種・種死のキャラがX世界に来たら 月の公転2周目

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1通常の名無しさんの3倍
スレの運営につきましてはマタ〜リと進行しますのでよろしく
荒れ防止のため「sage」進行で

前スレ
種・種死のキャラがX世界に来たら
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1153316471/

兄弟スレ
種・種死の世界にXキャラがいたら-コーヒー22杯目-
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1165036788/

まとめサイト
GX-P 様
ttp://aw0015.hp.infoseek.co.jp/
GX-P 「ディスティニー in A.W.0015」
ttp://aw0015.hp.infoseek.co.jp/DinAW/DinAW.html#ss
2通常の名無しさんの3倍:2006/12/06(水) 11:10:04 ID:???
2
3通常の名無しさんの3倍:2006/12/06(水) 12:13:59 ID:???
私の>>1乙は凶暴です
4通常の名無しさんの3倍:2006/12/06(水) 17:14:59 ID:???
ヒャア がまんできねぇ >>1乙だ!
5通常の名無しさんの3倍:2006/12/06(水) 20:29:02 ID:???
>>1
新スレ乙!
6保守作品4:2006/12/06(水) 20:51:52 ID:???
おれはGX1/144氏やSEED−X氏が来るまで保守し続ける。
ってことで構想時間=文章作る時間と同じなテキトー作品投下。

 酒があればな───
 アベルの昇進祝い兼送別会を執り行ったが、いかんせん出撃待機の状態である。
 酒を飲んで無礼講などできるはずもない。
 元々セインズアイランドで休養だったはずなのだが、島はゾンダーエプタへの援軍に送
 られる極東軍の補給場所になってしまった。
 まったく世の中は巧くいかないものである。

 それでも慌ただしい最中、別れを惜しみ、ささやかな宴を行ったことは意義のあること
 だとシンは満足していた。
 ようやくアベル=バウアーも正当な評価を受けられる時代になったという事だ。
 もしも、彼がニュータイプになれれば二階級特進もありうるという話に部隊員は我が事
 のように喜んだ。ニュータイプは無理だとしても昇進の可能性があるというのは士気に
 関わる。
 シンも散々上申した内容が受け入れられ、老人たちだと腐った目で見ていた上層部を多
 少見直す気持ちになっていた。

「正直少尉がいないと不安でたまりませんよ」
 宴というコトもあり年長者に対する姿勢でシンはアベルと会話をしていた。
「それは謙遜ですよ、中尉。
 今まで中隊が結果を出せたのは間違いなく中尉のおかげです。
 それは全員理解しています。
 中隊の初陣の後など、中尉がニュータイプではないかと皆囁いていましたよ」

 その昔話にシンは苦笑いを返す。
 瞳の紅い人間など自然に生まれるはずも無い。戦争末期に生まれた、遺伝子を改造され
 た人間などというものは、十人が十人ニュータイプという言葉を連想するだろう。
 人より何かしら優れた特徴があると、とりあえずニュータイプに類する存在というコト
 だ。
 そういった評価を受ける中、シンはCEで生活していた頃に見た、オリンピック選手が
 全員コーディネイターだと疑われたという話を自分に重ねていた。

「今だから言えますが、自分達より遥かに若く、年端もいかない強化人間が隊長だと言わ
 れた時は、暗澹たる気分でしたよ」
「やっぱり、そう思われてましたか……
 いえ、確かにその通りだと思いますよ」
「勘違いしないで下さい、出会った頃はです。
 ここまで命を助けられておきながら、若いから認めない。
 などというような恥知らずなど中隊にはおりません」
 アベルの断言にシンは居心地が悪かった。生意気だと言われれば反骨心で頑張るが、
 手放しでほめられると調子が狂う人間なのだ。
7保守作品4:2006/12/06(水) 20:53:28 ID:???
「しかし私にニュータイプの可能性があるとは、二日酔いの夢でも見ているようですな。
 考えただけでビットが動いたり、巨大なモビルスーツを意のままに操るなどという話は
 自分には縁のないことだと思っていましたよ」
「一人で戦局を揺るがす超兵士ですか、まさしくヒーローですね」
「中尉とて、時折その超兵士だと思うような動きをしているではありませんか?
 あの状態の中尉相手では誰が戦っても勝てませんよ。
 さっきも言いましたが、皆ニュータイプだと勘違いしたのですから」

「あれですか、自分でも良く分かっていないんですけどね。
 極度の興奮状態に陥ると無我夢中で発動するようです。
 ムラが多すぎて兵士としての完成度を逆に落とすとか、指揮官にはむかないとか、
 所詮ニュータイプの出来損ないだとか、散々言われましたよ。
 あの研究所の人たちはフラッシュシステムに対応しない限り、
 評価には値しないようですから」
 対応したとしてもモルモットになるだけじゃないかとは、これから調査を受けるアベル
 には言えるはずもなかったが……。

「雲を掴むような話ですよ、自分は一介の兵士だと思ってこの年まで生きて来ましたから。
 ニュータイプに覚醒すれば、違う世界が見えるのでしょうかね」
 あの大尉が話した覚醒した兵士はまだいないという情報のせいか、あまり自信はないら
 しい。とはいえ自信がなくとも意欲はあるらしく、こっそりスプーン曲げに挑戦してい
 たという情報は既に知れ渡っていた。
 知らぬは本人だけということだ。
 
「自分達と戦った人間がニュータイプだったとなれば、一生自慢できますからね。
 皆少尉には期待してるんですよ」
「プレッシャーをかけないで下さいよ中尉」
 そんな掛け合いを楽しみつつ宴の時間は過ぎていった。


 翌朝アベル=バウアー少尉を乗せたシャトルは、
 部隊員の最敬礼に見送られ、セインズアイランドを後にした。


なんか文章が”た”で終わるのがやたら多い、文才無いな自分。
初めて二次創作やってみたけど、やっぱりちゃんとした文章書ける人はすごいわ……
8通常の名無しさんの3倍:2006/12/06(水) 21:04:55 ID:???

                              /_,-――- 、:. 、.  \
                             //, -――‐- ヽ:. ヽ::.   ヽ
.                            //~、::...  、::... ヽ:.!:: ! jュ、 |
                           /:.{.:. !ヽ::.. !\:.×. !:: |ィ_|_> │
                            |::i:.レヘトレヽ| /ヽハ|:: |、!」」 ! !
         _,,.. -‐ァ               !::|: |:.!trz   ィテカ`|::.. |ノ: .:. | | SOS団団長涼宮ハルヒが>>8ゲット
.     r ‐ 二 ==ll │              ヾヽヽ!  `     |:::. !:::: ::::: | !なんか文句ある?
      |"~r-‐ ァ ‖ |                Vヽ::\ つ     !::.ノ::!:::l::. /リ
     │ L.-‐  ‖│                レヽ> -ィ´  レリ、ノ::/レ'
      !.     ‖│                  `┐/     / レ' ニ=、
      |      ‖│                ,-/~レ-―-/ / /  ヽ
.      |.     ‖│                /〃 /ニニミ/ // //    !
      !   ∧. ‖│               ,l ||| /   / // //     |
.      │  /:::ヘ. ‖ |               { ||| !  / ィ / |/     イ
古泉>1樹 SOS団の大黒柱よ!期待してるわ!
た>2川 流   私のおかげで食べていけるんだから、感謝しなさい!
朝比奈>3くる  アンタ見てるとなんかムラムラするんだけど?
キ>4ン      もっとさっさと動きなさい!
>5ンピ研     これからもSOS団のために働いてもらうわよ!
後藤>6らこ    "ゆうこ"じゃIMF変換できないから、こう呼ぶことにするわ!
>7が門有希   キョンとたまに何話してるの?
朝>9ら涼子   アンタの尻尾絶対つかんでやるんだから!
い>10のいぢ   アンタの絵最高やわ!

>>11-1000 この中にDQN・厨房・変態・ロリコンがいたら
        私のところに来なさい。
9通常の名無しさんの3倍:2006/12/06(水) 22:18:49 ID:???
>>7
GJ!
部屋で一人でスプーン曲げやってるアベルに不覚にも萌えた
10GX1/144 ◆nru729E2n2 :2006/12/06(水) 23:33:09 ID:???
完 全 復 活 !! 体調は万全だぜコンチクショォー!!
てな訳で帰ってまいりました…。ま、まだまだ忙しいですが
>>1 スレ立て乙!
>>6-7 新人おいでませ!! 一緒にスレを盛り上げよう

第四十四話『現実では、何が起こるかわからない』(前編)

「シィィィィンッ!!!」
海中に沈んでいくコックピットの中で気を失っていたシンには、ガロードの叫びは届かなかった。
 大破したディスティニーが海底に沈み終わる頃、GXとエアマスターはぶくぶくと泡立つ海面上空に到着した。
ディスティニーを形作っていたVPS装甲は細かく砕け散り、破片は色を無くし海面にぷかぷかと浮かぶ。
腕や胴体などの大半のパーツは気泡を撒き散らしながら海の底へと沈んでいった。
『こぉんのやろぉぉぉ!!』
 ウイッツはシンを倒されたことに激怒し、ヴァサーゴたちに対して怒涛の勢いでライフルのトリガーを引く。しかし怒りのままに放たれる攻撃が当たることはない。
『怒りに震えるその手で、我々を倒す事ができると思っているのか?』
 シャギアはいつも以上に余裕を称えている。オルバも同じようにあざ笑いながらエアマスターの攻撃を回避し続けた。
『ほらほら、さっさと助けてやらないとパイロットが死んでしまうよ?』
『くっそぉぉ!! おめぇらだけは!!!』
左のこめかみに血管を浮き立たせたウイッツはひたすらにライフルのトリガーを引き続ける。回避行動を続けるヴァサーゴの隙を狙って、GXもビームサーベルで切りかかった。
「よくもシンを!!」
『我々は彼にふさわしい終わりを与えただけだ。』
「終わりだと!?」
 ヴァサーゴもサーベルを引き抜きGXが振り下ろすサーベルを受け止める。両者のサーベルは激しく火花を散らした。
『彼の使っていた大剣は”クラウ・ソラス”という銘だということはお前も知っているだろう?』
「それがどうした!!?」
『だから、貴様達の目の前で闇に沈めたのだ!!』
互いに弾きあい距離を置く。エアマスターとアシュタロンもそれぞれGXとヴァサーゴの後に回った。
『クラウ・ソラス、古代ケルト人が残したケルト神話における代表的な武器の一つだ。形状などの詳しい記述はないが、
多くの文献で”敵を逃がさない不敗の剣”として語られている。』
「”不敗の剣”?」
ガロード達は距離を置いたままお互いに牽制しあい、戦況はわずかの間膠着状態に陥った。お互いに隙をうかがい、ただ時間だけが過ぎてゆく。シャギアの講釈は続いた。
『魔槍ブリューナク、戴冠石リア・ファル、中身が尽きることない魔の釜ダグザ、そして光の剣クラウ・ソラス。
これらは”エリンの四宝”と呼ばれ、それぞれが祭られていたエリンの民の住む土地では信仰の対象となった。』
『へッ! 知ったことか!!』
 シャギアの講釈に付き合うほどウイッツは気長な性質ではない。だが、ヴァサーゴの後に控えるアシュタロンが目を光らせており、
なかなか必殺の一撃を放つタイミングをつかめないでいた。
『クラウ・ソラスの持ち主、銀の腕のヌァザは優れた王として民のために働いていた。だが…。』
『最後の戦いで、援軍が到着する寸前に彼は闇の竜クロウ・クルーアッハによって闇の世界に葬り去られてしまうのさ。ちょうど、さっき僕らが彼を海に沈めたようにね。』
「…それがどうした…!」
ガロードは焦りと苛立ちを隠すように低い声で口を開いた。操縦桿を握る手には力がこもり、ギリギリと音を立てながらわずかに震えている。
「たとえ武器の名前がなにかの物語の物であっても、それを使っているのはヌァザなんて奴じゃない! シンはシンだ!!」
『そう、所詮は物語だ。現実では、何が起こるかわからない。』
ヴァサーゴとアシュタロンはGXとエアマスターに背をむけ、一気に島へと戻ってゆく。そして、一条の光が空からのびてきた。
11GX1/144 ◆nru729E2n2 :2006/12/06(水) 23:36:31 ID:???
第四十四話『現実では、何が起こるかわからない』(中編)

『我々が倒したのはヌァザではない。』
『そして、君も援軍に現れた光の神ルーじゃない!』
白い半月の月から伸びる一条の光は、島の港に立っている1体のMSの胸へと到達する。
その姿を見たガロードも、ジャミルも、そしてフリーデンのすべての面々が目の前に突きつけられた絶望を肌で感じることとなった。
「あれは…、サテライトシステム!!」
『その身で感じるがいい! 15年前、世界を変えた破壊の光を!!』
漆黒の闇を断ち切るかのように、月のマイクロウェーブ送電施設からGX-9901”ガンダムダブルエックス”の元に真の力が到達した。
 エネルギー受け、胸部の受信部は碧色の光を放って暗い闇の中でぼんやりと機体の輪郭をあらわにする。マイクロウェーブが到着しエネルギーがチャージされ始めると、
背面に展開された6枚の金色のリフレクターは月の光をかき消すほど強い光であたりを照らし出した。さらに脚と腕に取り付けられた
廃熱フィンからはその有り余るエネルギーが吐き出され、あたりの温度をどんどん上昇させる。
ガロードはそのダブルエックスの姿にまがまがしさを感じた。


『フリーデンに告ぐ! 今すぐ武装を解除し、全面降伏せよ!! 返答は3分以内、返答なき場合は攻撃を再開する!!!』
アイムザットは満足げにマイクから口を離した。だが、傍らで計器を見守る仕官の表情は険しい。
「良いんですか? そんなこと言ったって、撃てはしませんよ? まだダブルエックスは完成していないんですから……。」
「普通の人間相手ならば、こんな脅しは通用しないだろう。だが、相手がジャミルニートならば、効果は十分だ。」
ジャミルはGXに乗って15年前にこの引き金を引いている。その引き金の重さも、恐ろしさも骨身にしみている数少ない人物であった。
「きっかり3分、カウントしておけよ。」
「ハッ!」
「敵艦より信号弾、上がりました。!!」
別の士官の声に、アイムザットは正面ディスプレイに目を移す。そこには、フリーデンから上がった全面降伏の印があった。
「これで、すべてが私の思うままだ…。」
 彼の大きな歓喜の笑い声が司令室全体に響き渡る。参謀本部から来たデストロイを敵に破壊されたという点はマイナスになるが、
フリーデンを拿捕した功績はそれを差し引いても余りあるものだ。15年前のガンダム3機にニュータイプとニュータイプだった者、
そしてあのキラ・ヤマトと同じ遺伝子操作を受けたと思われる人間。
 これだけの土産を持っていけば参謀本部など掌握したも同然、戦後の世界を完全にわが手にできるという確信は、彼の笑い声をさらに弾ませた。
12GX1/144 ◆nru729E2n2 :2006/12/06(水) 23:38:42 ID:???
第四十四話『現実では、何が起こるかわからない』(後編)

「どうだい英雄さん、過去の自分と戦ってボロ負けした気分は?」
ブリッジのジャミルの席の横で銃を突きつけるカトックは口の端を吊り上げてククッと笑った。
サングラスをかけたままのジャミルの表情はうかがい知ることは難しいが、わなわなと震えている所をみると悔しさが後から後からわいてくることは容易に感じられた。
「俺は認めない。あんたらニュータイプも、俺の家族のいた連邦のコロニーに対してためらいなく引き金を引いたあんたも。だから、
俺の家族に向けられたあの銃口の前にあんたを引っ張り出した。そして、あんたは昔のあんたに負けた。あんたの、”大負け”だ。」
カトックの目はずっとジャミルを睨みつけている。彼にとってジャミルは、旧連邦軍時代の英雄であり、
彼ら一般兵の期待を裏切った大罪人であり、彼の妻と娘を殺した仇であった。
「…完敗だ……。捕虜になれば、どんな目に遭うか…。明日の夕日は見られないかもしれんな……。」
風に揺れる小さなろうそくの火のように消えそうな声でジャミルは言葉を漏らす。
 ジャミル達が探していた”GXを持ったニュータイプ”、それはジャミルが15年前に搭乗し、戦争の最終局面に使用された彼にとって忌まわしい過去の記憶そのものであった。
確かに機体そのものはGXからダブルエックスへと改修され、面影として残っているのは胸部にあるマイクロウェーブ受信部のみである。だが、外見が変わっても中身はかわらない。
過去のパイロットデータも、最初に無人の月面マイクロウェーブ送電施設から発行されたサテライトシステム登録IDも、最悪の結果を招くことになった狂気の力も。

プシューッ!

突然、ブリッジ入り口のドアが開く。その音にカトックはすばやく反応し、進入してきた人物の腕を取った。
「……なんだ、お譲ちゃんじゃねぇか…、…ん?」
扉の向こうから占領されたブリッジに突入してきたのはティファであった。
膝下近くまである紐でまとめた長い髪を揺らしながら入ってきた彼女はカトックに腕を取られ、動きを止める。
 カトックに腕を取られたおかげで、彼女は両手に抱えていた一枚の『絵』を落とした。
「なんだ?」
ティファの姿を見て彼女を無害と判断したカトックは彼女が落とした絵画を手に取る。その彼の後ろで彼女は彼には信じられたい言葉を口にした。
「あなたの為に描きました…。」
絵を目にしたカトックは自身の目を疑った。そこに描かれていたのは、彼の死んだ妻と幼い娘の姿であった。互いに手をとって楽しそうに笑う姿は驚くほど鮮明で、細かく描かれている。
「こ、これは……!!!」
無論、ティファが彼女たちを写生したわけではない。今となってはかつての姿を残すのはカトックの持つ一枚の黄ばんだ写真だけである。
驚いたことに、絵の構図はカトックが持っているその写真とまったく同じ構図だった。
 絵を持ったまま、カトックはティファに顔を向ける。ティファはカトックが止めた場所から動かずに静かに佇む。
「わたしは、あなたに信じてほしい。」
偽らず、静かに、だが確かに彼女は自分の本心を伝えた。
13通常の名無しさんの3倍:2006/12/07(木) 00:26:10 ID:???
>>10
GX氏、乙でつ!
全快、おめでとう。でも、ぶり返しには気をつけてくだせぇ。
14通常の名無しさんの3倍:2006/12/07(木) 00:33:09 ID:???
祝快復GJ!
15通常の名無しさんの3倍:2006/12/07(木) 00:35:19 ID:???
>>1
>>7>>GX氏GJ!
俺も胃腸風邪で今やばいです…
みなさんも風邪ひかないようにね
16通常の名無しさんの3倍:2006/12/07(木) 18:10:25 ID:???
ここのDXはジャミルのGXを回収して造ったんじゃなくて、
GXを改修して造ったっていう設定でいいの?
17保守作品5:2006/12/07(木) 20:49:25 ID:???
保守った甲斐があったってもんです。流石はスレの代名詞GJです。


 アベルを見送った中隊は、出撃の準備に余念が無かった。
 相手はガンダムを三機所有しているという、言うまでもなくガンダムは旧連邦軍の象徴
 ニュータイプのみが乗ることを許されたという、フラッシュシステムのキーユニットに
 して、ワンオフ機だ。
 コストを度外視して造られたそれらは、革命軍のニュータイプ達と熾烈な戦いを行い、
 多大な戦果を挙げたという。
 今現存するガンダムでビットモビルスーツと共に現れたという報告は上がっていない。
 故にその三機に、旧連邦のニュータイプ部隊の生き残りが乗っている可能性は低い
 といえる。
 だが、確実に乗っていないとも言えない以上、それらと戦いをするということは前大戦
 の英雄にして、15年間戦い抜いたエースパイロットを落とさねばならないということだ。
 極東軍の戦力で押し込んだとしても、犠牲は、必ず生まれる。

 新入りを交えた訓練をしている最中、出撃の命は下され、中隊は移動用の空母にバリエ
 ントを格納後、機体に乗り込んだままゾンダーエプタへ向かった。

 狭く重苦しいコクピットの薄暗い明かりの中、シンは自分は震えているのを感じた。
 ガンダム───
 脳裏に家族を灼きつくした、自由の名を冠したガンダムが浮かんでくる。
 あの日から、シンはモビルスーツという鋼鉄の力に圧倒的な渇望を抱くようになった。
 オーブはアスカ家を裏切ったが、それでもオーブを愛する心は消えることは無く。
 憎みきることも、悲しみを飲み込むこともできずオーブから逃げた。
 あの時代コーディネイターが安全に暮らせる場所はプラントだけであり、移民した彼が
 職を得ようと考えた時、プラント軍としてモビルスーツパイロットを望んだ。
 戦争を起こさせないような権力よりも、あのガンダムのように、そう究極の自由を実行
 できる剣にして盾となる鋼の暴力を欲した。

 思考の海に沈むシンの耳に、アラームが鳴り響く。
「戦闘中域に到達した、アスカ中隊、出撃せよ」
 前方の隔壁がゆっくりと開き、月光の満ちる夜の空へ中隊は飛び立っていった。
18保守作品5:2006/12/07(木) 20:50:42 ID:???
 大隊規模で編隊行動を行いゾンダーエプタに接近する。
 標的のバルチャー艦を捉えたとき、シンは、否、全てのパイロットは見た。
 自分達に2門の、長距離射程であろうキャノンを構えるガンダムを。
 遥か遠い距離だ、モビルスーツに搭載される砲ではあの距離の命中率とビームの減衰率
 を鑑みれば、脅威にはなるまい。
 そのはずなのに、標的とされたパイロット達は一様に、死神に睨まれたかのように恐怖
 を抑えられなかった。
 
 月光を貫いてレーザーがソレの胸に吸い込まれる。
 その直後、月よりすさまじい規模の”力”が打ち込まれ、ソレの各部が開き放熱を始めた。

 その姿、その圧迫感。エックスを背にするガンダム。
 ガンダムX───
 突如として、シンの頭に恩人であるカトック隊長の言葉が思い出された。
『オレの家族はガンダムXに、ジャミル=ニートにコロニーごと吹き飛ばされちまった』

 今アレがコロニーの代わりに狙っているものは……
 
 光が奔った。
 
 その砲身から放たれた破滅の閃光は大隊を灼くことはなく。
 ゾンダーエプタを根こそぎ吹き飛ばした。

「外れた、……いや外してくれた」
 シンは自分の心臓がやけにうるさく響く中、独り呟いた。

 極東軍は完全に竦み上がった。アレと戦うなぞ狂気の沙汰だ。
 あんな化け物に突撃なぞ誰がしたいものか。
 恐怖が伝染し兵士の勇気を踏みにじった時、撤退命令が下った。

 撤退行動をとりながら、ただの一人の例外無く兵士たちは自分が生きていることに安堵した。


公式ホームページ見に行ったらメカニック紹介のガンダムXに
>サテライトシステムの初動時における回線接続は、このフラッシュシステムによる
 サイコミュ通信でしか行われないものであった。
という記述があったので、サイコミュが既存技術だと自分を納得させることにした。
19通常の名無しさんの3倍:2006/12/07(木) 23:02:34 ID:???
お二方更新乙、そして添削

>>10
上3〜5行目
文章の流れとしては、沈→浮→沈よりは沈→沈→浮の方が好ましい、かな。難癖レベル

>シャギアはいつも以上に余裕を称えている | 湛えている

>GXもビームサーベルで切りかかった その他
GXはビームソード、まぁ細かいか

>>11
>脚と腕に取り付けられた | 文章としては、順序が逆

>相手がジャミルニートならば | ジャミル・ニート
20SEED-X:2006/12/08(金) 23:28:23 ID:???
えっと、投下しようとしたら新スレだったんですね…
気を取りなおして。


第2話 「どの世界でも悲惨なものだな…」


アスランがジャミルの提案を受け入れ、フリーデンで生活し始めてから1週間が過ぎた。
スタッフはまだ名前と顔が一致しないメンバーも多いが、ブリッジのメンバーやMSパイロットの3人に順番に質問攻めにあったためアスランは意外と早く彼らと打ち解けることが出来た。
その際にGXが1撃でプラントを破壊できる出力の兵器を装備していたと聞いて度肝をぬかれたのは言うまでもない。


現在、フリーデンは船内・船外共にとても騒がしい。
というのも、昨夜ガロードが月から送信され、水平線の彼方へ消える光線を目撃していたからであり。
それが事実ならば海の向こうにはサテライトシステムに対応するMSとニュータイプと呼ばれ、常人とは違う能力を持った人間が居る可能性が極めて高い。
ニュータイプを保護しているジャミルはソレを見過ごすことは出来なかったようだ。
そのために今は海を渡るための物資補給の真っ最中なのである。
だが、アスランは何もしないで与えられた自室で休んでいる。
その理由は一目瞭然である。
アスランの左腕はギプスで固められて包帯が巻かれているため、手伝いを申し出ても皆が
「ケガ人を働かせるわけにはいかない」
と断ってくるのだ。
アスランは怪我をした左腕を見つめ、ためしに机の上にあるぼろぼろになったパイロットスーツに手を伸ばす。
普通ならまっすぐに手を伸ばせばスーツを容易に掴める距離だ。
しかし左腕に鈍い痛みが走り、手が届くことはなかった。

「これじゃ、役に立てないのも当たり前か」
そうアスランは呟き、ベッドに横になった。
21SEED-X:2006/12/08(金) 23:30:40 ID:???

「お〜い、アスラン! アスラン!?昼飯だぞ〜〜」
ガロードが部屋の扉を叩く音で目が覚める、いつの間にか寝ていたらしい。
「……ガロードか、すまない寝ていたみたいだ。ティファを連れて先に行っててくれ」
「おう、待ってるからな」
アスランはガロードに返事をしてからベッドから起き上がる。
「今は何を考えても無駄か」
ため息を漏らしつつアスランは食堂へ向かった。

「お〜、やっと来たなアスラン」
「来たね〜色男君」
「こっちだぜ」
MSパイロットの3人とティファが合い席で昼食を食べていた。
6人が座れるテーブルの向かって右側にティファとガロード、反対側にウィッツとロアビィが座っている、そしてロアビィのトレーの横には食品が手付かずのトレーがあった。
「おめえの席はここだ」
ウィッツに促され指定された席に座り、4人に少し遅れて昼食を取る。
「なあ、アスラン。向こうの食事ってどんな感じなんだ??」
急にガロードに質問された。
「ああ、最前線の基地の食事はココと同じだ。でもプラントの普通の家庭ならもっとおいしいモノを食べられるな」
「最前線か…やっぱ違うんだな」
「すまない、自慢するようになってしまって…」
「いいって、聞いた俺が悪いんだ気にすんな」
「ああ…」

少し場の雰囲気が悪くなってしまった。と思ったところにキッドが駆けてきた
「お〜いガンダム坊や、ちょっと来てくれよ」
「なんの用だ?」
「大したことじゃないらしいんだけど、ジャミルが呼んで来いって。」
「わかった。ティファごめんな、ココまでしか一緒に飯食えなくて」
「ううん、お仕事だもの。頑張って」
「おうっ!! じゃあ行ってくるぜ!!!」
22SEED-X:2006/12/08(金) 23:32:27 ID:???
ガロードを始めとしたMSパイロットの3人といいキッド、ブリッジのトニヤと、こんな荒廃した世界なのにあんなにも元気で活力にあふれる人間が居るものなのだろうか?
いや、これぐらいのバイタリティをもたなければ世界で生き残ることは出来なかったのかもしれない。
今までの彼らの様子を見て、アスランはそう感じていた。

そしてこの世界の様子を聞かされてからはプラント・連合間の戦争も大量破壊兵器の撃ち合いの結果、
この世界のようになる可能性があるということを今まで1度も考えもしなかった自分を情けなく思った。
たしかに核ミサイルの使用は自分が覚えている限りNジャマーによって抑制されてはいるが、
それ以外の方法で大量殺戮を行える兵器が開発される可能性が無いわけではない。
たしかに父をはじめとした議員たちもそういった可能性があるということは知っていると思う、
でも実際にそうなったら…その先は誰にも分かっていない。この世界を見た自分だけがその1例を知っている。

だがそれを伝えようにも自分には元の世界へ帰る方法はもちろん、有能な情報も何一つ手に入っていないのである。
唯一この世界で役に立てる可能性があるMSの操縦スキルも乗るMSが無ければ宝の持ち腐れだ。
ましてキラを殺したことを自分はまだ引きずっている。
表情には出さないではいるが、心の奥底では自分がMSで戦うことによって敵味方関係なく、また大切な人を失うのではないかと恐れている自分がいた。
それでもフリーデンの人間は自分にとってこの世界で唯一の『仲間』である。
せめて、彼らを守るとまでは行かなくとも何か役に立ちたい。そう思っていた。
「あ〜〜っと、アスラン!!」
ガロードへの伝言を終え、MSドックに戻ろうとしていたキッドが体を翻しアスランに声をかけてきた。
「なんだ!?」
俯いていたアスランは慌てて顔を上げて返事をした。
「アスランと一緒に見つけたガンダム…あの灰色の機体だけどよ、修理してみるか??」
「出来るのか?」
「100%元の姿にするのは無理だけど、ちゃんと戦えるようにしてやるよ。俺様に任せとけって」
アスランは自問自答する。
仮に修理されたとして自分は戦えるのか? しかもあのMSは己が殺したキラの機体だ。
ただこの世界ではバルチャー同士や時には軍とのMSによる戦闘がたびたび起こる。
そう考えるとせめて最新鋭機であったストライクを修理しておけば盾になることぐらいは出来るだろう。

アスランは決断した。
「……頼む。」
「じゃあ昼食を終えたらドックに来てくれよ、詳しく話したいんだ。」
「わかった。」

アスランは承諾し、少し急いでパンをほおばる。
しかし喉にパンを詰まらせてしまい、ロアビィに救われた。
23SEED-X:2006/12/08(金) 23:34:37 ID:???
そんなこんなで、食事を終えたアスランがMSドックを訪れる。
そこではキッドをはじめとしたメカニックの面々がせわしなく働いていた。
アスランが目線を上げた先には灰色の装甲でななく、ところどころが損傷したフレームのみの姿になったGAT-X105「ストライク」があった。

「来たな〜待ってたぜ」
アスランを見つけたキッドが駆けてくる
「詳しい話って?」
「ああ、このMSって起動させようとするとディスプレイに表示されるあれなんだけど、設定とかはアスランにやってもらわないといけないんだ。
もちろん俺が設定しても良いんだけど最適な設定はアスランが一番良く知っているだろうから、そっちの方が良いだろ?」
「たしかに…ってキッド、お前あのOSの設定がわかるのか?」
「ああ、ちょっと複雑だけどパターンが分かれば大丈夫だと思う。ただどんな設定が一番良いのかは俺には皆目検討がつかないしね」
「分かった。で、今アレはフレームだけになってるがどうするつもりなんだ?」
「あ〜、元から付いてた装甲。PS装甲だっけ?あれはすごくエネルギーを消費するから胸部以外はドートレスとかのと同じ材質になっちまうね。
まあ基本的にこっちの世界だとビーム兵器も入手しやすいからPS装甲の『物理攻撃が効かない』っていう利点があまり無いし。
出来ればルナチタニウム使ってやりたいんだけどこの前GXを大幅に改修した際にストックをかなり使っちまって今は無いんだ。
それでも、胸部とか重要なパーツ周りはルナチタニウムにしておくから1発でやられるってことは無いと思うぜ。」
「それで十分だ。でPS装甲を使わなければ稼働時間はどれぐらいになるんだ?」
「ちょっと待ってくれよ。」
キッドはつなぎのポケットから1枚の紙切れを取り出した。それにはびっしりと細かい文字列が並んでいる。
「え〜っと、バッテリーが満タンの状態でPS装甲を基準値の設定で起動・ビームライフルを1分に5発撃つとすると、持って10〜15分。PS装甲を使わなければ今のままでも20分〜25分だな。」
「そんなに稼動限界が伸びるのか?」
「ああ、こっちの世界のMSの装甲材に比べてPS装甲に使われる素材が重過ぎるんだよ。それが無駄にエネルギーを使う原因になってるんだ。機体重量が減るだけで意外と持つようになるよ」
「そうか、どれくらい軽くなる?」
「ロココ、ナイン!コイツのデータ集持っててくれ〜」
「「わかりました〜」」
メカニックのうちキッドの愛弟子とも言える2人が紙束を持ってくる。ストライクのデータが書かれているであろうそれの厚さは1cmはありそうだった。
24SEED-X:2006/12/08(金) 23:43:24 ID:???
その束にキッドは目を通していく。ふとキッドの目線が一箇所に止まった。
「え〜っと、ここだ。元の重量が約80トン、で装甲全部がルナチタニウムだと62トン。 普通の装甲素材も使うと……65トンってところだな〜」
「15トンの減量か。」
「スラスターの出力設定が前とはずいぶん違うからテストはしっかりとしてくれよ。」
「わかった」

アスランはふと自分が斬り飛ばしたストライクの左腕…とはいっても二の腕までしかない。を見つめる。
「左腕はどうするんだ?」
「左腕はコイツの周りに転がってたアスランの本来の機体の腕。コレを移植する予定。
基本のフレームは一緒みたいでアスランの機体の場合は共通のフレームの外部に余剰パーツが付いてるだけだから移植自体は難しくない。
ただやっかいなのが背中に背負ってる拡張バックパックなんだけど…全面改修にするつもり。」 
どうしてなんだ? ほとんど原型をとどめているじゃないか」

ボリボリと頭をかくような仕草をしてからキッドが応える。
「あのさ、コレって基本的に宇宙用の装備だろ?ソレを無理やり地上で使ってるからエネルギーのロスがすごいんだ、
宇宙では十分な出力でも地上で使えば機体の重量が仇となってジャンプしか出来ないみたいだし。」
「エネルギーのロスがそんなに激しいのか?」
「ああ、ウィングなんて重力下ではデッドウェイト以外の何者でもない。だから要らないね。かわりのスタビライザーは別に用意するよ。」
「で次なんだけど…」

キッドはまだまだ説明することは山ほどあるといった感じで話を進めようとしていた、しかしアスランは立ち話を延々と聞かされるのかという不安を抱き、キッドに言う。
「すまない、今日はまだ用事があるんだ。 説明するのは改修が終わってからで良いから、全部キッドの好きにしてくれ。」
「いいんだな?  OK、この天才キッド様に任せておけって!!!」

そうして意気込んでストライクに飛びついたキッドを見送り、MSドックを後にしてアスランはテクスの居る処置室へと向かった。


ドアをノックするとテクスが顔を出す
「どうした?傷が痛むのか?」
「いえ、そうでは無いんですが…」
「うむ、話を聞こうかな?」
25SEED-X:2006/12/08(金) 23:45:07 ID:???

俯くアスランを見てテクスは部屋に入れ、そしてアスランにマグカップを渡す。
「ブラックで良いかね?おっと、アイスコーヒーには似合わないマグカップだが気にしないでくれ」
「大丈夫です。」

気温が高かったためかテクスが煎れたアイスコーヒーはアスランの喉を潤すと共に頭をすっきりとさせてくれた。
「落ち着いたかな? でどんな相談ごとだい?」
「俺、この前話した此処に来る前の戦闘で…友人を自分の手で殺しました。」
「それは初耳だな。 それは本当なんだね?」
「はい。 ただあいつも俺の仲間を殺してます。」
「どの世界でも悲惨なものだな… 戦争というものは」
「はい。」
「で、君は彼の遺体を見たのかね?」
「遺体を見たわけではありません。ただ俺のMSを自爆させた時、確実にアイツはハッチの無くなったむき出しのコックピットに居たんです。だから助からないだろうと…」
「そうか、だが君はその時点では彼を救おうとは思わなかったのだろう?」
「はい、怒りだけが思考を支配していて、あいつ…キラを殺す気でした。」
「人は誰もが過ちを犯すものだ。 大事なのは過ちを犯した後どうするか…だな。罪を償うのか、はたまたその罪を隠したまま、それを一生背負って生きていくのか」
「過ちを犯した後、どうするか……」
「それは君自身にしか答えは出せないだろう。今の時点で私が助言できるのはここまでだ。だが、少しは気が楽になったかな?」
「はい、ありがとうございます」
「また悩みがあれば相談に来るといい、またコーヒーをご馳走しよう。」
「では。」

そうしてアスランがドアノブに手をかけた瞬間、フリーデンが揺れた。
「敵か?」
「ドクターはここに、俺が行ってきます。」
「あまり無理はするな、まだ腕は完治していないぞ」
「わかってます、では」
アスランはドアを開け、ブリッジへと走りだした。

〜つづく〜
26SEED-X:2006/12/08(金) 23:48:06 ID:???
補足というか、なんというか…
一応MSの重量に関してはwikiを参考にしています。
あとストライクと、Xの世界のMSの能力の差についてはあまり明確な差は無いと判断しています。
その辺を考慮しつつ今後は読んでいて抱ければと思います。
では。

27通常の名無しさんの3倍:2006/12/09(土) 00:14:46 ID:???
>>26
減った分でドートレス二機分だな
28通常の名無しさんの3倍:2006/12/09(土) 00:31:35 ID:???
SEED-Xさんお疲れ様。
次も楽しみにしてます。
29通常の名無しさんの3倍:2006/12/09(土) 00:34:08 ID:???
GJ、続き楽しみにしてるぜ!
30通常の名無しさんの3倍:2006/12/09(土) 00:34:52 ID:???
SEED-X氏久々の更新乙、そして添削

>パイロットの3人に順番に | 3人から の方が読みやすいかも。難癖レベル

>目撃していたからであり。 | あり、 か ある。 の方が文章としては忠実か。難癖レベル

>その理由は一目瞭然である。 | だった。 の方が自然か(直後が過去説明のため)。難癖レベル

>>22
>バイタリティをもたなければ世界で生き残ることは
後の流れを見ると この世界で の方がよいかも。難癖レベル

>有能な情報も | 有能では意味が通らない。有用の間違い?

>時には軍とのMSによる戦闘がたびたび起こる
この時点では新連邦軍との直接の接触はまだないのでは?設定に変更加わってるならゴメンナサイ

>>23
>このMSって起動させようとするとディスプレイに表示されるあれなんだけど、
あれ、が指すものがMSに掛かってしまっている

>コイツのデータ集持っててくれ〜 | 持ってきてくれ〜 ?

>>25
>相談ごと | 相談事

>また悩みがあれば相談に来るといい、またコーヒーをご馳走しよう
最初のまたは不要かも。難癖レベル
31通常の名無しさんの3倍:2006/12/09(土) 00:35:50 ID:???
おっと、最初の3つは>>21宛てで
32通常の名無しさんの3倍:2006/12/09(土) 00:36:38 ID:???
じゃない、>>22だよorz
33通常の名無しさんの3倍:2006/12/09(土) 00:50:01 ID:???
作品充実してきたな、スレも活気づきそうだ、SEED-X氏GJ!


そして添削慌て過ぎ、間違ったままだしm9(^Д^)プギャー
34通常の名無しさんの3倍:2006/12/09(土) 09:40:59 ID:???
>>20
復活おめでとう。ストライクがどうなるか楽しみだ。

(以下ちらしの裏)
……なんだけど、X300系列(変形機構付き)のフレームのイージスの腕は、
X100系列(いたってノーマル)のフレームのストライクに接合出来るんだろうか。
とか思ったけどX200系列のフレームのブリッツの腕がアストレイ金に接続されていた事を思い出した。
その上改造するのがキッドだから軽々とやれるんだろうな。
(ちらしの裏終了)
35通常の名無しさんの3倍:2006/12/09(土) 17:40:38 ID:???
つうか、投下が3つもあったのに何でここは盛り上らん…?
36通常の名無しさんの3倍:2006/12/09(土) 20:19:00 ID:???
Xを見た人が少ないと予想、X→種系ならXを詳しく見なくても
ゲームとかである程度知識が補えるけど
こっちはX本編を見ないととっつきにくいんじゃないかな
37通常の名無しさんの3倍:2006/12/09(土) 21:02:20 ID:???
>>35
GX氏:薀蓄&原作なぞり。GJとは思うけど、今回は大して面白く・・・
保守氏:保守と言い切ってる作品に対してあれこれ言うのは無粋だと思うので
SEED-X氏:まだまだ序盤。GJだけど、内容に対して云々言える段階じゃない

以上の理由から、俺の場合は「盛り上がりたくても盛り上がりようがない」だな
38通常の名無しさんの3倍:2006/12/09(土) 22:00:34 ID:???
皆さんGJ
下手に騒いで荒し呼び込むよりこのままのマッタリペースが吉と思うんだ
39通常の名無しさんの3倍:2006/12/11(月) 01:29:06 ID:???
GJ!
40通常の名無しさんの3倍:2006/12/12(火) 00:13:37 ID:???
すごく遅れたがGJです!!
41通常の名無しさんの3倍:2006/12/12(火) 12:23:17 ID:???
ttp://www2.odn.ne.jp/~aab20410/gazou/hyouji/M/DX.htm

プラモの画像なんだが…
42GX1/144 ◆nru729E2n2 :2006/12/15(金) 13:48:45 ID:???
投下予告

ジャミルたちフリーデン一行は、新連邦にとらわれてしまう
ティファと引き離されたガロードは、彼の置かれた理不尽な状況に吠える
だが帰ってきたのは、大人たちの冷たい洗礼だった

第四十五話『"大人"ってのがどういう物か……!』


今日PM10:00までには投下しますのでよろしく
ただねぇ… "無言の緊迫した雰囲気"って書くの難しいです
43通常の名無しさんの3倍:2006/12/15(金) 15:42:35 ID:???
今、期待で緊迫してる
44GX1/144 ◆nru729E2n2 :2006/12/15(金) 20:22:06 ID:???
今回の作品は頑張ったんだけど…、皆さんの期待に添えるかどうかなぁ…
つくづく自分の無力さが悔しい…

第四十五話『”大人”ってのがどういう物か……!』(前編)

「ダブルエックス、収容完了しました。」
「すぐに整備にかかれ。終わり次第システムのコピー作業を続行しろ。」
アイムザットは降伏したフリーデンの面々がいる格納庫に脚を進める。ジャミル・ニート以下フリーデンの全クルーは
それぞれ特定の人数に分けて牢屋に収容する方針だが、そのうちの3名は別の場所へ移送されることになっていた。
「海中に沈んだキラ・ヤマトの機体と同じシステムを持つ機体の回収はどうなっている?」
「既に回収しています。ヴァサーゴとアシュタロンによって破壊された腕部・脚部は損傷がひどく、修復できるかどうかは今の所なんともいえない状況です。」
「まったく、あいつらは加減というものを知らんのか? まぁいい、我々がほしいのは機体ではなくパイロットの方だからな」
彼が思い描いた『最強のニュータイプ戦士』の構想のための素材が増えたことに、表情は幾分緩んでいる。先に見える通路の出口からのびる光が、彼には栄光の花道のように思えた。


「全員両手を挙げて、こちらを向け!!」
「お前らはこっちの輸送車だ!」
「指示に従わない場合は容赦なく射殺する!!」
ガロードたちフリーデンのクルーは新連邦の兵士達に囲まれ、次々と輸送車に乗せられそれぞれの牢獄へと運ばれてゆく。
「チーフ!!」
「俺達どうなっちゃうんですかぁ!!?」
「みんな!!」
ロココとナインはキッドと別の輸送車に乗せられていた。動き出した車の中で、頼りになるメカマン軍団の頭であるキッドと離れることに彼らは情けない叫び声を上げる。
『チ〜フ〜!!』
「…あいつら、お前よりも年上だよな?」
「そんなこと関係ねぇよ!!」
大の男が護送車の窓から情けない声を出す姿にカガリはあきれた様子で見送った。輸送車は既に13台、次の輸送車でカガリたちも牢屋へと輸送されることになるだろう。
「お前は怖くないのかよ!? 皆と離れるのが!!?」
「怖がったところで、状況が変わるわけじゃないだろ……?」
 カガリは周りに不安を感じさせないように振舞っていた。彼女とて捕虜になった経験はないし、CE世界の捕虜の扱いに対する条約が
この世界でも適用されるなどとは思っていない。新連邦政府がどのような対応をするか、彼女とて不安なところは数えきれないほどあった。

アスラン…

 赤いシャツの胸元にぶら下がる指輪のついたペンダントを握り締め、今いずこにいるかわからない彼のことを思い出し自分を奮い立たせる。あちらの世界で戦っているのか、こっちの世界に来ているのか。
もう2ヶ月以上顔をあわせていないあのまじめすぎる男のことを思うと”こんな所で死ぬわけには行かない”という思いがどんどん強くなっていった。
45GX1/144 ◆nru729E2n2 :2006/12/15(金) 20:24:56 ID:???
第四十五話『”大人”ってのがどういう物か……!』(中編)

 周りを武装した新連邦政府の兵士に囲まれ、ガロードはわずかに萎縮していた。何度も敵に囲まれた経験はあるし、銃弾の飛び交う中でMSハントをやった経験もある。
だが、今回は逃げ場の無い敵陣で完全に包囲されている。武器もなく、取引をする材料もない。状況は絶望的と言っていい。
先の見えない状況に考えをめぐらせていると、ためらいがちに右手に触れる小さな手があった。
「ティファ…。」
ティファの手はガロードのそれと比べて、小さくとても華奢だ。自分に向けられた銃口を見ながら握られたその手は、目の前に突きつけられた恐さに震えていた。
「…大丈夫、心配しなくていいから…。」
 精一杯の強がりでガロードはティファを励ました。
クルーのほとんどが牢獄に送られ、身の危険を感じている。特に彼女はニュータイプの研究材料として重要視されていることは今更言うことではない。
新連邦政府からすれば彼女が生きてさえいれば他のクルーが何人死のうがどうでもいいことであった。
「お楽しみのところ、すまんな。」
 アイムザットは二人のそんな様子を眺めながら口を開いた。彼らが物語りの主役であれば、最後に永久の愛を誓って結婚式場で盛大に祝福を受けるのだろう。
だが、アイムザットの書いたシナリオにはそんなシーンはない。
「お前は、我々と来てもらう。」
アイムザットはガロードたちの前に一歩踏み出す。彼はガロードに比べて頭一つ以上背が高い。その高い所から見下ろす目線は見るものを射抜くように鋭く、不気味な威圧感を持っていた。
 ティファの手がいっそう強く握られ、残っていた右手がガロードの服の袖にしがみつく。彼女がガロードと出会う前にいたアルタネイティブ社の研究施設での事が脳裏をよぎり、うまく口が回らない。
その時、ガロードは恐怖に震える彼女と悠然と歩み寄ってくるアイムザットとの間に入った。アイムザットの表情は一変して険しくなり、邪魔者に対して敵意をむき出しにする。
ガロードは内心恐怖しながらもティファを渡したくない一身で体は前に動いていた。
「小僧…。」
アイムザットは後一歩踏み出せばガロードとぶつかる距離で立ち止まる。見下ろしながら睨みつけるアイムザットに対して、ガロードも負けじと睨み返す。
「きゃあ!!」
だが、彼の行動をあざ笑いながらシャギアはティファの腕を掴みガロードから引き離した。ティファは苦悶の表情を浮かべ、アイムザットもシャギアもニヤニヤといやな笑みを浮かべた。
「ティファ!!」
ティファを助けるべく駆け出すガロードに、オルバは足を引っ掛けてつまずかせる。こけて床に這いつくばった姿を見てアイムザットも鼻で笑った。
「さて、君にも来てもらおうか?」
ジャミルに向かって、アイムザットはさらに陰湿は笑みを浮かべて彼の乗るジープへと促す。ジャミルには、ただ従うことしかできなかった。
46GX1/144 ◆nru729E2n2 :2006/12/15(金) 20:27:24 ID:???
第四十五話『”大人”ってのがどういう物か……!』(後編)

 ジャミルたちを乗せたジープが通路の奥に消えるのをカトックは静かに見送った。彼の経歴から言えば今回の働きは評価に値するが、死に場所を求めてさすらう彼にとって、どうでもいいことであった。
「……なぁおっさん、念願の復讐を果たした気分はどうだ?」
「………………。」
挑発的な声にカトックはゆっくりと振り向いた。
床に倒れていたガロードは、痛む腕を押さえながらゆっくりと立ち上がる。フリーデンを奪われ、仲間を奪われ、ティファを奪われたガロードの表情は醜く変形していた。
 カトックはゆっくりと吠えるガロードへ近づいてき、手を伸ばせば届く所で立ち止まる。アイムザットと同じぐらいの背の高さのカトックが同じようにガロードを見下ろす。
「これで満足なんだろ? おっさんよ!」
「………………。」
カトックは何も言わず、吠えるガロードを見下ろす。彼の表情から何もうかがい知ることはできない。ただ、静かにガロードを見下ろした。
「なぁ、なんか言ってみろよ!!」

ドカッ!!

ガロードの体は3mほど後に弾き飛んだ。ガロードの頭ほどはあろうカトックの拳がうなりをあげ、ガロードを殴り飛ばしたのだ。周りにいたウイッツやロアビィ、カガリたちも思わず顔を背けるほど激しく飛ばされる。
「…ぺっ! 俺さ……ようやくわかってきたぜ、”大人”ってのがどういう物か……!」
口の中を切ったのか、唾を吐いて再度立ち上がる。ふらつきながらも反抗的な表情はいっそう激しさを増す。
「戦争だ、連邦だ、ニュータイプだ! 生まれる前のゴタゴタにこっちを巻き込んで引っ掻き回す!」
「………。」
カトックは眉一つ動かさず、機械のようにゆっくりとガロードとの距離を詰める。また拳が飛んでくると感じたガロードは、今度はただじゃ殴られんとばかりに構えを取った。
「それがあんた達の言う”大人”なんだろ!!?」
 ガロードの言葉を無視し、カトックはガロードのシャツの襟を掴むとそのまま宙に持ち上げた。宙吊りにされたガロードは襟を締め上げる腕をどうにか引き剥がそうと両手で腕を掴む。
「は、放せよ! 放せって言ってるだろ!!」
 ガロードは同年代の男性と比べると大きい方とはいえない。だが決して発育が遅れているわけでもなかった。
「………………。」
「いい加減…! 勘弁してほしいぜ……!!」
 カトックの腕は彼がどんなに暴れても揺れない。鍛えられた褐色の腕は大地に根付く大木の幹のようにじっとガロードを締め上げ続ける。
襟を掴まれて宙吊りにされたガロードも最初のうちは抵抗したものの、徐々に力を失い暴れる度合いがどんどんと小さくなってゆく。抵抗が弱くなっていくガロードの様子を見たカトックは、頃合を見て手を放した。
受身を取ることもなく床に落ちゴホゴホとせきをしながら苦悶の表情を浮かべるガロードを彼は黙って見下ろす。
 カトックに殴られ、締め上げられ、傷だらけになったガロードだったが、最後まで彼を見上げる反抗的な目は変わることはなかった。
47通常の名無しさんの3倍:2006/12/15(金) 21:00:36 ID:???
新作キター!
GJ!
48通常の名無しさんの3倍:2006/12/15(金) 21:56:17 ID:???
更新乙、そして添削

>>45
>彼女がガロードと出会う前にいた
前の部分で主体がはっきりしてるので 彼女が は蛇足かも。難癖レベル。

>>46
>彼の経歴から言えば今回の働きは評価に値するが、死に場所を求めてさすらう彼にとって、どうでもいいことであった。
彼にとっては か 彼にとって、それは としないと、文章の繋がりが切れる。

>カトックはゆっくりと吠えるガロードへ近づいてき、
ゆっくりと は動詞の直前に持ってきた方がわかりよいかも。難癖レベル。


見た限りで誤字脱字の類は無し、これで2回目ですね、素晴らしい
49GX1/144 ◆nru729E2n2 :2006/12/15(金) 23:22:36 ID:???
>>48
いつも添削どうもです…。誤字、脱字はもとより文章のつながりなんかの指摘は
ホント参考になります。

今回投下した第四十五話でガロードVSカトックのシーン、原作でのカトックのあの雰囲気が伝わりましたでしょうか?
原作知っている方なら容易に想像できるシーンだと思うのですが、あれを文章だけで表すのってすさまじく難しいです。
顔と雰囲気だけで怒りとも憤りとも大人なめんじゃねゴラァ(゚ ロ゚ )とも取れる感情表現…深いです。

ぶっちゃけ言って、今回書いた物では半分も表現できていないような気がします…。

さてさて、『あれ? シンは?』って思ってらっしゃる方もいらっしゃると思いますが、
次回よりシンも復活させますので今後ともよろしく。
50通常の名無しさんの3倍:2006/12/16(土) 00:01:57 ID:???
このスレを発見してから今まで見てなかったGXを見てみた
とても面白かった
そして今日全部見終わったから
ようやくこのスレの作品をきちんと読めるぜ!!!
51通常の名無しさんの3倍:2006/12/16(土) 19:32:32 ID:???
>>49
そう言ってもらえるとありがたいです;;

あのシーンでのカトックは色んな感情が渦巻いて複雑な心境になってますよね。
二次創作という前提を考えれば、あえて内面を描かなかったのは正しかったと思いますよ。
俺個人としてはGX氏の情景再現と感情描写は大げさな所もあるとはいえかなり正確だと思うので、
あえて冒険して踏み込んだ場合も見てみたかった気分はありますが。
52通常の名無しさんの3倍:2006/12/16(土) 20:16:55 ID:???
> 『あれ? シンは?』
心配はしてないが期待してます。

アスランいまだ出番ナシwww
どうせならサテリコンまで取っとくとか?
53通常の名無しさんの3倍:2006/12/17(日) 00:50:14 ID:???
宇宙革命軍のほうにも誰かしらは流れ着いてそうだな
ザイデルにNTは人類の革新やらなんたらとか言われて丸め込まれてそうな感じはする
54通常の名無しさんの3倍:2006/12/17(日) 12:57:36 ID:???
丸め込まれると言ったら、凸だな
55通常の名無しさんの3倍:2006/12/17(日) 14:03:19 ID:???
まああまり先の展開口にするのはよそうや

職人さんが書きにくくなるといけない
56通常の名無しさんの3倍:2006/12/17(日) 23:52:54 ID:???
うぃ、スマソ
5754:2006/12/18(月) 16:13:17 ID:???
ゴメン
58通常の名無しさんの3倍:2006/12/19(火) 05:05:35 ID:???
今更ながら、GX氏GJ!!
次回のシン復活劇にwktkで待っとります!ゞ

そして・・・保守!
59通常の名無しさんの3倍:2006/12/19(火) 21:20:18 ID:JOdfy1Gd
サテライトキャノンでこのスレを上げるんだ!
60通常の名無しさんの3倍:2006/12/21(木) 13:29:38 ID:???
過ちは…繰り返さない!!
61保守作品6:2006/12/21(木) 20:41:35 ID:???
 何か言いたげに、背後に部下が近づいてくる。
「青い空ー、白い雲ー、こんな良い気分を邪魔するのは誰だー!」
「隊長、質問があります!」
「軍曹、どうした!」
「我々はバリエントを駆る新連邦の精鋭部隊ではありませんでしたか?」
「その通りだ」
「我々の格好と武装は何でしょう?」
「サルベージ作業を行う海の男達だ」
「我々は極東軍に編入されるという話だったのでは無いのですか?」
「上官にそうまで胸を張って文句をつけるとは、平時なら軍法会議モノだな」
「はぐらかさないで頂きたい。中尉」
「くっ、やるな軍曹。
 ……さて、諸君等の冷たい視線も最もだ。
 アベル=バウアー中尉を攫っていった大尉に曰く、
 ゾンダーエプタの件が片付き次第という、前置きを頂戴していた」

 一度言葉を切り、シンはその命令書の内容を吐き出す。

「先日大尉の言葉どおり、新たな命令書が中隊に届いた。
 実に名誉なことだぞ、意訳するとアイムザット総括官の沈没した船から価値のあるもの
 を引き上げろ。
 また、仮にも連邦の基地があったところを民間業者にうろつかれるのは問題だ。
 という訳でセインズアイランドで水中モビルスーツと水上艦を借りてきたのだ。
 以上、今の説明で何か不審な点があるか、軍曹?」
「全くありません」
「ようしせっかくの海だ、楽しんでやろう」
「了解」
 元気な返答とはうらはらに、部隊全員やる気がない。

 空中戦をもっぱらとする中隊に、水底に潜れというのは酷な話だろう。
 空を飛ぶパイロットにとって、沈没というのはほぼ死に直結する事態だからだ。
 こんな成果があるかないか怪しい任務に回されるとは、もしかしてウチの中隊は疎まれて
 いるんだろうか?
 シンは船の舳先で深い深いため息をつくのだった。

 旧ゾンダーエプタ基地を眺める。
 今では真っ平らに均され海の下だ、基地があったなどといっても誰も信じないだろう。
 あのサテライトキャノンを間近でみたのが三日前、昨日ゾンダーエプタの騒動の詳細と、
 今回の命令が送られてきたのだ。
 あのガンダムXの名称はガンダムダブルエックス。GX-9901-DXという型式番号を持つ、
 ガンダムXの後継機らしい。
 あんな馬鹿げたものを造ったところで、使い途なんて……
 はた、とシンは気づいた。
「まさか、革命軍のコロニーにぶち込むつもりだったのか?」 革命軍が健在なのは間違いないが、相応の民間人とて居るはずだ。
 まさか其処にサテライトキャノンを撃ち込むつもりだったのだろうか。
 いやいや、そう考えるのは早計だ。またコロニー落しをされたときの切り札かもしれないし、
 やはり連邦の象徴として存在する、新しいガンダムタイプのつもりだったのかもしれない。
62保守作品6:2006/12/21(木) 20:43:42 ID:???
 当人が死んでしまった以上、今では真相は海の底だ。
 益体もないことばかり考えつつ、シンもまた海中へ潜るべく格納庫へ降りていった。

 探索を始めて半日、散らばった荷物らしきコンテナと共にアイムザット総括官の艦が見つかった。
 あとは引き上げ、艦内を撮影して上に送りつければ一件落着だと、シンは胸を撫で下ろした。
 シン達は水死した兵士に黙祷を捧げ、艦内の調査を開始した。

 艦内は奇妙な状況だった。
 沈没原因は言うまでも無く、あのサテライトキャノンの余波による大津波だが、死因がおかしい。
 ブリッジにおいて銃殺された死体が多数見つかったのだ。
 格納庫からはDXが脱出したとおぼしき穴、そして強奪犯と銃撃戦になったと思われる薬莢と
 兆弾の跡が激しく刻まれていた。
 バルチャーがいないのにブリッジで銃撃戦があったというのか。
 犯人がブリッジまで移動したのなら、間違いなく防衛戦が艦内廊下で行われた筈だ。
 しかもブリッジクルーは拳銃に手を掛けた瞬間、あるいは抜く間もなく殺されている。
 アイムザット大佐も椅子に座ったままだ。
 内部犯がブリッジを占拠したとでもいうのか?
 艦内コンピュータにはブリッジの映像は残っておらず、撃ち殺した犯人は分からずじまい。
 仮に内部犯と仮定しても、この艦に所属する乗員名簿などは機密のため知ることは出来ないだろう。
 諜報統括官だったというし、何らかの陰謀や口封じの可能性もあるかも知れない。
 シンに出来ることは事態を正確に調査し、上に送りつけることだけだ。それだけでいい。
 シンは部下のためにも、これ以上首を突っ込まないことを決めた。
 なぜか、あの大尉の切れ長の瞳が思い浮かんだが、頭を振って追い出した。
 わざわざ味方の軍人を、根拠も無く疑う必要は無い筈だ。

 今回のサルベージで得たものは、新連邦への不信、格納庫やコンテナに収納されていたバリエント
 及びDXの予備部品や武装。
 アイムザット大佐の周辺で見付かった、赤い色のコントローラーらしきパーツ。
 そして───

「隊長、すぐに来てください!
 ガンダムタイプらしき胴体が見付かりました!」

 シンはその連絡を聞いて駆け出した。
 胸騒ぎが収まらない。
 別にガンダムタイプをアイムザット大佐が所持していたとしても驚くには値しない。
 だというのにこの予感は何だ。
 この奇妙はブリッジは、あのコントローラーは、DXを作り上げたゾンダーエプタの遺産は何だ。

 全力でサルベージされたコンテナまで走りきる、そこでシンは見た。
 その密閉されたコンテナから引き出された機体は、その頭部を失ったガンダムは、紛れもなく幾度も
 映像記録で目に焼き付けたガンダム。
 旧連邦の象徴、99%の人類を滅ぼした悪魔、ニュータイプが駆った決戦用モビルスーツ。

「ガンダムエックス……なのか───」


保守が必要なときにつづく
63通常の名無しさんの3倍:2006/12/21(木) 23:34:07 ID:???
>>61-62
保守&作品投下乙!

そして、久々のコーヒー保守!
ttp://ykr414.net/makers/img/coffee01.jpg
64通常の名無しさんの3倍:2006/12/22(金) 01:13:18 ID:???
>>63
懐かしいなーそれw
65通常の名無しさんの3倍:2006/12/22(金) 02:48:26 ID:???
保守乙!
66通常の名無しさんの3倍:2006/12/22(金) 05:01:17 ID:???
保守乙!
そして……ジャミルGX!?
67通常の名無しさんの3倍:2006/12/23(土) 02:14:21 ID:???
保守乙!

最近なにげに保守作品が楽しみな俺
68通常の名無しさんの3倍:2006/12/23(土) 14:29:42 ID:???
>最近なにげに保守作品が楽しみな俺

やぁ!俺
69通常の名無しさんの3倍:2006/12/23(土) 15:03:53 ID:???
あれ?
なんか俺がいっぱいいる
70通常の名無しさんの3倍:2006/12/23(土) 15:44:40 ID:???
もう一人追加俺
71通常の名無しさんの3倍:2006/12/23(土) 18:41:05 ID:???
「皆の意見を聞きたい、我々はコレをどうするべきか?」

 中隊はセインズアイランドに資料や引き上げた品を持ち帰っていた。
 本来ならば、部品に関しては目録を作り、映像資料などは加工せずに上に提出すれば終
 わりだ。
 極東ないし何処かへ送れなり、現地の部品として扱えなどの指示が降るだろう。
 だがGXの報告だけはシンは躊躇った。
 このGXは壊れている、要のサテライトキャノンとて既に失っている。
 新連邦は既にDXを造る技術や設計図を持っているのだ、何も躊躇う必要など無い。
 新しいGXを建造できる連邦に、旧式のXタイプを引き渡しても問題は無いはずなのだ。
 だが今の連邦にコレを渡して良いのだろうか?
 シンには決断しかねた。
 重みが違った。
 コレは他の兵器とは違う。このGXはジャミル・ニートが搭乗し、100億の人間を殺
 すきっかけとなった、既に大量殺人を犯した忌まわしい兵器なのだ。
 コレが改修され、サテライトキャノンを再び携えた時、新連邦に扱う資格はあるのか?
 シンは答えを出せず、自分より年長である戦後を生き延びた人々に答えを求めた。
 今この倉庫は中隊の全ての人間が集まっている。
 外部におかしいと思われないように注意しつつ、GXのコンテナだけこの倉庫に運び込
 んだのだ。

 パイロットの一人が発言する。
「ビームで完全に溶かして消し去るべきです、あるいはバラバラに解体して海に廃棄すべ
 きだと考えます。コレは今生きている地球人類全ての仇です」
 若い整備員が発言する。
「反対です、モビルスーツ自体に罪はありません。悪いとしたら人間です。
 サテライトシステムはジャミル・ニートか新たなニュータイプが認証を受けない限り使
 えないようですし、危険性は薄いと思います。なにより軍規に背いてます」
「お前は若いからそんなことが言えるんだ。
 コレが出来たとき皆期待したもんだ、連邦の若きエースパイロットと地球を守る最強の
 ガンダムだってな、結果はどうだ。
 みぃんな死んじまった。
 地球で無事を願ってたお袋も、兄貴も、妹も誰も残っちゃ居なかった。
 こいつはな兵器なんてもんじゃない、悪魔だ。うそっぱちの悪魔なんだよ」
 初老の兵士が発言した。

 続くように他の者が口を開いてゆく、
「大体コレが出来たから革命軍はコロニー落しを強行したんだ。
 規模をより大きくして、サテライトキャノンに防がれないように。
 コレは生まれるべきじゃなかったんだよ」
「同感だ、こいつは不幸を呼ぶ悪魔だ」
「破壊するべきです。例えDXのようなガンダムが既に造られていたとしても、
 サテライトシステムは否定するべきだと思います」
「上に送るのは止めるべきでしょう、一部の新連邦に反対する地域では市街地へ空爆など
 も行っているそうです、もしもコレがサテライトキャノンを持って復活したら、空爆ど
 ころか土地を更地に変えてしまいます。今此処で消えてなくなるべきです」
72保守作品7:2006/12/23(土) 18:42:15 ID:???

