響きに違和感があるのか、ギデオンは首を傾げている。
「ほら。胸部にところどころ掠れている文字がありますよね。
掠れていない部分を繋げて読むと、ドルダになるんですよ」
 クランは当たり前のことのように、そう説明した。
 だがギデオンは、依然として納得のいかない表情のままま。
 見解の相違か。また二人の意見が衝突してしまうのか。
「ネーミングセンスは別として、呼び名があることには賛成です」
 助け舟を出したのは、ミランダだった。
「呼び名をどうするかは後回しにして、今はここを脱出することを考えませんか?」
 的確な指摘に、クランとギデオンはしゅんとして黙る。
「隣の格納庫に輸送船があります。私なら、ゲートのロックを解除できます」
 ミランダのその言葉には、自信が表れていた。
 何かあるのだろうと、状況を理解していないシンシア以外の皆がミランダを注目する。
 これで、ドルダもグワライダーも運べるだろう。
「ミランダちゃん、すごい!」
「マレーンさん、一応私の方が年上なんですが……」
「あははっ! でもこうなったら怖いものなしですよ!」
 まるで自分の手柄のようにモモは強気だ。
339通常の名無しさんの3倍:2008/06/28(土) 01:18:37 ID:???
 高揚しているのか、モモはシンシアの手を握る。
「私モモ・マレーン。シンシアちゃん、よろしくね!」
「え。う、うん」
「モモちゃん、なんでシンシアの名前を?」
「だってさっきクランさんが大きな声で呼んでたじゃないですかぁ」
 モモが、張り詰めていた空気を壊す。
 呆れるギデオン達と、きょとんとするシンシア。
 そして、暖かな眼差しを送るクラン。
 調査隊として組まれたこの5人で任務をしたのは、これが初だ。
 クランと面識があるのはヴァイス一人ぐらいで、
他の者とは、一回打ち合わせをしたきりだった。
 時にはギデオンとクランのように考えが違うこともあるが、
それは互いに正しいと思った衝突であり、最終的には理解し合える。
 ヴァイスの技師としての意見も、ミランダの分析も、頼りになる。
 勿論、モモのムードメーカーと存在も欠かせない。
 この隊で良かったと、クランは思った。
「他の人は後で紹介するわね。みんな、この子は私の妹のシンシアです」
 クランは、そうギデオン達に目配せする。
 4人は小さく頷き、理解を示した。
「ウォン、隣の格納庫へのゲートを早く開けてくれ。輸送機の操縦は俺がやる」
「ファーストネームで呼んで頂いて構いませんよ。ヴァイスさん」
 ミランダはキツく見える表情を、優しく微笑ませる。
(この二人、良い雰囲気ね……)
 ヴァイスの心を知ってか知らずか、クランはそんなことを思っていた。
340通常の名無しさんの3倍:2008/06/28(土) 01:20:10 ID:???
 そんなクランの服の袖を、シンシアが引っ張った。
 気付いたクランが、顔を向ける。
「シンシア? どうかしたの?」
「頭、痛いの。何かが、近付いてきてる気がする……」
「なんですって……まさか」
 クランは、シンシアが名もわからない少女だった時のことを思い出した。
 人形のような冷たい目をして、遠く離れたローズの存在を感じ取った。
 記憶を失っても、それは変わらないというのか。
「わたし、ドルダに乗らなきゃいけない気がする……」
「シンシア、でも貴女は、記憶を」
「何も覚えてないけど、でも体が反応するの」
 あれに乗れ、と。
 冷たい目になりかけている。
 このままではまた、人形のような少女に戻ってしまう。
 クランは、少女を抱き締めた。
「お願い。絶対に無理はしないで」
「クラン……?」
「貴女に何かあったら、私が絶対に助けに行く。例え生身で宇宙に出ることになっても」
 もう二度と、“妹”を亡くしたくはなかった。
 それが、正体もわからない、見ず知らずの少女でも。
 エゴでも構わなかった。彼女の中では、それほどシンシアに愛おしさを感じていた。
「うんっ!」
 シンシアは明るい声で、クランを元気付ける。
341通常の名無しさんの3倍:2008/06/28(土) 01:24:21 ID:???
 クランから離れると、シンシアはドルダの元へ走っていく。
「ドルダ……」
 乗りたいと念じれば、コックピットハッチが開く。
 ドルダに乗り込むシンシアを、クランは見つめ続けていた。
「ゲートが開いた。ナギサカ君、急ごう」
「……はい」
 調査隊のメンバーは、足早に隣の格納へと向かう。

 起動するドルダ。
「うぅっ……」
 頭痛が走る。
 痛みに耐えながら、シンシアはドルダを立ち上がらせた。
「ドルダ、クランと話がしたいの」
 そう願えば、通信が開く。
「クラン……聞こえる?」
『この声、シンシアなの?』
「うん。これ、クラン達が乗ってる船の中でしょ? 話したいって願ったら、通じたの」
 スピーカーから聴こえるクランの声に、シンシアは嬉しそうに笑った。
 クラン達は輸送船に乗り込み、出発の準備を進めていた。
 ミランダがゲートの時のように、エアロックにアクセスし、ハッチを開いた。
 気圧が変わり、空気が宇宙に向けて吹き上げる。
 ドルダも、宇宙へ飛び出した。
 頭痛は治まりつつある。これなら操縦に問題はない。
(何も覚えてないはずなのに……なんでわかるの)
 問題があるのは、機体ではなくシンシア自身なのか。
342通常の名無しさんの3倍:2008/06/28(土) 01:27:56 ID:???
 頭痛に代わり頭の中に浮かぶモヤモヤを振り払って、シンシアは前を向く。
 シンシアの感じた気配は、すでにドルダも感知していた。
 ステーションに接近する5機のモビルスーツ。
 ニコラスの隊だった。
『スウィフトさん、ステーションから緊急通信です』
「こっちも受信した。未確認のMSか。まさか地球側も有してたとはな」
『ですが、MSの開発技術はまだ地球側にはないはず……』
「あのジジイ教授とは別の技術者かも知れねぇだろ。1機しかいねぇとこを見るとな」
 だが気になるのは、それが駐留軍ではなく火星開発公社の火星調査隊、
つまり民間の者達がそのような機体を有しているということだった。
 別のローズ部隊を一瞬にして消し去ったというビーム兵器。
 疑問は深まる。
(だが、完全に破壊すれば、そんな疑問は些細なことだ)
 例え威力が圧倒的だとしても、自分達の操縦技術が上回れば。
 火星コロニー義勇軍が結成された際、MSパイロットには優れた操縦技術を持つ者が選ばれた。
 先の駐留軍との戦闘でもそれは証明されている。
「各機、細心の注意を払えよ。敵の一挙一動を見逃すな」
 それが、攻撃の合図だった。
 それぞれが別方向に移動を開始する。
343通常の名無しさんの3倍:2008/06/28(土) 01:31:57 ID:???
「散らばった?」
 シンシアが呟く。
 操縦の仕方は体が理解した。だが、戦うことに関してはどうなのだろう。
(わからない……!!)
 思い出そうとしても、何も浮かばない。
 そうこうしている間に、ローズとの距離は刻々と縮まっている。
 射程圏内に到達し、ローズがライフルを発射した。
 5つの方向からビームが襲い来る。
 逃げ場所は、なかった。
「…………ヴェールよ、守れぇ!!」
 咄嗟に、シンシアが叫ぶ。
 そうすれば、肩部に発光が起こり、両翼のシールドが前部に展開した。
 機体全体の表面に光を纏うドルダ。
 5つのビームは、纏う光に打ち消される。
「なんだ、ビームを弾いた……!?」
 ニコラスが驚きの声を上げる。
「ダン、どうなってる!?」
『機体表面に、こちらのビームと同等のエネルギーを展開。無効化されました!』
「無効化……? 駐留軍のカトンボを一撃で爆砕するビームを!?」
 火星コロニー義勇軍にとって、ビーム兵器は絶対的な攻撃方法である。
 MAはいとも簡単に墜とせても、目の前の存在には効かない。
 自信が、打ち砕かれる。
「各機、レイピアを使え!」
344通常の名無しさんの3倍:2008/06/28(土) 01:34:44 ID:???
 装備されている剣が抜かれた。
 ローズレイピアは、切断することも可能ではあるが、基本的に刺突する剣である。
 主武装であるビームが効かないとなれば、ビームでない武器で戦うしかない。
 ビームを防ぐメカニズムがわかっていれば、容易い。
「まさか剣まで防ぐわけじゃねぇよなァ!?」
 叫び上げながら、ニコラスはレイピアを構えた。
「1機、凄い動く!」
 それに反応するシンシア。
 躱すにしても、5つの方向から来る攻撃に、対処しきれない。
 ニコラスのローズが、前部に展開したままのシールドを突いた。
 しかし、貫くことはできず、剣先が零れる。
「硬いな……ならァ!!」
「速いッ!」
 即座に背後に回り込み、ローズが左腕を突く。
 左腕が貫かれ、剣が抜かれた。
 損傷箇所から電光が迸る。
「一時使用不能!? チィッ!」
 対応できない苛立ちを露わにするシンシア。
『我々も突撃します!』
『3機でなら!』
『このシールドをも!』
 3機のローズが、一斉にドルダに近付いた。
「馬鹿が! まとまるな!!」
 ニコラスが声を荒げる。
345通常の名無しさんの3倍:2008/06/28(土) 01:38:20 ID:???
 3機のローズがレイピアを引く。
 それと同時、ドルダもシールドを開いた。
「こォォォのォォェォ!!」
 シンシアがありったけの声を、コックピットに撒き散らした。
 腹部の発射口内で、光が収束する。
 そして、放たれた。
 眩しいばかりの光景。
 静まれば、そこに3機のローズの姿はない。
「これが……クソがッ!!」
 ドルダを睨む。
 ニコラスのローズは再び、レイピアを構えた。
「2回も、やらせない!」
 ガタガタと鈍く動く左腕。
 マニピュレーターや関節は使用不能ではあるが、棒のように直立した腕がローズを薙ぐ。
「ぐうううう!!」
 左腕の直撃を受け、ニコラスのローズが吹き飛ばされた。
『スウィフトさん!!』
「ダン、寄るな! 奴は!!」
 忠告は、遅かった。
 ドルダの右手が発光し、光の線が伸びた。
 それが、ローズの両脚を分断する。
「ビームを固定した!? ダァンッ!!」
『だ、大丈夫です!』
「動けるか!?」
『脚部機能停止。制御系に不具合が……』
「救いようのねぇ馬鹿が……連れて帰る!」
 ニコラスのローズはライフルを放ち、ドルダを牽制する。
 そのまま損傷したドルダを抱えると、一気に宙域を離脱した。
346通常の名無しさんの3倍:2008/06/28(土) 02:10:52 ID:???
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
 荒く呼吸を繰り返す。
 滲む汗。
 シンシアは、頭痛の痛みに、頭を押さえた。
「わたしは……こんなことをしていたの?」
 こんなに苦しくなることを。
 自分はなんなのか。
 苦痛の中で、浮かぶのはそれだけだった。





To Be Continued...
347通常の名無しさんの3倍:2008/06/28(土) 02:18:43 ID:???
さるさん死ね
というわけで第2話はこれにて終了です
日を空けてしまってすいません
パラレル?ストーリーを書かれてる方お疲れ様です
ガンダムマルスの人、絵の投下楽しみです
バルド氏、DAYC氏、他絵師の方々の投下も楽しみにしています
SSももうちょっと増えればいいなぁw

本編にまた突っ込みどころがあれば、じゃんじゃん指摘してくださいませ
348通常の名無しさんの3倍:2008/06/28(土) 02:23:18 ID:???
あとなんか一部シーンとかセリフ回しがエヴァっぽいのも謝っときますサーセンw
349通常の名無しさんの3倍:2008/06/28(土) 13:15:14 ID:???
本編の人来てたw
GJです。
350設定考証:2008/06/28(土) 22:36:11 ID:eiJm5yXg
しばらく来れなかったけど外伝の人達も本編の人もGJ!

2つめの外伝は本当に奇抜だなあ。意匠もそうだけど、武器とか。
地球が滅んで人類は宇宙に逃げた設定もいい。
この手のは何故か他の惑星を探す話になってしまって、コロニーがでてこないんだよな。
こういう設定は自分も考えたことがある。ストーリーが思いつかなかったけどw
この設定は面倒な火星のテラフォーミングの理由付けにもなるしね。
静止軌道上のコロニーが田舎コロニーなのも適切だと思う。
大抵、コロニーはラグランジュ点にあるのがお約束なのに対して、
静止軌道上ってのはいかにも急ごしらえで低所得層向けに作りましたって感じがでてる。
シヴォーフの夢が月への移住だけど、宙に浮いてるコロニーに対して
地面のある月はやっぱり高級住宅地なのかな。とりあえず資源はある。
話の感じはいかにも外伝って感じがしてちょうどいいな。
本編がテレビアニメで子供もターゲットに入ってるのに対して、
小説版の外伝はもう少し年齢が高めの層をねらってるみたいな。

本編は主人公が乗らないという意外な展開に。
後で主人公が乗るようになるのか、はたまた他に主人公機が登場するのか。
351通常の名無しさんの3倍:2008/06/29(日) 01:57:03 ID:???
個人的には乗り換え予想
別の主人公機きたらそれこそ主人公側最強になっちゃうからなあ
でもまあ希望じゃないから本編の人に任せますw
352通常の名無しさんの3倍:2008/06/29(日) 12:40:31 ID:???
ttp://www.phoenix-ent.co.jp/works/img/AokiO.jpg

【ストーリー】
時に西暦2199年、太陽系内の惑星間ネットワークを築き繁栄を極めたかに見えた人類の前に、恐るべき地球外の
知的生体=アポカリプスが戦闘を仕掛けてきた。敗北につぐ敗北、地球人類の各惑星基地、コロニーが次々と破壊
されていく中、若き士官候補生たちも過酷な戦闘へと駆り出されていく。 特殊な能力を秘めた仕官候補生の
ジョナサンは、厳しい訓練を経て、冥王星の最前線へと送られる。そこは、明日なき機動兵士たちの愛憎渦巻く
世界でもあった。 アポカリプスの真の目的は何か、謎をはらんだまま、火星で太古に存在した太陽系第5惑星人の
遺跡が発見される…。壮大なスケールと意表をついたハードなSF設定。かつてないアクションとスペクタクルの
宇宙戦闘。 その裏側で繰り広げられる男たちの熱きドラマ。空前の描写で贈るボーイズラブアニメの決定版。
そこには未知の映像体験があなたを待ってます。


【スタッフ】
□ 企画総合プロデューサー:山木泰人
□ 監督:浦田保則
□ メカニックデザイン:小林 誠
□ 音楽:天野正道
□ 主題歌:石原慎一
□ 製作・提供:フェニックス・エンタテインメント
□ 発売:デジタルワークス株式会社      
353通常の名無しさんの3倍:2008/06/29(日) 13:20:25 ID:???
森川と子安の濃厚BLロボアニメですね
354通常の名無しさんの3倍:2008/06/29(日) 21:54:48 ID:???
BLウニメでもロボのデザインはカコイイ
355通常の名無しさんの3倍:2008/06/29(日) 23:22:39 ID:???
設定の被りが言いたいならナデシコだって被ってるぞ
356通常の名無しさんの3倍:2008/06/30(月) 07:51:25 ID:???
つ『犬ガンダム』
357通常の名無しさんの3倍:2008/06/30(月) 13:34:11 ID:???
age
358通常の名無しさんの3倍:2008/06/30(月) 14:07:04 ID:???
>>356
あれはもう・・・w
359通常の名無しさんの3倍:2008/06/30(月) 18:44:39 ID:???
「シャア猫のこと (全1巻)」
360通常の名無しさんの3倍:2008/07/01(火) 09:53:24 ID:sHa3duJI
age
361通常の名無しさんの3倍:2008/07/01(火) 13:56:10 ID:???
wiki全然更新されないな
俺は携帯だから編集できないが
362DAYC:2008/07/01(火) 22:19:17 ID:???
人いネーナ

俺がドルダを最初に描いたときが一番活気立ってた気がする
363通常の名無しさんの3倍:2008/07/01(火) 23:34:12 ID:???
何このスレwwwwwwwwwwww
ネーデルガンダムとか鬚とかで埋め尽くされてると思いきやwwwwwwwwwww
364通常の名無しさんの3倍:2008/07/02(水) 00:01:40 ID:???
おめーだって顔大して出してねーだろ
365通常の名無しさんの3倍:2008/07/02(水) 16:46:27 ID:???
火星と地球って通信届くんだっけ?
366通常の名無しさんの3倍:2008/07/02(水) 19:50:09 ID:???
>>365
たぶん
367通常の名無しさんの3倍:2008/07/02(水) 21:55:54 ID:???
投下します。さるさん対策で前後編に分けます。
368アナザードルダ 1/6:2008/07/02(水) 21:58:03 ID:???
 ランチの自動扉が開いたときフィリア・シュードの気に止まったのは、区画内に悪臭が充満していることであった。
 火星軌道と木星軌道の間には小惑星帯が存在し、そこには岩石をくりぬいて作られた安価な居住小惑星が無数にひしめき合っている。
軌道が不安定で行き来も不便であるから、これら簡易居住小惑星の地価は地球・火星間の小惑星やコロニーに比べて数千分の一である。
フィリアが訪れたのも、何々番小惑星と呼ばれる名も無き居住小惑星の一つであった。
農業区画から垂れ流されるリンと流れの停滞とで富栄養化現象が発生し、居住区画の川は緑色に濁っている。
鼻にさわる臭気は、そこと、天井の大型空調機から発せられるかび臭い空気が原因であると思われた。
路肩にぽつぽつ坐っている乞食も月の大都市で見られるそれが上品に思えるほど薄汚く、立ち並んだ粗末な作りの建物からは、酔っ払いの怒鳴り声や夫婦喧嘩と思われる金きり声が響いてくる。
フィリアは自分が通行人にじろじろ見られているのを感じた。
染みが無く糊の利いた服を着ているのがフィリアだけであったこともあるが、路地の物売りの中年女性たちはフィリアを見てひそひそ囁き合い、軽蔑の言葉を漏らしている。
労働者ふうの男が馴れ馴れしくフィリアの肩を抱いて、卑猥なことをささやきながら皺だらけの紙幣をフィリアの手に押し付けた。
見当違いも甚だしい。フィリアは男の手を払って歩き出した。
後ろから怒鳴り声が聞こえたが、フィリアがある事実を告げてしまうとすぐ静かになり、少し遅れて、先ほど囁き合っていた中年女性たちが大笑いするのが聞こえた。
 フィリアは小さな下宿屋の前で立ち止まった。携帯端末を操作して住所が間違っていないのを確認し、それからインターフォンを押した。
しばらく経つと、中年と熟年の中間ほどの年齢と思わしき女主人が出てきて、胡散臭そうな目つきでフィリアを眺めた。
フィリアは女主人に事情を話しながら携帯端末に映る顔写真を見せたが、彼女はのらりくらりとフィリアの質問をはぐらかし、相変わらず疑りの目でフィリアを見ていた。
369アナザードルダ 2/6:2008/07/02(水) 21:59:46 ID:???
フィリアはこのままでは埒があかないと考えて、女主人の手に幾枚か紙幣を握らせた。
その途端に彼女は打ち解けたと見え、フィリアを家の中に通し、「デイヴィッド・リマー」と表札に書かれた部屋に案内した。
部屋の主は居なかったが、どんな人物がここに暮らしているのかは容易に想像できる有様であった。
寝台にはシーツもなく、あちこち綿のはみ出たマットが剥きだしになっている。作業着と黄ばんだ下着を一緒くたに丸めたのが枕代わりであるらしかった。
床には空き瓶と空き缶が散乱し、部屋に据付と思わしき冷蔵庫は開け放しで、乱暴に放り込まれたビール缶と、なぜかバスケットシューズが覗いて見えた。
その上、この居住区の劣悪な空気にようやく慣れ始めたフィリアでさえも顔をしかめる悪臭が部屋に篭っている。
諸悪の根源は冷蔵庫脇にぽつんと置かれている物体であった。緑色の黴に覆われたその物体をよく観察すると、フィリアも量販店でよく見かける乳製品のパッケージの切れ端が見えた。
雪の結晶を模したロゴの横に「アルバート」と書きなぐられ、その下のペンで乱暴に塗りつぶされた箇所の端に「祝! 生後六ヶ月!」と同じ筆跡で書いてある。フィリアは口元を押さえて部屋を出た。
 女主人の話によれば、デイヴィッド・リマーはここ数ヶ月ずっと働いていないらしかった。
朝から晩まで酒場や賭場へ通い、そうでなければ部屋で何もせずに飲んだくれているそうである。
部屋の使い方が汚いやら家賃の支払いが三ヶ月も滞っているやらと、女主人がいらぬことまで愚痴り始めたので、フィリアは暇を告げて逃げるように下宿屋を立ち去った。
 デイヴィッドが入り浸る界隈を訪ね歩いて、そのたびにいやらしい言葉を浴びせられながらもフィリアは根気強く彼を捜し続けた。
一見して余所者と判るフィリアがからかわれないでいるためには、会話を交わすごとに財布を軽くしなければならなかった。
フィリアは自分の風貌が相手を付け上がらせるのに一役買っていることも知っていた。
最下層のゴミ溜めでなく小奇麗な月都市でもそれは同様であり、金で解決できるだけここのほうがかえって円滑に進むくらいであった。
370アナザードルダ 3/6:2008/07/02(水) 22:01:17 ID:???
 半月分の給料と四時間の時間を浪費してからようやくフィリアは目的の人物を見つけることが出来た。
薄汚い建物の前で、デイヴィッドは頬を押さえて蹲り、彼を殴ったと思わしき大男に向かって何やら懇願を繰り返していた。
時折、「ひひっ」と卑屈な笑い声を口の端から漏らしつつ、金銭上の問題について相手に慈悲を乞っていた。
デイヴィッドがあまりにもしつこくむしゃぶりつくせいか、大男は「いい加減にしろ」と怒鳴りながら彼の顔を蹴っ飛ばし、それきりすたすたと建物の中へ入って行った。
デイヴィッドは大男が居なくなったのを見ると、たどたどしい口調で扉を罵った。
「ここここの、おおれは知ってんだぞ。ててめえがカードでイカサマしてんのも、きゃ客に出すウォトカに水混ぜてんのも、ちちち畜生、う訴えてやる。おおれはうったえるぞ。ひひっ……」
 フィリアは二年ぶりに再会した親友の姿から目を背けたくなった。
受ける印象の上ではすっかり様変わりして、以前のからりとした明るさが卑しさにすり返られている。
無精ひげに覆われた口元から発せられる声は、二年前と比べて相当に嗄れている。おそらく酒の中毒が原因であろう。
服装はみすぼらしく、染みと元の色とが区別できないほど汚れている。このまま帰ってしまおうかという考えがわき上がった。
しかしそのときには既にデイヴィッドが黄色く濁った目をフィリアに向けていた。
「ひひっ、ああんた、どっかで見たことあるような顔だな。まあ、いいさ。ととにかく、ちょっとばかし金貸してくんねえか。なあ、お嬢さん、いい、いいだろ。ほほんのちょっとでいいんだ」
 デイヴィッドがそんなことを言いながら立ち上がり、千鳥足でフィリアに近づいてきたと思えば、彼はフィリアの肩に手を置いた途端いきなりその場にくずおれてしまった。
フィリアがあわてて抱き起こして声をかけてみたけれども、デイヴィッドは目を瞑ったまま青ざめた口をもごもごと動かすに過ぎなかった。
彼は酔いつぶれたらしかった。
371アナザードルダ 4/6:2008/07/02(水) 22:02:46 ID:???
 デイヴィッド・リマーはシャワーの音で目を覚ました。
ここ一年ほど見ていない小奇麗な天井と、清潔な枕の滑らかな感触があるのを知り、すぐさまばっと音を立てて羽毛蒲団を捲った。
残念なことに、服は着ていた。代わり映えの無い着たきり雀である。
デイヴィッドはため息を吐き、醒めた頭で昨日の出来事を順々に思い出して行った。
いつもどおり正午に起き、大家の催促を逃れてパチンコ屋へ出かけた。
負けも勝ちもせず夜になって、行きつけのバーでカードに興じ、負けが込んできて、店主に追加の酒を頼んだら店から追い出された。
その後の記憶はぼやけて、なにやら悪態を付いていたかもしれず、通行人に絡んでいたかもしれない。
酔いが回りすぎて、デイヴィッドは自分が何を言ったのかさえ覚えていなかった。
 シャワーの音が止んで一分ほど経つと、バスローブ姿の人間が、肩口ほどまでの長さのある髪をタオルで拭きながら浴室から出てきた。
白い肌とバスローブに包まれた細い腰が見えたとき、デイヴィッドは思わず足を組んでその人間の胸元に視線を集中させた。
「あ、起きたんだね」
 その人物が聞き覚えのある声を発した途端にデイヴィッドの淡い期待は崩れ去った。
デイヴィッドは頭を抱えて、投げやりな口調で言った。
「お前だったのかよ、フィリア」
「どうしたのデイヴ? なんで怒ってるの?」
「うっせ、紛らわしい顔しやがって……」
 女性と見まがうばかりの容貌であるけれども、フィリア・シュードは正真正銘の男性である。昔、実際にひん剥いて確認したこともある。
彼と言葉を交わすのは二年前に連邦軍を抜けて以来のことであったが、デイヴィッドは蒲団を被って目を瞑った。
期待していただけに幻滅も大きかったのである。
「お変わり無いようで何より。じゃ、お休み」
「ちょっと! 用件を聞くとかはしないの?」
「俺は疲れてるんだ。ほら、仕事とかでいろいろ」
「ニートが何言ってるんです! 親友がはるばる訪ねてきたというのに、その態度はどうかと思うよ!」
372アナザードルダ 5/6:2008/07/02(水) 22:03:46 ID:???
 一時間ほど押し問答した後、眠気も醒めてしまったデイヴィッドは仕方なしにフィリアの用件に耳を傾けていた。
「火星へ?」
「うん。第七次調査団として派遣されるんだけれど、MSパイロットの枠が一つ空いているんだ」
「テラフォーミングが終了するのはまだ何百年も先だろ? 何でわざわざ調査団なんか送るんだよ?」
 パイロット枠の件には触れず、デイヴィッドは思いついた疑問を口にする。
「途中経過報告が火星開発公社(ウチ)の名目だからね。そのために連邦から資金援助も受けてるし。まあ、ほかにも色々と事情がね。だからさ――」
「先回の調査は何年前なんだ?」
「……五十年前。ちょうど五十年周期だよ」
「で、フィリアはメカニックチーフで参加するわけか。しかしまあ、なんだ。お前も相当に出世したな。たしか引き抜かれたんだろう? 連邦にいたころより給料だって――」
「デイヴ! 四方山はもう止めようよ。僕は、君を誘いに来たんだ」
 デイヴィッドは口を噤んだ。フィリアの様子が思いのほか真剣味を帯び始めてきたからである。
「君は、今のままの境遇で本当にいいの! 軍を抜けて、こんな辺境で夢も希望もない人生を続けるの! ここは空気も悪いし、人間だってみんな性根が薄汚い。
こんな、食べるために生きるのか生きるために食べるのか定まらないところにいれば、いつかきっと、デイヴは駄目になる!」
「もう充分駄目人間さ」
「だったら、これから立ち直ろうよ! 飲酒と放蕩と伊達気取りなんてすっぱり止めて、もっと、地に足付けて将来を考えることにしよう!」
「今の時代、地球は立ち入り禁止だぜ」
「だから、火星に行こうと言ってるんだよ! 火星には大地があるし、安定した職だってある! 
調査団が解散した後のポストは僕が用意するし、君の借金だって、僕が立て替えるから、昔みたいに、僕と一緒にがんばろうよ!」
373アナザードルダ 6/6:2008/07/02(水) 22:05:13 ID:???
 お前はなぜそうまでするんだ、という藪蛇を突っつくような言葉は飲み込んだ。デイヴィッドにはその理由を三つも四つも挙げることが出来るのである。
彼は他人の性情に深く立ち入りたくなかった。
真実であるとか、理想であるとかはぜいたく品で、物事を深く考えずにだらだらと上辺だけの人付き合いをしながら、残りの人生を死ぬほど退屈に暮らしたいと願っていた。
「返事は、早めにしないと駄目か?」
「出来れば、今日中にして。早くしないと、火星の位置が変わってシャトルじゃ行けなくなっちゃうから」
「わかったよ。行くよ。行けばいいんだろ。ったく、お前にはかなわねえよ、フィリア」
 デイヴィッドは観念した。どのみち、下宿にも財布にも金が無い一文無しの彼には、強情を張るという選択肢は無いのである。
「デイヴ、ありがとう!」
 フィリアはぱっと咲くような笑顔を見せて、心底嬉しげに今後の計画をあれこれと語り始めた。
374通常の名無しさんの3倍:2008/07/02(水) 22:05:41 ID:???
ひとまず以上です。
375設定考証:2008/07/03(木) 00:07:45 ID:???
>>374
GJ!!

しっかし小惑星か。話の舞台ががんがん広がってくな。
鉱山できつい仕事を安い給料でやらされてる人々がいそうだとか、
いろいろ妄想が広がるぜ!
問題なのは自分が未だに面白そうな話を思いつかないことだw

>>365
通信は余裕でできる。
ただし電波が届くのに分単位で時間がかかるのが問題だな。
電話なら会話にならない。電子メールを使えば問題ないが。
インターネットで地球のサーバにアクセスするのとかも大変だろう。
376通常の名無しさんの3倍:2008/07/03(木) 00:13:32 ID:???
後編投下します。
377アナザードルダ 1/7:2008/07/03(木) 00:16:15 ID:???
 新宇宙暦072年現在では、火星のテラフォーミングが始められてから五百年が過ぎている。
それ用の機能遺伝子を持つ微生物や藻類を大量に放し、千年前後もの時間をかけて火星全体を地球と同じ生態系へ作り変えるという気の長い事業である。
しかし人間というものはせっかちな生き物であるから、千年後に約束された地上の楽園なんて悠長に待ってはいられない。
テラフォーミング開始から二百年後、微生物・藻類循環の安定と地球環境悪化に伴って、パラテラフォーミング、すなわち地表でのコロニー開発が始まった。
末期の地球における都市計画を流用して建造されたこれらのコロニーは、タワーとケーブルからなるフレームに透明な外壁パネルを被せて、その形状が三次元アーチを為していることからドームと呼ばれている。
脆弱な構造のため、ドームの寿命は居住小惑星とどっこいどっこいであるが、短時間で安価に作れて、それに加えてほとんど完全な自給自足が可能であるため、火星の各地には大小様々な規模のドームが点在している。
 ドーム・テーレマコスは、火星で最も規模の大きいドームであり、また、マスドライバー施設を保有する唯一のドームでもある。
したがって、火星と宇宙を繋ぐスペースポートはこのドームにしか存在せず、絶えず観光客で賑わっている。
 観光客の団体に混じって、男装した妙齢の女性と、浅黒い肌をした短髪の男がターミナルを歩いていた。
男が立ち止まって窓を眺めながら何かを喚いたり、火星の現地人を指差して何かを言ったりするたびに、女性のほうは男の手を引っ張ったり、あわてて男の口を塞いだりしている。
見るからにおのぼりさんである二人組は、ひとしきり周囲の冷ややかな視線を集めると、団体客と別れて、ドーム行きではなく連邦軍駐屯地行きのランチへと乗り込んだ。
同乗する軍人たちに詮索の目で見られているこの二人組は、フィリアと、人間らしい身なりになったデイヴィッドであった。
378アナザードルダ 2/7:2008/07/03(木) 00:17:56 ID:???
 第七次調査団が使用する空中艦「カナリヤ」は、鯨に羽を付けたような恰好で、ずんぐりとしている。全幅が全長より二倍近い大きさである。
この艦は、元々ドーム・テーレマコスの所有であった大型輸送機を火星開発公社が買い取って、調査用に改造したものである。
ペイロードの約半分が研究室区画で占められているので、格納庫は狭く、護衛のMSは六機までしか搭載できない。
武装も貧弱で、黄色い船体に対空機銃がちらほら見える程度である。
カナリヤという名前は、旧時代、炭鉱において発生する毒ガスを検知するために、同名の鳥が坑道におろされたことに由来していた。
名付け親の人柄がしのばれる。
 あわただしく、作業員が走り回り、物資の運搬作業が行われている中、デイヴィッドはフィリアに連れられて、カナリヤ内のMS格納庫を歩いていた。
「MSU-14ドグッシュ、まだ量産ラインが整っていない最新鋭機なんだけど、地上での性能試験用に二機提供してもらえたんだ。今の火星駐屯軍はほら、あれだからね……」
 デイヴィッドはドグッシュの真新しい艶やかな塗装を眺めながら、説明しているフィリアを横目に、頭に浮かんだことをそのまま口に出した。
「あのリニアの銃口、催情的な粘膜部位を思わせる造形だな」
「ちょっと! 聞こえているんだぞ!」
と、開け放たれているドグッシュのコックピットから、鈴を転がすような声が聞こえた。それから間を置かずにパイロットスーツ姿の女が飛び出てくる。
「お前! いま何て言った!」
 長い黒髪を後ろに纏めた女は、髪のしっぽをゆらゆら振りながら、赤い顔をして、吊り上がった目でデイヴィッドとフィリアを睨みつけていた。
あまりかかり合いたくない手合いである。デイヴィッドが返事をしないで黙っていると、
「私のドグッシュのカントーンを、あろうことか、あ、あろうことか……、……だなんて……」
 言葉は尻窄まりになって、女は顔をいっそう赤らめて口を噤んでしまった。
けれども視線はより険しくなり、呪い殺さんばかりに二人を射抜いている。
狼狽するフィリアがひそひそ声で「謝ろうよ」とデイヴィッドに忠告するが、見たままを言って何が悪いというのがデイヴィッドの言い分である。
彼は腕を組み、あらぬところを向いて口笛を吹かし始めた。当然、例の女は立腹する。
 そんなときである。もう一機のドグッシュから、ワイヤーを伝って、例の女と同じくパイロットスーツ姿の中年男が降りてきた。
379アナザードルダ 3/7:2008/07/03(木) 00:22:43 ID:???
「どうもどうも、お久しぶりでございますシュード主任。いやはや、火星の重力というものは、なかなかどうして、思いのほか強うございますね。
わたくしなんかこう、ふんわりしておるものですから、ふう、疲れて疲れて、無闇やたらと汗ばかり垂れ流しております。ええ」
 でっぷりと太った中年男は、薄気味の悪いほどにこやかな表情で、しきりに汗を拭きながらフィリアにぺこぺこと頭を下げた。
年のころ四十前後と思われる。彼の脂ぎった団子鼻の上には、ちょんと乗せるような具合に小さな眼鏡がかかっている。
「おや? 貴方はもしや、以前シュード主任の仰った、デイヴィッド・リマー氏でいらっしゃいますか? 
どうもはじめまして。わたくし、このドグッシュの専属パイロットを勤めさせていただきます、ゲイリー・ターレルと申します」
 言いながら名刺を差し出される。デイヴィッドはゲイリー・ターレルの慇懃な物腰にまごついた。
名刺には、写真、生年月日、現在の職業から、学歴、離婚経験があることに至るまで、こと細かに個人情報が印刷されている。
デイヴィッドが名刺から目を離すと、ゲイリーは腰をかがめた恰好で右手を差し出していた。
にこにこ笑いで細まった目と視線がぶつかり、デイヴィッドはえたいの知れない寒気を覚えて思わず目を瞬いた。
ゲイリーはますます笑みを深めて、「さあ!」と言わんばかりに右手をデイヴィッドに差し出した。
「で、デイヴィッド・リマーだ。これからよろしくな。デイヴでいい」
 握手のために右手と右手を触れ合わせた瞬間、遊んでいたゲイリーの左手が凄まじい速度でもって伸びてきてデイヴィッドの右手を包み込んだ。
そうして、ゲイリーは握った両手を上下に強く揺さぶり、過剰ともいえる親愛の情を表した。
「ええ、ええ! 末永くよろしくお願い申し上げます、デイヴさん」
 握られた右手は、ぬめっていた。外気にさらすとひんやりして、たいへん不快であった。しかし本人の居る前で拭うわけにもいかない。
 すると、いつの間にかドグッシュから降りていた先ほどの女がてくてくと歩み寄って来て、
「よろしく。ネルネ・ルネールネだ。さっきのけしからん言葉は、この私の寛大な心に免じて許してやろう……だが、次はないぞ」
と言って左手を素早く差し出した。「嫌な女だ」とデイヴィッドは思った。彼は右手で握手したかったのである。
380通常の名無しさんの3倍:2008/07/03(木) 00:23:51 ID:???
アナザー乙!
全体的に荒廃した世界観が伝わってくるな
フィリアは女子視聴層をハァハァさせるためですね
381アナザードルダ 4/7:2008/07/03(木) 00:24:39 ID:???
 二人の同僚への自己紹介を終えたデイヴィッドが次に案内されたのは、格納庫の一番奥に位置するハンガーであった。
遠目でも、その周囲に大掛かりな端末が幾つも据付けられているのが見えた。
最新鋭機ドグッシュと比較して、そこに格納されている機体は相当な特別待遇を受けていることがわかる。
「これは……」
 デイヴィッドは覚えず感嘆の息を漏らした。その機体は、白を基調として、各部に黒と青と赤とで鮮やかに塗装が施されていた。
機体の形状においては、流線形のしなやかさと鋭角の強靭さがそれぞれ適切な箇所に配置されて、男女両性をそなえた調和をもたらしている。
肩アーマーから腕にかけては主に鋭角である。
胴体は、胸から腹の中心にかけての流線形部分と、ブロック状のわき腹部分と、入り組んでいる腰及びスカート部分で構成され、それぞれ色が分けられている。
下半身部分については、いい加減面倒臭いと感じたデイヴィッドはあまりよく観察しなかった。
装甲や間接部品の合いを見ても、大金を惜しみなく注ぎ込んでいることが判るからである。
二対のアンテナは、それぞれ鋭角と鈍角を形成し、その下に見えるのは、この種の機体に共通する鋭いツインアイであった。
「ガンダム?」
「そう。火星開発公社(ウチ)が独自に開発したガンダムタイプMS第一号機、GEY-001ガンダムムウシコス。
機体性能もさることながら、内蔵コンピュータの情報処理能力は、現存するガンダムタイプMS四十六機の中でもトップクラスで、最大九基のビーム兵装を同時に制御可能。
……今回の調査の要となる機体だよ。ところで、デイヴ。これから君には――」
「待てよ!」
 デイヴィッドはフィリアの言葉を遮った。淡々と説明を続けている目の前の親友がたちまち憎らしくなり、気が苛立つのに任せて胸倉を掴み上げた。
382アナザードルダ 5/7:2008/07/03(木) 00:26:52 ID:???
 デイヴィッドにとって、ガンダムというMSは好ましくない過去の出来事を思い起こさせる存在である。
守秘義務だのなんだの言って、今の今まで何も知らせずにいたフィリアに向かって、裏切り者めと叫んでやりたかった。
絶えず湧き上がる怒りを抑えながら、デイヴィッドは咽喉の奥から搾り出すように言った。
「お前は、俺に、こいつへ乗れというのか」
「……へ?」
 持ち上げられて宙ぶらりんの状態にあるフィリアが素っ頓狂な声を上げた。その表情は悪意でも恐怖でもなく、鳩に豆鉄砲である。
フィリアが首を傾げるのに続いて、
「凡庸パイロットが何を勘違いしておる」
というしわがれ声が聞こえて、大型端末の陰から白衣姿の老人が現れた。
「デイヴィッド・リマー。連邦軍退役時の階級は中尉であるが、先日行った能力査定シミュレーションの結果は、
近接D、射撃D−、回避D+、状況判断C−、空間認識以下技能オールD、総合成績D、加えて軽度のアルコール中毒あり。
一般平均に産毛の生えた程度の技量しか持たん貴様なんぞに、わが社のムウシコスを任せるはずなかろうが」
 いきなり出てきた初対面の年寄りに自分のパイロット適性を立て板に水のように空で語られて、デイヴィッドは羞恥を感ずる暇もなく、ぼんやり口を開けて立ち竦んだ。
握力が抜けたことで戒めから開放されたフィリアが、デイヴィッドの腹を肘で小突きながら、「この人、偉い人。偉い人だよ」と小さな声で言った。
デイヴィッドはそれでようやく我に返り、すかさず直立不動の体勢を取った。
「このたび、火星開発公社調査団MS隊に配属になりましたデイヴィッド・リマーであります! 本日はお日柄も良く、閣下におきましては――」
「ああ。いい、いい。邪魔にならんよう、向こうに行っとくれ」
 デイヴィッドは、しっしっと手を払う御老人に敬礼すると、きびきびした動作で回れ右をし、元来た道を引き返した。
彼は長いものに巻かれたがる性質の人間であった。
383アナザードルダ 6/7:2008/07/03(木) 00:28:03 ID:???
 ムウシコスの特待ハンガーから離れて、二機のドグッシュの整備風景を手持ち無沙汰にただ眺めながら煙草を吹かしていると、誰か声をかけてくる者がいた。
フィリアは先ほどの失態を弁解するために、今頃は例の偉い人に頭を上げ下げしているはずである。
デイヴィッドは壁に寄りかかったまま、声のした方向に顔を向けた。
パイロットスーツの胸元を肌蹴た金髪の青年が、にやにや笑いをしながら彼に近づいてくる。その丹精な顔つきは随分と若々しく、十代の少年とも思われた。
「アンタ、デイヴィッド・リマーだろ?」
「そうだが」
 年下のくせに不躾である。デイヴィッドは先ほどのこともあって気を悪くした。
「俺がガンダムムウシコスの専属パイロット、ディック・オメコスキーだ。アンタはこれから、俺の指揮下に入るってわけ」
 ガンダムパイロットを名乗る青年はデイヴィッドの肩にぽんと手を置いて続ける。
「仲良くしようぜ、微笑みデイヴ。それとも、ガンダムキラーか?」
 昔の、恥しい通り名を持ち出されてデイヴィッドは眉を顰めた。
「アンタのことはなんでも知ってる。二年前にガンダムを落としたことも、ついこないだまでニートやってたことも。
データベースを閲覧させてもらったんだ。この調査団に参加できたのは、アンタがシュード主任の愛人だからなんだって?」
 デイヴィッドは、こういう友達になりたくない輩に対してだんまりを決め込んだ。
これは彼自身がされて一番いやなことで、こうされると暖簾に腕押しを繰り返すうちに、段々と自分が言い負かされているような気持ちになるのである。
けれども、ディック・オメコスキーは怯むわけでもなく、自分で自分の言う皮肉に酔っている様子で、ますます機嫌を良くして喋り続けている。
384アナザードルダ 7/7:2008/07/03(木) 00:29:22 ID:???
「ガンダムキラーさん、どうやらアンタの機体が届いたみたいだぜ」
 ディックが顎をしゃくって指した先では、シートに包まれたMSが運搬用リフトに乗ってハンガーへと運ばれていた。
「おやおや、こいつはまた……」
 シートが剥ぎ取られたとき、デイヴィッドの口があんぐり開いて、咥えていた煙草が床に落ちた。
「三八式かよ。Dランのアンタにゃぴったりだな」
 格納庫の明かりに照らされて、頼りない饅頭型の頭部と、太くて逞しいというよりも成人男性のビール太りを思わせる体躯があらわになる。
国防色の塗装が所々剥がれ落ちているその機体は、MSU-06グワッシュであった。
新宇宙暦038年に生産が開始されたことが、三八(さんぱち)式と愛称で呼ばれる所以である。
旧式の代名詞ともいえるMSで、新宇宙暦072年現在、コロニー外壁の清掃、鉱物資源の採掘、スペースデブリ除去作業、耕作、それから自爆テロ及び郊外コロニーの警備と、幅広い分野において現役で活躍している名機である。
 そこに、「待った? デイヴ」なんて明るい調子で言いながら、フィリアがぱたぱたと小走りで戻ってくる。
デイヴィッドはさっそく掴みかかった。
「フィリア! この、おまっ、三八式って、どうして俺だけこんな棺桶なんだよ! しかもこいつは、払い下げじゃねえか!」
「だ、だって予算が下りなかったんだもの。な、なんなら、ドグッシュの予備パーツでカスタム化したげるから。だ、だから、は、はなし、くく、くび、し、しまってるって」
 この日、火星開発公社第七次調査団には、デイヴィッド・リマーと、彼の専用機であるグワッシュが新たに加わった。
それから数日後に、空中艦カナリヤは総員百八名と四機のMSとを乗せて、ドーム・テーレマコス脇の駐屯地から火星の空へと飛び立って行ったのである。
385通常の名無しさんの3倍:2008/07/03(木) 00:31:32 ID:???
以上です。
386DAYC:2008/07/03(木) 02:39:30 ID:???
>>385
387通常の名無しさんの3倍:2008/07/03(木) 17:27:12 ID:???
名前が面白いw
富野や00キャラに匹敵するネーミングだ
388通常の名無しさんの3倍:2008/07/04(金) 00:01:53 ID:???
中尉好きだねw
389通常の名無しさんの3倍:2008/07/04(金) 01:08:41 ID:???
オメコスキーage
390通常の名無しさんの3倍:2008/07/04(金) 02:45:52 ID:WyByZWrF
今のところドルダのデザインって>>190しかない?
391通常の名無しさんの3倍:2008/07/04(金) 05:21:08 ID:???
初投下
寝れなかったからボーっと好き勝手描いてみた。

ドルダの中身
http://wktk.vip2ch.com/vipper85430.jpg
ドルダ(可変だって設定完全無視してもうた)
http://wktk.vip2ch.com/vipper85432.jpg
ガーランド
http://wktk.vip2ch.com/vipper85433.jpg
ローズ
http://wktk.vip2ch.com/vipper85434.jpg
グワッシュ
http://wktk.vip2ch.com/vipper85435.jpg

設定完全無視でごめん。
392通常の名無しさんの3倍:2008/07/04(金) 14:58:46 ID:???
>>391
確かドルダは可変機じゃなかったような気がする
大丈夫だろ
393通常の名無しさんの3倍:2008/07/04(金) 14:59:13 ID:???
UMEEEEEEEEEEEEEE
394通常の名無しさんの3倍:2008/07/04(金) 15:07:05 ID:???
>>391
何この公式設定画集並の絵

ドルダの中途半端な羽のあたりがグリープっぽく見える
395通常の名無しさんの3倍:2008/07/04(金) 15:55:04 ID:???
もう>>391がメカデザでよくね?
396DAYC:2008/07/04(金) 16:16:06 ID:???
>>391
俺よりumeeeeeeeeee!!
397通常の名無しさんの3倍:2008/07/04(金) 16:43:00 ID:???
GDボード

http://imepita.jp/20080704/596510
ドルダシステム発動時にガンダムドルダからはがれた“GDアーマー”が組み合わさった状態

ドルダはこれの上に乗ることでドル・デー並のスピードを得る
武装はコクピット部ビームキャノン
ちなみにドルダシステム解放時は地上を滑走できない(通常時はできる)為、空中戦はこれに乗っておこなう


コクピットが一応あるが通常無人で動く

398通常の名無しさんの3倍:2008/07/04(金) 22:59:18 ID:???
ドルダ顔アップ
http://wktk.vip2ch.com/vipper85512.jpg
ドル・デー
http://wktk.vip2ch.com/vipper85513.jpg

思いついた感じで描いてみました。
みんなの設定が良すぎて描きやすいです。

あと敵メカがジオニックジオニックしてるのもなんだなーっと思って
ドルデーは自分なりに考えてみました。批判お願いします。

>>392
外伝とごっちゃになってました。安心しました。
>>394
そうですね、ちょっと羽が中途半端ですよね。
もう少し練り直してみます。

あと前描いたヤツももう一回描きたいと思ってます。
「ここをこうしたら」みたいなのがあったらご指摘お願いします。
たくさん描きたいです。
399通常の名無しさんの3倍:2008/07/04(金) 23:03:05 ID:???
追記
>>397
これは斬新ですね!
パージした装甲が合体…燃えますな…
ちょっと描いてくる!!!
400通常の名無しさんの3倍:2008/07/04(金) 23:04:40 ID:???
>>398
このノリでガンダムマルスのデザインをお願いしますw
401通常の名無しさんの3倍:2008/07/04(金) 23:14:24 ID:???
>>400
ガンダムマルス把握です。
>>276の昔ドルダの存在を脅威に感じていた存在が開発していた、ドルダの地下遺跡を調査及びドルダの回収、破壊を目的とした機体
その為探索能力に長け、狙撃・離脱戦法を得意とする。
この設定で考えてみます。

今更ですがこういう企画めっちゃ好きです。楽しいですw
402通常の名無しさんの3倍:2008/07/04(金) 23:15:07 ID:???
>>398
うーん

ドルデーはダサい……かな……
ドルダはかっこいいけど
403通常の名無しさんの3倍:2008/07/04(金) 23:54:12 ID:???
>>401のおかげで盛り上がって参りましたw

>>402
そう?俺は好きだけど
404通常の名無しさんの3倍:2008/07/05(土) 22:51:53 ID:???
こんばんわ401です。

>>402
ふむ、やっぱりもっと兵器っぽさを押し出した方がいいですかね。
個人的にはモノアイよりもF91やVの狐目みたいな感じが好きなので
モノアイにはしたくなかったもんで…

ドルダだけが奇抜なのか、全体的に奇抜なのか…
どっちなんでしょう?
405通常の名無しさんの3倍:2008/07/06(日) 00:59:41 ID:???
>>404
個人的には全部奇抜なつもり、他の人がどうかは知らないが
406通常の名無しさんの3倍:2008/07/06(日) 03:37:08 ID:???
保守
407通常の名無しさんの3倍:2008/07/06(日) 04:45:59 ID:???
http://wktk.vip2ch.com/vipper85781.jpg

ドルダ描き直して見ました。
ヒロイックな感じになったかな。
408通常の名無しさんの3倍:2008/07/06(日) 18:51:39 ID:???
>>407
通りすがりだが、かっこいいなw
ちょっとエルガイムっぽいというかガンダムMk.Vっぽいね
だからって文句つけてるわけじゃないからね(´∀`)
409通常の名無しさんの3倍:2008/07/06(日) 22:45:51 ID:???
再び過疎
410通常の名無しさんの3倍:2008/07/07(月) 20:37:51 ID:???
そして浮上
411通常の名無しさんの3倍:2008/07/08(火) 01:04:45 ID:???
age
412通常の名無しさんの3倍:2008/07/08(火) 02:02:14 ID:???
より良いものを考えるのって難しいですよね。あんまり考えすぎると熱が覚めてしまうし。それでもこのスレ好きだから伸びて欲しいし難しいですね
413通常の名無しさんの3倍:2008/07/08(火) 15:04:39 ID:???
age
414通常の名無しさんの3倍:2008/07/08(火) 20:42:29 ID:???
415通常の名無しさんの3倍:2008/07/08(火) 21:45:42 ID:???
>>414
UMEEEEEEEEEEE
416通常の名無しさんの3倍:2008/07/09(水) 03:35:10 ID:???
>>414といい>>407といいこのスレには(誉め言葉的な意味で)馬鹿がおるな
いいぞ、もっとやれ!いや、やってくださいm(_ _)m
417通常の名無しさんの3倍:2008/07/09(水) 03:56:15 ID:MlwKNTxg
>>160
>>159

> ちょ、RX-78w

> 本編に出てたキャラを補完してみた。

http://imepita.jp/20080618/672170

> 名前 宗谷陽光
> 年齢 39
> 生年月日 7月26日
> 血液型 A型
> 身長/体重 176cm/67kg

http://imepita.jp/20080618/672680

> 名前 ブルックリン・ハミルトン
> 年齢 47
> 生年月日 1月31日
> 血液型 O型
> 身長/体重 187cm/122kg
418通常の名無しさんの3倍:2008/07/09(水) 04:00:05 ID:???
ごめん……ageた上にミスって>>417書いちゃった…
419通常の名無しさんの3倍:2008/07/09(水) 11:39:14 ID:???
マジレスすると、Zだろう。
420通常の名無しさんの3倍:2008/07/09(水) 21:34:00 ID:???
>>419
Zってどの辺が奇抜かな
あのスイカバーは確かに奇抜だけど
421通常の名無しさんの三倍:2008/07/10(木) 00:00:31 ID:PYofEuNh
∀だろ
422通常の名無しさんの3倍:2008/07/10(木) 02:46:57 ID:???
スペック的にビーム弾くような機能無いはずなのに何かオカルティックなオーラ出してビーム弾いたり
死人の魂呼び寄せて相手に幻影まで見せるようなMSは怖すぎます
423通常の名無しさんの3倍:2008/07/10(木) 07:48:02 ID:???
age
424通常の名無しさんの3倍:2008/07/10(木) 07:53:08 ID:GXp6A83z
http://ggundam.biz/0000004757.jpg

