SEED DESTINYでSSを作るスレ2

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1通常の名無しさんの3倍
SEED DESTINYはいい素材がいっぱいあるのに…それが生きていない!
または、ここでこうやってたら面白かったんじゃないか?
などを思ったことはありますか?
ここは、そんな人たちで理想の種運命を生まれさせるスレ。
リライトでも話を変えても今の本編からのもしも〜や、
設定を生かした全く違うSEEDなどを書いてくれればいいです。
SEEDでの主人公を変えて作るなどもやれるのならば!

※職人さんは感想などをちゃんと聞きましょう。
特に「ここはこうすれば良いんじゃない?」と言うような言葉には出来るだけ従いましょう。
それこそがあなたを職人として成長させるのです。
職人さん、頑張ってください。みな応援しております。
2通常の名無しさんの3倍:2005/07/23(土) 23:32:03 ID:???
俺が2ゲッターを目指して上京すると言った時、周りからは頭がおかしいと言われ、母親は泣き崩れ、父親は激怒した。
昔から安定した収入が保障される公務員になりたいと親に言ってきたからだ。
なぜ俺が2ゲッターとして生きていくか決めたのか。それはある日2chという巨大掲示板群のスレを見たときだった。
スレをたてて1分も経たない内に2番目の発言をする。2ゲットをし損ねた奴の暴言もその栄光の前には無力と化してしまう。
そして、スレの住人からの「2ゲットおめ。」「またおまえか。何時間粘着してんだよw」などの祝福。
俺はその時決心した。周りがなんと言おうとも2ゲッターになると。
そして俺は家出同然で上京をした。空気が汚く、人で溢れてお世辞にも快適とは言えなかったが、「ここならきっと・・・!」という希望があった。
しかし、現実は甘くなかった。どんなに早く書き込んでも2を取れない。2をとった奴、スレの住人から「m9(^Д^)プギャー」という屈辱的な顔文字を何度浴びせられただろう。
いつのまにか俺はm9(^Д^)に煽られ、数々のスレで荒らしをするようになっていた。
そんな中、同じ夢を持って上京した同郷の友人は37回2をゲットしていたらしい。俺は屈辱に打ち拉がれにがら2chを彷徨っていた。すると、立てられたばかりのスレを見つけた。
心臓が高鳴る。何故かここでなら2を取れるという自信がある。そう。それがこのスレだ。俺はここで2を取って、いままでのすさんだ荒らし人生に終止符を打つ。
さあ、行くぜ!

2 ゲ ッ ト !
3通常の名無しさんの3倍:2005/07/23(土) 23:36:48 ID:???
>>1 S YOU S ETU   ごめんわがんね
4通常の名無しさんの3倍:2005/07/23(土) 23:37:15 ID:???
5通常の名無しさんの3倍:2005/07/23(土) 23:40:51 ID:???
ショートストーリー?
6前スレ940:2005/07/23(土) 23:41:15 ID:???
ん〜次スレか。
っと、一部だけ書いたんだが。試しに見てくれないか?
7前スレ940その@:2005/07/23(土) 23:45:50 ID:???
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ」
凄まじい爆音の嵐の中、俺は走り続ける。
「クソ・・・何で俺がこんな・・・」
頭上ではザフトのMSが飛び回っている。
「何で俺だけっ!」


〜数時間前〜
基地に配属された俺は、そこの司令官に呼び出された。
司令官曰く「高官の護衛を俺に任せたい」だそうだ。
自分で言うのもなんだが、俺は演習でトップクラスの実力を誇っている。
司令官はそれを見込んで俺を呼んだんだろう。
俺は当初、自分の力を過信していた。「俺が本気を出せばどんなことでもできる」
そう思っていた。
だが、俺は無謀だった。
その時俺は、始めてザフトの新兵器・・・MSというモノをこの目で見た。
噂で聞いてはいたが・・・実際に見たとき、俺は心の底から恐怖した。
アレは兵器なんかじゃない、『化け物』だ。
ザフトのMSは戦車や戦闘機を簡単に蹂躙していく。戦力の差は歴然としていた。
「護衛を最優先にしろ! 残存兵力は回せるだけ逃走ルートの確保を!」
上官から指示が届き、俺を含めた護衛部隊が銃を取る。
基地の周辺は険しい森になっている。
俺達の任務はその森を越え、近郊の町まで高官達を逃がすことだった。
基地に残った兵達は囮ということだろう。
俺は静かに、その兵士達の命運を祈った。もう会えないと分かっていても。
8通常の名無しさんの3倍:2005/07/23(土) 23:48:36 ID:???
>>7
おお、なんか良作っぽい!続き、続き!
9前スレ940:2005/07/23(土) 23:49:28 ID:???
>>8
ちょっと待っててくれ。なるべく今日中に仕上げてみる。
10前スレ940:2005/07/23(土) 23:56:08 ID:???
あ〜いや、日付上はもう明日になりそうだ。
11通常の名無しさんの3倍:2005/07/23(土) 23:57:23 ID:???
待ちます!でも無理はしないでください。
ついでにテンプレに前スレ入れ忘れたんで今書いときますね。
SEED DESTINY 小説スレ
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1120037321/
12前スレ940そのA:2005/07/24(日) 00:31:02 ID:???
森の中を走ること十分。無線係から報告があった。
『基地陥落、我降伏する』とのこと。
「早い、まだ一時間もたってないぞ!?」
兵士の1人が驚いた様子で言う。無理もないだろう。
「構わず走れ! 奴らの犠牲を無駄にするな!」
隊長が言う。俺達は無言で後に続いた。
俺も信じたくはなかった。基地がそんな短時間で陥落するなど聞いたこともない。
「もうイヤだ! どうせ皆、死ぬしかないんだ!」
高官の1人が叫ぶ。何を血迷ったのか、茂みへと走っていく。
「隊長、自分が連れ戻します!」
そう言うと俺は、高官を追った。
その時、乾いた銃声が響き渡った。茂みの方からだ。
俺が向かった先には、血溜まりの中の死体があった。さっきの高官だ。
「自殺か・・・チクショウ、何で」
何故だろうか、とても悔しくなった。
きっと任務をこなしきれない自分に腹を立てているのだろう。
俺は部隊に合流しようと走り出した。

―――その瞬間、轟音とともに俺の体は吹き飛ばされた。
すぐさま体を起こすが、少しフラつく。
辺りの木々は吹き飛ばされ、メチャクチャになっていた。
その中心に、妙な影を見つけた。
近くに寄ってみると、ソレが見覚えのあるモノだということに気付いた。
それは黒い色をした―――さっきまで人間だったモノ。
「そん、な・・・嘘だろ、オイ・・・」
信じたくなかった。俺を残してみんな死んじまったことを。
取り乱していた俺は突然、不吉な気配を感じたような気がした。
恐る恐る顔を上げる。するとその視線の先には・・・
―――灰色の体を持つ、一つ目の巨人が立っていた。
13通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 01:03:46 ID:???
ウマー( д ) ゜゜
14通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 01:26:27 ID:???
走った。何も考えずに走った。
―――殺される―――ころされる―――コロサレル
その思考が、俺の頭の中を完全に支配していた。
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
止まってはいけない。走り続けなければ―――


どれほど走ったのだろうか。気付けば日も落ちる頃だ。
辺り一面は既に森ではなく、焼け野原になっていた。
ここでふと、考えてみる。
―――何故俺1人の為だけに、MSが追ってくるんだろうか?
「ああ、そうか」
ようやく気付いた。奴らは―――ゲームをしているんだ。
MSという化け物を使い、無抵抗な俺を追い回して楽しんでいる。
そう思うと、何故か可笑しくなってきた。
もう、さっきから全然呼吸も出来ない。走り続けた所為だろう。
ボロボロになった足も使い物にならない。
視界もボヤけてきている。もう限界が近いのかもしれない。
俺の頭上にはMS、俺を殺しに来たんだろう。
もうゲームには飽きたようだ。ゆっくりと俺に銃を向けている。
不思議と恐怖は感じなかった。
初めてMSを見た時の恐怖も。
さっきまで感じていた死への恐怖も。
次の瞬間には、俺の体は消滅しているだろう。
「まさか、死ぬ間際まで遊ばれてたなんてな・・・間抜けな最後だ」

―――そう呟き、静かに目を閉じた―――


〜END〜
1514:2005/07/24(日) 01:28:05 ID:???
あ〜、しまった。
タイトルは「前スレ940そのB」だった。

まぁともかく書いてみた。気に入ってくれれば嬉しいかもしれない。
16通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 11:19:42 ID:???
>>15
あのさ、感想つかなくても暴れるなって言ったよね?なんで前スレにまで張ってんの?
ハッキリ書いたほうがいいと思うから言うけど、決して見てないわけじゃなくケチや感想をつけるほどのレベルじゃないんだよ
初投降だから なんてのは何の言い訳にもなりはしない


・・・それだけじゃあんまりだから一応感想書いておいてやる
文章そのものはそんなに悪くない、まるで初めてとは思えないほどだ
しかし、才能は正直無い、ありきたりでかっこつけすぎな厨房SSもいいとこだ

ちょっとだけアドバイス書くとするのなら、起承転結をつけろ、別に起承転結が絶対必要とか言ってるんじゃなくて
例えば、勝ちそうになったり、逃げ切れそうになったりする逆転とか希望が無いんだよ、バッドエンドにするにしても一旦それがあったほうが絶対に良い
主役の彼もそりゃ普通の一兵士を描いたのかも知れ無いが、自我が無さすぎる、まるで心が感じられない、結果が先に立っているだろう
その点ゴキラのSSはこの二つを持っているね、下手糞もいいところだけど、想像を掻き立てられる
1714:2005/07/24(日) 12:06:00 ID:???
>>16
あ〜・・・ゴメンよ。出しゃばりすぎた。
正直に謝る。スマン。

あと、アドバイスくれてありがとう。
18通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 13:30:17 ID:???
マユ種死スレにあった海外クリエイターの十戒
参考にしてください

1、主人公にクライマックスを体験させずに終わらせるな。
2、主人公は苦労させろ。それなくしてドラマは生まれない。
3、説明は物語のためにある。説明のための説明は不可。
4、嘘っぽい奇跡や、くだらないどんでん返しは禁止。
5、観客を尊敬して、金儲けにはしるな。
6、自分の作品はすみずみまでおぼえ、さらに研究をおこたるな。
7、複雑な話を複雑に語るな。一つの切り口だけなのに複雑にするな。
  心情と交流と世界の切り口を全て使って作劇すべし。
8、世界観と矛盾しない程度に最大の風呂敷を広げてたため。
9、自分の主張をそのまま書かずに、文脈で判断できるように書け。
10、くり返し推敲しろ。
19通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 16:08:33 ID:???
>>16
あんたはアンタで言いすぎ。
一瞬「ここは神読者>>16によるSS添削スレか!?」とか思ったくらい。
もうちょっと暴言を自粛汁。
あとゴキラの話題はできるだけ出さないでくれ。一瞬荒らしか釣りに思えた。
20キラ・ヤマト ◆AgIHV9FHd6 :2005/07/24(日) 16:10:27 ID:???
俺もここではもう絶対カキコしないから
前スレの残り20レスくらいは俺に使わせてくれ
21通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 16:29:10 ID:???
>>19
ゴキラの話題も言いたいときは言うよ、前スレを客観的に見たが別に奴は荒らしてない
やたらゴキラのSSを叩いている奴がいるだけだ、その叩きこそが荒らしであると思うのだが違うのか?
暴言を自粛汁?ほう、自分はさぞ特別で冷静だと思ってらっしゃるようですな(笑)
22通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 16:38:20 ID:???
なんか、次スレも荒れそうなんだが・・・
前スレでゴキラ叩きが埋め始めやがった。
23通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 16:39:43 ID:???
ゴキラなんて無視すりゃいいのさ
24通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 16:44:44 ID:???
これからゴキラ嫌な奴はNGワードにいれろ、スルーしろ
それでいいな?
2514:2005/07/24(日) 16:45:24 ID:???
>>19
いや、悪いのは俺だからさ。
16氏の言ったことは正しいと思うよ。アドバイスもちゃんとくれたし。
26通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 16:45:48 ID:???
>>1ワロタ。

ところで話は変わるけど、
発売からしばらく そろそろ動向が落ち着いてきた頃だから改めて考察したい
実際携帯機としてある種の究極を体現した瞬間だと思う
持ち歩く携帯デバイスの常識をまたひとつ覆したっていうか
単なるゲーム機で終わらせないところも、sonyがPSP(プレイステーションポータブル)を次の時代の携帯機として
確立させるということの意思表示なんだよな
UMDにしても新しい記憶媒体を世に提示したわけだし、色々なコンテンツを置き添えることで
さまざまなユーザーニーズに答えた。
感じたことを全部書くと書ききれないから印象だけ言うけど・・利便性を追求してこれ以上のものは無いんじゃないかな?
これは単なるゲーム機だと考える奴がいるけど 正直古いよね ステレオっていうか 
PSP(プレイステーションポータブル)は新時代の人と共にあるマルチメディアデバイス。
27通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 16:49:19 ID:???
>>26
誤爆?
28キラ・ヤマト ◆AgIHV9FHd6 :2005/07/24(日) 16:50:57 ID:???
前のスレが埋められたから残りはこっちで書くことにした
もう後2回くらいで終わるから嫌な奴はNG登録してくれ
29通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 16:52:03 ID:???
>>27
コピペ
30通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 17:26:20 ID:???
さてSSスレだからSSにちなんだ話題を・・・
書くときに参考になるような種SSのサイトってあるかな?
俺は腐女子の書いてるようなのしか知らないんだが。
31通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 17:34:30 ID:???
ttp://www5f.biglobe.ne.jp/~sinkarou/
探すのはご自分でどうぞ
32通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 17:36:54 ID:???
>>31
ご親切にどうも。
33キラ・ヤマト ◆AgIHV9FHd6 :2005/07/24(日) 17:44:12 ID:???
後2回といっても前半(CM)、後半(CM)だから4回になるぞ
じゃなきゃ終わらんしな
アンチは早く消えて下さい即死ね
34キラ・ヤマト ◆AgIHV9FHd6 :2005/07/24(日) 17:45:49 ID:???
ガンダムSEED DESTINY対Z ZZ CCA

ミネルバの宇宙を航行最中に異変が起きたのはその時だった・・・・
突然目の前が光に包まれたのだ!
ミネルバのクルー達は突然の異変になすすべなく大混乱した
タリア「アーサー何がおこったの!?」
アーサー「分かりません!」
混乱するブリッジ、クルーはみんな猛スピードで最悪の事態に備えていた。
ヴィーノ「グーグー・・・・」
ヨウラン「寝ぼけてる場合か!」
異変に気付いたシンがブリッジに凄まじいスピードで駆け上がる
シン「なんだっていうんですか!一体!!」
レイ「ッ!・・・落ち着けシン」レイも来ていた
ルナは寝ていた。
議長「フッ・・・」議長の目だけが妖しく光り全てを悟った目をしていた・・・

光が消えて辺りが見渡せるようになった時、最初に異変に気付いたのはレイだった
見ず知らずの艦が30隻こちらに向かってくるのだった・・・
タリア「なにあれは!」クルー「分かりません!」
アーサー「所属不明機です!」クルー「数は・・・・アッ!!」
シン「俺ちょっとデスティニースタンバイしておきます!」
レイ「俺も行く・・・」
ルナ「アタシも!」
議長「よしわかった」
新たな戦いの火蓋が機って落とされようとしていた・・・・(CM)
35キラ・ヤマト ◆AgIHV9FHd6 :2005/07/24(日) 17:47:52 ID:???
ヘンケン「なんだここは!」ブライト「なにをしている!」
サエグサ「イテテ!」チェーン「なんなの!?」
ハサウェイ「オヤジちゃんとやれ!」
なんと突然現れた30隻の戦艦の中には
アーガマ、ラー・カイラムの姿もあったのだ。
カミーユ「なんだ?・・・所属不明艦が前方にある!」
ジュドー「カミーユさんガンダムで出ましょう!こんな所でボーっとしてられるか!」
トレース「まてジュドー!!」カツ「いや、僕も出る!やな予感がする!」
エマ「待ちなさい!まだ状況が良く分からないのよ!?」
アムロ「いや、彼らの力を信じよう。恐らく前方の敵は敵だろう・・・」
ブライト「ニュータイプの感という奴か?」アムロ「そんなところだ」
ジュドー「ジュドーアーシタ、ZZ出る!」(シュゴォ!)
カツ「リガズィ出る!」ヘンケン「誰だ!」カツ「カツです。すいません」
そしてミネルバ・・・
タリア嘘!何か出てきた!!」アーサーは逃げた
ヴィーノ「ガンダムじゃないか!?ヤバイ!」
ヨウラン「確かにあれはガンダムだ!こちらには攻撃の意思が無いのに酷すぎる・・・」
シン「クッ!シンアスカ、デスティニー行きます!」(ビーッ、シュバッ!)
レイ「レイ・ザ・バレル、レジェンド出る!」(ビーッ、ドシュッ!)
ルナ「ルナマリア・ホーク、コアスプレンダー発進します!」

カツ「なんかきた!」ジュドー「ガンダム!!?最新機!?」
カツ「けどこちらのMSの数は軽く60機を超えてるんだ!負けるわけ無いだろ!!」
リガズィのビームがデスティニーに放たれた!(ズキューン!)
だが即座に切り払うデスティニー
シン「また戦争がしたいのか!!あんた達はー!」
議長「・・・フッ(君の姿は〜僕に似ている〜歯止めの利かなくなる)
議長「争いは時として人間の本質でもあるな・・・」
(空が怖くな〜って君の姿は〜)ED画面になる

これでエピソード1は終了
36キラ・ヤマト ◆AgIHV9FHd6 :2005/07/24(日) 17:49:51 ID:???
シン「いい加減にしろ!」(シュルル!!)
(シュン!)カツ「当たらないよ!」一応避けるリガズィ
カツ「全然大したこと無いじゃないかww」ジュドー「確かに」
しかしそれはなんとビームブーメランだった!
(ジュバン!!)カツ「うわああああああああぁぁぁ!!」
ジュドー「なんだって!あれがあのガンダムの必殺技か、やば過ぎる!!」
戻ってきたビームブーメランに八裂きにされるリガズィ!!カツは観るも無残な死に方をした
アムロ「なかなかやるな、だが相手にてのうちを見せるのは良くないな」
ブライト「余裕だなアムロ」アムロ「まぁな」チェーン(さすがアムロ・・・貫禄ね)
カミーユ「カツ−!!!!、よくも、よくも貴様らー!!」
いつの間にかZに乗っていたカミーユは何故かシンじゃなくルナを狙っていった
これはカミーユが無意識的に自分より弱いと思う人間に八つ当たりする
事実上敗北宣言であった・・・ルナ「嘘!?ガンダムが来た!!」
シン「ルナーーーー!!」絶体絶命のルナマリア!!
ヘンケン「カミーユに続け!!主砲一斉発射!!」
クルー「敵の主砲が来ます!」タリア「こちらもタンホイザーの準備を!早く!!」
ヴィーノ「敵が主砲を撃ったらしいぞ!!」ヨウラン「なんだと!こちらには攻撃の意思は無いのに・・・」
(ゴーーーーン!!)直撃した!!タリア「被害状況は!?」アーサー「分かりません!!」
クルー「全然大したこと無いです!!」クルー「タンホイザー準備整いました!いつでもどうぞ!!」
ブライト「こちらも続くぞ!!撃てーーっ!!」
タリア「発射ー!!!」(シュギューン!!!!!!)(ズドォ!!!!)
お互いの主砲が放たれたところでCM
37キラ・ヤマト ◆AgIHV9FHd6 :2005/07/24(日) 17:51:18 ID:???
(シュゴガズガーーガガン!!!!)
凄まじい爆音と共に放たれた両戦艦の主砲は
お互い目掛けて猛スピードで直進していった!!!
タリア「回避して!早く!!」アーサー「了解!」(スゴーーッ!!)
常識を超えた超高速で旋回するミネルバ・・・・・
避けた!
タリア「被害状況は!?」アーサー「なんとも無いですよ!!」
タリア「良かった・・・さすがねアーサー」アーサー「い、いやそれほどでも」
クルー達「ははは」超絶体絶命の状況を乗り越え、一時艦内は和やかになったのだった・・・・
一方・・・・・
ヘンケン「早く避けろー!!」サエグサ「駄目です!間に合いません!」
必死で避けるネェル・アーガマ・・・・・・当たった!!
(ドゴゴーズーン!!)ヘンケン「うわー!!エマ中尉〜!!!」
サエグサ「グホッ!!やばい!」トレース「サラダ作り足りないのに〜!!」
ケーラ「トレースしっかりやんな!まだ沈んでないよ!あたしも出る!!」
ヘンケン「艦の被害状況はどうだ!?」サエグサ「第一ハッチから第30ハッチまで壊滅!!もう持ちません!!」
ヘンケン「なんとかしろ!それでもプロか!!」サエグサ「・・・・(チッ)・・・」
トレース「ヘンケン中尉は命令だけで何もしてませんが何か?」
ヘンケン「なんだと!?」サエグサ「もういいでしょう、あんたが居ると迷惑なんだよ!」
ヘンケン「!?」(ズギューン!!)ヘンケン「ウッ!!」
サエグサは右手に黒い銃をもっていた。艦内の雰囲気はもはや絶望的であったのであった。
カミーユ「うおおおォォォッ!!落ちろ〜!!」
ルナ「そう簡単にやられるものですか!」
インパルスの射撃をかわしながら特攻するZ!
Zとインパルスの距離が急激に狭まっていく!!
その時!インパルスの後ろからソードパックを付けた
コアスプレンダーが高速で飛んできた!!
凄まじいスピードで迫ってくるZ!!どちらが早いか!!
(シューン!!)(ゴーッ!!)
カミーユ「間に合わない!!こうなれば!!」(ズゴー!ズゴー!ズゴー!)
Zの腕からあんとグレネイドランチャーが3発放たれた!!
インパルスの射撃は外れた!!シン「ルナーーーー!!」
(君のー姿ーはー僕にー似ているー)ED
これでエピソード2終了
38キラ・ヤマト ◆AgIHV9FHd6 :2005/07/24(日) 17:53:05 ID:???
ルナ「キャーー!!!」(シュゴボガーン!!)
カミーユ「当たり前だ!」得意げなカミーユ
ジュドー「さっすがカミーユさん一人目立って憎いね!!」
凄まじい爆音と共にインパルスは激しい爆発に巻き込まれた!!
が・・・・その時!!煙の中からソードインパルスが飛び出してきたのだ!!
遅れてきたケーラは愕然とした「なんだってェ!!?」
レイ「フッ・・・PS装甲のお陰だなルナ・・・」
ルナ「アタシの実力もね!」シン「今度はこちらの番だ!!」
レイ「ルナ!エクスカリバーを」ルナ「分かってるわよ!!」
シン「うおおおおォォ!!」(ギュギュギューン!!)
DESTINY3剣士はケーラを一刀両断にした!!
ケーラ「チクショうわああああああああああああああぁ!!」ケーラは二度と帰らなかった
ジュドー「嘘だろ!?ブーメランが最強兵器じゃないのかよ!!」
カミーユ「しょうがないこちらも本気だ!!ハイメガランチャーを撃つ」
ブライト「これは相当やばいぞアムロ!」チェーン「アムロ・・・アムロ!?」
アムロはその時シャワーをあびた後のワインを偉そうに飲んでいた
アムロ「ククク・・・そうこなくてはな!!νガンダムは伊達じゃない!」
ブライト「アムロ・・・なんて禍々しい貫禄だ」チェーン(アムロ・・・やはり最強なのね)
ところ変わって・・・
(キュイィーーッンン!!)ハイメガランチャーの銃口に光が集まる!
カミーユ「落ちろォー!!」その先にはやはりルナが居た。ルナ「えっ!?また私なの!もういい加減にしてよ!!」
ジュドー「火力ならZZの方が上だぜ!」ルナを徹底的に付狙う2体のガンダム
ルナ「挟まれてる!」ジュドー「食らえェッ!!」(ボビュボビュ!ビューン!!)
30発のミサイルとダブルビームライフルを同時に放つZZ!!(ヒュン!!シュシュシュヒュン!!!)
紙一重できわどくかわすルナマリア!しかし避けた先にはチャージの完了したハイメガランチャーを構えるZガンダムが居た!
カミーユは最高とされるニュータイプ能力で先読みして待ち構えていたのだった!!
カミーユ「いけーッ!!」(ガチャン!!)構えるZガンダム
ルナ「嘘でしょ!!」カミーユ「落ちろーっ!!」ルナ「きゃあああああああああぁぁぁッ!!」
前の時は実弾だからPS装甲で助かったものの今度はビームなのでどうしようもない!
恐怖のあまり目をつぶるルナマリア(もう駄目ェーーーーッ!!)


ところが来るはずの衝撃がいつまでたっても来ない・・・ルナは恐る恐る目を開けたのであった。
ルナ「アッ!!!」ルナは衝撃の光景を目の当たりにした!!
本来ならビームが放たれているはずの銃口にはなんと巨大な剣が突き刺さっていた!!
シン「決めたんだ!!ルナは俺が守る!!」ルナ「シン!!」
カミーユ「何ーーーーー!!!」慌てて爆発しそうなハイメガランチャーを手放すカミーユ
(ボカーーン!!)ハイメガランチャーは爆発した!!ジュドー「いくつ武装があるんだ!!もうZZは超えてるぜ!!」
シン「今度はこっちの番だ!!!」デスティニーの手が眩く光る!!
ジュドー「ハイパービームサーベルで!!」(シュボウン!!)
カミーユ「貴様は俺が!!」(ビュン!)2機の狙いがデスティニーに集中した!!
ルナ「今の内にブラストシルエットをお願い!!」しかしファンネルが安心したルナを狙っていた!!
アムロ「さーてまずはお前から殺害させてもらうか・・・」
不気味に微笑むアムロ(CM)
39キラ・ヤマト ◆AgIHV9FHd6 :2005/07/24(日) 17:56:12 ID:???
タリア「シンの様子がおかしいわね、アーサーどうなってるの?」
アーサー「いや〜全然わかりませんね」タリア「全然頼りにならないわねあなた」
アーサーは自分の不甲斐なさに涙をこぼしそうになった、だがすぐ忘れた
ギル「止めないか、こちらも状況がよく分からない以上どうにも動きようが無いな」
タリア「こちらに議長がいる以上レイを艦の護衛からはずすことも出来ないし、困ったものね」
ギル「ふむ、どうしたものか・・・」慎重な上に頭の回転の速いクルーの多いミネルバは動けずにいた。
 所変わってシンも動けずにいた
シン「どこまで汚いんだお前等ー!!」ジュドー「あのねェ、もうちょい自分の立場を考えたらどうなの?」
アムロ「ククク・・・どうせ今死ぬか後で死ぬかの問題だ、最後くらい好きにさせてやれ」
シン「なんだと!!」(ズババッババッバア!!!)
ルナ「キャアアアアアアアァアア」シン「わかったからもう止めろ!」
カミーユ「全然わかってないなコイツゥ!!!」(ズゴボガッ!!)
シン「グアアアアァァ!!」カミーユ「ふざけた態度をとるのを止めろって話をしたばかりだろうが!!」
いきなり至近距離からグレネードランチャーを叩きこまれたデスティニーはなすすべも無く直撃した!!
アムロ「まァいい、その翼を持ったガンダムでお前の艦を攻撃しろ…」
ジュドー「そいつはいいや!!」シン「何考えてん(バキガ!!)グァッ!!」
話が終わらないうちにZガンダムに至近距離でぶん殴られるデスティニー!!
カミーユ「口答えをするなといってるんだ!!いい加減覚えろ!!もうコイツ殺しましょう!」
ハイメガランチャーを壊され、カツを殺されたカミーユは完全に理性を失っていた。
アムロ「いい加減にするのはお前も同じだカミーユ」カミーユ「すいませんでした」
ルナ「シン、私のことはいいから早くミネルバにこの事を伝えて・・・」
シン「それはできない・・・何があっても君を守ると決めたんだ俺は」
ルナ「シン・・・」シン「(なんとかレイと接触さえすれば・・・)」
ルナ「キャアアアアアアアアアアアア・・・・・・・・・・(ガク・・・)」
痛みに耐えきれずにルナは気絶した。シン「まだ何もしてないじゃないか!!」
カミーユ「お前の考えは全部筒抜けなんだよ!救いようの無いゴミが!!」
シン「なんだと!!どういう事だ!」ジュドー「カミーユさんは最高のニュータイプだからね」
アムロ「こちらは君の考えを全て読むことが出来るんだよ、信じるかどうかは別だがね・・・」
シン「ならやるしかないじゃないか!」超危機的状況に焦るシン!!
アムロ「そういう事だ後30秒以内にお前の艦に攻撃を仕掛けろ」
アムロ(敵艦には今7機のMSと4発のダミー付き核、それに翼ガンダムが攻撃を仕掛けるな。)
(君の〜姿はー僕に似ているー)
アムロ「ククク・・・」アムロの不敵な笑みは広い宇宙に響き渡った・・・

これでエピソード3は終了
40キラ・ヤマト ◆AgIHV9FHd6 :2005/07/24(日) 17:57:23 ID:???
エマ「よくもヘンケン艦長を・・・」サエグサ「違う、あれは事故だ!」
エマ「何が事故よ!」サエグサ「俺が撃たなければ艦の人間全員が死んでいたんだ!ホントだよ!」
見苦しい言い訳をするサエグサ、エマはとうとうブチ切れた!
エマ「ふざけないで!」サエグサ「違うんだ!」エマ「死んでしまえ!」
(シュキュイーーン!!)スーパーガンダムのロングライフルのチャージが完了した!
トーレス(ヤべェな・・・俺まで巻き込まれちまうよ!何か良い手は無いのか・・・)
ネェルアーガマは絶望的な状況だった・・・一方ラーカイラムもその異変にとうとう気付いた
ブライト「向こうの艦はなにをやっているか!」ハサウェイ「オヤジ、なにか様子がおかしいぞ!」
チェーン「モニターで写しましょう」ブライト「ふむ!」
そういうとブライトはめんどくさそうにモニターを拡大した(ピュイン!)
ブライト「アーーッ!!!スーパーガンダムが自分の艦を落とそうとしている!!!」
チェーン「どうやら仲間割れをしているみたいね・・・」あきれるチェーン
ハサウェイ「俺ちょっと状況を調べて来る!!」ブライト「却下!」ハサウェイ「なんだと!」
チェーン「私が行くわ、ジェガンを用意して」ブライト「わかった」
(フフフ・・・誰も私の真の目的には気付いてないようね)
スタスタとチェーンは格納庫に向かった。その時チェーンの眼が怪しく光ったことには誰も気付かなかった

一方、心の中を完全に読まれている上に人質を取られたシンは猛スピードでミネルバに接近していた
シン(グッ!!どうすればいいんだ!!)そうこう考える内にもうミネルバの付近に到達していた
アーサー「シンがキターー!」タリア「シン!今まで連絡を取らずになにをしていたの!?」
レイ「シン!ルナはどうした!!フェイスにしても自分勝手すぎるぞ!議長が危険な目に合ったらどうするつもりなんだ!」
シン「ウオオオオオオオォォォォ!!」議長「なんだと!?」(シュビビビビーードシューン!!)
ミネルバの人の居ないハッチを狙い攻撃を仕掛けるシン!!
(ゴシュゴウズドゴゴゥン!!)爆音と共に揺れるミネルバ!!
タリア「ウッ!!なんだっていうの!?」アーサーは逃げた。
ヴィーノ「ウオッ!!シン何考えてんだあいつ!!」ヨウラン「シンが攻撃してんのか!?嘘だろ!!?」
レイ「いい加減にしろシン!!」(ビュビュビューーグォォ!!)凄まじい勢いでドラグーンを放つレイ。
シン(クッ・・・俺は、俺はどうすればいいんだ!!)凄まじいバトルを繰り広げるシンとレイ
だがシンは迷いとミネルバからの攻撃がある分押され気味だった!!レイ「血迷ったなシン、さらばだ」
デスティニーに狙いを定めるドラグーン!!(シュイーー−ン)
シン「ウオオオオォォここで死ぬわけにはいかないんだ!ルナが・・・ルナを守るまでは!!」
レイ「ルナ!!?シンどういう事・・・グッ!!!!」その時30にも及ぶファンネルが一気にレイに攻撃を仕掛ける!!
レイ「ッ!!」突然の不意打ちに背中のドラグーンシステムが吹き飛ばされ右手右足が爆発したレジェンド!!
ビーチャ「真打登場!!」モンド「この程度なら俺らでもやれる感じ!」
プルツー「やったのはあたし達だけどな」プル「うん!ジュドー早く来てー!」
アムロ「よし、頃合だな。ブライト!ダミーと同時に核を3発発射しろ!!」
ブライト「よし!わかった!!」アムロ「奴等が混乱している今なら一度に30発以上のダミーを含む核を落とせるわけ無いだろ」
ジュドー「カミーユさん!プルたちにこの事をニュータイプ能力で伝えてくれ!」
カミーユ「わかった!!」ルナは気絶している!!
絶体絶命のミネルバクルー、シン、ルナ、レイどうなる!!(CM)
41キラ・ヤマト ◆AgIHV9FHd6 :2005/07/24(日) 17:58:54 ID:???
ブライト「テーッ!!」(ドッドッドシュー!!)
30発以上の核がミネルバに発射された!!
アムロ「意外と他愛ないな。」核の発射を確認し不敵に笑うアムロ。
カミーユ「ま、実際そんなもんですよ」カミーユももう怒りが収まっていた
ジュドー「ルー達やプルも居るし俺ちょっと観てきます」(シュゴ−−!!)
ZZは勢い良くミネルバに直進した!その時ミネルバは絶体絶命のピンチの真っ只中だった!
アーサー「新たな熱源確認数30!!こ・・・これは核です!!」タリア「なんですって!?」
タリア「主砲発射用意!!議長覚悟は宜しいですね」議長「当然だ!・・・」
アーサー「駄目です主砲が破壊されてます!!というより武装がほぼ壊滅状態です!!」
タリア「なんて事!!もう駄目なの!?・・・」議長「クッ・・・」
シンが攻撃したのと、プルたちのファンネルでミネルバの武装は壊滅状態だったのだ!!
ビーチャ「イエーィ!!」(ドゴーン!!ズゴー!!)モンド「俺もやるぜ!」(ギュゴーン)
遊び半分で人の命をもてあそぶビーチャたち!!真の怒りのボルテージは上がる一方何にも出来ない自分に苛立っていた!!
シン(糞ーー!!)レイは2人のプルたちに総攻撃を食らっていた!
プル「プルプルプル〜」(ズゴガーズガー!!)さらに頭と下半身が吹き飛ぶレジェンド
レイ「ッ!!議長だけでも・・・!!」レイは覚悟を決めた!!
イーノの乗るジェガンに突貫するレジェンド!!だがスピードが思うように出ない!!
イーノ「嘘だろォ!?」イーノはレジェンドにビームライフルの狙いを定めた!!
シン「レイーーーッ・・・グハッ!!!」エル「あァら!!ごめんなさい!!」
いきなり後ろからガンダムマーク2に蹴り飛ばされるデスティニー!!
レイを助ければルナが死ぬ、ルナを助ければ他の皆が死ぬ。
シンは自分の不甲斐なさに涙した。

その時!!後ろから高速で接近する熱源がデスティニーのモニターに写った!!
その熱源を確認したのはミネルバも同じだった!!
タリア「何が来たの!?」アーサー「わかりません!!」
その熱源は何か!!?(君のーすがーたーは)

これでエピソード4は終了
42通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 18:01:54 ID:???
ウザ
駄文乙
43キラ・トマト:2005/07/24(日) 18:05:52 ID:???
キラ「アタレッ!!」

カミーユ「こっちにくるな」

その次の瞬間パリッと鈍い音がする、キラのバイザーが割れキラの目は失明した
ハイパーカミーユならこんなこと朝飯前である


キラ「あ…あ…あぁ…目が…目が…潰れた……」
アスラン「キラ…大丈夫か?おいキラ?……」
クワトロ「悪いな少年」
アスラン「キラをよくもぉぉ!!」
カミーユ「クワトロさんお願いします」
カミーユは、アスランの攻撃を振り切り
ストフリの前に立ったそしてハイパーメガランチャーをコクピットに直接押しつけた



カミーユ「降伏しろ!!」

アスラン「くそぉ」

クワトロ「まだわからんのか、少年」

アスラン「くそぉ、当たれぇ、どうして当たらない、どうして……」
クワトロ「君は結局人間だ、私もだが」
44通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 18:06:12 ID:???
>>42
スルー汁
45通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 18:07:46 ID:???
>>42
反応しても無意味だし荒れるだけ。
あれか? お前も釣りか?
46通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 18:28:24 ID:???
まあ終わるのならさっさと済ましてほしいな。また釣り連中がきちゃうし。
47通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 18:41:20 ID:???
>その熱源は何か
どうせキラかAA辺りじゃねーの('A`)
48通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 18:48:57 ID:???
なんでもいいからゴキラよ、早くしてくれ。釣りが来る前にかいてしまってくれ!
中途半端できになっちゃうよ。
49通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 19:21:34 ID:???
>>48
お前だよお前、黙って待てよ。
50通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 19:31:14 ID:???
>>48-49=クルーゼの自演乙でFA
5148:2005/07/24(日) 19:39:30 ID:???
>>50
マジレスすると俺はクルーゼではないし自演でもない
52通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 19:45:06 ID:???
>>51
ムキになった否定乙(-人-)
君がクルーゼだということが良く分かったよ
53通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 19:48:32 ID:???
>21みたいな奴の方がゴキラ、クルーゼよりもウザキモい。そのうえ邪魔
54通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 19:50:13 ID:???
>>53
ゴキラのSS自体が荒らし並みに迷惑だという事に気づけない可哀相な奴なんだ
スルーしてやれよ
55通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 19:55:05 ID:???
>>53
ゴキラのSSで想像を膨らませるような池沼ですから
5648:2005/07/24(日) 19:55:10 ID:???
いやー、俺はクルーゼじゃない(棒読み)
57通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 19:58:19 ID:???
墓穴を掘る>>48タソ萌え(*´д`*)
5848:2005/07/24(日) 20:06:46 ID:???
>>57
墓穴?まだ死にたくないんだけど。
5957:2005/07/24(日) 20:08:18 ID:???
諺の意味も分からない>>48タソ激モエス(*´д`*)зハァハァ
6048:2005/07/24(日) 20:11:22 ID:???
しってるよ、自分で墓穴を作ってそこに入るんでしょ?有名じゃん。
61通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 20:12:52 ID:???
>>60
志村! 埋め、埋め!
6248:2005/07/24(日) 20:15:40 ID:???
いぃーやぁー…。まだ埋まりたくない!あと900すすんでからじゃないと心残りだ!
63通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 20:17:53 ID:???
公約:>>48はあとスレが900進んだら生き埋めになる
64通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 20:19:02 ID:???
( ゚Д゚)y─┛~~
荒れたな……コレが夏か……
6548:2005/07/24(日) 20:21:43 ID:???
>>64
んじゃあ深夜ぐらいに頑張ってSS投下するよ。
66通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 20:21:55 ID:???
>>48は演技力高いな。
67通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 20:27:16 ID:???
>>48-65

自演乙♪
6848:2005/07/24(日) 21:29:40 ID:???
また自演って言われた…orz
69戦友との約束@:2005/07/24(日) 23:11:54 ID:???
CE71年 9月26日
この日、一つの戦争が終局を迎えようとしていた。
第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦―――
地球軍とザフトの総力を挙げた戦いだった。

ザフトの一隊長である俺―――サージ・クレイドルも、自らの隊を率いて本国を守る身だ。
「クレイドル隊長」
MSデッキでふと、後ろから呼びかけられた。
振り向くと、見慣れた兵士が立っていた。
「同期なんだし・・・隊長って呼ぶなよ、アリー」
彼女はアリシア・リーガス。アカデミー時代からの同期だ。
「あら、折角昇進出来たって言うのに。元気ないわね?」
「隊長になっての初任務がコレだ。緊張してんだよ」
3日前にポアズ基地が陥落している。それも短時間で。
情報によると―――地球軍は核攻撃を行ったらしい。
ならば、今回の戦いにも同じように核を使うだろう。
俺はそんなことを考えていた。
「情けないわね・・・しっかりしてよ、隊長さん」
「ああ・・・」
「あんたは隊長である前に、私のライバルなんだから。光栄に思いなさいよ!」
パシン、と背中を叩かれる。コイツなりの励まし方だろうか。
あぁ、そう言えばこの台詞・・・アカデミーの頃からずっと聞かされている。
『私のライバルなんだから光栄に思いなさい』・・・か。
あの頃はずっと、白兵戦やMS戦の実力を競い合ってたっけな。
アリーとは決着がついていないままなのに、先に俺が隊長になった。
「何だか心残りだな・・・」
自然と呟いていた。
隊長機カラーの白いゲイツに乗り込む。出撃は目前だ。
これから俺は12機のゲイツ部隊を率いて、本国を守る。生きて帰れる保証はない。
計器のチェックをしていると、通信が入った。アリーのゲイツからだ。
『ねぇ、サージ』
「何だ? 不安か?」
『ッ・・・馬鹿にしないでよ。ちょっと言いたいことがあるの」
「何だよ、言ってみな」
『私たち、アカデミーじゃずっと引き分けだったでしょ?」
「ああ、156戦156分け。覚えてるよ」
『そう、まだ決着がついてないってこと。だから・・・」
少し間をおいて、アリーは
『あんたに勝つまで、一生ついて行くんだから!』
そう言いきった。
『だから絶対に生きて帰るの。じゃなきゃ許さないから』
何だか可笑しくなった。さっきまでの緊張はもうない。
「わかった。覚えておくよ。だから、お前も生きて帰ってこい・・・約束だ」
俺がそう言うと、アリーも笑顔で答える。
「サージ・クレイドル ゲイツ出るぞ!」
俺はゲイツを発進させて、宇宙の闇へと飛び込んでいった。
アリーの言葉を、その胸にしっかりと刻み込んで―――
7069:2005/07/24(日) 23:14:03 ID:???
勢いで書き殴ってみた。
続きは明日かな・・・。
71通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 23:18:28 ID:???
>70
技術とか難しいことは俺にはわからないけど、面白いし、続きが読みたいです。頑張ってください
72通常の名無しさんの3倍:2005/07/24(日) 23:29:29 ID:???
ポケ戦みたい雰囲気だね、嫌いじゃないよ
73未熟な名無し:2005/07/24(日) 23:43:45 ID:???
輸送機のカーゴベイが開くと、南国特有の強い日差しが俺の目に飛び込んできた。
すぐに僚機のダガー2機が降下に移っている、一瞬の後、俺も空中に身を投げた。
展開するパラシュートを確認しながら、俺はただただ青い海を見つめてしまっていた。

オーヴ近海の群島に、ザフトのモビルスーツが確認されたのは、今から数時間前のことだ。
カグヤから南に300キロほど進んだ小さな群島に、敵モビルスーツの降下が確認されたのだ。
それだけならば俺たちのようなモビルスーツ空挺部隊が出動する必要はない、しかし
同時刻、衛星軌道上で戦闘があり、そのときの残存部隊が降下した可能性が高いということだった。
敵の機体は、最近宇宙で配備され始めたゲイツと呼ばれるものらしく、その地上用改修型の輸送
中に戦闘に巻き込まれて、降下地点をずれてしまったものらしかった。今回は、その鹵獲もしくは破
壊が俺たちに与えられた任務だった。報告では、単機用の降下カプセル一機の降下が確認されて
おり、敵の新型が一機降りただけのみのようであった。

すぐ右下を飛んでいるサムの口笛が、通信機から伝わってきた。南海の日差しはメインカメラを通
してもなおその強さを失わず、サムでなくとも口笛ひとつも吹きたいところだった。

その一撃は唐突なものだった。目も眩むようなビームの閃光が3回走った後、俺たちを降下させ離
脱に移った輸送機が爆発していた。

クソッ―、俺はすぐにパラシュートを切り離し、スラスターを使った降下に切り替えた。サムのダガーも
それに続いた。支援用の量産型アグニを装備したジャックのダガーのためにサムと俺が降下し、
地点を確保しなければならなかった。だが、次の一撃のほうが先だった。
ビームがサムのダガーを貫通し、推進剤を爆発させ、瞬く間に四散してしまった。
「サムッ!」叫んでも無駄なのはわかっていた。だが、叫ばずにはおれなかった。スラスターを弱め
ると、俺は一気に自由落下に移った。まだ上空にはジャックがいる、それを撃墜させるわけには行
かなかった。だが地表ぎりぎりで射撃を始めた頃には、すでに敵の照準はジャックに合わせられて
いた。一発目が脚に、二発目が胸部に命中し、あっけなく四散してしまった。爆発の隙に、海岸付
近の岩礁に着地すると、同時にスラスターを噴射し、右に左に照準を散らさせた。ビームライフルで
応射し、さらにスラスターを吹かして飛び上がる、海岸のすぐ先の森から、ザフトモビルスーツ特有
の単眼がのぞいているのが見えた。大きく生育した木を踏み倒しながら着地、しゃがんだ状態でビ
ームライフルを打ち込んだ。こちらの付近にも数発の着弾があったが、照準は不正確だった。
向こうからの射撃がやんだ瞬間を見計らって、モビルスーツの頭部を森から突出させた。
どこだ―、焦る気持ちを抑えながらメインカメラで、辺りをうかがう。左端に何かが走って、森から黒
い影が立ち上がった。左腕を挙げシールドを掲げたが、ビームサーベルでシールドごと左腕を切断
されてしまった。凄まじい衝撃とともに、俺はシートに叩き付けられ、口の中で血の味がした。距離
を稼ごうと右手のライフルを投げつける。しかし、相手はそのまま俺の機体に体当たりを仕掛けてきた。
木々をなぎ倒しながら森に倒れこんだ瞬間には、相手がサーベルを振り上げていた。最後の賭けだ、
脚部の付け根を狙い頭部のイーゲルシュテルンを打ち込んだ。
重力のある地球では、モビルスーツの脚を壊すだけで戦闘不能になる。
玉切れの表示が出るまでの数十秒間、俺の口からは自分のものとは思えない咆哮が発されていた。
敵機が脚部の付け根から火を吹きながら、サーベルをかまえたまま倒れこんでくるのを最後に画面がブラックアウトし、
轟音と衝撃が機体を揺さぶった。
74未熟な名無し:2005/07/24(日) 23:45:06 ID:???
気がつくと俺はコックピットのシートで気を失っていた。ベルトをはずしてハッチを開放すると、相手
の稼動音もせずただ鳥の鳴き声が聞こえてきただけだった。サバイバルキットを手にし、コックピッ
トから這い出る、強い日差しに目が痛かった。ザフトの新型はその独特の丸いフォルムを見せつけ
ながら、うつぶせの状態で停止している、脚がとれて転がっているのがなんだか滑稽でおかしかった。
こちらのダガーも頭部はほとんど形を失って、装甲板は機体同士の激突で傷だらけだった。
酷いもんだ―、ヘルメットをはずしてそうつぶやきながら、横たわった機体から飛び降りザフト機に
近づいていった。機体はほとんどうつ伏せだったが、パイロットが這い出せるくらいの隙間はありそ
うだった。さらに近づくと、機体の陰にパイロットスーツが転がっていた。助け起こそうと駆け寄って、
肩に手をやったそのとき、後悔の念に襲われた。俊敏な動きで立ち上がると、全体重を乗せ俺に
掴みかかってくる、受け損なって俺はそいつに馬乗りにされる形で倒れてしまった。倒れながら腰の
リボルバーを抜き、そいつの腹に密着させた。その感触がやけに柔らかく、俺はそいつの顔を見直
した。青い目、金色の髪、そこにはまだ少女といって差し障りない年齢の女の顔があった。
「女かよ…」
俺は呟き、無意識に銃を下ろしていた。
75未熟な名無し:2005/07/24(日) 23:56:43 ID:???
書いてはみたが…
人様の目が怖い続き書いてもいいのかなぁ。
7669:2005/07/24(日) 23:58:35 ID:???
>>75
頑張れ。同じ物書きとして応援する。
77通常の名無しさんの3倍:2005/07/25(月) 00:01:41 ID:???
>75
早く続きが読みてえ…
頑張れ
78未熟な名無し:2005/07/25(月) 01:03:45 ID:???
ゲイツのコックピットから這い出て気を失っていた私は、近づいてくる足音で目を覚ました。
相手から見えないように足首のナイフを抜き、その感触を確かめるように強く握った。
相手の手が肩にかかるその瞬間、それを避けるように転がってすぐに立ち上がり
敵のパイロットの脚にタックルをかけた。そのまま、倒れこみながら首に刃を当てる
だが、私の腹部にも何かが当てられているのがわかった。
相手の口から「女かよ」と呟きが漏れ、その瞳にかすかな動揺が読み取れた。
腹部に当たっていたものがなくなり、瞳の驚きが諦めたような優しさに変わっている。
その黒い瞳に私が映っているのがはっきりと見え、鳥のさえずりや、木の葉の
ざわめきが遠くに聞こえた。
「殺さないのか、敵だってのに…」
言葉を投げつけるように話してはいたが、にじみ出るやさしそうな響きは消せない。
私は、そいつの首に当てたナイフの力を少し緩め、空いている左手で
そいつの銃をもぎ取った。銃をそいつに向けると立ち上がり、数歩の距離をとった。
「立て」意識して強い口調を使うと、そいつは不思議そうに言った。
「何で、殺さない」
私にもまったくわからなかった、だが、自分の手で人を殺す経験など
できることならしたくなかったからかもしれない。それとも、彼の声に
やさしさを感じたからだろうか。
「貴様は捕虜だ。だが、不用意な行動は死に繋がると警告しておく」
それだけ言うと彼は馬鹿馬鹿しそうに呟いた。
「俺が君を殺す、とは、考えてないのかな?」
感情を廃して引き金を引いた。いまだに空を見上げて寝転んでいる彼の
耳のすぐ横で、盛大に土煙が上がった。
だが、彼は視線をずらすことなく、青い空を見上げていた。
銃声で鳥が飛び立ち、あたりに騒々しい羽音が満ちている。
濃密な南海の空気はプラント育ちの私にとっては初めて経験する不快さだった。
「私はそれなりに訓練をつんでいる、次の警告はない」
不快さを押し殺し冷たく言い放つと、彼もゆっくりと上体を起こし、
私の目を見据えた。汗が胸から腹部に流れていくのがわかる、
突然、大地がどこにあるのか判別が付かなくなるような感覚を覚え、
視界が白くかすむ。銃を握る手に力を加えたまま私は崩れ落ちた。
79戦友との約束A:2005/07/25(月) 01:25:17 ID:???
俺達の任務は地球軍艦隊を側面から叩くというものだ。
さっそく目標となる艦隊が見えてきた。
側面に展開した3隻に攻撃を絞った。
護衛のMSを確認する。あれは「ダガー」と言ったか。30機はいる。
「散開して遠距離から狙撃! 迂闊に近づくんじゃないぞ!」
指示を送る。数ではこちらが不利だ。迂闊に近づくワケにはいかない。
だが彼らはナチュラル。そう簡単に遠距離からの射撃を回避できないだろう。
ゲイツのライフルが次々とダガーを打ち抜いていく。

数分もすれば、敵MS隊はほぼ壊滅状態になっていた。
「よし、全機突撃!!」
ビームクローを展開し、一気に突撃をかける。
が、俺のゲイツは前方のMSに動きを阻まれた。
巨大な対艦刀を持ったダガーだ。特殊な兵装が施されている。
「ッ、隊長機か!? ならば俺が相手になる!」
距離大きく離した。接近戦ではあの対艦刀の餌食になる。それだけは避けたい。
俺はシールドに内蔵されたガトリングガンを放つ。
しかしダガーはそれを避け、肩から取り外した武器を投げつけてきた。
「飛び道具か!」
バーニアを吹かし、回避する。だが回避したはずの武器はすぐさま戻ってくる。
「ブーメランだと!? ・・・クソッ!」
寸前でコクピットへの直撃を逃れるも、右腕の手首を吹き飛ばされた。
「チィ・・・ライフルが・・・!」
貴重な武器を失ってしまった。このままではまずい。
これを好機と見たダガーは、俺のゲイツに接近してくる。
ゲイツのバーニアを細かく動かし、振り下ろされた対艦刀を避け続ける。
俺は再び距離を取りつつ、レーダーを確認する。
もうダガーは3機程度しか残っていない。
敵艦も1隻は沈み、もう1隻は既に半壊している。
自軍も多少やられたようだが、半数以上は無傷のまま残っている。
その中にはアリーのゲイツも確認できたので、少し安心した
突然、交戦していた隊長機のダガーが艦の後ろに下がった。
それに続いて、残ったダガーも下がる。
その時俺は嫌な予感がして、背筋が震えたような気がした。
「油断するな! 奴ら・・・何かおかしい!」
俺がそう言った直後、敵艦から霧のようなものが勢いよく吹き出した。
その霧は、俺達のいる宙域をあっと言う間に覆い隠した。
特殊なジャマーだろうか? 熱源カメラを使っても周囲の様子が分からない。
その時、自軍のゲイツ2機の反応がレーダーから消失した。
「な・・・に? おいジル! クリストファー! どうした!? 返事をしろ!!」
パイロットの名前を必死で呼ぶ。だが返ってくるのは耳障りなノイズばかりだ。
自軍のゲイツの反応が次々と消失していく。
「チクショウ! どうなってんだ!!」
計器を激しく叩く。 その時、ようやく霧が晴れた。
そこで俺が見たものは・・・自軍のゲイツが大破してできた残骸と・・・
地球軍のモビルアーマー『メビウス』その数既に60機―――
80未熟な名無し:2005/07/25(月) 01:25:23 ID:???
目を覚ますと、ゲイツの胸部からテント状に張られた布が作り出す
小さな日陰に、パイロットスーツを緩められ横たえられていた。
彼の姿はどこにもなく、自分の手が拳銃のグリップを握ったまま
固まっているのに気がついた。すぐ横に水のパックやサバイバルキットが
置いてあり、持ち主だけがいない。私のヘルメットや、地球軍の大気圏内用耐Gスーツも放置されたままだ。
私が彼の影を探そうと日陰から頭を出しみると、すぐそこの地球軍量産機の残骸に近づき
何かを探しているようだった。その視線に気付いたのか、私のほうを振り向くと
心から安心したような表情でこちらに歩み寄ってきた。
「もう大丈夫とは、さすがの回復力だな」
それだけ言うと、そばに置いてあった水のパックを手に取り黙って差し出した。
「飲みなよ、軽い脱水症状による熱中症だよ」そういうと自分も口をつけ
飲み口を指でぬぐい、もう一度差し出してきた。
その表情から敵意はまったく感じられず、私も急にのどの渇きを意識し始めた。
「ありがとう」驚くほど自然に、まるで友人に話すようにその言葉が出ていた。
パックを受け取り、ゆっくりと飲み始めると、彼が口を開いた。
「向こうに飲めそうな水があったから、それ飲み干して良いよ」
また、少し沈黙が流れ、水が私の喉を通る音だけが聞こえた。
飲み干して一息つくと、彼に向き直って座りなおし、パックを返した。
「助けてくれてありがとう。その、敵なのになぜ助けたの」
彼の困惑が見て取れた、助けた相手からこんなことを言われるとは
思ってもいなかったらしい。表情が全てを物語っていた。
何でも顔に出るとはこんな人のためにあるのだろう。
気がつくと、私は笑っていた。抑えていた緊張を解きほぐすかのように。
最初は噴出す程度だったものが、だんだんと大きくなっていた。
ヒーヒー言いながら相手を見ると、あっけにとられたような顔をしてこっちを見ている。
「ごめんなさい、せっかく助けてくれたのに。ただ、さっきまであなたを殺そう
としていたこととか、何だか、助けられちゃうと皮肉で、滑稽で」
彼も表情が崩れ、にこやかに言った。
「こんな状況じゃ、戦争も何もないよなぁ。俺はユウキ・クサカ
もちろん、所属は明かせないけど、まあどうせ、ここから生きて
帰るには助け合わなきゃなんねえしさ」
仕方ないという割には、話せて嬉しいという様子だった。向こうが礼を持って
接するなら、こちらもそれに習うだけだった。
「私、セナ、セナ・ロズウェルていうの。助けてくれてありがとう」
手を差し出すと、力強く握り返してきた。その暖かさは、彼の印象そのものだった。
8169:2005/07/25(月) 01:28:54 ID:???
>>80
あ〜ゴメンよ、割り込んじまって。
俺は明日続きを書くから。
82未熟な名無し:2005/07/25(月) 01:36:24 ID:???
81
いやいや、こちらこそですよ。
投稿は初ですが、皆クォリティタカス。続き待ってますよ!
某スレで投入したネタを書き込む、色々な意見が知りたいので。
マユ種学園
PHASE 0−1 「運命の日」

マユ・アスカというその少女が、ザフトの士官学校に「直訴」しにくるのはその頃、既に日常のヒトコマと化していたという。
その日、まだ議長になって間もないデュランダルが激励に士官学校に来るとその日も守衛にくってかかる少女の姿があった。
「あれは一体何事かね?」
運転手に尋ねるデュランダル。当然、運転手がそんなことを知っているわけもない。
だがこのままでは、車が門をくぐれない。守衛もデュランダルの来訪に気づいたのか、顔が青ざめた。
と、それまで少女をなだめるのに回っていた守衛が拳を振り上げた。自分のせいで、プラント議長の職務を滞らせるわけにはかない、そう考えたのだろう。
だが、ただ暴力に訴えるというやり方は、デュランダルの最も嫌うものだった。
「待ちたまえ」
守衛を制止し、デュランダルは2人の間に割って入った。
背をかがめ、少女と目線を合わせると、少女は負けじとデュランダルの目を見つめ返す。
「君は、ここで何をしているのかな?」
自分こそ何をやっているのだ。内では苦笑しながらデュランダルは問いかけた。
通行の邪魔だからと守衛にどかせ、自分は学校内に入り人気取りの演説をする。それだけでいいはずだ。
だが実際には、自分はこうしてこの小娘に話しかけている。何故だ。
デュランダルは、少女の目を見つめるうちに気がついた。真っ直ぐなのだ、あまりにも。
若さか。デュランダルは再び、心の中で苦笑した。自分が失って久しいものだ。
やがて、少女がぽつりと口を開く。
「私は、力が欲しいの」

>>83の続き。

少女の名はマユ・アスカ、オーブの難民だそうだ。
失ったものは戻らない、だがこれから失うことのないように力が欲しいと。
その為に、士官学校に入りたいという。
無論、士官学校はこんな子供が入れる場所ではない。だがデュランダルはなんとなく、そんな理由でこの少女の思いを断ち切りたくはないと思った。
ふと名案がひらめく。
「では、夕方またここへきなさい。私と面会できるようにしてあげよう。そこでレイという、私の秘蔵っ子にシミュレーターで勝つことができれば、議長権限で入校させてあげよう」
これでいい、大人の決めた理由で思いを断たれるのではなく、少なくとも自分の力の不足が原因だと割り切れるだろう。
希望に目を輝かせる少女を見ながら、デュランダルはそう思った。
本当になんとなく、ただそうしてみたかった。それだけの理由だったのだ。
しかし、それこそが運命だったのかもしれない。

当初圧倒的だったレイが、追い詰められると同時に突然動きが変わったマユ機に攻守を逆転され、ついには判定負けに持ち込まれたのをシミュレーション筐体備え付けの観戦モニターで眺めながら、デュランダルはそう思った。
まさかこんなところで、自分が欲してやまない素養の持ち主に出会ってしまうとは。

その日、特例中の特例でマユの士官学校入校が決定した。

マユ種学園 PHASE 0−2 「芽生える友情」

誰もが、この光景を疑っていた。それは、機械的に少女のことを紹介する教官でさえ同じだった。
ただ2人、複雑な表情のレイと、元気よく挨拶をした少女本人だけが例外だった。
「今日から一緒に学ばせていただくマユ・アスカです。よろしくお願いします!!」

「へぇ〜、オーブから来たんだ?」
最初の休み時間、マユはクラス中の人間から質問漬けにあっていた。時代がCEに変わっても続く、転入生への伝統的な反応である。
中でも、マユに最も親しく接しようとしてくれたのがルナマリア・ホークだった。
彼女自身、姉御肌なところがあるのだろう。とにかく色々と世話を焼こうとしてくれる。
きっと、女の子からもてるタイプなんだろうな。マユはそんなことを考えながら、女の子同士楽しく話をしていた。
「おいおい、そんなガキにMSのパイロットがつとまるのかよ」
いきなり、1人の少年が割って入ってきた。後ろで彼とそっくりの青年が「やめろよ、ショーン」と言っている。
ショーンとゲイル、双子のパイロットで兄のショーンが凄く嫌な奴なの。あそこにいるレイの取り巻きよ。ルナが耳打ちしてくれた。
ショーンはなだめる弟に耳を貸さずに、とにかく一方的にマユに嫌味を言ってくる。たまりかねたルナが言い返そうとすると、そこにレイが割って入った。
「やめろ、ここへ入れたのは。この子がそれに見合う実力をもっているからだ」
普段、無口なレイが口を開いた。それも他人を庇うとは。
あっけにとられるクラスメート達をよそに、マユはレイに話しかけようとする。
レイはそれを制し、不器用な笑みを浮かべた。
「気にするな、俺は気にしてない」
ますますクラスメート達が混乱する。そこへ、教室に入ってきた教官が怒鳴った。
「何を騒いでいる。席につけ」
全員が席につき、静まると再び口を開いた。
「明日のデブリ回収の実習、キメラを使うからな」
たちまちクラス中から沸きあがる不満の声、それを手で制し続ける。
「扱いやすさと装甲では、キメラはかなりものだ。そこだけはジン以上だな、まずは宙間作業に慣れろ」
まだ続く不満の声に構わず、教官は授業に入る。

そしてその夜、格納庫に忍び込んできたショーンとゲイルの姿があった。
止めようとする弟に構わず、ショーンは自分が搭乗するキメラのセッティングをいじっていく。
転入生のガキに、格の違いを見せてやるよ。ショーンは暗闇でほくそ笑むのだった。


>>85の続き

次の日、実習生のキメラ達はジェネシスの残骸の撤去作業を行っていた。
大きな破片は後日、ジャンク屋ギルドに任せることになるが、細かい破片は経験を積ませるために生徒達にやらせることになったのだ。
一生懸命、なれない手つきでジャンクを拾うマユ機を見ると、この間のシミュレーションは夢ではないかとレイには思えた。
と、マユ機と破片の間にショーン機が割り込んでくる。
邪魔しないでくださいとマユが通信を呼びかけると、その歳で入学してくるくらいならこれくらい楽勝だろうとショーンが挑発する。マユはなんとか避けようとするが、改造されたショーン機は易々と回り込む。
止めようかとレイが考えたとき、異変が起こった。
突然ショーン機のスラスターが火を噴き、あらぬ方向へと飛んでいったのだ。
「ショーン!!」
ゲイルが叫ぶ、素人がいじったツケが出たのだ。
「せ、制御できない」
泣きそうなショーンの声が聞こえてきた。
「なんだって!!」
教官が叫ぶ、ショーン機の先には巨大な破片があった。
このままではショーンが、誰もが慌てる中でマユがルナにいった。
「私を抱えて、フルブーストを!!」
>>86の続き

コクピットの中で、ショーンは神に祈るばかりだった。子供を苛めようなどと考えるからバチが当たったのだ。神様ごめんなさい、もうしません・・・・・・。
しかし、無常にもモニターの中の破片はどんどん近づいてくる。
と、その時、ショーン機に追いついてくるキメラがあった。
マユ機である。ルナ機に抱えてもらいフルブーストをしてもらう。そのまま放り投げ手もらった後、自分自身もフルブーストを使って追いついたのだ。
「お前、どうして・・・・・・」
「もう、嫌なの。誰かが死ぬのは!!」
マユ機はそのまま、ショーン機のスラスターを剥ぎ取る。
だが、キメラ1機の推進力では破片への激突前に速度を殺しきれない。
「もういい、お前は逃げろ」
叫ぶショーン。しかし、マユは諦めなかった。まだ、方法はあるはず・・・・・・。
その時、あの休み時間の終わりの教官の言葉が、マユの脳裏にリフレインしてきた。
(扱いやすさと装甲では、キメラはかなりものだ・・・・・・)
マユはにっこりと笑うと、ショーンに話しかける。
「ショーンさん、ごめんね♪」
「え?」
マユ機のアームが自分の機体を殴りつけてくる光景を、ショーンはやけにゆっくりと見ることができた。

