第四十三話『完……敗…だ………。』(後編)
「ふ、予定通りだな。」
「では?」
「サテライトシステム機動!! 再度降伏勧告を出す!!」
予定通りに事が進んでいるアイムザットは声高らかに指示を出す。邪魔なゴミの処理も済んで後はジャミルたちを捕まえるだけである。
「も、MSが1機接近してきます!!」
「シャギアたちに迎撃させろ!! マイクロウェーブが来るまでの時間を稼ぐだけで良い!」
「ウオオオッ!!」
シンはデストロイを撃墜した勢いのまま単機敵陣へと向かった。無論後からGXとエアマスターが付いてきているものの、ディスティニーとの距離はかなり開いている。
『ここから先は一歩も通さん!!』
ヴァサーゴとアシュタロンがディスティニーの前に立ちふさがる。彼らが強いことはよく知っている。
だがこのときのシンはデストロイを撃墜したことで気分が高揚していた。
「お前らもこのクラウ・ソラスで叩き切ってやる!!」
『クラウ・ソラスだと?』
横なぎに振るわれるクラウ・ソラスをヴァサーゴはビームサーベルを両手で持って受け止める。デストロイを撃墜したことで勢いに
乗っているのか前の戦闘の時よりも受け止めた時の衝撃は強い。
『なるほど。深紅のマントを翼に変え、光の剣クラウ・ソラスを持つ。ケルト神話の神”ヌァザ・アーケツラーヴ”にあやかってのことか。』
「なに!?」
シンはヴァサーゴのパイロットがクラウ・ソラスの原典を知っていることに驚いた。互いに剣をはじいて相手と距離を置き対峙する。
『ならば、最後も同じようにせねばなるまいな。』
「最後だと!?」
『そう、最後だよ。』
突然声が頭上から響いた。ヴァサーゴとアシュタロンは常に一緒に行動する。そのことをシンはその時忘れていた。
後から回り込んで頭上に回り込んだアシュタロンは両脇に装備されている『アトミック・シザーズ』でディスティニーの
両肩を掴むと、容赦なくビームを打ち込んだ。ビームの直撃を受けた両肩は根元から外れ、黒い夜の海に四散する。
「うわぁぁぁ!!?」
『ヌァザ・アーケツラーヴは最後の戦いで闇に飲まれて死ぬ!』
『もう少しで、援軍が到着するという所でね!!』
ヴァサーゴは脚を、頭を、アシュタロンはさらに翼を破壊する。胴体だけとなったディスティニーを抱えヴァサーゴは海面へと急降下してゆく。
『違うのは、貴様がその愛剣を掲げて仲間に対して祝福の言葉を述べる事ができないと言うことだけだ!!』
海面に叩きつけられた胴体の中でシンは衝突の激しい衝撃に襲われた。何度も頭を打ち、機器の破片がコックピットの中を飛び交う。
光源を失ったコックピットで朦朧とする意識の中で呟く。
「…ク……ソ………。完……敗…だ………。」
飛び散った破片の一つがシンの額を切り裂き、血の川を彼の顔に築く。血は彼の両目にも伝い、血の涙のようにゆっくりと流れ落ちた。
リアルタイム?キタコレ、乙&GJ
更新乙、そして添削
>>913 >皆はいっせいに音のなった方向に顔を向ける。
鳴ったは漢字の方がいいかも
>>915 >そのことをシンはその時忘れていた。
指示語の多用は文章の流れを切ってしまうので連続使用はしない方がいいかと、まあ難癖レベル
>後から回り込んで頭上に回り込んだアシュタロンは
繰り返しイクナイ
見た感じでは今回誤字脱字無し(だと思うんだけど)、オメデトーゴザイマス
で、デスティニー……良い所見せたと思ったら……胴体だけになっちまったが修復出来るのか?
しかしガロードに主人公機乗り換えが有る以上、シンにも何らかのパワーアップが有ると思いたい。
頑張れシン、シン頑張れ。
GJ。
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
GJ!GJ!
変態兄弟インテリっぽいとこ見せてくれるけど、
弟の方が学ひけらかしてもイマイチ似合わんような(ヒドスwww)
ディスティニーダルマと化す!シン、これから何に乗る?よもやDX?