マンダラガンダムだろ
425通常の名無しさんの3倍:2008/07/10(木) 19:46:02 ID:???
426通常の名無しさんの3倍:2008/07/10(木) 19:50:03 ID:???
427通常の名無しさんの3倍:2008/07/11(金) 02:32:23 ID:???
良い意味で酷い画像w
428通常の名無しさんの3倍:2008/07/11(金) 12:26:24 ID:???
ストフリもある意味奇抜だと思うが。

適当に何でもくっつけりゃいいってもんじゃないを
敢えて実際に形にしちゃう辺りが。
429通常の名無しさんの3倍:2008/07/11(金) 17:54:24 ID:???
定期age

にしてもすっかり職人が消えちまったな
430通常の名無しさんの3倍:2008/07/11(金) 18:09:10 ID:???
イージス、ブリッツ、フォビドゥン、レイダー、ジャスティス、プロヴィデンス
431通常の名無しさんの3倍:2008/07/11(金) 20:17:17 ID:???
432通常の名無しさんの3倍:2008/07/12(土) 01:24:19 ID:???
誰か職人おいで
433通常の名無しさんの3倍:2008/07/12(土) 02:33:14 ID:???
http://wktk.vip2ch.com/vipper86721.jpg
http://wktk.vip2ch.com/vipper86722.jpg

お久しぶりー。
ガンダムマルス案です。ネロEWAC+デュナメスのイメージです。
ライフルはZプラスCのパクリとかじゃないです。決して・・・!!
批評お願いします。

今日はHCM-Proのサンドロックの発売日でしたね。
ずっとコレで遊んでてアップ遅れました。
僕はサンドロックが2番目に好きなガンダムです。
1番は誰がなんと言おうとガンダムXです。異論は受け付けません。
http://wktk.vip2ch.com/vipper86723.jpg

あぁ、カッコイイ…よ、僕のサンドロック…
434通常の名無しさんの3倍:2008/07/12(土) 02:36:35 ID:???
追記です。

マジレスすると僕はゼータ全般です。
ティターンズのメカデザは奇抜だと思います。
バイアランとかパラスアテネとか。あーいうの大好きです。
435DAYC:2008/07/12(土) 15:18:13 ID:???
>>433
なんか顔が凸機みたいでかっこいいね
436通常の名無しさんの3倍:2008/07/12(土) 16:22:06 ID:???
リジェネレイト
437通常の名無しさんの3倍:2008/07/12(土) 21:25:31 ID:???
      /|   , ,
      |/__ ',
      ヽ| l l│<一番奇抜なのはサイコロガンダム
      ┷┷┷
438通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 02:58:53 ID:???
1Doll-Device Archive No.03 デブリ





 第1火星コロニー、自治区代表官邸。
 陽光の元にも、ドルダの情報は届いていた。
 相次いで掃討されるドール部隊。
 交戦した2部隊の内、1部隊は壊滅。交戦とも呼べない一瞬の出来事だった。
 そしてもう1つのニコラスの部隊では、残存したのは2機のみ。1機は中破している。
 ドルダと戦うまで、火星コロニー義勇軍は無敵に近い状態だった。
 か弱い小鳥を猟銃で撃ち殺す人間。
 だがそんな人間を、慈悲もなく焼き尽くす破滅の天使。
 正に、そういった形容が相応しいヒエラルキーが完成しつつあった。
「スウィフト君、報告を感謝する。デボン君も無事で何よりだ」
『いや、こっちも機体を損失してすまねぇ……パイロットもな』
『ダン・デボン。この身、火星コロニーが独立するその日まで捧げるつもりです!』
 モニターに映るニコラスとダン。
 軌道エレベータ宇宙ステーションから最も近い第26火星コロニーよりの通信である。
 火星圏のコロニーはほとんどが義勇軍によって制圧された。
 今現在、一部の駐留軍が小規模な抵抗を行っている。
439通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 03:02:45 ID:???
 それも、鎮圧されるのは時間の問題だろう。
 だが、軽視はできない。
 地球からの増援。そして、いずれは地球に向けての侵攻を行う。
 火星から出払った後に、再び息を吹き返されるのだけは避けなければならない。
「そのアンノウンMS。奴が妨げにならなければいいが」
『あの戦闘力は尋常じゃねぇ。ビーム兵器じゃ歯が立たん』
 悔しそうに、ニコラスの声が震えた。
 ドルダとの圧倒的な力の差。それを思い知る一戦であった。
「ビームが効かない、か。厄介な存在だな。実弾兵器の製造を進めなければか」
『MSが使うならそれなりのデカさにもなるか。俺達の規模の小ささを踏まえると……頭が下がるぜ』
『ビーム兵器はエネルギーを消費するだけですからね。作るのが楽な兵器ですよ』
「接収したイーグルクロウの武装を改修し、騙し騙し使っていくしかあるまい」
 そう言うと、陽光は短く息を吐いた。
 そんな彼をモニター越し見て、ニコラスは苦笑する。
 陽光とニコラスに、大した面識はない。
 火星コロニーの独立の中心的人物と、その支持者。それだけの関係である。
 この独立戦争が始まる以前、まだ大規模な武力衝突もなく独立運動で抗議がなされていた頃、
独立戦争の開始に向け義勇軍発足の活動が水面下で進む中、陽光とニコラスは出会った。
 その時の陽光は毅然とした態度で、指導者としての立場から弱みは決して見せなかった。
 だが、今モニターに映るのは、時より疲れた表情を見せる、紛れもない人の子だった。
440通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 03:05:21 ID:???
 安心すると同時、少しばかり心配になる。
 一人張り詰めて、壊れてしまわないか。
 今後、また大きなアクシデントがあった時、どうなるか。
 一瞬だけ、ニコラスは眉を顰めた。
『で、あれは、アンノウンMSだっけか? チッ、言いづれぇ……』
『ガンダムじゃ!』
 通信に割り込んで、老人の声が響いた。
 モニター全体を占める皺だらけの顔。
「プロフェッサー・ティモールか。盗み聞きとは感心しないが」
『コールウェイティングはしたわい。ロストテクノロジーのアーカイブからログが見つかったぞ』
 モニターに静止画の映像が現れる。
 そこには、ドルダに似た顔の造形のモビルスーツが映し出されていた。
『似てるな……あれに。だがなんだ? ロストテクノロジーがなんとかって』
 ロストテクノロジー。過去の超技術。
 義勇軍でも、陽光と近しい者、そしてティモールしか知らない最重要機密。
 地球の者達が運用するMAをいとも簡単に打ち負かしたMSの開発技術他、
様々な情報を引き出すことができる火星の衛星ダイモスにある遺跡。
 それはかつて、現在の文明が発達するそれ以前に、
別の超高度文明が存在していたことの証だった。
 その事実が陽光の口から語られる。
『マジかよ。なんだよそれは……』
『…………』
 唖然となるニコラスと、絶句するダン。
441通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 03:09:43 ID:???
 現在の地球人類の技術では、MSの開発は到底不可能に近い。
 人型ロボットの構想が考え出されても、それを実現させるまでには至らなかった。
『それがこの、独立戦争を勝つための策だってわけか』
「そうだ。君達になら話せると思って明かしたが、このことは内密にしてもらいたい」
『あぁ。いや、言っても理解できんだろ。俺もまだあんた等が冗談言ってると思ってる』
 苦笑いで、その笑みもぎこちない。
 しかし、陽光達の顔を見れば、それが冗談などではないとわかる。
『あ、あの、地球圏圏にも、そのような遺跡はないのでしょうか』
 そんな中、気になった疑問を、ダンが口にした。
『無いから、この世界なんだろうが』
「いや、意図して隠蔽している可能性もある。例えば月の国、とか」
 机上の空論。
 真偽は、この会話に参加している全員が知らない。
「プロフェッサー。この映像について、説明を頼む」
『ガンダム。数ある歴史の中の戦争で、常にその中心に立ち、勝利に導いてきた存在じゃ』
『……勝ち目ねーじゃん』
 ニコラスの一言に、静まり返る室内。
『わ、儂は、ロストテクノロジーの情報をただ読んだだけじゃぞ!』
 ティモールが狼狽えた。
 別の歴史でも、圧倒的な強さを誇っていたということは変わらないらしい。
「だが、これは教訓となる。その、ガンダムを倒すな」
 過去の超技術の流用がきくのなら、こちらも相応の兵器を創り出せばいい。
 相応。否、凌駕する兵器を。
442通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 03:13:04 ID:???
「あれを持っているのが民間だというのも好都合だ」
 火星に降りた後、火星の地でダイモスと同じような遺跡を見つけたのだろう。
 そこで、ガンダムを発見した。
「だが調査には期限がある。遺跡を完全に把握する時間まではなかった」
 ガンダム。それしか持ち帰れなかったのだろう。
「それに加えあの大火力。いずれは持て余す」
 追っ手を振り払うためとはいえ、一般人がそうそう戦闘を続けられるはずもない。
 人の心があるのなら、殺すことに躊躇いもあるだろう。
 やむを得ず。それは何度も続かない。陽光はそう結論を出した。
 自信に満ちた顔をしている陽光を見て、ニコラスは安心して小さく笑みを浮かべた。
『で、追撃隊の編成はいつだ? もちろん、俺は参加させてもらうがな』
『自分も、粉骨砕身で任務に当たりたいと思っています!』
「頼もしい。現在、マイケル・ミッチェル隊が先行している。それに合流してくれ」
 隊の名を聞いて、ニコラスはあからさまに嫌な顔をする。
 それには陽光も気付き、堅い表情を少し崩した。
「何か気になることでも。スウィフト君」
『いや、奴が好かねぇだけさ。子供でも必要とならば兵として使うべし』
『武装蜂起の直前に隊長格のパイロット達が集まった際の発言ですね』
 ダンが言うように、そういったミーティングが過去に開かれたことがある。
 数で劣る勢力にとって、少年兵を起用することは珍しくないことだ。
 マイケル・ミッチェルという男は、そうパイロットの増強を訴え、波紋を呼んだ。
 倫理観が違うパイロット達の中には、このことに明らかな嫌悪を示す者もいた。
443通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 03:46:22 ID:???
「私もその考えを、全肯定したわけではない」
 現にマイケル・ミッチェルの隊には、10代のパイロットが数名所属している。
 他にも、マイケルの意見に賛同した隊長格のパイロットの中には、
志願した子供をパイロットとして採用した者もいるという。
「独立した後の火星圏の未来?%
444通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 03:47:36 ID:???
>>443訂正

「私もその考えを、全肯定したわけではない」
 現にマイケル・ミッチェルの隊には、10代のパイロットが数名所属している。
 他にも、マイケルの意見に賛同した隊長格のパイロットの中には、
志願した子供をパイロットとして採用した者もいるという。
「独立した後の火星圏の未来を創るのは、私達ではない」
 キッとした、真剣な瞳で、ニコラスを見る。
「我々は多くの者を殺す。だがその荷を、子供達にまで背負わせる必要はないのだ」
『ヘッ……馬鹿だぜ、あんた』
 同じような志の瞳が、陽光を見つめ返す。
『出来る限りはしてみせるさ。それがガキ共の押し付けになろうともな』
『自分も、お供いたしますっ!』
「すまない。任せた」
『任された! 通信終了ッ!!』
 モニターから、ニコラスとダンの顔が消える。
 部下達の中から、涙を堪える声が聞こえた。
「プロフェッサー・ティモール。貴殿にまで火星独立の理想を押し付けるつもりはないが」
『わかっておるわい。儂は儂の造りたい物を造るだけじゃて。実弾兵器の件も引き受けても良いぞ』
「助かる」
 一言に感謝を込めて、陽光は言った。
 ティモールは「ゲゲッ」と気味悪く笑い、通信を切った。
445通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 03:49:28 ID:???
 静かになった室内で、陽光はまた息を吐いた。
 だが、それは疲れからくる溜息などではない。
 決意を新たにするための、区切りだった。

 輸送船のハッチが開き、ドルダが収容される。
 格納庫では、クランとモモがシンシアの帰りを待っていた。
 ドルダが停止し、?%f
446通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 03:50:50 ID:???
>>445訂正

 静かになった室内で、陽光はまた息を吐いた。
 だが、それは疲れからくる溜息などではない。
 決意を新たにするための、区切りだった。

 輸送船のハッチが開き、ドルダが収容される。
 格納庫では、クランとモモがシンシアの帰りを待っていた。
 ドルダが停止し、解放されたコックピットからシンシアが出てくる。
「シンシアっ!」
 シンシアが降りてきた途端、クランは飛び出していた。
 シンシアを抱き締めると、存在していることを確かめるように顔に触れる。
「な、なに? お姉ちゃん、くすぐったいよ」
「ごめんなさい。でも、心配で。無事で良かったわ」
 困っているシンシアに、クランは安堵した笑みを見せる。
「クランさん、あれに乗って飛び出そうとしたんですよぉ。
自分が閉所、暗所、その中で揺れを感じることの恐怖症だって忘れて」
「モモちゃん! 恥ずかしいんだからやめてっ!」
 ニヤニヤして言うモモに、クランは顔を紅潮させて抗議した。
 そんなクランの腕の中で、シンシアが疑問に思う。
「あれ?」
 最初は、グワライダーのことだと思った。
 しかし、庫内を見回してみると、それが間違いだということに気付く。
447通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 03:52:36 ID:???
 格納庫には、グワライダーだけではなく、3機のローズもあったのだ。
 先程まで交戦していたのと同一の機種だけに、一瞬身震いするシンシア。
 それを腕の中で感じ、クランは「大丈夫よ」と背中をさすった。
「シンシア君は無事のようだな」
 操縦室にいたギデオン達がやってくる。
「操縦は?」
「オートパイロットに切り替えた。デブリ宙域に近付いたら知らせが入る」
「デブリ宙域?」
「そこを突き切れば、距離的には公社の支部がある29コロニーが近い」
「デブリ宙域での航行経験はおありで?」
「これで3回目だ」
 迷いなく、ギデオンは頼もしげに言ってみせた。
 それに対して、反論せずに、クランは笑う。
 二人の間には、信頼が生まれていた。
 そんな二人を、むすっとした顔で睨む男が一人。
「ヴァイスさん、どうかされました?」
「なんでもねーよ」
 ミランダの心配も、虫の居所が悪いのか素っ気ない。
「それよりもこの人型だ。独立派がこさえた機体だよな」
 話の流れを変えるように、大きめ声でヴァイスが言う。
 皆が、ローズに目を向けた。
448通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 04:59:57 ID:???
 人が乗る戦闘兵器といえばMAが普通だと思っていたクラン達にとっては、
この人型の機体、即ちMSは大変に珍しく、興味深い代物であった。
 技師のヴァイスだけだけではなく、ギデオンも厳しい視線をローズに送っている。
「気に入らんな」
 そして、重い口調でそう吐き捨てた。
 ギデオンの表情は、とても穏やかとは言えなかった。
「ど、どうしたんスか?」
 女性陣から押され、恐る恐るヴァイスが尋ねる。
 ギラッとした目がヴァイスを見た。
「この機体にはロマンがない!!」
「ロ、ロマン?」
「人型の魅せる脚線美は認めよう! だがこの機体はなっとらん!」
 拳を握り、そして震わせ、ギデオンは叫んだ。
「だから私はこの機体を見た時ピンときた。改造してしまおうと! ナギサカ君!」
「はい!?」
「船外活動の許可を!」
「きょ、許可します」
 凄まれて、思わず言われた通りに許可してしまった。
 3機のローズに対して不気味な笑い声を上げるギデオンに、
他の5人はどうすることもできず一歩退いて傍観するしかない。
「ぬはははは! そうだな。私が改造を施した暁には、機体名をグワッシュとしよう!」
449通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 05:01:13 ID:???
 その後、火星圏駐留軍にも一般化するMS。
 そのMSの原型となる機体グワッシュ。
 そのグワッシュを私用に何体も所有し、各地のジャンク屋からパーツを選りすぐり、
カスタムしたものが注目され、ギデオンは後にマスターグワッシュという異名を持つようになる。
 しかしこれは、本筋より逸脱した別の物語だが。
「ねぇ、お姉ちゃん」
「なぁに?」
 騒いでいるギデオンから離れて、シンシアはクランに声をかけた。
「わたし、何も思い出せないでしょう?」
「え、えぇ。そうね……」
「わたしは何と戦ってるの? わたし何も知らないから。世界のこととか」
「何もわからず、戦わせてごめんなさい。貴女にも、知る権利はあるわね」
 クランは膝をつき、シンシアと目線を同じにする。
 そして、柔らかい表情で、微笑みかけた。
 だがその表情もすぐに、険しいものに変わる。
「貴女がドルダで戦ったのは、恐らくは火星コロニーの独立派。
此処、火星圏では、厳しい食料自給制限から独立運動が盛んだった」
 その結果が、現在の状況である。
 武装蜂起。MSによる戦闘行為。
 コロニー、軌道エレベータ宇宙ステーションなどの施設占拠。
 火星圏は戦渦の中であった。
450通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 05:03:23 ID:???
「私達は軍人じゃないわ。火星の調査に来ていたの。そこで、ドルダを見つけて」
「それでわたしが、乗った?」
「……そう」
「そうなんだ……何も思い出せないや」
 当然である。
 クランが少女に与えたシンシアという名前は、偽り。
 少女はクランの妹ではないし、調査隊の一員でもない。
 火星の地下施設で眠っていた、正体不明の存在だ。
(けれど、この子には知る権利がある。この子を連れてきたのは、私なのだから)
 心の中でそう呟いて、クランは話を続けた。
「地球圏では地球圏連合加盟各国が中心となって世界を引っ張っているわ」
 だが、一枚岩ではない。
「ロシアでは連邦の再編成に伴って、離脱対象の地域と内戦状態。
イギリスと中央・南アメリカ連邦は、旧カナダとの国境を巡って
運動家達が火星コロニーの独立派のように暴動を起こしているわ。
中東では宗教関係で過激な原理主義者達のテロ行為が激化している」
 並べられる数々の不穏な事柄に、シンシアの顔が曇った。
 そんなシンシアに、クランは先程の柔らかい、暖かな笑みを見せて、安心させる。
「でも悪いことばかりじゃないわ。ESEANU(エセアヌ)や月の国、コロニーなんかは割と治安が良いのよ」
 火星圏のコロニーとは違ってね。と、苦笑しつつクランはそう付け足した。
451通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 05:05:39 ID:???
「おい。国名ずらずら並べただけじゃ、この子なんもわかんねぇだろ」
 クランの説明を聞いていたヴァイスがきつい口調で指摘する。
「コロニーなんかはテロリズム・イヤーのせいでピリピリしてやがるし」
「そうね……」
 左腕を押さえながら、クランは小さな声を吐いた。
「ちょっとぉ! ヴァイスさん少しは考えてくださいよぉ!」
「いいのよ。モモちゃん」
「よくないです。クランさんはトラウマを抱えるんです! 少しは気を使ってください!」
 珍しく、モモが真剣な表情で怒声を上げた。
 医療担当としての行動か、はたまた仲間を想ってか。或いはそのどちらもなのか。
 モモはこう見えて、職務には真っ当な人間である。
 クランや他の者は、初めて顔を合わせたその日に、モモのカウンセリングを受けた。
 元々は怪我などの治療が専門で、世界情勢が不安定なこの時世、
様々な分野に対応すべく精神面のケアも力を入れるのだと語った。
 彼女の不思議と明るく、前向きな雰囲気に、クランは自身の過去を話したのかも知れない。
「もう平気よ。ありがとう」
 クランはそう微笑んで、立ち上がる。
「シンシアもごめんね。わからない話しちゃって」
「うぅん」
 クランのことは心配であったが、クランが笑いかけるので、シンシアも笑い返す。
「ミランダさん、悪いんだけど地球圏の最近の状況をもっと詳しく説明してあげて」
 話を振られて、びくっとミランダが反応した。
452通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 05:08:04 ID:???
 その顔は、少々強張り、困惑している。
「すみません。私、地理は余り詳しくなくて……」
 こめかみから頬にかけて、汗が垂れる。
 いつも尖った口調のミランダだったが、この時だけは緊張したような、声に張りがなかった。
「そう。じゃあ仕方ないわ。おいおい、ね」
%
453通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 05:09:13 ID:???
>>452訂正

 その顔は、少々強張り、困惑している。
「すみません。私、地理は余り詳しくなくて……」
 こめかみから頬にかけて、汗が垂れる。
 いつも尖った口調のミランダだったが、この時だけは緊張したような、声に張りがなかった。
「そう。じゃあ仕方ないわ。おいおい、ね」
「うん。いつでもいいよ。だってわたしとお姉ちゃんは姉妹なんだから、いつでも一緒でしょ?」
 無邪気に、笑う。
 そんな笑みに、クランは胸が痛んだ。
 だが、それを隠して、シンシアの頭を撫でた。
 こうして、この話題は終了した。
 何か煮え切らないまま、未だにローズの前で不気味に笑っているギデオンの姿があった。

 しばらくして、アラートが鳴る。
 デブリ宙域への侵入を示すサインだ。
 ギデオン、ヴァイス、ミランダが操縦席に向かう。
「隊長、熱源です」
 ミランダが報告する。
「熱源? 熱を持ったものでもあるのか……まさか、独立派か?」
「いや、そうじゃないっぽいスよ」
 振り向いたギデオンに向けて、ヴァイスが指をさした。
 目視できる距離に、小型の作業艇が見える。
「一般用の作業艇に見えるが、独立派ではないのか?」
「ジャンク屋全般が使ってるデブリ回収用の作業艇っスね」
 自信を持って、ヴァイスが言う。
 ジャンク屋が独立派ではないという確信はなかったが、
ジャンク屋が攻撃してくる可能性は低いとヴァイスは判断した。
454通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 05:11:26 ID:???
 ジャンク屋は人類の生活圏のどこにでも存在し、
人種や民族を越えて互いに協力し合い活動している。
 時には利益に目が眩み小競り合いを起こすこともあるが、
基本的にジャンク屋は皆、争いを好まないのである。
「俺も昔はジャンク屋だったからわかるんスよ。奴等とは今も交流ありますからね」
 だから、自信があった。
「そうか。なら、私もそれを信じてみよう」
 力強く、ギデオンが頷く。
「……それに、上手くすればグワッシュへ改造できるパーツが手に入るかも知れないしな」
「そ、そこっスか……」
「ぬはははは……トロニクス君、ついてきたまえ。ウォン君、後は任せた!」
「え? あ、はい。了解しました」
 呆然とギデオンを見送るミランダ。
 ヴァイスはトボトボとギデオンについていくしかなかった。
 船内にあったノーマルスーツを着て、二人は作業艇へと向かう。
 反対するかと思われたクランも、ギデオンの豹変ぶりに半ば諦めて何も言わず送り出した。
 ギデオンとヴァイスが、作業艇に接近する。
 救難信号は出されていなかった。もしや搭乗者はもう生存していないのか。
 ハッチを開けようと、ギデオンが合図を送る。
 それにヴァイスが了解したと返し、ハッチのロック解除を試みる。
455通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 05:14:35 ID:???
 しかし次の瞬間、作業艇が二人を振り払うかのように動き始めた。
 間一髪、二人は巻き込まれずに済む。
「なんなんだよ! お前等は!?」
「お兄ちゃん……」
 突然動いた作業艇。
 その中には、少年と少女の二人がいた。
456通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 05:17:03 ID:???
お久しぶりの本編の人です
なにやら通信状態が悪く、文が途中で切れる異常事態が発生してしまいました
無駄にレスを消費してしまいすいません

例のごとく前半のみです
最近SSを書いてる時間がなくだいぶ遅れてしまいました

では後半は、また後日
457通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 14:42:24 ID:???
ageといてageよう
458通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 18:18:38 ID:pJJGwR9U
age
459通常の名無しさんの3倍:2008/07/14(月) 22:57:18 ID:???
☆ゅ
460通常の名無しさんの3倍:2008/07/14(月) 23:46:32 ID:RHM63AOC
あえて言おう、ageであると!
奇抜なデザインって言ったら種系MS、特に無駄に羽が生えてるMSとか(特に自由、運命)
461通常の名無しさんの3倍:2008/07/15(火) 00:40:56 ID:???
>>433、本編の人
久しぶり!GJ
462アナザードルダ 1/10:2008/07/15(火) 19:32:21 ID:???
 ドーム・テーレマコスは、マリネリス峡谷中央に位置している。マリネリス峡谷というのは長さ四千キロメートルにも及ぶ火星最大の峡谷である。
マリネリス峡谷の西側から北へ登って行くと、火山地帯のタルシス地方に至る。
そこには太陽系最大の火山オリンポス山をはじめとした多くの死火山が分布しており、調査団のカナリヤが手始めに降りた地域はこのタルシス地方であった。
 火星のテラフォーミングは完全ではなく、日中の空は薄い大気に浮かぶ塵によって黄昏時のように赤々と染まっている。
赤い日に照らされて、一機のMSが錆色の地面を掘り返し、慎重な動作でもって土の塊を傍らのコンテナに納めていた。
そのMSはコンテナの蓋を閉じると、体を解すように肩を一回転させて、上空にメインカメラを向けながら手に持ったスコップを地面に突き立てた。
「しかしまあ、辛気臭くなる空だな。火星人どもが陰気なのも頷ける」
『無意味な動作です。真面目に作業を行って下さい。次は深度二十メートル』
 間髪入れず通信が帰ってきた。デイヴィッドは「はい、はい」と答えつつスコップの先を引っ掛けて空のコンテナを近くに寄せた。
『先ほども言いましたが、コンテナを乱暴に扱わないで下さい。不純物が混入します』
 冷淡な女の声を聞き流して再び掘り始めたが、ある深度まで来ると、浅い所の土が崩れ落ちて新しく掘った部分が埋まってしまった。
『初めからやり直しです。そこから移動して、指定する別のポイントを掘ってください』
「だーもー、めんどくせぇ! 別にこのくらい構わんだろうが」
『駄目です。いいですか、正確な調査結果を得るためには――』
「はいはいはいはい! 調査結果云々調査結果云々ですね。わかったよ、やり直せばいいんだろやり直せば! ……畜生、かったりぃ」
 グワッシュが乱暴にスラスターを吹かして穴から飛び出ると、その付近には同じように失敗した穴ぼこが幾つも空いていた。
 指定されたポイントに着いたとき、出し抜けに三機のMSが轟音を立ててグワッシュの頭上を掠めて行った。
低空飛行の反動で塵が舞い上がり、グワッシュのメインカメラに張り付いた。
塵が収まるのを待ってカメラ脇の洗浄装置を起動し、視界が元に戻ると、もはや例の三機は豆粒ほどの大きさである。
463アナザードルダ 2/10:2008/07/15(火) 19:35:17 ID:???
カメラを最大望遠にして見ると、ガンダムムウシコスを先頭に、フライトユニットを装備した二機のドグッシュが追い縋っている様子であった。
高い旋回性能を持つムウシコスの滑らかな機動に付いて行くために、二機のグワッシュは右へ左へと忙しく大回りに飛んでいる。
「いい気なもんだ。こっちは健気に土を耕してるっていうのによ。……ところでヴァニナ嬢」
『気安くファーストネームで呼ばないで下さい。不愉快です』
「失敬、ヴァニナ・ヴァニニ女史。なあ、俺たち調査団の主な任務は、火星の地質やら何やらを調べることだろう」
『そうですが、何か?』
「だったらどうしてあの連中は優雅にお空を飛び回っているんだ? 新型の性能テストなんぞ後でいくらでも出来る。下っ端の俺一人に任せるよりか効率がいいと思うんだがな」
 ヴァニナからの返答は無かった。
「フィリアも、スメッグヘッドとかいう偉い爺さんも向こうに付きっ切りだ。火星くんだりまでやってきてMS弄りたぁどういう了見だ?
やたらにいる研究員連中だってそうだ。こうして糞真面目に頑張ってるのは、あんたのほかに十人も居ないだろうが」
『機密事項です』
「そんなところは軍も民間も変わらんな。俺は堅気の職にありつきたいってのに……」
『口ばかり動かしていないで、手も動かして下さい。これ以上無駄口を叩いているなら、人事の方に報告させていただきますよ』
 デイヴィッドはわざとらしいため息を吐いて作業を再開した。
 いくらか掘り進んだとき、頭上にMSが静止しているのをセンサーが感知した。
ガンダムムウシコスであった。僚機のドグッシュを振り切ってしまったのか一機きりである。
ムウシコスは、グワッシュが頭を上げたことに気が付くと、ビームライフルの銃口をグワッシュに向けて、数回ほど打ち抜くような動作をした。
それから軽やかに宙返りをして見せ、遅れてやって来たドグッシュ二機から逃げるように飛び去って行った。
デイヴィッドはグワッシュの足元に荒々しくスコップを突き刺した。
「あの糞餓鬼、挑発してやがる」
『今ので土が崩れました。やり直しです。もっと慎重に行って下さい』
 結局、作業を終えたのは空が青ばんでくる時刻であった。
464アナザードルダ 2/10:2008/07/15(火) 19:37:50 ID:???
 パイロット用のミーティングルームで、フィリアがネルネとゲイリーを相手に今後の打ち合わせをしていると、自動扉が開いて、憔悴し切った様子のデイヴィッドが入って来た。
パイロットスーツから着替えもしないで、片手にヘルメットをぶら下げている。おそらくはつい先ほどまで働かされていたのであろう。
フィリアは真っ先に労いの言葉をかけた。
「デイヴ、おつかれさま」
 デイヴィッドは長いすにどっかと腰を下ろして、持っていたヘルメットを叩きつけんばかりにテーブルに投げた。
「おい、フィリア。あの堅物、どうにかならんのか」
 心底憎たらしげに吐き出された言葉に、フィリアは力ない笑いを浮かべた。
「ヴァニニ女史はなんというか、完璧主義者みたいなところがあるからね。ところで、グワッシュの具合はどうだった? 一応、マニピュレータの精度を調整し直してみたんだけれど」
「殴り合い仕様のブッシュのほうがまだマシだ。調査用ってんなら、卵摘める程度にはしてくれよ。そうでもないとあの女の御注文にはとても付いていけん」
 ブッシュというのは現在の連邦軍主力MSの名である。
「無茶言わないでよ……」
「こっちの方が無茶なんだよ。三十六箇所だぜ、三十六箇所も穴堀やらされたんだぜ。賽の河原の赤ん坊じゃあるまいし」
「いやはや、それは災難でしたね」とゲイリーが言った。彼は、上がタンクトップで下がジャージという軽装であったが、汗が止まらないのか引切り無しに首筋や脇下をタオルで拭っている。
その姿はお世辞にも清涼味があるとはいえない。けれども長袖の三人は、数日間彼と顔をつき合わせているうちにそれに慣れてしまい、不快を感じることも無くなっていた。
「けっ、ぶんぶん飛んでただけの野郎がぬけぬけ言いやがる」
「なにカリカリしてるんだ? ポテチ食べるか?」
ネルネがそう言いながら、先ほどから食べていたポテトチップスの袋をデイヴィッドに差し出した。
手を汚さないためか、袋を持っていないほうの手には箸が握られている。
「いらん」
「なんだと! 木星圏産の一等品だぞ!」
「同情するなら機体をくれ。こちらとしてはあんたのドグッシュの寄贈をお勧めする」
「断る! あれは私専用のMSだ!」
 やいのやいのと騒ぎ始めたデイヴィッドとネルネを横目に、フィリアは額を手で覆ったが、彼の内心は悪くない心地であった。
465アナザードルダ 4/10:2008/07/15(火) 19:41:05 ID:???
 この調査団に集められたパイロットはデイヴィッドを含めて、皆灰汁の強い性格をしている。加えて、軍隊ではなく民間企業のMS隊である。
専門のカウンセラーも、実戦経験のある監督者もいない。階級も存在せず、支給される機体など待遇差もある。
本来ならば連邦軍にオブザーバーの派遣を要請するのであるが、とある特殊な事情のためにそれも出来ない。
名目上の指揮官はいるとはいえ、パイロット間の人間関係が険悪になることは容易に予想できた。
それが思いのほか上手くやってくれている。軽口を叩き合うこの三人なら戦闘で命を預けあう段となっても大丈夫であろう。
フィリア個人としては、少々妬ましく感じる点もあるが、一乗組員からしてみれば好ましい傾向であった。しかし、一つだけ懸念が残っていた。
「どこのどいつが痴話喧嘩してると思えば、Dランのおっさんじゃないか」
 ガンダムパイロットのディック・オメコスキーである。名目上の指揮官である彼は、ミーティングルームに入るなり挑発的に口を切った。
いきり立っていたネルネも、彼女を宥めていたゲイリーも、途端に静かになってしまう。
「おっさんじゃない。お兄さんだ」
「二十六にもなりゃ、十分立派なおっさんだ。もうじきビール腹の仲間入りだぜ。健康のためにスカッシュをやる老いぼれの一人になるんだぜ。
アンタもそのうち、ミネラルウォーターを飲んでカロリーに詳しくなるんだろ? あと四年で、ほとんどジジイだ。三十だ。
もし俺だったら、あんまりにも気が滅入って首を吊るね」
「首吊りの足を引っ張るような御意見、ありがとさん」
 デイヴィッドはディックと視線を合わせずにひらひらと手を振り、怒る様子を見せなかった。
かえって彼ではなくゲイリーのほうが恐縮して、止め処なく流れる汗を忙しく拭いている。
ディックの言ったことに関して思い当たるどころではない。ことごとく図星であったろう。
見かねたフィリアは、彼を嗜めようかと思ったが、彼の身分を省みてそれを断念した。ガンダムパイロットは『特別』である。
彼はある意味で、一部門の責任者でしかないフィリアよりも、第七次調査団総司令であり火星開発公社重役でもあるアルフ・スメッグヘッド博士に近い地位にいる。
自分の今後のキャリアと、いずれデイヴィッドに与えるポストのために、フィリアは当たり障りのない苦笑を浮かべるばかりであった。
466アナザードルダ 5/10:2008/07/15(火) 19:43:33 ID:???
「ところで、微笑みデイヴさんよ。昼間、アンタが無様に地べた這いずり回ってるとき、ロックオンしてやったのがわかったか? 十回だ。あれが戦場なら、アンタは十回撃墜されてる」
「さすがはガンダムとAランクのエリートさんだ。その調子で実戦でも活躍してくれると助かる」
「三八式でも弾除けにはなるね。いざってときはアンタを盾にさせてもらう。心の準備を忘れんな、Dラン。……シュード主任、コイツはアルフの爺さんからだ」
 ディックはひとしきりデイヴィッドを挑発すると、首だけをフィリアに振り向けて、テーブルの上にメモリースティックを放り投げた。
「こいつは、俺のガンダム、のテスト結果だ。明日までに整理しておけって、爺さんが言ってたぜ」
 俺のガンダム、という言葉を強調して言った。そうしてディックは三人のパイロット仲間たちを見回し、はんっ、と見下すように鼻を鳴らしてからミーティングルームを出て行った。
 乱暴に扱われたメモリースティックを携帯端末に差して、その中のデータを確認すると、フィリアの顔がさっと青ざめた。
「うそ。これ、ぜんぶ今晩中にやるの? みんなごめん! ちょっと時間がなくなっちゃったから、君たちの機体の件については明日にさせてもらうよ!」
 デイヴィッドたちが返事をする間もなく、フィリアはスリッパをぱたぱたと鳴らして立って行った。

 立て続けに中心人物に去られてしまったパイロット三人は、やるべき事も特に無いので、食堂が開く時間が来るまで、下らない四方山話をして過ごした。
彼らの話題はグワッシュとドグッシュの性能差の話に始まり、ディックの悪口、さらには火星の食べ物の美味しさについての話へと転がり、
ディックの悪口に行き、さらにはムウシコスのデザインの酷評、それからディックの悪口と、ひどく盛り上がった。
主に気炎を揚げていたのは、意外にもゲイリーであった。
デイヴィッドとネルネが言うのを憚る事柄でさえも、彼はにこやかに、回りくどい言葉を用いてすらすらと吐き出した。相当な鬱憤がたまっていたのであろう。
467アナザードルダ 6/10:2008/07/15(火) 19:46:50 ID:???
 ゲイリーの正しい人付き合いに関しての演説が終わり、三人の間にお開きのけはいが感じられるころになって、デイヴィッドは降って沸いたように切り出してみた。
「俺たちはいつまで建前の調査なんかやらされるんだろうな。わざわざ火星に来たのは、土を耕すためじゃないってのによ」
「お前はなにを言っているんだ? 私たちの任務は、火星の調査とMSの性能テストだぞ?」
 ネルネが首を傾げた様子を見るに、彼女もデイヴィッドと同じく何も知らされていないようである。
「はぁ? まさか知らなかったのか? ろくに働きもしない研究員連中を見れば、本当の目的が別にあるってことぐらいわかるだろうに」
 ネルネはばかにされたと思ったのか、むっとして、デイヴィッドではなくゲイリーに食って掛かった。
「ゲイリー! もしや前も知っているというのか!」
「わ、わたくしは何も知らされておりませんよ」
 ゲイリーは途方に暮れたような目つきでデイヴィッドを見やった。
その慌てた様子から、彼もネルネと同様であるとも思われたが、嘘を付けない性根のネルネとは違ってゲイリーの心中は見かけでは判断出来ない。
「教えろ、デイヴィッド! お前が知っているのに私が知らないなんて、不公平だ!」
「不公平も何も、知らんなら知らんでいい。一応守秘義務ってもんがあるからな。まあ、どっちにしろ近いうちにあんたたちも解るさ。
開発公社がガンダムなんて代物を持ち出したくらいだ。MSパイロットにも無関係な話じゃない」
 そうは言ったものの、ネルネの追求は止まなかった。デイヴィッドの部屋にまで押しかけてくる勢いである。
彼は無い袖を振るわけにもいかず、相手をするたびに辟易していたが、ネルネが自室にやって来た際には、下宿にあった黴から培養したアルバート二世が役立った。
デイヴィッドが黒い塊を突きつけると、彼女は悲鳴を上げて逃げ出して行ったのである。
 案の定、それから数日過ぎた晩、パイロットたちは調査団の派遣された本当の目的を知る事が出来た。
468アナザードルダ 7/10:2008/07/15(火) 19:49:23 ID:???
 タルシス地方での調査を終えたカナリヤは真っ直ぐ北へ向かってテンペ地方で調査を行い、それからまた北上して、北極周辺の地域であるヴァスティアス・ボレアリスでの調査を開始した。
太古には海であったと考えられているその地域であるが、調査もそこそこに、アルフ博士の指示で各機体の整備・改修が行われ、これまで研究室に篭って音沙汰の無かった研究員たちが、慌しく艦内を駆け回り始めた。
ビームライフル一挺しか装備していなかったガンダムムウシコスには、もう一挺のビームライフルに、二振りのビームサーベル、大型のロングレンジビームキャノン、
二基のビームディフェンスロッド、それから有線式オールレンジ攻撃兵装「キュイエール」が四基と、完全武装を施された。
二機のドグッシュもパイロットの適正に合わせて、砲戦仕様と中距離戦仕様に換装され、それぞれ脚部に陸戦用ホバーユニット「ズック」が装備された。
グワッシュはといえば、追加装甲が施され、その肥満と脆弱な機動性能を補うためか、高出力スラスターと追加バッテリーを兼ねた大型バックパックを背負わされている。
各部ハードポイントには、長短二本の高周波スコップと、各種グレネードに、ドグッシュの予備パーツを流用した対人バルカン砲二門、これまたドグッシュから拝借したシールドが接続されている。
「こいつは酷え……」
 変わり果てたグワッシュを見て、デイヴィッドは思わず歎息を漏らした。重装備のうえ、近接戦仕様である。
ただでさえ性能で劣るというのに、彼に死ねと言っているとしか思えない。
「おい、フィリア。お前は俺にカミカゼでもさせるつもりか。まさか自爆装置なんて仕込んでないだろうな」
「僕が君の機体にそんなことするわけないでしょ。このグワッシュの装備は、他の機体と違って戦闘を想定してないんだよ。耐久性と可動時間を追及した結果、こんなになっちゃったんだ」
「何のために」
「そのことについては、これからスメッグヘッド博士が説明してくれるよ」
 フィリアと別れてミーティングルームに向かうと、同じように呼び出されたネルネとゲイリーが坐って待っていた。
ゲイリーは相変わらず気味悪い笑みを浮かべ、ネルネはわけも無く得意そうな視線をデイヴィッドに送っている。
ディックが来る様子もなく、平パイロット三人だけがアルフ博士の話を聞くようであった。
469アナザードルダ 8/10:2008/07/15(火) 19:51:14 ID:???
「カナリヤはこれより北極冠のドーム・オデュッセイア跡地へと赴く。デイヴィッド・リマー、貴様は単独でオデュッセイア内へ進入してもらう。
ネルネ・ルネールネとゲイリー・ターレルの二名は、カナリヤ護衛のため付近で待機せよ。任務の詳細は現場で知らせる。質問は受け付けん。以上である」
 アルフ博士は唐突に現れて、デイヴィッドの敬礼も待たずにすぐさま命令を述べると、言うべきことは言ったぞといわんばかりに、そそくさとミーティングルームを出て行ってしまった。説明にもならない説明である。
 ネルネなどはしたりげに思案顔で幾度も頷いて見せていたが、実際のところ、博士の言葉はまったくといって理解していない。
しばらく経って、ゲイリーがいつもより余分に汗を搾り出しながら言った。
「考えてみれば、これは、妙なことになりましたね。はっきりと説明していただけなかったのが、せめてもの救いでしょうか……」
「あの爺さんは老い先が短いぶん、時間に吝嗇だってのもあるんだろうさ」
「なんだ? 二人とも、変な顔だぞ?」
 ネルネの能天気な言葉に、デイヴィッドとゲイリーは頭を抱えた。
「ネルネ、ドーム・オデュッセイアがどういうところなのか知ってるか?」
「知らない」
「火星で一番初めに建造されたドームですよ。今からちょうど五百年前に、テラフォーミングの基点となったドームでもございます。学校で習いませんでしたか?」
「習っても覚えていない。何せ私は歴史科目で2以上の成績をとったことがないからな」
とネルネは薄い胸を張って言った。
「威張るな、ばか」
「なんだと! 私はばかじゃない! 勉強が出来ても頭が良いとは限らないって、母さんが言ってた! ばかって言うやつこそばかだ! このばーか!」
 デイヴィッドは「この女、張り倒してやろうか」と思ったが、どうせ碌なことにならないと考えて、説明を続けてくれとゲイリーに目配せした。
「それでですね、ドーム・オデュッセイアは建造されてから百年後、つまりは四百年前にですね、事故を起こして閉鎖されたんですよ。
わたくしたちがこれから調査に向かうということが、どういう意味を持つのかお分かりになっていただけたでしょうか?」
「なるほど、遺跡探検ということか? ハニワとか、ドグウとか、大昔のビデオディスクに映っているみたいに、みんなで掘り出すんだな?」
 わくわくと浮き足立った様子である。男二人は、深い深いため息を吐いた。
470アナザードルダ 9/10:2008/07/15(火) 19:53:54 ID:???
「あのな、お嬢ちゃん。ここは火星だ。石斧を持って駈けずり回っていた時代の地球人が飛んで来れたと思うか?」
「なら、グワッシュの初期型でも捜すのか?」
「時代を飛ばしすぎだ。四百年前ってのは、宇宙戦国時代、いわゆる『黒い時代』のまっただ中だ。『ブラックテクノロジー』――曲がりなりにも現代人なら、この単語に聞き覚えくらいあるはずだ」
「あ! それなら知ってる。よいこになろうブラックテクノロジー規制法だ。旧宇宙暦415年に制定された法律」
 ブラックテクノロジーについては、ネルネも良く覚えていた。
宇宙史の授業はその時代になると、途端に習う事柄が少なくなり、試験に出るのはブラックテクノロジー規制法に関する問題しかない。
学生時代のネルネは、及第するためにその短い試験範囲を必死になって暗記したのであった。
 旧宇宙暦415年、前述の通り地球を滅ぼすまでに争い、戦争上手になりすぎて疲弊した人類は、同じ失敗を繰り返さぬために、極端な技術進歩を抑制する技術規制法を制定した。
原子力、遺伝子操作、完全自律型人工知能、一部の精神医学、再生医学、青少年へ悪影響を及ぼす娯楽媒体等、一つ一つを挙げていけば優に万を超えるほど多岐に亘る技術研究及び所持が規制された。
研究所は閉鎖され、データや造られたものなども全て破棄された。つまりは宇宙時代の焚書である。
人類という種の永存を理念として掲げられたこれら宇宙連邦憲法は、ひとくくりに『ブラックテクノロジー規制法』と呼ばれている。
 ブラックテクノロジーという呼び名は、その技術が用いられていた『黒い時代』に由来している。
たとえ絶え間なしに続いた戦争が無かったとしても、その時代は人類にとってあまり思い出したくない時代であろう。
471アナザードルダ 10/10:2008/07/15(火) 19:56:31 ID:???
旧時代の駄菓子のような毛色の人間が闊歩し、臓器製造施設では豚と人間の合いの子が生産され、愛玩用の人造人間が人権を叫び、めいめい勝手に自らこそ優良種であると主張した。
そればかりでなく、ある日の午後、たまたま職場から早く帰宅した夫は、彼の曾々々お祖父さんが裸の妻の上に乗っている現場を目撃した。
夥しい延命治療と冷凍睡眠によって、彼の御先祖さまは二百歳近くになっても二十代の若さを保っていた。
寝取られた夫の辛さ遣る瀬無さは相当のものであったろう。おぞましいというよりも、情けない時代である。
羞恥は嫌悪に勝る。それゆえに、一般に出回る歴史書からはその時代の記述が除かれている。
世を挙げてのきちがい騒ぎであり、誰しも忘れ去りたい事実であるから、捏造だと叫んで口から泡を飛ばす者は少ない。
「つまり、ドーム・オデュッセイアには、ブラックテクノロジーが眠っているってことか?」
「ああ」
「私たちは、そこの調査に行くのか?」
「そうです」
「いけないこと、なんだよな?」
「当たり前だ」
「連邦法に照らし合わせれば、銃殺刑は免れませんね」
「だったら!」
と言って、ネルネは両手でテーブルを叩いた。彼女の目は早くも涙ぐんでいる。
「別に連邦に見つかっても俺たちが銃殺されるってわけじゃない。せいぜい職を失う程度さ」
「ふぇ?」
「わたくしたちは、何も知らないんですよ。アルフ博士も仰ったでしょう? 質問は受付けないと。
わたくしたちはただ、お上の命令にしたがってMSを動かしているにすぎません」
「責任は全てあの偉い爺さんが被るってわけだ」
 どうせ見つかりっこねえがな、とデイヴィッドは続けようとしたが、止した。
連邦からの至れり尽くせりの援助や、現在の火星の情勢など、確信するに足る理由が幾つか挙げられるが、滅多なことは口に出すものではない。
 ネルネは少々元気を取り戻して、合間合間で空元気に転びつつも、生まれ変わったドグッシュの自慢話をぺちゃくちゃと続けている。
ゲイリーは相変わらず脂ぎった顔を拭っている。デイヴィッドは、ゲイリーと目が合ったときに、彼が自分と同じような意味のことを考えているのがわかった。
それから数秒後に、ゲイリーと目と目で分かり合ってしまった自分という人間がとことん嫌いになった。

472通常の名無しさんの3倍:2008/07/16(水) 09:03:41 ID:???
保守
473通常の名無しさんの3倍:2008/07/17(木) 01:36:27 ID:???
age
474通常の名無しさんの3倍:2008/07/17(木) 22:11:44 ID:???
>>471
GJ!人物描写が読んでておもしろいな。
475通常の名無しさんの3倍:2008/07/18(金) 00:52:39 ID:???
保守
476通常の名無しさんの3倍:2008/07/19(土) 18:17:28 ID:???
保守
477通常の名無しさんの3倍:2008/07/20(日) 20:32:28 ID:???
保守
478通常の名無しさんの3倍:2008/07/21(月) 05:36:35 ID:???
保守
479アナザードルダ1/13:2008/07/21(月) 18:18:58 ID:???
 錆色の大地から一転して、火星の北極冠は地球のそれと同じく辺り一面が万年雪で覆われている。
異なるのは表層がドライアイスであるということと、あちこちに塵や氷や砂などの混合物の層からなる深さ五百メートルほどの断崖があるということである。
ぐるりを見渡せば、その断崖は渦巻き状に広がっているのがわかる。
 渦巻きの中心に一見して人の手によるものと判るすり鉢状の窪みがあった。直径百キロメートル、深さ二千メートルほどの窪みである。
いかなる作用によるものか、その窪みはドライアイスの層に覆われていない。
底の方は地面が剥きだしで、黒い土の上に薄い円筒型の建造物がちょこんと顔を出している。
調査団のカナリヤはその建造物に寄り添うように船体を横たえていた。
 空は分厚い雲で灰色く染まり、昼間にもかかわらず辺りはほの暗かった。灰のような雪が音も無く降っている。
デイヴィッドは雪というものを実際に見るのは初めてであった。耳鳴りがするほど静かである。
静寂は不思議にも白い綿が淡々と舞い落ちる光景と調和し、あたかも時が静止しているような感覚を抱かせる。
その感覚は神秘的ともいえるが、デイヴィッドはどちらかといえば薄気味の悪さを感じていた。
 途中まで随伴していたガンダムムウシコスは、入り口を塞いでいた瓦礫をビームであらかた一掃すると憎まれ口を叩いてカナリヤに戻ってしまった。
その帰り際に、ムウシコスは自身から伸びた細いケーブルをグワッシュに繋いだ。
カナリヤからの通信用ケーブルは既にぶら下げているので、どうもただの命綱とは違うようである。
今回の作戦でオペレーターを務めるフィリアに尋ねても、小難しい単語ではぐらかされるばかりで埒が明かない。
デイヴィッドはドーム・オデュッセイア内部へグワッシュを進ませながら、皮肉を込めて投げやりな口調で言った。
「カナリヤ一号、行きまーす」
『デイヴ、真面目にやってよ。スメッグヘッド博士だってモニターなさっていらっしゃるんだよ』
 フィリアの声に続いて新たにウインドウが開いて、しかめ面のアルフ博士の顔が現れた。
「失礼致しました」デイヴィッドは反射的に謝った。博士はデイヴィッドの顔を睨みつけているきりで何も言わなかったが、デイヴィッドはことさら真剣な顔をしてみせた。
480アナザードルダ 2/13:2008/07/21(月) 18:21:22 ID:???
 通路は広く、MSが楽々通れるゆとりがあった。MSは四百年前にも存在したのであろう。
ところどころに細かい瓦礫が散らばっているが、時代を感じさせるようなものは見あたらず、壁の構造も、旧式コロニーで見られるものと同種であると思われた。
通路は緩やかな下り坂であるので、先へ進むほど暗くなって行く。数百メートルほど進むと壁が途切れて、ちょっとした広間と思わしき空間に出た。
「磁気が強いみたいだ。レーダーが利かない」
『ちょっと待っててね』
 機体パラメータ画面上に、毛色の違うウインドウが目まぐるしく重なったり消えたりを繰り返した後、インストール完了の文字が出る。
『ライトを最大にして、ぐるっと、辺りを見回してみて』
 新たなサブウインドウが開かれて、光を当てた部分から順におそろしく精巧な三次元マップが表示されて行く。
気温やら気圧やら、やたらと事細かな情報も各地点に書いてある。そのサブウインドウの枠にあるG-MOUSIKOSという文字が目に留まった。
「オートマッピングか」
『凄いでしょ? えっと……ここから、ここのポイントに向かってちょうだい』
「まるで餓鬼の遊びだな」
 デイヴィッドは三次元マップに表示された最適な進行ルートと目的地点のマーカーを見て思わず呟いた。
親切なのは結構であるけれども、グワッシュの劣悪なマッピング性能に慣れていた彼としては妙な気分であった。
暗闇の中へ恐る恐るグワッシュの足を運びながら、デイヴィッドはふと思いついた疑問を口にした。
「なあ、今のグワッシュならビーム使えるんじゃないか?」
『阿呆な事を抜かしておらんで、さっさと進め』
 冗談の判らない上官である。デイヴィッドは後ろ髪を引かれる思いで口を閉じた。
481アナザードルダ 3/13:2008/07/21(月) 18:22:56 ID:???
 目標ポイントにたどり着いて、指示されるままにその場所の瓦礫をスコップで取り除けると、瓦礫の下から見たこともない種類の大型端末が姿を現した。
『デイヴ、次はムウシコスのケーブルのソケットをその端末に接続して』
 ほとんど遺跡とも呼べる端末であるが、端子の規格は同じようであった。開発公社が周到に準備を行っていたことが窺える。
デイヴィッドは言われるがままグワッシュのバックパックに繋がれたケーブルを外して、ソケットを端末に差し込んだ。
三次元マップが消えて、いつもの粗悪なマップが表示される。
『第一解除コード入力までしばらくかかるから、そこでじっと待機していてね』
 フィリアが迂闊なことを口走るのと同時にアルフ博士の顔が強張った。デイヴィッドはまるで聞いていないというふうに目を瞑った。
482アナザードルダ 4/13:2008/07/21(月) 18:25:44 ID:???
 白い部屋であった。壁も、天井も、照明も、唯一の家具である寝台も、ことごとく白で揃えられていた。
窓は無かった。音も無かった。人もいなかった。十二ある寝台の主が戻って来なくなって久しかった。
十三番目の、のけ者にされたような配置にある寝台に自分は坐っていた。
 不意に肩を叩かれた。それで、部屋に人が入っていたのがわかった。入室者は背が高く、ひょろひょろと痩せた男であった。
男はおもむろにこちらの側頭部に両手を伸ばした。何かが外された。すうとした清涼味のある開放感が目の奥を駆け巡った。
まるでその感じは、つるりと窄み抜けていくようなものであった。冴え渡る快味は小止みもなく広がり続けた。ついには寒気を帯びて来た。
 冷気をついて一抹のざらざらした心地を感じた。目の前に立っていた男が、はぁっはぁっ、とすさまじく荒い呼吸をしながら少女を組み敷いていた。
少女の首から上は霞んで見えなかった。しかしそれが自分であるということは知っていた。
背中から首の後ろにかけて生ぬるいものが無理に差し込まれる感触があった。込み上がるものが堪えられなくなる直前で、さっと雲散霧消した。
頭がぼんやりになっていた。外されたものが元のところに戻されていたのがわかった。
服は乱れていなかった。目の前の男は髭だらけの口元を歪めているにすぎなかった。
 いつもならばここで男は立ち去るのであったが、今回は少し様子が違っていた。
「今日はね。キミに名前をあげようと思うんだ」
 自分には名前というものがないので、その申し出は大変ありがたかった。十三号というのは名前であるとはいえないと男からも聞かされていた。
いつのことか、自分は誰かに名前を呼ばれていたことがあったような気がしていた。
今まで蒸し返し味わってみていた何ともいえぬその心地よさが現実に得られるとなれば、先ほどの不愉快な思いも苦ではなかった。
 男に手を引かれてたどり着いた先では、大きな人形が寝そべっていた。背の高い男より、何倍も何倍も大きい白い人形であった。
「Doll DA――今日からキミは、ドルダだ」
 ようやく、自分は欲しかったものを手に入れることが出来た。しかしそれでまず味わったのは、想像していたほどの幸せでないどころか、途方もない空しさであった。