「やれやれ、大したものね・・・・・・」  
コクピットの中で、ルナは感心したような、呆れたような声をだした。
彼女のモニターには、マユ機のパンチで大きく装甲がへこんだキメラがアップで映っている。
最後の最後、マユは殴りつけることでショーン機を破片への軌道からずらしたのだ。
「言っただろう、それに見合うだけの実力があると」
レイからの通信が入る。
「あら、もしかしてあの子に惚れた?」
「・・・・・・冗談でも怒るぞ」
「きゃ、怖〜い」
ふざけた声を出しながらルナは思った。
楽しくやっていけそうね。
マユ種学園 PHASE 0−3 「荒れる金狼」

その日、レイは夢を見ていた。
シミュレーターで戦闘訓練をしている夢だ。機体は相手も自分もノーマル装備のジン。
戦闘は終始、自分に有利に展開している。負ける要素など微塵も無かった。
しかし、とどめの一撃を加えようとしたとき、それは起こった。
敵のジンはこちらのサーベルをくぐり抜けると、コクピット部にパンチを食らわせてきた。
振動に襲われる。勿論、その程度のことで装甲は貫けないが不覚にも動揺してしまった。
レイの反応が遅れるうちに、相手はさらに肉薄してくる。
「・・・・・・舐めるな」
押し出すように呟き、レイはサーベルを投げ捨て敵機に拳を振るわせた。
しかし、敵はそれすらも読んでいたのだ。
レイのジンの右腕を左脇で絡めとると、そのままレイ機の背後に回りこみ、エルボーで右腕の関節を破壊した。 
たまらず離れるレイ。そのせいで右腕は完璧にちぎれてしまった。
やられる、そう思った。勝てる気がしない。
そして敵機が、ゆっくりと近づいてくる・・・・・・。

「・・・・・・夢か」
レイは呟き、ベッドから降りた。
あの時の夢だ。デュランダルに言われるままに、マユとシミュレーションを行ったあの時の夢。結局、あの後すぐに時間切れで判定負けになったのだった。
レイは先日、自分がマユに言った言葉を思い出した。
(気にするな、か・・・・・・)
拳を壁に叩きつける。
「馬鹿か、俺は」
自分自身のプライドがズタズタであることを、ようやく彼は自覚した。
>>87の続き

「やっぱり強いなぁ、レイは」
気楽な声を出したのはゲイルだ。
今日のシミュレーション訓練の授業で、彼はレイと10戦して、その全てに敗北。しかも、全て一分以内に撃墜されていた。
ショーンが見てられないぜと、代わりにシミュレーション筐体に乗り込む。
そしてシミュレーションが始まると、あっという間に顔が青ざめていき・・・・・・。
結局、ショーンは30秒と持たずに撃破されてしまった。
「どうやって勝てっていうんだよ」
頭をかかえる兄を見て、ゲイルは肩をすくめていた。
さすがに疲れたので、少し休もうとレイが席を立つと。
「あー、負けちゃった」
隣の筐体から、マユの声が聞こえてきた。
「・・・・・・!!」
レイは無言で振り向くと、すさまじい勢いでその筐体に近づく。
そこでは、マユと対戦相手であろうルナマリアが筐体の観戦モニターで自分達の戦いの映像を、リプレイで流していた。
マユが負けた映像を、だ。
(一体どうやって)
真剣に覗き込むレイ。そのあまりの形相にルナマリアが驚いているが、そんなことにはかまっていられなかった。
が、それがすぐさま失望に変わる。
「・・・・・・こんなものじゃないはずだ」
首をかしげるマユの肩をつかみ、レイは怒鳴る。
「こんなものじゃないはずだろう、お前は!!」
ビクリとするマユ、そのレイの腕をルナマリアがつかんだ。
「今のあんた、最低だよ」
レイははっとなると、マユの顔を見た。
ひどく、おびえている。
レイはマユの肩から手を離すと、そのまま背後をむいた。
放送用スピーカーから、予鈴が流れていく。
>>89の続き

その日、ユニウスセブン近くの宙域でパトロールをしていたジュール隊が所属不明MSと戦闘を行うという事件があったが、戦後のこの時期に弱みを見せるわけにはいかないと、そのことは極秘にされることになった。
隊長であり、自ら矛を交えたイザークの報告書によると、敵のゲイツの左肩には白い鬼のパーソナルマークが描かれていたという。

授業が終わった後、マユとルナマリアは街にショッピングにくりだしていた。
気を落とすマユのために、ルナマリアが無理に連れ出したのである。
その2人の行く先で、1人の男がギターをかき鳴らしている。
ストリートミュージシャンだろうか、こんなところでと思いながら、ルナマリアはマユと通り過ぎようとする。しかし、ギター男が前に出てきて進路を塞ぐ。
「気をつけなお嬢さん方、死相が出てるぜ」
「な・・・・・・」
口をあんぐりと開けるルナマリア。
「あんた何よ、いきなり」
「俺か?俺は・・・・・・鬼だよ」
くっくっくと、肩を震わせて男は笑う。
「ともかく忠告はしたぜ。じゃ、あばよ」
笑いながら男は歩み去って行った。
なんなのよ、と怒るルナマリアをマユがなだめる。
歩く男の含み笑いはついに高笑いと化し、男の口から舌べらが覗いた。
男の舌には、白い鬼の刺青があった。

次回に続く。
とまぁ、これで今までの分、全部。
スレ汚しになってすまない。
もし目障りなら、もう2度と出没せず元いたスレに引きこもるから。
92通常の名無しさんの3倍:2005/07/25(月) 06:00:41 ID:lWBUqpZl
初めて感じたこの気持ち、溢れる想いを止められない。
震える私を抱きしめて、護るって…ステラを護るからって…
優しい声で話してくれる横顔が愛しくて、側に座る。背中合わせでいるだけで、心が通う気がしてる。

温もりを教えてくれた紅い瞳、二度とは来ない今、あなたの事しか見えない…
93通常の名無しさんの3倍:2005/07/25(月) 06:02:40 ID:lWBUqpZl
涙が頬を伝っていく。何故泣いているのかも解らずに、心を悲しみに縛られて…
何か忘れてしまったような気がしてる。いつもの事なのに、何か違う。それは初めて感じた温かい気持ち、その微かな記憶が残っているから。
この悲しみを教えて…
知らない筈の優しい声を、温もりを探して惑う記憶の海原…

また戦争が始まる。新しい機体に乗り込んで、戦場へ向かう…失った記憶を求めて、涙が頬を伝っていく。
94ステラスレ住人:2005/07/25(月) 08:19:02 ID:???
>>92ー93
泣いた。深海の孤独聞きながらステラを思いだしますた…
95通常の名無しさんの3倍:2005/07/25(月) 11:25:14 ID:???
>>92->>93
すまん、泣き所を教えてくれ。
96通常の名無しさんの3倍:2005/07/25(月) 12:39:24 ID:???
>>91
俺は続きが見たいな。応援してる。
97未熟な名無し:2005/07/25(月) 14:03:27 ID:???
助けた相手からそんなことを言われてしまった。
えぇっ、自分は何だよ―、と思うがうまく返答できなかった。自分でもなぜそうしたかわからないのだ。
ただ、そうしたかっただけとしか言えない。こちらが何も返せないでいると彼女が笑い出した。
目尻に涙をにじませ、腹を抱えて笑っている。
「ごめんなさい、せっかく助けてくれたのに。ただ、さっきまであなたを殺そうとしていたこととか、何だか、助けられちゃうと皮肉で、滑稽で」
まだ笑いながらこちらを見るその顔は、先ほどのパイロットの顔ではなくいたずらっぽそうな少女の顔だ。こんなやつを殺すのは、もう無理だ。
「こんな状況じゃ、戦争も何もないよなぁ。俺はユウキ・クサカ
もちろん、所属は明かせないけど、まあどうせ、ここから生きて帰るには助け合わなきゃなんねえしさ」
俺の顔から緊張が抜けていくのがわかった。ただ、今目の前にいる人は敵でないそれだけで十分だった。
「私、セナ、セナ・ロズウェルていうの。助けてくれてありがとう」
差し出された手を握り返した。彼女のグローブ越しに柔らかな感触が伝わってきた。
「いや、君も助けてくれただろ。だから、お互い様だよ」全てがぎこちなく会話がつづかなかった。俺は久しぶりに気まずいという感覚がどんなものか思い出した。
「あっちに小さな沢があった。後は、まだ見てまわってない。俺の機体は見ての通りさ。通信機が動かないし、発信機も動いてない。
君が落ち着いたらそっちも試してくれ」
そういうと彼女はもう大丈夫というように立ち上がった。で、ふらついた。
「無理すんなよ。地球には重力があるんだぜ」彼女をささえて、もう一度座らせる。
「水場行って、顔でも洗えば?てか、そのパイロットスーツ脱いだら?バッテリーそんな持たないだろ」
そういうと彼女はそれもそうねと、スーツを脱ぎ始めた。俺はあわてて目線を反らした。
「大丈夫、下に服着てるから」彼女がそういう、それはそれで残念な気もした。スーツを脱ぎ傍らに置いた彼女は、もう本当に大丈夫という感じで立ち上がり、上半身を伸ばした。
「まさかこんな形で地球に来るとはね」そんなことを言いながら、俺の示した沢の方に歩いていった。

1時間ほどたつと、彼女が期待の様子を調べ始めた。もう日差しは夕暮れの日差しに変わり始めている、
急いだほうがよさそうだった。彼女の機体、ゲイツは脚の関節が爆発した際の衝撃で回路が
いくつかいかれてしまっていた。俺のダガーも左腕はないし、コックピットでさえ正常に機能しない。
「こりゃあ、直せるかどうか」俺はゲイツのチェックをしていた彼女に、大声で伝えた。
「こっちは直せそうもねえ、そっちはどうだい」こちらに負けじと返してくる。
「回路のいくつかを交換すればビーコンは直りそうよ!」
俺はコックピットに入り、何とか使えそうな通信機用部品といくつかの回路を持ち出し彼女の元に戻った。
ホントは、まずいんだろうけどな―、と思った。罪悪感が少しだけ胸にわいた。
「ザフトの機体に地球軍の部品は合わないよなあ」そう言って差し出すと、彼女が少し考え込んだ。
「やってみるわ」そういうと唇をきりっと結び、ゲイツの下にも潜り込む、来いというように手が動いた。いいのか、おい―、そう思ったが彼女のきつく結ばれた唇を思い出した。
俺と同じで、軍人としての自分に自問し覚悟して選んだんだろう、ナチュラルと協力しようと。俺もいい加減覚悟を決めるか―、彼女の後を追ってゲイツの下に潜り込んだ。
98未熟な名無し:2005/07/25(月) 14:06:03 ID:???
ゲイツの状態は、よくここまで壊したというほどに各部がショートし使い物にならなくなっていた。
しかし、コックピット横のアクセスパネルを開くと、緊急用ビーコンはいくつかの部品を交換すれば
回復しそうだった。彼の声がして、「そっちはどうだい」と聞いてくる。
お互いに壊そうとしていていたものを今は心配しあっている皮肉な状況にはそぐわないほど
明るい声だった。「回路のいくつかを交換すればビーコンは直りそうよ!」といい、ゲイツから這い出ると、
彼がこちらに歩いてきた。手には、いくつかの部品が乗っている。
「ザフトの機体に地球軍の部品は合わないよなあ」と差し出した部品は、地球軍のモビルスーツで使われる
タイプのコネクターや電子部品だった。彼の顔にはまずいよなあと書いてあったが、お互いに気にしているときではない。
ここから助からなければ未来はないし、そのためにはあるものは何でも利用すべきなのだ。
私もまた、決心を固めた。このゲイツを受領するとき、何があっても守り抜けといわれたが、今はこれをカーペンタリアに回収してもらうことが最善だろう。
そのために、私はビーコンを修理し発見してもらう必要がある
彼がどうなるかはまだ考えないでおくことにした。
「やってみるわ、力を貸して」そう言って先ほどのパネルの位置まで潜り込み、彼に手招きした。
おずおずと這ってきた彼が私に仰向けになり、指先のアクセスパネルを見ている。
「このコネクターをはずして、このまま直接つないじゃえば?」彼はそういうと、私の手からコネクターをもぎ取って、
一度はずし別回線に繋ぎなおした。意外と細い指がてきぱき動くのに見とれていると、
袖を肩まで捲り上げた彼の肌が私の肩に触れた。
一瞬ドキッとする、粉に近くに男性がいることは初めてだ。
横を向くと、真剣な表情で作業している彼の顔がすぐ真横に合った。
何考えてんのよ、こんなときに―、一度強く目を瞑ると頭からそんな考えを追い出した。
「どうした」私の動きに気付き声をかけてくる。
「そこの回路ははずしたほうがよさそうね」とだけ答え、作業にかかる。まもなく、ビーコン自体の修理は終わった。
「起動させるのは、明日の朝で良いかな?早く帰りたいなら別だけど、夜中に救助をよこしてはくれない
だろうから」彼の言葉に頷き、ゲイツから這い出した。空はもう昼間のような明るさを失って、夕暮れも終わ
り始めている。彼も後から這い出してきて、横に立った。
「じゃあ、俺はこれで。自分のコックピットで寝るから。明日の朝、好きな時間にビーコンを発進すればいい
俺は、どっかに隠れてるよ。じゃあな」
次の言葉は、私にとって無意識から発せられたものだったに違いない。
「ねえ、もしよかったら、こっちにいなよ」相手の顔が驚愕に包まれ、言った私も自分の口から出た言葉をいまいち理解できなかった。
9969:2005/07/25(月) 15:03:03 ID:???
>>98
いいなぁ。
俺はキャラの心情を書くのが苦手だから、正直羨ましいよ。
100戦友との約束B:2005/07/25(月) 16:25:37 ID:???
「まだこれだけの戦力を隠し持っていただと!?」
迂闊だった。隊長としての判断を誤った自分に腹が立つ。
だが、そんなことを考えている場合ではない。改めてレーダーを見る。
「6機やられた・・・? クソッ!」
艦隊の中心からだいぶ離れている。こちらの増援は来そうにない。
こちらの残存兵力は既に半数。だがやるしかない。
「数に怯むな! 片っ端から打ち落とせ!!」
指揮を取りつつ、ガトリングガンをMA群へと放つ。
いくら数が多くとも相手はMA。機体性能でMSに勝つことはできない。
もっとも恐るべきものは・・・
「残ったダガーに気を付けろ! 奴らはメビウスより手強いぞ!!」
そう言いつつ、背後から迫るダガーをビームクローで串刺しにする。
「敵艦に攻撃をかける! 援護しろ!!」
迫り来る砲撃の嵐をくぐり抜け、既にエンジンが中破した1隻に近づく。
対空防御は既になく、簡単に取り付くことができた。
「悪く思うなよ・・・」
そう言って、ビームクローでブリッジを一閃した。
爆散する敵艦。俺は自軍のゲイツが残りの1隻を沈めたのを確認した。
だが、メビウスが進路を変えたことで、俺は奴らの真の目的に気付いた。
「あれは・・・核!! 奴ら・・・母艦を囮にしたのか!?」
―――甘かった。奴らの目的は初めから・・・核攻撃を行うことだったのか。
「全機、あれを止めろ! 核を持っている!!」
本国への核攻撃。成功してしまえば、ザフトの敗北に終わる。
スラスターを全力で噴出し。核ミサイルを積んだメビウスの群れへと向かう。
だが、またしても俺のゲイツは、対艦刀を持ったダガーによって阻まれた。
「さっきの隊長機・・・! まだ生きていたか!!」
ダガーが左腕のロケットアンカーを射出する。
俺はそれを回避せず、破損した右腕でそれを受けた。
「どうせ使い物にならないのだから・・・存分に利用する!」
左腕で力任せにアンカーのワイヤーを引っ張り、ダガーをたぐり寄せる。
「貰った!」
ガトリングガンを放ち、ダガーの左足を撃ち抜く。コクピットへの狙いは惜しくも逸れた。
すぐさまアンカーが刺さった右腕を切り離し、ダガーから大きく距離をとる。
無理な動かし方をした所為か、左腕は機能しなくなった。
「残る武器は腰のアンカーだけ・・・このままでは・・・」
『隊長! 自分達が抑えます!!』
自軍のゲイツが3機、援護に来た。
その時、警報が俺のコクピットに鳴り響く。
背筋が凍りつくようだった。それは悪魔の知らせ―――
自軍の最終兵器『ジェネシス』の第二射がこちらに向かってきているとの事だった。
「ッ・・・総員、射線上から離れ・・・」
そう呼びかけるが、もう遅かった。
赤い閃光が迸り、射線の近くにあった俺の機体は吹き飛ばされた。

轟音が止んだ。1分もかからなかっただろう。
レーダーも破損していて、味方が生きているかどうかも分からない。
先ほどまで赤い閃光が走っていた場所には・・・
右腕を吹き飛ばされつつも、満身創痍の状態で対艦刀を構えるダガーが存在していた―――
101通常の名無しさんの3倍:2005/07/25(月) 20:48:20 ID:???
周囲の状況を確認する。レーダーは使えないのでカメラを回す。
地球軍の核攻撃部隊は既に、跡形もなく消滅していた。
自軍の生き残りは俺を含めて3人。1機は両足が吹き飛ばされている。
もう1機は武器が全て破壊されている。絶望的な状況だ。
通信回路を確認する。両足の無い機体・・・あれはアリーのゲイツだ。
「アリー! 無事か!?」
『ええ・・・なんとか無事みたい』
俺がアリーのゲイツを回収しようと機体を動かしたその時。
『サージ! 後ろ!!』
俺がゲイツを振り向かせたと同時に、敵隊長機のダガーが対艦刀を振り下ろす。
既に使い物にならなくなった左腕が、シールドごと切断される。
「クソッ! 母艦を落とされて気が触れたか!!」
俺は必死で回避運動をする。だがこのままでは持たない。
ダガーが対艦刀を横に振り抜く。狙うはゲイツのコクピット―――
が、突然ダガーの肩にビームが掠め、装甲版が吹き飛ぶ。
俺はその隙にダガーとの距離を大きく離す。
『サージ!!』
撃ったのはアリーのようだ、バーニアを噴かしてゆっくりと近づいてくる。
「駄目だ! お前の機体はもう戦える状態じゃない!」
無線越しに怒鳴りつける。
『何よ・・・アンタだってボロボロじゃないのよ・・・』
アリーが涙声で言う。動揺してるのだろう。
その時、ダガーが進路を変えた。アリーを狙っている。
「ッ・・・やらせるかよっ!!!」
バーニアを噴かして、ダガーに跳び蹴りをお見舞いする。
衝撃でダガーは吹き飛び、デブリに激突する。だがまだ浅い。
「ぐっ・・・」
口の中に血の味がした。無理な姿勢で動かしたからだ。
もう限界が近い。こうなればやることはただ1つ―――
「イクス! 聞こえるか?」
武器が全て破壊されたゲイツのパイロットを呼ぶ。
『た・・・隊長? ななな、何でありますか?』
上ずった声が聞こえる。戦える武器がないのなら無理はない。
「お前の機体はまだ動かせるだろう? アリーを連れて撤退しろ」
『えぇ!? で、ですが隊長は・・・』
「俺の事は気にするな。これでもお前達の隊長だぞ?」
本当は自信なんて無かった。強がりでも言わなければ示しがつかない。
『ちょっと・・・サージ!! あんた何を・・・』
アリーからも通信が入る。
「大丈夫だ。俺は絶対に帰ってくる」
『でもっ・・・!』
「俺はお前のライバルだ。それがお前以外の奴にやられる筈ないだろ?」
『・・・分かったわ。でも、約束は守ってよね』
アリーは続ける
『あんたが死んでも・・・あの世まで追いかけてやるんだから!』
そう言ってアリーは通信を切った。それでいい・・・いつものアリーだ。
俺はゲイツ2機が離れていくのをしっかり見送った後・・・
蹴りの衝撃から復帰したダガーを、正面からしっかりと見据えた―――
102101:2005/07/25(月) 20:50:18 ID:???
しまった・・・
>>101のタイトルは『戦友との約束C』
だった。紛らわしくてゴメンよみんな。
103通常の名無しさんの3倍:2005/07/25(月) 21:51:46 ID:???
>>100
無粋な質問かも知れんが、
なぜジェネシスを食らって生きてる?
かすっただけとか?
104101:2005/07/25(月) 21:59:54 ID:???
>>103
サージ(主人公)のゲイツは射線近くにいたためブッ飛んだ。
ダガーは掠っただけって事にしてある。
説明不足スマソ
105未熟な名無し:2005/07/25(月) 22:38:39 ID:???
97、彼女が期待を→機体を〇
98、粉に近くに→こんなに〇
嗚呼、誤字多い。やっぱ普段の癖かい。ワードでうってから張ってんのに…
106戦友との約束D:2005/07/25(月) 22:46:27 ID:???
「両腕はもうない・・・残る武器は1つか・・・」
ダガーは再び対艦刀を構えると、勢いよく突撃してきた。
「チィ・・・! その状態でこの機動力か・・・」
反撃は考えず、ただ避けることを考える。
「どうすれば・・・」
俺はふと、廃艦となって宙域を漂う戦艦を見つけた。
すぐさま進路を変えて、戦艦に向かう。そのまま中に潜り込んだ。
当然ダガーも追ってくる。どうあっても俺を仕留めたいらしい。

俺は戦艦の内部に隠れた。だが、見つかるのも時間の問題だろう。
いっそのこと自爆してダガーを道連れにする・・・そんな考えが浮かんだ。
「駄目だ・・・!」
俺はアリーと約束した。必ず生きて帰ると。
なら、絶対に生き残ってみせる。あいつに泣き顔はさせたくない。
その時、辛うじて残っている熱源センサーが何かに反応した。
「ダガーか!? ・・・いや、これは」
反応はすぐ近くだった。少しだが、戦艦の動力炉がまだ動いている。
俺の頭の中に、1つの考えが浮かぶ。
その瞬間、ダガーが隔壁を破り突進してきた。
「ぐあっ・・・」
ダガーのタックルをモロに受けて、戦艦の壁を突き抜けるほど飛ばされる。
狭い艦内では対艦刀を振るえないと判断したのだろう。
だが、これも計算の内。ダガーが突き破った壁から追ってくる。
その背後には、戦艦の動力炉―――
「貰ったぁっ!!!!」
腰のアンカーをダガーに向けて打ち込む。展開されたアンカーがダガーを捉えた。
しかし、既にビームを撃ち出すエネルギーは残っていない。ならば―――
「行っけえぇぇぇぇぇ!!!!」
最大出力で撃ち出されたアンカーは、ダガーを捉えたまま戦艦に激突する。
そこには未だ動き続けている動力炉がある。
凄まじい爆発が起こる。今度は爆発の中心。ダガーは無事ではないだろう。
「勝っ・・・た・・・」


遠くの宙域で、大きな爆発が起こっているのが見える。
「あれは・・・ジェネ・・・シスか・・・?」
パトリック最高議長曰く『コーディネイターの創世の光』
その象徴が、崩れていくのが見える。
「そうか・・・終わったのか・・・」
戦争が終わった。自軍が勝ったのか負けたのかなんて分からない。
だが、戦争が終わったと言う事実が喜ばしく思えた。
気付けば、コクピットはもう血の海だ。体も凍えるように寒い。
「ハッ・・・生きて帰るって言ったんだけどな・・・」
だんだんと意識が遠のいていく。
「すまないアリー・・・」
―――約束は・・・守れそうにない。
『――――――ジ・・・―――――――――サージ!』
薄れていく意識の中、アリーの声が聞こえたような気がした―――
107戦友との約束〜エピローグ〜:2005/07/25(月) 23:26:57 ID:???
目が覚めて最初に見えたものは白い天井。
そして―――アリーの姿だった。
「サージ!!」
ガバッ、と勢いよく音を立ててアリーが俺に抱き付いてくる。
「うわぁぁぁぁぁぁん!!」
アリーは俺に抱きついたまま、声を上げて泣いた。
「ッ・・・おい! 馬鹿っ!! 離れろよ!!」
慌ててアリーを引き離す。
「だって・・・だって、あんた死ぬところだったんだからね!」
目に涙を溜めたまま言う。
ああ―――そうか、俺は生きているのか。
「そうか・・・心配かけたな。ありがとう」
「そうよ。あんた2ヶ月も寝たきりだったんだからね・・・」
俺はそんなに寝ていたのか。驚いたな。
アリーは俺に、今の状況を説明してくれた。
戦争は停戦となり、ザフトと連合の間では一時的に平和条約が結ばれた。
俺は仮死状態だったらしく。上の判断で退役となった。
それと同時にアリーも軍を抜けた。これも上の計らいですんなりといったらしい。
そしてアリーは仮死状態の俺をずっと見守ってくれていた。
「すまないな。迷惑かけちまって」
「何言ってんのよ。言ったでしょ?『あの世まで追いかけてやる』って」
「はは・・・そうだっけな」
今思い出したらちょっと可笑しくなる。あれは言い過ぎだろう、と。
だが・・・それが彼女のいいところでもある。
「でも。決着を付けるって約束は果たせないな・・・俺達もう軍人じゃないし」
「もういいのよ。あんたはちゃんと私の元に返ってきてくれたんだから」
アリーは笑顔で答える。あの日の出撃前に見た笑顔より、何倍も眩しい。
「―――そうだな」

そうだ。いろいろな事があったが、俺はまた生きて彼女に会えた。
俺はこれからも彼女と共に生きていく。

―――そう、きっとこれからも―――


〜END〜
10869:2005/07/25(月) 23:31:34 ID:???
長かった〜ようやく終わったよ・・・。
とりあえずまとめとく。
『戦友との約束』
@>>69
A>>79
B>>100
C>>101
D>>106
エピローグ>>107

読んでくれた皆さん、。ありがとうございました〜
109R・E:2005/07/25(月) 23:35:43 ID:???
長編描いてもいいですか?

再構成、憑依、クロスもの
110通常の名無しさんの3倍:2005/07/25(月) 23:37:51 ID:???
>>109
ここは小説なら大歓迎。
期待してるよ。
111通常の名無しさんの3倍:2005/07/25(月) 23:39:38 ID:???
それはなんとも素敵な最低SSですね
112R・E:2005/07/25(月) 23:40:42 ID:???
それじゃあ書き終わったらうpします
あまり期待しないでください
かなり独善というか主人公マンセー気味な構想なもので
113通常の名無しさんの3倍:2005/07/26(火) 00:04:40 ID:???
ここでワクテカしながらSS投下待ってる奴はいないから気負わず適当に落とせ
114通常の名無しさんの3倍:2005/07/26(火) 01:22:12 ID:???
ゴキラがいないとここのスレも平和だ
115通常の名無しさんの3倍:2005/07/26(火) 01:26:07 ID:???
>>114
でもさ、これってつかの間の平和なんだよな・・・・・・
結局クルーゼがいてもいなくてもアイツは来るってことが>>33-41で立証されちゃったしorz

オレ達は・・・・・・遅すぎたのかな・・・・・・


もういいよ、早くアイツの糞SSが完結して二度と来なくなってくれる方がこんなつかの間の平和よりよっぽど気楽だよ・・・・・・
116通常の名無しさんの3倍:2005/07/26(火) 01:51:16 ID:???
>108
俺は面白かった
ありがとう
117R・E:2005/07/26(火) 01:56:40 ID:???
とりあえず再構成、クロス、憑依?物
あとはミゲル生贄に捧げるだけです

読み直してなんじゃこりゃ
でも私は謝らない
もすこしお待ちを
118通常の名無しさんの3倍:2005/07/26(火) 03:15:59 ID:???
>>115
なんかさザンボット3で「神一家がいるから宇宙人が襲って来るんだ」って市民が石投げてたのを思い出したよ
119R・E:2005/07/26(火) 03:25:39 ID:???

「なあ、お前もしも漫画とかアニメとかに介入できたとしたら何する?」

そんな友人の言葉、仕事帰りに町でばったり合って
意気投合して居酒屋はしご…
酔いも回ってこれ以上飲むとやばそう
そんな時ありえないことを聞いてきた
「マジデスカ?何馬鹿言ってんだよ、何するって出来もしないこといってんらろ」
ふん、と鼻で笑い、300円の安酒を煽る
「もしもだよ、もしも介入できて思い通りに変えれるとしたらと言うことだよ、大体よー、出来もしないから、夢、言ってんだよ」
「おいおい、夢ってw まー、色々制約位なー、あるだろーけどやりたいことやる、かな?」
「やりたいことってなにをだよ? 英雄か?」
「丁度今よー、ガンダムSEEDの続編?見たいのがやってるんだけどそれが駄目駄目でさー、俺だったらあそこはこうするねってところがいっぱい合ってさ
 んで俺がアホみたいなこと言ってる奴らぶん殴って万々歳みたいのこと」
「思いっきり変えてるじゃねーかw」

ま、そんなこんなで色々談笑してそんで店出た後に分かれて何時もの道、何時ものパターン、そしてリピートする
何も代わり映えしねぇ
「ったく、あんなショボ給料のバイト辞めてやるよぉ〜ったく……」
かといって実際辞めれるわけがない。辞めたらまた別の仕事探すので億劫だし
何より金がない 金?出世?女?それしかねーのかよクソッタレ
このまま寝るのも癪だし日常への反逆と称して埃の被った書庫から2〜3本、本を取り出す
高山瑞穂のガンダムSEEDと曽我篤士の∀ガンダム
ぱらぱらとめくって一通り読み下した後ゼンマイが切れるように眠りに付いた


のは覚えている
120R・E:2005/07/26(火) 03:26:52 ID:CN3X5KMU
ふと目をあけると何故か無機質な廊下で寝っ転がっている俺に気が付く
確か友人と酒飲んで家帰って本読んでそのまま眠ったまでは覚えている
でもなんだ、おかしいな?
周りは見渡す限り、ただの廊下、グレーで統一された何か線入った廊下
ちょっと遠くに目をやると出入り口が見えるってこれは当たり前か
所々出入り口がぴかーって光って音とともに微細な振動が体を揺らす
つーか、ここどこよ?
今何時?
俺仕事行かなきゃなんねーのに
だれだこんなとこに運んだ奴
ひょっとして家賃滞納しすぎた大家の陰謀か?
ちょっとまってくれそれだったらまだ支払い3日過ぎただけじゃねえか殺生だぞ大家
ドガーンと思考を遮って爆音が響く
「本当に此処何処だよ!?」
服は――着てる、Gパンによれよれカッターシャツって、脱いだんじゃなかったけか?
起き上がり、音のするあの出口らしきところに向かっていった
121R・E:2005/07/26(火) 03:27:42 ID:???
「……何だよコリャぁ・・・・・・・・・・・・本気ですか?」
景色に目を奪われた
いや、景色って言うか阿鼻叫喚の地獄の風景に
回りは炎に囲まれ建物と言う建物は壊れて火を噴き
銃を撃つ音がこだまして空を見上げれば・・・
「何なんだよコリャぁ…!?」
一面の地面、いや円筒形の大地、黒いところは鏡、いやガラス?         「MS?」
夢?幻覚?バッドトリップワイン?
ほっぺをつねってみる、 痛い
むかし○らえもんで夢か確かめ機なんてのあったけど
そんな場合じゃない
多分これは夢、俺は今夢ん中で壮大でスペクタクルな夢の続きを現実っぽく見てるに違いない
問題はどうやって夢から覚めるかであってって
マジデスカ?もうわけわかんねー

ああ、俺は村雨零
ごく一般的な人生を送る20代後半のフリーター、・・・って聞こえはいいがプータロー
朝から晩まで汗水たらして客に愛想笑いして
終わってゲーセン寄って帰ったら風呂入って飯食って寝る
そんな毎日をだらだらと過ごすごく一般的な一人暮らしの小市民だ
趣味はアニメとかコミックとか読書と言う名の漫画鑑賞とかアニメとかいわゆるオタ
特技つってもゲームの名の付くもの、カードゲームは財政面であれなのでヤッテネェ
上手いわけでもなく、そこそこって感じ
親元離れてボロイアパートメントで気ままな独人暮らしって奴
彼女?いねぇよ
無くやるべき事も無く夢も無く何もない何も模索できないそんな毎日を謳歌してる
幸せって何だ?シラネーヨ
122通常の名無しさんの3倍:2005/07/26(火) 03:28:32 ID:???
ま、夢とか以前に此処が何処であって何があるのか
そして今やることはここから逃げ出すことだ―――
発砲音、しかもごく近く、真下!?
タタタタタンっとマシンガンっぽい音が響いて、ってこりゃあ銃撃戦―――っておいおいマジですか?
夢は夢でもハフマン島とかマリネリスとか紐育とかじゃなくって
真下には2機のMS、 即ちX-105とX-303
つまりガンダムが横たわっていた ってことはここは、ヘリオポリスかよ!?
冗談じゃない、このまま此処にいたらコロニー崩壊で死んじまうじゃねーか
いや、これは夢なんだし別に死んでも夢から覚めるだけであってどーってことねんじゃねーのか?
けど火災の熱風は肌をじりじりと、銃撃戦の爆音はビリビリと
一刻も早く、ここから――ってまてよ?何か忘れている気が――

「おとうさまの裏切り者ォォォッッッ――――!!!!!」

マジデスカ?
声と同時に発砲音、カガリらしき女を銃撃から黒い服の少年――キラ・ヤマト
流れ流され未来の史上最悪のテロリスト――が庇うように飛び出した
とりあえずここにいるのは危険だ、かといって合流するのもあれだ
来た道を戻って別のルートから脱出するしかない
二人が向こう側に行くのを見届けずに建物の中、
来た道を引き返して行った
避難誘導の看板を頼りに右へ左へと走る走る
数分ぐらい走った後

「行き止まりかよ…」
行き止まりの扉はパスワード式で完全にロックされて開きそうにない
仕方なく避難誘導灯を呪いつつ引き返そうとすると 爆発
123通常の名無しさんの3倍:2005/07/26(火) 03:29:23 ID:???
一瞬何が起こったかわからなかった
いきなり目の前が爆発して吹き飛ばされて壁に叩きつけられた
意識が一瞬跳んだ後全身を激痛が襲う
通路は炎が燃え盛り、戻るも行くも行き止まり
後は死を待つしかない状態になってしまった
やっべこれ人生最大のピンチって奴?
倒れた体を痛みに耐えながら――口の中切れて血の味がする――起き上がり
なんとか向こうに行こうと燃える通路の先を見ようとする
駄目だ、何も見えない
それどころか今度は煙が充満してきやがった
火災による死者の大半の原因は煙による一酸化炭素中毒である――事を知っている俺は
手で口を押さえ、這い蹲って開かない扉まで這って行った
いきなりCE?の世界に放り込まれて選択肢誤って死亡ルートですかそうですか
妙にリアルな夢に悪態をつきつつ死?を待つ、死?何言ってんの?これは夢だろ?
じゃあこの体の痛みは?この熱さは?このむさ苦しさは?
これは紛れも無く現実だと俺に囁く
死ぬ?冗談じゃない、まだ俺は人生の2割しか生きてないのにこんな所で死? 夢だけど
ふざけんなよ、勝手におっぽり出されていきなり死?現実だとそれらしいけど 
理不尽すぎて
理不尽すぎてキレた
「ふざけんなよ、勝手につれてきて殺されてはいそうですかって納得できるかってんだよ
 夢だからって、俺をなめんな、俺はまだ死にたくない!俺は、生きるんだよぉ!!
 おい俺の夢!俺の夢ならば夢ご都合主義でどうにかしやがれ!何だって出来るんだろ?
 この扉を開けることとかこの扉の先にはご都合的なMSがあってそれに乗って暴れまくったり出来るんだろ?
 俺の夢なら、俺の夢ならそれぐらいの事捻じ曲げてかなえて見せろってんだよぉっっっ!!――うお!?」

背もたれにしていた扉が唐突に開いた
倒れこんで一回転して倒れたのち扉が閉まる
「へっ、やっぱり夢じゃねーかちくしょーめ」
うつ伏せになった状態で悪態を吐く
んで?ここは何処だ?やっぱご都合でMSが――――マジであるか流石夢…
124R・E:2005/07/26(火) 03:30:44 ID:???
「でもよ」
台座に仰向けで眠るそれは真っ白な機体
とても優美で艶かしい
「これは」
シンプルなライン
それでいて大胆な
「やばすぎくないか?」
爆音
そうしのご言ってられず台座を駆け上がり
股間部のコックピットに体を滑り込ませた
滑り込ませた、のはいいけどこれどうやって動かすのさ? 説明書あるけど
ロランが劇中でやってた通り、ボール型コントローラーに指を当て
フットペダルを踏んでみる
やっぱり動かない、
俺にどうしろと
左斜め45度でチョップでもかませと?
爆音
建物がかなり揺れた
本格的にここもヤバイようだ
兎に角説明書に目を通してみることにした
「何々?基本動作… 念じる? IFSじゃあるまいし
 えーと、このボタンか…」
コンソールパネルのボタンをいくつかタッチしてみると
とても低い音でジェネレーターらしき音が響いた
「よし、んで次は――」
説明書に書かれている通りにコンソールをタッチ、
続けるごとに計器類に光が灯ってゆく
「あとは、これか…」
最後のスイッチ、イグニッションボタンをクッと押す
キュウウウウウウウウウウウン
WD-M01 SYSTEM-∀99
125R・E:2005/07/26(火) 03:32:00 ID:???
「生意気なんだよ!ナチュラルがモビルスーツなんて!」
ジンが重斬刀を振りかぶって薙ぐ
それをX-105、ストライクが腕を交差させて受け止めようとするが間に合わずに弾き飛ばされる
「あ、あれは!?」
倒れたストライクの移すビジョンの一つに彼らの同級生
サイ、トール、カズィ、ミリアリアの姿が映る
「こんな所でっ!僕に代わって下さい!早く!」
「え?何を言っているのこれは――」
「早く!!」

まだよろけているストライクに畳み掛けるように重斬刀を浴びせてゆくミゲル駆るジン
「クソッタレ!なんて硬い装甲して・・・でも間接はグダグダだろ?」
切り払う斬撃を突き穿つ斬撃にモーションを切り替えて
「まずその腕もらったぁー!!」
ぎゅっと腰を回転、右肩の間接を狙って重斬刀を突き出した
「システム起動!うわぁあああああああ!!」
間一髪ストライクはその突きをかわすと大きく後ろに飛びのきながらイーゲルシュテルンを撃つ
「そんな照準で!」
こちらは難なくかわし、重斬刀を構え直す
「武器、武器は・・・アーマーシュナイダー・・・これだけか!?」
サイドアーマーから二本の実体ナイフを取り出し此方も構える
126R・E:2005/07/26(火) 03:32:54 ID:???
(どうやって捕まえる?剣は効かない銃も効かない、なら組み伏せて白兵戦、もしくは援護を待つまで耐えるか・・・)
(トールは?みんなは大丈夫かな?あいつはどうするんだ?逃げれるのか?倒せるのか?)
互いに膠着状態と、その時モルゲンレーテ倉庫が爆発炎上
「なんだ!?」
「よそ見してる場合かー!」
爆発に気を取られたストライクと隙を見つけたジン
ジンがバーニアを吹かし肉薄、質量と速度を伴った体当たりがストライクに直撃
「うわぁぁぁぁぁぁああっ!」「きゃああぁああぁあっ!?」
仰向けに倒れるストライクに追い討ちでジンが組み伏せる
「よし、このまま・・・なんだ?レーダーに未確認機?」
「うう・・・・あ、あれは・・・髭?」
「んで、この状況は一体・・?」

爆発後俺は何とか機体を立たせることが出来るようになった
と言うかこの操作方法あれだ、裸で外におっぽり出されてるような
正確に表記し説明するとなれば今俺は∀自身になっている
つまるところ電位的同調(リアクト)状態なのだろうか
右腕を動かせば右腕が動き、見たい方向に頭が動く
寧ろ自分の体が大きくなったと思えばわかりやすい
んで?俺の知ってる歴史によればストライクOS書き換え後ジンの両肩部分にナイフを叩き込み
行動不能似させた後爆発に巻き込まれるも勝った、と言う状態だった気がするんだが
「ま、これも介入した一つのIFって奴か?ってかやべぇな」
127R・E:2005/07/26(火) 03:33:46 ID:???
ジンがこっちを見ている
『貴様連合か!くそ、連合の新型は6機じゃなかったのか!?』
こんなときどう言えばいいんだよ

戦闘に巻き込まれて逃げ回って飛び込んだ先が得体の知れないMSのコックピットでした

絶対信じてくれるわけねェ
んでこれ、武装は?サーベル2本に、お?ビームライフル使えるじゃんシールドも付いてるし
んでもってブレストミサイルも使用可能、ほぼ後期装備じゃないかこれ?
ま、信じてくれるわけないし、とりあえず撃っとく?
ジンと対峙して10秒くらい、こっちを警戒しながらゆっくりと後ずさる
ああ、逃げる気かな?ま、別にいいんじゃね?一機くらい
でも史実だとここで撃破されてるわけなんだし
「出力50%って所で」
瞬間的に脚部スラスターを吹かして跳躍
一気に間を詰める
いきなりの接近で驚くジン、重斬刀を薙ぎ払った
薙ぎ払われるそれをまともに喰らった
ガキャァァンッと言う音とともに盛大に吹き飛ばされる俺
てか俺の体の延長だから動きも俺と一緒で鈍いかよコンチクショー!?
わたわたとした受身を取ってロストしたジンを探す、いない!?
既に飛び去った後かよ!?
うっわー俺何のために出てきたんだよ!?
これじゃ俺の立つ瀬がないでしょ!?
とりあえずここから狙えるか?
ビームライフルの円形トリガーを捻り、ハイパワーモードにする
照準を絞り、狙って・・・・・・撃つ
グオォォォォと言う音とともに太いビームがジンを襲う
しかし、ヒラリとかわされた挙句機体が動かなくなってしまった・・・

うっわ俺マジ立つ瀬がねェ

128R・E:2005/07/26(火) 03:34:58 ID:???
うっわしかも誤字脱字多杉
続き・・って破滅的だなオイ

とりあえずかいてみますた・・・。
129通常の名無しさんの3倍:2005/07/26(火) 03:38:11 ID:???
>>128
乙。
続きを期待しとります
マユ種学園 PHASE 0−4 「せまる白鬼」

「へぇ、この子が噂の新人か」
陽気な声を出したのはヴィーノだ。その隣では、メイリンが久々に会った姉に抱きついている。メイリンの体で押しつぶされるルナマリアの胸を見て、ヨウランが少しうらやましそうな顔をしていた。
この日の訓練は、暗礁地帯での実機を使った模擬戦である。
ただし、普通の模擬戦と違うのは通信課から1名、整備課から2名、そしてパイロット課から3名でチームを組み、それら6人で小型の輸送船を用いるサバイバル方式になっていることだ。
今回、参加するのは全部で6チーム。この6チームが指定の宙域内で決められた時間まで戦い合い、最後に残った1チームか、時間切れの場合は最もスコアのよいチームが勝利者となる。
もちろん、使われるのは模擬弾や演習用に出力を落としたビームであり、いつでも救助に入れるよう教官達のジンがスタンバイしてはいるが、場合によっては命すら落としうる高度な訓練であった。
そして通信課からやって来たのがルナマリアの妹メイリン、整備課から来たのがヨウランとヴィーノだった。
2人とも物怖じしない性格で、ある種の有名人であるマユに興味津々であり、出身地やどうしてプラントに来たのかを、次々にマユに尋ねていく。
マユも負けじと整備課のカリキュラムなどについて尋ね、3人はすぐに打ち解けていった。やがてその輪にメイリンも加わり、和やかな雰囲気ができあがっていく。
その中で、ルナマリアには懸念があった。
レイのことである。
このチームのパイロットは3人、マユとルナマリア、そしてレイだ。
だがそのレイは、シミュレーションルームでの1件以来、マユともルナマリアとも話そうとしない。
命を落としかねないこの訓練で、それはあまりいいことではなかった。
意を決してルナマリアが話しかけようとする。しかしレイは、
「時間だ、出航させよう」
とだけ言い放ち、ブリッジに上がっていった。

そして訓練生と、それを補佐する教官達の輸送艦がプラントの港から出航していく。
それを付近のデブリに隠れ、見守るゲイツの姿があった。
そのコクピットの中にいるのは、マユとルナマリアが街で出会ったギター男である。
男は舌を口から出すと、そこに描かれた白鬼の刺青を人差し指でなぞっていった・・・。
>>130の続き。

訓練は順調だった。
大きなトラブルもなく目的地に到着し、滞りなく訓練は開始される。
しかし、マユのチームにだけは問題点があった。
レイのジンのバーニアが老朽化しており、なれない実習生の手によることもあって修理にかなりの時間がかかるとのことだった。
レイやマユ、ルナマリアも手伝うが、作業はなかなか進まなかった。
そこへ、今回の訓練で母艦は否攻撃対象なため、ブリッジで操縦も兼業しているメイリンから、コンディションレッドが発動される。
慌てて出撃するマユとルナマリア、メイリンは2人のバックアップに回り、残ったヨウランとヴィーノは大急ぎでバーニアの修理にかかっていった。

「ショーンのとこのチームか・・・・・・」
敵機の肩に描かれたナンバーから、ルナマリアは敵チームを特定する。
出てきているのは敵も2機、マシントラブルが頻発するとは考えづらいから、もう1機はどこかに隠れているのだろう。
いや、ショーンのことだから正々堂々だとか言いながら、本当に2機で出てきているかもしれない。
(もしそうなら、勝ち目は充分だけど・・・・・・)
そんなことを考えながら、ルナマリアは照準を敵機に合わせる。射程距離までもう間がない。
と、ルナマリア達と敵チームの間に、1機のジンが飛び込んできた。
いや、正確には飛び込んできたのではない。少なくとも自分の意思では。
そのジンは四肢とバーニアを破壊され、完全なダルマ状態だからだ。
肩のナンバーによると、ショーンのチームの機体である。
敵チームのジンは、変わり果てた僚機の姿に戸惑っている。
と、閃光が飛来し、そのジンの四肢を破壊していく。
閃光の主はゲイツだ。最初に飛び込んできたジンと同じ方向から現れると、次々にショーンチームのジンにビームを浴びせていく。
急所は狙わず、あえてメインカメラを残した状態で制御を奪っていくそのやり方に、ルナマリアは言いようの無い戦慄を感じた。
そのゲイツの肩には、白い鬼のパーソナルマークが描かれている。
あっという間に、ショーンチームの残りの2機を行動不能にしたゲイツは、今度はマユ達に向かってくる。
慌ててライフルを撃つマユとルナマリア、模擬弾とはいえ牽制にはなるはず。
しかしゲイツは、軽々とそれを交わしながら腰のエクステンショナルアレスターを放ち、2人のジンからライフルを奪い去る。
メイリンの悲壮な声が、通信機から聞こえた。

>>131の続き。

その時レイは、ようやく修理が終わった自機のコクピットにいた。
一流のピアニストのような指裁きで、華麗にジンを起動させていく。
と、起動と同時に、メインモニターいっぱいにマユの顔が浮かび上がる。
避けられていたためにレイと会話することのできなかったマユの、苦肉の策であった。
メインモニターからビデオファイルが流れ、マユの独白が始まっていく。
マユは最初にこんな細工をしたことを詫びると、最初のシミュレーター勝負の時のことは自分でも良く分からなく、まぐれ勝ちに過ぎないと言い、自分はいかにレイに憧れているかなどを語ると最後に、
「大好きだよ」
と、言って締めくくっていた。
レイの口から知らず笑みがこぼれる。今なら、これまでにない力を出せる気がした。

そしてレイは、ゲイツ相手にあわやというところまで追い詰められたルナマリアたちの前に現れ、これまで彼女達が見たことの無いような素晴らしい動きでゲイツと渡り合っていった。
やがてエネルギーが尽きたのか、ゲイツは撤退していく。
喜びに沸くルナマリア達、レイはマユに個人回線を開いて言った。
「・・・・・・すまない」
そして、照れたようにひとこと。
「・・・・・・ありがとう」
マユも満面の笑顔で、それに答えた。

ゲイツのコクピットの中で、男はひたすら自分の舌をなで続ける。
最後の1機も想定外だったが、あのマユとかいうターゲット・・・。
「この俺相手に、どんどん動きが速くなっていきやがった・・・・・・面白いじゃねえか、議長さんよ」

133通常の名無しさんの3倍:2005/07/26(火) 15:30:32 ID:???
>>128
やめろ〜!∀のビームライフルは対艦兵装だぞ!
ウイング0がコロニーの中で暴れてるようなもんだぞ!
ドキドキしながら続きを待つでつ。

>>130-132
マユレイ乙。
レイはアスランに露骨に敵意を見せたり、終盤マユが議長から離反するあたりで苦悩したりするんでしょうか?
白鬼、どうしてもデマー&コルレルが頭に浮かぶ……
>>133
元ネタはこっちねttp://ime.nu/u.skr.jp/128/files/12518.jpg
もちろん、性格はだいぶ違うけど。
ちょっと戦闘で追い詰められる必要があったのと、後の伏線で出落ち芸人み
たいな強力な敵が必要だった。
135通常の名無しさんの3倍:2005/07/26(火) 20:27:12 ID:quulUTRb
あげ
136かもめのナージャ 第一話:2005/07/26(火) 22:09:41 ID:???
 彼は物心ついた頃、既に軍の実験場で生活していた。一歩たりとも外へ出たことはなかったが、日々の暮らしに不足を感じないどころか、
彼自身は充分丁重に扱ってもらっていると自覚していたので、わざわざ出てみる気も起きない。検体の自分が抜け出したりしたら、世話をしてくれた職員たちにも悪いだろう、と気が引ける部分もある。
「書類には一通り目を通しておいたよ。だが肝心なことが書いてなかった」
 基地に来てから一月ほどたったある日、初めて見かける男が彼の寝床を訪れ、そう尋ねた。
「お前、名前は何ていうんだ?」
「EH-1と、皆には呼ばれています。正しくはEH-01e2ですね」
 そう答えはしたものの、見当違いだったような気がする。彼は一度も自分の名前を意識したことなどなかったし、EH-01e2とは、名前というよりナンバーではなかったか。
「違うよ。俺が訊きたかったのはナンバーじゃあない。たとえば俺はクロッド・モンテーニュ。お前さんは何だい?」
「固有の名前は…… ないのかな。僕も知りません」
「なら俺が付けてやろう」
 クロッドはにやりと微笑み、宣言した。
「お前は今日から《ガンダム》だ。いい名前だろ?」
「《ガンダム》…… 僕が、ですか?」
 口に出してみれば歯切れがよく、不思議と馴染みやすい発音だった。聞いたこともない名前なのに、何故だか懐かしいような気がして、彼にはそれが本当の、というより本来の名前であるようにさえ思えた。
 《ガンダム》。それがEH-01e2の量子コンピュータで構成された頭脳、数十種類の特殊合金と合成樹脂からなる体についた名前であり、ユーラシア連邦が開発を進めていた無人戦闘用MSのペットネームとなった。


 ナージャがMSの墜落する瞬間を見たのは二度目だった。しかし今回落ちてきたMSは前回のと違い、エンジンを停止させてからもバランスをとり、脚の関節で器用に衝撃を吸収するようにして、墜落というよりは緊急着陸をやったように見えた。
 しかし、滑空の勢いはそう簡単には止まらず、落ちてきたMSはとうとうつまずいて、原っぱに倒れ込んだ。一度目の墜落を思い出し、ナージャは反射的に体を強張らせたが、
草の上に左半身を下敷きにする体勢で寝そべったまま、MSがすぐには爆発を起こさないとなると、もう一つのことを心配する余裕が出てきた。
(乗ってる人、ニキーフォルになっちゃう!)
 思い出したくない記憶に限って、頼みもしないのに、しかも鮮明に蘇ってくる。その記憶が、ナージャを墜落現場へ駆け寄らせた。操縦席がMSのどこにあるか分からず、とりあえず頭の方へ向かっていったのだが、勿論巨大な頭部をどうやって開けたものかも分からない。
 どうすれば、と考えているうちに、話し声がMSの首側から聞こえてきた。
「新型ストライカーパックたって、こりゃ不良品じゃねぇのか?」
「すいません、もう少しで帰れたのに……」
「こんなもん寄越す大西洋連邦のやつらが悪いんだ。お前はよく持ちこたえたよ。怪我はないか?」
「カメラとセンサーが大分やられてます。大尉の方は」
「いくらか打った。どうってことはねぇけど、ちょいと疲れたな。いい天気だし、少し寝て行こうぜ…… 救難信号を出す分のバッテリーは残しておけよ」
137かもめのナージャ 第一話:2005/07/26(火) 22:11:42 ID:???
 眼を閉じかけたところで人の気配に気付いたらしく、パイロットと思われる男は、寝そべったままナージャを見上げた。
「おはよう、お嬢ちゃん。こんなところで一人かい」
「ええ、私の仕事なんです…… これから薬草を摘みに」
 嘘だ。自分で自分に呆れるほど、真っ赤な嘘だ。もうあの町で仕事なんてするものか。誰のために、薬なんて作るものか。
「感心だねぇ。俺がお嬢ちゃんくらいの頃は、年がら年中遊ぶことしか頭になかった。ってもまぁ、家の手伝いが遊びみたいなもんか」
「お父さんは兵隊さんじゃなかったんだ?」
 パイロットの野太く、優しい声が心地よくて、ナージャはつい彼の顔を覗き込んでしまった。だがすぐに眼を合わせてしまった事に気付き、慌てて顔を引っ込める。
「俺はフランス人だ。ご先祖の代から百姓をやってる。あのだだっ広い農場が、兄弟皆の遊び場だったんだ……」
 話し振りから、ナージャの顔のことなどは気にしていないと分かったので、ナージャは安心して男の隣に寝そべった。
 もう少し、話を聞いて行こう。時間はいくらでもある。
「じゃあ、さっきの人は弟さん? いまはどこにいるの?」
「誰だよさっきのって…… ああ、こいつのことか?」
 パイロットの男は視線を無人になったコクピットへ向け、呼びかけた。
「喜べ《ガンダム》! お嬢ちゃんが、俺たちを兄弟だってよ!」
「違うよ。大尉はぼくの先生だもの」
 誰もいないと思っていたコクピットからした声は、おそらくスピーカー越しに聞こえているのだろう。しかし大尉と呼ばれた男は、ついさっきも「寝て『行こう』」と、まるでそこに相手がいるかのように話しかけていた。
 意識の外でそこまで考え、ナージャはまさか、と思いついた。
「……MSが喋ったの?」
「察しがいいねぇ! こいつは《ガンダム》。世界最高の人工知能が入った最新型だ。でもまぁ、まだまだ色々とわかってねぇことも多いから、俺が乗って教えてるんだよ。今日はジェットストライカーっていって、こいつが飛ぶための部品をテストしてたんだけどな……」
「だったらいいの? 先生がこんなところでサボってて。《ガンダム》もそのうち戦争に行くんでしょう」
「いいんだよ」
 大尉はごまかさず、投げやりにでもなく、そう答えた。
「戦うことしか知らないやつじゃあ、そうそう強くなんてなれっこねぇんだ。土質がいいから寝心地は最高、しかもこんなに可愛いお客さんがいるとくれば、サボりも立派な訓練のうちよ」
「そういうものですか……?」
 すぐに納得できるほど、ナージャには言われたことの意味がよく分からなかった。
 しかし、大尉が何をしているのかを概ね理解できてくると、理解がナージャに言わせた。
「私、ナジェーシダ・トレーポワ…… ナージャっていいます」
「すまねぇ、クロッド・モンテーニュだ」
 クロッドは「戦うだけでは強くなれない」と言った男。MSに戦い方を教えている教官。
「あなたたちのこと、気に入ったみたい。ねぇ、お友達になれません? クロッド大尉。あ、もちろん《ガンダム》もね!」
 強く生きなくちゃいけない。ナージャは心に刻んだ言葉を思い出していた。
 地球の二大巨頭、大西洋連邦とユーラシア連邦が手を組み、コーディネイターの総本山と雌雄を決する時代。コズミック・イラ73年、ナージャがもうすぐ12になろうとしている今でも、戦争は停戦≠ニいう形でつづいている。
 停まった時が動き出す前に、生き延びる強さを身につけなくてはならない。特にナージャのような境遇の子供は。
「何言ってんだよ」
 力強い手がナージャの頭に覆いかぶさり、額を撫でる。
「友達だったら階級はいらねぇ」
 クロッドが力なく伸ばした腕を枕にして、ナージャは少し変わった、新しい友達の話を聞かせてもらった。
話の内容は半分も頭に入ってこなくて、逞しくもおとなしそうな腕が与えてくれる安心感に身を委ね、久しぶりのような気がする眠りにつくまで、そう長くはかからなかった。
138無題1/2:2005/07/26(火) 22:38:53 ID:???
仕事が暇だったから考え付いた駄文です。
あんまり期待せんでください。時期はSEEDのアラスカのちょっと前ぐらいです。

「しっかし、暇だねぇ。前線のピリッとした空気じゃなきゃやる気が出ねぇっつーの」
「こんな簡単な任務で特別手当出ていいのかという気はするな」
二人のZAFT兵士が他愛も無い会話をしている。
「ま、手当てだけはいいからな。我慢しますか…」
「ほう、命令違反ばかりのお前にしてはずいぶん分かりがいいな」
「何い!?」
「本当のことを言ったまでだ」
この二人は先月まで最前線で戦っていた歴戦の強者だ。
しかし突然配置換えとなり、とあるコロニーの基地所属となっている。
ちなみにこの二人、口調が軽いほうがジョナサン、冷静なほうがカシムという。
「しかし、ここらは本当に平和だな。眠くなってくらぁ」
「前線になれた身にはそう感じるだろうな。しかしこれが正しい姿なんだ」
「まあ、そうだけどよ…前線に戻ったら俺ら使いもんになんなくなるかもな」
この二人に与えられた任務…それは新兵の訓練を兼ねたこのコロニーの周囲のパトロールだ。
「しかし、ひよっこどものお守りも兼ねたパトロールって…意味あるのか?しかもここは本国の近所だぜ?
 ボアズ、ヤキンドゥーエが無事なのにここまで敵さん来るもんかね?」
「うーむ、偵察されるなり潜入されるなりされるととまずいことでもあるんじゃないか?
 例えば…新型MS、なにか戦局を大きく変える新兵器…。」
カシムの予感は当たっていた。このコロニーでは後に伝説的な活躍をすることとなる
ZGMF-X10A…フリーダムが開発されていたのだ。
「何にしてもよぉ、俺ら呼ぶことはないだろ。これからアラスカに攻撃かけるってのに…」
と、ジョナサンが漏らしたときだった。
「…っと基地から通信だ。なになに…!!おい、お前等!!戦闘準備だ!!」
「なんなんだいきなり。説明しろ」
「カシム、お前の予想は当たっていたようだぜ。新型を奪われたそーだ」
「ほう、でこっちに向かってくると。そういうことだな」
「大正解。おいひよっこども!!もたもたしてると置いて行くぞ!!」
ジョナサンが小隊の新兵たちに発破をかける。
「しっかし、こんなときに限って予備機のジンだもんなぁ…」
「きのうオーバーホールに出したのはお前だろう」
「ま、そうなんだけど。…来るぞ!!」
139オーブにはこのくらいやって欲しかった:2005/07/26(火) 23:02:52 ID:???
種のオーブはあまりにありえないのでセイラン救済も含めてBASARAで保管。
ちなみにオーブは焼かれませんw


遠い桜の夜
「今より我らは敵同士となる」
ウズミ「わたしは出来うる限り連合・ザフトとの穏便な和解をめざす
    、だがそれがかなわぬ時は・・・」
ウナト「わたしが連合と通じ最小限の被害でオーブを明け渡します」
「どちらかが残ればよい」
ウナト「全力を尽くします。そのためならあなたの暗殺だとて実行しますよ」
ウズミ「連合はそうしろと言うだろう。だがそう簡単には殺されんよ」
「友よこれだけは魂に誓おう・・・決して我が国土を灰にはせんと!」
「これより我らは敵となる」

(キラとかそこらへんによりオーブはその領土を守った)
(そしてウナトはオーブをさる)
キラ「どうして逃げるんですか、代表と打ち合わせて連合と通じてたんだって
   オーブを守るためだったんだって、みんなに言えばいいじゃないですか!」
ウナト「そして言うのかね、代表は連合に負ける用意があったと、
    オーブを守るといいながらその実裏ではわたしと結託し連合と通じていたと?」
キラ「!・・・でも・・・でも、それではあなたは」
(ただ一人悪党となって国を裏切った卑怯者として追われるだけ・・・みんなに誤解されたままで)

いや嫁得意の盗作だけどさ
BASARAスレ立てようかと考える今日この頃。
140139:2005/07/26(火) 23:07:46 ID:???
リロード忘れたorz
割り込みスマソ
141未熟な名無し:2005/07/26(火) 23:18:41 ID:???
98続き

「ねえ、もしよかったら、こっちにいなよ」
確かにそう聞こえた。だが頭にすんなりと意味が入ってこなかった。彼女は俺の敵であり、
同時に彼女にとっての俺は敵なのだ。よく考えて言うんだな、と口を開きかけたとき、彼女の目が
すがるようにこちらを見ているのがわかった。どうやら、自分で何を言ったのか理解したようだ。
しょうがねえ―、俺は一言だけ「ああ」と答えた。
俺たちは、ゲイツに並んで寄りかかりながら、粗末な夕食をとった。彼女は俺の汲んできた水を
ためらうことなく口にしている、そういう俺も、彼女の持っていたザフトの非常食料に口をつけていた。
傍らの彼女を見やると、俺の左側に少しだけ距離を開けて座っていた。視線を遠くに合わせながら、
ほうけたような視線を送っている。これがあいつらを殺したパイロットなのか、本当にそうなのか―、
問い詰めたくなるほどの無垢な表情だった。俺は静かに聞いた。
「なぜ軍に入ったんだ」彼女はこちらをちらりと見るとまた視線を戻した。そして静かに語りだした
「わからない、たぶんプラントを守りたいとかそんな理由よ。人を殺すんだっていう自覚も
覚悟もなかったような気がする」それだけ言うと、彼女の目に暗さが満ち溢れた。
「私、あなたの友達を殺したのね。謝っても何にもならないのはわかってる、でも」
そこで詰まってしまい、彼女は黙ったそれ以上何も言わせる気はなかった。今まで忘れようと
していた事実、だが彼女と俺は相容れない敵としてここにいるのだ。そんなことは知っていた、
だが俺は彼女に好意を抱き始めてすらいた。これは死んでいった者たち、サムやジャックに、
輸送機の仲間に、つばを吐くも同じなんだろうか。俺はきっとそうだと思った。だが、傍らでひざを
抱える彼女をほうっておくことが、どうしても出来なかった。
「皆、自分の意思とは無関係で殺してるんだ。そうじゃなきゃ、人を殺すなんて出来ない。偶然に敵として出会い、敵として殺しあう。」
そう言うと、とたんにそれが自分への言い訳であると気付いた。
ここで分かり合い彼女を許すというなら、サムやジャックの死を悲しむ人々は俺をも恨むだろう。
あるいは敵が彼女でなかったら…、そうであれば敵として殺していただろう。
だが、彼女を殺すことは、今の俺には出来そうもなかった。結局、俺も覚悟なんかできていなかったのだ。
「俺はこの戦争で何人もの人を殺した、コーディネーターもナチュラルも殺した、けど、そのたびに
きっと誰かがどこかで泣いてたんだろうな。そんなこと、考えもしなかった。考えないようにした」
彼女は何も言わず、黙ってまっすぐに前を見つめていた。いま、彼女の瞳にあるのは、パイロットでも
いたずらっぽい少女の輝きでもない。暗く沈んだ無気力な目だった。
突然、彼女は小さくすすり泣き始めた。肩を震わせ、声を抑え。俺はほとんど本能的に彼女に近づき
肩を抱くと、優しく力をこめた。彼女は黙って俺の肩に体を預けてきた。俺は彼女の震えが止まるまで
ずっとそうしていた。ふと気付いたときには、彼女は泣きつかれて俺に体を預けたまま眠っていた。
その顔から少し幸せそうだったので、俺は何だか救われる気がした。
俺はもう少しだけ、その寝顔を見つめていた。
142未熟な名無し:2005/07/26(火) 23:24:19 ID:???
141続き