エリン神話でヌアザを超える英雄神というと真っ先に浮かぶのが太陽の子だが、
DXはむしろ月の子だし……はっ!
「俺は太陽の子、光の王子!機動戦士ガンダムRX!!」とか?
……そしてカガリはキラと再開できるのか?このまま「きみの名は」パターン!?
しかしデストロイも来るとは・・・・・相変わらずの雑魚っぷりだが・・・
デスティニー達磨かよ。
なんかDXに乗るのはやっぱりシンみたいな雰囲気だなぁ。
あからさまに後継機乗り換えフラグっぽいし。
プレッシャーをかける訳じゃないが、もしガロードをDXに乗せるのなら職人氏は相当頑張らないと。
ここまで完璧に脇役その1と化しているガロードで如何に話を盛り上げていくか、
職人氏の腕の見せ所だな。
>>921 いや、いまんとこゾンダーエプタには乗り手のキラが居ないストフリが
あるからシンの乗機はストフリのパーツで修復したデスティニーかあるいは
キッドによる二個一魔改造のストフリ装備追加型デスティニーかもよ。
もっともそれやるとキラが再登場した時ストフリ+ラスヴェート
みたいなヤバイ機体で登場しそうな気もするがな〜。
乙GJ!
アイムザットがデストロイ邪魔扱いしまくりでワロタw
…なんか添削淋しそうよ?
破壊された部分のみがルナチタニウムの新品になるんじゃないの?
そんな気がする
装甲、というか機体の構成素材変更で軽量化+耐久性向上になりそうな
まあ展開予想はコレ位にしておいて
GX氏GJ!
それまではどっかで発見されたインパルスにしばらく搭乗(ルナは?)ってのも考えられるかも・・・。
>>923 添削人の仕事が減る事はいいことじゃんかと言ってみる
あと今後のスレタイさ
種・種死のキャラがX世界に来たら 〜本棚の本○冊目〜
ってのはどうよ?
5杯目で向こうと別れたのか…
>>927 俺は特に代案無いからそれでいいけど。
>>919 > DXはむしろ月の子だし
いや、サテキャのエネルギーも大元を辿れば太陽と言えるんじゃね?
まあ地球上で太陽を起源に持たないエネルギーの方が珍しいわけだが。
ふと思ったんだが後期OPのガロードの背景、
あれなんで土星?なんだろうな。
ガロードのイメージや後に続くティファの背景を考えると太陽か、
あるいは青い地球あたりになりそうなものだが・・・
土星→サターン→死の星→闇王
【ツイン】種・種死キャラがX世界に来たら【サテライトキャノン】
はだめじゃろうか、と言って見る
そのお次が、
【トリプル】種・種死キャラがX世界に来たら【メガソニック】
と言う訳だな。
・・・・それ以降はどーするのさorz
【コロニー】種・種死キャラがX世界に来たら【レーザー】
【サテライト】種・種死キャラがX世界に来たら【ランチャー】
とか?
いわゆるホールドアップ2度目ってのは?
じゃあ落ちたコロニー1基目、2基目とか・・・
月軌道○周目
GX氏GJ!!
アイムザットに貶された上に、あっさりとシンに落とされたデストロイにワロタw
つ[代案↓]
◆種・種死のキャラがX世界に来たら〜○○○(AW・種死の劇中で使われた武装名) ○発(又は撃)目〜
◆【月ハ出テイルカ?】種・種死のキャラがX世界に来たら2【月ハイツモソコニアル】
・・・どうかな?(・ω・)
スレタイ長杉
月齢○周期目 とかいってみる Xってーとどうしても月のイメージが強くって
種・種死のキャラがX世界に来たら お月様2個目
え〜第1話投下直後から急に忙しくなったり、
家庭の事情でネット接続寸断したりとイロイロありまして今までスレから離れておりました。
そしてやっと戻ってこれました。
さすがに2ヶ月ほど間が開いたということで本家さんのSSもかなり話が進んでいるようで…追いきれてません。
2話は完成しているので本家さんとネタの被りとかがないか確認してから投下させていただきたいと思います。
なお機体性能や重量についてはwikiを参考にさせていただいてます。
まだ忙しいことには変わりが無いのでSSの投下は月1ぐらいになると予想されます。
なのでヒマなときに読んでいただければと思います。
ではまた。
お帰り
ゆっくりでいいと思うぞ。無理せずにマイペースで執筆してくれ
この人も神姫好きなんだねえ〜。
いぃぃぃやったああぁぁぁぁぁ!!!!!