483アナザードルダ 5/13:2008/07/21(月) 18:29:00 ID:???
『馬鹿者! アンカーを打てと言ったろうが!』 
 デイヴィッドは老人の怒鳴り声でようやく我に返った。見れば幾重もの巨大なシャッターが開放され、内部の空気が気圧差でどっと押し寄せて来ている。
グワッシュはその重量にもかかわらず紙切れの如くひらひらと吹き飛んで、同じく舞い上がる瓦礫にもみくちゃにされていた。
『デイヴ! 応答してデイヴ!』
 目じりに大粒の涙を溜めたフィリアが必死の様子で叫んでいる。機体パラメータ画面には所狭くエラーが表示され、AMBACもままならない。
やっとのことで壁の出っ張りにしがみ付くが、飛んで来る瓦礫が左腕のチョバムアーマーを爆発させる。
僥倖にもその後すぐに吹き付ける風は収まり始めたので、MS本体に目立った損傷は生じなかった。
『なに、やってるのさ! ばか! 甲斐性なし!』
「なあに、かえって動きやすくなった」
 追加装甲の剥がれた左腕を回して強がってはみたけれども、明らかに失態である。査定に響くであろう。
『いったい君は、こんなことでなにしてんです!』
 白昼夢を見ていたなどとは、言い訳にもならない。プロ意識云々以前に、夢の内容からして条例に触れてしまう。
デイヴィッドは柄にも無く平謝りしつつ、絡まったケーブルやらなにやらを直し始めた。
 隔壁を抜けるとそこは市街地であった。街路灯のものと思われる明かりが見えた。
新たに構築された三次元マップには、高さ五十メートルほどの天井の下に直方体の建物が碁盤割りで広がっている。
大まかな構造はこの間まで暮らしていた居住小惑星と似たようなものである。
デイヴィッドは拍子抜けした。四百年もの年月を経た遺跡の姿は想像していたほど奇怪なものではなく、見慣れたコロニーの夜景とほとんど変わりない。
すこしばかりの騒音を立てれば、寝ていて起こされた住人が今に怒鳴り込んで来るように思えたが、計器に表示される気圧や気温はそこに生きている人間が存在しないことを示している。
解除コード入力のおかげか電源はそれなりに生き返ったが、太陽光入射機能は停止しているので辺りは暗い。
建物の壁や道路の舗装をライトで照らすと、そこにおびただしい霜がこびり付いているのがわかった。
もし今ここでドームの機能が完全に息を吹き返したのなら、内部は惨憺たる様相を呈すであろう。電源を抜いた冷凍庫の中身は悲惨である
484アナザードルダ 6/13:2008/07/21(月) 18:34:06 ID:???
「あー、文化財を一体発見。指示を求む。状態は……FDAに抗議文を送ってくれ。屠殺業者の忘れ物らしい」
 霜に覆われた赤黒い塊が道路の真ん中に落ちていた。宇宙空間でのそれと異なり保存状態は芳しくない。
茶色く染まった合成繊維の切れ端の下に、黄ばんだ白い部分があちこち露出しているのと、そこだけ色あせていない蛍光色の毛髪が目に障った。
ドームの温度調節機能が停止するまでに数ヶ月の猶予があったことが察せられる。
『そんなものに用はない。先へ進め』
 青ざめた顔で口元を覆っているフィリアに代わってアルフ博士が淡々と指示を出した。いかにも眼中に無いといった感じである。
デイヴィッドは連邦軍に居た頃にこうしたものを見慣れていたのであったが、思わず口を滑らせた。
「墓暴きの身としましては、呪いやら何やらが恐ろしくて堪らないんですがね。フィリア、この機体のシールは万全か? えたいの知れんウイルスに感染するくらいなら疝気のほうがよっぽど粋だぜ」
『デイヴィッド・リマー、我々に無駄口を叩いている時間はない』
「言うべきことも言わんあなた様がそう仰いますか? 小賢しい仕方で片棒担がせようって魂胆はとっくにわかってんだ。ことごとくが空々しいんだよ、あんた達の言うことはな」
『デイヴ!』
 デイヴィッドはフィリアの慌てた声を聞いて口を噤んだ。モニターのアルフ博士は眉間に皺を寄せて、不遜なパイロットを睨みつけている。
デイヴィッドは暫しの間睨み合いを続けると、チッ、とこれ見よがしに舌打ちをしてから白々しく謝罪した。
 デイヴィッドは不愉快であった。気が苛立っている理由は自身でもはっきりわかっていた。先ほどの白昼夢である。
考えまいとするほどに夢の内容はくっきりと輪郭を帯びて行き、グワッシュを進ませていながらも、不意にその光景が脳裏を掠めることが幾度と無くあった。
道中、赤黒い塊をしばしば目にしたが、何ら感慨は湧かなかった。そんなものよりも目標地点へ近づくにつれて増して行く、言い知れぬ気持悪さに吐き気を催した。
 グワッシュは市街地を真っ直ぐ進んで、コントロールタワーにたどり着いた。以前と同じ要領でMS用ゲートを開き、下の階層に向かうエレベーターを予備電源で起動させた。
ケーブルは既に十キロメートルほど引き出されている。それなりに細くて軽いケーブルであるが、グワッシュの馬力で引き摺るにはそろそろ限界である。
485アナザードルダ 7/13:2008/07/21(月) 18:41:43 ID:???
調査の終りを思うと一息付きたくなるが、中枢ユニットへの扉を前にしてデイヴィッドは今にも泣き言を吐いてしまいたい心地であった。
目玉の裏側にざらついた引っ掛かりが生じている。瞽女声(ごぜごえ)を偲ばすような耳鳴りがしていた。気分はよりいっそう酷いことになっている。
ムウシコスからの解除コード入力が済んでシャッターが開くと、隙間から白いガスが噴出してグワッシュの視界を覆った。
ガスが晴れる間際、白昼夢の最後の場面が瞬間的に再生され、その一瞬間、ぶれるように現実の光景と重なった。
『これは、MS……』
 目を向けると、巨大な中枢ユニットの前に一機のMSらしきものがぽつねんと立っていた。
純白の機体である。女性を思わせる、すらりとした形状のMSである。各部の構造はこれまで見たどのMSにも当てはまらない。
武器の類は一切装備していないようである。腕の先にあるのはレンズのようなものの付いた手の甲だけで、マニピュレータは見えない。
顔を覆う大型バイザーの上には、ガンダムタイプに似たV字型アンテナが生えている。
「どうだ爺さん、これで満足か? あんたのご希望通りオーパーツが見つかったぜ。畜生が。新品同然の小奇麗なお人形さんだ。この――」
 ドルダ、と続けようとしているのに気付いて、デイヴィッドは愕然とした。
なぜ自分は目の前に立つ初対面のMSの名前を知っていて、さも当たり前のように口に出そうとしたのかわからなかった。
デジャビュの類にしては行きすぎている。加えて、そのMSの姿は白昼夢の最後の場面に登場するMSと瓜二つである。
デイヴィッドは咄嗟にこの既知感を解明しようと頭をめぐらせた。贋の追想と心理学で呼ばれている現象であるとも考えられた。
それは極端な疲労や虚脱などの状態に置かれた人間に起こりうる現象で、記憶だけが自動的に意識より先に出るために云々という原理からなっている。
けれどもその場合、既知感だけがあって、決してその原因を想起出来ないのが特徴である。残念ながら、先から白昼夢の内容に悩まされていたデイヴィッドには当てはまらない。
あの奇妙な白昼夢の記憶それ自体も、自身が瞬間的に行った妄想の産物であるかもしれないが、そうとなればいよいよ自分の脳味噌は酒の毒に蝕まれ切ったことになる。
486アナザードルダ 8/13:2008/07/21(月) 18:44:42 ID:???
『こいつ、動くぞ』
 老人の声にデイヴィッドは引きつった顔を上げた。純白のMSは勝手に起動を始めて、あたかも痙攣する人間のようにその肢体を小刻みに震わせていた。
不可解にも光のラインが装甲の継ぎ目に走っている。エメラルドの輝きを連想させる緑色の光は、これと言った理由も無しに嫌悪感をかきたてた。
デイヴィッドは自然とグワッシュに高周波スコップを構えさせた。失われた超科学の産物に勝てるとは露も思わないが、妙な真似を見せたらば即刻飛び掛る心積もりでいた。
 バイザーが引き上がり、ツインアイが露出した。いよいよガンダムに類似している。グワッシュの腰を落とし、いつでも突撃出来る体勢を整えた。
フィリアやアルフ博士が何やら喚いているのを聞き流す。
目の前のガンダムもどきを今のうちに破壊しておかなければ、何か取り返しの付かないことになるかもしれない。そうデイヴィッドは感じたのである。
所有の許されないブラックテクノロジーであるばかりでなく、もっと禍々しい何かがあの機体に秘められているという予感があった。
 デイヴィッドがスラスターにエナジーを送り込まんとした折りも折り、矢庭に純白のMSに走る光のラインが消え去った。
そうして途端に失神するようにがっくりとくず折れて、痛々しい体勢で床に身体を預けてしまった。
487アナザードルダ 9/13:2008/07/21(月) 18:48:47 ID:???
 スコップの切っ先を向けたまま油断無く距離を詰めて行くと、純白のMSの腹部装甲がゆっくりと開いて、大人二人ぶんほどの大きさのカプセルが現れた。
胴体が横を向いた無理な体勢であったので、重力に従ってそのカプセルは音を立てて転げ落ちる。
デイヴィッドは慌ててグワッシュの手を伸ばしてそれを受け止めた。
カプセルの表側は透明な材質で作られているが、カメラの解像度を上げても中は曇っていて見えなかった。
「博士、この玉っころは何なんだ?」
『おそらくは冷凍睡眠カプセルであろう。当時の文献にも記載されておる』
 そうこうしているうちに段々とその曇りも晴れて行って、カプセルの中身があらわになる。
飾り気の一切見当たらない白い服を着た少女が、死んだような表情で眠っていた。年のころ十四五と思われ、顔の作りは現代の人間のものと変わりない。
ただ、腰まで伸びるエメラルド色の髪が、当時行われていた遺伝子操作の名残をとどめていた。
「よりにもよって、生ものかよ」
 苦々しくそう呟くのと同時に、少女の目がぱちりと開いた。カメラ越しに視線が重なったとき、デイヴィッドは目の奥にざらざらしたものが通り抜けるのを感じた。
488アナザードルダ 10/13:2008/07/21(月) 20:02:16 ID:???
 大気中に漂う粉塵の多い日であった。ドーム・テーレマコス脇の連邦軍駐屯地の空は赤々として、まるで血で染め上げられたように見えた。
空の色よりもさらに鮮やかな赤で彩られた一機のMSが、基地の上空に静止していた。
肥大化した異形の頭部を持つ真紅の機体は両腕で大型ライフルを構えて、その長大な砲身の矛先を連邦軍基地の一郭へ向けていた。
見下ろされる基地の方では、上空の真紅の機体を取り囲むように配置された幾十もの数のMSがそれぞれ狙撃用ライフルで狙いをつけている。それらのMSはMSU-13ブッシュである。
基地に破壊の形跡は無かった。連邦軍基地のブッシュ隊に敵対しているのは、真紅のMSのみであると思われた。
『ベイト大佐、どういうつもりだ』
「故郷に錦を飾りたくなりましてね、少将閣下殿。ガンダムマルスの力は我らマーズノイドのためにこそ用いられるべきでしょう」
『火星の重力に中てられて先祖返りしたか、マスター・ベイト。だが、いかにガンダムといえども単機ではどうにもなるまい』
 真紅の機体のコックピットに坐る男は唇の端を歪めるに過ぎなかった。
通信の相手に対するものとは別に表示されたウインドウには、三重冠を被って白い法衣を着た老人が、巨大な十字架の前に立って演説する場面が映し出されている。
この映像は火星の全ドームと火星圏の全コロニーに向けて放送されていた。
演説の主な内容は、マーズノイドの独立宣言と宇宙連邦政府への宣戦布告である。
「門は開かれました。去勢された人類が目覚めねばならぬ時がきたのです」
『狂信者が世迷い事を』
「水に落ちた犬を打たぬは人の子弟を誤る。狆はことに水中に打ち落としてさらに追い打たねばならぬ――古代の俚諺です。閣下を捕虜には致しません。
革命成就のために敢えて汚名を、この私、トマス金鍔次兵衛が!」
 ビームスマートガンのレドームが回転を始める。ブッシュ隊がライフルの引き金に手をかけた。
『撃てば、貴様も死ぬぞ』
「我らが天主(デウス)
さんたくるすの御しるしをもて
我らが敵をのがしめ給え
天主ぱあてれ
ひいりよ すぴりつさんとの
御名をもて あめん」
 男が奇妙な祈祷文を詠い終えたのと同時にウインドウに映る老人の演説も終了し、一拍置いてビームスマートガンからひとすじの赤い光が放たれた。
489アナザードルダ 11/13:2008/07/21(月) 20:06:46 ID:???
司令部のある建物の外壁が爆発した途端、ブッシュ隊の約半数の機体が、残る半数の味方に銃口を向けて引き金を引いた。彼らは示し合わせていたのである。
連邦軍のブッシュ隊は不意の裏切りになす術も無く破壊されて、同士討ちにもならなかった。
『ベイト大佐――いえ、トマス金鍔次兵衛枢機卿猊下。連邦軍施設の制圧および軌道上監視衛星の破壊は滞りなく進んでおります。あと数時間もすれば完了するでしょう。
火星連合加盟に同意を表明したドームは、現在のところ全体の約七割。異教徒の多いアルカディア地域などの新興ドーム郡は中立を主張しておりますが、それも時間の問題です』
「報告ご苦労、アンデレ権八郎」
 アンデレ権八郎という青年の報告が済むと、ベイトは先ほど砲撃した建物にガンダムマルスのメインカメラを向けた。
派手な爆発とは裏腹に、建物の損傷自体は大したものではなかった。
外壁から内部の司令室にかけて、整った円形の穴が開き、そこから見える床のタイルに軽い焦げ付きがあるきりである。穴を塞ぐだけで司令室は機能を取り戻すであろう。
出力、照準ともにおそろしく精密なその射撃は、ガンダムマルスの性能の為せる業であった。
有無を言わせず連邦軍が徴用した火星の技術者たちが、たえ難きをたえしのび難きをしのんだ末に完成した好ましくない生い立ちの機体ではあるが、それがマーズノイドのものとなったならある種の英雄的色彩を帯びてくる。
裏切ったブッシュの中にはガンダムマルスを向いて祈るように両手を組んで跪いている機体や、大げさに十字を切る仕草をして見せる機体があった。
 建物に空いた穴の横に、端末や内装の残骸、それから生身の人間が放り出されていた。気圧差で外に吸い出されたのである。
ベイトが少将閣下と呼んだ老人もそこに混じっている。彼らの直接の死因はマルスのビームによるものではなく、主に野外活動服を着ていないことによるものであった。
最期に顔を歪める余地があったのは、火星の半端なテラフォーミングが理由であろう。ベイトは胸に下げた十字架に手を触れて、
「いんぴいあんぱあしすゥ
えっぽろすぺりたちすゥ
じりがつなうすゥ
おむにぽてんす……」
という古代語の呪文を唱えた。スペースノイドの元同僚たちを弔う意味があったかはわからない。彼の表情は小揺るぎもしていなかった。
490アナザードルダ 12/13:2008/07/21(月) 20:10:26 ID:???

 遡って老人の演説が行われる少し前、火星の成層圏を一機の大型輸送艦が飛行していた。ずんぐりとしたその赤色の輸送艦は、カナリヤの同型艦『テレウス』である。
無駄な区画の多いカナリヤとは違って多数のMSを搭載でき、現在、その広い格納庫には三十機ものMSが鎮座していた。
どれも同じ機種で、五機の内に一機の割合で重装備が施されている。
後頭部にある二本の垂直アンテナと前に突き出した額が印象的なそれらの機体はMAS-66ガーランドというMSである。
スマートな体躯と各所スラスターによって高い機動性と運動性を誇り、加えて整備性や操作性にも優れている総合的に見て非常に優秀なMSではあるが、火星ドーム郡のMS部隊でしか用いられていなかった。
ガーランドは本来、連邦軍の主力MSとなるべく開発された機体で、ドーム・テーレマコスの軍需企業を中心とした火星ドーム郡の軍産学複合体が開発元である。
けれども、ガーランドが同時期に開発されたMSの中でも抜きん出たスペックを持ち、模擬戦で全勝という成果を収めたにもかかわらず、新宇宙暦066年の次期主力MSトライアルの結果、MSU-13の座はブッシュのものとなった。
ブッシュは月の企業が開発したのである。
491アナザードルダ 13/13:2008/07/21(月) 20:14:42 ID:???
 三十機のガーランドの中に一機だけ全身を黒く塗装した機体があった。頭部の形状も少し異なっている。
黒いガーランドのコックピットには、赤毛の男が瞑想するような面持ちで佇んでいた。
『レオ五郎右衛門隊長、玉音放送が始まったみたいです』
 通信でレオ五郎右衛門と呼ばれて、赤毛の男は微かに目じりを震わした。レオ五郎右衛門というのは洗礼名である。
スペースノイドの彼がコンパニヤというマーズノイドの宗教に入信してから一年の月日が過ぎている。しかし珍妙な洗礼名には未だに慣れることが出来ないでいた。
部下にはなるべく元の名前で呼んでもらいたかったが、彼らは火星の独立にかこつけて、今では公然と互いの洗礼名を呼び合うようになっている。そこに悪意が感じられないだけに赤毛の男としては決まりが悪い。
『ああ! 教皇ペトロ四郎猊下はなんと神々しいお方なのでしょう。満ち満ちた霊(アニマ)が目に見えるようです』
 画面にいるペトロ四郎の姿に部下は感極まる様子であったが、赤毛の男からしてみれば、その老人は柔和な顔立ちという以外には別に取りたてて言うべきこともない老人である。
赤毛の男は恍惚とする部下たちを窘めて、あらためて作戦内容を確認させた。作戦開始は演説が終るのと同時である。
 船体下部のハッチが幾つも開いて、下半身を固定された逆さ吊りのガーランドが姿を現した。
『ゼスス・キリシテ、サンタ・マリヤ、サンチャゴ』
 全パイロットの合唱が聞える。赤毛の男も控えめに祈りの文句を唱えた。
『ゼスス・キリシテ、サンタ・マリヤ、サンチャゴ』
 下半身の固定装置が外された。重力に引かれたガーランドが順々に滑り落ち、下に広がる雲の中へと消えて行った。降下目標は北極冠遺跡である。
492通常の名無しさんの3倍:2008/07/21(月) 21:25:58 ID:???
アナザードルダの人、乙!
地球、火星の二項対立に宗教を絡めてくるとは。
十三の寝台と少女ってのが気になるな。
今後ドルダやムウシコス、マルスがどう動いていくのか、ドルチェの扱いも気になる
493492:2008/07/21(月) 21:30:54 ID:???
ちょっと今眠くてなんか日本語変でスマソ
あと追記だがマルスが出てきたのは嬉しいな。役者が揃ったって感じで
それとムウシコスってネーミングの由来は何か気になった
494通常の名無しさんの3倍:2008/07/22(火) 02:32:05 ID:???
age
495通常の名無しさんの3倍:2008/07/22(火) 05:05:56 ID:???
???
いつからSSスレになったw
少し産む…のかな

一番奇抜なのはレイダーでそ
496通常の名無しさんの3倍:2008/07/22(火) 06:43:20 ID:???
>>495
いつからもなにも、ここは最初からガンダムドルダについてのスレだが。
パッと見蓑虫なのに装甲をパージすると>>407みたいな手足の曲線が美しい本体が露出、はがれた装甲は独立した支援メカになるという奇抜っぷりらしいぞ。


マジレスしちゃうとエクシアもなかなか奇抜だと思う。今でこそプラモや本編とあいまってかっこいいと感じるけど、デザイン発表当時は阿鼻叫喚だったからな。
497通常の名無しさんの3倍:2008/07/23(水) 00:37:46 ID:???
00のガンダムはカトキやガワラじゃなかったからな
そこが好きだ00は
498通常の名無しさんの3倍:2008/07/23(水) 02:42:25 ID:???
俺はヴァーチェ、ナドレが奇抜というかありそうでなかった感じと思ってた
それはそうと、人減ったな…
499通常の名無しさんの3倍:2008/07/23(水) 17:39:51 ID:???
age
500通常の名無しさんの3倍:2008/07/23(水) 20:53:47 ID:???
500
501通常の名無しさんの3倍:2008/07/23(水) 21:05:43 ID:???
まとめサイトとかないの?
502通常の名無しさんの3倍:2008/07/23(水) 21:24:55 ID:???
まとめサイト作った人が来なくなったしよくわからん
503通常の名無しさんの3倍:2008/07/23(水) 23:06:44 ID:???
504通常の名無しさんの3倍:2008/07/24(木) 14:31:36 ID:???
そういや>>1はこのスレの展開についてどう思ってたんだろうか
505通常の名無しさんの3倍:2008/07/25(金) 19:10:34 ID:???
ホシゅ
506通常の名無しさんの3倍:2008/07/25(金) 19:35:53 ID:???
>>504
やっぱGガンダムのカニガンダム

とかいうレスを期待してたに違いない
507通常の名無しさんの3倍:2008/07/25(金) 20:11:02 ID:???
職人さんorメカデザの人マダー?
508通常の名無しさんの3倍:2008/07/27(日) 00:20:31 ID:???
テムジン
509通常の名無しさんの3倍:2008/07/27(日) 00:23:53 ID:???
http://wktk.vip2ch.com/vipper90729.jpg

お久しぶりです。
パソコンで描いてみました。
本編、外伝無視でこんなんいたらいいなー的なの考えました。
名前考えてません。批判お願いします。
ここんとこずーっと忙しかったんで、また時間見て本編とかのも描いてみます。
510DAYC:2008/07/27(日) 17:46:30 ID:???
メカデザだけどなにかオーダーある?
511通常の名無しさんの3倍:2008/07/27(日) 19:35:42 ID:???
>>509
乙!なんかイメージ的にこっちのがマルスっぽいな。あくまで私見だが
名前かー、今後の展開次第だから本編の人やアナザーの人に考えてもらったがいいかな
火星に続いて月まで絡むとかいう展開ならガンダムセレーネとかガンダムアルテミスとかかな?w

>>510
久しぶり。強いて言うならドルチェかなあ
512通常の名無しさんの3倍:2008/07/29(火) 01:37:41 ID:???
過疎
このスレ俺以外に何人住人いるんだろうか
513通常の名無しさんの3倍:2008/07/31(木) 01:02:41 ID:???
保守
514通常の名無しさんの3倍:2008/08/02(土) 22:07:47 ID:???
age
515通常の名無しさんの3倍:2008/08/02(土) 22:10:18 ID:???
ドルドルドルドルドルギラーン
516通常の名無しさんの3倍:2008/08/03(日) 00:06:23 ID:???
{俺がガンダムだ}とカミングアウトしたひとこんな奇抜なガンダムは後にも先にもないだろう。
517通常の名無しさんの3倍:2008/08/04(月) 13:38:18 ID:???
age
518通常の名無しさんの3倍:2008/08/04(月) 14:38:53 ID:???
どるだ吹いた
良スレage
519通常の名無しさんの3倍:2008/08/06(水) 07:04:46 ID:???
age
520通常の名無しさんの3倍:2008/08/08(金) 01:28:31 ID:???
age
521通常の名無しさんの3倍:2008/08/08(金) 07:22:11 ID:???
一番奇抜なガンダム・テドルダ

・股間に顔がある
・その顔面がコックピット
・通常頭のある部分にはビームキャノン
・マスクが割れて接近戦のとき噛み付き攻撃
・腕が脚より長い
・手はカニバサミ

ここまで考えた
522DAYC:2008/08/08(金) 10:00:39 ID:???
>>521
そ れ だ
523通常の名無しさんの3倍:2008/08/10(日) 18:50:30 ID:Vdj/y0cH
保守
524通常の名無しさんの3倍:2008/08/13(水) 08:56:45 ID:???
age
525通常の名無しさんの3倍:2008/08/13(水) 10:10:24 ID:yLyjAwQq
イージスの変形に思わず吹き、更にストライクを捕まえたときは大笑いしたが…
521読んだらそんなの序の口なんだな。
526通常の名無しさんの3倍:2008/08/13(水) 18:46:53 ID:54Y+TR03
age
527通常の名無しさんの3倍:2008/08/14(木) 00:31:59 ID:???
各種イラストをZIPでくれる猛者はいないかのう
528通常の名無しさんの3倍:2008/08/14(木) 21:41:47 ID:???
age
529通常の名無しさんの3倍:2008/08/15(金) 12:07:53 ID:???
ガンダムテドルダ

謎に包まれたMS

どうやらドルダとは違う機体のようだが……
530DAYC:2008/08/15(金) 12:08:32 ID:???
531通常の名無しさんの3倍:2008/08/15(金) 12:18:47 ID:???
バルキリーに見えた
532通常の名無しさんの3倍:2008/08/15(金) 13:47:07 ID:???
>>530
アムドライバー思い出した
533通常の名無しさんの3倍:2008/08/17(日) 15:54:35 ID:???
>>521
頭にライフルって遊戯王に似たようなのいたよな
なんとかドラゴンて
534通常の名無しさんの3倍:2008/08/18(月) 21:21:14 ID:???
主題歌作詞した

ドルダ!ドルダ!ドルダ!空の彼方に踊る影、白い翼のG(ry
535通常の名無しさんの3倍:2008/08/19(火) 01:14:13 ID:???
ドルダよ〜風に乗って〜
536通常の名無しさんの3倍:2008/08/20(水) 00:55:27 ID:???
age
537通常の名無しさんの3倍:2008/08/20(水) 05:36:57 ID:???
>>1
猿人戦隊ゴーオンガンダム

ガンダム本人「どるどるだ〜!」
538通常の名無しさんの3倍:2008/08/20(水) 21:06:21 ID:???
本編の人他が消えてしまった…
539 ◆59FQTvUDNo :2008/08/22(金) 23:18:47 ID:???
飽きたな…
540通常の名無しさんの3倍:2008/08/23(土) 01:29:57 ID:???
age
541通常の名無しさんの3倍:2008/08/23(土) 03:17:57 ID:MvON8HJf
セルヴィー
542通常の名無しさんの3倍:2008/08/23(土) 04:37:24 ID:???
>>539
何を今更w
てか他にもオリジナルのガンダム考えるスレ出来てたし皆そっちに行っちゃったのかな?
543通常の名無しさんの3倍:2008/08/27(水) 21:38:15 ID:???
544通常の名無しさんの3倍:2008/08/28(木) 08:40:57 ID:???
age
545通常の名無しさんの3倍:2008/08/28(木) 20:16:00 ID:???
>>539
おまえ元々ほとんど来てないじゃんw
546通常の名無しさんの3倍:2008/08/31(日) 06:12:17 ID:???
頑張ったよ。みんな
547通常の名無しさんの3倍:2008/08/31(日) 22:15:48 ID:???
まあ、皆もっと職人を誉めてたらもっと盛んになってたかな、と。
あと設定投下に対する否定的でない反応?
やっぱり人間何かしら反応が欲しいもんだしな
結局一部の人々のオナニーになって終わってしまった、と。

>>546
うん、皆頑張ったね
548通常の名無しさんの3倍:2008/09/09(火) 19:37:34 ID:???
さよならドルダ
549通常の名無しさんの3倍:2008/09/15(月) 23:49:12 ID:???
ドルダ
550通常の名無しさんの3倍:2008/09/19(金) 00:55:16 ID:???
誰かがまとめたらまた職人さんも戻ってくれるかもしれないよ?
551通常の名無しさんの3倍:2008/09/19(金) 01:59:48 ID:???
>>550
どうなんだろうな…
個人的にはこのスレ大好きだったんだが

まとめかー、最近忙しいからちょっとできないんだよな…
結局他人に頼るしかないってのが何とももどかしいな…
552通常の名無しさんの3倍:2008/09/20(土) 14:32:20 ID:???
>>551
それは自分も同じ事だけど、ここがもし落ちちゃったら今以上に過疎化するんじゃないだろうか?
コツコツ保守しておかねば
553通常の名無しさんの3倍:2008/09/21(日) 13:03:36 ID:???
☆ゅ
554通常の名無しさんの3倍:2008/09/24(水) 12:36:45 ID:???
ドルダ、復活―――
555通常の名無しさんの3倍:2008/10/04(土) 18:05:32 ID:???
そして誰も居なくなった…
556通常の名無しさんの3倍:2008/10/12(日) 05:25:28 ID:???
マジで誰もいなくなったな…
557通常の名無しさんの3倍:2008/10/15(水) 22:38:41 ID:???
ガンダムドルダ、出る!
558通常の名無しさんの3倍:2008/10/17(金) 21:36:09 ID:5yZ9/wUD
まだだ!まだ終わらんよ!!!
559通常の名無しさんの3倍:2008/10/17(金) 21:38:18 ID:???
我々が愛したドルダは死んだ、なぜだ!
560通常の名無しさんの3倍:2008/10/17(金) 22:36:16 ID:???
>>558-559
同志達よ!
ガンダムドルダ、出撃する!
561通常の名無しさんの3倍:2008/10/19(日) 12:03:38 ID:cVhV7c3C
必ず帰還しろ!!
それ以外は許さん!!!
562通常の名無しさんの3倍:2008/10/19(日) 16:12:11 ID:???
ドルダ!目標を笑わかす!
563通常の名無しさんの3倍:2008/10/21(火) 00:01:10 ID:SJ3GfisW
ドルダマイスターは一人じゃない!!
564通常の名無しさんの3倍:2008/10/22(水) 18:18:22 ID:???
てこでも動かん!!
565通常の名無しさんの3倍:2008/10/23(木) 20:05:10 ID:???
私だけが落ちる訳が無い。貴様のスレも連れて行く。

保守
566通常の名無しさんの3倍:2008/10/23(木) 23:45:58 ID:???
ドルダああああああああ
567通常の名無しさんの3倍:2008/10/27(月) 18:10:21 ID:???
ホジュ
568通常の名無しさんの3倍:2008/10/28(火) 17:08:00 ID:???
必ず本編の人が来ると信じてる。
569議論スレにて1001変更案を相談中:2008/10/30(木) 17:11:41 ID:???
おしゅ
570議論スレにて1001変更案を相談中:2008/10/30(木) 20:07:32 ID:???
もういいから最初から作ろうぜ
571議論スレにて1001変更案を相談中:2008/10/31(金) 00:47:55 ID:???
ふむ、それもいいかもしれないな。
本編の方たちも蒸発してしまったし・・・
とりあえず今何人いるんだ?

カウント!!!

まず1
572議論スレにて1001変更案を相談中:2008/11/03(月) 11:02:47 ID:???
ふ、分かってたさ。
誰も来ないかもしれないことぐらい。

ジーク・マーズ!!
573議論スレにて1001変更案を相談中:2008/11/03(月) 18:51:34 ID:???
ドルダ、私は帰ってきたぞ!

574573:2008/11/03(月) 18:59:03 ID:???
時間あれば最初から作るかもしんない。
まあ俺SF疎いからその辺は誰かがサポートしてくれればの話だが
別スレでもSSやってるんで出来るかどうかはわからんが、スレ復興の為に尽力しようと思わないでもないぜ!
キャラとお話変わるかもだけど、本編の人ベースでいってみるかも。
アナザーとのクロスオーバーもいいかもしれないと思ってる。
575571:2008/11/05(水) 17:15:18 ID:???
人がいるなら復興できるはずだ!
MSの設定は新しく考えるか今まで出された案を工夫してつかったりすれば出来るかもしれない。
それならよくやってますし、自分で出来ますし。
SSは任せます。
MSやキャラのデザインが大きな問題なんですけど……
576573:2008/11/05(水) 20:21:30 ID:???
>>575
絵やデザインは別に要らなくないかい?
俺はなくていいと思うけど
あと路線としてはナギサカさんとデイヴをダブル主人公みたいに考えてるんだが…
まあここに顔は出せるんだけどSS書ける時間がいつとれるかはわかりません
出来るだけ頑張ってみるけど
577573:2008/11/06(木) 03:50:45 ID:???
眠れなくてついさっき軽く本編とアナザーに目を通したんだがクオリティ高すぎてワラタw
アナザーの人の世界観、文章力ヤバいな
本編の人はキャラデザメカデザのフリーダムさを矛盾無くまとめる能力がすげえw
なんか自信無くなってきたわ…
世界観を煮つめるとこから始めたいんだけど、意見を聞かせてほしい
例えば地球と火星の関係、コロニー等について

キャラは、
クラン・ナギサカ
シンシア
デイヴィッド・リマー
あたりは固定で、あとはオリジナルでいくかも
フィリアとヴァイスなんからキャラ立ってるから多分登場

ガンダムは、ドルダ、ドルチェ、マルス、あと一機くらいなんかかな

長文すみません
578571:2008/11/06(木) 18:10:35 ID:???
>>576
確かに絶対必要ではないですけどね。

世界観を煮詰めるですか。
とりあえず本編とかのをまとめると
地球と火星コロニーの状況は

地球……地上でもいまだ紛争が起こっており、しかし宇宙開発には力を入れており、
火星や地球の軌道上にコロニーを設置している。
地球至上主義で、コロニーに対する態度や政策は冷酷の一言。
それが火星や軌道上の各コロニー反感を植えつける原因となる。
軍事力に関しては膨大で、長い間にわたって火星やコロニーから搾取してきたため資源や資金も豊富。
ただしコロニーの力を軽視している傾向がある。

火星……正しくは火星軌道上のコロニー郡。
火星開拓のために設置されたコロニーだが今では多くの人が住んでいる。
食糧の自給が困難で地球から輸入しているがその値段は通常の価格よりも遥かに高い。
長らく地球の圧政下にあり、地球に対する不満や不信感は頂点に達している。
地球に対して面従腹背を貫き、裏では火星の資源を横流ししたり
アストロイドベルトから資源衛星を持ってきてそこから資源を調達したりしている。
そのため資源はそれなりにある。また技術力も高い。ただし資金が無い。
火星のテラフォーミングが終了し、食糧の自給が可能になった。

コロニー……こちらは地球軌道上のコロニー。
大体火星と同じ状況下だが、資源が無い。
ただしこちらのコロニーは長く存在しているため、いくつかの企業が存在し、工業用コロニーもある。
長らく地球の圧政に耐えてきたため、火星コロニーには同族意識がある。

こんな感じでしょうか?
もう少し細かいとこまでいけますがあまり細かすぎるとオリジナルが入れにくくなるので。

ドルダ、ドルチェ、マルス……もう一機ですか、考えてみます。
579573:2008/11/06(木) 22:55:24 ID:???
>>578
嫌な言い方かもしれないけど、俺はむしろ絵やメカデザ等の設定等が本編の人の負担を増やしたんじゃないかと思ってる
絵やメカデザは立て直ってから考えよう

あと、わかりやすくまとめて下さって乙です
助かりました。
ちょっと自分の中で整理したいんで、もう少し時間を下さい
580571:2008/11/07(金) 17:17:52 ID:???
分かりました。
581バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/07(金) 22:32:34 ID:OeZwnTkI
お久しぶりです。
しばらく画力向上のため、PCをしていなかったのですが
やっぱりここが気になってしまって戻って参りました。

>>579
確かに一理ありますね。
実際、ちょっと自分の趣向が入ってたところもあったので。

とりあえず私のオリキャラは本編に登場させなくてもいいです。
ドルダ世界には存在するだけでモブのような扱いで構いません。
582191:2008/11/08(土) 00:56:16 ID:???
>>581
どうも、お久しぶりです。まず一言、すいません。
>>579は書き込んだ後少し言い過ぎたかと。そのことについて、まず謝らせて下さい。
調子のいいお願いかもしれませんが、これからもたまに顔を見せて下さると嬉しいです。

で、とりあえず一話書いたんで(といっても、アナザーの人の改編っぽいですが…)意見を仰ぎたいです。
ってなわけで、投下します
583573:2008/11/08(土) 00:58:57 ID:???
ちょ、ヤベ、名前欄ミスったorz

新説 ガンダムドルダ
第一話 運命の序曲

深い深いまどろみの底で、見た夢。
それは、決して開けてはならない、パンドラの箱…

一人の少女が、悠久の時を眠る。
初雪のように白い肌に咲き誇るは、薔薇のように美しい唇。
少女には恐らく感情というものはない。眠ってはいるのだが、目を覚ましたとて、美の権化がただ在るだけだという印象を与える。
あまりの美しさに、そっと触れようと手を伸ばす。
決して遠くはない距離にいる少女に触れるには、少しの時があれば十分だろう。
しかし、あまりにも遠い。あまりにも永い。
その時間さえ愛おしく思えるほどの美しさ…
そして、指先が少女の面を捉えた刹那…

世界が、崩壊した。

ディヴィッド・リマーはそこで目を覚ました。
「クソ…!またあの夢かよ…!」
デイヴは忌々しそうに頭を掻き、水を飲もうと立ち上がる。
汗をびっしょりとかいた所為で、ひどく喉が渇いていた。
寝台にはシーツもなく、あちこち綿のはみ出たマットが剥きだしになっている。作業着と黄ばんだ下着を一緒くたに丸めたのが枕代わりであるらしかった。
床には空き瓶と空き缶が散乱し、部屋に据付と思わしき冷蔵庫は開け放しで、乱暴に放り込まれたビール缶に、バスケットシューズが覗いて見えた。
これが、ディヴィッド・リマーの住処。唯一、誰にも気を使わずとも過ごすことのできる場所だった。
お世辞にも清潔であるとは言い難い水道水を、一気に飲み干してから、時計を見る。
ひどく不快な気持ちで、すっかり目も覚めてしまった。
584573:2008/11/08(土) 00:59:52 ID:???
「…半端な時間だな」
昨日、いつ床に着いたのかはよく覚えていない。
確か、いつもどおり正午に起き、大家の催促を逃れてパチンコ屋へ出かけた。
負けも勝ちもせず夜になって、行きつけのバーでカードに興じ、負けが込んできて、店主に追加の酒を頼んだら店から追い出された。
その後の記憶はぼやけて、なにやら悪態を付いていたかもしれず、通行人に絡んでいたかもしれない。
酔いが回りすぎて、デイヴィッドは自分が何を言ったのかさえ覚えていなかった。
時間は九時半。但し夜のほうだ。
この感じだと、ほぼ丸一日寝ていたようだ。
「まあ、構わねえさ」
玄関には大家の書置きがあったが、それを丸めて捨て、デイヴはいつものように夜の街へと繰り出して行った。

フィリア・シュードは戸惑っていた。
仕事で新たな人材が必要となり、その処遇を上から任されたので、自らが適任と判断した旧友を誘うことに決めた。そう、ここまでは良かった。
「何でこんなに臭うかな…デイヴ、君は本当にこんなところに住んでいるの…?」
現在フィリアがいる場所、それは人類が火星開拓のために築き上げた簡易居住惑星であった。
火星軌道と木星軌道の間には小惑星帯が存在し、そこには岩石をくりぬいて作られた安価な居住小惑星が無数にひしめき合っている。
進宇宙歴102年…
度重なる紛争や、人口爆発、食糧問題…これらの出来事を解決しようと、人類は新たなる希望を火星に抱き、テラ・フォーミングを計画してから102年…
その中で、テラ・フォーミングに携わる労働者、技術者達が、作業効率を上昇させ、また自らの住居とする為地球及び火星軌道上に幾つかのコロニー群を形成していた。
進宇宙歴102年現在では、テラ・フォーミングも終了し、そういったコロニー群も一段落ついてはいた。
しかし、かつては食糧の自給が困難で地球からの輸入に頼らざるを得ず、長らく地球の圧政下にあり、人々の地球に対する不満や不信感は頂点に達していた。
そんな中、デイヴが居住しているのは、テラ・フォーミングの為の仮住居であるコロニー建造の、そのまた仮住居であったのだった。
軌道が不安定で行き来も不便であるから、これら簡易居住小惑星の地価は地球・火星間の小惑星やコロニーに比べて数千分の一である。
フィリアが訪れたのも、何々番小惑星と呼ばれる名も無き居住小惑星の一つであった。
585573:2008/11/08(土) 01:00:36 ID:???
農業区画から垂れ流されるリンと流れの停滞とで富栄養化現象が発生し、居住区画の川は緑色に濁っている。
鼻にさわる臭気は、そこと、天井の大型空調機から発せられるかび臭い空気が原因であると思われた。
路肩にぽつぽつ坐っている乞食も月の大都市で見られるそれが上品に思えるほど薄汚く、立ち並んだ粗末な作りの建物からは、酔っ払いの怒鳴り声や夫婦喧嘩と思われる金きり声が響いてくる。
フィリアは自分が通行人にじろじろ見られているのを感じた。
染みが無く糊の利いた服を着ているのがフィリアだけであったこともあるが、路地の物売りの中年女性たちはフィリアを見てひそひそ囁き合い、軽蔑の言葉を漏らしている。
労働者ふうの男が馴れ馴れしくフィリアの肩を抱いて、卑猥なことをささやきながら皺だらけの紙幣をフィリアの手に押し付けた。
見当違いも甚だしい。フィリアは男の手を払って歩き出した。
後ろから怒鳴り声が聞こえたが、フィリアがある事実を告げてしまうとすぐ静かになり、少し遅れて、先ほど囁き合っていた中年女性たちが大笑いするのが聞こえた。
フィリアは小さな下宿屋の前で立ち止まった。携帯端末を操作して住所が間違っていないのを確認し、それからインターフォンを押した。
しばらく経つと、中年と熟年の中間ほどの年齢と思わしき女主人が出てきて、胡散臭そうな目つきでフィリアを眺めた。
フィリアは女主人に事情を話しながら携帯端末に映る顔写真を見せたが、彼女はのらりくらりとフィリアの質問をはぐらかし、相変わらず疑りの目でフィリアを見ていた。
フィリアはこのままでは埒があかないと考えて、女主人の手に幾枚か紙幣を握らせた。
その途端に彼女は打ち解けたと見え、フィリアを家の中に通し、「デイヴィッド・リマー」と表札に書かれた部屋に案内した。
部屋の主は居なかったが、どんな人物がここに暮らしているのかは容易に想像できる有様であった。
女主人の話によれば、デイヴィッド・リマーはここ数ヶ月ずっと働いていないらしかった。
朝から晩まで酒場や賭場へ通い、そうでなければ部屋で何もせずに飲んだくれているそうである。
部屋の使い方が汚いやら家賃の支払いが三ヶ月も滞っているやらと、女主人がいらぬことまで愚痴り始めたので、フィリアは暇を告げて逃げるように下宿屋を立ち去った。
デイヴが入り浸る界隈を訪ね歩いて、そのたびにいやらしい言葉を浴びせられながらもフィリアは根気強く彼を捜し続けた。
一見して余所者と判るフィリアがからかわれないでいるためには、会話を交わすごとに財布を軽くしなければならなかった。
586573:2008/11/08(土) 01:02:13 ID:???
さて、幾分かの時間と金を使い知り得た情報を元に、フィリアが辿り着いたのは、とある賭博場だった。
ふーっと深呼吸をし、扉に手をかける。先ほどの住民達からの態度にはもうだいぶ慣れてはいたが、やはり気持の良いものではない。
意を決して開けた扉の先は、大乱闘の真っ只中であった。
その中心にいる人物…よく見知った顔の男を見て、フィリアは溜息をつく。
「るせえっつてんだよ!俺はイカサマなんざしてねえ!」
叫ぶ旧友、デイヴとそれを取り囲む男達。なんだか大変な場所に居合わせてしまったらしい。
殴る、殴られるの乱闘が続き、やがて床に打ち伏せられるデイヴ。多勢に無勢だ。
「このアル中が!調子に乗ってんじゃ…」
毛むくじゃらの大男が酒瓶を振りかざす。
「ねえぞ!」
ヒュン!フィリアは考えるより先に体が動いてしまっていた。
ありったけの力を振り絞り、デイヴを抱え、そのまま共に横転する。
「なんだあ?」
虚しく空を切った酒瓶の割れる音と、男達の疑問の声。
フィリア・シュードは、美女と見紛う外見を持ちながらも、いざという時の度胸と瞬発力についてはまさに天賦の才を持つ男であった。
「フィリア…?」
途端に怪訝そうな表情になるデイヴ。
「何でお前が…」
「危ない所だったね」
薄く苦笑いをしながらデイヴに言う。
「久し振り、デイヴ」
「クソ!なんだってんだよ!邪魔しようってんならてめえも容赦しねえぞ!」
男達が激昂する。
やれやれ、フィリアは思う。どうしたものか…金で大人しく引き下がりそうな雰囲気ではない。
となれば、道は一つだ。
「話は後で!逃げるよ!」
言い終わらないうちに、フィリアはデイヴの手をとり、全速力で駆けだす。
男達が何か叫びながら追ってくるが、さすがに自らの界隈、周辺を知り尽くしたデイヴの案内でなんとか逃げおおせた。
息を荒くしながら、床に座り込む二人。その場所は、とある廃工場だった。
「で?何でお前がこんなとこにいるんだよ」
尋ねるデイヴ。その息はまだ荒い。
「うん、単刀直入に言うよ」
疲れた表情のフィリア。長ったらしい前置きや、久闊を叙そうといった考えはもう無いらしい。
「実は、第七次調査団として火星に派遣されることになったんだけれど、MSパイロットの枠が一つ空いているんだ」
「テラ・フォーミングはもう終了したんだろ? 何でわざわざ調査団なんか送るんだよ?」
 パイロット枠の件には触れず、デイヴは思いついた疑問を口にする。
587573:2008/11/08(土) 01:03:29 ID:???
「そういった視察も火星開発公社(ウチ)の仕事だからね。そのために連邦から資金援助も受けてるし。まあ、ほかにも色々と事情がね。だからさ――」
「悪いが、他を当たってくれ」
即答のデイヴ。そして続ける。
「俺にそんな大層なご大役、向いてねえよ」
「デイヴ!」
フィリアが叫ぶ。
「…しかしフィリアはメカニックチーフで参加するわけか。まあ、なんだ。お前も相当に出世したな。たしか引き抜かれたんだろう? 連邦にいたころより給料だって――」
「デイヴ! 四方山はもう止めようよ。僕は、君を誘いに来たんだ」
デイヴは口を噤んだ。フィリアの様子が思いのほか真剣味を帯び始めてきたからである。
「君は、今のままの境遇で本当にいいの! 軍を抜けて、こんな辺境で夢も希望もない人生を続けるの! ここは空気も悪いし、人間だってみんな性根が薄汚い。
こんな、食べるために生きるのか生きるために食べるのか定まらないところにいれば、いつかきっと、デイヴは駄目になる!」
「もう充分駄目人間さ」
「だったら、これから立ち直ろうよ! 飲酒と放蕩と伊達気取りなんてすっぱり止めて、もっと、地に足付けて将来を考えることにしよう!」
「今の時代、地球は立ち入り禁止だぜ」
「だから、火星に行こうと言ってるんだよ! 火星には大地があるし、安定した職だってある! 
調査団が解散した後のポストは僕が用意するし、君の借金だって、僕が立て替えるから、昔みたいに、僕と一緒にがんばろうよ!」
お前はなぜそうまでするんだ、という藪蛇を突っつくような言葉は飲み込んだ。デイヴィッドにはその理由を三つも四つも挙げることが出来るのである。
彼は他人の性情に深く立ち入りたくなかった。
真実であるとか、理想であるとかはぜいたく品で、物事を深く考えずにだらだらと上辺だけの人付き合いをしながら、残りの人生を死ぬほど退屈に暮らしたいと願っていた。
「返事は、早めにしないと駄目か?」
「出来れば、今日中にして。早くしないと、火星の位置が変わってシャトルじゃ行けなくなっちゃうから」
「それに」
フィリアは思いついたように言い、かすかに笑う。
「さっきの騒ぎで、君もここに居づらくなったでしょう?」
「…わかったよ。行くよ。行けばいいんだろ。ったく、お前にはかなわねえよ、フィリア」
 デイヴィッドは観念した。どのみち、下宿にも財布にも金が無い一文無しの彼には、強情を張るという選択肢は無いのである。
「デイヴ、ありがとう!」
フィリアはぱっと咲くような笑顔を見せて、心底嬉しげに今後の計画をあれこれと語り始めた。

一話 終 二話に続く
588573:2008/11/08(土) 01:09:40 ID:???
とりあえず、30分くらいでがーっと考えたやつなんで、矛盾や提案等があったら言って下さい
半分近くアナザーの人のコピペになってしまったことに関しては申し訳ないです。
世界観を出来るだけ残したままにしておきたかった、というのが理由(言い訳)です。

一応これからの流れとしては、二話で、フィリア達と別組織所属のナギサカ達がドルダを目覚めさせるって感じです。
で、デイヴを始めとするパイロット達ととりあえずドンパチ、みたいな。
これに関しても何かあれば言って下さい

今回は以上です、長文サーセンでした
589571:2008/11/08(土) 13:35:55 ID:???
乙です!
ちゃんとアナザーの世界観を残していていることに驚きました。
コピペについても、仕方ない、とこっちで納得します。
最初のデイヴの夢の書き方、きれいでした。そして部屋の様子がうまくあらわせてるなっと。

ナギサカ達とフィリア達とは別組織ということは「ドルダ争奪戦」?
今後の展開に期待です

えーと、進宇宙暦102年とありますけど、新宇宙暦102年の間違い…なんですか?
『宇宙に進出して102年』の進宇宙暦102年と
『新しい宇宙暦になってから102年』の新宇宙暦102年と、どちらも通用しますから間違いかどうか分かりませんが…。

自分の疑問はこれぐらいです。提案とかはまだ第一話なので、もう少し進んでから考えてみたいと思います。

乙でした!
590バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/08(土) 14:13:55 ID:???
とりあえずwiki更新しました。
キャラデザの方で何かリクエストありましたらどうぞ。
591バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/08(土) 16:03:56 ID:???
とりあえず以前描いたクランのキャラデザが気に入らなかったため、
描き直してみました。以前より目が小さくなり、等身が高くなりました。
http://pig.oekakist.com/g_dollda/dat/IMG_000000.jpg
592571:2008/11/08(土) 16:07:26 ID:???
あれ?おかしいな何で見れないんだ?
593571:2008/11/08(土) 16:18:31 ID:???
ああ、wikiから見るんだ、なるほど。
594バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/08(土) 16:34:45 ID:???
バルド暴走中。昨日と今日は久しぶりにドルダなので気合が入ってます。
ところで、今度自分も何かSS書いてもいいですか?
595573:2008/11/08(土) 18:47:22 ID:???
>>バルド
wiki更新と新・クランのキャラデザ乙です
SSの方も期待してます
それと、キャラデザのリクを早速wとりあえず、デイヴとフィリアあたりを