「皆、自分の意思とは無関係で殺してるんだ。そうじゃなきゃ、人を殺すなんて出来ない。偶然に敵として
出会い、敵として殺しあう…。俺はこの戦争で何人もの人を殺した、コーディネーターもナチュラルも殺した
けど、そのたびにきっと誰かがどこかで泣いてたんだろうな。そんなこと、考えもしなかった。考えないよう
にした」その言葉を聴いたとき、自分はどうだったのだろうと考えた。
今までに何機の敵を落としたか考えたことなど、私だってなかった。士官学校ではナチュラルは敵と
そう教えられてきた。ただ敵と思っていた。
彼の横顔からは何も読み取れなかった。ただ、深いむなしさだけがそこにあった。
明日になれば、救援がくれば、私たちは敵に戻るのだ。だけど…―、
今私の横にいる青年は敵だろうか、殺せるのだろうか。もう一度彼を見る、やはり無理だった。
なぜ、殺さなければならないのだろう。敵であったはずのナチュラルが私を2度も助けてくれた。
怖かった、自分が殺してしまった人たちは本当は彼のような、ごく普通の人だったのではないだろうか。
その人たちの人生をこの手で、何の重み感じずに殺していたというなら…。
私は泣き出していた。自分はどれだけの人の悲しみを作り出してきて、これからどれだけ作り出す
のだろうか。
彼がそばに寄り添って、静かに肩を抱いてくれた。今は何にも考えずにそれに身を任せたかった。

ビーコンのアラームが遠くで鳴っている気がした。隣にいたはずの彼がいない、朝日の中で彼を探すと
まだ彼のヘルメットが置いてある、私はなぜか安心していた。彼がかけてくれたのだろう、地球軍の
耐Gスーツが肩にかかっていた。耳にもう一度アラームが聞こえた。コックピットの横に入り込み、ビーコン
を取り出してくると、ノイズばかりだったスピーカーから声が聞こえた。モビルスーツ備え付けのビーコンは
近距離ならば無線の機能が持たせてある。彼がスイッチを入れてくれたのだろう。
「聞こえるか、ロズウェル少尉、応答しろ少尉。こちらはザフト軍カーペンタリア基地所属のモビルスーツ
運用艦タイコンデロガだ」発信機から私の情報を拾ってくれたようだ。私はすぐに返信した。
「こちらはザフト宇宙軍、軌道艦隊所属のセナ・ロズウェルであります。救助感謝します」
向こうから今度はもっとはっきりと聞き取れる返信があった。
「こちらからすぐ迎えのジンを送る。状況を知らせ」
「現在、島の東側に私のゲイツと、地球軍のモビルスーツが機能停止状態で転がってます。自分は
今ゲイツから離れておりません。それから、地球軍のパイロットを拘束しました」
彼の救助も可能なはずだろう。
「少尉、では15分後にジンが迎えに行く。機体から制御用ソフトウェアを抜き取れ。コックピットを破壊しろ。
最後に敵パイロットは射殺しろ」
最後の言葉で昨日感じた不安が現実のものとなった。


規制に巻き込まれてぜんぜん書き込めなかった。
143無題2/2:2005/07/26(火) 23:33:57 ID:???
138続きです。
「ジンで新型止めろっていうのは無理があるよな…」
「シグーならまだしも、なぁ…?」
「無理無理。死んじゃうかもね僕たち…」
アカデミーを出て間もない新兵たちが漏らす。
「無駄口叩いてんじゃねぇ!!命令は絶対だ!!何があっても止めるんだよ!!」
「その通りだ。それがいやなら軍を辞めるんだな。止めはしない」
新兵たちは二人の剣幕の前に黙りこくった。
レーダーにアンノウン…フリーダムが映し出される。
「まず俺が突貫かけて足を止める。カシムとひよっこどもは援護しろ!!」
「了解した」
「了解しましたッ!!」新兵たちがやけ気味に言う。
やり取りが終わるが早いか、ジョナサンのジンは突撃機銃片手に突貫する。
「ん?普通のジンってこんなには速く間合いを詰められたか?」
いつも宇宙ではハイマニューバやシグーを使っているジョナサンが戸惑う。
通常のジンを使うのが久しぶりだから錯覚を起こしたのか?
そう思った瞬間にはもう目と鼻の先にフリーダムはいた。
「…違う!!新型のスピードが…」
あわてて機銃から得意の重斬刀に持ち替えようとしたが、
あっという間に両腕をビームサーベルで斬りおとされた。
「カシム、気を付けろ!!ヤツはとんでもない化けモンだ!!」
「見れば分かる!!」カシムが興奮気味だ。
「これでも食らえぇぇ!!」
「だああぁぁあぁ!!」
「く…来るなバケモノ!!うわあぁぁぁ!!!」
新兵たちが機銃を撃つが、フリーダムは驚異的な反応でかわす。
そしてビームライフルで彼等のジンを無力化した。
撃破出来るのにせず、力の差を誇示するかのごとく進むフリーダム。
カシムはその傍若無人さに怒りを募らせていた。
「逃げるなテロリスト!!貴様はここで終わりだ!!」
カシムのジンが立ちふさがる。
「撃ちたくない、撃たせないで…」
フリーダムのパイロットから通信が入る。
この言葉でカシムは怒りの頂点に達した。
「貴様…どこまで我々をコケにする!?テロリスト風情がぁ!!」

         ―数分後―

「おいカシム、お前が切れるなんて珍しいこともあるもんだな」
「うるさい。あれだけ傍若無人に振舞われて怒らないお前のほうがおかしい」
「いや、確かに腹は立ったさ。でもあそこまで差があるとなぁ…怒りを通り越して呆れちまったよ」
「ふん。シグーがあればあんな無様にはやられなかった」
「はいはい。じゃあSOSでも出しますか…エネルギーぎりぎりで戦闘になったから動けないしな」
「まったく情けないな。立つ瀬が無い」
その後のフリーダムの傍若無人なまでの活躍は皆様の知るところでしょう。

144未熟な名無し:2005/07/26(火) 23:39:45 ID:???
142続き

沢で水を汲み彼女の元に戻る道すがら、この島の地形を頭の中でもう一度呼び覚ましていた。
この島なら、彼女の救出に来た部隊から逃げおおせるかもしれない、そのためにも地形を頭の中の
地図と照合させ、三次元のものとして叩き込まねばならなかった。
ダガーの横を抜け、昨日自分たちが倒した木々をまたぎ、ゲイツに近づいていく。あと、5メートルほどを
残して彼女の声が聞こえてきた。
「しかし、捕虜は戦時条約に従って」
「敵はパイロットなのだろう、であれば君の機体の情報を持って変えられては困る。君はザフトの
新型を託されているんだ。その意味を理解したまえ。ジンでは敵兵を連れて帰ることは出来ん」
その言葉が聞こえ彼女が苦々しげに「了解」といって、あたりは再び朝の静けさに包まれた。このまま
回れ右をして森に消えよう―、足を出した瞬間、そこからバキッ!という音がし、小枝が足元に転がっていた。
天幕をはねあげ、彼女がすぐ目の前に立った。彼我の距離は5メートル、彼女が拳銃を抜くのを目にすると
俺は黙って目を閉じ、少し下を向いた。最後の瞬間を待ちながら、昨日抱いた彼女の華奢な肩の感触を
思い出していた。俺は不思議と恐怖は感じず、むしろその思い出と共に逝けることを幸せに感じてすらいた。
さよなら―、呟いたのかどうかさえ俺にはわからなかった
145未熟な名無し:2005/07/27(水) 00:06:11 ID:???
144続き

拳銃を抜き彼に向けたとき、彼はうつむき目を閉じていた。
腕が訓練でやったように動きまっすぐ彼に向けて伸びた。後の一押しは自分の意思でやることだ、そう習った。
彼を、殺せるか―、2度も私を助け、仲間を殺した私を許そうとまでし、震える肩を抱いてくれた。
また、温かみを消すのか―、正確に言えば、自分が感じたそれを消すことは初めてだった。しかも
自分の目の前で。指先に力など、入るわけもなかった。
できない―、私は覚悟を決めた。自分の意思で引き金を引くことをやめる覚悟を。
森の方に腕をむけ、ありったけの銃弾を打ち込んだ。彼がゆっくりとこちらを見つめる。
その目に負けないように強く見返すと、振り返って布の下にあった彼の装備を手に取り、彼の元に駆け寄った。
何も言わず荷物を落とすと、彼の頬に手を当てて顔を引き寄せ、唇を重ねた。
今までにも経験はある、でもこんなに思いのこもったそれを、かわしたことはなかった。
彼が私の体を抱きしめ、もう一度だけ私にくちづけた。
お互いの想いが伝わる、ただその目の前にいる人と戦いたくない、その人に生きていてほしいから。
きっと人は、言葉以上にお互いを理解しあうためにくちづけを交わすのだろう。
「逃げて、今ならまだ逃げ切れる、死なないで」強く見つめてそういうと、彼もまた毅然と私を見つめた。
「いつかこの戦争が終わったら、会いに行くよ…、プラントへ。」
彼は装備を拾い上げるともう一度私を見て呟いた。「さよなら」
彼の姿が森に消えるのと私が振り向くのはほとんど同時だったに違いない。
遠くにジンが接近してくる音が捉えられた。私は深く息を吸い、ゲイツに歩み寄った。

〜完〜

スレ汚しかもしれんが最後まで張ってみました。
完全にオリジナルって難しいですね、なんか08みたいな感じになっちゃった。
読んでくれた人ありがとう。
146通常の名無しさんの3倍:2005/07/27(水) 00:17:51 ID:???
>>145
すげー好きだこの話。心情描写がしっかりしてて読み応えあった。乙!
147通常の名無しさんの3倍:2005/07/27(水) 04:07:38 ID:???
キラ「どうしてだ!どうして君はこんな戦いをするんだ!」
シン「あんたはあの時俺の家族を奪った。俺は絶対にあんたを許せない。」
キラ「だけど…。」
シン「理由なんかそれで十分だ!あんたは俺が討つ。」
ラクス「やめてください!」
キラ「ラクス!?」
シン「!」
シン「あなたが私達を憎む気持ちは分かります。でもどうか、どうかこのような戦いはやめて下さい。」
シン「…。」
ラクス「私達も…貴方と同様、これまでに多くの大切なものを失い、傷ついてきました。
     だから分かるのです、憎しみをぶつけるだけの戦いからは憎しみしか生まれないということを
     相手を討っても真に癒されることなどないということを。残るのは空しさだけだということを。」
キラ「ラクス…。」
ラクス「だから、人々に、そしてあなたにそのような過ちを犯して欲しくないのです。」
シン「…けるな。」
キラ「?」
シン「ふざけるなぁー!」
キラ・ラクス「!?」
シン「分かるだと!何が分かるって言うんだ!あんた達に、俺のあの時の絶望が!
   冷たい感触が!今も夢に見るあの光景が!」
キラ「くっ!」
シン「あんた達はまだいいさ、悔やんでも殺されても、戦うことができたのだから、
   だが俺は…あの時の俺は…力を持つことも、戦うこともできなかったんだ!」
148通常の名無しさんの3倍:2005/07/27(水) 04:47:36 ID:???
キラ・ラクス「!」
シン「癒されたいから戦うんじゃない!二度とあんな思いを…大切なものを失いたくないから戦うんだ!」
キラ「だけど…!討つことを繰り返しても何もならない、その先には無限に争うだけの世界があるだけなんだぞ!」
シン「世界のことなんてどうでもいい、世界なんて救えなくたっていい、救いたいとも思わない。
   俺は…自分の目に映る大切なものをこの手で守りたいだけだ!そのために力を望んだ!」
キラ「ならば尚更…何故僕を討つんだ!」
シン「さっきも言っただろう、許せないんだよ、あんた達が!戦いたくないと言いながら戦いを繰り返し、
   一方的に自分勝手な理論を押し付けようとする。こっちの事情にお構いなく、勝手に現れて勝手に暴れまわる。
    おかげでハイネも死んだ、ミネルバの人たちも死んだ。」
キラ「でも僕達は戦いを止めようと…。」
シン「戦いを止める?笑わせるな、あんた達自身が戦いを呼んでいるとは思わないのかよ!」
キラ「く…!」
シン「ほら、どうした、戦いを止めたいんだろ?ならば本気で戦え、そして俺を倒せよ、
   でなきゃ俺はずっとあんたを狙う。生きている限り、絶対にあんたを討つために戦い続ける!」
キラ「僕は…。」
シン「はあああ!」
キラ「僕達は…確かに君の言うとおり、間違っているのかもしれない…。」
シン「ちいっ!」
キラ「だけど…それでも…。」
シン「逃がすかあああ!」
キラ「譲れない想いが…想いがあるんだー!」


シン「これから俺があんたのすべてを否定してやる!」
キラ「ならば僕は君のすべてを受け止める!」

シン・キラ (行くぞ!)
149147−148:2005/07/27(水) 04:51:05 ID:???
と、せめてこんくらいの展開を種死では期待してました。
150通常の名無しさんの3倍:2005/07/27(水) 15:17:13 ID:???
151アイリス:2005/07/27(水) 15:50:31 ID:3Ix5dLcD
駄文ですが・・・・・・
パラレルで!!
 
 
この気まぐれな運命(トキ)の中で僕たちは出会ったのだから・・・・・ 
 
  
 
 

 
そこにみたのは光。
お起きの音とともに周囲を跡形もなく吹き飛ばしていく光。
光のほかにあったのは薄茶色の地面と2人・・・・いや1人の少年。
先ほどまでいたもう1人の少年はまばゆい光とともに消え去ってしまった。
彼は笑っていた。
最後にほんのちょっとだけ微笑んでいた。
僕はあっけにとられていてなにがあったのか理解できていなかった。
でもそばにいてくれていたはずのあの優しい緑の瞳(め)はもうどこにも居ないことを
さとり、おもわず声が漏れる。
嗚咽とともに・・・・・・。
 
「ア・・・スラ・・ン・・・・・ど・・・う・・して・・・アス・・・
アスラーーーーーンーーーーーーーー」
152アイリス:2005/07/27(水) 15:52:47 ID:3Ix5dLcD
お起きの→大きな
マユ種学園 PHASE 0−5 「リフレイン」

オーブ軍最新鋭機、ムラサメのコクピットは狭い。
元々、MSのコクピットは狭く、パイロットの中には「鋼鉄の棺」と呼ぶものもいるほどだが、試験的に変形機構を持たせたムラサメのコクピットの狭さは尋常ではなかった。
その居住性の悪いコクピットの中で、それでも彼は笑顔を浮かべていた。
嬉しかった。ただただ、嬉しかったのだ。
自分に出来ることは、破壊だけではないと証明できるのが。その為に厳しい訓練を仲間達に、何より自分に強いてきた。
「キラ」
僚機のアスランから通信が入る。キラはうなずくと、通信機に向けて声を張り上げた。
「ゴー」
その声に合わせて、続々とムラサメが発信する。
その数は、キラとアスランのものを合わせて5機。それぞれが、カラフルなスモークを引いていた。
スモークが組み合わさり、文字が組みあがっていく。
文面は、共通語で平和と博愛を意味していた。
ザフト友好使節団の乗ったシャトルにキラからの通信が入る。
「オーブは、皆さんを歓迎します」
あれがヤキンの英雄、キラ・ヤマト・・・・・・。
感嘆の声が収まらない船内で、マユは1人、うかない顔をしていた。

>>153の続き

CE72、ザフトの最高評議会議長ギルバート・デュランダルは、復興したオーブと国交を正常化した。
そして信頼と友好の証として、使節団が派遣されることになった。
マユもその中に選ばれることになった。
オーブの難民であり、この若さで仕官学校に入校、そして優秀な成績を残しているマユは、ある意味で格好の人材だったのだ。
そのマユの前では今、オーブの元姫であり、現在は若手政治家として頑張っているカガリ・ユラ・アスハが演壇で熱弁を振るっていた。
演説の内容も良いが、なによりも彼女には熱意があった。それはその場にいた全員が感じたことだ。
大戦後オーブは元の王政ではなく、民主国家として生まれ変わっている。
当然、今まで独裁的に政権を握っており、その政権時に国家を滅亡させたウズミの娘であるカガリへの民の反発は根強いものがあった。
だがカガリは、夫であるザフト前最高評議会議長パトリック・ザラの息子アスラン・ザラ。
プラントの元歌姫であり、現在でも大きな影響力を持つラクス・クライン。
そして、そのラクスとのラブロマンスの噂が絶えず、カガリとの双子の弟であるとの噂まである英雄キラ・ヤマトの力を借りて、再び民の信頼を取り戻していった。
そして今、マユ達使節団の目の前で演説を行っている。
今シンが見たら、きっと自分のことを軽蔑するだろう。マユはそう思った。
どれだけ誠意を尽くそうとも、どれだけ綺麗事を言おうとも、マユにはアスハ家への憎しみを止めることができないから。
そしてマユがそんなことを考えていた時、それは起こった。
演説会場の扉がいきなり大きな音をたてて開いたかと思うと、1人の男が乱入し、手にした拳銃をカガリに向けて発砲したのだ。
脇に控えていたアスランが慌ててその男を撃ち倒す。男は、
「俺の家族は、連合の進行で死んだ・・・・・・」
と言い残すと、こと切れた。
アスランがカガリに向けて振り向くと、そこには蒼白のカガリと、彼女を庇って銃弾に貫かれたマユの姿があった。
マユの肩口から、ドス黒い血が流れていく。
「救急車を!!」
キラが叫んだ。
>>154の続き

3日後、マユは共同慰霊碑の前にいた。
左腕がギプスで吊られている。
幸いにも、銃弾は肩を貫いただけですんだ。
マユはこれまで病院で安静にされていたが、今日は無理を言ってここまで連れてきてもらったのだ。
彼女をここまで連れてきてくれたのは、他ならぬキラ・ヤマトである。
「本当はカガリ自身が来たかったようだけど、事後処理とか色々あるから、代わりに僕が来た」
彼はそう言うと、これまでかいがいしくマユの面倒を見てくれたのだ。
しかしその間、マユはキラと一度も口を開かなかった。
マユは慰霊碑を見ながら、キラには背中を向ける格好で尋ねる。
何故そんなに優しいのかと。
いぶかしむキラに、マユは涙を見せながら叫んだ。
あなた達がそんなに優しかったら、私は誰を恨めばいいんですかと。
更にマユは、自分の家族はあの時キラが放ったレールガンの一撃で死んだと伝える。
キラはその言葉に衝撃を受けながらも言う。
「君が僕を憎む理由は・・・・・多分、僕は誰よりも良く分かる」
止めを刺したときのクルーゼの笑い声が、聞こえたような気がした。
「だから、許してとは言わない。憎しみの持つ力は、誰にも否定できないから。だから、もし君が憎しみに押しつぶされそうになったら。その時は・・・・・・」
ひと息吸って、続きを言った。
「・・・・・・僕を殺していいから」
マユは何も言わずに、涙をぬぐいながら海岸に咲く花に近づいていく。
ここには、もっとたくさん花があったのに、また咲いたのはこれだけ。
寂しそうに、マユは呟く。
「同じなのかもしれない、どれだけ綺麗に咲いても、押し流されていく・・・・・・」
キラが優しく否定する。
花が何度でも咲くのは、それでも強く生きたいからだと。
マユはうなずくと、懐から兄の形見である携帯電話を取り出し、海に投げ捨てた。
いいのかと尋ねるキラに、マユは無理矢理に笑顔を浮かべて言った。
「きっとこれで、いいんです!!」

PHASE 0−5 了

156通常の名無しさんの3倍:2005/07/28(木) 15:36:47 ID:???
無理を承知で頼む
誰かアズラエルパパが主役のSSを書いてくれ
157通常の名無しさんの3倍:2005/07/28(木) 15:56:43 ID:???
>>156アズラエルパパてどんな人だったけ?
158通常の名無しさんの3倍:2005/07/28(木) 16:07:05 ID:???
>>157
ロゴスのメンバーとして名前だけ出てた
159通常の名無しさんの3倍:2005/07/28(木) 22:22:39 ID:???
そこでルキーニを主役にしましょうよ
もちろんヒロインはアサーニャね
160通常の名無しさんの3倍:2005/07/28(木) 22:27:25 ID:???
>>158
それらしき人物ならちらちらうつってたよ。
髪型がかなりアズラエルっぽい人が。多分その人がパパかと。
161通常の名無しさんの3倍:2005/07/28(木) 23:53:10 ID:???
名前、わからんからロビン(仮定)にする。
 俺はアズラエル家の長男として産まれた。俺は他人から見れば恵まれている
存在かもしれない。だが、俺にとってアズラエルの名は重圧でしかなかった。
勉学も、運動も、その他諸々のことができなければならない。アズラエルの名を冠している
いる以上は。俺は周りの期待に答えた。子供のころからやらされたピアノは、学生の部で毎年
金賞を取ったし、学内ではいつも首席だった。俺はなんとか人生を順調に歩んだ、そう、あいつに
あうまでは。
 俺があいつと会ったのは、俺が高1のころだった。親父は俺のお袋が死んだあと、秘書官の女と結婚
していた。その女が出産したという知らせを受けたのは、寮長会議をしていた時だった。(俺は東部の全寮制高校に通っていた)
俺はくそだるい会議から抜け出せるくらいのことしか思わず、その時は特に出産について気にしなっかた。俺は高校に迎えねに来ていた
自家用ヘリに乗って家はに帰った。出産は無事成功したようだった。俺は俺の弟の顔をみた。
普通の赤ん坊の顔だった。しかし、なにか違和感があった。その時俺はそれが何か分からなかった。
 十二年後、俺はハバード大学の大学院に籍を置いていた。専門は経営だった。大学院の首席は俺ではなっかた。俺の弟だった。十二歳でも
大学にいこうと思えばいける。いわゆる飛び級という奴だ。そう、我が愛すべき弟、パトリック・アズラエルは天才だったのだ。だが我が一族
は天才の家系ではない。天才の家系ではない。弟はコーディネーターだったのだ。
162通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 02:19:00 ID:???
おおお!?なんか意外な事になりそうな。
163通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 11:48:41 ID:???
>>160
「ブルーノ・アズラエル」だってさ。
164ノラぬこ:2005/07/29(金) 13:58:35 ID:???
42話が待ちきれないので、勝手に書いてみますた。
投下よろ?
165通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 14:00:45 ID:???
オケ
166ΖガンダムSEEDDESTINY:2005/07/29(金) 14:06:37 ID:???
「ハッハッ……」
アーモリーカレッジのキャンパスを一人の少年が走っている。
「シーン!」
少女が、走る彼の名前を呼んだ。
しかし、少年は見向きもしなかった。
しかたなく、少女は彼を追いかけて走る。
「シン、シン、ねえったら、シン・アスカ!」
「やめろよルナマリア! 周りに俺がウルトラマンみたいな名前だってバレちゃうだろ!」
「みんなそんなこと覚えてないわ。 覚えてるのは当人とアンチだけじゃない」
ルナマリアはあきれたように言った。

エレカで港に向かうリニアカーに乗る。
「港まで急いで!」
「誰が来てるって言うのよ」
「カガリ・ユラ・アスハだよ、オーブの首相」
「でも、その人コーディネイターじゃないんでしょ?」
「オーブは中立だから、多分そのはずだろ」
「知ってる人なの?」
「妹を殺されたことがある」


一方宇宙では、かつての英雄アスラン・ザラが……。
「この感じ……キラ・ヤマト? ラクス・クラインか……」
アスランはM1から降りると、アーモリー1に潜入した。




「あーあ、やっぱり間に合わなかったなぁ」
「しょうがないじゃないの」
「あ、あれ、カガリ・ユラ・アスハだ」
「シン、まってよ、シン・アスカ」
「シン・アスカ? なんだウルトラマンかと思ったら、ガンダムか」
「なめるなー」
「うわあーなにをする」
「シン・アスカがガンダムで悪いかよ、俺は家族をアスハに殺された」
「しるかー」
167ΖガンダムSEEDDESTINY:2005/07/29(金) 14:08:14 ID:???

警備室
「テロリストじゃない? おかしいじゃないか! ならなんで一国家の元首を襲うんだ!」
「冗談ですよ、セリフにやる気がなかったでしょ」
「そりゃ、書いてるやつのやる気がなかったからだ」
MPはあきれたように言った。
MPはファイルをめくった。
「第一回、プラントお兄ちゃん選手権、二年連続優勝、
 第三回、心に残ったメール大勝、特賞受賞、
 第一回 家族のフォトコンテスト、兄弟部門で審査員特別賞受賞、
 凄いじゃないか、即戦力だな」
MPはファイルを閉じた。
「MPが足りない」
「なんだと」
「思いついたから」
「フン、強情を張ってろ」
バタン
ドカーン
「なんだなんだ」
「インパルスが落ちたってよ」

インパルス
「こりゃ、始末書じゃすまないかな」
パイロットのハイネ・ヴェス点フルスが言った。
「誤変換くらい直せ」
打ち直すのが面倒くさい
「句読点くらいちゃんと打て」
はいはい。。。
「ほんとやる気のない作者だ」
警備室
「うわあああああ」
シン・アスカは逃げ出した。
「このやろう、待て」
MPはギラを唱えた、MPが足りない。
「唱えてねーよ」
「うるせー馬鹿」
シンは、面倒くさいから話の展開を飛ばすことにした。
「これがインパルスか、動かせるぞ、主人公特権で」
ギュイーン
「ばかだなぁ、この作者、こういう場合は富野的にギュゥイーーン!って書くべきだろ」
インパルスが動き出した。
「なんだなんだ」
「だれが動かしてるんだ」
「シン・アスカよ」
アスランも面倒くさいのでいろいろ省略した。
「おい、そのパイロット、ついてこれるか」
「はい」
168ΖガンダムSEEDDESTINY:2005/07/29(金) 14:09:00 ID:???

〜50話ほど省略〜

木製探査船ツィオルコフスキー・エターナル付近の宙域

「お前だ! 理念だけで動いて、その力で綺麗ごとを現実にしちまおうとするのは!」
「何を、世界を動かしてきたのは僕みたいな天才の力じゃない、みんなの力だ」
「言ってることと、やってることが違うんだ、アンタは! うわああああ!」
シンのデスティニーが発光する。
「うおおおおお! みんなにはわかるはずだ! 俺の体をみんなに貸すぞ!」
「なんだ、デスティニーには、フリーダムには無い力が搭載されているのか?」
「わかるまい、綺麗ごとを言ってる自分を疑わないキラには、
 この俺の体を通して出る力が!」
「くそ! やめてよね、そんなもので、MSと自由と平和を望む心が倒せるものか!」

「シンは……その力を表現してくれるマシンに乗っている」
「運命のガンダムにね♪」

ステラとマユの幻影がつぶやく。
「これは……幼女とフレイ!?」
後者は違う。
「まだ、抵抗するのなら」
デスティニーの光の翼が大きく羽ばたいた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
ビームバリアを展開し、と手のビーム砲をショートさせる。
「ストライクフリーダム、動け! なんで動かないんだ!」
キラのストライクフリーダムは活動を停止していた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
デスティニーが、すべての力を解放し、ストライクフリーダムに突撃した。

ドカアアアアアン

「く……僕だけが死ぬわけには行かない、みんなの平和を……僕たちの世界を……。」
「最後まで、偽善者だなアンタは!」
「君の心も一緒に連れて行く、シン・アスカ!」
「な……!」


「なんだ、終わったのか……光だけが広がっていく」


169通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 14:09:31 ID:???
……う〜ん、いい電波
170ΖガンダムSEEDDESTINY:2005/07/29(金) 14:10:16 ID:???
「シン……シン……」
「ルナ……」
「よかった、シン……」
「ルナ……お兄ちゃん、やったよ、ルナ……」
「……シン!?」
「戦争が終わったら、また、海に行こう、
 大丈夫、おぼれても俺が助けるよ、俺が守るよ」
「シン? 何を言ってるのあなた、ねえ、シン!?」
「子供のころみたいにさ、砂浜を二人で追いかけっこしようよ、ルナ……。
 あと アイツも呼んで三人でさ、ほら、アイツと……だれだっけ、
 名前が思い出せないな、となりの家で 可愛いけどアホ毛で尻のでかい……、
 あれ、それじゃあルナマリアになっちゃうな……あれ……」
「シン……あなた……!」
「暑っ苦しいな、ここ……早く出してくれよ、ルナ……。」

ルナの頬を涙が伝う。
シンの目は虚ろであった。
焦点は心のよりどころである、「妹」に向けられていた。
「ルナ、お兄ちゃんの言うことは聞くもんだぞ……」
「そうね……そうね、お兄ちゃん……」
ルナマリアはシンのデスティニーを担いだ。
その途中で、アーサーの死体があった。
「お前も、ミネルヴァに帰りたいのね、でも……ごめんね」

シンは辛い記憶をすべて捨てた。
それは、シンの戦争に対するささやかな反抗だった。
多くの時間と、人の命と、帰らぬものを巻き込んでいく。
その記憶が憎しみと後悔を巻き込み、裏切られる希望だけが残る。

ガノタたちも、SEEDの記憶が刻まれたまま、
また次の戦争……次の「ガンダム」へと巻き込まれていくのだろう。

CE73年、ここに、戦争は終結した。

ΖガンダムSEED DESTINY fin



171通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 14:11:30 ID:???
>なんだウルトラマンかと思ったら、ガンダムか

どういうリアクションだw
172通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 14:13:07 ID:???
スレは汚れるが、時々こういうエネルギーは欲しいな。
173通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 14:15:05 ID:???
GJw
>「知ってる人なの?」
>「妹を殺されたことがある」
おいおい
174通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 14:17:19 ID:???
>MPが足りない。

バカ野郎! ココア吹いちまったよw
175通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 14:20:52 ID:???
>「やめろよルナマリア! 周りに俺がウルトラマンみたいな名前だってバレちゃうだろ!」
>「みんなそんなこと覚えてないわ。 覚えてるのは当人とアンチだけじゃない」
確かに俺もそんなこと忘れてた
176通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 14:21:45 ID:???
自分が受信した電波に自らツッコミながら書いてる作者タン萌え。
177通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 14:29:22 ID:???
>その途中で、アーサーの死体があった。
>「お前も、ミネルヴァに帰りたいのね、でも……ごめんね」
待ってください
178ノラぬこ:2005/07/29(金) 14:41:43 ID:???
42.5話 正義と友情と vol.1

今行かなくてはオーブは落ちる。
気持ちばかりはモニター越しの戦場へ飛んでいるアスランであったが、重傷の体が思うように動かない。
上半身を起こすだけでも折れた肋骨がきしみ、体中の傷口が痛い。起きてしまえば何とかなると思ったが、
まだ塞がっていない胸の大きな裂傷がズキっと脳天まで響き、力が抜けた。思わず呻き声が出る。
「おい、何してんだあ、お前」
フラガ…じゃないネオさんが呆れてこちらを見る。いや、心配してくれているのか一応?
俺だって無茶は分かってる。でも行かなければならない。カガリをキラを、オーブを守るために。
呼吸を整えモニターを見ると、金色のMSが映っている。ムラサメ部隊を率いているところをみると…。
「カガリ!」
もう出て行くなんて。え…デスティニー…シン! もはや一刻の猶予もない。
死ぬな、カガリ。やめろ、シン! 俺がすぐ行く! 待ってろっ。
不思議と少し力が湧いてきた。何とかMSに乗ってしまえば動ける…きっと。
点滴針を抜き、静かに足を下ろす。フワッとした床の踏みごたえに不安を感じたが、ベッドに掴まって何とか立ち上がる。
たったこれだけで呼吸が苦しい。汗が噴き出す。
「おい! どこ行く? まさかお前…」
ネオの声を背中で聞きながら、アスランは病室から出て行った。

左側の壁に半分体重を預け、左手で手摺を伝い、足を踏みしめながら格納庫へ歩を進める。
なんでこんなに遠いんだろう。そういえばこの艦に初めて乗ったのは宇宙でだった。
重力とはこんなに重いものだったか。一歩一歩に体が軋み、滴る汗が目に入る。くそっ…目が…見えな…

遠くで誰かが手を振っている。緑の髪、優しい笑顔。
「ニコル!」
「アスラン、ダメですよ来ては。アスランにはまだ守らなきゃいけないものがあるでしょう」
「ニコル…俺は…」

「アスランさん、アスランさん! しっかりしてください!」
「ぐっ…ああ…メイリン…」
どうやら気を失ったらしく、通路に横になっていた。
「ダメです、アスランさん。こんな体で動いちゃ」
メイリンが涙を溜めた目でじっと見下ろす。ごめん、でも…
「すまない、メイリン。俺は行かなきゃ…」
体を起こし、手摺にしがみついて立ち上がる。下を向いたままごくり、と唾を飲み込む。顔を上げ、格納庫のドアを見る。
あのドアまで歩こう。集中しないと…意識が飛びそうだ。
「行かないで下さい。お願いします…」
メイリンはアスランの前に回り込み、腕を掴む。どうしてこんなに心配してくれるんだろうか、この娘は。
俺は今まで人に心配されたことなんかなかったのに。
179通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 14:45:05 ID:???
> 俺は今まで人に心配されたことなんかなかったのに。

お前な…。鈍感にも程があるぞw
180ノラぬこ:2005/07/29(金) 15:02:05 ID:???
42.5話 正義と友情と vol.2

「俺は…オーブや仲間を守るために行く。シンも…」
「そんな…無茶ですっ…死んじゃいますよ!」
でもここで止まるわけにはいかない。分かってくれ。
「メイリン…俺は迷いすぎた。どうすれば戦いが止められるのか。考えるのに時間を使いすぎてしまった。でもようやく分かったんだ…。シンは俺が止める」
「でもっ…そんな…」
「ただ見ているのは…俺は今死ぬよりつらい。俺を信じて待っててくれ。頼む…」
メイリンはそれ以上アスランを止める術がないと悟った。ならばせめて…。涙を手でぬぐい、
「分かりました。じゃMSの所まで私が支えます。少しは楽でしょ。右腕は…痛くないですか」
メイリンはアスランの右側に回り静かに腕を取ると、自分の肩に背負わせる。
「歩きますよ。大丈夫ですか」
「ああ。ありがとう」
腕から伝わるメイリンの背中の体温が、アスランにはとても心地よかった。

ブリッジはムラサメ隊を送り出したばかりの緊迫感が残っていた。とはいえ管制はオーブコントロールに渡っており、クルーは焦燥感を抑えつつもモニターで戦況を見守るしかない。そこに、病室のネオから通信が入る。
「おい、隣のヤツがふらふら出てったぞ。戦う気満々で…」
「何ですって! あいつ…」
とミリアリアが応答しようとした直前、外部から緊急通信が割り込んだ。キラだ。
「ミリアリア、今MS2機で降下シークエンスに入った。あと30分くらいで下りられる。1機はラクスが操縦している。アークエンジェル
に着艦させるから誘導して。僕はすぐカガリの援護に回るから」
ラクスさんがMSで大気圏降下なんて。エターナルはそんなに切羽詰まった状況なのだろうか。ともかくキラに託された以上、私の責任
で下ろさなくては。
「分かったわ。キラは誘導ビームまでラクスさんをサポートして。あとは私が直接やるから。あ、それから…」
アスランが…と言おうとしたが、やめた。ここで不安な要素を伝えてもしょうがない。キラの方が100倍も大変なのだから。
「なに?」
「ううん、何でもない。気をつけて」
あいつのことは私が何とかしよう。みんないっぱいいっぱいなんだから。ミリアリアはチャンドラに管制を任せ、携帯無線機とインカムを掴んだ。
「艦長、行ってきます。ついでに無鉄砲な怪我人も何とかしてきます」
「任せるわミリアリアさん。お願いね」

オノゴロ上空でのデスティニーと暁の対決は、防御中心の暁が押されていく。ムラサメ隊も頑張るが、元々実力に差がありすぎる上に
、ザフトの増援グフ部隊も到着、形勢はかなり不利になっていく。デスティニーはますます攻撃を加速させていく。危うし暁!
その時、天空からストライクフリーダム飛来。
「キラ!」
「カガリ! 間に合ってよかった」
一気に形勢は逆転。ストライクフリーダムはグフ部隊を一気に蹴散らす。
「キラ、私は司令部に戻り、ジブリールを探す。後は頼むぞ」
「分かった」
暁とキサカの虎サメはオーブ司令部へと飛び去る。それを追いかけていきそうなデスティニーの前に、ストライクフリーダムが急降下
、立ちふさがる。デスティニーパイロット-シンは愕然とする。
「な、なんだこいつはぁ…フリーダム? 俺が墜としたあいつなのかぁっ!」
181ノラぬこ:2005/07/29(金) 15:36:01 ID:???
42.5話 正義と友情と vol.3

MS格納庫はがらんとしている。ふらつきながら入ってくるアスランと支えるメイリン。
既にだいぶ息が上がっているアスランは、ハンガーをぐるりと見わたした。整備員たちはそれぞれの仕事に忙しい。
気づかれないうちにいずれかの機体に乗り込んでしまおう。しかし残っているのは整備途中のものばかり。
どれが一番マシなのか? 立ち止まり考えあぐねるアスランの後方に、ミリアリアが追いついた。
「ちょっと待って」
うわ、見つかったか、という表情を隠せないアスランにミリアリアは、そんな顔しないで、大丈夫よ、と微笑んだ。
「止めたって行くんでしょ、分かってる。応援しに来たの。少しはマシな状態で送り出そうと思って。黙って出られるよりマシだから」
「ミリアリア…」
「そこへ座って、すぐドクターが来るわ。痛み止めとか処置してもらうから」
「すまない」
意外すぎる展開だ、とアスランは思ったが素直にミリアリアに従い、傍らのコンテナの上に座った。
「一人で抱え込まないで。私たちクルーなんだから、協力されるときはされとくものよ」
ドクターが到着し、痛み止めの注射や、一番重い胸の傷に響かないよう医療処置をする。
何だかこれからチャンピオンに挑むボクサーって感じだな、とアスランはふっと笑う。
「ピーピーピー」
無線機に入感。さっと緊張が走るミリアリア。
「はい、分かりました。あとはこちらへ」
スイッチを切り替える。
「ラクスさん聞こえますか。直接目視で誘導します。カタパルトから真っ直ぐ進入して下さい」
ラクス…キラは間に合ったんだな。無事でよかった。しかし…。
「着いたわよ、あなたの機体。インフィニットジャスティスが」
振り返って言うミリアリアに、アスランは唖然と見上げる。
程なくラクスが乗るインフィニットジャスティスはミリアリアの誘導で格納庫のハンガーに固定される。
コクピットからラクスが下りてくるのを認め、ミリアリアはアスランに親指を立ててウインクすると、ブリッジに取って返した。ラクスはヘルメットを取り、アスランに近づいてくる。
「ラクス…」
「よく帰ってきて下さいました、アスラン」
アスランが重傷の体を押して出撃しようとしていることなど、ラクスはとうに分かっていた。
分かってはいたのだが、青い顔で肩で息をしている本人を目の前にすると、行けとも行くなとも次の句が告げなくなった。キラをエターナルに送り出したときも、本当は行きたかったのはアスランの方だったに違いない。
「長いこと…済まなかった…」
アスランの言葉で、ラクスは泣きたい気持ちを飲み込んだ。
「戦いに…出られるのですね」
「シンを…デスティニーのパイロットを…説得する」
「そうですか。信じているのですね」
「ああ」
「分かりました。あまり無理はしないで下さい」
迷いのないアスランの目を見てラクスは少し安堵した。
大丈夫、体はボロボロでも鋭い緑の瞳は光を失っていない。必ず皆を助け、そして帰ってくるだろう。
いつの間にか近寄ってきたマードックがアスランに肩を貸し、コクピットに送り届ける。
アスランをひょいっとシートに座らせ、よし、と軽く肩をたたいた。
「こいつは前のジャスティスより速い。いきなり最大加速はやめとけ、お前が壊れちまうから。半分ぐらいに絞ってな。それから、こいつとストライクフリーダムは外部から有線オートパイロットができる。しんどかったら替わってもらえ、いいな」
「分かった、ありがとう」
コクピットを閉めると、アスランははぁっ、と深呼吸を一つして、OSの初期設定をしながら思った。
何だか今日はたくさんの人に支えられた。一人では出られなかったかもしれない。それに報いることが、俺の今一番の仕事だ。
「インフィニットジャスティス起動。アスラン・ザラ、出る」
「X19Aインフィニットジャスティス、発進どうぞ」
182ノラぬこ:2005/07/29(金) 15:45:03 ID:???
半分投下しましたが、いかがでっかー?
183通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 15:55:11 ID:???
GJ。
原作もこれぐらいやってくれたらいいのにな。
作者殿乙。
184ノラぬこ:2005/07/29(金) 16:03:43 ID:???
アスランって結構からみがつけやすいキャラなんですよ。
勿体ないなー toTV
185通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 16:07:14 ID:???
出来れば製作陣がここを見て今から作り直してくれたら……!
どうせ戦闘は全編バンクだし出来ると信じている!
186通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 16:08:30 ID:???
>>166-170
それだと続編の主役はロウ・ギュールになっちゃいますが。
187ノラぬこ:2005/07/29(金) 18:28:39 ID:???
42.5話 正義と友情と vol.4

オノゴロ沖合の戦闘は、ストライクフリーダムの参戦でオーブ側有利に傾いてきた。
…と思いきや、ザフト側はミネルバからインパルス、レジェンドの応援を得、再びじりじりと押してくる。
さすがのキラもザフトレッドの3機を一度に相手するのはかなりきつい。ムラサメ隊も次々墜とされていく。
そこへインフィニットジャスティスが高速で飛来し、本体のビームサーベルでグフをばっさばっさと切り刻みつつ、ミネルバの3機に迫ってきた。
「ちっ、新手かっ」
「あれはっ…新型機?」
全身これ刃物といったインフィニットジャスティスの武装は、高い機動性によって生かされる。そしてそれはパイロットに過大なGの負担を強いる。
耐Gスーツを着られないほど弱っている今のアスランにとって、命を削るようなものだ。
アスランはザフト軍の間隙を縫って、ストライクフリーダム-キラのところまで飛んで来た。映像通信を開く。
「キラ、デスティニーのパイロットと話をしたい。オーブで家族を亡くした俺の部下なんだ。頼む」
「分かった。他の機体は僕が引き離す。…気をつけて」
アスランのことだから来ないはずはないとキラは確信していた。が、予想以上に体の状態は悪そうだ。無茶な加速をしてきたんだろう。
MSの性能もあるから簡単に墜とされることはないだろうが、たぶんいつもの半分も力が出せないくせに、相手を墜とさないつもりだ。
自分はあれに墜とされて殺されるところだったのに。優しすぎる…。
考えてみれば今まで一緒に戦ってきて、こんな風にアスランを心配するのは初めてだ。
でも今日はいくらなんでも危なっかしすぎる。僕も君を守るから、アスラン。

キラはストライクフリーダムでレジェンドとインパルスを牽制しつつ、デスティニーから引き離す。
インフィニットジャスティスはディスティニーからの攻撃をビームシールドで防ぎつつ、急加速して接近する。
デスティニーはビームサーベルを抜き、インフィニットジャスティスのビームサーベルと斬り結ぶ。
これだけ近づけば無線が届くだろう。アスランはミネルバ搭載機用のチャンネルに合わせ、デスティニーに映像通信する。
「シン! 攻撃をやめろ! シン!」
「えっ…まさか…あ、アスラン!? そんな…バカなっ!」
亡霊だ…こいつは…。操縦桿を握るシンの手が止まった。背中を冷たい汗が流れ、見開いた緋色の目は恐怖の色で染まった。
眠っていても、いつまでも自分の頭の中に呼びかけてきた裏切り者の元上司が、こんなところにいるなんて…。
「シン! オーブはお前の故郷だろう。なぜお前が攻撃するっ!」
「なん…で、生きてる…。何で生きてるんだっ、アンタはーっ!」
夢だ、悪い夢だっ。昨日レイに言われた悪夢の続きなんだ、これはっ。
シンはこみ上げてくる何かで胸が締め付けられてきた。呼吸が浅く、早くなり、心臓の鼓動も高鳴る。
狭いところに閉じこめられたような不安感が襲いかかる。
「シン! 目を覚ませ! お前のように家族を失って悲しむ人を、また増やしたいのかっ!」
くそっ、なにまともなこと言ってるんだよっ。俺は、何も聞きたくないんだよーっ。
「あ…アンタは…俺が確かに殺したっ…。今さら何だーっ、この死に損ないがーっ!」
叫んだら少し力が抜けた。俺を苦しめるものは、排除しなければ。
ほぼ静止していたデスティニーは我に還っていきなりインフィニットジャスティスを蹴り飛ばすと、距離を取ってビームで攻撃し始めた。
不意をつかれたアスランはビームシールドを展開してギリギリのところでビームを防ぐが、激しい衝撃でシートに体を強くぶつけ、
反動でシートベルトが体に食い込む。まだ癒えぬ肋骨が耐えきれず再び折れ、内蔵を傷つける。
188ノラぬこ:2005/07/29(金) 18:51:37 ID:???
42.5話 正義と友情と vol.5

「シン…ごふっ」
吐いた血がコクピットに飛び散る。目の前がグレーになりかける。
だめだ、まだ早い。まだ墜ちるわけにはいかないんだ俺は。シンに何も伝えられていないんだから。
「俺は騙されないぞーっ。アスランも、メイリンも、お…俺がこの手で墜としたんだっ」
デスティニーは狂ったようにビームを連射する。
インフィニットジャスティスも防戦するがいくつか被弾し、リフターや肩パーツの一部が吹っ飛ばされる。
シン、俺の話を聞くんだ! 頼むっ!
「メイリンは…無事だ。ちゃんと生きてる。シン! オーブを攻撃するのは間違っている。お前は…」
「うるさいうるさいっっ! 裏切り者の言葉なんか聞くかーっ」
「シン、俺はお前を撃ちたくないっ…ぐは…。お前は…利用されてる…んだ…ぎちょ…」
血を吐きすぎて気管が苦しい。まともに喋れなくなってきたアスランは、ふっと弱気になる。
もうそろそろ限界かもしれない。ここでまたシンに墜とされるのか…。それはそれで仕方ないか。
「寝言を言うなーっ! 敵は敵らしくしろーっ」
デスティニーはついに手のひらビームを発射するが、インフィニットジャスティスは最大加速で反転し遠ざかり、間一髪で避ける。
アスランは自分で驚いた。どこにこんな力が残っていたのだろう。目に見えない大きな力が俺を生かそうとしているのか。
信じる神などないはずなのだが。
デスティニーから離れ、空中で静止する。まだ咳が出るがもう吐く血も残ってないみたいだ。呼吸が苦しい。キラ…。

その時ミネルバの方に帰還信号弾が上がる。興奮醒めやらぬシンは、肩で息をしながら視点が動かない。
レイが異変を察してデスティニーに通信を入れる。
「シン、帰還信号が出た。既にこちらが不利だ。ミネルバに戻るぞ。聞こえてるのか、シン!」
レイの冷静な声が、シンを現実に引き戻した。
「あ、ああ。分かった」
レジェンドとインパルスはデスティニーと合流し、ミネルバに帰還する。

「シン…」
ダメだった。力不足だ。やっぱり説得は不得手だな、俺は。
キラは…どうしたんだろう。まさか墜とされてはいないよな…今の俺じゃあるまいし、フッ。
でも終わったな、俺の栄えある新型機での初出動は。これが最後の出動だった…とはしたくないがな。
びっしりかいた汗も既に冷たくなり、いよいよ意識がブラックアウトしかけるアスラン。
飛来したストライクフリーダムから、キラの通信が入る。
「アスラン、アスラン、大丈夫!」
かなり離れたところで戦っていたはずなのに、インフィニットジャスティスはちょくちょくキラの視界に入るほど飛び回っていた。
大丈夫なはずはない。アスラン!
「ああ…取りあえず…生きてるらしい…」
よかった。でも早くしなきゃ。戦闘を凌いだのに帰ったとたんに死ぬなんて、僕が絶対許さないから、アスラン!
…て、僕が取り乱しちゃだめだよね。アスランを安心させなくちゃ。
「アスラン待って、操縦こっちに貰うから」
キラはストライクフリーダムからケーブルを引き出し、インフィニットジャスティスの背部に繋ぐ。有線オートパイロットをONにしパスワードを入力する。
「いいよ。アスラン、楽にしてて。帰ろう」
アスランが安心して目を閉じたのを確認し、キラはアークエンジェルに通信を入れる。
「フリーダム、ジャスティス帰還します。救護班、待機願います」
「了解」
189ノラぬこ:2005/07/29(金) 19:03:09 ID:???
あと残り1つです。
ちょと待ってくだちい。
190ノラぬこ:2005/07/29(金) 19:11:20 ID:OVYAZkdR
>>1
新米の職人でつので、感想ぜひくだちい。
褒めも指摘もモノ書きの燃料でつので…
191ノラぬこ:2005/07/29(金) 22:50:41 ID:OVYAZkdR
42.5話 正義と友情と vol.6

アークエンジェルのブリッジに、オーブ司令部から戻ったカガリが入ってくる。
「ジブリールを捜索しているんだが、見つからない。セイラン家もロゴス関連企業も当たったのだが…。
もしかしたらもうオーブから逃げたのかもしれない」
急に戻ってきたこの若い代表首長の下で、部下たちは必死に捜索したに違いない。相手の方が上手だったのだ。
出だしも遅かったのだし、仕方ない。肩を落とすカガリに、マリューが応える。
「そう。ザフトの方は? ひとまずは引き揚げたみたいだけど」
「取りあえず休戦に応じそうだ。だいぶこちらに形勢が傾いてきたしな。あなた方のお陰だ、感謝する」
生真面目なカガリらしい言い方だとミリアリアは思った。
ちょうどモニターにストライクフリーダムとインフィニットジャスティスの姿を見て取り、努めて明るく言う。
「そのヒーローのご帰還よ」
「あいつら!」
少し明るい表情を取り戻したカガリは、ブリッジを飛び出していく。

キラは2機のMSを操縦して格納庫に帰還し、並べてハンガーに固定した。
コクピットから飛びだすと、足場をひょいと伝って兄弟機のコクピットへ駆け付ける。
救護班も素早くリフトで上がってくる。外からコクピットを開けると、アスランは胸から腹にかけて血まみれで失神している。
キラは優しくアスランの肩に手を掛ける。
「アスラン、アスラン、着いたよ」
「う…キ…ラ…」
一瞬薄目を開けるが全く動けないアスランを、キラは救護班と協力してコクピットから出し、担架に乗せる。
リフトで下りてくるのを見守るラクスとメイリン。そこにカガリが飛び込んでくる。
カガリ「キラ! …アスランっっ!」
駆け寄ろうとしたが、血まみれのアスランの服が目に飛び込み、その場に立ち尽くした。
死ぬな、と口にしたら本当に死んでしまうような気がして、カガリは言葉を飲み込んだ。
アスランのことは今までだって散々心配だと言ってはきたが、本当の心配がこんなに息苦しいものだったなんて。
担架上で意識のないアスランに、WBチューブ、呼吸器、点滴などが手早く繋がれていく。心臓マッサージが施される。
「気道確保!  意識レベル下がっています。緊急オペの用意をっ。血液型O型の人は医務室へ協力お願いします!」
修羅場を前にして、カガリは手足の震えを止めることができない。担架は急ぎ運ばれていく。
「アスラン…」
呆然と見送るだけのカガリに、いつの間にかラクス、キラが近づき、肩を抱く。
「大丈夫ですわ、きっと。アスランはちゃんと戻ってきてくれましたから」
「さ、行こう、カガリ」
キラとラクスは、崩れ落ちてしまいそうなカガリとメイリンを促し、格納庫を出ていった。
192ノラぬこ:2005/07/29(金) 22:51:58 ID:OVYAZkdR
42.5話 正義と友情と vol.7

ミネルバではシンが帰還してこの方、心ここにあらずといった様子で一言も喋らず、ろくに食事も取らないまま、
薄暗い自室でベッドに座っていた。
心配したレイが大丈夫か、と声を掛けるとシンはかすかに頷いた。そっとしておいた方がいいと判断し、レイは食堂へ戻った。
程なくシンはゆらりと立ち上がり、ルナマリアの部屋へ向かった。
「ルナ、入っていい?」
ドアを開けたルナマリアは精気のないシンの顔に驚き、部屋に入れた。
「どうしたの…シン」
「うん…」
ルナマリアはすっかり片付けられた空きベッドに、シンと並んで座った。
「俺は…亡霊を…見た…」
「…えっ?」
「あの敵の赤いMS…新型の。…アスランだった…」
「なっ…」
何を言っているんだろう、シンは。昨夜も悪夢にうなされてたってレイが言ってたけど。
「俺に近づいて来て、無線に割り込んできた…話しかけて来やがった。
俺は確かにっ! 撃墜してっ…爆発したんだ。お、終わったはず…なのにっ!」
こぶしを握り涙を流し始めたシンを見て、ルナマリアも心臓の鼓動が高まるのを感じた。でも…
「アスランだなんて…そんな…」
「俺にやられたくせに、攻撃してこないんだよ! あいつ…怪我…してた…のに」
ルナマリアはシンの肩をぎゅっと抱いた。背中が小刻みに震えていた。ルナマリアの手も震える。
死んでしまったと思ったからこそ…苦しみを押し殺して、しまい込んで、ぐっと耐えてきたのに。
ここは戦場で、私は軍人だから。でも何なの、どういうことなの今さら…? アスラン!
シンは絞り出すように続けた。
「メイリンも…生きてるって…言ってた…」
「そう…。よ…かった…」
「でもあいつは…敵だっ。俺は、次こそはあいつを、絶対墜としてやるっっ。アスハのやつと…フリーダムもっ!」
「シン…」
「ロゴスに協力するヤツは、俺が許さないっ…」
ルナマリアはシンの声を聞きながら、ぐるぐると考えていた。
メイリンが生きている。嬉しいには違いないのだが、死ななかったのなら、せめてどこかに隠れていてくれればよかったのに。
敵として戦場にいるのなら、自分が銃を向けることもあるし、逆もある。
どうしてこんなことになっちゃったの…

fin
193ノラぬこ:2005/07/29(金) 22:52:43 ID:OVYAZkdR
1つ増えちゃいましたが、おしまいです。
連投すまそ。
194通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 23:27:47 ID:???
>>161
大学院俺は経済博士号を取った。すばらしいことだ。なにせ大西洋連邦一の名門大学の
博士号だ、箔がつく。しかも俺はかのアズラエル家の跡取り、このままいけば俺はこの国の
経済界の帝王になれるってわけだ。だが俺は不機嫌だった。こんなにおもしろくないことはなっかた。
卒業生総代は俺じゃなかった。卒業生総代になれなっかたのはお前が首席になれなっかたからだだろう、
自業自得だ.そう、俺は次席だった。首席は俺の弟君だった。俺と十六も年下の、十二歳の弟に俺は負けた。
まったくすばらしい冗談だ。
 卒業式、あいつは俺のほうを全く見なかった。あいつがおれをどう思っているか知っている。あいつにとって俺は
愚者だ。俺が二十六年かけてやったことをあいつはおれがかっかた半分以下でやった。ピアノも、勉強もあいつのほうが
修得が速く、おれより勝っていた。あいつはコーディネータだ。そんなこと調べないでもわかる。
 家に帰った時、おやじからなにおいわれるかはだいたい予想がついていた。おやじは俺に言った、
「ブルーノ、私は家督をパトリックに継がせようと思っている」
理由は簡単だ、首席卒業した弟を差し置いて次席の兄に家督をつがせることは外聞が悪いからだ。俺はわかりました、そう言うしかなかった。俺は
いままでいい息子を演じていたから。
 俺は廊下であいつとぶつかった。わざとじゃない。はっきり言って、俺はあいつとはもう関わりたくなっかた。ぶつかった直後、あいつは言った。
「謝罪をしろこの糞虫が」
「なに」
あいつはなお淡々と言った。
「家督は私の方にある。だったらお前は私にとって使用人と同じだ。喜ぶがいい、糞虫貴様は
私の下で働くことになれるのだから。」
俺はあいつをなぐろうとした。しかし、あいつは俺のパンチをよけ、逆に俺に膝蹴した.
[おろかだな、糞虫私に勝てると思ったか」
「貴様・・・・・」
あいつは俺をふたたびなぐった。
「私の名はパトリックだ。私を産み、この力を与えた母がつけた名だ。」
そしてあいつは去っていった。
 面白い、面白いじゃないか。この私を殴った弟よ。お礼に貴様を殺してやる。貴様の父親も殺してやる。そして
お前の母親をお前の前で犯してやる。俺はこの時、完全に狂った。
195通常の名無しさんの3倍:2005/07/30(土) 01:23:29 ID:???
ここって結構残酷なスレだよね
196通常の名無しさんの3倍:2005/07/30(土) 08:31:33 ID:1bdrrip4
>>ノラぬこさん
とても面白かったですヽ(´ー`)ノ
原作もこんな展開ならいいんですが。・゚・(ノД`)・゚・。
197通常の名無しさんの3倍:2005/07/30(土) 11:11:37 ID:???
ノラぬこ氏
スゲー面白かったです!
どのキャラも皆魅力的だ…。
やっぱ見せ場を作るのに、他者を落とすしかやり方がない本編は変だよ。
とにかく乙。
198通常の名無しさんの3倍:2005/07/30(土) 11:15:34 ID:???
>>195
何を今更。
俺は既にどっぷりとハマっているぞ。
199通常の名無しさんの3倍:2005/07/30(土) 14:20:12 ID:???
>>194
ナチュとコーディの争いの縮図を表現をしている感じだな。
期待してます
200通常の名無しさんの3倍:2005/07/30(土) 15:13:24 ID:???
>>194
パトが30代前半のエネルギッシュなやり手になって、ムル太が40台半ばの渋い壮年になるわけで砂。
核にまつわる電波発言もよく似た境遇のクルーゼに共感して、
『人類全部氏んじゃえ思想』に取り付かれてるせいだとか……
201通常の名無しさんの3倍:2005/07/31(日) 00:27:38 ID:???
>>194
 俺は俺の愛しい弟をぶっ殺してくれる連中を探していた。我が弟は大西洋連邦最大の門閥と言われる
アズラエル家の次期御当主様だ。おそらく、アル・カポネでも弟君にはひざまつくだろう。まあ幸いなことは偉大
な我が父君様が俺の殺意に気づいていないことだ。いままでいい息子を演じ続けていた甲斐があったってことだ。だがこちらに
分が悪いことには変わりない。弟君を殺してくれる、そんな奴は狂人だけだ.狂人だったらあいつらしかいないそう思った。
 俺はニューヨークで最も貧しいと呼ばれる地区に行った。そこに連中、ブルーコスモスの本拠地があった。ブルーコスモスは当時まだ弱小
のカルト集団でしかなっかた。薬を飲みながら、青き正常なる世界のために、と叫ぶ連中はおもしろい冗談でしかなっかた。だが軍人くずれも結構いるから
束になってかかればあいつぐらい殺せるだろう、俺はそう思った。
 俺は連中が本拠地にしている部屋に入っていた。連中は俺が入ったことには全く気づいておらず、テーブルを叩きながらなにかを喚いていた。だが一人壁によりっそて倒れているやつがいた。
「トム・・・・・・・・」
そいつは俺の小学生のころの友人だった。俺はいそいでトムの近くへ行った。
「ブルーノか・・・・」
トムは小声で言った。
「お前どうしてこんな」
 トムと俺は同じ小学校に通っていた。世間のことを知るために、そんな理由で俺は公立学校に通っていた。
トムはリトルチームのキャプテンを務めていた。俺はあいつが野球をする姿を見るのが好きだった。あいつの野球をする姿
がとても直向だったからだ。俺はピアノのも勉強も親にいやいややらされていたからトムのそういう所をうらやましく思っていたのかも知れない。
小学校で友人といえばあいつぐらいだった。小学校を卒業した後、トムは野球の名門と呼ばれる私立の
中学に入り、俺は全寮制の中学に入った。
 あいつは俺に話した。コーディの新入生が多量に入学し、ナチュラルの生徒のほとんどが退学処分になったことを。
「連中は、僕の、僕の、大切なものを奪った。野球も、あいつらのせいでできなくなった。ここに居る人はみんなそうだ。連中に、
連中に、奪われたんだなにもかも、はははははははははははははははははっははは」
 そういってトムは死んだ。
俺は大声でいった。
「貴様ら、連中に復讐しよう。俺達はあいつらに多くのものを奪われた。だからあいつらからもっと
多くのものを奪おうじゃないか。殺せ、殺せ、殺せ。」

202通常の名無しさんの3倍:2005/07/31(日) 19:37:52 ID:BHMyjuvD
上げます。
203通常の名無しさんの3倍:2005/07/31(日) 21:53:16 ID:???
なんか電波なネタが全く無いと
今度はスレが止まるな。
204道化の退場 1/5:2005/08/01(月) 02:42:57 ID:???
 僕はプラントへの返答を終え、舞台から降りた。撮影班も撤収を始める。
 どうしようもない茶番だが、手順を飛ばすわけにはいかない。プラントがこちらに
証拠を突き付けてくるまでの、時間稼ぎにでもなればいい。事実としてジブリールは
この国にいるが、証拠も出さずに引き渡し要求されて、独立国家が従えるはずもない。
 苦しい言い逃れは開戦時のプラントでもやっていた事だ。テロリストは全員死亡
などという回答が受け入れられるとは、ギルバート・デュランダル議長自身も思って
いなかったはずだ。
 今回の放送も意図は同じ。戦端を開きたくない意思をプラントに示すため必要な
猿芝居にすぎない。

 会議に戻る途中で、執務室で背を丸めて汗をふく父が目に入った。ずいぶんと髪が
薄くなったなと思う。むしろ残っている部分を数えるのが早い。
 対面には僕と似て紫髪を持つ男。渦中の男は何を根拠にしてか、余裕ある態度で
言葉も発さずに父を威圧している。
 苦しそうな様子でうつむく父をどう思っているのやら、男は尊大な態度で珈琲を
飲み干した。
 いくつかの容疑で世界から追われている自覚があるのかどうか。確かに証言や証拠も
ある程度は示されているが、プラント側からの一方的なロゴス糾弾や証拠の提示を
信用できるはずもない。それにしても人体への遺伝子操作で生まれたコーディネイター
達が人体実験を批判する立場に回るとは皮肉な話だね。
 ロード・ジブリールはあくまで同盟国からの逃亡者であり、財閥の長。いくつかの
条約違反の容疑を指摘されているが、簡単に敵対国家であるプラントに引き渡せる
はずもない。最善はマスドライバーを使ってでも出ていってもらう事だけどね。
 父の様子からすると、何らかの力を背景にした恫喝をされているのかもしれないが、
僕の知りえるところではない。僕はしょせん逃げ出したカガリの代理であり、宰相で
ある父の補佐だ。権力を振るう余地なんてありはしないのさ。
 カガリがここにいれば別の方策もあっただろうが、現状では全てが父の動きに
かかっている。だが僕は周囲に不安なようすを見せられやしない。一応、現状では
指導者代行だからね。
205道化の退場 2/5:2005/08/01(月) 02:45:14 ID:???
 そもそも、きちんとした講和もせずにザフトに合流した連合軍に従うわけには
いかないのさ。
 あくまで軍は政府の下にあるべき存在だ。月の連合軍は対プラント戦を続けている。
プラントの陰謀論に惑わされでもしない限り、地球連合は彼等を見捨てる事はない
はずだし、見捨ててはならない。
 同じように、地球連合と同盟している僕達も彼等を見捨てたくはない。
 僕は日和見主義者を自認しているが、さすがに現状で地球連合も、その下で戦う
兵達も裏切られない。