マターリ待ってるぜ!
>>945 やっぱりスレへの誤爆がバレてましたか。
専用ブラウザを久々に起動させたせいか、書き込みボタンを押したときにスレ名が違ってるのに気が付きましたよ…
保守
このスレもいよいよ2スレ目か
作者さんの継続ぶりには頭が下がる
次スレは980辺りかな
951 :
通常の名無しさんの3倍:2006/12/01(金) 19:02:49 ID:ekGY+D+c
だいぶ下がってたのでAge
952 :
あみ:2006/12/01(金) 20:57:30 ID:U3WymQEz
こんにちわ☆
今日もアキバでのお仕事が終わって帰ってます♪
ところで、今日ね大事なだんな様がお金がなぃ〜って泣いてたの。だからこのサイト紹介したんだぁ((o(^-^)o))
そしたら凄い喜んでた☆あみは知らなかったけど今口コミでみんなやってるみたぃだょ(>_<)あみはだんな様達がいないと生きていけないし大好きだから
是非やってみてね☆☆♪♪嘘なんかぢゃないんだからぁ
http://multic.jp/otakara/?code=71654 パスワード 3741
>>951 ageるな。
糞広告貼られただろうが。
基本的にageるのは広告対策のスレか腐常駐関連スレだけだよ。
金曜あたりから激しく嘔吐が出てまして…(お察しください)
どうにか今日の夕方には持ち直しましたが、上記のことにプラスして卒研の進展状況も芳しくなく、
次回の投下は火〜水曜あたりになりそうです
あと、スレ名は私としては
種・種死のキャラがX世界に来たら 月の公転○周目
なんてのはどうかなーと思ってます。
PS.作中では結構月の満ち欠けとか出る位置とかめちゃくちゃだったんですけどね
うはぁ、もう冬ですしお体をお大事に。
時期が時期ですから無理をしてぶり返すということもありますから。
>>955 HAHAHA…
お茶をちょっと飲んだだけで吐くなんて経験初めてしましたよorz
いいから養生してください><
気持ち悪いだけでなく身体が異常に冷え始めてヤバイと思って、
インスタントの生姜湯を含んだら胃に激痛が走って洒落でなく
七転八倒したいつだかを思い出した。
ウイルス性胃腸炎ってやつか?
今年は流行ってるらしいな…
三日もすれば大分落ち着くと思うから、それまでガンガレよ。
ヤバかったら病院行って点滴してもらえ。
シンがDX乗るのならアイムザットが持ってたDコン使って欲しい。
デストロイ出したけど、レオパルドデストロイへの布石か?
お身体大事になさって下さい。
961 :
保守作品:2006/12/04(月) 23:10:19 ID:???
抜けるような蒼い空と海の間を、12機のバリエントが編隊を組み飛行している。
目的地である島を視認した時、隊長機とおぼしき先頭を飛ぶバリエントから通信が
入る。
「全機、ブリーフィング通りのようだ。
連中の雇ったバルチャーと守備隊を仕留める、
それでここの仕事は終わりだ、施設に傷をつけるなよ!」
「了解」
シンの号令に部隊員の返答が唱和する。
「アベル、ドラン両翼に付け、ドートレスフライヤは俺たちで引きつける。
残りは確実に数を減らせ、どうせこっちの本命はドーシートだ、派手に暴れるぞ」
彼らアスカ中隊の面々は新連邦軍の制圧部隊として各地に投入された部隊の一つである。
バリエントのみで構成された精強な部隊であり、今回は太平洋の海上交易の要、
セインズアイランドに対し新連邦軍水中部隊と協力して制圧戦を行っていた。
シン=アスカは今回の任務に消極的だった。
この世界、この時代は無法地帯もいいところで、ただ生きるだけでも命がけだ。
そういった人々を襲うハゲタカ共を蹴散らし、その地域に治安をもたらすことが
できるのは望むところだった、事実新連邦の統治が始まると住民は治安の回復に
歓呼をもって出迎えることも少なくなかった。
だが今回は違う、気に食わないことこの上ない。
セインズアイランドは豊富な海洋資源とシーバルチャーのもたらす遺産、
貴重な補給と交易の場として重要な拠点であった。
攻撃するなど以ての外であったし、放っておいたとしても利益になると分かれば、
自分達から新連邦に併合される島だったはずだ。
わざわざモビルスーツで制圧して不満を与えるなど阿呆の所業だと、内心上層部に
不満たらたらだった。
かといって他の部隊に任せても、旧連邦の生き残りで昔の気分が抜けない軍人など使うと、
不満を持つ人間に何をするか分かったものではない。
ベストからはほど遠いが、ベターの選択としてシンはこの任務を受け入れた。
セインズアイランドには新連邦に反対するバルチャーやシーバルチャーも協力しており、
それらを雇い入れ、陸地にドートレスウエポンとライフルをもったジェニス。
航空戦力としてドートレスフライヤ、海中戦力はドーシートと潜水艦。
島の近くには水上艦が配備されており、一見してかなりの防衛力を誇っていた。
962 :
保守作品:2006/12/04(月) 23:12:21 ID:???
