【シン】出会ってしまったらpart2【ミーア】

このエントリーをはてなブックマークに追加
1通常の名無しさんの3倍
前スレ
【シン】出会ってしまったら【ミーア】
ttp://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1132696059/l50
2通常の名無しさんの3倍:2006/03/20(月) 16:35:39 ID:Uudoy/3S
2
3通常の名無しさんの3倍:2006/03/20(月) 17:14:58 ID:???
                       \        ,,     
                         \_,,_   /'     
                      ,,-''ヽ' \ ≡ 'ヽ/      
                    / ,;;'' ̄'''''、l 三l''>、,,      
                   /  ,;'     | |_||   '',,    春
                   ;'  l    ,,,'' ,,l_,,,,_|';,,  ;;    厨
                   |   >,,,,,,-''',,;;;_,,,_ヽ'',, ;;    舐
                   |  //,;'' ̄i,,,__,,,_''''l ソ    め   
                   レ' / /    i─--;;_'''| l |     ん
                   l, ノ l     i''─-;;_''/ /      な
                   ヽ,/,,,_     i ̄'''─;/ /
                     <l  ''';;;,,,,,ノ ̄' ̄ノノ
             /~⌒~ ̄|  , -‐'\ ` - ー '/  \    '     ̄\
           /      | `ー―-、ヽ   ノ -―'~ ̄ 、       \
          /       /      `ーV -‐' ̄      ヽ         |
          /                ||          \           |
          |                ||                   |`、
        /`-、   /          ヽ||/          ヽ   ー、_ノ \
       /       、           ||/           |/      \ \
       /        V        \. ||            /         ヽ ヽ
      |         ヽ        ヽ/ヽ、          人          |  |
      |        / \、_     /  \       /  ヽ         |  |
                       \        ,,     
                         \_,,_   /'     
                      ,,-''ヽ' \ ≡ 'ヽ/      
                    / ,;;'' ̄'''''、l 三l''>、,,      
                   /  ,;'     | |_||   '',,    春
                   ;'  l    ,,,'' ,,l_,,,,_|';,,  ;;    厨
                   |   >,,,,,,-''',,;;;_,,,_ヽ'',, ;;    舐
                   |  //,;'' ̄i,,,__,,,_''''l ソ    め   
                   レ' / /    i─--;;_'''| l |     ん
                   l, ノ l     i''─-;;_''/ /      な
                   ヽ,/,,,_     i ̄'''─;/ /
                     <l  ''';;;,,,,,ノ ̄' ̄ノノ
             /~⌒~ ̄|  , -‐'\ ` - ー '/  \    '     ̄\
           /      | `ー―-、ヽ   ノ -―'~ ̄ 、       \
          /       /      `ーV -‐' ̄      ヽ         |
          /                ||          \           |
          |                ||                   |`、
        /`-、   /          ヽ||/          ヽ   ー、_ノ \
       /       、           ||/           |/      \ \
       /        V        \. ||            /         ヽ ヽ
      |         ヽ        ヽ/ヽ、          人          |  |
      |        / \、_     /  \       /  ヽ         |  |


4通常の名無しさんの3倍:2006/03/20(月) 17:43:00 ID:???
もうこのままなくなるかと思ってましたが・・・。
1乙です。
5通常の名無しさんの3倍:2006/03/20(月) 20:11:49 ID:???
保守
6通常の名無しさんの3倍:2006/03/21(火) 00:34:09 ID:???
>>1

2スレ目いくとは思わなかった
職人まだいるかな
7通常の名無しさんの3倍:2006/03/21(火) 20:45:42 ID:lTZnWJXM
保守
8通常の名無しさんの3倍:2006/03/21(火) 20:46:39 ID:???
    |┃三   人      _____________
    |┃   (_ )    /
    |┃ ≡ (__) < >>1 糞スレ立てるな、シン厨。氏ね。
____.|ミ\__( ・∀・)  \
    |┃=__    \    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    |┃ ≡ )  人 \ ガラッ
9通常の名無しさんの3倍:2006/03/21(火) 20:48:59 ID:???
>>1

このスレは、クソスレに認定されました。おめでとう!

   |┃三   人      
   |┃   (_ ) うんこ増量
   |┃ ≡(__ )      _____________
   |┃  (___ )    /
   |┃≡(____ ) < >>1 糞スレ立てるな、シン厨。氏ね。
___.|ミ\__(  ´,_ゝ`)プッ  \
   |┃=__    \      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   |┃ ≡ )  人 \ ガラ
10通常の名無しさんの3倍:2006/03/21(火) 20:49:49 ID:???
保守
11通常の名無しさんの3倍:2006/03/21(火) 20:53:29 ID:???
                        \ | /
 ⊂⌒⊃        ⊂⌒⊃     ―‐ ● ―‐  ⊂⌒⊃
         ⊂⊃                 / | \          ⊂⊃
                  ⊂⊃
/~\へ/~\へへ/~\/~\へ/~\へ/~\へ/~\へヘ/~\/~\
,、,,,,,、,,,,、,,,、,,,,,,,,,,、,,,/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\_________
,, ,,,,,, ,,,, ,, ,,,, ,,,,,| 立った立った!クララが立った! |            \
 ,,,, ,,, ,,,,, ,,,,,,, ,,,, , \ _____________/  駄スレも立った!  |
||=||=||=||=||=||∨=||=||=||=||=||=||=||=||\__  ______/
,,,,,,, ,,,,, ,,, ,, ,,,, ,,, ∧_∧ ,, , ∧_∧,, ,,,,, ,, __ ,,,, ,,,,,  ∨  ,,,,, ,,,, ,, ,, ,,,,
,, e@@e ,,,,,, ,,, ( o´∀`) ,,,,, (∀・ ; ) ,,, , , |   || ,,, ,,,, e@@e , ,,,, ,,, ,, , ,,
,,, (,・∀・) ,,, ,,⊂   ⊃,,, ,,⊂⊂⌒ヽ、, ,,, |!____i|| , ,,,♪ (・∀・,)_ノ ,,,,, ,,,, ,, ,
,〜((  ,,), ,,,, ,,,○(   ノ ,,,, プル ))   )○/_/) ,,,, ,, とと,,__つ , ,, ,, ,,
,,,, ,UUU ,,, ,,, ,,,,,, )__)_) ,, ,,, ,(( (_(_ノ ))プル,,,,◎ ,, ,,, ,, ,,,,, ,,,,, ,,, ミ ピョン
| |,,, ,,,,| |,,, ,,,,| |,,, ,,,,| |,,, ,,,,| |,,, ,,,,| |,,, ,,,,| |,,, ,,,,| |,,, ,,,,| |,,, ,,,,| |,,, ,,,,| |,,, ,,,,| |
| |二二| |二二| |二二| |二二| |二二| |二二| |二二| |二二| |二二| |二二| |二二| |
12通常の名無しさんの3倍:2006/03/21(火) 21:03:12 ID:???
                _,..  -───-  、..
          ,. ‐ '"~´ / ̄ ̄`~`''‐ 、     `` 、       貴様!!
        , '´    /     /    `''‐、     \
      , '‐''"~´ ̄ ̄`~`ヽ、 /          \     ヽ   スレッドが氏んだんだぞ!
.   /             ̄``''‐.、     ∠>ヽ./\ ヽ  いっぱいスレッドが氏んだんだぞ!!
.  /             _____   \     /゚ /   ヽヽ
 〈       ,. ‐''"~´      l  ``''‐、 ヽ.    / [ [[[ ヽi 遊びでやってんじゃないんだよっ!!
.  ヽ.    /ヽ、_,. -┴─-== __=-'_、_, \、_/      _l
.   |   / 、.__/ ノ!ヽ、._ー-‐''⌒,r=-─ゝノ|| ‖  ̄ ̄ ̄  |  スレは…スレは力なんだ
   !  {   / ,イ{ ヽ ( 〈、_,.ィrヮー< _,リ_|| ‖         !  スレはこの2chを
   ヽ :ヽ _{. 〈.'`ァrッ‐、- - ,, ヽ-‐='..ゞ.{_.|| ‖        :l      支えているものなんだ!
.     `‐、\\ヽヽ-‐ツ ''´         `{_ |! ‖       !  それを…
      :   |{_ ヽ.i. 〔ー-            { !.  |!__       ,'   それをこうも簡単に失っていくのは
.       :  |{_ _)l   `,ィ-─_、    //  | 0| ___/   それは、
       :   |{_ ミ. !  ヽ ̄,.-‐) .//    /l ̄ __/    それはひどいことなんだよ!!
      :  |{ ,.`ヽ.   `ー '´.∠‐'´    /'´ ̄ノ,ノ/    何が楽しくて荒らしをやるんだよ!!
        ,l ‐''"~´ ̄ ̄ ̄l~´      /-──<´
       |  「 --┘    |___/  `!     |     >>1のような奴はクズだ!
          L.. -─ ''_""~ ̄‐''"~´l       |    |     生きていちゃいけない奴なんだっ!!
          ̄「 |  |      |   _,,.⊥_-‐ `
13通常の名無しさんの3倍:2006/03/21(火) 21:04:36 ID:???
        ___
       /     \
     /  / ̄⌒ ̄\
     /   / ⌒  ⌒ |   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    | /  (・)  (・) |   | てめーなんだよこの糞スレは!!
  /⌒  (6     つ  |   | てめーは精神障害でもあんのか?
 (  |  / ___  |  < 何とか言えよゴルァァァァァァ!
  − \   \_/  /    \__________________
 //  ,,r'´⌒ヽ___/     ,ィ
   /    ヽ       ri/ 彡
  /   i    ト、   __,,,丿)/        ζ
 |    !     )`Y'''" ヽ,,/      / ̄ ̄ ̄ ̄\
  ! l   |   く,,   ,,,ィ'"      /.         \
  ヽヽ  ゝ    ! ̄!~〜、       /           |
  ヽ  / ̄""'''⌒ ̄"^'''''ー--、 :::|||||||||||||||||||||||||||||||||
   Y'´          /    """''''〜--、|||||||||||||||||) <
   (      丿  ,,;;''  ....::::::::::: ::::r''''"" ̄""ヽ   |
    ゝ   ー--、,,,,,___      ::: ::,,,,,ー`''''''⌒''ーイ  ./
    ヽ      \  ̄""'''"" ̄   \____/-、
     ヽ       ヽ  :::::::::::::::::::: /          `ヽ
      ヽ  丿   )       /    ノ   ゝ ヽ ,〉
       ゝ      !      /            ∀
        !     |      /   人     ヽ   ヽ
        |     ,;;}      !ー-、/  ヽ _,,,-ー'''''--ヘ
          |ノ    |      |  /    Y        ヽ
         {     |      |   j      )  >>1     ヽ
         〈     j      ト-.|    /          )
          Y''""'i'~      |,__|    /      人   __,|
          |   |     ,-ーイ__j  /'""⌒""'''ノ  Y''""" |
14通常の名無しさんの3倍:2006/03/21(火) 21:06:50 ID:???
    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
    | ゴミである>>1を回収に来ました〜♪           板をきれいに・・・ |
    |__  ________                    __  ___|
     ,_∨_______       γ===============┐..    V
   . γ;二二二, ll .__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄//  \______/ )\ゥアア、死にたくない、助けて〜
. _  // ∧_∧ |.|| | .|   UD     .l l,,,,,,,,,,,,,,,,,,\____/ /__\
[_].//( ´∀`).| || | .|           ヽヽ丶    |8|| ̄ / / ̄ヽ  |6|
.└/l__/__  ).| || .|__| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽヽ ヾ-ー「:l|_/ /__∧ ヽ  ||
  |    (_/ [||| --|_________ヽヽ  ゞ |.:ll ./ /;´Д`) ミ. ∧_∧ ポイッ
  lフ  ,------|.l_|二二l_l/ ̄ ̄/l /γ二二..ヽヽ __ヾ |.:|/.    \ヽ⊂(∀`  )ミ >>1逝ってよし(w
 [ll三// ̄ヽ\|.\===l二二l__l /// ̄ヽ\~ヽヽ_匚|]二||二二二||_.(⊂  )
  └--l .※ ..l ..凵======-l/.l .※ ..l |_l~(\__/~'==l=======l==/y  人
    丶  ./_/   丶_/_/    .丶  ./_/_/ ̄~~丶_/_/_/ ̄ ̄ ̄ (___)__)
15通常の名無しさんの3倍:2006/03/22(水) 00:35:08 ID:???
>>9-14
職人さんが降臨するまで保守よろ。
16通常の名無しさんの3倍:2006/03/22(水) 01:32:08 ID:???
>>14
綺麗にって…
下水に肩まで浸かりながらドブさらいしても意味無いですよ。
17通常の名無しさんの3倍:2006/03/22(水) 02:35:04 ID:???
時期的に消えるか続くか微妙だな・・・
まあたまに雑談入れて保守るか
18通常の名無しさんの3倍:2006/03/22(水) 11:54:35 ID:???
シンの首輪つなげて星の鎖くわえて
今宵もミーア果てるアスランが憎らしい(シンルナだから)
跪いてお嘗めよ苦い愛の雫を
ミーアに施す白いドレサージュ

自己(素ミーア)と云う柩の中魂(こころ)はまだ動いてる
千切れた翅は月光に生き返り 潤むわ
闇よりも怖いのは孤独
ふたりの愛の証十字架の元で貪りましょう

薔薇の手錠はずして白い手首かさねて
触れ合うことの奇跡あなたが愛おしい
跪いて捧げよ痛い愛の言葉は
包帯(ガーゼ)に滲んだ赤いアラベスク

罪でもいい 好きと言って
禁断のくちびるを

世界は聳え立つお城門(ゲート)を開けるのは
神そんなふうに導きつづけてそしてミーアの目を
塞いだら誰より優しく名前を呼んで
その時知るでしょう永遠の意味を

ラクスの整形まじえて星のバレッタ付けて
鏡の間の舞踏会すべてが狂おしい
迷い込んで悟れよ
巡る愛の歴史を涙で飾ろう黒いマリアージュ

嘘では嫌 好きと言って
純潔のくちびるで

薔薇の首輪〜(Repeat)

薔薇の手錠〜(Repeat)

心から 好きと言うわ
穢れなきくちづけを</PRE></TD>
19通常の名無しさんの3倍:2006/03/22(水) 13:52:19 ID:???
みっぱいのキモ替え歌は他のスレにも貼られてて激しくウザイ。
20通常の名無しさんの3倍:2006/03/22(水) 20:27:40 ID:???
アスランの首輪つなげて星の鎖くわえて
今宵もミーア果てるアスランが憎らしい(アスメイだから)
跪いてお嘗めよ苦い愛の雫を
ミーアに施す白いドレサージュ

自己(素ミーア)と云う柩の中魂(こころ)はまだ動いてる
千切れた翅は月光に生き返り 潤むわ
闇よりも怖いのは孤独
ふたりの愛の証十字架の元で貪りましょう

薔薇の手錠はずして白い手首かさねて
触れ合うことの奇跡あなたが愛おしい
跪いて捧げよ痛い愛の言葉は
包帯(ガーゼ)に滲んだ赤いアラベスク

罪でもいい 好きと言って
禁断のくちびるを

世界は聳え立つお城門(ゲート)を開けるのは
神そんなふうに導きつづけてそしてミーアの目を
塞いだら誰より優しく名前を呼んで
その時知るでしょう永遠の意味を

ラクスの整形まじえて星のバレッタ付けて
鏡の間の舞踏会すべてが狂おしい
迷い込んで悟れよ
巡る愛の歴史を涙で飾ろう黒いマリアージュ

嘘では嫌 好きと言って
純潔のくちびるで

薔薇の首輪〜(Repeat)

薔薇の手錠〜(Repeat)

心から 好きと言うわ
穢れなきくちづけを</PRE></TD>
21春厨 ◆2VzY8zXeDE :2006/03/22(水) 20:38:55 ID:c98i+LgB
ゴミ箱にでも放り込まれてろw
22通常の名無しさんの3倍:2006/03/22(水) 23:38:40 ID:???
みっぱい兵とアンチたち保守乙
23通常の名無しさんの3倍:2006/03/25(土) 02:43:12 ID:???
保守
24通常の名無しさんの3倍:2006/03/25(土) 20:55:18 ID:???
保守
25通常の名無しさんの3倍:2006/03/27(月) 01:45:26 ID:???
職人さんこないものかな・・・
26通常の名無しさんの3倍:2006/03/27(月) 09:01:55 ID:???
ほしゅ
27通常の名無しさんの3倍:2006/03/28(火) 19:57:39 ID:???
職人街
28鬼ジュール(お久し振りです):2006/03/28(火) 23:12:46 ID:???
【シン、整形前ミーア同棲話】

ミーアがいつものように歓楽街のバーで歌い終わってから帰って来て浴室でお風呂に入っている時の事。
髪を洗い終えて体を洗おうとスポンジにボディソープを落とそうとした時、「しゅこしゅこ」という空気が噴出す音のみでボディソープは一向に落ちて来なかった。
「えーっ」
蓋を開けて中を覗いてみるが少しも残ってなくて。
昨日の夜から少ないなぁと思っていたのだが、シンが今日新しいのにしてくれるか、詰め替え用なり補充してくれるかと思っていたのだが。
それは自分の楽観的な希望だったとがっくりと肩を落とす。
シンと暮らすようになってからシンが自分の使い勝手のいいように色々と変えていて、ボディソープ等の置き場所も先日変えたと言っていたが、何処だったか忘れてしまった。
バーで染み付いたタバコやお酒の匂いを完全に落としたいのでボディソープは必需品だ。
悩んだ末ミーアは浴室のドアを少し開けてシンを呼んだ。
まだこの時間なら起きて勉強している筈である。
しかし夜中であれば大声は出せず、控え目に呼んでもミーアの部屋の隣のシンの部屋には届きそうにない。
心底困ったミーアは意を決して髪をタオルで巻き上げ、バスタオルで体を包んでシンの部屋のドアをノックした。
「はい?」
「シンー。お風呂のボデイソープなくなってたのぉ。新しいの何処ー?」
お風呂から出ると寒いと体を震わせながら声を掛けているせいか、声まで心なしか震えている。
扉の向こうのシンもそれに気付いたのか、椅子から立ち上がる音がして、「そういえば出すの忘れてた。悪い」と、扉を開けた。

と、そこに居るのはタオルを一枚巻きつけただけのミーアの姿が当然有り。
体を震わせている為自分の体を抱き締めるようにしていたミーアの胸の谷間が深く強調されている。

夜中に男の部屋にそんな無防備というか挑発的な格好して来たら普通お誘いだとか同意だと思うぞコノヤロー。

思わずシンは顔を背けたが、分かっている。ミーアはそこら辺馬鹿みたいに無防備なのだ。
自分が狙われているとか、襲われるかもしれないとか、一切考えてないのだ。
これでよくも今まで犯られなかったよと心底思いながらシンは深呼吸を繰り返した。

「か、風邪引くだろ!大声出せよ!」
「だって、近所迷惑でしょう?」
「あーもー。俺が悪かった。直ぐ持っていくから風呂場戻ってろよ」

くるりとミーアの体を反転させて背中を押す。
その体の柔らかさや細さに眩暈すらする。
いい人ぶらずに抱き寄せたら案外抵抗されないんじゃないかと心揺さぶる声が聞こえるがそれも必死に堪えて。

ミーアは馬鹿なんだ。
ミーアは馬鹿なんだ。

頭の中で呪文のように繰り返しながら代わりのボディソープを取りに行った。

次になくなりそうなのがシャンプーだから、それもなくなった時わざとそのままにしておこうかな・・・・。

と、それでもしっとりと汗を滲ませたミーアの胸の谷間を思い出しながら不純な事を考えてしまうから。
今日の勉強はもう無理だろうなと、悶々と考えてしまうのだった。

<終>
29通常の名無しさんの3倍:2006/03/29(水) 01:58:04 ID:???
GJ!
待ってた!
30通常の名無しさんの3倍:2006/03/29(水) 12:58:31 ID:B87QyfKg
GJ
31鬼ジュール(シンミア同棲話):2006/03/29(水) 21:50:04 ID:???
「んーっ」

勉強するのも疲れて伸びをしたシンは、水でも飲んで今日は寝ようかなと部屋を出て台所に向かおうとした所、いつもならミーアの部屋から鼻歌(それもラクス・クライン限定)が聴こえて来る筈なのに聴こえて来ない。
早くに寝たのかなと思いながら居間を横切ろうとした所、ソファの上で眠るミーアを発見した。
これなら確かに鼻歌は聴こえて来ない筈である。
「ミーア。風邪引くぞ」
「むー」
唸り声の返事に、少しは意識があるのかとシンはそのまま冷蔵庫から残り少ないミネラルウォーターを取り出した。
コップを出さなくてもそのまま全部飲んでしまえるので直接口をつけて飲み干して。
容器をぐちゃりと握り潰してリサイクルBOX(後日指定の場所に持って行く)に投げ入れる。
それから戻る時もリビングを通るのでソファに目を遣ると先程と少し体勢が変わったが相変わらず眠っているミーアがまだいた。
「風邪引くって言ってるだろ」
「んー」
「起きろよ」
「うー」
手で肩を揺さぶっても起きはしない。
もう夜の2時近くなので眠たいのは分かるのだが、歌手の癖に風邪引いたらどうするつもりなのか。
起きなきゃ胸触るぞ。
と、心の中では幾らでも思えるのだが、実際にはそんな事をする度胸は欠片もなくて。
不埒な自分の考えに一人勝手に頬を染める。
「シンー」
「な、何!?」
まさか自分の妄想に勘付いたのだろかと僅かに声をひっくり返す。
しかしミーアはシンの妄想に気付いた訳ではなく両手をシンに向けて伸ばした。
「だっこ」
「無理」
「おんぶ」
「それなら・・・」
ミーアの方が身長が高いというのに、抱っこなんて出来る筈が無い。というか出来てもさせるなとぶつぶつ呟きながらシンはミーアに背を向けて膝を立てて座った。
「自分で乗れよ」
「あい」
まずミーアの手がシンの首に巻きついて、次に弾力のある胸が潰れる感触が背中に伝わり、気持ちいいと思った瞬間、力の抜け切った体重が掛かり、頬にミーアの吐息が触れた。

大して重くないけど。

酒を飲んだ訳ではないらしいから只眠いのかとその呼気で感じ取ると、「ふっ」と小さく掛け声出して立ち上がる。
「しゅっぱーつ」
「ちょっ・・そっち台所」
「喉渇いたもん」
指で差し体重を掛ける方向がシンの進行方向とは違って思わず首が絞まる。
仕方なくミーアを背負ったまま台所に向かうと、ミーアが冷蔵庫を開けた。
「おみずがなーい」
「あ、飲み終わった。そっちのジューズでいいだろ」
「えー。じゃあいらない」
「なんだよ。飲まなくて平気なのか?」
「うん。ねる」
32鬼ジュール(シンミア同棲話):2006/03/29(水) 21:51:09 ID:???

何なんだとシンは溜息を吐いてずり落ちそうな体をもう一度抱え直す。
改めてぶつかる胸の衝撃にどきどきしながらミーアの部屋に入ると甘い、女の子の匂いがした。
ミーアの部屋には殆ど入る事がないのだが、相変わらずピンク色の物が多い部屋である。
本人が着ている服は地味な色が多いのはコンプレックスもあるのだろうが、部屋をピンクにする位なら服だってピンク色を着ればいいのにと思う。
ピンク色のベッドカバーを捲り上げてミーアの体を下ろそうと一度腰掛けるが、ミーアが降りてくれない。
「ちょ、ミーア?」
そこで耳に触れるのは静かな寝息で。

まさか寝てるとか!?

体をずらして顔を覗き込むと、幸せそうに寝ているミーア顔が有り、叩き起こそうかという気は一気にうせてしまう。
仕方なく手を解いて体を離すと横たわらせて布団を掛ける。
目にかかった髪を横に流してやって「おやすみ」と、言うとミーアが目を閉じたままシンの手を取った。
「わり、起きた?」
「一緒、寝ようか?」
「は?」
「一緒、寝よう?」
「あのなぁ、何言ってるのかわかってるのか?」
「シン温かいもん」
ほらほらと引き擦り込まれて、真正面から擦り寄られると段々イケナイ気分になって来るのだが、相変わらずミーアは何も考えていなくて、シンは意気地が無かった。
それでも寝難いからミーアの体に片手だけ回すと、まるで秘密の話でもするかのようにミーアがひそひそと小声で話し出した。
「子守唄、歌って」
「知らない」
「何でもいいよ。歌って」
「歌下手だからやだ」
「聴いた事無いもん」
もう随分と眠い癖にシンの胸に擦り寄りながらおねだりするミーアの姿に脳みそまで沸騰しそうになる。
どうにでもなれと「本当に下手だからな」と、歌い聴かせると、再びミーアから寝息が聞こえてきた。
寝ている時はミーアよりも低い身長を誤魔化せるから自分の方が年下だという事も無視出来ていいかもしれないと、ちょっと嬉しくなる。
徐にミーアの額が見えるように髪を掻き分けるとつるんっとしたそこに口付ける。
してみると異様に恥ずかしかったのだが。
ミーアだって歌で稼いでるんだし、自分の子守唄の駄賃位は貰っていいよな、と心の中で必死に言い訳した。



<終>
33通常の名無しさんの3倍:2006/03/30(木) 08:29:27 ID:???
鬼ジュール氏キタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!
超GJ!!
34通常の名無しさんの3倍:2006/03/30(木) 19:32:01 ID:Mp3eVcwz
やっぱ、シンミアスレは鬼ジュール氏がいないと
始まらないなっ!!
35通常の名無しさんの3倍:2006/03/31(金) 20:41:20 ID:Jd8AbCjA
保守
36通常の名無しさんの3倍:2006/03/31(金) 22:29:04 ID:???
神降臨・・・GJ!
37通常の名無しさんの3倍:2006/03/31(金) 23:14:16 ID:???
C:\Documents and Settings\Owner\Local Settings\Temporary Internet Files\Content.IE5\JJ9JVDSW\photo[1].jpg
38通常の名無しさんの3倍:2006/03/31(金) 23:39:50 ID:???
保守
39鬼ジュール(注:微かに下ネタ含):2006/03/32(土) 05:20:55 ID:???
「ふぅん。この人が・・・」
「何見てるの?」
「うわぁ!」

熱心に端末を見ていたという覚えもないが、突然背後から聞こえた声にシンは大きな声で反応した。
「び、びっくりした・・・」
「俺の方が驚いたよ。何だよ、ノック位しろよ」
声の主は当然ルームシェアの相手であるミーアだ。
元々部屋には家具まで用意されていたのだから(前の同居人が残していった物らしいが)ルームシェアというよりも居候のような感があるのだが、光熱費等は折半なのでそんな事も無く。
だったら自分のプライバシーは守られて当然である筈なのに、どうして無断で入ってくるのか。
「したよぉ。でも反応無いんだもん」
「だからって勝手に入ってくるなよ。俺だって・・・・中見られたくない時だってあるんだからな!」
「・・・・えっちなサイトを見るとか?」
「煩い」
「それ位気にしないよ?見慣れてるし」
「気にしろ!気にする!違う!」
男ってのは繊細なんだと心の中で叫んでシンは憮然としながらも端末をミーアに見せる。
そこに映し出されていたのはザフトの赤服メンバー。
どうやら先日のヤキン・ドゥーエ戦の様子を報告したザフト公認のサイトのようだった。
「あ、アスランだ」
「知り合い?」
「まっさかぁ!有名人なんだよ、アスラン・ザラって。でも知り合いだったらいいなぁ♪」
シンの肩に手を置いてモニターを覗き込むミーアの手の温かさにどきどきするのだが(実はちょっと胸も当たってる)、他の男の名前に声を高くするのは何だか嫌だ。
毎度毎度思う事だが、ミーアは心底ミーハーだ。
一緒に買い物している時に、ちょっとでも格好いい男がいると、直ぐ腕にしがみついてきて「あそこの男の人格好良くない?業界(水商売)の人かなぁ?」と、耳元に囁いて来るのだ。

胸当たってるんだよ!
そんなに体くっつけて来たら胸当たるんだよ!
耳元で囁いたらくすぐったいんだぞ!
誘ってるのかチクショー!

しかし、囁かれる言葉は他の男への賛辞なのだから何かの拷問か何かなのかと思う。
おまけにミーアのミーハーは街中だけに限らず、ニュースを見ようとキャスターの男が格好良ければ「格好いいよね」と言って来るし、ドラマの俳優など言わずもがなだ。
毎日毎日他の男の賛辞ばかり聞かされていては正直嫌気が差す物なのだが、今までそれに対して「そうか?」や「そうかもな」としか返していない自分はよく耐えていると思う。
今日はもうそんな事は無いかと思っていたのに不意打ちで来られて正直気分はよくない。

「あ、この隣のイザークって人も綺麗ー♪ハイネって人も格好いいなぁ♪」
「あー、はいはい」
「?どうしたの?」
「ドウモシナイヨ」
「でもやっぱり一番はアスランかなっ♪だってラクス様の婚約者だもん♪」
「アッソ」
「やっぱりどうしたの?」
40鬼ジュール(注:微かに下ネタ含):2006/03/32(土) 05:22:03 ID:???

どうして気付かないんだよ。
別にっ。俺はミーアの彼氏でも何でもないけどっ。
それでも少しはこう・・・・っなぁ!?

心の中では色々と葛藤があるのだが、口では「何でもない」と諦めて溢す。
「自分はミーアの彼氏じゃない」というのがシンにとっては大きなネックで。
だからといってシン自身はミーアが好きなのかと言われるとそれもまたよく分からない。ただ、他の男を見たりだとか、他の男を誉めるとかされると腹が立つ。非常に。
腹立たしげにシンはアスランの画像を睨み付けた。

ま、婚約者いるならどうでもいいけど。

「本当にラクス・クラインが関わってたら何でも特別なんだな」
「えー。そんなの関係なしにアスランは格好いいよ?勿論、ラクス様の婚約者って時点で贔屓目なのは確かかなぁ?」

だから、特別だろ。

相変わらず間の抜けた事を言うんだなと思うが、それを言った所で気にもせずからからと笑うだけなのでシンは諦めて端末を閉じた。

「あ。他のアスランの画像あったら見せて貰おうかと思ったのに」
「もう俺は寝るの。見たきゃ自分で調べればいいだろ」
「じゃあ一緒に寝る」
「はぁ?」
「実は枕も持参してるんだ」

ノックの返事が無いからって勝手に入ってくる。
入って来たら来たで他の男を褒める話ばかり。
その後で自分と一緒に寝るとか平気で言うし・・・・・・!

「・・ミーアの馬鹿」
「へ?何か呼んだ?」
「別に。今日は一緒に寝ない。自分の部屋に帰れよ」
「駄目なの?」
「駄目」

ミーアは理解出来ないように眉を寄せたが、はっと何かに気付いて頬を染める。
その瞬間シンは嫌な予感がする。

「あの・・・あたしもう寝るから・・・・静かにね?」
「違うよ!何考えてるんだよ!ミーアの阿呆!」

ていうか、聞こえてるのか?というのはもうこの流れでは尋ねる事が出来ず、真っ赤になって慌てて椅子から立ち上がるとミーアの体を反転させて部屋の外に追い遣る。
ミーアは戸惑いを隠し切れない様子で扉の外まで背中を押されるとシンを振り返った。
41鬼ジュール(注:微かに下ネタ含):2006/03/32(土) 05:24:10 ID:???

「えとっ・・・怒ってる?」
「怒ってない」
「・・・勝手に入ってごめんね?」
「次からはするなよ」
「一緒に寝るのは・・」
「駄目」

こればかりは即答したシンの憮然とした様子にミーアは枕を両手で抱き締める。
残念そうな顔には非常に心が揺さ振られるのだが、他の男の事ばかり褒めておいて自分と寝たがるのは手近な相手で済まそうとしているようで苛々する。

本当は一緒に寝るならアスランの方がいいんだろ。どうせ。

まだ名残惜しそうにミーアが自分を見るから。
シンは異様に意地悪を言いたくなる。
ミーアの腕を掴んで引き寄せて。
少し背伸びをして(これもこれで腹が立つのだが)耳元で囁く。

「じゃあこの手で手伝ってくれるとでも言うのかよ?」
「へ?あのっ。それはっ・・・」

自分だってそういう話を振っておきながら自分に言われるとなると恥ずかしがるんだからとシンは苦笑して「冗談に決まってるだろ。俺は静かに寝るの。ミーアの寝相の悪さにいつも付き合ってられないんだからな」と、おどけて彼女の手を放した。
その瞬間のミーアの安堵の後の照れ笑いに少なからず自分自身も傷付いて。
しかしそれは顔に出さずに無理にでも笑顔を作る。

「おやすみ」
「うん、おやすみ」

自分の部屋に帰るミーアが扉を開けるまでぼんやりと見ていて、扉を開けて中に入る瞬間ミーアと目が合い、それから自分も部屋に入った。
もう一度「お休み」と言えたら良かったのかもしれないが、そこまでミーアに優しくなれる気分でもなかった。

投げ出すようにベッドの上に横たわるとアスランの画像を思い出す。


気に食わない。


自分がザフトに入隊した時、絶対にアスランは追い抜いてやると決意した。



<終>
42通常の名無しさんの3倍:2006/03/32(土) 10:08:26 ID:???
鬼ジュールさん久しぶりだ!
シンカワイソスw嫉妬するわなー
ガンガッテアスラン抜いて欲しいもんだ
43通常の名無しさんの3倍:2006/03/32(土) 13:03:03 ID:???
シンミアのエロ書いてよ

「あっ。やだっ。ねぇシン怖い・・・・怖いってばぁ!・・・あ・・あっ・・・やぁん!」
「怖くない。まだ慣れないのか?一杯してる癖に・・・少しは慣れろよな」
「駄目だよっ。こんなの慣れないっ。怖いよっ。ねぇ・・・お願い、お願いっ」
「もう自分で出来るだろ?」
「出来ない。ねぇ。早くっ。早くシンがしてっ。ねぇお願い!何でも言う事聞くから!やっ・・ん」

甘ったるい声と、上擦った半泣きの叫び。
そして胸で呼吸した間隔の短い吐息にシンは脳天からくらくらする。
早急に攻め抜きたい気持ちをぐっと堪えて背後からミーアの腰を抱き寄せた。

目の前に見える首筋に唇を寄せたくて・・・。

そこで鼻に跳ねた油が飛んで来た。


「あつっ」
「うわーん。お願いぃ!シン!早く揚げ物代わってよぉ!ね、ね、今度チョコレートアイス沢山買ってあげるから〜〜!!」

どれだけ腰に来る甘ったるい声を発しているのか自覚のないミーアは、後ろから抱き締めて来たシンの体に擦り寄るように体を捩って、シンの肩に頭を乗せる。
これで自分達は恋人同士でも何でもないのだから、全く持って不思議な物だと、シンは飛んで来た油を手の甲で拭うが、どちらかというとミーアを盾にしているような体勢だとも思うから、仕方なくシンはミーアの手から菜箸を取ると体を押し退ける。
正直言うと、さっきから聞こえる自分に甘える声に反応してしまう部分がばっちり反応してしまったのをミーアに知られない為である。


ミーアの張りのあるお尻が擦ったんだ。俺が悪いんじゃないぞばかやろー。


「本当にお願い聞いてくれるんだな?」
「うん。聞くっ」
「それと、プラスチョコアイス」
「うん。OK!」

半泣きの目の端に涙が溜まっているから仕方なくという風を装って服の袖でミーアの涙を拭うと、「此処任せていい?」と、おずおずと尋ねて来る。
自分が食べたいからと晩御飯を強引に揚げ物にしたというのに(今日はミーアは歌の仕事休み)、熱い油が跳ねるのに怖気付いて逃げ出そうというのは正直ズルイ。
いや、それでイイ声を頂戴したのは確かなのだが、それはそれ、これはこれ。
シンが言わなければばれない事である。
じっとりと不服を申し立てるようにミーアを見ると、空いてる手でミーアの手を捕まえた。

「駄目。俺だって最初から揚げ物嫌だって言ったんだからな。責任」
「許してー。こんなに跳ねると思わなかったのっ」

サラダの準備する。スープの用意もする。パンだって置いて来るから。と、懇願するミーアの余りの必死さにシンは笑いが込み上げそうになるのを我慢して頬を膨らませて見せた。

「じゃあ、俺やらないぞ?」
「それは駄目ー。お願い、やって?」
「やって」だの、「して」だの、「お願い」だのと媚を売るように精一杯可愛らしく言われると熱が一箇所に集中してしまいそうで(実際危ない)理性をフル活動させるので大変だ。
思わず眉間に皺を寄せて目を閉じると、深呼吸する。
ミーアの手を握っていた手も強くなって・・・。
「じゃあ、一つ目のお願い事聞いてよ」
「一つ目!?」
「何でも言う事聞くんだろ?まさか一つだけ聞けばそれでいいとか思ってたんじゃないよな?」
意地悪いシンの言葉に、正に一つだけ願いを聞けばいいと思っていたミーアは思わず体を小さくさせてシンを見上げて「あ、ううん。一つ目でいい」と、おずおずと答えた。
菜箸を持った手は揚がった野菜を上手に挟んで網に乗せる。
(ミーアは基本的にナイフとフォークで食事をしているので、箸の使い方が物凄く下手なのも油が跳ねる原因のひとつだ。だったら穴の空いたお玉なり買えばいいのに、この家には無かった)

「今日泡風呂にでもして一緒に入るか」
「へ・・・・ぇ?」
「俺風呂場が静かなの嫌なんだよな。シャワーの音とかでも何でも音があればいいんだけど、静かなのってちょっと嫌じゃないか?」
「あたしは基本的に歌ってるけど・・」
「俺は風呂場で歌う趣味はないの」

まともにミーアの顔を見ていられなくて、揚げ物の入っている鍋をじっと見ている。
口では平然を装いながら内心はドキドキ胸が言っている。
勿論、こんな事女の子に言うのは産まれて初めてだ。

「ホラー映画とか・・・お風呂場で事件が起きる事が多いから?」
「は?・・・ぁ。ま、まぁ。そうかな?」

少し的外れなんだけど・・・と、思うが、ちょっとは申し訳なさやら恥ずかしさがあるので突っ込めない。
ぱちぱちと油が弾ける音だけになり、シンもミーアも互いに視線を逸らして顔を見る事が出来ない。
その瞬間、油が大きく弾け、鍋の中で小さな爆発を起こす。
シンは反射的にミーアを掴んでいた手を離して突き飛ばすように弾いて、菜箸を握った手は顔を覆う。

「きゃっ」
「大丈夫か?そっち、飛んだ?」
「ううん。ちょっとだけだから、大丈夫。シンこそ大丈夫?」
「多分服に当たっただけだから大丈夫」

今の音は大きかったねと、互いにぎこちなく笑うと、今度はミーアがシンの手を取った。
「危ないぞ?」
「う、うん。あの、いいよ?タオル巻いてもいいんだったら一緒に入る。地球の温泉みたいなもんだよね!」
「へ?」
何と言ったのかと改めて顔を見ようとした時にはミーアはぱっと手を離して居間に向かっていて背中しか目で追い駆けられず。
さっきの言葉の通りサラダの用意をしに向かったのだろうが、恥ずかしいのかぎくしゃくとした体の動きにシンは頬を染めたのと同時に胸が高鳴った。

やばい。
美味しい約束を取り付けたのはいいのだが、さっきからのミーアの可愛い仕草に体が元気に反応している。

自分で自分の首を締めただろうかと、シンはゆっくりと長く息を吐きながら取り敢えずその場で小さくジャンプした。

<終>
46通常の名無しさんの3倍:2006/03/32(土) 18:55:15 ID:???
>>44-45
アンタって人はーーーーーーーーーーー!!!





GJ過ぎ、ミーア可愛すぎ。
47通常の名無しさんの3倍:2006/03/32(土) 20:44:40 ID:???
初めてシンになりたいと思いマスタ orz
48通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 03:11:00 ID:???
萌えた!鬼ジュールさん巧いなー
49通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 04:34:15 ID:???
幸薄カップルにも2スレ目が立ったのか。オメ


こいつら宝くじ勝ってもきっと当たらないよとか思う。いや萌えるんだか
50そこをあえて:2006/04/02(日) 07:04:21 ID:???
ミーア「どうしよう、シン・・・」
シン「なにがだよ?」
ミーア「宝くじ一等賞・・・当たっちゃった」
シン「嘘だろぉ!?落ちてないぃ!?」

「んー。・・・・すっ・・ごい。こんなに一杯・・・・。やだ・・・こんなに入ってたら中から・・溢れちゃう・・・っ」
「ミーアは一杯の方が好きじゃないのか?」
「好きだけど・・・こんな大きいのなんて初めて。・・・一杯だし・・・・あっん。動けないっ。駄目ぇっ。シンも動かさないでっ」
「いいだろ?こっちの方がミーアにとっては良いんじゃないのか?」
「んっ。良い。凄く良いんだけどちょっとくすぐったぁい・・・・。シンの馬鹿ぁ・・・」
「ミーアの好みに合わせてやってるのに、馬鹿はないだろ?」
「だからっ。動かさないでっ」


泡が零れちゃうよっ。


シンが風呂に浮かんだ沢山の泡を掬い取ってミーアの鼻の頭やら肩に乗せると、ミーアは泡が零れ落ちないようにする為か、身動き一つ出来ずにシンを困ったように睨んだ。

「でも、幾らなんでもこれ泡多くない?」
「泡風呂なんて滅多に出来ないからって通常の3倍入れたからなぁ。泡立ちも3倍?」
「うちのお風呂狭いのにそんなに入れてもしょうがないよぉ。こぉぉぉんなに泡が大きい泡風呂なんて初めてだよ・・・」

目の前にある大きな泡の山に顔を突っ込んでしまいそうである。
そして余りにも泡が立ちすぎて分からないが、泡の量の割には湯船のお湯の量は少ないのである。
泡のお陰で寒くはないが、湯に浸かってない個所もあるので温かくもない。
お湯を足せば泡は溢れてしまうだろうからそれは勿体無いし、シンに体を見られるかもしれないと思うとそれは恥ずかしくて出来ない。

「うわ・・・。泡で滑る。ミーアも後で体洗う時気をつけろよ」
「うん。でもタオル巻いてお風呂入るのって重い・・・。取っちゃってもいいかなぁ?」

見えないよね?と、胸元を確認したミーアは指でシンに向こうを見るようにと示してからタオルを取った。
濡れたバスタオルが湯船に掛けられたのを音で正確に聞き取ったシンは、今振り返るとミーアは泡の下は裸なのかと思うと・・・・・危ない。
心臓にも体にも良くない。
体の一部に変化が起きる前に体を洗ってしまおうと、シンはまず髪を洗おうとシャンプーのポンプを押した。

「そういえば、男の子と一緒にお風呂入るのなんて初めてかも」
「へぇ。俺は昔妹と入ってたよ。本当に小さい頃の話だけど。お風呂に色んな玩具持ち込んでさ、1時間とか平気で遊んでたなぁ」
「じゃあシンはこういうの慣れてるんだ」

あたし兄弟とかもいなかったしなぁと、楽しげに笑うミーアの声を聞きながら「慣れてる訳ないだろ!小さい時の感覚のままずっと居るとか思うなよな」と、思うのだが、そんな事を言えば自分に下心があるのがばれてしまうので言わない。
シャンプーを泡立ててから髪を洗っていると、ミーアが何かを言った。

「何か言ったか?」
「そんなに乱暴に髪洗ってたら駄目だよぉ。もっと丁寧にしないと、折角シンの髪綺麗なのに」

手招きされるので移動すると、浴槽に腰掛けるように言われる。
「目を閉じて、後ろ向いちゃ駄目だからね」と、言われて目を閉じると湯船から音が立った。
ぺたり、と洗い場から音がするので薄目を開けて見てみると、ミーアが湯船から出てシャンプーのボトルのポンプを押していた。
まるで真珠のような柔らかな印象を与える背中から尻に掛けての曲線にミーアの黒髪が流れている。
その白と黒のギャップに息を呑んだシンは、ミーアの振り返る気配に慌ててしっかりと目を閉じる。

綺麗な体だった。
オーブの海では割と年中水着の女性の姿を見るので、ミーアの体のラインがどれほど綺麗な物なのか直ぐに分かった。
いつも野暮ったい服ばかり着ているので分からなかったが、これだけ綺麗な体をしている人は早々見た事はない。
張りがあり、少し上向きの尻など触ったら柔らかそうで。
と、考えていくと体が反応しそうになってシンは慌てて両手を足で挟むようにして変化に気付かれないように何気なく隠した。
再びミーアが湯船に入る音がして、その後丁寧に髪を洗われる。
自分でするには考えられない程丁寧な動作に、シンは思わず肩から首にかけてがぞわぞわとする。
優し過ぎて、くすぐったくて、腰に来る。

おまけに、時々、胸が当たる。

生の胸が、肩に「つんっ」と、微かに触れるのだ。
きっとミーアだって分かっている筈なのに、シンもミーアもそれには触れられないでいた。
何となく、言えない。
しかし急激に喉がからからに渇いた。先程ミーアの綺麗な体を見た後では簡単にその胸も綺麗で瑞々しい張りがあるのだろうと想像出来てもう眩暈がしそうだった。
もう、やばいどころじゃない。

耐えろ俺!
頑張れ俺!

ミーアに触れたい衝動を必死で堪えて深呼吸する。
体に襲う熱を抑える。

「気持ちいい?」
「へ!?」
「痒い所ある?頭」
「う、ううん。無い。もう大丈夫」
「じゃあ流していいよ」
53鬼ジュール:2006/04/02(日) 17:28:38 ID:???

