もしシンじゃなくてマユが主人公だったら6

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1通常の名無しさんの3倍
このスレは、種運命の主人公がシンではなく妹のマユだったらというif妄想SSスレです。
・マユ・アスカが主役で、運命キャラがメインです。
・概要抜粋型(短い)と小説型(長い)どちらでも可
・シリアス及びギャグ何でも可
・職人常時募集中

煽り荒らしは、スルーしましょう

避難所兼雑談所のアドレスは、過去ログ(パート2)にありますのでご自分で探索してください。

前スレ
もしシンじゃなくてマユが主人公だったら5
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1125915561/

その他関連スレ↓
新キャラメインでDESTINY学園開校2
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1126698840/

SEED DESTINYでSSを作るスレ3
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1125913165/

まとめサイト兼過去ログ置き場
http://members.ld.infoseek.co.jp/rurukubo/mayukako.htm

2通常の名無しさんの3倍:2005/09/27(火) 19:36:14 ID:???
>1 乙!

しのはらの設定乙!
3まとめ人 ◆rw1maYUY1g :2005/09/27(火) 19:38:38 ID:???
>1さん乙
スレ立てありがとうございます。
41:2005/09/27(火) 19:47:14 ID:???
ども、まとめ人も職人もガンバ〜〜
5通常の名無しさんの3倍:2005/09/27(火) 20:45:25 ID:???0
>1乙!
6通常の名無しさんの3倍:2005/09/27(火) 21:20:39 ID:???0
>>1
otu
「・・・・・スティング達は?」
「寝てる、睡眠薬入り紅茶が効いたみたいだ。」
私はアスランお兄ちゃんに確認をとった。
何故三人を眠らせる必要があったのかって?
答えは簡単、これからミネルバは戦闘に入るからだ。



「・・・・変なのー。」
私は思わず呟いた。
ハイネ隊のみんなのザクを見てだ。
なにせ、みんな一見すると同じようなのだが、近くでみると相当違う。
グレイシアお姉ちゃんのザクには両手両足に巨大なパーツが付加されている。
キースさんのはかなりの軽量化がしてある。バックパックも改良されて巨大なものになっている。
カルマのは普通のザクなのだがグゥルの方が改造されているようだ。
ジョーさんのは反対にかなりの重武装。ガナー装備にさらに付け加えがしてある。
面白いのはゼロさんとアキラお兄ちゃんの。
ゼロさんのは全身がアンカーだらけで、一体これを全部発射することにどんな
メリットがあるのか解からない。
アキラお兄ちゃんのはオリジナルのウィザードらしい。
本人に聞いてみたら今回の装備は『ニトロパック』というらしい。
グゥルも換装できるよう改造されていた。
まったく統一感のない装備である。
なるほど、最近ヨウランとヴィーノがぐったりしていたのはこの性か。
一体こんなに改造する資金をどこから持ってきたのだろう。
あ、ハイネお兄ちゃんとやってる副業か。
私はそんなことを考えながらコアスプレンダーに乗った。
『うん、カオス達。よろしくネ。』
なにやらハロがぶつぶつ言ってる。
「どうしたの?」
『ウ・・・ナンデモない。』
・・・変なハロである。

『コアスプレンダー発進、どうぞ!!』

『マユ・アスカ!!』
『shin−halo!!』
『『コアスプレンダー!!行きます!』』

『よし!!お前ら久々のグループ戦だ!!なまってないだろうな?!』
ハイネお兄ちゃんがハイネ隊に声をかける。
『マユ、俺達がサポートするからお前達は雑魚を気にせず、あの真っ黒ストライクだけやれ。』
そうハイネお兄ちゃんが言ってくれた。それは私やアスランお兄ちゃんをオーブと戦わせないという配慮だろう。


『いくわよ!!からめとれ!フィッシュ・ボーン!!』
グレイシアお姉ちゃんが敵のど真ん中に突っ込んだ。
そして、その瞬間グレイシアお姉ちゃんのザクの追加装備から突起物がついてまるで
『魚の骨』のような形をした鎖がでてきて、ムラサメやウィンダムに絡みつき
動きを封じる。たった一機の量産機と侮っていた地球軍は隙を作ってしまう。
『ド派手にいくぜっ!!』
そう言って次はジョーさんのザクが火を噴く。
次の瞬間地球軍の大半は戦闘不能になっていた。
しかし、部分が壊れて鎖から抜け出せたMSが帰還、又は反撃しようとする。
『逃す・・。』
『わけないでしょ?!』
しかし、それはカルマかキースさんに阻まれる。
普通のグゥルの動きよりずっとはやいキースさんのザクに次々撃破され、
生き延びれたらと思ったらどんな距離にも対応できるように特殊武装された
カルマの機体に阻まれる。
>1さん乙です。・・・中途半端でもうしわけないですがここまでです。
しのはらさんの機体説明に影響された感がありますが元からこの展開です。
・・・・本当だってば!!
今回はつたない戦闘シーンとメカですが、ちゃんと次はほのぼの行く予定なので
ご安心を。
他職人の皆様、およびこのスレの皆様。すずしくなってきたので風邪などに
お気をつけください。それでは。
10通常の名無しさんの3倍:2005/09/27(火) 22:02:48 ID:???O
>9 乙!

>しのはら様 素晴らしい機体設定ですな。無理がない
11通常の名無しさんの3倍:2005/09/27(火) 22:06:59 ID:???0
うぃっす、シンです、でもごめん・・・俺は今電話に出る事ができないんだ、御用の(ry
マユ「キュピーン」(種割れ)
12通常の名無しさんの3倍:2005/09/27(火) 22:14:15 ID:???0
>ほのぼの作者様
おお、ハイネ隊面白い! ただのバカ要員(失礼、褒め台詞のつもり)じゃなかったんだw
グゥル装備が基本なのね

本体はやっぱり、みんな緑のウォーリアにオレンジショルダー?
13通常の名無しさんの3倍:2005/09/27(火) 22:20:31 ID:???O
そういやハイネ隊しのはら版に出演するんだよな

他職人の方々、まとめ人様、そしてスレ立てした>1様、ご苦労さまです。
第六話、投下します。
今回の話はユニウス落としの中盤、真っ二つに割れたところから、です。
ではどうぞ ↓
151/11:2005/09/28(水) 00:20:55 ID:???

――それは、場にそぐわない、呑気な歓声。

「ヒョウ、割れたぜおい!」
「……すごい………」
「どうなってんだ、こりゃ?」

奮戦するマユたちを、抵抗するテロリストを、割れていくユニウスセブンを――
密かに、眺める者たちがあった。

条約違反のミラージュコロイドで身を隠した、一隻の戦艦。
つい先日まで、他ならぬミネルバに追われていた者たち。

その一室で、窓の外に広がる壮大な光景を、そして望遠カメラで捉えた戦闘の光景を――
特等席で見ているのは、若い3人組。青年2人に少女1人。
いずれも、地球連合軍の制服をそれぞれに着崩し、それぞれに改造している。
そういう特例が認められていること自体、彼らの特異な地位を表しているのだった。

と、その部屋の扉が開き、1人の士官が入ってくる。
これもまた、正規品にない黒の連合軍制服を着込み――顔の大半を、仮面で隠した金髪の男。

「ネオ!」
「俺達の出番はないのかい?」

仮面の男に、次々に声をかける3人組。
ネオと呼ばれたその男は、3人と並んで窓の外を眺める位置に来る。

「俺も、出たいと思うんだけどねェ……。
 命令が、『事態に干渉せず、とにかく映像を撮って来い』だからね。
 NダガーNでもありゃ良かったんだが。今は仕方ないさ。
 間違っても、あの3機を出して変な勘繰りされるわけにも行くまい?」

『あの3機』――格納庫に並ぶ、灰色の3機のMS。
カオス、ガイア、アビス。
この艦に残されたほぼ全ての戦力であり――
確かにこの場に彼らが出て行けば、無用の混乱を招くだけ。

「まあ、どっちにしろ……コイツでトドメだろうねぇ。
 俺たち『ファントムペイン』の、表舞台へのデビューも、もうすぐだ。

 戦争が、始まるぞ――もしこの後、世界が残っていたなら、だが」
162/11:2005/09/28(水) 00:21:51 ID:???


      マユ ――隻腕の少女――

       第六話 『流星群』



「何をしている、お前たち!」

ミネルバのブリッジに――声が響く。
賓客であるカガリ・ユラ・アスハの、焦りに満ちた叫び。

「まだメテオブレイカーも残ってるはずだ! 諦めるな!
 ことは我がオーブだけじゃないんだ――あの塊を、早く!」
「分かってます!」

カガリの叫びを、ミネルバ艦長タリア・グラディスの叫びが遮る。
半ばうんざりしたような苛立ちが、隠しきれていない。
わざわざ言われずとも、タリアとてむざむざ残りを地上に落とす気などない。
しかしこの状況下での作業続行は、MSパイロットに「死ね」と言うに等しい――
タリアは頭をフル回転させて、対策を考える。

「――議長、それにアスハ代表。連絡艇を用意しますので――艦を降りて頂けますか?」
「え!?」

タリアの唐突な申し出に、2人のVIPは揃って驚く。
振り返った艦長は、真剣な目で。

「これより本艦は、限界まで陽電子砲で残る岩塊を砕きながら、共に地球に降下します」
「えぇえぇぇ!?」
「どこまでできるか分かりませんが。でも出来るだけの力を持っていてやらないわけには。
 MS隊に通信、いや信号弾発射。すぐに撤退し帰還するように、と。
 アーサー、降下ルートの確定、急いで。平行して降下シークエンスの最終確認を!」
『グラディス艦長、クサナギも同じく陽電子砲による破砕に移行する。以後連絡を密に』
「了解です、キサカ艦長」

悲鳴を上げる副官を無視し、事態の推移についていけない国家主席2名を無視して。
2人の艦長は、厳しい表情で互いの顔を見合わせる――
173/11:2005/09/28(水) 00:23:08 ID:???

帰艦命令を示す信号弾が、2つの艦から打ち出され。
M1アストレイが、ゲイツRが、ザクが――続々と帰艦する。

「――で、どうする気なの、これから? これで終わりってわけにも行かないでしょう?」

ミネルバに着艦し、MS格納庫に戻ったルナマリアは、管制担当のメイリンに事情を問いただす。
てんやわんやのブリッジではあったが――艦載機が戻ってくれば、逆にMS管制は楽だ。すぐに雑談になる。

「なんかね、タンホイザーで砕くんだって。大気圏突入しながら」
「え、なに? まさか、このまま地球降りるの?」
「そうみたい。だからいまコッチは大変よ。2つの大仕事を同時に進めなきゃならないって」
「確かにそれは我々に取れる数少ない方法だが……覚悟を決めねばならんぞ」

少し遅れて着艦した白いザクファントムのパイロット、レイも会話に割り込む。
いつも生真面目で表情の起伏の少ない彼だが、今はやや緊張の色が伺える。

「覚悟って……何のこと、レイ?」
「タンホイザーは、確かに我々の手持ちの兵器の中で、最も高い火力を持つが――
 あれだけの質量に、有効打を与えられるかどうか怪しいものだ。
 そもそも、それだけでは不足と見られたからこそ、メテオブレイカーなど持ち出したのだからな。
 そして砕ききれなかった場合、それが及ぼす被害は、我らにとっても他人事ではない。
 なにせ我々自身が、他ならぬその『地球』に降りていくことになるのだからな」
「そんな――」
「運が良ければ、岩盤に入ったヒビを広げ、砕くことができるかもしれん。
 だが、運が悪ければ――いや、普通に考えれば、ただ撃つだけでは――」

淡々と語るレイ。息を呑むルナマリア。
そんな分析を遮ったのは、オペレーターのメイリンの声。

「ねぇ、レイ、お姉ちゃん――シンは?! インパルスは、どうしたの!?」
「どうしたの、って――あたしが最後に見た時は、敵と戦ってたけど?」
「帰ってこないのよ! レーダーにも映らないし! 通信も繋がらないし!」
「……『オーバーキル』のシンめ、また悪い病気を発症したか?
 斬っているのが『敵だけ』なら良いがな……」

帰らぬインパルス。地球降下の準備を進めるミネルバは、その一報に困惑に包まれる。
そして同じ頃、クサナギでもまた――
184/11:2005/09/28(水) 00:23:56 ID:???

――高速で落下していく、ユニウスセブンの片割れ。
その上で――壊れかけ、放棄されたメテオブレイカーを、担ぎ上げる影があった。
クサナギ所属のMS、フリーダム。
被弾し支脚が一本失われたソレを、残った足で地面に設置し。手で支えて無理やりバランスを取って。
操作用ハンドルを握り、何やら操作を始める。

……と、そこにフワリと飛んでくる、一つの影。
散歩の途中で知り合いを見つけたかのような気軽さで、フリーダムに声をかける。

「……どうしたんだ? 帰還信号、出てるぞ」
「あの光ってたのがそうですか? 大丈夫、すぐ帰ります」
「ひょっとして……信号弾の読み方も知らないのか? 素人が」

インパルスのパイロットは、呆れた声を出す。
いくつかの色を組み合わせてメッセージを送る信号弾は、確かに訓練なしには読めない。
軍ごとに法則も違うし、彼だってクサナギから出た信号の意味は判らない。各軍の重要機密、一種の暗号なのだ。
少女の従うべき命令についても、ミネルバ側から出た信号と、M1アストレイの動きから推測しただけだ。
『すべてを差し置いて最速で戻れ』――その意味を知ってなお留まる青年が、意味を知らぬ少女に問い掛ける。

「……で、何やってるんだ?」
「このメテオブレイカー、足が壊れてますけど……本体のドリルは無事です!
 セーフティーが働いてこのままじゃ使えませんが、自動作業プログラムを弄ってやれば……」

モニター越しに問うミラーマスクの青年に、円筒ヘルメットの少女は手を動かしつつ答える。
本来、MS2機がかりで設置する設定になっているのを、フリーダム1機で。
しかも支脚が破損したままの状態で、強引に作動させるためのプログラム変更。
原理や仕組みは建築用ドリルと同じ。工事現場での経験を、フルに活かしたイレギュラーな操作。
キーボードの上を素早く指が走る。少女の必死な表情は、しかしスモークフィルムに遮られ、見えない。

「ふん。いまさら、そんなの1つでどうなるって?」
「岩盤には、既に細かいヒビが入ってるはずです。これで少しでも後押しすれば、ひょっとしたら……」
「無駄だと思うがな!」
「手伝って欲しいとは言いませんけど……邪魔しないで下さい!」

互いの言葉が、必要以上に刺々しいものになる。
互いに――懐かしい、しかし生きているハズもない大切な人に『似た声』に、苛立ちを覚える。

(くそッ、なんで……セイランの娘なんかが、マユにそっくりな声してるんだよ!
 でもマユは――あいつは機械が苦手だったし――こんなマニュアル外の作業なんか――そもそもMSだって――)
(ホントに似てるけど――やっぱりお兄ちゃんじゃない! お兄ちゃんはこんな意地悪じゃない!)

「だいたい、手伝うでもないくせに、何でこんなとこに――」
195/11:2005/09/28(水) 00:24:56 ID:???

ある意味もっともなそのマユの問いは――途中で、遮られた。
ビームライフルの閃光と、爆発によって。

「キャッ!」
「お前も地球も、どうでもいいんだが――まだ、『獲物』が残ってるんでね!」

フリーダムの鼻先を掠めた閃光は、背後から忍び寄るジン・ハイマニューバ2型を撃ち抜いて。
さらに続々と集まってきた3機ほどのジンに、インパルスは嬉々として襲い掛かる。
悪意ある叫びを、フリーダムに残して。

「お前は、『餌』だ! こいつらを惹き付けるための『餌』だ! せいぜい足掻いてろッ!」


「フリーダムとインパルスが、戻ってない!?」

その報告を受け――カガリ・ユラ・アスハは、驚きの声を上げた。
彼女がいるのは、未だミネルバの艦橋。既にデュランダル議長の姿はない。
タリア艦長の指示に従い、議長は既に随伴するナスカ級に移っていたが、彼女は拒んだのだ。
ちなみにカガリは、「出来ればクサナギに移りたい」とも言ったのだが……
それは連絡艇が1艇しかなかったことから、却下された。

「ええ……ノイズもひどく、レーダーにも映りません。
 帰還が遅れているのか、それとも敵に倒されたか……」
『そろそろ、高度も限界が近い。あの2機は残念だが――陽電子砲の発射準備に入る』
「そんな! キサカ、なんとかならないのか!?」

2人の艦長の淡々とした態度に、1人叫ぶカガリ。
だが……

『彼らとて、覚悟はあるはずだ! 次善策としての陽電子砲使用も、知っている!
 悪いがたった2人のために、地上に住む全ての人々を見殺しにするわけにはいかん!』
「そういうことです。我々は、命を選ばねばならぬ立場――
 ではキサカ艦長、こちらも陽電子砲タンホイザーの射撃体勢に入ります」
『心得た。こちらもローエングリンの発射体勢に入る。陽電子チャンパー、充填開始』
「…………ッ」

自分の無力さに、下唇を噛み締めるカガリ。2人の艦長も想いは同じだが、彼らは職務の遂行に専念する。
カガリの肩に、護衛のアレックスの手が置かれ、彼女は振り返る。
バイザー越しにも、わざとらしい付け髭越しにも。彼が戻らぬ2人を、そしてカガリを案じているのが分かる。
カガリは目尻に涙を溜めながらも、小さくうなづいて彼に身を寄せ、陽電子砲の準備進む両艦を見守る。
206/11:2005/09/28(水) 00:26:01 ID:???

「何故気づかぬ! 我らコーディネーターにとって、パトリック・ザラの――」
「五月蝿いッ! 雑魚が吼えるなッ! 弱者が語るなッ!」

一刀両断。
絶叫しつつ、サムライブレードで斬りかかったハイマニューバ2型は――
インパルスの盾を真っ二つに斬り裂きながらも、逆にビームサーベルに胴をなぎ払われる。
問答無用、容赦なし。『狂戦士』の仇名は、伊達ではない。

「偽りの平和で、何故笑える! 何故敵と手を取り合えるか、偽善者どもめ!」
「じゃあ何よ! いつまでも鬱々と泣いてなさいって言うの、あなたたちは!」

ジンの1機が、メテオブレイカーの操作で動けぬフリーダムの背後からビームを撃つが――
マユは背を向けたまま、左手の盾だけでそれを防ぐ。人間には不可能な、MSならではの関節の可動域。
そのまま振り返りもせず翼を伸ばし、翼の中に収められたバラエーナ ビーム砲を、後方に撃つ。
予想だにしない反撃に片手を飛ばされ、慌てて飛び下がるジン。

メテオブレイカーを守りながら、という制約があるにも関わらず。数の上でも差があったにも関わらず。
フリーダムとインパルスは、ジンを圧倒し。
やがて――プログラムを書き換えられたメテオブレイカーが、フリーダムに支えられ大地に潜り始める。

最後に残されたジン2機は、それでも諦めなかった。
片腕を失った1機が、後ろからインパルスを羽交い絞めにして動きを止め。
もう1機は、半ばまで地面に刺さったメテオブレイカーに、体当たりを試みる。

「我が娘のこの墓標、落として焼かねば世界は変わらぬ! この地で散った者たちの嘆き、今こそ世界に……」
「いい加減にしなさい!!」

タックルしてきたハイマニューバ2型は――逆にフリーダムに蹴り飛ばされる。
翼を広げ、空中でメテオブレイカーを支えたままでの、アクロバティックな蹴り。体操選手の鞍馬のような動き。
その回転の勢いのまま、メテオブレイカーの上で逆立ちするような姿勢になり――腰のレールガンが、火を噴く。

「どうしてそうなるのよ! 娘さんがここで死んで……なんでそうなるのよ!」
「小娘が、我らが怒りの、何を分かると……」
「理不尽に家族を失う、その痛みを知ってるのに! その哀しみを、誰よりも知ってるのに!
 なんで、こういうことができるの、あなたたちは! なんで、同じことができるの!
 あなたの娘も――きっとそんなこと、望んでない!」
「………!!」

少女の叫びに、蹴り飛ばされたジンは、言葉につまる。
この地で失った愛娘、それと同じくらいの年頃の娘の、切なる訴えに。
レールガンで頭を、翼を飛ばされながら、思わず動きを止め――
217/11:2005/09/28(水) 00:27:21 ID:???

「――ヌルい、な」

動きを止めた彼に――疾風のようにインパルスが襲い掛かり、ジンの腹を、コクピットを貫く。
いつの間にか手にしていた刃は、折りたたみ式のコンバットナイフ、フォールディングレイザー。
見ればその背にフォースシルエットはなく。
背後で、彼を押さえ込んでいたはずの片腕のジンは、緊急排除されたシルエットに潰されている。
振り返ったインパルスはもろともにバルカンを浴びせかけ、蜂の巣にする。

「自分の『怒り』に言い訳なんか欲するから――こうなる」
「――!」

最後の2機のジンの爆発の中、しかしインパルスの呟きはフリーダムに届かない。
マユは、敵でありながら、少しは共感できてしまった2人のテロリストの死に、息を呑む。
目尻に涙が浮かび、珠となってヘルメットの中を舞う。

その、足元で。
メテオブレイカーの本体が、潜っていったその足元で。
大地が、割れる。
巨大なひび割れが、走る。
身構え直す時間も何もなく。
釜の底が抜け落ちて――フリーダムが、インパルスが、ジンの残骸が、重力に引かれ亀裂の中へ落ちてゆく――


――その異変は、外からも明らかで。

「……割れた!? さらに2つに!」
「まさか……あの2人がやったのか!?」

今まさに、陽電子砲を撃ち放たんとしていた、ミネルバとクサナギで。
目の前で割れる目標に、驚きの声が上がる。
半円状だった大地はさらに半分になり、さらに亀裂が目に見えて広がり……これなら、もう一押しすれば。

「――標的変更! ミネルバは向かって左の岩塊を狙う! クサナギは右を!
 二つの岩塊の間に英雄たちがいるはずよ、そこは避けて!」
『了解だ。ローエングリン、照準変更!』
「『てーーッ!!」』

既にチャージの済んでいた両艦は、すぐに照準を横にずらし。2人の艦長の叫びが、唱和して。
タンホイザーが、ローエングリンが、目も眩む光の帯を撃ち出す。

大気圏に突入し、尾を引きながら――ユニウスセブンが、粉々に割れ、砕け、小さくなって――
228/11:2005/09/28(水) 00:28:57 ID:???

……暮れゆく空。静かな波音。
海辺の孤児院の、その庭は、既に子供の声も聞こえず、人の気配もなく――
ただ1人、桃色の髪の娘がベランダの縁に腰掛け、歌を口ずさんでいた。
空には、赤く尾を引き始めた、無数の影。砕けたユニウスセブン。

「……シェルターに入らなくていいのかい。そろそろ、第一陣が来るぞ」
「……そういうあなたもどうするのです? 一緒に入りますか、バルドフェルド隊長?」

いつの間に近づいてきたのか、一人の男が少女に声をかける。
顔に疵持つ、義手義足の男。マユがアンディと呼んでいた男。失踪中とされていた男。

「子供たちと導師は、もうシェルターに入れたのかい?」
「ええ、キラも一緒に。マリューさんはどうなさいました?」
「アイツとは今、別行動中でね。どこか適当な避難所に潜り込めてりゃいいんだが」

どこか他人事のように言い捨てる男。娘はゆっくりと腰を上げる。

「……やはり、戦争は避けられませんか」
「なんだ、2年間考え続けた結果が、それかい?」
「あと少し……あと3年ほど今の均衡が続いていれば、打つ手もあったのですが。
 今、こうなってしまっては……多かれ少なかれ、血が流れることは避けられないでしょう」
「よ〜やく歌姫殿にも覚悟して頂けましたか。全く貴女という方は――分からんお方だ。
 そんなことは、我々にはとうにわかりきったこと、だったんですがねぇ」

哀しげに首を振る娘。どこか楽しげな男。
2人は並んで孤児院の中に入る。無人の孤児院。

「なんと言うかな――貴女には色々と、『視え過ぎる』んだろう、きっと。
 俺たちには分からぬ先の先まで『視えて』しまうから、余計なことを考えちまうんだ」
「買い被りですわ。たぶんきっと、わたくしが愚かなだけなのでしょう。
 何もかも分かっていたつもりで――傷ついた少女の気持ち一つ、理解できていなかったのですから」
「――ともかく、嵐が過ぎたら動きだしますぜ、俺たちは。どこまでできるか分かりませんが」
「……お願い、しますわね」

バルドフェルドは孤児院の食堂の隅の床、跳ね上げ式の扉をあけ、中に入る。
ラクスもその後に続いて入ろうとして――ふと思い出したかのように、窓の外の流星群を見上げる。

「ひょっとしたら――わたくしは、既に遅かったのかもしれませんね。
 今から、何かを成そうというには」

一言、諦観の呟きを残し。
彼女もまた、床下のシェルターに姿を消し、無人と化した地上の孤児院は静寂に包まれる。
波の音だけが、変わらず響き続ける。
239/11:2005/09/28(水) 00:29:48 ID:???

強烈な引力に、無重力に慣れた身体は押し潰されて。
際限のない落下。鳴り続けるアラーム。
コクピット内の温度が、肌に感じられるほど上昇してゆく。

「えっと、こうして、こうして……キャッ!」

必死にパネル操作を続けるマユは、目の前に迫る岩の塊に悲鳴を上げる。
慌ててその岩を蹴り姿勢制御するが、先程までの操作が無効になり、パニックに陥る。

MS単体での、大気圏突入――
それは、実に際どい、暴挙とも言える行為で。
スペック上は可能とされるフリーダムでも、実行するのはかなり難しい。
ましてや、直撃すれば軽くMSなど潰してしまう、岩塊の飛び交うこの環境では――。
遊び半分でやっていたシミュレーターの経験など役に立たず、マユは混乱していた。
明らかに無駄な動きをしながら、大地に向かって落ちていく。

と、その時、そのフリーダムを――抱きかかえる一つの影。
地割れに呑まれた後、一旦はぐれていた、インパルスだった。

「何やってる! 死にたいのか!」
「そ、そんなこと言ったって――」
「その盾をよこせ! こっちの腰に、しがみつくんだ!」

インパルスはあたふたするフリーダムの盾を奪うと、地上に向けてしっかりと構える。
マユは慌てて、言われた通りにフリーダムをインパルスの腰に抱きつかせる。

「姿勢制御、リンクさせろ。このまま降りるぞ」
「う、うんッ」
「落ち着いて操縦すればいい。PS装甲、切らすなよ。切れたらその場で焼け死ぬからな」

思いもよらぬ救いの手。今までの『彼』の性格からして、見捨てられるとばかり思っていたが。
頼りになるその背中に、マユは懐かしいものを見る。
2年前まで、自分を守ってくれていた背中の幻影。

(お兄ちゃん………ッ!)

2機はそのまま一体となって、岩の塊を避けながら、流星となる――
2410/11:2005/09/28(水) 00:30:36 ID:???

一旦はオーブを直撃するコースを取っていた、ユニウスセブンの残骸は。
途中で2つに割れたことで――大きく2群に分かれて地上に降り注いだ。
1群は、オーブ上空を通り過ぎて。もう1群は、逆にオーブより遥か手前に。
陽電子砲でさらに砕かれたソレは、主に赤道に沿って、広く広く散らばって。

そのほとんどは、大気圏で燃え尽きたが――いくつかが、なおも大きい隕石となって、地上を襲う。

海に落ちて、大きな津波を引き起こす隕石。
ジャングルに突き刺さり、木々を吹き飛ばす隕石。
人々が息を潜める街の上にも。
千年以上の時を越え、生き残ってきた遺跡の上にも。

世界中に万遍なく降り注ぐ、破壊の矢。
直撃による被害と、津波による被害と。
それらは、決して軽微ではなかったのだが。

それでも、世界は――救われたのだった。

それは決して、誰もが納得する形ではなかったが。
さらなる波乱の火種を、無数に孕んだ形ではあったが――


――いつしか灼熱地獄を抜け、青い空の中に突入していたフリーダムとインパルス。
インパルスを抱いたまま、フリーダムがその翼を大きく広げ、減速をかける。
核エンジンに支えられた強大な電磁推進システムは、MS2機分の重量をしっかり受け止め、速度を落とす。
と、そんな2機に、聞こえてくる通信。

『……フリーダム、応答せよ! こちらクサナギ、フリーダム応答せよ!』
『…ザッ……ネルバ。インパルス、応答願います! こちらミネルバ……』

電磁障害を抜け、ようやく2隻の母艦と通信がつながったのだ。
見れば2隻とも、ユニウスセブンの破片が当たったのか、多少のダメージはあるが、一応は無事なようだった。
マユの顔に、ようやく笑顔が浮かぶ。
こうして無事に地上に帰れたのも、今抱きしめるように支えるインパルスのお陰。
生死を共にした、ちょっと性格の悪いこの命の恩人に、お礼を言おうと思った、まさにその時――

「もういいぜ。離せよ」
「え? ちょっ、キャッ!!」

空中で、インパルスはフリーダムの手を振り払い――蹴り飛ばすようにして距離をとる。
さらに奪ったままだった盾を、投げて返す。
慌てて姿勢を建て直し、かろうじて盾を受け止めたフリーダムを、顧みもせず。
インパルスは――PS装甲をダウンさせ3機に分離し、ミネルバに向けて飛び去っていく。
たとえ単体でも、手足を畳みコアスプレンダーの翼を広げたこの姿なら、飛行できるのだ。
2511/11:2005/09/28(水) 00:32:30 ID:???

2機のフライヤーとコアスプレンダーの後姿を見送りながら。自身もクサナギに向かいながら。
ようやく、マユは理解する。

別にインパルスは、フリーダムを助けたわけではなかったのだ、と。
徹頭徹尾、彼はマユを助ける意思など、一切持ってなかったのだ、と。
最初から最後まで、奴は自分が好き勝手に暴れ、かつ生き残ることしか考えてなかったのだ、と。

大気圏突入時の協力も――単に、フリーダムの盾と翼を利用したかっただけだったのだ、と。

重たい円筒形ヘルメットを外したマユは、下唇を噛む。
一瞬信じかけた絆を裏切られ、懐かしさを裏切られ。
それは、どっちにしても、彼女の一方的な思い込みではあったのだが。

フリーダムとインパルスの出会いは、要するに、互いに最悪の第一印象で。
互いに、大きな思い違いを抱いたまま、分かれてしまうことになる――。


――世界が、今しがた受けたばかりの被害の確認に追われている、その最中。
既に『その先』を見据えて動いている人物が、1人。
膝の上、毛並みの良い猫を撫でながら――

「……そうだ。オーブだ。あの国だ。
 これから再開される、我らの戦争――あのちっぽけな国を手中にした者に、勝利が微笑む。
 今現在のギリギリの均衡、オーブという名のたった1個の小石で、大きく傾くことだろうよ」

自信満々に、電話に向かって話すのは、大西洋のメディア王ロード・ジブリールその人。
冷たい眼差しで、壁面を埋め尽くすモニターに映る、世界各地の被害の様子を眺める。

「まずは、外堀を埋めたまえ。今回の件を使えば、手はいくらでもあろう?
 何、世論の方は任せておきたまえ。とっておきの素材が手に入ったからね。
 ――ではそういうことで、よろしく頼むよ、大統領閣下」

ジブリールは受話器を置くと、椅子の上に座り直す。
猫がするりと逃げてどこかに去るが、彼は気にも留めない。冷たい笑みでモニタの1つに注目する。

「よく撮れてるじゃないか、『ファントムペイン』! 戦争が終わったら、カメラマンにもなれそうだな。
 さて――2年前の怨敵、フリーダムよ。今度は間違いなく、我らに恵みをもたらしてくれるのだろうね――」

そう、彼の視線の先には――1つのモニタの上には。
ユニウスセブンの残骸の上、ジンと交戦するフリーダムの姿が、はっきりと――


                        第七話 『 軍靴の足音 』 につづく
2612/11:2005/09/28(水) 00:34:00 ID:???
文章で書くと微妙に短いですね。いつもと比べて。
脳内映像的には、ユニウス落ちてく被害の映像で、かなり時間稼げるはずなんですがw


設定上の追加事項〜。って言っても一つだけ。

>アレックス・ディノ
本編でも少し触れましたが、サングラスだけでなく付け髭付きです。似合ってません。知ってりゃバレバレです。
ここまで触れてこなかったのは、アニメ的に言えば「画面の隅に映っている」程度の扱いでしかなかったためです。
ようやく視聴者が顔の全貌を見て、「これってアイツじゃん」と思い至るところです。
あと、声からバレるのを避けるためか、かなり口数少ないです。別に声優のギャラをケチったわけじゃないですが。
その甲斐あってか……(これ以降はまた本編で)


他の設定については、別に今フォローしなくてもいいかと思います。あえて外している部分もありますし。


>ファントムペイン戦記作者様
遅レスですが……ラクス暗殺事件、上手く料理されましたね。
ある意味、そのイベントの大枠を捨ててしまった私としては、正直感服しました。
ところで……そちらの虎さんの偽名、ひょっとして……??w
27通常の名無しさんの3倍:2005/09/28(水) 00:53:00 ID:???
SSがギャラに注釈入れる必要は無いぞw(いや、おもっくそ笑ったが。良いネタだ)
ともかくGJ。今回も面白かった。
28通常の名無しさんの3倍:2005/09/28(水) 01:36:22 ID:???
>>26
>「五月蝿いッ! 雑魚が吼えるなッ! 弱者が語るなッ!」
で牛乳吹いたw
全く、隻腕版シン最高すぎるゼ!
29通常の名無しさんの3倍:2005/09/28(水) 02:11:09 ID:???
>「もういいぜ。離せよ」
にすげー胸キュンしたぜw

っていうかシンかっきぃ! あとメイリンにちょっと萌えた。
メイリンがシンの心配をしてる姿にな。アニメじゃ望めない姿だ…
30通常の名無しさんの3倍:2005/09/28(水) 06:53:11 ID:???
隻腕マユ作者乙

しのはら様 三機のストライクとは、もしや・・・
31通常の名無しさんの3倍:2005/09/28(水) 07:34:20 ID:???
隻腕マユ作者乙です。
ファントムペイン戦記と並んでこのスレで大きく楽しみな作品です。
続きを心待ちにしております。
ジブリールがいい感じに優秀っぽいよ。
TVだと次善の策も考えない一発屋だったジブリールがすごい策士に見えるよ!
やはり、脇役が渋く光っていたら作品の輝きは増しますね!
マユとは対極に進んでしまったシンくんどうなることやら…
何だかんだで戦場で助け合っていそうだなぁ(w

>しのはら様
 三機のストライクですか・・・
それぞれインパルス・テスタメント・アウトフレームになるのでしょうか?
32しのはら:2005/09/28(水) 08:13:38 ID:???
第三十五話投下します

>31 三機のストライクは検査のため解体されましたが、その後は不明になっています。

しのはら版(自分で言うのもなんですが)が終了したら、エンドレスワルツ的な外伝を書けたらいいなぁ、とは思います・・・
33しのはら:2005/09/28(水) 08:30:32 ID:???
コーディネーターたちの墓標ユニウス・セブンは今、戦場と化していた。

「ヤマト大尉、ユニウス・セブンが地球へ向けて加速を!」
ザフト艦隊と合流したマユとキラは休む間もなく戦っていた。

「地球軍は味方を殺す気なの!?」

ユニウス・セブンを軌道から外したのは地球軍の特殊部隊だった。
ダークダガー隊はメテオブレーカーを守るザフトMSを次々に撃ち落としていく。

「こいつらはブルーコスモスの連中だ!」

インコムでダガーをズタズタにし、キラはザフトを援護した。
キラはユニウス・セブンが動き出した理由を自分なりに解釈していた。
地球での支持を失ったブルーコスモスを地球軍は切り離し、大西洋連邦もその存在を有害なものだと発表した。
だからブルーコスモスは反対する地球軍、優勢なザフト軍を一気に叩き潰す作戦に出たのだ。
34しのはら:2005/09/28(水) 08:42:03 ID:???
やがてデスティニーとガーディ・ルーが参戦したことで、事態はさらに悪化した。

マユはデスティニーと剣を交えてながら、兄に呼びかける。

「なんでお兄ちゃんたちはこんなことするの!?」
「必要だからだ!」
「なんのために必要なの?罪もない人たちがたくさん死んじゃうよ!」

デスティニーの一撃を避け、ビームライフルを撃ち返す。

「何もせず、流されているだけで充分に罪だ。お前にもわかるだろう、マユ!」「バカ!」

マユは覚醒し、両手にビームサーベルを持って突進した。

「私たちみたいな兄弟が生まれるんだよ?たくさん!」
「どこにそんな証拠がある?言ってみろ」
「お兄ちゃんは自分が何をしてるかわかってないんだよ!」
35しのはら:2005/09/28(水) 08:51:28 ID:???
「各機、メテオブレーカーの防衛を最優先に!敵は俺がなんとかする!」

フリーダムが突進し、インコムで瞬く間に四機のダガーを撃破、メテオブレーカーにプログラムを打ち込むザクやグフに取り付かせない。

「やらせるか!」

八基のインコムが射出され、放たれたビームがバリアとなってザフト軍を攻撃から守る。
メテオブレーカーはプログラム入力を終え、作動を開始した。
少しして爆薬が作動、ユニウス・セブンを真っ二つにし、地球軌道から逸らした。

ネオは光の翼でインパルスの両手を切り落とし、宙域を離脱した。

「・・・感謝するぜフリーダム」
36しのはら:2005/09/28(水) 08:54:21 ID:???
投下終了です

ではノシ
37通常の名無しさんの3倍:2005/09/28(水) 11:42:00 ID:???
>36 乙 相変わらず贅沢な作りだな
38通常の名無しさんの3倍:2005/09/28(水) 16:31:17 ID:???
ヤマト大尉はどんな二年間を過ごしたんだ?
いや、しのはら版キャラは二年間で変わりすぎ、特に凸と姫
39通常の名無しさんの3倍:2005/09/28(水) 17:39:35 ID:???
>38 しのはらの「エンドレスワルツ的」な続編が早く見たい(本編もだが)
『いあいあ!!『風に乗りて歩むもの』!!『混沌と敵対せしもの!!』!!』
アキラがそう叫ぶと腰から二挺の拳銃を出す。
片方は銀色のリボルバー型、もう片方はオートマチックの黒と赤だ。
『いけ!!』
アキラは言葉と同時に放つ。
片方の銀色の拳銃から放たれたビームは同じ方向を向いているはずなのに
まったく違う方向に飛んでいく。
そして赤と黒の拳銃の方は通常のビームライフルでは考えられない破壊力
をもって敵を打ち抜く。
しかし、敵も負けじのと撃ち返して来ようとする。
『Scimitar OF Barzai!!』
すると今度は刺さるようにグゥルにおいてあった実剣を引き抜く。
するとそれは扇のようにひらいてビームを吸収した。ラミネート装甲だ。
『・・・アキラ?確かその装備とかは金が足りなさ過ぎてプランが凍結したんじゃ・・。』
ハイネが思わず呟く。
『いやー、ハロが俺のプランに賛同してくれて・・・。
資金とファクトリーの協力をしてくれました。』
『・・・・・・・相変わらずだな・・・・。』
アキラのもの凄いところがこれである。
一度はまったらそのゲームに出てきた武器とか術を再現しようとするのだ。
しかし、一応作れて実用性のある設計段階までいっても
いつも金が無くて頓挫するのである。
あの銀色の拳銃はミラージュコロイドを利用するところまではいったのだが
条約によってコロイドが使えなくなってしまったりして泣く泣く封印してたりする。
『でよ?ハロが協力してくれたって言ってたけどあいつ金なんか持ってるのか?』
二人の会話を聞いていたハロが口を挟む。
『なめるナ、ハイネ。ざっと400億アースダラーはあル。』
レイは思った・・・・増えてる。
『結婚して、ハロ。』
『マユ、おたくのロボットを嫁にください!!』
『すみません?お兄ちゃんとかいりません?』

ちょっとハロは人間不信になろうかな、とか考えた。
41ほのぼのマユデス。縁の下のゼロさんと:2005/09/28(水) 21:12:58 ID:???
私は、ようやくゼロさんの装備を理解した。
『おらっ!!』
・・・・ジョーさんが弾のなくなった装備を邪魔なので敵にぶつけるのだ。
それは、爆発するか落ちる。
ゼロさんのザクはそれをもったいないと言わんばかりにアンカーで絡めたり
して回収するのだ。
そのほかに、あのケーブルには電気を送電する機能もあるらしく、動きすぎて
エネルギーの切れたキースさんのザクに送電したりしていた。
カルマがうっかりグゥルから落ちたのを拾ったり、ハイネお兄ちゃんが
うっかりを発動したときは武装で攻撃していた。
なるほど、ゼロさんはサポートに徹しているらしい。
ハイネ隊が強い理由がわかった気がする。
『マユ!!クルゾ!!』
ハロの言葉にはっとする、黒いストライクが来たのだ。
「よし!!いくよっ!!」
『おう!!』
私は黒いストライクと戦うべく飛んでいく。

しかし、その時また邪魔が入った。

『オーブ軍!!戦闘をやめろ!!』

あの、勇敢でまっすぐだけど愚かなお姫様が、死神のナイトを連れてやってきてしまった。
42通常の名無しさんの3倍:2005/09/28(水) 23:06:27 ID:???
age
43通常の名無しさんの3倍:2005/09/28(水) 23:12:26 ID:???
ファントムペイン書いてる者です

>>26
隻腕マユ作者様、いつも楽しく拝読させていただいてます。
ご質問の件ですが、「ファントムペイン戦記」の“アンディ”は隻腕マユにインスパイアされ(以下省略
というのは冗談で、アンディ・バルディの設定が素敵だったのでさり気なく拝借させていただきました。
使用を制限することは何卒ご勘弁をm(__)m多分一回きりの使用だと思いますので(汗

44通常の名無しさんの3倍:2005/09/28(水) 23:26:47 ID:???
隻腕マユ書いてるものです。

>>43
いやいや、お顔を上げて下さい。別に咎めているわけじゃありませんよw
単純にそうだったら嬉しいな、と思った次第で。
私も、ファントムペイン戦記は大いに楽しませて貰っていますしね。
商品展開する気もないですしw、これからも万が一にでも使えるモノあったらどうぞご自由に。
他の職人の皆様も。

……といいつつ、こちらも他の作者様の作品設定に膝を打つことしきり、だったりして。
ほのぼのマユデスのハイネ隊いいなぁ、とか。しのはら様版のストフリ上手いなぁ、とか。
丸ごと借用はしないと思いますが、参考にはさせて頂くかもしれません。
45しのはら:2005/09/28(水) 23:41:27 ID:ZyghoEab
こんばんはしのはらです

>43ファントムペイン作者様

いつも楽しませてもらってます。ストライクMk2を自分の作品に出させてもらっていいでしょうか?

>44 隻腕作者様 どうもしのはらです ストフリの件は本編への憎しみからああなりましたw

しのはらは今後も皆さんに楽しんで頂けるマユ種を作っていきます

>各職人様 これからも一緒にマユ種頑張っていきましょう

ではノシ
46通常の名無しさんの3倍:2005/09/28(水) 23:46:13 ID:???
神が三人・・・


これは夢か
47ほのぼのマユデス。:2005/09/29(木) 00:09:48 ID:???
おぉっ、何か凄い事に。


うちのハイネ隊なら使いたいって一言くださればいつでもいいですよ。
いつでもドナドナ歌いながら荷車にのせて出荷しますんで。
48通常の名無しさんの3倍:2005/09/29(木) 00:15:06 ID:???
すげぇ、職人オールスターだなオイ
49通常の名無しさんの3倍:2005/09/29(木) 00:26:14 ID:???
ファントムペイン書い(以下省略

>>45
しのはらさま、いつも楽しく拝読させていただいてます。
どうぞどうぞ……って、Mk-U自体私が考えたものじゃありませんが(´д`;)
クライマックス近そうですが頑張ってくださいませ。


50マユAD:2005/09/29(木) 06:31:02 ID:???
朝っぱらから第4話投下です

隻腕マユ様>>プロい…情景描写がスゴいです…シンの黒さ加減も絶妙ですね

しのはら様>>ストーリーも終盤戦ですね!あっと驚くような最後を期待してますよ!
51マユAD:2005/09/29(木) 06:34:55 ID:???
プラント評議会議長、ギルバート・デュランダル。
コーディネーターの総意を決定する政治機関、評議会がおかれるプラント「アプリリウス」の、彼個人の書斎で、1人、パソコンのディスプレイを眺めていた。
開かれているファイル名は--D・PLAN。そのとなりに並べられた少年と少女の写真。そしてアーモリーワンでの3機強奪時の写真。
「やはり…少々強引だったかな…出来れば成功して欲しかったが…」男はそういいながら、しかし本心では彼らの成功にはあまり期待はしてはいなかった。

ラクス・クライン。あそこにいなかったとなれば、こちらはほぼ完璧に見失ったことになる。しかしそのままにしてはおけない。
彼女の人を動かす力は大きな物だ。前大戦におけるエターナルの強奪も、連合とザフトの争いの一時的な終結も、全て彼女の力が作用している。
いや…彼女の人を「惑わす」力、と言った方が正しいだろう。
いずれにせよ同じ失敗を繰り返すほど馬鹿なことはない。あの力はこちらの手中に収めておく必要がある。
しかし本物が見つからなかった以上、予備を使うしかない。あまり効果は望めないが、とりあえずはあれでも役割はなんとか果たせるはずだ。
本物には消えてもらうとしよう。居場所は分からなくとも…行く場所は分かる。
孤児院襲撃の件が彼女に露見すればこちらを疑ってかかるだろう。そしてクライン派が彼女に私の「不穏な」情報を流せば、あそこに手を出し私を調べようとする筈だ。
こちらは網を張ってそれを待てばいい。
52マユAD:2005/09/29(木) 06:37:06 ID:???
そして…キラ・ヤマト。気にはなるが…彼のことはおおよそ大丈夫だろう。連合に裏切られた彼なら今後は間違いなく「オーブ側」かラクスにつく。
彼女に着かないよう手懐ければこちらに害はない。少なくとも計画の実行までは。セイラン家に感謝しなくてはなるまい。

奪われた3機はどうするか。恐らく乗っているのはソキウスか何か。
並のパイロットでは恐らくザクウォーリアはおろか、最新のグフイグナイテッドでも勝てないだろう。パイロットの腕が違いすぎる。
…しかし大した問題ではない。Tステージの開発は進んでいる。あれが完成すれば、敵ではない。
それまではミネルバの彼らに頑張ってもらうしかない。レイとルナマリアではパイロットが同等程度、機体の性能で負けているとなれば、現状太刀打ちは困難。2機で1機を抑えるのが限界。
ミネルバに1機、ここに1機とG型のSステージはあと2機。
3対3で引き分け--か。いや我々は勝たねばならない。絶対に。ならば、やはりそれを覆すのもパイロットの技量。

<<議長、オーブ連合首長国特使、アレックス・ディノ様がお見えになりました>>
「わかった。彼女のところに招いておいてくれ。すぐそちらに向かう」
負けはしない。計画を実行し、世界を変えるまでは。
男は静かに席を立ち、部屋を立ち去っていった。


マユ-ANOTHER・DESTINY- PHASE-04「始まり」
53マユAD:2005/09/29(木) 06:45:49 ID:???
ユキはミネルバの自室で1人ベッドの上で膝を抱え、考えていた。顔を俯かせ、一点を凝視している。彼女を悩ませたのは…今は亡きユニウスセブンを落とした犯人達の首謀者、サトー。

--なぜだろう。彼らの言葉。
自分も犯人達の言葉が正しく聞こえなくもない気はした。
もしかしたら、もし地球の人がみんな死んだら、それで「人」と「人」との無益な争いが終わるかも知れない。そう思った。
だが…ユニウスセブンがメテオブレイカーに砕かれた時、やっぱり安堵している自分がいた。落ちなくてよかった。誰も死ななくてよかったと。
甘いのかもしれない。軍人としては。でも地球に落ちても月にもまだ「人」はいる。なら落ちても終わらない。
やっぱり話し合いも必要だ。言い訳かも知れないけど。そう考えてしまった。やはり戦うことは間違っていると。
ならなぜ自分は軍に入ったのだろう?
鮮明に思い出されるあの日の光景。マユだ。彼女を失ったのが悲しかった。
弱い自分。友達1人守れない自分。そのとき言葉で戦争は終わらないことを知った。だから剣をとったのだ。
そして今は力がある。戦争を終わらせるための力。だから戦う。容赦なく敵を倒す、つもりだった。
http://
なのに…できなかった。たったの1人も。ビームは撃ったが致命傷を与えられず、サーベルを握っても四肢ばかりを狙っていた。
軍に入ったのは言葉では解決しなかったから。力で終わらせるしかない。だけど人を殺せない。だから話合いで解決したい。しかしそれでは戦争は終わらない。なら結局力押ししかないのだろうか。
「…」
誰が答えてくれるはずもない。部屋には自分1人。分からない。自分が正しいのか。確かな答えが欲しい。ネックレスを握りしめ、今ある一つの答えの源にすがる。
「マユ…私、どうしたらいいの?」

ユキを現実に引き戻す、来客を示すチャイムが鳴る。
「ユキ?いるよね?」
ルナマリアだった。
「開いてるよ…」
ドアが開く。
「大丈夫?」
声をかけたのはメイリン。2人ともユキの事を心配して来たようだった。
ミネルバが地球に降下してすでに6日。 なのにユキは一度も部屋を出ない。誰であっても何かあったのかと心配になる。
ルナが話しかける。
「買い物、行かない?3人でさ。ね?いつまでも閉じこもってると体によくないよ?」
今悩んでも仕方ない。ユキもそう思ったのだろう。
「うん…!」
3人の少女達はひとまず艦を後に町に向かって歩きだした。
54マユAD:2005/09/29(木) 06:48:09 ID:???
--こちらは、カリフォルニア基地。陣営は違えど、ここにもミネルバと同時に地球に降下していた艦、「ガーティー・ルー」があった。その艦の一室、戦闘以外は特にすることのない彼らは遊びに興じていた。

「ちっ!つまんねぇつまんねぇ!」
水色髪の少年、アウルがボヤいている。
「うるせぇな…何回目だそれ?こっちはマジなんだ、黙ってやれよ。お前の番だ」
真剣な顔でスティングが言い返す。
「だってさぁ、この遊び?いつまでたっても終んないじゃん!」
隣のセネカのカードを一枚、慎重に抜き取る。
黒髪の少年は笑った。
「はい、1着あーがり!」
「くそっ!なんでだよ!最後も関係ないやつじゃん!」
怒るアウル。スティングがアウルのものの中から1枚取り出す。
「ちっ、2着かよ…」
最後の手札を捨てた。それに驚くアウル。
「なっ!いつの間に!?ちくしょー次は俺だからな!ステラ、カード出せ!」
「はい……」
無表情な顔で手札を広げるステラ。
「…これだ!」
引き抜いたカードを見て震えるアウル。道化師の笑顔。
「…てめー!ステラァ!!」
「バーカ。洞察力不足なんだよ。八つ当たりすんな」
「まあ、あの顔じゃ何考えてるかわかんねぇよ。超ポーカーフェイスだからな」
「ちくしょー!やめやめ!プロレスやろうぜスティング!」
「おう!かかってこいや」
「…………」
暴れ出すアウルとスティング。ボーっとしているステラはいつまでもカードを広げている。
「まったく。あのリーダーにしてこの関係あり、か。これじゃチームワークもヘったくれもない。俺が出るしかなくなるわけだ…」
セネカはそう言いながら昨日の基地副司令官からの指令を思い出していた。
55マユAD:2005/09/29(木) 06:49:39 ID:???
「え!?自分も戦闘に…ですかぁ?」
柔らかな光が差し込む副司令官の書斎。窓から今まさに離陸せんとしている戦闘機が見えた。突然の指令を受け流石に驚きを隠せないセネカに帽子をとった白髪の老人は言った。
「うむ…。さし当たって、とりあえずはこちらが極秘に開発していた「ストライクMk2」を与える。NJC、を搭載し、ミラージュコロイド、PS装甲をも備えた機体だ。
今までまともに乗りこなせる人間すら1人もいなかったとんでもない代物だが…君なら使いこなせるはずだ。とはいえ、それは2年前の」
しかしセネカはようやく気付いた。
「ニュ!NJCでありますかぁ!?それにミラージュコロイド!?しかしそれは条約で」
「…わかっている。落ち着きたまえ。君が出るのは開戦してからだ。」
そういいながら頭を掻いている。頭の様子からは彼の心労がうかがえた。
しかし少年はまだ納得いかない様子だった。
「お、落ち着いてます!しかし、なぜ私なんです?ネオ・ロアノーク大佐ではなく!私がみる限りでは…その、パイロットとしての技量ではむしろ、彼の方が私より上かと。それに私は」
「そう謙遜しなくてもいい。操縦の腕は君の方が上だ。データから見てもそうだったし、大佐もそれは認めていたよ。
確かに生体CPUの調整技師としての、君の艦での役割を考えれば彼の方が出るのが妥当に見える。だが彼は佐官、君は尉官、文句を言える立場ではないだろう?そして彼は作戦の立案を行う役だ。それに…」
副司令官はそのおいぼれた皺のよった手で、こちらに手招きをする。口外しにくい話があるようだ。
「ここだけの話なんだが…。ファントムペインの結成に関しては艦の造艦から…生体CPUの作成までそのほとんどがブルーコスモスの資金によって成されたものだ。
MSの強奪こそ成功したが一部から戦略的な部分が欠けている、多額の投資に見合った戦果を挙げることができるのか、と疑問視され初めていてね。
そこの盟主ロード・ジブリール氏へのお膳立てなのつもりなのだろう。、あくまでも成功を装いたい。だから君。そういうことだ。」
話し終わって呆れたように溜め息をつく。
56マユAD:2005/09/29(木) 06:53:14 ID:???
「まったく酷いものだよ。地球のために協力し、戦うはずがいつまにかコーディネーターを倒すことが目標になっている。すべてブルーコスモスが原因だよ。
今回君に指令を言い渡す役が私なのもそのためだ。「上」がブルーコスモスに所属しているからという理由だけ。「コーディネーターには会いたくない」だとさ…。まったくふざけているよ…。」

連合軍の大半の兵はブルーコスモスに所属している。彼らが戦う理由は1つ。コーディネーター撲滅そのためだけである。
その一方でただ平和を願い軍に入る者もいる。が、その多くはまともに昇進すらできないという現状がある。

上位の官職はほとんどブルーコスモスのそれも地位の高いものに独占されている。
尉官以上はブルーコスモスに入るか、もしくはその幹部から推薦を受けなければなることはできない。それが軍の暗黙の領域。ブルーコスモスに支配された形だけの軍隊。
それが連合軍の腐敗しきった現状だった。
「そういうわけだ。すまないが彼らの補佐ををよろしく頼む。君達はとりあえず開戦したらザフトの新型艦を中心に追うように、とのことだ。
しかし言われてはいるが…まだ3機のデータ収集が終わっていない、その上に開戦もまだしばらく先だ。しばらくの間は待機していてくれ。以上だ。」

呼び出しを受けて、勲章の一つでももらえるのか、などとは思わなかった。
だが、しかしせっかくG3機うばったのにお褒めの言葉一つ頂けないとは。現実は思ったより厳しいようだ。

そんなことを考えているとネオから通信が入った。至急、皆を集めてブリッジに集合して欲しい、任務がある、と。
57マユAD:2005/09/29(木) 06:57:56 ID:???
しかし彼らはその命令の内容に唖然とした。
「オーブに行ってこい」
「「「は?」」」
セネカ・スティング・アウルは申し合わせたように声を揃えていった。ステラはまだボーとしている。どうでもいいのだろうか。
「なんだその面は?暇なんだろ?まだ後数日かかるらしいから、ちょっとした社会勉強だよ!行ってこい!」
「だからって社会科見学はないだろー?ガキじゃあるまいし。もっと楽しそうなやつにしろよ!MSに乗って戦うとかさ!オーブのMSとも戦ってみたいし」
「同感だな。せめてMS乗るぐらいはしたい」
「……」
「ダーメーだ!いいから行ってこいての!ほら飛行機出ちまうぞ?早く行け!ああ、それとお土産、忘れんなよ!」

ブリッジをでる4人。
「はー…。ホントに行くのかよ?」
「だりーな…」
又してもボヤくアウル。今度ばかりはスティングもそれに同調していた。それに対してセネカはそっけなく
「まあすることないのは事実だしな…とりあえず行くか?あそこに行けるかも知れないしな」
と言う。スティングは察したようだった。
「なるほどな。…確かに行けるかも」
「あ?どこだよ?」
「どこ?」
「懐かしの出会いの場所、だよ」
58マユAD:2005/09/29(木) 06:59:59 ID:???
<<なるほど、ではまだ「どこがやった」、とは断定は出来ませんわね>>
「うん…。戦争が始まるからだよ。それで犯人達は僕達を狙ったんだと思う。僕達が前みたいにオーブに味方すると邪魔になるから、って。だとしたら犯人はプラントの方だ」
一方、オーブのとあるホテルでは狭い画面一枚を隔ててキラ・ヤマトとラクス・クラインは話しをしていた。その2人の話に割ってはいる、アンドリュー・バルトフェルドとマリュー・ラミアス。
「どうかね?あながち、連合かも知れんぞ?戦争好きのあいつ等がいるからな」
「そうね、「平和の歌姫」が出てきたら戦争を始めるのに都合が悪いのは彼らだわ。プラントから戦争を仕掛けるとは考えにくいし。
戦争を始めて直ぐに反戦運動が始まっちゃったらそれこそお話にならないわ、彼らにとっては」
オーブに着いたキラ達は宇宙にいるラクスと通信をとっていた。孤児院襲撃の話もそうだが、主な話は自分たちはこれからどうするか。
「戦いたくはないよ…。誰かを傷つけるのも…誰かに傷つけられるのも…もうたくさんなんだ…」再び戦いに身を投じたくはない様子のキラ。しかしラクスは言う。
<<ですが…奪われてから後悔するようでは遅いのです。それは前の戦いからも学んだことでしょう?
何もせずにただ平和を享受しているだけではいつかその平和すら崩して仕舞いかねません。
平和でありたいと願うなら、それを叶えるために武器をとることもまたやむを得ないのです。…矛盾ではありません。悲しいことですが…私達の平和と彼らの平和とでは多少なりとも違うのですから…>>
「ラクス…」
<<だけどキラ、決めるのはあなたです。今すべきことを、よく見極めてください>>
そう言い残して通信を切ったラクス。
キラは思った。彼女だけは失いたくない。僕の心の支え。生きる理由。その人が言うのなら…僕にとっては是非もない。
「マリューさん、バルトフェルドさん」
「やっぱ…そうなるのかねぇ?」
「しかたないわね、発進の準備をさせるわ。なんだか、セイランさんの思惑通りになるみたいでやな感じだけど」

そのときマユは1人だった。無数に名の彫られた慰霊碑の前で。そしてその名を見つけだす。
「マユ・アスカ」、「シン・アスカ」。そして--「ユキ・シラトリ」。それら一つ一つを指でゆっくりとなぞりながら、泣いていた。
59マユAD:2005/09/29(木) 07:07:42 ID:???
投下終了です
見直してみたら>>53に変なの入ってたよ…なんでだ('A`)まとめ人様、修正お願いしますorz

そういえばストライクMk2(名前だけだけど)出しましたが…話の都合上、まとめ人様のサイトのものとスペックがやや違うので必要ないとは思いますがちょっと解説をいれときます
60マユAD:2005/09/29(木) 07:15:29 ID:???
ストライクガンダムMk2
型式番号 GAT-X000
全高 17.74m
重量 96.7t
主武装
75o対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」×2
ビームサーベル×2
220o径5連装ミサイルポッド
115mmレールガン「シヴァ」
94o高出力収束火線ビームライフル
350oガンランチャー
ビームブーメラン「マイダスメッサー」×2
ラミネートアンチビームシールド
ピアサーロック「グレイプニール」
ビームナイフ「ロムテクニカRBWタイプ7001」×2
580o複列位相エネルギー砲「スキュラ」
装甲・特殊兵装
PS装甲
ミラージュコロイド
動力源
NJキャンセラー
備考
350o前94o後ろ連結時→超高インパルス長射程狙撃ライフル
94o前350o後ろ連結時→対装甲散弾砲

高出力、高機動、あらゆる局面においての優位性をコンセプトに造られた大西洋連邦初のMSになる予定だったガンダム。
開戦直後から思案・設計されていたが一機につく高コストと、「血のバレンタイン」事件後のプラント側の報復措置、
NJ(ニュートロンジャマー)の影響によりエネルギー・生産面共に問題が生じ製作を断念、開発は途中で打ち切られた。

その後完成したストライクを初めとする最初のGATシリーズ5機は本機を元にあらゆる状況下に対応するように、特性をバランスよく抽出・分散、造られた物である(もっともそのうちの1つ、デュエルは本機を簡易かしたものだが)。
ところがヤキンの大戦終盤、当時のブルーコスモス盟主ムルタ・アズラエルが偶然手に入れた
NJCのデータによりエネルギー面の問題をあっさりと解消。完成することとなった。
しかし、あまりに多岐に渡る武装が仇となり、全ての武装をまともに使いこなせるパイロットは1人として現れず、
結局一度も出撃することなく大戦は幕を引き、本機は倉庫奥深くに眠ることとなっていた。

なお、ストライク「Mk2」という呼称は
完成に際して「ストライクよりも後に完成した」、「5機の中で最も戦果を挙げたのがストライクだった」ということからこう名付けられている。実際、形はストライクによく似ている。

ちなみにPS装甲展開時の本機の黒と赤を基調としたカラーリングはシンが電圧を調整してつけたもの。本来はストライクガンダムと同系統の配色である。

61しのはら:2005/09/29(木) 08:05:01 ID:???
第三十六話投下します

今回は宇宙閃光の果てにが入ってます
62しのはら:2005/09/29(木) 08:16:02 ID:???
ユニウス・セブンの落下という最悪の事態を首の皮一枚で回避した世界は、ブルーコスモスへの怒りに燃えていた。
プラントはミーア・キャンベルやプロパガンダ放送でブルーコスモスの実体を誇張して伝え、国家総動員態勢「デスティニープラン」を実行に移した。
プラント評議会では地球軍アンザッヘル基地への総攻撃が承認され、部隊は月軌道へ移動を開始した。

ヤマト大尉と別れたマユはミネルバと合流し、一路コペルニクスへと向かっていた。デュランダル議長を乗せたミネルバに新しい任務が下る。

「コペルニクスで行われる停戦条約の締結に向かう議長を護衛せよ」

ナスカ級を伴って進むミネルバに、反ブルーコスモス派の地球軍艦隊が合流した。

「こちらは地球連合軍、モーガン・シュバリエ大尉。護衛につく」
63しのはら:2005/09/29(木) 08:29:00 ID:???
警戒していたルナマリアは苦笑しながら言う。

「不思議な気持ちだわ。昨日までの敵とこうして共にいるなんて」
「こちらも同感だ。ザフトのエース」

合流したのはヤキン戦で活躍した105ダガーとウィンダム部隊だった。

「・・・撃たないでよ。後ろから」
「安心してくれ、女性には正面から挑む主義だ」

ミネルバ艦橋に腰を下ろしていたデュランダルは頼もしい味方であるダガー隊とザフトMSの会話を聞き、感銘に近い感情を抱いていた。

「艦長。今この場所には、ナチュラルもコーディネーターも関係ない。同じ目的で同志が集まり、こうして会話している」
「・・・そうですね。議長」
「人はいつか分かり合えると私は思っている。平和の基本は相手を理解し、思いやることだ」

デュランダルは静かな口調で言う。

「自らの理想のみを押し付け、それに従えというのがラクス・クラインの考えだった。私はそれが、とてもじゃないが平和へ向かう道とは思えない」
「正しい意見です」「だから私は今ここにいる。君たちもな」
64しのはら:2005/09/29(木) 08:38:35 ID:???
「うわっ」

一機のウィンダムが姿勢を崩した。
グフにぶつかり、あらぬ方向へ飛んでいく。

「危ない!」

マユが止める前に、ソード105ダガーが二機を止め、放す。ダガーのパイロットから通信が入った。
「悪いな。インパルスのパイロット」
「大声じゃ言えないですけど、新人が多いんです」
「ははは。君だって子供じゃないか」

マユはムキになって反論した。

「子供じゃないです!」
「そう怒るなよ。仲良く行こうぜ!」

ダガー隊各機から通信が入る。

「クリス、お前ロリコンだったのか?」「犯罪だぜぇ」
「ザフトのお嬢ちゃん、俺たちがエスコートしてやるからな!」

口調は荒っぽいが、彼らからコーディネーター差別の意志は全く感じられなかった。

そしてメイリンから通信が入る。

「コペルニクス上空に敵艦隊!数一五!」
65しのはら:2005/09/29(木) 08:39:38 ID:jK/NlAn/
投下終了です

UCファンの皆さんすみませんorz
661:2005/09/29(木) 09:26:09 ID:Ub78zNJ8
>しのはら様
乙でした。
「閃光の果てに…」を思い出しますね〜(w

新人の癖に新型のウィンダムに……なんか新人君の情けなさ倍増w

コペルニクスには渋い軍人さんが居るんでしょうね〜
一緒に狂戦士みたいなMSパイロットが(^^;
67通常の名無しさんの3倍:2005/09/29(木) 09:36:28 ID:???
しのはらマユ種の議長はホントに政治家だな

キャラから電波抜くだけでここまで変わるとは
68通常の名無しさんの3倍:2005/09/29(木) 15:13:40 ID:???
>65 パクリと言われるかもしれないが、劣化ではなく種の要素をちゃんと盛り込んでるんだな
サクサクながら本編より三倍は濃いw
69しのはら:2005/09/29(木) 16:35:35 ID:???
この間のMS解説の続き投下します

ザク・ウォーリア

大戦後初のザフト主力MS。ガンダム系から得られたデータをフィールドバックし、単機でストライクを上回るスペックを有している。
操縦系統もかなりの改良が施され、新人パイロットが搭乗してもベテランのゲイツを凌駕した。
動力パイプが剥き出し(これはグフにも共通する点だが)であるが、これはあくまで補助動力用であり、切断されても問題はない。
余談だが、プラントで人気のアニメ「機動戦士ガンダム」のザクはこの機体をモデルにしている。

グフ・イグナイテッド

ザクの指揮官用として開発されたMS。だが会社の内輪もめで開発は難航し、指揮官用MSの座はザク・ファントムに譲ることになる。
だが地球における戦闘の激化はグフに量産機としての未来を与えた。
大気圏内で飛行可能、軽量で高い運動性を誇るグフはディンから乗り換えたパイロットに絶大な支持を得、バビと共に制空権の確保に貢献する。
またグフはエースパイロットからも人気が高く、撃墜機数256機のスーパーエース神楽・ゴールドバーグ・京介率いるJG26部隊の活躍は有名。
70しのはら:2005/09/29(木) 16:55:26 ID:???
ウィンダム

105ダガー、ダガーLに続く地球連合軍の主力機体。
量産機ながらストライクを凌駕する性能を有し、各種ストライカーパックも使用可能。
ザフト軍のザク・ウォーリアには当初苦戦を強いられたが、三機一組の連携攻撃や圧倒的物量で押し潰す「スチームローラー・アタック」で対抗し善戦した。

ムラサメ

オーブ軍の新型主力変形MS。
M1アストレイをベースにして開発され、大気圏内及び宇宙で(ムラサメM1A)高い性能を誇る。
オーブ軍のムラサメ隊はその士気の高さと高い技量で知られ、ザフト軍にとって頼もしい存在だった。

あと三隻同盟軍について

三隻同盟軍は大戦後行き場所を失ったアークエンジェルクルーやエターナル乗員によって結成されたザフト軍支援組織である。
支援組織という名前ではあるが、実質的には「戦場の便利屋」であり、ザフトが介入できない地域紛争やテロの解決に投入されることが多い。
ストライク、フリーダムのパイロットだったキラ・ヤマトを始めとして有能な人材が数多く在籍し、その評価は正規軍からも認められていた。ナチュラル、コーディネーターの混成部隊でもある。
MSに関しては多種多様な機体が配備され、M1やM1Aといったオーブ系、ドムを始めとしたザフト系に、流れてきたガイアガンダムなども装備している。
71通常の名無しさんの3倍:2005/09/29(木) 19:30:09 ID:???
age
72通常の名無しさんの3倍:2005/09/29(木) 20:31:32 ID:???
乙です 神楽ってすげぇんだな・・・
73通常の名無しさんの3倍:2005/09/29(木) 21:31:47 ID:???
しのはら オマージュ