 実直な軍人達が、軍規を無視してでもGXを破壊すべきだ。
 という意見が大半なことにシンは安堵した。
 良かった、ここにいる連中は良心がある、信ずるに値すべき仲間だと。

 彼はザフトに所属していたが、プラント人の中で、地球人類の10%を殺した無差別攻撃
 であるニュートロンジャマーの投下に対して、罪悪感を持っていた人間が極少ないことに
 恐怖を覚えていた。
 彼は資源と金のあったオーブに居たから助かったが、他の地球連合やユーラシア連邦では
 10人に一人が死んでいく地獄だったのだ。
 コーディネイターを滅ぼすべきだと言う、ブルーコスモス過激派が台頭したのは当たり前
 なのだ。
 だがそのことを理解している理性的なプラント人はほとんど居なかった。
 この世界の人々が、全ての責任を革命軍に押し付けるのではなく、連邦にも非があったこ
 とを認め、反省していることはシンにはありがたかった。
 人は被害者にならなければ、悲劇を理解できないという見本だったのかもしれないが……。

 意見を受け取りながら、シンは再び中隊の面々に問いかけた。
「では、革命軍が再びコロニー落しを敢行した場合。
 サテライトキャノンは必要ないと貴様等は考えるか?
 コレの建造がコロニーを刺激したのは事実だとしても、サテライトキャノンが無ければ、
 今でも地球が冬の世界だったことは疑いないことだと思うが?」

 全員が押し黙る。
 GXが地球に冬をもたらしたのではなく、落下するコロニーを防げなかっただけ。
 客観的に見てGXは悪くないのだ。
 ただ無力だっただけ、力が足りなかっただけなのだ。
 そう世界を冬にしたのは革命軍であり、外交に失敗した旧連邦だと云うのに。

「もしも、サテライトキャノンが全てのコロニーを壊しきっていたら、
 コレも、ジャミル・ニートも英雄のままだった。
 違うか?」

 倉庫に沈黙が満ちた。
73保守作品7:2006/12/23(土) 18:46:33 ID:???
 その時、中隊の整備長がよく通る声で口を開いた。
「ワシはジャミル・ニートに会ったことがある。
 戦争が始まる前に遠目に見ただけだったが、実直で回りの人々に好かれていたことは知っ
 ていた。
 戦後に聞いた噂話ではニュータイプの保護を目的として活動しているそうだ。
 彼が地球を守ろうとして銃爪を引いたのは間違いないだろう。
 彼が背負うべきなのかはわからんが、地球を滅ぼしたせめてもの償いを必死でしているの
 だろうよ。
 ワシは家族を15年前に一人残らず失ったが、彼を憎む気は無いよ」

 誰もがその言葉を聞いて目を伏せた、守ってくれなかったニュータイプ。
 納得できた者、怒り収まらぬ者、同情する者、様々だ。

 シンは全員の反応を見ながら、決断を下す。
「来たるべき革命軍との戦争が終結し、コロニー落しの危険が完全になくなった時、このGX
 を破壊する。
 ゾンダーエプタが既に無く、DX本体がバルチャーに奪われている現在、このGXのサテラ
 イトシステムに残る、月との交信データは貴重だ。
 戦争が始まっていない今は、極東本部に送ることもしない。
 他のGXが造られ使用されるならばともかく、このGXはいわくがありすぎる。
 コレに再び地球を危険にさらす可能性を与えるのは悲しすぎる。
 よって、ガンダムXはこの倉庫に隠匿する。できるならば二度と必要としないことを祈って。
 この責任は隊長である俺が被る。
 誰かこの件について上から質問された場合、全て中隊長の独断だったと俺を糾弾しろ、命令だ。
 以上解散、全員職務に戻れ。不満などある奴は残れ。
 この件に関しては反対を許す」

 シンの命令で、業深きガンダムを前にした会議は終了した。



 次の保守に続く
74通常の名無しさんの3倍:2006/12/23(土) 19:31:07 ID:???
またまた保守キター
乙です
75通常の名無しさんの3倍:2006/12/23(土) 19:41:11 ID:???
保守乙

気になったんだけど

> サテライトシステムはジャミル・ニートか新たなニュータイプが認証を受けない限り使
> えないようですし



> ゾンダーエプタが既に無く、DX本体がバルチャーに奪われている現在、このGXのサテラ
> イトシステムに残る、月との交信データは貴重だ。

は矛盾しないか。
てかX本スレでサテライトシステムの認証登録データは複製不可で
DXにまるごと移植されたっていうのを前に見た気がする。
76通常の名無しさんの3倍:2006/12/23(土) 19:50:02 ID:???
前者は認証データ
後者は月と交信した時のデータで前者とは別物の何か
と予想
77通常の名無しさんの3倍:2006/12/23(土) 22:04:04 ID:???
シンのNJとそれに対するプラントの反応が良いなぁ……。
本編じゃ本当に誰も気にしてなかったし。
78通常の名無しさんの3倍:2006/12/23(土) 22:54:42 ID:???
交信データを丸ごとダンプして、エミュレートするようにしたとか?
79通常の名無しさんの3倍:2006/12/23(土) 23:17:42 ID:???
実はドームの詳細な位置データと予想
諸々の要素が絡まって戦後には新連邦側にも詳細な位置データは存在しなくなっていたのです
80通常の名無しさんの3倍:2006/12/23(土) 23:20:23 ID:???
>75
前者のジャミル・ニートは戦中から戦後に至るまでの著名なニュータイプの代表としてとらえる。
(能力を失っていることは多分一般的知識でないだろうし書いてる人も
それを意図して新たなニュータイプを新旧に対応する形で対置しているのだろう)
後者は交信データをアクセス権に変換して読めばすんなり通る。
81通常の名無しさんの3倍:2006/12/23(土) 23:33:26 ID:???
Gコンさえなければただのガンダリュウムの塊じゃね?
82通常の名無しさんの3倍:2006/12/23(土) 23:43:21 ID:tsFCdFfs
Gコン無くても改造すれば動かせる
83通常の名無しさんの3倍:2006/12/23(土) 23:59:29 ID:???
>81
Gコンは単なる機動キー。
言うなれば車のキーと同じようなもの。

問題はアクセスするのに必要なフラッシュシステムの在り処だが、
ここのSSに好意的な解釈をするなら頭部はフラッシュシステムの発進源
というだけでシステム本体は胴体に搭載されているということになる
84通常の名無しさんの3倍:2006/12/24(日) 00:08:34 ID:???
Gコン無しでも動かせるように改造は可能だけど、
代償としてフラッシュシステムが起動しなくなるのかもしれない。
85通常の名無しさんの3倍:2006/12/24(日) 00:14:58 ID:???
サテキャ発射のさいの演出を見る限りはフラッシュシステムはともかく、
サテキャの発射はGコンがないと不可能っぽいな。

ちなみにフラッシュシステムの起動が必要なのは初回だけで
一度DOMEに登録されればあとはDOMEの方でやってくれるらしい。
86通常の名無しさんの3倍:2006/12/24(日) 00:41:16 ID:???
痔コン
87保守作品8:2006/12/24(日) 10:38:50 ID:???
 シンは回収した物品を整理したり書類をまとめたりでまたも事務処理漬けの日々に戻っ
 ていた。
 中隊長、中尉風情がどうしてこんなに面倒な仕事を押し付けられるんだ。
 それもこれも左官が少なすぎるせいだ。
 シェルターに入っていたお偉いさんと若い世代ばかりで、新連邦には中間の大人が少なすぎる。
 叩き上げの人間はあの時代の士官学校出てないから出世してないし。
 俺はパイロットが本業なんだぞ、畜生。
 心の中で怒りの声を上げつつ、赤い目を更に真っ赤にして事務処理をしていたシンの元へ、
 部下の曹長が執務室にやってきたのだった。
 彼はアベルと入れ替わりで配属された経験豊かなパイロットで、すぐに中隊にも馴染んだ。
 その彼が深刻な顔で相談に来た。

「ローレライの海?
 たしかDXを奪取したバルチャー連中と新連邦が交戦した地域だったか。
 あのジャミル・ニートが乗ってる可能性があるとか、ええとフリーデンだったか」
「はい、その海域で私はフリーデン攻撃部隊としてドートレスフライヤで戦いました。
 そこでの詳しい記録をご存知でしょうか?」
「いや、3機のガンダムタイプのモビルスーツと交戦し、敗北したと。
 シーバルチャーが引き上げた、旧連邦の立ち消えになった作戦の資料と機材を巡った戦闘
 だと報告が来ていたが」
「はい、私も戦闘前は詳しい説明も無く戦闘に突入したのですが、撃墜され、海の上を漂っ
 ている時に見てしまったんです」
 そこで彼は言葉を切った、言い淀んでいるが、話す気があるからここまで来たのだろう。
 シンは嫌な沈黙の中、次の言葉を待った。

「bitモビルスーツを見たんです」

 納得した。なるほど確かにトップクラスの重要機密だ、話したがらないのも無理は無い。
「……そうか、シーバルチャーが引き上げた貴重なbitモビルスーツを回収する任務だったのか」

88保守作品8:2006/12/24(日) 10:40:27 ID:???
「違います、そのbitモビルスーツは……
 稼動していました」
「は、冗談だろう、フラッシュシステムを起動する能力をジャミル・ニートは既に」
「分かりません、分かるのはGXによく似た機体に従い、完璧な編隊行動と正確無比な射撃
 を行うbitモビルスーツの集団があったことです。
 あっという間に部隊は壊滅しました、恐ろしい強さでした」

 シンは口を開けたまま言葉が出ない。驚きで何を言うべきか見付からなかった。
「その後、そのGXに似た機体は次々にbitモビルスーツを破壊していきました」
「な、なんで、味方だろう」
「bitモビルスーツを落としながら、外部音声でそのパイロットの声が響きました。
『こんなモノはもういらないんだ』と」

「それは……パイロットは多分、」
「ええ、おそらくは15年前のGXパイロットの……」
「その後私は救出されましたが、固く口止めされ、誓約書に記名しました。
 後はこの部隊へ、という訳です」
「そうか、話してくれてありがたかった。
 だが何故機密事項を話してくれたんだ?」
「あのGXを見て以来、誰かに聞いてもらいたくて仕方なかったんです。
 内密にお願いします」
「わかった、誰にも話さない。というより俺も今回の件がばれると首が飛ぶ。
 話しようがない。安心してくれ」
「はい、報告したいことは以上です。それでは失礼します」
「待て確認したいんだが、そのbitモビルスーツはXタイプだったのか?」
「間違いありません、武装、背中のバックパック、塗装、紛れも無くXタイプのbitモビル
 スーツでした」
「ではもう一つ確認するが、そのbitモビルスーツは完全に壊れたのか?」
「え、ええ。
 遠目でしたが、胸部にビールライフルを喰らって爆発したのを確認しました。
 頭部を破壊されただけで、海に沈んだのもあったように思いましたが」
「ではサテライトキャノンが壊れていないbitモビルスーツもある可能性は残っているか?」
「それは───
 無いとは言い切れません」
「私見を聞きたい。
 ジャミル・ニートならば、サテライトキャノンを搭載したGXを駆る資格があると思うか?」
89保守作品8:2006/12/24(日) 10:42:27 ID:???
「彼以外に撃つ資格のある人間が居るとは思いません。
 ダブルエックスが我々を撃たなかった時に確信しました。
 あのサテライトキャノンを、多少なりともマシな使い方をできるのは彼ぐらいでしょう。
 もしも自分がニュータイプで、サテライトキャノンを撃てなどと言われたなら逃げますよ」
 曹長は苦笑いを浮かべる、絶対無敵の力を手に入れてはしゃげるのは子供だけだ。
「部下がまともな思考回路を持っていて俺も安心した。
 モビルスーツは白兵戦がメインだからな、俺も問答無用で殲滅するような機体は御免だ。
 互いに命を賭けないとフェアじゃない、甘いけどな」
 シンも苦笑いを浮かべる、ダブルエックスの恐怖を思い出して口元が引き攣った。

 話したいことを全部吐き出したせいか、すっきりした顔で曹長は退出していった。

「はあ、次から次に厄介事が。
 俺は一介の中尉だぞ、はぁ───」
 最近ため息が多くなったシンであった。

 体重が減っていくことを懸念するシンの執務室に、以前から苦手だと感じていたお客さんが
 やって来たのは、その夜のことだった。
 その男は胡散臭くて、細身で、女性っぽい雰囲気を醸し出し出す、シーバルチャーであった。



 保守、
 ああクリスマスでも日々は変わらないのさ、虚しいなあ。
 こんな思い付きを紡いだモノでも楽しんでくれる人がいると嬉しいなあ。
 前の話では怪しげな解釈ができるお話してごめんなさい。
 本編見ただけなので、フリーデン狙った時のDXのマイクロウェーブは認証を受けたGXと
 変なコードで繋がることでDOMEをごまかしたんだと思ってた。
 それでもキャノンは撃てないみたいだったけど。
 だからDXが無くても、GXの過去の交信記録は貴重かなあと思ってたんです。
 ………あれ、マイクロウェーブまで来るんだったら何で発射できないんだ?
 ニューGコンあったしなあ。ガロード撃ったから完成してたんだし。
 発射システムはニュータイプ技術と切り離してもいいだろうし、不思議だ。

 年末にSEEDーXやGX1/144の続きが読みたいってのは贅沢だよねえ、
 続きこないかあ……
90通常の名無しさんの3倍:2006/12/24(日) 11:42:46 ID:???
GJ!
もう保守作品なんてレベルではないな、こりゃ。
91通常の名無しさんの3倍:2006/12/24(日) 11:43:54 ID:???
>>保守作品

貴様がGX氏やSEED-X氏を楽しみにしているように、貴様を楽しみにしている人間もここに居る事を忘れるな
92通常の名無しさんの3倍:2006/12/24(日) 11:46:56 ID:???
仕事前に保守が読めてよかった、シン頑張れ!
93保守作品9:2006/12/24(日) 18:46:25 ID:???
 アベル・バウアー中尉へ激励と部隊の近況、蛇足ながらフロスト大尉への注意を促す手
 紙をニュータイプ研究所へ送るように手配し、自分にコーヒーを淹れたところでノック
 の音が響いた。
 部下なら名乗るし、島民でも一度来たものなら、やはり名乗る。
 とりあえず厄介ごとの種であることは疑いようが無い。
 シンは眉間にしわを寄せて肩を落としたが、深呼吸し気合を入れ直してお客を予想した。
 襲撃するならノックしないだろうし、金属探知機にかからない以上、銃も持ってないだ
 ろう。多分安全な手合いだ。となると十中八九、陳情……。
 くそ、アポイントくらい取れ。俺は軍人だ、市長じゃない。大体元セインズアイランド
 行政府の連中だって、真面目に働いてた奴は残してるんだ、そっちをあたってくれ。
 悪い支配者を畏れ敬ってくれ、近づくな、頼るな、揉め事もってくるな、主にマイルズ。
 3秒間に怒りを爆発させ、落ち着くと。
「どうぞ」
 シンは入室を許可した。

「お邪魔するわ」
 入ってきたのは痩身の男、名はルマーク・カウト。
 この辺りでは名うてのシーバルチャーらしく、かなりの資産やコネを持っているらしい。
 今までにも数回この執務室を訪れ、忠告やら仕事の売込みに来ていた。
 軍の名義で彼のモビルスーツを買い取ったこともある。
 こういう顔の広い相手は敵に回すのは得策ではないと、敵対しないように気をつけてい
 たのだが。

「ああ座ったままで良いわよ、一応市長さんなんだから威張ってないとね、坊や」
「お心遣い痛み入ります」
 心にもない返答を返すシン、こういう人間は苦手なのだ。
 激動の時代を生き延びてきたせいか、腹芸がうまく、こっちが横暴に出ないことを知っ
 て坊や呼ばわりするし、足元見るし、最初に来たときは武装蜂起するかもなどと脅しを
 掛けてきたし、何より異常にこちらの内情を知っているのだ。
 正直年季の違いを感じてしまう。侮ることができないのだ、目の前の男は。

「あら、そんな嫌そうな顔しないでよ、前の市長よりずっと役に立ってるわよ。
 ピンハネしないし、バルチャーにも公正だし、ちゃんと商品を買ってくれるしね。
 確かに前よりやりづらいけど、時代の流れでしょう。
 無法時代は長く続かないなんて事、とっくに解ってたわ」
「理解あるお言葉、感謝に堪えません」
 言葉は丁寧だが顔が引きつっている、使い慣れない対応に体が着いてこれないらしい。
 商人のように談笑出来る軍人なんて人間になるように、遺伝子を調整しといてくれたら
 良かったのに。と親に責任転嫁するシンであった。
94保守作品9:2006/12/24(日) 18:47:43 ID:???

「無理しなくて良いわよ坊や、そういう生真面目なトコ気に入ってるけどね。
 じゃあ、からかってないで本題に入りましょうか」
「はあ、そうして頂けると助かります」
「仕事上の取引をしたいの、そちらは情報を教える。
 私はその情報を生かして商品を造る、それを買って欲しいの」
 疲れる相手だ、またロクでもないことを言うのだろう。
「随分と抽象的な物言いですけど、具体的に言ってください」

 ルマークはいかにも愉しそうに目を細めると。
「ローレライの海」

 シンの瞳が殺気を帯びる、こいつは危険だ。
 シンは音を立てないように下段の引き出しを開けると拳銃を掴む。
「無法者のシーバルチャー、オルクも近づかない海域があると聞いてますが、
 その海域がどうかしましたか?」
「とぼけなくても良いわよ、もうあの海域にローレライは居ない。
 そして連邦にとって、いえ、貴方にとって大事なモノが沈んでる」
 何処まで知っているかは解らないが、情報は筒抜けらしい。
 部下か、それとも他に新連邦から情報を得たか。
「なるほど、貴方の言う俺の大事なモノを引き上げるから買ってくれ。
 というお話ですか?」
「理解が早くて良いわ、けど足りない。
 私が買って欲しいのは、その大事なモノを再利用して修復された───
 ・ ・ ・ ・
 ガンダムなんだから」

 1秒かけず、シンは銃口を眼前の男の眉間に押し付けた。
「知りすぎたようですね。貴方の存在は新連邦にとって害悪のようだ」
 しかし男は眉一つ動かさず、それどころかこちらを面白そうに観察する始末だ。
「知りすぎた?
 貴方が教えてくれたのに」
「なに」
「聞きたい?
 だったら、銃を下ろしてくれないかしら、貴方の綺麗な瞳が見えないもの。
 話は相手の目を見てするものでしょう」
「断る。そのたわごとを包み隠さず話すのなら、今は頭を吹っ飛ばすのを止めてやる」
「怖い怖い、でも本当よ。
 貴方が私の最大の情報提供者だっていうのは」
「ふざけたことを───」
 シンの言葉を遮り、
「お兄ちゃんはもう駄目かもしれないよ、マユ」
 ルマークの口から妹の名前が漏れた。
95保守作品9:2006/12/24(日) 18:49:02 ID:???
 音が止まる、呼吸が止まる、何故だ、何故知っている。
 部下も知らないようなことを……何故
 考えろ、考えろ、マユの名は一人の時しか漏らして───そうか!?
「盗聴か!」
「ご明察、貴方たちの会話は全部私に筒抜けだったのよ」
 シンはこの男に底なしに怒りが湧いてきたが、同時に疑問も浮かんだ。
「何故、話した。
 自分の優位を崩すような真似を」
「貴方がそうやって考えられる人間だからよ。
 怒りに任せて銃爪を引くような、無能な軍人さんじゃないもの。
 是非、貴方と親密な商売がしたくって。良い商売は信用から生まれるのよ」
 よく言ったものだ、盗聴するような人間が信用を口にするとは。

「もし、貴方が此処から帰ることが出来なかった場合どうなる」
「そう考えられる坊やは好きよ、勿論、新連邦にとって都合の悪いことが、
 連鎖的に起きてしまうかも。」
「今、貴方を殺す方が、連邦にとって都合が良いとは考えませんか?」
「部下に責任が行くわよ」
「っ」
 ありえる、GXのことまで包み隠さず上に知られたら、彼一人の責任に出来なくなって
 もおかしくない。
「……そちらの方が上手のようですね、だがそれは信用じゃなくて弱みを握って脅迫する
 というんですよ」
「銃を突きつけられているんだからフェアだと思うわ」

 ああ言えばこう言う、苛立たしい相手だが、盗聴をばらした以上、譲歩の気持ちはある
 のだろう。シンは降参した。
「ふう、やはり年の差では勝てませんか。
 やはり暴力に訴えるとします。
 悪い軍人ですからね、俺」
「出来ないわよ、坊や」
「本業はパイロットですから」
「丸腰の相手を撃てる様な卑怯者じゃないわ、不器用そうだもの貴方」
「さて、それはどうでしょう」
 相手を恫喝するため、銃口を相手の股間へ向ける。

 シンは嘲笑って銃爪を───

 冗談でしょ、と男の眼が驚愕に見開き

 ───引いた。



 行き当たりばったりで続く。
 ここのシンはバイオレンスなんです。
 それとルマークってカツ・コバヤシと同じ声だったんですねえ。
96通常の名無しさんの3倍:2006/12/24(日) 19:27:09 ID:???
スゲー、連続投下だ乙

>>90>>91も言ってくれてるし、保守なんて言わなくてもいいぜこれは
97GX1/144 ◆nru729E2n2 :2006/12/24(日) 21:17:46 ID:???
メリークリスマス… と夜な夜な投下 >>保守氏、トリつけて連載してみたら?

第四十六話『仲間を助けるための賭けだ』(前編)

 フリーデンが拿捕されてから丸一日が過ぎた。ガロードたちはジャミルが捕まる寸前に出した『シークレットコマンド』”明日の夕日は見られない”に従い、
着々と準備を進めている。ガロードは通風孔に入って基地の武器庫やMS格納庫の配置を調べに行っている。残された面々は静かに時が過ぎるのを待っていた。
「GX、エアマスター、レオパルドを取り替えさえすれば状況は一気にこっちに傾くけど…。」
「捕まってるキャプテンたちが問題よねぇ…。」
「キャプテンとティファは新連邦にとって利用価値があるから、殺される心配はないと思うけど…。」
 シンゴ、トニヤ、サラの表情は暗い。『シークレットコマンド』とは、緊急時のみ使われる暗号命令である。”明日の夕日は見られない”とは
”明日の夕方、日没と同時に各自逃亡作戦を開始せよ”という意味合いを持つ。だが、ジャミルたちを助け出すほどの余裕はおそらくない。今までずっとフリーデンに乗って
ジャミルの下で働いてきた彼らにとって、ジャミルがいなくなることに対する不安はかなりのものであった。
「な〜に、ジャミルだって伊達にバルチャーやってるわけじゃねぇんだ。自分の身は自分で守るだろうさ。」
「そーそー。作戦やらなんやらはジャミルの担当だったしね。俺達にこんな指令出しておいて自分は何にもしないなんてことは無いんじゃないの?」
 シンゴたちとは反対側の壁に寄りかかって座って脚を組んでいるウイッツとロアビィは楽観的に自体を見ていた。一人一人個別の牢屋に入れられると思っていたが、
実際にはグループごとにまとめて投獄されている。バルチャーを捕らえておくにはずさんな処置だったというべきだろう。
「それはそうと、シンはどうすんの?」
頭の後ろで手を組んだキッドが思い出したように口を開いた。
 海中に沈んだディスティニーの残骸は新連邦に回収されており、兵士がコックピットからシンを引きずり出しているところを皆は見ていた。
「あいつら、けが人の扱いがえらくわるかったよな。敵とはいえ、シンはけが人だろ?」
「治療もろくにされないで、別の場所つれていかれちゃったもんねぇ…。」
ウイッツとトニヤの会話を左から右に流しながら、カガリはひざを抱えたまま床を見つめていた。
 新連邦の兵士達に両脇を抱えられ連れて行かれたシンは、顔の半分近くを真っ赤な血で染めていた。頭部のけがは少しの傷でも多量の出血を伴うことは知識としては知っている。
だが、知識として知っているのと実際に目で見るのとでは受ける衝撃が違いすぎた。
 赤黒く染まった彼の痛々しい姿は、カガリの脳裏に焼きついて離れないでいた。
「心配? シンのこと。」
 顔を上げると、隣にトニヤが座っていた。カガリは傷ついたシンの姿を見て以降口を開いていない。いつも場を盛り上げていたトニヤの目に、沈んだ彼女の姿は見るに堪えないものがあった。
「…あんたがフリーデンに乗った最初の時は、シンいきなりキレちゃって手が着けられなかったわよね。」
「……今でもあいつは私と話すときあんまり目を合わせることは無いぞ…。」
「それでも、前に比べたらやさしくなったんじゃない?」
「まぁ…、な。」
 カガリは視線を戻し、フリーデンに乗ってから彼と行動を共にした時間を思い返す。確かにトニヤの言ったとおり、前に比べれば彼の彼女に対する敵意は小さくなっているだろう。
初めて出会ったときに向けられたあの憎悪の眼差しに比べたら態度がかなり軟化しているのも事実だ。
「やっぱ、怒ってばっかだったシンちゃんが好意を素直に表現できるようになったのかしらね…?」
「…私はあいつの家族を殺した奴の娘だ。シンが態度を硬くしても仕方が無い。」
 カガリの話す内容は日常の会話で話すような軽い内容のものではないが、不思議と彼女の表情は穏やかだった。
「だけど、あいつもようやく私のことを”仲間”と認めてくれたんだと思う。もっとも、私が勝手に思っているだけでかもしれないがな。」
顔を上げてトニヤのほうを向いたカガリは照れくさそうに頬をかく。トニヤもそんな彼女を見ながら穏やかに笑った。
98GX1/144 ◆nru729E2n2 :2006/12/24(日) 21:20:36 ID:???
第四十六話『仲間を助けるための賭けだ』(中編)

 シンは薄暗い道を必死に走っていた。向かう先には一向に光は見えず、この道がどこまで続いているのかまったくわからない。ただただ後ろから迫ってくる異形な者たちから必死で逃げていた。
「ハァッ、ハァッ、ハァッ――!!」
どれぐらいの距離を走ったのか、どれだけの時間走り続けているのか。時間の感覚も距離の感覚もとうに麻痺し、汗だくになりながら息も絶え絶えに走り続ける。
「クソ! いつまで付いてくるつもりだッ!!!」
振り向いて異形な者たちの姿を確認する。距離はまったく開いておらず、異形がわざと距離を詰めていないように感じられた。
 異形は2体、1体は人型に近い形状をしているが、背中の大きな翼を広げ腹部に大きな口が見え隠れしている。両腕の長さが通常の2倍はあり、
その先には金色に輝く2本の大きな爪が暗闇の中で異様なほどの輝いて見える。
 もう1体は人型ではなく、丸々とした大きな胴体に2本の大きなはさみを持った一つ目の魔物である。正面に見える赤い目玉はシンを逃がすまいとしっかり見据える。
大きなはさみは動きを見せていなかったが、逆にその不気味なほど静止した無骨なはさみにシンは恐怖を覚えていた。
 延々と走り続けたシンが勢いよく地面に倒れる。道は果てしなく長く続いているが、彼が躓いて転ぶような石や障害物は存在しない。彼が足に目を向けると、あのまったく動くことの無かった
一つ目のはさみが彼の足を掴んでいた。距離は目測で10m、この距離を一度振り返って前を向きなおすまでにはさみを伸ばしたのである。
「クソ!! 放せ!!!」
 走り続けていた体は疲労を訴えて動こうとしない。ゆっくりと手繰り寄せられるはさみから逃れようと彼がもがいた。だが、異形たちはすぐに手を伸ばせば届く位置までたどり着いつく。
「あ…あ……。」
シンの顔に恐怖の色がありありと浮かぶ。今までMSでの戦闘で死ぬような怖い経験を何度もしてきた彼だが、ここまで恐怖を表面に出したことは無い。
 人型の異形が長い両腕で彼の腕を地面に固定する。十字架に貼り付けられるような形になったシンの前で、ゆっくりと胴体の口が開いた。
「やめろ…!!」
異形の口内には歯や舌は見当たらない。しかし、口内の中心に小さな赤い光球があった。光は血のように赤く、徐々にその大きさを増していく。
「やめろぉぉぉッ!!」
首を左右に振りながら何とかその場から逃げようと必死に身をよじる。だが、腕の拘束は緩むことは無く、足を挟むはさみの拘束も緩まない。
「あああぁぁぁぁッ!!!」
その場から脱出することもできず、シンはそのまま光に呑まれた。
99GX1/144 ◆nru729E2n2 :2006/12/24(日) 21:23:25 ID:???
第四十六話『仲間を助けるための賭けだ』(後編)


「あああぁぁぁぁッ!!!」
「うるせぇんだよ!! このガキが!!!」
頬に走った衝撃と痛みにシンは目を覚ました。固まった血がこびりつくまぶたを開けると真っ白な床が飛び込んでくる。ゆっくりと頭を動かすと、真っ白な部屋に入れられていることに気がついた。
「ここは…?」
そういって立ち上がろうとしたシンは、自分がどのような状態に置かれているかはっきりと認識する。
「な!? なんだよこれ!!?」
両腕は後でしっかりと縛られ、体は椅子にベルトでしっかりと固定されている。ベルトはきつく、身をよじった程度では逃れることはできそうに無かった。
「あんたら!! 一体これはどういうことだ!!?」
シンは正面に立つ二人の兵士に対して叫んだ。入り口の両側に立つ二人のうち、右側に立っていた兵士がめんどくさそうに答える。おそらく彼を殴ったのもこの男だろう。
「お前みたいな”化け物”を捕まえておくにはこれでもまだ足りないくらいだよ。」
「化け物…?」
 初めて言われた『化け物』という言葉にシンは驚愕した。彼のいた世界にある”ブルーコスモス”は『青き正常なる世界のために』というフレーズをうたい文句にコーディネイターを化け物扱いしている。
無論シンのようなコーディネイターが自然の摂理に反しているといえば反しているだろう。だが、好きでコーディネイターとして生まれてきたわけではない彼らにとってその言葉はまさに”言葉のナイフ”というにふさわしいものであった。
シンもそういう風に言う輩がいることは知っていた。戦場でナチュラルの兵士達が口々にそう叫んでいるのを何度も聞いた事がある。しかし、この『ナチュラル』『コーディネイター』という概念のないこの世界で、そのことを言われたことに大きな衝撃を受けた。
「な、何だよ…? 化け物って……?」
「化け物は化け物だよ。細胞いじって、普通の人間とは体のつくりが違うんだろ? そんな人外な生き物を”化け物”って呼んで何が悪い?」
「…どこでそれを?」
「おまえ、あのキラとか言う奴と同じように色の変わるMSに乗ってたろう? あんな装甲はほかに無いからな。パイロットも遺伝子いじった形跡があったって話しだし、そうなると同じような機体を持っているならおのずと答えは出るさ。」
「おい、あんまりべらべらしゃべるな。」
もう1人の兵士が先に口を開いた兵士を黙らせる。そんな中、シンはうつむいて唇をかんだ。
 この島に着く前の戦闘でフリーダムが現れなかったことを気にかけてはいた。確かにフリーダムのシンのディスティニーもPS装甲という『色の変化する装甲』をつけている。そういう考えにいたっても不思議ではないだろう。
 ふと、シンの中で一つの疑問が生まれた。
「フリーダムは!? あいつは今どこにいる!!?」
「さてな、捕虜はそんなことを知る必要は無い。」
それ以降、シンがどんなことを聞いても彼らは口を開かなくなった。何もできない状態でただ時間だけが過ぎてゆく。

 シンたちの会話が途切れて20分ほどたった頃、入り口から二人の男が部屋に入って来た。二人は監視をしていた男たちを部屋の外に出すと、椅子に縛り付けられろくに血を拭かれていないシンと正面から向かいあう。
監視役だった二人とは違い、彼らは紺の上着に白いスラックスを着用している。赤いシャツを上着の下からのぞかせた背の高い男と、紫のシャツをのぞかせるもう1人の男をシンは睨みつけた。
「血まみれの改造人間、か。無様だね。」
「キラ・ヤマトといい、お前といい、遺伝子に手を加えられた者達は普通の人間よりも優れた存在になるのではないのかね?」
シンは彼らの言葉に何も言い返すことをせず、ただ睨み続ける。あきれたように背の高い男が息とつくと話を続けた。
「我々は、貴様を尋問しに来たわけでも、拷問しに来たわけでもない。」
「僕らは、君と賭けをするために来たんだ。」
「…賭け…?」
要領を得ない発言にシンは眉をひそめる。
「そう、フリーデンのクルーは全員捕まっている。」
「仲間を助けるための賭けだ。掛け金は、君の命。」
 シャギアとオルバは含みのある笑みを浮かべたまま、シンを見下ろした。
100通常の名無しさんの3倍:2006/12/24(日) 22:08:00 ID:???
GJ!
カガリは「シンが怪我した姿」にショックを受けた?
それとも「怪我そのものの酷さ」にショックを受けた?
101通常の名無しさんの3倍:2006/12/24(日) 23:01:25 ID:???
両方じゃないかね?
見知った人間の流血シーンは見ていて気分が良い訳ないしね
102通常の名無しさんの3倍:2006/12/24(日) 23:12:56 ID:???
クリスマスに更新乙、そして添削

>>97
>GX、エアマスター、レオパルドを取り替えさえすれば | 取り返しさえ

>ウイッツとロアビィは楽観的に自体を見ていた。 | 事態

>シンいきなりキレちゃって手が着けられなかったわよね。 | 付けられなかった

>カガリの話す内容は日常の会話で話すような軽い内容のものではないが
「話す」を同文内で重複して使うのはあまりよろしくないか。
先を カガリの話の内容 とするか、後を 日常の会話のような とした方がよいかも。難癖レベル。

>私が勝手に思っているだけでかもしれないがな。 | だけかもしれないが

>>98
>大きな爪が暗闇の中で異様なほどの輝いて見える。 | 異様なほど輝いて

>ゆっくりと手繰り寄せられるはさみから
「手繰り寄せる」は意味としては不適当。「引き寄せられていく」などの方が適当か。

>手を伸ばせば届く位置までたどり着いつく。 | たどり着く

>>99
>”言葉のナイフ”というに
前後からすると ここは 言うに か。

>そのことを言われたことに大きな衝撃を受けた。
「こと」を多用すると文章の流れが悪くなる。「そう言われたことに」、「そう呼ばれたことに」などが適当か。難癖レベル。

>細胞いじって、
後の文を見ると 遺伝子 の間違い?(間違ってはいないし、わざとそうしてあるのかもしれないけど)


保守氏も乙です!今日は二度も更新とは流石クリスマス。
103保守作品10:2006/12/25(月) 21:02:00 ID:???
「ぷ、あははははは、今の顔最高!」
 シンの爆笑が執務室に響いた。
 そうシンが突きつけていた拳銃には弾が入っていなかったのだ。
 暴力の威光を最大限に示すために、こういった小道具を用意していたわけだ。
 弾の入った拳銃はいつも腰に身に着けている。
 これも恩師に当たるカトックから学んだハッタリ、もとい知恵だ。
 見事にシンの演技に引っかかったルマークは憮然としていた。

「良い演技するものね坊や、腹立たしいけどますます気に入ったわ」
 シンは銃を机に置くと、肩をすくめて全面降伏した。
 自分より頭の切れる相手に全ての情報を握られたのだ。どうしようもない。
「降参です、お手上げだ。
 けど一つ教えてください、いつの間に盗聴器を?
 するとルマークは満面の笑みを浮かべた。
「貴方達が来るずっと前から、この建物が出来たときに。
 元々ここの行政府から情報を手に入れるために仕掛けてたの」
 シンは左手で顔を覆った。
 何て間抜けだ、自分からバルチャーの餌場に飛び込んだようなものだ。
「それは、また……」
 二の句が続かない、シンはあまりの愚かしさに落ち込んだ。

「あんまり落ち込むことないわ、接収した後に気をつけてただけでも及第点よ」
「はあ、まったく貴方は俺を凹ます為だけに来たんじゃないでしょうね」
「言ったでしょ、取引だって」
 一度言葉を切り、商人の顔でルマークは言葉を繋ぐ。
「そっちの内情は大方知ってるわ。
 Xタイプのbitモビルスーツで直す機体と言えば、同じくXタイプであるガンダムXしか無い。
 つまり、貴方は所有しているんでしょう。世界を滅ぼしたガンダムの残骸を」
「ご明察。
 ある倉庫に隠してありますけどね」
「隠した?
 ああ巷のバルチャーが怪しんでる、軍が貸しきった倉庫のことかしら。
 あれで隠したつもりだったの、バレバレよ。
 私に任せなさい、連邦にも見付からない場所に隠してあげるから」
「それは………」
「信用できない?
 でも私は商売に関しては嘘は言わないわ、誘導したり、話さないことはあるけどね。
 私が信用できなくても、あの倉庫が怪しいなんて皆知ってるわよ。
 そのうち隠すならもらってしまえって、バルチャーに襲われるかも」
「よく言う、けしかける側の癖に」
「まあそれは置いといて、どうする?
 情報を貰えればbitモビルスーツを回収して、ガンダムXを修復、保管してあげるわ」
「貴方は直すべきだと思いますか、アレを……」
「もうダブルエックスっていう、サテライトキャノンを持ったガンダムがロールアウトしてい
 るんでしょう、だったらもう一機増えたって問題あるの?」
104保守作品10:2006/12/25(月) 21:05:13 ID:???
「アレはジャミル・ニートが乗っていた現物です」
「だから、何?
 手段は多いほうが良いでしょう、血濡れだろうが新品だろうが銃は銃よ。
 革命軍がまだ現役だなんて知らされたら、またコロニーが降って来るなんて知ったら、
 なりふり構っていられないわ」

 戦後を生き抜いたシーバルチャーは冷徹らしい、感傷よりも明日の生存を優先する人間なのだ。
 いや、もしかするとガンダムという象徴に拘っているのは軍人だけで、戦後を生き抜いた人々に
 とって、GXですらただのお宝に成り下がったのかもしれない。

「いつまで迷ったフリをしているの、貴方は使う為にGXを手元に置いているのよ。
 自分を誤魔化したってコロニーは待ってくれない。
 だったら一刻も早く修復して備えるべきでしょう」
「確かに正論ですね、けれど直した後に騙して売り払ったりするのがバルチャーの流儀じゃないん
 ですか?」
「傷つくこと言うわね。繰り返すけど嘘は言わないし、顧客は売らないわ」
「どうだか」
「証明してみせましょうか?
 前に貴方達と交戦した青いモビルアーマー、
 アレ、私が造ったのよ」

 シンは意味を理解すると同時に腰の拳銃を抜き放ち、再び男に突きつけた。

「話せ、あれに乗っている奴のことを」
「嫌よ、お客さんだも───」
 言い終える前に銃把で額を殴りつけ、足払いを掛けて転がす。
 すかさず銃口を額にめり込ませ、床と銃で頭をサンドイッチにする。
「もう一度言う、死にたくなければ話せ」
 圧倒的に不利な体勢にも関わらず、ルマークの眼光がいささかも衰えない。
「フリーのモビルスーツ乗りに売ったわ、
 軍を襲ったのはセインズアイランドがその人の第二の故郷だからよ」
 押さえつける力が、少し緩くなる。
「これ以上は守秘義務よ。自分で探しなさい」
「キサマの口を割らせる方が速い」
「無駄よ」
「バルチャーが客一人の為に命を棄てるか」
「客一人の為じゃないわ、私自身を賭けてるのよ」
 まっすぐな眼差しを向ける相手にシンはひるんだ。
「生き汚いバルチャーの台詞じゃない」
「武力制圧する連邦軍人より上等な生き方じゃなくて」

 シンとルマークは相手を射殺さんばかりに視線をぶつけ合った。



 続く、忙しければ忙しいほど妄想が浮かんでくる、駄目社会人だ。
 会話ばかり浮かんでくるんだけど、地の文が出てこないんだよねえ、困った。
 それと忘れちゃいけないGX1/144氏、乙に御座います。
105通常の名無しさんの3倍:2006/12/25(月) 21:13:08 ID:???
ちょwルマ−ク姐さん(♂)男前過ぎww
106通常の名無しさんの3倍:2006/12/25(月) 21:32:19 ID:???
保守乙!
GX氏といい、保守氏といい、ルマークをグッとこさせる使い方。
107通常の名無しさんの3倍:2006/12/27(水) 21:46:49 ID:???
保守
108通常の名無しさんの3倍:2006/12/30(土) 05:33:45 ID:???
保守
109通常の名無しさんの3倍:2006/12/30(土) 16:59:06 ID:???
 互いに睨み合う中、シンはこの男が正真正銘、命を賭けている事を認めざるをえなかった。
 同時にこの男に危害を加えたとして、自分を含めた仲間たちに何らかの報復がある事も、
 やはり認める他無かった。
「いいだろう、どうせ飲む以外に道はなさそうだ。
 だがそのパイロットは見つけ次第こちらで処理する、文句は無いだろう」
「当然よ、客は売らないけど、客のツケまで払う気は無いわ。
 これで商談成立ね」

 渋々銃をしまうと、端末からローレライの海における作戦情報をディスクにコピーする。
 ルマークは余裕たっぷりに立ち上がると、玉のお肌に瑕がついたなどと愚痴りながら、
 額の傷をハンカチで拭っていた。
 口も利きたくないシンは、無言でコピー済みのディスクを放り投げた。
 ディスクを受け取ったルマークはにんまり笑うと、
「確かに受け取ったわ、だけど対価が足りないわ」
「鉛弾も欲しいか?」
「冗談。ねえ前の市長が横領していた隠し財産があると思うんだけど……」
 全く忌々しい、そっちは口に出したことも無いというのに。

 指摘の通りシンは金塊を秘匿していた。別に財産にしようとした訳ではなく、
 軍の予算が足りなかった時に、内緒で運用しようと大事に取って置いたのだ。
「金塊が確かにあった。だが半分はカモフラージュで上に提出したぞ。
 それと金塊は貴様の仕事を確認した上で、かつG-bitが無かった時だけくれてやる」
「若いのにしっかりしてるわねえ、流石、私の見込んだ市長さんね」
「用件が済んだらすぐに失せろ、いつまでも俺が切れないと思わないことだ」
「はいはい、おっかないわねえ」

 肩をすくめて逃げ出すルマーク。
 帰りのドアの前でこちらを振り向かぬまま、ルマークはシンに問いかけた。
「ねえ隊長さん、今の時代に、たかが兵士一人の損失でそんなに怒っていたら、疲れなくて?」
 先ほどまでと声音が違うことに気づいたシンは、真摯に応えた。
「若いからな、仲間の死が堪えるだけだ」
「ウソ。戦後を生きてきた若者はもっとドライよ、死人を気にしてたら自分も死んでしまうって
 知っているから」
「アンタがバルチャーだから、そんな人間としか出会わなかっただけだ。
 俺はそんなに強くない」
 ルマークは視線だけシンに向けると、微笑んだ。
「そう、そういうことにしておくわ。それじゃあ貴方のために頑張ってくるわ。
 またね、隊長さん」
 ドアを閉めて、去ろうとする寸前、手が止まる。
 首だけ覘かせると、
「そうそう忘れてたわ、私のことが恋しくなったらシーサイドストリートの、Lilacって
 お店に連絡して頂戴」
 そう言い残し、今度こそ帰っていった。

「二度と来るな……」
 シンは目頭を押さえ机に突っ伏すと、盗聴器の排除を誰に任せようか考え始めた。

 続く保守。
110通常の名無しさんの3倍:2006/12/30(土) 19:15:09 ID:???
>>109
乙!

よろしければ参考資料としてどうぞ(出典・まとめサイト)
http://gxportal.yh.land.to/imgboard/img_box/img20050529161708.jpg
111通常の名無しさんの3倍:2006/12/30(土) 21:53:52 ID:???
大晦日前に保守乙!
112GX1/144 ◆W0Vy9L0Fcg :2006/12/30(土) 22:42:02 ID:ExRQmk6+
第四十七話『”未来”を変える気、有るか?』(前編)

「基地司令室より入電! フリーデンの一部のクルーが脱走したそうです!!」
ゾンダーエプタの司令室から戦艦ゼノンのブリッジに一報が伝えられる。アイムザットは静かに目を開いた。
「フン…、奴らも行動を開始したか…。さて、我々も動くとするか。」
艦長席に座ったまま出港の準備を急がせる。ジャミル、ティファ、シンのとらわれた船の周りで、兵士達はあわただしく動き回っている。予定出港時間まで後30分、彼には時の過ぎるのがゆっくりと感じられた。


日は西の空に完全に落ち、空は満天の星空で埋め尽くされている中、ゾンダーエプタの中では銃弾と爆音が飛び交っていた。フリーデンのブリッジクルーとガロードたちMSパイロット、
そしてキッドとカガリはジャミルのシークレットコマンド『明日の夕日は見られない』に従い行動を起こしたのである。
 しかし、その行動は既に新連邦に知られており、牢屋からの脱走は成功したものの、ガンダムを奪い返して戦局を一気に引き寄せる作戦は失敗に終わることとなった。
今はガンダムの格納してあった部屋でコンテナを挟んで激しい銃撃戦を繰り広げていた。
「クソ!! 何でこっちの作戦がバレたんだ!?」
「そんなこと、俺が知るわけ無いでしょ!!」
サブマシンガンのトリガーを引いたままウイッツとロアビィは叫ぶ。脱走の準備にしても新連邦の兵士に知られないように細心の注意を払っていた。にもかかわらず、
敵がなぜ彼らの行動の先を行っているのか不思議でならない。
「お前ら、そんな事考えるのは後にしろ!!」
アサルトライフルのマガジンを交換しながらカガリも叫ぶ。銃声と爆音のおかげで普段話している音量ではまったく会話が成り立たないほどに格納庫は騒然となっていた。
「このままじゃ埒があかねぇ!! カガリ! 俺を援護してくれ!!」
「ハァッ!? なんだとッ!!?」
「ティファたちを助けに行く!!」
 言い終わらないうちにガロードは出入り口に向かって銃弾の雨の中走り出す。カガリも後を追おうとするが、コンテナの切れ間を狙って新連邦の兵士達が激しく弾丸を浴びせる。
「クソ!! ガロードの奴、どっかのバカに似てきたんじゃないか!?」
 言いながら武器庫から奪ってきた手榴弾のピンを口にくわえて引き抜き、新連邦の兵士達が隠れているコンテナに投げ込む。緩やかな放物線を描いた手榴弾は、兵士達が盾としているコンテナの前に落ち爆砕する。
爆風で敵の攻撃が止んだ瞬間をチャンスと見たロアビィは、すぐさま背中に背負っていたロケットランチャーを片手で持ち上げ、ガロードの行く手をふさぐシャッターに向かってトリガーを引いた。
弾は見事に命中し、シャッターにぽっかりと大きな穴を開ける。
「せっかく花道作ってやったんだ! 失敗したらただじゃ置かないからな!!」
「サンキュー!!」
煙の立ち込めるシャッターの穴にガロードが飛び込むのを見送ると、ウイッツとシンゴはほぼ同時に手榴弾を取り出す。
「さぁて、とっととここを片付けねぇとな!」
「ああ、敵はまだいっぱいいるもんな!」
カガリの肩では届かなかった兵士達のいるコンテナの向こう側、彼女よりも筋力のあるウイッツとシンゴはそれぞれピンを引き抜き兵士達に向かって思い切り投げはなった。


 格納庫を脱出したガロードは近くにいた兵士を脅して情報を聞きだした後、シンたちのつかまっている船のある港へ全力で走った。
ゾンダーエプタは周りを海で囲まれた完全な孤島、もし船でどこかへ逃げられてしまったならば追跡する術がない。
「ティファ…! 無事でいてくれよ……!!」
港に直行するエレベーターの中でガロードは乱れた息を整えながらティファたちの無事を祈る。彼女をさらう仕事を請け負っていなければ彼は今ここにいなかっただろう。
彼女がいたから、GXを見つけ、フリーデンに乗り、何度も死線を潜り抜けてきた。
フリーデン以外には利害関係の一致で組んだチームは有っても腰をすえて自分の場所を作ることなどしなかった。彼女との出会いが彼の何もかもを変えたのである。
「何が何でも、ティファを助ける!!」
エレベーターの到着音と一拍の間をおいてドアが開く。眼前で動き始めていた船に向かって、ガロードは走った。
113GX1/144 ◆nru729E2n2 :2006/12/30(土) 22:44:32 ID:???
第四十七話『”未来”を変える気、有るか?』(中編)

ティファァァァァァッ!!!

 ガロードの叫び声がティファの心に届いた。ブリッジで出港の様子を見せてやると連れてこられたジャミルとティファは四方を銃で武装した兵士に
囲まれ、ただ夢に見た彼女の運命に身を任せていた。だがガロードの声を、港を走るガロードの姿をみつけると彼女はいてもたってもいられなくなり窓際に走りよった。
「ガロード! ガロード!! ガロードォォッ!!!」
ジャミルですら、ここまで声を大にして叫ぶティファを見るのは初めてであった。ガラス越しにティファは叫び続ける。それまでおとなしかったティファの豹変振りに
あっけに取られていた新連邦の兵士達であったが、アイムザットに一喝されティファの腕をねじりあげて静かにさせる。
「ほぉう、逃げ出したクルーがここまでたどり着いたか。しかし、今少し遅かったな。」
ゼノンの後部に待機していたヴァサーゴとアシュタロンが港を走る生身のガロードに向かって容赦なくビームで攻撃を加えていく。ビームの着弾によって起きた爆炎の中にガロードの姿は消えた。


「くっそ〜! どうすりゃいいんだよ!!」
ゆっくりと島を離れていく船を見ながらガロードは瓦礫の隙間から這い出した。
 生身の人間はビームの直撃に耐えることはできない。ガロードがこうして生き残る事ができたのは、ビームの着弾点から距離があったことと、
着弾により飛散する瓦礫を足場にし、必死に逃げ回ってわずかな瓦礫の隙間に身を隠したからであった。
 ティファに対する執念を糧に、ガロードは生き残ったのである。
「ガロード!!」
その様子を見ていたカトックは、ガロードを大声で呼んだ。右手に銃を構えたまま新連邦の制服を着た彼はまっすぐに彼を見据える。
こちらを向いたガロードが銃を向けられた状況の中で諦めていない様子を見て、感心した様子で唇の端を吊り上げた。
「…お前さん、”未来”を変える気、有るか?」
「未来を、変える?」
予想もしないカトックの言葉にガロードは戸惑いの声を上げた。カトックの話は続く。
「あのお嬢ちゃんが言ってたぜ、”お前にはもう会えない”って。ガンダムは船が牽引しているあのコンテナ船の中だ。アイムザットの野郎、
ニュータイプ研究所とのコンタクトの手土産にするらしい。」
「”ニュータイプ研究所”だと?」
「やるのか! やらないのか!! どっちなんだ!!?」
カトックは有無を言わさずこの場での即決を求める。ガロードの中での答えは最初から決まっている。だが、フリーデンがつかまる原因となった男のことを簡単には信用できない。
「…なぜ俺達の味方をする?」
「へっ! …未来が見えてたまるか、ニュータイプとやらの鼻をあかしてやりたい、それだけさ。」
 カトックの口調はまじめなものではなかったが、彼の目は真剣そのものだった。
114GX1/144 ◆nru729E2n2 :2006/12/30(土) 22:46:25 ID:???
第四十七話『”未来”を変える気、有るか?』(後編)

シンはチャンスが来るのをじっと待っていた。

『無事仲間を救い出す事ができたなら君の勝ち。』
『救い出す事ができなければ貴様の負けだ。』

シャギアとオルバはそういって縛られている手に折りたたみ式のナイフを握らせる。彼らはシンを逃がすための手助けをしたのである。

『何で、こんなことをする?』
『何で、って言われてもね、兄さん。』
『物語の山場は派手な方が面白い、それだけのことだ。』

それだけ言うと、彼らは部屋を出て行った。シャギアとオルバと名乗った二人の男、一体どういう理由で彼らがシンを逃がそうとしているのかは謎である。
確かなことは一つだけ。
「この部屋から逃げ出す手段ができたってことか…。」
 既に腕を拘束していたロープは切り終わり、体を固定しているベルトも9割切り終えている。ナイフの刃はずっと最後の一片に突きつけっぱなしなっており、
力を込めればいつでも飛び出す準備は整っていた。見張りの男達に気づかれないよう慎重に事を進めたおかげで、ずいぶんと時間がかかってしまった。
「天使か悪魔か知らないが、逃げるチャンスがめぐってきたんだ。」
腕の固定された姿勢を保ったまま、カタパルトで発進シグナルの点灯を待つ時のように心を落ち着ける。
「コーディネイターを知らないこいつらが俺のことをどう扱うかなんて、簡単に想像がつく。」
“コーディネイター”というものを知らない彼らにとって、シンは実験動物にしか過ぎない。実験動物の末路がどうなるか、言うまでも無いことである。
「もしそれが俺の運命って言うなら…、絶対に認めない! そんな運命、おれが壊してやる!」
メラメラと胸の奥で燃える炎を隠しながら、静かにチャンスが来るのを待つ。だが元来、シンは待つことはあまり得意ではない。準備ができてから既に20分、集中力も切れ始め、そわそわと落ち着かなくなってくる。
「今動いて片一方を倒しても、もう一方が必ず引き金を引いてくる。…何か、…何か無いか!?」
そうシンが思った矢先、船の警報が鳴り響く。
「何が起こった!?」
「侵入者だ!!」
シンは、動いた。


年内最後の更新ッぽいです。来年もよろしくノシ
115今スレ>>110:2006/12/30(土) 22:57:14 ID:???
保守氏もGX1/144氏も年末に激乙!
これは設定画のエニル機を(勝手に)清書して塗り絵調に仕立てたものですが
よろしければ存分に塗って遊んで今後の創作のインスピに用立てて下しい。
勝手な思い込みですが用立てれば製作者も喜ぶものと思えよ!?

ttp://ranobe.com/up/src/up161896.gif
116通常の名無しさんの3倍:2006/12/30(土) 23:33:40 ID:???
お二方更新乙、そして添削

>>112
>日は西の空に完全に落ち、空は満天の星空で埋め尽くされている中
このような場合、空は場であり、日と星がそこにある物となるのでこのままでは統一感を欠くかも。難癖レベル。

>今はガンダムの格納してあった部屋でコンテナを挟んで激しい銃撃戦を繰り広げていた。
直前までの時間経過を示すなら、現在進行形の方がよりよいかも。難癖レベル。

>兵士達が盾としているコンテナの前に落ち爆砕する。
「爆砕」は対象物破壊の意味が含まれるのでコンテナが破壊できなかったならこのままでは不適当。
「地面を」などを加えた方が良いかも。

>>113
>フリーデンがつかまる原因となった男の
つかまる、には自主的またはあきらめのニュアンスは無いので状況と厳密に照らし合わせるなら
投降する、捕らえられる、拿捕される、などの方がよりよいかも。難癖レベル。

>>114
>既に腕を拘束していたロープは切り終わり、体を固定しているベルトも9割切り終えている。
状態が違うので動詞を一方は変えておいた方が分かりやすいかも。難癖レベル。

>“コーディネイター”というものを知らない | 直前の繰り返しはくどくなる。不要かも。難癖レベル。



今回も見た限り誤字脱字は無し、難癖は所詮難癖に過ぎないのでほぼパーフェクトですね。
今年を締めくくるには申し分ない出来なんじゃないでしょうか。
117通常の名無しさんの3倍:2006/12/31(日) 01:05:17 ID:???
乙!まさか二つも投下があるとは思わなかったw
なんつーか、二人とも引きが上手いよな
凄くいい所で次回に繋げてくれる
118通常の名無しさんの3倍:2006/12/31(日) 01:51:29 ID:???
\(≧▽≦)丿キターー
乙であります。2人とも
よいお年を
119通常の名無しさんの3倍:2006/12/31(日) 07:23:09 ID:???
GX氏&保守作品の人、乙です!
この忙しい時期の投下・・・内容もバッチリだし、展開も山場で・・・もう・・・GJ!!Σd

そして、今年最後のコーヒー保守!
ttp://jp.nescafe.com/NR/rdonlyres/2ABFC822-33E8-431A-BAAE-98DDE75F8C65/0/p_18.jpg

それでは、このスレの職人&住人の皆さん・・・良いお年を(・ω・)ノシ
120通常の名無しさんの3倍:2007/01/02(火) 00:36:56 ID:???
超遅レスだが両氏ともGJ&あけおめ
GX氏はガロードらしいカッコよさがでていて最高!!!
保守氏は原作より大人びたシンが見せた少年らしさが見えて嬉しかった
・・・話を変えて、ジャミルのGXは頭だけでなく左腕も無いよな
・・・・・・そういえばダブルエックスの予備パーツもあったんだっけ・・・・・・・・・
まさか!とまあ妄想はその程度にして続きを楽しみにしている
121通常の名無しさんの3倍:2007/01/03(水) 15:29:18 ID:???
もし、新しい投稿、あるいは今後の展開で
MSVやアストレイのキャラおよびメカ達が
出るとしたらどういうタイプが出るかな
122121:2007/01/03(水) 19:44:28 ID:???
もちろん俺はどんな者が出て来ても良いし賛成するけどどう思う?
123通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 15:58:36 ID:???
実力と展開しだい、面白い物なら構わないと思う
同じコズミック・イラの世界なんだから良いだろう
このスレが盛り上るならどんどん出て着てくれたほうが良いし
124通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 17:38:56 ID:???
まあ実力足りなくとも、熱意と、CE世界とAW世界を尊重する気持ちがあったらOKだと思う。
下手だから出てくるなって強硬派は居ないだろう。外伝キャラを使う時点で書く難しさは跳ね上が
るような気がするが……。>>123と同じく、スレが盛り上がるならどんどん出てくれると嬉しいな。
125通常の名無しさんの3倍:2007/01/05(金) 01:00:46 ID:???
X的なMSVの幻のエニルガンダムなんか出てもいいかも。
いちXファンとしては何か本編でそれ以上に他人事とは思えないの冷遇をされた
シンと同様に、ここで活躍させてもらえればもう言うことはないくらいだ。
126保守作品11:2007/01/05(金) 08:38:17 ID:???
「ここが極東基地か」

 シンを含む中隊の面々は、極東へと引っ越していた。
 彼らはセインズアイランドでの任を無事全うし、次なる任務に従事すべく、太平洋から
 西の極東へと、装備とともに移動してきたのである。

 セインズアイランドのこれからの行政は、後任の統合政府の役人がやってくれる。
 もはや反乱分子の危険も無いと判断され、軍のモビルスーツが駐留する島ではなくなった。
 シーバルチャーもしっかりとした民間業者へと姿を変え、あの島は太平洋上の重要拠点
 として以前よりも賑わい、島全体の収益も増えると見込まれている。
 無論、政府として税金もたっぷり頂くだろうが、それは時代の流れというものだろう。

 シンはGXをルマークに預けた。場所はシンも知らない。ルマークに聞かなければ分から
 ないようにしておけば、自白剤を打たれるような事態になったとしても、安全性は高まる。
 盗聴器は市長室だけは残しておいて、他は全ては撤去した。わざわざ残したのは、後任の
 市長が不正を犯した時、訴えるのに楽だろうと判断したからだ。ルマークへのサービスも
 含んでいる。
 金塊は結局、Lilacを通して赤いコントローラーごとルマークに流した。
 あの男なら、払った謝礼に相当する見返りもあるだろうと判断した為だ。
 ルマークは信用できるが、絶対に信頼したくない相手だとシンは思っている。
 断じて気を許しているわけじゃない。苦手だ。会いたくないんだ。一方的に気に入られて
 いるだけなんだ。本当だ、信じてくれマユ! とはシンの心の叫びである。彼なりに危機
 感を抱いているらしい。

 万が一GXが必要となった時は、シンがルマークにその旨を伝え、ルマークがGXを軍に
 売りつける算段になっている。といってもbitモビルスーツが再利用できて、かつ修復が
 終わっていればという条件付だが。
 かくしてシンは、セインズアイランドの懸案事項を処理し、この極東基地へ異動して来た
 のだった。

 中隊隊員はこれまでの任を解かれ、新たな部隊へ編入されることが決まっている。
 シンとて革命軍との戦いに向け、地球再統一から、大規模な戦争への対応するために必要
 な措置だとは、重々分かっていた。
 それでも、1年に満たない部隊であったとしても、シンは解散という言葉が寂しかった。
「職業軍人の宿命だとしても、切ないよな……」
 自分がまだまだガキだということを、思い知らされてしまう。
 彼らの幾人かが、或いは自分を含めた全員が、今度の第8次宇宙戦争で散っていくだろう。
 その事実がとても悲しかった。
127保守作品11:2007/01/05(金) 08:39:21 ID:???
 時間は待ってはくれず、軍は感傷に浸る間を与えてくれはしない。
 シンは中隊長として最後の訓示を行っていた。

「これでアスカ中隊は解散となる。総員、次の部隊でも、
 これまで以上に死力を尽くして欲しい。
 新連邦の強引なまでの地球再統一と、今回の大規模な再編成。
 この先に何が待っているのか、諸君らも分かっているはずだ。
 地球を再び冬の星にしてはならない。それが我々の最優先事項だ。
 地球の未来は我々の双肩にかかっている。総員、奮起せよ!
 以上、解散とする。
 なお短い間ではあったが、諸君らの上官になれて、私は幸運だったと思っている」
 そこで言葉を切ったシンは姿勢を崩し、年相応の口調に戻った。
「こんな年下の上官について来てくれた事を、シン・アスカは感謝してます。
 皆さん。本当に、本当にありがとうございました」
 シンは深く深く頭を下げた。それは生まれ故郷の感謝を表す礼だった。
 中隊全員から万雷の拍手が沸き起こる。
 ───俺は認められたんだな。
 シンは涙ぐみながら頭を下げ続けた。


 中隊の別れが済み、シンも自分の未来を示す文書を受領した。
 それには次の任務が書かれていた。

「キョウドウタイ?」
 シンが理解不能だと言うように、棒読みで独り言を発する。
 重ねて言うが教導隊。
 即ち、全兵士の規範となるべく選ばれた兵士たちであり、エリートだ。
 彼らは演習の際、仮想敵となることもある。軍内部でも最強クラスという位置づけだ。
 現在の情勢を鑑みれば、宇宙戦闘における訓練での先生が仕事だろう。

 シンは思い出す。
 ───ああそういえば、ニュータイプ研究所で、宇宙シミュレーションはトップクラス
 だって太鼓判押されたような気がする。
 ZAFTの訓練生として、ジンを操っていた経験が大きかったようだ。
128保守作品11:2007/01/05(金) 08:40:18 ID:???
 あの大戦の泥沼の戦局化で、地球に帰還できたモビルスーツや戦艦は少なかった。
 それは宇宙戦闘を経験した上で、生き残った兵士は少なかったということだ。
 地球上で無重力を再現できるシミュレーター設備は、そうありはしない。
 つまり新連邦は、数少ないベテラン以外は、誰も彼も宇宙は素人か、経験不足の状態なのだ。
 だからこそ、宇宙戦闘に非常な適正を持っていたというだけで、シンまでもが教導隊などに
 選ばれたのだろう。
 自惚れでなければ、紛争地帯での成績を考慮してくれたと感謝すべきだろうか。
 シンは一兵卒になりたかった。事務仕事や神経を使うのはうんざりだった。
 再統一における軍事統制も一時停止となり、本来の兵士に、一パイロットに戻れると期待し
 ていたのだ。
 自分より遥かに年上の人間たちへ、上官として命令するのはきつかった。
 こまごまとした隊長職よりも、猪突猛進のパイロットが自分の本懐だと、日々鬱憤を募らせ
 ていたのに───
 その書面はシンに現実を突きつけるように、職務を全うしろとプレッシャーをかけてくる。
 抗命は戦の華だとほざく少佐もいるらしいが、実際に『この仕事をやりたくありませんから、
 他の仕事をください』などと言えば、きっと素晴らしい結末が待っているだろう。

 シンは宇宙戦闘のベテラン達に混じり、年上の兵士たちに対して戦闘評価を行う、教導隊の
 自分を想像しようとした。
 想像しようとして、突如、胃がキリリと痛んで、痛くて。涙が出るぐらい痛くなって、その
 場でシンは蹲った。


 結論から言うと、シンはストレスからくる胃潰瘍だと軍医に宣告されてしまった。
 ここ数ヶ月の、寝食を削った軍務が少しずつ胃にダメージを与えていたらしい。
 例え肉体をコーディネイトしても、心の弱さは変えられないことを、彼は己が身で証明して
 しまったらしい。



 続く、保守。
 教導隊じゃなくて親衛隊の方が良かったかな、教導隊もドートレスネオに乗っているイメージ。
 平成19年度で最初に吃驚したのは、サテリコンが壊滅する回『どうして俺を知っている!?』
 で、クラウダがビームサーベルを振りかざしていたことです。
 そのせいで、ランスロー専用クラウダVSガンダムXの初期戦闘構想が崩れてしまいました。
 サーベル装備の黄クラウダにタイマン勝てる奴いるのか? やはりクラウダは最強かもしれぬ。
 あと、この保守作品でやっちゃったように、ジャミルGX直したり、■■■■■にランスローが
 乗って出てくる予定だったりするような、全てのアイディアはばんばん流用しちゃっていいです。
 もしも他の作者様で、似たような設定出てきたら小躍りしながら、にやりと喜びます。
129通常の名無しさんの3倍:2007/01/05(金) 19:42:05 ID:???
保守氏、GJ
そして、ことよろ!
130通常の名無しさんの3倍:2007/01/05(金) 20:41:18 ID:???
新年初保守乙&GJ
クラウダもドトネオもいい機体だ、個人的にはドトネオのほうが好きだけど
131123:2007/01/05(金) 20:44:16 ID:???
>>124
すまん、確かにあなたの言うとうりだ
よほどのことで無ければどんな職人さんが出ても歓迎したいと思っている

保守氏GJ!
・・・もしかしてルの付いた機体にランスローを乗せるのか!?(てゆうかドッチともルがついてるか(笑))
それともまさかのどんでん返しか、まあそのくらいにしておいて、ともかく頑張ってください
132通常の名無しさんの3倍:2007/01/05(金) 23:45:25 ID:???
新年の保守乙!
133通常の名無しさんの3倍:2007/01/05(金) 23:52:48 ID:???
職人の皆さん、住人の皆さん、遅まきながらあけましておめでとうございます。

保守氏、いつも楽しみにしてます。今回もGJでした!
134通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 22:45:14 ID:???
保守氏乙!
>125
ガンダムベルフェゴールも忘れるな
ヴァサーゴもダメ、アシュタロンもダメ、じゃあこれは?
OK!といわれたんだからサンライズ公認の機体なんじゃないかな?
135通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 22:52:42 ID:???
多分出すのは無理だが十数年後にはホーネット、ディクセンという機体が出るぞ。
136通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 23:12:18 ID:???
>>135
注:ディクセンホーネットは戦争末期に開発済み
137GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/01/07(日) 23:19:21 ID:???
第四十八話『こんな所じゃ止まれない』(前編)

 シンは見張りの兵士達が動揺した瞬間を見逃さなかった。右手に握り締めた逆手持ちのナイフで右側の男に切りかかる。侵入者の報告に顔を見合わせていた二人の兵士は
シンが動いたことにまったく気づいていない。容赦ない彼の攻撃に兵士は首の頚動脈2本と気管を切断され、血を撒き散らしながら糸の切れた人形のように床に崩れた。
「ウ、ウワアアァアアァァアッ!!!?」
目の前で仲間が鮮血を垂れ流しながら死んだことにもう1人の兵士は驚き、恐怖する。
 さらにシンは恐怖で固まったもう1人の兵士に襲い掛かった。肋骨と肋骨のわずかな隙間に正確に貫き、肺と心臓を切り裂く。
「ハァ、ハァ、ハァ…。」
時間にしてわずか五秒、それまで動いていたものはただの肉片に変わり、シンの右腕は自分以外の人間の血によって真っ赤に染まった。
「まさか、ナイフを実戦で使うことになるとはな…。」
プラントのアカデミー時代に軍人の基礎としていろいろなことを教えられたが、MSパイロットになったおかげで使うことの無いだろうと思っていた
ナイフ術がこんな所で役に立つとは思っても見なかった。
「…ッと、こんな所で呆けてる暇は無いんだった!」
自分がこの手で殺した死体に目を奪われている場合ではない。周りの状況は刻一刻と変化している。立ち止まっている時間は無い。
「サブマシンガンが二丁と予備のマガジンが4個…。」
死体が持っていたサブマシンガンを取り上げ、一丁はマガジンを取り外す。弾が入っていることを確認すると、マガジンを上着やズボンのすべてのポケットにそれぞれ一つずつ入れた。
「動く分には支障は無いな…。」
マガジンが動く時に邪魔にならないか確認すると再度死体に目を向ける。
 戦場ではこんな光景は当たり前のことである。だが、いままでMSでの戦闘を主に活動してきたシンにとって、間近に広がる血の海と赤く染まった右腕はあまりにも現実離れして見えた。
「俺が…やったんだよ…な……。」
彼が殺した二人の人間、こうしなければシンの命がどうなっていたかわからない。だが、彼はそう簡単に割り切ることができないでいた。
「い、今までだって連合の兵士を何人も殺したんだ。今更こんなことで…!」
彼らを殺した時の感触が右腕によみがえる。そのおぞましさに思わず左手で右腕を握り締めた。
「と、とにかく逃げなきゃ…。せっかく拘束が解けて見張りも…!」
 血の気の引いた青い顔でドアを開けて外へ飛び出す。ドアの外に見張りはおらず、誰もいない殺風景な廊下が左右に広がっていた。
「侵入者がいるって言ってたな…。」
妙に重たくなった体を強引に動かしながらシンは廊下を走る。額にはじっとりと汗がにじみ、呼吸は浅くテンポも速い。こみ上げてくる吐き気を必死に我慢しながら彼は足を進めた。


「この部屋だな…。」
戦艦ゼノンのブリッジでガロードが爆炎の中に消える様子を見送った後、ジャミルとティファは二人の兵士と共に彼らに宛がわれた部屋へと案内された。
 案内された部屋は艦の中では上級なものだが、外に見張りがいるので監禁されている状況と多差無い。
「皆、がんばってる…。」
見張りの兵士に聞こえない大きさでティファは呟く。真横にいたジャミルだけがその声を聞く事ができた。
「なに?」
「皆、未来を変えるために必死にがんばってる…。」
「…そうか…。」
兵士が鍵を開けて扉が開く。だが、ジャミルもティファをその場から動こうとはしなかった。
「我々も未来に、逆らうか。」
ティファはジャミルの言葉にうなずく。その瞬間、ジャミルの右足が鞭のようにうなりをあげて横にいた兵士を蹴り倒した。
「き、きさまぁぁ!!」
もう1人の兵士が銃を構えてトリガーを引く。ジャミルは銃口から連続して吐き出される弾丸を掻い潜り、レスリングのお手本になるような見事なタックルで兵士を悶絶させた。
「ティファ! 行くぞ!!」
「ハイ!」
ジャミルは気絶した兵士から銃を奪うと、ティファと共に廊下を走り出す。
 ティファは今この船で何が起こっているかわかっていた。進入してきたガロードとカトック、拘束を破って脱走したシン。限りなく四面楚歌に近い状態ではあるが、まだ絶望するに早い。
「ガロードとあの人がこの船にいます! 目的は…!」
138GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/01/07(日) 23:22:12 ID:???
第四十八話『こんな所じゃ止まれない』(中編)

「急げ!! やつらにこれ以上の進行を許すな!!」
 通路を大勢の兵士達がサブマシンガンを片手に走る。立った二名の侵入者を撃退するのに時間をかける事わけにはいかないのだ。
ゾンダーエプタから出港した戦艦に潜入したガロードとカトックは、MS格納庫を目指して進んでいた。目的は一つ。
「おいおっさん! ホントにこの道であってんのか!!?」
「兵士がぞろぞろと出てくるってことは、そういうことなんだろ!」
 通路の向こう側から飛んでくる弾丸を壁に隠れてやり過ごしながら二人は叫ぶ。激しい攻撃を抜けた向こう側には新連邦政府の新たな”象徴”として作られた『GX-9901 ガンダムダブルエックス』がある。
彼らの目的はこのダブルエックスを奪取することであった。潜入してMSデッキの位置を把握できたものの、後から後から出てくる敵になかなか前に進む事ができない。
「アイムザットの野郎、よほどダブルエックスが大事なようだな!」
「サテライトシステムが使えるってだけで、利用価値は十分じゃないの!?」
「あの男は自分に投影してるんだよ。サテライトシステムが使えるあのダブルエックスを!」
「投影?」
「そうよ。野郎が強いわけでもないのに、銃を持ったりMSに乗ったりしただけで『俺は強い!!』って思う勘違い野朗と同じなのさ!!」
銃撃が止んだ瞬間を見計らってカトックはマシンガンを敵に向かって乱射する。何人そこにいるかはわからないが、数の上では不利なことは明らかである。
「クソ! このままじゃ押し切られちまうな…!!」
「何人いんだよ一体!? 後から後からわいてきやがって!」
マシンガンは倒した敵から奪ったものである。敵が多いほど多くの弾を確保する事ができるとはいえ、それにも限度があった。
 なかなか止まない銃弾の雨に、二人が進路を変えようとしたその時、敵のいる壁の向こうで騒ぎが起きた。あちらから飛んできていた弾丸の雨が止み、代わりに向こうの通路で激しい応酬が繰り広げられる。
「な、なんだ?」
ガロードは首を出して敵のいた壁の様子を伺うが、通路の向こうで銃の発砲音と人の悲鳴、跳弾の甲高い音が響くだけで何が起こったのかさっぱりわからない。
「誰か裏切った、かな?」
「いや、アイムザットの部下に反旗を翻すような肝っ玉の据わった野郎はいねぇよ。」
 しばらくすると銃声も止み、あちら側からは何の音も聞こえなくなった。
「行くぞ。気を引き締めていけ!」
「言われなくてもわかってるって!!」
残弾の少なくなったマガジンを交換してカトックとガロードは駆け出す。彼らが銃を構えた状態でそこで見たのは十数体の死体とその死体から流れ出る血溜まりに立ち尽くすシンの姿だった。
「シ、シン!?」
「あ…、ガロード…。」
シンの顔は異常なほど青白く、まるで生気が感じられない。立っているのもやっとの状態なのではないかと疑うほどシンは憔悴していた。
「お前どうしてここに?」
「捕まってた…、ようやく脱出できたんだ…。」
「お前さん、白兵戦やるのは初めてか?」
死体を挟んでカトックはシンを見据えた。
 素人目に見てもシンの状態が異常なことはわかる。カトックにはそうなった原因が一体なんなのか、すぐにわかった。
139GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/01/07(日) 23:25:49 ID:???
第四十八話『こんな所じゃ止まれない』(後編)

「MSに乗って敵を倒したことはあっても、生身で人殺しをしたことは無かったってわけか。」
「…ああ、そうだよ。」
 力なくシンは答える。ナイフで二人、部屋を脱出してからすでに二十人以上。敵とはいえ、自分と同じ人間を殺した。MSに乗っていて今まで
見えなかった戦争のむごたらしい部分が見えて、シンは嫌悪感と恐怖を覚えていた。
「MSにだって人は乗ってる。けど今までパイロットがどうなったかなんて考えたことも無かった…。」
「…ちょっとは俺たち歩兵の気持ちがわかったようだな。で? お前さんはまだ『誰もが幸福に生きられる世界』なんて夢、持ち続けるつもりか?」
「『誰もが幸福に生きられる世界』…。」
 カトックの皮肉がシンの中で反芻する。MSに乗っていて見えなかった世界、このむせ返るほどの血の匂いが彼のまわりでは立ち込めている。
自身の家族が殺され、敵を倒すことだけに目を向けていたが、自分の手がこんなに血まみれだったとは想像していなかった。
「こんな血まみれの俺が言っても、説得力ないな…。『誰もが幸福に生きられる世界』なんて所詮夢物語……。」

バシィィッ!!