終了、と、ミーアがぽちゃんっと湯船に浸かったのが分かってシンは顔だけ振り返る。
「シャンプーの泡、中に入れてないよな?」
「それは大丈夫」
まだ手は湯船に入れてないよと、泡の付いた手を見せると、シンはシャワーを出してまずミーアの手に付いた泡を流した。
それから少し戸惑いがちにミーアを見ると、ミーアも少し恥ずかしそうに僅かにシンから視線を逸らした。

「あの、気持ち良かった。ありがとう」
「うん、良かった」

シンは自分の頭の泡を洗い流す時、わざと湯の温度を落とした。そうでもしなければ自分の中に燻った熱を静める事が出来なくて。
何となく口数も減ってしまい、体を洗ってから交代しようかというその時、シンは立ち上がろうとするミーアの肩を押さえてそのまま抱き締めた。
浴槽を挟んで抱き締めている為、ミーアと触れているのは肩から上だけだ。

「シン?あの・・・のぼせちゃうなぁ・・・」
「もうちょっとだけ」
「う、うん」

無言でミーアの手を取り自分の背に回させる。
目の前にある首筋に口付けたい衝動は抑えて、ミーアをきつく抱き締めた。
そして二人が場所を交代し、ミーアが目を閉じて髪を洗っている裸の背中を十分に堪能したというのはミーアには内緒の話である。


<終>
54通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 18:03:36 ID:???
職人さん帰還オメ!!
こういう寸止め的な表現の方がかえって萌えまつw
やりすぎたら削除対象になっちゃうしな
55鬼ジュール(シン・アカデミー時代):2006/04/02(日) 22:38:49 ID:???

「シンの彼女ってどんな人?」
「俺彼女居ないよ」
「嘘ばっかりー。居るじゃない。端末に大事に画像取ってる人が」
「うわっ。ルナ何勝手に人の端末弄ってるんだよ!」

シンは案外不精なところがある。
特に端末の中の整理は苦手な部類に入る。
片付けたという実感があまり持てないものに関しては結構どうでもいいのだ。
しかし、たった一つだけ大事に整理されたフォルダがあり、その中に入っているのはミーアと一緒に写っている写真ばかりだ。
偶然見つけたらしいルナマリアの言葉にシンは深く眉を寄せたが、だからといって文句を言っても仕方がない。
ミーアの写真は以前ルナマリアやレイには見せた事があるのだし、今更煩く言っても仕方ない。

よくよく考えればルナマリアとミーアは同じ年であったと思い出し、ルナマリアに視線を遣ってから深く溜息を吐いた。

「ルナと同じ年齢なんだけど、あいつもさ、ルナ位しっかりしてたら俺も心配しなくてもいいのにな」

少し重症のようにも思える溜息の深さにルナマリアはそれ以上聞けずにシンと同室であるレイに視線を向けた。

「そんなにシンの彼女って問題ある人?」
「魅力的で可愛い人だったがな」

レイの評価にルナマリアは目を見開く。
外見を見る限りでは到底可愛いとは思えない。
シンとレイの美的感覚がおかしいのだろうかとさえ思った。
女という生き物は産まれた時から女であり、知らない女と対面した時にはまず自分と相手の外見の優劣を決める。
その時点でのルナマリアのミーアに対する評価は「可哀想に」であり「あたしの方が断然勝ちかな」である。
なのに目の前の男二人はルナマリアに対して高い評価の言葉など一度も言った事はないのに、シンは異様にミーアを心配するし(彼女であれば当然だろうが)、レイも「可愛い」と評価する。
シンの彼女がどんな女の子であろうが構わないが、これは正直気持ちの良い物では無かった。

「あ〜っら。そんなにシンの彼女って間の抜けた人な訳?」

嫌味の一つでも言いたくなる。
しかし、ルナマリアの嫌味をそのまま受け取ったシンは、心底心配だとばかりに溜息を吐いた。
56鬼ジュール(シン・アカデミー時代):2006/04/02(日) 22:43:03 ID:???

「間が抜けてるな。というか、やっぱり危機感が無いんだよな。少しは男に対して警戒心なり持ってればいいのにそんなもんは欠片もないし、自分がどれだけ可愛いのかとかも丸っきり自覚無しだし、
ちょっとスタイル強調した服着た時に色んな男に見られてるのとか全然気付いてないし、店に来る男の何割かはミーア(の歌)目当てだっていうのだって、俺だって知ってるのに当の本人はお世辞だと思って信じてないし、
護身術だって少しは教えておいてやろうと思ってこっちは親切で、心配で言ってるっていうのに本人だけ自分を狙う変質者なんていないって信じてるし、俺がこれまでミーアと一緒に住んでて
どれだけ理性と戦ってたのかなんてまるで気付いてなくて大胆な事するし、俺が居ない間にミーアに何かあったらどうしようとか毎日毎日心配してるこっちの身にもなれって言うのにこれまで何も無かったら大丈夫とか言うし!
これまで大丈夫なのはミーアの運が良かったってだけで、これからもその運が続くとは限らないんだぞ!?それなのに平気で色んな人間に『最近また胸が大きくなっっちゃった』とか言って回るし!
自分から襲われるような事言ってどうするって言うんだよ!襲われたいのか!?それはそれで俺を誘ってたとでも言うのかよ!だったら俺がって思っても!!・・・っ痛っ・・・。何だよルナ!」

「知らないっ。シンの馬鹿」

次第に熱くなって行くシンの様子に馬鹿馬鹿しいとすら思ったルナマリアはジュースの空の容器をシンに投げつけた。
シンはその容器が頭に当たった事で漸く言葉を止めると、ルナマリアは不機嫌そうにシンを睨み付けた後踵を返して早急にその場から立ち去った。
心なしか肩が怒っている。
シンは何かあったのだろうかとレイに視線を移したが、レイの視点から見てもミーアを心配するシンの言葉の最中、ルナマリアに何かあったとは見えなかったので首を傾げる。

「さぁ。・・・話が長かったからじゃないのか?」
「何だよ、自分から話振っといて」

落ちた容器を拾い上げながらシンは頬を膨らませ、女心のわからない二人はルナマリアの背中をただ見送り、一気にミーアに対する不安や不満を吐き出した事で心配になったシンは、今夜ミーアに通信を入れるようにしようと心に決めるのだった。


<終>
57通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 00:09:23 ID:???
>>44>>45
いらすと付きでうpしてよ
小説じゃつまらない
58通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 00:13:48 ID:???
>>54
削除対象にはならんだろ
ここの運営人殆ど撤退したし
エロ小説OKだよ
59通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 01:17:21 ID:???
一度たがが外れるととんでもないことになりそうなので今ぐらいが吉
60通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 06:00:04 ID:???
この微エロいい!
鬼ジュールさん乙!
61通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 12:09:51 ID:???
鬼ジュール氏エロも書けるんか
すごいw
一条祭氏もかえってこないかなー
62鬼ジュール(自分エロは書けないです):2006/04/03(月) 16:01:29 ID:???

今日も水飲んだら寝るかな。

そう思ってシンが廊下に出た所で、ネグリジェを着たミーアが廊下で倒れているのを発見した。

「ミーア!?」

紐で吊ったネグリジェから胸の谷間見えてる!
・・・・じゃなくて。

シンが慌てて駆け寄ると、ミーアはのろのろとシンに手を伸ばした。
その手を取り、何があったのかと顔を覗き込むと、顔が異様に赤い。

「どうした!?」
「ふぇ・・・・。のぼせた・・・ぁ・・・・」

焦点の定まらない瞳がうっすらと開いてそれだけ言ってまた辛そうに目を閉じる。
廊下に倒れていたのは少しでも上がった熱を下げようとした為らしい。
体調を崩した訳ではなかったのかと取り敢えず安堵して、しかしこんな所で寝ていたら風邪を引く。
此処は一つ抱きかかえて・・・と、格好いい事を考えてみたのだが、床に力を無くした体を抱き上げるのは容易ではない。
第一まだ15歳になったばかりのシンの体に、自分よりも身長の高い力の抜け切った女の子を抱えるだけの筋力はまだ付いておらず、仕方なくシンはミーアの脇の下に腕を潜らせて居間まで引き摺って行った。
ちょっと格好悪いと自分でも思うのだが、そんな事で凹んでいる暇は無く、上半身をソファの上に乗せると次に下半身をソファの上に上げ、スリッパは脱がした。
これでやっと息を付き、シンはずり上がったミーアのネグリジェを下に引っ張って整えた。

チョット下着見エタ。

つくづく年頃の男の子には刺激の強過ぎるエロい体である。
第一今日のネグリジェは短い。膝上だというのは元より、太腿など半分位見えている。
胸元も大きく開いていて・・・。
しつこいように思うが、寝る時にこれ位大胆な服着るなら日常着る服だってもうちょっと・・・。
いやいや、日常着る服も大胆になってしまっては下心しかない他の男に狙われるかもしれないのでそれは良くない。
自分だけが見るならまだしも。
ソファの目の前のテーブルに行儀悪く腰掛け、ミーアを見る。
こういう時は仰いだ方がいいのだろうか?
氷を額に乗せるのは風邪を引いた時か?
段々訳が分からなくなり、取り敢えずミーアの肩からずり落ちたネグリジェの紐は肩に掛ける。
照明の点いた所で見て漸く気付いたのだが、のぼせたというだけあって顔も肩も胸元も、足も真っ赤である。
一体何をしていたらこんなに真っ赤になるまで風呂に入っていられるのだろうかと思うのだが、こういう時のミーアの理由は大抵仕様もない事なのでとにかく何か扇ぐ物を探しに行こうかと考える。
自分の部屋のノートがあったか。
そう思って立ち上がろうとした時、何だか甘い匂いがした。
ミーアから?と、思いミーアの体に鼻を寄せるとやはりそのようだ。
ミーアとシンは同じシャンプーやらボディソープを使っているので、自分も似たような匂いがするのだろうかと自分の腕にも鼻を寄せてみたがなんだか少し違うように思う。
こう・・・・とにかく甘いのだ。
花の匂いというよりもお菓子の匂いに近いそれに、シンはこの匂いの正体はなんだろうともう一度ミーアの体に鼻を寄せる。
ただ鼻を寄せただけでは良く分からなくて、一番匂い立つ肩口に鼻を寄せてすんすんと鼻を鳴らすと、ミーアが「ふぁ・・・」と、声を上げた。
その声も甘くてシンはその瞬間顔をばっと上げた。
63鬼ジュール(でも今回も微エロ?):2006/04/03(月) 16:03:30 ID:???

何だか、変だ。
ミーアの声が凄く、可愛い。
もっとその声が聞きたくて今度はミーアの黒髪に鼻を寄せるが、特に反応はなく、シンが惹かれたいい匂いもしなかった。
やはり首筋でなければならないのだろうかと再び鼻を肩口から首筋に寄せるとミーアが再び鳴いた。

ちょっと面白い。

再びミーアの肩口に鼻を寄せ、今度は顎の所を鼻先で突付くとミーアは逃れるように身を捩る。

「シ・・・ン?」
「何?」
「くすぐっ・・・たぁい」
「ん、何かミーアいい匂いするから。風呂で何か食べた?」
「食べない・・・よぉっ。・・ねぇ、おみず・・・・」

水が欲しいと懇願する声に、シンは直ぐに応えようとして一度は顔を上げたが、直ぐにミーアを見下ろした。
こういう表現は適切ではないと思うのだが、ミーアが、食べたい。
甘い匂いの美味しそうな姿を手に入れて、閉じ込めたくて、味わいたい。

「キス、させてくれたら持ってくる」

言ってる自分の顔も熱くなる。
きっと今ならミーアと同じ位顔が赤くなっていると思う。
ミーアはよく分からないとばかりに一度眉を寄せ、「ん・・・?」と、目を開けようとして。
目を開けられるよりも前に、それが了承の言葉だと取ったシンがミーアに口付けた。
キスの方法なんて初めてだから良くわからなくて。
テレビを見ていると押し付けているように見えるが、それも少し違うような気がする。
だからこそシンはミーアの唇の柔らかさが分かるような、触れるだけの優しいキスをした。


ミーアが目を開けた時にはシンは台所に向かっていた為、ミーアはシンの姿を捕らえる事が出来ず。



「シン・・・・?」



今、何か触れたような気がするのは気のせいだろうかと、ミーアはのろのろと自分の唇に触れたが、結局分からずもう一度目を閉じた。




<終>
64通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 17:50:16 ID:SOijUumX
GJ!
65通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 17:54:27 ID:???
シンはよく耐えてる方だと思う
普通ならたつ

先日のぼせたミーアからいい匂いがすると発見したシンは、よくミーアに鼻を近付けるようになった。
ミーアはのぼせた間の事は殆ど記憶になく、シンがミーアの匂いを嗅ぐようになった事をただ不思議に思っていた。
最初は「やめなさい」と、お姉さんらしく注意していたのだが、「いい匂いがするから」と言われてしまうとちょっと悪い気はしない。
結局は「犬が鼻を寄せてくるのと一緒かな?」と、相変わらず不思議な解釈をしたミーアはシンの行為を放って置く事にした。
時々本当に犬のように「よしよしよしよし」と、シンの頭を撫でて鼻をくっつけると、シンがそれを狙って唇を突き出してくる。
ミーアはそれを上手に引いて避けると「本当の犬みたい」と、けたけたと笑う。
全く持ってシンを犬扱いしているミーアにシンは安堵するものの、正直男としては微妙だ。
必要以上に警戒されるよりは随分とましだが。

「でも匂いとかする?」

自分では分からない匂いに、ミーアは肩に鼻をくっつけたり腕に鼻を当てたりする。
しかし風呂から上がったばかりであればともかく、もう昼間であればそれも分からない。
全然匂いとかしないなぁと首を傾げるミーアに、シンはやはり肩口に鼻を寄せると確認する。
「する。花みたいというよりお菓子みたいな甘くていい匂い。美味そう」
「たっ!食べられないからね!」
「食えそうだよ?」
逃げられないようにミーアの腰を抱き寄せ、ソファの上でミーアの肩口をぺろんっと舐めると、ミーアが「ひゃぁっ・・ん!」と、小さく叫んで飛び退るとソファの上に倒れた。
「弱点?」
「弱点。だから禁止っ」
自分の声に驚き、真っ赤になったミーアの体を挟んで見下ろすような格好になった事でシンも胸が高鳴る。

襲ってるみたいだ。

そんな風に考えれば一気に脳内が痺れて来てくらくらする。
これ以上触れてみたくてミーアに「俺も匂いする?」と、尋ねると、ミーアはそのままの状態で首を傾げると、シンの肩に手を回して引き寄せるとシンの肩口に鼻を寄せた。
思いっきり合意を得たような気分になるシンは再び自分もミーアの肩口に鼻を寄せ、再び舐め上げる。
今度は先程のように舌先でくすぐる程度ではなく、ねっとりと、沢山。

「やぁっ・・・こら、シン!禁止だってばぁっ!あたしが分かんないでしょ!」
「いいよ、分かんなくて。俺が分かればいいから」

自分で引き寄せた肩を今度は押すが、引き寄せた時には簡単に寄って来た肩は、押してもびくともしない。
体格差は殆ど無いと思っていたのだがそれはミーアの勝手な思い込みで。
シンも男であればミーアよりかは力はある。
しかし全く恐怖を感じないのは相手がシンだからか、それともミーアの警戒心が底なしに薄いのか。

「こらー。あたしは食べ物じゃないんだからね!」
「美味そうだから」
「食べれません!」
「食えるよ」
67鬼ジュール(本人楽しく書いてます):2006/04/03(月) 21:52:29 ID:???

言葉の間にもミーアはシンの舌で身を捩り、体を跳ね上げ声を震わせる。
その度に匂い立つミーアだけの匂いにシンは目の前がちかちかと視界まで狂ってしまう。
逃さないように彼女の体に自分の体を押し付けるようにして体重を掛けると、ミーアは更に声を上げた。
ミーアに触れたくて仕方なくて。
腰を固定するように掴むと、その細さにシンは眩暈すらする。

ミーアの体の細さなどもう十分に知っていると思っていたのに。
いつもと状況の違う中で触れるミーアの細さに熱が全身を巡る。

欲しくて。もっと、欲しくて。
首筋を舐めるだけでは収まらなくなったシンが、ミーアに口付けようとしたその時・・・・。

「これ以上やったら今日はご飯一緒に食べないんだからね!」

シンの舌と手に顔を真っ赤にして涙さえ浮かべていたミーアが叫んだ。

は!?
ご飯と比べられるような内容か!?

と、シンは呆気に取られたのだが、見下ろしたミーアはかなり本気のようである。
なのでシンも真剣に、今ミーアに手を出してしまうか、今日のご飯を別々に摂るかを考えてみる。

手を出す→自分も初めてなので失敗する可能性大→それに幻滅される(かも?)→自分もそれなりに傷付いた上にご飯は一人。→その後ちょっと気まずい。
手を出さない→ミーアに謝る。上手くいけば誤魔化せる?→手は出さなくてももうちょっと甘える位なら出来そう(ミーアだから)→ご飯は一緒。→通常通り。

目の前に美味しそうな体がある。
美味しそうな匂いがして、涙で潤んだ蒼い瞳に少し息が上がって開いた唇がある。

本当に本当に美味そうなんだけど・・・・!

シンは眉間に皺を寄せて瞼をぎゅっと閉じると手をきつく握り締めてからミーアの上に全体重を乗せた。

「シン〜〜〜?」
「・・・・しない。一緒に飯食う」

拷問だ。
拷問だ。
拷問だ。
ミーアの馬鹿。
ミーアの阿呆。
ミーアの鈍感。
ミーアの・・・・・・・・・・・・・・・いや、俺の意気地無し。
68鬼ジュール(苦手な人はごめんなさい):2006/04/03(月) 21:53:50 ID:???

「シン?」
「俺、いっつもミーアのお願いばっかり聞いてる気がするんですケドー?」

ミーアは数少ない俺のお願いを聞いてくれてないばかりなんだけど。

二人で寝るには狭いソファに二人で寝ている。
いつまでもミーアを下に敷くのは可哀想なので体勢を変えて自分の体の上にミーアを乗せる。
ただ、こうすると直ぐに逃げられそうなので腰にはしっかりと手を回すと、自分の体重を掛けるのは嫌なのか、ソファに手を着いてシンを見下ろすミーアが困った顔を見せた。

「えっと、それじゃあ今日はシンの大好物ばっかり作ろう!ね?」

ソンナモノヨリ俺ハミーアガ食ベタイデス。

と言ってはまた警戒されるかもしれないのでぐっと我慢して。
自分の頑張りに涙すら出そうだとシンは深く溜息を吐いて目を閉じた。


いや、彼氏でも無いのに手を出そうとしてる時点で怒られて当然か。


・・・・・・・・・・ミーアの事好きなのかな?俺。


地球の友人に言えば「遅い!」と、馬鹿にされそうだったが、この時になってやっとシンはミーアに対しての想いがどんなものであるのか考え始めた。




<終>
69通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 23:21:44 ID:SOijUumX
GJ!
70通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 09:11:06 ID:???
青春ですねw初々しい
71鬼ジュール(今日は安全?):2006/04/04(火) 17:08:55 ID:???

なんだかシンがおかしい。

元々淋しがりな所があるのを隠している所があったが、それとも少し違った感じで落ち込んでいる。
朝ご飯はいつもシンが作っているところを頑張って朝起きて作って上げても・・・反応が薄い。
目が合ったかと思えば直ぐにむすっとして目を逸らす。
それなのにずっと傍には居て、くっついて来て、買い物も相変わらず一緒にするし毎日のようにバイト先までお迎えに来る。
嫌われた訳ではなさそうなのだが、突然余所余所しくなった理由が分からない。
ミーアは今も食器を洗っているというのに腰を抱いてくっついているシンの様子に困惑気味に眉を寄せた。

「シン。濡れちゃうよ?」
「いい」

あんまり良い状態ではないシンの思いつめた様子にミーアは溜息を吐いて荒い物の途中だが水を止めた。
「ミーア?」
シンもそれに気付いて声を掛けると、ミーアは自分を抱いているシンの手を取って居間に向かった。
「ちょっと座ってて」
と、ソファに腰掛けさせて自室に戻ると真っ白で大きなウサギのぬいぐるみを持ってくる。
それをシンに渡すと「洗い物終わるまでそれ抱き締めててね!」と、台所に戻って行く。
シンはそのウサギを一度は抱き締めて感触を味わったが、直ぐにウサギを隣に置いて台所に向かい、ミーアの体を抱き締める。

「んもう〜〜〜!!」

いい加減片付かないとミーアは困ったように声を上げ、背後のシンを振り返る。
「終わんないでしょ!」
「待ってる」
「だから、終わんないんだってばぁ!」
「・・・じゃあ、頬にキスしてくれたら居間で待ってる」

最近、こういうおねだりも増えて来たような気がする。
本当にシンはどうしちゃったんだろう?

出会った頃からは考えられないようなシンの姿に、ミーアはどきどきと胸を大きく跳ね上げて頬を染めた。
ミーアは弱い物やら、小さい物やら、可愛い物に弱かった。
そんなミーアには今のシンは弱くて可愛い物と認識されて目に映る。

正直とっても可愛い。

ミーアは洗い物用のゴム手袋を外すとシンの腕の中で体を反転させて「目、閉じて」と、頬を染めて上目遣いに言う。
それに対してシンは「ヤダ」と、短く返すので、ミーアは諦めてふっと掠めるようなキスをした。
頬にキス位であればちょっとした挨拶のようなものだ。
しかし幼い頃から家族の居なかったミーアにはこの行為は少し恥ずかしい物だから、ミーアは唇を離した後シンの顔を見る事が出来ずに再び反転して洗い物を再開しようとする。
シンは慣れない手つきでそんなミーアの髪を分けて首筋に口付けると約束通り居間に戻った。
不意に触れたシンの唇の感触に力が抜けてしまったミーアは、俯いて真っ赤になった顔を隠して必死に腰に力を入れた。
72鬼ジュール(少女漫画のようだが):2006/04/04(火) 17:11:02 ID:???

最近のシンってちょっとえっちかも・・・・・。

まさか自分に好意を寄せているとは思わず、ミーアは「シンが可愛いからどきどきしちゃうのかなぁ?」と、シンの行為に動揺する自分がえっちなのかもしれないと、気を引き締める為にぺちぺちと頬を軽く叩いた。
洗い物が終わると、シンは居間のソファの上に座ってウサギのぬいぐるみを抱き締めていたが、ミーアの姿が見えるとぬいぐるみは目の前のテーブルに置いてミーアの腕を取って引き寄せた。
ミーアも引き寄せられるままに隣に腰掛けると、シンがミーアを押し倒してその上に乗ってきた。
以前は恥ずかしくて仕方なかった行為も慣れとは恐ろしい物で、そうされるのが当然だと思い始めていた。
自然とミーアの手がシンの背に回る。
そうすると、安心したようにシンがふっと息を吐いてミーアに体重を掛けて来るのだ。
そんな様子を見せられてはミーアも不安になってシンの背に回した手でシンを強く抱き締めた。
シンにとっては大した圧迫感ではなかったが、ミーアから抱き締めてくれる機会は少ない。
どうしたのだろうかとシンが僅かに顔を上げるとミーアの方からシンの顔を覗き込んで来た。

「最近のシン、変だよ?」
「別に・・・」
「何かあったの?話してご覧なさいよ」
「何でもない」
「何でも無いじゃないでしょ?辛い事思い出したんなら溜め込んでても仕方ないし。不安があっても隠しててもいい事ないよ?」

シンの辛いの全部あたしが食べちゃうから。

人懐っこくて温かいミーアの微笑みにシンはくにゃりと顔を歪めて改めてミーアを抱き締めた。
シンにはこの微笑みが自分に向けられている事が嬉しい。
馬鹿みたいにお人好しで、自分だって家族が居なくて沢山苦労して来ていたというのにそんな姿は決してシンには見せなくて。
バイト先で嫌な事があってもそんなのをシンに零した事も一度もない。
シンがたまたま聞いて知っていても、だ。
それでもシンの前では「今日も大好きな歌でお仕事出来ました♪感謝感謝だね♪明日も頑張らなくちゃ!」と、笑うのだ。
そんなミーアに自分の弱い部分を見せるのは正直好きじゃない。
ミーアだってそんな姿シンには見せないのに、自分だけ見せるのは、嫌だ。

ただ願う。

「ミーアはずっとこの家に居る?」
「ん?・・・・・うん。引っ越す予定は無いよ。お仕事あるし」
「俺、アカデミー入ってもこの家から出て行かないから」
「でもアカデミーって寮でしょう?住んでないのに家賃払うの勿体無くない?」
「そんなのはいい。アカデミー入れたら給料出るし。家賃位痛くない」
「シンがいいならいいけど・・・」

相変わらず鈍感なミーアの惚けた返事にシンは「そうじゃなくて」と、眉を寄せて一度唇を噛む。

「だからっ。ミーアがもし引越しするって言うなら俺も付いて行く」
「はいっ!?」
73鬼ジュール:2006/04/04(火) 17:13:19 ID:???

この一言には鈍感なミーアと言えどその意味を察する。

こ、告白!?

突然の出来事にミーアは自分でも自覚のある小さな目を精一杯見開いて硬直する。
見上げたシンは可愛いと思う。
年下だが、一つしか違わないし将来はとても格好よくなるだろうなと今でも十分伺える。
そんな将来有望株のシンが、何故自分に!?と思うと直ぐに「それは他の女の子を見てる時間が今は無いから?」と、結論付いてしまう。
ミーアもこの16年近く生きてはいるが、男の子から告白された事など一度もない。
いつも自分から告白して、それも玉砕している身としてはシンに「本気ですか?」と、聞きたくなる。
これをチャンスと思わず「考え直したら?」と思ってしまうのはミーアの生真面目な所なのか、間が抜けている所なのか。
喉の奥が一気に干上がり、何を言っていいのかわからないミーアは真剣に自分を見下ろすシンの深紅の瞳に心臓が締め付けられるような苦しさを感じる。
「冗談ばっかり」とか「嬉しいなぁ、ありがとう」と、冗談めかして言えるような雰囲気ではない。
ただうろたえているミーアの様子にシンは一度目を閉じてから再び体重をかけるようにして抱き締めた。

「ミーアの馬鹿」
「はいっ!?な、何よぉ!」
「嫌ならさっさと言えよな!」
「嫌じゃないんだけど!」

怒ったシンの叫びについ反射的にミーアも答えて「良かったの!?」と、内心で確認してしまう。
シンもまたミーアの返事に少し、照れる。・・・・嬉しい。
体を起こしてミーアを見下ろすと、真っ赤になった彼女はシンとは目を合わせないようにそっぽを向こうとするので、その顔を両手で挟んで自分の方に向ける。
首まで真っ赤に染まったミーアの動揺した姿が酷く扇情的で、可愛い。

「一緒に居るのはミーアがいい」

縋るように言うシンの姿がまるで家族を求めているようで、ミーアはシンの告白は、きっと家族の居ない寂しさからの物だろうと判断する。

シンにとっては告白だったのだが。
74鬼ジュール:2006/04/04(火) 17:14:13 ID:???

一人勝手に勘違いしちゃって恥ずかしいなぁ、あたし。

ミーアは自分の勘違い(では無かったのだが)に一人恥ずかしそうに照れると、シンの頭をぐりぐりと強く撫でた。
「いいよ。シンのお家はあたしがちゃんと守ってるから。帰ってくる所は此処だよ」
にっこりと軽快に笑うミーアの姿に、それまで良かった雰囲気が一転した事にシンも気付いた。

え?ちょ・・・今雰囲気良くなかった?
もう少しでキスとか出来そうじゃなかった!?

「じゃああたしはシンのお姉ちゃんかな!」

シンの焦りとは別にミーアは一人納得して「いつも通り」に戻って行っている。
告白も何だか別の方向に取られたようだし・・・・・。
シンは深い溜息と共に全体重をミーアに掛けた。

「シン!重いよぉっ!」
「・・・・・・お休み」
「シン〜〜〜!?」

わざと寝息を立てて。
ミーアの甘い匂いに鼻を寄せて抱き締めて寝た振りをする。
ちょうど自分の胸に当たるミーアの胸が思いっきり潰れているのが分かる。
でも、今は不貞腐れているから知るもんかと、シンはそのままがっちりミーアを抱き締めたまま本当に眠りについた。


<終>
75通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 20:38:15 ID:???
視点の混在を直したほうが良い
地の文に複数人の一人称と三人称の三種ある
76通常の名無しさんの3倍:2006/04/05(水) 10:45:47 ID:fGsej8Hs
え、でもわかりやすいじゃん。
鬼ジュールさんクオリティってかんじw
よく、普通の小説でも使うよ、こういう技法は。
77通常の名無しさんの3倍:2006/04/05(水) 10:49:57 ID:???
早く結婚して子供作ってしまえw
GJ!

突然、ミーアが居なくなった。

アカデミーを無事卒業し、そのままザフトレッドとして入隊を果たしたシンは、余りの慌しさにクインティリスに戻る時間も取れず、ミーアとはいつも通信で済ませていた。
アカデミーに入学出来た事を知った時のミーアは泣いて喜んでくれて、沢山の抱擁と沢山のキスをしてくれた。
それに乗じてシンはミーアにきちんと告白し、戸惑うミーアを宥めすかして真っ暗な部屋の中、裸で触れ合った。
シンもミーアも初めての事であれば当然恥ずかしさも有り不安も有り、結局最後まで至る事は出来なかったのだが、シンはそれでも十分幸せだった。
シンにとってはミーアが帰る場所であれば焦る理由は無く、どちらかというとこれで何の心配もなしにMSパイロットへの道を進んで行けるという決意にすらなった。
しかし年月が経てば欲求は増え続け、望みも大きくなるという物で、まずはザフトに入れたという安堵感からミーアとの関係をもうちょっと進めたいと思っていたというのに。
ザフトに入ってからも新人という事で覚える事は山程あり、休日もクインティリスに戻っていられる余裕がなかった。
それをいつもミーアには通信で謝罪していたのだが。


通信が繋がらなくなった。


最初の内はシンが通信を入れる時間がまちまちだった為バイトだろうか、買い物だろうかと気にもしなかったのだが、幾らなんでも3日連続で通信を入れて繋がらないのはおかしいと、半休の日に時間ぎりぎりなのは承知でクインティリスに戻ったら。

テーブルの上に書き置き一つ。

『暫く仕事でクインティリスを離れます。帰って来てたらごめんね。  ミーア』

だったら携帯はどうしたのかと、ミーアの部屋に入ると机の上に携帯が充電器の上に置いてあった。
ミーアは忘れ物が多くて間が抜けているから忘れていったのだろうかと中を確認したら、シンからの着信がずっと溜まっていた。
そんな事ならどうして自分にメールの一つも入れてくれなかったのかと思う。
通信の時間は合わなくてもメールであればそんなのは関係ないのに。

冷蔵庫の中を見ると水の入ったボトルだけがあり、それだけを見ても長期間この家には戻れない事をミーアは理解していたという事が分かる。
携帯の通信が2ヶ月前から溜まっているので、大体その頃からこの部屋には戻って来ていない事になる。

2ヶ月もクインティリスを離れるような仕事って何だよ!
あとどれくらいで戻って来るんだよ!

時間ぎりぎりで戻って来たので十分に室内を確認する間もなくシンは二人の家を出た。
歩きながら不動産屋に確認すると、家賃はきちんと支払われているという。
自動引き落としなのだが、二人で家賃の引き落とし用の口座を作っていたので毎月家賃をこの口座に振り込んでおく必要があった。
それが2ヶ月きちんと行われていたのであれば、ミーアはどこかで元気に仕事をしているのだろう。

だったら、部屋に書き置きなんかせずに通信の一つでも入れてくれればいいのに。

移動の最中、最近活動再開したというラクス・クラインが派手な格好で町中のモニターに映っていた。
軽快に歌う歌声がミーアと同じ物だから、シンは宇宙港に戻るまでの間ずっと不機嫌だった。

ラクス・クラインの歌を聴いてると、無性にミーアに触れたくなった。


<終>
79通常の名無しさんの3倍:2006/04/05(水) 19:27:05 ID:???
ラブラブ(*´Д`)
80通常の名無しさんの3倍:2006/04/05(水) 20:27:27 ID:ez2tq4xl
GJ!
81通常の名無しさんの3倍:2006/04/05(水) 20:30:35 ID:???
>>80
わかったからageるな
82通常の名無しさんの3倍:2006/04/05(水) 21:04:30 ID:???
スマソ
83通常の名無しさんの3倍:2006/04/05(水) 22:04:46 ID:???
GJ!
素ミーア編終わりっぽいですねえ。一応結ばれた?ようでよかったです。
シンに知らせずにラクス役になってまだまだ波乱がありそうですね。
続きも楽しみに待ってます。
84鬼ジュール(最近短くてスミマセン):2006/04/06(木) 21:50:25 ID:???
ミーアと音信普通になってからというもの、シンは出来る限りこまめにミーアに連絡を入れるようにした。
恐らくまだ充電器の上に置かれているであろう携帯に。
着信履歴が残っているのだから、気付けばミーアの方から連絡を入れてくれるのはわかっているのだが、それでも一刻でも早く声が聞きたかった。

それから柄にも無くシンは日記を書き始めた。
ミーアに話したい事は沢山あって。なのに全然話す事が出来ないから、話したい欲求をぶつけるように。
だからどちらかというとミーアに話し掛けるような書き方のそれは、毎日という訳ではなかったが、案外長く続いていた。
新しく与えられたインパルスの事。
これは他の誰にも与えられておらず、ザフトで唯一の換装式のMSであるということ。
最新式でもあるこれはシンにとってはちょっとした自慢だ。
ミーアならすぐに「凄ーい」と、声を上げていた事だろう。
ミーアは感激屋で、何でもかんでもすぐに感心してしまうから。
シンだって思い切り自慢して鼻高々にミーアからの賛辞を受けたかったのだが、今のところそれは無理で。
「今日はミーアの好きなラクス・クラインの護衛だってするんだからな」
と、思わず声に出して自慢する。
ザフトの端末にも移したミーアの画像を開くと、慌てたシンの背後からミーアが後ろから抱き付いていた。
この頃はまだただの同居人という状態で、自分の方がこういう事は苦手だったのだが、両想いになってからは実はこの関係は逆になっていたりする。
だからミーアに抱き付かれて驚く自分も、そんな事は気にせず無邪気に笑うミーアという図は今は見られなくて、だからこそ懐かしくてくすぐったい。
『シン、時間だ。行くぞ』
「わかった」
廊下からのレイの呼び出しにシンは声を上げてからやはり照れ臭そうに「行って来る」と、画像に声を掛けてから端末を閉じた。


そして初めて生で見るラクス・クラインは「ピンクの妖精」の二つ名に相応しく綺麗なピンク色の髪をしていた。
映像で見ていた時は薄い紫も入っているような蒼い瞳だったが、実物はもう少しオーブの深海を上空から見下ろした時のような深い蒼の瞳で、ミーアと同じ物だった。
綺麗な色だからラクスの親もその瞳の色だったのだろうかとちょっと親近感が持てて嬉しくなる。
そして体のラインがハッキリと分かる衣装は少しイメージチェンジしたのだろうかと思うが、たまたまかもしれないと特に気にしなかった。
「ラクス嬢。私はこれから別の場所の視察があるので此処からは別行動となります。しかし、優秀なザフトレッドの二人がご案内しますのでご安心を」
「・・・わかりましたわ」
隣に立っていたギルバート・デュランダル議長がラクスを見下ろして微笑むと、それに緊張した面持ちでラクスはギルバートを見上げる。
案内が居るとはいえ、男二人であれば緊張して当然かもしれない。
シンがちらりとレイを見ると、レイはそれに気付く前に一歩前に踏み出し敬礼した。
「ラクス様、ご案内致します」
「え・・・あ、はい」
気遣いの出来るレイの事だからてっきり女性隊員も呼ぶように言うのかと思ったのだが。
しかし、シンはそこで自分が気を遣う理由も無いのでそのままレイと同じように敬礼する。

そしてレイがラクスの前を、そしてシンがその後ろを歩いている時、シンは眉を顰めた。

懐かしい匂いがする。

ラクスは香水をつけているようだが、その奥に潜む匂いにシンが気づいた。
シンが知っているこの匂いの持ち主はたった一人で。

シンがこの世で一番愛しいと思う女の子の物だった。

<終>
85通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 21:59:04 ID:V310/RD1
GJです!
86通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 22:19:45 ID:???
GJ!
短くても自分的には内容結構詰まってと思うので問題なく楽しめてます
87通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 23:35:11 ID:???
おおお、GJ! このあとどうなるんだろう・・すっげー気になる。
突然の別れ・・そして再会・・になるのか?
シンがその匂いに気付いた時、気が遠くなるかと思った。
その匂いはミーアしか持っていない物で、他の誰にももっていない物だった。
ミーアが勤めていた歓楽街の女達に一応確認した事があるし、アカデミーに入ってからも仲の良い女の子には確認した事だってあるのだ。
そこで出た結論は、そういうミーアの特別な匂いはシン一人にしか分からず、そしてまたシンも他の女の子の匂いは分からないという事だった。

なのに、何故目の前のラクス・クラインからミーアと同じ匂いがするのか。
もしかしてラクスもミーアと同じようにシンには分かるというのだろうか。
いや、それでも同じ匂いというのはおかしい。

今直ぐ目の前を歩く体を引き止めてもう一度確認したい所だったが、相手はプラントの大事な歌姫で、迂闊にそんな事が出来る相手でもない。
第一シンとは初対面だ。初対面からそのような失礼な事をしたのでは自分の信用問題にも関わる。
折角日記に「ラクスの護衛だってするのだ」と書き込んだところなのに、今回限りではミーアに対しても格好がつかない。

気のせいかもしれないし、はっきりとするまで無茶な行動は控えようとシンは心に決めた。

それにしてもラクス・クラインとは歌っている画像しかミーアには見せられた事は無いのだが、ミーアと同じようにテンションが高い女の子のようだ。
何を見せても「凄い凄い」と声を上げる姿は無邪気で、「もしミーアを案内していたらこのような反応を見せるだろう」というシンの予測通りに動いてくれる。
そしてやはり香水の奥に潜む懐かしい匂いとミーアと同じ声がシンの感覚を麻痺させる。
もう随分とミーアの声を聞いておらず、その体に触れていない事がシンにとって欲求不満になっていたのだという事実を痛烈に叩き付けて来る。
目を閉じてしまえばミーアと全く同じそれに、シンは体の奥底から揺さぶられる欲望を自覚してしまう。
それでも目を開けるとその歌姫はミーアでは無いのだと思い知らされて・・・・ただ、辛い。
説明はレイに任せてシンはただ後ろを付いて歩いているだけなのだが、もうさっさと終わってしまえばいいのにと願った。

最後にMSの格納庫に向かったその時、シンはこれで漸く終わるのかと思っていた。
時間を確認してもそろそろラクスはデュランダル議長と合流の時間に近付いている。
これで終わるのだと思った時、ふとラクスが振り返り、シンに声を掛けているのに気付いた。
すっかり上の空だったシンに眉を寄せたラクスは、腰に手を当てて上体を僅かに前に傾ける。

「もぅ、シンったら聞いてるの?」

よくミーアが言う言動に、はっとシンは目を見開いた。
そのシンの反応を見てラクスもまたざっと顔を蒼褪めさせ、体を起こすと手を口の前に持って行った。
またその行動をみて不思議に思ったシンは「ラクス・クラインがどうして俺の名前を知ってるんだ?」という事に気付いた。
「何で・・・?」
「あの・・・あ、だって、さっき、この人が・・・」
ラクスはレイの方を指し、レイがシンを呼んだと言った。
しかし、シンが覚えている限りでそのように呼ばれた記憶が無い。
真っ青になったラクスの肩が小刻みに震えている。
睨み付けるようにラクスを見ると、シンの視線の強さに耐えられなくなったラクスが後退りした後、「もう、帰りますわ」と、身を翻した。
最初は早足だったのが次第に駆け足になって。
「ちょっと!待てよ!」
シンはその後ろを追い駆けた。
軍用のジープなどが縦横無尽に走っている中を突っ込もうとしている姿に驚いて。

そして、どうしても確かめなければと思った。


<終>
89通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 20:08:01 ID:???
GJ!・・・・しかしここまで来て引っ張るかー!!
引っ張って欲しい気もあったりw

出来ればミーア視点で見てみたい気もする・・ミーアはシンに気づいてる訳だし。
90通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 22:09:52 ID:???
毎日更新GJです!
続きが楽しみです
ラクス・クラインの姿を得たミーアは、ザフトの軍施設に行くのは余り好きでは無かった。
ラクスの仕事は主に表舞台に出て平和への訴えをするものだと思っていたのに、案外ザフトとも接点がある事を知った。
元々ラクスはザフトの前身である黄道同盟の設立者シーゲル・クラインの娘であり、父の良きプロパガンダ的な所があったのでザフトに関わる仕事が多かったようだ。
が、それは説明上、便宜上の物だけで、どちらかというと政治的な部分での関わりだと思っていたのだが実は裏ではラクスもザフト施設を回ったりしていたという事実に驚いた。

しかし軍施設何処に行っても歓迎されるのは嬉しかった。
自分の・・・ラクスになったミーアの姿を見てザフトの兵士が老いも若いも関係なしに頬を染めて恥ずかしそうにされるのが楽しかった。
ミーアである時には考えられなかった男達の熱を帯びた視線と女達の羨望の瞳。
そのどれもがミーアには真新しい玩具のような感覚だった。

ただ、心の何処かでシンに出会ってしまうのではないかという心だけがミーアのザフトに行こうとする気持ちを戸惑わせた。
しかし契約にあるのだから仕方ないと実際にザフトの基地を訪れてみると「赤」の数は本当にごく少数である事をミーアは知った。
シンがアカデミーでどれだけ頑張っていたのかをそれだけでも知れて嬉しくて、シンがその場に居れば沢山キスをしてあげたい所だった。
両想いになってからというもの、シンはどんどん格好よくなっていった。
それまでは年下の、いつ壊れてしまうのか分からないような危うさを持つ放っておけない同居人だったのに、アカデミーに入ってからは自分の身長に追いついて、追い抜いてしまって。
体もアカデミーで相当鍛えられたのか、初めて触れた時は余り筋肉のついていない薄い胸が綺麗だと思ったものだが、たまに帰って来る毎に胸板が厚くなり、二の腕の筋が太くなり、
腕から手にかけての筋も大きく浮き立って見えると自分の知らない所でシンが大人の男になろうとしているのだと思うと切なくて、そしてどきどきした。

その腕に抱かれる自分が何も変化していないように感じられて切なくて。
しかし変わらぬ笑顔で、「好きだ」と告白してくれる声に胸が高鳴って。

自分を置いてどんどん格好良くなっていくシンが、ミーアには怖くて仕方がなかった。



自分もラクス様みたいに綺麗だったらシンの彼女として胸を張って生きられるのかな。



その願いを叶えた時、ミーアはただ純粋に喜んだ。
楽しくて嬉しくて仕方なかった。
すっかり変わってしまった自分の姿を見て、シンが喜んでくれると信じてもいた。
しかし手術後に顔の包帯を取った時、医者に「すっかり別人ですよ。どこからどう見てもラクス・クラインです」と、にこやかに言われた瞬間、シンにも自分だと気付かれなかったらどうしようとその時になって恐怖した。
「そんなまさか」と聞けば誰もが思ったかもしれないが、ミーアは自分がミーアであるとシンに伝えたら直ぐに信じて貰えるのだと思っていたのだ。思い込んでいた。
ただシンが喜んでくれる姿しか考えられなかったのだ。

変えたのは、顔と髪だけなのだから。
瞳の色も、声も体も変えていないのだから。

シンに会えない間に日記を書こうと思っていたのだが、その恐怖だけはどうしてもそこに記す事は出来なかった。
向き合えなかった。


92鬼ジュール(まだ引っ張ってます):2006/04/08(土) 18:07:26 ID:???

ザフトには各コロニーに駐屯地があり、宇宙にも拠点がある。
ミーアが訪れる場所にシンが居る可能性なんてとても低いに違いないと思い始めたその時、まさか自分の護衛として目の前に現れた。
縋るようにギルバートに視線を向けたが、ギルバートはミーアの交友関係までは把握していないのかもしれない。
ただ穏やかに微笑まれると、ミーアも自然と「大丈夫」と思えた。
自分が完璧に「ラクス」を演じていればこの場は凌げると思った。
そしてもし二人きりになれる時間が取れたならその時に事情を伝えれば、シンならすぐに信じてくれると言い聞かせた。

しかし・・・・・。

「もぅ、シンったら聞いてるの?」

シンやレイのような綺麗な男の子に案内されて行くのはどきどきしたが楽しかった。
物語のヒロインにでもなれた気がして夢心地でもあった。
だからつい、浮かれて言ってしまったのだ。

その言葉はこの場では決して言ってはならない一言で。

シンのきょとんとした表情に、自分の気が緩んでいた事に気付いた。

たちまち全身の血が凍ったような感覚になり、自分の言葉が簡単に誤魔化される物ではない事にも気付いた。
レイとシンとミーア自身しかいないというこの状況下で話を誤魔化してくれる人はいない。
まるで警戒心を剥き出しにするシンに、「違うの・・・」と、心の中で何度も言い訳をした。


あたしはミーアで、ラクス様じゃないの!


しかし、シンと二人きりであればともかく、レイも居るこの場でそれは決して言えない。
震える体を必死に押さえつけ、ミーアは助けてくれる人を求めて身を翻し、走り出した。

何処に行けば「その人」に会えるのかなんて分からなかったが、とにかくすぐにギルバートと合流して相談しなければとそれだけで頭の中は一杯だった。


だから今自分が何処に居るのか、何処に向かっているのか、目の前の景色が何であるのかさえもミーアには判断出来なくなっていた。

「ちょっと!待てよ!」

聞こえたシンの声が嬉しい筈なのに。
どうしてこの声から逃げなくてはならないのだろう。


どうしても、シンにだけは嫌われたくなかった。



<終>
93通常の名無しさんの3倍:2006/04/08(土) 19:39:16 ID:???
本当にミーア視点キタww
GJでした!!
9489:2006/04/08(土) 23:34:14 ID:???
GJです、ありがとうございました。
世界が変わってはしゃいでいるとことか、でも心の中には
ちゃんとシンが居るとことか良かったです。
さて、シンと本格的に言葉を交わすのはいつなんでしょう。
楽しみにしています。
95通常の名無しさんの3倍:2006/04/09(日) 11:07:14 ID:CGzG/8tL
GJ!
96通常の名無しさんの3倍:2006/04/10(月) 08:46:28 ID:???
ミーア視点もいいねー
97鬼ジュール(シン視点での続き):2006/04/10(月) 13:38:00 ID:???
ラクスはMSの格納庫から飛び出し、明るい光差す表に出た。
そこは軍用ジープやバイクが走っていて、MS格納庫という事で多くのザクが出入りしている。
ラクスも飛び出した瞬間ジープが急ブレーキを踏み、思わずその場に固まっていた姿を見てシンもぞっとした。

馬鹿か!?