負債 劣化コピー


そしてGJ
私は驚いた。なんたってアスハのお姫様がストライクルージュではなく
フリーダムの手のひらに直接乗っているのだ。
『オーブ軍!!戦闘をやめろ!!この姿を見てもまだ戦闘を続けるか?!』
オーブ軍も地球軍、それに私達も困惑してどうしたらいいか解からない。
それを見たアスハのお姫様をこう叫んだ。

『今すぐ撤退した者は私が国に戻ったあかつきには給料50%アップとユウナ殴り放題。』

その瞬間、あっというまにオーブ軍は撤退した。

『ハイネ!!俺オーブに引っ越す!!』
『俺も!!』
『僕も!!』
『お前らなぁぁぁぁぁ!!』

ハイネ隊のペースだけは相変わらずだった。

75通常の名無しさんの3倍:2005/09/29(木) 22:43:32 ID:???
ユウナ逃げてー
ハイネ隊のMSの解説を。

グフ・イグナイテッド(ハイネ・ヴェステンフルス専用機)
我らが隊長の機体。オレンジ色なので戦場で迷子になった時便利。
本編との違いは特にないがほのぼのマユデスではハイネ隊がいる為
魔改造される可能性アリ。エンブレムは盾にHと本編通り。


ザクウォーリア(グレイシア機)
盾の表面にGと言う文字を模した鎖の銀色のエンブレムが入ってる。
腕と足に強化パーツがついており、そこは束縛用チェーン『フィッシュ・ボーン』の
収納と力の強化の機能がついている。それ以外は通常。
グゥルにも『フィッシュ・ボーン』は収納されている。

ザクウォーリア(キース機)
アストレイを知ってる人に言えば劾のジン、わからない人には肉抜きしまくった
ミニ四駆と言えば解るとおり、軽量化しまくってある。
背中のバックパックも強化されていて短時間ならグゥル無しで飛行可能。
武器は手足についたフック付きビームクロウのみだが、これだけで
近距離から中距離まではこなせる。エンブレムは爪に月をCに見立てた者。

ザクウォーリア(カルマ機)
両肩に盾をつけているが、その中にたくさんの武器を隠している。
また、グゥルも一見近くで見ないと解からないが改造されていて
中にいろいろな武器が内臓されているエンブレムはシルクハットと杖に
Kの文字を模したリボン。
ザクウォーリア(ジョー機)
とにかく、火力。エネルギーを使わない実弾系中心。
昔ゾイ○のアニメでこんなカスタマイズをした女の子がいたなぁ、とか思ったり。
グゥルに乗ってても重くて俊敏な動きは出来ないのであくまで
移動できる砲台的な役割である。エンブレムはJの形を模したミサイルの弾道。

ザクウォーリア(アキラ機)
見る人が見ればやっちゃった感ばっちしなオリジナルウィザードと
換装可能なグゥルが特徴。
オリジナルウィザードは『ニトロパック』のほかに『フェイトパック』、
『メルティパック』などがある。名前を見れば一部の人にはどんな装備か
大体解かるかもしれない。エンブレムは古びた本の上にナイフと剣でAの形
が作られている。

ザクウォーリア(ゼロ機)
アンカーとビームマシンガンとビームサーベル。それだけ。
ただアンカーは多機能で攻撃、回収など以外にエネルギーの送電や
通信機能がついている。エンブレムはアンカーが0の形に巻かれている図。
78通常の名無しさんの3倍:2005/09/29(木) 23:03:43 ID:???
>>76-77
左肩がオレンジショルダーですよね?
機体のカラーは、量産型と同じですか?
79ほのぼのマユデス。:2005/09/29(木) 23:40:01 ID:???
>78
カラーリングは量産期と一緒です。
ただカルマ機は肩の部分が両方盾なので左の盾がオレンジという事だけ
違うかな(あんま関係ない)
80通常の名無しさんの3倍:2005/09/30(金) 00:21:38 ID:???
ほのぼの乙
結局は金かw

しのはら乙
何気ない会話がいい味出してるな
81通常の名無しさんの3倍:2005/09/30(金) 00:51:44 ID:???
関係ないがシャッフルのメガネっ子マユとよく似た髪型だなw
82通常の名無しさんの3倍:2005/09/30(金) 08:19:54 ID:???
>81 言われてみれば同感だ
しのはら版なら絶対ガンプラ売れると思うの漏れだけ?
83通常の名無しさんの3倍:2005/09/30(金) 09:35:13 ID:???
>>82
量産機が人気出そう
初代知らない視聴者層にも、新たにザク派・グフ派・ドム派などができる
・・・・本来なら、それは本編にこそ・・・・いや、言うまい
84通常の名無しさんの3倍:2005/09/30(金) 11:49:18 ID:???
>83 ハゲドー このスレ初の弱いガンダムを描いたのがしのはらタソだからな
85通常の名無しさんの3倍:2005/09/30(金) 16:47:18 ID:???
>84 確かにしのはらのガンダムはさほど強くないわな。
86通常の名無しさんの3倍:2005/09/30(金) 20:02:45 ID:???
黒マユ投下。
カガリが何か書いててかわいそうになってきた・・・。
87通常の名無しさんの3倍:2005/09/30(金) 20:03:46 ID:???
「……ふぅ」
落ち着かない。
この感覚には慣れたはずなのに、またぶり返している。
「……」
ビデオの内容が写されているモニターを見る。
そこにはわたし…いや、わたしと同じ顔、同じピンクの髪を持つ少女が演説をする様子が写っていた。
あくまで強気に、迷い無く。ビームが交錯する、恐ろしい戦場の中で。
「怖く、無かったのかな…」
「それは君が良く知っているはずだ。君がやったことなのだからね」
「議長さん…」
声の人物は、わたしが初めて「知った」人物、ギルバート・デュランダル議長だった。
もちろん、前のわたしだったらもっとたくさんのひとを知っているんだろう。
でも、それは…
「だけど、わたし…」
「『記憶が無い』かね?
 大丈夫、君なら、ちゃんと演説を成功させてプラントの皆様を平和と導かせることができる。
 練習ではちゃんと言えたし、歌えただろう?」
「…そうだと、いいんですけど。私、分からないんです」
「何が、かね?」
そうやって優しく話しかけてくれる、この人はパパみたいだ。優しくて、あったかくて。
わたしには、パパ「だった」人の記憶なんて無いけど。
「なんだか、自覚が無いんです。
 前の自分が凄すぎて…今の自分とは違いすぎて、とてもわたしだとは…」
思わず声が震える。怖くて。かつての自分が持っていた物が、怖くて。
そんなわたしに、議長さんは諭すように言ってくれた。
「そんなことはない。あれが君本人だというのは、あらゆるデータも実証しているさ。
 なあに、ずっとやれば分かってくる」
「そう、でしょうか?」
「そうさ。遺伝子は、君が君であると記してあるのだからね。彼女ができたことは君ができて当然なのだよ」
「……はい」
それでもわたしの表情は、まだ不安げだったのだろう。議長さんは切り口を変えた。
「ふむ。そんなに不安なら、アスランに会ってきたらどうだ」
「アスラン…アスラン・ザラ」
思わずその名前を反復する。
かつて、わたしの婚約者だった人。私をよく知っている人。
たった一人だけ、「わたし」を前の「私」につなげてくれる人。
「外に車を手配させよう。そろそろ港に着くはずだから、行ってきたまえ」
「は、はい!ありがとうございます!」
議長さんの気遣いに感謝しながら、わたしは部屋を出た。

機動戦士ガンダムS-DESTINY 絶たれた過去
882/4:2005/09/30(金) 20:04:31 ID:???
ミネルバクルーは急いで出航するため、艦に呼び戻された。無論、パイロット三人も。
「まーったく、何で急に召集されなきゃいけないのよー」
ルナマリアが頬を膨らませながらぶーを垂れた。それにレイが反論する。
「諜報部が連合艦隊の接近を知らせたんだ。しょうがないだろう」
「タイミング悪すぎ。マユはまだ一個も買ってなかったのよ?おみやげ」
「いや、あたしは別におみやげいらなかったし…」
マユは笑顔で否定して、軽くレイの肩を持った。それが余計ルナマリアには気に入らなかったらしい。
「だいたい諜報部って何よ?いっつも所属コードだけ明らかにしてどっからか情報送ってくる、怪しさ抜群の組織じゃない。
 名前も顔も明かさないなんて、送った奴が凄い馬鹿だったらどうするのよ?」
ルナマリアのその言葉に、レイは眉をつり上げ、辛辣な言葉を言い放った。
「土産を買ったはいいが財布を忘れ、マユに金を払ってもらった馬鹿の言うことではないな」
「な、なんですってぇ!?…なんで知ってるのよ!」
「マユから聞いた。怒鳴ってる暇があったら部屋から借りた分の金を持ってきたらどうだ?」
「くっ…はいはい、分かりましたよっ!」
怒りを軽く受け流され、壁に八つ当たりしながらルナマリアは艦の廊下を歩いていく。
その様子を見て、マユは彼女に聞こえないように配慮しつつため息を吐いた。
「結構、子供というか単純というか。気を遣ってくれるのはありがたいから、そこだけ直して欲しいなぁ」
「お前が言うな」
「レイだって、『怪しさ抜群』だの『凄い馬鹿』だの言われて軽く怒ってるんじゃない?」
レイの突っ込みに素早く切り返すマユ。だがレイは軽くいなした。
「その怒りをうまく扱うのが大人というものだ。それより戦闘にでる心の準備をしておけ」
「え、何で?」
「セイランはあくまで中立を望む…汚い手を使ってでも、だがな。そいつらがザフトだけに情報を渡しているはずがない」
「なるほど…そうゆう」
「マユ、ストップだ」
話はそれで打ち切りになった。アビーが前方から急いで走ってきたからだ。
一般兵の前で話せる内容ではない。
「マユ、ここにいたの?」
「何、アビーさん?」
「あなたにお客さんよ。それもビッグな。外にいるから急いで会ってきたら?」
「ビッグな…?」
893/4:2005/09/30(金) 20:05:17 ID:???
一方アスランは、プラントに到着していた。そんな彼を出迎えたのは、紛れもない…
「えっと…アスラン、ですよね?」
「ラクス!?」
思わず驚くアスラン。どことなく以前とラクスの様子が違うようにも感じたが、そんな事より聞きたいことが山ほどあった。
「本当にいたんだな。今まで二年間どこ行ってたんだ?何でここに?」
「あ、わたし、その…」
「連絡がちっとも無かったけど、何か事件に巻き込まれてたのか?」
「えっと…そういう話は後にしません?とりあえず車に乗りましょうよ」
「…?分かった」
ラクスの態度に疑問を感じるアスラン。
話し方や物腰が以前と微妙に違うし、明らかにこの話題を避けている。
とりあえずラクスと共に車に乗り込み、運転手に運転を任せ議長の待つ官邸へ向かう。
その途中、アスランはラクスに違うことを聞くことにした。
「プラントはどうなっているんだ?」
「とりあえず、政府は今のところユニウスセブンで被害を受けた地域の救助に回ってるだけみたいです。
 戦争が起きないように交渉も行ってるみたいだけど、成果は無いって議長さんが嘆いてました」
「世論はなんて?」
その問いに、ラクスは少し考えてから答えた。
「かなり過激になってます。こっちから宣戦布告してしまえなんて言いだしかねないぐらい。
 多分原因は地球や月でのコーディネイター迫害。
 子供のいじめなんかしょっちゅうで、傷害事件や殺人事件も起こってるとか。
 それどころか基地に対しテロが行われた、ってのもあったそうで…」
「アーモリーワンの他にも?」 
「はい」
うなずくラクスを見て、思わずアスランは愚痴を垂れた。
「何のために前大戦で俺達は頑張ったのか、分からなくなってこないか?」
「ええ、まあ」
「カガリだってずっと頑張ってきたのに…」
「そ、そうですね」
「…。何か君、おかしくないか?」
明らかにこちらに合わせる様な調子で返事をするラクスに、アスランは思わず問いつめた。
その言葉に、ラクスは泣きそうな表情をした。
「あ、ごめん。何か悪いこと言ったかな?」
慌ててなだめにかかるアスランに対し、ラクスは首を振った。
「いいんです。最初に言っておくべきでしたね。
 わたし…記憶を無くしちゃったんです」
「…えっ!?」
904/4:2005/09/30(金) 20:06:19 ID:???
「まさかあなたに会えるとは思いませんでした。何の用です?」
マユは壁に寄りかかって腕を組みつつ、一国の代表にそう言い放った。
一介の軍人が国家代表に取る態度ではない。しかし…彼女はオーブにおいてはただの民間人ではない。
「…君がアスカ家の唯一の生き残りであることは、聞かせて貰った」
カガリは目を逸らしながら、そう言った。マユの眼光がいよいよ鋭い物となる。
「へぇ。じゃああたしはあなたをカガリお義姉さまとでも呼べばいいのかな?」
「よせよ。シンとの婚約は解消されたんだし…」
「ええ、あんたらが殺したんだもんね。間接的にだけど」
マユの態度はとりつく島もない。それでもカガリが必死に話を続けた。
「その件については…その…父の分まですまないと思ってる。そこで、せめて補償がしたいんだ」
「……」
「オーブに住めるように超法規的措置で手配する。資金から土地から学校から全部だ。
 何ならアスハ家の次女として迎えてもいい。五大氏族の一員として…」
「却下」
辛そうに話すカガリに対し、マユは冷たく言い放った。
「その程度の補償なんていらない。アスカ家の遺産がまだ億単位であるからね。
 だいたい、あんた本当に父の分まで悪いと思ってんの?」
「あ、ああ!」
「この件についてはあんたの馬鹿親父に責任があるとは?」
「お…思って…る」
「意地を張って、連合との同盟を締結しなかったことまで?」
「……そ、それは」
明らかにしどろもどろになっていくカガリを見て、マユはくすりと笑って言葉を紡いだ。
「じゃあさ、土下座して言ってよ。『私の父親は間違った国策を行い、国民を死なせた愚かで無能な為政者です』って」
「!!!」
あんまりな言いぐさに絶句するカガリ。その様子を見て、マユは壁から背中を離した。
「結局自分の父親は間違っていなかった、そう思ってるんだね。ただ父親の罪を消して自己満足したいだけか」
「ち、違う!」
「違わない。あんたの父親が正しかったら、当然責任なんて無いでしょ。
 結局あんたはあたしという父親のミスから生まれた存在を自分なりに助けて、父親のミスの具現を消して、
 父親が完璧な人間だと思いこみたいだけなんだ。
 こんな馬鹿が治めてるんじゃ、まだ軍にいたほうが生存率が高いかな」
そう言うだけ言って、マユは艦に戻っていく。カガリはその背中に叫ぼうとした。
「違う、私は、私は…っ!」
しかし、その声は喉で止まった。反論する言葉が、全く思いあたらなかったから。
「う…うう…っ!!!」
カガリは泣いた。父親のやったことが信じられなくなりつつある自分が、悔しくて。
91通常の名無しさんの3倍:2005/09/30(金) 20:07:07 ID:???
投下完了。
ラクスが別人じゃないかって?だって記憶喪失だもの。
92通常の名無しさんの3倍:2005/09/30(金) 20:20:49 ID:???
乙。
本編のラクスを思いっきりぶん殴って記憶喪失にさせたくなった俺ガイル。
93通常の名無しさんの3倍:2005/09/30(金) 20:44:50 ID:???
実はミーアじゃねえの?
94通常の名無しさんの3倍:2005/09/30(金) 20:55:30 ID:???
本編を貶すための小説をやるより
本編のキャラを俺が使いこなし本編よりもっといいのを書いてやるってのを目指して欲しいな
二次創作でのキャラへイトはそのセリフを言うキャラや言われるキャラの魅力を殺してしまう事になるのが多い
作者が言葉を言わせてるだけみたいで
『お姉ちゃん!!』
メイリンの悲痛な声が聞こえる。
『ルナお姉ちゃん!!ルナお姉ちゃん!』
マユも必死に呼びかけるが反応がない。
『ルナちゃん、秘蔵の四季志貴本と槍弓アンソロジーとマス九本。
それに今度の本のゲスト原稿かいてあげる。
あ、それとソリドが届いたんだけど食べる?』
アキラがそう冷静にまくし立てるとコクピットのハッチが開いて自力でルナマリアは
這い出てきた。
『をぉ。這い寄る腐女子。』
ぽつりと呟くアキラ。
しかし、ルナマリアが助かったというのにたった一人、いや一機落ち着かない者がいた。
『そんな・・ウォーリア・・・。』
絶望した声をインパルスを介して放つハロ。
『殺す・・殺す・・・コロスコロスコロス!!』
絶望は憎しみへと変わる。そして、インパルスの計器類が異常な数値を始める。
「はっ・・、ハロ?ハロ?!」
マユがハロの異常に困惑する、そして気がつくと全てインパルスの操縦が
ハロに奪われていた。
そして・、インパルスのモニターを見ると次々に文字が浮かんでは消える。
そして、最終的にこの言葉が残った。

『擬似SEEDシステム発動。』


96しのはら:2005/10/01(土) 11:06:36 ID:???
第三十七話投下します

今日最終回ですね・・・このスレどうなるんだろう
97しのはら:2005/10/01(土) 11:28:01 ID:???
コペルニクス上空に展開したジブリール派の地球軍。
数回に渡る呼びかけに応じず、艦隊からMSが発進したことでタリアは命令した。

「全MS発進。゛こちらの゛地球軍にも連絡して!」

ザフトと地球軍MSが並んで発進し、敵へと向かっていく。作戦は単純だ。デュランダル議長の乗るミネルバが艦隊を抜け、コペルニクスへ着陸するだけだ。

ブラストインパルスがウィンダムを三機まとめて倒し、レジェンドとランチャー105ダガーの編隊が艦隊を沈めていく。
「そいつはガンバレルかアレックスさんよ?」
「似たようなものだが、誰でも使える」「誰でも?そりゃすげぇ!」

エール105ダガーがアレックスに迫るウィンダムを叩き落とす。

「どうも」
「後方にご注意」

ガンバレルダガーがダガーLを四方からのビームで撃破した。
モーガンは言う。

「悪く思うなよ。俺はジブリールとやらのワガママに付き合う気はない」
98しのはら:2005/10/01(土) 11:38:21 ID:???
MS部隊が奮戦する間に、ミネルバは着陸シークエンスに入っていた。
皆が安堵しかけた時、突然艦体に爆発が起きる。

「ミネルバ!?」

マユはフルブーストでミネルバへ向かい、ブリッジに銃を向けるNダガーを真っ二つにした。
ミラージュコロイドを搭載した新型機は対空砲火を巧みに回避しながら、ミネルバに損害を与えていく。
マユがまた一機撃破した時、ミラージュコロイドで隠れていたNダガーがビームを放った。

「しまった・・・」

ビームはインパルスではなく、ソード105ダガー・・・クリスの機体に命中した。

「お嬢ちゃん、後は任せた!」

クリスはNダガーに特攻、道連れにして大爆発を起こす。
核の光を見たマユは覚醒した。

「うええい!」

ミネルバから対空硫酸弾頭ミサイルが放たれ、Nダガーの機体を丸裸にする。
マユはシルエットを分離して激突させると、それごと敵をジャべリンで突き刺した。

「ミネルバ、ソードシルエット!」
99しのはら:2005/10/01(土) 11:45:17 ID:???
ソードインパルスは艦隊の中へ突っ込み、面白いように敵を倒していく。
ダガー隊とレジェンドは戦艦に集中攻撃を加えた。

「敵艦隊、後退します」

味方は撤退する敵を追跡しなかった。今はミネルバを護衛する方が先だ。


その日の夜、地球連合とプラントの間で停戦の実行が宣言された。
そしてジブリールがなおも抵抗を続けるアンザッヘル基地の制圧作戦が開始された。
デュランダルは演説する。

「我々人類、コーディネーターとナチュラルは今、共通の敵と戦う時なのです!」
100しのはら:2005/10/01(土) 11:48:46 ID:???
第三十八話も投下します

ハイネ隊ですよ
101しのはら:2005/10/01(土) 11:56:56 ID:???
「ったく、今日からフェイトのアニメが始まるってのに」
「ほざくなアキラ。給料分の仕事くらいしやがれ」
「そうよ。ジョーの言うとおり」
「オカマは黙ってろよ、グレイシア」
「なんですって!?」

月軌道をパトロール中のハイネ隊。隊長の死後は名誉称号として隊の名前としていた。
ハイネ隊の前に、巨大なリングが浮かんでいる。

「しかしさあ、何よコレ」
「見て面白いものじゃないな」

リングからMSが近づいてくる。ウィンダム部隊だ。

「お客さんね」
「呼んだ覚えはねぇよ」
「くそったれ。゛姉ちゃんとしようよ!゛のとも姉攻略間近だったのに」
102しのはら:2005/10/01(土) 12:11:44 ID:???
ザフト艦隊は集結を終え、月基地への針路を取っていた。
空母ゴンドワナを中心にし、数にして百隻は下らない。
マユはアサルトシュラウドを装着しているインパルスの前にいた。
最終決戦を前にして、インパルスは増加装甲を身にまとい、機動力も大幅に強化されている。

「あ、マユ。ここにいたんだ」
「ルナお姉ちゃん」

ルナマリアはマユへと漂ってくる。

「どうしたの?」
「ちょっと謝らなきゃと思って」

ルナマリアはかつて、マユに両親を馬鹿にしたことを謝罪した。

「私もいないんだ、親」
「えっ・・・?」
「マンデルブロー事件で死んだわ。私とメイリンは食べていくために軍に入ったの。絶対一番になってやる、妹にいい生活をさせてやりたいと思ってね」

ルナマリアは自嘲する。

「それで人を傷つけるなんて、最低の女よ、私は」

マユはルナマリアに抱きついた。

「そんなことないよルナお姉ちゃん。私はルナお姉ちゃんが大好きだし、メイお姉ちゃんもそう思ってるよ」
「マユは優しいんだね・・・」




103しのはら:2005/10/01(土) 12:19:11 ID:???
「月、アンザッヘルから高エネルギー反応!」
「なんだと!?」

ハイネ隊の目の前に信じられないような光景が広がる。

「反射している?ビームが!?」
「メガトン級のな!」

中継地点リングを中継ぎにして、ビームが反射されていく。
「まずい、艦隊が!」

光の渦が放たれた。あらゆる物を飲み込む光はザフト艦隊を襲い、幾つもの光点が宇宙を照らした。

「艦隊より連絡、戦力の約三割を先の攻撃で喪失!」

グレイシアの報告を聞いたジョーが叫ぶ。

「オレンジショルダーの同志たち!あの忌々しいリングを潰すぞ!」
104しのはら:2005/10/01(土) 12:20:22 ID:???
二話連続投稿スマソ

最終回どうなってしまうんだ(´Д`)
105通常の名無しさんの3倍:2005/10/01(土) 12:23:10 ID:???
初めてリアルで見た
お疲れー
GJ!!

泣いてもワロテも今日で終わりなのね・・・・
106まとめ人 ◆rw1maYUY1g :2005/10/01(土) 12:47:18 ID:???
お絵かき掲示板レンタルしてみました。
ttp://bbs4.oebit.jp/mayuseed/bbsnote.cgi

今日放送終了後、新シャア板が落ちてしまった場合は避難所をご利用下さい。
107通常の名無しさんの3倍:2005/10/01(土) 13:47:58 ID:???
age
108通常の名無しさんの3倍:2005/10/01(土) 15:39:11 ID:???
保守あげ
109通常の名無しさんの3倍:2005/10/01(土) 16:12:40 ID:???
今日の最終回で職人さんがやる気を無くさないよう切に願う・・・
110通常の名無しさんの3倍:2005/10/01(土) 16:14:28 ID:???
今書いてる。待つよろし

放送前投下は間に合わんなこりゃ。下手したら明日だ
111通常の名無しさんの3倍:2005/10/01(土) 16:58:17 ID:???
しのはら乙
112通常の名無しさんの3倍:2005/10/01(土) 17:18:30 ID:???
もしもの保守
113通常の名無しさんの3倍:2005/10/01(土) 17:28:10 ID:???
放送ちょい前保守。
114通常の名無しさんの3倍:2005/10/01(土) 17:29:11 ID:???
恐らく最後の保守
115しのはら:2005/10/01(土) 18:34:00 ID:zVxrwJ0x
どうもですノシ

今日の最終回は(´Д`)でしたが、自分の作品は最後まできっちりと完結させる所存です

>他職人様 悲惨なラストでしたが、それを跳ね返すぐらいの作品を作っていきましょう(偉そうなこと言ってスマソ)

ではノシ
116通常の名無しさんの3倍:2005/10/01(土) 18:42:45 ID:???
保守
117ほのぼのマユデス。:2005/10/01(土) 18:46:31 ID:???
しのはらさん、乙です!!
すごいよ・・、アキラがすごいアキラだよ・・・。
ジョーったら・・・、立派になって。
グレイシアもいい感じですね。
きっとそっちのハイネも草葉の陰でヴェステージ歌って盛り上げてるよ・・。
残りの三人は別行動なのでしょうか?
とにかくGJです!!

えー、なにやら本編が最終回でしたが見逃しました。
妹が最後のほうだけ見たので聞いたところ、とんでもないっぽいですね・・・。
ハイネ隊に出番、または死んだキャラが出なければいいや(オイ)
トールとかニコルとか思い出されてなければいいや。



118ほのぼのマユデス。偽者と本物。:2005/10/01(土) 19:18:10 ID:???
「何だ・・。この機体・・。」
ゲンはストライクの中で戦慄していた。
目の前の機体の動きが明らかに今までと違う。
そう・・、それはまるで自分のように直接MSを操っている動きだ。
『ゲン、ぼさっとするな!!』
ネオのウィンダムがストライクを庇う。
しかし、インパルスはそれを雑魚は死ねといわんばかりになぎ払った。
そして、ウィンダムは海面に落ちていった。
「ネオ!!」
自分がぼさーっとしていた性でネオがやられた。
そう、それはステラ達が出ていって戻らなかった時と同じように・・・・。

その瞬間、ゲンの何かがはじけた。
『マユデスティニースマッシュオールスターズ!!』
全作品のマユが総登場!!それぞれの違いを愉しもう!!
さらに登場作品によってアスランなどのキャラも違うぞ!!
もちろんMS戦もあり!!さらにはそれぞれの作品のオリキャラも登場!!
さぁ、自分だけのマユデスを作ろう!!


シンハロ&ゲン&シン『うわぁっ!!なんかシスプリのお兄ちゃんになった気分!!』

全作品のマユ「「「「「「「キモイ。」」」」」」」」」
>>119

隻腕版ユウナ「じゃあ、ボクの腕に飛び込んでおいで、マイシスターズ♪」

全作品のマユ「「「「「もっとキモイ。」」」」」
121通常の名無しさんの3倍:2005/10/01(土) 20:03:24 ID:???
>119 クソワロタ

今自分の中でマユ種を分類してみた

マユ種(本編)→TV
マユIF→パラレル(ダムA連載)
隻腕→ボンボン(高山)
黒マユ→少年エース
マユAD→HJ連載(プラモストーリー)しのはらマユ戦記→戸田漫画
ほのぼのマユデス→NTに連載

とか妄想してみた
122まとめ人 ◆rw1maYUY1g :2005/10/01(土) 20:19:55 ID:???
本編も一応終了しました、DVDで後日談があるらしいですが。

このスレの各作者様、頑張って下さい。

最終話ミネルバサイド死亡者
タリア艦長 レイ

しのはらネオ「マユ、お兄ちゃんのところへ来るんだ!」

しのはらアレックス「マユ、俺について来い!」

しのはらマユ「はい!アレックス隊長!」

しのはらネオ「何故だ!そんな凸にどんな価値が・・・ってなんだと!?」

しのはらアレックス「残念だな兄貴。マユは俺を選んだ(大塚明夫CV)」

しのはらネオ「もう一緒にお風呂には入ってくれないのか、マユ」

しのはらマユ「・・・キモイよ!お兄ちゃん」

月面で破壊されたデスティニーの前で泣き叫ぶネオ。

しのはらキラ「妹に粘着する兄貴なんて、許せないじゃない・・・。似合わないか(古谷徹CV)」

しのはらカガリ「あの野郎、マラ握りつぶしてやる」

悪乗りスマソ
124通常の名無しさんの3倍:2005/10/01(土) 21:20:16 ID:???
前のスレッドに書き込めなかったのでこちらにレスします。
お許しを

>ゲシュマイディヒパンツァー
 陽電子リフレクターは技術的には「アルテミスの傘」の延長だと思います。
ゲシュマイディヒパンツァーみたいなコロイド技術の産物に見えません(^^;
レクイエムの中継コロニーはまさにゲシュマイディヒパンツァーと同じ技術でしょう。

>ビーム曲げても、友軍に当たったら仕方ないしな
まさにそのとおりですね(汗

しかし、ドラグーンやガンバレルに搭載すれば、
リフレクターインコム(ビット)になるのでもったいない気がします(^^;


125通常の名無しさんの3倍:2005/10/01(土) 21:41:32 ID:???
>115 最終回納品せずラジオに行く負債に比べて、しのはらはよく頑張ってる
というわけで頑張れ!
126マユAD:2005/10/01(土) 21:56:33 ID:???
保守がてら第五話です
>>しのはらさま
乙です!もう本編は(二重の意味で)終わっちゃいましたね…

>>ほのぼのマユさま
面白いので毎日楽しみにして見てますよ!
大乱闘は面白いかもMSに素手で勝つマユコワス
アレックスはそれで二度と「性欲を持て余す」ことはなさそうですねw
127通常の名無しさんの3倍:2005/10/01(土) 22:00:45 ID:???
>>121
つ士官学校編。
たまには思い出してあげてください。
128マユAD:2005/10/01(土) 22:01:09 ID:???
あの日から世界が変わったのかも知れない。
お父さんが死んだ日。お母さんが死んだ日。お兄ちゃんが死んだ日。そして…私が死んだ日。

その日、私は友達のユキという名前の女の子と遊んでいた。結構、仲良かったみたいだった。私はその子をユッキーと呼んでいた。しょっちゅう遊んでたようだった。
町中に鳴り響く警報。突然のことでなにがなんだか分からなかった。2人で顔を見合わせていたら、お母さんみたいな人が部屋に入ってきて、急いで支度をしなさい、ユキちゃんも早くお家に帰りなさい、って言った。
だから私はお気に入りらしいピンクのポーチに、お財布とお兄ちゃんが12歳の誕生日に買ってくれた携帯電話だけをもって部屋を出た。
家を出てユキとお別れした。明日になったらまた会えるって思ってたみたいだった。結局それっきりだったけど。
別れたそのあと、家の近くのシェルターまで行ったけど人がいっぱいで入れなかった。
港に船があるからそこに行け、って言われて、それで山の中を息を切らせて走った。もうちょっとで着くから頑張れ、って、私の手を引きながら、お兄ちゃんがそう言った。
そのときだった。
「光」が頭の上をかすめていったのは。
怖くなって思わず振り向い
129マユAD:2005/10/01(土) 22:02:58 ID:???
「ダメだったらダメだー!」
オーブ連合首長国の国防総省。おおよそ厳粛なこの場に不釣り合いな少女が男に五月蝿く抗議をしていた。
「ハニーもしつこいねー。そんなこと言ってもしょうがないじゃない」
男は軽くあしらう。
少女の名はカガリ・ユラ・アスハ。そうは見えないが実は政治家。つい先日もプラントに出向き大事な話し合いをしたばかりだった。しかしその疲れも感じさせないほどの剣幕で男になにやら怒鳴りつけている。
「オーブの理念はどうなる!?」
口癖のようにそればかり唱えていた。
そしてこちらもとてもそうは見えない、なよっとした感じの頼りなさそうな男だがオーブ連合首長国の現宰相、ユウナ・ロマ・セイラン。
オーブの名家、セイラン家の出で何かと鼻にかけたような嫌な性格の持ち主だったが、一年前の父との別離を経て、
その嫌みな性格も落ち着き、有能な政治家として腕をふるい、国民からも高い信頼を得るようになった。
一応名目上は緊急会議と称して話をしている2人だが、一見すればすぐわかる。これは会議などでは全くない。
一方が怒鳴りつけ、もう一方は全く聞いていない。いつまでも続くような、聞いてる方が嫌になる不毛な演説のようだった。
しかしその会議も終
130マユAD:2005/10/01(土) 22:05:26 ID:???
すっかり日も落ち辺りは暗くなり始めていた。それでも、少女はいまだ慰霊碑の前に座りこんでいた。
先ほどまで石碑を見つめていた彼女の目。そこから溢れていた大粒の涙はもう乾いたようで、今の彼女は何か思索にふけっているようだった。

後ろから近づく人影。
「まだ…ここにいたの?マユちゃん」
キラ・ヤマトだった。
「迎えに来たんだ。もう夜だし、そろそろホテルに帰ったほうがいいよ」
しかしマユはそんな彼の気遣いを全く聞いていないようだった。しばらくしておもむろに少年に尋ねる。
「これからどうするんですか?」
前にバルトフェルドに聞いたものと全く同じ質問だった。勿論少年は彼ほどユーモアがない性格だったので至って真面目に答えた。しかし
「…またフリーダムに乗ろうと思う」
彼と同じ戦うという答えだった。
「どうしてですか?」
「守りたい人がいるんだ。その人のために、僕はまた剣をとる。」
守りたい人。私にはそんな人がいるだろうか?もう家族はいない。なら孤児院の子達?マリューさんとかキラさんとか?
しかしキラの次の発言はマユのそんな考えを止めた。
「君には…オーブに残ってもらおうと思ってるんだ。」
http://
「なんで…ですか?」
「君はきっと戦えないだろうから。後のことは…僕の姉に全部任せておいたから。安心」
聞き終わる前に言い返すマユ。
「戦えますよ。フリーダムにも乗れました」
「あれは…偶然だよ」
「キラさんだって偶然だった。偶然から始まったんです。私も偶然から始める。私、絶対行きます」
「……」
語気は強かったが本当はマユは恐れていた。あの時の自分、フリーダムに乗った時の自分を。怖かった。意志とは無関係にMSを動かし、敵のそれを倒していく自分が。
二度とあんなことはごめんだと思っていたのに。それでも…行きたい。あの時、唯一MSに乗って良かったと思ったことがあったから。子供達もみんなも、守れたこと。
私は守る。私の平和を。みんなの平和を。そうしていたほうが1人にされるよりはずっとマシだと思った。
「…辛い道のりだよ?人を殺すことになるかもしれない。僕達の中の誰かも死ぬかもしれない。君だって…死ぬかもしれない。それでも…行くの?」
「はい」
迷いはなかった。みんなは私が守る。そのためになら、捨ててもいい。
キラも仕方なく聞き入れる。
「…わかった。じゃあ後でマリューさんとかに相談しておく。とりあえず、今日は帰ろうよ」
131マユAD:2005/10/01(土) 22:07:53 ID:???
「ふー!買った買った!たーくさん買っちゃった!」
「お姉ちゃん買いすぎだよ…」
買い物に出掛けていたミネルバの少女らも暗くなったので仕方なく帰路に着いていた。しかしその荷物足るや相当な物だった。
しかもほとんどがルナマリアの生活用品や化粧品ばかり。そしてそれらの荷物の殆どはメイリンが持っていた。ユキもメイリン程ではないが荷物を持たされている。
突然ルナマリアが駆け出す。
「ちょっと、お姉ちゃん!?待ってよ!」
「やーっぱりあんたらだった!」
ルナが呼び止めたのは…レイだった。前にいたヨウランとヴィーノも振り返る。
「あれ?ルナじゃん?」
「おまえ達も今から帰るのか?」
「うん!」
「にしても…スゴい荷物だな…」
両手で荷物を抱ながら後ろからなんとかついて来ているメイリンを見てのヨウランの一言。
「まあまあ、いいじゃない?せっかくオーブに来たんだしさ!多分もうここに来る機会無いと思うし」
弁解するルナマリア。しかし逆にメイリンに言われてしまった。
「これ…殆どお姉ちゃんのなんだけど」
「マジかよ?」
「…しゃーねぇな。少し持ってやるよ!」
ぶっきらぼうにメイリンから荷物をとりあげるヴィーノ。その頬は僅かに赤
132マユAD:2005/10/01(土) 22:09:54 ID:???
薄暗い部屋の壁にはめ込まれ並んでいるテレビ画面。ざっと数えても30以上はある。そしてその中のいくつかはこちら向いた老人を何人か映しだされている。
テレビからやや離れた位置の椅子に腰をかけながら、男は静かに言った。
「では…開戦、とゆうことでよろしいですね。」
画面の向こうの老人達も頷く。
<<うむ、そもそもこんなことをせずとも我々の答えは決まっていたがね>>
<<後のことは好きにするが良い。まかせたぞジブリール>>
「おまかせを」
男はその言葉を聞き終わると、テレビ画面を全て消した。
「予定通り、だ」
まったくだった。全てがこの男の予定通り。プラントの襲撃、MSの強奪、ユニウスセブンの落下、そしてこれから始まる戦争。全て男が考えたシナリオ通り。
「そして…このさき連合は勝つ」何やら手元の操作盤をいじくり回す。するとスクリーンが降り、映写機が動きだす。
画面に映し出されたのは…

ZGMF X000A DREADNAUGHT
ZGMF X09A JUSTICE
ZGMF X10A FREEDOM
ZGMF X11A REGENERATE
ZGMF X13A PROVIDENCE
そして男は懐からMOディスクを取り出し、操作盤の差し込み口にそれを入れながら懐かしそうに語る。
「アカデミーの頃からそうだった。君はいつも肝心なところでどこか抜けていたなぁ、ギルバート・デュランダル。そんなことだからパトリックに先を越されたのだよ。
もっとも、そのおかげで今、私は連合を勝利に導くことが出来るのだがね…。」
左足にすり寄ってきた猫を両手で抱え、膝の上に乗せその背中を優しく撫でる。
「今は議長になったが…やはり凡小な君にプラントを動かすのは荷が重すぎたようだ。せめて友として」
スクリーンに項目が追加される。
ZGMF X42S DESTINY
ZGMF X666S LEGEND
「君の美しくしき人生の、最後の幕引き役を担おうじゃないか」

翌日、地球連合がユニウスセブン落下に対する報復措置としてプラントに宣戦を布告。今再び、戦争が始まる--。
133マユAD:2005/10/01(土) 22:12:51 ID:???
投下終了…と思ったら謎のちょんぎれまくり現象orz
切れてるとこ順番に張り直します…
134通常の名無しさんの3倍:2005/10/01(土) 22:18:16 ID:???
AD乙

>121 しのはら版が戸田というのは納得だw 士官学校編はダムAでアスナの話書いてる人に
135一番目の[振り向い]から:2005/10/01(土) 22:20:44 ID:???
た。そして、見えた、あの、天使。私にはあれがなにかすぐわかったみたいだった。
でも天使はすぐにどこかへ飛んで行った。そして。入れ違いに光が飛んできて--。

気が付いたらベッドの上にいた。病院かどこかのベッド。どこだか分からない。部屋には誰もいなかった。
お父さんも、お母さんも、お兄ちゃんも、ユキも、誰もいない。声をかけたけど誰も答えてくれなかった。仕方がないから、ベッドを降りた。服は着てた。
あの日と同じ服。汚れも傷も全くない。外に出た。やっぱりどこだか分からなかった。知ってるようで知らない町。そんな町をしばらくフラフラしてた。
知らないおじさんとおばさんに話しかけられた。私が子供に見えたのだろうか、"こんなところに1人で歩いてちゃいけない、お父さんとお母さんといっしょにいなさい"って言ってきた。
お父さんもお母さんも見つからない、って言ったら"じゃあお家に帰った方がいい"って言った。お家もないみたいって言ったら2人とも驚いてた。けどしばらく話し合ってから…私にこう言った。
"じゃあ、お友達を探してみる?"

それが、あの生活の始まり。


マユ-ANOTHER・DESTINY-PHASE-05〜願うこと〜
136二番目[会議も終]から:2005/10/01(土) 22:22:09 ID:???
わりを迎えようとしているところだった。
「…ならオーブがなくなってもいいのかい君は?」
少女の我が儘に飽きたのか、男も漸く反論を始める。
「口説いようだけどねー、これから戦争が始まるんだよ、間違いなく。連合とプラントの戦争がね。そして僕達オーブはそのどちらかの側に着かなきゃならないだ」
「なぜだ!?今まで通り中立で」
男は言葉を遮る。
「通せる分けないじゃない。そんなこと言ったら、また連合に攻められちゃうんだよ?まさか君は自分のお父様の死も、国のためだと忘れられるのかい?」
「ぐっ…」
黙り込む少女。言い返す余地がない。男は言い過ぎたと思ったのか口調を変えた。
「…いいかい?現状ではオーブは孤立している。明らかなのは1人ではいれないことだ。僕もいろいろ考えたんだよ。だけどこれし方法がないんだ。」
「…いろいろ考えてこの決断なのかよ?お前だったら…少なくともこの国の将来を、他の奴らとは違う形で考えていると思っていたのに!こんな決断しか、できないのかよ!」
部屋を飛び出すカガリ。それを見届けユウナも溜め息をついた。
「これしかないんだ、今は…ね」
137四番目[僅かに赤]から:2005/10/01(土) 22:23:55 ID:???
みがかかっていた。ふふん、と鼻で笑うルナマリア。
「な、なんだよ?」
「べっつに〜」
ユキもヨウランに荷物を持ってもらい少し体が軽くなった。

「そういやあんたらなにやってたの?」
もとから何も持っていなかったルナマリアが言う。
「整備終わって暇だったからかわいい子を探してぶらぶらしてた。」
「アホね。捕まえてもここにはいれないんだからしょうがないじゃない?」
「ま、それ以前に捕まんなかったけどな。」
ユキはレイに話しかける。
「レイさんは何やってたんですか?」
「俺はずっと艦にいた。お前らの迎えを頼まれて出てきただけだ」
「あんたはどうせ議長とでも電話してたんでしょ?」
「なっ!ルナマリア!貴様何を!」
「…」
あながち的を得ていそうな解答にユキは何も反応できなかった。
138抜かしてた五番目:2005/10/01(土) 22:27:18 ID:???
その時だった。月の光を背に受けながら向こうから2人組が歩いてくる。少年と少女、兄妹のようだった。すれ違う一行。なんとなく相手の顔を覗きこんだユキ。
「あ…」
思わず声が漏れてしまった。ユキの歩く足が止まったのに気づきレイがユキに話しかける。
「どうしたユキ?」
「な、なんでもないよ!」
「なになに?さっきの男の人、かっこよかったの?もしかして一目惚れとか?」
悪戯っぽくちょっかいをだすルナマリア。
「ユキとお前を一緒にするな。ユキはお前と違って冷静、だ。付き合う相手はきっと顔や容姿ではなく性格で選ぶだろう」
レイは先刻のお返しとばかりに冷やかにルナマリアを嘲笑する。
「なんですって〜?私そんな面食いじゃないわよ!」
2人の言い争いを余所にユキはまだその場から動くことが出来なかった。

そんな。いくら何でもあり得ない。あの小さな女の子が…似てた。マユに。ちょっと変わった髪型も綺麗なスミレ色の瞳も。背の高さもそのまま。あの時と同じ、そのままのマユ。

ユキは自分の目を疑った。かつて一番の友達だったマユ。いつも自分といてくれたマユ。ネックレスをくれた優しいマユ。なのにあの日失ってしまったマユ。そのマユが。マユがまだ
139五番目[マユがまだ]から:2005/10/01(土) 22:29:30 ID:???
…生きている…?
もしマユなら呼び止めたい。呼び止めて今すぐにでも話がしたい。あの後の自分の経緯、マユがいなくなってから今までのこと、色々話したい。マユのことも色々聞きたい。

しかし…どことなく違和感があった…。
何かが違う気がする。…そうだ、背の高さ。二年もたっているのだ、背が全く伸びないはずはない。
振り返ればまだその後ろ姿が見えた。小学校高学年ぐらいの子供に見えた。

やっぱり…マユじゃない。ほんの少し期待していた、そんな自分が少しくやしかった。いつまでも過去に引きずられている自分。
部屋でもそうだったがやはり軍に入ったからには私情は捨てなければ。こんな甘いようでは駄目だ。私にも今は守るべきものがあるのだから。少女は前を行く仲間のもとへ追いつくように走っていった。
140マユAD:2005/10/01(土) 22:37:10 ID:???
まとめ人様本当にすいません…編集お願いします
なんかエラーも多かったしちゃんと書いても下半分消えたりするし…
あとなんか変なの入ってたら修正もお願いします…ちゃんと見直したつもりだったのに.゚・(つД`゜)・゜.
141まとめ人 ◆rw1maYUY1g :2005/10/01(土) 22:46:46 ID:???
>マユADさま
128−135−129−136−130−131−137−132−
138−139
でよろしいでしょうか?
142通常の名無しさんの3倍:2005/10/01(土) 22:47:45 ID:???
最終回見たら俺も書きたくなった。

が、初期(2とか3くらい)にこのスレに参加して最近来ていない俺は知らないうちにインスパイヤしてしまうかもしれない。
143通常の名無しさんの3倍:2005/10/01(土) 22:51:03 ID:???
>142 ぜひどうぞ 最終回で鬱憤が溜まっているのは皆同じだ
144まとめ人 ◆rw1maYUY1g :2005/10/01(土) 23:20:19 ID:???
>>マユADさま
とりあえず修正しておきました。

最終回
大破したAA 宇宙を漂う攻撃自由と無限正義の残骸
同じく大破したシンのMS(ラスボス機)
役割を終えた、運命、伝説、赤ザクが月に佇む
なんてシーンを妄想。 
145142:2005/10/01(土) 23:20:31 ID:???
>>143
どうか期待しないで待っていてください
146通常の名無しさんの3倍:2005/10/01(土) 23:40:26 ID:???
・・・・・前スレdat落ちしますた・・・・・
147マユAD:2005/10/02(日) 00:00:39 ID:???
>>まとめ人様
亀レスすいません!はい、その順番でよろしくお願いしますm(_ _)m
148通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 00:06:11 ID:???
マユ種第一話をTV放送するなら、どんな予告になるんだろう
149通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 00:38:32 ID:???
>>148
前に出た話だけどさ、一般てか表向きにはアスランが主人公ってことにしておけばいいんじゃないか?
150通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 00:46:31 ID:???
>149 アレックス主人公にしてか
しのはら版放送したら毎週祭りになりそうだよな

「凸スネーク化キター(・∀・)ーーー!」
「うはwwwwキラ中の人古谷じゃん」
「カガリタソマラ掴みキボン」
151通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 00:53:40 ID:???
>150 しのはら凸は大塚明夫CV?


誰か詳細キボン
152通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 02:26:10 ID:???
保守
153通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 03:43:30 ID:???
漏れもいまこのスレに投下しようと、せっせと執筆中。
しかし、何とも話の落とし所が難しい…
このスレの職人様達はネ申ディスカ?
154通常の:2005/10/02(日) 06:50:46 ID:???
自分も作品投下しようと構想中
テーマの一つに絶望的なまでに強い連合というのを考えてる
155通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 07:26:45 ID:???
上に同じ、自分も執筆中。
あの最終回のおかげでかなりダークになりそう……
156通常の名無しの3倍:2005/10/02(日) 08:14:12 ID:???
154の者だがキラをラスボスにしようかと画策中
守りたい者の為に戦うマユと守る者を失い暴走するキラの戦いをやってみたい
157まとめ人 ◆rw1maYUY1g :2005/10/02(日) 08:14:20 ID:???
>>148 つくってみました。

コズミックイラ73。

新造戦艦ミネルバの進水式に、ひとりの少女がやってきた。
少女は知らない、それが大いなる運命の始まりの日であることに。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY
PHASE1「マユ・アスカ13歳」
運命の時、立ち向かえ、インパルス。

>>153-155
新作期待してます
158しのはら:2005/10/02(日) 09:40:06 ID:???
第三十九話投下します

ついに三クール目も終わりだな・・・
159しのはら:2005/10/02(日) 09:50:18 ID:???
「全滅!?第七艦隊が!?」
「残存艦隊はゴンドワナ及びミネルバを中心にして集結せよ!」
「ハイネ隊から入電、我敵大量破壊兵器中継リングを破壊」

戦力の三割を失ったザフト艦隊は現場指揮官たちの迅速な対応によって再編成され、アンザッヘル基地攻略作戦「トータライズ(しめくくり)作戦」は実行に移された。

「諸君ら一人一人の勇気がこの戦いの勝敗を握っている!」

デュランダルの演説が兵士たちを鼓舞し、士気は否応無しに上がっていく。

ミネルバMSパイロットたちのブリーフィングで、アレックスは皆に言う。

「絶対に生きて帰るんだ。何があっても帰って来い」
160しのはら:2005/10/02(日) 10:02:23 ID:???
決戦が始まった。
ゴンドワナから放出された百機近いMSは大量破壊兵器レクイエム中継リング破壊に向かい、ミネルバを中心にした第七艦隊は月基地を陥落させることを任務としていた。

「敵リフレクターMA確認!」
「接近戦で対抗しろ!」

グフとスラッシュザクがユークリッドを切り裂き、次から次へとやってくるウィンダムをガナーザクとドムが食い止める。

「みんな私について来て!」

マユのインパルス・アサルトシュラウドを先頭にして、MS部隊が防衛ラインに突入する。
マユ、アレックス、キラといったガンダムパイロットの任務は先頭に立って突破口を切り開くことだ。

「ものすごい数です!」
「ひるむな!突撃!」
「ウラーーー!」

数にして二倍はいるウィンダムとザフト軍決死隊の間で激しい攻防が繰り広げられた。

「スペース・ドム隊、あのデカブツをやるぞ!」
「聞いたか野郎共、ついて来い!」

ヤマト大尉のストライクフリーダム、赤く塗られたドム三機が連携攻撃で戦艦を撃沈する。

「ったく、焼け石に水だな。こりゃ」
「ヒルベルト、一時間もかけれは焼け石も冷たくなる」
161しのはら:2005/10/02(日) 10:18:15 ID:???
「ハイネ隊の野郎共、いくぞ!」

六機のガナーザクが火力のありったけをリングに叩き込む。続いてジンが大型ミサイルを発射し、再チャージを終えたガナーザクがビームを放つ。

「キース、カルマ、もう一発いくぞソキ・・・」

フルパワー三発目で銃身が爆発を起こし、ウィザードを切り離した。
彼らの放ったビームはリングを貫通し、大爆発を引き起こした。

「ゼロ小隊はウィザードの装備を。俺たちは別のリングを潰す!」

第一防衛ラインを突破したマユたちに、最強の敵が立ちふさがった。

「デスティニー!?」
「ここから先は行かせないぞ、マユ!」
グフ三機がデスティニーをヒートロッドで掴むが、デスティニーは光の翼でそれを焼き切る。

「みんなは先に行って!この機体は私が!」

アグニの一射を装甲剥離で逃れ、切り結ぶインパルスとデスティニー。

「あくまでお前が立ちはだかるなら、俺はお前を殺す!」
162しのはら:2005/10/02(日) 10:20:04 ID:???
四十話も投下します
よく続いたな(´Д`)
163しのはら:2005/10/02(日) 10:31:17 ID:???
ミネルバはルナマリアザクと、新型のゲルググ・ヴェステージに守られながら戦線を進んでいた。

「潰し甲斐の無い奴ばっかりだぜ!」
「神楽隊長、油断は禁物ですよ」

神楽はグフからゲルググに乗り換え、そのスコアを伸ばしている。

「だがアホ毛、ここは異常な空間だぜ。吐き気がする」

神楽はダガーを落としながら、呟く。

「あのマユとか言う女、大丈夫か」
「・・・案外、いい人なんですね」

アンザッヘル基地の司令室では、ジブリールと基地司令がその戦況を見ていた。
「第二リングが破壊されました!」
「うろたえるな。艦隊さえ始末できればそれでいい」

ジブリールは当初レクイエムでプラント本国を撃つ予定だったが、出力の問題で艦隊攻撃だけに留めた。

「ザフトも必死ですな。まあ、それもあと少しでしょうが」
「ここで奴らの艦隊を潰しておけば、もはや我々の勝ちだ」
164しのはら:2005/10/02(日) 10:39:43 ID:???
マユとネオは一進一退の攻防を繰り広げていた。
互いに覚醒し、明らかな殺意を持って襲いかかる。

「今、お兄ちゃんの中では戦いが始まっているんだよ!善と悪の」
「ほざけ!」
「私はお兄ちゃんを殺したくない!」
「口と行動が別だ、マユ!そして、俺を殺さなければ・・・」

光の翼が展開される。

「お前が殺されるだけだ!」

右手がインパルスに向けられた時、声が聞こえた。

(だめ、ネオ)
(カッコ悪いぜ、そんなの)
(他にやることあるんじゃねぇか?)

「何だ!?うわっ!」

ドラグーンがネオを襲う。アレックスのレジェンドだ。

「マユ、こいつは俺に任せろ!お前は基地突入部隊の援護を」
「はい!」

165しのはら:2005/10/02(日) 10:52:20 ID:???
レジェンドはドラグーンを切り離し、ネオに攻撃を仕掛けた。
アレックスは回線を開く。

「お前は未来を殺す気か!?」
「未来?そんなものはどこにもない、俺にはな!昨日も今日も明日も明後日も!」

直感的機動なドラグーンを次々に切り裂き、ネオは言う。

「だから俺は決めたんだよ!」

ドラグーン集中砲火をシールドで防ぐネオ。

「コーディネーターの未来を奪ってやろうってな!」
「逆恨みもいいところだ、ウジ虫め!」「逆恨みで結構。なんとでも言え!」

アレックスはなおも攻撃の手を緩めない。

「妹はどうするんだ!?マユはまだお前を・・・」

ドラグーンフルバーストがデスティニーを狙い、翼を撃ち抜く。

「お前は妹の未来すらなくそうというのか!」

「黙れ!黙れ黙れ黙れ黙れ黙れぇっ!お前に何がわかる!」
「何もわからない!だがわかろうと努力はしているつもりだ!」

アレックスは語る。所詮人は他人を理解できないのかもしれない。だが、理解しようとしてみる価値は充分にあると。
166しのはら:2005/10/02(日) 10:56:06 ID:???
一筋のドラグーンがデスティニーの足を止め、凄まじい砲火がネオを襲う。
これはアレックスの作戦だったのだ。
だがデスティニーは右腕を失いながらも月基地、マユのいるところへ向かっていった。

「アレックス隊長、第二防衛ラインが手詰まりよ。支援に向かってちょうだい」「・・・了解です」
167しのはら:2005/10/02(日) 10:57:21 ID:???
二話連続投下スマソ

昨日のシン対凸を自分なりにいじってみますた

ではノシ
168通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 11:04:43 ID:???
偽装装甲でリミッター付きのデスティニーが、偽装装甲を排除してリミッター
開放。光の翼が広がるなんてマユ種を夢に見た俺の頭はトンドル……orz
169通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 11:08:14 ID:???
>167 凸の作戦ハゲワロスw
170通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 11:14:55 ID:???
>167 乙 凸えげつねぇw
171通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 13:33:13 ID:???
>163 ちょwwwゲルググ
172通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 13:49:19 ID:???
しのはら乙
ゲルググだ・・・
173通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 14:16:35 ID:???
age
174DESTINY Side-C:2005/10/02(日) 14:37:50 ID:???
前回の更新から大分開いてしまいました。
月末といっていたにも関わらず、申し訳ないです。
ちょっと分量多くなってしまいましたけど、第4話投下します。
175DESTINY Side-C 1/10:2005/10/02(日) 14:38:36 ID:???
争いを望む者。世界の崩壊を望む者。
失われていく命を冷笑しながら、ゆっくりと火をかける。
誰にも止められない。
火がかけられたことに、気付く者もいない。

やがて世界は、再び焼かれる。


 PHASE-04 発火点
176DESTINY Side-C 2/10:2005/10/02(日) 14:39:54 ID:???
<ゲイツR、ショーン機、デイル機、発進スタンバイ>
二機の出撃と入れ違いに、片腕を失ったレイのザクファントムが着艦した。
機体の装甲を蹴って、シュウゴはレイのいるコクピットへ向かう。
「レイ、大丈夫か!?怪我は!?」
「問題ない。それよりまさか、ミネルバを出すとはな」
シュウゴの心配を他所に、レイはクールな顔でザクのコクピットから出てきた。
ヘルメットの中を覗くと汗一つかいていないのがなんとなく気に入らない。
「さすがにやるな、ウチのエースは」
「エースは俺じゃない、マユだ」
いつものように謙遜して、レイは機体の整備に参加する。
シュウゴはレイの背中を軽く押して、紅いザクのコクピットへ向かった。
「どうだ、いけるか?」
「とりあえず損傷箇所には簡単な処置しただけ。動くのは左脚と右腕だけね…センサーが生きてるのも救いかしら」
シュウゴのザクもまだ修復が追いついていない。現状まともに使えるのはインパルスだけ。
おまけにそのインパルスはまだコロニー内でアンノウンMSと戦闘をしているらしい。
飛び出していきたい気持ちは強いが、今のあの機体では正真正銘の足手まといでしかない。
「…オルトロス付けて甲板に出てみるか。狙撃ならできるな?」
ルナマリアは待ってましたと言わんばかりに、不敵に笑ってみせる。
「誰だと思ってんのよ。あたしはルナマリア・ホークよ?」
「……だったな。よし、行って来い。俺のザクもすぐに出す」
そう言うとシュウゴはコクピットから身を離した。無重力状態の中を、自分の愛機に向けて真っ直ぐに進む。

『ハッチ開けて!オルトロスで敵艦を狙撃する!』



「待てっ!」
黒いストライクを追って、マユは機体を宇宙港に突入させる。
暗いシャフト内部はズタズタに引き裂かれている。管制官は恐らく全滅だろう。
機体を内壁にぶつけないようにしながら、黒いストライクとの距離を詰めていく。
「(もう少し、もう少し…!)」
ここで焦れば全部台無しになる。落ち着いて、と自分に言い聞かせ、マユは深呼吸する。
ビームライフルを照準。敵機が座礁した戦艦の脇を抜け、宇宙空間に――

突如、敵機が反転した。
177DESTINY Side-C 3/10:2005/10/02(日) 14:42:15 ID:???
「ぃっ!?」
黒いストライクが、レールガンを座礁した戦艦のエンジンに叩き込んだ。
「きゃあぁぁぁーっ!!」
爆発。機体が、視界が、炎に包まれ、マユは咄嗟にシールドを掲げた。
衝撃がコクピットを揺らす。歯を食いしばって、暴力的な爆炎が過ぎ去るのを待つ。
「…っはぁ…っ…!」
やがて炎は去った。戦艦の装甲が内壁にぶつかる度に、辺りに金属音が響く。
マユが顔を上げると、黒いストライクは既に漆黒の宇宙のはるか彼方に。
機体のダメージを素早くチェック。メインスラスター破損、メインカメラ大破。
レッグフライヤー、反応無し。チェストフライヤーは…生きてる。
結論…追撃は、不可能だ。
「くっ……!」
今度こそ逃がした。あの三機も、ストライクも。迂闊だった。
どうしようもなかった。目の前で蹂躙されるだけの平和を、力を持って守ろうとしたのに。
『……ユ、マユ……こえる…!?』
ミネルバからのキャッチが入る。マユはヘルメットのバイザーを上げて、軽く汗を拭った。
「メイ、聞こえるよ…逃げられた、あいつら…」
背中が汗でベタベタして気持ち悪い。呼吸が荒い。こんなに疲れるとは思ってなかった。
マユの落ち込んだ声に気付いたのか、メイリンはこの状況に関わらず軽く笑顔を作って見せた。
『マユが無事で良かった…ミネルバも出航したの、とりあえず1回帰艦して。迎えはいる?』
機体の機能を回復させながら、マユは驚きに目を見開く。ミネルバが出航した?
「うぅん、大丈夫。スプレンダーで戻れる」
『気を付けて。ショーンとデイルも追撃に出てるから』
マユはそれきり返事もせずに通信を切り、インパルスを分離させた。



『デイル、気負うなよ』
いつもの調子の、トーンの低い声。だがその声を聞きなれている彼は、相手の微かな心配を感じ取った。
「気負ってんのはテメェだろ?心配すんな、お前はサポートしてりゃいいんだ」
『だが撃墜スコアはしっかりと稼がせてもらうぞ』
「はっ、馬鹿言えショーン。俺の方が強えっつーの!」
調子が戻って来た。そう、これが俺たちのリズム。俺と、あいつの。ガキの頃からずっと。
既にアーモリーワンの守備隊が戦闘に突入している。彼らと合流して、敵機を殲滅する。そして――
『会敵30秒前…いくぞデイル、こいつらを蹴散らして』
「強奪部隊をブチのめし、敵の母艦をぶっ叩く!」
『正解。100点満点だ』
正面からダガーLが3体。いずれも砲戦仕様のバックパックを装備している。
デイルは機体にブーストをかけ、敵陣の中央に突っ込ませた。
「そぉら行くぜっ!」
敵の一斉射撃を掻い潜りながら急接近。
本来ザク用の装備である大型のビームアックスを展開すると、敵の一機に斬りかかる。
敵機はろくな抵抗もできずに胴体から真っ二つに引き裂かれ、爆散。
背後から斬りかかってきたダガーLのコクピットを、ロングライフルを装備したショーンのゲイツが吹き飛ばす。
いつも通り。訓練通りだ。行ける。実戦だって俺たちは問題無く通用する。
「っしゃぁ、もういっちょっ!」
更に三機のダガーLが接近。デイルは上唇を舐めて機体を駆った。
178DESTINY Side-C 4/10:2005/10/02(日) 14:45:36 ID:???
「ふうっ…!」
ルナマリアは機体の左脚をミネルバの甲板に固定すると、オルトロスを腰だめに構えさせる。
ミネルバのパイロットはいずれも優秀なパイロットだ。
完璧なまでのオールラウンダーであるマユとレイ。
天才的なアシストセンスを持つシュウゴとショーン。
アタッカーとして生まれ持った才能をもつデイル。
そして私は―――
彼女用に調整されたザクのモノアイが、敵艦の姿を捉えた。
「……」
上手い。敵艦はこちらの射線上に常に戦闘エリアがくるように移動を繰り返している。
ルナマリアはオルトロスを構え直す。焦るな。狙撃はタイミングが全て。
コアスプレンダーが帰艦するが、それすらも無視して機体を固定させる。
一瞬のチャンスを逃さないように、彼女は鋭くモニターを睨んだ。



マユはミネルバの周囲を旋回すると、フライヤーの発進を促した。
「だから、ショーンとデイルが出てるんでしょ!?シュウもレイもやられたなら、私しかいないじゃない!」
『落ち着いてマユ。ルナマリアが甲板から敵艦を狙撃するから、あなたは一度』
「コロニーが近いから、タンホイザーが使えないんでしょ!私たちが直接叩くから」
アビーの脇から、副長のアーサーが割って入る。
『敵艦に接近して、頭を抑えられるか?』
普段のちょっとドジな彼の姿は形を潜めている。今は戦闘中だからか。
「やってみます。ブラストシルエットの一式を!」
『……艦長』
『いいわ。マユ、やってちょうだい』
「了解!」
ミネルバの中央カタパルトから、3つの機影が射出される。
インパルスへの合体シークエンスを済ませると、砲撃戦に特化したインパルスのシルエット「ブラストシルエット」を装備する。
『ショーンとデイルの援護を最優先してください。決して単機で敵艦に向かわないように』
アビーからの通信に軽く返答すると、マユは再びインパルスを駆った。



味方の残存兵力と合流した"ツイン・バード"は、着実に敵機を落としていった。
「おい、生きてっか!?」
『誰に言ってる、お前の方が見てて心配だ』
「はん、言ってろ…!」
友軍機が爆散。撃った敵機をビームライフルで撃墜する。
179DESTINY Side-C 5/10:2005/10/02(日) 14:48:20 ID:???
「しかし…コイツら、見かけ以上にやりやがる」
最初の数機こそ簡単に撃墜できたものの、予想以上に手強い。
連携はしっかりと取れているし、機転も利く。デイルは額に汗が滲んでいる事に気付いた。
『相当熟練された兵士だな。やはりただの海賊ではなさそうだが』
敵のダガーから撃ちかけられたビームをシールドで凌ぐ。
反撃で腰部のレールガンを撃ち込むが、敵はそれを回避。そこにショーンがライフルを撃ち込み、敵機は爆散する。
「ま、考えたってしゃあねぇ、気ぃ抜かずに…ん?」
デイルの表情が強張る。それを感じ取ったのか、モニターの向こうのショーンも表情を強張らせた。
『なんだ、これは……』
「機体識別……オイオイオイ、なんの冗談だよこれは!?」
モニターに映しだされた機体――"X-105 ストライク"に酷似したその機体は、両肩に背負ったレールガンの照準をこちらに向けた。
『散開ッ!!』
ショーンが叫ぶより早く、2人は弾かれたように機体を動かした。
反応が遅れた友軍機が2機、瞬く間に撃ち貫かれる。
「ッ……!」
なんだ、こいつ…強い!!
『デイル、焦るな。立て直すぞ!』
ショーンが鋭く叫ぶ。だがこちらが姿勢を制御するより早く、ストライクはこちらに接近していた。
「んだぁ!?コイツ……!」
右腕の無い敵が左手で逆手にサーベルを抜き放つ。こちらもビームアックスを展開、激突。
一瞬敵のビームサーベルと干渉しあったこちらのビームが電光を放ち、弾かれる。
『デイル!』
返す刀でこちらに斬りかかろうとした敵機が距離を取る。
2機の間を、ショーンの駆るゲイツの放ったビームが走った。
「ショーン、悪ぃ!」
危なかった。片腕だと言うのに、あのまま行けばこっちのコクピットが真っ二つだった。
『構うな…来るぞっ!』
他の敵機を友軍に任せ、自身はストライクもどきと向き合う。敵機に接近しつつ、レールガンを発射。
相手がそれをシールドで凌ぐと、ショーンがロングライフルを発射する。
しかし敵機はショーン機には目もくれないまま、真っ直ぐデイル機に突撃した。
「来いやオラァ!!」
再び激突。機体をフルブーストさせ、鍔迫り合いを繰り広げる。
「おおぉぉぉぉぉぉっ!!」
その隙にショーンが直上に移動、ロングライフルの照準をストライクもどきに――

突如。

デイルの機体の両腕が斬り裂かれた。
「なっ!?」
目にも止まらぬ早業で、敵機は武装を失ったデイル機を抱え上げる。
即ち、そう――ショーン機とストライクもどきの射線上に。
『デイルッ!』
「グッ、糞が!!」
腰部のレールガンを展開するが、敵機の肩口に装備されていた単装砲がそれらを吹き飛ばす。
武装解除。もうデイル機には、戦えるだけの武装が残っていなかった。
デイル機を盾にしたまま、ストライクもどきはブーストをかけてショーン機に突っ込む。
180DESTINY Side-C 6/10:2005/10/02(日) 14:50:03 ID:???
『デイル、逃げられるか』
ショーン機の左足が、ストライクもどきのレールガンで吹き飛ばされる。
要するに自分は人質、というわけか。情けない。デイルは下唇を噛む。
抵抗してスラスターを吹かしまくったが、ガッシリと抱え込まれた敵機の前に身動きも取れない。

この敵は只者じゃない。

「ショーン、撃て!」
『何を言ってる』
「撃て、っつったんだよ!足手まといはごめんだぜ…!」
『…ふざけるなっ!!』
激昂するショーン。
ガキの頃からずっと一緒だったが、こんなショーンは初めて見た。デイルは一瞬呆ける
『お前には返さなければならない借りが山ほどある!お前が死ぬのは、俺が全て返してからだ!』
ショーン機の右腕が、更にレールガンで吹き飛ばされた。
「あぁ、そうだったな…!」
デイルはがっしりと捕まれた機体にフルブーストをかけた。
ストライクもどきはそれを無視し、両肩のレールガンのみでどんどんショーンを追い込んでいく。
機体の各所が異音を上げるのを無視し、デイルは更にブーストをかける。
「放せっ!コンチクショウッ!」
その時、デイルのモニターの隅に何かが映った。
「マユ……!?」



「デイルなの…!?」
先ほど交戦したばかりの黒いストライクが、デイル機を盾にしてショーン機を攻撃している。
「放しなさいよっ!」
マユはインパルスの両脇からM2000F"ケルベロス"高エネルギー長射程ビーム砲を展開。照準を僅かにずらし……

