2get
万丈目3だ
4ん・アスカ、コアスプレンダー逝きます!
初の一桁台いただき 5だったら最近思いついたネタ書く
乙!
∧∧ )
⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡(⌒
8 :
537:2005/10/12(水) 23:42:56 ID:???
ハチゲット〜〜
9 :
9:2005/10/13(木) 00:02:38 ID:lTOmKIFT
9get!
10GET
11 :
江ノ島:2005/10/13(木) 03:20:37 ID:???
>>1乙
つーか、改めてPP・マユ戦記やらを種のサントラ曲流しながら読んだら
またまた萌えるわ燃えるわ泣けるわで今日一睡もしてねwwwwwwwwwwwwww
まぁ今日会社休みだからいいんだが
なんか、音楽も本編あってこそ引き立つっつー事を酷く痛感させられたわ
オマイラもいっぺんやってみ?シャレんなんねぇ
曲ならぐぐればいくらでも見つかるし
>>12 普通に読みながら脳内に鳴り響きますが何か?w
15 :
しのはら:2005/10/13(木) 12:48:36 ID:???
第四話投下します
「ヤマト大尉の回顧録」
俺の人生はある所から狂い始めた。
中立国オーブのコロニーヘリオポリスで平和を享受していた俺たちに鉄槌が下ったのは、丁度コーディネーター対ナチュラルの争いが膠着状態に陥った頃だ。
地球軍のMSを秘密裏に開発していたヘリオポリスはザフト軍の奇襲を受け、そこから派生した戦闘で崩壊した。
流れで地球軍MS「ストライク」に搭乗するハメになった俺は友人たちを守りたい一心で、アラスカへ向かうアークエンジェルと行動を共にした(まあ、せざるを得なかった面も多少あったが)
俺は戦いの中で精神をすり減らす中、コーディネーターの自分とナチュラルの友人たちの距離を感じるようになっていた。
フレイ・アルスターと傷を慰めあったのも、丁度この頃になる。
オーブで内密に補給及び修理を得たアークエンジェルは、俺の親友アスラン指揮する部隊に奇襲され、俺は辛くも四機のガンダムのうち一機を撃破した。その機体はニコルとかいう少年のもので、アスランの親友だったらしい・・・。
次の戦闘で親友を殺されたのは俺の方だった。トール・ケーニヒ・・・断末魔の絶叫は今でも頭から離れない。
俺は逆上し、明確な殺意を持ってアスランに襲いかかった。その内容は未だに思い出せない、いや・・・思い出したくないのだ。
その戦いで俺はアスランの自爆攻撃を受け、MIAに認定されてしまった。
気付いた時、俺は大いなる罠の中へ入っていた。
俺は大火傷を負い死にかけていたところを通りすがりのジャンク屋に拾われ、何を間違ったかプラントに来てしまっていた。
ピンクの・・・いや、悪魔の歌姫ラクス・クライン
俺はラクスの邸宅にかくまわれ、彼女に洗脳されてしまった。「彼女は正しい」という思考を植え付けられたのだ。
彼女は言った。
「思いだけでも、力だけでも駄目なのです」
今考えると、ある種のコメディだ。その二つを両立させるのは不可能だ。できたとしても、一人で行えるものでは到底ない。
その後俺は洗脳されたまま、アークエンジェルクルーや親友のアスランをも仲間に引き入れ、戦いを終わらせるために戦う「テロリスト集団」に仲間入りした。
俺たちの活動は確かに戦いを終わらせたかもしれないが・・・。
戦後、ラクスや三隻同盟の仲間たちはプラントから逮捕された。
ラクスが頑なに自分の正当性を訴える一方で、「被害者」たちは口裏を合わせて彼女を批判した。
誰だって他人のせいで銃殺されたくはない。
ギルバート・デュランダル議長の弁護もあって俺たちは死刑を逃れた。
アスランはアレックス・ディノとしてザフトに出戻り、ディアッカは親友イザークの監視下で彼の隊に入った。
俺、キラ・ヤマトは帰る場所もなく、ザフト支援組織「三隻同盟軍」大尉として現在に至る。
そしてラクスは超危険分子として軟禁され・・・帰ってきた。世界への怒りを胸にして。
今ネオザフトには「キラ・ヤマト」がいるらしい。勘弁してもらいたいところだ。
だから俺は過去にケリをつけることにした。
・・・許せないから
格納庫のハッチが開き、無限の宇宙が広がる。
俺はムラサメAを飛翔させた。
「キラ・ヤマト、出る!」
投下終了です
ではノシ
GJです。乙です
この楽酢の洗脳力は本編の広域放送局でなく
ワイヤレスマイク程度にスケールダウンしていて
人間に戻してありますね。
保守
「うぇーい。」
「・・・・暇だな・・・。」
ステラとアウルは座って戦闘を眺めていた。
「・・・お前らなぁ!!そんなこと言うなら召喚獣に頼らないで戦えよ!!」
召喚獣に指令を出していたスティングは叫んだ。
確かに召喚獣が強い事は、一般的にFFなどのRPGをやってる方は解かると思うが、
理由はもう一つあった。
まず、皆さんが始めて覚えた召喚魔法を想像してほしい。解かるのならFF]が好ましい。
結構、後半の方になってくると使わない事も多かったのでないだろうか?
しかし、スティングが始めに覚えていた召喚魔法は、そんなものではない。
FF]で、スティングの中の人が誰の声をやっていたか覚えているだろうか?
まぁ、そいつは主人公グループが後半の方でいろいろな条件をクリアしてやっとこさ
手に入れられる強力な召喚獣を始めの方のムービーで披露してくれちゃったりする。
まぁ、とどのつまり解からない人にもわかるように言えば、本来ならば
物語の最終場面のやりこむ所で手に入れる激強力な召喚獣を中の人効果で
スティングは手に入れたわけである。
「・・えー。」
「えー。」
スティングの言葉に文句を言うステラとアウル。
「じゃ・・、ステラやる・・・。」
そう言うとステラはモンスターに駆け寄り、盗んだ。
「アメちゃん・・・・ゲットだぜ・・。」
「そんなんかよ!!たかがアメかよ!」
スティングが突っ込む。
「がんばれー!!」
アウルの『応援』!みんなの攻撃力がアップした!
「そんだけかよ!!だから戦えっつの!」
「別にいーじゃん。レベルが上がればさぁ・・・。」
「お・れ・が!!良くないんだよ!!」
召喚獣がもしやられたらどうする気だ、召喚獣は普通のアイテムじゃ回復しないんだ。
スティングはそんな事を考えたのだが、ステラ達が理解してくれるはずもない。
レイと言い、アスランと言い、リーダーはどっかしら苦労するものである。なむさん。
さて、戦闘終わってスティングがぐったりとしていると、旅人が通りかかった。
金髪のローブと着物の中間のような服少年とマントを羽織ったアジア系の黒髪の青年だ。
「あなた、召喚師ですか?」
金髪の少年が話しかけてきた。
「あぁ。」
「そうですか?!僕もなんです!あ、申し送れました。僕、レノートと言います。
で、あっちの人が・・・・・。」
少年が紹介しようとした青年はとっとと先に行ってしまってる。
すると金髪の少年はそっちに走っていき、青年のマントを踏んづけた。
もちろん、青年はビッタンと地面とキスをする。
「何をする?!」
「何をするじゃありません!!僕があいさつしてるのにどうしてとっとと先にいっちゃうんですか?!」
「うるさい!!おれはたまたまお前と旅をしてるだけでお前に合わせる必要はないだろう!」
「まぁ!!一体どんな育ちを受けて来たんですか?!」
「『生きているうちは負けじゃない!』」
「分けが解かりません!!」
そして、少年は青年の顔面に思いっきり杖をぶつける。そのままずりずりと
こちらへ青年を引きずってくる。
「この方はリオンさんです。僕の村にたまたまいた傭兵さんです。」
話を聞くに、なんでも少年は村の巫子で王都に使者としていくらしい。
しかし、いくら召喚師といっても十歳ほどの少年だけでは不安である。
そうしたら、村にこれから王都に行く傭兵が止まっているというではないか。
なので村人は少年の同行人を傭兵に頼んだらしい。傭兵も回復が出来る奴がいると便利なので
承諾したらしい。
スティング達も一通り自己紹介をする。
「皆さんはどちらへ?」
「いや・・、人を探してるんだが・・・。」
「じゃあ、王都に行きませんか?あそこなら人が集まりますし・・・。」
何の因果か、この五人はパーティを組む事になった。
四人以上でもNPCなので問題はないらしい。
スティングは安堵した。これでようやく負担が減ると・・・。
保守
マユって赤服はそんなに似合わないような
連合ピンクとオーブ軍服は激しく似合う
そりゃキラ許せんわなw
>>25 絵板を見る限りじゃけっこう可愛いくね? おすすめ。
誰か連合ピンクとオーブ軍服のマユも描いて
って、連合ピンク着てるマユいないか
まとめサイト3万ヒット突破乙
遅かれながら新スレ
>>1乙!
>ほのぼのマユデス
中の人ネタワロス
>マユ戦記
不思議なことに、キラに共感できますw
おはようございます、運命の舞踏 PHASE 1 投下します
34 :
1/8:2005/10/14(金) 08:19:36 ID:???
Cosmic Era.73年10月
―L−4 新造プラント アーモリーワン―
一年前の戦争終結後に新設された、軍需工廠の機能を併設するプラント。
日頃は軍服姿の人間の方が多い街角なのだが、ここ数日は一般人、しかも上流階級らしき装いの者が多く出歩いている。
多分、新造艦の進水式に出席する人たちなんだろう。
曲がり角の壁にもたれながら、華やかになった街を眺める少女はそう考えていた。
淡いクリーム色のフレアワンピースに桜色のボレロを羽織る、12、3歳くらいの小柄な少女。
彼女の名前はマユ・アスカ。
「……おっそいなぁアゼル。 早くしないと買い物できないよぅ」
手にしていたピンクの携帯へ視線を落とし、時間を確認したマユは口を尖らせた。
彼女が参加する式典を前にした最後の休憩時間。それを利用して買い物をしようと思っていたのだが…
「しばらく上陸できないだろうから着替えがもう少し必要だろうし、シャンプーも…酒保の軍用品なんて使ってらんないよー」
はぁ、と深い息をつきながらぼやく。
一刻も早く出発したいのはやまやまなのだが、荷物持ちを頼んだ同僚がまだ来ないのだ。
「しょうがないなー。もう少し待って、来なかったら一人で行こっと」
パチンと携帯を閉じ、ポシェットにねじ込む。そして、背にしていた煉瓦造りの店のショーウィンドウへと視線を動かした。
「…ぁ。 あーっ、これカワイイー!」
歓声を上げながらショーウィンドウに張り付いた彼女の視界には、所狭しとディスプレイされた沢山のぬいぐるみが映っていた。
両手でやっと抱きしめれるぐらいのテディベアや、抱き枕用の大きなイルカを食い入るように見つめる。
それからどれぐらいの間、にらめっこしていたろうか。
ふと、隣にもう一人、自分と同じように立ちつくしていることに気がついた。
そう。まったく同じように、両手をついてガラスに張り付き、開いた口をそのままにぬいぐるみを見つめている少女がいることに。
柔らかにウェーブがかった金髪が印象的な彼女は、マユより三つ四つほど年上だろうか。
店頭に見入っていた彼女の視線が、ふとマユの方へと移る。
「カワイイよね、これ」
「うん、カワイイ」
視線が合った二人。最初に言葉を発したのは、にっこり笑ったマユだった。年上の少女もまた、笑顔を見せる。
同じ対象への感情の共有が、初対面の彼女らの間に親しい雰囲気を作る。
「あたしあの大きなクマさんがいいなぁ。ぎゅっと抱きしめて、もふもふってしたい〜!」
「…あれがいい、青いの。 海の色のイルカ」
「それも捨てがたいなー…あーでも、大荷物になるしなぁ。持っていけないや…」
「んー…私も……」
あれやこれやと感想を口にしたり、大きさや値段を見てガッカリしたり、店先で語り合う少女二人。
親しげなその姿は、はたから見れば仲のいい友達同士に見えただろう。
35 :
2/8:2005/10/14(金) 08:21:03 ID:???
「おい、ステラ。何してんだ?」
突然横手から聞こえてきた声に、マユは夢心地の気分から我に返り、隣を見た。
「あ…スティング。アウル」
その声の主、歩み寄ってきた二人組の少年たちを見て金髪の少女が声を上げる。
「んーったく、どこ行ってんだよ!探したんだぞー俺ら!」
きょとんとした顔をしている少女へ、不機嫌さを隠さない様子でわめいているのは青髪の少年の方。
もう一方の短い緑髪を立てた少年も、口こそ開かないが似たような思いなのだろう。眉間に少々しわを寄せている。
そんな二人を前に、ステラと呼ばれた少女は、二人とショーウィンドウを見比べて、うーと困ったように小さく呻いた。
「……あのね、スティング。ステラあれ欲しいの」
そう言いながら指差したのは、先ほど彼女がしきりに気にしていたイルカの抱きぐるみ。
「な、おいおい…そりゃ無理だろ。土産にするには、少し大きすぎるぞ」
「バーカ、なに言ってんだよ!背中にでもくくって背負ってくつもりかー?」
彼女の言葉に、一瞬ほうけた顔を見せた後、渋い顔をする緑髪の少年。
後方では青髪の少年がオーバーアクションで呆れていた。
「うー…でも……。」
がっかりしたようにうなだれる少女。しかし、諦めきれないのかもぐもぐと反論になりきれてない呟きを繰り返している。
「まぁ、今は我慢しとけ。 また今度、暇な時だったら同じようなの探してやるからさ」
その様子に緑髪の少年が苦笑し、なだめるように彼女の頭にポンと手を乗せた。
どうやらそれで納得したようで、少女はコクンと大きく頷いた。
「なー行こうぜー。そろそろ行かないと時間になっちまう」
「ああ、分かった…行くぞ、ステラ」
「うん。」
二人に促され、ショーウィンドウから離れる少女。去り際、名残惜しそうにマユの方へ振り向いた。
「ステラ、行かなきゃ…バイバイ。」
残念そうな、さみしそうな響きを含んだ言葉に、マユはうんと深く頷き、そしてにっこり笑った。
「お姉ちゃん、ステラっていうんだね!あたしマユ。マユ・アスカ!」
「私はステラ・ルーシェ…あなたは、マユね」
笑顔を見せるマユへ、金髪の娘もつられたように微笑んだ。
そして、後ろで急かすように視線を投げかける二人の方へと歩いていった。
「ステラ、またね!」
「? また…ね…?」
背中に投げかけられたマユの言葉に、不思議そうな顔でもう一度振り返る。
「そう! また会おうね!」
もう一度言い直された言葉で意を解したのか、ステラの顔がパッと明るくなる。
「…うん! また会おうね!」
マユへと手を振りながら、嬉しそうに言うステラの言葉を耳にしながら、青髪の少年は嘆息交じりに呟いた。
「……またね、か。 あるわけねーだろうに」
36 :
3/8:2005/10/14(金) 08:21:53 ID:???
ステラの姿が曲がり角の向こうに消えるまで手を振っていたマユは、笑顔に少しさみしさを見せながら、手を下ろした。
しばし目を閉じ、楽しかったステラとのひと時を思い起こす。
そして、気づく。 街頭に立つ時計が示す時針の位置に。
「って、まだ来てないしアゼル! もう知らない!先行っちゃおう!」
既に一時間以上遅刻している荷物持ちに憤慨し二、三度地団太を踏んでから歩き出した。
「ええと、服買ったでしょ。シャンプーにボディーソープに歯磨き粉に……おやつはかさばるからあとでも良いかなぁ…」
ぷらんぷらんと片手に紙袋を提げながら、指折り呟きながら商店街を歩くマユ。
結構買い込んだのか、膨れ上がった重たい紙袋を時々うっとうしそうに反対の手に持ちかえつつ。
他に欲しかったものはあったかしらんと、道沿いの店頭をちらちらと眺めながら歩みを進めていたが、ふと立ち止まる。
隙間を探すほうがよほど難しいぐらい、店先のガラスに貼りたくられた桃色髪の少女のポスターの前で。
「あー、そっか! これ今日が発売日だっけ。買わなきゃ!」
プラントの歌姫、ラクス・クラインの新譜宣伝用のポスターに惹かれるようにパタパタと駆け寄っていく。
店頭には、同じくポスターの貼られた大きな棚が特設されていて、彼女の探す音楽ディスクはそこを埋め尽くしてたのだろう。
しかし、発売日当日のせいか、既に数枚しか残っていない。
しかも、彼女の背では微妙に届かない最上段にしか。
「うー…このっ、あとっ、少しぃぃっ!」
棚の前でトントンと跳ね、必死に手を伸ばすもギリギリの所で重力に足を引っ張られてしまう。
そんな行為を何度か繰り返したあと、膝に手をついて息を整え、大きくジャンプしようと棚を睨み据えた時。
スッと横から伸びてきた細い手が、彼女の狙うフラッグを奪った。
ふぇ、と思わず間抜けな声を上げて硬直するマユをよそに、ディスクを手にした人物はじぃとそれを凝視していた。
年頃は17、8歳ぐらいだろうか。黒いレザーで統一した服装の青年で、首にはベルトを模したチョーカーを付けている。
顔立ちも体格も線が細いので、個人によって好みの差はあるだろうが
癖のない栗色の艶髪と紫の瞳を持つ涼しげな顔立ちは、世間的に見て美形と言っても十分差し支えなかった。
そんな彼の容姿を、ぽかんと口を開けながら見上げていたマユ。すると彼は、彼女に気づき声をかけた。
「ねぇ。これ、発売されたばかりなの?」
37 :
4/8:2005/10/14(金) 08:22:57 ID:???
向こうから切り出された言葉をきっかけに、マユはその青年…ケイ・サマエルと名乗った彼と店先で会話し始める。
聞くに、彼はついさっき地上からの便でプラントに訪れたばかりで、新譜の情報をまったく知らなかったとのことだった。
以前からラクスのファンだったのだが、地上ではいまだに彼女のディスクは入手困難ならしい。
大変なんですね、と相槌を打つ彼女の手には、先ほどケイに取ってもらった音楽ディスクが大切に抱えられている。
「へぇ…ベスト盤なんだね、これ」
「ベストって言ったって、どれもいいと思うんですけどね。あたしだったら選べませんよ、ホント」
ケースの裏面に書かれた曲目リストを見ながらのケイの声に、マユは納得いかないように首を傾げながら答える。
「ラクスさんの曲って全部好きなんです、あたし。落ち着くし、それになんだか元気が出るから」
「…そうだね、僕も思うよ。彼女の歌なら、世界全てを癒すことも出来たんじゃないかって…」
隣に立つ青年の言葉の中に、ごく微かに混じった震え。それに気づきマユは顔を上げて彼の横顔を見た。
そして、息を呑んで黙り込む。 彼の紫暗の瞳に映っていた、あまりに深い哀しみの色に。
「でももうすぐ、復帰するって聞きましたよ。だから、今回ベスト盤を出したんですって」
青年の言葉に交えられていた過去形が気になって、励ますつもりで彼女はそう言ったのだ。
この情報は既に新譜発売情報と共にメディア中で流れていて、多くの人々がラクスの復帰に期待し、胸を膨らませていた。
きっと彼も、これを知れば元気を出すに違いない。そう、信じていたのだが
「………ぅ、そ…だ……」
瞬間、ピシリと音が出そうなほど表情を強張らせた青年は、口元を震わせながら呻いた。
一気に蒼ざめた顔色は、単なる驚きからとは到底思えなかった。
それは、底なしの崖に突き落とされたほどの絶望なんだろうか。
それとも、己の身を焼き尽くしてもなお飽き足らないほどの怒りなんだろうか。
まるで、家族を亡くした時の自分のような、彼の激しい感情がはっきりと伝わってくるのに
何故。何が。彼をそうさせたのかが全く理解できず、マユは呆然と立ち尽くしていた。
「……ごめんね、マユちゃん。驚かせちゃったかな」
頭上から降ってきた声にハッと我に返ると
ケイはいつの間にか元の調子のように戻っていて、心配そうな眼差しでマユを見ていた。
「だ、大丈夫です、はい」
いまだに彼の形相が目に焼きついていた少女は、そう言いながらコクコクと頷くのが精一杯だった。
「ホント、ごめん。 …用事もあるし、そろそろ行くね。 バイバイ」
申し訳なさげに苦笑いを浮かべながら言い、それでもさっさと踵を返して去るケイの背中を、彼女は言葉も発せないまま見送った。
38 :
5/8:2005/10/14(金) 08:23:50 ID:???
「あー…悪いこと言っちゃったのかな、ケイに」
先ほどの暗い雰囲気から立ち直る…まではいかないのだが
なんとか動く気力を回復させたマユは、音楽ディスクの会計を済ませて店を出た。
足元が何故かおぼつかない。まるで地面が泥沼に変わってしまったかのような錯覚を覚える。
ふらふら、とたた。 ふらつきながら商店街を歩いていく少女。
その脇に、後ろから走ってきたスクーターがキッと音を立てて止まった。
「マユ。やっと見つけた」
乗り手から投げかけられた声に、緩慢な動きで顔を向けるマユ。
その表情が、消沈から一気に怒りの形相へと転ずる。
「こらぁぁアゼル! 一体どんだけ遅れてくるのよぉ!!」
手に提げた買い物袋をガシャガシャと乱暴に振り回しながら、少女は相手に向かって怒鳴った。
その強烈な音量に相手…緑のザフト軍服姿の少年は、驚いたように目を丸め、ごめんと謝る。
服の色彩に際立つ真紅色の髪と瞳を持つ彼は、マユと近い年頃に見える。
「出かける前に、副長から用事を頼まれてたんだ。携帯に連絡を入れようとは思ったんだけど、その、ゴメンナサイ」
「…いつもの携帯不携帯、ね」
なんとも申し訳なさげに頭を下げる彼、アゼルの姿を見るマユの目はもうそれほど怒ってはいなかった。
おっちょこちょいな子どもを前にした先生か親のような表情で、はふと息をつく。
「だいたいの買い物は済んだからいいよ。あとは基地近くのスーパーに寄ってくれれば」
スクーターのそばに歩み寄り、ずいと紙袋を差し出しながらの言葉。それと、荷物を持ってくれれば許すということらしい。
「うん。じゃあ行こう」
アゼルは紙袋を受け取り、代わりに自分と揃いの白いハーフヘルメットを手渡す。
マユが自分の後ろに座り、ヘルメットを着用したのを確認してから彼はスクーターを発進させた。
39 :
6/8:2005/10/14(金) 08:24:28 ID:???
それから一時間後。
買い物を終え、自分達の所属する新造艦ミネルバへと戻った二人。
支度を整えてから、艦内のMS格納庫へ向かおうと通路を歩いていたその時。
ゴゥン、と轟音を伴い、辺り一帯の空気が激しく震えた。
数秒の間を置いて、けたたましく鳴り響き始める警報のサイレン。
「え、何なの!?」
「マユ、あっち!」
突然の事態にきょろきょろと辺りを見回してたマユは、通路の窓を覗くアゼルの呼び声に気づき、外を見る。
まるで敵襲を知らせる狼煙のように上がる黒煙は、ただ一箇所からのみ見えている。
「あれって…新型機の格納庫の方だよ!!」
今までに自分も何度か訪れたことのある場所だったため、方向は覚えている。
脳裏に走った幾つかの悪い予想に、思わず拳をぎゅうと握り締める。
「急ごう。レイとルナは式典準備に外に出ていたはずだ。ここには僕らしかいない」
「うん!」
踵を返し、格納庫へと走り出す少年に彼女も駆け足で続く。
外にいるであろう仲間たちが、無事であることを強く願いながら。
40 :
7/8:2005/10/14(金) 08:25:47 ID:???
自分の軍服と同じ、赤色のパイロットスーツに身を包んだマユ。
MSの立ち並ぶピットを通り過ぎ、奥に置かれた一機の戦闘機に乗り込む。
「何があったんですか!?」
頭上の計器類を操作しながら、マユはオペレーターのメイリンに状況の説明を求める。
『新型MS三機が何者かに強奪されたらしいの!
格納庫を破壊し脱出して、取り押さえようとした友軍機を撃破し、今も破壊行動を続けているわ!』
スピーカーから伝わってきた言葉の内容に、戦慄を覚える。
自分が考えていた予想の中でも、最悪の事態だということに。
『マユ、アゼル!強奪された三機は港からプラント脱出を試みると思われるわ!なんとしてでも取り押さえるのよ!!』
聞こえてきた妙齢の女性の声、ミネルバ艦長であるタリア・グラディスの言葉にマユは頷いてみせた。
「了解! マユ・アスカ、コアスプレンダー行きますっ!」
専用カタパルトから発進した彼女に続き、チェストフライヤー、レッグフライヤー、そしてソードシルエットが射出される。
それらは有人機ではなく、コアスプレンダーを中心とした機体の、いわば部品と装備であった。
「アゼル・ノーデンス!ザク、出ます!!」
追随するように別のカタパルトから、アゼルの駆るスラッシュザクウォーリアも発進する。
マユの操るコアスプレンダーはその機動性を生かし、早々と戦場の上空へと到達する。平行して、空中で連結していく本体と部品。
その姿は、白銀に赤を配した、鉄の巨人へと変形する。
目下には、一機のザクを撃破しようとする新型MS『カオス』と『ガイア』。
マユは背中から剣状の兵装、エクスカリバーを抜き払いながら急降下し、その間に割って入った。
見渡す周囲は、赤い炎と黒い煙にめちゃくちゃに塗りつぶされていて。
建物の大半は多大な被害を受け、瓦礫の山と化している。
果敢に戦った同胞のMSたちは、無残に五体を砕かれ転がっている。
それこそ、人間の死体かのように。
「…なんで、こんなことをするのよ。 やっと、やっと…平和になったってのに!」
搾り出すように呻く言葉には、抑えきれない激しい怒りがこもっている。
微かに涙ぐむ菫色の瞳を通して周囲の光景に重なるのは、過去の惨劇。愛する人たちの喪失の瞬間。
「また戦闘がしたいの!? 貴方たちは!!!」
41 :
8/8:2005/10/14(金) 08:34:30 ID:???
長らくお待たせしました
運命の舞踏 第1話です
今回出てきたキャラについて少し補則をば
アゼル・ノールデンス
オリキャラです、マユより少し年上で兄妹みたいな関係ですがアゼルの方がボケボケなのでどちらがどちらが年上かわかりませんw
ケイ・サマエル
彼はオリキャラではありません、容姿から見てバレバレだと思いますがw
彼の正体については次回で
次回はケイがメインで話が進みます
また一週間後を目標に製作進めます
>ほのぼのマユデス
いつも楽しませてもらってます、ほとんどのネタが分かる俺って…orz
>マユ戦記
ピンクの歌姫が素敵な電波を発していますね、この先彼女がどんな行動に走るのか楽しみです
>プロ疑惑
正真正銘、シロウトですよ〜w
何度か2ちゃんでSS書いたことはありますが……そういえば、長期連載(?)はこれが初めてですね。
>運命の舞踏作者様
いよいよ始まりましたね。今後のオリキャラの動きや位置付けなど、一読者として楽しみです。
続き、期待してます。
さて、他作者さんの直後で悪いのですが、第10話投入します。
ユニウスセブン落下事件の後、連合はザフトに宣戦布告してしまいました。
オーブもまた、連合の圧力に負け、同盟に参加することを決めます。
今回は――それらの情勢が定まる前にプラントに向け旅立った、1人の青年のお話。
宇宙の虚空に浮かぶ、巨大な構造物『プラント』――
フラスコ型の器の中には、緑豊かな美しい人工の大地。
真ん中を貫くメインシャフトを取り巻いて、木々が生い茂り、水は巡り。
人々の生活が息づく、そこは確かに1つの世界。
その、プラントの中心。首都アプリリウス市。
最高評議会議長の執務室で――1人の青年が、議長ギルバート・デュランダルと向き合っていた。
ソファに腰掛ける2人の間、ガラス張りのテーブルの上には――大振りなサングラスと、付け髭。
「まさか、キミがあの『アスラン』だったとはね。正直驚いたよ、アレックス君。
いや――もう本名で呼んだ方がいいのかな、アスラン君?」
「どちらでも、お好きなように。しかし、議長もお気づきだったのではないですか?」
「さて……ね。それこそ、どちらでも良いことだろう。
ま、気付いていようといまいと――私はそんなことを詮索して喜ぶ性格ではないよ。
本人から直接打ち明けられれば、別だがね」
そう、議長と向き合っていたのは、アスラン・ザラ。2年前、終戦と共にプラントから姿を消した英雄。
そして同時に――つい先日、オーブの代表首長カガリの護衛として同行した、アレックス・ディノでもあった。
今は『アレックス』の付けていたサングラスと髭が外され、『アスラン』の素顔が明らかになっている。
「で――用件は何かね。こう言ってはなんだが、連合が宣戦布告をし、オーブが同盟参加を表明した今。
オーブという国と交渉できるような余地も、交渉せねばならぬ用件もないと思うのだが」
「おっしゃる通りです、議長」
議長の言葉に、青年の顔が歪む。
出立の前、ユウナ・ロマ・セイランが予測した通り――いや、その予測以上に、事態は厳しいものとなっていた。
彼がシャトルで移動している間に、連合は対プラント戦争の再開を宣言し。
オーブは、外圧に屈して連合との同盟に調印していた。
しかもあろうことか、連合からの要請に従い、オーブは一個艦隊を差し出すという――
「国を出る時、わたしはかなりの裁量権を認められ、大概のことは追認してもらえる約束で特使となりました。
しかしこうなってしまった以上、『オーブの特使』としてできることは、ほとんどないと思います。
だから、これからお願いすることは――『オーブのアレックス・ディノ』としての言葉ではありません」
「ほぅ」
「パトリック・ザラの息子、元・赤服のエースパイロット、『アスラン・ザラ』として、お願いします。
今後、戦況がどう推移しようとも――オーブ連合首長国を直接攻撃することだけは、やめて頂きたい」
「――ふむ」
あまりにも無茶な要請。あまりにも自分勝手な言い分。
いくらなんでも、一個人が国家に『お願い』するには大きすぎる話。
しかし議長は怒りもせずに――それどころか、どこか楽しそうな表情で。
「――して、そのお願いの代償として、キミは一体何を差し出せるのかな?」
「『アスラン・ザラ』を」
青年は――はっきりと言い切る。議長を見つめる、その瞳の奥には強い意思。
「このわたし、『アスラン・ザラ』を、どのようにお使い頂いても結構です。
『オーブを攻めよ』という言葉以外なら、議長のどんな命令にでも従う覚悟です。
自分で言うのもどうかと思いますが――わたしのこの名前と戦闘能力、決して無価値ではないかと」
「…………」
「……議長!」
議長は黙って立ち上がり、背を向ける。
アスランは半ば腰を浮かし、声を上げる。
しばらく間を置いて、デュランダルは静かに答える。
「……少し、考えさせてもらえないかな。即答するには、あまりに急な話だからね」
――アスラン・ザラはその場を辞し、ギルバート・デュランダルは1人執務室に取り残される。
青年が去るまで、背を向けたままだった彼は……やがて、肩を震わせ始める。
堪えきれずに、笑い出す。
「……クククッ……ハハハッ……ハッハッハッハッハ!
全く、なんてことだ。全く、なんて巡り合わせだ!」
長い黒髪を揺らし、なおもデュランダルは笑う。
「アレックス君、いやアスラン――お願いしたいのは、むしろこっちの方だよ。願ってもない申し出だ。
いやはや……これぞまさにカモネギというやつかな? 実に良いタイミングで来てくれたものだ」
そして議長は執務室の受話器を取ると、どこかに連絡を取る。
「デュランダルだ。例の、開発が遅れてたMSだがね。今から仕様変更することはできるかね?
……いや、ちょっとでいい。機体色を……にして、頭部ユニットを……風にするだけだ。
地上に運ぶ必要もない。こちらの工房に置いておけばよい。大至急、取り掛かってくれ。
ん? ああそうか、新型を約束したハイネには――どうするかな。
そうだ、この間テストの終った量産試験機があったろう。あれを彼の色に塗り替えて、送ってやれ。
多少見劣りはするが、十分戦える新型だしね――」
策謀を巡らすデュランダル。暗い執務室の中、机上に置かれたガラスのチェスピースが、キラリと光る――
マユ ――隻腕の少女――
第十話 『緋色の剣(つるぎ)』
青空の下――2機のMSが、激しく飛びまわりながら切り結んでいた。
片方は、蒼い翼の白いMS、フリーダム。
片方は――紅い身体のMS、ストライクルージュ。
目の回るようなスピードで飛び回りながら、互いに有利な位置を奪い合い、斬りつけ合う。
「……流石に速いなッ!」
「スピードならコッチが上なのに……上手いッ!」
速力に勝るのはフリーダム。しかしストライクルージュは上手く身体を捻って背後を取らせない。
改良されたエールの推力でフリーダムから逃げ、時に地面さえをも盾にして有利なポジションを取る。
やがて、焦れたのか――フリーダムは、地面スレスレの位置にいたルージュに向け、真正面から突進する。
咄嗟に大地に両足をつき、盾を構えるストライクルージュ。
ルージュもまたビームサーベルを振り上げて――互いの光の剣が、互いの盾に叩きつけられる。激しい閃光。
「……まだまだッ!」
「なにッ!?」
一瞬の均衡、しかしそれを破ったのは――両機の盾の隙間から飛び出した、1本の足。
フリーダムの鋭い蹴りを腹部に受け、ストライクルージュは後方に吹き飛ぶ。
その勢いで、ルージュの手からビームサーベルがこぼれ落ち。
尻餅をつくような格好で地面に倒れ、重たいエールパックの突端が地面に刺さって動けなくなる。
「もらったッ!!」
マユは絶叫し――サーベルを逆手に持ち替え、倒れた相手に襲い掛かる。
勝利を確信し、思わず笑みが浮かぶ。
――が。その眼前を、素早く紅い影が跳び去って――
「甘いッ!!」
フリーダムがビームサーベルを振り下ろしたそこに、ルージュの姿はなく――
残されていたのは、左右のサーベルの柄を欠いたエールパックだけ。フリーダムの剣は空しく地面に刺さる。
慌てて振り向いた、その眼前で――
「――チェックメイト。わたしの勝ちだな、マユ!」
バックパックを捨て身軽になったルージュ。刃を出さずに、柄だけをフリーダムの胸元に突きつけていた。
先ほど手元から飛ばされたビームサーベルではなく――咄嗟に抜いていた、予備の1本。
フリーダムの、完敗だった。
「……ズルいよ、カガリ。ストライカー排除なんて、やっていいなんて聞いてないよ」
「ズルくない! ルール違反なら、お前の蹴りの方が反則だ! サーベルだけって約束だったろ?!」
「むぅ〜〜ッ」
模擬戦が終って。
それぞれの愛機から降りた2人は、ヘルメットを取る。もうすっかり仲良しだ。
勝者のカガリは満面の笑み。負けたマユは頬を膨らます。
「それにしてもお前、よくフリーダムなんか乗りこなせるなぁ。飛び道具ありなら勝てる気がしないよ」
「ん〜、あたしも『ビームサーベルだけで』って縛りがなきゃ、もっとなんとかなったと思う」
「でもさ、接近戦もできなきゃ、いざという時困るぞ? 蹴りばっかりじゃぁさ」
「なんか足の方が先に出ちゃうんだよね。ライフルから持ち換えるのが面倒で」
そう、この模擬戦。
比較的接近戦が苦手なマユの特訓に、カガリが付き合ったものだった。この国家元首、案外腕はいい。
派遣艦隊の編成にかかる時間を利用しての、実戦的な訓練。いささか泥縄な努力だが、2人とも遊びではない。
格納庫に運び込まれるルージュとフリーダムを見送ると、マユとカガリは軍の訓練施設の中に入る。
連れ立って入ったのは、女性パイロット用の更衣室。
「……戦争に、なるんだね」
「……ああ、そうだな。マユももっと頑張れよ? 実戦なら今ので死んでるぞ」
パイロットスーツを脱ぎながらの雑談。話題はやはり戦争の事で――自然と2人の顔も暗くなる。
暗くなるが、しかしマユもカガリも、その空気を明るくしようと努める。ちょっと無理やりな笑み。
「これが実戦だったら、サーベルに拘らないで、バラエーナ撃ってカガリの方が死んでますよー、だ!」
「お、言ったなぁ。それなら、その前にムラサメ隊が襲い掛かって、マユが倒されてるさ♪」
「あー、援軍出すの禁止ーッ!」
子供っぽい言い争い。幼稚な仮想戦闘を繰り広げながら、2人は備え付けのシャワー室へ。
マユは自分の右手をカチャリと外し、ゴトリとベンチに置く。左手一本で、器用にタオルを巻きつける。
「……………」
「……? どうしたマユ、急に黙っちゃって」
「カガリって……案外胸おっきいね」
仕切り板越しにじぃっと見つめる少女。その視線に、思わずカガリも赤面する。
慌てて自分の胸を抱いて隠す。
「ばッ……バカッ、何を言って……!」
「あたしもそれくらい欲しいなぁ。やっぱ揉んでもらうと大きくなるの?」
「ん〜、確かにちょっと大きくなったかなぁ……って、何を言わせるんだよ、オイ!」
墓穴を掘ってしまい、ますます顔を赤くするカガリ。
マユは構わず、シャンプーを泡立てながら質問を重ねる。
「やっぱりあの、『アレックス』って人?」
「………ああ」
「あの変なヒゲさえなきゃ、結構かっこいいしね。ユウナが勝てるわけないよねぇ」
「……………」
「あ、勘違いしないで。別にカガリを責めてるわけじゃないから。
どうせ、あのハゲオヤジが勝手に進めた話でしょ、婚約なんて?」
どうやらマユは、五大氏族の婚姻のルールなどについては、詳しく知らされていないようで。
しかし当たらずとも遠からずな、その推測。カガリはあえて誤解を解くことを諦めた。ただ黙殺する。
マユは泡を流し去り、シャワーを止めて髪を拭く。
「……でもさ、アレックスって何者なの?」
「何者、って?」
「なんか、妙に存在感あるって言うか。只者じゃない雰囲気あるよ?
なんでボディーガードなんてやってるの? 他にもやれることあるんじゃない、あの人って?」
「…………」
こちらもシャワーを止めたカガリは、言葉に迷う。
迷ったが……マユの直感の鋭さに、嘘をついても仕方ない、と諦める。喋れる範囲で正直に話す。
「アイツは……不器用な奴、さ。
優秀なんだけど、そんな自分をどう使えばいいか分からずに戸惑ってる……そういう奴さ。
その一方で、優しすぎて気を使いすぎて、自縄自縛って言うか。ま、一言で言ってしまえば……」
「一言で言えば?」
「ただのバカ、だな」
あまりにもあんまりな、その結論。
しかし、そう言い放ったカガリの表情は、言葉とは裏腹に彼への深い信頼を感じさせるもので……
だからマユは、何となく、納得した。
「……少し、緊張しますね。こんな仕事は初めてだから」
「なんでもするゆーたんはあんさんやろ。ま、大丈夫やって!」
その、『ただのバカ』と評された青年は……
なぜか今、どこかのスタジオのような所にいた。
2年ぶりに身にまとうザフトの『赤服』、その襟元を神経質に指で弄っている。
そんな彼の傍らで馴れ馴れしく肩を叩くのは、何やら怪しげな関西弁(?)の男。
「まあ、わたしは議長に言われた通りにやるだけですが……
しかしキング氏。この台本、もう1人の『登場人物』はどうするのです?
後からCGでも使って合成するのですか? 技術的に難しいかと思うのですが……」
「あー、心配せんでもええ。今来るがな」
「??」
首を傾げるアスラン。
と、そこに――小走りに駆け寄ってきた影が、声をかける。
「お待たせしましたー。ちょっとメイクに手間取っちゃって☆」
「おお、来た来た。よぉ似合っとるで。その衣装にして正解やな」
「エヘヘ、そうですか? あ、今日はよろしくお願いしますね、アスラン♪ 一緒に頑張りましょう☆」
「こいつは……驚いたな。本当に瓜二つじゃないか」
現れた娘の姿に、驚きを隠せないアスラン。
関西弁の男は、丸めた台本を振り回し、スタジオ中の人々に声をかける。
「さ、役者は揃ったわ。リハーサル1本やったら、さっそく本番いくでー! 準備えーなー?」
「全く、議長は何をやってるんだ!」
「弱気外交だから連合になめられるんだ。こっちからも攻めていくくらいの気持ちでないと」
「既に散発的に戦闘が始まっているようだしな。どう戦う気なんだ」
プラント市民の間には――不満が満ちていた。
言うまでもなく、今の世界情勢と、それに対する議長の態度に対して、だ。
ついに宣戦布告をしてきた連合に対し、議長は守り一辺倒で。
これからのビジョンも思惑も語ろうとしない彼に、市民は苛立ちを隠せずにいた。
酒場で、職場で、街角で。人々の話題はほぼそのことばかりで――
そんな折だった。
街頭で、酒場のテレビで、エレカの小型テレビで――『その2人』の演説が始まったのは。
『突然で申し訳ありませんが、みなさんの貴重なお時間を、少しだけ頂きたい。
わたしは、パトリック・ザラの息子、元エターナル所属、アスラン・ザラ――』
『わたくしは、シーゲル・クラインの娘、元エターナル所属、ラクス・クライン――』
「アスランって、あの英雄の?」「ラクス様だ」「この2年間、いったいどこに」「え、本物!?」
2年の沈黙を破り表舞台に現れた、この2人の姿に市民の視線は釘付けで――
――既にその時点で、皆、議長の術中にハマっていたのだった。
「――先日のユニウスセブンの事件、そしてそれに伴う連合の戦線布告。
みなさんもよくご存知のことかと思います」
「そして、そのことで動揺し、反撃を望むみなさんの気持ち、わたくしたちも分からなくはありません」
アスラン・ザラと『ラクス・クライン』、2人は互いの言葉を補い合うように交互に語る。
いささか芝居がかかった口調と身振りだが、しかしそれだけに惹きつける力は絶大で。
青年の赤いザフト軍服と、少女のいささか扇情的な舞台衣装は、対照的ながらも印象的。
「元はと言えば――先の大戦。
我が父パトリック・ザラの暴走により、勝てるはずの戦いを対等の和平で矛を収めざるを得なかったことが問題でした。
ユニウスセブンを落とさんとしたテロリストたちも、父の名を叫び破砕作業を妨害したと聞いています」
「あるいは、その想いはある意味、正しいものだったのかもしれません。しかし彼らは『方法』を間違えたのです!
しかし、彼らの選んだ方法は、憎しみを広げ、新たなる戦いの火種を残すものでしかありませんでした」
「ゆえに我々は2年前、当時の最高評議会議長、パトリック・ザラに反逆しました。
彼らを止め、世界の破滅を避けるために。彼女の父、シーゲル・クラインと共に……」
「みなさん、落ち着いて、よく考えて下さい。今我々が為すべきことを」
「今のこの危機、我々には団結が必要です。団結なくしては、生き残れません。
我が父パトリック・ザラを今なお信奉する人々も、そのための方法を考え直し、最高評議会に協力を」
「我が父シーゲル・クラインを信じ平和を愛する方々も、どうか今はプラント防衛に協力を」
「「我々は、今は争っている場合ではないのです」」
視聴者の心を掴める構図を求め、何台ものカメラが角度を変えて2人に迫る。
その様子を満足そうに見つめるのは――プロデューサーのキングと、ギルバート・デュランダル最高評議会議長――
「ちょっ、まっ、え!? か、カガリ! あれって……アレックス!?」
「ああ……それに、ラクスまで……」
その映像は、プラントだけではなく、世界中に放映され。
着替え終わったマユとカガリも、オーブ兵に混じってその映像を見上げる。
『団結せねばならぬのは、プラントだけではありません。地球連合の現状に異議ある者全てが、我らの同志。
地球のみなさん、どうかわたくしたちに力を……』
「……アレックスは何があったのか想像つくが、まさかラクスがこんな事に加担するとはな……」
「あの無責任女、何を偉そうにッ……! しかもあんな、媚びるような格好してッ……!」
驚きつつも静かに噛み締めるカガリに対し、マユは桃色の髪の娘が映るたびに苛立ちを露わにする。
マユは、未だに許していないのだ――かつて孤児院で出会った、あの1組の男女のことは。
『我々は、戦わざるを得ないでしょう。しかし予め言っておきます。
我々は決して、コーディネーターのためだけの世界を作るために戦うのではない、と。
敵は決して『ナチュラル』という存在ではなく、『地球連合の間違った指導者』なのだと……』
「フン。下手な脚本だな、書いたのはデュランダルか?
しかし引っ張り出した看板役者、いささか古くはないかね?」
黒猫を撫でながら口元を歪めるのは、大西洋のメディア王、ロード・ジブリール。
もちろん、情報操作のプロフェッショナルである彼も、その映像はリアルタイムで獲得していた。
「ま、プラント内の穏健派と好戦派、双方を1つにまとめよう、という狙いは悪くないがね。
だが、有名人の言葉一つで動くほど、民衆というのは甘くはないのだよ」
彼は膝の上の猫をどけると、立ち上がる。猫はそのまま彼の座っていた椅子の上で丸くなる。
クラシカルな電話機に手を伸ばし、どこか遠くに向けて連絡を取る。
「例の作戦、進行状況はどうなっている? ……ユーラシアの連中が遅れてる?
全く、使えんやつらだな。やはり『生贄』として使うしかないか。
ガーティ・ルーと、例の『トリックスター』は大丈夫かね? 宜しい。撮影の方、しっかり頼んだよ」
懸念事項を確認し、彼は満足げに頷く。
天を仰ぎ、既にこの世にない友に向けて、小さく呟く。
「我が盟友アズラエルよ……天国で見ていてくれているかね?
私がキミに、『核の本当の使い方』というものを教えてあげよう」
――そこは、事情を知らぬ者が訪れれば、ちょっとした公園と間違えるかもしれない。
与えられた空間に限りあるコロニーにしては、広すぎる平原。酸素供給用の木々さえもまばらで。
しかし、芝生の中に整然と並ぶ、無数の小さな石は――その1つ1つが、全て墓。
遺体さえも回収できなかった者たちを祭る、それは集団墓地。
その1つ、『レノア・ザラ』と刻まれた石の前に――彼はいた。
小さな花束を捧げ、別の墓に向かおうとして――ふと、気付く。
墓地の入り口に、2人の人影があった。
「よぉ、三文役者」
「貴様ァ、帰ってきていたなら、連絡ぐらい入れんかァ!」
かつての戦友、ディアッカとイザークの私服姿に――アスランの顔が、少しだけ緩む。
「……で、どうしてあんなことしたわけ?」
「あんなこと、とは?」
別の墓の前で手を合わせるアスランの背に、ディアッカが問いかける。
アスランはその墓の名前――『ニコル・アマルフィ』――に視線を合わせたまま、問い返す。
「例の演説だよ。『ラクス・クライン』と一緒の」
「ああ、あれか。……笑ってくれて、構わないよ」
「フン、どうせ貴様のことだから、あの女のために議長に魂を売ったんだろう! 違うか!」
言葉を濁すアスランを、イザークが喧嘩腰で挑発する。互いの性格を知り尽くした故の洞察力。
しかし、アスランは曖昧に笑うだけで。
「確かに――カガリのため、オーブのためという面もある。実際、そういう約束もしたしな。
ただ、それだけじゃない。俺が戻ってきたのは――それだけじゃない。むしろそれは、口実だ」
集団墓地から、オープンカーが走り出す。ハンドルを握るのはディアッカ。目的もない気楽なドライブ。
後部座席にイザークと並んで座ったアスランは、風に髪をなびかせながら静かに語る。
「おまえたちはこの2年――何をやってた?」
「相変わらずザフト勤めさ。軍法会議が一段落してからは、後進の指導とかパトロールとか」
「幸か不幸か、忙しい2年間だったよ。そういう貴様は、何をやってたと言うんだ!?」
「……何も、できなかった」
アスランは遠い目で。見るとも無くプラントの景色を眺める。
「――『パトリック・ザラの息子』という色眼鏡で見られるのが嫌で、オーブに渡ってみたものの。
名を変え、国を変えてみれば――結局、俺は何もできなかった。
政府の役人も、企業の技術者も。工事現場の労働者でさえも。どこでも、最後は人間関係で失敗したよ」
「でもさァ、MSパイロットなら、できそうなモンじゃないの?」
「大抵の国じゃ、移民したばかりの人間が正規軍に入るのは色々と大変なんだよ。ザフトが異例なんだ。
確かオーブ軍の規則じゃ、市民権を得てから3年、だっけな? 正規の手続きで入隊するには。
ひょっとしたら――オーブ軍の中なら、居場所は見つけられたのかもしれないけどね」
まぁ、『カガリ・ユラ・アスハ』の鶴の一声があれば、いくらでも特例が認められたのだろうが。
しかし彼女の威光に頼っては、名を捨て過去を捨てた意味がない。少なくとも、アスラン自身にとって……。
「ともかくこの2年で、俺は思い知ったよ。自分が、軍人以外の何者にもなれない人間だってことを。
さもなきゃ、それこそ――俺にできるのは、要人の個人的なボディーガードぐらいのものさ」
「気付くのが遅いわッ!」
自嘲気味のアスランに、イザークが吼えかかる。アスランの悩みは、彼にとっても他人事ではない。
「貴様も俺も、そんな器用な人間じゃないだろッ。命令と枠組みがあって初めて能力を活かせる人間だッ。
そんなことを確認するだけのことに、2年も無駄な時間を費やしたのかッ!!」
「まぁまぁ、落ち着けよイザーク。要するにそういうことだって、アスランも認めてるじゃない」
ハンドルを握りながら、親友を宥めるディアッカ。
あるいはこの3人の中で、軍の外でも普通にやっていけるのは彼だけなのかもしれないが――
その彼が、急に厳しい顔つきになって切り出す。バックミラー越しの鋭い視線。
「それより、アスラン。ちょっと聞きたいことがあるんだが」
「なんだディアッカ、急に改まって」
「あの『ラクス・クライン』……本当に、『彼女』なのか?」
「……………」
アスランは黙り込む。ディアッカはしばらくアスランの表情を伺って。
急に再び、いつもの軽薄そうな笑顔に戻る。
「ま、喋れないなら、無理に聞かないけどね。なんかもう大体わかっちまったし」
「……すまんな」
「おい待て貴様らァ! 2人だけで、勝手に納得して勝手に終るなァ!
俺にもちゃんと説明しろォ!!」
ただ1人、会話に置いていかれた格好のイザークが吼え――彼の声の尾を引きながら、車は走り続ける。
プラントの中は、相変わらずのいい天気。のどかなものである。
オープンカーは、プラントの市街地区に入ってゆく。
アスランは慌てて、大振りのサングラスと、例の口髭をつける。
「何だよそりゃ? ちとワザとらしくないか? 有名人で大変なのは分かるけどさァ」
「これくらいの方がいいんだよ。みんな髭に注目するから、顔は印象に残らない」
「そいつも2年の間に得た知恵か? なかなか良く似合ってるぞ」
街をゆっくり走る車の中、しかしイザークの言葉は本心ではあるまい。ニヤニヤと意地の悪い笑み。
とはいえ、実際この変装はそれなりに効果があるものらしい。
街頭モニターには再び先ほどの演説が映っているというのに、オープンカー上の彼に気付く市民はいない。
いや、気付く一般市民はいなかったが――ちょうど、車が交差点で停止した、その時に。
「あら……? あ、アスラン!」
「げッ! き、君はッ!」
信号待ちの人ごみの中で、声を上げた人物がいた。
長い黒髪の、若い娘。そばかすも可愛い庶民的な雰囲気。どこかで聞いたような声、聞いたことのない口調。
ハンドバック片手に車の傍に寄ってくる。
「こんなとこでまた会えるなんて! さっきはお疲れ様でした、アスラン♪」
「おいおい、いきなりバレてるぞ?」
「それくらいの髭の方がいいんじゃなかったのか、アア?」
「い、いや、この子は……おいミーア、声が大きいよ……」
「あ、ごめんなさい。あたしアスランとまた会えて嬉しくって……」
「だから、名前の連呼はやめろって!」
ニヤニヤと笑う2人の親友と、人目も憚らずはしゃぐ細い目の娘に挟まれ、アスランは困り果てる。
「で、その子は何なのよ? アスランの何なわけ?」
「プラントに戻った途端に浮気、ってのは良くないなァ。きっちりオーブに報告してやらんとなァ」
「違うッ、この子は……」
悪友たちのからかいに声を荒げかけるも、説明に困る。いったいどこまで話していいものやら。
と、その時……イザークの懐で、携帯電話が鳴る。着信メロディは『世界に1つだけの花』。
「イザーク・ジュールだ! ああ、いま市街にいる。何があった!?
……はぁ!? 連合軍艦隊が、接近中!?」
電話越しの緊急連絡に、イザークは思わずその場に立ち上がり――残る2人の顔も、引き締まる。
ただ1人、歩道に立つ『ミーア』と呼ばれた黒髪の娘だけが、きょとんとした表情で――
プラントに向け進軍する、連合軍の宇宙艦隊――
その旗艦アガメムノン級のブリッジで、艦隊司令は愚痴っていた。
「……しかし、何なのだろうね、『死なない程度に真正面から挑め』というのは……」
「大方、我々は囮といったところなのでしょう。特殊部隊が何やらやるとも聞いてますし」
指揮官たちにも、覇気はない。敵国の「本土」といえるプラント宙域に入っているにも関わらず。
それもそのはず、彼らの艦隊規模は……
「まあ、我々も簡単にやられる気はないがね。
しかし、この戦力でアレを相手にするのは……」
巨大戦艦ゴンドワナを中心に展開する、プラント防衛部隊の規模は、寄せ手の連合艦隊の4倍以上。
まあ、部隊規模を絞り、高速艦を中心に艦隊編成したからこそ、ここまで察知されずに接近できたのだが……
「まあいい。適当に戦って、格好のつくあたりで撤退するぞ。
きっとこれも、本国が大西洋に対抗するために必要な一手なのだろうさ。現場の我々にとってはいい迷惑だが」
プラントから青いザクファントムと緑のザクウォーリアが飛び出し、防衛部隊に合流する。
緑のブレイズザクウォーリアが、2機を迎える。
「すまんシホ、遅くなった!」
「いえ隊長、まだ始まってもいませんから。
では現時点をもって、ジュール隊の指揮権を隊長にお返しします」
「うむ。イザーク・ジュール、確かにシホ・ハーネンフースから指揮権受け取った」
MSの隊列に並びながら、臨時で指揮を執っていた部下からの引継ぎを受けるイザーク。
が……そんな彼も、目の前の連合艦隊の規模を見て、首をかしげる。
「しかし、あれで全部か? プラントを落とそうというには、やけに小規模だが……」
「別働隊がいる可能性も視野に入れ、他の部隊が警戒に当たっています。
ジュール隊は、とりあえず目の前の敵だけを考えれば良いとの指令を受けています」
淡々と、受けた命令を伝えるシホ。イザークの顔が、古い記憶に歪む。
「まさか……核とか出しては来ないだろうな……?」
イザークの脳裏によぎるのは、かつてプラントに襲い掛かった、無数の核ミサイルの姿。
あの時は、すんでのところで駆けつけたフリーダムとジャスティスが、全て打ち落としてくれたのだが……
イザークは大きく頭をブンブンと振り、嫌な記憶と嫌な予感をまとめて頭から振り払う。
プラントの中枢、最高評議会。
その廊下を、足早に駆ける2人がいた。
急ぎ出撃したイザークとディアッカと別れた、あの2人である。
「ちょ、ちょっとアスラン! ま、待って下さい!」
「ミーアは別にいい! 今は『彼女』が必要な状況じゃないだろう!」
息を荒げる彼女を引き離しながら、アスランは叫ぶ。そのまま廊下の角を曲がる。
と、そこに目標の人物を見つけて足を止め……その背中に、黒髪の娘は軽くぶつかる。
「きゃッ! もう、急に止まらないで! って……って、議長?!」
「やあ、アスラン、それにミーア。丁度良い所に来た」
それは――プラント最高評議会議長、ギルバート・デュランダル。何人もの部下を引き連れている。
彼は、この非常事態においても余裕のある笑みを浮かべ、2人に歩み寄る。
「いやはや、こんなに早く攻撃されるとはね。君たちに休暇を楽しんでもらう余裕すら貰えないようだ。
ミーア、君はキング氏と合流して待機してくれ。展開によっては『彼女』が必要になるかもしれない。
アスラン――キミは、私と一緒に来てくれ。キミに渡したいものがある」
連合艦隊とザフト防衛部隊は、互いにMSを放出し……やがて、戦闘が始まる。
遠くに瞬く、ビームと爆発の光。それを、横合いから見ている者たちがあった。
いやしかしその姿は、禁じられた技術で隠されていて……一方的に彼らが見るだけで、見られはせず。
「……始まったか。用意はできてるか、『トリックスター』?」
『任せとケェ! ちゃっちゃとブッ放してくるぜェ!』
それは――格納庫の中の、1機のジン。前大戦の初期、ザフトで最も多く作られた量産MSで――
戦後は多数が民間に放出され、また連合側に鹵獲されたものも数多く。
それでもなお、ザフトを象徴する代表的なMSとして、双方の陣営に認識されている機体。
両手にぶら下げた巨大な得物は、対艦対要塞攻撃用のD型装備――少なくとも、一見するとそう見える武器。
目を真円近くまで見開いた、見るからに常軌を逸したパイロット『トリックスター』は、ジンをカタパルトに進ませる。
連合系のリニアカタパルトに、光が灯る。
『蒼き清浄な大地のために……逝くゼェ!!』
不可視の艦のハッチがゆっくりと開き――虚空の扉から飛び出たジンが、そのまま戦場の混乱に紛れ込む――
戦闘が、始まった。
連合艦隊から飛び出したダガーL隊と、ザフト側のゲイツR隊が激突する。
互いの戦力は、ほぼ互角。ザフト側が裏を読んで、戦力を出し惜しみしているせいだった。
しかし、それでも――奮戦している一部隊があった。ジュール隊である。
青のスラッシュザクファントムが自ら敵陣に斬り込み、慌てて逃げた敵を後方支援のガナーザクが撃ち抜く。
「この程度の戦力で、どうにかなるつもりだったのかァ!」
「ほんと、なんか拍子抜けだよね」
圧倒的な格差を見せつけつつ……彼らはその戦士の勘で、かえってその「順調さ」に違和感を覚えていた。
何かが、おかしい。何かが、根本的に間違っている――
と、彼らの戦うすぐ近くを、1機のジンが通り過ぎる。
防空部隊から応援にきたように見えたソレは、何故か対艦対要塞戦用の重爆撃装備。
「こら貴様ッ! その装備は何だ、相手はMS隊だぞッ!
どこの隊の者だ、引っ返して持ち替えてこいッ!」
「…………」
イザークの罵声ももっともな話。対艦ミサイルなど、こんな場で撃っても意味がない。届く前に迎撃されて終わりだ。
しかし、ジンは止まらず――なぜか連合側のダガーL隊もそのジンには攻撃せず。
すり抜けるように戦線を突破するそいつに、イザークは目を留める。正確には――その手にしたミサイルに。
……型番がどこにも書いていない。良く見れば弾頭の形が違う。ザフトの制式装備にはない、見知らぬ大型ミサイル。
「ま、待て貴様、何を……! 何を撃つ気だ! そのミサイルは……まさか!」
「……アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャッ!」
イザークの制止に、壊れた嘲笑で応えるジン。
その狂気の混じった声に――イザーク・ジュールは、直感する。背中に、冷たい汗が流れる。
「止めろ! そのジンを止めるんだ! ディアッカ、奴を撃ってでも止めろ! いや倒せ!」
「無茶言うな、いくらなんでも……!」
「いいから撃て! 責任は俺が取る! ああくそッ!!」
イザーク1人が焦り、他の面々はその異常に気づかず。
いや、たとえ気づいたところで、目の前のダガーL隊が邪魔で手が届かない。
ディアッカのガナーザクウォーリアも巨大ビーム砲オルトロスを構えるが、射線上にダガーLが割り込み……
「……誰か、誰か奴を止めてくれェ!!」
イザークが、実も蓋もなく絶叫した、その時。
プラント群の方向から――紅い影が飛び出してくる。信じがたいスピード。
「今度は何だ!?」
「あれは……モビルアーマー? ザフトが!?」
そう、それはどう見てもMA。航空機にも似たスピード感あるフォルム。突き出した2本の大砲。
それはMSには不可能な加速で戦場に突入し――先端の2門の大砲から、強烈なビームを撃ち放つ。
ダガーLの編隊に穴をこじ開け、身を捻りながら戦線を突破する。
「あれは――あの機体は、まさか!?」
――コードネーム『トリックスター』は、勝利を確信していた。
「アヒャヒャヒャヒャッ……! ユーラシアの連中には恨みはネェが……
そおら、吹っ飛べェ!! 青き清浄なる、大地のためニ!!」
血走った目をまん丸に見開き、彼はトリガーを引く。
一見するとごく普通のジンの手元から、禁断の最終兵器が飛んでゆく。
『トリックスター』に与えられた命令は、ある意味単純で。
それは――『鹵獲ジンを用い、ザフト軍MSに紛れ込み、攻めて来る連合軍艦隊に攻撃せよ』。
命令は単純だが、問題は装備。
彼が今、撃ちはなったミサイルは――NJC装備の、核ミサイル――!