 だが僕が議会に戻ろうとしていた時、回答も無しにザフトが戦闘行動を起こした
との情報が入った。
 デュランダル議長は、開戦時とは何かが変わっていた。たったあれだけの交渉しか
していない状況で軍を動かし、内部から有力な反対意見を出させないとはね。
 たった一度の回答で交渉を打ち切るなんて、普通じゃありえない。戦わずに交渉で
矛を収められるのなら、労力的にも政治的にも最善なのに。
 すでに飛行型のMSが領空侵犯し、首都にまで達している。
 ウズミにならって報道管制をしておいたのが裏目に出て、国民への避難指示が
遅れてしまった。
 そして僕は、軍が指揮を待っていると聞かされた。僕は形ばかりの指揮官だが、
行かないわけにはいかない。家に残っている母は気がかりだったが、無事に逃げて
くれるよう祈るしかなかった。
206道化の退場 3/5:2005/08/01(月) 02:46:35 ID:???
 指揮所についた時、僕は信じられない光景をまのあたりにした。
 ザフト軍が国境深く侵入しているのに、行動を起こさない軍人達。いったい何を
考えているのか。サボタージュする余裕がどこにある。隅のモニターに、アストレイが、
ムラサメが、ザフトのMSに撃墜されている姿が映っている。
 あれはおまえ達の部下ではないのか。
 怒りよりも当惑が先に立った。
 おまえ達はなぜザフトの侵攻を報告しなかった。僕をにらむ余裕があるなら手を動かせ。
 政治家が指示しないとまともに動こうとしない軍。非民主的な政治体制を残す首長国、
オーブの悪癖だ。文民統制という言葉を正しく理解している者が、この国にはどれだけ
いるのだろうか。
 だがサボタージュを叱責をする事さえできない。オーブ軍はアスハ家を奉じている。
カガリは軍人に人気があるし、何よりフリーダムやアークエンジェルに援助したように
私財を軍事費に投じて惜しまなかった。
 オーブ復興ばかりに力を注ぎ、地球連合へ下りすらした嫌われ者のセイランとしては、
せいぜい命令をくだすしかできない。それも恫喝まがいの命令だ。戦闘が収束すれば軍に
責任を取ってもらうよ、僕がつくまで動こうともせず、戦線を確保できなかった分はね、と。
 まあ、戦線の構築は制服組の業務といっても、士気が下がるから本来ここで責任を
追求するべきじゃないけどね。
 彼等に国を守る自覚とやる気があれば、僕も言いたくは無かったよ。

 そして僕がやる気のない指令部を叱咤し、戦線の構築を急がせている時、カガリから
通信が入った。
 カガリは見た事もない金色の兵器に乗り、ムラサメを引き連れていた。
 他の人ならば今ごろ何をしにきたと呆れたかもしれないが、僕は女神だと思った、本当に。
 近くにアークエンジェルの姿が無い事が何よりも嬉しかった。ムラサメ隊がテロリストに
同調するかに見せて、誘拐されたカガリを救出したと、対外的に説明できる状況だからね。
 それにオーブ軍に合流し、ザフトと戦ってくれる素振りを見せていた。
 僕は喜んでカガリが本物と認められたよ。
207道化の退場 4/5:2005/08/01(月) 02:48:29 ID:???
 だが僕は愚かだった。自覚していたより、ずっとね。
 現議会が軍から嫌われている事は知っていたが、道理を無視するほどとは思ってなかった。
 僕を拘束したところで、父や議会はともかくジブリールが素直に表舞台へ出るわけもない。
むしろ僕を拘束してしまえば、父の真意を知る手段を一つ失いかねないんだけどね。
 まあ、みじめな言い訳だが。
 人が苦しい状況にある時、実際の敵よりも上層部を強く憎む。トダカの件でよく知っていた
はずなのに、僕は経験を活かせなかった。
 経験を活かせない政治家に存在意義は無い。

 僕と違い、カガリは少しばかりであっても成長を遂げたと思う。
 もともと撃沈されているという情報もあるが、アークエンジェルやフリーダムの
力を借りずにここへ来た。
 つまりオーブ軍として対外的に認められる部隊のみで向かってきたんだからね。
 対ザフト戦で散ったムラサメのパイロットの言葉もきっと無駄ではなかった
のだと思うよ。
208道化の退場 5/5:2005/08/01(月) 02:49:49 ID:???
 連行されている間に色々と考え、一つ気づいた事があった。
 カガリがなぜ外交の場においても敬語を使わないのか。どうしてその態度をウズミは
許容したのか。
 庶民は高貴な身分を敬い、王族に対しては尊大な態度を求める。しかし軍人は世俗的な
為政者を好み、言葉づかいの悪い王女に親しみをおぼえる。
 意図してかどうかはさておき、カガリは軍人の姫なのだ。
 オーブは、長らく他国の干渉を避けるだけの防衛能力を持ち、世界を二分する勢力から
協力を求められる軍事技術。ただ一機で戦闘の帰趨を左右できるだけの兵器も隠し続けた。
 マイハニー、君は自覚していないかもしれないが、ここは平和の国などではない。
 鉄と血で統べられた国なんだよ。
 だから君は間違いなく、オーブの姫だ。
 その手を血で染め、理念の影に戦好きの本能を隠すといい。
 それはまさに、プラントと交渉する努力を見せるより先に、自ら前線で戦闘を続ける者の
ありかただ。
 ただせめて、国を玩具にしないでほしい。ほんの少しでいいから、国民の安定した生活を
視野に入れておいてほしい。
 それができたならば、きっと世界の全てさえも君をオーブの女帝と認めるだろう。

 これから僕は舞台から降りる。もう会う事もないだろう。
 大好きだったよ。カガリ。
209通常の名無しさんの3倍:2005/08/01(月) 02:51:00 ID:???
>204-208
乙。 初登場時のユウナがそのまま40話に登場していてくれたら、きっとこれくらいのことは言ってくれてたでしょう……
210通常の名無しさんの3倍:2005/08/01(月) 10:25:27 ID:???
>>204-208
乙です
これがキャラを活かすってことか
211キラ・ヤマト ◆AgIHV9FHd6 :2005/08/01(月) 12:26:44 ID:/Ei7q59/
俺のオリジナル小説書いてもいい?
一応ガンダム出てるけど一人もSEEDのキャラいないから
どうしようか迷ってる
212通常の名無しさんの3倍:2005/08/01(月) 12:28:16 ID:???
>>211 迷惑
213キラ・ヤマト ◆AgIHV9FHd6 :2005/08/01(月) 12:29:59 ID:/Ei7q59/
>>212
うるせーな
しょうがないから自分でスレ立てる
ケチ
214通常の名無しさんの3倍:2005/08/01(月) 12:30:28 ID:???
>>211
書くな氏ね
お前はもうここには来るな
215通常の名無しさんの3倍:2005/08/01(月) 12:31:57 ID:???
二つほどあぼんが出てるけど何かきた?
216通常の名無しさんの3倍:2005/08/01(月) 12:31:57 ID:???
>>213 お前みたいなのがSEEDファンだとSEEDが穢れる、死ね
217通常の名無しさんの3倍:2005/08/01(月) 12:32:13 ID:???
>>213
普段から疎まれるような事をしてるからね。
218通常の名無しさんの3倍:2005/08/01(月) 12:32:59 ID:???
>>215
ゴキブリが飛んできたみたいよ
219通常の名無しさんの3倍:2005/08/01(月) 12:38:18 ID:???
ゴキラ氏ね、もう新シャア板にもくるな
220通常の名無しさんの3倍:2005/08/01(月) 12:40:23 ID:???
みんながいじめすぎてゴキラ逃げちゃったじゃないか
221通常の名無しさんの3倍:2005/08/01(月) 12:45:22 ID:???
あいつがいると荒れるんだもん
222通常の名無しさんの3倍:2005/08/01(月) 12:49:24 ID:???
17 名前: キラ・ヤマト ◆AgIHV9FHd6 投稿日: 2005/08/01(月) 12:45:22 ID:/Ei7q59/
誰かアンチ立ち入り禁止でSSスレ立ててくれない?
凄い小説思いついた
223通常の名無しさんの3倍:2005/08/01(月) 16:16:34 ID:???
>>213
スレ立てずに個人のHP作って日記とか二次創作とか好きにやればいいと思うんだが。
224通常の名無しさんの3倍:2005/08/01(月) 19:13:46 ID:???
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1122868251/
一応ここがゴキラSSの場所。
アイディアの参考にはなるかも。かなり奇抜で。
あと文章の悪い例にもなる。
225通常の名無しさんの3倍:2005/08/01(月) 19:58:15 ID:???
>>224
 そのキラってコテハン痛いな。あそのスレの回転早すぎ。




 某SSスレの天使の輪みたいだな
226通常の名無しさんの3倍:2005/08/01(月) 20:15:18 ID:???
>>225
奴はホントイタい。アイツのことを友人に教えたら大爆笑してたw
227通常の名無しさんの3倍:2005/08/01(月) 20:16:29 ID:???
 ところで、ロボゲー板のスパロボ図鑑に奴のことを書いた奴は正直に名乗り出なさい
228通常の名無しさんの3倍:2005/08/01(月) 22:29:54 ID:???
>>227
どれ?詳しく
229チラシの裏:2005/08/01(月) 22:33:21 ID:???
>>204-208
すげぇ!
これがSSの力ってもんなのか!(違

名前が女みたいな、FFのヒロインみたいな名前なのに、大人の臭いを感じるぞユウナ!!
漏れはそんなお前の元で働きたい!
お前の良き理解者となり、3レス目の下から四行目の時、
即座にマスコミに「カガリ姫、AAより救出成功」の放送するよう手配し、
軍政局に掛け合い、姫救出特務ムラサメ隊の隊員達に二階級特進と名誉勲章授与の手配をしたい!
そして拘束され、左遷され、政財界から追放され、今日の飯代を得るためにジャンク屋に成り下がって、
戦争が終わっても厳しい生活は変わらず、戦死者遺族から石を投げられても、
仕事が終った夜、安酒を交わしながら
ユウナ「僕はこれでよかったと思うけど、突き合せちゃった君はどう思う?」
漏れ「イイじゃねーの? 本来想定していた戦死者の78%で済んでいたんだから上々! それに、俺たち五体満足で生きてるし」
ユウナ「そうだな。うん、そうだよな」
漏れ「なんだよ、また姫さんのこと思っていたのか?」
ユウナ「いや〜我が青春の想い出というものはまるでワインのごとく。時が経てば経つほど熟成されて味わい深くなるもんだ」
漏れ「じゃあこの安酒も寝かせりゃ旨くなるか?」
ユウナ「ならんならん。消費期限過ぎて腐るだけって」
漏れ「じゃあ今夜中に全部飲んじまおう。この安酒の価値は其処にある。そうだ、安酒は安酒の価値で充分。今日一日の仕事の疲れを癒してくれる」
ユウナ「まだかまだか我慢するより気軽に癒してくれる安酒。エクス・ヴォトやレ・カズティエには絶対に出来ない方法だな」
漏れ「そういうこった。俺たちは立派に安酒の役割を果たした」
ユウナ「で、その間に熟成されたワインは立派な美酒になり、国民を大いに満足させていると」
漏れ「俺はこの安酒で充分。気楽に飲めて良い」
ユウナ「僕もだ。さあ飲もう。飲みつくそう」
漏れ「では再び乾杯と行こうか」
ユウナ&漏れ「「オーブ国民に幸あれ! 乾杯!」」
230通常の名無しさんの3倍:2005/08/01(月) 23:35:53 ID:???
>>204-208
すげぇ、ちょと書き加える、視点を変えるだけで
ここまでかっこよくなるかユウナ(w
231通常の名無しさんの3倍:2005/08/02(火) 00:18:52 ID:???
>204-208
この位の演出する余裕が本編には無いのか・・・

まあ製作陣が恨み辛みを作品に投影してたり、やっつけや本当に余裕なし状態ならあんな感じになるのかも知れんが。
自分達の創ったキャラクターに対する愛情ってのが無いのかな・・・
232汚れ:2005/08/02(火) 02:16:38 ID:???
>>204-208に感動したので駄文を
>>208の後
「相変わらず・・・」なにもない空間からその澄んだ声は聞こえた。
「相変わらず、アスハの尻拭いばかりしているのかセイラン(お前ら)は」
その声はユウナにのみ聞こえている。
「そういうなよ、僕たちにはこれが精一杯なのさ、無能で、日和見主義な僕たちにはね」
ユウナは苦笑いをしながら返した。
「無能か、よくいう。獅子とて四肢がなくば歩くことも出来まい。そういうことだ。それに・・・」
澄んだ声は続ける
「分かっている人もいるさ。」
「で・・・僕をどうする気だい?」
すこしもったいぶった後
「面白いところにつれてってやるよ」

>>229のジャンク屋ところに行くと。
オーブ・ジャンク屋・族長ときてあのお方を出さないわけにはいかないでしょうw
233小ネタ集 1:2005/08/02(火) 18:09:46 ID:???
 1 お兄ちゃん
「いいか、地球にいる悪い人達をたをすんだぞ。」
「うん、お兄ちゃん。」

「うーえん。お兄ちゃん。黒い大きいロボットが迫ってくるよ。」
「泣くな、泣くなお前ならできるぞ」

「やった、悪い人達をやっつけたよ。お兄ちゃん」
「よしよし、よくやったな。」
 
 ギル「どうかね、レイ、弟ができて気持ちは」
 レイ「ギル・・・・、少し疲れました。」
 ギル「仕方ないだろう。シンはフリーダムを倒して精神崩壊した後、レイをお兄ちゃんだと錯覚しているからな」
 レイ「こんな状態になってもシンを使うのは、なんでなんですか。」
 ギル「人手不足だからだ。それとも妹ならよかったのかね」
 レイ「私は、そんな変人ではありません。」
234小ネタ集 2:2005/08/02(火) 18:19:03 ID:???
 未来版忠臣蔵
 江戸城
 浅野シン「ステラの敵だ、死ね」
 シン、刀を振り上げる
 キラ上野介「わ・・」
キラよける。トリー、切られる・
 キラ上野介「よくも、よくも僕のトリーを、(種割)」
そのご二人はジャスティスとストフリに乗って乱闘さわぎを起こした。江戸の城下壊滅。将軍ギルバード
は日記こう書き残している
「認めたくないものだな、若さゆえの過ちというものを(意味不明)」
その後二人は仲良く切腹しました。なでたし。までたし
 キラよける。
235小ネタ集 2:2005/08/02(火) 18:20:17 ID:???
未来版忠臣蔵
 江戸城
 浅野シン「ステラの敵だ、死ね」
 シン、刀を振り上げる
 キラ上野介「わ・・」
キラよける。トリー、切られる・
 キラ上野介「よくも、よくも僕のトリーを、(種割)」
そのご二人はジャスティスとストフリに乗って乱闘さわぎを起こした。江戸の城下壊滅。将軍ギルバード
は日記こう書き残している
「認めたくないものだな、若さゆえの過ちというものを(意味不明)」
その後二人は仲良く切腹しました。めでたし。めでたし。
236小ネタ集 2:2005/08/02(火) 23:07:56 ID:???
 若さゆえの。
 地球連邦軍所属、アスラン中尉、ホワイトベースに配属。
凸「地球連邦軍のアスラン中尉です。弱年者ですがよろしくおねがいします、艦長。」
ブライト「私は君と同年齢だが。」
凸「・・・・・・・・・」
ブライト「いいんだ。なれている。」
 種死のアスランと、ファーストのブライトさんは同年齢であった。
237小ネタ集 3:2005/08/02(火) 23:13:25 ID:???
 若さゆえの 2
ハ「今日からホワイトベースに配属される、ハイネ中尉だ。よろしく」
ブ「よろしく。少し素行に問題あると聞いたが」
ハ「はは、あんまり若者をいじめないでくださいよ、艦長」
ブ「すまん。私は君より年下だ。」
ハ「・・・・・・・・・・すいません。」
ブ「えええい。まったくどいつもこいつも」
238小ネタ集 4:2005/08/02(火) 23:16:48 ID:???
 グフ
ハイネ「僕が一番グフを上手く使えるんだ」
ラル「1話で沈んだ貴様が何を言う」
239未熟な名無し:2005/08/02(火) 23:35:46 ID:???
どこの軍隊でも、まだ軍隊に染まっていない存在である新兵達はある一定期間集中的な訓練を受け、軍社会に適応させられる。
ここ、プラントでもザフト軍の軍人としての教育を専門に行う訓練機関が存在する。コーディネーターでも専門教育を受けなければ自分の能力を
発揮することなどできはしない。ましてや、モビルスーツパイロットともなれば2年にも
及ぶ専門教育を受ける必要があった。

「ヒロト!」
赤いショートカットにはねた前髪、極端に短いミニスカートが印象的な少女が
目の前のテーブルで食事を取っているめがねをかけた黒い髪の少年に声をかけると、
さもうっとうしいと言うような、冷たい響きの声が返ってきた。
「何か用か、ルナマリア」
ルナマリアと呼ばれた少女は頬を膨らませ、目を少し吊り上げ起こった表情をつくりながら言い返した。
「ご挨拶ね!こんなにかわいい女の子が一人さびしく食事してる男子生徒に
救いの手を差し伸べてるんだから、感謝しなさい!」
そう言って、何も言わず少年の前のいすに置いてあったかばんをどかすと
持っていたトレーを大きな音とともに置いた。
―いい加減、少しは心開きなさいよ
ルナマリアは声に出さずに、心の中で一人つぶやいた。
この少年、ヒロト・セガワが、モビルスーツパイロット養成学校に編入して
すでに1年が過ぎていた。中立コロニーからの編入ではあったが、初歩的
な段階はすでにこなしていたため、すぐにトップクラスの成績に躍り出た。
だが、その性格は人嫌いかと思うほどに周りとの関係が希薄だった。
その彼が、周りと特に衝突することなくやってこれたのは、他でもないルナが
その生来の社交性で、ヒロトと周りの架け橋になってやったからでもあった。そんなこともあり、ルナは校内でも
数少ないヒロトの話し相手でもあった。もっとも、ルナの妹のメイリンに言わせれば、ルナが一方的に話している
といったほうが正しいようだったが…。
何も言わずに食事を続けようとしたヒロトに腹が立ったらしく、ルナはヒロトの脚を小突くと、腹立たしく話し始めた。
「ねえ、ケンカ売ってるの?私は一応この学校でも人気あるほうなんだけど」
ケンカ友達というものは、ああ言えばこう言うもので、ヒロトも返した。
「へえ、じゃあ来週のクリスマスパーティーのパートナーは決まってるわけか
物好きが多いな、この学校」
「なっ、何よ!直前で誘ってもお断りだからね!」
いつもどおり、二人の会話はけんか腰になる。しかしこの二人は、(少なくともルナは)それを楽しんでいる気配すらあった。
240小ネタ集 5:2005/08/03(水) 08:29:42 ID:???
キルバートには誇りがあった。これ絶対しなければいけないそう思っていた。たしかに
それは苦しい、だがその苦しさの先に希望がある、そう心の中でつぶやいた。
秘書「髪、切ったらどうですか?」
ギル「これは私の誇りなのだよ」
秘書「寝苦しくくぁりませんか」
ギル「そんなことはない」
 ギルは髪の暑苦しさで寝不足だった。目に熊が。
241小ネタ集 6:2005/08/03(水) 08:32:52 ID:???
 石田影
カヲル「君は僕と同じだね」
アスラン「声がね」
カヲル「性的趣味もね」
アスラン「お前のせいで俺のキャラが誤解されているんだぞ」
242小ネタ集 6:2005/08/03(水) 08:37:17 ID:???
 鈴村健一
「おーい、ねずみ」
シン「いえ、違うって」
「いや、ねずみだろう」
シン「だから違うっていっているだろう」
 鈴村健一で検索しろそうすれば真実が分かる。
243通常の名無しさんの3倍:2005/08/03(水) 11:06:37 ID:???
小ネタ集つまらなすぎ
全部すべってる
244通常の名無しさんの3倍:2005/08/03(水) 11:37:10 ID:???
(´・ω・)…。だね
245通常の名無しさんの3倍:2005/08/03(水) 12:04:13 ID:???
>>234の最後になぜか「キラよける。」と入ってるところだけは唯一ワロタw
246通常の名無しさんの3倍:2005/08/03(水) 14:19:29 ID:???



247通常の名無しさんの3倍:2005/08/03(水) 14:21:11 ID:???


248通常の名無しさんの3倍:2005/08/03(水) 16:58:15 ID:???
このスレに核の冬が来たようだ
249通常の名無しさんの3倍:2005/08/03(水) 17:30:52 ID:???
>>248
奴が居ないからか…
250通常の名無しさんの3倍:2005/08/03(水) 17:32:09 ID:???
テラサラス
251通常の名無しさんの3倍:2005/08/03(水) 17:54:42 ID:NI9iUF9l
ラクス「キラ。もうお米がありませんわ・・・。」
キラ 「よし!!今から僕が栽培するよ。」

ラクス「電気が止められてしまいましたわ・・・。」
キラ 「大丈夫。近くの街灯から引っ張ってきたから。」

ラクス「ガスも止められて・・・」
キラ 「Nジャマーキャンセラーの設計図は頭に入ってるから原子力発電で行こう。」

ラクス「あの・・・・」
キラ 「困った事があったら何でも言ってね。」
ラクス「(働いてほしいとストレートに言えない自分が情けないですわ。)」
252通常の名無しさんの3倍:2005/08/03(水) 19:42:21 ID:???
看板:「劇団影絵少女, "綺薇物語"」
影絵少女C:号外!号外!号外!号外!.......ついに、ついに、ついに始まってしまった!封印された光、悲しみの王子、いまだ語られざる、それは綺薇物語.....気をつけなされ、気をつけなされ、今も世界のどこかにいるから、どうかあなたも気をつけなされ。
影絵少女A:かしらかしら、
影絵少女B:ご存じかしら?
影絵少女C:それはまだ、世界中の女の子が、お姫様だった頃のお話です。その頃、世界はまだ、完全な闇には包まれていませんでした。なぜなら、綺薇の王子様がいたから......(MS)ズゴゴゴゴーン!.....(少女)助けて、コーディネーターが襲ってくるわ!
影絵少女B:パカラン、パカラン、パカラン...ザフトめ、僕が退治してやる、パリーン!(種割れ)
影絵少女C:(ザフト)ぐわあ....
影絵少女B:大丈夫ですか、お姫様
影絵少女C:(少女)ありがとう、薔薇の王子様.....では、お約束のチューを!(ユウナ)ガオガオガオー!....(少女)助けてくれ、好きでもない人と結婚させられそうなんだ!
影絵少女B:パカラン、パカラン、パカラン....大丈夫、僕が花嫁泥棒しにきました。
影絵少女C:(ユウナ)ぐわあ....(少女)ありがとう、薔薇の王子様。.......では、お約束のチューを!....そう、世界中の女の子はお姫様でした。私たちは、いつも綺薇の王子様に守られていたから。世界は光に満ち輝いていたの。けれど....
影絵少女A:(老女)......もしもし、綺薇の王子様。
影絵少女B:(王子)どうしました、おばあさん。
影絵少女A:この世に、災いが降りかかろうとしています....この世界の光を盗み、大地を闇で覆い尽くそうとたくらむ者がいます。
影絵少女B:何者ですか、それは?
影絵少女A:魔女です。
影絵少女B:魔女?
影絵少女A:そう。あなたもご存じでしょ、空に浮かぶあの城を。あれが魔女の城。あの城に住む魔女が、今、世界の光をすべて盗もうとしているのです。
影絵少女B:世界の光とは、なんです?
影絵少女A:光をご存じないのですか?それは......永遠のもの、輝くもの、自由の力、世界を革命する力。
影絵少女B:ではボクが、その魔女をやっつけて、世界の光を守りましょう。

影絵少女C:こうして、綺薇王子は光を守るため、魔女退治のために城へと向かった。しかし.....
影絵少女A:クックック
影絵少女B:やや、あなたはさっきのおばあさん。
影絵少女A:バカめ、これはおまえをこの城に閉じこめるための罠なのだ。おまえこそが光!
影絵少女B:なぜこんなことをするんだ、魔女よ、お前は何者だ?
影絵少女A:まだ私の正体に気がつかないですの?
影絵少女B:ややや、お前は僕のラクス!
影絵少女A:そうよ綺薇、私よ。綺薇は世界中の女の子を守る王子様。世界中の女の子をお姫様にする、綺薇の王子様。でも、私はあなたの彼女。私以外が、あなたのお姫様のは許せないですのオホホホホ......
影絵少女B:そんなこと言われても......
影絵少女A:だから私は、魔女になりましたの。王子様を一人占めしたい女の子は、魔女になるしかないんですの!
影絵少女C:そして魔女は王子を幽閉し、世界は完全に闇に閉ざされてしまったのです....この闇の世界を魔女(とその奴隷と化した王子)は今も徘徊しています。気高き若者を見つけ、新たな生けにえとすべく....きっと魔女は光となる者が邪魔なのでしょう。
      闇を支配し続けるために....。気をつけなされ、気をつけなされ、今も世界のどこかにいるから。どうかあなたも、気をつけなされ....
253通常の名無しさんの3倍:2005/08/03(水) 19:43:18 ID:???
>251
ラクス。自給自足も立派な労働ですから
とりあえず褒めてあげよう。
そのうち余剰の米や電力を外に売れば立派に自営業ですから。
頑張れ奥さん。
254通常の名無しさんの3倍:2005/08/03(水) 19:44:15 ID:???
ちょっと人のいいラクスタンに少しだけ萌えたw
255小ネタ集 6:2005/08/03(水) 19:53:45 ID:???
キラ「>>243は今泣いてるんだ。(面白なさ過ぎて。)それも君はしかたがないことだって
言うのか」
アスラン「だってレス数が少ないだもの」
256通常の名無しさんの3倍:2005/08/03(水) 20:44:15 ID:NI9iUF9l
キラ 「はい、これ。」
ラクス「まぁ!!こんな大金、どうしたんですの?」
キラ 「ラクス・・・僕のお姉さんは誰だっけ?」
ラクス「えっ?カガリさんですけど・・・!!まさかキラ。」
キラ 「ハッキングはこれでも得意なんだよ。国家予算なんてはした金さ。」

ラクス「(キラ・・・その技術があればホリエモンもビックリですのに・・・。)」
257通常の名無しさんの3倍:2005/08/03(水) 22:40:20 ID:???
ザザーンシン・アスカなんて電波を受け取った、今は妄想している
258通常の名無しさんの3倍:2005/08/03(水) 23:29:30 ID:NI9iUF9l
ラクス「キラ。何をなさっていらっしゃるの?」
キラ 「ラクス?焚き火をしてるんだよ。」
ラクス「まぁ。そうでし・・・た・・・の・・!!」

焚き火の中には「QJ」や「Workin」に代表される求人誌の文字が。
しかもそれは先日、マルキオが掻き集めて来た物である。

ラクス「・・・・・・・・」
キラ 「ラクス?・・・どうしたの?」
ラクス「い・・・いいえ・・・・。」


あぁ・・・これが "NEED DESTINY"
259俺のはつまらないよ('A`):2005/08/03(水) 23:43:24 ID:???
つまらないIF物ですが貼ってもいいでしょうか?
260通常の名無しさんの3倍:2005/08/03(水) 23:45:33 ID:???
>>258
泣いた
261俺のはつまらないよ('A`):2005/08/03(水) 23:55:33 ID:???
レスが無いけど出来上がったら貼ってみるよ。
そんなに長くならないと思うから('A`)
262通常の名無しさんの3倍:2005/08/03(水) 23:58:12 ID:???
>>259
つまらないならイラネ
263通常の名無しさんの3倍:2005/08/04(木) 00:34:15 ID:???
>>258 全米が泣いた
264俺のはつまらないよ('A`):2005/08/04(木) 00:50:30 ID:???
イラネと言われたけど、折角作ったんで投下してみますよ。


ifストーリー
あるM1乗りの最期@

 『た…隊ちょ…』
 通信はそこで切れた。そして爆発音と閃光。
 衝撃が俺の機体を揺さぶり、モニターが一瞬光度を落とす。
 どうやら隣の4番機――昨日配属されたばかりの新米――がやられたらしい。確かまだ俺と同じ10代だった筈だ。
 オーブ軍のパイロット不足は深刻で、少年兵でも適正があればMSのパイロットになれる。
 まして俺のようなコーディネイターなら即採用だ。
 『くそっ!! 命令はまだでないんですか!?』
 他の小隊員…と言っても俺と隊長以外で残ってるのは1人だけ、2番機のタオカ曹長が叫ぶ。彼の年齢も俺と大した変わらない。
 
 俺達はザフト・連合の混成軍を相手に戦闘をしている。だが味方は極めて拙い状態に置かれていた。
 何しろ迎撃命令は未だに出ていないから、事前に用意されていた計画通りに動く事ができないのだ。
 信じられない事に、俺達の背後の市街地では住民の避難すら行われていない。いや、軍の警務隊が何とかしようと必死になっているのが混乱した通信内容からわかる。だが絶対的に時間が足りない。
 どれもこれも、あのセイラン家の馬鹿息子が訳の分からない返答をしたせいだ。
 
 『現在防衛ラインに展開しているMS隊に告ぐ。市民の避難が完了するまで現位置を死守せよ。市民の避難完了後、事前の計画に従い反撃を開始する』
 司令部からの命令が届いた。
 『冗談じゃねぇ! 正面に展開してる敵の数を知ってて言ってるのかよ!?』
 タオカ曹長の叫び。
 『文句言ってる暇があるんなら撃て! 背後には守らなければならないものが居るんだからな!』
 隊長の声。
 俺はそのやり取りを聞きながら、潜んでいた塹壕から愛機のM1を僅かに露出させライフルを構えた。正面に4機のグーンがいる。その背後の空中には連合のウインダムやザフトのMSが雲霞の如く舞っていて、ムラサメ隊と空中戦を演じていた。
 正面のグーンが発砲する。が、塹壕に機体の大半が埋没している俺の機体には当たらない。
 俺はライフルの照準を先頭のグーンに合わせると躊躇うことなくトリガーを引いた。ライフルから放たれた熱と光の塊がグーンを貫く。
 続けて放った3射で残り3機のグーン全てを片付ける。
 水中なら兎も角、陸上で動きの鈍くなったグーン程度ならこんなものだ。まあ、こっちが塹壕に伏せているから出来る芸当だが。
 『気をつけろ、上からも来るぞ!』
 隊長の声がヘルメット内に響く。
 そう言われて上空を見上げようとした時、上空のバビの一団からミサイルが打ち下ろされた。目標は俺達の小隊が潜む塹壕だ。
 『塹壕から出ろ!! 散開! 急げ!!』
 隊長が叫ぶ。
 塹壕は只の穴に過ぎないから(間に合わせで造った物だから仕方が無いが)、上から攻撃されれば回避も出来ずに殺られるだけだ。俺はシールドを構えながら跳び上がり過ぎない程度にスラスターを吹かして塹壕から抜け出した。
 直後にミサイルが着弾。塹壕は舞い上げられた砂塵の中でただのクレーターになった。
265俺のはつまらないよ('A`):2005/08/04(木) 00:51:58 ID:???
ifストーリー
あるM1乗りの最期A


 俺達の小隊を守ってくれていた盾は失われた。
 そこに正面から射撃が加えられる。
 『ぐ…くそ…』
 タオカ曹長の機体に射弾が集中し、曹長のM1が爆散した。
 俺は遮蔽物を探すが、利用できそうなものは全て粉々に砕かれている。敵に適当な射撃を加えながら回避に専念するしかない。
 がしかし、数で圧倒的に勝る敵の攻撃を避け続けるのは不可能だった。
 物凄い衝撃が俺を襲う。
 周囲全てに気を配っていた筈だったが、左側に回りこんできたウインダムのビームにM1の左腕をシールドごと吹き飛ばされたのだ。
 バランスを崩しつつも、何とかそのウインダムにビームライフルを向ける。発砲。
 ウインダムの胴体にビームが突き刺さる。爆発。
 だが今の俺にはそこまで見届ける余裕は無い。周りにいるのは敵のMSばかりだ。味方はどこに行ったんだ。
 そう思いつつ機体を操る。少しでも立ち止まれば直撃を食らう。
 いつの間にか隊長機の姿が無い。
 モニターに表示されるシグナルも、この周辺に居るオーブ軍の機体は俺1機しか居ない事を告げている。
 回避しつつサーチエリアを広げる。
 味方は圧倒的な数で襲い掛かってきた敵に、小隊単位で包囲され各個撃破されているようだ。
 だがそれも仕方が無い。こちらは数が少ない上に守るべき場所が多すぎる。
 それに、俺達には死守命令が出されているのだから。
 その命令が撤回されていないところを見ると住民の避難は未だに完了していないのだろう。
 ならば俺達に出来る事は…彼らの盾になって少しでも時間を稼ぐ事ぐらいしかない。
 右方向からザフトの新型らしい青いMSが来る。俺はそいつに向かってビームライフルを斉射した。
 しかし敵は左手に持ったシールドでその攻撃を凌ぎ切り、右手で巨大な剣を引き抜くと俺に向かって突進してきた。
 もう照準を合わせる余裕もビームサーベルに持ち替える余裕も無い。回避する余裕すら。
 
 (これが最後の光景か。)
 
 そう思った直後、敵のMSがビームの奔流に捉えられ爆発した。
 モニターを確認する。
 俺の左方向から数機のムラサメが接近してくる。そのシグナルが示す所属は…タケミカヅチ…。
 何でこんな所にタケミカヅチの機体が…いや、たしかあの部隊は全滅したはずじゃ…?
 タケミカヅチのムラサメ隊は、俺の周囲に居た敵MSを掃射しながら上空を駆け抜けた。次々と周りの敵MSが撃破されていく。
  その時俺の耳に聞きなれない声が聞こえてきた。
 
 『残存のアストレイ隊は…』
 女の声。
 思った瞬間、金色に輝く派手なMSが俺の視界に入ってきた。
 アレは一体…?
 
266俺のはつまらないよ('A`):2005/08/04(木) 00:53:53 ID:???
ifストーリー
あるM1乗りの最期B

 『国土を守るんだ!』
 金色のMSにビームが命中する。が、そのMSはビームを跳ね返しつつ戦闘を継続している。
 声はどうやらそのMSに乗っている人物のもののようだ。
 『どうか皆、私に力を!』
 
 『カガリ様!!』
 『カガリ様!!』
 俺のヘルメット内に他の連中の声が響く。
 
 (カガリ…?)
 (カガリ・ユラ・アスハ…?)
 
 行方不明だったオーブの戦姫。
 未だに軍では信奉者の多い、ウズミ・ナラ・アスハの娘。
 だが、ウズミ・ナラ・アスハが美化されている理由が俺には理解できない。
 それは俺がオーブ軍に入るきっかけが、あのような出来事だったからかもしれない。
 
 オーブの理念を守る。
 
 それだけの為に、俺は全てを失ったのだから。
 
 
 
 2年前――
 俺はただの民間人だった。
 あらゆる難民を受け入れてくれたオーブは俺のような者でも国民として認めてくれたし、住民も好意的だった。
 連合とプラントの戦争は激しさを増していたが、それも遠い世界の話でしかなかった。
 あの時までは。
 
 『オーブ開放作戦』
 連合のオーブ進行が始まり、俺の住んでいたオノゴロ島も戦場になった。
 何故ならこの島には連合が欲しくて堪らない物、マスドライバー『カグヤ』が存在していたからだ。
 逃げ惑う人達を尻目に、連合の、オーブのMSが戦闘を繰り広げる。
 政府は住民の疎開を開始していたが全ての住民を避難させる事は流石に不可能で、あぶれた者はシェルターに逃げ込むしかなかった。
 しかしシェルターは避難する人数に比べて余りにも少なく、仕方なく郊外に避難する人達も多かった。その中に俺達も居た。
 流れ弾や墜落してきたMSは、隠れる場所の無い俺の家族、友人、仲間たちの命を容赦なく奪っていった。
 そんな中、ウズミを始めとする上層部の連中は『カグヤ』を中心にオノゴロ島を自爆させ、自分達もその爆発の中で消え去ってしまった。
 幸いにして島全てが吹き飛んだわけではなかった為俺は何とか命を取り留めたが、結果として国民を置き去りにし勝手に自爆して責任放棄した奴を俺は尊敬する気になれない。
 だからウズミの娘であるカガリ・ユラ・アスハも、俺は信用していない。
 確かにオーブの理念は良いものだと思う。しかし理念では人を救うことは出来ない。力に対抗するにはやはり力が必要なのだ。
 理念を守ろうとした結果、みんな死んで俺だけが生き残った。
 そして俺はその時、家族の形見を手に心に誓った。
 『今度は俺がみんなを守る。守る為の力を手に入れる』と。
 
267俺のはつまらないよ('A`):2005/08/04(木) 00:55:01 ID:???
ifストーリー
あるM1乗りの最期C

 俺が考え込んでいたのは一瞬でしかなかったと思う。
 だがその間に戦況は大きく動いていた。
 カガリ・ユラ・アスハとその金色のMS、そしてタケミカヅチのムラサメ隊の介入によりオーブ軍が戦線の建て直しに成功しつつあったからだ。
 左腕を失ったとはいえ俺のM1もまだ戦える。
 そう思って機体を動かした瞬間だった。
 金色のMSに命中したビームが弾かれ、あろう事か俺のM1に突き刺さったのだ。
 幸い爆発は無かったものの、動力を失ったM1はもう動こうとはしない。
 俺は悪態をつきながらコクピットハッチを吹き飛ばした。これだけは手動で行えるような構造になっている。早く脱出しないと…今のM1はいい的だ。ここで命を失うわけには行かない。
 それに基地に戻ればパイロット不足で使われていないMSがまだ有る筈だ。
 そしてコクピットの縁に足をかけ乗り出した瞬間、背後からの衝撃で俺は空中に投げ出された。
 腹の辺りに火鉢を突き刺されたような痛みを感じる。
 そのまま俺は地面に叩きつけられた。一瞬だけ視界に上半身を吹き飛ばされたM1が入る。
 地面に横たわったまま恐る恐る自分の身体に視線を移す。
 俺の腹から何かの破片が突き出し、心臓が脈打つ度に血が溢れ出していた。
 
 (ナチュラルなら即死、かな。)
 
 俺はコーディネイターだから、少しだけ生き長らえてるんだろう。
 痛みは感じない。
 辛うじて頭だけは動かせるが身体は動かせそうに無かった。
  
 (俺、死ぬな。)
 
 (結局、何も、守れなかったな。)
  
 薄れ行く意識の中でそれだけを考える。
 遠くの空で金色の鳥に赤い羽根の鳥が飛び掛っていくのが見えた。
 俺にはその赤い羽根の鳥が、金色の鳥に何かを訴えかけているように、俺の思いを代弁しているように、感じた。
 
 見上げるのが辛くなった俺は地面に視線を移す。落下した時にポケットから飛び出したらしい家族の形見が目に入る。
 あの時、たった一つだけ見つけることの出来た形見。
 ピンクの携帯電話。
 
 (ゴメンな、マユ、何も出来なかったよ。)
 


 
 俺の名前はシン・アスカ
 
 俺の為に涙を流す人は、もう、いない
 
268俺のはつまらないよ('A`):2005/08/04(木) 00:59:43 ID:???
以上でございます。
ご覧の通り、シンがザフトで無かったらって話です。

勢いだけで書き上げたら訳判らなくなった('A`)
269R・E:2005/08/04(木) 01:02:15 ID:???
いや、あんたGJ
そういうIFもあるわな・・・

さーてそろそろ俺もぼちぼち続き書くかな
270通常の名無しさんの3倍:2005/08/04(木) 01:08:48 ID:???
>>260>>263
ちょwおまwww
271251:2005/08/04(木) 01:23:17 ID:xwh5rk2L
キラ 「たまには町に出るっていうのもいいもんだね。」
ラクス「ええ。」
キラ 「何か欲しい物はある?買ってあげるよ?」
ラクス「えっ!!でもお金は?」

(※いつぞやの国家予算は、「あっ!!」というまに使い切りました。)

キラ 「心配ないよ。僕に任せて。」
妖しげな端末を手に屋外ATMに向かうキラ。

数分後
キラ 「おまたせ。」
ラクス「キラ!!そのお金は??」
キラ 「昨日、『ターミ●ーター2』を見たんだ。」
ラクス「はい?」
キラ 「試してみたかったんだ。さすがジョ●・コナーは人類の指導者だ。」
ラクス「・・・・・・・・・・・・・・」



あぁ・・・・・・これが終わりなき "NEED DESTINY"
272ノラぬこ:2005/08/04(木) 01:23:51 ID:???
2作目です。
アスランは生身のがつおいので、白兵戦入れてみますた。
投下オケ?
273ノラぬこ:2005/08/04(木) 01:39:52 ID:???
45.5話 ファクトリーの攻防 vol.1

オーブ戦から1ヶ月。ザフト-オーブ間には停戦協定が締結され、オーブは破壊された街と軍事施設の復興を進めていた。
ジブリールの行方は依然として掴めず、カガリ始めオーブの関係者、AAクルーたちも忸怩たる想いであった。
が、まだ戦争は終わったわけではない。今のうちに少しでも戦力を立て直しておく必要がある。
とはいえオーブ軍は停戦中の手前、表立った動きはできない。ここはAAとエターナルに任せるしかない。

AAブリッジではミーティングが開かれていた。ブリッジクルーとアスラン、キラ、ラクス、カガリ、キサカ。
映像回線で月軌道にいるエターナルのバルトフェルド、ダコスタ。
バインダーを手にしたダコスタが口火を切る。
「こちらの調査によると、ザフトは『レクイエム』とかいう…作戦名だか兵器だかは不明ですが、
何か地球軍側のものとして調べているようです」
キサカとカガリが言葉を継ぐ。
「それは私の方でも聞いている。ブルーコスモスの勢力が強い月基地主導で、開発された兵器ではないかと思われる」
「ユウナを尋問したら、ジブリールは『レクイエムを使う』と言って宇宙に上がったらしい」
頷くバルトフェルド。
「そうか。そうなるとやはり次の舞台はこちらだろうなぁ。今ファクトリーは新型MSの調整中なんだが、システムに実戦データを追加したい。
そちらが一段落ついたらキラとアスランを寄越してくれないか。ミーティアのセットアップもあるしな」
バルトフェルドの要請に、マリューが応える。
「分かりました。こちらのMSの整備は終わってますから、2人は早急にそちらへ送り出しますわ」
アスランとキラも顔を見合わせて頷く。先の戦闘で重傷を負ったアスランもようやく全快し、2人はAA搭載MSのシステム調整を手伝っていた。
出撃にはいつでも応じられる。
「そういえばアスラン、ミネルバからさらってきた娘はどうしてる?」
「え、ああ…まあ、AAの皆さんのおかげで、だいぶ元気になりました」
バルトフェルドの唐突な問いに、アスランは少し口ごもる。
「事情はラクスから聞いた。エターナルは今人手不足でなあ、CICを彼女にやってもらえると助かるんだが。
ザフトのやり方にも慣れてるし、どうだ、一緒にこっちに来るってのは」
バルトフェルドのさりげない心遣いがアスランは嬉しかった。
「ありがとうございます。俺からメイリンに聞いておきます」
「こっちはザフト脱走兵の集まりだからな、ご同類ばかりだ。心配するなと伝えておけ」
皆エターナルに行ってしまうのかとちょっと寂しい気もするカガリだが、今はオーブの責任者として国を守らねばならない。
決意の眼差しで一同に告げる。
「私はオーブを離れることはできないが、ブルーコスモスとロゴスの動きは引き続き警戒する。もちろんザフトもだが。
お互い可能な限り、新しい情報が入ったら交換したい」
頼もしい仲間がいる。多くを語らなくても必要な助けが分かる。
前大戦をくぐってきた勇者たちは、それぞれの役目の場所にまた散っていくことになった。
274ノラぬこ:2005/08/04(木) 01:44:49 ID:???
45.5話 ファクトリーの攻防 vol.2

オーブ宇宙港。ザフトを警戒して民用シャトルにストライクフリーダムとインフィニットジャスティスを積み込み、
アスラン、キラ、ラクス、それにメイリンが乗り込む。見送るカガリとキサカ。
「アスラン、私はしばらく上がれないが…気をつけて」
カガリが硬い表情で言うと、それをほぐすようにアスランが微笑み返す。
「ああ、君もな。キサカさん、カガリを頼みます」
「悪い虫が付かないように、私がちゃんと見守っている」
「な、なんだそれは…。私は、そんな…」
この正直なところが可愛いところなんだよな、とアスランはちょっと嬉しくなる。
「心配してないよ、カガリ。これからが大変なところだが、大丈夫、君ならやれる」
アスランはカガリをぎゅっと抱きしめた。
「早く戦争を終わらせて、平和に暮らせる世界を作ろう」
「うん」

ミネルバ、艦長室にレイとシンが入ってくる。
フェイスになってから独自に作戦を立案し行動することが多くなったレイが、議長からの要請もあってと、また一つ作戦案を持ってきたのだ。
几帳面な性格からその内容は細かく練られ、信頼できるものではあるが、アスランのように艦を束ねる立場としてのタリアの意向を慮ることは少ない。
まるで議長直属ね、とタリアは感じていた。
「先般、メンデルを警戒していた部隊と交戦したエターナルの行方が掴めました。
本来ならばミネルバで攻めるのが正道ですが、敵はナスカ級3隻を一瞬のうちに戦闘不能にした艦です。
ここは内側から攻めるのも一計かと思いまして」
「どうするつもりなの」
「我々パイロット3名が、偵察部隊と共に侵入します。エターナルのデータは残っていますので勝手は分かりますし、
敵も今は油断していると思います。MSを奪取または破壊し、戦力を奪うことは充分可能かと」
「分かったわ。そこまで考えているのなら私の口を挟む余地はありません。くれぐれも気をつけて」
「はっ」
敬礼して出て行くレイとシンを見送り、タリアはため息をついた。アスランの撃墜命令といい、オーブへの攻撃といい、唐突な展開が多すぎる。
最前線にいるのに自分は蚊帳の外だ。デュランダルに問い質したところでまともな回答がされないのは目に見えているし。
タリアは再び深いため息をついた。

ファクトリーに到着したアスランとキラは、エターナルのブリッジへ入った。
「おおー来たなキラ。久しぶりだなぁアスラン。ザフトのメシは旨かったか?」
「いや、それは…あの…」
「バルトフェルドさん、それは言いっこなしですよ。新型機も僕が墜としちゃいましたし」
「はっはっは、まあ負けの経験も経験のうちだ、なっ、アスラン」
「は、はあ…」
「俺もキラに墜とされた後、操縦の腕が上がったしな。片手片足でMSを操れるようになった」
「な…」
バルトフェルドに痛いギャグを飛ばされて、アスランとキラは微妙に凍り付いた。
「まーあ、そんなところで本題だ。新型MSは新しいOSを積んでる。ハード面の運用は充分なんだが、いかんせん頭が空っぽだ。
お前たちの実戦データを加えてシステムの再構築をしてほしい。早速かかってくれ」
「分かりました」
275ノラぬこ:2005/08/04(木) 01:49:48 ID:???
45.5話 ファクトリーの攻防 vol.3

レイ、シン、ルナマリアの3人は、偵察部隊の手引きでファクトリーに侵入していた。
もともとザフトの艦であったエターナルはクルーの服装もほとんどザフト軍のままだ。
おかげで堂々と歩いても侵入者とはばれにくい。
人通りの少ない通路の一角で、偵察部隊の隊長が3人のパイロットに拳銃を渡して言う。
「まとまって移動すると目立ちますので、ここからはバラバラに行動して下さい。
ヒトフタマルマルに格納庫で合流し、MSを奪取します。それまでは戦闘は極力避けて下さい」
一同は無言で頷くと、散っていった。

MS格納庫では、新型MSのコクピットにキラが座り、アスランとエリカが覗き込んでいる。
元々キラは大学の研究室でプログラミングを学んでいた。その能力は指導教官以上ではないかとも言われ、
事実先の大戦でのストライクの活躍は、この能力なくしては語れない。
ただ、戦術に関しては正規の訓練を受け、実戦経験も豊富なアスランに一日の長がある。
無敵のコンビだと、エリカ・シモンズは心強く思っていた。
MSのモニターに、ブリッジのダコスタから通信が入る。
「先ほど新型機のパイロットが到着したと聞きましたが、そちらに行ってますか」
エリカが答える。
「いいえ、こちらには来ていないわ」
「そうですか。おかしいですね、予定時間よりずいぶん早い到着だとは思ったのですが…」
ダコスタの言葉が直感的に引っかかったアスランは、モニターを覗き込んだ。
「映像記録はあるか、こっちに出してくれ」
「はい」
モニターに映る赤服の3人を見てアスランは唸った。ルナマリア…
「敵のパイロットだ。ミネルバの3人だな」
「えっ、じゃあ警報を…」
「待て、騒ぎになったらエンジニアが巻き込まれる。敵の狙いはMSだ。
モルゲンレーテの人間を待避させて、銃が使える者だけこちらに寄越せ。格納庫で迎え撃つ。
通路は監視を続けてくれ。俺も行く」
「分かりましたっ」
「キラ、お前は前に出るな。拳銃の使い方くらいは分かるな」
アスランはキラに拳銃を手渡すと、自分も拳銃と自動小銃を取り、格納庫を飛び出していった。
276ノラぬこ:2005/08/04(木) 01:51:09 ID:???
45.5話 ファクトリーの攻防 vol.4

ルナマリアは薄暗い通路を歩いていく。生身の戦闘なんて、訓練はしていても実戦は初めてだ。
皆と合流するまで何もないことを祈りつつおそるおそる進む。
と、突然背中に冷たくごりっとした感触、カチリと小さな音が響く。
「声を出すな。おとなしくすれば撃たない」
ルナマリアはびくっと体を硬直させ、手を上げた。声の主に拳銃を取り上げられ、抵抗もせず傍らの部屋へ連れ込まれる。
暗い部屋で座るよう促され、照明が点く。と、浮かび上がった相手の顔を見て、ルナマリアは目を見張った。
「アスラン…! どうして…ここに…」
目の前にいるのは確かにアスランなのだが、白とブルーのオーブ軍服に身を包んだ姿に、敵になってしまったことを実感させられた。
「シンやレイも来てるのか」
ルナマリアはこくりと頷いた。アスランは拳銃を下ろした。
ルナマリアが抵抗するとは思えないし、したところで自分に撃てるわけもない。
拳銃をホルスターに収め、ルナマリアと向き合って座った。
「レイの命令で、MSを奪って工場を破壊しろと…」
「そうか。見逃すことはできないな」
「ここはラクスさんの工場なんですか。この前演説してた…本物と言っていた…あの…」
「そうだ」
「私、あなたがクレタでAAの人たちと会ってるの、つけてたんです。艦長から言われて。
その時は信じられなかったけど、あの演説を聞いて、何だか分からなくなって。
あなたは…知っていたんですよね、議長のラクスさんが偽者だって」
あの話を聞いていたのか。それなら隠してもしょうがない。
「ああ。だが彼女…ミーアも議長に利用されている被害者だ。俺が不用意なことを口走れば、彼女の命も危ないと思った。
結果的には明らかにしてしまったが。そして本物のラクスを暗殺しようとしたのは、ザフトの特殊部隊だった」
「ラクスさんは、何をしようとしているんですか」
「今また戦禍が広がろうとしている。ロゴスだブルーコスモスだとか言っているが、戦争を広げているのは議長自身だ。
ザフトも地球軍も踊らされている。ジブリールだって、議長に利用されている駒なのかもしれない。
誤りを正して、本当に平和な世界を作る。それが俺たちのやろうとしていることだ」
「そんな…それじゃあ私たちって…」
もう時間がない。アスランは立ち上がり自動小銃を取った。
「俺はシンとレイを追わなければならない。君はどうする?」
「えっ…」
拘束するんじゃないのか、私を。
この人は優しい、本当に。ザフトで軍人として割り切ることができなかったのも、この優しさのせいなのかも。
だったら見届けなくてはいけないかもしれない、私は。
「私も行きます。連れて行って下さい」
「分かった。俺の後から身を低くしてついてこい」
277ノラぬこ:2005/08/04(木) 01:52:28 ID:???
45.5話 ファクトリーの攻防 vol.5

格納庫では既に銃撃戦が始まっていた。
ダコスタが指揮する部隊に次々と打ち倒される侵入部隊は、パイロットだけでも逃がそうと身を盾にして、格納庫の扉へじりじりと後退していく。
シンとレイは通路へと逃れ、エアロックに向かう。狭い通路は2人並ぶことができず、レイ、シンの順に走っていく。
格納庫に向かう途中のアスランはT字路を通過する2人を発見し、自動小銃で威嚇射撃をしつつ、怒鳴った。
「止まれ! シン!」
びくっとしてつい足を止めてしまったシンは、先に走るレイに置いて行かれる形になったが、すぐに振り返って両手で拳銃を構え、
壁のわずかな窪みに体を貼り付けた。
「シン! 銃を捨てて出てこい!」
…ちょっと待て、どうして俺の名前を知っているんだ、こいつは?
シンは拳銃を構えながら、声のする方をそおーっと窺った。
「あ、アスラン! ルナ!」
拳銃を下ろさないシンに、アスランも自動小銃の狙いをつけている。しかし、撃とうとはしない。
「シン、もうやめろ。お前を撃ちたくはない。お前は議長に踊らされている。戦禍を広げているのは議長だ。
俺たちはザフトにも地球軍にも、戦いを続けさせたくないんだ」
「また説教するのか、あんたはっ。敵のくせになんで撃たないんだよ。俺を舐めてるのかっっ!」
拳銃を持つシンの手は堅く握られ、銃口がぶるぶる震えている。
あれでは当たるわけがない、今度撃ち方を教えてやらなきゃいかんな、とつい思ってしまったアスランは呼びかけを続けた。
「シン、お前は議長の都合のいい駒なんだ。目を覚ませ。お前の育ったオーブを焼いて、今度はプラントまで戦火に晒すことになる。
お前の愛する人たちは、お前にそんなことを望むのか? お前はそれでいいのか?」
アスランの後に隠れていたルナマリアが、堪えきれずに出てくる。
「シン! アスランの話を聞いて」
「ルナ…」
278ノラぬこ:2005/08/04(木) 01:54:02 ID:???
45.5話 ファクトリーの攻防 vol.6

シンは拳銃を持つ手を少しずつ下げた。
アスランが近寄ろうとしたがその時、取って返したレイが自動小銃を撃ってきた。
きわどいところでアスランは、ルナマリアの手を取って避けた。
レイは呆然として固まっているシンの肩をたたき、耳元で怒鳴る。
「シン! 騙されるな、撃て! ルナマリアは脅されている!」
シンはびくっとするが動けない。レイはシンを追い越し、なおもアスランに銃を乱射しながら向かってくる。
アスランは正確な狙い一発でレイの銃を叩き落とす。
「くそっ」
シンのところまで退却するレイ。銃声がやんだ。アスランはルナマリアの背中を押し、
「ルナマリア、行け」
とレイの方へ促す。ルナマリアが振り返ると、アスランは無言で頷いた。
しかし、戸惑いながらゆっくり歩いてくるルナマリアを睨んだレイは次の瞬間、シンから拳銃を引ったくると真っ直ぐに向けた。
「お前はもう必要ない、ルナマリア」
パン。銃声にルナマリアはダメだ、と目を閉じたが、撃たれる寸前アスランに飛びつかれ、2人一緒に通路に転がった。
「ぐはっ!」
「アスラン!」
銃弾は、庇ったアスランの背中から胸に貫通した。
それでもアスランは転がりながら腰の拳銃を抜き、3発連射する。当たらず、レイとシンは逃走する。
「そん…な…」
あまりの事態にルナマリアは立ち上がることができない。胸を押さえて苦しむアスランの軍服が血に染まっていく。
そこへ銃声を聞きつけたダコスタとキラがようやく駆け付ける。
「アスラン!」
キラが抱き起こすと、アスランは血まみれの手で拳銃を握ったまま掠れた声で言った。
「パイロットが…2人…逃げた。非常ゲートだっ…」
ダコスタは頷くと、警備兵と共に侵入者を追った。
「キラ…。撃てなかった…。甘いのかな…俺は…」
「アスランしっかりっ」
キラに僅か笑いかけるとアスランは、キラの腕の中でがくりと動かなくなった。

ファクトリーの非常ゲートからは、奪った救命シャトルに乗ってシン、レイと数名が宇宙に出て行く。
追いつけなかったダコスタは、ただ見送るしかなかった。
シャトルの中では無表情に座るレイの隣で、シンが何事かつぶやきながら肩を小刻みに震わせていた。


fin
279俺のはつまらないよ('A`):2005/08/04(木) 02:05:23 ID:???
ヤバイ、ヤバイよ、ノラぬこさん!(カイ・シデン)

本編がこういう話なら、もっと楽しみながら、ドキドキしながら観られるのになぁ…
本編のキャラクターはここまで描ききれてないからなぁ…
280ノラぬこ:2005/08/04(木) 10:05:22 ID:???
>>279
わーい褒めらりた。
んじゃ続きも作ろかなー。
281ΖガンダムSEEDDESTINY:2005/08/04(木) 12:04:03 ID:???
第二話「旅立ち」
「オーブなどか中心になっている中立同盟のことはアングラの出版物で知ってました」
「ほう、ザフトでアングラの出版物とは」
アーサーがシンに聞いた。
「アーモリー1だってもともとはただのプラントだったんです、ありますよ。
 ゲーム・ラボだって売ってますし」
「いや、別にゲーム・ラボは関係ないんじゃないかな?」
「うそだ、アーサーキャプテン毎月買ってるような顔してますよ」
「いや、それは買っているが」
「ピョコタンの漫画を切り抜いている顔していますよ」
「そりゃ切り抜いてはいるけれどな」

「大変です、アビしゅが」

続く
282通常の名無しさんの3倍:2005/08/04(木) 12:58:33 ID:???
アビしゅワロスwww
283通常の名無しさんの3倍:2005/08/04(木) 16:07:51 ID:???
ノラぬこさんGJ! でもこれだとどうもビターな結末になりそうですね。
あんまり主要キャラには不幸になって欲しくないんですよ、私。
(こんなんじゃ負債を責められないや……)
それから残りは後5話ですか? アニメ版なぞ気にしなくてもいいから
丁度良い所まで話を延長しても構いませんよ。
284通常の名無しさんの3倍:2005/08/04(木) 16:36:12 ID:???
コテハンするならトリップ入れることをお勧めしますよ?
285通常の名無しさんの3倍:2005/08/04(木) 22:55:46 ID:???
おそいけど
>>204-208
グッジョブでした。
ユウナ好きでなんか救われた。
ガンダムのお話のありかたってこういう方向だよなと思ったですよ。
そういや昔のユウナスレの小説もよかったな…
286ノラぬこ:2005/08/05(金) 02:06:10 ID:???
>>283
結末まではまだうまいこと考えられておらんとです。
予告やネタバレの断片を利用して進めてるんですが、うーん…

>>284
トリップってなんでしょう? ググったんですが、分からなかったとです。。。
287 ◆2V7CI/dIGE :2005/08/05(金) 02:32:02 ID:???
名前欄に「#(適当な英数字)」を入れると、「◆ml6jo〜」のような適当な文字列に変換される。
適当な英数字は書き込んだ者と管理者しかわからないので、同じ名前は他人に出せない。

ちなみに「◆ml6jo〜」を単純に名前欄に書き込むと「◇ml6jo〜」という風に最初の菱形が
白抜きになり、偽者とわかる。
288 ◆2V7CI/dIGE :2005/08/05(金) 02:33:01 ID:???
おっと、追記。
「#」も適当な英数字も、両方とも半角で入れる事。
289通常の名無しさんの3倍:2005/08/05(金) 09:10:16 ID:???
>>201 俺はブルコスの連中をひきいて我が家にむかった。武器はウィリアム・ザザーランド
という連邦軍の将校に用意させた。奴は武器を俺達に渡してこういった。「連中をなるべく
苦しませて殺してください」とね。当時、連邦軍の若手幹部はほとんど、コーディだったためナチュラルは出世
できなかった。俺達に武器をくれたのは腹いせだろう。
 セキュリティシステムはあらかじめ解除していたからなんなく侵入できた。俺達はまず、親父の部屋に入って親父
をぶっ殺した。親父はおれに何度も命乞いをした。はは、欲をだして自分の跡取りをコーディにしようと
したからこんなことになるんだ。俺達は二手に分かれた。あいつを殺しに行く隊と、家の使用人を全員殺しに行く隊だ。
使用人を殺しておかないと犯行ガばれる可能性があるからだ。
 俺達は十数人の人間を率いあいつの部屋にはいいた。まず、俺はあいつと一緒にねていた、あいつの母親をぶっ殺した。あいつはそれはそれは
すごい顔をしていたね。俺は早速あいつもマシンガンで殺そうとしたが、あいつは窓から外へ飛び出した。あいつは運動神経が高いから、ここから飛び降り
ても大丈夫なはずだ、俺は奴らを率いいそいで庭のほうへ言った。まだ、ちかくにいるはずださがせ、俺はそう命令した。すると急に誰がが俺の後ろに近づいた。あいつ
だった。あいつは言った「死ね、糞虫」俺は背中からあいつに刺された。

 数日後おれは病院のなかで目覚めた。あいつの攻撃はなんとか急所をはずれ、なんとか一命を取り留めた。俺は思った。「まったく、あの男は最後まで俺を」
俺が地元の警察に金を配った甲斐もあって事件はすべてあいつひとりでやったとういうことになった。その後アズラエル家の当主になった俺はブルコスを支援し、
財力を使い何人ものコーディを殺した。あいつを殺せなかった怒りを発散させるために。

290ノラぬこ londonbus:2005/08/05(金) 12:49:16 ID:???
てすと
291通常の名無しさんの3倍:2005/08/05(金) 12:51:09 ID:???
ぬこたん多分違ってる…
292ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/05(金) 12:52:31 ID:???
once more
293通常の名無しさんの3倍:2005/08/05(金) 12:54:58 ID:???
それで成功だとは思うが、>>290の文字をそのまま入力し直したんじゃないよね?
294ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/05(金) 13:03:39 ID:???
>>264-267
MS戦イイ! 見習いたいお。

>>287
ありがトン。スレ消費すまそでつ。。。
295ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/05(金) 13:04:56 ID:???
>>293
違うのにしますた。サンクス。
296 ◆0IaHAmsXdg :2005/08/05(金) 14:50:39 ID:???
後先考えずに貼ってみるテスト

アナザーシードワールド

「暑い。そして、」
キラは、倉庫内を見渡す。
男と、漢と、山を為す機械部品で埋め尽くされていて、中央には、学園祭で工学部の見せ場になる予定の“コンマ一秒湯沸かし器”とかいう巨大モニュメントがそびえる。各自が異様なテンションで制作に没頭しており、指示なのか罵声なのかよく分からない大声が飛びかっている。
だから窓も戸も全開なのに、
「むさ苦しい」
ぼやいていると、隣でネジを閉めているアスランが、
「おい、キラ、持ち場は片づいたのか?」
「ああ、一段落した」
「そうか」
キラは、汗と油で汚れた手と顔をタオルで拭く。腕時計を見ると3時だった。またアスランが尋ねた。
「なあ、キラ。なんで換気扇が動いてないんだよ。扇風機も・・・」
「換気扇はフラガ先輩が変なロケットでぶち抜いて壊した。学園長命令で、電力の使用は最小限に抑えろ、ってさ」
アスランは不機嫌な顔をして、
「学園長?あのロン毛オヤジなんて無視すればいいじゃないか」
「怖いのは学園長じゃなくて、その秘書の方だ。知らないのか?逆らうと、ペットのクワガタのエサにされるらしい」
「あのオバさん自体がクワガタだよな」
「ああ、同感だ」
アスランは、ねじを締め終え、工具を片づけると、
「こっちも一段落だ、キラ、先に部屋に帰っててくれ」
「どうして?一緒に帰ればいいじゃないか」
「いや、寄るトコあるから」
「ふうん。じゃあ夕食の時に」
「ああ、いつもの席で待っててくれ」
297SEED IF 徹底抗戦編:2005/08/05(金) 15:03:51 ID:???
 僕は……あの人を止めることが出来なかった。
深い憎しみと、戦いへの欲望。それが全てだと、あの人は言った。
 それが真実ならば、あまりに哀しいではないか。
でも、僕にはもう、どうすることも出来なかった。

 螺旋の邂逅は、すでに起きてしまったのだから。
298SEED IF 徹底抗戦編:2005/08/05(金) 15:05:27 ID:???
「ハァ……ハァッ!」
 キラ・ヤマトは全てから逃げ出すように、我武者羅に走り続けた。
途中、何度も転ぶ。そしてすぐに起き上がり、走る。
「ハァ……ハァッ……」
どうして、どうしてなんだ。
 
彼は自分に問いかけた、そして全てに問いかけた。
 
どうして、僕はっ……!
 