>>571
wikiを見た感じだと進の方みたいですが…
まあ、どっちでもいいや(おい)
ドルダ争奪戦…その考えは無かったなあwいただきw

そして今思ったけどクランも火星開発公社の人じゃんw
自分の中では地球サイドとコロニーサイド、W主人公な感じでいきたいんですが…
その辺をもう一度ちゃんと練ってから、そのうち二話投下します
596バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/09(日) 10:20:36 ID:jsTyZzpt
明朝よりキャラデザしてみた。そしてage。

http://www8.atwiki.jp/gundam_dollda?cmd=upload&act=open&pageid=25&file=%EF%BE%83%EF%BE%9E%EF%BD%B2%EF%BD%B3%EF%BE%9E%EF%BC%88%EF%BE%86%EF%BD%B0%EF%BE%84%EF%BC%89.jpg
デイヴ(ニート)
http://www8.atwiki.jp/gundam_dollda?cmd=upload&act=open&pageid=25&file=%EF%BE%83%EF%BE%9E%EF%BD%B2%EF%BD%B3%EF%BE%9E.jpg
デイヴ
http://www8.atwiki.jp/gundam_dollda?cmd=upload&act=open&pageid=25&file=%EF%BE%8C%EF%BD%A8%EF%BE%98%EF%BD%B1.jpg
フィリア

ニートじゃないデイヴは結構お気に入り。一番悩んだのはフィリア。
女性っぽくしつつも男性っぽくするのが大変でした。
597バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/09(日) 10:35:13 ID:???
とりあえずスレを盛り上げるためにほぼオリジナルの外伝SSでも書きます。
文章能力はドルダですが、自分でフリーダムに貼った設定は自分で回収
しなくてはいけない気がしたので書きます。
598571:2008/11/09(日) 13:34:00 ID:gw9BRJVK
キャラデザ乙ですバルド氏。
デイヴ(ニート)とニートじゃないデイヴの腕の違いに吹いたww
フィリアも女の子っぽいっス。
相変わらず絵、うまいですね。自分なんて友人の小5のときの画力orz
外伝ですか?OK!スレを盛り上げるためなら何でもやりましょう。
自分も暇が出来たら書こうかな……

ドルダの復活を示すため再びage!!
599バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/09(日) 14:21:42 ID:???
学園ドルダ 

「にゃーん!にゃーん!」

―明朝6時半。黒猫を模した目覚まし時計の部屋中に鳴り響く音。それによって
少女は目を覚ました。もう朝かと言わんばかりに毛布の温もりを乞うが、目覚
まし時計の音があまりにもうるさいので仕方なく止めるしかなかった。再び眠
りに入ろうとしたが、その直前に大事なことを思い出した。
「…はっ!」
掛け声と共に布団を蹴り、起き上がる。
「いけないっ!早く朝風呂に入らないと学校に間に合わないっ!」
寝巻きを脱ぎ、下着姿になりながら狭い部屋を駆け足で風呂場へ向かう。
「あっ!そうだ!歯磨きもしなくちゃ!あと薬も!あっ、あとそれから朝食に
シリアルのチョコクリスピーも!」

第一話 世界中でテロや紛争が起きていても一個人単位では平和なものだ
600バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/09(日) 14:22:13 ID:???
予鈴と共に、生徒たちがそれぞれの教室に集結する。ここは進宇宙記念国際学園。
進宇宙暦0001年に設立され、以来100年の伝統を持つ由緒正しい私立校である。
先ほどの少女は高等部に所属し、電子工学科を専攻している。
「やぁ、頃奈。そっちの調子はどうだ?」
クラスメートであり、親友である楠川煉滋(くすかわれんじ)が少女に話しかける。
「うーん、やっぱりVariable言語って使いづらい。柔軟性があるけどバグの多い
Variable言語より柔軟性はないけど安定性のあるfixed言語の方がウチは使いやすい
かなぁ…」
少女、宗谷頃奈(そうやころな)が返す。そして、今度は頃奈が訊いてみた。
「そっちの…何だっけ?…そうだ、MSパイロット科はどうなの?」
「おお!それそれ!それ待ってたよ頃奈ちゃーん!聞いてくれベイベー!」
嬉しそうに右手をマイクのように模り、左足を机の上に乗せ、まるでロックバンドの
ライブのように煉滋がはしゃぐ。何の事か今ひとつ検討もつかない頃奈。
「じ・つ・は・な…」
「?」
「皆さんご存知のEA-002 グワッシュに乗って模擬戦するんだ!授業用のMSは機能が
制限されすぎて飽き飽きしてたんだ、いよいよ本格的なMSに乗れるんだぜ!」
「おおっ!凄いよ、煉滋!いよいよ…こう…夢に一歩近づいたって感じで…!」
親友の前進に思わず頃奈はガッツポーズ。同時に歓喜の発言に後悔した。下を向き、
前髪で顔を隠し、黙り込む煉滋。
「あ…ゴメン……ね…気に障る事言ったかな…?」
頃奈がそっと気遣う。両者の沈黙は続いた。しばらくすると煉滋が前を向いた。
「…………」
「あ…」
「…引っかかったな?大丈夫大丈夫、頃奈は何も悪い事してないよ。そんな事より
もうすぐ始業ベル鳴るぜ、さっ!テキストの準備だ準備!」
釣りだった。しかし頃奈は気づいていた。煉滋が内心傷付いている事に。そして煉滋
を気遣う自分を気遣ってくれていることに。そんな錬磁を見て、頃奈は胸が苦しく
なった。
「…(傷付くのは俺だけでいい。頃奈は俺の親友だからこそ迷惑をかけたくない。
俺の夢は醜い夢。あの日の呪縛に囚われた愚かな夢。)…」
始業ベル開始直前に教室である噂が流れた。それは日を重ねるごとに学年で知らぬ者
はいなくなった。ただ二人を除いて。
601バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/09(日) 14:22:50 ID:???
「今日から授業用MSのSMS-005 プーリッツではなくS.A.E.S.社よりレンタルした
EA-002 グワッシュを使用して模擬戦するぞ。MS工学科の奴らは整備を怠るなよ!」
進宇宙記念国際学園のMS関係の学科は民間保安会社S.A.E.S.社(Space And Earth Security)
と連携を取り、次代のMSパイロットやMS整備士、MS設計士等の育成に力を入れている。
生徒達も真剣に講師の説明を聞き、各々が与えられた機体に愛着を持ち、授業に臨んだ。

普通科。今日は体育の授業で校庭が活気にあふれている。その中で一人、際立った
活躍をする生徒が一人いた。バスケットボールを軽快にドリブルし、鮮やかなシュートを
決めた。
「やっぱ強いなぁ…グレンの奴。」
「へへっ!本業はサッカーだけど、スポーツマンはスポーツ万能なんだぜ!」
「勉強は小学生並みでダメダメだけどな。」
グレン・ベル。高等部普通科一年。頃奈や煉磁とは幼馴染でクラスメートにあたる。
進宇宙記念国際学園では授業時以外はどの学科でも同じクラスで過ごすシステムを
採用している。
「さぁ、どっからでもかかって来い!次はバレーか?野球か?それともサッカーか?」
自信満々なグレン。彼は極度の遊び好きであり、極度の勉強嫌い。勉強の時間を全て
サッカーに費やした事で学年全体に知られている。その姿を校舎の4階から眺めていた
頃奈。彼の元気な姿に頃奈は勇気を貰った。
「…よし、私もプログラムの開発を頑張らなきゃ!I☆BU☆KIさんに負けないために!」

「ちぇ…何だよ。ちょっとスポーツできるからって…授業サボってるくせに。」
「みんなと同じ事をしてない時点で外れてるよな。アイツは将来のこと考えてるのか?」
校庭の隅で5〜6人が溜まってグレンの陰口を呟き合っていた。
602バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/09(日) 14:25:08 ID:???
「よっしゃ!敵機撃破!残るは45体!」
MS訓練場でグワッシュを軽快に駆る煉磁。
「うん、うん。やっぱり頃奈にチューンしてもらったOSは使いやすいな。」
「…(ただ、今はいいとして今後も頃奈にチューンしてもらうわけにはいかないな。)…」
煉滋は一年前までは手の付けようのない不良だったが、家族でアメリカ旅行へ行った時に
自爆テロに巻き込まれて以来、改心する。実技の成績は平凡。筆記の成績は悪いものの、
テロや紛争を防ぐために軍人になるのが夢である。

「ふぅ…もう夕方か…グレンと煉滋はどうしてるかなぁ…。」
頃奈は誰もいなくなった教室でメールを打っていた。使用プロトコルを宇宙用に切り替えて
メールの送信ボタンを押す。メールにはこう書かれていた。
「I☆BU☆KIさんへ、ご無沙汰してますころにゃんです。最近はコロニーサイドと地球サイド
の対立がよく2chの話題になってますが。仕事の以来が来たんですね、羨ましいです。私は未だ
プログラムを開発中です。完成したらマイクロハードディスクと共にそちらに送りたいです。
I☆BU☆KIさんはコロニー暮らしですよね。今度、機会があったら会いませんか?」

「よぉ、頃奈。こんな所にいたか。」
煉滋。
「さて、帰るか」
グレン。
「…うん!」


同時刻、三人を遠くから見ているものがいた。
「…あれが宗谷大尉の娘さんか……」


603バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/09(日) 14:35:32 ID:jsTyZzpt
以上、4時間くらい使ったわりに大した物が書けてないという罠。
なんか新しい要素が一気に入ってきた気がするw



604議論スレにて1001変更案を相談中:2008/11/09(日) 14:42:29 ID:???
ブッ飛んだスレだなw
605議論スレにて1001変更案を相談中:2008/11/09(日) 15:40:57 ID:???
Gガンのやられガンダムたちだな。
マンダラガンダムとかw風車のガンダムとか
606571:2008/11/09(日) 18:23:42 ID:gw9BRJVK
バルドさん、再び乙。GJ
おお、もう二度と会わないだろうと思っていた幻の学園ドルダ!!
まさか再び会い交えようとは……
というか2chまだ生きてんの!?少なくとも新シャア板は消えてるだろうけど、ある意味すごいな。
誤字、I☆BU☆KIへのメールで、仕事の依頼が仕事の以来になってますよ〜。
続き、楽しみにしてますデス。
607初期にMSデザインしてました:2008/11/09(日) 18:25:53 ID:???
あれ?このスレまだあったの?
608571:2008/11/09(日) 19:14:29 ID:???
ええ、まだ生きてます。
609バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/09(日) 20:50:34 ID:jsTyZzpt
>>606
レス&指摘&ロゴの感想ありがとうございます。この学園ドルダは時間軸的
には本編開始時の3ヶ月くらい後のお話です。2chはちょっとしたネタですw

>>607
お久しぶりです。このスレは来てる人こそは少ないものの徐々に復旧しつつ
あります。もし、よろしければこのスレに再びお力を!
610バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/09(日) 21:12:05 ID:???
ここでいくつか補足しておきます。
【Variable言語】
進宇宙暦0102年において最も普及している言語の一つ。柔軟性が高い。
クッキー機能やフィードバック機能に優れており、主にA・I(人口知能)
プログラムの開発に適している。安定性が低いのが欠点。
【fixed言語】
進宇宙暦0102年において最も普及している言語の一つ。安定性が高い。
メモリへの負担が少ない分、処理が早く、主に作業系ソフトウェアの
開発に適している。柔軟性が低いのが欠点。
【S.A.E.S.社】
簡単に説明すると民間の手で創設された警察。ネットでの規制もしており、
構成員はいい大学を出て就職したお坊ちゃまから元・犯罪者まで、その人種は
多種多様である。
【SMS-005 プーリッツ】
全世界の学校のMS関係の学科に配属されている教育用のMS。武装は水鉄砲と
鉄パイプのみ。SMSとはSchoolMobileSuitの略である。

611エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/10(月) 00:20:15 ID:???
眠い…

>>バルド
乙です!ほのぼのな路線なのかな?キャラデザもGJ!

>>607
どっちの人かわからないけど、お久しぶりっす。

ちょっとこれからリアルの方で忙しくなりそうなんで、間が空くかもしれないです。
頑張って来ようとはしてみますが…
それじゃあ失礼します
612573:2008/11/10(月) 00:21:57 ID:???
俺何回名前欄ミスればいいんだろう。俺氏ね
今度こそ失礼しますorz
613571:2008/11/10(月) 17:56:36 ID:???
おk、了承したです。
614バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/10(月) 19:46:54 ID:???
おk、了解です
615議論スレにて1001変更案を相談中:2008/11/10(月) 19:54:50 ID:???
皆頑張れ、俺は全裸で待ってる。
616通常の名無しさんの3倍:2008/11/11(火) 00:25:01 ID:???
ドルダ復活記念
http://wktk.vip2ch.com/vipper3491.jpg

またヒマがあったら描きに来ます
617573:2008/11/11(火) 08:26:11 ID:???
>>616
ちょ、乙w
上手すぎる…
良かったらまた顔出して下さいね
と空き時間にレス
618バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/11(火) 10:57:55 ID:???
>>616
何という画力……乙!
早速ですがwikiに掲載しておきますね
619バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/11(火) 16:34:48 ID:UmkyXPBB
Wikiのトップページを更新しました。クランの横にいるのは一応シンシア。
ttp://www8.atwiki.jp/gundam_dollda?cmd=upload&act=open&pageid=1&file=%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8.jpg
620571:2008/11/11(火) 17:40:37 ID:???
>>616
うは何という画力…ドルダかっこEE!!!
乙です。そしてGJ
621バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/11(火) 22:24:10 ID:???
wikiの登場人物紹介を更新しました。
身長/体重等のパラメーターは勝手に振り分けました。
変更してほしいところがありましたらどうぞ。
622616:2008/11/11(火) 22:30:20 ID:???
wiki更新乙です。
バルドさんGJ!!

僕も今からちょっくら絵描きます。
とりあえず現時点で決まってるMSだったらマルスかドルチェですかね?
623バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/11(火) 23:03:13 ID:???
>>622
早速のレスをありがとうございます!

はい、その辺でよろしいかと。完成を期待しています!
624バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/11(火) 23:54:31 ID:???
とりあえずWikiの登場人物が一通り終わりました。しつこいみたいですが
パラメーターは投げやりです。なので変更して欲しいところがありましたら
どうぞ。明日はメカニック紹介を更新するつもりです。
625通常の名無しさんの3倍:2008/11/12(水) 00:39:09 ID:???
ねるねるねるね
下痢垂れる
死亡フラグ
かませ


今更だがアナザーのネーミングに吹いたw
特にエルゴンの三人、死相漂いすぎw
626573:2008/11/12(水) 01:02:36 ID:???
>>624
乙ですが、メカの設定は今しばらく待っていただきたいところです
ドルダ、マルスあたりはおkですが
あとアナザーの設定によると、デイヴの年齢は26だったはず。

あと今二話執筆中ですが、どうもオリキャラ含めトリプル主人公になりそうな雰囲気w
どうしようこれw
三陣営にドルダ、ドルチェ、マルスを割り振ることになりそう…

>>625
ディック・オメコスキーが最強だろjk
チ○コ・マ○好きwww
627バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/12(水) 11:35:56 ID:???
>>626
ご指摘感謝します。早速デイヴの項目を変更してきました。
ならば、機体名だけというのはどうでしょうか?
628バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/12(水) 11:41:55 ID:???
>>626

改行のつもりが途中で書き込んでしまったorz
三つ巴ですか…大変そうですが頑張ってくださいね。
629573改めエルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/12(水) 21:02:56 ID:???
さあ、空気を読まずに俺が来たぜ!
バルドの兄貴に習ってトリつけてみることにしました。
で、めんどいしもうこれでいいやと。
とりあえず今から二話投下します。だいぶ時間かかったなー…二時間てw
630573改めエルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/12(水) 21:07:06 ID:???
新説ガンダムドルダ
第二話 動き出す刻

辺境のコロニー、ジュネス…
その最深部、恐らくこの世界で最も深い闇の中と言っても差支えないであろう場所…
天高く聳え立つは何かの神を模した像…奇抜な風体を成している。
大勢の人間が揃いも揃って大声で何かを合唱している。
おおおーお、おおおーお…
時々チリン、となる錫杖の音がドーム状のこの場に響き渡る。
狂信…この上もなく、そして狂おしいほど純粋なそれに捕われた群衆は、皆一点を見つめ合唱を続ける。
その更に奥…控えの場で、二人の男が会話をしていた。
「いよいよ見つかったようで」
研ぎ澄まされた日本刀のような目を持つ中年の男が言う。
油断なく引き締まった全身からは、明鏡止水、一種の覇気のようなものが感じ取れる。
「うむ。この世界を裁く時が来たのだ、福音とでも言うべきか」
答えるのは厳かな、それでいて静かな…泰然自若とでも言うべきだろうか、幾分憐憫を含んだ目の男。
「では、使うのですね?マルスを…」
「マルスの力は我々の為に使用されるべきだ。来るべき新世界に向けて、な」
「ベイト大佐…」
ベイト、と呼ばれた男。神官のような衣装を纏っている。
一見胡散臭そうにも見えないこともないが、この男が持つ生まれながらの指導者としての風格がそれをさせない。
「その名は捨てたのだ。この場ではトマス金鍔次兵衛と呼びたまえ」
「失礼いたしました」
「ソウヤ君。君もそろそろ洗礼を受けるべきだと私は考えるがね。君率いる独立派の者達も含めて」
ソウヤ、と呼ばれた男は戸惑う。
自らの目的の為に力が必要となり、たまたま目的の一致したマスター・ベイト大佐率いる集団と手を組むことにしたのだが、その魂までは彼らに捧げるつもりはない。
「…フン、まあいいさ。君もやがて知ることになる。我が神の偉大さをな」
「ところで」
ソウヤこと、宗谷陽光(そうやようこう)大尉が、話題を変える。
「マルスには、教主が搭乗なさるのですか?」
トマスなんたら、と呼ぶのはいちいち面倒だ。陽光はベイトの事を普段から当たり障りのない教主、と呼ぶことにしていた。
「ああ、紹介していなかったな」
入りたまえ、ベイトが言うと、一人の少年が入ってきた。
「アレス・ルナーク少尉…洗礼名はアンデレ権八郎だ」
目の前の少年はあまりに若い。まだ16、7といったところか…陽光はその昔別れた自らの娘のことを思い出す。
一見すれば女性のように見えないこともないその少年は陽光を一瞥すると、恐ろしいくらいの無表情さで、胸の前で十字を切った。
この宗教独特の挨拶なのだろう…対して陽光の方は火星軍式の敬礼で返礼する。
「教主」
同じく神官のような格好をした別の男が、ベイトに話しかける。
「そろそろお時間です。ご教義の準備を」
「ああ。ではソウヤ君、アンデレ、私は失礼する。各々、先日伝えた計画通りに動いてくれ。諸君らに神のご加護があらんことを」
椅子から腰を上げ、先程の群衆の元へ向かうベイト。
陽光はその姿を見送るとわずかながらに溜息をもらす。
(マスター・ベイト…食えん奴だ…)
振り向くと、少年・アレスはもういなかった。
陽光はそれから暫くの間、少年がいた場所を見つめ続けていた…
631エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/12(水) 21:08:14 ID:???
進宇宙歴102年…
度重なる紛争や、人口爆発、食糧問題…これらの出来事を解決しようと、人類は新たなる希望を火星に抱き、テラ・フォーミングを計画してから102年…
その中で、テラ・フォーミングに携わる労働者、技術者達が、作業効率を上昇させ、また自らの住居とする為地球及び火星軌道上に幾つかのコロニー群を形成していた。
そしてテラ・フォーミングが終了し地球化したこの火星に、火星開発公社の第一次調査隊が舞い降りた。
軌道エレベータにより地上に降りる一行。
ノーマルスーツを着用し、調査用機材と共に第一歩を踏み出す。
地表は、地球の大地と大差なかった。
「呼吸は、出来るのでしょう?」
第一次調査隊の副隊長である女性、クラン・R・ナギサカが言った。
その顔は嬉々として、希望に溢れている。
一般的な女性と比べるとやや背の高い部類に入る方で、長い赤髪をひとつにまとめ、控え目な美しさを持つ女性だ。
加えてこれほど澄んだ瞳を持つ人間がいるのか、と彼女と視線を合わせた人間は言うだろう。
しかし、その澄んだ瞳の奥にどうしても拭い去ることのできないモノ…
それは、傷痕。
遠い昔に痛みと共に無くした記憶、の筈だった…
けれど、彼女は片時も失った家族の為に祈ることは欠かさなかった。
(父さん、母さん、シンシア…私は遂に、ここに…火星に来たわ)
少し遅れて、返事が返ってくる。
「はい。可能です。大気正常。地球の成分とほとんど変わりません」
モニターと睨めっこを続けていた女性隊員の一人、ミランダ・ウォンが事務的にそう告げる。
眼鏡が印象的で、太陽光が反射してキツく光っていた。
そんなミランダに困ったように一瞬だけ苦笑を見せると、
クランは静かにその顔を覆い外気を遮断しているヘルメットを外した。
「…………これが、火星の空気」
肌に触れる微風。
匂いも、感触も、全てがコロニーとは違う。
「第一号を取られてしまったな」
「すみません。マクドガル隊長」
後ろから聞こえた声に、小さく肩を揺らし、クランは振り返る。
「いや、第一号は動物実験で放たれたマウス達か。私はコロニー育ちだが、やはり星は違うな」
続くように、周りの者達もヘルメットを脱いでいく。
クランに声をかけた男性。調査隊の隊長、ギデオン・マクドガルだ。
「火星の大気も人工的に創られたものだというのにな」
「そうですね。やはりそれは、火星も生きているということなんじゃないでしょうか」
見渡す限りの土色。
広がる地平線。
それらを見ながら、黄昏の時が過ぎていく。
「おーい、積み荷は全部降ろし終わったぞー」
火星の大地を眺めていた二人に、乾いた声をかけるのは、 調査隊の男性技師であるヴァイス・トロニクスである。
「医療器具もオッケーです! みなさん、じゃんじゃんケガしちゃってくださいね!」
機材の陰からひょこっと顔を出したのは、調査隊の医療担当、モモ・マレーンだ。
あっけらかんとしたその言動に、呆れる者、短く溜息をつく者、大きく溜息をつく者。
そして微笑ましく見詰めるのは、クランだった。
第一次調査隊は、この5人によって構成されている。
年齢も性格も様々だが、火星への第一歩を踏み出すために選ばれた者達なのだ。
632エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/12(水) 21:10:50 ID:???
火星開発公社…その歴史は、進宇宙歴元年にまで遡る。
元々は地球連邦に存在する一つの部署であったのだが、テラ・フォーミング計画が現実味を帯びてきて一つの企業として独立する。
初め半官半民の形をとっていた公社も、作業が進むにつれ地球本社だけではどうにもならず、コロニー支社を創設する。
やがて官・民を問わず、技術者の多くはコロニー支社の方へと流れ、地球・コロニー間の軋轢は彼らにも及ぶ。
現在では、地球本社とコロニー支社は完全な別企業として、機能しているのだった。
ちなみに、クラン・R・ナギサカを始めとする第一次調査隊はコロニー支社側、フィリア・シュードを中心とする第七次調査隊は地球本社側に属している。

クランはギデオンと顔を見合わせる。 ヴァイスに言われ、互いに考えは同じなのか、どちらからともなく頷く。
「では、隊長、準備が整い次第、作業を開始しましょう」
「そうだな。トロニクス君、グワライダーを起動させてくれ」
「へいへい。了解」
積み荷の一つであるコンテナのハッチを開くと、中からは10メール程だろうか、
少々丸みを帯び、背部からは作業用のアームが伸びている機械が姿を現した。
モビルワーカー(MW)。重機に代わり、地球や各コロニーで工事などに使用される機械である。 コックピット式になっており、精密な作業にも適しているのだ。
「掘るんスか? 隊長殿」
「軌道エレベータ建造時に、MWで少量の土は持って帰ったそうだが足りないらしいのだ
「了解ッス」
ギデオンに言われ、ヴァイスがグワライダーに乗り込もうと昇降ワイヤーに掴まった。
ヴァイスの視線とクランの視線が、重なる。
「……何か、言うことはないのかよ」
「え? 貴方との仕事は一度や二度じゃないでしょう?」
「チッ」
あからさまに嫌そうな顔をして、ヴァイスはコックピットへ登っていった。
「私、何か悪いこと言ったかしら」
「どんかーん」
 首を傾げるクランに、モモは肩を竦めてやれやれと呟いた。

同時刻…
クラン達が降り立った軌道エレベータとは別の、もう一つの軌道エレベータ…
そこに、ディヴィッド・リマーとフィリア・シュードを中心とする第七次調査隊の面々がいた。
コロニー側の第一次調査団に対抗する為、地球側から派遣されたのが彼ら第七次調査団であり、フィリアの言う諸々の事情とは、このことを指す。
どちらにも面子というものがあるのだ。
二〜六までの空いた数字に深い意味などない。
ただ、躍起になった地球側が「自分達は既に七回目の調査なのだ」という嘘をコロニー側に知らしめる為のものだった。
「ここが、火星か…」
短く髪を切り、清潔な服を着たデイヴがぽつりと呟く。
こうして見ればなかなかのさわやか好青年に見えないこともない。
「うん」
頷くフィリア。
「僕らの、記念すべき再スタートの場所だ」
「ああ…」
「呼吸、出来んのかな」
「うん。出来る筈だよ」
偶然にもクランと同じセリフを吐くデイヴと、それに答えるフィリア。
不意に、フィリアの端末に連絡が届く。
「…っと、ブリーフィングだ。デイヴ、君はパイロット達の方へ」
それじゃね、と言い、フィリアは去っていく。溜息をついたデイヴは、パイロットの詰め所へと足を運んだ。
633エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/12(水) 21:12:44 ID:???
グワライダーを操作し、黙々と作業を続けていく第一次調査団の面々。
ただ一人ミランダだけは、未だにモニターを凝視していた。 怪訝そうに、眉が動く。 心なしか瞬きも多くなっている。
それは、モニターを睨み合いを続け疲れ目になっているわけでも、 彼女の視力が悪いからというわけでもない。
「計器の故障……ではないわ。そんなはずが」
ぶつぶつと、信じられなさそうに同じ言葉を繰り返す。
「どうかしたのか。ウォン君」
「いえ……地層の調査を行っていたところ、この先約1キロ程の地下に、熱源を……」
報告する自分自身が信じられないのか、語尾が弱々しい。
そんなミランダの言葉に、目を丸くするギデオンとクラン。
「熱源? なんのだ?」
「と、突然現れたので私も計器の故障だと思ったんですが、これは明らかに地下に建造物が」
「建造物……? まさか。ここは未開拓の土地なのよ」
ミランダの持っているモニターを覗き込む二人。
しかし、ミランダが言うとおり、モニターは地下に何かがあることを示していた。
「テラ・フォーミング以前にどこかの国が建造したのではないか?」
「そんな、考えられません。どこの国だと言うんです。月?」
答えのない議論。
持ち込んだ機材は、故障がすればアラームが鳴る。そのアラームさえ故障しているというのだろうか。
「あのぉ、迷ってるなら、行ってみたらどうですか?」
問答しあっているギデオンとクランに、モモはそう告げるのだった。

「遅い」
デイヴが到着した時には、既に他のMSパイロット五名はブリーフィングをしていた。
第七次調査団が使用する空中艦「カナリヤ」…
デイヴ達の搭乗するこの輸送艦は、鯨に羽を付けたような恰好で、ずんぐりとしている。全幅が全長より二倍近い大きさであり、無駄に広い。
故にその分部屋も多く、人づきあいを煩わしいと感じるデイヴはずっと一つの部屋でフィリアと過ごしており、既になんだかよからぬ噂が立ち始めていた。
「アンタか、シュード主任とデキてるってのは」
まだ若い男が話しかけてくる。
「地球連邦軍所属、ディック・オメコスキー中尉だ。…っと、手は差し出さなくてもいいぜ。ゲイ野郎」
あぁー書いててムカツク、こいつ。読んでる時もムカツクなー、って思ってたけど。
デイヴは眉一つ動かさず、淡々と喋る。
「ディヴィッド・リマー」
「デイヴィッド、ね。ハン、とにかく足手まといはごめんだぜ、オッサン」
「おい、ディック。その辺にしておけ」
「シヴォーフ」
シヴォーフと呼ばれる男が自己紹介を始める。
「同じく、地球連邦軍所属、シヴォーフ・ラーグ中尉だ。よろしくな、ディヴィッド」
ここに集まる六名…ディックとシヴォーフの二名を除いた他の四名は傭兵という形で雇われているらしかった。
各々、自己紹介をしていく。
「カマッセ・ドッグだ、よろしく」
「ゲイリー・ターレルです、ええ」
「ネルネ・ルネールネだ」
「さて」
シヴォーフが口を開く。どうやらこの男がまとめ役であるらしい。
「ここにはちょうど六名、二小隊いるわけだ。俺とディックが隊長を務める。そこで君達にはその隊員として働いてもらう」
既に班は割り振られていたらしい。選定基準はパイロットの能力といったところだろうか。
前面にあるスクリーンに、割り振りが映し出される。
634バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/12(水) 21:14:33 ID:???
おっ!始まりましたか!期待してますよ!
新説ドルダは本家+外伝を上手く混ぜた感じですかな?
635エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/12(水) 21:19:06 ID:???
ラーグ隊
シヴォーフ・ラーグ、カマッセ・ドッグ、ネルネ・ルネールネ

オメコスキー隊
ディック・オメコスキー、ゲイリー・ターレル、ディヴィッド・リマー

「任務の内容は先日伝えた通り、火星の簡単な調査だ。そう難しくはないだろうさ。それじゃ、解散。各自召集まで待機とする」
シヴォーフが言うと、全員各々の部屋へと戻っていく。デイヴもそこに続こうとする、が…
「マジで足引っ張るんじゃねえぞ、おっさん」
デイヴは聞こえない振りをして、自らの部屋へと戻って行った。

その頃、フィリア・シュードはモニターを凝視していた。ちょうど先ほど、ミランダ・ウォンがそうしていたように。
「どうしたのだ、シュード君」
「スメッグヘッド教授」
フィリアに話しかけた男、アルフ・スメッグヘッド教授。知る人ぞ知る、火星材料工学の権威だ。
「いえ……地層の調査を行っていたところ、この先約1キロ程の地下に、熱源を……」
「何?そんなことが…コロニーの連中が…?いやしかし…」
「迅速に、かつ慎重に調査に向かうべきでしょう」
「…確かにな。これがコロニー側の仕業でないとしたら、みすみす見逃すわけにはいかん」
困惑のフィリアをよそに、アルフ教授はニヤつきながら、MS隊へ発進要請を出した。

「ったく。土いじりの次は宝探しか」
「ぼやかないでよ。でも、真実なら人類始まって以来の大発見だわ」
コックピットには、ヴァイスと共に、クランも搭乗していた。
牽引しているコンテナには、機材とギデオン達が乗っている。
「火星人かよ。発見したらエヴィデンスゼロワンとでも名付けるか?」
「もう……。貴方はいつもそうやって物事を茶化す。だから彼女が出来てもすぐに別れるのよ」
「……チッ」
また、あからさまに機嫌が悪くなった。 そんなヴァイスに、困って溜息をつく。
クランは子供が好きだったが、子供のような性格のヴァイスは苦手である。 決して嫌いではないが、会話が続かない。
ヴァイスは友好的ではないが、自分から話しかけてくることもある。 だから嫌われていないと、そう信じてはいるのだが。
『トロニクス君、一旦停止してくれ』
沈黙を、ギデオンの声が救ってくれた。 グワライダーがある地点で停止する。
「私は降りて様子を見てくるわ」
「…………」
返事は、なかった。 仕方がないと、返事を待たずに、クランはコックピットを降りた。
「どうです?」
「地下30メートル程ですね。やはり何があります」
「そうか。…………MWでは埒があかないな。爆薬を使おう」
 ギデオンの決断に、クランは驚いた。
「わ、私は反対です! まだテラ・フォーミングが終わった直後の不安定な状態なんですよ!?」
「だが、この地下建造物をそのままにしておくこともできないだろう」
「地殻を刺激したらどうするんです!? それに、今回の調査内容からは逸脱しています!!」
必死になって止めようとするクラン。
しかし、ギデオンは首を縦に振ろうとはしない。
636エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/12(水) 21:20:30 ID:???
「君とは初めての仕事だったな。副隊長を務めた回数は?」
突き刺すようなギデオンの視線が、クランを襲う。
あれだけ騒いでいたクランが、凍ったように動かなくなった。
「………………これが、就任初の任務です」
「そうか。私は16回隊長職を務めたことがある」
自信と誇り…悔しいが、クランは勝てる気がしなかった。
「あのL4第8コロニーテロ崩壊事件の時も、コロニー内の調査にあたった」
「経験の差、と。そう仰りたいのでしょうか」
これ以上反論すれば、自分が惨めになるだけだった。
クランはギデオンの返答を聞かず、一歩二歩と、俯いたまま退いていく。
そんなクランを横目に、ギデオンは無線をオンにする。
「トロニクス君、爆薬を使用する。君はそのまま待機していてくれたまえ」
『了解ッス』
無線を切ると、ギデオンはコンテナに向かう。
気まずい空気の中、クランを一瞬見てミランダがギデオンを追った。
クランは拳を握る。 その拳はふるふると小さく震えていた。
「クランさん……」
「ごめんね。モモちゃん。私、まだまだね」
顔を上げるクランだが、その顔はどこか暗い。
「爆薬の使用を反対したのは、私的なことなのよ」
「え?」
「私ね。数年前、地球で家族と暮らしていた頃に、家族を失ってるの」
左腕を押さえながら、寂しそうにクランが言う。
「建物が崩れてね。……妹の15歳の誕生日だった」
モモは、かける言葉を見つからず、ただクランの顔を見ていることしかできなかった。
クランは泣いていなかったが、じんわりと瞳が滲んでいることがわかった。
クランの過去など余所に、爆薬の設置は刻々と進んでいく。
そして……
「皆、離れろ。耳を塞げ!」
ギデオンが注意を促す。
次の瞬間、爆破のスイッチが押された。

「ったく、緊急出撃かよ…」
地球連邦最新鋭モビルスーツ、「ムウシコス」に搭乗したディックがぼやく。
その後ろには、そう新しくもない、並みのパイロットが搭乗する機体、「グワッシュ」に乗ったデイヴとゲイリー。
「おい、何とか言ったらどうだよ、この落ちこぼれ」
先ほどのブリーフィングの後、デイヴの個人データを閲覧したディックが言う。
「そうですね大変ですね」
感情が籠っていない返答をするデイヴ。
「こ、ここです。到着しましたよ」
微妙な雰囲気を取り払ったのは、ゲイリーだった。
「ン…?爆発…?コロニー側の人間か!?クソッ!行くぞ、落ちこぼれ!」
加速し、クラン達のいる場所へと向かうディック。
…と、そこに…
ビュン!一閃のビームライフルが飛んでくる。
「!!!」
間一髪でそれを避けるディック。
637エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/12(水) 21:21:25 ID:???
「ヒャハハハハハ! こりゃあ爽快だぜェ!」
正体不明機。その1機を駆るパイロットが、意気高らかに声を上げる。
かつての火星の地のような深紅の、まるで薔薇のような色彩の機体。
MAS-06ローズ。火星コロニー群の独立を訴える者達によって結成された火星コロニー義勇軍の機動兵器。
「なんなんだ、ありゃ…!」
疑問を抱くデイヴだったが、すぐにその疑問を頭から取り払い、目の前のMSへと向かって行った。

時を同じくして、陽光率いる独立派の軍勢が地球連邦に対して、宣戦布告の狼煙を上げていたのだった。
地球全域に映し出される画面演説…
「我々、火星コロニー群独立運動団体は今この時をもって、地球連邦に対し独立を宣言する!」
手にした日本刀の鞘を抜き、刀身を掲げる。
「ダイモスよりもたらされた技術が、我々を勝利へ導くのだ!!」
刀を高く突き上げる陽光。
戸惑う地球圏の人々…

爆破された眼下には、人工物だと一目でわかる外壁が姿を見せている。
爆発は、その外壁の一部にまで到達しており、内部への進入が可能となっていた。
そうなれば、ギデオンはこのまま内部の探索まで行うだろう。 制止は無理だと、クランは諦めていた。
しかし、ただで諦めるつもりは、彼女にはなかった。
「隊長、建造物の中を調査するというのでしたら、私一人でいかせてください」
「なんだと?」
「この件は、今回の調査任務の対象外と考えます。隊長である貴方が、任務外のことを?」
考えを曲げるつもりはない真直ぐすぎる視線。
そして、クランの意見も、間違いではなく正しいのである。
「隊長、計器の扱いに長けているミランダさん、技師であるヴァイス、医療担当のモモちゃん」
「君が行くのが、妥当というのか」
「各々の役割を適切に分担した結果です」
興味がないと言えば嘘になる。
だが、便宜上任務の一部としなければ、職務放棄に変わりないのだ。
「わかった。許可しよう。私より、細身の君の方が活動範囲は広そうだ」
頑なだった者同士、どちらが折れなければ決着はつかない。 建造物を発見した際のいざこざが、教訓として刻まれていた。
決着がついたその時を見計らったのか、クランの前にロープが投げられる。
投げたのは、開いたコックピットから顔を出したヴァイスであった。
「やるんならさっさとやれ。俺はそろそろ昼飯が食いたい」
「了解」
ヴァイスのぶっきらぼうだが、優しさを含んだ言い方に、クランは笑った。
ロープを装着すると、足場を確認しながら、徐々に下へ降りていく。
ヴァイス、モモ、ミランダ、そしてギデオンが、クランを見守る。
ロープを軽く引き、張りを保ちながら、クランは一歩一歩確実に、外壁に空いた穴へと急ぐ。
638エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/12(水) 21:22:23 ID:???
(やはりこれは、人が作ったもの……)
間近で見る外壁は、自分達が普段目にする建物の素材と、何ら変わらないように思える。
クランは上にいるグワライダーを見た。
グワライダーから伸びるロープは、まだ余裕がある。
グワライダーから自分を見ているであろうヴァイスに合図を送り、クランは穴の中へ降りた。
「ロープを。ゆっくりと降ろしてください」
無線を使って、ヴァイスに指示を送る。
返事はなかったが、ロープに繋がった自分が静かに下に向かうので、安心する。
建造物の中は、空いた穴から入る光だけしかなく、内部がどれ程の広さなのかも把握できない。
クランは落ちた瓦礫の上に着地する。
瓦礫の下の床は頑丈なのか、落ちてきた瓦礫でも大した損傷はない。
クランは空いた穴を見る。
(天井だけが壊れた? 天井の壁は、床とは違う材質?)
老朽化して脆かった、というわけではないように感じる。
「扉……ハッチ」
想像でしかないが、どこかで確信している。
クランは、ライトを点けた。
目の前に飛び込む、情景。
「これは……!!」
片膝をつき、王の前で一礼をする騎士のように、巨大な人型の機械が、そこにいた。
ロープを外し、クランは恐る恐るそれに近付いていく。
「貴方は誰? 何処から来たの?」
幼い子供に問いかけるように、クランは呟いた。
そして、あるものを見付ける。
胸部らしき場所に、アルファベットの羅列。所々掠れており、全てを読み解くことはできない。
「これは、地球の、ものなの?」
本当に、月かどこかの国が、この建造物を造ったというのだろうか。
アルファベットを、目で追う。
「ドール、ディーエー……ドルダ?」
クランは、本能的に何か恐ろしいことが起きるかもしれない、と思った。

その頃、少年アレスも行動を開始する。
「ガンダムマルス…アレス・ルナーク、出る!」
クラン、デイヴ、アレス…三人の人間を中心に、刻は動き出す…

二話 終
639エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/12(水) 21:25:19 ID:???
今回もコピペを使った駄文投下マシーンです、ええ。
軌道の乗るまではその作戦を…っていう言い訳…
しかし今回は長くなったなー疲れた
そんなわけで出来上がったら三話投下します。あんまり期待しないでくださいねっと。
640バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/12(水) 21:40:19 ID:???
>>エルト殿
GJ!!
こうして、ドルダ作品を一つにするとドルダの世界観の可能性を感じました!
三人の主人公と三機のガンダム…壮大ですが頑張ってください。
とりあえず乙です!
641エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/12(水) 21:55:42 ID:???
>>バルド氏
以前機体の更新はちょっと待ってー
と言いましたが、この流れだと既出のものを使うので、更新してくれておkです
それといつもwiki更新乙です!
642バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/13(木) 12:56:13 ID:???
学園ドルダ

いつものようにいつもの朝がやってきた。ある家庭では朝食にトーストを焼き、
ある家庭では亭主が新聞を読む。そしてまた、ある家庭では一家団欒でテレビの
ニュースを見ていた。そのニュースはこう報道されていた。
「…(続いてのニュースです。昨夜未明、ホライサンシティに発生した高層ビル爆破
テロ事件の主犯と思われる人物が逮捕されました。事件発生時の映像です。)…」
ニュースキャスターが最初にそう語り、事件発生時の映像に切り替わる。画質がお粗末で
個人で撮影したと思われる。赤と灰色と黒の入り混じった煙が高さ13階まであると思われる
高層ビルから発生し、そのコンマ数秒後に擬音語に出来ない爆音が鳴り響く。そして今度は
「きゃぁぁああぁ!」
「何!?何だこの音は!?一体、何処で何が起きた!?」
「あっちだ!あっちのビルの方だ!……間違いない、テロだ!!!」
まさか自分の街で、自分の目前であるはずはないと思っていた事が発生し、あわてふためく
通行人。並行して逃げ回る人を押しのけて逃げ回る人。自分の命を守るため、事件の第三者は
互いに人を蹴落としあっていた。映像に夢中になった頃にニュースキャスターのアナウンス
が入った。
「…(続いて、事件後の映像です。)…」
事件後の映像に切り替わる。インタビュアーがカメラ目線で挨拶をし、事件に立ち会った人
に次々と取材始めた。小太りの40代くらいの中年男、流行的な女性、様々な人が回答した。
「またテロか。全く、困ったものだよ。で、犯人はどのクレイジー、ゴンゾ、馬鹿なんだ?」
「今日は彼氏とデートだったのよ!待ち時間にも間に合わずに通行止めって信じられない!」
「すぐ近くにいたから揺れるんだ。見てくれ、ハンバーガーのケチャップが台無しだよ」
怒り口調な者、皮肉のきいた口調な者、涙目な者、多くの人がカメラに向かって発散した。
再び画面がニュースキャスターのいるスタジオに切り替わる。
「…(この事件での死傷者は19名です。内、死者3名、意識不明の重体者が2名、重傷者が8名、
軽傷者が6名です。今回の事件の犯人は34歳、住所不定、無職の男性、マック・ロス容疑者。
本日、13時より警察による事情徴収が予定されています。では、続いてのニュースです)…」
約10分に及んだこのニュースが終わった頃には家族全員朝食を終え、仕事や学業などで家を
出発した。

第二話 一個人単位では平和でも平和じゃない一個人が近くにいると平和じゃなくなるかも?
643バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/13(木) 12:57:17 ID:???
「よし、今日は目標リフティング1200回だ!」
今日の登校風景。グレンがパックのミルクを飲みながらサッカーボールをドリブルしている。
「お前なぁ……勉強とかしろよ。成績悪いと退学とかするぅぅぅぅぞ?」
煉滋がちょっと声優っぽく舌を巻きながら言う。実は最近、この芸を学校で披露している。
「保体の単位は取ってるし、クラブとかで先生に気に入られてるから大丈夫だろ」
「まぁ…アレだ。お前は良いよな、お気楽で。ついでに言うと…喉乾いた。それ一口くれよ」
そういいながら開封済みのグレンのパックミルクを煉滋が受け取る。ゴクゴクと飲んだ。
「ぷはー…やっぱ体調管理の必要な者同士ミルクは必須だね!元気出るね!」
「お…お前……俺のミルク全部飲みやがったな…!……トホホ…いいもんいいもん」
なけなしの小遣いで買ったミルクを全部飲まれたグレンが半泣きを演じた。

「ねぇねぇ!今日のニュース見た!?」
「見た見た!ホライサンシティでビルが爆発したアレでしょ?」
「いや、ってゆーかそれよりも…そう、ハンバーガーのあの人!」
「うっ…ぷぷ…確かに…。アレには笑った…。」
ここは頃奈たちの学年とは別の学年のクラス。この時代、テロに関心を示す学生は多かった。

一方、こちらは頃奈たちの1学年。そのクラス7組。このクラスではテロ事件以上に別の話題が
教室を賑わしていた。
「お前誰だ?このクラスの奴じゃねぇよな?場合によっては…」
体格の良い普通科の男子が見知らぬ男子に絡む。
「君には関係ないだろ?…(さて、娘さんは何処のクラスにいるのか…)…」
見知らぬ男子が返す。すると、体格の良い男子が見知らぬ男子の胸倉を掴む。
「何のつもりだ?やめておけよ…怪我をするぜ?」
「お前は誰だ…名前は何だ…何処から来た…なぜここにいる!?」
体格の良い男子は方法こそは間違っているが、クラスの平和と秩序を重んじているからこそ
の行動である。見知らぬ奴がいたら問い詰めるのは当然だろう。少々行き過ぎた感じでも
あるが。次の瞬間、体格の良い男子の視界は教室の天井だった。
「な…!」
「俺の名はディラン・クロス…このクラスに転校してきた」
ディランと名乗る男子は、女子生徒を中心に注目を集めた。次第に生徒が教室に登校
してくる。グレンと煉滋もやってきた。
「あっれー…今日は頃奈来てないのかぁ……」
その言葉にディランは目を丸くする。
「遅刻じゃないか?アイツ寝坊癖あるからねー」
「なぁグレン、それにしても今日はやけに女子のテンション高くないか?」
「むぅ…確かにね…。どうしたんだいキミ達、テロ事件がどうかしたのかい?」
グレンが女子生徒の集団に話しかける。一部、避難的な態度を示すものがいた。
644バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/13(木) 12:58:36 ID:???
「何?もしかしてバカベル知らないの?」
「バカベルはやめろよ!俺はグレン・ベルクンだ!君でもなく…くんでもなく…クン!」
「どれも一緒でしょ?それにバカにバカって言って何が悪いの?」
「いや、だから…ホラ、学園の憲章で人を人として大切に接するっていうのがあって…」
「うるさいわねぇ…男のくせに理屈っぽいよ?それでもスポーツマン?」
「あー…ハイハイ分かったよ…めんどくせぇな…ったく。んで、話しを戻そうか?」
口喧嘩終了。やはりこの年頃の男は同年代の女に口先で勝とうとするのが無理がある。
「いや、それがねぇ…転校生のディランクンが格好良くて可愛くて強いの!」
愛と妄想と理想のメロメロモード発動する女子生徒。それも本人の前で。
「……………ハァ?」
女って分からない。遊び優先で生きてきている者なら誰もが感じたことはあるだろう。
グレンも例外ではなかった。そんな時、ご本人から声がかかった。
「……君、宗谷様の連れだな?」
唖然とするクラス一同。ディランが指差したのはグレンだった。
「…へ?…俺?…ってか様?ってか何で知ってるん?…あーもー…いいや、めんどくせぇ!
宗谷って…頃奈?宗谷頃奈のこと?」
グレンが前後左右を確認し、自分を指差した。ディランが頷いた。
「…そうだ」
「あー…ゴホンゴホン、お客様?グレンも言ったけどお前さ、頃奈とどういう関係なのさ?」
駅員さん風味の鼻声で煉滋が言う。
「…(ねぇ…やっぱりそうだよ。楠川の奴、頃奈ちゃんと付き合ってるんだよ!)…」
「…(宗谷さんいっつもアイツの事見てるし…アイツも意識してるっぽいし!)…」
一部の女子が小声で例の噂について話していた。それに気づいたディランは言った。
「君たちの宗谷様に対する無礼は許せないが…まぁいい、教えてやろう。俺と宗…」
教室のドアが開く音が聞こえた。誰かが登校してきたのだろう。サイドで結んだ黒髪。
大きな丸眼鏡。間違いなく宗谷頃奈だった。
「…あのー、皆さん揃ってどうしたんですか?」
「…おお…貴女様は…宗谷様!…まさか同じクラスだったとは…お会いできて光栄です!」
何かを崇拝するように頭を下げ、頃奈の右手を取り、その可憐な甲に接吻した。
「…あ……あの……いきなり…なん…なんですか……?」
頃奈にとっては手の甲とはいえ、初めてで、それもみんなの前で異性に接吻されたので赤面
していた。
645バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/13(木) 12:59:22 ID:???
「あ…の…ね…!?君、何したか分かってる?分かってないよね?ここでそういう事するの
やめてもらえないかな?ここはみんなの教室だよ?」
煉滋がちょっと不機嫌そうに言う。ディランが返す。
「別に普通だろ?もしかしてそういうのも、した事がなくて?」
そう言いつつも、実は今回が初めてだったりするディラン。
「それに、みんなが黙認してる中、なぜ君だけが不服するのか?」
ディランが付け足す。これには煉滋も焦る。
「う…!みんなが認めても俺が認めなければそれは認められないのだ!」
「ほぉう…つまり宗谷様の事がお好きで?」
「な…なんでそうなる!それに…俺だってキスしたことくらいあるぞ!」
大きな嘘。そして、心の奥底で頃奈を意識していることを必死に捏造する煉滋。
「宗谷様とキスしたのか…聞き捨てならないな…?」
「だから!なんで!!そうなる!!!違う!違うぞ!!!」
その言葉を聞いて、冷や汗をかく頃奈。自分は彼に愛されていないという不安がよぎった。
「じゃあ、宗谷様とキスしてごらんよ?俺の前で!彼女の前で!!この大衆の前で!!!
違うならキスくらい出来るはずだぞ?」
ディランの一言で教室が熱気と歓声でいっぱいになった。
「ムッカつく野郎だ!ああ、分かったよ!やってやるよ!」
「煉滋!煉滋!煉滋!煉滋!」
ディランが手を叩き、煉滋コールをする。教室の生徒も、それに続いて煉滋コールをした。
「やめろっ!!!!!!!」
その大声で教室は一気に静まり返った。その大声の主はグレンだった。
「お…お前らな…第三者は自分に被害がないからってエンターテイメントにして…!
この場合の最大の被害者は煉滋でもディランでもなく、頃奈なんだぞ!本人は恥ずかしいん
だぞ!怖いんだぞ!人の心と身体をゲーム感覚で弄ぶな!」
グレンの必死の叫びがただ、教室に鳴り響いていた。
「ゴメン…悪かったよ…!」
煉滋が頃奈とディランとみんなに謝る。頃奈はグレンに耳元で囁いた。
「ありがと」
それを見て、煉滋とディランだけが良い顔をしなかった。
「お前は?」
グレンがディランを指差す。
「お前も謝れよ?」
グレンの言葉にディランは頭を下げて謝った。
「教室のみなさん、そこの…楠川さん、そして宗谷様、転校初日ながらの無礼を深くお詫び
申し上げます」
「あ…ああ」
煉滋はきょとんとしていた。
「自己紹介がまだだったな。俺は楠川煉滋、よろしく。」
「こちらこそ、ディラン・クロスだ、今後ともよろしく。」
二人は右手と右手で握手を交わした。その同時にチャイムが鳴った。
646バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/13(木) 13:00:03 ID:???
「えー、突然だが、今日は転校生の紹介をしよう。入りたまえ。」
担任のクラーク・クラーク先生が教卓の前で言う。教室から入ってくるのは案の定、ディラン
だった。
「ディラン・クロスです。よろしく。」
ディランは名前を名乗る。しかしクラス全員は少し前に知っているが。
「ディラン君はイギリスの通信制ハイスクールより転入してきた。みんな仲良くしてやって
くれ。では、空いている席は…っと。おお、楠川の隣が空いているな。」
ディランは煉滋の隣の席に着いて小声で挨拶をする。
「よろしく。さっきは悪かったね。」
煉滋が返す。
「あ…ああ、よろしくな。全然気にしてないよ…(なんだ、結構良い奴じゃん)…」

昼の休憩時間。
「へぇ…お前もMSパイロット科なのか。」
煉滋が言う。
「実は、父上が軍人だからね。俺も跡を継ごうかなって。」
「奇遇だな、俺も軍人志望なんだ。お前とは仲良くできそうなので話してやるよ。実はな、
俺さ、1年くらい前に家族でアメリカへ行った時にこないだのホライサンシティみたいな
事件が起きて、その時に家族が全員死んじゃってね…」
煉滋が皮肉そうに言う。その言葉がディランの記憶を呼び覚ました。
「そうか…辛かったね。それで笑ってられるって凄いよ…(…俺が指揮したテロだ…!)…」
当時の事件の犯人はボリス・クライド。かつてのディランの仲間である。
「そうでもないさ…心の中では今でも泣いてるよ。まぁ、同時に夢を掴んだ。テロや紛争を
無くすために軍人になるんだ!それが俺の掴んだ夢だ!」
それを遠くから見ている頃奈。
「…(煉滋…良かったね…打ち明けられる仲間が出来て…)…」
ディランが言う。
「よし、お近づきの証として俺も腹を割るよ。俺の父上は火星軍なんだ。で、宗谷様の父上も
火星軍。俺の父上より宗谷様の父上の方が階級も高い。だから俺は宗谷様と呼ぶんだ。宗谷様
の父上から頼まれて、宗谷様を守らなければいけないんだ」
煉滋を傷つけないように上手くはぐらかすディラン。
「そうか…そんな関係だったのか…誤解して悪かった。じゃあ、こうしよう!頃奈は俺と
グレンとお前で守ろう!そのために午後からMSに乗って模擬戦!模擬戦!」
「…うん!…(やめてくれ…俺と仲良くしないでくれ…!)…)」
地球軍に反逆すべく地球に工作員として送り込まれたディラン。その存在は任務を達成する
ための人間兵器でしかなかった。兵器に心は必要ない。そんなディランに人の心が芽生えよ
うとしていた。
647バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/13(木) 13:04:41 ID:???
以上、学園ドルダ第二話ですた。
…とまぁ昼間っから学園ドルダを書き込むニート野郎ですw
というワケでwiki関連のネタや誤字脱字などがありましたらバルドまで。
648571:2008/11/13(木) 18:20:09 ID:???
エルト氏、バルト氏、GJ!!
新訳ドルダ、うまいことつなげてるなぁ〜。
なんか、そうきたか!!って感じです。
そういえばドルダ、ドルチェ、マルス以外のもう一機の新しい機体、どこの機体にしたらいいですか?
それで武装やら性能やら変わりますし・・・

学園ドルダも乙です!
どたばたしてきましたねぇ〜。学園モノらしく。
ベル君がんばれ。

なんかいろいろ忙しくなってきたので顔出す回数少なくなるかもしれませんが少なくならないかもしれません。
649エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/13(木) 21:24:35 ID:???
>>バルド
GJっす。

>>571
もう一機のガンダムは登場するかもしれないし、しないかもです
まだ未定っすね。
一応武装やら能力は自分で話の流れに合わせて考えるつもりです
名前は月にちなんでガンダムアルテミスかセレーネガンダムとかテキトーに考えてますがw
650バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/13(木) 21:44:35 ID:???
>>648
感想ありがとうございます。
学園ドルダはガンダムW+オリジナルって感じですね。
ディランははキャラ的にもデザイン的にもヒイロっぽくなったw
そしてなんだか逆ハーレム展開になってしまったww

今回の学園ドルダ反省点としては、主人公である宗谷頃奈が空気化している
事ですね。次回辺りに出番持っていきたいです。

いっその事、∀の設定を生かして外宇宙から来たアンノウンにして
各勢力が戦力増強のためにその機体の争奪戦してみたり。で、物語が
進むごとに第一次調査隊から第七次調査隊、火星軍から反宇宙連邦組織
と、所属を移籍し、移籍した果てに壊れるとか。ハイ、妄想です。          
651バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/13(木) 22:10:46 ID:???
ちょっと妄想でオリジナルの武装だけ考えてみた。微妙に厨臭いので注意。
http://www8.atwiki.jp/gundam_dollda/?cmd=upload&act=open&page=%E7%94%BB%E5%83%8F%E4%BF%9D%E7%AE%A1%E5%BA%AB&file=%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%89.jpg
名前 ビームガンブレード

ビームライフルとビームサーベルの利点を併せ持った武器。トリガーを引くと
普通にビームが飛んで、トリガーを二回押し(二回目は長押し)でビームが
固定され、ブレードになる。ブレードの長さは二回目の押しのタイミングで
変わる。(ただし、長ければ長いほど、火力と強度は落ちる)
トリガーを放すとビーム固定は解除され、飛んでいく。

これによってフェイントをかけた戦闘が可能になる。
652エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/13(木) 22:16:48 ID:???
>>651
ナドレのビームライフルが確かそんな感じの能力でしたよねw
653エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/13(木) 22:20:36 ID:???
>>651
途中で切れてしまった…

いいですね。ただ問題として、ドルダが空気化してしまう恐れが…
まあその場のノリと雰囲気で進む新説なので、軌道に乗るまでもうしばらくお付き合い下さいw
654バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/13(木) 22:40:44 ID:???
>>652
はい。このガンブレードは一見、厨臭く見えても実は応用の利く武器だったり
するようにしました。この武装は特定の機体のために作った武器ではないので
ドルダに持たせるなり他の機体に持たせるなり誰にも持たせないなりは
ストーリー優先でおkです。

確かに空気化するかも…。ガンダムはいつの時代でもその他の機体を圧倒する
機体なのでドルダ、ムウシコス、マルスで良いと思います。あと、ドルチェが
どう出てくるのかが楽しみです。
655バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/14(金) 16:20:46 ID:LMy1wqUG
656571:2008/11/16(日) 12:35:42 ID:???
キャラデザ&WIKI更新乙です。
>>651
新武装ですか!確かに戦術性は高いっすね。
657バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/16(日) 16:06:50 ID:???
>>656
レスありがとうございます。あと、ちょっとwikiの仕様を変えてみました。
658エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/17(月) 02:30:44 ID:???
どうも。学祭もういいや…エルトです。
バルド氏いつも乙です。

どうでもいいですが、新説のMS設定をば。
若干本編・アナザーとは異なるようになると思うので。

第一次調査団
グワッシュ、ガンダムドルダ、ガーランド

第七次調査団
グワッシュ、ドグッシュ、ムウシコス(ガンダムではなく完全な別物)、ガンダムドルチェ

ダイモス(ベイトの勢力)・独立派
ローズ、ドル・デー、ガンダムマルス

それと新説は本編及びアナザーとは完全な別物になると思うので、お手数かけますがwikiで分けていただいた方がいいかもかもです
まあ分ける必要性もないっちゃないんですがw
ちなみに新キャラのアレスは刹那やヒイロみたいな性格の予定。
ではスレ汚し失礼しました
659571:2008/11/17(月) 17:53:43 ID:???
>>バルト氏
お、wikiが見やすくなってる。
ご苦労様です。
>>エルト氏
各勢力のMS、乙です。
アレスは刹那やヒイロのような性格なんですか。また笑わなそうなww


こちらも武装を考えてみましたが……なんだか厨臭く。
あ、あと絵は勘弁してください。自分は描けないんで。というわけで

名前 ナインテール

ガンダムWのエピオンガンダムの使っていたような、鞭上の特殊ワイヤーに山形の刃をつけた物
広い攻撃範囲を誇り、物理攻撃の面でも優れている。
先端からは低出力ながらビームが発射され、射撃にも転用可能。
また耐ビームコーティングが刃に施されており、ビームサーベルを受けることも可能。
予測できないその動きと鋭利な切れ味、そして射撃と非常に厄介な武器。
ただし扱いが非常に難しく、特殊なシステムを介してしか操作できない。
さらにその上パイロットの高い技術も必要。
機体の背部、または尻部に九本設置されていることがその名の由来。

  特徴 『着脱式』

ちなみに特殊なシステムはイメージではゼロシステムのようなもの。
660バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/17(月) 20:19:26 ID:???
>>659
レス感謝です!