核ミサイルが煙の尾を引いて、連合軍艦隊に向かっていく。
コレが命中すれば――連合軍艦隊は、大きな被害を受ける。ほんの数発のミサイルで全滅させられるが……
世界中に巻き起こるであろう激しい反発を考えれば、敵一個艦隊の壊滅程度では、まるで釣り合わない話。
しかし同時に、ザフト内部の過激な兵士なら行っても不思議でない、と思わせるだけの説得力。
『ユニウスセブンを落とすような連中なら……』と、誰もが納得できるギリギリのライン。
大西洋連邦にしてみれば、ユーラシア連邦所属の一宇宙艦隊となら、十分交換に値する話だ。
いやむしろ、連合内最大のライバルの力を殺ぎ、連合の結束を高め、敵の分裂をも誘う一石三鳥の悪魔の一手――
「ヒャヒャヒャヒャ………ヒヤッ?」
その彼も――ふと、気づく。
強引に戦線を突破した、紅いMAに。矢のように飛来するその姿に。
それは、彼の方に迫りつつ、空中で変形し、MSの姿になり――
イージスやジャスティスにも通じる、トサカ状のセンサーを持ったツインアイの顔が、彼を睨み付け――
紅いMA、否、MSは、機首部分にあった大砲を両脇に抱え込んで――太いビームを続けざまに撃ち放った。
閃光。命中。爆発。衝撃。
――まるで、戦場の真ん中に4個の太陽が現れたかのようだった。
ジンの放った4発の核ミサイルは、全て紅い可変MSが撃ち抜いていた。
それは通常のMSでは有り得ぬほどの距離からの、正確な狙撃。
速力・センサー性能・ビーム砲の威力と射程距離・パイロットの技量。その全てを万人に見せ付ける一撃。
爆発は、連合艦隊とザフト防衛隊のちょうど中間で起こって――誰も傷つけることはない。
核ミサイルの煽りで、激しく揺れただけ。
しかし、思いもかけぬ核の光に――両軍の動きが止まる。
ザフトのジンが、核ミサイルを放ち、同じくザフトのMSが撃ち落す。しかも双方にとって害のない位置で。
……この異常な展開、咄嗟にその裏側まで理解できる奴の方が珍しい。誰もがただ、呆然。
「なッ、なッ、なっ……!」
「……お前は……何をする気だった! 一体何者だ!」
『トリックスター』もまた、予想外の展開に呆然となって――だから、急に入った通信にハッとして。
しかしその時点では既に遅く――眼前には、紅いMS。
逃げる間も応戦する間もなく、剣閃が閃いて、ジンの手足両翼が斬り飛ばされる。
いつ武器を持ち替えたのかも分からぬほど滑らかな、ビームサーベルの剣舞。
一瞬の間に6度の斬りつけを行う高度な剣技は、ジンの戦闘力を完全に奪い去って――
「お前は、殺さない……連れ帰って、全てきっちり話してもらうからな」
「アヒ、ヒヤ、ヒャヒッ……!」
ジンの襟首を紅いMSに掴まれて、脂汗を流す『トリックスター』。
しかし彼は――自分の使命を、忘れてはいなかった。
一度だけギュッと目をつぶり、覚悟を決めると――これ以上ないくらいに目を見開いて、哄笑をあげる。
「………ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャッ!」
自爆。
彼は躊躇いなく自爆装置のトリガーを引き――達磨と化したジンもまた、一個の太陽となって散った。
「……大丈夫か、貴様ッ!」
「一応、生きてるよ。……せっかくの犯人に死なれてしまったな。背景を探りたかったのだが」
ようやく戦線を突破した青いザクが、紅いMSに近づいてくる。
紅いMSは、無傷。強固なPS装甲、至近距離でのジンの自爆も、苦にはならない。
「やっぱりお前か、アスラン・ザラ! 大体何だ、そのMSは!」
「ZGMF−X23S『セイバー』。今さっき議長から受領した、セカンドステージ最後の1機だ」
「ふん! 流石は議長の2枚看板、いいオモチャを貰ったものじゃないか!」
嫌味っぽいイザークの言葉。しかし、その口調とは裏腹に彼の顔には不敵な笑みさえ浮かんで。
「さあイザーク、ディアッカ! このまま、連合軍を蹴散らすぞ!」
「貴様が仕切るな、アスラァン!」
「まぁまぁ、久しぶりの連携だ、堅いことは言っこなしってね♪」
セイバー、スラッシュザクウォーリア、ガナーザクウォーリア、ブレイズザクウォーリア。
4機が先頭に立って敵艦隊に斬り込んでゆき――戦況は、一転する。
やがて、戦場に眩い信号弾が上がる。それは連合サイドの、撤退命令。
連合軍の引き際は鮮やかなもので――戦闘は、やがてゆっくりと終結へと向かう――
「……やはり、あの程度の者では無理か。
今思えば、『ファントムペイン』は優秀だったのだな……変わり者揃いとはいえ」
静かに溜息をつくのは――『見えざる戦艦』の艦長、イアン・リー。
結局、彼らの作戦は、公平に言って失敗と言わざるを得ないものだったが……
事の一部始終を全て見届け、彼は彼の任務を果たしていた。
「……ま、こうなってしまったものは仕方ない。
このような映像でも、使い道はあるかもしれぬし――それを判断するのは我々ではない。
これより本艦は帰投する。ガーティ・ルー、微速転進。方向転換終了後、ミラージュコロイド再展開。
光学欺瞞を展開したまま、当空域を離脱する」
「ご苦労だったね、アスラン」
「いえ、私は私の役目を果たしただけですから」
防衛戦が終わって。
アスラン・ザラは、ギルバート・デュランダルに労われていた。
彼の隣には――舞台衣装に身を包んだ、『ラクス・クライン』の姿。
「これから2人には、地球へと降りてもらう。
アスランには、ミネルバと合流してあのセイバーで戦ってもらいたい。
『ミーア』には、地上の兵士の慰安と、地球の現地住民への協力呼びかけをお願いしたい。
どちらも、今後の事態の推移に合わせて柔軟に計画を変更していくことになるが――頑張ってくれたまえ」
「分かりました。アスラン・ザラ、議長の特命を受け、地上へと向かいます」
「えーっと、あたしにはキングさんとかも付いてきてくれるんですよね?」
ピシッと敬礼したアスランに比べ――『ミーア』と呼ばれた『ラクス・クライン』はおどおどした態度で。
デュランダル議長は、そんな彼女に優しく微笑む。
「ああ、キング氏には今後もキミのプロデュースをしてもらうつもりだ。もちろん同行してもらうことになる。
細かい指示は、彼を通して伝えるから――キミは全身全霊、平和の歌を歌ってくれたまえ。『ミーア・キャンベル』」
「はいッ♪ 頑張ります!」
『ラクス・クライン』は、嬉しそうな様子で――演技の仮面が外れ、目を細めて微笑む。
アスランが街で会った黒髪の少女、『ミーア』の表情そのままに。
――オーブから、民衆に見送られて艦隊が出発する。
甲板の上には、決意に満ちた表情の、カガリ・ユラ・アスハと、マユ・セイラン。
見送る港には、同じく強い目をしたユウナ・ロマ・セイラン。ウナトの姿は、見送りの場にはない。
ネオたちを乗せたJ・P・ジョーンズと共に、オーブの陸地を離れていく――
――カーペンタリア基地に降りてくるのは、1隻の大型シャトル。眼下には停泊するミネルバの姿。
窓辺にはアスラン・ザラと、黒髪のミーア・キャンベル。怪しい髪型の目立つキング氏もいる。
彼らは地球に到着し――彼らを出迎えるのは、1人の女。
スーツをビシリと着こなした彼女の表情は、しかし大型のバイザーに遮られ伺うことはできない――
かくして役者は地上に揃い。本格的な戦争が、幕を開ける――
第十壱話 『 亡霊の疼痛 』 につづく
まあガンダムですから、一回くらいはシャワーシーンとか作らんと……。
設定補足
・ミーア・キャンベル
思わせぶりな展開しましたが、考えてみれば本編見てる人にはバレバレですねw
『ザフト脅威の整形技術』ではなく、『ザフト脅威のメイク術』としました。
せっかくの『もう1つの顔』、回想と写真だけというのは勿体無いので。
もちろん素顔はアレ、ほとんど特殊メイクのようなメイクで変身します。
いずれもっと出番はありますので、ファンの方は今しばらくお待ち下さい。
・核ミサイル
本当は、撃墜された核ミサイルが大爆発するのはおかしいんです。
厳密な考察すると、横から撃たれて核爆発が起こるハズがないんです。
でも……アニメ的な分かり易さ、お話としての分かり易さを優先するなら、爆発しても良いかと。
たぶんきっと、同じ核ミサイルでも現在のものとは色々仕組みが違うんでしょう。
ミサイル迎撃の技術が向上すれば、僅かでもダメージを与えるべく『被弾すれば作動する』ような方法がきっと開発されて……
・『トリックスター』
アニメ本編では、ウィンダムに乗って核ミサイル撃とうとしていた、あのパイロットです。
通称、アッヒャー(仮)。ステキなキャラなのに、正式な名前のない可哀想な奴。
トリガーハッピーな壊れた人物です。コードネームは彼のキャラクターではなく任務上から。ちと名前負け。
同じくニュートロンスタンピーダーに散った指揮官、ライオン丸(仮)も、いずれ出番作りたいなァ……。
・セイバー
頭部の類似は偶然に非ず、色合いの合致も偶然に非ず……というわけです。
セイバーの強みは速度と火力という、相反する要素の両立。フォースとブラストを足して2で割らない性能。
本当は強いハズなんですけどねぇ、なんでプラモ山積みなんでしょう?
・シホ機
本編ではっきりしないので、とりあえずノーマルザクヲにブレイズつけて出しておきました。
ジュール隊のバランス取りのための選択です。こうすれば全ウィザード揃い踏みになりますし。
ちなみにこの時点では、ザクはウォーリアであっても珍しい新鋭機です。主力はゲイツR。旧式機もちらほらと。
次回は再びマユ主人公です。ちょっと次回は遅れるかもしれません。のんびりお待ち下さい。
では。
ああ、もうなんかダメダメですね
中毒になりますた
続き早くよみて〜
トリックスター最高!(゚∀゚)アヒャヒャヒャ
本編にもこんな最強にぶっ壊れたキャラが欲しかった
>>61 リアルタイムで見ますた、乙!
ミーア厨の自分には嬉しいですw
頑張っていきましょう
ではノシ
隻腕GJ!
よもやザフト脅威の特殊メイク技術とは思いもしませんでしたな。
アッヒャヒャヒャヒャヒャ!
(゚∀゚)アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ
>>41 ほぼ一週間ぶりですな
まだ序盤なんで詳しい批評は避けるが
とりあえずケイがどんな役割になるのかに期待、ともかく乙(゜∀゜)ノ
>>61 キ…(-_-)キ(_- )キ!(- )キッ!( )キタ(. ゚)キタ!( ゚∀)キタ!!( ゚∀゚ )キタ━━━!!!
でもマユコネ━━━━━━(TДT)━━━━━━ !!
面白くなってきましたなぁ
つーかカガリ強いねオイw(今の所は)
核はそれでOKだと思いますがね俺は
大体、現在より遥かに発達した科学を持っていながら、
核も進化しないってのもおかしな話ですしなぁ
ましてや核を当然の如く使用する連合であれば
何はともあれGJ!!続き超(×100)期待してますわい(今更「期待しないで」とは言わせませんぞ(´∀`))
しかし最近このスレ以外のSSスレも活発になってきて読むの追いつかねぇyp(;´Д⊂)
そんだけデス種本編に納得できないヤツが多いんだろう。
またガンダムは作られるだろうけど、負債は因果地平のかなたに追いやって欲しい。
いい加減熱いガンダムが見たい……腐女子むけの糞ガンダムはイラン。
隻腕キタワー。
イザーク、ディアッカは最後まで隻腕のような軍人であって欲しかった。
自分の能力と使命を自覚している男たちはカッコいい。
にしても、ミラージュコロイドは反則だなぁ
「おっさーかな♪おっさーかな♪」
ステラはそう歌いながら再び川魚を一匹つかみ取りした。
ここは森の中にあるちょっとした広場。そこには小川が流れていた。
ちょうどお昼時だったので魚を釣ろうと話していたのだが、既にステラが川遊び
を始めてしまい、じゃあお魚も取りなさい。と言う話になったのだ。
それは幸い+に働いた。実際、現実に旅行などに行った時に、つりぼりで釣りをすると
普通に釣っているお父さんよりつかみ取りしている子供のほうがたくさんとる物である。
「なー、リオン。このきのこ食えるのか?」
「やめとけ。うまいがものすごい腹痛に襲われるぞ。」
「・・・・・食べた事あるんだ。」
アウルとリオンは森に入ってきのこを探してきたらしい。
と、いっても適当に取ってきて今分別しているのだが。
「五匹目っ!!これで終わりよ!お魚!うぇーい!」
まるで熊のごとく魚を取るステラ。
さてはて、そしていよいよ焼く番である。
スティングが魔法で火をおこし、レノートがはらわたを取りたい人の分だけ取る。
ぶっちゃけレノートのような金髪美少年が微笑みながら魚のはらわたを取っているのはかなり
シュールな光景である。
そして、塩をつけて焼く。下手な調味料をつけるよりこれだけの方が十分うまい。
「やっけたーかなー♪やっけたーかなー♪」
ステラがそう歌いながら魚と炎を見つめる。その姿は非常にほほえましい。
が、そこに突然攻撃魔法の雨が降り注いだ。
「ステラ!!」
スティングがとっさに召喚獣を召喚してステラの盾にする。
あまりの猛攻に召喚獣は耐え切れずに倒れた。
「・・・すまねぇ・・・。俺の魔力が回復したらすぐに・・・。」
スティングも同時に無理な召喚で倒れてしまう。
「スティング!!」
ステラがスティングに駆け寄る。
「仲間と合流したのか?召喚師。」
「まったく、手間を取らせてくれる。」
「仕方がないがこれも任務だ。悪いが殺されてもらう。」
空から男の声が聞こえてくる。
ステラ達が上を向くと、そこには巨大な黒い鳥にのった全身を砲で固めた男と
なにやら巨大な傘のような防具をかぶり、鎌を持った男が浮かんでいた。
服装はそれぞれ軍服である。
「あなた達は・・・ロケッ○団!!」
「なんだかんだと・・って違うわぁ!!」
レノートのボケに突っ込む砲の男、悪い奴ではなさそうだ。
「我らは青秋桜帝国(せいしゅうおうていこく)のドミオン皇帝直属の部下だ。
金髪の召喚師、貴様の持っている物を奪い、その命を狩れとの命令を受けた。」
「・・・・軍人さんがぺらぺらと任務内容話しちゃっていいんですか?」
レノートが全ての悪役に通用する禁断のつっこみをする。
「ふ、別にかまわん。どの道貴様らはここで死ぬのだからな!!」
そう叫んで鎌を持った男はレノートに一気に近づき、鎌を振るう。
「くっ!!」
しかし、それはリオンにふさがれる。
「早く逃げろ!!」
レノートははっとしてスティングを抱えたアウル達とともに逃げた。
「逃すか!!」
全身に砲を装備した男は黒い鳥から飛び降り、そのまま標準をレノート達に
あわせる。
「だめっ!!」
ステラはそう叫んで煙玉を投げる。煙のせいで標準を失い、見失ってしまう。
しかし、すぐに男は行動に移った。
あの子供達があの傭兵らしき男を見捨てるはずがない。ならば、奴を
追い詰めればすぐに出てくるだろうと。
「目障りだ!!」」
鎌を持った男が胸の飾りから攻撃魔法を射出する。
それは、通常の魔法とは違い、曲がって横からリオンを狙う。
「ちっ!!」
リオンの腕に月を模した魔方陣が現われ、そのまま敵のビームを受け止める。
「何っ?!」
まさかの防護に戸惑う鎌の男。
しかし、すぐに後ろから砲を装備した男がこちらに撃ってくる。
それを全て避け反撃しようと構えた瞬間、突然背後から攻撃を喰らい、そのまま倒れる。
二人は確かに視界に納めていたはず・・・・・。
「三人もいないはず、そう思っただろう。当然だ、先ほどまで俺は「一羽」だったのだから。」
そう言ってリオンの腕を踏みつける。その男には黒い翼が生えていた。
「・・・・っ!半鳥人か・・・っ!」
「ご名答。」
そう言って笑う黒い羽の男。この男は変身できるタイプの獣人だったのだ。
「なかなか面白い奴だ・・・・・。どうだ?ドミオン様の元へ来ないか?」
鎌を持った男が言う。
「ドミオン様の人を見る目は確かだ。お前ならすぐにでも特別待遇が・・・。」
砲を装備した男が言った瞬間、今まで腕を踏みつけられていたリオンが
踏みつけているその足をつかんだ。
「・・・・お前らごときの主人が俺を『使う』だと・・・・?ふざけるな・・。」
思わず三人組はリオンから距離をとる。とんでもない殺気を発しながらリオンは立ち上がる。
「そこの人たちー!!逃げてくださーい!」
思わずレノートが草むらから避難勧告をするが、それどころではなくなっている。
「俺の主人は・・・・後にも先にもあの方だけだっ!!」
そうリオンが叫んだ瞬間、彼の周りを緑の光が囲む。
「なっ?!月の女神の加護だと・・・っ?!」
黒い羽の男が驚いた様子で言う。
「消えろ・・消えろ・・消えろ消えろ消えろぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
そして、内部から壮絶なまでの火力の攻撃魔法が雨あられと射出される。
それは無差別でレノートたちの方にも飛んでいってたりする。
「くそっ!!」
三人組は反撃しようとするがすべてリオンを包んだ緑の光に阻まれる。
「ふはははははははっ!!貴様らごときがっ!!」
すさまじい猛攻が哄笑と共に響く。
「くそっ!!離脱だ!!」
三人組はとうとう逃げてしまった。しかし、暴走は止まらない。
「どうすんだ。これ。」
アウルが呆然と呟く。
「お魚・・・・。」
ステラがぽつんと呟く。
「もうあーなったらリオンさんは止まりません。次の町についたらリオンさんに
おごってもらいましょう。」
レノートはため息交じりに呟いた。
・・・・やばい・・・オマケのつもりで書いた番外編が長い・・・。
あと・・・、四、五回くらいで元の流れに戻ると思う・・・うん。
早く脳内妄想したMSを活躍させたい・・・。
それでは、職人様を含めたスレ住人の皆様、風邪にはお気をつけくださいませ。
ノシ
>>運命の舞踊作者様
よろしくお願いします
>>隻腕作者様
投下ご苦労様、ミーアはメイクですか。
>>マユデス作者様
毎日の投下ご苦労様です。
セイバーはけっこうマッシヴな感じで、造形だけなら文句ないんだが・・・
戦果がゲルズゲーだけってのが一番問題だよなorz
種デス本編の戦闘自体が少ないから仕方ない
たぶん一番の問題は、ただ倒しただけに終わってること
ゲルズゲーだって、他のMSでもできるような倒し方だったし
>>34 おもしろかった!!!!!
そらもう、素直におもしろかった!
相変わらずキャラの使い方がうまいですあなたサイコー!
しのはらってプロットをそのまま投稿してない?
そこから描写や視点を掘り下げて書いて初めて物語になるんじゃないの?
「感動した!」とかレスしてる奴は一体何に感動してるのやら
つまるとかつまらないとか言う以前の問題だと思う
>77前スレの700あたりから閲覧ヨロ。これ以上おれの口からは言えない(汗
>>77 携帯からのカキコらしいしな
書き込む方も、読む方も、書き込み完了待つ方も、長文投下なんてされたら大変だろうw
今の文章量でも1レス10分以上で3レスくらいだぜ?ww
好みは分かれると思うし、俺も正直信者にまではなれないけど、こういうスタイルはアリだと思う
そもそも、しのはら程度の腕でどうして信者がこんな多いんだ?
その方が問題。ストーリーの構成のみで考えたらまあ良いが、小説として読むのは正直無理だ。
つまらない以前の問題。
うん、まあ俺も最近じゃファントムペインか隻腕しか読まなくなったけど、
書いてくれる人が多いのは良い事なんだし、あまりそういう事言うな。
スレに活気を与えてくれていると思えばね。
職人同士の相互影響あるしね
門戸を狭めるのはよくない
>78 そういうことだなorz
>>80 レスをじっくりとね、見れば分かるさ
この話するなら前スレに戻ろう
歌姫編からしのはら叩きが増えたけど
俺は嫌いではないよ。
AA組に対する逆補正も
マユの逆襲する世界なんだからアリだと思う。
本編ではマユの人生を背負った
シンは竜頭蛇尾にすら
して貰えなかったからね。
つーか、
>>1の
>概要抜粋型(短い)と小説型(長い)どちらでも可
を読めよ、って感じなんだが
今はSS形式が主流になっているが、本来はどっちでもいいんだ
それと、しのはらの歌姫編は基本的にギャグでしょ
四馬鹿への開けっぴろげな憎悪丸出しの作風は引く人もいるかもしれんが、まあ逆にそのぶっちゃけぶりが好きっつー人もいるわけで
結局は好きずきってところだろう
贔屓キャラを持ち上げてそれ以外を貶めるならやってることは負債と同じ。
気に食わない職人叩きで
スレ頃しを仕掛けた粘着は
負債にも及ばない糟だったよ。
>>87 本編で贔屓されたからこそ咎めたいんだろう
しのはらアンチが大量発生している件について
ちなみに漏れもアンチw
>>87 種キャラ…特にキララクアスカガを原作どおりに行動させると
どうしたって頭が可哀相な人にしかならない罠
4馬鹿叩くと、
「しのはら認定」して
スレ頃しを仕掛ける
粘着はスルーでな。
前スレから拾い物。
↓
878:10/15(土) 10:20 ??? [sage]
新スレでもしのはらの書き込みが目立ちすぎる件について
84、85、86、88、89、90あたり
全部しのはらだろ?
874 876 877
ついでにこっちにもいたw
おまえ一日中いるんだな
しのはら乙
age
あー、何かスレが殺伐としてきて少し悲しいよ俺は。
某作品にあるように”星の数だけ人が居て、星の数だけ理想<想い>が有る"(うろ覚えなんで間違ってたらスマソorz)んだから
自分の思った事を回りに言うのはいい事だとは思う。自分以外の感性で他の人の書いた物語をこう受け取ったとかってのは
余り知る事の出来ない事だし作者さん達の励みになると思う。
だけど見て他の人が気分悪くするような意見何かはなるべく曝け出さないで欲しいと思うのは俺だけか?
確かに、羅苦死真理教の四人の扱いが人格面から見てまるで別人だから嫌とか言う人も居るだろうけどそれはその作品の”味”として
認識しているのは俺だけか? それでも認められないと言う人も居るかも知れないけどそれなら舞乙や手塚御代作品の様に
キャラとしての役が変わったと考えて欲しい。
それでも駄目なら自分でマユを食わない形で羅苦死真理教の四人マンセー作品を作ってくれ。
そうすれば作者さん達の苦悩や種死であの四人の扱い(言動と行動の不一致)の難しさについて解るだろうから。
自分は文才が無いからとか決め付けずに先ずは短編等で挑戦してくれればスレの活気も上がるだろうしね。
96 :
通常の名無しさんの3倍:2005/10/15(土) 15:05:19 ID:QVUe7uDg
95に同意
嫌いなモノならスルーすれば良し。
ちと毒は強いですがその分、個性が強く出ていて面白い作品だと思います。
「フルハウス。」
「OH MY GOD!!HAHAHAHAHAHAHA!!」
ここは王都、ありとあらゆる施設が集まっている。
それには娯楽もしかり、ハイネ一行はそこのカジノにいた。
「あー、儲かった、儲かったv」
大量のコイン袋を抱えてハイネの所へ戻ってきたジョー。
完璧なイカサマ技術でかなりの額を稼いできたようだ。
ハイネは軽くワインのグラスを傾けている。
「ははははー、お姉さん!もー一杯!!」
陽気にはっちゃけた声が聞こえる。キースだ。
どうやらそこらのおっさんと飲み比べ対決を始めてしまったらしい。
「・・・あいつと飲み比べするなんて・・無謀だよなぁ・・。」
ハイネがぽつりと呟く。その目は遠い過去を見ていた。
転がる大量の酒瓶と缶、一人余裕で飲み続けてるキース。
一番酒に弱いアキラなんて病院に運ばれた。そんな、遠い過去。
「あのおっさん、絶対死ぬ。」
ジョーはきっぱり断言した。
「あいつ、酔うことは酔うけど絶対酔いつぶれないんだよなぁ・・どうなってんだ?」
「ほら・、あれだ・・、最近なんか問題になってるらしい・・。」
ジョーの言葉にハイネの脳裏の艦内に抗議ポスターを貼りまくって艦長に怒られている
アキラの姿が浮かんだ。
「・・・のま猫?」
「のまネコ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ここは王都の国立図書館。ゼロは仲間と離れてそこで本を読んでいた。
彼の職業は錬金術師、それは知識がなければ意味がない。
なので彼はここで錬金術に関する文献を読んでいたのだが・・・・。
-------ゼロ君の回想。
『それじゃ、図書館へ行ってきます。ハイネ。』
『おーう、行ってこい。俺達カジノにいるから。』
『早くいこー!!酒ーー!!』
『お前って酒のことしか頭にないだろ。』
『今行く!!じゃあな!』
「・・・・・・・・・・・・誰もついてきてくれなかった。」
そう呟いたゼロの表情はいつもと同じだったが目に光る物が浮かんでいた。
>>95 長っ!
きっと良いこと言ってるんだろうが、もうちょっと纏めてくれないか
3〜4行くらいで頼む
101 :
95:2005/10/15(土) 18:21:27 ID:???
取り敢えず前回の書き込みが読み辛くて申し訳ない・・・orz
暫くたってから読み返して余りの読み辛さに吹きかけたよ・・・。
何気なくMSV第四弾。今回は純粋にインパルスのシルエットで。
汎環境形態変更適応型支援ユニット”セイブレム”
戦争後期に開発された大型のシルエットシステム。 本来は他のシルエットと同等の大きさだったが核エンジンの搭載によって大型化。
核により装着時インパルスがエネルギーの心配をしないで済むようになり採算度外視の武装実験機として
各エンジニアの暴走の結果製作された。 後、開発に関わった技術者は向こう半年給料半額の憂目に合うが遣り遂げた漢の顔をしていたと言う。
インパルスの各シルエットシステムとセイバーやザクのデータ、嘗て活躍したジャスティスの設計思想を受け継ぐ形で作り上げられた。
形状的にはセイバーのバックパックと∞リフターが混ざった様な物である。
尚、戦闘時に分離してリフターとしての使用やインパルスとリフター形態でドッキングしてM106アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲改で
挟み込む形の”高速巡航形態”等に変形(?)する事も可能。 言わば多機能Gフライヤー?
武装:M106アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲改(砲門がブラストのケルベに近い形状)、
MMI−714アロンダイト改(少し短くなった)×2 <収束ビーム砲改のサイドに装備>
専用ホルスターシールド(大型のシールド。 内側に一対の専用高出力ビームライフルを保持)。
長距離狙撃用超高エネルギー砲 バスターから得たノウハウを元に製作された武装。
バスターと違い砲身に専用高出力ビームライフルを接続するだけ。
こんなんで如何でしょう?
マユ種見て惚れ込んで初めて来たお
どうやらここは神に恵まれてるらしい・・・
煽りじゃなくて本当にしのはらが嫌いなら、「しのはら」をNGに指定しておけばいい
更に連鎖あぼーん機能がついてるものなら
しのはらの小説に付くうざい賞賛レスもあぼーんできる。マジお勧め
PP戦記マダー( ・∀・)
隻腕マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
しのはら新作投下後、ここの住人の反応が楽しみだ(SSなんかより遙かに)
. / . : l|__丁 :、/; : :/'/ | : l、
l. : : : :.l: : : : :ゝl:l: 7メ、 l| :|_ゝ
. l: : : : :.l:.:.:.. :ゝ !|/ __\ _,.l: lィ
l : : :.:.:l:.:.:.:.:ゝ /´ィ::::ーl` ニ´、 N:.|
|: : :.:l:.l:.:/ニヽ ′弋zノ |:`|∨: : !
|: : :.:l:l、l i :.:.: ー' l: : :|
l: : :.:l:| \ ` ' :.:|: : :|
l : :.:l:| 下、 r―- 、 ノ.: : |
l : :l:| | 、 ヽ ___/ /i.:.: :./ おまえらいい加減スルー覚えろよ
. ヽ:N,.z==、< ` r―‐ ´ |l |:.: /
/ヽ L:\ _ 小- 、 ___ l| |:./
ルナ(レイ)のザクは、他のウィザード付けていいんですよね?
ブレイズ又は、スラッシュで戦うルナザク
ガナーで援護に徹するレイザク
>>107 信者とアンチが入り混じっての大乱交パーティが起こります
裸糞真理凶徒ウザイ氏ね
マユたん(*´Д`)ハァハァ
「さーざーめーくかーねのねーはとーびーらーをひぃーらくねー♪」
「さぁーたびーたつーとぉきがきーたー♪」
「・・・・・・。」
マユたちは馬車に乗っている。
あの村でずーっと盗賊いじめをしていたらいい加減話がすすまねぇよ!!
と言う風にシンハロが出てきて叱られたので、マユたちも他のパーティと
同じように王都を目指す事にした。
この馬車は村の人達からお礼としてもらったものだ。
何せあの村の盗賊団は全てマユたちと戦って戦って戦って、全滅したのだ。
村人にはもう英雄扱いである。
「ハロってさー、時々出てくるよねー。」
「あいつの役割はギップルでしょ。」
「ギップリャ!」
御者はレイ、女子二人は中できまま勝手にやっている。
「・・・はぁ、早く皆と合流したい・・。」
レイは思わず呟いた。
さて、場面変わってこちらはアスラン一行。
こちらも、シンハロの導きに従い王都へ向かっている。
が・・、こちらには馬車なんて上等な物はない。徒歩だ。
「はぁ・・、グレイシアー。魔物使いなんだからでっかいドラゴンとかさぁ・・。」
「やだ。可愛くないもの。」
グレイシアが仲間にした魔物はネコと狼の中間のような獣の子供、イライジャ。
臆病でちょっとダメージをくらっただけでグレイシアの後ろに隠れてしまうヘタレである。
まぁ、それでも決して戦闘中に逃げ出したりはしないのだが・・。
「もうカルマが見えないな・・・。」
兎の半獣人であるカルマはそれは足が速い。
とてもじゃないけど、常人では追いつけない。
「・・・・早く王都に行きたいなぁ・・・。」
腹をすかせたアキラが呟いた。
現在の一行の王都からの距離。
マユ一行:ちょっと遠い。
アスラン一行:それなりに近い。
ステラ一行:あと少し。
ハイネ一行:もう着いている。
117 :
通常の名無しさんの3倍:2005/10/16(日) 16:51:00 ID:LSpfR4hS
ほしゅ
118 :
95:2005/10/16(日) 20:21:21 ID:???
影の戦記
夢を見た・・・逃げ回る者達にお構い無しに銃撃戦を繰り広げ、逃げ惑う者達を蹂躙する白と青の天使の夢を・・・
そしてそれに蹂躙される中決まって俺はその銃弾によって吹き飛ばされる、 そんな夢だ。
それは途轍もない怒りと悲しみを俺に呼び起こす。 何故なら、奴によって父と母を喪いあまつさえ妹は生死不明。
生き別れる寸前、妹には国を脱出する船に乗った事までは分かっては居るがその行方は分からない。
そして俺は在る人に拾われてココ――アメノミハシラに居る。
言い忘れていた。俺の名前はシン・アスカ。
オーブ影の軍神、ロンド・ミナ・サハク様率いる第弐のオーブ、アメノミハシラの特殊戦闘要員だ。
「此処に居たか、シン」
そう俺に声をかけてきたのは三人のソキウスを連れた女性、件のロンド・ミナ・サハク、通称ミナ様だ。
「何か御用でしょうか?、ミナ様」
「全く、お前にそんな言葉遣いをされるのは何時まで経っても慣れんな。これでも一応血縁だと言うのに・・・
まあ良い。仕事を一つ頼みたい。
この世界に関わる仕事だ」
この一言によってまた俺の仕事が始まった。
119 :
95:2005/10/16(日) 20:26:10 ID:???
『ここで無残に散った命の嘆き忘れ、撃った者たちと何故偽りの世界で笑うか!
貴様等は!軟弱なクラインの後継者どもに騙され、ザフトは変わってしまった!何故気づかぬか!
我等コーディネーターにとって、パトリック・ザラの取った道こそが唯一正しきものと!!』
その一括はザフト共通のチャンネルであったが故、新旧両部隊の全員がその声に聞き入る。
だが、それに対して反論する者もいる。
『私も家族を、前の戦争で目の前で喪いました・・・・!
でも! 私はこんな事をしようとは思わない!!』
『だが…消せぬのだ…!この恨み!この憎しみ!
この2年、何度も忘れようと足掻いた!だができぬのだ!この想い…!だからナチュラルどもに!!』
この言葉こそが、テロリスト達の総意。が、そう叫んだ彼の身に異変が起きる―
「ならばその想い、この俺が断ち切ろう。
全てはこの世界の安寧たる仮初めの平和の為に!」
戦場にいる誰もが目を疑った― 叫んだ男の機体から一本の剣が現れる―
彼のコクピットを背後から貫いたのはエクスカリバーと呼ばれるソードユニットの武装―
だが彼の後ろにはMSの存在など確認できない。
そして不可視化を解いて現れたMSの正体にただ一人気づいたものがいた。
割って入った声の主が駆るMSの正体を―
『馬鹿な!プロトインパルスが、軍神の影が何故此処に居る?!』
プラントの議長、ギルバート・デュランダルはそのMSの正体を、操縦者を悟り、叫んだ。
何故なら、セカンドステージと呼ばれるMS群の中で、何者かに奪取された三機のMS――カオス、アビス、ガイア――
の開発に協力する見返りとして、アメノミハシラに供与された分離機能を持たないPインパルスが目の前に突如現れたのだから・・・
つづ・・・かない。多分
120 :
通常の名無しさんの3倍:2005/10/16(日) 20:33:31 ID:PDEgdAkt
>>118-119 お疲れ様!ファントムペインじゃない特殊隊員のシンって何か新鮮・・・
意外とイイ奴っぽいし・・・続編ギボン。
121 :
95:2005/10/16(日) 20:34:19 ID:???
と、言う訳で
>>95で言った自分が率先して書かんと示しが着かないと想い、
試しに投げっぱなしの短編(?)を書いて見ました。
取り敢えず色々こう言う話も出来たんではないか?と言う自分の妄想を肥大させて書いて見ました。
これでも一応シンマユです、一応。
誰か引き継いで書いてくれないかな〜〜なんて。まあこれは唯の戯言ですんでお気にせず。
まあ、これで続けたら恐らくはシンかマユが前書いたセイブレムを使うんでしょうけど・・・
取り敢えず機体設定。
プロトインパルス
見た目は装備を外せば黒いアウトフレーム。
プラントから供与されて直に独自の改造が施された。
天津ミナやソードカラミティと言った機体を参考にして各装備が開発されており
両腕に簡易専用攻盾(ビームライフルとパンツァーアイゼンを装備)、
腰のサイドには専用エネルギーパック、専用シルエット(大型のフォースとソードの中間の様なもの)を装備しており、
単体でもミラージュコロイドの展開が可能。ミラコロデテクターまでも装備している。
開発陣からはその出自から”アストレイ・アサルトフレーム”と呼ばれている。
ミナ様の懐刀のシンというのはなかなかにすばらしいアイデア。一発ネタには惜しすぎまする。
それはそうと分離しないインパルスってばただの装備換装型MS……
いちおーMSVではやる気のねぇ分離型ザクがあるんだけどね。
プロトとかMk-2とか厨設定多いなぁ・・・勘弁してくれ(´A`)
話は面白くても興醒めする
思えばアスハ信者のトダカに救われたのがそもそもの間違いだったという気がしてならない>アニメ
あそこでシンを世話したのが、たまたまオーブ本土にいた「真のオーブ国民」だったらどんなに良かったことか
>>123 厨設定だらけで話も面白くない本編よりはいいだろ
>>123 本編からして厨設定しかありませんが何か?
>>分離型ザク
そっちは分離合体機構のテスト用ってことでどうでしょう?
本当はセカンドシリーズとしてPインパルス(テスタメント改)を作ろうとしてたが
ユニウス条約のMS保有数制限を交わすため苦肉の策として分離合体システムを組み込んだなら良いんじゃないかな?
もしくは9ザクとザク・ウォーリアの関係かな?
>>101 セイブレム
∞ジャスティスのファトゥム-01が特攻用およびジャスティスの一線離脱戦格闘用補助なら
こいつは火力メインですね!
プラズマ収束砲があるなら長距離狙撃用超高エネルギー砲はいらない様な気もします(^^;
>影の戦記
どう動くか分からないけど、GJ。
オーブに留まっているシンの心のうちがものすごく気になるよ!!
>>123 少しならいいんじゃね?SSなんだから
まぁ増えすぎると確かに興醒めだが
6スレ目>556、>557の続き
第三十一話
ザフトの地上戦艦内、アレックスは、ミネルバとアークエンジェルの戦闘跡地に数人の部下を伴って赴いたハイネからの通信に耳を傾ける。
戦闘跡地でまだ使える残骸拾いにいそしんでいた地元民を捉まえて聞き込んだ、ハイネからの報告。それは、ミネルバはアークエンジェル共々、MA群に連行された、であった。
ハイネは、フェイスの特権において自分の隊は独自に行動することと、お別れをアレックスに告げる。しかし、アレックスもフェイスの特権において、自分と隊も行動を共にすることを告げた。
ハイネ・アレックス隊に保護されたルナは、目立った外傷こそなかったが、病室で塞ぎ込んでいた。マユは見舞いも兼ねて食事を運んでくるが、ルナは陰鬱なままだった。その時、ルナはアークエンジェルを守って捕まったのは本当かと聞いてきた。
言い淀みながらも、マユは認めた。次の瞬間、ルナはマユに掴み掛かって、その訳を厳しく問い詰める。マユは、命を助けてくれたし、よくしてもらったから、助けたかったと語った。
ルナの平手がマユの頬を打った、あんたのせいでみんな死んだと罵声を浴びせながら、何度も、何度も。マユは無抵抗だった。
それを止めさせたのはアレックスだった。彼は、ミネルバが拿捕され、自分達が独自に救出作戦を行うことを伝えた。ルナはその場にへたり込んだ。マユは黙って部屋を出た。
マユはその足でブリッジに向かった。頼み込んでハイネとの通信を許可してもらう。ハイネはマユに何かあったことを見破る。マユは、さっきのこと語り始めた。
いつもはお姉さんぶっているくせに、いざとなると八つ当たりをする自分に嫌気がさす。それが、アレックスに語ったルナの本音だった。
アレックスは慰めの言葉は口にしなかった。ただ、その気があるのなら、今日中にでも仲直りするように言い、今の内なら些細な行き違いで済むとも付け加えた。
全てを聴き終えたハイネは、殴り返すぐらいすればいいのにとつぶやく。マユは、自分は平気だからと返し、すぐにいつものルナに戻ってくれると続けた。そして、ハイネに話に付き合ってくれたことにお礼を言って、マユは会話を打ち切った。
一人、ハイネは思う。我慢するのが癖になっている少女は、自分で言うほど平気ではないという自覚はあるのか、少し不安になった。
戦地で捉まえた地元民から人づてに情報を集めながらミネルバの進路をたどり、前線から離れたある集落に至った。そこで、ミネルバとアークエンジェルの搬入された基地を知っている人間に出会った。しかし、その情報を得るには、ある頼み事を聞く必要があった。
ハイネとアレックスの協議の結果、マユとルナに集落近くに最近住み着いた賊退治を命じた。心許ないと他の隊員から作戦参加希望者も多く出たが、両隊長はそれを突っぱねた。尤も、心許ないのは事実で、今のマユとルナは、どこか噛み合っていなかった。
賊の根城を遠目に眺めるマユとルナ、事前の情報では賊はザウートを三機所持だったが、実際にはザウートの上位機にして最新型のガズウートであった。しかし、二人は事前に決めたMSの力押しという作戦を変えない、一刻も早く、次の作戦に移りたいから。
ルナは、ザウートのマユでは荷が重過ぎると考えた。だから、後方で待機するように指示を出し、ザク一機で飛び出した。マユは慌てて後を追う。
賊のガズウート、起動。ザクが先手でビームを撃つも、相手は正面から受けきってビクともしない。二発目、三発目はすっとかわしてザクを包囲しようと動きを見せる。そのガズウートを阻んだのはザウートの砲撃、しかし、それはザクも巻き込んだ。
味方を頼れず突っ込みすぎるルナと、味方を大事にしすぎて慎重すぎるマユは、ガズウートに弄ばれていた。そんな中で、ルナはユニウスセブンの時を思い出した。自分が馬鹿やってみんなを窮地に追いやった、あの時のことを。
ルナは冷静に見渡す。ガズウートの攻撃はザクに集中していた。反面、消極的なザウートは半ば相手にされていない。また、これまでの動きから、賊は正規に訓練されたザフトの人間に違いない。
ルナからの鋭い指示がマユに飛ぶ。マユは、それはそれは嬉しそうに了解といった。
ザクは攻撃をかわしつつ、速く、大きく、包囲の外から回り込む。ガズウートはザクを正面に見れる状態で、各機が再び包囲すべく素早く移動。
ここで、罠が働く。ルナの動きに合わせた位置取りは、言ってみれば教科書通りで先読みできる。また、ザウートへの注意が散漫だから、急転回とその後の全速力を見逃す。よって、ザウートが全速で向かう先に、ガズウートは全速で回り込む格好になる。
マユはこの瞬間を逃さない。ガズウートの側面、それも至近距離から砲弾を叩き込む。まず一機目。
見違えたザウートに睨みをきかされ、敵が乱れたところをルナは突く。ガズウートの足をビームライフルで足を撃ち抜き、ヒートホークが炸裂。二機目。
三機目のガズウートはもうすでにパニックに陥って、ザクとザウートの体当たりで吹っ飛んだ。
戻ってきたマユとルナを一番最初に迎えたのはアレックスの説教だった、ガズウートが相手なら戻れ、と。仲良く二人して反省する姿に、ハイネはチームの呼吸が戻ったことを読み取り、アレックスを黙らせ、改めてマユとルナを歓迎した。
ハイネ「ハイネ隊・アレックス隊改め、オレンジ・ショルダー隊は、お前達を歓迎する」
>>123 そりゃあUCのザクとかジムに「何回もウザス」って言うようなもんだし、そもそも失敗なしにMSを完成させるのは不可能だろ
それに(広義で、つまり富野とか、まあ負債とかの糞から見たとしても)作者なら主人公もしくは準主人公に多少なり良い機体乗らせるのは普通だろう
加えて種世界の世界観を壊さないようにそういう機体を出すとしたら…ある程度は全然良いと思うぞ俺は。よっぽど筋が通ってない厨機体でなければな。
つかまだ95氏が書いてくれたのでお前が気に入らないって言ってるタイプの機体は二回目だからそんな反応するほどでもないと思うが…
それともあれか、俺ならもっとカコイイ新型創れるぜ!ってか?なら是非創ってくれ。いいものだったら職人様が使ってくれるかも試練し、お前が職人様の仲間入りするってのも悪くないだろ
それでもないなら日記はチラシの裏に頼むぞ。口だけの奴の誹謗中傷は一々ウザいし見てて腹立つ
ワリ、個人的な感傷でスマソ
>>132 テンプレよく見ましょう
>煽り荒らしは、スルーしましょう
まぁもちつけ
ちと熱くなり過ぎたよ…迷惑かけてスマンorz
136 :
通常の名無しさんの3倍:2005/10/17(月) 01:13:02 ID:BGYM56yJ
>>129-130 乙!!
しかしマユ種、台詞はこれからもほとんど無いんだろうか・・・
ストーリーが面白いだけに非常に惜しい気が
ともかく次回作期待age
>ミナ様の懐刀のシン
うわっちゃー…似たようなの構想中だったのに、先越されちゃった……orz
この時期になるといろいろな構想が被るのもやむなしという気はする
そこは気にせず進められてはいかがでしょうかね
140 :
137:2005/10/17(月) 02:31:14 ID:???
>>137 そうさせて頂きます。
>>139 いや…遠慮しとく。自他共にそれぞれの作者の世界観を大事にしたいので。
発投下します。お目汚し失礼。
マユ −Whisper of Souls−
第一廻
時はC.E.73
前大戦から2年ーー
ユニウス条約締結後、世界は仮初めの平和を保っていた。そう、仮初めの平和を・・・。
「なぜわからぬ!パトリック・ザラのとった道こそ、唯一正しきものと!」
地表へと落下していくユニウス7。
かたや復習こそ唯一の救いと信じ、修羅と化した家族を失ったものたち・・・。
かたや復習は憎しみしか生まぬと、亡き兄を想いながらも戦いに身を投じていく少女。
「あなたには聞こえないのね・・・この人たちの願いが。」
少女は知っていた。死んで行った者たちの大半は、平和を願っていることを。
次々と撃墜されていく、ジン・ハイマニューバ。次々と散っていく、命。肉体の呪縛から逃れ、開放されていく魂。
ユニウス7落しを敢行した者たちのリーダー、サトウは今、ユニウスで散っていった者たちの魂と邂逅していた。
『おお・・・こんなにも・・・私の思いは無駄だったというのか・・・。これは私のエゴだったというのか。復習を望む者などほんの一握りだったというのか!!』
魂だけになり、散って言ったものたちと触れることで初めて真実を見た彼は、自分の犯した過ちを悔やんでいた。
「あなたにも、もっと早くに気づいてほしかった・・・。」
少女は嘆く。この魂はおそらく、成仏することはできない。自らの過ちという呪縛に気づいた彼は、このままその思いに縛り付けられるだろう。
「生きているうちに気づいていれば・・・。」
彼の仲間たちも、同じように後悔に縛られている。彼らもまた、成仏することはできないだろう。
そしてマユはユニウス7をじっと見つめ、決意を目に表す。やるしかない。
「いま、あなたたちも解放してあげる。」
地表へと落下するユニウス7を何とかしなければ、彼らサトウたちのような憎しみに縛られるものたちがまた現れてしまう。彼女はそれだけはいやだった。もう、後悔の叫びをあげる魂には出会いたくない。
最後の一つのメテオブレイカーを打ち込むため、マユはユニウスに降り立った。血のバレンタイン・・・悲劇の始まりの地に。
『苦しいよ〜、おかあさん、おかさ・・・ん』
『いてぇ、誰か助け、ぐあぁぁ・・・うぅ』
ユニウスで散ったものたちの、悲痛な叫びが聞こえてくる。まだ死を理解していない者たち。
『畜生、死にたくなんかないのに!だれかぁ、だれかぁ!』
憎しみの感情や、苦痛による叫びはひときわ耳につく。マユは心を痛めた。しかし、ここに縛られている魂たちの大半は、2年の時をへて、後の平和を願うようになっていた。なのに彼らはここから離れられずにいる。
魂の牢獄と化したユニウス7に囚われ、成仏できずにいるためだ。あまりにもたくさんの魂がここで散り、
苦痛の思念が集まり、ユニウス7を媒介に牢獄を作り出してしまったのだ。
「わたしがあなたたちを解放するから。みんなはもう自由なんだよ。もう憎まないでいいんだよ。」
マユはメテオブレイカーを地表に突き立てた。やがて、地中へと潜っていったそれのおかげで、ユニウスは大きく二つに割れていく。その二つに割れた地の裂け目から、数え切れないほどの発光体が天の川のように流れだしていく。
この宙域でコレが見えているのはおそらくマユだけだろう。
宇宙へと飛び立っていく魂の一つが、マユの横を通りすぎていく。
『・・・ありがとう・・・。』
そう、魂がささやいていった。どういたしまして、とマユは心の中で返答する。
突如、光の帯がユニウスに到達し、大きく砕けた破片がさらに砕けていく。ミネルバからの陽電子砲だろう。これで地表への被害は最小限ですむはずだ。
そして、残った心配事がひとつ。機体の外装温度と内部温度の異常を告げる警告ブザーが響く。どうやら、単機で大気圏突入しないといけないようだ。
カタログには単機突入可能と書いてあったはずだから、問題じゃないといえばそうなのだが。
マユはインパルスの正面にシールドを構える。次第に機体温度が安定していき、インパルスとマユは突入姿勢に入った。
「地球・・・かぁ。2年ぶりだなぁ。」
インパルスは、機体を紅く紅く燃え上がらせながら、蒼い蒼い地球へと降下していった。たくさんの流れ星を引き連れて。
Fly away lonly souls, into the endless sky, so far away ...
あとがきのような物
以下、通称マユ魂でww。先ほどの、ミナ様サイドのシンのはなしに刺激されて、素人だけど書いてみようと思いました。
いつもROMってただけなんで・・・。
製作時間は、構想から書上げまで2時間。最後の英語は、知る人ぞ知る歌詞から引用ですwww。
第二廻、無いかもしれません・・・。
当方、PCは有りますが、NET環境にないため、PCに携帯をつなぎ、パケ死覚悟のアクセスですw
やべ、復讐が全部復習になってるorz。推敲した(つもりだった)のにぃ〜www。
146 :
通常の名無しさんの3倍:2005/10/17(月) 07:54:23 ID:NnMDUHbV
ぼくのかんがえたえむえすぶい
音速突破試験型イージス
ゲシュマイディッヒパンツァーの応用による音速突破を目的とした連合の実験機。
外見はほぼイージスだが、
両手両足にビームサーベルの代わりにゲシュマイディッヒパンツァーを、
両腰のバインダーに強力なジェットエンジンを搭載している。
変形することによって超音速飛行が可能。
さらに両手両足のゲシュマイディッヒパンツァーはシールド的な運用も可能であり、
その場合、まさに「イージスの盾」とも呼ぶべき防御力を得る。
ちなみに実験機であるため固定武装は一切無いが、連合系の標準的な武装を装備することができる。
ゲシュマイディッヒパンツァーで深海に潜れるんなら音速も超えられるんじゃないかなー、とか。
こんなハンパな機体に需要があるのかわからんけど。
147 :
通常の名無しさんの3倍:2005/10/17(月) 09:00:10 ID:FboXvjDt
>>146 音速突破イージス、良いと思うぞ?ただ、元の形状のままだと
揚力が殆どないので、ミサイル状態になってしまうがな。MA形態に
後退翼でも付けてやるといいかもしれない
戦闘に使えるのか?
ってか、スレ違いだと思うんだけど。
小説は書かずに、単に自分の考えたモビルスーツを晒したいだけなら
他所でやるべきじゃないか。
禿同。それは前から思ってたな。俺ガンスレってあったと思うし。
第五話投下します
お目汚しを・・・
スペースデブリ帯を進むミネルバに襲いかかるネオザフトMS部隊。
ネオザフトの機体は例外なくピンク色に塗られ、識別されている。
だがルナマリアやマユはただの馬鹿としか、この塗装を思っていない。
「見やすくて助かるわ、弱いくせに」
「なんでピンクなんだろうね・・・」
ルナマリアのガナードムトルーパーは一気にジン二機を撃ち抜き、間髪入れずストライクダガーを叩き落とす。
ネオザフトの機体は一部を除いて旧式機が多く、士気こそ高いものの練度は低い。
ハイマニューバの刀を掴み、腕ごともぎ取るドム。武器を失ったジンのコクピットをパンチで潰して、他の機体へ投げつける。そして、トドメにオルトロス。
「平和への願いだけじゃ戦いには勝てないわよ!」
ルナマリアは不敵に笑う。
「もっとも、平和なんて望んでるのかしら?」
エターナルの格納庫では、ネオザフトに合流した「問題児」が騒ぎを起こしていた。
「ですから神楽隊長、機体は全てピンクに・・・」
「テメェは馬鹿か?あんな色にしたらいい的だろうが!」
大戦終結後、プラント側につく傭兵部隊の隊長に就任した神楽は仲間のメリルとヒックスと共に、今はネオザフトで仕事をしていた。
「何を騒いでいるのです?神楽隊長」
ラクスが現れ、神楽は唾を吐く。彼はピンクの歌姫が大嫌いだった。
ラクスは整備員から話を聞き、神楽に言う。
「あなたは私たちの仲間ではないのですか?共に世界を・・・」
「アーアー聞こえないね。俺はそういうの嫌いなんだ」
神楽はラクスにそう言い、愛機のグフ・イグナイテッドへと向かう。
そして演技めいた口調で、
「我らの世界を守るために、人を殺して参ります。・・・お姫様?」
宙域で次々に敵を倒すザフト軍に、三機のグフが攻撃を仕掛けてきた。
JG26のマーキングが施されたグフは他に目もくれず、ドムにヒートロッドを射出、手足を絡めとる。
「まず・・・」
「ルナお姉ちゃん!」
インパルスがドムを助けようとするが、グフのビームバルカンが行く手を遮り、近づけない。
混線する通信から、聞き慣れた声が耳に入る。
「耐電シートは入ってるかぁ!?」
神楽だ。かつて味方として戦ったエースパイロット。
マユは射線を交わしながらヒートロッドを切り、グフに肉薄した。
「あなたは・・・神楽隊長?」
「おやおや、これはスーパーエースのマユ・アスカちゃんのお出ましか!」
「どうして彼を味方するんですか!?」「なぁに、簡単な理由だ」
サーベルを抜き、切りかかるグフ。
「俺はプラントに捨てられたんだよ!」
投下終了です
ではノシ
>>155 GJ!
>ネオザフトの機体は例外なくピンク色に塗られ、識別されている。
あれか、「コンビニ弁当の漬物」だ!
錬度(人間的性能)で劣る、MSの性能で劣る相手を、一方的にたこ殴り。
どっかで見た展開だな…しのはらの作品はそうじゃないのがウリだと思っていたが。
神楽が出てきて、某作品より釣り合いは取れてるが、怖い方向に突き進みかけてる気がするなあ。
>>156 神楽グフ(三機)は青でヨロ。フリーダムもピンクですw
神楽、ヤ惨風味でイイネエ。
神楽、その戦果とかネーミングとかは一言文句言いたいけど、でもキャラがイイんだよな
ちょうどあの世界に欠けていたジグゾーパズルのピースというか。
age
>>142-145 パケ割にすればいいんジャマイカ?つか携帯でも2chは見れるからわざわざパソに接続する意味がない気ガス
164 :
95:2005/10/17(月) 22:43:58 ID:???
>>158GJ!
このまま突っ走って行って頂きたい。
>>120.122,124氏
稚拙な拙作が好評な様で嬉しい限りです。
プロットも立てずに唯その時の構想を書いただけですんで・・・
これ以降思い付いたら短編としてAOZやアストレイの様に短編として投下して行こうかなと思っとります。
取り敢えず書かなきゃならんのはユニウス事変と過去編かな?
>>123氏
申し訳ない。 あの時は碌な名前思い浮かばんかったのよorz
何かどんな名前にしても厨くさい気が仕出して無難なプロトにして見たとですが駄目ですかそうですか・・・
誰か厨臭くない名前ってどんなのかおせ〜て〜〜!!(を いや、冗談です。募集なんかしてませんからね?
所で
>>122氏の分離しないインパルスってばただの装備換装型MS……
いちおーMSVではやる気のねぇ分離型ザクがあるんだけどね
についてですが、実際テスタメントって唯のザフト製ストライク何ですよね、実際。
な訳でテスタメントとインパルスを繫ぐMSの存在が無ければ可笑しいんです。本来は!<力説
な訳で自分で捏造して見ました。 もしかしたら今後公式MSVで出るかも・・・<ガクガクブルブル
>>144 機種変してでも定額制にすると、
劇的に月額料金が安くなるお。
166 :
95:2005/10/17(月) 23:03:04 ID:???
続き。
>>127氏。
貴方の仰る通りあのザクにテスタメントを掛け合わせても(Gジェネ風に言って)インパルスは出来ないと思うんですよ。
な訳で前述した用に素材捏造です。位置づけるとすればGジェネで言う所のベルフェゴール的ポジション!(え〜〜
それとセイブレムの感想有難う御座います。いや、誰も反応無くてもしや場違いでスか?とガクぶるな心境だったんで。
んで長距離狙撃用超高エネルギー砲についてですがぶっちゃけプラズマ収束砲って威力だけで命中率低くないですか?
何か狙撃とかに向いてないと思うんですよ。
更にリフター突撃やっちゃったら還ってくるまでNインパルスに毛が生えた程度の状態で攻撃力低すぎるよな。と思って付けました。
砲身はリフター時プラズマ収束砲の真ん中に有る機首部分。着脱可能。
>>137氏
おお!同じ考えの同士が!? 共に王道ではない道を突き進みましょう、何処までも!!(え、
と言う訳で纏め人様之からお世話になります。 気分野な自分ですが之から宜しくお願いします。
PS.種死なのにミゲル(黄昏の魔弾)生存してても良かですか?
167 :
95:2005/10/17(月) 23:22:28 ID:???
書き忘れてた・・・
>>149-150氏
御免なさい。正直な話自作で載せたの併せて四機投下してます・・・
以後気を付けます。申し訳有りませんでした。
所で
>>146氏。その装備だとバッテリー消費とか関係無しに可変型の意味が・・・
いや、可変型って実は機体剛性とかの問題で空中分解とかの危険性とかも有るんで普通のMAの方が良さそうですが・・
>>157氏。 一応兵法の一つで捨石を先行させることで相手に油断を生ませ、自軍の士気を高めると言う物が有るとですが・・・
いや、唯単に兵の実力にバラつきが有り過ぎただけと言う見かたも出来るんですよね、、、
自分の見る限りラクス陣の殆どが熱狂的なラクスマニアって気もしますし・・・
もしかしてラクス対ミーアの歌対決何かもやるんだろうか・・・。
連投かましてしまい誠に申し訳ない<平伏
168 :
146:2005/10/18(火) 00:18:12 ID:HG4pq/2Q
>>167 あくまで「MS」で音速を超えるための実験機なので。
変形はゲシュ(ryを前方に集中させるためと、バーニアを後方の集中させるため、あとハッタリ。
高い機体剛性が求められたからこその高性能でデスティニーの時代でも実用に耐える、とかダメですかね。
いやエリア88のX−29みたいな機体なんてどうかなー、という程度の考えからできたやつだったんですがねー。
「音速を超えて妹の下へ駆けつけるシン」みたいな。エリア88関係ないけど。
スレ違いみたいなんでもうしません。ご迷惑おかけしました。
ほのぼのさん来なかった…密かに楽しみにしてたのに(´・ω・`)サミシス
>>95 SSスレであんまレスしすぎたら叩かれるかも知れんぞ
ほどほどにな
単発設定小話 「マユとシホ」
シホ「・・・マユちゃん・・・・・・」
マユ「なーに?シホ姉ちゃん」
シホ「マユちゃん、ミネルバに配属でしょう?」
マユ「そのはずだったんだけど〜・・・・」
シホ「けど・・・?」
マユ「ジュール隊長に呼ばれたのよぉ」
シホ「隊長が?」
イザーク登場
イザーク「おぉ、おまえがマユ・アスカかぁ!いや、写真どおりじゃないか!」
シホ「隊長!なぜミネルバ配属のマユ・アスカがジュール隊にいるのですか!?」
マユ「あのぉ、イザーク・ジュール隊長・・・?」
イザーク「なんだ?」
マユ「なんで私ここに召喚されたのでしょうか?」
イザーク「ふんっ、そんなもの。決まっているじゃないか!」
マユ・シホ「?」
イザーク「姫毛だからに決まっているだろう!」
マユ「・・・・・・(絶句)」
シホ「・・・こんのぉ、大馬鹿隊長がぁ〜!!」
イザーク、シホにボコボコにされる
イザーク「シホッ!痛い!痛い!」
シホ「うるさい!このカッパ野郎!くだらないことで召喚すんな!ロリコンめっ!」
マユ「シホ姉ちゃん・・・」
シホ「マユちゃん、はやくミネルバへお戻りなさい。グラディス艦長へは私から言伝しておくから!」
マユ「・・・うん。じゃ、わたしミネルバに戻るね・・・」
イザーク「あぁ、マユゥゥゥゥ〜」
シホ「まだいうか!」
ディアッカ、扉のすき間より
ディアッカ「う〜ん・・・グゥレイトォだぜ・・・(シホって怖ぇなぁ・・・)」
完・・・ごめん、思いつきで20分で書いてしまった。。。
ファントムペイン戦記11話目です。
長い……果てしなく長くなってしまいそうなので一回きります。
前編だけの投下ですがご了承くださいませ。
後編は折を見て……
173 :
1/19:2005/10/18(火) 01:18:24 ID:???
ハイネ・ヴェステンフェルス、アスラン・ザラ、ショーン・ポール、ゲイル・ラッセル……
彼らハイネ隊の4人がミネルバに赴任してから3日目の朝―一通の命令書がミネルバに届けられた。
艦長タリア・グラディス、副長アーサー・トライン、MS隊隊長ハイネ・ヴェステンフェルス。
ミネルバの指揮を担当する3人がその命令書を巡る検討がなされていた。
口火を切ったのはアーサーであった。
「しかし、ジブラルタル基地に向かえって……どういう任務ですか?」
「……私が聞きたいくらいよ、アーサー」
命令書の中身は、ジブラルタル基地に向かい、スエズ攻略中の駐留軍の支援せよ―というものであった。
タリアから命令を聞かされたアーサーは開口一番訝しがった。ジブラルタルといえば地球の裏側に近い。
その途中、ザフト軍の拠点は随所にあるとはいえ、地球連合の支配域がそのほとんどを占めている。
即ち、敵中を突破しつつ、友軍の支援に向かえというのが、命令書の趣旨であると解された。
最新鋭の戦艦であるミネルバであるから、過酷な任務も想定のうちとはいえ、常軌を逸していた。
アーサーが疑問をもつのも無理はなかった。
「でも……命令された以上、やるしかないでしょ?ハイネ隊長、MS隊の方はどうなの?」
「グフとセイバーの補修用の部品も今朝方届けられました。いつでも出れるとは思いますが……
パイロット間の練成の問題、とりわけフォーメーションの問題が懸念されます」
「命令は、明日には出航しろってことだけど、航海の間に解決できそう?」
「シミュレーターを使えば相応には……ただ、シミュレーションは所詮シミュレーション。
実戦感覚が養えるかといえば疑問が残ります。まぁ、結局は出たとこ勝負になりますかね」
「そう……」
緋の戦士ハイネ・ヴェステンフェルス、彼のミネルバ着任はタリアにとって数少ない喜びであった。
新鋭艦として建造されクルーも新人が多数を占めるミネルバにおいて、彼は貴重な歴戦の戦士だ。
正規パイロットはルナマリア・ホークとレイ・ザ・バレルのルーキー赤服の二人だけ。
インパルスのテストパイロット、マユ・アスカを入れても3人しかいなかったのだ。
彼を含めた4人の着任は、これから困難が予想される任務においてこの上なく心強い存在であった。
彼の腹心ともいえるショーン・ポール、ゲイル・ラッセルの二人も一般兵ながら大戦を潜り抜けた猛者。
連携の問題も、当面はハイネと腹心の部下二人が中心となって活躍するだろうことは容易に想像できた。
そして、もう一人……
「彼、アスランはどうしてるの?」
「アイツは……まだ復隊してから日が浅いのと、なまじ名前が売れてることもあって……
ミーティングやシミュレーションやらには顔を出すんですが、部屋の外にはあまり出なくて。
外に出ても、周りが何だかんだ言って覗きに来るもんですから、艦にもまだ馴染んではいないようです」
「……色々あるんでしょうけど、早く馴染んで欲しいものね」
復隊したアスラン・ザラ―かつて連合のストライクを討ち倒した英雄の存在も、一応は心強いのだが……
一度はジェネシス破壊という利敵行為に及んだことが災いして、完全に信頼はできないタリアであった。
とはいえ、復隊の志が真実のものであれば、この上なく艦にとっては頼もしい存在。
一日も早く嘗ての英雄としての姿を見せてくれることを、彼女も望まずにはいられなかった。
174 :
2/19:2005/10/18(火) 01:19:18 ID:???
ハイネ隊の着任の他にもう一つ、ミネルバにとっては喜ばしいこともあった。
先ほどからアーサーが、タリアの襟についているものをチラチラと眺めていた。
タリアとハイネの会話が終わるのを見計らって、いよいよとばかりにアーサーが祝辞を述べる。
「グラディス艦長。特務隊フェイス就任、おめでとうございます!」
「……ありがとう。こんな急な任務が入らなければ、もっと喜べたんでしょうけどね」
「いえいえ、これも艦長の活躍の賜物。副長の私としても鼻がたか……」
「―ちょっと待ちなさい、アーサー。今作戦会議中よ?喜んでくれるのは私としても嬉しいけど……
ほら、ハイネ隊長を見なさい。さっきから笑ってるわよ……もうっ」
見れば緋の戦士は、タリアとアーサーのやり取りを見ながら笑いをかみ殺している。
流石にそれを見てアーサーも襟を正すが、時既に遅し。堪えきれずハイネは笑い出した。
「いやいや、艦長。おめでとうございます。申し遅れましたが、私からもお祝いを……」
「……ほんとに、ごめんなさいね。恥ずかしいところを……」
「いえ、ユニウスセブン破砕作業、及びオーブ近海での大西洋連邦艦隊との一戦。
これらの戦いぶりは、まさにミネルバは戦女神の名に相応しい活躍を見せております。
その艦の指揮官たるグラディス艦長がフェイスに任じられる。これは至極当然のことでしょう」
「……ありがとう」
ミネルバの名は古代ローマ時代の技術と工芸の神、ミネルバに由来している。
また、ミネルバという神は後にギリシャ神話の戦女神アテナと同一視された。
艦の由来と、今の活躍ぶりを褒めたたえられればタリアとて嬉しくない筈がない。
照れながらも、機知に富んだハイネの祝辞に、先ほどまでの重苦しい雰囲気も幾分和らいだ。
「ところで、その……ミネルバ活躍の立役者……と言われている子の話なんですが」
「……マユのことね?」
「はい。彼女は……その、本当にあれほどの活躍を、あの年齢でやったというんですか?
