もしもマフティーが種・種死世界に来たら 其の参

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1通常の名無しさんの3倍
前スレ
もしもマフティーが種・種死世界に来たら 其の弐
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1162653707/
初代スレ
もしもマフティーが種・種死世界に来たら
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1158677001/
まとめサイト
ガンダムクロスオーバーSS倉庫
ttp://wiki.livedoor.jp/arte5/d/FrontPage
2通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 14:47:54 ID:???
>>1
 ( ゚Д゚)っ  乙ならあるぜ
  ( つ 2/

  ( 。_。)っ
  ( つ 2/

  (゚д゚ )っ
  ( つ 2/

  ( ゚д゚)っ
  ( つ 2/

  ( ゚д゚ )っ
  ( つ 2/
3通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 17:05:45 ID:i5Icc4uI
乙?
4通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 17:31:00 ID:???
>>1乙!



・・・だが前スレが980位になってから立てるべきだったな
5通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 20:41:33 ID:???
コーディネーターの凄さが
見えてこないのは設定考えた奴とシナリオ書いた奴と
演出家がウンコだから?

6通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 21:24:19 ID:???
NTがすごいから
7通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 02:04:32 ID:???
>>2
5コマ目はこっちみんなw
8通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 08:35:07 ID:???
今更な質問。
マフティーって誰?
9通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 08:55:43 ID:???
検索しろ。
つか、前スレにもいたなこういう馬鹿。
10通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 17:56:45 ID:GrAvFv8B
茶髪で髪を後ろで縛っているオッサンだよ〜
本物のマフティーは・・・・・・
11通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 18:01:05 ID:???
マフティーって何語?
12901:2007/04/10(火) 23:50:31 ID:???
他のスレの職人さんが、「勝手に三次創作されるのは……」云々について語っている記事を見て、
255氏にとんでもなく失礼な事をしたのではないかと、平身低頭の901です。

255氏へ

不愉快に思われたのなら申し訳ありません。
ネタとはいえ、ご意向を伺わずに勝手にキャラを使用して、ついでに内容を捏造してしまったことを深く謝罪します。
本当に失礼な事をしてしまったと反省しております。
なにとぞご容赦ください。m(__)m
13通常の名無しさんの3倍:2007/04/12(木) 23:31:49 ID:???
ほっしゅ
14通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 08:37:56 ID:+ajpIlhu
今途中まで読んだんだけどさ、なんでハサウェィは異世界の争い毎にニュースと一方の情報のみで憤って参戦しようとしてるんだ?
しかも大量虐殺する気満々だしさ
後でフォローがあるのかもしれないけど、今のままなら単なる基地害にしか見えないんだけど?
良識と常識を無難に兼ね備えている大人ならそれがどんなに異常で馬鹿らしいことか考えるまでもなく分かるはずなのに・・
作者の頭の中はどうなってるの?
15通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 09:03:51 ID:???
>>14
俺ハサウェィなんてキャラクター知らねえ
16通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 09:27:38 ID:???
変な所で几帳面だから読者に語られていないシーン(日常)で
調べ物とか色々していたんじゃないか?
あと良くも悪くも熱血馬鹿な所も手伝ってとか
17通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 10:00:45 ID:???
一回地球におりて、辺境部のエネルギー危機の実態を見て、考えを見直すってのもいいかもな。
18通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 11:15:37 ID:???
>>14
異世界で悪友が出来た、それがたまたまザフトだった。
んで、力があるから手伝うと。

戦う理由に妙なお題目つけたがる輩なんぞよりよっぽどマシだと思うんだが。
(もちろん、マシだというだけで全面的に肯定する気は無い)
19通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 16:36:26 ID:???
>>18
これが自分の世界なら、社会の状況を把握しているし
何より自分に返ってくる事だからテロに走る動機にもなるけど

異世界で自分が実際に被害にあった訳じゃないのに、たまたま拾われた
勢力と敵対する人間に
一方的な情報を与えられただけで殺意を覚えるって事は、
精神的に何らかの欠陥があるとしか思えない

通常なら>>17のように相手方の事も知ろうと動くはず
まるで世間を知らない思い込みの激しいガキそのものじゃないか>マフティ

まさかこれ人気あるとか言わないよね
20通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 17:37:33 ID:???
マフティーがいた元の世界に戻れるって確証があるわけでもないんだし、種世界で生きていこうとも考えているかもしれない
その種世界で生きていく上で「この世界の人間はだめだ…粛清するしか」とでも考えればテロするかもしれない

まぁ、本人の口から理由が語られないと俺達がどうこう言っても仕方ないわな
21通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 17:43:31 ID:???
テロ対象だった連邦政府より外道で恥知らずだなマフティーは
リガズィに乗ってた頃となんも変わってないんじゃないかね
22通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 19:00:14 ID:???
ヒント:マジレス禁止

というか仮面のノリノリっぷりが面白いので
その辺はもうどうでもいいかなと思ってる
23通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 19:01:57 ID:???
ハサウェイがロンドベルに1機だけまわされたリガズィに乗ってたとは初耳だ

まぁ戦う理由としては元いた世界とこの世界が同じ轍を踏まないようにする為
じゃないんかな。色々と火種は多い世界観だし。後は食わせてもらってるギル
とラウへの義理か
24通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 19:44:19 ID:???
NJ投下について触れたのは酔っぱらってるときの戯言しかまだないからな。
素面でどう思ってるかはまだ何とも言えまいよ。
25通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 01:43:32 ID:???
つーか、閃光のハサウェイはベルチルの続きであって、映画の逆シャアとは直接繋がらない話のはずなんだが。
26通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 01:56:16 ID:???
ガイアギアみたく黒歴史入りしてた可能性もあったが、UC年表には組み込まれているんだよな
Gジェネに出て知名度が上がってからややこしくなった
27通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 04:08:31 ID:???
一回小説読んで出直してこい
28通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 06:01:35 ID:???
でどうなんだ?
マフの奴はずっとザフト側で正義面して連邦軍の兵士達を殺し続けるのか?
続けるのなら読まない
抜けるのなら読む
29通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 06:37:20 ID:???
>>28
連邦の兵士を殺すのはもう物理的に無理だろw
30通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 07:22:38 ID:???
心配ならまとめサイトで読むようにして判断すれば?
第一「僕のお好みの展開にならないんだったら、もう読みまちぇーん」の自己申告は不要。そんなの勝手。
作者に圧力かけて希望押し付けたいとしか思えない。
31通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 07:37:24 ID:???
〜すれば読む(読んでやる)なんて、ハナタレ坊や丸出しのレスする読者がまだ2chに居たとはなw
なあ坊や、そういう時はどうすれば一番幸せになれるか知ってるか?

自分で話を書くんだよ。

坊やの書く話を期待してるぜ。
32通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 08:16:51 ID:???
>>30>>31
マジレスすなよ
33通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 12:31:25 ID:???
>>28
こいつの糞な態度はマジレスしたくなる
34通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 12:38:21 ID:???
そろそろクルーゼ様がグラビアデビューするという噂を聞いたんだが・・・w
35通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 00:51:25 ID:???
薔薇・Vパン・オイリーの三重苦と申すか
36通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 08:28:48 ID:???
むしろSAMURAI気取りで白フン
37通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 09:47:00 ID:???
>>36
仮面と白フンのみってホントの変態仮面じゃねーか。
>>36もやだが
3837:2007/04/15(日) 09:48:11 ID:???
二行目は
>>35もやだが
のアンカーミス。凹んだorz
39通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 21:01:55 ID:???
>>.34
CDデビューならしてるで。
ttp://www.youtube.com/watch?v=dsu7CZNJ3BQ&mode=related&search=
40通常の名無しさんの3倍:2007/04/16(月) 08:14:26 ID:???
age
41通常の名無しさんの3倍:2007/04/18(水) 01:44:14 ID:???
>>21
リガズィに乗ったのはチェーンで、ハサウェイが乗ったのはジェガンですが何か?

>>28
CE世界は地球“連邦”じゃなくて地球“連合”な?
42通常の名無しさんの3倍:2007/04/18(水) 05:32:29 ID:O/IiCV1f
保守
43通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 17:52:56 ID:???
そろそろ新たなる世界の幕開けかな?
44通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 21:47:42 ID:vAP+Ga/J
保守

――か○き者。

『○奇者』と書く。

『○く』とは異風の姿形を好み、異様な振る舞いや突飛な行動を愛することを指す。

現代の者にたとえれば、権力者や支配者にとってめざわりな存在の『ツッパリ』ともいえるが、
真の『○奇者』とは己の掟のために、まさに命を賭したのだった!

そして世は動乱のコズミック・イラの時代。
ここに天下随一の『傾○者』達がいた!!
その漢(おとこ)達の名は――

================================

俺は週末には寮ではなく、なるべく屋敷に帰ることを心掛けている。
妹の顔も見たいし、お世話になっている人たちとも顔を逢わせておきたいのだ。

今日は、珍しく俺は一人で帰宅している。
相棒の方が、学校の士官候補生の間で活動している主催の『生徒会』の一年生の代表に選ばれたからだ。
それの活動の何やらかんやらで、引き止められたと言う訳だ。

相棒は俺の方を恨めしそうに見ていたが、また、あのアベ……マリアだったかな?
彼女達姉妹が絡んできたので俺は今日は、急いで逃げ帰って来たのだった。
それに、いずれ俺も何らかの形で巻き込まれる事になるだろう。
俺もそういう活動は意外と好きだから、まぁ別に構わない。

玄関を開けて中に入ると、入り口で執事の○ァーンズさんと出会った、恭しく礼をされてしまう。何か気恥ずかしい。

「これは。シ○お坊ちゃま……お帰りなさいませ。おや?お珍しい、○イお坊ちゃまとはご一緒ではないのですか?」

「ただいま、ヴァーンズさん。レ○は、学校の生徒会の活動で遅くなるそうなんです……そう言えばマ○はいないんですか?」


いつもなら、俺が帰ってきたら一番に出迎えてくれる妹の姿がないので、キョロキョロと辺りを見渡す。

「○ユお嬢様なら、この時間、ベ○トーチカ様とご一緒にアマ○フィ様のお屋敷にピアノのレッスンに行かれています」

「へー。頑張ってるんだな」

プラントで若手最高と謳われている天才ピアニストでもあり、天才パイロットでもあったニ○ル・ア○ルフィさん。
現在は、軍籍から身を引いて、芸術文化活動に邁進している人だ。
一時には、クルー○司令の直属の部下だったり、一時期は『マ○ティー』にも所属していたとも言う。

現在、俺と妹は法律上、保護者であるデュ○ン○ル卿の扶養家族ということになっている為に、
公の場に出ることが多くなる可能性が極めて高い。
その為に、デ○ラン○ル卿を辱めない為にも、マ○も俺達兄妹が可愛がってもらっているベルトー○カさんのような教養典雅な貴婦人を目指しているのだ。
それに妹の方も、来年からお嬢様学校に入学が決定しているので、その為の下準備と勉強をも兼ねて現在お稽古事に精を出しているのだった。

そして俺の方も士官学校に入ったからにはトップレベルの成績を修め、”ザフトレッド”呼ばれるトップエリートになる事が当面の目標であるのだ。

そう将来の堅実な人生設計を頭に浮かべながら、ヴァー○ズさんと別れて俺は自分の部屋に戻る途中で、おかしな会話を耳にした。
古人曰く、好奇心は猫を殺すと云う。

……そこで立ち止まらなかったら俺の『未来日記』は平穏無事な記述が書かれているはずであった。
――だが、もう遅い。愚かにも俺は立ち止まったのだから。

そして、これから行う行動の前に俺が妹から貰った携帯電話の表示を覗き込んでいたら、『DEAD END』が表示されていた事だろう。
俺は恐る恐る、薄く開いていた居間の扉が覗き込むと、

「――虎は……なにゆえ強いと思う?」

「フッ、それは、もともと強いからよっ!」

……身も蓋もない内容の会話だ。
そっと扉から覗くと、そこには、二人のおかしな身形の人たちが酒盛りをしていた……
俺にとって知り過ぎるほど知っている人達だ……

居間はいつのまにか和風になっており、洋風の高級家具セットから畳の座敷へと変化していた。
いつの間に改造したのだろうか?先週は普通の洋間だったはず。
恐らく勝手に改造したのだろう。この屋敷の主人の了解も無くよく無断で改築してるな……
しかも費用は、無論自分らで支払わずに常に向こう持ちであるようだ。

居間の中央の奥にある床の間には、『だ○ふべ○もの』と大きく墨で書かれた立派な書が額縁に飾ってあり、
そこには達筆で”羅羽瑠狂宇是”と署名もしてあった。
これは、確かプラントで開催されたプラント全市書道コンテストで金賞に輝いた作品である。

更に壁には立派な『朱槍』が飾ってあり、更にその傍らにも豪快な筆使いで墨を使い、
擬人化され印象的な水墨画が飾られており、『天帝』とタイトルが付いていた。
これもプラントで開催された全市絵画コンクールで入選し見事、特別賞に輝いた作品だ。
高名なプラントの美術館が是非にと、1500万の値で譲って欲しいと所望したらしいが、
描いた本人は、『金では譲れない』と一蹴したのだった。

そして部屋の中央には、互いに向かい合わせとなって座布団と呼ばれる携帯座席に座り、
金のキセルを片手に背中に”かぶ○も○”とプリントされた和服を纏ったプラント最大の仮面の英雄と
豪華な黄金の造りの小太刀を腰に挿し扇子を片手に、漆黒の長髪に漆黒のマントとその下には、
虎の毛皮のベストと和服に纏った偉丈夫が畳に直に座り、一升酒樽を側に置きながら、酒を酌み交わしていたのだった。

『馬鹿だ俺は……』

虎の巣穴に顔を突っ込んで子虎を手に入れる代わりに、親虎に見つかってしまった気分だ。
俺は、そっと気配を消しながら、忍び足で戦略的撤退を試みようとしたが……

「む?そこにいるのは誰かね?」

しまった!!やはり、見つかってしまった……
俺は貝のように口を噤むと即座に方針を検討し始めた。死中に活あり!

「さぁ、早く出てきたまえ――」

どの選択肢を選ぶ?

戦う  ←
逃げる
降伏する

――戦う。
論外である。DEADフラグが確実であり、天に向かって唾するようなものだ。
それに玉砕するのは俺の趣味じゃない。生きる事の方が戦いだ!