これはまた奇抜な…後半のライバル機体とかに出てきそうですね。
意外とファンネル系の武器に匹敵する装備なのでは?

ちょっと妄想でその武器を装備する機体名を考えてみました。
ストレートですが「九尾」とか?
661エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/18(火) 04:17:09 ID:???
どうも、こんな時間に起きてるバカです。いいんです、学生という名のニートなのでw
深夜の誰もいないうちに、三話投下します。
あと、バルド氏wikiの編集いつも乙です。俺その辺よくわかんないんで…w
571氏も乙です。その武装、後半あたりベイトの搭乗する機体の武装にいいかと思っとります。
ちなみにビームガンブレードはマルスに装備させましたw

ではいきます
662エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/18(火) 04:18:30 ID:???
新説ガンダムドルダ 第三話 邂逅

「ガンダムマルス…アレス・ルナーク、出る!」
少年・アレスが乗る機体、ガンダムマルス。
その名の通り、火星コロニーを救う為に製作された機体だ。
紅く塗装された全身には、憤怒を纏わせ宇宙を駆ける少年自身の姿が映されているようである。
プロフェッサー・ティモール…それがこの機体、ガンダムマルスの設計者の名であった。
稀代の天才であり、宇宙一の変人…と称される彼がロストテクノロジーを駆使して作り上げた、彼の最高傑作である。
その目的は、表向きにはマスター・ベイト火星軍大佐及び宗谷陽光火星軍大尉率いる反地球連邦組織・ダイモスによる連邦打倒幇助である。
しかし、その本当の建造目的は、設計者であるティモールと、少年・アレスのみぞ知るところであった。
(シンシア…)
アレスは目を細めて険しい表情になる…先程陽光と邂逅した時の無表情さからは信じられないほどに。
(君を何者にでも渡してなるものか…!)
MA形態に変形し、その加速はとどまることを知らない。
マルスは間違いなく進宇宙歴102年現在における最速の機体であった。
(そうさ、シンシア…君は、俺が助ける!この俺が…!)
ガンダムマルスは、動き出す刻と共にクラン・デイヴのいる建造物地点へと向かう。
アレス…その機体、ガンダムマルスと同じ名を持つ少年は確固たる信念を抱く瞳で、ただ一点のみを見続ける。
約束の地へ、赤き一筋の閃光が降り注ぐ…!

「オラオラ、どうした!連邦の狗共が!」
「ク、ソッ!調子に乗りやがって…!」
クラン・R・ナギサカが謎の機体と邂逅を果たして、また、アレス・ルナークがガンダムマルスを駆るのと同時刻…
デイヴィッド・リマーを始めとする六名のMSパイロット達は、同数のローズと交戦中であった。
「こいつを食らいな!」
ビュン!放たれたビームライフルがカマッセを襲う。
「うああああ!」
「カマッセ!応答しろ!」
カマッセ・ドッグの搭乗する機体、ドグッシュは無残にも宇宙の塵と消えた。
「各機、編隊を崩すな!おい、ディック!デイヴィッド!応答しろ!」
叫ぶシヴォーフ。
「…もういい!各機垂直軌道をとりつつ敵機に取り付け!ビームといえども直線だ!」
シヴォーフは右腕に装備したビームライフルでけん制しつつ、スラスターの推力を全開にした。
「うおおおお!」
ザシュ!抜き放ったビームサーベルが、ローズの左腕を切り裂く。
「うっ!」
苦痛に顔を歪ませるローズのパイロット。
(こんな所で死ねるか…帰ったら、言うんだ。彼女に…結婚しようって…!)
自らを鼓舞し、乗機であるムウシコスの体勢を立て直す。
「よし!このまま突っ切るぞ!ネルネ、ゲイリー!援護を頼む!」
シヴォーフの雄叫びが、戦場に勇ましく轟き渡る。
663エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/18(火) 04:19:19 ID:???
(何で着いてくんだよ、あのガキ…!)
シヴォーフ達との編隊から一人離脱したデイヴは、二機のローズと戦闘を繰り広げていた。
射撃C 近接格闘B− 機動性C 精密動作能力C 回避動作B−…
地球連邦軍退役時の階級は曹長…これが、デイヴィッド・リマーの成績であった。
ちなみに、Bを基準値としたものであるので、デイヴの成績はどちらかと言えば芳しくない方に当たる。
「てめえ一人で突っ込んでどうなるってんだ、落ちこぼれ!連邦のエース、オメコスキー様が付いてってやる!感謝しな!」
ローズに突進していくデイヴのグワッシュを援護しつつ、ディックのムウシコスがビームライフルを放つ。
「オラ、ちゃんと避けろよ!落ちこぼれ!当たっても知らねえぞ!」
そう言いつつも、ディックのビームライフルは正確にローズの胸部を捉えていた。
さてはこの男、ツンデレだな?
「ぐおっ!」
仰け反るローズを前に、デイヴは冷静な判断を下す。
(よし、この距離なら…!)
グワッシュのリニアライフルで更なる牽制を加える。ただ、その射撃能力からまばらに当たり続けていたのだが。
「調子に乗るなよ!ヘタクソが!」
叫ぶローズのパイロット。すかさずグワッシュに蹴りを入れ、その反動で距離を取り体勢を立て直す。
「うっ!」
デイヴの顔が苦痛に歪む。
「落ちこぼれ!」
ディックのムウシコスがグワッシュを受け止め、すかさずビームライフルを撃つ。
「当たれよ!」
「食らうかよ!」
放たれたビームを避けたローズが、二機でフォーメーションを組み突進してくる。
「二対二なら、ローズが勝つに決まってんだろが!」
「やってみなきゃ、わかんねえだろ…!」
目を細めるデイヴ。
完璧な陣営…見事なほどに隙がない。
デイヴとディックは、お互いの隙をカバーしあうようにしながら二機のローズに向かっていく。
(この落ちこぼれ、意外と動けるじゃねえか…)
まさかこの俺の共同戦術に着いて来れる奴がいるとはな…ディックは聞こえないほどの小さな声でそう呟き、唇を舐める。
ディック・オメコスキー…
射撃B+ 近接格闘A 機動性A 精密動作能力B− 回避動作A…
優れたエースパイロットではあるが、いかんせん短気な性格とトリッキーな戦術の為、彼とフォーメーションを組める人間などそうはいない。
故に単機での作戦行動を得意とするが、その為他者との触れ合いもなく、また彼に嫉妬する多くの者のやっかみが、元々ひねくれ者である彼の性格に磨きをかけ、現に至る。
そして彼は知らない。何故デイヴが自らの動きに一分のズレもなく着いて来れるのかを…
664エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/18(火) 04:20:09 ID:???
デイヴィッド・リマー
備考:状況判断能力S

そう、デイヴがフィリアにスカウトされた最大の理由が、そこにあった。
人生で最高の親友、最も信頼できる友人など、理由は他にもいくらでもある。
しかし、デイヴの状況判断能力は、その全ての理由をオマケの一言で片づけられるほど優れたものだった。
「落ちこぼれ!前方カバーを…」
ディックが言い終わる前に、デイヴはグワッシュをムウシコスの前方へ。
敵の放つビームを自らの左腕を犠牲にし、ムウシコスの為に時間を作る。
ちょうどムウシコスの全身を庇うようにして、ローズにムウシコスを攻撃させまいとしていた。
「そんなに死にてえなら、まずはお前からだ!グワッシュゥゥ!」
ビームサーベルを抜き放つ一機のローズ。
「よし!上出来だ!下がれ、落ちこぼれ!」
ローズのビームサーベルを、紙一重で避け、今度はムウシコスの左方へと進む。
「チャージ完了!食らいやがれ、アンノウンが!」
ムウシコスが自らの右肩に掲げたビームキャノンが、一筋の軌跡を描きローズの元へと飛んでいく。
「何!?」
断末魔を挙げる暇もなく、ローズの機体は爆散する。
「よしっ!やったな、落ちこぼれ!」
ガッツポーズのディック。久方ぶりの充実感に包まれた表情だ。
それに対して、少しほほ笑んだデイヴが皮肉っぽく言う。
「ええ、クソガキ中尉殿」
「なっ!おまえ!せっかくこの俺が感謝してるってのに!」
言った後、ディックは慌てて弁明を始める。曰く、すべては俺様のお陰だそうな。
…くやしかったからツンデレにしてみた(おいw)
「バカな…!?ローズだぞ!?たかがムウシコスとグワッシュ風情に…!」
もう一人のローズパイロットは、信じられないと言った表情で、体勢を立て直すべく、シヴォーフ達と交戦中の同胞の元へ向かう。
「逃がすかよ!」
ディックとデイヴがローズを追おうとした刹那…!
一閃のビームライフルが、ムウシコスのビームキャノンを破砕した。
「「!!」」
驚愕のデイヴとディックに、喜びの笑みを漏らすローズパイロット。
「マルスだ…皆、ガンダムマルスが来たぞー!」
一斉に視線を向けたその先には、火星の神の名を持つ真紅の機体が、静かにたたずんでいた…
665エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/18(火) 04:20:54 ID:???
「ドール、ディーエー……ドルダ?」
目の前の機体を、恐怖と郷愁と慈愛とが混ざった複雑な想いで見つめ、クランは呟く。
機械に触れようと手を伸ばす。
しかし次の瞬間、天井に亀裂が入り崩れる。
そう思ったクランの中に、記憶がフラッシュバックする。
『お姉ちゃん!!』
『シンシアぁッ!!』
叫ぶその声は、崩れ落ちる壁に掻き消される。
記憶と重なるように、建造物の天井も、落下してくる。
クランは、意識を手放した。

(何だ?なんなんだよ、この感じ…!)
目の前の紅い機体を見て、デイヴは動揺を隠せないでいた。
いや、機体そのものに恐怖を感じたとか、そういう安っぽい理由から来る動揺ではない。
(機体…じゃ、ない…むしろ、中のパイロット…アイツは…!)
知っている…!俺は、こいつを、知っている…!
まるで、遠い昔に別れたもう一人の自分のような、かけがえのない存在のような…
デイヴは、フィリアに抱くのとはまた別な親愛の念を、マルスのパイロットに抱き始めている自らに動揺していたのだった。
(俺は…!)
そう思ったデイヴの中に、記憶がフラッシュバックする。
『助けてよ、軍人さん!お願いだから、僕はどうなっても構わないから…!』
震えるデイヴ。無力感という非常な刃が、彼の体をゆっくりと蝕んでいく。
(何故、今思い出すんだ!あの時のことを…!)
マルスとの邂逅を果たし、唐突なデジャヴに襲われた後、今度は突然のジャメヴがデイヴを襲った。
「システムエラーか!?おい、落ちこぼれ!応答しろ!!」
機体の操縦方法を一瞬忘れるデイヴ。なす術もなく、宙に漂うグワッシュ。
(俺は…!)
大量の冷や汗をかき、ガクガクと震えるデイヴ。
(そうだ、あの時…!助け、られなかったんだ…!)
おい、おい!デイヴに呼びかけるディックの叫び声が、虚しく戦場にこだまし続けていた…
666エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/18(火) 04:21:47 ID:???
ハッと覚醒した時には、自分は運良く人型の機械の間に倒れていて。
助かったことを感謝しながらも、落ちた天井と衝突したはずなのに、
横に倒れただけでほぼ無傷に近いそれを心底不思議に思い眺めている。
クランは先程とそれが、一つだけ違っていることに気付く。
胸部が、開いているのだ。
「コックピット……?この機体…?」
人が乗っているのだろうか。
クランはゆっくりと、コックピットらしきそこへ近付いていく。
もしも敵意がある者が乗っているなら、気絶している時に殺されていたはずだ。 そう考え、クランは中を覗いた。
「えっ……!?」
中には、少女がいた。
年齢は、15か16。亡くした妹に近い気がした。
自分と同じように気絶しているのか、或いはもう死んでいるのか。
「うっ……」
「生きてる。貴女、大丈夫!?」
生きていることがわかり、思わずクランは近寄っていた。
外傷がないことを確認し、体を揺する。 すると、少女は静かに、瞼を開いた。
「…………あなた、だれ?」
虚ろな表情で、そう問われる。
クランは少女が無事なことに安堵し、口を開いた。
「私はクラン。クラン・リザレクター・ナギサカ」
出来るだけ柔らかい口調で、そう名乗る。
『ナギサカ君、聞こえるか!?』
今度はこちらから訊き返そうとしたが、ギデオンの声が飛び込んできた。
「は、はい! 聞こえます」
『無事なようだな。良かった。上で大変なことが起こった』
「地上で何かあったんですか?」
『いや、もっと上だ。火星コロニーの独立強硬派が武装蜂起した』
「!」
ギデオンの言葉を聞き、クランに緊張が走る。
以前から火星コロニーでは民衆が独立を訴えていた。
火星コロニーは決して豊かとはいえず、移民を開始して100年以上経過した今も、 管理、統括を行っている地球連邦政府の食料自給の制限によって貧困にあえいでいる。
過激な運動家がいるのは知っていたが、まさか武装蜂起にまで発展するとはと、クランの表情が暗くなった。
「わかりました。……ロープは大丈夫みたいですね。至急戻ります」
外を見て、まだロープが垂れ下がっているのを確認して、クランはそう返した。
『頼む。強硬派の機動兵器、人型らしい。それが軌道エレベータのステーションにも向かっているらしいのだ』
「人型……? 了解しました」
人型と聞いて、すぐにこの機体が浮かんだ。
この施設は、火星コロニーの独立派が建造したものであるのだろうか。だとしたら、この少女は一体…?
667エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/18(火) 04:25:46 ID:???
デイヴが動けないでいる中、マルスに搭乗したアレスも同様に戸惑っていた。
(このグワッシュから、特別なものを感じる…!)
この俺が、引き金をひけないでいる?そんな筈はない…!そんなことが、あってたまるか…
頭を振り、必死の思いで自らを鼓舞しようとするアレス。
(俺は、彼女を…シンシアを、助けなければならない…!)
そう思ったアレスに、記憶がフラッシュバックする。
『シンシア、シンシア!』
『お姉ちゃん!!』
『シンシアぁッ!!』
崩れ落ちる、世界。叫ぶ己と、終わる世界。
『助けてよ、軍人さん!お願いだから、僕はどうなっても構わないから…!』
「何やってんだよ、アレス!」
ローズパイロットの一言で、引き戻される。
「今がチャンスだ!こいつらさっさと片付けて、アレを持ち帰るぞ!」
ビームライフルの照準をデイヴのグワッシュに合わせ、引き金を引こうとするローズ。
(ダメだ…!)
大量の冷や汗をかき、乱れる瞳。
「ダメだ!」
マルスの持つビームガンブレードが一閃、ローズの機体を切り裂く。
「アレス!何しやが…うわああああ!」
爆散するローズ。ハッ!我に帰り、必死の思いで頭を振るアレス。
「俺は…一体…」
うぅ、わあああああああ!!
少年の絶叫が、戦場に響き渡る。

「……来る」
「え?」
「近付いてる」
少女が、言った。ギデオンの話を聞いていたのだ。
強硬派がステーションに向かっているということ言っているのだろう。クランはそう思った。しかし、それは少し、違っていた。
開いていたコックピットハッチが閉まっていく。
「な、何を!?」
次々と点灯していくモニター。
「起動システム正常……うぅっ」
「どうしたの? 大丈夫!?」
呻く少女に、クランが声をかける。 しかし少女は、クランの声が聞こえないのか、無視するだけだった。
機体が大きく揺れ、クランは少女が座るシート脇にやむを得ず滑り込む。 しがみつき、揺れに耐えるしかない。
「駄目……思い出しては駄目……駄目……」
クランは呪文のように、そう繰り返す。
暗く狭い空間に閉じ込められた悪夢のような記憶…それが彼女を恐怖させていた。
機体が立ち上がり、両翼のように展開していたシールドが、体を包むように前部に展開する。
そして、一気に飛び立った。
「ぐっ……ああああっ!!」
肉体にかかる負荷に、クランが叫ぶ。
機体はそのまま上空まで飛翔を続け、火星を離脱することを示していたのだった。

三話 終 四話に続く
668エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/18(火) 04:28:54 ID:???
展開遅くてすいません…
四話でドルダvsマルスな展開なんで、あまり期待せずにお楽しみに。
あと、新説はMSの機体設定が大幅に異なることになると思うんで、ご了承下さい。
そのうち投下するかもです。
では、そろそろ寝ますかね
669571:2008/11/18(火) 19:19:05 ID:???
エルト氏GJ!!&乙です!!
おお、まさに大混戦!!画面の変わりが早くてスピード感があるっす。
シンシアとアルス、二人を引き寄せるデイヴ、三人の関係は!?
wktkしてきて書きたくなったので嘘次回予告。あんまり気にしないでください

幼くして分かれた二人、二人の間の約束。
少女はそれを忘れてしまったのか?
離れていた二つの命が、今交わろうとしていた。

次回 新機動戦士ガンダムDoll−DA 第四話 「結ばれぬ二人」

願わくば、彼らが幸せであるように……

注、この作品フィクションです。実際の機体、人物、作品とは何の関係もありません。

スレ汚しすいません。エルト氏申し訳ないort
670バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/18(火) 20:40:20 ID:???
>>668
GJ!まさかビームガンブレードが使用されるとは…感激です!
カマッセ・ドッグは…やっぱりかませ犬でしたねw
クランとシンシア、シンシアとアレス、アレスとデイヴ…一気に人物相関図が広がりますね!
>>669
いやいや、なかなかカッコイイのではありませんか?こういう妄想あっての
創作スレだから全然OKですよ!

さて、そこで私も妄想。プロフェッサー・ティモールとアルフ・スメッグヘッド博士は
友人であった。ある日、ティモールの理論をスメッグヘッドを初めとする多くの研究者に論破されて
火星に移り研究を続けた…と。

キャラデザしました。若干手抜き。

http://www8.atwiki.jp/gundam_dollda/?cmd=upload&act=open&page=%E7%94%BB%E5%83%8F%E4%BF%9D%E7%AE%A1%E5%BA%AB&file=%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%82%B9.jpg
アレス・ルナーク
http://www8.atwiki.jp/gundam_dollda/?cmd=upload&act=open&page=%E7%94%BB%E5%83%8F%E4%BF%9D%E7%AE%A1%E5%BA%AB&file=%E3%83%99%E3%82%A4%E3%83%88.jpg
マスター・ベイト
671エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/18(火) 23:13:41 ID:???
どうも。風邪なのに四時間ぶっ続けでガッツリ格闘技やってきました、アホです。

>>571
おお、カッコいい次回予告w
ただアレスとシンシアの伏線についてはもうちょい後で回収する予定ですw
とりあえず次回はクランとドルダが空気にならないようなお話になると思いますw
その時まであんまり期待せずにお楽しみに。

>>バルド
キャラデザ乙ですw絵が上手い人は尊敬しろってばっちゃが言ってた(何
ティモールとスメッグヘッドの関係はそんな感じですwあなたエスパーですかw
まあ回収できるかどうかわからんのですが(おい)

さて、今なら言える(何
>>276俺なんですが、以前の設定があまりにいい加減なんで、改めて後日マルスの設定投下するかもですw
ちなみにドルチェはアナザーの描写中心にいこうと思っとりますw
それではサヨウナラ
672616:2008/11/19(水) 08:30:14 ID:???
お久しぶりです。
みなさん乙です、メカの妄想膨らむ一方ですww
ドルダ以外のガンダムはもう少し練ってからアップします。

その間に、次回マルスとドルダが戦って、ドルダシステム起動!!
ってなお約束展開のパージ機構をすんごい手抜きで考えました。
ピンチの時の起死回生という燃える展開と、登場シーンのインパクト重視です。

クランが見たドルダの第1印象はお世辞にもカッコイイとはいえないMS、
でもシンシアの力で起動するドルダの中身、めっちゃ強い。

http://wktk.vip2ch.com/vipper0222.jpg

ただバイザーオープンと、ブレードアンテナの展開が描きたかっただけです。
673バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/19(水) 10:20:55 ID:???
>>672
相変わらず上手いですね!そしてカッコイイ!
台詞を借りて言うと「こいつ…動くぞ!」頭の中で
戦闘シーンが展開しますね!この演出なら遊び要素満載ですよね
ガンプラ的に考えてw


さて…そろそろパイロットスーツ考えないと…w
674571:2008/11/19(水) 16:18:54 ID:???
>>672
かっこEEEEEEE!!!
アニメーションで見てみたいっす!!

>>670 >>671
よかったぁぁぁぁぁ!!
なんか投稿してから不安で不安で。
チキンですから、自分。

おお、ベイトなかなかいい男。落ち着いた雰囲気がありますね!!

エルト氏、風邪には気をつけてくださいね。自分も風邪ですわ。
ただでさえ寒いのに、雪が積もってきましたよ……。
台所の水が凍ってるwww
675通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 22:56:23 ID:???
ユニコーン?
676エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/20(木) 03:51:54 ID:???
こんばんは。相変わらず遅くまで起きてるアホです。

>>616
乙です!カッコエエ!

>>571
お互い早く治るといいっすね…w

>>バルド氏
パイスー期待してます

さて、今から新説のメカ設定投下します。
これは厨臭えからヤメとか、こんなのはどう?とか、勝手に何やっとんじゃボケとかあったらいつでも言ってください。
677エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/20(木) 03:56:15 ID:???
DOLL-001DA ガンダムドルダ
所属:第一次調査隊
パイロット:シンシア、クラン・R・ナギサカ
武装:
腹部ビームキャノン×1
ビームソード×1
ツインバスターライフル×1
ビームジェネレーター×2(ビームフィールド及びビームサーベル)
大型フルシールド(独立支援メカ)

詳細:
武装はコクピット下にあるビーム砲。肩部にあるビーム集光機にはIフィールドの ようにビームを弾く効果があるようだ。(実体弾は弾かない)さらに集光機からは ビームサーベルのようなものを発生させる。
通常接近戦時は集光機から 機体全体にエネルギーを送り機体全体をビームで包み、突進を行う。
本機には「Doll-DAシステム」という物が搭載されている
このシステムは 本機の駆動系やエネルギーなどの全てを管制している。

イメージ:ウイングゼロ+ターンエー

MARS-009G ガンダムマルス
所属:ダイモス
パイロット:アレス・ルナーク
武装:
ビームライフル×1(ビームガンブレード)
ビームサーベル×1
センサーシールド×1(ビームサーベル×1を固定、ファンネルとリンク)
カメラファンネル×8(小型カメラ搭載)
脚部ビームブレイド×2
ビームピストル×2

戦闘機形態:
ビームライフル×1
カメラファンネル×8

詳細:
ベイト率いる組織、ダイモス所属のMS。プロフェッサー・ティモールにより開発された可変MS。
地下遺跡に存在するとされるガンダムドルダの探索、捕獲及び破壊を目的とした真紅のガンダム。
その為の武装である小型カメラを搭載したファンネルにより高い索敵能力を誇る。
戦闘時には全身に搭載されるビーム兵器を使用した高速格闘戦を得意とし、可変、離脱する戦法をとる。
MA時にもそれなりの戦闘力を誇る。

イメージ:インフィニットジャスティス+キュリオス

まあこんな感じですw
ここはこうしたいとかあっても言ってください。
あとこれ仮なんで話の都合上変わるかもですw
それと、ドルチェの設定詰めようぜwアナザーのイメージは女性的な美しい機体とのこと。
自分はナドレっぽい狙撃機をイメージしとりますw
これに関しても何かあったら言って下さい。ではおやすみ
678571:2008/11/20(木) 19:24:19 ID:aYbcsJLN
>>677
エルト氏、乙です!!そしてGJ!!両機とも攻撃力高そうですね。
なんかマルスのカメラファンネルのビームを集光機から発したヴェールで弾くドルダが頭の中に出てきました。


ドルチェですか……。
なんかデイヴの能力見ていると彼ってパイロットより指揮官のほうに向いてるような気がするんですよね。
まぁそれはともかく、女性型の機体。あんまり大量に武装つけるとそんな感じがしなくなるため、少なめに。

え〜と……自分の中のイメージをいったん書いてみます。書き方はエルト氏を参考に。

DOLL―002CE所属:地球連邦軍
パイロット:デイヴィッド・リマー、謎の少女?
武装:
ビームサーベル×2
ロングギガビームライフル×1
内蔵型ビームバルカン×2
背部追尾レーザーファトランクス×1
腰部ビームキャノン×2
シールドファンネル×12(30)

詳細:
デイヴことデイヴィッド・リマーが火星地下で発見した純白のガンダム。その姿はまるで眠り姫のよ(ry
ロングギガビームライフルは(最大出力時では)長大な射程距離と絶大な威力を誇るビームライフル。
出力の調整が可能で超低出力の場合はマシンガン並みの連射が可能。

ロングギガビームライフルは両手で使用するものなのでシールドが装備できない。そこでシールド型のファンネルを搭載している。
このファンネルは攻撃は出来ない代わり平面状で、ビームを増幅、反射させる性質を持つ。
その性質を利用し、ビームライフルで撃ったビームを反射させ真後ろの敵を攻撃することも可能。
さらに筒状にしたシールドファンネルの中でビームを反射・増幅させて放つという離れ業もある。ただし使用後はシールドがぼろぼろに。
本来ならこれを使いこなすのは至難の業だが、デイヴの状況判断能力がそれを可能にする。
通常時は折り畳んだ傘のような形状でドルチェの腰から下を覆っている。イメージはあまり膨らんでいないドレス。

改行多くてエラーなので分割
679571:2008/11/20(木) 19:24:50 ID:aYbcsJLN
また、背部に取り付けられた追尾レーザーファトランクスはバルカンほどの威力だが敵を追尾する性質を持つレーザーを発射する。
発射時レーザーが左右に分かれるため、背中から羽が生えたように見える。
腰部のビームキャノンはフリーダムの腰のやつのイメージ。

本機に搭載されている「Doll‐CE」システムはパイロットを補助するもの。
一部の火器管制をドルチェ自身(または謎の少女?)が行い、シールドファンネルが全機使用可能になる。
これによりパイロットはより戦闘に集中することが可能になる。

イメージ:(デュナメス+ナドレ+ノイエジール)÷3+フリーダム

自分の中ではこんな感じです。
なんかだらだらと長く書いてすいません。特に詳細。
しかも武装少なめって言ったのに数だけなら多いし。
一応狙撃機イメージしたんですが、なんか「オーパーツ」になってしまった……
女性っぽく見えるようにするため、武装を下半身や背中につけました。(実際に絵で書かないと成功か失敗かは分かりませんが…)
設定とか変えてもらってもぜんぜんかまいません。

ちなみに「ドルチェ」はイタリア語(正しくは『dolce』)で甘美、甘い、柔らかい、優しいといった意味だそうです。
680バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/20(木) 21:18:31 ID:???
>>677-679
GJ!早速wikiに掲載しておきました!
ちょっとパイスー考えてみたけど適当なデザインです。

http://www8.atwiki.jp/gundam_dollda?cmd=upload&act=open&pageid=25&file=%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%84.jpg
681バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/20(木) 21:43:47 ID:???
ちょっと本編と何の関連性もなさそうなメカ設定貼りますね。

名前 ヘッドバレット
型番 SAK-VH075
全高 17.69m
重量 9.12t
武装 43.03mmバルカン砲(頭部)
   対艦刀(背中)
   鎖鎌(両手の甲)
   コンバットナイフ(左の腰)
   ケルトダガー(右の腰)
   TNT爆弾(腹部)

名前 ジオネオ
型番 SAK-BG097
全高 17.69m
重量 9.12t
武装 72cm主砲(腹部)
   アサルトライフル(右の腰)
   ホーミングミサイル(両足のスネ)
   火炎放射器(背中)
   コンバットナイフ(左の腰)
   TNT爆弾(両肩)

MS製造企業「桜花爛漫」が開発したMS。元は地球軍の兵器。型番の075と087は
製造された年を意味する。現在は各国に輸出され、金さえあれば誰でも買える。
テロリストやジャンク屋が愛用している。

ネーミングが某エロゲからの捩りっぽいのは気にしないでください。
682バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/20(木) 21:46:05 ID:???
訂正

×097
○087
683エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/20(木) 22:50:09 ID:???
>>571
ドルチェ設定乙です!なかなか奇抜だw俺には思いつかんw素晴らしいです
あとこれ、個人的な願望なのですが、ロングギガビームライフルは射撃精度に長ける的な設定も欲しいですかねw
こっそりビームサーベルでなくビームレイピアとかいう厨設定を考えてた俺はw
それとドルチェですが、ヤツは発見されませんw意外なとこで出てくるんで、四話あるいは五話をお楽しみにw

>>バルド氏
パイスーデザイン乙です。
全員共通でそんな感じになるんですかね?

追加で個人的なイメージ。
ドルダ→圧倒的な火力・破壊力で敵を殲滅
マルス→速度・可変機構の利用でガンガン動いて敵を圧倒
ドルチェ→流麗な感じを持ちつつ武装で華麗に戦う

こんな感じですかねー。それじゃサヨウナラ
684エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/20(木) 23:18:43 ID:???
ちょっと改変してみた。>>571氏、不快に思われたら申し訳ないです。無視してください

DOLL-002CE ガンダムドルチェ
所属:第七次調査団
パイロット:エリス、デイヴィッド・リマー
武装:
ビームレイピア×2
ロングギガビームライフル×1
内蔵型ビームバルカン×2
背部追尾ビームファトランクス×1
腰部ビームキャノン×2
シールドファンネル×12(30)

詳細:
デイヴの過去に関係する、純白のガンダム。その姿はまるで眠り姫のような美しさを持つ。
ロングギガビームライフルは(最大出力時では)長大な射程距離と絶大な威力を誇る。
出力の調整が可能で超低出力の場合はマシンガンとしても使用可能。
また、恐ろしいほどの射撃精度を誇る。
これは主に両手で使用するものなのでシールドが装備できない。そこでシールド型のファンネルを搭載している。
このファンネルは攻撃能力を持たないが平面状で、ビームを増幅、反射させる性質を持つ。
その性質を利用し、ビームを反射させることで攻撃への転用が可能。
さらに筒状にしたシールドファンネルの中でビームを反射・増幅させて放つという離れ業もある。ただし使用後はシールドがぼろぼろに。
本来ならこれを使いこなすのは至難の業だが、デイヴの状況判断能力がそれを可能にする。
通常時は折り畳んだ傘のような形状でドルチェの腰から下を覆っている。控え目なドレススカートのような形状を持つ。
また、背部に取り付けられた追尾ビームファトランクスはバルカンほどの威力だが敵を追尾する性質を持つビームを発射する。
ビームが左右に分かれ発射されるので、背中から羽が生えたように見える。
腰部のビームキャノンはフリーダムの腰についたものと同様のもの。
また、本機に搭載されている「Doll‐CE」システムはパイロットを補助する。
一部の火器管制をドルチェ自身(またはエリス)が行い、シールドファンネルが全機使用可能になる。
これによりパイロットはより戦闘に集中することが可能になる。

イメージ:(デュナメス+ナドレ+ノイエジール)÷3+フリーダム
個人的なイメージ:ケルディム+ナドレ
685エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/20(木) 23:21:12 ID:???
連投すいません。
四話、週末には投下できると思うんで、あんまり期待せずにお楽しみに。
686616:2008/11/21(金) 20:17:05 ID:???
こんにちは。
みなさんGJです。

あくまで一個人の意見としてスルーしてくださいw
設定なんですが、ドルダにあんまり武器は必要ないような気がします。
使い回しの効くビームライフルと少し短めのビームサーベル1本、
腹部のビーム砲、あとジェネレーターぐらいで。
そして王道の途中でフルシールド+バスターライフル追加って感じが好ましいかなーっと。

んでもってマルスなんですが、デザインを考えてて色々思いついたのですが、
ドルダの破壊(捕獲)が目的であるなら、
いっそのこと狙撃特化よりも、重武装にしてしまうか、
もしくは、変形をオミットするか。
どちらかでいいような気がします。
狙撃で変形機体はちょっと?って感じがしました。
僕の中ではダイモスはカルト教団みたいな感じで捉えてるので、
少し宗教じみたデザインもありかなって感じで試行錯誤してます。

とりあえず今のマルス案
http://uproda11.2ch-library.com/src/11136281.jpg
http://uproda11.2ch-library.com/src/11136283.jpg

昔描いたマルス。これが僕の中のマルスのイメージです。
http://uproda11.2ch-library.com/src/11136285.jpg

変形のデザインってむずかしー!!w
687616:2008/11/21(金) 20:21:46 ID:???
追記
マルスのシールドに使おうと思ってる丸い物体は
偵察機によくある回ってるやつ(名前わかりませんw)をイメージです
近いのはマクロスFのルカのバルキリーについてるやつみたいな
688バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/21(金) 22:23:05 ID:???
>>686
GJ!特にマルスのシールドと変形が良いですね!

自分はメカに詳しくないので何とも言えませんが、確かにドルダは主人公機
なので最初はシンプルの方が良いのかも。途中から新しい武装を装備するのは
確かに燃えますね!描写的には初期ドルダは貫通力、中期以降ドルダは貫通力+広範囲
って所ですかね。どんどん妄想が広がっていきますねw

自分のマルス案ですが

マルスは汎用性が高く、標準装備と変形装備と狙撃装備と偵察装備と重武装装備が
あるというのはどうでしょうか?ストライクとかと違うのは戦闘中に換装は不可能で、
出撃時にあらかじめ装備をから選ぶって事にすればみんなのアイデア採用できますし。
変形は変形装備でしか出来ないようにして。


689エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/21(金) 22:41:57 ID:???
新マルスは格闘戦用機体なのですが…w
ドルダは…なんだろ、自分の中で人間がそう簡単にいじれるほど単純な物じゃないというイメージがあるんで、追加武装ってのはなー…
まあ考えてみます。

一応機体的にはドルダ、ドルチェが人知を超えた存在、マルスがギリギリ人の手が届く領域の物って感じです。
その差をパイロットとして訓練を受けたアレスと、特化してるわけではないクランとデイヴの実力差で埋める、と。
説明不足で申し訳ないっす。
690エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/21(金) 23:02:52 ID:???
とりあえず指摘を踏まえてもう一度。ここだけは譲れねえってとこはそのままですがご容赦をw

DOLL-001DA ガンダムドルダ
所属:第一次調査隊
パイロット:シンシア、クラン・R・ナギサカ
武装:
ビームソード×1
ツインバスターライフル×1
ビームジェネレーター×2(ビームフィールド及びビームサーベル)
大型フルシールド(独立支援メカ、あのみの虫みたいなの)

詳細:
武装はコクピット下にあるビーム砲。肩部にあるビーム集光機にはIフィールドの ようにビームを弾く効果があるようだ。(実体弾は弾かない)さらに集光機からは ビームサーベルのようなものを発生させる。
通常接近戦時は集光機から 機体全体にエネルギーを送り機体全体をビームで包み、突進を行う。
本機には「Doll-DAシステム」という物が搭載されている
このシステムは 本機の駆動系やエネルギーなどの全てを管制している。

イメージ:ウイングゼロ+ターンエー

ツインバスライと大型フルシールドは譲れねえw
破壊の化身としての圧倒的な恐怖が僕のイメージなので…
フルシールドはこれがなくなったらドルダじゃなくなっちゃうんでw

個人的に腹部のビームキャノンは物語の進行とともにドルダシステムのおかげで使えるようになったぞーwって方向で
あと、追加武装諸々すべてドルダシステムで片付ける方向でいきます
691エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/21(金) 23:10:11 ID:???
で、マルスの方ですが、やはり格闘用ではなく重武装機がいいのかしら…
そのあたりを皆さんに再確認したいっす。
一応>>677の中でこれいらんとかこれどう?とか具体的にお願いします。
その辺りを踏まえて新案を投下するかもです。
まあ四話格闘戦強調しちゃったんだけど、その辺りはどうにかしますんで
所詮2ちゃんなんだけど、やるからにはせっかくだから妥協無しで腹割っていこうぜw

>>616氏メカデザ乙です。
自分の中では新マルスの方がイメージにしっくり来るなあ…
692571:2008/11/22(土) 09:28:01 ID:6obu1a/5
>>684
おお、きれいにまとまってる。どうも自分の貧相なポギャブラリーだとまとまらなくていけない。
不快だなんて、とんでもないです。自分もそのままとは思っていませんでしたからww
>>616氏、GJ!!
新マルスがしっくり来ていいです。あの丸い盾はレドームですか?レーダーとかそんな感じの役割の装置ですが。
旧マルスの頭部もなかなか……
>>691
マルスはバルド氏の言うように換装式にしたらどうでしょうか?
イメージとするならガンダムF90。
AからZまでの換装パーツがあり戦闘前に装備を決めておけばいいですから。
高機動用、格闘用、狙撃用、捕獲用、火力重視の射撃用、拠点防衛用、無差別攻撃用、
局地攻撃用、空中戦用、水中戦用、対艦戦用、対核用とか、いろいろと出来ますし。

693571:2008/11/22(土) 09:32:17 ID:6obu1a/5
追記
ちょっと強力な武装考えていて気づいたんですけどドルダの時代の戦艦の主砲っていったい何なんだろう。
メガ粒子砲か、陽電子砲か、それとも荷電粒子砲なのでしょうか?
皆さんはどう考えますか?
連投すいません。
694エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/22(土) 16:01:09 ID:???
皆様本当に申し訳ないです、我儘ばかりで…
皆様のアイディアを取り入れた(つもり)でもう一度新マルス案投下します。

>>571
タイプを色々と挙げて下さってありがとうございます。
あと>>693についてですが、自分は…その辺は疎いんでお任せしようかと…
でもガンダムって言ったらやっぱメガなのかなあ…w
695エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/22(土) 16:03:01 ID:???
その1。
MARS-009G ガンダムマルス
所属:ダイモス
パイロット:アレス・ルナーク
基本武装:
ビームライフル×1(ビームガンブレード)
ビームサーベル×1
センサーシールド×1(ビームサーベル×1を固定、ファンネルとリンク)
カメラファンネル×8(小型カメラ搭載)
脚部ビームブレイド×2
ビームピストル×2

戦闘機形態:
ビームライフル×1
カメラファンネル×8

MARS-009GNS ガンダムマルス ニヴルヘイム
武装:
ビームライフル×1(ビームガンブレード)
センサーシールド×1
カメラファンネル×8
ビームダガー×2
ハイパージャマー

MARS-009GMH ガンダムマルス ムスペルヘイム
武装:
ビームバズーカ×1
捕縛用グラップルスティンガー×1
内蔵型ビームガトリング×2
内蔵型マイクロミサイル
ビームサーベル×2
696エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/22(土) 16:03:34 ID:???
その2。
詳細:
ベイト率いる組織、ダイモス所属のMS。プロフェッサー・ティモールにより開発された可変MS。
地下遺跡に存在するとされるガンダムドルダの探索、捕獲及び破壊を目的とした真紅のガンダム。
その為の武装である小型カメラを搭載したファンネルにより高い索敵能力を誇る。
戦闘時には全身に搭載されるビーム兵器を使用した高速格闘戦を得意とし、可変、離脱する戦法をとる。
MA時にもそれなりの戦闘力を誇る。
本機の特徴として、機体換装システムが挙げられる。
高速格闘及び可変を軸とする通常形態。
これに加え、探索・奇襲を軸とする形態、ガンダムマルス ニヴルヘイム、殲滅戦を重きにおいた重武装型のガンダムマルス ムスペルヘイムが存在する。
但し戦闘時における換装は不可であり、出撃時にどれか一つの形態を選ばなければならない。
「ニヴルヘイム」とは、北欧神話における氷と闇の世界、「ムスペルヘイム」とは同じく炎と熱の世界を指す。

ガンダムマルス ニヴルヘイム
マルスの探索形態。ハイパージャマーにより自らの気配を消し、探索を行える。
可変は可能であるが、可変時及び高速移動時のハイパージャマー使用は不可。
物語が始まる以前から、アレスとティモールはこの形態で火星を探索していた。
パワーを始めとする総合戦闘力は通常形態に大きく劣るが、姿を消し敵に接近出来る為奇襲・暗殺戦法をとることができる。
型式番号は単純にガンダムタイプ・ニヴルヘイム・サーチ という意味。

ガンダムマルス ムスペルヘイム
マルスの捕縛・破壊形態。ガンダムドルダの捕縛もしくはそれが不可であった場合破壊を目的とした重武装機。
ヴァーチェのように元の機体に装甲を重ねているので、可変機構はオミットされている。
機動性は失われるが、安定した動作と重厚なパワーで確実に目的が遂行できるように設計されている。
型式番号は単純にガンダムタイプ・ムスペルヘイム・ヘビータイプを指す。

イメージ:インフィニットジャスティス+キュリオス
ニヴルヘイム イメージ:サダルスード+ブリッツ
ムスペルヘイム イメージ:ヴァーチェ+ヘビーアームズ
697通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 16:50:43 ID:???
どうでもいいがメガ粒子砲はミノフスキー粒子を圧縮・縮退させて発生するメガ粒子を発射させる感じの兵器だからメガ粒子砲使うならミノフスキー粒子は必要だぞ。
ドルダの設定よく知らんけどね。
698通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 17:58:52 ID:???
それならミノ粉じゃなく同様の別粒子って事でいいじゃん
699バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/22(土) 18:22:29 ID:???
>>エルト氏、571氏
GJ!マルスってこんなに装備あるんですね…ティモールさん凄い!
実はA.S.D.世界で換装&変形の開発はプロフェッサー・ティモールが初ですかな?

>>697
ご指摘感謝します。

そこで、ドルダを作る上で皆さんで決めたいことがあります。
1、ドルダ世界のMSの動力は何なのか?
2、>>571氏の言ったように戦艦の主砲
3、ドルダ世界にニュータイプやコーディネイターのような人を超えた人の存在はあるのか?
4、仮面キャラは必要なのか?

自分の意見としては
1、前半は核分裂→後半は核融合の流れでいいと思います。(DOLLタイプは特殊な動力だけど出力のみでは核融合と同じくらい)
2、荷電粒子砲でいいと思います。
3、シンシアがそれに近い存在?
4、いてもいなくてもいいけどいる場合は仮面は思い切って味方というのはどうでしょう?