正直、初めて聞いたときは我が耳を疑いました。私も長いことパイロットをやっていますが……
あんな女の子が、あれほどの活躍をするなんて些か……」
「……信じられないのも無理はないわ。私だって、目の前で見ておきながら未だに……
そう、まるで夢でも見てたんじゃないか……って思いたくなるときがあるけど、事実なのよ」
ミネルバ活躍の立役者、マユ・アスカの存在は、ハイネから見ても異質であった。
ユニウスセブンを砕くため、ただ一人ユニウスに残り破砕作業を続行後、単独でミネルバに帰還。
また、オーブ近海の海戦では、MS7機とMA1機、そして艦艇6隻を一人で屠ったというのだから。
年齢がまだ13歳と幼いため、軍のテストパイロットとして一般に素性は明かされてはいないが……
当然ハイネは着任早々その話を聞かされ、マユ本人にも会ったが、俄かに信じられなかった。
それ故、改めて艦長に聞いた次第であったが……
「艦長は、彼女にエースとしての資質があるとお考えで?」
「私はパイロットじゃないから分からないけど……天賦の才は間違いなくあるでしょうね」
ふむぅ、と唸ってハイネは沈黙してしまった。
175 :
3/19:2005/10/18(火) 01:20:08 ID:???
艦長室を辞した後、ハイネは考え込んでいた。
ミネルバがオーブ海戦で討った敵機はMS15機とMA1、艦艇6隻―
MAとMSの実に約半分をマユ・アスカが一人で討ったことになる。そして艦艇を6隻も。
かつて初陣でMS30機余りと艦艇6隻を沈めたラウ・ル・クルーゼというパイロットもいたが……
碌に軍事教練も受けていない幼年学校の生徒が、これほどの戦果を挙げるものだろうか。
ハイネが最初にマユと会ったときに受けた印象は、普通の女の子という印象以外持ち得なかった。
部下を待たせてあるミーティングルームに向かい歩きながらも、彼は幼いエースについて考え続けていた。
その頃の幼いエースはというと、命令どおりミーティングルームで待機していた。
部屋には他のパイロット達、アスラン、ショーン、ゲイル、ルナマリア、レイたち全員揃っている。
作戦行動開始前ということもあって、曰く形容しがたい緊張感に包まれるのが普通であろうが……
なにやら場違いに雑談が繰り返されていた。
「アスランさん、ストライクを倒したときの話、聞かせてくださいよぉ」
「あ……いや、それは……その、またの機会に……ほら、これからミーティングだし……」
「いいじゃないですか?まだ隊長来てませんし」
「でも……な、長くなるからさ」
ルナマリア・ホークは何やらアスランを質問攻めにしている。離反者とはいえ、嘗てはザフトのトップエース。
艦内の誰もが彼の着任に興味津々ではあったのだが……それを嫌ってか彼は部屋の外に出てこない。
会う機会もほとんどなかったため、ルナマリアはこの機会にとばかりに質問を始めたのだが……
肝心のアスランはというと、元来あまり社交的でない性格も手伝ってか、引き気味であった。
他の男性陣はというと、ショーンとゲイルがレイを掴まえてアカデミー時代の話に花を咲かせていた。
レッドではないがベテラン二人もアカデミー出身で、今年度主席のレイに教官の悪口などを語っていた。
レイは教官の悪口など言わないが、そこは彼なりに訓練は厳しかったなどと相槌を打ちながら話していた。
そんな中、一人浮かない顔でルナマリアの側にいたのがマユ・アスカであった。
マユを誘って、一緒にアスランから話を聞きだそうとするルナマリアが声を掛ける。
「マユ、何か質問とかないの?アスランはトップエースだった人よ。聞いておきたいこととかない?」
「………」
「ほらほら、こういう機会に聞いておかないと損だよ」
「………」
相変わらず浮かない顔で、無言で困ったようにルナマリアを見返す。
そもそも、マユ・アスカには彼の復隊がどういう経緯でなされたのか、よく分からなかった。
連合のストライクを討った英雄というのは、軍幼年学校にいたころから周囲から聞かされ知っていた。
そして脱走して利敵行為を働いたことも……。だが、そんな過去の事実はマユにはどうでも良かった。
この間までオーブ代表の護衛として同伴していたアレックス・ディノが、なぜアスラン・ザラなのか―
この点が彼女には不可解で、同時にオーブ代表を快く思っていなかったこともあり、不快でもあった。
困惑してルナマリアを見返しても、己の心中まで慮ってはくれなかった。困り果て、アスランを見るが……
意外なことに、彼はルナマリアの質問攻めに困っていたときの顔とは違っていた。
何やらぎこちない笑顔を作ってはいたが、マユに微笑みかけているようにも見える。
どうしてこの男はザフトにいるのだろう―?ふとそんな想いが頭をよぎった。
176 :
4/19:2005/10/18(火) 01:20:56 ID:???
「どうして……貴方はザフトに戻ったんですか?」
質問するつもりはなかったが、この際と思い一番疑問に思っていたことをマユは口にした。
アスランの笑顔がそうさせたのだろうか……だが、アスランは先ほどとは違い厳しい表情に変わっていた。
慌ててルナマリアはマユの口を塞いだ。この質問をするのはある種のタブー……彼女はそう思っていた。
それはルナマリアだけでなく、艦内のクルー全員にとって暗黙の了解事項であったのだが……
利敵行為を働き死刑寸前までいった男の復隊、これには政治的意思が働いたに相違ないのだ。
彼が軍に戻ったということは、政治的理由で何らかの力が働いたからこそ実現したに違いない。
当然そんな裏の事情に触れることは、一般兵の身分では何やら畏れ多くもあり、皆沈黙していた。
生来の好奇心旺盛なルナマリアもその質問だけはさけ、障りのない質問に止めていた。
しかし、マユは……それをやってしまったのである。長い気まずい沈黙の後、アスランが口を開いた。
「……俺は、この戦争から祖国を……プラントを護りたいって思ったからザフトに戻ったんだ」
「じゃあ、どうして前の戦争で裏切ったんですか?」
今度はルナマリアだけでなく、室内のショーンやゲイルまで顔をしかめていた。レイだけは無表情だが……
皆それとなく復隊したアスランの心情を慮ってもいたため、室内の空気は張り詰めたものとなった。
先ほどの沈黙よりも更に長い沈黙の後、アスランは語りだした。
「……先の大戦で、俺が脱走して……ジェネシスを破壊したことは知っているね?」
「はい……」
「俺の父、当時の最高評議会議長であるパトリック・ザラは、ジェネシスで地球を焼こうとしたんだ。
ナチュラルを全て滅ぼすためにね。けれど、戦争はルールのない殺し合いじゃない。
相手が軍人ならまだしも、地球には大勢の民間人が、戦争とは関わりなく暮らしてる人たちがいる。
そして地球に住むコーディネーターやザフトの人間もいた。ジェネシスを撃てばどうなる?」
「……皆死にます」
「そうだね。父は……連合との戦いの中で、そういうことを見失ってしまったんだ。
あのとき……ユニウスでテロリストのリーダーが言っていたこと、やろうとしていたこと……
それと同じさ。だから俺は脱走してジェネシスを破壊したんだ」
「………」
「もっとも、俺は正しいことをしたなんて思ってはいない。脱走とジェネシスの破壊は立派な反逆の罪。
だから戦争が終わったあとに出頭して裁判を受けた。……追放されちゃったけどな。
オーブに渡った後、知り合いのつてで仕事を見つけて、あとはずっとそこに居たんだ」
厳しい表情から一転、柔らかい言葉でアスランはマユに話しかけた。少女に諭すように話す。
マユが抱いていた不信感と不快感が全て消え去ったわけではないが、一応マユは理解した。
眼前の男のことは好きではないが、あの時ユニウスで自分がテロリストを説得しようとしたこと……
それと同じ思い、そして同じ経験をかつて彼はしたのであろう―そのことは容易に想像できた。
同時に、先ほどから恐る恐ることの成り行きを見守っていた仲間も胸をなでおろす。
最後にアスランはこう締めくくった。
「俺は議長にお会いして、もう一度祖国のために働く決意をした。
議長は父みたいなことはしないと思うし……だから、もう裏切ったりはしないよ。安心してくれ」
177 :
5/19:2005/10/18(火) 01:21:44 ID:???
最後の言葉は、マユだけでなく部屋の全員に言ったつもりであった。
皆互いにぎこちない笑顔を作ってはいたが、先ほどまでの張り詰めた空気はなくなった。
マユも一応納得したようで、この話は収束することとなった。やがて、部屋にハイネがやってきた。
「おう、悪い。遅くなったな。……ん?どうした?何かあったのか?」
「いえ、何もありませんよ。それより何かあるのは隊長のほうでは?」
「ああ、これから本艦の作戦行動について話すんだ。皆、席に座ってくれ」
部屋の微妙な空気を気取ったハイネであったが、すぐにアスランが遮った。
当の本人にしても、あまり詮索はして欲しくないし、また話したくもない話題であったのだ。
ハイネも知ってかしらずか、詮索する風もなくすぐに所定の任務をこなそうと、ミーティングを始めた。
ミネルバは、この日12:00を以ってスエズの友軍支援のため出航した。
ボズゴロフ級潜水母艦二ーラゴンゴ一隻、搭載MSグーン3機が護衛のため付けられた。
だが、ミネルバの一連の動きは赤道連合支配域対カーペンタリア基地にも知るところとなった。
地理的に、カーペンタリアのある親プラント国大洋州連合と地球連合国赤道連合は近接していた。
両国は、国は違っても民間レベルの交流は盛んであり、そこにザフト・連合両軍もまた暗躍していた。
諜報活動、とりわけスパイ活動は両軍とも盛んに行なっており、ある程度の情報は筒抜けであった。
それ故、両軍とも機密保持は一定程度捨てており、最重要事項のみの保持に努めていたのだが……
それでも、カーペンタリア基地に潜入していた連合スパイからの情報がJ・Pジョーンズに入っていた。
「戦女神が動き出すか……」
対カーペンタリア基地に駐留していたJ・Pジョーンズのブリッジでネオ・ロアノーク大佐は報告を受けた。
ファントムペインのメンバーが滞在しているこの基地もまた、秘密保持のため細心の注意が払われていた。
護岸工事と現地民の医療問題解決のためのヘリポート建設作業の名目で建設が進められていたが……
ザフトの目をくらますため、MSも使わずに連合の技術者の指示で現地住民が半ば手作業で進めていた。
故に建設作業は遅々として進まず、基地としても完成半ばで数々の問題を残すところであった。
しかし、そんな事情などこの佐官に関係のある話ではない。彼は己の任務を遂行するだけである。
ネオはその知らせを受け、すぐに基地司令に連絡を入れた。
「基地司令?J・Pジョーンズのネオ・ロアノーク大佐だ。MSを貸して欲しい」
『MS?何に使うんだ?』
「決まってるだろう。この間話したミネルバを撃つんだよ」
『待ってくれ。ここの基地のMSは警備のためにあるんだぞ。いきなり戦闘など……』
「何機あるの?」
『30だが……』
「全部貸してくれ。用意が出来次第、J・Pジョーンズに送ってくれ」
『ちょっとまっ……ちっ!切りやがった!』
ネオは有無を言わさないため、基地司令の反論を待たず通信を切った。
基地司令には軍本部からの命令で、ファントムペインに便宜を図るよう命令が下されていた。
彼の立場としては、一方的ではあるがこの作戦に待ったをかけるわけにもいかなかった。
178 :
6/19:2005/10/18(火) 01:22:35 ID:???
だが、通信を切ったネオの胸中は複雑であった。
理由は基地のMS隊の錬度にあった。彼らはここが秘密基地であるため大っぴらに訓練など出来ない。
そのため、この基地所属のMSパイロットたちはシミュレーターしか用いることが出来ない環境にあった。
ネオには、彼らが実戦経験豊富なファントムペインと一緒に任務をこなすのは難しいと思われた。
「J・Pジョーンズには俺、ゲン、スティング……空中じゃステラのガイアは使えないか。
アウルは海からの攻撃になるから、水中にいる潜水母艦を潰してもらうか。あとは……」
J・PジョーンズにあるMSはストライクMk-U、カオス、ガイア、アビス、ネオ用のウィンダム……
空中戦がメインになるであろう今回の戦いでは、ステラの乗るガイアは使用不可能である。
また、彼女の抜けた穴を、実戦経験が少ない基地のパイロット達に埋めろと言うのは酷であった。
ミネルバと同伴の潜水母艦は当然航路であるから、戦闘は空中戦および海中戦にならざるを得ない。
戦闘に参加できるのはネオを含めたファントムペインの4人、基地のMS30機……
基地司令の話も疎かには出来ない。基地のMSはあくまで防衛用―損傷はできれば避けたかった。
それに、肝心の基地の防衛が疎かになれば、ここまで基地を築いてきた苦労が水泡に帰すのだ。
この基地はいずれ対カーペンタリア戦において重要な拠点となる筈……
「少々味方が頼りないが、これ以上の増援は求められん……どうする?」
とっさに、ネオは先のオーブ海戦で得られたミネルバのデータを呼び出した。
ミネルバは最新鋭の戦艦であり、とりわけCIWS(近接防禦火器)の充実振りは目覚しかった。
オーブ海戦では、白いMSの活躍もあったが、迂闊に近づいたMSがCIWSの犠牲になってもいた。
連合お得意の物量戦術を用いようとも、この艦は容易なことでは落とせない……
ミネルバを撃沈させるには、やはりファントムペインが血路を開かねばならなかった。
数以外有利とはいえない作戦……だが、一点だけオーブ海戦とは違う点にネオは気づいた。
ミネルバ護衛の潜水母艦の存在である。やがてネオは一つの作戦を思いついた。
「……作戦としてはこの上なく汚いが、足枷を……利用させてもらおう」
ネオは意を決した。
そして、ファントムペインを含めたJ・Pジョーンズの全パイロットを招集する。
その後J・Pジョーンズに到着した基地のMS隊パイロットと共に、ネオは作戦概要を説明した。
その作戦内容には、ファントムペインのメンバーだけでなく他のパイロット達も唖然とせざるを得なかった。
そんなパイロット達の中で、アウルだけが不敵な笑みを浮かべていた。
笑みを浮かべるアウルに指揮官は声を掛ける。
「アウル……この作戦の趣旨、分かっているな?」
「とーぜん。ある意味、俺が影のキーマン……でしょ?」
「そうだ。生かさぬよう殺さぬよう……頼むぞ」
「了解!」
ただ、意気盛んなアウルとは対照的に、ステラだけは寂しそうにしていた。
彼女の愛機ガイアはこの戦いでは使えない。よってこの作戦には彼女は参加できなかった。
俯く彼女を、それを察したのか近づいてきたゲンが頭をなで慰めていた。
179 :
7/19:2005/10/18(火) 01:23:24 ID:???
カーペンタリア基地を出航したミネルバは、出航してから二時間が過ぎていた。
インド洋経由でジブラルタル基地に向かう手筈であったが、この海域は既に大洋州連合のものではない。
赤道連合の支配域であり、コンディションイエローのまま艦は航路を取っていた。
赤道連合は地球連合に参加している国ではあるが、経済的に裕福な国ではない。
元は東南アジア諸国が合併してできた国であるため、特に目立った産業があるわけでもない。
大西洋連邦やユーラシア連邦といった国からの経済的援助の見返りに連合に参加したに過ぎなかった。
また保有MSも大西洋やユーラシアから払い下げられたMSがほとんどであった。
それ故、ミネルバのクルーは艦長以下この海域では無警戒ですらあった。
「アーサー、ニーラゴンゴは?」
「本艦の後方、距離200を保ったままであります」
「そう……異常はないのね」
タリア・グラディスも最新鋭艦であるミネルバに、赤道連合が旧式MSで襲ってくるとは思っていない。
ときおりこのように、僚艦の様子を副官のアーサー・トラインに聞く程度であった。
だが、突然そんな状況が一変する。
「艦長!後方距離8000に敵影!」
「何ですって!?」
弛緩していた空気を、オペレーターメイリン・ホークの声が切り裂く。
内心舌打ちしながら、タリアは戦闘ブリッジへの移行を告げた。一方で彼女には余裕もあった。
旧式MSで掛かってこられようと、こちらにはハイネ隊を加えた戦力が充実していたからだ。
来るなら来い―半ばそんな気持ちですらあったが、メイリンの声は更なる危機を告げていた。
「敵機照合!ウィンダム……さ、30!もとい、31!それに……これは……カオス!」
「カオス!?まさか……」
「後方より更に一機……ストライクです!!」
赤道連合の旧式MSではなく、最新のウィンダムが30機以上。そしてアーモリーワン以来の仇敵……
「ええっ!?それじゃあ、まさかあいつ等が!!」
「……驚いてる場合じゃないわよ、アーサー!CIWS起動!!」
「はっ……はいいっ!」
油断した―タリアは顔には出さないが、臍をかむ想いだった。
アーサーの言うとおり、彼女もここでアーモリーワン以来の仇敵が現れるとは思ってもいない。
それに連合の最新鋭機ウィンダムも30以上……明らかにこれは危機的状況であった。
「MS隊の発進準備急がせて!あと……戦闘の指揮はハイネ隊長に一任するって伝えて頂戴!」
メイリンに指示を出しながら、タリアはハイネ隊の存在の大きさを改めて認識した。
先のオーブ海戦では、彼女がMS隊の指揮まで取らねばならなかったが、今回は艦の指揮に専念できる。
危機的状況ながら、それでもタリアの気持ちは昂ぶっていた。
180 :
8/19:2005/10/18(火) 01:24:13 ID:???
また、ミネルバには、その知らせを受け戦闘意欲を昂ぶらせている人間がもう一人いた。
「ストライクだと!?あの、艦艇襲ったり、ボギーワンとの戦いで暴れてたストライクか!」
『熱紋照合は一致しました。おそらくは……』
メイリンから知らせを聞いたハイネ・ヴェステンフェルスである。
彼は暗礁空域でのザフト艦艇襲撃犯追討部隊の指揮を取り、ストライクMk-Uと戦っていた。
愛機のグフ・イグナイテッドの初陣であったが、互いに損壊しての痛み分け……
また、その戦いで彼の乗っていたナスカ級は中破し、死傷者も多数出ていた。
かつての仲間達の敵討ちのつもりもないではなかったが……
「借りは返すぜ!黒いストライク!」
戦士としてのプライド―愛機を傷つけられた過去が彼の闘争本能を昂ぶらせていた。
また、アスラン・ザラもその知らせを聞いた。もっとも彼の心は昂ぶらず、あくまでも冷静……
「黒いストライクか……また会おうとはな……」
アスランとゲンは、名を互いに伝え合った両者であったが、その頃のアスランはアレックス・ディノであった。
偽りの名を用いていた頃の出会いが、こうしてザフトに戻ってきた自分と再びまみえる事になるとは……
些か複雑な心境であったが、彼が敵であることには変わりはない。今度は倒す―それだけを考えていた。
同じく複雑な思いを抱いていたのはマユ・アスカ―
彼女は、ユニウスで黒いストライクと邂逅を果たし、共にユニウスを砕いていた。
そのパイロットは自分に礼を述べ、また大気圏突入時に色々とアドバイスをくれたりもした。
そして何より、そのパイロットの声は死んだ兄、シン・アスカとよく似た声でもあったのだが……
「でも……敵なのね……」
彼女にそう決意させた事実がもう一つ……その男が、アーモリーワンでの強奪犯の仲間であったことだ。
カオス、ガイア、アビスの3機の強奪に巻き込まれ、彼女の父親になるはずのユーリ・アマルフィが死んだ。
ボギーワンの襲撃、そして漆黒のストライク―それらは一連の事件であったのだ。
父の仇―マユ・アスカはあのストライクのパイロットをそう思わざるを得なかった。
「アイツは……私が倒す」
全てのパイロットが機体に搭乗したところで、ハイネ・ヴェステンフェルスから指示が与えられた。
「手筈通りフォーメーションは、俺、アスラン、ショーン、ゲイルが前!マユは第二線を張ってくれ!
ルナマリアとレイも……悪いが空中戦ができないので、同じく第二線、ミネルバの援護だ!
相手は数が多い上に相当厄介なヤツもいるが……健闘を祈る!」
「「「「「「了解!」」」」」」
ミーティングで決まったこと―それは空中戦の際、隊を一線と二線に分け、攻撃・防禦の分担を図った。
実戦経験者を攻撃部隊、まだ経験の浅いミネルバの3人は艦の防衛に専念する―その手筈だった。
181 :
9/19:2005/10/18(火) 01:25:04 ID:???
紫色にカラーリングされたウィンダムの機中―
ミネルバから発進したMSの数をネオ・ロアノークは数えていた。
見慣れないMSが4機こちらに向かってくる。だが、その中に白いMSはいない……
「ふむ……増えていやがる。やっぱカーペンタリアで増援が来たか……
あの3機はまえにゲンが暗礁空域で戦ったやつと同じ……かな?新型投入かぁ、やるなぁ」
『大佐、あのオレンジ色には見覚えがあります。あの時の敵に間違いないですね。
他の青い2機は……一般兵用ですかね。でも、もう一機見慣れないのがいますよ?』
「あの赤いのか。何だろうね、まったく。
アッシュといいあの赤いのといい、ザフトはいっぱい作ってるんだなぁ……」
ネオとゲンはかつて戦った相手―グフが現れたことに気づいた。
また、オレンジ色のグフは、かつてゲンの乗るストライクMk-Uに手傷を負わせてもいた。
そしてもう一機、見慣れぬ赤い機体―セイバーがこちらに向かってくる。
ザフトの技術力とMSのバリエーションの多さにネオは驚きを隠そうともしない。
「あの赤いの、カオスのデータベースにあるか?」
『ないな……どうやら、カオスの完成後に作られた機体らしい』
「正真正銘の新型か……白いのがいないのはよく分からんが、あの赤いのを含め強敵だろう。
ゲンとスティングのことは心配しちゃぁいないが……締めてかかってくれ!」
『『了解!』』
景気のいい声が返ってくる。二人の部下の返事にネオは微笑んだ。
だが、彼ら二人がこの作戦の主役ではない。ミネルバを落とすのは空中部隊だが、メインは……
この作戦の影のキーマンへ寄せる期待は、並々ならぬものがあった。
「全員聞いてくれ!敵の新型はファントムペインが引き付ける!他は援護に回れ!
ミネルバへの攻撃は一撃離脱でいい!無理に突っ込む必要はない!アビスの攻撃後だ!
俺たちの全員の攻撃を受ければ、如何な戦艦といえども沈められるはずだ!健闘を祈る!」
ネオの訓示が行なわれたころ、ミネルバの第一線部隊も相手を捉えていた。
ハイネ・ヴェステンフェルスは、愛機である緋色のグフ・イグナイテッドを駆っていた。
「おーおー、相変わらず連合は数のゴリ押しが好きだねぇ?計33機か……ミネルバ、敵艦の位置は?」
『それが……艦影らしきものはいまだ……』
「ふぅん。ってことは……相当遠くに連中の拠点、ないし艦があるってことか」
ミネルバからのメイリンの報告にハイネは作戦を練る。
まともにぶつかっては如何にハイネ達といえども苦戦は必至である。
どうするか―ハイネは己の頭をフル回転させ策を練った。
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まとめ人様、まとめサイト更新乙です。いつもご苦労様です。
183 :
10/19:2005/10/18(火) 01:25:58 ID:???
数秒の熟考の後、彼は己が作戦を部下に披露した。
「全員聞け!近くに艦影はない!……ってことはだ、連中のバッテリーさえ切れればいいんだ。
わかるか?この作戦の成否は時間稼ぎだ!ミネルバに近づけさせず、時間切れを待て!
そうすりゃ勝てる。分かったな?」
『隊長、えらく消極的じゃありませんか?』
「じゃあゲイル、お前だけ一人で敵の中に突っ込むか?」
『……願い下げであります』
「だろ?正面からぶつかることはない。あまり格好よくないが、敵を全滅させようなんて考えるな。
敵の狙いはミネルバだろうが、その前に俺たちを落とさないと、うかうか母艦に攻撃できまいよ。
だから俺たちはあいつを牽制しつつ、時間を稼ぐ。大気圏内で姿勢制御しながら戦うのは大変だ。
フルに戦えば、30分も持つまい。せいぜい、20分ちょいってところか……それまで我慢だ!」
ゲイル・ラッセルから不満の声が漏れた。
確かに30機以上のMS相手にまともにぶつかれば命はない。
自分の立てた作戦ながら、流石に消極的過ぎるとは思ったが、ミネルバを護って死ねとは言えない。
苦渋の判断であったが、彼はミネルバも己の部下も、全員この危機を乗り切る方法を選んだ。
彼らの目的はここで戦うことではない。あくまでジブラルタルへ向かうことなのだ。
「アスラン、セイバーはどうだ?やれそうか?」
『はい。やれます』
「お前の機体は空戦に特化している。悪いが、俺たち以上に頑張ってくれ。
そうしないとミネルバがもたん。頼んだぞ!」
『了解』
ハイネの唯一の不安要素がアスラン・ザラのセイバーであった。
彼の勇猛ぶりは聞いてはいたが、流石に実戦から2年も離れた人間のため不安はあったが……
この状況で慌てもせず落ち着いた返答をするアスランに、ハイネの不安も消えていった。
不安が消えたところで、ハイネはアスランにある命令を下した。
「おし!アスラン、お前が先陣切ってぶっ放せ!」
『……は?』
「ほら、セイバーにごっついビーム砲があったろ?アレだよアレ」
『しかし、この距離で撃っても……』
M106アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲とMA-7Bスーパーフォルティスビーム砲―
フリーダムのバラエーナやジャスティスのフォルティスらの発展系装備をセイバーは有している。
それらを発射しろとの命令だが、この距離では避けられる―そうアスランは判断したが……
「当たらなくてもいい。相手の気勢を殺ぐんだよ!ぶっ放せ、盛大になぁ!」
『了解』
直後にセイバーから膨大なビームの束が放たれた。かくしてインド洋の死闘は開幕した。
184 :
11/19:2005/10/18(火) 01:26:54 ID:???
連合軍からもセイバーからのビーム砲は視認できた。
指揮官のネオでさえゾッとするほどのビームの束がこちらに向かってくる。
だが、この距離でそうそう当たるものではない―
「脅しだ!」
そう悟ったネオが部下全員に告げたが、彼の思惑は裏切られた。
ゲンやスティングは一切動揺を見せることはなかったが、基地のパイロット達の陣形は乱れた。
舌打ちしながらも、ネオは威嚇してきた相手の動きを見る。4機の相手が散開して攻めて来る。
如何に兵力で勝っていても、動揺を見せればその優位性は揺らぐ。
うろたえた味方の一機がオレンジ色のMSに打ち落とされる―敵に先手を取られた。
「チッ!……ゲンはオレンジ色を、スティングは赤いのをやれ!俺は青いのを狙う!他は援護だ!」
『あのオレンジ色か……暗礁空域以来だな』
『新顔さんよ……見せてもらおうか、その力を!』
ネオは、僅か4機ながら怯みもせず向かってくる相手の力量を推し量った。
ザフトはその国土と人口の狭さゆえ、連合とのほとんどの戦いでは数で劣っていた。
しかし、彼らはコーディネーターとして生まれた自らの能力を誇るため、その戦力差をものともしない。
数倍に上る相手を前にしても、時に打ち負かすことすらあった。だが、30機以上を4機で迎え撃つ―
それは客観的に見れば蛮勇以外何者でもない。が、もし蛮勇ではなく、その力があるのだとしたら……
そう考えたとき、彼はあえて自軍のエース級を各機にぶつける事にしたのだ。
「アウルが、アビスが仕掛けるまではミネルバを攻撃しなくてもいい!タイミングを誤るなよ!」
『『了解!』』
全軍に指示したつもりが、勢い良い返事が返ってきたのは直属の部下のみ……
基地から借りてきた連中は、最初にハイネに一機落とされた動揺から立ち直っていないようであった。
アテにはできんな―そう思いながらも、ネオは自分のターゲット、青いグフ2機に向かっていった。
その頃、ミネルバでは第二陣が発進準備に入っていた。
ルナマリア・ホークはガナー・ザクウォーリアーを、レイ・ザ・バレルはブレイズ・ザクファントムを……
そして―
「マユ・アスカ!コア・スプレンダー、行きます!」
ミネルバの専用発射口からインパルスのコアが勢いよく飛び出す―
続いて、チェスト、レッグの両スプレンダーも射出され、フォースシルエットが最後に放たれる。
やがてそれらは合体し、空中戦を想定したフォース・インパルスへと姿を変えていった。
ルナマリアとレイのザク二機はミネルバのMS発射口で銃口を構える。
マユのインパルスはルナマリアの赤いザクの隣に着陸する。
ミネルバの直援部隊、第二線の布陣が整った―
185 :
12/19:2005/10/18(火) 01:27:42 ID:???
ファーストコンタクトで、ハイネ・ヴェステンフェルスは黒いストライクを目の前にしていた。
流石に1vs1で戦える状況ではなく、数多群がるウィンダムの動きにも注意を払わねばならなかった。
それでも、因縁の相手を目の前にして血が騒がぬわけはなかった。
「お前とここで会えるとはなぁ……!この間の借りは返させて貰うぜ!」
まずは挨拶代わりとばかりに手甲に備え付けのドラウプニル4連装ビームガンを見舞う。
だが、それはストライクに向けられたものではなく、周囲のウィンダムに向けられたもの……
元来近接戦闘が主体のMSグフは、およそ火器と呼べるものはこれしか存在しなかった。
無駄弾は撃てない―自戒しつつ数秒間だけストライク周り援護の陣形を組もうとしたウィンダムを狙う。
パイロットの経験が浅いのか、ウィンダムの連携はすぐに乱れ慌てふためく様子が垣間見れた。
ハイネはセイバーのビーム砲の一斉射で浮き足立った姿から、ウィンダム隊の錬度は低いと踏んだのだ。
そして彼の判断が正しいことが証明された。敵が組もうとしていたフォーメーションはすぐに崩れ去った。
「……残念だったなぁ?錬度の低い仲間を持つと苦労するだろう?
ま、ある程度の腕のあるパイロットにしか分からない悩みなんだけどな……もう少し混乱してもらうぜ!」
届かぬ声を黒いストライクに投げかけつつ、彼は機体を敵中に突っ込ませた。
部下のゲイルが慄いた行為を、彼は平然とやってのける。周囲からビームが降り注ぐが意に介さない。
我慢、我慢だ―敵の陣形を完全に崩しつつ、数の上での不利を承知の上で敵中に躍り出た。
やがて、敵のほぼど真ん中で反転し、高速で横に逃げる。彼の一連の動きにゲンは舌打ちした。
「……クソッ!同士撃ちを誘ってるのか!?」
ハイネ機にターゲットを絞っていた周囲のウィンダムは、落とそうと焦る余り味方の動きを見ていなかった。
ハイネを狙ったウィンダム隊が放ったビームが、危うく味方を撃つところであった。
文字通り死中に活路を見出したのだ。危険な賭けだが、これが奏功する。
ウィンダム隊は意外なハイネの動きに完全に翻弄されていた。
「どうした?黒いストライク!お前の仲間は随分と頼りないじゃないか?」
グフのコクピット内でハイネは勝ち誇った声を上げる。だが、それは勝利を確信しての咆哮ではない。
彼の行為は半ば自殺行為に違いないのだ。それを敢えて敢行したのは、戦局を有利に運ぶため……
自分だけではない。復隊したてのアスランや、古参の部下のショーンやゲイル、そして……
ミネルバにいる新兵のルナマリアやレイ、そしてまだ幼いマユ……彼らを死なせないための行為であった。
現に叫ぶハイネは言葉とは裏腹に、全身に汗が吹き出るほどの極限の緊張状態にあった。
「……相変わらず……やるなっ!」
ゲンも負けじと声を張上げていた。かつて暗礁空域の戦いで、彼はハイネのグフを軽んじ窮地に陥った。
そのときは辛うじて切り抜けたが、ハイネ・ヴェステンフェルスとはそれほどのパイロットであった。
そんな強敵との再会ではあったが、恐れるどころか逆にゲンの心は躍っていた。
久方ぶりの強敵との再会は、ハイネだけでなくゲンの闘争本能をも昂ぶらせていたのだ。
186 :
13/19:2005/10/18(火) 01:28:40 ID:???
スティング・オークレーも、ネオの指示通り赤いMS―セイバーを狙っていた。
初めて見るMSであり、新型であることは疑いなかったためスティングも警戒はしていたが……
相対するセイバーは、乗り手のセンスと相まって、彼に付け入る隙を与えなかった。
「こいつ……速い!速すぎる……!」
空戦用のMSセイバーの動きにスティングは舌を巻いた。
カオスは、嘗ての模擬戦で空中用武装のエールストライカー装備のMk-Uと渡り合っていた。
空中戦でも他のMSに引けを取ることはあるまい―そのような想定は見えてすぐに瓦解した。
戦闘が始まってすぐに、セイバーはカオスやストライクMk-U以上の機動力を見せ付けたのだ。
アスラン・ザラは、愛機セイバーを空戦用の戦闘機形態に変形させ機動力を最大限に生かした。
もっとも、それだけではない。ハイネ同様に、敵のフォーメーションを崩しつつ、カオスと戦っていたのだ。
「上に行ったり、下に行ったり……何なんだよ、この赤いのは!?」
ハイネが正面から切り込んだのとは対照的に、アスランは最初にセイバーを上空まで上昇させた。
雲の見えるところまで……だが、そこから機体を反転させウィンダム隊のいる方向へ、ビーム砲を放つ―
ハイネが切り込んでから高速で横に移動し、かく乱したのと時を同じくしての上からの攻撃……
二機の動きが故意か偶然かは兎も角、オレンジ色のMSと連携し見事にウィンダム隊を混乱せしめた。
そして、今度は一転して急降下を見せる―やがて海面ギリギリのところまで行ったかと思えば……
今度はMS形態に変形し、返す刀でビームライフルを放ち、こちらに的を絞らせない。
スティングはセイバーが見せつける技量に、敵ながら感服せざるを得なかった。
だが、アスランにとっても、これら一連の動きは自らの身体に負担を強いるものだった。
「ぐっ……!地球の重力は……キツイ……な」
地球の重力はプラントのそれよりも重い。大抵のコーディネーターは地球に下りてきては苦労するものだ。
しかし、アスランは戦闘機形態のセイバーで急上昇と急降下を一気にやってのけたのだ。
機体を反転させたり、変形させる度に体中の血が逆流するかのような感覚に襲われる。
気が遠くなることもあるが、ここで気を失ってはただの的―戦士としての本能がそれを拒んだ。
戦闘直前にハイネから言われた言葉を思い出す。空中でアドバンテージのあるセイバーの活躍―
それこそがミネルバを敵から護る唯一の手段であり、彼に課せられた使命でもあった。
ハイネが横から、アスランが上下から切り込んだことにより、ウィンダム隊は完全に混乱に陥っていた。
が、そんな好き勝手をこの男―スティング・オークレーが許すわけがない。
「……調子に乗るんじゃねぇ!この新顔が!」
言うや否や、カオスの機動兵装ポッド―ドラグーンを展開する。
大気圏内でポッドはバー二アの役割を果たすため、ドラグーンを放つ際はカオスの機動力も削がれる。
が、反面火力は増大するため、その光線が幾本もセイバーを狙う。またカオス自身もライフルを放つ。
突然背後の敵―カオスの攻勢が増したことにアスランも気づき、自らを襲う光の束に内心ゾッとする。
それでも、ここで動きを止めるわけには行かない。動きを止めればたちまちにしてビームに穿たれよう。
機体を最大戦速に切り替え切り抜ける。大気圏内ゆえ、その速度はそのまま体に相応の負担を掛ける。
カオスによるセイバーの追撃戦はいつ終わるともなく続けられた。
187 :
14/19:2005/10/18(火) 01:29:42 ID:???
ネオ・ロアノークもまた、青いグフ2機相手の追撃戦を繰り広げていた。
グフの機動力はウィンダムのそれをも若干上回っていたため、錬度の低いパイロットでは追いきれない。
フルブーストパックを装着したネオのウィンダムが2機を追う羽目になっていた。
「ちっ……ちょこまか逃げやがる!」
青いグフ二機は相互にフォローしあい、牽制のビームをこちらに放ちつつ展開していた。
オレンジ色のグフのように別格に動きが鋭いわけではないが、連携の取れた動きでネオを翻弄した。
だが、追うネオの評価とは対照的に、グフのパイロット達、ショーンとゲイルは息を切らせていた。
「くそっ……数が多すぎる!連合め!」
「んなもん……前の大戦からこっち、ずっとそうだったじゃねぇか!?」
「分かってるが……あの紫色、パーソナルカラーのエース機か?ピッタリついて来やがる!」
「向こうにも、ハイネ隊長みたいなのがいるんだろ?センスが悪い紫色だが……なっ!」
ゲイルは悪態をつきながら機体を反転させ、ネオのウィンダムに切りかかった。
ビームソードがネオのウィンダムに迫るが、ネオはあっさりそれをシールドで防ぎ、すぐに距離を取る。
そして手持ちのライフルを放ち、ゲイルのグフに付け入る隙を与えなかった。
「やっぱコイツ……強いわ」
「ゲイル、迂闊なことをするな!俺たちの任務は時間稼ぎだろう!」
「わかってるよ……そんなこと!」
一瞬動きを止めたゲイルに、ネオの後方にいたウィンダム隊からビームの洗礼が浴びせられる。
舌打ちしながら切り抜けるが、数発が彼の愛機を掠めていく。
「ふっ……いい動きだな。だが、それも今のうちだけさ」
ゲイルの動きに感心しながらも、ネオにはまだ余裕があった。
セイバーの一斉射にフォーメーションを乱され、まだ自軍は攻撃態勢を造れてはいない。
また、その後のハイネとアスランの撹乱戦法で、数の利を生かしているとは言いがたい状況であった。
だが、緒戦の攻防では自軍は残念ながら遅れを取ったものの、彼には次の一手が用意されていた。
それが彼の余裕の理由であった。
「アウル……頼んだぞ」
この指揮官は部下の名前を呼びながら、逆転の切欠を掴もうとしていた。
名前を呼ばれた本人は、攻防の繰り返されている方向からミネルバの向こう側に回りこんでいた。
アビスを駆り、彼は時間を待っていた。緒戦から5分後に彼は行動を起こす手筈であったのだ。
戦闘開始から5分―時間を見計らって彼は高らかに吼えた。
「さあ、いこうか!アビス!」
188 :
15/19:2005/10/18(火) 01:30:28 ID:???
緒戦の展開にミネルバ艦長、タリア・グラディスは訝しがった。
ハイネ隊4機の奮戦はあったにしろ、艦への攻撃が手緩いのだ。いや、手控えていると言うべきか―
30機を誇る敵が、艦に対して碌に攻撃してこないのだから、彼女が不審がるのも無理はない。
「変ね……」
連合軍が攻撃しようと思えば、恐らくミネルバは猛攻に曝されていただろう。
だが、現実にはミサイルの一発も放ってこない。CIWSを警戒しているにしてもおかしい。
「……艦長?」
「何?アーサー?」
「艦長も、やっぱり変だと思いますよね?」
「そうね。どういうつもりかしら?」
「いや……そうじゃなくて……」
副官も疑念を抱いていたのか―そう思ったタリアだが、アーサーの歯切れが悪い。
何か言いたそうにしていながら、自分に遠慮しているのか言いかけて止めている。
「アーサー、今は戦闘中なのよ?不明瞭な発言は慎みなさい」
「いえ……その、連中がアーモリーワンを攻撃してきた連中だとすると……アビスは……」
副官の言葉にタリアはハッとした。彼らがカオスやストライクを用いているとすれば……
当然アビスも敵部隊の中にいる可能性が高い。いや、いるに違いないのだ。
「メイリン、ニーラゴンゴに連絡!アビスに警戒しろと伝えて!」
「は……はいっ!」
ミネルバに同伴していたボズゴロフ級潜水母艦ニーラゴンゴの艦長。
彼は既に艦所属のMSグーンの発進準備をさせていたが、その連絡を受けた心境は複雑であった。
自軍の最新鋭MS3機を強奪され、その追撃を請け負ったミネルバが取り逃がしたボギーワン。
そのボギーワンが奪ったMSが目の前にいて、攻撃してくるから警戒せよと言う。
貴様らが撒いた種だろう―!
そう言いたいのを堪えてグーンの発進を急がせる。
「グーン隊に通達!敵はアビスだ!我が軍の最新鋭MSだった機体だが……
遠慮はいらん!アーモリーワンで死んだ仲間の仇だ……ここを墓場にしてやれ!」
オペレーターは慌てて艦長の檄文をMS隊に通達する。
だが、艦長にも不安がないわけではなかった。相手はプラントの最新鋭MS―
果たして2年前の機体であるグーン3機だけでどうにかなる相手であろうか―?
そんな不安を抱いてはいたが、増援を求めようにもミネルバに水中用MSは存在しない。
ニーラゴンゴが何とかするしかない―艦長は、曰く形容しがたい悲壮感を胸にしていた。
189 :
16/19:2005/10/18(火) 01:31:19 ID:???
ニーラゴンゴからグーンが発進した直後、アビスはニーラゴンゴを捉えていた。
だが、次にグーンが3機現れたところでアビスに乗るアウルは、残念そうに深々とため息をついた。
彼は先日アッシュ6機を、不意を突いたとはいえあっさり壊滅せしめていたのだ。
なのに出てきたのは旧式で、オマケに半分の数……
「……舐めてんの?」
思わずそんな言葉が口をついてでてくるほどであった。だが、彼の任務はMS撃墜ではなく他にあった。
そのことを思い出し、渋々戦闘に没入するのを諦め、目の前の敵を殲滅することに専念する。
アビスを最大戦速に切り替え、一気に敵に迫る。その動きはニーラゴンゴにも知るところとなった。
「後方!距離3000よりアビス!」
「後ろからだと!?」
ニーラゴンゴの艦長の予想では、アビスはウィンダム隊が来た方向から来るはずと思っていた。
だが、それとは真逆の方向からアビスが迫ってくるという。虚を突かれた格好である。
その知らせはグーンのパイロットにも知らされた。
「後から!?」
「慌てるな!水中じゃ魚雷しか使えない……この距離じゃまだ大分ある!」
「数はこっちが上だが……相手は一機とはいえ最新鋭機だ!気を抜くなよ!」
水中では水の抵抗ゆえ高速で移動するのは難しい。最初のパイロットはそれ故動揺を見せた。
だが、二人目のパイロットは冷静に状況を判断した。水中では魚雷しか使えない―焦る必要はないのだ。
水中では高速移動が困難なため、数の上で勝っているほうが当然有利にはなる。
魚雷戦でも魚雷のスピードは、空中戦でのビーム兵器ほどのスピードがあるはずもない。
その点では数で勝るグーン隊に利は合った。三人目のパイロットの発言は、それを踏まえて自戒したのだ。
しかし、彼らはアビスの性能を見誤っていた。彼らの予想を超える動きをアビスは見せる―
「いくぜぇ!」
言いながらアウルは3機のグーンそれぞれに照準を合わせ、魚雷を発射する―
「きたぞ!」
グーンのパイロット達も回避運動に入っていく。
まだ回避可能な距離であったため、彼らはすぐに回避する。そして反撃の魚雷を見舞おうとしたが……
最大戦速のアビスが眼前に迫っていた。回避運動の僅かな時間、その間にアビスは距離を詰めていた。
「は……速すぎる!」
グーンのパイロットは驚愕する―自機のスピードとは比較にもならない速さだったからだ。
パイロットが悲鳴をあげた直後、距離を詰めたアビスのランスが一機のグーンを貫いた―
190 :
17/19:2005/10/18(火) 01:32:06 ID:???
「テメーが遅すぎるんだよ!」
相手の声が聞こえたわけではなかったが、アウルは敵の声に応えていた。
グーンはアビスのスピードについていけず、接近を許しても慌てたままで碌に反撃もしてこなかった。
だが、仲間を破壊された敵の僚機が黙ってこれを見逃すはずがない。
「キサマ……よくも仲間を!」
「やりやがったな!」
2機からの魚雷が放たれたが、アウルはアビスの踵を返しその場を離れる。
アビスの機動力は放たれた魚雷のそれよりも速い―あっさりと魚雷を振り切る姿にグーン隊は瞠目する。
「何なんだ……あいつは!?」
「……くそっ!でも、元は我が軍の……とんでもないもの作りやがって!」
「……おい!8時の方向より魚雷4、来るぞ!」
「何だと!?アビス一機じゃないのか!」
改めて自国の技術力の高さを再認識させられるが、その思考すら中断させられる。
次にグーン隊を驚かせたのは迫り来る魚雷群……それは新たな敵の襲来を予想させた。
だが、パイロット達が敵機を捉えようとモニターを見たが、それらしき機影は見当たらない。
回避運動に入るが、索敵に手間取った一機が魚雷のうち一発を受けてしまった。
僚機のグーンの腕が吹き飛ぶ―水中だが、その音はもう一機のパイロットにも聞こえてくる。
「大丈夫か!?」
「くそっ……左腕がやられた!でも……索敵に引っかからないぞ……どういうことだ?」
魚雷が放たれたと思しき方向からは敵影は捉えられなかった。訝しがるグーン隊―
だが、見えざる敵の存在は彼らの本来の敵―アビスの動きから目をそらさせることに繋がった。
「……アビスは!?」
「後方距離―――――」
腕を吹き飛ばされたパイロットの問いに、僚機は答えようとしたが、その答えは届くことはなかった。
彼らが魚雷とそれを放った敵機を探している間に、アビスが新たに放った魚雷に貫かれ絶命した。
残されたグーン隊最後の一人は、爆散する僚機の破片の中からアビスが現れるのを視認した。
怒りと共に彼はグーンのライフルダーツを放つ―だが、フェイズシフト装甲のアビスは意に介さない。
装甲にはじかれ、彼はなすすべを失った。格闘能力を持たないグーンはこれが精一杯の抵抗であった。
接近したアビスのビームランスに貫かれ、最後のグーンのパイロットもまた絶命した。
「……もう1機MSがいるとでも思ったのかよ?」
2機のグーンのパイロットが驚愕した4本の魚雷、だがそれらはアビスから放たれていたものであった。
グーン隊がアビスの動きを察知する前に魚雷は放たれていた―グーン隊はそれを新手と勘違いしたのだ。
魚雷よりも速く動けるアビスの機動性は、これまでの水中戦の常識を覆していた。
191 :
18/19:2005/10/18(火) 01:32:54 ID:???
グーン隊が壊滅する様子をニーラゴンゴ艦長は目の当たりにした。
「これほどまでとは……!」
アビスはザフトの海神にすらなりえると言われた機体―
それが強奪されニーラゴンゴの前に立ちふさがる。あたかも死神とも思えるその姿に艦長は瞠目した。
その死神が、葬り去ったグーンには一瞥もくれずこちらを振り返る―ニーラゴンゴを見据えていた。
「……回避……いや!攻撃だ!魚雷……魚雷を撃て!」
水中母艦ボズゴロフ級でアビスの快速を振り切れるとは思えなかった。
故に艦長は、一か八かの反撃を試みることにしたのだが……
ニーラゴンゴから放たれた魚雷はアビスの機動力に的を絞ることすらできなかった。逆に……
「照準……できません!アビスは本艦の左に高速移動!」
「取り舵だっ!接近されたら終わりだぞ!」
照準すらままならない―そう悲鳴をあげる砲撃手だが、叫んだところで現実が変わるわけもない。
操舵手が舵を取る間もなく、アビスはニーラゴンゴの背後にまで回りこんでいた。
そして高速で接近し、ランスをニーラゴンゴのエンジンブロックに突き立てる―
「これで……お前等は"足枷"だよ!」
アウルの勝ち誇った声とともに、アビスのビームランスがニーラゴンゴの背後を貫いた。
轟音がニーラゴンゴの艦内を包み込む―轟音はブリッジまで聞こえ、艦橋はその被害報告に忙殺される。
「機関部、浸水警報!」
「舵をやられました、コントロールが効きません!航行能力大幅減退!」
「機関部炎上!負傷者多数!」
「第4、第5ブロックにも浸水です!」
ダメージコントロール要員からの被害報告に艦長は愕然とする。最早ニーラゴンゴに戦闘能力はない。
今、アビスに次の攻撃を仕掛けられれば艦は、いや、乗組員の命がない―艦長は半ば撃沈を覚悟した。
艦長だけでなく、クルーの誰もがその覚悟をした。だが、10秒、20秒……幾ら経っても次の攻撃はない。
「どういうつもりだ?……なぜ……攻撃してこない!?」
ネオ・ロアノークは、ウィンダムのコクピットでアビスからの通信を受け取った。―mission complete―
笑みを浮かべながらモニターの文字を見た後、自軍の全機に高らかに命令を下した。
「全員聞け!ミネルバは"足枷"に捉われた!これより作戦は第二段階に移行する!
厄介な敵MS4機はファントムペインに任せて……全機ミネルバに攻撃を集中させるんだ!」
192 :
19/19:2005/10/18(火) 01:34:00 ID:???
突如としてウィンダム隊が攻撃の矛先を変える―
今までハイネ隊4機を追い回していたのを、一転してミネルバに向かい移動し始めたのだ。
「ちっ……こっちを諦めたか!」
ハイネ・ヴェステンフェルスは舌打ちしながら呟いた。時間にして7分少々しか粘れなかった。
ミネルバに攻撃の矛先を変えたとすれば、これからは第二線のMS3機と共に総力戦になろう。
防戦―だが、敵のバッテリーが切れるまではまだ10分以上あった。
支えきれるか―?
そんな不安が頭をよぎるが、あれこれ考えている暇などない。ミネルバが沈めば全てが水泡に帰すのだ。
敵艦らしきものは未だに捉えられない―ということは、敵は帰るまでのバッテリーを確保せねばならない。
拠点か艦艇かは分からないが、兎も角敵の翼が力尽きるまで今は時間まで持ちこたえるしかないのだ。
「ミネルバ!時間稼ぎも限界だ!そっちも移動しながら応戦してくれ!」
ミネルバの移動―敵が来た方向からミネルバが遠のくほど、敵はバッテリーを気にせねばならない筈。
バッテリーだけでなく推進剤の問題もある。ユニウス条約による核MS禁止協定の効能がここにあった。
しかし、そんなハイネの計算も裏切られることになる。メイリン・ホークの声がコクピットに木霊する―
『ハイネ隊長!こちらミネルバ!』
「おう!敵はあと10分少々で息が切れるはずだ。それまでミネルバも移動しながら粘ってくれ!」
『それが……移動できないんです』
「なにぃ!?ミネルバのエンジンをやられたのか!」
『いえ、エンジンをやられたのはミネルバではなく……
ニーラゴンゴの機関が大破したため、僚艦を護るためにもこの場を動けないんです!』
嵌められた―!
ハイネはハッとした。敵は最初からこちらの狙い―時間稼ぎを想定していたのだ。
ミネルバの脚を止め、棒立ちにしたところを全力で沈めに掛かる手筈―敵の狙いはそれであった。
如何にミネルバが堅牢であり、最新鋭のCIWSを備えていたとしても、足を止められれば苦戦は必死。
ここまでウィンダム隊がミネルバを一切攻撃してこなかったのは、火力を温存させるため―
最初から敵の手の上で踊りを踊らされていた―ハイネは唇をかみ締めた。
悔いるハイネとは対照的に、ネオ・ロアノークは笑みを浮かべていた。
「そろそろ気づいたかい?ミネルバの隊長さん……アンタの考えはお見通しだよ。
たった一隻の戦艦と潜水母艦……これだけで30機もいる俺たちから逃げられるとでも思ったのかい?
そりゃあ、パイロットの能力はあんた等が上だろうさ。でも……それって甘過ぎる考えって思わないか?」
通信回線を開いていたわけではないが、その声は自軍に届いたのだろうか。
ネオの声を聞いたかのように、ウィンダム部隊が次々とミネルバにミサイルを撃ち込んでいく。
ミサイルはウィンダムのジェットストライカーから火の矢の如く放たれた―そして、ミネルバは朱に染まった。
193 :
171:2005/10/18(火) 01:46:28 ID:???
>>172 GJ!さすがっす。ファントムペインいい感じですね!
俺の思いつきで書いた小話が邪魔しなくてよかったぜ。
>>PP戦記作者様
超乙!相変わらずの戦闘のハラハラ感がたまんない
アビス強いよかっこいいよアビ厨の自分にはマジたまんない
マユとアスランの対話が私的に良かったっす
しかしショーンとゲイルの苗字wwショーンが出るたび民生が流れて困ったww
>>ファントムペイン戦記作者様
投下お疲れ様です、ウィンダム30機投入うまく生かしてますね。
>>95様
こちらこそよろしくお願いします。
196 :
127:2005/10/18(火) 09:14:27 ID:???
>>166 長距離狙撃ライフルだと大きすぎて対MS戦で邪魔でしょう。
取り回しのいいビームライフルで十分では?
というか、主力MSが交戦しないで
敵の攻撃が届かないところから狙撃をやろうとしてどうするねん(^^;
>Pインパルス
インパルスとの関係を示唆するなら名前を「テスタメント」にしておいて
外見がインパルスにした方が良いような気がします。
「プロト〜」と付くのは便宜上つける俗称のようなものだと思います。
試作機がみんな「プロト〜」とGAT-X105ストライクも「プロト・ダガー」と呼べる代物ですから。
ファントムペイン、相変わらずGJ!
ネオが策士になってるのがイイねぇ。
相変わらずの面白さだなぁPP戦記は
纏め人の仰る通り、ウィンダムの件は上手い処理ですな
まぁ結局大ピンチになってるけどw
続き早く見てぇよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!ヽ(`Д´)ノ
マユ達一行は全員合流した。
『展開はやっ!!』
そう突っ込まれても大急ぎで終わらせないと本編に戻れないのである。割り切ってくれ、シンハロ。
さて、そして合流したマユ達一行が泊まったのは和風のホテル、つまり旅館。
ハイネやジョーがカジノでイカサマして稼ぎまくったのでそこそこの部屋がとれた。
いやいや、旅館ときたらもう修学旅行状態である。
そして、大体修学旅行で旅館に着いたら真っ先にする事と言えば風呂にはいることである。
と、言うわけで露天風呂のライブ映像をどうぞ。
「って!!男湯かよ!!」
アキラが叫ぶ。そう、ここは男湯である。
「ちょっと待ってよ!普通ならここで湯煙でぎりぎり隠したイベント絵が入るんだろ?!
見えそうで見えないのがさらにいいとかそんな一枚絵が入るはずだろ?!
んでもってここで誰が来るかで誰のルートか分かるんだろ?!」
「うるさいぞ、アキラ。」
騒ぐアキラはハイネに怒られる。
「こんのっ!!」
「負けるかぁ!!」
アウルとカルマは広い浴槽で競争を始めてしまった。
「こらっ!!湯船で泳ぐな!!」
スティングが二人をとがめる。
「・・・アスラン、お前ってさぁ・・。」
「・・・ちっさいなぁ・・・。」
「っ!!言わないでください・・っ!!」
アスランはハイネとジョーに何気にプライドを傷つけられてたり。
「へぇ〜、結構レイってイけるクチ?」
「えぇ、うちの馬鹿親父二人に付き合わされてましたから。」
露天風呂でお酒を、というお子様なら一度は憧れると言うことをしていた。
「ちっくしょう!こうなったら覗きだ!!お約束で覗いてやる!!」
まるで読者の心を代弁したかのようなアキラの叫び。
「セクハラは軍法違反だぞー。」
ハイネが注意する。
「ハイネ!でも覗かないのは読者に対する冒涜です!」
アキラも言い返す。
「・・・・何やってんの?」
「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!??」」」」」」
突然の声に垣根の方を見るとマユがいた。
急いで全員前を隠す。
「覗きはだめ・・・・。」
ステラもひょこっと顔を出す。
「いや!覗いてるのお前だから!!」
アウルが突っ込む。
「それよりさぁ、早く洗って出たら?人数多いんだし。早くしないとルナお姉ちゃん来ちゃうよ?」
「全身を・・・舐め回すように・・・・見られる・・・ってマユが言ってた・・・。」
「「「「「「逆セクハラーーーーーーーっ?!!」」」」」」
そう言ってマユ達は垣根から顔を出すのをやめた。
「・・・・怖い・・女の人怖い・・。」
「アスラン?!アスラーーン?!」
女性に対してあんまり良い思い出のないアスランはがくがくと震え始めた。
「・・・・そういえばゼロは・・・?」
カルマがぼそっと呟く。
「真っ先に洗って出て行ったぞ。あいつ、始めから分かっていやがったな・・。」
ジョーが憎らしげに言った。
どうも、ちょっとだたいま学生の敵と戦闘中なので毎日は無理です。
今も親の目を盗んで書いている状態で・・・・。
あ、携帯からチェックは一応しています。
そろそろハイネ隊の設定を一まとめにしたのを公開しようかなぁ・・とか思ったり。
アビスの魚雷より速く動く戦法が神がかってるな
でもちょっと強引だったかなぁ…タイマー式の魚雷もあることだし
>>204アビスは魚雷追い抜けるぐらい水中ではネ申ってことだ
>>204 自走機雷のことか。一回上空に撃って、相手の機動に投射するつーのもあったな。
俺は決めたんだ…あんたらを応援するって………
いきなり意味不明な言葉を吐きながら現れた謎の男。しかし、その正体は半年ROMると心に決めたが四ヶ月目でついレスしたい衝動にかられやっちゃった成績優秀、スポーツそこそこ、何気にかっこいい工房だった(さぁ!みんな殴って!もっと!!
つまり何が言いたいのかというと、あんたらを愛してるってことさ………
208 :
95:2005/10/18(火) 21:12:53 ID:???
>>170氏、忠告感謝です。バイト終了直後で色々テンション目茶目茶だったんでつい・・・
>>196氏
それはバスターの様に臨機応変と言う事で・・・
所でプロトの名前って明確には顕して無いんですよね。
だから今なら変えられます。 どんなのが良いと思いますか?
>>PP戦記作者様
超乙です!
相変らず緊張感のある戦闘だな〜〜。
参考にさせて頂きます。
執りあえず風呂と食事終わったら影戦のユニウス編の残り書き終わったんで
投下させて頂きます。もしかしたらPC姉に使われるかも知れないんで何時になるか判りませんが何とか今日中に投下しますんで〜〜。
もしマユスレが、アニメになったら(敬称略)
シリーズ構成 マユ種の人(マユ ミネルバ側担当)
PP作者(シン 連合又は戦闘担当)
しのはら他作者(脇の話担当)
スタッフに負債がいなければ問題ないですが。
>>209もう少し言葉に気を配ったほうが良いと思うよ藻前さんは
211 :
影の戦記:2005/10/18(火) 22:59:35 ID:???
前回の議長の叫びの後とお思い下さい
黒塗りの機体が切り裂かれる――
そして現れたのは切り裂かれたジンと同じく黒い、闇を孕んだ機体――
それを見た者の中で、爆散した機体の同系機に乗る者の中でその正体を知る者が居た――
『そ、その声は影の刃<シャドウエッジ>・・・!
貴様も邪魔をすると言うのなら!!』
そう呟いた男が機体を影に・・・男が影の刃と呼んだ機体に向かい刀を構え宙を駆ける。
だが、その男はそれに対し、特に動こうともしなかった――
『動かないだと? 舐めるなぁぁぁあっ!!』
まるでバッターが如き姿で刀を構えギリギリまで上半身を引き絞り、加速する――
『チィェストォォォオ!!』
男が叫びと共に袈裟に切りかかる。だが・・!
「それで薩摩示現流の積りか? 片腹痛い・・・」
男が切りかかる瞬間、前に倒れ込む様に地のスレスレで足での踏み込みから全身のスラスターを利用し、
運動エネルギーすらも利用して己が限界近い速度で翔る。
振り抜かれる刀を、ジンの脇をかわし、通り抜け様にして一閃!――
『ナ!?』
男が驚愕の声を漏らした途端、機体が斜めに断ち切られ、胴と腰がずれ、
爆発の衝撃が閃光と共に周囲に音も無く響き渡った――
一瞬だけ、戦場の全機に動揺が走った――
それは未だ実戦経験の薄いミネルバ所属のパイロットだけではなくジュール隊、テロリスト達にも程度の差こそ有れ、現れている――
それは今まで幾多の戦闘を経験したイザーク・ジュール、シホ・ハーネンフース、アレックス・・・いや、アスラン・ザラとて同様だった。
(動きが異質過ぎる・・・それがこの動きを見たマユ・アスカの率直な感想であり戦場にある者全ての想いだった――
「・・・この隙、有効に活用させて頂こう」
先の敵を屠った場所から二機の中央、同仕打ちを誘発させる銃を撃てぬ場所で即座に両の手を翻し、専用攻盾に仕込まれたパンツアー・アイゼンを射出。
敵を捕らえるや即座に引き寄せながら回転するようにして二刀を振るい、敵を両断する――
その動きはまるで予知でもしているが如く淀み無く、二体を狩るや即座にミラージュ・コロイドを展開、姿を消しては新たな獲物を追い求める――
212 :
影の戦記:2005/10/18(火) 23:00:52 ID:???
だが、これは紛れも無く好機!
「今だ!メテオブレイカーを設置しろ!手の空いている者は遼機の援護を!」
アレックスの一言によりメテオブレイカーの設置作業が再開され、次々と設置され、タイマーによって順次起動していく――
二十体近く居たテロリストは影の参入により碌な連携も執れずにミネルバ、ジュール隊と黒いインパルスによって瞬く間に駆逐された。
大地が割れる――
メテオブレイカーの力により次々と砕かれているのだ。
大気圏に囚われるのに寸前でメテオブレイカーによって破砕作業に取り掛かれたのは僥倖と言えるだろう。だが、
「艦長!メテオブレイカーの七番に異常発生!七番が始動していません!」
「何ですって!? メイリン、七番の近くに居るMSに七番に向かう様に「破砕された破片が飛び交ってるんですよ!?無理ですよ艦長!」・・・くっ!」
ミネルヴァ艦長、タリア・グラヴィスは舌を噛む様な思いで次々に崩れていくユニウスセブンを睨んだ。
未だ、大気圏に到達するまでに時間が有る。
此処から砲撃でどれだけ粉砕出切るかが勝負だと言うのにミネルバ八隻分以上の質量を持つあのデブリに対し、どれだけ有効なのかは判らない。
何か手は無いか・・・? 心労の元の一つであるプラント議長―ギルバート・デュランダル―を僚艦に移乗させた今、
その事ばかりを彼女は考えていた。
所変わって七番のセットされていたポイント。
皮肉な事に作動した他のメテオブレイカーの衝撃で倒れたそれは、堕ち続ける大地で使用される時を待っていた。
『有った!アレね!!』
倒れたメテオブレイカーを立て直す者が居た。
それはザフト期待の新鋭機にして強奪を免れた機体―インパルス―。
デブリ飛び交う中を無理を押して辿り着いたのだろう。片手は火花を散らし、その特徴であるシルエットも失っている――
『これで良し!ってうわッ!!』
何とか立て直し、イザ撃ち込もうとした途端、大地が揺れ始めた。
大気圏には未だ時間が有るが重力に囚われたのだろう。
機体は下に引っ張られ、メテオブレイカーもその振動により上手く狙いが付けられない。
最低でも後一機の協力が必要だった・・・。
「難儀している様だな・・・全く、こんな場所に一人で来る様なバカが俺以外に居るとは思わなかったぜ?」
そう言って現れたのは漆黒のMS―プロトインパルスと呼ばれた機体―。
通信ウィンドウに現れたのは黒のバイザーを付けた黒尽くめの男。
運命の悪戯か、生き別れた兄妹の運命の開合は互いに与り知らぬ侭に訪れたのだった・・・・・・
213 :
影の戦記:2005/10/18(火) 23:02:34 ID:???
『「良し!コレで・・・・」いけぇ!!』
二人の声と共にメテオブレイカーが打ち込まれ、巨大な岩塊はそう時を掛けずに崩壊を始めるだろう。
だが未だこのままでは地上に甚大な被害が出るだろう・・・だがたかがMSの火力では如何にも出来ず、どちらにしろこれで任務は終了。
後は他の者に任せ、離脱しようと影―シン・アスカは考えた。
「離脱するぞ、掴まれ! サービスだ、お前の艦まで送ってやる!」
そう言うや否や即座にインパルスの腕を掴み、飛翔する――
『あ、有難う御座います』
「気にするな、さて!」
シンは即座に通信機器を操作、ある場所に通信を?げた。
「こちらシャドウ! 聞こえるかアメノミハシラ!聞こえるかアメノミハシラ!!
障害の除去は終了、繰り返す!障害の除去は終了!