――逃げる。
これも極端に望みが薄い。昔、某TVゲームをした時に経験済みだ。
大○王からは逃げられないのだ!
”しかし、まわりこまれてしまった !!”と表示されるのがオチだろう。これもDEADフラグだ。

そして、このまま何のリアクションも起こせないままだったらあの人は、
キセルを逆さにして音高く「トーントーン」と二度叩き、火皿の中の煙草をふるい落とす動作をすることだろう。
その後どうなるか?無論、知っている。俺は何度かその場面に遭遇しているのだ。
数秒でそれらを思考すると俺は両手を上げながら、

「……捕虜として、人道的な取扱いを要求します」

全面降伏をする事を決定した。
古人曰く、”勝てない戦いはしない。だから最強なのだ”と。

俺が両手を上げて居間に入っていくと、

「おおっ、○ンではないか!!久しぶりだな!」

と長髪の偉丈夫が俺を見て満面の笑みを浮かべて喜ぶ。

「……お久しぶりです。ギ○様」

この方は、プラントの同盟国であるコロニー国家・○メノミハ○ラの○ンド・ギ○・サ○ク総司令。
俺の親しい知人でもある、というか俺の保護者達を通じて知り合った人なのだ。

性格は豪快無比の性格で、正に豪傑というに相応しい人である。
何でも戦時中に、マ○ティー隊長やデュ○ンダル卿、クルー○司令と知り合って、意気投合し
最も激しい最前線の激戦区の戦場を好んで、一緒になって暴れまわっていたらしい。


この人達に共通して似ているところは、揃って変人……
もとい、やはり軍トップの人間なのに前線でMSで戦っている所だろうか?
性格も似通っているし……神経が鋼鉄のワイヤーロープでできているような図太い所とかも。

ギ○様は立ち上がると、俺の方に向かってきた両手をばぁん!と俺の肩に乗せた。
この人は凄く背が高く、俺はいつも見上げていた。今日、見ると、どうやら多少は俺の視線は上がったみたいだ。
同時にメキっ!と骨が軋んだ、凄く痛い。
だが乱暴に見えるが、これはこの人にとって親愛の証であり、何だかんだ言ってこの人も俺を可愛がってくれる人なのだ。

「おぉ、少し背が伸びたのではないのか?成長期だからこれからどんどん、でかくなってゆくな!」

「あっ……ありがとうございます!○ナ様もお元気そうでなによりです」

そして、もう一人も俺の姿を確認すると、キセルを吹かしながら、

「勤勉な学生に酒を勧めるわけにもいかんしな。どれ、シ○のために茶でも入れて進ぜようか?」

「うむ、そうだな。○ン、付き合うが良い」

「あの……俺……作法を……」

「だが、それがいい」

「そのとおり!茶は形ばかりの作法ではなく、旨く飲めればそれでいい!」

入学式前の酒盛り事件の事は、一応忘れてはいなかったようだが、結局、俺の自由意志など最初から存在しないのだ。

だが、その一言で、酒盛りの場が一変して風流極まる茶室へと変化してゆく。
そこには、古典はおろか古今の典礼にも通じ、諸芸能まで極めたと噂される当代希有の教養人達の姿があった。

――この事もあって後年、俺がこの人たちを語る時に、『風雅の嗜み尋常ならず』と必ず付け加えるのだった。



>>続く


50通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 23:24:47 ID:???
すげーメンツだwww
51通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 23:32:49 ID:???
これは某S☆Sを応援してそうな二人ですね
52通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 23:34:46 ID:???
松風はマダー?
53通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 23:40:34 ID:???
シンやマユの情操教育に問題が有りすぎるんじゃなかろうか…
54通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 00:07:01 ID:???
GJ!

>53
つ「おふう」
55通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 00:09:42 ID:???
松風の代わりが、金枠か?
56通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 00:14:35 ID:???
北条の鉄砲雨ならぬ連合のビーム雨か?
57通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 00:28:02 ID:???
本編進める気はないのかね?
58通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 08:53:56 ID:???
詰っているとの言葉もあったからね
外伝でも何でも、このスレを見捨てていないだけでもありがたいことだよ

GJ!
59通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 10:21:08 ID:???
羅羽瑠狂宇是に吹きました
60通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 13:47:38 ID:???
面白いんだけど、伏字はちょっと少なくしてくれないだろうか?
61通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 17:07:44 ID:???
もしくはイニシャルとか
一つのレスにつき一個か二個くらいならいいんだが
流石にキャラ全員分やられるとくどい
62通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 18:38:28 ID:???
ちょwwwギ○様生きてるwww
ピアニストといい、生存フラグ豊富な今後の展開に期待
63通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 03:50:56 ID:???
個人的に茶の湯と言えば花の…よりはへうげものの方が雰囲気が伝わるような気がするが?
64通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 12:34:00 ID:???
>>63
この男・・・鼻持ちならぬ数寄者・・・
65通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 20:31:10 ID:???
史実の慶二も古田織部のでしだしな

一月振りにデュランダル邸に顔を出した俺達を、玄関先で10代前半に見える少女が出迎えてくれた。

「お久しぶりです!」

「――マ○なのか?見違えたな……」

――○ユ・ア○カ。

半年程前に俺がオーブでの戦いで偶然助け関わった兄妹の妹の方だ。
兄の方であるシ○と俺は、とある盟約を結び、その関係で妹のマユも共にオーブからこのプラントに渡る事になったのだ。

だが、プラントに到着してから気がついたのだが、俺は世間的に言えば無職。
要するに『ニート』だった事をすっかり失念していたのだ。そう、基本的に生活無能者なのだ。

彼ら兄妹を養うには経済的に不可能であり、実質『パトロン』であるギルバートに頼るしかないのだ。
口惜しいが奴に頭を下げるしかなかった。奴は怖いくらい優しくあっさりと了承し、『またひとつ、貸しだな』と済ませてくれた。
こうして、俺の『借金』は雪だるま式に増えてゆくのだ。

俺が世間的に地位と名声を持つラウやギルバートと根本的に違うところが正にそれなのだ。
しかもラウの奴は、軍を辞めても印税やら映画TVの出演料で余裕で生きていける。

……何の芸も無い自分が口惜しい。俺に出来ることは戦うくらいのものなのだ。
――まぁ、大家さんの期待に応える為にも働くか。

脱線し過ぎたようだ、話を元に戻そう。

少し見ない間の僅かな期間で、この年頃の女の子は急速に成長する。
出会ったときは、戦争によって家族や親しい人の身近な死や、戦争の破壊の衝撃で子犬のように怯え縮こまっていた。
そして兄のみを頼みの綱とし、俺とは、視線を合わすことも拒み、怖がっていたほどなのだ。

彼女が俺に向って小走りで向って来るのを、自分では優しく感慨深く見守っていると、

「おじさま!!」

その一言が、俺を瞬時に凍りつかせた。

「おじ……」

俺が?おじ……。
俺は、そんなに老けて見えるのだろうか……?

内心でとてつもなく動揺している自分に愕然とする。
俺の中の深層心理では、独身の間は『お兄さん』と呼ばれていたかったのだろうか?
意外に心に深いダメージを受けていた。それが純真な少女の一言なら尚更だ。

しかも、追い討ちをかけるかのように、隣では俺の神経をガラスで爪を引っかくような感じの、
不愉快な笑い声が響き渡った。

「あっはははははっっ!!」

傍で遠慮なく笑う仮面。

――ぶっ殺す。

どうやら互いに命を賭けて雌雄を決する時が来たようだ。

俺のその反応をあからさまに無視しながら、
仮面は賢しげにも、猫なでの優しい口調で彼女に声をかける。

「久しぶりだねマ○君」

「ラウおじ様もお久しぶりです!」

仮面で上半分の表情は見えないが、覆われていない下半分の口元の笑みが、
瞬時に凍りついているのが、俺の目には確かに見えたのだった。

「お……」

「どわっはははははははっ!!」

俺もお返しとばかりに、思いっきり笑ってやった。


「……どうやら、ここでサシで生死を賭けた勝負をせねばならないようだな?」

「いいだろう――望むところだ」

互いに、何処からとも無く銃や刀を取り出す。

「あの〜、おじ様方?」

彼女の声は無論の事、周囲の状況も耳に入らない……
もはや互いに五感の感覚を極限まで高め、そして勝負は、互いの小○宙をどれだけ高められるかだ。
このまま互いに消滅するか?それとも『千日○争』に突入するかどちらかであろう。

「ぬうぅぅ!!」

「ツァァァァッ!!」

――ガッシャンン!!

――ズッキュゥゥゥン!!

互いに左手に持った刀がぶつかり合い、右手はそれぞれ大型拳銃が唸りを上げる!
俺達は首を絶妙な角度で傾げて、紙一重で互いに放った弾丸をかわす!

花瓶が粉々に砕け散り、壁にどでかいヒビと派手な銃痕が出来る。

刀は互いにぶつかり合い、ギシギシと音を立てながら微動だにせず、
銃口も互いの頭に狙いをつけている。

「やはり、やる……」

「お前こそ……強い」

互いに微笑み合う。お互いの力量を認め合った強敵(とも)同士が感じ合う……

――バキッ!バキッ!!


突然、後頭部に凄まじい衝撃を感じ、俺達は同時に悶絶し合った。

そう、それはオールレンジの攻撃を余裕でかわす事が可能な、
俺達でさえ回避出来ないほどの速度で振るわれたのだ……。

「ぐぉぉお……」

「ッゥゥ……」

痛みに耐えながら、俺達は辛うじて見上げると、
そこには『金髪の鬼女』が立っていたのだ……その側には彼女の服の端を握って立っているマ○もいた。

「何をやっているんですか!!」

金属バットをフルスイングしたらしい。頭が砕け散らなかったのが不思議な程だ。
更にその後ろには、この惨状にシ○と○イが目を丸くしながら立っていた。

遠く廊下の曲がり角では長髪の黒髪が、慌てて隠れるのが目に映ったのだ。
危険回避ばかり上手くなっていきやがる……恐らく、ホトボリが冷めた時点で奴も一緒になって俺達を責める事だろう。

俺がすかさず『男同士の間に入るな!!』と迷?台詞を吐いたら、
バキッ!と更にぶっ飛ばされてしまったというのは、言うまでもない事だろう。



>>続く
70通常の名無しさんの3倍:2007/04/28(土) 11:40:40 ID:???
おじ様方なにをやってるんだwww
GJ!!
71通常の名無しさんの3倍:2007/04/28(土) 23:58:09 ID:???
ちょっwww25〜6の男におじ様って、そりゃきついわ。
ギルもしっかり学習してるのね。
72通常の名無しさんの3倍:2007/04/29(日) 01:41:38 ID:???
25〜6かラウテロメアのせいでもう爺さんかもしれん
73通常の名無しさんの3倍:2007/04/29(日) 23:31:23 ID:???
ぶわはははははははは!

スコーピオのミロと水滸のシンか!
74通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 14:07:36 ID:???
武器を常時持っているおじ様がおもしろい
75通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 07:36:34 ID:1Fw29kQm
捕手
76通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 08:33:43 ID:???
もしもマカフィーが種・種死世界に来たら
77通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 12:10:39 ID:???
>>76
ウイルスバスターの方がいいな
78通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 18:31:35 ID:???
>>76
ウィルスを検知しました。
「f-morosawa.exe」「TakeP.exe」「pukutan.exe」です。
削除します。
削除中です。
削除完了しました。

【Tomino Firewall】のダウンロードを推奨します
79通常の名無しさんの3倍:2007/05/08(火) 00:33:37 ID:8dq4g1O+
ほしゅ
80通常の名無しさんの3倍:2007/05/08(火) 19:25:25 ID:i/A0lfK9
過疎りすぎ
81通常の名無しさんの3倍:2007/05/09(水) 23:29:07 ID:???
保守…
作者さんはまだ来ないのか
82通常の名無しさんの3倍:2007/05/11(金) 20:57:28 ID:???
ほっしゅ
83通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 12:56:58 ID:???
保守
84通常の名無しさんの3倍:2007/05/14(月) 20:34:43 ID:???
保守
85通常の名無しさんの3倍:2007/05/16(水) 16:07:19 ID:GYjWVwnY
保守
86通常の名無しさんの3倍:2007/05/18(金) 14:47:25 ID:???
(´・ω・`)本編マダかなぁ・・・
87通常の名無しさんの3倍:2007/05/18(金) 15:16:20 ID:???
下手に外伝なんて書くから自縄自縛に陥って連合蹂躙プレイしか出来なくなってる希ガス
88通常の名無しさんの3倍:2007/05/18(金) 17:49:53 ID:???
外伝は本編のパラレルワールドと考えればよくないか?
89通常の名無しさんの3倍:2007/05/19(土) 22:23:50 ID:???
このままDAT落ちな予感
90通常の名無しさんの3倍:2007/05/21(月) 18:05:58 ID:???
保守
91通常の名無しさんの3倍:2007/05/23(水) 16:06:51 ID:vi2VKpj+
なんという過疎
92通常の名無しさんの3倍:2007/05/25(金) 22:28:13 ID:???
ヤバイ、禁断症状が
93通常の名無しさんの3倍:2007/05/25(金) 23:34:12 ID:???
GジェネF-IF OPdemo 閃光のハサウェイ〜クロスボーン
http://www.youtube.com/watch?v=1uwUChqHSKI&mode=related&search
94通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 14:07:44 ID:???
このスレオワタ\(^o^)/
95通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 17:06:14 ID:???
もしもマクビティーが種・種死世界に来たら
96通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 23:32:12 ID:???
ごめんなさい。
本編41話を少しずつ書いています
ペルソナ3FESが終わるまでお待ちを……
97通常の名無しさんの3倍:2007/05/30(水) 16:05:29 ID:???
ペルソナ3フェスって100時間以上かかるじゃないか
98通常の名無しさんの3倍:2007/05/30(水) 16:08:14 ID:???
>>96
生きてさえいればどうにでもなるさ
wktk正座してお待ちしてますよ
99通常の名無しさんの3倍:2007/05/30(水) 18:18:27 ID:???
>>97
アイギス編は60時間、計200時間
100通常の名無しさんの3倍:2007/05/31(木) 21:03:58 ID:???
ふざけんなよ このやろう
101通常の名無しさんの3倍:2007/05/31(木) 23:42:58 ID:???
知らない人のために

閃光のハサウェイ
http://www.youtube.com/watch?v=cuph0dARbso
102通常の名無しさんの3倍:2007/06/03(日) 16:26:25 ID:5M7UwH0k
保守
103風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2007/06/03(日) 16:29:59 ID:???
ペルソナか。キラならニュクスでもエレボスでも
勝てるな。
104通常の名無しさんの3倍:2007/06/03(日) 18:02:01 ID:???
象徴化および影時間内は黄昏の翼内蔵してない機械は活動不能な為に狩られるだけだろ

なんにせよ、続きをゆっくりお待ちしております
105通常の名無しさんの3倍:2007/06/07(木) 21:33:45 ID:2jREDGuJ
保守
106通常の名無しさんの3倍:2007/06/09(土) 14:40:47 ID:???
保守
107通常の名無しさんの3倍:2007/06/10(日) 22:58:07 ID:???
しねばいいのに
108通常の名無しさんの3倍:2007/06/11(月) 10:21:56 ID:???
もしもマナフィーが種・種死世界に来たら
109通常の名無しさんの3倍:2007/06/12(火) 04:20:04 ID:???
            ____
      ∧_∧   /__ o、 |、
     ( ´・ω・)  .| ・ \ノ
     旦  o)   .| ・  |
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      ジャー     ____
      ∧_∧   /__ o、 |、
     ( ´・ω・)ノ .ii | ・ \ノ
     ( o     旦| ・  |
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       お茶のむ?
              ____
      ∧_∧   /__ o、 |、
     (´・ω・ )   .| ・ \ノ
     ( o旦o    | ・  |
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
110通常の名無しさんの3倍:2007/06/12(火) 09:47:17 ID:???
保守