皆さんはどうですか?
700エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/22(土) 19:21:29 ID:???
>>バルド氏
どうも。換装のアイディア助かりました。
こんな感じでいこうかと思ってます

それとやっぱり>>697-698さん達の意見を見てもう少し設定詰めなきゃなー、と。
とりあえず投下保留したいと思います

で、
NT的な存在→シンシアでいいと思います。あともう一人、ドルチェ用にエリスってキャラを考えてます
仮面→いつか誰かが考えてたゼーレなんとかを出そうと思ってました
ダイモス側のテストパイロットでいいかなーって思ってたんですが、味方って線もアリですね。
粒子関係→>>573にあるように自分その辺疎いんで…
荷電子でよくね?(おい)
701571:2008/11/22(土) 23:24:24 ID:???
こんばんは、もはや571がコテの571です。

エルト氏、新マルス設定GJ&乙です
自分的にムスペルヘイムの武装をもうちょっと多くするかしたほうがいいかと。
ドルダの破壊を目的にしているならビーム兵器よりも実弾兵器に比重を置いたほうがいいと思います。
ビームだとドルダのビーム集光機で防がれてしまいますから。

>>699 
えーと、自分的には
1、基本的にバルド氏と同じ。
2、自分で言っといてなんだけど粒子を荷電して発射する武器ってビームライフルなのよね。やっぱ陽電子砲か?
3、自分的にデイヴィッドはSEEDアストレイの叢雲劾のような、戦闘用に作られた人間だと思ってる。
4、個人的には欲しい。どちらかというと傭兵みたいな、敵にも味方にもなるような立ち位置。
突然現れて襲ってきたり、ピンチのときに助けてくれたりと。A,C,E2のバスターアークみたいな感じ。

もうひとつ疑問。この世界火星コロニー生まれの人が地球に行くことは可能なのか?
デイヴとフィリアの会話を聞く限り地球は立ち入り禁止らしいけど、ディランの存在もあるし。
もしかして密入国ならぬ密入星?
702571:2008/11/23(日) 00:18:13 ID:???
長くなりそうなんで分けました。

また武装のアイデアが浮かんだので書きます。
今回は剣と盾。剣のほうは完全にオーパーツとなっています。
スルーしていただいてもかまいません。改変、つっこみはむしろ歓迎します。では

名称  クラウ・ソラス

完全実刃の両刃の長剣。MS用。ドルダやドルチェと同じ人の手の届かない存在。
ストライクのエクスカリバーのようなビーム刃はついていない。
この剣はファンネルのように遠隔操作が可能で、持ち主の手を離れても戦闘が可能。
ここまでならさして珍しくはないが、もうひとつ特徴がある。
それはビーム兵器を無効化させる力を持つこと。
これは剣自体から特殊な波が発生しており、その波によりビームが安定しなくなりばらけてしまうため。
そのため剣の周囲ではビームライフルはおろかビームサーベルやビームシールドといった全てのビーム兵器が無効化されてしまう。
無論敵味方関係なく、所有者のビーム兵器も無効化される。
先に述べた遠隔操作機能も射撃戦では邪魔になるからどこかに投げ捨ててもすぐ手元に帰ってくるようにつけられたもの。
材質は不明、現在の技術では解析できない。硬く、それでいて柔性もあるため、折れない。
これに対抗するにはこちらも同じく実刃の武器を使って抑える以外の方法はない。
なお、遠隔装置を持っている機体が破壊された場合、エネルギーが切れるまで近くの機体を敵味方関係なく襲う。

名前の由来はケルト神話に出てくる光の剣。
持ち主の手を離れてもひとりでにしかも必ず敵を倒す剣。しかも隠れた敵を探し出して倒す力も持つ。


名称 アームシールド

シールドの内側に2本のアームが収納されている盾。かなり重厚。
そのアームの力は非常に強く、戦艦の装甲を引きちぎったり、MSを押しつぶしたり出来る。
アームのイメージはファーストガンダムに出てきたMAピグロのクロー。
盾のイメージは0083のGP02のアトミックシールド。
盾の大きさはMSより少し大きいぐらい。アームもほぼ同様。
かなりの大きさだが盾自体にもバーニアが仕込まれているため機動力は高い。
格闘戦を想定して作られたため盾はビームサーベルを受け止められるようビームコーティングが施されている。
機体より大きいため機体を覆うように使えば全身を防御できる。


どうでしょうかこのオーパーツwwとくにクラウ・ソラス。
まぁ、あくまでもアイデアですから。無理に使ってもらわなくてもいいです。
でもクラウ・ソラスってビームサーベルには無敵だけどヒートホークとかには単なる剣に成り下がるんだよな。
これでバランスが取れるかどうか……
また長々とすいません。ではでは。
703571:2008/11/23(日) 00:20:21 ID:???
追記
クラウ・ソラスから発している波はマイクロ波とかα波とかそういうのです。
704通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 00:34:11 ID:???
マイクロ波って電子レンジやレーダーや通信に使われてる電磁波の一種で、α波は人間の脳内に出る脳波の一種。
全然違うモノだぞ。
705通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 00:42:40 ID:???
>>702
クラウ・ソラスじゃなくてフラガラック(アンサラー)じゃないのか?
706通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 06:45:40 ID:???
クラウ・ソラスってどっかのSSにも出てきたよーな
707571:2008/11/23(日) 12:41:34 ID:???
>>704
ご指摘ありがとうございます。
そこは自分が知っている「波」がつくものを適当に言っただけですから、まぁそんな感じの目に見えないものだと思ってください。
>>705
クラウ・ソラスはダーナ神族を率いたヌアダ(ヌアザ)の剣。フラガラックを持つルーはこの人の部下にあたります。
ただヌアダ自体が早々と退場してしまったためクラウ・ソラスはあまり有名ではないと思います。
>>706
残念ながらそのSS知らないんです。

ではでは。
708705:2008/11/23(日) 13:28:04 ID:???
>>707
クラウ・ソラス
クラウが剣でソラスは光の意味。
鞘から抜くと、余りの光ゆえに周りの目がくらむ。あるいは、相手は抵抗すらできずに二分される不敗の剣

フラガラッハ
「回答者」「報復者」の意味を持つ。
その一撃は鎧ですら受け止めることは不可能。
抜こうと思うだけで、ひとりでに抜け、手に収まる。敵に投げつければ、剣自体が敵を追いかけて倒し、自動で戻ってきて鞘に収まる。
また、フラガラッハでつけられた傷は治ることがない。

709571:2008/11/23(日) 15:28:04 ID:???
>>708
一応クラウ・ソラスにも、フラガラックと同じような力があったはずです。
あと、フラガラックよりもクラウ・ソラスの方がなんか自分的にかっこいいので。
まぁ、それだけです。

>>680
バルド氏、すいません、今頃パイスーを発見しました。
自分もそれでいいと思います。
710通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 15:30:24 ID:???
どうでもいいんだけど、エクスカリバーはインパルスだろ?
711エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/23(日) 15:39:49 ID:???
空気を読まずに俺登場。
全部拾えるかどうかは分かりませんが、武装案は投下して下さい
それに対する指摘やツッコミもどんどんどうぞ。

では、本題。
ガンダムマルス ムスペルヘイム
武装:
ビームバズーカ×1
捕縛用グラップルスティンガー×1
内蔵型ガトリングガン×4内蔵型マイクロミサイル
内蔵型ホーミングミサイル
ミサイルポッド×2
バスターソード×1
712571:2008/11/23(日) 19:04:51 ID:???
>>710
あ〜俺の馬鹿!!orz
ストライクはシュベルトゲーベルだろうが!!俺の馬鹿!!
すいません、エクスカリバーじゃなくてシュベルトゲーベルでお願いします。

>>711
エルト氏GJです!!
実弾装備が増えてますね。内蔵型だからごてごてする心配もないですし、いざというときは増加装甲ごとパージできますし。
713通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 19:21:18 ID:???
ネーデル マーメイド マンダラ… Gガンは奇抜すぎて絞れねぇぇえ!ww
714通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 21:55:55 ID:???
マンモスガンダムもすごかった
715バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/23(日) 22:06:41 ID:???
皆さんGJすぎる!すっかりドルダも復活して来ましたね!
実は今日、HDDを増設したバルドです。

>>571
クラウ・ソラスはさぞかし危険な武器なのでしょう。
そして暴走後は宇宙を漂流し別の手に渡るという妄想w
>>701に関しては単なる自分の力不足です。そして現在、学園ドルダを
書いている上でそれを実感w

>>エルト氏
実弾で特にミサイルが良いですね!
脳内でガンダムマルスムスペルヘイムによる板野サーカスが展開してますw


前回募集したアンケートですが、総合すると
1、核分裂→核融合(ただしDOLLタイプは別)
2、陽電子砲
3、シンシアとエリスはNT的存在、デイヴはNTに近いOT
4、敵になったり味方にになったりする

でOKですか?
716バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/24(月) 10:44:10 ID:???
学園ドルダ

グワッシュが構える40mm機銃。その銃弾が次々と銃口から旅立っていく。無数の銃弾の
目の前にはもう一機のグワッシュが双剣を手に待ち構えていた。一撃目は胸部。二〜六撃目、
命中せず。七撃目〜十三撃目、左腕部。十四撃目以降は全て双剣で弾かれた。やがて弾が
切れ、機銃からは音だけがした。パイロットが取った判断は機銃を捨てる事。定石。それに
変化を加えた。ただ捨てるだけでなく、相手に向かって投げる。当たれば軽いダメージを
与えられる。当たり所によっては優勢に導ける。当たらずとも相手の気を機銃にひきつける事
が出来る。さらに前方からの攻撃を軽減する事も出来る。これらのメリットをパイロットは
弾切れと同時に見出した。先ほどまで攻撃を受けていたグワッシュのパイロットはその手を
読んでいた。機銃が命中する1秒前に後退。理由は射程距離。どんな銃弾であろうと
放物線を描き、いずれは落下する。銃弾ですらない機銃本体の射程距離は短いにもほどが
あった。そして、後退する事で視野を広げた。攻撃を受けていたグワッシュのパイロットは
相手のパイロットに隙を与えなかった。機銃を投げると同時に回りこんだグワッシュは逆に
回りこまれた。結果、足を斬られて敗北する。

第三話 平和じゃなくなるのが怖いなら潔くそんな事は忘れて今を一生懸命生きよう
717バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/24(月) 10:45:17 ID:???
「あっれー…なんでいつもディランに勝てないんだ?ってかなんであんなに強いの?」
煉滋がディランに対して言う。
「まぁ俺の父上が軍人だからね。小さい頃にコンピューターゲーム代わりにシュミレーション
で遊んでたんだよ…(その後、実際にパイロットになって訓練を積んだのだけど)…」
ディランが軽く返す。既にディランが転校して2週間が過ぎていた。
「なーるほど!そいつはそこらのコンピューターゲームなんぞより面白そうだなぁぁぁぁ…」
煉滋が幼さを感じさせる声から野太い声で歌うように言った。
「そうでもないさ、実際の戦闘と殆ど変わらないし、敵が迫ってくる恐怖感があるからね。」
ディランが鼻で笑う。
「むぅ…そう言われればそうかも。…っと。今日はは頃奈の新プログラムの発表だったな」


メールボックスに新着メッセージが届いていた。発表を午後に控えた頃奈は休憩時間を利用
して画面だけを見つめていた。新着メールの件名の項目を選択し、回覧が始まった。
「お返事が遅れてすみません。仕事が忙しく、ころにゃんさんに会えなくて寂しかったです。
お詫びと言っては何ですが、進宇宙記念学園の郵便局にマイクロハードディスクが届いている
ハズです。私の依頼主であるソフトウェア会社「水月」の新商品なのですが、まだ発売の
3ヶ月前です。でも、ころにゃんさんは親友なので特別にさしあげます。詳しい事は付属の
説明書をご覧ください。良いですね。今度、是非お会いしましょう。」
頃奈は上下左右に視線を泳がせ、静かに微笑む。返信を書こうとしたが、新規作成画面で
取り消した。なぜなら、この時頃奈は何よりも大切にしていた"誰よりも早く返信を書く"
というポリシーよりもI☆BU☆KIの作品を見たいという好奇心が優先していたからだ。
718バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/24(月) 10:46:17 ID:???
放課後。頃奈は郵便局にいた。
「では、こちらの金庫になります。ご本人かどうかの確認のためパスワードのご入力をお願い
します。」
「…(認証ヲ開始シマス。暗証番号ヲ入力シテクダサイ)…」
緑を基調としたコンピューターの認証画面から合成音声が開始を告げた。メールに添付して
あったI☆BU☆KIからのパスワードを瞬時に記憶し、メモの一つもなしに慣れた手つきで
タイピングを見せる頃奈。普段、機械に触らない者は手遊びに見えた。
「0105079933774020401050340203213402383421042422421343232978923294929109392412…」
最後に決定キーを押す。その高らかな指使いは音楽の指揮者のそれに近かった。
「…(認証シマシタ。0801番金庫ノロックヲ解除シマス)…」
液晶画面に映る淡い緑色が一瞬白くなり、その直後に深い黒に染まった。

同時刻。ディランはすでに煉滋との訓練を終えていた。学生寮の自室で疲れを癒す間もなく
任務遂行と人間関係の間で葛藤していた。それは今に始まったことではなく、ディランは来る
日も来る日も無意識に頭皮をかきむしっていた。彼の爪は油とフケと血と腐臭にまみれていた。
火星軍のスパイでありながら、2週間も連絡を取ってないのは彼にとって故郷を失ったと同義
だった。

「そう言えば頃奈とディランってコロニー出身だったよな?なんで地球に入れたんだろう?」
ロビーでグレン・ベルが何気なく呟いた。コーヒーを飲んでいた煉滋が思い出す。
「確かー…頃奈の母親は地球出身だから…。で、あれ?えーっと…離婚して…親権が母親に
移った…だったかな?」
「なるほどー…、それなら納得だわな」
コロニー出身者が地球に入れる唯一の条件として、親族が地球出身者である事。ただ、頃奈に
とっては思い出したくもない過去なのだが。
「でもさ…ディランはどうやって入れたんだ?」
グレンが疑問に思う。その発言に二人は沈黙した。
719バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/24(月) 10:46:50 ID:???
受け取ったマイクロハードディスクを携帯電話に挿しこむ頃奈。すると、青いウインドウが
開いた。いくつかデータがある。機械に詳しい頃奈は"Setup.exe"を選択。今度は全画面表示
になり、メッセージが表示された。
「"水月兄妹"をお買い上げいただき誠にありがとうございます。どちらをインストールします
か? →兄 →妹」
兄と妹。それぞれにカーソルを合わせると3Dグラフィックが表示された。兄はツンツンした
髪型に猫耳の二頭身キャラクター、妹はショートヘアーに猫耳の二頭身キャラクターだった。
頃奈は妹の方を選択。すると、携帯電話が再起動。画面構成は大幅に変わっていた。
「そっか、この子はOSなんだぁ…」
関心している内にまたウインドウが表示された。
「何だろ…?」
「お名前を入力してください」
「お名前…何がいいかなぁ…。やっぱり可愛いのがいいよね」
入力と取り消しの繰り返し。頃奈が思いついた名前はシンプルな名前だった
「初めましてなのです〜。私の名前はヒカルなのです〜。よろしくなのです〜!」
「…よろしく、ヒカル!」

「そうだ!えーっと……………」
何を思いついたのかど忘れ。思い出そうと黙り込む頃奈。
「………………あ!」
思い出す。
「ヒカルにお家をあげるよ!」
「お家…?」
720バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/24(月) 10:47:33 ID:???
それは日が暮れる6時間前。頃奈が毎日のように開発していたプログラムが先日完成し、
電子工学科による発表が行われた。司会者が進行する。
「えー…では続いての発表は本日最高プログラムです!電子工学科1年生、宗谷頃奈さん
お願いします!」
会場の入り口にスポットライトが当たる。期待する観客。しかし頃奈は現れなかった。
「いけない!バグを取って疲れて寝てたら遅刻しちゃった!もう始まっちゃってるよ!」
その時、頃奈は廊下を走っていた。廊下を走るなと注意する担任のクラーク・クラーク先生。
「頃奈…遅いなすとらいくりすます。」
煉滋が爽やかな声で真面目に茶化した。
「…お前、MSパイロットよりも声優か芸人にでもなれば良いんじゃないか?」
グレン・ベルが話題を作る。
「いや、俺はMSパイロットがいい。それでリアル・ヒーローになるんだぜ!…(ヒーロー
なんている訳ないだろ常識的に考えて)…」
「はっはっはっは…お前らしいな。また頃奈は寝てるんじゃないか?」
グレンの発言を横で聞いていたディランは笑顔の裏に汚れた顔が潜んでいた。ブーイングの
飛び交う会場。それを見て不機嫌な煉滋ご一行。それを見て一番困っている司会者。
「………えー、では宗谷頃奈さんは欠…」
ドアが開く。サイドで結んだ黒髪に大きな丸眼鏡。毎度毎度お約束の宗谷頃奈であった。
「…す…すいません…遅…れまし………た…」
先ほどから走ってきていたので息が上がってる。観客のだらけきった視線が頃奈を襲う。
「…あ…その…」
怯える頃奈。それに追い討ちをかける観客。
「お前が遅れてきてどれだけ待たされたと思ってるんだ!?」
「そうだそうだ!」
もう俯き、涙目な頃奈。自分のせいでもあるが、今までの積み重ねが無駄になったと考えると
とても寂しく悲しかった。救いの手を差し伸べたのはグレンだった。
721バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/24(月) 10:48:42 ID:???
「黙ってろ!」
その一言で静まり返る。不謹慎だが悲しいことにコレもまたお約束。
「やれやれ、流石はうちの特攻隊長ざんすねぇ…」
煉滋が立ち上がり、深呼吸を2〜3回ほど終えて、司会者のマイクを借りて言う。
「君たちは名前聞いてもすぐ忘れられるような顔をしてるくせに偉そうな事言わない!
頃奈は遅刻するのはお約束なんだからさ、軽く可愛いって笑い飛ばそうよ!全く…君たちの
ブーイングは笑えない!楽しくない!エンターテイメントじゃない!ただでさえ少ない尺を
君ら脇役のくだらない会話で時間取ると内容のない駄作になる事を君たちは知らないのか!
だから君たちは顔も名前も売れないんだよ!」
口を開け、ドン引きする観客。テンションも高く論点もずれてる煉滋の電波は常人には受け
入れ難い。ただ、それでも説得させる煉滋は凄いと思うグレンであった。
「はい!良い役お疲れ、俺。ディランくーん!開始の合図お願いね!」
「あの…司会者僕なんですけど…」
「君の声は冴えない。メインイベントなら女性ファンも男性ファンも確保できるディランが
言うべきでしょう」
「はぁ?…(コイツはどっかの映画監督か何かか?)…」
煉滋はマイクをディランに投げる。上手くキャッチ。
「了解した。それでは皆様、大変お待たせしました。電子工学科1年生・宗谷頃奈さん!」
「はい!よろしくお願いします!」
先ほどとは打って変わって歓声と拍手の嵐。
「私の発表はfixed言語によって開発したセキュリティソフトです!」
「…(おおおお!)…」
「このソフトは従来のセキュリティソフトとは真逆です。従来のウイルスが進入した瞬間に
ウイルスを絶対的に安全な場所に隔離するのに対して、このソフトは既存のデータの全てを
絶対的に安全な場所に隔離します」
「…(おおおお!!)…」
「…(それならそのセキュリティソフトにウイルスが感染した場合はどうするんだ?)…」
「ご心配ありません。このセキュリティソフトはコンピューターへログインするプログラム
そのものに寄生しています。ログイン中に破壊は理論上不可能です。」
「…(セキュリティソフトそのものがウイルスだと言うのか?)…」
「以前、私のプライベートPCに感染したウイルスを元に参考にしました。害意はありません
が、セキュリティソフト内部にウイルスが存在します。」
「…(何だと!我々をを馬鹿にしているのか!?)…」
「どうか落ち着いてください。このソフトの映像的イメージは"7階建てマンション"です。」
「…(七階建てマンション?)…」
「OSなどの重要度の高いデータが7階にあり、ユーザーデータが6階、ツール・ユーティリ
ティが5階、ドキュメントデータが拡張子順に5〜3階にあります。2〜1階はセキュリティ
ソフトそのものに感染した場合、"外部から許可なしに侵入したプログラムを無差別に破壊"
する防衛ウイルスが待機しています。マンションは1階から入りますからね」
「…(ぬ……悔しいが……斬新かつfixed言語による安全性…私の負けだ!)…」
頃奈の発表にずっと揚げ足をとっていた男は落胆する。
722バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/24(月) 10:49:37 ID:???
「さらに、このセキュリティプログラムはPC、携帯電話、MS等、幅広い媒体にインストール
できます。」
「…(おおおおおおおお!)…」

「やっぱ頃奈は普段トロイけど凄いわな。」
煉滋が言う。
「うんうん」
グレンとディランが続いて言う。


そして6時間の時が流れた。
「これが…私のお家…」
「そうだよ、ヒカルのお家。私が作ったから安全なハズだよ!私は宗谷頃奈!

「よろしく」
723バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/24(月) 11:09:06 ID:???
以上、ツッコミ所満載の学園ドルダです。うーん…今回はご都合主義な後付け
になって苦しかったw頃奈が空気にならないように頑張ったのですが総じて見ると
煉滋が主人公のようにも見える…。
724571:2008/11/24(月) 15:19:56 ID:???
バルト氏GJ!!!
わーい自分には分からない単語がずらりと並んでるさ〜。
特に頃奈の発表辺りで完璧にちんぷんかんぷんに……
それはともかく乙です!
なんていうか、グレンが特攻隊長で、煉滋が親衛隊長、頃奈が姫様みたいな構図に見えてきたwww
725通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 15:20:33 ID:???
ヒゲ
726エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/24(月) 18:57:15 ID:???
バルド氏GJっす。
で、新説の投下なんですけどかなりフリーダムなことになっちゃってて遅れそうです
727本家ドルダの人:2008/11/24(月) 22:23:02 ID:???
お久しぶりです。本編の人もとい本家ドルダの人です。
自分のドルダが本家なんて呼ばれるのはとても恐縮であります。

第3話前半の投下の後、検索をかけたのですがスレが見つからず、
てっきりスレが落ちてしまったものだと今まで勘違いしていました。
自分のドルダを待ってくださっていた方、本当にご迷惑をおかけしました。
ドルダスレが現存しているとあれば、スレが続く限り投下していくつもりですので、またよろしくお願いします。





本家ドルダの『進宇宙暦』という表記について
>>589で571さんが疑問に思われているようなのでご説明します。

第1話の冒頭を読んでいただければわかると思いますが、
進宇宙暦の英語の表記はAdvanced Space Developmentとなっています。
本来なら英語の方が正式なので、Advanced Space Developmentの直訳(進歩した宇宙開発)で『進宇宙』暦となります。
おわかりいただけたでしょうか?

ただし、これは本家ドルダでの設定ですので、他の作品がこれにあわせる必要は一切ありません。
新宇宙暦でも構いません。作品ごとの自由だと私は考えています。
728本家ドルダ:2008/11/24(月) 22:27:55 ID:???
>>335-346

 ヘルメット越しに見える幼い顔。
 ギデオンとヴァイスが回収したのは、デブリではなく二人の子供だった。
 寄り添い、固く握り合った手は、深い絆を感じさせる。
 兄妹。そう見るのが正しい。
 憔悴し、輸送船の格納庫に着いた途端、床に倒れ込んでしまった。
「大丈夫ですかっ!?」
 格納庫にはクランとモモとシンシアが、ギデオンとヴァイスの帰りを待っていた。
 職業柄か、モモがいち早く兄妹の元に駆け寄る。
「隊長、この子達は?」
 クランは横目で兄妹を見ながら、ギデオンに尋ねた。
「作業艇にいたので保護した」
「その作業艇が突然動き出したのには肝が冷えたぜ……ったく」
 小さく息をつき、ギデオンが答える。
 ヴァイスは怪訝そうな表情をして、兄妹に目をやった。
 疲れた様子の兄妹を起き上げようとするモモ。
 だが、その手は兄らしき少年に振り払われてしまう。
「俺達は、アンタ等独立派なんかの世話にはならねぇ!!」
 怒りに任せた声が、格納庫に響く。
「俺達の親父は、アンタ等に無理矢理連れ去られたんだ!」
 悔しさに滲む瞳。
 そんな兄を見る妹の瞳もまた、悲哀に満ちていた。
729本家ドルダ:2008/11/24(月) 22:30:31 ID:???
 クラン達は、言葉を失ってしまう。
 この兄妹の父親がどのような人物なのかは知らない。
 しかし、独立派のこのような行いは許せるはずもなかった。
「違うのよ。私達は、火星コロニー独立派ではないわ」
 安心させるように、優しい声でクランが言う。
「信じられるかよ! 現にこの船には奴等の機体があるじゃねぇか!!」
「それは、私達が独立派の船を奪って軌道エレベータのステーションから逃げて来たからなの」
 落ち着かせるために、クランは決して口調を荒げることはなかった。
 穏やかな微笑み。
 それは、シンシアに、かつて共に過ごした本当の妹に向けるような、微笑みだった。
「お前等、もしかしてシドーのオッサンのガキ達か?」
 そんな中、思い出したかのようにヴァイスが疑問を投げかけた。
 少年が、眉を顰めながらヴァイスを見た。
「俺だって。はぐれ者のヴァイスだ」
「ヴァイス……」
 少年が名を復唱する。
 記憶の中を潜り、探り、そして。
「あ! 親父が半人前のガキだって言ってたヴァイスか!」
 ヴァイスは、勢いよく音を立て、床に倒れ込んだ。

「兄が本当に、失礼なことをしました!」
 クラン達に向けて、少女が必死に頭を下げる。
730本家ドルダ:2008/11/24(月) 22:34:52 ID:???
 クランの説得と、ヴァイスの言葉により、誤解はなくなった。
 場所を談話室に移し事情を聞くことになったが、兄であるシオン・紫藤は恥ずかしそうに膝を抱え顔を埋めてしまった。
 そんな兄を叱るように、妹のヘルガ・紫藤が腕を掴んで立ち上がらせる。
「ほら、お兄ちゃんも謝らないと!」
「…………ゴメンナサイ……」
 聞こえるか聞こえないかといった程度の声量で、シオンが言う。
 クラン達は苦笑するしかなかったが、一件落着に胸を撫で下ろした。
「わかってくれたならいいんだ。だがよ、オッサンが連れ去られたってのはどういうことだ?」
 本題は、そこである。
 誤解は消え和やかだった空気が、ピンと張り詰める。
 ヘルガは悲しそうに俯き、悔しげな表情に戻ったシオンがゆっくりと口を開く。
「独立派の奴等、技術者を集めてるみたいで、俺達がいたコロニーも制圧されて、
機械工学の偉い人だとか親父みたいなしがないジャンク屋まで連れて行かれたんだ」
 火星コロニーの住民は、多くは独立の賛成派である。
 しかし独立派のしていることは度を越し、板挟みの一般市民達は右往左往するしかなかった。
731本家ドルダ:2008/11/24(月) 22:38:10 ID:???
 独立のためとはいえ、一般市民を無理矢理連行するというようなやり方は決して許せるものではない。
「俺達は間一髪、独立派の監視が厳しくなる前にあの作業艇でコロニーから逃げ出してきたんだ」
「全く、無茶をする……」
 呆れたように、ギデオンが呟いた。
「だって! 俺は、俺達は嫌だったんだ! 俺達は地球圏で生まれ育った。
でもヘルガはテロリズム・イヤーのせいで本当の家族を失って……
俺と親父とヘルガは、そんなものがない世界を目指して火星圏に来たんだ!」
 そう訴えるシオンの瞳は、涙で濡れていた。
 テロリズム・イヤー。地球圏でその年、数えきれないほど各地でテロによる災害が発生した。
 ビルは崩れ、街は焼かれ、完全に機能を失ったコロニーもあった。
 人の泣く声、嘆く声が、止むことのなかった年。
 クランは左腕を押さえる。それは強く、右手が痛くなるほどに。
「お姉ちゃん?」
「えっ……?」
 気付くと、心配そうにしているシンシアの顔が飛び込んでくる。
「クランさん、大丈夫ですかぁ?」
 モモもクランの異常を感じ取り、声をかける。
「えぇ、大丈夫よ。モモちゃん、私よりも二人を診てあげて」
「そうですか? わかりましたぁ」
732本家ドルダ:2008/11/24(月) 22:41:32 ID:???
 納得はしていないようだったが、モモはクランから離れシオンとヘルガの元へ向かった。
「それじゃあ、栄養剤を打っときましょう」
 救急用のバッグを片手に、モモはニコリと微笑んだ。
「打っとくって……まさか」
 嫌な予感に顔を青くして、汗を流すシオン。
「もちろん、お注射ですよっ♪」
「い、いやだああああああ!!」
「お兄ちゃん……恥ずかしい」
 和やかな空気が談話室に戻る。
 だが、シンシアは未だクランの顔を悩ましげに見上げるばかり。
 クランはシンシアの頭を撫で、安心させた。
「ごめんね。お姉ちゃんがこんなじゃ、駄目ね」
「うぅん。お姉ちゃんは、そのままでいて。私、そのままのお姉ちゃんが好き」
 偽りの姉妹関係。
 お姉ちゃん。そう慕ってくる少女に、クランの心はズキリと痛んだ。
 こんな、自分が何者なのかもわからない少女を利用するようなやり方を、クランはしたくなかった。
 このままコロニーに向かえれば、何事もなく全てが終わるのではないかと、淡い期待を抱いてしまう。
 しかし、そんな期待を打ち消すように、スピーカーがキィンと耳鳴りのように響いた。
『独立派と思われる機体の熱源をキャッチしました』
733エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/24(月) 22:49:46 ID:???
ちょww本編の人、お久しぶりです。
なんか色々勝手なことしてすいませんでした。
続き、楽しみにしてますので気が向いた時にでも投下して下さい。
いや、なんかマジですいません
734本家ドルダ:2008/11/24(月) 23:22:55 ID:???
 スピーカーから流れてきたのは、操縦室に詰めていたミランダからの報告。
 シンシア、モモ、紫藤兄妹を残して、クラン達は操縦室に向かった。
「状況は?」
「偵察でしょうか。すぐにいなくなりました」
 ギデオンに訊かれて、素早くミランダが返答する。
「こちらも不要と思えた電力消費は全て落としておきましたが」
「それでいい。道中にデブリ帯を選んだのは目眩ましのためでもある」
 ミランダの報告を聞いたギデオンが静かに言う。
「遮蔽物はもちろんだか、下手に攻撃を加えて危険物に誘爆……といったことも有り得るからな」
 しかし、このまま見過ごしてくれるほど追撃部隊は甘くはないだろう。
 そう考えて、ギデオンを踵を返し、操縦室から出て行った。
「トロニクス君、手伝ってくれ。また外で作業だ。
ナギサカ君は待機、シンシア君を機体に。火は入れるなよ」

 デブリ帯から少々外れた宙域。
 待機する4機のローズの元に、1機のローズが合流する。
『何個かそれらしき熱源はあったわよ』
 スピーカーから女の声が響いた。
 それを聞き、コックピットの中で腕組みをしていた男が、ニヤリと口角を上げた。
735本家ドルダ:2008/11/24(月) 23:26:30 ID:???
 マイケル・ミッチェル。ドルダ、及び調査隊の追撃任務を請け負った部隊の隊長。
『どうするの? すぐにでも仕掛ける?』
 そして、偵察に出ていた女パイロット。
 ターニャ・ソブロフ。マイケルの右腕的存在である。
「場所がわかっているなら好都合さ。彼等もデブリの中で篭城……なんてことはしてられないだろうからね」
 調査隊の奪った輸送船は、三機のローズ以外はまともな物資は積まれていない。
 機体を積み込んだだけで、必要な物資の搬入はまだだったと報告を受けている。
 そうそう長く、あの場所に居座れるはずもない。
「こちらが仕掛けてやれば、逃げるために否が応でも動き出す」
 己の作戦に対する自信。
 火星開発公社の火星調査隊。
 軍人や、自分達のように武力で決起した者達とは違う。
 いくら強大な戦力を持っていようと、所詮は一般人。
 戦うことより、逃げ、生き延びることを優先させるはずである。
「ディラン、タオとマオ、君達も大丈夫かな?」
 マイケルがそう言うと、ディスプレイに『OK, Master.』と文字による通信が送られてきた。
 タオとマオ。この二人のパイロットは、マイケルが隊に配属させた少年兵の兄弟である。
736本家ドルダ:2008/11/24(月) 23:30:59 ID:???
 幼い頃に両親を失い、火星圏に近い小惑星でレアメタル採掘の労働をしていた。
 労働は過酷なものであり、まだ年端もいかないタオとマオには辛く厳しいものであった。
 その頃に労働を強いていた里親の虐待を受け、兄弟揃って声をなくしている。
 ディランはそんな二人を多額の資金と引き替えに引き取ったのだ。
「ディラン、君はどうかな?」
 返答がないもう一人のパイロットに、マイケルはもう一度問う。
『すまない。大丈夫だ』
 スピーカーから、まだ成熟しきっていない少年の声が響いた。
 だがその声には似つかわしくない、とても落ち着き払った口調であった。
『また地球圏のバンドの曲聴いてたの?』
『あぁ。だがもう止めた』
 ターニャに訊かれ、鋭い瞳の少年が、変わらず淡々とした口調で返す。
 この少年、ディラン・クロスもまた、マイケルによって集められた少年兵の一人だった。
『隊長達が俺を拾ってくれたことには感謝している。その分の恩は返すつもりだ』
 その年不相応の口調や性格は、この少年にもまた過去に何かがあったことを窺わせる。
 しかし、ディランもターニャも彼の過去を知らなければ、聞くこともしなかった。
737本家ドルダ:2008/11/24(月) 23:35:20 ID:???
 ディランはモビルスーツのパイロットとして志願し、マイケルがそれを採用した。
 ただそれだけ。マイケルにとっては、過去などは関係ない。
(……大人も子供も、生きるのに必死なんだ。特にこの火星圏ではね)
 空しい時代だと、ディランは心の中で嘆いた。
「だから行くのさ。大人も子供も、生きるためにさ」
 マイケル・ミッチェル隊が、静かに動き出す。
 輸送船と思われる熱源は数個。
 可能性が低いものを、マイケルとターニャが排除する。
 残ったのは、二つの熱源。
 しかもその熱源は、互いに近い距離にあった。
(カモフラージュ。けど、余りにも浅はかだよ。調査隊の諸君)
 別の熱源と近いからといって、重なって輸送船の熱源が隠れるわけではない。
 ステルス艦でもない輸送船が、そうそう簡単に姿を消せるはずもない。
 これが、一般人と戦場に生きる者の、差。
 確信をもって、マイケルは隊を熱源に向けて進めた。
 しかし、その時……
『マイケル、熱源が動き出したわよ!』
「なにッ……?」
 突然、熱源が移動を開始する。
 それも、二つの熱源が、同時に。
738本家ドルダ:2008/11/24(月) 23:36:58 ID:???
「チィッ! 考えを改めねばならないかな。相手はなかなかのギャンブラーだ」
 二つの熱源ということは、隊を二つに割かなければならないということ。
 戦力を減少させれば、迎い討てると思っているのか。
「なんにしても気に入ったね。ターニャ、君はタオとマオを連れ、デブリが少ない方に逃げた熱源を追え!」
『了解したわ!』
 3機のローズが一方の熱源を追う。
「ターニャには悪いことをしたかな……」
 ディランが、怪しく笑みを浮かべた。
「密集地帯に逃げた熱源。もしそれが本ボシならば、僕は彼等と戦いたい!」
 マイケルはディランと共に、デブリが密集する宙域に向け移動を開始した。
「敢えて危険に飛び込む。その意気込みは良し!!」





To Be Continued...
739本家ドルダの人:2008/11/24(月) 23:39:44 ID:???
さるさん対策で30分間ほど時間を置きました。

エルトさん、新説ドルダ、楽しく読ませて頂きました。
まさかアナザーとクロスオーバーしていただけると思っていたかったのでドキドキしています。
アレスとシンシアという存在の関係が気になります。

バルトさん、学園ドルダの切り口が素敵です。
エコールを思い出す面白い設定ですねぇ。

その他、設定案やネタを投下してくださった方々、楽しく読ませていただいています。

573さんが言っていましたが、別に私は設定の投下は負担ではありません。
スレに来られなかったのは、私の勘違いが原因です。
それに、投下された設定を全て本編に反映させることはできませんし、
できる限り初期設定をねじ曲げないように設定を改変させてもらってます。
設定の投下は、むしろありがたいです。
自分のボキャブラリーでは思いつかないようなアイデアがたくさんありますから。

それではまた後日。
740本家ドルダの人:2008/11/25(火) 01:41:11 ID:???
>>736
> しかし、ディランもターニャも彼の過去を知らなければ、聞くこともしなかった。
は誤りです。

正確には
>  しかし、マイケルもターニャも彼の過去を知らなければ、聞くこともしなかった。
です。訂正します。

無駄なレス消費失礼しました。
Wikiにも誤字脱字変換ミスありますがご愛嬌で。
741571:2008/11/25(火) 18:24:01 ID:???
おおおおおおおおおうううぅぅぅぅあああ?!!!!!
ああああああああqwせdrtgyふじこlp;(うるさい
ほ、本編ドルダ!!!!まさか再び会い見えようとは!!
本編の人、お久しぶりです!!
本編ドルダ、続き楽しみにしてます!!GJ!!
では!!
742バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/25(火) 19:55:55 ID:???
>>571
今回の学園ドルダはちょっと自己満足が入っちゃいましたw
以前、私のPCが「VUNDO」というウイルスに感染したんです。
セキュリティソフトや自動更新が無効にされたりと大変でしたが無事に駆除しました。

その経験を生かしたかったんです。そこでSF作品なら生かせると思ったんです。

>>エルト氏
レスありがとうございます。新説ドルダは凄いことになってそうですね。
楽しみにしてます。

>>本編ドルダの人
お久しぶりです!まさかここでうちの子(シオンとヘルガ)が登場するとは…!
学園ドルダは本編の外伝という感じで作ったのですがすっかり別物にw
本編のディランは果たしてどんな活躍をするのでしょうか?楽しみです。
さっそくwikiに掲載しておきました!
743エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/26(水) 01:38:38 ID:???
今晩は、例によって例のごとく深夜の投下になります。
まあ、だいぶ前に出来上がってたんだけど、若干の改編を、ね?

>>バルド氏
いつも乙です。
今回の四話、ディックがそれなりに動くのですが最初彼はアナザーを踏襲した路線でいこうとしてたんです。
けれどバルド氏のキャラデザを見て、ああ、こいつはこんな性格だ、ってインスピレーションが湧きましたw
で、現在のキャラに。古参は違和感を覚えるかもですが、キャラデザでキャラが動くことってあるんだ、と実感しました

>>本編の人
乙です!やっぱり本家は上手い!続き楽しみにしてますです。

では、いきます
744エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/26(水) 01:41:00 ID:???
新説ガンダムドルダ 
第四話 魔神、起動

「ぐっ……ああああっ!!」
肉体にかかる負荷に叫ぶクラン。そして突如急停止する機体。
「くっ…!」
顔を歪めるクランに、少女が感情の籠らない声で言う。
「乗って」
「…え?」
「後ろ、乗って」
その機体…ガンダムドルダのコクピットには、二つの操縦席が存在していた。
「乗っているだけでいいから。このまま行ったら、多分危ない…」
クランは言われた通りにしようとするが、色々なことが起こりすぎて、少女の言うことに従うべきであるのか逡巡していた。
このMSは一体何なのか…そして自分はそれに乗ってしまった…
何処の機体なのかどういう目的で造られてどういう経緯で自分と出会うことになってしまったのだろうか…
少女は、黙っている。亡くした妹に似た少女。
彼女は、いや、彼女が何故ここに…
飲食はどうしていたのか、彼女をここに安置した存在の思惑とは…はたまた彼女は自らの意思でここに存在していたのか…
「お願いだから、ね?」
少し首を傾げて、今度はクランに笑いかける。その笑顔、傾げた首の角度…
何もかもが、似すぎている。いや、同じなのだ。
亡くなった(いや、そもそも本当に亡くなったのか?)年齢のままの妹と同じ少女。
自分だけに時の流れが干渉して。もう二度と、あの頃のように笑えないような気がして。
(違う、この娘は違う…)
必死に自らにそう言い聞かせることで、クランは目の前の現実を否定しようとしていた。
が、少女の次の一言によって、その努力は水泡と化す。
「お姉ちゃん」
「!!」
世界が、変わる。崩壊した世界の色が、戻る。
両親はいない。しかし、崩れかけていた、そして折り合いをつけ、無理矢理作り出していたクランの世界は、その色を取り戻しかけていたのだった。
745エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/26(水) 01:41:42 ID:???
錯乱するデイヴとアレスを中心に、戦場にはまるで時が止まったかのような静寂が訪れる。
この静けさの後、目覚めてはならない魔神が起動することになるとは、誰も想像していなかった。
茫然自失のアレスの元に、通信が入る。
「俺だ、どうした」
荒い息を少し落ち着けようと努力した後、アレスが応答する。
『ゲッゲッゲッ。わしじゃよ、アレス』
「ティモール…?」
声の主は、ガンダムマルスの開発者であるプロフェッサー・ティモールであった。
『そちらの様子はマルスのカメラから把握しておる…えらいことになるようじゃな、アレス』
「どういうことだ」
『目覚めるのさ、魔神が』
「ドルダ、が…?」
『ああ。お前さん、何故ムスペルヘイムで出撃せんかった?シンシアに会いたいという逸る気持ちはわからんでもないがな』
「!」
戸惑うアレスに、その独特の笑い声をこれでもかと響かせ続けるティモール。
『今ドルダと戦うてはならん』
急に真剣な表情と口調になる。
『お前さんが第一にやるべきは、その場に存在する敵MS群の殲滅じゃ。その後、速やかに離脱するのじゃ』
「出来ない。こうしている間にも、彼女は…」
断固として首を縦に振らないアレスの瞳には、再び強い意思が宿っていた。
『たわけが!ムスペルヘイムでないマルスがドルダに敵う筈がなかろうが!』
聞かん坊を咎めるような口調でティモールは怒鳴る。
その口からはたくさんの唾が飛ぶ。余程興奮しているのだろう。
「ティモール」
『なんじゃい!?』
「悪いが後にしてくれ。どんな罰でも受けるつもりだ」
そう言い、通信を切る。おい、おい!ティモールの叫び声が途切れ、再び静寂が訪れる。
「ガンダム、ドルダ…!」
歯ぎしりをしながら呟くアレス。その表情は強い憎しみの念に捉われていた。
「シンシアを、渡すものか…!」
マルスのツインアイが光を灯した…沈黙の火星の神が、再び起動する。
746エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/26(水) 01:42:23 ID:???
深い深いまどろみの底で、見た夢。
それは、決して開けてはならない、パンドラの箱…

一人の少女が、悠久の時を眠る。
初雪のように白い肌に咲き誇るは、薔薇のように美しい唇。
少女には恐らく感情というものはない。眠ってはいるのだが、目を覚ましたとて、美の権化がただ在るだけだという印象を与える。
あまりの美しさに、そっと触れようと手を伸ばす。
決して遠くはない距離にいる少女に触れるには、少しの時があれば十分だろう。
しかし、あまりにも遠い。あまりにも永い。
その時間さえ愛おしく思えるほどの美しさ…
そして、指先が少女の面を捉えた刹那…

「おい、聞こえてんのか!?応答しろ!デイヴィッド・リマァー!!」
はっ!デイヴは目を覚ます。あの夢を、何故、今…?
眠っていたのだろうか?ディックの通信により、意識を取り戻す。
ピッ、応答するデイヴ。何度も起こる不可解なデジャヴとジャメヴの渦から、逃れようとする為に。
「…あー、こちらデイヴィッド。落ちこぼれのオッサンは無事だぜ、中尉殿」
いつもの皮肉屋としての口調に戻るデイヴ。が、その瞳は依然として憔悴に揺れている。
「!…ぶ、無事ならサッサと応答しやがれ、このクソオヤジ!」
心配したじゃねえか…聞こえないようにうそぶくディックに、デイヴが答える。
「ひでえ言い草だな、まったく。クソオヤジはねえよ、こちとらまだ26だぜ」
「う、うるせえ!26にもなりゃ、十分立派なおっさんだ!もうじきビール腹の仲間入りだ!健康のためにスカッシュをやる老いぼれの一人になるんだよ!
そのうち、ミネラルウォーターを飲んでカロリーに詳しくなるんだ!あと4年で30なんてほとんどジジイじゃねえか! もし俺だったら、あんまりにも気が滅入って首を吊るね!」
若干涙目になりながらもまくし立てるディック。
「首吊りの足を引っ張るような御意見、ありがとさん」
気にもとめずにディックをあしらうデイヴ。
「とりあえず今はこのアンノウン共と、あのガンダムタイプにどんなお土産を渡して帰ってもらうかだな。ケンカの続きは後でやろうぜ」
「…ったく!黙って聞いてりゃ、どの口がそんなこと言えるってんだよ!」
気を取り直したのか、いつものように不遜な態度のディック。
「仕切るのはこの俺、ディック・オメコスキー様だ!…ああ、何度でも言うぜ!足引っ張るんじゃねえぞ、クソオヤジ!!」
「クソオヤジはやめろっての!」
先ほどまでの完璧な陣営を見事なまでに再現しつつ、流麗に舞うようにして、二機のMSはガンダムマルスへと向かっていく。
747エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/26(水) 01:43:12 ID:???
どれくらいの時間が経ったのだろう。 自分が死んでいないことを理解して、瞼を開く。
体を包むような若干の浮遊感。
「宇宙……!?」
クランが驚きの声を上げた。モニターに映る景色は、地上のものではない。
気がつくと、機体は宇宙にいた。
「接近する機体を確認。殲滅する」
モニターがこちらに向かってくる数機のMS、ローズを映し出す。
「何をするの……?」
嫌な予感がして、クランが少女に問う。
少女は、冷たく、まるで人形のような瞳で、それらを見ていた。
機体が持つ二丁のバスターライフルが、エネルギーを収束する。
そして次の瞬間、巨大な光の渦が、ローズに向けて放たれた。
「ああっ…………」
眼前の光景に、クランは自分の目を疑う。
光の渦は数機のローズを包み込み、そして跡形も残すことなく消し去ってしまった。
「私は……わたしは……くっ、うああああああ!!」
ローズを消し去った直後、突然、頭を押さえ少女は苦しみ始めた。そして面を上げ、再び呟く。
「来る…!」
今度は一体何が来るのか、そして一体何が起こるのか。
苦しみもがく少女を見ながら、クランはただ得体の知れない不安に、震え続けた。

「!」
自らの機体に迫りくる二機のMS。アレスはガンダムマルスのビームガンブレードのトリガーを引く。
「邪魔だ!」
放たれるビームライフルの雨を、かいくぐり避け続けるディック。
一方のデイヴは、自らの回避能力がお世辞にも良いとは言えないとわかっているので、ディックの駆るムウシコスに張り付くように身を隠し、共に回避する。
「この俺が!そんな単純な軌道のビーム、食らうかっての!」
全てのビームライフルを紙一重で避け、ムウシコスはビームサーベルを抜く。
ムウシコスとマルスの距離は、接近戦にちょうど良い間合いとなっていた。
(こいつ、出来るな…!そしてあのグワッシュ…!)
目を細めるアレス。そしてフッ、と薄く笑い言う。
「これで終わりと、思ったのか…?」
「何!?」
思い切りサーベルを振りかぶったムウシコスに、マルスのカメラファンネルが襲いかかる。
「なんだ、この武器は!?」
「!?」
見たこともないような武装に明らかな戸惑いを隠せないデイヴとディック。
襲い来る光の矢が、縦横無尽に宇宙を駆け巡る。
(ビームライフル…?いや、違う!これは一体…?)
得心のいかぬまま、しかし目の前の現実、死を誘うファンネルからの猛攻を避けなければならない。
748エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/26(水) 01:44:02 ID:???
「ぐあっ!」
サーベルを振りかぶった体勢のムウシコスは隙が大きい。ファンネルの一つが左足に被弾する。
(あいつの回避能力をして避けられねえのかよ!?)
冷や汗をかくデイヴ。しかしMSの操作を中断するわけにはいかない。
この状況で、少しでも休憩することは油断に他ならない。油断は隙を生む。隙は命を奪う。
デイヴは冷静な判断で、ムウシコスのカバーに回る。
残り七基のファンネルが一斉に、隙の出来たムウシコスに突き刺さるべく襲い来る。
(今の俺に出来ることは…!)
デイヴはグワッシュの持つリニアライフルを投擲、一基のファンネルを阻む。
続けてプラズマソードを投擲、これもなんとか一基のファンネルを防ぐことが出来たようだ。
残りの五基をどう阻むか。加えてガンダムマルスがビームサーベルとビームガンブレードの二刀流で、デイヴのグワッシュへと向かっていた。
デイヴのグワッシュに、もう投擲してファンネルを阻めるような武装はない。加えて、左腕が損傷している。
向かってくるマルスに対抗し、これを打ち払うことなど絶対に不可であった。
(クソ、どうにもできやしねえ!俺はまた、助けられないのか…!?)
デイヴは死を覚悟した。しかしそれ以上に、一人の人間を助けられないという己の無力さを再び噛締めていた。
三基のファンネルが、それぞれムウシコスの頭部、背部スラスター、右腕を破壊する。
(野郎、確実に息の根を止めるつもりか!)
だったら!
デイヴはスラスターをフル稼働させ、ムウシコスの前面に出る。
「ぐっ!ああああ!」
マルスの斬撃を紙一重で避け、ムウシコスを襲う二基のファンネルから身を挺して庇ったのだった。
「!」
驚きを隠せない表情のアレス。
この状況で自らの斬撃を避けたデイヴに驚いたというのもあるが、彼にとって信じられなかったのは、デイヴがディックを庇うという行動に出たことだった。
ファンネルの一つが、コクピット部分に被弾し、グワッシュの装甲が剥げる。
グワッシュからはデイヴの顔が見える状況となっていた。
ヘルメットにひびが入る。出血もしているな…!デイヴは苦しみの中そう思った。
「バカ野郎!俺を庇ったのかよ!何でそんなことをした!」
叫ぶディック。
「…知るかよ!体が、勝手に動いちまった、んだよ…!クソガキは黙っておうちでママのおっぱい吸ってろってな…これでわかったか?」
身を走る痛みに気を失いそうになりながらも、デイヴは言う。
「お前…!このままじゃどっちにしろ、二人ともアイツにやられるぞ!何で自分だけでも逃げようとしなかった!?」
いつしか人を信じる、ということを忘れかけていたディック。
今までの彼がデイヴと同じ立場だったなら、彼は迷わず仲間を切り捨てていただろう。
そしてその仲間のことを笑うのだ。アイツは馬鹿だと。
腕が立たないから、運が悪いから、などという理由で、胸に湧き上がる何かを無理矢理押さえつけて。
749エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/26(水) 01:44:58 ID:???
「ヘッ!旅は道連れ、世は情けってよく言ったモンだよ。クソガキ、てめえもこのクソオヤジの三途の川への旅立ち、付き合ってくれや」
要するに、お前ひとりを死なせはしないってことなのだが、この一言はアレスにも多大な影響を与える。
一見して性格は違えど、アレスもまた、デイヴの立場だったならディックと同じ行動を取ったであろう。
「さあ、ガンダムパイロットさんよ、さっさと殺せよ。出来る限り楽に頼むぜ」
これ以上生きていても楽しいことなど何もない…そう言わんばかりのデイヴ。
対して、顔を俯かせたアレスは思う。
(この男、死に急いでいるのか…?)
同時に、デイヴの行動に確かな敬意を払い、彼の宗教「コンパニヤ」式の挨拶、胸の前で静かに十字を切る。
「これもケジメだ。お前達の善戦を讃え、今その御魂を神の元へと返してやろう」
面を上げ、ビームサーベルとビームガンブレードを構える。
しかし、アレスの動きは再びそこで止まることとなったのであった。
(あの男…!)
グワッシュから覗くデイヴの顔を見て、その表情に驚きが走る。
ドン!
静寂という静寂が心ゆくまで静寂した後、マルスに向けて放たれた一閃のビームキャノン。
「!」
間一髪でそれを避け、振り返るとそこには、目覚めてはならない魔神・ガンダムドルダがいた。

「何だ、あの機体は!?」
ローズ四機と交戦中の第七次調査団所属、シヴォーフ・ラーグが言う。
同じくネルネ・ルネールネ、ゲイリー・ターレルもドルダの方を向く。
ローズパイロット達も戸惑いを隠せないのか、ドルダとマルスが静かに対峙するのを固唾を飲んで見守っていた。
戦場が戸惑いに飲まれ、誰もが動きを止めた。
ただ一人、ドルダに搭乗しているクランだけが、その身をかすかに震えさせていたのだった…
しかし、一人の男の愚行により、その静寂は引き裂かれ、その場にいた人物は皆、抗うことのできない圧倒的な暴力の存在を知ることとなる。
「アレが、俺らの目的か!おい!サッサと滷獲すんぞ!」
四機のローズがこぞってドルダに向けてビームライフルを撃つ。
が、ドルダは微動だにしない。ドルダを操る謎の少女も無表情のままである。
「貰ったァ!」
ビームサーベルを抜く四機のローズ。
750エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/26(水) 01:46:17 ID:???
「止せ!」
アレスの制止。しかし彼らの耳には届かない。
不意に、少女が言う。時間さえも支配するような声で、しかし静かに…
「Doll-daシステム、起動。ビームジェネレーター、展開」
キイィィィンン…静かにその身に輝きを灯すガンダムドルダ。
身にまとうみの虫のような大型フルシールドが一斉にパージする。
「!」
その場の誰もが、目を疑った。装甲をパージ…!?
ただ一人、クランだけはその事実を知らなかったのだが。
展開したシールドの中には、これまでの滑稽で無骨で無機質なガンダムドルダの姿はそこには無かった。
両肩のビームジェネレーターから天まで届くと思うほどのビームシールドが発生・収束し、その身を包む。
ビームシールドはローズの放ったビームライフルを弾き、そしてビームサーベルの斬撃をも受け止めてみせたのだった。
「な、何!?」
戸惑うローズパイロット。しかし次の瞬間、彼らは気体と化していた。
ドルダの放った二丁のバスターライフルの閃光が、音もなく彼らの命を奪っていたのだった。
再び訪れるは、静寂…否、空白。
その命、その存在を始めから無かったもののように扱う魔神。
クランが、デイヴが、アレスが、ディックが、シヴォーフが言葉を失う。
目の前に存在する絶対的な恐怖。圧倒的な存在。
クランは、どうしていいかわからなかった。
デイヴは、死を覚悟した。
ディックは、言葉が出なかった。
シヴォーフは、今すぐにでも逃げだしてしまいたかった。
ただ一人、アレスのみが恐怖に打ち克ち、鋭い瞳で魔神を睨みつけていた。
(ドルダ…!目覚めたということは、シンシアは…?)
二刀流の構えをとり、脚部のビームブレイドを発生させるマルス。
絶対的王者としてのドルダが、マルスごときの不敬な動きを見逃す筈もなく。
アレスは言う。己を鼓舞するため、恐怖に打ち克つため。
「ドルダ」
皆が一斉にマルスに注目する。
「そこを退け。俺は今からお前のいた遺跡に向かい、ある人物に会わなければならない」
ますます混乱する一同。
今度は、クランだけがその答えを見出すことが出来た。
(ある人物って、まさか…?)
クランは、ドルダを操縦している少女を見る。
(彼女、シンシア…?)
だとしたら、目の前の真紅の機体を駆る人物は。
幼き日に、自らの無力を悔いた少年なのだろうか…
(そんな、まさか…アレス、あなたなの…?)
その澄んだ瞳が、悲しみに塞がれる。
「ガンダムマルス、アレス・ルナーク!これよりガンダムドルダを駆逐する!」
紅き戦神と、蒼き恐怖が、その運命を交叉させる。

四話 終 五話に続く
751エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/26(水) 01:48:21 ID:???
そんなわけで、ドルダvsマルスは次回に持ち越しになってしまった…
じゃあサヨウナラ
752通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 03:09:36 ID:???
GJ
だんだんと本家からもアナザーからも違う道に向かっていく新設(・∀・)イイ!!
記憶喪失の少女は本当にシンシアなんだなw

あとメ欄のコメントは叩かれるもとになるかもしれないからやめたほうがいいと思う
753通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 03:10:54 ID:???
×新設
○新説

親切とも変換ミスして打ち直したのにこの有り様だよ
754通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 04:11:23 ID:???
>>752
俺も思ったw
シンシアの今後の扱いが気になるな。
それと普通に上手いと思うんだが…
755571:2008/11/26(水) 17:27:15 ID:???
エルト氏GJ!!
ついにドルダとマルスの!!対!!決!!
次回が楽しみです
756通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 18:09:00 ID:???
757バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/26(水) 20:49:26 ID:???
エルト氏、乙です!文章表現が素晴らしい!
まさか自分のキャラデザでキャラが動くとは…光栄です!