 カトックの左手がシンの右頬を引っ叩く。叩かれたシンは壁にぶつかり、簡単にひざを折った。力なく座りこむシンの襟をつかんで強引に顔を自分の目の前に持っていく。
「バカ野郎、お前は自分が言った理想がどれだけ大変か今ようやく理解したんじゃねぇか。この現状を変えるために何をしたらいいか、どう動けばいいか、何を使えばいいか! その頭と体は飾りか!!?」
「…血まみれの俺に、そんな資格は………。」
「資格も三角もあるか! 汚ねぇこと知らねぇやつがドンだけ奇麗事ほざこうがそれはただの妄想だ!! 綺麗なことも汚ねぇことも知ってる奴じゃなきゃ、そんな馬鹿げた理想を実現したりしねぇんだ!!」
フリーデンで捕まって尋問を受けていた時は飄々としていたカトックが、本気で親が子供を叱るように激しい口調で言葉を吐き出す。
「俺は、お前がそんな馬鹿げた理想を持ってると知った時は腹の底から笑った。なんにも知らねぇガキだったお前が一つ賢くなったってのに、ここでやめちまったらお前はただのくだらねぇガキに逆戻りだ!!」
「……何が言いたい?」
「俺にはお前みたいな理想を持つことはできん。お前は俺の十分の一も汚さを知らん。その馬鹿げた理想を実現したかったから清濁併せ持ってみろ!!」
「……俺が言い返さないからって、ごちゃごちゃ口出ししないで下さいよ。」
 そういってシンはカトックの腕を振り払う。さっきまで青白くなっていた顔に血の気が戻り、体中から熱が感じられた。
「あんたはおれよりも多くのことを知っている。今はあんたに勝てないけど、あんたは俺が言い負かす。いつか、必ず!」
カトックに背を向けたシンは開いた左手をきつく握り締める。その様子をカトックはうれしそうに唇の端を上げて笑った。
「俺はこんな所じゃ止まれない。たとえ血にまみれても!」
「…ッたく、立ち直りが早いんだから。」
 頭をぽりぽりとかきつつガロードがシンに近寄る。ガロードの目から見ても彼の様子は先ほどとは比べ物にならないくらいエネルギーにあふれていた。
「行こうぜ、俺たちは今格納庫に向かってんだ!」
「格納庫に?」
「アイムザットのおニューの玩具をいただこうって寸法さ。」
ガロードとカトック、そしてシンを加えた三人は格納庫を目指し再び動き始めた。
140GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/01/07(日) 23:36:45 ID:???
新年あけましておめでとうございますm(_ _)m
連載初めてだい〜ぶ立ちましたがまだまだ終りが見えませんねぇ…

遅筆ではございますが、今後ともよろしくノシ
141通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 23:47:05 ID:???
GJです。
マイペースで確実に進めていってくださいな。途中で放り出すような事になるよりは
絶対マシですから。
142通常の名無しさんの3倍:2007/01/08(月) 00:08:43 ID:???
新年の更新乙、そして添削

>>137
>さらにシンは恐怖で固まったもう1人の兵士に襲い掛かった
前文で誰かははっきりしているのでここで「もう1人」と繰り返すとかえって混乱するかも。

>肋骨と肋骨のわずかな隙間に正確に貫き | 隙間を ?

>それまで動いていたものはただの肉片に変わり
文意からすると前者は人間であることを強調した方が望ましい、難癖レベル。

>>138
>立った二名の侵入者を撃退するのに時間をかける事わけにはいかないのだ。
たった二名の 時間をかけるわけには

>勘違い野朗と同じ | 野郎 (まぁ間違っているんではないけれども)

>>139
>そんな馬鹿げた理想を実現したりしねぇんだ!!
未だならざるものを、なっているという形で表現するのは少しマズいかも、
「実現できやしねぇんだ」などで十分かなぁ…難癖レベル。


ここ見てる人は速度より内容重視だと思うので(こう書くとこれはこれでプレッシャーになるかw)のびのび書いてくださいな。
143通常の名無しさんの3倍:2007/01/08(月) 00:51:53 ID:???
GX氏GJ!
15年目の亡霊、GX−9901−DX
「ダブルエックス起動!!!」の台詞は本編らしくXの主人公ガロード・ランか?
それとも奇跡のどんでん返し、DESTINYの主人公シン・アスカか?
と妄想を膨らまして次回を楽しみにしています
144通常の名無しさんの3倍:2007/01/08(月) 15:36:48 ID:???
「ダブルエックス起動」をガロードとシンの2人で言うのを妄想した
145保守作品12:2007/01/09(火) 08:48:42 ID:???
 精密検査を受けたシンは、齢60過ぎになるだろう内科の軍医に、衝撃的な内容を告げ
 られていた。
「コーヒーを飲むなって、そんな無茶苦茶な!」
「バカモン、胃潰瘍の人間がそんな物を飲んでどうする。
 完治するまではカフェインを含めて、胃に刺激を与える物は厳禁だ。
 これは軍医としての命令だ。分かったかね中尉」
「あ、ああ……どうしても、どうしても駄目なんですか?
 軍人なんですよ、戦場に征く人間が、たかが胃潰瘍を気にしてストレスを溜めるなんて
 生存率を下げるだけです。お願いです。他の食事は我慢してもいいですから、コーヒー
 だけは許してください」
 シンは絶滅したウサギのような、哀れな瞳で懇願した。しかし、
「駄目だ、そのストレスでぶっ倒れた軍人は誰だ!
 健康管理も満足に出来ない軍人なんぞ、軍人の資格は無いわ!
 後1日はベッドで療養せい、軍務に戻ってもは食事のメニューを気をつけろ。
 完治までは絶対にブラックコーヒーのがぶ飲みなんぞ許さんからな、復唱!」
「シン・アスカ中尉は胃潰瘍の完治まで、胃に刺激のある食事、酒、及び、コーヒーを
 ───コーヒーを摂取いたしません」
「よろしい、では薬を飲むのを忘れないようにな。
 君の体は華奢に見えるが、人一倍頑丈で治りも早い。
 無理をしなければ身体は答えてくれる、しっかりと養生するんだぞ」
「はぁ、ありがとうございました」
 シンはうな垂れた。
146保守作品12:2007/01/09(火) 08:51:05 ID:???
 シンがコーヒーを嗜む様になったのはプラントに移民してからだ。
 オーブにいた頃は緑茶、コーヒー、清涼飲料水等、色々なものを飲んでいたが、移住後は
 農業資源から作られる嗜好品にあまり手を出さなくなった。
 理由は単純明快、高いからだ。
 プラントで農業コロニーを運営するようになったのは最近のことだし、主食に関わる分野
 が最優先で生産された。故に嗜好品に関してはユーラシア連合を主として、ほぼ100%
 輸入のままだったのだ。
 そんな状況だったのだが、コーヒーは数少ない自給作物として生産を行っていた。そのお
 かげで茶などよりも安く飲めた訳だ。
 もうひとつの理由は、同期でZAFTに入った金髪の友人がコーヒー党だったためだ。
 彼は外見に似合わずかなりの努力家であり、シンも後ろ盾のない移民生活の中、負けてな
 るものかと彼を追いかけた。
 一緒に行動しているうちにシンもコーヒー党に変貌してしまったのだ。

 こちらの世界に来て、太陽が見えたのが10年ほど前からだと知り。コーヒーはもう飲め
 ないだろうとあきらめた。
 飲めても15年以上経過した、軍のレーションパックのインスタントぐらいしかないだろ
 うなあと、遠い目をしたものだった。
 だが意外や意外。この世界に生きる人々の、コーヒーに対する執念は激しかったようで、
 真っ先に生産が再開され、どんな経路を辿っているのか激しく気になるものの、しっかり
 とコーヒー豆を入手することができるのだ。
「それより先に作るものあるだろうが、アンタ等はー!」 
 と考えないでもないが、シンもしっかり恩恵に与っているので文句は言わない。
 異世界に来た挙句、そこはコロニー落しで人類は1%ぐらいしか残っていないという過酷
 な状況下で足掻く中、コーヒーは心安らぐオアシスだったのだ。
 コーヒーブレイクがなかったら、あの小うるさいマイルズあたりは、足の一本ぐらい撃ち
 抜いていたことは想像に難くない。
 シンはかつて味わったことの無い絶望に包まれていた。


 続く、保守
 GX1/144氏、今回も乙でございます。
 まあ歩兵でならしたカトックからみれば、殴りたくなるかもなあ。
147通常の名無しさんの3倍:2007/01/09(火) 09:46:31 ID:???
GX氏も保守氏も激しく乙です
>コーヒーブレイクがなかったら
そ、そこまでw
148通常の名無しさんの3倍:2007/01/09(火) 14:11:08 ID:???
保守氏乙!

マジレスだが、コーヒーが胃に悪いというのは迷信ではなかっただろうか?
むしろ胃に良いはずだが・・・それはそれでネタとして構わないが
とにかくGJ!
149通常の名無しさんの3倍:2007/01/09(火) 16:48:33 ID:???
保守の人乙

英国人の血管には紅茶が流れてると言われるらしいが、
プラント人の血管にはコーヒーが流れてるんだな。

これなら無印種での虎のコーヒー自慢もプラント人としてはごく普通のことだったという事になるな……
150通常の名無しさんの3倍:2007/01/09(火) 19:13:06 ID:???
虎さんについては豆をパーセントでブレンドするな、って突っ込みが多いな。
コーヒー党とは認めんって感じの突っ込み。
151通常の名無しさんの3倍:2007/01/09(火) 19:16:42 ID:???
保守乙!
凸といいコーディは逆に体調不良ネタにされやすいなw
152通常の名無しさんの3倍:2007/01/09(火) 19:26:32 ID:???
コーヒーが胃に悪いのは迷信ではないと思う。
俺は飲むと腹痛くなってしまう。好きだけどさ。
153通常の名無しさんの3倍:2007/01/09(火) 20:20:02 ID:???
二日間ブラックコーヒーだけで過ごした人が
胃が破裂(破れた)したって話もあるしあながち迷信じゃないだろうな

チョビ髭の総統閣下はコーヒーは胃に悪いから野菜ジュースを飲むのが好ましいって言ってるしw
154通常の名無しさんの3倍:2007/01/09(火) 20:36:42 ID:???
アメリカンな薄いコーヒー飲むとだんだん胃が変になるけど
濃いめのちびちび楽しむ分には逆に胃が落ち着く実体験
155通常の名無しさんの3倍:2007/01/09(火) 20:50:34 ID:???
二人で「ダブルエックス起動」か・・・確かに良いかもしれない
ガロードらしい個性をちゃんと出してくれればシンがダブルエックスに乗っても良いとも思う
156通常の名無しさんの3倍:2007/01/09(火) 21:16:05 ID:???
コーヒーは胃に良いってどっかの番組でみた気がする。
157通常の名無しさんの3倍:2007/01/09(火) 21:22:50 ID:???
>>155
ダブル主人公で「ダブルエックス起動!!」は王道になるな。
どう持って行くのかがミソだけど。
158通常の名無しさんの3倍:2007/01/09(火) 21:32:29 ID:???
コーヒーの一部の成分は体にいいけど
一部の成分は体に悪い。
そういう事だろ。
159通常の名無しさんの3倍:2007/01/10(水) 12:11:29 ID:???
コーヒー酔いするんだが、いい対処法はないか
160通常の名無しさんの3倍:2007/01/10(水) 13:33:41 ID:???
飲まない
161通常の名無しさんの3倍:2007/01/10(水) 18:22:17 ID:???
>>148
空きっ腹にコーヒーは胃によくないらしい
飲むなら食事中や食後がいい
熱すぎるコーヒーの飲みすぎは胃がんや食道癌の原因になると言ってたアホ学者がいたが
熱すぎる物を飲みすぎたら、別にコーヒーじゃなくてもお茶だろうがホットミルクだろうがお湯だろうが
ガンの原因になるよw
162通常の名無しさんの3倍:2007/01/10(水) 20:13:01 ID:???
缶コーヒーの飲み過ぎで最近糖尿気味
ちとヤバげ(足にしびれが・・・)
しゃあないので緑茶(玄米茶)に切り替えたサ
163通常の名無しさんの3倍:2007/01/10(水) 23:24:30 ID:???
せめて無糖にすれば
164通常の名無しさんの3倍:2007/01/10(水) 23:29:03 ID:???
糖尿病は暴飲暴食で一度に大量のインシュリンの放出を強いられた
膵臓が疲弊しておこるのであって。
砂糖の取りすぎで起こるんじゃないぞ。
165通常の名無しさんの3倍:2007/01/11(木) 00:12:33 ID:???
>>164
80へぇ
166保守作品13  ◆XGuB22wfJM :2007/01/12(金) 22:35:17 ID:???
 ぼけっとシンは外を眺めて一日を過ごしていた。
 こんなにゆったりするのはいつ以来だろうか。家族が死んだあの日からシンは休んだこ
 となどなかったかもしれない。……コーヒー飲みたい。
 それを苦痛に思うことなどなかった、振り返るほうが余程辛かった。
 外では隊列を組んでランニングに勤しむ兵士たちが見える。彼らも自分と同じパイロッ
 トだろうか、それとも歩兵として戦地に赴くのだろうか。あるいは基礎訓練の一環で新
 兵がしごかれているのだろうか、遠目ではよく見えなかった。……コーヒーは体に良い。

「……アレは大丈夫かな」
 名前を口に出すのは憚られた。云うまでもなくガンダムXのことだ。
 何故自分はアレを壊さなかったのだろうか、この世界の地球で育たなかったから本当の
 恐ろしさを理解できなかったからか、革命軍から地球を守るためだろうか、兵器に罪が
 ないからか、どれも正解の筈だ。だが本心ではどうだったのだろう。

              ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
 本当は、真実はただGXに乗りたかっただけではないのか───
「俺は、俺はそんな馬鹿じゃない」
 首を振って心の奥底から沸いて出た答えを否定する。
 違う、違うはずだ。そんな子供じみたことがしたい訳じゃない。兵器は玩具じゃない。

 だがあのDXのサテライトキャノンに対する恐怖は、裏を返せば自身が持ちえる究極の
 意思の具現者たりえるのではないだろうか。
 何もかもを押し通す力。何者にも屈せぬ力。あらゆる軍事力を個人が覆しうるジョー 
 カー。そんなものに憧れているのではないのか。自分はその程度の人間なのではないか。
「そんなの、あのフリーダムと変わらないじゃないか」
 そうだ、絶対的な戦闘力を誇った最高のモビルスーツとパイロット。俺の家族を焼き尽
 くしたガンダム。ユニウスセブンから始まった戦争で最強と呼ばれた存在。あの縦横無
 尽に戦場を駆け巡り、自由自在に勝利をもたらす存在に自分もなりたいのだろうか。
167保守作品13  ◆XGuB22wfJM :2007/01/12(金) 22:37:15 ID:???
 世間では彼らを英雄扱いするものも多かった。
 だがZAFTに入隊したシンは知っている。彼らはエターナル、フリーダム、ジャステ
 ィスといった、国防の要であった禁断の最終兵器をこともなげに強奪し、同じく連合か
 ら脱走したアークエンジェル等の軍艦や軍人と共にZAFT、連合双方へ攻撃を仕掛け
 たのだ。おそらくは彼ら自身の理想と信念で。

 もしも彼らがプラント中枢を掌握し、新しい体制を作っていたのならば、それは単純な
 クーデターなり革命なりと呼ばれるものだったのかもしれない。
 だが彼らは逃げた。奪った兵器を返すこともなく姿をくらました。彼らは自らを正義に
 押し上げることなく消えてしまった。それでは残るのは混乱する社会と、テロリズムを
 正当化してしまう歪んだ正義感と、犯罪者の汚名だけだろうに。
 百歩譲って、彼らを停戦に導いた英雄だと仮定しても、彼らは戦争を起こさない世界を
 作る努力を放棄した。
 気に食わない戦争を止める努力は成し遂げても、戦争と戦争の間、即ち平和というかけ
 がえのない時間を長引かせる努力は無かったらしい。

 彼らは世界が気に食わなくなったら、また最強のモビルスーツを駆って戦闘を止めるの
 だろうか。それとも今度は傍観者に徹するのだろうか。
 再び彼らが表舞台に立つ時、世界は彼らを容認するのだろうか、犯罪者として糾弾する
 のだろうか、それとも彼らを否定する自分こそが悪だと断定され排除されるのだろうか。
 とりとめのないことばかりが頭を巡る。コーヒーが欲しい、こんな煮詰まった頭にこそ
 コーヒーの香りが何よりの薬だというのに、あの老いぼれ医者め。くそ。

 ぐるぐると良からぬことばかり考えながら、演習の為に飛び出していくバリエントを眺
 めるシン。彼の心の平穏はやはりコーヒー無しには在り得ないのだろうか。

 そんな彼の元へ凶兆が舞い込むのは、世界が黄昏に染まった時だった。



 即興で作成、続く。
 トリップの使い方を覚えたので使ってみる。うまくできてるかな、
168通常の名無しさんの3倍:2007/01/12(金) 22:44:35 ID:???
GJ!
シンってばすばらしいまでにコーヒー中毒www
169通常の名無しさんの3倍:2007/01/13(土) 01:30:25 ID:???
保守乙!
コーヒー狂シンに乾杯
170通常の名無しさんの3倍:2007/01/13(土) 13:26:58 ID:???
すごいな…このコーヒー中毒者
ところで保守さんのシンはどの時点からとんできたんだ?
今回のがくる前は自分は種死終了後(FP無視)かなと思ったんだが
なんか違うような気がしてきた
171通常の名無しさんの3倍:2007/01/13(土) 19:40:26 ID:???
>>170
俺も気になった
個人的にメサイアからの出撃前か、アーモリーワンの強奪事件前だと思うが
あまり気にしてもしょうがないだろう
そのうち明かされる・・・と、思う
172171:2007/01/13(土) 21:33:34 ID:???
・・・ってメサイアはありえねーよ
何考えてんだ、俺orz
173通常の名無しさんの3倍:2007/01/13(土) 21:44:05 ID:???
インパ受領前だろ
174通常の名無しさんの3倍:2007/01/13(土) 22:12:45 ID:???
デスティニーアストレイで記者達集めての正式発表前にテストパイロットやってたんだが
やる前?それとも正式発表の後の強奪からの出撃前?
インパルスの件は議長が決めた事だってコートニーが言ってたし
テストパイロット就任前かな?
175通常の名無しさんの3倍:2007/01/13(土) 22:12:54 ID:???
>>173
受領前ってデストレイ初期頃かよ
176通常の名無しさんの3倍:2007/01/13(土) 22:15:10 ID:???
でもシンはSEED発動してるんだよな……まぁ、前から発動できたのかもしれないが。
177通常の名無しさんの3倍:2007/01/13(土) 22:53:36 ID:???
>>176
それはニュータイプ研究所とかの訓練という意味だよな?
ザムザザー戦前から発動させるのは無理だよな?
SE2もあるし
178保守ってる人  ◆XGuB22wfJM :2007/01/13(土) 23:48:29 ID:???
とりあえず保守!
なんか揉めてる、ごめん。シンがこっちに来たのはアカデミー卒業直前です。
SEED発動はニュータイプ研究所のカロン女史の挑発に切れてです。
こっちに来て右も左も分からずカトックに拾われ、あっちゃこっちゃ行って、
旧連邦モビルスーツを色々乗り回して活躍。
研究所に推薦されて、珍しいカテゴリーFなので中尉扱いの注意扱いで
紛争地域で実践テスト兼ねて任官して現在に至る。という裏設定を今年に
なって考えました。
作品中で明示しなければいけないんだけど、中々難しくて……すんません。

……作品終了後にCE世界で緑服として頑張るシンを今思い浮かんだ……
179通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 00:12:35 ID:SGqoHJWV
>178
議長の言うことに二つ返事で尻尾振る犬じゃないからガンダムもらえなさそ・・・・緑服シン
180170:2007/01/14(日) 01:18:17 ID:???
ごめん。おいらの発言が原因で…
でも、つい気になっちゃって…
そうか、AWに来て大分たってるからCE居続けるより、たくましいんですね
181通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 03:45:21 ID:???
シンに緑服は似合わなそうだ。
元々赤福前提でデザインされてるっぽいし。
182通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 03:47:25 ID:???
>中尉扱いの注意扱いで
不覚にもここで噴いたw
183通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 10:09:10 ID:???
>>179アレックスだって貰えたんだから問題ないだろ、多分
>>181ディアッカが黒服、キラが白服着てるんだし関係ない
そもそも軍服が似合うなんて普通はほめ言葉にならんよ
184通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 10:50:24 ID:???
それもそうだ
とにかく今後の展開に期待するだけ・・・だな、うん
185保守作品14  ◆XGuB22wfJM :2007/01/14(日) 12:31:06 ID:???
「シン・アスカ中尉ですね、少々伺いたいことがあってお邪魔しました。
 療養中にすみませんが、一緒に来ていただけますか?」
 陽が沈みかけたころにシンの元を訪れたのは、眼鏡を掛けた一見して物腰穏やかな大尉
 だった。
 そして彼に付き従う少尉が二人、ただ妙にこちらを警戒しているような視線を向けてく
 る。手の動きが怪しい、……まさか銃を取る気じゃないだろうな。シンはとてつもなく
 嫌な予感と、胃がキリキリ痛むのを感じた。が、
「はっ! わかりました」
 反射的に即答するシン、階級社会は絶対なのだ。
 内心いぶかしんではいるのだが、正面きって問い返す必要もない。命令とあらば付いて
 いくだけだ。
 しかしこの気配は容疑者を連行するような雰囲気ではなかろうか。

 俺、何か悪いことしたかな。……してるな。
 やばいGXがばれたのか、くそ、ルマークの奴俺を売ったか、あるいはかつての部下が
 口を滑らせたのか、大丈夫かな皆。
 ここで顔色を悪くしては余計に疑われる。平常心だシン。落ち着けシン。絶対にアスカ
 中隊だった人に迷惑を掛けないようにしないと。ルマークはどうでもいいけど。

 移動中は大尉の後ろを着いていく形だったが両脇を少尉が固めてくる。中途半端に警戒
 されているようだ。
 移動しながらシンは思考を巡らす。確証があるならもっと気合を入れた武装で囲むか、
 ベッドで寝てるときに問答無用で捕縛すると思うんだが……着いたら解るか。
 ……マユ、最悪の場合、お兄ちゃんは反逆罪で銃殺刑になるかもしれないよ、そしたら
 暖かく迎えてくれるよな。

 ほどなく着いたのは小さな会議室。いや取調室と呼ぶにふさわしい小部屋だった。
 軍事裁判という訳でも無いらしい、本当に聴きたいことがあるだけなのだろうか。
「掛けて下さい。中尉」
「失礼します」
 大尉と正面に向き合う形でシンは腰を降ろした。

「さて、こんな犯罪者のような扱いをして申し訳ないとは思っています。
 お気づきと思いますが、我々は情報部の者です。
 今回中尉にお聞きしたいことは、これです」
 鞄から取り出されたファイルを机の上にバサリと広げる大尉。そこには見知った顔写真
 が見えた。
「アベル少尉! あ、いえ中尉でしたね」
 こちらの反応を見ながら大尉はにこりと笑った。胡散臭いことこの上ないような柔らか
 い笑みだ。
「そうです。アベル・バウアー中尉について貴方にお聞きしたいことがあって、お呼び立
 てしたのですよ。
 色々と質問をする前に、貴方のアベル・バウアー中尉の印象をお聞きしたい。
 彼はどんな人間でしたか、中尉?」
186保守作品14  ◆XGuB22wfJM :2007/01/14(日) 12:35:03 ID:???
「どんな人間かですか。そうですね軍人としては極めて優秀であり、命令に不服従であっ
 たことは一度もありませんでした。
 パイロットとしても一流であり、副隊長として随分助けられました。人並み以上の功名心
 や出世欲はあったとは思いますが、人並み外れる程ではなく、他人を貶めるような陰険
 な姿勢ではなく、単純に戦功を立てて昇進を目指すような模範的な向上心ある軍人であ
 った、と感じました」
「成る程、良くわかりました。では本題に入りましょう。
 ……彼は3日前、エスタルドという地域で、とあるバルチャーと交戦しました。
 ニュータイプ研究所からの指示で、特殊な実験機を用いて戦闘を行ったようです。
 結果は敗北でした。彼の実験機は頭部と腕を失い、撤退しました。そこまではいい。
 問題はその後です。
 彼は共に作戦に参加していた上官に危害を加え、逃亡。
 交戦したバルチャーに回収されたました。その時の写真がこれです」
 そこには確かに頭部と右腕を失ったモビルスーツが、白い陸上戦艦に回収される所が写
 っていた。

 その時点でシンは気づいた、その戦艦を知っていることに。
 ───フリーデン。
 かつてのニュータイプ兵士にして、旧連邦最高のエース、ジャミル・ニートが乗るとお
 ぼしき戦艦。3機のガンダムタイプを有する、バルチャーの中でも新連邦と渡りあえる
 最強クラスのバルチャーだ。いや、今はあのDXを加えて4機だったか。

「さて、私が聴きたいのはアベル中尉が何故、そのような暴挙を行ったのかです。
 よって私の質問に正直に答えて頂きたい。かつての部下を思う気持ちはわかりますが、
 嘘偽りの無いようにお願いしますよ」
 眼鏡の奥で狡猾そうな瞳が光る。
「何らかの理由があったと思います。その危害を加えられたという上官はなんと───」
 こちらから情報を入手しようと口を開いた瞬間、大尉の雰囲気が豹変した。

「勘違いするな中尉。質問は私がするんだ。君はそれに答えるだけでいい。
 君の意見など必要としていない」
 このサド野郎、正体現したなクソッタレ。

 シンにとって拷問と呼ぶに相応しい、長い長い時間が始まった。



短く保守、
……あのニュータイプ候補者試験の順番が入れ替わりました。シャギア・フロストのカー
ドの目が大きかったということで。
週末だからGX1/144氏くるかなあとwktk
187通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 13:56:29 ID:???
保守氏乙!
これからの展開が気になって今ハジケまくってる
続きを楽しみにしている
188保守作品15  ◆XGuB22wfJM :2007/01/14(日) 17:13:07 ID:???
「───ですので、出発前の様子は中尉になる喜びとニュータイプ候補としての気概に満
 ちていました。翌日シャトルを見送って、アベル・バウアー中尉のアスカ中隊の活動は
 総てです」
「分かりました。
 先ほどの内容を思い出せる限り詳しく、どんな些細なことでも構わないので最初からも
 う一度話してください」
 にっこりと笑いかけるサド野郎。これで何回同じこと言わせてるんだ、この眼鏡。
 怒るなよシン、怒ったら負けだ。尻尾を掴まれるな。って別にアベルのことについては
 全く隠すことがないので、自然に怒りがこみ上げてくる。いい加減にしろ!
 ……落ち着け、これが奴の手だ。怒る様子も観察対象なんだ。落ち着けよ、落ち着け。

「はい、彼はアスカ中隊発足当初から部隊に居た人間で〜」

 質疑応答は続く、シンは怒りの矛先を変えるため、口で話してることとは別に今回の事
 件について考え始めた。

 アベル少尉が裏切ること自体が考えられない。あのザ・軍人と言えそうなムサ苦しい顔
 からは古参とかベテランとか早死にといった、良き先人のオーラは漂っても、裏切ると
 か賄賂とかは縁遠いのだ。出世のために焦ったり、功を競った挙句墜落死とかは凄くあ
 りそうだが、断じて自分を認めてくれる存在に対して牙を向くタイプとは思えない。
 第一あの人、軍人辞めて生きる場所あるのか、バルチャーになるって言っても軍服以外
 果てしなく似合わないぞ。
 勝手気ままなバルチャーか、フリーのモビルスーツ乗りになって悪行の限りを尽くす
 アベル・バウアー……
 ってかありえない、名誉とか地位とかに固執するタイプだからなあ。若い頃からあんな
 のだったのかな、というか若い頃ってあったのかあの中年。
 意識が朦朧としているので、普段だったら頭の中でも思わないような失礼極まりない感
 想が浮かぶシン。

 シミュレーションしてみる。まともに命令どおり戦って、返り討ちに遭い頭と腕を失な
 う。戦闘続行不可能だと判断して撤退。ここまでは普通だ、全く違和感がない。
 そして上官へ攻撃……自分がアベルに攻撃される状況を考えてみる。

 ……俺が上層部の命令を無視した。ありえるかな、でもそれなら拘束したりするのが適
 切だしな。
 ……単機突撃しろと命令した。ありえないな、アベルの腕ならそんな命令でも切り抜け
 てしまうかもしれないし、性情からいっても上官に反逆はしないだろう。
 ……後ろから撃った。ありえるか、ってそんな上官いる訳ない。

 他にもちらほらと考えは浮かぶが、ピンと来るものはない。
 大体見せられたのはフリーデンに運び込まれる機体を写した写真だけ。後はアベルのプ
 ロフィールしか見せてくれない。
 その上官がどんな人物で、どんな行動をしていたのかも分からないのでは叛意の理由な
 ど推測のしようもない。堂々巡りだ。

 フリーデンに回収されたのも分からない、直前まで殺し合いをしていた相手に助けを求
 めるのも、助けられたのもおかしい。
 バルチャーがお宝欲しさに回収するのは納得がいく。
189保守作品15  ◆XGuB22wfJM :2007/01/14(日) 17:15:46 ID:???
 返り討ちにして機体をかっぱらう。実にバルチャーらしい。しかも実験機だったらしい
 し、とても高く売れるだろう。
 ──────実験機!?
 ニュータイプ研究所の実験機といえば、ニュータイプ技術という言葉がつき物だ。
 となれば十中八九フラッシュシステム対応の機体だった筈。ニュータイプの機体……
 稼動していたというbitモビルスーツ。ニュータイプ候補のアベル。かつてのニュータ
 イプ兵士ジャミル・ニート。ニュータイプの保護を目的としているジャミル・ニート。

 再びシミュレーションしてみる。
 戦闘中にアベルと、ニュータイプの力が戻ったジャミル・ニートのフラッシュシステム
 が感応する。その結果アベルに何らかの価値観の変化が起こった……悪くない推理かも
 しれない。
 そしてアベルはフリーデンの味方になろうとして上官に攻撃を加えた。現在はニュータ
 イプ同士、フリーデンで仲良くやっている。
 ……後2歩ぐらい足りなくて、3歩ぐらい横にずれている気がする。第一裏切るなら戦
 闘中に裏切るだろうし、やはりしっくりこない。
 アベルがニュータイプもないだろう、あの年齢で人類の革新とかいわれてもどうかと思
 う……偏見かな。

 推理を続けるシンの耳に、
「これは、大佐殿」
 詰問していた大尉からそんな言葉が聞こえ、意識を現実に戻す。
 そこには大佐の階級章を胸に着けた、二十歳にも満たなそうな青年がいた。
 嘘だろ、と口から出なかったのは僥倖だった。
 そんな馬鹿なと言いたい。そんなのオーブで読んだコミックでもそうないぞ、偉いとこ
 の息子さんが身内人事だったりするのか、いやいやいやいやいやいや、そんなオーブじ
 ゃないんだから在りえない。
「ご苦労、君たちは下がっていい」

 その目つきの悪い青年は、大尉と少尉達を部屋から退出させると自己紹介を始めた。
「はじめましてシン・アスカ、私の名はオルバ・フロスト。階級は大佐だ」
 驚き覚めやらぬシンをほったらかしにして、なおも大佐は続ける。
「君は私の兄にも会ったことがある、階級は同じく大佐、名はシャギア・フロスト。
 セインズアイランドで援軍要請を行った大尉。彼が私の兄だ」

 ああ、叶うならば、えぇぇぇ!と叫びたい。そんな馬鹿なと叫びたい。
 その年で大佐ってなんだよ、大尉から大佐へ3階級特進ってなんだよ。
 世の中間違ってることがいっぱいあり過ぎだ。

 まさに信じられないといった面持ちのシンを眺めながら、オルバ大佐は更に言葉を続ける。
「カテゴリーFのシン・アスカ中尉、我々と共に世界を創り直さないか?」
 そんな爆弾発言を続けた。



 保守。
 タイピングのノリがいい。オルバって公的な場所では私で良かったよね?
190通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 18:37:00 ID:???
保守氏GJ!
一日で二回の投下・・・あなたはすごすぎる
これからシンはどうなっちまうんだ!?
191通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 21:36:33 ID:???
保守乙!
この更新速度は凄いな
192通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 23:00:51 ID:???
ああ、面白かった〜!
GJです保守氏
193通常の名無しさんの3倍:2007/01/15(月) 14:55:54 ID:???
>ああ、叶うならば、えぇぇぇ!と叫びたい。そんな馬鹿なと叫びたい。
その年で大佐ってなんだよ、大尉から大佐へ3階級特進ってなんだよ。
世の中間違ってることがいっぱいあり過ぎだ。

そんなことで驚いていたら、もとの世界に戻ったときタイヘンだぞv
もっそい、身内人事でニート→テロリスト→准将(中将?)なんてのあるからなv
194通常の名無しさんの3倍:2007/01/15(月) 21:00:52 ID:???
>もっそい、身内人事でニート→テロリスト→准将(中将?)なんてのあるからなv

挙句、そのままZAFTの白服とか「世の中舐めてるにもほどがある!」って事になるぞ
195通常の名無しさんの3倍:2007/01/15(月) 21:14:48 ID:???
しょうがないじゃないか。テロリストだろうが銀行強盗だろうが政権をとっちまえば国家主席にだってなれる。
スターリンとかみたく。
196通常の名無しさんの3倍:2007/01/16(火) 20:05:01 ID:???
2年前にプラントのっとっちまえばこんな事にはならなかったんだろうな・・・
197通常の名無しさんの3倍:2007/01/16(火) 20:38:13 ID:???
そんな話しは止せよ、これからの展開についてでも語ろうぜ
198通常の名無しさんの3倍:2007/01/16(火) 21:47:16 ID:???
兄弟スレの連中はGレジェンドコミックスの
存在を知らない奴らがいるらしいがここの住民は大丈夫か?
199GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/01/16(火) 22:34:44 ID:???
なんか保守さんのほうが多くなってしまっているなぁ… 私も頑張らねば…
っても… 卒研が… すいません、ペース上がらなくて…

第四十九話『落ち着く事が大事なんだよ』(前編)

「進入したフリーデンのクルーが、MS格納庫前に現れました!!」
「なるほど、連中の狙いはダブルエックスか・・・。」
 通信士からの報告にアイムザットは納得した顔であごに手を当てた。ゾンダーエプタから脱出したガロードたちの目的はジャミル・ニートとティファ・アディール、
そしてシン・アスカを助け出すことであることは明白であった。だがこの船のどこに彼らが捕まっているかはわかるはずもない。
闇雲に進んでいるとおもっていたが、MSデッキに彼らが現れたとなると話は変わってくる。
「確かにダブルエックスを奪取されたら厄介なことになるな。だが、所詮はバルチャーの浅知恵だな…。」
 この船にあるMSはフロスト兄弟のヴァサーゴとアシュタロン、そしてダブルエックスの三機である。この三機の中でダブルエックスは最も強く、そして最も弱い。
 ジャミルの乗っていたGXを回収しデータを解析して新しく作り上げたダブルエックスは、試作段階であるために専用のライフルやシールドは存在しない。
通常の戦闘ではパイロットの技量によっては戦えなくもないが、一流のパイロットであるフロスト兄弟を倒すことができるとは言いがたい。
「サテライトキャノンのチャージが完了してしまっては手の施しようがなくなるが、逆に言えばそれ以外に使える武器がないということだからな。」


 格納庫のゲート前では激しい攻防が繰り広げられていた。シン、ガロード、カトックの三人は、サブマシンガンを片手にゲート前にコンテナを積んでバリケードを設置した新連邦兵士に対して攻撃を仕掛ける。
だが、敵がバリケードに隠れてしまえばまっすぐにしか飛ばない銃弾は当たることはない。戦況はこう着していた。
「くっそ〜。格納庫は目の前だってのに!」
壁に隠れて苦々しげにガロードは呟く。向こうからも銃弾はひっきりなしに飛んできている。この状況で突撃したところで体を蜂の巣にされてしまうのが目に見えていた。
「どうすんだよ! このままじゃ最悪挟み撃ちだぞ!!」
ガロードと反対側の壁に隠れていたシンもぼやく。通路にいる彼らはいつ後ろから攻撃されてもおかしくない状況に立たされていた。数でも地形でも不利な彼らにとって、長期戦の先に待つのは『死』の一文字だけである。
 敵の兵士の1人が手榴弾のピンを抜いた。ガロードたちは通路の壁以外に遮蔽物がないため、爆発物が通路の突き当たりの壁まで届けば後は床に伏せるしかない。
「それ!!」
気合を入れて投げた手榴弾はワンバウンドしてガロードたちのいる通路へと飛んでくる。後は爆発した後に一気に始末するだけ、兵士はそう思った。だが、歩兵としてのキャリアが長いカトックが彼の予想を裏切る。
「へっ!! 投げるが、早いぜ!!!」
彼はなんと、飛んできた手榴弾をまるでサッカーボールを蹴るかのように蹴り返したのだ。
 通常手榴弾はピンを抜いてもすぐには爆発せず、一定の時間が経過した後に爆発する。カトックは長年の経験で投げるタイミングをしっかりつかんでいた。
 まさか投げ放たれた手榴弾が戻ってくるとは思っていなかった兵士達は、手榴弾の炸裂音に飲まれて消えた。
「ナイス!!」
「へ! この歳で伊達や酔狂で歩兵をやってるわけじゃねぇぜ!!」
カトックの思わぬ行動にガロードは賞賛の声を上げる。対してシンは信じられないといった表情であんぐりと口をあけた。
「…なんか、言いたそうな顔してるな?」
「めちゃくちゃだよあんた…。手榴弾を蹴り返すなんて普通じゃない。」
「バーカ、投げるタイミングを知らなかったあいつらが悪いんだよ。」
もうもうと煙を上げるバリケードの向こう側へ走りながらカトックは唇をゆがめる。シンも後に続いた。
「まったく、何でこっちはこんな規格外の奴らばっかりなんだよ!?」
200GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/01/16(火) 22:37:02 ID:???
第四十九話『落ち着く事が大事なんだよ』(中編)

 吹き飛んだ格納庫の扉をくぐり中に入ると、正面に鎮座する1機のMSが彼らを迎えた。
「これが、ガンダムダブルエックス…!」
ガロードは直立状態で固定されたダブルエックスを静かに見上げた。
 ダブルエックスはガロードが乗っているGXの直系の後継機に当たる。見た目は胸のマイクロウェーブ受信部以外は似たような所はなく、ぱっと見ただけではそのようには見えない。
 だが、ダブルエックスは最大の武器ツインサテライトキャノンの出力向上のために幾重にも設計しなおされ、GXのそれにくらべて倍近い出力向上をする事ができた。黒く塗装された上半身に無骨になった四肢、
重量感の増した姿にガロードは圧倒された。
「これがさっき話で出たダブルエックスか…。GXに比べるとかなりごつい機体だな…。」
ガロードの横でシンもダブルエックスを見上げる。ジャミルはこの機体がサテライトシステムを起動しただけで降伏した。プラントやコロニーを一撃で屠る事ができるというが、シンにはあまり実感のわかない話であった。
 カトックはというと、入ってきた入り口の緊急用のシャッターを下ろしていた。ようやく目的の格納庫までたどり着く事ができたというのに、また邪魔者が入ってきてはたまったものではない。
「これで、よしッと!」
シャッターが下りたことを確認すると、シャッターの制御装置をこわして操作不能にする。シャッターは内側からしか操作する事ができないため、後は大型の機材を使わなければ進入することは不可能である。
 だが、アイムザットもそのことは承知している。既に別の手段が講じられていた。
 真っ暗でほとんど何も見えない格納庫の中で、カトックは壁に設置されている通路に赤い光を見つけた。危険を察知した彼は、ガロードとシンをその大きな体を使って押し倒す。
「あぶねぇ!!」
『うおぁあッ!!』

ダァン!!!

 床に伏せた3人の頭の上をライフル弾が通り過ぎる。カトックはすぐさま身を起こすと、ガロードとシンを脇に抱えて近くにあったコンテナの裏へと走る。
「おい! 俺たちは犬や猫じゃないんだぞ!!」
「苦情は後で聞く!!」
カトックが走っている間にも2回、3回と銃声が続いた。どうにかコンテナの後に隠れると、銃弾が飛んできた方向に目を向けた。
「狙撃部隊…、だな。」
「クソッ、先に入ってやがったな…。」
「正確な射撃だ。暗視スコープ付きのライフルを持った奴が3人、上から狙ってるみたいだ…。」
コンテナに背中を預けながらシンは呟く。カトックとガロードはシンの思わぬ発言に耳を疑った。
「お前、敵が見えるのか?」
「こんな真っ暗な中で見えるわけないだろ? さっきの銃声、3回とも別の場所から聞こえたからさ。少なくとも敵は三人、って言ったんだよ。」
「ほぉう、たいした耳持ってんじゃねぇか。」
シンの聴力に感心しながらカトックは上着のポケットを探る。目的の物を見つけると、シンとガロードの前に差し出した。
201GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/01/16(火) 22:38:53 ID:???
第四十九話『落ち着く事が大事なんだよ』(後編)

「ここからは長丁場になるな。ここらでひとまず、気分転換と行こうぜ。」
カトックの手に握られていたのはガムの袋であった。シンはそれをまじまじと見ながらカトックの神経を疑った。
「あんた、なんだってこんな時にそんなに落ち着いてられんだよ? ここは敵陣だってのに、そんなにのんきに構えてて良いのか?」
「敵のど真ん中だからこそ、落ち着く事が大事なんだよ。焦ったって奴さんが引いてくれるわけじゃねぇだろ? とっとと食え。塩味が効いてて、うまいぞ。」
「ハハ、塩味のガムか…。」
ガロードは彼の手から躊躇することなくガムを受け取る。ガロードのその様子を見たシンも自分だけ取らないわけには行かないと持ったのかしぶしぶガムに手を伸ばした。
「うへっ…! なんて味だよ…。」
「おいおい、吐くんじゃねぇぞ? 食べ物を粗末にするなってママにいわれなかったか?」
「大きなお世話だ!!」
カトックの言葉に顔を赤くしながらも、シンは海水の滲みたガムを奥歯で噛み締めた。


 クチャクチャとガムをかみながら3人はこの状況をどう打開すべきか議論を始める。敵は上に3人、しかも暗視スコープ付きのライフルでいつでもこちらを狙撃できる状態。
対してこちらは弾数であれば負けはしないものの、敵が見えない以上こうやってコンテナの陰に隠れていることしかできない。
「とりあえずは、どうしようもないってことだな…。」

ジジジジジ……

 3人がどうしたものかと頭をひねっていると、緊急用のシャッターを閉じた入り口の方から異音が響き始めた。入り口の方に目を向けるとシャッターから2本の青白い炎が飛び出している。
「やばいぞ、あいつらガス溶接機でシャッターを強引に破る気だ!!」
「この状況で奴らに入られたら、いよいよアウトだ。それに、あいつをどうにか手に入れないと…!!」
今まで余裕の表情だったカトックから余裕が消え、初めて焦りの色が見えた。シンたちには退路はなく、シャッターの向こう側にいる兵士と比較したら弾薬も少ない。
状況は彼らに不利な方向へと動き始めた。
「一か八か突っ込むか…。」
「バカ、狙い撃ちにされるのがオチだって!」
「…いやまてよ? そうでもないかも知れねぇぞ…。」
溶接機でどんどん切断されてゆくシャッターを眺めながらカトックの頭の中で一つの状況要素がまとまっていく。導き出された答えはなかなかできない発想のものであった。
「二人とも、俺に命を預けられらるか?」
真剣な表情で、カトックは二人を見つめた。
202通常の名無しさんの3倍:2007/01/16(火) 23:01:25 ID:???
更新乙、そして添削

>>199
>シン・アスカを助け出すことであることは明白であった。
ことであること はくどいかも、難癖レベル。

>サブマシンガンを片手にゲート前にコンテナを積んでバリケードを設置した新連邦兵士に対して攻撃を仕掛ける。
片手にの後は句読点で区切っておいた方が読みやすいかも、難癖レベル。

>戦況はこう着していた。 | 膠着

>>200
>見た目は胸のマイクロウェーブ受信部以外は似たような所はなく、ぱっと見ただけではそのようには見えない。
後半の文章が直前にかかる読み方も出来るので、
指示語は使わず「別の機体」など直接的な表現でもよいかも、難癖レベル。

>>201
>シャッターの向こう側にいる兵士と比較したら弾薬も少ない。
口語表現的。「比較すると」あるいは「比べると」などの方がよいかも、難癖レベル。


ペースのことは気にしないでいいですよ。
保守氏はスレのモチベーション上げるためにハイペース出してくれてるんでしょうし。
体に気をつけて卒研がんがってください。
203保守作品16  ◆XGuB22wfJM :2007/01/16(火) 23:22:37 ID:???
「は、─────世界、でありますか?」
 何を言ってるんだこの大佐殿は。作り直すも何も、既に壊れた後だ。
 間抜け面をしてると自覚しつつも、鸚鵡返ししかできない。

「そうだ、我々カテゴリーFと呼ばれた人類が新しい時代を開く」
 絶対の自信を漲らせ断言するオルバ大佐。
「そんな馬鹿な……」
「可能だ。
 既に我々の同志が情報部や親衛隊に深く入り込み、時代の転機を待っている。
 後は決起まで力を蓄えるだけだ。
 新連邦は革命軍との戦争を想定している。
 もうすぐだ。もうすぐ時代が雪崩のように動き出す。
 君にもその一翼を担ってもらいたい」
 熱っぽく語る大佐。

 実のところシンの馬鹿なという発言は、そんな馬鹿なことが実現できる筈がないという
 ニュアンスではなく、アンタたち馬鹿じゃないのかという意味だ。
 誤解してくれなければ、とても危なかった。

 シンは高速で思考を走らせる。
 もしかして、俺はとんでもないことに巻き込まれているんじゃないだろうか?
 この大佐正気か。クーデターでも起こすつもりか。大佐にまでなったのに、なんでこんな
 に野心たっぷりなんだ。大体この大佐何者なんだろう。
 馬鹿を諜報に回すほど上も無能では無いだろうから、単純な身内人事の線は多分無い。
 それでもこの若さでこんなに出世してるんだから、それなりのコネと余程の実績を持っ
 ていて、何より途轍もなくえげつない事をしているに違いない。
 こんな大佐に命運を預ければどんな未来が待っているのか、コーディネイターの卓越し
 ていると云われる頭脳でエミュレーションしてみる───
204保守作品16  ◆XGuB22wfJM :2007/01/16(火) 23:24:12 ID:???
「そんな反逆には手を貸せません」
「残念だよ、シン・アスカ君。
 僕たちの事を吹聴されると困るからね、死んでもらうよ」
 PAM! PAM! PAM!
 ……ダメだ。

「分かりました!」
「良かった。これで僕たちの理想にまた一歩近づいたよ」
 某月、某日、ある戦場で、
「命を捨てて阻め!」
 ……ダメだ。

「誰にも言いませんから見逃してください」
「残念だよ、シン・アスカ君。
 ではこの話は無かった事にしよう」
 やはりある戦場で、
「戦場に誤射はつきものだからね」
 後ろからビームの直撃を受け、コクピット蒸発する。
 ……ダメだ!

「貴方の同志となって新しい世界を築きます」
「嬉しいよ、シン・アスカ君。
 ニュータイプでも、オールドタイプでもない我々で新時代を築くんだ」
 革命軍鎮圧後、クーデター成功。
「ジークシャギア! ジークオルバ!」
 ……イヤだ。

 八方塞がりじゃないか! どうする。どうしよう。
 とりあえず突破口を見つけるために反応を引き出す。。
「大佐殿も、その、カテゴリーFなのでしょうか?」
 ───瞬間。
 怒り、嘲り、妬み、愉悦、それらを内包した形容しがたい表情を浮かべるオルバ大佐。
「そうだ、君と同じカテゴリーFだ。
 オールドタイプには無いなんらかの力を保有しながらも、ニュータイプとは認められな
 かった欠陥品。
 ただの人からは超人扱いでも、軍にとってみればまがい物。
 出来損ないの烙印を押された新人類だ」

 噴き出る負の感情にたじろぐシン。
 はっきり言ってシンには理解できない感情だった。
 この世界の軍隊で、ニュータイプの威光は絶対だ。
 誰もがそれを知っていて、誰もがそれを欲しがっている。
 それに成り損ない、妬みながら、羨みながら、憎みながら怨嗟を積み重ねていけば、 
 こんなカタチになるのだろうか。

 その歪んだ瞳を見た時、シンの記憶を掠める瞳があった。
 そうだ、あのハーフコーディネイターだった友人に似てるんだ。
205保守作品16  ◆XGuB22wfJM :2007/01/16(火) 23:27:08 ID:???
 彼の方がシンを友人と思っているかと言われれば今では自信が無いが、シンは彼を尊敬
 できる友人だと思っていた。
 彼の父親はコーディネイターであることを隠して結婚し、子供を生み、そして悲劇を起
 こしてしまった。両者が混在するオーブならではの事件だった。
 騒動の詳細は知らされなかったが、彼に対する血液検査で片親がコーディネイターであ
 ることが洩れた。
 家庭内でどんな会話があったかは想像も付かないが、しばらくして彼の両親は別れた。
 彼の顔からは笑みが消え、利己的になり周囲を見下し、嘲り、そして羨むようになった。
 彼は優秀だった。誰よりも勉強して、訓練をして、誰にも負けなかった。
 同世代のコーディネイターを一蹴するほど優秀であり続けた。
 誰もが彼を認めざるをえなかったが、同時に彼を妬むものも多かった。
 ───あの半々め。あいつの両親はおかしい。突然変異じゃないの。
 ナチュラルからは、コーディネイターだから凄いんだと言われ。
 コーディネイターからは、ナチュラルと混じった出来損ないと陰口を叩かれる。
 だが、それは特異な出自を持つ人間が、人の上に立つようになれば当然の事だった。
 彼は胸を張って生きるべきだったし、大人にも負けない能力を得るために、努力を続け
 る姿はシンには眩しかったくらいだ。
 きっと彼は一生満足できないまま終わるのではないだろうか、人を信用できないまま生
 涯を終えてしまうのではないだろうか。
 オーブが戦場となって彼は生き延びられただろうか。
 もしかしたら戦後の混乱を利用して、凄まじい勢いで出世してるかもしれない。
 対面に座る、この大佐のような瞳で……


「長い質問で疲れているとは思うけれど、
 答えを聞かせてくれるかな、シン・アスカ君?」
 意識を引き戻されるシン。
 まだどう答えて良いか見当もつかない。断りたいのは山々だが、間違いなく殺される。
 相手は大佐、しかも情報部だ。でっちあげだろうが、拘束監禁だろうが何でもできる。
 罪状なぞ後付けでなんとでもなるだろう、この時代に裁判制度自体あるかも疑問だ。
 絶体絶命。やはり一度仲間になった後に告発や退役を選択するのがベストだろうか。
 実行させてくれるかは甚だ疑問だが。
206保守作品16  ◆XGuB22wfJM :2007/01/16(火) 23:29:34 ID:???
「ニュータイプではない人類で未来を拓く……」
「そうだ。君だってあの研究所にいたのなら、思うところがあるんじゃないかな?」
「それは……」
 カロン所長の顔を思い浮かべる。
 確かに彼女は死んで良いと思う。人類社会にとって害悪なのは間違いない。
 彼女の顔を思い浮かべ、頑張って怒りの表情を作り上げる。
「同じカテゴリーFである自分にも怒りはあります。
 ですが、新連邦へ蜂起を行う決心は今すぐにはつきません。
 一日だけ、いえ一晩だけ時間を下さい」
 さて、どうでるか、おそらく長い尋問で対象者の人となりを把握し、その上で疲れきっ
 た精神に勧誘する気だったのだろう。
 単にアベルのことを聞いている最中に、この大佐が来ただけかもしれないが。

 一切の表情を消すオルバ大佐。
 シンは攻撃に備え、机をひっくり返して奇襲できる様、全身に力を溜める。

「いいだろう。事を性急に運び過ぎるのは良くないからね。
 明日のゼロハチマルマル時に、君の病室に答えを聞きに行くよ」

 シンの未来は、首の皮一枚だけ繋がってくれたようだ。
 不本意ながらもハウメアに感謝したくなったシンであった。



 続く、保守。
 捻くれ友人Aの話は蛇足だったかもしれない。エリカ・シモンズさんは幸せな家庭なん
 じゃないかと邪推。
 フロスト兄弟ってあんなに出世してたのにねえ、複雑な心根なんだろうなあ。
 オルバを出すとタイピングの調子が良くなった。……複雑な気分だ。
 いえーいGX1/144氏が平日に来たよ、乙だね、やったねGJだね。
 次回はダブルエックス起動? どうなるダブル主人公、楽しみだ。
 ……あれデスティニーはどうなるんだ? ストフリのパーツで復活とか予想しておくか

 ───自分、なにげにこのスレの>>16なんだけど、四十四話で改修だったのが回収に変
 わってない? 二次創作である以上、設定改変はOKだとは思ってるけど。
 実は放送初回では、GXを改修してDXは作られたと思い込んでた私です。他に同じこ
 と考えてた人いないかな。
207通常の名無しさんの3倍:2007/01/16(火) 23:41:37 ID:???
GX1/144、保守氏GJ!!


そして保守氏、俺もDXをジャミルGXの改修機だと思ってました。
(゚∀゚)人(゚∀゚)ナカーマ
208通常の名無しさんの3倍:2007/01/16(火) 23:53:26 ID:???
保守乙!
今日は豪華二本立てかw

エリカの旦那が理解してくれたというのは珍しいパターンぽいから
隠して結婚→家庭が壊れるというのはありうるんじゃないですかね。

俺はDXは別物と思ってました。コードで繋がってたジャミルGXが出てきたし。
カトックの「中身は昔とおんなじさ」って台詞が強烈だからかな>改修
209通常の名無しさんの3倍:2007/01/17(水) 09:54:04 ID:???
>>208
別物であってるよ

ジャミル機を見つけ出して、その中身(フラッシュシステム)を移植されたのがDX
210通常の名無しさんの3倍:2007/01/17(水) 21:51:41 ID:???
二本立てとはな!私も嬉しいよ!
遂にDXの起動迫る!
Gコンの件が触れられて無いのは何かの伏線かなと思いつつ次回が楽しみだ。

保守氏の脳内シミュレートがいい感じにバカっぽくてワロタよ。

>>209
DX、ガロード機、ジャミル機の3機が有った訳か。
フラッシュシステム外してもGXって動かせるのかな?サテライト&Gビットが使えなくなるだけで。
もし動くのならX系列機3機とか…うん、ダメだねorz
211通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 09:51:39 ID:???
>>210
・ジャミル機(第7次宇宙戦争で中破)、ルチル機(海底に沈んだ)、
 ガロード機(新古品)、DX(フラッシュシステム以外は新品)
・フラッシュシステム外したGX=GXディバイダー
212通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 14:22:19 ID:???
ルチル機って確定はしてないだろ
そういう説もあるってだけ
213通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 14:25:57 ID:???
言い忘れた、後ディバイダーはサテライトシステムが使用不能になっただけで
フラッシュシステムは使えるぞ、でないとローレライの海でGビット起動できないだろ
214通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 19:14:19 ID:???
ガロードのGXがサテキャともども壊れたから
それをキッドが改修したのがGXディバイダーだろ

ジャミルのGXはDXにフラッシュシステムのデータを移した後に廃棄されたんじゃないの?
215通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 21:05:44 ID:???
>>211はX系統の機体のそれぞれがどうなってるのかなんだろ多分。
216通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 21:19:10 ID:Rp5XF48E
UNDER THE MOONLIGHTが公式な外伝なら、

ジャミルGX→DXにシステム移植。機体は破棄?=DX(ジャミルGXからのシステム移植)
ガロードGX→ディバイダー
外伝GX(15年前のNTがコールドスリープして乗ってたんだが、ルチル機?)

の三機(正確には四機になるけど)のはず。
217通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 21:20:33 ID:???
すまん、上げちまった。
218通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 21:23:10 ID:???
>>213
うろ覚えだけど、GビットはNTだったら誰でも使えなかったっけ?
219通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 21:29:31 ID:???
公式くらいはチェックしとこうぜ
ついでにhttp://wpedia.search.goo.ne.jp/search/%A5%AC%A5%F3%A5%C0%A5%E0X/detail.html?from=websearch
220通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 21:33:41 ID:???
サテライトシステムの登録にフラッシュシステムでD.O.M.E.にアクセスする必要があるんじゃよー
一度登録すればOTでもカテゴリーFでもサテライトシステムは使えるぜぃ
ビットMSはファンネルとかのサイコミュ兵器同様NTしか使えない
まぁフラッシュシステム=ものすごいサイコミュって考えてりゃ大体おk
221通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 21:37:51 ID:???
NTじゃなくてもビットMSを使えた人間はいるけどなー
222通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 21:40:38 ID:???
いたっけ?
223通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 21:47:56 ID:???
>>221
とりあえずスパロボの事を言ってるなら、「アレはガロードのサブパイになったティファが操縦してるんですよ」と言っておこう…
224通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 21:50:23 ID:???
>>222
アベルだよ
まぁ新連邦の基準で言えばNTということにはなるが
225通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 23:43:57 ID:???
アベルはガチでNTなんだが
226通常の名無しさんの3倍:2007/01/19(金) 00:02:28 ID:???
ガチでNTだったら

ティファが「私とは違う」
フロスト兄弟の考えが読めない=感応能力がない

にはならんだろ
227通常の名無しさんの3倍:2007/01/19(金) 00:07:41 ID:???
そもそも作品の一応の結論は「NTは幻想」じゃないの?
228通常の名無しさんの3倍:2007/01/19(金) 00:15:52 ID:???
それはそうだけどな
特定の特殊能力者を勝手に人類の革新と呼んでるだけという

要するに
ティファ達=UCでいうNTと似たような人間
アベル=フラッシュシステムが使える人間
てこった
229通常の名無しさんの3倍:2007/01/19(金) 08:07:04 ID:???
ティファは予知能力とかあるしどっちかというとサイキッカー@Vガンじゃないか?
230通常の名無しさんの3倍:2007/01/19(金) 11:29:33 ID:f6prvR8K
恐らく、宇宙革命軍はシャア狂信者にあてはまるな・・・。
231通常の名無しさんの3倍:2007/01/19(金) 11:30:57 ID:???
とりあえず今更XにおけるNTの定義に語ってる奴は旧板のXスレに行け。
Xが「ガンダムの面汚し」なんてレベルまでくそみそに言われてた頃から
スレにいたような連中が懇切丁寧に解説してくれるぞ。
232通常の名無しさんの3倍:2007/01/19(金) 15:31:08 ID:???
『“力“の有無なんて極端な話“黒子が有るか無いか”程度の違いでしかない。
個々の能力なんていうそんな小さな事にこだわらないで自分を信じて先を見据えて歩く事が大事なんだ』

ってのがXの伝えたかったことだと俺は思ってるが
233通常の名無しさんの3倍:2007/01/19(金) 18:17:30 ID:???
>>231
NTの定義というよりティファとアベルが同じ能力者かどうかってことだろ
234通常の名無しさんの3倍:2007/01/19(金) 21:46:47 ID:???
>>208
>俺はDXは別物と思ってました。コードで繋がってたジャミルGXが出てきたし。
>カトックの「中身は昔とおんなじさ」って台詞が強烈だからかな>改修
操縦方法やコクピット、弾薬も同じなのかな?

>>209
>ジャミル機を見つけ出して、その中身(フラッシュシステム)を移植されたのがDX
フラッシュシステムの新規生産は出来なくなったのか?

>>213
>言い忘れた、後ディバイダーはサテライトシステムが使用不能になっただけで
>フラッシュシステムは使えるぞ、でないとローレライの海でGビット起動できないだろ
GXDVはGビットを起動出来るが、マイクロウェーブを呼んだら早く逃げないと自分の機体もあぼーんするのか?