>>103
ニュクスって名前が出るとペルソナよりもバイオハザードが出る俺。
オンラインプレイのやりすぎだな……
111通常の名無しさんの3倍:2007/06/15(金) 23:19:22 ID:???
保守
112通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 22:44:06 ID:zCc6xZ6x
そして誰もいなくなった
113通常の名無しさんの3倍:2007/06/20(水) 00:22:08 ID:V778v720
NO MORE HEROSがミリオン達成で閃ハサゲーム化
114通常の名無しさんの3倍:2007/06/23(土) 00:25:25 ID:j/4Q7YrU
保守
115通常の名無しさんの3倍:2007/06/23(土) 19:10:48 ID:???
新人スレに閃ハサクロスが投下されてたけど誘導してみる?
116通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 10:29:41 ID:???
ぜひお願い誘導
117通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 01:35:25 ID:???
今はやめたほうがいいかもしれない
某スレと新人スレがそれで、ひどい目にあってるから誘導に関してはピリピリしてるっぽ
118通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 07:20:46 ID:???
閃ハサ原文の部分が腐扱いされてるのはどうにかならんのかw
119通常の名無しさんの3倍:2007/06/28(木) 09:49:50 ID:???
いや、けど富野御大って小説家としてはお世辞にもほめられんからなぁ……。
俺も、オーラバトラー戦記の最終巻読んだ時は、この人の小説はもう二度と読まんとか思ったし。
だから、まぁ嫌いな人は嫌いだろうし、そう言う意見が出ても仕方ない気はするね。

……腐扱いしてる人はそこら辺を知らないんだろうとは思うけど……。
120通常の名無しさんの3倍:2007/06/28(木) 22:09:35 ID:???
ギャアアアアン
ギュイイイイン
バシュウウウ
ドウッ

とか擬音語使いまくりのハゲに萌え
121通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 10:46:32 ID:???
禿の擬音は慣れれば気にならんよ。
……慣れるまで我慢できるかどうかが問題だが。
122通常の名無しさんの3倍:2007/07/02(月) 15:06:35 ID:???
擬音が、と言うより全体が禿語で書かれてるから読んでて疲れる。
123通常の名無しさんの3倍:2007/07/02(月) 15:48:38 ID:???
アニメも禿節全開だし
 
 ――メビウス<ゼロ>フラガ機・コックピット内―― 

 ――ドクン!ドクン!ドクン!
 
 鼓動で判るようにオレの心臓は完全にオーバーヒート気味である。喉はカラカラだし、
パイロットスーツの下の全身は既に汗水塗れになっていてドロドロになっていた。
 
 コックピット内の状況もこれまた酷い。振動が激しく目の前に映るメインモニターの画像は
ブレてノイズが走りまくっているのだ。更に目が充血し周りが赤く見えるのに拍車を掛けて、

 ――ビー!ビー!ビー!!

 アラームが鳴り響き、危険警告と共にコックピット内が赤く点滅する事で、
オレの焦りを後押しているのだ……!

 オレと僚友二人のメビウス<ゼロ>は、ひたすら加速し続けている。逃げる為に。
計器の表示は滅茶苦茶で、このまま続くと、ノーマルな戦闘は不可能な状態になるだろう。
何故こんな事をしているのか、オレには次第にわからなくなってきた。
 ただ、生存本能だけがオレに訴えかけてくる……!

 ――逃げろ!後ろを振り返るな!捕まれば死ぬ!殺される!

 と、ひたすら突き上げてくるのだ。
 
 ――ピィキィィィィーン!!!

 「だぁッ!!」

 再び凄まじい頭痛が、オレに襲い掛かる。
 感じる――何か離れた磁石が引き合うような浮遊感。
 そして、それは決して自分と相容れる事のない存在。
 
 ――来る!!来やがる!!!

 原初の恐怖――。
 
 オレの脳裏を、見下してたように薄笑いを浮かべた壮年の金髪男の姿が浮かぶ。
オレが最も嫌悪したアイツ……オヤジ!!
 なんでオレは今、あんな糞野郎のことなんかを思い出すんだ……?

 オヤジはオレの中では最悪のトラウマで嫌悪すべき存在だ。
 こんな絶対絶命の時になんでアイツの事なんかを……。
 こいつが走馬灯というやつなのか――!
 
 一層混乱してくる頭を抑えながら、オレはスロットレバーを強く握り締めた。

=============================

 ――ピィン!
 
 「……うむ?」

 コックピット内で、私はまた脳裏に微弱な感応を感知した。取るに足らない程の
弱々しいプレッシャーを。感知するにはあまりに微弱で弱すぎる力だ。

 そう、例えるならトイレで繁殖しているゾウリムシのような……。今の私にとってはその程度だ。

 だがこの程度のプレッシャーに強く反応するほどに、まるで飢えきった狼のように、
私は手応えのある敵を求めていた。微弱すぎるプレッシャーを放つ敵だが、
先程、倒したメビウス<ゼロ>の隊長機に匹敵する程度は期待しておきたい。

 しかも今の私には、あの倒した奴も物足らなくなりつつあるのだ。
強く、手応えのある敵が目の前に現われてくれないかな――。
 
 キュィィィン――!

 急速に内面の意識が周囲へと拡散し、広がってゆくことを感じる。
 感覚がコックピットの外に出てゆき、機体の外から更に周辺の虚空の宇宙へと無限に広がってゆく。
宇宙と自分が一体化した奇妙な感覚。これに私は、もう夢中になっている。
 人の肉体など只の殻に過ぎず、自分という本質が無限宇宙に広がる、
一つの偉大な存在と共有できるような……もはやこれは、言葉では言い表せない。

 しsて、そうこうしている内に、コックピット全面のメインモニターの視界に3つの光点が浮かび上がった。
獲物が視界へと入ったのだ。口元が思わずほころんだ。

 「――見つけたぞ」

 私の歓喜に答えるかのように、我がハイマニューバは絶好調である!
軽快な手応えと共に、私は、左手で姿勢制御用バーニア用のスロットレバーを全開にすると、
一気に背面スラスターをも全開にさせる。

 ――ゴォォォ!!
                                      ]
 『MMI-M730試作型エンジン』は私の高らかな意思に感応するかのように、背部スラスターが
盛大に噴射を始め、機体全体が更に加速させてゆく!
 心地良いGが、私の体を貫き背後へと颯爽と流れてゆくのだ。

 3つの光点が見る見るうちに距離が縮まり、視界にはその光点のおぼろげな
輪郭がはっきりとして来た。

 モビルアーマー・メビウス<ゼロ>3機の後姿がはっきりと見えてきた。
 ――まるで逃げ散って回る野良犬の群れのようだ。 こちらは狼のようなものだから、そう見えるのだろうか? 

 「逃げるのなら追いたくなるのが、心情だろうに……」

 そう言いながら、私は右手の指は武器操作の仕草を始めたのだった。

 それに答えるかのように、白いハイマニューバの右腕のマニュピレーターに握られた
『JDP2-MMX22 試製27mm機甲突撃銃』が、鈍い輝きを放ち始めたかのように感じる。
 
 ――銃が獲物を狙う獰猛な野獣のように舌なめずりをしている。

 そのような錯覚を感じるかのように私の心は高揚をしていた。これはある意味、
獲物を前にした狩人だけが感じる感覚なのかもしれない……

 「……さて最初の挨拶の一撃をお見舞いするとするか」

 高速機動を続けながら、余裕をもって武器を構える漆黒の宇宙空間に鮮やかに映える
純白のジン・ハイマニューバ……。右腕は全く震えずに、突撃銃を構えている。
 関節の強化の改造を改造に重ねた一品ものだ。
 
 基地のモビルスーツ整備班長とそのチームが悲鳴を上げた程の無茶な改造をごり押し通しで
やってもらった甲斐があったというものだ。
 
 コックピット内は強力なGと振動でシェイク状態だが、私自身は何ら異常はない。
 
 ハサ以外の誰かに見られたら、変態扱いされてしまうだろうな……。
 だが、今のコックピット内の自分は鼻歌の一つでも歌いたくなる程なのだ。

 そして、今の気分を誰かに聞かれたら?私はこう答えるだろう。
今日は、先日、ハサから勝手に奪っ……もとい借りた、サブカルチャー・コミックスの中で特に、
気に入った台詞で決めてみようか。

 「蝶サイコ―……!」

 きめ台詞と共に、右手の親指をほんの僅か数ミリで動かす。 

 カチリッ!!

 そして、次の瞬間、白いハイマニューバの右手の鉛色の死神が雄叫びをあげた。

=============================

 ――ピィキィィィィーン!!!

 「ツッゥ!!」
 
 ガクンッ!!
 
 脳裏を走る頭痛と同時に咄嗟にオレは、操縦桿を動かした。体が勝手に反応したのだ。
生きるという生物の根底に根付く、生存本能が働いたのだろうか?
 
 マジでラッキーだったとしかいいようがない……!
 
 何故ならその瞬間にコックピット内のオレから見て右上斜め方向から、
赤い射線のような連続した閃光が襲い掛かってきたのだ!

 ドッドドドドッドド――!!

 キュイン!!キイィッ!!

 直ぐ傍から耳へと、装甲を削るような耐え難い響きを感じた。いや、そう感じただけかもしれない。

 「がぁッ!」

 オレのメビウス<ゼロ>の機体の角度が左斜め下の方向へと歪んだ。
 今、頭痛と同時に操縦桿を動かさなかったらオレは確実に死んでいた……!!
 衝撃の為にベルトが体に食い込み、吐き気と捻れるような鈍い苦痛を全身に与えていた。
今の攻撃を回避する為に生じた被害だ。だが、後で考えたのならば、それだけで済んだのは、
後で振り返ってみれば本当に、僥倖であったのだ。何故なら……オレは死ななかったからだ……!

 咄嗟に、機体チェックをしてみた。今の攻撃の一撃でどれだけのダメージを
機体が受けたのかを知るために。装甲板を多少削られただけだと思うが……。

 後方モニターで確認し、敵の射撃距離を設置されているコンピューターが相対距離を算出していた。
モニターには、グングンと近づいてくる、”白いジン”の形をした悪魔がこちらに向ってくるのが判る。
 
 「い?……嘘だろう……!?」
 
 目に入りそうな汗を激しい瞬きで弾きながらも、算出した距離がメインモニター上のサブウィンドに
表示された数値を見て、オレは自分の目を疑ってしまう。

 あの位置から、オレの<ゼロ>に向って当てたっていうのかあれは……!! 
後方モニターに映る”白い死神”――。この距離であんな精密射撃を……。
正直、ゾッとする。あの時の頭痛で、操作を誤らなければ死んでいたのは、こちらなのだ。

 『隊長!ご無事ですか!』
 
 『兄貴!大丈夫なのか!』

 その時、頭部からの汗でびしょ濡れのヘルメットの内部耳側から音声通信が入った。
ケインとラッセルからだ。どうやら先程の”敵”の攻撃で機体が被弾し、オレが負傷したと思われたようだ。
 奴らの声からは、切迫感が漂っていた。それを振り払うかのようにオレは、渇き切った喉を
辛うじて出た唾を飲み込むことで何とか湿らせ、辛うじて声を出す。

 「……大丈夫だ!!こんなことでやられるか!このオレ様がな!!」
 
 腹の底から絞るようにして、何とか陽気なバカ声を出すことが出来た。
 通信から安堵の溜息が二種類聞こえてくる。
 ……正直ここまでバカできるとは、オレも筋金入りの捻くれ者という事だろう。
 
 だが、状況は最悪だ。コンマ一秒ごとにあの”白い悪魔”がオレ達を追いかけてきる!
 そして、あのおかしな頭痛も引っ切り無しにズキズキと襲い掛かっている。
 こうなったら……一発逆点の大博打を打つしかない!

 「ケイン!ラッセル!!仕掛けるぞ!」

 頭痛を堪えながらも、オレは通信機に向って怒鳴る。チャンスは一度だけだ!
130通常の名無しさんの3倍:2007/07/02(月) 22:19:01 ID:???
 

 必殺技の三位一体の一撃!こいつを仕掛けて一気に急速反転離脱だ!
 それはオレ達3人が得意とする、メビウス<ゼロ>のガンバレルを最大限に利用した連携による多重時間差攻撃!
これでオレ達は、敵のモビルスーツのジンを多くを葬って来たのだ。今回も決めてみせる……!

 『ハッ!』
 
 『一かバチかの賭けか……やってやるぜ!』

 二人とも一瞬、息を呑みこむが、当然のように頼もしく応えてくれた。
 共通の認識でオレ達は、あの”白いジン”を容易ならざる敵だとパイロットとしての本能で理解しているのだ。

 「いいか!お前等!チャンスは一度コッキリだ!ありったけの弾を奴に喰わせてやれ!そして……一気に逃げる!!」

 オレ達にとって逃げることは恥でもなんでもない。勝てないなら逃げる!そいつのどこが悪い?
負けない勝負はしない。だから最強なんだね……!

 『了解しました。なぁに、生きてる限り敗北じゃありません』

 『そのとおりだぜ相棒!それに兄貴!その形振り構わないところがしびれる〜憧れる〜』

 目頭が熱くなってくる。オレを理解してくれるのはやっぱこいつらだけだ。嬉しいこといってくれるね!

 『よし!!みんなの命!オレが預かったぁぁぁ!!!」
 
 『『オオッ!!』』

 瞬時にメビウス<ゼロ>三機はそれぞれの分かれ、オレを中心に陣形を取ってゆく。

=============================

 ――ピキィーン!

 脳裏を閃光が走り抜ける。この感覚……こちらに戦意を向けられた時のプレッシャーだ。
 
 「うむ?」

 目の前のメインモニターに映る三機のモビルアーマーが突然、整然とした陣形を取り始める。

 ……どうやら戦いを挑むつもりのようだ。この私に。
 
 数を頼みにして三機がかりでいけば、私を倒せると思っているのならば只の愚か者であろう。
――そう、虫けらのように叩き潰せばそれで終わりなのだ。

 だが……このプレッシャーの感じ、どうやら違うようだな。どんな芸を見せてくれる?

 「よろしい……その挑戦にのってやろう。身のほど知らずに終わるか……それとも……」

 私は口元に優しい微笑みを浮かべながら(実際は不気味な笑み:ハサウェイ談)、
機体のスピードを上げるのだった。



>>続く
133通常の名無しさんの3倍:2007/07/02(月) 22:28:13 ID:???