「僕はッ……!」

 自分は、人間ではないのか?

「父さん! 母さん!」

両親は、本当の両親では無いのか?

「カガリ……」

自分の本当の親は、神の禁忌に触れた愚か者だというのか?

「ラクス……」

自分は、禁じられた存在だというのか?

「僕はっ……僕は!」
 
 
 ボ ク ハ ナ ン ナ ノ


「ククク……何を恐れている、お前が何を恐れるんだよ」
キラの後を、一人の少年がつけていた。
黒い長髪に、血走った眼光。
「最高のコーディネイターであるお前が」
少年は銃を構える。
「完全な、存在であるお前があっ!」

少年、カナード・パレスは絶叫した。
299SEED IF 徹底抗戦編:2005/08/05(金) 15:07:08 ID:???


廃棄されたコロニー、メンデル。
そこでキラ達三隻同盟を待ち構えていたのは、
ザフト、連合あわせた三つ巴の戦いだった。

核を巡り、始まる戦い。
その中でキラ達は、螺旋の運命に絡めとられることになる。


G.A.R.M。
かつて、遺伝子工学の最先端にあった場所。
今は、人の業の象徴となった場所。
憎しみと、戦いと、全てが絡み合い、そして解き放たれた場所。

そして、キラの故郷。

「君は、数多の兄弟の犠牲の下に、完成した、
 唯一無二の最高のコーディネイターなのだからな!」

仮面の男が、高笑いしながら言った。
呪詛を込めて。

自分が、人として、人の体から生まれなかった事。
今の両親が、本当の両親でなかった事。

生き残った因果。

「うわあああああああ!」

「バカ野郎! アイツの与太話なんて信じるな!」
ムウが、キラを何とか落ち着かせようと試みた。
しかし、キラは平常心を完全に失っていた。
無理もなかった、キラの、自分という存在の根底が、失われたのだから。

「信じるも信じないも君の勝手だ、だが!」
ラウ・ル・クルーゼは引き金を引いた。
「一人、君の存在を証明するゲストがいる」

奥から、身を隠していた、カナードが現れる。
「会いたかったぜぇ、キラ・ヤマト!」
歓喜の笑みに、狂気を浮かべて。
300SEED IF 徹底抗戦編:2005/08/05(金) 15:09:26 ID:???
「ハーネンフース! 貴様は第二小隊へ回れ! ここは俺一人で十分だ!」
イザーク・ジュールは愛機デュエルで、戦場を駆けていた。
名誉あるザフトレッドに選ばれた彼は、今や幾度の戦いを潜り抜けてきた歴戦の兵となっていた。
迷いはなく、祖国と誇りと自分の正義のために戦う。純粋な、誇りと闘争心。
 しかし、今回の任務については、そんな彼の心にも、さすがに曇りが生まれた。
裏切り者、アスラン・ザラ、ラクス・クライン一派の抹殺。
戦友として、ライバルとして、競い、ともに戦ったアスラン・ザラ。
そして、ザフトの兵士ならば誰しもは一度は心の支えにしたであろう、ラクス・クライン。
自分は、その二人を撃てるだろうか?

しかし、彼に訪れた現実は、さらに過酷だった。
「この、識別コードは……バスター! ディアッカの機体だと!?」

アスラン以上に共に戦い、何度も彼の背中を守った戦友の愛機が、敵として現れる。


「デュエル、イザークか!? チィ……戦場は広いってのに!」
「あの動き……ナチュラル、いや、やはりディアッカなのか!?」



彼女は、震える声を抑えていった。
「これは、最後通告です」
モニターには、かつての上官――あまり良い関係とは言えなかったが――
共に戦い、同じ船で戦った仲間の顔があった。
「……投降は、しません」
アークエンジェル艦長、マリュー・ラミアスは、決然と言った。
「了解しました、では、本艦は貴艦を反逆艦と見做し――撃沈します」

黒い天使と白い天使が合間見える。

ナタルは、ドミニオンのクルーに攻撃命令をだした。
「ずいぶん、まどろっこしい事をしますね」
ムルタ・アズラエルは嘲る様に言った。
「あんな目障りな船、すぐにでも落としてしまえば良かったのに」

ナタルは、答えなかった。
「フフ……まあ、いいでしょう。カラミティ、フォビドゥン、レイダー、発進させてください」
アズラエルは、モニターに映るアークエンジェルを見た。
「浮沈艦アークエンジェル、今日こそ沈めて差し上げよう」
301SEED IF 徹底抗戦編:2005/08/05(金) 15:11:33 ID:???
「大丈夫なのか!? プレア!」
「……僕のことは、気にしないでください、僕には、すべきことがあります」
プレア・レヴェリーは、体を支えていたロウの手を振りほどいた。
「プレア、でもその体じゃ!」
たまらず、風花が駆け寄る。
しかし、プレアはほほえんで、風花を静止した。
「いいんです、僕の命は、どの道長くない、その前にやらなければならないことがあります」
プレアは、メンデルを睨んだ。
「・・・・・・ここにいるんだ、僕と同じ、カナードさんや、僕と同じ人が……!」
302SEED IF 徹底抗戦編:2005/08/05(金) 15:14:31 ID:???
「僕は、僕の秘密を今明かそう、僕は自然そのままに、ナチュラルに生まれた存在ではない」
クルーゼは、続けた。
「僕は、人の未来と現在をつなぐ調整者、コーディネイターなのだ」
クルーゼは、歪んだ笑みを浮かべる。

「貴様! 何のつもりだ!」
ムウは、クルーゼに銃口を向けた。
「私にはあるのだよ、全人類でただ一人、人を裁く権利が」
「何だと……」
クルーゼは、手元から、ひとつのフォトスタンドを投げた。
「……? これは……親父!?」
フォトスタンドには、ムウと、彼の父親であるアル・ダ・フラガの写真が挟まれていた。
「私は己の死すら金で買おうとした、貴様の父」
クルーゼは、銃のグリップを強く握り、先をムウに向けた。
「アル・ダ・フラガの出来損ないのクローンなのだからな!」
「――――!?」
ムウは、反射的に身をそらしていた、クルーゼの撃った銃弾が肩を掠める。
ムウもまた、クルーゼに対し引きがねを引く――――
「ク!?」
ムウの放った弾丸は、クルーゼのマスクをわずかに掠めた。
クルーゼのマスクが解け、彼の顔が露になった。
ムウは、絶句した。
彼の目元には、その若さには余りに不相応な――そして、
自らにとっては忌むべき証明である顔が、そこにはあった。

「人は滅ぶさ、憎しみの果てに」
「何を、お前の思い通りには!」
「どうかな、もはや止めるすべなどない!」
「貴様は、何故こんな!」
「私がしたのではない、全ては起こるべくして起こった、私はその中にいただけだ!」

クルーゼが、ムウに迫る。
ムウは、肩を負傷したため、銃がうまく握れない。
「まずは、決着をつけるか」
「うっ……!」
クルーゼは、ムウの首を締め上げた。
「私は、お前の父も、コーディネイターもナチュラルも憎んではいない」
クルーゼの手が、首に食い込む。
「私は、人類に……」
ムウは、段々と意識が遠のき始めていた。
303SEED IF 徹底抗戦編:2005/08/05(金) 15:16:19 ID:???

「待ってください!」

そこへ、少年の声が、突然に響いた。
厳密に言うと、声では無かった。いうなれば、意識の共有とでもいうべきものか。
声であったが、音ではなかった、しかしそれは紛れもなく、声。
ラウは、手にかける力を弱めた。
ムウの体が崩れ落ちる。

「憎しみあうだけが、人ではないでしょう! クルーゼさん」
プレア・レヴェリーが、奥から現れる。
壁に寄りかかり、懸命に這うように歩いて。

「君は……そういう事か……」
「……クルーゼさん、止めてください、貴方だって、生きているじゃないですか」
声を振り絞るように、プレアは言った。

「遅いさ、全ては、そして私は」
「人間は、過去も未来も、望めば自由であるはずです」
「私には過去も未来も無い、君もそうであるはずだ。人が時間を支配することなどありえん」

クルーゼは、そう、プレアに返した。

「クルーゼさん……」
「……フ」

クルーゼは、プレアとムウに背を向けて、歩き出した。
クルーゼの姿が見えなくなると、プレアはムウに駆け寄った。
304SEED IF 徹底抗戦編:2005/08/05(金) 15:17:09 ID:???


「アーッハッハッハ! まるでガキの遊びだねぇ」
クロト・ブエルはレイダーを縦横無尽に駆った。
「 必  殺 !」
ゲームでもするかのように、彼は敵に牙を向く。
そしてザフトの兵士が、次々と彼の牙の餌食となっていく。
「ホイジンガー!応答願います!ブリッジ!ブリッジ……うわあああ!」
最新鋭機である筈のゲイツが、手も足も出なかった。
GATシリーズに匹敵する火力を持っていたゲイツだったが、
レイダーは速すぎた。コーディネイターの目ですら、追えないほどに。
「全滅するのか!? クルーゼ隊の小隊が!」
「 撃 滅 !」
レイダーが、鉄球を振りかざす。
「うわっあ……」
パイロットはゲイツのシールドを構えた。
しかし、レイダーの鉄球、ミョルニルは、そのゲイツをシールドごと叩き潰した。
「ハハン!」
また一つ、ザフトのモビルスーツが減った。

「救援、救援は! ジュール隊長は!?」
シホ・ハーネンフースは必死に小隊長であるイザーク・ジュールの姿を探した。
しかし、Nジャマーの電波干渉がひどく、彼の居場所を捉えられない。
三つ巴の戦いともなれば、レーダーが効かないのも無理は無かった。
「くぅ……!」
シホはレイダーと対峙する。
「へぇ、色違いかよ! ちょっとは強いんだろうね!」
レイダーが、シホのゲイツに襲い掛かる。
305SEED IF 徹底抗戦編:2005/08/05(金) 15:18:26 ID:???
「ジュール隊のプライドにかけて!」
シホがゲイツのビームライフルを乱射した。
しかし、レイダーはモビルアーマー形態に一瞬で変形し、
その凶暴な機動力で、ゲイツの射程からあっという間に離れる。
「やはり速い! こんな機動力、ナチュラルがよくも!」
「ハン?」
レイダーは旋回し、再びゲイツに襲い掛かる。
「あたれ!」
ゲイツのビールライフルが火を噴く、しかし、レイダーに命中することは無い。
「なんだ、期待はずれだね……。 もういい!落ちろよ蒼いの!  滅 殺 !」
ガキィイイイインと轟音と共にゲイツのコクピットが揺れる。
「きゃあっ! ああああっ!」
レイダーがモビルアーマー形態のまま、巨大なクローでゲイツをつかんのだ。
「お・わ・り・だ・ねぇ」
クロトが愉快そうに笑う。
レイダーは、クローの先端についているビーム砲、アフラマズダを放とうとした。
腹部をクローで抑えられているため、発射口はシホのコクピットの直前にある。
シホは、眼前が光に包まれていくのを、見ているしかなかった。
「た、隊長……」
アフラマズダが、放たれようとした、その瞬間、
「うわっ!?」
クロトはとっさにレイダーをゲイツから離した。
レイダーの鼻先を、ビームブーメランが掠めていた。
「……え、援軍!?」
シホは、レーダーを確認してみた。
急接近する機体が、一つあった。やがて、それはザフトの識別コードを示す。
しかし、
「この機体!?」

接近した赤い機体が、剣を抜き、クロトのレイダーに襲い掛かる。
クロトは右手の火器内蔵のシールドでそれを受け止めた。

「ちぃ! あのときの!」

「ZGMF……09、ジャスティス……!?」

赤い機体、アスランのジャスティスであった。
306SEED IF 徹底抗戦編:2005/08/05(金) 15:20:10 ID:???

「そこのザフトの機体、下がってろ!」
アスランが、シホのゲイツに忠告する。
「う、裏切り者が、何故私を助けた!」
シホが叫んだ。
しかし、アスランはなにも答えず、ジャスティスをレイダーに向けて飛ばした。
「アスラン・ザラ!!」
後を追おうとしたが、シホのゲイツは限界であった。
出力が上がらず、追いつかない。
「この機体は……もうだめか。 ・・・・・・く」
307 ◆0IaHAmsXdg :2005/08/05(金) 15:20:24 ID:???
書いた分だけうpしときたいんで。割り込みスマソ

アナザーシードワールド第2回

ガタン
缶を取り出す。キラの最近のお気に入りは午前の紅茶だった。
午後の中庭。夏はいよいよ暑さを増して、太陽は強い陰影を作り出している。
キラは紅茶を持って、ベンチに座った。外の風が涼しい。
缶を開けて、口を付ける。缶を飲むとき、自然と、視線は上を、空を向く。
「ぷは」
と、視線を戻すと、
「もうとっくに午後よ?午前の紅茶なんて、邪道ね」
長い黒髪。セーラー服。首からカメラを下げており、そして、手にはうちわ。
ミーアがいた。
「・・・なんだよ。文句あるのか?」
「大ありよ」
じとーっとキラが睨め付けると、ミーアは、うちわをビシッとキラに突きつけ、
「いい?午前の紅茶はね、一日のスタートとなる、そう、朝食時に飲むのがベストなのよ。そういう成分配合になってるの。
このお茶は朝に飲まれて、みんなの一日の活力になることを、開発者は願ったの。
でも、朝の紅茶じゃあ語呂が悪いから、泣く泣く午前に変更したの。その血塗られた過去も知らずによくもぬけぬけと!」
「あーあー聞こえない」
キラはまた一口紅茶を飲む。ミーアは、納得しない様子で、腕組みして、ふくれっ面をしていたが、ふん、と、息をついて
「・・・まあいいわ。今回はそういう用事じゃないの」
「なんだよ、今回って」
「つっこむのはそこじゃないでしょーがっ!」
ミーアは、スカートのポケットから一枚のプロマイドを取り出して、これもキラの前に突きだし、
「ラクス様をさがしてるの。何処にいるか教えなさいよ」
キラは即答した。
「知るか」
「なっ・・・。即答したなぁっ!?」
「今回ていうか、ほぼ毎回、用事ってそれだろが。もうマンネリだぞ?」
ぷい、と、ミーアはそっぽをむいて、
「しょーがないじゃない。私は、ラクス様・・・」
「“ラクス様大好きクラブの副会長だから”・・・だろ?」
「わ、私のセリフとるなぁっ!」
と、校門の方が騒がしくなる。目をやると、そこには黒山の人だかり、
キラは直感した。あの中心には、
「ら、ラクスさまーっ!」
ミーアがぱっと顔を明るくして、校門へと駆けていき、人だかりに消えていった。
人だかりはどんどんふくれていて、しかも、おそらく中心のラクスにあわせて移動している。あのまま、もし、こっちにやってこられたら大変だ。
と、いうことで、キラは部屋に帰ることにした。
308SEED IF 徹底抗戦編:2005/08/05(金) 15:20:57 ID:???

「イザーク! やめろ!」
「……!」
「俺だ、イザーク! 銃を向けずに話をしよう!」
「黙れ!」
イザークは叫んだ。
「裏切り者の言葉など、聞けるものか!」
デュエルが、ビームサーベルを抜いて切りかかる。
「俺はプラントと戦うつもりは無いんだ!」
「戯言を言うな、テロリスト」
「イザーク……!」
「生きていたのは、うれしい。 だが、俺はプラントを守るザフトの兵だ」
「……!」
「貴様の後ろにいるアスランや、ラクス・クラインを、俺は討たねばならない」
イザークは、デュエルにライフルを持たせた。
「その邪魔をするなら、貴様も撃つ!」
「イザーァク!」



「ハァ……ハァ」
キラは、施設の出口にたどり着く、そこには……。
「ガン……ダム……」
見たことも無い、機体がフリーダムの隣にあった。
「ハイペリオン、ユーラシアの開発した機体だ」
カナード・パルスが先回りしていた。
「ブルーコスモスと大西洋の支援も受けてな、コイツはさらに強くなった」
「……」
「試してみるか、キラ・ヤマト、どちらが真のスーパーコーディネイターか」
「僕は!」
309SEED IF 徹底抗戦編:2005/08/05(金) 15:21:57 ID:???

「逃げるか! ディアッカ!」
イザークのデュエルと、ディアッカのバスターは、激しいデッドヒートを繰り広げていた。
とは、いっても、イザークのデュエルが一方的にせめて、バスターがそれを避けるだけであったが。
「イザーク!!」
「む!?」
レーダーに、新たな反応があった。
地球連合の機体だ。

「旧型のGかよ、おもしろそうじゃん!」
「……」
カラミティと、フォビドゥン、新型のGAT−Xナンバーのガンダムである。
「新手!? あれが連合の強化人間の機体か!?」
「イザーク! 気をつけろ、あれは化け物だぜ!」
「わかっている! ……勝負は預けた、まずはアレから落とす!」
「イザーク……、一機はまかせるぜ」
ディアッカのバスターがカラミティに、イザークのデュエルがフォビドゥンにつく。
「ナチュラルが何を作ったか知らないが、落とす!」
イザークは照準を、フォビドゥンに合わす。
「……フン」

「オラオラオラオラオラ!」
カラミティが、全身から雨のようにビームを降らす。
「じょ、冗談だろ、艦隊を相手にしてるみたいだぜっ……ちぃ!」
バスターのスラスターを最大にして、敵の砲撃を振り切る。
バスターの左手にあるガンランチャーを、ショットガンモードにして敵を牽制する。
「くっそ!性能がダンチだろうと!」
ディアッカは降りしきるビームの雨の中、ライフルを連結させ、カラミティに照準を合わそうとする。
「一発でしとめて……やる!」
310SEED IF 徹底抗戦編:2005/08/05(金) 15:25:22 ID:???
「コイツ、無茶苦茶だ!」
クロトのレイダーは、アスランにとって未知の敵であった。
今まで戦った中で、これほどの高速の敵機も存在しないし、
これほど無軌道な攻撃を仕掛けてくる敵機も初めてだった。
「アーッハハッハ! やるじゃないか!赤いの!」
クロトのレイダーとジャスティスが超高速戦闘を繰り広げる。
お互い、フルスピードでのビームの押収である。
「コイツは、コーディネイターでも、ナチュラルでもない、だが、ただ強い!」
311SEED IF 徹底抗戦編:2005/08/05(金) 15:26:15 ID:???

「気がつきましたか?」
「……君は?」
クルーゼに首を絞められ、意識を失っていたムウが目を覚ました。
「僕は、僕の秘密を明かします、そして、貴方に託したいものがある」
プレアは、ムウの目を見つめた。
「僕はプレア・レヴェリー、あなたの――」


「クク、今日ほど嬉しい日はないぞ!」
「ハァ……ハァ……!」
「戦いで、キラ・ヤマトを殺せる日がきたんだ!」
ハイペリオンと、フリーダムが、向き合う。

「うわあああああ!」
「お前のフリーダムはザフト最高の火力を持つ機体だったな……だが俺の機体は!」
ハイペリオンが、キラに迫った。
「ク!」
キラは、体が先に反応した。
腰のレールガンと、肩のビーム砲を放つ。
「フン」
「え!?」
しかし、ハイペリオンの機体が光輝いたとき――。
フリーダムの砲撃は全てかき消されていた。
「最高の壁を持っている……」
312SEED IF 徹底抗戦編:2005/08/05(金) 15:28:25 ID:???
「もらったあ!」
イザークがライフルのビームを放つ。
「フン……!」
フォビドゥンが、肩の巨大なシールドを構えた。
シュゥーン!
閃光の束が、反れた。
「ビームがっ!?」
「ハアアアァァァアア!」
その隙にフォビドゥンが、跳んだ。
鎌を携えて、死神さながらに。
その鎌は、デュエルの装甲を紙のように切り裂いた。
「フェ、フェイズシフト装甲がっ!?」
「お前……もう終わりじゃん」
「くぅっ!」
デュエルは、フォビドゥンから、間合いを取ろうとする。
フォビドゥンは、離れたデュエルに向かって、ビームを放つ。
「チィ!」
デュエルは、難なくそれをかわしたが、
「ハッ!」
ビュウウン!
大きな弧を描いて、ビームが曲がった。
盾の時と同じである。

「な……!」

デュエルの装甲をえぐるようにしてビームが命中した。
「ぐあああああっ……!」
デュエルが、爆発に包まれる。


「イザーク!?」
ディアッカが叫んだ。
「あん?人の心配してる暇あるのかよ!」
ディアッカのその隙を突いて、カラミティが、ビームを放とうとした。
「しまっ……!」
313SEED IF 徹底抗戦編:2005/08/05(金) 15:29:38 ID:???
「まだだっ!」

「ア!?」
デュエルが、爆炎の中から飛び出す。
ビームが命中する直前に、装甲を切り離して難を逃れたのだ。
デュエルはそのままフォビドゥンに組み付いた。
「あああ!?」
ちょうど、バスターとカラミティの間に押し入る形となった。
「どけえ!邪魔だ! シャニ!」
「チィ!」
カラミティが、ビームを発射する。
フォビドゥンは、僅差でそのビームを曲げた。
「て、てめええ!シャニ!なにやってんだ!」
「ウゼエよ、ウゼエよ、コイツラ……」
フォビドゥンは、デュエルを振りほどく。
「イザーク……た、助かったぜ」
「貴様を助けたつもりなど無い!」
イザークはそっけなく答えた。
「フン……!」
ディアッカは、軽く笑みを浮かべた。
314SEED IF 徹底抗戦編:2005/08/05(金) 15:30:39 ID:???
ドミニオンのブリッジ、ナタルが指揮をしている。
……戦いはこちらに有利になってはいる、だが……。
「ここは引いたほうが得策です」
「ええ!ここまで追い詰めたのに?」
ナタルの提案に、アズラエルが驚きの声を上げる。
「ザフトの部隊は、ほとんどあの三機が撃破しました、我々が一時撤退しても問題はありません」
「ですけど」
「三機のGもそろそろ限界のはず…ここは撤退し態勢を整えるべきです」
「ふうん……でも、そういうからには、次は必ず勝てるんでしょうね?」
「戦死、されたいので?」
アークエンジェルの砲撃で、ブリッジが光に照らされる。
「…………チィッ!」

315SEED IF 徹底抗戦編:2005/08/05(金) 15:33:06 ID:???

「う……っ、時間切れかよ!」
「動きがとまった?」
クロトは、己の体に限界が来たことを知った。
「くそ、赤いの、また遊んでやるから……なぁっ!」
「なっ!?」
クロトはレイダーをMAにし、帰艦した……。

「こいつ、こいつらぁ!」
「シャニ、撤退命令が出てるんだぞ!」
暴走するシャニのフォビドゥンを、オルガのカラミティが抑える。
「だって、コイツラ!」
「ここは抑えるんだよ! また苦しい思いをしたいのか!」
「ウ……ウアアア……!」
仕方なく、シャニは抵抗をやめた。
カラミティに抱えられ、フォビドゥンは帰艦した……。

「なんだ……終わったのか…ん?」
『イザーク! 聞こえるか!回収を頼む!』
イザークのデュエルの元に、クルーゼからの通信が入る。
「隊長、ご無事で……了解しました!」
急いで、クルーゼの元へ向かおうとする。
「イザーク!」
ディアッカはイザークを呼び止めた。
「……次は、必ずお前を撃つ」
イザークはそれだけ言うと、デュエルをクルーゼの元へ向かわせた。
「イザーク……」
ディアッカは、戦友の背を見送るしかなかった……。
316SEED IF 徹底抗戦編:2005/08/05(金) 15:33:53 ID:???

「くるな!くるな!」
「……こんなものなのか? そうじゃないだろう! こんなものでたまるか!」
カナードのハイペリオンが、キラのフリーダムを圧倒していた。
「こんな、こんな程度か? 完成されたコーディネイターがこんなものか!?」
「うわああああ!」
「……俺は!俺はこんなやつに劣ると、処理されるところだったのか?」
カナードは、激しい苛立ちを感じた。
「俺は!俺は!!」
ハイペリオンのビームマシンガンが、フリーダムの頭部を撃ち抜いた。
「うわあああ!」
「俺は!俺は!俺は!俺は!俺は!俺は!俺はっ!」
フリーダムの翼が、腕が、肩が、足が、ハイペリオンによってズタズタにされていく。
「うわああ!うわあ!ああああ!」
「クソッ! よくも! よくも失望させてくれたなっ! キラ・ヤマト!」
ハイペリオンは、光波防御帯、アルミューレ・リュミエールを収束させた。
「……もうお前に用は無い、消えろっ!」
ハイペリオンは、バリアをランスに変えてフリーダムの胴体を突き刺そうとした。
317SEED IF 徹底抗戦編:2005/08/05(金) 15:39:02 ID:???

そのとき、――――殺気。
「!?」
「この感覚!?」

一閃。

ハイペリオンの腕が落ちる。

「プリスティス!」
再び、一閃。

「な、なんだと!?」

フリーダムをかばうように、新たなMSが降り立った。
ガンダムだった。

「ドレッドノートだと……プレア・レヴェリーはもう動けないはず、誰が!?」
ドレッドノートのコクピット……パイロットは、ムウ・ラ・フラガだった。
「プレア、確かに受け取ったぜ、この機体」

「邪魔を……!」
不意を突かれたせいか、機体の損傷は大きかった。
「……なら、次は貴様もろとも、キラ・ヤマトを殺す!」
カナードのハイペリオンは、母艦へと帰艦した。

「甘ったれるな! キラ」
「え・・・・・・!」
「おまえは確かに、そこにいる、待っててくれるダチも、両親もいる」
「でも、僕は・・・・・・」
「おまえは、おまえだろ。 おまえは、おまえだけなんだ、キラ」
「ムウさん・・・・・・」
「・・・・・・飛べるか? ストライクを持っていかないといけないんだ」
「はい、大丈夫です」
「よし、行くぞ」

ドレッドノートと満身創痍のフリーダムが、連れ立って飛び立つ。

「そうさ、キラ、おまえが何であろうと、おまえはおまえだ。
 この子・・・・・・プレアやクルーゼや俺よりかはずっとマシだ」

コクピットの中、プレアの亡骸を抱いて、ムウは仲間の待つ船を目指した――。


続けたい
318通常の名無しさんの3倍:2005/08/05(金) 20:00:48 ID:???
じゃあ続けな
319俺のはつまらないよ('A`):2005/08/05(金) 22:03:56 ID:???
>294ノラぬこさん

良いと思うところも、これはちょっと…と思うところも是非指摘してください。こちらも思ったこと書きますんでw
あのSS、実は参考資料がありまして…
かなり昔に出版されたある作品のサイドストーリー(パラレルストーリー?)の作風に影響を受けております。
戦闘の描写なんかは特に。

>297-317SEED IF 徹底抗戦編さん

クロスオーバーIF物(そんなジャンルあるのか?)ですかね。
こういう流れは結構好きです。が、個人的にはもうちょっとキャラクターやMS、戦場などの描写を入れたほうが読み応えのある作品になる気がします。後半部は特に。
藪蛇かもしれませんが、例えば個人的に好きな描写に改変させてもらうと…


「う……っ、時間切れかよ!」
いつもの感覚。
クロトは、己の体に限界が来たことを知った。
「動きがとまった!?」
ジャスティスと激しい戦闘を繰り広げていたレイダーだが、突然その動きが緩慢なものになる。
いつものアスランであればその隙を逃すことは無かっただろうが、敵の豹変振りに戸惑ってしまい攻撃するタイミングを逸してしまった。
「くそ、赤いの、また遊んでやるから……なぁっ!」
クロトは悔しそうに叫ぶとレイダーをMAに変形させ、そのまま戦場を離脱する。
「なっ!?」
突然戦闘をやめ撤退するクロトを追いかけようとしたアスランだったが、MAに変形したレイダーの加速に着いて行けず、逃げる敵をただ見送るしかなかった。


勉強中の身ですので偉そうな事言えないのですが、自分が書くとしたらこんな感じでしょうか。
多少丁寧に(?)書いた為くどくなったかも知れませんが、結構イメージが変わると思うんですがどうでしょう?
320ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/06(土) 00:18:12 ID:???
>>319
了解でつ。お互い指摘して、腕を磨きまひょ。

ではさっそく
・「有る」「無い」「居る」「筈」などは平仮名がいいでつよ。
・MS戦描写はスピード感出すのが難しいでつね。説明もしなきゃ分からないし。ぬこタンも課題でつ。
321俺のはつまらないよ('A`):2005/08/06(土) 00:53:18 ID:???
>320
レスありがd

>「有る」「無い」「居る」「筈」などは平仮名がいいでつよ。
そうですね。確かに漢字を使うと変な感じになるところが多い…読みづらくなるし。気をつけます。

>MS戦描写はスピード感出すのが難しいでつね。説明もしなきゃ分からないし。
確かに。丁寧に書こうとするとモッサリした展開になることがありますね。
自分の場合、一人称の文体の時はなるべく文章を細かく区切って乱暴にw書いてます。
こんな感じで↓

   衝撃。
   M1の左腕が吹き飛んだ。カメラを左に回す。2機のジンがマシンガンを乱射しながら突っ込んでくる。
   俺は機体を横滑りさせライフルを左のジンに向けた。トリガーを引く。
   ライフルから放たれたビームはジンのシールドを貫通、そのまま動力部に突き刺さる。

なんとなく臨場感が出る気がするし、実際、パイロットは瞬間的な判断を要求される(目で見た情報を瞬間瞬間で認識している)からって事で。
主人公視点の作品でないと使えませんがw
少し落ち着いた場面では、なるべく丁寧に描写するように心掛けてますが…くどくなる事が多いorz
322通常の名無しさんの3倍:2005/08/06(土) 22:30:26 ID:1m3UOsfS
どんどん書こう
323ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/07(日) 01:55:32 ID:???
おいしい場面だけ書こうと思ったけど、最終回まで行けとの声が聞こえたので頑張りまつ。
本編の40話の次が以前投下した42.5話→43.5話と続けまつ。数の若い順てことで。
早くも本編の42話と方向が違ってまつが(当たり前っ)、筋はだいたい考えたので順に投下予定。
よろしこ。
324ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/07(日) 01:58:39 ID:???
43.5話 ラクスvsラクス vol.1

無理を押して出撃し傷を悪化させたアスランは再手術を受け、再びネオと同室のベッドに戻ってきた。迎えたネオがにやりと笑う。
「お前なあ、いくらなんでもよく出たよその体で。生きてるのが奇跡だな」
「ええ、何度も墜ちそうになりました。気力で保たせたというか、辛くなると誰かの顔が浮かぶんですよね。まだ死ぬなって」
「ふーん。オカルトっぽいが、まあ俺も分かる。生死の境まで行った人間ならな。
で、昨日戦ってたシンっていうのはインパルスのパイロットだった坊主だろ」
「ご存じなんですか?」
「ああ。ステラを帰しに来たんだ。俺のとこに」
「えっ…それじゃあネオさんは、あのエクステンデッドの部隊の?」
「そういうことだ」
「シンは俺の部下でした。感情に流されるけど真っ直ぐでいいヤツです。あのステラって娘に同乗して、軍紀違反までして…」
「ふーん、何だか繋がってきたじゃないか。それで、なんでそのシンってやつが普通にやってて、お前さんの方が脱走兵なんだ?
軍紀違反でもしたか?」
「ええ、まあ…。議長の思うままに動かされるだけの人形にはなりたくなかった…てところです。それに気づかれて、殺されそうになって…」
「ん、それはおかしいぞ。お前軍人だろ。上からの命令通りに動くのは当たり前だ。兵士が勝手なことしたら軍は成り立たないぞ」
「入ったときは議長を信じていたんです。でも、AAが敵対勢力になった辺りから…おかしくなったかな…」
「わけ分からんなぁ。なら始めからこの艦と一緒に動いてりゃよかっただろ」
「せっかちだったんですかね。俺は自分が何もできないと思って、いらだって飛び出したようなもので」
「あぁ〜お前ってさ、一人で何とかしようっていつも考えてるだろ?」
「えっ」
「戦争なんてのは信じられる仲間とじゃなきゃ、心配でやってられないもんだ。命かけるんだからな。
なんかここの連中見てるとさ、優しいじゃない」
「はあ…」
「お前優等生だろ、弱みを見せたら負けって思って。一人でできることなんて大したことないんだぜ。
協力したりされたりするのも、実力のうちさ」
325ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/07(日) 02:00:19 ID:???
43.5話 ラクスvsラクス vol.2

2人が話しているところに、珍しくマリューが一人で入ってきた。
「あら、もうすっかり仲良しね」
アスランはちょっと緊張する。
「あ、ラミアス艦長。いろいろご迷惑おかけしまして…」
「いいわよ、アスラン君。こちらもかなり助かったんだから。あなたの活躍がなかったら、オーブもキラ君も危なかったわ」
ネオが口を挟む。
「確かによくやったよ、こいつは。俺だったらあそこまで限界に挑戦はしないな」
マリューが茶化す。
「あら、『不可能を可能にする』ってよく言ってましたわよ、フラガ少佐は」
「またそいつの話か。俺はネ・オって言って…」
マリューは聞き流し、ネオに背中を向けてアスランの傍らのイスに腰掛ける。
「でもあんな無茶はこれっきりにしてね。あなたのこと心配してるのはカガリさんだけじゃないんだから。
ザフトに行ってたときは…正直複雑だったけど、キラ君が『アスランは道を見失っているだけだ』って。
ラクスさんもあなたが必ず帰ってくるってずっと信じていたし」
「そんなことを…」
不覚にも涙ぐむアスラン。俺の方だってAAと敵対しているとは思っていなかったが、戦場で対峙して…そして…。
マリューはアスランの手を優しく握る。
「あなたはずっといろいろ抱えて頑張ってきたわ。でもそろそろ一人で戦わなくてもいいんじゃない。仲間同士、協力していきましょう」
なんだか母さんに言われてるみたいだ。抑えていた気持ちがこみ上げてきて、アスランは涙が溢れるのを止めることができない。
マリューは動けないアスランの涙をそっとハンカチで拭ってやった。そして気分を変える。
「ザフトにいた間は、オーブ軍人として潜入活動をしていたということでキサカさんが処理したそうよ。
あちらで知ったことはこれから役立ててもらうから。まずは、今度こそ体をきちんと直して、ね」
「マリューさん…ありがとうございます」
アスラン君がこんなに弱みを見せるなんて。特に父・パトリックが死んでからこの方、心から気が休まることはなかったに違いない。
でもこれで回復すればきっともっと強くなるだろう彼は。マリューはキラとはまた違う強さを持ったこの若者を、優しく見守るのだった。
326ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/07(日) 02:03:16 ID:???
43.5話 ラクスvsラクス vol.3

オノゴロのオーブ軍施設では、ザフトとオーブの停戦協定が締結されていた。
ザフトからは評議員とミネルバからタリア他数名が。オーブからはカガリとキサカ、マリュー他数名が。
タリアとマリューは生身で会うのは2度目だ。砲を向け合い死闘を繰り広げた相手同士、表情を読むように向かい合った。
評議員とカガリが調印を済ませ、立ち上がって握手をする。カガリが発言する。
「わが国にジブリール氏を匿った勢力は私が責任を持って処分する。行き届かなかったこととはいえ申し訳なかった。
それでこの経緯をプラント、地球双方に向かって発表したいと思う。デュランダル議長と共に会見を開かせて頂きたいのだが、どうだろうか」
「そうですか。お申し出は議長に伝えます。一両日中にご回答致します」
「お願いする」
随行の者たちもそれぞれ握手をする。タリアとマリューも複雑な気持ちで手を握り合った。マリューが小さな声で言う。
「メンデル2という放棄された研究施設があります。そこにデュランダル議長のデスティニープランについての新事実がありますわ」
タリアははっとして相手の目を見たが、マリューは笑顔でそれだけ言うと去っていった。
まだまだ戦争は終わらない。しかし確実に流れは変わってきている。タリアは得体の知れない不安がこみ上げてくるのを感じていた。

カガリが申し出たデュランダルとの共同記者会見はプラント側に受理され、停戦の調印から2週間後に行われた。
会見場はプラントの、日ごろデュランダルが放送用に使っている部屋となった。
カガリはオーブ軍服のキサカとアスランを護衛に伴って部屋に入ると、デュランダルは既に傍らにミーアを置き、待っていた。
デュランダルはアスランにちらりと一瞥をくれるとすぐカガリに視線を戻し、いつもの穏やかな調子で言った。
「やあ、姫。政権回復をお祝いします。謀反人に国を乗っ取られて、オーブもさぞや混乱したことでしょう」
「いや、私の行き届かないところで起こったこととはいえ、深くお詫びする。私たちは決してロゴスと共謀して
戦禍を広げようとするものではないと、今日は皆に広く伝えたいと思う。よろしくお願いする」
「分かりました。私とていたずらに貴国と敵対したいわけではない。誤解を解ければそれ以上のことはありません」
「時間でーす」
担当官の声で、記者たちのレコーダーと数十台のカメラが一斉に回り始めた。
327ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/07(日) 02:12:12 ID:???
43.5話 ラクスvsラクス vol.4

会見はカガリの発言から始まった。
「このたび、ロゴスの幹部ロード・ジブリール氏がわがオーブに潜伏・逃走するという事態が起こりました。
これは私、オーブ代表首長のカガリ・ユラ・アスハの不在中にセイラン家の者が勝手に行ったことであり、
私は直ちに政権を奪回してセイラン家の当主ウナト・エマ・セイランとその息子ユウナ・ロマ・セイランを拘束し、
ジブリール氏の行方を尋ねました。しかし氏は既にわが国から出た後であり、現在に至るも行方不明です。
私の不在中のこととはいえ、戦争犯罪人と目されている人物を匿うことで要らぬ疑いをかけられ、ザフトおよび
ロゴスを討伐する連合軍と戦闘状態になったことは、誠に不徳の致すところであり、遺憾であります」
デュランダルが引き取る。
「わたしたちザフトはつい先日まで、オーブとは友好関係を築いてきました。平和を愛する気持ちはプラ
ントもオーブも同じだと。しかし残念ながらオーブは、ロゴスおよびブルーコスモスの煽る連合軍と同盟
を結び、ザフトと敵対するものとなりました。オーブは地球上で数少ないコーディネーターとナチュラル
が平和に共存している国です。そのような国と戦争するのは、プラントにとっても苦渋の選択でした。
そうだね、ラクス」
デュランダルはミーアに発言を促した。
「はい。私たちはいつでも平和を望んでおりました。戦争になってしまい、残念でなりません」
そろそろか、と思ったカガリは言う。
「ここで私とともに平和を願って活動している人物に発言を許して頂きたい。議長、よろしいか」
「もちろんです、どうぞ」
予定外のカガリの言葉だったが、デュランダルは了承した。
カガリはキサカに目配せすると、キサカは背中側のドアを開けて一人の人物を招き入れた。

会場はどよめいた。スーツ姿のダコスタを伴って現れたのはラクス・クラインその人だったからである。
記者たちが叫ぶ。
「どういうことですか!」
「ラクス様が二人?」
「そんなバカな…」
ラクスは一同を見わたし、静かに語り始める。
「わたくしはラクス・クラインです。先の大戦が終わって2年、わたくしは平和を願いながらオーブで暮
らしておりました。しかしオーブが連合軍と同盟を結ぶ少し前、わたくしたちはMS部隊に襲われました。
その部隊は当時ザフトの正規軍にしかなかったMSアッシュを持つ特殊部隊でした。幸いその時は逃れるこ
とができましたが、それからというものわたくしの名を騙るわたくしとそっくりなこちらの方が、デュラ
ンダル議長の協力者として発言をされるようになりました。わたくしは身の危険があって今まで皆さんの
前に出ることができませんでしたが、どうか皆さん、もう一度考えて下さい。ロゴスとか、ブルーコスモ
スとか、私たちコーディネーターをよく思わない方々はいらっしゃるかもしれません。しかし私たちはみ
な同じなのです。どんな理由をつけようとも、争い、殺し合うべきではないのです。その願いをお伝えし
たくて、わたくしは今日ここに参りました」
328ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/07(日) 02:15:24 ID:???
43.5話 ラクスvsラクス vol.5

デュランダルはポーカーフェイスを保ちつつ、側近に目配せした。会場はざわめき、記者たちが勝手に発言し始めた。
「私は2年前まで芸能記者をしていた。このラクス様の方が本物に違いない」
「なぜ偽者を立てたのですか議長!」
「本物のラクス様を襲ったのはザフトなんですか、議長?」
「ラクス様、今までどこにいらっしゃって…」

「バン」と突然音がして照明が落ちた。
暗闇の中、どよめきの声に混じって廊下の方から10人からの人間が駆けてくる音がする。
アスランとキサカ、ダコスタは拳銃を抜き、護衛の態勢を取る。
デュランダルはクールに言う。
「すまない、電気系統の故障のようだ。残念ながら放送は中止せざるを得ない」
足音は入口から記者たちを囲むようにどやどやと乱入した。アスランたち3人はカガリとラクスに飛びついた。
「伏せろ!」
直後自動小銃の斉射が会場の人間を無差別に薙ぎ払った。
記者たちは悲鳴を上げて倒れ、カメラや器材が破壊される音が鳴り響く。デュランダルの姿はとうにない。
護衛の3人はカガリとラクス、それに助かった記者たちを数名守りながら廊下に出、ザフト兵を倒しながら走った。
一同はオーブシャトルに飛び乗り、宇宙へ出た。
ジン部隊がシャトルに執拗に追いすがり攻撃してくる。まさに議長がラクスを消そうとする意思の現れである。
シャトルに同乗した記者たちは恐怖で顔を凍り付かせた。
「人一人にMSまで出すなんて…」
しかしジン部隊はシャトルのカーゴルームから緊急発進したストライクフリーダムの敵ではなく、
シャトルはザフトを振り切ってオーブへ帰還していった。

同時刻、ジャーナリストのジェス・リブルとミリアリアはこの会見と騒動の一部始終をカメラに収め、
カイト・マディガンの護衛で会見場を逃げ出した。
走りながらジェスが尋ねる。
「こんな隠し球があるとは驚いたぜ、ミリアリア。どうする、この画を?」
「取りあえずあなたが預かっといて。それが一番安全だし、私は本業に戻るから。また連絡するわ。じゃ」
ミリアリアは手を振って2人と別れ、カガリたちと合流した。カイトは怪訝な顔で尋ねた。
「おい、ミリィちゃんの今の本業って…なんだ?」
「AAのCICだってさ」
「なにいっ…あの艦か!」
カイトは絶句した。

fin
329ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/07(日) 02:18:24 ID:???
今日の分おしまいでつ。
前半…彼には大人の言葉の方が説得力あるかも?
後半…こういう手も面白い?

てことで。
330俺のはつまらないよ('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/07(日) 03:06:00 ID:???
>323-329
ノラぬこさん乙です!

前回、前々回の間の補完ですね。ラクス対ラクスはまだ本編が放送されていないから難しかったのではないでしょうか?
タリアとマリューの対峙がいいですね。
ノラぬこさんには、このまま本編とは微妙に違った流れで行ってもらいたいです。
それにしても議長…相当ワルになって…w

で、ちょっと気になったのが最初のネオとアスランの会話パート。
2人の会話に表情や仕草をなどの「間」を所々入れたほうが会話を生かせるかな、と。その後のマリューが入って来たパートが読みやすくて進行的にちょうど良く感じました。
会話の内容は と て も い い ですね。確かにネオやマリューなら話しそうな内容です。キャラがしっかり立っていますよね。(そのあたり見習いたい…)

自分は取り敢えず次回の構想出来上がってるので近々投下できると思います。多分またMS戦主体のIF短編になると思いますが…

|A`)ノシ ソレデワ
331せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/07(日) 14:43:14 ID:???
「ロアノーク大佐、出られる?」
ラミアス艦長の声からの通信音で、アスランは目を覚ました。
「ん?ああ…」
不審そうに、だが短く返答を返し、ネオはベッドから這い出てきた。
そのタイミングを見計らったように、数名のオーブ軍兵士が部屋に入ってきて
ネオを両脇から抱えて連れ出そうとした。
ネオは、やっと上体を起こせるほどに回復したアスランを見下ろし
「美人艦長さんからお呼び出しだ」と茶目っ気たっぷりに笑ってみせた。
ネオが部屋を出て一人きりになると、急にざわざわと胸騒ぎが襲ってきた。
自分はこんなところにいていいのか。修理に時間がかかっていると聞いたが
ザフトの武力行使が始まっている以上、準備が整い次第この艦も出撃するのだろう。
アスランは意を決したように、壁に取り付けられたインターフォンを手に取った。
332せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/07(日) 14:44:08 ID:???
ネオは拘束されたまま艦の廊下を歩いていた。
「おいおい。今度はどこに連れて行く気だよ?」
やがて彼らは艦の外へ出た。海に面した崖の上に簡易のヘリポートが設置され
そこに戦闘機が一機。その前にマリュー・ラミアスが立っていた。
彼女はなにも言わずに、ネオの拘束を解いた。
「なんだ、どういうことだよ」
「もうケガも治ったでしょ。ここにいるとまたケガするわよ」
「はあ?」
なにを唐突なことを言い出すんだ、この艦長は。
だいたいこんなところで解放されて、俺に一体どうしろって言うんだ。
「スカイグラスパー、戦闘機だけど…用意したから、行って」
そう吐き捨てると、マリューは苦しそうに顔をしかめてネオに背中を向けた。
真意を測るように、肩越しにマリューの顔を覗き込んだネオを見ることもせず、
マリューはさらに絞り出すようにつぶやいた。
「あなたはムウじゃない…」
自分に言い聞かせるように。
そして自分が発したその言葉に耐えられず、マリューはその場から走り去った。
呆然とたたずむネオと、スカイグラスパーを残して。
333せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/07(日) 14:45:00 ID:???
インターフォンを手にとったアスランは、焦りを感じながらもどうやって
行動に出ればよいのか?と逡巡した。ほとんどのクルーは艦の修復にかかりっきりで
ここに呼びつけることのできそうな人間は思い当たらない。
そうだ。
別室で休んでいるはずのメイリンにコールする。
「メイリン、いるか?」
熱は下がったが、これからどうすればいいのか…漠然とした不安を抱えながら
部屋で考え込んでいたメイリンは、慌てて受話器を取った。
「は、はい!アスランさん!」
「ちょっと手を貸してくれ。ブリッジへ行きたいんだ」
「わかりました!」
この艦で頼れるのはアスランしかいない。これからどうなるのか、自分は
どうしたいのか、まだ決めることなんてできないけど、せめて、まだ自由に
動くことのできないアスランの助けになろう。それだけでいい。
メイリンはそう決意して部屋を出た。
アスランの病室に駆け込むと、ネオがいないことに一瞬だけ驚いたが、
すぐにアスランの肩を背負い歩き始めた。
「すまない、メイリン…呼び立てて」
「かまいません。わたしにできることはこのくらいしかありませんから」
アスランは、またこの娘を利用してしまっていることに対して罪悪感を
感じたが、今の自分にはどうすることもできない。
「俺にできることも今はあまりない。でもせめてブリッジで戦況を見守りたい」
「アスランさん…」
そうだ。ここにいればザフトの動向だってわかる。お姉ちゃんがどうしているかも
少しくらいはわかるかもしれない。メイリンはここでアスランのサポートをする
決意を固めた。
そして、二人はブリッジにたどりついた。
334せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/07(日) 14:45:58 ID:???
「アスラン…」
「お、おいおい」
二人の姿を見て、ミリアリアとチャンドラが驚きの声をあげた。
「邪魔かもしれないが、部屋でのうのうと休んでいることもできないんだ」
ミリアリアは軽くため息をついて立ち上がった。そしてメイリンにそっと耳打ちをする。
「わかりました」
メイリンは廊下へと出て行き、すぐに戻ってきた。手には一着の軍服を抱えて。
「ミリアリア…これ」
「カガリがアスランにって用意してたのを預かってたの。これ、着てあげてくれる?」
アスランは意を決したように、真新しいオーブの軍服に袖を通した。
階級章を見て苦笑する。カガリ、こんな上の階級にしてくれなくてもいいのにな。
これじゃずっとこっちで頑張ってたキラよりも上級じゃないか…
「ありがとう、ミリアリア」
「どういたしまして。無理しないでね」
335せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/07(日) 14:46:54 ID:???
アスランは、隣で所在なげにしているメイリンを振り返って告げた。
「メイリン、君は降りてドックに残れ」
「えっ…」
「発進すれば、アークエンジェルはザフトと戦うことになるんだ」
「あ…」
覚悟はできていたとはいえ、改めてそう聞かされると気持ちが動揺する。
「それに君を、乗せてはおけない。この艦に残るということは、民間人の
立場ではいられないということだ」
「アスランさん…」
ザフトを後にした自分の立場を考えてくれているのか。
けれど、今ここで艦を降りても、わたしには居場所なんてない。
「ほんとにすまない…ありがとう。だがこのドックにいれば大丈夫。だから…なっ」
メイリンは泣きそうになりながら首を振った。やっと決心したのに。ここにいようって。
「でも…でも、わたし…」
アスランはメイリンがそこまで覚悟を決めていることなど知るよしもなかった。
「大丈夫ですから。わたし、大丈夫ですから」
うまく説明なんてできない。でも、ここを出て行きたい場所なんてない。
「だから、置いていかないで下さい…」
メイリンはアスランの肩に顔を埋めた。
「メイリン…」
いつの間にか、ネオを見送って戻ってきた艦長が立っていた。
アスランはマリューと顔を見合わせた。マリューは目配せで「メイリンの処遇は
後で考えるわ」とアスランに告げ、うなずいてその意思を示した。
「…わかった」
アスランはメイリンの肩にそっと手を置いた。
336せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/07(日) 14:51:04 ID:???
あ、コピペ失敗してる…
>ラミアス艦長の声からの通信音
は、「ラミアス艦長からの通信音」でした。
自分的にモニョった部分
・魔乳が「ムウじゃないんでしょ!」とネオに八つ当たりするところ
・アスランがなぜメイリンとブリッジに現れたのか
しかもなんでいきなり軍服着てるのか納得のいく展開がなかった

カガリがユウナぶん殴るところとか、ラクスのデムパ説教とか
キラの発言とか他にもいろいろあるけどアバンだけでこんなに
長編になってしまった…orz
337俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/07(日) 15:56:29 ID:???
>336
42話は意外と削れるところがないですよね(展開がくぁwせdrfgtyふじこlなところを除けば)。補完すれば余計に長くなるのは当然じゃないでしょうか。
ノラぬこさんとかもそうですが、キャラクターそれぞれの心理描写とかがいいですねぇ。見習いたいです。
スラスラと読めたので気になったところは殆ど無かったのですが、強いて言えば最後のメイリンとアスランの会話
(「でも…でも」から「メイリンはアスランの肩に顔を埋めた」の間)の文章、並び替えた方が雰囲気でるかな、と思いました。

|A`)ノシ ソレデワ
338せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/07(日) 22:19:43 ID:???
感想ありがとう。もう少し推敲すればよかったです。重複表現が出てきたりしてた。

「でも…でも、わたし…」
アスランはメイリンがそこまで覚悟を決めていることなど知るよしもなかった。
「大丈夫ですから。わたし、大丈夫ですから」
メイリンはアスランの肩に顔を埋めた。
うまく説明なんてできない。でも、ここを出てまで行きたい場所なんてない。
「だから、置いていかないで下さい…」
「メイリン…」

こんな感じで、どっすか。一応本編絵コンテの流れに沿ってやってみました。
339適当になんか書いてみた:2005/08/07(日) 22:34:04 ID:???
また再び・・・、この機体に乗ることになるとは・・・。
傷の痛みと、ブースターによるGが意識を霞ませる中そう思った――

ラクスは言った。選ぶのは俺自身だと。誰かに与えられる運命じゃない、自らの望むままにすればいいと。
俺には正直、議長の言葉もラクスの言葉も変わりはないと思う。
力でしかこの戦争は止められない。だから、彼女はこの機体を渡すのだろう。今の俺にはこの機体は皮肉でしかないというのに・・・
俺はインフィニットジャスティスを見上げて苦笑すると、ラクスの方を向いた。
340適当になんか書いてみた:2005/08/07(日) 22:34:55 ID:???
「すまない、ラクス。今の俺に正義があるのかは分からない。だが、俺にはまだやるべき事がある。戦士としてのアスラン・ザラとして。その為に、今はこの機体を託して欲しい」
彼女はその言葉にただ頷くだけだった。

パイロットスーツに着替え、コックピットに入る。
内部はジャスティスと殆ど変わらない。
エンジンを起動するとともに、妙な昂揚感が自身を支配する。モニターに浮かび上がる文字を確認し、俺はまたあの言葉を発した。
オーブ―、カガリを守る為、ミネルバ―、シンを止める為に俺は―
「アスラン・ザラ、ジャスティス出る」
341 ◆0IaHAmsXdg :2005/08/07(日) 23:10:29 ID:???
大浴場の洗い場で汗と油をおとして、着替えて、銭湯の外に出ると、もう夕暮れになっていた。腕時計を見ると、6時半。夕食は、7時からで、ここから食堂までは、徒歩でも10分もかからない。自転車で来たので、十分に間に合う。
ブゥン
と、目の前の道ばたに、赤いスポーツカーが止まった。
ばたん、と、ドアを開けて、男が現れる。金髪、グラサン、体格は、割といい。
「ちーっす。キラきゅん。元気してたぁ?」
フラガ先輩だ。
あきれながら答える。
「先輩・・・。今日も学園祭準備サボってドコ行ってたんすか?また熱海とか?」
「うんにゃ。ま、ドコに行ってたかは内緒としてー、今日はちゃんと学祭の準備してたんだぜ?」
と言って、フラガ先輩は車の後部座席から何かを引っ張り出してくる。
「なんすか、それ」
「“よいこの花火セット”だ。なんと、近くのコンビニで捨て値価格500円だったんだ。」
「へぇ、最近はコンビニでそんなものも扱ってるんですか・・・」
「ああ。欲しいだろ?やらねえぞ?」
「学祭の準備ってそれだけっすか?つか、それって工学部の出し物と関係ないっすよね」フラガ先輩はにこやかに微笑むと、
「・・・・」
愛車に駆け込み、速攻で逃げた。後に残ったのは、スポーツカーの排気ガスだけだった。
そこまで逃げなくても良いのに、と思って、腕時計を見ると、それでも、まだ、夕食には十分間に合う時間だった。
「・・・・・」
なんとなく、いや、なにか殺気だったものを感じて、後ろを振り返ると、マリュー先生が居たのだった。
342ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/08(月) 00:05:45 ID:???
>>330
おおっホント、その通りでつね。
ネオ×アスランの会話は後から追加したので、会話だらけになってしまいますた。

いきなりアストレイキャラまで出しますたが、本編で出番が少ない(orない)のに
使い勝手のよいキャラがいるってことで。

>>331-336
とても読みやすい流れだと思いまつ。本編42話はいろいろ言葉が足りないでつね。
で、ぬこたんとしてはアスランは人に頼るのへた〜なキャラだと思いまつ。特に女性には。
でも一人ジタバタしていると周りが気づいてくれる、と。
てわけで、刺激されたので42話改を書いてみまつかねー。

>>339-340
これもカッコイイでつね。
本編はCICにはためらいなく行くのにMSに躊躇するのが不自然ですた。
343通常の名無しさんの3倍:2005/08/08(月) 00:22:24 ID:???
>>342
いや、CICに行くのとMS乗るのとではわけが違うと思うんだけど…。
CICは体力がいらん、とまではいわないけどケガしててもできる。
でもMS乗るのは加速時のGとかで少々無理が…。


て言おうと思ったけど今気付いた。同じ戦うことなのになんでためらうんだ?ってことだよね?
危うく間違えるところだった。
やっぱあれじゃない?気持ちの問題じゃないのかな。MSに乗るのなら前とかわらない、また踊らされるだけかも、みたいな。
…駄目だ意味わからん。説明できんな。
344ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/08(月) 01:22:31 ID:???
>>343
そう、感情の問題とゆことでつ。
無理を押して出たのは自分が戦いに加勢するため。当然気持ちは空(MS)へ行っている。
迷うなら、ザフトに敵対すること、こちらの陣営で進む道は正しいかということで、
そんなのベッドで考えてるはずでつよね、キラとも話したんだし。
インジャが降りてくるのを見て迷わずCICから立ち上がっているんだから、
ラクスには「俺は出撃したいが君はどうだ?」のように、自分から決意を表明し、
ラクスの意志を確認する方が自然のような気がしまつ。
より気が急いているのはキラが指摘するようにアスラン側なのだから。

と、修正版を今作ってみてまつゆえ。
345せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/08(月) 01:33:37 ID:???
ぬこさん、感想ありがとう。
なるほど<頼るのヘタ
そうするとメイリンに肩を借りてたのってやっぱり不自然じゃ〜ん…
一人で廊下を、足引きずって歩いてたらメイリンに発見されたってところかなあ?
でも、私は無印後半を最近まとめ見して、意外とアスランはカガリに
頼ってるなあ〜と思ってしまいましたw頼れるカガリがテンパってたから
種死ではヘタレになっちゃったんですかね?
ぬこさんの、楽しみです。
346ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/08(月) 01:44:14 ID:???
>>345
人に自分から頼るのは下手だけど、気遣ってくれたことには感謝し、受け入れるって感じでつかね。
この場合アスランがメイリンに心苦しい以上に、メイリンがアスランに感謝+母性本能的「支えてあげなきゃ」感情を持っていて、
しかもメイリンのがずーっと細かな気が利くので、アスランが悪いなと思いつつ受け入れているのでは、と推察しまつ。
347せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/08(月) 02:51:11 ID:???
ぬこさん、お先に失礼します〜。

42話Bパート エターナルハンガー

キラはガイアに続いてエターナルへ帰投した。
ブリッジへ戻るのももどかしく、格納庫の通信機を使って、ターミナル経由で
アークエンジェルの現状を確認する。残された時間はあまりない。
しかし、ブースターで宇宙へ出て交戦し、さらに新しい機体を操った後で
キラの疲労は極限に達していた。
整備班にストライクフリーダムの微調整に関するいくつかの指示を与えると、
誰もいないブリーフィングルームでようやくつかの間の休息を取ることができた。

ラクスは一度はブリッジに戻ったものの、ファクトリーの無事を確認したところで
バルトフェルドにこう促された。
「どうせたいした時間はとれないが、少しでも一緒にいてやったらどうだ?」
彼にしてみれば冷やかしのつもりで言った一言だが、ラクスには通用しなかった。
「はい。そうさせていただきますわ、バルトフェルド隊長」
にっこりと微笑んでブリッジを後にする。ダコスタは当てられて真っ赤になっている。
「おまえも、まだまだだなあ…」
「隊長…」
348せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/08(月) 02:52:24 ID:???
キラはブリーフィングルームの椅子に沈み込み、眠っているように見えた。
お邪魔をしては、いけませんわね…
でも、少しだけ、と思って音も立てずに近づいたのに、キラには気づかれていたようだ。
「ラクス」
目を閉じたまま名前を呼ばれる。
「はい」
「さっきも、言ったけど…」
見つかってしまったので、座っているキラの肩に手を乗せて、彼の目の前に降りたった。
キラが目を開けて、ラクスを見つめる。出撃前に見せたような、優しい眼差しだった。
胸が締めつけられそうだ。
「早く地上へ、みんなのところへ戻らなくちゃね」
まだふわふわと浮いているラクスの腰をそっと掴み、近くへ引き寄せる。
「はい…そうですわね」
宇宙でできることは全て終えた。あとはメンデルで得た物と、ファクトリーで作られた物たちを
地上へ無事送り届けなければ。そしてラクスにはまだ、地球でやらなければならないことがあった。
しかし既にエターナルはザフトから目をつけられている。今回はなんとか振り切れたが、
追っ手が来ていないという保証はない。いや、おそらく次の一手は打たれているだろう。
「僕は、フリーダムで降りるつもりなんだけど…」
リスクはできるだけ分散した方がいい。
「ラクスも一緒に行かない?」
「ええ!?」
キラの提案に、ラクスは少なからず驚かされた。
「パイロットスーツは持ってる?」
キラはラクスを抱いた手を離し、そっと立ち上がった。
「宇宙へ上がることになってすぐに…わたくし用に作っていただいてありますが…」
「じゃあ、着替えて格納庫に来て。待ってるから」
ラクスはブリーフィングルームに取り残された。
キラと一緒に?二人でモビルスーツに乗ったことがないわけではありませんけど、
それで大気圏に?考えている暇はない。ラクスはロッカールームに向かった。
349せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/08(月) 02:53:57 ID:???
フリーダムの足下に、キラが浮かんでいた。
「かわいいね、これ」
ピンク色のパイロットスーツ。
「うふ」ラクスは少し得意げに微笑んだ。
「こっちの機体も」
キラはフリーダムと並んで置かれているもう一体のモビルスーツを見上げた。
「せっかくだから、一緒に運ぼう」
「え?」
キラは床を蹴ってさらに浮き上がった。ラクスも慌てて後を追う。
インフィニットジャスティスのコクピットのあたりでようやくキラに追いついた。
「ラクス、こっちに乗って」
「わたくしをこれで?」
「うん。追っ手もごまかせるし、一緒に降りた方が安全だから」
モビルスーツの操縦などできないラクスの乗った機体と一緒に降りることが安全?
思いがけず見せたキラの強気な態度に、ラクスはうれしくもあり、少し不安にもなった。
あの日から…そう、フリーダムの封印を解いた日から、ラクスを守るという点において、
キラは驚くほどの強い意志と自信を示してくれるようになっていた。
戦いたくないとあれほど言っていた人が…
350せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/08(月) 02:55:47 ID:???
「これを運ぶということは…」
ラクスが濁した語尾を、キラが継いだ。
「アスランにね」
「アスランは、今どんな様子なのですか?」
「うん…」
キラは言いにくそうに視線をそらした。
「正直言って、まだ決して本調子じゃない」
「それなら、今のアスランには、つらいのではないでしょうか?」
「うん」
しかし、キラの気持ちは固まっていた。
「そうも思うんだけどね。でも、何かしたい、何かしなくちゃって一番焦ってるのは
アスランだと思うんだ」
やはり、アスランのことを一番理解しているのは、キラなのだろうか。
「僕もフリーダムを失って、ここへ来るまですごく焦ってたから、わかるんだけどね」
「キラ…」
「そんな時に、使える機体がないのって本当につらいんだ」
僕がここでフリーダムを再び得たように、アスランにも一刻も早くこれを届けたい。
「わかりましたわ」
ラクスも覚悟を決めた。しかしキラと同様にアスランの焦りを解消しようとは思わなかった。
「けれど、これを使うかどうかは、アスランの意志にまかせようと思うんです」
これを見せてしまえば、アスランの気持ちは揺れるだろう。押しつけるようなことは
したくなかった。
「それでいいよ」
キラはまた極上の笑みをラクスに見せてくれた。
「じゃあ、必要最低限の操作だけでも覚えてもらわなきゃ。移動だけならほとんど
自動操縦でできると思うけど」
キラはラクスの背を軽く押して、ジャスティスのコクピットを開いた。
351せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/08(月) 03:00:15 ID:???
ちょっとラブラブしすぎ…でしょうか?
でも本編でもこのくらいやってるからいいですよね(爆)
このシーンのキラがものすごく軽薄な口調で、しかも言葉足らずだったのが
気になっていました。
評判は悪いけど、前作のピヨピヨしたキラと違って今作のキラけっこう好きなので
余計にもやもやしてしまったです。
他スレ見ていてラクスのパイスーに対しても賛否両論あったんでそのへんも補完です。
352俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/08(月) 03:14:18 ID:???
|A`)ノ 深夜に登場
投下する職人さんが増えるのはいいことです。

おおっ!正に思っていたとおりにしてもらってますよ>338 こっちの方が自然な流れになりませんかね?
>347-350みたいな本編の補完は辻褄を合わせるのが難しいですね。どうしても納得できないところが出るだろうし。
本編に沿ったものを書くのは大変だぁ
ある意味完全に新規で話創ったほうが楽かも…

で、自分の奴短編にする予定だったのですが、思ったより長くなりそうなんでまず前振りだけ投下します。
逃げるかのようにIF物ですw
353俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/08(月) 03:15:55 ID:???
アバンタイトル


 「うおおおおおおおっ!」
 
 「キラ!! 大丈夫かっ!」
 
 「トールッ!?」
 
 「今助けるッ! キラッ!」
 
 「トール、駄目だッ! 来るな!!」
 
 「そんな……ものでぇぇっ!! うおぉぉぉぉぉぉっ!!」
 
 「!!」
 
 「あ……あ……あああ……トー……ル……」
 
 「……ああぁぁぁぁぁぁぁっ……アァァァスラァァァァァンッ!!」
 
 「キィィィラァァァァァッ!!」
 
 
 
 
 
 
 C.E.73年――
 
 「うわああぁっ!!」
 静寂――
 無機質な雰囲気を漂わせた部屋――
 ベッドで寝ていた彼は、叫び声と共に飛び上がるように半身を起こした。
 心臓はマラソンを終えた後のように心拍数を上げ、目は恐怖に怯え、全身には汗が噴き出している。
 それは今見ていた夢――
 妙に現実味のある夢にうなされ、彼はその恐怖で目覚めてしまったのだ。
 そのまま数秒が過ぎた。
354俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/08(月) 03:17:06 ID:???
アバンタイトルA

呼吸を整えようと、肩を大きく上下させ深呼吸する。
 そこに思いがけない声が聞こえてきた。
 「あ…あの…」
 すぐ側から聞こえて来たその声は明らかに女性のものだ。
 彼は驚いて声のした方向を振り返る。
 そこには10代前半くらいのブラウンの髪を持った小柄な少女がいて、椅子に座ったまま驚いた表情で彼の方を見ていた。今まで読んでいたのであろう開いた状態の文庫本を持ったまま。
 その少女が恐る恐る口を開く。
 「あの…大丈夫…ですか?」
 変な夢で強制的に起こされた彼は、未だ覚醒していない脳で考えた。なにが大丈夫なんだ…?
 