>>214
>ガロードのGXがサテキャともども壊れたから
>それをキッドが改修したのがGXディバイダーだろ
シールドバスターライフルも壊れました。
>ジャミルのGXはDXにフラッシュシステムのデータを移した後に廃棄されたんじゃないの?
今さら修理も出来ないわけか?
235通常の名無しさんの3倍:2007/01/19(金) 22:09:41 ID:???
>>234
・・・・・・(゜д゜ )
お前はGXの設定ぐらい理解してから反論しろよ・・・

>操縦方法やコクピット、弾薬も同じなのかな?
同じ仕様の物が使われてるだろうな、Gコンの互換性があるくらいだし
弾薬は頭部バルカンは同じだと思うぞ

>フラッシュシステムの新規生産は出来なくなったのか?
出来てるよ、戦後生産のヴァサーゴ・アシュタロン・DXにもフラッシュシステムは搭載されてる
ちなみにジャミルGXからDXに移されたのはサテライトシステムの登録データ
サテライトシステムの登録にはフラッシュシステムでD.O.M.E.にアクセスしないといけない

>GXDVはGビットを起動出来るが、マイクロウェーブを呼んだら早く逃げないと自分の機体もあぼーんするのか?
する。マイクロ波を受けてエネルギーに変換する羽も壊れてるからマイクロ波を吸収できずにパイロットがレンジでチン状態になる

>シールドバスターライフルも壊れました。
わざわざ補足をありがとさん

>今さら修理も出来ないわけか?
GXより高性能なDXがあるのにGX修理する意味があるのか?
GコンだってDX用のしかないぞ?ジャミルが持っていたからな
236通常の名無しさんの3倍:2007/01/19(金) 22:16:40 ID:???
もうそんな話はよせよ、ランスローがベルティゴに乗ってた時のようにしてみろって
237通常の名無しさんの3倍:2007/01/19(金) 23:33:26 ID:???
>>235
>GコンだってDX用のしかないぞ?ジャミルが持っていたからな
アイムザットのと二つ有ったがジャミルが使っていた別のをDXに装着したけど。
238通常の名無しさんの3倍:2007/01/20(土) 21:58:19 ID:???
兄弟スレはちょっとした事でアンチと擁護の押収になるが
ここはそんなことが無くて安心する
いくら過疎でもあーいう風にはしたくないな
239通常の名無しさんの3倍:2007/01/22(月) 22:06:49 ID:???
保守
240通常の名無しさんの3倍:2007/01/23(火) 15:25:07 ID:???
ttp://cgi.2chan.net/f/src/1169523685438.jpg
凸よ、これぐらい言えるようにならないと男じゃないぞ
241通常の名無しさんの3倍:2007/01/24(水) 11:05:28 ID:???
GXDVの両手にハンドグレネードを持たせて、
飛行形態でハンドグレネードを全部投下して、
ビームマシンガンに持ち替えて射撃戦。
弾が切れたらビームソードで白兵戦で制圧で良くない?
242通常の名無しさんの3倍:2007/01/24(水) 12:33:35 ID:???
久々に来て見たらGX氏も保守氏も面白いなぁ、GJです
てか、保守氏シンのツブヤキが面白くて…やっぱGJです
243通常の名無しさんの3倍:2007/01/26(金) 20:57:51 ID:L8RW5Kwj
サテライトキャノンで朝鮮半島は消滅出来るのか?
244通常の名無しさんの3倍:2007/01/26(金) 21:08:38 ID:???
>>243
島ひとつ吹っ飛ばすのがやっとだから無理だろう。
つかそんなことしたら余波だけで日本もただじゃすまんわい。
245通常の名無しさんの3倍:2007/01/26(金) 22:14:27 ID:???
>241
GXディバイダーのXグレネードはプラモの遊びだぞ
現にGFFでハイパーバズーカはあってもグレネードは無いんだから
246通常の名無しさんの3倍:2007/01/26(金) 22:17:41 ID:???
>>245
無いなら作ればいいじゃない。堅いこと言うなよ。
247GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/01/27(土) 13:36:48 ID:???
祝50話目! つーか50話って自分で言うのもあれだけどよく続く…

第五十話『あんたの助けは要らない!』(前編)

「ホントに大丈夫かよ…、おっさん?」
シャッターをこじ開けるガス溶接機の光を見ながらガロードは少し心配そうに口を開く。カトックはガロードの心配を軽く振り払うように笑った。
「人を信じろって、ティファは言ってたぜ?」
「ハハ、都合よく解釈しちゃって…。」
「ッて、裏切り者のあんたを信用しろってのが無理な話だろ?」
「誰が裏切り者だって?」
シンの反論にカトックは疑問符を浮かべる。ハァ、とため息をつきながらシンは続けた。
「あんただよ、あんた。新連邦の兵士だったあんたが、何で俺たちフリーデン側についているんだよ!?」
「別にいいじゃねぇか。戦場じゃ寝返りや脱走はよくあることだ。」
「俺は、知り合いに裏切られた。それ以来、裏切り者は信用しないようにしてる。」
 そういってシンはカトックにマシンガンの銃口を向けた。俺はあんたを信用してない、変なそぶりを見せたらすぐにでも引き金を引く。そういう意思表示である。
「お前は、人を見る目を養った方がいいな…っと、そろそろだな…。」
溶接機で開けられた穴が長方形になってつながる。あとはちょっと力を加えるだけでシャッターは破られるだろう。カトックはマシンガンを握り締め、二人の少年に喝を入れた。
「二人とも、死ぬんじゃねぇぞ!」
「ああ!!」
「俺は、あんたを倒すまでは死ぬつもりはない!!」
 激しい音を立てて勢い良くシャッターだった板は床に倒れる。閉ざされてた入り口から再び光がのびたのを見計らって、シンとガロードはそれぞれ反対の方向に走った。
ガロードはダブルエックスへ向かって。シンはたった今開いた入り口に向かって。

 スナイパーライフルによる狙撃攻撃がガロードを襲う。だが、入り口からのびる光の上を走るガロードになかなか命中しない。
「クソ!! 暗視スコープが役に立たない!!」
狙撃兵の1人は光の上を走るガロードに舌打ちをしながら、必死に狙いをつける。
「そこだぁ!!」
だが、暗視スコープを使わずに狙いをつける一瞬の間をカトックは見逃さなかった。
 彼らはガロードに対してライフルを使って攻撃を仕掛ける。銃火器は発射時に銃口から微量な火花が漏れることをカトックは知っていた。そして、それが暗闇の中で敵の位置を知らせる”印”になりうることも。
「人間の目ってのは不便な物でな! ガロード! 早く!!」
 格納庫の中にいた狙撃兵はカトックによって一掃された。だが、こじ開けられた入り口からは武装した兵士達が次々に現れる。
「こっちは立ち入り禁止だ!!」
 シンはサブマシンガンで彼らを中に入れないように必死に応戦した。兵士達はシャッターの向こう側に隠れて銃弾をやり過ごす。逃げ場の無いシンたちは敵が中に入っただけで勝機を失ってしまう。
シンは温存していた予備のマガジンを惜しげもなく使いながら歯を食いしばって撃ち続けた。
「ガロード!!」
ダブルエックスに乗り込むガロードに思いを託す。現状を打開できるのはGX系統に乗って操縦に慣れているガロード以外にいない。MSの操縦であればシンにもできるが、シンはこの世界のMSの操縦方法を知らない。
そして、彼がガロードにダブルエックスを任せた一番の理由は、カトックという不確定要素があったためであった。
「オラオラオラ! お前さんらはお呼びじゃねぇんだよ!!」
 シンの横に立ってカトックも入り口にいる敵に向かってトリガーを引く。彼は格納庫内にいたスナイパーを倒してくれた。だが、親しい人物の裏切りを経験したシンの場合、
それすらも彼らを欺くための演技ではないかと疑ってしまうのである。
「俺はあんたの助けは要らない! 老いぼれは引っ込んでろ!!」
「へっ! ケツの青いガキがよくほえる!!」
お互いにののしりあいながら攻撃を続ける。カトックの言葉は癪に障るものばかりであったが、少なくともこうやって横で戦っているうちはガロードに危害が加えられることはない。
 オーブで家族を失い、ハイネを失い、ステラを失った彼はもう誰も失いたくなかった。だから自分の知り合い以外の人間は信じる事ができないし、裏切り者を信用することもできない。

俺が皆を守る
 
 己の誓いを守るためにシンは必死だった。
248GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/01/27(土) 13:39:43 ID:???
第五十話『あんたの助けは要らない!』(中編)

「な!? お前達は!!?」
兵士の言葉が終わる前にジャミルは兵士を殴り倒した。
 脱走したジャミルとティファは、走り回って保管室へとたどり着いた。部屋の中には重要な書類の束やコンピュータのハードディスク、さらには調度品と思しき謎の置物まで保管されている。
「私はこちらを探す。ティファは向こうを探せ!」
「はい!」
15個も有る棚に置かれたものを一つ一つチェックしながらジャミルとティファは目的の品を探す。彼らの探しているもがむき出しのまま放置されていないため、一つ一つケースもあけて探す必要があった。
「む? …これは?」
 ジャミルは棚に置かれていた書類に目を留める。ぱらぱらと内容を確認すると、表情を変えた。
「エアマスターとレオパルドの強化案だと…?」
書類は15年前、終戦直前に作られたものらしく紙もかなり黄ばんでいた。
「ストライク・エアマスター、アトミック・レオパルド…。武装が貧弱なエアマスターの武装強化案と、サテライトシステムに頼らない大出力ビーム砲装備のレオパルドか…。」
 ストライク・エアマスターについては既に試作されており、実際に装備した状態の写真も挟まれていた。
エアマスターはライフルとバルカン以外に武装がないため、強化策として肩に大口径ビーム砲を2門追加、それによって機動力が低下しないようにバーニアやスラスターを増設すると書かれている。
だが、ジェネレータ出力が不足しているため、まだまだ改良の余地が有るとされていた。
 レオパルドの強化案はインナーアームガトリングの代わりに大口径ビーム砲『アトミックランチャー』とよばれる装備の案が載せられていた。
「試作、実験はシンガポールか…、だが、たとえ有ったとしても…。」
「有りました!」
ティファの声にジャミルはわれに返った。今は感傷に浸っている場合ではない。書類を上着のポケットにしまうと、気を引き締めなおす。
「よし、すぐにガロードたちの救出に向かうぞ!!」
「はい!!」
249GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/01/27(土) 13:43:00 ID:???
第五十話『あんたの助けは要らない!』(後編)

「おい二人とも!! 前に出すぎだぞ!!」
後からの声に二人が振り向くと、ガロードがコンテナの後から頭を覗かせていた。彼はダブルエックスに向かって走っていった。その彼がそんな所にいると言うことは本来ありえない。
「ガ、ガロード!? なんで戻ってきたんだよ!!?」
 維持していた防衛ラインを下げてシンたちはガロードのいるコンテナの後ろに回りこむ。ガロードはシンから予備のマガジンを受け取ると、マガジンを交換しながら戻ってこなければならなくなった理由を説明した。
「ダブルエックスもGコンが必要だったんだ、それがなきゃ動かねぇ…!」
「Gコン?」
「GXのコントロールユニットだよ! GXの場合、そいつを差し込むとシステムが起動するんだ。」
「言ってみりゃ、”鍵”みたいなもんか!?」
「そういうこと!」
「…ハァ! 何で鍵式のMSなんてあるんだ!? 車やバイクじゃあるまいし!」
「それだけ怖いんだよ! サテライトシステムが!!」
 コンテナから頭を出して入り口に向かって攻撃をするカトックがシンの疑問に答えた。
「考えても見ろ!? コロニーなんぞを一撃で破壊するようなMSが、敵に奪われようもんならたまったもんじゃねぇ!!」
 サテライトシステムは月のマイクロウェーブ送電施設からエネルギーを受け、大出力のビーム砲として発射する戦略級の兵器である。
サテライトシステムを使用する際にはあらかじめ送電施設のコンピュータに機体IDを登録しておく必要があるが、一度登録してしまえばIDを使っていつでもシステムを使用する事ができる。
 確かに機体を奪われて戦略兵器の砲門が自分達に向くことは問題である。だが、それ以上に怖いのはシステムの”流出”であった。
「どっちが使い出したかは知らねぇが、フラッシュシステムだってそうだ! 旧連邦にしろ革命軍にしろ、利用価値のあるものは何でも利用する!」
 革命軍がコロニー落とし作戦に使用したコロニーがすべて旧連邦のものだったことを思い出しながら苦々しげにカトックは唇をかむ。シンは彼のその様子に一瞬彼を疑うことを忘れた。
「サ、サテライトシステムがリークされたからって、それだけで戦況が傾くわけじゃ…。」
「いや、傾く…!」
ガロードも真顔でカトックの案に賛同した。脳裏にはジャミルの案じた奇計の時の様子がよみがえる。サテライトシステムの恐ろしさは重々承知している彼は、マイクロウェーブがどれほど危険かもわかっていた。
「マイクロウェーブを直接戦艦とかにぶつけてやったら、まず跡形もなく…。」
「そ、そんな…!」
「使い方次第ってわけだ!! おいシン! 弾!!」
応戦を続けるカトックはシンに次のマガジンを要求する。するとシンは、カトックに自分の持っていたマシンガンを渡した。
「おい?」
「これが、最後のマガジンだ…。さっき惜しげもなく使ったから…」
「…ッたく、勝負どころを見誤りやがって!!」
 舌打ちをしながらもカトックは入り口めがけてトリガーを引く。マガジン一つで稼げる時間は高が知れていた。
「くそぉ…! ここまでかよ!!?」
拳をコンテナに打ちつけながらシンは嘆く。程なくして、カトックの使っていたマシンガンから発射音が消え、あちら側からの激しい銃撃だけが格納庫に響き渡り始める。
「こうなったら、奴らが突入してきた所を肉弾戦に持ち込んで武器を奪うしかないな…!」
「げ! マジで言ってんのかよ!?」
「あたぼうよ! 言ったろ? 伊達に何年も歩兵やってねぇって。」
 右肩をぐりぐりと回しながらカトックは陽気に笑う。だが、思わぬ珍客の乱入により状況は一変するのだった。
250通常の名無しさんの3倍:2007/01/27(土) 15:14:35 ID:???
GX氏乙!
それにしてもシンの奴は本物の大馬鹿野郎ですね
これからの展開でちゃんとカトックの言う様に人を見る眼を養って欲しいと思います
それ以上にエアマスターとレオパルドの強化案とは・・・
今後の展開に期待しています
251通常の名無しさんの3倍:2007/01/27(土) 15:26:36 ID:???
まあ仕方なくね?
祖国に裏切られたり、電波な裏切りかまされたり裏切り者不信(?)になってもしょうがないだろ
252通常の名無しさんの3倍:2007/01/27(土) 15:56:41 ID:???
シンの裏切られ日記
祖国:国民見捨てて逃げる
上司:手柄を立てたら殴る、そして脱走
友人の妹:上司と一緒に脱走
上司の戦友:アレはザフトの艦だとか言って味方に攻撃
元歌姫:祖国の兵器を奪って逃走、プラントを軍事制圧し議長に
まあ下二つについては知らんと思うけどな
人を見る目ってレベルじゃねーぞ
253通常の名無しさんの3倍:2007/01/27(土) 16:29:43 ID:???
祖国の部分に
・国民見捨てたくせに代表者の娘は逃がす
・国民見捨ててまで守ろうとしたことをあっさり捨てる
・祖国(以外の国も)頑張って守ろうとした、自分の乗ってる艦とそのクルーを
 自分ともども売り渡し、攻撃させる

などなど、他にもあるだろうけど面倒なので割愛

小説版の初期では明らかに「信じない」とか言ってますが、心のどこかで信じたがっている部分があるが
オーブはシンの思いを裏切り続けているのです
正直、シンは他人を全く信用できなくなっていてもおかしくないでしょう
254通常の名無しさんの3倍:2007/01/27(土) 16:35:39 ID:???
それで信用できないと言いつつ、裏切られるとやっぱりショックを受ける。
どうみてもお人好しなツンデレです、本当にありがとうございました。
255通常の名無しさんの3倍:2007/01/27(土) 18:03:36 ID:???
スレ違いの話は止めろ
お前らにアフター・ウォーとコズミック・イラを語る資格はねえ
256通常の名無しさんの3倍:2007/01/27(土) 19:14:47 ID:???
単分子ワイヤーカッターvsPS装甲

エアマスターやDXの装甲を易々と切り裂くワイヤーカッターにPS装甲は有効なのか?
257通常の名無しさんの3倍:2007/01/27(土) 19:30:38 ID:???
更新乙、そして添削

>>247
>閉ざされてた入り口から再び光がのびたのを見計らって | 閉ざされていた

>>248
>部屋の中には重要な書類の束や
捜索者の視点からすれば、「重要な書類」と言い切るのはやや断じすぎ、
「重要書類であろう紙の束」などが適切か、難癖レベル

>彼らの探しているもがむき出しのまま | ものが

>武装が貧弱なエアマスターの武装強化案と
説明上必要な措置なんだろうけども、文章としては読みにくいと思われ
「エアマスターの火力不足を補うための〜」などの方がよいかも、難癖レベル

>「よし、すぐにガロードたちの救出に向かうぞ!!」
「救出」は救い出す、という意味合いが強く、この状況下において彼らは互いに助け合わなければならないことを
考慮するとあまり相応しくない。「援護」で十分かも、難癖レベル

>>249
>考えても見ろ!? | 考えてもみろ

>シンは彼のその様子に一瞬彼を疑うことを忘れた。
代名詞の多用は流れを悪くするので、「彼」はどちらか一つ削っても問題ないかも、難癖レベル
258通常の名無しさんの3倍:2007/01/29(月) 10:53:43 ID:???
ストライクエアマスターってアレか?
MSVに出てた…
でもそうするとアトミックレオパルドって完全オリジナルになるのだが…

259通常の名無しさんの3倍:2007/01/29(月) 11:32:41 ID:???
>>258
>ストライクエアマスターってアレか?
>MSVに出てた…
元ネタはF−15Dイーグルの対地攻撃仕様のF−15Eストライクイーグルかと。
ホビージャパン別冊ガンダムXのHGエアマスターを改造作例。
ビームキャノンの砲身はサテライトキャノンを流用していた。
GXのサテライトキャノンと砲身の部品を共用化することで
砲身の生産数を増やし、生産コストを削減し、
火器の信頼性の確保と整備性を上げた。
と妄想が広まる訳でw
260通常の名無しさんの3倍:2007/01/29(月) 13:12:20 ID:???
>>249
>「マイクロウェーブを直接戦艦とかにぶつけてやったら、まず跡形もなく…。」
敵への爆撃に使えるな。
何で毎回やらないのかな?
やはり爆風とか味方への巻き添えがデカイからかな?
261通常の名無しさんの3倍:2007/01/29(月) 18:08:57 ID:???
マイクロウェーブの照射ポイント=GXのDOMEへの位置だからな
退避が遅れると自分が爆発に巻き込まれるし、そもそもマイクロウェーブ照射攻撃を有効に使うには敵陣の中に居なければいけないわけで
262通常の名無しさんの3倍:2007/01/29(月) 20:21:34 ID:???
つーか座標送って落としてもらえばいいんじゃないの?
263通常の名無しさんの3倍:2007/01/29(月) 21:03:59 ID:???
>>262
サテライトシステムはそんな仕組みじゃないから
264通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 00:12:42 ID:???
DOME無しでマニュアルなら狙った座標に落とせるかもしれないと一瞬考えた。
だが、ニュータイプ補正なしで、ピンポイントで座標にマイクロウェーブが届くとは
思えない。凄い技術だと思う。あの月面から、分厚い大気を貫いてGXへマイクロ
ウェーブを届かせる技術は。
265通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 17:46:42 ID:11hHQunu
嘘か本当か知らんが、衛星軌道上に数キロ四方の太陽電池パネルを配置して、
太陽光で発電してからその電力を地球にマイクロウェーブかレーザーで送るなんて
計画があったらしいな・・・。
266通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 18:42:46 ID:???
ところで保守氏が書いている
シンがAWの世界に飛んでパイロット兼行政官やっているSSの前スレ分は
まとめサイトにはないよね?
267通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 19:31:57 ID:???
>>265
あれはマイクロウェーブがオゾン層に悪影響を与える可能性が高いってことで研究が
打ち切られたよ。
ちなみに受信施設もかなり広大な敷地にパラボラアンテナを敷き詰めるような形に
なるはずだった。
268通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 21:47:21 ID:???
>>266
てかこっちのSSはなんもない。
269通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 22:10:10 ID:???
>>265
近未来SFでは定番のネタだよな、発電衛星
270 ◆AWGx990A9U :2007/01/30(火) 22:23:08 ID:???
>>266
まとめるタイミングが掴めなかったのと、
ファイル名をどうするかで…

できれば正式タイトル希望>保守氏
271通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 23:37:05 ID:???
>>267
オゾン層への悪影響とは解決の難しい話だな。

まあどっちかというと敷地の方がでっかい問題なんだろうけど。
272通常の名無しさんの3倍:2007/01/31(水) 02:39:30 ID:???
新しい燃料資源と目されたメタンハイドレードも使用するには大量に発生するCOだかCO2の問題があるらしいからな。
未来の地球のエネルギー事情はシズマドライブとかでもぽっとでない限りかなり厳しそうだ。
273通常の名無しさんの3倍:2007/01/31(水) 08:26:27 ID:???
そんなにバシュタールの惨劇が見たいのか、あんたは!
274通常の名無しさんの3倍:2007/01/31(水) 12:12:26 ID:???
たとえヴァシュタールの惨劇が起ころうとも、
博士がうっかり遺言あんな中途半端なものにしなければその後の惨劇は防げたからなぁ。
白夜君だって叫びたくなるわ。

……スレ違いか。
275通常の名無しさんの3倍:2007/01/31(水) 23:16:28 ID:???
いきなりDAT落ちとかなっててかなりびびったんだぜ?
276通常の名無しさんの3倍:2007/02/01(木) 10:42:54 ID:???
ガンダムXDVってGXを陸戦型にカスタマイズしたMSのように見える。
月が無いと撃てないサテライトシステムはデッドウェイトだし、
空気抵抗悪そうだし、推力足りなそうだし。
GXDVは見事に解決している。
ドームに行く時のGXDVはドムからリックドムみたいに後から宇宙戦に対応させた風に見える。
277通常の名無しさんの3倍:2007/02/01(木) 18:42:10 ID:???
理屈は知らないがサテライトシステムで飛べるんだぜ
278通常の名無しさんの3倍:2007/02/01(木) 19:05:25 ID:???
リフレクターが発光してるとこ見ると、多分電磁波推進
279保守作品17  ◆XGuB22wfJM :2007/02/01(木) 21:50:33 ID:???
 時間は既に真夜中、だが軍の基地が夜中だからといって寝静まる筈も無い、慌しい再編
 と夜間訓練、モビルスーツの整備など、ローテーションで基地は回り続ける。
 極東軍基地に眠りはないのだ。
 あのろくでもない尋問が終わり、シンはようやく病室に戻れた。これからの行動が自分
 の運命を定めるだろう。

 まず周囲のチェックを行う。監視カメラが設置されていないことを入念に調べ、怪しい
 ものがないことを確認してから一息ついた。
 カメラがなくても、盗聴器はあるかもしれない。残念ながら自分には専門技術がないた
 め、もし存在しても見つけられないだろう。
 仕方なしに無言で通すことを決め、とりあえず心の中であの腐れ大尉と、気狂い大佐を
 百回罵っておく。

 あの大佐が他人をすぐに信じるわけがない。基本的に疑うことから始めるタイプだろう。
 今回の件に関して、シンは協力する気がさらさら無いので、その疑いは完全に正解だ。

(進退窮まれリ……か)
 同志にならなければ、叛乱予定を知っている人間をただで済ませるわけもないだろう。
 仲間になったあとに行動を起こすべきだと理性は応えるが、シンは今度会ったら断ると
 はっきり言ってやる気だった。

 もしも自分が彼らより上官である、基地司令あたりに直談判すればどうなるだろうか。
 ……うまく行く筈もない。そんな行動に気が付かない連中ではないだろう。
 第一、情報部大佐と一介の中尉の意見、どちらを重用するかは火を見るより明らかだ。
 ───直談判を行うため、基地司令の部屋のドアを開けると、あの大佐が冷笑を浮かべ
 て待っているような可能性すらある。。
 上層部への報告は必要な行動だが、自分の退路を確保した後に行うべきだ。

 退路の確保という道に往き着いた時点で、シンは苦笑いを浮かべた。
 まったく自分はいつの間に足を踏み外したのか、もう新連邦の軍人としてやっていくこ
 とは不可能なのだろうか。
 それにはあの大佐の叛乱計画の証拠を掴み、しかるべき人物へ渡し、彼らが一掃されて
 初めて可能になるだろう
 自分の能力では、立場では、現状ではそれは難しい。

 タイムリミットまでに確実な退路を作り出さなくては身の破滅だ。
 シンは煮詰まった頭脳をフル回転させたが、妙案は浮かばない。

 自分は策謀を巡らす人間ではなく、ただの勇敢なモビルスーツパイロットであれば満足
 なのに。どうしてこんなことになるんだ、畜生。

 ───モビルスーツか。
 ろくでもない知識が浮かんできた、家族の仇であるフリーダムだ。
 最新機の強奪は奴らの得意分野だ。モビルスーツで逃走する。悪くない案かもしれない。
 真っ先にこんなことを考えつく自分は、つくづくモビルスーツ乗りだと呆れた。それと
 もバルチャーの流儀に毒されたのだろうか。
 モビルスーツによる逃走は最後の手段として保留しておく。
280保守作品17  ◆XGuB22wfJM :2007/02/01(木) 21:53:51 ID:???
 思考を振り絞り、新たな案を模索する。
 補給人員に紛れ込み逃走。日程も時間もない、没
 あの大尉を脅してクーデター計画をはかせる。脅迫で吐かせた与太話を誰が信じる、没。
 かつての中隊の面々に話す。……ダメだ。相手の権力を考えれば迷惑どころじゃない。
 医者に話して入院期間を長くする。没、大佐に叛意ありと認識され、そのまま一服盛ら
 れるのがオチだ。
 他には、他には、他には。
 いくつもカタチにならない選択肢が浮かび、そして弾けていく。

 …………………くそっ。
 自分の頭脳の貧弱さに頭に来る。
 何を為すにも時間が足りなさ過ぎる。
 結局、最初の最速のモビルスーツで脱走という道に帰結してしまう。

 シンは自問する。
 いいのか、本当に脱走するのかシン・アスカ。
 築いてきたものを捨てるのか、新連邦を裏切るのか。

 結論は──
「今更だな。元から俺に戻れる場所なんて、世界の何処にもないんだから」
 腹は決まった。新連邦に敵対したくはないが、あの大佐に関わるのは御免こうむる。
 新連邦を飛び出してアテなんてないけれど、この混乱の時代なら腕っ節とモビルスーツ
 の操縦技術があれば、メシの種くらい見つかるだろう。

 後は数少ない時間を有効活用するだけだ。
 逃走方法は至極単純、格納庫へ移動し元アスカ中隊の整備兵にクーデターのことを教え、
 モビルスーツで逃亡する。それだけだ。綿密な計画など立てる時間も頭もない。
 行き当たりばったりの行動となる。あまりの無茶さに、つい笑いがこぼれる。
 シンは自身の荷物から秘蔵のポケットウイスキーを取り出し、ラベルに油性ペンで書き
 込んだ。
 内容は、
 軍内部でクーデターの恐れあり、オルバ・フロスト大佐が首謀者。
 注意せよ。我、身を隠すため逃亡せん。

 メモ紙でもいいかと思ったが、別離に差し入れを渡すなら他人の注目も薄れるかと思っ
 たのだ。シンの数少ない荷物では他に小細工ができないともいえたが。
 拳銃の状態を確認。財布を懐へしまい。、サングラスを胸のポケットへ。
 簡素な身支度を整え、格納庫へシンは移動した。



 続く、保守
 次回シン脱走。当初からこの構想はあったけど、いざ書いたら抵抗感バリバリ。アスラ
 ンを思い出してしまう。よってタイプが進みませんでした。もしもシンが宇宙にあがれ
 るまで書けたら作品名考えます。それとオルバを怒らせるような、挑発台詞のアイデア
 求む、彼に迂闊にも鋏で接近戦をさせるようなの、シンのボキャブラリーの範疇で。
281通常の名無しさんの3倍:2007/02/01(木) 22:29:35 ID:???
保守乙!
挑発台詞かー、本人よりシャギアを貶させると激昂するかも
282通常の名無しさんの3倍:2007/02/01(木) 22:48:26 ID:???


> それとオルバを怒らせるような、挑発台詞のアイデア
> 求む、彼に迂闊にも鋏で接近戦をさせるようなの、シンのボキャブラリーの範疇で。
カテゴリーFに対する認識の違いをネタにすると良いんだろうけど、思いつかねぇ。

(シンは全く絶望とか無縁なのに対して、フロスト兄弟は絶望のあまりブチ切れですからね)
283通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 03:00:42 ID:???
NTは人類の革新なんだってなぁ
だったらアンタがそうじゃないのは当然だな!
クーデターで世界を創り直す?
その発想が前時代的すぎるんだよ!

みたいな
284通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 11:30:20 ID:???
>アスランを思い出してしまう。

このシンは明らかに八方塞で脱走でしょ?
あのときの凸ってそんな八方塞だったか?
自分で自分を不利な状況に追い込んで、それを他人のせいみたいに言い訳して
自分を理屈で正当化しようとして、他人巻き込んで悪びれもせずにいた人間と同じ状況には見えんがな・・・
285通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 14:50:57 ID:???
まあ本来、MSパクって逃走ってガンダムじゃ常套手段というかありふれたパターンに過ぎなかったんだが、
種のおかげで物凄いネガティブイメージがついちまったよな
286通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 15:02:10 ID:???
今日も乙&GJ

>挑発台詞
アーそうでしたね、ボクたちカゴテリーFでしたね。
で、それがどうかしたんデスか? 

…そんなちっぽけなカゴテリーに囚われてるアンタたちに
世界を創り直せるなんてこと、出来るわけないだろうが!


………私の語彙は貧困です。


>ズラ
八方塞だったと思うよ
もう捕縛する気満々の兵隊さんが来ていたし
ある意味じゃ、何とか考える時間を作れた今のシンより、状況は切羽詰っている

まあシンの場合は何も悪いことしてないけど
ズラは吉良様と接触したりして状況悪化させるなど自分で招いた事態だったし
シンとは違って、ズラに同情や共感の余地は無いな
287通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 17:51:53 ID:???
本編の凸の場合は
敵対勢力と通じてる可能性のある人物の身柄を拘束しようとするのは当然だろうし
議長としては身柄の拘束以上のことは考えてなかったんじゃないか?
でなきゃ伝説に乗せようなんて考えんだろう
288通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 19:42:55 ID:???
>籠テリー

言いえて妙だと思った
289通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 20:06:13 ID:???
>>287
あの時点で嫁が議長を真っ黒にしてるので拘束では済まない
敵もロゴスの段階だし
290通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 20:32:54 ID:???
擦れ違いの話は寄席
いい加減に白よ

保守氏GJ!
これからのシンがどうなるのか楽しみだ
291通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 22:46:48 ID:???
兄弟に対抗するためにGXに乗るのか。
292通常の名無しさんの3倍:2007/02/03(土) 00:34:22 ID:???
保守氏GJ

シンの動向が気になる
293保守作品18  ◆XGuB22wfJM :2007/02/03(土) 10:17:40 ID:???
格納庫までの道のりは容易かった。
移動中に後をつけていた大佐の部下に詰問され、銃撃戦になだれ込む。そんな予想さえ立
てていたというのに拍子抜けだ。
基地自体に思い入れはないが、自分が新連邦ともうすぐ道を違えると考えると、その徒歩
の道程は感慨深いものだった。

格納庫は予想通り慌ただしかった。整備員の怒鳴り声、若い整備工の声、部品の運搬キャ
リアの音、溶接作業で弾ける光り、パイロットがコクピットで調整し、それにくっついて
調子を聞いている開発者らしい白衣。装甲を剥がされたモビルスーツ。逆に装甲を着けら
れているモビルスーツ、フライヤを取り付けれられているドートレス。懐かしきバリエン
ト。パイロットにとっては見慣れた光景に少々和む。

……………感じる、自分に向く注意を僅かながらシンは感じる。
やはり、フロスト大佐に連なる人員が紛れ込んでいる。
おそらくは格納庫だけではなく、この基地全体に、あらゆる部署に一人や二人はクーデ
ター賛同者が居るのだろう。
残念ながら相手を特定することは困難だった。シンは諜報系の訓練を受けていない。
訓練なくしてどんな才能も発露することはない。今度はそういった訓練もしてみようか。
お先真っ暗なれど、意欲をなくしてはおしまいだ。シンは自分を励ました。

もう会うことのない金髪の友人が漏らした超調整者とやらならば、なんの訓練も必要とせ
ずに、人類としてあらゆる分野で最高レベルを叩きだせるそうだが、自分のような一般調
整者では無理だ。
そういえばその話を聞いて、苦労もせずに超人だなんてショッカーの怪人じゃないか!
と返したのに、さっぱり理解されなかったのは悲しかったな。

オーブのサブカルチャーは他国の人間には理解できない───
あれは14歳にして最大のカルチャーショックだった。
久しぶりに思い出した笑い話で、シンは体の緊張をほぐした。

さあやるぞ、行動開始だ。
294保守作品18  ◆XGuB22wfJM :2007/02/03(土) 10:18:17 ID:???

まずはアスカ中隊の整備員を探し───発見。好都合なことに老練の整備長だった
不審に思われないようにリラックスして近づいて、
「久しぶりですね、班長」
「おや、隊長さんかい」
「もう隊長じゃないですよ、今は治療中の負傷兵です」
「こらまた、事故でもおきましたかな?」
「……ストレス性の胃潰瘍です」
「ああ、そりゃ大事だ。寝てた方がいいでしょうに」
「ずっと不眠不休だったから余計にストレス溜まっちゃって、ずっと寝てると気が余計に
めいっちゃうんです」
「まだ若い身空で、不憫な。
ふむ、そうすると格納庫まで来たのは、さしずめリハビリですかな」
「そうそう誰でもいいから、このポッカリ開いた穴を塞いで貰いたくて」
「装甲の隙間を埋めるのは得意なんですがね、胃壁を埋めるのは初めてですな」
二人は笑いあった。

「そうだ、差し入れです」
いかにも気軽な行為だと見せ付けるように、ポケットウイスキーを放った。
「こりゃ、すみませんな」
一瞬ウイスキーのラベルに書かれた文章に目を通した班長は、
「こりゃあ隊長が恩人からもらって、大切にしてた酒でしょうに」
「最後まで飲み損ねちゃいまして。胃潰瘍になってまで飲む訳にもいきませんし。
それに本人下戸でしたから、いらない物を押し付けられただけです。気にせずに飲んじゃ
ってください」
「ありがたく頂戴しましょう。とはいえ、ワシも飲酒制限されてる身ですがね」
「お互い幸が薄いですね」
再び二人は笑いあった。

中隊時代の雑談に花を咲かせたのち、
「ケント! ちょっと来い!」
休憩にはいった瞬間の若い、シンと変わらない歳の整備兵が班長に呼び止められる。
「は、はい!」
駆け足でこちらまで移動してくる。若者の鏡だ。
「この中尉殿はな、見かけはお前と変わらんが、前にワシがいた中隊の隊長を務めていた
方だ。新連邦の中でも十指にはいる凄腕のパイロットだぞ」
「持ち上げすぎですって班長」
「せっかく来て頂いたんだ、薬代わりに珍しい機体でも見てってくださいよ。
ケント、中尉殿を案内して差し上げろ」
「は、はい」
まだ下っ端らしく緊張している。中尉階級が珍しいのかもしれない。その整備兵もシンと
目を合わせて硬直した。赤い目を見た人間のお決まりの反応だ。とうに慣れた。
「ではご案内いたします!」
「歳も近いし、別に緊張しなくてもいいよ。暇だからって押しかけたのはこっちだから。
それでは班長、今までありがとうございました」
「うむ、次の任地でも達者でな」
295保守作品18  ◆XGuB22wfJM :2007/02/03(土) 10:19:24 ID:???

整備兵にくっついて珍しい機体の見学をするシン。自分を注視する気配は───健在。
工廠で新型のビームライフルを見学させてもらい。次に人の寄り付かない静かな倉庫で、
試作機、別名スクラップの山を見せてもらい。次に人のまばらな格納庫でようやくシンが
求めていたお宝に辿り着いた。

「これはガディールと言います。バリエントとの導入競争に負けてしまって、30機ほど
が生産されただけで打ち止めです」
「バリエントに負けたって事は、やっぱりモビルアーマーだったからかな」
「それが大きいですね、加速力、航続距離などはバリエントの比じゃありません。使いこ
なせば量産機最強です。扱いにくいから失敗作だなんて酷いですよ!」
ケント整備兵の剣幕に驚くシン。
「す、すみません。つい熱くなってしまって、申し訳ありません」
「い、いや機械に携わる人間として素晴らしい熱意だと思う。
……この機体はもう現役を退いて長いのかな」
「いえ、データ取りとして現役です。まだまだカトンボみたいなモビルスーツには負けま
せんよ」
どうやらこの整備兵、モビルアーマーが大好きらしい。

「今日も動いていた?」
「はい。まったく異常ありません。信頼性も素晴らしい機体です」
「速いって言っても、ガンダムには負けるだろう」
「いえ、中尉殿。スペックカタログでは大戦時に活躍したガンダムエアマスターを上回り
ます。単純にまっすぐ飛ぶだけなら、どんな機体にも勝てます」
「すごいな、こんなに素晴らしい機体なのに本当にもったいない」
「理解して頂き、ありがとうございます!」
296保守作品18  ◆XGuB22wfJM :2007/02/03(土) 10:20:04 ID:???

シンは周囲に気を配る。視線は………なし。人気のない倉庫で巻いたか。
こちらを見ている人間もなし。物音がなければ注目はされない。
「推進剤もはいっている?」
「え、ええ。満タンですが」
「そうか……
では見せてもらおうか、エアマスターにも勝るガディールの性能を」
瞬時にケント整備兵の懐に飛び込み、全身のバネを使った強烈なアッパーをみぞおちにぶ
ち込む。
「なんで……」
「悪いな」
ケント整備兵はうずくまって、動かなくなった。

手早くガディールに乗り込み、全パラメータをチェック。問題なし。
「さようなら新連邦。シン・アスカ脱走兵。出る!」
突然ガディールが起動し、大騒ぎになる格納庫。
シンはビームライフルで扉をぶち抜き、ガディールを大空へと解き放った。

機体のスラスターを全開で稼動させ、一路太平洋を目指す。行き着く先は不本意ながらセ
インズアイランド。GXと潜伏先を求めてシンはガディールを飛ばす。

「流石に追ってはこないか、ミノフスキー粒子に助けられたな、一度見逃せば追撃は困難
だろ」
言い終える前に、長距離ビームによる火線が機体の40メートルほど横を通り過ぎる。
後方をチェックすると、豆粒のような黒い機体が追いすがっていた。
「嘘だろ、エアマスターだって追いつけないんだろ!」
「比較対象を間違ったね、このアシュタロンの最大加速はエアマスターを上回るのさ」
「その声は!」
紛れもなくあの大佐だ。状況は急転直下。見たこともないMAがガディールを海の藻屑に
変えんと、みるみる迫ってくる。

シンは生き延びることができるのか───



つづく。保守、ダッシュで書いた。一晩くらい置けよ俺……
297通常の名無しさんの3倍:2007/02/03(土) 10:33:16 ID:???
保守氏GJ!
しかしスーパーコーディの概念が違うような・・・
それにしても「シン・アスカ脱走兵。出る」には吹いたw
カトンボの単語は中の人つながりでカトックが言ってるんだが・・・
まあブラックジョークとして受け止めておこうか
とにかく頑張ってくれ、これからのシンに期待している
298通常の名無しさんの3倍:2007/02/03(土) 10:52:54 ID:???
い、いやショッカーの怪人は頑張って特訓するから!最高幹部の一人イカデビルだって
コーチしてもらうためにおやっさんをさらったりしてるんだから!
【論点が違う】
299通常の名無しさんの3倍:2007/02/03(土) 11:36:22 ID:???


> 「さようなら新連邦。シン・アスカ脱走兵。出る!」
そして、シンプルに吹いた。


> 後方をチェックすると、豆粒のような黒い機体が追いすがっていた。
> 「比較対象を間違ったね、このアシュタロンの最大加速はエアマスターを上回るのさ」
まっすぐ飛ぶだけならどの機体にも勝てるんじゃねえのかよ!
整備兵の嘘つき〜!
というシンの心の声が聞こえそうです。

それともあれですか、回避行動の度に速度がどんどん低下してるとか。
300通常の名無しさんの3倍:2007/02/03(土) 11:50:12 ID:???
保守氏GJでした!二話まとめて読めてうれしいなあw
次も楽しみに待ってます
301通常の名無しさんの3倍:2007/02/03(土) 15:03:17 ID:???
保守氏GJ
シンの場合職務を誠実に遂行したら何故か進退窮まってしまったから
脱走は当然の成り行きと言えますね

仲間のメカマンとのやり取りが何か物悲しい
302通常の名無しさんの3倍:2007/02/04(日) 05:08:39 ID:???
乙、そしてGJ

> 「さようなら新連邦。シン・アスカ脱走兵。出る!」
保守氏のギャグはシンプルだが、だからこそ笑える

しかしどうなるんだシン!
アシュタロンの最大加速がエアマスターを上回るとは…
実は本気を出してないだけなのか…?

次回もwktk
303通常の名無しさんの3倍:2007/02/04(日) 10:03:20 ID:???
ガディールとアシュタロンのスピードは同じぐらいなんじゃね?
慣性の法則って言う便利な言葉があるんだし

とにかくGJ!
304通常の名無しさんの3倍:2007/02/04(日) 13:06:03 ID:???
保守乙!

アシュタロンのスピードはエアマスターと大して変わらないはずじゃ
増槽兼ブースター付けてきてるのか
305保守作品19  ◆XGuB22wfJM :2007/02/04(日) 20:46:07 ID:???
陽が沈みきった暗黒の海の上で、その追撃戦は行われていた。

「くそ、なんだよあのモビルアーマーは!」
ケント整備兵が知らなかったのも無理はない。
迫り来る、灰色とも紺ともいえない様な色彩のモビルアーマーは、トランスシステムを搭
載した、新連邦が誇る新型のガンダムだ。
一機しか運用されていない、マイナーな機体を知っているほうがおかしい。
性能は───改造されたエアマスターが泣いてしまうくらいなのだ。
ガディールの巡航性能を僅かながらも上回るMA形態の力を以って、この洋上で標的を射
程圏まで捉えたのである。

シン・アスカにとってのマイナスファクターは多い。
追いかけてくるMAが変形できることを知らない。それがガンダムであることを知らない。
この大佐以外の追撃隊にしても、同型機のガディールならば、シンの脱走で出撃が遅れた
時間。よく見積もっても十分程度で追いつくだろう、バリエントでもぐずぐずしていれば
集団で追いついてくるだろう。元アスカ中隊の面々が紛れているかと思うと、絶対に戦い
たくはない。
つまり悪いほうの見積もりに合わせ、可及的速やかにこの大佐を始末し、再び最大速度ま
で持ち直す必要があるのだ。

だが、状況は悪い。追われるウサギと追うオオカミの図式だ。
向こうは打ち放題だが、こちらは旋回して射程に収めなくてはならない。
シンはモビルアーマーに乗るのは初めてだが、敵はベテラン。
敵の獲物を見る限り、フレキシブルな砲塔を持っているらしい。しかも遠近万能だ。
更なる追撃を恐れるより、後ろの死神に落とされる可能性のほうがずっと高そうだ。

速度を維持しつつも、左右や上下に機体を振って狙いを絞らせない。
だが敵もさるもの、距離が近づいてくると共に射撃が正確になっていく。
機体を運動させるたびに、高機動時の凶悪なGがシンを襲う。
「っぐぅ、しつっこいんだよ! このアミバ!」
ついオーブ時代のスラングが口をつく、なお誤用である。

「僕たちのことを吹聴されると困るからね、ここで散ってもらうよ」
なんて予想通りな反応だ、シンの戦意は燃え上がる。
だがどうする、どうやって倒す。単純なモビルアーマー同士のドッグファイトで勝てる相
手とも思えない。バリエントに乗っていればとも思うが、もしもバリエントで逃げていれ
ば、今頃集団による袋叩きに遭っていただろう。

可能ならば交錯は一度。撃墜、若しくは敵の推進装置を粉砕し、追撃を不可能にさせる。
この大佐さえ巻けば、他の機体は引き離せる。相手は大佐、性能は同等以上で未知数、時
間はない。
───ならば奇策を弄するのみ。

かつての恩師いわく、相手の油断をつけ。
油断しない相手なら、無理やりでも油断を引きずり出せ! だ。
実際彼の相手を油断させる能力は見事であり、体を張ったものだった。
余談だがガム型プラスチック爆弾はシンも欲しがったのだが、何処で支給されるのかは教
えてくれなかった。
306保守作品19  ◆XGuB22wfJM :2007/02/04(日) 20:46:40 ID:???

シンは一瞬考え込み、死んだ振りをすることに決めた。
わざと被弾し、敵がのこのこ寄ってきた所を撃破する。実にシンプルな作戦だ、戦闘中の
シンにはこの発想が精一杯だった。後はその想像を実現させるように行動するのみ。

あの長い尋問をしてくれた大尉の顔と、背後に迫る大佐の顔を怒りと共に思い浮かべ、意
識を覚醒させる。種が割れるようなイメージと共に、視界と頭脳がクリアになる。

背後の機体を停滞した時間で捉え、その銃口と敵の殺気を読み、機体をその射線上ギリギ
リにずらす、同時にキーボードで設定画面を立ち上げ、推進装置の強制停止を行う設定を
操作する。

火線が走り、シンの狙い通りに左バーニアを掠める。同時にエンターキーを押す。
左のバーニアが強制停止。機体はバランスを失い、錐揉み状態に移行、卓越した操縦技術
で機体を曲がりなりにも、まっすぐ飛ぶように調整する。
自分を狙う大佐が、舌なめずりをしたのが手に取るように分かる。
速度の落ちたガディールにじっくりと照準を合わせる大佐。

ここだ───!
「くそったれ、アンタなんかに!」
「さようなら、シン・アスカ君。君の事は忘れないよ」
「なにがカテゴリーFが時代を創るだ! 地獄に落ちろ!」
「残念だよ、僕たちの理想に賛同してくれないなんて。
数少ない同胞を撃つなんて、悲しみで胸が張り裂けそうだ」

口論にのった時点でシンの目論見は半分成功している。あとは怒らせて接近を願うのみ。
「兄貴共々脳みそ腐ってやがる!」
大佐の感情が嘲笑から、冷徹な怒りに変貌したのが機体越しにも分かった。
やはり本人よりも兄を貶された方が怒る。
シンもマユを売女呼ばわりする奴がいたら半殺しにするタイプだ。類は友を呼ぶ、シスコ
ンはブラコンを理解するのだ。同属嫌悪で憎みあうだけだが……

「あんたらがFなのも当然だよな!
FAKEじゃなくて、FOOLだったから失敗作だったんだろ! いいざまだ」
「よく回る舌だ。褒美をあげるよ」
思っていた以上に激発しやすい性情らしく、狙撃をやめ、バーニアを吹かし一気に距離を
詰めてくる大佐、シンの希望通り鋏でパイロットを挟み潰すつもりだ。
こんなに怒りやすくて諜報部が勤まるのかとも思うが、もとより復讐心で世界をひっくり
返そうとする輩だ、当然の反応かもしれない。

「近づくなよ! 下衆野郎!」
「…………」
もはや語る口なしと、鋏を振りかざし突進してくるアシュタロン。
再びキーボードを操り、左バーニアの再稼動を用意、指をエンターに置いておく。
500M、300M、100M、50M───今だ!
307保守作品19  ◆XGuB22wfJM :2007/02/04(日) 20:47:37 ID:???
タンとエンターを押した瞬間、左のバーニアが火を噴き、本来の機動性を取り戻したガデ
ィールは背面宙返りを敢行した。
間一髪のタイミングで鋏が機体を捕らえ損ねる。
アシュタロンはガディールに相対速度を合わせていた為、失速している。
そこにシンはガディールの砲身を真下にいるアシュタロンに向け、ビームを発射!
狙いたがわず、敵の背部に直撃させる。
宙返りが終わりアシュタロンの後方に位置どると、敵のバーニアに連射、こちらは一発が
左の推進機関に直撃し後は回避された。腐っても大佐、見事な反応速度だ。

「貴様! シン・アスカァーーーー!」
「悪いな、安い挑発に乗ってくれてありがとう」

本当は背部への直撃と、後方からの連射で完全に爆散させる気だったのだ。
それに耐えたのはアシュタロンの堅牢さと大佐の腕だ。シンはこの憎たらしい相手を強敵
と認めるほかなかった。
シンはハンデを負った敵機を落とすのを諦めた。間違いなくすんなり落とせる手合いでは
ない。それよりも逃亡を優先するべきだと。

「じゃあな、もう会わないことを祈ってるよ」

アシュタロンの猛射をすり抜け、再びセインズアイランドへの航路を取るガディール。
大佐は破損した機体でなおも追撃をかけようとしたが、
「逃がすか! ──兄さん!?
だけど奴は! くっ、わかったよ、兄さん」
危ない独り言をぶつぶつと呟くと、帰還して行った。

こうしてシンは暗い海の追撃戦で辛くも命を拾ったのであった。



つづく、保守
今日当たり、GX1/144氏、ダブルエックス起動かな。
308通常の名無しさんの3倍:2007/02/04(日) 20:50:29 ID:???
GJです。
ブラコンを理解するシンにワラタ
309通常の名無しさんの3倍:2007/02/04(日) 20:54:18 ID:???
同属嫌悪wwwww
しかしシンやるなぁ。見事な化かしっぷりでしたw
310通常の名無しさんの3倍:2007/02/04(日) 21:02:08 ID:???
乙!

ところで、シンの視点から神視点が増えてきているのが気になった
まあ、増えても減っても面白いことに代わりは無いがw
とにかくグッジョブ!
311通常の名無しさんの3倍:2007/02/04(日) 21:02:22 ID:???
保守氏GJ
シンの戦闘見事
312 ◆AWGx990A9U :2007/02/04(日) 22:12:34 ID:???
遅まきながら…
ttp://aw0015.hp.infoseek.co.jp/DinAW/hoshu.html#ho

>270でも書いたけど、できれば正式タイトル希望
313保守ってる奴  ◆XGuB22wfJM :2007/02/04(日) 22:21:46 ID:???
うげば、まとめられとる、うれしいような恥ずかしいような。
うーんもともとノリだけで書いてる作品なのにこの待遇はいいのだろうか。
ちょっと増長してしまうかもしれません。
ええとタイトルは
『機動新世紀ガンダムXアストレイ』です。(Xはクロスと読んでね)
最後の最後にガンダムXのお話と変える予定です、そこまで書けたらですが、
アストレイの名を冠せるように、ちょっとうそ臭いノリを持ってきます。
314通常の名無しさんの3倍:2007/02/04(日) 22:23:32 ID:???
保守乙!
アストレイかー、キャラは出てないけど雰囲気は確かにそんな感じ
315通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 02:20:50 ID:???
あ、ちなみにプラスティック爆弾って自由に整形できるから、自分で適当な大きさにして
ガムの包み紙で包めばガム型プラスティック爆弾は作れるよ。
316通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 04:33:02 ID:???
フェイクがファックに見えて噴いた
317GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/02/05(月) 20:56:38 ID:???
第五十一話『あばよ…』(前編)

「奴らは弾切れだ! 一気に行くぞ!!」
指揮官の声に兵士達は一気に突入の体勢をとる。だが、前方に意識を向けている彼らの後ろから接近していた敵に、彼らは気づいていなかった。
「フッ!!」
ジャミルはピンを抜いた煙幕弾を敵陣へと投げ込む。投げ込まれた煙幕弾はすぐさま煙を吐き出し、ものすごい勢いであたりは煙に侵食された。
「うわ!?」
「なんだこれは!!?」
「ぜんぜん前が見えないぞ!!」
 兵士達が煙で混乱したことを確認すると、ティファを残しジャミルはその中に入っていった。


 突然の出来事に面食らったのは兵士達だけではなかった。兵士達の突入に備え、肉弾戦の覚悟を固めたシンたちの前で状況は一変した。
入り口付近で立ち込める煙と、中から聞こえる鈍い音や短い悲鳴に彼らはただただ目を奪われる。
「一体、何がどうなっているんだ…?」
ガロードもカトックも同じような心境で入り口を見守る。程なくして、煙の中から現れたジャミルにシンとガロードは感嘆の声を上げた。
「ジャミルさん!!?」
「皆無事のようだな。」
「でも、何だってここに…?」
「忘れ物を、届けに来た。」
その言葉とほぼ同時に安全を確認したティファがGコンを持って現れる。ティファの無事な姿を見たガロードはこれ以上にないくらいにまぶしい笑顔で彼女に駆け寄る。
「ティファ!!」
「ガロード!!」
 引き裂かれた彼らの再会をシンは少しはなれて見つめる。その後でカトックもうれしそうに笑顔を浮かべた。
「いいもんだな…。」
「…あんたの目的ってのは、これか?」
「ああ。あの嬢ちゃんが言ったのさ、『ガロードとはもう会えない』ってな。」
「彼女が見た未来を、変えたって言うのか…?」
「未来が見えてたまるかよ。」
カトックは言いきった。
 シンは『未来』と『運命』は同質のものとして捉えていた。そしてティファなどのニュータイプは未来を見る事ができる。
すなわち、『先に定められた運命』を見る事ができていたのである。
「…あんたって、ホントに何者なんだよ?」
「何者も何も、おれはおれだ。」
その時の親指で自分を指差して白い歯を見せる彼の姿は、シンにはまぶしく見えた。
318GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/02/05(月) 21:02:25 ID:???
第五十一話『あばよ…』(中編)
「感動の再会の最中に悪いが、全員武器を捨ててもらおうか?」
シンたちが入り口に目を向けると、アイムザットが数名の兵士と共に銃口を向けていた。
「アイムザット…!」
「カトック・アルザミール、貴様もだ。今回の上官に対する反抗は、いささか目に余るのでな。」
「邪魔者はすべて消す、ってわけか…。」
「そうだ。私の未来のために貴様には死んでもらう。この場で生き残る事ができるのはニュータイプのサンプルとしての価値があるティファ・アディールと
ジャミル・ニート、そしてキラ・ヤマトと同様に遺伝子操作を受けたそこの小僧だけだ。」
「? 遺伝子操作?」
聴きなれない言葉にガロードは首をかしげる。シンはその言葉に顔を青くした。
「あんた、コーディネーターのことを知っているのか!?」
「コーディネーター、か。貴様達がどう呼んでいるかは知らんが、私にとってはどうでもいいことだ。」
アイムザットは銃口をシンに向けた。向けられた銃口は迷いを感じさせず、眼光は見るものを射るように鋭い。
「私にとって利用価値が有るか無いか、重要なこととはそれだけだ。」
「……おいおい、あんた勘違いしてないか?」
カトックは肩をすくめてゆっくりとアイムザットたちのいるほうへと歩き出す。容赦なく向けられた銃口を恐れることもなく、静かにアイムザットと向かい合った。
「…? どういう意味だ?」
「おれは、あんたにとって一番理想の状態を演出してやったんだぜ?」
「ほぉう…。これが理想の状態か?」
「そうさ、いい具合だろ?」
そういって彼はアイムザットと肩を組む。その様子にシンは怒りを爆発させた。
「あんたは! ティファの言葉を、ガロードと二度と会えないって未来を変えるために裏切ったんじゃないのかよ!!」
「そうさ、俺は一度裏切った。だがな、さっきも言ったろうが。戦場じゃ裏切りや脱走なんて些細なもんだってな。」
何食わぬ顔で話を続けるカトックにシンは鼻息を荒くし、今にも飛び掛らんと拳を握った。だが、向けられた無数の銃口の前にそれ以上のことをすることはできない。
「確かに、この状況は悪くはない。だが、貴様の信用は少し下がったぞ?」
「あんたは最初から俺のことを信用しちゃいねぇだろ? そして、そんな上官の元では裏切りや脱走はよくあることだ…!!!」
 カトックの動きはよどみなく素早い物だった。彼はアイムザットの後ろに回りこんで肩にまわされていた手が首を締め上げる。
彼の豹変に周りにいた兵士たちはいっせいにトリガーを引こうとするが、カトックの一喝によって動きを止めた。
「動くな!! …俺を撃つのは構わんが、そうするとお前さん方の上官まで一緒に殺すことになるぜ?」
「キ、貴様ぁ!!?」
「わるいな、俺はあんたが嫌いなんでね。何してる、早く行け!!」
カトックの思わぬ行動にあっけに取られているシンたちを見て彼は叫んだ。
「い、一体何がしたいんだよあんたは!!?」
「まったく空気の読めない奴だなお前は! とっとと逃げろって言ってんだ!!」
アイムザットの首を折らんばかりに力を込めながらカトックはシンたちを見つめる。周りの銃口など眼中になく、まっすぐに彼らを見つめた。
「ガロード、シン、嬢ちゃんもよく聞け! 俺たち大人は褒められたことはぜんぜんやってねぇ! 地球をめちゃくちゃにしてお前さんらに
こんなすさんだ状況で生きなきゃならん苦行を負わせちまった!!」
必死にもがくアイムザットを強引に締め上げながらカトックは叫ぶ。心に思っていて言い出せなかったことを吐き出し続けた。
「戦争もガンダムも、俺たち大人が作り出しちまったもんだ! そんな物にとらわれることはねぇ!! この何にもない荒野ってキャンパスを好きな色に塗り替えちまえ!!」

パァン!!

乾いた音が響く。アイムザットが持っていた銃でカトックの腹部を撃ち抜いたのである。だが彼の拘束は弱まるどころか、むしろ強くなる。
「無理するな! それ以上やったら、あんた死んじゃうぞ!!」
「死に場所探して…戦場に出てたが、こういうのなら悪くねぇ…!!」
アイムザットの脚が宙に浮き、顔色が見る見るうちに変色していく。腹部の傷から大量の血を流しながらカトックは最後まで言葉をつむいだ。
319GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/02/05(月) 21:05:14 ID:???
第五十一話『あばよ…』(後編)

「忘れるな!! 過去に…とらわれる……ことはねぇ!! けど過去の過ちを…過ちを……繰り返す…な………!!」
「……わかったぁ!!」
ガロードはGコンを手にダブルエックスに向かって悲しみを振り払うように全力で走る。ガロードの進行を阻止しようと兵士の1人が銃を向ける。だが、その射線上にカトックは仁王立ちになった。
「言ったろうが……! あいつらの邪魔は…させねぇってなぁ!!」
カトックの言葉を聴きながらガロードはコックピットのハッチを閉める。
「ダブルエックス…、機動!!」
Gコンが力いっぱい基盤にたたきつけられる。次々にシステムが起動し、ダブルエックスの目に光が灯った。


 近づいてくるダブルエックスに向かってジャミルとティファが走る。シンは立ち尽くし、カトックから目を離す事ができないでいた。
「へへ…、これで…思…い残すものは…無い…な……。」
「あんた、勝ち逃げするつもりかよ! 俺との勝負はどうするつもりだ!!?」
シンは力なく揺れるアイムザットを腕に持ったまま、血まみれで仁王立ちになるカトックの背中に声を掛ける。彼は動くことなく背中越しに言葉を返した。
「バカヤロ…この状態で……勝ちも負けもあるか…!! 大体…、お前が勝手に吹っかけてきただけだろうが……!」
「カトック!!」
「まぁ…、あの世で待っててやる…から、あと50年…せいぜい…対策を…立てとけ!!」
 カトックは笑い、シンは悔しさを噛み締める。その後の会話は、ダブルエックスのエンジンの上げる轟音によってかき消される。だが、シンにはカトックの最後の言葉がはっきりと聞こえた。

『あばよ…』

「うぅ…ああぁぁぁあぁぁあぁ…!!」
船を脱出するダブルエックスの手の中でシンは悔しさも悲しさも怒りも何もかもが交じり合って号泣する。そしてその中で、自分が彼を心のどこかで好きだったことに気がつくのだった。

「あれはダブルエックスじゃないか!?」
「サラ、ダブルエックスの手元を拡大して!!」
「わかった!!」
ゾンダーエプタから無事脱出したフリーデンの面々は、艦を港から出港させて海上に出ていた。アイムザットの船から発進してきたダブルエックスに身構えたものの、
手に乗っているのがジャミルたちであることを確認すると歓声を挙げた。
「よし! これで皆無事ってわけだな!!」
「そうよ! これで脱出作戦成功って感じ!!?」
 両手でハイタッチを交わすトニヤとカガリも、舵を取るシンゴも、キーボードを操作するサラも皆うれしそうに顔をほころばせる。だが、その顔も敵MSの接近を伝える電子音に凍りついた。
「敵接近! 数11!!」
「一難さってまた一難だな、こりゃ。」
「まずいぞ! 今MSは壊れたディスティニー以外にはない!」
「どうしよう…。」
一様に顔が暗くなる中、ガロードが通信機越しに叫んぶ。
『…やらせるもんかぁ!!』
ガロードは一気に機体を上昇させ、迫り来るバリエント部隊に正面から突撃した。

320通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 21:42:30 ID:???
GJ!
カトック・・・アンタはやっぱりいい男だよ
漢らしい最後だった・・・
シンがどうなるのか楽しみだ
ガロード、何も考えずに走れ!
そしてシンにダブルエックスの勇姿を見せてやれ!
321通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 21:46:55 ID:???
好漢死すか、惜しい人だったな、老兵が道を示すのがまっとうなガンダム
だと思うので、これはこれで正しいとは思うが……
うーむ、カトックの散り際のせいでダブルエックス起動がちょっち霞んだ
ような。次の回を待つか。そういや本編より数多くね?
322通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 22:28:00 ID:???
このSSって美味しいところは結局全部シンが持っていっちゃうんだな
カトックの「あばよ」すらシンに奪われるガロードが哀れだ
323通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 23:04:06 ID:???
原作をアレンジしようとしたけど空回りした、って印象を受けた。
GJなんだけど、いまいち釈然としない気持ちもある。
ガロード達の影が薄すぎるせいかな。
324通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 23:12:07 ID:???
>>323
まとめサイトのを全て読んでの感想?
325通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 23:18:12 ID:???
>>324
全て読んでるけど・・・え? なんで? なんかまずいこと書いたかな?
323はあくまでも『今回の話』の感想として書いたんだけど。
気に障ったのなら謝ります。すみませんでした。
326通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 23:23:11 ID:???
更新乙、そして添削

>>317
>前方に意識を向けている彼らの後ろから接近していた敵に、彼らは気づいていなかった。
代名詞の多用でややクドい、 向けている隙に などが使えるか、難癖レベル

>投げ込まれた煙幕弾はすぐさま煙を吐き出し、ものすごい勢いであたりは煙に侵食された。
結果として煙を強調しすぎになってるので、主語を煙幕弾で統一しておくと良かったかも、難癖レベル

>>318
>コーディネーター | コーディネイター

>それ以上のことをすることはできない
読みにくい文章、 それ以上はどうすることもできない などが使えるか

>>319
>「ダブルエックス…、機動!!」 | 起動



>>322
ん〜まぁシンの成長物語ということを考えての葛藤と妥協の産物になるのかな
むしろ割り食ったのはアイムザットを殺し損ねたフロスト兄弟な気も(そのための前フリはあったけど)
327通常の名無しさんの3倍:2007/02/06(火) 12:24:56 ID:???






GJ!!
後はDXの性能とツインサテライトキャノンの威力を目にして、
驚きとこんな兵器を持って良いのかと戸惑いの表情になるシンが見たいな。








328通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 10:10:47 ID:???
サテライトキャノンで大阪を消すんだ!
329通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 11:44:17 ID:???
なんでやねん!!
330通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 11:52:07 ID:???
>>328
文化財等があるのでバグにして下さい
331通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 15:20:15 ID:???
どっちにしろ、建物とかも壊れるわ!!
332通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 18:49:51 ID:???
じゃあ毒ガスで。30バンチ事件。
333通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 23:52:11 ID:???
>>332
つ【アイランドイフィッシュ+大型核パルスエンジン】
334通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 14:31:10 ID:???
>>328-333
おまいらは大阪在住のオレに死ねと言っている訳だな。

おまいらの住んでいる街がコロニーレーザーで消し飛べばいいと思うよ♪
335通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 18:30:52 ID:???
>>334
京都在住の俺も普通に道連れになると思うんですが何か?
336通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 18:48:46 ID:???
つーか>>333のコロニー落としは普通に日本が吹き飛ぶだろ
337通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 18:55:07 ID:???
空が…空が落ちてくるぅぅぅぅ!!!!!
338通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 20:47:18 ID:???
愛で?
339通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 21:10:03 ID:???
>>338
取り戻せたか?
340通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 22:08:34 ID:???
Youは Shock!!
341通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 22:14:16 ID:???
それにしてもこの>>337-340たち、のりのりである
342通常の名無しさんの3倍:2007/02/11(日) 07:53:11 ID:NWhbwG3H
全体的に似れば、宇宙革命軍の方が酷いことやってんだよな・・・。
343通常の名無しさんの3倍:2007/02/11(日) 08:55:09 ID:???
毒ガスぶち込んでクラウド9以外のコロニー全殺し、
地球人口99%ほぼ皆殺し、実は頭ヤバイです革命軍。
だからと言って作中を見てもさほどきちがいには見えん。
ランスロー大佐も苦しんだのかな。
344通常の名無しさんの3倍:2007/02/11(日) 12:40:39 ID:???
>>343
        ,, ―- 、_
      /        '' - ,,
    /             '' - ,,
   /                 ヽ
  i           / /ヽ    !
  ,i          ./ / ''―、   !
  i     ,、 n て'' ノノ    ヾ   !
  i    ノノノ ノ ノ ''´      !  /
 U   j   ' ´    ノ (    ヽ |
 >-,,  /  ,,=━━・!' ,ノ━== ! ノ
 !・  ヽ |  ’ニンniii、 :::::i/ィ7iii=  i )
 \(てi iヽ   ^' ~     -'  /}
  `i_   、 \        i_    l_j
   `┐ i    /(,,, ,n 〉   /\\   戦争っていうレベルじゃねぇぞ!
  ̄ ̄へ    ! '   T''    l |  \
   |  ! i    ン=ェェi) i ソ )
   |  i´\! ,, -ェ`、_ン ノノ 〈
   |  |  \\,, `―''´//  |
   |  つ   !、_'''''''''''''  /   7

345通常の名無しさんの3倍:2007/02/11(日) 18:33:40 ID:mL5fDaIt
AWの"全世界人口"は今の日本の人口ほどしかいない。
346通常の名無しさんの3倍:2007/02/11(日) 18:41:32 ID:???
やべっ
しばらく来てなかったから上げちまった…スマソ
347通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 11:37:21 ID:???
>>345
地球の総人口は9800万人ぐらいだったような。
348通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 12:59:11 ID:???
>>347
+革命軍のコロニーが約1000万だった希ガス
349通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 14:55:48 ID:???
>>347
9600万じゃなかったか。
350通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 15:57:06 ID:???
全世界中で日本の人口ほどしかいないなんて…
351通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 16:37:32 ID:???
逆に考えるんだ、今の日本の人口が多すぎると
352通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 16:43:00 ID:???
ちょっと昔に戻っただけさ。
353保守作品20  ◆XGuB22wfJM :2007/02/12(月) 16:49:03 ID:???
俺の名前はシン・アスカ。脱走兵だ。つい数時間前に馬鹿高い備品をかっぱらって、すっ
ごく偉い上司に追い掛け回されて、反撃で中破させてしまいました。
一般企業なら……免職どころか、裁判沙汰だな、あははははは。
「父さん、母さん、マユ、御免なさい。お兄ちゃんは軍人生活3年目で駄目になっちゃっ
たよ」
携帯電話をパカパカ開いたり、閉じたりしながらぶつぶつと呟き続けるシン。目が虚ろだ。
こっちに来る前なら、はーいマユでーすと慰めてくれたが、充電装置の規格が合わないの
で、その声は久しく聞いていない。

「再就職か……いや、それ以前に犯罪者の逃亡生活か、ふふ」
口元がまずい角度に釣りあがる、どうしていいか分からないのだ。
太陽が昇った空は晴れ渡ってブルー、シンの心中もブルーだった。

追っ手はあの大佐以外に追いつけなかったようで、ガディールの巡航性能には十分満足し
ていた。
シンは程なく辿り着く予定の、セインズアイランドから30kmほど離れた小島に機体を
停泊させ、泳いで都市に潜入するつもりだった。
しかし───
「これ、どうやって着地するんだ?」
セインズアイランドなら発着場があるので問題ないが、そんなことで喧嘩を売りに行ける
訳が無い。第一、手配書がすでに連邦の各機関に出回っていてもおかしくない。

「不時着……か?」
最悪だった。海上に速度を落として着水して、コクピットから脱出すればいいのだろうか。
いや無理だ、沈む。コンマで、時速200km以上で跳ねる機体から這い出るのか?
「俺、運勢悪いのかなマユ」
ああ、射出座席を使えばいいのか、頭いいな俺。
そういえばオーブにいた頃、緊急脱出して骨折った話いっぱい見たたような気がする。
それに、自分が正しい射出手順を踏んでいるのか激しく疑問だ。
戦闘機型の、平たく言えばモビルアーマーに乗るのが始めてなので仕方ないが。
やっぱりモビルスーツで脱出した方が良かっただろうか、今さら後悔する。

他に選択肢も無く、荷物をひとまとめにして、着水作業に移る。
「信じるぞ、新連邦」
そういやガディールって30機しか作られてないんだっけ、信頼性って高いのかな?