なのに追い駆けて来るシンを一度振り返ると「ごめんなさい!」と、謝罪し更に走り出す。
合流場所とは全然違う「関係者立ち入り禁止」と書かれた看板にも目もくれず、「KEEP OUT」のテープが張られた所も潜って行く。
そんな場所に入り込めばシンが益々追い駆けるに違いないのに、ラクスはそれでも構わずに突き進んでいく。
高いヒールで走るのが苦手なのか、時々小石に躓いて足を取られる。
そこでバランスを崩すのだが、何とかこけるまでは至らず走り続ける。
ヒールを履いた女の子に追い付くのに軍で鍛えたシンがそんなに時間が掛かる筈もない。
阻むジープに戸惑いはしたが、シンもラクスを追ってテープを飛び越し追い駆ける。
先程躓いた時に足を捻ったのか、左足を庇うように走っているのが少し痛々しい。

「待てよ!」

制止の声を上げると、シンが着実に追い付いている事に驚いたのかラクスは肩を跳ね上げ振り返ったと同時に再び足を捻ってしまう。

「きゃぁ!」

足を縺れさせ前倒しに倒れるのをシンは飛び出して手を伸ばし、その体を抱き寄せて体を反転させるとシンの肩から滑るように倒れた。
それなりに勢いがあった為、肩が熱い。

砂埃を大きく立てながら制止すると、叫んだ。


「馬鹿ミーア!」


きつく抱き締めればすぐに分かる。
鼻腔を擽る花のような、いやそれよりもお菓子のような甘ったるい、ただ一つシンが特別に分かる匂い。
そして彼女の体。
何回も、何十回も何百回もこの腕に抱いた体をシンが間違う筈が無かった。
離れていてもずっと求めていたのはこの体だけで、全てを無くしたシンが手に入れたたった一つの生への執着だ。
その体の温かさにシンは彼女の体を引き上げてもう一度きつく抱き締め直した。
数ヶ月振りの温もりに、やっと見つけた安堵感にシンは腹の底からこみ上げて来る熱に押されるように涙を流した。

これがラクスだと言われても今のシンには到底信じられる物ではなかった。
傍から見れば、もしくは客観的に考えたのであればラクスだと名乗り、確かに外見もラクスの容姿をしていればミーアと断言するシンの感覚の方が異常だと判断されそうなものだが、それを忠告する者も居なければ、シン自身彼女がミーアではないと疑う余地が無かった。

「何・・・こんな所で遊んでるんだよ。何してるんだよ・・・・・馬鹿、ミーア」
「あ・・・」
98鬼ジュール(そしてやっぱり引っ張る):2006/04/10(月) 13:39:35 ID:???

シンの腕の中の体が体を起こした。
シンの胸に手を着いて起こした体を逃すまいとシンは抱き締める手の位置を背から腰に移動させたがその強さは変わらなかった。
少女の瞳は沢山の涙の跡で濡れていた。
嗚咽で唇が震え、眉は痛そうな程寄せられている。
その中で彼女は口を開いた。

「ご無事でしたか?ラクス様」

しかし、発せられた声は彼女の物ではなく、追い付いたレイの物で。
その声に肩を大きく揺らした彼女はレイを振り返った。

「え、えぇ。ご心配をお掛け致しましたわ」

レイの視線がシンに移ると、その無言の圧力にシンは涙を拭うと体を起こし、抱き締めた手を一度は放して一人立ち上がると軍服に付いた砂埃を払い落とす。
それから彼女の体の砂も簡単に叩き、手を自分の首に回させるとそのまま抱き上げた。

「足、痛いんだろ」
「はい・・」

レイの声を聞いた瞬間、シンは現実に強制的に呼び戻された感覚がした。
そして突然腕の中の少女がミーアではない、ラクスでもない酷く中途半端なものに見えた。



シンの感覚では考えられないような、醜く、汚らわしい、モノに。



なのに、どうして涙は、流れ続けるのだろう。
どうして、腕の中で静かに涙を流す少女を決して放したくないと思うのだろう。



<終>
99通常の名無しさんの3倍:2006/04/10(月) 17:16:43 ID:???
GJ!!
100通常の名無しさんの3倍:2006/04/10(月) 21:13:48 ID:???
GJ!!いろいろ複雑な心境のシンの今後に期待w
シンがアカデミーからクインティリスに戻って来る時は大抵早朝だ。
なるべく多くの時間をミーアと過ごしたいというシンは、前日の訓練がどんなに厳しい物だったとしても翌日は朝一番に起きて朝食も食べずにアプリリウスからクインティリス行きのシャトルに乗る。
その為、家に戻って来ても夜遅くまで仕事をしているミーアを起こさないようにチャイムも鳴らさずロックを外して静かに入る。
次に自分の部屋に入ってまず荷物を置くと窓を開ける。
ずっと使っていない自分の部屋に新しい空気が入るのは心地いい。
そこで軽く体をほぐすとまたそっと居間を通って台所にまで移動すると冷蔵庫を開ける。

まともに入っているのが野菜ジュースと果物と水だけなのはどうなんだ?と、一人だとかなりいい加減いなるらしいミーアの食生活に溜息を吐く。
多分昼まで寝て、起きて野菜ジュースを飲んで家の事をして、夕方になって仕事に出ていたのだろう。
シンが来る前がそうだったというから、ミーアの感覚からすると「昔に戻った」程度のものなのだろうが、シンにしてみればよく3食きっちり食べない生活は考えられない。
ミーアもシンと過ごしていた時にはきちんと3食食べていたのだから、本来ミーアも3食食べた方が体調を整えるにはいいとシンは思うのだが。
食事よりも睡眠が優先されてしまうのだろう。
そこでシンは籠の中に入っていた野菜を物色し、果物も冷蔵庫から出して簡単にサラダだけ作る。
パンは家に戻る途中のパン屋で購入してあるのでそれを皿に並べるとシンはミーアの部屋に侵入する。
ノックもせずに入るのは昔は怒られていたものだが、今では全く気にしない。
横向きに丸まって寝る癖のあるミーアは頭の上までシーツを被っていた。
息苦しくないのだろうかといつも思うのだが、いつもシーツは頭まで被っている。
シンはシーツを捲ってその隣に横になり、ミーアの体を背後から抱き締めると一度目を閉じて彼女の匂いを感じる。
シーツの中に篭ったミーアだけの匂いにシンは少し照れ臭くなる。
アカデミーに居る間は寮生活なので、同室のレイの目が気になって余り通信は入れられなくて。
通信を入れても甘ったるい会話は殆ど出来なくて、互いにモニターに手を当てて手を重ねたつもりになっている程度か。
それが今はミーアの体はシンの腕の中にあり、酔ってしまいそうな甘ったるい匂いにうっとりと目を閉じる。
早く起こして一緒に朝食を食べなければシンもお腹が空いているのだが、ミーアはいつも恥ずかしがってシンの腕から逃げようとするので、こうもたっぷりと抱き締められるのは彼女が寝ている時だけだ。
此処で足も絡めようと抱き締めていた手をミーアの太腿のところにまで下ろすと、パジャマとは違った感触に眉を顰めて視線を移す。
そこで見てみるとミーアはジーンズを穿いたまま寝ていた。
しかし、抱き締めた時には煙草の匂いはしなかった。代わりにシャンプーの匂いが強く香る。という事は風呂には入ったのだろうが、また洋服に着替えた事になる。
バイトが休みだったとも考えてみたのだが、であれば余計に時間に余裕があるだろうから服のまま寝ている意味が分からない。
とにかく寝にくそうだからとジーンズを脱がそうとした所でミーアが身動ぎして目を覚ました。
そこで少し緩んだジーンズを脱がそうとする手に気付き、慌てて振り返る。
まず叫ぶなり手を捕まえるなり振り返るよりも前にする事はありそうな物だが、此処が間の抜けているミーアらしいと思うと振り返った頬に口付ける。

「おはよう、ご飯出来てる」
「シン!?あれ?」

ミーアはシンが下着と一緒にジーンズを脱がそうとしているのに気付いて漸くその手を叩くと起き上がる。
そして時計を見て「あれ!?もう8時だよ!」と、黒髪を手櫛で梳きながら目を見開く。
どうやらシンを宇宙港まで迎えに行くつもりだったらしい。
それで寝難いジーンズを穿いて起きやすくしていたのだろうが、すっかり熟睡していたようだ。

「ごめんねぇ。荷物とか多くなかった?」
「男の荷物がそんなに多い訳ないだろ。あっても俺より非力なミーアに持たせてどうするんだよ」
「それでもちょっとした物でもあったら持とうかなぁとか思ってたんだけど、本当にゴメン!寝坊しちゃった」
「いいよ、期待してないから。ミーアは俺より遅くまで働いてるんだから気にするな」
「うん、ありがとう」
102鬼ジュール:2006/04/11(火) 18:02:41 ID:???

折角だから早く朝ご飯食べて何処か行こうか?と、ミーアがシンの体を跨いで床のスリッパを履くと、シンが背後からミーアの腰を抱いた。
「それより」
「な、何?」
少し前までは見せなかったような柔らかい表情のシンに、ミーアはシンの腕の中で体を反転させると瞬時に頬を真っ赤に染め、うろたえて顔を左右に振る。
それでもシンは構わずミーアの両手を取って引き寄せると唇に、口付ける。
まだ触れるだけのそれにシンはいささか不満があるのだが、ミーアにしてみればこれでも頑張っているのだ。
シンがどんどん格好良くなっていっているのに自覚が無いからミーア一人慌てふためく事になるのだと恨めしげに思う。
そして、まだじっとミーアを見つめて動かないシンのその視線の意味に気付いてミーアは困ったように眉を寄せる。

シンは待っているのだ。
ミーアからのキスを。

シンには家族がいたから割とそういう事もしてたかもしれないけど、あたしそんなの慣れてないんだから!

と、これまでに何度も主張した言葉を心の中で叫ぶが、それを口に出せば「じゃあ今から慣れればいいだろ」と、返されるのが落ちなのだ。
慣れるんだろうかと思うと、シンにいいように言い包められているような気がしなくもない。


しかし綺麗なシンの顔を見ていると、ちょっと・・・・胸が高鳴って、・・・・触りたい。かも。


勢いをつけて「ちゅっ」と一瞬だけ口付けると、もっと触れたくなるのだから不思議だ。
今度はしっかりと見詰め合って口付けるとシンが一層ミーアを抱き寄せて来るのでそれには「ご、ご飯食べよう?」と、軽く逃げてみる。
シンは思い切り不満の表情を見せたが、諦めの溜息を吐くとベッドから降りてミーアの腰に手を回して居間に向かう。


そこでシンの用意した朝食に舌鼓を打ちながら今日の計画を立てる。

「俺、寝たい」
「え!?何で!?」
「昨日のサバイバル訓練で45kgのリュック背負ってマシンガン下げて8時間走り続けるとかやったからもう眠くて」
「相変わらずハードだね・・・」
「今時そんな訓練してどうするんだって思うんだけど、仕方ないよなぁ・・・単なる筋力作りって言うんだから。だから午前中は寝かせて。昼から出よう」
「いいよ」

では昼から遊びに行くには何処がいいだろうかとミーアは真剣に悩むから、シンもまた眉を寄せて唸った。
食後、二人で片付けを終えるとすぐに寝るのは体に悪いからと、半強制的にミーアはシンに風呂場まで連れて行かれて一緒に風呂に入る事になってしまう。

片付けの間に手際良く浴槽に湯を張っていた為結局は逆らえなくて。

ミーアは狭い浴槽の中シンの胸に背を預けるようにして湯船に浸かると、互いの存在の心地良さと日頃の疲れの為に二人でそのまま眠ってしまったというのは言うまでもなかった。


<終>
103通常の名無しさんの3倍:2006/04/11(火) 21:23:31 ID:???
GJ!!
前までの続きも気になるけどほのぼのとしたこっちもイイ!!
104通常の名無しさんの3倍:2006/04/12(水) 00:39:52 ID:???
GJ!!
105鬼ジュール:2006/04/12(水) 11:14:15 ID:???

ラクスを抱き、最後のMS格納庫については説明が終わっていないがどうするかとレイが確認すると、彼女は俯いたまま「戻って下さい。説明は最後まで伺いますわ」と、小さな声で答えた。

「じゃあレイ、一度医務室に行って来る。レイは遅くなる事連絡しててくれないか?」
「・・・・・分かった」

応じたレイが意味深にシンを見つめた。
その視線に「大丈夫、足を挫いたみたいだから手当てしたらすぐ戻る」と、シンも力弱く静かに答えると、レイはそれ以上何も言わずに踵を返して連絡を入れる為に内線のある場所に向かった。
シンは何となくその後姿を確認してから歩き出した。
腕の中の少女はずっとシンの腕の中で震えていて、決して上を見ようとはしなかった。
しかし、シンにはそれは関係ないと思えた。
馬鹿な女が居て、馬鹿な事をしたのだ。
ただ腹立たしさが先に立ち、イライラとブーツの踵を床に打ち付けて歩く。
しかし更に気に食わないのは、色んな男達が廊下で擦れ違うラクスに敬礼をして道を譲る事か。
ある者は気遣わしげに、ある者は頬を染めてまるで頭から湯気を出すような程浮かれた様子で。
皆が興味津々に彼女の顔を覗き込み、うっとりした表情でラクスの姿に雰囲気が柔らかくなる。
それにラクスも気付いたのか、泣いた頬を綺麗に拭って擦れ違う兵士に軽く手を上げて微笑み掛けているのだろう。
その姿にシンは更に腹を立て、胸の奥からこみ上げて来る切なさに苛立つ。

昔何度心配になっただろう。
ミーアは可愛い。
体だけでは納まりきれない明るさを全身から発散させる。
その人懐っこい微笑みから相手の顔から笑顔を引き出す事などミーアには簡単な事なのだ。
そうしてクインティリスのあの歓楽街ではミーアの外見をイマイチと評価しながらも、「店に寄って行かないか」と、声を掛けずにはいられなくなる。
そして恐ろしい事に、ミーアは次に会った時にはそんな客寄せの男とも普通に声を掛けたりしているのだ。
ミーアにはそれが普通の事で、もてているという感覚にはなっていないのだろうが、シンには分かっている。皆、ミーアに好感を抱いているのだ。
だから心配で歓楽街まで迎えに行っていたんだと、思い出して・・・・「ミーアの馬鹿」を心の中で連呼する。

無自覚鈍感娘。

シンは「くっ」と唇を噛み締めると、歩く速度を上げた。
これ以上他の男達の目に触れさせたくなかった。

106鬼ジュール:2006/04/12(水) 11:16:07 ID:???

シンは誰も居ない医務室を見つけると、そこのロックを外して入った。
大抵の医務室には医師が常駐している。
しかし、それとは別に危険な薬品などは無く、応急セット程度の設備で無人の医務室もある。
戦時中ならともかく、戦争のない今そこまで怪我人は多くなく、医師の数もそこまで必要ないのだ。

中に入ると一度少女を簡易ベッドに横たわらせると中から扉をロックする。
なるべく厳重に。
それから包帯の置いてある棚を空けて包帯を取り出すと、体を起こした彼女の居るベッドの上に腰掛ける。
思わず体を引いた少女にシンは嫌そうに眉を顰めると、捻った左足に手を伸ばして引き寄せた。

「痛むのか?」

足を掴んだ瞬間顔を顰めるから。
靴を両方脱がすと、靴擦れも起こしていて皮が剥け、血を滲ませていた。


そこまで、お前は俺から逃げたかったのか?


無言で突きつけられるその意思表示にシンは言いようのない苦しさに俯いた。
怒りやもどかしさや切なさ、苦しさがシンの体を駆け巡る。



自分が嫌いになるのは簡単で、いくらでも身勝手になれるというのに、相手から嫌われているのだと知るのはどうしてこんなに胸が痛くて相手を責めてしまうのか。




「実は、俺の事嫌いだった・・・・・?」




新たに涙が滲んだ。


<終>
107通常の名無しさんの3倍:2006/04/12(水) 15:10:35 ID:D0uA/1nh
GJ!
108通常の名無しさんの3倍:2006/04/12(水) 15:32:14 ID:???
シンミア面白いな、GJ!
109鬼ジュール(段々痛々しく・・・):2006/04/13(木) 16:15:30 ID:???

シンの思い詰めた声に、少女は肩を大きく震わせた。
そしてシンの涙が頬を伝ったのを見た瞬間、小さく首を左右に振った。
次第に少女の目にも涙が溢れ、はらはらと流れていく。
シンはそれを見て、少なからずショックを受けた。

認めた。

シンには彼女がミーアであるという確証があった。
断言だって出来た。
しかし、それを最後の最後まで心のどこかで否定して欲しいと願っていたのだ。
彼女をミーアと呼ぶのは全てが自分の思い込みのような物で、此処でラクスが笑って「何の事でしょう?」とでも言ってくれたらどれだけその言葉に縋りたかった事か。

しかし、彼女は認めた。
シンの事が嫌いではないと、自分がミーアだと認めた上で否定したのだ。
その瞬間シンはミーアの足を引き寄せ、自分もまたベッドの上に上がる。
突然シンに足を引かれた事で後ろ手で自分の体を支えていた彼女はその力を無くしてベッドの上に仰向けになる。
その上にシンが覆い被さると、逃れられないように両手を捕らえて口付けた。

舌で彼女の口紅を落としてしまうように舐め、逃げるように顔を左右に振るのを止めたくて片手で彼女の手を捕らえ直すと顎に手を添えて口付けしやすいように固定する。
それから歯を食いしばっているのか、口を開けない事に腹を立てると鼻を摘む。
すると程なくして空気を求めて口が開かれた所を強引に舌を差し入れる。

こんな口付け、ミーアには一度としてした事がなかった。

いつも触れるだけで幸せを感じていた口付けは、今は逃げるように奥に引っ込んだ舌を捜すように大きく口を開かせ、責めるように縦横無尽に歯列の裏を、頬の内側をと舐めて行く。

「んっ・・・ふ・・・・ぁっ。ぁっ・・・」

空気を求めて浅く、早く上下する胸が息苦しさを訴えるが、そんな事で口付けを止められる訳がなかった。
自分の体の下でもがき苦しむ女の姿は、ミーアとはとても似ていなくて、大切に扱う理由などシンにはなかったのだから。
ミーアではない女に優しくするつもりはない。

口付けても、口付けても満たされない。

ただ苦しくて涙を流しながらの口付けは、シン自身にも楽しい物でも嬉しい物でも、幸せな物でもなかった。
その虚しさに飽きると、シンは唇を離す。
二人のキスを名残惜しむのは、間に張った二人の唾液の糸だけか。
シンは上体を起こすとそのまま彼女の足を掴んで肩の方へと押し上げた。

「あ、あの!」

ミーアと同じ声が響くが、そんな声は無視する。
左足の太腿の内側、そこに本当に小さな黒子が二つ並んでいる。
「なんか可愛い」と、昔背中に見つけた黒子をきっかけに、全身の黒子の場所と数を覚えていた自分が恨めしい。
しかし、やはりこの黒子の位置もミーアと同じ物で、きっと背中を見れば丁度臍の裏の所にも黒子がある事だろう。
110鬼ジュール(重苦しく):2006/04/13(木) 16:16:54 ID:???

どうしてミーアと同じ場所に黒子があるのか。

シン自身彼女はミーアであると確信しながらも、認めたくない気持ちからこの太腿の黒子の上に歯を立てて消してしまいたくなる。
ミーアの太腿を抱えていた手を放して俯くと、シーツの上にぱたり、ぱたりと雫が落ちる。
彼女はスカートを調えながら起き上がると恐る恐る手を伸ばしてシンの頭を抱き寄せる。
堪らず縋り付いたシンの腕の強さに、体の骨が悲鳴を上げそうだったが、それは歯を食い縛って堪えて抱き寄せたこめかみに口付ける。



「あたし、シンに相応しい女の子になれたよ・・・。隣に立って恥ずかしくない女の子になったの」



なのにどうして喜んでくれないの?



彼女がその姿を得た理由に自分が関係している事に気付いたシンは、何も分かっていないこの愚かな女の子に何を言えばいいのか分からなくなった。

怒りが、込み上げて来た。
自分の彼女に対する想いは、彼女には今まで伝わっていなかったのだ。

「俺にとってはミーアが一番可愛い。誰の目にも触れさせたくない」と、何度も想いを篭めて、愛を篭めて伝えていたのに。

「ありがとう」

と、頬を染めて嬉しそうに微笑んでいたミーアは、その微笑みの裏でそんな自分の言葉を、想いを信じていなかったのだ。


裏切られたと、思わずにはいられなかった。




<終>
111通常の名無しさんの3倍:2006/04/13(木) 19:35:52 ID:???
GJ!
112通常の名無しさんの3倍:2006/04/13(木) 21:17:17 ID:???
起承転結の転の部分にさしかかってきたようでここからどう話が続くのか楽しみにしてます
GJでした〜
113通常の名無しさんの3倍:2006/04/13(木) 22:46:01 ID:???
なんか凄い展開になっておる
面白かったです
続き待ってます
114通常の名無しさんの3倍:2006/04/14(金) 00:48:19 ID:???
Gjです。
すれ違う二人の心情がよかったです・・
やっぱりこういう展開もないとなあ。
続き期待してます。
115通常の名無しさんの3倍:2006/04/15(土) 03:02:58 ID:???
なんか静かだな。
保守しとくか。
116鬼ジュール(最悪な展開へと・・・・):2006/04/15(土) 14:36:14 ID:???

シンは顔を上げ、目の前の少女から僅かに離れると肩をぽんっと押した。
そして何の感情もない表情で手当てを始めると、「痛いと思ったら言って」「じゃあ此処で固定する」「両足とも足首柔らかいみたいだから捻挫まではいってないけど、今夜は痛くなる。足首鍛えないとまたすぐにこける」と、必要最低限だけを口にする。

「シン・・・?」

一度だけ、彼女が声を掛けて来たが・・・・・・それは綺麗に無視された。
手当てがもう少しで終わる頃、二人の戻りが遅い事を心配したレイが通信を入れて来た。

『シン。まだ手当ては終わりそうにないか?ラクス様にはもう次の予定がある。今日の続きはまた後日行われる事になった。早急にラクス様を連れて戻るように』
「レイ、悪いけど俺急用を思い出したんだ。今手当て終わったから彼女迎えに来てくれないか?」
『・・・・分かった』
「頼む」

最後に包帯を固定すると、その上にネットを被せて救急箱の中にあった湿布を一袋渡した。
「これ、換えの湿布」
「シン・・・!」

縋るように呼び掛けられる声に、シンは心底嫌悪感を覚える。
改めてラクスを見下ろして、その頬に流れる涙を見ても胸が痛む事が無い。
何の感情も湧かない。


「悪いけど、俺アンタとは初対面なんだけど、気安く呼ばないでくれないか?・・・・さっきは悪かったな。人違いしたんだ。俺の知り合いと声が似てたから」
「シン!あたし・・・あたしミーアだよ!シンの為に綺麗になったの!あたしラクス様にそっくりでしょう?綺麗でしょう?」
「俺のミーアはクインティリスに居る。癖のある黒髪で馬鹿みたいにお人好しで、綺麗な声で歌うラクス・クラインにも負けない歌姫なんだ。皆がミーアを好きで、俺もお人好しで馬鹿で間が抜けてて何にでも一生懸命になれるミーアが大好きで。
今ちょっと仕事で家に帰って来てないけど、あの家で待ってたら絶対帰って来る。だから、あんたじゃない。あんたはミーアじゃない」


その偽りの姿を捨て、また元のミーアに戻ったら家に帰って来い。
そうしたら許してやらない事もない。

そんなつもりで言い終えると、医務室のロックを解除した。



「もう、会う事なんてないだろうけど」
「シン!」



ぷしゅん・・・と、ドアが開き、シンはもう振り返る事無く退室した。
廊下の先でレイの姿が見えて少し気まずくてシンは反対側に逃げるように走っていく。
今は誰にも会いたくなかった。

レイが医務室に入ると、ベッドの上にラクスは座り込んで泣いていた。
その傍らに立ち、「ラクス様、もう次の予定の時間が迫っているとの事です。行きましょう」と、声を掛けると弱々しく首を左右に振った。

「出来ない・・・。あたし、出来ない・・・・。なんで?・・・・あたし・・・」

混乱し、一杯一杯になった頭では何も考えられなくて指一本動かす事が出来ない。
力を無くした彼女の姿と、先程のシンの言葉を聞けば大体どんな会話をし、結論に至ったのか大体の想像は出来たが、彼女のこの姿は予定外だった。
シンが彼女を見捨てる筈がないと心の中のどこかで願っていたのだが、それ以上にこの姿はシンに不快感を与えたようだ。
これなら二人きりにしない方が良かったと、レイは上体を屈めて彼女の耳元に唇を寄せた。

「・・・・ミーアさん」
「・・そんなの、・・・・知らない」

自分の正体をばらされてぴくりとも動かない姿に危機感を覚える。
彼女には自分の存在に興味を無くして貰っては困るのだ。
それはラクスにならない。
ミーアは自分の存在を強く外に主張したいというエネルギーを強く持つ少女だ。
だからこそ自分の姿にコンプレックスを持ち、変わりたいと願った。
声が似ているというだけではない。ラクス以上に周囲を巻き込めるだけの力を持った少女だと判断したからこそ彼女は選ばれた。
今彼女を失う訳にはいかないのだと、レイはベッドに腰掛けて俯き、震える少女の体を抱き締めた。

詭弁だと理解しながら。
それでも、ギルバートの為に。

「貴女が無事で良かった。貴女と連絡が取れなくなったとシンに聞かされた時には・・・」

此処で最後まで言わずにわざと余韻を残して抱き締める力を僅かに強める。
そんな事を頭で計算しながら行動する自分の姿にレイは奇妙な感覚を覚えながら、しかし自分の思いつく限りでミーアを陥落しに掛かる。

「あたし・・・もう、あたしじゃないの」
「いいえ。貴女はラクス・クラインで、ミーア・キャンベルです。貴女には貴女にしか出来ない役割がある。そして、どんな姿であろうとこの世でたった一人の貴女である事に変わりない」


ミーアはその言葉に縋るようにレイに向き直り、恐々とレイの背中に手を回した。


レイはその感触に安堵感を覚える。
養父の物とも違う細く繊細な腕が抱きしめる感触は酷く頼りないと思うのに、それとは別にこの儚さが強く女性を意識させられる。
細いのに不思議と柔らかな肢体に肌から伝う甘い匂いが肉食獣のような餓えを呼び起こす。

「シンが・・・羨ましかった」

吐息の多く混じる声で囁いて、体を僅かに離した隙間を惜しむように顎を引いて距離をおかずに見つめ合う。
どういう意味かはさて置き、レイにとってこの言葉に偽りはない。
僅かに視線を落として、直接見詰め合っている訳ではないのだが、互いを意識しながらレイは顎を上げる。
唇を、寄せるように。

暫く彼女がそれに逃げる様子を見せないので、それを了承と取って口付ける。

2度3度と繰り返し、レイは彼女の背をしっかりと支えてベッドに優しく押し倒した。



それからというもの、レイは2日に一度、3日に一度とラクスに呼ばれて訓練が終わった夕方6時頃から許可を得て宿舎を抜け出し、日が変わった頃か、翌朝戻って来る。
シンはレイの出掛けて行く姿も、戻ってくる姿も遠くから何も言わずに見ていた。
レイがラクスと会って何をしているのか、想像した日には気が狂いそうになった。
もしかして彼女の素肌に唇を寄せ、触れているのではないかという最悪な事まで考えた時にはその嫌な絵を打ち消すように壁を殴り続けた。

しかし、彼女を見捨てたのは自分だ。
自分がそう決めたのだ。

そう何度も繰り返して思い、何度も決意するが、心の何処かで彼女が元の姿に戻ってくれる事を望んでいた。待っていた。
だからこそこのどうしようもない怒りを持て余し、シンはただ我武者羅に訓練に取り組んだ。
それでも今日もどこかでラクスは歌っている。

「最近のシンちょっと怒ってない?」
「別に」

心配するルナマリアの声も簡単に突き放し、シンは以前にも増して目つきがきつくなっていった。


気を緩めてしまえば溢れてしまう涙をただ、堪える為に。



<終>
****************
此処まで書いておいてなんですが、レイとミーアがどこまで行ったのかは何も考えておらず。
何も無いでもこの二人ならありそうとも思ったり。
次までにどこまでいったか宿題にしときます。
119通常の名無しさんの3倍:2006/04/15(土) 16:32:41 ID:???
いい感じに修羅場ってますな〜。ここからどう終結させるのか予想できませんね。楽しみにしてますw
120通常の名無しさんの3倍:2006/04/15(土) 17:12:36 ID:jfCvltCh
シンミア好きだが、レイミアもなかなかいいなwww
121通常の名無しさんの3倍:2006/04/17(月) 01:37:31 ID:???
続きがすげー気になる。
wktkして待ってますぜ。
122通常の名無しさんの3倍:2006/04/17(月) 08:45:21 ID:???
保守!

訓練終了後、今日も早々にレイは着替える。
その後姿をいつものように追っていると、レイがシンを振り返ったのでシンは反射的に顔を逸らす。

「シン」
「・・・何?」
「今日代わらないか?」

真っ直ぐ見つめるレイの瞳にシンは言葉に詰まる。
しかし、直ぐにレイはミーアの事は知らないのだと、彼女をラクスと思ってレイは接している筈なのだと思い出してシンは少し肩の力を抜く。
レイは「ラクス」の要請を受けて「任務」に着いているだけなのだ。
それに対してシンがレイに当たるのは間違えている。

「いや、俺も用があるから」
「・・・そうか」

レイは納得したのかそのまま着替えを続ける。
シンもその隣でいつものように着替えようとして・・・・何故今日になってレイが自分に仕事を代わって欲しいと言ったのか気になって動きが止まる。

「レイこそ何か用事が・・」

そう言ってシンがレイに声を掛けた時、着替え途中のレイの鎖骨の上にある赤い痣に目が止まる。
前回のラクスの呼び出しが二日前だったと思い出して、かっと頭に血が上る。

「レイ!お前!」

胸倉を掴みロッカーにその体を押し付けるとシンは力の限りでレイの体を持ち上げようとする。
レイはそんなシンの行為をじっと見ていた。

「どうした?シン」
「・・・・・っ!」
「何でもないなら手を放してくれないか?」

淡々とした声に腹立たしさを感じるが、レイにとってはシンの行動は理解出来ないものだろうと思うとシンは諦めて手を放す。
しかし込み上げる怒りは簡単に収まる物ではない。

「・・・・悪い」
「いや・・・。用事というのは」
「・・・明日から3日間クインティリスの家に帰ろうかと思って・・・」
「誰も居ないのに?」

インナーを脱ぐ手が止まった。
頭を袖口の中に入れて後は両手を抜けば脱げる筈なのだが、涙が流れそうに顔をくしゃくしゃに顰めてしまっては脱ぐ事が出来ない。
泣いている顔をレイにも、誰にも見られたくはないから。
しかし、ここではっと気付く。
124鬼ジュール:2006/04/17(月) 17:42:23 ID:???

どうしてレイはクインティリスに誰も居ない事を知っているのか。
誰にも言っていない筈である。
誰かに相談したいと思った事は何度もあった。
しかし、ミーアは帰って来るのだと信じていたからこそ誰にも言わなかった。
言って誰かに「もう帰ってこないんじゃないのか」と、言われるのが怖くて誰にも言えないと思っていたのだ。
それが、友達であるレイだったとしても。

「・・・どうしてレイがクインティリスに誰も居ない事知ってるんだ?」
「・・・」

一気にインナーを脱ぐ。
もう涙の気配もない。
レイは一度シンを見たが、その後は黙々と着替えていた。

「レイ!」
「もう彼女に未練が無いのならクインティリスの家を出ろ。アプリリウスに部屋を改めて借りた方が便利だ。誰も居ないクインティリスに何がある」
「そんな事言われたくない!」
「彼女はもう昔の彼女じゃない」
「ミーアは・・・・!」

そこで着替え終わったレイがロッカーを閉めると同時にシンに向き直った。

「俺は彼女の外見がどうであろうと気にしない」
「俺は・・・」

俺だって!

そう言おうとして、今一番ミーアの外見に拘っている自分の姿を自覚した。
しかし、勿論簡単に自分の姿を捨てたミーアが一番悪いという気持ちに変わりは無い。
ミーアは自分が変わったのだと言っていたが、そうではないのだ。
外見をただ変えただけじゃない。
他人に成りすまそうとしているのだ。
それはミーアが変わったのではなくて、ミーアがミーアを殺して他人の歴史を奪ったのだ。
同時に、シンも捨てたのだと感じたからこそどうしても許せなかった。


だから、自分が一番正しい筈なのに・・・・・・!


「彼女の心根は変わらない。彼女がまた自分の姿を捨て、別の誰かになったとしても、彼女は俺を抱き締めてくれる。俺が求める限り」
「レイ・・・・。お前・・・・」
「シン。中途半端な気持ちなら過去の彼女ごと捨てた方がいい。過去にしがみ付いても無益だ」
125鬼ジュール:2006/04/17(月) 17:43:36 ID:???

全てが確信に変わった。
レイはその腕に抱いたのだ、彼女を。
あの蕩けそうな甘い匂いに脳髄まで焼け焦がし、本能のままにミーアを手に入れたのだと知った瞬間。

何かを考えるよりも先にレイを殴り飛ばしていた。

レイは防御も取らずに左頬に拳を受けると顔を顰めるでもなくシンを見た。
乱れた髪の隙間からシンをじっと見つめるレイの視線は鋭かった。
しかしシンはその瞳に怯む事無く睨み返す。


「代わってやる。仕事」
「・・・・・セントラルホテルだ。63階」


レイは制服を寛げ、内側の隠しからカードキーを取り出してシンに渡した。
シンはカードキーを受け取ると制服を肩に引っ掛けただけの姿でロッカーにすべて押し込むと部屋を飛び出した。
レイはそれを目で追いかけ、扉が閉まった頃に殴られた左頬を押さえ、ロッカーに凭れ掛かるとそのままずるずると床に座り込んだ。

彼女を抱いた手を見つめ、瞳を閉じる。
抱き締められた感触を思い出す。
彼女と過ごした時間を振り返る。



「・・・・・・ミーア・・・・」



頬を伝った涙に計算も偽りも無かった。


きっと望んではいけないのだろうが、シンが再び傷付き戻って来る事を心のどこかで願っていた。



<終>
126通常の名無しさんの3倍:2006/04/17(月) 20:57:09 ID:???
レェェェェェェェェェェェェェェェェェイッ!

GJ・・・GJといわせてくれっ (ノД`)
127通常の名無しさんの3倍:2006/04/17(月) 21:25:44 ID:???
やることやってたのねw
さあここからどうなるw
GJでした
128通常の名無しさんの3倍:2006/04/18(火) 20:13:27 ID:???
ほし
129通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 00:24:05 ID:???
鬼ジュールさん、キララクSSも書きにきてよ

―― セントラルホテル 63階

到着したシンは部屋がどこなのか知らないと思ったが、何も問題は無かった。
フロアに扉が一つしか無かった。
庶民には考えられない場所だったのかとカードキーを通すとロックが外れる音がする。
直ぐにキーを隠しに入れるとドアを開ける。
中に入るとその広さに一瞬クインティリスの家と比べてしまった。
比べても仕方がないのだが。
それでも窓の高さや大きさは気になるし、その向こうに見える景色の美しさには思わず深く息を吐いてしまった。
高価そうな調度品なども目には入ったのだが、こちらの価値は全くと言っていいほどわからない。
それにしても、いつもレイが急いでザフトを出ている姿を見ていると、てっきり彼女は先に来て待っているものだと思っていたのだが、違うのだろうか。
ざっと見渡してみても彼女の姿は見えない。
奥に寝室らしき扉がある。
その向こうで彼女が待っていたらどうしようかと思うと中々奥に行く気持ちになれなかったが、じっと待っているだけというのもシンの性分に合わなかった。
覚悟を決めて寝室のドアをノックしたが、中から返事はなかった。
それにどこか安堵しながらシンはドアを開ける。
中はキングサイズのベッドが二つ並んでいたが、誰の気配もなければシーツにも乱れはない。
やはり彼女はまだ来ていないのだと思いながら念の為浴室とトイレの位置も確認する。
それも終わると今度こそやる事が無いと窓辺に寄って外の景色をじっと見つめた。
何か「カタン」と、音がする度に反応してしまう自分に苛々しつつ、暗くなり夜の時間に移行したプラントをじっと見ていた。


しかし、完全に暗くなり、プラントの外の宇宙が見えるようになっても誰も来る気配がない。
長時間同じ場所にじっとしておく事はシンには何の苦痛でもないが、これは何かおかしいともう一度室内を探す事にした。
寝室は二つあった。
どちらもキングサイズのベッドが二つ並んでいるが、そのどちらもシーツに皺一つない。
応接室もあったがソファとテーブル、そしてその上に一輪差しがあり、ピンクの薔薇が花開いているだけで他には何もない。
衣裳部屋らしき物もあった。
鏡と、化粧品が並べられる小さな棚に沢山のクローゼット。
ミーアの匂いが残るその場所から離れ難くてクローゼットの一つ一つを何気なく開けて行くと一番奥に何か大きな物が有り、思わず手が止まった。
大きくクローゼットを開けて明かりを中に取り込むと、その正体に息を呑んだ。


ミーアだ。


寝ているのか静かな寝息が聴こえ、顔をそっと覗き込んで見ると小さく蹲ったその頬には涙の跡があった。
こんな広い部屋でずっとこんな暗くて狭い場所に居たのだろうか。確実にシンが来てからの時間はずっと此処でじっとしていた筈だ。
人の気配があればシンだって気付く。
それがなかったのだから彼女はずっと此処に居たのだろう。
いつもこうなのだろうか?
それならばレイが訓練が終われば急いで着替えてザフトを飛び出していた理由がなんとなく分かった。
見つけるまでじっと隠れている彼女を守る為だったのだ。
131鬼ジュール(キララクまでは・・・):2006/04/19(水) 18:10:27 ID:???

「馬鹿じゃないのか・・・?」

昔はそんな癖は無かった。しかし何か辛い事があると風呂場から中々出て来なかった事がある。
クインティリスの部屋で一番狭い場所はトイレの次が風呂場だったから、これはその名残かもしれないと思うと胸が苦しかった。
シンはその涙の跡を袖で拭うと起こさないように抱き上げて一番奥の寝室の窓側のベッドに寝かせる。
仰向けに寝かせたその顔にまだ涙の跡が見えるから、もう乾いた跡に袖で拭っても消える物ではないかと唇を寄せる。
舌先で舐め取り、袖で拭う。
近付けば強く香るミーアの匂いに離れ難くなったシンは一度は顔を上げたが直ぐにその肩口に顔を埋める。
首筋に鼻を押し当て鼻先で触れたミーアを見上げ、すっかり変わったミーアの横顔にシンは目をぎゅっと閉じた。

どれくらいそうしていただろうか。

身動ぎしたミーアの腕がシンの背に回った。
久々の抱擁にシンは歓喜で胸を高鳴らせ、喉が一気に緊張で干乾びる。
しかし、耳に届いた言葉は「レイ・・」であったのだから何処まで残酷なのかと恨み言を言いたくなる。
思わず強く抱き締めると、彼女は「くっ」と、苦しそうな声を上げ、シンの肩をぽんぽんと二回叩くと「レイ、ごめんね。あたし大丈夫だから」と、また改めて抱き締められた。
シンはその手から逃れるように体を起こすと、ミーアがつられて目を開けた。

大きく目を見開き、息を呑んだミーアの変化に喉が引きつった。
星明りで青白いミーアの顔が益々生気を失ったように変化する。
その顔を見下ろしながらシンはじっとその変化を見つめていた。
無表情に。

何と声を掛ければわからないのは互いに変わらないのか、瞬き一つせずシンはミーアを、ミーアはシンを見つめた。

不思議な物で、じっと見つめていると分かる。
微妙な表情の作り方が本人だからというのがあるのかもしれないが、目の前の顔は確かにラクス・クラインの物なのだが、その表情はミーアにしか見えない。

なんだかごちゃごちゃ考えていたのが馬鹿みたいに思えて来た。
シンはミーアを捨て、ミーアはレイの手を取った。
そしてシンはミーアを完全に捨てたのかと言えばそうではなく、ただ過去のミーアとの思い出に耽り、しがみついている。
変わってしまったミーアが再びその姿を変え、シンの元に戻ってくれるという保証も確証もなければその前にシンがミーアを捨てたというのに。
ミーアがその後レイを選んだというのなら、シンが過去のミーアにしがみ付いている事に意味があるのか。
無益だと言ったレイの言葉を実感する。
一度捨てたなら、その後のミーアはどうでもいいのかと言えばそうじゃない。
過去のミーアも、現実のミーアも、未来のミーアも。
すべて手に入れたいと今でも思っている。
この気持ちに偽りはない。
なら、今この場で一番頑張らなければならないのは自分なのだろう。

ミーアへの腹立たしさはあっても。
それでも彼女を愛しているという気持ちがあるのなら。


自分が手を放してはならなかったのだ。

132鬼ジュール:2006/04/19(水) 18:14:05 ID:???

なら、最初に言うべき言葉は一つしかない。
それしか思いつかない。
硬直しているミーアを安心させる為、怒りたい訳じゃないと微笑む。
緊張している為それが上手く出来ているか自信はないが。


「好きだよ」


ミーアが更に目を見開き、次の瞬間眉根を寄せて顔をくしゃりと歪めたミーアの瞳が大きく揺らぎ、目の端から涙を流した。
自分の身勝手な言葉に泣いてくれるミーアに、シンは頬を叩かれるのだって覚悟していたというのに、相変わらずお人好しな姿につられるように泣き笑いの表情を見せた。
しかし、きちんと伝えなければならない事はある。


「でもやっぱり、その姿は嫌なんだ。だから、話合いに来た」





<終>
133通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 23:13:46 ID:???
続きがすげー楽しみな引きw
GJです
134通常の名無しさんの3倍:2006/04/20(木) 03:30:19 ID:???
135通常の名無しさんの3倍:2006/04/20(木) 21:00:39 ID:???
>>130
三個だっけ
四個くらいしてない?

今回もGJでした!
136通常の名無しさんの3倍:2006/04/20(木) 23:07:23 ID:???
>>135
自演乙
137通常の名無しさんの3倍:2006/04/21(金) 10:14:37 ID:???
保守
138通常の名無しさんの3倍:2006/04/21(金) 10:25:29 ID:???

ミーアが何を言うかじっとシンは待っていたのだが、何かを言うよりも先にうろうろと視線を彷徨わせたミーアにシンは「レイなら居ない。代わって貰ったんだ」と、隠しからカードキーを見せた。
それを知った瞬間、ミーアはシンから逃げるように腕を使って体をずらした。
直ぐにそれをシンが追いかける。

「もう、俺の事は嫌い?」

同時に問い掛けるとミーアはそれ以上逃げる事はせず、おずおずとシンの首に腕を回し、引き寄せた。

「・・・・そんな事無い」

小さくミーアが言った言葉にシンは一度体を離す。
ちゃんと顔を見て言って欲しい。

「もう一度」
「そんな事無いよ」

涙を堪えた小さな声は掠れていたが、それでもはっきりと耳に届く。
唇だけ動かして「良かった」と伝えると、ミーアはシンを抱き寄せていた腕を放し、自らの顔を覆った。

「でも、もう遅いの。あたし、もう元に戻れないの」
「・・何で?プラントの技術があれば・・・」
「色んな所、骨から削ってたりしてるの。だから、もう無理なの」

それに、契約があるから。

骨格から変えてしまったミーアの顔は、また元に戻すというのなら顔にメスを入れ、大掛かりな手術になると聞かされ、シンも流石に顔を青褪めさせた。
女の子の顔に余りメスを入れるのはシンも好ましく思わない。
それが元に戻る為と言われたとしても、それでも可哀想だという思いがある。
シンが一番拘っているのは変身してしまったミーアの顔がラクス・クラインの物であるというこの一点なのだから。
そこまでして無理に元の顔に戻さなくてもいいとも思える。
どうしてこんな事になる前に一言相談してくれなかったのかと恨み言を言いたくなる気持ちはぐっと堪える。
もう過ぎてしまった事だ。それを責めてももうどうにもならないのだ。
取り敢えずこの問題は今急にどうこうできる物でもないので置いておく事にする。

「契約・・・?」
「あたしが、ラクス様の身代わりになって活動するっていう、契約」
「どうしてそんな事に・・」

そこからミーアは淡々とシンがアカデミーに通っている間の身の回りの出来事を話し始めた。

全てのきっかけはアカデミーの文化祭に赴いた時だったという。
あの時は・・・と、シンは苦虫を噛み潰したような顔をする。
ミーアに色々と不安な想いをさせてしまって、可哀想な事をしてしまった一日で。
クインティリスの家にレイに買って貰ったというビーズの指輪が飾られていたのも覚えている。
あの指輪はまだあの棚にあっただろうかと考えたが、それどころでは無かったので記憶にはない。
とにかくあの時、偶然にギルバート・デュランダル議長と出会った事をきっかけにして時々クインティリスのミーアが歌う店にお忍びで通って来てくれるようになったという。
そして何度か話をする内にギルバートが仕事が中々上手く行かないのだとミーアに打ち明けるようになり、その姿が余りにも悲壮だったので「何か手伝える事はありませんか?」と、懸命に尋ねたのだという。
140鬼ジュール:2006/04/21(金) 17:24:20 ID:???

「ミーア・・・どうしてそんな大それた事簡単に言うんだよ」
「だって・・本当に思い詰めていらして、顔色も悪くて元気が無かったんだもの」

そういう人間がわざわざアプリリウスからクインティリスのミーアの所に通うのか?
それも歓楽街に。

と、シンは疑問に思ったが当時の様子を知らないシンは、まだこれを言うのは早いかとぐっと我慢する。
ミーアのお人好しは今に始まった事ではない。
シンだってミーアのそのお人好しの性格に拾って貰った一人なのだから。
それにしても相変わらず天然で他の男に親切にしていたのかと思うと苛々する。
これはもう今に始まった事ではないのだが。それでもギルバートにどういうつもりがあってミーアに会いにクインティリスまで通ったのかは気になる。
実はミーア目当てで口説き落としに来たとか、実は口説くどころかレイだけじゃなくギルバートとも何かあったんじゃないだろうかと穿った見方をしてしまう。

「・・・・シン?」
「・・・・それもこれも・・・」

ミーアが大人しくクインティリスに居てくれないからだ!