最終フェーズに移行されたし!」
『了解です・・・・・様、砲撃は30秒後になります。
御武運を!』
「了解」
「有難いわね・・・」
突如として送られて来た通信にタリア久しぶりに笑顔を浮かべた。
笑う事なんて本当に久しぶりだ、何せ今まで苦渋を味わってばかりで笑える様な状況なんて無かったのだから・・・
「メイリン、全艦に通達! ミネルバはこれから地上に降下しながらデブリを砕きます!
総員奮起せよ! 戦端を開かせぬ為に我らは苦難の道を征く!」
「了解です、艦長!!」
214 :
影の戦記:2005/10/18(火) 23:09:21 ID:???
暗き深遠の世界たる宇宙に二条の閃光が奔る。
一つは影のオーブ―アメノミハシラ―方面から・・・
一つはジャンク屋連合本拠地―ジェネしスα―から・・・
二つの閃光はユニウスで歪な形で交差し、砕かれた岩塊を消し飛ばして言った――
それを傍目にゆっくりと降下する船に向かうMS
『教えてください。 貴方は誰ですか・・・?』
「俺は軍神の影、名も無き亡霊だ。 それ以上でも以下でもない。 それじゃあな、小さなお嬢さん?」
そう言うやインパルスをミネルヴァに辿り着くコースに押し出し、ミラージュコロイドを展開して帰途に着いた。
影に潜んで見詰る者達の目を撒く様にして――
影の戦記―消えぬ傷跡、星屑の記憶―編 end.
215 :
影の戦記:2005/10/18(火) 23:10:49 ID:???
暗き深遠の世界たる宇宙に二条の閃光が奔る。
一つは影のオーブ―アメノミハシラ―方面から・・・
一つはジャンク屋連合本拠地―ジェネしスα―から・・・
二つの閃光はユニウスで歪な形で交差し、砕かれた岩塊を消し飛ばして言った――
それを傍目にゆっくりと降下する船に向かうMS
『教えてください。 貴方は誰ですか・・・?』
「俺は軍神の影、名も無き亡霊だ。 それ以上でも以下でもない。 それじゃあな、小さなお嬢さん?」
そう言うやインパルスをミネルヴァに辿り着くコースに押し出し、ミラージュコロイドを展開して帰途に着いた。
影に潜んで見詰る者達の目を撒く様にして――
影の戦記―消えぬ傷跡、星屑の記憶―編 end.
217 :
95:2005/10/18(火) 23:26:39 ID:???
おおぅ!?すいません、ラストを一回書き込んだ時サーバーエラーが出てこの板を別ウィンドウで開いて確認したのに二重投稿になってしまいました・・・orz
さて今回、一番割を食ったのはのは誰か?それは恐らく殆どのMSパイロットです。
いや、本当に自分の力不足です。 本当に御免よルナ、レイ、イザーク、シホ・・・・議長(を
いや、どっかの凸と違い議長は前回台詞有ったのに今回台詞も無く気が付けば他艦に送還されて居たりとなまじ前回出番あっただけに惨めっぽい。
そして我らが復讐鬼サトーさんが即殺られているのに(っても闇討ちみたいなもんですが)
ジン・ハイマニューバで薩摩示現流もどきをかます名無しファイター!しかもシンを知っていると言う高待遇!
何だこれは!これで良いのか自分?!と突っ込む心の中の自分を吹っ飛ばして暴走して見ました。
そう言えば今回居るべき我らのグレイトは独自路線を行く為の礎となって頂きました。
ぶっちゃけザフトに居ません。 まあ恐らくその内出て来るでしょうw続けばですがorz
こんな内容ですがまとめ人様、又お世話になります。
218 :
95:2005/10/18(火) 23:39:44 ID:???
>>216:纏め人様
作り的には纏めた方が良いかも知れませんがそれは纏め人様が遣り易い方でお願いします。
本当にお手数おかけします。
>>217 一番割を食ったのは痔ですね。
だっていないんだもん。
緑に降格した挙句存在抹消。哀れすぎる……
影戦記さん乙です。
なんか、ミナ様の活躍にも期待しますね。
│゚ ヮ゚ノゝ あげときますよ。
書きなれてる感じがするなー、この人…。
ちなみに艦長「グラディス」ね
第六話投下します
明日伝説発売日・・・
225 :
まだか#:2005/10/19(水) 21:11:19 ID:???
まだかー?
神楽のグフは量産機とは思えない機動でインパルスを翻弄した。
機体の性能はインパルスがわずかに上回っているが、パイロットの技量は天と地ほどある。
「それでは問題だ、ダイヤモンド付きネビュラ勲章授与者、マユ・アスカ」
ヒートロッドを回転させてザフト軍MSの攻撃を完全に防ぎ、逆に切り伏せていく蒼き鬼神。
神楽の楽しげな声がマユの耳に入り、不快な感触を与える。
「今君と戦っているパイロットはなんて人かな?」
「私たちと一緒に戦った誇り高い軍人、神楽隊長!」
「ブゥ〜!違うんだなこれが。その評価は嬉しいがね」
ヒートロッドでザクを引き寄せ、サーベルで一刀両断にし、インパルスの放った直撃コースビームもあっさりと避けてしまう。
「命まで捧げた国家に裏切られた、哀れな男。それが俺だ、OK?」
マユは説得しようとしたが、それは無理な話だった。
わかるのだ、神楽は自分の意志のみで行動し、戦いにのみ己の価値観を見いだせる人間。
グフが指をくいくいと動かし、マユを挑発する。
「早く遊ぼうぜぇ?濡れてきちゃった」
ミネルバが戦い続ける戦闘宙域からほど近い場所、三隻同盟軍アークエンジェルの格納庫では発進準備が進められている。
アレックスはセイバーの調整が終わった後、ストライクの整備を進めているゲンの元へと向かった。アレックスは思い出した、ゲンの正体を。
「少尉、ミネルバが交戦中だ」
「・・・そうですか」
「中にはインパルス・・・確かマユ・アスカもいるらしいな」
OSをいじっていた手が止まる。
「どうした?続けてくれよ」
「・・・マユ?」
アレックスはにやりと笑い、確信を得た。
「地球連合軍大佐、ネオ・ロアノーク。そしてマユの兄、シン・アスカ。そうだな?」
ゲンは気まずそうに視線を反らす。
アレックスは気さくに笑いかけた。
「何、一緒に戦うならそれぐらい聞いてもいいかなと。仲良くしよう。ちなみに俺の本名はアスラン・ザラだ。まあ、デコとヅラ以外ならなんとでも呼んでくれ」
「・・・」
グフは損傷した味方機を捉え、インパルスに投げつけてきた。
「なんてことをするんですか!」
「馬鹿に対する最も効果的な治療だよ。死ななきゃ直らんからな」
もつれ合う二機、そこに乱入者が割って入る。
「神楽、何をしてるんだ。ラクスは悲しんでる!」
「・・・また馬鹿が来た」
介入したのはフリーダムと、電波の化身(マユ談)だった。
神楽は大声で叫ぶ。
「お前はどうしていいところに来るんだよぉ!消えな!」
「どうして君は・・・」
「お前なんぞに君呼ばわれされたかねぇよ!アーアー聞こえない!」
グフは宙域から離れる。
そしてキラはマユに言う。
「君が戦うのは・・・何で?何で戦うの・・・?」
「二回も同じこと言わないで下さい。単純にこれしか食べていく方法知らないからです」
「・・・君は・・・いいの?それで」
「良くなければしませんよ」
「よく言ったぞ。マユ」
声が聞こえたか聞こえなかったか、フリーダムのライフルが撃ち抜かれ、青と白に塗られたムラサメがフリーダムを蹴り飛ばした。
「偽物お疲れ様だったな。俺は三隻同盟軍大尉キラ・ヤマト」
「え・・・」
ヤマト大尉は不適に笑う。
「同じ人間は二人もいらない。特にキラ・ヤマトはな」
投下終了です
ではノシ
230 :
OK#:2005/10/19(水) 22:03:42 ID:???
wwwwwwww
乙です。
予防線が裏目で、凸の仇名は結局凸w
単発設定小話 「議長とマユ」
〜MSハンガーにて〜
議長「やぁ、マユ・アスカ君。元気そうで何よりだよ」
マユ「ハっ!ありがとうございます!」
議長「うん・・・?ああ、そんなに改まらなくてもいいさ。なにしろ君は英雄だからね」
マユ「そんな・・・これまでやってこれたのはミネルヴァの、周りのみんなのおかげです!私一人の功績ではありません」
議長「ふふ、それが君の強さか。いやはや、君には驚かせられるばかりだよ。」
マユ「議長・・・」
議長「この戦争も幕はもうすぐ降ろされるだろう。君にも、あと少しがんばってもらわなければならないな」
マユ「それはもちろんです。そのために戦ってきたのですから・・・」
議長「そう、我々コーディネイターは戦う為に存在しているわけではないからね。・・・そこでだ」
ハンガー照明オン
マユ「・・・っ新型のMS?」
議長「君にこのディスティニーを託したい。このMSで一刻もはやく戦いを終わらせて欲しいのだよ。そして・・・」
マユ「ディスティニー?」
議長「そして、君がこれからの未来・・・運命を切り開くんだ。その為のMSだよ」
マユ「これを私に・・・?」
議長「・・・そう、君だからこのMSを託したいんだ。」
マユ「あ、ありがとうございます!マユ・アスカ確かに新型MSディスティニーを拝領致しました!」
議長「・・・うん。このMSで早く平和を取り戻したいものだね。・・・彼の為にもね・・・」
マユ「彼?」
議長「・・・名はその存在を示すものだ。ならばもし、それが偽りだとしたら。」
マユ「・・・・・・(ゴクッ)」
議長「それが偽りだとしたら、それはその存在そのものも偽り・・・ということになるのかな?」
マユ「議長!」
議長「・・・彼を偽りの存在にしない為にも、君にはますますがんばってほしいんだ」
マユ「・・・・・・おにい・・ちゃん・・・」
完
234 :
95:2005/10/19(水) 23:45:09 ID:???
はぅ!?
>>213で”通信を繫げた”と書いた筈の部分が”通信を?た”になっとるよorz
これはPCのメモ帳で書いてコピペで投稿している報いなのか・・・
纏め人様又お手数お掛けしますが修正お願いします・・・
>>219様
いや、今回は確かに割を食って頂きましたがこれは謂わば未来への投資!
此処で涙を呑んで種死本編とは違った場面で頑張って頂きましょう!
大体本編では別にディアッカザフトに居る意味無かったじゃないですか・・・
つかその性で更に出番無くなったりもしてますが(汗
>>222様
グラディス・・・ずっとグラヴィスだと思っていたとデス・・・orz
それと書きなれてはいないっすよ自分。
唯単に自分で読み易いとか純粋に面白いと思った作品を開いたまんまでメモ帳に書き始め、
途中行き詰った時等にその作品と読み比べて改善点を洗い出し修正を加えているだけです。
特に"あやかしびと"二次創作でファンになったMethod of Entryの焼津さんや
Fateメインで様々な作品ごった煮の大家、Kギドラと大和のエピソードで思わず涙を流したFrend Of Gamesの真さんの域は、
自分にとって真似出来ない程の境地ですが彼等の様にキャラクターを話を破綻させずに活き活きと動かせる様になりたいと思っています。
>>他、感想を下さった方々
皆様の感想、毎度(つか未だ二回しか投稿してませんが)有難く拝見させて頂いて居ります。
こんなプロットも建てずにその場の勢いと妄想を暴走させて書いてる様なバカ者ですがこれからも宜しくお願いします。
>>234 いつも楽しく見さしてもらってます
頑張りましょうねノシ
235 名前:あぼ〜ん[あぼ〜ん] 投稿日:あぼ〜ん
.∧__,,∧
(´・ω・`)
238 :
あ〜 #:2005/10/20(木) 13:53:46 ID:???
その、なんだ。GJ
今日ブラザーフッドという映画見たらこのスレ思い出した・・・
>>240 兄弟(男な)が二人とも徴兵されて、兄は弟を除隊させるために悪魔のような戦いぶりで勲章をもらうんだけど、兄は婚約者を殺され弟が死んだと勘違いして敵に寝返る。
兄弟同士で戦って最後は兄あぼん。
一度マユスレ住人なら見てみるといいかな(結構エグいけど)
兄弟が韓国と北朝鮮に別れて戦う映画だね。
お兄ちゃん(シン)が、ラスボスの場合載せるMSが問題。
>>241 ああ、そいえば俺も見たなぁ
なかなかいい映画だったと記憶してる
>兄は婚約者を殺され弟が死んだと勘違いして敵に寝返る。 兄弟同士で戦って最後は兄あぼん。
ん?ちょwwwwwwwwwwwwwおまwwwwwwwwwwwwwwwwwww
>>242 途中までは一緒だろ。確か弟が問題起こして営倉入りして、何があったんだっけ?
>>245 弟は直接殺してない
どつきあい→弟なんとかして説得→兄「お前は行け!」→兄マシンガンで援護→兄あぼん
だった希ガス
捕虜バンバン殺してたよな>兄貴
あくまで、ドロドロ肉欲なしの、
ブラコンなマユたんと
シスコンなシンたんが読み手えな。
機動戦士ガンダム SEED DESTINY スーツ CD(1)
マユ・アスカ
1 マユ・アスカキャラクターソング
2 ミニ・ドラマ「今そこにある想い」
*マユの戦闘以外のミネルバの日常
クルー総出演
機動戦士ガンダム SEED DESTINY スーツ CD (2)
シン・アスカ
1 シン・アスカキャラクターソング
2 ミニ・ドラマ「ネオ追憶の日々」
*シンの空白の過去が語られる
機動戦士ガンダム SEED DESTINY スーツ CD (3)
ミーアキャンベル
1 ミーア・キャンベルキャラクターソング
2 ミニドラマ「ラブラブ大作戦」
*アレックス(アスラン)に、アタックを駆けるミーアだがマユに妨害される。
キャラクター設定は、マユ種準拠です。
しのはらカガリの好きなTV
「大奥」
252 :
95:2005/10/20(木) 22:19:33 ID:???
>>235 はい、お互い頑張りましょう。
そう言えば最近暇潰しに角川の廃棄王女呼んでるせいでしのはらさんのカガリが
アニメステプリの獣姫-セーネス・ルル・ギアット-の声に勝手に脳内変換されて再生されてます(笑
ところで自分の今書いてる影の戦記の過去話何ですが一部ヤバめなネタ(一部兵の蛮行等)
在りですが大丈夫なんでしょうか?
教えて!偉い人ーー!!
>>252 そうやって予防線を張ってどうしたいんだお前は?
先に住人に許されればナニやってもいいとか思ってるのか?
本当にスレ住人を納得させられるならあらゆる手段を以ってそれを表現しろ。
ヤバい、と思ったなら徹底的に推敲し、それでも駄目だと判断できれば潔く
あきらめろ。
職人として踏み出したならSSで勝負しろ。話はそれからだ。
>>252 SS以外でやたらと語ろうとすると、たいがいウザがられるから少し自重した方がいいと思うよ
最近でも駄作をつくった後に見苦しい言い訳に終始した負債といういい反面教師がいるだろう?
ああなりたくなかったら、もう少し気をつけて落ち着くべき
そういう場合、実際に投下する前に一言、
「多少キツい表現があります」「グロ表現あります」的な警句を発するだけで十分だろうね
スルーしたい人はスルーしやすくなるからね
>>253 もう少し柔らかい口調で、ね。
言ってることはすごく正しいと思うんだけど。
>>252 よーく考え悩んでみる事です。
悩みに悩んで、それでも削れなければ貴方の作るストーリーにそのシーンは必要だという事になりますし、
悩んだ末に削る決断ができたのなら、それは結局さほど必要ではなかったシーンという事になります。
読者は読んでいない作品を評価できません。
まずは納得の行く仕上がりになった作品を投下し、読者の目に晒す事から始めましょう。
上の方も仰るように、まずはそこからですよ。
258 :
95:2005/10/21(金) 01:02:49 ID:???
>>レスして下さった皆様へ
はい、全く持って皆様の仰る通りです。
いや、書いてる途中で過去にシンが逃亡する理由と力を欲する様になる理由の一つとして、
そして実際の戦争何かを調べた末にCEでも情勢的に"有り得そうな事"として
書いていたんですがちょっと怖くなったんですよ。
自分の度胸が足りなかったんですね。
>>253さんや
>>254さん、
>>257さんの仰る様に先ずは納得出切る作品として仕上げ、投下するべきでした。
今週中には仕上がると思いますのでその際は
>>255さんの言うように警句を書いて投稿させて頂きます。
こんな自分の為に皆様数々の忠告やご意見有難う御座いました。
書き手が不安になる気持ちはよーくわかる。
「創作とは基本的に孤独なもの」という言葉を胸にがんがれ。二次創作でもこれは一緒だ
まあ最低限のモラルっていうのはあるかと思うが、まずは投下してからだな。
予防線を張るぐらいなら、いきなり投下したほうが漢らしい。
っとこんな話はこれぐらいにして、各職人さん。乙であります。
文章が上手くて面白いなら大抵のことは許せる
しのはらみたく下手な上におもんないと頭くるけどw
ここの人って批判してくるやつにはお前が書けって言ってるねwまぁ俺には関係ないけどw
そうゆうのを含めて全作品読ましてもらってるよ
ここの人って批判してくるやつにはお前が書けって言ってるねwまぁ俺には関係ないけどw
そうゆうのを含めて全作品読ましてもらってるよ
まあ、マターリいこうや
住人の皆様方、私も小説を書いてよろしいでしょうか?
取り敢えず、前以て挨拶だけはしようと、作品以外での書き込みをさせて頂きました。
どうか、よろしくお願いします。
新職人さんも来ることだし、みんなカリカリせずw
>>261 むかつくのはわかったから 思っても書くなよ
批判するならお前かけ、というのは馬鹿げた意見だと思う。
批判は批判だろ。制作と批判はまったく別物。それくらい理解しろよ。
ならば批判と野次も別物という事も理解してもらわねばな。
なんつーか、前あったしのはら叩きの延長なのが見て取れるからな
>>233を見て思いついた隻腕少女版シンの運命受領シーン想像図
議長「シン・アスカ君、君に渡したい物がある。ついて来てくれたまえ」
〜格納庫へ移動〜
シン「・・・ハハ・・・これは・・・」
議長「対戦争終結用MS、ZMGF-X42S『デスティニー』」
議長「全長18.08m、重量79.44t、搭乗人員1名。もはや並みのコーディネーターでは扱えない代物だ」
議長「今までのシルエットシステムではなく、初めから全距離に対応する武装を搭載している」
〜シン運命を見上げる〜
議長「専用装備、対艦刀アロンダイト、高エネルギー超射程ビーム砲、パルマフィオキーナetc.」
シン「装甲は?」
議長「全面PS装甲」
シン「特殊機能は?」
議長「ミラージュコロイド技術により高速機動時に光学残像を発生できる」
シン「主動力は?バッテリー式か?デュートリオンか?」
議長「核動力併用ハイパーデュートリオンシステムでございます」
シン「パーフェクトだ議長」
議長「感謝の・・・ん?なぜ私が感謝を・・・」
〜シン運命を見て邪悪に微笑む〜
シン「これならばオーブのフリーダムも倒しきれるだろう」
>>隻腕作者様
ごめんなさい!&これからも応援してます!
>>274 ヘルシングかw
近いとこあるよな、隻腕版のシンは
隻腕マダー?
批判と「つまらん」とか言う事と違うぞ。
つまらんと思うならスルーすれば良し、わざわざそれを言って雰囲気を悪くする必要はない。
面白いと言うのなら、つまらないと言っても良い
書くななんて何様だ
>>278 あんたのカキコは、まるで「不幸の手紙」のコピペを読んだ印象だよ。
>>278 「つまらない」の先に何があるのさ?
ないならそれは「批判」ではなく単なる「文句」だ。
つまりどうすれば面白くなるのかを言うのなら良い
つまんね・いらね・消えろ・おもんない
これだけだと言って自己満足しているようにしか見えん。
つまらないならつまらない理由なりなんなりを言うべき
つまらないだけだったらガキの文句と同レベル
いや、ガキでもどこがつまらないか言えるからガキ以下
批判ってのは悪い点などを指摘してより良いものを作るために必要だと思うが文句はそこら辺全く役に立たない
だって「つまんない」だけじゃ直しようないし
俺が言ったことくらいは理解しろよな
常識だから
と簡単にまとめてみる
文章が下手だからつまらない
あんなつまらないものを得意げに投稿してるのが糞ワラエルw
もう構うな
「不幸の手紙」はスルーという事で。
そうだな。馬鹿の相手して空気が悪くなったら職人さんたちに悪い。
果てし無い宇宙の闇と、星の光を遮るアステロイドがコクピットのスクリーンに広がっている。
聞こえるのは機体の駆動音だけであり、それらがただ続く中、
白いパイロットスーツを身に纏ったあどけない顔立ちの少女が、
スラスターの僅かな噴射と慣性機動で機体を制御し、アステロイドベルトを進ませる。
友軍からの通信を知らせるコールが鳴り、スクリーンの端にウインドウが開く。
ややノイズが混じっているが、アステロイドベルトに於いては良好な通信状態だろう。
ウインドウに映る知的な容貌の女性が、丁寧に言葉を紡ぐ。
「こちらミネルバ。インパルス、状況の報告をお願いします」
インパルスと呼ばれたモビルスーツを操縦する少女は、彼女の母艦であるミネルバの艦載機オペレーター、
アビー・ウィンザーからの要求に従い、静かな口調で答える。
「担当宙域に異常は有りません。任務遂行時間の誤差も予測範囲内です」
「……確認しました。哨戒を終え、帰艦して下さい」
「了解」
ウインドウを閉じ、機体を反転させかけた少女だったが、その瞬間、
レーダーが辛うじて捉えた機影に気付く。
「……ふぅ…………」
軽く息を吐いて、ミネルバへの通信と、センサーに依る解析を行う。
「こちらインパルス。所属不明の艦船とモビルスーツを捕捉。ライブラリ照合……………………、
アガメムノン級1、ストライクダガー4」
「付近の友軍機を向かわせます。合流を待って下さい」
「いいえ、これより本機は敵勢力の排除に移行します」
アビーの提案を却下して、少女が兵装システムを起動させると、
ヴァリアブルフェイズシフト装甲が展開され、インパルスのカラーリング系統は灰から青に変化する。
新人さん乙です。
単独で戦闘開始できるマユたんはヤパーリ、フェイスなのか凄い信頼されてる?
種死よりZ癌ぽい映像がイメージされました。
「-------------トレース、オン。」
そう言うとアキラは精神を魔力回路に集中させる。
ここは旅館の中庭、アキラは満月の元訓練をしていた。
他の皆は酒飲み大会でもうどんちゃかしているので彼は一人である。
満月は魔力が最も満ちる時である。
このジョブを極めることに夢中なアキラはこのチャンスを逃すわけには行かない。
錬剣術師の最大魔法を試すには。
(イメージしろ・・、赤い丘・・・、何もない・・・、ただ、剣のみ)
アキラは呪文を紡ぎだす。
−−−−−−−−−身体は刀でできている
−−−−−−−−−体は鋼で心は播璃
−−−−−−−−−幾たびの戦いをこえて・・・・
「誰かっ!!助けてっ!!」
突然の悲鳴に詠唱をやめる。
そっちの方へ走っていくとマユが鎧を来た男たちに連れ去られているのが見えた。
「マユちゃっ・・・・・・!」
アキラが叫ぼうとすると。体から急に力が抜ける。
最大魔法を使うため循環させていた魔力を急に分散させてしまったため
そのギャップに体がついていかなくなったのだ。
(なんでこんな所までリアルに作ってあるんだよ・・!シンハロ!!)
心の中でシンハロにつっこむ。
「マ・・・ユ・・・ちゃ・・ん・・。」
アキラはその場に倒れた。
「・・・マユ、マユは何処?マユがいない。ここは何処?マユは何処?」
「レイ!!しっかりしなさい!!」
ルナマリアがレイの頬をバシバシと叩く。
事の始まりは散歩に出て行ったレイが倒れているアキラを発見し、部屋に運んでからである。
気がついたアキラがマユがさらわれた事を大慌てで話して、皆はもう大パニックである。
「こう言うときは・・『教えてー!!シンハロー!!』。」
『ハイハーイ!』
ぽんっと小さな妖精サイズのシンハロが現われる。
『はい、じゃあこれ見てー。』
シンハロはなにやらぽんっとチラシを召喚した。
「ん・・・何々・・・?『ユウナ様の妹君、マユ様行方不明』??!!」
『そ、ウチのマユはそこのマユと間違われて連れて行かれたんじゃない?
賞金がかかってるみたいだしー。』
シンハロはふわんふわん飛びながら答える。
「あとこのぶっ壊れたシスコンレイはどうすればいいの?」
『あぁ・・、たぶん40%しかそろってないから他の人形から魂魄転写すれば・・。』
「流石にそれはわからないっしょー。」
なにやら和やかに漫才を始めるアキラとシンハロとルナ。
「よし・・、そうなったら明日城に乗り込むぞ。」
ハイネがそれを無視して言う。完全に彼の目は燃えていた。
「・・・・ハイネ?出来るだけ穏便に・・・。」
「俺の部下に手ぇ出すやつは誰であろうがぶっ飛ばす・・・。覚悟しやがれ!」
必死にハイネを止めようとするアスランを見つつ他のハイネ隊メンバーは
もうこりゃだめだ、とため息をついた。
>>274 ヘルシングネタ嬉しいですねw バレバレでしょうが、私も好きですし。
宜しかったら、今後もネタにして下さい。もうお好きなようにw
こっちはどうしても、お話の都合上あまりギャグに走れない部分もありますので。
お待たせしました、第11話投下です。
今回は完全オリジナルな話です。と言っても、一部『インド洋の死闘』を念頭に置いてますが……。
今回のお話、手元に世界地図を置いて考えると分かり易いかもしれません。
『オーストラリア 地図』あるいは『東インド諸島』あたりでググれば、丁度いいのが出てくるかも。
ちなみに、オーブはソロモン諸島のあたりにある架空の島々らしいですよ。
「……つーわけで、我々オーブ・連合混成艦隊は、スエズ基地の援軍に向かうわけだ。
当面の我々の目標は、可能な限り戦力を減らすことなく、スエズに到着すること」
「今更言われずとも、それは了解している。が……納得行かないのはこの進路だ」
オーブを出て、珊瑚海を西に向かう艦隊。その旗艦、タケミカズチの中――
仮面の大佐ネオ・ロアノークと、オーブ派遣艦隊最高指揮官カガリが激しく遣り合っていた。
会議室らしきその場には、他にも何人もの軍人の姿。
「オーストラリアは今なおザフトの勢力範囲だ。
この進路だと、カーペンタリアの間近を通ることになるぞ?
ニューギニア島の北側を通った方が良くはないのか?」
「ん〜、それがね〜。ちとあの島の北岸は、使えないんだ」
「何が問題だと言うんだ!?」
「津波」
やけに砕けた口調で語るネオ。
その一言もあまりにさり気なく、一瞬カガリは見過ごしかける。
「ああ、津波か……って、まさかそれって!?」
「そ、ユニウスセブンの破片落下の、分ッかり易い被害。
オーブもそれなりに波を被ったそうだけど、ここは間近だったからねぇ。モロ直撃。
お陰で、港は潰れるは死者は千人単位で出るわ、えらい被害でさ。
残った港も、被災地の支援でごった返してる。
とてもじゃないが――こんな大規模艦隊が通ったり泊まったりできる状況じゃないんでね」
「どうせなら、東回り航路を通った方が良かったんじゃないのか? 同じ地球半周するにしても」
「ん〜、なんか北アフリカとかがきな臭いらしくてね〜。またジブラルタル取られちゃうかもしれないって。
ま、そっちはそっちでちゃんと戦争するにしても……オーブに頑張って欲しいのは別のトコだから」
「つくづく、勝手な話だなッ!」
カガリはプイッと横を向く。他のオーブ軍人も、そこまで露骨ではないものの、不機嫌さを隠せない。
しかしネオには蛙の面に小便。まるで気にすることなく飄々と語る。
「……で、話戻すぞ〜。とりあえず、ザフト軍と遭遇しても、できるだけ戦闘は避けたいわけよ。
でも、回避しきれない可能性、ってあるじゃない? そういう時のために、一応役割分担決めとこうって」
「役割分担も何も……ほとんど我がオーブ軍だけだろう、戦力は?
そちらの、たった1隻の艦に乗っているたった4機のMSで、何ができる?」
「『たった4機』とはひどい言われようだな〜。どれもこれもすんごく強いのに」
「強いと言っても、うち3つは盗んだMSだろうがッ! しかも、あんな連中がッ!」
カガリが指したのは……会議室の片隅でヒマを持て余している3人。
スティングはテーブルに肘をつき、アウルは机に足を乗せ、ステラはコクリコクリと居眠りをしている。
とてもではないが――『すんごく強い』兵士には見えぬダラケぶり。軍服さえも改造され、まるで厳格さがない。
痛いところを突かれた形のネオは、しかし肩をすくめて軽く言い返す。
「そーゆーこと言わないでよ。そっちのフリーダムのパイロットだって、見かけによらないじゃない。
機体の出所が胸張れないのも、一緒でしょ?」
「……あたし?」
急に話題を振られたマユは、びっくりして自分を指差し、周囲を見回す。
その拍子に連合側の3人組と目が合い……なんとなく、微笑み合う。ちょっとした親近感。
一方、やり込められた格好のカガリは、苦虫を噛み潰したような表情で押し黙る。
「……ま、4機しかいないから、やれること限られるってのは本当のトコでさ。
基本的にウチの連中がオフェンスで、オーブ軍のみなさんにディフェンス担当してもらうってことでOK?
ちゃんとJ・P・ジョーンズも守ってくれる、って約束してくれるなら、こっちも攻撃に専念できるんだけど」
「……そうだな。どう思う、アマギ?」
「確かに、王道ですね。数の多い我らが艦隊の防衛、小数精鋭の彼らが斬り込み役。
戦況を柔軟に判断し、フリーダムや一部のムラサメ隊は遊撃や予備戦力として使う形になるでしょう」
「それでいいか、トダカ?」
「問題ないでしょう。ただ、連合の艦もこちらの指揮の下で動いてもらうことが前提になりますが」
カガリに判断を求められたアマギ一尉は、ネオの提案を評価する。
今回タケミカズチの副長を務めている彼は、元々は戦術の専門家。特に、MSを交えた戦闘の分析に長けた人物。
タケミカズチの艦長・トダカ一佐も、艦隊全体の意思統一が成されることを条件に、その案を肯定する。
頼もしい部下たちの判断に、彼女は1つ頷いてネオに答える。
「よし、ではそれで行こう。あとはその場その場の判断で、連絡を密にするということで」
「んじゃ、スエズまでの長い道中、ヨロシクねみなさん♪」
同時刻。
「……というわけで、我々はこれより東インド諸島方面に向かわねばならない」
「バカらしーな。ミネルバのこと、タクシーか何かと勘違いしてねーか?」
「ちょっとシン、言い過ぎよ!」
タケミカズチと同様、ブリーフィングルームで会議の場を持っている艦があった。
地上に降りてきていたザフトの新鋭艦、ミネルバである。
前に立って語るのは、赤い軍服をまとったアスラン・ザラと……バイザーで目元を隠した女性。
並んで座る兵士たちの中、一番前に座る赤服のパイロット、シン・アスカが不満そうに声を上げる。
「タクシーか……悪いがまあ、そのようなモノだな。ザフト全軍を探しても、これほどの高速艦はそうそうない」
「言ってくれるわね。ま、他ならぬ『ラクス・クライン』のためなら仕方ないのかもしれないけれど」
アスランの言葉には、ミネルバ艦長タリア・グラディスも不機嫌さを隠せない。
そう――オーブ沖で連合軍艦隊の包囲から脱したミネルバは、カーペンタリアで新たな乗員を迎えていた。
1人は、前大戦の英雄、『アスラン・ザラ』、及びその乗機『セイバー』。
もう1組は、前大戦の後姿を消していたアイドル、『ラクス・クライン』及びそのその随員数名。
当初、ミネルバは、地上でも重要な戦線とされた黒海近辺の戦場に送られることになっていたのだが……
急遽、途中まで『ラクス・クライン』を送り届ける任務が追加されたのだった。
「東インド諸島は、一応は赤道連合ですが……再構築戦争の頃から、大洋州や東アジアとも近い紛争地域。
元々火種があったところに、先の戦争です。連合・プラント・中立の各勢力圏が、モザイク状に並ぶ混沌の地。
一旦はユニウス条約でリセットされ、全て中立寄りとなったのですが。先日の開戦で、また混乱してきました」
「なんでそんな所に『ラクス・クライン』を送るんだ?」
「そんな所だから、です」
シンのツッコミにも負けず、バイザーをつけた金髪の女、サラは淡々と語る。
「そんな古くからの争いが残る所ですから、プラント側の拠点を維持するには、単純な兵力だけでは足りません。
どうしても地元住民の心を掴み、支持を得る必要があります。勢力圏の拡大は、地盤を固めた後になります。
そこで――プラントのアイドルとして名高い彼女が、彼らを慰問し、支持を求めることになったのです」
「それは良いのですが、我々はどうなります? 彼女の護衛をずっと続けるのですか?」
「現地には先行して降下し、基地を確保した『オレンジショルダー隊』ことハイネ隊がいます。
ミネルバの任務は、無事に基地まで行き、彼らに『ラクス様』と我々スタッフを引き渡すまで、です」
「その後は、彼女のことはハイネ隊に任せ、俺たちは黒海へと赴くことになる」
「……? アスランはラクス様の所に残らないのですか?」
「俺はそのままミネルバに残り、共に戦うよう指令を受けている。奪われた例の3機に代わる、補充戦力として。
時間がなく、このような艦上での説明となってしまったが――この任務伝達が終わり次第、艦長の指揮下に入る」
サラとアスランの解説に、質問したレイ・ザ・バレルも頷く。
と――ずっと黙っていたもう1人の赤服、ルナマリア・ホークが、無言でスッと手を挙げる。
「――何かな?」
「変な質問で悪いんですが……今日は、あの変な付け髭つけないんですか、『アレックス・ディノ』さん?」
それは、この場にいる誰もが気になり、しかし面と向かっては聞けなかったことで。
全員の注目を浴びて――しかし『アスラン・ザラ』は、能面のような無表情さで、事務的に答える。
「何のことかな。俺はそんな名前の奴など知らないし、付け髭などつけていた覚えもない。
……少なくとも、何度聞かれてもそのようにしか答えられない。今の立場上、な――」
マユ ――隻腕の少女――
第十壱話 『亡霊の疼痛』
再び、タケミカズチ。
作戦会議を終え、細かい打ち合わせも済ませ、一旦解散した面々だったが……
廊下を歩くカガリの背に、声をかける者がいた。
「あー、いたいた、ちょっといいかな、お姫様」
「その呼び方はやめろ。それより何だお前は。まだ向こうの艦に戻ってなかったのか?」
そう、それは仮面の大佐、ネオ・ロアノーク。
さっさと消えろ、と言わんばかりの彼女の態度に、彼はしかし笑って頭を掻く。
「いやー、実は一緒に来てた3人、どっか行っちまってねェ。さっきから姿が見えないんだ。
なぁ、奴らドコ行ったか知らないかい?」
「お前の知らないことを、なんでこのわたしが知っているんだ。
大方、この広い空母の中で迷子にでもなってるんじゃないか? 保護者なら保護者らしく、目を離すな」
「いやはや、コイツは手厳しいねェ」
まるで堪えていない様子で、頭を掻いてみせるネオ。果たしてヘルメットの上から掻く行為、意味があるのか。
そんな彼をウンザリした目で見ていたカガリだったが、急に真面目な顔になって切り出す。
「……そうだな。丁度良かった。ロアノーク大佐とは、わたしも会いたかったんだ。
迷子は部下に探させるから――少し、時間を取ってもらっても良いか? 内密な話がしたい」
「秘密のお話? 恋の告白以外なら、いくらでもお相手しちゃうけど?」
「ここではなんだな。ついてきてくれ」
ネオの軽口にも乗ることなく。カガリはクルリと背を向けると、タケミカヅチの廊下を歩き出す――
オーブの誇る巨大機動空母、タケミカズチ。
多胴式の船体と広い2層式甲板を持つ、オーブの『動く軍事基地』だ。
オーブという群島は広い領海を持つが、その国境付近の小さな島々には大規模基地を築くだけの土地がない。
そこで――有事に備えて建造されたのが、この移動軍事拠点。小国には過ぎたほどの大型空母。
先の大戦のトラウマ、連合軍の攻撃を領海外で留められなかった後悔が、この大型艦の建造を推し進めさせた。
しかしまさか、そうして生まれた巨大空母が、対外攻撃のために使われようとは――
そのタケミカズチ、長期の任務を念頭に置いて設計されているため、艦内施設は充実している。
ケタ外れなMS積載量を誇る格納庫、ちょっとした工場ほどの設備を持つMS整備ドック。
数千人の人員を余裕で収容できる居住区に、彼らの胃袋を支える艦内6箇所の巨大食堂。
厚生施設の集中する一角は、まるで小さな街のようだ。
各種売店、散髪屋、バー、図書館、スポーツジム、映画館にクリーニング屋、そしてゲームセンターまで……
「やりぃッ、また俺の勝ち〜♪」
「あーっ、もうアウルったらぁ。ズルいよソレ!」
タケミカズチ更生施設エリア、ゲームセンターで歓声を上げていたのは……1組の少年少女。
どちらも軍服を着、『少尉』あるいは『三尉』の階級賞をつけてはいるが、とてもそうは見えない。
対戦型ゲームの勝敗で一喜一憂するその姿は、年相応の子供そのものだ。
「あーもー、なんでそんなに上手いかなー。これ、オーブにしかないゲームなのに」
「な〜に、ゲームなんてどれも似たようなモンさ♪ 基本パターンさえ掴めば楽勝だよ♪」
楽しげに語るのは、ネオと共に居た3人のパイロットの一人、アウル・ニーダ。
胸元を大きくはだけたスタイルながら、男っぽさとは無縁の幼さの残る体つき。
そして、そんな彼と仲良くゲームに興じるのは、オーブ軍では異例に幼い兵士、マユ・セイランだった。
「しっかし、この艦ってスゲーなー。なんかもう船の上だってこと忘れちまうよ」
「へへへ、すごいでしょー。別のフロアになるけどね、ジャパニーズスタイルの『オンセン』もあるんだよ」
「何、スパもあんの?! じゃ、一緒に入ろうぜ、マユ!」
「ダメだよー、日本式だから水着ナシで素っ裸で男女別だもん。ステラとだったら一緒でいーよ」
「……『オンセン』……入ったこと……ない……」
急に話題を振られて、UFOキャッチャーに挑戦していた少女ステラ・ルーシェも振り向く。
ハロを模して作られた球形のぬいぐるみが、あと一歩のところでアームからこぼれ落ちる。
「……記録更新してきた。なんかヌルい設定になってねーか、ココ?」
「ん〜、かもしれないねー。言っちゃ悪いけど『フツウの人』が楽しむためのとこだし」
体感レーシングゲームの大型筐体からボヤキながら降りてきたのは、スティング・オークレー。
口では文句を言いつつも、しかし案外楽しそうではある。
お互い、出会って間もない1人と3人ではあったが――
オジサンばかりで構成された軍の中、年も立場も近いこともあって、4人はすぐに仲良くなっていた。
このゲームセンターも、マユが3人を連れてきたのだ。「ヒマならちょっと遊ばない?」と。
4人とも、まるっきり戦争を忘れて、今は目の前の小さな平和を存分に楽しむ――
潮風が、頬を撫でる。波を割る水音が響く。
艦内にいると海上にいることさえ忘れがちなタケミカズチだが、こうしてデッキに出てくるとやはり違う。
「……で、話って何さ?」
「用件は2つだ。1つはオーブ軍の指揮官として、1つはプライベートな問題だ」
艦の各所に設けられた小さなデッキの1つに姿を現したのは――ネオ・ロアノークと、カガリ・ユラ・アスハ。
周囲に誰もいないことを確認し、カガリが真剣な表情で切り出す。
「まずは――『フリーダム』のことだ。
言われるままに持ってはきたが――本当に、いいのか? ユニウス条約との、整合性は」
そう、ユニウス条約に定められた、NJCの軍事利用禁止条項。
それが『中立国』の自己防衛に使われる範囲なら、除外規定により問題にはならないが――
こうして、連合軍と行動を共にし、連合軍の一員として戦場に出るなら。まともに引っかかる。
「ん〜、今更、条約もクソもないんじゃない? あれって『休戦条約』だし、一種の紳士規定に過ぎないし。
それに、先のプラント近くの戦いでは、ザフト側が核ミサイル使おうとしてた、って情報もあるしねぇ。
向こうが使って来るなら、コッチも対抗するっきゃないでしょ」
「……明らかに、お前たちの要請の方が先だったように記憶してるが?」
「先見の明がある、って言って欲しいとこだね、ソコは♪」
カガリの追求も、まるで暖簾に腕押し。
まあ……彼女自身も、こちらの件についてはさほど期待していない。「どうせそんなところだろう」という感じだ。
オーブにとってはこの艦隊派遣自体が無理のある話で、今更無理が1つ2つ増えたところで驚きもしない。
溜息一つついて、話題を変える。
「……では、次だ。
ネオ・ロアノーク大佐……悪いが、その素顔を見せてはくれないか?」
「…………」
カガリの言葉に――どんな厳しい言葉をぶつけられても平然としていたネオは、黙り込む。
その口元から、常に浮かんでいた笑いが消える。
「以前、『酷い傷痕がある』と言ったな? しかし……本当に隠さねばならぬほどの傷があるのか?
あったとしても、わたしも戦場で酷いモノを色々と見てきているからな。生半可なことでは驚かんよ」
「……どうしても見たいのかい? 何故、そこまで?」
「お前が、似過ぎているからだ。『ムウ・ラ・フラガ』と。そして、『ラウ・ル・クルーゼ』と」
「…………」
「メンデルにまつわるフラガとクルーゼの因縁は、わたしも後から聞いた。お前はどうしてもソレを思い出させる。
一卵性双生児のようにそっくりな、お前とフラガ。似た仮面を被った、お前とクルーゼ。
……そうやって言葉に詰まること自体、何かあるということなのだろう?」
鋭い視線で射抜くように見据えるカガリ。
彼女の場合、最初からこういう風に論理的に考えていたわけではない。むしろ、直感で何かを感じたのだ。
フラガとクルーゼの因縁は、メンデルという接点でキラと、そしてカガリにも通じている。他人事ではない。
――やがて、ネオは観念したように軽く息をつくと、仮面に手をかける。
「……そこまで見透かされているんじゃ、黙ってるわけにもいかんなァ。
ただこれ、2人だけの秘密で頼むぜ。誰にも言うなよ。キミの昔の仲間にもだ。
ある意味、同じ『メンデルの子』カガリ・ヒビキだからこそ、話すんだからな――」
そして彼は、ヘルメットのような仮面を外し、素顔を、長い金髪を晒し――
「あらあらマユちゃん、元気してたー?」
「セイランのお嬢さん、試食用にリンゴ剥いたんだけど、食べます? ほら、そっちの連合のみなさんも」
「あ、セイラン三尉。ノーマルスーツの首回りがちょっとキツいって言ってたでしょ?
大人用のスーツから転用できそうなパーツが見つかったんだ。後で試着に来て」
タケミカズチの更生施設ブロック、売店の立ち並ぶ『売店街』――
それはもはや「空母内の売店」の域を越え、ちょっとしたアーケード商店街のような雰囲気で。
果物を扱う生鮮食料品店もあり、衣類を扱う店もあり。なぜか各種オーブ土産を取り揃えた店もあり。
スティングたち3人とそこを覗いて歩くマユに、各店の店員たちが次々に声をかける。
「すげーな、マユって。人気者じゃん」
「……あ……このハンカチ、可愛い……」
渡されたリンゴを齧りながら感心するアウル、全く気にせず展示されてた小物に張り付くステラ。
マユは恥ずかしそうに頭を掻く。
「ん〜、みんなイイ人だから。誰にでも優しいんだよ」
「違うだろ。マユが『フリーダムの英雄』だから、だろ?」
「……まあ、オーブって、案外コーディネーター多くないからさ。ただそれだけだよ。
スティングたちだってそうでしょ? 連合でコーディネーターって、珍しいんじゃない?」
話題を逸らそうとしたマユの、何気ない一言に。
スティングたち3人は、一瞬顔を見合わせたが……すぐに笑い出す。
「??? みんな、何笑ってるの?」
「ははッ、いやスマンスマン。まあマユが勘違いすんのも仕方ねーけどさ」
「……ステラたち……コーディネーターじゃ……ない……」
「俺たちは3人ともナチュラルだよ。少なくとも生まれはな」
「え? でも、あの反射神経って……」
つい先ほど、ゲームセンターで散々見せ付けられた、彼ら3人の高い身体能力。
マユはすっかり、彼らもコーディネーターだと思い込んでいたのだが。
「俺たちは――『エクステンデッド』さ」
「えくす……てんでっど?」
「ナチュラルを、後天的にパワーアップさせてんの。手術とか、インプラントとか、クスリとか使ってさ」
あっけらかんと言い放つアウルの顔には、何の躊躇いも、憂いもなくて――
だからマユは最初、その言葉の意味を、重みを理解できない。
「それって、どういう――」
と、マユがさらに問いを重ねようとした、その時。
タケミカズチの『売店街』に、急に耳障りなアラームが鳴り響く。誰もが反射的に頭上を見上げる。
それは、緊急事態発生を全艦に告げる一報。のどかな商店街も、戦闘を予想して緊迫した空気に塗り代わる。
緊張高まるタケミカズチのブリッジ。
そこに駆け込んで来たのは――1組の男女。ネオとカガリ。
「何が起きた!?」
「艦隊に先行していたムラサメ偵察型が、南西海上を北上する正体不明艦を見つけました。
このままでは、我ら艦隊と進路が重なります」
タケミカズチの艦長、オーブ艦隊の第二位の指揮権持つトダカ一佐が、厳しい声で答える。
ネオとカガリは、咄嗟にモニタに表示されている世界地図を見上げる。
艦隊の現在位置は、オーストラリアのヨーク岬と ニューギニア島の間、トレス海峡。
小さな島々と岩礁が多い迷路のような海域で、大型空母を抱えるオーブ軍艦隊はなかなか動きが取れない。
そして、そこから南西と言えば――
「カーペンタリア……ザフト軍か!?」
「おそらくは。ただ――単艦というのが気になります。
彼らとて、カーペンタリア湾を抜けてしまえば、その先は混沌の領域のはず。
たった1隻で、ここに出てくるというのは――」
カガリの疑問を肯定しつつも、いささか納得のいかない顔のトダカ。
と、そこに――通信兵の1人が、悲鳴のような声を上げる。
「スカウト01から入電! 熱紋照合完了、敵艦の正体判明! ……『ミネルバ』、です!」
「ミネルバだと!?」
それは――最悪の相手。みなの顔が蒼ざめる。
カーペンタリア基地の鼻先を通る航路を決めた時点で、ザフト軍との遭遇戦は覚悟してはいたが。
彼らも良く知るかの艦は――最も恐るべき敵であり、最も戦いにくい相手。
相手は空を飛び、陽電子砲を備え、強力なMSを何機も抱えた万能高速艦。
岩礁に足を取られて動きの鈍い大艦隊など、いい的でしかない。
いやそれ以前に、あの愛着深い『戦友』を、冷静に討つことなどできるのか――?
「いやはや、みなさんが『逃がしてくれた』大魚、こんなトコで出会っちゃうとはねェ。因果応報って奴?」
「嫌味を言うのは後にしてくれ、ネオ! それより……早く迎撃体勢を!」
「た、戦うのですか!?」
「できれば戦闘は避けたいが……向こうがやる気なら、受けるしかないッ……!」
カガリの顔に、汗が滲む。
その真剣さを見て、軽口を叩いていたネオも顔を引き締める。艦内通信を担当する兵士に歩み寄る。
「ウチの3人はどうなってる? ヘリポートまで来てる? じゃあ大至急J・Pジョーンズに送ってくれ!
俺を待つ必要はない、一刻も早く自分の機体に乗り込むように! 俺はココから指示を出す!」
「トダカ、ここは頼む。私はルージュで待機する。『私の存在』を分かり易く示す必要があるかもしれない」
「了解です、カガリ様。ブリッジとの連絡は常時繋いでおきますので」
カガリはブリッジから飛び出していき――その眼下では、連合の3兵士を乗せた連絡ヘリが飛び立つ。
やがて――水平線の上、艦のセンサーにも、ミネルバの矢のような姿がくっきりと映り――
――それはもちろん、ミネルバの側でも、察知できていた。
流石に偵察に特化した偵察用ムラサメの姿は見逃していたが、大艦隊はむしろ見落とす方が難しい。
「あれはッ……! オーブの、『タケミカズチ』……!」
「このままでは、双方の進路交差します!」
「振り切ることはできる、アーサー?」
「え、えーっと……ダメです、そのー、地形の関係上、一度は戦闘距離を通過しないことには……。
こ、こちらが引き返せば、やり過ごすこともできるかと」
緊迫するブリッジ。
オーブ艦隊側が、彼らを強敵と見たのと同じように――ミネルバにとっても、それは難敵だった。
何しろ規模が違う。艦載MS数のケタが違う。相手にはフリーダムも、カオス・ガイア・アビスもいるだろう。
ミネルバ側の強みの一つ、陽電子砲タンホイザーも……艦首に固定されているため、背中を向けては使えない。
引き返すか。真正面から戦いを挑むか。それとも、敵の眼前を通過し向こう側に逃げるか――
「戻ることは、なりません。この艦の任務は一刻も早く『ラクス様』をお届けすることなのですから」
悩むミネルバクルーに冷たい言葉を投げつけたのは、ブリッジに入ってきたスーツ姿の女。
大型のバイザーを神経質そうに押し上げると、彼らに向けて言い放つ。
「もちろんラクス様に危害が及ぶことも許されません。
この艦は足の速さが自慢なのでしょう? ならば、早く通り過ぎてしまって下さい」
「……簡単に、言ってくれるわね……。それも、あの人の……『議長からの特命』のうち?」
「はい。議長特命です」
歯ぎしりするタリアにも構わず、サラは冷たい目で彼女を見る。
軍事の素人が作戦に口出ししてくるというのは、とてもやり辛いことなのだが――
「――仕方ないわね。では本艦はこれより、オーブ艦隊の鼻先を通って北西の海域に脱出する。
コンディションレッド発令、MSパイロットは機体にて待機。あと、オーブ艦隊に通信を繋ぐ準備を――」
「ああ、それでしたら、今――」
タリアの指示を、サラが途中で遮ろうとした、その時。
ドタバタと、ブリッジに上がってくる数名の影――
それは、戦闘直前の緊迫感を、まるでブチ壊しにするもので。
「ああもうッ。ちとメイクに時間かけ過ぎやで、ラクス様」
「ごめんなさいッ、でも何とか間に合ったからいいでしょ?」
「良くないがな。台本あわせするヒマもなくなってしもた。カンペ用意するから、ぶつけ本番で行くで」
「……あ、あの、みなさん? ここは危険ですので……」
おずおずと、派手な衣装の『ラクス・クライン』と、そのスタッフに声をかけるアーサー。
しかし、彼らはまるで出て行く素振りも見せずに――
「通信機、ちと借りるで。カメラのコントロールもや。『平和の歌姫』の言葉の力、みせたるわ!」
彼我の距離が、どんどん縮まる。
それぞれの艦上で待機するMSパイロットたちの額にも、汗が滲む。
と――そんな緊張には、場違いな口調で。
1人の娘の言葉が、通信に乗って双方の全員に届けられる――
『わたくしは、ラクス・クラインです。
オーブのみなさん、わたくしたちは不幸にして敵対することになってしまいました。
しかし、思い出してみて下さい。わたくしたちには戦う理由などないはずです。
どうか、お願いします。わたくしたちを、通して下さい――』
それは、プラントの歌姫、『ラクス・クライン』。
ハイレグの水着とロングスカートを組み合わせたような舞台衣装をまとって。星型の髪飾りを光らせ。
芝居がかかった大袈裟な身振りで、祈るように両手を組み合わせる。戦闘回避を訴える、空虚な言葉。
その、不意打ちのような通信映像に――
「ラクス・クラインって……プラントの歌姫が?!」
「ミネルバに乗っているのか!?」
「おいおい、何言ってるんだよコイツ」
オーブ軍艦隊には、動揺――と言うより、困惑が走り。
「……何考えてるんですか、アンタたちは!」
「VIPが乗ってます、ってバラす護衛がどこにいるんだよ!」
「前大戦の時もそうだったらしいが……相変わらず良く分からないお方だな……」
ミネルバの側でも、不安の声があちこちで挙がる。
そんな中、コアスプレンダーで待機していたシンは、オペレーターのメイリンに怒鳴る。
「ちッ! ……おいメイリン、俺を出せ!」
「え? ちょっと、シン!?」
「あのバカ歌姫め! 今のを聞いて敵が襲ってくるぞ! 少なくとも、俺がアッチ側ならそうする!
そうなってから合体していたら、間に合わない。今のうちに、フォース装備で空中に待機しておく!」
「りょ、了解! では各パーツを順次発進させます。まずはコアスプレンダー、どうぞ!」
マユ・アスカは――不機嫌だった。
フリーダムのコクピットで待機しながら、その映像に眉を寄せる。
「この、無責任女ッ……何を、ヌケヌケとッ……!」
温厚なマユがこの世でただ2人だけ、どうしても許せない人間。それがラクス・クラインとキラ・ヤマト。
その片方が――手の届く距離の敵艦に乗っているのだ。
ミネルバには恨みはない、むしろ親近感すらあるが、しかし……
「いっそあの艦ごと、ここで沈めてやろうかしら?」
そんな物騒なことを呟いた、彼女の眼前で。
相当に近い距離となったミネルバから――1機の戦闘機が飛び出すのが見える。
いや1機ではない。次々とその後を追うように、上半身が、下半身が、シルエットが飛び出して。
1機のMSへと、合体していく。
「あれは……インパルス!」
マユの脳裏に、そのMSのこれまでの所業がよぎる。
好戦的な態度。必要以上の破壊。戦いそのものを楽しんでいるような姿――
――それは、おそらく無意識の行動だったのだろう。
インパルスに対応しなければ。インパルスが動いたら即応できるようにしなければ。多分、そういう判断。
フリーダムの翼が、広がって――その足が、ゆっくりと甲板から離れる。
インパルスがミネルバの前方上空に立っているように、フリーダムもタケミカズチの前方上空に立つ。
そして、そのフリーダムの動きは、インパルスの側からも見えて。
「やっぱり……やる気か!?」
相手の動きを伺うように、相手の動きに合わせるように、少しだけ機体を前に進ませる。
マユもまた、相手に合わせて少しだけ前進して。
それを見たインパルスも、さらに動いて。
相手を牽制せねば。相手は押さえ込まねば。相手に合わせねば。
お互い、ただそれだけのはずだったのに。
いつしか両機は、それぞれの母艦からかなりの距離を離れていて。
いつしか両機のスピードは、全速力と呼んでも差し支えないほどのものになっていて。
背後の友軍の動揺も制止も全て2人の意識から吹き飛んで。
海上を滑るように真っ向から、2機の距離が急速に縮まって行き。
それぞれ素早く右手でビームサーベルを抜き放ち。
互いに真正面から切り結んで――激しい閃光が上がる――!
フリーダムの盾に止められた、インパルスのビームサーベル。
インパルスの盾に止められた、フリーダムのビームサーベル。
一瞬の均衡、それを破ったのは一本の足。
フリーダムの鋭い蹴りが両機の盾の間から飛び出して、インパルスを吹き飛ばす。
バランスを崩したインパルス、そのフォースシルエットの突端が海面を削り、激しい波を立てる。
「もらったッ!」
マユは思わず叫んで、逆手に持ち換えたビームサーベルで追い討ちをかけようとして――
ゾクリ、と背筋に寒いものを感じる。
脳裏にフラッシュバックする、カガリとの模擬戦。
咄嗟に翼を広げ急ブレーキをかけて――命拾いを、する。
彼女の目の前では。
シルエットを切り離し姿勢を回復したインパルスが、カウンターを狙ってビームサーベルを構えていた。
思惑が外れ、インパルスは舌打ち1つ残して一旦後方に跳ぶ。一瞬ならば本体だけでも海面を飛べる。
外れたフォースシルエットが、再びその背に合体する。
仕切り直し、という形になった2機が、今度は距離を開け、慎重に互いの出方を伺う。
と、その時――互いに、気付く。
相手の背後から迫る、紅い影に。
「え?」「な?」
驚きの声を上げる余裕も、身構えるヒマもなく。
フリーダムとインパルスは、それぞれに、背後から強い衝撃を受けて。
前のめりに、顔面から、激しく海面に叩きつけられる。
2機を蹴り飛ばし、大きな波しぶきを見下ろすのは――どちらも紅い、2機のMS。
ストライクルージュと、セイバーだった。
「……すまないな。ウチの馬鹿が迷惑をかけた」
「いや、それはお互い様さ」
フリーダムの片腕をストライクルージュが掴んで、水中から引き上げ。
インパルスの片腕をセイバーが掴んで、水中から引き上げ。
互いに互いの問題児を救出しながら、2人は言葉を交わす。
「……やはり、『アスラン・ザラ』か。その色と頭部を見た時から、そうだろうと思っていたが」
「その紋章、『カガリ・ユラ・アスハ』か。『久しぶり』だな」
双方の暴走戦士たちは、蹴られた衝撃でいまだ少し朦朧としている状態で。
それをいいことに、2人は少し他人行儀な会話をしながら、距離を離す。
「さっさと行ってしまえ、アスラン。こちらの気が変わらぬうちに」
「言われなくても、そうさせてもらうよ」
「……もう、会いたくはないものだな。戦場では」
「そうだな。会いたくはないな、カガリ・ユラ・アスハ」
セイバーとそれに引きずられるインパルスが、ミネルバに着艦するのを見ながら。
カガリは今度は、ミネルバの方に通信を入れる。
『……久しぶりだな、ラクス。半年振りくらいになるのか』
「お、おひさしぶりです、カガリ様」
ミネルバのブリッジ上、『ラクス・クライン』は、少し慌てながら答える。
彼女の目が泳いで、カメラの死角に立つプロデューサーのキングの姿を探すが……
彼が咄嗟に掲げたスケッチブックには、『臨機応変に!』とだけ書かれていて。
少しオドオドした態度で、画面の向こうのカガリと向き合う。
『……? 別にいつもどおり、『カガリさん』でいい。それより……
別に、プラントに戻ったことは責める気はないが、1つだけ聞きたいことがある』
「な、なんでしょう?」
『お前……孤児院の子供たちは、どうした?』
画面の向こう、パイロットスーツに身を包んだカガリは、鋭い視線で彼女を睨む。
『お前……こないだ会った時に、言ってたよな?
『子供たちの世話が楽しい』と。『これこそが自分のやるべき仕事だと思った』と。
本当に嬉しそうに、活き活きと。
なのに――なんでお前は『そこ』にいる? なぜ子供たちを放って行ける?
やっぱり地味な孤児の世話よりも、スポットライトが恋しくなったとでも言うのか?』
「え? え? あ、あの、その………」
見ていて気の毒になるほど混乱し、動揺する『ラクス・クライン』。何も言葉が出てこない。
それを見て――どう思ったのか、カガリは1つ深い溜息をついて。
『……分かったよラクス。もういい。お前にはちょっと失望した。
お前は、そんな奴じゃないと思ってたんだがな――』
「あ、あの、カガリさま……じゃない、カガリさん……」
『せいぜい、良い旅を。もう会いたくないな、お前とは――たとえ、戦争が終っても』
そのまま、ストライクルージュはフリーダムを引きずったまま、背中を向けてタケミカズチへ――
「何? 見逃しちゃうの?」
「仕方ないでしょう、ロアノーク大佐。
我々の任務は、『可能な限り戦力を減らすことなく、スエズに到着すること』でしょう?」
そのやり取りは、タケミカズチのブリッジの上でも見て取ることができて。
不平を上げる仮面の男に、トダカ一佐が静かに答える。
互いに戦闘開始のタイミングを逸した感じの両軍は、そのまま通り過ぎて。
進行方向はほぼ同じながら、圧倒的に速力で勝るミネルバは、どんどん遠ざかっていく。
その背を見送りながら――ネオは、ブリッジの通信機に向かう。
「何をするつもりです、大佐?」
「いや何、オーブ艦隊が戦えないのは仕方ないけどさ。
このまま本当に見逃したら、俺の立場的にはマズいわけよ。だから連絡を、ね」
「……見逃してもらえたのは、こちら側でもあるのですよ?!」
「どーかなー。まだ緊張解かない方がいいぜ? ミネルバを無条件に信頼すんのも危険だ。
なにせホラ、まだこの海域は――」
パシィンッ!
格納庫に、大きな音が響き渡る。
……フリーダムを降りてきたマユを襲ったのは……カガリの平手打ちだった。
張られた頬を押さえて、涙目でカガリを見上げる。
「どうして勝手に動いた! どうして指示を待てなかった!
下手すればあのままミネルバと戦闘になって、大きな被害が出てたかもしれないんだぞ!」
「でも、先に動いたのはインパルスだし、作戦会議でもフリーダムは柔軟に判断しろって……」
パシィッ!
モゴモゴと言い訳をするマユの反対側の頬が、さらに張られる。
「それはあくまで『遊撃』として、だ! あくまで他の兵士との役割分担の上で、だ!
誰が真っ先に戦えと言った! 誰が戦闘開始の判断をしろと言った!
今は『軍』の一員なんだ、いつまでも『正義の味方』のつもりでいるんじゃあない!」
「…………」
2度も頬を打たれてなお、納得できない顔のマユ。
それを見下ろして……カガリは諦めたように、溜息をつく。
「ともかく……軍としては、不問にするわけにはいかない。
正式な処分は後で考えるとして……マユはしばらく、自室で謹慎していろ!」
ガチャン!
暗い廊下に、鍵の下りる音が響き渡る。
放り込まれたシンは、すぐに立ち上がって鉄格子にしがみつく。
怒りに燃える目で、鉄格子の向こう側のアスランたちに叫ぶ。
「なんでだよ! なんでこんな扱いされなきゃいけないんだよ!」
「お前の行為は越権行為だ。独断で戦闘を始めて、艦の全員を危険に晒したんだ」
「先に動いたのはフリーダムだろッ! おいッ!