予定の島が見えると、低空飛行に移る。可能な限り減速して、海面に近づけて、推進装置
停止、滑空状態に移行して。水面に接触する寸前までもっていき───

3、2、1、今!

「ハッガグッ────」

ボムっと座席ごと射出されたシンに体験したことの無いGが襲い掛かり、一瞬意識を持っ
ていかれる。コーディネイターで良かった。本当にそう思う。
放物線の頂点でパラシュートが開き、ふわふわと落下していくシン、くっついて射出され
た荷物を見ると色々あるようだ。無線機・ゴムボート・食料・救急用品・etc。
354保守作品20  ◆XGuB22wfJM :2007/02/12(月) 16:51:00 ID:???

ガディールを見ると……沈没する最中だった。
「……………ごめんな」
シンは敬礼して、その最期を見送った。

パラシュートをつけたまま着水しようと思っていたが、パラシュートが風に乗って自分も
ろとも吹っ飛ばされそうになった。
「こ、こんなことでー!」
身の危険を感じたシンは意識を覚醒させ、ナイフで紐を切って今度こそ着水。
荷物を片手に、500mほどの距離を泳ぎきり、予定の小島に到着した。

「げほ、けほ、ぜいぜえ、泳ぐなんて4年ぶりか、キツ」
衣服つきなので至極当然だが、体力の消耗は激しかった。
とりあえず、レーションで腹ごしらえをして、脱塩キットで真水を得て水分補給。
次にゴムボートを膨らませる。当初は泳ぐつもりだったので随分ありがたい。
「セインズアイランドまでゴムボートの旅か、優雅だなあ」
言って、虚しくなった。独り言でもないとやってられない。

ゴムボートを海に浮かべ、島に漂着していた廃材をオールにして、いざ出発。
目指すはセインズアイランド。運が悪ければ発見されて捕まって銃殺刑。実にスリリング
な船出だ。

「これ以上不幸なことが起きませんように」
誰に祈っていいものやら分からず。ともかく死んだ戦友に祈り、シンは太平洋に漕ぎ出し
た。


島の建造物を目視できるところまでシンは移動してきたが、そこで近づきあぐねていた。
流石に港町だけあって、船の監視の目が厳しい。善意で発見されてしまう可能性が高い。
最初からギャンブル気分だったのだが、いざ街に接近すると、入出港する船も邪魔くさい。
「どうする、シン・アスカ」
と問いかけたところで、運に任せて突撃するほかない。決意を固めた瞬間、
「ん!? 連邦系のモビルスーツ!」
運試しを敢行する前に、モビルスーツがこっちに一直線に飛んで来た。不味すぎる、もし
やもう発見されたのか? 対抗手段はない。下手すると機銃掃射でミンチだ。

どうする、どうするべきだ、───どうしようもないな。
結局、シンは両手を挙げて降参した。
飛んできたモビルスーツは、良く観察するとどこかで見たことがあった様な気もした。
『お久しぶりです、中尉』
聞いた声。誰だ、誰だった?
開いたコクピットから現れたのはむさくるしい軍人顔。その顔をシンは良く知っていた。
「アベル少尉!」
かつての部下。ニュータイプ候補、アベル・バウアーであった。



短く保守。新人職人スレにも投下してたと宣伝しとく。
355通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 17:02:26 ID:???
保守氏GJ
シンは良いタイミングでアベルと再会できてよかったな。

ところで保守氏は
「なんでも屋ドミニオン」の職人氏の予感!
とても楽しませていただきますた!
356通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 17:12:16 ID:???
保守氏GJ!
そして久しくアベル・バウアー登場
乗っている機体はラスヴェートか?
シンがアフター・ウォーに来て三年経っていたのか…
これからも楽しみにしている
357通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 01:08:44 ID:???
保守乙!
勘で操縦しちゃえるガロードと違ってマニュアル無しはキツかったかw
358通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 02:02:22 ID:???
まぁ異常なほど適応能力が高い、というのがガロードのウリだからな。

それにしたってMSとMAじゃ勝手が違いすぎるからガロードでも苦労するとは思うが。
ヘリコプターと飛行機ぐらいは違う気がするぞ?
359通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 02:26:40 ID:???
一応シンも異常なまでのMSへの適応力という設定があるがな
そのおかげで戦闘バランスがガンガンかわるインパルスのパイロットになったって話
ナイフ戦闘の達人とともにどこかに消えた設定だが
360通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 04:32:24 ID:???
GJ!
アベル死亡フラグ回避?
361通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 09:16:46 ID:???
てかこれはフリーデン乗船フラグだろ
362保守作品21  ◆XGuB22wfJM :2007/02/13(火) 22:45:58 ID:???
シン・アスカは新連邦の元中尉だった。その約1年ほど前はザフトと呼ばれる軍隊の訓練
生であった。現在のシン・アスカは無職の指名手配犯だった。

ラスヴェートなる新型モビルスーツの手に乗ったシンは、強風の中、大声を張り上げた。
「なんでセインズアイランドに居るんですか! アベル・少尉じゃなくって中尉?」
「残念ながら今の私も脱走兵です。話せば長くなるので島に戻りましょう。今はとあるバ
ルチャーに厄介になっています」
「…………嫌な予感が───」

「あぁら、久しぶりね、坊や。もう一度会いたかったわ」
「ル、ルマーク=カウト………中尉、お願いですから頼る相手は選んでください」
「はて、概ね問題ない相手かと感じておりますが」
「そうよ、こんなに凛々しくて誠実な相手はこの海域にいないわ」
「二人もいりませんよ……」
シンを乗せたラスヴェートはとある艦についた。島からは見えない角度に停泊してあるソ
レはルマークの私物であり、商売拠点だ。中にはモビルスーツのドックもあり、組み立て
からパーツの製造、修理までおよそ、個人とは思えぬほどの充実した設備であった。

「まあ、潜伏先が見つかって良かったですけど、俺の事どうやって知ったんです?」
「それはもちろん、貴方の残した盗聴器、そしてバルチャーの情報網かしら」
シンは嘆息した、恐るべき情報収集能力である。シンが脱走したのは昨夜のことだ。その
手配の情報からシンがやってくる方向や時刻を予測した事になる。
「悔しいけど、凄いですね」
「と言っても実はアベルがなんとなく分かる、っていうから派遣しただけなんだけど」
「なんとなくぅ?」
「はあ、どうやらニュータイプ研究所の指定する基準を満たしてしまったようでして。予
知という程ではありませんが、予感がありまして」」
「…………ニュータイプ───なの?」
その問いに、アベルは誇るかと思いきや、酷く難しい表情を見せた。
「………確かに私はフラッシュシステムを動かせるようになりました。勘も鋭くなりまし
た。しかし、私は”ニュータイプ”ではないのかもしれません」
「ええと、それは人類の革新とかそう言う話ですか?」
「ええ、先ほど言った長い話と重なりますが、私が受けた任務から今日に至るまでの間で
随分と考えさせられました」

アベル曰く、最初はニュータイプ候補としてフリーデンと交戦した。その戦闘の最中、ア
ベルは覚醒し、フラッシュシステムを起動させ、G−ラスヴェートを使い戦った。
しかし、ニュータイプの少女に本体を見破られて敗北した。
問題はその後で、フリーデンのガンダムからは辛くも逃げ切ったものの、任務に同行して
いたシャギア・フロスト大尉、オルバ・フロスト大尉に銃撃を受け、二発の弾丸を胸に受
けた。
ラスヴェートを咄嗟に起動させ、逃げようとしたものの、頭部と腕を破壊されたモビル
スーツでは逃げ切れそうもなく、出血で薄れゆく意識の中、死を覚悟した。

「その時、私は自分を呼ぶ声を感じました。朦朧とする意識の中、声の聞こえる方向へ無
我夢中で機体を飛ばしました。そこから先は良く覚えていません。気がつくと撃破命令を
受けた敵艦の医務室でした。どうやら、声はその陸上戦艦ら放たれたものであり、その艦
に乗るバルチャーたちに私は助けられたとのことでした」
363保守作品21  ◆XGuB22wfJM :2007/02/13(火) 22:46:42 ID:???

「何でまた、ついさっきまで殺し合いをしてた相手を助けてくれたんだ?」
「私の敗北の原因を作った、ニュータイプの少女が保護するように働きかけたようです。
撃たれた後の私は敵ではないと」
「……随分とお人よしなんだなあ」
「まったくです」
「……五日前に撃たれたんですよね、身体、大丈夫なんですか?」
「大丈夫じゃないわよ、術後、目を覚ましてからすぐにこっち目指して飛んできたらしい
から、ハッキリ言って戦闘なんて無理ね。よく飛行中に傷口が開かなかったものだわ」
「軍人は身体が資本ですので」
「うっ」
胃潰瘍で蹲っ、た軟弱な軍人には耳の痛い話だった。

「なんでまた、そんな無茶を」
「あの船は新連邦と敵対関係にあります。世話になった以上スパイのようなことはやりた
くありませんし、かといってバルチャーの仲間になる気もありません。
ただ、新連邦からみて脱走兵扱いになったらしいのは予想外でしたが」
「ああ、フロスト兄弟って情報部の大佐階級らしいですよ」
「なっ!!!」
やっぱりアベルも驚いた。二十歳そこそこの若造が大佐階級なぞ認められる筈も無い。

「わ、私の忠君は……ニュータイプに覚醒して少佐だと思ったのに、くっ──許せん」
「ですよね。でも情報部が馬鹿に勤まるとは思えないから、身内人事の線はないと思うん
ですけどね。カテゴリーFだから、俺みたいに任官して手柄を立てたんでしょうね、でも
なんな腹黒い奴ら許せませんよね」
戦前から軍人をやっていたアベルにとっては、腹わたが煮えくり返るほど許せない事態だ。

「それで何処にも行き場所がなくて、とりあえずセインズアイランドに来てみたと」
「はい、中尉のフロスト大尉に気をつけろという忠告がなかったら心臓を撃ち抜かれてい
ました。それでとりあえず中尉に相談してみようと。それとずっと軍人でしたのであまり
裏側のコネもありませんでしたし、とりあえず潜伏先にとセインズアイランドまで」
「はあ、なんか似たような事考えてたんですね」
そこにルマークが商人の顔でシンに語りかけた。とっても嬉しそうだ。
「まったく、市長さんは金のなる木よね。アベルはガンダムクラスを三機も持ってきてく
れるし、坊やは連邦の機体を持ってきてくれるし」
「何の話だよ」
「どうやって脱出してきたの?
どうせモビルスーツなんでしょ。もちろん犯罪者を匿う対価にくれるわよね?」
「こ、この野郎…………
はあぁ、かないませんね。連邦で30機ほど造られたガディールってモビルアーマーが小
島の近くに沈んでます。それでいいですね」
「愛してるわ市長さん!」
「はあ」
ガクッとシンはうな垂れた。



短く投下、続く。
364通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 22:59:16 ID:???
保守乙!
ルマークスゲェやり手w
ガンダムクラスを三機ってことはG-bitも持って来れたのか
365通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 23:02:27 ID:???
リアルタイムで初遭遇!!

ああ、なんだかこの凸凹トリオが好きになってきたわ。

GJです!!
366通常の名無しさんの3倍:2007/02/14(水) 01:59:47 ID:???
さりげにシンの存在がアベルを救ったのか…
もし、シンとアベルが全てが終わってCE世界に戻ったら…
それはそれで面白いかも…

何はともあれ、保守氏GJ!!
367通常の名無しさんの3倍:2007/02/14(水) 10:15:25 ID:???
>>366
その二人がCE世界に行った姿を想像してみた



どの時代に戻ってくるかが問題だが
スッゲー面白そうなんデスが
368通常の名無しさんの3倍:2007/02/14(水) 11:19:03 ID:???
・・・AWで軍人生活3年、CEでアカデミー1年
オーブからプラント行ってアカデミーに入るまではCEと同じ流れなら
16歳でin.AWだから最低でも19歳、誕生日過ぎなら20歳か・・
369通常の名無しさんの3倍:2007/02/14(水) 11:45:46 ID:???
>>368
そこでシンとアベルでラクス政権への逆襲ですよ
370通常の名無しさんの3倍:2007/02/14(水) 12:27:28 ID:???
保守氏GJ
ルマーク凄腕だなwww

とりあえずシンが身の安全を確保したようでヨカタ。

そういやアベルも脱走兵だったな
371通常の名無しさんの3倍:2007/02/14(水) 12:50:00 ID:???
保守の人乙。

ガディール+ルマーク=……エニルが乗ってたエスペランサのように、またMAを作りそうだな。
372通常の名無しさんの3倍:2007/02/14(水) 13:36:14 ID:???
保守作品、GJでした。
軍とは(とりあえず)縁が切れたシンとアベルが互いに敬語で話してるのが
何と言うか微笑ましい。
ガディールは破損なしでも海水にどっぷり漬かっちゃったが、大丈夫だろうか。
…何年も海の底に居たにも関らず稼動したGXビットなんてものがあるし、大丈夫
か。
373保守作品22  ◆XGuB22wfJM :2007/02/15(木) 00:22:28 ID:???
現在シン・アスカは潜伏中の脱走兵である。潜伏先はセインズアイランドに拠点を持つ
シーバルチャー、ルマーク=カウトの艦であった。

「商談も成立したことだし、お二人には積もる話もあるんでしょうけど、その前に市長さ
んには是非とも見てもらいたいモノがあるのよ」
「まさか、アレが……」
「それは見てのお楽しみ。それとアベルはベッドでお休みよ、身体は労わりなさいな」
「ふむ、お言葉に甘えよう。では中尉、また後でゆっくりと話し合いましょう。
冷静に話ができるほど落ち着くには、少々時間がかかるかもしれませんがね」
にやりと意味深な言葉を紡ぐと、医務室までアベルは去っていった。
「さあ行きましょう、とっても面白いものが坊やを待ってるわ」
喜色満面、とても幸せそうなルマークの笑顔は不吉だった。

ルマークについていった先は、ラスヴェートが入ってきた格納庫。
そこには12体のモビルスーツが壁に立てかけられる形で、直立姿勢のまま安置されてい
た。入ってきたときは良く見なかったものの、所詮はパイロット。興味津々で眺め始める
シン、やはりモビルスーツは素晴らしい。
並ぶ機体のうち、手前の8機は水中用モビルスーツであったが、奥には4体の完全人型モ
ビルスーツの姿が見えた。
手前はどうでもいいらしく、奥まで一緒に歩いていくと、先ほどアベルが登場していた機
体が立っていた。
「さっき坊やが乗せられてきたこの機体は、新連邦の試作機で型式番号はNRX−16。
通称ラスヴェートよ。兵装はビームライフルとビームサーベルのみ。試作機の割りに非常
にオーソドックスな汎用機で、長時間の飛行も可能。顔さえ取り替えちゃえば十分ガンダ
ムで通用する一級品の機体よ。後で乗ってみるといいわ。
隣にあるのは一見同じモビルスーツなんだけど、実はコクピットがないのよ。意味分か
るかしら?」
「……Bitモビルスーツ」
「そう。もはや伝説となった、ニュータイプの操る無人モビルスーツ。フラッシュシステ
ムに対応したBitモビルスーツなのよ。てっきり簡略化された機体と思ってたけど、性
能は本体と全く同一よ、敵を霍乱することもできるわ。
まあ、単に生産ラインの効率化のためでしょうけどね」
「一人で三機のモビルスーツを操るか、とんでもないな」
「私も始めて見たときは吃驚したわよ、あの美しい編隊行動は素晴らしい目の保養になっ
たわ。記録を見る限り、本体を含めて13機を同時運用するのが基本みたいだから、当面
の目標はドーシートをBitにして、人件費を浮かそうと思ってるんだけど」
「連邦の極秘技術がが、ただの費用節約のアイテムにされるのか……」
「まあ、技術者の夢って奴ね。まだまだ物騒なことは多いし、アベルが直接現場にでなく
ても、格納庫で念じるだけで12機のモビルスーツが戦闘したり、サルベージできたら負
担もかからないでしょ」
「ルマーク……」
言葉にならない、こいつ良い奴だったんだな。
シンは己を恥じた。
374保守作品22  ◆XGuB22wfJM :2007/02/15(木) 00:23:48 ID:???
「さて、ラスヴェートはもう良いわね、一番奥にあるのを見て頂戴」
ルマークの視線の先に、もう一体見慣れぬ機体がある。
「なんだこれは、ガンダムタイプなのか?
だけどこんな曲線の多いガンダムは新連邦の記録じゃ見たことないぞ」
我が意を得たりと、溢れんばかりの笑顔なルマーク。
男じゃ嬉しくないなと、シンは冷淡だ。
「これはエスペランサーU、私がジャンクから創りだしたガンダムよ」
「へえ、ジャンクでモビルスーツ組み上げるとはなあ。
見事なもんだけど、装甲いじっただけでガンダムってのは言い過ぎだろ」
「失敬ね、運動性能は既存のガンダムにだって引けをとらないわ。バリエントじゃついて
いくこともできなくてよ、しかも脛から膝にかけては簡易のフィールドジェネレータにな
っていて、シールドにだってなるんだから。まさに私の生み出した最高傑作ね」
「……壊れた時、直せる奴……いるのか?」
きつい突込みにもルマークはめげない。
「もちろん私が責任をもって修理するわよ、修理費は別途請求するけどね」
「……買う奴いなかっただろ」
ルマークはうろたえた。
「だ、大丈夫よ。腕のいいモビルスーツ乗りなら心当たりあるし」
「腕のいい奴ほど、機体の疲労は激しくなると思うぞ」
ルマークは沈黙した。

意気消沈したルマークだったが、まだ見せたいものがあるとのことで、俄然元気を取り戻
し、もう一つの格納庫へ移動することになった。
別区画にあるそこは、格納庫と言うよりは整備工場といった雰囲気の倉庫だった。
よくまあこんな広い船を個人所有しているものだ。シンは呆れた。
倉庫の中は意図的なのか、手前側しかライトが点いていなかった。倉庫内の雰囲気は掴め
るのの、奥に何が鎮座しているのかは不明。かろうじて何かの足下が見える状態だ。
「心の準備はオーケイ? それじゃあ、お披露目するわよ」
三歩前に出てシンの方を向き、他人を紹介するように右腕をソレに向けた。
「ラ〜イトア〜ップ」
カッと、眩しい光にシンは目を細める。光に目が慣れ、徐々にそこに悠然と立つ巨人の輪
郭がはっきりとしてくる。ぼやける焦点が一つになったとき、そこには───
そこにはソレが居た。

白を基調としたトリコロールカラー、スマートな造形美、今はLの形に納まったリフレク
ター、背中に折り畳まれたロングキャノン、間違う筈も無いガンダムタイプの顔、胸には
ガイドレーザーの受信部が緑色に光っている。
かつての連邦軍の象徴、限られたニュータイプが搭乗した最高の機体。
そして99%の人類を滅ぼした、終末の戦争の、最初の銃爪を引いた罪深きモビルスーツ。

「甦ったのか───

───ガンダムエックス────」

短く投下、続く。
シールドビームライフルって、どんな風にシールドになるんだろう?
描写が困る。GXやGX−bitが持つライフルって、どうみてもシールドには……
375人誅:2007/02/15(木) 00:28:02 ID:???
リアルタイムで遭遇。

GJ!今回も丁寧かつ面白い話でした。
376通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 00:34:01 ID:???
ガンダムXキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!

それにエスペランサU……
こいつ、いわゆるエニルガンダムって奴か!?
377通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 00:35:12 ID:???
ガンダム・・・・X,X,X,X,X,X,X,X,X,X,Xktkr!
378通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 00:52:54 ID:???
GJ!
遂に復活した(してしまった?)GX。
シンは使いこなせるんだろうか……。
後、ルマークの言うBitMSの使い方になるほど、と思わせられた。

>>375
その名前……あー、あちこちで『失せろ、目障りだ』って書かないで欲しい。
379通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 00:55:29 ID:???
ノモア市長の台詞がルマークさんから出てきた件について>私の生み出した最高傑作ね
380通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 01:03:23 ID:???
◆XGuB22wfJM 氏へ
ttp://77c.org/d.php?f=nk1083.lzh
パスGX
模型のシールドビームライフルの変形の仕方です。
参考にどうぞ。
381通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 01:27:44 ID:???
保守乙!
このペースの早さは凄いなホント

それにしてもよくリフレクターまで修復できたなルマーク
382通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 02:55:51 ID:???
>>380
どさくさにまぎれてヤタガラスがいないか?
383通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 11:56:05 ID:???
>>381
サテライトキャノンもリフレクターも、下手するとバックパック丸々GX-bitから移植したんだと思いますよ。
そもそも、GXの修理用パーツとして回収する為にルマークにローレライの海に沈んでるGX-bitの残骸の存在教えたんですし。

それはともかく、保守さんGJです!
今後も楽しみにしてます!
384通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 12:14:54 ID:???
侮れんオカマだルマークさん
385120:2007/02/15(木) 22:43:09 ID:???
保守氏GJ!

ついにガンダムエックス復活!
頭と左腕(と右腕)はどうなってるんだろう?

あとGXのライフルは「シールドバスターライフル」な
出来ることなら二丁拳銃になってくれれば…
ラスヴェートも「NRX−016」だったはず

エスペランサ‐U…これに乗るのはルマークか?
フラッシュシステムをドーシートに搭載しようとは…
ホントにルマークはぶっ飛んでるな…

いつもながら乙です!!!
386保守作品23  ◆XGuB22wfJM :2007/02/15(木) 23:07:39 ID:???
シンは声もなく、その巨人を眺め続けた。

かつてアカデミーの練習生として、一線を退いたジンに始めて乗った時も、シンは同じよ
うに鋼の芸術を飽くことなく見つめ続けたものだった。
モビルスーツは何も語りはしない。唯の兵器に意味を与えたがるのは、いつだって人間だ。
シンは眼前の死せる伝説を、生ける亡霊を仰ぎ見る。そのガンダムの静かな声を聞き取ろ
うとするように佇み続けた。

───その神聖な静寂を破ったのは、やっぱりルマークだった。

「どお? 注文通り。完全無欠な形で復元したわ。この姿になったのはつい先日。
頭部以外の部分は引き上げたGX−Bitで直せたんだけど、通信装置の集中する頭部は
苦労したわ。いくらフラッシュシステムが生きてても、頭がなかったら意味ないもの。
最初はね、bitの頭やドートレスで妥協しようと思ってたんだけど、ラスヴェートの技
術を応用できたおかげで、Bitコアとしての機能も復元できたわ。サテライトキャノン
もアベルなら発射可能。アベルが認証をクリアすれば他人でも撃てるわ。
自慢だけど、今の私の技術力は旧連邦のガンダム製作者にも劣らないでしょうね。
本当に、本当に楽しい仕事だったわ」

いつものからかうような笑みではなく、職人としての誇りをのせた漢らしい笑みを浮かべ
るルマーク。今回の仕事は彼にとっても改心の出来だったことを窺わせた。

左右を見ると、薄暗かったときには見えなかった2機のbitモビルスーツが立っていた。
「このbitは稼動するんですか?」
「ええ、破壊された12機分の残骸を回収。内訳は10機が胸部に直撃を受けて四散。残
りは頭部への直撃で首元まで吹き飛んでいた。それらの生きていたパーツを繋ぎ合わせて、
2機のBitモビルスーツとGXの修復に回したの。
手足だけの残骸ならまだ7機分くらいは余ってるわ。ガンダムタイプは腕一本だけでも価
値があると言われるくらいだから、今回のお仕事はハッキリ言ってぼろ儲けだったわね」
「……ああそうですか」

商売人としても大成功のお仕事だったようで、最近ついてないシンからすると妬ましい限
りだ。
387保守作品23  ◆XGuB22wfJM :2007/02/15(木) 23:09:14 ID:???

「で、どうする、乗ってみる?」
「乗るって、えっと、もしかしてしなくてもGXに?」
「当たり前じゃない。その為に直したんじゃなくて」
「いや別に俺が乗る気だった訳でもないんだけど」
「乗りたくないの?」
「乗りたいです!」

シンは素直にパイロットの欲求に従った。

首元から乗り込み、座席に座りコクピット内部を見渡す。レイアウトは一般的な連邦系だ。
別段乗り回していた量産機と変わりはしない。
いや右手のコントローラーは赤く、周りとの調和を乱している。アイムザットの遺したコ
ントローラーがそこには納まっていた。
「もしかするとこのコントローラー、ダブルエックス用だったのかな?」
何気なく口をついたが、たぶん正解だろう。規格が共通なのがその証拠だ。
GXより一回り大きいDXに似合いのコントローラーだと思う。

起動させたのはいいが、空を飛ばさせるわけにもいかない。なにせ悪名高いガンダムエッ
クスだ。知ってる人間には刺激が強いし、知らない奴でもガンダムがうろちょろしていれ
ばいらぬ物欲が膨らんでしまう。第一シン・アスカは逃亡犯である。

とりあえず兵装のチェックを行うことにした。
ビームサーベルは馬鹿みたいに高出力らしく、戦艦でもすっぱり切れそうな極太の代物だ。
シールドビームライフルは盾と銃、両方を兼ねるらしいが、正直な話、敵にライフルを向
けていたら、シールド部分が水平になって意味ないんじゃないかなあと思ったりもする。
サーベルとライフルのエネルギー供給は、サテライトシステムと繋ぐことも出来る仕様だ。
ブレストバルカンがついているがさほど珍しいものではない。四門もあるのでドートレス
くらいなら蜂の巣にできそうで大変心強い。

そして、GXをエックスたらしめる最強の兵装。降り注ぐマイクロウェーブを受け止める、
エックスの形に展開するリフレクター。月より与えられた莫大なエネルギーを破壊の閃光
に変える戦術兵器、───サテライトキャノン。

その項目を読み進めるうち、シンは自分の口の中がカラカラに乾いてることを知った。
畏怖とも恐怖ともつかない感情に震える自分に気づく。

「モビルスーツにこんなものを付けようって言い始めた奴は馬鹿だな、絶対」
こういうモノは戦艦につけるべきだろう、普通。
モビルスーツで実用化できるように小型化した奴は凄い阿呆だ。シンは確信する。
388保守作品23  ◆XGuB22wfJM :2007/02/15(木) 23:11:42 ID:???
物は試しと、兵装に続いて過去の記録を参照する。残っているのは最終作戦のデータだけ
らしい。
残りは外部記録に移されたのだろう。シミュレーターを起動させジャミル・ニートの最期
の戦闘を追体験できないかと色々いじってみる。

うまくいってくれた。Gが発生しないので迫力にかけるが、コクピットは背後に燃え盛る
地球を、前方に漆黒の宇宙を映し出した。

迫り来る紡錘形モビルアーマー、両手から五連装のビームを放ってくる。威力は申し分な
く、恐らくはガンダムの装甲であっても直撃なら即死亡だ。
そのモビルアーマーの周りには無数のビットが浮遊し、縦横無尽に駆け巡りながらセン
サーや間接部分、バーニアを狙い撃ちしてくる。

対するは12機のGX−Bitと1機のガンダムX。
ライフルとブレストバルカンを正確に扱い、ビットを叩き落していく。
如何に修練を積んだ中隊であっても、この機械の正確さと人の柔軟さ、一糸乱れぬ編隊行
動を再現することは叶わないだろう。

ニュータイプ同士の戦いはいつ果てるとも分からぬほどに長引き、ビットが吹き飛び、応
じるようにBitMSが落とされていく。
お互いの機体だけになろうとも、撤退など考えもしないと言わんばかりに双方一歩も引か
ず死闘を続けた。

落ちたコロニーによって地球の色が変わる頃、互いの必殺が互いを撃ち抜き、決着のつか
ぬままにガンダムXは地球への落下コースをとった。

その勝者なき戦場こそが終わり。十五年前の戦争の終わりだった。


続く。
389保守作品23  ◆XGuB22wfJM :2007/02/15(木) 23:17:47 ID:???
すんません、ライフルの名前間違えました。
390通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 23:18:43 ID:???
保守乙!
連日投下ご苦労様です

このGX、認証させたら番号どうなるのかな?
391通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 23:35:11 ID:???
もしや海の底からDX用のGコンまで回収できたのか、凄過ぎるぜルマークさん!
392通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 00:09:10 ID:???
DXのGコンはシンがアイムザットの船からサルベージしたんだよ
393通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 01:00:45 ID:???
>保守氏
黒歴史入りしたあの漫画にGX用としてホルスターシールドと言うのがありまっせ
ソレ系のオリジナル兵装持たせちゃっても良いんじゃないですか?

……連邦のお約束であるFA化も取り入れてFA・GX…は駄目か
394通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 07:52:39 ID:???
最近保守ばかりで飽きてきた。
395通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 09:28:13 ID:???
保守氏GJ

ガンダムXの起動にwktk
396通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 19:27:28 ID:???
保守氏GJ!
ガンダムエックス復活か・・・最高だな、うん
それにしてもシンはやっぱり「コズミック・イラの人間」だったのが旨いな

>120
そういえば頭だけじゃなくて左腕もぶっ壊れてたな
しかしGFFのコンパチって言う例があるんだし何とかなってるんじゃね?
ルマークが乗ることは無いと思うぞ、MS乗りじゃ無さそうだし

とにかく続きが楽しみだ
397GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/02/17(土) 16:38:05 ID:???
え〜皆さんお久しぶりです…

つうか、まずはすいませんm(_ _)m
一昨昨日→卒研発表
一昨日→卒研打ち上げ
昨日→ネタ作成開始
今日→ネタ完成、最終チェック
と言う運びです…。 つうか卒研のおかげでこのところまったく書けてませんでした!(ゴメン)
日付が変わる前には投下します…。
398通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 17:40:27 ID:???
続きを楽しみにしてます
最後まで見届けたいファンがここにいるっすよ
399通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 18:52:43 ID:???
卒研完了オメ!wktkして待ってます
400 ◆XGuB22wfJM :2007/02/17(土) 19:36:56 ID:???
待ってます! 11機のバリエントがどう散るのかみたいっす。

バリエント
主役を飾る
量産機

やはり量産機は強い雑魚っぷりがたまらないよね。
401通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 20:01:22 ID:???
つクラウダ
402通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 20:02:39 ID:???
クラウダも鬼だが、飛べガロの回のジェニスもすげーよ
403通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 20:06:45 ID:???
オクトエイプ改じゃなかったか>飛べガロ
404通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 20:07:42 ID:???
ちょっと確認してくる
405通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 20:14:00 ID:???
改はバルチャー仕様だろ
406通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 20:17:03 ID:???
飛べガロードのはノーマルのオクトエイプだ、
ビームライフルが強力でフロスト兄弟が唸った奴。
407通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 20:19:50 ID:???
オクトエイプだった。
うーむ、カコイイ
408通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 20:28:17 ID:???
クラウダにも攻略法はあるって
ガロードにフロスト兄弟が良い例だよ
409GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/02/17(土) 20:37:31 ID:???
2分後に第五十二話『あれで良いと思ってる』を投下いたします。
途中でレスを入れないようにお願いします。m(_ _)m

追伸:今回は前編、中編、後編、エピローグまでありますのでご注意を
410GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/02/17(土) 20:41:20 ID:???
第五十二話『あれで良いと思ってる』(前編)

「うおおおぉぉぉっ!!!」
 バリエントの攻撃を掻い潜りながらダブルエックスは強烈な右ストレートを叩き込んだ。拳を頭部に受けたバリエントはバランスを崩して夜の真っ暗な海へと落ちていく。
だが敵は後10機、落ちていく敵機を見ていられるほど暇ではない。
「クゥッ!!」
 すぐさま後からほかのバリエントがダブルエックスを破壊せんと迫る。ガロードは空中を舞う木の葉のように縦横無尽に飛び回った。
「武器は!?」
 攻撃を回避しながらガロードはコックピットの電子パネルを操作して機体情報を引き出した。
 ガンダムダブルエックス。新連邦のあらたな象徴として作られたその機体は、前身に当たるGXと比べてかなりの性能向上が図られていた。装甲はGXと同様の
ルナ・チタニュウムが使われているが、パワー・スピード共にGXを上回っている。
サテライトシステムが最大の武器であることは当然のことだが、逆にサテライトシステム以外の武装はあまりぱっとしていない。
試作機であるためにライフルもシールドも存在せず、胸部のブレストバルカンと頭部のバルカン、
両方のサイドアーマーに取り付けられたビームサーベルだけが武器データの中に名前を連ねていた。
「ライフルがなくたって!!」
 後から攻撃を続けるバリエントに対し、振り向きざまに頭部バルカンと胸部のブレストバルカンを同時発射する。後ろに迫る3機のバリエントのうち1機がその弾丸の雨に打たれて爆砕した。
「敵の数でも、機体の性能でも、あの時に比べたら!!」
GXに乗ってすぐの頃の事がガロードの脳裏をよぎる。その時は情報屋によって多くのMS乗りやバルチャーにGXの情報が送られ、GXを手に入れんとする彼らに窮地に追い込まれたのだった。
 その時のGXもライフルを失っており、サーベルとバルカンだけで戦っていたのである。
「うおりゃぁぁ!!」
 サイドアーマーに備え付けられていたビームサーベルを引き抜き、背中のバーニアの出力を最大まで上昇させる。急激な加速によって発生したGに歯を食いしばりながら
ガロードは一番近くにいたバリエントを袈裟懸けに切り裂いた。


「無茶言うなよ! この状況でエアマスターのサルベージなんかできるわけないだろ!?」
格納庫でガロードが奮戦する様子を見ていたウイッツは海底に沈んでいるエアマスターの回収をキッドに迫った。
 ガロードとカトックがアイムザットたちの船に潜入する際に、アイムザットは寝首をかかれないようにGX・エアマスター・レオパルドが格納されたコンテナを海に沈めていた。
そのためフリーデンには戦力になるMSがなく、丸腰の状態で海上にいるのである。
「ドンパチ終わったら引き上げるからさ、今回はお休みしてなって。」
「でもガロードだけを戦わせるわけにはいかないだろ!!」
「そ〜でもないみたいよ?」
鬼気迫る勢いでキッドに迫るウイッツに対して、ガロードが戦う様子を眺めながらロアビィはのんびりとした口調でウイッツを制した。
「な〜んかもう、決着つきそうな感じだもん。」
 ロアビィの言葉が終わったちょうどその時、ダブルエックスは2機のバリエントの胴をすり抜けざまに連続で薙ぎ払った。
411GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/02/17(土) 20:45:15 ID:???
第五十二話『あれで良いと思ってる』(中編)  

 ダブルエックスの猛攻に、バリエント各機はそれぞれ距離をおいて攻撃し始めた。ダブルエックスは機体もパイロットも一流であるが、リーチの面では彼らに分がある。
 だが、ガロードはそれすらもひっくり返す。
「おりゃぁぁぁ!!」
 バルカンで正確にバリエントのライフルの銃口を打ち抜くと、爆砕する瞬間にできたわずかな隙も見逃さずに切りかかる。刃を振りぬいた瞬間には次の敵を確認し、できるだけ隙を見せない。
まるで草原を駆け抜ける一陣の風のようにダブルエックスは次々にバリエントを残骸へと変えていった。
 最後に残った2機のバリエントがダブルエックスの前と後ろから同時に襲い掛かる。2機は互いにダブルエックスを挟んで反対側にポジションを取り、どちらかが必ず死角をとって攻撃を仕掛けてきた。
「えぇい!!」
前後からの攻撃を避けつつ必死にガロードはタイミングを図る。武器はもとよりサーベルとバルカンしかない。間合いに入ったら切り裂くのみである。
 前方にポジションをとっていたバリエントが一瞬ダブルエックスの間合いに入る。その一瞬を見逃さずにガロードはサーベルを振るった。
 前方の1機はサーベルを胴体に食い込ませる。後方のバリエントも同時にダブルエックスの間合いに入ってくると読んだガロードは、左のサイドアーマーに取り付けられた
もう1本のサーベルを引き抜き、後方から迫るもう1機に突き立てた。


 11機のバリエントを全て倒したダブルエックスは、そのまま中空に漂っていた。
「ハァ、ハァ、ハァ……。」
乱れた呼吸を整えながらガロードはシートに頭をつける。敵機をすべて撃墜し終わって緊張の糸が切れたためか、ドッと全身に疲れが押し寄せたのだ。
「どうにか…フリーデンを守れた……。 ッ!? あれは!?」
 疲れきったガロードが目にしたものは、ゾンダーエプタの向こう側から現れた無数の輸送機の姿だった。それぞれの輸送機からは1機、また1機とバリエントが出てきている。
その数約40機。現状では勝機はないに等しかった。
「…………。」
 ガロードは敵影から空へと目を移した。そこには輪郭がおぼろげな下弦の月が姿を見せている。
ガロードはGコンのサテライトシステムのスイッチに手を掛ける。だが、そのスイッチを押すことにためらいを感じた。
「……ッ!」
どこか自分を強引に納得させるようにスイッチを押し込む。システムは起動し、正面のディスプレイにはロックオンカーソルが現れる。
 空中でただ静止しているだけだったダブルエックスは背中に背負っていた2本の砲身を肩に担ぎ、折りたたんでいた光を放つ6枚の翼を広げる。四肢の放熱板を展開して、マイクロウェーブの到達に備えた。
「………………。」
 ガロードは内心どうしていいかわからなくなっていた。あれだけの数の敵を1人で倒すことは無理に等しい。だが、倒さなければフリーデンが沈む。サテライトキャノンを撃つのはこれで4回目。
その威力を知ってからは引き金がどんどんと重く感じられるようになっていた。
412GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/02/17(土) 20:48:13 ID:???
第五十二話『あれで良いと思ってる』(後編)

 マイクロウェーブが月にかかっていた薄雲を吹き飛ばしてダブルエックスの胸部の受信部へと到達する。背中の翼は光り始め、四肢の放熱板は
ものすごい勢いで有り余る熱を排出してゆく。チャージが完了するまで残り2秒、ガロードにはこの2秒がものすごく長く感じられた。

ジャミルはこれでコロニーを撃った
戦争を終わらせるために引いた引き金は結果的に最悪の結果を招いている
でもここで引き金を敵に向かって引かなければフリーデンの皆が死ぬ…

 ガロードの心は大きく揺れる。撃たなければフリーデンのクルーを助ける事ができない。だが、この引き金はそう簡単に引いていいものではない。
チャージが完了し、ついにサテライトキャノンが発射できる状態になる。

『過ちは、繰り返すな』

 引き金に力を込める寸前、ガロードの脳裏でそう言い残して思いを託した男の顔が浮かぶ。
 引き金が引かれた瞬間、光の放流が、正面ディスプレイを覆った。
413GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/02/17(土) 20:50:21 ID:???
エピローグ

 ゾンダーエプタからの脱出劇から丸1日が過ぎた。サテライトキャノンによって吹き飛ばされたゾンダーエプタは、その1kuのほとんどを海の底に沈めている。
「新連邦政府の樹立宣言、か。戦後15年でよく立て直しができたもんだな…。」
 医務室でテクスと共にテレビ放送で流れる式典の様子を眺めながらカガリは静かに口を開く。
C.E.で起こった戦争とは比較にならないほどの被害をうけながら、15年足らずで彼らは再び権力を手にした。戦前の権力者達の寄せ集めとはいえ、その力はほかに追従を許さないほど巨大なものになっている。
「”10年ひと昔”と言う言葉もある、世界が変わるには十分な時間だ。」
 コーヒーを片手にテクスも言葉を返す。その口調からはどこか感慨深げな様子が感じられた。
「だが、まだまだ問題は山積みだ。樹立宣言をしたからといって、人々がすぐに従うとは思えん。」
「……まさか、そういう奴らを黙らせるために”あれ”を作ったと言うのか?」
「さてな、私もそこまではわからん。だが…。」
一度言葉を切ってカップを口に運ぶ。ブラック独特の苦味と風味がその時は妙にきつく感じられた。
「あいつらにとっては、あまり良い気持ちのする物ではない事は確かだな。」


 シンは自室にこもってベッドに横になっていた。ゾンダーエプタでの激しい戦闘を終え、心ここにあらずの状態が続いている。
「…クソ、あんたはそんなガラじゃないだろう……!!」
頭の中でカトックの最後何度も何度もよみがえる。彼にとって、それは忘れようにも忘れなれない光景であった。
 彼は何度も人の死を見てきた。家族の死、同僚の死、だが彼のために死んでいった人間は彼が初めてだった。
「シン? 入るぞ?」
 ガロードがノックをして彼の部屋に入る。シンはガロードを一瞥したが、すぐに天井に視線を戻した。
「…あのさ、シン。お前昨日から何も食べてないだろ? 大丈夫なのか?」
「ああ、大丈夫さ。不思議と腹が減らないんだ。」
 そっけない回答にガロードもそうかとうなずく事しかできない。お互いなにも言わず無音の時間がながれる。
「だ、大丈夫そうだから俺帰るな! じゃ、じゃあな…!」
「なんでだ…?」
 その場の空気に耐えられずガロードが部屋を後にしようとしたその時、今度はシンが口を開いた。シンの言葉にガロードはドアノブを握った手を緩める。
「…へ?」
「何であの時、ガロードは”島”を破壊した? その横に展開していた”敵”を撃たないで、何であいつらを生かして返したんだ?」
「何でって言われても…」
「サテライトシステムなら…できただろ?」
「俺は…、あれで良いと思ってる。」
「何でそう言いきれる!?」
 シンはガロードの言葉に身を起こし、ガロードを睨みつけた。ガロードは視線をそらし、静かに彼の言葉を思い出す。
「…あいつが言ったろ? “過ちは、繰り返すな”って。」
 そう良いってガロードは部屋を出た。残されたシンは再びベッドに体を横たえると右手で顔を覆った。
「…そんなこと、俺だってわかってるよ……。」
 サテライトキャノンの威力は、シンからすればレクイエムと多差ないものだった。ガロードがその時どんな心境で引き金を引いたか本人以外知る由もない。
 だが、自分だったらその時同じように引き金を引く事ができただろうか? そう考えると、ガロードの強さが身にしみて感じられ、同時に自分の小ささが腹立たしく思えた。
414通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 20:52:48 ID:???
リアルタイムだ!

GJです
415通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 20:57:22 ID:???
GJ

ガロードの大活躍乙

大量破壊兵器の引き金の重みが伝わってきますた。
416通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 21:15:24 ID:???
GX氏乙!

ガロードはやっぱり俺たちのヒーローだぜ
シン…強くなれ
お前だってもっと強くなれる
・・・・・キラにアスラン、ラクスとカガリだって

5人ともどうなるか分からないがガロードのようなカッコよさが身について欲しいと切に願う
後はガロードとティファの描写が一番だな、うん
417通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 21:30:07 ID:???
更新乙、そして添削

>>410
>胸部のブレストバルカン | ブレストランチャー

>ビームサーベル | ビームソード

>最大の武器であることは当然のことだが
指示語でちょっと読みずらい文章、「あることは」は「あるのは」で充分かも、難癖レベル。

>>412
>結果的に最悪の結果を
結果を前に使っているので文章としては悪し、「最悪の事態」などが使えるか、難癖レベル。

>光の放流 | ここは「奔流」の方が勢いを表現できるかも、難癖レベル。

>>413
>忘れようにも忘れなれない | 忘れられない

>なにも言わず | 何も

>そう良いって | そう言って
418通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 21:31:17 ID:???
乙!

ちょうどようつべでこのシーン見たところだったw
419GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/02/17(土) 21:56:44 ID:???
>>414-418
感想どもです(゚ ▽ ゚)ノ
あと>>417毎度毎度ありがとうございます。
やっぱり24時間熟成させんといかんかったですな…

えーと、とりあえず作者としてのゾンダーエプタ編感想を

本編の重要イベントがあったおかげで本編なぞっただけじゃんッ!
と書いてて何度も思いました。ダブルエックスにしろカトックにしろ重要なファクターなので
削るわけには行かないので仕方ないとえば仕方ないのですが…
何と言うか”ただ本編に沿って話を流した“って言う印象がものすごく強かったです。

 今だから言いますが、最初はシンをセインズアイランドでフリーデンから降ろして
太平洋戦線で襲ってきたあの人とガチでバトル、ぶっ壊れた機体はルマークに修理させて
『私を見て』につなげるつもりでした。ただそうするとカガリは?とかいろいろ問題があり…
下手すりゃ書く量が倍じゃすまないような事態になりそうでしたし…

とまぁそんなことは置いておいて、とりあえず二話、エスタルドに入る前に話を入れます。
内容は…お楽しみという事で
今後ともよろしくノシ
420通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 22:16:20 ID:???
いやいや、そんなことありませんよ
添削氏だってGX氏の作品が好きだからこそやってくれるのだと思うので

本当にGX氏の作品はいつも楽しませてもらっています
お体に気をつけて頑張って下さい
421通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 22:40:14 ID:???
それだけ本編がよくまとまってたってことですね。
近づき過ぎれば引っ張られるし、遠のけば味を損なう、特に原作を大切にする人にとっては難所なんでしょうな。
まぁああすればよかったこうすればよかったはどちらにしろ付きまとうもんですよ。

添削に関しちゃもうこっちがやらせてもらってる俺なりの感想です、自己満自己満。
今回なんか自分が 読みずらい とかもうアホかと、バ(ry
422保守作品24  ◆XGuB22wfJM :2007/02/18(日) 17:07:57 ID:???
「ふうぅ〜……」
機体内にある簡易のシミュレーターであのモビルスーツとの戦いをしてみたが、連戦連敗、
手も足もでない。大体前提条件がおかしい、何発撃っても撃つ瞬間ではなく、撃つ前に既
に動いてしまっているのだ。かすりもしない。
実戦なら相手のタイミングや呼吸を読み取り反応することも可能だが、血の通わないデー
タ相手ではやはり難しかった。

シンくらいのパイロットならば、俗に言う殺気を感じるなど呼ばれるものを感じ取ること
は多少できる。それでもあのモビルスーツ───フェブラルのデータは異常すぎる。
あれがニュータイプの戦闘力だと言うのなら、まさに最強兵士だ。

所詮はデータに過ぎず、実戦ならもっとうまくやれるとは思うものの、シミュレーターで
手も足もでないようでは、実戦とて勝利はおぼつかない。シンはパイロットとしての自信
を揺さぶられていた。
「他人の意思に感応して回避行動や行動予測を行う、か。
──────強いはずだ」

自信の能力不足を恥じ、一度機体から降りる。時刻を見ると日が沈んでいた。
ガチャガチャと重いものを動かす音がするので視線を向けると、ツナギ姿のルマークがラ
イフルの引き金あたりをいじくっていた。近づいて声をかける。
「何造ってるんだ?」
「あら坊や、やめたの? いま製作しているのはGX−bitが持っていたシールドバス
ターライフルをエスペランサーUでも使えるように、手との接続部分をいじっていたのよ。
ライフルも合計七つ見つかってるから、趣味に回したのよ」
「それぐらい他の人間に任せればいいだろうに」
「この格納庫は趣味専用。ラスヴェートがあるのが営業用なの、こんなお宝、同業者に見
られたら、盗まれちゃうわ」
「凄い趣味だな……」
「男は秘密が多いほうが魅力的なのよ」
「……………………」

シンは強引に話題を変えた。
「ええと、食事とか部屋とかどうなるんだ? ちゃんと代金は払うんだから案内してく
れ」
「ああそうだったわね、忘れてたわ。ここの区画には私じゃないと入れないけど、食堂に
行ったらだれかしら居るわよ。私の客人だって言えば世話してくれるわ。
私はこれが一段落するまでここにいるから、会いたくなったらいつでも来てね。
この区画の今のセキュリティーコードは、『GX9900』よ、」
「わかった。相談したくなったらまたくるよ。身体に気をつけてな」
「あら、心配してくれるの感激だわ」
たわ言を無視すると、さっさとシンは特別格納庫から去っていった。

どうにか乗組員をみつけ、夕食と共にコーヒーをたらふく摂取し、部屋を割り当ててもら
ってからシン上機嫌で医務室を訪ねた。
そこにはアベル=バウアー元中尉がつまらなそうにベッドで本を読んでいた。
423保守作品24  ◆XGuB22wfJM :2007/02/18(日) 17:08:28 ID:???
「調子はどうです、中尉?」
「退屈です。ただその一言につきますな。せめてアレのシミュレーションでも動かせたら
よい鍛錬になるのですが」
「胸に穴開けられたんですから、もっと安静にしてください」
「やれやれ、中尉まで医者と同じことを言うのですな。ならば退屈しのぎにつきあって頂
きたいものです」
「俺もアベル中尉に聞きたいことがあって来ました」
「その割には時間を忘れていたようですがね」
「うっ! す、すみません」
冗談ですと笑って、アベルはフリーデンでの体験を話し始めた。

目を覚ますと、金髪の医者が詩を暗記しようと頑張っているところだった。
「ぬ、失礼。気分はどうかな?」
「私は……」
「君はこのフリーデンに収容されたのだよ。待っていたまえ、艦長を呼び出す」
アベルは傷の痛みにうめいた。疑念を口にするのもおっくうで身をのりだすのはやめ、静
かに艦長を待つことにした。

5分もすると、サングラスをかけたいかにもバルチャーという風体の男が入ってきた。
「はじめまして、私がこの艦の艦長、ジャミル=ニートだ」
視線だけを送り、その聞きなじんだ名前を問い返す。
「旧連邦最強のニュータイプ兵士、ジャニル=ニート……」
「かつて、そう呼ばれたこともある」
そしてアベルは自分を助けた経緯とジャミル=ニートの目的を聞いた。

「目的が保護とはいえ、敵対した新連邦の軍人まで保護するとは見上げたものだ。しかし、
母艦を攻撃した敵を助けるのは感心せんな」
「勘違いするな、元々追いかける気も助ける気もなかった。撃退した時点で貴方への興味
はない。自分の意思でニュータイプとしての力を扱うのなら、保護など寝言にしか過ぎな
いだろう。
助けたのはティファの言葉があればこそだ」
「確かに、あの少女ならば他人にいいように使われる事とてありうるだろうが、流石にこ
の歳では厄介ごとにしか感じんな。それで私をどうする?」
「決めかねている。貴方はどうしたい。その力をどう生かすつもりなのだ?」
アベルは唸った。上官に殺されそうになったので逃亡したが、別に反射的な行動だったの
で先のことなど考えていなかった。

「できるなら新連邦に戻りたい。反逆者になっていなければ、だが。
助けられた以上もう敵対する気はないが、命令とあらば再び戦うだろう。
殺しておいたほうが身のためだと思うがな」
「殺す気ならとっくにしている。だが一度助けた相手と戦うのは避けたい。ゆっくり考え
て欲しい」
「寛大な処置に感謝する」
フリーデンの艦長は医務室から去っていった。



中途半端のまま続く。アベルとティファの会話考えるのムズ……
424通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 18:24:16 ID:???
GX氏といい保守氏といい昨日今日と豪華だぜー!
GX氏はここで一区切りか。ゾンダーエプタ編はシンにとっても重要イベント目白押しだったな。
まだ漠然としたモヤモヤ感だけで形にならないだろうけど、それをシンが自分なりに咀嚼して、どう血肉にしていくのかwktkですよ。

保守氏の野郎所帯もイカスw。ルマークとアベルというぶっちゃけ脇中の脇をここまでかっこよく描けるのは凄いよホント。
425通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 18:44:34 ID:???
保守氏GJ!

ルマーク…やっぱりそうするかw
使えるものをほっぽっとく訳ないよな、うん

ところでフェブラルの場合はモビルアーマーだったような・・・
あれどっちだったっけ?
まあ、どっちでも変わらないか
426通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 18:50:09 ID:???
保守乙!
普通はシミュで勝てないなら実戦ならなおさらと思う所を
実戦なら何とかやれるかもと思う辺り流石シミュレーターの鬼シンw

>>425
公式だとMSだね
427通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 20:07:52 ID:???
ジオングがMSだから、準じてるんでしょう。
428通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 23:47:20 ID:???
ちょっと遅いですがGX氏、保守氏GJでした!
背伸びしないシン、なんかいいなw
429通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 09:31:54 ID:???
GX氏のほうは次はエスタルド編か…
つうか、シン乗る機体無くね?
デスティニ―ぶっ壊れたまんまだろ?
430通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 16:05:53 ID:???
431通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 20:27:49 ID:???
マルチ乙
432通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 20:59:25 ID:???
GX氏の方のエスタルド編はカガリがメインになるのかな。
よく似た境遇のウィリスとオーブの状況と被るエスタルドを見て思うこと有るだろうし。

それとロアビィ編で出てきて以来沈黙したままのラクスとAAの愉快な仲間たちは新連邦樹立による混乱を見てどう動くだろうか。
所詮は異世界のことと座視するのか、新連邦と戦うか、協力するのか

保守氏の方は「私を見て」と「もう会えない気がして」の間の時期の話だけどGXを得たシンとアベルとルマークがどう動くのか。
先が気になって仕方が無い。
433通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 23:05:55 ID:???
南北米を手中に収めてそうで怖え
434通常の名無しさんの3倍:2007/02/21(水) 09:33:25 ID:???
>>430を見て思ったんだが……
島に居た人間を含む生物は皆殺しでFA?
435通常の名無しさんの3倍:2007/02/21(水) 10:45:29 ID:???
>>434
430見てないけど、ゾンダーエプタのことなら
人間はフロスト兄弟の暗躍で全員退避済みだし
動物は人工島だから大していない(いても鳥ぐらい)
436通常の名無しさんの3倍:2007/02/21(水) 16:39:54 ID:???
南米は旧連邦の中心部だったからコロニー落としが集中して壊滅したって言ってたはずだぞ
ただでさえコロニーが落ちたんだから南米に人が住んでいるとは思えないな
437通常の名無しさんの3倍:2007/02/23(金) 13:02:10 ID:???
ラクス達ならカリスと一緒にレジスタンスに所属するんじゃないか?
438通常の名無しさんの3倍:2007/02/23(金) 18:26:38 ID:???
>>436
北米も穴だらけだったけど人は居たぞ。
439通常の名無しさんの3倍:2007/02/23(金) 20:50:06 ID:???
>>437
カリスならラクシズのろくでなしな本質を見抜いて拒絶すると思うんだ
440通常の名無しさんの3倍:2007/02/23(金) 20:56:15 ID:???
カリス「うっ! 今、彼らの心が見えてしまった。
    白い、太陽のような明るさを持つ白さだ。
    だけど……」
カリスは以後、言葉を続けることをしなかった。
441通常の名無しさんの3倍:2007/02/23(金) 20:59:17 ID:???
でもノモア市長に長年騙されてたからな、それに頭はお花畑だけど戦力は有るから
レジスタンス上層部は入隊許可しそう
442通常の名無しさんの3倍:2007/02/24(土) 00:47:19 ID:???
ノモア市長は親代わりみたいなもんだから、多少盲信気味になるのは仕方ないかと
443通常の名無しさんの3倍:2007/02/24(土) 17:51:07 ID:???
どんな終わりになろうと俺は最後まで見届けるつもりだがな
444GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/02/24(土) 20:21:03 ID:???
書き出した以上、きちんと最後まで突っ走りますよ^ ^)

第五十三話『見つけてやるさ』(前編)

「いくらなんでも無理ですよチーフ…。」
「ここまで壊れてちゃもう…。」
胴体だけのディスティニーの前に、ロココとナインは肩をすくめた。
 ゾンダーエプタでの戦闘から3日、フリーデンはユーラシア大陸を目指して艦を進めていた。海底からガンダムが格納されていた
コンテナを回収したものの、ヴァサーゴとアシュタロンによって破壊されたディスティニーは未だに修理の見通しが立っていなかった。
キッドも頭をかきながら険しい顔を浮かべる。
「俺もシンにそう言ったんだけど…、それを聞いたシンの落ち込みようがあまりにもひどかったからなぁ…。」
「確かに、あいつはMSに乗るしかとりえのない奴ですからね。」
「何とかしてやりたいのは山々なんですけど…。」
3人はそろって何度目かのため息をついた。
 ディスティニーの修理の見通しが立たないのは、ディスティニーだからこその理由があった。
ディスティニーは元々C.E.のMSであって、A.W.のMSではない。その関係上、機体に使われているパーツの規格が合わないのだ。
無論パイプの1本やねじの1つと言った細かなレベルではないが、肩部に使われているサーボモーターや脚と足をつなぐ
シリンダーなどどうしても問題が発生する部分がある。今までそういったパーツは無理やり取り付けたり細かな改造を加えてたりして
使用できるようにしていたが、今回はさらに特殊な装甲であるVPS装甲の修理など、全体の約4割はパーツの交換する必要があった。
「問題は、肩と太ももですね。」
「損傷がひどいから修理して使うってわけにもいかないし…。」
「しょうがない、パーツが手に入るまでは保留だな。」
「手に入りますかね? パーツ…。」
 保留をきめるキッドにナインは不安そうな声を上げる。すると、キッドは作業着の左ポケットから一枚の紙を取り出し、2人の前に差し出した。
「なんですか、これ?」
「今度の目的地。艦は今ここを目指して進んでいるらしい。」
「ここに、一体何があるって言うんです?」
 ロココは顔を上げてキッドを見る。キッドは何かに熱中する年相応の子供のように目を輝かせた。
「エアマスターとレオパルドの強化パーツのテスト基地があったらしい。もしかしたら、エアマスターとレオパルド専用の良いパーツが手に入るかもしんねぇんぜ?」
 キッドはまだ見ぬエアマスターとレオパルドのパーツに思いをはせる。機動性を維持しつつ火力を上げたストライク・エアマスターと
完全長距離支援用の機体と化したアトミック・レオパルド。試作品とはいえ、もしもそれらのパーツが手に入ったならばどんなにいいか。
キッドはあさっての方向を向いてさらに自分の世界へと進んでいく。
「どっちのパーツもそのままエアマスターとレオパルドに着けても良いし、いじってディスティニーにくっつけても良いだろ?
もし全部そろってなくても、ディスティニーの修理用には十分な量だろうし、それから…。」
 指折り数えながら考えにふけるキッドを前に、ロココとナインは先ほどとは別の意味で深いため息を漏らした。
445GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/02/24(土) 20:24:40 ID:???
第五十三話『見つけてやるさ』(中編)

「シン? いるか? 入るぞ?」
何度ノックしても反応がなかったので、カガリはドアを開けて中に入った。彼女の部屋同様家具はベッドと机と椅子がそれぞれ1つずつしかなく、
シンはそのうちのベッドに横になってずっと天井を見上げている。彼は部屋に入ってきた人物が誰か顔を確認すると、再び天井に視線を戻した。
「アスハか…。何のようだ? 専用機がぶっ壊れて何にもできなくなったエースを笑いに来たのか?」
「ずいぶんな言い方だな。私はお前を心配してきたんだぞ。」
 シンのとげのある言葉にカガリはムッとした表情を浮かべる。シンはそれを鼻で笑いながら上体を起こした。
「心配? オーブの代表のあんたが? ザフトの俺の心配? 冗談じゃない、誰があんたに心配してくれって頼んだ!?」
「誰にも頼まれたりはしてないさ。私は、私の意思で心配しているんだ。」
「大きなお世話だ!」
「心配してほしくなかったら、普段どおりに生活しろよ。」
「できるか! 俺はパイロットだぞ!? MS無しで何ができる!!!?」
「できるさ! 私が証明してやる!!」
 そういってカガリはシンの腕を両手でつかむと、そのままシンを部屋の外まで引っ張り出す。廊下に引っ張り出されてすぐにシンは
その手を振り解くが、再度彼女に腕をつかまれてしまう。
「放せ!」
「うるさい!! 部屋に閉じこもってウジウジやってただけの人間が私に命令するな!!」
「お、おい二人とも…。」
「お前に今の俺の気持ちがわかるのかよ!? あそこで俺がどんな思いをしたか!!?」
「知るかそんな物! 誰だって気分の良いとき悪い時あるだろう!? それでも皆艦の中でそんなそぶり見せずに生活するんだ!
自分だけ部屋に閉じこもって何にもしないなんて甘い事が許されると思ってるのか!!?」
「あ、あの…。」
「人の気も知らないで…、勝手なことばかり言うな!!」
 シンは強引にカガリの手を振り払う。拘束を解かれた腕は勢い良く振るわれ、手の甲が何かにぶつかった。
「ブッ!!」
「ガ、ガロード!!?」
『……へ?』
 二人が見たものは、右頬に拳をねじりこまれた格好のまま立っているガロードと彼を心配するティファの姿だった。


「んじゃ、俺たちは次のやつを取ってくるから。」
ガロードはそういうと、ティファと共に甲板から姿を消した。甲板には幾つものシーツや洗濯物が潮風に揺れている。
空には雲ひとつなく、この陽気ならば午後から第2陣を干す事ができるだろう。
「さて、私達はこれを干してしまうか。」
「…………ハァ。」
 カガリは気合を入れなおし、シーツの束をまとめて運んでいく。目の前に詰まれた洗濯物の数に、シンはがっくりと肩を落とした。
「なんだって俺が洗濯物を…。」
「”エースパイロットはこんなことしない”か? もう何度目だ? その台詞を言うのは?」
 紐を吊って作った即席の物干し竿にシーツを干しながら、ため息ばかりつく彼にカガリはあきれた顔をする。
しぶしぶと仕事をしながらシンはとげとげしい物言いで言葉を返した。
「当然だ。ミネルバに乗ってたときは、そんな仕事をする奴なんて別にいた。」
「”こんな仕事”とはまたひどい言い方だな。」
「大体、ザフトの赤服はエリートなんだぞ?」
「ここじゃザフトの赤服とかオーブの代表だとか、そんな肩書きは一切通用しない。」
干したシーツのしわを伸ばしながら彼女は言った。
 
446GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/02/24(土) 20:26:57 ID:???
第五十三話『見つけてやるさ』(後編)

 よくよく考えてみれば、カガリはオーブのウズミ・ナラ・アスハの娘で、いわば1国の姫である。その彼女がこんな雑用を
平気でやっているというのはどうにも信じがたい光景であった。
「あんたはどうなんだよ?」
「ん? どうってどういう意味だ?」
「こんな仕事をやらされて、”何で私が?”って思ったりしないのか? 」
 空いているスペースに籠を置いて絡み合ったシーツを解く。水分を吸って重くなったシーツはなかなか解けてくれない。
「私はどうとも思わないがな。それを言ったら、戦場に自分から出て行く1国の姫なんていない。」
「”軍の士気を高める”って点でならそういう行動も十分に納得がいく。でもこれはぜんぜん違うだろ?」
 ようやく解けたシーツを両手でまとめ、ばさりと紐に引っ掛ける。紐はいきなり重さがかかったせいで大きく揺れた。
「私は、絵本に出てくるような”お姫様”じゃないからな。」
「…あぁそうですか。所詮は規格外ってことですか。」
 次のシーツを取りながらシンはすまし顔で皮肉を口にする。そんな彼が手に取ったシーツをカガリは無理やり奪い取った。
「お、おい!」
「ああ、世間的に見たら私は規格外の姫さ。砂漠に行ってレジスタンスに加わったり、他国の艦に乗って一緒に行動したり、
国に父を残して出て行ったり! 父が死んで焼け野原になった国を必死になって再生させようとして失敗して、国をまた追われて!」
 彼女は熱のこもった眼差しでシンを見つめる。彼はその姿にたじろいだ。
「絵本の中のお姫様とはまったく違う生活をしているのはわかってる。それが”本物”と”作り物”の違いさ、お話は所詮お話なんだよ!」
 一度言葉を切って息をつくと、彼女は背を向けて空いているスペースへと歩き出した。背中越しにさらに自分の考えをさらに語る。
「世間がきめた規格なんて、所詮現実を知らないやつの虚像でしかない。だから私は、そんなことはまったく気にしない。」
「気にしないって、回りは否が応でも規格に合わせようとさせようとするだろ!?」
「世間は世間、私は私だ。いまさら自分のやり方を変えることなんてできはしないさ。」
 何列にも並んだ紐の空いたスペースを探して彼女はシーツのカーテンの中に消える。
1人残されたシンは、彼女の言葉に舌打ちをした。
「要するに、外野がどういっても自分のやり方を通す、ってわけか。ま、1番単純な考え方だよな。」
 籠に残るシーツつかんで広げながらシンは空を見た。先ほどまでは嫌味に感じられた雲ひとつない青空が、今はなんとなく違った風に感じられる。
「あいつは無理だって言ったけど、俺はあいつじゃない。あいつに無理だから俺に無理ってわけじゃない…。
あいつともガロードとも違う”過ちを繰り返さない方法”を、見つけてやるさ、絶対に!!」
 ディスティニーという愛機を失った今、自身に何ができるかどうかさっぱりわからない。だがこのときの彼は”何かできる”、そう思えるようになっていた。


「…あの二人、一体なに言ってんだ? ザフトだとかオーブだとか…?」
「…ガロード。」
 甲板入り口手前で二人の会話を聞いたガロードは二人の会話に出てきた謎に言葉に首をひねる。ティファはガロードを見つめる。
「ん?」
「今は、まだ聞かないで上げて。」
「き、聞かないでって、何で?」
「あの二人は、きっと自分から話すと思うから。」
「ティファがそういうなら、そうするけど…。」
 甲板で仕事を続けるシンとカガリと言う存在に、ガロードは初めて疑問を持った。
447通常の名無しさんの3倍:2007/02/24(土) 20:40:45 ID:???
更新乙、そして添削

>>444
>脚と足をつなぐシリンダーなどどうしても
同じ音が続く場合、句読点で分けた方が読みやすいかも、難癖レベル。

>>445
>誰だって気分の良いとき悪い時あるだろう!?
悪い時が漢字なんで、良い時と統一すべきか。

>そんな仕事をする奴なんて別にいた。
後のカガリの台詞と一致していない、「こんな」の間違い?
448443:2007/02/24(土) 20:44:02 ID:???
GX氏GJ!
偉そうな事を言って真に申し訳ございませんでした・・・orz
こんな暴言を言ってしまいましたがどうか見捨てないで下さい(土下ー座)

まだ甘ったれなシンが少しずつ成長しているのが微笑ましいと思いました
これからのシンとガロード達に期待しています
449通常の名無しさんの3倍:2007/02/24(土) 20:51:40 ID:???
今回はインターミッションGJでした。
ってかデスティニー直ってねえ!直る見込みねえ!
いいのか!大丈夫なのか!大丈夫だよな!
と心配しておく。
シンって元難民で、苦労してザフトに入隊しただろうに、
結構たるんだなあ。軍内部の役割分担を考えたら生活
担当とは部署が違うと言うのは当たり前かもね。
450通常の名無しさんの3倍:2007/02/24(土) 22:37:44 ID:???
GJ!!
だが、シンの態度に違和感を感じた。
451通常の名無しさんの3倍:2007/02/24(土) 23:23:14 ID:???
うーむ、シンって俺はMSのパイロットだとか、ましてやエリートだとか、そういう肩書を笠に着た事は一度も無かったからな
元々ザフトの赤服なんて、シンにとっては力を得る為の手段でしかなかった訳だし、それ自体には誇りも拘りも持ってない奴だと思う
452通常の名無しさんの3倍:2007/02/24(土) 23:54:41 ID:???
初期のシンならそうだがネビュラ勲章貰ってフェイスにも任命され、
名実ともにザフトのトップエースになった終盤のシンならおかしくないんじゃない?
453通常の名無しさんの3倍:2007/02/25(日) 02:52:08 ID:???
生活必需品の運び込みをやらされたり、カガリの手伝いで救命胴衣を「自発的に」配ったりと
「雑用には既に縁がある奴」が、洗濯程度でそこまで愚痴るか疑問だけどな。
454通常の名無しさんの3倍:2007/02/25(日) 07:23:36 ID:???
カガリに言われたから反発してるだけなんじゃない?
455通常の名無しさんの3倍:2007/02/25(日) 08:53:01 ID:???
GX氏GJ!