発射。

ストライクはそれに気付き回避行動を取るも、閃光の渦が敵機とデイル機の脚部を飲み込む。
敵機はデイル機を解放。機体を立て直そうとスラスターを制御する。デイルも、ストライクと大きく距離を取った。
「デイルッ!!」
『はは……この馬鹿、無茶しやがって……』
良かった、生きてる。そう実感すると、急に冷たい汗がドバッと出てきた。
辺りの戦闘も既に沈静化している。自分たち以外、友軍も敵もほぼ全滅らしい。
『話は後だ、奴を沈める』
ショーンが左腕しか残っていない敵機に突っ込む。敵はそれに背を向けて、背部のスラスターを全開させ母艦へ向かう。
両手両足を失ったデイル機に近寄ると、マユは叫んだ。
「ショーン深追いしないで!」
『問題ない、仕留めてみせ』
181DESTINY Side-C 7/10:2005/10/02(日) 14:53:14 ID:???
その時。
モニターの中で小さくなるストライクから、緑色の光の雨がショーンのゲイツに注がれた。
「ショッ……」
今のは恐らく、左腕に残ったビームガトリングの光だ。
吸い込まれるように弾がショーン機に命中した後、ピクリとも動かなくなる。
『ショオォォォォォーンッ!!』
デイルの絶叫。
マユは状況が把握できず、たっぷり3秒呆然とした後、頭を振った。
「ショーン、ショーン!?聞こえる!?返事してよ、ねぇっ!ショーン!」
最早パニックに陥ってしまったマユは、敵の追撃も忘れてただひたすら叫ぶ。
デイルが何かをマユに怒鳴っていたが、聞こえない。

嫌だ。

この感覚――あの時と同じだ。

自分達の脇を、エネルギーの奔流が駆け抜けていく。
MS同士の戦闘が終結したため、射線を確保できたルナマリアのザクがオルトロスを放ったのだろう。
マユはモニターを注視し、ビームの向かう先を見守る。
「(当たって…!)」
黒いストライクとの交戦は、良い"時間稼ぎ"になった。
お願いだ、当たってくれ。当たらなければ、この戦闘の全てが無駄に…
「……!!」
敵艦が、艦側底部の増槽エネルギータンクをパージした。
オルトロスのビームはそれに命中、推進剤に引火して大爆発を起こし、宇宙が明るく照らし出される。
やがて光が消えた頃、敵艦はその凄まじい速力で、視認が不可能な距離まで遠ざかっていた。
「……くそっ!」
負けた。今度こそ、完全に。
『ショーン、ショーン!返事しろ、このボケ!いつまで寝たふりしてんだよ!』
「デイル……」
ボロボロと涙がこぼれて止まらない。
『なぁ……起きろって、頼むよ……!』
マユは四肢を失ったデイル機と、沈黙したまま脇腹から火花を散らすショーン機を連れ、ミネルバへ向かった。
182DESTINY Side-C 8/10:2005/10/02(日) 14:56:55 ID:???
「……ゲン」
「なんだよ」
戦艦ガーティ・ルー、"メンテナンス"ルーム。
向かい合った仮面の男とバイザーの少年の間には、張り詰めた空気が流れている。
「何故命令に従い、帰艦しなかった」
「状況に合わせただけだ。おかげで例の3機も手に入れたし、こいつらも無事だ」
ゲンは室内に設置されたメンテナンス・ベッドの中ですやすや眠る三人を見て、口元を綻ばせる。
一方のネオは、その口元を固く引き結んだままで、やがて口を開く。
「だがこちらはダガーLを9機、パイロットを9人失った。Mk-2だって大破した。修理には時間がかかる」
ゲンは舌打ちする。仮面のせいで表情の読めないこの男――ネオ・ロアノークは、相変わらずやり辛い。
「…悪かったよ。以後気を付ける」
「ゲン」
顔を上げたゲンの左頬に、ネオの鉄拳がめり込む。
ゲンが後ろに吹き飛び、周囲の"ドクター"たちが目を丸くした。
「……ぃってぇ……っ」
「次の戦闘ではお前を外す。こいつらには実戦で慣れてもらうしかないな」
「…………」
気に入らないと言った様子でネオを睨むと、ゲンは立ち上がって敬礼する。
「了解。申し訳ありませんね、"大佐殿"」
妙に刺々しい声でそう告げると、ゲンはさっさとメンテナンスルームを出て行った。
「あいつはやるが、スタンドプレーが多いねぇ」
「はぁ…しかし、能力は優秀そのものですよ」
ドクターがクリップボードをめくるが、ネオは鬱陶しげにそれを払う仕草を見せる。
「問題があるのはそっちじゃない。心理的なもんだな。アイツは、常に"何か"に執着してる」
「執着、ですか?勝つことに、ではなく?」
ネオ訝しげなドクターの脇をつかつかと歩き、メンテナンスベッドの前に立ち、見下ろした。
「あぁ。多分――コイツらに」
「……仲間意識、ということですか?」
「だろうな。過去に色々あったようだし、きっと深層心理に根付いた何かが原因で、先走ってしまうんだろう」
メンテナンス・ベッドの中の三人の少年少女は、あどけない寝顔で眠っている。
どんな夢を見ているのだろうか――ネオは一瞬そう思ったが、すぐに考えるのを止めた。
「ま、多少扱い辛いほうが、俺としても楽しいんだがね!」
そう言ってドクターの肩をポンと叩くと、ネオはメンテナンス・ルームを出た。



「ショーンッ!!」
帰艦するや否や、中破したゲイツに飛びつこうとしたデイルを、レイが後ろから押えた。
「デイル、落ち着け」
「うるせぇ!ちくしょう、はなせよっ!!」
火花が散る機体に、消火班が群がる。
「やめろよデイル、待てって」
脇からシュウゴが押さえにかかると、デイルはキッと彼を睨む。
目一杯にためた涙の奥の瞳は、燃えていた。いや――焼かれていた、と言った方が正しいのかもしれない。
やがて火花が消えると、デイルは無理矢理2人から放れて、機体に駆け寄る。
「ショーン……ッ!?」
183DESTINY Side-C 9/10:2005/10/02(日) 14:59:18 ID:???
コクピットの中は地獄だった。
掠めたビームの熱で、左半身はまるで蝋人形のように溶け、皮膚とパイロットスーツとシートが一体化していた。
虚ろな右目はデイルの肩越しに、格納庫の天井を見つめている。
小爆発でコクピットの機器の破片が脇腹に突き刺さり、赤黒い血液と"何か"が飛び出していた。
「ショー……ン……」
「デイル、ショーンは!?」
マユが駆け寄り、コクピットの中の惨状を見るや否や、口元を手で押えて走り去っていく。
だがデイルはコクピットの中に降り立つと、既に人の形を留めていないショーンの右頬にそっと左手を添えた。
「ショーン…何してんだよ」
「デイル…」
あまりの惨状にヴィーノを下がらせたヨウランが、デイルを心配して声かける。
「おい、なぁ。1人にすんなよ…なぁ、頼むって…!」
デイルは自分のパイロットスーツが血に汚れることにも構わず、そっとショーンに抱きついた。
「ショーン、起きろよ…!なにしてんだよ、なぁ!?」
ヨウランは他の面子にコクピットを覗かない様に言って、デイルを引き離そうと試みる。
「デイル、もうやめよう…今はゆっくり、寝かせてやろう。な?」
「…ぐっ……!」
一度身体を浮かせた後――最期にデイルは、強くショーンに抱きついた。
「うあぁああぁぁあぁぁぁぁーっ!!」
デイルの絶叫が、広い格納庫に響き渡った。



約三時間後。
ミネルバの食堂の厨房で、シュウゴはお湯を沸騰させていた。
結局あの後、ミネルバは敵艦"ボギーワン"の追撃を始めた。
さすがに驚いたが、相手に奪われた戦力のことを考えると当然の措置なのかもしれない。
とりあえず戦闘配置は解除されたので、寝ようと思っていたらマユが「お腹が空いた」と部屋を訪ねてきたので、こうして厨房を借りて簡単な食事を作ってやっている。
「…………」
どうにも重苦しい空気が流れる。ショーンの死が、互いの古傷を炙り出してしまったのかもしれない。
「……私ね」
食堂内は暗く、厨房からのみ光が漏れる。それによってできた陰影が、どこか不思議なもの悲しさを醸し出していた。
カウンターに座ったマユが、小さな声で喋りだす。後悔したように、下唇を噛みながら。
「吐いちゃったの。ショーンを見て。…仲間、だったのに」
「……そっか」
ショーンの死体の状態は、ヨウランから聞いていた。最期に少し覗いてみようかと思ったが、そんな勇気も無かった。
返す言葉が見当たらず、シュウゴは適当に相槌を打つ。
「ショーン……怒ってるかな?」
それはなんとなく、怯えた声に聞こえた。
彼は出来上がったキャロット・スープを2人分皿に装うと、椅子を引っぱり出してマユの対面に座る。
「あいつがそんな奴だと思うか?」
皿を差しだし、マユの頭を軽く撫でる。マユは少しくすぐったそうにした後、キャロット・スープに口をつける。
「…違う、よね」
熱いスープを冷まそうと、何度かマユはふー、ふーと息を吹きかける。
184DESTINY Side-C 10/10:2005/10/02(日) 15:02:42 ID:???
食堂のドアが開き、デイルが入ってきた。
「お…」
「デイル…」
「……よう」
シュウゴがスープを飲むかと尋ねると、彼は「いや、いい」と答えてマユの隣に座った。
「もういいのか?」
「あぁ、悪ぃ悪ぃ、もう大丈夫だからさ。気にすんな」
違う。大丈夫なんかじゃない、大丈夫なはずが無いのだ。現にデイルは、表情が一向に晴れない。
デイルとショーンは、ずっと一緒にいた。アカデミーの訓練も、休み時間も、寮でも、食事の時も。
最初は兄弟なのかと思ったが、そういうわけでもないらしい。
「……俺とアイツさ」
唐突にデイルが口を開く。マユとシュウゴは、黙ってデイルの言葉に聞き入った。
「親がいないんだ。…つーか、分かんねぇ」
「生まれてすぐに、死んじゃったの?」
マユが問いかける。デイルは自嘲気味に笑うと、言葉を紡いだ。
「なら、良かったんだけどな。捨てられたんだ、多分」
想像を絶する返答に、マユは俯いてしまった。デイルはそんなマユを見て、気にするな、と軽く頭を撫でた。
「多分、何かしらコーディネイトに気に入らない部分があったんだろ。物心ついた時には、あいつと2人きりだった」
それから色々なことを、彼は話した。
汚いこともたくさんやったこと。
自分が物を盗み、そのたびにショーンがまた借りが増えたと文句を言っていたこと。
生き延びる為に軍に入ったこと。後ろ盾はなかったが、必死に努力したこと。
自分達に、"人殺し"の才能があったこと。

ザフトのアカデミーで、初めてお互い以外の"仲間"と呼べる存在に出会えたこと。

「それなのに…これからだってのに、さ…あのバカが…!」
デイルは嗚咽を漏らしながら、ずっと話し続けていた。マユもシュウゴも黙ってその話を聞いていた。
「ここで死んじまってさ…バッカじゃねぇの、ホント」
彼が大きく鼻を啜ると、マユは隣に座った彼の横顔を見上げて言った。
「じゃあ、デイルは生きなきゃだめだよ…」
デイルはきょとんとした様子でマユを見つめる。シュウゴは立ち上がり、もう一つ皿を取り出してスープを装い始めた。
「ずっと生きて、ショーンの分も。そうしなきゃショーンがかわいそう」
泣きそうな顔でマユは続ける。それは――そう、自分にも向けた言葉だったのかもしれない。
「……あぁ」
だがデイルはそれを聞いて、柔らかく笑って見せた
「そうだな」
シュウゴはスープを彼の前に置くと、再びカウンター越しに座った。
デイルはスープにひと口手をつけて、目を丸くする。
「……美味いじゃねぇか。シュウ、軍なんかやめてコックでも目指したらどうだ」
薄暗い食堂に、小さな笑い声が響いた。
185DESTINY Side-C:2005/10/02(日) 15:11:57 ID:???
っとと、すいません。投下直後にパソコンフリーズしたorz
長かったアーモリーワンもやっと今回で終わりです。次からはユニウスセブン行きます。
あと他の職人様方、レスつけきれなくて恐縮ですが、楽しく読ませてもらってます。
お互い頑張って行きましょう。それでは。
186しのはら:2005/10/02(日) 15:17:55 ID:???
>185 乙&GJ!

お互い頑張りましょうね ではノシ
187通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 16:56:22 ID:???
age

最終話、ひどい話だったらしいですねェ……。
ま、めげずに行きましょう。
他職人の皆様、ご苦労様です。
新規参入希望の皆様、期待しております。

では、ユニウス落とし事件が終わり、ミネルバとクサナギが地球に降りて来たところから、どうぞ

  ↓
1891/18:2005/10/02(日) 17:24:01 ID:???

青い、抜けるような空の下。
穏やかな海を――進む巨大な影。
引き絞った弓矢のような姿の巨大戦艦と、剣のような姿の宇宙戦艦。
ザフト軍最新鋭多目的戦艦・ミネルバと、オーブ軍伝説の戦艦・クサナギ改。
本来クサナギは宇宙専用で、重力下での運動性能は極めて低いのだが……
今この場では、ミネルバに曳航される形でその欠点を補っていた。
縦に1列に連なり、ゆっくり海上を進む2隻の艦(ふね)。

やがて……行く手に、緑豊かな島が見えてくる。
オーブ連合首長国、オノゴロ島。
太平洋の真ん中に着水した2隻が、数日の船旅の末に辿り着いた目的地。
破片の直撃を免れた島には、被害の様子はまるで見えない。
オーブ軍の軍艦が何隻も出迎え、2隻を包むように位置を取る。
クサナギの曳航役を、2隻の戦艦がミネルバから引き継ぐ。

やがて、彼らは港に入港し。
そこには、世界を、そしてオーブを救った英雄たちを迎える民衆の姿。
みな手に手に旗を振り、笑顔と歓声でクサナギを迎える。
クサナギを一目見ようと押し合いへし合いする民衆に、警備の警官たちも抑えるのに一苦労。
中には、大きな横断幕を掲げる者たちもいる。
真っ二つに割れる隕石の絵と共に書かれた、その言葉は。

 『ありがとう、クサナギ
    ありがとう、フリーダム』

熱狂的なまでの、オーブ国民の歓迎。この一連のフリーダムの活躍、今や知らぬ者はない。
しかしその歓声は、同時に入港したミネルバをほとんど無視したもので――。


――その、ミネルバ内で。
鉄格子で仕切られた、薄暗い一角。
1人の青年兵が、退屈そうに寝転んでいる。
赤い『赤服』を着た彼は、他ならぬインパルスのパイロット、『血染めの赤』シン・アスカ。
世界を救った英雄の1人でありながら――命令違反の罪で、営倉入りを命じられたのだった。
外のお祭り騒ぎとは、全く対照的な扱い。

しかし、彼の顔に不満の色はない。不敵な笑みが、浮かぶだけだ。
アカデミー始まって以来の問題児にとって、この程度の処分など既に慣れっこ。
むしろこの薄暗い牢の方が居心地が良い、と言わんばかりの態度で、戦いの記憶を反芻する。
舌なめずりせんばかりの顔で、先の戦闘を思い出す。満腹のライオンのような、満ち足りた表情。

「――ドサクサ紛れに、フリーダムも撃っておくんだったかな――」
1902/18:2005/10/02(日) 17:25:00 ID:???

「……すごいすごい! あ、見てください、カガリさん! 『ありがとうフリーダム』だって!」
「はしゃぎ過ぎだぞ、マユ・セイラン」

インパルスのパイロットとは対照的に、陽の当たるクサナギのブリッジで歓声を上げていたのは。
フリーダムのパイロット、マユ・セイラン。
市民の横断幕を見てはしゃぐ彼女を、隣に立つカガリが苦笑しつつたしなめる。

「まったくユウナの妹にしては、素直でいい子じゃないか。なあアス……じゃなかったアレックス」
「全くです、カガリ代表」
「あたしも、あんな兄や父ができるなんて、びっくりです」

しみじみと呟く2人、あっけらかんと応えるマユ。
ここまでの、航海の途中――クサナギに移ってからも、連絡や情報収集で多忙だった彼女たちだが。
限られた時間で、断片的にマユから聞き出した話では……

「トラ……じゃなかった、バルディや、マリュ……マリアは元気なのかな」
「さぁ? あたしも全然連絡取れてませんから……。あの2人なら大丈夫だと思いますけど」

何でも、『家出してて、長いことアンディとマリアの所でお世話になっていた』とか。
そして『フリーダムで戦った後に初めて、セイランの家に招かれることになった』とか何とか……

「……やっぱ、ウナトの隠し子か?」
「まあ、あの人なら1人2人居ても不思議じゃないが……本人に聞かれちゃまずいぞ、カガリ」
「いや、でもどう考えても、あんな奴から産まれてくるようには……」
「どうやらコーディネーターのようだから、容姿のパラメータも弄れば、あるいはこの程度は……」

マユに背を向け、こそこそと言葉を交わすカガリとアレックス。
2人の脳裏に浮かぶのは……好色そうな太目の腹。絶倫らしいハゲ頭。脂ぎった顔。
……そんな『父』に似ても似つかぬその『娘』は、クサナギ艦長キサカに、軽くイジメられていた。

「本土に帰ったら……すぐにでも猛勉強を始めてもらうぞ、セイラン三尉」
「え〜〜っ」
「えー、ではない! 信号弾も読めない者をMSに乗せられるかッ!」

家柄など歯牙にもかけず、ガミガミ叱るキサカの剣幕も、ある意味平和を得られたからこそで。
舞い散る紙吹雪と市民の歓声の中、クサナギはオノゴロの港、軍用ドックに到着する――。


            マユ ――隻腕の少女――

             第七話 『軍靴の足音』

1913/18:2005/10/02(日) 17:25:46 ID:???

「……お前の読み通りだな、ユウナ」
「いや、ボクの読み以上だよ、この展開は。嬉しい誤算だけどね」

クサナギとミネルバを迎える、軍港で。
オーブ氏族としての準礼服、えんじ色のジャケットをまとい、待ち受ける親子がいた。
ユウナ・ロマ・セイランと、ウナト・エマ・セイラン。

「お前があの小娘を我が一族に迎える、と言い出した時には、正直疑問も感じたが……
 まさか、これだけの働きをしてくれるとはな。良い拾い物をした」
「素直で強くて良い子だよ、マユは。ぼくらの家族には勿体無いくらいだ」

そう、マユを養子に迎えたことは、セイラン家に大きな変化をもたらしていた。
公式発表は未だされず、表向き「ノーコメント」「軍事機密」を繰り返していたが……
ユウナの「計算された迂闊さ」で漏らされた情報は、口コミで広がり、ゴシップ誌が取り上げ。
確実に浸透していた。

曰く、あのフリーダムに乗っていたパイロットは、一般には知られざるセイラン家の娘だったと。
曰く、その少女は、永らくセイラン本家から遠ざけられていた日陰者だったのだと。
曰く、どうやらその少女、セイランの隠し子、ウナトの妾の子らしいと。
曰く、少女の母はその関係を秘す代償に、不義の子にコーディネーター化処置をしてもらったと。
曰く、それらの過去の恥を隠すための「ノーコメント」、隠すための「軍事機密」なのだと。

真贋入り混じった、噂の数々。中には少々飛躍し過ぎたものも無いわけではなかったが。
それらはセイラン家の「沈黙」に説得力を与え、かつセイラン家への好感度上昇にも寄与していた。
過ちを恥じて隠し、それでも罪無き胎児に「恵まれた遺伝子」という形の愛と庇護を与えた、という筋書き。
その愛情が、巡り巡ってセイラン家を、そしてこの国を守ってくれたというストーリー……
それは、とても分かり易い物語で。陳腐なドラマながら、民衆好みのお話で。
実際にフリーダムに助けられた人々の体験談と合わせ、その虚構は広く市民に受け入れられていった。

「やってもいない浮気を勘繰られるのは、あまり良い気持ちではないがな」
「い〜じゃないですか、父上。あんまり喋ってボロ出すよりは、勝手に勘違いしてもらった方が。
 それに――たとえ噂の上とはいえ、モテないよりは色男の方が良いと思いますがね?」
「そういうお前も、浮いた話の1つや2つはないのか? いい年をして」
「ヤハハ、ボクはカガリ一筋ですから。婚約も決まってることですし、いま醜聞を起こすわけには……」
「いや、無理にあの話を進める必要もないかもしれん。お前の機転のお陰でな」

軽口を叩き合っていた2人だったが……ウナトの何気ない一言に、ユウナは目を剥く。
一転して、あたふたと慌て始める。

「ちょっ、待っ、ち、父上!? それってどういう……」
「マユのお陰で、我がセイラン家の支持も強まった。もうアスハ家の威光を借りずとも大丈夫だろう。
 この上は、時期を見計らい、アスハの娘には適当な罪と失策を背負って消えて貰った方が良い。
 わざわざ一人息子のお前を婿入りさせ、セイランの名を潰すまでもない」
「――いや待ってよ父上! そりゃ話が違うよ!!」
1924/18:2005/10/02(日) 17:26:45 ID:???
なにやら本気で慌て、大声を出すユウナ。
と、そこへ――ドックに入港したクサナギの、昇降用ブリッジが接続する音が響く。

「――まあ、今後の成り行き次第では、そういう可能性もありうる、ということだ。
 全ては我らセイランのため。心しておけ、ユウナ」
「――――ッ」
「今は、形だけでもカガリ首長殿、お前の『婚約者』を迎えねばな。
 連合の言ってきた例の同盟、そしてあの問題の『映像』。
 形式上だけでも、報告しないわけにもいくまい――」

出迎えに向かう父の背を、半ば呆然と見送りかけたユウナは、ハッと気づいて後を追う。
やがて響き渡るカガリの声。慇懃無礼なウナトの言葉がそれを受ける――



――テレビの中で、演説するのは、大西洋連邦大統領、ジョゼフ・コープランド。
それはユニウスセブン落下事件をプラントの悪意と説明する、実に政治的な内容。
その演説が、ただそれだけで終わるなら――あまりにも「当たり前」な反応だっただろうが。

「これを、御覧下さい!」

一通り地上の被害の大きさを嘆いた後、彼が示したのは3機のMSの姿。
アーモリーワンで強奪された、カオス・ガイア・アビス。
胸を張り、禍々しく両目を光らせ、力強くカメラを見下ろし。
いつの間に地上に下ろされ、撮られたのか――その実力を存分に感じさせる映像が流れる。

空を疾走り雲を突き抜け、機動兵装ポッドで多角的攻撃を演じる緑の鷲、カオス。
大地を駆け4本の足で跳躍し、岩を蹴立てながら人型に変形する黒い狼、ガイア。
海中を突進し波を割り、海面に跳躍しつつ無数のビームを放つ青き海魔、アビス。

そのいずれもが、素人目に見ても、それぞれの地形への高い適応を感じさせるもので――
空・地・海。地上の全ての地形をカバーしていることがテロップで説明され。

それらを示しつつ――コープランドは語る。

「これらは、プラント側が極秘に開発を進めていた新型MSであります。
 これらの悪用を避け地球を守るため、先日我が軍の特殊部隊が奪取したものでありますが――
 この映像を見て頂ければ一目瞭然、明らかに、地球侵攻を前提としたMS開発。
 こんなモノを作っておいて、『今回の件には無関係だ』と主張して、どうして信じられましょう!」

その演説は――原稿をチラチラと確認しながらの、いささか迫力に欠けるものではあったが。
どこか棒読みで、感情の起伏に欠けるものではあったが。
背後の3機の映像は、実にわかり易くその機能と設計意図を伝えるもので――
1935/18:2005/10/02(日) 17:27:30 ID:???

「――コープランドめ、頑張りおるわい」
「ジブリール、これは君の仕込みかい? あの彼にこんな筋書きは思いつくまい」
「パルテノン神殿が潰されてしまったのは頂けないのォ。文化遺産は守らねば」
「この場に来るはずのメンバー、2名減ったと悲しむべきか、2名の犠牲で済んだと喜ぶべきか」
「厄介なライバルが2人も消えた、と喜ぶのはなしですよ、ご老公」

大統領の演説を、ビリヤードに興じつつ、カクテルを舐めつつ眺めているのは――
皆、それなりの年齢と地位を感じさせる老人ばかり。
揃ったメンツの中で、最も若いのは――メディア王ロード・ジブリールだろうか。
連合の政財界に詳しい者ならば、他にも大物がゴロゴロいることに驚くだろう。
豪奢な屋敷の中、思い思いにくつろぎ、歓談する。

「確かにワタシの書いたシナリオではありますが――どうも彼の演技は見るに耐えませんな。大根役者め」
「そうイジメてやるな、ジブリール。これも民主主義だよ」
「民衆が慕う看板くらい、民衆に選ばせてやれ。足りぬ分は我ら『ロゴス』が補ってやれば良い」

そう、この会合は――地球連合の背後に在ってそれを操る秘密結社、『ロゴス』の主要な面々の集まり。
形式の上では、地球連合所属の各国家は民主主義の形態を取り、またそれに従って政治をしているが――
やはり、財界の力は無視できない。官僚組織を否定しては、実際の政治は立ち行かない。
財界の大物。右翼のドン。官僚OB。元大統領――
そういった、地球連合を実質的に動かす大物の集まりが、『ロゴス』なのだった。

特に発言力があるのは、軍需産業を押さえ軍にも通じている一派。
彼らぬきには、戦争はできない。彼らこそが『強大な地球連合』を支え、ロゴスの利権を支える。
先の大戦で散ったアズラエル財団の主、ムルタ・アズラエルも、かつてこの場に名を連ねていた1人だ。
その一方で、近年になり発言力を増してきていたのが――各メディアを押さえ、世論を操るジブリールだった。

「元より、あの忌まわしい事件がなくとも戦争を始めるつもりじゃったしの。むしろ好機と見るべきか」
「もう少し時間が欲しかったのだがね、私としては。しかしこれだけの被害、大衆も黙ってはおるまい」
「元より無理な条約、不安定な平和よ。アレが長持ちすると思う方が間違っておる」
「それはコーディネーター共にとっても同じだったようで」

そう――2年前に結ばれたユニウス条約の、内容は。
乱暴に言えば、「戦争以前の状態に戻す」というもので。「双方共に戦争で得たものがほとんどない」という状態で。
そんな和平では、どちらの側からも不満が出るのは、避けられない。
言ってみれば――あの戦争とそれに伴って流れた血、その全てが無意味だったことにもなりかねないからだ。
それでも互いに疲弊し、傷が癒えきらぬ間は、均衡も保たれていたが……しかし、2年も経てば。

「いっそ核でも撃って、手っ取り早く終わらせたらどうかね? まだ長い戦争はキツかろう」
「愚の骨頂ですな。かつてそれで痛い目を見たことをお忘れか?」

一人の老人の言葉を、ジブリールは鼻で笑う。
1946/18:2005/10/02(日) 17:29:59 ID:???

「連中に、落とすための『ユニウスセブン』を大量に与えてどうします?!
 別に、慌てて殲滅する必要もないのですよ。もはや彼らには、それだけの価値すらない。
 2年前、彼らの偶像(アイドル)が自ら告白したではないですか。
 『コーディネーターに未来はない』と。
 我らはただ、待てば良いのです。既に約束されている、連中の落日を」

ジブリールは滔々と語る。老人達も大方は頷き、納得した様子を見せる。
毛並みの良い黒猫が退屈そうに欠伸をし、スルリとビリヤード台の下に潜り込むが、誰も見ていない。

「奴らもそれなりに研究などしとるようだが、全然効果は上がってないようだしな」
「じゃが、滅びゆく奴らのヤケに巻き込まれてはたまらんのォ」
「その通り。我々が本当に恐れるべきは、奴らが自暴自棄になり、破滅的な攻撃をしかけてくること。
 例えば、2年前のジェネシスのように。例えば、先日のユニウスセブンの事件のように。
 それを防ぐために――我らは戦い、奴らの戦力を削ぎ、武装解除させねばならないのです」
「今度は勝てるのだろうな? また前のような泥仕合は御免だぞ?」
「無論!」

彼は拳を振り上げる。ここぞとばかりに居並ぶ面々を見渡し、自信たっぷりに言い切る。

「要は、地球を1つにまとめ上げれば良いのです。玉虫色の『中立』など出ないように。
 ましてや、プラントに味方する者など出ないように――。
 さすればおのずと、国力の差で我らが勝利するでしょう。
 幸か不幸か、この被害。我らが手間と金を惜しまねば、人々はいくらでもついてきます」

TVの中ではコープランドの演説が終わり、ユニウスセブン落着による被害映像が流されていた。
津波に飲まれた家々。巨大なクレーターと化した街。川の流れが変わり、氾濫した水に飲まれる田畑。

『どうしてこんなことになるんだ!』
『息子が見つからないんです……あたしだけ残されて……』
『ママが……ママが……うぇェエェェェーン……!」

家を失い困惑する家族。親を失い泣き叫ぶ孤児。進まぬ救助。あふれる避難民。
ロゴスの面々がくつろぐこの豪華な屋敷とは、全く対照的な風景。
それらを指し示してから、ジブリールはニヤリと笑う。

「まずは、既に各国に提案した『あの同盟』を進めましょう。
 援助欲しさにこちらに転ぶ国は、少なくないはず。
 戦争に勝利しプラントを屈服させれば、その程度の金など後からいくらでも回収できます」
「ふむ。確かにの」
「問題は――戦うか戦わないか、ではない。いつ始めるのか、でもない。
 どうやって始めて、どうやって勝つのか、なのです」
1957/18:2005/10/02(日) 17:30:57 ID:???

『こんなモノを作っておいて、『今回の件には無関係だ』と主張して、どうして信じられましょう!』
「……全く、とんでもない言い草ね」

コープランドの演説を聞いていたのは、ロゴスの面々だけではない。
避難所に集まる難民たち。プラントの市民。連合の市民。オーブの市民……
そして――オーブの軍用ドックに停泊する、ザフト軍艦ミネルバの中でも。
ブリッジのモニターで報道を見ながら、ミネルバ艦長タリア・グラディスは溜息をつく。

「あの、艦長ッ、これっていったい、どういう……??」
「要するに、彼らも『やる気』ってことよ。
 覚悟しておきなさい。きっとこれが、『戦争』前の最後の休息になるわ」

演説の意図を理解できない副官に、タリアはうんざりした態度を隠そうともせず。
窓辺に歩み寄り、ブリッジから眼下を見下ろす。ミネルバから渡された橋を、跳ねるように渡る数人の影。
臨時休暇の許可を得て、オーブの街に繰り出す私服姿の若いクルーたち……ただその中に、シンの姿はない。

「ちょっと異例な処置になっちゃうけど、独房にいるシンも開放してあげなさい。
 遠くないうちに、また『狂戦士』の力が必要になるわ。今のうちに英気を養っておいて貰わないとね」



『こんなモノを作っておいて、『今回の件には無関係だ』と主張して、どうして信じられましょう!』
「何を言っている、こいつらは! あれだけのことをしておいて……!」

同じく、その映像を見て吼えているのは。
行政府に戻った、カガリ・ユラ・アスハ。そしてオーブの意思を実質的に決める、首長会議のメンバー。

「……要するに、彼らも『やる気』だということですよ、代表」
「何をやる気だ! また戦争がしたいとでも言うのか、こいつらは!」
「おそらくは。現場で実際に見てきた代表もご理解されているでしょう、そこは」

怒りを剥き出しにするカガリに、オーブ連合首長国宰相ウナト・エマ・セイランは淡々と語る。

「そしてまた――ザフト側も『やる気』なのも、また同様」
「待てウナト! あれはほんの一部のテロリストの仕業で、プラントは……議長は阻止しようと……」
「それも分かっています。しかしその議長が『一部のテロリスト』を抑えきれぬ現状が問題なのです。
 そもそも我が国でも、その『一部のテロリスト』により少なからぬ犠牲者が出ております。
 代表は、その被害者や遺族に言えますか? 『あれは議長が望んだことではない、だから許せ』と」
「……ぅッ! し、しかし!
 しかし、彼らが戦争再開を望んでいればこそ、あんな同盟を受け入れるわけには……!」

ウナトに一方的にやり込められるカガリだが、しかし必死で抵抗する。
1968/18:2005/10/02(日) 17:32:06 ID:???

――同盟。
それは、ユニウス落とし事件の被害を契機に、地球連合から地球上の諸国に出された1つの提案。
地球上全体で相互協力体制を築き、この甚大な被害からの復興を協力して果たす、と謳っていたが――
そこに書かれた1つの条項、『2度とこのような事態が起きぬようあらゆる手段を取る』との一文は。
補足条項の数々と相まって、どう見ても軍事協力体制の構築にしか見えぬ代物だった。

先程のコープランド大西洋連邦大統領の演説も、本来はその賛同者を増やすためのもので。
今ここで開かれている緊急首長会議の議題もまた、その同盟提案にどう応えるか、という点にあった。

駄目だ駄目だ、と繰り返すカガリ。
そこに――まぁまぁ、と宥めたのは、ユウナ・ロマ・セイランだった。

「落ち着きたまえ、カガリ。我々も、別に戦争を望んでいるわけじゃあない。
 平和が続くなら続いて欲しいし、たとえ彼らが戦争を再開しても、せめて我々オーブだけでも平穏を。
 ――でも、彼らはどうあっても我々の孤立を許す気はないらしくてね」

ユウナはリモコンを操作し、大統領の演説から別の映像に変える。
それは戦闘の記録。
ユニウスセブンの上で、戦うフリーダムの映像。破砕作業をするアストレイ。妨害するジン――

「こ、これは!!」
「代表が地球に降りてからオーブにつくまでの間に、既に出回っていた映像です。
 出所を伏せることを条件に持ち込まれた、アングラ映像――
 少なくともそういう触れ込みで、ジブリール系列のテレビ局が世界中に流しているものです」
「こ、こんな映像、いったい誰がどこから……!?」
「撮った者も問題ですが……良く見てください。何か気づきませんか、代表?」
「……??」

ユウナに促され、その映像をよくよく眺めるカガリ。自分が見てきた『現場』の様子を思い出す。
そして――気づく。重大な欠落を。

「……ちょっと待て。これって……ミネルバは!? ザフト正規軍は!?」
「そう、一切映っていないのですよ、ここには。我らオーブ軍と、テロリストだけ。
 映像分析にかけても合成はしてないようですし、画面転換も少し多めですから……
 恐らくザフト軍の映ったシーンをカットし、都合の良い所だけ残して編集したのでしょう」
「しかし、これではまるで……」

まるで、『オーブ軍単独で』ザフト系MSと戦い、ユニウスセブンを砕いたと言わんばかりの映像。
重要な部分を取り除いたにも関わらず、絶妙な編集技術で不自然さを感じさせない映像作品――

「明らかに彼らは、我々を巻き込みたがっています。そのためにあえて好意的な報道を重ねています。
 ユニウスセブンの被害、『オーブは自分の身だけを守った』と報道することもできるのに――」
「それは――」
「そして、一方のプラントでは」
1979/18:2005/10/02(日) 17:33:02 ID:???

ユウナの指が再びリモコンを操作し、また新しい映像が出る。
プラントで起きているデモの様子。市民が手に手に掲げたプラカードには……

「『我らの父母の墓を返せ』『オーブは謝罪と賠償を』『どかせる遺跡をなぜ壊す』『フリーダムを返せ』
 ……いやはや、デュランダル議長はどんな説明をしているのやら。まるきり我々が悪党みたいですな」
「そんな……ッ! 議長は、確かに……」

『決して、尽力して下さったオーブの皆さんが恨まれるようなことには、致しませんよ』

デュランダル議長の優しい笑みが、カガリの脳裏に浮かぶ。
あれは、嘘だったのか――? いや、そうではなく――

「どうも議長側はこの反発を抑えたがっているようだけどねェ。どうも効果ないようだ。
 このままでは、議長ごとプラントの政権が交代するか……あるいは、議長も彼らの側に流れるか」
「……ッ!」

要するに、議長の力不足。あれだけ大言壮語しておいて、結局彼は――
言葉を失うカガリに、ユウナはなおも続ける。

「どちらにせよ――この状況下。完全な中立の維持は無理かと思われます。
 そして独自の道を行くのが無理なら……どちらにつくべきかは、言うまでもない。
「しかし、オーブの理念は――」
「今なら、まだこちらが主導権を握れます。まだこちらが条件を出すこともできます。
 戦争の開始を遅らせ和平の道を探ることも、資金援助だけに留め軍事協力を拒む道も――。
 オーブの理念、それは決して、孤立主義ではありません」
「理念も大事ですが、我らは今誰と痛みを分かち合わねばならぬのか。
 奇跡的にも少ない損害で済んだ我が国、他の国々を見捨ててよいものか。
 代表にもそのことを十分お考え頂かねば」

もっともらしい顔で呟くウナト。理で攻めるユウナに対し、こちらは情を強調する。
……カガリは、搾り出すような声でこう返すのが精一杯だった。

「……少し……もう少しだけ、考える時間を、くれないか………」



「カガリには、二枚舌と罵られるかもしれないが――ボクも決してこのままで良いとは思っていない。
 我らオーブにとっても、プラントとの関係は今なお重要なのだよ」
「それで、俺に使者になれ、と? ユウナ・ロマ・セイラン」
「少なくとも――オーブに対して、ザフトが攻撃してくるような事態は避けねばならない。
 そのための特使だ。多少の越権は許す。大概のことは許す。君の判断でどれだけ留まっても良い。
 なんなら――君の『もう1つの名前』を使ってもらっても構わないんだ、アレックス・ディノ」
「………少し、考える時間をもらえないか」
19810/18:2005/10/02(日) 17:35:06 ID:???


――それは、嵐の前の静けさ。静かな夜。

ミネルバの食堂では、街に遊びに出たルナマリアたちが、買ってきた服やアクセサリーについて騒ぐ。
許しを得ながらなお外出しなかったシンが、暗い顔でつまらなそうに話を聞いている。

アスハ家の屋敷の一室では、カガリとアレックスが話し込んでいる。
何やら叫ぶカガリ、渋面のアレックス。彼女を宥めるようにアレックスが抱きしめ――2人の影が重なる。

セイランの屋敷で、マユの部屋を覗くユウナ。馬場一尉を家庭教師に、泣きながら教本に向かっているマユ。
頑張る『妹』の姿に、ユウナは声もかけずにそっと扉を閉める。

新しい屋敷に、はしゃぎ回る子供たち。彼らを寝かせつけようと、無駄な努力をするラクス。
前の孤児院を津波で失い、今ようやく完了した引越し。キラが見上げた窓の外には、煌々と光る満月。

今は、平和。今夜は、まだ……。



「しっかし、いいんですかい、こんなコトして? わたしゃ知りませんよ?」
『なあに、構いやしないさ。これくらいしなければ、あの寝ぼけた国は目を覚まさん』

満月の下、穏やかな海を進む、一隻の軍艦の中で――
命令書を手に、1人の男が通信モニターに向かっていた。
黒い軍服に、大佐の階級章。どこかふざけたような、軽い口調。軍人にしては、長い金髪。
しかし何より目を惹くのは、その顔を半ばまで隠した、奇妙な仮面――
そして、画面の向こうにいるのは――大西洋のメディア王、ロード・ジブリール。

「でもコレ、下手すりゃ戦争になるんじゃないですかねぇ」
『キミが下手をしなくても、すぐに戦争になるのだよ。ならばイニシアチブを握った方が良い。
 この作戦も、起こりうる全てのパターンを考慮し、どう転んでも良いように考えてある。
 最悪、キミらが全滅したとしても、その損害に見合うだけのモノは得られるようにな』
「はぁ、そりゃ用意の良いことで」
『――とはいえ、その中でも望ましい展開というのはあるのでね。
 彼らは大丈夫なのだろうな? 勝手に先走ったり、相手の挑発に乗ったりするようなことは――』
「そいつァ大丈夫でしょう。あのラボの『作品』の中でも、特に優秀な3人ですから。
 万が一暴走しても、止める手立てはありますしね」
『なら良い。厳しい任務で済まないが、期待してるよ、ネオ・ロアノーク大佐』

冷たい笑みを残し、通信は途切れ。
仮面の大佐は、ヤレヤレとばかりに溜息をつく。

「ったく、トンだ無茶を押し付けてくれるよ、盟主殿は。
 オレたちみたいな裏方の黒子に、歴史の転換点を任せようってんだからなァ……!」
19911/18:2005/10/02(日) 17:36:29 ID:???

その日――
その戦艦の登場に――オーブ軍に、緊張が走った。
オーブ軍の警戒圏に突入し、まっすぐオノゴロ目指して水上を駆ける1隻の戦艦。
地球連合海軍所属の特務艦、『J・P・ジョーンズ』。
オーブ軍の警告にも、全くひるむことなく――

『そこの戦艦、進路を変えなさい! 貴艦は、このままではオーブの領海を侵犯します!』
『こちら地球連合軍所属、J・P・ジョーンズ。進路については了解している。
 我らはオーブ政府に対する重要な書簡を携えた特使である。
 海路にて貴国に向かうことは既に通達済みかと思うが? 当該省庁に確認されたし』
『確かにそれは記録にあるが……武装した船でなど』
『これは異なことをおっしゃる。この緊迫した情勢下、自分の身も守れぬ船で海が渡れますか!?
 貴国と我が連合にとって非常に重要なこの手紙。船が沈められても保険も利きませんからなァ』

警備隊の焦りに、半ばからかうような軽い口調で挑発する戦艦。
なおも進路を変えようとせず、艦は進む。

『止まれ! 止まるんだ! 我が国は中立なのだ、他国の軍艦を受け入れるわけには……』
『そういうことは、例の『ミネルバ』とかいう戦艦を追い出してからおっしゃって欲しいものですなァ。
 堂々と入港し停泊している姿、TVで我らもよ〜く拝見しておりますが』
『………ッ!!』
『我らを受け入れて初めて、バランスが取れて『中立』ということになるかと思いますがねェ?
 それとも……彼らは受け入れ、我らには銃弾を浴びせますかな?
 ま、それでも別に構いませんがね――使者を撃つほどの覚悟がある、というなら。
 Uターンして本国に帰り、『オーブは中立を捨てプラントと結んだ』と報告するだけですから』
『ま、待て、待ってくれ! いま上の判断を仰ぐから……』
『待てませんなァ。この書簡、『確実に、しかし大至急届けよ』との命を受けておりますゆえ』

艦橋でマイクを握るネオは、飄々と答え、そのまま艦を進ませる。
艦長の額には脂汗が浮かぶが、ネオの方は平然としたものだ。
彼の言葉は詭弁もいいところだし、足の遅い戦艦を使っておいて『大至急』も何もないものだが……
これだけの事態、現場の判断でどうこうできるものではない。
『連合から海路で使者が来る』という通告は本物だったし、時間も進路も合っている。
ただそれが、戦艦だとは聞かされていなかっただけで。
通常の領海侵犯対策のマニュアルが、適用できない。

ムラサメ隊が、スクランブルを受け発進するが、彼らとて迂闊に手を出せない。
戦艦や戦闘ヘリも臨戦態勢に入るが、動けない。
上の判断を待つ間に、そのままJ・P・ジョーンズは、オーブの領海に侵入し――!
20012/18:2005/10/02(日) 17:37:54 ID:???

セイラン家の屋敷の中、電話に向かって何やら話しているのは――ウナト・エマ・セイラン。
そこに、血相を変えたユウナが駆け込んでくる。

「……そうだ。決して手を出すな。そのまま丁重にお連れしろ」
「父上! どういうことなんだよ、これはァ!」

叫ぶユウナ。落ち着き払った父の様子に、彼はこの事態の裏にあるものを悟る。
人脈、特に地球連合への人脈を最大の武器とするウナトと、智略に通じ分析力に長けたユウナ。
この2人の能力が、互いに補いあってセイラン家の現在の隆盛に繋がっていた、のだが……
年若いユウナを軽く見るウナトは、しばしば息子に無断で、重要な話を進めてしまうのだった。
そして今回も、また。

「まあ落ち着け。連合との関係強化は、お前も望んでいたことだろう?
 ここで事を荒げぬ方が良い。戦艦一隻、受け入れるだけで済むというなら……」
「分かってないよ! 父上は何も分かっちゃいない!
 関係を避けられないからこそ、オーブは嘗められちゃいけないんだよ! それに!」

ユウナはバン! とテーブルを叩く。彼にしては珍しく、怒りを露にして。

「オノゴロには……ザフトのミネルバも停泊しているのをお忘れか!」
「忘れてはおらんよ。彼らにも事情を通告し、動かぬようにと……」
「それが通じる情勢ですか! どっちも戦争始める気マンマンだってのに!」

屋敷を揺るがす、激しいやりとりに……1人の少女が、そっと様子を覗きに来る。
開けっ放しのドアからこっそりと顔を出す。揺れる髪留め。
しかしユウナとウナトは、その小さな影に気付かない。

「……ボクには分かる。もう手に取るように、あの戦艦の後ろにいる連中の考えが分かるよ!
 彼らは――ぶっちゃけ、どうなってもいいんだ。どんな事態になっても手があるんだ。
 あの戦艦が、オーブに受け入れられても。追い払われても。あるいは最悪、ミネルバに沈められても。
 彼らは、それを機に、戦争を始めるつもりなんだよ! オーブを巻き込んで!」
「ならば、どれを取っても同じではないか」
「八方塞りの状態でも、マシな選択肢ってのはある! 挽回可能なものもある!
 アレの進路を塞いで足止めして、のらりくらりと時間を稼ぐべきだったのに!
 父上、あなたは……またオーブを戦場にするつもりですか!」

ユウナの焦りは、しかしウナトには通じず。
そうこうしているうちに――つけっ放しのTVの中、オノゴロ島の見える距離まで近づく戦艦が映る。
上下左右をオーブ艦とムラサメに囲まれているが、それは警戒というより、ほとんど護衛のようなもので……

なおも激しいやりとりを続ける2人をよそに、覗いていた少女は、音も立てずにその場を立ち去った。
戸口を少し離れてから、どこかに向けて走り始める。
20113/18:2005/10/02(日) 17:39:25 ID:???

「連合軍の戦艦が!?」「えぇぇぇぇ!?」

その一報は――ウナトの言った通り、オノゴロに停泊するミネルバにもまた伝えられ。
しかし露天ドックで外装を修復中のミネルバは、動ける状態ではない。
連合軍の戦艦が迫る方向に無防備な背を向けたまま、なす術はない。

「どッどど、どうします、艦長!?」
「まさか、ここで仕掛けてくるとは思えない、のだけれど……あんな演説の後だしね」

見ていて可哀想なほどに動揺する副長と、腕を組んで考え込む女艦長。
しばし黙り込んだ彼女は、やがてキッと顔を上げ、ブリッジにいるクルーに号令を飛ばす。

「メイリン、今艦内にいるクルーは?」
「何名か休暇を取って上陸していますが、大半は艦内に」
「MSのパイロットは?」
「全員います」
「では――変則的状況ながら、コンディションイエロー発令。艦にいるものは準・戦闘態勢を取れ!」
「えぇぇえ!? た、戦うんですか!?」
「その準備をしておくだけよ、アーサー。できればそうなって欲しくはないけど……向こうがやる気なら」

タリアは、厳しい目で近づく戦艦を見る。額に汗が滲む。

「MSパイロットは、搭乗機にて待機。ただし――決してこっちからは手を出さないように、と。
 こんなところで、わたしたちが戦争の引き金を引くわけには、いかないわ!」



――無数の視線を浴び、緊張した空気の中を進む戦艦J・P・ジョーンズ。
上空は、最新鋭の量産機ムラサメに守られ、左右を固めるオーブ戦艦の上にはM1アストレイ。
向かう先の港回りにも、無数のオーブ軍MSが待ち構えている。
それらは、『万が一の事態』に備えての警戒なのだろうが……ウナトの命により、彼らは手が出せず。
むしろこれは、MSまで出して戦艦を歓迎するような構図で。

「……ふぅん、ガマンしちゃうんだ。ま、コッチはやりやすいが……でもねぇ」
艦橋で、仮面の大佐ネオ・ロアノークはどこかつまらなそうに呟く。

「これって――盟主の書いたシナリオだと、3番目くらいの出来なんだよなァ。悪かないけどさ。
 どうやらオーブのみなさん、予想以上に我慢強いようだから……もう一押し、してみるかな♪」

そしてマイクを握り――艦内の、薄暗い格納庫に彼の声が響く。どこか不真面目な、笑うような声。

『あー、みんな、出番だぞ〜。オーブの皆さんはMSまで出しての大歓迎だ。
 こっちも、礼には礼をもって応えてやらんとな――』
20214/18:2005/10/02(日) 17:40:11 ID:???

その時、カガリ・ユラ・アスハは――走っていた。
先日の、アッシュによる襲撃事件と、その後のユニウス落としに伴う津波。
それらの被災地を自ら視察し、避難所で被災者を慰めているところに入った、『連合軍戦艦接近中』の一報。
こういうフットワークの軽さと行動力は彼女の長所であり、市民に好かれる要因の1つにもなっていたが――
今回は、それが完全に裏目に出た格好。
出張先から急ぎ行政府に戻ろうとした彼女だったが、混乱による渋滞で車が動かない。

「もういい! 私は走る!」
「あ、お待ち下さい、代表!」

部下の叫びも無視し、カガリはリムジンを飛び出し現場へ向かって駆けていく。渋滞の車の間を、坂道を。
体力自慢の若い代表の全力疾走には、SPたちもついていくのがやっとで。

やがて、カガリは港が見通せる所まで出てきて――思わず足を止める。ガードレールから身を乗り出す。
肉眼でもはっきりと確認できる、J・P・ジョーンズ。
既に艦砲の射程圏内、同じ視界内にはミネルバの姿。
ぐるりと取り囲み、しかし何もできずむしろ歓迎するような形になってしまっているオーブ軍――

「何をやっているんだ、ウナトは! 何をやっているんだ、ユウナは!
 幾らなんでも……他の島や港に誘導するくらいの、気を遣え!」

カガリの叫びに関わらず、オーブ軍は動かず、J・P・ジョーンズはさらに接近を続け。
そして――その甲板に、ゆっくりとMSが姿を現す。
オーブ軍の歓迎を受けるかのように、堂々と。日陰者のはずの彼らが、太陽の下に。
特徴的なアンテナを備えた、その3機は――

「……カオス! ガイア! アビス! 連合の奪ったあの3機が、何故ここに!!」


「慌ててやがるぜ、コイツら」
「…………」
「うわ、ミネルバいるじゃん。なあネオ、撃っていい?」

その、J・P・ジョーンズの上、ふてぶてしくも胸を張る3機のMSの中。
ニヤニヤと笑うカオスのパイロット、無言でボーッと周囲を見回すガイアの少女、哂うアビスの少年。

『まあ待て、アウル。こっちから攻撃するのはマズい。向こうから仕掛けた形にしないとな』
「ちぇッ、つまんねーの」
『ま、銃口を向けないなら、好きに挑発していいぞ。あっちから撃ってきた後なら、反撃を許す』
「ふーん。じゃ、こういうのはどうかな――」

アビスに乗った少年は、実に楽しそうに操縦桿を握り締め。
ミネルバに向かって、青いMSが――すッと中指を、突き立てた。
卑猥で直截な、挑発の仕草――
20315/18:2005/10/02(日) 17:41:17 ID:???

「な、なによあいつら!」
「馬鹿にしているな。こちらが手を出せないと知りつつ、好き勝手を」

その光景は――もちろんミネルバの側からも確認できる。
カタパルトを使わず、歩いてミネルバの上に姿を見せた赤と白のザクは、眉をしかめる。

「安っぽい挑発に乗るなよ。中立国の領内で先制攻撃などしたら、プラントごと傾きかねない」
「わかってるわよ! でもまさか、アイツらから攻撃してはこないわよね……?」

高まる緊張。険悪な空気。我慢しきれず手を出した側が破滅する、チキンレース……。
――と、その最中に。
ミネルバから、おそらくこの状況下、一番の『危険因子』が――飛び出す。

「コアスプレンダー!?」
「ちょっと待つんだ、シン! お前はまだ待機のはず――」
「こんな状況で、黙って見てられるか! 相手は例の強奪犯だぞ!
 向こうだってやる気なんだ、どうせ戦争になるんだ! なら!
 下手な駆け引きで『1発殴らせてくれる』というなら、喜んでブチ殺してやる! 3機まとめてなァ!」

この場においてただ1人、世界情勢もその後のことも、何も考えていない――否、意に介さぬ狂戦士。
その赤い目は、ただ目の前の3機、討ちもらした怨敵だけに向けられて。
次々に射出されたパーツは、ミネルバ上空で合体してインパルスとなり。
ソードシルエットを背負った赤き暴力装置は、空中で2本の刀を嬉々として振り上げて――!


「やッ……やめろぉ!」
カガリは港を見下ろす道路の上から、絶叫し。

「何考えてるんだ、ミネルバは!」
ユウナはテレビに向かって毒づき、ウナトの顔は蒼ざめて。

「待ってましたァ!」
アビスのアウルは喜色満面、槍を両手に身構えて。

「……敵………」
ガイアの中の少女は、一転して鋭い目になり。

「ははッ……簡単なモンだな、オイ」
カオスの中の青年は、鼻で笑い。

「勝った、な」
ネオ・ロアノークは、仮面の下でニヤリと笑い。

誰もが、戦闘を覚悟した、その時――
20416/18:2005/10/02(日) 17:42:56 ID:???

一陣の風が、港に吹き抜ける。
叫ぶカガリの頭上を駆け抜け、M1アストレイの間を駆け抜け。

それは――フリーダム。今やオーブの守護神と化したMS。
仕立てあがったばかりの専用パイロットスーツに身を包んだマユが、操縦桿を握る。

「戦争するのは勝手だけど――場所をわきまえなさい!」

今まさにJ・P・ジョーンズに踊りかからんとしていた、ソードインパルスの直前に飛び出し。
その進路を遮るように、灰色の翼を大きく広げる――。

そう、『灰色の』翼。ディアクティブモードの、灰色の身体。その手には盾もライフルも持っておらず。
PS装甲をあえて作動させないままの、完全に無防備な姿で。
フリーダムは両手を広げ、間に入る。

空中で、時が止まる。
無敵のはずのフリーダム。山ほどの伝説を背負う巨人。
しかし今は、インパルスのバルカン1斉射で排除できる程度の、弱く脆い壁。
誰もが息を呑んでその姿に、その動きに注目し。
フリーダムの眼前、剣を両手に振り上げた姿勢で、インパルスは――

「……興が削がれた」

吐き捨てるように呟くと――そのまま、ミネルバの上、赤いザクの隣に着地する。
剣を持った両手が、ダラリと下がる。

「ちょ、ちょっとシン!?」
「俺はただ、『MSで待機しろ』って言われたから、『MSになった』んだ。
 向こうが嘗めた真似したから、やり返しただけだ。
 ……もう飽きた。後は任せる」

ボソボソと暗い口調で、ルナマリアに言い訳の言葉を吐くと。
インパルスは背を丸めて、そのままミネルバの格納庫に引っ込んでしまう。
場の雰囲気が、一気に弛緩する。
カガリが、タリアが、ユウナが、ウナトが、そしてオーブ兵たちが――揃って溜息をつく。



「……ちぇっ、せっかく戦争できると思ったのにサ」
『フリーダムごと討ってオーブを敵にするわけにもいかんからねェ。今回は諦めろ、アウル』

がっかりと肩を落とすアビスを、ネオが慰める。
ミネルバとの間に、ホバリングする灰色のフリーダムを挟んだまま。
J・P・ジョーンズは港に入港し、ミネルバの間近に錨を下ろす――。
20517/18:2005/10/02(日) 17:43:56 ID:???

陽の傾いた、オノゴロ島で。
先程までの非常事態から一転。港は静寂に包まれている。
ミネルバもJ・P・ジョーンズも、そのままの位置だが、艦載MSを晒してはいない。
あの後、オーブ軍から正式に、互いにMSを引っ込めるよう要請が出たのだ。
両艦の間には、ライフルと盾を構えたM1アストレイが何機も並び、警戒体勢を取っている。
そこにフリーダムの姿はなく――戦場になりそこねた港は、平穏を取り戻していた。



そこから少し離れた、港町。
かつてマユが働いていた工事現場の、すぐ近く。

荒れた地肌を見せる崖の下に――小さな公園があった。実に小さな、猫の額ほどの公園。
申し訳程度に鉄棒がある他は、遊具らしい遊具もない。ベンチも1つしかない。
その片隅には、小さな慰霊碑。

……ここが、かつて悲劇のあった現場だと分かる人間が、どれくらいいるだろう?

その、慰霊碑に――歩み寄る小さな影。
手に花束を抱えた、マユだった。
オーブ軍士官としてのスパルタ教育の合間、わずかな休憩時間をぬって訪れた、彼女の原点。

「……また、守れたよ。あたし、頑張ったよ。
 これからも頑張るから……オーブを守るから。見守っててね。パパ、ママ、お兄ちゃん……」

少女は慰霊碑に花束を捧げると、くるりと背を向ける。
公園の入り口には、少女を待つ大きな黒塗りのリムジン。セイラン家の令嬢のための専用車。
それは少女を飲み込むと、発進する。



動き出したリムジンは、すぐに歩道を歩く1人の青年とすれ違う。
青年の方はリムジンの中の少女に気付くが、少女の方は気付かない。

「あの子は、確か……?」

しかしその青年は後を追うこともせず、そのまま歩く。やがて公園前。
穏やかな空気をまとったその青年、キラ・ヤマトは、初めて見つけたその公園の中に入る。
慰霊碑に近づいてしゃがみ込み、そこに刻まれた文字を、解説をじっと読み込む。。
読み進めるにつれ――キラの表情が、悔恨に歪む。

「そうか、ボクはあの時……!」
20618/18:2005/10/02(日) 17:45:48 ID:???

と、その時。
キラの背後から、長い影が差す。
振り返れば、夕陽の中に立っていたのは――黒髪の青年。
決して大柄ではないが、赤く照らされた彼は、大きな存在感を感じさせて。

「……キミは?」
「…………」

キラの問いに答えようとはせず、青年は慰霊碑に近づく。
碑文と解説を一瞥し――唾を吐き捨てる。

「こんなもの――申し訳程度に立てたところで、仕方ないだろうに」
「キミも――この事件の、関係者?」

憎しみに満ちた視線で慰霊碑を睨む青年。キラは恐る恐る問いかけるが。
やはり彼は返事もせずに、ズカズカと近づいて。
慰霊碑の前に置かれた、真新しい花束を、蹴り飛ばす。花びらが舞い散る。

「こんな偽善で――世の中が変わるなら、誰も苦労しない。
 怒りが、哀しみが消えるのなら、誰も争いなどしない。
 死者は碑も花も、必要とはしていない」
「じゃあキミは――どうすればいいと思うの?」

明らかに常軌を逸した青年の様子に、しかしキラは怯むことなく問いかける。
初めて青年は、その赤い目をキラに向けて。

「何もしなくていい。偽善に逃げるような奴は、何もせず死んだ方がマシだ」

そのまま、青年は花束を踏みつけて。公園を、慰霊碑を後にする。
キラにはその背に、かける言葉が見つからず。黙って見送るばかりで。



緩い坂道を、黒いリムジンがゆっくりと行く。後部座席で、少女は過去に想いを馳せる。
緩い坂道を、黒髪の青年がゆっくりと歩く。歩きながら、青年は暗い想いを目に宿す。
2人の間には、公園に取り残された青年の姿。
兄妹は互いの存在に気付きもせず。夕陽差す坂道を、逆の方向に進んでいく――



                   第八話 『 血に染まる海 』 につづく
20719/18(おまけ):2005/10/02(日) 17:47:12 ID:???

はい、今回は前回の反動なのか、長くなりました。
やっぱ政治をやると長くなっちゃいますね。色々と仕掛けを仕込んでるから余計に。
でも流石に長くなり過ぎて、議長サイドの動きは次に回すことに。

この辺から、段々本編の流れから離れてきます。まだ近い所を走ってはいますが。
それにしても……我ながら無茶してますね、今回の展開。核ミサイル攻撃とどっちが無茶なんだ、ジブリールw


設定変更点
・ロゴス
武器屋さんの同業者組合……という設定から、大幅に変更しました。
今時、「戦争すれば死の商人が儲かる」なんてお話は、議長がしたり顔で語るような話ではないと。
いくら陰謀論を導入するにせよ、死の商人だけが政治を操作できるなんてのは、無理がありすぎると。
と、いうわけで……「連合を実質支配する人々の集まり」としました。陰謀論じみているのは相変わらずですが(苦笑)
この設定変更は、同時に「顔の見えづらい『連合側上層部の意思』を露にする」という意図もあります。
ロゴスの会合は、ちょうどプラント側の評議会や、オーブの首長会議と似た位置づけになるわけです。
メンバーの中には、派閥争いもあれば、意見の相違もあります。
この設定変更に伴い、武器屋さんは「有力な一派閥」に過ぎなくなり、他にも官僚OBや財界の大物、そして大手マスコミまで参入しました。

なお、メンバーの容貌や雰囲気、会合の雰囲気などは変わりません。そのままです。
持っている影響力は地球連合の内部に限られ、あとは各メンバーが個人的に持ってるコネだけになります。

・ユニウス条約
設定上は、何も変えていません。ただその解釈と位置づけを大きく変えました。
この条約、実に無理あるものです。NJCの軍事利用禁止、MSの保有台数制限は、あまり大した意味を持ちません。
「開戦前の国境線に戻す」という条項がとんでもなく大きい。
つまりそれって、開戦直前の緊張した情勢下に戻してしまう、という意味なのですから。
すごろくで言えば「ふりだしに戻る」。その先の道は、サイコロの目が変わっても似たようなものです。

・慰霊碑
本編の慰霊碑より、大幅スケールダウンです。再開発地域の真っ只中ですから。
実際、あんなに大袈裟に祭られてるよりは、知らない人は通り過ぎるような扱いの方がドラマ上良いと思うのですが。
と、いうわけでこの規模です。
時々ありますよね、散歩の途中に偶然見つかるような、良く分かんない小さな記念碑って。あんな感じです。



あと、今後の展開で悩んでいるところなのですが……
本編では死んでない重要キャラを、途中で、しかも序〜中盤で殺してしまう展開はアリなのでしょうか?
ファンの反応が気になります。ダラダラ生き残るよりはよほど輝けるかとは思っているんですが。

あとほのぼのさんのハイネ隊、お借りするとしたらもうその運命は大変なことになりそうな悪寒が……ウムム。
それでも許して頂けるなら、是非ドナドナ唄って送り出して欲しいんですが。

では、また次回。
208通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 18:16:44 ID:???
>>188-207
GJ!!!!!
なんというか、このスレにいて良かったと思っています。
重要キャラって誰が死んじゃうのか、あれこれ考えながら次回を楽しみに待っています!
ただTV版とは異なり、各キャラの活躍が期待できるので誰が死んでもダメージ受けそうですが・・・
209通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 18:30:40 ID:???
>208 つ【しのはら】
210通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 18:37:28 ID:???
このスレのシン(ネオ)は救いのあるラストを迎えてほしいと心底願う・・・
211通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 19:26:20 ID:???
だらだら生き残った…メイリンかルナかカガリあたりか?

面白くなるなら構わない全然
212通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 19:32:10 ID:???
>167 乙 凸超きたねぇw
213通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 19:37:05 ID:???
>212 しのはら版はキャラが「人間」だから
214通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 20:07:57 ID:???
マユ絵描いたんですが投下してもいいですか?
215通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 20:09:37 ID:???
>>214
是非!
216ほのぼのマユデス。ハイネ隊、出荷。:2005/10/02(日) 20:14:20 ID:???
「んぐーっ!!んんぐぐぐぐぐーーーーっ!!」
猿轡をかまされたカルマが暴れる。
「はいはい、隻腕作者さんが出してくださるんだ。我慢しよーなー。」
そう言ってハイネは無慈悲に馬車の上にカルマを乗せる。
「運命が大変なことになるってどれくらい大変なのかな?」
マユが呟く。
「そうだなー、ラスティくらいじゃないか?」
アスランがあっけらかんと言う。
「いえ、カナードとかそれくらいでしょう。」
平然とレイが呟く。
「えー、本編の登場キャラくらいでしょ。まず普通に死ぬわね。」
ルナマリアも普通に言う。
「それじゃ、お前らがんばって来い。」
ハイネはそう言って手を振った。馬車が出発する。(BGM:ドナドナ)

「「「「ンンンンンングーッ!!(ハイネのばかぁぁぁぁぁ!!)」」」」
217通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 20:17:18 ID:???
>216 しのはらにも出荷されたよなw
218通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 20:18:35 ID:???
あれ? ハイネは見送りでいいの?
本編できっちり死んだリーダーも、一緒に荷車に乗るべきじゃ……?
ストーリー:ほのぼのサイド

それは、ある日のことだった。
アキラがいつも通り魔道関係書のコレクションを整理している時に、それは
見つかった。
『機動戦士ガンダムマユディスティニー』
その本をアキラが開いた瞬間、異変が起きた。
本の中に世界が広がり、それは『この』世界を飲み込み始めた。
そして・・、アキラは、いや全ての人はなぜか気づいた。
平行世界が混ざってしまったのだ。
ある人はこの問題を解くため、ある人は他の自分に答えを聞くため、
またある人はこの状況に『うわぁ!!メルブラみたい』とはしゃぎ、
そして、それぞれの戦いは始まった。


戦闘システム:最大四人対戦可能な格闘ゲームだ!!
「SEEDゲージ」をためてカットインが入る超必殺技を叩きつけろ!!
同じキャラでも登場作品によって性能はさまざまだ!!


例えば
しのはらカガリ:魅了値が高く、敵の動きが鈍ることがある。
黒マユ:敵のSEEDゲージを下げる技を多く待つ。
ADマユ:途中で人格が変わる事によって性能が変わる。

といった感じだ!!
また、パーティを組んでチーム戦ができる!!組んだメンバーによって
合体技が可能になる!!

例、アキラ&シンハロ
『光差す世界に汝ら暗闇!潜む場所なし!!』

『残さず 全て 無に還れ!!』

『『レムリア・スラーーッシュ!!』』

また、初心者には『三年わかめ組!徹先生!!』などのコーナーで練習かのう
マユデスオールスターズで盛り上がろう!!
220通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 20:35:26 ID:???
あげっ
221214:2005/10/02(日) 20:48:30 ID:???
222通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 20:52:22 ID:???
>221 見れないorz 詳細キボン
223通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 21:14:19 ID:???
>>211
まとめサイトの絵板に投稿することをお勧めする。
あっちならみんな見れるはずだ。
224まとめ人 ◆rw1maYUY1g :2005/10/02(日) 21:37:11 ID:???
まとめサイトのその他コーナーに、214様の絵おいておきます。

ttp://members.ld.infoseek.co.jp/rurukubo/mayutanpen.htm
マユ・アスカ(10/2)の所です。
225通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 22:04:09 ID:YVonomlg
隻腕の少女作者さま
お疲れ様です!!マユが凄いカッコいい・・・
ユウナも「国を想う政治家」としてのカッコ良さがまた・・・
ウナトパパは・・・「そつの無い現実家」本編とあまり変わらないがユウナとの
対比でいい味出してますよ。
トドメがジブリール!!正に「王」に相応しい・・・・

本編で凹んだので、凄く救われる気分。


>>188-207
PS装甲のディアクティブモードにこのような使い方があったとは!?
すげえ・・・本編のドカ撃ちより全然カッコ良いフリーダムとマユ!!
黒シンのインパルスとの対決が今から楽しみです。

>しのはらさま
凸が本編とは違ったえげつなさ(褒めてますよ^^;)があって「戦士」といった
趣が良い!!
相変わらずキラも渋くカッコイイな〜指揮官が板に付いている。

>ほのぼのマユデス作者さま

すみません・・・大爆笑ですよ!!元ネタ全部分かる私はヤバイですか?
ああ、アキラと仲良くなりたい^^;
226しのはら:2005/10/02(日) 22:43:13 ID:lD0AkoUr
>225 いつもレスどうもです
自分の作品のテーマは「定められた運命から逃れるため、例え汚くても前に進む」ことです(偉そうにスマソ。

あとキャラを極度に改変して、ファンの方すみませんorz
227通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 22:46:39 ID:yr4tp/D8
マユが主人公だったら士官学校で事件に巻き込まれたり
脱走したり海賊になったりするはず
228通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 23:02:43 ID:???
しのはら版の予告作ってみた

「SEED IS BACK!(英語のナレーション)」
「21世紀のファーストガンダムから一年、再びガンダムが大地に立つ!(大塚明夫のナレーション)」
マユ、アレックス、ルナマリア、キラが映る。
「87年のZガンダムから18年、新たなる伝説が幕を開ける!」
最後にデスティニー(シルエット)に突撃するインパルス。
「この運命から、誰も逃れられない!」
制作総指揮 しのはら

マユ「毎週土曜夜六時から放送だよ。みんなの笑顔に会いたいなぁ!」

この後はニュースな森です
229通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 23:06:50 ID:???
でももうすでに新番組の歌を口ずさめる自分がいるww
230通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 23:11:16 ID:???
>228 超GJ!