ドルダVS.マルス!熱くなりそうですね!
あと、デイヴとクランの接触が気になります。
758エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/27(木) 00:02:34 ID:???
どうも。遅くなりましたが、新説のMS設定、投下します。
まずはその1。

MAS-006 ローズ
所属:ダイモス・火星義勇軍
武装:
ビームライフル×1
ビームサーベル×2
シールド×1
バルカン×2

詳細:
地球圏との戦争に向けて開発された火星コロニー群の主力機 。
MASとはMars Action Suitの略である。主兵器のM-69tmビームライフルは火星コロニー群の優れた技術を存分に使用した最新兵器である。
地球及び地球圏コロニー群の最新鋭機であるムウシコスやガーランドよりも機体性能は高い。
全身を赤く塗装してあるものが多い。

GEY-004 ムウシコス
所属:第七次調査団、地球連邦軍
主なパイロット:ディック・オメコスキー、シヴォーフ・ラーグ
武装:
ビームライフル×1
ビームサーベル×2
ビームバルカン×2
ビームキャノン×1(ディック機のみ)
ビームガトリングガン×1(シヴォーフ機のみ

詳細:
アルフ・スメッグヘッド教授が設計した、地球連邦軍の最新鋭機。
地球連邦によるビーム兵器搭載型の量産MSとしては初の機体となる。
白を中心としたカラーリングである。
選ばれたエリートパイロットのみが搭乗することができる。
759エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/27(木) 00:04:13 ID:???
その2。
EA-002 グワッシュ
所属:第一次調査隊、第七次調査団
主なパイロット:
クラン・R・ナギサカ、デイヴィッド・リマー、ゲイリー・ターレル、ギデオン・マクドガル
武装:
リニアライフル×1
プラズマソード×1
100mmマシンガン×1
作業用アーム

詳細:
火星開発公社の開発した、初期量産型MS。
地球連邦軍、地球圏コロニー、火星コロニー軍などで幅広く使用される最もポピュラーな機体。

EA-003Wドグッシュ
所属:第七次調査団、地球連邦軍
主なパイロット:ネルネ・ルネールネ、カマッセ・ドッグ
武装:
カントーン・リニアライフル×1
高周波ブレード×1

詳細:
地球連邦軍の主力MS。グワッシュをベースに戦闘用に改造した機体。
武装はシンプルに上記の二つのみ。カントーン・リニアライフルには高出力モードが存在する。

何かあったら言って下さい。ではサヨウナラ
760通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 12:37:57 ID:???
バルド氏いつも早いまとめ乙です!
761通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 22:10:22 ID:???
あれ…?
762本家ドルダ:2008/11/28(金) 00:37:14 ID:???
Doll-Device Archive No.04 コロニー ナンバー・トゥエンティナイン





 デブリの密集宙域を突き進む輸送船。
 ぶつかるデブリに、船体は大きな揺れを伴っていた。
「くっ……これで、船はもつのでしょうか」
 サブコントロール席に座るクランの顔が曇る。
「祈るしかあるまい。いざとなれば、人型に乗り込んで逃げればいい」
 操縦桿を握りながら、ギデオンが言い放つ。
 ギデオンの計画。
 紫藤兄妹の乗っていた作業艇をオートパイロットで、輸送船とは別の方向へ発進させる。
 作業艇はデブリが少ない宙域へ。そして輸送船はデブリの密集宙域へ。
 通常なら、密集した宙域などに突っ込ませる馬鹿はいない。そう考える。
 部隊を分けるにしても、密集宙域に向かう機体は少ないと狙った。
「クレイジー……だわ」
 サブコントロール席につくミランダが、冷や汗を流しながら呟いた。
 最大速度でデブリの中を進行する。
 デブリは輸送船に衝突し、揺れは酷くなるばかり。
 しかし致命傷になるような被害が出ないのは、ギデオンの操縦の賜物だろう。
(デブリ宙域の航行経験3回……伊達ではないということね)
 経験のなせる技。
763本家ドルダ:2008/11/28(金) 00:40:51 ID:???
 未経験の自分ではこうはいかないだろうと、クランは素直に感心した。
「間もなく、デブリ帯抜けます」
 宙域図を映したモニターを見ながら、ミランダが報告する。
 しばらくすると、揺れが収まっていった。
 輸送船はデブリ?%8
764本家ドルダ:2008/11/28(金) 00:41:47 ID:???
>>763訂正

 未経験の自分ではこうはいかないだろうと、クランは素直に感心した。
「間もなく、デブリ帯抜けます」
 宙域図を映したモニターを見ながら、ミランダが報告する。
 しばらくすると、揺れが収まっていった。
 輸送船はデブリ宙域を脱出したのだ。
「独立派の機体、来ます!」
 焦りが混じった口調でクランが言う。
「ドルダ、発進だ!」
 待っていたとばかりに、ギデオンが声を上げた。

 格納庫では、ヴァイス達が発進準備を進めていた。
「すまねぇ。お前に頼っちまって」
「うぅん。わたし、みんなを守るよ。お姉ちゃんの、大事な仲間だもん」
 ヴァイスにそう言うと、シンシアは小さく笑って、ドルダのコックピットハッチを閉じた。
「怪我したら、モモが手当てしてあげますからね〜!」
「戻るぞ。エアロックが開く。シオンもすまねぇな。手伝ってくれてよ」
 ヴァイスとモモとシオンは、格納庫を出る。
「俺は別に。でも、俺と年が変わらない、あんな子を……」
 言い辛そうに、シオンは口篭もらせた。
 ヴァイスもモモも、その事に関しては表情を暗くさせる。
「あの子は……違うんだ」
 そして、ヴァイスはろくに言葉も紡げず、そう返した。
765本家ドルダ:2008/11/28(金) 00:44:19 ID:???
 3人と壁一枚を挟んだ向こう。格納庫のエアロックが開く。
 シンシアはまたズキズキと頭を刺激する鈍痛に耐えながら、ドルダを輸送船から発進させた。
 ドルダに乗ると、頭痛が走る。
 この機体に自分の無くした記憶に関する鍵があるのか。
「私は、なんなの」
 凍てつくほど冷たく、シンシアは呟く。
 だが、そんな自分にハッとする。
 こんな冷たいような言い方、皆やクランがいる前ではしなかったのに。
 シンシアは首を振り、モニターを見据える。
「…………来た」
 思考の中に直接、機体が接近してくることが伝えられる。
 これがドルダの能力なのは、或いは自分にそのような力があるのか。また別の何かか。
 わからないまま、シンシアは戦いを始める。
「やはり戦う気か。良いねぇ。喧嘩っ早くて」
 そんなシンシアとドルダに対して、マイケルとディランの駆る2機のローズが迫る。
「一度手を合わせただけだけど、模擬戦で僕を敗かせたニコラス・スウィフト君を唸らせたモビルスーツ。
実に興味があるね。いや、羨望に近いかもしれない。その力があれば、生きることがもっと楽になるよ」
 戦うことが生きること。
 生きる目的。
766本家ドルダ:2008/11/28(金) 00:46:49 ID:???
 そう考えるマイケルにとっては、ドルダという機体は魅力的なのかもしれない。
「ディラン、相手はビームが効かないから、気を付けるようにね」
『了解』
 速度を上げ、ドルダに一気に近付く。
「さぁ始めようか。生きるための戦いを!」
 2機はレイピアを抜き、ドルダに攻撃を仕掛ける。
「速い!」
 レイピアによる攻撃も、機体の動きも。
 シンシアは間一髪でそれを避け、間合いを取ろうと後退した。
「駄目だねぇ! 敵に後ろを見せちゃ!」
 嬉しそうに、マイケルが言った。
 そのまま接近し、ドルダの背部に蹴りの一撃を加える。
 一瞬の激しい揺れに襲われるドルダ。
「あくっ……なに!? ろくな攻撃を与えず、こちらを挑発してるの!?」
 直ぐ様向き合い、マニピュレーターからビームを発生させ固定する。
 そして、マイケルのローズに斬りかかった。
「おっと危ない! ビームを固定するとはね。聞いていた通りこちらを凌駕する技術力だ!」
 相手の行動を見ながら、余裕をもって機体を動かす。
 飄々とした口調は、実力を伴ってのもの。
 戦うことを生きる糧とし、それを楽しみとした男の、
何度も死線を掻い潜った経験からくるものであった。
767本家ドルダ:2008/11/28(金) 00:50:56 ID:???
「ディラン、そろそろアレを使うよ」
『わかった』
 ドルダから距離を取る2機。
 ローズの肩部のハードポイントに付けられた空のウェポンラックが開く。
 否、正確には空、であった。
 ビームライフルとレイピア。これが標準装備であるローズ。
 後々追加される武装のため、各所にハードポイントが設置されているのである。
 そんなハードポイントに付けられたウェポンラックの中には……
「あぁぁぁ!!」
 ドルダに何かがぶつかっていく。
 一度ではなく、何度も連続して機体に衝突した。
「うっ、これは……デブリ?」
 ドルダの周りに散らばる、機械や何かの装甲と思われる物の残骸。小型のデブリだった。
 それが、ドルダに命中していく。
「君達がデブリを利用したように、僕達もデブリを利用させてもらったよ」
 ビームが効かない相手。
 接近すれば固定した剣状のビームに攻撃される。
 そして一時でも攻撃する間を与えれば、
「この……いたぶってえええ!!」
 腹部のビーム発射口が開く。
「広域ビームが来るぞ! 奴の後ろに回るんだ!」
 いち早くそれを察し、マイケルは声を上げた。
「くっ……!」
768本家ドルダ:2008/11/28(金) 00:54:52 ID:???
 その指示に反応し、ディランは機体を旋回される。
 直後、ドルダの腹部からビームが放たれた。
 辺りのデブリが薙ぎ払われていく。
 その圧倒的な破壊力に、ドルダに背後に回り込んだマイケルもディランも圧巻される。
「これは……喰らってたらオダブツかな」
『隊長、相手は疲弊している。一気に畳みかける』
 ディランのローズが、再びレイピアを抜いた。
「待つんだ!」
 マイケルの焦った声。
 それに反応したディランは機体を制止させる。
 ディランのローズの目の前を、ビームの一閃が掠めた。
「これは、輸送船からか!」
 ディランはカメラを遠方に位置する輸送船に向ける。
「なんとか……撃てたぜ……」
 全身に汗をかきながら、ヴァイスが呟いた。
 開いた格納庫のハッチから乗り出したローズが、ビームライフルを構えている。
「奴等め……!」
『ディラン。やめるんだ』
「何故だ隊長!?」
『僕が止めなきゃ。君は死んでた』
「!!」
 マイケルの言葉に、ディランは絶句する。
「火星調査隊の諸君。今日は素直に敗けを認めよう」
 苦笑して、マイケルは言った。
 そして、2機のローズは宙域を離脱していった。
769本家ドルダ:2008/11/28(金) 00:58:26 ID:???
「撤退、したのか?」
 離れていく2機のローズを見ながら、ギデオンが言う。
「シンシア、聞こえる? 独立派はいなくなったわ。帰ってきて」
 クランはドルダに通信を送った。
 だが、返事がない。
 回線は繋がっている。声は届いているはずだが。
「シンシア? どうかしたの?」
『ハァ……ハァ……』
「シン……シア?」
『ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……』
 荒く呼吸を繰り返す少女の吐息。
 クランの顔から、血の気が退いた。
(私はシンシアに……重荷を……)
 胸の辺りの服をぎゅっと掴んで、クランは唇を噛んだ。
「ヴァイス。操縦が慣れない内に申し訳ないけれど、シンシアを回収してあげて」
『どうした?』
「お願い……!」
 強く、切羽詰まった言い方で、クランは懇願した。
 そんなクランにヴァイスはそれ以上何も言えず、黙って機体を発進させた。
 ギデオンもミランダもかける言葉を探し、結局何も言えずクランの様子を見守るだけであった。

 それから数時間後。
 ドルダを回収した輸送船は、当初の目的通り第29コロニーに向かっていた。
「第29コロニー、見えました」
 ミランダが言う。
770本家ドルダ:2008/11/28(金) 01:32:58 ID:???
「燃料ギリギリでしたね……」
 ほっと一息ついて、微笑んでクランはギデオンを見た。
「救難信号を出せ。コロニーのほとんどが制圧されたという。一難去ってまた一難とならなければいいが」
 気丈な口調だったが、不安を含むその言葉に、クランもミランダも少しばかり気が張った。
 いくらドルダという強大な力を持っていても、自分達はその使い方をわかってはいない。
 追撃から逃げられたが、マイケルの『所詮は一般人』という考えは、ある意味正しかったといえる。
 救難信号に気付いてか、コロニーから数機のローズが出てきた。
「誘導信号を受信しました。コロニーへの収容を了解したと」
「良かった。独立の強硬派といっても、好戦的な人ばかりじゃないのね」
「まだわからんよ」
 ギデオンの瞳は未だに、気丈の中に不安が混じっていた。
 ローズの誘導により、輸送船がコロニー港へと着船する。
「こちらが火星から脱出してきた公社の火星調査隊であると報告したところ、離船するようにと通達が着ました」
 ミランダがギデオンに顔を向ける。
 ギデオンは瞼を伏せ、静かに息を吐いた。
「さて、鬼が出るか蛇が出るか……」
771本家ドルダ:2008/11/28(金) 01:37:12 ID:???
 重苦しく、そう呟く。
 ギデオンは船内スピーカーのスイッチを入れた。
「皆、聞いてくれ。コロニーに到着した。船を降りるので集まってくれ」
 子供達には冷静に。
 微塵の不安も感じさせてはいけないと、ギデオンは思った。
 そしてこれからは、その不安さえ捨てなければならない。
(私には16回の隊長職の自負と、プライドがある)
 ギデオンはクランとミランダと共に、操縦室を出た。
 通路には、ギデオンの放送を聞いたヴァイス達が待っていた。
 あれから落ち着いたシンシアは、一目散にクランに抱き付く。
 命からがらコロニーを脱出してきた紫藤兄妹は、また同じような状況に二人寄り添って離れない。
(この船に乗る全員、生還させるのが私の仕事だ!)
 襲ってくる者、追ってくる者。それから何としてでも逃げ、生き延びねばならない。
 これは降りかかる災害。調査の延長。
 任務はまだ、終わっていない。
 隊を任された己だけは、完全な安全が訪れるまで、気は抜けないのだ。
 ギデオンはパネルを操作し、輸送船の乗降口を開く。
 その途端、開いたそこから一斉に、ライフルを構えた者達が押し寄せてくる。
772本家ドルダ:2008/11/28(金) 01:39:09 ID:???
 ヘルガが恐怖に「ひっ」と小さく悲鳴を上げた。
 突き付けられる銃口に、クラン達調査隊の者は手を上げて無抵抗なのを示すしかない。
 クラン達は互いを見て、何が起こっているのか確認しようとしていた。
 ライフルを構え、その銃口を向けるのは、火星独立派の者とは到底思えない。
 何故なら、彼等は地球圏連合軍の制服を身に纏っていたのだから。
773本家ドルダ:2008/11/28(金) 01:41:31 ID:???
ここでCM。アイキャッチはホールドアップする調査隊の面々。





第4話前半終了です。

バルドさん、学園ドルダと差違が生じてしまい申し訳ありませんでした。
第3話の後編は7月の時点ですでに出来上がっていたもので、それをそのまま投下したものであります。
ディラン、紫藤兄妹の登場は第3話前半の時点で決まっていました。
第3話前半での、
> 数で劣る勢力にとって、少年兵を起用することは珍しくないことだ。
という一文は、ディランの設定投下時の説明を引用したものです。
ただし、本家ドルダでの義勇軍はそれほど非道ではないので少年兵を起用することは余りありません。
紫藤兄妹に関しては、デブリ帯=ジャンクの中にいた作業艇に乗る少年と少女。
そして少女の「お兄ちゃん」という発言から投下されたキャラクター設定の中の紫藤兄妹ではないか、
と連想させ、後半にディラン共々登場させてそれを明かすつもりでおりました。

スレが落ちたという私の思い込みから、説明不足でこのようなミスを犯してしまったことをお詫びします。





CM終わり。アイキャッチは眼光鋭い謎の眼鏡美女。
774本家ドルダ:2008/11/28(金) 01:44:45 ID:???
 地球圏連合軍の制式ライフルを突き付けられたまま、クラン達は輸送船を降ろされた。
 降り立ったコロニー港のエントランスでは、複数の兵士に取り囲まれ守られている女性士官の姿があった。
「貴様等が、救難信号を出した公社の調査隊とやらか」
 眼鏡をかけたきつい目元。
 口調も厳つく、他者を寄せ付けようとはしない。
「そうですが、貴殿は」
 ギデオンが冷静に返す。
「私は地球圏連合軍火星方面駐留軍司令代理、メリリヴェイル・ルシェッタ大佐だ」
 高圧的な態度。蔑むような眼差し。
 自分の信じるもの以外、全てを拒絶しているような、そんな深い色の瞳。
 彼女、メリリヴェイルに、ギデオンやクラン達調査隊は気圧され、子供達は怯えていた。
「貴様等の身元が証明されるまで、拘束させてもらう」
「待って下さい。せめて子供達だけは……」
「聞く耳を持たん!!」
 ギデオンの訴えが一蹴される。
「子供達だけでは、だと? その子供達が敵のスパイではない確証がどこにある」
 キッとギデオンを睨んで、低い声で言った。
 その言葉は凶器と変わらない。
「そんなことあるかよ! 俺とヘルガは奴等から必死で逃げてきたんだぞ!!」
775本家ドルダ:2008/11/28(金) 01:48:52 ID:???
 激昂したシオンの声が、エントランスに響き渡った。
 反発を生むのは、当然であった。
 無抵抗な弱者を一方的に責めるようなやり方に、調査隊や子供達は皆、メリリヴェイルに快い印象は持たなかった。
 怒りに満ちたシオンの視線にも、メリリヴェイルは動じることはない。
 静かに懐から拳銃を取り出し、シオンに向けた。
「貴様等の意見は聞かんと言った」
 メリリヴェイルの行動に、ヴァイスがシオンの前に出る。
 ヘルガは、シオンの腕を掴んだ。先程よりも強く寄り添う。
 クランもシンシアを庇うように抱き締めた。
「私は、今ここで貴様等全員を射殺できる権限を有している」
 そう一言告げ、銃をしまう。
「身の潔白を証明したいというなら、我々に従ってもらおう」
 それ以上の反論は、意味がないとギデオンは理解した。
 言うことを聞かなければ、自分の、部下達の身に危険が迫る。
 調査隊とシンシア、難民の紫藤兄妹は、地球圏連合軍に拘束された。

 数時間に渡る事情聴取。
 時間が経つにつれ、ギデオンとクラン以外の者は別室に移動させられた。
 恐らくは訊き出せる情報がないと判断されたのだろうと、ギデオンもクランも考えた。
776通常の名無しさんの3倍:2008/11/28(金) 01:51:27 ID:???
 そして、遂にこの二人にも、解放の時が近付いていた。
 部屋に、メリリヴェイルと数名の士官が入ってくる。
「今までの無礼を詫びよう。火星調査隊の方々」
 メリリヴェイルはギデオン達と対峙するように、向かい側の席に腰をかける。
 相変わらず高圧的な物言いだが、その口振りからして二人は安心する。
「火星開発公社と連絡を取ったところ、君達の身元がここに証明された」
 メリリヴェイルの部下が二人に書類を差し出す。
「シオン・シドー並びヘルガ・シドーも市民登録から確認が取れた」
「良かった……」
 クランの口から、思わず安堵の言葉が漏れる。
「いや、まだ良くはない。クラン・リザレクター・ナギサカ副隊長」
 メリリヴェイルの突き刺すような視線が、クランを襲う。
「シンシア・ナギサカ。彼女については別だ」
「あ、あの子はっ……」
「全火星コロニーの市民登録名簿に、そのような名前はなかった」
 凍てつく視線に耐えられなくなったクランの目が泳ぐ。
 じんわりと滲んでくる汗。
 心なしか、鼓動も速まっていく気がする。
「公社から資料を取り寄せ、貴殿の過去を調べさせてもらった。
……貴殿の家族は、テロリスト・イヤーで死亡しているな」
777本家ドルダ:2008/11/28(金) 02:26:35 ID:???
「デタラメですッ!!」
 焦るクランが、勢い良く席を立つ。
 イスが床に転がり、大きな音を立てた。
「シンシアは、あの子は、唯一無二の私の妹です!」
 それはまるで、自分に言い聞かせているようにも聞こえた。
 そんなクランに、メリリヴェイルは不敵に、小さな笑みを浮かべた。
「まぁ、いい。土産の4機の代わりに、このことは不問としよう」
「4機?」
「そうだ。火星独立強硬派、今では火星コロニー義勇軍と名乗っている者達の人型兵器。
モビルスーツ、ローズ。そして見慣れぬもう1機のモビルスーツは我々が管理する」
 聞き慣れない単語に頭を整理しながら、クランとギデオンはメリリヴェイルの言葉に耳を疑った。
 確かに、輸送船に積まれていた独立派、火星コロニー義勇軍の機体は、地球圏連合軍に渡すべきであろう。
 火星コロニーのほとんどを制圧したという義勇軍からコロニーを奪い返し、
ローズを自軍の機体として運用しているのだから、宝の持ち腐れにしておくのは勿体ない。
 だが、ドルダは別だ。
「報告書も見せましたし、取り調べの時もお話したはずです。
あれはその火星コロニー義勇軍のモビルスーツではありません!」
778本家ドルダ:2008/11/28(金) 02:32:15 ID:???
 ドルダを渡してはいけないと、そう直感的に思った。
 あれはシンシアの、記憶を失った少女の鍵となる存在だ。
 それに、あの強大な力は、地球圏連合軍にも火星コロニー義勇軍にも、渡してはいけないと思った。
「火星の地下建造物から発見されたあの機体は、火星での調査結果の生きた証拠に変わりありません」
「過去に我々の地球人類とは別の歴史が存在した、と?」
 メリリヴェイルの目は、何も信じてはいなかった。
「私達はそれを地球の公社本部に持ち帰り、そしてこの計画に資金投資をした全ての国に知らせる義務があります」
 ドルダがいなくなれば、シンシアは苦しまずにすむのかもしれない。
 だが、記憶をなくした少女のために、ドルダは必要な存在だ。
(私は、シンシアを、あの子を……どちらも守りたい)
 一度目も二度目の戦いも乗り越えたドルダなら、苦しむことはあっても、きっと死ぬことはないだろう。
 それが、シンシアを守ることに繋がるのなら。
「詭弁だ! それを決めるのは貴様等ではない!」
 机を叩き、メリリヴェイルは立ち上がって声を荒げた。
 クランの曲げられない瞳。メリリヴェイルの折れない瞳。それがぶつかりあう。
779本家ドルダ:2008/11/28(金) 02:36:17 ID:???
「ドルダ。この機体は我々が頂戴しますよ」
 クランとメリリヴェイルの対立に割って入る一声。
 室内にいた者全員が、一斉にその声がした方向を見る。
「失礼。白熱していたようだから勝手に入らせてもらった。
俺はカナン・ラヴホールド。公社が寄越した彼等の身元引取人です」
 軽く頭を下げ、落ち着いた低い声でそう告げる。
「頂戴するは、どういうことだ……!?」
「公社(うち)のお得意さんが興味を示したみたいなんですよ。
そのお得意さん、火星駐留軍にも結構な援助をしているそうで……」
「軍を脅すのか……!」
「公社は地球側。つまりあなた方の味方ですよ。司令代理殿」
 自信に満ち満ちたカナンの発言。
 動揺を見せたメリリヴェイルは、机についた手をゆっくりと後ろに持っていく。
「良いだろう。勝手にするがいい」
「助かります。では、マクドガル隊長、ナギサカ副隊長、参りましょう」
「あ、あぁ……」
「えぇ……」
 突然の助け舟。
 流されるまま、ギデオンとクランはカナンの元に行く。
 そして、部屋を出た。
「お姉ちゃん!」
 すると、直ぐ様シンシアがクランに抱き付いてきた。
 シンシアが来た方向をクランとギデオンが見ると、ヴァイス達も通路にたむろしていた。
780本家ドルダ:2008/11/28(金) 02:42:24 ID:???
 ヴァイス達もギデオン達に近寄ってくる。
「君達も無事で何よりだ」
「子供達はみんな寝てましたよ。モモも」
「モモは起きてましたよぉ!」
「どうだか」
 膨れっ面で言い返すモモに、ヴァイスはニヤリと笑って見せた。
 クランは腕の中にいるシンシアに顔を向ける。
「シンシアも寝ちゃった?」
「うん。色んなことあったから。でもクランに会えるって言われたからさっきまで待ってたの!」
「そう。でもこれから、しばらくはゆっくりできるはずよ。二人でいられる時間も多くなるわ」
 クランが笑うと、シンシアも明るい笑みを返した。
 あの数々な困難を乗り越えて、また揃うことができた。
 クランもシンシアも、ヴァイスもモモも、少し距離を置いたミランダも、
シオンとヘルガも、皆嬉しそうに笑顔を浮かべている。
「ナギサカ君、すまなかったな。あの場面に加勢できないで」
「いえ、私も少し熱くなりすぎたかもしれません」
「私は、女性同士の言い争いが、どうも苦手でな」
「あら、奥様と不倫相手が鉢合わせなされたとか?」
 図星だったのか、ギデオンは沈黙してしまった。
 一斉に、ヴァイス達の笑い声が辺りを包む。
 苦笑していたが、ギデオンは心に満ちる充実感に、彼等と同じように笑顔を見せた。
781本家ドルダ:2008/11/28(金) 02:47:56 ID:???
 そんな中、ヴァイス達に追い付くように、後ろから一人の女性がやってくる。
 その女性は、カナンの隣に立った。
「改めて挨拶を。俺はカナン・ラヴホールド。火星開発公社火星コロニー支部人事課所属です」
「同じく、部下のヴァニラ・ヴァニニですわ」
 軽い口調で言うカナンと、丁寧に頭を下げるヴァニラ。
 調査隊と同じ、火星開発公社の役員。
「ヴァニニというと、火星開発事業におけるオブザーバーのヴァニナ・ヴァニニ女史の関係者か?」
 ギデオンが疑問を口にする。
「姉ですわ。姉は女性器名称と似た自身の名にとてもコンプレックスを持っておりますの。
もし会った際はファーストネームでは呼ばないでやってくださいましね……ふふっ」
 ヴァニラは首を傾げつつ、茶目っ気のある笑顔でそう言った。
 挨拶もそこそこに、カナンは歩き始める。
 それに続くヴァニラ、ギデオン達も追った。
「公社の施設だが、あんた達に部屋を用意した。今日はゆっくり疲れを取ってくれ」
 カナンは小気味良く言い、顔をギデオン達に向けた。
「明日、会ってもらわなくちゃならないからな。あんた達とあの機体を、軍から解放した人に」

 ギデオン達は、公社の用意した保養施設に案内される。
 カナンとヴァニラは玄関で別れ、コロニー内の支部に帰っていった。
782本家ドルダ:2008/11/28(金) 02:52:59 ID:???
「きゃーん! 久々のシャワータイムぅ!」
 モモが嬉々として叫んだ。
 女性陣は、真っ先にシャワー室を訪れていた。
「火星適応訓練のせいで、ここ最近はこうやってゆっくりとシャワーを浴びることもしてなかったわね……」
 胸に温かいシャワーの水滴を当てながら、クランは体を火照らせていく。
「命の洗濯……ふう」
 ミランダも満悦と言った感じで呟いた。
「ヘルガちゃんもそんな離れたところ使わないで、私の隣、使いなさい?」
 端の個室で静かにシャワーを浴びていたヘルガに、クランが優しく声をかける。
「でも……」
「じゃあ私がそっちに行くわね」
 クランはシャワーを止め、ヘルガのいる個室に向かった。
 個室にクランが入ると、ヘルガは恥ずかしそうに顔を紅潮させて慌て始める。
 そして、鎖骨辺りを手で覆い、隠した。
「そこ、どうかした?」
「いえ……別に……」
 クランに訊かれ、慌てていたヘルガは急に落ち着いて、肌から手を離した。
 クランは、「あっ……」と小さく驚きの声を上げる。
 そこには塞がってはいるが、一目で銃で撃たれたとわかる、生々しい傷痕があった。
「もう完治はしています。テロリズム・イヤーの時に……」
「そう……」
783本家ドルダ:2008/11/28(金) 02:57:14 ID:???
「私の元々の家族は、ドイツに住んでたんです。右隣の家は、ESEANUの軍の偉い人で、その家の子とは仲良しだったんです」
 ヘルガは、遠い目をしながら言った。
「ある日の夜、その隣の家で銃声がしました。気付いた私達一家は、窓から隣の家を見た」
「……」
「その家の人達と、仲良しだった子が、撃ち殺されてるところでした」
 淡々と、ヘルガは話していく。
 過去を語るヘルガの瞳は、深い深い闇を映していた。
「お父さんは警察に連絡しようと電話機へ走り、お母さんは私を抱き締めながら震えてた。
でもテロリスト達は気付いて、私達の家にもやってきた。お父さんは撃たれて、お母さんも……」
 涙が浮かぶ。
「崩れゆくお母さんの隣で、私もテロリストの一人に撃たれた。
でも、撃たれどころが良かったおかげで、こうして……」
 撃たれた箇所を押さえて、ヘルガは震える。
 ヘルガは必死に、全てを話そうとしていた。
 クランは真剣な表情で、黙ってクランの話を聞き続けた。
「助かった後、テロリストはその軍の偉い人の反対勢力で、私達は巻き込まれたと教えてもらいました」
「そして、シオン君やシオン君のお父さんの元に引き取られたのね」
「はい。父子家庭で、男しかいない二人だけの家族の中に私が飛び込んだ」
784本家ドルダ:2008/11/28(金) 03:02:43 ID:???
 ヘルガは涙を拭い、なんとか笑顔を作ろうとした。
「初めはお互い四苦八苦してたけど……でも今は、お兄ちゃんもお父さんも、本当の家族だから」
「なら、心配ね。連れ去られたお義父さん」
「はい……」
 作った笑顔も、消えていく。
 クランはそんなヘルガの手をそっと掴み、自分の左手に、重ねた。
 ヘルガにゆっくりと、自分の手を握らせる。
「! クランさん、これ……」
「私も同じだから。だから、絶対に独りで、抱え込まないでね」
 クランはとても穏やかな表情をして、ヘルガに言う。
 ヘルガは唖然としていたが、クランの言葉を受け止めて、ゆっくりと頷いた。
 シャワールーム内はシャワーの水音に包まれている。
 響くその音は、どんな会話も、打ち消すだろう。
 一通り体を洗い終えたモモは、各自の個室を抜き足で覗きながら歩いていた。
 そして、
「えいっ!」
「きゃあ!」
 シンシアの声がシャワールームに響いた。
「どうしたのシンシア!? ……って、モモちゃん?」
「むむむ……これは」
「お姉ちゃん、助けてぇ!」
 クランが個室に飛び込むと、モモがシンシアの胸を揉んでいたのだ。
「年はあんまり変わらなそうなのに、これは卑怯です!」
「大きい……」
 モモは悔しさに声を上げ、クランと共に個室を覗き込んだヘルガは羨ましそうに呟いた。
785本家ドルダ:2008/11/28(金) 03:05:45 ID:???
「クッ……負けたッ」
 ミランダも唇を噛んだ。
「ミランダさんまで……もう、シンシアの胸は見せ物じゃないのよ!」
「クランさんは貧乳の悩みがわからないからそういうことが言えるんですよぉ!」
「どうでもいいから手をどけてぇ!!」
 シンシアが絶叫する。
 束の間の平和。なのかもしれない。
 火星圏では、今も尚火星コロニー義勇軍の侵攻と、駐留軍の抵抗が続いている。
 戦渦の中に、彼女達はまだ身を置いているのだ。
 火星で発見された謎の機体と記憶を失った少女、そしてそれに関わる者達の困難は、続く。





To Be Continued...
786本家ドルダの人:2008/11/28(金) 03:19:04 ID:???
今回はまるまる一話分の投下だったので骨が折れました。

あと間違いがありましたので訂正します。
>>776の最後の行、『テロリスト・イヤー』となっていますが『テロリズム・イヤー』が正解です。

テロリズム・イヤーとは、クランの家族の死、ヘルガの家族の死、
本家ドルダ第1話でギデオンが調査任務に就いたL4第8コロニーテロ崩壊事件等
進宇宙暦の中でテロが最も多発した忌々しい年のことであります。
矛盾が出るといけないので正確な年は敢えて書いてありません。
これも本家ドルダを進めるにあたって出した設定なので、他の作品の方が合わせる必要はないのです。

ではまた後日。
787571:2008/11/28(金) 19:16:29 ID:???
本編ドルダの人GJ!!
地球とも火星とも違う立ち居地がいいですね。
地球連邦のメリリヴェイルも連邦の高級仕官ぽいですし。
788バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/28(金) 20:08:23 ID:???
本編ドルダGJ!&乙です!
やっぱりどのガンダムでも連邦は連邦ですねw
百合物でありながらガンダムらしい展開が好きです。
789通常の名無しさんの3倍:2008/11/28(金) 20:09:52 ID:???
いつも思うんだけど、sageじゃなくてsageってわざとやってるの?
790571:2008/11/28(金) 21:04:17 ID:???
>>789
申し訳ない。どうやらずっとsageとなっていたみたいです。
一応半角に戻しました。
ところでこの世界のお金って何でしょうか?
同じなのかそれとも地球と火星では違うのか?
AC(アースクレジット)とMC(マースクレジット)とかみたいに。
どうでしょう?
791通常の名無しさんの3倍:2008/11/28(金) 22:33:10 ID:???
571の人は名無しに戻っていいんじゃない?
792通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 02:57:51 ID:???
S.A.E.S.社=桜花爛漫?
793バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/29(土) 11:52:35 ID:???
>>792
・桜花爛漫はMS製造の下請け有限会社。
・S.A.E.S社は民間用MSの管理や、テロや紛争を鎮圧する株式会社。

という感じです。とはいえ、まだ設定だけの登場なのですがw
794通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 14:39:04 ID:???
桜花爛漫の製品をS.A.E.S.社が使用してるってことですね
わかりました

些細なことですが会社の形式まで有限、株式と決める必要はないのでは?と思ってしまいました
795バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/29(土) 19:57:57 ID:???
>>794
会社の形式は裏設定なので、あってもなくても良い設定です。
ただ、私としては意味のない設定にこそ遊び要素があると思うのです。

ご無礼を失礼します。
796エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/29(土) 23:12:34 ID:???
どうも、本編の人・バルド氏いつも乙です。
今から書き始めるんで、自分の方も早くて二時間後、遅くとも明日の夜には投下できると思います。
797通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 23:40:50 ID:???
>>795
いえいえ、お気になさらず
こちらこそ気を悪くなされたらすみませんでした
ただそれが作品の枷にならないかと心配になったもので

>>796
wktk!
798エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/30(日) 02:18:42 ID:???
さあ、出来た。途中でガンダムマイスターズやってたらえらい時間かかったなあw
じゃ、いきます
799エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/30(日) 02:20:03 ID:???
新説ガンダムドルダ
第五話 死闘の果て

ずっとずっと、探していたんだ…
深い氷と闇の世界から、貴女だけを探していたんだ…

「ガンダムマルス、アレス・ルナーク!これよりガンダムドルダを駆逐する!」
先ほどデイヴ達と戦闘を行っていた時とは比べ物にならないほどの速度で、二刀流のガンダムマルスがドルダへと向かう。
(シンシア…)
その身に走る驚異のGに、顔を歪ませるアレス。
(何度でも、探し出すよ…)
激突するドルダとマルス。二刀流の太刀をドルダのビームフィールドが阻む。
(君の目、その手の温もりを…!)
揺るぎない瞳のまま、マルスはサーベル柄部を軸とし、そのままドルダに向かって宙返り、かかと落としを放つ。
ガァン!仰け反るドルダに対して、マルスが攻撃の手を緩めることはない。
片方のバスターライフルの銃口をマルスに向けるドルダの手首を、マルスの手刀打ちが弾く。
「…ッ!」
顔を歪める謎の少女。クランも戸惑いを隠せないでいる。
そのままマルスはドルダの懐に入り込むようにして、ビームブレイドを発生させたままの足で三日月蹴りを放つ。
(やはりビームは無効化されるか…!)
思い通りにならない目の前の敵に対して舌打ちをするアレス。
(それでも!)
仰け反るドルダに対し、三日月蹴りを放った足を軸足とし、さらに軸足を回転させ跳躍し、自らの背中を見せるマルス。
大きな隙が出来た、と思いきや…目にもとまらぬ速さでそのまま反対の足で勢いをつけると、大きく弧を描くようにして、軸足が舞いドルダの頭部を強く打つ。
「くっ!あああああああ!」
大きくよろめくドルダに、叫ぶ少女とクラン。
しかし少女は、すぐに冷たい瞳に戻ると、冷静な判断でマルスに腹部のビームキャノンの照準を合わせる。
「いっけー!」
収束するビームキャノンを間一髪で回避するマルス。一瞬のうちにMA形態に変形することで、マルスの下半身を狙ったビームを避けたのだった。
先ほどまでマルスの下半身を捉えていたビームは、出会うべき対象を捉え損ね、虚しく消えて行った。
800エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/30(日) 02:21:01 ID:???
(だとしても!)
MA形態のままビームライフルを連射し、ドルダに特攻するマルス。
放たれるビームはすべて無効化されるも、連撃としての意味は成したようだ。
わずかな隙を見出し、一定以上の間合いに入りMS形態に変形、そのままドルダにラリアット、廻し蹴り、追い打ちの足刀蹴りを入れる。
「ぅぅ…あああ!」
衝撃から来るGに苦しむ少女。
ドルダのビームジェネレーターはビーム兵器を無効化するフィールドを発生させるが、実弾や実剣、MS等による格闘は防げないのであった。
一方でクランの方は、Gによる衝撃に苦しみながらも、頭の中では別のことを思い苦しんでいた。
先ほど偶然聴こえた通信…アレスという名…
もし目の前の真紅の機体のパイロットが本当に彼女の思い浮かべるアレスだったなら、この戦いは起こってはならないものだ。
(アレス…本当にあなたなの?)
それまで戸惑いと苦しみと幾らかの傷痕のみしか映し出していなかったクランの瞳が、今度は固い決意によって輝きを取り戻す。
(だとしたら、私はこの戦いを止めなければならない…!)
アレスとシンシア。シンシアとアレス。シンシアとアレスとクラン。
目の前の少女が本当にシンシアなのかはわからない。また、目の前の機体が本当にアレスであるのかはわからない。
しかしクランは、なんとしてもこの戦いを止めなければならない、とその心で決めたのであった。

「なんなんだよ、アイツらは…?」
装甲の剥げたグワッシュから、直接二機のガンダム同士の戦いを見つめるデイヴ。
見たこともない機体が、見たこともない装備を持ち、見たことのない状況で戦っている。
「クソッ!俺は一体どうすりゃいいんだ…?」
焦るデイヴに、通信が入る。フィリアからだった。
「デイヴ、皆、聞こえる!?」
緊迫したフィリアの声。どうやら現状を把握しているようだ。
「ああ。しかし聞いてないぜ、フィリア。お前の言う再スタートってのは、アンノウン同士のドンパチに巻き込まれることだったのか?」
皮肉を言うデイヴ。まあこのような理不尽な状況で、その気持ちはわからないでもないが。
「もう!そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!?」
「…へいへい。で?俺達はどうすりゃいいんだ?」
「全員とにかく現場より緊急離脱!急いで!」
フィリアが言い終わると同時に、今度はスメッグヘッド教授から通信が入る。
「何を言っておるのだ、シュード君!現場のパイロットは皆、あの二機のデータ収集を最優先とせよ!」
傲慢に言い放つスメッグヘッド。驚きを隠せない第七次調査団の面々。
ゲイリーなどは悲嘆の声を洩らし、泣き出しかけていた。
そんな中、一人デイヴのみが答える。
「おいおい、そりゃねえっすよ、教授殿。命あってのものダネって言葉、教授ともあろうお方が知らねえとは言わせませんよ」
「口答えをするな、この落ちこぼれ!」
「ハッ!これでもヨボヨボのアンタよかMSは操縦できるぜ」
「なんだと、貴様!」
「落ちつけよ、血圧が上がっちまう」
激昂するスメッグヘッドとニヤリと笑うデイヴ。
「実はこの落ちこぼれ、僭越ながらガンダムタイプと交戦したであります!」
おどけたように言う、しかしその表情は出来るだけ真面目になるよう努めていた。
「なに!?」
驚くスメッグヘッド。
「一応グワッシュのミッションレコーダーに記録、残ってんぜ。それでもまだウダウダ言うのかい?アンタの口は」
デイヴはスメッグヘッドに聞こえないように、一機分だけだけどな、と呟く。
801エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/30(日) 02:21:50 ID:???
「それを早く言わんか、バカタレ!全員速やかに帰還せよ!」
通信が切れる。安心の溜息をもらす面々。特にゲイリーなどはそれが顕著であった。
「やるじゃねえか、オッサン。教授を黙らせちまうなんて」
ディックからの通信が入る。
「クソオヤジからオッサンへ昇格できて光栄であります、中尉殿。しかしあのジジイの口は悪意製造機だな。おしゃぶりでもはめとけっての」
相変わらず皮肉を続けるデイヴ。しかし、その顔は作った真剣さではなく、本当に真剣な表情そのものだった。
「さて、こっからどう帰るかねえ…ラーグ中尉とネルネ…だっけか?俺とアイツのMS、引っ張って行ってくれよ」
「誰が貴様なぞを!出撃前、私のドグッシュを…その…」
顔を真っ赤にするネルネ・ルネールネ。
その顔の赤さは怒り半分、恥ずかしさ半分といったところだろうか。
「構わない。デイヴィッドは俺が。君はディックを頼んだ」
「…えっ!?いや、その私は…」
何故か慌て出すネルネ。女性というのは、よくわからないものだ。
「そ、その、デイヴィッドを運んでも…」
言い終わる前に、シヴォーフのムウシコスがデイヴのグワッシュを支える。
「離脱する!」
シヴォーフとデイヴ、ネルネとディック、そしてゲイリーは帰還するべく、その場を離れようとした。

「逃すものか!」
アレスはドルダと戦いながらも、彼ら第七次調査団を全滅させるという、ティモールの命令を実行することを忘れはしなかった。
ドルダの放つビームキャノン、手に持った方のバスターライフルの閃光を巧みに避けつつ、ビームガンブレードの照準を彼らに向ける。
「落ちろ!」
放たれるビームライフルの雨が、殿を務めていたデイヴとシヴォーフを襲う。
(当たるものか…俺は言うんだ、彼女に…帰ったら、結婚しようって…!)
必死にビームライフルを回避しようとするが、その一撃がムウシコスに直撃する。
「うわあああああ!」
動きを止めたムウシコスを襲う無情な攻撃。
憐れ、シヴォーフ・ラーグはその名の通り、宇宙の塵と消えてしまった。
かたやデイヴのグワッシュは、奇跡的に、本当に奇跡的にだが、ムウシコスの爆散の影響を受け誘爆することなく吹っ飛ばされるだけで済んでいた。
「オッサン!」
「デイヴィッド!」
同時に叫ぶディックとネルネ。しかし、彼らとデイヴとの距離はあまりにも離れ過ぎていた。
助けに行こうとするが、ゲイリーの制止を受け、なす術もなく二人は帰投するしかなかったのだった…
「つくづく運のいい…しかし貴様も終わりだ!」
もはやデイヴを撃つことに何の躊躇いも戸惑いもなく、アレスは引き金を引こうとする。
が…
またしてもガンダムドルダがそれを阻む。
今度はバスターライフルをマウントし、大型のビームソードを抜く。
両肩のジェネレーターからもビームサーベルを発生させ、マルスに対抗する為接近戦を主流に切り替えることにしたようだ。
802エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/30(日) 02:22:45 ID:???
「!」
ドルダは腹部のビームキャノンを放ち、マルスに向けてビームソードを振りかざす。
マルスはビームキャノンを避け、ビームガンブレードをドルダに向ける。
バチッ!ビームソードとビームガンブレードが火花を散らす。
マルスはドルダの攻撃を巧く防げた…かに見えた。
刹那、ドルダは体勢を変え、ビームソードを持っていない方の肩を突き出す。
ドルダの肩にあるビームサーベルがマルスを襲う。
「シールドが!?」
間一髪でその斬撃をセンサーシールドで阻むことに成功したマルス。
しかし、ドルダの圧倒的なビーム出力の前に、マルスのセンサーシールドは溶解してしまう。
(クッ!まずいな…)
両手を振り上げた状態のマルス。中段に大きな隙が出来る。
「ビームキャノン、収束…発射!」
叫ぶ少女。
「ダメええぇぇぇ!」
しかし、その声よりも深い悲しみを知っている叫び声の主が、少女の操縦を阻む。
「お姉、ちゃん…?」
信じられないといった顔をする少女。
ああ、そんな顔をしないで…クランは少女を見つめ、自らのしたことを悔いたがすぐに気を取り直し少女に問う。
「通信のスイッチは、どれ!?」
「何を…」
「いいから!答えて!」
その昔、自らの妹を叱った時のことを思い出しながら、クランは語気鋭く言い放つ。
その迫力に気圧された少女は観念したのか、一つのスイッチを指差し、黙り込む。
クランは身を乗り出して、通信のスイッチを押す。
「アレス!あなた、アレスね!?こんなことはもうやめて!もうこちらに敵意は無いわ!お願い!」
「「!」」
今までの比にならないほどの驚愕を見せるアレス…そしてデイヴ。
「聞こえるでしょう!?応答して、アレス!」
アレスは少しの逡巡の後、応答する。
「クラン…なのか!?何故あなたがここに…!」
「事情は後で話すわ!とにかくこれ以上争うのはもうやめましょう!」
「だが、その機体は…」
優しさと決意が入り混じった声で答えるアレス。
「アレス。お願いだからお姉ちゃんの言うこと、聞いて?」
不意に、クランが、鬼気迫る迫力の全てを抑え、肉親に向ける情愛をありったけに込めて、自らの弟に語りかける。
「姉、さん…」
ドルダとマルス…二機のガンダムは、火星の暁の空に沈黙するのだった。

偶然に偶然が重なって、二機の死闘を見守ることになっていたデイヴに衝撃が走る。
いや、デイヴィッド・リマーがこの場所に居合わせたことはそもそも偶然なのだろうか。
偶然という必然が、運命という言葉に言い換えられ、デイヴの前に立ちはだかる。
「クラン…アレス…どっかで聞いたことがあると思ってたら、あの時の…」
過去の傷痕が痛み、デイヴは親友のフィリアにすら見せたことのない涙をその目に浮かべた。
803エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/30(日) 02:23:51 ID:???
(二年前の、あの事件の…俺が、俺が助けられなかった…!)
二年前…そう、クラン・R・ナギサカの妹、シンシアが死去した(と思われる)のも二年前。
デイヴィッド・リマーが軍を退役し、簡易居住惑星地区で飲んだくれのニートになったのも二年前…
悲しみに顔を伏せるデイヴ。しかしハッと面を上げる。
(まさか、あのガンダムもここに…)
二年前の悲劇の役者達…彼らが一挙にこの地へ集結しているという運命。
しかし、それには一人、役者が足りなかった。
そう、ガンダムドルチェである。
二年前の事件を引き起こした機体、純白の美しさを持つその機体が、デイヴの思惑通り約束の地へ近づきつつあった。
「そんな、ウソ、だろ…?」
白き舞姫のように流麗に、舞うようにしてガンダムドルチェはデイヴのグワッシュの元へ向かってくる。
「来るな…!」
冷や汗がとめどなく流れる。
「来るな…!」
首を振り、両手を突き出し拒絶の意を示す…が、なお近づく機体。
「来ないでくれえぇっ!」
デイヴの望みとは裏腹に、ガンダムドルチェはグワッシュのコクピットをこじ開け、デイヴをその掌に乗せる。
「来るな、とは随分な挨拶ね」
少女の声。但し、シンシアと思しき少女の澄んだ声を天使と形容するならば、こちらは美しさというものを熟知した、悪魔の声と形容出来る。
「ずっと、あなたに会いたかったの。デイヴ」
ドルチェのハッチが開き、デイヴを招き入れる。
操縦席には、金の髪に漆黒の瞳を持つ美しい少女。
「私はエリス。宜しくね、デイヴ」
運命の序曲は終わり、歯車が回転する。

五話 終 六話に続く
804エルト ◆hy2QfErrtc :2008/11/30(日) 02:25:55 ID:???
今回は若干短くなりました。あと00のセリフがちらほら。遊んでみたw
読者さんざまあwって感じの展開なつもり。
ってなわけでサヨウナラ
805バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/11/30(日) 15:20:02 ID:???
GJです!
まさか、アレスが弟だったとは…
戦闘に緊迫感があって良いですね!
806通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 21:20:58 ID:???
エルト投下乙!
807本家ドルダ:2008/12/02(火) 00:07:05 ID:???
Doll-Device Archive No.05 ジャイアントマン