おかえり
134通常の名無しさんの3倍:2007/07/02(月) 23:05:19 ID:???
やあぁぁったあああぁぁ!!帰って来たああぁ!!
135通常の名無しさんの3倍:2007/07/02(月) 23:07:58 ID:???
GJ!
待っていた甲斐があったさ!
136通常の名無しさんの3倍:2007/07/02(月) 23:24:37 ID:???
ペルソナクリア乙w
137通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 09:41:46 ID:???
GJGJ
138通常の名無しさんの3倍:2007/07/04(水) 13:34:23 ID:???
もっ、戻ってきた!黄泉の国から戦士(ry
なにはともあれGJ!
139通常の名無しさんの3倍:2007/07/04(水) 16:01:26 ID:???
相変わらずこのスレの変態仮面は楽しそうだなw
フラガマン逃げて逃げてーGJ!
140通常の名無しさんの3倍:2007/07/06(金) 19:34:50 ID:???
乙です、そしてお帰りなさい
ココのクルーゼ以上にストレス発散しまくってるクルーゼ見た事が無いw
141通常の名無しさんの3倍:2007/07/06(金) 20:04:21 ID:???
GJでした!!
142通常の名無しさんの3倍:2007/07/12(木) 22:07:10 ID:???
保守
143通常の名無しさんの3倍:2007/07/16(月) 17:10:30 ID:???
久々にきたら続き来てる!
GJだ!
144通常の名無しさんの3倍:2007/07/18(水) 10:21:15 ID:/L7Z+BRi


145通常の名無しさんの3倍:2007/07/18(水) 18:17:58 ID:???
帰ってきた!帰ってきた!
蝶サイコー!
146通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 23:50:15 ID:???
保守
147通常の名無しさんの3倍:2007/07/25(水) 13:45:33 ID:???
保守

 ――ビッビッ!!

 ――我が愛機は、私の意思に感応するように激しくモノアイを点滅させている。

 私の歓喜に答えるかのように機体は咆哮を上げているのだ。
モビルスーツとは元々、戦う為に生まれた”巨人”である。

自らを激しい戦い中に置く事こそ、彼らの望むところなのだ。

 「――わかるぞ。お前の”心”が……。もっと強い敵と戦いのであろう?」

 私は、機体へと語りかけた。すると、

 ――オォォン!

 私のハイマニィーバは、答えるかのように大きく響いた。
 無論”ガンダム”のようにサイコミュ・システムが積んであるわけでもない。

 このハイマニューバは、”彼”に比べれば確かにこの世界では
最先端の新技術を投入しているが、彼がやって来たあの遥かな彼方の世界では、
旧式であり世代的にも古い機体となるのだろう。

 そう、何ら特別な存在ではない。

 だが、機体というものは単に火力があり無数の砲身がついているとか、特質的機動力や
多数の敵をロックオンできるマルチロックなど必要が無いのだ。
 そんなものは、パイロットの技量しだいでどうとでもなる。頼る者こそ愚か者である。

 必要なのは何か?それは至極、単純な事である。
 
 ――愛機を己へと近づけることだ。

 それは、簡単な事のようで難しいことだ。
 
 自分がその機体と一心同体となり、機体が己自身となる。
 これは機体を単に道具と思っている連中には不可能なことなのだ。
 
 MSは所詮、兵器であって道具であるという認識は、ある意味で正しいが、
私は否定している。自らの命を預ける存在をそのように扱って機体が応えてくれるのだろうか?

 後日の事となるのだが、私は自分自身の『ガンダム』を手に入れ、『彼』を生涯の愛機として付き合う事となる。

 確かに冷静に考えれば、モビルスーツは只の道具だ。戦闘を優位に保つ為の手段に過ぎない。
多分にこの思いも夢想に過ぎないのかもしれない。

が、ウダウダと考えずに今はこの感覚に浸るべき時なのだ。いくさ人とはかくあるべし……!!
そう、罠があったら噛み破ればいいのだ。


 ====================

 ――ドキュゥゥゥゥン!!

 「くっ!」

 鈍痛が脳裡から沸き起こる。これは、今までの感覚と違う……?
 
 ――ビッビッ!!
 
 ……白いジンが一瞬、オレに向って嘲笑ったかのように見えた――!

 なめられた――!?このオレが……!!
 

 ――モビルアーマー乗りの誇りにかけて貴様を撃ち落してやるぜ!

 ピタリと正面に照準を合わせるとオレは一気に突撃を掛ける!

 『隊長!タイミングが早すぎます!」

 『兄貴!どうした!?』

 後ろからケインとラッセルの声が聞こえた気がしたが、そんな事は今のオレには、どうでもいい事だった。

 ――そう、コイツをぶっ殺す!!

 「このオレをなめるなよ!!白いクソ坊主がぁぁぁ!!」

 スロットレバーを引きながら、<ガンバレル>4機全部を一斉に解放した!


 ====================

 ――ピキィン!

 「来るか……?」

 軽いプレッシャーと共に、メビウス<ゼロ>3機が私の目の前で
リーダー機と思しき一機を中心に展開してゆく――。

 その光景を見ながら、私は自然に操縦桿を強く握る締めている事に気がつき、僅かに苦笑する。
 
 この程度のプレッシャーごときに何故、緊張する必要があるのだ?
 頭に血が上っている狂犬の1〜3匹など物の数ではない。 

 既に相手のプレッシャーから読みきっている私は、相手の感情など手にとるようにわかった。
 怒り、焦り、恐れ――諸々。もはや相手は、私に対して髪の毛1本も勝機は無い。


 ――今の私に敵はいない。なぜなら

 「――絶好”蝶”である!」
 
 と、ここで名台詞で決めてみた。ああ、何てカッコいいのだろう私は――!
 他人からどのように罵られようとも誰も自分の生き様を変える事はできないのだ

 そして、素早く陶酔から冷めると、

 ……死地にいるはずなのに案外余裕があるな、私も……。

 と私は自分を戒めてみる。

 ――ピキン!

 正面から微弱なプレッシャーを感じる。弱いのだが、何故かうっとしいのだ。
夏で自分の周りに蚊が飛び回っている五月蝿さとよく似ているのだ。プチッと潰してやりたい。

 「さてと……冗談はここまでだな!!」

 ――ゴォォォー! 

 正面から先端に鮮やかな羽マークとNo2のエンブレムを刻み込んだ
メビウス<ゼロ>が正面から向って来る!

 ――バシッ!バシュ!バシュッ!バシュッン!

 機体の周りに取り付いている4つの樽型の特殊兵装が本体から切り離された!
この樽型の兵装は本体から切り離し、有線誘導によってそれぞれが全く別の動作をする事ができる。
本体の樽型は中心から二基の銃身が飛び出て、照準を私を狙って合わせて来る!


 

 「ぬぅぅぅん!!」

 ――ピキィィィッィィン!!

 気合の掛け声をあげ、私は瞬間的に感覚を全周囲へと広げた。

 それは光の速さを凌ぎ、コックピットを通り越し、機体外部から
更に宇宙空間全てに広げってゆく。

 蝶……もとい超感覚は広がってゆき、瞬時に私は周辺全ての戦状況を把握した。

 ――メビウス<ゼロ>、三機のそれぞれの位置を確認。
 
 ――正面からは、うっとしい微弱なプレッシャーを放つ小物。
 ――小物を背後から追うようにして、左右へと展開してゆくプレッシャーすら無い雑魚2機。

 ――さて、どのようにして戦う?

 ――No2マークを記した奴は、機体周囲の樽型の<ガンバレル>を解放し……。

 ――それぞれ1、2機目の樽型上空を斜め30度と60度……。
 ――3、4機機目が続いて約20度ずらしながら、1機目の樽型の射線軸上へ10度ずつズレながら並行に移動……。

 その光景が脳裏に浮かび上がり、瞬時に回避行動へと移らせる。
次の瞬間に寸分違わない位置へ樽どもは、移動し間髪いれずに攻撃を仕掛けてきた! 

 ――ドドッドドド!! ドドドドッ!!
 ――ドドッドドド!! ドドドドッ!!
 
 白いハイマニューバは、機体を右斜めに逸らし、機銃を構える右腕を
真っ直ぐに伸ばしながら、左腕のシールドは次の瞬間には手放している!
 
 ドドッ!ビュッン!!
 
 体を逸らした瞬間――。

 1撃目と2撃目のガンバレルの射撃が自分の装甲の表面をギリギリかする寸前で
通過していくのが肌で分かった!まるで自分の肉体が、ギリギリで避けきったような痛快な感覚である!

 弾道が通過する瞬間、一瞬だけ鳥肌が立つが、逆に血が沸騰し心は高揚する!

 ――当たりはしない!!
 
  ビュッン!!ビュン!
 
 ――かわしてみせる!!

 今度は体を反対側へ捻るようにして、白いハイマニューバは3撃、4撃目の射線を回避していった!
 
 もちろん、装甲にはかすり傷一つ付いていない。当たったところでジンの装甲は厚い。
1撃や2撃程度では致命傷は与えられないのだが……ご覧の通り、私にはかすりもしないのだ!

 巧妙に放たれた攻撃の隙間を掻い潜りながら、私は会心の笑みを浮かべていた。
これこそ生きている証!実感!戦士としての充実感!

 私は根っからの戦士だと実感する。あの実業家の真似事をしていたあの男と私は根本的に違う。

 ――そう違うのだ!奴とはな!

 ――自分は生涯を戦士として生きるであろう。

 今の私は、自分の能力に些かの疑いを持たない。
 これこそが ”ニュータイプ戦士”である私の力なのだ。
 これは私自身の力だ。あの愚かな男は、用いる事はできなかった……!!
 
 腹の底から笑いが込み上げてくる。精々あの世の地獄とやらで悔しがっているのだな……”オリジナル”どの!
もう、貴様の事を苦々しく思い出すのもこれが最後だ。

 ――もはや、酒の肴で扱き下ろす時の下ネタ位にしかならないだろう。さようなら過去の汚物よ。

 決別を済ますと心は更に軽くなり、遥かに飛翔してゆくのがわかる!

 綱渡り同然の行為だが、私は楽しんでいた。
 この生と死のギリギリの境界線を掻い潜るの行為は堪らなく楽しく、面白い。
 こんな楽しい事がこの世にあったとは、まだこの世は捨てたものではないだろう。

 今、この楽しみを分ち合う事できる同志は、今のところ一人しかいないのだ。
(だが後で、そんな馬鹿は、お前だけだと言われてしまった……)

 同時に自分の戦士としての判断力がずば抜けている事を再認識する。

 シールドを手放したのは咄嗟の判断と計算が働いた為である。
防御にシールドを使用していれば、ワンテンポ動作にタイムラグが生じるからだ。

 ――これぞ、天才”ラウ・ル・クルーゼ”の真骨頂である……!


>>続く
155通常の名無しさんの3倍:2007/07/25(水) 19:16:59 ID:???
GJ
156通常の名無しさんの3倍:2007/07/25(水) 20:20:24 ID:???
フリーダムをばっさりと切ったなw
157通常の名無しさんの3倍:2007/07/25(水) 21:02:25 ID:???
すっかりギャグ物と化したな
158通常の名無しさんの3倍:2007/07/25(水) 21:45:37 ID:???
失礼な奴だな、せめてコメディー物と言ってやれ
159通常の名無しさんの3倍:2007/07/25(水) 22:45:07 ID:???
ロボットコメディー、略してロボコメか
新しいジャンルだな
160通常の名無しさんの3倍:2007/07/26(木) 01:23:11 ID:???
蝶サイコーな作品だな
161通常の名無しさんの3倍:2007/07/26(木) 06:22:37 ID:???
おかえり!変態仮面相変わらずかっ飛ばしてるなぁw
また続き楽しみにしてます!
162通常の名無しさんの3倍:2007/07/26(木) 13:05:55 ID:???
GJ!
なんというハイテンションコメディーwww
163通常の名無しさんの3倍:2007/07/28(土) 15:15:21 ID:WWcDdJpi
狂うぜサイコー。蝶サイコー
164通常の名無しさんの3倍:2007/07/28(土) 20:18:35 ID:???
GJ!
165通常の名無しさんの3倍:2007/07/29(日) 22:26:43 ID:???
ほんと最高だ!!!
俺も月光蝶である!
166通常の名無しさんの3倍:2007/07/29(日) 22:28:22 ID:???
はじめまして。
こちらやCCAアムロスレの作家さん達の作品に触発されて、自分でも書いてみたくなり
マフティーが種死にやってくる話を考え始めました。

とりあえず導入部分を投下させて貰います。
167通常の名無しさんの3倍:2007/07/29(日) 22:32:30 ID:???
U.C.0105年4月22日未明 インドネシア バンダ海上

連邦軍キルケー部隊の妨害を綱渡りながらもはねのけて、無事に新型機Ξガンダム≠フ回収を成功させ、全機が無事に母艦の支援戦ヴァリアント≠ヨの帰還を果たし、そこに集った「マフティー」のメンバー達の雰囲気は明るかった。
思いがけずも、捕虜にされていたガウマンの奪還というおまけまで付いて来たのだから、それもまた無理ないことではあった。

喜びながらもメカニックスタッフ達は油を売ることなく直ちに収容したガンダムと、主力MSメッサー♀e機の点検整備に取り掛かり始める。
地球に降下、即実戦となったΞガンダムだったが、ビームライフルの喪失と消耗品のミサイルの射耗だけで損傷もなしに状況を切り抜けて来れたのは、まずは上出来だろう。

「それにしても、カーゴ・ピサに搭載の補充品はあらかた回収できたのは幸いでした」
「ああ、上手く取り付かせてくれたエメラルダのおかげだな」
ヴァリアント側の首尾を伝えるケリアの言葉に、ハサウェイも安堵の笑顔を返す。
「そうよ、せいぜい誉めて頂戴」
エメラルダは笑いながら手を振って、自分のメッサーの方へと歩いて行った。

状況の展開が予想以上に加速していた為、本来はヴァリアントに任せる予定だったガンダムを載せたカーゴ・ピサの回収には、ハサウェイ自身が空中受領を決行することに急きょ変更したのだが、そのおかげでどうにかなったようなものだった。

幸いなことに、メッサーを操縦するエメラルダはカーゴ・ピサを大きく損傷させることなくハサウェイを機体に取り付かせてくれたので、ガンダムの発進後もカーゴ・ピサは自動飛行を続けて予定通りにヴァリアントが待機する海面に着水。
その機体の海没前に、ヴァリアントのスタッフ達はガンダム用の補充部品を無事に回収することが出来たというわけだ。

「ガウマンの事といい、何だか余りにも順調すぎて恐いくらいだな……」
あの畏るべき敵手である地球連邦軍大佐、ケネス・スレッグの顔を思い浮かべながらハサウェイはふと、そんなことをひとりごちる。
……後にして思えば、あるいはそれは彼のニュータイプ≠ニしての能力が、その後に起こる運命≠予感させていたのかもしれなかった…。
168通常の名無しさんの3倍:2007/07/29(日) 22:34:50 ID:???