>229 もちろん「愛をとりもどせ」だよな
231通常の名無しさんの3倍:2005/10/02(日) 23:42:00 ID:???
>>207
貴方シナリオライター目指してはいかがですか?
デビュー作教えてね見るから
232>225:2005/10/03(月) 07:50:52 ID:IgoJphkw
>226
>しのはらさま

しのはらさまの種キャラには一本「芯」が通っていて、人物像がはっきり
しているのが魅力的です。本編では↑のようなキャラが殆どいなかったからな。
抽象的な感想で申し訳ありません
233通常の名無しさんの3倍:2005/10/03(月) 14:43:01 ID:???
age
234通常の名無しさんの3倍:2005/10/03(月) 15:08:13 ID:???
>232 誰もが必死に生きてるよな>しのはら版 ゲルググ出だしねw
235ほのぼのマユデス。:2005/10/03(月) 17:33:22 ID:???
また懲りずにOPを作って見た。
とりあえず、どの作品でもいけるように作って見たつもりですけど
何せノリで作ったものですから至らない所が多々あるかと・・・。
あ、使ってる曲に対する文句はアキラに言ってください。


ttp://gokinjyo.sakura.ne.jp/uploader/src/up7911.lzh
236通常の名無しさんの3倍:2005/10/03(月) 17:34:16 ID:???
>>221
GJ!!!!!
萌えた
237通常の名無しさんの3倍:2005/10/03(月) 17:40:37 ID:???
>235 見れない・・・どんな感じ?
238通常の名無しさんの3倍:2005/10/03(月) 17:51:32 ID:???
>228 大塚明夫ボイスの凸いいわw

でもしのはら版は腐女子から受けないだろうな(汗

俺は大好きだけど
239通常の名無しさんの3倍:2005/10/03(月) 18:12:21 ID:???
>>235
けっこういい出来だがマユOPかと言われると疑問符がつく
やっぱり素材が少ない分マユのMADは難しいな・・・
辛口スマソ

あと直リンは止めた方がいいとオモ
240239:2005/10/03(月) 18:13:39 ID:???
直じゃかったですね・・・
スマン吊ってくるorz
241通常の名無しさんの3倍:2005/10/03(月) 18:14:57 ID:???
>>235
見れNeeeeeeeeee!!!
242しのはら:2005/10/03(月) 18:50:21 ID:???
第四十一話投下します

最終回見直したら涙が・・・orz
243しのはら:2005/10/03(月) 19:00:04 ID:???
地球軍とザフト軍の戦いはこのアンザッヘル第二防衛ラインで死闘の極みに達していた。

「奴らもうここまで来やがった!」
「もうミサイルがない、ギャアアア!」「各艦、弾幕薄いぞ!何をやってるんだ!」

ドムが戦艦のブリッジを潰したがと思えば、105ダガーに真っ二つにされる。
グフとソードウィンダムが斬り合い、グフがヒートロッドでウィンダムを切り裂く。
誰もが必死で戦う地獄の中を、インパルスは駆け抜ける。
第二防衛ラインを突破したマユの前にザムサ・ザーが立ちはだかるが、マユはそれを一撃で倒す。

「邪魔しないでよ!」

覚醒したマユは次々にウィンダム、ダガーを葬り去っていく。
244しのはら:2005/10/03(月) 19:11:06 ID:???
第二防衛ラインを突破され、地球軍はレクイエムを再び放った。
中継リングを破壊されたため全滅は逃れたが、あと三発も撃たれたら完全にアウトである。
キラは自ら、レクイエムジェネレータ破壊を直訴した。

「自分が行ってジェネレータを潰します!自爆してでもっ!」

フルブーストのフリーダムに、MSが集まってくる。ドム三機に、ハイネ隊ザクだ。

「君たちはさがれ!俺だけでいい!」
「うぬぼれないでくださいな大尉。一人で戦局変えられる人間なんざクソアニメの主人公ですよ」

ハイネ隊からも通信が入る。

「ドナドナ歌われてきたんだ!付き合いますよ」
「ハイネ隊長の敵討ちだ!」

キラは思わず、自分を恥じた。

「すまない。俺の勘違いだったな・・・」
「さ、行きましょう!」
「面白くなってきた!」
「俺は死なないぜ。フェイトを見るまで!」

ストライクフリーダム、三機のドム、ハイネ隊六機のザクはアンザッヘルへと突撃した。
245しのはら:2005/10/03(月) 19:19:06 ID:???
ミネルバは多数被弾しながらも、構わず前進し続けていた。誰もがノーマルスーツを着ている。

「ミサイルは一発も残すな!撃ちまくりなさい!」

タリアは手に息子の写真を握り締めながら指揮を執っていた。

「これで我々の来年度予算はゼロですね」
「来年度があればよアーサー!」

モニターにはレクイエムが映っている。再チャージまでの時間は少ない。
だがレクイエム最後の中継リングはガーディ・ルーを中心にした艦隊に守られ、容易に接近できない。

「時間がないわ!全艦、ボギーワンに攻撃を集中!」
「了解!」
246しのはら:2005/10/03(月) 19:20:03 ID:???
第四十二話も投下します

お目汚しを・・・
247しのはら:2005/10/03(月) 19:28:59 ID:???
アレックスは猛烈な対空砲火をかいくぐってガーディ・ルーに肉薄し、ドラグーンフルバーストを叩き込む。
だが陽電子リフレクターに守られたガーディ・ルーはそれを無効化してしまう。その時、懐かしい声が聞こえてきた。

「お困り?」
「新型に乗って何をやっているんだ!貴様!」

白いグフと黒いザクファントムだ。

「誰だ?炒飯とミスリルの軍曹か?」
「キツいね、全く」
「貴様ァ!このイザーク・ジュールを忘れたか!」
「思い出してしまった・・・クソ」

スピーカーから大声で叫ぶイザークの様子が目に浮かぶ。
ディアッカはイザークをなだめた後、アレックスに回線を開いた。

「まあ、加勢の一つでもしようってさ」「出戻り仲間と会えて嬉しいよ」



248しのはら:2005/10/03(月) 19:41:56 ID:???
基地に取り付いたマユのインパルスに、再びデスティニーが襲いかかる。

「ザフトになんか入らなければ、苦しまなかったのに!」
「苦しいのはお兄ちゃんの方だよ!なんでこんな、いっぱい人を殺すようなことをするの!?」

ネオはビームを避けながら、マユに言う。

「俺は理不尽な形で未来を奪われたんだ!だから、コーディネーターの未来を奪ってやる。ナチュラルはその後だ!」
「誰が喜ぶっていうの、そんなこと!」「俺は嬉しい!鳥肌が立つくらいにな!」
「そんなの間違ってるよ!」

マユは涙を流して訴えた。

「私は確かに未来を奪われたかもしれない。でもね、私は未来を自分で作ってみせる」
「戯れ言を!これは運命なんだマユ!誰も定められたレールから逃げられはしない!」
「違う!運命は・・・運命は!」

覚醒したマユの中で、再び何かが弾けた。

「自分で切り開くものなんだよ!」

ネオの対応が一瞬遅れ、デスティニーの両足が切り裂かれる。
光の翼を展開して、ネオは基地内部へ向かった。
249しのはら:2005/10/03(月) 20:02:57 ID:???
「突入する!」

インコムを始めとした、ありったけの火力がゲートを破壊、MS隊が内部に侵入した。

「ロストバージンだ!」
「うるせぇキース!」

内部の戦艦や並んだウィンダムを、面白いように撃破していくハイネ隊とドム。彼らはさしたる抵抗もなき、ジェネレータ中心部へと到達した。

「あたれぇぇぇぇ!」

ストライクフリーダムのフルバーストに続いて、

「行くよ野郎共!ジェットストリーマーアタック!」
「名前変わってないか?ヒルダ」
「世の中気にしねぇんだよ、んなこと」
三機連携でサブジェネレータを破壊し、監視システムをダウンさせた。
最後にハイネ隊六機が、

「ビューティフルドリーマーアタック!」

カルマ、キース、ゼロの三機がブレイズ装備でミサイルからビーム、最後にトマホークを投擲。

「俺たちはビューティフルドリーマーアタック゛TYPEーMOON゛だ!」

アキラ、ジョー、グレイシアのガナー装備で撃ちまくり、最後にウィザードを投げつけた。

「脱出するぞ!」

彼らは長居することなく、さっき来た道を全速力で引き上げた。

「ハイネ隊長見てますか?仇は取ったぜ・・・」
250しのはら:2005/10/03(月) 20:04:17 ID:???
投下終了です

>ほのぼのマユデス作者様 ハイネ活躍少なくてスマソ・・・
251しのはら:2005/10/03(月) 20:06:09 ID:9A6pzdzZ
>250 ハイネじゃなくてハイネ隊でした・・・o rz
252通常の名無しさんの3倍:2005/10/03(月) 21:05:09 ID:???
うはwwww すげぇ 乙
253通常の名無しさんの3倍:2005/10/03(月) 21:19:50 ID:1dPPP3aV
>しのはらさま
お疲れです!!いよいよクライマックスですね!!マユ種割れがきたあああ!!

ハイネ隊のTYPE-MOONアタック燃える!!

凸アンドキラもカッコいいぜ!!
254通常の名無しさんの3倍:2005/10/03(月) 21:24:50 ID:???
>245
「これで来年度の予算はゼロですね」
「来年度があれば」
ゴジラネタワロス
255通常の名無しさんの3倍:2005/10/03(月) 21:27:23 ID:???
>250 やべぇ、燃えてきた>特にビューティフルドリーマーアタックのあたり
256ほのぼのマユデス。偽者と本物。:2005/10/03(月) 22:38:18 ID:???


『殺す殺すコロス!!』
『おまえぇぇぇぇぇっ!!』



ストライクとインパルスがぶつかり合う。お互いに尋常ではない殺気を放っている。
『ちょっと・・。これじゃとてもじゃないけど加勢できないわよ・・。』
グレイシアが呟く。あの二機の動きはMSの領域を完全に超えていた。

『いい加減にしろ!!オーブでちゃんと働け!!一応カレッジは卒業したんだろ?!』
アスランのセイバーがフリーダムに砲撃する。
しかし、やはり性能と能力の差でどうしても倒せない。
『メイリンちゃん!!ソードシルエット!!』
アキラがメイリンに無理やりソードシルエットを射出させる。
むろん、インパルスになる事はできないがアキラはそれをキャッチして
無理やりエクスカリバーだけ引き剥がした。
『アスランさん!!』
そう言ってエクスカリバーをセイバーに投げる。もの凄くアキラの眼が輝いている。
そして、アスランはそれをキャッチした。
『キラァァァァァツ!!』
アスランは一気にフリーダムの懐に飛び込む。そして、その翼を切り裂いた。
なんとか飛行能力は保っていたので速攻でフリーダムは撤退した。
『まったく・・・。もうお前は来るな!!』
アスランは弟を叱るように呟いた。

『アキラ、満足?』
『うんvとっても。』

アキラはゼロの言葉に某エロゲーのあかいあくまルートの最後の弓の笑顔で答えた。
ようやくすればものすごく良い笑顔。

『おい!マユ!!マユ!!』
ジョーが通信機でマユに話しかけるが、マユは答えない。
あまりの動きにマユの身体がついていけなかったのだ。
『やめなよ!!ハロ!!マユちゃんを守るのが君だろう?!』
キースの言葉にインパルスの動きが一瞬止まる。
それをチャンスとストライクは止めをさそうとする。
『残念っ!!』
しかし、それは同時にストライクに隙を作っていた。
カルマが残ったエネルギー全てを使ってストライクを攻撃する。
それは全開とはいえなくとも戦闘不能にまではストライクを追い詰めた。
母艦に戻るストライク、ついでに紫のウィンダムも回収していく。
そして、地球軍は要を失って撤退していった。

257ほのぼのマユデス。偽者と本物。:2005/10/03(月) 22:41:20 ID:???
うちのバカがこんなに立派になって・・・。
しのはらさんGJです!!

そういえば、シンハロも作ったしマユはあんまり出番ないけどOPも作ったし
今度はゲームでも作ろうかなぁ・・とか思ったり。


258通常の名無しさんの3倍:2005/10/04(火) 00:24:45 ID:???
>そう言ってエクスカリバーをセイバーに投げる。

またこんなネタを!(w
259通常の名無しさんの3倍:2005/10/04(火) 06:46:17 ID:???
>257 立派になりすぎw あと乙
260通常の名無しさんの3倍:2005/10/04(火) 17:19:53 ID:???
age
261通常の名無しさんの3倍:2005/10/04(火) 19:24:28 ID:???
しのはら版のクライマックスが気になって仕方ないのは俺だけ?
262通常の名無しさんの3倍:2005/10/04(火) 19:32:10 ID:???
というわけでしのはら版結末が気になる人 挙手

ノシ
「おや?ハロ者。今回は何にも疑問は出てきてないぞ?」
「うむ。今回は別の件でこのコーナーは来たのだ。」
「なんと。」
「238が言っておるだろう。しのはら版は腐女子受けしないと。」
「うむ。」
「しかし、これを見てほのぼの作者は思ったわけだ。『んなこたないと。』」
「正真正銘のバカだな。」
「うむ、だからこそほのぼのだ。」
「して、ハロ者。いったいどう言う風に腐女子受けするのだ?」
「いや、確かにキラとアスランは無理だろう。しかし。
ドム三人組とキラのからみは結構ある。何より神楽たんもいる。んでもって、ハイネ隊。」
「ちょっとまてハロ者。なんか最後の言葉が非常に気になったんだが。」
「あぁ、作者はぶっちゃけほのぼのはマユデス界のやおい担当だと思っている。」
「ずいぶんぶっちゃけたな。」
「だってオレを人型にしてる時点で作者は末期だ。」
「うむ、その通りだな。」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・すみません。ort
264通常の名無しさんの3倍:2005/10/04(火) 21:05:07 ID:???
ノシ

気になるのはしのはら版だけじゃないけどなw
265しのはら:2005/10/04(火) 21:11:45 ID:???
>263 いつも楽しませてもらってますw
ハイネ隊お借りしたので、しのはらカガリやしのはら凸、しのはらキラを是非是非使ってくださいな
明日最終回「予定」投下します

ノシw
266しのはら:2005/10/04(火) 21:14:59 ID:???
>263 あと神楽もヨロシク(汗
267ほのぼのマユデス。戦い終わって。:2005/10/04(火) 21:16:36 ID:???
「マユ!!」
レイが急いでインパルスのコクピットを開ける。
そして、マユが転がり落ちてきた。ぐったりして気絶している。
「ルナマリアも搬送を急いでくれ!!」
ルナマリアも負傷している、が、負傷してない手にもった槍弓アンソロジーは
話さない。
「アキラ、回復してから渡しなさいよ。」
「いやね、早く渡さないとこっちが殺されそうだったんで。」
ぽりぽりと頭をかくアキラ。
「・・・・・だれか!!冷却ジェルを!!」
アスランがハロを見ながら言う。
過度の情報処理で熱処理が追いつかなかったらしい。
しかし、そのジェルをべちょっと直接かけるのはいかがなものかと思う。
『・・・・ハッ!!ブッカケ?!』
「一体何の話だ。」
冷却されて人格プログラムが起動したハロが叫ぶ。
エネルギーが残り少なかったので人型ボディに入れて事情を聞く。
『オレにもよくわからないんです。アスランさん。
機械であるオレにあんな感情があるなんて・・。
でも、キレたってのとも違うんです。何か自分じゃないAIが発動した
形跡もないし・・・。
ただ、ウォーリア・・・ルナマリアのザクが壊されたのを見たら・・・・
頭の感情におれの処理能力が追いつけなくなって・・・・。』
ハロは頭を抱えながら言う。その顔には恐怖が浮かんでいた。
『・・・・アスランさん、おれはもしかしたら『ハロ』でも『シン』でも
いられなくなるのかもしれません・・。だから・・・その時は・・。』
「ハロ・・・・。」
自分自身を抱きしめながらハロは震える。その仕草は機械と言うにはあまりにも
生々しい。
「ハロ・・・・刃鳴散ら○やる・・・?」
アキラが静かに励ます。いや?励ましてるのか?
『やる・・・・・。』
答えるハロもハロである。
268通常の名無しさんの3倍:2005/10/04(火) 21:19:07 ID:???
ミーア・キャンベル
本編の同名キャラは、本物の踏み台とシンとの接点無しで終わったキャラ。
マユ種の、オーブの難民でマユとの過去の接点があるのが面白いと思う。

あちらのミーアは、整形ではなくラクスの色違いキャラなのだろうか?

>>というわけでしのはら版結末が気になる人 挙手
ノシ
269通常の名無しさんの3倍:2005/10/04(火) 21:28:56 ID:???
>263 しのはら版とほのぼのマユデスのコラボ大好き

ノシ
270通常の名無しさんの3倍:2005/10/04(火) 22:51:31 ID:???
>>207
>本編では死んでない重要キャラを、途中で、しかも序〜中盤で殺してしまう展開はアリなのでしょうか?
>ファンの反応が気になります。ダラダラ生き残るよりはよほど輝けるかとは思っているんですが。


途中で殺してしまう展開は別にいい。一読者として楽しめればいい。

でもその殺すキャラがどんなに糞本編でダラダラ生き残ってたやつだとしても、
あの内容でも生き残ってくれた事に感謝してるファンは居ると思う。
よほど輝けるとか、思っててもそういう言い方はやめてほしい。

実際にあなたの小説でそのキャラが輝いて死んだとしても、
あなたがそのキャラのことを「ダラダラ生き残った」キャラだと思ってたなんて
分かってて楽しめるファンばかりじゃないと思うんだ。
271通常の名無しさんの3倍:2005/10/04(火) 23:38:25 ID:???
本編でダラダラ生き残る、じゃなくて
自分の創作内でダラダラ生き残る、て意味かなと思ったんだが
272通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 00:00:36 ID:???
隻腕マユ書いてるものです。
他職人のみなさん、乙です。

>>270
少し書き方がマズかったですね。確かにそう取られて当然な書き方でした。
その前段で既存の設定に文句を言ってしまいましたから、余計に。反省します。

要は、(こちらの話の中で)生き残った場合とそこで死んだ場合、両パターンを考え見比べた時の印象で。
あちこち変えた影響で、そのまま本編をなぞっても意味合いや印象が変化する部分がありますから。
本編で輝いてない、本編でダラダラしてる、というわけでは……
変更点についても、「そのキャラに問題あるから」するとは限らず、「物語全体を整えるために」変更する部分もありますし……

少し不安になったために思わず聞いてしまったのですが、聞くべき問いではなかったようですね。申し訳ありません。


一言言い添えると……。
個人的に、嫌いなキャラ、許せないキャラっていません。勿体無いキャラ、可哀想なキャラはいますが
273通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 00:30:52 ID:???
>>272
登場人物を生かすも殺すも貴方次第。期待してる。
274通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 00:59:46 ID:???
小ネタ しのはら版フレッツCM

CI「フレッツ」

ネオ「お前たち、何を見ているんだ?」

アウル「なにって」

スティング「フレッツに決まっているじゃねぇか。」

ネオ「…………フレッツ……だと?」

NA「解説しよう!フレッツ・スクウェアなら
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ステラ「知らな……かったの……?」

アウル「ハハ、ダッセー」

ネオ「俺がフレッツを知らなかったのも!運命だったんだよ!!」

マユ「間違っているよ!お兄ちゃん!!」
275通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 03:41:17 ID:???
>>270
穿ちすぎだろ
そんな意地悪な捉え方してやりなさんな
お前みたいな神経過敏君はハッキリ言って邪魔
出て行け
276通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 06:15:00 ID:???
>>272
そもそもが「本編で死んでいる」マユが生きていたら?というかたちのIFストーリーなわけだから本編で
生きて重要な役割をはたしていたキャラクターが途中で死んでしまって大きく筋書きが変わっていくとい
うのは別段不自然じゃないと思う。
むしろオリジナリティが出てきていい感じになると思う。
とは言え、へんてこりんなオリキャラが出張りまくってストーリーがぐだぐだになる、というのはあまり好ま
れないかもしれませんけど。
〜隻腕〜は楽しませてもらってますよ。本編ではお馬鹿でしかなかったユウナが有能なキャラクターに化
けてて(それでも馬鹿な部分は残ってる)好感度は高いですし。
とりあえず、更新を楽しみに待たせてもらってます。がんばってください。
277しのはら:2005/10/05(水) 08:06:19 ID:???
第四十三話投下します

>隻腕マユ作者様 頑張ってください!

>ほのぼのマユデス作者様 腐女子受けは・・・するんでしょうか(汗

あとフレッツCM作ってくれた人トンクス
278253:2005/10/05(水) 08:13:33 ID:uwXaceUE
>>276

同感です。キャラ改変は作者様方が「本編でこうあるべきだ」を具体化しているので
あって、キャラの人格を否定しているわけではありませんからね。
むしろ本編でのグダグダな人物描写より断然感動できます。

隻腕〜いつも楽しみに読んでいます。「国は貴方の玩具ではない!!」と言った
ユウナがそのまま昇華された「若き政治家」という本編では出すに出せなかった
キャラクターが非常に魅力的です。
(メディア王ジブリールとか奇をてらった設定がないのも好感触です)
皆様なりの「マユ運命」を楽しみにしています。
279しのはら:2005/10/05(水) 08:21:55 ID:???
地球軍とザフト軍の兵士たちはただひたすらに愛する家族、故郷、そして自らの名誉に賭けて戦い続けていた。
誰もが平和への願いを抱きながらも、引き金を引くのをやめない。

「いくぞ!ディアッカ、イザーク!」
「おう!」
「いつから俺より偉くなったんだ、貴様ァ!」

ザクファントムがガーディ・ルーの船体ギリギリを掠め、陽電子リフレクター発生装置を撃ち抜き、白いグフが主砲を二連続で破壊。

「いまだアスラン!」
「メインは貴様にくれてやる!」
「盛大に決めてやる、よく見てろ!」

機体から全てのドラグーンが切り離され、ガーディ・ルーを襲う。

「俺からのプレゼントだ!受け取れ!」
ビームスピア化したドラグーンがブリッジを貫き、直後に大爆発を起こす。

「グゥーレイトォ!」
「イーヤッハァ!」
「ざまあミロ!」

付近で戦っていた兵士たちからも、歓声が上がった。

280しのはら:2005/10/05(水) 08:40:10 ID:???
レクイエムジェネレーターを破壊され、敗北を知ったジブリールはアンザッヘル基地からの脱出を決意した。
基地司令はジブリールを呼び止めた。

「逃げるんですか?」
「違う!勝利への撤退だ」
「ごまかさないでください、ジブリール理事」

司令室にいる兵士たちが、ジブリールに視線を向けた。口々に非難の言葉を叫ぶ。

「あんたのせいでこんなことになったんだ。責任取ってくださいよ」
「自分だけ逃げるなんで卑怯ですよ!」
ジブリールはそれを圧倒するように、声を上げる。

「黙れ!私が失われれば、あの宇宙の化け物たちは・・・」
司令官は冷ややかな目でジブリールを見、回線を開いた。

「ロアノーク大佐に連絡、ジブリール理事の脱出を支援せよ」

言った後、司令官はジブリールを押して部屋から叩き出した。

「ザフト軍に連絡しろ。我々は現時刻を持って、全ての戦闘行為を停止するとな」
281しのはら:2005/10/05(水) 08:51:42 ID:???
それまで戦っていた地球軍部隊は、即座に戦闘を停止し、投降を始めた。
武器を捨て、手を上げ、コクピットから降伏した兵士が出てくる。

「ジブリールを探せ!基地内部にいるはずだ!」

マユはデュートリオンビームでエネルギーを補充、ソードに換装してアンザッヘル基地内部へ侵入した。

「シャトル!あれかな?」

投降した基地司令官からの情報で、ジブリールの乗ったシャトルの位置は伝えられていた。
シャトルに最も近いのはマユのインパルスだった。
シャトルを向かった時、一筋のビームがインパルスの直前を貫いた。

「・・・お兄ちゃん」

応急処置で両足を修復されたディステニィーだ。

「運命が自分で切り開くものだというなら・・・」

対艦刀を引き抜くネオ。

「俺を倒して証明してみせろ、マユ」
282しのはら:2005/10/05(水) 08:54:04 ID:???
投下終了です

最終回は今日の夜投下します
283通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 09:03:43 ID:???
しのはら神乙です。
台詞回しが堪らん。かっこよすぎ。
284通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 11:12:45 ID:???
>ほのぼのマユデス作者様

しのはらカガリが男と間違われ、マユたちとドタバタ騒動になるSSキボン
285通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 12:29:47 ID:???
まとめサイトの絵板、描いて下さってる絵師の方々GJ! しのはら凸ワロタw
もっと描いて欲しいッスw

しかしまとめ人殿、Revivalにも手を出してるのかw
286通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 13:16:14 ID:???
>285 しのはら凸、笑いが止まらないw
しのはらカガリも見たい
287通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 14:10:52 ID:???
隻腕のキャラは妙なオリキャラが居ないのと、本編のキャラが大きく改竄されてないのがいい
頭の中ですんなりあの絵と声で動いてくれるよ
288通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 14:31:50 ID:???
オーブの白い軍服着た隻腕マユも誰か描いて

てか、マユデスオールスターズを絵で見たいw
289通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 15:46:27 ID:???
しのはら凸に対抗できるのは、きっと隻腕シンしかないw
290通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 15:50:52 ID:???
>289 そのしのはら凸の股関を握るしのはらカガリはどんな存在なんだw
291通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 18:05:13 ID:???
>>290
戦姫と呼ばれ前線で友軍の士気を高め、
敵軍を震え上がらせる存在。

292通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 18:15:04 ID:???
>291 確かに。しのはらカガリならアカツキを許せる俺ガイル
293通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 18:17:25 ID:???
>>291
えっ? 「ふがいない真似をしたら握られる」と、味方も震え上がらせる存在じゃ?
294しのはら:2005/10/05(水) 18:56:23 ID:???
最終回投下します

長い道のりだった・・・
295しのはら:2005/10/05(水) 19:07:06 ID:???
静寂を切り、二機は激突した。

「いえああああ!」
「てえええーい!」

インパルスは二本の対艦刀を振り回し、デスティニーに接近戦を挑んだ。
アグニの一射を間一髪避け、懐に潜り込む。

「俺が殺せるか?マユ!」

切られたアグニをパージし、残像を残しながら、デスティニーはインパルスの背後に回った。

「私が殺すのはネオだよ!」

機体を分離して斬撃を避け、お返しにビームライフルを叩き込み、バックパックを潰す。

「ネオ・ロアノークの呪縛から、シン・アスカを救ってみせる!」
「戯言を!甘さは自分を殺すぞ!」

ハイネ、ステラ、クリス、そして散っていった名も無き兵士たちがフラッシュバックしていく。

「それでも、それでも・・・!」

ブーメランが痛んだデスティニーの右足を切り落とす。

「私はお兄ちゃんにいてほしい!大好きだったシンお兄ちゃんにいてほしいんだよ!」
296しのはら:2005/10/05(水) 19:17:42 ID:???
「ふ、ふざけるな!」

ネオ・・・いや、シン・アスカは動揺し始めていた。

「俺は妹なんていらない!」
(嘘はダメ、ネオ)

ステラの声が聞こえた気がした。シンは妹代わりの、痩せた優しさの矛先をステラに向けていたのだ。

「うるさい!何なんだ!」

シンが取り乱す間に、デスティニーは損傷の激しさを増していく。左腕はなくなり、アグニも残っていない。

「ネオ、何をやっているんだ!?」

ジブリールからの通信も耳に入らない。
「うわあああああっ!」

ネオの中で何かが切れ、ライフルを捨ててインパルスに突進していく。デスティニーには最後の武器が残っていた。

「しまった!」

ライフル、そして機体のエネルギーが尽きた。VPS装甲が落ち、機体が灰色に変わる。

「終わりだ!」

パルマフィオキーナに光が迸る。今コクピットに直撃されたら、完全に終わる。
297しのはら:2005/10/05(水) 19:24:12 ID:???
マユは死を覚悟した。光が目の前に広がっていく。
たがパルマフィオキーナはコクピットの直前で止まっていた。

「マユ、俺の名前を言ってくれ・・・」「シン。シン・アスカだよ!」
「そうだったな。マユ」
「・・・えっ?」

シンは機体の方向を、シャトルへと向けた。

「ネオ!何をやっている?早くそのMSを・・・」
「俺は・・・」

デスティニーの目に光が宿る。

「俺は・・・」

光の翼が無限に広がっていく。

「俺はシン・アスカだ!」
「やめろ!」

デスティニーは基地内壁を切り裂きながら、シャトルをパルマフィオキーナでジブリールもろとも宇宙の塵へと変えた。
298しのはら:2005/10/05(水) 19:31:00 ID:???
戦いが終わり、デスティニーがインパルスに近付いた。不思議と恐怖は感じない。

「ごめんな・・・と言っても、許してもらえないな」
「・・・ううん」

ネオは死んだ。今いるのは、あの優しかった兄のシンだ。

「お兄ちゃん?」
「そうだ、マユ」

ヘルメットを外したマユ。無重力に涙が浮かぶ。

「泣くなって言っても、無理だよな・・・」
「もう泣かないって決めたんだけど」

その時、館内放送が鳴り響いた。

「レクイエム、第二ジェネレーター稼働」
299しのはら:2005/10/05(水) 19:37:39 ID:???
ネオはデスティニーを駆けた。

「お兄ちゃん、どこへ行くの!?」
「第二ジェネレーターを潰しに行く」
「でも、その機体じゃ・・・」
「ここに一つ、アンリミテッドパワーが残ってる」

マユはネオの意志を悟った。核爆発でジェネレーターを吹き飛ばすつもりなのだ。

「ダメだよ!お兄ちゃんは助ける!」
「・・・もう助けてくれたよ。ありがとう」

二機はゲートをくぐり抜け、ジェネレーターへとたどり着いた。途中何回もマユは説得を試みたが・・・。

「これが最低の兄にできる、最高のことだ」

デスティニーが近づき、ハッチが開く。そこからシンが出、マユもハッチを開けた。
二人は漂い、手を掴んだ。
300しのはら:2005/10/05(水) 19:45:40 ID:???
マユの目から、涙がとめどなく流れた。シンはマユをそっと抱きしめる。

「泣くなマユ。俺の知ってる妹はもっと強い」
「・・・でも」
「お前は俺を守ってくれた。今度は俺がお前を守る番だ」

シンはそう言って、デスティニーのコクピットへ戻っていく。
マユもインパルスへと戻る。

「馬鹿だなあマユ。お兄ちゃんが死ぬとでも思ってんのか?」

笑いながら励ます顔は、あの頃のままだった。

「さっきは妹なんていらないと言ってゴメンな。マユは俺の一番大切なものだよ」

デスティニーは急加速でインパルスに迫り、さっき来たルートにインパルスを放り投げた。

「愛してるぞ、マユ」
301しのはら:2005/10/05(水) 19:59:42 ID:???
「艦長、インパルス、マユは!?」

アレックス、キラ、ルナマリア、神楽が口を揃えて言い、タリアは首を横に振る。

「先ほど基地内部に突入してから、連絡がないわ」

直後、アンザッヘル基地が凄まじい爆発に包まれた。

「そんな・・・マユ」
「マユ!」
「ウソだろ、オイ!」

基地のあちこちで爆発が起き、戦艦やMSの残骸が吹き飛ばされていく。
その爆発の中から、一機の飛行機が飛び出した。
コアスプレンダー、マユだ。
マユから通信が、宙域全体に響き渡った。

「こちら、ミネルバ所属、マユ・アスカ。ミネルバ、聞こえますか?」

震えるメイリンの声が聞こえてきた。

「こちらミネルバ。こちらミネルバ、マユちゃんの帰還を待ってます!」

MSがコアスプレンダーへと向かっていく。
マユはコクピットの中で呟いた。

「ステラ、アウル、スティング・・・私はなんとか生きてるよ」

キャノピーを上げ、ミネルバに視線をやる。

「また、会えるよね?お兄ちゃん・・・」



機動戦士ガンダムSEED DESTINY ーマユ戦記ー


302しのはら:2005/10/05(水) 20:00:47 ID:S0X33l0z
最終回投下終了です
長い間お目汚ししますた


ではまたいつかノシ
303ほのぼのマユデス。:2005/10/05(水) 20:04:58 ID:???
しーのーはーらーさーーーーん(泣)!!!
感動しました・・・。ここまで感動したのは久しぶりです・・・・・。
あぁ・、もー、なんていうか・・言葉に出来ない。
しのはらさんと出会えて、すばらしい小説を読めて幸せでした。
これで本当に最終回なのか・・・。
GJです!!




しばらくしたらカガリネタ投稿しますね(オイ
304253:2005/10/05(水) 20:10:15 ID:TpNdmncX
>しのはらさま
あれ?涙が止まりませんよ・・・;;お兄ちゃんもカッコ良すぎだよ・・・
リアルタイムで読んでいましたが、最後の最後まで素晴らしい作品でした!
しのはら様、キャラの皆、本当にお疲れ様です!!

最後にマユと仲間たちの未来に幸あれ!!(敬礼)
305まとめ人 ◆rw1maYUY1g :2005/10/05(水) 20:18:09 ID:???
>>しのはらさま
完結お疲れ様でした。

>>しかしまとめ人殿、Revivalにも手を出してるのかw
あちらは、あくまでロムですので。
306通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 20:19:01 ID:???
しのはらさん本当にお疲れ様でした。
迫力のある戦闘シーンや個性あるキャラクターに毎回楽しませてもらいました。

ほのぼのさんのカガリネタも楽しみです!
307通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 20:43:45 ID:???
なんとなく続編で火消しのウィンドを名乗りそうな勢いのシン=ネオくんでしたねw
面白かったですよ。しのはらさん、乙でした。
308通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 21:03:53 ID:???
転載
943 名前: ◆LC7P44pfbg [sage] 投稿日:2005/10/05(水) 19:58:36 ID:???
嫁インタは長すぎて全文うpは無理
ほとんどシンについてしか話してない
嫁はシンが可愛くて仕方ないらしい
概要としては
今回は「守って生きるというのは何でしょう」ということをテーマにした。
あと最近の情報過多による子供の迷走。
情報をきちんと受け止めず、楽な方向へ行ってしまう子供が多い。
シンはまさにそれで「イエス」と言ってくれる人(議長レイ)に流れていく、ルナは傍観型で「それもいい」「これもいい」と迷走。
シンは辛い体験をしてきた自分を周囲は理解できないから浮いててもいい、というところからスタート。
レイは自分より成績いいから一目置くけど、あとは全部「分かってない奴」
シンが議長が正しいと思ってついたのであれば、悪いことじゃない。
キラ達が本当に正義なのかは視聴者が考えてくれると嬉しい。
凸は基本的に誰かの言葉に踊らされてふらふらするキャラではない。
凸は自分の戦いを貫くために場を移っているだけで、キラや議長の言葉に影響されてるわけじゃない。
シンが本当に欲しかったのは家族と暮らした平和な時間で、
2度と戻らない時間だと、早く認めなさい。

このスレにおけるシン・ルナマリア・レイは、この書き方は参考にしてはいけない
例として貼っておきます。
309ほのぼのマユデス。オールスターネタ。:2005/10/05(水) 21:21:18 ID:???
とりあえず使用許可が出たし、リクエストがあったのでしのはらさんカガリをお送りします。

システム説明:オールスターズの世界では自分の心のイメージを具現化できます。
だから、武器も本人のイメージです。
vsしのはらカガリ戦闘前デモ


ほのぼのマユデス『マユルート』使用武器:素手、気。
「あの・・、もしかしてカガリさまですか?」
「そうだが・・何か?」
(・・・・・平行世界って性別が違う所もあるんだなぁ・・。)

ほのぼのマユデス『アスランルート』武器:電磁パルス発生機能付きクロー。
「・・・・・・・えーっと、どちら様で?」
「何だ、『お前』は自分の恋人の顔も忘れたのか?」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ?!」

ほのぼのマユデス『ルナマリアルート』武器:テニスラケット。
「あなた・・・、何か違う・・・・。」
「何だ?私がどうかしたのか?」
「そうだ!!男の子の匂いがしない!!あなた女ね?!」

ほのぼのマユデス『レイルート』武器:小型ナイフ大量。
「(ピキーン!!)・・・あなたは・・。」
「お前、結構やるみたいだな。」


ほのぼのマユデス『ハイネルート』武器:刃付き軟鞭
「あんたとなら、手加減しなくても殺さなくてすみそうだな。」
「こちらこそだ、『緋色の騎士』?」
「へぇ、そっちの世界でも俺ってば有名人?」
310ほのぼのマユデス。オールスターネタ。:2005/10/05(水) 21:35:50 ID:???
ほのぼのマユデス『グレイシアルート』武器:『フィッシュ・ボーン』
「あら残念。けっこうおいしそうなオトコの人だと思ったのに・・・・。」
「ふん・・お前、潰してやろうか?」

ほのぼのマユデス『カルマルート』武器:ヨーヨーなどのおもちゃ。
「お兄さん、オーブのお姫様に似てるねぇ。兄弟?」
「・・・・お前らなぁ・・・。」

ほのぼのマユデス『キースルート』武器:酒。酒瓶。
「・・あれ・・?オーブのお姫様って男の人だっけ・・?ははははははーー。」
「よっぱらいほど質の悪い奴は無いな・・・。」

ほのぼのマユデス『ゼロルート』武器:ワイヤー。
「目標、しのはらカガリ。『捕獲』する!!」
「面白い!やってみろ、ザフトの!」

ほのぼのマユデス『アキラルート』武器:魔道書、その他。
「あなたの背中に漢を見ました!!兄貴と呼ばせてください!!」
「・・・・・私は女だが?」
「え?何その美味しい展開?!よくいるよね!そう言う男装キャラ。
あれってぶっちゃけ男の子でもいいと思うんだ!!」
「・・・・・潰すか。」

ほのぼのマユデス『ジョールート』武器:重火器、ある一定以上使うとナイフ。
「お姉さん、ちょっと遊んでいかないか?」
「・・・お前だけだよ、『お前の世界』のやつらでまともに女扱いしたのは・・・。」

ほのぼのマユデス『シンハロ(人型)ルート』武器:色々な格ゲーのデータ。
『うちのアスハもあんたみたいのだったら良かったんだけどな。』
「まぁ、そう言うな。私がだいぶ特殊なケースみたいだからな。」

ちなみにシンハロ(通常)はネコアル○的隠れキャラです。
311ほのぼのマユデス。オールスターネタ。:2005/10/05(水) 21:38:59 ID:???
>284さん
とりあえず、こんなものでどうでしょうか(汗)カガリのキャラがイメージと違ったらすみません。
きちんとしたのはもし他の職人さんからキャラの使用許可がでたら
SS式でオールスターズ書きたいなぁ・・。とか思ったり。
312しのはら:2005/10/05(水) 21:49:38 ID:???
あ・・・

皆さんレスどうもです(・∀・)

>ほのぼのマユデス作者様 乙です しのはらキャラをどんどん使ってくださいませ

313通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 21:55:14 ID:???
>きちんとしたのはもし他の職人さんからキャラの使用許可がでたら
>SS式でオールスターズ書きたいなぁ・・。とか思ったり。

当スレ内なら特に許諾がなくてもできると思いますが。
だめかなあ?


314通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 22:06:24 ID:RMEP65Bq
粗茶話
キラVSマユ

マユ「アスランさん…どこかな?」
(戦争が終わりオーブに来たマユちゃん)
マユ「あっ…いたいた♪」オーブの中でも一、二を争う程のMarketにアスランは居た
アスラン「まったく…遅いなぁ キラの奴」
どうやらキラと一緒らしい……
マユ「こんにちは♪アスランさん」
アスラン「お前はマユ、何でこんな所に?」
マユ「えへへ暇だから来ちゃいました!」
本当はアスランさんに会う為何て言えないよね……
アスラン「ハイネは元気にしているか?」
マユ「はい!」
そのあとは最近の話をした……
マユ「それから〜…」
???「やぁ、アスラン」そこには黒服を着た青年が立っていた
マユ「確かこの人は…」
アスラン「やって来たか!キラ」
マユ「そうよ、キラよアスランさんの親友でキラ・ヤマトさんだわ」
キラ「君は〜」
アスラン「あぁ紹介する、ザフトに居た頃の仲間でマユ・アスカだ」
キラ「初めまして、マユちゃん」
敵意の感じさせない雰囲気に心が和む
マユ「初めまして」
アスラン「これからキラと買い物に行くが…一緒にどうだ?」
アスランからの誘い(まぁ、誘うつもりだったが)
マユ「はい♪」
キラと一緒なのは予定外ではあるが別に良いだろう
キラ「じゃあ、行こうか」第一話 完
その頃 ハイネとルナ
ハイネ「オーブに来たは良いが……暇だな」
ルナ「そうね…」
ハイネ「レイの奴はムウ・ラ・フラガ小佐にお茶でもどうかと誘われたしな」
ルナ「そう言えばマユは?」
ハイネ「アスランに会いに行くとか言ったが?」
しばらく無言
ルナ「そうだ!私達もアスランに会いに行かない?」
ハイネ「あぁ、良いな」

アスランの居場所を聞いた後に二人は出かけるのであった……

ムウ「似てるな…」
レイ「笑え無い冗談や止めろ!」
315通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 22:34:23 ID:???
>312 お疲れ様 シン・・・涙
316通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 23:07:01 ID:???
しのはら様、GJ!!!!!
完結おめでとうございます!!!!!
317通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 23:15:10 ID:???
しのはら版は富野の小説読んでるみたいだったな・・・(汗)
318通常の名無しさんの3倍:2005/10/06(木) 00:39:39 ID:???
age
319通常の名無しさんの3倍:2005/10/06(木) 00:45:50 ID:???
ところでしのはらタソはストライクMkUの使用許可を取っていた気が・・・

もしや
320通常の名無しさんの3倍:2005/10/06(木) 01:51:11 ID:???
>>308
大丈夫だ、その要約に忠実にやったら絶対TV版と別物に仕上がるから。

> シンが本当に欲しかったのは家族と暮らした平和な時間で、
> 2度と戻らない時間だと、早く認めなさい。

鬼だな。たしかに失ったものは二度と戻らんが、
代償を求めるのが必ずしも後ろ向きとは限らん。
それをこう切り捨てるとは人の心を持ってないな。
321通常の名無しさんの3倍:2005/10/06(木) 01:52:48 ID:???
> シンが本当に欲しかったのは家族と暮らした平和な時間で、
> 2度と戻らない時間だと、早く認めなさい。

認めさせなかったのはおめーだろーが。
322通常の名無しさんの3倍:2005/10/06(木) 01:59:15 ID:???
このスレでアレにからむのはやめれ
323通常の名無しさんの3倍:2005/10/06(木) 06:49:40 ID:???
>321 でもしのはらシンは最後の最後で救われたよな・・・「今度はお兄ちゃんが守る番だ」なんて・・・
324通常の名無しさんの3倍:2005/10/06(木) 07:12:18 ID:???
>Nジャマーの設定の電波云々の件拾ってきた

>副作用として電波が阻害されるため、Nジャマー影響下では電波を利用した
>長距離通信や携帯電話は使用不可能となり、レーダーも撹乱される。
>自然、戦闘中のモビルスーツとの通信も困難になるケースが多く
>(特に通信対象との距離が離れると、その影響はより顕著になる)
>劇中では長距離通信手段としてレーザー通信が使用されている。

マユが所持する黒い携帯に、シンから着信があるというのは無理かな。



325通常の名無しさんの3倍:2005/10/06(木) 07:17:37 ID:???
>324 あれ、しのはら版思い切り話してた・・・ いや、何も言わん
326通常の名無しさんの3倍:2005/10/06(木) 09:05:03 ID:???
>>324
自分は、未送信のメールか留守録サービスならありえるかなと思った事があります

…まあ、2年も留守録メッセージが保存されてるわけないよね
327通常の名無しさんの3倍:2005/10/06(木) 09:32:27 ID:???
>319 >もしや

前「エンドレスワルツ的な」続編を作りたいと神は言っていた・・・
328154:2005/10/06(木) 11:24:36 ID:???
今週中には序章、第一話を投下目標に頑張ってます
ちとラスボスがラスボスなので無印キャラも結構出張るがご容赦を
ハイネ隊いいキャラしてるなぁ、うちもオリキャラ何名か出るが頑張っていいキャラにしよふ
329通常の名無しさんの3倍:2005/10/06(木) 12:26:12 ID:???
154氏と言うと……ああ、「強い連合」の人か。
確かに種デスの連合は、そもそも名有りキャラが絶望的なまでにいないから、オリキャラで補うしかないよなぁ。
期待してますよ
330通常の名無しさんの3倍:2005/10/06(木) 14:35:56 ID:???
>327 マユ戦記再び!?
331通常の名無しさんの3倍:2005/10/06(木) 14:45:58 ID:???
「インパルスはどうしたのっ?マユを呼び出しなさい!」
「まゆで〜す(ry」
332通常の名無しさんの3倍:2005/10/06(木) 16:14:30 ID:???
>>325
種死だと救難無線でタリアとマリューがべらべら喋ってたので、
種死からは量子通信かなんかの、脅威のメカニズムが標準になったんじゃね?
無茶苦茶後方に離れてたウィラードにも聞えてたぐらいだし。
333通常の名無しさんの3倍:2005/10/06(木) 16:49:55 ID:???
今更ながらマユ戦記読み終わった。

しのはら凸VS隻腕シンの対決リアルに見たい
334ほのぼのマユデス。幸せの終わり。:2005/10/06(木) 17:47:48 ID:???
「おい!!どういう事なんだよ!!」
スティングがアスランに突っかかる。
「俺達眠らせといて戦闘だと?!ふざけんな!!」
「ふざけてなんかいない!!」
アスランが言い返す。
「忘れたのか?!お前らは捕虜なんだぞ!!戦闘に紛れて逃げ出される可能性もある!!」

まぁ、でもそんなまともに言い争いしてるのは二人だけだったりする。

「ルナちゃん・・、大丈夫?」
「大丈夫よー、コーディネーターなめちゃだめよ?」
ルナマリアはそう言ってステラの頭をなでる。
「何だよー。ゲンもネオも落せなかったのかよ。よえーの。」
「うっさいなぁ。少なくともあの紫のウィンダムは落しましたー。」
マユとアウルもこれまた軽く話している。

335ほのぼのマユデス。幸せの終わり。:2005/10/06(木) 17:48:44 ID:???
「でさ、つよキス予約したらさ・・・。」
アキラがハロと会話しながら通路を歩く。
医務室の前を通りかかった時、中からタリアと軍医の会話が聞こえてきた。

「で、そろそろ薬がなくなるのね?」
「はい、なのでその時は延命処置を取りますか?」
「お願いするわ。上が欲しがってるのは生きたサンプルなの。で?あの子たちは?」
「とりあえず、薬のことは知らないみたいです。まったく、なんであんな物と生活できるんだか・・。」

それを聞いた瞬間、ハロは思わず軍医を殴ろうと医務室に飛び込もうとしたが
それより先にアキラが飛び込んでいった。
軍医を押し倒しそのまま首を絞める。
「てめぇ・・。あいつらを『あんな物』だ?ふざけんな!!
ナチュラルだろうがエクステンデッドだろうがあいつらは人間なんだぞ!!笑うし泣くし怒るんだぞ!!
それを『あんな物』だと?!『物』はてめぇの方だ!!本当に動かない『物』にしてやる・・。」
アキラは普段からは想像できない殺気を発している。
『アキラ!!アキラ!!』
ハロが急いでアキラを引き離す。
「アキラ!!やめなさい!!」
タリアも制止するが効果はない。
「離せ!!こいつ、殺す、地獄に落してやる!!」
アキラはものすごい力で軍医を殺そうともがく。
が。

「やめろ、アキラ。」

凛とした声が響く。ハイネの声だ。
(いつから?!)
ハロとタリアが驚愕する。
「ハイネ!でも!!」
アキラが相変わらずの様子で言う。
「聞こえなかったか?俺はやめろといったんだ。」
ハイネは静かに殺気を込めて言った。それはあまりにも静かな、水面のような殺気。
それは、機械であるハロでさえ恐怖する声だった。
「・・・・・・・・・・・。」
アキラが一瞬怯えたような目をし、静かに手を下げた。
「よし、皆の所へ戻っとけ。ハロもな。」
一転してハイネからいつもの明るい声が発せられる。
「艦長、部下の非礼は俺が責任を取ります。それでよろしいですよね?」
「え、えぇ・・・。」
拍子抜けしたような声をだすタリア。
「そうですか、それじゃ後で行きますんで。」
そう笑いながらハイネは医務室を出て行った。
336ほのぼのマユデス。幸せの終わり。:2005/10/06(木) 18:15:38 ID:???
今回はあんまりほのぼのじゃないですが・・、次回はきちんとほのぼの
しますよ!!
あと最近オールスターズで必殺技とか妄想するのが脳内ブームです。
そろそろハイネ隊の過去もやらないとなぁ・・・。
337通常の名無しさんの3倍:2005/10/06(木) 23:04:30 ID:???
>336 乙 GJ
338253:2005/10/06(木) 23:38:32 ID:7CSZtA3N
>>335
GJ!!
ハイネかっこよすぎるっす!!アキラも人情家で好感触ですよ♪
かっこいいハイネ隊の皆をギボン!
339通常の名無しさんの3倍:2005/10/07(金) 05:26:23 ID:???
エクステンデッドを助けるために「アウルの母ちゃん」て出ねえのかな?
プラントじゃチンプンカンプンじゃね?
340しのはら:2005/10/07(金) 09:53:23 ID:???
こんにちは この間はお世話になったしのはらです

マユ戦記 ー歌姫の復讐ー編を投下したいんですが・・・
341通常の名無しさんの3倍:2005/10/07(金) 12:29:11 ID:???
あんなに最終回で盛り上がったのに
しのはらさんは感動の余韻に浸る暇も与えてくれないのか…

はやく投下してください!!
342通常の名無しさんの3倍:2005/10/07(金) 14:48:01 ID:???
>>340
なに、その怖すぎるサブタイ
いよいよ種世界最強・最狂・最凶の電波戦姫が動き出すのか?
期待大!!
343通常の名無しさんの3倍:2005/10/07(金) 15:09:17 ID:???
しのはらさんそりゃやりすぎでしょう!!





だから早く投下してくださいww
344通常の名無しさんの3倍:2005/10/07(金) 15:17:35 ID:???
しのはらタソにかかれば、ラクスは最高の基地外になるぞ(汗
345通常の名無しさんの3倍:2005/10/07(金) 16:41:46 ID:???
そういえばしのはらセンセーの作品ではラクスに三隻同盟全員だまされた、みたいなこといってたっけ。
どんな手勢を連れてくるんだろう……楽しみッス。
346通常の名無しさんの3倍:2005/10/07(金) 17:12:03 ID:???
>345 しのはらタソはアストレイやMSVキャラをガンガン出すしな ミナ様とマユが会話するなんて思いもしなかったw
347通常の名無しさんの3倍:2005/10/07(金) 17:17:42 ID:???
し、しのはら帰ってくるの早!やはり噂は本当だったかワクテカ
348通常の名無しさんの3倍:2005/10/07(金) 18:12:54 ID:???
何かもう、二次創作借りた復讐劇化してきているな…
349しのはら:2005/10/07(金) 18:55:18 ID:???
>348 本編への憎しみが私の燃料ですからw

では投下します
350マユ戦記特別編「歌姫の復讐」 :2005/10/07(金) 19:13:50 ID:???
第一話

コズミック・イラ73に再び勃発した地球連合対プラントの戦いはその中で死の商人ロゴス、反コーディネーター組織ブルーコスモスも壊滅の憂き目に遭った。

ナチュラルとコーディネーターが引きつった笑いを浮かべながらも手を取り合って歩み出した時、思わぬ来客が訪れた。
ラクス・クラインを首謀者とした武装テロリスト集団「ネオザフト第四帝国」の出現である。

ネオザフトはラクス・クラインによる地球圏の統一を掲げ、無差別な攻撃を開始した。

ネオザフト軍はプラント評議会を「烏合の集」とし、アブリリウス・ワンへの武力侵攻を開始した。
351マユ戦記特別編 「歌姫の復讐」:2005/10/07(金) 19:29:23 ID:???
プラントの前面では、壮絶な戦いが展開されていた。
ネオザフト艦隊旗艦のエターナル艦橋でラクス・クラインは呟く。

「早くアブリリウスを潰してくださいな。お昼になってしまいますわ」
「核攻撃隊は敵防衛ラインを突破、現在第二防衛ラインへ進行中」
「・・・ブルーコスモスのエリートだっていうから使ってみたら、案外ダメですわね。やっぱり、ナチュラルはコーディネーターに劣る種ですわ!」

副官はラクスをたしなめる。

「ラクス様、問題発言はお控えください」
「事実を言ったまでですわ」

ラクス・クラインは先日、未だ残るクライン派により救出、二年間暗礁に潜んでいた私兵部隊と合流した。

「・・・世界は私によって統治されなくてはならないのです。ネオザフトの皆さん、何としてもあのプラントを破壊しなさい!」
352マユ戦記 特別編「歌姫の復讐」 :2005/10/07(金) 19:40:54 ID:???
ザフト艦隊の旗艦、ミネルバ。先の大戦で「第二のアークエンジェル」と呼ばれた戦艦である。

「マユ・アスカ、インパルス発進位置へ!」

マユ・アスカはコクピットの中で目を閉じていた。
大戦を通じて活躍したガンダムエースの一人で、ダイヤモンド付きネビュラ十字勲章を授与された13歳の女性パイロットである。

「マユ、敵の中には核を搭載したMAも確認されているわ。それを最優先で狙って」
「了解!」

艦長タリアに、マユは強い調子で返した。
ハッチが開き、いくつもの命が輝いては消える宇宙が覗く。
「お兄ちゃん、みんな、私を守ってね」
一呼吸置いてから、マユは機体を踊らせた。

「マユ・アスカ、インパルス行きます!」

少女は再び戦場に旅立った。
コズミック・イラ73年11月、戦いはまだ終わらない。
353しのはら:2005/10/07(金) 19:41:56 ID:???
投下終了です

まだほんのり触りですがスマソ

ではノシ
354ほのぼのマユデス。:2005/10/07(金) 19:59:12 ID:???
キターーーーー!!しのはらさんGJ!!
もう会えないかと・・・・・またこれからも楽しみにしています!!
あ、画像掲示板(お絵かきじゃないですよ)の方にカルマのデザインを発表(?)しました。
画力については突っ込みはなしで(笑)
355通常の名無しさんの3倍:2005/10/07(金) 20:22:21 ID:???
>353 黒ラクスGJ!
356253:2005/10/07(金) 20:42:20 ID:2Sw5KpHN
>>353
しのはらさま、乙です!!すげえ毒電波出しまくりなラクス・・・
気分は『逆襲のラクス』?そうなったらマユの次期搭乗機はνデスティニーですか?^^;
357まとめ人 ◆rw1maYUY1g :2005/10/07(金) 21:01:37 ID:???
>>しのはらさま
新作投入まってました。

ハイネ隊カルマはこちら
htp://members.ld.infoseek.co.jp/rurukubo/cgi-bin/img-box/img20051007195615.jpg
絵板に転載しようとしたらだめでした。

絵板投稿募集中
SEED及びDESTINYのキャラメカ
当スレのオリキャラまたはメカ等
ttp://bbs4.oebit.jp/mayuseed/bbsnote.cgi
ここはブリーフィングルーム。いるのはミネルバのパイロット達である。
以前はカラオケ大会で賑わったこの部屋も今は重苦しい雰囲気に包まれている。
ステラ達のこれからの扱いについてだ。
「・・・・・まったく、それにしてもあんたまだその過剰反応直ってなかったの?」
グレイシアがアキラにため息をつきながら言う。
「そんなこと言われても・・・・・。」
アキラはうなだれがら口ごもる。
『アキラってコーディネーターにしては珍しいタイプだよな。あんなに怒るなんて。』
基本的にコーディネーターは同族間での差別はないがナチュラルは無意識に差別している者が多い。
「・・・そのさ、おれ『コウモリ』なんだ。」
「コウモリ?」
アキラの呟きにマユははてなを浮かべる。
「アキラはな、ナチュラルとコーディネーターのハーフなんだよ。ま、うちの隊の奴らは知ってるけど。」
ハイネがマユの疑問に答える。それは、皆を驚愕させるのに充分だった。
「えぇ?!なんでナチュラルとのハーフがMSなんかに乗れるのよ!?」
ルナマリアが率直な疑問を言う。
「俺がたまたまコーディネーターである父親から受け継いだがMS操縦に必要な技能なだけだ。。
そのかわり俺は病気になる、いや・・、むしろ病弱な方なんだよ。」
アキラはぽつりぽつりと話をし始めた。
359通常の名無しさんの3倍:2005/10/07(金) 21:17:07 ID:???
シノハラザァーーーン!!
僕の初めての人になってください。むしろバッチコイ!(Д゚*( 人 )

燃えるよ、激しく燃えた!
俺が十歳まで暮らしてたのは地球の日本って国。
俺んち、和菓子屋でさ。商店街で日本育ちのイギリス系コーディの親父と日本人のナチュラルの
おふくろがやってる、どこにでもある小さな店だった。
でも、そのうちどんどん差別が酷くなって、おれも学校でいじめにあうようになって
それで、オーブに引っ越したんだ。
そして、俺達家族はヘリオポリスに移住した。
ここなら中立だから大丈夫だって、そう思ってた。
工学カレッジの近くに店を開いて、学生のお客さん結構多かったんだ。
俺もそこから学校に通い始めて、友達もできた。
そいつ、ナチュラルなのにコーディネーターの友達もいて俺のことも
ちゃんと俺として見てくれて、いいやつだった。
そいつ軍事オタクで、ふたりでよく戦艦とかについて語ったりしてた。
友達があまりいなかった俺には本当に大切な親友だった。
けど、ザフト軍がヘリオポリスに襲ってきて、その日常が壊れた。
もう何もかもが嫌になった。地球連合もザフトもオーブも・・・・。
俺達は本国には戻らず、そのままプラントに移住した。
おふくろも、ナチュラルだって隠してれば大丈夫だろうって言って、ついてきてくれた。
だけど、店がうまく行かなくて俺は金を稼ぐためにザフトに入った。
べつにザフトも嫌いだけど地球連合も嫌いだったからどうでも良かった。
ただ、早く出世して金が稼げれば。
おれ、頭がどうも少しダメみたいで他の奴らに追いつくのが精一杯だった。
MS戦以外の成績は散々だったし。
まぁ、そしてそのままふつーに軍人さんやってたわけだが・・・。
平和になって、その親友に会いに行こうと思ってオーブに行った。
そしたら、そいつはもういなかった。
そいつの彼女に会えたから話を聞いたんだ。そしたらあいつ、友達のために
地球連合に入隊してパイロットになったそうだ。
そして、その友達を庇って戦死した。
俺は気が狂いそうだった。プラントに行って一人も友達が出来なかった
俺の心の支えはあいつと会うことだった。また二人でモデルガンとかを見せ合ったりすることだった。
でも、もうあいつはいない。それも俺はあいつを殺したザフトに入っている。
それでも、あいつの彼女は言ってくれた。
「あの人はそんな事は気にしないわ。むしろその姿を見てザフトの制服いーなーとか
言ってるって。だから人生をあの人の分まで楽しんで。」
その言葉のおかげでいまの自分があるのかもしれない。
で、そのあとプラントに戻ったらハイネ隊に所属ってわけ。
これにてアキラ大戦前夜終了。
「だから俺。差別とかする奴のこと修正してやるって、そう誓ったんだ。」
そういって拳を握るアキラ。
マユは戸惑っていた。
まさか、こんな過去がアキラにあるとは思ってもいなかった。ごくごく普通の青年
だとばかり思っていたのだ。
「まぁ、俺なんて後の奴らに比べれば序の口だけどね。」
アキラはそう言って他のハイネ隊隊員を見る。
「俺達にも話せってか?」
ジョーが別に良いけどとか呟きながらため息を吐く。
「ほら、今話さないと、俺達出してくれる職人さん達のためにさ。」

「「「「「そう言う事情?!」」」」」

・・・・・軽口を叩いていたが、アキラの眼はもういない親友を見ていた。
362通常の名無しさんの3倍:2005/10/07(金) 21:47:45 ID:???
>歌姫の復讐
・・・あれ、おかしいな?
本編よりこっちのラクス様の方が好きになれそうw
>やっぱり、ナチュラルはコーディネーターに劣る種ですわ!
言ってること昔とちげーよw!
「コーディに未来なんてない」ってのは嘘だったのか!?


>ほのぼの
アキラ・・・ヤバい泣けるぜ
363253:2005/10/07(金) 21:54:33 ID:2NKBTIwe
>ほのぼのマユデス作者様
>>360
アキラーーー!!切ない過ぎマス;;
ヘリオポリス組だったんだ・・・しかも親友が・・・すげぇよマジ泣いた

ミーアといいハイネ隊の皆ってみんなこんなに重い過去があるのか・・・GJ。
364通常の名無しさんの3倍:2005/10/07(金) 23:01:35 ID:???
久々に肩の力を抜いて楽しめるしのはらタンが戻ってきたなw
ネオザフト第四帝国、テラワロスww
365通常の名無しさんの3倍:2005/10/07(金) 23:14:22 ID:???
>ネオザフト第四帝国
そのセンスに吹いたw
366通常の名無しさんの3倍:2005/10/07(金) 23:52:17 ID:???
第一次ヤキン戦の後、キラ達が如何にして洗脳から脱し、
そしてあのラクスを小惑星帯の辺境にまで放逐することができたのか・・・
ここのあたりが最大の謎にして関心事なのだが、果たして明かされるかなw
367通常の名無しさんの3倍:2005/10/07(金) 23:58:58 ID:???
アキラの親友って…まさか!その彼女って…まさか?あの二人か?いや…しかし…気づいたの漏れだけか?
368通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 00:00:13 ID:???
>>367
同じこと考えてるっぽい香具師ハケーンw
369通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 00:08:54 ID:???
「ネオザフト」って名称を聞くたびに
某マーガリンを思い出すのは俺だけだろうか?
370通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 00:55:00 ID:???
パンにはやっぱりネオザフト
371通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 00:56:31 ID:???
ネオザフトには赤パッケ白パッケ緑パッケがあります
味の違いは実際に買ってお確かめ下さい
372通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 00:58:45 ID:???
>367
>368
漏れも話を見ただけでピンと来たぞw
なんだかんだで無印種は覚えてるなぁ。
死種?何だそれ食えるのk(ry
373通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 00:59:27 ID:???
投下マチ
374通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 07:13:03 ID:???
種運命の設定(後付)はっておきます。
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1128577563/102-104
375通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 09:34:39 ID:???
おんなじこと考えてる人ハケーン。
友達をかばう、というあたりでピーンときた人多いんだね。
……かばってたか、といわれればかなり微妙なシーンだったけど。
376しのはら:2005/10/08(土) 10:44:14 ID:???
第二話投下します

お目汚しを・・・
377マユ戦記特別編 「歌姫の復讐」:2005/10/08(土) 11:07:43 ID:???
発進したブラストインパルスはすぐさま、一機のジンハイマニューバを撃墜した。敵機はジンからウィンダムまで多種多様に揃っていた。
マユは遠くに位置するエターナルを見、不快な感触を覚える。全身を舐められるような、肌寒いプレッシャーだ。

「こちらはネオザフト軍、ラクス・クラインです。ザフト軍は直ちに戦闘行為を停止しなさい!」

マユは「ハァ?」と声を上げた。全く持って意味がわからない。

「・・・馬鹿じゃないの?ラクス様」

赤いブレイズドムトルーパーに乗るルナマリアが失笑したー周りで戦うザフト兵はラクスの言葉を、ただの戯れ言としか聞いていない。
今、ラクス・クラインは大戦を激化させた凶人としてプラント中だけでなく地球でも憎悪されている(ミーア・キャンベルは偽物だが、キャバクラ嬢からアイドルにのし上がったことで絶大な人気を誇っているが)

「マユ、馬鹿が移る前に仕事しましょ!」
378マユ戦記特別編 「歌姫の復讐」:2005/10/08(土) 11:17:43 ID:???
ブリッジに入ってきた人物を見て、ラクスは喜んで駆け寄った。

「キラ!」

キラ・ヤマトはラクスを受け止める。
ラクスは悲しげな表情をした。

「私の話を、誰も聞いてくれませんわ・・・。私は無力です」
「そんなことないよラクス。彼らは聞かないんじゃなくて、わからないんだ」
「・・・そうですわね!」
「ラクスはいつだって正しい。君は世界の意志なんだ」
「キラ・・・」
「僕は行くよラクス。君を理解しない人間なんて、許せないじゃない?」

ラクスが頷き、副官は艦内電話を取る。
「格納庫、フリーダム出せ!ミーティアは出すな」

ラクスは艦長席へ戻る。

「まずやってみる」
副官は疑問を浮かべる。

「なんです?」
「そしてやり通す」
ラクスは微笑した。
「我々は正しいのです。だから戦っていい、そういうことですわ」
379通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 11:35:40 ID:3u5mFzEP
核攻撃隊を迎撃していたザフトMSが、突然戦闘不能にされてしまう。
手足をもがれ、達磨になる機体も多い。
「僕たちの邪魔はさせないよ」

現れたのはフリーダムだ。かつて大戦を終結に導いた、伝説的機体。

「タイムスリップでもしてきたの!?」
ルナマリアのドムが放ったビームはあっさり避けられ、反撃でドムの両手が破壊される。

「やめてよね。スーパーコーディネーターの僕に、君みたいな名無しが勝てるわけないだろ」
「そいつはどうかしら?」

ルナマリアは拡散ビームでフリーダムの視界を奪い、ミサイルを叩き込む。

「君は・・・どうしてっ!」
「マユ、このナルシストをさっさと始末しなさい!」

ケルベロスがフリーダムのライフルを溶解させる。

「あなたはヤマト大尉じゃない!」
「何を言ってるの?僕はキラ・ヤマトだ」

マユはジャベリンを抜き、フリーダムへ突進した。

「もしそうでも、私はプラントを守る」「・・・そう」
「それに、あなたみたいな人は大嫌いなの」
380しのはら:2005/10/08(土) 11:36:44 ID:???
投下終了です

キララクかなり痛いです(汗

ではノシ
381通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 11:50:21 ID:???
ルナマリアエエエエエ!