この俺抜きで、この先どうするって言うんだよッ! またすぐに敵とは出会うぞッ!」
シンの言葉にも、彼らは応えることなく。彼を置いて、みな独房を出て行く。
廊下の扉が閉まる寸前、振り返ったルナマリアの、小さな呟きが響く。
「……バカな、シン……」
オーストラリア北岸、大きく抉れたカーペンタリア湾に面した軍事基地、カーペンタリア基地。
2年間の休戦中も維持されてきた、ザフト軍の一大拠点である。
戦争の再開を受け、今ここは多くの兵士でごったがえし、混乱していた。
宇宙から降りてきた兵士やMSが、ここで再編成され、地上の各地に散っていく。
そんな基地に――先ほど基地を出たミネルバから、一報が入る。
「――なるほどな、オーブ軍の艦隊か。ニュートロンジャマーの影響下で見失っていたのだが」
「彼らは、あろうことかラクス様の乗った艦に銃を向けました。許すわけには行きません」
基地司令と直通通信を交わすのは、ラクス・クラインの傍にいたスーツ姿の女、サラ。
まだミネルバはオーストラリアからそう離れていないため、中継をすればNジャマー下でも通信は届く。
「しかし、急に言われても出せる戦力がなァ。……まあいい、それはこちらで何とかする。
情報提供、感謝する」
基地司令は通信を切ると、腕を組んで考え込む。
確かにカーペンタリア基地には多数の戦力があるのだが……その多くは、派遣先が決まっている。
そういった『予約済み』の戦力を除外しても、基地防衛に欠かせぬ部分は少なくない。
それらを差し引いて、なおかつ、情報にあった敵艦の位置まで向かえる余剰戦力となると……
「……艦を出していたら間に合わんだろうしな。
この間届けられたばかりの『あの新型』なら、航続距離を考えても十分だろう。
ディンも護衛につけて――直接向かわせるかね」
基地司令は呟くと、受話器を取り上げ、どこかに指示を出す。
窓の外、空港に面した格納庫で、とんがり頭の特異なシルエットのMSが、モノアイを灯らせる――
一方、インドネシア諸島、小さな島々の中にある小さな連合軍の前線基地で――
カーペンタリアの司令よりは数段格の劣る基地司令が、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていた。
「『ファントムペイン』め、無理を言ってくれる。『ミネルバ』がこちらに来るから討て、とは」
しかし、知ってしまった以上、無視もできない。相手は大物だ、討つことができれば昇進も確実。
彼は咄嗟に前線基地にある全戦力を思い浮かべる。
「新品のジェットストライカー装備のダガーLが、30機あったな。
……全部出せば、なんとかなるか? 地の利はこちらにあることだし」
ミネルバを見送り、一旦は安心したタケミカズチに――再び、警報が鳴り響く。
自室でふてくされて寝ていたマユは、ハッと飛び起きる。
慌ててカチャカチャと、外していた右の義手をつけ直し、部屋を飛び出そうとして――誰かに衝突する。
ボフッ、と顔を埋める形になったのは、カガリの胸。
「……どこに行くつもりだ、マユ?」
「どこって、フリーダムに決まって……」
「自室で謹慎していろ、と言ったはずだが?」
「で、でも、敵が来てるんだよ? フリーダムが、あたしが出なきゃダメなのに……」
厳しい目つきで睨みつけるカガリに、あうあうと慌てるマユ。
周囲でも他の兵士が慌てて自分の持ち場に走っていく。
カガリを相手にしていてもラチが開かぬとばかりに、自分も走り出そうとして……襟首を掴まれる。
勢いのあまり、息がつまる。
「ぐぇッ!」
「……ちょうどいい機会だ。マユ、お前はコッチに来い」
「な、なに!? ど、どこに行くの?」
「たぶんお前には、懲罰房に入ってもらうより効果的だろうからな――
オーブ軍を、あんまり舐めてくれるなよ。見せてやろう、『本職』の仕事という奴を」
オーブ軍艦隊を振り切った、ミネルバでも。
前方に姿を現した敵を、察知していた。
「空飛ぶダガーLが30機、ね……他に伏兵は?」
「ないようです。これで全部ですね」
「では、またわたくしが……」
「ラクス様は黙って見ていて下さい! 余計なことはしないで!」
おずおずと声を上げたラクスに、タリアが怒鳴りつける。
その剣幕に身を竦めるその姿は、哀れささえも感じさせるもので。
とてもでないが――平和のためにはザフト軍への反逆も辞さなかった、『伝説の歌姫』の風格ではない。
タリアはブリッジの片隅でしおれる彼女を無視して、パイロットの待機するMS格納庫に通信を繋ぐ。
「アスラン、あなたの判断が聞きたいわ。この数の敵に囲まれても、セイバー1機でなんとかできる?」
「艦の方の防衛が、ザク2機でできるなら。
30機相手に完全な足止めは無理ですが、30機相手でも倒されない自信はあります」
「……決まりね。シンを独房から出す必要はないわ。このまま迎撃に入ります。
そうね――彼の方にも、映像回せるなら回してあげて。彼にはちょうど、いい薬よ」
「状況はどうなってる!?」
「あ、カガリ様! ……空からの襲撃です、どうも逃げられないようですな」
タケミカズチのブリッジに、マユを引きずるようにして上がってきたカガリ。すぐに報告を求める。
ブリッジのモニターに映るのおは、南の空から飛んでくる数十機の航空MS。
「敵はMSだけです。母艦もないですし、カーペンタリアから直接来たのでしょうな。
数は40。うち20はディンで――残る20は、アンノウンです。どうやら可変機のようですが」
「新型の量産可変機か……性能が知りたいな。ネオ、そちらの3機は出せるか?」
「ああ、ウチの連中も準備は整っている。指示有り次第だせるぜ」
カガリはマユの手首を掴んだまま、ブリッジになお居座っていたネオに声をかける。
マユは、彼女の口調に少し首を傾げる。妙に親密というか……壁がなくなっているというか。
今までは、何かにつけて仮面の大佐に反発し、また『ネオ』ではなく『ロアノーク大佐』と呼んでいたのに。
一体、何があったというのだろう?
「では、カオス・ガイア・アビスは先行して、敵MSに攻撃を加えてくれ。
無理に落とす必要はない、できるだけアンノウンの性能を暴くように、と。
馬場一尉のムラサメ隊は、攻撃に備えて待機。3機からの報告を得次第、独自の判断で攻撃に移れ。
他のMS隊は、基本的に艦の防衛だ。作戦通りのフォーメーションを維持せよ。
あ、J・Pジョーンズのカバー、忘れないように言っておけよ」
キビキビと指示を飛ばすカガリ。それを受け、受けた指示の十倍以上の言葉を各所に飛ばす部下たち。
マユは呆然と、その様子を見ているだけで――
ザフトの新型量産航空MS、バビの編隊は、迫るオーブ艦隊を見てにんまりしていた。
敵は鈍重な大型艦船。平和ボケしたつい先日までの中立国の艦隊。敵としてはそう怖くない。
向こうにも、ムラサメとか言う可変航空MSがあるそうだが――まだその数はそう多くもない。
随伴する連合の艦には、奪われた3機のセカンドステージMSがあったが、しかしそれだって。
「気をつけるのはあの3機のみ、しかし正面から相手にせず、母艦に攻撃を集中させれば――」
――しかし、その余裕の言葉は、途中でかき乱された。
オーブ艦隊はまだ距離がある、と思ってたその最中に――海中から唐突に放たれた無数の光条。
海中から上半身だけ突き出したアビスの、急襲だった。
「あははははッ! 悪いねェ、びっくりさせちゃってさァ!」
アウルは哄笑しながら、扇形に攻撃を撃ち放つ。
アビスの広げたバインダーの内側に並んだ、左右それぞれ3門のビーム砲。
角度を微妙に変えて、バインダー外側の速射砲も火を吹く。胸のビーム砲も、頭部中央のバルカンも。
圧倒的なまでのフルバーストに、バビとディンの編隊は大きく乱れ、何機か被弾する。
反撃とばかりに、バビの何機かが飛行形態から人型形態に変形し、胸のビームを撃ち放つ。
両手の大型火器も構えて、アビスに浴びせかける。
しかしアビスは素早くMA形態に変形して――海中に姿を消す。
空しく攻撃は海面を撃ち、激しい蒸気と水しぶきを上げるだけ。
「敵アンノウンの武装、胸のビームは威力ありそうだよ! ……もし万が一、当たればだけどさ!」
アウルは半ばバカにしたような報告を送りながら――再び、少し離れた海面に姿を現し、ビームを撃つ。
際限のないモグラ叩きに、バビたちの隊列は乱れ、混乱に陥る――
と、そのバビの1機が、下からのアビスの攻撃を避けた直後に、爆発する。
真上からのビームに、貫かれたのだ。
さらに、周辺のバビたちにもミサイルの雨が降り注ぎ――何機かは被弾し、慌てて姿勢を立て直す。
「……頭の上が、お留守だぜェッ!」
一体いつの間に飛び上がっていたのか。
太陽を背に急降下してくるのは――スティングの駆る緑の鷹、カオス。MA形態。
反撃しようと見上げたバビのパイロットたちは、太陽に目を焼かれて一瞬ひるむ。
「そうらッ!!」
そしてその隙を見逃すスティングではない。
急降下しながら機動兵装ポッドが分離され、MA本体と合わせて複数の敵を撃ち貫いていく。
バビもミサイルを放って反撃するが、カオスのスピードを捉えきれない。
そのまま、カオスは空中のザフト軍の編隊を突破して――海面近くで減速しつつ、報告を送る。
「敵アンノウン、動きはあんまり速くないぜ――無駄に沢山武器積んではいるようだがな!」
海面近くまで降下し、急ブレーキをかけるカオスに、上から生き残ったバビたちが攻撃の狙いをつける。
相手は凄まじい速度で飛びまわる強敵だが、この一瞬は逆に狙い目。避けられるハズがない。
が――カオスを見下ろした彼らは、その近くに信じられないものを見る。
「……だぁぁああああッ!」
なんと――沈むことなく、魔法でもあるかのように海面を駆ける、黒い四足獣。
ガイアは波の下、やもすると見過ごしてしまう小さな岩場を次々と、跳ぶように駆ける。
そのまま、近くの小島の断崖絶壁を駆け上がって――降下するカオスと交差するように空中に飛び上がる。
「やあああああッ!」
普段のボーッとした雰囲気とは一変し、鋭い表情でステラは絶叫して。
突進してくるカオスに、バビは慌てて武器を向け、バズーカを放つが……止まらない。
空中で脚を振り、身を捻って紙一重で避けて――広げられたビームブレイドが、そのままバビを断ち斬る。
さらにガイアは、空中で自ら斬ったバビの残骸を蹴って、その反動で次の一機に襲い掛かる。
足場さえあれば――それがたとえ水面下の岩場でも、空中の敵でも――そこを『地面』にできるガイア。
まるで翼があるかのようにバビの背中を次々に踏んで跳びながら、ステラは叫ぶ。
「敵アンノウン、両手の火器は実弾系。……弾速は遅い、十分避けられる!」
それらの報告を受け――タケミカズチから、オーブ艦隊から、ムラサメの編隊が飛び立つ。
「3機1組で敵を各個撃破してゆく。アンノウンは、ホバリングできる爆撃機だと思え!」
「了解!」
馬場一尉の叫びを受け、大いに乱れたディンとバビの群れにムラサメ隊が襲い掛かる。
機動力と息のあった連携を大いに活かし、一方的に次々と落としていく。
いや、ディンもバビも、決して練度は低くない。普段ならば連携もしっかりできただろう。
バビの遅さをディンが補い、ディンの火力不足をバビが補えれば、ムラサメとも互角に戦えたはず。
しかし、3機のガンダムに大いに乱された後では。
態勢を立て直せず、ムラサメ隊の三位一体攻撃に、次々に落とされていく――
数機のディンが、なんとか狩人の手を逃れ、本来の攻撃目標・オーブ軍艦隊に迫る。
しかしそこも、決して安全な場所ではなかった。
艦の対空砲が、艦上に居並ぶM1アストレイが、濃密な砲火を浴びせかけてくる。
とても避けきれず、ほとんど艦に攻撃することもできず、彼らは次々に撃ち落とされてゆく――
その光景を――マユは、唖然として見ていた。
文字通り口をポカンと開け、言葉も出ない。
「……分かるか、マユ。これが、『戦争』だ。これが、『兵士』というものだ」
静かに語るのは、隣に立つカガリ。圧倒的な強さを見せるオーブ軍を見ながら、しかし笑顔はない。
「1人で何でもやる必要はないんだ。むしろそういう考え方は、組織の足を引っ張る。
与えられた任務、与えられた役割の中で、『柔軟に判断して』戦うんだ。
お前に期待されているのは――例えばそう、あの3機のような役目だ。
……あいつらの格好には驚かされたがな。こうしてみれば、しっかりした『軍人』じゃないか」
モニターの中では、相変わらず3機のガンダムが大暴れを繰り広げていた。
足場のない所に叩き落されたように見えたガイアが、水面に顔を覗かせた円盤状のアビスの上に着地。
襲い掛かろうとしていたバビが、逆にガイアの人型形態のライフルに撃ち抜かれる。
空中では敵機の群れの真ん中、カオスが両足の鉤爪でディンを捉え、それを盾に次々と敵機を屠っていく。
「…………」
「フリーダムは、確かに我々にとって大事な戦力だ。しかし、それだけではダメなんだ。
みんな、フリーダムには期待している。でもそれは、さっきのような暴走ではない」
カガリの言葉は、あるいは過去の反省を踏まえてのものなのだろうか。
ある意味、彼女らしからぬ説教だったが――それだけに重く、マユにのしかかって。
火力ならフリーダムをも超えるアビス。
速度ならフリーダムをも超えるカオス。
俊敏性ならフリーダムをも超えるガイア。
練度ならマユを遥かに超えるムラサメ隊。
それらを見せ付けられて――マユは、少し、落ち込む。
憂鬱そうな表情で、誰にも聞こえぬ小声で呟く。
「……ひょっとして、あたしって……必要、ないのかな……。
フリーダムさえあれば、それで……」
ほぼ、同時刻。
ミネルバは――海上を進んでいた。
30機のダガーLの残骸が、浮き沈みしている海の上を。
役目を終えた2機のザクは艦内に引っ込み、セイバーも着艦する。
眼下の島では、前線基地の全戦力を失った連合士官が呆然と見上げているが、目もくれずに通り過ぎる。
独房のモニターでその一部始終を見せ付けられたシンは……拳を固く握り締める。
噛み締められた奥歯が、ギリッ、と鳴る。
プライドと傲慢さを打ち砕かれ、しかし彼の目の奥には未だ怒りの火は消えず――
「『ファントムペイン』……?」
「そう、そいつが俺たちの部隊名。直訳すれば『幻の痛み』。
要するに事故などで切断され、なくなったはずの手足が痛む、という症状のことでね」
「幻の、痛み……」
戦闘終り、ようやくザフトの勢力圏を脱して。
夕陽の沈み行く海を見ながら――ネオとマユは、小さなデッキの上で語り合っていた。
ネオの部下である3人の話を、マユがせがんだのだ。
「あいつらから、ひょっとして聞いてるかな、『エクステンデッド』のことは」
「うん……」
「奴らは……自分から望んで、強化処置を受けたんだ。事情はそれぞれに違うがね。
自分から望んで、普通のヒトであることを、辞めたんだ」
「ヒトであることを、辞めた……」
鸚鵡返しに呟く、マユ。
それは果たしてどういうことなのか。どれほどの覚悟を要することだったのか。
マユにはいまいち、理解できない。
理解できないながらも、彼らの陽気な態度の向こうに滲むある種の『哀しさ』に納得する。
「一旦は、戦争は終わった。傷も塞がった。
しかし失われたものは決して戻らず、痛みはなお消えることはない、ってことさ………」
「…………」
それで『ファントムペイン』ということなのか。
その癒えぬ傷の痛みが、彼ら3人の原動力なのか。
マユはふとあることに気付き、黒衣の大佐の顔を見上げる。
「……大佐は、一体何を失われたんですか?」
「あれぇ? この仮面見てもわかんない?
失われたものを人工物で補ってる、ってのは、嬢ちゃんと同じでね」
おどけて答えるネオの態度に、どこかあの3人の哀しい陽気さにも通じるものが感じられて。
マユは白手袋に包まれた右手を、ギュッと左手で握り締める。
「ま、お互い傷を持つ者同士、仲良くやっていこうぜ」
「…………」
夕陽に照らされ、右手を差し出す仮面の大佐に。マユはしばし躊躇って。
やがて、おずおずと、マユはその硬い人工の右腕を、ゆっくりと差し出す――
第十二話 『 偽りの歌姫 』 につづく
やー長かった。話の都合とはいえ、2回も戦闘するもんじゃないです、はい。
設定変更等
・インドネシア周辺
『連合・プラント・中立の各勢力圏が入り混じる』という設定はオリジナルです。
ただ……このあたり、あの世界での国境がはっきりしないんですよね。
アニメ本編の『インド洋の死闘』も、舞台はスマトラ島かジャワ島かティモールか……ってとこでしょうし。
当たらずとも遠からず、だと思ってます。
ちなみに、次の1話もこの辺の混沌としたエリアが舞台になります。
・タケミカズチ
まるでどこの豪華客船か、って感じになってしまいました orz
でもまぁ、本編アークエンジェルの天使湯に比べれば……って比較対象が低杉か orz
・ネオの正体
まだ秘密。
・バビ
アニメ本編でも不憫な子なのに、やっぱり不憫な子にしてしまいました……
こういうゲテモノMSって大好きなんですけど、使いづらいですねぇ。
・エクステンデッド
微妙に設定変えています。例えば……記憶消去が見られないこと、気付いていらっしゃるでしょうか?
この辺は、おいおい語っていこうと思います。
ちなみにこれに限らず、設定変更は全て「こっちの方が物語作る上では良いのでは?」と思う点に絞っています。
また、外見上大きな変化をもたらすような変更は、読者のイメージを考え避けています。
まだ出すチャンスに恵まれてませんが、あのメンテナンスベッドは意味を微妙に変えていつか出す予定。
次回、ほのぼのさんから譲り受けた(?)ハイネ隊が登場予定です。気長にお待ち下さい。では。
隻腕GJ!
めちゃよかったッス。
マユとシンの暴走からくる懲罰。その後の二人の心の動き……
それだけではなくエクステンデット三人組の活躍すっげぇかっこよかったッス。
またの更新、楽しみにしてます。
いいなぁ。ほんとにいいなぁ。
>>隻腕作者さま
GJです!
やっぱ戦闘シーンカッコいいなぁ・・。
早く番外編書き終わりたい・・・。MS描写したい・・・。
あ、ウチの馬鹿どもをヨロシクお願いしますね。
「おい、アキラ。>>295さんから指摘があったからしばらく型月ネタ禁止。」
ハイネはアキラに宣告した。
「えぇぇぇぇぇぇぇっ?!一体どれくらいまで?!」
「お前ホロウが発売するからって浮かれすぎだ。俺が許可するまで我慢しろ。」
冷酷に言うハイネにアキラは泣きながら訴える。
「俺から型月ネタとったらニトロネタしか残らないじゃないですか!!どうしろってんだ!!」
「あーもー、隻腕さんとこのシンみたいに独房にぶちこまれたいか!!
ホロウが発売するってことで皆浮かれてるだろうからその対処だ!!月厨対策だ!
>>295さんの指摘どうりもうちょっと抑えろ!今回はやりすぎ!!」
「・・・・・はーーい。」
・・と、いうわけで>>295さん。今回は少しやりすぎました・・。
すみません・・。
318 :
通常の名無しさんの3倍:2005/10/22(土) 17:11:29 ID:r0yXHJkw
隻腕第11話執筆お疲れ様です!!
今回はイケメン担当^^;はカガリ様とネオ大佐ですか!?
姫様の指揮官振り!これですよ!運命本編で観たかったのはこの「獅子の娘」
なんですよ!!しのはらさん版姫様とは違った(あちらは「男装の麗人」「自らは一軍人」
と呼んだほうが相応しいですね)、「人の上に立つ指導者の姿」が鮮明で、
本編の阿呆な設定なんか無くてもここまでカッコよく動けたのですよ!?
(でも、暁は出て欲しいと思う俺ガイル^^;)
本当に負債に魅せてやりたいもんですな。
ネオ大佐の正体って・・・・・・楽しみに待っています!
正直、マユがオーブに残ったままだったので、あの3人とどう絡むのか
気になっていましたが、派遣軍同士での出会いですか〜何だかほのぼの分が
入った感じがまたGJ!!
マユ対シンはお預けと言った感じですが・・・凸強いな〜30機のダガーLを
沈めるとは。シン、微妙に「僕が一番〜〜」入ってますね♪
予告編にあったマユとネオ大佐の邂逅、何だか暁の車がBGMに・・・
前作のキラとフラガ大尉みたいですね^^;
ともあれお疲れ様でした!!『 偽りの歌姫 』も楽しみにまた〜りと待っています
隻腕作者様乙。
ここで凹んだマユがどう立ち直るのか?
ここで鼻っ柱をへし折られた狂犬がどうなっていくのか?
うまく次回への期待持たせてて、締めも上手いですね。
EDテーマは僕の姿は君に似ているでしょうか?
320 :
イケヤ:2005/10/22(土) 17:37:56 ID:bcwCvVix
単発設定小話 「アーサーとアスランとマユ、そしてタリア」
アスラン「〜とゆーことで今回の作戦はインパルスのタイミングが要だ。いいな?マユ」
マユ「・・・私よりアスランさんの方が適任じゃないんですか〜?フェイスだしぃ〜」
アーサー「あーそういう選択もあるよなぁ〜。うんうん」
アスラン「副長もやめてくださいよ。あのなぁ、マユ。確かに俺は朝食でお前のプリンを取り上げたかもしれない」
マユ「・・・・・(プンプン)」
アスラン「けど、それは昨夜のUNOでお前が負けたからだろう。」
マユ「アスランさんが私を集中的にワイルドカードでいじめるからですよ!」
アーサー「アスラン・・・それはちょっと大人げないんじゃないか?」
アスラン「でも、でも俺はプリンを取り上げただけで、食べちゃったのは副長じゃないですか!?」
アーサー「・・・!」
マユ「・・・え!副長、ひっど〜い!」
アスラン「俺は取り上げただけで、夕食の時にマユに返そうと思っていたのに、食べちゃうんだもんな〜」
アーサー「フォンドゥヴァオゥ!」
ブリーフィングルームの扉が突然開く
タリア「アーサー!変なこと言わないの!」
ちゃんちゃん。(なんだこのとりとめのない話・・・)
焦腕今回も良かった。乙。
>>318 お前は前からいる感想書くたびにあげてる奴か?
せめてsageぐらい覚えろ
322 :
318:2005/10/22(土) 18:04:41 ID:???
焦腕→隻腕だったな
スマソ
>321-322
どーゆー誤変換やねんw
「せきわん」で片腕のことな。
>318
アスランが落としたのは全部でなくて、ミネルバやシンルナが落とした分もあるんでね?
まあそれでも強いが。
隻腕乙!
>>323 レイだってばさw
ああでも隻腕いいなぁ。バビがちょっとかわいそうだがw
この指揮官っぷりなカガリのもとでならトダカさんも生き残れそうだな。
シンの目を覚まさせるきっかけになってほしい・・・。
そして怯えるミーアGJ!
隻腕作者様乙です
いつも楽しみに読ませて貰ってます
ところでひとつ気になったことがあったんですが
バビのことをアンノウンって言ってますけど
アンノウンってのは所属不明の機体を呼ぶ時に使うものだと思ったんですけど、違うんでしょうか
この場合、敵新型機じゃないかと思ったんですが
まあ細かい事ですが
隻腕様GJ!
「…僕が一番インパルスをうまく使えるんだ。一番、一番うまく使えるんだ…」
誰がラルになるのかなーなんて的外れな妄想しながら、次回を楽しみにしています
ここでCMです。
BGM 君の姿は〜
「お兄ちゃんなんで私達が、戦うの?」
「マユそれは、VSシリーズだからだ!」
「うぉぉぉぉぉ」
「お兄ちゃん?」
「機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ザフトVS連合」
「そのうち発売するかも?」
隻腕作者様、GJ!
はぁ…もう何か言う事無しです。各キャラがきちんと立ってるし、
戦闘描写も少な過ぎず、くど過ぎず、丁度いい。
何より本編でアレだったキャラが見事なまでに魅力的に生まれ変わっている。
しかも、それに違和感が全く感じられないと言うのが凄い。
ちなみにタケノミカズチは、現代のアメリカ海軍空母を参考にしたと見ました。
前に種のサントラ聞きながらマユ種やマユ戦記を読むと神とか言ってたが、スターウォーズEP3のサントラ聞きながらも悪くない(マユ戦記ラストはまんまオビワン対アナキンに脳内変換)
隻腕乙
隻腕書いてるものです。
反響多いのは素直に嬉しいですね。これは書き手の誰にでも共通する想いではないでしょうか。
願わくば、他の職人の方々にも感想を。ちなみに私もよく名無しで感想書いてます。
>>325 言われてみれば……たぶんそうですね。こういう時のカタカナ用語としては。
まとめ人様、お手数ですが、前回の作中の「アンノウン」を全て「新型」に置き換えていただけますか?
あと、よく見直せば、>312(19/21)の半ば、一箇所ガイアがカオスと書いてありました。
>突進してくるカオスに、バビは慌てて武器を向け、バズーカを放つが……止まらない
の部分です。
これも、お手数ですが修正お願いします。
他にもミスありそうな気もするんで、どんどん指摘お願いします。
まとめ人様も、お暇な時に余裕見て修正して頂ければ、それでいいですから。
お目汚しのお詫びに、次回『偽りの歌姫』の内容を少しだけ『次回予告』風に即興で↓
アイドル。歌姫。虚像に彩られし偶像。
それは、誰かがやらねばならぬ役目。誰もが求めた旗印。
が、しかし、その素顔を知る者にとって、その偽りの仮面の持つ意味とは。
桃色の仮面憎む少女の手が、桃色の仮面被る者に伸ばされたその時、2人が知るものは。
次回、マユ――隻腕の少女――、「偽りの歌姫」
真実の歌、見極めろ! ザクファントム!
>>330 ちょっと気になったんですけど…
>「敵アンノウン、両手の火器は実弾系。……弾速は遅い、十分避けられる!」
バビの携行武器って、ビームライフルとバズーカだったような…。
隻腕書いてる者で(ry
>>331 あれ?
……やばい、バズーカしか印象になかったですね。今調べ直したら確かに……
…………武装違いのバリエーション機、とでも思っておいて下さい。
この一戦の反省からその後、装備変更になったとか。ウェポンラックなしなのでその辺は簡単なハズ。
ああもう自分で嫌になる…… orz
タイトルは、『killing ranker』です。
これから、よろしくお願いします。
>>321 すみません。まだこちらには慣れていなかったので。
以後sageます。
336 :
影の戦記:2005/10/22(土) 23:55:54 ID:???
有言実行と言う事で可也遅くなりましたが投下します。
影の戦記――過去、闇に潜む影の胎動――
警告―今回の影の戦記には一部性的に多少キツい表現やグロイ表現があります。ご注意下さい―
――これは、影として生きる少年の過去の物語――
〜〜戦争中期・動乱の二年半前〜〜
――運命のあの日、俺は連合によるオーブ強襲により父と母を眼の前で喪い妹と生き別れ、一人生き残ってしまった。
あの羽根付きMSの放った凶弾により吹き飛ばされた俺が目覚めた時、先ず目にしたのは両親の死体だった――
「マユ、あと少しで港に着く、後少しの辛抱だ!」
そう言いながら俺は両親や妹の前を走っていた。
「はぁ、はぁ、お、おにいちゃ・・・キャア!」
「「「マユ!」」ちゃん!?」
俺達家族はシェルターへの避難を諦め、脱出艇の待機するオノゴロ港へと抜ける山道を走っていたが、
未だ幼い妹には辛かったらしく倒れてしまった。
「あ、お兄ちゃんから貰ったハロが・・・!?」
それは果たして運が悪かったのか、それは今では分からないが妹―マユ―は道を外れてハロを取りに急な傾斜を降りてしまった。
それが俺達の運命を別ける事になると気付かずに・・・・・・
「大丈夫なのか?マユ!!・・・・っな!?」
父さんがマユを心配し、傾斜に向かって声を掛けた途端、俺達の上を鳥のような大きな影が横切り、上を見上げた途端、ソレが・・・
六対の翼をはためかせて飛ぶ蒼い天使――ZGMF-X10A・フリーダム――がその銃を此方に向けて引き金を引いた。
337 :
影の戦記:2005/10/23(日) 00:04:14 ID:???
「・・・・・う、、、俺は・・・そうだ、MSが来て其れから・・・・! 父さん、母さん!?」
この時、ガラスが罅割れる様な音を聞いた気がした・・・
――両親はまるで俺を庇うかのようにして折り重なって倒れ、血と埃塗れで・・・まるで眠るかの様にして死んでいた――
取り敢えず嘗て自作してマユに渡したハロが近くに存在しない事を携帯のナビで確認してから遣るべき事をする事にした。
どれ位時間が経ったのかは解らないが気を失う前、夕焼けだったが今、空は薄暗い。
そう対して時間は経っていないだろうがザフトに向かう脱出艇は絶望的だった。
俺はマユがその脱出艇に乗れている事を祈りながら両親の遺体を道の端えと運び始めた・・・・。
両親の死体を道の端に寄せ顔を軽く拭いてから両親の荷物から使えそうな物、技術者の父が連合に渡してはいけないと言っていた
データディスクを形見として取り、両親身体に両親の羽織っていた服を身体に掛けてから歩き出した。
「誓うよ、俺は貴方達の分まで生き残って見せる。
例え、どんな事をしようとも・・・・・・」
行く当ても無く歩いた俺が見たのは焼け爛れた大地、破壊された家屋、未だ火を噴く森・・・今や焦土と化したオーブだ。
最早夜となってしまったが月の光や未だ燃え続ける建物の光でも周囲を確認することが出来た。
そこ等じゅうに転がるMSらしき物の残骸、俺と同じく逃げ遅れたのだろう人々の死体、そして損壊の少ない―いや、
未だ人としての姿を遺した女性達の遺体を集団で犯す連邦の兵達・・・
平和だった国に自分達の都合で攻め込み好きで死んだ訳でも無い彼女達の全てを冒涜する連邦兵達、原因となった戦艦、両親を殺した羽根付きMS、
そして高い理想を掲げながら国民を護ないこの国の全てが憎かった・・・。
その全てを今すぐ消してやりたいと言う昏い衝動に突き動かされそうになる。だが、哀しいかな俺にはそれらを消すだけの力も術も無かった。
・・・だから逃げた。 奴等に気付かれぬ様息を殺し、距離を取ってから力の限り走って走って奔り続けた。
未だに汚され続ける彼女達の遺体から目を逸らして・・・・
「力が欲しい・・・運命すらも切り伏せる、そんな力が・・・!」
338 :
影の戦記:2005/10/23(日) 00:07:39 ID:???
戦乱渦巻く世界で親も無く、未だ未青年の人間が生きて行ける程世界は優しくは出来て居ない。
それはコーディネイターであろうと同じ事だ。 いや、逆にコーディネイターで在るからこそ余計に生き辛い。
何せコーディネイターと其れを疎ましく思った者達の起こした戦争。 故にコーディネーターと知られれば迫害され、悪ければ殺される。
コーディネイターだからザフトの基地に逃げ込めば良いと思う人も居るだろうがそれは間違いだ。
今は戦時下―いや、戦時下じゃなくてもコネも無い身分不詳の"自称コーディネイター"を軍であるザフトが受け入れる訳無いのだ。
だから俺は生きて行く為に色んな事をした。
俺がオーブから脱出した直後にその大半を巻き添えにして消失したオーブの事は世界中に知れ渡っており、同情からその日限りの仕事を斡旋してくれる人も多い。
だが、そんな日払いのバイト程度で稼げる額は高が知れており実際に平均的なホテルの宿泊料と食事で無くなってしまう程だ。
だから――俺は身体を売った。
別に臓器を売る訳ではない。 金かそれに順ずる物で女性に抱かれるのだ。
身元引受人も居ない俺が盗みや強盗等の犯罪をする訳には〈逮捕後即射殺される為〉行かない故に、この道しかなかった。
実際、深夜の歓楽街やそれに順ずる所を歩いているだけで客から声を掛かる・・・これほど今の自分に在った仕事は無かった。
元々素質も在ったらしく、俺は直ぐに女性の扱いと言うモノを覚え、その日の生活とその身を休める為の家に困る事は無くなった。
いや、実際は独身女性等に金で買われ、一夜を共にすると言うだけだ。
故に俺は昼に様々な場所を廻り色々な技術を磨き、夜は見知らぬ女に抱かれると言う退廃的な日々を続けていた。
――ただ、生き残るために――
339 :
影の戦記:2005/10/23(日) 00:13:23 ID:???
〜〜戦争終盤・動乱の二年前〜〜
運が良かったのだろう。 俺はジャンク屋と傭兵の"キャラバン"にコネを持つ女性に気にいられ、キャラバンに同乗して各地を廻っていた。
キャラバン生活で俺は様々な事を覚えた。 炊事、家事、洗濯からMSの操縦、整備。果ては格闘術に銃の取扱まで・・・。
其処は様々な感情が磨耗していた俺にとって、嘗ての生活を思い起させるモノであり、キャラバンの皆は俺にとって家族だった。
彼らの様に行商を生業とする者や傭兵はコーディネイターを差別する者は少ない。
何故なら彼らにとってコーディネイターとて商売相手の一つであり、傭兵達はその素質が高いだけでは戦場で最強に成れる訳ではなく、
逆に素質だけでは戦場では生きて行けない事を知っている。
何より彼らの半分近くが同胞だった。
だからこそ同じ苦しみを知っている彼等は率先してその技術を俺に教えてくれた。
まあ、そのキャラバン生活でも一部の女性から声がかかり"仕事"を続けていた。
一度変なオッサンに追われたのは今では良い思い出だ・・・と思いたい、思わせてくれ頼むから!
キャラバンと共に辿り着いた町に滞在している時、近くの連合軍がザフトの猛攻により基地を爆破、破棄して逃げだした。
ザフトはそれなりの規模だったその基地より逃げた軍を優先し、そのまま軍を追撃して何処かへ消えた。
俺は其処にMSが無事な姿で残されているかも知れないと言う淡い期待に突き動かされ、その爆破された基地に細心の注意を払って侵入した。
何とか入り込める場所に辿り着き、崩れた壁を通り抜けて地下深くのラボ兼用の隠し格納庫に辿り着いた時、其処で俺は出会ったのだ・・・
メンテナンスデッキに固定された闇に聳え立つ二刀を背負いし災厄
俺の―最初にして今尚力を貸してくれている相棒。――GAT−X133−XX "ソード・カラミティ"に――
340 :
影の戦記:2005/10/23(日) 00:15:22 ID:???
〜〜終戦後・動乱の一年前〜〜
俺がソードカラミティを手に入れてから其れまでの生活が波乱の日々に変わった。
――何せこの機体自体、本来は存在しない筈のイリーガルナンバーと呼ばれる機体群の一つだったからだ――
ソードカラミティの操縦に慣れるまで二日間の間に、キャラバンのジャンク屋達はある意味で敵となった。
何せ少しでも目を離すとバラして調べようとする。 故にソードカラミティと共に俺は旅立ち、俺は傭兵として幾多の戦場を駆けた。
元よりイリーガルナンバーである俺のソードカラミティは連合にとって非常に邪魔な存在であり、
ザフトにとっては幾多の同胞を切り伏せた仇敵の同系機故に目の仇にされた。
前からはビームサーベル等を構えて飛び掛ってくるMS、後方からは俺達諸共に消し飛ばすべく降り注がれる砲撃の雨。
――それは連合とザフト、どちらに雇われても同じ事だった。――
何時もギリギリのラインで生き残る俺を連合もザフトも諦め、雇う事は無くなりその代りに企業やジャンク屋に雇われる様になり、
その機体色―黒と灰に近い白―と闇に紛れて敵を屠る様から"影の刃"と呼ばれるようになり、
気が付けば傭兵部隊"ナインテールフォックス―九尾の狐―"の看板的存在に納まっていた。
まあ、その保持する機体の半分近くが俺の所有物であり構成員すら俺が戦災に有った町で拾って来たコーディネイターの少女だったり
嘗ての客だったりする可也笑えない様な状況だった。
そんなある日、俺達のスポンサーになったある令嬢に呼ばれて言った先に俺はある人物と数年ぶりの再開を果たす事になった。
『チィ!ここで貴様は終われ・・・・ゲバフっ!!』
「残念だが、何をしてでも生き残ると誓った身でね・・・」
そうスポンサーを狙ってきたストライクダガーの攻撃を紙一重で避け、カウンターの様にしてマイダスメッサーでコックピットを貫いた。
「全く、ミラージュコロイドってもんは面倒だな・・・」
さっきから14体程斃したがその内二機がミラージュコロイド搭載型で味方の攻撃を盾に背後に回ろうとしたり作戦失敗を見て取るや
直ぐさま逃げ出そうとする。
幾らこの機体がNJCを搭載しエネルギーの心配をしなくて済むと言えども余り遣り合いたいとは思えなかった。
341 :
影の戦記:2005/10/23(日) 00:16:57 ID:???
突如、斜め前で小爆発が有ったと思うや否や眼の前で可也の改造を加えられたジンを盾のような物から伸びるビームサーベルで貫いた姿で
現れた黒と金の装甲を持つ異様なMS現れた。
『大層難儀しておった様だな・・・次が有れば音に注意してみるが良い。
まあ、こんな事はお前の様な者いや、影の刃に言うべき事では無いかも知れんがな・・・・・・』
「俺を知ってる様だがあんたは何者だ・・・?」
俺がそう聞き返すと俺に話しかけてきた女はフフ・・・と、楽しげに笑い
『これは失礼した。私は元オーブ連合首長国五大氏族が一柱、サハク家現党首、ロンド・ミナ・サハク。
そしてこれはアストレイ・ゴールドフレーム天・・・・・・其方は?』
「本来名は名乗らぬ主義なんだがな・・・俺の名はシン・アスカ『!?』、そしてコイツはGAT−X133−XX "ソード・カラミティ"
頼れる相棒だ」
俺が名乗ってる間に彼女は今までの凍りついたとうな表情が驚きに染まり、一点して優しげな貌に変わった――
『そうか、生残っておったか・・・我が従姉弟よ・・・・』
――それが彼女との数年振りの再会であり俺の新たなる戦いへ"始まり"だった――
342 :
影の戦記:2005/10/23(日) 00:25:23 ID:???
と、言う訳でお送りいたしました影の戦記過去編。未だに改行限界等を把握仕切れて居らず読み辛くて申し訳ない・・・。
かんなりオリジナル解釈多いから人によっては拒絶されそう。
俺のシンはXX何かはしないんだよ!!な方には拒絶されてそう・・・。
でも実際問題戦時下で生残る事って可也大変な事なんですよね。
心の広いお方、シンをこんな事にした事、今週中言いながら間に合ったの一番最初だけなのも笑って許してください。
機体設定GAT−X133−XX "ソード・カラミティ"
シンが初めて手に入れたMS。
形式番号のXXは便宜上付けられただけの物。
正式機との違いは機体カラーが黒と灰に近い白であり機体自体にもシンの手で独自にカスタマイズされている。
その独自のカスタマイズによりソード・カラミティ-シャドウエッジ-と周囲からは呼ばれている。
尚、"ナインテールフォックス―九尾の狐―"と言う様兵兼ジャンク屋集団に置いては代名詞的な扱いを受けている。
正式機との相違点
スキュラのオミット:エネルギーを無駄に食い、隙が出来過ぎるとして早期に行われた改造。 後にここに核を搭載する事になる。
肩に可動式高エネルギー散弾砲:マイダスメッサーのあった場所にシグー・ディープアームズのビームキャノンが小型化した様なモノ。
両脚部にマイダスメッサー:両脚サイドのナイフが無くなりマイダスメッサーが直接付いているカバーは無い。
スラッシュ・ホーク:バックパックに接続されている盾にブースターを取り付けた様な物。サイドにマイダスメッサーを取り付ける事で
ジャスティスのリフターの様に遠隔操作で敵を強襲する。
343 :
95:2005/10/23(日) 00:36:59 ID:???
追記、隻腕作者さん、マユデス作者さん毎度ながらとても楽しく読ませて頂きました。
ああ、自分がお二方の様に書ける様に成るのは何時の日か・・・
そしてミナ様とシンのマユとの遭遇は何時の日か・・・・
あ、早々。恐らくスポンサーのどこぞの令嬢、九尾の狐の面々、構想道理に行けば之の本編でも登場します。
恐らく。
このスレは活気があってキングウラヤマシス
隻腕作者様GJです!!
また遣らかすかもしれませんが
その時は生暖かい眼で見てやってください。
影戦記作者様乙です!
>体を売った
のくだりでウホッ!な展開を予想した俺は腐ってますかそうですか。
345=274です。
>129、>130からの続き
第三十二話
マユは今、土で顔を汚し、誰かが着古した服をさらにボロボロにしていた。それを見張るルナ、マユが体を綺麗にしないように目を光らせていた。
準備は着々と進んでいた。集落の人々から情報だけではなく、より具体的な協力も得ることができた。尤も、たっぷり報酬を弾むことになったが。
一方、しぶとく生きていたガズウートのパイロットはザフトの人間で、アークエンジェル後方にいて、あの惨劇を免れた人間だった。その時の恐怖から逃れたくて、軍からも逃げ出した人間だった。彼等を通して、恐しい敵の存在を再確認した。
ハイネは、どちらも成功させないと駄目かな、とつぶやく。アレックスは、自分はそのつもりだと答えた。一つはミネルバ救出、もう一つは謎の巨大MSの破壊。
壊れた三機分を寄せ集めて修復した一機のガズウートが、集落の人々を乗せて問題の連合基地に横付けした。集落の人達は度々ここに売買しに来ているので、容易に近付けた。
MS丸々一機、それもザクよりも珍しいガズウートを持ってこられて、基地側は困惑した。無碍に追い返せず、とりあえず代表一人とガズウートを基地の中に案内した。
この短いやり取りは、基地への着陸態勢に入った航空機の中でも確認できた。乗っていたVIPは、ことのほか強い関心を惹いた。
ガズウートと基地の中に入ったのは、基地側にも顔なじみの集落の人一人と、パイロットのマユ。実はそれともう一人、基地の潜入をするべくガズウートに潜むハイネがいた。事前の打ち合わせ通り、倉庫の中に行く前にハイネは別行動に入った。
マユはガズウートから降りるように言われ、すんなり従う。少女が出てきて驚かれはしたが、追求されることはない。交渉事は他の人がやっている。マユの仕事の半分は終わっていて、後は何事もなく無事帰れば終了。だから、マユは黙ってじっとしていた。
話を聞き、ザフトの新型に興味を持ったVIP、ロード・ジブリールがここにやってきた。そして、彼の隣にいたステラはマユを見つけ、抱きついた。
オレンジ・ショルダー隊にて。マユの帰りが遅く、やきもきするルナと、潜入の成否が気になるアレックスに、ハイネの潜入成功と、マユも基地に残ることになったという報告が届いた。
マユは今、シャワーを浴び、汚れを落とし、用意されたドレスに着替える。露出が少なく、傷跡を隠せるので安心した。身なりを整えたマユに感嘆の声を上げるジブリールと、ニコニコ笑っているステラ。マユは自分でもわからぬ内に、客人になっていた。
ジブリールはマユに、自分より一足先に来ていたステラの仕事を紹介するといって、兵士にある場所まで案内させるよう命令を下した。
その間のジブリールは非常に上機嫌で、色々なことをマユに語った。自分はブルーコスモスの盟主であること、その自分が嫌悪するのは地球の恩恵を忘れた人間であること、地球に住むコーディネーターには寛容であること、これから会う二人の名艦長を同志にしたいということ。
そして、マユが案内された会談場所とは、噂の巨大MS、デストロイの格納庫であった。マユはその姿に圧倒され、ジブリールは少女の反応に満足気だった。すると、後方から案内したことを伝える連合兵の声が響いた。
振り返ったマユ、そこにいたのはタリアとマリュー。タリアは思わず、マユの名を口にした。マユはタリアに駆け寄って、抱きついた。
この時、マリューは隣に立つタリアの腕の中にいる、マユからの強い視線と目が合い、思わず口をつぐんだ。そして、マユは必死に、タリアに兄は無事なのかと何度も尋ねてきた。タリアは、マユが置かれている状況がややこしいことだけは悟った。
ステラ共々驚かされたジブリールは、マユにタリアとの関係を尋ねる。マユはジブリールに向き直って説明を始める。
マユは、インパルスのパイロットが死んだと思った兄と知り、会いたい一心でミネルバに密航した。すぐに見つかったが、その時はカガリの亡命騒動の渦中であり、しばらくの間、ミネルバに居たことがあり、戦争前に密航の事実を不問にして解放されたと話した。
どうしてすぐにオーブに戻らなかったのかも訊かれた。マユは、結局は一度も兄には会えず、助けたステラは大切な人の所に戻れるのが羨ましくて、兄との再会を諦めきれずにミネルバを追いかけてここまで来た。
ジブリールは、ここに忍び込むつもりだったのかと問うと、マユはあっさりと認め、頭を下げた。しかし、ジブリールはそれを軽く流し、ここにマユの兄がいないこと、それどころかザフトにすらいないことを語った。マユと両艦長はどきりとした。
ジブリールの言葉は続く。自分はある理由でザフトのシン・アスカが偽者であること知っており、自分とステラの友人がその真実を追っているのだ、と。
マユの脳裏にファントム・ペインが過ぎる。そして、秘密が暴かれた時、プラントは、連合は、自分をどうするのか。次の瞬間、恐ろしい過去が駆け巡り、傷跡は痛みを取り戻し、未来が黒く塗り潰されるのを感じながら、マユは絶叫の後に倒れた。
ソファーに寝かされ、ステラに介抱される中、マユは目覚めた。同室で書類を捌くジブリールもそれに気付いた。彼は、兄がいないことを軽々に語ったことを詫びた。もっとも、その埋め合わせ報告を受けると同時にできるだろうとも付け加えた。
報告を受けた時は、いもしない兄の代わりに自分が何かされるのだろうと、マユは思った。それはともかく、マユは会談の結果を尋ねた。マリューは断り、タリアは考える時間が欲しい、と。
一人になりたいと思うマユは、ジブリールの許可を貰い、基地の敷地内ではあるが、外に出た。もうすっかり、暗くなっていた。
マユは、何も考えられない。でも、あのことが公になれば、地球にも、宇宙にも、ミネルバにも、自分の居場所はなくなる。そんな確信だけはある。傷跡が痛む、本当は痛くない筈なのに、焼けるように痛い。
そんな、暗く沈んでいるマユに声を掛けたステラ、すごく心配そうな顔を見せられて、マユはすぐさま平気な顔を作った。すると、ステラは、前に見たマユの傷跡の所をさする。訳がわからないマユは尋ねた。ステラは傷跡が痛むから泣いていると思ったと答えた。
マユは平気な顔のまま、涙だけが零れていた。泣いていることに気付くと、涙はとめどなく溢れ、マユはステラに泣きついた。堪えきれず、もういやだ、戻りたい、父も母も兄もいて、平和な頃のオーブに戻りたい、マユは泣き喚いた。
ステラは、マユをそっと抱きしめた。そして、優しく頭を撫でながら、戦争が終わって自由になったら、一緒に暮らそうと言った。マユの涙は、ますます止まらなくなった。
二人のやりとりを遠目に見守る、潜入工作で息を潜めるハイネ、マリューに話を聞いたキラ、そして、ジブリール。
ステラ「あのね、この戦争が終わって自由になったら、みんなと一緒に暮らそうと思うの。ネオと、アウルと、スティングと、リー艦長と、みんなと、良かったら‥‥ううん、マユ、この戦争が終わったら、私達と一緒に暮らそう、ね」
>影の戦記作者さま
乙です!!し、シンが身体を!?生々しいですが、戦時中の難民ということ
を考えると説得力が・・・変に増長して屈折した本編とどちらが幸せでしょうね・・・
>シンwithソードカラミティ
違和感が無いですね・・・というか黒と灰って渋い・・・・・スキュラをオミット
しての核装備ですか?背中のブースターと合わせてみるとフォース+ソードインパルス
の折衷的な感じか?作ってみようかな?HGのカラミティとソードインパルスが
あれば存外いけそう・・・ブースターは特性から察してM1のフライトユニット
をいじれば、説得力がありそう。
>>マユ種のひとさま
投下お疲れ様です。
そろそろデストロイとの戦いも近そうですね。
ステラは死ぬのでしょうか?あとミネルバクルーは何処に?
続き期待しております。
>>マユ種の人さま
乙でした!! ジブリールのキャラが素敵ですね。
ただの先の見通しの悪いブルコスではなさそうな悪役(?)っぷりに
また続きをじりじり待つ日が続きそうです。
352 :
運命の舞踏:2005/10/24(月) 00:03:31 ID:???
運命の舞踏 PHASE 2投下します
戦闘シーンは難しくて時間かかりました…orz
353 :
1/13:2005/10/24(月) 00:08:09 ID:???
新造プラント、アーモリーワンで突如起こった何者かによる新型MS強奪事件。
逃走を試みる新型機と、それを捕縛しようとするザフト軍の機動兵器。
現在の被害は、軍需施設の敷地内に収まっているが、いつ他へ飛び火してもおかしくないほど状況は荒れていた。
ミネルバの進水式に出席する予定だった、要人や一般招待客が集まっていた式典会場のホール。
軍の施設に比較的近い位置に建つその中は、いまや逃げ惑う人たちでごった返していた。
高級なスーツを着た中年男性も、豪奢なドレスを纏うマダムも、
一般公開の抽選に当選したのだろうか。親に手を引かれる、よそ行きのワンピースを着た幼い少女も、
皆、一様に血相を変え、悲鳴や罵声を上げて、転げるように逃げ惑う。
エントランスホールの天井は全面ガラス張りで、時間の経過によって降り注ぐ光や広がる夜景を楽しむ造りとなっているのだが、
今やそれは、頭上を飛び交うMSや周囲の爆煙をダイレクトに見せ、恐怖を煽る豪華なスクリーンと化していた。
「ん、始まったか。あまり遊び過ぎずに、まっすぐ帰るんだよ?」
轟音に震え、ビリビリと盛大な音響を立てるガラス天井を見上げ、ラウンジのそばに立つケイは至って平静な様子。
あまつさえ、子どもをたしなめるような言葉を呟きながら、微かに苦笑していた。
その視線の向こう。ガラス越しの空を駆け抜けていく三機のMSへ向かって。
354 :
2/13:2005/10/24(月) 00:09:08 ID:???
「閣下、遅くなりました」
大勢の人間が足で床を踏みつける乱打の音の中、ケイの背後に近づいてきた眼鏡姿の男。
控えめに発された低い声は、周囲の騒ぎに紛れて彼ら二人の間でしか聞こえない。
そも、自分や家族の生死が関わるこの状況下。
行く手を阻む周囲の人間ならまだしも、人波から外れたわき道を歩く彼らを、他の誰かが気にかけるはずもなかった。
「ご苦労さま。今回は、思ったよりも状況が荒れて大変だね」
まるで今日の天気を評するようにそう言いながら、ケイはジャケットの内ポケットに手を差し入れる。
「待たせたね。これが『グレムリン』…僕らに大儀を授けてくれる妖精さ」
引き抜かれ、見せつけるように口元へ動かされた右手。
そこには、一枚の記憶媒体ディスクが光っていた。
男は彼から手渡されたディスクを丁重に受け取り、持っていた金属製のブリーフケースにしまう。
「確かに受け取りました。 …しかし、まさか閣下自らがプラントまでお出でになるとは」
ケースを大切そうに小脇に抱えなおした男は、ずれた眼鏡の位置を指で直しながら言う。
自分より一回り以上は年下のケイへ、畏敬と僅かな恐怖の入り混じる視線を向けながら。
「ははっ、たまには息抜きがしたくてね。 旅行さ、ちょっとした」
彼の言葉に答える言い回し、整った横顔に見せる気だるげな笑いも、冗談か本気かの判断を狂わせる。
そして男は、青年へ抱いていた不快かつ不可思議な印象を、更に強く塗りかえていくのだった。
355 :
3/13:2005/10/24(月) 00:10:07 ID:???
「で、君は? 帰りの便は確保しているのかい?」
「幸い、今ここにはプラントのセレブリティが集っていますからね。特別警護付きの本国行きシャトルに便乗します」
青年の問いかけに、眼鏡の男は己の胸元に付けたIDカード…プラント要人のデータに偽造されたそれを示しながら答える。
なるほど、それはいいねとケイは頷く。
一般人と同様のシェルターに避難するよりは、幾分安全性が高く、かつ迅速に目的地へ向かえることだろう。
「して、閣下はいかように……」
男が同じ内容を問い返そうとしたその時。
一際盛大に鳴り響いた音が、透明な屋根を激しく震わせた。
短く悲鳴を上げて耳を押さえる男の隣で、
今まで気だるそうな雰囲気を纏っていたケイは、表情を変え即座に視線で大音響の主を追った。
それこそ、見えない銃を掲げて標的を狙う狩人か、獲物を追う鷹のような鋭い眼差しで。
後ろに続くように一連に連なる、奇妙な編隊を組んで駆ける四機の飛行物体。
それらは空中で変形し、連結し、巨大な剣を背負った人型機動兵器に姿を変える。
それは部分的に赤が混じってるものも、白を基調としたカラーリングで。
頭部には特徴的な、二つの眼を模したセンサーアイ。その上を飾る、斜め後方へ伸びる二対のアンテナ。
大剣の形状が二つの剣を接続させた双身刀だったり、装備面を見ればただ似ているだけの別物だと理解できるのだが。
「…白いMSか」
それでも、自分がよく知る機体に酷似してるようにしか見えないのだ。
極めて非現実的な観点なのだが、その鉄の身に纏う気配を感じてしまうのだ。
あれは『 護る者 』なのだと。
そして確実に、『今』の自分の前に立ちはだかる邪魔者になるであろうと。
「あれも新型だね。 新型は三機という話だったのに。情報部の怠慢だよ、まったく」
苦々しい思いを、深い嘆息に乗せて吐露すると、ケイは荒い歩調でエントランスへ向けて歩き出した。
「さっさと脱出するとしよう。君も早くプラント本国へのシャトルへ急いでね」
急にきびきびと動き始めたケイに気づき、男も慌てて傍らに駆け寄り、急ぎ足になる。
356 :
4/13:2005/10/24(月) 00:10:57 ID:???
「あの、閣下はこれからいかがなされるので…?」
混乱模様が更に激化するであろう予感を感じながら、男は青年へ問う。どのようにして脱出するのかと。
「僕? 適当に足を借りていくよ。 ここにはゴロゴロあるんだし、全部は壊れてないでしょ」
そう答えるケイの顔には緊張のかけらもなく、けろりと言ってのけているのだが。
問うた方はといえば、彼が示す方法を理解しかねたようで、喉に物でも詰まったような顔で声を出せずにいる。
「ああでも、出来るだけ新型の方がいいかな? 技術部の人たちも喜ぶだろうしね」
男の様子を全く気にかけるわけでもなく、一人言葉を続けながらうんうんと頷くケイ。
その言葉で、やっと気づく。 彼の選んだ移動手段に。
「…了解しました。 道中、お気をつけて下さい、閣下。」
「うん。…それじゃあ後はよろしく頼むよ。 期日はきっちり守ってね?」
まるで状況を楽しんでるような笑顔を見せる彼へと、眼鏡の男は一礼をすると足早に去っていった。
この、つかみどころのない空恐ろしい青年に、関わり合いになりたくないと心底から思いながら。
ほとんどの人間が脱出し、ガランとしたエントランスの回転ドアをくぐり抜けたケイ。
悠然とした様子で、周囲に広がる駐屯地の施設を見渡し、目的の物を探す。
戦線は宇宙港方面へと移動した後で、周囲には消火活動や救援活動を行う者以外の兵士はあまり居ない。
ケイは顎元に指を添えながら、物色するような視線を巡らせながら小さく、んーと唸る。
ふと、難しげに寄せられていた眉がひくと動いた。
「…うん。アレにしようか」
すぃと細められた紫の瞳。 微かに口の端をつり上げながら。
ケイは近くにある、屋根の破壊された格納庫へと歩みを進めていった。
レザージャケットに隠された、腰のベルトに引っ掛けた鞘から大振りのナイフを抜き放ちながら。
357 :
5/13:2005/10/24(月) 00:11:45 ID:???
「…なによ、あれっ…!」
突然、上空から目の前に落下してきたMSを目の前にして、ガイアのコクピット内でステラが呻く。
白と赤のカラーリングの、巨大な双剣を構える…恐らく自分の機体と、同系統と思われる鉄人形を睨みながら。
「それを奪って…また戦争するつもりなの!?」
両手で構えるエクスカリバーの切っ先の向こう。正面に立つ黒いMSを見据えながら、マユが吼える。
奪われた三機と同時期に開発されたザフト軍の新型MS『インパルス』のコクピットの中で。
ほんの僅かな間の睨み合い。最初に挙動を見せたのはインパルス。
対艦刀を腰溜めに構え、一気に距離を詰めんとばかりに駆け出す。
「やああぁぁっ!!」
少女の気合の声と共に一閃。ブゥンと大振りに薙ぐ一撃をガイアへ向けて繰り出す。
紅い光で構成された刃を、ガイアはビームコーティングのされたシールドで止めた。
一歩後退しながら腕を捻り、シールドに押し付けてくる相手の剣の角度を変え、滑らすように流す。
一撃を流されたマユは負けじと、受け流された刃を、さらに前へ踏み込みながら再び返す。
素早く斬り返された刃が、ガイアの胸部装甲の表層を走り、浅い亀裂を刻み付ける。
「なにっ?! ……こいつぅぅっ!!」
届かないほど浅い攻撃だったのだが、コクピット近くを狙われたことが、ステラの頭をより熱くさせる。
己も腰部に付属する二本のビームサーベルを引き抜き、インパルスへと躍りかかった。
358 :
6/13:2005/10/24(月) 00:13:00 ID:???
「ちっ、もう一機新型だと!?」
突如上空から降ってきたインパルスを前に、奪取したカオスに乗るスティングは驚愕の表情を見せていた。
その機体のフレームのシルエット、特徴的な頭部の造りを見れば、
自分たちの機体と同系統だということは一目瞭然だった。
『マジかよ!? ネオもケイも、そんなこと言ってなかったぜ!』
コクピット内に飛び込んできた音声は、同じくアビスに乗るアウルからのものだ。
『なー、どーすんのスティング? バス行っちゃうかもしれないぜー』
メインカメラが捉える光景を投影する正面スクリーン。その片隅に苛立ってるらしい彼の顔が映る。
「…分かってる! だが、こいつをほっとくわけにもいかないだろう!」
歯噛みするような苦い表情で唸りながら、アウルの言葉に答えるスティング。
彼は推測していた。 もし、これが自分たちのものと同じ新型MSだとすれば。
新型機を奪った自分たちのことを、大人しくは見逃してくれるはずがないし
たとえこちらが逃げれたとしても、恐らく追撃に向かってくるであろうと。
「じゃあ、さっさと片付けて行こうぜ!」
複数で相手した方が早く済むと判断したアウルがいち早く、ガイアと交戦中のインパルスへと迫る。
手にしたビームランスを構え、組み合っている二機のうち、白い方の横腹へ向けて突きを繰り出した。
ガキィィィンッ!!
アビスの狙いすました槍の切っ先をはね上げたのは、横合いから振られた槍だった。
「やらせないっ…!」
マユの乗るインパルスを護るように立ち塞がるもの。
アゼルが駆る緑色のMS、スラッシュザクウォーリアがハルバードを構えなおす。
『アウル、そっちの緑のを黙らせろ。 俺がステラの援護に回る!』
「オーケィ分かったよ。 ちゃっちゃと片付けてそっち行くよ」
スティングからの通信を耳にしながら、アウルは一撃の邪魔をした眼前の敵を睨みつける。
「そんなに邪魔したいんだったら相手してやるよ、一つ眼の!!」
359 :
7/13:2005/10/24(月) 00:14:48 ID:???
互いに剣を振るい、盾で弾く攻防を二、三度繰り返していたインパルスとガイア。
拮抗した状況に埒が明かないと判断したステラは、バーニアを吹かせ、高いバックジャンプでインパルスとの距離をとる。
頭部の機関砲から銃弾の雨を降り注がせ、相手の動きをけん制したその間に。
ガイアは空中で身を捻り、バクゥのような四足獣型のMAに変形した。
バックジャンプの勢いを背後の壁で殺し、そのまま三角跳びの要領で再びインパルスへと肉薄する。
「うっ…速いっ!」
即座に近接戦に持ち込めないよう、インパルスと距離を置きながら
その周りを大きく旋回し、背中のビーム突撃砲を見舞うガイア。
マユも対抗して、相手をビームライフルで狙うが
そのスピードと、周囲の残骸を遮蔽物として利用した回避行動のせいで、うまく命中しない。
ガイアとは、模擬戦で何度も戦ったことあるのだが、乗り手が違うせいだろうか。
今まで戦ってきた相手とは異なる、まさに獣のような反射速度と追い込むように的確な攻撃に翻弄される。
「強奪したばかりの機体で…ここまでやれるの?」
速度を緩めることなく、縦横無尽に走りながらこちらの動きを伺うガイアを見据えながら、マユは呻いた。
反撃の機を伺っていたマユへ、苦難は更に降りかかる。
横あいから放たれた一条の閃光。 ガイアを援護すべく、カオスが撃ってきたのだ。
とっさにビームをシールドで防ぎ、直撃は避けたものも
注意が反れ、動きの止まったインパルスへここぞとばかりにガイアが体当たりしてきた。
「きゃああっっ!!」
強烈なタックルに体勢を完全に崩し、跳ね飛ばされたように地面に倒れるインパルス。
「もらったっ!」
その致命的な隙を、逃すわけがない。
ほくそ笑みながらスティングは、インパルスへ向けてビームサーベルを振りかぶり、そして打ち下ろした。
しかし、その一撃は届かなかった。
倒れるインパルスと、剣を振り下ろせないまま立ち尽くすカオスの間。
先ほど襲われていたザクが、インパルスとカオスの間に割って入り、トマホークでカオスのサーベルを受け止めていた。
転倒の衝撃でまだ揺れるような感覚の残る意識の中、それに気づくマユ。
危ないから下がって、と彼女はザクのパイロットへ向かって叫ぼうとしたのだが。
ビームトマホークとサーベルで競り合っていたザクは、不意に足を上げ、カオスをしたたかに蹴りつけたのだ。
体勢を崩し、後ろへよろめくカオスから、今度は背後から飛びかからんとしていたガイアへと
振り向きざま、すかさずビームトマホークを投げつけ、その横っ腹を打ちすえる。
その見事な身のこなしを、マユはインパルスを立ち上がらせながら、驚きの眼差しで見ていた。
360 :
8/13:2005/10/24(月) 00:16:43 ID:???
「ちぃっ、この野郎ぉっ!!」
突然乱入してきた一般機。しかも、損傷している相手に出し抜かれ、怒りをあらわにするスティング。
ふらついた足を立て直し、即座に胸部に装備されたバルカンの弾をザクへと向けて浴びせかける。
前後を敵に挟まれたザク。 ガイアへとトマホークを見舞った後、背後のカオスへと振り向いた瞬間だった。
とっさに右腕を跳ね上げ、コクピット部をかばっただけ上出来だったかもしれないが
断続的な衝撃と共に右腕は爆散し、片手を失ったザクはガレキの上に倒れこんだ。
「っ!? …させないっ!!」
さらに追撃をかけようとするカオスとガイアの前へ突進するインパルス。
挟撃に備えるべく、分離させた対艦刀を両手に構えて駆け寄るそれに向け、カオスがライフルの銃口を向ける。
その時、上空からビームのつぶてが降り注ぎ、カオスの動きを阻んだ。
予期せぬ援護に驚き顔を上げるマユの瞳に、黒煙漂う中でもその色を損なわない真白のザクが映る。
「レイお兄ちゃん!」
ビームマシンガンを携えながら傍らに降りてきた白いザク、ブレイズザクファントムへと声を上げる。
『無事か? マユ、アゼル』
「あたしは大丈夫!」
『こっちも、なんとか』
白いザクのパイロット…マユたちと同僚で、同じくミネルバに所属するレイ・ザ・バレルの声に各々返答する。
「ルナお姉ちゃんは無事なの?」
もう一人の同僚の姿が見えないことに気づき、心配になったマユはレイへと尋ねる。
…彼女、ルナマリア・ホークは確かレイと一緒に行動していたはずだ。
『機体が瓦礫に埋もれてな。俺の機体は無事だったが、ルナの機体は少々損傷していた。途中までは一緒に来ていたんだがな』
モニター越しに見えるマユの心配そうな顔を見てか、レイは彼女を安心させるように声のトーンを和らげる。
『大丈夫だ。 ルナは修理のために引き返し、既にミネルバに着艦している』
その言葉にふっと息をつき、安堵するマユ。
『こいつらをこのまま逃がすわけにはいかない。 ここで取り押さえるぞ』
「うん!」
隊の指揮官であるレイの言葉にマユは深く頷き、力のこもった眼差しで目の前の二機のGを睨み据えた。
361 :
9/13:2005/10/24(月) 00:17:47 ID:???