と、叫びたい心は辛うじて抑えた。
それももう言っても仕方がない。
しかし話が終わったら絶対にギルバートの事は問い質そうと心に決める。

そしてある時、ミーアの元に黒服の男が二人、ギルバートからの迎えだという言葉に従いアプリリウスに向かったのだという。
そこで宛がわれたのがこのホテルの一室で、先に待っていたギルバートと対面し、やはり悲壮な様子でラクス・クラインという存在の必要性と影響力を切々と語り、ミーアに「私のラクス・クラインになってくれないか?」と、告げられたのだという。

「あたしはシンと一緒に住んでたから家の事もあるし、シンの事も言ったの」
「そうしたら何て言ったんだ?」
「家は管理してくれるって言うし、シンにはあたしがラクス様の姿になっても本当の事言っていいって言って下さったの。だったら、こんな事あたしにしか出来ないと思ったの。
ラクス様はこのプラントにはどうしても必要な方で、そのラクス様が行方不明のこの現状で代理が出来るとしたらあたししかいないの。このプラントの何処を探しても。それって・・・凄い事じゃない?」

あたしには家族居ないし、声はラクス様に似てるし。
それに、綺麗になりたかったから。

ミーアの言葉にシンはそっと目を閉じて傍らに座るミーアを抱き寄せた。
溢れそうになる涙を堪えて。
言いたい事は沢山あった。
「俺達はもう家族じゃなかったのか」とか「ミーアはもう十分綺麗だった」とか。
しかしミーアの声に涙の気配があった。
これ以上何を伝える事があるだろう。後悔している心があるからこそ静かに涙を流し、小さく蹲るのだろう。
まだ怒っているかと問われたらそれは当然怒っているのだが、しかしそれ以上に愛している。
此処で怒鳴り散らすのは簡単だ。
しかしそれは一時的な憂さ晴らしでしかならない。
それでシンが納得出来る訳でも無ければ、ミーアを精神的に追い詰めるだけ事にしかならない。
そういう事がしたいのではないとシンはミーアを抱き寄せる手に力を入れる。
141鬼ジュール:2006/04/21(金) 17:26:11 ID:???
「だから、世界が平和になるまでって契約、してるの」
「世界が、平和に・・・・?」
「うん。ずっと拘束してるつもりは無いって、ちゃんと契約書にも書かれてるの。だから」
「その前に本物が現れたら?」
「そうしたら・・・・・厳密にはどうなるのかな。でも、それでも終わると思う。だって、本物のラクス様の方が良いって思うよ。誰だって。あたしだってそうだもん」

終わったら淋しいだろうけど、今あたしに出来る事があるならそれをしたいの。
世界が平和になったら、シンだって戦いに出る必要無いんだもん。
方法は違っても、一緒に頑張れるの。

懸命にミーアは訴え、そしてシンに答えを求めるように視線を向けた。
しっかりと決意はしているのに心細そうなその視線に、シンは溜息を吐いた。
少なくとも完全にラクスに成り代わろうとしている訳では無いのは分かった。
姿は変わってしまっても「ミーア」を完全に捨てたつもりも無い事も分かった。
ラクスを装っていても「ミーア」が「ミーア」を捨てる事無く今の道を選んでいるのなら・・・・。

結局自分がミーアを許してやるしかない。

「ミーアは、ミーアなんだな?」
「うん。・・・・あたしは、ラクス様にはなれないの。ラクス様の気分は味わってるけど、あたしはラクス様の代理人。ラクス様ならきっと誰よりも平和を願ってると思うから、それに負けないようにラクス様に代わって皆を元気付けて、沢山歌うの」

お人好しだと思い続けてきたが、今度は何人の人に手を伸ばすつもりなのか。
昔は自分にだけ手を伸ばしていた手を今度は何百万という人間に向けようとしている。

馬鹿だと思い続けて・・・・。
でも、そんなミーアだからこそ好きなのだ。
甘えて、ずっと傍に居たいのだと願ってしまう。

「・・・なら、仕方ないよな」
「シン?」
「ミーアが、俺の好きなミーアのままなら、俺も傍に居たい」

改めて向き合って。
ぎこちなく微笑みあって。
口付けようかと顔を近付けた時・・・・。
もう一つの問題にぶつかった。

「レイとは・・・・寝たんだろ?」

じっと互いの瞳を見詰め合ったまま呟かれた言葉に、ミーアは肩を大きく跳ね上げた後、背後の枕を手に取ってシンの顔に押し付けた。

突然視界が真っ暗になり、シンは直ぐに動けなかった。


・・・・・・・・何で枕?


<終>
142通常の名無しさんの3倍:2006/04/21(金) 20:55:11 ID:???
超GJ!!
シンもミーアも本編よりも精神的に成長してますね。続き楽しみにしてます
143通常の名無しさんの3倍:2006/04/22(土) 18:18:14 ID:???
  〃´⌒☆
   !(((!´゙リ)) よーしよーしママのおっぱい飲んでネンネーしようね
  ノ リ*゚ ヮ゚ノl
  (,,(つ(ε`*)と ハァハァミーアたんのみっぱいおいちいよーチュウチュウ
   )⊂ ) \
   (/ `J しJ 
おいおいラクスがどうして平和を求めてるんだ
あいつらは単なる自分だけの平和と思って我が侭放題じゃねぇか
144通常の名無しさんの3倍:2006/04/23(日) 01:13:08 ID:???
みっぱい兵おひさー
一条祭氏の方のSSが来なくて残念だね
シンは枕から逃れようとまず背を逸らした。
しかしミーアはどうしてもシンの顔から枕を外したくないのか、枕が付いて来る。
シンの視界は暗いままだ。
どうしようかと思っていると、今度は何かが当たる感触がした。
ミーアが枕の向こうでシンと同じように枕に顔を押し当てているようだ。
二人の顔の間に挟まった枕の存在が煩わしくて枕を外そうと思うのだが、体が自然と枕を持つミーアの手を掴んでいた。

ミーアの口から直接真実を聞くのが怖い。

レイとミーアが寝た事はシンの中では確定していたが、それを認めたくない気持ちは当然あるのだ。
クインティリスで過ごしていたあの頃、ミーアを手に入れられる機会が幾らでもあったというのにそれをしなかったのは、「ミーアはいつでも手に入れられる」という安堵感があったからだ。
誰にも渡したくないと思う一方で、もう既にミーアは自分の物で、誰にも取られる事は無いと思い込んでいたからだ。

どうしてあの時手に入れておかなかったのだろうか。

もう後悔しても遅いのに、それでも考えてしまうのは今でも手に入れたいと思っているから。
だからシンはミーアの手を取る。
どんな真実だろうと、それでもミーアが欲しいから。

枕の向こうで頷く気配があった。そして小さな声で「・・・うん」
顔に伝わった感触に、シンは項垂れる。
覚悟はしていても辛いものは辛い。
自分から聞いた癖に、どうしても知っておきたいと思っていたのに、やはりどう大人ぶってみても嫌な物は嫌だ。

ずっとミーアは自分一人のものだったのに。

枕を顔に押し当てているおかげで簡単に涙が出た。
ミーアの手を強く握り締めると「ごめんなさい」と、小さく掠れた声が耳に届いた。

「・・・何回?」

聞いた瞬間ミーアの動きが止まり、指を折りだした。その指が一度は閉じられ、再び開かれたのを指先で確認したシンは、それ以上はもう知りたくないとミーアの手を包み込んでその動きを止めた。

要は沢山、だ。

「でも・・・。あたしも、レイも寂しかっただけなの・・・。だって・・シンがいなかったんだもの」

涙ぐんだ声が枕を通じて聞こえる。
震えた羽毛の向こうで泣いているのを感じてシンは目を閉じる。
胸がぎゅうぎゅうと締め付けられて息をするのも苦しくてミーアの体を抱き寄せた。
今すぐ口を開けば文句しか口に出なさそうだ。
本当なら此処で絞め殺してしまいたいとも思う。
罵倒して、なじって、その細くて白い首に自分の指の形を付けて「ミーアは自分のものだ」と主張してやりたいと心底思う。
しかし、それをしてどうなる?
その後に残るのは虚無感だけだ。
ついさっきどうしても彼女を愛しているのだと自覚したばかりなのに、そのすぐ後にミーアを永遠に失う事など出来ない。
146鬼ジュール(突入せず):2006/04/23(日) 11:34:04 ID:???

全てを失った後、何も持っていない手に新たに手に入れた宝物が彼女なのに。

柔らかな枕の感触が恨めしい。
シンは枕に顔を押し付けたまま静かに泣いた。
時々肩が震え、ミーアの手を握り締めた手が嗚咽の声を抑える為に強くなっても、それでも必死に声を殺して泣いた。
最初にミーアの手を放したのは自分で。
ミーアに別れを告げてからもう2ヶ月は経っていたから、自分にも責任はある。ミーア一人が悪い訳じゃない。
枕の向こうでミーアの嗚咽も聞こえて来て、二人は気の済むまで泣いた。

そして涙が収まった頃、シンは二人の間の枕を外した。
まるで初めて対面したような目の前の少女は涙で化粧も完全に崩れてぼろぼろで、恥ずかしそうに見上げる蒼い瞳がとても可愛かった。

「キスがしたい」
「でも・・・・」

戸惑う理由は分かる。
レイの事が気になっているのだろう。
しかし、そんな言葉でシンの欲求は収まる気配を見せなかった。

欲しいものは欲しい。
何故なら、どうしようもなく彼女が好きだから。
改めて自分の片思いを打ち明ける事からしなくてはならなくても、もう一度口説き落とす事から始めなくてはならなくても。
その労力が惜しいと思えないから。

「ちゃんと嫌がらないと続けるから」
「あの・・・っ!」

目の直ぐ下の少し赤く腫れ上がった所に口付ける。
次に頬に口付けて、もう一度頬に。
反対側の頬にも口付けて、見詰め合うと彼女の目がとろん、と柔らかくなっていて、瞳もきらきらと輝いていてどきりとする。
昔はキスをしてもくすぐったがってばかりで色気のような物は全くなかったのだが、今のミーアはとても艶っぽく見えた。
これはレイの功績なのだろうかとふと考えると腹立たしさが再び沸いて来るが、それよりも食欲の方が勝った。

ミーアを手に入れたいという食欲の方が。

頬に添えた手でもったいぶるように彼女の頬を撫でると、ゆっくりとミーアの瞳が閉じられる。
その瞬間、まるで初めてキスをするような胸の高鳴りに思わず自分の胸を鷲掴む。
触れるのが勿体無くて、しかし触れないのはもっと勿体無くて。
だからこそシンは恐々と、まるでヒビの入った硝子細工に触れるように丁寧に口付けた。

涙で蕩けた唇は柔らかくて温かかった。

一度目は恐々と。
二度目は丁寧に。
三度目は優しく。
四度目は嬉々として。
147鬼ジュール(シンの欲求は・・・):2006/04/23(日) 11:36:16 ID:???

次第にミーアの体から力が抜け、その体を支えながら押し倒す。
ベッドの上に散らばったピンク色の髪が何とも複雑な気持ちにさせたが、目の前の彼女がシンの大切なミーアである事に変わりはない。間違いもない。
余計な物は視界に入れないようにしようと思い直して唇で彼女の顎のラインをなぞって、首から肩口へと移動する。
首筋に歯を立てるように噛み付いた後、シンはミーアの耳の後ろに唇を寄せて恐る恐る「・・・したいんだけど」と、告げた。
他に何か気の利いた台詞が浮かべば良かったのだが、パイロットとしての才能はあっても文学的な才能には恵まれなかったシンにはこれが精一杯だった。
これでも努力した方だ。
しかしこの言葉を聞いたミーアはそれまでのうっとりとした表情を一変させて「だ、ダメ!」と、叫んだ。

「はぁ!?」
「ヤダ!ダメ!」
「何だよ!レイは良くて俺は駄目なのか!?」
「そういう問題じゃないでしょ!」
「結局はそういう問題だろ!」

断言されると「そうなのかな?」と、迷いを見せたミーアだったが、シンが文句を言う為に体を起こした隙を突いて逃げ出す。
まさかこの期に及んで逃げ出されるとは思っていなかったシンは慌ててミーアに手を伸ばすが、僅かに長さが足りず空を掻く。
しかし当然運動神経でミーアがシンに敵う筈もなく、シンは直ぐにミーアの腕を掴んで隣のベッドに放り投げるとその上に覆い被さる。

「逃げなくてもいいだろ!」
「逃げなきゃするでしょう!?」
「当然だろ!」
「だ、だって、あたしまだレイとは何も話してないの!」
「・・・この機会をくれたのはレイだ」

こうなる事位とっくに承知の上だろう。
レイが何も考え無しに行動に出るとは考えられないから。
必ずこうなるとまでは思ってなくても、考えうる可能性の一つとして頭にあった筈だ。
そうでなければどうしてシンにカードキーを渡すだろう。
シンの言葉にミーアは考え込むように自分の膝を見つめていたが、何かを決意したように顔を上げてシンにひたと視線を当てた。

「それでも、あたしが納得出来ないもの。・・・シンだってこんな中途半端でいい筈ないし」
「二人きりで会うのかよ・・・」
「・・・うん。どうしても二人だけの話があるから」

二人だけの話。
それがどんな物か想像しようとして「最後に一度だけ・・」と、睦み合う二人の姿が浮かんでぷるぷると頭を振った。
美味しそうなミーアが目の前にいて、それも以前より三倍以上は魅力的になってシンの下半身に訴えかけて来ている。
今だって結構頑張って堪えているのに、これ以上堪えろというのは酷という以上に拷問だ。
それも友人に再び取られるかもしれないと思うと、取り敢えずミーアの意思は無視して襲ってしまいたいとも思うのだが・・・・。
片想いでも口説き落として見せようと決意したばかりではそれも出来ない。
シンは俯き両手で拳を作るとベッドを殴りつけた。
熱が上がる体を強引に抑え付ける。
目の端に涙も浮かんでいたかもしれない。
情けなくも少し体も揺すってみたりして、とにかく強引に諦める。

「シン・・・?・・・・怒ってる?」
「怒ってない!・・・・ただ、レイと二人きりで会うのは嫌だ。話は聞かない。隣の部屋にいるとかでもいいから俺も一緒に居る」

それを了承してくれるなら今日は諦める。

シンの唸るような呟きにミーアは体を起こして何度も頷き、了承した。
「あの、・・・怒ってる?」
「怒ってない!」
再び尋ねて来るミーアに、今だけは触れて欲しく無いと気遣わしげに伸ばして来た手を払いのけ、背を向け横になる。
さっさと静まれとただ念じているとミーアがシンの背後でやはり寝転がったのを感じた。

どうして手を出さないように頑張ってるのにくっ付いて来るんだよ!

本当に男心を理解してくれないんだからとシンが別の所に意識を持っていこうとした時。

「ちゃんとレイとお話した後でも、友達として普通に会うのは駄目かな?」

駄目。

そう言いたかったのだが、レイはラクス=ミーアである事を知っていて受け入れられる数少ない人物だ。
寄り添っている事で深く感じるミーアの甘い匂いにシンはぎゅっと眉根を寄せてからミーアに向き直った。

甘いとでも何とでも言え!

「ミーアを味見させてくれたらいいよ」
「あ、味見?」
「お臍の裏の黒子が見たい」
「や、やだ!シンってば!」
「我慢出来ない」

くるりとミーアの体も反転させて背中のチャックを引き下げる。
そして一番反り返っている背中の黒子を見つけて口付ける。

「やっ・・・ぁぁっ!」

突然聞こえた甘い声にシンの動きが一瞬止まる。
今まで一度としてそんな甘い声を彼女から聞いた事は無かった。
いつも色っぽさよりもくすぐったさを強調する声ばかりだったから、突然の甘い声にシンの背筋に電撃が走る。

これもまたレイの功績なのだろうかと思うと苛々は募る一方だ。


「・・・・・クソッ!」


欲求不満でどうにかなりそうだった。



<終>
149通常の名無しさんの3倍:2006/04/23(日) 12:32:27 ID:???
早くらぶらぶな二人に落ち着いて欲しいよ
150通常の名無しさんの3倍:2006/04/23(日) 15:53:31 ID:???
GJ!
シン暴走寸前ワロタw
151通常の名無しさんの3倍:2006/04/24(月) 22:48:18 ID:???
早くセックスしrちまえよ!!!
152通常の名無しさんの3倍:2006/04/24(月) 22:49:41 ID:???
ミーアのアナルはまだ未開通だろ?
シンはアナルもマンコも口もニプルファックもすればレイを超えられるぞ
鬼ジュール氏頼むぞ
153通常の名無しさんの3倍:2006/04/24(月) 23:49:43 ID:???
スレ潰す気かw
154通常の名無しさんの3倍:2006/04/25(火) 11:35:20 ID:???
保守
155鬼ジュール(今回無駄に長いです):2006/04/25(火) 15:46:26 ID:???

翌日、シンとレイが「ラクス・クライン」に呼ばれた。
場所は同じくセントラルホテルの63階。
昨日はレイのように日を跨いだりせずに帰ったシンを、レイは不思議そうに見ていたものだが、それは一切無視した。

再び互いの想いを確認しあいました。
なのにミーアにはえっちを断られました。
レイはOKなのに、俺は駄目なんだって。

なんて決して言えないと思うと無視したというよりも顔を合わせる事が出来なかった。
これで「どうだったか?」などと聞かれたら絶対一発殴りそうだった。
その為訓練中も、移動中も、63階のドアの前に来るまで会話らしい会話は一つもなかった。
昨日と同じようにキーを挿し、鍵を開けると待っていたらしいミーアがソファから立ち上がり二人に駆け寄って来た。

「こんにちは、二人とも」

今日は隠れていたりしないのかとシンはほっとするとミーアを引き寄せ抱き締める。
その力が少し強かったのか、苦しそうにミーアが伸び上がったのを感じて手の力を少し緩める。
しかし、抱き締めた手を放す気は無い。
会って1分もしない間に大いに主張されてしまったミーアは心底困ったようにレイを見ると「とにかく中に入って」と、促してシンにも「こんな所に立ってないでソファに行こう?」と、囁いて促す。
するとシンはそのままミーアを持ち上げてソファまで移動する。

「紅茶淹れるから、手を放してくれないかな?」
「やだ」
「シン、いい子だから。あ、そうだ。後でチョコアイス買ってあげる」
「子供かよ」
「ね、今紅茶淹れる練習してるの。だからシンにも飲んで貰って、感想聞かせて欲しいんだけどなぁ」


そう言われると悪い気がしない。
文句も言わずぱっと手を放してソファに腰掛ける。
頭を撫でられて「また子供扱いか!?」と、思ったが、ミーアは楽しそうにキチネットに移動すると紅茶セットを持って戻って来る。
そして少しぎこちない手つきで紅茶を淹れるのをじっとシンもレイも見ていた。
3人もいるのに静かな空間で紅茶を淹れるのは緊張するのか、ティースプーンを持つ手が震えている。
シンもそれには気付いていたのだが、だからといって言葉が浮かばない。
どうしてもレイの存在が気になって仕方なくて、何も言えなかった。

「えっと・・・・ジャンピングをさせたら少し蒸らすんだったかなぁ・・・」
「合ってる」
「ありがとう」

悩みながら紅茶を淹れるミーアにレイが簡潔に答える。
レイの肯定の言葉に安心したミーアが微笑む。
紅茶の淹れ方など知らないシンは少し負けた気分になる。
こんな事で争っても仕方ないのだが、それでもやはり負けたくはない。
156鬼ジュール(しかしこれで一段落?):2006/04/25(火) 15:48:09 ID:???

「どうぞ」

と、砂時計が落ちてから注がれた紅茶を飲んでみると桃の香りがした。

「ピーチティ?」
「そう!いい香りするでしょう?」
「でも香りの割には桃の味はしないんだな」
「乾燥させてるからね、そういうもんなんだよ」

ふぅん。と、何気なく言いながらもう一口飲む。
紅茶の味などよく分からない。
これは飲める。という認識程度だ。

「美味しい。随分上達したんじゃないのか?」
「え!本当!?嬉しい!」

そこにレイの賛辞の言葉が聞こえてシンが焦る。
今が誉めるタイミングだったのだろうかと慌て、負けずに何かいいたかったのだが、レイと同じ事を言うのも嫌だ。
しかし紅茶の味はよく分からない。他に気の利いた事も言えない。
結局は「ご馳走様」と、それだけしか言えなかった。
そして今日はレイとミーアの話し合いの日であるから、シンは「隣に居る」と、立ち上がり寝室のドアを閉めた瞬間、その場に座り込んだ。
俯き絨毯の模様をなぞったり、ドアに後頭部を当ててみたりと落ち着きが無かったが、それでも構わなかった。
誰に見られるという訳ではない。
折角寝室にいるのだから寝てしまおうかとも思ったが、それは完全に二人きりにしてしまう事のような気がして立ち上がる事が出来なかった。
しかし何もせずにいると先程の失敗を思い出す。
人と同じでもいいから何か感想を言えば良かったかなと、思う。
ミーアはシンの感想が聞きたいと言っていたから自分だって嬉しくなって、ミーアが紅茶を淹れるのをじっと見ていたのだ。

「・・・・美味しかった、と、思う」

今更ミーアの居ない所で言っても仕方ないよなと、溜息ばかりが零れる。
自己嫌悪に陥り、どうしようもなくて背にもたれた扉に耳を当てるとぼんやりとミーアとレイの声が聞こえる。

何を話しているのだろうか・・・・・・。

こんなことで誰かを疑ったりするのは好きではないが、それでも気になって仕方なかった。




30分程した頃だろうか、二人の話している気配が消えた。
しかし、シンを迎えに来る気配もない。
「まさか・・」と、嫌な予感がして飛び上がるように立ち上がってドアを開けるとソファの上にはミーアの姿しか見えなかった。

「話、終わったのか?」

静かに尋ねると、ミーアがシンを振り返って唇の前に人差し指を立てる。
何だろうかと近付いて見ると、レイがミーアの膝の上で寝ていた。

「・・・なんだよ、これ」
「最近余り眠れてなかったみたいだから寝かせてあげて」
「何で?別れの話、してたんじゃないのか?」
「したよ。ごめんなさいって言い合って、これからは友達として宜しくって、言ったの」
「じゃあ何で!?友達がする事なのか?これって!」
「シンとただのルームメイトだった時、膝枕してあげたよ」
「あの時と状況違うだろ!」
「ねぇ、シン。レイに親切にしちゃ駄目なのかな?」

怒鳴るシンをミーアが困ったように微笑んで抱き寄せる。
本当はミーアも怒鳴りたい心があるだろうに、それを堪えているのが表情で分かった。
きっと膝の上に眠るレイを起こしたくないのだろう。
シンもこれがミーアの膝の上で無ければ怒鳴ったりはしない。ミーアの膝の上だから嫌なのだ。
そこは自分の専用席だ。
「嫌だ」。そう唇だけ動かしたが、それは音にしなかった。抱き締められているから、これはミーアにも見えていない事だろう。
ミーアに対する我侭を全て通せると思える程、シンも子供になりきれなかった。

「信じて。もうあたしとレイはお友達だから」

「信じて」そう言われてしまうと信じるしかない。
シン自身もレイとミーアを信じたいのだから。

「今日、ルームサービスとかじゃなくてミーアがご飯作ってくれるなら許す」

あと、ミーアが俺だけのものだって神様に誓ってくれるなら。

シンは無信仰だが、何か少しでも拘束力を持つ言葉が欲しくて宣誓を求めた。
その言葉にミーアはシンから僅かに体を離すとシンに右手の掌を見せるようにして左手は胸に置いた。

「あたしは、シンだけのものです。神に誓って」

宣誓の後、シンがミーアの手を取る。
じっと見詰め合って「今度は俺に誓って」と、吐息で訴えると、ミーアはシンの手を引き寄せ口付ける。
158鬼ジュール:2006/04/25(火) 15:51:55 ID:???

「シンも誓って、あたしに」
「じゃあ一緒に」

シンはミーアの。
ミーアはシンの。
ただ、互いという存在の為の自分なのだと交互に近い、口付けた。

そしてうっとりとする程長いキスの後、恥ずかしそうに視線を落としてミーアが呟いたのは「でもルームサービスの方があたしの料理より美味しいよ?」だった。
照れ隠しのそれにシンは「いーんだよ。俺、ミーアの不味い料理が食べたいんだ」と、同じように照れながら笑った。

「酷い。不味いはないんじゃない?」
「俺だけが美味しいと思えればそれでいいから、不味くていいの」
「良く分かんないんだけど」
「大丈夫。俺も言っててよく分かってないから」

いいんじゃないのか?と、軽いノリで笑うと、ミーアもつられて笑った。


「じゃあ俺パン屋行って来る。近くに美味しいって言われてる所があるんだけど食べた事無くて。俺が戻って来たらレイを叩き起こして3人で作るぞ」
「何が食べたいの?」
「そうだなぁ・・・・。ビーフシチュー」
「分かった。厨房から材料持って来て貰うようにお願いするね」
「あぁ、行って来る」

頭の中で先程の誓いを思い出すと段々気恥ずかしくなって来たので、素早く段取りを決めると外に出た。
また二人きりにするのは少し嫌だったが、そんなのは自分が直ぐに戻ってくれば済む話だ。
走れば15分で戻って来れるかなと、シンは走り出した。

戻ってくると、レイがミーアの腰に抱きついて寝ていたのでそれには相当腹が立ったのだが、寝ている間の事だからと、ミーアが嬉しそうに宥めて来るのでそれにも不機嫌になる。
しかし、「何で嬉しそうなんだよ」と、むくれると「シンがヤキモチ妬いてくれるから♪」と、直ぐに返してくれるので、これはちょっとやられた。
面では「馬鹿だろ」と、言いながら内心ではちょっと気持ちよかった。

レイも起こして料理をするという話を聞かせた時には、何がどうしてそういう話になったのか理解出来ていないようだったが、意義は無いようなので上品な造りだが狭いキチネットに3人でぎゅうぎゅうになりながら料理をした。
レイが案外料理が作れる事に驚いたと、アカデミーからの付き合いだというのに意外な一面を見たシンは素直に感想を漏らすと「俺もシンが料理を作る姿は初めて見た」と、負けじと返してくるのでお互い様だったかと笑いあった。
クインティリスで二人で住んでいた時には毎日のように食べていた少し不恰好な料理が上品なテーブルの上に並ぶ。
そのアンバランスさを3人で見つめると、誰からともなく笑い出した。

「やっぱりミーアの料理は下手くそだ」
「違うよ!3人で作ったんだから皆下手なんだよ!」
「味が良ければいいんじゃないのか?」

腹の中に入れば見かけは関係ない。

淡々としたレイの結論に、シンとミーアは目を合わせて大笑いする。
「ホテルの高級食材なのに!」
「ある意味贅沢な食べ方かも!」
159鬼ジュール:2006/04/25(火) 15:53:16 ID:???
一人シンとミーアの笑いのツボが分からないレイは戸惑いがちに二人の笑いが収まるのを待った。
食卓は調理中と同じくらい賑やかな物となった。
皮を綺麗に剥いていないジャガイモを見つけると騒動が始まる。
罪の擦り付け合いになり、無口なレイが一番の被害者だ。
「言い返さなきゃ、野菜が不恰好に切ったのもレイのせいになっちゃうよ」
「味付けがちょっと薄いのとかも」
と、ミーアとシンがレイをフォローするように言うが、レイは特に気にした様子を見せない。

「口ではなんと言おうと皆真実を知ってるんだからいいんじゃないのか?」

野菜が不恰好なのはシンのせいで、
味が薄いのはミーアのせいだ。

淡々とした返事にシンとミーアがまた噴出した。


食事が終わり、片付けも終えるとシンとレイはザフトの宿舎に戻ると玄関の前に立った。

「明日から夜もお仕事入る事が多くなるから、その時は護衛を頼んでもいいかなぁ?一応事務所からもボディーガードが来るんだけど」
「今まで通り人事を通せば問題ない」
「あぁ、呼んでくれたら行く」

レイとシンの返事を聞いて安心したミーアが、「おやすみなさい」と、二人の頬に口付けた。
シンもレイもそれに返すと、部屋を後にした。

帰りのエレベーターの中、やはり二人きりになると特に話す事がないと、シンが戸惑っていると、レイがデジタル表示を見つめながらシンに声を掛けた。

「彼女が俺に親切にしてくれたのは・・・・、俺にも両親がいなかったからだ」

自分と同じ境遇の人間だったからだ。

ぽつり。と、告白されて突然の事に直ぐに言葉が出なかった。
しかし、懸命にレイを庇っていたミーアを思い出してすぐに納得する。

「そんな所じゃないかと思ってた」
「そうか」

自分を気遣ってレイが告白してくれたのだと分かったシンは、場を誤魔化すように大きく伸びをした。

「また、料理しような。3人で」

レイが驚いて振り返る。
それに「別に変じゃないだろ」と、笑うと、レイも「・・・そうだな」と、微笑んだ。



<終>
160通常の名無しさんの3倍:2006/04/25(火) 17:52:18 ID:???
GJ!
161通常の名無しさんの3倍:2006/04/25(火) 21:24:22 ID:???
一応一段落なのかな?
GJ!最後はほのぼのでいい感じでした。
162通常の名無しさんの3倍:2006/04/26(水) 00:09:42 ID:???
なんだよセックスしないのかよ!
これじゃ駄目だ鬼ジュール!
シンはミーアの物だアナルを責めろ!!
163通常の名無しさんの3倍:2006/04/27(木) 01:40:42 ID:???
保守
164鬼ジュール(ここは全年齢対象なので):2006/04/27(木) 21:04:13 ID:???

「なんで!?なんでいつもそうやって断るんだよ!」
「もう!今日はレイがいる日でしょ!駄目ったら駄目だよ!」

セントラルホテルの63階。
現在この場所が3人の秘密基地のような状態になっていた。
この秘密基地はなんとも豪奢で広くて何もしなくても何でも揃っているという素晴らしい環境で、居間にはグランドピアノまで添え付けてあったりする。
ミーアも歌をやっているだけあって少しは弾けるのだが、きちんと教えて貰った訳ではなくてほぼ独学だ。
その為きちんと習ったというレイの前では絶対に弾かない。
だからこそレイがいる時にはこのグランドピアノは彼の玩具となり、今も繊細な音色を奏でている。

そしてその音色も終盤に差し掛かろうかというその時、寝室のドアが勢い良く開かれ、中から現れたシンとミーアの大声が静かな音色を掻き消した。
ドアを開けた瞬間に聴こえたその繊細な音色に、シンもミーアも思わず言い争いを中断し、レイに注目した。
一度の大声の後、特に会話が進まなかった事にレイもまた終わりまで数小節という時点であったが手を止めて二人を振り返った。

「ご、ごめん」
「いや、どうかしたのか?」

気にする程の事じゃないとレイも簡単に返すと、言い争いの理由を尋ねる。
すると、ミーアは「何でもない」と、否定したが、シンは不機嫌そうに唇を尖らせた。

「・・・どうして、レイだったらいいんだ?」
「シン!」
「何の事だ?」
「レイも気にしないで!」

二人の間に立つような形になったミーアはシンは諌めて、レイには微笑み掛ける。

この差だよ。

ミーアはレイにしか優しくないと拗ねたシンの呟きに、ミーアは心底困ったように溜息を吐き、シンは益々唇を尖らせる。
この様子に何となく状況が掴めて来たレイもまた困惑の様子を見せる。

「何も差別みたいな事はしてないでしょ?」
「じゃあ何でやらせてくれないんだよ!」

ずばりと今回の問題について叫んだシンに、ミーアは「こらっ」と、頬を染めながら咎める声を出す。
大体予想のついていたレイは何も表情に変化はなかったが、ミーアが何と答えるのかを興味深そうに待っていた。

「そんなにしなくちゃならない事なの?」
「俺がしたいの」
「何で?」
「好きだからに決まってるだろ!」

何今更そんな根本的な質問するんだとシンが眉尻を吊り上げるとミーアも戸惑って「そ、それもそうだよね」と、頬を染める。
ミーアとの感覚の差を感じたシンは、一度レイを見てからミーアを睨み付ける。

何今更そんな根本的な質問するんだとシンが眉尻を吊り上げるとミーアも戸惑って「そ、それもそうだよね」と、頬を染める。
ミーアとの感覚の差を感じたシンは、一度レイを見てからミーアを睨み付ける。

「それとも心変わりがしてレイの方がいいとか!?」
「そんな事は無いよ!」

悲鳴のように瞬時に否定したミーアの反応が更に怪しいとシンが目を眇めると、直ぐに否定しても疑われるのであれば、どんな風に否定すれば信じて貰えるのかと途方に暮れる。
おまけに今の否定ではレイも傷つけたに違いないとミーアはこっそりとレイの様子を伺うと、「ほら!」と、すかさずシンが大声を出す。

「もう、違うよー」
「じゃあさせて」
「それは駄目!」
「だから!何でそこで否定するんだよ!」
「何で・・・って」

と、此処でミーアはもう一度レイの様子を伺った。
これにもシンはイライラとした様子を見せ、そしてまた抗議の声を上げようとした時、「だって!」と、ミーアがそれを阻止するように声を上げた。
その後に、真剣に続きを待つシンの瞳とぶつかってミーアは頬を染めて俯く。

「だって?」
「・・・・・だって、最中に・・・・間違えて呼びそうなんだもん、名前」

誰の名前と間違えそうなのかはすぐに分かる。
これにはシンもじっとりとレイを恨めしげに見る。
視線を向けられた方のレイは、シンの視線にも動じる事無く肩を竦めてぽつりと零した。

「可能性は無くは無いだろうな」

あっさりとした肯定に、シンは肩を怒らせてぶるぶると震えた。


「そんなの呼ばせないように猿轡でもさせたら・・・・!」
「絶対にやだ!それだけはやだ!」
「・・・同意無しだと強姦罪に問われてもおかしくないぞ」
「なんだよ!じゃあいつだったらいいんだよ!」


シンはそれからいかに自分が欲求不満なのかを訴えてみたが、彼の訴えは「ごめんね」と、何度もミーアに謝罪されながらも綺麗に流されてしまった。
当分シンの欲求は解消されそうになかった。



<終>
166通常の名無しさんの3倍:2006/04/27(木) 22:27:10 ID:???
シンなんのいい所もないな・・・自業自得とはいえ哀れすぎ
167通常の名無しさんの3倍:2006/04/27(木) 22:31:26 ID:???
とはいえ鬼ジュール氏GJです^^
168通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:08:32 ID:???
ふざけんな!シンが可哀想だ!いつからレイ贔屓になってんだ鬼ジュールふざけんな(゚Д゚#)ゴルァ!!シンにはミーアだけなんだ
今すぐレイミアはやめろ!シンミアだろ!最初からそれが一番なんだ

えっち小説なら漏れが書く
169通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:15:23 ID:???
ごめんねシン・・・あたしシンの気持ちに気付いていながら・・・
やっぱりあたしシンのこと大好きだから・・・
ね、ね、ミーアと遊びましょ♪

(>>シンの両手をむぎゅっと握る)

シン ふん・・・ミーアがこれ着てくれたら許してあげるよ!
つ「青を基調としたチアガールのコス(アンスコなし)」

ミーア 恥ずかしい・・・・けどシンの為だもんあたし着るわ!

170通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:16:42 ID:sfHB1b4j
(*´ゝ`){フ.日本の負債がここにもか
171通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:19:32 ID:???
シン 当たり前だろ!たっぷり可愛がってやるぜ!! (ミーアの前に大きくなったペニスをさらして) まずは気持ちよくしてくれ…頼むぜ レイにh負けたくないからな!

ミーア んふ…おおきぃ…ペロ…ちゅ…んむっっ

ちゅぷ…ちゅるっ…にゅちゅっ  んんっっ…はふ…

(舌で先端を責めながら手で扱く)

172通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:22:05 ID:???
シン おっ!へへへ…なかなか気持ちいいぜ……上手い(これもレイが教えたのか!!)
じゃないか…え??ミーア・・・(髪を撫でながら褒める)
む、胸もつかってくれよミーア……ステージでプルプル揺れてる
ときからずっと興奮してるんだ!!!

ミーア もぉーシンって変態・・・歌ではなくあたしのおっぱいをみていたなんて…?

んっ…じゃぁ…おっぱぃで挟むよ…

むにゅ…むにゅ…さきっぽは舐めていい?シン?

ちゅるるっっ…ぢゅちゅ…じゅぽっじゅぽっ…んぁ…
173通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:23:32 ID:sfHB1b4j
ミーアとアスランがハグッってハイオシマイ!
174通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:25:34 ID:???
シン クッィンティリスの頃からミーアの歌を聴きながらおっぱいをね…だって
目立つからさぁ… すっごくゆれてたし… あの頃からモンモンとしてたんだ

んん?おぉぉぉすごく柔らかい!!最高だ…我慢できない!
もっと!もっとしてくれよ!!!レイにしてくれた以上の快感を
(先端を舐められて一気に快感に震える)
だめだミーア!!もうでるっ!!!

ミーア ふふっ…実はシンにそういった目でみられたくて思い切りゆらしていたんだからねww

シンが告白しなかったのが悪いのぉ!だからあたしだって・・・・

けど!シンが本当にあたしの事好きでいてくれたからあたし凄く嬉しい

今日はいっぱいご奉仕するね ちゅぷっ…むにゅむにゅ…ぴちゃぁ…

175通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:28:02 ID:???
シン そうなのか??ミーアってほんとうにいやらしいなぁ…でもまぁ
オレもミーアの気持ちに気付いてあげなかったし・・ミーアゴメン・・・・

けど今日はレイに見せ付けてやろうぜ俺達の愛は本物だってことを

うっそろそろ出そうだ
(あっという間に限界を迎えて)
だめだ!出るよぉ!!!ミーアぁぁぁ!!!
(ペニスから大量の精液が飛び出す)
176通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:28:58 ID:sfHB1b4j
と思ったら相手は山田花子だったとさ。

終了
177通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:30:26 ID:???
ミーア んふっっ!

ぷはぁっっ…すごぉぃ…みるく塗れになっちゃった・・・

こんなにたくさん出すなんてシンったらもぉそんなに欲求不満だったの?

(ビクビクしてるペニスを握り上下にこする)

シン (敏感になったペニスをしごかれて)
うおぉ…ちょっと……そりゃあまだまだ大丈夫だけどよ… レイのやつ泣いてるぞw
そんなにされたらまた…いっちゃう
(少し萎えていたペニスが硬さと大きさを取り戻していく)

178通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:32:28 ID:???
ミーア うふふっ…とっても元気ぃ♪シンのおちんちんw

次はどうしたいの?

(ゆるゆると扱きながら)

シン 次?じゃあミーアにも俺のこれを味わってもらいたいから…
入れてみたいな…どんな体位でもいいから…くっ!
(抜かれながら声を絞り出す)

レイ うわぁーーーーん(泣きながら去って行った)

179通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:32:51 ID:sfHB1b4j
と、アホの坂田が色気づいたとさ。

終了
180通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:34:49 ID:???
いいよ…ここへ入れてお願いシン・・・

(肉襞を左右に開きみせつける)

ねぇ…あたしを好きにして…


シン ならお望みどうりにしてあげるよミーア!!
(いきなりミーアに覆い被さり、一気にペニスを奥まで)
(押し入れる)
くぅぅ…気持ちいい!!あったかくて…きつくて…くっそ… (レイを超えてみせる)
けど我慢できないぞ!!
(乱暴に腰を突き始める)
181通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:36:13 ID:sfHB1b4j
と、野村サッチーが挑発してシンは堪らなかったとさ。

終了
182通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:36:42 ID:???
ミーア

ああっっ!!

ふといっっ…あんっっ…だめっっ…はげしっ…すぎシン!もっち優しくして

ひゃぁぁんっっ…あっあっ…んふぅっっ

シン 激しくして欲しかったんだろ??レイを忘れられるくらいに!
ならちょうどいいじゃないか…
(胸を鷲づかみにしてこねまわしながらいやらしくつぶやく)
だ、だけどこりゃあ長くはもたない…そろそろ限界だよミーア・・・
中にタップリ出すよ!!

183通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:38:09 ID:???
ミーア

もぉーシンの意地悪ぅ〜け・けど気持ち居いい

あひぃっっ!…ミーアのおまんここわれちゃうぅ〜っっ

あぅっっ…いぃっっ…ああんっっ

なかぁっっ…ミーアの中にっ…最後まで…突き入れてっぇー

あっあっあっ…中がこすれてぇっっ
184通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:38:24 ID:sfHB1b4j
と、思ったけど相手が木の実ナナで萎えたとさ。

終了
185通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:39:16 ID:???
シン よぉし!!ならフィニッシュだぜ!!!
(いっそう激しくペニスを出し入れして)
いくぞぉ!ミーアぁ!!!うけとれいっ!!
(ペニスからミーアの中に大量の精液が注がれる)

ミーア ああぁぁぁぁっっ!!だめぇっっ!

イクッ!!ミーアいっちゃうよぉー

あっ!ひゃぁぁぁぁぁぁぁあぁぁっっ!!

(膣が激しく痙攣しイク)

186通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:40:38 ID:???
シン

へへへ…いったみたいだね……しかし俺は・・・レイは何度もやったんだ!
まだまだ満足できない!!…
(いやらしい笑みを浮かべながらペニスを引き抜き)
さぁミーア…今夜はとことん愛を確かめよう…

187通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:41:17 ID:sfHB1b4j
こうして、シンミア仮装した林家ペーパー夫妻は満足したとさ。

終了
188通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:46:10 ID:???
続き

シン まさかミーアは触るだけだと思ってたのか?

だいたい胸を触ってたら、それより先のこともやってみたいと思うに決まってる!
なぁ、ミーアは俺とエッチするの嫌か?
(ミーアを見つめて、だんだんと顔を近づけてキスをせがむ)
189通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:47:40 ID:sfHB1b4j
が、息が臭いと拒否られたシン。野村サッチーに笑

終了
190通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:48:18 ID:???
ミーア

んぶっっ…ぷぁっっ…きゃっっ!!

(口内や顔、胸が精液塗れになる)

我慢できないのねシン…こんなにいっぱぃvV

(胸を擦りあわせてくちゅくちゅいわせる)

気持ちよかった?

191通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:50:28 ID:???
シン
あぁ、こんなに気持ちいいとは思わなかった
ちょっとミーアにいたずらしてやろうって思っただけなのに
はぁ……ミーアのこと本気で好きになってしまったよ
(精液にまみれたミーアをじっくりと眺める)
192通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:50:44 ID:sfHB1b4j
ミーアは猪木調に返した。
『元気ですかぁっ!!』

シンは萎えたとさ。


終了
193通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:53:37 ID:???
ミーア

勿論、あたし自身を見てくれてるのよね? シン
あたし…あたしね…ここに来て、あたしがあたしで良いんだなって…
忘れないで…本当のあたし…あたしの歌。
194通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 11:56:36 ID:sfHB1b4j
と、猪木口調のミーアは叫んだ。
『元気があれば何でも出来る!』

シンは二度と勃たなかったとさ。

終了
195通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 12:01:43 ID:???
荒し氏ねニート
ID:sfHB1b4j
196sage:2006/04/28(金) 12:04:06 ID:???
閉店ガラガラー!

出たっ!…て位のカススレでしたとさ。

解散
197通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 12:09:58 ID:sfHB1b4j
195

ソシテオマエは役立たずの妄想ミート(推定120`)
198通常の名無しさんの3倍:2006/04/29(土) 02:19:43 ID:xoJtZW8r
気色悪いエロ小説の抜き書きが張られているのはこのスレでつね
199エイサップ鈴木 ◆6VLCsKw82Y :2006/04/29(土) 03:22:39 ID:???
>>1-198
板違いだわかったら失せろゴミ共
200通常の名無しさんの3倍:2006/04/29(土) 06:46:38 ID:???
ありがとうエイサップ、助かったw
201通常の名無しさんの3倍:2006/04/29(土) 11:05:18 ID:???
得ろ小説ばしばしイクゼーーーー
202通常の名無しさんの3倍:2006/04/29(土) 11:48:46 ID:???
なんか妙に荒れてきたなあ。
203通常の名無しさんの3倍:2006/04/29(土) 11:57:23 ID:???
>>201
行け――!!
204通常の名無しさんの3倍:2006/04/29(土) 12:55:25 ID:???
一人だけ変なのがいるだけだ
205通常の名無しさんの3倍:2006/04/29(土) 21:46:31 ID:???
あんまり露骨にやるとスレストされるよ。

シンマユスレとかいくつかあった。
206通常の名無しさんの3倍:2006/04/30(日) 15:16:10 ID:lQyYwIXv
鬼ジュールさん、気にしないでガンガレ(`・ω・´)/!!
207通常の名無しさんの3倍:2006/04/30(日) 16:20:10 ID:???
最近来てくれないね
208通常の名無しさんの3倍:2006/05/01(月) 09:19:34 ID:???
待ち保守
209鬼ジュール(最近忙しいのです):2006/05/02(火) 22:04:29 ID:???
今日もホテルの63階に向かうと、扉を開けた瞬間、ぷんっと甘い匂いがシンとレイの鼻腔を擽った。
甘すぎるとも言っていいその匂いに一瞬中に入るのが躊躇われたが、いつまでも外に立っていても仕方ない。
中に入るがミーアの姿は見えない。
何処にいるんだろうかと二人で探すと、キチネットの中にいた。

大きな鍋でぐつぐつと何かを掻き混ぜながら。

どうやら甘い匂いの発生源もその鍋のようだった。

「な、何してるんだ?」

恐る恐る尋ねると、シン達がやって来た事に気付いていなかったのか、ミーアが肩を跳ね上げて振り返った。

「びっくりしたぁ。もう来てたんだ」
「だってそういう時間だろ」
「そっか。此処は時計が無かったから気付かなかった」

のんびりと笑うミーアに、シンは隣に立って鍋の中を覗き込む。

「何作ってんの?」

鍋の中身は半透明の白いゲル状の物体。
しかし、甘い匂い。
何やら変な物を作ってるのではないかと顔を顰めたシンに、ミーアは頬を膨らませる。

「ジャムだよ、ジャム。りんごのジャム」

昨日から凝ってるの。

ミーアが指で示した冷蔵庫を開けるとそこには瓶がいくつも並んでいて、オレンジ色やら黒やら色んな色をしていた。

「何でこんなに」
「だって!昨日知ったんだけど、この部屋に飾ってる果物、全部毎日取り替えて、取り替えたのは捨ててるって言うんだもん。勿体無いでしょ?」

プラントで食料を確保するのがいかに大変な事か学校で学んだ彼女には、食べれる食料を捨てるという感覚が許せなかったらしい。
捨てるのなら頂戴と果物を貰ったのはいいが、果物のサラダを作ったり、ジュースを作ったりと頑張ってみても中々消費出来ない上に、毎日だと飽きてしまう。
それでどうにかならないかと考えた挙句に辿り着いたのがジャム作りだった。
仕事場の人達に渡すと喜ばれるのと、にっこり笑うのは正直可愛いと思うのだが、しかしプラントの歌姫がジャム作ってスタッフにお裾分けしているというのは「ラクス・クライン」のイメージを損ねたりしないのだろうかと思う。

「シンもレイも持って帰ってね。何ならお友達の分も持っていっていいから」
「あ。いや・・・」
「なぁに?いらないの?」

頬を膨らませて振り返ったミーアが、不服そうにシンを見上げて睨む。

何も睨まなくてもいいだろ、と、思いながら「ほら、焦げるって」と、言いながらミーアの体を再び鍋に向かわせながらシンもヘラを握って掻き混ぜる。
210鬼ジュール:2006/05/02(火) 22:06:11 ID:???