そのまま次の作戦、オエンベリへの偵察飛行を行なうためにオーストラリア大陸の北岸を目指して南下するヴァリアントは、洋上でもう1隻の支援船であるシーラック≠ニランデブーし、艦隊を組んで航行を続ける。

シーラックには予備のメッサーが3機分、組み上げられるように各種パーツが用意されており、帰還したガウマン用に早速その内の1機が準備され始め、ガウマンはベース・ジャバーギャルセゾン≠ナシーラックへと移乗してゆく。
同時にガンダムの補充部品の半分もシーラックへと運びこまれる。むしろガウマンはそのついでのようなものだ。

こうしてリスク分散と、補給・継戦能力の維持を図れるだけの量の物資が確保できていること自体が、彼ら「マフティー」にとっては状況がうまい具合に進行していることになるのだが、果たしてそれはツキ≠ニ呼べるようなものだったのかどうか…。

むしろそれは、この直後に彼らが投げ込まれる想像も付かないような出来事を前にしての、悪戯な運命≠フ神の采配だったのかもしれない。

夜明け間近の凪の海を同航中のヴァリアントとシーラックの乗員達の中で、最初に異変≠ノ気付いたのは、双眼鏡を手に肉眼での監視任務を行っていた当直員達だった。
「そ、空がっ!?」
明らかにパニクった声に、ハサウェイら手すきの者達も舷側窓にはり付いて、あるいは甲板へ飛び出して、外の様子を確認する。
そこに見えたものは、息を呑むような光景だった――

周囲の空一面が、不思議な色をした雲≠ノ覆われかけていた。
みるみる内に濃度を増して行くそれが、彼らの船隊の周囲をすっぽりと覆い尽くしてしまい、周囲の島々の影すらも全く見えなくなってしまった。

「な、何なんだこりゃあ!?」
ヴァリアントの船長ウェッジが驚きの声を上げる。
船乗りの端くれである彼にとっても、こんな天候に遭遇した記憶はついぞ無かった。

船隊の周囲を取り囲むようにして広がるその不思議な色をした分厚い雲≠フカーテンは、竜巻のように、だがゆっくりと見える速度で渦を巻いていた。
そしてその表面に次々と、幾筋もの稲妻が生じてゆき、ハサウェイ達の視界が白く光に染まって行く。
そこにいた誰もが圧倒され声も出ない中、ひときわ大きい稲妻が落ち、周囲の全てが目を開けていられない程のまばゆい光に包まれた。

誰彼問わず2隻の乗員全てが声にならない悲鳴を上げながら一瞬の浮遊感を感じ、そしてその意識を失って行った……。

――この日払暁、反地球連邦組織「マフティー・ナビーユ・エリン」は、ニュータイプ戦士ハサウェイ・ノアと最新鋭MSΞガンダム以下、実戦部隊の大半を一気に喪失した。

何の前触れもなく脅威が消え去った連邦政府はこの数日後、予定通りにアデレードにおいて連邦中央閣僚会議を開催し、悪名高い法案を可決させることになるのだが、
それはもはや、ハサウェイ達にとってはどうする事も出来なくなった世界での話である…。



169通常の名無しさんの3倍:2007/07/29(日) 22:36:45 ID:???
C.E.73年11月 ソロモン諸島 オーブ連合首長国近海上

状況は最悪だった。
さながら追い立てられるかのように慌しくオーブを出航したザフトの新鋭艦ミネルバ≠ヘ、公海上へと出るのとほぼ同時に地球連合軍の大艦隊の待ち伏せを受けていた。

突発した事態の推移に準備も不十分なままでの実戦参加を余儀なくされ、損傷の修復も不充分なら、搭載MSもパイロットも定数を割り込んだ状態のままのミネルバただ1隻を相手に、4隻もの空母を基幹とする連合の圧倒的な戦力が差し向けられて来ていたのだ。

しかも後背からは領海警護≠フ名目で出撃したオーブ艦隊が、退路を塞ぎにかかってきており、実質的には挟撃を受けるのとほとんど同然の状況だった。

「か、艦長……」
「我々にはここを突破する以外の道はないわ!やるしかないでしょう」
一体どうすれば…と、動揺も露わな声を出す副長のアーサーを叱咤するように、ミネルバ艦長タリア・グラディスは総員戦闘配置を発令し、包囲網の突破をはかる。

どう考えても勝ち目は見出せない状況だが、それでもむざむざと降伏するようなことは出来ない。
ザフト軍人としての意地と誇りを賭して、突破口を開くべく最後の最後まで諦めずに戦い抜くのみ!
悲壮な決意をもって、一路ミネルバは絶望的な戦いへと突入して行く。
かくして、オーブ沖海戦の火蓋が切って落とされた。

「こんな所でっ!やられてたまるかぁっ!!」
シンは激しい怒りと気迫を乗せてフォースインパルス≠向かい来る連合軍MS隊の只中へと突っ込ませる。
向かってくる多数のウィンダム≠ダガーL≠、ビームライフルで打ち抜き、あるいはビームサーベルで斬り下ろし、次々と叩き落してゆく。

ミネルバ艦上でも、レイのブレイズザクファントム≠ニルナマリアのガナーザクウォーリア≠ェCIWSと共に防御の火線を張り、次々に飛来するMSやミサイルを必死に迎撃し、ただ1機で空中戦を行っているシンのインパルスへの援護射撃を放つ。

MS戦と同時にミネルバの主砲、副砲と艦対艦ミサイルは連合軍艦艇に指向され、包囲網の切り崩しを狙っての砲撃戦を繰り広げている。

海上には敵味方の無数の火線が飛び交い、爆発の華が無数に乱舞する。
その中をかいくぐって、激しい戦いはなおも続いていた。
170通常の名無しさんの3倍:2007/07/29(日) 22:41:58 ID:???

「ふん、なかなか粘るではないか…」
連合軍艦隊旗艦の艦橋で、艦隊司令官はミネルバの健闘を認めるように呟く。

事実、状況を考えればミネルバの健闘ぶりは十二分すぎる程のものだった。
だが幾ら奮戦していると言っても、やはりその絶望的なまでの戦力差を覆えすまでには至らない。
これまではどうにか凌いできたミネルバの艦体にも時折、迎撃漏れによる至近弾、直撃弾が出始めるようになっていた。
それら一つ一つはまだ致命傷にはならないが、ミネルバと言う獲物に出血を強い、その抵抗力を徐々に弱めて行く。

「だが、ここまでだな。あれ≠出せ!」
効果的なデモンストレーションを行う頃合だと見て、司令官は隠し球として用意してきたジョーカーを切る。

連合軍艦隊旗艦の後甲板から異形のMAが姿を現した。
連合軍の切り札となる新兵器、新世代型の大型MAザムザザー≠ェミネルバに向かって発進する。
その異形の巨体は、光学映像でその姿を確認したミネルバ隊の全員を慄然とさせるのに充分だった。

「な、何ですかアレはっ!?」
ザムザザーの禍禍しい姿に上ずった声を上げるアーサー。
「くっ、やむを得ないわね…。タンホイザーを使うわよ!」
あんなモノに取り付かれたらひとたまりもない。
タリアはミネルバの切り札、艦首陽電子砲を使う決断を下す。

「目標、敵MA及び左舷敵艦群。タンホイザー、てーっ!」
アーサーの号令と共に、ミネルバの艦首から白い閃光と共に膨大なエネルギーの奔流が放たれる。
その猛烈な渦が海面を舐め、水蒸気爆発を捲き起こしながらザムザザーを呑み込んで爆発した。

「タンホイザー、目標に直撃!これで……」
なんとか……そう言いかけて言葉を呑み込むアーサー。
徐々に収まってゆく爆炎の中に見える光輝。
「なっ!?」
そこから現れたのは、全くの無傷なままのザムザザーの姿だった。
「そ、そんな馬鹿なっ!」
アーサーのその叫びは、ミネルバ艦上にいるルナマリアとレイ、そしてCICにいる全員が等しく共有する驚愕だった。

「タ、タンホイザーを……弾き返した?」
一人前線に立ち、発射前にタンホイザーの射線から離脱していたシンは、横合いから何が起きたのかを目の当たりにして同様に驚愕していた。
あの敵の巨大MAは急制動をかけて立てた機体の上面にバリア状の力場≠展開し、それでタンホイザーの直撃を防ぎきって見せたのだ。
171通常の名無しさんの3倍:2007/07/29(日) 22:44:57 ID:???

余りの驚愕に瞬間的に反応が止まったミネルバへ、今度はザムザザーからの反撃の火線が放たれる。
ザムザザー最大の火力を持つ脚部の位相砲の内、前方のミネルバを指向できる2門から放たれたビームが左舷のMSカタパルト付近を直撃した。

「ミネルバっ!」
ザムザザーのビームが命中し、続けて起きる爆発の衝撃にミネルバの巨体が揺らぐのが見えた。
開きっ放しの通信回路から、ルナマリアとメイリンの悲鳴が響く。

「くそっ、これ以上はやらせるかっ!」
シンはインパルスを巨大な敵MAへと突撃させる。
タンホイザーさえ跳ね返すバリアを持った機体だ。ビームライフルは通用しないだろう。
「だけど、あんだけの図体だ。接近戦ならっ!」
シンはインパルスの右手にビームサーベルを構えさせ、ザムザザーへと一気に斬りかかる。
「落ちろおっ!」

「!?ッ」
だが、敵MAはその巨体からは想像もつかない機敏な動きを見せ、インパルスの斬撃を余裕でかわしてみせた。
それどころか、インパルスを反転させたシンの動きに匹敵する速さで機体を相対させて向かってくるではないか。
脚部内に折りたたまれていた接近戦用のクローを赤熱化させながら、ザムザザーの巨体がインパルスに迫る。
「くっ、コイツ!素早いっ!」
繰り出される鉤爪をすり抜けて後背に回ろうとするインパルスめがけて、ザムザザーの側面と後背に並べられた大小の火器が追撃の火線を放ち、シンは更に機体をひねってそれらを回避する。

「このおおおっ!」
やっかいな敵MAを相手に、シンは頭に血を昇らせて再び挑みかかってゆく。
それはザムザザーを足止めすることにはなっていたものの、同時にミネルバで唯一の空戦機動が可能な戦力であるインパルスもまたその役割を果たすことが不可能になった事も意味し、残存の連合軍MS隊が一気にミネルバへと群がって来る結果を招いていた。

「ええいっ、落としても落としてもキリがないわねっ!」
ガナー装備のルナマリアのザクウォーリアが腰だめに構えたオルトロスのビームを次々に放ちながら叫ぶ。
反対舷ではレイが無言のままにザクファントムの背面からミサイルをばら撒き、敵MSを撃ち落すが、流石にその表情には苦闘の色が見えている。
2人の機体も未だ戦闘には大きな影響は出るほどではないものの、小さな損傷は既に無数の状態だった。

172通常の名無しさんの3倍:2007/07/29(日) 22:47:44 ID:???

「右舷、ミサイル発射管に被弾!」
「機関区に火災発生!ダメコン、消火急げ!」
ミネルバCIC内は、戦闘管制に加えて続々と舞い込む被害報告とその対応指示に沸騰寸前の雰囲気だった。
必死の迎撃は続けていても、ここに来ていよいよ彼我の物量差が現れ出した完全に飽和攻撃の状況になってしまっており、それに伴ってミネルバの損害は幾何級的に増大しつつあった。
度重なるダメージによる機関区の一部損傷に、各部の浸水も加わって、艦の行き足自体も徐々に鈍り出してきている。

「艦長!展開中のオーブ艦隊より、再度の領海侵犯警告です!」
メイリンが叫ぶ。
ミネルバはオーブ領海線ギリギリを沿うように逃げながら、なおも連合軍艦隊の左舷側の突破を狙ってはいたが、攻撃の圧迫を受け続ける内に徐々にオーブ領海線の方へと追い込まれつつあった。

「くそっ、このままじゃっ!」
未だザムザザーと対峙を続けているインパルスのコクピット内には、エネルギー切れ間近を示すアラート音が響き始めていた。
戦いながらも、ミネルバも追い込まれている状況を確認しており、それが尚更にシンの焦りをかきたてる。

早くコイツをどうにかして、補給をしなくては!
そう思い、一瞬ミネルバの方を振り返ったシンの目に、ついにオーブ艦隊の各艦からミネルバへ向けて艦砲が火を噴いた光景が飛び込んで来た。

「そんな!オーブが…本気で……!?」
実際にはオーブ艦隊の砲撃は、司令官トダカ一佐のささやかな反抗で絶対に当てないように≠オて行われていたのだが、無論シンにはそんな事情は分かる筈もないし、またそれを知ったところで彼には何の慰めにもなりはしないだろう。
かつてオーブの理念に家族を殺された#゙にしてみれば、そのオーブが今度はその理念を平然と殺す℃pは、何よりも見たくないものだった。

一瞬の自失。
だが、戦場においてのその時間は余りにも致命的だった。
けたたましい警告音に我に返った時は既に遅く、敵MAが眼前に迫っていた。
「し、しまっ…」
回避も間に合わず、ついにインパルスの右脚がザムザザーのクローに捉えられる。
VPS装甲がクローの圧力に抗してかろうじて圧壊を防いでいるが、エネルギーが切れてフェイズシフトを展開出来なくなるのはもう寸前だ。

だが、この場合は砕かれてしまった方が却って良かったのかもしれない。
ならばとザムザザーはインパルスの脚を掴んだまま、その機体を滅茶苦茶に振り回す。
「うわああぁっっ!!」
コクピットの中でシンの身体は遠心力で振り回され、意識を持って行かれそうになる。

「シンっ!」
絶体絶命に見えるインパルスの姿に、ミネルバ艦上でルナマリアが、レイが、CICにいる者達が皆、思わず叫ぶ。
その次の瞬間――

ザムザザーの両腕≠ェ、彼方より突如飛来した一条のビームに貫かれ、爆発した。

173通常の名無しさんの3倍:2007/07/29(日) 22:51:48 ID:???

「なっ、何だ!?」
拘束が解かれそのまま海面へと落ちて行く、とうとうフェイズシフトダウンするインパルスの中、シンは必死に機体の体勢を立て直しながら周囲の状況を確認しようとする。
その目に映ったものは、全身を光に包まれながら凄まじいスピードで飛来する1機のMSの姿だった!