乙です。
382通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 11:50:52 ID:???
およ?
キラが二人……?
これは面白くなってきましたな。ワクワクテカテカ
383通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 12:08:57 ID:???
やっぱりしのはらキャラは最高だなw ミーアキャバ嬢(汗
384通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 12:53:28 ID:???
ヤマト大尉とキラ?
いったい、なにがあったんだ?
385通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 13:14:39 ID:???
>384

ヤマト大尉→古谷CV
しのはらキラ→☆

妄想してみたが?どうだ
386通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 13:52:47 ID:???
しのはら版って遺作と痔出た?
387通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 15:44:31 ID:???
>>386
マユ戦記の終盤で、でてますよ。
388マユAD:2005/10/08(土) 17:23:19 ID:???
一週間ぶりに投下今度は大丈夫のはず…

しのはらさん>>色々素晴らしいストーリー展開!ラクスがバッチリ電波っぷりを醸し出してますね(笑)
389マユAD:2005/10/08(土) 17:25:04 ID:???
大西洋連邦大統領、コープランドの開戦演説の後、地球の連合の主要な軍事施設や各国の首都では戦時体制が敷かれた。
無論、一時的な措置とは言え連合に加盟した、オーブとてその例外ではなかった。
そのオーブのオノゴロ島。中心街の一角にある、近代化した街並みに溶け込めていない一軒のレトロな感じの店。中は喫茶店のようだった。
その店の入り口脇に黒髪の少年、セネカ・レビィナスがいた。誰かと電話で話をしているようだ。しかしその語気からあまりいい内容の話ではないのが伺える。
「わかりましたよ。そーいうつもりなら最初っからそういって下さいよ?まったく…ええ、それを見てから帰ればいんでしょ?明日には着くようにしますよ。
…は?買いましたよ!そんな下らないこと心配してどうするんですかあんたは!あいつら待ってるんでもう切りますよ!」
そう怒鳴って電話を切るとさっさと喫茶店の中に入っていった。
「おせぇーぞ」
入ってすぐに聞こえたのは一番奥のボックス席からの少年の声。セネカもそれに気付き、少年の方に近づいて行く。席には少年が2人に少女が1人。
「悪いな、スティング。退屈したか?」
「俺はお前に心配されるほど子供じゃねーよ」
手に持っている本を持ち上げぶらぶらと振って見せた。もう1人の少年、アウルは小さなゲーム機に夢中になっている。横スクロールのシューティングゲームのようだ。
その隣に座っている少女、ステラはヘッドホンを着けて音楽を聞きながら机にうつ伏せになって眠っていた。三者三様、それぞれ好きなことをやって暇を潰していたようだ。
「あっそ…あ、マスター、アイスカフェオレ1つ」
セネカの注文に呆れた感じでスティングは「お前の方がよっぽどガキだな…。」
しかし少し気にかかることがあったようだ。
「…つかやけに慣れた感じだな。常連だったのか?」
「まあ昔は良く来てたかな」
「ふーん…」
たわいもない会話。だかここからは仕事の話。ゲームに夢中になっていた少年もようやく一区切りつけ、ゲーム機をズボンのポケットにしまう。
「で、何だって?おっさんは?」
「ん…?」
少女も眠たげながら目を覚ます。少女が起きたのを確認し、セネカは与えられた指令を伝える。
「ああ、『試合を観戦てから帰って来い』、ってさ」

オノゴロ島からやや離れた遠海。そこにはすでにオーブに向けて連合の艦隊が迫ってきていた。


マユ-ANOTHER・DESTINY-PHASE-06〜初戦〜
390マユAD:2005/10/08(土) 17:26:16 ID:???
「やっぱり、こうなるのね…」
ザフト軍所属、最新鋭艦ミネルバの艦長タリア・グラディスは艦橋でそう呟いた。周りにいる他の乗組員も席で各々の作業を急がせているが、その顔はどことなく暗い。
「どうしたんですか?艦長?」
「オーブからの警告よ。これを見なさい」
タリアは先ほどブリッジに入ったばかりでうまく状況を飲み込めていないミネルバ副艦長、アーサー・トラインにモニターを見るよう促す。アーサーは画面に表示された文字を読み上げる。
「えー『貴艦、直ちにオーブ領海内から離脱せよ。聞き入れない場合攻撃もやむをえない。なおこの通告を持って最終通告とする。
こちらに交戦の意志はない。貴艦の誠意ある行動を望む。』…って!これは!」
あからさまに驚くアーサー。初めて見た人なら誰でも「わざとらしい」と思うだろうが、これが彼の普通である。
付き合いの長さからそれを知っていたタリアは気にも留めない。
「戦争が始まったんだから当たり前といえば当たり前なんだけどね…」
「しかし!だからっていきなりは!」
先ほどからタリアの隣にいたレイがようやく話に加わる。
「これが今のオーブのギリギリ譲歩出来る内容、ということでしょう。オーブは連合に加盟した。
本来なら我々が逃げるのを待つ必要はあちらには全くないし、奇襲されていてもおかしくはない。これは寧ろ優しいものですよ」

核心を突くレイの言葉。
そんなことは分かっている。今すぐ動かなければならないことも。事は急を要する。遅れれば連合にも囲まれてしまう。
「分かってるわよ、そんなこと。…仕方ないわ。これよりミネルバはオーブ領海を離脱、ザフト軍、軍事拠点カーペンタリアに向け進路をとる。
脱出の際、連合からの攻撃を受けることも予測される。十分に注意せよ。発進は2時間後。総員を準備を整えて!」
391マユAD:2005/10/08(土) 17:27:11 ID:???
ミネルバのパイロット待機室。艦長のコンディションイエローの令を受ければ本来なら相当の数のパイロットがここにいてもいいはずだが、
この艦に限ってはパイロットの不足も助けてたったの2人、ユキとルナマリアしかいなかった。
「始まるんだね…」
「ええ…そうみたい」
ユキとルナマリアはパイロットスーツに着替え、いつでも発進できるよう待機していた。
地球の重力下での戦闘は2人とも初めてということもあって、特にユキは緊張しているようだった。ヘルメットを抱える手がわずかに震えている。
初の重力下での戦闘でしかもこの危機的状況。考えれば無理もない。
いくら自分達と同じ赤とは言えユキはまだ自分と比べれば若く、経験も浅いのだ。
それで姉としてなんとか妹を落ち着かせようとするルナマリア。

「でも大丈夫。私とレイがしっかり援護するから!ね?ユキもしっかりやんなさいよ!」
軽く背中を叩く。幾分緊張感かほぐれた感じのユキ。ぎこちなく微笑み返し頷く。

レイが部屋に入ってくる。彼も既にスーツに着替えていた。彼専用の白いパイロットスーツに。手にはブリーフィング用の簡易情報端末を持っている。
「準備は出来ているようだな。今回の任務を簡単に説明する。」
端末の電源を入れ2人に渡す。
「まずは持ち場だが…話す前に初めに言っておくがこの艦はザクの換装用のバックパックは積んでいない。
今後補給するまではそれに基づいて指揮を行う。まずルナマリア、お前のガナーザクは重力下の海上戦ではブーストの持続性能が低いことから分が悪い。
したがって艦上を中心に敵機を撃墜するのが得策だろう。もともとそのためのオルトロスだからな。だが落ちても拾ってはやれない。お前はこちらを狙う敵を落とすことだけに集中して艦の上にいろ。」
「意地悪ね…」
「俺のブレイズザクとユキのインパルスはある程度は飛べるから遊撃は俺たちの役目だ。俺は艦の前方を守る、ユキは後方は頼む」
「うん…」
「任務の内容は至って簡単だ。艦を守れ。それだけだ。余計な功績は上げようとするな。生きて帰るのも任務だからな」
この状況ではなかなか的確な指示だったといえる。流石はザフトレッドと言ったところか。
「…それと朗報だ。カーペンタリアからこちらに援軍が向かって来ているそうだ。」
「援軍?」
「ああ、その中にユニウス落下の時に世話になった、アレックス・ディノもいるらしい。…間に合うかどうかは別だがな」
392マユAD:2005/10/08(土) 17:28:10 ID:???
その頃、オーブ軍戦艦用ドッグ。そこではオーブ軍所属艦の修繕作業が行われていた。
「準備の程は順調ですか?」
「ええ、進んでいますよ。後2、3日もあれば終わるでしょう」
めまぐるしく回転する作業員を後目に、先程までその回転に混じっていたマリュー・ラミアスとレドニル・キサカは話をしていた。
彼らが話していたのは目の前にある大型艦アークエンジェルについて。
前大戦終結後、強奪されていたザフト軍宇宙戦艦エターナルとともに行方知らずとなっていたが、どうやらオーブが匿っていたようだった。
大戦の時に出来た損傷はほぼ完全に無くなっている。
「予定日よりは早めに終わりますから出航までには間に合いますよ。…それよりご用とはなんでしょうか?」
「いえ、それが気になることがありまして…」
言いにくそうに話しをきりだすキサカ。
「アークエンジェルに配備予定のMSのことなのですが…。ヤマト准将のフリーダム、バルトフェルド一尉のムラサメ。
ここまでは分かるのですが…なぜストライクルージュを?」
マリューにはキサカが何を心配しているのかがすぐに分かった。ようは誰が乗るのか、とゆうことだ。
「ご安心下さい。カガリ様ではありませんよ」
胸をなで下ろすキサカ。
「そうですか…では誰が…?」


「マユ・アスカねぇ…」
資料を適当にペラペラとめくるユウナ。資料には右上にマユ・アスカという名前が記されていて後は戦闘訓練のデータばかりを載せている。
「大丈夫なのか?そいつ?」
「うん、多分。ちゃんと返せると思う」
ユウナとキラはMS実験用の地下施設で話をしていた。2人の話はストライクルージュの借用許可について。
あの後結局マリューも折れ、マユはアークエンジェルに乗ることになった。なったはいいがいざ考えてみるとマユの機体はなかったのだ。
それでとりあえず、フリーダムと共に保管してあったルージュに乗ってはどうか、とゆうことになったのだが、
フリーダムもストライクルージュも、アークエンジェルがオーブ軍に編入されたと同時にオーブ軍の部隊の所属となっていたのだ。それで一応許可を得ようということでユウナの元に来たのだった。
呼んでもいないのになぜかカガリもいた。自分の愛機が誰に乗り継がれるのか気になったらしい。
フリーダムはキラが乗るのなら、と言うことですぐに許可が降りた。しかし流石に得体の知れない人間は乗せられない。
それで色々試験を行うことになったのだ。
393マユAD:2005/10/08(土) 17:29:12 ID:???
「訓練の結果をみる限りではハニーよりはずっと上手いとは思うね」
3人が話しているところからは窓越しに飛びまわるルージュとムラサメが見えた。
ペイント弾の演習形式でオーブ軍の主力戦闘機とテストマッチをしているのだが、その腕前足るやかなりのもので、ムラサメから一発も被弾することなく相当の数の弾を当てて見せている。
機体の数を増やしても同じ。2機相手でもこの狭い場所で全くとりつく隙を見せない。
「悪かったな、下手くそで。それよりそのハニーってのやめろ。気色悪い」
「じゃあカガリンでどう?カ〜ガリ〜ン」
「余計に気色い!」
「うわっ!ちょハニー!」
大切な話をしているというのに2人揃うといつもこれだ。先日喧嘩したばかりなのにもう仲が良さげな2人を見てキラは若干呆れた。
会議で憤慨し、家に閉じこもってユウナと口も聞こうとしなかったカガリをキラが必死に説得したのだ。
数時間に及ぶ説得の末何とか怒りも収まり、ようやくユウナの考えに同意させたのはつい5時間程前。ようするにキラはほとんど寝ることが出来なかった。
機嫌が戻れば後は相変わらずである。本当に一国家のナンバーワン・ツーに見えない。
この二人はいっそ結婚してしまえば…と口には出さなかったがキラは思った。家柄もいいし、どちらも両親はいないからちょうどいいだろうに。
余り姉弟としての情がないからこんなことが考えられたのだろうか。
しばらく間をおいて本題に戻すためキラは少し大きめの声で言った。
「ではストライクルージュも、こちらでお借りして宜しいですね?」
しかし、ボロボロになりながらもユウナはあっさりと言い放つ。
「ダメだね」
「なっ?どうしてです?腕はいいって認めたじゃないですか!?それは…確かに軍の筆記関係は全然でしたけど…そんなの後からいくらでも!」
予想外の返答にたじろぐキラ。カガリも納得がいかないとばかり猛反対する。
「そうだそうだ!お前が駄目でも私が許可する!キラ!持ってけ!」
「まあまあ待ちなよ?僕は何も貸さないとは言ってないよ?いい腕前なんだからさ、それに見合うような高性能なやつの方がいいじゃない?」
両者を宥め、落ち着いた身振りで同意を求めるように2人に指を指すユウナ。
「どうゆうことだ?」
上手く理解できてないカガリとキラ。
「苦労したけどね、モルゲンレーテに頼んで造ってもらったんだ。つまり…デッドコピーはアスハのお家芸、ってことさ」
394マユAD:2005/10/08(土) 17:30:12 ID:???
海上を進むミネルバ。いつもなら美しい水面を讃えるオノゴロの海も今日ばかりは閃光と迫撃砲の轟音が飛び交う、戦場となりそうだった。
「ひえぇ…あんなに戦艦が…MSも…」
「かなり多いわね…」
敵艦の数は…11。一艦に対してこの数は多い。だが今更引くことは出来ない。
「コンディションレッド発令!ブリッジ遮蔽!対艦、対MS戦闘用意!今から敵陣を突破するわ!MSのパイロットは全員発進させて!」
オーブ領海を抜けたミネルバを待っていたのは連合艦隊の手厚い歓迎だった。
艦隊にあっという間に包囲されるミネルバ。扇状に展開した艦隊はミサイルを幾重にも射出して、ミネルバを狙う。
しかしあわや命中という時になると、それらは全てミネルバの対ミサイル迎撃用砲塔CIWSに撃ち落とされてしまった。
「くそ!いくぞ!MS隊!」
ならばとばかりに、ジェットストライカーを装備した、いくつものダガーLが空中から攻撃、ビームを連射する。
しかしラミネート装甲がビームを打ち消し全くダメージを与えられない。逆に艦のイゾルテに反撃され何機かは落とされてしまう。
「ちぃ!ビームが効かないのか!なら!」
ビームサーベルを抜き取り接近するダガーL。直接叩くつもりらしい。
「やらせないわよ!」
しかし艦上の赤いパーソナルカラーに染まったガナーザクのオルトロス長射程ビーム砲が凄まじい威力のビームで一撃の元にダガーLを爆散させる。
「落ちて!」
「ええいっ!」
空中でもユキのフォースインパルスとレイのブレイズザクファントムはダガーLを圧倒していた。
ザクファントムは前方にミサイルを拡散させることで弾幕を張りつつ艦を守り、インパルスは後方から近づくものをビームで撃墜してゆく。
数の差を埋めんばかりの3機の戦闘能力。連合のMSは殆ど手が出せない。
「タンホイザー!ってー!」
艦長タリア・グラディスの命令とともに驚異的な破壊力を持つ陽電子砲は艦を沈めてゆく。そしてミネルバはようやく脱出路を見いだす。
「行けるわ!機関全速前進!この海域を離脱する!」
連合は先手を仕掛けたにも関わらず、状況は防戦一方、敗戦の色さえ伺える程だった。
395マユAD:2005/10/08(土) 17:31:12 ID:???
島の東部、山を囲むようにできた道路。その弧を描いた道の途中の、飛び出した部分に設けられた駐車場。そこは海を、いや戦場を一望するには丁度良い場所だった。

並みの人間なら目を背けたくなるような光景を、喜々として見ている者達。アウル、スティング、ステラ。そしてセネカ。
「やってるやってる!くー!僕もいきたいなー!」
「……」
「で、強そうなやつは増えたか?」
「いーや、前と全然面子変わってねー。あー、でも一匹減ったかな?」
「お前ら…そうじゃねぇだろ?何しに来たと思ってんだ?敵の戦力・性能・連携!そーゆうのを把握するためにわざわざ今回俺達は出なかったんだ!」
ネオにはまず今後自分達の攻撃目標となるであろうミネルバの戦力を自身でしっかり分析しろ、そう言われた。敵を知り己を知れば云々、とかいう奴だ。
任務をあくまで真面目にこなそうとするセネカだが他の3人は全くやる気がない。それどころか逆にカリフォルニア基地での訓練でへたな自信をつけてしまったようだ。
「まあまあ、次は僕が全部落としてやるからさぁ!海の上ならアビスが最強に決まってんじゃん!」
「次…ステラ達…勝てる…いっぱい…練習…したから」
「それに連携なんか全然ねぇよ。そもそも3機じゃな…」
確かにスティングの言ったことは正しかった。
彼らは各々が自分の持ち場にばかり偏り過ぎて他の者のミスをフォローする余裕がない。艦にラミネート装甲がなければこうは持たないだろう。
まあ敵の数に対してたった3機しかいない、つまり隊のまとめ役がいない事を考えれば当然といえば当然か。
「それよりさ、変なの、来たよ」
アウルが指指す先には、激しい水しぶきと共に一機のMA。ようやく来た。このまま敗戦する気かとセネカは少し心配になっていたところだった。
「よし、あいつの能力を評価すんのも俺らの仕事だ。よく見とけよ。」


この戦闘の明暗を分けるその巨体は海上を滑りながら、ミネルバに高速で接近してゆく。中では通常のMSではありえない、3人の男達がそれを操縦していた。
「あーあ、やっぱ普通の奴らじゃ勝てないみたいだぜ?ヨーブ?」
「こいつが勝てばそれも変わる。そのための俺達だ。準備できてるか?ケント?」
「ああ、油圧も電圧も他も全部オールグリーン。バッチリ快調だ」
「よし、いくぞお前ら。コーディネーターのバカ共に、一発一泡吹かせてやるとしようぜ!」
396マユAD:2005/10/08(土) 17:32:24 ID:???
一早く危険を察知したのはユキだった。
脱出しかけている艦を守るために奮戦するルナマリアも、インパルスの挙動に異変を感じる。
「どうしたのユキ?」
「…気をつけてお義姉ちゃん、レイ!まだ何か、来てる!」
その存在はすぐにミネルバクルーにも知れた。艦橋に鳴り響く警告音。流石に艦長も驚きを隠せないようだった。
「何なの!?」
「艦に高速で接近する機影!データバンクにない機体です。…でかい!MAのようです!」

「くらえぇ!!」
突如閃光がインパルスを襲う。しかし間一髪で盾でその身を守る。
「っ!」
「大丈夫!?ユキ!?」
ルナマリアもようやく敵の存在に気付く。オルトロスを構えるが…早い。狙いの定めようがない。
「タンホイザー!ってー!」
MAに向けて火を吹くミネルバの陽電子砲。しかしMAが前傾姿勢になったかと思うと
「ケント!」
「了解。リフレクターシールド展開!」
バリアを展開してそれを防いでみせた。直撃したにも関わらず全く無傷のMA。
「ハッ!たいしたもんじゃねぇな!新型の最高攻撃力ってのは!」
そう吐き捨てると艦にMAを接近させる。
「こいつ!」
艦との間に割って入りミサイルを乱射する白いザクファントム。しかし全て目標に届く前に爆破されてゆく。敵は迎撃用砲塔も備えているようだった。
MAは突然飛び上がったかと思うとザクファントムより数倍でかいその巨体で体当たりを食らわせ、軽々とそれを吹き飛ばす。
更にそのまま空中から4筋のビームをミネルバに向かって乱射する。それに便乗して一気に攻撃を仕掛ける連合艦隊。
「か艦長!迎撃が追いつきません!」
「マズいわね…」
急速に上昇する艦の温度。このままではラミネート装甲の排熱が間に合わない。このままでは艦が…

「やめて!」
させまいと、抜刀してMAに斬りかかるインパルス。しかしハサミのようなものが展開されそれを弾く。
「もらったぁ!」
逆に左足を切り落とされてしまう。斬られた足はそのまま海に沈んでいった。
そしてMAはもう一方のハサミでインパルスの腹部を抉ろうとする。インパルスは盾を構えようとするが間に合わない。
「やられちゃう…!」
その瞬間。一筋の閃光がハサミを撃ち抜く。ガナーザクのオルトロスだった。
「ユキを離しなさい!このヤシガニ!」
更に隙を与えず連射、中心部を撃ち抜いてゆく。半壊したMAは水柱を立て沈む。
「言ったでしょ?私が援護するって!」
「お義姉ちゃん!」
397マユAD:2005/10/08(土) 17:33:22 ID:???
誰もが倒したと安堵しかけたそのときだった。
再び浮かび上がるMA。武装はほぼ全て潰されていたにもかかわらずエンジン部分だけはかろうじて何とか生きていた。

そのMAの中、血まみれのコクピットで唯一まだ生き残っていたのは3人のリーダー格、ブロウだった。

頭がぐらぐらする。気持ちわりぃ。やたら音が耳に響く。
にしても…三年も前からだ。三年も前から俺達はチームを組んでコイツを、ザムザザーを乗りこなすためだけに訓練に訓練を重ねてきたのに。
初めて会った時は3人共めちゃめちゃ仲悪くて他のチームと比べて成績もダントツ悪かった俺達。
けど日を重ねる毎にそれもよくなってきて、仕舞いにはトップになって結局コイツのパイロットに選ばれた俺達。
この戦争を絶対生き抜いて世界を変えてみせようと研究所で互いに誓った俺達。
そんな俺達がようやく日の目を見ることが出来たのが今日、今さっき。
なのに…たった1日、それもたった1時間たらずでゲームセット、か。それも量産予定の雑魚野郎にやられて、だ。ちくしょう。
負けたんだ。俺達は。今更ながら実感出来る。ナチュラルはやっぱどんなに頑張ってもコーディネーターには…。親父が死んだのは事故じゃなかったんだな。軍なんか入らなきゃよかった。
他の2人は…呑気に居眠りこいてやがる。まったくなんてざまだ。ダサすぎてこっちも死にたくなっちまう。だが俺達は…ただでは死なない。それが、エクテンデット。

「おおおぉぉぉ!!」
吠えるブロウと共に甲板に上っていた赤いザクに向け突込んでゆくザムザザー、そして最後に残った右手のクローで強引に赤いザクを捕らえ、離さない。
「ちぃ!引きずり込む気か!」
「お義姉ちゃん!」

ユキの心に不快な感情が沸き上がる。
…また? またなの?守られて何もできない私。守るつもりが守られる私。取り残される私。
…いやだ。もう何も…失いたくない

ユキの中で何かが、弾ける。
「いやあぁぁぁ!」
盾を投げ捨てビームサーベルを抜く。ニ刀を敵に向けて構え、通常では制御仕切れない速さで急接近する。

反撃できる武装がないザムザザー。
ちっ、結局ここまでかよ。悪いな。ヨーブ、ケント。完封負けらしいぜ、この試合。
既に鉄塊になりかけていたそれを凶の字に斬り裂くインパルス。ギリギリ着水直前で解放されたガナーザクはなんとかわすことができた。体勢を立て直すルナマリア。
「危なかったわ!ユキ!ありがとう!」
398マユAD:2005/10/08(土) 17:34:30 ID:???
「あああぁぁぁ!」
しかしインパルスは止まらない。敵艦隊の方まで戻って、砲撃を避けながら敵艦の塔部を全て斬り落としてゆく。MSすら逃がすことなくビームライフルで撃ち落とす。
「ユキちゃん!どうしたの!?」
通信を聞いていたメイリンも様子がおかしいと心配になりユキに声をかけるが応答しない。レイも通信を試みる。
「何をやっている!?ユキ!艦もルナマリアも無事だ!これ以上戦う必要はない!戻れ!」
「まだ!まだなの!!守らなきゃいけないの!私は!私はぁ!!」
沈みかけながらも逃げようとする艦に更に追い打ちをかけようとするインパルス。だがその前に突如紅いMSが立ちはだかる。
「落ち着け!インパルスのパイロット!もう戦いは終わったんだ!大人しくミネルバに戻れ!」
聞き覚えのある声の主はアレックス・ディノだった。やはり救援は遅れたらしかった。タイミングとしては良かったようだが。
「いやよ!私はまだ!」
戦える。ユキがそう言おうとした矢先、インパルスは色合いを失い黒に変色する。VPS装甲は切れたのだ。ユキも冷静さを取り戻す。
「……」
互いの間にしばらく沈黙が流れる。
「…ごめんなさい…」
先にユキがそう謝ってインパルスはミネルバに戻っていった。敵が引き上げるのを見届け、アレックスもまた戦場を後にする。


「あーあ、ボロ負けだったね!」
「お前はあれだけ見てそれ一言かよ」
「また一匹増えたな…厄介なことになりそうだ…」
ミネルバの離脱を見送り、セネカ達も帰りの空港に向かって歩いているところだった。すでに黄昏の色が辺りを包んでいた。
この戦い、負けはしたが結果として情報は十分得られた。元はとれるだろう。次に自分達が勝てば。
「おーいセネカ!急げよ!」
ちょっと先で立ち止まりアウルが呼んでいる。
「だったらお前がこいつおぶれよ!」
そう言ったセネカの背後ではステラがすやすやと眠っていた。
「やーだよ!」
「ったく!何で俺はいっつもこんな役ばっか…」
「そう言うなよ!本当は嬉しいんだろ?」
「バ、バカ言うな!」
「またまた〜隠すなよ!」
いたづらっぽく笑っているアウル。スティングはこちらに呆れている。

笑いながらセネカは思った。こうやって馬鹿やってられるのも、今日が最後だと。それでも俺は逃げない。臆すことなく戦う。いつか必ずこの日々が帰ってくると信じて。

戦争はまだ始まったばかりで。彼らの平和はただ、遠ざかっていくのみだった。
399マユAD:2005/10/08(土) 17:40:13 ID:???
投下終了…なんとか無事でしたよ
そういえばあんま関係ないですけどもしあったらユキのCVは…
田村か清水か中原がいいかなーとか思いました(ホント関係ないなorz)
ではノシ
400通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 18:05:33 ID:???
マユADの方、乙です。

こちら、種死一週間遅れの放映の地域なのでやっと最終回……
このスレに救いを求めてしまいました。
(⊃Д`)

401しのはら:2005/10/08(土) 18:07:21 ID:???
>399 個人的には中原でw
ちなみに、しのはらマユ種の脳内ボイスは

マユ 本編と同じ
アレックス 大塚明夫
キラ 古谷徹
ネオ(シン) 本編と同じ
カガリ 井上喜久子
ミーア 清水愛
神楽 大塚芳忠
ルナマリア 本編と同じ
デュランダル議長 田中秀幸

となっております

漏れは声優オタかよorz
402通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 18:10:31 ID:???
>>400
週遅れの仲間ハケーン

職人のみなさん、ちゃんとエンドまで作りこんでくれぇ。
403通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 18:11:44 ID:???
>401 やべぇ、種が硬派になってるw
404通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 18:34:29 ID:???
ブラッド+つまらないお…
面白い職人さん助けて
過去っていわれても私はそんなたいしたことないわよ。」
グレイシアはそう言った。
「私は遺伝子操作のミスでこんな性格になった、つまり体はオトコだけどあとはオンナとして
生まれてきたってこと。このことに気がついた両親は5歳の時私を孤児院に捨てたってわけ。」
いともあっけらかんと語るグレイシア。
「別に悲しい事といったらそれだけね、よくある事よ。あとはごくごく普通に育ったわ。
それに大変といったらキースとカルマの方が物凄いわよ。」
グレイシアはカルマとキースにバトンタッチした。
「えー?俺ら?」
「別にいいけど・・、信じてもらえなさそうだからなぁ・・。」
そう言うとまずカルマから話しはじめた。
「俺はメンデル出身でー、遺伝子操作による不老不死の研究所で生まれましたー。
で、俺はその失敗作でー。とりあえず12の時から成長がとまってまーす。」
もの凄いことを笑顔で語るカルマ。
「俺の名前のカルマってのも人の業ってところから来たのかな?ま、でも
こうやって健全に生きてるし、寿命は人並だから!」
アキラの時とは違って本当にあっけらかんと笑う。
「ちなみに俺は23歳でーす。実は一番年上!」
「「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇっぇつ?!」」」」」」」
流石にこれは驚いた。マユもキースはせいぜい十四歳だろうと思っていたので
タメ口呼び捨てにしていたのだが・・・。
「あぁ、じゃあ次はボクの番か・・・。」
どこからか出した酒瓶を片手によっこらしょと立ち上がる。
「じゃぁ、行くよ・・ヒック。」
そう言うと人間離れした跳躍力で床をけり、そのままイスの背にたった。
「中国雑技団?!」
マユがぼける。
「あ・・、違う違う。生まれつきってやつ、僕もメンデル出身でネコの遺伝子が入ってまぁすv」
そう言ってピースするキース。もうそろそろとんでもない事に呆然通りこして石になるメンバー。
「まぁ、でもたまたま脱走した時に一般市民の方に拾っていただきまして
こうしてザフトでりっぱに生活してるにゃー。」
そんなとんでもないことを聞いてマユはこれがホントののまネコだ。
とかもう関係ない事を考えていた。
406通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 18:50:58 ID:???
ちょwwwwww
のまネコwwwwww
「ほらほらぁ!じゃあ次はジョーの番!」
そう言ってジョーはキースにバンバンと背中を叩かれた。
「えー・・。マユもいんのに言うのか。ま、いいか。13才だし。
えーっと、俺は地球育ちなんだけどよ。つっても親父もお袋も死んじまって
俺は形見となった母子手帳だけをもって路頭を彷徨って。
まぁ、こっから月並みな話だがガキが食っていくにはやっぱり体を売るしかなくてなぁ。
流石にヤクに手を出すのは勘弁だったし。」
それは完全に管理された世界に住んでいたルナマリア達コーディネイターには
あまりにも生々しすぎた。
「コーディネーターだから顔が良かったもんで客には困んなかったな。
まぁ、時々客取られた奴らに廻されたこともあったけど。
けどよ、ザフトがNジャマーを落としてからバタバタ回りのナチュラルの
奴らが死んじまって、コーディネーターの俺が生き残ったってわけ。
その後俺はザフト軍に保護された。バカみたいに大切にしてた母子手帳が役立った。
俺の周りの奴らを殺したザフトに俺は保護され、こうして今も生きてるって分け。
あ、今も客は取ってるけど試して見る?」
なーんてな、と笑いながらジョーはタバコに火をつけた。
「解かったか?要するにハイネ隊ってのは、問題児。つまりプラントの常識を
しらないよな過去をもった奴らが集まってんだよ。」
ハイネはそう言った。
「・・・ハイネにもそう言う過去があるのか?」
「さぁな。俺は少なくとも言う気はない。」
ハイネはそう言って本題に戻った。
「さて、スティング達のことを話すぞ。」
408通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 19:02:33 ID:???
マユ種が読みたいな
409通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 19:13:48 ID:???
FP戦記を待ち続ける俺ハードゲイツ
410通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 20:33:22 ID:???
マユパルスとマユーダムどっちが強いか
411通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 20:37:58 ID:???
>410つ【凸ンド、ネオティニー】
412通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 20:40:40 ID:???
このスレは、インパルスからデスティニーの乗り換え劇がないんだよな。

あとマユデスティニーの、劇的デビューが見たい。
413通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 20:44:00 ID:???
>>410
設定を頭から無視してマユパルスの方が強そうに見える私がいる…
414通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 20:44:23 ID:???
>412 しのはら版はネオ持っていったしなぁ・・・
415通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 20:48:41 ID:???
乗り換え劇のある作品があってもいいよな

てか誰か書けw
乗り換えなしで良作になってる既存作品は別にそのままでいい
416通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 20:52:39 ID:???
議長に運命もらったとき兄と全く同じ顔で喜びそう
マユのキャラによっては違うかもしれんけど
417通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 20:53:45 ID:???
>415 おまいはしのはら版をどう思う?
418通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 20:57:10 ID:???
しのはら読んでないからシラネ
419通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 21:00:25 ID:???
>418 大胆発言だなw
420通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 21:02:22 ID:???
しのはら版はキャラ変わりすぎだからなァ……いや、それがイイってのは確かなんだがw
421通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 21:04:08 ID:???
あんまりオリジナル色が強いと読みづらいっていうのはあるな
別物と考えて読むのが良し
面白ければ
422通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 21:06:21 ID:???
>420 凄まじいまでの四馬鹿への憎悪が感じられる(汗
423通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 21:12:10 ID:???
クルマを買い換えました!て感じの「乗換え話」ならイラナイお。
1th(シャア)とかZやWのだと話が上手く乗換えさせてたけど。
424通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 21:14:27 ID:???
>423 そういや、しのはら凸って何から伝説に乗り換えたんだっけ?
425通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 21:17:28 ID:???
>>412
つか、まだ皆さんそこまで連載進んでませんから・・・
中には運命じゃなくてストフリに乗り換えそうな作品もあるし
426通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 22:04:39 ID:???
>>418
まあ自分に合わない作品はスルーするのはいいことだよ、あえて文句言って雰囲気悪くする事も無いからな。
だがスルーしたことは言わんでもええよ、荒れる元になるかも知れんから。
427通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 22:12:43 ID:???
>>426
あんたって人は
428通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 22:12:59 ID:???
4馬鹿の動かし方は難しいんだよな〜
本編のまんま動かすと、もれなくテロリストになって嫁補正もないから悲惨な死に方しかしないし
かといってオリジナルで動かすと4馬鹿じゃ無い気がするし……
俺の腕が無いだけか……orz
429通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 22:14:34 ID:???
本編大事にするなら、「善意の無能者」ってスタンスが良いと思う>4馬鹿
なんか妙なマンセーや、都合の良い展開がありすぎるからいけないんだ
430通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 22:27:53 ID:???
遅いかもしれんが、デスティニーにはシンというイメージがある。
まさに車乗り換えましただったorz
431通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 22:31:59 ID:???
>>430
シンのキャラデザにあわせてスマートな感じにしたとも聞くし
何より血の涙がそれっぽい

色はともかく顔がどうもマユには似合わないんだよな
マユティニーにしたいんだが
432通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 22:42:45 ID:???
>>431
マユデスティニーは、通常のガンダム顔を読み手にイメージして貰う。
あのピエロ顔はシンの載る新型の機体にあの顔を当てるとか。
433通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 22:49:10 ID:???
そのあたりは書き手の工夫だな
イメージしづらいほどに飛躍しなきゃ、ちょっと弄るくらい構わんと思う
すでに前例あるし
434通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 22:50:45 ID:???
今、頭だけだがシンの載る新型の機体(避難所参照)を
改造で作っているところだ。

ヘルメットはストフリで顔はデスティニー(一部加工)にしたが、
個人的にはいい感じだと思う。
材料と資金が足りないんで、完成は何時になるか判らんが、
出来たらデジカメに撮って貼ってみようと思う。

マユデスティニーはHGデスティニーが出たら作ってみる。
多分、元のデスティニーの原型を留めなくなるかもしれんが。
435通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 22:53:45 ID:???
>>432
場合によっては「泣かなくても良いんだよ」と、あの血涙を消すシーンがあっても
436通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 22:57:24 ID:???
>>434
おまえカコイイ
437通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 23:00:55 ID:???
>435 しのはら最終回思い出した
438『運命の舞踏』 序章:2005/10/08(土) 23:03:03 ID:???
154でする、序章が完成したので投下しまっす
439序章 1:2005/10/08(土) 23:04:53 ID:???
コズミックイラ71 6月 15日
―オーブ首長連邦国 オノゴロ島―


頭上を無数のMSが飛び交う乱戦模様の中、オーブを脱出する避難船に向かって走る一組の家族。
母親に手を引かれながらも走る速さに追いつけず、少女はつまづき転んでしまう。
その拍子に、彼女のポシェットから転がり出た携帯電話。それは彼女にとって、大切な大切な宝物。
取りに行くとごねる少女を制して、代わりに彼女の兄が斜面を滑り降りていく。
その様子を上から心配そうに見つめていた少女は、自分の携帯を手にして戻ってきた兄へ礼を言いながら、引き上げようとして手を伸ばし

た。
その時。ごく至近の上空を白い、巨大なシルエットが駆け抜けた。
ごう、と吹き荒れた熱い大気に悲鳴を上げ、少女は目を閉じる。
次の瞬間、瞼を貫くほどの暴力的な光が生じ、視界を白く焼く。続いて襲ってきた激しい衝撃に、彼女の意識は途切れた。


…そして、後に意識を取り戻した時、彼女はその光景を目にすることになる。

無残にえぐられた故郷の地面。なぎ倒され、未だくすぶり燃え続ける木々。ほうぼうから立ち上る黒煙によって汚された空。
山肌に叩きつけられ、壊れた人形のようにへしゃげて動かない両親の姿。
朦朧とした意識のまま、周囲へ向けていた虚ろな視線を己の足元へ落とすと
そこには、片手しか残らない兄の姿と、その手に握り締められた携帯があった。

未だMS同士の戦闘が繰り返される空に、少女の号泣が響き、轟音にかき消された。


後に、地球と宇宙の間で繰り広げられた戦争は、第二次ヤキンドゥーエ攻防戦をもって終結した。
戦争の中で疲弊した人類は、これでようやく平和が訪れると信じていた。…信じるように、願っていた。
しかし、世界の闇に住まう者たちは違っていた。彼らの中では、戦争はまだ続いていたのだ。

440序章 2:2005/10/08(土) 23:05:40 ID:???
コズミックイラ73 
大西洋連邦を中心とした地球連合軍は、前大戦によって傾いた体制を恐るべき速さで立て直しつつあった。
その威勢の裏には、前世紀より利害と陰謀によって織り成される戦争の絵図…それを描く者たちがいた。
月面に新たに建設されたアルザッヘル基地。そこには新型のMS、そしてそれらよりも巨大なMAが隊列を組んでいた。
まるで主の命を待つ騎士達のように、整然と立ち並ぶ鋼の軍勢を見下ろしながら、かの男は笑みを浮かべていた。
「今度こそ、彼奴らを屈服させてみせよう。その準備は整った。」


―L−4 新造プラント アーモリーワン―
時を経て、プラントへと渡った少女は、ザフト軍に入隊する道を選んだ。
彼女が所属することになった、新型戦艦ミネルバの進水式を間近に控えた日、彼女は出会う。

「お姉ちゃん、ステラっていうんだね!あたしマユ。マユ・アスカ!」
「私はステラ・ルーシェ…あなたは、マユね。」
にっこり笑顔を見せるマユへ、金髪の娘もつられたように微笑む。

「ラクスさんの曲って全部好きなんです、あたし。落ち着くし、それになんだか元気が出るから」
「…そうだね、僕も思うよ。彼女の歌なら、世界全てを癒すことも出来るんじゃないかって…」
店先で隣り合わせた青年の言葉に、マユは顔を上げて彼の横顔を見た。その紫暗の瞳に映る深い哀しみの色に、彼女は息を呑んだ。


そして、式典間際に起きた不明勢力による襲撃。ザフト新型MS強奪事件より、運命の歯車は突然、急速に再動する。
強奪された機体の追撃任務に就くミネルバ…だがその最中、もう一つの事件が起きる。

「これが『グレムリン』…僕らに大儀を授けてくれる妖精さ」
強奪事件の騒動に隠れて、ある者が持ち込んだ一枚のディスク。それが、より凄惨な悲劇の扉を開く鍵だった。
441序章 3:2005/10/08(土) 23:06:24 ID:???
ザフト軍所属の人型兵器が、地球から上がってくる多くの船を再び大気圏へと墜としていく。
その惨劇を止めるべく向かうミネルバ。そこでマユは、運命の再会を果たす。
自分と敵機の間に割って入ってきた黒いガンダムから伝わってきたのは、二度と聞けないと思っていた声だった。
「無事か!? ザフトのパイロット!!」
「ぇ……う、うそ…その声、お兄ちゃん!?」


ザフトが試験的に開発した新たな戦闘システムの暴走により、生まれた悲劇。
マユたちの必死な奮闘も空しく、多くの地上民間人の犠牲が出てしまう。


「これで大手を振って戦争を再開できる。 今度こそ連中を我々の家畜にしてくれよう!」
巨大モニターに映し出される凄惨な映像を前に、男は立ち上がり、勝ち誇るように両手を広げた。


後に『セレネの悪夢』と語られるこの事件。 これを境に地球、プラント間に再び戦渦が巻き起こる。
人々はまた、それぞれの意思を胸に戦いの渦中へと赴いていく。
442序章 4:2005/10/08(土) 23:07:26 ID:???
家族、友人、隣人…多くの人が眠る慰霊碑の前で、マユは涙滲む瞳でカガリを見つめる。
「あたし…この国がやっぱり好きなんです。お願いです。もうあたしのような思いをする人を、オーブに作らないでください。」

アレックスと名乗っていた彼は戦争早期終結のため…親しき者を襲った悲劇の真実を見極めるために、再びプラントへ戻る。
「…俺はザフトに復隊する。この力を、戦争の早期終結に役立てたい。そしてあの人の真意を確かめる」

オーブの代表であるカガリ。彼女もまた、国を守る為に戦いを始める。
以前の自分とは違う戦い方で。
「スカンジナビア、赤道連合らと連携を取る。…大西洋連邦の思い通りにはさせない。我々に、この愚かな争いに参加する意思はない!」

傷を背負い、過去を失い、それでも駒として利用され戦った男。
記憶を取り戻した時、彼はいち早く真実を知り、真の敵へと戦いを挑む。
「わりぃ…俺まだ、お前のとこへ帰れないよ。止めなきゃいけない奴がいるんだ」

惨劇の記憶を自ら封印した少年。妹と敵対する位置に立つ彼もまた、己を探しながら戦い続ける。
「どいてくれ!俺は行かなきゃいけないんだ!!」

ロゴスの盟主を前に、青年は淡々と語る。紫の瞳に、暗い憎悪の炎を揺らめかせながら。
「彼は僕から大切な者を奪いました。僕は彼と彼に従うものが許せません。でも僕は奪いはしません…与えます、死と絶望を。」

憎しみのままに、全てを薙ぎ払う彼へ少女は立ち向かう…仲間を、愛する地を守る為に。
「ケイは間違ってる!そんな事したってあの人は喜んだりしないよ!絶対に!!」

大切な人を失いながらも、新たに得た絆を守る為に戦う少女。
最愛の人を奪われ、復讐のために戦乱を巻き起こす青年。
二人の運命が今、交錯する。


 『運命の舞踏』


憎しみの連鎖、断ち切れ!ディスティニー!
443『運命の舞踏』 序章:2005/10/08(土) 23:11:11 ID:???
以上で 序章終了です
本編第一話はただいま製作中、もうしばらくお待ちを

しのはらさんのラクス、ぶっ飛んでて素敵過ぎますw

>運命の舞踏作者さま
楽しみにしています。


なんか明日は書き込みできなさそうなので再び投下、スマソ。
445通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 23:18:58 ID:???
>>439-443
新作期待しております。

シン冒頭で死亡ですか? 本当に死んだのなら当スレでは初めてかも。
446445:2005/10/08(土) 23:21:43 ID:???
訂正 >>442 読んだら、シンの件勘違いでした。
447通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 23:23:58 ID:???
今度は隻腕がシンかw
ラクスとキラが初めから離れ離れなのか?
448通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 23:26:32 ID:???
新作ですなワクテカ

このスレで一番ハジケてる作品って何?
「僕は連合に返したほうが良いと思う。」
まっさきにキースが言う。
「モルモットにされるくらいなら戦う方がずっといいと思う。
現に元モルモットが言ってるわけだし。」
しかし、レイがそれに反論する。
「その件なら俺がギルに話をつけます。よほど酷い事はされないでしょう。」
「そんな保障、どこにもないよ。」
「ギルなら大丈夫です。」
「ふっ。流石議長マンセーはお稚児さんのお家芸だな。」
「?!」
レイとキースの争いはヒートアップしていく。
「・・やっぱり、俺はプラントにやった方が良いと思う。」
ハイネが呟く。
「それなら俺とアスランのフェイス権限が多少きくし、少しつらいかもしれないが
少なくとも戦って死ぬ事はない。」
淡々とひたすら話す。
「だから、少なくとも生き延びることを考えるならプラントに返そうと思う。
・・・・・・いいな?キース。」
「っ?!」
隊長であり、心酔しているハイネにそう言われて口を閉じるキース。
しかし、本人はまだ納得してないようだ。それはマユも同じだった。
確かに、それなら生き延びることは可能だがそれはあくまでモノとしてだ。
人として生きている事にはならない。
しかし、皆ハイネのペースに飲まれてこのままだとプラントに送る方向に向かうだろう。
経験の浅い自分ではこの場の雰囲気を変えることは無理だとマユは悟った。
マユは決心した。今夜のうちにステラ達を帰そうと。
450通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 23:30:51 ID:???
>>448
間違いなくしのはらw
451通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 23:33:09 ID:???
>450 色んなところがハジケてるが、挙げてみてくれ
452通常の名無しさんの3倍:2005/10/08(土) 23:36:21 ID:???
>450 ぶっとんでるが、最後は泣ける

そしてキャラがヤバい(色んな意味で)
453『運命の舞踏』:2005/10/09(日) 07:29:47 ID:???
投下した後気がついた…最後の方、ロゴスじゃなくてブルーコスモスだった orz
まとめ人様、修正お願いします
454しのはら:2005/10/09(日) 10:15:05 ID:???
第三話投下します

>新職人様 一緒に頑張っていきましょう
455マユ戦記特別編 「歌姫の復讐」:2005/10/09(日) 10:26:25 ID:???
ギルバート・デュランダルは議長室で逐一入ってくる情報を黙って聞き、冷淡な口調で指示を出していた。

「核攻撃隊を最優先で狙ってくれ。エターナルはこの際仕方ない。スタンピーダーは最後の手段だ」

電話を置き、デュランダルはミーアを見やる。
ミーアは気まずそうに顔を背けた。

「何、気にする必要はないよミーア」
「・・・でも」

デュランダルは苦笑する。

「君は素直でいい子だね。やはり、下を知る人間は違うよ」

最高の環境、最高の生活を送ってきたラクス・クラインは自らを神と考えているらしい。
タチの悪いことに、ラクスは妙なカリスマ性と財力を有し、それを利用して巨大なテロリスト集団を結成したのだ。

「なんとしても、彼らを止めなければ」
ミーアは強く頷いた。

「はい!」
456253:2005/10/09(日) 10:28:13 ID:BoOm2SQ6
>>448
キャラ・シナリオならしのはら版。
(落とし所も絶妙)
設定ならほのぼの。
(肩肘張らずに読めるのが魅力)
主役の性格面でなら影の少女。
(「戦争と人間の暗部」を表現していて、良い)
ですね。ちなみに私は隻腕マユがイチオシです。
王道であるがゆえに安心できる内容がイイ。ぶっ飛んでるの読み続けるのって
キムチラーメン続けて食べるようできつい
457マユ戦記特別編 「歌姫の復讐」:2005/10/09(日) 10:36:29 ID:???
「なんでラクスの邪魔をするの?」

フリーダムの攻撃は正確を極め、マユはギリギリの戦いを強いられた。

「邪魔しないほうがおかしいよ!」

放たれたレールガンをミサイルで迎撃し、ケルベロスを放つ。
火力だけなら、フリーダムよりブラストインパルスの方が上だ。

「ラクスは、みんなの意志を背負って戦っているんだ。君は、君はそれを・・・」

構わずマユは攻撃する。

「意志って何なの?話し合えばいいじゃない!」

ブラストのオールウエポンアタック。

「核ミサイル持ってきて、何が世界の意志だよ!」

世界の意志を語れるのは、戦場に散った無名兵士だけだ。

「でも・・・」
「でも何!?言ってみてよ!」

フリーダムをインパルスは攻める。アレックスから学んだ、「話術で相手を動揺→攻撃」の応用だ。

「ラクスは悲しんでるんだ!こんな世界が嫌で」
「・・・頭大丈夫?」
458マユ戦記特別編 「歌姫の復讐」:2005/10/09(日) 10:50:06 ID:???
プラント第二防衛ラインを突破したメビウス隊は、アブリリウスに向け躊躇なく核ミサイルを放った。

「さあ行け!今度こそ、青き清浄なる・・・」
「さて、オペを始めようか」

メビウス隊の直上から奇襲するジン・ハイマニューバ隊。

「ミハイル隊長、核ミサイルが発射されました!」
「腫瘍が勝手に切除されてしまったか。興味深い」

先頭のメビウスを切り裂き、次々に撃墜するハイマニューバ。

「オペは久々だが、腕は衰えていないようだ。まあ、当然のことだが・・・」
「隊長・・・勘弁してくださいよ」
「気にするな、保険会社には連絡してある」
「意味違うような・・・」

プラント最終防衛ラインに展開したナスカ級から、光が放たれる。
光は核ミサイルを飲み込み、メビウス隊をも消滅させた。

「さて、オペは終わりだ。本日休診」
「・・・ドクター」
459しのはら:2005/10/09(日) 10:51:09 ID:???
投下終了です

今回はお医者さんなど出してみますた

ではノシ
460しのはら:2005/10/09(日) 10:57:50 ID:fDIIm+us
>457 マユ「何がみんなの意志だよ!」でしたorz
461まとめ人 ◆rw1maYUY1g :2005/10/09(日) 11:11:37 ID:???
>>460 修正点はこれでいいのでしょうか?
(誤)「核ミサイル持ってきて、何が世界の意志だよ!」
(正)「核ミサイル持ってきて、何がみんなの意志だよ!」


462しのはら:2005/10/09(日) 11:13:50 ID:???
>461 はいorz 下の「世界の意志を語れるのは」を「みんなの意志を語れるのは」に修正願います

スマソ
463通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 14:20:43 ID:???
「頭大丈夫?」……本編見た人全員がラクシズに対して思った事を代弁してますな。

>ほのぼのマユデス作者様
返事が遅れてすいません。前に顔出したときに言っておけばよかったですね。
では、有難くハイネ隊を使わせて頂きます。出番はもう少し先になりますが……。
多くの設定を流用させてもらうつもりですが、しかし描けない部分も多いかと思います。
綿密な設定あるのに申し訳ないです。

あと、ウチのメンツをネタに使いたいのでしたら、ご自由にどうぞ。もう好きに弄ってもらって構いませんw


>他職人の皆様
一週遅れで最終回見ました。た、たしかにアレは、ダメージでかすぎる……
めげずに頑張っていきましょう。


では、続きから。
ユニウスセブン落下事件の後、オーブにはミネルバとファントムペインが同時に入港するという異常事態。
まさに戦争が始まらんという緊張下の情勢から、です。

465隻腕第八話(1/21):2005/10/09(日) 15:44:36 ID:???
――宇宙に浮かぶ、無数の影。
円錐を2つ繋ぎ合わせたソレは、天秤型と呼ばれるコロニーの群れ。
ドーナツ型のミラーを伴い、整然と並んで回転するその姿は、どこか幾何学的な美しさを感じさせる。
いわゆる、『プラント』と呼ばれる、コーディネーターたちの宇宙国家である。

その、プラントは――揺れていた。
ここ半月ほどの間に連続して起こった、数々の事件に。

ザフトの新型戦艦の進宙式――の直前に起こった、アーモリーワン襲撃事件。
奪われた3機の最新鋭MS。正体不明の敵『ボギーワン』。
どさくさにまぎれ、議長まで巻き込まれたボギーワン追撃戦。
ザラ派過激派残党による、連続宇宙港襲撃事件。
そしてそのテロリストたちの本命、ユニウスセブン落下作戦。
オーブ軍とザフト軍の共同作戦による、ユニウスセブン破砕。
その後の地球の被害。敵意をむき出しにする地球連合。

これらの、一連の動きを受け……プラントもまた、戦争開始に世論が傾きつつあった。
元々、プラントには潜在的にザラ派の強硬路線を支持する層が存在する。
前の大戦末期、パトリック・ザラの暴走によって、一時期その勢力は減じてはいたのだが……
この緊迫した情勢下、再び彼らの強気姿勢が望まれるようになっていた。



……ザフト軍の中でも、話題は間近に迫った戦争の話ばかりだった。
ザフト側はまだ揺れていても、連合側の好戦的な態度は疑いようもない。

「……ミネルバはギリギリで回避したらしいな」「しかしオーブは連合につくとか」「いやまだ分からんぞ」
「ザクの増産が決定されたよ」「連合側も新型機を開発……」「オレンジショルダーが地球に降りるってマジ?」

そんな、雑然とした噂を思い思いにする兵士たちの間を、苛立ちも隠さず乱暴な足音で歩く男が1人。
切り揃えられた銀髪。吊り上がった目。純白の制服は、指揮官クラスの地位の証。

「……まったく、どいつもこいつもッ! そんなに戦争が待ち遠しいのかッ!」
「そーとも限んないんじゃない? みんな不安なのさ」

後について歩くのは、浅黒い肌の青年。一般兵扱いの緑の服でありながら、馴れ馴れしい態度。
そう――ヤキンの英雄として広く知られた2人、イザーク・ジュールと、ディアッカ・エルスマン。
赤服の女エース、シホ・ハーネンフースと3人で、基地を歩きながら激しく言葉を交わす。
466隻腕第八話(2/21):2005/10/09(日) 15:46:41 ID:???

「大体だ! 今の状態で戦争始めて、勝てるとでも思ってるのか!?」
「それは……厳しいですね。もう少し地球上に味方を増やさないことには……」
「前の戦争で広げた勢力範囲、全部チャラになっちまったもんなァ」
「先の戦いでは、Nジャマーの投下で奇襲ができた。MSの力で、優位に立つこともできた。
 しかし今はどうだ!? Nジャマーにも皆慣れた。ナチュラル用のMSもできてしまった。
 以前のようなアドバンテージは、ないんだぞ!?」

イザークは吼え、シホは真剣に考え込み、ディアッカは肩をすくめる。

「でもさぁ、そういうの考えるの、オレたちの仕事じゃないんじゃない?」
「ああそうだ。その通りだ。だから、怒ってるんだよ!
 議長は何をしておいでなんだ! これだけの状況下で、『何もしない』のはそれだけで罪だッ!」



その――議長は。
ギルバート・デュランダル評議会議長は。
罵声飛び交う評議会の場から逃げ出して、執務室でようやく一息ついているところだった。
椅子に深々と沈み込み、深い息をつく。

「……やはり、このままでは無理か……。もう少し、時間が欲しかったのだが」

目の前のチェス盤を見るともなく見ながら、一人考えを巡らす。
今は穏健派の議員であり議長である彼だが、しかし本職は遺伝子工学の専門家。
元々、コーディネーターの優位性を説くパトリック・ザラの下で、出生率低下問題に取り組んでいた人物である。
結局彼はその難問を解決できず、またパトリックの暴走と破綻を見て、穏健派に転じたわけだが……

時に裏切り者と罵られ、時にコウモリと揶揄され、時に定見がないと批判されても。
いや、だからこそ――彼は、本能的に最善の選択肢を嗅ぎ分ける能力については、一流なのだった。
理性的な外見によらず、ある意味、理屈よりも直感に頼るタイプの人間だった。

「敵を分断する策もある。建造中のアレが完成すれば、一気に逆転することも……。
 だが、まずは今の状況だ。まずは緒戦を凌げなければどうにもならん。
 ……やはり、穏健派・好戦派の枠を越え、プラントを1つにまとめる『看板』が必要だな――」

議長は手元の4枚の写真を改めて眺める。
キラ・ヤマト。カガリ・ユラ・アスハ。アスラン・ザラ。そして、ラクス・クライン――
議長は、手元の受話器を取り上げ、どこかに通話する。

「……ああ、デュランダルだ。キング氏の提案を、承認することにした。
 できるだけ早く、ミーア・キャンベルを『使える』よう準備してくれ――」


      マユ ――隻腕の少女――

      第八話 『血に染まる海』
467隻腕第八話(3/21):2005/10/09(日) 15:47:41 ID:???

夕陽さす、行政府の建物に――カガリ・ユラ・アスハの怒鳴り声が響く。

「駄目だ、駄目だ、駄目だ!
 なんだその『条件』は! そんなもの、我が国が受け入れるとでも思っているのか!」
「自分に怒鳴られても困りますなァ。自分はただ、本国の意志をお伝えしただけで」

すさまじい剣幕のカガリに対して、飄々とした態度を崩さぬ仮面の大佐。
その場に居並ぶ首長会議の面々も、みな渋い顔。
あのウナトも浮かない顔で考え込んでいて――なぜかユウナだけは、その席にいない。

つい先ほど、大騒ぎを起こしつつ入港してきた連合軍所属戦艦、J・P・ジョーンズ。
それが持ってきた『重要な書簡』とは、例の『同盟』の締結に関する非公式な条件提示だった。
非公式と言っても「まだ一般には公開できない」というだけのことで、大西洋の真意であることに違いはない。
その、内容は……

「同盟締結と同時に、一個艦隊を派遣せよ、だと? それもご丁寧に、『フリーダム』をつけろなどと……」
「その代わり、資金援助も、オーブの軍事施設の使用も、オーブの技術協力も要求しません。
 恥ずかしながら我らの軍も、例のユニウスセブンでかなりの損害を受けましてなァ。
 金より基地より技術より、ともかくこの場をしのぐための補充部隊が欲しいらしく」
「そんな、そちらの事情など聞いてはいない! こちらの意思は聞く気すらないのか、お前らは!」
「ん〜、不満なら別に蹴っても良いんじゃぁないですか? ま、自分が言うべきことでもないでしょうが」
「貴様ッ……! どの口でそんな事をッ……!」

カガリの顔が、怒りに歪む。

「『同盟を拒まれた場合、最悪2年前のような事態になることも覚悟されたし』……。
 こんな露骨な脅迫をしておいて! 何が『断っても良い』だッ!」
「自分に怒鳴られましてもなァ。自分はただのメッセンジャー、その文章を考えたわけでもありませんから」
「……ッ! ぬけぬけとッ!」

カガリの怒りも、暖簾に腕押し。仮面の大佐は口笛でも吹きだしそうな態度で。
流石に見かねて、宰相ウナトが助け舟を出す。

「……ロアノーク大佐。この話、我らオーブの者だけで話し合い、考える時間を頂けまいか?」
「ん〜、まぁいいでしょ。コッチも簡単に答えを頂けるとも思ってませんしねェ」

ウナトのもっともな言い分に、あっさり引き下がるネオ。
交渉の場は一旦お開きということになり、みな散り散りに席を立ち、解散する。
窓の外には、今まさに水平線上に沈み行く太陽。

「……しかし、大西洋の大統領も舐めた態度を取ってくれるものだ。こんな使者をよこすとは」
「こんな使者、と言われますと?」

立ち去ろうとするネオをジト目で睨むカガリ。相変わらず飄々とした態度のネオ。
その態度に、再度カガリは怒りを爆発させる。
468隻腕第八話(4/21):2005/10/09(日) 15:48:42 ID:???
「その仮面だ! 重要な使者が素顔も晒さないとは、バカにしてるのか、お前らは!」
「ああ、これでありますか。恥ずかしながら、前の大戦で顔にひどい傷跡を負いまして」
「……中途半端に顔隠されるとな、余計似てる気がしてきてムカつくんだよ」
「似てる、と申しますと?」
「……昔の知り合いだよ。声も態度も顔の輪郭も、そっくりだッ。
 もっとも……ソイツはお前ほど性格悪くはなかったがな!」

吐き捨てるように言い放つと、カガリは部屋を出て行く。
残されたネオは――口元だけを歪めて笑うと、小さく呟く。

「――存じておりますとも、お嬢ちゃん♪ ソイツのことは、よ〜く、ね♪」



水平線に、太陽が沈む中――
行政府に姿の見えなかったユウナは、天を指すマスドライバーの基部、宇宙港にいた。
一人の男を、見送りに。

「……すまんね、カガリでなくて。彼女も間に合えば来たかっただろうが」
「いや、構わない。俺だってカガリの置かれた立場は分かってるさ」

シャトルに乗り込まんとしているのは、アレックス・ディノ。
カガリ・ユラ・アスハの個人秘書の1人にして、ボディガードの1人……ということになっている青年。
相変わらず、似合わぬ大振りなサングラスと、似合わぬ髭に顔を隠している。

「事態は、悪い方向に進んでいる。今日の件もそうだし、この先もだろう。
 ひょっとしたら……キミがプラントに到着する頃には、さらに悪くなっているかもしれない」
「ああ……」
「しかし、それでも……最悪の事態だけは避けたいのだよ。カガリのために」
「……そして、セイラン家のために、だろ」

大袈裟に語るユウナに対し、アレックスの反応は鈍い。どこか冷たい目で、どこか投げやりに、しかし。
隠し切れない敵対心を、ユウナに滲ませて。

「…………」
「まあいいさ。俺だってカガリの悲しむ顔は見たくない。
 今のオーブにとって、俺の『存在』は数少ないプラントに対するカードだしな」
「…………」
「心配しなくても、俺は俺の務めを果たしてくる。カガリのために、カガリの愛したこの国のために。
 言いたいことも山ほどあるだろうが……俺が何をしようとも、信じて、待っててくれ。
 だから……後のことは、頼んだぞ。ユウナ・ロマ・セイラン」

アレックスは言い残すと、シャトルに乗り込む。
シャトルはやがてマスドライバーのレールの上を走り出し、煙の尾を引いて天に昇っていく。
見上げるユウナは……自嘲気味に、つぶやく。陽は沈み、完全にシルエットだけの横顔で。

「……男の嫉妬って奴ァ、手に負えないねェ。果たして本当に冷静なのか、心配だヨ。
 ボクも、そしてカレもさ――」
469隻腕第八話(5/21):2005/10/09(日) 15:49:53 ID:???

陽が、沈む。あたりがゆっくりと闇に包まれていく。
オーブの港に停泊するミネルバの中で、どこかと通信をしていたタリアは、溜息と共に通話機を置く。
副長が、恐る恐る彼女の様子を伺う。

「……ふう。仕方ないのは、分かるけど……ね」
「艦長? どうしました?」
「……アーサー、全艦に通達。本艦は明日オーブを出発し、カーペンタリアに向かう、と」
「えぇぇぇ!? も、もう出るんですか!? まだ修理は済んで……」
「装甲の傷はまだ残るけど、他は問題ないわ。こうなってしまった以上、これ以上留まるのは危険よ。
 オーブ政府も露骨に嫌がってるし、ダラダラして良いことはないわ」
「確かに、そうですが……」
「何かあるの?」
「あの〜、その、自分はまだ上陸してないもので……オーブ観光したかったなー、とか……」
「アーサーッ!」

事態の重大さを理解してない副官の言葉に、思わずタリアの語調も荒くなる。

「そんな状況じゃないでしょ! いい加減立場を理解なさい!
 大体あなた……ウチの『狂犬』がこれ以上我慢できると思ってて?」



「ねぇ、シン……?」
「ん?」
「今日のアレ、どこまで本気だったの?」
「冗談だよ、冗談。全部ジョーダン」
「うそ」
「嘘じゃないさ。あまりにアホらしくてやる気が失せた」
「やる気が失せた、って……やっぱやる気だったんじゃない」
「しつこいな、ルナは。なんでそんなに絡むんだよ」
「だって……シンってば、危なっかしいから」
「危なっかしい?」
「なんというか……死にたがってる、って言うか。自分なんてどーでもいい、って言うか……」
「…………」
「見てて不安になっちゃうのよ、あたしとしては。コイツちゃんと帰ってくる気あるのかなー、とか」
「……帰ってくる気のない奴が、こんなことすると思うか?」
「え、ちょっ、ま、また!?」
「悪いな。今日は『殺り損ねた』せいか――な。
 ま、ルナが魅力的だってせいもあるが」
「ちょ、待って、そんなのズルい、うンッ……」
「………………」
「…………」
「……」
470隻腕第八話(6/21):2005/10/09(日) 15:51:04 ID:???

深夜。
ユウナ・ロマ・セイランは――多くの書類を前に、自室で頭を抱えていた。
突き付けられた条件。現在の世界情勢。既に同盟参加を表明している国々。
――事態は既に、ユウナの当初の予測を上回るスピードで進行していた。

「カガリの決断の遅さは、覚悟はしていたけれども――
 連合だよ……連合の動きが、早すぎる。こっちから見ても、上手い。
 あっちにとっても計算外の要素は多かったハズなんだけどねェ……」

再び、J・P・ジョーンズの持ってきた『同盟参加の際の条件』を手に取る。
要求される派遣部隊の規模を、計算する。手元のノートパソコンに現状のオーブ軍データが出る。

「……全く、絶妙なバランスじゃないか。コッチの出せる限界をしっかり分かってる。
 ただ、人選が問題だねェ。帰ってこれる保障はないし、オーブを直接守るための戦いでもない。
 どうやってメンバーを選ぶのか。そして、誰を指揮官に指名するのか。
 それに――もう1つの問題は」

フリーダム。画面に表示されたその機体は。
わざわざ連合側が名指しで要求した、たった1機のMS。『パイロット込みで』派遣を要求したMS。

「……元々、我が軍にとっても予想外だったからねェ。急にいなくなっても、国土防衛計画には支障はない。
 支障はない、のだけど……」

考え込むユウナの脳裏に、これまでのフリーダムの活躍がよぎる。
想定外の危機の中、さらに想定を上回る活躍でオーブを救ってくれた蒼い翼の天使。
アッシュの襲撃の時も。ユニウスセブン破砕作業の時も。ミネルバと連合艦の緊張の際も。
そして――それを駆る、小さな女の子の笑顔。
喜怒哀楽をはっきり示し、誰とでもすぐに打ち解け、誰からも好かれる素直な女の子。

果たして、フリーダムを、彼女を、人身御供のように連合に差し出してよいものだろうか――

――じっと考え込んでいたユウナは、ふと気配を感じて後ろを振り返る。
そこにいたのは、他ならぬ、マユ・アスカ・セイラン。
戸口に立って、じっとユウナを見つめて。どこか、思いつめたような表情で。

「なあんだ、誰かと思ったらキミか、マイ・スゥィート・シスター。
 こんな時間に珍しいねェ。もっともマユの訪問ならいつでも大歓迎だヨ。
 眠れないのかな? ひょっとして、愛しのお兄様に添い寝して欲しい、とか?」
「…………」
「……ん〜、せめてツッコんで欲しいとこなんだけどな、ここは。あんまり冷たいとお兄ちゃんスネちゃうぞ?」
「…………」
471隻腕第八話(7/21):2005/10/09(日) 15:52:04 ID:???

おどけて見せるユウナの態度にも、マユの表情は硬いままで。
何かを決意したような表情で、静かに口を開く。

「ユウナ――あたし、聞いたよ。連合の言ってきた、『条件』のこと」
「――――!!」

マユの言葉に、ユウナの顔がこわばる。
まだこの件は、マユには話していないのに。本決まりになるまで伏せておくはずだったのに。
彼の脳裏に、1人の人物の顔が浮かぶ。こんなことをしそうな人は、他にはいない。

「――父上か。全くあの人は勝手なんだから。
 ねぇマユ、何を聞かされたのかは知らないけれど――」
「あたしが――フリーダムが戦争に行かないと、オーブが大変なことになるんだよね?」
「それは――」
「なら」

なんとか誤魔化そうとするユウナの目を、マユはまっすぐ見据えて。
強い意志を、その目に宿して。

「あたしは、いいよ。あたしでいいなら、行くよ。
 ……ううん、あたしを――フリーダムを、行かせて。オーブを、守るために」



――窓の外の空には、煌々と照る月。
マユの去った後、1人残されたユウナは、しばらく黙り込んでいた。
机に両肘をつき、顔を伏せて深く深く考え込む。

最初は、利用するつもりで拾い上げた。
最初は、ただの駒としてしか見ていなかった。
最初は、その戦闘力と話題性以外、何も必要とはしていなかった。
けれど――この短い時間のうちに、マユの存在はそれらの思惑を遥かに超えて――

――ゆっくりと、ユウナは顔を上げる。
そこには、彼には珍しい強い決意が張り詰めて――。

「マユ――わかったよ、キミの決意は。キミの想いは。
 このボク、ユウナ・ロマ・セイランも、今、覚悟を決めよう――」
472隻腕第八話(8/21):2005/10/09(日) 15:53:23 ID:???
翌朝。
出港の準備を進めるミネルバ。
その傍らで、艦長タリア・グラディスと、見送りのカガリ・ユラ・アスハが言葉を交わしていた。

「すまないな――追い出すような格好になってしまって」
「いえ、代表のせいだとは思っておりませんわ。
 むしろこちらこそ、我々の存在が余計な火種になってしまって申し訳ありません」
「謝るのはこっちの方だ。私の力不足のせいで――」

タリアとカガリは、視線を交わす。
短い間ながら、生死を共にし同じ目的のために戦った同志。深い信頼ができていた。
2人とも、不幸な成り行きを嘆きつつも、まだ事態が好転する望みを捨ててはいない。
がっちりと握手を交わし、2人は別れる――


やがてゆっくりと、ミネルバが動き出す。
なおも留まるJ・P・ジョーンズが、それを見送る。
至近距離を、すれ違う2隻。

ミネルバのブリッジには、厳しい顔のタリア。
J・P・ジョーンズのブリッジには、歪んだ笑みのネオ。

ミネルバの甲板上には、3人のMSパイロット。シン、ルナマリア、レイ。
J・P・ジョーンズの上にも、3人のMSパイロット。
期せずして、どちらも若い男2人・若い女1人の組み合わせ。
双方は視線を交叉して――

「……やっぱりアイツらか」
「なに、彼らって確か……アーモリーワンでシンと……!」
「知ってるのか、2人とも?」
「ああ、まあな。俺とルナは、あっちの3人のうち2人とは、ちょっとした因縁があってな」
「……てか、嬉しそうな顔しないでよ、シン。ケンカしたくて堪らないって感じよ」

「ふぅん、あの時の。タダ者じゃあないとは思っちゃいたが」
「……スティング、知り合い?」
「知り合いっつーか、殴り合い? 少なくとも、仲良しじゃあないな」
「ホラ、アビスとか奪う前にさ。軽くモメたじゃん。ステラも覚えてない?」
「……覚えてない……」

6人6様の表情で、互いに互いを確認して。
6人は、お互いが見えなくなるまで、甲板に留まり互いの姿を追い続けた。


ミネルバはゆっくりと、港を出て行く。
カガリが、ユウナが、ウナトが、オーブ兵が、ネオが、スティングが、ステラが、アウルが。
それぞれに、その姿を見送る。
何隻ものオーブ軍艦が見送りのため、その後に随伴する――
473隻腕第八話(9/21):2005/10/09(日) 15:55:02 ID:???