 (良く思い出せない…俺は…)
 
 朦朧とした意識で必死に思い出そうとする。俺は大事な事を忘れている…。一体なんだったろう…?
 思い悩んでいる彼を見た少女は、持っていた文庫本を脇のテーブルに置き、勢い良く立ち上がり彼に告げた。
 「あの…とりあえず、そのまま待ってて下さい!」
 そのまま駆け足で部屋から出て行く。
 立ち上がった少女の髪から漂ってきた香りが、彼の鼻孔をくすぐる。懐かしい香り…。
 
 (懐かしい香り…? 俺は…前にも同じ香りを…)
 
 それは何故か彼の胸を締めつける記憶…。
 うっすらと記憶の彼方に浮かんでくる少女の面影…。
 
355俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/08(月) 03:18:39 ID:???
アバンタイトルB

 ややしばらくして、先ほどの少女と痩身の中年の男が部屋に入ってきた。そのまま彼の近くまで歩み寄る。
 「ね? 本当でしょ?」
 「ああ。驚いたな…こんなに早いとは思わなかった。」
 二人は彼を見つめながら会話を交わす。
 状況を掴みきれない彼は怪訝な表情を浮かべ二人を見、そして口を開く。
 「あなた方は…? それに、ここはいったい…?」
 彼の質問に答えたのは男の方だった。
 「さて…どちらの質問から答えたものか…」
 男は右手で顎をこすりながら考えるような仕草を見せ、彼の目を覗き込むように身を乗り出し、そして言った。
 「私の名はオタード…この施設の責任者だ。そしてこの娘はミラベル。私の娘だ。」
 「ミラベルです。よろしくね!」
 ミラベルという少女は、オタードと名乗った男と彼の間に割り込み笑顔で自己紹介をする。
 「こらこら…話の邪魔をするんじゃない。と、あとは何だったかな…ああ、そうだ。ここは…うーん…簡単に言えば病院と言うところかな。」
 そこで一旦区切ると、オタードは彼の目を覗き込んだまま逆に聞いた。
 「目が覚めたばかりで申し訳ないのだが、君は一体何という名前だったか思いだせるかね?」
 彼は気が付かなかったが、一瞬オタードの目つきが鋭くなる。
 まだ完全に目が覚めていない彼でもそれぐらいは答えられる。何を言ってるんだ、と言うような表情を浮かべながら彼は答えた。
 彼の名前は――
 
 (俺の名前は…そう…)
 
 「俺の名前は……トール……トール・ケーニヒ……」
 
 
 
 
 
 歴史の流れは抗う事のできない波――
 定められていたはずの運命――
 その舳先が違う流れに向かったとしても――
 
 
 
      ANOTHER DISTENY 
         歪められた運命
356俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/08(月) 03:20:51 ID:???
大風呂敷を広げてしまいました orz
続きはチマチマと投下していく予定です。
って言うか続けられるのだろうか?
357ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/08(月) 03:29:53 ID:???
>>347-350
なるほろ。対アスランに比べてキラへのラクスの愛情あるのが伝わりまつね。
ちょっと気になったのは、AAへの降下に関して選択肢は
・MS単体でorポッドで
・キラだけorラクスも一緒に
くらいしかないから、ラクスは驚くより方法をキラと話し合うような気がしまつ。
何せ動じない、全てお見通しの方でつから。

じゃ、寝る前にOP前までのパートを投下。
358ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/08(月) 03:33:34 ID:???
本編42話改 vol.1

オーブが攻撃され、カガリも戦っている。アスランはいても立ってもいられなくなり、何とか起きあがろうとベッドの上で軋む体と戦っていた。
ミネルバにいたときも、カガリやキラが戦場に出てきたりオーブが攻撃されたりするたびに、俺は心配でならなかった。
でも今は大切に思う彼らの下に帰ってきたのだ。あの時のように加勢したくても身動き取れない立場じゃない。
しかし今は俺の体の方が身動き取れない。動くたびに傷に響き、力が入らない。ネオさんが呆れて
「おい、何やってんだっ」
と怒鳴っているが、返事をするのもしんどい。シンが…デスティニーが来たのだ。もう一刻の猶予もないのに…。
いつの間にか入ってきていたメイリンも心配そうな顔で見る。
「アスランさん…」
この娘にもずいぶん迷惑をかけた。俺が何とかしてやらなきゃいけない。くそ、どうして肝心なときにこうなんだ、俺は。畜生。
何とか半身を起こし息をついているとドアが開いた。ラミアス艦長が武装した兵士2名を伴って入ってきた。
「ネオ・ロアノークさん。釈放よ」
「ん? ああ。何で今ごろ?」
マリューは問いには答えず、努めて冷淡にネオに衣類と私物を返す。
「あなたの軍服です。すぐ着替えて下さい。もう体は大丈夫でしょう」
「ああ、まあ…」
ネオが着替えるのを見下ろすマリューに、アスランは今しかないと思い、話しかけた。
「ラミアス艦長、俺をブリッジに入らせて下さい」
「え、アスラン君、あなたそんな…」
驚くマリューを、アスランは真っ直ぐに見つめる。
「協力させて下さい、お願いします。カガリやキラたちが戦っているのを黙って見ていられません」
アスランの瞳が決意をたたえているのを見て取ったマリューは、彼を止めるべきではないと判断した。
「分かったわ。ブリッジに入るのを許可します。メイリンさん、ロッカー室から着替えを持ってきてあげて」
マリューの優しい指示にメイリンは頷き、部屋を出て行く。そんな間にネオの準備もできた。
359ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/08(月) 03:35:43 ID:???
本編42話改 vol.2

「じゃあな、坊主。死ぬなよ」
軽口を残し、ネオはマリューたちに連れられて部屋を出て行った。

(本編のスカイグラスパー前のシーン ここに入る)

メイリンはロッカー室で自分はモルゲンレーテのジャケットを身につけ、オーブ軍服の予備セットを取ると病室へ戻った。
「アスランさん、着替え手伝います」
「ああ、ありがとう」
メイリンは、アスランの包帯だらけの姿に胸が痛んだ。
打撲に火傷、コクピット正面の計器類に突っ込んで肋骨が折れ、内臓まで傷つけたとドクターから聞いた。私を庇ったために…。
せめて私が支えてあげなきゃ。そう、今はそれしかできないから…。
渾身の力を込めて立ち上がるが、ぐらっと崩れそうになるアスランの左側にメイリンは素早く回り込み、肩を貸す。
「…すまない」
僅か笑いかけるアスランに、メイリンは少し嬉しいような慈しみのような複雑な気持ちになった。
そして、アスランの歩ける速さに合わせてゆっくり、ブリッジへ歩を進めた。

ブリッジに入れば甘えたことはできない。アスランは息を整え、メイリンと共にドアを入る。
「アスラン…」
「お、おいおい」
驚くミリアリアとチャンドラ始め一同に、アスランは頭を下げる。
「ご迷惑をおかけしました。もう…大丈夫です。CICを手伝わせてください」
陰鬱な気分を振り払った表情のアスランを見て、皆少し安堵した。アマギが応える。
「分かった。ではこちらの席へ」
「ありがとうございます」
アスランは咎め立てしないアマギに感謝し、メイリンに向き直った。
「メイリン、降りてドッグに残れ」
「えっ」
「発進すればAAはザフトと戦うことになるんだ」
「あ…」
「それに君を乗せてはおけない」
「アスランさん…」
360ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/08(月) 03:38:44 ID:???
本編42話改 vol.3

この艦は間違いなくミネルバと戦うことになる。俺だって本当は敵対するのは苦しいが、やらなければならない。
でもメイリンは、身内に銃を向けるなんて酷すぎる。汚れ役は俺だけでいい。生々しい現実を語るより、安全だからと言おうか…。
「本当にすまない。ありがとう。だがこのドッグにいれば大丈夫。だから…な…」
「でも…でも…私…」
メイリンはいやいやをして潤ませた目でアスランを見上げる。アスランさんは今だって一人じゃ歩けないほど弱っているのに、私の心配ばかり。
自分が大変なのに私のことなんか気にしないでよ、お願いだから。
お姉ちゃんやミネルバのみんなのことは辛いけど、でも私だって分かってる。撃つのが辛いのはアスランさんも同じじゃない。
なのに私だけ安全な場所にいるなんて、できるわけないよ。
メイリンはこみ上げる悲しみを抑えきれず、アスランの胸に飛び込んで泣きじゃくった。
「大丈夫ですから。私、大丈夫ですから…だから…置いていかないで下さい」
アスランはメイリンの勢いに驚いた。ミネルバと…姉と敵対するのに、それでも行く決意ができるのはなぜなのか。
俺と違ってAAやオーブに加勢しなければならない理由もないのに。でもこの様子じゃ無理に下ろすわけにもいかなそうだ。
アスランは困惑し顔を上げると、マリューが「乗せて行ってあげましょ」と目配せした。
「メイリン…。分かった」
アスランは穏やかな表情で、右手でそっとメイリンを抱き寄せた。
メイリンはアスランの大きな温かい手で包まれて安心し、少し頼もしく嬉しくなった。
この誠実な人についていけばきっと大丈夫、何とかなると思えた。
メイリンはアスランを気遣いながら、2人揃ってCICへ下りていった。
361ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/08(月) 03:44:22 ID:???
てな感じでつがいかかでせうか。

ポイントは
・マリューがブリッジに来たアスランに何も言わなかったのは、予め知っていたからでは
・アスランは周囲に言葉が足りなすぎて損している。挨拶と感謝はしようよ、と
・アスランはメイリンに負い目があるので思いやっているだけだが、メイリンはアスラン可哀想から母性本能的感情が高ぶってきている。
朴念仁のアスランはそんな気持ちに気がつかず、戸惑う
362俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/08(月) 03:46:12 ID:???
あかん、タイトルのスペル間違えた。
ANOTHER DESTINY の間違えです
恥ずかしい…~~~~~~~~~~~
俺は小学生以下のばか者だ…

>347-350>358-360
いい感じですなぁ
363ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/08(月) 04:01:17 ID:???
>>353-355
んー、ファンタジーぽい感じもしまつけど、情景が浮かびにくいでつね、ぬこたんは。
お亡くなりになった方が主人公なせいもあるかもでつが。

明日の(もう今日かw)ためにええかげん寝まつ。じゃ。zzz…
364せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/08(月) 08:42:41 ID:???
おはようございますー
自分の投下でいっぱいいっぱいで感想書けてませんでした(爆汗)

>339-340
やっぱりポイントは
>俺には正直、議長の言葉もラクスの言葉も変わりはないと思う。
ですかね!(笑)
でも本編では「戦士」じゃない自分は結局カガリを守ることができなかった→
ザク借りて「戦士」になってもユニウスセブンの落下は食い止められなかった→
無力感ありまくりなのに議長に「戦士」としての自分しか認められずがっかり…
な流れだったと思うのですが、それじゃアンタなんのために盗んだグフで
走り出す〜♪とかやったの?と思ってしまうので、「戦士上等!」と開き直って
新機体に乗るのはアリだと思うんですよね。ここまで来てラクスに「君まで
俺は戦士でしかないって言うのかぁぁ」なんてごねるのが意味不明だったから
>339-340の流れの方が自然な感じがします。

学園祭バージョン、面白そうです。続き読んでみたいです。
工学部…てことは大学かな?高校くらいにしておいて、フラガ先輩が教育実習で
母校に来てマリュー先生と…みたいなのも面白いかも(妄想)
365せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/08(月) 08:55:38 ID:???
>俺つまさん
私は新規で話作れるほどキャラクターに愛着がないし、CE世界も把握できて
いないので(笑)見ていてイライラする本編の補完程度しかできません。
0とか1から作れる人、うらやましい〜。
で、>353-355ですが、確かに、死んだ(はずの)人を生き返らせる、または
本当は死んでませんでしたーってやるのはかなりの大風呂敷が必要ですよね〜。
本編の中の人たちの風呂敷はイマイチ見えてきませんが(爆)
とりあえず「どうも死んだと思ったけど生きていた」「でもここはどこ?」って
ところまでだと思うので、今後の展開に期待ですね。

>ぬこさん
私はAAへの降下については、ラクスは別にシャトルかなんかで降りるのかなと
想定してました。キラは自分の機体があるのに、それをポッドで降ろして
自分はラクスと一緒にシャトル…というのは考えにくいかな?と思っていたので
じゃあ、ラクスをどうやって降ろす?となった時に、ほとんど防御手段を持たない
シャトルに乗せるよりは、インジャに乗っててもらった方が安全ではないかと
いう判断だと思っています。
方法を話し合うのは妥当な流れですが、本編見る限り相談前に既にラクスは
パイスー着てたんで、なんでかわかんないけどパイスー着ろと言われた→
着てみたらインジャに乗ってね(はぁと)ってことになった、と解釈しました。
(この、「既にパイスー着てMS乗る気満々なくせになに『わたくしがこれで…?』
とか言ってんだよ」というツッコミは他スレでもいろいろ言われていました)
本編の流れ基本的に重視な私としてはかなり無理矢理な本編をがんばって
つじつま合わせることに喜びを見いだしてみました(笑)本編がああなので
どうやってもモニョ〜なんですけどね(*´Д`)
366せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/08(月) 09:08:53 ID:???
んでぬこさん本編。

>ネオ釈放
本編のスカグラのシーンを使うのであれば、スカグラ前に到着するまでに
釈放を知っていたというのはちょっと流れが不自然かなという感じです。
ネオは明らかにスカグラ前で拘束を解かれて驚いてましたから、そこへ
着くまでは釈放を想像していなかったと私は判断しました。

>いつの間にか入ってきていたメイリン
私はアスカガ派なので、この子が用もないのにネオとアスランの病室へ
「いつの間にか入って」来たりするのが好きじゃないんです(爆)本編では
何度かありましたが…
なので頼り下手のアスランに意思表示させてしまったんですが、確かにこの方が
いつもの流れに即してますね。でもいや(爆)
>カガリやキラたち
気持ちはわかるけど個人名出しちゃうところがこの人の空気読めないところでしょうか?
カガリがアカツキで出たのは戦うため?という疑問と、今キラは地球にいないことが
わかっているのでここで名前出すか?と思いました。むしろAAのみんな…って
思ってくれないかなあ、いくら鈍いアスランくんでもさ〜、という希望というか…。

>「アスランさん、着替え手伝います」
何よこの子!キーッ!!あ、すみません(笑)

>CICを手伝わせてください
本編では「CICに座るくらい、できます」って言うんだけど、おまえ一人で歩くことすら
ままならないのによくそんなCIC席を軽んじる表現できるよな、と思ったのでやっぱり
ここはこうですよねえ。

>アスランはメイリンに負い目があるので思いやっているだけ
そうですよねっ!でもメイリンは、そもそもザフトからの脱走の時点からかなり
アスランのヘタレっぷりにほだされている感があるので、ぬこさんの感情描写の
方が自然かもですね。でもいや(爆)
367せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/08(月) 09:31:12 ID:???
ついでに42話の時間軸を修正してやるー!
ストフリ登場シーン、あれ絶対間に合ってないって!(笑)

本編流れ
1.ミネルバとアークエンジェル邂逅
2.ミリアリアがアカツキとデスティニーの交戦確認、アスランびっくり
3.デスティニーがアカツキを押し気味。ブーメランがカガリを襲う!
4.ミネルバでMSの降下を確認
5.颯爽とストフリ登場


「オノゴロ島、光学映像、出ます!」
ミリアリアがスクリーンに映し出したオノゴロ島は、既に戦火に包まれていた。
ブリッジでは驚きの声が上がる。間に合わなかったのか?
チャンドラが、レーダーで捕捉した敵艦の陣営を読み上げる。
「敵陣、熱源照合。ボスゴロフ級2、ベーレンベルク級4、イサルコ級8、それと…
ミネルバです!」
「えっ…」
ラミアス艦長の声に緊張が走る。アスランは驚きを隠せない。
「ミネルバ…!?」
ブリッジも騒然となった。
「ジブラルタルじゃなかったのか…」
「ジブリールを追ってきたのかよ!」

同時に、ミネルバもアークエンジェルを補足していた。
「アークエンジェル…?」
アーサーの声も動揺して裏返っている。
「やはり、沈んでなかったのね」
自分の読みが外れていなかったことが、これほど悔やまれたことはなかった。
やはり彼らとは刃を交えなければならないのか。
その時、上空の警戒信号が鳴り響いた。
「上空より、接近する物体あり!モビルスーツ…?いや、速い!」
別働隊がいたのか!?アーサーの顔色が変わる。
「なんなの!?」
タリアもつい語気を荒らげる。
368せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/08(月) 09:45:24 ID:???
その頃、アークエンジェルでは交戦中のアカツキの姿を捉えていた。
「アカツキ、2時方向にて、敵モビルスーツと交戦中!」
映し出された光景にもっとも驚いたのはアスランだった。戦っている相手は…
「デスティニー…シン!?」
「うっ…」
デスティニーの素早い動きに押され気味のカガリ。
「はあああああっ!」
ついに腕を切り落とされてしまった。
光線ははね返されると知ったシンは、(武器の名前がわからない…(´・ω・`)
光の刃を次々に投げてくる。次の攻撃は確実にコクピットをねらってくるはずだ。
カガリにはもう逃げ場がない。
「カガリ!!!」
CIC席でモニターしていたアスランも激昂する。早く逃げろ。少しでもダメージを
食らわないところへ!でももう間に合わない。そのことは見ているアスランにも
充分わかっていた。

上空から高速で降下してくる物体は、明らかにシンが交戦する空域を目指している。
シンは気づいていないのか?ミネルバは警戒を呼びかけようと通信を開きかけた。
しかしそのスピードは常軌を逸していた。
(ここでまだ成層圏って遅いでしょ〜)
シンの投げた刃がアカツキを襲う。その時、降下してきたモビルスーツから放たれた
光球がアカツキと刃を分かった。ほどなくそのモビルスーツは、アカツキを守るように
デスティニーの前に立ちはだかる。
その姿を見たアークエンジェルクルーも、ミネルバクルーも、デスティニーのシンも、
そしてアスランも驚愕に声を震わせた。
「フリーダム…!?」
「キラ!?キラか!?」
自分に背を向けるモビルスーツに呼びかけるカガリ。
「マリューさん、ラクスを頼みます!カガリ、ここはいいから国防本部へ!」
答えた声は、確かに弟の声だった。
369せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/08(月) 09:50:31 ID:???
本編ではキラは「ここは僕にまかせて」とか言うんだけど、まかされたシンが
不憫で(笑)あと「カガリはこんなのとやり合ってる場合じゃないでしょ」という
ニュアンスも出して欲しかった。あれ?こっちの方が不憫か(笑)
あー、あと本当なら「マリューさん、もう一体の回収をお願いします!」くらい
言って欲しかった…ラクスを頼みますって言われて即時対応できるとも思えない。
エターナルから降下する前に「手をつないで降ります」って言ってあったのかな?
その割にはみんな普通に驚いてたしなあ。
やっぱ本編の補完は難しいよ…なんでこんなにぐだぐだなんだ〜!
愚痴失礼しました。私の42話補完編はこれにて終わりにします。みなさんありがとう。
370ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/08(月) 15:34:20 ID:???
>>せめてこう42話さんに、まとめレスでつ。

ネオがスカグラ前で驚いたのは、自分に戦闘機をくれたことにでは。
通常は前作のディアッカのようにせいぜい私物を返されて放り出される程度(これでも充分厚遇)。
武装解除もされてない機をくれるという厚遇に、唖然&疑念もちょっとという感情で、背を向けたマリューを首をかしげて覗き込んだのでは。

ストフリとインジャの降下間に合わないに、ぬこたんも1票。
ついでにAAが出撃して戦場に着くまでデスティニーと暁が戦っているというのも長すぎ(そんなに保つわけないw)。

上空から降ってくるMSに対しどちらの陣営も全く攻撃しないのは変。
少なくともストフリ、インジャ、ドム3機とも大気圏に入ったらオーブ軍司令部に「味方だ」と意思表示すべき。
ドムパイ「お味方する」カガリ「えっ!」くらいはねぃ。

ラクスでのインジャ降下は、不祥ぬこたんの42.5話が結構妥当なやりかたじゃ、と。
ミリィが目視誘導&裏設定として「有線オートパイロット」てことで、どすか。
ラクスのパイスーについては、前作で連合の艦のブリッジ要員がノーマルスーツ+ヘルメットだったことがあったので、
危険な場合は艦やシャトルに乗るだけでも着てていいかなと。パイスーなのはカッコイイから。…じゃ、ダメでつか?

メイリンは「いつの間にか」入ってきてますが、じーつーはちゃーんと観察してるんですよ、愛しいアスランさんの行動なんて。
でも他スレでメイリンのがアスランに相応しいタイプというのは、ぬこたんは懐疑的。尽くしてくれて楽だけど鬱陶しいんじゃ?
でもカガリだとあまりに同類だし、立場が立場だから別居生活になりそうで…。

アスランにとってはAAのみんなはそんなに「守る対象」意識がないかも。
前大戦ではかなり一緒に戦ったはずなんでつが、直接の交流が少ないからねぃこの人は。
だってイザークに対してだって一歩引いてて、本気で突っかかってくるイザークを心から受け止めてないし。
カガリとキラとしか心を開いたぶつかり合いをしてないんでつよ。あー友達少ないやっちゃ。

キラの「ここは僕に任せて、国防本部へ」のセリフ、どうしてカガリが本部へ行きたかったことキラは知っているのでせう?
ユウナを拘束し、本部へ戻れる状態になってから大して時間経ってない。
ここは却ってカガリに「キラ、私は国防本部に行って部隊を立て直し、ジブリールを追う。ここは任せるぞ」の方がいいのでぃわ?
371 ◆0IaHAmsXdg :2005/08/08(月) 15:35:05 ID:???
アナザーシードワールドその4

マリュー先生は、体育科の教師で、俺のクラスの体育科担当で、自称ショタコンで、噂では、校長の目が届かない場所で生徒を襲っているらしい。その一方で、フラガ先輩の愛人であるという噂もある。よく分からない人だ。
そんな彼女は、2週間前にノーブラ登校していたのが発覚して、自宅謹慎中。だから、学校内では会わない。そう思って油断していた。銭湯は学校ではないのだった。
とりあえず、なにかすごい殺人オーラを放つマリュー先生に、
「ど、ども」
と、手を振って、自転車に飛び乗って、俺も逃げることにした。

食堂に着き、いつもの席に座る。まばらに生徒が集まってきているが、アスランは、まだ来ていない。どのみち夕食のメニューは一種類で、余るほど作られるから、急いで取りに行くこともない。俺は適当に雑誌を持ってきて、読むことにした。
目の前をセーラー服がよぎった。
「やぁ、元気ぃ?キラきゅん?」
「フラガ先輩のマネすんなっての」
ミーアだった。今日の夕食、“L4コロニー直産夏野菜カレー”を両手で保持している。ミーアは隣の席に座ると、
「なによ、すごく親しげに話しかけてやったのに。実は嬉しかったんでしょ?」
「なわけねー」
ミーアを見ずに、手元の雑誌をめくる。丁度いいページが開けた。
「お、ラクス出てるぞ。先月のライブレポートだってさ」
「え、ラクス様が写ってるの!?」
あえて、雑誌の内容が見えないように隠す。ミーアには表紙と裏表紙しか見えない。
「な、み、見せなさいよ!」
ばっ、と、ミーアが手を振り回す。届きそうで届かない位置に、雑誌をゆらめかしてみる。「おお、この写真すげえや。うはwクオリティ高スwww」
「こ、この・・・!」
面白い。目の前でネコパンチを連射するミーアは、面白すぎる。
「まだまだ渡さんぞぉ。あっはっはー」
「・・・・・く、ふ、ひっ、うええええええん・・・。えっ、く」
突然、食堂中の人たちの注目が、ミーアに集まり、次に、俺に、集まる。
え、泣いてる?やべ、やりすぎたか?俺。
「あ、ご、ゴメン。ちょっと、からかうつもりでさ。いや、まじゴメン。ほ、ほら、これやるから」
うつむくミーアに、雑誌を手渡す。ミーアは少し落ち着いたようで、
「・・・」
黙りこくる。
「ご、ゴメン。さ、か、顔洗いに、行こう、ぜ?」
しどろもどろに提案すると、ミーアは、こくり、と、頷く。
食堂中の避難の視線に押し出されるように、食堂から退出する。
「おい、ミーア大丈夫か?まじ俺が悪かった。ゴメン」
「・・・いいの」
女子トイレに入っていく直前に、ミーアは、へへ、と、笑って言った。
「嘘泣きだから」
何故か、騙された、というより、それは強がりだ、と、思った。
372せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/08(月) 16:36:02 ID:???
>ぬこさま

・ネオ釈放シークエンスw
んー、それだったらなにもスカグラ前で拘束を解かなくても〜って思ってました、まあ
私個人の解釈ですので、とにかく本編がぐだぐだってことでFA?(爆)
あのシーンではとにかく、マリューさんがやってもしようがない逆ギレをしたことに
とっても違和感を感じてしまった。あんなことあそこで言うくらいなら最初から外まで
見送りに来なきゃいいんだよー!大型戦艦の艦長さんとしてミトメタクナーイ!!(笑)

・ストフリインジャ降下シークエンスw
ですよねー<間に合わない
アカツキなんて先週から戦ってるんですよ?(違)
あと、ミネルバは気づいてたのにAAが気づかないってどうよ?
やっぱり数カットでもいいから、大気圏前に交信欲しかったですね。
けっこう無駄なカットも多かったと思うんですよ。CICで並んでるアスランとメイリンとか(爆)

実は42.5話未読だったのですがこの機会に読ませていただきました。
目視誘導(・∀・)イイ!!ですね〜ミリィかっこいい!
パイスーは、よくカガリのドレスを誉めたりしてるキラに、ラクスのパイスーも
誉めさせたかったので私はあのようにさせていただきましたw

国防本部云々のせりふは、オーブの動きと思いつきで動くカガリの行動パターンを
逐一把握していないと出てこないせりふですよね。
まあそこはキラだからってのもありかもですが、ぬこさん案に賛成です。

学園シードは…これ、キラよりシンの方がよくないですか?w
373ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/08(月) 17:23:09 ID:???
>>372
ネオをスカグラ前まで拘束していたのは、艦内で暴れたり乗っ取られたりしたらまずいから。一応捕虜だし油断できない。
マリューが逆ギレしたのも確かに違和感。あれ入れるならもっと裏付けする描写がほしいでつね。

>>371
キャラの動きがちょっと映像的に浮かんで来にくい気がしまつ。
「殺人オーラ」とか「面白い」とかを具体化するのもいいかもでつ。

てわけで42話改後半、出る!
374ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/08(月) 17:30:36 ID:???
本編42話改 vol.4

(Aパート後半から)
CICに座っていたアスランはカガリとシンの交戦を、こぶしを固く握りしめて見つめていた。カガリ、シンと戦っちゃいけない。
俺のように墜とされたら…ったく無鉄砲過ぎるぞっ。
シン、お前だってどうして躊躇なくオープを攻撃するんだ。届くものならここからミサイルで援護したい。
…いや、どうしてあそこに割って入ってないんだ、俺は。くそっ!

その時上空から2機のMSが降下してきた。あれは…キラだ。すぐ分かるさ俺には。よく戻ってきた。早くカガリのところへ行け!
AAに降下してくるもう1機は…ラクスだって!!
後先考えずアスランはCIC席を立った。が、力がうまく入らず一瞬体勢が崩れる。メイリンがさっとフォローし、アスランに肩を貸す。
アスランの頭の中は空っぽだ。ただ格納庫への道のりしか今は見えず、とにかくラクスに会おうと一心に歩く。
もどかしい。本当は走っていきたいのに。

格納庫に入ると、パイロットスーツのラクスが見えた。
「ラクス!」
大声を出したつもりだったが声が掠れてしまった。聞こえたのか? ラクスが振り返った。
「アスラン!」
「君が乗っていたなんて…大丈夫か?」
「はい、本当にただ乗っていただけですから。アスランこそ大丈夫ですか?」
「大丈夫だ」
よかった、ラクス。MSを操縦するなんて、まったく無茶しやがって。
「お体のことはキラからも聞いていました。あなたがそう言うのなら安心しましたわ。
でも、わたくしがご心配していましたのは、それだけではありません」
「え?」
心まで射抜くラクスの眼差しに、アスランは何か悪いことを見つけられた子供のようについと視線を外した。
脳裏に浮かぶあの時…前大戦で裏切り者と父に言われて、ラクスを追っていた時のこと。

「…敵だというのならわたくしを撃ちますか、ザフトのアスラン・ザラ」

あの時、俺と敵対していたラクスの真っ直ぐな目に、俺は一瞬にして惹かれた。
身を危険にさらしてまで俺を信じて待っていてくれた…ラクス。
なのに俺はこの前まで、ラクスの気持ちに応えられてなかったんじゃないか。
ミーア…偽者と知っていて黙認していたのは、どうだったんだ。
375ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/08(月) 17:33:31 ID:???
本編42話改 vol.5

アスランは目の前にそびえる新しいMSを見上げる。
「ジャスティスか…」
「はい」
「俺に?」
「何であれ、選ぶのはあなたですわ」
アスランは戸惑った。俺はこれに乗ってもいいのだろうか。…いや、俺の決意があるかどうかだ。
確かに、この前まで仲間だったものに銃を向ける。この前まで正しいと信じていた勢力に敵対する。
俺が腹をくくらなければ、いくら力があったってダメだ。…ラクスはそれを確かめているのか?
アスランはラクスを見、もう一度ジャスティスを見上げた。
「デュランダル議長は、俺やキラは戦士でしかないと言った。命令に従ってただ戦っていればいいと…。
でも俺にはそれが耐えられなかった」
「そうでしたか…」
ラクスの表情が少し穏やかになった。
「俺は今…今ごろになって、カガリやキラやみんなのために、力がないのが…本当に…苦しかった。
でも君たちは…俺を信じてくれるのか? 敵対した俺を…。俺の方は、君を信じていいのか…?
「それを決めるのもあなたですわ」
「えっ…」
アスランは思わぬラクスの返事に絶句した。
「怖いのは閉ざされてしまうこと。こうなのだ、ここまでだと終えてしまうことです」
アスランは前大戦を思い浮かべていた。一緒に戦った戦友たちの顔、顔、顔…。
そして撃墜された自分を助け、許してくれたオーブの人たち…。

ラクスはエターナルからの降下前、MSの前でキラと話していた。
「わたくしが、これで?」
「うん。シャトルやポッドより安全だし。早く届けたいじゃない」
「アスランに…ですわね」
「うん。何かしたいと思ったとき、何もできなかったら…それが一番辛くない?」
「でも、今のアスランには…」
「うん、そうも思うけどね。でも僕をここへ『行け!』って押してくれたのはアスランだよ。
きっと本当は自分が出たかったと思うんだ。だから大丈夫だよ、きっと」
376ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/08(月) 17:35:24 ID:???
本編42話改 vol.6

アスランは、親友がこんな自分を信じてくれていたことに涙が出た。
「キラ…」
ラクスが一歩、アスランに近づく。
「力はただ力です。そしてあなたは、確かに戦士なのかもしれませんが、でも…アスランでしょう」
アスランは議長の顔をふっと浮かべたが、すぐに打ち消した。戦士だけが俺の全てではない。そうだろ、俺。
アスランは少しうつむき、右手で顔を覆った。かつて自分が戦友に言った言葉が蘇った。
「俺たちは本当は、何とどう戦わなくちゃいけない…」
議長の言葉も浮かんだ。
「だが君にできること、君が望むこと。それは君自身がよく知っていること…」
俺は自分に自信が持てなかった。結論は出ているのにためらっていたから、事態が進むのに置いて行かれてしまったのかもしれない。
いつまでぐずぐずしているんだ。体裁や立場なんかにこだわっている場合じゃない。今、みな戦っているのだから。
俺が出ることは、もう決まっていることじゃないか。
アスランは顔を上げ、メイリンから離れて3歩、ジャスティスに近寄って見上げた。
これが俺の新しい力だ。俺が乗らずに誰が乗る? 少し力が湧いたような気がした。
決意の強い眼差しでアスランはラクスを見ると、一人、パイロットスーツに着替えるため歩き出した。

ジャスティスのコクピット、座るアスランに迷いはない。
「俺は…」
俺の信じるもののために今、出る。キラ、シン、レイ…。今行くぞ。
「アスラン・ザラ、ジャスティス、出る!」
インフィニットジャスティスは力強く空へ飛び出していった。

fin
377ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/08(月) 17:36:41 ID:???
おしまいでつ。ポイントは

・CICを立ったのはほぼ反射的。その後MSに乗ろうとか乗れるかとかはまだ考えてなかったような。

・昔のラクスを思い出すなら、劇場で銃撃になったあそこがいいでせう。名セリフいっぱいだし。

・ラクスのような人と話すのに小手先は通用しない。弱みを見せるくらいにぶつからないと、ラクス様はお許しになりませぬ。
特にアスランのような不器用クンは。

・オーブ軍服が本来の階級(一佐?)のものでなかったのは、アスランの気持ちがオーブ側ではあったが、
パイロットとしてMSに乗ることに迷いがあることを表しているのでは。
メイリンを離れて一人で立ち、パイスーを着たのが決意の象徴。
378通常の名無しさんの3倍:2005/08/08(月) 17:50:15 ID:???
>>373
逆ギレっつうか、死んだはずの恋人が別名名乗って出てきて、
別人だと主張しながら平然とブリッジにかけてきたりしたら
「この人は記憶喪失のフリしてもう私を忘れたいのね」と受け取るんじゃない?
「ムウじゃないんでしょ!」はもう別人のつもりなら中途半端に構うのはよして欲しい、
でもまだ迷ってるなら「ムウとして」自分の所に帰ってきてくれない?という最後の賭に見えたけど。
で賭に勝って「不可能を可能に…」キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!と
まあ軍人としては相変わらずグダグダだわな。

次回でこの解釈もひっくり返るかもしれないけどw
379せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/08(月) 18:04:29 ID:???
ぬこさんすごい!
私のモニョモニョ部分を見事に補完して下さいました。
私はもうラクス様の禅問答はあきらめかけていたのですが(笑)
ラクスに「体以外にもいろいろ心配なんだけど」と指摘されて思い出すのが
なんでミーアばっかりなのか理解不能でした。
なにかできる気満々でザフトに復隊し、ぼろぼろになって戻ってきた後の焦燥感も
ただベッドで悶えていただけであまり伝わってきてなかったから、こうして
はっきりきっぱり決意表明してくれるとホントにわかりやすいですね。
本編の流れだと、ラクス様も議長も言ってること変わらないけどいいの?と
思ってしまうんだけど、アスランの決心をキラが引き出したというポイントが
とっても曖昧だったからじゃないかと思います。そこもきっちり押さえられていて
納得できました。
キラの「一石二鳥」は「こんな時に使う言葉かよ」と思っていたのでそこもクリーンに
なっててうれしい限りです。
>・オーブ軍服が〜
以降の部分も同意です(私はここでカガリの存在を絡ませたかったので階級章つきに
しちゃいましたが、本編ではほぼまっさらでしたね)
380せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/08(月) 18:10:56 ID:???
>378
なるほど。でも記憶喪失の「ふり」とは思えない部分が多い…という描写だったし
ブリッジの通信コードの件などでぽつぽつと記憶が戻ってきているかもしれないと
いう希望的観測の元、「別人じゃないのなら帰ってきてよ!」という感情をどかんと
ぶつけたいとか、これで出て行っても戻ってきてくれるなら…という賭けに出るのなら
ネオに背中を向けずにはっきり言うべきだったと思ったんですよね。
「なんだよこれ?どういうことだよ」と不審がるネオに向かって
マリューが涙をこらえながらも笑みすら浮かべて
「だってあなた、ムウじゃないんでしょ?」
とでも言い捨ててくれて、その後「ああ、勝てそうにない賭に出ちゃったよー!」
みたいな心情を何らかの形で表現してくれてればな〜、っていうか。
本編の流れだと「ムウじゃないのにムウな人とこれ以上一緒にいたくないだけだよー!」
という子どもっぽい逆ギレにしか見えなかったんすよ。
381ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/08(月) 18:42:30 ID:???
>>378
うーんでも、「記憶喪失のフリ」のためにファントムペインで戦う、てのはないかと。
断片的にムウの記憶もあるが、決定的に戻ってくれるほどのものがない。
そのもどかしさが絶叫になった…のかも。
でも、捕虜を解放する艦長さんとしては…ねぇ…。

>>379
ラクスもアスランも言葉が足りない人たちでつから。ただ、
・ラクスは相手に語らせ、決意させるためにあえて喋らない
・アスランは単純に不器用で口下手。誤解を生みやすく、損している
てのが大いに違いまつが。
382俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/08(月) 19:52:23 ID:???
|A`)ノシ 
マリューさんがネオに吐き捨てたセリフは、涙目笑顔で感情を抑えながら喋るほうがあり得るのでは?(>380)
でしょうね。少なくとも種死では、ああいった事するようなキャラクターじゃないような気がします。

|A`)ノシ ソレデワ
383通常の名無しさんの3倍:2005/08/08(月) 22:05:55 ID:???
663 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 2005/08/07(日) 20:47:04 ID:???
本スレが馴れあいになってる。
2ちゃんではできるかぎり黙ってネタ書きが最善なんだが
665 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 2005/08/07(日) 22:40:02 ID:???
>>663
作者同士でおもしろいって書きあうのって惨めだよね
666 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 2005/08/07(日) 22:59:53 ID:???
本スレの奴ってさ、本気で自分が福田達より自分のが上手いと思ってんのかな?だとしたら重症だろ

>>665
てか、奴らの喋り口調やべえってゴキラどころじゃないだろww
特にコイツは酷すぎる

363 名前: ノラぬこ ◆44rfi5EX0c [sage] 投稿日: 2005/08/08(月) 04:01:17 ID:???
>>353-355
んー、ファンタジーぽい感じもしまつけど、情景が浮かびにくいでつね、ぬこたんは。
お亡くなりになった方が主人公なせいもあるかもでつが。

明日の(もう今日かw)ためにええかげん寝まつ。じゃ。zzz…

678 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 2005/08/08(月) 12:52:57 ID:???
>>676
まさかそいつ一人称「ぬこたん」なのか、「でつが」「寝まつ」って・・・
679 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 2005/08/08(月) 13:34:06 ID:???
>>678 “す”を“つ”と表記するのは2ch方言といえますが何か?
680 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 2005/08/08(月) 13:42:20 ID:???
本人でつか?www
684 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 2005/08/08(月) 15:35:16 ID:???
男だけ集まって合コン(?)してるような感じ
685 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 2005/08/08(月) 15:41:14 ID:???
>>679
いや、それはわかるけど多用しすぎるとなんか引くというかキm(ry
384通常の名無しさんの3倍:2005/08/08(月) 23:30:06 ID:???
それでは「黙って次々投下する神を待つとしましょうかね。
385通常の名無しさんの3倍:2005/08/08(月) 23:33:14 ID:???
気持ちもわからんでもないが
んな陰口叩かんと、読みたくないレスは普通にスルーしてりゃいいのに…。
普段神SSが投下されてもスルーして読んでるだけのクセに。
386 ◆0IaHAmsXdg :2005/08/08(月) 23:39:42 ID:???
>>364>>372-373

感想サンクスですー。シンには他の役があるのですよー。

>>383 は、結局、スレのノリが違うとゆーことなので、あんまし気にしない方がよいですよ?
387通常の名無しさんの3倍:2005/08/09(火) 00:15:18 ID:???
というかわざわざ貼る方もどうかと思うな…。そこの人たちはこのスレの住人に不快感を持ってほしくないから
あの隔離スレに書き込んでるんだろうし。
388せめてこうだったらよかったのに42話:2005/08/09(火) 01:26:38 ID:???
うーん、すみません。調子に乗りました。ROMに戻ります。ご迷惑をおかけしました。
389俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/09(火) 01:59:03 ID:???
>388
自分は馴れ合いと言われようが別に構わないけどね。そんな事気にしてたらSSなんて書けないっしょ。
別にこっちはプロじゃないんだし、それに調子に乗ってないとSSなんて創れんわ。
ROMに戻るのを止めはしないけど、補完SSでも素人があそこまで書ければ上出来だと思う。
技術はこれから身につけていけばいいしね。その為にも感想・批判は多いに越した事はない。

>◆0IaHAmsXdgさん
学園物は二次創作では結構多いジャンルですね。他の作品と被らないように創るのは大変だと思いますが、がんばってください!
書き方的にはライトノベル風ですかね。>373でノラぬこさんが指摘しているのも判るんですが、どちらかと言うと勢いで読ませるタイプのような気がするので、
意味のない細かい描写は避けたほうがいいのではないかと思いますよ。
390R・E:2005/08/09(火) 04:40:38 ID:???
あーもうなんだかなー

このSSに対して読みにくいとか主体がわからないとか言う突っ込みは勘弁してください  マジでと言うことでレッツらゴウ?
391通常の名無しさんの3倍:2005/08/09(火) 04:42:08 ID:???
俺は零 村雨零
ごく一般的な人生を送る20代後半のフリーター、・・・って聞こえはいいがプータロー
朝から晩まで汗水たらして客に愛想笑いして
終わってゲーセン寄って帰ったら風呂入って飯食って寝る
そんな毎日をだらだらと過ごすごく一般的な一人暮らしの小市民

だったのが数十分前の話
 ・ ・ ・ ・ ・

目が覚めたら無機質な廊下で寝ッ転がっていて
音のするほうに行くと爆発の振動が鼓膜を揺さぶり
来た道を引き返すとなんだかしんねーけどヒゲがおいてあったり
乗り込んで慣れない手つきでマニュアルどおりに起動させて
飛び出したらミゲル人(誤字にアラズ)がいてさぁたいへん
こいつなら何とかなると思って相対したはいいが
ものの見事にあしらわれて逃げられてビームライフル撃ってもかわされて
そんでビームは向こう側のガラスを直撃〜
ハイパワーモードで撃っちまったけど穴は小さいのが救い?

一体俺どうなんのさw


   R&E  いきなり銃向けられるわけですよ ハイ

392R・E:2005/08/09(火) 04:44:31 ID:???
機体が突然動かなくなっちまった
おいおいどーなってんだよいきなり止まるなんてそんなのあり?
ヒゲはライフル発射状態のまままったく動かなくなってしまった
まさかいきなりナラシもなしに撃ったからか?
やっべーよどーしよーかとパニクル俺
マニュアルは?こんな時の為のユーザーズガイド―――ってウインドウズかよ!w
[機体が不正動作をしました、再起動します]とか冗談じゃねーってか笑えねー
未だにOSウインドウズかよ!wって
キュゥゥゥゥゥウウウンっと機動音
あ、復帰した
やっぱいきなり撃ったのがやばかったようで
正直壊れたのかと思ったよ
ふう、とため息
『そっ、そこのMS、動かないで下さい!』

まだ俺の受難は続くらしいよ


「そっ、そこのMS、動かないで下さい!」
いきなり目の前に現れたMS
それは真っ白でちょんまげにひげの生えた不恰好なMSだった
多分敵のジンを相手にしていたから味方だとは思うんだけど
いきなり目の前から消えたと思うと敵のジンに肉薄していた
でも払いを受けて吹っ飛ばされてた
「あっ!?逃げる!」
敵のジンが飛び去った後
緩慢とした動作で立ち上がる・・・・ちょんまげ
うん、ちょんまげは首を振って敵を探して、あ 見つけたみたい
すると腰に付けていたライフルらしきものを構えた後、周りがとてつもなく光った
グォオオオオオって音と共に大型のビームがジンに迫って、かわされて
ちょんまげがガクって止まったんだ
393R・E:2005/08/09(火) 04:45:53 ID:???
とりあえず敵じゃなさそうなんだけど
今のままだとどうにもならない、とりあえずこれからどうすればいいか聞いてみよう
「あの、これからどうすればいいんでしょうか?」

返事がない

「あの?技術者の人?」
振り返って見てみると技術者らしい女の人は意識を失ってパイロットシートにもたれかかっていた
頭のほうからちょっとだけ血が流れている!?
どうやらさっきジンに吹き飛ばされた時に頭を打ってしまったようだ
どうしようかと考えている途中目の前のちょんまげが動き出した
もしかしたら敵かもしれないどうしよう
手持ちの武装はバルカン砲とナイフだけ
向こうはシールドに凄まじい威力を見せ付けたライフル
でももし敵だったら・・・・

そして今に至る
394R・E:2005/08/09(火) 04:47:23 ID:???
マジヤバイカナ?
とりあえず戦う気はしないんだけど
動くなってことは警戒されているんだろうな
まぁ風貌がひげでちょんまげだしなぁ・・・怪しさ爆発
一応外部マイクあったはずだけど
ぱらぱらとマニュアルのページをめくり
それらしきページが開いた後コンソールを操作して外部スピーカーをONにする
「あー、テステス、ストライクのパイロットかな?
  しんじらんねーかもしれないけど一応俺敵じゃないぞ」

何言ってるんだ俺、そんなので信じてもらえるわけ無いだろ
相手のはシュナイダーを構えたまま
『敵じゃないって言われても、そんな保障 何処にもありませんよ!?』
むっちゃ警戒されてるし
「それはいいんだけど・・・・こんな所で話し合っても時間の無駄なんだけどなー・・・
 とりあえずお互い武器を収めよう、それでいいだろ?何か君急いでるみたいだし
 ほら、あそこに居る子供達がさっきからこっち見てるんだけどねぇ」
『えっ!?・・・・サイ、カズィ、トール、ミリアリア!』
「やっぱり知り合いか、まぁこんなところでも立ち話でもなんだし何処か広いところに行かないか?
 時間も足りないしお互いこんな状況だし」

まああいつらがキラのダチってのは知ってることなんだけどな
覗いているってのは虚言で実際はこっちの様子を伺っている彼らを見つけて彼に伝えただけなんだけど
んなことよりこれからだ、この後公園でマリューラミアスを介抱して銃突きつけられて
変体仮面がやってきてアグニぶちまけるってところだったかな?
『あの、ところで貴方は・・・・』
「俺か?俺は―――む・・零 村雨ってんだ。こいつは∀って言うらしい、さっきそこの格納庫みたいなところで見つけた」
村雨零ってのは何か違うと思ったし
この世界日本語だろうが英語だろうが姓 名じゃなくて名 姓だし俺的にもなんか語呂いいしな
『ゼロ ムラサメさんですか・・・』
「んでアンタは?名乗るときは自分から名乗るのが礼儀って奴なんだけどさ」
『あっ、ぼ 僕は・・・キラ、キラヤマトです』
395R・E:2005/08/09(火) 04:49:09 ID:???
ヘリオポリスのまだアラートの鳴り響くエリア
俺の∀は方膝ついて被害の少ない公園に停めてある
ストライクはと言うと彼らの友人を迎えに行って・・・今帰ってきたな
マリューラミアスはと言うと頭に包帯が巻かれてベンチに寝かせた
じきに意識が戻るんだと思うけど
と、ストライクがディアクティブモードの状態で方膝をついてとまった
中からパイロット、キラヤマトが降りてきて、それを友人達が迎える
大体喋ってる事は無事か?とかこのMSどうしたの?とかだろうな〜
一応衣料品はコックピットに入ってたサバイバルキットでなんとかなったな
モルヒネは打ってないけど、打ったら判断力鈍るってどっかの本で書いてたし
それから数分後
「・・・うぅ・・」
お、目覚ましたみたい
「気が付いた様だな・・・まだ動かないほうがいい。傷は浅いけど場所が場所だからな
 おーい、目ェ覚ましたぞー!」

うわ、早速カズイとトールの奴ストライクのコックピットの中入ってるし
確かこの後ラミアスが銃で制するんじゃなかったっけ?
と思いながら∀のマニュアルをベンチに腰掛けながら読んでゆく
「お水・・・いります?」と、ミリアリア
「・・・・ありがとう」とラミアスさん
あー、あいつら・・・
この後の状況がわかってる俺だけどまあ止めるのめんどくさ バァァンッ!
うおっっっっ!!?                          「な、なにすんですか!?」
「いきなり何するんですか!」とヤマト君
まー確かにストライクって軍事機密なんだろうけど
民間人に銃を向けるってのは種を見ていた俺の感想
元々軍は民間人を守るための存在じゃなかったンジャマイカ?と
「助けてもらったことには感謝します、でもアレは軍の最高機密であり・・・民間人がむやみに触れてよいものではないの」
「でもさっき操縦してたのキラとそこの人じゃんか」
そこの人って・・・・まあ俺自己紹介ヤマトにしかしてないんだけどね
396R・E:2005/08/09(火) 04:50:37 ID:???
「・・・貴方は?」
「ん?俺はアレのパイロットってとこかな?巻き込まれいきあたりばったりっぽいけど」
と片膝をついた∀を指差す
チャキ
「おいおい、俺は敵じゃねーよ。第一敵であるんなら真っ先にアンタを殺してることだろうよ」
「・・・皆こっちへ」
「へいへい」
おずおずと手を上げてキラ達の隣に誘導される
「一人づつ名前を」
「サイ・アーガイル」
「・・・カズィ・バスカーク」
「ミリアリア・ハゥ」
「トール・ケーニヒ」
「キラ・・・ヤマト」
「〜〜〜〜〜♪」
「貴方の名前は!?」
と、銃を向けながら言う
「その前に貴方の名前は? 人の名を聞くときはまず自分から名乗るべきじゃ――」
チャキっと銃口が此方を睨む
「はいはい、ゼロ・ムラサメ、これで文句無いでしょ」
397R・E:2005/08/09(火) 04:52:00 ID:???
「・・・・・・私はマリュー・ラミアス、地球連合軍の将校です。
 申し訳ないけど貴方達をこのまま解散させるわけには行かなくなりました
 事情はどうあれ軍の重要機密を見てしまったあなた方は然るべき所と連絡が取れ、
 処置が決定するまで私と行動を共にしていただかざるを得ません」
ざわ
                         ざわ
               ざわ
「冗談じゃないよ!なんだよそりゃぁ!」
「従って貰います!」
うーんやっぱ銃で脅してってシーン、似てるんだよなぁ 中の人繋がりで
あれはなんだっけ?乗れ、でなければ帰れってあれ。
シチュエーション的に一緒だなぁ
「僕達はヘリオポリスの民間人ですよ!中立です!軍とか何とかそんなの――何の関係も無いんです!」
何の関係もないって、今の状況知ってて言ってるんだろうか
現に住んでいた町は爆撃で火の海と化して、それでもまだ中立とか
温室育ちってやつなのかなぁ、 俺もだけど
「そうだよ!」と
文句が溢れ出す
あー、ヤバイなこれ、と耳をふさぐ
銃声って結構うるさいねぇ
「黙りなさい!何も知らない子供が・・・!中立だと、関係無いと言ってさえいれば、今でもまだ
 無関係でいられる。まさか本当にそう思ってるわけじゃないでしょう!?
 ここに地球軍の重要機密がありあなた達はそれを見た!それが今のあなた達の現実です!」
「そ、そんな乱暴がっ!――」
398通常の名無しさんの3倍:2005/08/09(火) 04:53:37 ID:???
ふ〜ん言い訳だよなぁこれって
まあ確かに居合わせたのもあれだけど真意を怒声でかき消しますか
「乱暴でもなんでも!戦争をしているんですプラントと地球!
 コーディネーターとナチュラル!あなた達の外の世界はね・・・・!」
あーなんか腹立つ
言っちゃっていい?
「確かにそうなんだろうけどさ、手前らの定めた規定破ってさ言い訳通らなくなったら銃で脅す。
 そーんな腐った事しか出来ないのかなぁ、地球軍ってさ」
あーダリィ
「貴方っ・・・」
「撃つの? ま、いいけどその前にこっから脱出するのが先決でない?
 ここで今議論してる時間さえも無駄、だからさっさと行動しない?
 と言うか、まず銃を向けた無礼を謝るべきですけど?」
「・・・・・・」
「軍人さんは恩知らずでホイ〜」
「・・・くっ!・・・わかったわ、銃を向けた非礼は詫びるわ・・・申し訳ないわ」


やっぱりさ、軍人が銃で民間人脅すってあれだよな
まあここは中立で守るべき民じゃないって事もあれだけど
普通の人に銃向けるってのはちょっといただけないよねェ
399R・E:2005/08/09(火) 04:55:07 ID:???
Rストライカーパックを取り付けたストライクがAAに向かって通信をしている
その間俺はさっきまで読んでいたマニュアルを再び読んでいる
やっぱさ、これヒゲって言うか∀ってやばくね?
地球圏最悪最強の機体だろこれって確か

曰く地球滅ぼしたのは全出力中5%とか

もしかしたら手違いで月光蝶作動させたら洒落にもなんねぇ・・・
そうやってぱらぱらとページを送っているうちに
「さっきは申し訳なかったわ・・・」
「ん?・・・あぁ、うん。一応俺はおかしいと思ったから言っただけだし」
と読みながらマリューに相槌を返す
間を置いて考え直したんだろう、自分の行動を
「貴方に聴きたいことがあるのだけど」
「あれのこと?」
あれとはもちろん∀のことだろう
もちろん俺はあれのことについて事細かに言うつもりは無い
そんなことしたらはっきり言って滅茶苦茶ヤバイ、兎に角ヤバイ、マニュアル見せんのもヤバイ
適当に茶を濁すしか無いだろうな
「そう、あのMS。あれは一体どうしたの?」
「逃げていたら格納庫に横たわっていたのを乗った」
嘘ではない
てきとーに逃げた扉の先に転がっていたというか
「でも私達が開発したMSは5機、見たところZAFT系の機体でもないし・・・」
「だからー、偶然見つけて乗り込んだのさ、俺はそれ以外に知らないし
 無我夢中だったしなぁ」
「何処で見つけたかわかるかしら?」
なんだか尋問みたいだな・・・
400R・E:2005/08/09(火) 04:59:22 ID:???
「モルゲンレーテって標識に書いてあった、後は知らない
 あの時は無我夢中だったし」
「・・・そう、―――コックピットの中ちょっと見せてくれないかしら後そのマニュアルと」
ここで突っぱねる理由も無い
「どうぞ」
と、彼女がコックピットに乗る
ちょっと心配だな・・・俺も乗り込んどくか
まーマニュアル読んだだけで全概要わかる機体じゃないし
マニュアル自体にもロックかける方法があったから俺以外基本操作以外閲覧できないようにしとこう
「動かすのだったら手伝いますよ、マニュアル基本操作だけなら教えられますし」
ちょっと狭いコックピットに乗り込み
機動シーケンスをコンソールに叩き込む
キュウウウウウウウウウウウン
WD-M01 SYSTEM-∀99 と表示された後
機体を立ち上がらせる
「はい、どうぞ」


自分達が開発した5機以外のMS
それはとても特徴的、ちょんまげがついててヒゲがついている
デザインセンスを疑うわね
もしかして最近噂になっていたオーブ自身が極秘裏に国防用のMSを開発しているという噂
私はそのことを半信半疑に思っていたけれど目の前のMSを見てその噂はたぶん実話じゃないかと言う結論に達した
キラ君の話によるとビームライフルをジンに向かって撃っていたという証言がある
多分これはオーブの機体なんじゃないだろうか
でも真実は良くわからない
私達が難航しているOS関係も完成しているようだし
見せてもらったマニュアルどおりにレバーを動かせば・・・・
ちゃんと手が動く
ペダルをおずおずと踏み込めばおずおずと右足を前に出し、歩く
やっぱりこれは噂のオーブの機体なのかしら・・・
401R・E:2005/08/09(火) 05:01:22 ID:???
「まだ解除にならないのね・・・・避難命令」
「親父やお袋たちも避難してるかなぁ・・・・」
「あ〜あ、早く家帰りてぇなぁ」
「なああれ・・・」

動き出し、立ち上がる∀を見て
「動き出したぞ?・・・ってか不細工だなあれ、まだストライクってほうがかっこいいよなぁ」
「そう?私あのちょんまげとヒゲかわいいと思うんだけど」
「か、かわいい? あれがぁ?」
「そういや名前なんていうんだっけ?トノサマン?w」
「ト、トノサマン!?wありえねーww」
「確かに名前なんなんだろうなあれ、でもまさかトノサマンはないでしょうが」
爆笑する一同
だが次の瞬間、巨大な爆音がコロニー内に響いた
その音に驚愕した一同は音源に目を向ける
そこには爆発の炎、そして一機のオレンジのMAと真っ白なMSが躍り出る

「ほぅ、あれか・・・」
「最後の一機・・・いやニ機!?」

ガンバレルを全て失ったゼロが体勢を立て直し
白いMS、シグーに攻撃を仕掛ける
しかし決定打に欠けるメビウスゼロの勝率は計算したくもないくらいに不利
ゼロのリニアカノンを左右に避け、ニ機のMS、こっちの方向に向かってくる
MAも追従するが悲しいかな機体性能の差で離されてゆく

「くそ!こんな時に!(もーちょっと遅いかと思ってたけど結構早い・・・)
 操縦を代わってください!」
そういえばRパックも換装途中に襲ってきたんだっけ?
換装終了し一段落した今となってはかなり遅いほうなんだろう
「!、わかったわ」
マリューを後ろに下がらせ自分がコックピットに滑り込む
あーでも後ろ狭いって言うかほとんどスペースないんだよなこれ・・・
402R・E:2005/08/09(火) 05:02:46 ID:???
MAのカノンが烈音と空を裂く
それを巧みな、幻影的な機動でやりすごし、
対するシグーはシールドガトリングで牽制、距離を詰め
交差する刹那、
「何!?」
すれ違いざまの一瞬、ゼロの砲身を切り裂く
返しの一撃でエンジン辺りを裂き、MAは煙を吹きながらよたよたと落ちてゆく
シグーは撃墜確認後、ストライクに照準を合わせ
「さぁ、今の内に沈んでもらう!」

一方のストライクはPS装甲を起動させ
下に居る友人達の盾になろうと身をかがませた

させるかよ!
∀のスラスターを吹かし
一気に飛んだってうごおおおおお!?
後ろのほうで踏ん張っていたマリューがスラスターの衝撃で手を滑らし
コックピットの中でこけた
丁度お姫様抱っこのような感じ、
しかし当たり所が腹部に全体重
まだ股間でないだけましだが緊張させてない腹筋に大人女性の全体重ぼでぃすらむはエグい 死む
「ご、ごめんさい!?」
403R・E:2005/08/09(火) 05:04:36 ID:???
しかし痛がっている場合ではない、
向こうがこちらに向かってマシンガンを撃ってくる、
涙目になりながら目の前にシールドをかざして弾を防ぐが
その一瞬後背後からガトリングガンの洗礼を浴びることとなった
「うおおおおおお!?」
「きゃあああああ!?」
くそ!こっちは素人なのに手加減しやがれ!
まだこいつの操縦って言うか体を動かすのにも慣れてないのに!
しかしそんなことは関係ない、何とかスラスターで踏ん張ろうとすると駄目押しで首の後ろにキックを喰らう
電位的同調をしている俺にとってはモロに首に痛みが走る
そのまま落下し、地面を仰向けに滑ることになった

「ほう、劣化ウラン弾でも通じないとは・・・あれがデータに無い新型、だが・・・些かパイロットが未熟すぎるようだな!」
「動くな!動くと、撃ちます!」

と、そこにはRストライク最大攻撃武装であるアグニを構えたストライクがシグーに照準を定めていた
「撃てるかな?そして私に当てれるかな!?」
抜刀して一気に接近するシグー
「う、うわぁぁぁ!」
「キラ!駄目だ!」
アグニのトリガーが引き絞られる
瞬間膨大なエネルギーの奔流がシグーの右手ごと持ってゆく
それはコロニーの壁に直撃し巨大な穴を穿った
404R・E:2005/08/09(火) 05:06:46 ID:???
「ちぃ!MSにあんな火気を持たせるとは!連合のMSは化け物か!
 だが!パイロットがまだ未熟!落とさせて頂く!」
ヤバイ、あのままではストライクはPSダウンまで翻弄されて撃破される
なんとか機体を起き上がらせシールドを構え、ライフルをシグーに向ける
出力を絞れば被害は少なめですむかもしれない
ああでもどうせこのコロニー崩壊するんだっけ?

なら遠慮はいらないジャマイカ・・・

と思ったけど
まだキラの友人達回収してないし自称不可能を叶姉妹な人の安否もわからない
くそっ!、どうする・・・

その時突然空気を切り裂いた砲火に全員行動を止める
山を突き抜けた特装砲の砲火はコロニー外壁を破壊
吹き飛ばされた山から白い何かがとびでやがった

ようやくお出ましかよ

戦艦アークエンジェル

相変わらず・・・変
なんでこれ足つきなんだろーかね
マ○ロスみたいに変形しないし
木馬じゃなくってさ


てか、つづくの?

                                   了
405R・E:2005/08/09(火) 05:14:58 ID:???
はいはいはいはい
あるある探検隊!あるある探検隊!(違

つーわけで2話目
朝っぱらからランナーズハイな作者が来ましたよ
続くのか?いや続けられるのか?
というか見事に弱い主人公君
これから大無職のようにしごかれる訳ですよ   多分

その日のモチベーションとやる気のみで一日で書き抜くこのSS

本当に続くのか?