何も睨まなくてもいいだろ、と、思いながら「ほら、焦げるって」と、言いながらミーアの体を再び鍋に向かわせながらシンもヘラを握って掻き混ぜる。

「こんなに一杯じゃなかったら一人で食うって言うのにな」
「無理だよ。沢山あるもの」
「だよな」

パンは毎日食べているが、流石に毎食ジャムをつけたいとは思わない。

「でも美味いのか?」

正直ミーアがジャムを作れるとは思わなかったシンは、ミーアの手を掴むとヘラで掬ったジャムにぺったりと指を押し当てて自分の口に入れる。

「あっ」

ミーアがシンを見上げて頬を染める。
ほんの出来心のつもりだったのだが、こうも可愛い反応を見せてくれるとシンとしても気分がいい。
正直ジャムの味よりそちらに興味が移ったシンは、ミーアが僅かに身を捩りながら瞳を揺らす姿に見入ってしまう。

「・・・・・・焦げるぞ?」

ミーアの吐息が荒くなろうかというその時聞こえた無感情の声にシンは思わず眉を寄せてミーアの指を開放し、恨めしくレイを見た。

「こういう時は気を利かせろよな」
「焦がすよりましだと思うぞ」

悪かったなと、電気のスイッチを消すと、レイを追い払うように手を振った。
その手の示すようにレイはその場を去ると、今度こそシンは遠慮なくミーアに口付けた。


<終>
211通常の名無しさんの3倍:2006/05/03(水) 00:36:18 ID:???
よくこんなに話考えられるな
ネタ切れとかしないのー
今回もシンミア良かった
エロくないのに二人が純粋なせいかなんか変にエロイ
212通常の名無しさんの3倍:2006/05/03(水) 10:21:47 ID:???
マジレスすると種キャラを使った日常オリジナル話だから、無限大に出来る。
213通常の名無しさんの3倍:2006/05/04(木) 11:11:19 ID:???
hoshu
214通常の名無しさんの3倍:2006/05/04(木) 16:18:57 ID:???
ttp://haziltuk.hp.infoseek.co.jp/deth/deth.html
キタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!

「ミーア!何やってるんだよ!」
「だってぇ!ちょっと楽しくなっちゃって!」

ホテルに戻った瞬間、それまで我慢していたシンは大声で叫んだ。
大声に反射的に反応してしまった肩を竦めて抗議の声を上げる。
今シンはミーアの体を横抱きにして抱えていた。
その後ろをレイが救急箱を持って付いて来ている。
実は今日のザフトでの慰安コンサートにてミーアは「ラクス」として歌いまわっていた。
いつもはお堅い教官達が兵士を叱咤する場所が、華やかなライトやセットが置かれ、いくつものアンプが並んでいる。
その中をミーアは縦横無尽に走り抜け、リズムに合わせて全身を揺り動かすその時に飛び散る汗もまるで彼女を飾る宝石のように綺麗だった。
ミーアが「ラクス」として歌う事に未だいい気のしていないシンでさえ、始めは不機嫌に見ていたものの、本当に楽しそうに歌う彼女の姿に次第に口をぽかん・・・と開けて凝視していた。
目が離せなくて・・・・。
心どころか心臓まで鷲掴みにされたその強烈な魅力に、もう見慣れたと思っていたシンだったが、改めて惚れ直してしまった。

と、此処までは良かったのだが、ミーアが袖に引っ込んだ瞬間、がくんっと膝を落として倒れ込んだのだ。
一応警備として終了間際に袖に控えていたシンとレイだったが、ミーアの手を取ろうと手を伸ばした瞬間、彼女が二人ににっこりと微笑んだ直後、膝からかくんっと落ちて、倒れた。

その瞬間、「ミーア!」と、叫ばなかったのはシンとしても大した自制心だったと思ったものだったが、それよりも彼女の身に何があったのかと周囲に視線を巡らせてから駆け寄った。

「どうしましたか!?」

抱き起こして尋ねると、ミーアはコンサートで荒くなった息を少しずつ整えながら足を押さえた。

「歌ってる最中に足挫いちゃって・・・。終わったら・・・ほっとしちゃった」

ミーアはスカートの上から足を押さえていたのを、レイがその手を退けて足首に手を当てる。
その瞬間「あうっ!」と、体を硬直させたのを見て、シンもまた足首に視線を遣り、次にレイに様子を尋ねるように視線を移すと、レイは神妙な面持ちでミーアに告げた。

「凄く腫れ上がっています。折れなくて良かった」

もしかすると折れていたかもしれないと聞かされて、ミーアはざっと顔を青褪めさせて気を失った。

216鬼ジュール:2006/05/05(金) 16:17:49 ID:???

そこで医務室で手当てをし、ミーアの意識が戻ってからホテルに連れ帰り、現在に至る。
彼女の体をソファの上に横たわらせると、その足元に座る。

「何でこんな無茶したんだよ!」
「だって、皆に喜んで欲しくて・・・」

施設の使用時間は決められていた。
そこで途中で手当てなどしていたら皆に心配を掛けてしまうし、時間が掛かりでもしたらその分だけ歌えなくなる。
一曲でも多く皆に聴いて貰いたかったと告白するミーアに、シンは彼女のプロ根性を見たものだったが、それよりも彼女の体の方が心配であるのだから仕方ない。
それに、他の男の為に懸命になられるのは気に食わない。
つい二人とも口調が荒くなっていたのだが、ふっと言い争いの間に一瞬の沈黙が落ちると、ミーアは沈んだ表情で溜息を吐いた。

その表情の変化にシンは言い過ぎただろうかと息を呑むと、ミーアはレイに視線を向けた。

「明日から1週間お仕事出来ないって知ったら、議長お怒りになるかなぁ?」

彼が求める彼のラクスになる為に頑張っているのだが、活動が出来なくなると政治的に問題が出ないだろうかと不安になる。
だとしてもどうしてレイに尋ねるんだとシンが不貞腐れたように口を尖らせるがミーアも今だけはシンに構っていられなかった。
レイもまた僅かに目を見開いたが、直ぐに首を左右に振った。

「大丈夫だろう。この一週間以内に大きなイベントもなければ最高評議会も開廷されない。議長がお困りになる理由も無いだろう。後で報告の時に念の為に確認すればいい」
「うん。そうだね」
「前にも言ったけど、ミーアの足首は柔らかいから捻り易い。けど、柔らかいからこそ骨折まで行かなくて捻挫で済む。ミーアは踊るから足首がどうしても柔らかいんだろうけど、少しは鍛えないとしょっちゅう捻る事になるぞ」
「うん・・・」

少し疎外感を感じたのか、シンが話を変えて割って入って忠告する。
ミーアも捻り易い事は自覚があるのか、目を伏せて頷く。
一気にしょげてしまった姿を見ると罪悪感に襲われる。
しかし、次の瞬間にはミーアに覆い被さるように彼女の頭の両脇に手を置いて見下ろした。

「じゃあ当分ミーアのお風呂係になろうかな、俺」
「へぇ!?」
「その足じゃ風呂場で脱ぐのも一苦労だろ?手伝ってやるから」
「え?え?あ、あの!時間は沢山あるからいいよ!」

見下ろすシンの顔は無邪気だが、良からぬ事を考えているようにも見える。
それまでの不機嫌が一変してにこにこと笑っているのも気になる。
最近全くシンとはお風呂に入っていないので、それが理由だろうかと思うと妙にしっくりと来た。

「前は一緒に入ってたんだし、いいだろ」
「え、だけどっ」
「大丈夫だって。何もしないから」
217鬼ジュール:2006/05/05(金) 16:19:07 ID:???


嘘だ。

嘘だけど。


引き攣った顔でミーアはシンの言葉を内心否定し、シンもまた笑顔の裏で自分の言葉を否定した。
互いに微笑み合いながらミーアはシンの言葉からどう潜り抜けようか思案し、シンはいかにミーアを丸め込むかを考えていた。

「じゃあ、もう今日は寝るだろ?お風呂から出たらまた包帯巻き直さなくちゃならないし、今日は腫れてまた痛くなるかもしれないし」
「え!?い、いいよ!あたしまだ大丈夫!」
「・・・今日沢山汗掻いたんだから早めに入った方がいいだろ?」

確かに、いつものミーアであればもう風呂に入っている状況だ。
しかし、今この話の展開で風呂場に行く気にはなれなかった。
一体どうすればいいんだろうと頭を悩ませたミーアは、助けを求めるようにレイを見て、思わず口走った。

「じゃ、じゃあ3人で入ろう!」
「は!?」

これに関しては完全な部外者を決め込んでいたレイも目を見開いた。
その反応を見て自分は何てことを口走ったのだろうとミーアは更に慌てふためき瞬きを繰り返す。


「そんなに俺の事信用無いのか?」
「そ、そうじゃないけど!ね!」
「じゃあレイがミーアの裸を見るのは嫌だ」
「そ、そっか。それも、そうだよね」
「俺は気にしない」
「レイ!この場合は気にしろ!」

ミーアを腕で挟んだままシンが鬼の形相で睨む。
MSの訓練中にも見せない気迫にレイは思わず息を呑み、シンの姿が牙を剥いて自分の餌を他に取られないように警戒する獣のようで、レイは思わず苦笑した。

「じゃあ俺は二人が浴室に入ったら脱衣所に居る。それでミーアが俺を呼んだら俺も入る。呼ばれない限りは入らない」
218鬼ジュール:2006/05/05(金) 16:20:31 ID:???

何を基準にしてミーアがレイを呼ぶかはミーアが決める。
そして何をしたらミーアがレイを呼ぶかはシンも想像がつく。
余計な事はするなという事だ。
恨めしげにシンはレイを見たが、風呂場で二人きりになるという状況は約束されている。
そしてレイはシンとミーアのどちらの味方かと尋ねられたら今の所はミーアだ。

ギルバートに頼まれているからというのもある。

シンが現状に満足しない程度に。
ミーアが現状を満足するように。

二人が戦争という物に対して嫌悪を持ち、それを忘れないように。

その為になら、友人に恨まれようと、「任務」を遂行するしかない。


「これで決まりだな」


特に異論が無かったので、(シンも「何もしない」と、言った手前何も言えなかったのだ)レイは持って来た救急箱をもう一度中身をチェックし始めた。
シンはそれを見てミーアを恨めしげに見ると、ミーアは「やっぱり何か企んでたでしょ」と、小声で言ってから、お詫びとばかりにシンの体を抱き寄せた。


<終>
219通常の名無しさんの3倍:2006/05/05(金) 20:44:20 ID:???
みっみっみらくる(・∀・)みっぱいるんるん♪みっみっみらくる(・∀・)みっぱいるんるん♪
素直に「好き」とーいーえなーいきみもー♪ゆーうきをー出ーしてー♪
(Hey, attack!)
恋のまーじないーミーアび−む♪かーけてあーげるわ♪
整形かーらーやーってきたおしゃまなキューピー♪いつもみんなーの夢をはこーぶーの♪
夜は一人、星たーちに願いをかーけるぅ♪明日もアスラ〜ンにーあーえーまーすよーうにー♪
Come on, let's dance! Come on, let's dance!(・∀・)べーいびー♪
なーみだーをふいてー♪走りー出ーしたら♪
Come on, let's dance! Come on, let's dance!(・∀・)べーいびー♪
そーらーのかーなたへぇー♪すーぺしゃーるじぇねーれーいしょーん♪
(いつになったら、アイドルになれるのかな?)
恋のマ・ジ・カ・ル(・∀・)みっぱいるんるん♪

         ハィ♪ハィ♪       ハィ♪ハィ♪   ヤァ♪∩ミ     スチャ♪   
        〃´⌒☆    .   〃´⌒☆       〃⌒☆つ   ☆´⌒ヽ      
         ! ((!´゙リ))∩    !¶((!´゙リ))      ! ((( リ)    ¶〃   リ  
        ノ リ*゚ ヮ゚ノ彡    .ミ∩ミ゚ ヮ゚ノ|     .ノ リ゚ ヮリ    ∩リ从リ从リ      .
        (¶⊂)人⊂彡   (,,,,, つ¶ ノつ    .  (,,,, ⊃ 人)    (リ从从 リノ)))クイクイ . .
         /(^Y つ   .   /(^Y つ.  . .   /(^ ヽ丿    /ヽ ^Y ^) \ヽヾ  
        < 乂し'彡乂>    < 乂し'彡乂>    < 乂_ノ 乂>  <乂乂_,ノし'乂乂>ヽ~ ~○~<hai、hai、hai、hai
ttp://lime.sakura.ne.jp/illust/bbs/26.png(*´д`*)ハァハァミクルたん
        ミ・ー・ア・たん♪   、'´み`〉
     ∧_∧          ∧_∧-/
 /\( ・∀・)/ヽ   '´\  (・∀・/゙)
( っ と   つ ぱ )( い(>と   〈
 \/⊂、 ノ  \ノ  ゝ/  (⌒゙ ,,ノ)
     し'ミ・ー・ア・たん♪  `ヽ,_,)
220通常の名無しさんの3倍:2006/05/05(金) 20:49:02 ID:???
みっみっみらくる(・∀・)みっぱいるんるん♪みっみっみらくる(・∀・)みっぱいるんるん♪
素直に「好き」とーいーえなーいきみもー♪ゆーうきをー出ーしてー♪
(Hey, attack!)
恋のまーじないーミーアび−む♪かーけてあーげるわ♪
整形かーらーやーってきたおしゃまなキューピー♪いつもみんなーの夢をはこーぶーの♪
夜は一人、星たーちに願いをかーけるぅ♪明日もアスラ〜ンにーあーえーまーすよーうにー♪
Come on, let's dance! Come on, let's dance!(・∀・)べーいびー♪
なーみだーをふいてー♪走りー出ーしたら♪
Come on, let's dance! Come on, let's dance!(・∀・)べーいびー♪
そーらーのかーなたへぇー♪すーぺしゃーるじぇねーれーいしょーん♪
(いつになったら、アイドルになれるのかな?)
恋のマ・ジ・カ・ル(・∀・)みっぱいるんるん♪

         ハィ♪ハィ♪       ハィ♪ハィ♪   ヤァ♪∩ミ     スチャ♪   
        〃´⌒☆    .   〃´⌒☆       〃⌒☆つ   ☆´⌒ヽ      
         ! ((!´゙リ))∩    !¶((!´゙リ))      ! ((( リ)    ¶〃   リ  
        ノ リ*゚ ヮ゚ノ彡    .ミ∩ミ゚ ヮ゚ノ|     .ノ リ゚ ヮリ    ∩リ从リ从リ      .
        (¶⊂)人⊂彡   (,,,,, つ¶ ノつ    .  (,,,, ⊃ 人)    (リ从从 リノ)))クイクイ . .
         /(^Y つ   .   /(^Y つ.  . .   /(^ ヽ丿    /ヽ ^Y ^) \ヽヾ  
        < 乂し'彡乂>    < 乂し'彡乂>    < 乂_ノ 乂>  <乂乂_,ノし'乂乂>ヽ~ ~○~<hai、hai、hai、hai
        ミ・ー・ア・たん♪   、'´み`〉
     ∧_∧          ∧_∧-/
 /\( ・∀・)/ヽ   '´\  (・∀・/゙)
( っ と   つ ぱ )( い(>と   〈
 \/⊂、 ノ  \ノ  ゝ/  (⌒゙ ,,ノ)
     し'ミ・ー・ア・たん♪  `ヽ,_,)
221通常の名無しさんの3倍:2006/05/06(土) 04:28:17 ID:???
比べるのも失礼だが、
鬼ジュール氏は両澤よりも腐心を理解しておられる。

GodJob
222通常の名無しさんの3倍:2006/05/06(土) 04:43:59 ID:???
>>221
禿同
氏はまさに「貴腐」の域に達しておられる。
223通常の名無しさんの3倍:2006/05/06(土) 10:33:52 ID:???
そりゃ、鬼ジュール氏自身が高齢腐だもの(誉め言葉)
224通常の名無しさんの3倍:2006/05/06(土) 12:54:35 ID:???

みっみっみらくる(・∀・)みっぱいるんるん♪みっみっみらくる(・∀・)みっぱいるんるん♪
素直に「好き」とーいーえなーいきみもー♪ゆーうきをー出ーしてー♪
(Hey, attack!)
恋のまーじないーミーアび−む♪かーけてあーげるわ♪
整形かーらーやーってきたおしゃまなキューピー♪いつもみんなーの夢をはこーぶーの♪
夜は一人、星たーちに願いをかーけるぅ♪明日もアスラ〜ンにーあーえーまーすよーうにー♪
Come on, let's dance! Come on, let's dance!(・∀・)べーいびー♪
なーみだーをふいてー♪走りー出ーしたら♪
Come on, let's dance! Come on, let's dance!(・∀・)べーいびー♪
そーらーのかーなたへぇー♪すーぺしゃーるじぇねーれーいしょーん♪
(いつになったら、アイドルになれるのかな?)
恋のマ・ジ・カ・ル(・∀・)みっぱいるんるん♪

225通常の名無しさんの3倍:2006/05/06(土) 14:27:38 ID:???
年輪を重ねて、腐は熟成へ転じるか。

「ぅ・・・んんっ・・・。ぁは・・・」
「・・・ミーア。痛み止め飲むか?」

夜中の時間になり、ミーアの足の痛みが酷くなったのか、彼女は苦しげに身を捩っていた。
痛み止めを飲むように勧めたが、正直効くかどうかは自信が無かった。
それはミーアにも分かっているのか、顔を左右に振って服用を拒んだ。
隣の寝室にも聞こえたのか、レイが救急箱を持って入ってくる。
その姿を見て、自分が何もせずただミーアの隣にいた事に気付いた。冷静だと思っていたのだが、案外動揺しているらしい。
直ぐにレイに向き直り、「氷持って来るから此処任せる!」と、部屋を飛び出した。

ミーアは痛みという物に対してとても弱い。感覚神経が鋭いのだろう。
大した怪我ではないのに直ぐに「痛い」と訴えかける事はシンにも分かっていたのだが、だからといって「我慢しろ」とは言いたくなかった。
痛いのなら痛くないように、苦しいのなら苦しくないようにと思ってしまうのは余りにも過保護だろうか。

いや、そんな事はない筈だ。

洗面器に氷を入れて水を張ると、タオルを用意して寝室に戻る。
丁度レイも包帯を取り終えた所だったのか、包帯の取れた足を下ろしてミーアの耳元に顔を寄せていた。
まるで抜け駆けされたようなその光景にシンは一瞬息を呑んだが、直ぐにミーアの元に駆け寄って氷水に浸したタオルを絞って患部に当てた。

「シン・・・」

大きく息を吐き出したミーアがシンを呼び、その切なさを含んだ声に身を震わせたシンは彼女が伸ばして来た手を取った。
ミーアにしては強い力に驚いたが、それだけ堪えているのだろうと思うと悲しくなった。
その痛みを引き受ける事が出来るのなら、引き受けてやりたい。

「ミーア。痛いんだろ?」
「ごめん・・ね。寝てていいよ。明日、あるもん・・ね」
「馬鹿!そんなの気にするな!」

先細りの息を詰めた声に、シンは顔を顰める。
確かに過保護な所があるかもしれない。しかしそれでも痛みで苦しむミーアを放っておける筈がなかった。
自分ならこんな怪我大した事ないと思えるのにとまた悔しい気持ちになる。

「レイ、痛み止め」
「駄目だ。前に彼女から聞いた。利き過ぎるんだ、薬が」
「なら・・・もっと弱いの無いのか?」
「市販のでは大した違いはない」

そういえば昔熱を出した時に嫌がっていたのを無理に飲ませた事があった。
その後理解不能な事を言っていたのも知ってはいたが、それは熱のせいだと思っていた。
もっと良く思い出せば、熱は下がってもその後何度か吐いていたりして、結局は暫く寝たきりになっていた。
あれも全部熱のせいだと思っていたのだが、実は薬のせいだと思うとミーアが嫌がる理由が分かる気がした。

「じゃあどうしたらいいんだよ!」
「それは本人に聞くしかない」

朦朧としてでも薬を飲むか、それともこのまま我慢するか。
シンは再びミーアの顔を覗き込むと、「うぅ・・ん」と、うめいている。

「ミーア。俺に出来る事あるか?・・・・寝る以外で」
「・・・じゃあ、我侭・・・言っても、いい?」
「当然。言って」

額を重ねて微笑むと、ミーアは荒く息を吐いた後、痛みで涙を流してシンに寄り添った。

「一緒に、居て。抱き締めて」
「分かった」

ミーアの願いを叶える為に隣に横になり、抱き締める。
それに対してミーアはシンの肩口に噛み付くようにして顔を押し付けると、抱き締める力を強くした。

「ミーア。もっと力入れてもいいから」

ミーアの体を密着させるように手の位置を変えると、シンの視界の端でレイが立ち上がった。
よく考えれば包帯を巻き直していない。それでも気を遣ってくれたのだろう。
しかし包帯は巻き直さなければ悪化したり変な癖が付いたりするので、包帯を巻き直そうとミーアに声を掛けてから起き上がった。
そこでミーアも立ち去ろうとするレイの姿を見つけて上体を僅かに起こす。

「レイも来て。一緒に居て」

手を伸ばしてレイを求めるミーアの仕草に、困ったようにシンに視線を向ける。
シンはミーアの言葉にむっとした表情をしたが、いつものように反論はしなかった。
怪我をしたり、病気をしたりすると心細くなる。
その時自分を心配してくれる人が一人でも多いと嬉しいものだ。
頭ではわかっているのだが。
シンはレイの視線を感じたがそれに対して一切反応はしなかった。
此処までくれば単なる意地なのだが、それでも絶対に自分の口から「来いよ」とは言いたくなかった。

レイもそのシンの心中を察したのか、何も言わずにミーアの隣に立った。
耳元に唇を寄せる。

「シンが不機嫌だ」

レイの忠告にミーアは瞬きを繰り返し、シンに目を移す。
すると、シンはミーアの視線に気付いているであろうに絶対に顔を上げて視線を合わせようとしない。
余程拗ねてるのだと気付いたミーアは、痛みに眉を寄せながらシンに手を伸ばした。
目を閉じるとぽろぽろと涙が零れる。

「シン・・・」
「へ!?あ?足痛いのか?包帯外した方がいい?」
228鬼ジュール:2006/05/06(土) 15:02:15 ID:???

これまでになく涙を流すミーアの顔に驚いたシンが、慌てて包帯を巻いていた手を放した。
怒りに任せて力を入れたつもりはないが、もしかしたら力が入っていたかもしれない。
しかし、ミーアはそれを否定するように首を左右に振ってシンの言葉を否定した。

「違うの・・・・。・・・・ごめんね」

それが何に対する「ごめんね」なのか悟ったシンは、途端に顔を顰めた。
この状況で我侭を言っているのは自分だ。
なのにそんな自分を気遣うミーアの姿に、シンは唇を噛んだ。

「分かってる。ミーアにはレイも、俺も家族だもんな」

伸ばしてくれた手を一度握ると、再び足首の包帯を巻きながらレイに視線を向けた。
少し唇を尖らせた複雑な表情で。

「レイ。タオル持って来て、ミーアのぐちゃぐちゃの顔どうにかしたら寝るぞ」
「・・・・いいのか?」
「本当は嫌だ。でも今日はミーアの意志が最優先事項」
「了解」

シンの本心が聞けて納得したと、レイは直ぐにタオルを取りに部屋を出た。
と、此処で二人きりになれたシンは一度包帯を巻く手を止めてミーアを見上げた。
まだ泣きじゃくっているミーアに、シンは溜息を吐く。
溜息でも吐かなくちゃ、自分も泣きそうだった。

「痛い時は言えよ」
「・・・・うん」

本当は謝る事が出来たらいいのだろうが、意地もあり、謝るなど早々出来ないという子供な自分が、謝る事を許さなかった。

ただ、包帯を巻き終わった後、3人でキングサイズのベッドに並んで寝た時、シンは何も言わずにミーアを抱き寄せて、レイにも気付かれないように何度も頬に、肩にと謝罪の心を篭めて口付けた。



<終>
229通常の名無しさんの3倍:2006/05/07(日) 01:22:58 ID:???
切ない!今回も良かったです
230通常の名無しさんの3倍:2006/05/07(日) 13:16:51 ID:???
http://img197.auctions.yahoo.co.jp/users/5/3/5/1/movement_jf-img550x389-1146888262b008-02.jpg
羽ミーアたんキタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!
オリジナルのミーアトートバックか!!

http://img173.auctions.yahoo.co.jp/users/6/5/9/7/darichan1978-img450x600-1146931461gazou_2965.jpg
巨乳ミーアたんキタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!
ニュウリンエロス!(*´д`*)ハァハァ

クリトリスもエロス!造形がすばらすいね
http://img173.auctions.yahoo.co.jp/users/6/5/9/7/darichan1978-img450x600-1146931480gazou_2940.jpg

http://img173.auctions.yahoo.co.jp/users/6/5/9/7/darichan1978-img450x600-1146931503gazou_2953.jpg
みっけつみっぱいみっちく(*´д`*)ハァハァ

http://img169.auctions.yahoo.co.jp/users/6/5/9/7/darichan1978-img450x600-1146932441gazou_2963.jpg
デカチクビ(*´д`*)ハァハァミーアタンエロス〜

http://img169.auctions.yahoo.co.jp/users/6/5/9/7/darichan1978-img450x600-1146932463gazou_2941.jpg
ぼりゅーむたっぷりのみっぱいエロス

http://img169.auctions.yahoo.co.jp/users/6/5/9/7/darichan1978-img450x600-1146932483gazou_2952.jpg
乳姫様がご降臨なされた(*´д`*)ハァハァ


231通常の名無しさんの3倍:2006/05/07(日) 14:34:02 ID:???
>クリトリスもエロス!造形がすばらすいね
有難う 職人さん 俺コレで……

いやスイマセン。
232通常の名無しさんの3倍:2006/05/07(日) 15:57:56 ID:???
>>230
ぐっじょbqwくぇrちぃおp@
233通常の名無しさんの3倍:2006/05/07(日) 19:12:22 ID:???
正直キモイ。

人間の体型じゃない。
234通常の名無しさんの3倍:2006/05/07(日) 22:56:14 ID:???
>>233
文句があるなら平井久司&福田己津央に言ってください。
235通常の名無しさんの3倍:2006/05/07(日) 23:08:29 ID:???
236鬼ジュール(また可哀想な事に・・・):2006/05/09(火) 21:10:30 ID:???
「ねぇシン。最近ずっとラクス様の所に呼ばれて行ってるけど、明日のミーティングの為のデータ、大丈夫なんでしょうね?」
「は?」
「は?じゃないわよ。先週副艦長にデータ纏めるのお願いされてたでしょ?」

ザフトの宿舎に戻ろうという道すがら、ルナマリアがシンを慌てて引き止めて尋ねた。
最近は食堂にも向かわずに直接ホテルに向かっていたシンに話し掛けるチャンスは今しかなかったからだ。
ルナマリアの瞳を凝視してシンは先週のミーティングの様子を思い出す。

そしてアーサーが「たまには君もデータ解析やってみなよ」と、へらりと笑いながら一方的に言って部屋を出て行った事を思い出した。
殆ど捨て台詞のようだったからシンもすっかり忘れていたのだが。

「やばい・・・」
「やっぱりね。そんな事じゃないかと思ってたのよ。最近のシンったらすっかりラクス様のファンになっちゃって、訓練終わったらすぐに走って行っちゃうし」
「・・・・間に合うかな」
「間に合わせなきゃ艦長から怒られるわよ。レイもいるんだったらこっそり手伝って貰っちゃえば?」
「・・・・あー。今日ちょっと用があるから後で合流する事になってるんだけど・・・。まぁそうする」

これが持ち出し禁止の資料だったら絶対アウトだったわね、シン。

にやにやとルナマリアは意味深に微笑み、掌を上に向けてシンの目の前に差し出すと、シンは溜息と共にルナマリアの掌に自分の手を重ねて握った。

「礼は今度する。俺、取り敢えず時間無いから行って来る」
「楽しみにしてるからね♪」

今日はミーアと暫く二人きりだと嬉しく思っていたのだが、それどころでは無くなったと再び深く溜息を吐きながら準備の為に走り出した。




カタカタカタカタ・・・・・。


珍しくスウィートルームの中で硬質な音が響いていた。
まだ捻挫で療養中のミーアはシンが明日までにデータを纏めなくてはならないのだと知ると、「つまんない」と、一言言ったもののシンの向かいのソファに横になってクッションを抱き締めごろごろとしていた。
シン達がいない昼間でさえ一人でごろごろとしていたミーアはもうごろごろし飽きていたのだが、シンが構ってくれないのであればごろごろするしかない。
これでレイがいればピアノを弾いて貰ったり、話し相手になって貰ったりするのだが、まだ彼は来ていない。
行き先は知っているのだが、折角の対面を邪魔するつもりはない。
我侭を言えば通りそうだが、それはレイが可哀想だ。

仕方がないので目の前のシンの観察を開始した。

いつもは不機嫌そうにしている口元が、今は仕事中の為かきゅっと引き結ばれている。
よくよく考えればシンが勉強をしている姿なんて殆ど見た事が無かった。
こんなに格好良かったんだろうかと思うと、ミーアは少し恥ずかしい気持ちになる。
昔はひょろりとした体型だったのが、アカデミーに入ってからがっしりとしてきて首の回りや肩が少し太くなったように思う。
そして昔はミーアの体を抱き上げる事など適わなかったというのに、最近では横抱きに抱えられたりして、腕や下半身の力も強くなったんだなぁと思うと気恥ずかしくなる。
それなのに手は大きくて指は器用そうに長い。
しかし男の子らしく間接部分が少しごつごつとした感じが彼女には魅力的に感じた。
237鬼ジュール:2006/05/09(火) 21:11:48 ID:???

少し、食べちゃいたいかも。

胸の鼓動が高くなり、うずうずと心が掻き乱される。
口内の唾液の量が多くなり、体の芯から熱くなる。
よくよく考えたらミーアの方からシンに対してこのような欲求を持つ事は無かったように思う。
両親のいない彼女にとっては父性を感じさせる「働く男の人」という姿に弱いのかもしれない。
それともいつもはシンから迫ってくるばかりで安心しきっていて、少しつれなくされると逆に欲しくなってしまうのか。
もしくは快楽を知ってしまった体が単純に満たされたいと飢えを訴え始めたのか。
とにかく理由はハッキリと分からないが、欲しくなってしまったものは仕方がない。
体を起こして捻挫した足を庇いつつ立ち上がるとシンが座っているソファの隣に腰掛け、ころんっとシンに膝枕をして貰う。
シンはミーアの頭が肘とぶつかりそうだったので端末を叩く手を上げ、ミーアの頭が膝に乗ったのを見下ろして確認する。

「・・・悪い」
「ううん」

少し硬いシンの膝枕が少し照れ臭い。
顔を横にしてシンの腹に顔を埋めるとシンの匂いがして、硬い材質の制服の奥に感じる男らしくなりつつある体の存在感に、再びどきどきとした。
口の中が潤ってくる。

普通に食べちゃいたいかも。

噛み付きたくてシンの制服を口の中に含めるのだが、その奥の体までは届かない。
悔しいなぁと思いつつ、それでも頑張ってシンの体に歯を立てようとするのだが、頑張っても頑張っても足りない。

「・・何やってるんだ?」
「・・・・噛み付こうと思って」

その微妙な返答にシンは困った顔をすると「少し大人しくしてて欲しいんだけど」と、彼にしては控えめに言った。
再びする事がなくなってしまったミーアは再びじっとシンを観察する。
シンはますます難しい顔になり、ぶつぶつと何か愚痴をいい始めた。

「副艦長も・・・・ちょっとは・・・・・。ルナだって、もうちょっと早く・・・」

ミーアはそこで女の子の名前を聞きつけ眉を寄せた。
彼女も何度か聞いた事がある名前で、確かアカデミーから同期の女の子だ。
文化祭でも一度見た、シンととても中の良さそうな・・・。
欲求不満な所で聞いた女の子の名前にミーアは眉を吊り上げる。

「シン」
「んぁ?」

シンが何も知らずに間抜けな声を上げるのもまた悔しい。
ソファに両手を着いて体を起こすと少し強引に口付ける。
シンは突然の事に驚いたが、直ぐに嬉しそうに微笑んでミーアの唇を受け止める。
ミーアは少しずつシンの顔を押し返すように体を起こしつつシンの肩に手を置いて体をずらすと膝の上に尻を乗せる。
238鬼ジュール:2006/05/09(火) 21:13:19 ID:???

「はぁっ・・・」
「ん・・・」

シンが漏らした声にミーアはますます乗り気になり、どんどん深く口付けて行く。
肩に置いた手を移動させ、顎のラインをなぞり、耳を擽る。
シンにはそれが弱いのか、ミーアの体をきつく抱き締め背中を何度も何度も撫でる。
下半身にも熱が溜まって来ているのか、ミーアは尻でその熱が高まっていくのを感じる。

そして完全にミーアが主導権を握ったというその時に、シンが堪え切れないとばかりにミーアの胸に手を移動させて鷲掴むと、ミーアが途端に唇を離した。

「ミーア・・・」

もっとと、強請るように顔を寄せて来たシンに、ミーアは眉を寄せた不機嫌な表情のままシンの唇に自分の掌を当てた。

「あたしと彼女、どっちが大事?」

シンが瞬きを繰り返す。
「彼女」というのが誰の事だか分かっていないのだろう。
しかし、誰と比べているのか分からないが、取り敢えずミーア以上に優先させるべき女性はいないので顎を引いて手から唇を離すと「ミーア」と、答える。

「じゃあ、お仕事とあたし、どっちが大事?」

それは現状を示唆しているのだろうと素早く察知したらしいシンは「う・・」と、声を詰まらせた。
そして渋い顔を作り、唸る。
ミーアはそんなシンの様子を見ていく内に自分の中の欲求までもが怒りに変わった。

「ミーアって言いたいんだけど・・・・。今は、仕事」

どうしても今日中になんとかしなくちゃならないから!
ごめん!

シンは唇を噛んで謝罪すると、ミーアは小さく「もう知らない」と言ってシンの膝から降りて立ち上がるとひょこひょこと歩き出す。

「あーあ。すんごくシンが欲しいなぁって思ってたのになぁ」

シンがあたしを選んでくれてたら食べちゃってたのになぁ。

ミーアはすっかりむくれると一度シンを振り返ると舌を出してしかめっ面を作った。
その不機嫌さが事実だったのだとシンに知れると、シンは慌てて立ち上がろうとして、しかしそれは出来なかった。

やっぱり仕事を投げ出す訳にはいかなかったのだ。

「終わったら!終わったらする!」
「もうあたししたくないもん!」
239鬼ジュール:2006/05/09(火) 21:14:40 ID:???

ひょこひょこと寝室に向かいながらミーアは言い放つと、もう足も止めずに寝室のドアを閉めた。
ミーアは寝室に入るとベッドに横になり頬を膨らませる。

「シンの馬鹿・・・・」





そしてシンもまた後悔をひしひしと感じながらソファで項垂れていた。

暫くしてレイがやって来た時もシンは項垂れていたままで、思わず声を掛けるのが躊躇われる程に落ち込んでいたという。

再びの進展にはまだまだ時間が掛かりそうだった。


<終>
240通常の名無しさんの3倍:2006/05/09(火) 21:19:27 ID:???
http://nankyoku.sakura.ne.jp/taneotoko/data/tane_001678.jpg
さっさとミーアとセックスしろシン
鬼ジュールふざけんな!

241通常の名無しさんの3倍:2006/05/09(火) 22:34:07 ID:???
このギリギリも萌えじゃないか
242通常の名無しさんの3倍:2006/05/09(火) 22:34:35 ID:???
>>240
お子ちゃまはこれだからw

突っ込みゃいいってもんじゃねーんだよ
243通常の名無しさんの3倍:2006/05/09(火) 23:47:05 ID:???
>>240は「早い」といわれるタイプ
244通常の名無しさんの3倍:2006/05/10(水) 18:39:28 ID:???
あげてるところを見ると>>240はツンデレ
245通常の名無しさんの3倍:2006/05/12(金) 00:40:20 ID:???
はようセックスしろや
漏れのカイパンもテント張って大変なんだぞ!
ミーア先ずはその乳を揉んで吸ってしゃぶるからな
246通常の名無しさんの3倍:2006/05/14(日) 02:01:06 ID:???
保守
247通常の名無しさんの3倍:2006/05/14(日) 16:18:58 ID:???
はやくバキュームフェラしなさいみーあ
248通常の名無しさんの3倍:2006/05/14(日) 20:37:29 ID:???
エロがいい奴はエロパロ板で書くといいお
249通常の名無しさんの3倍:2006/05/14(日) 21:43:45 ID:???
エロミーーーーアщ(゚▽゚щ)
250通常の名無しさんの3倍:2006/05/16(火) 22:48:01 ID:???
保守
251通常の名無しさんの3倍:2006/05/18(木) 02:07:51 ID:???
ほす
252通常の名無しさんの3倍:2006/05/19(金) 12:31:46 ID:???
ttp://www.moeyo.com/img/06/05/19/1/s101.JPG
みっぱいキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!エローーーーーーーーー

すげぇーーーーエロイ大きなサッカーボールが2つ(*´д`*)ハァハァ
よし(`・ω・´)シャキーンアキバ漏れも行くぜw!!

ttp://www.moeyo.com/img/06/05/19/1/s103.JPG
エロエロミーア

ttp://www.moeyo.com/img/06/05/19/1/s105.JPG
でかでかみっぱいミーアたん

ttp://www.moeyo.com/img/06/05/19/1/s107.JPG
エロエロミーアたん

ttp://www.moeyo.com/img/06/05/19/1/s109.JPG
おっぱいがいっぱいでみっぱいだ(:.;゚;Д;゚;.:)ハァハァ

ttp://www.moeyo.com/img/06/05/19/1/s110.JPG
ボンキュボーン

ttp://www.moeyo.com/img/06/05/19/1/s114.JPG
パレオの中はパンツ履いてたんだな

よし!4個購入は正解だったな

253通常の名無しさんの3倍:2006/05/22(月) 02:42:01 ID:???
保守しとく
254通常の名無しさんの3倍:2006/05/23(火) 12:34:21 ID:???
エロエロ言うから職人さんがこなくなっちゃった
255通常の名無しさんの3倍:2006/05/23(火) 21:59:09 ID:???
アレに目をつけられたらもう……
256通常の名無しさんの3倍:2006/05/24(水) 01:31:03 ID:???
                 ,':::::::::::::::::/ ̄  `l;::::::::::::::::::::::::;:::::::::::::::!
                  i::::::::::::::::::|     '!:::::::::::::::::::::;:::::::::::::::::! 
                 l:::::::::::::::;:|_     '!::::;i::::;'、::i、:::::::::::::::::l  
                 ヽ::::::::::l`,'iニ=;-   |::;'ナノニリ''!;:::::::::::::::|  
                  ヽ::::::::i´、!r';}`    |;!ノイr';;}`;i::::::::::::::::|  
                   !::::::::ヽ´ ̄  ;:::.'´  ̄ ̄/ィ::::::::::::::|  
                   /'!:::::::'i`    、:::    /' i::::::::::::::i:|  
                  / |:::::ィ:::ヽ、   __ __    ,ィ:::::::::::::::l'!|  
                   ';:/リ`i:::::ヽ、 − `  /,. !:;::ハlヾ, `
                  ,.l:'-'''"、|ヽi'、ヽ、__,.ィ´‐'' ,. !'l:|  ' |  
                  /;ミヽ! |_ノ -―./  ,rj      `ー-、_
                _/ /__ \ ,.-‐'"_二-‐ァ''           /`ーァ----ァ=≦三三三
           __/ ̄   // ヽL└‐'"  /          ,∠(___(___(_,.. ィ~T ̄T~T
     _,. -'ニニ二ィ'   ,.r‐く└ァ`T"_,.-‐‐''Z"          ,:/        /  / .|:  | |
  r―'"ー'て_/__ノ  _/イ~「` ( _ノr'  / \___     .//         j   |  .|:  | |
  TTT~ ゙̄7  ノ__,..ノ"   | .|  // / /    ヽ.__  ̄`ー-、.//         /|  j|  .|:  | |
  ,| | | ./ /    _/    | | ,// //        \、   >==r'fアーァーil /.└‐'L_|_」._」
 l | | | | |   /      V | | /           ≫  ゙ミーアズ゙フリート-ア/
 |」.」」_」_」 O\          |_レ'           / 、__/L        /
 / / / ∧∧ \      /             /  v'rヘi.rァ゙く      /
 | ヽ |ミ(´∀` )彡\    /             ./   | ト-'└',ィ~      /
我々は一人の乳姫を失った。これは敗北を意味するのか?
否!戦いの始まりなのだ!
ラクシズ帝国に比べ我がミーア兵の人数は少ない。にも関わらず今日まで戦い抜いて
こられたのはミーア様の萌えとみっぱいの賜物であった!諸君!我がみっぱい兵のミーア最高目的が正しいからだ!
一握りのキララクが宇宙にまで膨れ上がり富野連邦を支配して33余年、宇宙に住むみっぱい兵がミーア復活を要求して、
何度ラクシズに踏みにじられたかを思い起こすがいい。
みっぱい公国の掲げる、人類一人一人のみっぱいのための戦いを、天国に居られるミーア神が見捨てる訳は無い。
私の乳、諸君らが愛して止まないミーア・キャンベルは死んだ、何故だ!
戦いは激化しているが。諸君らはこの戦争を┐(´ー`)┌ヤレヤレの火と見過ごしているのではないのか?
しかし、それは重大な過ちである。ラクシズは聖なる唯一のミーアを汚し殺して生き残ろうとしている。
我々はその愚かしさを両澤プクダに教えねばならんのだ。
ミーアは、諸君らの議長は敵だ!ラクスは見殺しにした!を目覚めさせるために、死んだ!戦いはこれからである。
我々の軍備はますます復興しつつある。両澤プクダラクス信者連合軍とてこのままではあるまい。
諸君の父も兄も、両澤やラクス信者の無思慮なご都合主義脚本の抵抗の前に死んでいったのだ。
この悲しみも怒りも忘れてはならない!それをミーアは死を以って我々に示してくれたのだ!
我々は今、この怒りを結集し、両澤プクダラクス信者軍に叩きつけて初めて真の勝利を得ることが出来る。
この勝利こそ、戦死者とミーア様への最大の慰めとなる。
みっぱい兵全国民よ立て!悲しみを怒りに変えて、立てよみっぱい兵国民!みっぱい総帥は諸君等の力を 欲しているのだ。
ミーア様の平和をこの手に取り戻すんだ!!

257通常の名無しさんの3倍:2006/05/25(木) 13:47:05 ID:???
保守
258通常の名無しさんの3倍:2006/05/27(土) 02:48:16 ID:???
ガンガッテほしゅ
259通常の名無しさんの3倍:2006/05/29(月) 01:28:05 ID:???
保守

その夜、シンはミーアの隣のベッドで先に寝ていた。
余りにもシンがミーアに手を出したいと主張するものだから、風呂にも進入出来ず、すっかり拗ねてしまったのだ。
因みにレイは隣の部屋のベッドに寝ている。
実は居間を挟んだ反対側にも来客用のベッドが置いてあるのだが、応接室やら居間を挟んだ向こうなので余りに遠過ぎると隣になった。
これでは益々手が出し難いとシンは不貞腐れているのでさっさと寝てしまおうと思うのだが、悔し過ぎて眠れない。
第一、シンの寝る時間はいつもはもう少し遅い。
色々な要因が重なり唸っていると、ミーアが風呂から出て部屋に入って来た。
その途端彼女だけが持つ匂いがぷん・・と、シンの鼻腔を擽る。
これはまた精神的に辛いとぎゅっと目を閉じると、ミーアは自分のベッドに向かわずシンのベッドに近付いた。

「シン・・・寝ちゃった?」

身を乗り出してベッドに手を着き身を乗り出すミーアはシンの顔を覗き込む。
シンはそれから逃れるようにシーツを引き上げると、シーツ越しにミーアの声が聞こえた。

「・・・ねぇ、今日一緒に寝ていい?」

シンが起きている事など彼女にはとっくにばれていたのだろう。
そんな魅力的な事を言いながらやっぱりえっちは駄目なのだろうと思うと悔しくて何の返事も出来ない。
ミーアは暫くシンの返事を待っていたようだがシンが何の返事もしないので諦めたのか体を起こす。

「あたしが意地悪言ってるの、自覚してるつもり。・・・ごめんね」

ミーアは小さく息を吐き出すとそのままベッドを降りようとする。
その瞬間胸の奥がきゅっと痛んだシンは寝返りを打ってミーアの腕を取った。

「一緒に寝る」
「・・・うん」

招き入れるようにシーツを持ち上げると、ミーアは恥ずかしそうに照れ笑いを見せながら静かにベッドの中に忍び込む。
シンはミーアが完全に横たわると抱き寄せる。
もしかしてそれも拒否されるかと思っていたが、ミーアは何も言わなかった。
その反応に勇気付けられてシンは一層強く抱き締めると「ちょっと苦しいよ・・・」と、腕を軽く叩かれる。
そんな事で自分の気持ちが収まるかと抱き締める手を一度は緩めて見詰め合うと口付ける。
1度、2度とシンは触れるだけの口付けをすると、3度目は深く口付ける。
この行為は2度目で、前回は身勝手な物だった。
しかし、今度こそ互いの気持ちが通じ合っているのだと思うと背筋から頭の方へと熱がびりびりと上がって来る。
もっと深く、もっと深くと思うと自然とミーアをベッドに押し付け、その上に跨る。
まるで彼女の顔を食らうかの勢いで口付けるとミーアが慌ててシンの胸に手を置く。
彼女が鼻から息を「すぅっ・・」と、一気に吸い込むとシンの胸を押した。
ミーアに見上げられるという感覚にもまた心が揺らぐ。
261鬼ジュール:2006/05/30(火) 07:55:07 ID:???