晴れ渡った良い天気の下、1人の青年がオーブの街を歩いていた。落ち着いた雰囲気の青年、キラ・ヤマト。
彼は何やらメモを片手に高級住宅地を歩き、一軒の大きな家にたどり着く。
表札には――ニホン語の漢字で、『加藤』の文字。
深呼吸1つして、インターホンを押す。

『……はい、どなたでしょう?』
「あ、あの、こちらカトー教授のお宅でしょうか?
 僕は――以前ヘリオポリスのカレッジで教授のゼミにいた、キラ・ヤマトと申します」
『少々お待ち下さい』

マイク越しの短い会話の後、ガチャガチャと玄関の鍵が開く音がして。
中から顔を覗かせた人物に、キラは思わず驚く。

「はーい。キラ君、久しぶりねー」
「マリューさん! い、いや、マリア……さん。なんでこんなところに!?」
「本名でいいわよ」

笑顔でキラを迎えたのは、カトー教授ではなく、マリューと呼ばれた女性。
そう、かつてアークエンジェルの艦長を務めた人物であり……マユにマリアと呼ばれてた人物だ。

「たぶんきっと、キラ君と同じ用件よ。ようやく覚悟決めてくれたのね。
 さ、入って。これまでの経緯を説明するわ。まぁ何というか泥縄な状況なんだけど。
 キラ君が参加してくれるなら助かるわ〜」

キラはマリューに促されるままに、家の中に消え。
朝の住宅地には、再び静寂が訪れる。



外洋に向かう、ミネルバ。
随伴していたオーブ艦隊が、動きを止める。そろそろオーブ領海の境界線。
オーブ艦隊の上にMSが立ち並び、ミネルバを見送る。

「いやー、盛大な見送りですなァ。良い国です」
「呑気なものね、アーサー。あれは監視よ」

すっかりご満悦な副官に、艦長は深い溜息。

「監視、って……」
「わたしたちとあの連合艦が、決してトラブルを起こさないように。
 そして、出て行ったわたしたちが、決して戻ってこないように」
「そんな――」
「ま、カガリ代表の誠意は本物なのでしょうけれど。あの国にも現実的な人たちがいるってことね」
474隻腕第八話(10/21):2005/10/09(日) 15:56:30 ID:???

ミネルバは、横列をなして見送るオーブ艦隊から、離れてゆく。
行く手には水平線。その彼方、カーペンタリアのザフト軍基地を目指しての船旅の始まり――

と、その時。
オペレーターの1人が、あるニュースに気づいてタリアを見上げる。

「か、艦長! こ、これは……」
「何? どうしたの?」
『……ガガッ……が、未だ納得できる回答すら得られず、テロリストの摘発も進まぬ現プラント政権は……』

オペレーターは艦長の問いに答える代わりに、そのニュース映像をブリッジのモニターに映し出す。
それは――大西洋連邦大統領、ジョゼフ・コープランドの演説。
ついに来た、宣戦布告。とうとう始まる、戦争――

『よって地球連合各国は、本日午前0時を以って、武力によるこれの排除を行うことを通告しました――』
「午前0時って、えーと今お昼だから、だいたい12時間後ですか? なら、なんとかカーペンタリアには……」
「違うわよ! 今、グリニッジはちょうど地球の裏側だから……!」
「艦長! 本艦前方20に熱紋多数! 連合軍艦隊です!」
「!!!」

タリアがアーサーの勘違いを正すヒマもなく。
悲鳴のようなオペレーターの声が響く。
水平線上に、ポツポツと艦隊の姿が――!

「あの、ボギーワンの一味の仕業ね……! 完全に、先回りされたわ!」



「……良いタイミングだ。今、ちょうど大西洋時間で午前0時――思う存分撃ち込んでやれる」
「これだけの戦力、注ぎ込む必要があるのか疑問ですがね」

連邦軍艦隊の方でも、当然ミネルバの姿は捉えられていた。
20隻ほどの艦隊は、横一直線に大きく広がりながら包み込みにかかる。

「甘く見るなよ。あの万能戦艦、おそらく我ら艦隊の全艦と同程度のコストが注ぎ込まれているはずだ。
 速力、陽電子砲、MSの搭載、ラミネート装甲……。ロアノークの報告が正しければ、相当な強敵だ」
「しかし、ここは地上。やつらのメリットはその速度と陽電子砲のみ。あの大砲さえ封じれば……」
「ザムザザー、いつでも出れるようにしておけよ。ダガーLも、新型パック装備だ。
 ザフト自慢の新型戦艦……ここで潰して、やつらの士気を初っ端から削ぐ!」
475隻腕第八話(11/21):2005/10/09(日) 15:57:37 ID:???

「どうするんですか、トダカ一佐!」
「我らは……手出しできんッ」

この状況は、ミネルバを見送るオーブ艦隊でも捉えていた。
捉えてなお……領海の境界線近くに、横列に並んで停止し続ける。

「しかし、あれは地球を、わが国を守ってくれた恩人ですよ!?」
「たとえそうでも……命令は命令だ。このままなし崩しに、オーブまで当事者になるわけにはいかんッ!
 戦闘中の両軍の艦船を、我らの領内に入れるわけには……」

指揮官トダカは、下唇を噛む。
連合戦艦はゆるやかに弧を描きつつ接近し、目の前のミネルバを包み込む……。



「コンディションレッド発令! 全艦砲射撃準備!
 MSは全機発進用意! ザクは艦上で砲台代わりに。インパルスはフォースで空戦用意。
 敵艦隊の左翼を抜ける!」

ミネルバのブリッジで、タリアが気勢を飛ばし。

「ヨウラン、ガナーパックにエネルギーコード繋いで。有線で撃ちまくるわ!」
「予備のブレイズウィザード、ミサイル満載でいつでも使えるよう準備しておいてくれ。
 撃ち尽くした後、ウィザードごと換えた方が早い」

格納庫では、MSパイロットたちが戦闘準備を整え。

「俺はいつ出ればいい、メイリン? フォースってことは俺が斬り込むんだろ?」
「インパルスは少し待ってください。艦砲で進路確保しますから、その後に!」
「ちッ!」

専用カタパルトで、シンは出番待ちを強いられて苛立ち。

やがて……互いに手の届く距離に到達して。

「……敵空母上に、MS20! ダガーLのようですが……この装備は……!?」
「と、飛んだ!? 汎用の量産機が!?」

連合艦船から、次々と飛び立つMS部隊。
その背に背負われていたのは……折りたたみ式の、巨大な翼。
それは連合軍が初めて実戦に投入した、空戦用の量産ストライカーパック、ジェットストライカー……。

オーブ沖海上で、激しい戦闘が始まる。
476隻腕第八話(12/21):2005/10/09(日) 15:58:26 ID:???

……オノゴロ島の、とある浜辺で。
再開された戦争とはまるで対照的な、平和な空気の中。
のんびりと、砂浜を散歩する一団があった。
騒ぎながら波とじゃれあう子供たちと、その引率らしい、桃色の髪の娘。

「あー、あれ何ー?」
「光ってる! ピカピカ光ってる!」
「せんそーやってるの?」

その光に最初に気づいたのは、子供たちだった。
海の向こう、水平線上に、チラチラと光る閃光。爆発らしい赤い炎。
オーブ沖で交戦するミネルバと連合艦隊の戦いが、遥か遠くに見えているのだった。
艦船そのものは水平線に隠れており、上空の爆炎だけでは戦況が良く分からない。

「あれは……哀しい光です。喜んで見るようなものではありません」

桃色の髪の娘は、寂しげに呟き、海から目を背ける。
と、その拍子に思いもかけず……砂浜にいる、1人の人物と視線が合う。娘の顔が、こわばる。

「……みなさん、わたくしは少し用を思い出しました」
「用事〜?」
「みなさん、ちゃんとお屋敷に帰れますね? 先におうちに帰って頂けますか?」
「はーーい!」

娘の唐突な言葉にも、子供たちは従順で。
砂浜を騒ぎながら遠ざかる姿を見送ってから――娘は、ゆっくりと向き直る。

そこには、大きなバイザーで表情を隠した、スーツ姿の女性が1人、立っていた。

「いつもの使者の方とは、違うのですね。
 いらっしゃるのなら、あらかじめ言って下さればお茶でもお出ししましたのに」
「…………」
「けれども、何度お願いされても同じですわ。わたくしは、もう戦争には関わらぬと決めたのです」
「…………」
「そう、議長にはお伝え下さい。では」

桃色の髪の娘は、黙り込むスーツの女に静かに告げると、背を向ける。
そのまま、立ち去ろうとして……

「お待ち下さい、ラクス様」

女の声に振り返った娘は――見た。
彼女の手に握られた、小さな拳銃の銃口を。
477隻腕第八話(13/21):2005/10/09(日) 15:59:33 ID:???
「……ああ、なるほど。そういうことでしたか。
 やめて下さい、とお願いしても、きっと無駄なのでしょうね」

しかし、桃色の髪の少女には、あまり動揺もなく。
どこか寂しげな、どこか悟ったような笑顔で、さらに問いかける。

「……ではせめて、『何のため』かをお聞かせ頂けませんか?」
「…………」

女は何かを躊躇するように、しばし間を置き。
噛み締めるように、言葉を発する。それは――祈りの言葉。

「……ラクス様の、ためです。我らの愛した『ラクス・クライン』のために」
「ああ、」

女の呟きに、娘はため息をつくような声を上げ。
変わらぬ微笑のまま、諭すように――

「でもそれは、決してわたくしの……」

銃声。
彼女の言葉は、女の手から放たれた一発の弾丸に遮られ――
胸元から血を吹きながら、彼女の身体がゆっくりと砂浜に――

「……ッ!! 畜生ッ!」

横合いから、男の罵声が聞こえる。
砂浜を駆けてくるのは、片目の男。手足が1本ずつ義肢の男。
急に帰された子供たちに異変を察して駆け付けてきたが、しかし一歩間に合わず。
男は女に銃を向けるが、女は素早く身を翻してその場を走り去る。
一瞬、追いかけるかどうか迷った男だったが、舌打ち1つ残して倒れた娘に駆け寄る。

「おい、大丈夫か! しっかりしろ! おい!」
「……バルドフェルド、さん……」

娘の口元からは、一筋の血。
咳き込んだ拍子に、さらに血があふれる。肺を撃ち抜かれたのだ。白い砂浜に朱が広がる。

「あとは、よろしくお願いします、わね……」
「………ッ!!」

抱き上げられた娘の首が、ガクリと垂れて――
男は無人の浜で、声無き咆哮をあげる。
はるか遠く水平線上では、なおも戦闘の光がまたたいている――
478隻腕第八話(14/21):2005/10/09(日) 16:00:30 ID:???

海上では――激戦が続いていた。

「くそッ! なんだかんだ言ってコイツら、動きがイイ!」
「もうッ、逃げないでよッ!」

シンとルナマリアが叫ぶ。自然と愚痴っぽくなる。
ジェットストライカーを装備したダガーLの動きは、予想以上に素早く、数多く。
対艦戦を想定していたシンのインパルスも、急遽防空のために出されていたが、苦戦していた。

相手は、数が多いだけでなく……無理をする気がない。
ゆるやかな包囲を維持し、防御と回避を優先し、余裕のあるものだけが攻撃に転じる。
そのため、艦上から砲撃するルナマリアも、空中で多数を相手するシンも、倒されこそしないものの倒せない。
苦労して1機2機落としても、すぐに空母から補充が飛び立ち、三次元的な陣形を維持する。
そうして、ミネルバの動きを止めておいて――本命は、遠方からの艦砲射撃。
その命中精度は決して高くないが、威力は十分。幸いまだMSには直撃していないが、ミネルバの装甲が削られる。

「このままでは――ジリ貧だぞ」

ミサイル砲台の役目をし、全弾撃ち尽くしたブレイズの交換をしていたレイが、再び戦線復帰する。
彼が復帰したところで、しかしその状況はほとんど変わらない。
遠くから飛んできた、連合戦艦からの砲撃がミネルバに命中し、彼らの足場を揺らす。


「くッ! 被害状況は!?」
「右舷エンジン基部に被弾! エンジンはまだなんとか持ってますが……装甲がもう1層もありません!」

ブリッジでも、この絶望的な状況にあえいでいた。副官が悲鳴を上げる。

「なんでさっきから、損傷あるとこを正確に狙われてるんですか!? 偽装はしたのに!?」
「たぶんきっと――あの、ボギーワンの一味の仕業ね。こっちの艦の状態が、筒抜けになってる」

タリアはギリリと奥歯を噛み締める。
装甲も強固なこの艦だが――傷ついた部分に攻撃が重なれば、流石に持たない。
このままでは、いずれ自慢の足も潰される。そうなれば、囲みを突破することもできなくなる。
タリアは、決断する。

「――タンホイザー起動。陽電子砲で目の前の艦をMSごと吹き飛ばし、突破を図る!」


「ミネルバ、陽電子砲起動準備確認」
「来たか。ザムザ・ザー、発進せよ!」

――その様子を、察知した連合の空母では。
巨大な影がギラリと光って起動し、飛び出してくる――
479隻腕第八話(15/21):2005/10/09(日) 16:02:02 ID:???

それは――異形の存在だった。
ヤシガニのような体躯。大きな4本爪。耳のように張り出した突起。
体中に突き出した無数の砲塔。水上を滑るように疾走るその動き。
なにより――MSを大きく上回る、その巨体――

「なんだ、アレは?」
「巨大MA? 地上用の?」
「どうします、艦長!?」

動揺するミネルバ――しかし、それは相手を『脅威』と見てというより。
自ら陽電子砲の射線軸に飛び込んでくるその動きで。

「いまさら発射シークエンスは止められないわ! あのMAごと撃ち抜く!」
「は、はいッ!」
「タンホイザー……てーッ!!」


「敵艦、陽電子砲発射体勢確認」
「陽電子リフレクター展開準備」
「敵艦に向けリフレクション姿勢」

光を放ち始める、ミネルバ艦首のタンホイザーにもひるむことなく。
大型MAザムザ・ザーは、やや前傾した姿勢で突進する。
空中に展開していたMS隊は、少し引いてその後方に下がり。
ザムザ・ザーの突起が、淡い光の壁を展開し始めて――

轟音と共に、陽電子砲から放たれた光の槍が、ザムザザーに突き刺さる。
否――それは、ザムザ・ザーの直前に展開された光の壁に遮られて――

目も眩む閃光の後、そこにいたのは――無傷のザムザ・ザーと、無傷の連合軍――


「あれを防いだの!?」
「どっ、どどどうします艦長!?」

自分たちの最強武装を破られたミネルバは、動揺を隠せない。
そうこうしているうちに、再び連合軍の砲撃がミネルバを襲う。

「……シンに伝えて。あのMAを排除するように、と。艦の防衛よりも優先して」
「でも、それではミネルバが!」
「アレを倒せるか、その前にミネルバが沈められるか……これは、賭けよ。かなり分の悪い賭けだけど」

タリアの額に、脂汗が滲む――
480隻腕第八話(16/21):2005/10/09(日) 16:03:15 ID:???

その戦闘は、オーブ艦隊の方でも確認できていた。
多勢に無勢、雨のように砲撃を浴び、反撃はザムザ・ザーに止められ。
フォースシルエットを装備したインパルスが接近を試みるが、翼持つダガーLに進路を遮られる。

「このままじゃ……彼らが……!」
「しかし、我らは……」

心情的には、オーブの誰もがミネルバを見殺しにしたくはなかった。クサナギと共に奮戦した艦なのだ。
しかし一方で、こちらから手を出すわけにはいかないこの状況。
自国防衛を口実に介入するには、自軍を狙った先制攻撃か、領海内への侵犯を待たねばならない。
連合軍もミネルバも、それを分かってるのかオーブ領海には侵入しようとはしていない。
一定の距離を保ったまま、戦闘を続けている。

と――その時。
その空気を読んでか読まずか――1機のMSが、命令を待たずして勝手に飛び立つ。

「フリーダム!」「セイラン三尉、何を!?」

しかしフリーダムは制止を待たずに巨大空母タケミカヅチから飛び出し……
境界線ギリギリまで飛んでゆき、翼を広げる。腰のレールガンを、展開する。
そして――打ち落としたのは、2発のミサイル。
連合軍のダガーL、ジェットストライカーの翼下から放たれ、しかしミネルバを外して迷走してきたもの――

『独断で動いて申し訳ありません。ただ、許可を待っていたら間に合いそうになかったもので。
 本国の領域内に侵入しそうだったミサイル、無事撃墜しました』

マユの硬い声が、タケミカヅチのブリッジに響く。
一瞬呆然としていた艦隊指揮官たちは、ようやく我を取り戻す。

「何を勝手に! あんなのが本土に届くわけもないのだし、放っておけば良いものを……」
「――待て」

怒りを露にする部下を、艦隊司令のトダカ一佐が遮る。
なおもそのボーダーラインから下がる様子のないフリーダムの背中に、彼女の『思惑』を理解する。

「……なるほどな。確かに、『我が国の主権領域』に飛び込む『流れ弾』は排除せねばなるまい。
 艦隊を、領海ギリギリまで移動させろ。そして領海を侵す恐れのあるミサイル等を撃墜するように、と」
「ええッ!? は、はいッ!」

慌てて答える部下。他のオーブ艦にも連絡が飛ぶ。トダカは一人、フリーダムの背を見つつ、呟く。

「頼むぞミネルバ、我らの狙い、気づいてくれよ……!」
481隻腕第八話(17/21):2005/10/09(日) 16:04:01 ID:???

揺れるミネルバのブリッジの中――タリアたちも、オーブ艦隊の動きに気づく。
境界線から大分離れた位置に陣取っていた彼らが、急に近づいてくる――

「あわわ……連合と一緒にこっちを撃つ気でしょうか?」
「いや――違うわね」

悪いほうに想像を巡らす副官。しかし艦長は素早くオーブ艦隊の意図に勘付いて。

「……針路変更! オーブ領海に、近づいて!」
「ええ!?」
「ただし、間違っても領海侵犯はしないように。ギリギリよ、分かるわね!」

ミネルバとオーブ艦隊の距離が近づく。艦砲射撃の届く距離になっても、なお近づく――
そんなミネルバのブリッジに、通信が入る。

『こちらオーブ艦隊司令、トダカ一佐。ミネルバに警告する、貴艦は本国の領海に近づきつつある』
「こちらミネルバ艦長、タリア・グラディスです。分かっていますわ、境界線は越えません」
『分かっているなら良い。当方は、このまま貴艦の動きを監視させて頂く。
 万が一貴艦が侵入した場合、即座に攻撃を加えねばならない。分かってくれますな』
「ええ。覚悟しております。……お気遣い、感謝いたしますわ」
『……その一言は余計ですよ。では、ご武運を』

通信は切れ――艦長は安堵の溜息をつく。

「……そちらも最後の一言は余計よ、トダカ一佐」
「あの、今のはどういう……??」
「気づかない、アーサー? 連合軍からの砲撃が、減ってること」

そう――いつの間にか、ミネルバを揺るがす砲撃は減り、ダガーL隊も困惑したようにホバリングするだけで。
例のザムザ・ザーも、その砲を撃つことができず、水面上に浮かんだままだ。

「これだけ近づいてしまえば、連合だって迂闊に撃てないわ。
 もし流れ弾がオーブ艦隊に当たりでもしたら、大事ですからね。
 ――それを分かってて、トダカ一佐たちは身体を張ってくれたのよ」

訓練された兵士は、敵を包囲する際、決して自分の射線が他の仲間に重ならぬよう、気をつけるという。
文字通り綺麗に「ぐるりと取り囲んでしまう」と、同士討ちが避けられないのだ。
一見すると、オーブ軍と連合で「完全に囲んでしまった」この状況は、まさにその「悪い例」。
まだ連合とオーブは『味方』ではないが、オーブを『味方』にしたい連合としては、撃つわけには――

「さあ――このまま境界に沿って、囲みを突破するわよ!」
482隻腕第八話(18/21):2005/10/09(日) 16:05:15 ID:???

「ええい、忌々しい……! オーブの連中め!」
「ここまで追い込んだのだ、ここで逃がしてたまるものか!」
「MS隊とザムザ・ザーをもっと押し出せ! 取り付いて仕留めるんだ!」

連合軍艦隊は、焦りを隠せない。
撃つわけにはいかない――必中の間合いなら飛び道具も使えるが、遠距離では下手な砲撃はできない。
残る手立ては、艦載機による接近戦ということになるが――

彼らは知らない。ミネルバのMSパイロットが、揃いも揃って一機当千の『赤服』であることを。


ミネルバの正面から、迫りくるザムザ・ザー。
その前に立ち塞がったのは――シンの駆る、フォースインパルス。

「メイリン! ソードシルエットを!」

彼は管制官に別装備の射出を命じると、そのまま洋上を駆けて敵の巨体に迫る。
MAは鉤爪を振り上げ、インパルスを捕まえにかかるが――空振り。
いくら接近戦用の武装があったとしても、MSと比べれば運動能力は大きく劣る。ましてやフォース相手では。
ヒョイとその背中に飛び乗ったインパルスが、バックパックをその場で外し――新たな装備がそこに飛び込む。
ザムザ・ザーは振り落とそうと暴れるが、片手でその角を掴んだインパルスは揺らぎもしない。
敵自身を足場とする無茶苦茶なロデオを演じながら、巨大剣エクスカリバーを両手にそれぞれ、逆手で構える。

「クハハハッ……この距離じゃ、あの光る板も出せないだ、ろッ!!」

そのまま――巨大な2本の剣を、足元に突き下ろす。突いて、差して、振りぬく。
インパルスが蹴って離れた途端に、綺麗に3枚に下ろされたザムザ・ザーはパカッと割れ――爆散する。

「メイリン! 艦長に、陽電子砲を撃つように言え!」
『え、ちょっと、シンは!?』
「俺は――もう少しミネルバの露払いをしておく。まだ暴れ足りないんでね――!」

そのまま、インパルスは海中に消え――


ミネルバ艦上では、赤と白のザクが奮戦していた。
白いザクファントムのバックパックから放たれたマイクロミサイルの群れが、ダガーLの進路を塞ぎ――
赤いザクウォーリアの抱える大砲が、動きを止めた彼らをまとめて貫き通す。
距離を置き、牽制と回避をメインにしていた先程までなら、彼らも決して弱い部隊ではなかったのだが。
前進と攻撃を命じられた途端、ダガーL部隊は、相手との力量差を思い知らされることになった。
そして――頼みの綱のザムザ・ザーが倒されるのを見るに及んで、彼らの士気はもはや維持できず――
483隻腕第八話(19/21):2005/10/09(日) 16:06:21 ID:???

「タンホイザー、てーッ!」

陽電子砲タンホイザーが2隻の軍艦をまとめて吹き飛ばし、連合軍の囲みに穴を開ける。
その穴に向かい、突進するミネルバ。速力の差で置いていかれるダガーL部隊。

それでもなお、開けられた穴を埋め包囲を取り戻そうと、数隻の小型艦船が移動するが――

「……なんだ、あれは?」「剣!?」

まるで、人喰いサメの背ビレのように海面に突き出されたソレは――ソードインパルスの対艦刀、エクスカリバー。
気づいた時には、もう遅い。魚雷などを撃つには間合いが近すぎる。
海面直下を移動しながら、インパルスは次々に小型艦船に襲い掛かる。レーザーブレードが艦を切り裂き、2つに割る。
混乱する艦隊の合間、海上に飛び出したインパルスが投げたブーメランは、次々と艦橋を切り裂いて――

「――ハハハハハハっ!!」

半壊した敵艦船を足場に、インパルスは跳躍する。その先には、包囲を脱するミネルバ。
眼下で炎上沈没する船を見ながら、シンは哄笑する――



――オーブ行政府。
周囲がすっかり暗くなった中、煌々と明かりが灯っているのは、会議室。

「……というわけで、我が国を取り巻く他の国々も、同盟への参加を表明しております。
 前の大戦時には、我が国と合わせ、連合とザフトを遮る『中立の壁』の役を果たしていたわけですが……
 もはや、状況は変わったと言わざるを得ない」

淡々と説明をするのは、ユウナ・ロマ・セイラン。モニター映るのはオーブ周辺の世界地図。
前の大戦時の勢力図では、プラント寄りのオーストラリアの北東に、中立の国々が帯のように広がっている。
これら中立地帯が、連合・ザフト双方にとって、「接点を減らす」役割を持ち、戦線の拡大を防いでいたのだが。
いまやかつての中立地帯は、オーブを除いて連合一色に染まり、オーブは取り残された虫食い穴のような状況。

「……で、我が国も屈しろと言うのか? あのとんでもない条件を呑んで?
 大体、誰を行かせると言うんだ、あんな『死んで来い』と言わんばかりの任務に」

腕を組んで憮然としているのは、首長であるカガリ。
この数時間の議論で――それは議論というより一方的な説得だったが――いい加減、カガリも分かってしまっていた。
もはや、現状が覆しがたいものであることを。理念の全てを守りきることは不可能だと。
「他国の侵略を許さ」ないためには、「他国の争いに介入する」以外方法はないと。
それでもなお、彼女は不満を隠そうとせず――ふてくされて俯き、他の面々の顔を見ようとしない。
484隻腕第八話(20/21):2005/10/09(日) 16:08:20 ID:???

……が、カガリはふと、気付く。
視界の片隅、机の上に置かれたユウナの手が、小さく震えていることに。
それは、緊張。それは、恐れ。そして――それらを上回る、覚悟。
カガリはハッと顔を上げ、ユウナの顔を見る。
彼の顔は、思わず泣き笑いになりそうな、しかし真剣な決意を秘めた、微妙な表情で――

「それは――ボクが行く。ボクが、派遣部隊の指揮官になる」
「なっ、ちょっと待てユウナ! そんなことは聞いておらんッ! 何を勝手にッ!」

慌てた声を上げ立ち上がったのは、宰相でありユウナの父である、ウナト。
しかしユウナは片手を上げて父を制し、震える声で、しかしはっきりと言い切る。

「この事態、責任の一端は外交を取り仕切ってきたわがセイラン家にもある。
 ならば――この任務、ボクが責任を取らないでどうする?
 我が愛する妹、マユも参加すると言ってくれているしね」
「ユウナ……!」
「どれだけの兵士がついてきてくれるか分からないが――派遣部隊は、志願した兵だけで構成する。
 ボクが、できるだけ時間を稼ぐ。だから……その間にカガリが、世界情勢の方を変えてくれ。
 双方への呼びかけと、外交努力で。その真っ直ぐな信念で。そのためならボクは――命をも捨てよう」

ウナトもカガリも居並ぶ面々も、このユウナの発言には言葉を失い。
……ようやく、カガリがゆっくり口を開く。

「……今夜はもう遅い。正式発表するにしても、明日になるだろう」
「カガリッ!」
「一晩、考えさせてくれ――」



――人々が立ち去った、深夜の会議室で。
たった1人残ったカガリは、机に肘をついて考え込む。
やがて、懐に手を入れ、取り出したのは――1つの指輪。
肌身離さず持ち歩き、しかし自らの立場を考え普段は懐にしまっている、ルビーの指輪。

 『……これを』
 『これって……おい、アスラン!』
 『離れていても、俺たちの気持ちが変わらないように、な……』

カガリは思い出す。
特使アレックス・ディノの出発前、アスハ家の屋敷の前でかわした短いやりとり。
その時2人がこの指輪に誓ったのは――男女の愛情だけでは、ない。

指輪をギュッと握り締め――カガリは顔を上げる。
そこにあるのは、強い意志の光。先程のユウナにも近い、覚悟の表情。
485隻腕第八話(21/21):2005/10/09(日) 16:09:27 ID:???

――翌朝。
急を告げるメイドに起こされたユウナは、慌てて自室から飛び出す。
慌てすぎて、パジャマで抱き枕を抱えたまま、というマヌケな姿だったが、構わず素足で階段を駆け下りる。
飛び込んだ居間の大画面モニターに、その緊急記者会見の様子が映る。

『……ゆえに、我がオーブもこの同盟に参加することが妥当だと判断した。
 また、この同盟の締結に伴い、我が軍から一個艦隊を派遣することに……』
「か、カガリッ!?」

それは、白い軍服に身を包んだカガリ・ユラ・アスハの姿。
ユウナにすら、首長会議の面々にすら知らせずに開いた、不意打ちのような早朝の会見。
彼女はそのまま、連合との同盟受け入れを国民に告げ――

『なお――本派遣部隊の指揮官は、この私、カガリ・ユラ・アスハが自ら務める。
 部隊はこの任務を志願した兵だけで構成するものとし、望まぬ者を無理やり戦場に送るつもりはない。
 私の不在中の全権は、首長代理ユウナ・ロマ・セイランに一任するものと――』
「なあッ!?」

カガリの言葉に、ユウナは悲鳴を上げる。
同じように起き出して来たパジャマ姿のマユも、パンツ一丁のウナトも……
ユウナ同様、その宣言に息を呑む。居間の戸口のところで、唖然として立ち尽くす。


J・P・ジョーンズにいるネオ・ロアノークも。
カトー教授の家で、MSの設計図と向き合うキラとマリューも。
工事現場の隣、プレハブ建ての小屋でテレビを見上げるマードックも。
地球の裏側でオーブの報道を逐一チェックするメディア王ジブリールも。
オーブに暮らす、多くの一般市民も――

その宣言に、みな驚きの表情を隠せずに。



「それじゃ……それじゃ、逆じゃないかッ! ボクは、キミを守るためにッ……!!」

拳震わすユウナの呟きは、画面の向こうに伝わるはずもなく。
テレビの中で、カガリは強い意志の篭った視線でカメラを、世界を見据えている――



                      第九話 『 ユウナ 』 につづく
いや思いのほか長くなりました。最初、オーブ沖海戦は手を抜くつもりだったんですけどねぇ


設定補足

・ダガーLとジェットストライカー
 量産機を飛ばせる量産ストライカーは、ザフトにとって脅威です。ってわけで連合側の切り札の1つとして登場。
 ウィンダムの出番はまた今後に……。まだまだダガーLは戦えます。

・シンルナ
 もう少し露骨に伏線見せた方が良かったですかねー。
 微妙にアニメ本編よりも距離を詰めておいたんですが。でも人前でいちゃつく奴らじゃないですし。あれが限界。
 2人の付き合いはアカデミー時代から、という設定です。
 隻腕版シンは携帯拾い損ねて暗くなった分、戦闘力150%増なので、ルナはそこに惹かれたらしいです。最初は。
 まあそれだけじゃありませんが。

・ミネルバ3人組とファントムペイン3人組の因縁
 いずれ、第ゼロ話としてアーモリーワン襲撃事件をやり直そうと思ってます。一種の外伝のような形で。
 主人公がマユであることと、物語の見せ方の都合上、時系列順に示せなかった事件なので……。

・前作キャラの行動
 ちょっと矛盾っぽく見える部分もあるかもしれませんが、まあ気長に待ってて下さい。
 たぶん忘れた頃に再び触れられるかとw


次回は回想メインの総集編です。手抜きです。新規作画少ないです。……ああッ、石を投げないでッ
487通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 16:19:18 ID:???
ユウナたんかっこいいよ、ユウナたん!

俺の中での本編でのユウナは、
「国を想う気持ちは本物だけど、底が浅くて空回りばかり。」
って認識だったけど、ここのユウナたんはホントかっこいいよ!


妹萌え属性以外は。
488通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 16:19:57 ID:???
>隻腕マユ作者様

うっはーっ! マジでユウナがかっこよくてどうしようかという。
ちなみに一番笑ったのはパンツ一丁のウナトだったりする。
3×3の因縁も楽しみにいしています。

むしろ無印SEED第一話から気になっていたカトー教授がここで出るとは!
GJです。
489通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 16:24:57 ID:???
隻腕に感嘆し、しのはらに大爆笑した
490通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 16:44:57 ID:???
んー。やっぱ隻腕はいいね。シンとルナマリアの関係にはびっくりしたけど。
ユウナが、カガリがかっこいいじゃないか。うん。
応援してます。がんばってください。
491通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 16:47:39 ID:???
>454 忘れないで・・・
492通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 16:55:16 ID:???
ドクターいいなw てか本日休診ってw

要するに今回のしのはら、最後はニュートロンスタンピーダー使用?
493通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 16:56:55 ID:???
ラクス死亡とは。
494通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 16:59:21 ID:???
油断は出来ない。死亡確認したか? したとして本人だという証拠は? あとでメカラクスとして復活しない保証は?


……ごめん、本編の男塾っぷりのせいで疑い深くなってるようです。
495通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 17:02:17 ID:???
復活してもその復活のし方による

とりあえず「なんで私が?」と言わなかっただけ隻腕GJ!
暗殺者はサラか? 狂信から教祖をも殺すってのはイイぞ
496通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 17:05:02 ID:???
いや、本文中にエターナル撃沈の箇所はないから、間違いなく生きとる
497通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 17:13:40 ID:???
ラクス「電波の勝ち」で蘇生か?
498通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 17:14:20 ID:???
撃ち抜かれたのは「肺」とはっきり言われてるからなぁ。
処置さえ早ければ助かるんじゃね?
呼吸困難で意識が混濁することはあるだろうし。
499通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 17:15:48 ID:???
まあどう転んでも隻腕なら本編みたいな結果には
500通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 17:19:50 ID:???
>492 スタンピーダーだな ますます展開が読めなくなってきた
『・・そうだ!じゃあ、思い出作りしよう!』
シンハロがそう叫ぶ。
「は?」
他のメンバーがとぼけた声を出す。
『どうせ離れ離れになってつらい思いをすることになるなら思い出があったほうがいいじゃん!』
「・・・・思い出作りって何するの?」
マユがシンハロに聞く。
『ふっふーん、今や世界に誇る技術者となった俺を舐めるな!ステラ達をつれて
俺の部屋の隣の部屋まで来い!』
シンハロはそう言って走っていった。




「・・・・・・これは?」
シンハロに指定された場所に来た皆は驚いた。
その部屋にはまるでSFに出てくるようなカプセルがいくつもおいてあったのだ。
『これは・・、仮想世界体験マシーン『DREAM』だ!!』
シンハロが自信満々に言う。
『ほら、よくアニメにあるだろ?電脳世界での冒険って。これはそれと同じように
意識をまるごと設定した世界にとばしてその世界の事を体験することができるのだ!!』
ぺらぺらともの凄い事を話すシンハロ。
『このマシンで入った世界での一日は約三分、つまり一時間で20日の体験ができる!
あ、もちろん安全性も立証済みだから。あー、俺ってばスペックを越えた才能を持つ男!』
「早く遊ばせろ。」
マユはそう言って飛び蹴りをシンハロにかます。
『ぐべぁっ!!はいはい、じゃーカプセルは全員分あるからその中に寝て。
んでもってそのまま眠ると思うからそしたらスタートな。
あ、世界設定はRPG風ファンタジーだから。』
そして、全員説明どおりにカプセルに入る。

『それでは、いってらっしゃーい。(遊園地のお兄さん風に)』
502しのはら:2005/10/09(日) 18:10:00 ID:???
>492 はい、スタンピーダーでつ あとMSVは好きなので、ドクターに出てもらいました

>隻腕作者様 いつも乙!
503通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 18:10:03 ID:???
>>496
たとえエターナルが撃沈されても、
脱出できずに爆発に巻き込まれても
あ の 女 な ら 生 き て い る 。

凸やキラや兄貴が死ななかったんですぜ…
504通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 18:17:24 ID:???
>>495
暗殺者はサラだろうねえ。キャラの使い方が上手い。
ついでにサラがミーアの専属マネっぽく活躍したりしないかなー。

それにしても隻腕、ここでラクス退場とは思い切ったことを……。
だが、これで隻腕は本編の呪縛から解き放たれた。思う存分その翼、自由に拡げてくれ!
「おぉっ!!」
めんどくさい設定場面を終え、マユは立っていた。
衣装は中華風の姿である。拳法家らしい、頭はお団子だ。
「・・・あれ?他の皆は・・?」
マユがキョロキョロすると、また一人出現した。
「あら、マユは拳法家?」
ルナマリアだ。赤いマントに黒いバンダナ、腰には短剣が指してある。
「ルナお姉ちゃん!・・・・・もしかして、その姿ってことは魔術師?」
「そうよ。黄昏よりも暗きもの・・ってね!」
ずいぶんと懐かしいネタである。
「二人とも!」
向こうからレイが走ってきた。剣が背中から見えるが鎧にしてある魔術紋様の
細工から魔法剣士であることがわかる。
『おっと、パーティが集まったか。』
「シンハロ?!」
なにやら小さくなって羽を生やしたシンハロが飛んできた。
「似合わないな、妖精姿。」
『文句いうなよー、俺がこのゲームのゲームマスターなんだから。』
「TRPGかい。」
ルナマリアがつっこむ。
「他の皆は?」
『あぁ、3、4人がこのゲームのパーティ構成なんだ。だから別々な。
とりあえず全員が合流して魔王を倒すんだ!!』
シンハロはそう言ってビシッと指を指した。
なんだかんだ言って今日も投下できました。
しのはらさんと隻腕さんから許可が出たので早速使おうと思います。
ふふふふふふ・・・・・。
507通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 18:22:21 ID:???
やべぇ、このスレのラクス最高だw
508通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 18:27:43 ID:???
>>503
君が言っているのは腐った本編の話だ。

この理想郷でまで野暮な話はやめてくれないか?
509通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 18:33:20 ID:???
>>486
>まだまだダガーLは戦えます。
その姿勢に感動した。
「強敵」としてのウィンダムが見られそうだな・・・
510253:2005/10/09(日) 18:54:23 ID:jffZ9nCL
>隻腕作者さま
お疲れ様です!!ユウナのカッコ良さは相変わらずだったが、カガリも良いですね!
しのはら版姫様に勝るとも劣らない御活躍を期待します!!

シンも普通にカッコいいし、ルナの唇を奪う描写がなんとも・・・
本編での餓鬼のキレ野郎なんかと比べて断然良いです。

そしてトドメはやっぱり我等が『蒼き天使』マユとトダカ一佐!!
今回地味な感じでしたが、次回以降姫様と一緒に大活躍の予感が・・・
しかし、ラクス退場とは思い切ったことを・・・キラの復活は誰が担うのか!?
個人的にストフリがマユみたいなので、キラには姫様の名代として暁に乗ってほしいかな?
511通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 18:58:24 ID:???
しのはらスルーだなw
俺はGJ!だと思う
512通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 19:01:24 ID:???
>>486
面白かった
この世界には政治と外交があるのがいいね、隻腕作者GJ!!
513通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 19:10:02 ID:???
次回総集編ってォィ
514通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 19:45:34 ID:???
隻腕のユウナかっこいいなぁ
515通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 19:58:55 ID:???
隻腕作者様、あいかわらずGJ!
ラクスが・・・の展開にびっくりです。
こうなると今回は議長がミーアの名を口にしたこともあり、
ミーア厨としてはミーアがどんなことになるのか楽しみです。
ミーアはTVではあんな感じですが、偽歌姫って色々な使い方のできるポテンシャルを持っていると思っているので・・・
516通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 20:18:31 ID:???
>>511
更新頻度の差で、みんな飢えてるのさw
ぶっちゃけ「しのはらGJ!!」なら毎日言えるしw

もちろんしのはら氏も良い。
てかこれ本当に同じ作品元にしてんのか? ってくらいのハジケぶりだなw
なんかラクスのキャラが真逆
517通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 20:26:25 ID:???
ラクスはアストレイのジョージ・グレンみたいに脳だけで復活。
518通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 20:33:14 ID:???
>>517
想像すると笑えるww
519通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 20:35:12 ID:???
>>517
ラクス脳みそ&ホログラム
 「生前のわたくしにはユーモアのセンスが足りなかったのですわ♪ あはは♪」
520通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 20:37:40 ID:???
>516 しのはら版は常識外れ&キャラ改変(ハジケ)がウリだからな
521通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 20:42:36 ID:???
>520 あとセリフ回しが最高w
522通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 20:43:42 ID:???
>>519
戦場にホログラムの巨大ラクスがたくさん、全員でコントを…
まさに電波!
523通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 20:45:30 ID:???
>522 しのはらがやりそうだ、それw
524通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 20:49:42 ID:???
>522 いや、しのはらならもっとどえらいことやるに違いない。凸をスネークにした前例があるしな(汗
525通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 20:59:49 ID:???
どうせならエターナルから投射されたホログラム映像と歌でザフト軍に洗脳攻撃
ぶちかますとかやってくれw>しのはら
526通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 21:01:16 ID:???
今後のラクスが気になると言えば、ファントムペイン戦記
次まだかな
527通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 21:06:50 ID:???
隻腕マユはストーリーの展開するテンポが実にイイ!
あれだけ設定をいろいろ新築・改変しているにも関わらず、
長い説明が無くても話を読んでいるだけで即それが理解できます。

はぁ…漏れの書いてる新作?もこれの半分ぐらいでも生き生きさせられれば良いんだが…
528通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 21:09:55 ID:???
>527 隻腕みた後しのはら見ると笑いが止まらんぞ 勢いとノリでストーリーが進行するというw
529253:2005/10/09(日) 21:17:10 ID:jffZ9nCL
>ほのぼのマユデス作者さま
ヤバイ・・・涙が止まりません;;ほのぼの世界のキャラって皆優しくて
笑えるのに感動もする・・・スゲエ!

マユデスファンタジー編及びシリアス編楽しみにしています!乙です!!
530通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 21:18:13 ID:???
>>525
ちょ、おま、それマクロふんがくっく
531通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 21:20:45 ID:???
>528 勢いはあるが、ちゃんと設定生かしてるだろ あと他作品のオマージュもある
532通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 21:22:59 ID:???
>531 ステラあぼんの回とかは上手だよな>しのはら
533通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 21:25:04 ID:???
>532 しのはら版について語るか
534通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 21:30:48 ID:???
今更だけど>487氏 妹萌。

中のひとが初代シスプリ兄だから・・・野暮?

所で最近良く考えるんだがミネルバって一体幾つインパルスのパーツ(チェストフライヤーとかシルエットとか)積んでるん?
ミネルバが還って来たロウ・ギュールと出遭ったらスプレンダーの代わりにザクの胸部を利用して分離不可な、
所詮08の陸ガンみたいなモノが大量に出来そうなんだが・・・

他にもストライカーでガンバレル系列でエグザスタイプとか装備した月下の狂犬とか一寸見て見たいかも・・・
アストレイ系が出るなら切り裂きとか白鯨、乱れ桜の出番も・・・?
ウハw・・・妄想が止まらん!
535通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 21:33:19 ID:???
>534 しのはら版の中盤に、ザクの頭と手をつけたザクインパルスが出てきた
536通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 21:35:51 ID:???
>533 とりあえず第一話からキタなw
537534 :2005/10/09(日) 21:50:03 ID:???
>535
majika!?

いや、未だこのスレしか読んで無いんで知らんかった・・・
明日バイト休みなんで保管庫逝ってクル!
538通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 21:51:00 ID:???
早く好きなシリーズの続きが読みたいお
539通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 21:56:20 ID:???
>537 ガノタならツボ突かれる箇所がしのはら版にはたくさんw
540通常の名無しさんの3倍:2005/10/09(日) 23:47:00 ID:???
乗り遅れたが言わせて貰うぜ!

しのはら氏GJ!
キャラが真逆なんじゃなくて、受け取り手がまともなだけなんだよね、これw
頭大丈夫テラワロタ! パチンコ屋の便所で大笑いしそうになったぜ!
ちょっと疑問に思ったんだが…レールガンってミサイルで迎撃できるもんなの?
教えてエロイ人


隻腕氏GJ!
君のせいでMIA自由欲しくなって来ちゃったじゃない?
最終回前に無限正義買ってかつてないほど凹んだ記憶が新しいとは言え、
マジで買っちゃおうかなあ…むう

>隻腕シンルナ
ザクの隣りに着地したってことで、こっから進展?かと思ってたら…
大人になってたんだね、シン…つ∀T)

>ミネルバ組と幻痛組の因縁話
楽しみに待ってますよ〜!
541通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 00:13:05 ID:???
>537 読んだら感想ヨロ
542通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 00:33:10 ID:???
>538 何が一番好き?
543通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 00:36:45 ID:???
あげ
544通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 00:37:06 ID:???
隻腕とファントムの続きテラタノシミス
5451:2005/10/10(月) 00:42:31 ID:???
>隻腕の少女
 GJ!!
わずかしか無い勇気と根性だして戦場に出ようと決意するユウナGJ!
その影響から世界中の策士の策の斜め上を行ったカガリGJ!

つーか、ユニウス条約は良いのでしょうか?
フレーダムって核搭載MS、連合に加勢すると条約に触れてしまうのでは?(汗

546通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 00:46:12 ID:???
今のところ一番の人気作は何?

しのはら版はどんな評価?
547通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 01:07:52 ID:???
>>545
連合はもう守る気ないってことじゃね?>U7条約


シン厨としてシンが活躍する幻痛戦記と隻腕には期待してるね。
マユ戦記特別編はシンがタキシード仮面してくるのかな?と思ったりしなかったりするんだが、
あの程度の脅威はすでにマユたちだけで対処可能っぽいしなあw
出る機会を探ってたら終わっちゃいました、見たいな感じになりそうw
548通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 01:13:28 ID:???
>547 おまいはしのはら版の終盤どう思う? 同じシン厨の漏れは泣いたが
549通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 01:14:55 ID:???
本編でもいきなりプラントに核ぶちこんで条約破棄してたもんな。
その意味でも隻腕はアレンジが利いてるよ<核動力なフリーダム出兵
550通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 01:34:06 ID:???
>>542
FP戦記と隻腕
上におなじくシン厨なので
マユも好きだけど思い入れが違うからな
でもどれも楽しく読んでるお
551通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 01:35:27 ID:???
>>548
落ち着いて読み返すとネオ(つかシン)の翻意が少し唐突な気もするが、
リアルタイムで読んでるときはノリで押し切られてしまって、素直に感動した
ネオも自分の命をかけてきっちり自分のやったことを清算してるし、不快感を感じなかったというのもあるが
度肝を抜かれるようなサプライズはなかったが、あっさりめの中に王道的な面白さがあったと思う
552マユ種のひと:2005/10/10(月) 07:08:59 ID:???
3スレ目>915、>916からの続き

第二十八話
 オーブ、セイラン邸の中庭。ラクスは、戦地から送られた手紙を読んだ後、手紙を丁寧に折り畳む。そして、差出人の、キラの無事を祈った。

 その時、アークエンジェルは激しく揺れた。
 ブリッジ。マリューは、何者かの長距離射撃によって受けたダメージで、無理に速度を上げれば航行に重大な障害をもたらす可能性があるという報告を受けた。マリューは今の速度を維持したまま、艦の応急処置を指示、処置ができ次第、最高速度で離脱を狙う。
 直後、アークエンジェルにハイネ隊ザクの長距離射撃の雨が降る。キラは誰よりも早く出撃、素早くフリーダムを移動させ、ザクをマルチロックで捉える。しかし、ただ一機、そのロックを外しながら突っ込んでくるMSがいた。グフ・イグナイテッド。
 キラはロックを解除した。だが、遅かった。ビームガンを浴びせかけられ、一気に距離を詰めてきたグフのビームソードが唸る。フリーダムはビームサーベルを抜く間も与えて貰えない。そして、グフの鋼の鞭はシールドごとフリーダムをからめとり、地面に叩き付けた。
 足の遅いアークエンジェルを護るべく陣を展開したバルドフェルドのムラサメ以下、M1アストレイ隊。一方、グフとの一騎討ちを強いられるフリーダムの上を通り抜けてきたアレックスのセイバー率いるディン隊は、規格外の速さでアークエンジェルに迫る。

 再びブリッジ。マユは、新型MSのザクのみで編成された部隊はハイネ隊、各機カスタマイズされたディン部隊はアレックス隊であることをマリューに告げる。そして、今すぐ全速力で逃げなければ、確実にアークエンジェルは落とされるとも言った。
 セイバーやディンだけではなく、射撃の精度を保つために足を止めながら移動するザクでさえ、今のアークエンジェルは振り切れないのだ。なら、後先考えていられない。そしてマユからのもう一つの申し出、予備のM1アストレイで戦闘に参加することを受理した。
 マユがパイロットとは夢にも思ってなかったマードック班長以下、整備士達は大わらわになってM1アストレイを仕上げる。マリュー艦長は、少しでも不調が出たならすぐ戻るようにと、しつこいくらい念を押す。
 マユはちょっと可笑しかった。エイブス班長なら、どんな時でもマユが乗り込む前にインパルスを完璧に仕上げている。タリア艦長なら、一機でゲルスゲーを倒してこいくらいの無茶を要求してくる。ふと、キラと兄が重なり、兄の方が出撃に反対すると思った。
 出てすぐ逃げるつもりだった。でも、アークエンジェルが逃げ切れるまで戦おう。マユが選んだ武装はシールドとMSの整備に用いるワイヤー数本。同胞のザフト兵を殺さず、なおかつ戦い抜くための最低限の武装であった。

 アークエンジェルは速度を上げた。それに合わせ、M1アストレイはディンの迎撃からアークエンジェルの防衛に移行する。そのため、後退していくM1アストレイ隊。その中で一機、マユのM1アストレイが突っ込む。
 後方からの援護とシールドに護られたマユのM1アストレイは、アークエンジェルに追い付こうとするディンとの距離を一気に詰め、ワイヤーを振るう。
 どこかしらが絡むと同時に、機体の全体重を以てディンを地面に引きずり落とす。玄人揃いのアレックス隊のディンは地面の激突こそ免れるが、受けるダメージに飛行能力は奪い取られた。
 バルドフェルドのムラサメと相対していたアレックスのセイバーは、その相手は部下に任せ、マユのに目標を移す。戻ることを考えていないマユの突撃が一番の障害になると判断した。迫るセイバーの、ビームの射撃と斬撃を凌ぎ、マユはすれ違いざまにワイヤーを引っ掛ける。
 ところが、M1アストレイが何かするよりも早く、セイバーがワイヤーでつながった相手を引き込んだ。セイバーのビームサーベルをシールドで弾きながら、もみ合い、両者地面に。マユは思う、やっぱり強い、マシンも、パイロットも、それならば。
 容赦のないセイバーの攻撃をぬってM1アストレイは接触回線、死んだ筈のマユからの呼びかけにアレックスは困惑した。その隙を突き、ワイヤーはセイバーの全身に絡まる。そのセイバーをM1アストレイは思い切り踏みつけ、飛ぶ。向かう先は、孤立しているキラの元。
553マユ種のひと:2005/10/10(月) 07:10:00 ID:???
 フリーダムとグフの一騎打ち。撃ち合いはない、斬り合いのみ。フリーダムはビームサーベルを両手に戦う。しかし、グフはその二刀流をソード一本で難なく制し、余った片腕からヒートロッドを繰り出しながらフリーダムを追い詰めていく。
 キラは、グフが対MS戦に特化した機体であり、それをここまで扱いこなす敵パイロットに戦慄を覚えた。対するハイネは、重火器で全身を固めて対MS戦を高い基本性能で誤魔化しているフリーダムで、グフ相手にここまで戦った敵パイロットに尊敬すら覚えた。
 そして、グフのヒートロッドがフリーダムの右腕を捕らえた。しかし、フリーダムは自らの右腕を切断、さらに突撃、一太刀交え、グフの右腕を切り飛ばした。キラは母艦の行動に呼応して逃げることを選んだ。

 その頃、ディンの追撃、ザクの狙撃、両方が終わったという報告を受けたマリューは、難局を乗り切ったという安堵の中でキラとマユの帰りを心待ちにする。

 追いすがるアレックス隊と引き離されたハイネ隊、その中間で、マユとキラは出会った。
 キラは機体を乗り捨ててフリーダムに乗るよう促す。マユは渋った。キラはミネルバに戻るのかと尋ねる。心底驚きつつも、マユは素直に認めた。キラは引き留めず、一人、アークエンジェルに向けて飛び立った。
 遠ざかるフリーダムをゆっくり見送りたかったが、そんな暇はない。今、ザフト側に捕まったら言い訳の仕様がない。追撃を断念して動きを止めているアレックス隊、ハイネ隊も後方に待機したまま、この距離なら何もできない筈‥‥‥なのだが。
 胸騒ぎを覚えたマユはハイネ隊に近付く。遠目に見える砲身の長いビームライフル、あれはミネルバにもあった、威力と射程の凄さに反比例して命中精度の低さと使い勝手の悪さで、結局、一度も使う機会のなかった物だ。
 グフは片腕ながら、それを当たり前のように受け取って、当たり前のように構えた。マユは背筋が凍る、きっと、当たり前のように当ててくる。M1アストレイは飛び出し、高出力で撃ち出されたビームの前でシールドを構え、阻んだ。

 強力なビームがアークエンジェルを掠めた。安心しきっていたマリューはこれに肝を冷やし、警戒を強めるよう命令した。

 二発目が撃てる頃にはアークエンジェルは射程外、そんなことをハイネはつまらなそうにつぶやく。そして、シールドも胸から上もドロドロに溶けて、無様に横たわるM1アストレイに一瞥をくれるのであった。

ハイネ「一応、調べておけ。蒸発してなけりゃ、面を拝んでみたい」
554マユ種のひと:2005/10/10(月) 07:11:24 ID:???
第二十九話
 マユ・アスカは、M1アストレイのコックピットが無理やり抉じ開けられる振動で、自分が奇跡的に生き残ったことを自覚した。ザフトに保護されたら、きっと銃殺なんだろうな。生き残ったばかりの少女は、ぼんやりとそんなことを思った。
 外の人間にマユの生存が知れると、外の雰囲気が少し物々しくなった。外に出たマユが見たもの、ザク、ディン、グフ、セイバー、その前に居並ぶ屈強な男達、その中心に男性が二名、ハイネとアレックス。敵兵よりも味方の裏切り者を許さないという空気だ。
 泣いて許しを乞おうか、それとも脅されてやったと嘘をつくか。思案を巡らすマユに、ハイネは有無を言わさず銃口を突き付け、最期に残す言葉を聞いてきた。マユはアレックスに助けを求めるが、応じてはくれなかった。もう、どうしようもなかった。
 悔しいとか怖いとか死にたくないとか、そんな感情が駆け巡ると、マユはぼろぼろと涙を零した。けれども、マユはそんな中で、ここで死んだのは自分ではないことにして欲しいと頼んだ。それは、仲間を二度も悲しませたくなくて出た言葉だった。
 それを聞き入れ、ハイネは引き金を引いた。でも、外した。そして、マユを殴り、怒鳴りつける。部下に死傷者がいないからこれで済ませるが、隊が被った損害分は働け、と。休む間もなく次の戦地へと赴く彼等に、マユは同行せざるを得なかった。

 宇宙、待機中のガーディ・ルーのブリッジにて、ネオの留守を預かるリーは、同じく留守を任されたアウルとスティングの話相手にされていた。
 話題に上るのはネオとステラのこと。ネオは、一度は断ったザフトのシン・アスカの調査を買って出て、ステラは安定したエクステンデッドを一人寄越して欲しいというジブリールのたっての希望で地球に居る。
 ネオの心変わりが気に掛かるスティング、ネオは大丈夫でもトロいステラが馬鹿やってないか心配だと毒を吐くアウル、何か入れ込んでいるネオとあの調子のステラにどちらも一抹の不安を感じるリー。三人に共通しているのは、何か落ち着かない、であった。

 ハイネ、アレックス隊が使う陸上戦艦の格納庫で、マユはまた泣きたい気分になりながらも、自分に回された機体を物にしようと必死だった。その機体とはザウート。前の戦争の時点で役目は終わったと囁かれた代物である。でも、マユはめげない。
 次に任務は前線で脅威となっている連合の新型MS部隊を叩くこと。問題の戦場はその部隊だけではなく、他の連合戦力とオーブ軍まで参加している戦場だった。
 正直なところ、アレックスは不安を募らせていた。これから戦う新型とは、かつてミネルバチームのMS三機がかりでやっと仕留めることのできた強敵、ウィンダムだからだ。それを受け、初戦は相手の性能を見るだけにしようとハイネは言った。
555マユ種のひと:2005/10/10(月) 07:15:10 ID:???
 戦場に到着したハイネ、アレックス両隊は、ウィンダムの前に通常のディンもバクゥも相手にもなっていないという現実に遭遇した。早々に隊を展開、敵新型の部隊とぶつかる。
 ウィンダム隊の勢いを押し留め、下がる味方の援護を果たしたハイネ、アレックス隊。新型の性能を見るという当初の目的も果たし、ハイネは撤退命令を出そうとした矢先、マユのザウートが前にでた。
 足の速さに差がありすぎる敵の只中、敵のビームに装甲を削られながらも、ザウートの砲撃はウィンダムを脅かしていた。マユは思う、ウィンダムの強さは変わらない。でも、乗り手の反応が鈍すぎる。これなら戦える。
 明らかに性能の劣る機体で一歩も退かずに応戦するマユに、アレックスも同調する。意外な人間が積極的になるものだから、ハイネも乗ることにした。そして彼の号令の元、隊員達は完全に火が点いた。
 オーブ軍を指揮するユウナは、最も屈強な所を切り崩して突っ込んでくるハイネ、アレックス隊に顔面蒼白。すぐに自軍を下がらせるように命令を下す。
 トダカがいぶかしむと、あんな連中と真正面から戦ったら味方にどれだけの被害がでるかわかったものではない、とユウナは答えた。大局的な是非はどうあれ、トダカはすんなりと命令に服した。

 戦闘は終わった。隊員達と共に、ガタガタの前線をボロボロのザウートで行くマユ。すると、補充や補給と一緒にミーアがやってきた。彼女は脇目も振らずアレックスに熱烈に言い寄る。
 ちょうど良かった。マユは用事を思いついたのでザウートから降りる。死んだと聞かされた人間の参上にミーアは腰を抜かす。騒ぎを聞きつけ、お付のミリアリアもやってきて、驚いた。用があるのはカメラマンの方、マユは彼女から携帯電話を借りた。

ミリィ「別にいいけど、どこにかけるの?」
マユ「形見のケータイに、ね。ミネルバに置いてきちゃったから」
556マユ種のひと:2005/10/10(月) 07:16:48 ID:???
第三十話
 ミネルバに戻ってきたのはボロボロのインパルスだけだった。
 マユは嵐の海に投げ出され、帰らぬ人となった。クルーの多くは暗黙のうちに納得し、ヨウランとヴィーノはインパルスを修理していくうちに希望を捨てた。しかし、ルナは、どこかでマユが生きているという希望を捨て切れなかった。
 だから、ルナは、仲間を失うまいとより厳しく振舞うレイと衝突し続け、ついには殴り合いを始め、止めようとしたメイリンに怪我をさせた。二人は、次の作戦まで反省房に入った。

 手負いのアークエンジェルを仕留めるため、三人のエースパイロット、ヒルデ、マーズ、ベルヒルドが黒いザク三機と共に、補充人員としてミネルバへ配備された。艦長への挨拶の中、彼等はシン・アスカの仇討ちは任せてくれと言った。
 その時、訂正しよとしたアーサーを遮ったタリアは、ほんの少しの間だけ、たまらなく寂しい気持ちになった。

 アークエンジェルのブリッジ、バルドフェルドはマリューに、よくここまで凌げたものだと呟く。前の頃に比べたらまだまだとマリューは返すも、アークエンジェルは苦境の只中にあった。
 ハイネ・アレックス隊の強襲を潜り抜けたものの、手負いのアークエンジェルに対してザフトの執拗な攻撃が続いた。戦闘を重ねる度に損害は増し、今や動けるM1アストレイは一機もない。
 しかし、それでもアークエンジェルが存在していられるのは、やはりフリーダムの圧倒的攻撃力が、そしてキラが居ればこそ、である。
 キラは今、整備班長マードックと共にフリーダムの調整に心血を注ぐ。クルー全員の命運と、マユを引き換えにして得た生還のチャンス、そして最愛の女性と交わした、生きて帰るという約束を守るために。
 現在、アークエンジェル進路後方はまとまったザフトの戦力が、前方からはミネルバが、それぞれから迫っていた。後方の戦力に追いつかれたら、万事休す。しかし、前方を抜ければ一気に安全圏へ行けるのも、また事実であった。

 アークエンジェルとの接触に備えるミネルバ、しかし、フリーダムとムラサメの両機は、すでにミネルバに詰め寄っていた。かつてキラは、先行したことで窮地に陥ったが、この戦法しか残されていなかった。そして今回は、功を奏した。
 フリーダムの先手を阻むべく、ミネルバは素早くザクを展開。しかし、キラはそのザクさえもマルチロックに織り込み、一斉発射。ヒルデ、マーズ、ベルヒルドの黒いザクはかわしたが、反応の遅れたレイとルナ、そしてミネルバが攻撃を受けた。
557マユ種のひと:2005/10/10(月) 07:22:34 ID:???
 ヒルデはレイとルナの不甲斐なさに舌を打ち、マーズ、ベルヒルドの三人でフリーダムに迫るも、バルドフェルドのムラサメが連携の出鼻を挫き、得意の形に持ち込めない。
 地上、撃ち落とされて微動だにしない二機のザク、しかし、パイロットは無事。レイはザクの足回りの異常をルナに伝え、ルナは同じく両腕が動かないとレイに返した。頭上の激しい戦い、自分達は蚊帳の外。レイは、ルナに協力を求める。ルナは、レイに応じた。
 レイのザクは瞬時に立ち上がり、ルナのザクは背中合わせで、その支えになった。ルナは一緒に生き残ろうと約束し、レイはマユとの思い出は預けると言った。ルナは胸元に収めてある、マユの携帯電話を握り締めた。
 キラは、ザクに気が付いた。しかし、その時すでに、レイは相手を照準に収め、引き金を引いていた。咄嗟にシールドを構えたものの、ビームの威力に弾かれるフリーダム、畳み掛けるマーズとベルヒルドを凌ぎ、ヒルデのトドメはバルドフェルドが阻んだ。
 そして、アークエンジェルがこの戦場に到達した。所々が激しく損傷しており、戦闘はおろか、飛行すら危うく見受けられる。さらに、アークエンジェルの後方を塞ぐザフトの一軍も、ミネルバから目視できる距離まで迫る。アークエンジェルに逃げ場はない。
 光。爆発。そして、アークエンジェル後方のザフト軍が火に包まれた。火の中から編隊を組んで飛び出すザムザザーの影、火の中で居並ぶゲルスゲーの影、火の中でたった一つだけ人の形をした影。その巨人の影から、ミネルバにビームが降り注いだ。
 レイのザクがルナのザクを突き飛ばし、彼女だけはビームの災いを免れた。しかし、それ以外、三機の黒いザクも、レイのザクも、ミネルバも、文字通り身を削られた。タリアは救援を要請しようとするが、通信は妨害されていた。
 動かないザクの中で、レイはルナに逃げろと叫ぶ。途切れ途切れの通信の中で、タリアも逃げろと命令、このことを味方に報せなければならない。戸惑う姉に、妹も語気も強く逃げることを指示。黒いザクは、まだ動ける機体に鞭打ち、時間稼ぎの応戦準備。
 迷いに迷ったが、ルナは恐怖に押し潰されて、逃げた。

 ルナは、必死に逃げた。それこそ、味方に報せることも忘れて。その時、胸の携帯電話が鳴った。怯えながら電話に出るルナ、それはマユからの電話だった。ルナは嬉しくて泣いた。でも、辛いことをありありと思い出して、泣き崩れた。

ルナ「死んじゃったよぅ、レイも、メイも、艦長も、みんな、死んじゃったよぅ‥‥‥」


P.S.待たして、すいません。
558まとめ人 ◆rw1maYUY1g :2005/10/10(月) 07:30:39 ID:???
>>マユ種のひとさま
おかえりなさい、新作待ってました。
なんか凄い展開ですね。

ベルヒルドではなく、ヘルベルトですまとめサイトでは修正します。
559通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 09:23:57 ID:???
マユ種のひとさんGJ!
仁義に誠実なマユ、「機動武侠伝」な展開イイです。
560通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 10:04:55 ID:???
復活!復活!マユ種復活!!
うおー、もうなかば諦めかけてたー!!
作者さん、お帰りなさい!!

相変わらず、ものすごい展開だ
最後に登場したのは、もしかしてデストロイ?
561通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 10:18:03 ID:sodS/3KW
キター
562通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 11:30:23 ID:???
>マユ種 乙!

しのはら版アレックスとカガリはどんな関係?教えてシンハロ
563通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 11:31:32 ID:???
マユ種作者様が帰ってきた! GJッス。
隻腕さんもしのはらさんもGJ、これからもたのしませてちょ
564通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 12:11:44 ID:???
ベリーナイス
565通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 13:18:34 ID:???
>562 しのはら凸としのはらミーアの関係もシンハロに聞いてw
『今回はレイ者がファンタジーの世界に入っているので俺のみの解説だ。すまんな。
俺の一部があっちの世界に通じてるので時々雑音が聞こえるかも知れぬがきにしないでくれ。』

ねぇ、チーム名決めよー。マユ、チーム名つったってどうするのよ。

『まずまとめサイトのマユ戦記を開いてくれ。』

あー、じゃあちょうど三人組「よろず屋マユちゃん」は? マユ、最近はまってるな。

『そこを読んでもらえれば解かると思うがこの二人は元恋人だな。』

マユ、マユはチャイナなんだから神楽よ。じゃ、『よろず屋ルナちゃん』だね。

『ミーアとアスランの関係は俺の推測だと18禁になってしまうのでやめておく。』

じゃあ、私銀さんね。私、神楽役ヨ。ちょっとまてぇ!!俺があの眼鏡かい!!
アイヤー、細かいコト気にしたら負けネ。そうだぞー、レイ八。
おい!!レイ八ってなんだ?!行くアルヨ、ルナちゃん。おうマユ。
おいぃぃぃぃぃ?!
567通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 14:36:52 ID:???
>566 情事を楽しんでいたよなw
568通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 14:53:23 ID:???
関係ないけど、ファントムペインは phantom pain だから、略するならPPな。
569253:2005/10/10(月) 15:52:46 ID:5kGDlirw
>祝!マユ種復活!!
ハイネが強すぎねえ?まあ、フリーダムとグフの特性を見たら妥当でしょかね。
ラストでミネルバ全滅!?なんかウルトラマンレオを思い出してしまった・・・
何はともあれ御帰還おめでとうございます!