機体が大きい――インパルスより二周り近く大きく見える。
だが、その姿はどこか彼のインパルスに似通っていた。
そのMSはスーパーソニックウェーブでインパルスの機体を揺らしながら頭上をフライパスすると、あの敵MAをすれ違いざまに切り裂いて行った。
更にその後方から、量産機らしいアンノウンMSを各2機ずつ載せた、グゥルに似た飛翔体が3機続航して飛んで来る。

「な、何だ!あのMS隊はっ!?」
シン同様に、その瞬間は敵も味方も異口同音に超音速で接近するアンノウンMS隊に対する驚きを共有していた。

「対空索敵、何をしていた!」
思わずCICを怒鳴りつけた地球軍艦隊のイージス艦艦長は、索敵班からの悲鳴混じりの報告に絶句する。
「ちょ、超強力な電波妨害です!レーダーが撹乱されています!」
「旗艦との通信もですっ!」
同様のやりとりは彼らの僚艦でも、また敵艦たるミネルバにおいても交わされていた。

そんなミネルバに、アンノウンMS隊の先頭を飛ぶインパルスに似たMS≠ゥら通信が飛び込んで来る。
『ザク≠載せた艦!我々は「反地球連邦組織マフティー=vだ。これより貴艦を援護する!』

コズミック・イラの空を切り裂いて、ミノフスキークラフトのガンダムが飛ぶ。
これが、異世界に戦場を移した彼ら「マフティー」の新たなる戦いの始まりだった…。



以上です。
お目汚し失礼しました
174通常の名無しさんの3倍:2007/07/29(日) 23:12:47 ID:???0
リアルタイム乙
175通常の名無しさんの3倍:2007/07/29(日) 23:18:53 ID:???0
これは……
「とりあえず数の少ない方に味方したけど、こっちの方が悪者だったかもしれないぞ?」
という状況なのでは……
176通常の名無しさんの3倍:2007/07/29(日) 23:41:42 ID:???0
GM=連邦
ザク=反連邦だからおk!!
177通常の名無しさんの3倍:2007/07/29(日) 23:54:43 ID:???0
じゃあインパルスはなんなんだよ……
もろ連邦マーク付いてるじゃねーか……
178通常の名無しさんの3倍:2007/07/29(日) 23:57:55 ID:???0
ハイザック…
179通常の名無しさんの3倍:2007/07/30(月) 00:45:26 ID:???
166です。
ちょっと区切った状況が中途半端だったかも知れませんね;
申し訳ないです。

一応続きの方ではマフティーが乱入するまでの流れも書きますが、
次の投下まで時間が空いてしまいますので簡単に補足させて貰っておきますと、

マフティー側はひっかかりは感じつつもとりあえず連合を
連邦軍と誤認した状態で攻撃をしかけています。
ウィンダム=グスタフ・カール(の新型)
ダガーL=ジム・クゥエル改と言う風に見えていて、

一方のミネルバはどう見ても宇宙艦で、しかもその艦上にはザク≠ェ。
――自分達とは別のジオン系反地球武装組織?
と言う風にやはり誤認しています。

インパルスに関しては、先発してミノフスキー粒子で身を隠しながら
戦場の様子を監視していたエメラルダ機からの報告で、
「ガンダムは面白い事にジオン系組織(?)≠フ側の機体らしい」
と言う認識でいる為です。

……と言うか、そこまで書いてから投下すべきだったかもしれないですね;
なるべく早く続きを書きたいと思いますので、お許し下さい
180通常の名無しさんの3倍:2007/07/30(月) 01:22:12 ID:???
> ダガーL=ジム・クゥエル改と言う風に見えていて、
うーん。
クゥエルってのはどうかなぁ。あの時代にティターンズの機体を使ってるってのは無理かと。
どっちも連邦軍新型MS(アナハイムがまたやってやがる)くらいの認識にしといた方がいいんじゃないすかねぇ……。
グスタフ・カールに無理に絡めない方が良いと思いますよ。
181通常の名無しさんの3倍:2007/07/30(月) 06:40:40 ID:???
新しい職人さんが増えた〜!
自分は続き楽しみです。GJでした!
182蝶サイコ―!のSS書き:2007/07/30(月) 16:04:04 ID:???
おー!新しい職人さんGJです!
>>179
いいじゃないですか!自分の解釈でガンガンやっていきませう!
自分が言うのもおごましいですが、お互いがんばりませう。

自分も早く続き書かんと……

次回「さらば!兄貴!ネオ・ロアノーク(仮)、月面に死す!」にしようかな……
183通常の名無しさんの3倍:2007/07/30(月) 20:29:50 ID:???
GJです。
184通常の名無しさんの3倍:2007/07/30(月) 20:49:10 ID:???
>>182
おまいはフザケすぎ、一から自分の作品読み返して、軌道修正した方が良いと思われ。
外伝はアナザー扱いで。
185通常の名無しさんの3倍:2007/07/30(月) 23:54:53 ID:???
>>184
アドバイスならいいけど、ただ読んでるだけなのにちょっと偉そうだな
作者には敬意をはらえよ
186通常の名無しさんの3倍:2007/07/31(火) 00:02:38 ID:???
166さんGJ!!!
 
 白い稲妻のような閃光が私の脳裏を貫く!
 
 ――ドドドドドッ!!

 猪突したメビウス<ゼロ>が苦し紛れに放った対装甲リニアガンだ。
元々、戦艦の装甲を撃ち砕く程の破壊力を秘めている。

 これがまともに直撃すれば、ジンの装甲といえども砕かれるだろう。
だが小回りが利き、旋回能力が優れているモビルスーツに対しては正面からは通用しない。

 ――あたりはしない!!

 そう脳裏で言語化する前に体は、自動的に生存本能に駆られように動く。
 操縦桿を動かすというよりも、モビルスーツの体の感覚器官の一部となった己自身が反応する。
 
 メカの操縦システムにタイムラグが生じる間もなく、自分の体がごく自然に動作するように白い巨人は思い通りに動いてくれる。
 
 ――ギュィィィン!!

 各バーニアが連動し、白いハイマニューバの回避能力は私の期待を裏切らず、
リニアガンの閃光は、機体のギリギリところをかすめながら、虚空へと消えていった。

 私は回避運動で、一気に月面の天上へとを飛び上がると、脳裏にまた閃光が走った!

 ――ピキィィン!

 弱々しいプレッシャーだ。だが、これが私の勘にさわるのだ。 

 ――三下風情が……!

 何故か、急激に怒りと侮蔑が心の底から湧き上がった。 

 「いい気になるなよ……。雑魚が――」

 奴の苦し紛れに放ったリニアガンの一撃が、余程私の気に触ったのだろうか……?
だが、これはどうにも言葉では説明ができない憎しみの類なのだ。
 
 その機体の先端に羽マークとNo2のエンブレムを刻み込んだ メビウス<ゼロ>に対して、
私は何故か憎悪を感じるのだ。忌まわしい憎悪を。近親憎悪に近い感情なのだろうか?
レイとは全く違う異質な存在を奴に感じたのだ。私の家族はレイ以外に存在しないし、居てはならない……!

 ハイマニューバのモノアイは一瞬、真紅の輝き放つとギロリ!と上空からメビウス<ゼロ>を睨みつけた。
次の瞬間に機体から捩れる様な響きを出すと、一気にモビルアーマーへと向かって下降し始める!

 ――ブォォォォッン 

 主の怒りに感応するかのように、白いハイマニューバは駆動音から雄叫びを放つ。

 「楽に死ねると思うな……!」 

 口から出た言葉は、紛れも無く相手を苦しめ、確実に殺す事を誓っていた。

 ====================

 一瞬、カッとしたオレは、ケイン、ラッセルの静止を待たずして、勝手に攻撃に踏み切ってしまった。

 ――結果はこの通り散々だった。
 全て完全にかわされた上て……オレは遊ばれ、嘲笑われてしまったのだ

 ――かわされた!?全部をか……!

 心中で愕然とした。恐怖感を撥ね退け、あれはオレが持ち得た渾身の一撃だったはずなのだ。

 奴は、オレの得意の<ガンバレル>の4機全部の一斉攻撃を完全にかわしやがった!
しかも、止めとばかりのリニアガンの一撃もあっさりと避けられた。

 尋常な敵ではない事は、分かっていたはず……!なのに!

 確かに呆然としていた時間は、一瞬であったはず、その時――。

  ――ピキィィィィン!!

 脳裏に閃光が走るような感覚がオレの体を貫いた!
189機動戦史ガンダムSEED 43話 3/6:2007/07/31(火) 01:00:51 ID:???

 「ガァッ!――なにぃ!?」
 
 この時にまた頭痛が襲い掛かかり、同時に吐き気も襲い掛かり二重パンチだ!

 ――上空から来る!

 その事だけは、上から凄まじい重圧感が襲い掛かって来る!その感覚で本能のように理解できた!

 『楽に死ねると思うな……!』 

 雑音と共に通信装置から、どこかで聞いたかのような不愉快な声が聞こえてきた。
同時にオレもその声に対して、心の中でとてつもない嫌悪感と憎悪、敵意ではちきれそうになる。 

 その地獄の底から響いたような声。オレは今、何を聞いたんだ?
 死人が墓場から生き返ったかのような恐怖がオレの体を貫いた!

 「ッ!!貴様ァァ!」

 オレは、意思を総動員し、喉から声を振り絞るように力を入れて、その巨大な重圧感を跳ね除けようとした!
 不快な感覚と共に現実には、白いジンがオレの丁度、真上から急降下して襲い掛かって来た!

 「うぉぉぉぉぉッ!!!」

 ――ゴゴゴゴッッ!! 

 オレは強引に操縦桿を引き、機体を奴に向かってぶつける様な形で向き直そうとした。

 ギシッ!ギリリリッ!!ミシッ!!
 
 余りにも無理な急旋回の為に機体の各所が軋み、オレのメビウス<ゼロ>捩れるような音を立てる。

 ――ドドドドッ!ドドッドド!!

 同時に装甲版を削るように奴の放った大型機関砲の銃撃が来る。
 何発か装甲をかすめ、当たったようだ!

 「この程度ぉぉ!!」

 

 叫びながら、機体を強引に捻じ伏せるかのように扱った。普段のオレからだと考えられない行動である。
マイハニーである、オレの愛機に対してかつてこのような態度で臨んだことなど一度も無いからだ。
 
 「この野郎ォォォ!!」

 旋回をしながら、オレは機体をぶつける様にして奴に突っ込もうとする!

 ――ガタイはこっちの方が上なんだ!弾き飛ばしてやる!!

 後から思い出すと信じられない行為だ。こんな馬鹿げた事をやるほどオレの脳は最高にヒートしていたらしいのだ。 

 そう、この時オレは奴に対して、その気になり自爆覚悟でぶつかったつもりだった。だが……!

 ――シュッン! 

 オレの目の前に映るメインモニターに衝突直前まで映っていた白い坊主の姿が瞬間に見えなくなっていた。 

 ――消えた……!!

 その言葉が脳裏に浮かんだ瞬間に、

 ――ドゴゴォォォォン!!

 機体側面の右から凄まじい衝撃を喰らい!オレの意識はその瞬間、火花と共に飛び散った!


 ====================
 
 私は降下しながら、照準を整えると獲物を狙う鷹のように鋭く目を光らせ、引き金を引く。
この距離なら絶対に外さん!奴は私の目の前で、無防備にも鈍重な体を晒しているのだからな。

 モビルアーマーなど、デカイだけの的に過ぎんのだ――。

 ――心に冷たい歓喜が湧き上がる。
 この目障りな雑魚をこの世から消したら爽快なるであろうことは、疑いようが無いであろう。
 小物の癖に私に対して、弱い”プレッシャー”を撒き散らすのだから。
 
 強者にしか興味が無い私にとって論外であろう。

 
 ――ピッピッピッピッ!!

 照準がロックされ、私の人差し指を10ミリ動かすだけでJDP2-MMX22 試製27mm機甲突撃銃の弾は、
標的に中心を確実に撃ち抜くはずであった……。

 「なに?」

 ――ドッォォォォォオオッ!!

 メビウス<ゼロ>機体を急角度に曲げると、機体の慣性法則を無視するように、私の方へ機首を向けたのだ!
……あれはどう見ても無理がある!下手をすると機体がバラバラになるぞ?!

 モビルアーマーの各部バーニアが不規則な方向に向いて加速している!
 あの急旋回の動きは、モビルアーマーというよりも、モビルスーツにこそ相応しい。
あの動きは人の形でなくては難しい。その為にモビルスーツは人型という非効率な形を取っているのだ。

 何と、そのモビルアーマーは、鈍重な機体とは思えない動きを私に見せ付けたのだ。
そして次の瞬間、JDP2-MMX22 試製27mm機甲突撃銃が火を噴いた!

 ――だが、遅い!
 
 無理な回避運動に成功した奴は、真っ直ぐに私に向かって突っ込んできたのだ!
その際に幾つかの攻撃が奴をかすめるが、致命傷に程遠い!!

 「この私が外した……!」

 瞬間、屈辱感が身を焼いた。この程度の動きが読みきれないとは……!
自身の”ニュータイプ能力”を過信し過ぎたのか?

 ――ゴゴゴゴゴッ

 あっと思う間もなく、メビウス<ゼロ>は一直線に異常な速度で加速すると、私に向かって突っ込んできたのだ。
 
 「なんだと!?」

 ……生涯にこんな無様な台詞を口にするとは思わなかった。

 ――タイミングは完璧だったはず!

 「おおぉぉおおッ!!」

 ――回避できない?この私が!?

 このモビルアーマーの無謀な突撃を回避できないヴィジョンが突然、私の脳裏に浮かびあがったのだ!
これは……正面衝突で仲良くドッカーン!な映像が数秒後の私の未来だというのか?
 
 ――走馬灯が駆け抜ける。無論、今までの、ろくでもない人生を、だ。
 生きていて良かった事など、僅かにここ最近のあったj事だけだ。

 知らずに怒りの咆哮が喉から迸っていた。
 
 ――まだだ!まだ死ぬわけにはいかない!

 ――ピキィィンン!!
 
 やっと手に入れたのだ。宇宙へと無限に広がるこの”力”を……そして。

 目の前にいっぱいに、モビルアーマーの機体の先端が迫る!

 ――私の……私達のこの手で……! 

 衝突寸前に、異変が生じる。ハイマニューバの機体が、淡い白い輝きに包まれた……そう私は感じた。

 ――次の瞬間、周辺の空間が全て止まったように見える!
 
 私は奴の特攻じみた体当たりを横へ軽く避けると、
機体の全体重を篭めた渾身の一撃の蹴りを奴の側面へと叩きつけた!!

 ――ドゴゴォォォォン!!