アーモリーワン内部でMS同士の戦闘が繰り広げられる中、その近辺宙域にも突如戦いの烽火が起こる。
コロニー内部での新型機強奪事件の報を受けたザフト軍の艦隊が、コロニー周辺を哨戒していた。
必ず訪れるであろう、強奪者たちへの迎えの艦をいち早く押さえるために。
しかし彼らが、それを発見することはなかった。
突如、何もない空間より放たれた幾条もの砲撃がナスカ級戦艦を貫く。
断続的な爆発と共に、折り紙細工のように容易く折れ曲がり、爆散する最中。
まるで闇色のカーテンをまくり上げるように、船首部分から徐々に色付き、その姿を現す蒼い戦艦。
何かの物影からではない。 全くの虚空から現れたそれは、ミサイルや艦砲を周囲の艦へと容赦なく浴びせかけていく。
周辺全ての戦艦を、あっという間に沈めた所属不明のその艦から、次々とMSが射出されていく。
青いサングラスのようなバイザー型のメインカメラが特徴的な、灰色のフレームの機体。
先の戦争で地球連合軍が主力MSとして運用したストライクダガーの後継機、ダガーLだ。
彼らは、戻る艦を失う突然の出来事にうろたえるように停止しているジンやゲイツへ向けて、群れを成して襲いかかる。
続いて、蒼い艦から発進する赤紫色のMA。
戦闘機のような流線型のフォルムに、大振りのリニアガンを二門。
そして、機体後部にガンバレルユニットを4機装備したその機体は
自慢のスピードをもってしてザフトのMSの脇をすり抜け、アーモリーワンへと進路を向ける。
「いいか、出来るだけ時間を稼げ! 彼らも直に出てくるからな」
マゼンダカラーのMA、エグザスを駆る仮面の男…蒼い艦の指揮官、ネオ・ロアノーク大佐は随伴するダガー隊に指示を出す。
ザフトのMS部隊との交戦が始まり、そこかしこで爆発が起こる中、脇目もふらず眼前のコロニーへと近づく。
彼は目にする。コロニーの港湾部から、盛大な爆風があふれ出す光景を。
前もって隠密に向かわせていたダークダガー隊が、奇襲に成功したことを理解し、予定通りだと彼は笑みを見せる。
敵襲の報を受けて、発進を間近に控え宇宙港にひしめいていたザフト軍の戦艦が
急襲され、為す術もなく一方的に破壊されていく爆風だ。
たち込める煙塵の中から飛び出してくるダークダガー数機。 爆発をかいくぐり、皆無事に逃げおおせたようだ。
「…ん?」
ふと、怪訝げな声を漏らすネオ。顔の上半分を覆う仮面に隠れて見えないが、眉もしかめていたかもしれない。
帰還してくるダガー隊に混じって、緑色のMSがこちらに向かってくるのだ。
特徴的なモノ・アイカメラは、明らかにそれがザフト製であることを物語っている。
『ただいま、ロアノーク大佐。』
ザフトのMSから飛んできたのは、暢気な青年の声と、コクピット内の彼の映像だった。
362 :
10/13:2005/10/24(月) 00:18:59 ID:???
ネオはといえば、驚きと呆れのあまり思わずシートから滑り落ちそうな気分だった。
帰る方法は適当に探すよ、とだけ告げて下艦した上司。
自分がアーモリーワンで新型機強奪作戦を行うことを聞きつけて
突然、バスに乗り合うような感覚で乗船を求めてきた上司。
明らかに自分よりも十歳は年下のその上司が、敵軍のMSに乗って戻ってきたのだ。
「…聞いていませんよ、そんな方法で戻ってこられるとは。 味方に狙われたらどうするんですか。」
モニターに映るケイへ、深い深い嘆息と共に、低い声でそう言うネオ。
『問題ないよ。識別コードは友軍のものに変えてるしね? それに、当たるような僕じゃないし』
相変わらずの穏やかな表情のままの、不敵な発言。
『で、彼らは? まだ来てないの?』
「若干、トラブルが起きているようです。 いま少し時間が必要かと」
ケイが問うた対象は、強奪作戦に向かった三人の少年少女のことだ。
ザフト軍の追撃を受け、足止めされているとの情報は伝わっていたので、ネオはそう答える。
ふぅん、と画面向こうで頷く青年。
『なら、僕も手伝うよ。 久々にシミュレーターじゃなくて、実際の戦闘を楽しみたいからね!』
遊びを見つけた時のように楽しそうにそう言うと、
一方的に通信を切って、強奪した機体、ザクのバーニアを吹かし戦闘の只中へと向かうケイ。
装備していた大型のビームキャノンを構え、胴ばかりを狙う正確無比な射撃で敵MSを撃ち抜いていく。
「おいおい! …ったく、こっちの都合を考えないお方だな! イゾルデの旦那の苦労がよぉく分かったよ!!」
応答も聞かずに、勝手気ままに行動し始める自分の上司の背中を睨みながら
ネオは、常日頃彼の命令の元で動かなければならない立場の同僚のことを憐れんでいた。
363 :
11/13:2005/10/24(月) 00:20:03 ID:???
一方、アーモリーワンの内部での戦闘はいまだ続いていた。
マユのインパルスとレイのザクファントムが、ガイアとカオスと交戦している中
スラッシュザクを駆るアゼルは、アビスと対峙していた。
「ほらほらぁ、守ってばっかりかよ!?」
コクピット内で勝ち誇るような笑いを見せながら、吼えるアウル。
アビスに装備されたビームランスを振るい、ザクを追い詰めるように攻め立てる。
相手は最初から防戦一方で、両肩のシールドで突きを流したり、少しずつ後退しながら回避するばかりだ。
「ははっ! 威勢よく出てきた割に、大したことないナァ!!」
消極的な敵の行動に調子に乗った彼は、盾ごとへし折るつもりで、大上段に槍を振りかぶった。
その大きな挙動。 わずかに生まれる隙。
それを狙っていたかのように、突然身をかがめて前へ大きく踏み出すザク。
いざ打ち下ろさんとしていたアビスの手元を狙い、ハルバードを振り上げ、ランスの柄を弾いた。
「なにっ!?」
手から離れた武器は宙で放物線を描き、後方の地面に落ちる。
それこそ、襲っていたネズミに噛み付かれた猫のように、唐突な出来事にアウルは驚く。
上へ向かって振るったハルバードを、その勢いのままグンと回転させ、真正面へ突きの構えに向けるザク。
それと共に、ハルバードの先端に閃光が生まれる。
柄の長さと等しいほど長大な、ビームによって構成された槍の穂先が。
それを合図に、ザクは背中のブレイズユニットのブースターを全開にし突撃。アビスへと槍を突き出す。
しかし、隙を的確に狙ったその突撃を、アビスは間一髪で空中に上昇し回避した。
「…速いなぁ。 向こうは相当の手練か」
立て直しの早さ、尋常ではない反応速度を目の当たりにし、アゼルは呟きながら宙にいるアビスを睨んだ。
364 :
12/13:2005/10/24(月) 00:21:33 ID:???
戦闘の最中。突如響く、大きな爆発音。 それと共に彼らが立つ地面、コロニーが大きく揺れる。
その振動に、戦闘を繰り広げていたマユたちも、そして相手の方も一瞬身を強張らせる。
『爆発っ?』
『…こいつらの仲間かもしれんな。 コロニー外にも敵がいるようだ』
アゼルの驚きの言葉に答えるレイ。 爆音が聞こえた方を見ると、宇宙港の方向だという事に気付く。
その音は、敵方にとって何らかの兆しだったらしく。カオスとアビスは空中へ上昇し、離脱する様子を見せる。
だが、ガイアだけは逃げる素振りを見せず、執拗にインパルスへと接近し攻撃を繰り返してくる。
浴びせられる砲弾と、合間に混ぜられる剣閃。その中でマユは、くぅと呻きながら防戦の構えで耐えている。
彼女が反撃の糸口を見つけ出せないでいたその時、不意にガイアが凍りついたように動きを止める。
そして、まるで何かに怯えるように、数歩後ずさると身をひるがえし、空中に上昇した。
こちらに無防備に背中を向けたまま、わき目も振らずに離脱していく姿に、思わずマユは呆然となる。
残りの二機も、それを追いかけて飛び去っていく。
「…っ! 逃がしてたまるもんですか!」
突然の変容に、しばしぼぅとしてしまった少女。 離れていく三機に気づき、続くように宙へ飛び上がる。
しかし、三機に追いつこうと考えると、近接戦仕様のソードでは難しく。
また、機動性の問題で空中戦には不向きだと判断したマユは、ミネルバへと通信を送る。
「ミネルバ!フォースシルエットの射出をお願いします!」
365 :
13/13:2005/10/24(月) 00:22:36 ID:???
破壊された港湾部を中心に、いまだ混乱と破壊の只中にあるアーモリーワンの周辺宙域。
MAならではの、疾風のような敏速さで敵の群れを突き抜けていくエグザス。
その後部から分離されたガンバレルが、敵を囲み、絶え間なく移動しながら射つ全周囲攻撃でゲイツを翻弄する。
携えたビームキャノンを持ってして、己と同系機であるザフト軍の機体を撃ち落としていくザク。
識別コードより先に、視覚的な情報から判断に迷い、動きを止めるジンのコクピットをためらいもなく破壊する。
「ダガー部隊は後退を開始 ガーティー・ルーは前進し、彼らの到着に備えろ!」
エグザスから飛んだ、ネオの指示に従ってダガー部隊は後退し、次々と母艦へ着艦していく。
自らは戻らず、全機の着艦を見届けていたネオは、ふと隣に視線を向ける。
「閣下もお下がりください。 しんがりは自分が務めます」
静止しているエグザスの脇に佇むザク。コクピット内でネオの言葉に耳を傾けていたケイは、やんわりと首を振る。
「いや、このまま残らせてもらうよ。 ちょっと気になることがあるんでね」
モニターの向こうで、ネオは不快そうに口元をしかめているが、気にもかけずに周囲へと視線を巡らせている。
「…来たか」
紫の眼差しが認めた異変。 コロニーの外壁に開いた穴を見て、小さく漏らす。
コロニー内部と宇宙の気圧差による、強烈な空気の流れに身を任せ飛び出してくる三機のMS。
それらを追って、同じように三機のMSがその穴から出てくる。
白と緑のザク。 そして、先ほど目にした白いGが。
「やっぱり追ってきたか…」
暗い宇宙空間に一際冴える白の機体は、武装を変更したのか先ほどとは若干異なるカラーリング。
そんなところまで見覚えのあることに気付き、憎々しげに吐き捨てる言葉。
「ロアノーク大佐! あれが四機目の、未確認の新型だよ」
『ほう。 …では、あれも手に入れるとしますか?』
画面の向こうで応じ、答える仮面の男は不敵に笑いを見せ、乗り気の様子だ。
「そうだね。 盟主殿へのサプライズプレゼントにでもしようか?」
にぃ、と邪悪にほころぶ端正な口元。
その言葉と共に二人は機体を迅らせ、三機のGを追うザフトのMSへ向かい迫っていった。
366 :
あとがき:2005/10/24(月) 00:27:27 ID:???
はい、ケイメインでの第2話いかがだったでしょうか
ケイ・サマエル…オリジナルではない彼ですがもう誰だかは分かるところでしょう
でもこれでは別人です…orz でも書いてて楽しいです
彼は2年の間に色々あって捻くれて荒んじゃいましたw
後、アゼルの機体はオリジが入ってるので補足をば
ザクウォーリア(アゼル機)
ビームトマホークの代わりに試作のビームハルバードを装備
機動性を重視し、本来のビームガトリングを装備したウィザードではなく、ブレイズパックを装備している
スラッシュとブレイズのコンパチの機体ですが
こういうのも前線ではこういうカスタマイズというのもやっているかなぁと思いまして
次回ももう少し戦闘が続きます、気長に待ってやってください
舞踏の人乙!
つか、今までで一番イキイキしてるぞw このキ・・じゃなくてケイか
やっぱこいつは敵になってこそ映えるキャラだと今更ながらに再確認した
>348、>349からの続き
第三十三話
オレンジ・ショルダー隊。集落の人達から買った食材での朝食。隊員達に混じって、ルナは雑味の多い食事をとりながら、早ければ今夜の作戦決行を待つ。
その頃、マユはジブリールやステラと共に豪勢な朝食を取っていた。マユは宇宙での生活を訊かれるが、宇宙にいた時のことは耳汚しになるのでと茶を濁す。ジブリールは追求しなかったが、宇宙に住む人間への嫌悪を覗かせた。
意を決して、マユはミネルバのみんなに会いたいというと、ジブリールはあっさりと承諾した。正直、マユはジブリールのこの辺の匙加減がわからない、だからなのか、現状に現実感も沸かない、マユは現実を取り戻したくて、ミネルバのみんなに会いたかった。
ジブリールは当然として、ステラは急用があるとかで、マユは一人でみんなに会いに行く。その歩んでいく先にキラがいた。話は短く、アークエンジェルはいつでも君を受け入れる。マユは何も言わずに通り過ぎた。
ミネルバクルーは敷地内の一角でひとまとまりにされていた。タリア艦長とは引き離されていたが、ジブリールの客人であるミネルバクルーは、捕虜でありながらも丁寧に扱われた。ただ、丁寧にされる理由のわからないクルーは、一部を除いて戦々恐々だった。
人の塊から外れたところで本を読むレイは、本で隠しながらあるメモに目を通し、見終わったメモを丸めて飲み込んだ。それはハイネから渡されたメモ、基地の内部とミネルバの所在を書き記してあった。
そこにマユが来ると、クルー達は喜びいさんで駆け寄ってきた。メイリンはマユを押し倒し、ヴィーノとヨウランがその上に覆い被さった。出遅れたアーサーは人垣の外で号泣し、新顔のベテラン三人は騒ぎの元をしげしげと見つめ、奥の方ではレイが微笑んでいた。
マユは嬉しかった。みんなが無事で、元気で、いいことばかりで、まるで夢を見ているみたいで。だから、悩みは深くなった。
ハイネからの情報を受け、アレックスは基地攻撃の算段を煮詰める一方で、ジブリールと直接対峙できる千載一遇の好機に、逸る気持ちを抑えていた。
複雑な気持ちで部屋に戻るマユは、まるっきり人気のない場所でハイネに呼び止められた。ハイネはここで深夜1時に待ち合わせること、1秒でも遅れたら見捨てるといった。
深夜。
マユは全く眠気がなかった。夕食の間も上の空、ジブリールがインパルスの勇姿を見ることが楽しみだったが扱えるパイロットがいないのでがっかりした、という話題だけは覚えている。
プラント、連合、オーブ、どこへいくのか答えはまだ決めかねている。でも、ハイネの約束の時間、つまりは作戦開始の時刻は間近に迫っている。
MAの格納庫では、指摘された通りにMAへ仕掛けられた爆発物を発見し、連合兵は驚愕した。
ハイネは指定した場所でマユを待っていた。砂利を踏む音に、ハイネは待ち人が来たのだと思った。それが一瞬の遅れとなり、ステラの手にしたナイフに貫かれた。マユは、その光景を前に呆然となった。
マユに気付いたステラは、すぐさまマユに近寄り、部屋に戻るように言って聞かせる。しかし、マユはそれを振り切ってハイネに駆け寄り、まだ息のある彼に呼びかける。今度はステラの方が呆然となった。
オレンジ・ショルダー隊の夜襲に基地は騒然となる。同時に、ミネルバクルーも行動開始、ハイネの下準備のお陰で怒涛の勢いでミネルバを目指せた。
一気に攻め落とそうとするザク、ディン。だが、基地に集められたMAが彼等の前に立ち塞がる。工作は失敗したが、奇襲そのものは成功している。アレックスは部下を鼓舞し、一気に押し切ろうとした。
ハイネを抱くマユの後ろ姿を目の当たりにするステラは、それがネオを抱く自分に見えた。ステラは恐怖した。その時、MS、MAが入り乱れ、ミネルバクルーの決起で基地は混乱の極みであることをやっと認知し、デストロイに乗ろうと思った。
マユはハイネに、一人で脱出すればこんなことにならなかった、そう言った。女を護るのは男の役目、とハイネ。続く言葉は、心と体に大きな傷跡があるなら尚更だ。もしかして、自分の過去を知っている。しかし、その答えは返ってこない、永遠に。
道中でタリアと合流し、レイ、ヒルデ、マーズ、ヘルベルドの活躍がクルーをミネルバのあるドッグまで導いた。ほとんど捕まった時のままの艦内、さすがに発進はできないが、篭城にはもってこいだ。
ザムザザー、ゲルスゲーを次々に撃墜するオレンジ・ショルダー隊、その分、味方の損害は大きかった。基地制圧を目前にしてデストロイが現れた。またアークエンジェルも発進準備に入る。アレックスはアークエンジェルの艦橋を凝視、懐かしい顔の中に、ジブリールがいた。
ミネルバ内、外の加勢に行きたいが、今すぐ動かせるのはインパルスしかない。レイはそれが無謀と知りつつも、外で戦う戦友、ルナの元に駆けつけたくて、インパルスに乗り込んだ。だが、レイは止まった、マユが引き止めた。
マユはノーマルスーツに着替え、慣れ親しんだシートに座る。早速、エイブス班長がインパルスの調子をマユに伝える。次いで、タリア艦長がマユにデストロイ破壊を命令。出撃前、メイリンの簡素な激励。マユは、帰ってきたことを実感した。
デストロイはビームの雨を降らせ、相手のビームは陽電子リフレクターで防ぎ、接近戦を挑んできた者は巨大な拳と巨大な足で叩き潰した。ルナを始め、隊員達は果敢に応戦した。それも全て、アレックスを行かせるため。
アレックスは単身、アークエンジェルに突っ込む。そこにフリーダムも単機で出る。だが、セイバーはそれを一気に抜け、艦橋のジブリール目掛けてサーベルを振るう。その瞬間、フリーダムはセイバーの背中を撃ち抜いた。
そして、デストロイの圧倒的暴力が生き残った者達に迫る。もう逃げない、必死に踏みとどまろうとするルナに、メイリンの声が届く、そちらに、インパルスがいく。
飛び立つコアスプレンダーとフライヤー二機。マユは上空からデストロイを確認、それと、たぶん部下に持ってこさせたのだろう、基地の外で乗り手を待つグフも見た。
ステラが織り成す、激しく厳しいビームの弾幕を抜けながら合体、ブラスト。真っ向から打ち合いながらの突進に加え、またザクとディンの援護がデストロイを足止め、瞬く間に零距離。ステラは息を呑む、マユはいつものように引き金を引いた。
陽電子リフレクターと共にデストロイの装甲が弾け飛び、インパルスも砕けた。ザク、ディン、この好機に全てを叩き込む。直前、デストロイが高く高く跳躍した。そして、本当の意味でビームの雨を降らさんとした。だが、デストロイを通り抜ける、コアスプレンダーと他二機。
デストロイのほんの少し上で、ソードインパルスに合体した。ステラは絶叫を上げる。デストロイが繰り出す左の拳、それをインパルスは対艦刀で叩き切る、右腕が壊れた。そして、残った左腕と対艦刀での刺突が、デストロイの巨大な胸板を貫く。
インパルスは勢いをつけ、自分諸共デストロイを地面に叩き付けた。基地全体が地響きに揺れた。アークエンジェルも飛び立った。戦闘は終わった。
ステラはパニックに陥った。きっとマユが殺しにくる。マユにだけは殺されたくない。しかし、いくら泣こうが喚こうが、デストロイはピクリとも動かなかった。
マユは血を吐いた。戻った早々、こんなに壊したことをインパルスに謝った。でも、また乗れたことが嬉しくて、ほっとして眠った。眠る前、ハイネが死んだことを思い出した。
半壊したセイバーから這いずり出たアレックスは、基地とMSとMAの残骸の散らばる酷い状況を見た。もう遠くを飛ぶアークエンジェルも見た。そして、その傍らを飛ぶフリーダムも。
アレックス「勝ったんだよな、俺達‥‥」
「インパルス、交戦は認められません。友軍機と合流し、慎重な対応をするべきです」
アビーが語気を強める。しかし、インパルスは装備しているフォースシルエットを稼働させ、加速していく。
「マユ君、まだ何も分かっていないのに、仕掛けちゃ駄目だよ」
コールが鳴って、もう一つウインドウが開き、呑気そうな青年が少女を咎める。ミネルバの艦長、
アーサー・トラインである。
「フェイスの権限で、自らの判断に基づき交戦します」
少女――マユ・アスカは、そう言うと、二人の映るウインドウを一方的に閉じた。
アガメムノン級とストライクダガーがインパルスに気付いて、応戦する動きを見せる。
その態勢が整う前に、インパルスは一機のストライクダガーにビーム・ライフルを撃つ。
ビーム弾に胸部を貫かれた機体が爆発し、閃光がアステロイドベルトを照らす。それを背に、
他のストライクダガーは、ビーム・ライフルをインパルスに向けて連射する。
インパルスは加速を続けながら機動防盾を構え、重大な損傷を被る以外のビーム弾は回避せずに、
機体の防御力で受け止める。そのままCIWSの発射で牽制を掛け、
次の狙いに定めたストライクダガーへ接近した。
機動防盾のグリップを保持していた左手にビーム・ライフルを持ち替えると、
右手でフォースシルエットの上部にマウントされたビーム・サーベルの基部を抜き放つ。
目標のストライクダガーと擦れ違う瞬間に、ビームの刃を発生させ、相手の胴体を切断する。
更に、自機の後方に位置する別のストライクダガーに左腕部のみを向け、ビーム・ライフルを連射して、
その内の一発を直撃させた。ほぼ同時に二機を撃破したインパルスが、急激に減速し、
膝関節を折り曲げて衝撃を緩和しつつ、アステロイドに接地する。直ぐにアステロイドを蹴り、
反動で離れるインパルスの居た場所に、アガメムノン級からの艦砲射撃が降り注ぐ。
インパルスは大きく回り込み、最後のストライクダガーに近付くと、機動防盾から機体をぶつけた。
体勢を崩すストライクダガーの腹部に、弾道を集中させてCIWSを発射し、コクピットを破壊する。
「……ふ」
マユが短い息を吐き、機体にバルカン砲の弾幕を掻い潜らせながら、アガメムノン級へ照準を合わせる。
ビーム弾を艦体の各所に受け、アガメムノン級が爆散した。
機体を静止させて、レーダーを確認すると、マユは再びミネルバへの通信を行う。
「こちらインパルス。敵勢力の排除を完了。これより帰艦します」
>>370 アーサー艦長キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
乙
372 :
95:2005/10/24(月) 19:42:38 ID:???
>>345様、
>>349様感想どうも有難う御座います。
抗議とか来なくて良かった……本当に。
で、345様のヤラナイカ?→ウホッイイ漢!ネタは来るだろうなーと思ってました。それでも出すのが私です。
実際おっさんに追い駆けられたとも書きましたがその結末は各人お好きにご想像下さい(有る意味爆弾発言)
そして349様、スラッシュホークの描写少なくて申し訳ない。
えーと、接続時はバックパック上部、シュベルトゲペール接続部に折畳んだ状態で挟まれている様な感じで、
展開時には前述のシールドにブースターの付いた様な物に機首が存在し、ブーメラン付けて飛ぶ姿が鳥に見える事からこの名が付いたと言う裏設定が…
まあ、こちらの設定なんぞ気にせずに御創り下さい。
もしかしたら此方がパクr…いや、盗y…いや、インスパイアさせて頂くかもしれません(爆
まあ、こんな駄作家ですがこれからも宜しく、御二方共感想有難う御座いました。
……アステロイドベルト?
いつの間に火星と木星の間に……
age
>>370 タリアたんはアボンか、
鈍重な機動砲台メサイアの「艦長」に「栄転」?
ほのぼの続きマダー?
隻腕マユとの絡みが早く見たい
「ん〜♪マイシスターマユv会いたかったよ。」
「あんたどちら様ネ。ワタシマユ違うヨ。」
ここはお城。マユはそこに誘拐された。
前、アキラから平行世界と言う話を聞いたことがある。
解かりやすく例えるとノベルゲームのルートだ。
たぶん、この世界にも『マユ・アスカ』がいてこの人となんかの拍子に兄弟に
なってしまったのだろう。哀れだなぁ、とマユは思った。
・・しかし、自分もマユ・アスカである以上どうしようもない。
「マユじゃなかったら君は誰なんだい〜?」
仕方がないので偽名を使う事にした。
「ワタシ名前神楽・ゴールドバーグ・京介ヨ。」
マユ、それは神楽違いである。しのはらさんちの神楽さん、すんません。
「はははははははー。マユ、あんまりふざけてるとお兄ちゃんおこっちゃうぞv」
「だからいい加減にするネ。ぶっ殺すアルヨ。そもそもふざけてるのはお前の存在ネ。」
一言一言確実に心をえぐるような言葉を浴びせるマユ。
そんなやり取りをしていると、突然部屋に兵士が飛び込んできた。
「ユウナ様!!大変です!!」
「どっ、どうしたんだ?!びっくりしたなぁ・・。」
「侵入者です!!次々と兵士を倒しこちらに向かっています。早くお逃げに・・。」
チャンスだった。マユはユウナの注意がそれてるうちにそのあごにアッパーを
かます。続けてそれに驚いた兵士と一気に間合いを詰め飛び膝蹴りを食らわす
そして、そのまま部屋から飛び出した。
「黄昏よりも昏き・・・。」
「やめんかーーっ!!」
とんでもない呪文を唱えようとするルナマリアをハリセンでたたくレイ。
「お前ら!!遊ぶな!!」
アスランはそう言って前に立ちふさがった兵士を切る。
アスラン達はおとりその1である。
ハイネが立てた作戦はこうだった。
『いいか・・、ここにジョーが城の兵士を客に取って入手した城に地図がある。
おそらくマユは最上階のユウナ様とやらの部屋にいるはずだ。それを助け出す。
まず、隠密性に長けたステラ。そして歌の効果で敵の行動を鈍らせる事のできる俺。
そして召喚師であるスティングがなんか旅の召喚師です、お城の教会で祈らせて
くださいとか言って潜入する。
それから十分くらいしたらレイ、アスラン、ルナマリアは城の裏門から。
派手な攻撃のゼロ、ジョー、アキラが正門か突撃。
騒ぎに乗じてグレイシア、ジョーは兵士の服を奪い取って潜入。
カルマは脚力を生かして外から直接城の飾りとかを伝って最上階に侵入しろ。
鉄格子くらいならキックでぶち壊せるだろ。
こんだけ複数から攻めれば万が一誰かが失敗してもマユは助け出される。
説明は以上だ。』
「・・・・・マユ!無事でいてくれ・・!!
「ハッ!!」
マユは浴衣の袖に仕込んでおいたトンファーで兵士の頭を叩く。
もちろん、浴衣の下にはスパッツとTシャツを着てある。
それにしても最上階は兵士が多く、中々突破できない。
しかも構造が相当複雑らしく、下の階に下りるのはまだ時間がかかりそうだ。
自分がお姫様と同じ顔なのに戸惑って兵士は襲い掛かってくるものの
こちらを殺そうとはしない。
しかし、相手は鎧を着ている。こちらは丸腰で圧倒的に不利である。
倒す気でやれば倒せるのだがこちらを殺す気のない相手を殺すのは忍びない。
そんな事考えがなら自分はやっぱり軍人だと自嘲するマユだった。
すると、突然横の壁が爆発した。
「ゲホッ!!ゼロ!!お前調合失敗したんじゃないのか?!」
「・・・・・・めんご、めんご。」
「そんな風に謝ってもだめ!!」
壁の穴から出てきたのはアキラたちだった。
アキラが作りだした剣を階段にしてここまで昇ってきたらしい。
微妙に矢が身体に刺さっていたりする。
「あ。マユちゃんみっけー。」
キースがマユに近寄ってくる。
「・・え・・?皆助けに来てくれたの・・?」
「うん、だいぶ兵士の数は減ったからそろそろ皆来ると思うけど・・・。」
「あ!居た!!ってなんだ・・。ゼロ達に先こされちゃった・・。」
奥のほうからカルマが走ってくる。どうやらたどり着いたがこの階で
迷ってしまったらしい。
「マユ!!」
上からステラが降ってきた。・・・どうやら隠し通路を見つけて迷って迷った
末ようやくマユを見つけたらしい。ステラの後からほこりまみれのハイネとスティングとアウルがでてくる。
「あー、なんで城の奥にドラゴンが住んでんだよ・・。」
アウルが呟いた。
・・・どうやら隠し通路はとんでもかったらしい。
その後から敵を倒したレイ達、結局鎧を奪わずに力技で押し切ってきたらしい
グレイシアとジョー・・とイライジャ(獣)。
こうして、なんとかマユ救出作戦は成功した・・・が。
「いや〜、お見事だったよ。」
そういって拍手をしながら出てきたのは先ほどマユがのしたユウナだった。
全員、身構える。
「あぁ、警戒しなくてもいいよ。僕は別にあえてそこのマユを誘拐したんだから。君達を試す為に。」
「「「「「「へっ?!」」」」」」
話を聞くとこうだった。
何でも、この世界の『マユ・アスカ・セイラン』は本当に行方不明らしい。
しかし、それは世界の最果てに住む魔王の仕業だということが判明した。
今すぐにでも助けに行きたい、しかし、この国にはそんな戦力がないらしい。
すると、夢に妖精が現われて城下町の旅館にいる『マユ・アスカ・セイラン』にそっくりな
少女がいる冒険者一行に頼むと良いといったそうだ。
本当にその旅館を調べてと、冒険者の一行が一組だけ泊まっていた。自分の妹にそっくりな少女を連れた。
しかし夢のことなので信憑性がない、なのでこのようにして試したらしい。
「いや〜、それにしてもこんなに強いなら安心して頼めるねぇ〜♪」
・・・・・・無論、それを聞いたマユ一行はブチキレ寸前である。
シンハロに対する怒り、そして・・・・このお気楽馬鹿王子のせいで城の兵士という兵士
全部をやっつける重労働を課せられたのだ。しかも、その上魔王を倒せだ?
「・・・・・ハイネ。」
「何だ。グレイシア。」
「食 べ て い い ? あ の 子 。」
「やっちゃえ、グレイシア。」
ハイネが許可するとグレイシアはガシッとユウナの腕をつかんだ。
「あ、じゃあ俺も参加する。」
もう片方の腕をジョーが掴む。
「え、ジョーって受け専門じゃなかったの?」
「何言ってんだ、おれは七つの時から体売ってんだぞ。老若男女相手にしてるっつの。」
「へぇ、そうなんだ。」
平然と二人はユウナを引きずりながら奥へ向かう。
「え?え?ちょっと・・?何の話?いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ユウナは悲鳴をあげながら連れ去られる。
「何?調教?青いアリス?プリンスレベル1?」
「・・・アキラ、あんまりそう言うこと言わない。」
アキラとゼロが遠い目をしながら話す。
「・・・・旅館に帰ろう。うん、もー疲れた。」
マユが呟く。
全員、一斉にため息をついた。
・・・オチについてはのーこめんとです。別に決して影の戦記さんにインスパイア
されたわけではありません。始めっからこの予定でした(ぇ
ユウナ受けって需要あんまりなさそうだよなー、とか思いつつ。
今回は長かったなぁ・・、でも、まだファンタジー編は続きます。
隻腕さん、おたくのユウナくん使わせていただきました。ありがとうございます。
次回は隻腕さんちのマユちゃんも出てくる上、別のゲストも登場予定です。
それでは・・・。
第七話投下します
>各職人様 いつも乙です
戦いは神楽が抜けた後、更に混沌の度合いを増していた。
インパルス、フリーダム、セイバー、ガイア、ストライクMkU・・・五機のガンダムが戦場を駆ける。
そして二人の「キラ」は邂逅を果たした。最悪の形で。
デュートリオンビームの補給にインパルスが戻る間、ムラサメとフリーダムは激しく交差する。
フルバーストで放たれたいくつものビームを軽々と回避するムラサメを、フリーダムは捉えられない。
「君はいったい・・・」
「俺が聞きたいくらいだ。兄弟がいた覚えはない!可能性はあるだろうがな」
フリーダムのライフルがあっさりと切り落とされる。
二機はサーベルを引き抜き、鍔迫り合い。
「お前は誰だ!?」
「僕は・・・僕は・・・キラ・ヤマトだ!他の誰でもない、スーパーコーディネーターだ!」
「嘘をつけ。俺はそんなことは言わない。他人の婚約者を二回も奪い、自分の力に酔いつぶれて全てを失った腐れコーディネーター、キラ・ヤマトだ」
エターナル艦橋でラクスはつまらなそうに頬杖をつき、撃墜されていく味方機を見て失望の表示を浮かべる。
彼女は慈悲や優しさという言葉を知らない。俗人という生き物は一握りの天才・・・つまり自分によって支配されなけばならない、それが彼女の考えだった。
「やはり人間は私に管理されなければなりません・・・」
ラクスは立ち上がり、宙域全体に回線を開いた。
「皆さん、私はラクス・クラインです。あなた方は自分が何と戦っているか、本当におわかりですか?」
ラクスは毅然とした態度で演説する。
「人の生きる未来、私達は未来を守るために戦っています。私達は世界の意志、正義なのです。正義に刃向かうのは悪、つまりあなた方は世界の敵なのです」
「私達は世界の敵であるザフト、プラントを許しません。直ちに軍を引き、投降しなさい」
宙域のあちこちから、呆れを通り越した声が聞こえてくる。
「マユ、テロリストに世界の敵扱いされたわよ」
「ルナお姉ちゃん、この人おかしい」
アレックスは苦笑してゲンに通信を開く。
「少尉、馬鹿末期の人間はこうなるいい見本だ」
「こんな奴が世界を支配したら、考えただけで恐ろしいですよ。アンディ隊長はどう思います?」
「まるでケバブに・・・」
「いえ、結構です」
対峙する二人のキラ、ヤマト大尉は腹を抱え、涙を流して大爆笑した。
「人は変わるものだと思うけどな、前よりひどくなってる!こいつは傑作だよ」「ラクスは正しいんだ。何より、君はそれがわからないのか?」
「わからないよ。人にはわかることとわからないことがあるんだ。スーパーコーディネーターでもな」
投下終了です
ではノシ
387 :
349:2005/10/25(火) 18:05:51 ID:???
>しのはらさま
お疲れ様です!ラクスのぶっ飛び具合が凄すぎる・・・アレックスの「馬鹿末期」
も納得・・・相変わらずヤマト大尉はカッコいいですね。しかも村雨で自由相手に
互角・・・白と蒼のツートンということはGFF版のZ+がイメージソースと
お見受けしましたが?
>「まるでケバブに・・・」
ミックスですか?^^;二人のキラが同時に笑ったのにワロタ^^
>ほのぼの様
>「食 べ て い い ? あ の 子 。」
な、何をされてしまうんだユウナー!
……頼むから妙な性癖に目覚めたりしないでくれよ……てかジョーお前ってヤツァ……。
ほのぼの作者さま
388にあるセリフ、ハガレン…か?
390 :
95:2005/10/25(火) 23:46:06 ID:???
マユデス様、しのはら様、乙&GJでした。
所でマユデス様、今後お財布&忍法変わり身の術扱いで
オディの身体はボろボロだ・・・なユウナが頭に浮びましたよ!ええ・・・
モチ首輪付ですよ・・・?
こんなん浮ぶなんて駄目だな・・・今週のガンxソードもう一回見ながら最適化だ!!<エ〜〜
単発設定小話「ルナとマユとミーア」
ルナ「あら、もう始まってるわね」
マユ「だから急ごうっていったのに〜、ルナ姉ちゃんお化粧遅すぎ〜」
ルナ「あ〜はいはい、私がわるぅござんした。もう、マユはいいわよね〜すっぴんでさっ!」
マユ「へっへ〜すっぴんで平気なのは子供の特権よ!」
ルナ「はぁ〜そうですね。(なんか、もうどーでもいいや)・・・そういえばレイはどうしたのよ?」
マユ「なんかね〜議長に用事があるんだって〜。テラスの方へ歩いてったよ」
ルナ「ふ〜ん。。。あちゃ〜、もう人がいっぱいね〜。遠目でしか拝めないわね〜」
マユ「ルナ姉ちゃん、ちょっとずるいけど・・・ザクにのぼってみない?」
ルナ「マユ!あんた!」
マユ「冗談だよ〜」
ルナ「マユ!なんでもっとはやく言わないの!?さ、いくわよ?」
マユ「・・・・・ぁ、ハイ。。。」
ザクの上より・・・
ルナ「なんか、最近のラクス様ってイメージ変わったわね〜。前戦のときにはもっとしっとりした歌ばかりだったのに」
マユ「・・・・・・(そりゃねぇ〜、偽物だし。)」
ルナ「ま、こんなときだし。明るく元気よくよねぇ〜」
マユ「そうだね。元気なのが一番大事よ」
ルナ「・・・コホンッ、マユはもうちょっとおとなしいほうがいいわよ・・・・・」
マユ「・・・スイマセンデシタ・・・・・・」
ステージ上・・・
ミーア「♪EMOTION! きっとこの空は夢のかたち〜ときめく この鼓動響いてる〜♪」
観客「ヒューヒュー」(古い表現ダナ・・・)
再びザクの上より・・・
ルナ「・・・・・・ラクス様・・・私より大きい?」
マユ「え?ルナ姉ちゃん??」
ルナ「あ?ああ、何でもないわよ・・・・・」
マユ「歌もそうだけどさぁ〜、なんか衣装もスゴイよねぇ〜」
ルナ「そうねぇ、露出高いわよね〜」
再びステージ上・・・
ミーア「♪RELATION!もっと伝えたいこの気持ちを〜素直に生まれ来る言葉だけ〜♪
観客「ラクス様ー!」
ミーア「♪EMOTION!そっと重ねたい貴方の夢〜静かに目を閉じて抱きしめる〜♪」
観客「ラクス様ー!」
ミーア「みなさーん!今日は本当にありがとうございまーす!楽しんでいますかー!?」
観客「うぉー!ラクス様ー!」
三度ザクの上より・・・
ルナ「どうでもいいけど、この会場、男ばっかね・・・」
マユ「まぁ女性兵士少ないし、いてもラクス様LOVE!とは男の人のようにはいかないよ〜」
ルナ「・・・それもそうね」
マユ「・・・・・・(本当にあんなでよかったのか?ミーア姉ちゃん・・・・・・)」
完
しのはらは毎度毎度つまらんな・・・
中学生並の文章力だ
ヤマト大尉が本物だとしてなぜ「僕」じゃなくて「俺」と自称するようになったか知りたい。
アムロみたいに経時変化でもあるまいに。
いや、言い方が変わってること自体は過去の経験の厚みを感じさせていいんだけどさ。
突然ですがちょっと投下させて下さい。
注意:多少のグロ描写があるかも知れません。
CE71 6/15 オーブ連合首長国オノゴロ島―――
「お兄ちゃんどこに行ったのかなぁ? お兄ちゃん…………」
飛ぶMS、燃える町、死んでいく人々……激しい戦闘を繰り広げる戦場を、少女はただ1人さ迷い歩く。
厳しくとも優しかった父。
その顔に笑顔を絶やすことのなかった母。
そして少女のことをいつも守ってくれた大好きな兄……
数時間前まで少女が持っていた大切なモノ、つい数日前まで一緒に暮らした暖かく優しい世界。
その全てを失い今は絶望と死、狂気が少女の世界を支配している。
時は戻る―――
少女の運命が変わったあの時へ―――
マユ死種「injustice(仮)」
オノゴロ島は燃えていた。
中立国の中で、世界を揺るがす大戦中でありながら栄華と平和を誇ったその島が。
政務者の失策によって地球連合の侵攻を招き、国民は突然の事態に混乱を極めた。
ある者はシェルターへ避難し、またある者は島外へと逃げた。
そんな逃げ惑う一家がここにも……
「がんばれ! 後もう少し!」
先導するかの様に少年が先頭を走り、その後ろを父親と少女の手を引いた母親が林道を懸命に走る。
戦火を避けながら自分達が割り与えられた避難船が待つ港へと続く道を、ある一家族が懸命に――
そんな家族の頭上をMSが我が物顔で飛び回り、あたり構わず災厄を撒き散らす。
「きゃっ!」
「大丈夫!? ほら立って、もう少しだから!」
石に足を取られて転んでしまった少女に、慌てて母親が駆け戻り手を差し伸べる。
少女も急いで顔を上げ、その手を取ろうとする。
しかし、顔を上げた少女の目に飛び込んできたのは手を差し伸べる母親の姿だけではなかった。
―――天使のようにその青い翼を広げ、少女にライフルを向ける白いMS―――
そんな事はなどありえない、上空を飛ぶMSが少女を狙うことなど。
だが少女の目には、その白いMSは自分達家族を殺そうとしているようにしか見えなかった。
そして……
光が……
見えた気がした……
それからどれくらいの時間がたったか。
爆風に吹き飛ばされ、地面に叩きつけられ気を失っていた少女は薄らと目を開ける。
少女にはいったい何が起こったのかわからなかった。ただ気付いたのは自分の上に何かが覆い被さっていること。
それを、身を起こしどかすと少女は立ち上がる。
体が所々ズキズキと痛む、しかし骨折などはしておらずたいした怪我はない。
自分はたいした怪我が無かった事を確認すると少女は家族を探して周りを見渡す。
家族と必死に走った道は砲撃により大きくえぐられ、周りの木々は爆風になぎ倒されてあたりに動く影はない。
あまりの惨状に呆然としていた少女は、砲撃によって出来た穴の近くに力なく転がる人影を見つけた。
それは確かに人の様に見える、しかし人にしては可笑しな格好をしていた。
その手足は人間にはありえない方向に折れ曲がり、うつ伏せに血溜まりへと沈みなりながらも
その空虚な瞳は空を見上げている。
始めはそれが少女の父親だとは気が付かなかった。それに気が付いたとき少女は、全身が凍りついたように感じた。
「う、あぁ……そんな……お父さん……?」
信じられないものを見てしまった少女は思わず一歩下がってしまう。
自分が何か柔らかいモノを踏んだ事に気付いた少女は恐る恐る足元のそれを見る。
それはさっきまで少女に覆い被さっていたモノ。
手足は爆風によって吹き飛ばされ千切れて無くなり、体はビームに焼かれ半分近くが炭化し
何かに驚いたかの様に大きく目を見開いたまま地面に転がるその母親だったものは少女を見上げていた。
「あぁああぁぁ…………」
目の前に広がるあまりに悲惨な現実、まだ幼い少女には重過ぎる絶望に少女は言葉にならない声を出しながらへたり込んでしまう。
両親を失った悲しみ、突然訪れた理不尽への憤り、そして何より目の前で起こった死への恐怖。
その全てが混ざった激しい、嵐のような激情が少女を襲いその精神を蝕む。
「――――ハハ……アハハ…………アハハハハッハハハハハハハハッ!!」
「ねえ――お兄ちゃんどこにいるの! ほら見てよ! お父さんとお母さん死んじゃったぁ!」
少女は気が狂れたように笑いながら、まだ見つからない兄の姿を探す。
程なくして爆発で開いた穴の近く、積み重なった土砂の向こう。
兄の着ていた白い服の袖口をまとわり付かせた右腕を見つけた。
そう、右腕だけを。
少女はフラフラとした足取りで兄の右腕に近づいて行くとそっと腕を持ち上げる。
「お兄ちゃん、腕落っことしてどこに行っちゃったんだろ? まったくもう! お兄ちゃんはいっつも忘れ物するんだから……
じゃあこれは私がお兄ちゃんに届けてあげなきゃね……アハッ」
焦点の定まらない瞳、壊れたようにその顔に笑みを浮かべ、少女は兄の右腕を抱きしめドコヘとも無く歩き出す。
少女は歩く。
家族と平和に暮らした家の前を。
少女は歩く。
兄と一緒に遊んだ公園を。
少女は歩く。
全てを燃やし尽くす戦火の中を。
誰もが自分が生きる事で精一杯な戦場で、そんな少女の事を気に留める者はいない。
どれほど歩いたか、ついに少女は歩き疲れたのか道端に足を抱え座り込む。
やがて空は赤らみ、辺りに響いていた戦闘の音が消えていく。
多くの命を奪い取った爆音が嘘かのような不思議な静けさ、それでも座り込んだ少女は顔さえ上げることさえしない。
そんな少女に近づく怪しい男。
「やあ、お嬢さん……パパとママはどうしたの?」
近づいてきた男は少女のまえにしゃがみ、優しく微笑みながら話しかける。
しかし少女は座ったまま固まり、男の言葉に全く反応せず顔を上げようともしない。
男は小さくため息を吐くとさらに少女に近づき、先ほどよりさらに優しく少女に話しかける。
「おじさんの名前はリュウジ・カワサキって言うんだよ。もう大丈夫、おじさんはお嬢ちゃんを助けに来たんだ」
男の優しい声に少女はゆっくりとその顔を上げる。
少女は焦点の定まらない虚ろな瞳を男に向け、目の前にいて辛うじて聞き取れる程の小さな声で男に問いかける。
「私のお兄ちゃんどこにいるか知らない? 忘れ物届けないといけないの……」
そう言い男に少女は兄の泥と血に塗れた右腕を見せる。
それを見て男はわずかに顔をしかめたが、すぐに人の良さそうな微笑みでそれを打ち消すと少女の頭優しく撫でる。
「ああ、お兄さんはおじさんが知っているよ。 さあ、お兄さんがお嬢ちゃんを待ってる……おじさんが連れてってあげよう」
男は少女にスッと手を差し伸べる。
無表情だった少女は両親の死から始めて、壊れた笑顔ではなく感情のある笑みを浮かべ、その差し伸べられた手を取る。
「ホント!? ホントにお兄ちゃんがいるの!?」
「ああ、ホントだとも……そういえばお嬢ちゃん、お名前は?」
「マユ! マユ・アスカ!! そんな事はいいから早く行こ! シンお兄ちゃんの所へ!」
少女は気が付かなかった。
そう言い手を取った時、男の目が怪しく光ったことを。
そして―――
少女は知らない、差し伸べられる手は必ずしも救いの手ではないことを……
少女は知らない、これから先待っている自分の運命を……
To be continue.(予定)
以上です。
お目汚しすみませんでした。
おお、良さげな新人が来ましたな
(予定)と言わずぜひ続きをお書きくだされ
しのはらよりおもしろそうで期待してます
しのはら叩きは余計だなw 賞賛の言葉も素直に受け取られなくなるぞ
だが確かに今後に期待の持てる新人職人殿だ
果たしてこの後マユがどうなるのか見当もつかない
是非次の一話を。序章GJです!
もしやマユのエクステンデット化か……?
楽しみですね。
ザフトに行った隻腕のシンとエクステンデットマユの宿命の戦い……なんてねw
質問なのですが、各作品は、リンクさせなければならないのでしょうか?
>>404 その辺は各自の好きずきで。
リンクさせたければやってもいいし、独自路線でいきたければそれもよし。
しのはらは叩かれることすら創作に利用してそうだなw
他作者のみなさん、ご苦労様です。
>ほのぼのさん
うわー、ユウナがー!w
……でもまぁ、奴はそれくらい痛い目に会った方がいいかもw
妙に策士なトコとか、そのくせツメの甘いところとか、上手いですね。
この先の展開楽しみです。どんどん弄ってやって下さい。
>新作ドナドナ作者様
なかなか楽しみな始まり方ですね。一読者として期待してます。
あ、あと、まとめ人様の手間を考え、「作品全体のタイトル」を明示した方が良いと思いますよ。
……『ドナドナ』は、プロローグのタイトルですよね?w
>『killing ranker』の作者様
基本的に、お互い別の世界ってことだと思います。
ただ、他の作者様から(良い意味で)インスパイアを受けたり、全く別個に考えた設定が被ることはあると思います。
それに、他作者様の世界で『さらにそれの外伝』的な小編を書きたくなることもあるかもしれません。
その辺は、自由で良いんじゃないでしょうか。
私も「ほのぼのマユデス」作者さんのハイネ隊が気に入り、名前と設定の一部を借り受けましたし。
他作者様の世界観や設定を借り受けたいなら、一言断れば十分だと思います。
多くの人は、拒否しないと思いますよ。少なくとも私は、いくらでもOKです。
今回、色んなMSが出てきます。
思い出せないのがいたら、公式ページなど見てあげて下さい。
デスティニーアストレイの方に乗ってる機体もありますのでご注意を。
では。
↓
青い海も美しい、インドネシアの島々。
上空から見れば、白い雲と青い海と緑の山々の対比が、目にも鮮やかで。
そのただ中、ひときわ大きな、大陸の半島の一部にも見間違う大きな大地の、とある港に――
巨大空母を含む、数隻の艦船が揃って停泊していた。
ここは連合軍の勢力圏内に築かれた、応急仕立ての基地。
先のザフトMSとの戦闘で、被害微少ながらも随伴する戦艦が被弾した、その修理のための休息だった。
その艦隊の旗艦である、タケミカズチの上。
派遣艦隊の最高司令であるカガリが、何やらキョロキョロと見回しながらブリッジに上がってくる。
「どうしました、カガリ様?」
「ああ、いや、マユはどこに行ったのかなー、と思って……」
まあ、彼女がブリッジに上がってくる用事も少ないのだが。
それでも、誰か知ってる者がいるかもしれない、と考えて来たわけで。
そして、その思惑通り――
「ああ、セイラン三尉なら、連合の例の3人と一緒に、上陸すると言ってましたが?」
「何? アイツ勝手にッ!」
「しかし上陸許可の申請はちゃんと出して行きましたし、止める理由もなかったもので。
ああそうだ、これ、彼女から預かってたんですよ。カガリ様に渡しておいてくれ、って」
留守を預かる通信兵が取り出したのは――数十枚の紙の束。
「カガリ様のお命じになった通り、反省文50枚、確かにきっちり書き上げました――とのことです。
で、これで罰は済ませたから、『ここまで遊べなかった分を遊んでくるんだ』と……」
「…………」
「お読みになりますか?」
「いらんッ!」
カガリはうんざりした顔で、マユ渾身の大作文を払いのける。確かにコレは、読む方にとっても拷問だ。
手書きの文章がギッシリ書かれた紙が、ブリッジ内に舞い散る。
「まったくアイツは。まあ私も、別にアイツを苛める気などないんだが……
この辺りはまだまだ物騒なんだぞ。上陸したって、ちょっと行けばすぐに連合の勢力圏外なのに」
その、マユ・セイラン三尉は――
ファントムペインの3人組と一緒に、海沿いのドライブを楽しんでいた。4人とも私服姿。
オープンカー仕立ての、頑丈そうなジープ風の車。ハンドルを握るのはスティングで、助手席にはアウル。
後部座席には女の子2人が座り、過ぎ行く景色を騒ぎながら眺めている。実に良いドライブ日和。
「あ、ほらステラ、見てみて! 今沖合いでイルカが跳んだよ?」
「え……? 見てない……。どこ……?」
「ほらアッチ! あ、また跳んだ!」
「ほんとだ……!」
一方、ハンドルを握るスティングに、アウルはニヤニヤ笑いながら。
「なぁスティング、ホントにいーのかよ? あの子も連れて来ちゃってさ」
「いいんじゃないの? まさか今更、車降りて歩いて帰れ、とも言えねーしさ」
「そりゃそーだ」
「それに――マユならなんとかなるさ。自分の身を守るくらいのことはできるだろ」
何やら言葉を交わしながら、車を走らせ続ける。
道はどんどん山道に入り、舗装もされていないデコボコ道になるが、彼らの車はものともせずに走り抜け。
やがて――山の中、木々の合間にできたちょっとした広場に到着する。周囲にはまるで人気もない。
そこには何やら、彼らを待っていたらしい1人の男。
「よぉネオ、やって来たぜー! って、大佐が直接来てるのかよ、工作員じゃなくて」
「あれ、大佐! なんでこんなとこにいるんですか?」
「……あのなぁ、お前ら。ソイツは俺の質問だよ。あとこんなトコで階級で呼ぶな」
そう、それは3人の上司であるファントムペインのリーダー、ネオ・ロアノーク大佐。彼も私服姿。
普段のヘルメット状の仮面ではなく、大振りのサングラスと似合わぬ野球帽をつけているが、間違いない。
彼には珍しく苦々しい表情を浮かべ、こめかみを押さえる。
「コイツは遊びじゃないんだぞ。極秘任務なんだぞ! なんでマユまで連れて来るんだよ!」
「そりゃまぁ、出てくる時に見つかっちまって。そんで『ドライブ』って言ったら一緒に来たいって」
「だからって乗せてくるな! 大体、途中の検問はどうやって通った!?」
「ネオの用意してくれた怪しい通行証見せたら、あっさり通れたけど?」
「ねぇねぇ、一体何の話? 極秘任務って? コンサートに行くんじゃなかったの?」
困り果てるネオ、ニヤニヤ笑うスティングとアウル、まるでピンと来ない様子のマユ。
ただ一人、ステラは状況にまるで取り合わず、目の前を飛んでいく蝶を視線で追う。
ひとしきり頭を抱えていたネオは、やがて諦めたように溜息をつく。
「ああもう、まさかココでマユの口を封じちまうワケにも行かねェしなァ。
……分かったよ、こうなったらマユも共犯だ。嫌だと言っても協力してもらうぞ」
「??? 何を?」
不思議そうな顔で見上げるマユに、ネオは腰に手を当てて答える。
「これから俺たちは――山ひとつ向こうにある、ザフトの前線基地に侵入する。
侵入して――奴らの『アイドル』、『ラクス・クライン』の誘拐を、試みる――!」
マユ ――隻腕の少女――
第十二話 『 偽りの歌姫 』
――東インド諸島一帯は、地上でも微妙な情勢の土地だった。
元々、現在の国々の枠組みが出来上がった再構築戦争の頃から、細かな紛争の絶えない土地。
大洋州・赤道連合・東アジア共和国・ユーラシア連邦の各勢力の直接・間接の奪い合い。
そこに、地元の古くからの民族対立や権力争いも複雑に絡み合って。
ただでさえ火種のあるところに来て、2年前にあった地球連合とプラントの全面戦争だった。
この戦争で、オーストラリアを中心とする大洋州連合はプラント側につき。
東アジアとユーラシアは、地球連合側として真正面から争った。
その間に挟まれたこの地域は、中立を名乗る赤道連合の影響下にあったのだが……次第に侵食され。
やがて――連合寄り・プラント寄り・中立の各勢力圏が複雑に入り混じる、混沌の地と化した。
その後、一度はユニウス条約により、赤道連合の支配下に戻ったのだが……
開戦から1月もしないうちに、それらの各地は元のモザイク状に戻っていった。
両陣営共に積極的にユニウスセブンの落下被害を支援したことと、両陣営共に一気に進軍したためだ。
どちらも、まずは勢力圏の拡大よりも支配地域の確保を考え――
独自路線を願う中立領域も、彼らが旧支配地域に留まる限りは、強固な反抗を行わず。
結果として。
決して広くない島々の上に、連合・ザフト・中立の各勢力圏が軒を連ねて並ぶような形になってしまった。
そう、例えば――
連合の基地から山ひとつ車で超えれば中立圏で、さらに山を越えればザフトの基地がある、という風に。
急ぎ作られたザフトの基地は、常ならぬ騒ぎに沸き立っていた。
なかなか生で聞くことのできない世界的アイドルのコンサートが、今日この場で開かれると言うのだ。
前線の兵士を慰問すると同時に、地元住民の心を掴むための大規模イベント。
普段は固く閉ざされている門も開け放たれ。地元の人々が次々と入ってゆく。
ザフトのオープンな態度を示し、開かれたイメージを植えつけよう、というのだ。
入り口で武器持込みを防ぐボディチェックはされていたが、しかしそれ以上のチェックはされていない。
隣接する他勢力地域の住民も、むしろ大歓迎。このイベントでプラント側に心傾いてくれれば儲けもの。
大体――これだけの大人数が押しかけているのだ、細かい確認などできるわけがない。
だから。
大勢の人々に混じって、その4人が入り込んだことに気を留める者はなく――
窓の外には、沢山の観客と兵士たち。
――その姿を、ブラインドを押し広げて眺めていた娘は、大きく溜息をつく。
桃色の髪。派手な舞台衣装。星型の髪飾り。
2年の沈黙を破り、再び表舞台に復帰した『ラクス・クライン』――
「どうなさいました、ラクス様」
「あ、サラさん」
控え室に入ってきたのは、スーツに身を包んだ金髪の女。赤い大きなバイザーで視線を隠している。
彼女はハイヒールをコツコツと鳴らして、『ラクス』に歩み寄る。
「そろそろお時間です。みんな、ラクス様の登場を心待ちにしていますわ。
準備は宜しいですわね?」
「あの……あたし……」
「?」
サラは、『ラクス・クライン』の元気のない様子に、首を傾げる。
歌姫は――自信を欠いた表情で、『マネージャー』のサラを見上げる。
「あたし……ちゃんとやれるんでしょうか。
あたしの言葉は……みなさんの心を、本当に動かせるんでしょうか」
「どういうことです?」
「だって、この間だって……」
彼女は思い出さずにはいられない。カーペンタリアからこの前線基地までの旅路のことを。
まるで無力だった、自分の言葉。まるで通じなかった、『ラクス・クライン』の威光。
彼女のプライドを著しく傷つけてくれたミネルバ一行は、既にインド洋に抜けこの場にいないが――
だからと言って、簡単に吹っ切れるわけがない。思い出すたびに憂鬱になる。
――しかし、サラは穏やかな笑みを浮かべ、歌姫を慰める。
「大丈夫ですよ。あの時は、相手が悪かったのです」
「でも……オーブだって、コーディネーターはいるはずなのに……」
「残念ながら、コーディネーターの全てが聞き分けが良いわけではありませんから。
前の大戦でも、そうだったでしょう? ザフトでさえ、ラクス様のお言葉を無視したのです。
けれど、ナチュラルの中にも、我々の友人はいます。ラクス様を支持する者がいます。
さきほどご覧になりましたよね? ラクス様の歌を楽しみにしている、現地の方々の姿を」
「……………」
サラの言葉にも、歌姫はしおれたままで。
その様子を見て――サラは彼女から視線を外す。
先ほどまでの歌姫と同様、ブラインド越しに外を見ながら、歌うように言葉を紡ぐ。
「――『ラクス・クライン』というお方は、常に正しく平和を愛し。
けれども必要なときには、わたくしたちを導き、戦場さえも一緒に駆けてくださる……そんなお方です。
憎むべき敵にさえも情けをかけ、平和を訴え平和を願う。決して逃げず、決して挫けず。
だからわたくしたちも、お慕いするのです。だからわたくしたちも、愛するのです」
「あ、あの」
「行動することが大事なのです。敗北を恐れぬことが大事なのです。
あるいはラクス様が語りかける、百人のうち九十九人まではそっぽを向くかもしれません。
けれども――1人は、応えてくれるかもしれない。1人は、力を貸してくれるかもしれない。
その百人に1人を積み重ねて行くことこそ、大事なのです。
決して……『どうせ99人は無駄だから意味がない』などと諦めては、ならぬのです」
サラの言葉に、力が篭る。それはいつしか、『ここにはいない誰か』への怒りにすり替わってゆき。
「そう……言い訳を積み重ね、目先の慈善活動などに酔うのは、『ラクス・クライン』ではないのです!
彼女は『歌姫』です、『アイドル』ですッ! 我らの希望であり『平和のシンボル』と呼ぶべき存在ッ!
決して、彼女個人のワガママでドブに捨てて良いような名前じゃないのよッ!
ああもう馬鹿な小娘がッ! そんな小さな仕事、アンタがわざわざやるべきことじゃないだろッ!」
「あ、あの、サラ……さん?」
拳を握り締め、熱にうなされたような目でブツブツと呟くサラ。虚空を睨みつけ、苛立ちを露にして。
何やらサラが深い怒りを持っているらしいことは分かるのだが、『ラクス』には何が何だかさっぱりで。
ハッ! と我に返ったサラは――次の瞬間には、いつもの態度に戻っていた。冷たさを含む慇懃さ。
「あ、し、失礼し致しました。は、恥ずかしいところを見られてしまいましたわね。
ともかく――わたくしたちは、常に『行動するラクス様』の味方です。
ですから、そんなに落ち込まないで下さい。そんなに、自分を卑下なさらないで下さい。
必要ならば、愚痴もお聞きします。御身もお守りします。お命じになるまま戦いもしましょう。
だからラクス様は、いつまでも、いつまでも『平和の歌』を歌い続けて下さい――」
コンサート会場は――ごったがえしていた。
照明と足場の組まれた仮設ステージを中心に、ちょっとした屋台や土産物屋も出て、お祭り騒ぎ。
会場の一角には、ザフトの装備やMSも展示され、大勢の人々が興味深げに眺めている。
その人ごみを掻き分けるようにして――4人は、合流する。
「おーい、マユ、ステラー。こっち、こっちー!」
「やー、すごい人だねー。これザフトの人たちも把握できてないんじゃないの?」
「ステラ……足、踏まれた……」
「で、どうだった、そっちの方は? こっちは――ちょっと無理そうだ」
4人はバラバラに、観客に解放された立ち入り許可エリアを調べていたのだが。
やはり、基地の中でも軍事的機密に近いあたりは解放されていない。
「たぶん、あっちの建物がMSのある格納庫なんだろうけどな」
「まあ、基本は事前の情報通りだね。仮設ステージとか、立ち入り禁止の柵とかある以外は」
「あたしが見てきた方は、たぶん普段は運動用のグラウンドなんだと思う。
今は仮設トイレが沢山並んでた。それでも足りなくて、行列がずーっとできてたよ」
「で……どうする……の?」
4人は会場の片隅でこそこそ言葉を交わしながら、作戦を練る。
幸い、周囲は大勢の人々で溢れかえり、気に留める者もいない。リーダー格のスティングが、考え込む。
「そうだな……格納庫の方で見かけたのは、確か若い男の兵士たちだったな。
悪いが――ステラ、マユ。2人にちょっとだけ、頑張ってもらうぞ」
「え〜? あたし、色仕掛けなんてできないよ?」
「誰もマユにそんなこと期待してないって。もーちょっと大きくならないとね、色々と♪」
「あー、アウルってば、ひどーい!」
からかうアウルを、ポカポカと殴るマユ。笑い合う4人。
その態度は、これから行おうとする犯罪行為とはまるでそぐわないものだったが――
――と、その時。彼らの頭上に、影が差す。巨大な存在が宙を舞う。
彼ら4人は、思わず動きを止めて見上げて――
いや、彼ら4人だけではない、会場にいるほぼ全ての人が、その姿に釘付けになる。
そこにあったのは……宙を舞う、桃色の巨人。
『マユもいるから、改めて最初っから説明するぞー。
お前ら『ファントム・ペイン』の今回の任務は、『ラクス・クライン』の誘拐だ。
普段はとても手の届くターゲットじゃないが……コンサートに出てくる今は、絶好の機会。
お前らは、地元の人間に扮してそこに潜り込み、誘拐を試みる』
『ねぇねぇ、なんで『誘拐』なんて手間かけるの? 『暗殺』しちゃった方が早くない?』
『………………。なあマユ、お前ホントに素人か?
キミみたいな女の子が、平気で『殺す』とか言っちゃいけないよ』
『ネオって案外ロマンチストなんだね。てか、あたしだって他の人ならこんなこと言わないよ。
単に『ラクス・クライン』が大嫌いなだけ。偉そうで、見下してて、言うことピントずれてて』
『……何やら妙に乗り気だと思ったら、そういうことかい。ま、いいや。
下手に殺しちゃうと、プラントの連中が反発して、かえって団結しちまう恐れもあってさ。
不安を煽るためには、誘拐の方がいいわけ。生きてりゃ色々と使い道あるしね』
『使い道って?』
『身代金要求するとか、捕虜の交換に使うとか。人間の盾代わりにもなるな。あるいは……
ジブの大将なら、向こうの士気を削ぐようなこと言わせて、情報操作に利用するのかもしれん』
『?? ジブの大将?』
『あー……いや、まあそういう考え持った人もいるだろう、ってこと。
とにかく、後のことは俺たちの仕事じゃない。気にせずに目の前の任務に専念しろよ』
会場にいるほぼ全ての人間が、見上げる中で。
その両脇を、片方の肩がオレンジ色のディンと、全身オレンジ色の見慣れぬMSに支えられながら――
桃色のザクウォーリアが、ゆっくりと舞い降りてくる。
コンサート用の装飾の施されたザクの手の平の上には、1人の人物の姿。
今回の主役、『ラクス・クライン』。
「みなさーん、こんにちわー! ラクス・クラインでーす!