「っは・・、あ、あのっ」
「何?」
「・・あわよくばえっちしようと思ってるでしょ?」
「当然」
「だから、それは駄目なの」
「何で」

こういう時は開き直った方が勝ちだと思う。
ザフトでもこのように開き直ると上官は一瞬怯む。
しかし、ミーアはその点少しだけシンの扱いに慣れていた。

「したくないもん」
「俺がしたいからする」
「無理に?」

改めて尋ねられると言葉に詰まる。
成り行きに任せて雰囲気を作って、こっそりミーアの同意を得た事にしてしまおうと思っていたシンは、案外手強い言葉に眉を寄せた。

「ミーアが好きだから」
「じゃあ、あたしの意見も尊重してくれたら、あたしもっとシンの事が好きになるなぁ」
「嘘だ」
「嘘じゃないよ」

ころころとミーアの掌の上で転がされている自分を自覚する。
此処で更に「嘘だ」と言えば「シンはあたしの事信じてくれないんだ」と、言われる事だろう。
これで拗ねられたら機嫌を直して貰うのが大変だ。
しかし此処で「ミーアの意見を尊重する」と言えばそのまま終了。何も無しだ。
それだけは絶対に嫌だが、また次のチャンスを狙うとしたら不機嫌にさせるよりこっちにしておいた方が無難だと考える。

「・・・尊重する」
「キスは大歓迎だよ」

悔しそうにシンは唇を噛んだ。
これは嬉しい。
心底嬉しいからこそ悔しい。
全部が全部拒否されているのならもう少し闘争心も湧きそうなものだが、「大歓迎」と言われると悪い気がしないのがまた悔しい。

「じゃあする」
262鬼ジュール:2006/05/30(火) 07:56:13 ID:???

それでもこれで満足されていると思われてはならないので、緩みそうな顔を懸命に不貞腐れさせて口付ける。
頬を撫で、その手を滑らせてうなじを撫でる。
その感触に弱いのか、ぴくりと反応して顎を突き出してくるので益々口付け易くなる。
反応が楽しくて時々ミーアのうなじを撫でていくとミーアがシンに縋って手を伸ばしてくる。
シンの胸を掻き毟る彼女の指先が優しくて、くすぐったくて脳内がどうにかなりそうだ。
舌先で舐めるミーアの舌は湯上りのせいか温かくて柔らかい。
もっともっとと舐めるとミーアが益々シンの胸を掻き毟った。
その強さにシン自身もくすぐったくて思わず唇を離した。
見下ろしたミーアの目尻から涙が流れている。

「・・・苦しかった?」
「幸せだった」

言ってから恥ずかしくなったのか、ミーアは上目遣いにシンを見たかと思えば直ぐに寝返りを打ってうつ伏せになると枕に顔を埋めてしまう。
その仕草の愛らしさに一気に体中に熱が走ったシンは、眩暈を起こしたかのようにくらりと上体を揺らすと次に慌てて頭を振る。

もうやばい。

「ミーア・・」
「・・・・シン・・・」

枕から僅かに顔を見せたミーアの頬に口付ける。
ミーアの瞳もとろん・・と、溶け、情熱的にシンを見上げる。

もうこれは同意だろ。

ミーアのネグリジェの肩紐をずらしながらシンが再び唇に口付ける・・・・。

「でもえっちはしないの」
「何で!?」
「・・・やっぱり狙ってた・・」

じとりと見られると返す言葉がない。
しかしこれは余りにも酷い仕打ちではないかと思う。
普通此処まで良い雰囲気になったのなら同意だろうと拳を作るが・・・・。

「そんなにしたくないのかよ」
「・・・・シン・・・・」
「あんまり頑固だと、疑うだろ、誰だって」

シンはミーアから顔を逸らすと、ミーアはシンの手からすり抜けるように体を起こす。
戸惑いを見せながらシンの頭に手を回すと抱き寄せる。
直ぐにシンもその力に従いミーアを抱き締めると彼女は小さく呟いた。

「ごめんね・・・。でも、直ぐに別の男の子に身を任せちゃうのって、怖い。・・・あたしが、物凄く悪い子みたいで。あたしがあたしを許せないの」
263鬼ジュール:2006/05/30(火) 07:57:08 ID:???

あたしの我侭なのは分かってるけど、もうちょっとだけ待って。

きつく抱き締められてシンはミーアに凭れるように肩に額を乗せた。
自分の欲求ばかりをミーアに押し付けて、ミーアが自分を受け入れられないのはミーアが悪いのだと勝手に決め付けた。
ミーアにはミーアの理由があるのだと知って、シンは目を閉じた。

「・・・最初からそう言えばいいだろ」
「だって・・・」
「ちゃんと説明してくれたら俺だって無理しない」
「・・・本当に?」
「いや、自信無いんだけど・・」

かっくりとミーアが項垂れたのを感じてシンは口を尖らせる。
これでも結構頑張ろうと思っているのだが。
決意と自分の欲求は別物だ。
自信が無いと思えば自信が無い。
でも、ミーアだって大切だと思ってる。

「一年も待たせたりしないなら頑張る」
「・・・それはしないように、頑張る」
「一緒にお風呂入ってもいいなら頑張る」
「・・・・・・変な事しないならいいよ」

その言葉にシンはぱっと顔を上げるとにっこりと笑った。
心底嬉しそうな表情にミーアは瞬きを繰り返す。

「じゃ、今から入るぞ」
「え?あたし今お風呂から出たばっかりなんだけど!」
「変な事しないから。それならいいんだろ」

ミーアの手を引きながらベッドを降りるとそのまま風呂場に引っ張っていく。
それにはレイが寝ている寝室も横切る事になるのだが、そんな事はシンにとっては本当に些細な事だ。

「お風呂に二回も入ると疲れちゃうよー」
「その時は寝ればいいだろ。寝た時は俺がちゃんと運んどくから」
「何それー」

それでもえっちを断る時のようにはっきりと拒絶をしないでシンに付いて来ているから。

シンの足取りは軽く、鼻歌も混じっていた。



<終>
264通常の名無しさんの3倍:2006/05/31(水) 23:17:56 ID:???
鬼ジュール氏きてた!
乙!
今回も萌えました
265通常の名無しさんの3倍:2006/05/31(水) 23:34:11 ID:???
待ってて良かった……GJ!!
266通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 02:52:10 ID:???
ミーアたん(*´д`*)ハァハァ
267通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 02:56:41 ID:???
鬼ジュール駄作氏ね
268通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 07:44:28 ID:HB4ni8e/
俺もこの人の何故か見たくねぇ
コテ名が悪いのかもしれない、名前を変えろ
269通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 12:04:30 ID:???
Reborn ミーアは生まれ変わる

咲かないで散ってしまうような過去なら
いっそ咲いて散っていきましょう・・・

咲かないで散ってしまうような恋でも
私には大切なの
視界を遮る 涙に包まれて
ミーアは生まれ変わる。

ホントは何となくは
気づいていたはずでしょ
私がアスランのこと
こんなにも愛してたこと

咲かないで散ってしまうような花なら
いっそ咲いて散っていきましょう
春霞が引く 劇場版SEEDの中で
ミーアは生まれ変わる。


67 通常の名無しさんの3倍 age 2006/05/31(水) 03:19:09 ID:???
本気になるといつも
心の奥の方で
感じるのアスメイは嫌
痛みとかじゃない軽い違和感

咲かないで散ってしまうようなアスミアでも
私には大切なの〜
視界を遮る 涙に包まれて
ミーア(女)は生まれ変る。

咲かないで散ってしまったアスミアのかけら
私はひとり集めて
☆に解き放つ 思い過ごした日々
ミーアは生まれ変わる。

咲かないで散ってしまうような恋なら
いっそアスミアで散っていきましょう
春霞が引く スペエディの中で
ミーアは生まれ変わる。

整形をするたびに
女は生まれ変るの・・・
270通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 09:14:41 ID:???
保守
271通常の名無しさんの3倍:2006/06/04(日) 02:32:31 ID:???
シンミア燃え萌えネタをくれ
272通常の名無しさんの3倍:2006/06/05(月) 00:21:07 ID:???
273通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 01:16:01 ID:???
ネタこない
274通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 17:55:59 ID:???
どうせなら、某レッドサンブラッククロスみたいな
大幅な内容改定を行ってみないか?

そこで考えた。

・ヤキン戦において、ラクスは死亡(虎含む)。
・オーブは連合の管理下におかれ、傀儡政権樹立
・カガリらはプラント内部にオーブ亡命政権を樹立
・フレイ生存、ジブリールの推挙によりブルコス女王に就任。
・プラント二代目歌姫は、ミーア・キャンベル。
・キラは、当初はプラント側につくものの、途中離脱し、フレイ親衛隊隊長に就任。
・対立構造は、地球連合とプラント・オーブ枢軸。


275通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 21:18:41 ID:XJboO+Z9
ttp://vote.rentalcgi.com/html/happywr.html

みんな、あと3時間無いぞ!
ミーアたんに投票汁!!!!!!
276通常の名無しさんの3倍:2006/06/09(金) 11:03:07 ID:???
もうみっぱいしかいないのね
277通常の名無しさんの3倍:2006/06/09(金) 19:00:57 ID:???
>>274
キャラ設定無視しすぎでつまらん
278通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 02:19:18 ID:???
保守
279通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 14:03:52 ID:???
保守
280通常の名無しさんの3倍:2006/06/16(金) 08:08:50 ID:???
保守
281通常の名無しさんの3倍:2006/06/17(土) 19:12:55 ID:???
hosyu
282通常の名無しさんの3倍:2006/06/20(火) 12:15:29 ID:???
あげ
283通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 01:28:18 ID:???
職人さん来てください!
284通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 23:58:12 ID:???
鬼ジュール氏はみっぱい兵のせいでもうこないな
285通常の名無しさんの3倍:2006/06/23(金) 23:33:11 ID:???
>>274
キラフレ厨出張乙!
286通常の名無しさんの3倍:2006/06/24(土) 17:49:11 ID:???
>>285 (o^_^o)
287通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 17:26:03 ID:???
hosyu
288通常の名無しさんの3倍:2006/06/26(月) 00:21:23 ID:???
保守
289通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 00:07:35 ID:???
保守します
290通常の名無しさんの3倍:2006/06/30(金) 00:46:21 ID:???
保守
291通常の名無しさんの3倍:2006/07/02(日) 00:12:12 ID:???
ぬるぽ
292通常の名無しさんの3倍:2006/07/04(火) 01:02:29 ID:???
だが断る
293通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 04:06:46 ID:???
懲りずに保守
294通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 13:12:51 ID:???
新しい職人さんこないかな
295通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 14:49:08 ID:???
ミーア 「『シン君』と『シンちゃん』のどっちがいい?」

シン 「へ?いや別に俺はなんでもいいですよ?」

ミーア 「ふぅん……じゃあジャンケンして私が勝ったら『シン君』、負けたら『シンちゃん』ね」

シン 「まあどっちでもいいですけど……」

ミーア 「行くよ!ジャンケンポン!」

シン 「あ……負けた」

ミーア 「なんだ〜、いつもと変わらないのか〜」

シン 「そうですね」







ミーア 「オチが見つからないね」

シン 「そうですね。保守ついでの即興ネタですからね」
296通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 18:14:55 ID:???
シンちゃん、ミーアさん?
297通常の名無しさんの3倍:2006/07/08(土) 20:18:36 ID:???
hosyu
298通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 02:03:34 ID:???
ほし
299通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 07:37:13 ID:???
>>300こそはネタ投下されると信じている↓
300通常の名無しさんの3倍:2006/07/12(水) 23:55:49 ID:???
ミーア 「シン君!キスしよ?」

シン 「ぶっ!……あ…あの唐突に何言い出すんですか?」

ミーア 「い・い・か・ら!ほらっ早く〜」

シン 「やれやれ……一瞬でいいですね?」

ミーア 「やだ。一時間位」

シン 「……(゚Д゚;)」

ミーア 「あ〜んじれったい!いただきま〜す」ブチュッ

シン 「はむっ!?………」




一時間後

ミーア 「……っぷはぁ!ごちそうさま♪」

シン 「ハァハァ……ミーアさん…過激すぎです……」

ミーア 「あら?もうバテてるの?まだまだ終わらないわよ〜」ガバッ

シン 「ちょっ……胸で…息がっ……ムグッ……」

ミーア 「あ!いいこと思いついた!シン君今日から私専用の抱き枕に決定!」

シン 「ムーッ…ムーッ…ムググッ……(反論しているつもり)」

ミーア 「こらこら、そんなに…暴れちゃ…だ…め……zzz」

シン 「(ホントに寝ちゃったよこの人!!)」



>>299が言ったから書いた。後悔はしていない
301通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 07:55:29 ID:???
とても幸せですねツン
302通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 19:44:51 ID:???
無印アイキャッチのシンミアバージョンを作ってみた
 ~●~        〃´⌒☆ o     。~●~
''""""''' ~○~   !(((!´゙リ)) ~●~ ''""""'''
.,,,,,i.... ...,,,,    ノ リ.゚∀゚ノl 。.,,......   。 ~●~ o
..,,o.,,,,,i.....   .(,,⊂)人)つ  クルクル♪
..,,...  (( o.``   /(^Y}\    ~●~ 。o
  〃´   `ヽ  <乂_,し'ノ,乂>  ''""""''' ..,   ○。
  i .( (( ))ノ  ''""""'''
,.. .W ´∀`ノy━。o ○ o .,,,,,ii..i..○。
  ( つ□ ノ .         ''""""'''
  (⌒) (⌒) 。 ''""""''' ..,,...○..,,,,....
.. ''''""""'     ..,,

ミーアの顔違い
 ~●~        〃´⌒☆ o     。~●~
''""""''' ~○~   !(((!´゙リ)) ~●~ ''""""'''
.,,,,,i.... ...,,,,    ノ リ ゚ ヮ゚ノリ  。.,,......   。 ~●~ o
..,,o.,,,,,i.....   .(,,⊂)人)つ  クルクル♪
..,,...  (( o.``   /(^Y}\    ~●~ 。o
  〃´   `ヽ  <乂_,し'ノ,乂>  ''""""''' ..,   ○。
  i .( (( ))ノ  ''""""'''
,.. .W ´∀`ノy━。o ○ o .,,,,,ii..i..○。
  ( つ□ ノ .         ''""""'''
  (⌒) (⌒) 。 ''""""''' ..,,...○..,,,,....
.. ''''""""'     ..,,
303通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 19:46:33 ID:???
>>302 頭を修正
 ~●~        〃´⌒☆ o     。~●~
''""""''' ~○~   !(((!´゙リ)) ~●~ ''""""'''
.,,,,,i.... ...,,,,    ノ リ.゚∀゚ノl 。.,,......   。 ~●~ o
..,,o.,,,,,i.....   .(,,⊂)人)つ  クルクル♪
..,,...  (( o.``   /(^Y}\    ~●~ 。o
  〃´   `ヽ  <乂_,し'ノ,乂>  ''""""''' ..,   ○。
  i .( (( ))ノ  ''""""'''
,.. .W ´∀`ノy━。o ○ o .,,,,,ii..i..○。
  ( つ□ ノ .         ''""""'''
  (⌒) (⌒) 。 ''""""''' ..,,...○..,,,,....
.. ''''""""'     ..,,



 ~●~        〃´⌒☆ o     。~●~
''""""''' ~○~   !(((!´゙リ)) ~●~ ''""""'''
.,,,,,i.... ...,,,,    ノ リ ゚ ヮ゚ノリ  。.,,......   。 ~●~ o
..,,o.,,,,,i.....   .(,,⊂)人)つ  クルクル♪
..,,...  (( o.``   /(^Y}\    ~●~ 。o
  〃´   `ヽ  <乂_,し'ノ,乂>  ''""""''' ..,   ○。
  i .( (( ))ノ  ''""""'''
,.. .W ´∀`ノy━。o ○ o .,,,,,ii..i..○。
  ( つ□ ノ .         ''""""'''
  (⌒) (⌒) 。 ''""""''' ..,,...○..,,,,....
.. ''''""""'     ..,,
304通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 10:39:55 ID:???
GJ
カワイスwシンミアはAAでもお似合い
305通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 02:10:18 ID:???
SSはまだかね?
306通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 16:00:20 ID:???
コピペ


20 :通常の名無しさんの3倍 [sage] :2006/07/15(土) 15:47:01 ID:???
別にミーアもそこまで持ち上げられるほどいいキャラじゃないけどな。


21 :通常の名無しさんの3倍 [sage] :2006/07/15(土) 15:49:22 ID:???
>>20
偽物キャラ出すならだ、狙撃されたラクスの代わりにコンサート成功させるとか
ジンジャハナム(偽)ごっこするとか、そういうのが王道では?


こんなこと言われてるぜどうしよう?
307通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 17:01:02 ID:???
308通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 23:27:29 ID:???
アニメ最萌トーナメント2006公式サイト
http://saimoe2006.hp.infoseek.co.jp/
アニメ最萌トーナメント2006投票コード発行所
http://banana236.maido3.com/~bs5114/a06/

投票リスト
http://saimoe2006.hp.infoseek.co.jp/11.txt

アニメ最萌トーナメント2006 投票スレRound28
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1152969999/


予選11組 7月16日(日)
投票時間は01:00:00〜23:00:59です。

<<ヒルダ・ハーケン@機動戦士ガンダムSEED DESTINY>>
<<ロザミア・バダム@機動戦士Zガンダム A NEW TRANSLATION>>
<<ミーア・キャンベル@機動戦士ガンダムSEED DESTINY>>
309通常の名無しさんの3倍:2006/07/16(日) 14:35:11 ID:???
1位 509票 翠星石@ローゼンメイデン トロイメント
2位 506票 朝比奈みくる@涼宮ハルヒの憂鬱
3位 412票 高町なのは@魔法少女リリカルなのはA's
4位 377票 レベッカ宮本(ベッキー)@ぱにぽにだっしゅ!
5位 367票 アルルゥ@うたわれるもの
6位 323票 八神はやて@魔法少女リリカルなのはA's
7位 247票 ゆうま@錬金3級 まじかる?ぽか〜ん
8位 208票 千鳥かなめ@フルメタル・パニック!The Second Raid
9位 200票 びんちょうタン@びんちょうタン
10位 192票 ハルカ・アーミテージ@舞-乙HiME
11位 182票 桜梅歩@極上生徒会
12位 170票 レイジングハート@魔法少女リリカルなのはA's
13位 145票 キャスター@Fate/stay night
14位 115票 白壇籠女@ストロベリー・パニック
15位 114票 日向絆奈@ストロベリー・パニック
16位 110票 ソルティ・レヴァント@Solty Rei
17位 104票 十波由真@ToHeart2
18位 102票 レン(レヴェリー=メザーランス)@エレメンタルジェレイド
19位 94票 チエ・ハラード@舞-乙HiME
20位 91票 夏目檸檬@ストロベリー・パニック
20位 91票 シホ・ユイット@舞-乙HiME
22位 83票 シスカ@エレメンタルジェレイド
23位 82票 リザ・ホークアイ@鋼の錬金術師 シャンバラを征く者
24位 78票 ミーア・キャンベル@機動戦士ガンダムSEED DESTINY
24位 78票 魔宮あゆみ@マジカノ
26位 65票 アーチェ・クライン@テイルズ オブ ファンタジア THE ANIMATION
27位 62票 ロードレアモン@シムーン
28位 59票 吉川千秋@マジカノ
29位 53票 キリサキ・キョウコ@BLACK CAT
30位 50票 水越萌@D.C.S.S.〜ダ・カーポ セカンドシーズン〜

310通常の名無しさんの3倍:2006/07/19(水) 01:02:59 ID:???
保守
311通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 01:25:05 ID:???
hosyu
312通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 02:35:53 ID:???
ほしゅ
313通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 00:01:49 ID:???
ミーア「シンく〜ん!疲れたぁ〜!おんぶしてぇ〜!」

シン「……いや…それはかなり……」

ミーア「あ、もしかして胸のこと気にしてるの?シンくんって結構ムッツリ〜♪」

シン「…自覚してるならそういうことは…」

ミーア「別に私は気にしないよ〜?胸の件はおんぶのお礼ってことで」

シン「でも…」

ミーア「ほらっ!しのごの言わない!レッツゴー♪」ガバッ

シン「ちょっ…ミーアさん!(うわぁ…この柔らかい二つの感触は…いかんいかん!別の事を…)」

ミーア「…ねぇシンくん」

シン「はい?」

ミーア「抱っこの方がよかった?」

シン「ブーーーッ!」

ミーア「キャーー!?シンくん鼻血出てるっ!」
314通常の名無しさんの3倍:2006/07/25(火) 01:32:56 ID:???
おっぱい!おっぱいにはさまれたい
315通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 10:09:17 ID:???
保守あげ
316通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 23:12:42 ID:???

アニメ最萌トーナメント2006公式サイト
http://saimoe2006.hp.infoseek.co.jp/
アニメ最萌トーナメント2006投票コード発行所
http://banana236.maido3.com/~bs5114/a06/

投票リスト
http://saimoe2006.hp.infoseek.co.jp/2-3.txt
アニメ最萌トーナメント2006 投票スレRound63
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1154009079/

2次予選3組 7月28日(金)
投票時間は01:00:00〜23:00:59です。

<<ミーア・キャンベル@機動戦士ガンダムSEED DESTINY>>
<<ミリアリア・ハウ@機動戦士ガンダムSEED DESTINY>>

<<セイラ・マス@機動戦士Zガンダム A NEW TRANSLATION>>
<<ハマーン・カーン@機動戦士Zガンダム A NEW TRANSLATION>>
317通常の名無しさんの3倍:2006/07/29(土) 03:03:09 ID:???
ほしゅ
318通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 08:29:53 ID:???
流石スレっぽく
      ((_       〃.⌒☆、
    〃´   `ヽ   (((!´゙リ)) i
    i .( (( ))ノ    人゚ヮ ゚ リ | 
    W ´_ゝ`)    リノ  ⌒i |  
    ./   \   ( (   | | |
   /    / ̄ ̄ ̄ ̄/   .| |リ
 __(__ニつ/      /__| |__
     \/____/   (u ⊃

319通常の名無しさんの3倍:2006/07/31(月) 11:44:46 ID:???
ミネルバ内ミーアの部屋。そのベッドでシンとミーアが横になっていた。
シンはミーアの胸に顔を埋め、ミーアはシンを抱きしめつつそのの頭を撫でている。
シン 「・・・・・」
ミーア 「クスッ・・・シン君さっきから私のおっぱい吸ってばっかりだね。赤ちゃんみたい」
シン 「ひゃっへひーあひゃんはひゃはひへふへはいひゃひゃいひぇふは
※訳)だってミーアさんがはなしてくれないじゃないですか」
シンは口にミーアの突起物をくわえながら喋ったので上手く話すことができなかった。
思わずミーアが吹き出す。
ミーア 「ぷっ・・あはははははっ!シン君おもしろ〜い!」
シンは胸と胸の間からムッとした目でミーアを見た。
ようやく笑いが止まりミーアはシンの視線に気付く。慌てごめんごめんと謝り更に強くシンを抱きしめる。
ミーア 「ほ〜らシン君♪ママのおっぱいでちゅよ〜」
シン 「何言ってるんですか・・・」
と言いつつも素直にミーアの胸に頭を預けた。






お父さんお母さん、こんなものを書くようになった僕を許してください。
320通常の名無しさんの3倍:2006/07/31(月) 14:34:34 ID:KLlOQ5b2
>>お父さんお母さん、こんなものを書くようになった僕を許してください
お前はマザコンかファザコンか?なんでこんなの書くのに親の許しがいるんだ?
321通常の名無しさんの3倍:2006/07/31(月) 15:32:38 ID:???
>>319GJ!

>>320せっかく来てくれた職人さんなんだからさ……そういうこと言うのはやめようぜ
322通常の名無しさんの3倍:2006/07/31(月) 18:06:51 ID:???
>>320 ネタにマジレスっすかwwwwwwwwww
323通常の名無しさんの3倍:2006/07/31(月) 22:08:23 ID:???
禿萌えw
シンええなぁ
324通常の名無しさんの3倍:2006/08/02(水) 04:54:08 ID:???
保守
325通常の名無しさんの3倍:2006/08/04(金) 05:11:33 ID:???
ほしゅ
326通常の名無しさんの3倍:2006/08/05(土) 01:55:59 ID:???
あげ
327通常の名無しさんの3倍:2006/08/06(日) 08:48:40 ID:???
鬼ジュール先生はなぜこないのでしょうか
328通常の名無しさんの3倍:2006/08/06(日) 18:34:25 ID:???
鬼さんを叩くから
329通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 23:46:46 ID:0N/kd4M2
アニメ最萌トーナメント2006公式サイト
http://saimoe2006.hp.infoseek.co.jp/
アニメ最萌トーナメント2006投票コード発行所
http://banana236.maido3.com/~bs5114/a06/

投票リスト
http://saimoe2006.hp.infoseek.co.jp/b.txt
アニメ最萌トーナメント2006 投票スレRound87
http://etc4.2ch.net/test/read.cgi/vote/1154948258/


8月8日(火) 第1試合
投票時間は01:00:00〜23:00:59です。

<<ミーア・キャンベル@機動戦士ガンダムSEED DESTINY>>
330通常の名無しさんの3倍:2006/08/09(水) 22:17:18 ID:???
NTRイラネ
331通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 01:57:08 ID:???
保守
332通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 09:28:08 ID:???
鬼ジュールのなにがいかんと言うと
話になぜかレイが絡んでくることだと思う
レイが出てきてからミーアのビッチっぷりがひどくなったというか
鬼ジュールの勘違いがひどくなったというか

あと話のクオリティも落ちたな
クインティリス編のときはまだ小話としてまとまってた
333通常の名無しさんの3倍:2006/08/13(日) 00:14:16 ID:???
批評家気取りほど「いかん」ものはないぞ、この手のスレでは。
334通常の名無しさんの3倍:2006/08/13(日) 01:05:20 ID:???
>>332
やあそれは何ともつまんない冗談ですね ハハハハハ
335通常の名無しさんの3倍:2006/08/16(水) 05:01:37 ID:???
保守
336通常の名無しさんの3倍:2006/08/16(水) 19:52:53 ID:???
ここで昔「eternal blaze」のOPパロがうPされてたんだが、誰かもってない?
337通常の名無しさんの3倍:2006/08/19(土) 16:17:36 ID:???
あげ
338通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 18:32:49 ID:???
鬼ジュール先生はまだか
339通常の名無しさんの3倍:2006/08/23(水) 01:54:55 ID:???
保守し続ける
340通常の名無しさんの3倍:2006/08/25(金) 04:44:15 ID:???
保守
341通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 20:10:15 ID:???
保守
342通常の名無しさんの3倍:2006/08/30(水) 00:08:45 ID:???
シンミアって何がいいんだろ
なんか好きなんだけど
343通常の名無しさんの3倍:2006/08/30(水) 03:02:12 ID:???
>>342姉と弟
344通常の名無しさんの3倍:2006/09/01(金) 00:43:55 ID:???
ミーアからの癒しを求めてる
345通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 18:10:36 ID:???
保守
346通常の名無しさんの3倍:2006/09/03(日) 13:21:18 ID:VUk3s0gO
SSはまだでしょうか?
347通常の名無しさんの3倍:2006/09/06(水) 02:27:35 ID:???
ほしゅ
348通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 02:57:54 ID:???
保守
349通常の名無しさんの3倍:2006/09/12(火) 16:46:50 ID:???
保守
350通常の名無しさんの3倍:2006/09/14(木) 04:53:30 ID:???
まだかね
351通常の名無しさんの3倍:2006/09/16(土) 03:40:19 ID:???
保守
352通常の名無しさんの3倍:2006/09/18(月) 05:59:30 ID:???
しんみあもえ
353通常の名無しさんの3倍:2006/09/21(木) 01:08:13 ID:???
ほしゅ
354通常の名無しさんの3倍:2006/09/21(木) 18:59:19 ID:???
355通常の名無しさんの3倍:2006/09/22(金) 00:37:44 ID:???
>>354そ、それはっ!?
356通常の名無しさんの3倍:2006/09/25(月) 09:15:28 ID:???
ほしゅ
357通常の名無しさんの3倍:2006/09/27(水) 09:05:47 ID:???
シンミア職人こないね
358 ◆9Jv9ce2MiY :2006/09/29(金) 23:18:45 ID:???
ほしゅ
359通常の名無しさんの3倍:2006/09/30(土) 15:59:00 ID:???
今日初めてこのスレきたけど、鬼ジュール氏のは面白かった。ドキドキしたり切なくなったりしたし、続きが読みたいです
360通常の名無しさんの3倍:2006/10/04(水) 01:17:54 ID:???
プロキラスレのシンミアが切なすぎた
361通常の名無しさんの3倍:2006/10/04(水) 22:06:05 ID:???
昨日、連ザ2でミーアザクが追加されていたのでやってみた。
むろん、パイロットはシンで


…Aルート、ステラとネオにぼっこぼこorz
362通常の名無しさんの3倍:2006/10/06(金) 17:09:23 ID:???
>>359
俺も
いつもこの板でゲイなレイばかり見てるからレイミアは新鮮に感じた
363通常の名無しさんの3倍:2006/10/09(月) 15:53:02 ID:???
364通常の名無しさんの3倍:2006/10/11(水) 22:32:08 ID:???
普通にシン主役でミーアがヒロインの再構成もの考えたら、ラクシズ叩きの
ザフト圧勝のシナリオにしかならんかった……
365通常の名無しさんの3倍:2006/10/12(木) 00:03:20 ID:???
>>364
>ラクシズ叩きのザフト圧勝のシナリオにしかならんかった……

なにその真っ当で、気持ちのいいラスト?


366通常の名無しさんの3倍:2006/10/12(木) 00:48:51 ID:???
ミーアってラクスの偽者って事で、負債補正の理不尽な力を持つラクスの前に
最後は悲惨な事になったけど、負債補正のご都合主義を取って、偽者でも良いじゃん。
って話にしたら、やっぱり本家のラクスの無責任さを叩くしか無いんだよ。
367通常の名無しさんの3倍:2006/10/13(金) 15:34:51 ID:Y+687O1R
けどシンミアなのかレイミアなのかはっきりしてほしいよね
ここシンミアなのに結局お初はレイだろ?
正直読んでてがっかりしたな
ここでもシンは一番になれなかったのか
368通常の名無しさんの3倍:2006/10/13(金) 18:54:53 ID:???
>>366
それ、前スレの一条氏のSSがやってたね
もっとも、単にラクスを叩いていたわけじゃなくて、ちゃんと話に絡めてたけど
369通常の名無しさんの3倍:2006/10/14(土) 15:13:30 ID:???
>>360
ミーアがステラのポジションだったな
しかも原作と違ってシン自らトドメを刺すが、しばらく絶望で戦えなくなり、そこから再び立ち上がって運命初搭乗に繋がる展開が神だった
370通常の名無しさんの3倍:2006/10/14(土) 18:26:07 ID:???
>>368
その話、面白そうなので読もうとにくちゃんで前スレ見ようと思ったら途中で見れなくなってたorz
どんな話なのか、めっちゃ気になる…
371通常の名無しさんの3倍:2006/10/14(土) 22:38:20 ID:???
>>360
それ今は見られる?
372通常の名無しさんの3倍:2006/10/17(火) 02:03:31 ID:???
保守
373通常の名無しさんの3倍:2006/10/17(火) 22:20:48 ID:???
つキラプロまとめ
ttp://www.geocities.jp/shar_prokira/
ミーア登場は3部から。ここから読んでも問題はない。
ストーリーを読んでいくにはホモネタをはじめとする各種壊れネタを笑って流せるスキルが必須なので注意
シンミア関係はどちらかといえばシリアス重視なので問題はない。
374通常の名無しさんの3倍:2006/10/17(火) 23:26:11 ID:???
何処のスレでもミーアは死ぬパターンが多いな…
たまにはハッピーエンドも見たい
375通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 00:14:33 ID:???
ほす
376通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 04:01:55 ID:???
>>374
原作で死んでるキャラは意図的に「そいつを生かす」為の話じゃないと
殺しとく方が無難だからなぁ…
377通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 09:54:50 ID:???
三人娘は生きているシナリオが多いが
378通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 03:14:42 ID:???
保守
379通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 16:01:11 ID:???
なにげにこのスレも長いなぁ
380通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 16:15:52 ID:???
スレが長いだけで投稿はずいぶん途絶えてるがな…
381通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 18:05:02 ID:???
【シンルナ厨】
シンとルナが幼馴染みのような関係と捏造→会話が全然ありません。キャラクターを本編以上に変更して妄想し周りに押しつける
シンがルナを睨んでたのは、アスランに嫉妬したかららしい→オーブ厨のアスランに言い寄る雌豚が憎たらしかっただけ
ステラを可哀想とかいえば確実に、そうでなくてもシンルナ批判すればシンステ厨→カプ厨と決めつけ同列の勝負に持ち込む
シンルナには期待してる人が多い→2年間一緒にいながら、壁がありすぎて印象が標準。
                      ルナはシン見下しすぎ、シンはステラに初めて固執。同僚以上の関係を望まない人>>>>シンルナ厨
シンルナは真実の愛に〜→例えそうなっても負債ともどもお前らが異常なだけです。キラフレと同じと思うなよ
セックル大好き→本当に大好き。エロネタスレだけよく伸びる
ルナがメインヒロイン→シンはどうでもいい。シンにくっつけてルナを正ヒロインと決めつけたいだけの厨多い。シンはマジどうでもいい

大体の
シン厨の反応→豚は寄ってくるな
ルナ厨の反応→シンなんてキチガイにくっつけるな!ルナの人気gフィギュアの売り上げg

一般の反応
・カプどうでもいい
・なんでここでキスしてるの?ドン引き。ロゴスのせいって・・・(゚Д゚)
・ステラじゃなかったっけ?死んでも思い続ける方が、フレイ忘れたキラよりマシだしシンぽい
・そもそもこの2人でカプ的なイメージがないから付いていけない

シンルナ厨の中の思い描く一般の反応
ステラが死んでるし、シンルナ描写来て人気どんどんうp

結果
サーチとやらのシンルナ厨サイトすら増えず(元々人気が他の妄想カプより弱すぎる、支持はほぼ2chのみ)、アンチや(゚Д゚)ハァ?な感想ブログ多発
AAが正義ぶってテロ正当化し、軍人見下す展開のがシンルナなんかやってる新キャラよりマシと感じてしまう
382ビリー ◆qSoCXgWnCg :2006/10/25(水) 22:56:58 ID:H+v6QUiE
鬼ジュールさん>

最初からじっくり読ませて貰いました…

ミーアファンの自分としてシンを自分に変えて読んでたらすごく泣きたくなり…嫉妬の気持に…レイとの絡みは耐え難いけど完成度が高く素直に泣けました…

激しく乙GJ!!
383未ゲルの亡霊 ◆dbzyumcHxA :2006/10/26(木) 00:50:05 ID:???
>>382
おお、貴公もここを見ましたか
そろそろ鬼ジュール氏来ないかなぁ…いつまでーも町ます
384ビリー ◆qSoCXgWnCg :2006/10/26(木) 01:06:58 ID:???
>>382
いやぁ奇遇だなぁ
ステラとミーアが好きだから…つい…

俺はもう一つにも投下予定だから近々やるかも
385ビリー ◆qSoCXgWnCg :2006/10/26(木) 01:25:37 ID:???
>>383だった…
386通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 13:04:37 ID:???
なんか知らない人がイパーイ
保守
387ビリー ◆qSoCXgWnCg :2006/10/29(日) 03:46:37 ID:crgcY4sU
鬼ジュール氏のは見る価値あり

本当のミーア好きはシン→自分にして読みましょう。精神崩壊必至…

そしてレイに殺意が…
そんな時は連ザフで…ギタギタにしましょう
ネ申スレ上げ
388通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 03:25:49 ID:???
保守
389通常の名無しさんの3倍:2006/11/04(土) 00:51:27 ID:???
ほしゅ

シンがアカデミーへの受験の為自室で体を鍛えた後、喉が渇いたと冷蔵庫に向かうと先客がいて、その先客は非常に悩んでいるようだった。

「ミーア?」

もう1時を過ぎている。
とっくに眠ったのかと思えばまだ髪も乾かしておらず湯上りのようだった。
シンの声に反応して振り返ったミーアはいつもは笑顔ばかりだというのに、その時は難しい顔をしていた。

「・・・何かあったのか?」

苦悩とも呼ぶべきその表情に反応してシンが息を呑んで尋ねると、ミーアはシンの上から下までを見てから溜息を吐いた。
それに更に焦ったシンが瞬きを繰り返す。
そんなに言いにくい事なのだろうかと再び口を開こうとすると、その前にミーアが難しい顔のまま口を開く。

「シンはいいね」
「は?」
「細いから」

何を突然言われているのかとシンは眉間に皺を作る。
質問の答えになってない。
それに、ザフトに入ろうと体を鍛えてる現在「細い」なんて言われたくない。
確かにまだミーアとは身長も変わらず(若干負けている)、抱えるなんて出来ないが、その内ミーアなんて軽々と抱き上げる事が出来る予定である。

「ナンダヨ、ソレ」
「だって、あたし今凄く悩んでるの!」
「太った?」

ぺちりっ。

額を叩かれた。

素早い反応にシンは眉を寄せる。
どうしてミーアはこういう言葉に対する反応速度だけは速いのだろう。
痛くはないのだが、じんわりと衝撃が残っているので額を擦る。

「違うよ。でも、今物凄くアイスが食べたいなぁと思うと・・・」

太るかもと、懸念しているらしい。
それで冷蔵庫の前で立ち尽くしていたのかと、シンは呆れて一気に脱力した。
心配したのが馬鹿らしい。

「そんなんでずっと悩むくらいならさっさと食べたらいいだろ」
「だって・・・最近お姉さん達が・・・・・」
「太ったって?」
391鬼ジュール(お久し振りです):2006/11/06(月) 03:12:55 ID:???

ミーアの言う「お姉さん」とは勿論血の繋がりはない。
彼女が働いているクラブやバーで接客をしている先輩の女性達をそう呼んでいるのだ。
シンもミーアを店まで迎えに行く時良く招かれて化粧や香水の匂いの立ち篭める部屋に連れ込まれてお菓子や飲み物を貰っている。
時々抱き締められたりして体を触ってくるのだが、いつも「細い」と言われては悔しい思いをしている。
きっとあのお姉さん方からするとシンはまだ子供なのだろう。

来年には成人するんだけどな!俺も!

と、叫んではいるのだが、人生の先輩はそんなシンのあしらい方も心得た物だ。

『なぁにが成人よ。女の一人も食べてから出直していらっしゃい』

こう言われたら言い返せず、結局は玩具代わりに引きずり込まれ、べたべたと触られ続けている。
その後は必ず自分の体が香水臭くなっているのでその後は絶対に風呂に入っている。
シャワーでは落ちない。
そのお姉さん方を思い出し、シンは嫌そうな表情を見せたがミーアは気にした様子は見せなかった。

「ううん。シンの方が細いって・・・・」
「・・・・・」

いいんだよ、ミーアは女性にとって大事な所に肉がついているんだから。

と、言いたかったが言えない。
言う勇気がない。

「じゃあ食べなきゃいいだろ」

精一杯それだけを言うとミーアを押し退けて水を取ってグラスを用意すると並々と水を注いで一気に飲み干した。
残りをまた冷蔵庫に戻すと、まだ悩んでいるミーアに視線を遣ってから冷凍庫を開けた。
そこにはシン用のチョコアイスと、ミーア用のストロベリーアイスが二つずつ。
シンは何気ない様子でストロベリーアイスを取ると冷蔵庫を閉め、スプーンを取りに行く。

「あ、それ・・・・」

自分のだと主張したいのだろう。
ミーアとすれ違い様に手を取って居間に向かうと二人並んでソファに腰掛ける。

「シン?」

何を考えているのだろうかと尋ねる為にミーアはシンの顔を覗き込む。
するとシンはスプーンを口に咥えると特に気にした様子も見せずにカップの蓋を開け、テーブルの上に置いてから咥えたスプーンを手に取る。

「半分こ」
「?」
「半分こすればお互い同じ量だし、いいだろ」
392鬼ジュール:2006/11/06(月) 03:14:28 ID:???

ミーアが太るかもしれないという点においては何の解決にはなってないのだが、シンにしてみればずっと寒い冷凍庫の前で立ってる方が不健康に思える。

いつまで経ち続けていたら諦めるのかも分からないのに。

そのシンの考えがミーアにも伝わったのか分からないが、アイスを食べる口実は出来たのでそれに関しては純粋に喜んでいるのだろう。
単純だなとシンも笑うと、ミーアは直ぐにある事に気付いてキッチンを振り返った。

「あ、じゃああたしの分のスプーン・・」
「いいよ。洗い物増えるだけだし」

一つあれば十分。

シンがミーアの腕を掴んで取りに行くのを止めるとスプーンでストロベリーアイスを掬ってミーアの前に差し出す。


「あの・・・」
「何?」


平静を装っているが、これが間接キスになる事はシンにだって分かっている。
ミーアもそう思っているから気にしているのだろう。
これがどんなに意地悪な事かも自覚しているが、それでもミーアを自分のモノだと主張したい、ミーアにも気付いて欲しい。
そう思うから突き出したスプーンを自分の口に持っていかず、ミーアが口に含むのを待つ。


「い、イタダキマス」


ぱくり。

口に含まれるスプーンの先を凝視してしまうのは男として当然だろう。
指先にミーアの舌の動きを感じて思わず息を呑む。
そしてゆっくりと唇からスプーンを離して行く唇を見てしまって。

「・・・美味い?」

口を開くと口の中が乾いているのを自覚する。

「うん、美味しい♪」

一気に表情が緩んだ嬉しそうな笑顔にシンは自分の体の火照りを感じ、慌てて自分も一口食べる。

「あ。沢山食べた!」
「そっちの方が太らなくていいだろ!」
「あたしのだもん、早く頂戴♪」
393鬼ジュール:2006/11/06(月) 03:16:39 ID:???
一度一緒のスプーンを使ってしまうと気にならなくなったのかもしれない。
今度はシンに体をくっつけ、早く食べさせてと口を開く。

「太るぞ!」
「でも食べたいんだもん!」

ソファの上でシンを押し倒す勢いで身を乗り出すミーアの体の感触にシンはどきどきしながら平静を装い、最後まで二人で食べた。

「食べたー」

空をゴミ箱に入れ、二人はそれぞれ自分の部屋にもどろうとした時、ミーアがシンを見て「あ」と、声を上げた。

「何?」
「アイスほっぺに付いてる」

優しく両手が肩に置かれたと思ったら。


横目でミーアの顔を追い駆けると舌を僅かに出し、接近してきて。


頬を、舐められた。


「ご馳走様♪」


ミーアの手が離れた瞬間に頬に手を当て一歩下がる。

「な!?」
「最後の一口貰っちゃった♪おやすみ♪」

そして上機嫌に自分の部屋に帰っていくミーアを見送る。

扉が閉まった音と共にシンはその場にしゃがみ込んでしまう。


フェイントだ!
というか、こんな事いつ覚えたんだ!?


そう思うと、暫くその場から動けなかった。


だれか分からない相手に、嫉妬してしまいそうだった。


<終>
394ビリー ◆qSoCXgWnCg :2006/11/06(月) 13:24:35 ID:BSZZX4E2
鬼ジュール来たぁぁ!!
頼むからレイとの修羅場描写辞めて…(笑)
アンタネ申だ!!!


保守あげ!!
第一段もあるから皆見なきゃ損
395通常の名無しさんの3倍:2006/11/06(月) 21:49:35 ID:???
キター!!!

 G J !!
396未ゲルの亡霊 ◆dbzyumcHxA :2006/11/07(火) 22:48:01 ID:???
乙!乙!乙!Vー!!
いつまでも待って増添ー好きな時にどぞ
397通常の名無しさんの3倍:2006/11/11(土) 02:10:45 ID:???
保守
398通常の名無しさんの3倍:2006/11/14(火) 02:05:11 ID:???
ほす
399通常の名無しさんの3倍:2006/11/14(火) 06:19:13 ID:???
>>1
つヨウランがラッキースケベを目撃する
400通常の名無しさんの3倍:2006/11/16(木) 15:06:55 ID:???
400
401通常の名無しさんの3倍:2006/11/20(月) 01:12:58 ID:???
保守
402通常の名無しさんの3倍:2006/11/23(木) 01:04:05 ID:???
ほす
403通常の名無しさんの3倍:2006/11/26(日) 06:07:45 ID:???
ほす
404ビリー ◆qSoCXgWnCg :2006/11/27(月) 01:46:39 ID:???
落とす訳にはいかない!!
保存はしたが…
405ビリー ◆qSoCXgWnCg :2006/11/28(火) 05:06:52 ID:???
……捕手
406通常の名無しさんの3倍:2006/11/30(木) 22:25:17 ID:???
良スレだな、何気に長いし
407ビリー ◆qSoCXgWnCg :2006/12/01(金) 20:10:32 ID:???
鬼才【鬼ジュール】
嫁よりアンタが買いたが面白いんじゃね?