黒のザクが3機・・・MSVの素敵センスGJ!!
570通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 16:19:52 ID:???
マユ種の自由は核動力じゃなくて、他のMSと同じバッテリーだから、完璧なまでの型落ち機体
火力だけは今でも通用するが、それ以外の部分ではグフの方が性能面で上回る、しかもグフは格闘戦特化の機体
ハイネが強すぎるどころか、むしろトップガンパイロットの乗った最新鋭機相手に、旧型に乗ってしかも不利なレンジで対等に渡り合えるキラが凄いと言うべき
本編でもこういうキラが(r
571通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 16:42:26 ID:???
ファントムペイン書いてる者です。第10話投下です。お目汚しを……
5721/10:2005/10/10(月) 16:44:02 ID:???
カーペンタリア基地司令室―
時計は既に10時を回っていた。司令官はため息をつき呟いた。

「アッシュ6機は今だ帰還せず……作戦は失敗したか……」

先日突然に来訪し、この基地からアッシュ6機を借り受けた特殊部隊。
ヨップ・フォン・アラファスと名乗る男に、基地司令は理由も分からずMS6機を貸し与えていた。
早朝には帰還するとだけ言い残していたが、もはや時間は早朝を過ぎ、昼にさしかかろうとしていた。
彼らが帰り次第、貸していた機体のメンテナンスも行なわれる予定で、整備兵が早朝から待機していた。
しかし、今だ彼らは戻らない。即ち、作戦は失敗したのだ。失敗した以上、司令としても待ち続けはしない。
彼は手元の受話器を手に取り、整備班に連絡を入れた。

「私だ。班長、アッシュ6機は今だ帰還していないか?」
『……はい。すでに待機時間は6時間を越えています。如何致しましょう?』
「残念ながら作戦は失敗したようだ。彼らの未帰還を持って、本作戦は終了する」
『……解りました。待機命令を解除します』

再び、今度は先ほどよりも一層深いため息をつく。
特殊部隊が作戦に失敗することは往々にしてあることだ。しかし、最新鋭のMS6機を失ってしまった。
ザフト軍地球最大の拠点の一つ、カーペンタリア基地を指揮する司令官は、一介の軍人とはわけが違う。
その明晰な頭脳で、特殊部隊が向かったであろう先と、彼らが散ったであろう場所の推測を始めた。

「……この基地直近で連合の拠点があるのは、赤道連合か……」

だが、赤道連合に駐留する連合基地に、僅か6機で強襲を仕掛けたとは考えづらかった。
あるいは何らかの偵察行動が目的であれば、6機でも作戦行動可能ではあっただろうが……。
MS隊とは別に、特殊部隊員8名が随伴していたはずだ。彼らは何をしようとしていたのか。
最新鋭の水中用MSアッシュ。彼の機体は量産機だが、連合のどの水中用MSよりも優れている筈だ。
そのアッシュまでも戻らないと言うことは……考えにくいが、それ以上の戦力を持つ相手に敗北したのだ。
連合よりも技術力のあるMS……そこまで考えて、ある国の名前が思い浮かぶ。

「……まさかオーブか?モルゲンレーテのあるあの国ならば、あるいは……」

アッシュを屠ったであろうMSの力量を推し量っていて、もう一つの直近の国、オーブに行き着いた。
けれど、あの国の主力MSは地上用のアストレイと空中用のムラサメだけのはず……
それに、実戦経験豊富なザフトの部隊が、オーブのMSに後れを取るとは考えづらかった。
これ以上考えても仕方が無い、そう基地司令は思考を纏め、この件を考えるのを止めた。
大体、目下彼の務めは基地周辺を脅かす連合艦隊の存在であった。
開戦した直後、連合の艦隊はカーペンタリア基地を襲撃したが、降下部隊の増援もあり撃退はした。
しかし、いつまた連合の艦隊が襲撃してくるかわかったものではない。これからも戦争の日々は続くのだ。

「……それなのに最新鋭MSを6機も失うとはな。議長にも付き合いきれんわ」

最後に、特殊部隊を派遣した最高評議会議長に悪態をつき、彼はこの件を忘れることにした。
5732/10:2005/10/10(月) 16:45:04 ID:???
基地司令は次の仕事に取り掛かろうと、自室を後にしようとした矢先、部屋の扉を叩く者がいた。
入れと司令が促すと、見知った顔である彼の副官がこの部屋に入ってきた。だが、その表情は暗い。
いや、暗いというより、何か困惑した風……ただならぬ気配を察し、敬礼する相手を差し置いて問うた。

「何があった?」
「……はっ。実は……本日、戦艦ミネルバへの増援として来るMSパイロット4名なのですが……」
「その話は聞いているよ。何でもあの艦はテストパイロットを含め、たった3名しかいないらしいな。
 だが、増援でMS4機と共に、経験豊富なパイロットが一緒に来るのだ。これで格好もつく……」
「ですが……そのパイロットの中に、その……申し上げにくいのですが……」
「何だ?ハッキリ言いたまえ。私とて暇なわけではないのだぞ?」
「その……パイロットの中に、アスラン・ザラの名前があるのです」
「……何だと?」

緊急事態ではないことがわかり、鷹揚に構えていた司令官の顔つきが一変する。
アスラン・ザラ―その名を知らぬものは、プラントにもザフトにもおそらくいないであろう。
先の大戦中盤、最強と謳われた連合のストライクを討ち、ネビュラ勲章受賞したエースパイロットである。
だが、彼は大戦末期、殲滅戦に突入するザフト軍に疑念を抱き、軍を離反後三隻同盟に参加した。
当時の最新鋭MSジャスティスを駆り、連合・ザフト両軍を向こうに回して激戦を繰り広げた。
その最中、ザフト軍の兵器ジェネシスが地球に向けられることを阻止すべく、彼はジェネシスを破壊した。
脱走の罪、利敵行為、その他もろもろの罪で、彼はプラントを追放されるに至った筈である。

「何かの間違いではないか?なぜヤツの名があるのだ?」
「それが……最高評議会議長ギルバート・デュランダル議長の特命付きで、メンバーに入っているのです」
「……また議長か。一体何を考えているのだ?」
「はぁ……そして、これがその書類です。ご確認を」

副官が小脇に抱えていた書類のコピーを、司令官は一瞥した。
確かに、ギルバート・デュランダルの署名があるし、アスラン・ザラが増援のメンバーに入っていた。
最初は不可解に思い、副官を問いただした彼だが、最高評議会議長の真意に気づき、僅かに安堵した。
恐らく、議長はアスラン・ザラを始めとした離反者たちを纏めようとしているのだろう、そう結論付けた。
先の大戦後、プラントの実験を握ったクライン派は、やむを得ずザラ派を要職から追わねばならなかった。
ザラ派の存在は、地球殲滅に踏み切ろうとしたパトリック・ザラを連想させ、連合の心証を悪くするからだ。
しかし、戦争となった今、要職から追われたり、追放されたりした者達の力も借りねばならぬ。
それ故に、何らかの理由でアスラン・ザラも復隊させたのだろう。

「……議長のご命令と言うことは、何らかの意図があるということだ。詮索は無用だ」
「しかし、彼は嘗て我が軍に対する利敵行為を働いております。幾らなんでも……」
「だから、議長がわざわざ署名をよこしたのだ。……詮索はしてはならぬ」
「……はっ」

利敵行為を働いたとはいえ、嘗てはエースであったことに変わりはないのだ。
使えるものならば何でも使わねばならない。ユニウス条約でMS保有数を制限されたザフト。
MSの差は戦力の差に直結する。それを埋めるのは、コーディネーターとしての能力しかあり得ない。
アスランほどのエースであれば、連合との戦いにおいて間違いなく活躍するに相違ないのだ。
5743/10:2005/10/10(月) 16:46:16 ID:???
無論、開戦直後からザフト軍もMSの増産体制に入っていたのだ。
だが、いくらコーディネーターでも短期間にMSをロールアウトできるMSの数は限られている。
今は正念場。なんとしてでも増産体勢が整い、連合と互角以上に戦えるまで持ちこたえねばならない。
だから、アスラン・ザラのような人間の力をも借りねばならないのだ。司令官はそれを理解していた。
司令官は訝しがる副官を嗜めた後、増援部隊の基地への受け入れのためのサインをした。
退室する副官を眺めながら、彼が部屋の扉を閉めたあと、今日3度目のため息をついた。

「詮索はせんが、裏切り者の力まで借りねばならんとはな……議長も何を考えておられるやら……」


一方その頃、ザフト軍地球軌道艦隊所属ホーキンス大隊では、降下作戦の準備が始まっていた。
今からカーペンタリア基地に向けて、増援4機のMSをポッドに入れて投下する手筈であった。
その中に、基地司令の話に上った人物、アスラン・ザラの姿もあった。

『間もなく降下作戦を開始します。各員所定の位置についてください』
『ハイネ隊、ハイネ・ヴェステンフェルス、グフ・イグナイテッド。準備OKだ』
『ハイネ隊、ショーン・ポール、同じくグフ。俺もいつでもいいぜ』
『同じくハイネ隊、ゲイル・ラッセル。やっぱりグフ。ここにいると息が詰まりそうだ。とっととしてくれ』

そして、もう一人……

「ハイネ隊、アスラン・ザラ。セイバー、準備OKです」

ハイネ隊の3機のグフとアスランの乗るセイバーは、既に降下ポッドに収納されていた。
これから大気圏に突入するのだが、軽口を叩くゲイルなどとは異なり、アスランの声は強張っていた。
それを聞き取ったハイネ・ヴェステンフェルスは、からかい半分、声を掛ける。

『おいおい、アスラン。お前が緊張することはないだろ?
 地球に下りるのが初めてな俺たちならまだしも、お前は何回かやってるんだろ?』
「はぁ……2度ほどやっておりますが」
『ははぁ……さては実戦が久しぶりなんで、緊張してるな?
 だいじょーぶ。今のところカーペンタリア周辺では一回小競り合いがあっただけらしい。
 あとは至って平穏。目をつぶって時間になったらポッドから飛び降りる……これだけだぜ?緊張するなよ』
「……はい」

アスラン・ザラ、彼は数日前までアレックス・ディノの名で、オーブ特使としてデュランダルと面会していた。
オーブの連合参加は本意ではない旨を伝え、プラントも和平への尽力を惜しまないで欲しいと伝えた。
だが、その席上デュランダルからザフト復隊を請われた。離反したザラ派の象徴として戻って欲しいと。
クライン派とザラ派は戦後処理の段階でわだかまりを残していた。それ故、離反者の復帰を願っていた。
戦争となる可能性が強い今、派閥の壁を乗りこえ挙国一致体勢の確立は急務といえた。
アレックスは祖国を慮り逡巡し、数日滞在する間にこたえる旨告げた。だが、その滞在中に開戦。
彼は一転、敵国の人間となってしまったのだ。
5754/10:2005/10/10(月) 16:47:08 ID:???
そんな中、彼はデュランダルがラクス・クラインの代役として用意したミーア・キャンベルと出会った。
祖国の役に立つべく、己の人生を捨ててまでラクスになろうとする少女に、彼は心動かされた。
そして、旧友の墓参に訪れた先で、かつての戦友イザーク・ジュールとディアッカ・エルスマンと会う。
彼らもまた、プラントの平和のために戦いに赴くと言い、アスランにもそれを求めた。
アレックスの中に残る、アスラン・ザラとしての心は揺れ動いた。

だが、そんな彼を更に揺さぶる出会いがあった。ロミナ・アマルフィ―
二コル・アマルフィの墓参に訪れた帰り、旧友の母親と会い互いの近況を伝え合った。
その中で彼女の夫、ユーリ・アマルフィがアーモリーワンで非業の死を遂げたことを知らされた。
更に、公式発表では事故死だが、実際はMS強奪犯の一味と思われる人間に暗殺されたと言う。
そこまで聞いて、アレックスはデブリ隊での戦闘を思い出した。Genocider Enemy of Natural―
アレックスは、彼との出会いで、プラントに迫る新たなる敵の存在をはっきりと認識していた。
そして今回の戦争……コーディネーターを滅ぼそうと画策するブルーコスモスの陰……
彼の戦士としての心が再び頭をもたげていた。

更にロミナは彼を驚愕させる話を聞かせた。
ユーリとロミナの養子となるはずの娘、その人物が今だ軍艦ミネルバで戦っていると言うのだ。
オーブ出身で、戦火で家族を失い、更に父親となるはずのユーリ・アマルフィを失った。
ロミナはまだ見ぬ娘のことを慮り、夫の死と共に悲嘆にくれていた。
アレックスは、そこまで聞いて、彼女にその娘の名を問いただした。
それが彼に復隊を決意させることとなった。

彼は復隊の条件に、デュランダルに対しミネルバへの着任を要請した。そして……

『これから赴任するミネルバは最新鋭戦艦らしい。当然、激戦地送りだろうな。
 俺たちがこれからやることはえげつない戦争だが……せめて、明るくやろうぜ?なぁ、アスラン』
「はい……」

ハイネの励ましのとおり、アスランはミネルバへの着任の命を受けた。
プラントを護るため―そして、一人の少女を護るため―彼はユニウスセブンでの一件を思い出す。
あの日、まだ幼い少女は地球を救うため単身ユニウスに残り、破砕作業を続行していた。
本来なら自分のような人間が行なうべきことを。その時彼は己の力のなさを呪った。
そして今、彼は新たな力"セイバー"と共にミネルバを目指していた。

『間もなく降下始まります。ハイネ隊の皆さん、御文運を!』

ホーキンス隊所属のオペレーターからの激励を合図に、4機のMSは落ちてゆく。
新たなる戦いのため、そして―

「マユ……君を死なせはしない」

決意と共に、戦士は戦場へと舞い戻っていった。
5765/10:2005/10/10(月) 16:48:26 ID:???
だが、降下ポッドの中でハイネ・ヴェステンフェルスは、言葉とは逆に暗澹たる気持ちであった。
理由は、アスラン・ザラ。彼の復隊とともに、ハイネには議長直々にある命令が下されていた。
アスランと共に地球降下命令が下った頃、ハイネは議長室に呼び出されていた。
そして人払いをした後、命令が下された。

「アスラン・ザラが、かつてわが軍に利敵行為を働いたことは君も知っているな?」
「はい。ヤキンで我が軍と戦い、ジェネシスを沈めたと聞いております」
「彼が再び不穏な動きを見せた場合、始末は君に任せる」
「……裏切った場合、彼を殺せと?」
「アスランは復隊させたが、彼のフェイス資格までは戻していない。一介の戦士としてレッドを着ている」
「フェイスである私に、彼の監視と……場合によっては抹殺をしろと?」
「保険はかけておく必要がある。あくまで保険だが……全てはあの男次第だ」

生来楽天的な性格のハイネもこれには閉口した。
復隊を求めながら、なお裏切った場合のための保険として、彼の抹殺命令を受けようとは……
重力に引かれ落ちてゆくポッドと同じく、以来彼は奈落の底に落とされたような気分であった。
それを部下が察したのか、声を掛ける。

『隊長、ひょっとして緊張してます?』
『ゲイル。俺たちの隊長が、大気圏降下ごときで緊張すると思ってるのか?』
「ん〜、ちょっとな。これからどういう連携で戦おうかとか、いろいろ……な」

部下の前では弱気を気取られてはならない。彼は何気ない話で話題をそらした。

『フォーメーションの件なら、私が先方を務めます』
『おおっと、出戻りさんが先方を志願してらっしゃいますよ?』
『ゲイル、お前……!言いすぎだぞ』
「出戻りは余計だぞ、ゲイル。で、アスラン。志願の理由は?」

まさか本気で答えられようとは思ってもいなかったが、やむを得ず問いただす。

『自分の機体、セイバーは空戦用の機体です。大気圏内ではグフよりも動けます。
 また、フェイズシフトもあるため、ビーム兵器以外に脅威を感じることはありません』
「ふ〜む、やる気満々だな。心配して損したぞ」
『でも、実際どうするんです?いつもは隊長トップで俺らが援護ですけど?』
『俺たちもグフにはまだ慣れてません。各個撃破は少々厳しいかと……』

逡巡の後、ごまかし半分でハイネは答えた。

「よし!俺とアスランでツートップ、お前等は援護。ミネルバの連中は会うまで解らんが……
 会ってから改めて決めても問題ないだろう、とりあえずは……あとは、出たとこ勝負だな」

……アスランの裏切りが再び起きても、出たところで勝負するだけの話だ。
そう自分に言い聞かせ、ハイネはいつもの明るい自分に戻ろうと努めていた。
5776/10:2005/10/10(月) 16:49:18 ID:???
ミネルバでも、4機の増援部隊の到着は心待ちにされていた。
だが一人だけ、先日フェイスに就任したばかりのタリア・グラディスの気分は晴れていなかった。

オーブからカーペンタリアへ向かう途中、大西洋連邦艦隊の猛攻を受けた。
インパルスを駆る少女、マユ・アスカの活躍により6隻の鑑定を沈め撃退するに至ったが……
当のマユ本人に異常が生じていたのだ。彼女は戦闘終了後、激しく嘔吐し、医務室に運ばれた。
身体的異常は認められないとの医師の診断であったが、彼女の異変の原因は明らかであった。
ミネルバの危機に怒りの反撃をしたが、年端も行かない少女が大勢の敵を殺したのは事実。
彼女は戦闘の最中、敵を撃つたびに「命の散る音が聞こえた」と言い、己が行為に震えていた。
勲章ものの活躍に周囲は色めき立ってはいたが……タリアは手放しで喜べなかった。
彼女の除隊申請をしたものの、インパルスは戦力になるという理由で却下された。
タリアが新たに来る4人パイロットによせる期待は、他のものより大きかった。

「まだ……かしらね?」
「午後には降下してくるという話ですので、夕刻までには着任するかと」
「そう……」

独り言のつもりが、副長のアーサー・トラインの生真面目な応答にあった。
できればもう一人、インパルスのパイロットを連れてきて欲しかったというのが彼女の本音であった。
マユ・アスカは先の戦闘以来、同室者のルナマリア・ホークの話では、ろくに食事もとっていなかった。
理由は先の戦闘ともう一つ―彼女の父となるはずだったユーリ・アマルフィ死去の一報であった。
アーモリーワン襲撃事件に巻き込まれての死、そうマユには伝えていたが……
彼女が望んでいたであろう、日々のささやかな幸せという未来は閉ざされた。
その代わりの未来が、エースとして戦わねばならない未来……

「やるせないわね。本当に……」
「はぁ……?」
「……あなたに言ったわけじゃないのよ、アーサー。独り言よ、独り言」
「……はっ」

生真面目に返事をする副官のせいで苦笑するタリア。彼のお陰で些か暗い気持ちも晴れはした。

「マユは……元気かしらね?」
「ああ、今日は待機命令もないので、ルナマリアやメイリンと一緒に買い物に出かけたとか……
 女の子同士でしか話せないこともあるし、いいことじゃないですか?」
「そう……」

アーサーの言葉で気づいた。言われてみればメイリンの姿が見えない。
代わりにいつもメイリンが座っているオペレーター席には、アビー・ウインザーが座っていた。
彼女は、ミネルバのカーペンタリア基地寄港後に送られてきた補充要員の一人であった。
そもそも月機動艦隊に所属するはずのミネルバが、諸般の事情で地球にまで来てしまったのだ。
進水式前ということもあり、最低限の人員しか用意していなかったが、補充要因のお陰で体裁が整った。
あとはパイロットの数さえ揃えば……だが、それは最新鋭艦として更なる活躍を求められることに繋がる。
来るべき激戦を予想し、タリアは最後に一つため息をついた。
5787/10:2005/10/10(月) 16:50:22 ID:???
同刻―カーペンタリア基地とそう遠くない場所―
赤道連合支配域の秘密基地に、地球連合軍所属空母J・Pジョーンズは寄港していた。
ラクス・クライン誘拐の任務を無事に終えたファントムペインには次なる任務が下されようとしていた。
ブリーフィングルームに4人のパイロットが集まる。徹夜で任務に当たっていたため全員寝ぼけ眼だ。
誘拐犯のゲンはもとよりアッシュを打ち倒したアウル、二人は流石に疲労の色が濃かった。
また、スティングとステラも待機命令が出ていたため、夜通しMSの側を離れられなかったのだ。

「なぁ……ここ、どこ?」
「知るかよ……ネオにでも聞くんだな」

仮眠から起きたてのアウルがスティングに基地の場所を問いただすが、相手にされない。
スティングもまた仮眠明けで眠いため機嫌が悪い。その上、ここが何処だか彼もわからなかったのだ。

「位置的には、オーストラリア大陸に近そうだけどな……」
「ネオが……秘密基地……って言ってた」

代わりにゲンとステラがフォローする。彼らも寝ぼけ眼である。この基地はそもそも正規の基地ではない。
ザフト軍の最大橋頭堡であるカーペンタリア基地攻略のため、以前から連合が秘密裏に作っていたのだ。
しかし、秘密基地故に問題が山積してもいた。秘密裏の基地建設のため工事に目立つMSは使えない。
現地住民を徴発して建設作業を行なっていたが、半ば強制徴用であるため労働者の意欲は低い。
故に完成予定は大幅に遅れており、今だ戦力となるべき基地の体をなしていなかった。
そこにJ・Pジョーンズが寄港し、ファントムペインは次なる命令を待っていたのだ。
そして、その次なる命令を携え、彼らの指揮官が部屋に入ってきた。

「何だ何だ、みんな眠そうだぞ?」

仮面の男、ネオ・ロアノーク大佐である。彼も徹夜同然ながら、相変わらず元気であった。
そこは大人と子供の差が現れていたのだが、4人とも軍人である。流石に上官の来訪で眠気を振り払った。

「大佐、ラクス・クラインはどうしたんです?」
「ん……着いてすぐに赤道連合の別の基地に移送されたよ。これから盟主のところまで行くそうだ」
「そうですか……」
「どうした、ゲン?彼女が恋しくなったか?」
「まさか。いなくなってくれて清々しますよ」

昨夜拉致され、この艦に収容されていたはずのラクス・クラインは既にこの艦を去っていた。
ゲンは彼女のことを尋ねたものの、好意を持っていたわけでもない。ただ聞いてみただけなのだ。
そもそも昨夜の戦闘でザフト軍特殊部隊と交戦した際、彼女の不手際でゲンは負傷したのだ。
背中に榴弾の破片が食い込み、今でもときおり疼く。医師の見立てでは全治2週間ほどらしい。
だが、傷の程度よりも、彼女の見せた優しさが、ゲンには酷い不快感を残していた。

「ああ、そうそう。彼女がお前に礼を言ってたぞ。護ってくれてありがとう……ってな」

礼は本人に言うものだろう―そう思いながらも、抱いていた不快感の幾分かは消え去った。
5798/10:2005/10/10(月) 16:51:11 ID:???
ネオとゲンのやりとりを、アウル、スティング、ステラの3人はひそひそ話しながら見ていた。

「………?」

ゲンが視線を向けると、3人とも目をそらす。ただ、ステラだけがゲンにボソッと言った。

「浮気者……」
「……おぃ。何だよそれは……」

なぜか浮気者扱いされた―当然、彼女にそんな言葉を吹き込んだ輩がいたに違いないのだ。
見かけよりも子供っぽいステラが言う台詞ではない。ゲンはアウルとスティングを睨む。
アウルはあからさまに視線を逸らし、スティングはニヤニヤ笑いながら声を掛ける。

「隊長さんよ、女難の相が出てるぜ」
「……冗談じゃない。大体俺とステラはそういう仲じゃないだろう?」
「そうか?じゃあ、ラクス・クラインとは?」
「……誘拐犯にその被害者が心を開くとでも思ってるのか?」
「でも、"護ってくれてありがとう"なんて普通言わねぇぞ?」
「………」

反論するのは薮蛇だ―そうゲンは悟った。
子は親の背を見て育つなどというが、軍人は上官の背を見て育つようだ。
普段から似たようなからかいをネオからゲンは受けていたのだが、それが部下にも移ったらしい。
ステラとラクスを出汁に、なにやらゲンにとっては不利な話題が続けられた。
詰った本人のステラは、話の内容がわからずキョトンとしている。
どうやら同僚の二人に唆されただけらしい。ゲンは少しだけ安堵する。
見ればネオは口元を歪めて笑っている。

「若いねぇ……」
「大佐、そろそろ仕事の話、しません?」

付き合いきれない―なら元の話に戻せばいいだけだ。残念そうにネオは口を尖らせる。
アウルとスティングもステラ、いよいよ次の任務の話だとわかり目つきが鋭くなっていった。

「まずはこれを見て欲しい。先日オーブ近海で戦闘があったんだが、その際の映像だ」

ネオは室内に備え付けのモニターにある映像を映し出した。
それは開戦直後に撮影された、ザフト軍艦ミネルバと大西洋連邦軍艦隊との戦闘の映像。
たった一隻の艦に猛攻を浴びせる友軍だが、ミネルバはまったく沈む気配がない。
逆に暫く経つと、一機のMSが突如として友軍に猛攻を浴びせた。
ゲンをはじめ、ファントムペインのパイロット達はそのMSに見覚えがあった。

「こいつは……あのときの!」
5809/10:2005/10/10(月) 16:52:14 ID:???
アーモリーワン以来の仇敵の姿がそこにはあった。
ミネルバに群がるウィンダム部隊を次々打ち落とし、MAザムザ・ザーすら撃破された。
そして今度は、武装を換装し対艦刀を握り締め、次々と空母・駆逐艦を屠っていったのだ。

「すげぇ……」
「本当にアーモリーワンで戦ったアイツか?まるで別人じゃねぇか?」
「こいつ……強い……」

アウルは素直に感嘆のため息を、スティングは見違えた仇敵の動きに些かの疑念を抱く。
そして、ステラは極めて客観的に、かつ簡潔に相手の戦力分析をした。
そんな中、ゲンだけは別の感情を抱いていた。

「こいつは……あのときユニウスで会った……」

ユニウスセブンの破砕を共に行なったMS。ステラよりも年若い少女が乗っていたはずだ。
目の前に映し出される映像では、そのMSが突如として変貌を遂げていたのだ。
まるで鬼神―そう思えるほどに目の前の光景は凄惨ですらあった。
蹴散らされる友軍を尻目に、悠々と引き上げるミネルバと白いMS……

「……これがお前等の次の相手だ」

ネオの言葉は続く。大西洋連邦軍はMSウィンダム15機とMAザムザ1機、艦艇6隻を失った。
艦隊を派遣していた大西洋連邦軍カリフォルニア基地司令官は、この結果に愕然とし、ある命令を下した。
すなわち第81独立機動軍、ファントムペインにミネルバ追討の命令を下したのだ。
ファントムペインの直属の命令者はロード・ジブリールだが、彼もまたそれを認めた。
この艦は、いずれ我々連合の脅威となるだろう……

「だから、俺たちがミネルバを倒さなければならない」
「で、大佐。こいつらは?戦おうにも、一体何処にミネルバはいるんですか?」
「まだカーペンタリア基地にいるんだが……連中の動き次第だな。
 このままカーペンタリアに居続ければ、俺たちもカーペンタリア攻略戦に参加する。
 宇宙に戻るようなら俺たちもガーティ・ルーと合流して、ミネルバと戦う。
 あるいはこいつらが地球の別の拠点に移るなら、俺たちもそれを追う……ってところだ」

つまり、ミネルバの撃沈こそがファントムペインの至上命令となったのだ。全員がこの事実を受け止める。

「……強そうじゃん。相手にとって不足なしだね」
「まぁ、俺たちが宇宙で討ち漏らした連中だ。尻拭いはしないとな」
「……うん!やっつける!」

アウル、スティング、ステラはそれぞれに相手を倒す決意を固めた。
だが、一人だけ、ゲンだけはなぜかミネルバの白いMS、インパルスに奇妙な感情を抱いていた。
58110/10:2005/10/10(月) 16:53:12 ID:???
ゲンはユニウスでの一件を思い出していた。
わが身を省みず、地球を救うため破砕作業を続けようとした白いMSのパイロット。
彼女がこれほどのMS乗りであろうとは、ゲンは夢にも思わなかった。
そして、あの時少女を討たなかったことを悔んだ。大気圏突入の際、彼女を手助けしたのはゲン。
あのまま彼女が燃え尽きていれば、大西洋連邦軍の艦艇は沈まずに済んだのかも知れない。
そう思うと、自らのミスは悔やもうにも悔やみきれなかった。

「……コイツは俺が討つ。この白いMSは……俺が……」

他の3人に比べて明らかに別の決意を秘め、ゲンは宣言した。
だが、3人ともエクステンデッドとして、またエース級のパイロットとしても易々と手柄を奪われたくはない。

「ゲン、こいつは俺の獲物だよ?」
「アウル、勝手なこと言ってんじゃねぇ。俺がやる」
「陸戦なら……ガイアが一番強い。だから、陸戦なら私がやる」

意気盛んな部下達をネオは満足気に眺めている。だが、そんな彼らを驚かせることを彼は言った。

「こらこら、上官を差し置いて勝手なこと言うなよ。
カリフォルニア基地でフルブーストが届いたんで、俺のウィンダムも出られる。俺もやるぞ〜」
「ええっ!おっさんも出るのかよ?」
「コラッ、アウル!おっさんじゃないっ!」
「ネオ……年甲斐もなく頑張りすぎるなよ」
「スティング、俺はまだ若いんだぞ!」
「ネオ……お年より?」
「こらこら、ステラまで何言い出すんだ?こんな若い指揮官を捕まえて年寄りって……」

アウルとスティングが、相手が上官であるにもかかわらず諫めに掛かった。
果てはステラにまで年寄り扱いされては、流石のネオも落ち込まざるを得なかった。

「大佐、自分で若いって言い出したら、年取ってる証拠ですよ?」
「ゲン……お前まで酷いぞ?」
「いつものお返しですよ。でも、これで全員MSに乗れますね」
「ああ……これでミネルバを叩くのさ」

ファントムペイン所属―ネオ・ロアノーク大佐以下
ゲン・アクサニス中尉、アウル・ニーダ少尉、スティング・オークレー少尉、ステラ・ルーシェ少尉……
ミネルバ所属―特務隊フェイス、ハイネ・ヴェステンフェルス隊長以下
アスラン・ザラ、ショーン・ポール、ゲイル・ラッセル、ルナマリア・ホーク、レイ・ザ・バレル、マユ・アスカ……

かくして役者は全て演壇に登り、インド洋の死闘は幕を開ける―
この戦いは意外な結末へ向かう序章曲―
582おまけの予告編:2005/10/10(月) 16:54:23 ID:???
予告編(ネタバレ多数につきご注意)

動き始めた運命―

「ラクス・クライン、貴女を利用させてもらいます。私の"共犯者"として……ね」
「ジブリール卿、貴方は私を手の内に収めて……キラを利用しようというのですか?」
「彼は……不確定要素に過ぎない。私には、アクス・ア・ニースというカードがある」
「……!あの計画は……続いていたのですね?」
―明かされるアクス・ア・ニース計画、そしてキラとゲンの出生の秘密―

「農業プラントを攻撃とはな……彼らの狙いは何だ?」
「議長、当面の食糧確保のためにも、何らかの策を講じませんと……」
「やむを得んな……シュライバー、独立派の動きを支援してユーラシアの穀倉地帯を確保しよう」
「……・わかりました。早速手を打ちましょう」
―戦局は動き、それは新たなる戦火を巻き起こす―

「盟主、ミネルバはそう簡単には落ちませんな。強攻策に出るのなら、増援部隊が欲しいところです」
「大西洋連邦としてはこれ以上の増援は見込めないよ、大佐。代わりにオーブを増援に回そう」
「オーブを?まさか……彼を使うとおっしゃるのですか?」
「ああ、キラ・ヤマトを……な」
―策謀により、戦場に戻るキラ―

「カナーバ……なぜお前がラクスを狙う?」
「バルトフェルド……貴方はあの娘がどういう罪を犯したのか、知らないのね」
「罪……だと?」
「あの娘は自分の父親を殺したのよ。彼女の願う"平和"のために……」
―ラクス暗殺事件に隠された真実とは―

「キラ……なのか?」
「アス……ラン?」
「……なぜお前が連合に……オーブ軍にいるんだ!」
「君こそ!どうしてザフトにいるの!?」

「お兄……ちゃん?」
「……何?」
「生きていたの?でも、何でお兄ちゃんが連合にいるの?……どうしてステラを戦わせるのよ!」
「……お前は……誰だ?」

運命の兄妹と宿命のキラとアスラン―
そして運命は一人の男の歯車をも狂わせる―

「ジブリール、お前には失望したよ。まさか貴様がラクス・クラインを飼っていたとはなぁ……
 いいだろう。貴様がコーディネーターを滅ぼそうとしないのなら、私が代わってやろうじゃないか!
 丁度いい……息子の仇だ。忌々しいソキウス……貴様にも死んでもらうぞ、ゲン・アクサニス!」

―ファントムペインの新たなる戦いが、今始まる―
583後書きのようなもの:2005/10/10(月) 16:58:21 ID:???
P2書いてる者です。
……遅筆ですみませんorz
SSが活発になった3スレ目の最初からいるのに、なぜか書くのが一番遅いです。
拙作を楽しみにしてくださる方もいらっしゃるので、お詫びがてら予告編なんぞ書いてみました。
本編と似たような展開で全然似てませんが、ご容赦くださいませ。
584通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 17:02:41 ID:???
>583 いつもながら乙です!

自分も頑張らないと(´・ω・`)
585通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 17:11:44 ID:???
神がキタ―――――(∀゚≡゚∀゚≡゚∀≡゚)―――――――!!!!!
586通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 17:26:36 ID:???
幻痛戦記キタコレ!
戦闘ゼロなのに、前フリだけでゾクゾクしてくるね
587537:2005/10/10(月) 17:47:39 ID:???
えと、今更つか一日置いたけど取り敢えずマユ種最神話まで読了。
このまま保管庫上から順に読んで逝く所存なり。
感想としては矢張り皆イキイキしてるな〜〜と、人の暗部が現れていると思いましたよ、私は。
これでマユが年頃&連合に行ってたらもの凄い事までマユ種の人は書いてくれそうだな〜〜と思ったり。


突発ながら思いついたMSV
 カオス・シュナイブ
カオスのバリエーション機で推力と攻撃力を高めた機体。地上では主に飛行できない機体を載せて飛ぶレイダーの様な存在に。
カオスとの相違点は特徴であるポッドからミサイルが消え、代わりにポッド中央にブリッツのグレイプニールが付き、
ポッドに三本の可動式のシュベルトゲベールを装備。
戦闘時に敵機をグレイプニールで掴みそのまんま前面にシュベルトゲベール展開、回転させながらポッドが突っ込んでいく。
因みに、機体上に他機を載せたままでの戦闘も考慮し、ポッドは側面へスライドしての展開も可能となっている。
又、MA時の脚部にもシュベルトゲベールを装備していたりする。


何と言うか自分で見ても厨な機体だけどもし使いたいと言う既得なお方がいらっしゃいましたらご自由にお使い下さい。

by種死MSに足りなかったのはドリル何ですよ! 奥さん!!と熱弁したくなってる537
588通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 18:08:31 ID:???
>>583
インド洋の死闘は激戦必至ですね!
ミネルバVSファントムペインはめちゃめちゃ楽しみです!
なんなんだ、この豪華メンバーは!

あとマユもザムザ・ザー相手に大暴れ・・・ということは6人目のSEED持ち?
予告の最後の台詞が誰だかわからないです・・・って俺だけか・・・ orz

とにかくGJです!!!
それにしても応用力というか柔軟性というかすごいですね。
589まとめ人 ◆rw1maYUY1g :2005/10/10(月) 18:09:09 ID:???
>>ファントムペイン戦記作者様
投下お疲れ様です。
ファントムペイン戦記アスランは、錯乱したり脱走したりメイリンお持ち帰りは
ないですよね?それだけは勘弁して欲しいです。
まあ大丈夫だと思いますが。

今日(10/10)は、マユ種新作にファントムペイン戦記新作に凄い日だ。
590しのはら:2005/10/10(月) 18:14:25 ID:???
>584は自分です(汗
>587 そのMSV使わせてもらいますwクヒヒ


>ファントムペイン戦記作者様 いつもGJ!
591通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 18:16:13 ID:???
>537 感想キボン
592通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 18:23:27 ID:???
幻痛乙!
まったりとした空気が、あくまで嵐の前の静けさだとハッキリと感じられるのがイイ!
期待できる作品なら、こうやって焦らされるのも悪くないもんだね。


MSVというと、ガイアインパルスとかアビスインパルスとかカオスインパルスに
期待したい漏れがいる…
特にガイアインパルスのシンマユタンデムとか。
ケンタウロス的MA形態のガイアインパルス…ハァハァ
593通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 18:34:33 ID:???
>590 しのはらも投下してくれ!
594通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 18:40:55 ID:???
しのはら凸早く出てこないかな・・・
595537:2005/10/10(月) 19:18:46 ID:???
ウェ?これ以上の感想ディスカ?
了解、主にマユ種に付いてですが感想逝きます。

先ず読んで思い浮かんだ事を書くと一重にマユと言う少女のモノの見方や心情に引き付けられました。
憎しみと悲しみに囚われてかけも優しさは忘れない所とか、インパルスをかけがえの無い友として見てる所とか
(ここで537の頭の中に一瞬ボールが友達のサッカー少年及び愛と勇気しか友達の居ないヒーローが浮ぶ)
まあ、そんな事は置いといて、自分が関心したのはマユの扱い。
こう言った話の場合、ナデシコのアキトの如く偶然乗り込んで理由も無く何故か活躍してしまう物が多いですが
(ナデシコはIFSで筋通ってるし同じ偶然と言えば初代やX等もですが
アムロはメカオタな上に親のパソで色々データみてるしガロードはMSを身一つで強襲して奪う生活繰り返してた)
所がマユ種ではマユ自身がインパルスの開発に加わってるし色々跡付け無しで納得出切る内容で嬉しい限りでした。
そう言えば偶像としてのシン・アスカとか実にリアルだと思いましたね。

う〜〜む、今後ネオとの絡みが楽しみだ。
そう言えばエグザスってどうなったんだろ・・・本編では負債お得意の一発キャラ扱いだったろうけど。
何時かこのネオにウィンダムより赤いストライク(ダガーじゃなくて)の専用ストライカーとして出るといいな・・・





ついで マユifPHASE−16 
ビームがビールと書かれていてココア吹いたw
596通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 19:23:25 ID:???
>595 マユ戦記はどうだった?我らがしのはらタソのハジケたシナリオ&キャラはw
597通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 19:26:22 ID:???
>595 しのはら版が読んだ感想一番気になるw
598537:2005/10/10(月) 19:40:35 ID:???
ウィ、マユif読み終わったんでマユ戦記を一気に読む所存なり。
量によっては感想は明日になるかもしれん。短大もあるし。

>590 :しのはら氏
どうぞどうぞ、お遣い下さい。紅く塗ったらあら不思議、シンアスカ専用機に早代り、な機体です。
(シンが本編でソードでしか目覚しい活躍してないって言う嫌みじゃないよ? ホントだよ?)

あ、因みにMS時にはビームライフル在りません。
脚部のシュベルトゲペール利用しての脚闘及び腰部ブーメランでH&Aで頑張ります。
でもシン専用機になったとしても何時の日かサーベルと薔薇書かれてエド専用機になりそうな悪寒。
599まとめ人 ◆rw1maYUY1g :2005/10/10(月) 20:14:58 ID:???
>>537
>ついで マユifPHASE−16 
>ビームがビールと書かれていてココア吹いたw
該当箇所修正しときました。
600通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 20:59:32 ID:???
ファントムペイン、まさかラクスの●●●●説を採るとは!(←ネタバレ部分につき伏字)
……やっぱそれが一番説得力あるよなぁw
どう扱うのか今後にとっても期待。

いつもGJ!!
601通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 21:05:32 ID:???
反省房にて
ルナ「レイ・・・・殴ってごめんなさい。」
レイ「気にするな、俺は気にしない」

レイ(ルナマリアおまえのパンチ痛かったぞ)

マユ種30話から妄想
602253:2005/10/10(月) 21:19:09 ID:AzSW6t2T
>>570
そ〜いえばマユ種版の自由はバッテリー式でしたね(26話確認)
確かにキラは凄いや・・・あの自由でザフトMS数十機とやり合うとは。
こっちのキラなら暁乗ってもカッコ良いな。本編で鷹が乗った時はマジ凹んだorz
603通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 21:35:40 ID:???
FP戦記超乙!!!
敵対関係・味方・協力関係、原作と全く違うキャラの立ち居地に心躍りますつうか燃えます
マユたちの話も画面に映らない遠くでちゃんと進んでいるという感覚がたまんない
この先がめっさ気になります!どうなるか楽しみで仕方ないです
ゆっくりでも読者的には全然構わないっすよ!自分のペースでいいものを書き上げてください!!
604通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 21:41:54 ID:???
あれ、ファントムペインってPPか?間違えて覚えてた、すいません
さて、今度は別のパーティの様子である。
「問おう、あなたが私のマスターか?ってだれもいねー?!」
セリフから解かるようにアキラが現われた。服は赤い外套である。
「あら?アキラ。私あんたと一緒のパーティなの?」
そう言って現われたのはグレイシア。手に鞭をもった姿から魔物使いであろう。
「うわっ・・。」
次に現われたのはアスランだ。軽い鎧に剣といった典型的な戦士スタイルをしている。
「なんだー、キース達とは別々なんだ。」
最後に現われたのはカルマ。兎の耳がついているので獣人だろう。
「きゃんきゃんーーーー!!アリスブルー!!」
「ちょっと!落ち着きなさいよ!!」
カルマの姿を見た瞬間騒ぎ出したアキラをグレイシアが抑える。
「えーっと、グレイシアとカルマのジョブは解かるんだが・・アキラは何だ?」
「あ・・、俺は錬剣術師です。」
「れんけんじゅつし?錬金術師じゃなくて?」
グレイシアが突っ込む。
「武器を魔力で作り上げてその戦闘でのみ数回使えるようにするジョブ。
それ以外も投影できるけどそれだとワンランク下がるっていうデメリットがある。」
うっとりしながら語るアキラ。
「アスランは戦士なのー?」
カルマがアスランに聞く。
「いや、俺は剣士だ。どうしたらいいか解からなかったから適当に・・・。」
「セイバーーーーーー!!」
「え・・あのっ?!ちょっと?!」
「アキラ!落ち着きなさい!!」
「早くエクスカリバーとか投影できるようにしてやるーー!!」
606通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 22:26:38 ID:???
マユ種でマユがインパルスから乗り継ぐ機体が
デスティニーなのは顔のデザインが凶悪すぎるのでちと考えてみた。

1)デスティニー(インパルス顔)
 インパルスの後継ということでなんの捻りも無く。

2)インパルス改
 デスティニーが連合側についたシンに盗まれるとして、それに対抗するため作られた機体。
チェスト・レッグフライヤーは分離しないようにしてレジェンドやデスティニーと同じ新型核エンジンを搭載。
腕にビームシールドは固定装備として使用される。
各部位も核動力前提に強靭なものに変更されている。
各シルエットおよびコアスプレンダーは今までの物を流用している。
新シルエットとしてデスティニーシルエットも有るが機動力ならフォースに勝るが、
接近戦および砲撃力はソード・ブラストに劣るため扱いづらく、整備班による現地改修がなされるらしい。
背中の武器は以下のように付け替えるらしい。

接近戦重視でエクスカリバー改「カリバーン」×2
  アロンダイトとデスティニーへの採用を争ったビームソード。
 折りたたみ式ではないが、ビームの出力自体はアロンダイトと大差は無い。
 エクスカリバーより短くなって対艦戦ではなく対MS戦格闘戦を想定して造られた。 
 

砲戦重視なら
 ・アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲改×2
 ・スーパーフォルティスビーム砲×2
 ・ヴァジュラビームサーベル×2
 フリーダムに分解されたセイバーのパーツから流用。
 核エンジンによるエネルギーに対応して、威力を強化した。
 またチャージタイムも短縮され有る程度の連射も可能になった。
 一撃の威力ははM2000GXに劣るが二門である程度の連射も可能なため実戦ではこちらの方が有効なのだそうだ。
 接近戦能力を補うためにヴァジュラビームサーベルも追加された。
 マユならハイマットフルバーストを再現してくれるに違いない!
「・・・・・・・・・・・・・バランスわりぃなぁ・・・。」
スティングは突っ込んだ。ここはファントムペイン三人組のパーティである。
『確かに、海賊に召喚師に盗賊だもんな。』
「お前が選んだんだろ?!声優ネタに走りやがって!」
他人事のように言うシンハロに突っ込むスティング。
「神風怪盗すてらー。」
無邪気にポーズを決めるステラ。
「・・・・・・・・・ホントはブリッツの選手とかにするつもりだったろ。」
アウルが毒づく。
『ほら!各地の祈り子様の所に言って召喚獣集めないと!!』
「そっからかよ!!つーかまんまパクリじゃねぇか!!」
スティングはおもいっきりシンハロに突っ込む。
「スティング!いこ!!」
ステラが眼を輝かせながら言う。
アウルとスティングがやれやれと言う顔で腰を上げた。
『でもさー、ユウ○一行って言うよりあの三兄弟一行みたいだよなー。このパーティ。』
まるで他人事のようにシンハロは呟いた。
「俺ギャンブラー。」
「俺は吟遊詩人だ。」
「僕はぁ、あそびにーん。」
「・・・・・・・・・・錬金術師。」
アンバランスここに極まれり。
そんなパーティを組まれてしまったのはジョー、ハイネ、キース、ゼロである。
「どうするよ・・。俺はてっきり皆が戦闘系のジョブを選ぶとばかり・・。」
ハイネが苦悩する、が、他の奴らはそんなことは考えていない。
「だって、面白そうだったしさー。イカサマは得意だぜ?」
ジョーが平然と言う。
「だってぇ、お酒飲みたかったしー。」
キースは赤い顔で言う。
「一番自分の能力を生かせるジョブがこれでした。」
ゼロがいつもとかわらない表情で言う。
「あーもー、だめだよ!!こうなったのも全部こいつのせいだ!!」
『ぎゃ〜!やめてーー!!竪琴の弦で切ろうとしないでー!!』
ハイネはこのパーティに対する不満をシンハロにぶちまけるしかなかった。
609通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 22:36:56 ID:???
やっぱデスティニーシルエットはアリだな
610537:2005/10/10(月) 22:40:35 ID:???
やっとしのはら版事マユ戦記読み終わりました!
いや、色んな意味でぶっ飛んでるってのが第一印象でしょう、やっぱ。
読み終わってふと思ったのはこれって一部展開がZや逆シャア入ってる?
とか、カガリは真ゲッターキャラか?と思う程漢だし。
エドと白鯨は〜〜?とか言いたくなりますよ、あの二人だけ出てると。

取り敢えず思った事は凸、君はもう逃げられないから大人しくミーアと結婚しとけ、
と、マユはシンと相思相愛かって事です。


序、MSV再び
G・バスター
前大戦時大破し、破棄される事になったバスターを戦後のどさくさで痔悪化が某ジャンク屋に改修を依頼、送り届けられた機体。
見た目は武装を除けば色違いなだけの黒系で纏められたバスター。

バスターの特徴である350ミリガンランチャー、94ミリ高エネルギー収束火線ライフルの取り付けられている場所が両肩の後部に変わり射撃の自由度が上がっている。
また、バックパックにはジャンク屋脅威のメカニズム・マルチパックが取り付けられシルエット及びストライカーの接続が可能となっている(もっぱら使うのはブラスト)
又、脚部横に外付けバッテリーパック及び艦とのエネルギーラインコードの取り付けが可能となっている。

関係者一同からはG・バスターのGはグゥレイト!のGだと囁かれ続けるが未だ謎のままだったりする。
因みに各シルエット及びストライカーを装備した場合その装備の頭文字がGの換わりに付く。
例 ブラストシルエット→B・バスタ− フォースシルエット→F・バスター 等。

「旧式が新型に勝てないと誰が決めた? 改修しだいでまだまだいけるんだ。
 見ろ! バスターは後10年は戦える!!」
611通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 22:49:34 ID:???
>610 ぶっ飛んでるだろーw
逆シャアなんてあったかな?
あとMSVやアストレイキャラの絡みがうまいだろ
612通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 22:59:25 ID:???
>610 「ぶっ飛んでる」例を述べよ
613通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 23:15:32 ID:???
MSの設定だけ並べても、問題はそれを「どう使うか」だからな。
弄りすぎると想像の方がついていかんし。

>ほのぼのマユデス
ファンタジー吹いたw
614通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 23:21:58 ID:???
>613 設定は上手く使えてた>しのはら まあ、本編がアレだからなぁ・・・
615434:2005/10/10(月) 23:25:26 ID:???
今現在シン専用MS作ってる者です。
頭部は後は色塗りというところまでいきましたが、
角が折れるというアクシデントが起きてしまい、角のデザインがストフリと少し変わってしまいました
(ストフリより格好悪くなったかも…orz)

予定としては、ストライカーシステムとMA形態への変形を予定しております。

537様に触発されて、俺MSVを勝手に考えてしまいました(脳内設定ですが)

カラミティストライカー
前大戦時に猛威を振るったX131カラミティの火力を反映させたストライカー。
ダガーL等に装備されている対艦パックの上位機種であり、
シュラーク及びスキュラを標準装備している。
エネルギーを大量に消費する事もあり、大型のプロペラントタンクが搭載されているが、
その代償として機動性能が犠牲になると言う欠点がある。

フォビドゥンストライカー
X252フォビドゥンの機体性能を反映させたストライカー。
ミラージュコロイド発生装置を備えており、これによってゲシュマイディッヒ・パンツァー
を起動させるだけでなく、フォビドゥンブルーのように水中戦への応用も可能となっている。
また、ブリッツのような隠密戦用の運用も想定されているが、
装着機体の配色等の問題もあり、全てが全て隠密活動が出来ると言う訳ではない。
(隠密活動のみでの運用ならばNダガーNを使った方がコストがかからないとの声もあり)

レイダーストライカー
X370レイダーをベースとしたストライカー。
原型となったのはアウトフレームのGフライトであり、これを装備する事で
簡易的ではあるものの、MA(あくまで擬似的な)形態への変形を可能とする。
ストライカー自体が可変するため、エンジンの出力が攻撃重視と移動重視に切り替える事が出来、
同じく飛行性能に特化したジェットストライカー以上の性能を誇るが、
可変機構の扱いが困難であるため、第一線をジェットストライカーに譲る結果になっている。
レイダーストライカー本体は遠隔操作でき、サブフライトシステムとしての運用も可能。

考えた自分でも厨な設定ですが、使いたいという方がいれば遠慮なくお使い下さい。
616通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 23:37:50 ID:???
マユティニーといや、デスティニー(マユ種仕様として変化があるかも知れんが)か
デスティニーシルエットつけたインパルスでいくかとかそういう話題があったな。
617通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 23:39:02 ID:???
デスティニーインパルスは、公式のMSV発表がされてるから、読み手の脳内映像が一致しやすいよな。
どのカラーリングで行くんだ、って問題は残るが
618通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 23:42:25 ID:???
しのはら版は脳内映像が出にくい(汗
だが強烈に印象残るんだよなw
619通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 23:45:04 ID:???
しのはら版好きな人挙手

ノシ
620通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 23:48:00 ID:???
分かり易さが一番だ。厨MSVでも、ソードカラミティに人気があるのはそこだ。

そしてしのはら版は、別な意味で分かり易いw
621通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 23:51:23 ID:???
>>619
ノシ

マユ用デスティニーインパルスは俺的には3号機の配色が脳内映像として出ている。
622通常の名無しさんの3倍:2005/10/10(月) 23:53:18 ID:???
3号機って何色だっけ? 全模型誌は立ち読みしたが、番号まで覚えてないw
623通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 00:00:00 ID:???
>>622
本体は白と青。羽は青と黒。
つってもフリーダムと違い、暗い感じの配色。

>前回のお話
色々と勘繰って頂けているようで、嬉しいですね。
すいませんがかなりの部分は「ノーコメント」で。
流し読みで済ませたい人にはツラいかもしれませんが、今後もお付き合い下さい。


さて、今回は予告通り、「総集編」です。
映像使いまわしなので、かなり早くできました(嘘

前作の『ガンダムSEED』で出てきた『映像』には一切手をつけていないので、
要所要所で当時の映像を思い出しながらお読み下さい。
過去の8話分の映像(?)も出てきます。
では。
625隻腕9話(1/16):2005/10/11(火) 00:19:05 ID:???
それは――遠い記憶。


「お姫さまーぁ……? どこにいるの……?」

……6歳ほどに見える少年が、恐る恐る呼びかけながら、林の中を歩いていた。
いや、林と呼ぶのは適切ではない。この国一番の大邸宅、アスハ家の屋敷の庭の一部だ。
庭、ではあるのだが……しかし、大きな木々の生い茂ったこのエリア。
少年の目には、ちょっとした森のようにさえ思えるものだった。

「おかしいなぁ。あのおばさんは、こっちのほうだっていったんだけど……」

少年はクセの強い紫の髪を掻いて、あたりを見回す。見える範囲には、人影ひとつない。
と――その頭上に、ぽんッ、と、小さな木の実が落ちる。

「………?」

自分の頭に手を当てるが、何もない。
そこに立て続けにポポポンッ、と2個3個とさらに落下する。
少年は、頭で跳ねて足元に落ちたドングリに気がついて。
ふと、顔を上げた少年は――ようやく、そこにいる人物に気がついた。

「よぉ。やっときづいたか。どんくせーな、おまえ」

大きな木の上、太い枝に足をかけてさかさまにぶら下がっていたのは――金髪の子供。
年の頃は、紫の髪の少年と同じくらいだろうか。半ズボン姿で、みるからにやんちゃな雰囲気で。
あっけらかんとした笑顔で、木の下の少年を見下ろしている。

「え、えっと……キミは……?」
「おまえも、コッチあがってこいよー。きもちいいぞー、ここは」
「む、むりだよ、そんなたかいトコ……」
「ちぇッ、木登りもできねーの? なっさけねーの。男だろ、おまえさー」

オドオドと怖がる紫の髪の少年に、金髪の子はバカにしたような声を上げて。
クルリと鉄棒で一回転する要領で、木の枝の上に腰掛けなおす。

「で――なにやってんの、おまえ?」
「『おまえ』じゃないよ! ボクは、『ゆうな・ろま・せいらん』だよ!」
「ふーん。で、その『ユウナ』はなにやってんの?」
「ひとをさがしてるんだ。『かがり』ってお姫さまなんだけど……しらない?」

木の下で問いかける真顔の少年に――木の上の子供は、一瞬、鳩が豆鉄砲を食らったような顔になり。
すぐに、大声で笑いだす。
626隻腕9話(2/16):2005/10/11(火) 00:19:51 ID:???

「アッハッハッハッハ! ハッハッハッハ!」
「うぅ……! な、なにわらってるんだよぉ!」
「いやスマンスマン。ちょっとおかしくてさ」

金髪の子は、涙目で怒る少年に軽く謝ると、ヒョイッと木の枝から飛び降りて。
子供にはいささか高すぎる位置から、猫のように軽々と着地すると、少年の前に歩み寄る。

「なんだ、わたしをさがしてたのか、ユウナ。
 そーいや、今日はあたらしい子がくるってマーナもいってたっけ」
「え……? じゃ、キミが……カガリお姫さ…ま?」

あまりのイメージの違い。正直、この瞬間まで性別すら勘違いしていたユウナ少年は、言葉もない。
てっきりこの「金髪の少年」も、自分と同様「お姫様」の遊び相手として呼ばれた者だと思ってたのに――

「おひめさま、なんてやめてくれよ。『カガリ』でいい。
 これからよろしくな、ユウナ?」

片手を差し出し、ニッコリと笑うその笑顔は、ユウナ少年にとっては実に魅力的で。
優雅さなどカケラもない、奔放な「アスハ家のお姫様」の姿に――

――少年は、初めて会ったその時から、恋をしてしまっていたのだ。


           マユ ――隻腕の少女――

            第九話 『ユウナ』


――このボク、ユウナ・ロマ・セイランは、『オーブ五大氏族』の「6番目」の家の長男としてこの世に生を受けた。
遠く遡れば、オーブ五大氏族は共通の先祖を持つという。この地に辿り着いた時には、既に分かれてたとも聞くが。
セイランの家は、比較的最近、つまりこの地に根を下ろしてから分かれた、「分家筋」だ。
最近、と言ってももはや親戚という感覚はなく――氏族の末席に名を連ねる程度。もちろん実権はない。
名家と呼ぶには、実に中途半端な位置付け。万が一どこかの氏族が断絶した時のための、血筋のスペア。
そして、滅多に起きやしないからこそ「万が一」なのであって――
大体、養子縁組を平気で認めてるんじゃ、家が断絶するはずもないよねぇ。

今、こうしてアルバムをめくれば、少年時代の我がセイラン家の位置付けが良く分かる。
アスハ家を中心とした、氏族たちの集合写真。見るからに「偉い」人たちが沢山映っている写真。
真ん中にいるのはカガリの父親、ウズミ・ナラ・アスハ。その隣にはカガリ・ユラ・アスハ。
ボクと父上は、いつも一番端っこ。一番の末席。
まあ、年が近いこともあって、カガリとボクは、遊び相手として仲は良かったんだけど――
いや、あれは「仲が良い」と言っていいのかな? ま、サハクの双子と比べりゃ、そりゃ「仲が良かった」んだろうけど。
627隻腕9話(3/16):2005/10/11(火) 00:20:48 ID:???

「アハハ、はやくこいよ、ユウナ!」
「ま、まってよ、カガリぃ……!」

笑いながら芝生を駆ける金髪の子供、ヒィヒィ息を荒げて追う紫の髪の少年。少年はとうとう膝をつく。
金髪の少女――少年のようにしか見えないが、れっきとした少女――は、腰に手を当てて少年を見下ろす。

「なっさけねーな、ユウナって。おまえ男だろー?」
「お、おとこもおんなもかんけーないよ! か、カガリがすごすぎるの!」
「そーかなー?」

まだ息の整わぬ少年を見下ろして、少女は首を傾げる。
――実際、少女の運動能力は、この年頃の子供にしては非常に高いもので。
木登り、水泳、自転車、腕相撲、竹馬、一輪車、鉄棒、鬼ごっこ……。
こうして一緒に遊んでいても、いつも少女が暴走し、少年がギブアップしたところで終了するのだった。
少女は、ジト目で少年を見下ろす。

「おまえさー、なにか1つでもわたしに勝てるものないの?」
「さんすう」
「!!」

少年の短い一言に――余裕をかましていた少女は、ギクりと身を硬くする。

「まだカガリ掛け算できなかったよね? もう九九覚えた? ボクもう2ケタの掛け算できるよ」
「う、うるさい、こ、これからやるんだッ!」
「あとー、国語にぃ、地理にぃ、歴史にぃ――」
「う、うう……ッ」
「カガリも、もうちょっとまじめに勉強したほうがイイよ。
 頭良くないと『せーじか』になれないって父上も言ってた」

すっかり攻守逆転した格好の2人。
カガリは脂汗をかきながらも、なんとか誤魔化そうと虚勢を張る。

「そ、そんなの、べつにできなくたっていいんだ。できる奴にまかせれば」
「それじゃダメだよー」
「おとうさまも言ってたぞ。『ヒトの上にたつものは、じぶんで何でもできる必要はないんだ』って。
 できるヒトの言葉をすなおにきいて、できるヒトにまかせればそれでいーんだ、って」
「そーなのかなー?」

精一杯胸を張る少女と、疑いのまなざしを向ける少年。
と――そこに、2人を嘲けるような笑い声が響く。
628隻腕9話(4/16):2005/10/11(火) 00:21:50 ID:???

「クックック」「クックック」
「やれやれだね」「ああ、やれやれだ」

いつの間にいたのか――そこに立っていたのは、2つの小さな黒い影。
長い黒髪に、白い肌。服まで黒づくめの――2人の子供。
鏡に映したように、そっくりな2人。2人揃って、性別不詳。

「おまえら……ギナとミナ!」
「相変わらず低レベルだな、君たちは」「相変わらず低レベルだな、君たちは」
「なにおぅっ!?」

ステレオスピーカーのような2人の挑発に、カガリは食って掛かる。だが2人は平然としたもので。

「運動か勉強、片方しかできないなんて」「これだからナチュラルはダメなんだ」
「支配者の器じゃないね」「ああ、支配者の器じゃないね」
「おまえら……そんなに『こーでぃねーたー』がえらいのかよッ!」
「まあまあ、おちついてよカガリぃ」

今にも殴りかかりそうな少女を、少年が必死に抑える。
黒づくめの2人の子供は、馬鹿にしたような笑いを残してその場を立ち去る。
遠くには――同じく黒づくめの大人の姿。双子と一緒に黒い車に乗り込む。
どうやら、サハク家の誰かがアスハ家に用事があり、そこに双子もついて来た、ということだったようだが。

その姿を見送りながら、カガリはポツリと呟く。

「……わたしは……あいつら、キライだっ」
「こーでぃねーたーがキライなの?」
「ちがうっ!」

少年の誤解に、少女は声を荒げて。
拳を握り、力説する。

「あいつらは……『こーでぃねーたー』とか『なちゅらる』とか、そんなくだらないことできめつけて。
 かけ算できなくても体力なくても、おんなじ人間じゃないか。
 それを、あいつらはバカにして……! あいつらこそ、『しはいしゃのうつわ』じゃない!」
「でもカガリ、九九くらいはいいかげん覚えたほうがいいとおもうよ」
「うるさいッ!」

ポカッ。
ユウナを殴ったのは、まあ明らかに筋違いだったが……
それでも、少女はこの時点で既に、「なにが正しいことなのか」を嗅ぎ分ける直感を持っていたのだった。
629隻腕9話(5/16):2005/10/11(火) 00:22:43 ID:???

――コーディネーター。
例の『ジョージ・グレンの告白』で世界に広がった、遺伝子操作を受けて生まれた子供たち。
その出現は、比喩でなく、まさに世界を2つに割ったわけだが――
ボクたちオーブという国は、そんな世界情勢の中でも、稀有な存在だったと言えるだろう。

五大氏族の中にも、サハク家のように積極的にコーディネーターを作る家もあれば、作らぬ家もあり。
ある意味、「別に好きにやればいいじゃないか」という寛容さが、国の中に満ちていた。
コロニーという宇宙の「飛び地」を持つことで、地上で禁止されたコーディネート処理が可能だったことも大きい。

そして、その寛容さゆえに、差別にうんざりした人々が次々に移民し。
彼らの技術力を得て、我がオーブはかつてない繁栄を見せて――
しかし、オーブの外では、この新たなる「民族紛争」が、世界を覆いつくして。
あのジョージ・グレンも凶弾に倒れ、過激なコーディネーター排除主義者『ブルーコスモス』もテロを激化させて。
これらに抵抗して、少なからぬコーディネーターが宇宙の『プラント』に集まり、自衛軍『ザフト』を立ち上げ。

ボクらが育ったのは、そういう世の中の流れが固まりつつあった時代だった。
やがて――世界では二極対立が極限まで高まって。その頂点で起きたのが『ユニウスセブンの悲劇』。
――ついに戦争が、始まった。



「馬鹿な! お父様がそんなことをしているハズがない!」
「いやまあ、ウズミ氏が知ってるかどうかは疑問だがね。間違いなく我がオーブはしてるハズだよ」

吼えるカガリと言葉を交わすのは、ユウナ・ロマ・セイラン。どちらもまだ若い。
2人は戦争のニュースを見ながら、お茶を楽しんでいるところだった。

「この戦争、ザフトが当初の予想以上に善戦している一番の理由は、新型兵器『モビルスーツ』の存在だ。
 これからの戦争の主役はMSになるだろうし――連合も、我がオーブ軍も、これの導入を欲するハズだ。
 だが、単独でのMS開発は、おそらく困難を極める――」
「しかし、だからと言って連合と手を組むとは!」
「商売の上での関係なら、オーブの『中立』にはひっかからないさ」

肩をすくめるユウナ。納得いかない風のカガリ。
紅茶を一口含んで、ユウナは言葉を続ける。

「現に、モルゲンレーテ自慢の大容量バッテリーが連合軍に納入されたとも聞くしね。
 我が軍もコーディネーターの兵は少ないし、『ナチュラル用MS』開発のパートナーとしては妥当じゃないかな」
「しかし、そんな計画、どこでやってると言うんだ! モルゲンの工場では、そんなものどこにも……」
「宇宙じゃない? ほら、ヘリオポリスにある宇宙工場。
 あそこなら、工業カレッジもあるし、新型パワードスーツを研究してる教授もいるし。
 流用できる技術も、流用できる設備も整ってるはずさ。連合軍と接触しても目立たないしね」

軽い口調で言葉を紡ぐユウナ。その時点の彼らは、そんな重要な機密事項に触れられる立場ではなかったが……
しかし、ユウナの推測は実に見事なもので。手元にある僅かな情報から、ほぼ全ての事実を言い当てていた。
630隻腕9話(6/16):2005/10/11(火) 00:23:31 ID:???

と――クッキーを咥えてTVを眺めていたユウナは、カガリが黙り込んでいることに気付く。
クッキーを咥えたまま、彼女の顔を伺う。

「――ん? どうしたのカガリ?」
「……見てくる」
「へ? 見てくるって……何を?」
「ヘリオポリスの様子をだッ! こんなとこでウジウジ話してても、ラチが開かないッ!」

そのまま、カガリは椅子を蹴倒して、走ってその場を立ち去って。
後に残されたユウナは呆然と、その口からポロリとクッキーが落ちて……。


――まさかこのボクも、そのままカガリがヘリオポリスに向かうとは思ってもいなかったんだが……
マジに行っちゃうんだもんなぁ。それも、身分を隠してお忍びで。
なんだか男の子に間違われたとも聞いたけど、まあ無理もないよねぇ。知らない人にとってはさ。

しかも、カガリが行った、まさにそのタイミングで始まったのが――連合とザフトの戦闘。
史上初めての、連合製MSとザフト製MSの一騎打ち。
期せずして、ボクの予測が正しかったことが裏付けられたわけだが――そんなこと、喜べるはずもない。
なにせ、その激闘のあおりで、ヘリオポリスは崩壊・消滅してしまったんだから――



「……ただいま」

彼女が帰ってきた時――ユウナは思わず、涙と鼻水を撒き散らしながら彼女の腰にしがみついていた。
周囲のメイドたちの呆れた表情も気にすることなく、号泣する。

「カガリぃ! し、心配したんだよぉ、よく生きてたねぇ!!」
「ええい泣くな、うっとおしい! 男だろ!
 まったくユウナもお父様も、大袈裟なんだから」
「で、でもさぁ。もうこんな無茶はやめてくれよ。待ってるボクたちの寿命が縮むよ」
「んー、それは約束できないなぁ。またすぐ出かけるし」
「は?! ど、どこに?」
「どこにしようかな。戦争やってりゃドコでもいいんだけど」

飄々と呟くカガリ。その目は、既に遠い戦場を見ていて――
631隻腕9話(7/16):2005/10/11(火) 00:24:33 ID:???

――救命ポッドで命からがら脱出したってのに、カガリは全く懲りてなかった。むしろ無茶に加速がついた感じだ。
なんでも、ウズミ氏に「世界を知れ」と言われたらしいが……
それにしたって、砂漠のゲリラに加勢する理由にはならないような気がするのは、ボクだけだろうか?

彼女が向かったのは、北アフリカの反ザフトゲリラの村。
なんでも彼女のお目付け役だった、キサカの出身地でその縁を頼って、と言うんだが……
それって、「お目付け役」の意味、間違えてない? ねぇ?

まあともかく。
カガリはその地で、『アークエンジェル』と『ストライク』、そして『キラ・ヤマト』と再会することになる。

……カガリの行動は、本当に予測しづらい。熱血なのはいいんだが、いつも周囲が見えなくなっちゃうのさ。
アークエンジェルの艦載機、スカイグラスパーで実戦に参加した、と聞いた時には実に驚いた。
そりゃ、幼い頃から活動的な性格で、飛行機も戦車もボートも、何でも操縦できるのは知ってたけど……。

『砂漠の虎』を撃破したアークエンジェルに、カガリもまた同乗した。
黙って見ていられなくて、スカイグラスパーで戦闘に出ちゃうのも相変わらずだ。
そして、撃墜された彼女は――『彼』と出会うことになる。
奪われた『イージス』のパイロット、パトリック・ザラの息子、『アスラン・ザラ』と。

その一夜の話は、ボクもロクに聞いていない。聞きたくもない。

……まあ紆余曲折あって、彼女はオーブに帰ってきた。連合の戦艦、アークエンジェルに乗って。
それが修理を終え、出港する際、彼女も一緒に行きたがったが……止められた。当たり前だ。
ボクは内心ホッとしていた。これで、彼女はもうバカな戦争に関わることもないだろうと。
けれど――



「アークエンジェルから、救命要請!?」
「ああ、MSが飛行中に墜落し、人道援助を求む……とは言ってはいるけど。
 これって要するに、戦闘中に撃墜されたってことだよなァ。
 ザフト側のイージスもあるみたいだし、ちとマズいかもしれないよ?」
「馬鹿言うんじゃない! アレに乗ってるのはキラだぞ! アスランだぞ! 放っておけるか!」
「あ、おい、カガリ!」
「わたしが直接行く! ヘリを出せ!」
「なんでカガリが行かなきゃいけないんだよ! そんなの下の者に任せておけば――!」

ユウナの叫びも完全に無視して。カガリはそのまま飛び出していく――
632隻腕9話(8/16):2005/10/11(火) 00:26:49 ID:???

――結局、ストライクのパイロットは見つからず……カガリが助けたのは、イージスのパイロット。
そう、あの男だ。
2人がザフトの迎えを待つ間、どんな言葉を交わしたのかは知らない。知りたくもない。
だが、帰ってきたカガリの顔は――明らかに、それまでの彼女とは違っていて。
あるいはひょっとしたら、その変化に気付いたのは、ボクだけだったのかもしれなかったけれど。
ボクは1人、拳を握り締めることしかできなかった。

先にも言った通り、オーブの『五大氏族』は、互いに『親戚』ということになっている。
もちろんそれは、6番目の氏族、分家筋のセイラン家にとっても同じこと。
そして同族結婚で血が淀むことを避けるために、『一部の例外を除いて』氏族同士では結婚できない。
この頃のボクは、既にその辺の理屈はちゃんと分かっていて――だから、とうの昔に諦めていたのだが。
いたのだが。――流石に、ね。

戦争は続く。ボクの傷心など気にも留めずに世界は転がっていく。
アラスカのジョシュアの戦いで、連合・ザフト双方は手痛い打撃を受けて。
その、非道な自爆作戦に反発して――アークエンジェルはオーブに亡命してきた。
首長会議ではその受け入れの是非を巡り、激しい議論があったとも聞く。猛反対したのは父上だった。
しかし、末席の人間の言葉など聞き入れられることもなく――ウズミは受け入れてしまった。
その直後だ。連合からありえない要求が突きつけられたのは。

父上が見透かし恐れていたのは、本当はこういう事態だった。
せめて連合に脱走兵を引き渡し、彼らの信用と歓心を勝ち得ていれば、ひょっとしたら……
いやいや、無為なことは言うまい。愚痴ったところで歴史は変わらない。問題はいかに歴史から学ぶかだ。

ともかく、オーブは連合の要求を突っぱねて――とうとうオーブは、戦争の当事者となった。
始めから、勝てるはずのない戦いだった。



1人の青年が、瓦礫と化した屋敷の残骸の上で、その煙を見上げていた。
マスドライバー・カグヤから打ち出され、天へと上っていくクサナギの姿。
その脇腹には、白と赤のMSが、しっかりと手を取り合ってしがみつき。
彼らの足元では、爆発するマスドライバーが赤い炎を上げる。

「………………くそッ!」

紫の髪の青年は、足元の石を蹴り飛ばし――その目に、怒りと苛立ちの混じった光が宿る。

「わかったよ。いいだろう。残ったこのオーブは、ボクが守り、建て直してみせる。
 だからお前ら――カガリを守ってくれ!
 カガリさえ、カガリさえ生きて返してくれれば――あとは何をしようと許すから!」
633隻腕9話(9/16):2005/10/11(火) 00:28:48 ID:???