 メビウス<ゼロ>の側面装甲が拉げ、飛び散る、その様がまるでスローモーションの様に見える。
そして奴は蹴りの衝撃で吹き飛び、錐揉みしながら虚空へと吹き飛ぶのだった。



>>続く
193通常の名無しさんの3倍:2007/07/31(火) 01:42:30 ID:???
GJ!
クルーゼあわや!と思ったが、何とか切り抜けたな。
足下をすくわれかけたこの体験が彼を更にステップアップさせるといいな。
ところでムウは生きてんのかー?
194通常の名無しさんの3倍:2007/07/31(火) 04:31:49 ID:???
GJ!
蝶サイコー!
195通常の名無しさんの3倍:2007/07/31(火) 04:40:17 ID:???
とうとう種割れまで起こしたのか?
すごい勢いで寿命使ってそうだな…
緊張の連続や、過度の集中力の行使は君には危険だ、と誰か突っ込んでやれよ
ハサウィはむしろ推奨して、デュランダルは好きにさせそうだが
196166:2007/07/31(火) 07:45:27 ID:???
GJ!
ほんとに絶好蝶≠ナすね〜♪

実はこの先、一瞬電波を受信したムネオにそれ口走らせてみようかな〜?
とか密かに思っていたのはナイショです(苦笑
197通常の名無しさんの3倍:2007/07/31(火) 14:05:28 ID:???
GJ
198通常の名無しさんの3倍:2007/08/01(水) 14:30:54 ID:???
>>195
クルーゼ隊長は種割れなんてしません><
かわりにピキーンの光が顔より大きくなります><
199通常の名無しさんの3倍:2007/08/06(月) 18:21:51 ID:???
ピキーンとhosyu
200166:2007/08/09(木) 00:34:59 ID:???
前回の続きが1回分書き上がりましたので、投下します。
今回は、「オーブ沖海戦〜マフティー介入後〜」です。


誤解――誤認、齟齬、勘違いに思い込み……。
人が決して捨て去ることの出来ないそんな要素が時に、人を思いがけない方向へと動かし、歴史の流れを紡ぎ上げて来た。
そしてそれはここ、異世界からの客人≠迎え入れたC.E.世界においても同様に繰り返されることだった。

時空の門=\―そうとでも呼ぶしかない事象によって偶然にも導かれ出たこの世界≠ヨと、「マフティー」達が割合すんなりと紛れ込む≠アとが出来た経緯もまた、そんな要素の故だった。
その時の状況の流れを思い返してみれば、やはり「悪戯な運命≠フ神の采配」とでも言うべきものの存在を、実感として抱かざるを得ないと、後々になっても当事者達は異口同音に語っている……。



C.E.73年11月 ソロモン諸島 オーブ連合首長国近海上(承前)


前方に、戦場の様子を滞空して張り付きながら逐一モニターして報告を続けてくれていた、エメラルダとゴルフのメッサーを載せた1ギャルセゾンの機影が迫って来た。
音速を超えて飛ぶΞガンダムは、そのまま彼らの脇をフライパスして真っ先に戦場へと突入して行く。

眼下には、連邦海軍の¢蜉ヘ隊が展開していた。
大した数だとの情報を受けてはいても、やはり自身の目で確認するその数の威圧感には圧倒的なものを覚えはする。

まさか、あれを全滅させようなどと思える筈はなく、
「奇襲効果に頼らず、アンノウン艦の離脱援護を最優先に狙う!行くぞっ!」
後続の僚機に向けてそう指示し、ハサウェイはΞガンダムを更に加速させる。

(!!)
モニター正面に、面白いことにアンノウン艦側だと言うガンダム・タイプが連邦軍≠フMAのクローに捕捉されているのが見えた。
ハサウェイはビームライフルを照準し、発射する。
放たれたビームに撃ち抜かれたMAの前部のアームが爆発して吹き飛んだ。

振り回された勢いのまま、拘束が解けて落ちてゆくガンダム・タイプは、空中でトリコロールから鉄灰色へとその機体色を変じて行く。

「!? 何だ?」
初めて見る現象に瞬間の疑問は覚えつつも、ハサウェイはガンダム・タイプが何とか体勢を立て直すのを横目に確認しながらMAへと一気に迫る。

両腕をもぎ取られて体勢を崩したままのザムザザーは回避どころではなかった。
Ξガンダムは機体を左斜めに傾け、背面のラッチにマウントされたビーム・サーベルの左側のみを発振させて、すれ違いざまにMAを側面から両断する。
リフレクターを展開する暇さえ与えなかった。
201166:2007/08/09(木) 00:37:52 ID:???
「ば、馬鹿なっ!?」
「あ、あのバケモノを一瞬でっ!?」
ザムザザーがただの二撃で墜ちる光景に、展開する両軍の将兵が等しく驚愕し、
ついで大多数の悪夢の呻きと、少数の歓喜の叫びとが爆発した。

まずは一番の脅威を片付けて、ハサウェイは敵艦体上空直援のMS隊へとΞガンダムを向けながら、アンノウン艦――ミネルバへと通信を送る。
『ザク≠載せた艦!我々は「反地球連邦組織マフティー=vだ。これより貴艦を援護する!』

その通信を受けたミネルバのCICでは、通信オペレーターのメイリンが叫んでいた。
「艦長!アンノウンMSより入電!『反地球連合¢g織マフティー』を名乗っています。本艦を援護すると言ってきました!」

実はこの時、ハサウェイからの通信はミノフスキー粒子の影響でノイズが入り、メイリンには連邦≠フ部分が不明瞭に聞こえていたのだ。
だが彼女は、文脈の前後の反地球%凾フ単語から「自身の常識」に照らし合わせて意味の通ずる言葉になるように&竓ョして、報告してしまっていた。

第三者の視点で見れば誤解≠ナしかないそれが、戦闘中のこの状況下ではむしろ相互の齟齬を顕在化させずに、すんなりと共同戦線を張らせることになる働きをしたのだった…。

「味方なのか!?た、助かったっ!」
「…………」
心底安堵したという感情を包み隠すこともせずに(またできもせずに)喜色を浮かべるアーサーを叱責することも忘れて、タリアは沈黙していた。
(マフティー=Hそんな組織名は聞いたこともないけれど……)

だが、実際インパルスに似たそのアンノウンMSは連合のMS隊を攻撃し、次々と撃墜していっているし、更にはグゥルに似た大型のMS支援空中機動飛翔体に載った量産タイプらしいMS隊も飛来し、ミネルバに群がる連合のMS隊を攻撃し始めた。

(とりあえず、現時点に限っては敵ではないと見るべきか…)
そう判断したタリアは指示を出す。
「CIC、及びMS隊各機、戦闘は続行中よ!アンノウン部隊にはこちらからは手を出さず、本艦へも敵対行動が見られた場合には反撃できる様、警戒を怠らないで!」
「りょ、了解!」
あわてて我に返るアーサー以下、CIC要員達。

そう艦長として叱責気味にの指示は出しながらも、同時にタリア自身も部下達の様子は無理もないと思ってはいた。
実際、「マフティー」と名乗るアンノウン部隊の戦いぶりは凄まじいものだった。
彼女自身、職責への意識が無かったならば、部下達と同様にただ唖然と見てしまいそうなくらいに。
202166:2007/08/09(木) 00:40:54 ID:???
何もかも、次元≠ェ違っていた。
速さが、動きが、火力が……。

隊長機とおぼしきインパルスもどき≠フMSは圧倒的に速く、それでいて信じられないほどに自在な空戦機動を行っていた。
自力での飛行は出来ないらしい量産タイプのMSも、載っている飛翔体から跳び上がっての空中射撃やビームサーベルでの格闘を仕掛け、再び飛翔体の上面に舞い降りると言う戦闘機動を軽々とこなしてみせる。

しかもその動きには一切の停滞がない。
移動しながら照準し、攻撃。
それでいて面白いように攻撃を当て、逆に連合MSからの攻撃はかすりもさせない。

見惚れるような戦術運動に、そして恐るべきは使用する武器の威力だ。
ビームライフルにビームサーベル、他には頭部機関砲に、量産機タイプはMS大のシュツルム・ファウストと言った、ごくごくオーソドックスと言える類の武器を使っているだけなのに。

ビームライフルの火線は、アンチ・ビーム・コーティングが施されたシールドをいとも易々と貫いて、一撃でダガーLやウィンダムを大火球に変えてゆく。
更にインパルスもどき≠ノ至っては、放ったビームが1機を貫通して止まらず、更にその先にいた別のMSまで貫いて見せたではないか!

「す、凄い…!何なの?あのMSたちは……」
浮き足立つ連合MS隊へのオルトロスでの攻撃を再開しながら、ルナマリアが思わず口にした呟きは、そのまま状況を目の当たりにしている全クルーも同様の思いだった。
あんな戦いぶりは、インパルスのような最新鋭機をもってしても不可能だろう。
現実に目の前で見ていても、とても同じMS≠駆使して出来ることだとは信じられなかった。


一方、その当事者≠スる「マフティー」のパイロット達の方はと言えば、あまりにも脆く、また歯ごたえの無さ過ぎる敵≠ノ対しての違和感を覚えてはいた。

「なんなのさ、コイツらはっ!?」
メッサー6号機のモーリーが、拍子抜けと言う感じの声を上げる。
「機動も鈍けりゃ、照準しようといちいち固まる。おまけに巻き込んでくれって言わんばかりの密集隊形≠チてか!連邦海軍≠ヘこんなひよっこパイロット共を実戦に出すのかよ?」
後を引き取ったガウマンの声にも、ない交ぜになった驚きと呆れが滲む。

「畜生おぉぉっ!この、バケモノどもおっ!」
「散開しろ!同時に数機でかかるんだ!」
だが、通信回路から時折聞こえる敵パイロットの叫びそのものは、状況に押され気味だとは言え、パニクりかけたルーキーのそれとも思えない。
首を傾げさせるものを感じながらも、彼らが手を休めることはなかったが。
203166:2007/08/09(木) 00:42:48 ID:???
(脆すぎる……)
また1機、眼前のウィンダム――ゴーグル型のメインカメラとV字アンテナの組み合わせの頭部形状から、彼らにはグスタフ・カール′nの高級量産型MSと見えている――を頭部バルカンで蜂の巣にして撃墜し、ハサウェイは違和感≠ノも似た、この戦いの感触をそう感じる。

この戦闘に介入するまでは、自分達が加勢したとしても物量的にはあのアンノウン艦が離脱出来る突破口を開けるくらいの寄与が関の山だろうと読んでいた。
だが、戦況を偵察し続けていたエメラルダ達からの報告でも言われていたように、この連邦軍≠フMSたちは余りにも手応えが無さ過ぎた。

最初こそ、全ての敵MS――グスタフ・カールタイプの新型と、ジム・カスタム/クゥエル改タイプの旧式機とが混在――が
飛行機の羽付きの新型バックパック≠装着して、単独飛行能力を獲得している〜との報告どおりなのを確認して、厳しい戦いになるのを覚悟していたのだが、
実際に交えてみれば、ほとんど「張子の虎」のような相手だった。

幾ら通常の連邦軍――特に、予算には常に悩まされ、MSですら旧式機中心にしか運用できない海軍のMSとパイロット達なのだとしても、全てが@]りにも稚拙すぎた。

OSの精度と洗練度が比較にもならない宇宙世紀≠フMSを動かしている彼らの感覚で言えば、この世界のMSの動きはほとんど初心者向けシミュレーター上での敵機の動きも同然のレベルであったし、
それに加えて核融合炉のパワーゲイン、ミノフスキー粒子によるジャミング効果に、メガ粒子ビーム兵器の威力と言ったあらゆる要素において、この世界の技術レベルに対してのオーバースペックの塊であるMSを駆る彼らから見れば当然の結果ではあるのだが、
未だ彼らはここ≠ェ宇宙世紀とは異なった、また別の歴史を歩んだ世界の地球であると言うことを知らず、故に躊躇無く眼前の連邦軍≠ヨの攻撃を続けていた……。


そんな「マフティー」の鮮烈過ぎる$いぶりには流石のシンも圧倒され、ルナマリア達と同様に唖然と見上げてしまっていたのだが、
タリアの叱責にハッと我に返って、シンは補給を受けるべくフェイズシフトダウンしたインパルスをミネルバへと向ける。

「ミネルバ、デュートリオンビームを!それから、ソードシルエットに換装するっ!」
204166:2007/08/09(木) 00:45:10 ID:???
「シン?」
意図を図りかねるメイリンに、シンは後背で繰り広げられている圧倒的な戦況を一瞥しながら言葉を継ぐ。
「このまま何もせずに助けられっぱなしってわけにはいかないだろッ!丸裸の母艦を仕留めてやる!」

確かに、シンの言うとおり連合のMS隊は「マフティー」相手に総崩れの状態で、敵艦隊は直援機もない状況に陥っていた。
それをすぐに見て取って、タリアもシンの具申を承認する。

「インパルス捕捉!デュートリオンビーム、発射!」
空中のインパルスめがけて、ミネルバの艦橋下面に装備された射出から一条のビームが照射された。

「味方機を撃った!?」 
「いや、違う!」
戦闘機動は続けながら、今度は「マフティー」の面々が驚く番だった。

母艦からのデュートリオンビームの照射を受け、エネルギーを回復させてゆくインパルスのVPS装甲が再び鮮やかなトリコロールに色付いた。

「ソードシルエット、射出!」
更にそこへ母艦から発進した飛行物体=\―シルエットフライヤーが近付き、バックパックを空中換装!
その機体色も青かった部分が赤に変わり、背中に巨大な剣を背負ったMSへとその姿≠ェ変えた。

「なんだよ、あれは?」
面白いことを考える奴がいるもんだなとでも言いたげに、メッサー7号機のロッドが声を上げる。

あのガンダム・タイプが連邦軍の新型機なら、アンノウン艦の連中はそれを奪取する作戦を行ったと言うことなのか?
「マフティー」のパイロット達は、彼らの世界の歴史上で核を積んだ新型ガンダムを奪取したデラーズ・フリートの故事を頭に描いて、そんな風に思った。

「うおおおぉっっ!!」
シンは雄叫びを上げながらエクスカリバー対艦刀を抜き放ち、連合軍艦の1隻の甲板に降り立ってその艦橋を斬り飛ばした。
更にそこから八艘跳びの要領で次々と他の艦艇の上に飛び移り、対艦刀を縦横に振るって斬り割き、撃沈して行く。

上空からはMS隊を掃討した「マフティー」も対艦攻撃に移行し、強力な<rームライフルの火線を浴びた艦艇はただの一撃で洋上の活火山と化してゆく。

「負けられるかぁっ!」
それを見てシンも更に猛り立ち、攻撃は勢いを増す。

「今よ、敵艦隊を突破する!機関全速!」
そこにミネルバも突進し、艦砲とザクの火線までもが連合艦艇に襲い掛かる。
矢面に立たされた連合の艦隊こそ災難だった。
205166:2007/08/09(木) 00:48:39 ID:???
「インパルス!シン、帰艦して下さい!」
もはや遮るものは無く、離脱を成功させたミネルバがインパルスに帰艦の指示を出す頃には、洋上に威容を誇っていた筈の地球連合の大艦隊の姿は、今や必死に逃走するわずか数隻の小艦艇を残して消滅していた…。

生存者の救助は、いまや同盟国≠ニなったオーブ海軍がするだろう。
周囲を護るように「マフティー」のMS隊に囲まれて、発揮可能な全速力で水平線の彼方へと遠ざかって行くミネルバの艦影。


その一部始終を見届ける形となった、トダカ一佐以下オーブ海軍艦隊の将兵達、それに国防軍本部のユウナ以下幕僚スタッフ達もカガリも、揃って顔面蒼白だった……。

連合軍がまさに鎧袖一触に粉砕されたこの時の海戦の状況を目の当たりにしたことで、オーブ内では「連合との同盟締結は早計だったのではないか?」
「あれほどの力≠持っているプラント¢、と、明確に敵対する路線を選択してしまって果たして正しかったのだろうか?」と言った暗黙の空気が、反セイラン派を中心に勢いを持ち始めてゆくことになる。

後に傍受した通信等の解析から、当初はザフトと思われていたあの強力な謎のMS隊は、「マフティー」を名乗るザフトの同盟軍≠轤オいと言うことが判明≠キるが、
それは逆に「プラントは決して孤立していない」と言う解釈につながり、更に反セイラン派の主張にも裏付けを与えていた。

そして、逆にそれがまたセイラン派の権力奪取への動きを加速させることにもなり、
カガリとユウナの婚姻(これはフリーダムによって妨害されるのだが)に、地球連合――ロゴスへの更なる接近と言った、強引な動きを誘発することにもなって行く。

「マフティー」がこの世界に現れたことの影響は、オーブの先々の行く末にも徐々に現れて行くことになるのであった……。



今回はここまでです。
206通常の名無しさんの3倍:2007/08/09(木) 01:32:17 ID:???
GJ。MS登場からわずか数年と、数十年の蓄積の差がモロに出た形になったな。