銀 河 系 が 泣 い た!


(ノ_・。)悲しいけどコレSSなのよね…
408通常の名無しさんの3倍:2006/12/04(月) 06:30:56 ID:???
保守
409通常の名無しさんの3倍:2006/12/07(木) 02:26:00 ID:???
保守
410ビリー ◆qSoCXgWnCg :2006/12/10(日) 05:40:19 ID:???
捕手
411通常の名無しさんの3倍:2006/12/13(水) 04:47:02 ID:???
ほす
412通常の名無しさんの3倍:2006/12/13(水) 12:59:09 ID:???
連ザ2PLUS…ハイネの章「ラクス・クラインLIVE!」でシンミア要素があったと思ったのは俺だけか…
413通常の名無しさんの3倍:2006/12/13(水) 22:39:15 ID:???
シンミアSS書けるネタにはなると思った。
414通常の名無しさんの3倍:2006/12/14(木) 07:07:23 ID:???
喜んだのも束の間、絡みはあれだけだったのが残念でならない
415通常の名無しさんの3倍:2006/12/14(木) 22:12:47 ID:???
詳細プリーズ
416通常の名無しさんの3倍:2006/12/15(金) 23:55:42 ID:???
連ザ2家庭用のプラスモードのミッションだな シンがハイネと一緒にミーアのコンサートの護衛をする ミーアが歌ってる間中飛んでくる核ミサイル(笑)をMSで撃ち落とす ミッション。

まあ詳しくはゲームやるのがいいかと ネタにはなりそうだなって思った。
417通常の名無しさんの3倍:2006/12/16(土) 23:32:36 ID:???
>>416
アニメに足りなかったのはそういう展開なんだよ!
418通常の名無しさんの3倍:2006/12/18(月) 04:28:12 ID:???
419ビリー ◆qSoCXgWnCg :2006/12/19(火) 01:14:18 ID:SI/8oGO9
保守
420通常の名無しさんの3倍:2006/12/19(火) 02:45:22 ID:???
シンルナは負け犬同士がくっついた負けチーム
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1166269568/
421通常の名無しさんの3倍:2006/12/19(火) 14:20:12 ID:???
>>416
最初ミーアイベントだから気合入れてFインパで挑んで、弾切れのためミーアと共に爆死。
…ガズタンであっさりクリアできるのはどうかと思う。
422通常の名無しさんの3倍:2006/12/21(木) 11:17:11 ID:???
>>421
Bインパ使えば楽勝ですよ?
遠距離攻撃に優れたMSなら割と簡単にクリアできるからね。
423通常の名無しさんの3倍:2006/12/21(木) 22:15:07 ID:???
それと、Gザクウォーリアでも楽だと思う。覚醒はラッシュ。
オルトロス連発だけでOK。
424通常の名無しさんの3倍:2006/12/25(月) 03:28:22 ID:???
保守
425通常の名無しさんの3倍:2006/12/27(水) 14:31:59 ID:???
ごめん俺ガズウート
426通常の名無しさんの3倍:2006/12/29(金) 18:59:23 ID:???
age
427通常の名無しさんの3倍:2007/01/02(火) 02:48:26 ID:???
初保守
428通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 03:20:12 ID:???
ほす
429通常の名無しさんの3倍:2007/01/09(火) 03:23:54 ID:???
ほす
430通常の名無しさんの3倍:2007/01/11(木) 08:50:17 ID:???
保守
431通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 21:09:05 ID:???
ほす
432通常の名無しさんの3倍:2007/01/17(水) 03:46:41 ID:???
あげ
433通常の名無しさんの3倍:2007/01/21(日) 02:15:20 ID:???
ほす
434通常の名無しさんの3倍:2007/01/21(日) 13:13:32 ID:???
シンミア信者だったら、シンミアアンソロの存在も知ってるか?
435通常の名無しさんの3倍:2007/01/21(日) 19:55:47 ID:???
なんだそれ?
436通常の名無しさんの3倍:2007/01/21(日) 20:43:45 ID:???
>>435
腐の同人誌。アンソロ形式だが、人数が少ないのでお話も少ない。
437通常の名無しさんの3倍:2007/01/25(木) 04:33:41 ID:???
ほす
438通常の名無しさんの3倍:2007/01/29(月) 03:21:50 ID:???
ほす
439通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 04:30:03 ID:???
保守
440通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 04:10:06 ID:???
保守
441通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 09:28:13 ID:???
a
442通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 03:22:39 ID:???
保守
443通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 04:09:55 ID:???
444sage:2007/02/13(火) 17:03:13 ID:??? BE:162231825-2BP(246)
トリプル4グェット
445通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 04:32:33 ID:???
保守
446通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 07:41:34 ID:???
やっぱネタがないとだめだね
語ることがない
少しくらい接点があったら良かったのに
447通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 20:10:26 ID:???
スレタイだけでなんのひねりもなく描いてみた
ttp://www.tensyon.net/log/735.jpg
448通常の名無しさんの3倍:2007/02/21(水) 09:27:00 ID:???
絵師降臨、GJ!!
暇ならシンミアで種死再構成とかやってみたいんだけどな・・・
449通常の名無しさんの3倍:2007/02/21(水) 10:13:24 ID:???
>>447
シンミア可愛い
ミーアがお姉さんっぽくていい
種死でシンミアが関わる話みたいー
450通常の名無しさんの3倍:2007/02/23(金) 19:49:07 ID:???
少年陰陽師みれ>>449
好き放題シンミアだぞ
451通常の名無しさんの3倍:2007/02/26(月) 03:19:00 ID:???
シンとミーアじゃなきゃやだ
452通常の名無しさんの3倍:2007/03/01(木) 02:37:16 ID:???
保守
453通常の名無しさんの3倍:2007/03/03(土) 23:29:24 ID:???
旧神マダー(・∀・ )っ/凵 ⌒☆チン
454通常の名無しさんの3倍:2007/03/07(水) 02:54:56 ID:???
hosyu
455通常の名無しさんの3倍:2007/03/07(水) 04:23:58 ID:???
ガンダムSEEDの乳
ちょっと笑った

http://invincible.blog50.fc2.com/blog-entry-1307.html
456通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 01:27:00 ID:???
保守
457通常の名無しさんの3倍:2007/03/14(水) 06:21:29 ID:???
保守
458通常の名無しさんの3倍:2007/03/18(日) 03:06:15 ID:???
保守
459通常の名無しさんの3倍:2007/03/21(水) 02:50:53 ID:???
保守
460通常の名無しさんの3倍:2007/03/25(日) 04:15:22 ID:???
保守
461通常の名無しさんの3倍:2007/03/27(火) 14:38:52 ID:???
長寿スレ
462通常の名無しさんの3倍:2007/03/28(水) 00:09:45 ID:???
age
463通常の名無しさんの3倍:2007/03/28(水) 22:42:05 ID:???
ちょwww某ホモスレのシンミア萌え死ぬwwww
464通常の名無しさんの3倍:2007/03/29(木) 09:09:24 ID:???
>>464
kwsk
465通常の名無しさんの3倍:2007/03/29(木) 12:07:17 ID:???
>>464
プロキラスレの事じゃね?あそこは燃えて萌えれるぞ。
466通常の名無しさんの3倍:2007/04/02(月) 05:28:34 ID:???
ほしゅ
467通常の名無しさんの3倍:2007/04/03(火) 16:11:04 ID:???
プロキラってどこの事?できればスレ名教えて。
468通常の名無しさんの3倍:2007/04/06(金) 02:45:21 ID:???
このスレで1度話題になってるからよ〜く読んでみよう。
まとめサイトのリンクまであるぞ
469通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 20:01:27 ID:ScO27Rro
age
470通常の名無しさんの3倍:2007/04/12(木) 04:22:31 ID:???
保守
471通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 04:35:40 ID:???
保守
472通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 02:52:01 ID:???
保守
473通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 02:24:20 ID:???
保守
474通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 14:23:36 ID:???
シンミアあげ
475通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 03:50:01 ID:???
保守
476通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:01:54 ID:???
プロキラの総集編でも結末は変わらなかったか…

ミーア、報われない娘…
477通常の名無しさんの3倍:2007/05/08(火) 13:15:56 ID:???
ミーアたんは復活しないの・・・
478通常の名無しさんの3倍:2007/05/08(火) 22:17:11 ID:???
職人氏帰ってきてくれないかなぁ
479通常の名無しさんの3倍:2007/05/09(水) 07:14:10 ID:???
どこも過疎っているのがあるし、何よりあれだ。
シンとのカプ系は一杯スレがあるからな。

いっそ、シン女難スレで統合してくれればまだ、掻き集めて賑わってる様に見えそうなんだが
480通常の名無しさんの3倍:2007/05/15(火) 02:12:47 ID:???
保守っと
481通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 10:12:51 ID:???
>>476
あそこのシンミアは最高。
シン中心の総集編だから一気に見れるのもよかった。ついでにage
482通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 18:08:19 ID:???
プロキラの総集編くわすく
483通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 18:10:35 ID:???
だれか>>447の再うpをお願いできないだろうか……
484通常の名無しさんの3倍:2007/05/21(月) 01:16:11 ID:???
>>482
まとめサイトにあるスペシャルエディション。
485通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 05:53:07 ID:???
燃料ほしいなぁ
486通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 11:10:27 ID:???
保証
487通常の名無しさんの3倍:2007/06/14(木) 01:54:54 ID:???
ほしゅ
488通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 02:31:36 ID:???
保守
489通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 15:28:15 ID:???
ほしゅあげ
プロキラ保管庫のスペエディいいわあ
490通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 23:41:51 ID:???
保守
491通常の名無しさんの3倍:2007/06/29(金) 23:13:23 ID:???
保守
492通常の名無しさんの3倍:2007/07/07(土) 14:27:59 ID:???
493通常の名無しさんの3倍:2007/07/08(日) 18:07:13 ID:???
>>492可愛いな
494通常の名無しさんの3倍:2007/07/13(金) 14:38:15 ID:???
ホシュ
495通常の名無しさんの3倍:2007/07/24(火) 17:00:13 ID:???
496通常の名無しさんの3倍:2007/08/03(金) 09:14:41 ID:???
保守
497通常の名無しさんの3倍:2007/08/08(水) 01:49:32 ID:???
寝起きの頭が少し重い。原因は昨日の寝不足だとわかってはいる。
でもさすがに次の日超有名人と対面すると知ってて優雅に眠れるほど俺は大物じゃない。
なにせ今日会うのは・・・。

「シン・アスカ様、議長がお呼びです。お入りください。」
受付の女性の静かな声に案内される。
この先の角を曲がった突き当たりが応接間だ。

「キャッ!」
「う、うわっ!」
不意に角で何かにぶつかる、何だ?
目の前に広がるピンクの色、身体に流れてくる重みを俺はあわてて抱きとめた。
ん?何か手に柔らかな感触が・・・。
「あ、あの・・・すいません。」
この声は?どこかで聞いた覚えがあるような。
「ラ、ラクス様!」
角から出てきた女性の慌てた声が響く。ラクス様だって?
「あ、あの胸を・・・。」
抱きとめている女性からの声で俺はようやく自分の手がどこに触れていたのかに気づいた。
「す、すいません、俺そんなつもりじゃ・・・。」
慌てて身を離し謝罪する俺にその女性が身体を振り向ける。
「シン・アスカ様ですね?私はラクス・クラインと申します。」
「あ、あんたがラクス様!」
「はい♪」
明るく笑顔で答える彼女。ラクス様ってこんな人だったのか?随分イメージと違うな。
「さあさあ、議長がお待ちですわよ♪」
戸惑う俺は彼女に引っ張っられていった。

これが俺と妙に明るい『ラクス・クライン』の出会いだった。

とりあえず単発ネタで。
498通常の名無しさんの3倍:2007/08/08(水) 18:53:54 ID:???
こ、このスレにネタが投下されるなんて!何ヶ月ぶりのことだ?
しかもいきなりラッキースケベが発動しとる。GJです。
499通常の名無しさんの3倍:2007/08/09(木) 10:16:35 ID:???
GJGJGJGJGJ!!
とうとう神が降臨なされた。
らき☆すけなシンナイスw
500通常の名無しさんの3倍:2007/08/09(木) 10:23:27 ID:???
もみもみ
501通常の名無しさんの3倍:2007/08/09(木) 23:56:46 ID:???
「未来の為にも君達には今を頑張ってもらいたいのだよ。期待している。」
その言葉を最後に議長との対面は終わった。
かいつまんで話すと『ラクス様』を改めて紹介され、彼女が戦場に慰安に
行くときの護衛パイロットを俺に勤めてほしいという事らしい。

「よかったんですか?」
「ええ、もちろんですわ♪」
そして今俺とラクス様は夜のレストランにいる。
何でも親睦を深めたいという事で食事をご馳走してくれるらしい。
「これからよろしくお願いいたしますわね、シン・アスカ様。」
「は、はい。」
「そんなに固くならないでください、シン様。私、年の近い方とお話するのは久しぶりで。」
心底楽しげにいう彼女。令嬢と聞いていたけど随分フランクな印象だな。
しかし固くなるなといわれても一々様付けで呼ばれるのは妙な感じだ。
「ならその様付けはやめてもらえませんか?シン、でいいですよ。俺の事は。」
そういった瞬間彼女の表情がやたらと明るくなる。いきなりなんだ?
「よろしいのですか?」
「ええ、もちろん。」
「本当に?うれしいな〜。ならあたしの事も・・・」
口調が変わった?今あたしっていわなかったか?
そんな俺の表情を見て取ったのかあわてて彼女は表情を引き締める。
「ご、ごめんなさい。つい・・・。」
「い、いえ・・・。」
「さ、さあ乾杯をいたしましょう。これからよろしくお願いいたしますわね、シン。」
あわてて彼女はグラスを取り、俺もそれにあわせる。
コーディネイターである俺達はもう成人だ。飲酒は問題ない。
互いのグラスをあわせ、口をつける。ん?なんだこの強いにおいは?
「ちょっと・・・なんですか?この酒は・・・。」
俺が問おうとした瞬間、彼女が盛大にひっくり返った。お、おい。
「きゅう〜。」
あわてて助け起こすと彼女は顔を真っ赤にし眼を回している。
「おい、ちょっとあんた、この酒はひょっとして・・・」
「た、確かラムとかいったような・・・。」
「ラム!ラムを生のままで注文するなんて何考えてるんだよ、あんたは!」
「あたし、お酒の事よくわかんなくて・・・うう。」
その言葉を最後に彼女の意識は落ちた。まったく・・・。

結局俺の彼女の護衛としての最初の仕事は彼女をおぶって返しにいくことだった。

感想をいただけた事に驚愕し、続きを書いてしまった。
単発ネタその2で。駄文で悪い。
502通常の名無しさんの3倍:2007/08/10(金) 00:12:19 ID:???
GJ!
当然胸とフトモモの感触にどぎまぎする話に続くんだろ?
503通常の名無しさんの3倍:2007/08/10(金) 00:19:52 ID:???
盛り上がってきたー
職人さん最高にGJだぜ
これから毎日の更新ルートにいれさせてもらう
504通常の名無しさんの3倍:2007/08/10(金) 08:54:42 ID:???
GJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
505通常の名無しさんの3倍:2007/08/11(土) 00:15:39 ID:???
様々なイルミネーションが輝き、その中を喧騒と共に人々が行きかう夜の街。
その本道から外れた道を俺は一人歩く。頬をなでる夜風が心地いい。
・・・とでも言えば少しは格好良く聞こえるだろうか?
実際には俺は一人ではなく背中に人をおぶっているし、本道を歩かないのは
人目につきたくないからだ。
なにせ背負っているのは『ラクス・クライン』夜の街を男におぶわれている
所なんか見られたらどんな誤解が生まれるかわかったもんじゃない。
俺、シン・アスカもこの年で浮名を流すようにはなりたくなかった。
そういうわけで俺は少々遠回りをしながら、『ラクス様』を運んでいる。

「この公園を大回りしてこういう方向に向かって進めば人目につかずに彼女を返しに
いけるはずだ・・・多分。」
夜の公園の一角を歩きながら呟き、自身の中の地図を確認する。
そんな俺の気苦労も知らずに背中の彼女はよく眠っている。
「まったく・・・。」
前払いのレストランだった事がせめてもの救いか、と思う。
「う、うん・・・。」
不意に背中の彼女の声がして途端に強くしがみつかれる。
「な、なんですか?」
起きたのか?いぶかしむ俺。
それと同時に背中に柔らかくて大きな何かが押し付けられてくる。こ、これは・・・。
彼女の柔らかく、熱い吐息が俺の首筋をなでる。
自分の背負っている『女性』の存在を俺は強く意識させられる。ま、まずい。
前にも2年前のラクス様の動画を見た事はあった。でもその時の彼女の体格は貧相・・・もとい
スレンダーという感じだった。だけど今俺の背中で強烈に存在を主張しているものはなんだ?
頬が紅潮していくのが自分でもわかる。取り留めのない想像が心をつかんで離さない。
気がつくと俺は先ほどから一歩も歩けていない事に気がついた。
まずい・・・身体が動かない。

「あれ、そこに誰かいるのー?」
近隣の住民と思しき女の声が響いた。
その声を聞いた瞬間俺の身体はバネのように反応した。
足を振り子のように動かしてひたすら走る!
こんな所で俺は浮名を流すわけにはいかないんだ!
そう思ったとき今までの金縛りが嘘のように消えて身体が起動し俺は力の限り走った。

軍の練習でさえ出した事の無い力で走りきり、なんとか彼女の事務所の前まで来た。
しかしそれでも彼女は相変わらず眠ったまま。さっきのあれはどうやら俺を抱き枕かなにかと
勘違いしていたらしい。心臓に悪い・・・。

ちなみに彼女を返し終えた後、自分が今までほぼ何も食べていなかった事を思い出し
宿舎で夜食を食べまくり、同室の金髪の同僚に嫌な顔をされたりした。

感想をもらえた事におどろいてまた書いてしまった。単発ネタその3 駄文で悪い。
506通常の名無しさんの3倍:2007/08/11(土) 00:41:13 ID:???
夜に投下お疲れさん。GJ!
シンが純情だw
507通常の名無しさんの3倍:2007/08/11(土) 11:15:52 ID:???
ちっち ちっち おっぱ〜い ぼいんぼい〜んっ
508通常の名無しさんの3倍:2007/08/11(土) 12:31:07 ID:???
ぐじょーぶです。

シンよ、心配しなくてもお前はすでにラッキースケベだ。
509通常の名無しさんの3倍:2007/08/11(土) 12:32:20 ID:???
GJ!
リクエストに答えてくれてありがとう。
510通常の名無しさんの3倍:2007/08/11(土) 22:04:37 ID:???
( ゚∀゚)o彡゜らき☆すけ!らき☆すけ!
テラGJ!!
511通常の名無しさんの3倍:2007/08/11(土) 22:54:20 ID:???
賑わってきたな、このスレ。職人さんもやっぱり感想がたくさんあるとうれしいだろうな。
ということで俺もGJ!
512通常の名無しさんの3倍:2007/08/12(日) 01:18:43 ID:???
今は良い子はとっくに寝ているだろう時間帯。
宿舎の自室で俺は夢中で持ち込んだファーストフードの攻略に取り掛かっていた。
放り込むようにして口の中に運び、咀嚼し、ジュースで流し込むようにして
胃に収める。レストランのディナーは食べられなかったし、あの後人をおぶって
あれだけ走ったんだ。当然栄養補給が必要なわけだ。
夜食は身体に悪いとかいわれても、健全な若者に空腹のまま眠れというのも
酷な話だろう。
そういうわけで俺は夜中の暴飲暴食に精を出していた。
目の前には典型的な優等生であるレイがしかめっ面をしながらベットに腰掛けている。
「大変だったな、お前も。」
レイが声をかけてきた。なんだかんだいってレイは俺を気遣ってくれる。
「ああ、まっふぁく、えひゃいめにあっふぁよ。」
「・・・飲み込んでからしゃべれ。」
レイの呆れたような忠告に従い、一旦ジュースを飲み、食べ物を飲み込む。
「ああ、まったく酷い目にあったよ。ディナーは食べ損ねるし走り詰めにはなるし。」
「それにしては役得もあったみたいじゃないか。」
「べ、別に俺は胸がどうとかなんて・・・」
「・・・高名なラクス様とお近づきになれた事をいってるんだけどな。」
しまった!墓穴を掘ってしまったか。
「と、ともかく。俺は今日いろいろ驚いたよ。ラクス様って2年前の動画から受けた
印象とは随分違っててさ。しゃべり方とか雰囲気とか。」
胸とか・・・と言い掛けてさすがに自重する。
「そうだったのか・・・なら案外そうなのかもしれないな。」
「え?」
「お前の懸念は当たっているかもしれない、という事だ。だがそれが何の意味がある?
俺達は議長の意思に従うだけだ。そうだろう?」
軽く笑みを浮かべて静かにいうレイ。その眼に一点の迷いも無かった。
時たま議長の話題をするときレイはよくこういう眼をする。それが何故かはまだわからないが。
「当たっているかも知れない俺の懸念、か・・・。」
レイの言葉がやけに心に響いた。

(下に続く)
513通常の名無しさんの3倍:2007/08/12(日) 01:20:46 ID:???
(上の続き)
翌日俺は再び『ラクス様』と会う事になった。案内されたホテルの一間で俺は
彼女とテーブル越しに向き合う。
「来てくれたんですのね、シン。」
明るい笑顔でいう彼女。
「昨日は本当に申し訳ありませんでした。私とした事が粗相を・・・。」
もっともらしい口調で言葉がつむがれる。だが俺が聞きたいのはそんな事じゃない。
「俺、聞きたい事があるんですよ。貴方に。」
「何ですの?」
真剣な俺の口調に柔らかく答える彼女。だがその声にわずかな動揺があるのを俺は見逃さない。
「昨日貴方とお話してて思ったんですよ。どうも貴方は動画で見た2年前の貴方と違うな、って。」
「え?ええ?な、何をおっしゃっているんですの?そんな事あるわけないじゃないの、
・・・ないじゃありませんか。」
最後にか細く丁寧語で言い直す彼女。それは俺の疑念を確信に変えた。
「答えてくださいよ、正直に。俺達はこれからパートナーになるんですから。」
「ううう・・・。」
もはや呻くしかない彼女。
「単刀直入にお聞きしますよ、あんたは・・・」
「は、はい・・・。」
俺は疑念を叩きつける。心から。
「あんた本当はそのお嬢様口調じゃないんだろ?外面は演技して静かそうに装ってるだけで
内面は結構活発なお嬢様なんだろ?ラクス様。」
「はい?」
拍子抜けしたような声を上げる彼女。何かおかしな事いったかな?
俺はとりあえず、今の彼女の表情は一生忘れないだろうと思った。

感想をもらえた事に奮起してまた書いてしまった。単発ネタその4 駄文で悪い。
514通常の名無しさんの3倍:2007/08/12(日) 01:24:25 ID:???
微妙にズレたツッコミをかますシンに正直萌え
515通常の名無しさんの3倍:2007/08/12(日) 01:54:46 ID:???
>>512>>513で2連投乙。ネタ投下してくれるのはうれしいけど
あんまり無理しすぎないでね。
レイとシンはここでもいいコンビだな。シンの的外れっぷりもいいw
516通常の名無しさんの3倍:2007/08/12(日) 04:48:50 ID:???
GJ!
まあいきなり別人と言い出すより猫被ってると思う方が自然だな。
517通常の名無しさんの3倍:2007/08/12(日) 08:50:20 ID:???
GJ!
胸を気にするシンに萌え。ツッコミもナイス。
スレに神が降臨してくれて嬉しい。
518通常の名無しさんの3倍:2007/08/14(火) 17:36:03 ID:???
保守
519通常の名無しさんの3倍:2007/08/17(金) 08:33:06 ID:???
ほしゅ
520通常の名無しさんの3倍:2007/08/18(土) 02:11:53 ID:???
「あんた本当はそのお嬢様口調じゃないんだろ?外面は演技して静かそうに装ってるだけで
内面は結構活発なお嬢様なんだろ?ラクス様。」
「はい?」
俺、シン・アスカの問いに彼女は間の抜けた声を上げた。なんだ?
俺は何か変なことをいったかな?
疑問を浮かべる俺とはよそに彼女の表情は呆け意識はどこかに飛んでいるようだ。
そういえば昔ルナマリアが射撃訓練で的を全部外した時似たような顔してたな。
「おい、あんた!大丈夫か?」
いつまでもこうしているわけにもいかないので俺は彼女に呼びかける。
「え、えーっとその・・・。」
しどろもどろに呟く彼女。どうやらこっちの世界に戻っては来たみたいだ。
「つ、つまりあたしはラクス・クラインなんだよね?」
上擦った声で変な事を言い出す彼女。少し錯乱しているみたいだ。
「なに言ってるんだよ、あんた。当たり前じゃないか。」
「そ、そうよね。・・・うん、そうよ!そうなのよ!実はあたしもいつもは
静かそうにしてるけど本当はこっちが素なの。ばれちゃった〜〜〜。」
最初は裏返った声だったが、急にやたらと明るい様子で喋る彼女。
ただそうしながらもその頬に汗が1滴垂れているのと、
口元で小さく何かを呟いているのはなんなんだ?
「ら・・・ま・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい」
最初の方が良く聞き取れなかったけど小さく謝罪の言葉を繰り返しているみたいだ。
「ごめんなさい?って素を隠してた事ですか?」
「え!?え、ええ!そうなのよ!ごめんなさいね!これからパートナーになるのに
黙っていて!もっと早く言うべきだったわよね!」
もはやサーカスの踊り子並みに明るい口調で喋る彼女。どことなく自棄になってるように
見えるのは気のせいだろう。
「気にしなくていいですよ。俺は気にしてませんから。」
「そ、そう!ありがとうね!」
「なんなら二人の時はその口調で構いませんよ。俺も堅苦しいのは嫌ですし。」
俺の提案に彼女は不意に息を飲む。
「・・・いいの?」
「ええ、もちろんですよ。」
「本当に?ならこれからはあたしは貴方の前では素で喋るようにするわ。
シン、これから本当の意味でよろしくね。」
喜びの色に顔を染めて眩しい笑顔を見せる彼女。こんなに喜んでもらえるとは
思わなかった。きっといろいろ押し込めていたんだろうな。
「それじゃあ俺は今日はそろそろ・・・。」
「うん。それじゃあまたね、シン。」
笑顔で別れる俺達。しかし俺がその部屋のドアを抜ける瞬間
「・・・単純な人でよかったあ〜。」
という呟きが聞こえたような気がした。まあ、いいか。

ちなみに俺が部屋に戻ってこの事をレイだけに話した時、
あいつはなんともいえない妙な表情を浮かべた。

間が空いてしまったけど、感想をもらえた事からまた書いてしまった単発ネタその5 駄文で悪い。
521通常の名無しさんの3倍:2007/08/18(土) 03:09:33 ID:???
GJ!
更新がキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
ミーアの反応が面白いw
522通常の名無しさんの3倍:2007/08/18(土) 08:50:31 ID:???
ミーアけなげだよミーア
シン鈍すぎだよシン
523通常の名無しさんの3倍:2007/08/18(土) 19:42:56 ID:???
神キタ―――――ヽ(´ー`)ノ―――――!!!
GJ!!
524通常の名無しさんの3倍:2007/08/20(月) 10:50:56 ID:???
職人降臨キター
続きに期待w
525通常の名無しさんの3倍:2007/08/21(火) 00:25:47 ID:???
「今度の休暇に街へ外出したい?」
「ええ♪」
またもホテルに呼ばれた俺、シン・アスカに彼女の突拍子もない申し出が降り注ぐ。
「すればいいじゃないですか。」
「わかってないわね〜。普通の一般人としてお出かけしてみたい、って言ってるのよ。」
立てた人差し指を振りながら能天気に答える彼女。何をいってるんだよ、この人は。
プラントの国民的アイドルがお忍びで街にって・・・。
「ああもう!それじゃあいつものスーツ着てサングラス掛けた女性とかと
行けばいいんじゃないですか?きっと俺よりうまくやってくれますよ。」
「サラさんとかの事?あの人達は駄目よ。堅苦しくて。」
俺の提案をあっさりと却下する彼女。この人は〜!
初日に酔いつぶれた彼女をおぶって暗い道を走り回った事はまだ記憶に新しい。
そんな事を繰り返していれば俺はやがて以前写真で見た前大戦の英雄みたく毛根に
危機が迫るかも知れない。
「ごめんなさいね、シン・・・。だって今私が気楽に話せる相手ってあなたしか
いなくて・・・。無理を言っちゃったわよね。ごめんなさい・・・。」
俺の危惧を他所に彼女は不意に俯き、先ほどまでとはうって変わってしおらしくなる。
「あたしには許されない事なのかな。気楽に話せる相手と街で楽しく過ごすのって・・・。」
彼女は俺に背を向けホテルのガラス窓の方を向く。表情を見せたくないと言う様に。
「うん、やっぱり無理だよね。もういいわ。今日は変な事言ってごめんなさ・・・。」
「うまくエスコートできるわけじゃないですけど、それでもいいなら付き合いますよ。」
彼女の言葉をさえぎって言う俺。まあ、アイドルにも休日くらいあったっていいだろ。
「ほ、本当にいいの?」
「ええ。」
彼女の問いに俺はなるべくぶっきら棒に聞こえるように答える。照れが出るのは嫌だった。
すると彼女はこちらに顔を向けないまま俯き肩を震わせた。ま、まさか泣いているのか?
「・・・ありがとう・・・本当にありがとうね・・・。」
背を向けたまま震える声で言う彼女。
「それじゃあ俺はこれで。」
「うん・・・。」
居た堪れない気持ちで俺がその部屋のドアをくぐり抜ける寸前
「・・・よしっ!この手は使えるわね!」
という声が聞こえた。・・・確かに聞こえた。

ちなみに俺はホテルから帰る途中でホラー映画の雑誌を購入した。
自室でその雑誌を見てどれが一番怖くて嫌がらせになるかを考えていると
渋面のレイに子供みたいな事はやめておけ、と注意された。

感想がもらえた事からまた書かせてもらった単発ネタその6 駄文で悪い。
526通常の名無しさんの3倍:2007/08/21(火) 01:02:02 ID:???
ロックオン ミーアの瞳ニロックオン
527通常の名無しさんの3倍:2007/08/21(火) 01:32:46 ID:???
( ´∀`)このシンは単純バカだなあw(褒め言葉)
今回もGJでしたw
528通常の名無しさんの3倍:2007/08/21(火) 10:17:56 ID:???
GJです。シンがミーアに翻弄されてるw
529通常の名無しさんの3倍:2007/08/22(水) 02:38:46 ID:???
駅前広場の大きな時計の下で待ち合わせ。
そんな約束をした俺、シン・アスカは内心複雑な気持ちを抱えながら目当ての
人物を待っている。行き交う人々の雑踏が騒がしい。
自分の時計を確認すれば約束の時間はあと少し。彼女はちゃんとここまで来れるだろうか?
来れたとしてちゃんと正体がばれない様な格好をしているだろうか?
そんな懸念がよぎる。なにせ彼女はプラントの・・・。
「ごめんなさい、まった?」
不意に聞き覚えのある声が後ろから聞こえる。慌てて振り返る俺。
そこにいたのはピンクの髪をポニーテールでまとめ、明らかに伊達と思われるメガネを
かけフリルのワンピースを身にまとった女性。・・・彼女だよな?
「どう?中々うまく変装できてるでしょ?」
楽しげにいってその場で一回転する彼女。変装というより何かの仮装かと思った。
「変装というより何かの仮装みたいですよ、ラ・・・」
危うくラクス様といいかけて自重する。
「そういえばなんて呼んだらいいんですか?まさか街中でそのままというわけには・・・。」
「うーん。そうねえ・・・。」
俺に言われて彼女はしばらく上を向いて考える風を見せ、やがて明るい表情になり口を開いた。
「そうね・・・ここではミーア、そうよ!ミーアって呼んで。」
やたらとはしゃいで言う彼女。まあ、確かにいい名前だとは俺も思う。
「わかりましたよ。ミーアさん。」
「そのさん付けも丁寧口調もやめて。今日はお互いの立場を忘れて楽しみましょうよ。」
「・・・わかったよ。ミーア。」
「うん♪」
戸惑いながらも言い直した俺に彼女は明るい笑顔と声で答えた。

「じゃあミーア、まずは映画でも見ないか?」
「映画?いいわね!何を見るの?」
「調べておいたんだけどな、この『恐怖の怪人館』とか・・・」
「嫌!絶対に嫌!何考えているのよ。」
ちなみにこのようにして俺のささやかな復讐計画はあっさりと頓挫した。
レイの言うとおりにやめておけばよかったかも知れない、と俺は思った。

感想がもらえた事からまた書かせてもらった単発ネタその7 駄文で悪い。
530通常の名無しさんの3倍:2007/08/22(水) 08:19:12 ID:???
デートキタ━━(゚∀゚)━━超GJ
続きが楽しみな展開です
531通常の名無しさんの3倍:2007/08/22(水) 11:33:36 ID:???
GJ!
ミーアの名前はここで出るのか。つーかホラー映画の嫌がらせをあきらめてなかったのかよw
532通常の名無しさんの3倍:2007/08/22(水) 20:52:33 ID:???
GJ!!!!!!!!!!!!!!!
533通常の名無しさんの3倍:2007/08/23(木) 12:23:36 ID:z3c6rjpM
超お気に入りミーアフィギュア 別角度のもあったよ ポロリw
http://1server.sakura.ne.jp/newfigure/pc/img.php?src=../src/76-2.jpg
534通常の名無しさんの3倍:2007/08/24(金) 02:30:53 ID:???
人が騒がしく行きかう日中の街。
彼女は俺の少し先を早足で歩いて行く。
俺、シン・アスカはその後をひたすらついて行く。
やっぱりホラー映画に誘ったのはまずかったか・・・。
自らの稚拙な復讐計画を後悔しては見るが、後悔は先にたたず。
とりあえず彼女の機嫌をとることが先決だ。
「なあ、ミーア。」
「何よ。」
振り返らず、足を止める事もせず冷たく答える彼女。・・・やっぱりご機嫌斜めか。
「ミーアはどんな映画が見たいんだよ?俺はそれに付き合うよ。」
俺のその言葉にミーアの足がぴたりと止まる。顔は向けられてないままだけど。
「本当?」
「ああ。」
俺の返事を受けて彼女はくるりとこちらを振り返る。顔にはご機嫌と書いてある。
「ならあたし恋愛映画がいい。」
「はあ?」
恋愛映画?正直俺は好きじゃない。まあ女ならやっぱりこういうのを見たがるものか?
「なあ、今日は面白いアクション映画も上映されてるらしいんだけ・・・。」
「恋愛映画がいいっ!」
拳を握り締めて力説する彼女。取り付く島もなさそうだ。
「・・・。」
「・・・。」
しばし無言で見詰め合う俺達。それは視線による戦い。
「・・・さっきはあたしの好きなのに付き合うって言ったじゃない。」
「そ、それはそうだけど・・・。」
「嘘つき。」
「くっ・・・。」
「う・そ・つ・き!」
そういってジト目で俺を見据えてくる彼女。
「わかった、わかったよ!」
軽はずみな事をいうもんじゃない、と俺は一つ学んだ気がした。

ちなみに恋愛映画はやっぱり俺にはたるかった。
途中で俺は何度も眠りかけたが、その度に彼女が
「ちゃんとしっかり見なさいよ。いいお話じゃない。」
と言って肩を叩いて起こした。
終盤になると彼女は涙まで流していたけど、俺はそこまで感情移入できなかった。
・・・というより半分寝ていたというのが実情だった。
俺と彼女の感性の違いはやっぱり大きいものらしかった。

感想をもらえた事からまた書かせてもらった単発ネタその8 駄文で悪い。
535通常の名無しさんの3倍:2007/08/24(金) 08:54:58 ID:???
こうしてみるとシンもミーアもただの少年少女ですね〜
今回もGJでした!!
536通常の名無しさんの3倍:2007/08/24(金) 17:03:18 ID:???
GJ!
537通常の名無しさんの3倍:2007/08/25(土) 03:35:50 ID:???
上映は終わり観客達が映画館から去っていく。
その中に紛れて俺、シン・アスカと彼女も映画館の入り口を出た。
「面白かったね♪シン。」
笑顔で言ってくる彼女。正直俺には睡魔との戦い以外の何者でも無かった。
まだ頭が重い……。
「あのラストシーンの台詞は良かったな〜。いつか言われてみたいな〜。
ね、シンもそう思わない?」
「そうですね。」
俺の言葉に投げやりな感じを読み取ったのか、彼女は不服げな表情を浮かべる。
正直その場面も台詞も覚えてないんだから他に答えようがないんだよ。
彼女は眉間にしわを寄せている。まずい、また機嫌を損ねちゃったか?
「……また敬語になってるじゃない。」
「え?」
「今日は敬語はやめて、って言ったでしょ?どうして忘れちゃうのよ。」
「なんだ、その事だったのかよ。」
「?なにを言ってるの?」
「……なんでもないさ。気をつけるよ、ミーア。」
俺は話を切り上げる。やぶ蛇になってもしょうがない。

歩きながら会話をしていた事もあって、俺達は気がつくと映画館から大分離れていた。
あたりは様々な店が立ち並ぶ繁華街の一角。
「あのお店。」
彼女が不意に呟いた。何だ?彼女の視線の先をたどるとしばらく先に一軒のアイス屋があった。
こじんまりとしていて感じの良さそうな店だな。
「アイス食べたいのか?ミーアは。」
「え?う、うん。」
「なら買って来るよ。何味がいいんだ?」
「ありがとうね、シン。…の味でお願い。」
「ああ、わかった。」
「あ、シン!」
行こうとする俺を彼女が引き止める。何なんだ?
「何?」
「あたし……向こうのベンチに座ってるから。」
そういってアイス屋とは逆方向に離れた所にあるベンチを彼女は指差す。
そしてそのまま小走りで行ってしまった。まるで何かから逃げたように俺には思えた。
538通常の名無しさんの3倍:2007/08/25(土) 03:37:20 ID:???
「…の味のアイスを一つください。」
アイス屋でとりあえず彼女の分を注文する。俺はどれにしようかな?いろいろあるな。
「お、兄ちゃんお目が高いね。それはウチの自慢の一品だよ。」
人の良さそうな中年の店主が話しかけてきた。
「いえ、俺じゃなくてミーア……連れの分なんです。」
アイスを受け取りながら答える俺。
「ミーア?」
店主が俺の言った名前を復唱する。いきなりなんだ?
「なんですか?」
「いや、昔ここで働いていた子がいてね。その子もこの味が好きだったんだ。」
「そうなんですか。」
「その子の名前がミーアって言ってね。君の連れってひょっとしてこんな子じゃないかい?」
そういって店主が見せてくれた写真には一人の女性が写っていた。
黒髪の長髪で美人とはいえないだろうが優しそうな女性だ。
もちろん俺には見覚えがない。
「いえ、違いますね。」
そもそもミーアという名前自体彼女が即興で思いついた名前なのだし。
「そうかい……。歌手を目指していた子でね。明るい良い子だったんだ。
急にいなくなってしまってね。今はどうしているんだろうか……。」
店主が心配そうに言う。
「きっと元気でやってますよ。案外夢を叶えている途中とか。」
「だといいんだけどね。……おっと悪い。変な話を聞かせちゃったね。」
「いえ。あ、俺はこっちの味をください。」
「はい、まいどあり。」
店主から自分の分のアイスを受け取って俺はその店を後にした。
俺を待っている『ミーア』の元へ向かう為に。

ちなみに彼女の分のアイスはたどり着く前に途中で溶け出した。
店主と話しこんでいたのがまずかった。俺は急いでその場でそのアイスを食べて証拠を隠滅し
店に戻ってアイスを買いなおした。店主のおじさんはそんな俺を見て苦笑して代金をまけてくれた。
そこから急いで彼女の元へ向かったが、着いたら今度は「遅い」という彼女の不平が降り注いだ。
……とりあえずそのお店のアイスがとてもうまかったのがせめてもの救いか。

感想をもらえた事からまた書かせてもらった単発ネタその9 駄文で悪い。
539通常の名無しさんの3倍:2007/08/25(土) 08:43:18 ID:???
更新ペースが神がかってきている。
内容も神。GJでした。
540通常の名無しさんの3倍:2007/08/25(土) 09:06:38 ID:???
GJ
続きに激しく期待してます
541通常の名無しさんの3倍:2007/08/25(土) 22:04:06 ID:???
GJでした〜
542通常の名無しさんの3倍:2007/08/26(日) 02:33:30 ID:???
今は闇が世界を支配する時間帯。
夜の繁華街から離れた道を俺、シン・アスカと彼女は歩いている。
あたりは住宅もまばらに立つ静かな道だ。
少し遠回りでも夜風に当たってゆっくり帰りたい、そんな彼女の要望に従った結果だ。
空は満天に星が瞬いている。
今日はあれからいろいろな事があった。ランチを食べショッピングをしてまわり、
ついさっきはファミレスで夕食を済ませた。
どれもこれもが騒がしくて楽しい時間だったと思う。
ただ俺は、昼に俺が買って来たアイスを彼女が口にした時に一瞬見せた
切なげな表情をついに忘れられずにいる。
横を共に歩く彼女を見ると先ほどまでとはうって変わって静かだ。
「なあ、ミーア……。」
なんとはなしに呼びかける俺。
「ん?なに?シン。」
表情を切り替えて明るく聞いてくる彼女。俺は…なにを言おうとしていたんだ?
「いや、その……。」
「なによ、自分で呼んでおいて。」
歯切れの悪い俺にむくれる彼女。
「いいだろ、別に。」
「いいわけないじゃない。何をいっているのよ。」
そういって視線をぶつける俺達。少しの間をおいてどちらからともなく噴出した。
543通常の名無しさんの3倍:2007/08/26(日) 02:36:32 ID:???
「今日はありがとうね、シン。」
「え?」
ひとしきり笑った後、彼女が俺に言ってきた。
「今日は本当に楽しかったよ。無理を言っちゃってごめんなさいね。」
やけにしおらしい彼女。まさかまた引っ掛けか?
俺がそう思った時、不意に彼女は小走りで先に行きはじめた。
「お、おい。待てよ。」
俺は彼女を引き止める。なぜかそのまま遠くに言ってしまいそうな気がした。
彼女は俺から少し先で立ち止まり振り返る。
「ねえ、シン。人魚姫のお話って知ってる?」
「人魚姫?ああ、一応は。」
「人魚姫はね、姿も素性も変えて大好きな王子様の側に行くの。
そして自分の心を明かせないまま過ごすの。」
知っている。有名な童話だ。
「やがて王子様も周りも人魚姫がした事を別の女性がした事だと信じるようになるの。
それは嘘なんだけど皆の中では事実になるの。だって彼女は『本物』だから。
姿も素性も変え、心も隠した人魚姫とは違って『本物』だから。」
何を言おうとしてるんだ?ただ童話のあらすじを語っている雰囲気じゃない。
「人魚姫は最後に消えるときに何を思ったのかな?
……愛する王子様を想って笑えていたのかな。」
そういって静かに微笑む彼女。その笑顔が俺にはやたらと悲しく感じられた。
何故だろう?言葉が出せない……。
「ほら、そこで主演男優が名台詞を言うところでしょ?」
不意に彼女が呆れたように妙な事を言ってくる。
「はぁ?」
「やっぱり映画を見てなかったんじゃない。あのラストシーンが良かったのに。」
映画?ひょっとして俺が睡魔と格闘していたあれの事か?
「せっかくその台詞をなぞってみたのに。肝心の男が台詞をいえなきゃ駄目じゃない。」
彼女がやれやれと首を振る。ひょっとしなくてもこれは……。
騙された、ひっかけられた、心配して損した、いくつもの言葉が俺を駆け巡る。
「あんたって人はあああ〜〜〜〜!覚えているわけないだろ、あんなたるいもの!」
「たるいって何よ!素敵なお話だったじゃない!」
「俺は半分寝てたよ、内容なんか知ったことじゃないさ!」
「ああ!やっぱり寝てたんじゃない!ひっどーーい!あんなに起こしてあげたのに!」
「……!」
「………!」

ちなみにこの不毛な言い争いは、付近の住民が騒がしさに気づいて動き始めた時まで続き
俺と彼女はあわててその場から退散する事になった。…またこんな感じかよ。
そうこうして彼女を送った後に俺は自分の部屋に戻った。
ベットに横たわり今日の事を振り返ったとき、人魚姫の話をしている彼女が
やけに思い出されて中々眠れなかった。

感想をもらえた事からまた書かせてもらった単発ネタその10 駄文で悪い。
544通常の名無しさんの3倍:2007/08/26(日) 02:39:01 ID:???
惚れてるな。 うん。 惚れてるね。


……とにもかくにもGJ! このシンミアは続きを読みたいシンミアだ。
545通常の名無しさんの3倍:2007/08/26(日) 09:15:56 ID:???
ほのぼのするなあ〜
今回もGJ!
546通常の名無しさんの3倍:2007/08/26(日) 15:01:51 ID:???
GJ&あげ
547通常の名無しさんの3倍:2007/08/27(月) 19:22:05 ID:???
GJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
548通常の名無しさんの3倍:2007/08/30(木) 03:24:52 ID:???
「そんな台詞無い、だって? 何をいってるんだよ、ルナ。」
 宿舎の食堂のテーブルで俺、シン・アスカは相手を問い詰めた。
「何を言ってるも何も本当にそんな台詞ないんだから仕方ないじゃない。」
 呆れたように俺に言い返すのはルナマリア・ホーク。赤毛のショートヘアと
ミニスカが特徴の女パイロットで俺の同僚だ。
「あんたが見た映画って、…っていう映画でしょ? 私も見たもの。
ラストシーンは感動的だったからよく覚えてるわよ。」
「本当なのかよ?」
「なによ、疑うわけ?ならいいわよ。ラストシーンはね……」
 そういってルナがややオーバーなリアクションをしながら教えてくれた
ラストシーンの顛末は確かに人魚姫の「に」の字も出なかった。