電位的同調
マニュアル操作の上位操作
背中に付けられるアザからパイロットの意識を機体に持っていく
機体に攻撃を喰らえば喰らった部分が傷むGガンの人機一体のあれ
感覚的には裸、無論機体が死ねば操者もしむ

先着一名様のみの特典
他にも訳はあるけど内緒
続けばねw
            以上DJ R・Eでした

406ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/09(火) 10:18:00 ID:???
R・Eさま
GJ! 勢いあって面白かったです。ぜひ続けて下さいねん。
407通常の名無しさんの3倍:2005/08/09(火) 11:29:14 ID:???
>>405
テラワロスwwwwwwそして超GJ!
こういう話が読みたかった。ぜひ続けてくれ!
408通常の名無しさんの3倍:2005/08/09(火) 13:10:45 ID:???
保守あげ
409高句麗 ◆OIZKOUKURI :2005/08/09(火) 14:27:30 ID:???
つまんない場合はつまんな糸はっきり一手上げなきゃ人都市て駄目だろう。
410通常の名無しさんの3倍:2005/08/09(火) 14:46:28 ID:???
>>409 そのコテは止めた方がいいと思うぞ
411俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/09(火) 15:10:39 ID:???
|A`)ノ
R・EさんGJ
妙なテンションが面白いですね。こういう作風もありかなと。
∀が出てきて大暴れかなと思ったらパイロットがヘタレ。ゼロ・ムラサメは意表を付かれました。
あと、登場人物視点で話が進んでますが、人物の切り替えのところがちょっと判りづらかったですね。

|A`)ノシ ソレデワ
412通常の名無しさんの3倍:2005/08/11(木) 00:15:03 ID:???
うほっ、R・EさんのSSマジ面白い!ガンガレ!
つかトノサマンwwwwwwわかる人いるのか?wwww
413俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/11(木) 06:48:45 ID:???
|A`)ノ オハヨウゴザイマス
とりあえず沈んでるのでageときますね。

ANOTHER DESTINY 歪められた運命 第1話投下です
正直ワケワカメ状態で書き殴っていますが容赦勘弁です。
414俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/11(木) 06:50:08 ID:???
     ANOTHER DESTINY 
        歪められた運命

PHASE−1 「波濤は形を変え」

 東の空が紅く染まりつつある。
 日の出を迎える前に軽い散歩をする。それがここ数日の彼の日課だった。
 軽い散歩と言っても、南国特有の樹木が生い茂る山道や林道を5kmは歩く。運動不足にならないように早足で。
 今の彼の身体はその程度の運動でも軽くこなすことが出来るのだった。
 彼の居る場所は周囲30kmほどの島で、小さな町がある以外は彼の住む施設しか目立ったものはない。
 彼は海岸付近の高台に登り一息入れる。
 高台から望む島の東海岸は美しい砂浜で、戦前は隠れた観光地だったらしい。申し訳程度の小さな街が海岸沿いに軒を連ねている他は今ではその面影もないが。
 彼は遠くに目を向けた。
 島を取り囲んでいるサンゴ礁で外洋の波が弾け、昇りかけの朝日を受けてキラキラと宝石のように輝いている。
 彼は目を細め、その光景を暫く眺めていた。
 日が昇りきる頃には散歩をするのがきついくらいの気温になる。現に今も気温が上がりつつあるのが彼には感じられた。
 
 (今日は風があるからまだマシだな)
 
 いつもよりのんびり景色を眺めながら彼は思う。もう少しここで眺めていようか?
 しかし、早く戻らないとあの少女が凄い剣幕で文句を言うのがわかっているので、彼は肩をすくめると来た時と同様早足で高台を降りていった。
 帰り道を急ぎながら彼はあの時のことを思い出していた。
 自分が目覚めた日の事を。
 
 
 彼――
 トール・ケーニヒが目を覚ました直後。
 トールはベッドに半身を起こしたまま、オタードと名乗った男はその傍らに立ったまま、会話を続けている。いつの間に部屋から出て行ったのか、ミラベルと言う少女は姿を消していた。
 「うーん…まずは何故君…あー、ケーニヒ君がここにいるか、と言う事を説明しなければならないんだが…」
 その段階でトールの意識と記憶は完全に戻っていた。記憶と言ってもストライクとイージスの戦闘に介入し、イージスの投擲したシールドが彼のスカイグラスパーに――と言うより彼自身に――迫ってくる、というところまでだが。
 「あの…俺って…」
 トールは疑問を口にした。どう考えてもあの状況で生きているとは考えられない。
 「俺…死んだんじゃないんですか?」
 はたから見ると意味不明な疑問だ。現にトールは生きている。
 その疑問にオタードは答える。ストレートに。
 「ああ。死んでいたよ。」
 実に軽い答え方だ。まるでそこにあるリモコンを取ってくれ、と言った程度に。
 「え!?」
 なんとなく予想していたにもかかわらず、オタードの言葉にトールは混乱する。俺はここにいるのになんで…?
 だが、そんなトールの反応を予測していたのかオタードは説明を始めた。
 「まあ、話は最後まで聞いてくれ。そうだな…まず、君がここに来た時の事から話そう。いきなり今の状況を話しても混乱するだけだからね。」
415俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/11(木) 06:52:15 ID:???
 アークエンジェルがアラスカを目指しオーブを出た直後の戦闘。
 トールもスカイグラスパー2号機で出撃し、イージスとの戦闘で押され気味だったストライクを援護しようとして、逆にイージスの攻撃で撃墜されてしまった。そこまではトールも覚えている。
 その時の状況は後に引き上げられたスカイグラスパーのフライトレコーダーを解析した施設の職員――そういう趣味の人がいたらしい――が説明してくれた。
 イージスの投擲したシールドが命中する直前、コントロールスティックに信号が入力されて機体の進行方向が微妙にずれ、シールドは機体左側面へ命中し、
コクピットを含む機首部分はそのまま海面に叩きつけられバラバラになったらしい。
 普通であれば彼もそのまま死んでいただろう。
 だが激突する直前にコクピットシートが射出され、彼は機体ほどの衝撃を受けなかったらしい。それでも全身に受けた衝撃は即死するのに充分なものだったそうだが…。
 そこに、たまたま近くを通りがかったこの島の漁師がいて波間に漂うトールを発見。ここの施設に運び込んだと言うわけだ。
 トールの心臓はその時既に止まっており、身体も治療するのが無駄に思えるほどの損傷を負っていた。
 軍施設であれば死体として見殺しになっていたかもしれない。だが今トールたちがいるこの島は、一応は連合に属する島ではあるが地形的に基地などの軍施設を建設できるほどの平地がなく、
また港湾設備を設けられるような海岸もなかったためオーブに比較的近い場所にあるにも拘らず連合軍施設がなかった。
 トールが運び込まれたのは民間企業が保有する療養型の病院である。
 そしてこれもたまたまであるが、その民間企業というのが人工臓器の研究開発を行っている会社で、ここはその臓器を移植された者達が療養する施設でもあったという事だ。
 施設のスタッフは、目の前で死の淵にある――と言うよりはほぼ死んでいる――少年兵を自社ブランドの人工臓器を使う事で救うことは可能だと考えていた。
もし彼を救うことが出来たならば救急医療現場での企業の立場をより確固たるものにできる。そういった打算もあったのだが。
 手術は20時間にも及んだ。
 そのお陰で彼、トールの肉体は命を取り戻す事に成功した。
 そして今日の目覚めの瞬間を迎えたのである。
416俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/11(木) 06:53:10 ID:???
 「君を生き長らえさせる事は、我々の将来にも関わる事だったから必死に救命処置を行ったんだ。だが…今考えると、君には残酷な事をしたのかもしれない。我々が命を繋ぎ止めたばかりに…」
 オタードは苦しそうな表情で呟いた。
 「なんでですか? 感謝してもしきれませんよ。」
 助けてくれたのに何故そんなことを言うのだろう…と思ったトールはオタードに言った。
 その返答にオタードは一瞬目を瞑り、ベッド脇の机から鏡を取りながら答える。
 「…鏡を覗いて見てくれ……それでも感謝する気になれるか?」
 そう言って鏡をトールに手渡す。
 トールは怪訝な表情で受け取り、鏡を覗き込んだ。
 「!?」
 覗き込んだ鏡。そこには見たことの無い男が映っている。
 髪の色は変わらないが、顔は明らかに以前の彼とは別人だ。彫りの深い顔にブルーの瞳。以前のようなどことなく頼りない優男っぽい面影はない。それに明らかに大人の顔である。
 トールは呆然と鏡を見ていた。
 「…君の身体は普通ならば治療が不可能なほどの外傷を負っていた。当然顔もね。我々は命を繋ぎ止める事に集中していた。結果がこれだ…」
 オタードの言葉は聞こえているのだろうか、トールは微動だにしない。
 ため息をつきながらオタードが手を差し伸べる。
 「…顔だけじゃない…ちょっと立ち上がれるか?」
 トールは人形劇の人形のようにカクカクと肯くと、ベッドから降り立ち上がる。
 「?」
 立ち上がったトールは、なんとなく違和感を感じ周囲を見渡した。
 なにやらモニターやメーターの付いた機械が壁際に積まれている。視線を回すとベッド、机、椅子が一つずつ。殺風景な部屋だ。
 そしてオタードに視線を合わせる。トールよりも背が低いらしい。少し見上げるようにしてオタードが話す。
 「こう見えても私は180cmあるんだよ。」
 何の事か理解できなかったが、一瞬後に気が付いた。先程の違和感の原因に。
 トールの記憶にある視界よりも高いのだ。
 180cmあると言ったオタードよりも視線が上にあると言う事が何よりの証拠だった。
 表情を消したオタードが呟く。
 「…そう言うことだ。」
 
 (つまり俺は…)
 
 「…まったくの別人に…なったって…事ですか…」
 言葉を一つずつ絞り出すように。
 オタードはその疑問に対し答えた。
 「君の身体は我々の持っていた技術…手術用に造られていた人工臓器を大量に使う事で治す事ができた。だが以前の君とまったく同じ臓器…身体は当然ながら造られていない。正直、君の元の身体で無事だったのは脳と一部の神経組織ぐらいだった。」
 トールは呆然とオタードを見ている。
 「幸い拒否反応も出ていない…そして別の肉体とは言え今は君の身体だ。君が以前の君でありたければそのようにしたらいい。外見が変わっても中身は変わらないのだからね。別人として生きていく事も出来るが…」
 無責任な言い方であるが、オタードにはそれ以上のことが言えなかった。命を与えたとはいえ、彼の生き方にこれ以上干渉する事はできない。正直、オタード達もそこまでの事を考えていたかと言えば、まったく考慮していなかったと言わざるを得ないからだ。
 「でも…でも…これじゃあ…」
 絶望的な気持ちでトールが呟く。
 これじゃあ、みんなに会っても…
 …キラ…サイ…フレイ…カズィ…父さん…母さん…ミリィ…
 
417俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/11(木) 06:54:17 ID:???
 (ミリィ…!?)
 
 「アークエンジェルは!? みんなは無事なんですか!?」
 トールは突然表情を変え、オタードに詰め寄る。
 「アークエンジェル? 何だい、それは?」
 オタードは良くわからない、と言った表情でトールに聞き返してきた。
 「何だい…って…連合の戦艦ですよ! 知らないんですか!?」
 トールの疑問にオタードは申し訳なさそうに答える。
 「済まない…本当に知らないんだよ。君が連合のパイロットだろうと言う事は機体から想像できたが…もし前の戦争の事を調べたいのなら、ネットワークである程度の事は判ると思うが…」
 そう言って机の上の端末を指差す。
 使っても構わないんですか――
 そう言おうと思ったトールだが、先程のオタードの言葉に引っかかるところがあった。
 「…前の戦争…って、何のことです?」
 確かにオタードは『前の戦争』と言った。
 と言う事は…。
 「…今って、一体いつなんですか?」
 恐る恐ると言った感じでオタードに聞いてみる。
 オタードは無言で机の上にあった時計を取り、なにやら操作したあとトールに差し出した。
 時計を受け取る。
 そしてその盤面に表示された文字を見、トールは唖然とする。
 
 ――C.E 73――
 
 確かにそう刻まれていたのだ。
 彼は2年以上意識を失っていた事になる。
 
 
418俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/11(木) 06:55:05 ID:???
 その時のことを思い出しながらトールは帰り道を急ぐ。
 彼はあの後、ネットワークでアークエンジェルや仲間の事を調べ続けた。
 連合の記録ではアークエンジェルはアラスカで沈んでいた…連合の基地と共に。仲間達の行方は、殆どは連合の公式記録であったが記録に残っていた。
 それを見たトールは絶望的な気分を味わう事になる。
 
 キラはトールが撃墜された戦闘でMIA――
 アークエンジェル乗り組みの仲間はアラスカにて全員戦死――ー
 ナタル副長はアラスカにて転属辞令を受け新造艦ドミニオンの艦長に。のちプラント近辺での決戦でドミニオンは撃沈。ナタル艦長は戦死――
 フレイはアラスカにて行方不明になるもプラント近辺での決戦前に保護されドミニオンに配属。ドミニオン撃沈の際に脱出するが戦闘に巻き込まれ脱出艇は破壊。殉職――
 カズィだけはアラスカで離隊し無事のようだが、一民間人であるためその後の行方はわからない――
 
 だが調べていく内に、噂程度ではあるが違う事もネットワークに流れていた。
 前の戦争――トールにしてみればその戦争は終わっていないのだが――の終盤に起こったプラント近辺での決戦。その場に居合わせたラクス・クライン率いる勢力の中にアークエンジェルがいたと言うものだ。
 連合・プラント両国は否定しているが、目撃した兵士は多数に上り、全ての口を封じる事は出来なかったと言う事らしい。
 ストライクも目撃されている事から信憑性は高いと言えた。
 この噂が真実だとすれば、少なくともナタルとフレイ以外は生きている可能性が高くなる。
 そして決定的な記事を見つけた。
 それはとても小さな記事であったが、記事に添付されている写真に記された名前と日付は――
 
 Photo by Miriallia Haww C.E 72.05.16
 
 トールはこの記事を書いたメディアを調べまくり、彼女の写真つきの記事を発見。そこに映っていたのは間違いなく彼の知るミリィであった。
 見間違える事はない、それはミリアリアが生きていると言う事の証。今はオーブを拠点に軍事ジャーナリストとして活躍しているらしい。
 もし彼女が生きているのならば、他の仲間も…
 だが、今のトールが彼女に会うことは出来ない。会ったとしても今の彼をトールと認識してもらうのは無理だろう。例え中身が以前と同じ人物だったとしても。
 仲間の生存を確信すると同時に、彼はやるせない思いを抱く事になってしまった。
 
 
419俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/11(木) 06:56:13 ID:???
 「トールさん!! 早起きしすぎ!!」
 トールは急に大声で怒鳴られ我に返った。考え事をしているうちに彼の住んでいる施設に着いてしまったらしい。
 建物の入り口に小柄な少女が立っている。
 「トールさんが早く起きすぎるから、他の人達まで目を覚ましちゃうんだから!!」
 入り口のドアの前に仁王立ちしたミラベルが、その小柄な身体から発したとは思えないほどの大声で叫ぶ。普段黙っている時は清楚な少女で通りそうな彼女なのだが、いまや角が生えてきそうな勢いである。
 既に日は昇っており、そろそろ施設の職員も朝の仕事に取り掛かる時間になっていた。
 「ごめん、ミラベル…でも、日が昇る前じゃないと暑くて散歩なんかできないよ。」
 「じゃあ前から言ってるように、夕方にでもすればいいじゃないですか! トールさんのせいで目が覚めたお年寄り達、誰がなだめてると思ってるんですか!?」
 「朝の空気を吸いながら運動するのがいいんじゃないか、それに君の大声の方が迷惑だよ」と言おうとしたが、ミラベルのあまりの剣幕にその言葉を飲み込む。
 彼女は肩を怒らせたまま中に引っ込んでしまった。
 わかったよ、とトールは苦笑混じりに言いながら彼女の後に続いて建物の中に入っていく。
 彼女には頭が上がらない。
 それはここ1週間、トールの面倒を見てくれていたのが彼女だったからだ。
 
 
 
420俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/11(木) 06:57:00 ID:???
 自分であって自分じゃない――
 その事実を知り、かつての仲間達との再会も難しい状況になったことでトールはひどく落ち込んでいた。
 ベッドから起き上がらずに、ただただ呆然としているような状態だったのだ。
 完全な無気力状態である。
 その間の食事などの世話を行っていたのがミラベルであった。
 彼女は最初のうち遠慮しながら身の回りの世話をしていたのだが、3日程その状況が続いているのを見てトールに言葉をかけた。
 「この島って海が綺麗なんですよ。一緒に見に行きませんか?」
 正直彼は乗り気でなかったのだが、ミラベルはトールの手を無理やり引っ張り外へと連れ出した。
 彼女曰く、
 「引き篭ってたら本当の駄目人間になっちゃうから…折角つなぎとめた人生、それじゃ勿体無いでしょ?」
 と言う事らしい。
 結局トールはミラベルに連れられて人影のまばらな砂浜へとやって来た。時刻はまだ午前中だったのだが日差しは容赦なく照りつけてくる。少々風があるのが救いだった。
 ミラベルは砂浜に勢い良く座り込む。
 手を握ったままだった為トールはバランスを崩し、顔面から砂浜に倒れこむ形になってしまった。
 「あっ…ごめんなさい…大丈夫ですか?」
 「い…いきなり、なにするんだよ!」
 顔を起こしたトールが文句を言う。顔面はもとより体中砂まみれになってしまっていた。
 謝ったミラベルだったが、笑顔を見せている所を見ると本気で謝っている感じではなさそうだ。
 「フフッ! 顔中砂だらけですよ? はい、これ。」
 砂まみれのトールを見て、笑いながらハンカチを差し出す。
 「…ったく…」
 トールはハンカチを受け取ると立ち上がって顔に張り付いた砂を払い、続けて体中の砂を払い落とす。やがて払うのが面倒くさくなったトールは、服の中に入り込んだ砂に不快な表情をしつつミラベルの横に座り込む。
 ミラベルはそんなトールを気にするでもなく、ただ黙って海を見ていた。
 「…なんでこんな所に?」
 海を見続けるミラベルに視線を向けながらトールが聞いた。
 こんな所に来て俺の心境が変わるとでも思ってるのか…彼の顔はそう物語っている。
 その問いにミラベルは答えなかった。
 二人の間に沈黙が流れ、聞こえるのは砂浜に打ち寄せる波の音だけ…。
 そんな状況がしばらく続いた。
 
 「波って凄いですよね…」
 ミラベルが呟く。どうやらトールに向かって言ったらしい。
 「?」
 意味をはかりかねたトールは眉をひそめた。
 そんな彼の様子に気付いているのか、ミラベルは言葉を続ける。
 「波って、休む間も無くやってくる…何回も何回も…」
 ミラベルはそう言うとおもむろに立ち上がった。
 「この島って、サンゴ礁に囲まれてるんです。だからここの海岸の波はおとなしいでしょう?」
 彼女はトールの方に振り返りながら話を続けた。
 「外の波はサンゴ礁に当たって弱くなって、この海岸にやってくるんです。」
 また海の方に視線を戻す。
 トールも釣られて海の方を見ていた。
 「ここに来る波も、外の波も、途中にサンゴ礁があるだけで同じ波なんですよ? 凄くないですか?」
 そう言うとミラベルはまた座り直し、トールの方を振り返る。
 「…形が変わっても、同じ波なんです。」
 そう言うミラベルの瞳は、哀しみとも慈しみとも取れる表情を見せていた。トールはその瞳に思わず魅入られる。
421俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/11(木) 06:57:49 ID:???
 少しの時間――
 トールは視線をそらす事ができなかった。
 ミラベルは正面に向き直ると、節目がちに口を開く。
 「…私…パパの本当の子供じゃないんです。前の戦争で家族がみんな死んじゃって、変な施設にいた所をパパが引き取ってくれたんです。」
 そう言うとミラベルは自分の身に起こったことを話し始めた。
 
 
 彼女の住んでいた街はザフトの侵攻を受け、住民は次々と虐殺されていった。
 彼女と彼女の家族は辛うじて街を脱出したものの、逃げ込んだ街もザフトの侵攻を受けるような有様で、その逃避行の中で一人、また一人と家族は命を失っていき、最後は彼女一人だけが他の難民に紛れながら連合の基地に逃げ込むといった状態だった。
 身寄りもなく、まだ幼かった彼女は施設に収容される。
 そこは彼女と同世代の子供達だけが収容される特別な施設だった。
 最初のうちは彼女とそのまわりの子供達に変化はなかった。が、しばらく経つと少しずつ人が減っていった。
 他の施設に行ったわけではなく、いなくなった子供達は施設内のほかの場所に移されていったのだ。
 そしていよいよ彼女が移される番がまわってくる…そんなときに、一人の男性が彼女の身元引受人と名乗って現れた。
 それがオタードである。
 彼はミラベルを引き取ると、すぐさまこの島へと連れてきた。
 彼は実の親子の様にミラベルに接した。
 最初はオタードを敬遠していたミラベルだったが、オタードの誠実な態度に触れているうちにいつしか本当の父親のように思うようになっていた。
 
 
 「パパもここの海が好きなんです。私も良くパパとここに来て海を見ながら話をしました。」
 僅かに微笑みながら振り返る。
 「さっきの言葉も、実はパパが言ったんです。家族がいなくなって元気がなかった私に。」
 
 ――波と言うのは凄いだろう?――
 ――サンゴ礁にあたっても、ちゃんと海岸に波は来るんだ――
 ――形が変わっても同じ波なんだよ――
 ――途中で進む方向が変わっても、波は無くならない…海がなくなるその時までは――
 
 「正直、最初は何のことかわかりませんでした。でも、今ではわかるような気がします。」
 そう言うとミラベルは立ち上がり、暑いなー、と言いながら波打ち際に向かい歩き出した。
 打ち寄せる波の中、ただ佇む彼女を見ながらトールは何事かを考えていた。
 
 
 
 その翌日からトールは朝の散歩をすることに決めた。
 
 はたから見ればどうという事のないものであったが、少なくとも今の彼には大きな決断であった。




つづく


422俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/11(木) 07:01:58 ID:???
微妙に設定変えてますよ。まずもってトールが生きてますしね。別人になってるけど。
思ったよりもボリュームが出てしまいますた。多分完結まではえらい時間かかると思います。
思わせぶりな伏線のようなものも一応用意。
慣れない文体で疲れました。

|A`)ノシ ソレデワ
423通常の名無しさんの3倍:2005/08/11(木) 10:09:13 ID:???
俺つまさんGJ
続きを期待します
424D.mayer ◆Lnv086eZrI :2005/08/11(木) 20:22:41 ID:???
「心の無い王子の悲劇」予告編

むかしむかしある所に物語を書くことを生業としている夫婦がおりました。
この夫婦はある時、王子様の物語を書きました。
王子様は生まれついての王子様であり誰もが羨む力をもっていました。
王子様には親友の騎士がいました。騎士は素晴らしい盾と剣を持っていました。
王子様には素敵なお姫様がいました。勇敢さと優しさとを併せ持つ立派お姫様でした。
しかし彼らの力は彼ら自身の力ではありません。
王子様には自分の意思や心がなく、騎士はいつも迷い、後悔するばかりでした。
そして立派なお姫様は自分の理想のためには王子さえも利用する魔女だったのです。
・・・でも作者である夫婦は彼らを愛し、物語をハッピーエンドに導きます。
他の登場人物を犠牲にすることによって・・・。

 同じ頃一人の物書きが一つの物語を終わらせました。
その物書きは悲劇を好みましたが、物語は悲劇とはなりません。
そして物書きはあの夫婦の物語に目を付けました。
「こんな者達にこそ悲劇がふさわしい」、と。


現在プロット作成中
425通常の名無しさんの3倍:2005/08/11(木) 22:44:23 ID:???
>>424
おもしろそ、期待してる




とか書いて欲しいんだろうなって思うと笑えてくる
426通常の名無しさんの3倍:2005/08/11(木) 23:03:38 ID:???
でも確かにおもしろそう。期待します
427通常の名無しさんの3倍:2005/08/11(木) 23:04:44 ID:???
見ていてナデシコを思い出したのは俺だけだね
428D.mayer ◆Lnv086eZrI :2005/08/11(木) 23:10:54 ID:???
>>425、426
ありがとう、本当に・・・ありがとう
>>427
元ネタはプリチュです。

つか主人公がマユになりそうだからこのスレじゃないじゃんorz
429俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/11(木) 23:13:05 ID:???
>428
|A`)ノ 
SEED DESTINY のキャラだからOK。
|A`)ノシ ソレデワ
430通常の名無しさんの3倍:2005/08/13(土) 00:37:37 ID:???
SSまだぁ〜?
431通常の名無しさんの3倍:2005/08/13(土) 02:13:37 ID:???
>>430
お前が書けば?
432通常の名無しさんの3倍:2005/08/13(土) 02:18:03 ID:???
残念だがまだ構想中
433俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/13(土) 03:06:37 ID:???
|A`)ノ
オイラのレスから1日以上レス無かったのか…
残念ながら、自分のは時間かかりそうだ…
ノラぬこさんやR・Eさんや◆0IaHAmsXdgさんやD.mayer ◆Lnv086eZrIさんや
その他の人々が投下してくれるのを待とう。
|A`)ノシ ソレデワ
434通常の名無しさんの3倍:2005/08/13(土) 18:57:53 ID:Fun1y3NW
保守
435通常の名無しさんの3倍:2005/08/13(土) 19:31:41 ID:???
今、道化の退場を読み返して涙しています…
嗚呼無念
436通常の名無しさんの3倍:2005/08/13(土) 21:24:53 ID:89lSkb2o
結局、キラは晩ご飯を食べ損ねた。昨晩は、運良く廊下で出会ったアスランに、かくかくしかじか、と伝えて、部屋に引きこもった。
そして、夜が明ける。朝日の差し込むベッドの上で、キラは願う。
「ああ、今日は良いことがありますように」

アナザーシードワールドその5

早速、悪夢が襲う。朝食を食べに、食堂へ向かう途中。中庭が見える渡り廊下の、曲がり角
「お、おはよう。ミーア」
「・・・おはよ」
Yシャツにロングスカート、学園の制服を着た、ミーアに、ばったり会う。
一度、視線をそらしかけて、意を決して、視線を戻し、
「昨日は、その、悪かったな」
ふん、と、ミーアはそっぽをむいて、
「別に。気にしてないし。嘘泣きだっていったでしょ?」
「あ、ああ・・・」
この話はここまでだ、と言わんばかりに、ミーアは背伸びをして、
「ザラくんは?」
「・・・ニンジン嫌いだから、今日の朝食は要らんとさ」
「メニューは確か・・・」
ミーアは、ポケットから、食堂の8月分献立表を取り出し、軽く読み上げる。
「“8月8日は人参祭りの日。朝食メニューは以下の通り。
 人参ご飯。
 人参味噌汁。
 人参サラダ。
 人参サニーサイドアップ”・・・・・」
「人参サニーサイドアップってどんなだろうな?考えただけでドキドキがとまらねえ(棒読み)」
「ええ、もはや目玉焼きの域を超えていると思うわ。ほんとにドキドキが止まらないわね(棒読み)」
結局、人参サニーサ(ry というメニューは、といた卵に、刻んだ人参をまぜて、焼いたものだった。それは目玉焼きじゃなくて、卵焼きだろ、と、キラは思った。
437ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/14(日) 01:11:57 ID:???
お盆のお墓参りから帰ってきますた。
それでは補完44.5話、投下します。
438ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/14(日) 01:14:38 ID:???
44.5話 再会 -メンデル2- vol.1

タリアとアーサーはミネルバをレイに任せ、メンデル2の調査に来ていた。
AAのラミアス艦長からの「メンデル2にデスティニープランの新事実がある」というメッセージが気に掛かり、半信半疑ながら
調べることにしたのだった。レイは「艦長・副長が同時に艦を離れるのは不適当では」と止めたが、レイは以前同じ性質の場所で
体調を崩したし、他のパイロットも今は艦から離れない方がいい。が、高度な判断は必要なので士官が行かねばならない。
そう言ってタリアは、最後には「フェイスの権限で」とレイを説き伏せ、アーサーと他2名という少人数で出向いてきた。
しかし本当のところは、議長直結のレイをこの件から外したかったのである。議長が公に言っていることとミネルバに命令する行動とは
矛盾点が多い。それをタリアに説明するのを巧みに避けているのも明らかだ。ならば自分の目で確かめ、裏を取り、
進む方向を見極めたいと自ら赴いたのである。
アーサーたちはタリアの腹心で口が堅い。何か想像できない危険があるかもしれないとは、覚悟してきたつもりだった。

メンデル2は何者かによる爆破事件をきっかけに放棄された。外見からでは大きな破壊の跡も認められない。
研究施設というより病院風の様相で、内装やインテリアの豪華さから推察すると、客はVIP層であったのだろう。
タリアたちは入口から順々に部屋を当たっていき、一際広い部屋を見つけた。「資料室」とプレートがかかっている。
激しく爆破されており、データの類で見られるものはないようだったが、カルテらしき紙の書類を数点、辛うじて拾い出すことができた。
と、部屋の奥に先客がいる。わずかな物音にタリアが気づくと、懐かしい声がした。
「グラディス艦長、お久しぶりです。いろいろご迷惑をおかけしました」
タリアより先にアーサーが驚いた。
「あ…アスランなの?。どうして…」
アスランは警戒して姿を隠したまま言う。
「ここは議長がかつて遺伝子研究をしていた場所です。『デスティニープラン』の」
タリアはさほど驚く風もなく応える。
「デスティニープラン、ね。実は知らないこともないの。若い頃、まだギルバートと付き合っていた時にね…。
名前だけで内容は知らないけど」
「ラクスがメンデルのコロニーで見つけたノートに、このプランのことが書いてありました。俺たちはそれを元に調査を進め、
ここを見つけたんです。そして…」
「私たちをここにおびき寄せた、ってわけ?」
挑発するようなタリアの言い方にも冷静さを崩さぬ口調で、アスランは続ける。
「お見せしたいものがあります。銃を向けずにお話がしたい」
アーサーと護衛の2人は不安を隠せぬ顔でタリアを見る。タリアは大丈夫、と目配せし、
「分かったわ。こちらは4人だけで来ています。あなたに危害は加えません」
タリアは護衛に銃を下ろさせ、声の方へ近づいていく。アスランは拳銃を構えながら姿を見せるが、
タリアの真っ直ぐな視線を確認すると、拳銃をホルスターに収める。
「こちらへ」
アスランはタリアたちを案内して部屋を出、階段を上り、病室らしき一室に入っていった。
439ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/14(日) 01:22:10 ID:???
44.5話 再会 -メンデル2- vol.2

ここは患者用の個室ですが、カルテがビューワのメモリに残っていました」
そう言ってアスランはベッドについているビューワにPDAを繋ぐと、再生した。
「患者名…シン・アスカ!」
ビューワを覗き込んだタリアとアーサーは絶句した。
「シンは士官学校時代、訓練中に怪我をしたことがあったそうです。本来軍の病院で治療するはずなのにわざわざここに移送されてきた。
そのわけは…」
アスランはビューワの画面を先へ送り、続ける。
「パイロットとしての飛び抜けた適応性、運動能力。そしてコーディネーターとしてはまれな生殖能力の高さ…。
これだけでもシンは特別だった。しかし議長は怪我の治療を名目に、さらなる強化を施すことにした」
「強化って…」
「自分の意思や考えを殺し、組織に忠実な人間に仕立てることです。シンに対しては、戦士としての忠誠心をさらに上げようとした」
「どうやって、そんなことが?」
「偽りの記憶を植え付けることで、敵に対する憎しみや怒りの感情を滾らせ、戦い続ける。連合のエクステンデッドとも似たやり方ですが、
強化に適したコーディネーターのみを選んでやるものなので、薬で縛るような表立った副作用はありません」
「それが、シンのあの強さだというの?」
「人がその能力を最大限に生かせる場所へ配置し、統治者の下で効率よく動かす。それがディスティニープランです。
元々それは、生まれる前の遺伝子操作で最高のコーディネーターを作るところから始まった。しかし体外で育つ過程で死んでしまう例が多い。
その唯一の成功例がキラ・ヤマト。フリーダムのパイロットで、俺の相棒です。しかしキラは命令に従うだけの軍人になる道を選ばなかった。
そこで、戦士として育てるのがダメなら、戦士の中から選んだ者の能力を上げる方がよいと、選ばれたのがシンだったのです」
思いがけぬ事実の暴露にタリアもアーサーも言葉を失う。アスランはさらに続ける。
「そして今デスティニープランは最終段階に入ろうとしている。人の適性を発達段階のうちに見極め、強制的に配置する。
能力にふさわしい場所を与えられることがその人間の一番の幸せであり、争いも起きなくなる、と」
タリアはごくりと唾を飲み込んだ。
「確かにそれならば戦争は終わる…というか、起きないかもしれないわね」
440ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/14(日) 01:26:59 ID:???
44.5話 再会 -メンデル2- vol.3

その時窓ガラスが「ピシッ」という小さな音を立て、一発の銃弾が飛んできた。アスランが左肩を撃たれる。
「ぐっ…」
一同は反射的に床に伏せる。コの字型になっている建物の向かい側から狙撃されたのだ。
アスランは痛みに顔を歪めながら拳銃を抜き、タリアに向ける。
「4人で来たというのは嘘だったのですか、艦長」
タリアは銃を構えようとする護衛の2人を制し、正面からアスランに向き合う。
「いいえ、今さらあなたにそんな嘘はつかない。この状況では信じられないかもしれないけど…。それに…」
言うのとほぼ同時に爆発音がし、天井からコンクリートの塊がバラバラ降ってきた。
「ともかくこの部屋は危ない。出ましょう」
取りあえず今は一緒に行動するしかない。アスランはそう判断しタリアの言葉に従った。一同は銃を構えて通路に出、奥へ走る。
階段を上がってきた数名のザフト兵が、こちらへ自動小銃を撃ってくる。タリアは兵士たちに怒鳴った。
「撃つのを止めなさい。こちらはミネルバ艦長タリア・グラディスです」
聞こえているはずの距離なのだが、銃声は止まない。それどころかだんだん狙いが集中してくる。
「艦長、どうやら狙われているのはあなたたちのようだ。疑って申し訳なかった。こっちへ」
そう言ってアスランは、さらに奥の部屋へタリアたちを誘導する。
その部屋の扉は妙に他より分厚い造りになっており、5人が入るとアスランの指示で扉が密閉された。
中にはリフトがあり、地下シェルターへ繋がっている。一同がシェルターに逃げ込んだ直後、激しい爆発が立て続けに5回起こり、
シェルターへの出入り口は完全に塞がれた。タリアはため息をついた。
「よほど私が邪魔な人がいるようね。アーサー、外の様子は分かる?」
「待って下さい。調べてみます」
アーサーは外部カメラのモニターを見つけ、外の様子を伺う。ザフト軍兵士たちと数体のザクの姿が見える。
アーサーは泣きそうな顔で言う。
「どうしますか。一応友軍なんですから、出て行けば何とか…」
タリアがやれやれという顔でアーサーを見る。
「何言ってるのアーサー。あれは私たちがいると分かって攻撃しているのよ。理由なんか後からつけて、消すつもりだわ」
「そ、そんなぁ…」
441ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/14(日) 01:31:02 ID:???
44.5話 再会 -メンデル2- vol.4

またも爆発が起こり、地上に出るハッチも開かぬように瓦礫で埋められてしまった。
「このまま生き埋めにするつもりね、私たちを」
そんなやりとりを部屋の隅で、傷ついた肩を押さえながら聞いていたアスランが言う。
「俺が戻らなければキラが迎えに来ることになっています。キラの実力はご存じでしょう。
俺が話して、皆さんが安全に避難できるようにします」
アスランは的確な判断ができ、融通も利く。いや利き過ぎるからこそザフトを離反することになったのだろうか。
これだけの状況の変化にも、冷静で思いやりを忘れない。彼の言うことなら信用できると思っていたのは間違いではなかったと、
タリアは微笑んだ。
「ありがとうアスラン。アーサー、傷の手当てをしてあげて」
「はいっ」

アーサーは救急箱を取ってくると、アスランの肩の銃創を処置する。幸い肩の上部をえぐった程度で出血もそうひどくない。
消毒し、融着ガーゼを貼って包帯を巻く。タリアが近寄ってくる。
「あなたもいつも痛い目にあってばかりね。身体的にも、精神的にも」
「俺は要領悪いですから。つっっ!」
「そうね。でもその正直なところが私は好きよ」
「そんなもんですか…」
「戦士としての役割に徹していれば優秀なのに…か…」
「議長ですか」
「ええ」
「俺もキラも、軍人には向いてないのかもしれません」
「シンを助けてくれる?」
「え…?」
「戦士としてのシンを救えるのは、戦士として話ができるあなたしかいない」
「でも俺は、オーブ戦でシンを説得できなかった」
「そんなことないわ。あの後、かなり考えていたみたいよ。ルナマリアも」
「そうですか」
敵対勢力間でも共闘できるか。ずっと悩み続けていたことだが、まだ諦めないでよかった。
しかしそれはこれからもますますいばらの道ということだ。キラほど不殺はできない、とバルトフェルドは言っていたが、俺だってそうだ。
難しいな…とアスランは思った。
「あなたと話せてよかった。ミネルバにいた頃はこんなにゆっくり話す機会もなかったわね。
もっと早くにいろいろ話せていたら、あなたの力になれたかもしれなかったのに」
タリアがそこまで自分を信頼してくれていたのが、アスランは嬉しかった。
「でもあの頃じゃ、俺は目の前のことしか見えてませんでしたから。一人で突っ走って、皆に迷惑かけて…」
共闘とは人を信じる力だ。俺に欠けていたのはそれかな…とアスランは今さらながら気づいた。
442ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/14(日) 01:33:07 ID:???
44.5話 再会 -メンデル2- vol.5

シェルターに閉じこめられて約1時間。ずしん、と大きな振動が響いた。
外部モニタで見るとストライクフリーダムが姿勢を低くし、崩れた建物の瓦礫の下を掘り始めている。
間もなくシェルターの出入り口ハッチが開く。5人が助け合って脱出するのを確認し、キラは外部スピーカーで呼びかけた。
「ザフトは立ち去りました。今のうちに逃げて下さい」
タリアはアスランに向き直る。
「ありがとう。次に会うのはまた戦場だと思うけど」
「ええ」
短い挨拶を交わし、タリアとアスランは握手した。
アスランは複雑な思いを抱いたままストライクフリーダムの手に乗り、キラと共に飛び去っていった。
443ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/14(日) 01:34:28 ID:???
おしまいでつ。

さてそれにしてもまたもや43話は突っ込みどころ満載で。
時間軸がおかしいのが、一番気になりましたが。

皆さまどうですか?
444俺つま('A`) ◆vrAvFLEETs :2005/08/14(日) 02:08:57 ID:???
|A`)ノ
ノラぬこさんGJ!
そうか、シンはそう言う設定だったのか、と納得してしまうところですた。
その設定であれば議長は最初からキラとシンを戦わせる予定だったって事だよなぁ…
あと、ちょっと気になったのは非常に細かい事なんですが、
>「撃つのを止めなさい。こちらはミネルバ艦長タリア・グラディスです」
これ、「こちらは〜」より「私は〜」にした方がしっくりくるかなぁ。

>さてそれにしてもまたもや43話は突っ込みどころ満載で。
>時間軸がおかしいのが、一番気になりましたが。
「ラクス、間に合ってるのかよ!!」(三村風) って事ですかね?
それよりもマリューとネオのメロドラマの方が(ここにきてかよ…って事で)意味不明でしたが。
(他にも色々と突っ込みどころが…ムラサメMAよりフォースインパルスの方が速いとかetc.etc.)

では、続きを期待しております。
|A`)ノシ ソレデワ
445ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/14(日) 02:28:15 ID:???
>>444
いやー遅くまで起きてましたね(オマエモナー!)

ラクスに関しては、間に合わないも当然ながら、アスランに冷たすぎすね。てか、マリューに命令する?
キラだって、親友があそこまでやってんだから、手ぐらい握ってやれよー。
インジャを拾ったトコで怪我してるの分かってるんだから、救護班呼んどけよー、とか。

前回でAA側4人は「身内のような」分かり合っている仲と描いた(ように見えた)のに、今回変な気が。
戦場って命かけているんだから、もっと濃厚な友情や愛情あっていいと思われ。

タリアのセリフ「こちらは…」は、「当方は」とか「私の陣営は」という意味で書きますた。
ま、確かに実際そういう局面に来たら「私は」になるかもですが。
俺つまさん、いつも丁寧な感想、どもです。また頑張りまつ。

446通常の名無しさんの3倍:2005/08/14(日) 02:45:34 ID:???
>445
|A`)ノ マダオキテターヨ
ああ、指摘は細かすぎるのでスルーして構わない程度のものですので。

確かに今回の話(本編ね)は「???…∞…???」くらいの違和感を感じました(いつもの事と言えばそれまでですが)。
好意的に解釈すれば、キラとアスランは感情を表現するのが苦手だった、ってのも在り得ますが、ラクスはフォローできませんね。
あと他スレで散々言われてますが、「議長も…意外と甘いようで…」(「冗談はよせ…」)ってなくらいに詰めが甘い。三日三晩蜂蜜に漬かってた位に甘い。
まあ突っ込みどころが多い分こちらの妄想もかき立てられて、ノラぬこさんのようなものを創り出せるのですが…それはあまりにも痛いw

いいかげん寝ますわ
|A`)ノシ ソレデワ
447通常の名無しさんの3倍:2005/08/14(日) 10:59:08 ID:???
作者同士の馴れ合いと自己完結が名なしの発言を拒むと何故解らないのか…
448通常の名無しさんの3倍:2005/08/14(日) 11:02:09 ID:???
ぶっちゃけ全てが見るに堪えない ゴキラと50歩100歩
449通常の名無しさんの3倍:2005/08/14(日) 13:04:54 ID:???
ゴキラの方が壮快さがあるからゴキラの方が圧倒的に上
450通常の名無しさんの3倍:2005/08/14(日) 15:15:11 ID:???
ハイハイ、あと2週間で夏休み終わるぞ。
ネットやってないで宿題でもやれよ。
451通常の名無しさんの3倍:2005/08/14(日) 19:29:18 ID:???
コイツらのは笑えないキモさがあるよな
452通常の名無しさんの3倍:2005/08/14(日) 21:18:21 ID:???
>>443
>>皆さまどうですか?

典型的な構ってちゃんもいいところだな。
453762 ◆9AUE2RuSV. :2005/08/14(日) 23:34:30 ID:???
いつぞやのdat落ちしたスレの続き。

 カーターは一度娘の様態を診た。咳は聞こえないが立っているのも辛そうだった。無理をしてるなと思った
「もっともその前にラウンジで軽めのティータイムですが」
カーターはリンを抱えてあげ、背の高い大人同士の会話に加えてあげるようにした。
 リンは父親に抱えられることによって、恩人の顔を見上げて見る必要も無くなった。
 ジャンは、この偶然出会った父子もグレイブヤードに寄ると聞いて驚いた。少なくとも其処は娯楽施設などでは無いからだった。
 グレイブヤードとは、彼らが居る宇宙都市『世界樹』にコバンザメのように張り付いた、無骨極まりない元資源小惑星のことである。
 C.E.11年、東アジア共和国とオーブ首長国が主導となり、世界各国の貴重な伝統工芸技術を宇宙移民たちへ伝えるための文化啓蒙政策の一環として、世界樹建設のための建造材料としての役割が終った資源小惑星内部の余剰空間を丸ごと使い、
一個の巨大な歴史博物館を作ろうという国家事業であった。
 技術者を宇宙に上げ、宇宙で生産された材料を使って工芸品を作り、さらに後継者を育て、宇宙の中で次の世代へと技術と歴史を伝えるという大事業だったのだ。
 政策成立当時、世界はR.C.Warのために深い傷を負っていた。そのため伝統文化の地球脱出が当時の目的であった。古の精神が詰まった種子を宇宙という新たな大地へ蒔くために。
 信じられないほど長期間続いたR.C.Warによりその維持が困難となった世界中の様々な伝統工芸技術、特に数度の核攻撃を受けて最も被害が大きかった東アジア共和国の日本列島の伝統技術を、再び起こるかもしれない戦乱による根絶から守り伝えるために。
 国際プロジェクトとして進められた発足した事業は本来ならもっと小規模に進められるはずだったが一人の人物によって、より強力に推進されることとなる。"ファーストコーディネイター"ジョージ・グレンによって。
 しかし、時が流れ執行者である政治家や官僚の世代交代が進むとやがて、たかが伝統工芸のために膨大な予算を割くことを嫌い(とくにファーストコーディネイターが関っているとなればなおさらだった)、
効率化という名の下、事業は少しずつ尻つぼみはじめ、そして事業凍結が決定的となったのが、グレンの死であった。
 C.E.35年、大西洋連邦の月面軍事基地<プトレマイオス>建造が発覚。国際的非難を浴びるが、連邦は開き直り、<宇宙の警察署>であると表明、最初のモビルアーマーシリーズが公開。
 ユーラシア連邦も大西洋連邦抑止のために月面軍事基地建設と宇宙軍設立開始を宣言。グレイブヤードがある世界樹に軍事基地が建設される。そしてC.E.53年のグレン暗殺。
 ようやくグレイブヤードへ技術者達の移住が終わり、宇宙生まれの若き後継者達がさらに次の世代へ、そしてコーディネイターへと大いなる歴史と精神を伝えるというところで事業は完全に中止させられてしまったのだ。
 今では僅かな予算が組まれ、細々と維持され続けられているというのが現状であった。古い過去の遺物など誰も見向きもしなかった。特に若い世代のコーディネイターとなるとそれは顕著であった。ナチュラルの黴が生えたテクノロジーを知る必要がどこにある。
「この子が、どうしてもグレイブヤードの観光に行きたいと言うものですから」
「あら、最初に言い出してパンフレットを見せたのはお父様のほうじゃない。本当は刀鍛冶を見たかったんでしょ? 私は東洋の弦楽器"シャミセン"や日本の古代衣装作りのほうに興味があるの」
 リンは父親の腕に抱えられ、嬉しそうにジャンに語った。体を患いながらも人見知りというものがなく、運動ができない代わりに良く喋る娘は、昨日まで通院していた病院でも患者職員問わず人気者であった。
454762 ◆9AUE2RuSV. :2005/08/15(月) 07:03:01 ID:???
今日は此処まで
455通常の名無しさんの3倍:2005/08/16(火) 08:27:55 ID:???
保守
456通常の名無しさんの3倍:2005/08/16(火) 17:27:53 ID:???
あげ
457通常の名無しさんの3倍:2005/08/17(水) 06:34:34 ID:???
保守
458通常の名無しさんの3倍:2005/08/17(水) 18:09:50 ID:???
コテが出張れば名無しが何もいえなくなる。
そうなれば、素人ゆえにオナニーは避けられない。
わかりきってることじゃないか。
459通常の名無しさんの3倍:2005/08/17(水) 19:34:36 ID:???
職人さん募集中
460通常の名無しさんの3倍:2005/08/17(水) 19:36:38 ID:???
コテ来ないな。いい加減来ないと落ちるぞ。
新規職人さんは名無し希望。
461ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/17(水) 22:20:52 ID:???
>>458
なぜ何も言えなくなる?
荒らしじゃなけりゃ普通に聞いてるが。
462通常の名無しさんの3倍:2005/08/17(水) 22:23:34 ID:???
age
保守しとかないと観察できんしな。
463通常の名無しさんの3倍:2005/08/18(木) 06:22:51 ID:???
保守
464通常の名無しさんの3倍:2005/08/18(木) 09:00:14 ID:???
>>460
文句があるならオマエが名無しで書けばいいだろ。
職人諸氏、夏の終わりがくるまで大変でしょうが辛抱して下さい。
465通常の名無しさんの3倍:2005/08/18(木) 10:31:19 ID:???
オーブ近海での戦いが激化するなか、オノゴロ島のシェルター付近でなにやら揉め事が起こっていた。
セイラン家の次期当主であるユウナ・ロマ・セイランは兵士に対し反発する。
「いやだよ〜、こんなところ〜!僕はぁ、本島のセイランのシェルターに・・・・」
「いいから!お入り下さい」必死の頼みも、もう一人の兵士により遮られた。
と、その時何機かのMSが頭上を掠めた。
吹き荒ぶ突風に、兵士達は耐え切れず身を屈めた。
―今しかない―
ユウナは思いきり、兵士に向かい体当たりを仕掛けた。
「グワァ!」
「ユウナ様!!」
彼らの声が聞こえる。
だが、戻る訳にはいかない。
466通常の名無しさんの3倍:2005/08/18(木) 17:52:43 ID:???
微妙
467通常の名無しさんの3倍:2005/08/18(木) 20:26:08 ID:???
微妙も何も意味がわからない、何がしたいのかわからない
468通常の名無しさんの3倍:2005/08/19(金) 01:33:39 ID:???
保守
469通常の名無しさんの3倍:2005/08/19(金) 15:29:48 ID:???
コテハンが出張れば何もいえなくなるってのは
なんとなく気軽に書き込める雰囲気じゃなくなるってことじゃないか思う。
「職人は黙ってネタ書き」が2ちゃんのネタスレで好まれるのは、
不特定多数が書き込む2ちゃんねるで、
初見も書き込みやすい雰囲気を維持するっていうことからかな、と思う。
470通常の名無しさんの3倍:2005/08/19(金) 22:56:30 ID:???
1週間近くSS投下ないけど、コテは逃げたんかな。
コテハンやるからには叩かれる覚悟は・・・ここのにはなさそうだな。
叩かれるって言うか、批判レベルなんだが。
471通常の名無しさんの3倍:2005/08/20(土) 00:33:02 ID:???
ちょっと話題探しに種の二次サイト巡ってくる。
お薦めのあったら教えてくれ
472ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/20(土) 01:30:03 ID:???
できたから落とすよ。
>>278の続きで。
473ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/20(土) 01:31:39 ID:???
46.5話 離反 vol.1

レイたちによるMS強奪作戦は未遂に終わったとはいえ、ファクトリーにかなりのダメージを与えた。
数名の負傷者と設備の破損、何よりアスランが倒されたことが大きい。
胸を撃ち抜かれたアスランは、襲撃から2時間経った今もまだ手術を受けていた。
医務室の外のベンチには、ルナマリアがずっとうつむいたまま座っている。
アスランが意識不明のため経緯が分からないエターナル側は、状況からルナマリアを捕虜として拘束し、前手錠をかけ、
兵士を一人見張りにつけている。それでも営倉に閉じこめないのは、あまりに憔悴している彼女への精一杯の配慮である。
目の前で起こったことのショックと捕虜になってしまったことで、ルナマリアは経験したことのない心細さに胸が張り裂けそうだった。
私はどうなってしまうのだろう…。アスランは…。
そこに緑のザフト制服で駆けてくる人影があった。
「お姉ちゃん!」
懐かしい声。ルナマリアは顔を上げた。
「メイリン!」
メイリンは立ち上がれないルナマリアの前にひざまづき、抱きついた。
「ごめんね、すぐ来られなくて。怪我がなくて…よかった」
もう二度と会えないと思っていた姉妹は、堰を切ったように泣き出した。
「…でも…私のせいで…アスランが…」
「大丈夫だよ。アスランさんは必ず帰ってくるから。私を守ってくれたときだって、ちゃんと復活したんだから」
妹は姉を一心に励ました。不思議な感覚。いつもお姉ちゃんに負けまいと私の方が追いかけていくばかりだったのに、
私がお姉ちゃんを支えるなんて。
数分して、メイリンの言葉を裏付けるように「手術中」のランプが消えた。ドクターが出てくる。
「危機は脱しました。意識はまだ戻りませんが、早ければ明日にでも多少話せるようになると思いますよ」
「よかった」
姉妹は安堵した。
「私も安心しましたわ」
近寄って来たラクスが、姉妹に微笑みかける。
「今晩はお二人でお休みになりますか?」
ラクスはそう言うと、メイリンに手錠の鍵を渡した。
「一応決まりですので部屋から出るときには手錠をかけて頂きますが、お部屋に入ったら外してあげて下さいね」
「ありがとうございます、ラクスさん」
メイリンはラクスの心遣いに素直に感謝した。自分の場合と違って姉はここに武装して侵入してきた敵。破格の扱いだ。
「お姉ちゃん、行こう」
メイリンは姉を促し、自分の部屋に連れて行った。
474ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/20(土) 01:33:40 ID:???
46.5話 離反 vol.2

辛くもミネルバに戻ってきたシンは混乱していた。
MSで戦闘をしているときは人が何人死のうと、それはモニタを通した出来事であった。
しかし初めて経験した本格的な白兵戦、血を流したのは自分のよく知る人物。ルナマリアまで敵側に置き去りとなった。
心の拠り所をなくし、何もする力が湧いてこない。オーブ戦でアスランと初めて相見えたときよりも、さらにショックは大きかった。
そんなシンの様子を見て、レイは別の不安を抱いた。彼は戦士としてただ無心に突っ走るときが強い。
心に迷いがある状態ではいざというときに使えるかどうか…。そうでなくとも先般の、2人のラクスによる演説を聴いて混乱しているのに。
これからは余計な情報は遮断しなくてはいけない。後でギルにも相談しよう、と考えた。

エターナルでは、姉妹のまんじりともしない夜が明けた。
妹は姉に、脱走、グフ撃墜から助かってエターナルに来るまでの経緯を話し、姉は妹に、自分とシンがアスランとメイリンの死と、
再び生存を聞いたときの気持ちを語った。これからのことはエターナルの皆と相談して考えよう、とメイリンは姉を慰め、
自分の持ち場であるCICへ出て行った。姉を残していくのは心配ではあったが、あとはラクスさんたちに託すしかない。
昨日の事情が分かればきっと悪いようにはならないだろう、と自分に言い聞かせた。
昼過ぎ、一人心細く部屋に残るルナマリアを、ラクスが迎えに来た。
「アスランが意識を取り戻したそうですわ。一緒にお話ししに行きましょう」
「よかった…」
ルナマリアは思わず涙した。
再び手錠をかけられ、ラクスと見張りの兵士とともにルナマリアは医務室に出向いた。
アスランはICUでチューブだらけの体をベッドに固定されていた。ドクターが言う。
「自発呼吸はしていますが肺が傷ついているので、あまり感情を高ぶらせないようにして下さい」
ほとんど身動きできないアスランの傍らにラクスとルナマリアは座った。ラクスが話しかける。
「アスラン、聞こえますか。大丈夫ですか」
「ああ、ラクス。大丈夫だ。ルナマリア…怪我はないか…」
ルナマリアは泣きながら応える。
「そんな、自分の心配して下さい。私はあなたのおかげで何ともありませんから」
「そうか…よかった…」
アスランは僅かに2人の方に顔を向けると、表情を曇らせる。
「ラクス…手錠を外してやってくれないか。彼女は昨日、レイに殺されかけた…。もうミネルバには…戻れないだろう…。
捕虜扱いは…しなくていい」
「分かりましたわ。アスランがそう言うのなら」
ラクスは傍らの兵士に命じて、ルナマリアの手錠を外させる。
「ありがとう…ラクス…」
アスランの表情が少し緩む。
「ルナマリア…シンは…どうだ…。ラクスの演説は…聴いたんだろう…」
「聴いてましたけど…レイが…」
「そうか。シンは…レイに監視…というか、マインドコントロール…かな」
「マインドコントロール…ですか?」
ルナマリアは驚く。でも確かに、ふだん自分と話すときのシンと戦闘中のシンは別人だ。
475ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/20(土) 01:35:02 ID:???
46.5話 離反 vol.3

「レイは…議長と固く繋がっている。ミネルバの…お目付役といったところだ。特に艦長と…シンには…」
「そんな…艦長までなぜ? 艦長は…議長の元恋人だと…」
「そうだ。だが引き裂かれた。コーディネーター同士の…婚姻統制のためだ…。子供ができないカップルで…結婚が許されなかった…」
かなり続けて喋ったため呼吸が乱れ気味のアスランに替わり、ラクスが続ける。
「デュランダル議長は、タリアさんと結婚できない辛さをバネに、遺伝子研究にさらに熱中しました。
そこで生まれたのが『デスティニープラン』です。詳しいことはまだ調査中ですが、シン・アスカにも大きな関わりがあります」
アスランが言う。
「議長は…自分の思い通りに…動かない人間を…抹殺する。レイが…手を下す。君も…」
「分かっています。レイに銃を向けられたときに、私もあなたと…アスランと同じだと。
シンの気持ちが乱れるから邪魔だと、言われたこともありましたし」
「シンは…議長が遺伝子操作して…自分の駒となる戦士に仕立てたんだ」
「えっ」
驚くルナマリアにアスランは、メンデル2で調査したシンに対して施されたデスティニープランの内容を説明した。ラクスが補足する。
「つまりルナマリアさんもアスランも、シン・アスカが最高の戦士となるためには邪魔だった、ということなのです」
そうか、それでレイは私のことを…。ルナマリアは意を決した。
「私も…協力させて下さい、あなた方に。シンを、そんな機械みたいに扱うなんて…。私も、シンを助けたい。
それに、そういう人がまた作られるなんて…許せない」
「ルナマリア…辛い…戦いに…なるぞ。いいのか…」
「私、やっと何に対して戦うのか、分かった気がします。アスラン、ラクスさん、ありがとう」
ラクスはルナマリアが翻意したのに正直驚いた。アスランの体を張った説得が通じたのだろうかと、少し見直した。
「そろそろアスランも辛そうですわ。私たちはこのへんで戻りましょう。アスランは早くお体を治して下さいな」

2人は医務室を出、エターナルのブリッジに向かって歩く。ルナマリアは戸惑いながらラクスを見た。
「ラクスさん。私をそんなに簡単に信用して…いいんですか? その…私は、あなた方のことを知っていたわけでもないし、
ここに来たのは敵として…です」
ラクスは、話の途中で視線をそらしたルナマリアを見る。
「信用することは力なのです。どこに属しているとか、ナチュラルとかコーディネーターとか、始めから人を分けてはいけないのです。
会ってみて、お話しする。その方がどういう方なのか、信頼していいのかどうか、自然に分かるものですわ」
ルナマリアは、ラクスがなぜカリスマ的人気を保っているのか少し分かった気がした。
そう、自分も会ったことのある偽者の…ミーアとは確かに違う。
「信頼している同士の絆は固い。だから強い。そうですよね」
「そうかもしれませんわね」
ラクスは微笑んだ。
476ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/20(土) 01:36:43 ID:???
46.5話 離反 vol.4

ジェス・リブルはアストレイ・アウトフレームにミリアリアを同乗させ、月軌道に向かっていた。
「で、ミリアリア、誰なんだ、その…協力者ってのは」
「ザフトのMSパイロットで、イザークとディアッカ。イザークは今は部隊長ね」
「ザフトか。またこの前みたいに銃口がこっちに向くことはないんだろうなあ」
「あの2人は大丈夫よ。前大戦で一緒に戦った戦友だから。ていうかそれ以上の付き合い…か、な」
「ふうん。今は共闘してないのか」
「ま、いろいろあってね」

デュランダルはプラントの執務室でエターナルとAAの動きを調べていた。前大戦時末期のいわゆる三隻同盟は共闘を続けており、
それをバックアップする者はオーブにはもちろんザフト内部にも間違いなくいる。新フリーダムと新ジャスティスを造り、
ドムまで持っていたのだから。何か崩す手はないものか。
「しかし…カナーバ前議長は失脚したはずだ。まさか、クライン派がまだ生きているというのか…?」
一人考えるデュランダルに、秘書から呼び出しの通信が入る。
「ミネルバ所属、レイ・ザ・バレルから通信が入っておりますが」
「うん、繋いでくれ」
映像を出すと、レイが敬礼する。デュランダルは微笑む。
「やあ、レイ。このあいだの任務はご苦労だった。大変だったらしいね」
「はい。目的のMS奪取には失敗してしまい、申し訳ありませんでした。しかし怪我の功名といいますか、アスラン・ザラに負傷させました」
「どういうことかね」
「ルナマリア・ホークがアスランにたぶらかされ裏切りましたので、射殺しようとしたところを彼が庇ったんです。お人好しとしか思えませんが」
「ふむ。結果的にはよかったじゃないか」
「しかし、困ったことにシン・アスカが動揺しておりまして…。先日のラクスの演説やアスランの言葉に気持ちを乱されたところに、
今回の件が追い打ちをかけて」
「そうか。何とかしなくてはいけないな。彼は切り札だからね。一度シンを連れてプラントへ来たまえ。私が話をしよう」
「分かりました。ではグラディス艦長とも相談して、日程をご連絡します」
「ああ、待っているよ、レイ」

アストレイ・アウトフレームは、ザフトの戦艦ヴォルテールに着艦した。
アポなし訪問だったが、ジェスがジャーナリストだと名乗って回線を開かせ、ミリアリアが一言二言話したらあっさり着艦許可が出た。
ブリッジに通されると、作戦ボードの前におかっぱ頭の白服男と、色の黒い金髪の緑服男が並んで立っていた。
ミリアリアが笑顔で挨拶する。
「お久しぶりね、イザーク、ディアッカ!」
「元気にしていたか、ミリアリア」
「あ…や、やあ、おひさ。急なんで…驚いたぜ」
緑服の方が声が上ずっているのは何だかなぁ、とジェスが観察していると、白服にギロリと睨まれた。
「こいつは、何者なんだ?」
ミリアリアが慌てて紹介する。
「ああ、私のジャーナリスト仲間でジェス・リブル。開発中のインパルスの取材にも行ったから、ザフトでもお馴染みの記者さんよ」
477ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/20(土) 01:38:42 ID:???
46.5話 離反 vol.5

ミリアリアとジェスは、イザークとディアッカに案内され隊長室に入った。ミリアリアが話し始める。
「この前の2人のラクス会見は見てた?」
「ああ。この艦のクルー全員で見てたさ。監視任務はヒマだしな。なかなか面白かった」
「でも何でみんな偽者だって気づかなかったのかな。俺なんて最初から分かってたさ。胸の大きさとか全然ちが…」
「ディアッカ、貴様はそんなところばかり見てるから女に嫌われるんだっ」
凸凹コンビぶりは健在だな、とミリアリアはちょっと笑い、すぐに真顔に戻した。
「あの会見の中継が切れた直後、議長はあの場にいた記者たちを無差別に殺したの」
イザークは目を見開く。
「なに…じゃ、あれは放送事故じゃなかったのか?」
「ああ、俺のカメラで中継に出なかった部分までしっかり撮ってある」
ジェスは映像のコピーを手渡した。
「なぜそこまでしてラクスを抹殺しようというんだ」
「デュランダルは、ラクスのカリスマ性を利用して自分に都合の悪い地域を攻撃してきたんだ。
連合軍が収める地域、ヘブンズベースやオーブその他はジブリールが逃げ込んだという名目でな」
イザークはうーむと唸り、黙り込んだ。替わりにディアッカが口を開く。
「俺たちはそのジブリールの最終兵器と目されている『レクイエム』を監視する命令を受けている。
今までの流れで行くと、ジブリールの行くところは議長の攻撃の目標と考えられていた場所だと、そういうことになるか?」
「その可能性は否定できないわね」
「おま…いや、ミリアリアたちは、どうするつもりなんだ。その、AAは…」
「当然レクイエム阻止に上がるわよ。その時はまた一緒に行動することになるかしら」
「でもAAもエターナルも目立つからなあ。一緒にってのは…どうしたもんかなあ、イザーク」
まーったくこいつの優柔不断は全然変わってないじゃない。ミリアリアはちょっと腹が立った。
「まあ大っぴらに仲良くはできないが、大物が出てくりゃ細かいことも言ってられなくなるだろ。プラントを助けてくれるわけだしな」
「問題はデュランダルがそれで終わりにするか…よ」
「どういう意味だ?」
イザークとディアッカは同時に訊いた。
「これを見て」
ミリアリアが差し出した分厚い資料とCD-ROMの表題は「デスティニープラン」とある。
「デュランダル議長のライフワークね。ダコスタさんやアスランの集めた資料を基に調べたの。人の適材適所を小さいうちに決め、
みんなが幸せになる…って言えば聞こえはいいけど。要するに為政者の意に添う人間を意に添う場所に封じ込める。
操り人形みたいな人間をよしとする、そんなとこかしらね。詳しくは読んでみて」
「もしかしてアスランのやつが脱走したのも、それが関係してるのか?」
「脱走の経緯は詳しく聞いてないんだけど、議長の方向がおかしいと思ったら殺されそうになったから逃げた、とか。
今は元部下のパイロットが洗脳された破壊兵器状態、のようなことは言ってたわ。
都合の悪い者は抹殺、都合のいい者は操り人形。究極の選択ね」
ミリアリアにさらりと言われ、2人はざわざわした気分になった。イザークが顔を上げる。
「前大戦のようなことはもうゴメンだからな。俺たちで分かる動きがあったら知らせるから、そっちも頼む。
伝言役は君に任せていいか、ジェス」
「分かった、責任持って引き受ける」
4人は握手をして別れた。

fin
478通常の名無しさんの3倍:2005/08/20(土) 10:31:26 ID:???
。で終わったんなら、一段落下げろ

「脱走の経緯は詳しく聞いてないんだけど、議長の方向がおかしいと思ったら殺されそうになったから逃げた、とか。
今は元部下のパイロットが洗脳された破壊兵器状態、のようなことは言ってたわ。
都合の悪い者は抹殺、都合のいい者は操り人形。究極の選択ね」
(ここ)ミリアリアにさらりと言われ、2人はざわざわした気分になった。イザークが顔を上げる。
「前大戦のようなことはもうゴメンだからな。俺たちで分かる動きがあったら知らせるから、そっちも頼む。
伝言役は君に任せていいか、ジェス」