どーでもいいけどΞとCEMSって大人と子供以上のサイズ差があるんだよな。
ペーネロペーに至ってはほとんど二倍だし。恐竜的進化の末期だそうだけど。
207通常の名無しさんの3倍:2007/08/09(木) 02:55:59 ID:???
30Mとかあるんだっけ?
208通常の名無しさんの3倍:2007/08/09(木) 04:27:49 ID:???
全高28Mでインパルスとは10Mくらい違うな。
ついでに重量はインパルスの半分でファンネルミサイルをはじめとした全武装状態で
インパルスのシルエット付と同じくらい。
ミノフスキークラフト+ビームバリアで人型兵器としてインチキなマッハ2なんて速度がでるよ
209通常の名無しさんの3倍:2007/08/09(木) 07:46:23 ID:???
Ξ一騎でCE世界滅ぼせるやん
210通常の名無しさんの3倍:2007/08/09(木) 12:56:51 ID:???
つ【補給】
211通常の名無しさんの3倍:2007/08/09(木) 19:16:24 ID:???
>>209
いや、宇宙世紀のMSだからな。種MSと違ってそこまでは補給が続かないし
さすがに関節部分とかも持たないんだw

ズルして無敵モードになっちゃったテロリストの面々が、これからどういう方向で動くのか気になる
GJっした。
212通常の名無しさんの3倍:2007/08/10(金) 00:19:04 ID:???
種のMSは明らかに補給とかパーツの消耗とか考えてないからなぁ。
フリーダムのプラントアラスカ間移動とか核だから手をだすな発言とか
213通常の名無しさんの3倍:2007/08/10(金) 12:15:42 ID:???
セイバーですらプラントからカーペンタリアまで行けるぐらいだからな
214通常の名無しさんの3倍:2007/08/10(金) 14:34:59 ID:???
これでレーン・エイムやキルケーユニットまで来たら
キラ達の立場は無くなりそうだがそうなったらなったで
やけになってどこで何しでかすか分からない・・・
215通常の名無しさんの3倍:2007/08/12(日) 17:38:54 ID:???
キギとラクスどっちがいい?
216通常の名無しさんの3倍:2007/08/14(火) 15:44:58 ID:???
>>211
船が着いてきてるから補給の心配ないよ。
最低でも1年は動く。
217通常の名無しさんの3倍:2007/08/15(水) 16:44:16 ID:???
ΞガンダムはC・E70年代ではもはや戦略兵器です。
一機で第二次ヤキン防衛線の連合戦力を叩ける。
218通常の名無しさんの3倍:2007/08/15(水) 20:51:00 ID:???
連邦相手にあの規模の組織で戦ってるんだよな
Ξガンダムがどれだけ化け物MSなのかわかるな
219通常の名無しさんの3倍:2007/08/15(水) 21:49:48 ID:???
Ξガンダムは確かに高性能機だけど、べつにガンダムだけで連邦軍と戦ってるわけじゃないんだが。
MSが某聖剣伝説みたいなインチキ化け物なんじゃなくて、運用が上手かっただけ。
むしろMS運用に必要な諸々を尻尾出さないように整えたマフティーのみなさん+後援者を褒めてあげてください。



220通常の名無しさんの3倍:2007/08/15(水) 22:50:45 ID:???
221通常の名無しさんの3倍:2007/08/18(土) 23:09:49 ID:lquW9FaM
ほす
222通常の名無しさんの3倍:2007/08/20(月) 22:22:38 ID:???
hosyu
223通常の名無しさんの3倍:2007/08/22(水) 02:03:29 ID:???
224通常の名無しさんの3倍:2007/08/23(木) 22:00:32 ID:???
 
 ――ドゴゴォォォォン!!

 機体の右側面が拉げたメビウス<ゼロ>が凄い勢いで吹き飛ぶのを横目で見ながら、
私は肺に溜まった空気を大きく吐き出していた。

 ――ここまで追いつめられたのは本当に久しぶりだ。油断があったとはいえ何たる不覚だろうか……。

 両手は素早く、機体制御スラスターの操作をしながら、メインモニターから目を離さないようにする。
モビルスーツ、即ち”機動操歩”を操縦するにあたっての基本操作だ。

 今までは、無意識の内に自分の”超感覚”こそ全てであり、他のことなど所詮は余技に過ぎないと侮っていた。
基本こそが正に最強だということを忘れかけていたのだ。

 周囲に張り巡らせている”感覚”からは、敵からの”攻撃的プレッシャー”は感じない……。
だが、敢えて私は目視可能なセンサー系を駆使する。

 敵機を撃破したら、直ぐに次の敵機に対しての戦闘準備行動へと移行する――。
自然な行為で意識せずに次の行動に移る。当たり前の戦闘乗りの性である。

 ――ウィィン!ビュィン!!

 白いハイマニューバは主人の行為に応えるかのように、周辺へそのモノアイを素早く動かし、
次の敵影を捜し求めていた。

 ――敵影を確認できず。

 コンピューターは、周辺空間に敵影を確認しないことをメインモニターへ表示した。
……どうやら僅かに息を吐ける時間を得る事ができたようだ。

 「……認めたくないものだな。自分自身の若さ故の過ちというものを」

 どうやら、若さというのは可能性だが、同時に慢心をも肥大させるものらしい。
自らが”ニュータイプ”という特別な存在になり得たということに胡座をかいて、過剰な自意識を抱いていたようだ。

 私自身が”出来損ない”であり、あの許しがたい男の道具に過ぎないという絶望観から、
一転して自らは、未来の可能性への存在の証だということを、自覚した時に私の人生観もまた変わったのだ。

 このまま馬鹿らしく踊らされたままの道化として、偽りの生を歩むより、
私は”閃光”のような一瞬の輝きを放ち、後に続く者達の道を切り開く為の存在となるのだ。

 ”そう、私という存在を歴史という語り部が永遠の語りつぐように!!”

 いつのまにか、うっとりと陶酔していた自分にハッと気がつくと気合を入れ直そうとする。
 
 ……いかん、いかんまた先走り過ぎたようだ。これが若さなのだから仕方がない。
自分は、まだ20代の若造なのだから。

 もう周囲から敵意の”プレッシャー”を感じる事も無い。そうすると、次は生理的欲求が出てきた。

 私は、バッ!とヘルメットを脱ぎ捨て、両手で自分の頬を挟むようにして、大きく叩いた。

 ――パァァアン!!

 「……よし!」

 汗まみれの頭髪を片手の手櫛で整えながら、もう片方の手ではセンサー系の
索敵範囲を広げ、現状認識を急いだ。敵のメビウス<ゼロ>ははもう二機いた。

 忘れるはずが無い、そしてこの機に乗じて私に襲い掛かるかもしれない。

 「そう、慢心は禁物だ……常に臆病であれ。敵を知り己を知れば百戦して危うからずだ」
 
 改めて”ソンシの兵法書”に記された戒めを心に刻みこみ、同時に自分のニュータイプ能力を駆使する。
この瞬間にも、私は周囲へと感覚を広げていたのだ。
言葉で説明するのは難しいが、この感覚は時間と距離を無視して、相手の敵意や意思を感知できるのだ。

 「”攻撃的なプレッシャー”は……無い。ということは」
 
 目の前のコックピットに備え付けられたセンサーより確かなこの感覚からは、周囲の”プレッシャー”を感知しない。
無論備え付けのセンサー類にも敵影の反応はない。

 ……すると、残りの二機のメビウス<ゼロ>は遁走したのか、
それとも、私が蹴り飛ばし、大破させた機体を追って、この場から立ち去ったか……?

 「……どちらにしても、侮れぬ」 

 連合のモビルアーマー乗りは大抵は阿呆ばかりで、味方が一機でも落とされたら逆上し、
実力の差もわからず、身の程知らずにも挑んでくる者ばかりだ。

 無論、私はその手の連中には地獄の片道切符をくれてやった。

 そして、以前は大抵単独行動を取っていた私のパーソナルカラーである白いジンを見て、
撃ち取ろうとする輩も少なからず存在する。
 そいつらは大抵2機以上で私に襲い掛かるのが常だった。勿論、全て撃墜しているのだが。

 ……どうやら私が今相手をした連中は、どうやら毛色が違う連中のようだ。
”エンディミオン”から味方の全滅から見事遁走し、私の攻撃からも掻い潜るとは……な。

 ――さもあらん。

 私は、直後の戦闘を鮮明に思い出す。

 ――あのaD2のマーキングが施されたメビウス<ゼロ>の動き……只者ではない。
機体を急角度に曲げ、慣性法則を無視するような、無茶無謀な行動を何なくこなした操縦技術……。
 
 しかも、ガンバレルやレールガンではあの距離からでは撃てぬと判断し、体当たりを慣行した咄嗟のあの決断力。
モビルスーツとモビルアーマーの重量では圧倒的なウエイト差がある。あのままぶつかったならば、
こちらのジンは粉々になっていたであろう。

 「敵ながら……天晴れ」

 しかし、同時に恐ろしい奴だ……。ここで仕留めたのは幸いだっ……た?
と、私は慌てて思い直した。

 ――待て。奴は確かに死んだのか?

 渾身の蹴りを加えたのは確かなのだが、コックピットを完全に潰したかどうかは、保障できない。
そう、完全に息の根を止めた事にはならないのだ。

 「くっ、ならば、今直ぐに止めを……」

 思わずそう呟いていた。焦りからだろうか?この焦燥感は何だ……?何故、それ程に私は奴を気にするのだろうか?
あの一撃ならば、中のパイロットは衝撃で即死していると思う……だが。万が一という事もある。

 ならば、今この場で、殺す――。

 甘い感傷など無用だ。そう思い直しスロットルを吹かし、操縦桿を握り締めると、どこか感覚に違和感を味わう事になる。
改めてコックピット周囲を見ると……

 ――ピッー!ピッー!ピッー!!

 「ぬうぅぅ――!」

 コックピットのあちこちで警告の赤い光と、警告音が響いていた。

 ――これは……そういうことか!

 ガン!思わずコックピットの障壁を思い切り拳を叩きつける。

 「くっ、機体が……限界か?」

 咄嗟にコンソールを操作し、機体コンディションを表示してみる。
するとハイマニューバの機体あちこちに破損箇所が表示される。

 これは被弾よりも、機体限界を超えてしまった為に生じた破損のようだ。
 ――どうやら、戦闘継続時間が長すぎたようだ。こんな簡単な事にも気がつかないとは何たる不覚!!

 「……すまぬ、ハイマニューバよ。お前の限界を無視してしまった」

 自らの愛機にそう詫びの言葉掛ける。機体のコンディションも把握できずに、
いい気になって戦闘の快楽へと没頭するとは……!これでは百戦錬磨のエースどころか、
モビルスーツに乗る資格すらない。   

 無理に出撃を重ね、激しい戦闘を繰り広げてきた我が愛機は、特に酷使した関節部を
中心に装甲や、特別にあつらえた専用のメインスラスターである『MMI-M730試作型エンジン』は、
焼け付く一歩手前などの大ダメージが生じていた。

もどかしいが、ここは、一旦引くしかあるまい。
確かに自分自身の能力をフルに出すことが出来ないとはいえ、大切な愛機なのだ。
それに、これは私自身のミスであり、断じてハイマニューバの所為ではないのだ。
”彼女”をここで破棄し捨てるなど忍びず、堪え難い苦痛だ。

 「ガルバーニまで持てばよいが……な」
 
 サブスラスターを吹かしながら、ゆっくりと機体を旋回させる。
ホッと息を吐く。どうやら、メインスラスターの方も何とかなりそうだ。

 そして……。

 ――この虚空の戦場には既に敵影は存在しない。あるのは鉄屑か、命の無い残骸ばかりだ。

 「後日、この事が禍根とならなければよいが……」

 私の胸に、多少の不安感が生じた。自分がどうなろうが、それは自業自得だが、
それが友軍に及ぶのは論外である。奴等を仕留めなかった事を後悔する日が来なければ良いが……。

 珍しく感傷を引きずりながら、私は連合・ザフト問わず、敵味方、万国共有のオープン回線を開いた。

 「……聞こえるか?お前とはいずれ再び合間見える日も来よう。その日を楽しみにしておけ」

 無論、奴等に届く事はないだろうが、言わずには居られなかったのだ。 

 「――私の名はラウ・ル・クルーゼ。この名を胸に深く刻み込んでおくがいい!」

  魂が四散し漂う戦場の虚空へと、向って私は高らかに宣言するのだった。

  ――次こそ必ずその命を貰い受けると!



>>続く
230通常の名無しさんの3倍:2007/08/23(木) 23:36:29 ID:???


231通常の名無しさんの3倍:2007/08/23(木) 23:47:58 ID:???
いいわーwここの変態仮面。どうせならヘルメットだけじゃなく服全部脱いだ方が(ry
232通常の名無しさんの3倍:2007/08/24(金) 00:49:01 ID:???
変態仮面はハイマニューバのことを彼女と呼びプロヴィデンスのことを彼と呼ぶ

つまりレジェンドはハイマニューバとプロヴィデンスの子だったんだよ!
233通常の名無しさんの3倍:2007/08/24(金) 14:19:37 ID:???
GJ
いや、ここで天帝はΞとハイマニュとの子だと言ってみる
234通常の名無しさんの3倍:2007/08/24(金) 17:15:27 ID:???
GJ

え?ハイマニュは連合から奪ってきたG5機に犯されたんでしょ?
235通常の名無しさんの3倍:2007/08/25(土) 10:05:46 ID:???
>>234
HM:「しゅごい!ビーム兵器しゅごいぃぃぃlッ!!」
HM:「いひッ!PS装甲いひっっっッッ!!」
HM:「らめぇぇぇぇぇェ!!ガンダムできちゃうぅぅぅぅッ!!」

こうですかわかりませn(ry
236通常の名無しさんの3倍:2007/08/25(土) 14:54:06 ID:???
>>235
つまりそれでドレッドノート、自由、正義が生まれたわけですね。

ラウゲイツはハイマニュとシグーの子?
天帝はラウゲイツとドレッドノートの子?
237通常の名無しさんの3倍:2007/08/29(水) 13:18:20 ID:???
昼飯ついでに保守
238通常の名無しさんの3倍:2007/08/30(木) 21:59:14 ID:???
保守
239通常の名無しさんの3倍:2007/09/02(日) 22:21:11 ID:???
保守
240通常の名無しさんの3倍:2007/09/05(水) 13:15:15 ID:???
クルーゼが素敵…保守。
241通常の名無しさんの3倍:2007/09/08(土) 20:12:51 ID:???
ハヒフへ保守
242通常の名無しさんの3倍:2007/09/11(火) 11:00:52 ID:???
保守
243通常の名無しさんの3倍:2007/09/11(火) 21:23:34 ID:???
上げるぜ!
244通常の名無しさんの3倍:2007/09/14(金) 18:32:31 ID:???
保守
245通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 04:35:03 ID:???
246通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 16:57:01 ID:5g6heiCV
ほし
247通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 17:12:01 ID:j6IlRvD5
〉〉500
248通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 20:56:43 ID:???
?ロングパスか?
249通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 18:29:38 ID:???
あげ
250通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 20:07:05 ID:???
保守
251通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 20:20:45 ID:???
保守&あげ
252通常の名無しさんの3倍:2007/09/28(金) 23:58:46 ID:???
ほしゅ。
253通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 18:34:20 ID:???
保守
254通常の名無しさんの3倍
ほしゅー。