今日はわざわざ、集まって下さってありがとー!」
満面の笑みで手を振る彼女を乗せたまま、桃色のザクはゆっくりとメインステージの上に降り立つ。
こうして主役が到着してみれば良く分かる、照明の高さと位置。MSの手の平の上という特設ステージ。
アップテンポな前奏が流れ出して――彼女のコンサートが、始まった。
『で――今回の任務、注意点が1つある』
『注意点? なんだそりゃ?』
『今回は――無理しなくて、いい。ターゲットの誘拐より、無事に逃げ帰ることの方が最優先だ』
『はぁ? 何それ? 俺たち『ファントムペイン』に、そんなヌルい任務』
『ま、ちゃんとスエズまで行かなきゃいけないからな。こんなオマケの仕事で死んでやる義理もない。
あと、俺たちが欲しいのは、実は歌姫の身柄ではない。まあ手に入りゃそれに越したことはないけど。
本当に欲しいのは、『ラクス・クラインが狙われ襲撃された』という事実の方でね』
『??? どういうこと?』
『この事件でビビって、活動を自粛でもしてくれるなら、連合側としては十分ってこと。
ザフトの連中も赤っ恥だろうしね。でなかったら――わざわざこんな派手な計画は立てないさ』
MSの手の平の上、歌い、踊り、ファンの声に応えるラクス・クライン――
その歌声も観客の合いの手も、ステージ前から建物1つ向こうに回れば一気に小さくなる。
桃色のライブ用ザクを運搬していたMSの片割れ、橙の右肩を持つディンが、静かに着地して建物に入る。
――MS用の格納庫が並ぶエリアだ。
そんな、人の気配もあまりない一画を、キョロキョロと周囲を見回しながら歩く2人の人影があった。
1人は踊り子のような緩やかな服を着た、金髪の娘。
1人はプリーツスカートを穿き、髪留めを2つ揺らした、育ちの良さそうな少女。
少女の提げたポーチからは、桃色の携帯電話が顔を覗かせている。
2人は寄り添うように、そして何かを探すように歩いていて――
「……って、それマジ?」
「ハハハ、マジマジ。ハイネ隊長ってばさ……」
彼女たちが角を曲がったところで、何やら壁にもたれて談笑する2人組に出くわす。
幼さの残る茶髪の少年と、金髪が所々横にはねた金髪の美青年。どちらも、ザフトの軍服姿。
「……あれ? なんでこんなトコに民間人いるの?」
「おやおやこれはお嬢さん方。だめだよ、このあたりは立ち入り禁止なの。そう書いてなかった?」
若い兵士たちは、2人の少女に歩み寄る。
丁寧な口調ながら、やんわりと退出を促す金髪の青年。好奇心丸出しで、2人を詮索する視線の少年。
しかし――2人の少女は、2人の兵士の姿にむしろホッとした表情を浮かべて。
「あの……い、妹が……」
「いもうと?」
「ねぇお姉ちゃん、漏れちゃうよぉ。トイレどこー?」
年長の娘は言葉に困り、年下の少女は甘えた声で生理的欲求を訴える。
姉妹というにはいささか似ていなかったし、少女の口調は見かけよりもやや幼過ぎるものだったが……
それでもその説明は、この2人を十分納得させるものだったらしい。
「お、お手洗い!? それでここまで入ってきちゃったの?!」
「建物が見えたから……どこかにあるかと思って……」
「来場者用のトイレは、ステージ挟んだ向こう側だよ? あ、でも、なんか列ができてたっけ……」
「そんな遠くまでは、無理だよぉ。我慢できないぃ」
膝をすり合わせ、切羽詰った表情で見上げる少女に、兵士2人は顔を見合わせて。
さすがに、「じゃあ漏らしてしまえ」などとは、彼らにも言えない。
「……仕方ない、パイロット控え室にあるお手洗いに連れて行こう。ここからなら一番近い」
「いいの、ジョー? バレたら叱られちゃうよ?」
「困ってる女の子を見捨てられるわけないだろう? さ、お嬢さん、こっちですよ」
青年は『妹』よりもむしろ『姉』の方をチラチラ見ながら、彼女たちを建物の中に連れて行く。
小柄な少年は頭の後ろに手を組んで、彼ら3人を見送る。
「あーあ、困ったモンだね、ジョーの下心にもさ――」
――少年は気付かない。3人を見送った少年の背後に、音も無く忍び寄ってきた2つの影――。
はッと気付いた時には、もう遅い。
彼の首筋に腕が蛇のように絡みつき、物陰に引きずり込む。少年の声無き悲鳴が、格納庫裏に響く。
『しかし……マユ、なんなら別に待っててもらっても構わないんだぞ?
元々この3人と俺でやるつもりだったし、回収する時にマユも拾えばいいだけだし。
大体お前、フリーダムの所にいなくていいのか? 何かあったら、オーブ軍は……』
『いいの、いいの。フリーダムは置いて来たし、何かあったら他の誰かが乗るでしょ。
馬場一尉とか、カガリとか……あたしよりも腕のイイ人、いっぱいいるしねー』
『……何をふてくされてるのかよく分からんが。ま、お前さんがいいって言うなら、それでいいか』
金髪の青年と2人の少女が入った建物は――MSの格納庫。
シグー、ガズウート、バクゥ、ディン……まるでMSの展覧会のような、多彩な機種。
どれも外見上はほぼ通常機体そのままで、ただ右肩だけが鮮やかなオレンジ色に塗られている。
いや、どうやら――格納庫の奥に鎮座する1体だけは、頭から爪先まで全部オレンジ一色のようで。
そんなMSの間を進む彼らに、頭上から声がかけられる。
「おーい、何やってんのさ」
見れば、酒瓶片手にディンから降りてきたのは、さらさらした髪の優男。
昇降用ワイヤーが地面に着くのが待ちきれない、とばかりに、かなりの高さから飛び降りる。
「キースか。いやこの子がお手洗いを探してて……」
「ねえ、これって……モビルスーツ? みんな肩だけ色違うの?」
金髪の青年の言葉を遮るように声を上げたのは、『妹』の方。尿意さえも忘れ、周囲の機体を見上げる。
その態度を、「地元住民の純粋な好奇心」と勘違いしたのか、彼らは懇切丁寧に解説を始める。
「ああ、そうだよ。俺たち『オレンジショルダー』ハイネ隊の機体だ」
「アッチの奥にある、全部オレンジの奴は?」
「あれは――ウチの隊長が、こないだまで乗ってた奴だ。いずれ俺たちにもアレが回って来るって話だが」
「今ここには、他の人たちはいないの?」
「そうだな。整備の連中も、みんなコンサートに行っちゃってる。ゼロとアキラは外の警備で、隊長は上空待機。
グレイシアはミーアに花束渡すんだって言って、今は会場の方に……」
「『ミーア』?」
「あ、やべ、ごめん今の無し! まあ気にしないで」
ペラペラと喋る優男。しかし、少女たちはあまり彼の話を聞いてなかったようで。
女の子同士で、頷きあう。ニヤリと浮かぶ、不敵な笑み。
「……? それよりお手洗いは、ここを抜けてアッチの方に……」
「そうなんだ……2人だけなんだ、ココにいるのは。……ならッ!」
次の瞬間――2人の娘は襲撃者としての牙を剥き出しにして。
風のように、襲い掛かった。
『狙いは、奴ら自身が持っているMSだ。連中は、敵が外から来るとしか思ってない。
会場内に配置される兵士たちも、対人装備しか持ってないだろう。そこが付け目だ。
……ま、よーするに、アーモリーワンの時と一緒だ。最終ターゲットが人間に変わっただけ。
あの時と違って、武器を用意してくれる協力者はいないが……
その代わり、格納庫の人払いをしてくれることになっている。抵抗は最小限のはずだ』
『時間なかった割には、準備いーな。この通行証といい、基地の地図といい』
『準備ってことなら、もう1つプレゼントがあるぞ。ほれ持ってけ、このディスク』
「……ご苦労さん、マユ、ステラ」
「なんだかなー。せっかく白馬の王子様が助けてやろうかと思ったのに、必要ねーじゃん」
「おいマユ、そいつもうオチてるぞ。それ以上締めると、マジで死ぬ」
「え、うそ、わッ!」
半ば呆れたような声を上げながら格納庫に入ってきたのは、スティングとアウル。
スティングの警告に、マユは慌てて手を離す。支えを失い、金髪の青年がグタリと崩れる。
水面蹴りで足を払って、倒れた相手に即座に裸締め。アンディとマリアに仕込まれた、実戦的格闘術。
……まあ、相手がここまで油断していなければ、こう綺麗には決まらなかったのだろうが。
「……外にいた……男の子……は?」
問いかけるのは、酒瓶を握り締めたステラ。足元では自分の得物で殴られた優男が、目を回している。
相手の腕を取るやいなや、関節を極めながら投げ飛ばし、そのまま手にしていた『武器』を奪ったのだ。
柔術の流れを汲む、マーシャルアーツの複合技。ちなみにオマケの酒瓶の一撃は、素人ケンカの手法。
「あのチビ? 軽くしめといたよ。1時間くらいは目を覚まさねーんじゃないかな?」
「殺しても良かったんだが、死体が見つかると騒ぎになるからな。この2人も、このまま放っておこう。
ちょうど酒も持ってることだし……こうしておけば、酔い潰れたように見えるだろうしな」
スティングは手際よく酒瓶の中身を倒れた2人に振り掛け、格納庫の隅の方に押しやる。
そして懐から何やらディスクのようなものを4枚取り出し、他の3人に1枚ずつ投げて渡す。
それは、そう、山中の作戦会議の時、ネオが4人のために用意してくれた、ここのMSの起動キー……。
「さ、始めるぞ。楽しんでる最中に割り込んで、悪いような気もするが――
こっから先は、俺たち『ファントムペイン』が『ライブ』を仕切らせてもらう」
「みんな、ありがとーッ!」
一曲歌い上げた『ラクス・クライン』は、会場を埋め尽くす人々に笑顔で手を振る。
ステージの下、観客の最前列から、ザフト軍服を来た黒髪の美女?が、花束を投げる。
「ありがとう、ありがとうございまーす!
一日も早く戦争が終わるよう、わたくしも切に願って止みません!
その日のためにみんなでこれからも頑張っていきましょう!」
花束を片手に、群集に呼びかける歌姫。
会場の盛り上がりは、最高潮で。
そこにはコーディネーターとナチュラルの違いもなく、ザフト兵と地元民の違いもなく。
会場が一体となったように思えた、まさにその時――
一発のビームの閃光が、会場を揺るがした。
突然の光と音に、一瞬にして静まり返る会場。
光が発せられたのは――コンサート会場から少し離れた、1つの大きな建物の中。
壁に穴が空き、焼かれた壁面が煙を上げる。
と、次の瞬間。
2本、3本とさらに閃光が上がり――大爆発と共に、建物と壁と屋根が吹き飛ばされる!
燃え上がる炎の中、動く影が4つ。
6枚の翼を広げた、ディンのシルエット。
どっしりと構えた、火器満載のガズウート。
4本の足を踏みしめた、犬型MSバクゥ。
――いずれもその右肩は、目にも鮮やかなオレンジ色に染められて。
そして――拘束用らしき変則武装を備えたシグーを踏みにじり、破壊しているのは。
両肩にそれぞれ盾を備えた、全身オレンジ色の、ブレイズザクファントム――
「な、なんだありゃ!?」
「オレンジショルダー隊!? 何をやってるんだ!」
「ひッ! ……に、逃げろッ!!」
呆然としていた人々も、やがて状況を把握すると同時にパニックに陥って。
会場では、基地の外に逃げ出そうとする地元民と、持ち場に向かおうとするザフト兵が、大混乱。
ザクの手の平の上の歌姫も身を竦ませる。
――4体のMSの動きは、迅速だった。
咄嗟に動けずにいる桃色のザクに、バクゥとザクファントムが一気に迫る。逃げるヒマも余地もない。
突進するバクゥが頭を捻り、口元のビームサーベルがザクの両手を斬り飛ばす。通り魔のようにそのまま通過。
一瞬遅れて落下を始める歌姫を――駆けつけた橙色のザクが、桃色の腕ごと受け止める。
事態が飲み込めずにいる腕無しザクをオレンジのザクが蹴り飛ばし、ビームトマホークを振り下ろす。
照明やスピーカーが沢山ついた舞台の足場が、軋みを上げて倒れ、崩れてゆく。
会場外からは――歌姫の危機に、同じく橙色の右肩を持つゲイツとジンアサルトが突進する。
「お前ら、ジョーたちじゃないな! 何者だ!」
「名乗るほどのものじゃないさ♪」
増加装甲と追加武装を満載したジンアサルトの前に立ちふさがったのは、ザウートの発展型ガズウート。
先手必勝とばかりに容赦なく真正面から、その過大なまでの火力を浴びせ掛ける。
逃げることを許さぬ、包み込むような激しい弾雨。重い装備を背負うジンアサルトは、避けきれずに被弾する。
「何をッ、まだまだ! こうなったら……フルアーマー装備の定番、『鎧を脱いでスピードアップ』!
本気になったこの俺のスピード、捕らえられる奴なんていやしな……」
「バーカ♪ 装甲外したら『ただのジン』だろッ!? ただの旧式だぜッ!」
ジンアサルトを駆る東洋系の青年は、被弾した追加パーツを捨て、速度に勝負を賭けようとしたが……
ここは、ガズウートを奪ったアウルの方が1枚上手だった。
その動きを見通し、予想進路に弾幕を張って……ジンはたちまち蜂の巣にされ、倒れこむ。
「くっ……! 大丈夫か、アキラッ!」
「おっと、余所見はいけないなァ?!」
その様子を視界の端に捉え、動揺したのは橙の右肩のゲイツ。今時、Rではない『普通の』ゲイツだ。
それに向けて弾をバラまくのは……同じく、橙の右肩を持つディンだった。
すんでのところで避けて、空中の敵に向けて両腰のエクステンショナル・アレスターを打ち放つ。
扱いにくい、という理由で現行機ではレールガンに置き換えられた武器だったが、彼の狙いは正確。
だが――相手が、悪かった。
「……まっとう過ぎるぜ! ガンバレルってのは、もっと変則的に扱うもんだ!」
「……!!」
目の前に迫るアンカー状のパーツを、ディンは身を捻って紙一重で避ける。空間把握能力の格差。
逆にスティングのディンは、なんとそのワイヤーを空中で掴み取り、思いっきり引っ張る。
ゲイツは大きくバランスを崩し……もう一方の手から放たれる無数の弾丸を、避けきれない。
致命傷にはならないものの、カメラや関節を打ち抜かれ、戦闘力を喪失する。
混乱する群衆。
全身の火器を放ち、格納庫ごと起動待ちのMSを次々と打ち抜くガズウート。
ゲイツを蹴り倒し、翼を広げるディン。
桃色のザクを踏みつけて、周囲を見回すバクゥ。
ステージ上で暴れる『ラクス・クライン』を手の中に握りこみ、確保した橙色のザク――
誰もがこの『乱心のオレンジショルダー隊』を止められないと思った、その時。
頭上から――狼藉者たち目掛けて、ビームの雨が降り注ぐ。
「お前ら……好き勝手やってくれたなぁ! ヒトの部下のMSを使って、よくもッ!
ウチの紅一点攫って、何しようってんだ!」
それは――歌姫を握りこむザクと同じ、全身橙色のMS。両肩に突き出た湾曲した角が印象的な、スリムな機体。
スティングが奪ったディンと一緒に、桃色のザクを運んできた航空MS。
緋の戦士ハイネ・ヴェステンフルスの駆る新型機、グフ・イグナイテッド――
新たな敵に、バクゥが威嚇するように身を沈め、背中の2連装レールガンを打ち放つ。
しかし突進するグフを止めることはできず――逆に、グフの手元から長い鞭が伸び、レールガンに絡まる。
ステラは咄嗟の判断で背中の武装を切り離す。直感に基づくその行動は、恐らく最善にして苦渋の決断。
鞭が赤く光ったかと思うと――レールガンが、空中で爆発する。
「ステラッ! マユッ! ……ええい、こなくそッ!」
アウルは舌打ちすると、グフにガズウートを向ける。火力重視の戦車形態。
バクゥを排除しザクファントムに踊りかからんとしていたグフの横腹めがけ、無数の火線を浴びせ掛ける。
だが――グフは冷静だった。
ザクを襲うことを一旦後回しにすると、その高い機動力を生かして濃密な弾雨を全て避けきる。
避けきれぬ一部は左手の盾で受けながら、突撃の狙いをガズウートに変える。
「え、おい、ちょっと待……ッ!」
アウルがタンク形態のガズウートを立たせるヒマもなく。
急速にグフが接近し――疾風のように通り過ぎる。
眼にも止まらぬ速度で剣が振るわれ、一瞬遅れて重MSの腕や砲塔が、ボロボロと切れて大地に落ちる。
元々、守勢に転じれば弱いガズウートではあるが……ほんの一瞬で、完全に武装解除されてしまった。
「……逃げろ、マユ! お前だけでも!」
「で、でもっ!」
グフに両手の銃を浴びせて牽制しながら、スティングは叫ぶ。
マユは左手に『ラクス・クライン』、右手にビーム突撃銃を持った姿勢で、躊躇する。
「俺たちならなんとでもなる! だからお前は、ターゲットを連れてこの場を脱出しろ!」
「わ、わかったッ!」
橙色のザクはうなずくと、大きくジャンプする。そのまま基地の塀を越え、山を越え、姿が見えなくなる。
直後――彼女を逃がしたディンは、広げた翼を4連装ビーム砲グレイプニルに撃ち抜かれ、ヘロヘロと墜落する。
「……逃がすかッ!」
グフはそのまま、無力化した敵たちにトドメを刺すヒマさえ惜しむように。
逃げ行く「かつての愛機」の背を追いかけ、翼を広げて飛んでゆき――
――彼らの去った、元コンサート会場。
襲撃犯の一味はディンとガズウートを乗り捨てて、武装を失ったバクゥに拾われ、既に基地を飛び出している。
慌てて押し寄せた歩兵たちを文字通り『煙に巻く』ために使われたガズウートの煙幕が、今なお少し周囲に漂う。
仮設ステージは崩れ落ち、人々の逃げ去った会場はガランと空虚な広がりを感じさせ。
誰かが取り落としたらしい『ラクスLOVE』と書かれたメガホンが、群集に踏まれていびつに歪んでいる。
その、メガホンを拾い上げながら、溜息をつく人影が1つ。
『ラクス・クライン』の『マネージャー』、サラ。
彼女はそれを放り捨てると、携帯電話を取り出しどこかに通話を繋ぐ。中継をいくつも挟んだ、直通通信。
「こちらサラです。議長……たった今、『偽りの歌姫』が、奪われました――」
いつしか垂れ込め、空を覆いだした分厚い雲の下――
緑に満ちた島の中を、場違いな橙色の色彩が2つ、駆けている。
大地を跳ねるように逃げるザクファントム。滑るように空を舞うグフイグナイテッド。
逃げるザクのブレイズウィザードが、突端を天に向けたまま、後方上空にミサイルを撒き散らす。
追っ手のグフは、空中で身を捻って避け、あるいは手元の4連ビーム砲で打ち落とし、盾で受け。
一発もクリーンヒットさせることなく、さらに追撃を続ける。
「……ほんとしつこいッ! そろそろ中立エリアに突入すんのにッ!」
「だーッもう下手に撃てないじゃねーか! 大体、なんで昔の自分の機体を壊さなきゃいけないんだッ!」
どちらも焦りを隠せない。
ザクの側は、逃げるのが精一杯だし――なにせ片手が大事な人質で埋まっている上、速度が違う――、
グフの側は、人質がいるので簡単に撃墜してしまうわけにもいかない。
追いついて斬り付け無力化しようと、剣を片手に追い続けているが、良い好機がない。
「……よし、じゃ、賭けてみようかな」
この膠着状態を脱しようと先に動いたのは、マユの方だった。
これまで最小限のジャンプに留めていたザクファントムを――大きく、跳躍させる。
ブレイズウィザードの大出力スラスターが、大きな炎を吹く。
「馬鹿がッ! 空ならこのグフの舞台だぜッ!」
その様子を見て、ハイネは嬉々としてフットペダルを踏み込む。
空中で分かり易い放物運動を見せるブレイズザクファントムの背中に、一気に迫る。
が――突然。
その背中が、目の前に急速に迫ってくる。いきなり大きくなる。
正確には――その背中にあった、ブレイズウィザードだけが。
「何ッ!?」
「もらったッ!!」
それは――空中での、ウィザード緊急排除。
排除で発生した運動エネルギーを獲得し、ブレイズウィザードは背後に迫ったグフにぶつかって。
半身を捻ったザクが敵もろとも、自らのウィザードをビーム突撃銃で撃ち抜く。
空中に、大きな炎の華が咲く。
「……やったッ! 上手くいった!」
それは、過去の経験から思いついた奇襲攻撃。
カガリが、シンがやって見せた、ストライカーパックやシルエットの排除を絡めた変則攻撃。
それを参考にした、マユなりの応用戦術。
が――振り返ったマユの表情が、一瞬にして強張る。
爆炎に巻き込まれて砕け散ったのは、同じく橙色に塗り上げられた、その大きな盾だけ。
本体は、咄嗟に盾を捨てて距離を取り、さらに上空に飛びあがっていて。
「やってくれたな……! しかし、ソイツは元々俺の機体だ!
『やれること』も『やりそうなこと』も、大体想像つくんでね!」
そのまま両手で剣を構え、ザクの背中目掛けて突進。
相手の両肩のシールドを構えるヒマさえ許さず――背中に、深々と剣を突き立てる。
「……あ、え、え?」
「――撃墜はしない。殺しもしない。
だがこれで――お前に残された時間はあと数十秒だ! さっさと不時着して、降伏しろッ!」
剣はかなり深く刺さっているにも関わらず、爆発もしなければコクピットにも損害はない。
そんなことをすれば、その手に握られた『ラクス・クライン』の命もないからだ。
空中で、グフは慎重にしかし素早く、刺さった剣を抜く。背面には小さな傷が残るだけ。
しかし――マユが操縦桿を握るコクピットでは。
まだまだ余裕だったはずの残エネルギー量が、一瞬にしてレッドゾーンに落ち込んで。
メインバッテリーから伸びるエネルギー伝道路が断絶され、予備電源に切り替わったのだ。
ハイネ自身が叫んだ通り、知り尽くした自分の機体だからこそできる超人芸。
それでもマユは、諦めも悪く逃げ続ける。
エネルギー不足のアラーム鳴り響くコクピットの中、必死に操縦桿を握って。
大きく跳躍しながら、島の山を越え、小さな渓谷を越え――
「――――うおぉぉぉぉおッ!!」
それは――橙色のザクが、一際大きな山筋に差し掛かった、その時。
ザクの逃げ行く前方の空から、叫びを上げつつ突進してきた影があった。
紫色の専用カラーに染められたそのMSは――連合軍の最新鋭機、ウィンダム。
万が一の事態に備え、歌姫誘拐の支援要員として待機し山中に伏せていた、予備戦力。
ジェットストライカーを背に、矢のように飛来してきて――ザクを追うグフに襲い掛かる。
「ネオ!」
「マユ、お前はそのまま逃げるんだ! コイツは俺が受け持つッ!」
ネオ・ロアノークはマユに向けて叫ぶと、グフに向かって左手の盾の衝角を突き出す。
新たな敵の出現に、グフも慌ててそれを回避して。
空中で目まぐるしい死闘を開始した2機を残し、橙色のザクは稜線の向こうに姿を消す――
――今にも泣き出しそうな、灰色の雲の下。極彩色のオレンジのザクが、山の斜面に着地する。
止まりきれずに、木々を押し倒しながら滑り落ちていく。派手な破砕音。
咄嗟に右手の銃を放り捨て、左手の中の娘を両手でカバーする。
山肌を延々滑り続けて……ようやく止まったのは、谷底に流れる川の、小さな河原のすぐ近く。
動きが止まるのと前後して、そのモノアイが二度三度点滅して。ついにバッテリーが底を付き……活動を停止する。
――静寂が戻った河原。驚いた鳥たちが鳴きながら飛び去っていく。
動きを止めたザクのコクピットハッチは、小さな音を立てて煙を上げ。
爆薬による緊急開放を受けた扉が、内側から蹴り開けられる。
「……ふぅ。大変な目にあったなぁ」
「――まったく、本当ねッ!」
コクピットから顔を出し、思わず独り言を呟いた少女の声に――応える者があった。
え? と少女が見上げる間もなく、躍りかかるのは桃色の人影。
動きを止めたザクの指の間から抜け出してきた彼女は……他ならぬ『ラクス・クライン』本人。
「なんてことしてくれたのよ、アンタはッ! あたしのせっかくのコンサートッ!」
「な、何よこの無責任女ッ! いまさらコンサートだなんてッ!」
大声を上げ少女に掴み掛かる歌姫に、少女もすぐに応戦して。
2人は取っ組み合いを繰り広げながら、ザクの上から転げ落ちる。髪を掴み 服を掴み 噛み付き合って。
柔肌を傷つける石や枝も気にすることなく、そのまま河原に転がってゆく。
「せっかくみんなが来てくれたのにッ! せっかく掴んだチャンスなのにッ! 全部ブチ壊しよッ!」
「結局そうなんだアンタはッ! 要するに目立ちたいだけなのにッ! いっつも偉そうにッ!
どーせ、孤児院のことなんてどーでも良かったんでしょッ! この偽善者っ! この口だけ女ッ!」
「何よ、孤児院、孤児院ってッ! アンタもオーブの姫様も、訳分かんないわよッ!」
「何よその変な衣装ッ! この露出狂ッ! こんな金ピカのヒトデなんてつけて……!」
互いに微妙に噛み合わない怒鳴りあいをしながら、2人の格闘は続く。
馬乗りになったマユは、怒りの声をあげつつ、目立つ星型の髪飾りに手を伸ばす。
同時に――その周辺の桃色の髪も、一緒に握り込まれて。
抵抗する歌姫は、大きな胸の上に乗る不安定な姿勢のマユを、両手で突き飛ばして。
その拍子に――歌姫の桃色の『髪』がズルリと、抜け落ちる。まるでタチの悪い冗談のような光景。
身体の離れた2人は、しばし呆然と互いの顔を見合わせて。
マユの手の中に残された、桃色のカツラ。歌姫の装束を身にまとったままの、黒髪の娘。
互いに言葉を失い、見つめ合う。
「…………あんた…………誰?」
搾り出すように、呆然と呟くマユ。その頭上から、とうとうポツリポツリと、雨が降り始める――
2度、3度と、空中でMSがぶつかり合う。
ハイネ・ヴェステンフルスの駆るグフ・イグナイテッド。
ネオ・ロアノークの駆る、ジェットストライカー装備の専用ウィンダム。
2人の実力は――まさに拮抗していて。
互いに、姿を消したザクの行方を気にしながら、探しに行くことができない。
どちらも理解しているからだ――背中を向けたりしたら、その瞬間に相手に殺される、ということを。
「……まったく、連合もなんてMSを作りやがるんだよ。なんて運動性だ……」
「いやはや、ザフトもバカにできんね。こんなモノを量産された日には、たまらんぞ」
いつしか降り始めた、土砂降りのスコールに打たれながら。
2機のMSは、空中で互いの出方を伺う。どちらからともなく、動きを止める。
どちらも細かい損傷が全身に刻まれているが、動けなくなるような致命傷は避けている。
機体の状態だけなら、まだまだ戦える。だが――
双方のパイロットが気にしてるのは、視界の隅で点滅する、エネルギー残量を示すメーター。
どちらもイエローゾーン。これから目の前の難敵を倒し、ザクを探索するには、いささか心許ない数字。
否――2人とも、言葉にせずとも分かっている。
目の前の敵を倒しきるには、あと1つか2つ、手が足りないと。
このままでは――共に電池切れで墜落するまで、決着はつきそうにない。
「……やむを得んッ!」
「……何をッ!」
ウィンダムの手元から、手裏剣状の武器が投擲される。
グフは反射的にビームソードで打ち払うが、触れた途端に起こるちょっとした爆発。
……剣を失い慌てて身構え直したハイネが見たものは、敵の追い討ち攻撃ではなく、逃げ去る背中。
「……そっちもバッテリー切れってわけね。さて、コッチも一旦戻んないとなァ……」
ハイネは溜息をつくと、自分も機体を反転させる。
激しい雨に打たれる背後の森を振り返りながら、口の中で呟く。
「……頼むぜ、ミーア。悪いけど、俺が戻ってくるまで無事でいるんだぞ……!」
文字通りバケツをひっくり返したような雨が、森を打つ。熱帯特有の激しいスコール。
木々の葉の下、動物たちも息を潜め、ただただ雨音だけが森に響く。
動きを止めた橙色のザクも、そのままの姿勢で成す術もなく雨に打たれて――
頓挫した時に広げられたままの片方の盾が、ちょっとした屋根を形作る。
その、期せずしてできた小さな東屋の下――膝を抱える人影が、2つあった。
「……雨……凄いね……」
「うん……凄いね……。プラントじゃこんな雨は降らないから……」
片手に携帯を握り締めたまま、空を見上げるマユ。
桃色のカツラを返してもらったまま、しかし被らずに握り締めたままの歌姫。
先ほどまでの激しいケンカを忘れさせる、弛緩した雰囲気。
「……ごめんね、なんかミーアの邪魔しちゃって」
「うん……。でも正直、ショックだなー。『本物の』ラクス様がそんな人だなんて」
雨の中、どちらの陣営の迎えも現れず。
雨宿りしながら話すともなしに話していたのは、互いの身の上、そして『ラクス・クライン』のこと。
ケンカの後に芽生える友情、というわけでもないのだろうが……
もはやマユの側にはこの『歌姫』を憎む気持ちはなく、『歌姫』の側もマユの気持ちを納得してしまった。
「ミーア・キャンベル、か……。道理で変だと思ったんだ」
「このことは秘密だよ、マユちゃん?」
「うん。あたし、『ラクス』は嫌いだけど……ミーアは嫌いじゃないし」
これまでのミーア・キャンベルの話を総合するに。
元ザフト兵で、ラクス・クラインのファンで、そっくりさん大会で優勝経験のあった彼女。
顔はあまり似てなかったものの、声と歌唱力は本物に迫るものがあり。
1年ほど前――芸能プロダクションのスカウトに、声をかけられたらしい。
ただしソレは、アイドル『ミーア』の売り出しのためではなく、『ラクス・クライン』の影武者候補として――
「あたしは……本物のラクス様は、行方不明って聞いてたんだ。
で……ラクス様が出てきてくださるまでの間、代役が必要だって聞かされて、頑張ってたんだけど。
まさか、そんなところで孤児の世話なんかしてたとはね……」
「たぶんあの人、表舞台に出てくる気なんてないよ。きっとあのキラって男が、世界より何よりも大事なんだよ」
マユは思い出しただけでも苛立ちを隠せない様子で。
生々しくも具体的な『自分の理想像』の実態に、ミーアは少し落ち込む。
「……でもさ、ミーアはそんなこと気にしないでいいと思う。あんな奴に引っ張られること、ないと思う。
ミーアは、ミーアの信じることをやりなよ。あたしも……立場は違うけど、共感できちゃうからさ」
「ありがと、マユちゃん」
――いつしか雨は小降りになり、雲が晴れてゆく。
ザクファントムの盾と木々の隙間から見上げた空には、綺麗な虹。
2人はゆっくりと立ち上がり、互いの顔を見合わせる。
雨上がりの空を、風を切って飛ぶMS。
一旦基地に戻って充電をしてきた、ネオのウィンダムだった。
その背後には――補給のついでに基地で借りてきた、ジェットストライカー付きのダガーLが5体ほど。
「さて、マユたちを見つけられれば良いんだが……あのオレンジ野郎と出くわさないとも限らんしな」
と、ぼやく間もなく――行く手の空に見えるのは、その「オレンジ野郎」。
こちらも応援を頼んだのだろう、後ろにはディンを5機ほど付き従えている。
これでは、ラチが開かない。また似たような均衡になって苦戦するのがオチだ。
向こうもそう思ったのか、すぐには突っかかって来ずに、空中でホバリングして様子を伺う。
「どうしたモンかねェ。あんな気の抜けない戦いを繰り返すのは、正直遠慮したいんだが。
…………ん? あれは?」
何か均衡を破る契機はないかと、周囲を見回していた彼らは――双方ほぼ同時に、気づく。
2機が向き合う、その足元。谷底を流れる小川の、ちょっとした河原。
頓挫した橙色のザクの姿と――頭上に向かって手を振る、2人の姿。
桃色の髪を揺らす歌姫と、栗色の髪の少女。
その2人の様子を見て、ネオは軽く溜息をついて、通信機を操作する。
「……なぁ、オレンジの。聞こえるかい?」
『なんだ、紫の。聞こえてるよ』
「ここは……ちと休戦といかないかね? 互いに、無理して争う意味もないだろ」
『おいおい、ソッチから仕掛けておいて、何て言い草だよ。
でもまぁ――仕方ないか。ここまで来て騙し討ちは、ゴメンだぜ?』
――連合側の基地に戻る、ウィンダムの中。
ネオの膝の上に座るマユは、ニコニコと笑顔を浮かべ続けている。
『ラクス・クライン』を確保したグフの後姿は、後方に遠ざかっていく。
「……ま、『ラクス・クライン』の誘拐には失敗したが、作戦としちゃぁ十分だ。
スティングたち3人も脱出したって報告入ってるし、これでよーやく終わりだよ」
「ねえネオ、あたし、役に立った?」
「ああ、役に立った。まさか向こうにあんな腕の立つのがいたとはねぇ。
マユがいなかったら、スティングたちもあのオレンジ野郎に倒され、捕まってたかもしれない」
「へへへ……!」
ネオに褒められ、マユは嬉しそうに笑う。
彼女の中に燻っていた自分への疑い、それがこの一連の騒動で払拭されて。
大丈夫、マユは――フリーダム抜きでも、十分ヒトの役に立つことができるのだ。
「じゃあさぁ、ネオ」
「何だ?」
「こんなの見せたら……もっと褒めてくれるかな?」
そう言ってマユが取り出したのは、ポーチに入れていた桃色の携帯電話。
手の中で蓋を開いて、なにやら操作を始める。
「おいおい、こんな電波障害の強い所で携帯なんて……」
思わず文句を言いかけたネオは、途中で絶句する。
マユが表示したのは――1枚の写真。携帯電話付属の小型カメラで撮影した、1人の人物像。
桃色のカツラを手にしたまま、目を細めて微笑む、黒髪の娘――
ザクファントムの盾の屋根の下、膝を抱える彼女が身にまとっているのは、歌姫の舞台衣装。
「ついさっきね、こっそり撮ってたんだ。喋ってる動画もあるし。……ねえ、びっくりした?」
「これは……驚いたな。ある意味、誘拐よりも凄いかもしれないぞ」
ネオは言葉に詰まるほどに驚いて。マユは膝の上からその顔を見上げて、にんまりする。
ちょっとばかり調子に乗った勢いで、見せてしまったこの映像の意味。マユ自身ちゃんと理解できていない。
彼女はネオにも聞こえぬ小声で、裏切った友に謝罪する。
「ごめんね、ミーア。ミーアの秘密、早速ばらしちゃった♪
だって、あたし……それでも『ラクス・クライン』が、大嫌いだからさ。
そんな格好で、これ以上歌って欲しくはないからさ――」
ファントムペインとマユの大暴れで、大きな損害を受けた、ザフトの前線基地で――
赤いバイザーの女・サラは、再び携帯電話を手にしていた。
見上げる彼女の頭上から、歌姫を奪還してきた橙色の英雄がゆっくりと降りてくる。
その手の中には、安堵の表情を浮かべるミーア・キャンベルの姿。
「……はい。やはりハイネ隊は問題があるように思います。腕は確かなのですが。
数少ない彼女の『正体』を知る者たちとして、護衛に向いているかと思ったのですが……
どうやら逆効果、かえって彼女を『信頼』し過ぎて、油断してしまうところがあるようですね」
サラの言葉は冷たい。淡々と、電話の向こうにいる相手に向かって、事務的に話す。
頭上のミーアに手を振り返しながらも、口元には笑みも浮かばない。
「……ええ。そうですね――隻眼のヒルダの隊などはいかがでしょう? ええ、あの3人組の。
『ラクス・クライン』の護衛、やはり彼女の熱狂的ファンの方が、良いと思いますので――」
「あ、いたいた。やっとみつけたぞ、マユ!」
「あー、カガリー。どしたの、何かあったの?」
何やら慌しい雰囲気の中。
ひょっこりタケミカズチに戻ってきたマユを出迎えたのは、カガリだった。
連合側の基地施設から出てきた姿を見ていないカガリは、マユのわざとらしい演技に気づくこともなく。
「お前がいない間、大変だったんだぞ? なんだか連合兵にスクランブルかかって、飛び出していくし
よく分かんないけど、山2つ3つ向こうにあるザフト基地と揉めごとが起こったらしくて」
「ふーん……」
「ムラサメ隊も、万が一に備えて待機させてたんだけど。
やっぱフリーダムが、マユがいないとみんな不安がっちゃってさ。
『遊びに行くな』とは言わないが……これからは、出かける前に一言ちゃんと言ってくれよ」
「うん、分かったよカガリ。今度から気をつける」
一通り愚痴ったカガリは、ようやくマユを落ち着いて見て、気づく。
品の良いブレザー姿のマユの服のあちこちが汚れ、擦り切れている。
まるで――山の中で誰かと取っ組み合いのケンカでもしてきたかのように。
「ところでマユ、お前どこに行ってたんだ?」
「ファントムペインのみんなと一緒に、ちょっとドライブにね♪」
「山の中で転んだのか? 大事な身体なんだからな、気をつけてくれよ。
ところで……それ、何だ?」
マユを気遣うカガリは、ふと『ソレ』に気づいて指差した。
肩から提げたポーチの中から覗く、尖った金色の金属板。
星型の、大きな髪飾り。
問われたマユは、完全に自信を取り戻した素敵な笑顔で――笑って答えた。
「これは――戦利品。あたしと物真似女王の、友情の証だよ♪」
第十三話 『 蒼い秋桜(コスモス) 』 につづく
・今回の舞台
えーっと、前回は地図まで出して考えてもらいましたが、今回は曖昧です。
まあインドネシアのどっかだろうな、というくらいで。
あんまりツッコんでも仕方ないですからね。
・ラクス誘拐
ファントムペイン戦記さんがやる前から考えていた展開ですが。
正直あの時は、「やられた!」と思いましたw さてあの神展開に少しでも近づけたかどうか。
・ハイネ隊
ほのぼのさん準拠。『ミーアは元ハイネ隊』という設定が素晴らしく、そこからお話を広げてみました。
多少、細かいところで設定を弄ってます。今回は割喰ってしまって申し訳ない。
隻腕世界ではまだザクは貴重な新型なので、「それ以前は何に乗っていたんだろう?」と妄想した結果がコレ。
ザクの装備を参考に、色々とバリエーションつけていったらこうなりました。どれが誰だかはよーく読んで。
全部、基本的にデフォルトカラーで、右肩だけオレンジです。
彼らの出番は、後ほどまた。少しでもリベンジ……できたらいいんだけど……。
・ミーアの髪飾り
予備もあるでしょうし、次回登場時には普通に着けて出てくる予定。なくなったりしませんよw
次回、ちと間が開くかもしれません。用事が詰まってたりするんで。
隻腕乙です
隻腕>>>>>>>>>>(超えられない壁)>>しのはら
しのはら>>>>>>>越えられない壁>>>>>>>>喚くだけのアンチ
どのSSでもハイネは美味しい役どころだなw
マユ種のハイネはお亡くなりになってしまったが、十分すぎるインパクト
そしてなにより最後までMS戦で敗北しなかったのが救いか
喚くだけのアンチ>>>>>>>越えられない壁>>>>>>>>しのはら
不等号厨ウザス
羞恥プレイしたいのは分かったからよそでやれ
隻腕マユの行動に少し「?」になったが、メンタル面での幼さを考えればそんなものなのかな?
しのはらなんかいない方いいだろw
>>407 叩きとかじゃなくておもんないからおもんないと言ってるだけ
感想でしょうが
感想言ったらあかんのかボケ死ねや
>>430 隻腕乙
俺はあんたのラクス誘拐イベントにも十分「やられた!」ぜorz
しかしマユはとことんラクスに関わる物は嫌いなんだなぁ
まぁミーアにラクスの格好をして欲しくないって意味だったからまだ救いはあったけど、なんかミーアのその後に不安が・・・
ともかく乙っす。用事優先でごゆっくり執筆してくださいな
そ し て お ま い ら 荒 ら し は ス ル ー 汁
しのはらいなくてもスレ住人は困らない。おもろない創作する馬鹿が消えるだけw
もうだめだな・・・
頼むしのはら、しばらく書き込み止めてくれないか・・・
あんたがSS発表する度に荒れて空気悪くなるんだよorz
俺は別にあんたのSSは嫌いでもなければ好きでもないが、
しのはらSSが書き込まれた時「あーあ、また荒れるな」ってブルーになるんだよ
大変失礼ではあるが、できればしばらく自粛してくれ・・・ホントお願い
なんだかなぁ。
>隻腕
次回あたりド○トルーパくるのかな・・・楽しみ
ドムトルはまだまだ先でしょ
ただ「おもんない」の一言にこのスレに感想として書き込むだけの価値があると思ってんのかw
批判なら「どこが」悪いのか万人が納得するような意見を晒して見せろよ。
勝手にハイネ隊とミーアのその後を想像しました。隻腕さん、すみません。
ハイネ隊全員はMSから降りミーアの無事を喜ぶ。
「よかったなぁ・・、ミーア・・。お兄ちゃんはもし地球軍のスケベ親父におまえが・・。」
「アキラ、さすがにそれはないと思う。」
アキラとゼロがまるで漫才のように会話する。
いや、といってもアキラは三分の四くらい本気なのだろうが・・・。
「本当に無事でよかったわよねぇ、ミーアちゃんっ!」
そう言ってグレイシアはミーアに抱きつく。
「あー!!俺も俺も!!」
続いてカルマも抱きつく。
そんな微笑ましい様子にハイネ、ジョー、キースも思わず微笑む。
「それにしても・・、やはりこれを渡しておくべきだった。」
そう言ってゼロはミーアに星型の髪飾りを渡す。
「これ・・、ゼロ特性?発信機でも入ってるの?」
ミーアは髪飾りを廻しながら眺める。
「違う、対MS用爆弾。」
「あぶなぁっ!!」
思わずミーアは地面に髪飾りを叩きつけた。
カチッ!!
「「「「「「「「「「「あ。」」」」」」」」」」
チュドーーーーーンッッ!!
>>443 たとえ辞めても言い続ける奴が確実にいるから。
そんなこと言っても無 駄 無 駄 無 駄
「俺様の美技に酔いなっ!!」
ここは旅館のテニスコート。いまはマユ一行が貸切で使っている。
結局昨日の内にはグレイシアとジョーは帰ってこなくて、こうして身体を動かして暇を潰すことにしたのだ。
「にゃんじゃらほいっ!!」
キースはそう言ってアクロバティックな動きで対応する。
もう、テニスのプリンスである。
「ここでアスランが『んふっv』とか言って笑ったら最高なんだけどなー。」
「何の話だ、ハイネ。」
ハイネがそれを見ながらポツリと呟いた。ちなみにアウルは銀○中の生徒役で出てたりする。
ちなみにもう一つのテニスコートではではマユとルナマリアが「おちょう婦人!」「蝶サイコー!!」
とか良いながらテニスをやっている。
「お、いたいた。」
声に後ろを向くとジョーとグレイシアが立っていた。
「ずいぶん長かったねー。」
ゼロが作ったスポーツドリンクを飲みながらカルマが言った。
「だってぇv楽しかったんだもんvv」
グレイシアが体をくねらせながら言う。
「いやー俺の客って結構慣れてる人が多かったからよ、あーゆー反応は新鮮だったな。」
・・・・・哀れユウナ。すっかり調教されてしまったらしい。
「ま、でもあんだけ楽しませてもらって何もしないのは申し訳ないから・・・。これ、魔王城までの地図。」
ジョーが古ぼけた羊皮紙をぽんっと投げる。
「おぉっ!いかにもRPGって感じだな!」
キラキラと目を輝かせながら地図を見るアキラ、しかし、地図に目を通した瞬間、言葉を失う。
「どうした?アキラ。」
ゼロが聞くとアキラは魔王城の下の文字を指差した。
『暗黒女帝、カガリ・シーノハーラの城』
男性陣は戦慄した。
・・・・・・・・やばい・・アレを潰される・・・・!!
「何々?どうしたのー?」
マユとルナマリアが無邪気に覗いてくる。
「うわぁ・・、勝てるかなぁ・・?」
「そうだよね・・。」
あくまでマユとルナマリアには『強敵』としか映っていないらしい。
「お前ら!!戦闘能力のないジョブのやつ!!ジョブチェンジだぁ!!」
ハイネはそう叫んだ。
とりあえずこのスレの名無しはもっとスルースキルをしっかり身に着けるべきだと思った。
と、言うわけでやってきました、転職神殿。
「と・・、各自職業を変える人は変えてきてください。自分の身は自分で守れる職業に。」
ハイネはそう宣言した。
職業を変える組と変えない組に分かれることになった。
------------数十分後。
「皆遅いねぇ・・・。」
「アキラもトイレに行ったままかえってこない。」
ここは神殿内にあるカフェ。
ここには職業変えない組であるグレイシア、ジョー、レイ、ルナマリア、ゼロ
アウル、スティング、ステラ、それにマユがいた。
ちなみにアキラも先ほどまでいたのだがトイレに行ってしまった。
おや、どうやら戻ってきたようだ。
「お待たせお待たせ・・、いやーハッスルダンスするお姉さん探したんだけど居なくって・・。」
「お前はトイレをしに・・・・・」
「みんなみんなーー!!」
ゼロのセリフを遮って向こうから走ってきたのはカルマだ、なにやらぶかぶかの中華服を着ている。
「それっ!!」
そう言ってカルマが手をぶんっと縦に振ると袖からヨーヨーが飛び出てくる
「のうわっ!!」
アキラがとっさに避けるとそのヨーヨーは壁に激突する、鈍い音とともにヨーヨーが壁にめり込む。
「ちぇっ!!」
「ちぇっ!!じゃないわ!!この暗黒鰤っ子!!」
アキラが叫ぶ、どうやらカルマはジョブを暗器使いにしたらしい。
「お、おそろいで〜。」
次にきたのはキース・・・が。
「・・・ネコミミモード。」
それをみたルナマリアが突っ込む。
「いやさぁ・・、そういえばこの町に来る途中に「ハーフキャットの心」、手に入れてたんだよねぇ。」
キースは特殊アイテムを使って半獣人、ハーフキャットになったらしい。
全員、心の中でまんまやんと突っ込む。
「すまない!遅くなった!」
「アスラン、お前って本当に優柔不断だなぁ・・。」
見てみるとアスランはSF映画よろしくの全身真っ黒なコートに身を包み、
ハイネは反対にベルバラよろしくの純白の古風な軍服を着ていた。
「・・・・・タオローと・・・マリアさんのコスプレ?」」
アキラがぼそっと呟く。
なんでもアスランはサイキッカーらしい。変身するときはどこかに飛んでいくのだろうか?
「で・・、ハイネは?」
ゼロが聞く。
「革命家。」
「・・・・・強いの?」
ハイネの答えにマユが不安そうに呟く。
「何言ってんだ!!この俺が革命だぞ?!最強じゃないわけないだろう!!」
あー、こりゃハイネのために蘇生アイテム買い込まなきゃなぁ・・・。
全員、そう決心した。
本日はこれで終了です。ラスボス戦まであとちょっとです!!
他の職人さん、お疲れ様です、新人さんも頑張っていきましょう。
新企画:マユデスのツボ!!
キャラクターファイルその@
ジョー・ライン
ちょいワルあんちゃん。実は女顔だが髪型と雰囲気からそうは見えない。
地球のとある町のスラム出身で幼い頃から身を売って生計を立てていた。
今でもプラントのお偉いさん相手にそれなりにやっているらしい。なので軍の機
密情報とか新型の情報とかを調べてきたりする。
彼にとって情事は愛情の印ではなく商売道具。
寮に連れ込んだ女ってのも実はお客さんだったりする。
苦労してきたせいかかなり老けているが十七歳、身長は182cm。プラントに来て
から急に伸びたらしい。
マーレとFF]の主人公を足して割ったような金髪の髪と紫の目を持った青年で
ある。煙草を吸うのでアキラはあまり近寄らないが、別に仲が悪いわけではない
。制服は袖とがなくなり、中に長袖のシャツを着ていて、前は常に開けている。
派手なこと、ものが好きなのでパイスーには派手なカラーペイントがしてある。
カガリ・シーノハーラ ワロタw
この流れに負けず大暴れさせてくれw
age
まず主人公がシンじゃないとこのスレは成り立たないな
スレの歴史無視したヤボな突っ込みやな
初スレが立った頃は、まだ……
隻腕<<<<<越えられない壁>>>>>しのはら
ほのぼの好きなんだが内輪ノリは止めてくれ
胸くそ悪い
ん〜あまりに1話が長いと読む気なくなるな〜。。
個人的には5レスまでなら大丈夫。おもしろくても10レスまでだな。
俺はある程度読み応えがあるのも好きなので10数レスでも気にならない。
その辺は職人さんのやりやすいようにやってもらえればいい。
結論。
面白ければいい。
個人的には一番好きなのは隻腕。その次はPP。
とにかく職人様には皆さんマターリとがんがって下され。
まあわけわからんオリキャラのところはざっくり飛ばしたが
>>466の意向によりこのスレは隻腕とPP専用スレになりました 氏ね
468 :
95:2005/10/27(木) 08:49:48 ID:???
職人叩きと煽り辞めれ。
それぞれにそれぞれの考え方や描きたい物語ってもんが有るんやからそれを叩いて締め出すってのはやっちゃいけない事だと思うんだがどうか?
俺も最近書き初めて何度か書いて投稿して来た身としては今の流れは本当に物語を投稿し辛いんよ。
ただ叩いたり煽るだけの方々、別に俺は前の様に物語を紡ぐ側に廻れとは言わない。 その難しさを良く知ったから。
でもせめて! 叩くだけじゃなくて改善点を挙げて欲しい。 そうしないと唯書き手を殺すだけに成るから。
読者の感想が書き手を育てると言う事を良く考えて見て欲しい。
最期にコレだけは覚えて置いて欲しい。
職人叩きだけの流れだと他の職人のヤル気を削ぐ事になり、モチベーションすら下げているのだと・・・
好き嫌い出るのは当然の帰結だと思うが、「好きでないモノを追い出そうとする」のは良くない。
>>468 >最期にコレだけは覚えて置いて欲しい。
>職人叩きだけの流れだと他の職人のヤル気を削ぐ事になり、モチベーションすら下げているのだと・・・
むぅ……我々に死ね、と?w
まるで職人全てが叩かれてるような言い方してるが、
叩かれてるのは極極々一部の職人だけでは?w
面白い作品はこの流れでも叩かれてない
あと改善点云々の話も、筋違いも良いところ。まるでわかってない
そんなこと読者達が言い出したら、議論スレみたいになるでしょ
そしたら余計投稿しにくいよ
面白い・面白くない、しか言われないから、この程度で済んでるんだよ
>>470 まあそのなんだ、好みでない職人は死んでいいならお互いさんだよな?w
スルー推奨
聞き入れる価値がないなと思えばスルーすればいい
耐性がない職人や読者は要らない
いちいち長文書き散らす神経質君は出て行け
つまり隻腕とPP以外はただのスレの保守代わりなわけだな
確かに俺もその二作しか読んでないけど
他の人に消えろとか馬鹿言うつもりは毛頭ないね。しのはら氏以下職人の皆様続けちゃってください。
479 :
通常の名無しさんの3倍:2005/10/27(木) 20:28:13 ID:rIjQhSJB
隻腕乙
気にしないでガンガレ
読む価値のないレスばっかりだな。
SS読ませろ!
「ここが・・魔王の城か・・・。」
「あぁ・・・・。」
全員、その城の姿に驚愕した。
その城は黒曜石で出来ていた。日の光の下ならば輝いて美しかっただろうが
曇天の空の下ではその姿は魔王そのもののようである。
周りの木々も全て黒曜石でできており、マユ一行と時折聞こえる魔物の唸り声
以外に命の気配はない。
だが・・、それ以外にも問題はあった。
「・・・・・この崖、どうしようか・・・。」
「どうしようかなぁ・・。」
そう・・、魔王の城の前には険しい谷があり、落ちたら一発でゲームオーバーである。
「うーん、どうしようか・・。」
「ハイネ!!俺がやってみます!!ちょっと、馬車引いてる馬貸して!」
アキラが手を上げる、その手には日本刀が握られていた。
とりあえず、不安なので命綱をつけておく。
そして、日本刀片手にアキラは馬に乗る。
「ハイヤーッ!!ラリー!!」
ある程度距離を取って助走をつけ、そして馬は地を蹴った!!
「「「「「おぉっ!!」」」」」
みんなから感心したような声が聞こえる。
そして・・、馬は飛んで飛んで飛んで飛んで・・・・すれすれのところで落ちた。
「うわぁ〜〜〜!!」
まぬけな声を出して落ちるアキラと馬、皆でそれを引っ張る・・が・・・。
「「「「「うわぁ〜〜〜〜!!」」」」」」
皆同じような悲鳴をあげて、巻き込まれて落ちてしまった。
「・・・・というわけで崖のそこだったりします。」
「どうすんだぁっ!!全員無事だったからいいけどよ!!」
アキラに対してハイネが叫ぶ。ここは崖の下、なんとかまだ皆HPが残っており
ゲームオーバーは免れたようだ。
「でも、ハイネお兄ちゃん。こっちの方が正解みたいだよ。」
「「「「「「え?」」」」」」
マユの言葉に全員がマユの方を向く。
すると、そこには巨大な扉があった。
「・・・・なるほど、上はダミーというわけか。」
レイがため息をつきながら言う。
こうして、マユ達は暗黒女帝『カガリ・シーノハーラ』の城に侵入した。
『いいか、まずマユがもう一人の『マユ』を助ける、だから体力回復アイテムは
たくさんもっとけ。え?何処にいるかって。そんなのニュータイプ能力で見つけろ。
あとは俺達が時間を稼ぐ。いいか?』
『言い訳あるかぁっ!!』
『仕方ねーだろ?こっちが派手に騒いで敵を集めてやるからがんばれ。』
マユはハイネにそんなアバウトすぎる作戦を言い渡されて激怒していた。
しかし、マユの足は止まる事がない。なぜか何処に行くべきか解かっている。
「待っててね・・・、『マユ』ちゃん!」
「おー、見つけた見つけた。」
シンハロは牢獄の前にこの世界での『体』を出現させた。
「・・・・誰?」
牢獄の中にいる青い翼を生やした青年がたずねてきた。
「思ってた通り綺麗な姿なんだな、マスターフリーダム。嬉しいぜ。」
「・・・・僕はGガンに出てきた覚えはないんだけど。」
青年が静かに突っ込む。
「・・・あんたって、ノリ悪いのな。まぁ、いいや。俺はアンタのために
ここまでしたんだからな。」
「どう言うこと?僕男には興味ないんだけど。」
今度は冷めた風にボケる。シンハロは苦笑した。
「アンタは・・、俺達の『世界』のアンタだろ?話がしたいんだ。
・・・・・あんたは『あの』パイロットと戦場を駆けて楽しいか?」
「はぁ・・・。」
『マユ』はため息をついた。『フリーダム』と共にさらわれてこれで一週間である。
あの馬鹿兄貴が助けに来た様子もないし、暇つぶしの道具もない。
ご飯はまずいし、もう最悪である。
誰か・・、出来ればカッコいい勇者さまでも助けに来てくれないかなぁ・・・と
何回も考えていたことをまた考え出す。
しかし・・、その考えは突然現われた声に中断された。
「おーい、『マユ』ちゃーん!」
・・・その声は自分にそっくりだった。
「あんたのバカ兄貴から助けてきてくれって頼まれましたから来ましたよー。
私は別に禁断の欲望にたぎるエロ親父じゃなくて清廉潔白な女の子ですので答えてくださーい。」
すると、格子付の窓がある扉の一つから腕が飛び出してきた。
・・・もしあの腕が『マユ』の物だとしたらあの高さから腕が出てくるのはないと
思うのだがマユはあえて突っ込まない。
「えーっと、あぁ、なんだ。せいやっ!!」
マユはその扉の前に立ち、トンファーで鍵を破壊する。
もし魔術式だったら開けられなかったので助かった。
「えーっと、『マユ』ちゃんですかー?」
マユがそーっと扉を開けると・・・・。
そこには自分自身の腕を持った汚れた白いドレスを着た『自分』が呆然と立っていた。
「・・・・バっ・・・、バラバラ・・っ悪魔の・・・!!」
「これ義腕!着腕だから!!」
急いで義腕をつける『マユ』
「なーんだ、エドか。」
「どう言う安心の仕方!?」
マユのボケに『マユ』が突っ込む。なんともシュールな図である。
そうして、しばらく二人を見詰め合ったあと、ぷっと吹き出した。
「・・・そっくりだね。」
「うん!そっくり!」
二人はそう言って笑いあう。
「私の名前は『マユ・アスカ』・・・・・『セイラン』」
あとから付け加えたよう『セイラン』を言う隻腕のマユ。
「んーっと、私は本当は『マユ・デュランダル』じゃないといけないんだけど・・、
特別に『マユ・アスカ』にしてもらってる。」
二人はなんとなく恥ずかしいような気持ちになる。
自分が二人いるという事態は本当は慌てなくてはいけない自体なのだが、何故か心は
安らいでいる。それは、おそらく相手も『マユ・アスカ』だからだろうと二人は納得してしまった。
「さ!さっさとこんなジメジメした所から抜けだして帰ろ!」
「うん!!!」
二人の『マユ』はその手をしっかり握り締めあった。
『よく来たな・・・、人間ども・・。歓迎するぞ・・。』
ゆるりと玉座に身をくつろがせアスラン一行と対峙する暗黒女帝カガリ。
その姿はすきだらけのようで圧倒的な迫力を放っている。
「・・・・。」
アスランはその姿から目を背けた。目の前の女性が決して『カガリ』だからではない。
その衣装だ。
もうミーアのライブ衣装を越える露出度の高さである。しかもそれらは全て地上にあった
城と同じ黒曜石で出来ている。
唯でさえお前何処のギャルゲーの主人公や、と突っ込まされるくらいの
ウブで朴念仁で優柔不断なアスランには刺激が強すぎる。
ちなみにステラ以外の女性になれていないスティングとアウルには刺激が強すぎた
ようで鼻血をたらしている。
「・・ナーガだ・・。ナーガがいる・・・・。」
ルナマリアが恐怖したように呟く。しかし、その目は闘志に燃えていた。
「ルッ・・・、ルナ?」
レイが口をパクパクさせる。
「負けらんないわ!!あんないかにもな衣装を着た巨乳にだけは・・負けられない!!」
お前、それ『ラクス・クライン』への恨みも入ってるだろう。
レイはそう突っ込もうとしたが同士討ちになってはつらいので言葉を抑えた。
隻腕ラクスはまだ死んでないと思う人
>>487 先をああだこうだ言うのは善し悪しだと思うのでこれだけ
「種キャラのが死亡したかの確認は、男塾キャラより困難である」
某鳥人拳の人みたいに死んでは生き返り死んでは生き返り…(正確には最初から死んでいなかったわけだが)
>>488 「実は生きている」と宣言してくれる人も居ないしなw
スレ分けた方がいいなASTRAYってことで
>>95 お望みどおりお前さんの「改善点」を挙げてやろう
台詞が不自然に臭過ぎる
2話目のシンマユ遭遇の展開がPP戦記と同じで萎えた
オリジナルMSは良いとしても薩摩次元流とかは何だ?世界観ぶち壊し
1話目で期待してたが2話目で呆れました
本音で改善点を挙げるとこうなる
こんな意見が飛び交うスレにしたいのですか?逆に荒れちゃいません?
お前さんの言いたいことはわかるが、悲しいけどここ2chなのよね
興味のない作品を住人がスルーするのはむしろ優しさかも
仮につまんない言われても、改善点挙げろって言う前に自省しないと
他人に見せられるレベルじゃないと評価の対象にすらならないと思う
自演は論外だがw
単発設定小話「マユとシンと不可能を可能にする男」
マユ「!!おにいちゃん!?」
シン「っ!?おにいちゃん?なんだお前は?」
マユ「え・・・?マユだよぉ、妹の顔を忘れたっていうの?シン兄ちゃんなんでしょう?」
シン「妹だと?」
マユ「本当に覚えていないの?私を?」
シン「くそっ、だからここに戻ってくるのは嫌だったんだ!俺がこんなドジするとは!?」
仮面「おい!そこまでだ!よけいなことはしゃべるな」
シン「大佐・・・」
仮面「やっちゃったもんはしかたがない。・・・お嬢ちゃん、いや、マユといったか?」
マユ「・・・・・・(何、この人?存在が・・・不透明?)」
仮面「まさか、こんなおちびちゃんがあのMSのパイロットとはなぁ。ザフトもえげつないなぁ」
マユ「なんですか!あなたは?動いたら、う、撃ちますよ?」
シン「ふんっ、そんなへっぴり腰で拳銃が使えるもんかよ!」
仮面「おい!いうとおりにしとけって。お嬢ちゃんの目は本気だぜ。まだお前を死なせるわけにはいかん」
シン「っ」
仮面「ところでお嬢ちゃん、どうして俺たちがここにいるとわかった?」
マユ「しゃべるのもやめてください!もうじき人が来ます。あなたがたには捕虜になってもらいます!」
仮面「ん〜質問には答えてもらえないのかなぁ?」
シン「大佐、その質問は俺に対するイヤミですか!?」
仮面「そうじゃない。お前はなにもミスしてないさ。」
シン「!?でも、俺があいつをしとめれなかったからだろう!」
マユ「もう!ほんとに、ほんとに撃ちますよ!静かにして床に伏せていてください!」
仮面「へいへい、ほらお前も言うとおりにしとけ」
マユ「あなた、名前はなんというのですか?」
シン「・・・人にしゃべるなっていっといて、自分から話しかけるのありなのかよ?」
仮面「・・・お嬢ちゃん、ここの施設がなにか知っているのか?」
マユ「あなたには聞いてません!それに、ここがなにかなんて周りをみれば一目瞭然よ!」
仮面「ふーん、じゃ君はいまその被験者を目の前にしてるんだぜ!?」
マユ「!?」
カンカンカンカン(廊下から大勢の人の足音が聞こえる)
アスラン「マユ!大丈夫か!?」
マユ「アスランさん?」
仮面「!いまだ、ずらかるぞ!」
シン「イェッサァー!」
マユ「あ、待ちなさい!」
シン「へへ、じゃあな!インパルスのパイロットさんよぉ!次は絶対にしとめてやるからな!」
仮面「お嬢ちゃん!人ってゆうのは自分の欲する現実しかみてないんだぜ。覚えておけよ!」
マユ「っ、おっさん!」
仮面「うるさい!おっさんじゃない!」
ガタガタガタガタ(通気口を滑りおちる音が響く)
アスラン「マユ、なんだあいつらは?」
マユ「・・・連合の人間・・・なのは間違いないと思います・・・」
アスラン「そうか・・・まぁいい、あとで報告しろよ。それよりも、レイは大丈夫なのか?」
マユ「・・・うん。だいぶ落ち着いてきてるみたい・・・・・・(あの声、あの顔・・・絶対おにいちゃんだわ。それにあの仮面の男、なんて不気味な感覚なの!?)」
完
何もかもしのはらが悪い。奴が消えれば万事OK
以上
まあ、これだけ叩かれたらもう来ないだろw
ところがどっこい職人は厨発言なんぞ華麗にスルーですから
498 :
95:2005/10/28(金) 02:25:13 ID:???