>>449
デストロイが出てきた上
これからデストロイモドキにディクセンのビームシールド紛いが出る
今後の展開にwktkするだけだな

シンがあんな態度になるのはまだ子供だからじゃない?
不貞腐れて偉そうにするってのは本編でも何でも変わらないし
小説版じゃそれなりの理由紛いが有ったが
そんな理由で偉そうにすんなって思ったな

結局このSSのシンがヒーローになるかヒールになるかはGX氏次第だって事
456通常の名無しさんの3倍:2007/02/25(日) 09:06:29 ID:???
子供だからどうこうじゃなくて、シンのキャラ的にどうよ?って話だと思うんだが…
457保守作品25  ◆XGuB22wfJM :2007/02/25(日) 09:18:13 ID:???
これからどうすべきか。
その答えを出せず、身体を休ませるアベル・バウアー。

その彼の元へ尋ね人がやって来たのは、ジャミルが去って一時間もたった頃だろうか。
彼の新しく芽吹いた超感覚が、その少女がやってくるのを廊下越しに捉えた。
表層的に伝わってくるのは、恐れ、好奇心、決意、鼓舞、そういった感情がまぜこぜにな
ったものだった。おそらくむこうも自分のことを感知しているだろう。

随分と迷っているようなので、目を瞑ったまま、小さく声に出してみる。
「入ってくるがいいティファ・アディール。もう危害を加えたりはせん。
元よりこの身体では何もできん。私も君と話をしてみたい」

普通に考えれば独り言が廊下越しに伝わる筈が無いが、アベルは間違いなく聴こえると確
信していた。
数秒後、シュンという音をたてて、扉が開いた。

ハイネの詩を読んでいた医師が顔を上げた。
「ティファ? ジャミルの許可はとったのか」
「いいえ、でも、その人と話したくて」
「……本来、新連邦の捕虜に接触させたくはないのだが、カトックの時とは違って彼の体
はボロボロだ。問題ないだろう。許可する」

ティファはドクターに礼をいうと、緊張しながらベッドの傍らにある椅子に腰掛けた。
アベルは首を曲げるのもおっくうなので、視線だけを少女にはしらせる。

「……君をMSで殴り殺そうとしたことについては、詫びる気はない。
この船を攻撃したのは任務だったからだ。
ダブルエックスを盗み、エスタルドに雇われている君達は目障りだからな。
MSと陸上戦艦で暴れまわる以上、狙われる自覚はあると判断する」

少女は小さく頷いた。
力を振るうということ、撃つ人間は撃たれる人間になりうるというを理解しているようだ。

当然かもしれない。少女の感応能力は自分を遥かに超越したところにあるようだ。人の断
末魔や恐怖、怒り、痛み、悲しみ、戦場の狂気、そういったものを受け止めてしまう可能
性は高いだろう。

「だが────
君がいなければ、私は味方に殺されているところだった。
礼を言う。ありがとう、ティファ・アディール」
少女は微笑んだ。

じっとこちらを見つめた後、ようやく少女は口を開いた。
「貴方は、この力をどう思っているのですか?」
短い問いだったが、アベルは根底にあるものを理解した。
自身の力を持て余しているのだろう。自然に発生したニュータイプとしての力を、肯定的
に扱う人間は初めてなのだ。その当人から答えを聞きたがっている。
発達した互いの感性が飛躍した答えを導き出した。
458通常の名無しさんの3倍:2007/02/25(日) 09:19:09 ID:???
ふて腐れてる場面は解るが偉そうにしてる所なんてあったっけ?
459保守作品25  ◆XGuB22wfJM :2007/02/25(日) 09:20:23 ID:???

「言わなくても解っているようにみえるがな。言葉で聞かねばならん答えもあるか。
力は力だ。速く走れるように、遠くまで二本の足で歩けるように、美味い料理を創れるよ
うに、人が技術を積み重ねて空を超える力を手に入れたように。唯、それだけのことだ。
たまたま我々に発現した力が希少で、有効活用できる代物だったから、狙う人間が多いだ
けのことだ」

アベルは一度言葉を切り、目蓋を下ろして再び話し始めた。
「自分に与えられた力が、自分をより生かす物だったのならば、私は躊躇わない。
人の革新だとか、未来を決めるなど私には縁遠い話だ。
私は”特別な人間”だ。フラッシュシステムを動かせる特別な力を持った人間だ。
同時にその力を個人の才能として、当たり前に振り回す”凡人”なのだよ。
未来人でもない、聖人でもない、強い力を手に入れてはしゃぐ、唯の人にすぎん」

再び目を開いて、少女に視線を送る。
受け取った答えを噛み砕いているようだ。

「ジャミルはニュータイプの力が利用されるのをよく思っていない。
同時にニュータイプだった頃にみた未来を信じている」
「……私には予知能力は備わっていないようでな、実感できんので理解しきれんが。
ニュータイプがみる人類の未来など、たわ言だな。
ニュータイプという存在を重要視しすぎているように感じる。逆説的な物言いになるが、
彼はニュータイプでなければ理想の未来が創れないと言っているようなものだ。
ニュータイプを保護し、時代に利用させまいとする姿勢は見上げたものだが、力とて個人
の才能である以上、むしろ他人に利用されようとも、自分は価値がある人間だとふんぞり
返るぐらいが丁度いいと思うがな」

少女は困ったように目を伏せた。
「無神経だった。すまん」
アベルは謝った。多分、傍らに座る少女はずっと利用されてきたのだろう。

少女は俯いて考え込んだ。
「……自分を生かす力」
「別に仰々しいものではない。自分や周りの人間に対して役に立つのなら、力の行使をい
とう必要などないだろう。
超人に見られることが怖いのか?
それとも、この力を使わずに誰か認めてもらいたいのか?」
少女は沈黙し、考え込んだ。

アベルには閉ざした心を見通すほどの力は無い。
それで良かったと思える。人の奥底なぞ見たくも無い、知りたくも無い。
だが感受性の強すぎるこの少女にとっては、一生付き合い続けなくてはいけない問題なの
だろう。すぐに答えを出せるものではないし、出してはいけない。
「大いに悩むがいい。若者の特権だ。迷って苦しんで、自分なりの答えを出すがいい。
力があろうとなかろうと人間である以上、道を模索するのは当たり前だ」
アベルは年長者として、若者を励ました。

続く。
460458:2007/02/25(日) 09:24:35 ID:???
保守氏ごめんなさい。
それと、GJです。
461通常の名無しさんの3倍:2007/02/25(日) 20:12:52 ID:???
保守氏GJ!
今回もアベル・バウアーの視点か・・・
次の話でルマークとの邂逅かな?
兎に角乙!
462通常の名無しさんの3倍:2007/02/25(日) 22:12:09 ID:???
保守氏GJ!

>彼の体はボロボロだ
これを読んで( 0M0)を思い浮かべてしまった俺は
サテライトキャノンで塵になったほうがいいと思う
463通常の名無しさんの3倍:2007/02/25(日) 22:13:13 ID:???
>>462
なんだ、恐怖心でNT能力が使えなくなるのか?
464通常の名無しさんの3倍:2007/02/25(日) 23:17:39 ID:???
保守乙!
ここのアベルはNTとして覚醒したんだな
465通常の名無しさんの3倍:2007/02/26(月) 01:49:11 ID:???
>>462
味方相手に強かったり、生贄で強くなったりするのかwww
466通常の名無しさんの3倍:2007/02/27(火) 00:03:13 ID:???
そういえば、アベルは覚醒してからスプーン曲げができるようになったんだろうか?
つか、ティファはできるんだろうか、スプーン曲げ。
467通常の名無しさんの3倍:2007/02/27(火) 01:00:55 ID:???
>>466
できるか!

ティファの能力は食事中の一同の味覚を操り、しめ鯖の味に換える能力
468通常の名無しさんの3倍:2007/02/28(水) 00:44:45 ID:???
>>466
アベルは、カレーを食べる時、スプーンが勝手に曲がってしまうので、
手で食べようとしたら、指が曲がった
469通常の名無しさんの3倍:2007/02/28(水) 02:09:15 ID:???
しかたないので犬食いしようとしたら首が曲がった
470通常の名無しさんの3倍:2007/02/28(水) 21:11:29 ID:???
TV番組で超能力少年がスプーン曲げしようとしたら
視聴者のみなさんの首が捻じ曲がっていったサイコホラーアニメを思い出した
471通常の名無しさんの3倍:2007/02/28(水) 22:32:17 ID:???
皿を持って口に流し込もうとしたら腰が曲がった
472通常の名無しさんの3倍:2007/03/01(木) 00:31:02 ID:???
>>470
サイファイアベルか
十二機のビットMSで増幅したサイコキネシスで
敵機のパイロットの首へし折るのか

…謎は解けた!!
これが棒立ちMSの真相だ
キラは敵機をロックオンすると同時にパイロットの首を捻じ曲げていたんだ

我々は遅すぎたんだ……
473通常の名無しさんの3倍:2007/03/01(木) 17:04:26 ID:???
>>472
な、なんだt(ry

何はともあれGJ!
GX氏のシンは少し違和感持ったなぁ…
まあこれも運命が直らないと聞いて
無茶苦茶ふさぎ込んでるってことかなぁ
474通常の名無しさんの3倍:2007/03/04(日) 10:31:00 ID:???
イヤ、断る理由はないが頭に血が上っていて無性に反発したい時に
大嫌いな奴に手伝えとか言われたらそーゆー事言い出しそうな気もしないでもない。

怒ると暴走する人だし
475GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/03/04(日) 21:31:47 ID:???
えー、シンの行動に違和感を感じまくっている方がたくさんいらっしゃいますね…

ゾンダーエプタを脱出して3日しかたっていなくて、カトックのことやらガロードと自分の違いとか
彼の中でいろんな事が有りすぎてむしゃくしゃした状態だったという事を考慮していただけると幸いです。
んで、
カガリに心配される

沸点が低い状態だったのですぐキレる

仕事についても彼自身心穏やかでないのでやってられるか状態

という心境を表現したつもりでした。

けどまぁ、結局『カトックの言葉やガロードと自分の違いにシンはどうしたらいいかわからなくなっていた。』
という一文を入れなかった私のミスです…。
476GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/03/04(日) 21:33:57 ID:???
そして新作投下… 


第五十四話『私達も行かなければならないのです』(前編)

「姉さん、獲物がかかりましたぜ。」
 メガネを掛けた黒服の男の声に、右目を黒いアイ・パッチで覆った女性は体を起こした。
「数は?」
「セプテムが2、オクト・エイプが1だ。」
「ムラサメ用のパーツにゃならんだろうが…。」
「あたしらの機体にはまたとない獲物さ、いくよ野郎ども!!」
隠れていた岩場を軽やかに3つの人影が降りてゆく。一人はアイ・パッチの女性、後の二つは顎鬚の濃い男とメガネをかけた男である。
 岩場の下で彼らは隠しておいた自分達のMSに乗り込む。紫を基調としたカラーリングはMS乗りが多くいる北米大陸では
さして珍しいものでもないが、彼らの乗る3機のMSは頭部がジェニスともドートレストも違う十字架の形をした奇妙なものが取り付けられていた。
「マーズ! ベルベルト!!」
「こっちはいつでも!」
「右に同じだ!」
「よし…。いいかい野郎ども、エターナルとアークエンジェルの改修は既に終わってる。後は修理用のMSのパーツが必要だ!」
「要するに、できるだけ機体を”無傷”で押さえろってんだろ?」
「となると、接近戦でコックピットを狙うわけか。」
 二人の答えにアイ・パッチの女性は満足げにうなずいた。
「そうだ、なんたってあたしらの機体のパーツなんだからね。無茶して使い物にならないなんてことになったら承知しないよ!」
「へいへい。」
「ま、がんばってみますか。」
 二人とも自分のペースで返事をすると通信を切った。アイ・パッチの女性、ヒルダは一度深呼吸をして意識を集中させると一喝する。
「さぁて、派手に暴れてやろうじゃないか!!」
頭部の黒い十字架の線と線とが交差する部分でモノアイに光がともり、ドムトルーパーは大地を疾駆する。まるで獲物を駆る猟犬のように。
477GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/03/04(日) 21:39:19 ID:???
ウハッ… 間違って前編の前半分だけ先に投下してしまいました…この分は前編の後半です


「ドムトルーパー隊より入電、予定していた数の物資を確保したので帰還するとのことです。」
「了解、予定ポイントで合流を待つと伝えてくれ。」
 ブリッジに待機していたメイリンとバルドフェルドはデータ整理に奔走していた。
この2ヵ月で彼らを取り巻く情勢は一変した。月でデュランダル議長との最終決戦のための準備を進めていた彼らだったが、
謎のレーザー照射によって北米大陸に降り立つこととなる。
 コーディネーターとナチュラルと言う違いのない世界、彼らのもといた世界よりも悲惨な地球の状態を目の当たりにした時にはメイリンはひざの力が抜けた。
「…ようやく、ここまで来たんだなぁ…。」
 メイリンは感慨深げに集めた資料のデータに目を通す。実際に目の当たりにしたものや情報を集めて見えてきたもの、
自分達の状況を一つ一つ整理していくと余計に状況の悪さが際立って見えた。
 宇宙用であるエターナル、とにかく目立つために情報屋たちに目をつけられたアークエンジェルはどちらも目立たないように
改修を施す必要があった。戦闘の度に損傷して戻ってくるムラサメやドムトルーパーの部品の確保も容易ではなく、
最終決戦のために準備しておいた物資はわずか半月で底をつきてしまった。結局自分達で必死になって機体のパーツも含め
生活に必要な物資を集めるようになっていた。
「メイリン君、そんな風に考えてちゃこれから先やっていけないぞ。」
「え? それどういう意味ですか?」
彼女の後ろでキーボードを操作するバルドフェルドはメイリンの言葉にオリジナルブレンドのコーヒーを片手に振り返りもせず続ける。
「我々は、まず元いた世界に帰らなければならない。どうやって帰るか? 君はわかるのかい?」
カップに口をつけて中の黒い液体を喉の奥へと流し込む。コーヒー好きの彼の完全オリジナルブレンドのそれは、口の中に独特の後味を残す。
「い、いいえ…。」
「それは俺にもわからん。それを調べにゃならんし、仲間も集めんといかんしな。」
 左手に持っていたカップをテーブルの上に静かに置く。その傍らにはストライクフリーダムとディスティニーの写真がおかれていた。
478GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/03/04(日) 21:42:24 ID:???
第五十四話『私達も行かなければならないのです』(中編)

「シンが、こっちの世界にいるんですよね?」
「彼はフリーデンというバルチャーの艦に身を寄せていたらしい。ま、サンアンジェロから太平洋に出て以降消息はぷっつりと
途絶えたままだがね。ダコスタ、ディスティニーの目撃された地点の整理は終わっているか?」
『はい、メインディスプレイに映像を出します。』
 別室で作業を続けるダコスタからデータが送られ、メインディスプレイにディスティニーの目撃情報が地図と照らし合わせて表示する。
フォートセバーンで初めて目撃されて以降いくつかの地点で目撃情報があり、最終的にサンアンジェロから太平洋の真ん中にある
セインズアイランドへ向かったことまではわかっていた。
 同時にフリーデンの映像もディスプレイに表示される。
「この艦はそれ以外にも十五年前の戦争で使われた最終決戦兵器『ガンダム』3機所有している。」
「戦力としては申し分ないと思います。彼らを仲間にする事ができたら…。」
「今の段階でそれを判断することは難しいな。取らぬ狸の皮算用はしないほうが良い。」
 ダコスタの希望的観測を打ち消しながら、バルドフェルドはカップに残ったコーヒーを飲み干す。
「しかし、皮肉なもんだな。こっちの世界も俺たちの世界も、最高の戦力が同じ顔ってのは…。」


「キラ君が新連邦側についたことは確かみたいね…。」
最後の目撃情報である魔の海域『ローレライの海』での戦闘の映像を眺めながらマリューは息をついた。
 旧連邦の工場跡地に艦を隠した彼らは、この1月半一度も艦を動かしていない。ようやくエターナルもアークエンジェルも
改修が終わり、どこから見ても『陸上戦艦』となっていた。無論、後からつけたパーツは簡単に排除が可能なため、
その気になればいつでも元の姿を取り戻す事ができる。
 だが艦の改修が終わっても、フリーダムとジャスティスという戦力のない現状は彼らの心に影を落としていた。
「フリーダムはその後新連邦の部隊とともに艦に戻ってますからね。そう考えるのが妥当しょう。」
「ジャスティスについては今の所情報はありません…。」
 ノイマン、チャンドラも言葉の調子が重い。アークエンジェルの中でも古株である彼らにとって、不安に思うところは多々あった。
「バルチャーとの抗争だけなら今の戦力でも十分対抗できるだろうが、これから先そうも言ってられそうにないしな…。」
 メインディスプレイに左下に表示されている『新連邦樹立宣言』の様子を眺めながらネオも重く息をつく。
 新連邦政府の勢力圏は日に日に拡大を続けている。アフリカは既に完全な勢力下と化し、今は東へ東へとその触手を伸ばしている。
アジア地域の中にあるいくつかの小国は現在も抵抗を続けているが、そう長くは持たないだろう。彼らの手が及んでいない地域は
今彼らのいる北米大陸と、コロニー落としの集中攻撃によって破壊しつくされた南米大陸だけであった。
「新連邦…、こっちまで着ますかね?」
「…私達は最悪の状況を想定して行動をすべきでしょうね。それに…。」
 マリューは樹立宣言を行うブラッドマン卿を厳しい目で見つめた。
「結局の所、彼らのやっていることは力による支配と変わらないわ。それも、戦後の混乱に乗じてね。」
479GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/03/04(日) 21:46:40 ID:???
第五十四話『私達も行かなければならないのです』(後編)

「今日で最後か…。また客が減ってしまうな…。」
店のマスターはグラスを磨きながらカウンターに座る彼女に目を向けた。最初に彼女と対面した時にはその独特の風貌に驚きを隠せなかったが、
明日から彼女がいなくなることを考えると、どこかさびしさを感じられた。
「申し訳ありませんマスター。でも、私達も行かなければならないのです。」
「ああ、別に良いさ。あんたの歌声で、いろんな人を幸せにしてやれよ。その美声は、そのための物だろう?」
 マスターはいつものように笑顔を浮かべた。腰下まである少しウェーブのかかった長い髪と雪の様に白い肌、
パッチリとした目にどこか気品の漂うその顔立ち。マスターもいろいろな女性を見てきたが、彼女のようにすべての美しさを
兼ね備えている人物はそう多くはない。
「で? これからどうするんだい? また別の町に行って同じように歌を歌って暮らすって言うなら…。」
「お心遣い感謝します。ですが私達はやらなくてはならない使命があるのです。」
「…使命、ね。」
 マスターは磨き終わったグラスを棚に戻す。彼女の言葉は時々彼の理解を超えた内容を含んでいる事がある。
前の戦争でボロボロになったこの世の中で彼女は一体どんな『使命』を帯びているというのだろうか。
「私はすべての人は生きている間にやらなければならないことを持っていると思います。それがどんな小さなことであっても。」
「そうかい…。そうなると私の使命は町の人間にうまい酒を飲ませてやるためにここでずっと店を守っていく事が使命だろうな。」
 マスターは棚に所狭しに並べられた酒瓶の中で、まだ蓋を開けていない一つのビンを取りだし、彼女の前においた。
「あの、マスター?」
「これはあんたへの手向けの酒だ。酒場にゃ酒以外に人にやれるようなものはないからな。」
「ですが…」
「かまわんよ。この酒は高くて誰も飲みゃしないんだ。」
「…わかりました。では私が使命を終えて、無事ここに戻ってきたら私のお友達と一緒にこのお酒を飲みましょう。」
そういって彼女はビンを丁寧にマスターに返すと、席を立つ。酒場の入り口には彼女の良く知った女性が立っていた。
「マスター、今までありがとうございました。」
「ああ、元気でな。それと、約束守ってくれよ。」
彼女は笑顔で一礼すると、酒場を後にした。


「あのマスター良い人でしたね。」
「そうですわね…。」
ラクスとミリアリアはならんで朝焼けに染まった東の空を右手に見ながら、まだ人通りの少ない街中をならんで歩く。ラクスの表情はどこか暗い。
「ラクスさん、どうかしたの?」
「え? 私は別にどうも…。」
「でも口数が少ないじゃない?」
「………そうですね、少し…寂しくて。」
そういうと彼女は空を見上げる。夜の闇から昼間の澄んだ蒼へと色を変える空の真ん中で慎ましやかに下弦の月が姿を見せていた。
「マスターは優しい方でした。あんなふうに安らいだ気持ちでいられたのは久しぶりでしたから…。」
「そっか…。」
ミリアリアはそれ以上追求せずただ彼女の横を歩く。すると、ラクスは酒場で新しく覚えた歌を口ずさみ始めた。
480GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/03/04(日) 21:48:04 ID:???
後編(ラスト)

あなたのために 私ができること
いつでも探していた
誕生日とか 記念日だとか
それ以外にも伝えさせて
その大きな手で そっと握り締めていてくれるなら…
私の声が聞こえますか?
冷たい風に 立ち止まった時も
支えてくれてありがとう
今 胸に 出会えた喜びを抱いて

『メモリーズ』という名の歌を歌いながら、酒場での思い出を胸に秘めて彼女達は再び歩み始めた。
481GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/03/04(日) 21:50:05 ID:???
後編(ラスト)は後編に入れていたら改行が多いとはねられて入れられなかった部分です…
今回は手際が悪くてホントとすいませんm(_ _)m
482通常の名無しさんの3倍:2007/03/04(日) 22:01:58 ID:???
GJ!
なにやら更に一波乱起こりそうなヨカーン。
483通常の名無しさんの3倍:2007/03/04(日) 22:02:38 ID:???
ニヤニヤシテマスヨー
484通常の名無しさんの3倍:2007/03/04(日) 22:21:06 ID:???
GX氏GJ!
久々に歌姫の騎士団登場・・・インフィニットジャスティスはやはり宇宙か?
取らぬ狸の皮算用・・・共闘して欲しいな、やっぱり
これからの展開がどうなるのか楽しみです
頑張ってください
485通常の名無しさんの3倍:2007/03/04(日) 22:21:44 ID:???
更新乙、そして添削

>>476
>ベルベルト | ヘルベルト

>>477
コーディネーター | コーディネイター

>>479
明日から彼女がいなくなることを考えると、どこかさびしさを感じられた。
この文脈で「感じられた」を使うと、〜できる、という受け方になってしまう。「感じていた」などが適当か。難癖レベル。
486通常の名無しさんの3倍:2007/03/04(日) 22:57:44 ID:???
GJ!

だが魔乳はやはりしっかりラクソ教信者だな。
混乱に乗じた力による支配っててめえらが同じようにしようとしてることだろうが!
487通常の名無しさんの3倍:2007/03/04(日) 23:06:35 ID:???
荒れそうな予感。
まあラクスたちを真剣に描写するのならば避けては通れない命題だよな。
ラクシズの兵器は良い兵器。ラクシズの犠牲はまた植える。ラクシズの核は綺麗な核。
表面上は理解ありそうだけど、決して折れることも話し合うこともしない姿勢。
政治を戦争と言う手段で片付けるという習性。これを物語に組み込むのは難しいわな
488通常の名無しさんの3倍:2007/03/04(日) 23:47:51 ID:???
それも本来は関係ない別世界でまでラクス教を広めようとしてるとは……
489通常の名無しさんの3倍:2007/03/05(月) 03:00:59 ID:???
>>487
禿同
変な香具師が乗り込んでこなければいいのだが…



俺は職人さんの作品が好きなんで有り難く読ませていただくだけだが
490通常の名無しさんの3倍:2007/03/05(月) 12:45:37 ID:???
>>489
住人が必要以上にラクソ氏ねとか言わなければ大丈夫さ。
俺たちにできるのは職人さんにGJを言うことだ。
491通常の名無しさんの3倍:2007/03/05(月) 17:56:34 ID:???
ここはXとのクロスオーバースレだから
マンセーやヘイトの連中はそっちのスレに行って欲しい
GX氏のSSよりラクス達をどうのこうの言ってるくらいなら
このスレを見なければいいじゃないか
492通常の名無しさんの3倍:2007/03/05(月) 18:08:52 ID:???
>>491
まあSSの展開しだいだな
俺達はX世界とコズミックイラのクロス物が見たいだけだし
他所でやれって言うのには賛成する
493通常の名無しさんの3倍:2007/03/07(水) 22:28:01 ID:???
最近の保守氏はお忙しいのかしら?
494通常の名無しさんの3倍:2007/03/07(水) 23:22:38 ID:???
かしらかしらご存知かしら
495保守作品26  ◆XGuB22wfJM :2007/03/08(木) 21:19:02 ID:???
シン・アスカはとあるシーバルチャーの元へ身を寄せていた。
そこで合流したかつての部下、アベル・バウアーからダブルエックスを擁するフリーデン
の情報と、自分の脱走にいたった経緯を交換していた。

「ニュータイプ、ティファ・アディールか。
もしかしてダブルエックスに乗っているのはその少女なのか?」
「いえ、一目見れば分かりますが、彼女は戦う人間ではありません。
ダブルエックス───奪取されたエックスタイプに乗っているのはガロード・ランという
少年でした」
「そいつはニュータイプなのか?」
「ただの、そう、ただの若者でしたよ。
ティファ・アディールに首ったけな、ただの少年でした。
歳の頃はちょうど中尉と同じ15歳。、元々は一匹狼で、運び屋をしたり、賞金首を捕ま
えたり、モビルスーツを生身で奪取したりと、今時珍しくも無い浮浪児だったそうです」
「生身でモビルスーツと戦う時点で超人な気がするんだけど……」

今の時代、モビルスーツを乗り回す馬鹿に対抗するには同じモビルスーツを扱うのが常識
だ。それを生身で奪取するとはとんでもないツワモノだ。
オーブの少年時代に、友人たちと盛り上がった東方不敗ごっこを思い出す。
シンは同世代だというその少年に畏れを感じた。

「なるほどなあ。……ん、そうなるとサテライトキャノンを撃つことはできないんじゃ─
───ああ、ニュータイプなら他人の認証もできるんだったっけ」
「はい。
ティファ・アディールが彼でもサテライトキャノンを扱えるようにしたそうです」
「……大丈夫なのかそのガロードは?」

何がとは言わなかったが、意味は伝わる。
即ち、凶悪な戦術兵器を扱うに相応しい人格を有しているか、という質問だ。

「短い会話でしたが気持ちの良い少年でしたよ。
彼本人を信ずるには時間がありませんでしたが、間接的にであれば十分信じられます。
ジャミル・ニートが託し、あのニュータイプの少女が認めたパイロットです。
無用な殺戮はしないでしょう」
「そうか……………うん、安心した」

シンはゾンダーエプタで交戦した時のダブルエックスを思い出した。
あの時、ベストの選択は極東軍を全滅させることだったはずだ。
そうすれば安全にフリーデンは脱出できた。もしも島を吹き飛ばしても攻撃隊が退却しな
かった場合、フリーデンは袋叩きに遭っていたはずだ。

ガロード・ランという少年は自分達の安全を至上としなかった。
シンは甘い判断だと考える。
味方を本当に大事に思うなら撃つべきだったのだ。
同時にシンは思う。
きっとフリーデンには、それを許してくれる人たちが乗っているのだろうと。
496保守作品26  ◆XGuB22wfJM :2007/03/08(木) 21:20:53 ID:???
「サテライトキャノンといえば、中尉。
私からも質問があります。
───アレはなんです!?」

アベルが厳しい顔で問いかけてくる。もともと年長のむさくるしい顔なので大変暑苦しく
て圧迫感がある。シンは目を逸らしながら応えた。
「いや、そのお、アベル少尉が研究所に引き抜かれた後の任務で、ゾンダーエプタ海域の
探索があって、そこで偶然引き上げてしまって、それで色々あって今にいたると……」
しどろもどろになって答えるシン。
最高軍事機密を隠匿するのは、ハッキリ言って部隊もろとも処分されても文句が言えない。

アベルは表情を緩め、
「私も英断だと考えます。殺されかけたからという理由もありますが、新連邦は地域によ
ってはかなり強引な平定政策を行っているようです。私の任地だったエスタルドでは市街
地に対して空爆を行い恫喝していました。GXは今の連邦には危険な兵器です」
「焦る理由も解るけど、やるせないな」
自分を悪だと思いたい人間などいない。
なんらかの正義や信念、報酬もなしに戦場になど行けはしない。
上からの命令とはいえ、胸を張れる仕事をしたいと思うのは当然だ。
無関係な市民を巻き込む任務に就いた、エスタルド方面の軍人達にシンは心から同情した。

時間を気にせず、シンとアベルは語り合った。
互いが分かれてからそう月日は経っていないのだが、二人の体験した濃密な時間のおかげ
で、話題は尽きそうになかった。

「攻撃した対価として、Bitラスヴェートの内、2機と頭部の破損した1機をフリーデ
ンに譲渡し、私自身は残った本機に乗り込み、2機に肩を持たせる形で太平洋まで飛んで
きたという訳です。
ドクターにもらったモルヒネがなかったら、あのまま大海原の藻屑になっていたかもしれ
ませんな」
「どうしてわざわざ太平洋まで?」
「ティファ・アディールに予言されたのです、出会いがあると」
「だからって意識が戻った当日にわざわざ出てこなくてもいいでしょう」
「恩のあるフリーデンの味方をしたかったのですが、私は軍人です。
軍の任務を邪魔することはできません。ましてや連邦のモビルスーツに銃を向けるなど論
外です。かといって、フリーデンと一緒に沈められるのも嫌でしたので」
「それでフリーデンから一刻も早く離れたかった。という事ですか。
胸に穴を開けられてすぐに長距離を移動するとは……、アベル中尉って鉄で出来てるんじ
ゃないですか?」
「むう、酷い言い草ですな。
今の若造達がヤワなだけです。戦前を生き抜いた兵士を嘗めないで頂きたい」
「………すみません。俺では何も言い返せません」
胃潰瘍のシンしてみれば、本当に頭が下がる思いだった。

そんな二人の会話は夜更けまで続いたのだった。


保守。4月入るまで更新速度は落ちます。フリーデンのアベル会話をばっさりカットした。
497通常の名無しさんの3倍:2007/03/08(木) 21:35:03 ID:???
保守乙!
東方不敗ごっこにワロタ
498通常の名無しさんの3倍:2007/03/08(木) 21:37:01 ID:???
しぃぃぃぃぃぃぃぃしょぉぉぉぉぉぉぉwwwww
499通常の名無しさんの3倍:2007/03/08(木) 22:05:06 ID:???
>>486-490
ジャミルはラクスに従う訳が無いだろう!
ジャミルは強大な力が悲劇を生む事を知っている。
ラクシズは新連邦と変わらん。
500通常の名無しさんの3倍:2007/03/09(金) 02:36:38 ID:???
「「流派!」」 「東方不敗は!」 「王者の風よ!」
「全新系列!」 「天破侠乱!」 「「見よ!東方は赤く燃えている!」」
うはwww楽しそうwww

盛り上がりすぎて「お兄ちゃんのバカ!絶交しちゃうから!」とか言われてたりして。
501通常の名無しさんの3倍:2007/03/09(金) 03:11:19 ID:???
保守乙ー。
東方不敗ごっことは……オーブの子供たちは妙な所でレベルが高いんだな、おい!?
というか、ストライクとかのGタイプって製作者の中にファンが居たからあの形状に……ははは、まさかなぁ。
エスタルドを空爆せざるを得なかった兵士たちに敬礼……気分はホフヌングか。
そしてよく見るとラスヴェートU出現フラグが立ってる。
502通常の名無しさんの3倍:2007/03/09(金) 09:48:46 ID:???
保守氏GJ

東方不敗ごっこワロスwww

シンとアベルで一仕事やってくれそうでwktk
503通常の名無しさんの3倍:2007/03/09(金) 13:47:30 ID:???
>>478
メイリン出番少ないな。
その後の展開次第では
またシンに攻撃されるのかな?
504通常の名無しさんの3倍:2007/03/09(金) 14:53:14 ID:???
>>501
Uではなくβの間違いだろ
>>499
ラクシズアンチは止めろっての

保守氏GJ!
つーかシンは15歳だったんだ・・・てっきり18かと思っちまったよ
しかしオーブでGガンのアニメでもやってんのかね
505通常の名無しさんの3倍:2007/03/09(金) 17:33:22 ID:???
GJ!
いや、ここのシンとアベルのコンビは好きだなー。
506通常の名無しさんの3倍:2007/03/09(金) 18:13:46 ID:???
>>504
あれくらいアンチとはいわねーよ
507通常の名無しさんの3倍:2007/03/09(金) 23:21:03 ID:???
>>486-490の流れで全然そんな話し出てないのに
ジャミルがラクスに従う訳無いとか口走ってるんだからアンチ以外の何者でもない
508通常の名無しさんの3倍:2007/03/09(金) 23:22:24 ID:???
他所との住み分けが出来てないんだろ
509通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 00:40:30 ID:???
新シャアにはラクソやらラクシズが嫌いな奴のが多いって現実を見ろよ。
スレの住み分けにフォローはできないがアンチラクシズに敏感になりすぎると
それこそラクシズ厨認定されかねないぞ。
510通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 00:53:55 ID:???
まあ、あれだ。各々が自重しろ、と。ここはあくまでクロススレだから。
511通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 01:13:25 ID:???
取り敢えず職人氏の投下する話が
しかるべき段階に行くまで落ち着こうぜ。

あーだこーだ騒ぐには早すぎだと思う
512通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 02:42:09 ID:???
とりあえずシンとアベルたんのコンビに和んどく
513保守ってる奴  ◆XGuB22wfJM :2007/03/10(土) 08:50:13 ID:???
すみません、皆さんの知恵を拝借したい件がまたありました。
ずばりGXとGファルコンの合体とサテライトキャノンについて。
合体したままサテキャ撃つのは解るんですけど、ガイドレーザー
受信もマイクロウェーブ受けもできないと思うんですよあの形態。
GXファルコンサテライトキャノンは、分離状態でチャージを行って、
合体して発射ポイントへ移動して、発射するという形なんでしょうか。

理想としては、合体状態のままチャージして、GXのコンデンサに一発分、
ファルコンのコンデンサに一発を溜め込めるのが一番話として楽なんです
けど、サテライトキャノンに関しては嘘設定いれたくなくて。
後々困るので今のうち固めておきたい事項なんです。

それと合体状態のまま戦うのって戦力アップなのかダウンなのか不明瞭。
本編みると、敵だ! パーラ、ドッキングアウトだ。
って感じなんで、もしかしてつけたまま戦うと戦力ダウンなんでしょうか?
個人的には合体状態で戦った方がカッコいいと思ってます。
514通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 09:00:49 ID:???
ガイドレーザーもマイクロウェーブも受信できる 設 定
515通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 09:58:57 ID:???
>>513
敵がたくさんだったら2機で戦ったほうが効率がいいからでしょ。
合体状態でコクピットに攻撃受けたら二人とも死ぬだろうし。
516通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 20:41:57 ID:???
合体状態でもガイドレーザーとMW受信して撃てるはず。

砲撃戦なら合体時はチャージ時間も減るから強力だし、機動力も高いから射程確保もできる。
でも、サテキャ使わないで戦うとなると、2機で戦うよりも効率が悪いしデッドウェイトにしかならない。
ついでに、GXの仕様だと常にサテキャ発射形態になってると思うからビームソードが取れない気がする。
Gジェネでは使えたけど。参考になるか分からないが。
とにかく格闘戦は苦手なはず。G-bitはそれを補って敵を近づけないようにするための役割もあったと思う。
517通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 21:06:07 ID:???
>>514
設定はないよ、GXとの合体はGジェネオリジナル
本当ならサテキャ装備だと合体自体無理がある
518通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 22:20:17 ID:???
>合体したままサテキャ撃つのは解るんですけど、ガイドレーザー
>受信もマイクロウェーブ受けもできないと思うんですよあの形態。
当たり前、サテキャ撃てるのは本来1/100のEパック付きGファルコンであって
本編に登場した素のGファルコンには出来ない。
なぜかGジェネやスパロボではGファルコン自体がEパックユニットという
本編見てたら絶対間違いだと気付く設定が普通に受け入れられてるがな。
>それと合体状態のまま戦うのって戦力アップなのかダウンなのか不明瞭。
>本編みると、敵だ! パーラ、ドッキングアウトだ。
>って感じなんで、もしかしてつけたまま戦うと戦力ダウンなんでしょうか?
>個人的には合体状態で戦った方がカッコいいと思ってます。
元々のGファルコンの開発目的は
「ガンダム(特にGX系)を最前線に素早く展開する輸送ユニット」
であってFAオプションや種のミーティアの類の運用目的で作ったわけじゃないよ。
あくまで分離した後自前の火器で支援戦闘出来るだけであって
種で例えるなら「MSそのものを運べるスカグラ」ってのが本来の仕様。
餌やレオとの合体形態がアレだからFAユニットっぽい解釈したくなるのも
分からなくも無いんだけどね。
519通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 22:27:23 ID:???
もともとGXって対MS戦を主体として開発されたMSじゃないしね。
本来的には自衛能力のあるサテライトキャノンキャリアだと思うんだ。
戦略兵器を最前線で積極的に戦わせるって発想は普通しないだろう。
で、あればGXとGファルの合体は前線への迅速な移動に用途を絞る、
ってのはむしろ自然な発想。

レオパルド用フライトユニットやエアマスター用増加ブースターとしても
使えるってのは、単機種で多用途に使えるものを、って発想じゃないかね。
520通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 23:20:47 ID:???
今Gジェネやってみて来たが、合体時はビームソードを常に携帯してた。
シールドバスターライフルは左手で使えるから持ち替える必要はないな。
521通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 00:06:53 ID:???
ダンバインのウイングキャリバーみたいなもんだな>Gファルコン
522通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 00:11:30 ID:???
合体状態では機動性が低下して白兵戦能力その他の性能が落ちるって設定もあったな。
その割にはどのゲームでも純粋に性能が向上してるんだが。
523通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 00:16:56 ID:???
> ガンダムと合体することで、サテライトキャノン等の武装を戦闘機状態で使用することができる。
>戦闘機としては通常では有り得ないほどの高性能の武装となり、MSとしては高い機動性を確保することになり、
>非常にバランスのとれた兵器となる。

これ読む限りではは単純に弱くなるって訳でもないだろ。
524通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 00:23:49 ID:???
>>523
よく読むと「戦闘機としてはありえないほどの高性能の武装」=MSとしてはどうなん?
「MSとしては高い機動性を確保することになり」=戦闘機としてはどうなん?
って疑問が出る。
つーか、半端な性能の「万能機」を売り込むときのお決まりのパターンだな。
他の製品の苦手なところと比較するのは。
525通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 00:36:47 ID:???
>>523
>ガンダムと合体することで、サテライトキャノン等の武装を戦闘機状態で使用することができる。
>戦闘機としては通常では有り得ないほどの高性能の武装となり、MSとしては高い機動性を確保することになり、
>非常にバランスのとれた兵器となる。

”ガンダム”な、GX・DXだけじゃなくて餌やレオとの合体形態も含めればって事。
それと単純に弱くなるわけじゃないってのとはそちらの言うとおり。
GXなら元々貧弱な中距離射撃レンジの武器が加わるわけだしね、ただ
合体した分図体がデカクなるから当然相手に見つかりやすく被弾率も上がる。
オマケに小回りも利かなくなる。

どちらかと言えばGファルコンGX・DXのMS展開形態は移動中の際敵MS部隊に
遭遇した場合軽い一斉射を浴びせて進路を確保する為の形態じゃないかな?
一度進路を確保できれば後はGファルコン本体の高いスラスター出力で逃げ切れる
訳なんだしね。
526通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 08:37:02 ID:???
保守氏のGファルコンはパーラのやつなのか
キナのデルタなのかローザのやつなのかが気になる

俺は別に好きにして良いと思うけど<サテライトキャノン
527通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 13:39:01 ID:???
>>518
保守氏が言ってるのはGXとGファルコンの合体でサテライトキャノンが使えるかどうかだから、
最初の回答はやや的外れだと思うよ
528通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 20:49:38 ID:nN9Vdb6n
ラクシズがサテライトキャノンやコロニーレーザーを見たらどう思うのかな?
529通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 20:56:24 ID:???
>>526
ローザ二世のはパーラの奴がジャミル経由でローザ・インテンソ(一世)に渡ったものを受け継いだんじゃないの?
530通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 20:57:53 ID:???
>>528
とりあえず壊しに行くか、強奪しにいく
531通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 21:53:53 ID:???
X世界のことには余り関わりたくないんじゃないか?
そんな事するよりもとの世界に返る方法探すのが一番だろうし
532通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 22:14:28 ID:???
>>531
方法が無いからなし崩し的にフリーデンと共闘
最終決戦時にコズミックイラに戻るって事でFA?
533通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 22:46:37 ID:???
>532
普通に考えるとそんな感じだろうな。
ここのAA組はまだAW世界に適応しはじめた
とこらしいが。
534通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 03:19:30 ID:???
結局GXはGファルコンとの合体形態ではキャノンは使えないってことでFA?
合体形態でキャノンが使えるのはDXのみかな。
ときた板の外伝でもGX−Gファル合体形態でのキャノン使用は描かれていないし、
本編でも当然出てない。
535通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 10:50:18 ID:2ZXH0qyL
>>534
GファルコンのEパックが有れば両方出来るのでは?
536通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 11:43:34 ID:???
と言うよりサテライトキャノン付けてるお馴染みの仕様の場合
Gファルコンとの合体がそもそも出来ない>GX
ときた版のGファルデルタとの合体形態はGXの方が合体用の専用装備に
してあったわけだし。

>>518>>525を書いた人間としては本編や設定との齟齬を少なめにしたいんだったら
Gファルコンとの合体そのもののシチュを無しにして、
逆にGジェネとかのご都合設定とかを取り入れてでも盛り上がりを重視する
んだったら合体あり・合体形態でのMWチャージありでいいんじゃないかと。
まあEパックの設定とかGファルAパーツのチャ-ジ時の分離等の描写に
一工夫あるとなおよろしいかな。
537通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 19:34:44 ID:???
GXとGファルコンは合体可能
もともとガンダムタイプ支援メカなんだから合体できなければ本末転倒
サテライトキャノンはリフクレター部分にマイクロウエーブが当たれば
チャージできるので打てる。
胸に届いているのはガイドレーザーだから別にチャージには関係は無い。
538通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 19:53:31 ID:???
>>526
同じ機体なんじゃないかと思うのは俺だけか?

>>537
ラジエータープレート(?)はどうするんだよ
光る翼は展開させないと打てないはずだろ?
539通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 20:02:09 ID:???
>>538
キナのデルタ機はBパーツにミサイルポッドを含む下半分の部分が無かったり
Aパーツに翼がなかったり機首が初代GのGファイターみたくなってたり
かなり違う。
540通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 20:04:11 ID:???
合体は出来るよね。そういう台詞がたんまり出てきた気がするし。
ただ、合体状態でリフレクター展開できるかどうかが問題。
ガイドレーザーは……何とかなるでしょ。

GX(DX)側のリフレクターが展開できるご都合構造なのか、
実はGファルは飛行能力強化(つまり>>519の意見)用で、
合体状態でマイクロウエーブ受けるにはGファルにオプションで
リフレクター着ける必要があるのか意見が分かれる所だろうな。
(大容量Eパックはもしかして標準でついてるのか? 正直メカは
よう分からん……)
541通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 20:29:13 ID:???
>>540
Gジェネの合体形態は構造上無理、無理矢理合体させてもサテキャの展開不可能
ガイドレーザーに関しては、ガロードがキャンセルしてる描写がある以上
受光部への受信がないとマイクローウェーブは送られてこない仕様になってるぽい

素ではどうにもならんから使いたければ改修するより他無いな
542通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 21:16:48 ID:???
>>536
>ときた版のGファルデルタとの合体形態はGXの方が合体用の専用装備に
>してあったわけだし。
そうだったのか。
あれは通常戦闘用のスラスターだと思っていた。
543通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 21:22:14 ID:???
>>540
大容量Eパックってのは要するに
ガンプラ1/100DX+Gファルコンを合体状態で立たせるための台座に
プラモオリジナルで設定を付けたもの。
544通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 21:28:05 ID:???
>>542
それであってるんじゃね?
別にGファルコンとの合体に必要なパーツとかそういう説明は一切ないし。
545通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 22:05:28 ID:???
DXが展開できる時点でXでもプレートは広げられるでしょ。
Gファルコンは普通ならGXたちが使うものだったからDXが使えるかどうかが問われる問題であり、
GX達が使えないなんて考えは出てこないはずなんだが・・・・
546通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 22:16:58 ID:???
プラモ買って来い、話はそれからだ
547通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 22:25:40 ID:???
>>545
劇中のGファルコンはサテリコンカスタムだ。制式機ではない。
548通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 22:34:16 ID:???
本編見てればリフレクターの展開の仕方が全然違うことくらいわかるはずなんだが・・・・
549通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 23:11:10 ID:???
つまりこういう推移か↓

Gファルコン凵ヒ制式Gファルコン⇒Gファルコン(サテリコンカスタム)

ジャミル漫画に出てきたのがデルタで、
本編に出てきたのがサテリコンカスタム
そしてこれらのミッシングリングでありGXとの制式合体&サテライトキャノン発射が可能な
第三の正式なGファルコンがあると、そういう事か?
550通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 23:12:32 ID:???
そういう考え方はありだな
551通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 23:20:16 ID:???
うん、って言うか漂ってたのを回収して改修したとか劇中で言ってなかったか?
凾ヘ地球にSFS代わりになって落ちたわけだし。
552通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 23:34:58 ID:???
サテリコンが改修したテレビに出てきたGファルコン
新連邦がGXを改修したDX
でなぜか合体できるなら改修前も合体できそうなもんだけどね。
サテリコンと新連邦が裏で繋がってて合体できるようにしたってんなら別だけど。
553通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 23:41:23 ID:???
DXの試案に戦前に中断されたGファルコンの連携構想も含まれてて、
アイムザットがDXだけ急いで完成させたんだと妄想

実際の所はGファルコンはDXに使うための後付けだし
554通常の名無しさんの3倍:2007/03/13(火) 16:39:31 ID:???
>>553
ってことは
GXとベルフェゴールの輸送にGファルコン
エアマスターとレオパルドがBパーツ装備可
ダブルエックスはAとB両方装備可、みたいな感じ?
555通常の名無しさんの3倍:2007/03/13(火) 16:48:27 ID:???
>>554
つか餌は合体形式上Bパーツしか合体できんがレオは一応ABパーツの合体した
Gファルコンへの収容形態での合体パターンが在るよ。なぜかHJのムックでしか
その事に触れてないけどね。
556通常の名無しさんの3倍:2007/03/13(火) 17:47:44 ID:???
>>555
majide!?
557通常の名無しさんの3倍:2007/03/13(火) 22:23:57 ID:???
ちんこX
558通常の名無しさんの3倍:2007/03/14(水) 00:02:29 ID:???
うんこX
559通常の名無しさんの3倍:2007/03/14(水) 00:50:17 ID:???
あんこX
560通常の名無しさんの3倍:2007/03/14(水) 01:10:10 ID:???
めんこX
561通常の名無しさんの3倍:2007/03/14(水) 01:50:52 ID:???
きんこX
562通常の名無しさんの3倍:2007/03/14(水) 02:30:50 ID:???
かたくり
563通常の名無しさんの3倍:2007/03/14(水) 03:19:02 ID:???
はんこX
564通常の名無しさんの3倍:2007/03/14(水) 03:58:06 ID:???
保守しにきたのに…
565通常の名無しさんの3倍:2007/03/14(水) 04:13:48 ID:???
ま○こXと書くやつは負け犬
566通常の名無しさんの3倍:2007/03/14(水) 07:09:04 ID:???
ま○こ○X
567通常の名無しさんの3倍:2007/03/14(水) 14:38:09 ID:???
>>557-566
福田、こんなことやってる暇があったら劇場版のシナリオを見直しておけよ
568通常の名無しさんの3倍:2007/03/14(水) 15:31:12 ID:???
「出来てないものは見直せないブヒ」
569GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/03/14(水) 23:20:57 ID:???
ああ、作品の連載をはじめてそろそろ1年経ちますね…。
あとエスタルド編、ニュータイプ研究所編、宇宙編、ラスト…

読者の皆様、真に勝手とは思いますがもうしばらくの間お付き合いください…。

第五十五話『本当に戦争が終わるのだろうか』(前編)

「おいガロード!! それはこっちに運んでくれ〜!!」
キッドはうれしそうに次々に指示を出していた。
 ジャミルたちフリーデン一行は、ゾンダーエプタ脱出時に手に入れた情報をもとにシンガポールにある旧連邦のMS試験場跡地を訪れていた。
かつてそこは、エアマスターとレオパルドの武装強化型として設計された『ストライク・エアマスター』と『アトミック・レオパルド』の
テスト地として使われていたのである。
 コロニー落としによって発生した大津波に飲まれ不毛の土地と化したその地も、今では草花も木々も元の姿を取り戻しつつあった。
「キッド、使えそうか?」
物資を積みこんだトラックが横を過ぎていく中、ジャミルはキッドに声を掛けた。キッドはとてもうれしそうに声を弾ませる。
「使えるも何も、ここまで残ってるとは思いもしなかったよ! ストライク・エアマスターのパーツに関してはほぼ完全な状態で残ってんだもん。
これを喜ばずにいられますかっての!!」
 両肩に追加装備する2門のビームキャノン、脚部の追加パーツ、さらに飛行形態時にノーズ部分に取り付けられるレーダーユニット。
すべてのパーツが十五年たった今ほぼ無傷の状態で発見できたことは軌跡といっても過言ではない。
「そうか…。」
「まぁ、エネルギー関係でいろいろ課題もあるからまだまだ実戦で使えるもんじゃないけどね。
あとはアトミック・レオパルド用のパーツだけど…。」
 クレーンを使ってトラックにパーツを積み込んでいるロココたちに目を向ける。また、さらに建物の奥までシンとカガリが捜索に出ていた。
「アトミックランチャーそのものはまだ見つかってない。でもそれを装備するためにいろいろ改造を施してあったレオパルド用のパーツは見つけたぜ。」
 そういって手に持っていた資料をジャミルに差し出した。そこには、重いアトミックランチャーを装備するために新たに
作られた両腕、機体を支える両脚、さらに左サイドアーマーに内蔵された固定用の隠し腕の詳細が記されていた。
「ここまで来ると、パーツの換装では済まんな。」
「完全に専用だよ。だってアトミックランチャーって小型の可粒子光弾砲だぜ? あのグランディーネに装備されていた
あんな大型兵器をMSサイズにしようとするから無茶な設計をしなきゃならなくなるんだ。」
ジャミルの感想に、キッドも呆れ顔でうなずいた。
 グランディーネとは、以前ティファのいた研究機関『アルタネイティブ社』がティファ奪還のために持ち出した大型MAである。
主力武装であった可粒子光弾砲は、視認することのできない超長距離から攻撃できるためジャミルたちは大いに苦しめられた。
「あの兵器がMSサイズに…。」
「結局完成には至ってないようだけど、それなりに研究は進んでたらしい。さっき動くパソコンからデータを引き出してみたけど…。」
ジャミルに渡した資料の後の方をめくって該当するページを探していると、シンとカガリから連絡が入った。
「こちらチーフメカニック、どうした?」
『俺だ。地下格納庫を見つけた。ライフルか何かの砲身の様な筒と、大量の金属板が保管されている。』
「ライフルか何かの砲身の様な筒と、大量の金属板? 金属板って材質は?」
『そ、そんなの専門家でもないのにわかるわけないだろ!?』
「〜ッ…んな怒鳴んなくたって良いだろぉ? すぐそっちに行くから、ほかに何かないか探してみてくれ。」
『わかった。』
 キッドは通信を切ると、すまなそうに頭をかいた。だが、ジャミルはジャミルで別の用件が入っていた。
570GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/03/14(水) 23:25:05 ID:???
第五十五話『本当に戦争が終わるのだろうか』(中編)

「かまわん、私もブリッジから呼ばれている。」
「そっか、んじゃちょっと行ってくるよ。」
キッドは駆け足でシンたちがいる地下格納庫へと向かう。ジャミルはそれを見送ると、通信機のスイッチを入れなおしブリッジにつないだ。
「それで、話をしたいといっているのは?」
『この近くにあるエスタルドと言う国の代表の方々です。国家主席とその補佐官、将軍と大臣だそうですが…。』
「…わかった、すぐ戻る。」


「将軍、対談に応じるとのことです。」
 立派な軍服を身にまとったリー将軍と呼ばれた初老の男性はさきほどまでの不機嫌な顔が一変し、にやりと笑った。
高い鼻に立派な鼻髭、鋭い眼差しは軍人としての長年の経験が作り上げた風格を備えていた。
「よし、彼らが協力してくれれば新連邦など恐れるに足りん。」
「本当に…。」
 将軍の言葉を聞いた青年はポツリと呟く。リー将軍は青年に聞き返した。
「何かね? 私のやり方に不満でも?」
「い、いえそういうわけでは…。」
「男子たるもの、己の意見はハッキリと言うべきだぞ!!」
 リー将軍は一喝し、青年を睨みつけた。文字通り蛇に睨まれたかえるになった青年は黙っていては余計に将軍の怒りを買うと
判断し、言いかけた言葉を口にした。
「自分は、こんな風に戦争をしていて本当に戦争が終わるのだろうかと、そう思ったんです。」
「何を寝ぼけたことを言っておる! いいかね、新連邦によってわがエスタルドが支配されてしまったならば、
今まで築き上げてきた歴史が無に帰してしまうのじゃぞ!?」
「わ、私が言いたいのはそういうことではなく…。」
 鼻息を荒くするリー将軍に対して青年は視線をそらす。そらした視線の先に、彼が以前見た悲惨な光景を見ていた。
「将軍、ウイリス様の前です。もう少しお静かに…。」
 将軍の前に座る少年、若きエスタルドの国家主席ウイリスの横で側近のルクスはリー将軍をたしなめる。
冷静沈着な彼の言葉に将軍はしぶしぶ引き下がった。
「それで、君が言いたいことはどういうことですか?」
ルクスは青年が言わんとした事を聞くために彼に発言を促す。青年は少し沈黙を保った後、話し始めた。
「…たしかに、15年前の戦争で最悪の結果を招いた原因の一端は連邦にあると思います。ですが、
戦後復興や今後の国の発展を考えるなら統一と言うのも一つの考えとして納得できると思うんです。」
「ふん! 言い方を変えれば何とやら、か…!」
「将軍。」
 ルクスは再度将軍をたしなめる。将軍は眉間に深いしわを寄せあさっての方向を向いた。青年の話は続く。
571GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/03/14(水) 23:28:20 ID:???
第五十五話『本当に戦争が終わるのだろうか』(後編)

「何でも自国だけでできる大国はいいです。けど、エスタルドはまだ小国じゃないですか。最初に言っておきますけど、
私が言っていることは服従することはありません。自分達で譲れない部分ははっきりと示した上で協力体制を作り、
国を発展させていくことは決して悪い判断じゃないと思います。」
「でもそれには…」
 今まで黙って話を聞いていたウイリスは青年の考えた国の発展させるやり方に消極的は姿勢を示した。
「それには、服従しないために交渉する人物の外交手腕がとても重要になってくる。とてもじゃないけど、今の僕には…。」
 先代の国家主席だった父からその地位を受け継いだばかりの彼にとって、青年の言ったやり方はとても難しいものであった。


「これ全部ルナ・チタニュウムだ! よくこんなのが残ってたな!!」
地下格納庫に着いたキッドが目にしたのは、50メートル四方はあろう格納庫に保管されていた何十枚ものルナ・チタニュウム合金の板であった。
 ルナ・チタニュウムはGX、エアマスターレオパルド、そしてダブルエックスの装甲の素材として使われている金属であり、
MSの装甲としては最高の素材である。宇宙でしか製造する事ができないため、戦後になってこれだけの数をそろえることは不可能なことであった。
「戦中に作って保管しておいたんだろうな。」
「これだけの数をよくもまぁ残しておいたもんだ。」
シンもカガリも部屋を埋め尽くす金属板の多さにただただ目を丸くする。
 試験場のデータを調べてわかったことだが、この試験場はG-bitに対しての改造試験も行われており、
そのためにその場で修理や補修・改修を行えるように大量のルナ・チタニュウムをそろえていたのであった。
「よぉし、これでディスティニーの修理ができるぞ!!」
「!? 本当か!!?」
 キッドの楽観的な言葉にシンは上ずった声を上げた。無残な姿をさらしてる愛機が修理できるとなれば、
彼にとって喜ばしいことこの上ない。
「ああ、腕と両太もものパーツは改造されたレオパルドのパーツを使えば機体の重量に十分に対応できるだろうし。あとは、あれだな。」
そういって倉庫の右側に置かれたいくつかの筒状の物体に目を向ける。それらはアトミック・レオパルド用の大型兵器
『アトミックランチャー』の試作パーツである。砲身は数種類存在し、一番大きいものはレオパルドのインナーアームガトリング並みの太さがあり、
細いものはディスティニーに以前装備されていた高出力長射程ビーム砲と同じくらいのものであった。
「あんな物、どうするんだよ?」
「いや、こいつはきっととんでもない物を作るぞ…。」
疑問符を浮かべるカガリとは対照的にシンはうなずいた。シンはディバイダーやクラウ・ソラス、ブリューナクなど彼が作った武器を見ている。
 彼の人間離れした発想が今度はどんな風に展開されるか楽しみである。
「おし、とっとと運んじまうか」
「OK、搬入用入り口開けるぞ!」
シンは愛機のなるべく早い復帰を待ち望みつつ仕事に戻った。
572通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 00:06:23 ID:???
更新乙、そして添削

>>569
>ほぼ無傷の状態で発見できたことは軌跡といっても過言ではない。 | 奇跡

>さっき動くパソコンから
「動く」よりも「使える」あるいは「生きてる」の方がふさわしいか。難癖レベル。

>>570
>そらした視線の先に、彼が以前見た悲惨な光景を見ていた。
文脈からすると、「彼が」ではなく「彼は」?また「見ていた」よりも「浮かべていた」の方が適当?

>>571
>私が言っていることは服従することはありません。 | 服従することでは

>それには、服従しないために交渉する人物の 
「服従させられないよう」、の方が適当か。難癖レベル。

>青年の言ったやり方
文章としては、「提案した方法」、あるいは「主張する考え方」の方が良いかも。難癖レベル。

>そのためにその場で修理や補修・改修を行えるように
「その場で」を「改修を」の後ろに持ってくれば「そのために」を使わずにすむかと。難癖レベル。
573通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 00:41:51 ID:???
GJ
シンがフリーデンの役に立てそうで何より

装甲材質にルナ・チタニウム多用なら、運命の重量が多少は軽くなりそうだな。
574通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 00:46:57 ID:???
GJ!

この青年ってまさか凸じゃないだろうな?
575通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 00:49:20 ID:???
GJですよ。
しかしエスタルドにいる青年ってあの男じゃないだろうな。
576通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 00:59:33 ID:???
まあ凸にほぼ間違いないだろうな
てっきり宇宙にでも飛ばされてるもんだと思っていたがw
577通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 01:00:48 ID:???
GJ

凸登場フラグが立ちますたね
578通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 02:35:56 ID:???
運命が軽くなったら、本当に質量のある残像できそうだが
もう無理なんだっけ?
579通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 10:20:03 ID:???
確かAWではミラコロ生成できないから機能自体を外したんだろ?

カリスに達磨にされた後の修理でそう言う描写があった筈
580通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 13:08:02 ID:???
すげー細かいけど
× ルナ・チタニュウム
○ ルナ・チタニウム
581通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 17:14:43 ID:???
>>579
デッドウエイトになるから、予備の推進剤入れたという描写じゃなかったか?