 夜に暗い部屋の中でベットに横たわる。同室のレイはすでに眠りについている。
 俺はルナの言った事が引っかかって眠れなかった。俺が『ミーア』と見た映画には
人魚姫の話が出てこない? なら彼女はなんであんな事を言ったんだ?
『人魚姫は最後に消えるときに何を想ったのかな?』
 悲しげな笑顔浮かべて俺にそう聞いた彼女。その表情、声が俺の中で鮮明によみがえる。
 俺は彼女に何にも言えなかった。……言えなかったんだ。
 その事実が俺にはやけに悔しかった。

「あら、シン。よく来てくれたわね。」
 翌日ホテルの一部屋で会った彼女はまた屈託の無い明るい笑顔で俺を迎えた。
 今俺の前で明るく笑う彼女。それがあの時何故悲しげな表情をして
あんな話をしたのか俺にはまだわからない。今は改めて問いただす気もない。
 それを聞くのはそう、俺が彼女のあの時の問いに対する答えを見つけてからに
しようと思った。

間が空いてしまったが、感想をもらえた事からまた書かせてもらった単発ネタその11
駄文で悪い。
549通常の名無しさんの3倍:2007/08/30(木) 06:35:58 ID:???
名作・高山版の姉マリアを彷彿とさせる会話でありますなあ。GJ!
550通常の名無しさんの3倍:2007/08/31(金) 21:53:37 ID:???
続きキテター
テラGJ
551通常の名無しさんの3倍:2007/09/01(土) 00:45:27 ID:???
GJ
ミーアは覚えてないと確信して人魚姫の話を出したのか、はたまた。
552通常の名無しさんの3倍:2007/09/03(月) 02:26:40 ID:???
「シン、今度の休日空いてる?」
 いつものようにホテルの一部屋に呼ばれた俺、シン・アスカにまたも彼女の
唐突な言葉が降り注ぐ。
 俺とテーブルを挟んで座る彼女は、スプーンで紅茶をかき混ぜながらなにやら含みのある
笑みを浮かべている。
「いきなりどうしたんですか?」
 今度は一体なんなんだ?この前引っ掛けられた事を考慮し、多少慎重に聞く俺。
 すると不意にむくれた表情になる彼女。あれ、なにか変な事をいったか?
「また敬語になってるじゃない。この前散々言ったのに。」
 口を尖らせて彼女は言う。
「あれはこの前だけじゃなかったんですか?」
「なによ、それ。ひっどーい!この前の事で随分打ち解けられたと思ったのに。」
 なにやら不平を訴える彼女。なんなんだよ、この人は。
「シン、あたし達はパートナーじゃない。もっと気軽に話せるべきだと思うのよ。」
「そんな事いわれても、俺だってそうそうプラントの歌姫様を呼び捨てになんかできませんよ。」
 呆れていう俺の言葉を聞いて彼女は不意に俯く。握っていたスプーンは手放され、
その手はテーブル下に入る。
「そうなんだ。……そうだよね。」
 声のトーンも下がり暗い口調になる彼女。お、おい。
 ん?待てよ。前もそういえばこんな事があったはずだ。慎重にならないと。
「あたしは結局そうなんだよね。皆いつも様付けで距離を置いて。
シンならあたしと気安く話をしてくれると思ったんだけどな……。」
 そう言って彼女は両手で自身の顔を抑える。な、泣いてるのかよ。
 待て!シン・アスカ。前にも同じような事があったじゃないか。
 俺は自らに自制を促す。
 やがて彼女が不意に顔を覆っていた手を離す。
553通常の名無しさんの3倍:2007/09/03(月) 02:32:48 ID:???
 やや伏せられ目元は見えない彼女の顔。その頬を伝う滴が確かに俺には見えた。
「実は俺も堅苦しいのはあんまり好きじゃないんだ。人目が無い時なら……。」
「本当?」
「ああ、本当だよ。」
 たったこれだけの事なのに妙に気恥ずかしい。やや自分の頬が上気しているのを感じる。
 こういう時、口調がついつい投げやりみたいになってしまうのは性分だろうか。
「……ありがとうね、シン。」
「そ、それはそうと用件ってなんだったんだよ?休日がどうとか。」
 なんとか雰囲気を変えたくて俺は話題を最初に引き戻す。
「うん。実はね、私今度コンサートがあるの。だからシンには来てほしいな、って。」
 片手で目頭をぬぐい、笑っていう彼女。
「ここにチケットがあるの。来てくれるかしら?」
「ああ、その日なら問題はないよ。ちゃんと行くから。」
「本当に?」
「ああ、本当だよ。」
 俺の答えに彼女は嬉しそうに笑いをこぼす。
「フフ……。ありがとうね、シン。ちゃんと来なさいよ?待ってるんだから。」
「もちろん行くさ。じゃあ俺はこれで……」
 そして笑顔で別れる俺達。そしてその部屋のドアを俺がくぐり抜ける寸前
「……手のひらに目薬を仕込んでおくのって中々使えるわね。」
 という声が確かに聞こえた。

 俺はそれから彼女の頭に手刀を叩き込みたい衝動に駆られ、それを抑えるのに
随分と苦労した。もらったチケットの予定はすっぽかしてやろうかとも思ったが
逡巡を繰り返した挙句、結局処分は出来なかった。……まあ、勿体ないしな。
 決して彼女の『待ってるんだから』という言葉が引っかかっていたわけじゃない。
 きっと違うはずだ。

間が空いてしまったが感想をもらえた事からまた書かせてもらった単発ネタその12
駄文で悪い。
554通常の名無しさんの3倍:2007/09/03(月) 06:38:34 ID:???
「はぁ、いつまで待たせる気だよ」
俺は「プラントのラクス・クライン」(愛称はミーア)に呼び出され、彼女の寝泊りしている高級ホテルの最上階に
来ているのだが、当の本人は仕事のスケジュールがもうかなり遅い時間なのだが未だにこの部屋には戻ってきていなかった。
「いったん出直したほうがいいかな」
女の子の部屋に何時までも居座るのは世間体がよろしくないとは思うのだが、呼び出されたときに
「遅くなるかも知れないけど絶対待ってて」
と釘を刺されていたために、いったん帰るという選択を取ることも出来ずにいた。
そうしてそろそろ日付も変わろうという頃になって、ようやくこの部屋の主が帰ってきた。

「ただいまー、シンーいるー?」
「お帰り、随分お仕事大変みたいだった見たいだな」
「良かった、ちゃんと待っててくれたんだ」
「あれだけ呼び出したときに念を押されればな、でももう遅いし明日出直した方がいいか?」
「ううん、このまま待ってて御夕食の準備するから。出かける前に下準備はしてあるから直ぐに出来るわ」
「了解、手伝おうか?」
「ううん、シンはお客さんなんだから待っててね。直ぐ出来るから」

――――――――――――――――――――――――――――――

「ご馳走様、おいしかったよ」
「御粗末さまでした。良かった、気に入ってくれて」

彼女があれほど料理が上手いとは意外だった。

「それで呼び出した用事って何だったんだ?」

そう聞くとミーアは改まった顔をして
「シン、お誕生日おめでとう。それと誕生日に言ってあげられなくてごめんなさい」
とデスティニーに機種転換訓練とか忙しくて自分でも忘れていた誕生日を祝ってくれた。

「そっか、9月1日過ぎてたんだ。ありがとうミーア、自分でも忘れてたんだから気にしないでいいよ」

父さんも母さんもマユも死んでしまって、本人も忘れていた誕生日を祝ってくれることなんてもう無いと思ってた。
あーヤバ、ちょっと涙腺に来ちゃってる。

「それでね、シンにプレゼントがあるんだ」
「祝ってくれただけでもうれしいのに」
「準備してくるからちょっと待ってて?」

そういってミーアは隣の部屋に入っていった。
あれ?持ってくるじゃなくて準備してくる?

――――――――――――――――――――――――――――――
555通常の名無しさんの3倍:2007/09/03(月) 06:39:34 ID:???

「シン、お待たせ」

そう言って戻ってきたミーアの格好を見て激しい違和感を感じ、その正体を理解して俺は絶句してしまった。
ミーアが公の場に出るときに着ている白と紫の体のラインがはっきり出るレオタードとあまり意味の無いスカート
のステージ衣装。
基本はあれなのだが一部分が激しく違っていた。
ただでさえ目のやり場に困る衣装なのに彼女の豊かな胸を覆う部分とおへそから下が透明な素材で出来ていたのだ。
ピンクの出っ張りと下のすっごいイイモノがはっきり見えていた。
ラッキースケベなんてレベルじゃねーぞこれ。

「名ナna、何で」
「ネットとかでさ、こういうカッコの画像が出回ってるじゃない?でもああ云うのは合成したニセモノ。
この世界で本物のこういうカッコを見れるのは、シン。貴方だけ。この世界でたったひとり、貴方だけ」

何だ?一瞬彼女の顔に暗い影が落ちた。何がミーアにそんな表情をさせたのか気になりながらも俺の目は彼女に
釘付けになったしまっていた。

「ふふっそれじゃ、今日はシンの為だけに歌うね」

――――――――――――――――――――――――――――――

俺の目の前、彼女の体から発せられる甘い香りと飛び散る汗さえ感じられる程の距離で謡い舞踊るミーア。
彼女への好意と状況への興奮と世界で俺だけと云う昂揚と我慢しきれないほどの熱い体。
気が付くと俺はミーアを抱きしめていた。

「ふふ、やっとだぁ。」
「なんで、こんな事を?」
「シンったら何時も私が誘ってるのに全然気づいてくれないんだもん。(オクスリちゃんと効いたみたい)」
「いいよ、本当のプレゼント。ハジメテをあげる」

――――――――――――――――――――――――――――――


他所のスレに上がってた絵を見たら497氏のSSと化学変化をおこしてこんなもんが出来上がってしまった。
497氏すんません。
556通常の名無しさんの3倍:2007/09/03(月) 22:06:55 ID:???
(´Д`)b ハァハァハァハァハァハァ
ゴッド・ジョブ!このミーアには、切実にシンと幸せになって欲しいよ。
凸?なにそれ、食いものか?
557通常の名無しさんの3倍:2007/09/04(火) 00:23:02 ID:???
>>553
497氏GJ!なんだかんだいって行くシンに和んだ。

>>555
GJ!どんな絵を見たのかも気になるところ。
558通常の名無しさんの3倍:2007/09/04(火) 08:07:50 ID:???
乳姫スレの496を見てくれ
559通常の名無しさんの3倍:2007/09/04(火) 17:54:53 ID:???
やべえ、おっきしちゃった俺キメェwww
560通常の名無しさんの3倍:2007/09/05(水) 17:00:49 ID:???
(*´д`*)ハァハァハァアハァ
GJすぎる
561通常の名無しさんの3倍:2007/09/06(木) 01:15:02 ID:???
 コンサートの上演が間近に迫る時間帯。
 俺、シン・アスカはコンサート会場の指定席に座っている。
 今日はプラントの歌姫である彼女のコンサート。
「そろそろか。」
 俺は呟く。正直ここに座っている自分に大してわだかまりがないわけじゃない。
 何度と無く引っ掛けられている事に不満は無論ある。
 ただそれでも来てしまうのは俺と彼女がパートナーだからだ。
 そう、これもまた仕事の一環だ。
『フフ……。ありがとうね、シン。ちゃんと来なさいよ?待ってるんだから。』
 自分の心が納得しかけた時、不意にこの前の彼女の顔と言葉がよぎった。
 今日ここに来るまで、行くかどうか迷った時はなぜか決まってこれが心によぎっている。
 なんなんだよ、これは?開演前の薄暗い中でポップコーンをつまんで口に入れる。
 乾いた音を立ててコーンが口の中で潰れる。
「あんまりうまくないな、このコーン。」
 とりあえず俺は不満を口にした。この胸のもやもやもきっとコーンの味のせいだろう。
 
 会場が不意に暗くなり、アナウンスが開演を告げる。いよいよか。
 俺は思わず居住まいを正す。プラントに名高い歌姫の歌。
 いつも能天気な彼女がどんな風に歌うのか。
 彼女を知っている俺にとっては何か不安がよぎって落ち着かない。
「うまくやれよ……。」
 我知らず口に出していた言葉に自身が驚いた。

 ステージの中央に向け、舞台の奥の方から一つの影が歩んで来る。
 やがて中央でその影は立ち止まり俺達の視線を集める。
 不意にいくつものスポットライトがステージの中央に光を集中しその人物を照らし出す。
 今日この場所の主役たる彼女を。
「ミーア……。」
 俺は呟く。かって街中でのみ呼んだ彼女の偽名を。
 ハイレグレオタードに開けたスカートを着け、ドレスアップした彼女。
 指定席である分よく見えるが無論距離はある。
 だがそれでも俺は彼女を綺麗だと感じた。会場の熱気が増したのを肌で感じる。
「みなさーん!ラクス・クラインでーす!」
 ステージ中央の彼女が両手を広げて会場に呼びかける。
 その声に会場全体が歓声をあげる。
 それに対し彼女は手を振って応え、声を張り上げる。
「それじゃあ皆、いっくよーーー!」
 そして彼女はその場の全てを支配した。

「ミーア。」
 歓声がこだまする会場の中で俺は彼女を小さく呼ぶ。
 周囲のようにラクス様、とは呼びたくなかった。
 俺だけの呼び名で彼女を呼びたかった。

間が空いてしまったが感想をもらえた事からまた書かせてもらった単発ネタその13
駄文で悪い。
 
562通常の名無しさんの3倍:2007/09/06(木) 01:44:54 ID:???
惚れたね。 惚れてるね。
惚れなきゃウソだね。 GJと言うしかないね。




……ちょっと昔のLeaf作品「ホワイトアルバム」を思い出してしまった。
563通常の名無しさんの3倍:2007/09/06(木) 09:26:04 ID:???
>>561
あいかわらずGJです。
シンは完全にミーアに魅了されたな・・・w

>>562
ミーアになかなか会えなくなってステラやルナに浮気するシンを幻視してしまったではないかorz
564通常の名無しさんの3倍:2007/09/06(木) 22:52:25 ID:???
GJ!!!!!!!!!!!!!!!!!
565通常の名無しさんの3倍:2007/09/09(日) 15:56:14 ID:???
保守
566通常の名無しさんの3倍:2007/09/12(水) 03:23:57 ID:???
「ユニウス7で追悼慰霊?」
「ええ、そうよ。」
 例によってホテルの一部屋に呼ばれている俺、シン・アスカに彼女の口から
またも唐突な話が伝えられる。
 俺自身がこういう展開に大分慣れてしまっている為、大分精神的な衝撃は低くなっているが。
 互いにテーブルを隔てて椅子に座る俺と彼女。
 向かいの彼女は紅茶を気楽な感じで紅茶を口にする。
「ユニウス7っていうとあの血のバレンタインの……。」
「そう、それよ。そこにあたしが今度行く事になったの。慰霊団の人達と一緒に。
平和の歌姫として追悼慰霊で歌う事にもなってるのよ。」
 さすがに話が話だけに、彼女の口調はいつもの軽いそれよりもやや重みがある。
 でも確かユニウス7って……。
「2年前あんたが連合軍に襲われた場所じゃないのかよ。そこは。」
 我知らず俺の口調が険しくなる。
 俺の知っている歴史では2年前ラクス・クラインはユニウス7の追悼慰霊準備の視察に行った所で
連合の船と遭遇し争いになったという。
 彼女自身は救命ポッドで逃げのびたが連合軍の戦艦に拿捕され一時的に拘束されたと聞いている。
567通常の名無しさんの3倍:2007/09/12(水) 03:24:58 ID:???
「なんだってそんな場所に!しかも前と同じような目的で!」
 俺の中から感情が言葉となって流れ出る。
 彼女はそんな俺の言葉に対して困ったような顔を浮かべている。
「ええっと……」
 なにやらしどろもどろになる彼女。戸惑いながら紅茶のカップをテーブルに置く。
「嫌な思い出なんだろ?それなのにまた行くのかよ。」
「それはその……あたしは……。」
 彼女は俯いてなにやら言葉を探す。その様子はどこか落ち着いていない。
「そんなに嫌なら断ることだって」
「駄目よ!」
 言いかけた俺を彼女の強い言葉がさえぎる。
「あたしは行かなきゃ行けないの。あたしは、あたしはラクス・クラインだから!」
 声を張り上げ強い口調で言う彼女。その瞳には揺らがぬ意思が輝く。
 なんなんだよ?なんでそんなにあんたは……。
「それにあたしが危なくならない為にシンがいるんじゃない。」
 喉につかえている言葉を吐き出せないでいる俺に彼女は言う。
 その口調はいつものように明るい。
「え?」
「なにを驚いているのよ。シンはあたしの護衛パイロットじゃない。
当然一緒に行くのよ。」
 間の抜けた声を上げる俺に彼女はさらに言葉を重ねる。
「つまり……」
「そうよ、これがあたし達二人の最初のお仕事っていうわけなのよ。
よろしく頼むわね、シン。正式な辞令は直に届くはずだから。」
 そういう事か。不意に俺の中に熱い何かが芽生えるのを感じる。
「ああ、せいぜい頑張るよ。」
 口をとがらせどことなくぶっきらぼうに答える俺。
 こういう時にこんな風にしか答えられない俺がもどかしくもある。
 彼女はそんな俺を見て小さく笑みをこぼした。見透かされているのかよ?
「頼りにしてるからね、シン。」
 そういって彼女は優しい笑顔を浮かべる。
 それがどこか照れくさくて思わず俺は少し顔を背け、また彼女に笑われた。
 
間が空いてしまったが感想をもらえた事からまた書かせてもらった単発ネタその14
駄文で悪い。
568通常の名無しさんの3倍:2007/09/12(水) 03:29:17 ID:???
「替え玉」という真実と現実との相違が生み出すわずかな認識のずれが
らヴい展開に誤読できそうな、そして実際に二人とも誤読してるような、そんな微妙な空気が実にGJであります、サー!
569通常の名無しさんの3倍:2007/09/13(木) 01:40:01 ID:???
お、そろそろインパでるのかな?
今回もGJ
570通常の名無しさんの3倍:2007/09/15(土) 00:40:38 ID:???
GJであります(>Д<)ゝ”
571通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 05:21:57 ID:???
 無限に近い星の輝きが支配する宙空。
 その中を進む一つの民間船。
 それを窓から眺めつつ俺、シン・アスカはため息をついた。
 なんなんだよ、これは。そう胸中で呟く。
 今俺が乗り込んでいるのはナスカ級の艦船だ。
 今回俺はユニウスセブンの追悼慰霊団代表を務める彼女の護衛パイロット
としてこの船に乗り込んでいる。だが肝心の彼女はあの民間船に乗っている。
 考えて見れば当然の話で彼女は追悼慰霊団の代表として民間船に乗り込む必要があり
俺は護衛パイロットとして何かあればすぐに出られるように軍用艦に乗っている
必要があるだけだ。特別仕立ての追悼慰霊団用の船といえどもMS発進はさすがに出来ない。
 そんなわけで俺は護衛用のナスカ級に乗りこみ、彼女自身の警護は
例のホテル等で時たま見かけるサングラスにスーツの女性(確かサラとかいったか。)
を始めとする数人が務めている。
「どうしてるかな、あいつ……。」
 なんでか気持ちが落ち着かない。
 しっかりとした理由があるからこそ余計に胸に釈然としないものが残る。
  2年前の事を繰り返すまいとザフトは今回の彼女と追悼慰霊団の護衛に2隻のナスカ級を
よこしてくれている。
 だったら俺が彼女と行ってもいいんじゃないか?などとも考えてもしまう。
 今頃彼女はあの民間船の中で明るく笑って……はいないだろうな。
 静かで清楚な外向けの「ラクス・クライン」をやっているのだろう。
 俺と外出していた時の「ミーア」とのギャップに思わず小さく噴出した。
「ん?」
 突如としてけたたましい警報が鳴り響く。何があったんだ?
『コンディションレッド発令。コンディションレッド発令。
前方に所属不明機体を数機確認。こちらの哨戒MSが撃破されました。
パイロットは直ちに発進準備を。』
「なんだって!」
 アナウンスが伝える状況に俺は思わず叫んでいた。一体どこの機体なんだ?
「くそっ!」
 俺はとりあえずブリーフィングルームに向かう。パイロットに出撃命令が出ているが
俺はあくまでも彼女の護衛パイロットなのでまずは状況を確認し、彼女の動向に
あわせて動かねばならない。
572通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 05:23:58 ID:???
「ですからラクス様……。」
 ブリーフィングルームに飛び込んだ俺が最初に聞いたのは中年艦長の困りきった声だった。
 モニターには彼女が写っている。むこうの船と通信をしているところのようだ。
「なんなんですか?これは。」
「ああ、ラクス様の護衛パイロット君か。君からもラクス様を説得してくれ。
こちらの船に移るようにと。」
 弱った艦長の言葉を受けて俺は戸惑う。なんだって?
『私はそちらの船には移らないと言っているのです。』
「どういうつもりなんだよ、あんたは!」
 モニターから伝えられる彼女の声に思わず俺は敬語を忘れて怒鳴る。
 周囲が眉をひそめるがそんな事を気にしている場合じゃない。
『この船にいる方々を放置して私だけそちらの船に移る事は出来ないのです。』
 よどみなくはっきりと伝えられる彼女の意思。
「なにを言っているんだよ、なんでそんな事を……」
『それは私がラクス・クラインだからです。』
 俺に見せる明るい普段とはまるで違う威厳のある口調で彼女はそう言葉をつむいだ。
 不意に俺の中でこの前の彼女が言っていた言葉がよみがえる。

「あたしは行かなきゃ行けないの。あたしは、あたしはラクス・クラインだから!」

 ああ、そうかよ。そうやって責任感で自分を縛って、皆から求められる期待に応えて。
 皆に幸せを与えようとする癖に自分の事はほったらかしなのかよ、あんたって人は!
 それで悲しむ人間がいるとか思わないのかよ。
 言葉に出せない感情が自分の中で渦を巻く。だが不思議と彼女の事が嫌いには
なれなかった。むしろそんな彼女を誇らしく思っている自分がいる。
『後方より所属不明機体3機を確認!まっすぐにこちらに向かっています!』
 不意に響いたアナウンスがまたも状況の急変を告げる。
573通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 05:26:54 ID:???
「なんだと! いつの間に後ろに回られた? 今ここのMSはほとんど前方の敵の掃討に向かって
しまったのだぞ!」
 慌てた艦長の声が響く。
「ラクス様、もはや一刻の猶予もありません。今すぐ退避を……」
「その必要はないですよ。」
 艦長の言葉をさえぎって俺の口から意思が流れ出る。
「俺が出ます。」
『シン!』
 俺の言葉を受けてモニターに写る彼女の顔に動揺が走る。
「当然でしょう?俺は護衛パイロットなんですから。」
 そういって俺はブリーフィングルームを飛び出す。
『シン!』
 再度聞こえる彼女の声を背に受けながら。
 
 俺は廊下を走り続ける。自分の愛機が待つ場所に向かってひたすらに。
 今俺は彼女の身勝手な意地を無理にでもかなえてやりたい気分だった。
 それは彼女を狙った敵に対する怒りとあいまって激情を俺の中に生み出している。
「なぎ払ってやるさ! 俺が全部!」
 胸に宿った感情のままに叫んで俺は愛機の元へ急いだ。

間が空いてしまったが感想をもらえた事からまた書かせてもらった単発ネタその15
駄文で悪い。
574通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 13:59:39 ID:???
ラブコメもよかったがシリアスはさらにいい。
実に続きが気になる展開です。
GJでしたー。ついでにage
575通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 15:40:44 ID:???
後方の三機>ブーステッド
愛機>インパルス
なら、原作一話より余程熱い展開
576通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 23:36:27 ID:???
GJでした。
シンの相手はファントムペインかラクシズか。
続きを楽しみにしてます
577通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 02:13:36 ID:???
テラGJ!!
578通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 02:11:27 ID:???
保守
579通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 23:18:46 ID:???
保守
580通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 16:25:03 ID:???
保志
581通常の名無しさんの3倍:2007/09/27(木) 13:21:36 ID:???
( ゚∀゚)o彡゜おっぱい!おっぱい!
582通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 01:18:05 ID:???
「ここだっ!」
 俺は勢いのままに格納庫の扉を開ける。
「あった……。」
 目の前にあるのは俺の愛機。ZGMF-X56Sインパルス。
 特殊な機体で、本来はコア・スプレンダーで発進し空中で各パーツと合体して
戦闘形態になる分離構造のMSだ。
 ただし専用運用艦である「あれ」はまだ進水式を迎えていない。
 その為今回はあらかじめ合体した状態で格納されている。
 昇降機を使ってコクピットへ乗り込む。ヘルメットをつけシステムを起動させる。
 実を言うとこいつで戦うのはこれが初めてだ。
 だけど恐れはない。誰よりもこいつをうまく使ってみせる自信が俺にはある。
 不意に映像が俺の中をよぎる。地面から天に向けて伸びるか細い手。
 全てを失ったあの時から求め続けて来たもの。大切なものを守る為の俺の力。
 それは今MSという形で俺の前にある。
「守りたい人がいるんだ。」
 想いが口をついて出る。操作をする手に我知らず力がこもった。
 
 議長に会いに行く途中の廊下で初めて会った時の彼女。
 ディナーにラムを生で飲んでひっくり返っていた彼女。
 帰り道に俺におぶわれていた彼女。
 ホテルで俺に疑念を突きつけられて妙な顔をしていた彼女。
 二人の時は素の口調でいいと言った時無邪気に喜んでくれた彼女。
 俯いて悲しげな口調で俺を見事にひっかけた彼女。
 ミーアの名前で呼んだときまぶしい笑顔を見せた彼女。
 恋愛映画に行くのを渋った俺をジト目で見据えた彼女。
 街中で俺が買って来たアイスを口にした時、切なげな顔を浮かべた彼女。
 夜の帰り道で人魚姫についての問いを俺に投げかけた彼女。
 目薬を使って俺を引っ掛けてコンサートに行く約束をさせた彼女。
 コンサート会場で輝いていた彼女。
 そしてさっき避難要請を突っぱねた彼女。

 いくつもの彼女が俺の中をよぎる。
 強引で、明るくて、能天気で、小ずるくて、ひたむきな彼女。
 周りの事ばかり考えて自分の事が見えない彼女。
 そんな彼女が俺にはもどかしくもあって……嬉しくもある。
 胸に宿る熱い気持ちを改めて感じる。
 彼女の輝きは誰にも消させはしない。
 どんな敵だろうと俺がなぎ払ってやるさ! 
「だから力を貸してくれ、インパルス。」
 俺は愛機に呼びかける。もう大切な人を失いたくないんだ。

「シン・アスカ、インパルス、行きます!」
 叫んで俺は機体を星屑の世界へと発進させた。

随分間が空いてしまったけど感想をもらえた事からまた書かせてもらった単発ネタその16
駄文で悪い。
583通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 01:27:36 ID:???
な、なんだこの真っ当な少年漫画の熱血系主人公はっ?!
くそ、本来こーいう話になるはずじゃなかったのか、「21世紀のガンダム」は!
584通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 01:29:58 ID:???
毎日更新チェックしててよかったぜ
今回もGJです
585通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 09:14:25 ID:???
Godjob!
586通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 23:00:31 ID:???
ミーア最高
587通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 01:45:14 ID:???
シンミア(・∀・)イイ!!
588通常の名無しさんの3倍:2007/10/05(金) 20:12:26 ID:???
いつのまにか職人が降臨してたのか
しばらく離れてたけどマメにチェックしよう
良スレageage
589通常の名無しさんの3倍:2007/10/06(土) 08:45:40 ID:???
( ・∀・)イイ!!
590通常の名無しさんの3倍:2007/10/06(土) 13:23:55 ID:???
 無限に近い星が瞬く星屑の世界。
 その中を俺、シン・アスカとインパルスは駆け抜けていく。
「……あれか。」
 レーダーに表示される所属不明の3機。前方からまっすぐこちらに向けて機動している。
 一旦機体を止め、敵機と状況の確認に努める。
「これは……ジン!」
 カメラによって映し出されたその姿に俺は思わず声を上げる。
 トサカのように頭部から伸びる多機能センサーアレイに単眼カメラ、
 そして後背に付いた翼のような形の背部スラスターカバー。
 そこにあるのは確かに前大戦においてザフトの主力であったMSだ。
 ただ通常と違い、全体を黒く塗装し胸と肩に特徴的な紫の装甲を取り付けたジン。
 ZGMF-1017M2ジン・ハイマニューパ2型。
「なんだってザフトの機体が彼女を?」
 動揺と疑問が思わず俺の口を突いて出る。
「一体何が起きているんだよ!」
 苛立ちながらも俺は公共の回線で前方の3機に向かって呼びかける。
「こちらザフト軍所属、シン・アスカ。そこの3機、交戦の意思が無いならそこで止まれ!」
 こちらからの警告にも関わらず、前方の3機は止まる気配を見せず機動を続ける。
「くそっ! やっぱりこいつらはっ!」
 叫んで俺は機体を再び機動させる。
 こちらが放ったビームライフルの射撃に3機が散開する。
 それが戦闘開始の合図となった。
 
 散開した3機のジンHM2型が持つビームカービンから、大量のビームが乱れ飛ぶ。
 狙いが荒い。機体を滑らせてかわしながらそう感じる。
 敵は3機といっても、インパルスの機動性は
 前大戦の機体であるジンHM2型をはるかに凌ぐ。
 機体を左右に滑らせながら、タイミングを捉えて出力を上げ上昇させる。
 散開した敵機のうち一機を斜め下方に捉えて照準、ロックする。
 まだ敵機はこちらの動きに反応出来ていない。取った!
 そう確信しながらビームライフルを放とうとしたその時、不意に背筋を冷たいものが走る。
 こちらがロックオンされた事を示す警告音が鳴り響き、俺は反射的に機体を後方にそらす。
「なっ!」
 俺が機体を後方にそらした瞬間、先ほどまで俺がいた空間の、
しかもコクピットがあった辺りを正確に一筋のビームが駆け抜けていった。
 俺は機体をビームが放たれた方に向ける。
 そこにいたのは銃をこちらに向ける一機のジンHM2型。
 そこから放たれる射撃。数は少ないものの正確なそれを俺は機体をそらして外す。
 他の敵2機もこちらに向けて射撃を再開し、俺はそれらをなんとかかわし続ける。
 先ほどの数を絞った正確な射撃、あれだけでわかる。あいつはベテランだ。
「くっそーーー!なんなんだよ、こいつらはーーーっ!」
 ビームの雨をかいくぐりながら俺は叫ぶ。その時不意に向こうから通信が入る
『惰弱なクライン派の犬が……。』
 怨念をこめたような厳しい男の声。
 それが不意にコクピットに響き、即座に通信は途切れた。

間が空いてしまったが感想をもらえた事からまた書かせてもらった単発ネタその17
駄文で悪い。
591通常の名無しさんの3倍:2007/10/06(土) 16:58:48 ID:???
コーディのテロ屋が敵かwシンはやっぱまだ未熟ですのう
続きにwktkしてまふ
592通常の名無しさんの3倍:2007/10/06(土) 22:22:52 ID:???
割り込みすまん。弟が最近フィギュア誌のミーアを気に入ったらしく、種死でのミーアの登場する話だけみたいから何話に出るのか教えろと言ってるんだがミーアは何話が初登場と考えればいい?シルエットのみの7話か、ちゃんと登場した9話か?
593通常の名無しさんの3倍:2007/10/06(土) 22:24:31 ID:???
普通に考えれば9話。だが一番いいのは「本編は見ないほうがいい」と弟を説得することだと思う。
でもって「ジ・エッジ」でも勧めるがよかろう。 高山版ではミーアほとんど出てこないし。
594通常の名無しさんの3倍:2007/10/06(土) 22:34:10 ID:???
7話じゃないのか?俺も9話な気はするが、どうなんだろう。ジエッジは俺も好きだ。ミーア視点の番外編は神
595通常の名無しさんの3倍:2007/10/06(土) 22:37:27 ID:???
ジエッジのミーアはいいこ
596通常の名無しさんの3倍:2007/10/07(日) 00:02:44 ID:???
ジ・エッジのミーア可愛過ぎ
「欲張りなのね。できることなんて一つだけでいいじゃない」はミーア至高の名台詞
これはどう考えてもシンに言ってあげるべき言葉だった、異論は認めない
597通常の名無しさんの3倍:2007/10/07(日) 00:16:31 ID:???
>>596
名言だ。感動した。
このスレが雑談で盛り上がれるようにまで復興するなんてなあ。
保守だけ書き込まれてた昔を思うと感動だぜ。
598通常の名無しさんの3倍:2007/10/07(日) 00:23:11 ID:???
職人のこまめな投下のおかげですな。
599通常の名無しさんの3倍:2007/10/07(日) 00:41:03 ID:???
投下が始まってかれこれ百レスか。感慨深い。
600通常の名無しさんの3倍:2007/10/07(日) 19:31:23 ID:???
シンとミーアは不思議な関係です
601通常の名無しさんの3倍:2007/10/10(水) 04:43:51 ID:???
保守
602通常の名無しさんの3倍:2007/10/12(金) 13:52:37 ID:???
 閃光が驟雨となって俺の機体目掛けて飛び交う宙空。
 自機に追いすがる3機のジンHM2型が持つ銃口から立て続けに放たれる破壊の光。
 それを俺、シン・アスカは自機をすべらせ、ひねらせなんとか回避を続ける。
「くそっ! こいつらぁ!」
 苛立ちが口をついて出る。かわすのに手一杯で反撃の糸口がつかめない。
 敵3機のうち、2機が放つ狙いは荒いが大量の閃光。
 それをかわして反撃に出ようとするが、そこで決まって敵の一機から
少ないが正確な射撃が放たれる。それを回避する事で反撃のタイミングが潰され、
そこへ他の敵2機による大量の射撃がまた始まる。
 先ほどから何度かこの流れを繰り返し、苛立ちが俺の胸を焼く。
 猟師に追い立てられる獣はこんな気分なんだろうか?
「いつまでもこんなやり方に……付き合っていられるかよ!」
 敵の戦術の核になるのは正確な少数の射撃をしてくる一機。
 おそらく先程俺に通信を送ってきた奴だ。
 他2機が牽制と撹乱を行い、あいつが仕留める。そんな所だろう。
「だけど手口がわかれば……。」
 俺は機体を下方に向けてブースター出力を上げ、急降下させる。
 そしてそのまま機体を横にすべらせ、すぐさま反転し逆方向に上昇させる。
 カメラの端に写るのは1機のジンHM2型。
 それに向かって進路を調整し、俺は機体を突撃させる。
 そう、この『仕留め役』は常に俺の死角から射撃を行っていた。
 他の2機が俺を撹乱している間にこいつが優位なポジションを取ることに専念し、
こちらが動きを止めた時に狙撃する、これがこいつらの戦術だった。
 急に反転し自分の方に向かってきたこちらに対し、敵機は急いで迎撃しようとする。
「遅いんだよ!」
 敵機が放った一発の閃光を速度を落とさぬままかわし、そのまま一気に距離をつめる。
 自機の脚部を振り上げ、敵機の胴部に加速の勢いを載せた蹴りを思いっきり叩きつけた。
 後方に向かって派手に吹っ飛んでいく『仕留め役』の敵機。
 俺はすぐさまその場所から離れ、反転する。
 他の敵2機は向かってきたこちらに対し慌てて射撃を開始する。
 それらをかわしてビームライフルを一射、放たれた閃光が敵の一機を撃ち抜く。
 そのまま機体を滑らせて残るもう一機の射撃をかわし、側面から敵機をロック。
 自機が放った閃光は狙いをたがわず標的を貫いた。
「ふう……。」
 俺は思わず息をもらす。だがまだ油断は出来ない。あの手強い相手がまだ残っている。
 俺は先程『仕留め役』の敵機を蹴り飛ばした方向に自機インパルスを向ける。
 あれだけの衝撃をたたきつけた以上、敵の機体にダメージはないはずはないが。
「あいつは……レーダーに反応は無い。くそ、逃げたのか?」
 周辺にそれらしい機影はない。まさかあれで死んだとは思えないが。
「なんなんだよ、本当に!」
 やり切れない気持ちを抱えたまま、とりあえず俺は一旦帰還すべく進路をとった。
「あいつどうしてるかな。」
 不意に言葉が口をついて出た。
 一人の少女の影が心によぎり、それが容易に離れない。
 俺は周囲を警戒しつつ母艦のある場所へと機体を急がせた。

感想をもらえた事からまた書かせてもらった単発ネタその18
駄文で悪い。
603通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 02:46:07 ID:???
GJ!
シンも結構手間取ったみたいだけど初陣にしちゃ上出来か。
次はミーアでるかな?
604通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 03:08:36 ID:???
>>602
続きでミーアだしてー!!
605通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 03:16:14 ID:???
ミーアミーアミーアミーアミーアー
606通常の名無しさんの3倍:2007/10/14(日) 00:51:41 ID:???
今回もGJでした。
このシンはミーアに何かあったら種割れしそうですね
607通常の名無しさんの3倍:2007/10/16(火) 07:58:19 ID:/Sms0ypz
保守
608通常の名無しさんの3倍:2007/10/17(水) 04:15:20 ID:???
 周囲を警戒しつつ機体を星屑の世界に機動させ、
 目的とする座標を俺、シン・アスカは目指す。
「そろそろだよな。」
 期待と不安、両方を気持ちに織り交ぜながら俺は呟く。
 レーダーが前方に存在を探知する。3隻の艦の存在を。
 そのうち2隻はナスカ級戦艦、1隻は民間船―――彼女の乗る船だ。
「無事だったのか。」
 メインカメラで捉えられる距離まで来て確認、俺の胸の中を安堵が満たした。
「こちらザフト軍所属、インパルス、シン・アスカ。後方の敵機の撃退に成功しました。
これより帰投します。」
 簡潔に報告を終えて通信を切り、帰投するためにもといたナスカ級へ近づく。
 カメラの映像では前方の敵迎撃から戻ってきたと思われるザフト製MS達が
反対側からやってくるのが見える。
 その機体群の中に一機、やけに目立つオレンジ色に塗装された機体が俺の印象に残った。
 
 結局襲撃してきたテロリスト達の正体は不明。目的も不明。
 艦の前方から襲撃してきた敵MS部隊も大打撃を受けて無事撃退されたそうだ。
 ちなみにそれにはオレンジ色のブレイズ・ザクファントムの活躍が大きかったとか。
 これらの情報を戦艦の中で聞き、俺は控え室でベンチに座りドリンクを補給する。
 MS操縦と戦闘で消耗した身体に補給される水分と養分が心地いい。
「結局なんだったんだよ、あいつら……。」
 息をつき、先程までの戦闘を振り返る。何が起きていたんだ?
 ザフト製MSを使用した集団がなんでこんな事をしたんだ?
 わからない事が多すぎてそれが苛ただしい。
 そもそも何が目的だったんだ?彼女ではなくザフト軍自体を敵視していたのか?

『惰弱なクライン派の犬が……。』

 いや、違う。俺は先程の戦闘で敵から入った通信を思い出し、胸中でかぶりを振る。
 あの怨念をこめたような声、あれは明らかに『クライン派』に対して執着を持っていた。
 だから『ラクス・クライン』である彼女を狙ったっていうのかよ?
「くそっ!彼女が何をしたって言うんだよっ!」
 我知らずドリンクの容器を持つ手に力がこもる。
 皆の為に、ってあれだけ彼女は頑張っているのに!
 先程戦った敵機の姿が思い浮かぶ。
 あいつは今度会ったら必ず俺が倒してやる。
 心の中で決意が熱を帯びた。
609通常の名無しさんの3倍:2007/10/17(水) 04:17:47 ID:???
 当然の事ながらこのような騒ぎの後で追悼慰霊のイベントが続行されるわけもなく
中止の運びとなった。
 彼女は多少不満気ではあったけど、民間人その他の安全を考慮するように言われて陥落した。
 それならせめて、という事で本来ならユニウスセブンに着いて歌うはずだった歌を
帰還中の船内で歌う事になった。
 コンサート会場で歌ったときは明るい感じで歌う事が多かった彼女だけど、今は打って変わって
静かに歌を奏でている。その様は俺のいるナスカ級戦艦の控え室にも中継されている。
 静かな曲調でも良く響く彼女の声。それは優しくて、柔らかく、心に染み渡る天使の旋律。
 心の奥底が不意に揺さぶられる。思い出されるのは小さな少女の後ろ姿。
 黒い髪を振り、小さくて華奢な体つきでただひたすらに俺の前を走っていく。
 追いかけっこをして捕まえた時、振り返って見せたはにかんだ笑顔。
 何故かそれが思い出されてしまった。
「マユ……。」
 心なし声を震わせ、俺は呟く。
 今俺がいるはるか彼方に地球が、そしてオーブがある。マユが眠るオーブが。
 今中継されている歌はユニウスセブンに眠る人達に届いているだろうか?
「地球まで届けばいいのにな、この歌。」
 この優しい歌がオーブのマユにも届いて欲しい、
 俺はそう思わずにいられなかった。

感想をもらえた事からまたかかせてもらった単発ネタその19
駄文で悪い。
610通常の名無しさんの3倍:2007/10/18(木) 00:28:47 ID:???
GJ!
駄文なんかじゃないですよ!
次を期待して待ってます!
611通常の名無しさんの3倍:2007/10/18(木) 07:31:42 ID:???
GJ!
シンが切ない感じだ。
612通常の名無しさんの3倍:2007/10/19(金) 15:34:30 ID:???
GodJob
613通常の名無しさんの3倍:2007/10/19(金) 23:37:41 ID:???
GJでした。
シンが立派に主人公してますね
614通常の名無しさんの3倍:2007/10/20(土) 14:22:41 ID:???
何気にこのスレがSS倉庫に登録されてるな。
615通常の名無しさんの3倍:2007/10/21(日) 20:35:14 ID:???
GJ!
616通常の名無しさんの3倍:2007/10/23(火) 00:49:30 ID:???
GJ
617通常の名無しさんの3倍:2007/10/25(木) 04:17:07 ID:???
 高級そうな造りのソファに俺、シン・アスカは座っている。
 手に持った缶コーヒーの缶をわずかに振り、
その残量を意味も無く確認する作業を先程から何度となく続けていた。
 俺はそれが無意味だっていう事はわかりきっている。
 ここは何度となく彼女に呼ばれて来た事のあるホテルで、今俺がいるのはその待合フロアー。
 それなのに今日は彼女の部屋に向かおうとすると何故か戸惑ってしまう。
 俺はその原因を探るために少しこの前の事件から今にいたるまでの流れを
 振り返って見る事にした。

 結局あの襲撃事件の後、特に何事も無く俺達はプラントに戻った。
 プラントに着くなり彼女はすぐさま護衛やらなんやらに取り囲まれて
連れて行かれてしまった。その為ろくに話をしていない。
 結局今回彼女と話をしたのは襲撃事件の時の通信だけだった。
 パートナーとは言われてもこういう所で否応無く立場の違いを認識させられる。
 それから数日が過ぎた。襲ってきたテロリストの目的も正体も明らかになってはいない。
 テレビや新聞その他のメディアで『ラクス様』に今回起きた災難について様々な憶測が飛び交い、
それはまた新たな憶測を呼んだ。
 そんな中で俺は彼女自身の様子についてはメディアから流される情報をただ拾い集めるしかない。
 総合して見ると特に今は問題無いそうだ。その事にひとまず安堵する。
 日々流れる彼女についての情報に、俺は改めてプラントにおける彼女の存在の大きさを感じた。
 もし彼女が姿をくらませたらどうなるんだろうか?
 政治家の人達は彼女の代役でも立てるんだろうか?
 まあ、彼女の代わりになるような人がそうそういるとは思えないけど。
 そこまで思案して、突拍子も無い事を考えている自分に苦笑したりした。
 そんなある日、俺に久しぶりに彼女からの連絡が来た。
 日時が指定され、いつものホテルで会いたいという趣旨だった
618通常の名無しさんの3倍:2007/10/25(木) 04:18:30 ID:???
 そういうわけで今日俺は今、彼女といつも会うホテルの待合フロアーにいる。
 会いたくなかったと言えば嘘になる。
 でも今の俺は何故か彼女の部屋に行く事に躊躇いを感じてしまっている。
 今まであまり感じてこなかった俺と彼女の距離。今回の事件以来それがやたらと意識させられる。
 最初にここに来た時はこんな事感じなかったのに。
 ……最初? 最初ここに来たとき確か俺は―――
 不意にいくつかの場面が心をよぎり、それが俺に大切な事を思い出させた。
「ああ、もうっ!なにやってるんだよ、俺は!」
 最初にここに来た時俺は彼女になんて言った?
『俺達はこれからパートナーになるんですから。』
 そういったのは俺だったんじゃないのかよっ!
『なんなら二人の時はその口調で構いませんよ。俺も堅苦しいのは嫌ですし。』
 偉そうにこんな事言ったのは誰だったんだよ!
『本当に?ならこれからはあたしは貴方の前では素で喋るようにするわ。
シン、これから本当の意味でよろしくね。』
 俺の言葉に彼女はこう言ってあんなにも喜んでくれたじゃないかよ!
「くそっ!」
 こんな事している場合じゃない。もうすぐ待ち合わせの時間だ。
 俺は急いで立ち上がり缶コーヒーの残りを一気に飲み干す。
 そして缶をゴミ箱に放り投げ、目的の部屋に向かって急いだ。

感想をもらえた事からまた書かせてもらった単発ネタその20
619通常の名無しさんの3倍:2007/10/25(木) 06:19:29 ID:???
とりあえず続きをwktkしながら全裸で待つ。
620通常の名無しさんの3倍:2007/10/25(木) 23:05:51 ID:???
GJでした。
しかし、シンはこれから前線行ったりミネルバ乗って地球へなんてことになったら、ミーアの事が頭から離れなくなって、死亡フラグっぽくなってしまうような。
621通常の名無しさんの3倍:2007/10/28(日) 00:19:01 ID:???
GJです
続きも期待してますよ〜
622通常の名無しさんの3倍:2007/10/28(日) 22:40:20 ID:???
ほしゅ
623通常の名無しさんの3倍
乙です

凄いなー…何でこんなに文章書けるんだろ?
素直に尊敬出来る