――それから先の戦争の推移は、おそらく誰にも予測できなかったんじゃないだろうか?
ボクたちが連合の占領下、のらりくらりと無茶な要求をかわし、必死で復興に励んでいた頃――
宇宙に上がったカガリたちもまた、厳しい戦いを演じていた。
たった3隻の戦艦とその艦載MSだけで、この戦争を終らせようという暴挙。

しかし運命は、彼女たちに微笑んだ。
第二次ヤキン・ドゥーエ戦。連合とザフトの全面衝突。そこに介入した三隻同盟。
彼らは、プラントに襲い掛かる核ミサイルの群れを薙ぎ払い。
地球に照準を合わせたジェネシスは、発射直前で破壊して。

ああ、そういえば、ジェネシスを止めたのも、やっぱりカガリとあの男だったね――
まぁどうでもいいことなんだけど、さ。

ともかく――戦争は、終って。条約が、結ばれて。
我が国は独立を取り戻し――カガリが帰ってくることに、なった。



「ユウナ、お前に話しておくことがある――」
「なんだい父上、改まって」

それは、カガリの本国帰還が決まった日のこと。
ウナトに呼び出されたユウナは、用件が分からず困惑する。

「話なら電話でも何でもいいじゃない。ボクも父上も、忙しい身なんだからさ」
「お前の働きには感謝しているよ。人手不足の中よくやってくれている。
 だがこればかりは、まだ一般に知られるのはマズい話だからな」
「??」

首を傾げるユウナ。ウナトは、ゆっくりと言葉を選ぶ。

「前の戦いで、オーブが落ちた際――当時の代表首長にしてアスハ家の長、ウズミ・ナラ・アスハが死亡した。
 そしてそれに伴い、彼の遺言状が何種類か、封印を解かれた」
「そりゃ知ってるよ。市民に公開するものから身内に当てたものまで、色々用意してたって話はさ」
「そのうちの1つ、遺された首長会議の面々に当てた遺言が――これだ」

ユウナは一枚の手紙を取り出す。
片隅にウズミの落款がある他は、何の変哲もない手紙。

「この中で――ウズミは驚くべき告白をしている。
 カガリ・ユラ・アスハが、己の実子ではなく、極秘裏に迎えた養子だった、と」
「なんだって!!」
634隻腕9話(10/16):2005/10/11(火) 00:29:43 ID:???

それは――衝撃の事実。

「カガリ姫が『生まれた』際、奥方が出産に伴い死亡していたのは知られていたが……
 実際には、その時に奥方の腹にいた胎児も一緒に死亡していたらしい」
「じゃ、じゃあカガリは!?」
「ほぼ同時期に、奥方の身内で妊娠・出産した者がおり――
 そこで産まれた双子の片割れを、引き取ったものだそうだ。
 まさかと思い、国に残されていたカガリ姫のDNAサンプルを調べたが――
 確かに、ウズミとは親子ではなかったよ」

淡々と語るウナト。が、急にその瞳がギラリと光り、呆然としているユウナに問いかける。

「さてユウナ。これの意味するところが、分かるか?」
「意味するところ、って……カガリは、アスハじゃなくて、氏族を継ぐことが……」
「違う! 養子でも氏族の家督は継げる、先代の当主が認めればな。だが……
 覚えているか? 『氏族の者同士は結婚することができない』という我がオーブの慣習を?」
「あ、ああ」
「しかしこの場合は、そのルールの『例外』に当たる。別の法則が適用される。
 養子が跡を継いだ場合、血筋の断絶を避けるため、逆に『氏族の中から』配偶者を選ばねばならん。
 そして――多くの者がウズミと運命を共にし、サハクの息子も死んだ今となっては――」
「――――!!」

そう。条件を満たせる男子は、事実上、ユウナ1人しかいない。
既に妻を亡くした老人や、オムツも取れぬ赤ん坊ならいたが――流石に年齢差がありすぎる。
ユウナの顔に、思わず喜びの表情が浮かぶ。

「まだ国民には、姫の出生の秘密は明かされておらんし、公表することもできん。
 だがこの事実が明らかになった今――お前は揺るぎなき『婚約者』として、姫を迎えてやれ。
 長年無為な日々を強いられてきた『予備の血筋』セイランの、悲願を果たせ!」



――ボクが言うのもなんだが、父上は歪んでいると思う。
父上の若い頃の話は、あまり聞いたこともないが――きっと、色々あったんだろうね。
彼は『セイラン家』というものに囚われ過ぎているんじゃないかな。
有力氏族でありながら五大氏族でないもの。同じ祖先を持ちながらも『本家』でないもの。
明らかな差別と優遇の格差。「ひょっとしたらいつか」という淡い希望。それが延々60年。
なんというか、一族代々の恨みと劣等感と自尊心が、彼を突き動かしているようなところがある。

ある意味、ボクはカガリの奔放さに救われて、その呪縛から自由だったわけだが――
それでもその時は、素直に嬉しかった。
すっかり諦めていたあの「カガリ」が、ボクのものになるんだ、と――
635隻腕9話(11/16):2005/10/11(火) 00:30:40 ID:???

カガリ・ユラ・アスハと、旗艦クサナギのクルーの本国への凱旋――
それは、国を挙げての大歓迎になり。
オーブ再独立決定の時に、負けず劣らずのお祭り騒ぎ。

「カガリ様万歳!」「よくやったクサナギ!」「お疲れ様〜!」

みな、実際に連合の支配下で東奔西走した「セイラン家」の名を忘れ。
確かに戦争を終らせはしたが――国が一番大変だった時期に不在だった彼らに、賞賛を浴びせる。

宇宙から降りてきたクサナギが、復旧された宇宙港にゆっくりと着陸する。
やがて、停止したクサナギに橋が渡され。
ウナトを中心とした現首長会議の面々が出迎える中、カガリ・ユラ・アスハが姿を現す――

「ようこそお帰りなさいませ、カガリ様。
 ようやくご無事なお姿を拝見することができ、我らも安堵しました」
「出迎えご苦労、ウナト・エマ・セイラン。我々の留守の間、苦労をかけたな」

慇懃に頭を下げるウナトに、鷹揚に答えるカガリ。
どちらも自分の立場と周囲の視線を考えての言動だった。
が――出迎えの列の中にユウナの姿を認めた途端に、カガリの側のポーズが崩れる。

「……ゆ、ユウナ?」
「やぁカガリ、ご苦労だった……ね……」

カガリは、「まだこんな偉い人たちの前に立てる立場ではない」はずのユウナの立ち位置に驚き。
フレンドリーな態度で迎えようとしたユウナは、カガリの背後に控えるサングラスの青年の姿に凍りつく。
サングラスの青年は――なにやらバツが悪そうに視線を逸らす。

「……いや、ユウナ。迎えてくれるのは嬉しいんだが……なぜこんな場所に?」
「その前に……彼は、何者かね?」

ユウナの声は冷たい。
長年付き合ってきたユウナが初めて見せた爬虫類のような視線に、カガリは怯えつつも、しどろもどろに答える。

「彼は……アス……いや、アレックス・ディノだ。
 さ、先の戦いでわたしたちと共に戦った元ザフト兵の同志で、戦後はオーブに亡命したいと……」
「ふぅん。『アレックス』君、ね」
636隻腕9話(12/16):2005/10/11(火) 00:31:40 ID:???

ジロリとその『アレックス』を睨むユウナの目は、一瞬だけ熱く。
それは――紛れもなく、嫉妬の炎。

「……変装するつもりなら、もうちょっと頑張った方がいいな、『アレックス』君。
 ヒゲでも生やしたらどうかね? 有名人なんだしさ」
「ゆ、ユウナッ!」
「あなたは……??」

困惑するカガリの肩に手を置いて、アレックスが問う。
そのさり気ない仕草が、2人の距離を嫌でもユウナに教えてくれる。
チラチラとアレックスの表情を伺うカガリの顔は、ユウナでさえも見たことのない「女」の表情。

……ユウナは嫉妬に歪みそうになる顔を必死でコントロールし、無理やり笑顔を作る。

「ああ、コレは失礼。申し遅れました。ボクは、ユウナ・ロマ・セイラン。
 ウズミ氏の死去に伴いガタガタになった行政府で働いている――カガリの、『婚約者』だ」
「「婚約者ぁ!?」」

声を揃えて、思わず驚く2人。ユウナはカガリの耳に口を寄せて、

「キミは――ウズミ氏の実子ではなかったらしいね?」
「………!!」
「まあ、別に裏切られたとか何とか、そんな下らない事を言いたいわけじゃないんだ。
 ただそれなら、キミも分かっているだろう? 我らがオーブ五大氏族の決まり事を」
「それはッ……!」
「今現在のオーブの有力氏族の中では、ボク以外に選択肢はない。
 キミが今後『アスハ』の名の下に行動し、生活するなら――ボクとの結婚は、避け得ぬ運命なのだよ」
「………ッ!」

顔色を失うカガリ。
ユウナの方は平然とした態度を取り戻して、若い恋人たちに言い放つ。

「まあボクも、妻の『若い頃の過ち』を詮索するような狭量な夫になる気はないからね。
 好きにしたまえ。勝手にしたまえ。
 ただし――2人とも、己の『立場』というものを忘れないようにね」
637隻腕9話(13/16):2005/10/11(火) 00:33:27 ID:???

2人と別れ、ようやく1人になった、ユウナは。
薄暗い廊下の壁にもたれて…… ダンッ! と壁を叩く。
その肩が、小さく震える。

「……そりゃないよ、カガリ……。なんでそうなるのさ。
 ずっと好きだったのに。ずっと頑張ってきたのに。
 これじゃ、まるっきりボクだけ悪役じゃないか……!!

ユウナの慟哭は、しかし、誰も知ることはなく――



――まあ、ボクの見通しが甘かった、というだけの話なんだがね。まさかそこまで進展してるとは、さ。
その後、亡命者『アレックス・ディノ』は、カガリの紹介で行政府の職員として回されて――
しかし、使い物にならなかった。
バカじゃあない。むしろ優秀だ。何をやらせても、そつなくこなす。
だが――いささか、その優秀さが、元からいる職員たちにとっては鼻につくらしく。
コーディネーターに対する偏見でもないだろうから、ある程度はアレックス君のせいでもあるんだろうね。
きっと彼は、自分の優秀さに対し、オブラートをかける術を知らないのだろう。悪意なく他人を傷つける。
ともかく――無用のトラブルが頻発するので、悪いとは思ったが辞めてもらった。

他にも色々と試したらしいが、結局カガリの個人秘書、兼ボディーガード、という位置に落ち着いた。
――要するに、カガリと一日中一緒に居られる立場、ってことだ。
最初の頃は、会う度にそうイヤミを言ってやったてたんだが――彼自身、辛そうな顔をするんでね。
こっちも辛くなって、やめたよ。
元々ボクも、彼個人に恨みがあるわけじゃない。
単に、巡り合わせが悪かっただけなんだ。

オーブの復興事業は、カガリが帰還し代表の座に収まったことで、一気に進んだ。
カガリの人気は、凄かった。
元々、人に好かれやすい性格だったところに来て、あの戦果だ。大英雄だ。
戦後の混乱の中でも、移民が絶えることなく――わずか2年で、ここまで持ち直した。

ただ、懸念が1つあった。
この戦争で――オーブは一時期とはいえ連合に支配されていたこともあって、連合寄りに偏り過ぎてしまった。
元々連合との折衝役をしてきた父上などは、それで良いと言うんだけどさ。
やっぱ、イザという時にプラントとのパイプがないのは、マズい。バランスが取れない。
と、いうわけで――ここは、向こうの穏健派政権とも顔の効く、カガリ自身に交渉役を任せることになった。
まあカガリは交渉向きの性格じゃあないんだが。それでも風穴を開けるくらいはできるだろう。
彼女が議長と面談に行く、と言った時も、ボクは喜んで同意した。
……まさか、その出かけた先の『アーモリーワン』があんなことになるなんて、思ってもみなかったしねぇ。
638隻腕9話(14/16):2005/10/11(火) 00:34:27 ID:???
で――そんな大変な時期に起きたのが、あの事件さ。ボクの愛する『妹』、マユとの出会いとなった事件。
いやはや、凄かったね。マユの戦いは。
アレックス君が乗っt……いやいや、まあ誰かさんが乗ってた『ジャスティス』に並ぶ、伝説のMS『フリーダム』。
出てきた時に驚いて、戦闘見て驚いて、マユの姿を見て驚いて。
いや、驚いてるばかりでもなかったんだがね。ちゃんと手は打っていったし。

なんにせよ、あの襲撃事件で――ボクは勘付いたわけだ。また「続き」があると。
で、キサカにクサナギを準備させて、予想通り発覚したのが「ユニウスセブン落下事件」。
やっぱりこの時も、マユのフリーダムが頑張ってくれた。
最後の一押し、オーブ直撃コースの塊を割ったのは、マユだしね。



――マユは、いい子だ。
素直で、真っすぐで、逞しくて。
どんな相手でも物怖じしないし、誰とでもすぐに仲良くなれる。
MSの操縦センスはあるし、頑張り屋さんでもある。
本当に、ボクたち歪んだ『セイラン家』には、勿体無いくらいの子だ。

ただ少し――不安がある。
あの子はどこか、自分の命を軽く見過ぎるところがあるんだ。
街の人々を守った時も。ユニウスセブンを砕いた時も。インパルスの前に飛び出した時も。
みんなを守るためならいつ死んでもいい、と思ってる節がある。
キミは――キミ自身が思っている以上に、みんなにとって大切な女の子なのに――



――オーブはしかし、また戦争に巻き込まれようとしている。
ミネルバと連合艦の間に割って入ったマユの勇気も、ほんの一時しのぎ。
連合は宣戦布告を出して――オーブ近海でも、戦闘が始まってしまった。

まあ、それはいい。ボクとしては覚悟の上だ。
良くないのは。

カガリ……キミは、何を考えてる?
何のためにボクが、そして『アレックス君』が身体を張ろうとしたのか、分かってるのか!?
639隻腕9話(15/16):2005/10/11(火) 00:35:26 ID:???

「だってほら……、わたしは、バカだから」

ベランダで、心地よい風に吹かれながら……カガリ・ユラ・アスハは平然と言い放つ。
早朝の爆弾宣言から数時間。無数の質問攻めや書類攻めから逃げ出して――
ようやく取れた、ユウナと2人きりの時間。
行政府の首長執務室のベランダからは、眼下に広がるオーブの町並みが一望できる。

「でも……だからって……」
「外交とか、交渉とか、世界情勢とか。
 そういうのって、ユウナの方が得意だろ?
 で――戦争なら、わたしの方が得意だ。
 ユウナが艦隊指揮官になったって、どうせ船酔いで吐いて転げまわるのがオチさ♪」

さっきから泣きそうな顔のユウナに対して、カガリはどこか清々しささえ感じさせる表情で。
いろんなものを吹っ切れた、良い笑顔。

「わたしは幸せ者だ。
 バカで、体力しか自慢のないこんなわたしを、みんなが慕ってくれている。
 聞いたかユウナ? 派遣艦隊の志願者さ、発表直後から問い合わせ殺到だってさ。
 かえって誰を連れて行くべきか、選考するのが大変だ、って怒られちゃったよ。
 ……軍の者だけじゃない。アスランも、そしてユウナも、ウナトも。みんな頑張ってくれている」
「カガリ……カガリぃ……」
「泣くなよユウナ。男だろ? もっとシャキっとしろよ」

泣きじゃくるユウナの頭を、カガリはよしよし、と撫でる。
少年時代、転んで泣いたユウナによくやったように。
グシャグシャになったユウナの顔を、優しく胸の中に抱きしめる。
意外と豊かな胸に包まれて――ユウナも少しだけ、安心する。

「おまえさ……ちょっと男としては情けないし、カッコつける方向性間違ってるし、なんかマヌケだし。
 でもわたしは――キライじゃ、ないからさ。
 それなりに、信頼してるんだからさ。
 だから……わたしがいない間、オーブを……この国を、頼むよ?
 大丈夫、わたしは悪運が強いから。きっとまた、帰ってこれるさ――」
640隻腕9話(16/16):2005/10/11(火) 00:37:06 ID:???

しばらくして、ユウナはカガリの執務室から出てくる。
もう泣いてはいない。強い決意を秘めた目で。
小脇に何やら――さっきまでは持っていなかった、封印された大判封筒を持っている。
カガリから「万が一」に備えて託された「それ」には、ただ一言、『同窓会名簿』の文字が――

「おお、ユウナ。こんなとこでどうした」

背後から声をかけたのは、ウナト・エマ・セイラン。
ここは行政府の廊下だ、おそらく別件でたまたま通りかかったのだろう。
近くの秘書に一言二言何か言うと、秘書を置いてユウナに近づき、その耳に口を寄せる。

「しかしユウナ、上手くやったものだな」
「上手く、って……何を?」
「とぼけるなくても良い。アスハの娘を策略にハメた、あの手口だよ。
 いやはや、最初お前が『艦隊司令官になる』と言い出した時は、どうなるかと思ったが……
 まさかこの展開を読んでいたとはな。幼少の頃よりお前をあの娘に近づけておいた甲斐があったわ」

ほくそえむウナト。それを聞くユウナの表情は……

「これでお前は、晴れて無期限の代表首長代理。事実上の国家主席だ。
 加えてあのバカ娘が、出先で戦死でもしてくれれば、もう言うことないのォ……」
「……父上」
「ん?」

1人笑いを堪えられないウナトは、ユウナの硬い声に思わず息子を見上げ。
その、ポカンとした顔の真ん中に――ユウナの渾身の拳が叩き込まれる。

「うげッ! な、何をッ!」
「あんたは……あんたって人はッ!!」

鼻血を吹いて吹き飛んだウナトは――生まれて初めて受けた息子からの暴力に、何が起こったのか理解もできず。
生まれて初めて人を殴り、父親に反発したユウナは――荒い息をついてウナトを見下ろす。

「マユでさえも分かってる、この国を愛する気持ちというものを……少しは考えろッ!!」

激しく吐き捨てて、彼は足早にその場を立ち去る。
腰を抜かしてその背を見送るウナトは、言葉も出ない――。



                     第十話 『 緋色の剣(つるぎ) 』 につづく

ユウナ祭り(1人踊り)終了。
お話の都合でどうしてもこの先出番が減ってしまうので、ここで頑張ってナレーターもやって貰いました、ハイ。


設定補足
・カガリの計算力
 流石にもう九九も言えますし掛け算もできますw
 ……未だに7の段がちょっとニガテだったりしますが、まあ余計な設定ですね、ハイ。

・カガリの出生の秘密
 この辺、実はウズミもまだ全てを正直に白状してないようですね。
 立場上どうしても告げねばならぬ「実子でなく養子」という事実以外は。

・五大氏族とセイラン家とその血筋
 このお話ではこういう設定で行きます。まあ本編の一解釈ですが。
 少々ヤヤコシイ話で申し訳ない。

・切り捨てた設定
 公式HPには、ユウナは「長い髪の女性を好む」と書いてありましたが、そんなのマジどうでもいい話。
 ディアッカの日本舞踊と同レベルの無駄設定です。あの本編の会話は「あの雰囲気」にこそ価値があったのに。
 ……ま、「あの雰囲気」も泣く泣く削りましたけどね。ちょっとキャラの方向性ズレたのと、展開の都合上。


たぶん次はちょっと時間かかります。いつもどおり1週間前後。
ちょっと視点を変えます。
……マユが主人公のハズなのに、3話連続で出番少ない…… orz
642通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 00:53:27 ID:???
ユウナー!
いっそマユと幸せになってくれー!
643通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 00:56:37 ID:???
隻腕キテターーーー!!!!
なんという良き日だ! 今日はもう寝ようかと思ってたけどコレ読んでから寝るぜ!
644通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 01:05:39 ID:???
このようなところでユウカガが見られるとは・・・GJです!
この隻腕編のカガリは好きだな
645通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 01:10:36 ID:???
このカガリなら人気者でも納得だw頭悪いけど憎めないいい子
ユウナの悪者背負いがが切なすぎる
最後にウナト殴ったとこで感動してしまった
前作映像も今作キャラ視点で語られると新鮮ですねw
新規カットに燃えたよGJ!!
646通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 01:15:54 ID:???
>>642
俺は許しませんよー!
647通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 01:19:39 ID:???
>>646
シン乙
648通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 01:19:58 ID:???
ひゃっほう、ユウナ祭りだー。
隻腕読むとわかるけど、ユウナとジブリールは本当にディスティニー世界に必要なキャラだよな。
ユウナカッコヨス
649通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 06:16:41 ID:???
>>648
禿同。

しかし、これほど魅力的なユウナに出会えるとは!
こういう総集編だったら大歓迎ですよ。


…ひょっとして隻腕作者様ってプロの方?
何か真面目にそう思えてきたぞ。
650しのはら:2005/10/11(火) 08:01:52 ID:???
第三話投下します

>隻腕作者様 いつも楽しませてもらってます ユウナ・・・
651マユ戦記特別編 「歌姫の復讐」:2005/10/11(火) 08:16:32 ID:???
プラントへの核攻撃はニュートロンスタンピーダーにより阻止された。
核攻撃を阻まれたネオザフト軍主力は戦闘終了より前に離脱し、再び暗礁宙域へと消えていった。
プラント評議会はネオザフトをテロリストとして認定、全会一致で討伐が承認され、国民の大半がそれを支持することとなる。

ネオザフト討伐のためザフト軍が動き出した頃、地球では・・・。

「随分手荒なやり方だな、全く」
「それに関しては謝罪します」

アレックス・ディノは電気カミソリで髭を剃りながら、ヘリに揺らしていた。

「特殊部隊で休暇中の兵士を連れてくるなんて、俺はなにか悪いことでも・・・まあ、してるが」
「いえ、゛あなたの件゛ではありません」

係官はノートパソコンを起動し、モニターを見せる。
そこにはエターナルや、戦場を乱舞するフリーダムの姿が。
「これは記録映画か?」
「いえ、今から十七時間前撮影されたものです」

アレックスは係官に詰め寄る。

「本当か?」
「・・・残念ながら」
652マユ戦記特別編 「歌姫の復讐」:2005/10/11(火) 08:33:35 ID:???
戦闘が終了してからしばらく警戒態勢に入っていたミネルバは、警戒任務をナスカ級に引き継いだ後、軍事ステーションへと入港した。

帰還してから部屋で仮眠を取っていたマユは起きるなり、タリアに呼び出される。

「失礼します、艦長」
「いいわ。楽にして」

タリアはマユの活躍を褒め称えたが、マユは喜ぶ前に問いたいことがあった。
ラクス・クラインについてだ。ミーア・キャンベルが彼女になりすまし、偽物としと人気を得ているのは知っている。だが、本物のことはあまり知らない。マユは大戦中のゴタゴタにプラントに移民したからだ。

「平和のために戦った、英雄よ」
「嘘ですよ」
「まあ、それは二年前の話で。平和のためにと言いながら、戦艦強奪に核エンジンMS奪取。あとは・・・」
「原稿用紙が埋まりそうですね」

タリアは苦笑した後、マユに新しい任務を伝えた。

「我々はネオザフト軍討伐のため、スペースデブリ帯に向かいます。疲れているだろうけど・・・」「いえ、行きます」
マユは毅然とした態度で言う。

「あの人たちは本当に危険だと思います。今のうちに叩かないと」
653253:2005/10/11(火) 08:42:44 ID:k+3WEIJC
>隻腕作者さま
ユウナ祭り、お疲れです!かわカッコいいって正にこのユウナのこと^^;

凸に対する嫉妬を隠したり、あからさまに聞いたりしない絶妙なカッコ良さ!
そして何よりカガリに対する思いが切ない・・・・・・ここのユウナなら
絶対カガリを幸せに出来ると思います。ん〜でも、こっちの凸も渋くカッコいい
からな・・手放しに喜べない・・・ザフトの凸、オーブでのユウナの対比が期待できる
一品でした。そして最後の親父殴り、GJ!

あ、カガリの幼少期もGJですよ^^;
654マユ戦記特別編 「歌姫の復讐」:2005/10/11(火) 08:45:04 ID:???
オーブ近海にある三隻同盟軍海上基地では、大天使が動き出そうとしていた。
マリュー・ラミアスを筆頭にした旧クルーたちが共通の目的のもと集まったのだ。

「ミリアリアさんは?」
「ミリィはジャーナリストですから・・・」
「キラくん、いえ、ヤマト大尉は?」
「ミナさんの所にいます」

二人で話すマリューとサイに、一人の青年が割り込んだ。

「あの、ラミアス艦長でありますか?」「あなたは?」

端正な顔に傷を付けた青年は答える。

「今日付けで三隻同盟、アークエンジェルに配属された・・・」

青年は運び込まれるストライクMkUを見やる。

「ネオ・・・いえ、ゲン・へーアン少尉です。よろしく」
655しのはら:2005/10/11(火) 08:49:02 ID:???
投下終了です


ではノシ
656通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 09:50:40 ID:???
隻腕ユウナかっけ―――っ!
しのはらおもれ―――っ! …っつぅか、ゲンきた―――――っ!

昼出勤前にいいもの見た、GJ!
657通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 10:35:55 ID:???
ウナト「息子にも殴られたことないのにーーっ!」
658通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 11:05:45 ID:???
>>657
いやそこは「父にも殴られたことないのにーーっ津!」だろ

あるいは

「○○(ユウナ母)にも殴られたことないのにーーっ!」か
659通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 11:09:36 ID:???
ますますしのはら版混沌としてきたな
660通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 11:11:58 ID:???
隻腕のユウナはマジでいいキャラだな。
ヘタレ臭を持ち、情けないところもあるけれど締めるところは締める。
原作の匂いを消さずにこれほどにいいキャラクターにアレンジするその手腕に脱帽です。
いやほんといいキャラだ。嫉妬したり情けなかったり、とても人間臭くて。
カガリと結ばれなくても幸せになって欲しいキャラですね。
これからもがんばってください!
それと、歌姫の復讐も面白くなってきましたね。
キラとヤマト大尉の関係も気になるし、凸の動向も気になる!
ゲンキター!やっぱ生きてたね!火消しの風だー!
ストライクMk-2の武装はもちろん肩付けのキャノンとヒートロッドに違いない!
661通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 11:42:00 ID:???
隻腕さん&しのはらさん続き乙です。

隻腕さんのユウナかっこよす。ホレタ。

しのはらさんゲン登場でキタ―!!
662通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 12:08:14 ID:???
キラミナ・・・夢のコラボ実現か?ワクテカ
663通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 13:47:39 ID:???
幼少話最高だぜ
664通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 13:51:52 ID:???
隻腕の作者氏はキャラの人間的な部分の掘り下げうまいな。
まさかユウナに男を見る日が来ようとは…
665通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 14:05:26 ID:???
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 しのはら!しのはら!
(  ⊂彡
|   | 
し ⌒J
666通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 14:07:57 ID:???
>665

  _  ∩
( ゚∀゚)彡 キラミナ!キラミナ!
  ⊂彡

667通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 15:53:27 ID:???
age
ここは町である。ルナマリアたち「よろず屋ルナちゃん」一行が
立ち寄ったのはファイブGと書かれている建物だった。
この町の防具屋、武器屋、道具屋、酒場、宿屋などが全てまとまっている
建物である。
「うわー、ほんとーにRPGの世界だ!」
マユが目を輝かせながら言う。
酒場に鎧をきた戦士や町の人A、魔法使いらしき姿などもちらほら見られる。
「とりあえず、腹ごしらえでもするか?」
レイが提案する。
「シンハロー、お金ってどれくらいあるの?」
『あぁ、飲食代とかもあるから大体600Gくらいかな?』
普通のRPGより大目である。
「じゃ、ご飯食べましょー。」
そして、三人と一匹(?)は席に着いた。
この酒場の部分はたった三人で切り盛りしているらしい。
その中の一人が声をかけてきた。
「ご注文はお決まりですかー?」
長いウェーブした緑色の髪に黒いウェイター服をかわいらしく着こなしている
女顔の少年が声をかけてきた。
「私このスベッパーニ風ドリア!!」
マユがメニューを見ながら言う。
「俺は本日のディナーセット。」
レイは資金を考えてお得なメニューを選んだ。
「私はー、ペペロンチーノ二人前にチキングリルラシッドソース三人前、
あとレンメンサラダとチョコレートパフェ。」
「「そんなに食べるの?!」」
とんでもない量を頼んだルナマリアに突っ込むレイとマユ。
「だって、太らないんだから食べなきゃ!!」
ぐっ、っと拳を握るルナマリア。
ウェイターの少年はルナマリアのメニューをきちんとメモしていたようだが、
もう一人のウェイターの青年を読んだ。さらさらの銀髪が特徴的な青年だ。
「デュール!ラシッドソースってまだあったっけー?!」
「リッツ!それもうお昼で切れてだろー!」
どうやらルナマリアの食べたかったソースは品切れだったらしい。
仕方がないのでルナマリアはソースを赤ワインソースに変えそのかわり四人前頼んだ。
「バスー!注もーん!」
そう言って緑色の髪の少年は奥のほうへと入っていった。
「・・・・・ルナマリア、本当に食べるのか?」
『一応満腹とかもしっかり再現されるんだけど・・・・・。』
シンハロが一応説明しておく。
「何言ってるの。アレくらい余裕よ。」
えっへんと胸を張るルナマリア。
・・・・・・・とっととモンスターを倒して金を稼がないと破産して
ゲームオーバーになりそうである。
注:ルナマリアの声は林原めぐ○で再生してください。(オイ
671通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 18:38:41 ID:3ObhQk5L
>>670
乙!!確かにこっちのルナって本編以上にパワフルだから坂本さんだとちと
パワー不足か!?林原ルナ・・・萌え^。^
レイの現実的なチョイスは「ああ、お兄ちゃんだな・・・」とシミジミ。

ところでウエイターの二人のモデルって・・・誰?
ヒント:名前のどこかにブ、又はエ、ターを入れよ。
673537:2005/10/11(火) 19:56:06 ID:???
>>671
ヒント:G。
つか見た目は中身っぽいけど。
って事は出てくるものは・・・?


>610、611
逆シャアっぽいと感じたのは凸ランとミーアの関係。
偏見かもしれんがアムロとベルトーチカよりアムロとチェーンorシャアナナイの関係っぽく見える。(小説版無しでね。 だって小説版だとベル孕んじゃってるし・・・

ぶっ飛んでる例は真カガリ(自分は彼女をチェンガリと呼ぶ事に決定)を挙げれば十分な気も。
まあマユと芯が兄妹とは外れて逝く所まで逝きそうですが。
後このキラ微妙にアクエリオンなんかにも順応しそうなキガす・・・。


所でMSV第三弾多脚多椀型何て勝手に設定作っとりますが必要な型おられますかい?
もし居られれば投下しますが。
序にレイスタの改造何でGじゃなかったり・・・
674通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 21:12:50 ID:???
>>671
店の名前が「ファイブG」だから、他にストラくんとかイージくんとかいそうだよ。
675通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 23:39:58 ID:???
歌姫の逆襲はCCAなのかEWなのかが気になってしかたないです。
ラクスは心底悪役向きだなぁ。
676通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 23:41:02 ID:???
>>670
林原+大食い=フェイ・バレンタイン
と予想してみる。何せほのぼの氏の作品だからな。

漏れは昨日ビバップのDVDボックスを見終わったばかりwww
677通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 23:42:49 ID:???
追記、むしろリナ・インバースか…今気づいたorz
678通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 23:49:37 ID:???
>675 「歌姫の復讐」な。 両方合わせた感じだな

しかし、しのはらはキララクの痛さを存分に引き出してるな(凸とカガリは豹変したがw)
679通常の名無しさんの3倍:2005/10/11(火) 23:56:18 ID:???
>675 気になる度合いはやはりしのはら版が一番だなw
話が予想だにしない方向にいくから
680通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 00:59:00 ID:???
はじめてこのスレきたけど本編より面白くてテラワロスwwwwwwwwwwwww
681通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 01:04:15 ID:???
>>680
いらっしゃい素敵な世界へ
682通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 01:46:41 ID:???
シンマユ厨の俺にとってこのスレはネ申
683通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 08:06:55 ID:???
>682 しのはらラストで泣いただろ
684しのはら:2005/10/12(水) 12:42:18 ID:???
第四話投下します

HGレジェンドのマユ戦記仕様が作りたい今日この頃w
685マユ戦記特別編 「歌姫の復讐」:2005/10/12(水) 12:53:45 ID:???
スペースデブリ帯、ネオザフト艦隊係留地点からほど近い宙域。

エターナルの艦橋ではラクスとキラが、会議という名の「確認」を行っていた。ネオザフトは事実上、キラとラクスによって統制される組織だ。彼女のカリスマと財力があってネオザフトは機能している。

(゛キラ゛は従順で優しい方ですわ。まさしく、人はこうあるべき見本です)

ラクスは心の中で呟くと、壁のモニターに視線を向けた。
画面の中ではデュランダル議長がネオザフト非難声明を発し、盛大な拍手を浴びている。

「なんで僕たちを、非難するんだろうね・・・」
「わかりませんわ。私たちは戦いをなくすために、こうしてここにいるというのに」

キラはにこやかに笑った。

「でもラクスや、僕は世界を守るために戦ってるんだ。それを非難するなんて許せないよ」
「世界を守るためなら、戦ってよい。私はそう考えています」
686マユ戦記特別編 「歌姫の復讐」:2005/10/12(水) 13:10:05 ID:???
カーペンタリア基地に到着するなり、アレックスはアークエンジェルとの合流を命じられた。
アークエンジェル格納庫に待機する三機のガンダムを、アレックスは見る。
ガイア、ストライクMkU、そしてアレックスのセイバー。

「レジェンドはさすがに使えないか・・・」

先の大戦で彼が搭乗したレジェンドガンダムは核エンジン、過度の重武装が平和維持活動には不要との理由で、現在はプラントにストライクフリーダムやデスティニーと共に保管されている。

ストライクから降りてきた青年に、アレックスは声をかけた。

「いい機体だな。こいつはストライクの後継機か?」

青年は丁寧な口調で答え、どこかで見たような印象を与える。

「いえ、マイナーチェンジ版ですよ。量産されそこねて、ここに来たらしいです」

アレックスは「ほう」と関心した後、青年に問う。

「少し前に会わなかったか?月あたりで」

ゲンは冷や汗を浮かべて言い返す。

「や、やだなぁ!気のせいですよ」
「おかしいな。あとジブラルタルあたりでも会った記憶がある」
「な、何のことだか全然わかりませんよ・・・」

ゲンはごまかした後、急いでそこから立ち去った。
687マユ戦記特別編 「歌姫の復讐」:2005/10/12(水) 13:20:12 ID:???
MSデッキで調整を行っていたマユのところに、ルナマリアがやってくる。
彼女は戦後も軍に残り、ミネルバ所属のパイロットとして日々を送っている。妹のメイリンとはうまくいっているらしい。


「調子はどう?マユ」
「大丈夫。ルナお姉ちゃんは?」

ルナマリアは親指を立てた。

「バッチコーイ」
「バッチグーだよ・・・」
「まあ、それは置いといてさ。全く意味不明よね!ネオザフトって」

ルナマリアはうんざりしたように言う。
「わかる人間なんていないよ・・・」
「正しく負債、世界の負債よ。平和平和って、しこたま核ミサイル用意して・・・」

その時、艦内に警報が鳴り響いた。敵艦隊らしきものをキャッチしたのだ。

「さあ、負債は早く処理しないとね!」
688しのはら:2005/10/12(水) 13:21:44 ID:???
投下終了です

次回は総集編「ヤマト大尉の回顧録」をお送りします
689通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 13:49:21 ID:???
携帯よりGJ!
バッチコイ負債麦茶吹いた
690通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 13:59:38 ID:???
バッチコイ糞ワロタw
キラに一泡吹かせたことといい、ルナがなにげに美味しい
691通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 14:16:13 ID:???
しのはらにかかるとどんな嫌われキャラもイカしたキャラになるなw
692通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 15:08:49 ID:???
ピンクはイカレタキャラだがなw
693通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 15:54:39 ID:???
負債と夫妻が掛けてあると思ってみるとまた格別w
694通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 16:17:32 ID:???
しのはらはマジ負債への憎しみで作品作ってるんだなw
695通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 16:30:21 ID:???
いや、しのはらあんた最高だわw
696通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 17:14:23 ID:???
>688 ヤマト大尉の「許せないじゃない?」は共感持てるw
697通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 18:04:33 ID:ZRMmSUZx
第4話乙!!ラクスの暴走振りはすげえ・・・ルナの「負債は早く処理しないとね!」
にはわろうた。次回のヤマト大尉総集編も楽しみにしてます。
698537:2005/10/12(水) 19:00:37 ID:???
>>688 :しのはら様
バッチコイ負債に三ツ矢サイダー吹いたw
このまま逝くとキーボードヤバイかも知れん、、、



頼まれても居ないのにイカレタMSV第三弾
レイスタ特殊改造機”バトウ(馬頭)”

ジャンク屋ギルド所属の四脚四椀の異形のMS。
開発はジャンク屋とザフトMS開発者の異色な夫妻が行った。
開発来歴はジャンク屋である夫が仕事中に出会った赤枠PRとロウ・ギュールに触発され、独自路線の機体作成を開始→レイスタのバックパックを大型にし、
そのバックパックに一回り大きな腕を取り付けるも機体バランスが崩れ立つ事すら間々ならない物に。
それを見かねた妻(元ガイア開発担当者)が開発に協力、脚部を設計段階で没案となったインパルス用ガイアシルエットの設計図に手を加えたものとなった。
名称は夫の趣味で馬頭観音からあやかって付けられた名前である。
尚、作ったは良いが夫が扱いきれず娘が家を飛び出す時に持って行かれる事になる。

各戦場に突如現れては損傷し動けなくなった物を救助し続ける通称”戦場の色物”。
救助を妨げる者は何者であろうと打倒すると言う信念の元に活動している為、その行動に同調する者は多い。
もし種死本編に出ていたとしたらキララクとはその考え故に相容れないモノになりそう。

機体詳細
頭部:レイスタに近い物であるがアンテナユニットが馬の頭部を模した物になっており、鬣の様なものが付いている(鬣は竜Gに近い形状)。
胴体;コックピット周りに部分的に横流し品のVPS装甲を配置。
腕:通常のレイスタの物。
バックパック:一回り以上大きなモノ。戦闘時後部が両サイドにスライドする。上下展開式スラスターを装備
複(後)椀:通常より大型のモノ。肩に大型のスラスターを装備している。
脚部:元形はガイアインパルスのモノだがガイアインパルスとは配置が逆であり正しくケンタウロスの様に見える形状。変形は出来ない。
武装:回転式鋭角式突撃槍(ドリルランス)×2、シュベルトゲペール×2、ビームライフル×2。


PS・やっぱり何処まで行っても厨臭いな・・・
例によってもし使いたいと言う奇特な方が居られればお好きにお使い下さい。
699まとめ人 ◆rw1maYUY1g :2005/10/12(水) 19:07:57 ID:???
現在464kです。
470〜超えたら様子見て新スレ立てます。
>>しのはらさま
>HGレジェンドのマユ戦記仕様
どんな感じですか?
レイ仕様の白いレジェンドは、個人的に妄想中。
700しのはら:2005/10/12(水) 19:22:12 ID:???
>699 まとめ人様、いつもご苦労様です
マユ戦記仕様の伝説は色自体は本編と同じ(これはアレックスの機体であり、アスランは赤を拒否したとう説)ですが、足に「FAKE ACE」の文字が入っています。
またライフルは天帝のものを使用しています。


ルナマリアが人気を得ましたか・・・クヒヒ
701通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 19:28:28 ID:???
わかった、ルナマリア主役スレにも出没すればよいのだな?
702まとめ人 ◆rw1maYUY1g :2005/10/12(水) 19:29:30 ID:???
>>しのはらさま
即レス感謝
こちらの妄想(レイ仕様)
本体カラーのグレーの部分を、白にしたものです。
色以外は、本編と変わりません。



703しのはら:2005/10/12(水) 19:32:34 ID:???
>702 そういえば自分の作品にはレイがいませんよね・・・
歌姫復讐編の次にレイ関連の話作るかもしれませんw


ではノシ
「たっだいまー♪」
後ろに巨大な袋を背負ったマユが言う。
ここは宿屋兼武器屋兼酒場の「ファイブG」。
マユ達が止まって一週間、すっかり従業員とも友達である。
「・・・・おかえりー。」
エプロンをつけて店の掃除をしていたレイが言う。
レイは少しでも食費を浮かす為、こうして手伝いをして宿泊費を
下げてもらっているのだ。
ちなみに、おもな収入源はモンスター退治ではなく伝説の「盗賊いぢめ」。
ルナとマユがどっかんどっかん、このあたりの盗賊団は一通り壊滅した。
「おっかえっりー♪」
陽気な声をあげて出迎えたのはバス。酒場のマスター兼コックである。
色黒の肌に金髪ウェーブのセミロングと言うエロい配色だが、女たらしというよりおにいちゃんと言った
雰囲気をもった青年である。
「何々?今日はどこまで行ったの?」
「んーとね。ラリックの森の盗賊団!いまルナお姉ちゃんが賞金もらいに行ってる。」
「GOOD JOB!これで五つめだろ?」
時々、バスはこういった風に英語を交えて話す。
しかし、決して「GREAT!」だけは言わない。
「ほんじゃ、イースの所いって鑑定してもらえよ。」
「うんっ!」
そう言ってマユは酒場とは別のカウンターへ向かう。
そこには群青の髪を長く伸ばしし、赤いマントに身を包んだ青年が腕組んでいる。
「イースさん、これお願いします。」
「また今回も・・・・・。」
そう言って青年はため息をついた。
彼の名前はイース。決して某ゲームとは関係ない。「ファイブG」の武器屋
担当だ、といっても防具も道具も打っているし、鍛冶も出来る。
その上、この町の自警団のリーダーでもあるという。町で一番モテる男らしい。
「ふむ・・・・、炎精石がこんなにか。だが質が悪すぎる。マジックアイテムに
加工するのに使うのが限界だな。この剣には呪いがかかっている。後で清めてもらった方がいいな。
この人形は髪の毛が伸びる・・・・・・・・・・・」
次々に品物を鑑定していく。この後のめんどっちい作業はレイに任せてマユは部屋に
戻ることにした。
「おかえりなさいませ、マユ様。まぁ、お召し物をこんなに汚してしまって・・。」
丁寧な口調で出迎えてくれたのは宿屋経営担当の一人、ルーだ。
明るい金髪にピンクを主体としたエプロンドレスがかわいらしく似合っている
女性で、兄のライとともに宿屋を担当している。
「おてんばもけっこうですけど、女の子なのですからおとしやかに・・ね?」
そういってつん、とおでこをつつかれる。
「うー・・、でもルーお姉ちゃん。いい加減その丁寧言葉やめてくれない?」
「無理無理、だってルーのこの口調はずっとかわらないもの。」
そう言って階段を下りてきたのはライ。茶色の髪の青年である。
何でも、ルーとは幼い頃両親の離婚が原因で離れ離れになってしまい、
ライはこの宿屋をつぎ、友達である他のメンバーとここまで大きくし、
ルーはなんでもとある国のお姫様に仕えてたらしい。あの品はそこで自然と
身についたのだろう。
「さ、早く部屋にいって着替えちゃいな。レイが困ってるよ。」
「はーい。」
マユは不思議に思った。ここはシンハロが作ったゲームの世界なのに、どこか違う。
皆、暖かいのだ。まるで人と人とが本当に付き合っているかのように。
「ま、いいか。」
マユは汚れた服を着替えようと部屋に向かった。
706通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 20:32:37 ID:???
しのはらツマンネ
707通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 20:40:59 ID:???
>706 (・∀・)カエレ!
708通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 20:42:12 ID:???
>706 ( ゚д゚)、ペッ

じゃ来んなボケ
さて、他のパーティも見てみよう。
「はぁっ!!」
ここはアスランのパーティ、ただいま戦闘中のようである。
「いっくよー♪」
そう笑いながらカルマは地を蹴る。その姿は一瞬姿が消えたかのようにみえた。
だが、彼の姿はすぐモンスターの一匹の頭上に現われ、そのまま強力な踵落とし
を喰らわせる。別に、兎だってキックすれば相当攻撃力が高くなるのである。
「ザクとは違うのよっ!ザクとは!なーんてね♪」
グレイシアが鞭を一閃させ、モンスターの腕を捕らえると同時に後ろから
狼のようなネコのようなケモノが出てきて敵にかみつく。
が、敵にちょっとやられるとすぐにグレイシアの後ろに隠れてしまった。
「あらあら、何やってるの。イライジャ、それじゃだめでしょう?」
「皆!どいてくれ!!」
グレイシアがイライジャ(獣)をなでていると後ろからアキラの声がした。
その手には弓とドリルのようなものを持っている。
「フェイク・ガラドボルク!!」
そう叫ぶとドリルが回転し、アキラはそれを弓ではなった。
が、それは前線で戦っていたアスランの隣にささる。
「へ?」
アスランは一瞬きょとんとする。
「ブローケン・ファンタジア!」
アキラがそう叫ぶとその剣が爆発した。


「殺す気かーー!!」
アスランは叫んだ。
爆発する直前にカルマが助け出したのだ。
「だって・・・、せっかくレベルアップして覚えたから使いたくて・・。」
憧れの技である、元ネタが理解できる人ならわかるだろう。
「もう!すっかりイライジャが気絶しちゃったじゃない!」
目をまわす自分の使い魔を抱きかかえて怒るグレイシア。
しかし、アキラはおそらく反省しないだろう。
たぶん、覚えたら仲間が射線上にいてもこいつは約束された勝利の剣を
振りかざすだろう。
710通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 20:43:29 ID:???
>706 はいはいわろすわろす
711通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 20:45:04 ID:???
>706 とりあえず氏ね
712通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 20:47:55 ID:???
>706 好みはそれぞれだが、露骨に言うな池沼が
713まとめ人 ◆rw1maYUY1g :2005/10/12(水) 20:49:34 ID:???
パート7用テンプレ
このスレは、種運命の主人公がシンではなく妹のマユだったらというif妄想SSスレです。
・マユ・アスカが主役で、運命キャラがメインです。
・概要抜粋型(短い)と小説型(長い)どちらでも可
・シリアス及びギャグ何でも可
・職人常時募集中

煽り荒らしは、スルーしましょう

避難所兼雑談所のアドレスは、過去ログ(パート2)にありますのでご自分で探索してください。

前スレ
もしシンじゃなくてマユが主人公だったら6
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1127816793/

その他関連スレ↓
新キャラメインでDESTINY学園開校2
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1126698840/

まとめサイト兼過去ログ置き場
http://members.ld.infoseek.co.jp/rurukubo/mayukako.htm

絵板
http://bbs4.oebit.jp/mayuseed/bbsnote.cgi

ホストエラーのためどなたか、スレ立てお願いします。
714通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 21:00:22 ID:???
>>707 >>708 >>710 >>711 >>712
どうでもいいがお前も・・・
言いたいことはわかるがお前も荒らしてるのと変わらんぞ
715通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 21:08:14 ID:???
>
半角でこれつかってレスしてる人物を探したら面白い共通点が
これ使ってるのってしのはらタソだけなんじゃ・・・
自演じゃないことを祈ってるぞwww
716通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 21:13:48 ID:???
やっぱみんな思ってたのか
こいつ他のスレにも現れてしのはら広めてるよ
しのはら本人か、ものすごい粘着アンチか知らんが
あんまり暴れないでほしいよ
717通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 21:15:29 ID:???
715 しのはらはそんなことしないだろ(´・ω・`)ショボーン
718しのはら:2005/10/12(水) 21:22:12 ID:1GOAaPi0
なんか自分のせいで変なことに・・・

>715 それは自分じゃないですorz 自分の作品を他スレに持って行かれても・・・

自分携帯からなんですが、今後変なことにならないよう>(これ?)を使わずレスできる方法を教えてもらえないでしょうか?
719通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 21:31:29 ID:???
しのはら大丈夫かよw俺は信じる
720通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 21:34:06 ID:???
しのはら信じる人挙手


ノシ
721ほのぼのマユデス。:2005/10/12(水) 21:36:00 ID:???
ノシ

しのはらさん、信じます。
722まとめ人 ◆rw1maYUY1g :2005/10/12(水) 21:37:05 ID:???
ノシ

723通行人:2005/10/12(水) 21:41:26 ID:???
ノシ
724通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 21:45:03 ID:???
自分しのはらさん信じます


ノシ
725愛読者:2005/10/12(水) 21:51:21 ID:???
ノシ
726通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 21:51:28 ID:???


ノシ
727通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 21:53:00 ID:???
おまいら優しいな・・・。
しのはらだけ、妙に感想聞きまくろうとするヤシや他職人さんGJの流れの中で
「ところでしのはらはどう思う?」とか聞くヤシが居るんで妙な感じはするけどな。

作品で勝負してくれれば、アンチか信者か本人かはどうでもいい。しのはらもがんがれ。
728通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 21:53:49 ID:???
よく見たら>使ってる奴はみんなしのはら持ち上げてるけど
つまりしのはらの口調真似して自演マンセー装ってるの?何がしたいんだww

何でそこまでするんだ?四馬鹿厨がファビョってんのか?w
729ほのぼのマユデス。:2005/10/12(水) 21:56:10 ID:???
1stの最終回のホワイトベースクルーなスレ住人とアムロなしのはらさんが
脳裏に浮かんだ・・・。
730通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 21:56:52 ID:???
俺もしのはら版好きだから、信じるよ


ノシ
731通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 21:58:58 ID:???
しのはらカミーユになっちゃうよ・・・(涙
732通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 22:05:13 ID:???
>>718
多分自分へのレスかな?作品パクられたわけじゃないから安心しる

http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1127354930/564-572

何かしのはらが話題になってたんだけど
さすがにここまで自演がバレバレなのはおかしいと思って気になったんだ
733通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 22:05:32 ID:???
てめーら、いるんならスレ立てろよw
ということで挑戦してくるわ
734通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 22:07:55 ID:???
733作戦に失敗、次の方ヨロ
重複を避けるために宣言してからやってね
735通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 22:08:35 ID:???
おまいらしのはらは無罪ということでOK?OKの人挙手

ノシ
736ほのぼのマユデス。:2005/10/12(水) 22:09:56 ID:???
ノシ
737通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 22:10:40 ID:???
ラクソをファビョらせられるしのはらたんは無罪w

ノシ
738通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 22:15:16 ID:???
(・∀・)ニヤニヤ
739通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 22:16:52 ID:???
どうでも良いけど、スレ立て行ってくるわ
740通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 22:19:03 ID:???
「進路クリアー。>>739、任務遂行を祈ります!」
741739:2005/10/12(水) 22:19:43 ID:???
無理だった、誰かよろ
742通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 22:23:14 ID:???
今の流れで新スレ立ててもしのはら裁判になっちゃいそうだから、このまましばらく様子を見てもいいんジャマイカ
743通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 22:27:49 ID:???
しのはらは無罪判決!


ノシ
744しのはら:2005/10/12(水) 22:33:12 ID:1GOAaPi0
スレの皆さん、本当にありがとう&ご迷惑かけてすみません・・・

またこのスレに来ていいでしょうか?
745通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 22:39:34 ID:???
あたりまえだ!戻ってこい
746まとめ人 ◆rw1maYUY1g :2005/10/12(水) 22:42:10 ID:???
747愛読者:2005/10/12(水) 22:42:47 ID:???
続きを書く方が戦いだ!!
748通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 22:43:11 ID:???
>>744
とりあえずこんどからしのはらタソはトリップつけるといい
あんまりageんな
749通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 22:43:34 ID:???
しのさん、カムバック!!
750通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 22:43:37 ID:???
痛々しくて見てられません
751まとめ人 ◆rw1maYUY1g :2005/10/12(水) 22:43:54 ID:???
>>しのはらさま
これからも投稿よろしくお願いします。

新作は、次スレでここは以後雑談で。
752しのはら ◆LFzv0/sNaQ :2005/10/12(水) 22:45:53 ID:???
皆さんありがとうございます

次スレでお会いしましょう


ではノシ
753通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 22:47:17 ID:???
何か変な空気
754通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 23:06:46 ID:???
さっきしのはらが質問したのは>>2みたいな感じのが答えか?
755通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 23:08:56 ID:???
結局しのはらは何を質問したんだ?>がどうたら
756通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 23:27:06 ID:???
リンク切りの癖で>って書き込む人も多いよ。
俺もギコナビ導入する前は>って書いてたし、
757通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 23:30:10 ID:???
>> ←こうすればいいのかな?
758通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 23:34:50 ID:???
×今後変なことにならないよう>(これ?)を使わずレスできる方法を教えてもらえないでしょうか
○今後自演がばれないように上手く自演できる方法を教えてもらえないでしょうか

>を二回やれば>>ってなる
つまんない言う香具師→叩く>使い→本人登場→擁護→無罪判決とかもうあからさますぎ
自分の作品マンセーして欲しいのはわかるけど職人が自演したら終わりだよ
759通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 23:38:31 ID:???
もうやめようぜ、この話題。しのはらが自演してたなんて証拠もないんだし、もし本人だったとしても今回の件で反省くらいするだろ
760通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 23:41:20 ID:???
しのはらの件は黒歴史として処理しよう・・・。なんだがねぇ
761通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 23:42:36 ID:???
>758 あまりにも馬鹿げてるので実は裏をかいたしのはらアンチかもしれん
まだ決め付けるのは早いぞw
ところで携帯ってやっぱり視野が狭くなるもんなのか?
改行の位置がおかしくても気付かなかったり(汗


しのはらの口調真似てみたどう似てる?
762通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 23:44:56 ID:???
>>761 驚かすなよw
>>760 だな
763通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 23:51:51 ID:???
しのはらはことあるごとに擁護する香具師が出てくるのが笑える
764通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 23:55:30 ID:???
真相は闇の中だなw
765通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 23:58:09 ID:???
流れ見てりゃ予想はつくけどね
信じたい人は信じてればいいし、疑いたい人は疑えばいい
しのはらは職人らしくSSを書き続けて
トリップの外し忘れレスをしなきゃいいだけのことよ
766通常の名無しさんの3倍:2005/10/12(水) 23:59:56 ID:???
ここにマユ種スレのタブーが一つ増えたなw
767通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:01:51 ID:???
しのはらがトリップ付け忘れてるならアヤシイってことだなww
うはww次スレの楽しみが増えたwwwww
768通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:02:19 ID:???
そうだな、もうこのことは忘れよう

しのはら負けるなよ!俺応援するから(涙
769通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:03:53 ID:???
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1126446510/155-188

186 名前: 通常の名無しさんの3倍 [age] 投稿日: 2005/09/19(月) 14:16:18 ID:???
せっかくしのはらが投下したのに・・・
187 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 2005/09/19(月) 15:36:01 ID:???
>>186
ルナ活躍SS投下してくださったのは有り難いんですよ。
でもさ、
>ルナマリアはビームバルカンを撃ち、リフレクターで防御された。
>そのまま飛び上がり、
の辺とか、どうも省きすぎかな……って。
188 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 2005/09/19(月) 15:42:54 ID:???
>187 携帯からだしなorz

サクサク読めるからいいんだが



何で携帯からって知ってるんですか?
本人じゃないならorz使う必要もないでしょうね
タブーに触れちまったよorz
770通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:07:13 ID:???
>>769 前に「パソコン壊れて携帯厨なので」としのはらカキコしてたよ
771通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:08:27 ID:???
書いてる人の人間性などどうでもいい。
772通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:11:15 ID:???
漏れ、しのはらすげぇ好きになったw
773通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:12:00 ID:???
そして内容もおもんないのでどうでもいい
774通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:14:31 ID:???
まあいいや、この話題はこのスレだけでやって、後は黒歴史かタブーにしようw
775通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:15:38 ID:???
>>771
そうそう。住人としてのFAは>>765 俺たちはしのはらのも他職人のも楽しめばいい。
忘れようとか黒歴史とか必死なのは信者か本人乙。
776通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:16:38 ID:???
しのはら版キャラがやけに影ある理由がわ(ry
777通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:18:20 ID:???
ま、汚いくらいが丁度いいw
778通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:19:35 ID:???
作品三つ分の価値があったな、今夜
779通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:19:56 ID:???
>

これ使ってるひとのレスの「しのはら」という単語を「俺」に変えるそれだけであら解決
まあ過去に囚われんのはやめよう、これ以上の詮索はこのスレの未来を殺しかねない
780通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:21:55 ID:???
もうしのはらタソは>使ってくれないと思うとちょっと寂しいなw
781通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:22:07 ID:???
この話題は次スレにはマズいかな・・・
782通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:23:54 ID:???
>>781
まずいっしょ。その分、後腐れなくここで消化しとくんだvvvvv
783通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:23:56 ID:???
とりあえず今夜、しのはらが何だか好きになった
784通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:24:03 ID:???
>>781
やめてほしいなー
ここでこんだけ騒げば自分は充分だ
785通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:25:24 ID:???
>>783 俺なんかゾッコンだよw
786通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:27:08 ID:???
>>783
私も彼の過去の発言とマンセーレスを確認してしまうくらい
今はステキな彼に夢中です
787通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:27:26 ID:???
この際しのはらを語り尽くそうやw
788通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:27:32 ID:???
密かに>をヲチする俺の楽しみを奪いやがって!マラ掴むぞゴルァ!!

789通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:29:00 ID:???
ぶっちゃけ、しのはらはマユをダシにして負債叩きしてるからな・・・。
その情念には敬服するよ。勢いあまって自演するくらい可愛いもんさw
790通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:30:15 ID:???
本当の意味での『好き』の反対は『無関心』。
『嫌い』ってのは、それだけ相手の事を意識しているという事。
しのはらの事で話題騒然のこのスレ住人は、みんなしのはら好きって事だろw
791通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:30:24 ID:???
>789 しのはらからは暗黒面の力を感じるよw
792通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:31:28 ID:???
>
自分もこれからコレ使ってレスしよwwww
793通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:31:45 ID:???
>790 しのはら最高だろw

しのはら好きな人、挙手!


ノシ
794通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:32:27 ID:???
うはっ!wwwwwww
久々に着てみたらなんだこのスレの流れはwwwwwww
795通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:32:47 ID:???
>>790
しのはらが、どうでもいいって思ってる香具師は、そもそもマユ戦記読んでないだろ。
読んでないって、いちいち言わなきゃ、絡まれることもないのになw
796通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:32:59 ID:???
>790 嫌いな奴なんているのか?
797通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:33:09 ID:???
>793

ノシ 俺もw
798通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:34:09 ID:???
>>793
しのはら自演乙w

そんなしのはらが好きさ  ノシ
799通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:35:05 ID:???
ダメだよレスアンカーは > これ使わないと
800通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:36:05 ID:???
>793

ノシ しのはらマンセーwwwwww
801通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:37:27 ID:???
しのはら「パワーだ!無限のパワー!」
802通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:38:01 ID:???
>793 ノシ >>538>>542>>550で吹いたw 愛してるぜしのはら!
803通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:38:25 ID:???
しのはらで1000まで行こうぜ、この際
804通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:39:34 ID:???
しのはら読んでなかったが投下前後の毒吐きや、だんだん加速してくマンセーレスの臭さに
ヲチだけはしてたって人間もここにいるからなw
無関心でないことは確かかもしれんorz
805通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:40:38 ID:???
>793 ノシ 俺、今夜でしのはらのことマジ好きになったw
806通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:42:09 ID:???
>793 大好きですおww彼は面白すぎますおwww
807通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:42:54 ID:???
いやはや、最高だぜ!

カガリにマラ掴んでもらおう
808通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:44:46 ID:???
しのはら版もう一回読もうっと!
809通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:46:07 ID:???
専ブラだったから>と>>の違いに気付かなかった(汗
さすがしのはらだ
810通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:46:13 ID:???
>808
俺も俺も!
811通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:48:43 ID:???
>>808 背景考えると百倍楽しく見れるな
812通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:51:16 ID:???
と・・・止まった?!
813通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:54:03 ID:???
ほら書き込め書き込め今夜はしのはら語り明かすぞ!一晩で1000まで逝くんだvv
814通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:54:07 ID:???
>812 たったの3分で止まったとか言うなよw
しのはらの自演だって結構時間おいてるだろ
815通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:54:32 ID:???
あれ?
816通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:56:39 ID:???
最終回納品せずラジオに行く負債に比べて、しのはらはよく頑張ってる んだから
あんま責めたててやるなよぃ
817通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:57:13 ID:???
そろそろ本人、トリップつけて降臨してくんねーかなw
おーいしのはらー。お前は住人にこんなにも愛されてるぞー!w
818通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 00:59:05 ID:???
さすがにトリップ付きはまずいだろw
819通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:00:49 ID:???
マユ戦記読むしかねぇ!
820通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:02:32 ID:???
熱いぜ、しのはらは
本編への憎しみが燃料だからな
821通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:03:15 ID:???
あえて聞く!

おまいらマユ戦記は好きかー!?
822通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:03:56 ID:???
>818
この際、鳥無しの偽者でもいーやw
823通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:04:54 ID:???
>821
あえて言おう!
カスであると!
824ヤマト大尉:2005/10/13(木) 01:05:03 ID:???
>820 二年前に戻った気分だ!
825通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:06:48 ID:???
>>823 この流れでいい度胸だw
826通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:08:00 ID:???
>821 当たり前だろうが!
827通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:09:10 ID:???
>821
スルーしてるから何とも。
でもマラ掴みカガリとかアヒャッたラクソとか、漏れてくる噂と憎悪は好きだw
828通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:10:41 ID:???
>>827 しのはらの憎悪はヤバすぎるだろw
829通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:11:51 ID:???
でも、シンには泣いたぜ!
830通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:13:31 ID:???
>>829 しのはらは新キャラに対しては恐ろしく優しいからw
831通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:14:42 ID:???
この勢いなら「諸君、私は○○が好きだ」コピペで、しのはら版がつくれそうだなw
832通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:15:22 ID:???
もしかして!今あえて>>を使ってる子がしのはらタソですか?
833通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:18:12 ID:???
これ次スレ朝まで1000逝くかな
834通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:19:50 ID:???
んじゃーあたしそろそろ寝るから
おきてるしのはら達よろしくね
835通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:21:00 ID:???
なんか一気に進んでたからいっぱい投稿あったのかと思えば…
お前ら、何やってんだよ(´・ω・`)
836通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:21:41 ID:???
いやはや、今夜は楽しいなぁ
837通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:23:04 ID:???
( ゚д゚)ポカーン
838通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:25:04 ID:???
ピエロの挙手ワロス
839通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:26:33 ID:???
どうやらしのはらに興味が無かった俺は負け組みのようですね。
読んで雇用化な
840通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:27:37 ID:???
>839 前後のレスだけで充分だぞw
841通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:28:49 ID:???
>>839 本編もヨロ
842通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:29:44 ID:???
>>841 本人だ!おまいら起きろ!
843通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:30:12 ID:???
>>839 感想ヨロ
844通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 01:30:57 ID:???
>841
しのはらキター!
845通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 06:43:08 ID:???
まだいける?
846水天宮:2005/10/13(木) 07:35:18 ID:???
終戦直後の空気てこんな感じ?
スンマセン帰ります。
847通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 08:06:19 ID:???
今頃しのはらは笑いが止まらないだろうよw
848通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 08:37:44 ID:???
どの作者にも妙な信者いるっぽいしな
しのはらだけじゃない

もう1人目立つのは隻腕のage信者
文体からしてあれは自演じゃないと思う・・・・自演ならイタ杉・・・・違うと信じてるが
849通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 09:26:05 ID:???
この流れを見て適当に流し呼んでた戦記を読んでみた。

キラとアスランとカガリが素敵過ぎだな。
850水天宮:2005/10/13(木) 10:28:03 ID:sa3VN6gv
戻ってきたよ。
自演の可能性が嫌ならID晒しか皆コテハン化をスレの原則にするしかないか?
851通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 12:03:36 ID:???
居心地悪くすんな腐れ自治厨
書き手を騙る阿呆が出たならともかく、観客全員コテハンなんてウザいだけだわ
ageてもハエがたかるだけだしな

自演を自演と見抜けない人には、(マユスレの利用は)難しい
852通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 12:34:15 ID:???
自演もスルーでエエよ。
煽りみたいなもんだから。
853通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 12:55:13 ID:???
>>850
それこそ無意味。
別のスレじゃID隠して、っていう自演をすれば意味なし。
強制ID板じゃないからね、ここ。
成りすましがいやなら作家の人は酉つけたらいいんじゃね?
854通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 12:56:06 ID:???
また荒れてんのか…
855水天宮:2005/10/13(木) 13:26:20 ID:???
>>853
スマソ、なんか自演叩きつうか自演狩りで
スレの雰囲気が悪くなったので自演があり得ない状態ならドウカ?
と愚考しました。スンマセン。
856通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 15:55:17 ID:???
昨日の騒ぎが嘘のようだw
857通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 17:17:58 ID:???
>>856 何もなかったかのようにしのはら投下してるなw
858通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 18:12:46 ID:???
話題になっていたようなので戦記を読んでみた
本編は面白いとおもったが、外伝がな…
最初しか読んでないが
しのはらラクスはどうもカリスマが無くて好きになれん
859通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 20:05:08 ID:???
しのはらが、って言うか、種そのものにとってラクスは大きな問題だからな
アレがいるだけで色々と歯車が狂う
860通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 20:06:12 ID:???
普通の軍人がアイドルに道を開けなさいなんて言われりゃ
ハァ?としか思わんけどな
861通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 23:33:35 ID:???
保存age
862通常の名無しさんの3倍:2005/10/13(木) 23:40:54 ID:???
>>861 してどうするw
863通常の名無しさんの3倍:2005/10/14(金) 00:48:03 ID:???
>>860
それ以前に、恐るべき事に最高機密の新型MSの格納庫に、
身分不詳の男連れて入って、顔パスで許されてる。
しかも格納庫の中に、監視無しで入れるんだから、
あれはもうラクス云々より、ザフトが狂ってるとしか思えない。
長年あの歌聞かされて、もう全員洗脳済みなんだよ。

ちなみに、大和のドックには連合艦隊司令官でも、
おいそれと入ることはできず、身分や身元の確認が必ず行われた。

864通常の名無しさんの3倍:2005/10/14(金) 01:08:09 ID:???
まああんまりアンチ振りまくなよ。
職人の方々も、たぶんそういうところを全面肯定はしないだろうから。
865通常の名無しさんの3倍:2005/10/14(金) 07:25:00 ID:???
結局なんだったんだろう・・・
866通常の名無しさんの3倍:2005/10/14(金) 15:55:55 ID:???
こうして戦局は膠着状態に陥ったw
867通常の名無しさんの3倍:2005/10/14(金) 16:17:15 ID:???
新スレ立てるの早すぎじゃないか?
っても向こうに隻腕の新作とか来てるし、早急に埋めるしかないかね。
868通常の名無しさんの3倍:2005/10/14(金) 18:51:02 ID:???
>>867
スレ容量のため。
このスレは、長文投稿が多いから。
869通常の名無しさんの3倍:2005/10/14(金) 19:18:26 ID:???
例えば新作が途中でぶった切られて次スレ立つかどうかさえわからん、ってのは哀しかろ?
これくらいの感覚で良いかと。
870通常の名無しさんの3倍:2005/10/14(金) 20:29:59 ID:???
切なくなってきた
871通常の名無しさんの3倍:2005/10/15(土) 00:23:28 ID:???
しのはらはつまらんが他の人は面白いので読みに来てる
872通常の名無しさんの3倍:2005/10/15(土) 00:43:25 ID:???
わざわざつまらないと言う必要は無かろう。
自分の感情を垂れ流しにするのは感心しないぞ。
873通常の名無しさんの3倍:2005/10/15(土) 03:19:49 ID:???
しのはらはほんとうにすぐ擁護がつくよな。
874通常の名無しさんの3倍:2005/10/15(土) 05:13:12 ID:???
しのはらは
シン厨にとっては癒されるんだよ。
AA組を信頼してる厨からは
歌姫編以降は反発を越して
嫌悪されるかも試練がナ。
875通常の名無しさんの3倍:2005/10/15(土) 07:09:27 ID:???
     ((_   
   〃´   `ヽ  
   i .( (( ))ノ  
   W、二二フ
    ,rヾT:'''ス
    !::::: !:::: :: i
    !::::: !:::: :: i
    〈;;;;;,,!;;;;,;;,,.ゝ
ゲン・アサニクスこんな感じ?
876通常の名無しさんの3倍:2005/10/15(土) 08:25:38 ID:???
すっかりしのはら人気者にw
877通常の名無しさんの3倍
語り尽くしたな