まあ、質量ある残像出来なくても重いVPS装甲→ルナ・チタニウム
に換装すれば、パワーウェイトレシオが倍以上に跳ね上るからかなり
機動性が高くなるな。おまけに戦闘継続時間も増える。
只、物凄いじゃじゃ馬にも為りかねないが・・・
(仮にもガブル以上の重い機体をGX−程度まで引っ張ったスラスターなら
多少推力落とそうが全然問題にならんだろうし)
582通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 18:13:46 ID:???
なあ、今さらだとも思うし早すぎるかもしれないけど
次スレのテンプレに

SS作者様には敬意を忘れずに
煽り荒らしはスルー
スレ違いの話はほどほどに
本編および外伝の叩きは厳禁
特にコズミック・イラの人物について叩きはNG
ここがクロスオーバースレであることを考慮して下さい
本編と外伝、A.W.とC.E.両方のファンが楽しめるスレ作りに取り組みましょう

と入れたほうがいいと思うんだがどうだろう?
583通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 19:18:54 ID:???
>>582
兄弟スレにも似たような物があるから入れてもいいと思う
あとXの公式サイトも入れたほうが良いかも
584通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 21:09:34 ID:???
ガブル、超重量級MSといっても、歴代でもMSの重量が最軽量に近いAW世界の超重量級だからな。
スーパーヘビー級の種世界に持ってったら、むしろ軽い部類と言うのがw
これじゃ押し潰しができねえじゃんw
ドイツもコイツもガブルより重い野郎ばっかで、ガブルに残された武器はもう堅さだけかw
素直にミサイルサイロでも括りつけてろよなぁ。

しかし種世界に行く事で相対的に弱くなる奴も珍しいな。
585通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 21:11:14 ID:???
コルレルの凶悪化はやばいのになぁ
586通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 21:13:52 ID:???
つまりデスティニーやデストロイがよしかかると
ガブル級の圧力がかかってみんなボカーンといくんだな。
587通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 21:33:01 ID:???
tu-ka種世界の重量はまだ現実的だろ
むしろ今までのMSの重量が軽すぎるわけで
588通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 21:42:43 ID:???
人型兵器の重量に現実的も糞もあるか
589通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 22:01:58 ID:???
さあ、アレックスはX世界でアスハ代表と再会したらどうなるんだろうか
キラは今頃どうしているんだろうか
そして何よりガロードの描写がどうなるのか←これが何よりも重要
GX氏にガロードの描写が増えるようにとずうずうしくも願う
590通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 22:03:48 ID:???
>エスタルドに居る優柔不断な誰かさん
凸だとすると、キラがあのテイタラクなのを考えるとどんなもんだろうね。
AWでの経験値にもよると思うけど、リー将軍との問答読む限りじゃ
あまり期待できそうには……ルクスの覚悟ぶりも理解できるのだろうか?
591通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 23:15:00 ID:???
>>580
しまった、見落としてました…
592通常の名無しさんの3倍:2007/03/16(金) 00:33:13 ID:???
>>582
日本の敬語文法には「身内は一段低く呼ぶことで他者への敬意を表す」というのがある。
たとえば他人に(自分の)父親のことを言うときは、
「お父さん」「父上」等じゃなくてぶっきらぼうに「父」というのが作法にかなってるし、
自分の会社の社長について言うときは、
「社長は……」「××(呼び捨て)は……」の方が正しい。

SSを書いてくださる皆さんも、スレの身内的には職人様、作者様、神様だが、
外部の人間にも見せるテンプレで「作者様」「職人様」とやると、
「偉大なる将軍様」みたいで気持ちが悪い。
593通常の名無しさんの3倍:2007/03/16(金) 01:22:58 ID:???
人にどう敬称をつけようが、その人の自由だろ
正しい日本語を学びに来たんじゃないぞ、お前は学校の先生か

ただ、確かにテンプレにまで「様」とか付けて強制するのは、やりすぎな気がしないでもないけど
594通常の名無しさんの3倍:2007/03/16(金) 01:44:16 ID:???
要は
>SS作者様には敬意を忘れずに

職人さんには敬意を忘れずに
にすればいいって事だろ?
要点は手短に。
595通常の名無しさんの3倍:2007/03/16(金) 17:56:06 ID:???
めんどくせーよ、>>582が作ってくれたんだからそれで良いじゃん
他のスレにだって様が付いてるのは幾らでもあんだぞ
テンプレっつったって所詮テンプレでしかないんだし
596通常の名無しさんの3倍:2007/03/16(金) 19:06:37 ID:???
つーか今がテンプレ議論に適切なタイミングとも思えん

内容に意義はないからスレ終盤に改めて確認すればいいんじゃマイカ?
597通常の名無しさんの3倍:2007/03/19(月) 20:28:56 ID:???
保守
598通常の名無しさんの3倍:2007/03/22(木) 16:29:06 ID:???
グレメカでXの特集が組んでた
って一応言っとく(これはマジ
599通常の名無しさんの3倍:2007/03/23(金) 20:27:56 ID:pwhjgOHd
保守ばかりでつまらん
600通常の名無しさんの3倍:2007/03/23(金) 20:34:41 ID:???
そう思うならネタを振れよ
グレートメカニックス見てこい
シャギアとシャアの名前が・・・
601通常の名無しさんの3倍:2007/03/25(日) 18:59:10 ID:???
>>600
シャギュアはともかくアズブルは酷い
赤い彗星も形無しだな
602通常の名無しさんの3倍:2007/03/26(月) 06:58:42 ID:???
早すぎた新世紀。
603通常の名無しさんの3倍:2007/03/26(月) 11:16:13 ID:???
レンタルDVDでアベルの話見た
フロスト兄弟の悪いこと日記の犠牲になった彼に哀しみを覚えた

保守氏の作品で生きてるアベルには
シンと一緒に何かをやらかして欲しい
それから、アベルはフリーデンと共闘するタイプには見えなかったね
604GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/03/27(火) 21:52:49 ID:???
職場での研修が始まって毎日大変です… 三食自炊、 8時間立ちっぱなし… がんばれ俺、後3ヶ月の辛抱だ…

第五十六話『ひさしぶりだな…』(前編)

 戦後独立国家エスタルド。東南アジアにあるこの小国は、周辺の独立国と同盟を結び新連邦政府による地球圏統一に反旗を翻していた。
「補給と艦の修理には感謝します。しかし、我々はバルチャーだ。あなた方の作戦に参加するかどうかは、しばらく考えさせていただきたい。」
「そうですか…。」
 ジャミルからのある程度予想していた回答を聞いて、エスタルドの若き国家主席ウイリスは残念そうに肩を落とした。
 エスタルドは、隣国のガスタール、ノーザンベルと共に新連邦に対してある作戦を行おうとしていた。その作戦に、フリーデンの協力を要請したのである。
 大臣で恰幅の良いグラント、将軍で立派なひげを蓄えたリー、側近でどこか冷たさの感じられるルクス。ガロードにはそういった威厳のある面々の中央に
座る若い彼の姿がとても小さく見えた。
「甘いですぞ! ウイリス様!!」
ジャミルの回答を素直に受け入れたウイリスに、リー将軍は不満の声を上げた。先代の国家元首であったウイリスの父に比べて、
決断力のない彼に将軍は我慢できないためである。
「しかし…。」
「ウイリス様、もっと決断力を持ちなされ!」
「決断力なんて、早々つく物じゃないだろうに…。」
「おいおい、あの手のジジィはあんまり刺激するな。」
頭の後ろに腕を回したロアビィと足と腕を組んだ状態のウイッツは、うんざりした表情で彼らの様子を横目で眺める。ウイッツはともかく、
元々飄々とした雰囲気の持ち主であるロアビィにはこういった堅苦しい場にいることすら苦痛であった。
「国の代表として、決断力が必要なことはわかる。だが、あなた方はそれで良いのか?」
久々にワインレッドのパンツスーツと白いブラウスという正装に身をつつんだカガリがウイリスたちに疑問を投げかけた。
グラントは首を傾げただけだったが、リー将軍は眉間にしわを寄せて険しい表情を浮かべた。
「…と、言いますと?」
「この国の今の状況はわかった。新連邦政府に侵略されたくない気持ちもわかる。しかしだからと言って、あなた方からすれば
どこの馬の骨とも知れない私達に助力を請うことはどうかと思う。」
「なるほど、我々のような小国でもできるだけ自分達で問題を解決すべきだと言うことですか…。」
ウイリスの傍らに立つルクスは静かにうなずいた。
 組織において、外部から力を借りることはよくあることである。時としてそれは、自分達の首を絞めることになりかねないからだ。
「きさま!! 我々を愚弄する気か!?」
リー将軍は勢いよく立ち上がるとものすごい剣幕でガロードたちを睨みつけた。そんな将軍を前にして、カガリは押されることなく話を続ける。
「例えばの話だ。人間は顔で笑っていても腹の底で何を考えているかわからないものだからな。」
「この小娘が…! 我々を見くびるでないわ!! 貴様らごときその気になれば…!!!」
「将軍、ここは穏便に…。」
「平和ボケした鳩は黙っておれ!!」
 ジャミルとカガリは静かにその様子を見ていたが、ウイリスとガロードは将軍の大声にびくりと肩を震わせた。
「ひぇ〜、おちおち口も挟めねぇでやんの…。」
 内心毒づくガロードとは対照的に、カガリは何事もなかったように話し始める。
「私の経験から言わせてもらえば、たとえ身内であっても政では信用が置けないものだ。」
「わしがウイリス様を裏切るとでも言うのか!?」
「そうじゃない。」
眉間にしわを寄せ、さらにこめかみの血管をぴくぴくさせながらカガリを睨みつける将軍に対して、彼女はあくまで淡々と自分の意見を語った。
605GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/03/27(火) 22:01:02 ID:???
第五十六話『ひさしぶりだな…』(中編)

「お前達が、私たちを新連邦に売る可能性だってあるって言っているんだ。」
「ッ!!!? いい加減にぃ…ッ!!!」
「カガリ、もういい。」
カガリの話にジャミルは割って入る。彼女がこのまま話し続ければ将軍が本当に怒りを爆発させかねない。
「このように、我々の中でも意見が分かれている。こちらは返答できる段階ではない。」
「わかりました。3日間の滞在を許可します。その間にご返事願いたい。」
「わかりました。」
 ルクスとジャミルは、将軍とカガリ衝突が激しくなる前に、強引に会号を打ち切ったのだった。


「シン、そっちのでっかいレンチを取ってくれ。」
「わかった、これでいいんだな?」
「ああ。」
 ディスティニーの修復作業は、試験場跡地から大量に回収したパーツで少し手狭になったフリーデンの格納庫で行われていた。
ダブルエックス、エアマスター、レオパルドが並ぶ横で修復作業は着々と進んでいた。
「おし! これでここはOK、と…。」
ボルトの締め具合を確かめるとキッドは額の汗を拭った。このところたいした戦闘もないせいか、彼らメカニック軍団はこの作業に掛かりきりになっている。
「まったく、設計の仕方が違うのはともかく、パーツの互換性がないってのは大変だぜ…。」
「そんなにパーツ違うのか?」
横で作業を手伝うシンは首をかしげた。
 表面上平静を装っていたが、シンは心の中では冷や汗を掻きながらその様子を見守っていた。パーツが違うのは、
機体が作られた世界が違うからに他ならない。大丈夫だとは思っていたが、やはり横でそういった話をされると焦らずにはいられなかった。
「違う、って言ってもパーツの基本的な使い方は同じだからな。そこら辺は今までの経験と基礎知識の応用でどうにでもなるさ。」
「どうにでもなるんだ…。」
「おう、どうにでもなる。」
 そういうと、キッドはコックピットからデータの書き換えをやっているロココたちの元へ足を向けた。
 ロココはキッドが来たことに気づくと笑いながらディスプレイを見せた。
「チーフ、これ見てください。」
「ん〜? ああ、それか…。」
「どうかしたのか?」
「いや、だってこれ…」
 ロココとキッドが見ていたのはディスティニーの起動時にいつも表示されるものであった。

Gunnery
United
Nuclear
Duetrion
Advanced
Maneuver
    System

「それが?」
「頭文字を続けて読むと”GUNDAM”。ガンダムって読めるだろ? ダブルエックスとかエアマスターにはこんな表示ないから面白いなぁって思ってよ。」
「へぇ…、今まで気にしたことなかったな…。」
606GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/03/27(火) 22:07:03 ID:???
第五十六話『ひさしぶりだな…』(後編)

GUNDAMとガンダム、シンが変な所でつながりを感じていると、キッドは何かたくらんでいるような様子で笑みをこぼした。
「あのさ、これ変えていいか?」
「べ、別にいいけど…どう変える気だ?」
「それは、見てのお楽しみ…!」
キッドの笑みは、悪戯心に満ちていた。
 キッドが笑みのまま歩いていくのを見送ると、ロココはシンに目を向けた。
「そういえば、お前なんでキャプテンと一緒に行かなかったんだ?」
「え?」
「エスタルドのお偉いさんと話をするからって招集かかったんだろ?」
「あ、ああ…。」
突然そんな話をふられて、シンは目を泳がせる。ロココは作業を続けながらため息をついた。
「飯はともかく、うまい茶ぐらいは出たんだろうなぁ…きっと。」
「お、俺は…。」
 ジャミル達がおいしいお茶を飲みながら階段をする光景を思い描くロココの横で、シンは険しい目つきでかつて目の当たりにした”悲惨な光景”を思い出していた。
「”国”ってのが嫌いなだけさ。」


「ひさしぶりだな…。やっぱり、お前は俺がいたことに気づいていたか…。」
「ああ、お前のことはこの世界の中で誰よりも知っているつもりだ。」
ジャミル達が帰路に着いたとき、カガリは1人だけその場に残った。理由はたった一つ、彼女のよく知る”ある人物”を見つけたためである。
「シンもいた。キラもいた。もしかしたらと思っていたが、お前もこちら側に来てたんだな。」
「………そうか。キラも、シンも…。」
 誰もいない宮殿の裏庭で二人は少し距離を置いて向かい合う。午後のうららかな光と静かに風にそよぐ樹木は、
こことは違うまったく別世界にいるように錯覚させる。
「少し日焼けたな。肌も髪も、オーブで暮らしていた頃よりずっと健康的で、お前らしい。」
「お前は少しやつれたな…。」 
最後に会ったときよりも幾分頬のこけた彼にカガリは痛々しさを感じた。この戦後世界に来て、いろいろと苦労して来たのだろう。
「俺は、お前と話がしたい…。」
「ああ、私もお前と話がしたかった。」
カガリはそう言うと、彼女が持つ指輪の送り主である青年、アスラン・ザラの手を取った。
607通常の名無しさんの3倍:2007/03/27(火) 22:17:04 ID:???
おっ、リアルタイムGJ!!
お仕事が忙しいようで・・・
無理せず、お仕事がんばってください
608 ◆XGuB22wfJM :2007/03/27(火) 22:32:20 ID:???
今回はエスタルド冒頭編でしたね、GJです。
それと研修お疲れ様です。
つい15分前に投下しようと思ってリロードしたら、投下されて
いたのでやたらびびりました。せっかくなんで一晩置こう。

これからの空爆に対するCE組の反応や、基地へのサテキャ任務。
ニュータイプ候補3人に、エスタルドで帰ってくるかは分かりま
せんが、スーパーコーディネイターが地獄から帰ってくるのを楽し
みにしてます。
609通常の名無しさんの3倍:2007/03/27(火) 22:39:05 ID:???
更新乙、そして添削

>>604
>力を借りることはよくあることである。時としてそれは
文章の繋がりを考えるなら、「あるが、時として」としておいた方がよいかも。

>>605
>会号 | 会合
610通常の名無しさんの3倍:2007/03/28(水) 00:11:29 ID:???
GX氏、乙です!
いきなり、凸がカガリ拉致って、キラの元に向かったりしないだろーな・・・
611通常の名無しさんの3倍:2007/03/28(水) 01:36:04 ID:???
GJ!
意見の対立からシャアとハマーン並に完全決別って可能性は有るかな?
612通常の名無しさんの3倍:2007/03/28(水) 10:30:20 ID:???
凸はキラと遭遇したとき、カガリがシンの心情を考慮して接触しなかったことを
なんでキラを優先しなかったんだって遠まわしに非難しそう
613通常の名無しさんの3倍:2007/03/28(水) 10:59:19 ID:???
個人間の感情もさる事ながら、国とウィリスを生かす為のルクスの捨て身の
策を理解できず台無しにしそうな予感が…>凸
614通常の名無しさんの3倍:2007/03/28(水) 11:26:44 ID:???
GX氏GJ!
アスランはそのままフリーデンに乗艦するんだろうな・・・ついでに

兄弟スレ
ガロード達が種・種死世界に来たら -風景画9枚目-
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1174678265/

ラクシズアンチがいなくなったから本来のXスレペースになってきているはず・・・と思いたい
615保守作品27話  ◆XGuB22wfJM :2007/03/28(水) 20:59:32 ID:???
「ここにいたのね。探したわよ」

時刻は午前8時過ぎ、日付が変わるまでアベルと会話をしていたシンは、いつもより遅く
起きて、普段より豪華な朝食を摂っていた。
ルマークの船で提供される食事は一バルチャーの船にしては種類豊富で、シンは昨晩に引
き続き全種類制覇しようと気合を入れていた。
いたのだが、あろうことか視界にオカマが入ってきた。

「悪い知らせよ、脱走兵さん。どうやら逃げた先がセインズアイランドだって予測を付け
たらしくて、島じゃあ摘発しようと躍起になってるみたい。島と関わってるバルチャーも
査察が入ることになったわ。
本音は脱走兵騒ぎにかこつけた、保有兵器の調査でしょうけどね」

真剣な表情のルマークを見て、シンは居住まいを正した。
「どうしましょう俺達? 出てった方がいいですかね」
「冗談はよして。私は約束は必ず守る。
今日の昼頃にわざわざこの船に乗り込んでくるらしいから、それまでに手を打つわ」
力強い返答にシンは安心したが、自分の存在が迷惑をかけているかと思うと気分が沈む。
いつまでも厄介になるのはよろしくない。シンは次なる逃亡先を考え始めた。

「部屋で待機して頂戴。考えをまとめたら指示をだすから。
くれぐれも『迷惑かけないように出て行こう』なんて思わないこと。いいわね」
「了解」
軍人の癖か、命令されるとつい返答してしまった。
考えをすぐに読まれたあたり、顔にでていたようだ。直情タイプの悪いところか。
「それじゃ、またね」
ウインクを残して、ルマークは駆け足で去っていった。
嫌なものが眼に焼きついたシンは心に深いダメージを負いつつも、食器に残っていた朝食
をコーヒーで胃に流し込み、自室に駆け足で戻っていった。
616保守作品27話  ◆XGuB22wfJM :2007/03/28(水) 21:02:19 ID:???
「で、こうなった訳か……」

現在、シンそしてアベルはモビルスーツに乗り込み、海底を歩いていた。
シンはガンダムXに、アベルはラスヴェートに搭乗し、アベル機の後ろにはGX−bit
とラスヴェート−bitが綺麗に整列して行軍していた。
総勢6機のガンダムクラスは、のろのろと海底をゆく。

事の原因は、
「坊やとアベルにはちょっと身を隠してもらうわ。
ガンダム関係のパーツ、武装、秘密のデータとかを片っ端からコンテナに放り込んで、海
に沈める。坊や達はモビルスーツに直接乗り込んで、海中に身を隠す。
海中を探られると面倒だから、問題のなくなった船でこちらから港に乗り付ける。
今回の査察はコレで乗り切るわ。
それとせっかく潜るんだから、坊やの乗ってきたガディールを拾ってきて頂戴。
不自然な水流を作ると不審がられるから歩いて拾ってきてね。
以上よ、質問ある?」

「……………俺達も一緒にコンテナに入って、査察が終わった後に水中用MSで引き上げ
ればいいと──」
「却下ね、時は金なりよ。無駄な時間は使わせない、休憩と無為な時間は別物よ」
シンが喋り終える前に、ルマークから鋭い突込みが飛ぶ。
(オレ達、客人じゃなかったっけ?)
シンの心の悲鳴が木霊した。あくまで心の中だけ。

「そうそう、気密のチェックもしたいから派手に動いてね。
異常があったら直しておくから。」
「…………………はあ、了解しました」
もとよりシンに選択権はない。しぶしぶ頷くのであった。

指示を受けてからシンは作業機械としてのモビルスーツの力をフルに発揮し、猛烈な勢い
で機材をコンテナに放り込み、密閉、そして海中に投棄していった。
アベルはラスヴェートに乗り込み、bitを使って作業を行う。
人が乗っているのと変わらない柔軟性を持つbitモビルスーツを眺め、シンは改めてニ
ュータイプ兵士の存在に戦慄するのだった。

追記すると、一人で四機を動かすアベルに負けまいと、むきになって作業を行ったシンは
種割れ現象を起こし、通常の3倍の効率をみせた。
手足の動きがぶれて見えるほど、機敏に動き回るガンダムXは圧巻だった───。
アベルはのちにそう語ったそうな。

二人が趣味用の格納庫を片付け、危険な代物を悉くアジトの海中に沈めた後、ルマークは
査察の事などまるで知らないように装いつつ、セインズアイランドに入港していった。
おそらくは嬉々としてエスペランサーUの自慢話をして、査察官をうんざりさせることだ
ろう。
置いていかれたシン達は、一路ガディールを目指し、海中を歩くというナンセンスな行動
を余儀なくされていた。
617保守作品27話  ◆XGuB22wfJM :2007/03/28(水) 21:05:36 ID:???
アジトの地点からシンが不時着した小島まで、鋼の巨人達はズンズンと規則正しく歩き続
ける。圧迫感のある海底を歩くシンの心はブルー、周りの風景は深いブルー。
文字通り沈んだ気分のシンだったが、ふと魚の群れを見かけ、ちょっぴり心慰められる。

「中尉、コンテナに詰め込まれるよりは、こちらの方が良かったのではないでしょうか?」
「そう言われれば、まあ確かにこっちのほうがマシですけど、せめて水中用のドーシート
でも貸してくれればよかったのに。今にも水圧で潰れそうで恐いですよ」
いくらガンダムが頑丈と知っていても、海の底では不安が消えることはない。
何より、空の戦いを専らとしていたため、モビルスーツで水中に潜ること自体に恐怖心が
あるのだ。
もしかするとザフト製水中用MSのあまりの脆さが、水圧でぺしゃんこになるモビルスー
ツ像を植えつけてしまっているのかもしれない。

巨人の行進は続く。空さえ飛べれば、それこそあっという間に着くのだが。
「これから、どうするかなあ」
長い行進に飽きたのか、何の気なしに独り言を漏らしてしまうシン。
隊長時代は不安や迷いを口にするのは戒めていたが、今の身分では問題ないと気が緩んだ
ようだ。

「今日の査察が終わったあとの事ですかな?」
「あ、聴こえてました?
えっと、今日だけじゃなくて、職探しとか、人生設計とかです」
「そう───ですなあ、近いうちに必ず戦争は起きるでしょう。
それをやり過ごして、戦後の混乱期に島のサルベージ業者か、あるいは大陸のアジア系の
地域に紛れるというのはいかがでしょうか?」
シンは焦った。別に深い意味があって呟いた訳でもないのに、こんなに真剣に返されると
思っていなかったのだ。

「そ、そうですね。悪くないですし、考えておきます」
適当に返答してから、アベルの提案をちゃんと吟味してみる。
ルマークと共にサルベージ業者をしている自分や、なるべく軍の目が行き届かないアジア
地域で、他人と目を合わせないように生きる自分が想像できた。
伊達眼鏡をかけて、髪形を変えて、軍から隠れて生きる自分の姿──。
618保守作品27話  ◆XGuB22wfJM :2007/03/28(水) 21:07:58 ID:???

すると徐々にやるせないものがこみ上げて来た。
それは理不尽すぎる世界に対する怒りだ。言葉にするなら、
「なんで俺だけ」とか、「畜生、あいつさえいなければ」となるだろうか。
その怒りを自覚した途端、溢れるように浮かんでくる、目蓋に焼きついた記憶の数々。
自由を冠したガンダム、妹のちぎれた腕、蒸発した両親、助けてくれた軍人の顔。
思い出したくも無い、そして忘れてはいけない過去の傷。

ガンダムXが天を見上げる。
シンの視線は遥か遠く。海面を越えて大空へ、さらに成層圏を越えて無窮の宇宙へ。
視線の結ぶ先は、ここではない宇宙に浮かぶ、この世界には存在しない国。

そう2年前も、かつて過ごしていた場所にいられなくなって、自分は空を越えた。
空を越えて新天地へ、オーブを捨ててプラントへ、家族を失って独りで。
自然の空と、海と、空気のある地球から、全てが作り物の世界に移り住んだ。
この違う世界で思い返す2年前の記憶は、自分でも驚くほど鮮明だった。

シンは無意識に呟いていた。
「宇宙……か……」
「………………」
空の先を見つめるシンは、自分を凝視するラスヴェートに気づくことは無かった。



保守。
619通常の名無しさんの3倍:2007/03/28(水) 22:04:18 ID:???
保守氏GJ!ギャグとシリアスの両立が乙です!
シンがオーブを思い出しているのが良かったです
彼にどんな「運命」が待ち受けているのか楽しみにしてます
620通常の名無しさんの3倍:2007/03/28(水) 23:20:43 ID:pMypLAgE
GX氏GJ!
もしもシンとアスランが出会ったら、
もしもシンとメイリンが出会ったら、
どのような会話を交わすのかな?
アスランからするとシンは自分を憎み、怨んでいる存在で、
メイリンからするとアスランと一緒にザフトから抜け出したら、
自分を殺そうとした同僚で、
今まで通りの関係に戻るのか?
果たしてお互いの無事を喜べるのか?
どのような状態になるのか気になります。
621通常の名無しさんの3倍:2007/03/29(木) 00:12:11 ID:???
保守乙!

赤くはないが通常の3倍のシンは心配性だなw
15年間海底に沈んでても動くガンダムクラスが確かに信じられない代物だけど
622通常の名無しさんの3倍:2007/03/29(木) 04:33:36 ID:???
お、おい!お前ら!キ、キラがジンでデストロイ10機に挑むらしいぞ
623通常の名無しさんの3倍:2007/03/29(木) 09:23:46 ID:???
>>620
テンプレも読めないのか?
>>622
X運命の話は風景画スレでやれば?

GX氏のSSも保守氏のSSも乙です
お二人とも頑張ってください
624通常の名無しさんの3倍:2007/03/29(木) 11:20:02 ID:???
苦労はしてきたんだろうけど、いまひとつ成長に結びついてない感があるな>アスラン
フリーデン組との接触で一皮剥けるといいんだが、シンとの再会が思い遣られる。
それでもGX氏なら…GX氏ならきっと何とかしてくれる…
625通常の名無しさんの3倍:2007/03/29(木) 11:35:48 ID:???
お2人とも乙です

人生設計とか考えちゃう保守氏のシンは結構リアリストだなぁ
思わずつぶやいちゃったシンにアベルさんはどう思うのだろう
626通常の名無しさんの3倍:2007/03/29(木) 12:15:15 ID:???
保守氏GJ!
ますます先が気になってきた。
それと、海底を隊列つくって歩くMS達に萌えちまったww
627通常の名無しさんの3倍:2007/03/29(木) 14:37:27 ID:???
両職人氏GJ
アスランがシンと再会してどんなリアクションを見せるやら
物語が進行してラクス達と再会したらやっぱそっち逝きそうだな
これから触れられるAW世界でのアスランの経験次第だが

保守氏のネタにワロス
シンとアベルの機体達がが海底で行進する様を想像するだけでry

シンが自分の描いた未来予想図から世界の現実に段々腹が立ってきたということは
やはり宇宙で一暴れ?

シンの呟きを聞いたアベルは何を思うやら
唖然とするのかニヤリとするのか
628通常の名無しさんの3倍:2007/03/29(木) 15:20:51 ID:???
GX氏のカガリの成長が饒舌ぶりになって現れた感じか。
空気を微妙に読めてないのはともかくとして。逆に凸は心配だ。

保守氏のは一瞬シンとアベルが決別するフラグでも立ったかと思いましたがどうなるんだろう。
後、
>(オレ達、客人じゃなかったっけ?)
スパロボW第一話のデュオを思い出したりして笑った。

何はともあれお二人ともGJ!
629通常の名無しさんの3倍:2007/03/30(金) 11:47:56 ID:???
久しぶりに来て、GX氏と保守氏の新作が読めて良かった〜♪

やっぱり将軍のそばに居たのってアスランだったのねwww
しかし、健康的になったカガリとやつれたアスランって・・・
やはり基本坊ちゃん育ちのアスランにはAWの苛酷な環境はキツイか?
カガリも嬢ちゃん育ちだが、自分で過酷な状況に飛び込むタイプだから
(良い意味で世間知らずで自分で動こうとするし)、
順応性は高いけど、アスランは典型的巻き込まれタイプだから擦り切れる。
(周りの環境で「仕方なく」というケースが多い上に、自分の主張が否定され
っぱなしだから自然流され型になってしまっている)
630通常の名無しさんの3倍:2007/04/02(月) 17:20:57 ID:???
これからのシンと4馬鹿がどうなるのか気にしながら保守
631通常の名無しさんの3倍:2007/04/06(金) 11:04:14 ID:???
初代スレはネタスレだったんだな・・・
632通常の名無しさんの3倍:2007/04/06(金) 11:39:00 ID:???
GX氏の作品が「飛べガロード」まで進んだら、
シンはまた新連邦に捕まるな。
一人だけ実験材料にされてしまうのかな?
633通常の名無しさんの3倍:2007/04/06(金) 11:43:13 ID:???
「飛べガロード(とシン)」にすればおk
634通常の名無しさんの3倍:2007/04/06(金) 11:48:18 ID:???
せっかくだからガロードが宇宙にいる間のフリーデンクルーを補填してほしいかも。
635GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/04/07(土) 21:01:22 ID:???
水曜に投下するつもりが… 後編あたりでだいぶ手間取りました…

第五十七話『”お前の言葉”が聞こえない!!』

 重い鉄の扉の先に待っていたのは、新連邦軍による空襲で無残に破壊された町の姿であった。
「ひ、ひでぇ…。」
先ほどまで軒を連ねていた家々は瓦礫を残すだけとなり、美しかった町並みは見る影もない。店に並んでいた商品は道に転がり、子供が落としたと思われるぬいぐるみは埃を
かぶりボロボロになって乾いた風に揺れていた。
 フリーデンに戻る途中で空襲警報を聞いたジャミルたちは、艦にもどらずエスタルドの市民と共に戦前に作られた大型シェルターへと非難した。
激しい空爆をやり過ごし、再び太陽の元に出てきたのは3時間後のことである。
「参ったねぇ…、こりゃ…。」
「あいつらぁ…! この国が従わないからってここまでやる必要はねぇだろ!!」
 惨状を目にし、ロアビィもウイッツも動揺を隠せない。ジャミルも副官としてついてきていたサラも言葉を失っていた。
 彼らバルチャーにとっては戦闘の後のこのような光景を目にすることは少なくはない。だが、ジャミルが無用な略奪や殺生を好まないため、
ようやく復興した町を瓦礫と化すような事は一度もやったことはなかった。
 そんな彼らにとって、新連邦軍の行ったこの行為はあまりに非情だった。
「キャプテン…。」
「………。」
 サラは不安そうな顔でジャミルを見つめる。ジャミルは感情を表に出す事が少ないが、普段から彼の補佐役として仕事をこなしている彼女は、
彼がこの惨状に憤りを感じていることを察した。
 ガロードは振り返ってジャミルを見つめる。その表情には最早我慢することのできない新連邦政府に対する怒りが見て取れた。
「やろう、ジャミル。こんなの…、こんなの絶対に間違ってる!」
「…そうだな。今回のエスタルド政府の依頼、受けることにしよう。」
ウイッツもサラもジャミルの言葉にうなずいた。
そんな中で、ロアビィは頭をかきながらあさっての方向を向いてため息を漏らしていた。
「ッたく…、こういうノリは柄じゃないんだよなぁ…。」
彼は空爆前の車の中で”ポリシーを持って戦うのは嫌だ”と言った。無論、ロアビィもこの状況を見過ごす事ができないのはわかっているが、
”国を守るために戦う”と言う大義名分の元で戦うことに、彼は大きな不満を覚えていた。


 ウイリスたちのいる官邸は、激しい空爆が過ぎ去って一時間後に再びその姿を地上に現していた。戦前に作られた官邸を丸々地下に
格納する事ができる地下シェルターシステム、度重なる空襲の中で官邸が破壊されないわけはここにあった。
「新連邦政府はなんてことを考えているんだ!!」
裏庭にしゃがみこんでアスランと二人で空爆の音を聞いていたカガリは、芝に拳を叩きつけた。
 彼女の父、ウズミ・ナラ・アスハの納めていた中立国オーブは前の戦争で戦火に飲まれた経験がある。その時の光景と今のエスタルドが彼女には重なって見えていた。
「近くに作った基地からほとんど毎日空爆は行われている。まだ国の全土を焼いたわけではないが…。」
「全土を焼かれてたまるか!!」
アスランの言葉に割って、カガリは新連邦軍の行いを吐き捨てた。
636GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/04/07(土) 21:03:28 ID:???
第五十七話『”お前の言葉”が聞こえない!!』 (中編)

 先ほどのリー将軍との話の中で自分の発言の中に間違いがあったとは思わない。だが、この状況をあっさりと受け入られるほど、彼女はドライではなかった。
「15年たってようやく復興したと言うのに、こんなに簡単に…!!」
「…確かにな。」
アスランは肩を震わせて怒りをあらわにするカガリをそっと抱き寄せる。抱き寄せられた彼女は彼の胸に顔をうずめたまま涙をこぼした。
「こんな、こんな事が許されて…うゥゥ…。」
「カガリ…。」
 父を失った時、ユウナとの結婚式から逃れて国を離れた時、オーブに逃げ込んだロード・ジブリールが国外脱出をしたときと彼女は何度も自分の力のなさを体感させられた。
 
『再び目の前で民の生活が踏みにじられた』

その行為に、彼女は悔しさと歯がゆさを感じずにはいられなかった。
「カガリ、ここはオーブじゃない。この国が焼かれたのはお前の責任じゃないんだ。まだ何とかできる。キラもシンも、お前と一緒にいるんだろ?」
 うつむいたままの彼女を下から見上げながらアスランはやさしく笑いかけた。
 アスランからすれば、キラとシンがいるというだけでこれほど心強いことはない。シンは気性が激しいので
彼とは反発することは目に見えていたが、少なくともこの惨状を目にして黙っていられるような人物ではない。キラにおいては絶対的な信頼を寄せる事ができた。
「グスッ…、いや、…シンはいるがキラはいない…。」
「……え?」
ようやく泣き止んだカガリの言葉に、アスランは思考を停止させた。
「シンはフリーデンにいる。けどキラはフリーダムに乗っているのを見ただけだ…。」
カガリを抱く手から力が抜ける。

『キラがいない』

その事実にアスランは愕然とした。
「アスラン?」
「キラは…、いない?」
「あ、ああ。最悪の場合…、キラが敵になることだってあると思う…。」
「キラが…敵?」
信じられない様子でアスランはカガリに目を向ける。その様子は尋常なものでないことはカガリにもすぐにわかった。
「お、おい…?」
「俺に…、俺にまた銃口を向けろというのか…!! 何で…! 何でキラを引き入れなかった!?」
 カガリを先ほどとは違う荒々しい動きで拘束する。やさしい抱擁からきつい束縛に豹変したアスランの指は、カガリの服の上からでも肌に跡を残すほどきつく握り締めた。
「あ、アスラン! 放せ!」
「何でお前は、キラを引き入れるチャンスが有ったのに引き入れなかった!? お前が話せば簡単に仲間になってくれるはずじゃないか!?」
「そ、そんなこと言ったって…。」
「キラは今どこにいる!?」
「知るかそんなこと!! 私だって、仲間にできるならしたかったさ!」
「じゃあ何でしなかった!!?」
「いきなり敵になって出てきたのに、そう簡単に説得なんかできるか!!」
 カガリの言葉に、燃え盛っていた怒りの炎は一瞬で沈静化する。力が緩んだ所を見計らってカガリは彼の手を逃れた。
637GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/04/07(土) 21:05:02 ID:???
第五十七話『”お前の言葉”が聞こえない!!』 (後編)

「…キラは新連邦軍と一緒にフリーデンに襲い掛かってきた。その時に呼びかけることもできたが、前衛で必死に戦っている
シンのことを考えるとそういうわけにも行かなかったんだよ。」
つかまれていた右腕上腕をさすりながら彼女はアスランに背を向けた。アスランはしゃがみ込んだまま彼女の言葉を聴く。
「キラが、新連邦軍に?」
「ああ、理由は私にもわからない。」
「何で…何で新連邦軍に…?」
「キラのことだ。何か理由があるんだろう。私もショックだった。そんな状況で、キラの説得をする余裕なんて、なかったよ。」
「キラが…キラが…。」
芝生に膝をついてうなだれるアスランの前に腕の状態を確認し終えたカガリが立つ。アスランからは見えなかったが、カガリはかなり険しい表情を浮かべていた。
「なぁアスラン、キラのやることは絶対に正しいと言えるのかな?」
「え……?」
カガリからの問いかけにアスランは顔を上げる。カガリとて、こんなことは言いたくはない。しかし、言わずにはられなかった。
このとき彼女が話そうとしていたことは、彼女自身が今まで考えたことのなかった”自分の考えを否定する”様な内容だった。
「確かに、キラは今まで私のことを助けてくれたし、お前のことも、ラクスのことも助けてくれた。だけど、今回のことは私は賛成しかねる点が多い。」
「な、何を言っているんだ?」
「キラだって人間だ。間違えることだってあるだろう?」
「…本気で言っているのか?」
アスランの表情は険しい。彼らの中で”暗黙の了解”として通っていた事実に彼女は異を唱えた。
「私とてこんなことは言いたくないさ。けど、今のお前を見ていると…すごく、惨めでな。」
「俺が惨め?」
「前の”お前”ができたことを今の”お前”はできていないんだよ。」
立ち上がって二人は互いに向かい合う。カガリは落ち着いた様子でアスランの瞳を見つめる、アスランはカガリの方向を向きはしたものの、どこか逃げ腰になっていた。
「お前は、”私を守る”と言ったよな? あれは紛れもなく、お前の言葉だったと思う。けど今のお前からは…。」
 一度言葉を切りカガリは視線をそらした。これを言えば彼らの関係は大きく崩れることは目に見えている。だが、彼女はそれを
乗り越えてくれることを信じて大声で彼に向かって叫んだ。
「今のお前からは、”お前の言葉”が聞こえない!!」
 二人の間に、冷たく乾いた風が吹きぬけた。
638通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 21:18:02 ID:???
なんか凄いですね、今回は
アレックスがアスランになれるように期待してます
639通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 21:29:23 ID:???
更新乙、そして添削

>>635
>まだ国の全土を焼いたわけではないが…。
空爆を主語とするなら間違ってはいないが、攻撃される側であるのを考慮すると
[ 焼くには至っていないが  ]あるいは[ 焼かれたわけではないが ]
640通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 21:51:30 ID:???
GJです

さてアスランは這い上がってくるだろうか堕ちていくだろうか
641通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 22:44:16 ID:???
GJ
たいがいの他SSだと堕ちていくな>凸
こっちではそうならないことを期待。
642通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 22:47:01 ID:???
凸はキラがいないと駄目になっちゃうからなあ。
643通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 00:34:18 ID:???
だからホモと呼ばれる
644通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 01:04:27 ID:???
カガリはまだ望みを持ってるみたいだけど
>『キラがいない』
これで態度を激変させる凸では決定的な破局闇落ち確定だろう。
645通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 03:09:57 ID:???
しかしここには良きニートとコーヒーの人がいる、諦めるのはまだ早い・・・・・遅いかなぁ
646通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 08:25:30 ID:???
風景画のノイマンみたいな事はしないだろ
X運命っていう例外があるんだし
まあシン・アスカが成長するための踏み台になることは堅いだろうが
647通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 08:26:38 ID:???
しかしなんであそこまで激昂するかな?
キラが間違ってるかもしれないってカガリに言われて随分ショック受けてるし
キラと対立してた時の自分てそんなにトラウマなんだろか。
(まあ、親父の操り人形状態だったから反動がキツいのかも知れんが)
648通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 09:12:12 ID:???
操り人形といっても、母親を殺された怒り、義憤で行動してたから、自分の意思だったはずなんだがね。
キラを第一に考える人間なのは、作品を見れば納得。キラと敵対したら悩みだすのは明白。
俺はアスラン脱走があるのではないかと考えている。
649通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 10:08:57 ID:???
まあ一応飛ばされた時点では最終決戦直前の頃の凸だからなぁ
個人的にはAWの世界でそれなりに変わって
友情あるからこそ暴走した友を殴れるような凸を期待してるんだが。

それより隠者がどうなってる事やら。
直せる人が周りに居ないんで放置とか、凸よりそっちの方が気になるな。
650通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 11:11:16 ID:???
まあ俺たちが何言っても始まらんがな







・・・そういえばガロードはよく殴られていたな
651通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 20:49:19 ID:g4j02JUP
GX氏乙!

アスランカガリ、双方にとって試練の時かな?
そしてDXは早速ズタボロになるのだろうかw
修理された運命はもう少し後になりそうですな
どう転ぶにせよ我々は最後まで付いていくぜ
652どろろ:2007/04/08(日) 20:55:14 ID:???
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653通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 21:01:10 ID:???
>>651
ズタボロになる前に空爆阻止があるよ
654通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 21:14:06 ID:???
>>651
一々上げんなボケ
GX見直してからこいや
655通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 11:41:05 ID:???
>>646
え、風景画みたいって自分が否定されてファビョった挙げ句、手近な女を中田氏レイープって展開?
656通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 12:04:04 ID:???
凸が手元の女は取り敢えず食っちまうってのはXスレの伝統か
657通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 12:29:56 ID:???
でもエスタルドには女っ気が欠片も・・・・ユリナがいたな、ロアビィに構わず食っちまうのか。
658通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 12:53:57 ID:???
そういえば、
「参謀本部のお膝元にある貴様のような大バカ者を更生する最終更生所
 ”ケルベロスの檻”!ここに入った者で更生が終わるまで生き残った者は
  誰一人としていない。そこでみっちり”兵士としての基本”を叩き込まれてこい!!」

以来キラの出番もそこの具体的な描写もいまだないんだよね。
フルメタルジャケットか虎の穴かといった印象だけど、どう変貌して出てくるやら。
さながらクローンスレのブラックK7タイプか、はたまた阿部さん運命のガボガボギギギか…
659通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 15:00:00 ID:???
PPスレもやっちまってたな、凸
660通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 21:14:27 ID:???
他所のスレは関係ないだろ?
661通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 22:23:18 ID:???
>>658
まさかとは思うが…

@コルレル→ブリトヴァ→ガブル→ラスヴェート→ストフリ
Aストフリ&(コルレル→ブリトヴァ→ガブル→ラスヴェート)
B飛べ! ガロード!!で復活

さあ皆どれだと思う?
662通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 22:27:08 ID:???
ダレも指摘してないけど、TV種死でのメサイヤ決戦前夜の時点から
飛ばされてきて、キラやカガリはわかるとしてシンとも今更共闘できると
素で思い込んでたっぽいアスランの認識はかなりアレではなかろうか?
いや読み手の側は少しづつとはいえシンの成長を見てきてるから、
私情を抑えて組む事もあるかなとか思えるけど、そうでないアスランの場合は…
残念ながらAWに来てからあまり質的な成長の機会はなかったらしい事の
さりげない傍証になっとりゃせんだろうか?
663通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 22:29:18 ID:???
周囲にリー将軍とか居たからそれなりに開発されてるとは思うがなぁ>凸
664通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 22:35:30 ID:???
>>662
う〜ん、確かにオーブ防衛線でのこともあるから考え方がまずいといえばまずいと思う。
まぁ、アスランは『アスラン自身』に協力するんじゃなくて、『新連邦政府のやったこと』
に対して反撃=行動を起こすだろうと考えたんじゃないか?
『結果的に同じ道になる』ってな感じで俺は解釈してるけど

それに、まだ協力体制が築かれるとは限らんし…
665通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 23:14:30 ID:???
>>662
異世界に飛ばされてるという異常事態でなお反目し合う方がマズいだろ
常識的に考えて
666通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 07:33:24 ID:???
常識のはるか斜め下を行く知能しかない連中が負債の生んだキャラな件
667通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 08:34:31 ID:???
種死終盤での凸のシンに対する認識は、「議長とレイにまんまと騙されて人形にされた哀れな奴。俺が目を覚まさせてやらねば」という傲慢極まるものだから、自分に非があるなんて意識はこれっぽっちもない
668通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 08:49:01 ID:???
今度はシンに縋って成長したシンから扱き下ろされる凸がこれをフリーデンのせいだと思い込み始める図が見える。
669通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 10:47:00 ID:???
仮にフリーデン組と行動を共にするようになってもその調子で浮いて
居心地悪くなってた所へ、ニコラあたりの口車に乗せられてティファの誘拐に
一役買ってしまう(始末の悪い事に本人は救出か何かのつもりで…)とか?
いやいや、それまでに精神的に一皮剥けてると期待したいが………
670通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 11:43:35 ID:???
そんな事に加担した日にゃ精神的どころかガロシン二人掛かりで
生皮引っ剥がされっだろ、常識的に考えて……
671通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 13:02:15 ID:???
フロスト兄弟からスカウトされて付いていったらキラを同じ運命を・・・・まあ凸的には本望か
672通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 17:54:40 ID:???
風景画のようなヘイトになることに1ルデ
673通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 18:04:39 ID:???
なあ、今さらだとも思うし早すぎるかもしれないけど
次スレのテンプレに

SS作者様には敬意を忘れずに
煽り荒らしはスルー
スレ違いの話はほどほどに
本編および外伝の叩きは厳禁
特にコズミック・イラの人物について叩きはNG
ここがクロスオーバースレであることを考慮して下さい
本編と外伝、A.W.とC.E.両方のファンが楽しめるスレ作りに取り組みましょう

と入れたほうがいいと思うんだがどうだろう?

あのな、一応ここは2ちゃんねるの新シャア版なんだぜ?わかるだろ?
674通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 18:08:40 ID:???
新板は無くなるって話だが……
675通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 18:39:06 ID:???
本当らしいけどそんなの関係ないっての
削除されたら旧版に行くだけだろ
676通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 18:40:16 ID:???
旧板に新のキラ厨とかシン厨とか流れ込むのはやだなぁ
677通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 18:54:21 ID:???
ま、これ以上はスレ違いだな
GX氏はお仕事が忙しいらしいし保守氏が降臨するかどうかは分からんからな・・・
678通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 22:47:59 ID:???
凸がリー将軍サイドなら根性を叩きなおされるだろうけど
首相サイドだったら成長してなくても納得できる気もする
679通常の名無しさんの3倍:2007/04/11(水) 02:11:49 ID:???
歴代主役
1st、逆シャア:アムロ・レイ 古谷徹(現青二、元俳協)
08:シロー・アマダ 檜山修之(アーツ)
ポケ戦:アルフレッド・イズルハ 浪川大輔(現俳協、元こまどり)
0083:コウ・ウラキ 堀川亮(現アズリード、元青二)
Z:カミーユ・ビダン 飛田展男(アーツ)
ZZ:ジュドー・アーシタ 矢尾一樹(現シグマ、元俳協)
F91:シーブック・アノー 辻谷耕史(現クレイジーボックス、元シグマ)
V:ウッソ・エヴィン 阪口大助(青二)
G:ドモン・カッシュ 関智一(現アトミック、元俳協)
W:ヒイロ・ユイ 緑川光(青二)
X:ガロード・ラン 高木渉(アーツ)
∀:ロラン・セアック 朴ろ美(円企画)
種:キラ・ヤマト 保志総一朗(アーツ)
種死:シン・アスカ 鈴村健一(アーツ)
スタゲ:セレーネ・マクグリフ 大原さやか(俳協)
680通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 22:18:59 ID:???
>>678
グラントは国民のことを考えてるまともな和平派なんだが…
681通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 22:52:35 ID:???
「ケルベロスの檻」とやらでも性格がが直らず出奔してきたキラが、
亡命しかけたがしかし国民のためにあえて新連邦に投降するウィリスの前に
突如出現してコンナコトマチガッテルと考え無しにかっさらって、
ルクスの身元保証策も水の泡、面子潰された新連邦のチョー総攻撃で
エスタルド丸ごとペンペン草も生えない焦土に…なんて事にならなきゃいいが。
682通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 03:43:53 ID:???
>>672
別にヘイトじゃねーだろ、同人SS痛。
683通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 08:32:56 ID:???
ノイマンのSSがX運命よりカスなのは事実だろ、常識的に・・・
684通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 09:27:36 ID:???
なあ、前から考えてたことがあるんだよ

もう次スレ立てないで風景画スレと合流しないか?
GX氏のSSは終盤に差し掛かってるし保守氏は新人スレにも投下してる
ただでさえ過疎ってる上に新規の職人が来るとは限らない
ラン家スレが終了したようにこのスレもいつか終わるんだから
過疎りぎみの風景画と合流した方がいいんじゃないかな?

早すぎるけど一応考えておいてくれ、まだレスはあるからカキコしなくてもいいし
とりあえず今はスルーしてくれ
685通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 11:27:24 ID:???
GXの続き設定のマンガを読んでみた・・・

ヒデェ、なにあのクソマンガ
D.O.M.E.壊れてるのにMW受信すんな、サテキャ撃つな、キッド特製デストロイ水中仕様を使うなと!
686通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 11:45:07 ID:???
>>685
そのうち怒りを通り過ぎて呆れに達して、その後に忘れるから、安心汁。これ、他のことにも言える話だけど。
687通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 00:54:51 ID:???
>>683
同人SS痛必死だな。
そんなにラクシズ悪役描写が堪え難いなら読むなよwww
688通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 01:18:21 ID:???
>>685
メカ(ガスパカスタム、改修後のX、ディクセン(モードXは欲張りすぎだが・・・)、
ベルフェゴールの武器にバスターソード)や
本編との繋がり(ローレライにGビットがあった理由、ニタ研のベルフェゴール)
辺りはいい味してんだがいかんせん他が悪すぎるんだよねぇ・・・

それはそうと一番大事なことを忘れている。
主人公をニュータイプにするな!!!
689通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 10:15:19 ID:???
UTMスレでやれ、それに最後まで読めよ
何が主人公はニュータイプだよ

俺的にあの話は後半から単純になっちまったな
ノイマンの力量だったらもう少し深みが出せたはずなのに何故かそれをしなかった
後半になってから白けちまったな
おまけにX運命で航海日誌の続きを書くって言ったっきり音沙汰がない
八枚目に来たがここに来るより続きを書けって思ったな
もうこの話もスレ違いもいい所だろうがな

風景画と統合するのは悪くないと思う<684
遅かれ早かれいつかは終わるわけだし
ただ、保守氏とGX氏の考えも聞かないとまずいだろ
後は風景画の住人次第か
690通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 11:42:58 ID:???
ラクシズ市ね士ね五月蝿い連中が流れ込んできそうだから合流は嫌だな、個人的に

このスレの落ち着いた雰囲気は壊れて欲しくない
691通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 11:58:42 ID:???
>>690
それはキラアスカガ以外のAA組がまだ本格的に表立って動いてないからという
ある意味怪我の功名みたいなもんだからなあ。
それこそAWでの生活経験にもよると思うが、もしも転移してきた時点と変わらぬ
メンタリティで行動するとしたら狂信者以外からの顰蹙買うのはある程度
避けられないだろうよ。アンチだけのせいなものか。
692通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 12:00:27 ID:???
もうとっくに流れてきてるじゃん
2週目になってもアンチがいるんだし
それに保守氏はラクシズアンチだよ、何でも屋を見ても見なくても分かるだろ
それに今の風景画はアンチの空気は無いしあっちに合流しても良いんじゃないか?
ま、個人的な意見菜訳だが
693通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 12:06:43 ID:???
ノイマン氏はアンチやヘイトでも通用するかも試練が保守氏は違うだろ
てゆうか一々SSのキャラに文句を言うのもどうかと思うけどね
その現況を作ったのが負債だからな・・・
694通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 12:12:16 ID:???
種が終わったときは子供向けのアニメ棚で我慢も納得も出来たけど
種死が終わったときは我慢も納得も出来なかった
4馬鹿は本当にかわいそうだな、不才のせいでヒールになっちまったわけだし
695通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 12:36:32 ID:???
元々ラクシズ死ね死ね言ってる奴の集まりが新シャア板なんだから、
そーゆー意見が多いのは無理もないんじゃないか?
696通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 12:43:46 ID:???
改変・クロスSSで三隻同盟の扱いがTVどおりの神聖不可侵でなかったら
ヘイトだヘイトだと言い立てて荒らしに来るのは常にラクシズ厨の方だったろうが。
どれだけのSSが途中で潰されたり外部移転を余儀なくされたりしたと思ってやがる。
ルチル編のガロードじゃないが「被害妄想もいいかげんにしやがれ」だ。
697通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 12:44:46 ID:???
>>689
一部の住人がこっちでガロードIN運命の続きやるんじゃないかと勝手に騒いでただけで
一言も本人がこっちに移るなんて言ってなかったような…
あと続きを書くと言ってた公開日誌の続きがないのはX運命の雑談に
ラクシズヘイト、ラクシズアンチするならもう来るなみたいな奴と
あんなのヘイトじゃねえよ、という奴が争いだして書き込みが一気に削除されたりしたから
書くのをやめたんじゃね?って推論がヲチスレだか紹介スレだかにあったぞ。
どこぞの3人目だけだろ、来るなと言われてもSSやネタを書けるのは。
698通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 12:50:18 ID:???
アンチ・信者それぞれ新連邦・革命軍と変わらない
迷惑だから他所いってくれ
699通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 13:04:08 ID:???
逆襲のシンスレの勢いがピーク時のX運命やガロin運命程はないことを見る限り、
ラクシズアンチは、SSスレではガロin運命、カミーユinCE、0083、フレイスレの集結で
だいぶ大人しくなったから合流しても大丈夫な気はするんだがなぁ
700通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 13:12:43 ID:???
>>690位からの流れみたいになるから合流は反対。
そもそも向こうのスレにこっちのアンカーを貼られた時期位から
変な雰囲気になって来たし。
701通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 13:41:12 ID:???
GX氏が提案するなら兎も角、他の人間が言い出すことじゃないだろ?>>スレ合流

ここはあくまでGX氏と保守氏のSSスレ
702通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 14:06:53 ID:???
SEED-Xさんもおるの忘れんといて・・・
703通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 14:11:49 ID:???
別にGX氏と保守氏のSSスレって言う決まりがある訳じゃないだろ
そもそも初代スレはネタスレだったしGX氏はコーヒー時代の二杯目から書いてる
それにアンカーを張ってなけりゃこっちに行けなかっただろうが
始めたのはGX氏だが連載が終わった後になんかするって言ってないだろ
そんなにラクシズアンチが嫌ならマンセーでもしとけよ
704通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 14:16:41 ID:???
>>697
俺は航海日誌の続編って意味合いで言ったんだが
つーかGX氏と保守氏がOKすれば合流しても良いんじゃないかって思うけど
705通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 14:28:14 ID:???
このスレは歌姫の騎士団、ならびに本編をマンセーしながら進行します
ヘイトやアンチがしたい人は該当スレで行動してください
こんなのをテンプレにデモしたら?そんなにアンチが嫌いなら
新シャア版にこんな感じのスレなんて吐いて捨てるほどあるぞ
706700:2007/04/15(日) 14:31:14 ID:???
ひょっとして>>673=>>684?
なんか勝手な思い込みが激しくてウザイ。
GX氏の作品がもう終盤だと決め付けてたり
修正点を指摘されてちょっと荒れた前の方のテンプレを貼り付けたりするし。

>>703
>それにアンカーを張ってなけりゃこっちに行けなかっただろうが
アンカーを貼った所為でコーヒー・風景画に住み着いてるSS叩き厨とかが
流入して来た様に見受けられるんですが何か。
>そんなにラクシズアンチが嫌ならマンセーでもしとけよ
ラクシズアンチが嫌なんじゃありません、どっちの立場を取ってるにしても
騒ぎを起こす輩が嫌なだけです。
707673:2007/04/15(日) 14:39:37 ID:???
>>706
一緒にすんじゃねーよ
お前のほうがウゼエ
708通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 14:46:23 ID:???
ここは匿名掲示板なんだから自作自演なんていくらでも出来るだろ
とりあえずGX氏がなんかしら言うだろうしこの話はそれで終わりでいいでしょ
709通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 15:02:59 ID:???
何でもいいからSS叩きたいって奴はいくらでもいるだろ、常識的に考えて・・・
710通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 17:24:38 ID:???
延びてるから更新来たと思ったら、何でお前らが勝手に決め付けたりして騒いでんだ?
711通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 17:40:44 ID:???
ひまなんだろ、きっと
712通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 19:11:38 ID:???
荒らしに構うのもまた荒らしってね
SSへの感想以外は基本スルーでいいんじゃないかな
713保守作品28話  ◆XGuB22wfJM :2007/04/15(日) 20:15:29 ID:???
元新連邦中尉、シン・アスカは、かつて仕事を斡旋していたシーバルチャーの元へ
転がり込んでいた。

「うーん、マユ〜、お兄ちゃんはそんな男と結婚するなんて許さないぞー、むにゃむにゃ」
気の滅入る海底仕事を終えたシンは、ルマーク艦の客室で幸せそうに眠りについていた。

同時刻、艦の主であるルマーク・カウトは、通常業務に使う格納庫で、荷物搬送と水中作業
をこなしたモビルスーツの調子をみていた。
「うーん、ラスヴェートの膝に負担がかかってるわねえ。
空中戦を主眼にしてるから、脚が弱いのも無理はないんだけど。連邦らしからぬ仕事よね」
独り、ラスヴェートのコクピット前のタラップで、端末を打ちながら機体のパラメータを
確認していたが、ふと、人の気配を感じた。

「ルマーク、頼みがある」
アベルだった。深刻そうな、訂正、いつも通り暑苦しい顔でルマークに言葉をかけてきた。

「あら、アベル、私に頼みなんて珍しいわね。なに?」
「ガンダムXに乗せてもらいたい」
「何を企んでるのか、教えてくれる?」
「私はフラッシュシステムを動かせる。ならばサテライトシステムに対する適応もある」
「確かに、ね。
……正直、貴方がアレに興味を持ってるとは思わなかった。
貴方は欲しいの? 指一本でコロニーを吹き飛ばせる力が」
「応える義務があるのか」

ルマークは愉快そうにアベルの顔を観察した。提案を断るつもりなどもとよりない。
ただ、軍人としての生き方を失い、道を模索する男が、何を考えついたのかを知りたかった。
「オーケイ、案内するわ。
私も技術者として興味あるし、ついてきて」

戦後を過酷なシーバルチャーとして生きた男と、その半生を軍人に捧げてきた男は、
禁断のシステムを復活させるべく、趣味用の格納庫へ消えていった。
714保守作品28話  ◆XGuB22wfJM :2007/04/15(日) 20:15:58 ID:???
あくる朝、シンは能天気に朝食を全品制覇しようとモリモリ食べていたところ、視界にオカマと
おっさんが入ってきた。食欲がみるみる減退していく。さて今日は何の用だろう。

「ご一緒してよろしいですかな」
「私もご同伴させてもらうわね」
「ただの朝食……じゃなさそうですね」
「難しい話は後よ、今はおなかを満たしましょ。
ここの厨房は、セインズアイランドでも屈指の腕前よ」
疑問系で問いかけてきたくせに、返答を待たずにトレイを置く二人。
話が気になって食事が喉を通らないが、本題に入るにはまだ時間が要るようだ。

「所属していたところのコックに悪いですけど、確かに軍より美味しいですよ」
「でしょ、引き抜くの大変だったんだから」
「これだけの食材が揃えられるとは、大陸との輸送路がしっかりしているのでしょうな」
「そうよ。少しずつ大戦前の食生活が戻ってきてるわ。悔しいけど、新連邦が安定したおかげで、
大陸間や海の輸送でのトラブルが少なくなってるのよ」
「良いこともしてるんですけど。どうも悪役にされてますよね、俺たち」
「現場の我々から見ても、急ぎすぎに感じますからな。
私の任地だったエスタルドは酷いものでした。遺恨は後々まで残るでしょう」
「旧連邦では地球国家は一つだったのに……。そんなに独立したかったのかしらね」
「旧連邦に所属していたせいで、コロニー落しに遭ったと考えてるんじゃないでしょうか」
「いえ、組織だって反抗している地域は、大戦前から何らかの火種を抱えていました。
エスタルドを例にとると、あの国は隣接する国家と長い間対立していました。
旧連邦の崩壊で、再び民族的な主張が息を吹き返したのでしょう」
「一度、自分の国というものを手に入れて、民族の自覚を得たせいで、再び連邦に
組み込まれるのが嫌になったのね。生活が良くなる訳じゃないでしょうに」
「誇りっていうのは、譲れませんからね」
「そして、いがみ合う国家同士で対立と戦争が長期化する」
「戦争してでも守りたい郷土がある、か。サルベージ業者の私には分からない感性よね」
「そう言ってても、セインズアイランドが空爆されたりしたら、怒るくせに」
「でしょうな、意外と義理堅いですから。ルマーク殿は」
「や、やあねえ、何よ二人して」
715保守作品28話  ◆XGuB22wfJM :2007/04/15(日) 20:16:20 ID:???
和やかに談笑がすすみ、三人のトレイが空になったころ、アベルが本題を切り出した。
「中尉、貴方はこれからどうするつもりです」
「これからですか」
困った。なにも考えていない。脱走から一週間も経っていないのに急ぎすぎだ。

「いえ、これといって何も」
「そうよアベル、坊やは私のパートナーとし」
「ノー、絶対にノー!」
「そんな ひどい……」
ルマークの野望を一撃で粉砕する。それはともかく、アベルの意図が読めない。

「何か予定でもあるんですか、アベル中尉」
「ありませんが、先日の中尉の独り言が気になりましてね」
「何か言いましたっけ、俺」
「宇宙に行きたいと」
「ダメよアベル、坊やは私のパート」
「ノー、とりあえず、ノー!」
「そんな ひどい……」
ルマークの野望をもう一度粉砕する。それはともかく、そんな独り言、記憶にない。

「覚えがないです。そんなに行きたそうにしてました?」
「心を置いてきたようでした。
中尉、私には中尉が次の大戦が終わるまでじっとしていられるような人間には見えません。
後先考えずに飛び出してみるのも、若者らしいのではないでしょうか」
「ダメよアベル」
「ノー、しつこく、ノー!」
「そんな ひどい……」
ルマークの野望をしつこく粉砕する。次にやったら無視しよう。
それはともかく、アベルはこんな向こう見ずな提案する人ではなかったような気がする。
ニュータイプに覚醒して、人生観が変わったのだろうか。
716保守作品28話  ◆XGuB22wfJM :2007/04/15(日) 20:22:21 ID:???
「まあ、考えてみる価値はあると思いますけど。
そう言うアベル中尉は、どうする予定なんです?
宇宙を目指すにしろ、一緒には来ないんですか?」
「私は大戦以前からずっと軍人でした。15年以上も連邦に仕えてきたのです。
ここらで骨休めも良いかと考えています。それに傷が完治するまで動けません」
「……しばらく考えていいですか。簡単に答えられそうにないですし、当てもありません」
「そうですね、私も突然すぎました」

「一つ訊きますけど、俺が宇宙に行くべきだっていうのは、ニュータイプの勘ですか?」
「いえ、年長者の経験です」
「なるほど」
会話に入れず、完全に蚊帳の外にされたルマークは寂しそうだった。それはともかく、
自分の倍以上を生き抜いてきた男のアドバイスは、無碍には扱えない。
どうやら真剣に身の振り方を考える時がきているようだ。

朝食が終わり、シンはトレイを下げると、筋力トレーニングとガンダムXのシミュレーションで
一日を潰すことに決めた。
おそらく、隠れている内にできることはそれぐらいだ。それが嫌ならルマークの海底探査を
手伝うぐらいしかない。
とりあえずはこの艦での日常を過ごしてみて、退屈な日々を自分が耐えられるか、検証してみよう。



保守

スレの合流に関しては、自分としては書く場所を提供させてもらってる身ですので、
次スレがそっちに決まれば、そちらに行きます。
まったり進行ならばどちらでもいいかなと思ってたり。ついでにこの保守作品が
万一……は悲しいから百一くらいで完結したら、シンをCEに戻そうかと思ってたり
してます。
こっちのスレはGX1/144氏が隆盛させたスレですので、彼の返答が私も気に
なったりするところであります。
717通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 21:04:50 ID:???
保守乙!

シン宇宙へか…手段はまぁここのルマークなら何とでもなりそうな感じだな

異邦人は最後には元いた所に帰るのが王道っすね
718通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 21:11:56 ID:???
保守氏GJ!
いつもながらお疲れ様です
今回の話も楽しく読ませていただきました
この作品を最後まで応援したいと私は思います
頑張ってください
719通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 23:07:33 ID:???
お、保守氏の投下があったのか。保守氏乙。何か変な流れになってたけど気にしないでくれると嬉しい
720通常の名無しさんの3倍:2007/04/16(月) 00:10:36 ID:???
変な流れぶった切り乙
721通常の名無しさんの3倍:2007/04/16(月) 00:13:58 ID:???
おっさん、実直かつ冷静。
エスタルド編のアレは、確かにあの二国にも問題あったんだよな。
もとは民族紛争って事は。
それでも「まず統一ありき」で新連邦が無体をやった事には
変わりないんだけど。
722通常の名無しさんの3倍:2007/04/16(月) 02:29:48 ID:???
保守乙。シンの知らない間にトリガーのロックは解除されたのだろうか。
それを知った時シンがどうなるか期待してみたり。

エスタルドと新連邦は「誰もが被害者となり、誰もが加害者となる」……かな?
723通常の名無しさんの3倍:2007/04/16(月) 03:18:03 ID:???
一体平和とは何か?戦争にはつきものの話だ。
724通常の名無しさんの3倍:2007/04/16(月) 18:08:32 ID:???
>>700
風景画でこっちの直リン張った奴だけどそもそも兄弟スレのリンクが直で行けなかったから付けただけだよ
今まで誰も修正しなかったから俺がやっただけでしかないし
それにシンが冷静だったら(テンプレ)の前スレにこのスレがはってあるんだが
そもそも風景画(旧コーヒー)の兄弟スレなんだしそれなりに見られてると思うよ
あと直リン張ったから雰囲気が変わったなんて事はないよ
元々アンチの連中だっていたわけだしラクスたちが出てきたときに来たろ?

・・・もうこの話は終わりでいいよな?なんか疲れてたし、みんな気にしないでくれい
725保守作品28話  ◆XGuB22wfJM :2007/04/17(火) 07:45:02 ID:???
新連邦の脱走兵こと、シン・アスカは身を隠していた。
潜伏地は世話になったシーバルチャーの艦。
好き好んで居候している訳ではないが、怪しげなよそ者が食事にありつける土地を他に知らなかった。

これがコズミック・イラならザフトの脱走兵になったとしても、ユーラシア連合なり、
人が立ち入れぬ場所で自給自足もできるだろう。
スラムでサングラスをかけながら浮浪者の如く潜伏したっていい。
しかし、この世界では核シェルターがあった地域の周辺にしか人が住んでいない、
住むことができないのだ。

一度氷河期が訪れたと呼んでも過言ではない、アフターウォー15年。
動植物は絶望的に死滅した後であった。

ちっぽけな艦に身を隠しているという事は、表を歩けないという事で、つまるところ軟禁状態にある。
海底探査、筋トレ、シミュレーション、整備の手伝い、モビルスーツの勉強など、やれることは
少なくはないが、決して多いわけでもない。
その事を自覚したのが悪かった。
自分の歩む道が塞がっていると意識する内に、数日で精神が疲弊してしまったのだ。

平和ボケしたオーブ在住の中学校一年生が、家族を自軍に殺された。
その後は悲しみを紛らわすかのように駆け抜けてきた。
この世界に飛ばされるという、とんでもないハプニングこそあったものの、その生き方に変わりは
なかった。
自分の前にはビーム飛び交う戦場、鋼の巨人、理不尽な上層部、歓迎する民衆と
石を投げつけてくる民衆、その他もろもろ困難があっても、駆ける道が確固としてあったのだ。
ここにきて、こんな形で行き止まりに追突するとは。
まさしく、こんな筈ではと泣きたくなる気分だ。

こうして艦で鬱屈した毎日を送っていると、家族を失った直後、避難民の中で無力に、女々しく
泣きはらしていた自分に立ち戻ってしまう。無垢で情けない少年時代に立ち戻ってしまう。
自分は行動していないと腐ってしまう。前向きに走っている感触がないと折れてしまう。
その自覚がシンを弱らせていた。
726保守作品28話  ◆XGuB22wfJM :2007/04/17(火) 07:46:33 ID:???
「という訳で旅立ちます、俺!」
「そんな事もあろうかと! 準備は万端よ」
「なにィ!」

やられた。ものすごい即決で意表をついたと確信していたのに、こうもあっさりと切り返してくる
とは。恐るべき海の禿鷹。オカマは伊達じゃない。

「既にガンダムXの整備はパーフェクト。シールドバスターライフルを腰に一丁、両手に一丁ずつ
携帯。バリュートシステムの空洞に自爆装置を設置済み。旅の資金も紙幣から金貨に換えて
コクピットに積込んである。長期間保存可能な軍用レーションパックも余剰スペースに完備。
緊急医療パックも宇宙対応になってるわ。どう?」
どうやら、宇宙行きの話しが出た時点で準備を始めたのだろう。恐るべきタッグだ。

「宇宙への足はありますか?」
もしかするとルマークなら、ルマークなら宇宙船ぐらい調達してるかもしれない。
「私、スペースバルチャーじゃないのよ、無理に決まってるでしょ」
無理だった。
「本気で空を越える気があるなら、新連邦基地を襲うか北米で基地跡を探すしかないでしょうね。
気休めだけど、坊やなら巧くやれるわよ」
「ありがとうございます、ホントに……」
思えば世話をかけ通しだった。こんなに他人を頼ったのはカトック以来だった。

………まてよ、金銭面でみたらものすごい赤字じゃないか俺、騙されてるのか俺。
そんな事はない、そんな事はないよな。そうだよな、うんうん、そうに決まってる。
もうルマークのことを考えるのはやめよう。
727保守作品28話  ◆XGuB22wfJM :2007/04/17(火) 07:47:14 ID:???
アベル中尉はどうしてます」
「今朝方、ガンダムXをいじるからって残してたわ。
もしかしたら、薄々今日だって気づいてたのかも知れない」
流石はニュータイプの力と呼ぶべきか、はたまた偶然なのか。ともかく好都合。
最後の会話を交わすべく、シンは久しぶりにすっきりした顔で趣味の格納庫へ赴こうとして───

「なんでガンダムXなんですか!?」
「ダメよ大声で言っちゃあ。艦内じゃ公然の秘密だけど、分別はつけないと」
「す、すみません。じゃなくて、やばいでしょアレ」
「逆に訊くけど、この艦に残すのもまずいと思わなくて?
坊やの依頼で組み上げたのに、永久に私に押し付ける気?」

そうだった。直すのを依頼したのは自分自身だった。軍人を続ける見込みがあったからこその
依頼だったが、今となっては自分同様、見つかってはまずい代物だ。
「私としては得られるものは全て吸収したし、これ以上あっても困るのよねえ。
誰か引き取ってくれないかしら。例えば依頼主とか。どう、市長さん?」

無理だ。シン・アスカのスペックではこのオカマに勝てない。
アベルが扱ったほうが有効だ。などの反対意見も思い浮かんだりするが、おそらく反論は
既に準備してあるだろう。もとより即興の口論でやり込められる手合いではなかった。
「負けましたよ………はあ」
「それじゃ行きましょうか、ガンダムXが坊やを待ってるわ。
               ソラ
新しいパイロットと再び宇宙を目指すために」

こうしてシン・アスカは、バリエントに代わる新たなる愛機を手に入れるのであった。

短め保守。
728通常の名無しさんの3倍:2007/04/17(火) 08:12:43 ID:???
29話じゃね?
729 ◆XGuB22wfJM :2007/04/17(火) 12:20:24 ID:???
仰るとおりです。申し訳ない。寝ぼけたまま投下してしまいました。
730通常の名無しさんの3倍:2007/04/17(火) 17:49:42 ID:???
保守氏乙!
てかユーラシアは「連邦」ですね
あと腰にマウントってデスティニーのようなものかな?それとも・・・
これからのシンに眼が離せませんよ、ホントw
731通常の名無しさんの3倍:2007/04/17(火) 19:32:22 ID:???
アベルによってたぶんフラッシュシステムは登録されて
サテライトキャノン撃てる様になってるだろうXで
シンがこれからどう歩んでいくのか楽しみですよ。
732通常の名無しさんの3倍:2007/04/17(火) 20:35:52 ID:???
アベル「あなたに力を……」
733保守作品30話 ◆XGuB22wfJM :2007/04/17(火) 20:55:39 ID:???
******
パスワードを打ち込むと、重々しく扉が開き、シン達を招き入れた。
照明が直立不動のモビルスーツ達を照らし出す。

入って正面、最奥でそのモビルスーツは待っていた。
15年を越えて復活した、コロニー落としを防ぐために造られた切り札。
役目を果たせなかったニュータイプ専用機。
ジャミル・ニートの無念が篭った決戦用ガンダム。
Xの名を冠したそのモビルスーツは、Bit達の王として、その威容を誇示していた。

それは両腕部にシールドバスターライフルをマウントされ、背中のサテライトシステム下部に
もう一つライフルを接続し、武装を施された姿でシンを待っていた。
再び宇宙を飛ぶために待っていた。

ライフルを三つも抱えたガンダムXは少々重そうに見えた。
補給の当てもないまま旅立つ以上、念入りに用意してくれたのだろう。
これはこれで迫力があると思えるから不思議なものだ。

このモビルスーツはもう最強とはいえない。
型落ちガンダムと呼び捨てても、文句は言われまい。
既に新連邦は新しいガンダムXを造りだしている。また、フリーデンにいるガンダムXに似た機体の
対艦兵装は常軌を逸している。その二機共が、あらゆる面でガンダムXを凌駕しているだろう。

対して眼前のガンダムが持ちえる兵装は、ブレストバルカンが四門。大型ビームソードが一振り。
風変わりな盾付きのビームライフルが今は三丁、本来は一丁が基本だ。そしてMS戦ではデッド
ウエイトにしかならない戦略兵器、サテライトキャノンが一門。これだけだ。

エアマスター程の速力もなければ、レオパルドほどの火力もない。アシュタロンほどの堅牢さもない。
ただ基本を満たしただけの、重い物干し竿を背負った汎用モビルスーツに過ぎない。
挙句、カテゴリーFのシン・アスカには、対コロニー兵装を動かす資格がない。
それでもなお、シンは胸を張って答えられる。

「最高じゃないか。十分すぎる」

今までバリエントだったのだ。不満を言えば乗り回してきたモビルスーツ達に祟られてしまう。
それに間違いなく気のせいではあるのだが。このモビルスーツは眼に見えぬ何かを放っている。
新参者のダブルエックスになど負けないという気概を発している。その、身に纏った古兵の貫禄
を感じられる。その静かな闘志を信じられる。そして果たせなかった無念を訴えている。
734保守作品30話 ◆XGuB22wfJM :2007/04/17(火) 20:56:48 ID:???
ゆっくりと歩み寄ると、不意に頭部のツインアイが輝いた。
生きている、このガンダムは火が入っている。誰かが搭乗しているのだ。
今のパスワードになった秘密格納庫に入れるのは三人。シンとルマークがここにいる以上、
搭乗者は一人しかありえない。

『行くのですね。隊長』
「はい。思っていた以上に、自分は堪え性がありませんでした」
『どっしり構えるのは成人してからで十分です。まだまだ貴方は若い。
今はただ、何も考えず走る時です』

ガンダムXは静かに歩み寄ると、シンの目の前で片膝をつき、手を差し伸ばす。
シンは躊躇いなく手の上に飛び乗った。

手は滑らかに首元へシンを送り届ける。頭部が後ろにずれ、ニュータイプ兵士がその身を現す。
シンは彼の手をとった。お互いに強く握り締め合う。
「行って来ます」
「御武運を」

入れ替わるようにアベルが巨大な手の平へ、代わりにシンがガンダムXの座席に降着する。
赤いコントローラーを握り締めた。
この瞬間から、この鉄の巨人はシンの手足となったのだ。

映像を巻き戻すように鋼の手が地面に降ろされ、アベルがルマークの横に降り立つ。
「当てのない旅でしたら、北米を回るといいでしょう。酒場で出会いが待っています」
『わかりました』

アベルは万感の思いを込め、別れの言葉の代わりに、一部の隙も見つからない敬礼を行う。
ガンダムXもベテランらしい立派な敬礼を返した。
735保守作品30話 ◆XGuB22wfJM :2007/04/17(火) 20:58:57 ID:???
「いってらっしゃい。シン・アスカ」
『いろいろと、お世話になりました』
「馬鹿ね、貴方のお礼は多すぎたわ。等価交換になっていないんだから、まだサービスしなくちゃ
いけないの。だから、───また、会いましょう」
『はい!』
軍人ではないルマークは、敬礼の代わりに優雅に手を振った。
ガンダムXは答えるようにサムズアップした。
ああ、そういえば彼が自分を名前で呼んだのは、初めてではないだろうか。

ルマークが端末をいじると、格納庫から外へ通じるゲートを開かれる。
逃亡者シン・アスカが走る道。
異邦者シン・アスカが駆ける道。
再びガンダムXが飛び立つ道。

この先に何が自分達を待ち受けているのだろうか。宇宙に行ける確率なんて実のところ絶望的に
低いだろう。野垂れ死にするだけかもしれない。はたまた新連邦にみつかって追い回されるかも
しれない。絶対にこの艦に留まっていた方が利口だったろう。
それでも行く、行かなければならない。
ニュータイプのお墨付きをもらったのだ、きっとどうにかなるさ。
このガンダムとなら、きっとどんな苦難も乗り越えられる。

シンは新しい愛機に呼びかけた。

「さあ行こう、ガンダムエックス。
もう一度星の海を飛ぶために。もう一度おまえの役目を果たすために。あるいは、役目が終わった
ことを確認するために。サテライトキャノンが撃たれることのない、未来を見つけるために」

シンは大きく息を吸い、宣言した。

『元新連邦軍中尉、シン・アスカ。GX9900、ガンダムX、出る!』

強い風を巻き起こし、15年目の亡霊は大空へと帰っていった。



続く、保守。ライフルを腰に一丁という表記は間違いでした。サテライトシステム下部に接続
するという公式HPを見て勘違いしてしまいました。
勢いがなければ書けないのですが、勢いあまったみたいです。申し訳ない。
しかもユーラシア連合と連邦を間違えるし、暴走してるなあ。
736通常の名無しさんの3倍:2007/04/17(火) 21:23:15 ID:???
保守乙!