 翌日。
 クラン達はカナンとヴァニラと共に、とあるホテルを訪れていた。
 カナンが口にした、会わせたいという人物。
 ホテルということは、火星開発公社の人間ではないのか。
 何者なのか知らされぬまま、クラン達はカナンとヴァニラについていくしかなかった。
「ミランダさん、大丈夫かしら……」
 心配そうにクランが呟く。
「病気じゃないですし、疲れが残っちゃっただけですよ」
「まぁ、シオンとヘルガの相手してるって言ってたしよ」
 ミランダのことを気にかけるクランに、モモとヴァイスが言葉をかけた。
 クランは「そうね」と、少し暗い面持ちで笑みを浮かべる。
 クラン達を地球圏連合軍の拘束から解いた人物に招待されたのは、調査隊の面々とシンシア。
 ミランダは体調不良を理由に同行を辞退し、紫藤兄弟と共に保養施設に残っている。
 何故、シンシアまで呼ばれたのか。
 ドルダに乗っていたということは、報告書にも記入しなかったし事情聴取の時も話してはいない。
 火星コロニー義勇軍と戦闘したことすら、言ってはいないのだ。
 そのことに関して疑問を持つクランやギデオンは、カナンとヴァニラを完全には信用していなかった。
808本家ドルダ:2008/12/02(火) 00:11:17 ID:???
 ギデオンは前を歩くカナンとヴァニラに、疑惑の眼差しを向けている。
 カナンとヴァニラは受付を通り過ぎ、そのままホテルスタッフの利用するフロアに続くドアを開いた。
 面会の相手は、ホテルの関係者か。
 カナンとヴァニラは、エレベーターの前で立ち止まる。
 ドアが開くと、そこは複数の座席がある個室のようになっていた。
「みんな、席についてくれ。ここからはエレベーターで移動となる」
 カナンに言われるがまま、ギデオン達は座席についた。
 座席には、シートベルトが付いている。
 カナンとヴァニラがシートベルトを固定するのを見て、ギデオン達も同じようにする。
 エレベーターのドアが閉まると、カナンは座席のコントロールパネルを操作して、エレベーターを発進させた。
 動きだす、座席付きのエレベーター。
 密室の箱。それは、どこへ向かうのだろうか。
 それに乗った者達は、どこへ向かっていくのだろうか。
「低重力ポイント、抜けましたわ。ここから重力が軽くなりますからご注意を」
 しばらくして、後ろの席にいるギデオン達に顔を向け、ヴァニラが言う。
 浮遊感。髪や衣服が少しずつ重力に反していく。
「長いな。まだかかるのか」
「スマンね。あの人は変人でな」
809本家ドルダ:2008/12/02(火) 00:14:48 ID:???
 カナンはククッと笑って、ギデオンに返した。
(変人……。公社や政府の者ではない? しかし、何故この男、ここまでフレンドリーなのだ)
 自分達を地球圏連合軍の拘束から解放した人物。
 そして、公社の役員を私的に動かせるとなると、かなりの大物と見ていいだろう。
 ギデオンは、小さく呻いた。
 解せないことが、多すぎる。
「到着しましたわ。シートベルトは外してもらって結構です」
 ヴァニラに言われた通りにする一同。
 ドアが、開いた。
 カナンとヴァニラが先に部屋に入る。
「なっ……!?」
「えぇっ……!?」
 それに続いたギデオンとクランは、思わず声を上げてしまった。
「なんだなんだ? って、うぉっ!?」
「どうかしたんですかぁ? って、ひゃあ!?」
 立ち止まる二人の間から覗いてみたヴァイスとモモが同じように声を上げる。
(大物だとは思ったが……)
(なんて、巨大……)
 呆然となるギデオンとクランをよそに、カナンとヴァニラは振り返り、
「紹介しよう」
「わたくし達のマスター。ジャイアントマンですわ」
 カナンとヴァニラが横へ退く。
 退く前から、ギデオン達はその存在に圧倒されていたが。
810本家ドルダ:2008/12/02(火) 00:20:21 ID:???
 見上げなくてはならないのは、決してその人物が低重力下で浮いているからだけではない。
(ジャイアントマン? ファットマンの間違いだろ……)
(メタボリック将軍……いやいや、症候群です)
 ヴァイスもモモも、開いた口が塞がらなかった。
「ん〜、一人足りないみたいだけど〜」
「ミランダ・ウォンは、体調不良で欠席ですわ」
「そ〜か〜。なら、5人だけでいいね〜」
 間延びした口調の男。
 それはゆっくりと回転し、ギデオン達にその全貌を見せた。
 その際に浮かんでいるクッションや菓子の袋にぶつかって、それが四方八方に飛んでいく。
 常軌を逸した巨漢。人の想像を絶する、超肥満体。
 部屋にいたのは、横はもちろん太く、縦も2メートルを越す長身の男だった。
「5人ていうのは〜、後ろにいる小さなパイロットさんもだからね〜」
 ジャイアントマン。そう紹介された巨漢の言葉に、クラン達は騒然となる。
「こ、この子はパイロットでは!」
「庇わなくても平気だよ〜、クラン・リザレクター・ナギサカ君。
別に僕は、その子を食べたりとかはしないからね〜」
 ジャイアントマンは、何とも言い得ぬ笑みでそう言った。
 招待された5人が、横に並ぶ。
 それでも、ジャイアントマンの幅には及ばなかった。
811本家ドルダ:2008/12/02(火) 00:24:05 ID:???
「ジャイアントマン……聞いたことがある」
 何かに気付いたギデオンが、ゆっくりと口を開いた。
「地球圏連合政府発足の当時からその風格を現し、今も尚各界に影響を与えることのできる大富豪。
通称ジャイアントマン。彼の本名や容姿、その他の素性は誰も知らないと言われている人物だ……」
 有り得ないモノを見たような顔をして、ギデオンはそう話す。
 じんわりと汗をかき、驚きや、恐れを抱く感情すらあった。
(発足当時って、このデブいったいいくつだよ……)
 顔を引きつらせながら、ヴァイスは思った。
 ギデオンもクランもヴァイスもモモも、圧倒されっ放しでジャイアントマンを眺めている。
 たがシンシアだけは、じいっとジャイアントマンを見詰めるだけ。
 表情は変わらず、クラン達のような驚きは見受けられない。
 そんな落ち着いた様子のシンシアを目にして、ギデオンも平静を保とうとする。
「その世界の黒幕が、我々にご用とは?」
 なんとか口に出来たのは、一番に訊きたかったことだった。
 この様子だと、シンシアに、火星で見つかったモノに興味があるようだが。
「ん〜、ただ挨拶をしておきたかっただけ、かな〜」
812本家ドルダ:2008/12/02(火) 01:01:40 ID:???
 ジャイアントマンの言葉は相変わらず間延びしていて、だが意味深長な言い方だった。
「挨拶だけって、それだけでこんなとこに連れてきたのかよ!?」
「僕は出不精でね〜。こんな体だからろくに外出もできないんだよ〜」
 ヴァイスの怒声にも動じず、ふわふわと浮きながらジャイアントマンは言う。
「ジャイアントマン、ふざけないで頂きたい」
「ジ〜ム〜。親しい人には、Giant Manの頭文字を取ってGM(ジム)って呼んでほしいな〜」
「我々は貴方と、それほど親しくはない!」
 普段冷静なギデオンが、声を荒げた。
 既に苛立っているヴァイス、そして堪忍袋の緒が切れてしまったギデオン。
 モモは柄にもなく萎縮し、クランはジャイアントマンに不信感を募らせている。
「ジム。さっさと言っちまったらどうなんだ? あんたのワガママに付き合ってほしいって」
 歯切れの悪いジャイアントマンに呆れてか、カナンが助け舟を出した。
「ああ〜、ダメだよカナン〜。僕はみんなにこれからどうしたいかを訊いてからそれを言いたかったんだ〜」
 ジャイアントマンは言い付けを聞かない子供のように駄々をこねた。
「これから、どうしたいか……?」
 疑惑の眼差しを向け、言ったことをクランが復唱する。
813本家ドルダ:2008/12/02(火) 01:06:11 ID:???
「そ〜。進宇宙暦になって102年。世界は火星にまで生活の場を広げた〜。でも見てごらん。
地球圏でも火星圏でも、やっていることは戦争、紛争、武力衝突……僕は飽きちゃったんだ〜。
いくら僕がいろんなところに顔が利くといっても、民衆をどうにかすることなんてできない。
だから君達に託したいと思ったんだ〜。僕が望む、新しい世界っていうものをね〜」
 巨体をくるくると回転させ、ジャイアントマンはそう語る。
 しかし、そんなことを言われても、どうしようもない。
「そんな世界を変えれるような力。私達には……」
「あるさ〜。君達が持ち帰った、ドルダだよ〜」
 クラン達、それにシンシアも、ジャイアントマンの言葉に再び騒然となった。
 当てずっぽうで言ったようにも取れる発言であったが、ジャイアントマンは口調に反して至って真面目そうに見えた。
「クラン・R・ナギサカ君。君はこの火星圏を、どう思うかい〜」
 真っ直ぐ瞳が、クランを見る。
 火星コロニーの民衆を力で押さえつける地球圏連合。
 そして、圧政から解放されようと決起した火星コロニー義勇軍。
「君はどっちの支持をする〜?」
「……支持はしません。私はどちらも、間違っていると思います」
814本家ドルダ:2008/12/02(火) 01:11:37 ID:???
 暗い表情で、クランは言った。
「私は地球圏の生まれです。火星圏に来て、火星のコロニーが酷い状態なのは、一目でわかりました。
裕福なのは、地球圏出身の政府や軍の関係者だけ。火星コロニーの人達は、火星圏では力を生かせないで、
少しでも豊かな生活のために火星圏から離れたアステロイドベルトにまで出稼ぎに行かなくてはならない」
 それが、クランが見てきた火星圏の住民の現実だった。
 語るクランの表情は、まるで自分のことであるかのように、辛そうである。
「でも、だからといって、それで地球圏連合を武力で排斥していい理由にはなりません」
 クランも、その真っ直ぐな瞳を、ジャイアントマンに向ける。
 その瞳の映るのは、火星圏の未来への憂いだけではなかった。
 クランの中にある過去。自分だけの力では、どうすることもできなかったあの日々。
 それがクランの見てきた、必死に生きる者達の姿に重なる。
「もし、あなたが言うように、どうにかできるというのなら……私は、その全てを解決していきたい!」
 言うだけしか出来ないが、クランは力強くそう言うのだった。
815本家ドルダの人:2008/12/02(火) 01:13:23 ID:???
ここでCM。アイキャッチは全面に巨体を張り出したジャイアントマンさんと、両脇にカナンとヴァニラ。





今日は前半のみ。戦闘もありません。
クラン達が戦場に出る理由をそろそろ決めなくてはならないと思い、こんな展開です。
中立って大変だよなぁと考えつつ、某大天使ご一行様にはならないようにと。
どうでもいいですが、宮野真守さんご結婚おめでとうございます。

後半はまた後日。
816571:2008/12/02(火) 17:34:17 ID:???
本編ドルダの人乙です&GJ!!
わぁ〜、ジャイアントマンさんが他人に思えない〜。
冗談です。本気にしないでください。
某大天使様ご一行wwww
まぁ、確かに中立貫いてますね。逆に敵の敵も敵ですけど。
宮野真守さんご結婚なされたんですか!!?
それはおめでたい。
ではでは

↓はスルーしてもかまいません。
現在エルトさんの新説ドルダの世界観で外伝を執筆中……なんですが、いつ投下できるか分かりません。
なので忘れた頃に来るかもしれませんが、そのときは生暖かい目か冷たい目で見ていてください。
817エルト ◆hy2QfErrtc :2008/12/03(水) 12:46:25 ID:???
真昼間にこんにちは
>>本編の人
投下乙&GJです!俺の書くクランと違って芯がしっかりしてますね…

>>571
久し振りっす。投下、楽しみにしてます

で、新説ドルダいつまでダラダラとこの展開が続くんだよって話ですが、七話までで一区切りつけます
八話から新章に突入する予定なんで、マジですいません
818エルト ◆hy2QfErrtc :2008/12/04(木) 00:47:13 ID:???
夜にも今晩は
六話書いてたら相変わらずフリーダムなことになっちゃってて…
ドルチェの設定投下します。571氏、何度もすいません、それと不快に思われたら申し訳ないです

DOLL-002CE ガンダムドルチェ
所属:第七次調査団
パイロット:エリス、デイヴィッド・リマー
武装:
ビームレイピア×1
ロングギガビームライフル×1
背部追尾ビームファトランクス×2
ビームスコップ×1
シールドファンネル×12(30)

詳細:
デイヴの過去に関係する、純白のガンダム。まるで眠り姫のような美しさを持つ。
ロングギガビームライフルは最大出力時においては長大な射程距離と絶大な威力を誇る。
出力の調整が可能で低出力時にはマシンガンとしても使用可能。
また、恐ろしいほどの射撃精度を誇る。
これは主に両手で使用するものなのでシールドを装備することが出来ず、その代わりシールド型のファンネルを搭載している。
シールドファンネルは攻撃能力を持たない反面平面状で、ビームを増幅、反射させる性質を持つ。
その性質を利用し、ビームを反射させることで攻撃への転用が可能。
さらに筒状にしたシールドファンネルの中でビームを反射・増幅させて放つという離れ業もある。ただし使用後はシールドがぼろぼろになってしまう。
本来ならこれを使いこなすのは至難の業だが、デイヴの状況判断能力がそれを可能にする。
通常時は折り畳んだ傘のような形状でドルチェの腰から下を覆っており、控え目なドレススカートのような形状を持つ。
また、背部に取り付けられた追尾ビームファトランクスは敵を追尾する性質を持つビームを発射する。
この時、発射されたビームが左右に分かれ発射されるので、背中から羽が生えたように見える。
接近戦時には主にビームレイピアと、奇妙なスプーン型の武器を使用する。
ビームスコップと呼ばれるこの武器は、長い柄に実体の匙状の刃を取り付けたものにビームを纏わせて使用されるという変わった武器。
また、本機に搭載されている「Doll‐CE」システムはパイロットを補助する。
一部の火器管制をドルチェ自身(またはエリス)が行い、シールドファンネルを全機使用することが出来るようになる。
このシステムによってパイロットは戦闘に集中することが可能となる。

イメージ:ケルディム+ナドレ
819エルト ◆hy2QfErrtc :2008/12/04(木) 00:53:42 ID:???
連投すいません。
まず、571氏の協力無しにはドルチェのアイディアは思い浮かばなかったので感謝です。

改善点として、
まずレーザーファトランクスは、レーザーを武器転用出来るんならビームいらなくね?って以前ウィ○ドスレで誰かが言ってたんで…
それと、アナザーの人の考えたビームスコップをこいつに持たせたいという個人的なワガママです。
これにより、アレ?武装多くね?→じゃバルカンとキャノン削って素敵なアイディアなライフルとファトランクスの威力上昇を図りました。

指摘やら要望やら苦情やらはいつでも受け付けますので。
それではサヨウナラ
820本家ドルダの人:2008/12/05(金) 02:17:55 ID:???
最近は設定の投下がなくて寂しいですねぇ。
キャラクターとか機体とか、楽しみなんですが。
そんな本家ドルダ第5話の後半は、ローズに新型の武装が配備されるお話です。

>>571さん
新説の外伝、楽しみにしてます。

>>エルトさん
新説はバトル、バトルの連続で一度読んだはずの二つ作品だというのに、
新たにリメイクされた展開にハラハラしっぱなしです。
新章も楽しみです。





CM終わり。アイキャッチはクランとジャイアントマンの対峙。
821本家ドルダ:2008/12/05(金) 02:22:42 ID:???
 ジャイアントマンは、「う〜〜〜〜〜〜ん」と長い間唸っていた。
 そして、その重そうな瞼を開いて、クランを見た。
「わかったよ〜。なら君に、機会をあげよう〜」
 自分が一番優位であるかのような、横柄な態度。
 否、彼は優位なのだ。
 ジャイアントマン。この男がどれほどの力を持っているか。
 漠然としかわからないクラン達でも、彼からプレッシャーのようなものを感じ取っていた。
「機会……とは?」
「君が言う、全てを解決できるかもしれない機会さ〜」
 ジャイアントマンの言葉に、クランは眉間にしわを寄せる。
「このコロニーには、駐留軍の司令部、宇宙要塞ハーフムーンから逃げてきた部隊がいる。
君達が会ったルシェッタ大佐のことだね〜。今は司令代理なんて名乗ってるけども〜」
 ギデオンがハッとする。
「まさか陥とされたのか!? ハーフムーンが……」
 宇宙要塞ハーフムーン。
 月を割った、半月のようなボウル型の小惑星。
 火星圏における地球圏連合軍火星方面駐留軍の最重要拠点である。
 いくらローズの戦闘力が強大といっても、イーグルクロウや戦闘艦の配備数では決して劣っていないはずだ。
822本家ドルダ:2008/12/05(金) 02:27:25 ID:???
 それが破られたと知って、ギデオンは愕然となる。
「主だった高官達は戦死。ハーフムーンの司令だったアーロン・キム少将が重傷を負った。
ルシェッタ大佐は艦隊司令で、ハーフムーンを放棄してこのコロニーに逃げてくる際に、
キム司令から駐留軍の司令代理を務めるようにと略式だが任命されたという経緯らしい」
 事情を知るカナンが説明を加える。
 駐留軍の司令官と少数だが艦隊が生存しているのは、不幸中の幸いといえる。
 だが、火星コロニー義勇軍のその戦力と手際の良さには、感服せざるを得ない。ギデオンはそう思った。
「火星コロニー義勇軍は、司令やハーフムーンの艦がここにいるのは知っているはずだ。
だが未だに再攻撃の類がないというのは、そこまで重要視してはいないということだろう」
「目的は宇宙要塞そのものだと?」
「さあ? 民間人の俺にはわからんよ」
 はぐらかすようにカナンは笑った。
 ギデオンも、これ以上の質問は意味はないと、口を閉じた。
「それで、私に何が出来るというんです。そんなことを教えてまで」
 睨むような疑いの眼差しで、クランはジャイアントマンを見る。
「仲介役になるのさ〜、君が。休戦協定のね〜」
823本家ドルダ:2008/12/05(金) 02:30:35 ID:???
「休戦協定……!?」
 鋭かったクランの瞳が一転、驚きに見開く。
 とんでもないことを言う。
 クラン達はジャイアントに驚かされっ放しであった。
「けど、これはすげえことだぜ。そんなことが出来るならさ!」
 まだ了承もしていないのに、躍起になってヴァイスが言う。
「そ、そうですよ! もし成功したら、誰も怪我したり、死んだりしません!」
 今まで黙っていたモモも、必死そうに声を張り上げた。
「二人共! これはそんな簡単な問題じゃないのよ! もし交渉が決裂して、戦闘にでもなったらどうするの!?」
「……そうしたら、守るよ」
 クランの言葉に、端でじっとしていたシンシアが、声を発した。
 シンシアのその表情は、堅い意志を見せ、そして最初に出会った時のようなどこか冷たい影があった。
 しかし、その冷たい影も、ゆっくりと消えていく。
 顔を向け、しっかりとクランを見るシンシアには、姉を想う妹の瞳があった。
「もう逃げられんよ。ナギサカ君」
 諦めたような苦笑をして、ギデオンもクランを見る。
 クランは、迷った。
 だが皆の後押しに、不安が残る中、静かに首を縦に振る。
824本家ドルダ:2008/12/05(金) 02:34:04 ID:???
「ありがとう〜。じゃあ僕達は準備に進めるよ〜。しばらく待機してもらうことになるけど、よろしくね〜」
 満足したのか、ジャイアントマンはにこやかにそう言った。
「じゃあ、俺がみんなを送ってく」
 カナンが先導し、調査隊とシンシアはエレベーターに再び乗った。
 笑顔で、それを見送るジャイアントマンとヴァニラ。
 完全にドアが閉まり、エレベーターは発進していく。
「……欠席した子。出身はどこだっけ〜」
「ミランダ・ウォン。生まれも育ちも、純粋な火星圏民ですわ」
 笑顔を消したジャイアントマンが訊き、またこちらも無表情になったシンシアが返答する。
「世界は、このちっぽけな火星圏は、どうなるかな〜」
「ジムったら。最低な道楽ですわね。ふふっ」

 第29コロニーから近く、火星コロニー義勇軍の中継地点となったコロニーがあった。
 第33コロニー。
 このコロニーもまた、独立派の武装蜂起後すぐに制圧されている。
 調査隊の乗った輸送船を第29コロニーに逃がしてから数日。
 このコロニーには、マイケル・ミッチェル隊が追撃部隊の補充要員と追加装備が運ばれてくるのを待っていた。
825本家ドルダ:2008/12/05(金) 02:38:06 ID:???
「ニコラス・スフィフトだ」
「ダン・デボンであります!」
 そんな第33コロニーに、遂に補充要員がやってきた。
 ニコラス、ダン。ドルダの圧倒的な力に敗れた、二人。
「他3名、着任した」
 格納庫。
 輸送船から降りてきたニコラスとダンは、出迎えにきたマイケル・ミッチェル隊の面々と挨拶を交わす。
「ようこそ。凱旋かな、ニコラス君」
「茶化すな、狸」
 睨むニコラス。
 マイケルはやれやれと笑う。
「ローズ5機、並びに追加と新型の装備を持ってきた」
「うん。確かに、受領したよ」
 乱暴に、ニコラスは書類代わりの情報端末をマイケルに渡す。
 受け取ったマイケルは、顎に手をやってその情報を確認していく。
(他の3人は素人か。実戦経験は、駐留軍の配備が少なかったコロニーを制圧した1回のみ……使えないな)
 小さく息を吐く。
「他の3人は、どうしたの?」
「長旅に疲れたらしい。船ん中でおネンネしてるよ」
「なんだそれ。はあ〜……ヨウコウ様は何を考えてるんだが」
 本格的に戦力にならないと、マイケルは頭を抱える。
 それに関してはニコラスも同意しているようで、ばつが悪そうに視線を泳がせた。
826本家ドルダ:2008/12/05(金) 03:10:14 ID:???
「ですがミッチェル隊長。お言葉ですが、そちらの隊こそ……」
 言い辛そうにダンがターニャ達を見る。
 目が合ったターニャは、軽く笑い、ダンに近付いた。
「なんだい? 言ってごらんよ」
「いえ……女性や子供が戦場に出るのは、相応しくないと思いまして」
 その瞬間、平手が飛んだ。
 気持ちいいほどの破裂音が辺りに響く。
 ダンはしばらく、理解が出来なかった。
 その光景を目撃したニコラスも、唖然とする。
 ダンの頬は真っ赤に腫れ、ターニャは自身の右手に息を吹きかけていた。
「アタシはさ、火星圏の外れで賊とドンパチやってたこともあんのさ」
「は、はひ……」
「あんたがお優しいのはわかるよ。けどねぇ、戦場に出る相応しい資格ってのはなんだい?」
「ひへ、貴女は相応ひいと思いまふ……」
 ジンジンと痛む頬に、ダンは涙した。
 ニコラスが咳払いをする。
「連れが要らんこと言ったようだな。詫びるぜ」
「わかってくれりゃいいのさ。アタシ達は生きるために戦ってる。それはあんた達だって変わらないだろ?」
 ターニャに言われて、ニコラスは素直に頷いてしまった。
 ニコラスは戦うことが好きだった。
827本家ドルダ:2008/12/05(金) 03:14:55 ID:???
 スラム街でストリートファイトに明け暮れたあの日。
 生きるために闘う。賭け金をコイン一枚でも多く稼ぐために。
 固いパンと薄味のスープですら、口に出来るかもわからない日々だった。
(そんな時、俺はあの男に、ヨウコウ・ソ?
828本家ドルダ:2008/12/05(金) 03:17:19 ID:???
>>827訂正

 スラム街でストリートファイトに明け暮れたあの日。
 生きるために闘う。賭け金をコイン一枚でも多く稼ぐために。
 固いパンと薄味のスープですら、口に出来るかもわからない日々だった。
(そんな時、俺はあの男に、ヨウコウ・ソウヤに出会ったんだ)
 スラム街に現れた、腰に日本刀を差した時代錯誤で小綺麗な男。
 荒んだ目をしたスラム街の住民達に臆されもせず、ニコラスだけを目指して歩いてきた。
“君の力を借りたい”
 そう言って、その真っ直ぐで熱い瞳を向けてきた。
(変わらねえのか。どいつもこいつも)
 ニコラスはマイケルを見る。
 飄々として、掴みどころのない。
 実力はあったが、組織内でも評判は悪かった。
(ガキ共も同じだ。あの頃の俺と)
 ストリートファイトが、モビルスーツでの戦闘になっただけのこと。
 賭け金が、火星コロニー民の自由に変わっただけのこと。
 少年兵を戦場に置くのは、決してこのマイケル・ミッチェルという人物が非情だからではない。
 そう考えを改めた。
「ダン! てめえも他人の心配なんざしてねえで自分の心配をしろ!」
 そう強くダンの背中を叩く。
「ス、スウィフトさんもひぼいですよぉ!」
829本家ドルダ:2008/12/05(金) 03:28:04 ID:???
 ダンは頬と背中の痛みにまた泣いた。
 そんなニコラスとダンのやりとりを眺め、マイケルは笑みを浮かべる。
「それにしても、追加装備はともかく、新型装備か。僕達に試験運用させるってねぇ……」
 呆れたようにマイケルが言う。
「アウノウンMS……ガンダムなんてのが現れたからな。出たとこなんだろ」
 輸送船から運び出されたコンテナが、ゆっくりと開いていく。
「ガンダム。アレのコードネームか。ふざけた名前だ……けど、気に入ったよ」
 コンテナには、ニコラス達が言うローズの新たな武装が搭載されていた。
「銃と剣、両方の特性を併せ持つビームガンブレードが5。白兵戦用の特殊装備、ナインテールが2。
そして大型の盾であるアームシールドが1。それと追加装備で通常の盾と連装ミサイルを持ってきました」
 頬の痛みもだいぶ収まり、ダンが報告する。
「ビームガンブレード。小型ではあるがこっちでもビームを固定できるようになったとはね」
「だがガンダムにはビームは効かねえ。雑魚用の武器さ」
「出力は上がってるんだろ? これは僕とターニャ、タオマオが使おう。それとダン君、君も使いたまえ」
 ダンは「ハッ」っと敬礼する。
 ターニャも了解し、タオとマオも小さく頷いた。
830本家ドルダ:2008/12/05(金) 03:31:30 ID:???
「ナインテール。9枚の刃を連ね、熱したその刃で機体を溶断する変則的な軌道が特徴の武器、か」
 どうしたものかと、腕を組む。
「扱いが難しいね。君が使うかい? ニコラス君」
「いや、俺にはあのデカいシールドをくれ」
「わかった。じゃあ僕とディランとで使おう。ディラン、やれるかな?」
 マイケルはディランに顔を向ける。
 ディランはその鋭い表情を崩さずに、ディランを視線を返した。
「了解した。どんな武器でも使いこなしてみせる」
「頼もしいよ」
 迷いなく答えるディランを、マイケルは信用しているようだった。
 無口でほとんど表情がないタオとマオという兄弟もそうだが、少年にしては些からしさというものがない。
(ソウヤの野郎にあぁ言った反面、こいつ等を死なせるわけにはいかねぇか)
 じっと、ニコラスはディランを見る。
「なんだ」
 ニコラスの視線に即座に反応するディラン。
 それには少々、ニコラスも驚いたようだ。
「いや、俺も、俺だけじゃねぇ。補充された兵全員、お前に背中を任せても大丈夫か?」
「俺が少年兵だから危惧しているのか。安心していい。同じ仲間なら銃を向けたりはしない」
 淡々とディランが答える。
「その代わり、あんた達にも俺の背中を預ける」
831本家ドルダ:2008/12/05(金) 03:35:43 ID:???
 表情は変わらなかったが、そう言うディランに、マイケルは少しだけ彼の見方が変わった。
 ニッと笑うと、ディランに近付いていく。
「あったり前だろォがよッ!」
 思い切り力の入った張り手が、ディランの背中を叩いた。
 これにはディランも、目を見開いた。
「スウィフトさんの感情表現はアグレッシブすぎです。あのディランという少年に同情します……」
 震えながら、ダンが呟いた。
 和やかなムードの中、ターニャが持っていた携帯端末に連絡が入る。
 直ぐ様応答するターニャ。
「みんな、向こうが先に動いたようだね。オープンチャンネルで呼びかけを行ってるらしいわ」
 ターニャが言うと、マイケルやニコラス達は一斉に気を張り詰めさせた。

 そして、張り詰めているのは、マイケル達だけではなかった。
「休戦協定……そんなもの、飲めるわけがない」
 自室で、メリリヴェイルは恨めしそうに唸った。
 政府からの達しという、火星コロニー義勇軍との休戦協定の提案。
「そんなものを受け入れてしまえば、劣勢である我が軍は事実上敗北を認めたようなもの」
 ギリリ、と食い縛った歯が音を立てる。
「抵抗を続ける他の部隊も、次々に降伏していると聞く」
832エルト ◆hy2QfErrtc :2008/12/05(金) 03:37:12 ID:???
まさか、本編の人と被るとは…!
妙なシンクロになんか感激、エルトです。
今から投下、は出来ないよなあ…
833本家ドルダ:2008/12/05(金) 03:41:37 ID:???
 司令代理としての重責。
 政府から案に従うか、反撃に転じるか。
 今、公社が代行して付近のコロニーにいる火星コロニー義勇軍に呼びかけているようだが。
 公社といえば。メリリヴェイルの脳裏に、数日前の出来事が蘇る。
「奴等に、いいようにはさせん!」
 カナンという男が口にした味方というのはこうことかと、怒りに机を叩く。
「ここ最近、地球圏との通信状態が著しく悪い。増援も期待できんとは……!」
 メリリヴェイルは、悔しさに、呻くようにそう言った。
 例え増援を呼べたとしても、到着するのに数ヶ月はかかる。
 その間に敗北は目に見えている。
「あのシステムさえ……あのシステムさえ実戦に導入できれば」
 だが、彼女はまだ、諦めてはいない。
 メリリヴェイル・ルシェッタ。
 その瞳は、野望に燃えていた。





To Be Continued...
834本家ドルダの人:2008/12/05(金) 03:43:25 ID:???
第5話投下終わりです。
エルトさん、投下どうぞ!

ではまた後日。
835エルト ◆hy2QfErrtc :2008/12/05(金) 03:47:14 ID:???
>>本編の人
投下GJ&乙です!
途中で割り込んでしまってすいませんでした。メリリヴェイルの動向が気になりますね。

ではお言葉に甘えていきます
836エルト ◆hy2QfErrtc :2008/12/05(金) 03:48:10 ID:???
新説ガンダムドルダ
第六話 招かれざる客

デイヴィッド・リマーは昨晩静かに床に就いた。
ここ二年間のニート生活時に比べると、遥かによく眠れた。
ただ、いつもの夢だけは相変わらずデイヴの意識の中に入り込むことを忘れはしなかった。

一人の少女が、悠久の時を眠る。
初雪のように白い肌に咲き誇るは、薔薇のように美しい唇。
少女には恐らく感情というものはない。眠ってはいるのだが、目を覚ましたとて、美の権化がただ在るだけだという印象を与える。
あまりの美しさに、そっと触れようと手を伸ばす。
決して遠くはない距離にいる少女に触れるには、少しの時があれば十分だろう。
しかし、あまりにも遠い。あまりにも永い。
その時間さえ愛おしく思えるほどの美しさ…
そして、指先が少女の面を捉えた刹那…

そして今彼は気づく。目の前の少女、エリスと名乗る少女こそが、夢の中に出てくる少女であったことに。
「お前…」
突然の出来事に混乱するデイヴの冷や汗は止まらない。
先ほどマルスのカメラファンネルで受けた傷の痛みに苦しんだことなど、遥か遠い昔のことのようだ。
デイヴの頭の中を様々な疑問が駆け抜けた。
襲いかかって来たアンノウン(ローズのことだ)は一体何者なのか。
目の前で戦っていたガンダムは一体何なのか。
そしてそれに乗るパイロット…クランとアレスという少女と少年の名。(二年前のデイヴの記憶の中ではクランは少女と呼べる年齢だ)
何故彼ら姉弟がそんな機体に乗って、こんなところで(ああ、あまつさえ俺の目の前で!)争っていたのか…
見たこともない装備と技術の数々。圧倒的な性能。
そして今自らの前に導かれるようにして現れたガンダムドルチェ。
二年前の悲劇を起こした機体が何故…?
エリス。自分にずっと会いたかったといった少女。
今までの26年間、みずからの両親と親友のフィリア以外からの誰からも、ただの一度もそんなことを言われたことはない。
新鮮な気持ちのまま、デイヴはエリスによって、ドルチェの甘美なる純白の世界に引きずり込まれようとしていた。
そんな彼女が、何故俺の夢の中に…?
今世界で何が起ころうとしているのか、デイヴは世界の、宇宙の声を聞いたような気がした。
837エルト ◆hy2QfErrtc :2008/12/05(金) 03:49:07 ID:???
「ああ、デイヴ、デイヴ。私は今、あなたに会えてとても嬉しいの。ね。だからそんな顔をしないで?」
シンシアと…また、ドルダを駆る謎の少女がしてみせたように、わずかに首をかしげて微笑みかける。
それはまさに、悪魔の微笑み。
いや、決して醜いというわけではないのだ。あまりに美しすぎて。あまりに眩しすぎて。
けれど彼女の笑みは、本当に純粋な、または正義の心を持つ者が一目見たなら、なんていやな笑顔なんだろう、と言うかもしれない。
今のデイヴはそのどちらでもなかった。
ただただ静かに、その美しさに呑まれ、けれど必死の思いで自我を保ったまま、少女に問う。
「お前は何だ…そしてこの機体は…?」
「運命よ」
言い終わる前にエリスは言う。まるでこの世に存在するすべての「動き」と呼べるものを止めてしまうような、氷の声で。
「あなたがフィリア・シュードと再会した時から運命の序曲は始まっていたの。そしてクラン・R・ナギサカ、アレス・C・ナギサカと再会した時、そして」
ここで一旦言葉を切り、再びその唇は言の葉を紡ぐ。
「私との出会いが、運命を加速させる」
毒りんごのような笑み。
再び口を開くデイヴ。
「お前は…この機体で何をしようとしている…!?」
すると少女は、ああ、と気楽そうに頷き、答える。
「私は歯車。偉大なる意志の僕。その役目を果たすだけの存在。そしてあなたは」
またも、言葉を切る。
「選ばれし者。私のパートナー」
「…ふっざけるな!」
激昂するデイヴ。
「何が歯車だ!何が運命だ!じゃ二年前お前が地球で起こしたあの悲劇も運命だったとでも言うのかよ!」
「ええ」
「…っ!」
こともなげに答える少女。やがて心から悲しそうな顔をして言う。
「ああ、デイヴ、デイヴ。悲しいわ、お願いだからそんな事を言うのはやめて」
しかしその表情は、真の賢者なら、人の機微というものに敏い者なら、あるいは太宰風に言うと、美醜についての訓練を経てきた人なら…
その表情は、簡単に見抜くことが出来る。
しかし、それさえ計算して。それさえわざとである少女。続けて言う。
「あなたが悲しいと、私も悲しいの」
「だったら今すぐここから降ろせ。俺はもう金輪際厄介事はゴメンだ。ニートやってた方がまだマシってもんだ」
もう、誰とも関わらない…デイヴは再び固く決意したのだった。
フィリア、ディック、シヴォーフ、ネルネ、ゲイリー…
そしてクラン・R・ナギサカとその妹弟、父母。
最後に自らの両親の顔を思い浮かべ、デイヴはうつむき涙する。
そんなデイヴを優しく抱き締めるエリス。
「大丈夫、あなたは私が守るから…」
悪魔の優しさに捉われた中で、デイヴィッド・リマーは再びまどろみの夢を見る。
838エルト ◆hy2QfErrtc :2008/12/05(金) 03:50:02 ID:???
一方クラン・R・ナギサカとアレス・ルナークはそれぞれの乗る機体を沈黙させ、向かい合っていた。
その沈黙を破るのはクラン。
「アレス、とにかく今はお互い色々と気になることがあると思うの。降りて話をしましょう」
「…わかった」
アレスは思っていた。姉・クランの先ほどの呼びかけは、ドルダを恐れるあまり自らが作り出した幻聴なのではないかと。
しかし、改めてその声を聞いて。二年前、力を渇望したがゆえに袂を分かつこととなった姉と再び向き合う。
先にドルダのハッチが開き、ノーマルスーツを着たクランが出てくる。
呼吸は出来る、先程のミランダ・ウォンとのやり取りを思い出しながらヘルメットを外す。
美しい艶のある長い赤髪が露になる。
(…!)
それを見て決心したアレスもまた、マルスのハッチを開け、火星の大地に降り立つ。
同様にヘルメットを外すと、そこには幼さを残しながらも凛々しい瞳を持った弟の姿があった。
「…ああ!」
クランは思わず弟を抱き締める。
本当の、家族の温もり。クランはドルダを駆る謎の少女に抱いたのとはまた別な親愛の念を、弟に対して抱く。
アレスもまた、忘れかけていたモノを思い出し、一瞬目を丸くしたものの、その温もりに全てを委ねた。
「アレス、ずっとあなたを探していたの…」
「クラン…姉さん…」
クランは今まで感じた恐怖の全てを置き去りにしたまま、アレスに言う。
「ね、アレス。これからは二人で暮らしましょう。私達は、たった二人の家族なのよ」
言った後、謎の少女のことを思い出し頭が疼く。けれど、その痛みさえ…
しかしアレスは、本当に、本当に精一杯、こみあげてきそうな何かを抑えて、深呼吸してから言う。
「クラン、姉さん!俺は見つけたんだ。シンシアと…姉さんともう一度会えるかもしれない方法を!あなたと別れてから二年間、ずっとずっと探していたんだ。
姉さん達と俺と、三人で暮らせる日々を…」
胸の中に洪水のように溢れる想いの全てを、抱きとめてくれるであろう姉にぶつける。
けれど、クランは…
「もういいの、アレス。あなたがいてくれたなら、私はこれ以上何も要らない!あなたがこれ以上危ない目に遭うのは、私には耐えられない。だから…」
言いかけたクランに、アレスは意外そうな、焦点の合わない瞳でクランを見つめる。
「クランは…姉さんは、シンシアに会いたくないの…?」
「それは…」
口籠るクラン。会いたくないと言えば、嘘になる。
けれど、こうして。火星開発公社の情報網を頼みの綱に、弟を探してきたのだ。
やっと会えたアレスを、もう失いたくないという気持ちの方が大きい。
839エルト ◆hy2QfErrtc :2008/12/05(金) 03:51:40 ID:???
「だったらクラン。俺と一緒に行こう?」
手を差し伸べるアレス。
「二人でシンシアを…姉さんを、助けるんだ」
「アレス!」
クランが叫ぶ。ああ、もう戻らない過去に、これ以上囚われるのはやめて…!
次の瞬間、ドルダのコクピットハッチが開き、シンシアと思しき謎の少女が二人の前に姿を見せるのだった。

「雲行きが怪しくなってきたな…」
呟くギデオン。テラ・フォーミング後の火星に、初めての雨が降ろうとしているのだろうか。
ところで、半ば空気と化していた第一次調査隊を登場させられるのは嬉しい限りで。
「クランさんから連絡、来ないですか?」
モモが心配そうに言う。
ミランダは先ほどから通信機器をいじり、音信不通となっていたクランへのコンタクトを試みている。
ヴァイスはというと、黙ったまま腕を組んで、壁にもたれかかっていた。
ふとヴァイスが顔を上げると、見知らぬ飛空挺がその影を見せていた。
「隊長、アレは…?」
驚く調査隊の面々。
ただ一人、ギデオンのみがその飛空挺のことを知っていた。
「あれは…カナリヤ…?」
「カナリヤって何ですかー?わかりませーん!モモにもわかるように説明してくださいよー!」
「公社の飛空挺だ。我々を救援に来てくれたのかもしれない。信号を送ってみよう、ウォン君!」
ミランダに言うギデオン。
「でも、クランさんは…?」
戸惑うミランダに、ヴァイスが言う。
「本当にアレが俺達を助けに来たってんなら、アイツの捜索にも協力してくれるはずだ。とにかく今は人手が欲しい。俺は隊長に賛成だな」
比較的冷静なヴァイスだったが、内心はヒヤヒヤものだった。
「…わかりました」
ミランダはそう言うと、通信機器をいじるのをやめ、カナリヤに向けて救援信号弾を放った。

840エルト ◆hy2QfErrtc :2008/12/05(金) 03:52:59 ID:???
「!」
最初にその信号弾に気づいたのはフィリアだった。その操縦を止めさせる。
「待って!今誰かが救援信号弾を…!」
フィリア・シュード達第七次調査団も、ディック、ネルネ、ゲイリーの三名を保護した後、デイヴの捜索を行っていたのだった。
「構わん、落ちこぼれのグワッシュだけを探せばよいのだ」
冷たく言い放つはスメッグヘッド教授。
「しかし教授!もしかしたらあれがデイヴからの合図なのかもしれませんし…」
「シュード君、君の目はふし穴かね?アレはグワッシュに搭載された信号弾とは別のものだ」
「遭難者ならなおのこと…」
「我々以外にこの火星に誰かがいるとでも言うのかね!とにかく我々は今そんな些末なことにかかずらっている暇はないのだ!」
「いいじゃないですか、教授。行きましょう」
論争中のフィリアに助け舟を出したのはディック。
「中尉…!君までそんなことを言うのかね!?」
「今はとにかく情報が欲しい。もしかしたらこれがアイツに繋がる情報になるのかもしれない。
それに仮に遭難者がアンノウンのパイロットだとしても、捕虜にして色々と問い詰めることが出来る」
「…くっ!」
口を噤むスメッグヘッド。やがてぶっきらぼうに言う。
「…好きにせい!その代り私はこの件に関しては一切関与しない!」
「ありがとうございます!」
頭を下げるフィリア。その後でディックに小さくウインクをしてから礼を言う。
「ありがとう、中尉」
「…っス」
顔を赤らめるディック。…お年頃なのであった。
やがてカナリヤは低空飛行へと移行し、ギデオン達第一次調査隊の元へ降り立った。

デイヴはエリスに言われるまま、二つある操縦席のうちの一つに座る。
「…あの二機に何かするつもりなのか?」
「んー、場合によっては。今の私はただの監視者(ウォッチャー)」
「…俺をどうするつもりだ?」
「心配しないで?あなたをさらったりはしないわ。ただ、あなたの調査団に私も加えてもらうだけだから」
「そんなこと、あのジジイが黙っちゃいねえぞ」
「この機体…ドルチェをチラつかせればスメッグヘッド教授なんてお手の物」
「知られたらマズイんじゃないのか?」
「まさか。これは人の手の届かない領域の物だから。アレと違ってね」
全天周モニターに映るマルスを顎で差し、エリスは薄く笑う。
「だったら尚更マズイじゃねえか」
「どうして?人間ごときに理解できるシロモノじゃないのよ、ドルチェは」
デイヴの顔が険しくなる。
「…お前、一体何者だ…?」
「初めて聞いてくれたわね。嬉しい!」
「はぐらかすな。答えろ、お前は何者なんだ」
「待って。今はまだその時じゃないわ。いつかあなたにも全てを話す。決してあなたを信用してないわけじゃない。もう少し待って」
「ハッ!信用も信頼もしてくれなくていいから、サッサと帰してくれよ」
「まだそんなことを言うの、あなたは…?」
少女は再び悲しそうに言うと、そっとデイヴに口づけた。
「…っ!」
悔しそうな男の顔を、再び悪魔が押さえつける。
841エルト ◆hy2QfErrtc :2008/12/05(金) 03:54:06 ID:???
「シン、シア…!?」
ドルダから降りてきた少女を見て、アレスは驚き、そして大いに喜ぶ。
「シンシア!」
クランの制止も聞かず、シンシアの元へ駆けるアレス。
「会いたかった…シンシア、ずっとずっと、貴女だけを探していたんだ…!」
困惑の少女を余所に、アレスは涙する。
(やはりティモール…いや、ルナーク博士の言う通り…!)
もはやアレスにとっては、目の前の少女が本物の姉であろうとなかろうと関係なかった。
偽物でも幻でも構わない…夢よ、醒めないで…
泣きむせぶアレスに少女の残酷な一言が突き刺さる。
「あなた、誰?」
目を丸くするアレス。ああ、やはり彼女は…僕の、姉さんでは…
わかってはいたことだが、実際に言われるとやはりツライものがある。
「放して。私はお姉ちゃんと一緒にドルダに乗るの」
「「!」」
驚愕のアレスとクラン。
「行こ、お姉ちゃん」
ゆっくりとアレスを振りほどき、クランの手をとってからドルダの元へ行こうとする少女。
悲しみと混乱が、再び世界を支配する。

第七次調査団のカナリヤに、捕虜として連行された第一次調査隊の面々。
唯一フィリアだけがその待遇に異議を唱えるが、傲慢なスメッグヘッド教授によって阻まれたのだった。
その尋問に、フィリアとディックが当たり、数分の時が過ぎていた。
ちなみにスメッグヘッドは相変わらずデイヴの、いや、グワッシュのミッションレコーダーを鋭意捜索中である。
「だからぁ!モモ達は怪しい者じゃないんですよぉ!早くクランさんを探さなきゃって言ってるじゃないですかー!」
モモ・マレーンがふくれっ面で二人に抗議する。
続いてギデオンが、出来るだけ落ち着いた態度で二人に事情を説明する。
「確かに我々は、あなた方同様地球本社の者ではなく、公社のコロニー支社の者です。しかし、人命がかかっているのです!
勝手なお願いであることは承知の上です。どうか捜索に協力していただきたい!」
そう語るギデオンの瞳には、強い意志が宿っていた。
(私には16回の隊長職の自負と、プライドがある…調査隊の全員を無事生還させるのが私の仕事だ!)
「事情はわかりました」
真っ直ぐなギデオンの目を見て、フィリアは本能的にギデオンを信頼に足る人物だと判断する。
「現在我々もまた同様に、一名の隊員を捜索中です。あなた方の探される方の捜索にも、善処いたしますよ」
「本当ですかぁ?ありがとうございます、お姉さん!」
はしゃぐモモ。溜息をつくヴァイス。しかしその口元は微笑んでいる。
842エルト ◆hy2QfErrtc :2008/12/05(金) 03:55:05 ID:???
「あの…僕は一応、男なんだけど…」
困ったように言うフィリアに驚きを見せる調査隊の面々。
「えぇ!?ご、ごめんなさい…」
「いやいいんだよ。慣れてるから」
慌てるモモに優しく答えるフィリア。
なんだか顔が赤くなるモモ。乙女の初恋というやつだろうか。スイーツ(笑)
そんなやり取りの中、ミランダが口を挟む。
「ここが、現在我々の捜索しているクラン・R・ナギサカ氏が最後にいたと推測されるポイントです」
端末のデータを示すミランダ。机に火星の地図と共に、座標が映し出される。
「オイ、これって…」
ディックが言う。
「シュード主任、俺達がアンノウンと交戦してた場所じゃないか…!?」
その場にいる全員の鼓動が速くなる。これは紛れもなく、そしてどうしようもない、運命なのだろうか。
「とにかくもう一度行ってみよう!今ならその未確認機体同士の戦いも終わっているかもしれない!」
進路を変更するカナリヤは、約束の地へと向かう。

冷たくつき放されたアレスを見て、エリスは冷やかに笑う。
(だから言ったのよ、アレス。あの娘じゃなくて、私のところに来ればいいと)
さて、と…予想通りの展開を見守って、エリスは思う。
(でもいいの。私にはデイヴがいるから。さあ、アレス、次はどう出るの?)
ドルダに乗る少女。クランは立ち尽くしている。アレスは…
再び、ガンダムマルスへと搭乗する。
(そう、あなたはやっぱり戦うことを選んだのね…)
エリスは薄く笑い、ドルチェを起動させ、高らかに叫ぶ。
「ガンダムドルチェ、デイヴィッド・リマー!これより介入行動に入る!」
「!」
困惑のデイヴを余所に、白き舞姫が戦場へと踊り出る。

六話 終 七話に続く
843エルト ◆hy2QfErrtc :2008/12/05(金) 03:56:08 ID:???
ってなわけで六話でした。それではおやすみなさい
844通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 17:09:26 ID:???
エルト&本家ドルダの人投下乙!

支援age
845571:2008/12/05(金) 17:26:55 ID:???
おお、家に帰ってきたら2つも更新されてる!!
本家の人にエルト氏、GJです!!

本家ドルダは本当に先が読めなくなってきましたね。
てっわーい!!ナインテールとアームシールドが採用されてる!!
僕にはまだ帰れる場所があるんだ、こんなに嬉しいことはない。

新説ドルダ
エルト氏乙です!
エリス悪女の才能ありすぎ。ある意味非常に怖い。
アレス、クラン、シンシア。
この三人救われるのかな?というかアレスってもしかしてシスコン?

ではでは
846通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 23:35:51 ID:???
500KB近いし、そろそろ次スレの季節だね
847通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 00:20:53 ID:???
テンプレ考えなきゃだな

ドルダだけじゃなく、>>1の意志を継いで「一番奇抜なガンダム」も語っていきたい
848バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/12/06(土) 13:58:31 ID:???
     :   : 丶 `       :    .,e      :           
              :      .,,lll゙′                 みなさん、乙です。
            :       .,,zl',,l゙,,,,,,,,,,,,_:    
                   ,,,rl゙°‘^:  : `"゚゙|lllll,a,        お久しぶりです、バルドです。        
        :      .,,ォ'″   :    :     .~''h,,、        最近、ネトゲ気味でしたがやっぱりここが                           
:               ,rl″              ,,,,lli,,:      恋しいみたいです。盛り上がったり過疎ったりと        
:         :   .,r″  ,,,,        :      '゙゙lllll*    大変でしたが、このスレも1000を行こうとしているの     
 、       : 、l゙    .'ll′       ェ         ,,゙f,、     ですね。嬉しいです。キャラデザの設定投下は                      
          $   ` ll゚l ,,'l,,.、   .'l,      ` ゙゙lllll,,     もう少しお待ちください。             
             ,l   .:l: yll,,,,,q ゙゙llllllョ,,, ,,, 廴  `    .ll.゙゙ト         
             ll、  'l,.径,,,ll゙゙!l,,'ll,llllillllllllllllL       .廴           
: :  `       ,,l゙`、  .゙l,illllllllli、.゚'llll,.゙lll,l,l'!゙,l゙`丶 、 'l,, リ     
        ,,l゙_,,lll′  .'《ll!゙lllll!   `゙'゙llllll゙,l″ `: ,l°ll゙ぃ|            
          ,ilレ゙~ .l    'llll,,  i,、    .ll,iト  ,,l".,l,,l .私            
       .il゙’ 、 .'l、   ,` ゙f,,. ゙"__,,,、 ,il゙l′ ,l″,Fll゜ .゙″                       
              'lil  .,ll゙l,!  ,l'll,,,゙゙゙°.'゙ 廴.,,fl゜ .,l゙lq°                     
     :       .,l゜.,,il″,l゙,,rllllilll"゙'N,,,,,ll'l',il゙,illl ,,i´ .゙゙l,,,            
              .,lレ″ : .l゙” .,,il° .,llll゙.,ll,lll'゙^ .あ  ,,i゙゙゙N,,_     
              ″    .,,rl″  ,,ill .,llll,  、 “ .,,ill″   ゙゙''l*i,,,,、                    
             ,,,rt'“`.,,,wl''' ̄l llll゙% `_,,r广         .゙゚゚≒,,,_                   
   `       .,,wl广 _,xt广    .゙'''!ll ゙''''“`       `    .,,,llll゙゙゙゙≒      
:           ,,rl″、,,,ll'”、        』              ,,ll゙゜  : ll             
       ,,r'_   lll,   、`   _,,,,,,xll,,,,,,_ 丶        : _'″    : .ll           
     .,,ll!lll゙°   l,'゙l,, _,,,,wrl'' ̄`  l| `”゙''━m,,,,_     ,√  :    .,l"               
     'l゙’,l°    .l゜ ゙゙ll″   _,,,,ywll,,,,,,_、    ゙”'''=ri,,_,「    、  .,″               
  :    .,″    ,,l`` ゙f,ler!''' ̄  .l°  ̄“━ri,,,,,_、  .,゙     `  ,l°            
     '″   .'广    .″     .'″       ゙”'''・ ″       '゙
849通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 16:02:09 ID:???
AAw
850通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 18:07:18 ID:???
>>1に貼るテンプレこんな感じ?

ここは前スレ>>1がスレタイを誤字のままで立ててしまったことによって
「どるだって何のガンダム?」という話題なり、「00に出る新ガンダム」や「2010年放送の新作ガンダム」など
スレ住人達の遊び心によって「新しいガンダムであるドルダを作るスレ」となりました

現在キャラクターやMSなどの設定の投下や複数のSSが連載中!
もちろん歴代シリーズの中で奇抜なガンダムを語ったり、新たな「ドルダ」を創造しても構いません

まとめwiki
http://www8.atwiki.jp/gundam_dollda/

前スレ
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1213176857/
851通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 05:52:40 ID:???
>>850
GJ
いいと思うよ
あとは>>2あたりにプロローグと現在ある作品、作者あたりを列挙すればなお良いと思う
852通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 12:28:10 ID:???
タイトルと作者列挙はいるか?
他のSSスレ回ってみたがそういうのしてるとこないし、まとめ見れば早いだろう
プロローグだって本家ドルダのプロローグと化してるじゃん
853通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 13:36:59 ID:???
他所は他所、うちはうち。
854通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 19:19:10 ID:???
うちはうちならテンプレは>>1のみでいいな
855通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 00:07:56 ID:???
まあ何でもいいか
次スレ立てられる人の判断に任せた
856571:2008/12/09(火) 16:46:38 ID:PfuZJrVY
立てようと思ったが「このホスト〜」で立てられませんでしたOTZ
誰か立てられる人お願いします。
ところでスレタイはこのままでいいのか?
それともドルダをメインにした方がいいのか?
とにかく立てれる人お願いします。
では

857バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/12/09(火) 17:43:34 ID:???
お久しぶりです。
>>571
このスレは他の創作スレとは違って雑談スレみたいな感じだから
今のスレタイ+【】でいいのでは?
858バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/12/09(火) 17:46:46 ID:???
訂正をお詫びします。

×雑談スレみたいな感じ
○創作スレ+雑談スレみたいな感じ

859エルト ◆hy2QfErrtc :2008/12/09(火) 22:57:44 ID:???
どうも。
自分の方でもスレ立て試みたのですが無理でした…
あしからず
860バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/12/09(火) 23:24:58 ID:???
どうやら私の方でも駄目だったみたいです。

861616:2008/12/09(火) 23:34:14 ID:???
みなさんお久しぶり
ちょっと忙しくなってきたのであまり顔出せませんが、
時間を見てちゃんと本編も新説も読んどきます

http://uproda11.2ch-library.com/src/11140410.jpg

モールド増やしてドルダ描き直してみました
ローズ案とマルス案も近いうちにアップします
862通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:59:11 ID:???
どうみても1st。
角張りすぎ
863通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 03:54:36 ID:???
>>862
>>861が?それとも奇抜なガンダムが?
864通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 07:06:54 ID:YjsWo1ay
肩がSガンダムとF91を足して割ったような感じだが、リアーが斬新かもしれない
865571:2008/12/10(水) 16:26:54 ID:mTaGIEVY
>>616
GJです!かっこいいですねドルダ。
肩のビーム集光機のデザインもいいです。
866バルド ◆lqbqZrNVoQ :2008/12/10(水) 19:42:13 ID:???
>>616
乙です!
良い具合に兵器っぽさとロボットっぽさが出てますね!
867通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 01:35:15 ID:???
明日の夕方頃スレ立て挑戦してみるわ
868通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 12:57:36 ID:???
>>867
頼んだ…俺もダメだったorz
869867:2008/12/12(金) 17:31:26 ID:???
立ちました

一番奇抜なガンダムってどるだ?2
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1229070368/
870通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 11:57:24 ID:fIxn19er
871通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 12:13:20 ID:???
このスレまだあったのかww懐かしいww
872通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 12:25:44 ID:???
873通常の名無しさんの3倍
>>871
新スレ立ったからそっちにも遊びにおいで
新しいSSなんかもあるみたいだぞ