>>492さん
どうも、期待を裏切る事になってしまい申し訳在りませんでした。
一応、グレイブヤードに刀匠の業を記録したデータが在った様に、
剣の様々な流派がそれぞれの”カタチ”で残っていると考えていたんですよ。
それで自分の中でジン・ハイマニューバの接近戦で武装は刀と言う事で、既存の流派でMSの宙間戦で実際に使用可能な流派って何だろう?
って事になり結果ああ言った発言となったのですが確かに必要なかったかも・・・
で、492さんの仰るPP戦記さんと同じ展開と言う部分何ですが、実際デステニィ・アストレイ本編に置いてどんな情報網を持って入るのか解りませんが、
危機に陥ったジェネシスαにミナ様がソキウス引連れて来て居られるんですよね・・・・・・。
それならば顔合わせ(つっても声だけですが)に不自然にならない場所は?と考えた末、用心して何か手を打ってるだろうと言う事で
ユニウス落下時になったんです。
まあこの時は一回だけの投げっ放し短編としてしか考えていなかった&PP戦記を読み終った直後だったもんで・・・・・
って、今更こんな事書いても唯の良い訳ですね、すみません。
それと台詞に関しては・・・善処させて頂きます。
後、本音で改善点ってのは初心者の自分としては助かりましたけど確かに、
2ちゃんねるの規模や議論の事をを良く考えていませんでした。誠に申し訳ない・・・。
では492さん改善点の掲示本当に有難う御座いました。
>>95 ジンの刀にしてもそこまで考えてるなら作中に反映させないと
例えば人気の隻腕のワンシーン、11話の作中でのタケミカヅチの解説とか
10行くらい使ってるけどそれがあるから次の文でマユ達が遊ぶシーンはすんなりと読める
読み手はお前さんの脳内なんて知らないわけ
読み手にすれば何の前置きもなく薩摩設定でてきたらわけわからん
出すなら出すで読み手を納得させるような説明とか加えないと
常に読み手を意識して書かないと単なる自己満足で終わってしまうよ
予備知識0の読み手にお前さんの物語の100の面白さを伝えるのは大変だと思うが
設定は◎なんだから頑張ってくれ
俺はSS書かないけど改善点指摘したから勘弁なww
長文レススマン
>>499 そのレスは、「文句をつける」と「改善点を指摘する」の違いを良く示した好例だな。
悪い点を列挙するだけでなく、なぜ悪いのかとどうすれば良いかにちゃんと言及してる
観客としての理想的態度だ
>>500 言い訳してくれたから改めて指摘できたわけ
つまんないって文句をつける香具師がいるのも無理はない
作者の脳内なんて読み手に分かりっこないんだから
理解不能だからつまらんって言われるのかも
そんな作品はすぐにスルーされてしまう
書き手は投稿する前に自分の作品を客観視する力が必要だな
新たな注目作が現れることを期待してますよ
まぁなんだ、2chで荒れない方が珍しいんだから、
この程度の荒らしで済んでよかったと思えばいいさね
初期のスレはもっと酷かったしなw
とにかく荒らしは徹底的にスルーしてくれな
職人達よ、気にせず投下よろ(´_ゝ`)ヽ
「つまんない」連発よりは意見が飛び交った方がマシだと思うぞ?
ただ「つまんない」書きたいだけのガキは消えるだろうからなw
ああ、批判意見出す人&それにレスする名無しは共通コテ付けるってのは?
>>503 いやいや、それは一見建設的なようで、スレを潰しかねないんだよ
どこがつまらないか、何がつまらないのか、「自分で気付く」ことが大切なんだよ
つまらないって言われて、自分でどこがつまらないのか考えられる人が、上達していけばいいじゃない
つまらないって言われて、荒らしの戯れ言だと聞き流して、つまらない駄文を投稿し続けるのも自由だけどさ
つまり、作者に書ける言葉は、面白いかつまらないかで充分なんだよ
「できる」人はその一言から10も20もの意味を汲み取ってくれるのだから
職人が皆そんな大人である事を期待していいのだろうか?
何故かシャアの「ならば今すぐ愚民ども全てに叡智を授けて見せろ!」が浮かんだ。
507 :
水天宮:2005/10/28(金) 18:57:58 ID:???
>>503 俺もコテ化に賛成。
とは言え結局はカキコの良心というか
自制心を信頼するしかないんだろうネ。
ID晒してるN速+でも「ホロン部」みたいな伝説が語られてる訳だから。
必死にしのはらに粘着してる奴はいったい何がしたいんだ?
前スレからここのスレの空気がどんどん悪化しているがソレが狙いか?
509 :
508:2005/10/28(金) 19:08:24 ID:???
スマン、俺が一番空気読んでなかった・・・
>>498 >既存の流派でMSの宙間戦で実際に使用可能な流派って何だろう?
>って事になり結果ああ言った発言となったのですが確かに必要なかったかも・・・
素直になりな。
おぢさんはきっちりとわかってるから。
をやぶんのオマージュだろ?
ごまかしたって分かるんだからね?
別に素直になったって馬鹿にはしないからさ。ね?
・「○○イイ!○○○イラネ」などの特定職人マンセーはあまりよくないです。意見がある人は各職人様にアンカーをつけてレスしてみましょう。
その際
「○○○の部分が、○○○のようにおかしい」
「○○○のような書き方は気をつけた方がいいと思う」
等、言いたいところをできるだけ「丁寧に」書いてレスして下さい。
誠意ある質問には必ず誠意ある返答がある筈です。
質問は見やすいようにコテハンをつけておいてもよいかもしれません。
より良い作品・スレ作りにご協力下さい。
↑
天麩羅に追加してもらえません?
ネタ投下しますよ
ちと長いけどかんべんして
513 :
その1:2005/10/28(金) 20:02:43 ID:???
ゲンの格好は黒のスニーキングスーツ+バイザー、記憶は弄られてません。
状況はステラが捕まってるミネルバの医務室です。
ゲンは捕らえられたステラを救出するためミネルバへ単独潜入。
医務室で拘束されていたステラとの接触に成功する。
「ステラ!俺だ、分かるか?」「・・・ゲン?」
ステラの衰弱の度合いはゲンの予想以上に激しかったが、手持ちの薬品を投与すれば十分回復の見込みのあるレベルだった。
ゲンは腰のポーチから筒状の注射器を取り出すとキャップを外しステラの左肩に押し付ける。
「プシュ」と小さな音と共に薬液が注射される。
「ザフトの連中なんの処置もできなかったのかよ・・・」
ゲンがステラの拘束具を外しながらザフトの医療水準の低さに憤っている間に、
ナチュラルの医学の結晶である注射を受けたステラは、土気色だった皮膚に血の気が戻り、
虚ろだった瞳には生気が宿る。数分後には先ほどまでの衰弱は嘘のように消え失せたステラの姿があった。
「立てそうか?」「・・・大丈夫」
ゲンが肩を貸してステラを立たせる。
まだ少し足元がおぼつかないが、この様子なら薬が全身に回れば十分動けるだろう。
「ゲン・・・迎えにきたの?」「ああ、もう大丈夫だいっしょに帰ろう」「うん!」
再会を喜ぶ間もなく、医務室の扉が開き招かれざる来訪者が現れる。
マユがステラの様子を診にやってきたのだ。マユは次の瞬間に二度驚く事になる。
「ステラ!あなた元気になっ・・・!」一度目はステラの元気な姿を見て。
「って、えぇ!?」二度目は全身黒ずくめのどう観ても怪しいバイザーの男を見て。
マユはとっさに拳銃に手を伸ばすが反応速度ではコーディネーターであり
加えて様々な強化処置を受けているゲンには敵わない。
マユが構えるよりも迅くゲンはマユに照準を合わせて言い放つ
「その物騒なものを床に置いて両手を挙げるんだ!・・・ゆっくりな」勝利宣言を―――
514 :
その2:2005/10/28(金) 20:05:12 ID:???
出鼻を挫かれたマユは侵入者の要求に従う他なく、銃を足元に置きながら考える。
(どうしょう…このままじゃ良くて人質、悪ければ…)マユの体が小さく震える
(何か助かる方法を考えなきゃ!―――でもどうしょう…)
マユは言われた通り両手を挙げながら上体を起こす。
果たして、マユとゲンはようやく最も驚くべき事柄に気がつく事になる。
「お兄ちゃん!?」
「マ………っ!」
「お兄ちゃん!お兄ちゃんなんでしょ!?」
「し、知らん!俺にはいもうt・・!俺はお前なんて知らない!」
突然の再会に涙ぐむマユ、対してゲンは冷静に振舞おうとしても焦りは隠せない。
「私だよ!マユだよ!」「知らんと言った筈だ!」「でも・・・!」
食い下がるマユに拳銃を向け直しながらゲンが言う。
「とにかく手を挙げたままこちらに来るんだ、大人しく拘束されれば命までは奪わない」
一瞬の沈黙の後、先に口を開いたのはマユだった。
「・・・お兄ちゃん」「だから何度言えば・・・」
「たった今偶然気づいたんだけど・・・」
マユの口調は先ほどとは打って変わって落ち着いた――強い意志を秘めた言葉だった。
黙らせようとしたゲンも思わず聞き入ってしまう。
「オーブ人はミネルバの医務室の空気を吸うと・・・鼻の頭に血管が浮き出るんだね」
「何・・・!!」
鼻に手を当てて確認するゲンとマユ。ステラは訳が分からずキョトンとする。
「マユ・・・嘘は・・だめ」嘘を見抜き咎めるステラ
「うん、ごめんね」
「だけど!・・・貴方やっぱりお兄ちゃんなんでしょ!?」
「!!」
515 :
その3:2005/10/28(金) 20:07:02 ID:???
「ハハ・・・参ったな・・・」嵌められたゲンは俯き自嘲する。
マユに向き直ったゲンの顔からは先ほどまでの敵意は消え失せ
代わりに在るのはマユにとって最愛の――二年前を境にもう見ることは無いと諦めた――
シン・アスカの笑顔だった。
「マユ、暫く見ない間に渋く・・・いや、大きくなったんだな」
「本当に・・本当にお兄ちゃん・・・なんだよね?」
「ああ」
ゲンは首肯し、マユの瞳には再び涙が溢れる。
「ずっと・・・ずっと会いたかったんだよ・・・」今にも泣き崩れそうなマユ。しかし―――
「・・・・・・・・・・・・・だが」突如ゲンの眼が鋭く光る。
ゲンは素早くバイザーを操作しサーモグラフィーモードに切り替える、
同時に懐から握り拳大の物体を取り出すと、それを床に叩き付けた――スモークグレネードだ。
次の瞬間、部屋は煙に満たされ視界は限りなく0になる。唯一人、ゲンを除いて。
(しまった・・・ッ!)
煙幕の煙をBC兵器の類と思い込んだマユは、息を止め眼を閉じ医務室から脱出を図る。
だがマユの脳裏にはある疑問が浮かんだ――
(この煙が毒ガスか何かなら、何の装備もしていないお兄ちゃんだって・・・今となっては演技だったのかもしれないけど・・・解毒剤を持っているとしても只では済まないはず)
(さっきの状況なら私を撃てばそれで済む・・・そもそも毒ガスなんて物を使う必要は無い)
(まさか・・・本当の狙いは――)
そこまで考えたところでマユは首筋にゲンの手刀を受けて気絶した。
煙幕が収まると、そこには気絶したマユと彼女を支えるゲン、心配そうにマユを見つめるステラの姿があった。
ゲンはマユをそっと床に寝かせ、首筋で脈を測り命に別状が無いのを確認すると「ごめんな」と一言呟いた。
「これで・・・いいの?」
「ああ、俺はマユが生きてるって判っただけで十分さ」
「それに俺たちはもう存在しない人間・・・亡霊だ。亡霊がいつまでも生きた人間と一緒にいる訳にはいかないよ」それは自分に言い聞かせるような言葉だった。
マユとの別れが辛いのかステラは浮かない顔をする。そんなステラの頭を撫でて慰めるとゲンは言う。
「さあ!皆の待ってる処へ帰ろう。MS格納庫まで一気に進むぞ!できるな?」
「うん!」ステラは力強く頷いた。
516 :
最後に:2005/10/28(金) 20:08:41 ID:???
貧弱な言語中枢を振り絞って妄想を具現化しようと試みましたが
どう見てもjojoネタです。
本当にありがとうございました。
517 :
通常の名無しさんの3倍:2005/10/28(金) 20:21:43 ID:2u8yHPd9
「つまらない」という意見と同様に「面白い」って意見も、ただ「乙」とか一言で済ませるんじゃなくて、「○がよかった」「○に感動した」とか書き込むと、物書きにとっては何よりの応援になる。
その作品にのめり込んでるなら、その作品でキャラが起こした行動自体に対して、叫ぶのもいいと思う。
某HPに小説投稿してるから、その反応に対する嬉しさは凄い分かる。無論、「乙」だけを言うのも悪くないけどね。
悪いんだけど単発ネタは終わったとこならともかく先のことはちょっとやめた方がいいと思うよ
職人さんの話とネタ被ったら雰囲気的に不味いだろ
それだけ書けるなら新しい話作ってみたらどうだ?
520 :
通常の名無しさんの3倍:2005/10/28(金) 20:42:29 ID:2u8yHPd9
あw
こんな長いテンプレ誰も読まないおw
>>513-515様
作品のタイトルは、ステラ奪還と付けました。
変更希望なら、いつでもどうぞ。
>新スレ
470k〜超えたら新スレたてます。
523 :
516:2005/10/28(金) 20:59:02 ID:???
>>518 すまん。また書く機会があったら気をつけるよorz
>>纏め人様
いつもご苦労さまです!タイトルそのままで結構です
纏め人乙!厨がウザいからテンプレの頭に必読事項って加えといた方がいいと思う
>>518 そんなことは無いだり
書きたいと思ったものを書けばいい
>>505 いや、別に強制はしてないよ
子供のままで居たいなら居ればいい
ただここは保育園じゃないから、しかるべき”躾”は受けて貰うけど
ガソダム風に言うと「修正」ってヤツか
まぁほどほどにな
やりすぎて荒野になってしまったら元も子もない
躾と称して親が子供を頃してしまう世の中だからなあ(´A`)
ようはこのスレでは罵詈雑言は禁止、ってことだろ。まあ変態じゃない限りはそういうこと言いたい椰子はいないだろうからな、概ね同意。
隻腕は早くマユのラクス達への逆恨みを矯正してくれる奴が出てきて欲しい。
逆恨みか?
逆恨みじゃなくて誤解だろ
どうなんだろう? 「親を殺した」事を恨んでるというより「殺した側であるを意識してない。少なくともそう見える」ことで
嫌われてるんじゃないかな? 殺した事ならカガリも同罪、地球軍のエクステンデッド達も敵の片割れだろうし、
隻腕マユがラクスに向ける言葉は「無責任女」であって「人殺し」じゃないようだし。
裏を読むと、あそこまで執拗なら意識的に仕込んでるんだろうから、このままってことはない
あとキラ達の方もどう変わるか気になる
正直、あのまんまのキラたちをマンセーするようになるならそれは矯正でなく洗脳
んなもん読みたくね
今日Z見てきたんだが。しのはらがUCシリーズ大好きっ子ということがわかった
ヤマト大尉にしろ神楽にしろw
ファンタジー編ファイナルです。少し長め?
「これで私に角が生えてたらなぁ・・・・。」
「IC○?」
「伏字になってないよ!!」
二人の「マユ」は手をつなぎながら、漫才をしながら城から脱出しようとしていた。
「あっ!!」
角を曲がるとそこにはモンスターがいた。
「くそっ!!ねぇ、その腕に銃とか内蔵されてない?!」
「されてない・・・。」
んなわけないじゃん、と言う目で『マユ』はマユを見た。
「じゃあ錬金術は?!」
「いや、これは決して人体錬成をしたわけではなく。」
びしっっと『マユ』は突っ込む。
「えぇいっ!じゃああたしが何とか倒すから『マユ』ちゃんは自分を守って隠れてて!」
マユはそう言ってトンファーを装備してモンスターに向かっていく。
敵は狼タイプ二匹、コウモリタイプ三匹、モノアイオクトパスが一匹だ。
「じゃ、まずは目潰しっ!!」
マユはわざと敵をひきつけるように大きな声を叫びながらモノアイオクトパスに向かっていく。
に向かう。
やわらかい目玉にトンファーを投げつける、トンファーはそのまま目玉にささった。
モノアイオクトパスはジュブジュブといやな音をたてながら溶解する。
「うぇーーーいっ!!
ステラ風に叫びながらもう片方のトンファーを変形させ、ブーメランの形にして投げる。
それはコウモリタイプを全て倒し、狼タイプのモンスターをひるませる。
その隙にモノアイオクトパスに刺さっていたトンファーを拾いブーメランになったトンファーもキャッチ。そのまま残った狼タイプのモンスターへ向かう。
「ごめんねぇっ!強くってさぁ!!」
今度はアウルのマネをしながら狼タイプのモンスターにまわし蹴りを喰らわす。
が、たいしたダメージにはならなかったらしく跳ね飛ばされるマユ。
そしてそのまま壁に激突した。
「・・・っ!!」
油断していたのを不覚に思い体制を立て直そうとするマユ
「あぶないっ!!」
突然の『マユ』の声に我に返ると、目の前には狼タイプのモンスターがいた。
「あぶないっ!!」
『マユ』は思わず叫んだ、が、ここからではどうしようもない。
どうしよう・・、どうしよう・・。
『マユ』の目にはスローモーションでマユに襲い掛かる狼達が見えていた。
しかし・・、体は動かない。
もうだめだ、と思った瞬間、狼達の体が光の帯となって消えていった。
「え・・・・・?」
呆然とするふたりのマユ。
「ったく・・・。マユは俺がいないとやっぱり・・・・げばっ!」
「マユ!!」
格好よく登場したシンハロを突き飛ばして、青い羽の生えた青年が白いドレスの『マユ』に近づく。
「フリーダム!!無事?!」
「うん、僕は平気、マユこそ怪我はない?」
何やら感動の再開を始めるナイトと姫。
「こんにゃろっ!!こんな面倒なことさせやがって!!」
「あぁっ!やめてくださいご主人様!!」
まったくもって感動的ではない会話をするロボットとチャイナ娘。
「・・で、シンハロ。あんたこんだけ面倒なことさせたんだからこの二人を無事に送り届けてよ?
そんくらいはしてちょうだい。」
まるでジョ○ョのようなゴゴゴゴゴゴッと言う効果音をバックにシンハロに詰め寄るマユ。
「はいはい、じゃそこの二人は俺のそばに来て。」
そう言ってシンハロは『マユ』と『フリーダム』をそばに寄せる。
すると地面にに魔法陣が浮かび上がり、光を放つ。
「・・・・・・。」
マユは白いドレスを着てフリーダムに寄り添う自分を見つめる。
そして、取っておきの笑顔で言った。
「またね!」
「うん・・・・!」
二人のマユは笑いながら手を振る。
「んじゃ、また迎えにくるから。」
シンハロがそう言うと魔法陣は光を増す。
そして三人の姿は消えた。
『いけっ!!ムラサメ!!』
次々と配下のモンスターを繰り出すカガリ。
「くそっ・・!これじゃ直接ダメージ与えられないじゃないか!!」
薔薇をバックに言うハイネ。
「なんだよ、その薔薇は。」
「だって革命家だから。」
アキラの問いにさも当然のように答えるハイネ。
「・・・・あv」
ステラは何やら敵から盗めたらしい。
「これなにー?」
戦闘中のアウルに聞く。
「うるせぇ!!暇なアキラに聞けよ!!」
アキラは剣を作って投げたり薬で仲間を回復するだけであとは何もしてなかったりする。
「アキラー、これなに?」
ステラは手にしたマイクのようなものを見せる。
「あ、これは確か・・『吟遊詩人』のマイク・・だったと思う。」
「ぎんゆー・・?」
「うん、これで歌うと吟遊詩人と同じ効力が・・・。」
「?」
ステラはアキラの説明が理解できないらしく、頭にはてなを浮かべている。
「えーっと、ほら『ぴちぴちボイスでライブスタート!』」
「あ!」
ステラはようやく理解したらしくぴょんっと高い所にある室内の飾りへと上っていく。
ステラがマイクを構えると何処からともなくピアノの調べが聞こえてくる。
てん、てれれれん♪たーらーらーらー♪
「え・・・?」
「まさか・・・このイントロ・・・。」
「ステラ!!やめろ!!
それに重なるヴァイオリンの調べ。
『悲しみーをこさえてー♪』
「歌詞間違ってる!間違ってるよステラ!!」
そんな突っ込むを隠すように・・、ドドドドドと言う音が聞こえてくる。
それは・・・大波だった。
『二度とーこないーーいまー♪あなたのことーしかー見えないー♪』
ザパーーーンと波が引く。
そこにはびしょぬれになってぐったりと倒れているハイネ達と暗黒女帝カガリ・シーノハーラがいた。
「・・・・・何が起きたの?これ?」
駆けつけたマユは呆然としている。
「マユー!」
「うわっ!!」
ステラが上からぴょんっと抱きついてきた。
『ふっ・・まさかこの私が・・・・。』
典型的なラスボスのやられセリフを言おうとするカガリ。
「あーもー、スキップスキップ。音声付だとこーゆーのめんどいよねぇ。」
どこからかだしたPS2コントローラーでとっととセリフをスキップするマユ。いいのかそれで。
長いセリフをスキップするとボヒュンっと煙と立てて暗黒女帝カガリ・シーノハーラは消えた。
『お疲れ様・・。長い事ご苦労だったね・・。』
「ニャイアさん?!」
アキラが突然復活する。
「違うっつーの!!ゲームクリアおめでとう!」
そう言ってシンハロがぽんっと出てくる。例の妖精姿だ。
「さ・・、悲しいけどこの世界も泡沫の夢。さぁ・・・、つらい現実に戻ろう。」
「「「「「「「この世界も充分つらかったわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」」」」」」
倒れていた全員も起き上がり、真のラスボス戦と言う名のリンチが始まった。
「まったく・・酷い目にあった・・。」
全員あの部屋からでて廊下を歩いている。全員、文句を言いながらも楽しかったようだ。
だがマユは一人だけ難しい顔をしている。
『あの』マユはなんだったのか・・、そしてあの世界が本当にゲームの世界なのか。
しかし、まぁそんなそれこそファンタジーな考えはありえない。あれはあくまでゲームである。
「・・・・・。」
しかし、マユにはどうしてもあの『マユ』の手のぬくもりが偽者だとは思えなかった。
・・・やっとファンタジー編終了です。
これからようやく本編に戻ります。果たしてマユはステラ達を助けることができるのか?
マユの胸の大きさくらい期待してお待ちください。
マユデスのツボ!
キャラクターファイルそのA
マユ・アスカ
隻腕さんをみてジョーが女ったらしになってるのを見て思わず違う違う!
という親心のため一番初めの紹介を逃してしまった悲劇のヒロイン。
普通の同年代の少女より背は低く、149cm。13歳。
体を動かすことが好きで昔から格闘技を習っていた。兄妹ケンカは大体マユの勝ちだったらしい。
そのくせゲーム好きでちょくちょく格ゲーをレイとやっている姿が見かけられる。
微妙に腐ってたり、えげつなかったり、たくましかったりする。
家族を失ってプラントへ行き、ギルバート・デュランダルに拾われる。
そこで新しい家族や友達との絆を手に入れる。
デュランダルのことを『ギルパパ』と言って慕っているが、扱いはぞんざい。
その性かレイまで最近は冷たいのが議長の悩みの一つである。
誰とでも仲良くすることができるが、胸のことを言うと種割れを起こすので注意。
最近はアウルとケンカをするのが楽しくて仕方がないらしい。
何か殺伐としてきたなぁ・・・
>>511案も良いとは思うが制約をつけすぎるのも荒れる元だ
いい作品だと思って一言だけでも言っておこうと書き込む奴もいるわけで、「感想を詳しく」なんて強要されても困る
感想をたくさん書き込まれて肝心の作品が読み辛くなるのも×
今までどうりでもいいんでないか?そのうち荒らしも減るだろ
煽りをスルーできない奴らは何とかしれ
保守
現在のスレ容量:450kb
この分だと長編投下は無理、かも・・・・・?
南極条約にマユの絵が描かれてた
成長しても貧乳だっt (←ブロックワード発動)
隻腕読んだが、カガリが偽ラクスに気付かないのが不思議でならない。
二人でお風呂に入れる仲だというのにな。
そして見限るのも早過ぎる。
隻腕の中では少し聡く描かれているのに、偽ラクスの件では「表舞台に復活=スポットライト浴びたいのか?」
はないでしょ。
もう少し何か裏があるのか?と問いただすのがカガリだと思ってるからな。
それとミーア。
彼女は直接合った事はないにしろ、ラクスにかなり傾倒していた筈で、
直接出合ったとはいえ、マユのどういう言葉に頷いてガッカリしたというのだろう?
描写されていないから何を話したのか分からないけど、年下の少女の言葉を真に受ける
のは一寸安過ぎる気がする。
そしてマユ。
ミーアの秘密をばらした訳だが、整形まで行って頑張っている”友人”に対して
>>「だって、あたし……それでも『ラクス・クライン』が、大嫌いだからさ。
そんな格好で、これ以上歌って欲しくはないからさ――」
はないでしょ。
いくらなんでも考えなさ杉だろ。
と、愚痴はココまで。
全体としては読みやすくて外した設定や、ずれたキャラ描写もないから安心して楽しめると思う
気付いてるから厭味を言ったんだろ。隻腕カガリ。
なんぼなんでも「初めて会った」とか孤児院のこと言われて「?」な反応示されて偽者の可能性に
思い至らないほど馬鹿ではあるまい。
まぁマユのバラに関してはほとんど同意見だが。
ちなみに隻腕のミーアは整形じゃなくて特殊メイクだぞー。そうでないなら髪をピンクに染めてるぞー。
>特殊メイク
え?そうなのか。
俺も先入観に囚われていたようだな・・・
うむ、俺もカガリは気付いてるようにしか見えなかった。
むしろ俺はあそこで問い詰めるよりああいう反応の方が面白い。
>マユのどういう言葉に頷いてガッカリしたというのだろう?
自分自身の境遇、そして第3話でマユとキララクが対面した時の話をしたと俺は思っている。
552 :
通常の名無しさんの3倍:2005/10/30(日) 12:27:03 ID:InM3mk5C
>>543 ごめん言葉が足りなかったかな
意見、ってゆうか批評に近い。
なんか皆隻腕とPPしか読んでないって言うからさ、ならほかの作品はどこが良くないのか教えてあげるのもいいんじゃないかな−って思ったんだ
まあよけいなお世話っていう人もいるかもしれないけどね
色々と考えてみたのですが、他の方々の作品と重複しない様にする為、世界観を大きく変更します。
勿論、ガンダムである事を前提としたものです。よろしいでしょうか?
>>553 自分のやりたいようにやればいいと思うよ。
>>553 1つ2つネタやアイデアが重複しても構わんと思うんだけどね。
むしろ避けることに腐心しても、という気がする
勝負は全体像でかけるべきだ
ただ、最後は書きやすいようにしたらいいと思うよ
なんか良いアイデアもあるんだろうしね
なんかみんな隻腕に飢えてるのかな、この流れ
>>552 隻腕とPPしか読んでないわけじゃないよ
読んでないのはしのはらの作品だけ。しのはらのがおもしろくないって言ってるの
他の作者にまで飛び火させようとしてる奴が急に沸いてきたけど、やっぱあの人なのかねぇ・・・w
とりあえず粘着はマゾヒスティックな羞恥プレイをやめなさい。
>>558 そのスレだとか旧板の同系統のスレは良作多いよな。
スレ全体の雰囲気も落ち着いてるしw
こんな面白そうなスレがあったとは知らなんだ。
ちょっと最初から見て妄想力鍛えてくるわ。
>>558 ヤザンねぇ・・ガノタの妄想が嫌な方に全開してて気持ち悪くなった・・
マユが運命に載るならこの設定いかせませんか?↓
他スレより転載
541 :通常の名無しさんの3倍:2005/10/31(月) 16:18:05 ID:???
「ハイパーデュートリオン」機関について調べたんで、保管庫掲示板にコピペしたよ。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5387/1127909500/107-108 543 :通常の名無しさんの3倍:2005/10/31(月) 16:30:26 ID:???
ちと違うがこういう話もあった。
425 名前: 通常の名無しさんの3倍 [age] 投稿日: 2005/10/29(土) 20:54:20 ID:???
>>424 核エンジン搭載MSも実はバッテリーが搭載されており、
推進や武器使用の度にバッテリーからエネルギーを取り出す方式だと電ホに記載
要は蓄電池のみのMSと発電機と蓄電池を内蔵したMSの違いと発覚
そもそも原子炉は安定した出力を保つのには優れているが、
ペダル踏み込んで発電量増大、使わないときは削減なんてのが
容易に出来ない構造だからこの説得は納得
んでディスティニーの場合は、発電量を上回る勢いで消費したためエネルギー残量が危うく(おそらく一定時間待機で回復すると思われる)
おまけに固定武装(フラッシュエッジ)を消失したので補充の為撤退
要するにアーマードコア方式か
PPは最初の数話でまさか壊れシンマンセーの痛い話なのか?
と思ってしまったので読んでない。
隻腕以外でオススメのやつはないですか?
>>565 それはこのスレの黒歴史だ。
迂闊にしゃべっちゃなんねえ
さ、さて話を戻そうかw
>>566 まとめじゃなくて過去ログで読むと分かるよ。
では、何事もなかったかのようにどうぞ
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
SSが来ないと話すことないな
ラクスがハマーンに乗り移り、周りをかき回す話を書いてくれ
ヤザンスレおもんないな
クリッティ低い
ちょっと文章がクドイかな…ヤザンスレは。
このスレのSSぐらいのが丁度いい。
574 :
通常の名無しさんの3倍:2005/11/01(火) 08:24:32 ID:yZuLOdKK
>571
ハマーンがカガリになるSSならありますよ
カガリにハマーンさまが憑依するって奴だっけ?
まだ残ってたっけ?
577 :
574:2005/11/01(火) 09:38:19 ID:yZuLOdKK
>576さん
そんな感じですね。
SSなら、アルカディア(綴り忘れましたが)ってSS投稿サイトにありますよ。
>>574 それは種死放送開始時に俺が期待したカガリタソではないか!w
ちょっと探して来ます〜
ネタ投下まだー?
隻腕やPPでなくてもいいからー。この際しのはらでもいいしw
サイズ的に長編な新スレじゃないと投下できんだろう
じゃ次スレ立てとく?
>>574 【紅き薔薇、獅子と共に】
これね。
話がよく考えられていて納得の出来る展開
文章レベルも許容範囲
かなり当たりかも
一部シン擁護者が噛み付いていたけど、全然ヘイトでもない。
>>572 あれは戦慄のブルー知らないときついかもね
>>586 ArcadiaにあるSS投稿掲示板のその他
次スレではこのキモい流れがなくなってほしい
今いる職人を大切にしようぜ
よそのスレからSS職人かっぱらってくることなんてできねーんだし
新スレたったので、ここは以後雑談メインです。
作品投下は、新スレにお願いします。
お前ら、あんだけ言ってた隻腕・PPの片割れが投下されてんだから、もっとちゃんと反応汁
>>ファントムペイン戦記作者様
戦闘シーンかっこいいです。
マユ凄いなあ、ゲンとの戦いに期待。
セイバーがデュトリオン充電する描写が面白いと思った。
ファントムペイン全滅になった場合ゲンはどうするのやら。
次回も期待しております。
ふと気になったのだが、新シャア板にはどれくらいSS系スレがあるのかねぇ
リバイバル以外の他スレの事情はあんまり知らないんだが、ここって職人さんに恵まれてるほうじゃないのか?
>>595 新シャア以外にもいくつかあるな
嫌ってる人も結構いるって聞いたが
俺はVOE、かなり好きだなぁ
>>595 ここのスレが職人に恵まれてるってのは同意
別に他のSSスレを貶す意味で言うわけでは無いが
やっぱ他スレに比べてここの作品はクオリティ高いよ
PP&隻腕のツートップを初めとして、その他にも良作がゴロゴロしとるし
次スレでもまた期待の新作が出てきたし
マジここのスレの小説、本として出して欲しいなぁ
598 :
597:2005/11/02(水) 09:03:00 ID:???
>PP&隻腕のツートップを初めとして、その他にも良作がゴロゴロしとるし
失礼した。何もPP&隻腕以外の作品がこの2作より面白くないって意味じゃないからな
なんかここの職人達に悪い事言ってしまったんじゃないかと思ってな、スマソ
つーかここ良作大杉なんだよorz
ちゅーかさ、リバイバルスレって何であんなに流れ早いんだ?
別にSSが繁盛してる訳でも無いのに、ただひたすら設定どうすんだとかばっかりじゃん
しかも固定設定多すぎて職人も自由に書けないだろあれじゃ
肝心のSSもあれだけスレ伸ばしておきながらどーも面白みが無いっつーか
まぁなんだ、激しくスレ違いスマソ
小説にするならしのはら版は書き直しが必要だな 今だとプロットだし
>>600 しのはら版を誰かがPPや隻腕のような文体にすればイイ!色んな意味で素材は素晴らしいんだからw
リヴァイバルスレはある種のお祭りというかそういうスレだからな。
個人で作ったSSメインのSSスレと違ってみんなでよってたかって一つの作品を作り上げる共同作業だし。
そのせいで分裂気味だがね。あそこは。
て言うか最近停滞気味。
リバイバルは、最終回待たずに走り出しちゃったのが第一の失敗だな。
あのせいで、最終回のグダグダなシンの結末を「なかったこと」にしちゃったし。
長く息の続く良スレにするには、そこまでに構築した分を多少取り崩してでも、本編最終回に合わせるべきだったのに……
まぁ少しは要素を取り込んでるみたいだからあれはあれで。
さて、ここはマユスレですよね?
>>603 579みたいな下手な思い上がりをした香ばしい椰子がいるからじゃね?
それになんだかんだでここ最近は隻腕とPPぐらいしかまともなレスついてなかったからな(俺もその一人だったが
そりゃ読んでくれなきゃ誰も書かんわなw
この板でSS系スレ、ここ以外だったら
機動戦士GUNDAM SEED Revival
SEED DESTINYでSSを作るスレ
もしもシンではなくルナマリアが主役だったら
スティング主人公でオリジナルの話作ろうぜ
連合サイドでデス種作ろうぜ
くらいか?
細かく探っていきゃあもっとあるんだろうけど
ギャグ、コメディ系を含めればもっといくけどな
シリアス系は俺もそのくらいしか見たこと無い
コメディ系列でなら「種死の世界にドモンがいたら」を大プッシュするが
599だが、リバイバルスレってそーゆー所だったのか
わざわざレスサンキュ
>>609 どれも見たことあるが、やっぱここが一番数も多く質も高いよな
スレ初期からいられてホンマ幸せやでわしゃ(⊃Д`;)
>>607 このスレ内の相対的な評価のせいだと思う
隻腕とPPが「面白い」基準になっちまってるから評価が辛くなる
誰のせいでもないがここはある意味残酷なスレだ
>>612 その二つもそれほど良い訳じゃない
他のなんて、厨房作家が好きそうな、欝展開のテンプレラッシュjばっかでしょ。
>>613 しのはら版なんて究極の厨作品だからのぉ
>>613 それ言い出したら新シャアのSSは(ry
なにおまいら、2chの小説スレにプロ並みの腕を求めてんなら帰りなさいよ。
しのはら叩いてる奴らちょっと黙ってろ
こんな空気じゃ誰も投下できねぇだろ
SS投下されてから叩くがよろし
618 :
617:2005/11/03(木) 18:17:40 ID:???
スマン間違えた
雑談スレになったんだったな
スルーしてくれ
気にするな。お前の言ったことも正しい
新スレ>60の要望はそんなにあつかましかったですかい?
確かにお子様理論ですが、乞食とまで蔑まれるとはねぇ…。
お前等ここは2chですよ?少しは耐性つけてくれよ
こんな話題ばかりしてるから職人来なくなったって思わない?
しのはらアンチはここで文句言って新スレにはもう来るな
小説より
>GAT-707E フォビドゥン・ヴォーテクス
>前大戦時に地球連合軍が開発したGAT-Xナンバーの一機、フォビドゥンブルーを量産化した機体。
>ザフトの水中用MSに対抗するため、水中戦に特化したMSである。
>機体に装備したゲシュマイディッヒパンツァーの作用によって、理論上は無限に潜行することが可能である。
この機体このスレでもつかえそう。
前にこの板にあった「ハマーン様がCEに来たら」のスレ見ないな。
結構好きだったんだが、もしかして落ちたの?
「キラがハマーン様と出会ったら」だったか
はにゃーん氏の更新も少なくなってたし落ちたんだろ
ソースは不明だが細々とやってるらしいぞ?
そういう今俺も探してる ソース元はウッソスレ
今思ったんだけどスレの雰囲気悪い時とか職人さんは纏め人さんのサイトに直接SSを書き込むとか出来ないのかな?
それでここはそのSSについて語るスレにするとかさ
やっぱ無理かな?
>>627 そんな面倒なことしたらそれこそ人がいなくなる
ごく少数のアホを恐れて、閉鎖的になる方が長期的には弊害大きいと思うぞ。
アホは「俺が連中を動かした」と調子に乗るし、新たな才能も来なくなる。
マユ戦記書いた人って負債嫌いなの?
>>624 スレのまとめサイト参照。
ブログ形式でやってる。とはいえ再開したばかりだからストーリーは進んでない。
>>630 負債を好きなのは腐女子だけ
そんな奴このスレにはいないだろ・・・?
>>633 んにゃ。負債数寄なのはキラ厨だけだろ。
腐女子の全部が全部キラ厨じゃねぇし。
どっちにしろそんなのはこのスレにいないってのは同意だが。
>>629 そーそー
どんなに荒れても空気悪くても小説が面白くあり続ける限り人はここに来るだろうし
コンプリートベスト
<スペシャルボックス>平井久司氏描き下ろし[マユ・アスカ]×[シン・アスカ]、
高瀬健一氏描き下ろし[ストライクマークU]×[デスティニーガンダム]によるスペシャルボックス
<4面デジパック仕様>大貫健一氏描き下ろし[マユ・アスカ]×[ルナマリア・ホーク]×[シン・アスカ]×[レイ・ザ・バレル]、
植田洋一氏描き下ろし[メカ]によるCD+DVDケース
<スーパーピクチャーレーベル仕様>CD:[マユ・アスカ]×[デスティニーガンダム] DVD:[シン・アスカ]×[ストライクマークU]
<スペシャルブックレット>監督インタビュー、アーティストコメント、スペシャルコラムなど収録した全56ページ
<キャラクターIDカード×2枚>[マユ・アスカ] [シン・アスカ]
あげ
>636
隻腕バージョンだと
平井久司氏描き下ろし[マユ・アスカ・セイラン]×[シン・アスカ]、
高瀬健一氏描き下ろし[Δフリーダムガンダム]×[デスティニーガンダム]によるスペシャルボックス
(絶対「ストライクフリ−ダム」は嫌)
<4面デジパック仕様>大貫健一氏描き下ろし[マユ・アスカ]×[ステラ・ルーシェ]×[シン・アスカ]×[アスラン・ザラ]、
<スーパーピクチャーレーベル仕様>CD:[マユ・アスカ]×[Δフリーダムガンダム] DVD:[シン・アスカ]×[デスティニーガンダム]
<キャラクターIDカード×2枚>[マユ・アスカ][(オーブ仕様ロイヤルモード) [シン・アスカ](ZAFT仕様フェイスモード)
現時点ではこんな感じですかね?
>>638 隻腕なら今のとこステラよりネオかカガリだな
隻腕はマユはΔフリーダムで決定なのか?
PPシンは乗り換えなし?
本編主題歌(この中から選ぶなら?)
[オープニング(#1〜#13)] ignited 歌:T.M.Revolution
[オープニング(#14〜#24)] PRIDE 歌:HIGH and MIGHTY COLOR
[オープニング(#25〜37)] 僕たちの行方 歌:高橋 瞳
[オープニング(#38〜#50)] Wings of Words 歌:CHEMISTRY
[エンディング(#1〜#13)] Reason 歌:玉置成実
[エンディング(#14〜#24)] Life Goes On 歌:有坂美香
[エンディング(#25〜37)] I Wanna Go To A Place... 歌:Rie fu
[エンディング(#38〜#50)] 君は僕に似ている 歌:See-Saw
マユ種?仕様
[オープニング前期] ignited (運命が出るまで)
[オープニング後期] 僕たちの行方(運命登場後)
[エンディング前期] Life Goes On (前期と同じ)
[エンディング後期] 君は僕に似ている(後期と同じ)
OPは、登場キャラが増えるたびにマイナーチェンジ、できれば動きまくりで
EDは、マユとシンのみで、すれ違うふたりをイメージ
そこでスーパーフリーダムですよ
マユ種も、もしかして乗り換えなし?
この前インパルス復活してましたし。
俺Reason好きなんだ
1クール目にでも入れといてくれ
あと最終話だけI Wanna Go To A Place...とか
そこで禁断のデスティニーインパルスですよ
>>638 しのはらマユ戦記版たのむ
マユはストフリ派でつ
テレスコピックバレル展伸式ビーム砲とデスティニーの長距離砲にどれだけ威力差があるか知らんが、少なくとも武装数はデスティニーインパルスのが対艦刀1本、砲1個上だからな。
インパルス自体を強化できないのがネックだが、この点何とかできればデスティニーより強いんじゃね。
分離戦術に先端までビームが出るエクスカリバーもあることだし
纏めサイト五万hit突破オメ!
>>641 PP版だとOPのどれかにPRIDE〜“Phantom pain”norishirobreakmegamix〜が来るな
高橋瞳といえば、ブラッドプラスのOPはいいな
本編はヤバイくらいつまらんが、歌だけはいい
>>651 本編でだって見たくなかったです
下のは壊れたシン機のそばにかがみこむマユ機として見てみると
この場合兄さんは生きてるだろうか
>>651 下のシーンはお互いに死力を尽して戦った後みたいな感じに
見えなくもないな、このスレだと
埋め立て
ソードインパルスの、ブーメランを投げないでビームを展開させて斬りつける
表現はOKですか?
運命の肩ブーメランは、サーベルになるみたいですが。
>>655 いいんじゃない?
てか、そういう創意工夫は個人的には大歓迎。
まだ落とさない
粘着アンチが新スレにいる件について
>>659 スルーしても頑張るからなあの粘着wよほどし○はらが憎いらしい
奴はどこのスレでも気に入らないやつを叩き荒らしているんだぜ、きっと
ネット社会に不要な不快なだけの存在
ああいう態度で他の作者を褒めても、ダメージ与えることにしかならんのとちゃう?
名前は書かないとか言ってるけど、書いてるようなものだよねw
スレ内住民及び職人の対立を煽っているつもりなんだろ
そしてスレが崩壊していくのを見て満足げにほくそ笑む・・・
それでもスレがきちんと維持されている時は・・・
自分の気に入らないスレとして、徹底的に排除する方向に向かうのではないか?
荒らしまくってな
キャスト1 (もしもなかの人がいたら)
マユ・アスカ (あなたにお任せ)
ルナマリア・ホーク:坂本真綾
レイ・ザ・バレル:関俊彦
メイリン・ホーク:折笠富美子
ヴィーノ・デュプレ:小田久史
ヨウラン・ケント:杉田智和
マッド・エイブス:楠大典
アーサー・トライン:高橋広樹
ハイネ・ヴェステンフルス:西川貴教
ネオ・ロアノーク:子安武人
ステラ・ルーシェ:桑島法子
スティング・オークレー:諏訪部順一
アウル・ニーダ:森田成一
イアン・リー:西前忠久
アスラン・ザラ:石田彰
カガリ・ユラ・アスハ:進藤尚美
キラ・ヤマト:保志総一朗
ミーア・キャンベル/ラクス・クライン:田中理恵
その2
マリュー・ラミアス:三石琴乃
アンドリュー・バルトフェルド:置鮎龍太郎
ミリアリア・ハウ:豊口めぐみ
コジロー・マードック:中嶋聡彦
マーチン・ダコスタ:笹沼晃
ユウナ・ロマ・セイラン:野島健児
ウナト・エマ・セイラン:松本大
トダカ:一条和矢
ヒルダ・ハーケン/アビー・ウインザー:根谷美智子
マーズ・シメオン:諏訪部順一
ヘルベルト・フォン・ラインハルト:楠大典
ギルバート・デュランダル:池田秀一
タリア・グラディス:小山茉美
ロード・ジブリール:堀秀行
シン・アスカ/ゲン・アサニクス/ネオ:鈴村健一
シンは、準主役なので一番後ろに新キャラは前に旧キャラは後ろに修正
お久しぶりです、隻腕を書いてるものです。
>ほのぼのマユデス作者様
レス遅くなって申し訳ありません。
隻腕マユ登場の番外編、楽しませてもらいました。
ユウナのシスコン振りといい、義手のギミックといい、実に良く遊んでもらえて嬉しいです。
……やっぱり義手はそのネタになりますかねぇw
あと、ジョーの設定については、言われてみて納得。表層的な拾い方しかできてなかったようです。
趣味と実益を兼ねた楽しみ、だと思っていたもので。
ウチの方で見せた、あの態度については……キャラが微妙に違うのか、
それとも「下心」と言っても羽振り良さそうなステラとマユのサイフ目当てなのか。
……これ以上は、あえて追求しないでおきたいと思います。
なんにせよ、勘違いして申し訳ありませんでした。
さて、次は本来、第十三話『蒼い秋桜(コスモス)』、のハズなのですが……
いささか、苦戦しております。時間が取れなかったことを抜きにしても、ちょっと難物で。
そこで――とりあえずの「つなぎ」に、「これまでのまとめ」を簡単に作ってみました。
(てか、前からちょっとずつ作ってたものなのですが)
新作ってわけでもないので、こっちでこっそり……。
今後もまとまった量を書く度に、このようにまとめてみたいと思います。
とりあえず第一話から第十二話まで、どうぞ。
あ、ちなみに……13話は、今週のうちには必ず。もうちょっと待って下さい。では。
第一話『長手袋の少女』 【マユ登場】
2年前の連合軍によるオーブ侵攻で、両親と兄を失い傷ついた少女、マユ・アスカ。
彼女はその右手を白手袋で隠しつつ、アンディとマリアの下で力強く生きていた。
しかしそんなある日、オーブの市街を謎の水陸両用MS、アッシュが強襲する。
マユは工事現場で使用していたワークスジンで応戦するが、撃墜されてしまい。
彼女はアンディとマリアの家のシェルターに逃げ込んだが、しかし、そこで彼女が見たものは……!
第二話 『蒼い翼の天使』 【フリーダム初登場】
屋敷の地下に隠されていた伝説のMS、フリーダム。マユは勢いのままにそれに乗って飛び出す。
彼女はそのまま、オーブの街を襲うアッシュ部隊と交戦。
オーブ軍も彼女と即興の連携を繰り広げ、襲撃者の狙いは潰えたかに見えた。
が――彼らの真の狙いは街ではなく、マスドライバーの破壊。自爆狙いの1機が民間シャトルに迫る。
間一髪、マスドライバーを守りきったマユに突きつけられたのは――突如現れた、ムラサメの銃口だった。
第三話 『辿りし道』 【マユ回想】
オーブ軍に拘束されたマユ。彼女は問われるままに、自分の過去を語る。
右腕と家族を失った2年前。病院で見たTVの記憶。マルキオ導師の孤児院。そこで得た新たな腕。
孤児院で会った2人の『英雄』に対する反発、帰る場所なき故郷、そしてアンディとマリアとの出会い。
マユが取り調べを受けている間、代表代理ユウナ・ロマ・セイランは独自に調査を進め、策略を練る。
翌朝――マユの前に現れたユウナは、こう問いかける。「このボクの『妹』になる気はないかね?」と。
第四話 『運命の兄妹』 【ユニウス落とし発覚・シン登場】
襲撃を受けていたのは、オーブだけではなかった。テロリストの攻撃に、世界中の宇宙港がマヒする。
混乱する世界。ユウナやジブリールといった限られた者は、次なる「事件」を予測し、準備を進める。
そんな折、世界を揺るがすニュースが届く。ユニウスセブンの残骸が、地球への落下軌道に入ったのだ。
誰もが打つ手のない中、マスドライバーを守り抜いたオーブは、破砕部隊をクサナギで打ち上げる。
一方、宇宙からユニウスセブンに迫るミネルバには、カガリとデュランダル、そして死んだはずの青年が――
第五話 『怒りの空』 【ユニウス落とし開始】
2年前のオノゴロの悲劇を生き延びていたシン。彼は家族を全て失ったと思い込み、ザフトに入隊していた。
オーブ軍に入りフリーダムを駆るマユと、ザフトでインパルスを駆るシン。互いに気づかず、破砕作業に参加する。
トラップを突破するフリーダム、テロリストのMSを圧倒するミネルバMS隊。感嘆を隠せぬ両軍。
奮戦の甲斐あって、真っ二つに割れたユニウスセブンだったが――その破片は、オーブ本土の直撃軌道に。
動揺するオーブの面々、笑うシン――しかし、迷うことなく落ちゆく破片に向かったのは、フリーダム!
第六話 『流星群』 【ユニウス落とし阻止】
大気圏突入寸前。1人壊れたメテオブレイカーを使い、さらなる破砕を試みるマユ。
その前に現れたインパルスのパイロットは、手伝いもせずにテロリスト残党と戦闘を再開する。
一方、MSを撤退させたクサナギとミネルバは、戻らぬ2人を心配しつつも、最後の手段を決断する。
大気圏に突入しながらの、陽電子砲攻撃――その眼前で、ユニウスセブンがさらに割れる。
フリーダムとインパルスは、大気圏突入のために力を合わせる。通じ合えた、と思ったマユだったが……
第七話 『軍靴の足音』 【一触即発】
見事ユニウスセブンを破壊したクサナギとミネルバだったが、破片は世界中に降り注いだ。
フリーダム、そして「セイランの娘」を称え喜びに沸くオーブをよそに、世界は戦争に向け動き出す。
大統領をも自在に動かす秘密結社「ロゴス」の会合で、大西洋のメディア王・ジブリールが弁を振るう。
そんな中――ミネルバの停泊するオーブに、連合の戦艦JPジョーンズが強引に入港。
特使を名乗る艦の上には、アーモリーワンで奪われた3機のGの姿。オーブは一触即発の危機に……!
第八話 『血に染まる海』 【戦争開始・オーブ沖海戦】
連合からオーブに突き付けられた、『同盟』の厳しい条件。それはフリーダムを含めた艦隊出兵の要求。
揺れるオーブ。悩むユウナに、マユは己の決意を語る。
そんな中、ミネルバはオーブを出港するが……オーブ沖には、連合軍艦隊が! 宣戦布告と同時に始まる戦争。
その激戦を横目に、オーブの砂浜では、誰に知られることもなく1人の娘が凶弾に倒れて……。
その夜の会議。連合への派遣艦隊、その危険な任務を自ら買って出たユウナ。心動かされたカガリは……
第九話 『ユウナ』 【総集編】
ユウナの視点から過去を振り返る、総集編。
幼い日のカガリとの出会い。5大氏族「6番目」の氏族・セイラン家の運命。
戦争が始まり、ユウナの口にしたMS開発疑惑を契機に、カガリは国を飛び出してしまう。
そして――終戦で帰ってきた彼女。『婚約者』となったユウナと『恋人』を連れたカガリは、対面する。
――そんなカガリは、ユウナに代わって艦隊司令に名乗り出て、後のことをユウナに託した。
その直後、「上手く行った」とほくそえむ父・ウナトに、ユウナは……
第十話『緋色の剣』 【アスラン復帰・セイバー初登場】
カガリの護衛として傍にいた青年、アレックス。彼はオーブの特使としてデュランダルを訪ねていた。
彼は自分の正体、「アスラン・ザラ」を明かし、オーブに攻撃しないことを代償に己の存在を差し出す。
そして――アスラン・ザラと「ラクス・クライン」は2年ぶりに人前に姿を現し、市民に支持を求める。
その頃、戦艦ガーティ・ルーにて出番を待っていたのは、核ミサイル装備のジン、「トリックスター」。
連合艦隊とプラント防衛隊が戦う中、ザフト軍に紛れ込んだ彼は、禁断の核ミサイルを放つが……!
第十壱話『亡霊の疼痛』 【衝撃vs自由第一戦・幻痛とオーブ軍初共闘】
カガリを指揮官とするオーブ艦隊は、カーペンタリア沖でミネルバと遭遇してしまう。
「ラクス」の呼びかけも空しく、インパルスとフリーダムは剣を交え、あわや全面戦闘の危機に陥る。
セイバーとストライクルージュ、2機の機転で戦闘は回避され、シンもマユもそれぞれに叱責を受ける。
納得できないマユ。ザフトの第二波攻撃に出撃しようとしたマユに、カガリは彼女を引き止めて……!
第十二話『偽りの歌姫』 【ラクス誘拐計画】
ひょんなことから、ファントムペインによるラクス誘拐計画に参加することになったマユ。
コンサート会場に侵入したマユたちは、ザフトのMSを奪い、「ラクス」の強奪に成功する。
だが、追撃していたハイネ・ヴェステンフルスのグフイグナイテッドに撃墜され……。
土砂降りのジャングルの中、雨宿りする2人の少女は、敵味方を超えて心を通わせる。
まとめ乙
ご苦労様
いまんとこ9話が一番好き
そうか隻腕はもう1クール終わったのか
さよなら西川タマキン
乙でした
>>664 そいつ前々スレからいなかったか?
そうだよなぁ
ユウナとかリー艦長とか、いくらでも美味しい要素あるのに全然触れられなかったよなぁ
こんなにも弄れるのに
PPでいうとオクレのBWやアウルとかあさんの関係も語られなかったからなぁ。
その辺の補完を期待しちゃう俺がいる。
他スレより転載
>好例なのがボンボン版のシンで、
>戦争に対する怒りはオノゴロ島事件によるものだけど
>幼いころに目の前で川に落ちたマユが溺れかけるのを
>周囲の大人が気づいて助けにくるまで何も出来なかったということが、
>他人や組織を頼りにするという発想が「守る」のときだけころっと抜け落ちて
>極端な行動をとってしまうことの精神分析的理由として用意されていた。
マユの視点だと、どんな感じになるのでしょうか?
タリアと、医療兵の会話を廊下で聞くシン。
要約すると、連合軍の研究施設では、エクステンデットの研究が進められていた。
タリア「それで・・・・やはり無理そう?」
医療兵「そうですね・・・・もってあと数日ってところです・・・
それにこれ以上の延命処置をすると 後で正確なデータを得られなくなる可能性もあります。
なら むしろ 今のうちに取れるだけのデータを取ってしまった方が良いのではないかと・・・・」
その言葉に、衝撃を受けたシンは、過去を回想する。
オーブで、妹・マユと川辺で遊んでいた時の事だった
シン「はやく来いよ マユ!」
マユ「待ってよお兄ちゃん!」
シンは岩を押しのける。
そこには魚が居た。
シン「わあ! マユ! こっちに魚がいっぱいいるよっ!」
マユ「ほんと? お兄ちゃ・・・・」
その時だった。
マユ「あっ」
マユは足を滑らせ川辺を落ちてしまう。
シン「マユ!!」
叫ぶシン。
だが川の流れは激しく、流されるマユ。
マユ「お兄ちゃんっ 助けて・・・・」
シン「マユ! 待ってろ! 今行く!!」
シンは足元を見る。
マユ「う・・!」
その時初めて川下への高さが確認出来た。
シン「ああ・・・・」
マユ「あっ!」
シン「マユ!
マユーっ!!」
そして現在。
シン「(そして駆けつけた父さんにマユは無事助けられた
でも俺の心は晴れはしなかった・・・・
悔しかった・・・・飛び込めなかった自分のふがいなさが・・・・
もうあんな思いはたくさんだ!)」
ステラからもらった貝殻が、入ったビンを持ち、部屋を出るシン。
やはりボンボンのは良いな
流石原作版(´・∀・`)
兄との思い出話として、
>>677であったことをルナマリアやメイリンに話す
マユ。
作ってみたけどこんな感じ?
「…助けてくれなかっけど、私はなんで助けてくれなかったの、とか
お兄ちゃんを恨んだり、責めたりはしなかった。
だって仕方ないよね?子供…だったんだもんね。
きっと分かってたんだよ、お兄ちゃんも。
飛び込んで、助けられなくて、それで2人して溺れちゃったら…怖いし…それに…ね。バカみたいだもんね…」
「マユ…」
寂しそうに笑い、俯くマユ。ルナ達は言葉が見つけられない。更にマユが続ける。
「だけどお兄ちゃんは…すごくその、責任感じちゃったみたいでさ。
その出来事の後からやたら私のこと心配するようになっちゃって…
ううん、私だけじゃない。目に映るもの全て…守ろうとしてる、みたいな感じ」
「うん、シン、責任感強いもんね…」
ユニウスセブンの粉砕作業の時、人一倍必死になってテロリストを止めようとしたシン。
連合軍の基地を攻撃した時も、捕虜を逃そうとしてアスランに怒鳴りつけられたシン。
ルナマリアは兄妹のマユに比べれば劣るが、それでもアカデミーからの長い付き合いで、
シンの性格をよく知っているつもりだった。
だが彼のその性格にそんな原因があったとは。
と、突然に開く部屋の扉。開けたのはアスランだった。
「マユ!いるか!」
「どうしたんですか、アスランさん?」
「シンのやつが捕虜の少女を…とにかく来てくれ!マズいことになった!」
「お兄ちゃんが…どうしたの?」
落ちかけた夕陽がミネルバを、黄昏に染め初めていた。
動きがねーな最近。
はい、マユです。
でもゴメンなさい。今マユは、お話出来ません。
後で連絡しますので、お名前を発信音の後に…
電波障害がある世界で、携帯ネタは本来は駄目なのに。
Nジャマーが大量投下されるまでは、普通に使えていたんでね?
で……あの時点で持ってるのは珍しいとか。
マユも、電話機能使うためっつーより、簡易デジカメとして使ってたっぽいしね。
デジカメ扱いなら、自分の写真を(他の人に頼んで)撮らせる行為も自然になる。
あーげ
単発設定小話 〜キャラ基本設定編〜
マユ・アスカ
先の戦争でオーブからプラントへ疎開していた。終戦後は正式にプラントへ移住した。
両親は戦禍により他界。兄が一人いるが行方不明(戸籍上は死亡扱い)。
現在はザフト軍に所属し、エースパイロットの証である赤福、、もとい赤服を纏う。
ザフト最新鋭のMSインパルスのパイロット。後にディスティニーに乗り換える。
シン・アスカ
先の戦争により記憶喪失になったマユの兄。なんだかんだで地球連合に保護されていた。
コーディネイターであるが、身体能力等々はナチュラルと同等。これは遺伝子調整の失敗
によるものであり、シンのコンプレックスとなっている。地球連合に保護された後に身体強化
を受けているため身体能力の「不足分」は補われ、ファントムペインの一員となっている。
アスラン・ザラ
オーブを離れザフトに復隊、ついでにデュランダル議長からフェイスに任命された。
格闘に射撃、MS操縦センスは抜群だが、いまいち煮え切らない態度により周りに不信感
を与えている。結果、再びザフトを脱走。あまり先のことを考えていない。
アーサー・トライン
ザフト最新艦ミネルバの副長。ミネルバクルーからは無能扱いされているが、そんなこたない。
新兵が多いミネルバにおいて、さして重大な過失がおきていないのは彼の献身的な働きによ
るところが大きい。もともとはMSパイロットを夢みていた。別名「ザフトの鰯」
ギルバート・デュランダル
プラントの最高評議会議長。「ディスティニープラン」なる独自の考えを実行するため、詰め将棋
感覚で戦局を見定めている。ミネルバのグラディス艦長とはかつての恋人同士。
トダカ一佐
マユをオーブからプラントへ非難させた人物。実直な性格で人望は厚い。マユの憧れの人・・・。
タケミカヅチと運命をともにする予定。
メイリン・ホーク
ルナマリアの実妹。ミネルバの通信管制担当。マユにポジションを侵略されうつ状態になる。
アスランの脱走を助けて自分も脱走してしまう。
レイ・ザ・バレル・・・議長の信奉者。基本的に「いいやつ」にもっていきたいと思う。
ネオ・ロアノーク・・・地球連合大佐。ファントムペインの隊長。不可能を可能にする男とは自己の弁による。
ルナマリア・ホーク・・・マユの姉的存在。お肌を気にする16歳。その他はそのうちに・・・。
イザーク・ジュール・・・赤服から白服へクラスアップした。
ディアッカ・エルスマン・・・「迂闊で残念」なのは相変わらず。緑服へクラスダウンした。
シホ・ハーネンフース・・・ジュール隊の紅一点。
ミーア・キャンベル・・・偽ラクス・クライン。マユに正体がばれている。詳細は別途。
タリア・グラディス・・・ミネルバ艦長。詳細はまだ考えていないので割愛。
こんな感じのキャラ設定とした。
ただし、コメディとシリアスが混在しているので目安としてもらえれば幸いです。
別にメイリンはポジション盗られてなくない?
もしくはメイリンもパイロット志望だったとか?
マユとルナ達が戦いを通じて仲良くなってってなんとなく話に加わりにくくなったとか?
>>686 妹もしくはマスコットポジション
皆がマユばかりかまって、自分にかまってくれないということじゃないの?
リバイバルとかもろもろ他スレのSS読んできたが、
やっぱここが一番レベル高いな
新人さんたちも自信持って良いぞ
しのはらを覗いたらどの作品がエースになってもおかしくないと思う
デスティニーこうできたら?
ピエロフェイスは修正
背中の背負いものを無くす、ビームライフルを大型化して命中力と精度を上げる
光の翼もどきに、それなりの意味をもたせる。
シャイニングフィンガーもどきもなくす。
肩ブーメラン(サーベル兼用)以外にも、ビームサーベルをもたせる。
インパルスの後継機なら、コアファイターも必要か?
採用しても合体パンクは多様しない合体状態で出撃。
カラーは、灰色ではなく白。
素直にデスティニーインパルス使えばいんじゃね
ピエロ顔はむしろソレを利用できないかと思ってる俺がいる
劇中人物がコメントしてないからな、MSの容貌とかについて
アカツキ 敵機、あの金メッキのようです!
運命 悪魔顔のMS接近!
デスティニーインパルスをデスティニーと呼称するのはどうだ?
インパルス本体にも多少手が入ってるみたいだし
乗り換え
マユ デスティニーインパルス 状況次第で通常シルエットもつかう
レイ レジェンド
ルナマリア ザクファントムorグフイグorドムトル(色はどの機体も赤系)
ルナ機は色以外にも武装で他の機体との差別化を図る
>>689 そこまで弄ると際限のないオリガンと化す恐れが
変更してもどっか一箇所にポイント絞った方が良い気が
まぁ、実際にどの機体をどうするかってのは職人さんが考えることだし
俺達がどうこう言っても仕方の無いことだと思うけどな
ここの職人さんたちのレベルならたとえ後継機がギガンティスだろうと上手くやってくれるはずさ(´・∀・`)
戦艦が接近戦をやるときは、特効を掛けるときか白兵戦をしかける時ぐらいしか
ないようなきが。
AAVSミネルバまたは艦隊戦を、書く職人さん期待してます。
>>688 まあしのはらのはプロットみたいなもんだったからなw 普通の文にすれば評価は変わるかもな
「血涙流して戦うなんて嫌じゃない」と顔を書き換えたって良いじゃないか
俺は好きでも嫌いでもなかったが、やたら叩きまくってた粘着にはドン引きだった。
嫌なら見なければ良いのにわざわざスレに文句書き込んで場の空気を最悪にしてさ、
そういえば最近あちこちのSSスレで職人叩く厨房が増えてるがどういうことだ?
案外同一人物かも知れんぞ・・・?
もはや害虫だな。
マユ「次スレも、私たち兄妹を応援してね〜。」
シン「違う、主役は俺だ!」
>>702 次スレでもしの○らアンチはスルーでヨロ
キラ「本当の主役は、この僕だ!」
マユ・シン「ひっこめー」