怒涛の更新ラッシュですな、
ライフル3丁はつまり背面装着分を全部使ってさらにもう一丁持たせたという解釈になるのかな
737通常の名無しさんの3倍:2007/04/17(火) 21:35:01 ID:???
一瞬ここで最終回かと勘違いした、そのくらいまとまりのいい話だった!
GJ!

シンのこれからが楽しみだw
738通常の名無しさんの3倍:2007/04/17(火) 21:36:28 ID:???
XGuB22wfJM先生の次回作にご期待ください!
739 ◆XGuB22wfJM :2007/04/17(火) 21:45:04 ID:???
ご愛読ありがとうございました。













































まだだ、まだ終わらんよ! サテライトキャノンをぶっ放すまで、
フロスト兄弟にふと泡吹かせるまで、なによりランスローと戦うまでは。
740通常の名無しさんの3倍:2007/04/18(水) 02:39:51 ID:???
>それは両腕部にシールドバスターライフルをマウントされ、背中のサテライトシステム下部に
>もう一つライフルを接続し、武装を施された姿でシンを待っていた。
>再び宇宙を飛ぶために待っていた。

この繰り返し、とても好きなんだけど
武装についての記述が文のリズムを崩してしまっているのが残念
741通常の名無しさんの3倍:2007/04/18(水) 14:52:09 ID:???
密かにアベルがジャミルと同じ事をいってるなw

何も考えずに走れ、か。いい言葉だ。年取った事を自覚してからだとまた重みが違うし…
742保守作品31話 ◆XGuB22wfJM :2007/04/18(水) 20:34:34 ID:???
旧連邦の極秘決戦兵器、ガンダムXを駆るシン・アスカは、現在進行形で大ピンチだった。
「こんなところでぇーーー!」
見渡す限りの敵、敵、敵。
わらわらと群がってきたハゲワシ達。
一機一機がカラーリングの違う、趣味の悪いモビルスーツども。

人の海ならぬ、モビルスーツの海に呑み込まれながら、ガンダムXは孤軍奮闘、獅子奮迅の、
否、シンは獅子が嫌いなので、縦横無尽の活躍をみせる。

四方八方、前後左右。

右手の大型ビームソードで唐竹割り、袈裟斬り、撫で斬り、切って切って切りまくる。
空いた左手で、敵を殴り、引きちぎり、貫手を打ち込み、シールドつきの裏拳を放ち、シールド
ラリアットをかます。隙をみては前蹴り、足払い、回し蹴りを繰り出す。

死角からの攻撃に対応すべく、絶えず位置を変えながら、背後に気を配りながら破壊を振りまき。
距離をとって集中砲火されては耐え切れないので、敵に突っ込むようにして同士討ちを誘いつつ、
敵そのものを盾にしながら命を繋げる。
オーブ平均視聴率10%キープの時代劇、暴れん坊首長の殺陣の如く壊しまくる。

「死ねよやーーーーー!」

絶体絶命の状態を脱するべく、ホバリングジャンプで飛び上がろうにも、用意周到なことに、
狙撃点を陣取る連中が大型ライフルで狙い撃ちしてくる始末だ。

こんな状態でも撃破されないのは、ひとえにシンの乱戦能力が隔絶していること。
そしてコクピットだけを貫きたいバルチャーや、隙を見て腕の一本でも切り落とそうとする
バルチャーがいてくれるおかげだ。
彼らは我先にと、連携をとらずに接近戦を仕掛けてくる。
そのおかげで、ぶっ壊して電子装置とパーツを回収しようと考えている連中の弾除けになって
くれるのだ。

シンとしては、痺れを切らした粉砕派が無差別攻撃をかけ、仲間割れが起きるのを心待ちに
しているのだが、どうやら獲物を倒すまでは休戦協定らしい。
状況はどうにもこうにも、さっぱり好転してくれない。

「どうして、こんなことになるんだよ!」

時間は少し遡る。
743保守作品31話 ◆XGuB22wfJM :2007/04/18(水) 20:35:40 ID:???
「知らないな。だいたい基地なんてものは、ことごとく食料漁りで暴かれた後だ。
宇宙ロケットや宇宙船なんてものは、革命軍の攻撃とバルチャーが片付けちまってるよ。
探すより、自分で造るか、新連邦から奪ったほうが早い。無駄なことはやめておくんだな」
「ごちそうさま」
シンは金貨を置くと、酒場を後にした。

ここもはずれだった。
北米に渡って四つ目の町。アベルの言った出会いはなく、無駄足ばかりだった。
路銀は潤沢で、携帯食料も豊富だったが、さりとて無限にあるわけではない。
こうも空振りばかりでは、フリーのモビルスーツ乗りとして、仕事のひとつでも
やっておくべきだろうか。
沈んだ気分のまま、日暮れの町を離れることにした。

よそ者は小さな町ではどんな目に遭うかわからない。
銀貨一枚で頭を撃ち抜かれる地域など、未だ掃いて捨てるほどある。
寝床は必ず安心できるところで、すなわちガンダムXのコクピットでなければ。

眠りにつくべく、徒歩で出て行くシンを見つめる瞳があった。
ついに、お宝を求める一人のバルチャーに補足されてしまったのだ。

シンが機体に乗りこむと、すぐにジェニスが襲い掛かってくる。
シンは全く慌てず、冷静にタイミングを計り、相手がヒートホークを振りかぶった瞬間、
一歩踏み込み、右ストレートを顔面にプレゼントする。
勢い余ったのか、頭が首からもげた。

「相手を見て喧嘩は売るもんだ」
流石はガンダム。実に俊敏かつ頑強だ。

シンは町を出る前から、自分を狙う視線に気づいていた。
普段ならば、ねぐらを見つけられないように撒くか、銃弾で脅したりする。
今回はバルチャーの持つ情報が欲しかったので、わざわざ後をつけさせてやったのだ。

「さて、尋ねたい事があるんだけどさ」
ジェニスのライフルとヒートホークを遠くに放り捨てると、恐怖を演出するため、敵のコクピットを
剥がしにかかる。これで怯えてくれれば、舌も滑らかに動いてくれるだろう。

甘かった。シンはバルチャーという人種を侮りすぎていた。
めきめきと装甲を剥ぎ取っている最中、不意にジェニスの左手が天を向き、閃光を放つ。
閃光は尾を曳いて空に滞空した。
連邦でも作戦中に使うことがある信号弾。だが、彼ら飢えたハゲワシが扱う際にはこう呼ばれる。

───バルチャーサイン。
744保守作品31話 ◆XGuB22wfJM :2007/04/18(水) 20:36:43 ID:???
「お前何した、ええ!」
「へ、へへ、ばあか。テメエはとっくにマークされてたんだよ。あばよガンダム乗り」
「くぅ、この!」
怒っている暇も惜しい。早急に此処を離れなくては危ない。
ムカつくジェニスを放置すると、すぐさまホバリングジャンプを行う。
移動能力に関しては飛行モビルスーツにも引けをとらない。
しかし、その目論見は30秒で崩れた。
艦砲射撃と思われる強力なビーム砲が、ガンダムXの前方を薙いだのだ。

咄嗟に射撃位置を確認すると、遠目に陸上戦艦が一隻こちらを狙っている。
倒すか、逃げるか、迷った刹那。

ボカーンとその戦艦からバルチャーサインが打ち上げられた。

「ちょ………おま」
嫌な予感がする。とてつもなく嫌な予感がする。
ピッピッとレーダーに敵を示す赤い光点が増えていく。
逃げよう、とにかく逃げよう。
赤くない方に向かって低空ホバリングを決行する。

あんな陸上戦艦ぐらいすぐに撒けるさ。ガンダムを嘗めるなよ、アンタらのオンボロ船なんて
すぐに引き離してやる。

艦砲を避けながら、兵器の反応がない方へ逃げ去る。しかし、しかし。
低空を飛んでいる最中、森の上を通り過ぎたとき、生身の人間と眼が合った。合ってしまった。

そりゃあ生身なら、レーダーに反応する訳ないよなあ。

頭上を通り過ぎる獲物を眺め、強風に跳ね飛ばされながらも、にやりと微笑むところまで克明に
確認できてしまった。
なんで俺はこんなに眼が良いんだろうな、父さん、母さん。

背後でボカーンとバルチャーサインが上がる。

ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイって。
追い詰められてるぞ、俺。
頑張れシン。負けるなシン。助けてマユ。
冷静になれ、冷静になれ、冷静になれ。
そうだ、こういう時は冷静だった奴を思い出そう。

「気にするな、俺は気にしない」

駄目じゃん。
745保守作品31話 ◆XGuB22wfJM :2007/04/18(水) 20:37:35 ID:???
進行方向に光点多数出現。ついでにドートレスフライヤを一機視認する。
「どけえぇぇぇーーーー!」
鈍いドートレスなど敵ではない。減速なしで片付けて先に進んでやる。
下手糞な射撃を掻い潜り、すれ違いざまにビームソードで首を刎ねとばす。

無くなった首から火花を放ちつつ墜落するドートレスフライヤ。
あろうことか、そいつの指からもバルチャーサインが上がった。
何故だろう。オーブ時代に大好きだった、光の巨人のカラータイマーの音が聞こえだした。

構ってられるか、逃げる。俺は逃げるぞ。逃げ切るんだ、逃げ切ってみせる。
「くっ───」
咄嗟にシールドで胸をカバー、すぐさま着弾、衝撃がくる。
地上のセプテムからのバズーカ攻撃だ。
「しゃらくさい!」
シンは鷹の如く、邪魔するモビルスーツに急降下していった。

逃げる先々で足止めを喰らう。段々と補足される時間が短くなってゆく。
空の鬼ごっこを繰り返しているうちに、地上からの対空砲火に音を上げて、地上戦に移行して、
走りながらの戦闘だったのに、いつの間にか足を留められて、それから、それから───

「この馬鹿弟子がぁーーーー!」

自分でも何を喋っているか分からない。もう何も考えられない。頭が真っ白になっていく。
できることは戦うことだけ、戦って戦って戦い抜くことだけ。
敵しか見えない。敵しかいない。
一面の敵、敵、敵、敵敵敵てきてきててててて。

自身の額で、何かが割れるような錯覚を覚えた。



ほしゅ。
746通常の名無しさんの3倍:2007/04/18(水) 21:04:09 ID:???
保守乙!

>「死ねよやーーーーーー!」
この時点でもうテンパってるなw
747通常の名無しさんの3倍:2007/04/18(水) 21:13:12 ID:???
絶体絶命の大ピンチだってのに所々で吹いてしまった…ゴメンな、シンw
748通常の名無しさんの3倍:2007/04/18(水) 21:49:33 ID:???


シンを狙ったのはジャミルたちとちがって文字通りのバルチャーなわけだが、
そいつらがバルチャーサイン出したりで連携するって事はガンダムだからって
ものすごい高価値目標扱い?
749通常の名無しさんの3倍:2007/04/18(水) 21:54:22 ID:???
やっぱり逆切れ気味に種割れするのが良く似合うな、シンw GJ
750通常の名無しさんの3倍:2007/04/18(水) 22:50:50 ID:???
>>748
ガンダムは超高級機扱い
しかもGXに到ってはガロードが
・バルチャー&情報屋のみなさんをサテキャで一掃
・北米屈指の武闘派バルチャーザコット一味を壊滅させてる
とかやっちゃってるから是が非でも欲しいんじゃないかな?
オレなら間違いなく欲しい
751通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 01:25:53 ID:???
氏ねよやーで吹いてしまった
752通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 14:32:03 ID:???
なんだか…ノリが軽くなったなw
でも、やっぱり面白いね。>保守作品
ただ…


Gガンを劇中劇にした上に、ネタにして連呼は頂けないな。
前々から(劇中劇ってのが)気になってはいたが、今回のは流石に嫌だな。
マジでやめてくれないかな。

Gガン好きなんで、かなり気になるんだよ。
753通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 16:11:46 ID:???
Gガンも好きでネタとしての使用も別に問題なく面白がってる俺みたいのは
どうすればよいと?
754通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 16:33:15 ID:???
>>753
つGガンネタをそのまま使う=種死本編のパクリと変らない。

それに、固有名詞連発は嫌だろ?
せめて、『東○不敗』とかみたく微妙に伏せる、文字を一部変えるetc...
とか工夫してくれないかな…って思うんだ。
種シリーズは兎も角、『GXとGガンは一応、陸続き(∀説)』なんだし…さ。
755 ◆XGuB22wfJM :2007/04/19(木) 18:30:05 ID:???
>>752さん、申し訳なかった。
自分でもちょっとはめを外し過ぎかなと思ってました。
本編2話を見返しつつ、一対多数を脳内再生してるうちに、
つい悪ノリの限界ラインを超えてしまいました。

>「この馬鹿弟子がぁーーーー!」
      ↓
>「ユニバァーーーーーース!」

に差し替えで、……こっちもまずいな。

>「連邦軍人はぁーーーー!」
の叫びにチェンジで。
756通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 18:54:14 ID:???
ここまでキッパリ「劇中劇」として使ったらパクリとは言えないんじゃないかな。
伏せ字とかの方が不自然。
そもそもパクリってーのはもっとこう……  やめとこ。
言っとくが漏れはこういうの大好きだ。Gガンそのものも大好きだ。


そして……ここで出るか!? サテライトキャノン!
757通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 19:42:56 ID:???
>>755
あ、いや…
こちらこそ、忙しいかも試練中に来てもらった上に、丁寧なレスまでして貰って
・・・申し訳無い。

>差し替え
言い回しを微妙に変えて欲しかっただけで・・・パロ自体にダメ出ししたつもりで
はっ?!
軽いパロはどんな物にも付き物だし、台詞パロはその手のノリの王道だし・・・
だから、差し替えなんてしなくて良いですよ!
寧ろ、熱くなってキツイ書き込みして・・・申し訳無いですorz


>>756
いやいや…キッパリ言えば良いって問題じゃないだろw
遠い未来に起きる事が『別世界のTVでそのままやってる』なんてw
『似た台詞,似た名前のキャラ,似た展開』じゃないんだぞ?
『そのまま』なんだy

…これ以上はやめよう。 どう考えてもチラシの裏だし...

他の住民の方々、長々とスレ汚しスマソ(´・ω・`)
758通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 19:44:42 ID:???
いや、別にGガンダムネタこのままで全然構わんと思うぞ。
そもそも、ネットの二次創作SSなんて半分お祭りみたいな感じで楽しむもんだ。
公式の名前の下に、(どっかの負債はその欠片も持ってないが)クリエイターとしての責任と誇りを持って作るものとは全く違う。
ネタを読み手が知ってることだろうことを前提に、読み手があるネタに反応するだろうな、
とニヤニヤ思いながら書くのが書き手には楽しいんだし、
読み手は「ここでこう来たかwww」と楽しむ、それでいいじゃないかよ。
気に喰わないなら読まなきゃいい、それがボランティアでネタやSSを書いてくれる職人さんへの
読み手としての最低限のマナーだろ。
759通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 19:59:32 ID:???
>>757
CEって未来世紀に繋がんの?
ってかパクリとネタとは違うよ。全然違うよ。
760保守作品32話 ◆XGuB22wfJM :2007/04/19(木) 20:27:30 ID:???
「僕は……どうして……こんなところへ……来てしまったんだろう」

はっと我に返ってみれば、時刻は深夜をとうに過ぎ、辺りはゆっくりと色を取り戻しつつあった。
周囲には山と積まれた残骸。モビルスーツ達の屍で埋まっていた。

一晩中、戦っていたことになる計算だが、時間感覚がおかしい。
包囲されたのがつい先程のような感じがする。よほど無我夢中だったのだろう。
自分が死んでいないのが本当に不思議だ。

───耳が近くの駆動音を感知。
ぼんやりした意識とは反対に、体は反射的にコントローラーを押し込む。
音源に接近し、サッカーのロングシュートの要領で頭を蹴り飛ばした。
ズガーンと千切れ、遠くまで飛んでいくジュラッグヘッド。あ、カーブした。
どうやら自分は、意識が不明瞭でも勝手に戦えるようだ。
まるで限界を超えたボクシング選手みたい。人間とはすごいなあ。

夜通し格闘戦を行い、数え切れないほど被弾したはず。相棒は大丈夫だろうか。
機体の状態を画面で確認する。幸い、損傷として報告されるものはひとつもない。
モニター越しに見る盾は、焼け跡と傷が無数に刻まれ、全身の装甲には煤けた部分が随分と
目立った。
それでも内部に異常は検知されず、自己診断でも装甲取替えの必要なしだった。
ガンダムXのあまりの頑丈さに、少々呆れた。

戦場はジュラッグヘッドの落下音以降、静寂を維持している。
ほとんどの敗者が生身で戦場を走るのを嫌い、死んだ振りをしている御様子。
自分が去るまで誰も動かないだろう。

不意に光が差し込んだ。───夜明けだ。
山脈と空の間から、太陽が白々と顔を見せ始めていた。
周囲が照らし出されると、自分の破壊の跡がますますはっきりと見て取れた。

「酷いな。滅茶苦茶じゃないか」
自分がやったとは思えぬ壊しっぷり。まるでフリーダムが通り過ぎたかのようだ。
森は流れ弾で片っ端からなぎ倒され、破壊されたモビルスーツが黒煙を上げている。
遠方には陸上戦艦が5隻。もはや交戦の意思を喪失したのか、動きをみせないままこちらを
向いている。

「…………行くか」
ここでぼんやりしてても仕方が無い。次の町を巡ろう。

「ん?」
コクピット内で、点滅しているスイッチがある。───通信装置だった。
今ごろ受信があったことに気づいて、スイッチを切り替えてみた。

「はぁい」
年上のお姉さんだ。
女性を見るのはとても久しぶり。むさ苦しい人生に涙が滲む。
761通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 20:29:03 ID:???
>>758
『本編がアレだから』で始まったのに同じじゃないか?と思った。
だから軽い感想に多少の意見を書き込んだんだが…駄目なのか。

…解った。どうも肌に合わなかったみたいだ。
助言通り、保守作品を読むの止める事にするよ。

>>759
…そんな事、俺は言ってないんだが。>CEがFCと繋がる
あと、ネタになるなら何でもおkなのか?   俺にはワカランよ...


という訳で、↑にも書いた様に読むのを止める事にする。
保守さん、変な事言ってスマンかった。 さっきの書き込みは忘れてくれ。
762保守作品32話 ◆XGuB22wfJM :2007/04/19(木) 20:30:41 ID:???
「………こんにちは」
「返事をくれて嬉しいわ。まさか、この惨状を創ったバーサーカーが、こんなかわいらしい
坊やだなんて思わなかったけど」
坊やは余計だと思う。ただオカマが言わないだけ点数は高い。

「バーサーカー?」
「自覚がないのかしら?」
「………………今、自覚したところです。で、用件はなんです? 敵対するならぶっ潰しますよ」
「恐い恐い。うちのパイロット、ぶるっちゃって使い物にならないから、戦いようがないわ。
安心して。
それで用件なんだけど、こちらからは絶対に攻撃しないから、其処に立っていて欲しいの」
「………荷粒子光弾でも用意してるんですか?」
女性は画像の中で小首を傾げた。互いの意思疎通に問題があるらしい。

「つまり、私の艦が廃品回収をするから、その間、睨みを利かせて欲しいという事よ」
「ああ、なるほど。………って、別に戦闘中にでもやれたんじゃないですか?」
「本当に自覚なかったのね。さっきまでの坊や、動くものはみんな壊してたのよ」
なるほど、それならバーサーカー呼ばわりも仕方ない。

「ご迷惑をお掛けしました。それで、対価はなんです?」
「そうね。このモビルスーツ達を売り払った代金の2割とか」
「別に金銭はいいです」
お姉さんの眼がきらりと光った。
「残念だわ、坊やがあと五年歳をとっていたら押し倒すのに」
「その時は是非。じゃなくて、情報で払ってもいいですよ」
「例の宇宙船か、宇宙ロケットを探しているって話?」
「情報、早いんですね」
聞き耳をたてる情報屋に気づかなかったとは、自分の迂闊さを呪ってしまう。
あるいは、プロの気配を消す技量を褒めるべきか。

「返答はもう分かってるでしょ」
「そんなものは北米大陸には存在しない。ただし新連邦を除く」
「そういうこと。ただ」
「ただ?」
「毛色の違う連中が集まってる町なら、知ってるわ」
「その依頼、引き受けました」
即決する。藁にも縋る思いだ。

「商談成立ね。くれぐれも攻撃しないでよ」
「仕事する前に、一つお願いしていいですか?」
「なにかしら?」
「コーヒー淹れて下さい」



ほしゅ。いつになったら宇宙に行けるんだろ。このシン。
763通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 20:37:11 ID:???
やっぱりコーヒーに帰結するのかよw

>>761
なにこの構ってチャン
764通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 21:17:47 ID:???
保守氏GJ!
それにしてもキラのセリフか、うまいな
この女ってエニルか?それに町って・・・
続きを楽しみに待ってるぜ
765通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 21:23:34 ID:???
保守乙!

本当はサテキャ部分は脆いんだけど、それ言っちゃうと話が続かないから(ry
766通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 21:33:40 ID:???


>>764
>この女って
最初の方で出てきたジャミルのバルチャー仲間に該当しそうな人がいるな。
767通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 21:36:05 ID:???
ローザ・インテンソか
768通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 22:25:49 ID:???
ピンク戦艦の人か
769通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 00:49:19 ID:???
>>763
ケースバイケースだと思うけど難しいよね。
ネタと割り切って楽しむのもあれば節度としてどうかという考え方もあるし。
さりとて読者の声に忠実すぎるのも調子に乗った荒らしが要求エスカレート
させかねないし…
770通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 09:44:46 ID:???
GJ,そういえば保守氏のシンはエニルと因縁があるんだよな〜
セインズアイランドを落としたのはシンだしシンはエニルに部下を一人殺され
てましたよね?その辺りの関係もこれから楽しみですな〜。
771通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 10:23:00 ID:???
>年上のお姉さんだ。
>女性を見るのはとても久しぶり。むさ苦しい人生に涙が滲む。

>その時は是非


健全(?)な青少年頑張れ!!
772通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 18:38:27 ID:???
そもそもGガンダム自体がネタ。
773通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 18:59:04 ID:???
節度としてどうかってのは>>769さんの言う通りだけど
ぬっちゃけ今回のGガンネタは問題無しに一票。

そして最後にコーヒーねだるシンにくそわろた。
774通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 19:37:17 ID:???
>>759
一応すべてのガンダムは繋がってる
775通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 20:40:05 ID:???
>ピンク戦艦の人か
こっちの『ピンク戦艦の人』は良い人だな
776通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 00:15:10 ID:???
保守氏の過去作読み返して今まで出てきた女性キャラを数えてみた

・マユ(シンの回想のみ。携帯の電池は切れている)
・エニル(エスペランサと交戦。シンは中の人が女って事すら知らない)
・カロン所長(シンの回想のみ。あまり良い思い出は無い模様)
・ティファ(アベルと会話、シンは面識無し)

…むさ苦しいってレベルじゃねーぞ
777通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 00:27:54 ID:???
>>776に便乗してイイオトコたち謝りもしないし、後悔もしない。
アベル(普通にいい人)
カトック(未登場でよかったっけ?一応師匠らしい)
ルマーク(the・オカマ)
フロスト兄(変態大佐)
同・弟(ブラコン大佐、近親憎悪アリ)
旧アスカ中隊(気のいい奴ららしい。女性隊員はいない)
レイ・ザ・バレル(回想のみ、登場してなくても俺は気にしない)

ざっと思いつく連中を上げてみた、男率高杉。
あとローザ姉さんエロかっこよすぎ。
最後に保守氏GJです、これからもがんばって下さい。
778通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 02:40:14 ID:???
>>776-777
正直シンに同情した
779保守作品33話 ◆XGuB22wfJM :2007/04/22(日) 07:40:47 ID:???
眼下では、とうに滅んだ生態系の縮図が、人間によって繰り返されている。
共食い。死肉漁り。瀕死のバルチャーに群がるバルチャーたち。
その凄惨な光景。例え血がでなくても、本質に代わりは無いだろう。
機械の巨人が、体の欠けた巨人を引きずり、自分の巣へ持ち帰っている。

死んだ振りをしていたパイロットは、無論抵抗する。抵抗するが、起き上がって再び戦う気力を
振り絞ろうにも、外にはバツ印を背負った悪鬼が睨んでいる。
仕方なく機体を乗り捨て、逃亡するパイロットが大半だ。命あってのバルチャー家業、
その選択は正しい。

中には、最後までお宝に執着する者がいる。
自分が手に入れた愛機を奪われてなるものかと、頑強に抵抗する者がいる。
その末路は───

断末魔の悲鳴が途切れると、コクピットを潰されたドートレスHMは、ズルズルと
引きずられていった。

シンはしかめっ面でその光景を睨み続ける。
眼を背けてはいけない。自分が壊しまわった結果から逃げてはいけない。
新連邦の北米戦線への影響を考えれば、相応の兵士の命が未然に救われたと考えても良い。
お宝欲しさに集団で自分に挑みかかってきた連中だ。同情には値しない………はずだ。
だから、だから彼らなりのルールを、自分の感傷で曲げさせる必要性はない。はずなのだ。

耳に飛び込んでくる悲鳴に苦虫を噛み潰しつつ、考える。彼らを死に追いやっているのは誰だろう。
自分のせいか、彼ら自身のせいか、彼らの機体を攫っていくバルチャーのせいか、コロニー
落としのせいか、ガンダムXせいか、革命軍のせいか、それとも時代のせいか。

新連邦は決して全知全能の統治者ではない。どちらかといえば、武力に訴えることも辞さない、
横暴な支配者だ。北米の制圧戦は多くの憎しみと血が流れるだろう。
それでも、それでもこの弱肉強食の世界に、人間の秩序をもたらすのは悪なのだろうか。
野生の肉食鳥が暴れまわるこの世界は、とても自由で平等だったが、酷く哀しかった。

オーブで好きだった勧善懲悪のヒーローなんてここにはない。勧悪懲悪、はたまた勧善懲善か。
平和な国で幼少を過ごせた自分は幸せだったんだろう。傲慢と分かってはいるが、この無法の世界
しか知りようのない、若い世代が哀れだった。
ウズミ・ナラ・アスハは、戦時においては形骸化した理念にしがみついた頑迷で無能な老人だったが、
平時には間違いなく名君だった。オーブをこんなにはしなかった。
ふと故郷が、連合に統治されているオーブがどうなっているか、無性に知りたくなった。
今ならホームシックな自分も許せそうだ。
780保守作品33話 ◆XGuB22wfJM :2007/04/22(日) 07:42:25 ID:???
「ありがとう、回収が終わったわ。大儲けよ!」
浮かれた声に我に返る。もう廃品回収の騒音は聞こえてこない。
「それは………良かったですね」
すでに太陽は中天にあり、陽射しがじりじりと照りつけていた。
物思いにふけっていた時間は、思いのほか長かったようだ。

改めて見渡すと、指の一本、カメラの破片に至るまで、悉くが五隻の戦艦の、いや情報が出回った
のか、10隻を超えるバルチャー艦の腹に収まっていた。
周辺で戦闘があったのは明白だが、この戦場に百を超える機体が散乱していたと推測できる者は
いないだろう。見事に総ざらいされていた。
「バルチャーに食べ残しはない、か。
お兄ちゃん、食べず嫌いは駄目よって、口を酸っぱくして言われたっけな」
母さん、好き嫌いしないのは大事だけどさ、物事には限度があると思うんだ。

「儲けも出たし、これでワタシの株も上がった。損害も無い。最高の仕事になったわ。
お礼もしたいからあがって来て。
注文のコーヒーだけど、ようやく豆を探し出したところよ、遅くなって悪かったわね」
「…………分かりました。格納庫、空けて下さい」
嫌な悲鳴が耳にこびりついてしまった。
美味いコーヒーを淹れてくれれば心も休まるんだけど、豆がすぐに出てこない様子をみると
望み薄かな。

「オーライ! オーライ!」
格納庫の天井スレスレから、作業員が誘導してくれた。
「オーライって、どこが!」
後部ハッチを開けて貰ったのはいいが、一面屑鉄の山だ。ぎっしりと破損したモビルスーツが
詰まっている。一見して、どれがこの艦のモビルスーツなのかわからない有様だ。
「だから、ジャンクを押しのけて空間を作るんだって、へったくそだなあ」
「当たり前でしょうが!」

悪戦苦闘すること30分。ようやくガンダムXを収納しつつ後部ハッチが閉まった。
シンはガンダムの首元から這い出てて、鉄くずをぬい、ようやく人間用通路までたどり着いた。
振り返ると、丁度、上から崩れたドートレスヘッドがガンダムXとキスしていた。
帰りに乗り込むのが大変だぞ、あれ。
781保守作品33話 ◆XGuB22wfJM :2007/04/22(日) 07:43:00 ID:???
「にがっ! 炒り過ぎですよ」
香ばしいの許容量を超えている。
「わ、悪かったわね、愛情を込めすぎたのよ」
慌てて弁解する艦長のお姉さん。美人に淹れてもらったから良しとするか。
妙齢の女性とはさっぱり縁がなかったので、素晴らしく眼の保養になる。特に胸。

思い返せば、カトックをはじめとするむさ苦しいおっさんや、中隊の仲間、ニュータイプ研究所の
クレイジーカロン、セインズアイランドの陳情者、極めつけはルマーク。なんだこの面子。

「この艦で普段コーヒー飲む人いないの。今の豆だって、交易用から引っ張りだしてきた物よ。
インスタント以外のコーヒーなんて初めてだったんだから、多めに見て頂戴」
「艦長さんが手ずから淹れてくれるとは思いませんでしたよ。ありがとうございます」

ここはピンク色の戦艦内、その食堂。
コーヒー以外にも、いくつかの料理が立ち並んでいる。
陸(おか)バルチャーの作れる範囲で、歓迎の祝宴を用意してくれたようだ。

シンは昨日の晩から今日の昼まで何も食べていない。
思考力の低下しているシンは、もう罠だとか考える余裕をなくしていた。
コーヒーを一口含んでから、ようやく錆付いた思考が働きを取り戻す。

───毒殺の可能性、忘れてた。

自分の間抜けさ加減に呆れるが、いまだ自分が床に倒れていないということは、彼らは約束は
果たすバルチャーらしい。
てっきりガンダムを手に入れる為、画策すると思ったのに。
782保守作品33話 ◆XGuB22wfJM :2007/04/22(日) 07:44:35 ID:???
「せっかく縁があったんだし、自己紹介といきましょう」
「必要ありません。どうせすぐにお別れです」
きっぱりと断る。所詮利害で結びついただけの関係だ、馴れ合う必要は無い。
お姉さんの笑顔が深くなる。なんというか、引っ掻いてくる愛猫を愛でているような、
可愛らしいものをつついているような。

「ワタシの名前はローザ・インテンソ。この艦を仕切らせてもらってるわ」
「人の話、聞いてました?」
「ワタシのことが嫌い?」
「こんな家業してたら、いつ敵対するか分からないでしょうが」
「ふうん。本心は、親しくなった人間が死んでいくのが辛いってところかしら。可愛いわね。
ワタシがあと5年若かったら、このまま駆け落ちしてるわ」
「姐さん、俺らより、こんな小僧と添い遂げるって言うんですか!」
ローザ一家の一人が冗談を飛ばすと、周りから爆笑が巻き起こった。

やっぱり、口で年上と勝つのは辛い。
「………………シンです、シン・アスカ」
「よろしく、シン。
せっかくの凄腕ガンダム乗りだから、みんな話を聞きたくてしょうがないのよ。
相手してあげてね」
優雅に席を立つ、綺麗なお姉さん。

「か、艦長さんは!?」
「目録づくりよ。町で売り払うまでにまとめておかないと、ピンハネされちゃうもの。
お相手は後ろの男衆が務めてくれるわ。愉しんでいってね」
「ば、ばかな……」
お姉さんが行ってしまう。この戦後世界で見つけた数少ないオアシスが、胸が。
「おう、よろしくな。ガンダム乗りの小僧」
ビール片手にむさいおっさんが寄って来る。

どうして僕の人生はこうなんだろう。
マユ、マユはずっといてくれるよね。



保守
783通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 08:13:23 ID:???
保守氏GJ!悪くないピンク戦艦の人登・場!
シンがいつものシスコン発動で笑いがとまんない
可哀想なシンw
784通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 10:39:14 ID:???
>どうして僕の人生はこうなんだろう。
シン・・・不憫な子 (;△;)ノ
785通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 12:09:39 ID:???
あぁぁぁ、またむさ苦しいのに……
786通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 12:12:30 ID:???
冷静に考えると、
力(トップクラスのMS操縦能力とコーディの身体能力)
金(代行とはいえ交易都市の元市長)
ルックス(美形であることに違いはない)
と3拍子そろっている(いた)筈なのに女性に縁が全くない。
纏めてみるとすごく不憫に思えた。思いあまって犯罪に走らないことを願う
787通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 12:14:14 ID:???
シン、途中まで格好良かったのに最後のシスコンぶりにワロスw
788通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 20:11:01 ID:???
>>786
女性が駄目なら男性があるじゃない。
789通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 20:21:48 ID:???
>>788
シン「や  め  て  よ  ね」
790GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/04/22(日) 20:39:15 ID:???
あー、えーと…、とりあえずお久しぶりです…2週間ぶりですね…。
仕事が始まってバタバタしてましたが、どうにか落ち着いて研修受け取ります…

とりあえずホントのところぶっちゃけますが(嘘つきたくないので)、
仕事が終わって家事やって、ネタ書いてはいたのですが…どーも上手くできませんでした。
んで、あーでもない、こーでもない、出来上がった物を通して読んでみると言いたいことぼやけてたり…。

とまぁ…、大変でした。おかげでスレのチェックなんてやれませんでしたし…
あと、話を蒸し返すようで悪いんですが、風景画スレへの合流の話が出てましたので一言

自分でスレ分けした理由の中には『私自身の遅筆』もはいっています。まぁ、専用スレならばX運命氏の
時みたいに呑まれる事も無いだろうと思いますので、今後もこちらのほうで連載(投下?)させていただきます。

んで、次レスから本編です…ノシ
791GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/04/22(日) 20:42:12 ID:???
第五十八話『きっちりこなすさ』(前編)

 下弦の月が、東の空から昇り始めていた。
自室のテラスから見える町の景色は昨日と比べると一変していた。普段なら街灯や家々の光が夜の街を彩る時間帯だが、
昼間の空襲のおかげでそのほとんどが闇に染まっている。
「新連邦の空襲のおかげで町はめちゃめちゃ…。このまま放って置いたら、ここも戦場になるんだろうな…。」
 アスランは手すりにてひじをついてじっと町の様子を眺めている。はじめて見たときの感動はなく、
ただただ新連邦軍に対する憤りがわきあがってくるだけである。
「彼らはなぜこんな小国に執着するんだ? 新連邦政府樹立とは言っているが戦前の連邦には加盟していない国々もあったはずなのに…。」
「それは、新連邦政府がこの混沌とした世界を変える事を目標としているからですよ。」
 彼が振り向くと、ルクスが立っていた。官邸の中とはいえ、プライベートな空間にいきなり入ってきた彼にアスランは顔をしかめた。
「…失礼、下の渡り廊下からあなたの姿が見えたものですから。」
「…だったら、ノックぐらいしてください。」
「しましたよ? 返事は有りませんでしたが。」
 そういってルクスはアスランの横に立ち、無言で闇に沈む町を見渡した。
「…やはり、こうして間近で惨状を見ると憤りを覚えますね…。」
「それは俺も同じですよ。新連邦のやったことはただの虐殺だ。」
「いえ、私が憤りを覚えたのは自分自身に対してです。」
 ルクスの言葉にアスランは彼の顔を見た。目や眉は細く、研ぎ澄まされた刃物を思わせる彼の顔は普段から厳しい表情を浮かべている事が多い。
だか、このときの彼はさらに険しい顔を浮かべていた。
「新連邦も人が運営するもの、そうであれば交渉の手段はいくらでもあるはずです。国民に被害が及ぶ前になぜ同盟を結べなかったのか、
空襲を止める術は無かったのか、今の空襲を止める術はないのか…。 隣国のガスタール、
ノーザンベルとの同盟を結んだことで彼らとの同盟締結の道はなくなりましたが…。」
「同盟を結ばなければよかったと…!? 自国さえよければそれで良いんですか!?」
「時と場合によってはそういう選択もありえますね。ですが…。」
 ルクスはアスランに向き直って姿勢を正す。直立する彼の姿にはものすごい自信が感じられた。
「我々政治家がやるべきことは、国民のことを考えることです。外交にしても、内政にしても、戦争にしても。」
「…それはどれも当たり前のことじゃないんですか?」
「確かに当たり前のことです。ですが、政治家の中には自身の利益に走るものもいますし、自身の感情に任せて国を私事で動かす者もいます。」
「私事…ですか…。」
 アスランにとっては耳の痛い話であった。彼の父パトリック・ザラはプラントの最高評議会議長の座に着き、
泥沼化した戦争の中で大量殺戮兵器『ジェネシス』で地球への攻撃をもくろんだ事があったからである。
 大西洋連邦を隠れ蓑にしたブルーコスモスがプラントに対して核ミサイルを発射したことに対しての報復措置ではあったが、
大量殺戮兵器に対して大量殺戮兵器で応戦していては地球圏すべてが滅亡する可能性もある。

 『ナチュラルが先に撃った! だから我々も撃つ!』

 戦争のきっかけとなった”血のバレンタイン”の時に彼の妻が犠牲になったことで彼の中で何かが壊れていたのだろう。
死ぬ前の彼には敵しか見えていなかった。
「お互いに感情をさらけ出してするケンカとそれぞれの国々の間で起こる戦争とはわけが違います。」
「ケンカは当事者達だけで解決できるものもあるが、戦争はそんなに簡単じゃない。…まったく、
あなたはカガリとそういった話ができそうな数少ない人物のようだな。」
 アスランにとって政治的な話をするような人物はカガリを置いてほかにいない。だが、
なんとなく口にした彼女の名前にアスランは深くため息を漏らした。
792GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/04/22(日) 20:45:08 ID:???
第五十八話『きっちりこなすさ』(中編)

「フリーデンから来たあの女性とは、お知り合いで?」
「ええ、あいつも俺と同じです。」
「世界の壁を越えた人…、何の因果で我々の世界に着たんでしょうか…?」
「それは俺にもわかりません…。」
 二人の間に沈黙が訪れる。吹き抜ける冷たい風の音がやけに大きく感じられ、下に見える門から官邸の玄関まで続く
石畳の中央に座する噴水の音すら聞こえていた。
「…あなたは、この星からすれば小さな存在です。」
「え?」
「宇宙からすればもっと小さな存在でしょう。ですから、目の前に山積する問題を簡単に解決できないのも無理はありません。」
「…それは俺に、山積する問題を解決する事が不可能だと言いたいのですか?」
「いいえ、焦らずじっくりと解決していってくださいと言いたいのです。」
 ルクスはアスランに背を向けて入り口へと歩き出す。アスランは彼の歩く後姿を目で追った。
「焦って選択をすればそこで重大なミスを犯しかねないので…、それでは。」
 そういって彼は部屋を出て行った。アスランはしばらくその場に立ち尽くすと、無言で部屋の明かりを落とし、ベッドに腰掛けた。
「焦らずじっくりと…か。」
 アスランの中で、彼の言葉が大きくこだましていた。


 ジャミルからエスタルド政府からの要請を受けるという話を聞かされてあと、シンは気が重かった。
新連邦政府がフリーデンにとっても大きな障害であることは間違いない。
 しかし、『国を守るために戦う』と言うどこかで聞いたフレーズに彼は納得できないでいた。
「ハァ…。」
 クルーのほぼすべてが寝静まった夜半、1人談話室のソファーに座ってため息をつく。機体の修理もほぼ終わり、
最後の調整を終えて戦線復帰となる日も近いというのに、どうしてこう気が重くなってしまうのか。
「なんだって流浪のバルチャーである俺たちが国のために戦うことになってんだろ…。」
 ジャミルが既に決断を下した以上、依頼を受けることに対してどうこう文句を言うつもりは無い。
 ジャミルは彼の知る指揮官クラスの人物ではトップクラスの判断力を持ち、さらに他の部下からの信頼もとても厚い。
以前突然やってきてさらに脱走した”ある上官”と比べたらシン自身の持つ信頼度はそれこそ天と地ほどの差がある。
「明日には官邸に行って、今度の作戦の話をするって言ってたっけ…。」
 エスタルドと隣国のガスタール、ノーザンベルは新連邦政府の拠点を叩くための作戦を計画していた。
彼が自分で答えを見つける前に否応無しに戦場に出ることになるだろう。
 今後のことを考えるとさらに気分が沈んでいく。どうしようもない悪循環には待った彼は何度目かのため息をついた。
「あれ? お前まだ起きてたの?」
 突然の声に顔を上げると、入り口にロアビィが驚いた表情で顔を覗かせていた。普段ならいない時間帯に彼がいたことがかなり意外な様子である。
「自分の部屋で横になってても気が滅入ってたから…。」
「へぇ…、いとしのカガリ嬢がいないからさびしいってわけか?」
「ロアビィさん、そんなとんでもない冗談はやめてください…。言っときますけど、あいつあれでもバツイチですよ…。」
 ロアビィの冗談に嫌そうにげんなりした表情を浮かべた。シンにとって、ある程度打ち解けたとはいっても彼女は家族の仇に他ならない。
それに、彼にも彼女にも愛する相手はほかにいた。
793GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/04/22(日) 20:49:47 ID:???
第五十八話『きっちりこなすさ』(後編)

「別にいいんじゃないの? バツイチだろうがバツニだろうが。人間が結婚できる回数に制限があるわけじゃないし。」
 そう言いながらロアビィはビリヤード台へと脚を進める。9ボールをセットし終えると、キューを2本とって片方をシンに投げ渡した。
「悪いけどさ、相手してくんないか?」
「え?」
「こんな夜更けじゃ、誰もこないでしょ?」
「でも俺やったこと無いですよ。」
「大丈夫、やり方は教えるからさ。」
 言われるがままにシンはビリヤード台の前に立ち、ブレイクショットのやり方を聞いてキューを構えた。
「ブレイクショットを始めてやる奴が、いきなり9番入れるようなことだけはしないでくれよ? ゲームその場で終わっちゃうから。」
「そんなこといったって…」
 なれない体勢に戸惑いながらもシンは狙いを定める。狙いは1番ボールの正面、初めてのブレイクショットに腕が震えた。
「そんなに力まなくていいんだぜ? 確かにブレイクショットはハードショットを打つ人多いけど。」
「…行きます…!」
 シンは真剣な表情で手玉を撞いた。イメージしたとおりに手玉は一番ボールの正面を捉え、他のすべてのボールが散らばる。
クッションに当たって跳ね返り、ボール同士が当たって独特の音が談話室に響く。
そして、9番ボールがポケットに落ちた。
「…あれ?」
「おいおい、マジでブレイク9やりやがったよ…。うまいやつでも40回やってやるかどうかだってのに…。」
「す…すいません……。」
やるなといわれたブレイク9をいきなりやってしまってシンはしょんぼりとうなだれる。そんな彼の頭をロアビィはくしゃくしゃと乱暴になでた。
「ま、ビキナーズラックってとこだろ? …しっかし、俺って運が無いなぁ…。」
苦笑とため息を混ぜながらロアビィは笑う。だが、その笑いはいつもの笑い方ではなかった。
「ロアビィさん…。」
「ん? トイレにでも行きたくなった?」
「そうじゃ有りませんッ! その…ロアビィさんも不満なんですか? 今回の仕事…。」
「……別に? 俺はプロだからね。気にいらない仕事でも、やれって言われた仕事はきっちりこなすさ。」
 いつもの笑顔にいつもの軽い口調、いつも通りであるはずの彼に一瞬だけ影がよぎった。
794通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 21:14:27 ID:???
ルクスが……!
単に優柔不断で決断力が無かったんじゃなく
様々な可能性が見えてしまうが故に迷ってたんだという
解釈ですね。

シンは……
空爆された市街見てないし、流れMS乗りに住んでた町を
襲われたわけでもないからな……
(ガロードが原作でエスタルドに協力しようって言ったのは、
ちっちゃい頃の事を思い出したせいもあるんだろうな……)
795通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 21:18:27 ID:???
代表はウイリスでその側近がルクスなわけだが。

ってひょっとして、ロアビィと一緒にバックレフラグ?
796通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 21:37:02 ID:???
いっつもついでみたくなるから今回は先に保守乙!(順序もそれが正しいし

GX氏も更新乙、そして添削

>>791
>泥沼化した戦争の中で大量殺戮兵器『ジェネシス』で地球への攻撃をもくろんだ事が〜
文章の流れを考えると[で]で連続させず、[ 『ジェネシス』による ]などが適当か
また、事実関係からすると[ 事が ]とせずに[ もくろんだから ]で十分かも、難癖レベル

>プラントに対して核ミサイルを発射したことに対しての
同じ繋ぎを間を置かず使うのは読み辛くなる、前を[ に向けて ]とするか、後を[ したことへの ]などに
変えるとよいかも、難癖レベル

>お互いに感情をさらけ出してするケンカと〜
[ さらけ出す ]とした方が素直ではある、難癖レベル

>>792
>何の因果で我々の世界に着たんでしょうか | 来た

>エスタルド政府からの要請を受けるという話を聞かされてあと
[ 聞かされたあと ]とするか[ 聞かされてからあと ]の方が適当か、難癖レベル

>>793
>人間が結婚できる回数に制限があるわけじゃないし
[ 人間が ]を付けずとも意味は通じるかと、難癖レベル


今回は、>>792のアスランの台詞に意味が多重する所があったのでどうするか悩みました
まぁ文法がどうとかいうのとは別なのでスルー
797通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 22:04:50 ID:???
GX氏GJ!添削の人も乙です
残りの容量も僅かなので次スレのテンプレをおきます


種世界のキャラがX世界に来たら 月の公転3周目

スレの運営につきましてはマタ〜リと進行しますのでよろしく
現在、SS連載中
関連スレ及びサイトなどは>>2以降
荒れ防止のため「sage」進行推奨

SS作者には敬意を忘れずに、煽り荒らしはスルー
本編および外伝の叩きは厳禁
出来るだけ種キャラのみの話にならないように
ここがクロスオーバースレであることを考慮して下さい
スレ違いの話はほどほどに
本編と外伝、A.W.とC.E.両方のファンが楽しめるスレ作りに取り組みましょう


こんな感じでどうでしょうか?問題があれば修正を宜しくお願いします
798埋めネタ ◆XGuB22wfJM :2007/04/23(月) 21:00:13 ID:???
前提、もしもガンダムXをザフトが解析していたら。

突発的妄想、第二次エンジェルダウン作戦。

戦況
宇宙戦
ストライクフリーダムVSデスティニー。
アカツキVSレジェンド。
虎ガイアVSコートニー搭乗カオスインパルス&リーカ搭乗ガイアインパルス。
他アークエンジェルをムラサメ隊が護衛。
ザフトは上記に加えて、フォースインパルス×2で、それぞれマーレとルナマリアが搭乗。
他ザフトはバビ、ガズウート、ザク等。


「家族の仇だ! 俺に裁かれろフリーダム!」
「か、仇!?」
全身を弾丸としたデスティニーの突きをかろうじて躱すストライクフリーダム。
動きに普段のキレがなく、動揺が外部からも見て取れた。
「そうだ。アンタはコズミック・イラ71年6月15日、俺の家族を殺した。
オーブに住んでいた俺は、父さんと母さんと妹と、避難する為に必死で逃げていたんだ。
それを撃った! フリーダムで! わざわざ避難経路の真上で戦争して殺したんだ!
アンタが殺したんだ。味方殺しの人殺し!」
「ち、ちがっ、ぼ、僕は」

別段、自分の言ったことに嘘はない。
前回のエンジェルダウン作戦でこうして口撃しなかったのは、アスランと違い、喋りながら
戦闘する趣味がないためだ。
今回、忌避すべき口論を交えながら戦闘しているのは、足止めと隙を見つけるため。
一対一の戦闘に関しては、相手にドラグーンが加わったことと、こちらの動きを一度知られたことで
前回よりもずっと分が悪い。
だからこそ作戦のため、卑怯で屈辱的な戦法をとっているのだ。

頼むよミネルバ。
こいつは強い。途轍もなく強い。
今は動揺しているけど、開き直られたらいつまでも持たない。
だから、急いでくれ。
「死ね、フリーダム! そうすれば誰も殺さなくてすむだろ!」
799埋めネタ ◆XGuB22wfJM :2007/04/23(月) 21:00:33 ID:???
「所詮、子は親には勝てんよ! 消えるがいい、アル・ダ・フラガの不肖の息子よ!」
「クローン風情が、亡霊の真似事をするか!」
「亡霊、ハッ、亡霊か! だが私はここにいるぞ。生きて此処にいる!
私は不滅だ。この世に愚かな人の夢を謳うものがいる限り、私は滅びることはない。
未来永劫、この世界を呪うために私は存在し続ける!」

相手の動揺を誘うため、クルーゼの真似をしながら、レイは焦っていた。
機体の相性が悪い。ビーム主体のレジェンドでは、アカツキの相手は酷だ。
ソードインパルスのエクスカリバーを借りてきてはいるものの、側頭部のCIWSと併せても
ろくに傷を与えられない。
アカツキの相手はアロンダイトを持つ、高機動型モビルスーツ・デスティニーに任せたいところだが、
フラガ家の空間認識能力についていけるのは自分しかいない。
故に、例え分が悪くとも、このレジェンドで足止めをするしかない。

「さあ、アル・ダ・フラガが! ラウ・ル・クルーゼが! 朽ちていった肉親達が!
お前を呼んでいるぞ」
頼むぞミネルバ、みんな。
長くはもたんぞ。

ミネルバ艦橋、アビー・ウィンザーの報告が響く。
「デスティニー、ストライクフリーダムと交戦中、レジェンド、アカツキと交戦中、
両者とも苦戦しています」
「マーレは?」
苛立った様子で艦長のタリアが問う。
「いまだ通信ありませ───!」
「こち─マーレ、位置に──た。”X”と”F”を射──てくれ!」
戦況報告中にノイズ混じりの緊急通信、ようやく待っていた時がきたのだ。

「マーレより、”X”、”F”の申請。艦長!」
「許可します。マーレ機へ”X”及び”F”射出。ならびにルナマリア機へのレーザー回線開け!」
「了解、ルナマリア、聞こえて!」
「感度良好、こちらルナマリア」
「ルナマリア、作戦は最終フェイズに入ります。頼むわよ」
「任せてください。私も伊達に赤じゃありません!」
「ルナマリアへも”X”射出して!」
「了解!」
800埋めネタ ◆XGuB22wfJM :2007/04/23(月) 21:00:52 ID:???
アビーは呼吸を整え、今回の作戦における最大の切り札を唱えた。
「シルエットハンガー1号緊急開放、チェストフライヤー、エックスシルエット、どうぞ!
続けて、G−FALCON、Eパック充電完了確認。
2号ハンガー緊急開放、発進スタンバイ、どうぞ!
シルエットハンガー1号、チェストフライヤー、エックスシルエット、どうぞ!」
「バビ隊にマーレの援護を要請して、アーサー! ルナマリアへの援護を!」
「トリスタン、イゾルデ、全門ルナマリア機の周囲に弾幕を張れ! 敵を近づけさせるな」

「邪魔をするな、ナチュラルどもが!」
群がるムラサメをフォースインパルスで蹴散らし、新しいシルエットに換装すべく、宇宙を
駆けるマーレ。
試作のシルエットは貴重であり、今回の作戦に代えはない。絶対に失敗するわけにはいかない。
前方ではシンとレイが化け物を相手に善戦している。ザフトの年長者として、後輩に負けるような
無様を晒す訳にはいかない。

こちらを目掛けてフライヤーが向かってくる。
それを見逃がすものかとロックオンしたムラサメを、ビームサーベルで胴切りにした。

落ち着けよマーレ、ドッキングに関しては誰よりも練習した。
誰よりも素早く、滑らかにドッキングができるはずだ。何も焦る必要は無い。
頭は思考を重ねながらも、繰り返し練習した身体は自動的にドッキング手順を進めていた。

「マーレ機、エックスシルエット、ドッキング完了。次はファルコンだ」
機体の特性が変わる。まだ自分はこのエックスインパルスを使いこなせてはいない。
だが面くらったのは敵も同じこと。
迂闊な動きをしたムラサメを、大型ビームソードで頭頂からたたき割る。
振り向きざまにABシールド兼用のライフルで二機のムラサメを落とす。
絶好のポイントを作るべく、交戦しつつ移動する。
ポイントさえ取れれば、後は”F”がくれば───

来た、ファンコンだ。これと合体すればこちらの準備はすむ。
あとはルナマリア次第だ。
頼むぞルーキー。こちらも長くは持たんぞ。
801埋めネタ ◆XGuB22wfJM :2007/04/23(月) 21:04:40 ID:???
「早く、早く来てよ、みんながやられちゃう」
ミネルバの弾幕に守られながらルナマリアは焦る。
今回の作戦を楽観的に考えている人間は一人もいない。誰もが死を覚悟しながら戦闘に望んでいる。
一分でもいい、一秒でもいい。早くシルエットが来てくれれば、それだけ仲間が死なずにすむのだ。
「来た! もう遅いのよ!」
ドッキングを実行する。マーレやシンほどうまくはないけど、私だって赤なんだ。
必ず作戦を成功させてミネルバに帰ってみせるんだから。
「ルナマリア機、エックスインパルスへの換装終了、マーレは!」
「こちらも、OKだ! ミネルバ、仕上げだ!」

アーサーが叫んだ!
「艦長!」
「ミネルバ固定、ルナマリア機へスーパーマイクロウェーブ照射!」
アビーの悲鳴が上がる。
「アークエンジェル回頭! こちらへ艦首むけます!」
「ザムザザースタンバイ! マッド、ショーン、ヨウラン!」
「「「こんなこともあろうかと!」」」
地球連合から鹵獲し、色をグレーに塗り替えたザムザザーがミネルバの前方に位置どる。
今までの戦闘で見せるわけにはいかなかった、虎の子のザムザザー。全てはこの時のために!
「ローエングリンきます!」
「照射を続けなさい。リフレクターが防ぐ!」
陽電子リフレクターが展開され、ブリッジは閃光に満たされた。

ローエングリンを撃ち込まれたミネルバを後方に眺めつつ、ルナマリアは祈るように、画面に浮かぶ
エックスを見詰める。お願いもっと早く。
みるみるエックスが青から赤に変わってゆく。早く早く早く。
赤がエックスを埋め尽くす寸前でルナマリアは叫んだ。
「ルナマリア機チャージ完了! タンホイザーキャノン、セットアップ!」
エックスに展開された背部から長大なキャノンが競り上がり、肩口にずしりと載る。
ルナマリアは両手でしっかりとキャノンを支えると、アークエンジェルへ狙いをつけた。

Xインパルスファルコンとなった機体で、マーレは耳をそばだてていた。
一刻も早く銃爪を引きたい衝動に駆られる。
焦るなマーレ、タイミングが全てなんだ。一度のミスでザフトの命運が決まってしまうんだ。
だから俺の手よ、震えてくれるな。

その彼の元へ、待望のルナマリアの声が届いた。
「Eパック接続確認、シルエットへの充填完了。タンホイザーキャノンセットアップ!」
Gファルコンと合体した時点で既に発射体制は整っている。
後はローエングリンを撃つ為開いた射線に、今度はこちらからお返しをお見舞いしてやる。
802埋めネタ ◆XGuB22wfJM :2007/04/23(月) 21:06:18 ID:???
「ルナマリア、合わせろ!」
「了解、スリー」
「「ツー」」
「「ワン」」
「「ファイア!」」

二条の陽電子砲がアークエンジェルに襲い掛かった。
マーレは願った。これで決まってくれと。
ルナマリアは願った。これで終わってと。

しかし───
「アークエンジェルはやらせん!」
「アークエンジェルを撃たせはしない!」
敵もまた名だたる英雄。
ストライクフリーダムの光波防御帯とアカツキの装甲が陽電子砲を防ぐ。
陽電子の奔流が納まった時、そこには無傷のアークエンジェルとアカツキ。
そしてフェイズシフトダウンを起こしたストライクフリーダムがいた。

だが全ては作戦どおり、破格の性能を持つストライクフリーダムといえど、最大出力で光波防御帯を
使い続ければ、一時的にエネルギーのストックを切らす。

そこへ───
「シン、遅れるなよ!」
陽電子砲を防いだ直後の硬直を狙い、レジェンドがアカツキのバックパックをエクスカリバーで
突き刺す。
「なに! クルーゼ貴様ぁ!」
「俺の名はレイ・ザ・バレルだ。ラウによろしく言っておいてくれ」
「終わりだ、悪趣味成金!」
そこに残像を残しつつデスティニーが接近し、アロンダイトを振りかぶり、黄金の装甲を袈裟切りに
切断した。

「ムウさーん!」
怒りと共に種が割れる。
全ての力を解放したスーパーコーディネイターは持てる力の限りで、フルバーストを敢行する。
しかし、エネルギーが尽きている今、放出されるのはレールガンのみだった
「無駄だ! レールガンではVPS装甲は貫けん! ミネルバ、今だ!」
朧げな勝利へ向かって、レイは叫んだ。
803埋めネタ ◆XGuB22wfJM :2007/04/23(月) 21:09:18 ID:???
「マリク! 主砲は!
「タンホイザー、アークエンジェル艦橋へ照準完了!」
「ルナマリア機への再チャージは!」
「あと5秒!」
「ルナマリアは主機関を狙いなさい、タイミング合わせ!」
「艦長! 連射は無理です!」
「砲身が焼きついても構わない、撃ちなさい!」
「了解!」
「艦長、戦域外から高速で接近する物体あり、数、一」
「後回しよ! マリク!」
「いつでも良し!」
「ダブル・タンホイザー、てぇー!」

ミネルバのタンホイザーとルナマリア機のタンホイザー。
二条の陽電子の奔流が再びアークエンジェルに襲い掛かった。
「やめろー!」
ストライクフリーダムが己が両腕を盾にアークエンジェルの前に立ち塞がる。
かつてのストライクのように奇跡を起こすために。

キラは死を覚悟した。
レイはラウに祈った。
シンはマユに祈った。

アークエンジェルの機関部が吹き飛んだ。同時にタンホイザーキャノンの砲身も吹き飛ぶ。
最後まで撃てていたのなら撃沈も可能だったが、連射は元より想定外。
よく撃てたと称えるべきか。

そして───
本命である、ミネルバから放たれたタンホイザーがその光を減じた時、全ての人間がその光景
に眼を疑った。

アークエンジェルのブリッジは無傷だった。
ストライクフリーダムもまた無傷。だが色を失ったままだ。
タンホイザーはストライクフリーダムでは防ぎようのない一撃だった。
そう、ミネルバの最後の希望を打ち払ったのは───

「アス───ラン」
「無事か、キラ!」
「アスラン、来てくれたんだね」
「すまなかったキラ。ようやく俺は何と戦うべきか解った様な気がする。
俺もお前たちと共に戦う。さあ反撃開始だ!」
インフィニットジャスティスが光の盾を構え、ストライクフリーダムを守っていた───



埋めでした。なんかこう、エックスインパルスという妄想と
シンたちのやるせなさを書いてみたくなった。舞い降りる無限正義の巻ですた。
804通常の名無しさんの3倍:2007/04/23(月) 21:56:18 ID:???
>>803
埋めるのは次スレが立ってからにしろよ
805通常の名無しさんの3倍:2007/04/23(月) 22:45:11 ID:???
減点、804に加えてスレ違いもいい所だしアストレイBでローエングリンランチャーが出ている
埋めネタであるからあまり突っ込みたくはないが言わせてもらった

これは私的な意見に過ぎないがアンチめいたネタは止めて欲しかった
保守作品で出すのはシンが主人公である以上ある程度は仕方ないと思う
しかし今回のネタに関して入れる必要は無かったと思った
変にこじれると兄弟スレの二の舞になりかねんし続きがあるみたいであまりすっきりしない


ただ、俺はGX氏の続きも保守作品の続きをを楽しみにしている<もちろんSEED−X氏も
気分を悪くしたなら分けの分からん戯言として忘れてくれ、スレを汚してすまん
806通常の名無しさんの3倍:2007/04/23(月) 23:25:30 ID:???
宇目ネタ乙!でもマーレって誰?

あと噛み付いてる奴、お前はいったい何様のつもりだ?
しかも内容自体大してアンチでもないだろ。アンチとネタの区別もつかないのか?
お前みたいのがいちいち風景画に噛み付くから互いのスレの関係が悪くなるとわかんないのか?
807通常の名無しさんの3倍:2007/04/23(月) 23:29:03 ID:???
アンチとネタの区別くらいつけろカス
808通常の名無しさんの3倍:2007/04/23(月) 23:46:21 ID:???
結局どんな改変だろうとクロスだろうと歌姫の騎士団サマが無敵完全勝利
しない限りアンチでヘイトなんだろ?
異世界からの主役陣がことごとくラクスの言葉に心酔して技術も超兵器も全部捧げて
∀ゴッドゼロフリーダムとνダブルエックスジャスティスが無知蒙昧な
議長やシンを断罪する話でなけりゃ許せなくて許せなくて荒らさずにいられないんだろ?
809通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 00:14:04 ID:???
>>808
フツーならその言い方はアンチラクシズへの皮肉になるが、
ラクシズ厨の頭のあまりのキチガイぶりを考えるとラクシズ厨どもへの皮肉になるんだな
810通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 00:39:14 ID:???
もう、このスレはキチガイ電波教祖ラクソ・クサイン率いる自称歌姫の鬼死団を崇拝してません、ってのをテンプレに入れとけ、切りがねー
811通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 05:27:44 ID:???
つーかマーレなんて屑野朗を出している時点で釣りだな
812797:2007/04/24(火) 07:19:32 ID:???
マーレ・ストロード
デスティニーアストレイのキャラですね<806
ただ、アストレイのアンチをやりたいのならアンチスレに行って下さい<811
ホスト規制にかかってるらしいので誰か次スレを立ててください
813通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 09:39:57 ID:???
種・種死のキャラがX世界に来たら 月の公転3周目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1177374737/

テンプレはこんなもんかね
814通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 11:39:24 ID:???
>>813さん乙です

>>797さん
次スレが立ってから埋めネタして欲しかったです
自分で立てられないなら、先に誰かにお願いして欲しかったです
815通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 18:23:07 ID:???
ごめんなさい、スレを建てたことが無かったのでテンプレだけを置いてしまいました
それと私は保守氏ではありません
保守氏と814さん、ご迷惑をおかけしてすいませんでした
816ラウ・ル・クルーゼ:2007/04/24(火) 18:27:29 ID:???
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817ラウ・ル・クルーゼ:2007/04/24(火) 18:28:25 ID:???
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818ラウ・ル・クルーゼ
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