しかしこれらの陣容にシンはまったく恐れを抱いていなかった。
元より空中戦を得意とするバルチャーなどそう数はいないし、
それに伴い空中の敵に精密な砲撃を加えるような射手はそうはいない。
対してこちらは、既存の兵器の中でもトップクラスの空中用モビルスーツ
バリエントであり、追従できるのは革命軍の高級量産機やガンダムタイプくらいなものだ。
錬度も高く、旧来のドートレスフライヤなど亀に等しい。
航空戦力をアスカ中隊で殲滅し、陸地の敵にはライフルを禁止して牽制に徹する。
後は水陸両用のドーシードで陸上戦を行い、隙あらばバリエント隊もサーベルで接近戦
を行うというのが今回のおおまかな作戦だった。
ドートレスたちがライフルを乱射しながら接近してくる、シンは冷静に弾道を見切ると
ライフルで反撃し、動きの鈍い敵の頭を吹き飛ばす。
敵は慌てて散開するがアベルのライフルを受けてまた一機爆散する。
予想通り敵の錬度は低い、シンはおそらく実戦を一度もしていないパイロット達だと
看破した。
ろくに戦えない敵を屠るのは性に合わないが、ここはあくまで戦場であり非情の世界だ。
味方を死なせるわけにもいかず、心の中で謝ると敵機を撹乱しつつ次々と叩き落し始めた。
戦いは交戦開始から20分程度で終わった、セインズアイランドは元々砲台などの兵器を
持たず、急造の守備隊は実際のところ寄せ集めの烏合の衆にでしかなかった。
雇われバルチャーの連携のとれていない攻撃と、素人の乗るドートレスウェポンの砲撃
などは厳しい訓練を重ね、バリエントを駆る中隊にとって全く敵にならなかった。
ドートレスフライヤを瞬く間に撃墜されると守備隊の士気は総崩れとなり、
守備隊は予定より遥かに早く降伏した。
「よし、上出来だ。
街に降りて脅しをかけておけ、くれぐれも傷をつけるなよ、
市民の不満にわざわざ油を注ぐような真似はするな」
制圧後に投入される歩兵部隊の到着まで、シン達は居心地のすこぶる悪いモビルスーツに
乗ったまま、市民に睨みを利かせる役になった。
「なにやってんだろうなオレ。いつの間にか隊長になって各地を転戦か。
まるで死神だな、マユ、お兄ちゃんを許してくれるか?」
こちらからの通信を封鎖して愚痴るシン、こちらの世界では度重なる戦争のせいで、
ミノフスキー粒子なるものが散布され除去されていない。
そのせいで携帯電話も普及せず充電もできない。
こちらにきて数ヶ月、妹の声が聞けないのはなにより辛かった。
太陽が完全に沈んだ頃ようやく歩兵部隊が到着し、島の行政機構を制圧した。
これを以って新連邦のセインズアイランド攻略戦は終了し、
アスカ中隊はしばしの休養後、また戦場へ駆り出されることになるだろう。
保守代わりに初めてのSSでした。一応スレタイには沿ってるかな……
プロットも何にもないので続いていく可能性は限りなく低いです。
乙!
新連邦所属か!
いやそれよりも部下の名前が気になるって!!
ともかくGJ!