「…」は「……」で一セットだ。
479通常の名無しさんの3倍:2005/08/20(土) 13:47:05 ID:???
>>478
一瞬『一段落 下げろ』が『一段落下 げろ』に見えた。
そんだけ。
480ノラぬこ ◆44rfi5EX0c :2005/08/20(土) 14:37:50 ID:???
>>478
指摘ありがとう。

「一段落」というか、一文字下げのことか。
横書きで地の文が短い場合一字下げが多くなり、がたがたして読み難い。
何かうまい手はないかと考えている。

「……」が一組は知っていた。多用するので短くしていたが、ルールなので今後は直す。
481通常の名無しさんの3倍:2005/08/20(土) 17:41:25 ID:???
文法とかはどうでもいいから、文章になにか、こう上手く言えないけど、
勢いみたいなものを出してくれるともっと面白いかな。なんか読んでて凄く退屈な感じ。
482通常の名無しさんの3倍:2005/08/20(土) 21:47:12 ID:???
age トクカ
483通常の名無しさんの3倍:2005/08/21(日) 12:28:24 ID:???
>>480
文法や書き方にルールなんて無い、ただこれが最適だよってのはあるが別に絶対ではない
自分が書きやすいように、そして相手が読みやすいと思うように書けば良い、最善に

ただ一言だけ言えるのはお前の奴は読み難い
484通常の名無しさんの3倍:2005/08/22(月) 03:08:08 ID:???
1/8

「…っ、うわ……、ああ…」
キラは久しぶりに自分の悲鳴で目を覚ました。
あの戦いから2年近い月日が経過しようとしているが、未だに時折こうして
眠りを破られることがある。
戦闘時の悪夢を見るわけではない。
ただ、自分が宇宙空間に放り出されたような、足下の危うい状態に陥るのだ。
同時にどこにも拠り所のないような不安と、何か大切な物を手放してしまったような
喪失感に苛まされる。
いやな汗をかいた。もう寝直すのはあきらめ、キラは部屋を出て海に面した
テラスへと出た。この家に住むようになってから、こんな眠れない夜には
涼やかな海風にずいぶんと助けられた。少しだけ自分が人間らしさを取り戻せる
ような気がしてくる。こんなことじゃいけないと焦る気持ちも包み込んでくれる
ようで…。
その時、キラの視界に人影が映った。
波打ち際をとぼとぼと歩いている。
月明かりだけでは年格好もよくわからないが、ここに住んでいる子どもたちの誰かも
眠れずに外に出てきたのだろうか?いくら安全な場所とはいっても、こんな夜中に
一人で出歩かせるわけにはいかない。キラはテラスを降り、砂浜を歩き始めた。
485通常の名無しさんの3倍:2005/08/22(月) 03:09:00 ID:???
2/8

近づいてみるとその人影は、子どもというより自分とあまり変わらない年格好に見えた。
少なくとも導師の家で同居している子どもの一人ではなかったようだ。
顔立ちもはっきりとは見えないほどの暗さだが、ずいぶん華奢な印象だ。女の子かな?
「君…?」
「あっ」
相手は近寄ってくるキラに気づかなかったのか、声をかけられて驚き数歩後ずさった。
「ごめん、驚かせて」
キラは素直に謝罪した。
「僕こそすみません。あの…あそこの、家の人ですか?」
まだ声変わりも始まったか始まらないかという時期の、少年の声だった。
「うん」
でも、この砂浜に通じる道は直接外には通じていなくて、居住者以外は入り込んだり
できないはずだけど…キラが怪訝そうな顔をしたのを見て取った少年はにっこりと
微笑んだ。
「不法侵入ですね、僕。ごめんなさい」
その悪びれない微笑みに気を削がれそうになったが、とにかくこの少年が何者なのかを
確かめなければ。
「…君は誰?どこから入ってきたの?」
少年はやはり穏やかな笑みをたたえながらこう答えた。
「僕は幽霊です、キラさん」
486通常の名無しさんの3倍:2005/08/22(月) 03:10:22 ID:???
3/8

唐突に名を呼ばれて、キラは驚きを隠せない。
「な、なぜ僕の名を?」
少年は真顔になり、視線をキラから背け海へと向けた。
「幽霊だから、なんでも知ってるんです」
キラは動揺し、少年に歩み寄った。
「僕が…」
少年はキラの狼狽ぶりにはおよそ関心を示さず、再び穏やかな微笑みを向けてきた。
「僕があなたを殺しに来たと言ったら、どうします?」
「えっ…」
突飛なことを言い出した少年から視線を外せなくなっていたキラは、先刻自分を
覚醒させたあのいやな感覚に再びとらわれた。
先の戦いでなんらかの被害を被った人や組織が、自分たちに対してよからぬ感情を
抱き、ここへ乗り込んでくる…そういえばそんなことを想像してみたことはなかったが
まったくありえない話ではない。ましてや実体のない幽霊であれば。
ほぼ外界から遮断されたこの家に閉じこもっていたから、忘れそうになっていたけれど
なによりも自分の記憶と、感覚が覚えている。おまえは、人殺しだ。
もちろん彼の中ではこの問いに対する答えはずっと以前から出ていた。ただ、そんな
厭世的な考えは、友人や愛する人の前では許されなくて、それで自分の中にずっと
閉じこめてしまっていただけだ。
閉じこめていたはずの答えは、思いがけずするりとキラの口から紡ぎ出された。
「しかたない…かな」
487通常の名無しさんの3倍:2005/08/22(月) 03:12:15 ID:???
4/8

答えてみると、我ながら要領を得ない回答だと少し呆れた。
所在なげに視線を外したキラを見る少年の顔つきが険しくなる。
「しかたないの?」
「殺されてもしかたない。僕はそれだけのことをしたんだから」
キラにはそう言うしかできなかった。
「じゃあなぜあなたはまだ生きてるのさ?」
少年の口調はあきらかにキラを責めるものに変わっていた。
「僕は死んだのに、なぜあなたが生きているの?僕はまだ生きて、やりたいことが
たくさんあった。あんな戦争が起こらなければ!それを全て、力でねじ伏せられたんだ!」
キラはいたたまれない気持ちになったが、少年の罵倒と、よみがえってきた悪夢のような
感覚に一歩も動けなくなった。
「あなたはなぜ剣を取ったの?力を振るうため?全てをねじ伏せて、そして生き残って、
あげくこうしてこんなところでこそこそと暮らしているのはなぜなの?あなたが!」
少年の声は一層激しさを増した。
「あなたが僕の代わりに死ねばよかったんだ!」
それは今のキラにとっては天啓にも似た言葉だった。誰かがそう言ってくれるのを
彼は待っていた。
488通常の名無しさんの3倍:2005/08/22(月) 03:13:44 ID:???
5/8

「そう…かもしれない…いや、きっと…それが正しい…」
それは自己否定という形を借りたせいいっぱいの自己肯定だった。
自分の存在を否定することにしか自分の存在価値を見いだせずにいた彼にとって。
じゃあなぜ僕はまだこうして生きているんだ?
アスランはそれも償いだと言った。そうならいいな、とその時は思った。
「でも…僕は死ねなかった。死ななかったんだ…死ぬのは…怖くない…
生き続ける方がもっと辛い…だから…」
「だから?」
少年が吐き捨てる。
「だからずっとこうしているつもり?そんなの…そんなのさ、僕みたいな幽霊のことだって
バカにしてるよ、あなたは!」
キラは弾かれたように視線を上げ、少年を見た。
そうだろう、確かに。せっかく命を長らえたというのに、ここに閉じこもって全てのことから
逃げている自分は、自分が命を奪った人たちのことも、軽んじているのかもしれない。
逃げていてもなにも解決しない、そんなことはわかっていたけれど、なにもしないことで
生を放棄したように見せかけて、償っているような気がしていなかったか。
「君の言うとおりだ…僕は死んでいった人たちに償っているようなことを言いながら…
その実、いろんなことから逃げてたんだ。今だって…逃げ続けている…」
「そんな人に生きている価値なんてないよ」
少年の言葉は相変わらず辛辣だった。キラは押し黙った。
「ねえ、キラさん?」
一転して、甘いささやきが少年の口から漏れた。
「僕、あなたと代わってあげてもいいよ」
489通常の名無しさんの3倍:2005/08/22(月) 03:15:01 ID:???
6/8

「えっ…」
「そんなところでふぬけになっているあなたの代わりに、僕がずっと生きてあげるよ。
幽霊である僕には簡単な事さ。魂を入れ替えてしまえばいいんだもの」
くすくす、と少年は笑う。本当に魔法でも使えそうな、魅力的な微笑みだった。
「あなたは痛くも、苦しくもないよ。ただ永遠にこの地をさまよう存在になるだけ…」
その甘美な誘いに吸い込まれそうになる。本当にそうできたら、どんなにいいだろう?
「さあ、どうする?」
どうする?キラ。もしこの少年が本当に幽霊だったら、今の苦しみから僕を永遠に
解放してくれるかもしれない。実際今の僕に生きている価値などあるのだろうか?
キラの意思とは関係なく、ふと、手がポケットをまさぐった。本当に無意識の行動だった。
そしてその手は硬く小さななにかに触れた。
指輪…これは、ラクスが僕に預けた指輪だ。なんとなく返しそびれて、いつも持っていた。
受け取った時にはこれがこんなに心の拠り所になるとは思っていなかった。
指輪の冷たさでキラは少し冷静になった。そして彼女のことを思い出した。
いつも温かく、静かに自分を見守っていてくれる彼女のことを。
「ごめん、僕には…」
泣き声になってしまったかと思ったけれど、思ったより自分の声は冷静だった。
490通常の名無しさんの3倍:2005/08/22(月) 03:18:44 ID:???
7/8

「僕には…君と代わってあげることはできない」
「どうして?」
少年の声はというと、あくまでも冷徹だった。
「こうして生きていることと…これから生きていくことの…すべての責任は…
僕自身が負わなくちゃいけないことだから…こうして君に責められることも…
そしてもしまた戦いが起こってしまった時に…」
キラの喉は渇き、こわばったが、次の一言をなんとか絞り出さなければ。
「こんな僕にも、大切な人を守ることが、まだできるかもしれない、いや、
そうしなければいけないんだ」
「そのために、またたくさんの人が死ぬことになっても?」
今度は少年の声が少し震えていた。
「もしかしたらあなたが守ろうとしている人たちも、そのために巻き添えになって
死ぬかもしれないよね?守りたくても、力が及ばなければ守りきれないよね?
2年前だってそうだったでしょう?それでも?」
今度こそキラの目には涙があふれてきた。
おかしいな、こんなになっても、まだ、泣けるんだ、僕は…。
涙と一緒に、自分の中でこわばっていた何かが解けたような気がした。
キラは静かに言った。
「そんなことにはならない」
そうなってしまったのは、どこかに迷いがあったからだ。
力を振るうことに対する迷いが。
「僕はもう…迷わない。この力が必要なら使う」
世界のためではなく、愛する人のために。
その人がいない世界は僕にとってなんの意味もなさないのだから。
491通常の名無しさんの3倍:2005/08/22(月) 03:20:08 ID:???
8/8

気づくと、夜明けが近いのか、あたりは明るくなってきていた。
少年はキラの言葉を黙って聞いていた。
キラはやっと少年の顔をしっかりと見ることができた。
若草色の巻き毛に縁取られた顔は女の子みたいにかわいかった。
「それが正しいかどうか僕にはわからないけど…」
幽霊と名乗った少年からは、先ほどまでの険悪な表情が消えていた。
「あなたが自分の意思と力を信じて決めたことだったら、きっと後悔はないと思うよ」
「君…」
少年はうっすらと涙を浮かべ、出会った時と同じように邪気のない笑みをキラに向けた。
「入れ替わろうなんて嘘だよ。僕にはあなたのような強さはないもん」
「え…あ、いや…」
思いがけず力を誇示してしまったような形になって、キラは慌てた。自分でも自分の中に
あんな強い意志が隠されていたことに気づかずにいた。
「あなたに会えてよかった。試すようなことを言ってごめんなさい」
少年はぺこりと頭を下げた。
「僕はもう行かなくちゃ」
「君…名前は?」
「幽霊だって言ったでしょ」
そう言って笑いながら、少年は不意にキラの耳元に顔を寄せてささやいた。
「アスランを、よろしくね」
キラはまた思いがけない名を彼の口から聞き、驚いて少年の顔をもう一度よく見ようとした。
けれど、すっかり日の昇った明るい海岸に残されたのは、キラただ一人だけだった。
492通常の名無しさんの3倍:2005/08/22(月) 16:09:05 ID:???
…ニコル?
493通常の名無しさんの3倍:2005/08/22(月) 17:16:05 ID:???
過疎ってんな・・・
494通常の名無しさんの3倍:2005/08/22(月) 17:58:27 ID:???
個人サイトを探しに行ったやつどうなったのだろうか
495通常の名無しさんの3倍:2005/08/23(火) 12:43:43 ID:???
お薦めっていうか、読めるとこってあるのか?
種は腐女子ばっかな気がす
496通常の名無しさんの3倍:2005/08/23(火) 20:01:06 ID:???
>>493
別に過疎ってるわけじゃなくてレスの付けようが無いだけだと思う
497通常の名無しさんの3倍:2005/08/23(火) 20:45:50 ID:???
>>492
・д・<僕が死ぬのはまだしょうがないとしても、
    どうしてあんな最凶最悪のスーパーコーディネーターが
     のうのうと生き延びなきゃならないんですか! ……答えてください、神様!!    
498通常の名無しさんの3倍:2005/08/24(水) 00:39:09 ID:???
>>481-491
なかなか面白かった。GJ!!
499通常の名無しさんの3倍:2005/08/24(水) 23:08:42 ID:???
誰かネタが無いって香具師いたら↓のスレの設定でSS書いてくれないか

前作でフレイじゃなくてラクスが死んでいたら
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1123339547/l50
500通常の名無しさんの3倍:2005/08/25(木) 01:20:29 ID:???
>>481-491
何気に良作。
501通常の名無しさんの3倍:2005/08/25(木) 21:21:46 ID:/eiS+2rk
ほしゅ浮上
502通常の名無しさんの3倍:2005/08/26(金) 21:54:31 ID:???
前スレの1さんはもう投下しないんだろうか?
シホの妹とかハデスってガンダムとかオリジナル色が出てたのに
503R・E:2005/08/27(土) 00:49:07 ID:???
プロクシ規制解除キター!
しかしまだ編集中

スマソ
504フレイ生存ラクス死亡エンド1/5:2005/08/27(土) 01:10:10 ID:???
>499
サクッと書いてみた。まず謝っておく。スレ汚しスマソ。


 ヤキン・ドゥーエの戦闘は佳境を迎えていた。
 連合の旗艦ドミニオンを撃墜し、ラクスたちはジェネシスを止めるべく突撃を開始する。
「………なんだ?」
 その途中、妙な気配を感じたキラはフリーダムを転進させた。
「キラ?」
 その行動に最初にカガリが気付き呼びかける。
「カガリを頼む。何かが」
 キラが何を感じたのかは分からない。だが、彼が感じたのなら何かがあるのだろう。
 アスランはそう思い、受けいれようとした。しかし。
「アスラン、キラを追ってください」
「ラクス?」
 突如入ってきた通信にアスランは怪訝そうに眉をひそめる。
 確かにキラは心配だが、それ以上にジェネシスは重要だ。キラに続いて自分まで抜けるわけにはいかない筈だ。
「キラは強い人です。だから、一人で全てを背負おうとします」
 しかし、ラクスは何時ものように柔らかく微笑む。
「だから、あなたが助けてあげて下さい」
 彼女の笑みを受けると、どうにも反論が出来なくなる。
 アスランは一瞬だけ躊躇したが、しっかりと頷いた。
「わかった。いくぞ、カガリ」
「ああ。みんな、ジェネシスは頼んだぞ」
 アスランはジャスティスを反転させ、カガリはジェネシスに向かうエターナルとクサナギに呼びかける。
 ラクスは。やはり優しく微笑みながら、ハッキリと言った。

「お任せ下さい。私の命に代えてでも」



 火線を抜け、エターナルとクサナギはジェネシスに接近する。
 ザフトも必死に抵抗し、ジェネシスを射程に捉えた時には相当の被害を負っていた。
 最後の望みをかけてジェネシスを攻撃する。しかし、ジェネシスの装甲はエターナル、クサナギの主砲すら跳ね返してしまった。
 万事休す。再び発射の様相を見せるジェネシスに、ラクスは決断を下す。
「ここまでですわね。総員、退艦急いでください」
 全員が唖然としてラクスを見る。諦めるというのか、ココまで来て。
 その思考停止は、一瞬で驚愕に変わる。ラクスは立ち上がると、前方に手を振った。

「これよりエターナルはジェネシスに突貫します!」

「なっ……!」
 クルー全員が息を飲む。否、バルトフェルドだけは小さく溜息をついた。
 驚愕からいち早く回復したダコスタはジッと前方を見据えるラクスに詰め寄る。
「そんな、何を仰るのですか、ラクス様!」
「誰かがジェネシスを止めなくてはいけません。そして――――不戦を叫びながら戦ってしまった責を、誰かが負わなくてはなりません」
505フレイ生存ラクス死亡エンド2/5:2005/08/27(土) 01:11:11 ID:???
「しかし、だからといってラクス様が!」
 それは、この場にいる全ての者の思いだった。自分たちが旗頭と仰いだこの少女が犠牲になる……それだけは、認められなかった。
 そんな全クルーの思いを、ラクスはやはり微笑みながら切り捨てた。
「……私は何も出来ませんでした。いえ、私の言葉が評議会を頑なにさせ、戦火を拡大してしまったのかもしれない」
 それは、おそらく事実であろう。平和を謳いながら、ラクスたちは何も出来なかった。
 しかし、その責任は皆で負うべきもののはずだ。彼女一人を生贄にするものではないはず……
「私は踊るだけで止めることが出来ません。ですが、こんな私でも僅かな時間を作ることは出来るでしょう」
 しかし、そんな思いは所詮は理想で。報復の連鎖を収める為には生贄を必要とした。
 ジェネシスを止めるために。その後の未来の為に。ラクスはここで死ななくてはいけない。
 ラクス自身が、その定めを受け入れたのだ。ならばもう、止めることなど。

「聞いての通りだ。総員退艦!!」
「艦長!」
 バルトフェルドの言葉にダコスタが情けない声をあげる。
 当然、聞く耳など持たない。放り出すような勢いで怒鳴りつける。
「命令だ、聞けないなら艦を降りろ!」
「そんなぁ……」
「グダグダ言うな、急げ! ジェネシスは目の前だぞ! 総員、速やかに退艦せよ!」
 その言葉にクルーは我に帰り、雪崩うって出口へ向かう。
 バルトフェルドは納得がいかないダコスタの尻を蹴って出口へと押しやった。
「では、後は頼むぞ。ダコスタくん」
 バルトフェルドは不適に笑う。その笑みに、ダコスタは彼の上司の決意に気付いた。
 前方を見据えたまま動かないラクスと、彼女に付き従うバルトフェルドの後姿に呼びかける。
「隊長……まさか!」
 だが、その答えが返ることはなく。出口は閉ざされた。
 
 ラクスは操舵席に移動するバルトフェルドを横目で見た。
 彼の決意は十分にわかっていた。説得する事も出来ないとわかっていた。だから一言、呟いた。
「……すみません」
「なぁに、美人となら本望ですよ。前は逝き損なったが、これで取り返したってところですな」
 バルトフェルドの口調はどこまでも軽い。彼なりに自分を気遣っているということなのだろう。
 ラクスは一瞬だけ口元を和らげ、そしてキッと引き締め、強く澄んだ瞳でジェネシスを見据える。
「……では、参りましょう。操艦は任せます。艦載砲のトリガーはこちらに」
「応よ! 行くぞエターナル、その名の通り永遠に名を残せ!」
 エターナルは限界速度を超えて加速する。
 ラクスは自分の席に座ってキーボードを引き寄せると、そっとキーに指を添える。
「お父様、不肖の娘で御免なさい……私は結局、引き金を引く道を選んでしまいました」
 彼女の懺悔は、誰の耳にも届かない。
「力が切り開く世界に、一体どれほどの価値があるのかは分かりません。ですが、どうか世界に未来を」
 彼女の祈りは、誰かに届くのだろうか――――



 ――――そして。ラクスは永遠に消えた。
506フレイ生存ラクス死亡エンド3/5:2005/08/27(土) 01:16:13 ID:???
「キラ!」
「フレイ!」
 キラが向かった先にいたのは、満身創痍のアークエンジェルを狙うプロヴィデンスだった。
 キラはプロヴィデンスの圧倒的な手数に圧されるが、後から来たアスランの助けを借りて撃墜に成功する。
 そうして、キラはドミニオンから脱出したフレイを救出することに成功した。
「ごめん、ごめんなさい……私なにも知らなかったから酷いことばかりして……」
「いいんだ。また、君と会えて良かった」
 涙ぐんで謝罪するフレイに、キラは優しく答える。
 色々あったけれど……その度に辛い思いをしたけれど、キラの胸には満足感があった。
 ……まだ、キラはラクスの死を知らない。そんな残酷な幸せだった。

「フレイ、お帰り」
「サイ……私、あなたにも……」
 フレイの帰還を聞いてやってきたサイに、フレイは謝罪しようとする。
 しかし、サイは寂しそうに笑いながら首を振った。
「気にするなよ。お互い冷静じゃなかったし。それに君が言ったことも間違いじゃないんだ。親が決めたことだって」
「でも……」
 無闇に傷付けた事に変わりはない。フレイもキラも視線を落とす。
 どれだけ取り繕おうが、三人が作ってしまった溝は取り返しのつかないものだ。
「俺たちはもう変わってしまったけど……フレイともキラとも昔の関係には戻れないけど」
 それでもサイは、現実を見据えながら前を見る。

「でも、話し合うことも分かり合うことも出来る。そうだろ?」

 それはキラにもフレイにも出来ない、サイがこの戦いで得た強さだった。
「これからどうなるのかなんて分からないけど。だから進むべき道を一緒に考えよう」
 だから、キラはサイの言葉に頷いた。
「うん……ありがとう、ありがとう……二人とも」
 フレイは涙を拭った。
507フレイ生存ラクス死亡エンド4/5:2005/08/27(土) 01:19:24 ID:???
「………」
 戦闘終結後。窓辺に立って宇宙を見ながら、アスランは一人立ち尽くしていた。
 途方にくれた、そんな様子で佇むアスランを見たカガリは声をかけた。
「何やっているんだ。こんな所で」
「カガリか……いや、ラクスは帰ってこないんだな……って思って」
 ラクスはアスランの元婚約者だ。それでこれほど衝撃を受けているのか……
 胸の痛みを誤魔化しながら、カガリは言う。
「ああ……ジェネシスに特攻して爆沈したらしい。複数の証言があるから、間違いない」
「……本当に、勝手な奴だ。自分だけで勝手に決めて……」
 アスランは遠い目のままで力無く溜息をつく。カガリには、それが泣いているように見えた。
 本当に不器用だから、涙を流していないだけで。
「泣いたっていいんだぞ。婚約者だったんだろ?」
「親が決めた、ね……とっくに御破算さ」
 アスランは自嘲する。その親も、ラクスによりジェネシスと命運を共にした。
「……俺が死ぬべきだったんだ」
「アスラン!」
「俺が父を止めていれば、ラクスも父も死なずにすんだ。全部、俺のせいだ……!」
「やめろよ! そんなことしたって誰も喜ばないんだぞ!」
「だが……!」
 アスランの瞳から涙が零れ落ちる。彼の絶望は自分を否定するほどに重い。
 だから、そんなアスランを放っておくことだけは出来ない。
「死ぬなんていうな……生きるほうが戦いだ!」
「カガリ……」 
 カガリもまた泣きながら、アスランを抱きしめる。
「お前はラクスの分まで生きなきゃいけないんだ……だから、死ぬなんて言うな」
「………」
 アスランは思う。後悔は果てしなく、きっと永遠に残り続けるだろう。
 父を失い、ラクスを失い、ザフトという居場所も失い、何もかも失ってしまったけれど……
 それでも自分のために泣いてくれる少女がいる内は、まだ生きていくことが出来るだろう、と。



 戦いは終わり、少年たちは日常に帰る。
 戻ることのない日々に別れを告げて、大切なものをなくした痛みを耐えながら。
 微かに残った希望を胸に歩いていく――――終わらない、明日へと。
508フレイ生存ラクス死亡エンド5/5:2005/08/27(土) 01:21:20 ID:???



 ――――数ヶ月後――――





>>メールを一件受信しました。
>>映像ファイルが添付されています。開きますか?

>Y

………………。

この映像を見ているということは、私はもうこの世にいないということでしょう。
悲しいことですが、それも戦争ですから仕方がないことですわね。
仕方がない……ナチュラルだから、コーディネーターだから……だから仕方がない、と。
諦めていたから、何もかもが手遅れになってしまったのでしょうか。

私はこの頃ふと考えるのです。私は最初から間違えていたのかもしれない、と。
調整された私が平和を説くこと、それ自体が間違いなのかもしれない、と。
私は生きていても仕方のない、歪んだ虚しい存在なのかもしれない、と……

でも。それでも、例えその通りだとしても……私は生きていて良かった。
この世界に生を受けて、人を愛することが出来て良かった。

――――あなたを愛しています。

どうか、あなたに幸せが訪れますように――――



fin.
509通常の名無しさんの3倍:2005/08/27(土) 02:04:43 ID:???
おお…なんか美しいな
510まとまってない文章でスマン:2005/08/27(土) 09:14:29 ID:???
>>504-508
素晴らしい! これだけでもアニメ版を超えたね、貴方は!

ただラクス死亡は……アニメ版のあの変化のサマと行動には不満があるけど、
死ぬべきキャラだとまでは思えないんで。生存して生きててもいいのかな、と想うんだけどさ。
いくらアニメ版がアレだとはいえ、実際死ぬシーン見せられるとね……なんかツライな。
こんな和月ナニガシレベルの低級な精神構造じゃ到底製作者サイドに回れんな、俺。
511通常の名無しさんの3倍:2005/08/27(土) 09:18:24 ID:???
>>510
お前さんのいう和月某は編集に「少年誌だから明るく」って言われてオチを考え直した和月某か?
512通常の名無しさんの3倍:2005/08/27(土) 09:22:24 ID:???
>>511 YES!
513通常の名無しさんの3倍:2005/08/27(土) 10:50:30 ID:???
泣けた……。

そして>>510、オレもこれ読んで、「死ぬなラクス」と思った。
これって、よくできた悲劇を見ると誰でも感じてしまうことなんじゃね?
514通常の名無しさんの3倍:2005/08/27(土) 10:51:48 ID:???
>510
安心しろ、製作者サイドに回るのに
精神構造の優劣が関係ないことを証明してくれた作品が
毎週土曜日の夕方に放映されているじゃないか。
515通常の名無しさんの3倍:2005/08/27(土) 10:56:37 ID:???
>513
本当は「よく出来た悲劇」ってのは最後のシーンだけじゃなく、
キャラが死への運命を徐々にたどっていく、その展開が描かれてなきゃいけない。
最後のシーンだけでそこまで思い入れちゃうのはちょっと負債チックだぞ。

とはいえ、そこまでの物語がきちんと描かれた上での最後がコレならたしかに上々。
このシーンにつながるための描写は多々必要だけどね……
516通常の名無しさんの3倍:2005/08/27(土) 21:39:24 ID:???
読んでくれた人はありがとう。結構好評のようで嬉しいです。

>515
いや、ラクスは本編のままでいいんですよ。
何故ならこのIFでのラクスは「奇麗事しか語れない」キャラですから。
ラクスは何を考えていることがわからないって感想があるけど、
それを逆手にとって「実は考えていることとは違うことをしていた」ってシナリオです。
これ、行動原理が破綻しているって批判もひっくり返せる便利なウラワザ。



生まれたときからずっと「綺麗なこと」だけを求められた。
現実はわかっているけど、それが皆のためと信じて求められた役目を果たそうとした。
ラクスは最後の最後まで奇麗事を語り続け、そして奇麗事に殉じて死んでいく。
彼女の本心は知られることなく、皆から崇敬され、心に残り続ける……

……ただ一人、彼女が想う少年を除いて。



と、こんな感じ。
517通常の名無しさんの3倍:2005/08/27(土) 21:39:59 ID:???
>>515
本当は??  何言ってるの、感情に嘘も本当も無いよ
勝手に主観を押し付けるのはやめたほうがいいよ
518通常の名無しさんの3倍:2005/08/27(土) 22:37:17 ID:???
>>504-508
コレ上手いな。クライマックスだけピンポイントで書いてくれてるのも、読みやすくてありがたいw
519通常の名無しさんの3倍:2005/08/28(日) 00:46:54 ID:???
12 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 2005/08/27(土) 22:29:02 ID:???
レベルの高いとこ教えてくれ

13 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 2005/08/27(土) 22:41:11 ID:???
>>12
SEED DESTINYでSSを作るスレ2
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1122129101/l50

14 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 2005/08/27(土) 22:46:33 ID:???
>>13
起承転結もわかっとらん奴らばっかのスレだぞ。
しかも馴れ合いウザすぎ

15 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 2005/08/28(日) 00:01:20 ID:fsBQjm6W
読める程度で良いから、マシな作品を紹介してくれ
520エスプレッソ:2005/08/28(日) 05:51:13 ID:???
「フリーダム、カガリ拉致」@

「何考えてるんだ、お前は」
 フリーダムのコックピットの中、カガリが喚きたてる。
 ほんの半時間前、ユウナとの結婚式に突如として現れたフリーダム。それはまるで
天使か何かのように舞い降り、カガリをさらった。それは常識的に考えてありえない
出来事。本心から望んでの結婚でないとはいえ、カガリが激怒するのも無理はない理不尽
な遣り口である。
「聞いてるのか!」
 花嫁姿の白い手袋がキラの肩を叩き、パイロットスーツが音を立てる。
 しかし当のキラは知らん顔だった。その無表情な瞳はモニタに映った水平線を見つ
めている。
「おい!」
 キラの胸倉を掴むカガリ。その表情はウェディングドレスに似合わない。二年前の
砂漠でのときと同じ感情が彼女の胸に渦巻いていた。否、赤の他人でなく血の繋がった
弟と知っている今なれば、怒りはいや増すというものだ。
 柳眉を逆立てたカガリの拳はぶるぶると振るえ、その頬は紅潮している。
「お前は自分が何やってるか…」
「分かってるよ」
 繰り返される問いかけにキラが急に口を開く。その眼差しは険しく、どこか
思いつめたように絞られている。眉間には微かな皺が浮かんでいた。
 カガリは一瞬、少し驚いたように眼を見開いた…がすぐに再びキラを睨んだ。
キラはやや躊躇うように事の真相を話し始めた。
「初めから…初めから決まってたことなんだ…。結婚式も嘘だったんだ…」
「う、そ…?」
 カガリは奇妙な言い回しに戸惑うかのように鸚鵡返しする。




521エスプレッソ:2005/08/28(日) 06:14:11 ID:???
「フリーダム、カガリ拉致」A

「嘘って…どういうことだよ…?」
 事態の飲み込めないカガリは呆然として問う。さっきまでの怒りの表情はすでに
なく、「結婚式は嘘」という言葉だけが頭の中にリフレインしているらしかった。
 キラは重い口調で答えた。
「ユウナさんに頼まれたんだ」
「ユウナに?」
 カガリの比較的単純な頭は焦げ付きそうになる。数時間前の馴れ馴れしい新郎気取り
が脳裏に蘇ってくる。
 キラは小さく溜息を吐いた。
「保険…だってさ。もしプラントが連合に勝ったら、オーブの立場が危ういからって…
カガリは手を汚しちゃいけないって…。マーナさんが手紙を持ってきてくれたんだ。
カガリならプラントに顔が利くし…」
 色を失うカガリ。しかし一秒ほど経って、怒鳴る。
「引き返せ!」
 彼女のこめかみはピクピクと震えている。血の気の引いた半化粧の唇は青い。
「あいつだけに…」
 カガリは思わず、操縦桿を握るキラの手を掴む。
「カガリ!」
 叫んだのはキラだった。
「またオーブを戦場にしたいの?」
 押し殺したような声で問い掛けるキラ。
 カガリは言葉に詰まる。彼女は泣きそうな顔で歯を噛みしめていた。動悸を押さえるか
のようにウェディングドレスの胸を握り締めて。
 それから二人とも終始無言だった。
 やがて視界に入るアークエンジェル。物言わぬフリーダムは静かにその甲板に舞い降りた。
522エスプレッソ:2005/08/28(日) 06:40:41 ID:???
「フリーダム、カガリ拉致」B

 アークエンジェルが出港してからどれくらい経ったろうか。
 カガリがブリッジで叫びたてている。
「私もルージュで出る!」
 目の前では連合に加担したオーブ軍がザフト艦ミネルバを相手に戦端を開こうと
している。彼女が黙って見ていられないのも道理だった。
 キラは彼女から視線を逸らし、黙っていた。彼は先の花嫁強奪劇に思いをはせる。
ユウナがあんな強引な計画を立てたのも分かる気がしていた。カガリの性格なら、
まともに亡命を勧めたとて聞き入れるはずがない。
「こんな戦い、やったらダメなんだ!」
 カガリは少し涙声だった。
 その子供っぽい単純さがキラの胸を刺す。いくら理屈で塗り固めてごまかしても消える
ことのないわだかまり。押し殺している想いがふつふつと胸の底から浮かび上がってくる。
彼はその感情を知っていた。握り締めた拳が汗ばむの感じながら俯く。
(カガリ、羨ましいよ…)
 そんなに簡単に本当の想いを表に出来ることが。
 本当のことは言ってはいけない。そんなこと、ずっと前から知っていた。前の戦争
の前から…。サイやカズイはいい奴だったけど、心の底で自分のことを妬んでいた。
自分も、心のどこかで彼らを見下していた。それでもそれを言わないという、互いに
暗黙の協定があった。それを守っている限り、いい「お友達」でいられた。
 今回のこととてそうだった。カガリはオーブ元首だったのだから、オーブのことだけ
考えればいい。そうすれば表面上はうまく収まるはずだった。きっと誰も、彼女のことを
悪くは言わないだろう。
「キラ! 本当に、放っておいていいのか! 見ぬ振りしていいのか!」
 顔を覗き込むカガリの叫びが胸に痛い。


523エスプレッソ:2005/08/28(日) 07:10:32 ID:???
「フリーダム、カガリ拉致」C

「カガリ…カガリは、オーブの何?」
 キラは努めて穏やかに問い掛ける。
「僕たちが戦えば、戦争は終わるの?」
 カガリは返答に詰まる。しかしすぐに敢然として言い返す…いや、言い返そうとした。
「だって、だって…」
 ブリッジのモニターには戦闘が映し出されている。大破したムラサメがまた一機、
海の藻屑と消えていく。カガリはそれを指出す。
「あいつらは、あいつらは、私を信じてるんだッ! それを放って置いて、自分だけ
こんなところで見てられるかッ!」
 彼女の頬を一筋の涙が伝う。その膝と肩が小さく震えていた。
 キラは見るに耐えなくなり、再び目を逸らす。
「私はっ…」
 カガリの声はそれ以上、言葉にならない。
 キラは二年前のことを思い出す。あのとき砂漠でであった頃と少しも変わっていない。
 胸が苦しい。
 彼は思う。なぜあのとき自分は戦ったのだろう、と。ただ、大事なものを守りたかった。
目の前の仲間を死なせたくなかった。本当にそれだけだった。ストライクから
フリーダムに乗り換え、「世界平和」という仰々しい目的のために戦ったときでさえ、
最後にはそんな気持ちに戻っていた。ヤキンの戦場にフレイの存在を認めたそのときに。
そしてクルーゼを殺したのはフレイを殺された憎しみからだった。
 そんな心が彼に無意識に口を開かせた。
「いいよ…」
 そのとき、キラは優しい表情を浮かべる。
 彼は自分の力の強大なことを知っていた。そしてそのことを自覚し、恐れていた。
自分の宿命的な立場を知っていた。しかし、そんなこと認めたくなかった。彼とて
超人ではない。一人の心の弱い少年に過ぎないのだ。
(『僕はただ、一人の人間でありたい。そしてそれでよいのではないか?』)
「僕も、フリーダムで出る」 
524エスプレッソ:2005/08/28(日) 07:20:04 ID:???
本編でのキラの描き方があんまりアレなんで、つい…
525通常の名無しさんの3倍:2005/08/28(日) 11:30:34 ID:???
うむ、良い!
だがユウナが尚更良い!
526通常の名無しさんの3倍:2005/08/28(日) 13:46:49 ID:???
>>524
GJ!
14話をそう描いていればなあ・・・俺そういうのが見たかったよ
キラ、カガリ、ユウナ、それぞれのキャラが上手く立てられると思われ
527エスプレッソ:2005/08/28(日) 14:33:35 ID:???
「セイバー大破後のアスラン」@

「そのパーツは膝に…射撃の反動に耐えるように固定するんだ」
 アスランはヴィーノに簡潔な指示を出す。
「いいんですか? 接近戦が出来なくなりますよ?」
 振り返ったヨウランが驚いたように尋ねる。
「分かっている。だがこの状況じゃあ、十分な修理なんて無理だ。今、次が着たら
今度こそ…」
 アスランは額の汗を拭い、言葉を濁した。
 だがそれは言わずもがなのこと。皆、分かっていた。現在のミネルバで動けるのは
インパルス一機。アスランのセイバーをはじめ、二機のザクまでが使用不能という
絶望的状況。いかにミネルバが最新鋭の艦とて、次の敵襲には耐えられまい。
 そんな中、アスランは回収したモビルスーツのパーツで、比較的被害のマシだった
レイのザクファントム修理の陣頭指揮をとっていた。
「左腕はいい、肩に直接ブラストインパルスのキャノンを付ける。出力は七十パーセント
に絞れ。それとミサイルポットを別に用意。機体に装備しなくていい、ケーブルで
コックピットから操作できるように」
 アスランはキーボードを叩きながら早口に告げた。彼は今、ザクファントムの
コックピットにいる。パーツを交換すればそれなりの調整が必要になるからだ。
 コックピットの入り口にヴィーノが顔を出した。
「アスランさん、少し休んだらいかがです?」
 もう七時間ほど働きづめだった。食事どころか飲み物さえロクにとっていない。
「ああ、ココだけ片付けたら少し休ませて貰う」
 アスランがその台詞を口にするのは、もう三度目だった。
528エスプレッソ:2005/08/28(日) 15:03:20 ID:???
「セイバー大破後のアスラン」A

「あの人って、パイロットより整備の方が向いてるんじゃないの?」
 ヨウランがドライバーを片手に、見物のメイリンに呟く。メイリンはただぼおっとして
コックピットに視線を注いでいた。
「へっ、違えねえ。でもアスランさんみたいな技師長だったら大歓迎だけどな」
 道具箱片手に通り過ぎるヴィーノが笑って言う。
「隊長にあんなに頑張られちゃ、サボるにサボれねえよ」
 ヨウランは軽く頷いた。こんなに活気に満ちた仕事場は初めてだったからだ。絶望的な
状況さえ忘れてしまいそうになるほどに、整備クルーたちは作業に集中している。
 メイリンは不思議な想いでその有様を見守っていた。
 彼女の記憶が正しければ、アスランはフェイズ、ザフト軍のトップエリートのはずだった。
本来なら、こんな作業などやるような立場の人間ではない。それがなぜ…。
彼女もまた年頃の女の子だから、白馬の王子に憧れ、泥臭さを嫌う傾向にあった。
ヨウランやヴィーノが恋愛対象にならなかったのはそのせいである。
 それゆえアスランのことが気にはなっていた。彼はずっと高いところにいて、
華麗で、いつもきれいな赤服にキラキラ光るフェイズのバッジを光らせている…
そのはずだったのに。
「ヨウラン、ミサイルポットは…」
 調整を一通り終えたアスランが、身軽にコックピットから舞い降りてくる。
「あ、はい、そこに…」
 指差すヨウラン。作業服のアスランは軽く頷き、ミサイルポットに歩み寄る。
そのとき、メイリンとすれ違う。アスランからは汗と油のにおい。彼女がずっと
嫌っていた、泥臭い姿。それなのになぜか、メイリンには嫌悪感が感じられなかった。
 メイリンはアスランの頬に、黒い油の跡が付いているのに気が付く。その横顔が
しかし、彼女にはとても美しいものに感じられた。
「あ、あの! アスランさん」
 そのすこし力の篭った、強張った呼びかけにアスランが振り返る。
「どうしたんだ? メイリン」
「あの、油が付いてます」
 メイリンは胸の高鳴りを押さえて、ハンカチでアスランの頬を拭った。

529エスプレッソ:2005/08/28(日) 15:30:29 ID:???
「セイバー大破後のアスラン」B

 ベルリン。インパルスはすでに発進し、満身創痍のミネルバもまた再度戦火に身を
投じようとしていた。
「俺が出る」
 きれいな赤服のアスランが、宣言する。
「ですがアスラン」
 レイがいつもの抑揚のない声に微かな驚きの色を混ぜる。
「これは命令だ。フェイスとしての」
 アスランはそう断じ、身を翻してブリーフィングルームを出た。
 たしかに修理したザクファントムはレイの機体だ。しかしあんな不完全な修理を
したのは自分なのだ。ならば、自分が出撃するべきなのだ。アスランはそう考えていた。
「あれ、アスランさん?」
 機体に乗り込もうとするアスランの姿を認めたヨウランが声を上げる。
「レイじゃ、ないのか…?」
 傍らにいたヴィーノが呟いた。

 ブリッジ。メイリンのコンピュータにザクファントムのコックピットから通信が入る。
「メイリン。ハッチをあけろ」
「え、あの、アスランさん?」
 突然のことに戸惑うメイリン。状況に気が付いたタリア艦長が替わりに口を開いた。
「アスラン。そんな機体で何しようって言うの?」
 たしかにザクファントムはまだ修理が済んでいない。失った片腕の替わりに取り付けた
キャノンをもう一方の手で操っている有様。武装といえばそれだけなのだ。
「いいから、早く! 艦が沈んでからじゃ、遅いんです」
 その言葉に押し切られ、タリアは指示を出す。
「メイリン、ハッチを開けて」
「いいんですか?」
 メイリンは不安げな顔で問い返す。
「彼もフェイズなのよ。彼のすることに私が口出しすることは出来ないわ」
 タリアはそう言って、一瞬の間目を閉じる。
「アスランさん、気をつけてくださいね」
「ああ」
 開かれるハッチ。ザクファントムは足を引きずるようにして甲板に出た。
530エスプレッソ:2005/08/28(日) 16:03:41 ID:???
「セイバー大破後のアスラン」C

「へっ、インパルスだけかよ」
 カオスを操るスティングはあざ笑う。しかしその甲板上に姿を現した奇妙なモビルスーツ。
「なんだよ、ありゃあ…」

 ミサイルとビームの飛び交う空。アスランはどっしりとした構えを取り、
照準を空に向ける。ミサイルの雨がこちらに向かってくる。
 今の機体の状態ではかわすことなど出来はしない。そしてどの途よける気など
なかった。そんなことをすればミネルバに当たってしまう。最悪の場合、自分が盾
になればミネルバの損傷は少なくて済むだろう。少なくとも、この一撃に関しては。
 視界が急にクリアになる。向かってくるミサイルの一つ一つがはっきりと認識できた。
自覚こそなけれども、彼のSeedが芽吹いたのだ。
 アスランは次々に照準を合わせ、引き金を引く。
 放たれる光の雨。パワーを絞った連射式設定のキャノン。ミサイルの一群はあっと
いう間に消滅していく。
 上空から見ていたスティングの顔色が変わる。
「あいつ…」
 アクセルを踏み込み、一直線にミネルバへと向かうカオス。
 一方アスランは、機体の予想以上の脆さに焦りを感じていた。一射ごとに軋む機体。
おそらく、数日前に中破した際の衝撃であちこちガタがきていたに違いない。
それを予期していたからこそ、膝や肩部分に補強をしておいたのだが、状態はそれを
上回って酷かったらしい。
 しかしそんなことを言っている場合ではなかった。カオスがこちらに向かってくる。
「当たれ――!!」
 アスランのその叫びは、イヤホンごしにメイリンの耳にも届く。
 彼女はその叫びの直後、ものすごい轟音を聞いた。
 胸部を打ち抜かれ、海面に叩きつけられ大破するカオス。しかしアスランのザクもまた
射撃の衝撃に耐えられず、崩壊する。そのバラバラになった機体は風に吹き散らされる
砂のように宙に流れていく。手や足、コックピットを含む胴体までもが海に消えていく。
「アスランさん! アスランさん!」
 そのメイリンの叫びはすでに海水に侵されたザクの無線には届かない。
531エスプレッソ:2005/08/28(日) 16:18:28 ID:???
「セイバー大破後のアスラン」C

 アスランは沈みゆくコックピットの中から辛うじて脱出し、海面に顔を出した。
コックピットに亀裂が入り、海水が流れ込んだのが良かったらしい。まったく
皮肉な話だった。もしそうでなければ外からの水圧でコックピットが開かず、海の
底にまで引きずり込まれていただろう。
 戦闘すでに片がついたようだった。シンのインパルスが傍らのミネルバに向かって
くる。
 アスランが赤服のズボンにワカメを引っ掛けてミネルバに戻ったのは、それから
十数分後のことだった。
「アスランさん、それって」
 シンが無邪気に笑う。とても嬉しそうなその笑顔。尊敬する先輩の活躍と無事の帰還
がこの少年には嬉しくてならなかった。先日のセイバー大破で期待を裏切られた後だから
なおさらである。
 そのとき甲板に顔を出したメイリンが駆け寄り、アスランに抱きつく。その目元
には涙が滲んでいた。
「おいおい…」
 アスランは少し当惑した表情でメイリンの両肩を掴み、自分から優しく押し離した。
532エスプレッソ:2005/08/28(日) 16:22:07 ID:???
すみません。最初、ベルリンの戦いのつもりだったんですが、海の戦いと混じって
しまってこんなになっちゃいました。
ベルリンに向かう航海中のエピソードってことで一つ…
533エスプレッソ:2005/08/28(日) 17:00:44 ID:???
「アスラン・メイリン失踪後のルナマリア」@

「ルナマリア・ホーク、コアスプラッター出るわよ!」
 いつもながらの威勢のいい声が聞こえてくる。しかしシンはどうにも悪い予感がして
ならなかった。なにしろ、数日前に妹を亡くしたばかりなのだ。しかも殺したのは自分。
 あの日、シンは尊敬していたアスランと友人のメイリンを手にかけた。
 平手打ちくらいは覚悟していた。拳骨で滅多打ちにされても仕方がないと思っていた。
しかしあのとき、意外にもルナマリアはシンの背中に泣き崩れた。
「シン。一気につぶすぞ」
 無線からレイの無機質な声。
「ああ」
 一気にやるべきだ。シンもそう考えていたところである。ここ数日のルナマリアは
どこかおかしい。長引けばよくないことが起こる気がしていた。
 シンはルナマリアのインパルスをかばうかのようにして戦う。その心配を知ってか知らずか、
インパルスは元気よく宙を舞う。
「やるな、ルナマリア」
「私も一応は赤服なのよ?」
 レイの言葉にルナマリアは少し嬉しそうに答える。
「ルナ、無理しないで」
 シンはそんな風に言わずにいられない。気丈な彼女のことだ。きっと、悲しみを押し
殺しているに違いなかった。
「大丈夫だって」
 ルナマリアの声はあくまで明るい。茶目っ気さえあるほどだ。
 逆にそのことで、シンは違和感を拭い切れなかった。シンもレイも妹を殺した下手人
だというのに。シンの不安は否応なしに高まる。そしてその不安は的中する。
 無線から、ブリッジに指示を出すルナマリアの声が聞こえた。
「メイリン、ソードシルエット!」
 それを聞いたシンの胸に、戦慄が走る。
(メイリンって…メイリンは死んだじゃないか…俺が、俺がこの手で…)
「メイリン、聞いてるの? 早く!」
 その呼びかけに新しいオペレーターも動揺しているようだった。しかし戦闘中ゆえ、
躊躇っている暇はない。ソードシルエットが射出される。それを装備し、一直線に
切り込んでいくインパルス。シンは動悸をこらえながらその後を追う。
534エスプレッソ:2005/08/28(日) 17:36:25 ID:???
「アスラン・メイリン失踪後のルナマリア」A

「ルナ」
 戦闘が終わり、艦内の通路でルナマリアの姿を認めたシンは彼女に声をかける。
「シン」
 ルナマリアは快活な笑顔を浮かべる。シンは胸の中の恐怖をこらえ、恐る恐る問い掛ける。
「ルナ、戦闘中に…その……」
「なあに?」
 ルナマリアは興味深げにシンの顔を覗き込む。その屈託のない表情。
「戦闘中に、メイリンって…」
 思い切って核心に触れるシン。
「ああ、そうだったわね」
 ルナマリアは小さく溜息をつき、少し遠い目をした。シンはほんの少しほっとする。
不謹慎とは思いながらも。ああいう不自然な明るさよりは、殴られた方がマシという
ものである。そのほうがきっと精神的にも楽だろう。
 シンは無意識に歯を食いしばる。今度こそ拳骨を覚悟して。
「酷いわよねえ、アスランさん。それにあの子も。こんなときにハネムーンなんて」
 シンは自分の耳が信じられなくなる。頭を棍棒で殴られたような気がしていた。
「私たちは戦ってるのに、勝手に新婚旅行なんて…」
 彼女は少し怒気をこめて呟く。
「…ルナ…? 何言って…」
 搾り出すような声で言うシン。もし嫌味で言っているなら、悪い冗談は止めて欲しい。
「何って、あの子達が結婚して戦線抜けちゃったから、私たち大忙しでしょ。愚痴ぐらい
言っていいじゃない」
 シンは両手で自分の耳を抑え、蹲る。ルナは、ルナは…。
「もー、どうしたのよ…。あ、もしかしてシン、メイリンの子と好きだったんでしょ?」
 ルナマリアは悪戯っぽく微笑み、シンの髪をなでた。シンはルナマリアの顔を見上げる。
 優しさが恐ろしい。微笑が痛い。
(俺が、俺がルナを壊した…?)
 ルナマリアの精神は「友達が妹を殺した」という現実に耐え切れなかったのだ。
 シンはずっと、ルナマリアのことを強い女の子だと思っていた。しかし…
「アスランさんもひどいわよね。私のこと、ほっといて…」
 シンは衝動的にルナマリアを抱き寄せていた。
「ルナ! ルナのことは俺が、俺が守るから!」
 ルナは少し驚きながらも、少し照れたような嬉しそうな顔をする。
「やーだ、それってプロポーズ?」
 シンはこれまで悲惨極まりない人生を送ってきた。家族を亡くし、ステラも喪った。
しかしここまで絶望的な気持ちになったことはかつてなかった。
 顔面蒼白で震えるシン。
「もう、一世一代の告白って? そんな顔しないでよ…」
 ルナマリアは労わるかのように耳元で囁く。その息が耳にかかり、シンは鼓膜が
裂けそうな気がする。
 そっとキスするルナマリア。シンはしばらく躊躇った後、それに応えた。
 もう許されなくていい。せめてルナのために死なせてください…。
 しゃくりあげるシンの背中を、ルナマリアの小さな掌が優しくさすっている。
535エスプレッソ:2005/08/28(日) 17:41:00 ID:???
暴走スマソ。エピヨンシステム発動すると止まらなくなる性質なんで…
536通常の名無しさんの3倍:2005/08/28(日) 23:17:50 ID:???
揚げ足を取るつもりはないけど
>>533「ルナマリア・ホーク、コアスプラッター出るわよ!」
コアスプラッターってなんだよ
537通常の名無しさんの3倍:2005/08/28(日) 23:18:02 ID:???
なかなか面白かったよ
538R・E:2005/08/29(月) 01:34:56 ID:???
俺は零 村雨零 改めゼロ・ムラサメ
ごく一般的な人生を送る20代後半のフリーター、・・・って聞こえはいいがプータロー
朝から晩まで汗水たらして客に愛想笑いして
終わってゲーセン寄って帰ったら風呂入って飯食って寝る
そんな毎日をだらだらと過ごすごく一般的な一人暮らしの小市民

だったのが数時間前の話
 ・ ・ ・ ・ ・

   R&E

「君、コーディネータだろ?」
投げかけられた言葉、それはこの戦争の根本、原点、差別・・・
「何て迂闊・・・」
ボソリと
「なんなんですかそれ!」
「トール・・・」
「たとえコーディネーターでもキラは敵じゃないよ!さっきの戦闘、見てなかったのかよ!?どういう頭してんだよ!あんたらは!」
「全員銃を下ろしなさい」
「し、しかし「命令よ、銃を下ろしなさい!」
彼女の命令に従い守備兵達が渋々とサブマシンガンを下ろす
「ラミアス大尉、これは一体……?」
「そう驚くことも無いでしょう、ヘリオポリスは中立コロニー、戦渦に巻き込まれるのが嫌でここに移ったコーディネーター達がいてもなんら不思議じゃないわ…違う?」
「……僕は、一世代目ですから」
「両親はナチュラル・・・か、いや悪かったな。とんだ騒ぎにしちまってさ。俺はただちょっと聞きたかっただけなんよね」
「それにしてもアンタもうちょっと言葉を選ぶと言うこと考えなかったのか?」
「君は?」
「ムラサメ・ゼロ、MSを扱えるからコーディネーターらしい。まあそれは置いといてだなこの地球軍?てのが何処と戦っているのかわかってて言ったんですか?さっきの言葉。迂闊過ぎますよ?」
「いや、耳が痛いね・・・申し訳ない別に他意はなかったんだがね」
「ムラサメ君?コーディネーターらしいと言うのは?」
「自分の生まれ、知らないんですよ。俺」
539通常の名無しさんの3倍:2005/08/29(月) 01:37:18 ID:???
俺なりの結論、たとえ平行世界や異世界の話をしても信憑性が無い上その前に信じえもらえないだろう
無論コーディネーターと言ったのは∀に乗れる確立を増やすため。
身体能力はそこそこだし頭脳もそれなりってね。ただの一般ピープルとそんじょ代わりなどしない


俺達は警備員?に誘導されてアークエンジェルのとある下士官寝室へと案内された
もちろん∀とストライクはハンガーに固定してある、今頃エネルギー補充とか弾薬充填、各部データ取りの真っ最中だろう
∀を除いて
おそらくそのことで突っ込んだ話が来るかもしれない、適当にあしらうとしよう

キラは戦闘の疲れかぐっすりと眠ってしまっている
無理も無い、警報、分かれた友との出会い、戦闘、戦争に巻き込まれたという宣言、反抗、
そしてまた戦闘、そしてコロニーの穴を開けた罪悪感、そしてコーディネーター除外の思想に近いもの
疲れないほうがおかしい、まして彼はついさっきまで学生だった一般人
そういう俺もかなり体が疲れで騒ぎ出し、睡眠を要求してくる
この先、どういうことになるのだか・・・
キラの寝顔は赤子そのもの、何にも脅えずといったような安心しきった寝顔
これがこの後毒電波を植えつけられた史上最悪のテロリスト・・・いやそれ以上にタチが悪い
この問題は彼をどうやって間違った道を歩ませずに自ら立たせ、最良の道を歩ませることができるかと言うこと
せめて腐り姫には会わせない様にはしなければならないとは思うけど、きっと無理なんだろうな・・・
540R・E:2005/08/29(月) 01:39:15 ID:???
と言うか、貴様ら全員修正してやる?
「この状況で寝られるってのも凄いよな・・・」
「疲れてるのよ、キラ・・・本当に大変だったんだから」
「大変だった、か・・・まあ確かにそうなんだろうけどさ」
「何が言いたいんだ、カズィ?」
「別に・・・ただキラにはあんなことも大変だったで済んじゃう物なんだなって思ってさ。アレのOS、書き換えたって言ってたけど、それって何時さ?」
「何時・・・って」
「キラだってあんなもんの事なんか知ってとは思えない。じゃ、…何時OS書き換えたんだよ。キラがコーディネーターだってノは知ってたけどさ、遺伝子操作されて生まれてきた奴ら、コーディネーターってのはそんなことも大変だった、で済んじゃうんだぜ?」
「……」
「ザフトってのは皆そうなんだろ?そんなのと戦って勝てるのかよ、地球軍は」
コーディネーターが戦闘中にOSを書き換えて最適化する事が出来ますか?
答えは、NO、否、ナイン、不可、無理だ。
俺は絶対無理、できるわけが無いって言うかエクセルとワードの使い方も知らないし

「量より質と質より量・・・か、今度はどっちが勝つだろうな」
またポツリと独り言
541R・E:2005/08/29(月) 01:40:25 ID:???






なんなんだよこのMS
∀の半球コックピットでひとりごちる
先ほど見せてもらったマニュアルを読み、なんとか動かせるようになった
戦場に出るのも問題は無いだろうな
でもなぁ、いきなり運用ってのは殆ど無い、俺もMA乗りだけどMSは初めて
しかもふらふらな状態で戦場に出るなんて自殺行為もはなはだしい
ただストライクのピーキーな操縦性と違って動かし方に幅がある分
足元はスッカスカでぐにぐにしたような乗り心地、
「ま、砲台になるぐらいだったら大丈夫―――なわけないか」
動かせるだけ、ってことか・・・やっぱ彼じゃないと無理かもな、これ





542R・E:2005/08/29(月) 01:41:38 ID:???
「……ストライクの力も、必要になると思うのですけど……」
「あれをまた、実戦で使われると?」
「使わなきゃ…脱出は無理でしょ?」
「……」
「あのボウズは、了解してるのかい?」
「今度はフラガ大尉が乗られれば……」
「おい、無茶言うなよ。あんなもんが、俺に扱えるわけないだろ」
「え?」
「あのボウズが書き換えたっていうOSのデータ、見てないのかぁ?あんなもんが、普通の人間に扱えるのかよ」
「なら、元に戻させて……とにかくあんな民間人の、しかもコーディネーターの子供に、大事な機体をこれ以上任せるわけには……」
「そんでのろくさ出てって、的になれっての?」
「……ではもう一機の…」
「さっき乗って試してみたんだが――、あれも駄目だ 的になるようなもんだ。それによくわからないがシステム上基本動作しか出来やしない。ただ動かせるだけ、さ」
「脱出先には敵精鋭部隊、後部は完全に岩で塞がれている、尚且つ極力コロニーの損傷を抑えて脱出、艦載機は2機、但し扱えるのは民間人・・・」
「降伏するってのも一つの手だが」
「否よ、私達は生きなければならない、生きて、この艦とMSを無事本部まで届けると言う大事な使命があるの。降伏は考えられないわ・・・」
543R・E:2005/08/29(月) 01:43:09 ID:???
「お断りします!僕達をもうこれ以上戦争なんかに巻き込まないで下さい!!」
「貴方の言った事は確かに正しいのかもしれない。僕達の外の世界は戦争をしているんだって…。 でも僕らはそれが嫌で、戦争が嫌で中立のここを選んだんだ!それを…!」
確かに戦争とは悲惨なものだ、それを避けるために戦争の無いところに行くのは別に逃げではない
だがいったん巻き込まれた以上享受するか抵抗するかのどちらかしかない、当たり前のことだ
第一中立であるだけであって、平和ではない、安全なだけなのだ
そもそもこの世に平和と言う国、物、人と言うものは皆無だ、存在することの無い理想と言う矛盾だ
(ま、ハイジャックにあう確立は宝くじに当たるよりも低いそうだけど)
「ラミアス大尉、ラミアス大尉!至急ブリッジへ!」
壁のインターフェースから呼び出しコール
「モビルスーツが来るぞ!早く上がって指揮を取れ!君が艦長だ」
「わ、私が!?」
「先任大尉は俺だが、この艦のことはさっぱりわからん!」
「……。わかりました。では、アークエンジェル発進準備、総員第一戦闘配備。大尉のモビルアーマーは?」
「駄目だ、出られん!」
「では、フラガ大尉にはCICをお願いします。聞いての通りよ、また戦闘になるわ。シェルターはレベル9で、今はあなた達を降ろしてあげることも出来ない。どうにかこれを乗り切って、ヘリオポリスから脱出することが出来れば……」
「そしてこの戦艦に艦載機は2つか無く扱えるのは俺とこの子だけって事かい?」
「………そうよ」
「勝手な!貴方達は・・・貴方達は卑怯だ・・・この艦にはモビルスーツは二つしかなくて、今扱えるのはコーディネーターの僕と彼だけだって言うんでしょう!」
「だけど俺たちが戦わなきゃ、み〜んな ボンッ・・・か、俺は別に良いぜ?お前は来るのか?」
「ぼ、僕?・・・僕は・・・」
「俺がやらねば誰がやる?キラがやらねば誰がやる、かな?  まっ、俺は先に行くかね」


当たり前だ、やらねば殺られる、ただそれだけ・・・
544R・E:2005/08/29(月) 01:44:48 ID:???
「接近する熱源1。熱紋パターン、ジンです」
「なんてこったい!拠点攻撃用の重爆撃装備だぞ!あんなもんをここで使う気か!?」
「タンネンパウム地区から、さらに別部隊侵入!」
「ストライクともう一機、発進させろ」
「は…!一機はX-303、イージスです!」
「もう、実戦に投入してくるなんて……」
「今は敵だ!あれに沈められたいか!」
「……コリントス、発射準備。レーザー誘導、舷に!」
「イージスは弾幕を張って近寄らせないで!ジン4機、目視イーゲルシュテルン、レーザー連動、焦点拡散、ヴァリアント展開!、当艦は最大戦速にて離脱、脱出します!」
「艦長それでは!――」
「フェイズシフトと言えど無敵ではないわ、連打を加えればバッテリーが切れて離脱するはずよ!
 それに本艦は対ビーム対実弾ラミネート装甲で覆われた類を見ない高い防御性能、並みの艦じゃ追いつけない高速性能を誇る艦よ。ちょっとやそっとじゃ落とされないわ!」


格納庫、白髭を見上げる
宇宙世紀技術の集大成
対異星人戦闘防衛殲滅、及び文明埋葬機体「WD-M01 SYSTEM-∀99 」
Aとはアルファベットの最初、始まり、誕生
真逆の∀とはAの反転、最後、終わり、死


それにしても、・・・俺無重力戦闘なんてやったこと無いんだけど大丈夫かな
そもそも宇宙になんか出た事も無い
米帝が大型トラック級ロケットを打ち出して宇宙ステーションを建設中って時に
g一万旅費数百億のものなんざ一低級民間人が乗れる訳が無い、夢のまた夢
筒型コロニーの中央部分はほぼ無重力と言っていい
無論地表に接近すればするほど遠心力による重力が発生するんだけど
空間姿勢制御なんて俺できんのかね?
545R・E:2005/08/29(月) 01:46:16 ID:???
本当に大丈夫なのか?
多分同調させるとそれが諸に出るし・・・
もう一つの操作系、試してみるか?
コックピットに乗り込み起動手順をいくらかすっとばして起動させる

「WD-M01 SYSTEM-∀99 」

コックピットを上昇させて股間部に収める
「お前さんがそいつのパイロットか、俺ン名はマードックだ、お前さんは?」
「?俺はムラサメ・ゼロだ・・・・あれ?さっきあったとき自己紹介・・・っていなかったですね」
会ったのは格納庫だけどその時は迂闊発言でゴタゴタしていたからな・・・
「んじゃあ、ゼロでいいか、カタパルトに移動させたいんだがそいつの規格が合ってなくてな、悪いが自走してカタパルトデッキに移動してくれないか?」
「了解・・・」
早速、自分と機体を同調させない
シート後部にあるヘッドレストを引き出して頭にかぶせる
これで準備はOK、考えるだけで、何をするか示すだけで動く概念操縦モード

例えば何々をしたい、何々をやりたいと言う命令をAIがその何々の通りに動くと言うもの
遠くの敵が見たい>命令を聞きカメラをズーム
かわせ!>敵弾を最小限最適な機動でよける

ほんの少し手を開けたり閉めたりして確認してみる・・・・良し
ハンガーのロックが解除されて歩き出す
もちろんビームライフルは忘れずに
546R・E:2005/08/29(月) 01:47:38 ID:???
丁度カタパルトデッキに入ろうとしたとき、格納庫に少年が駆け込んできた、キラか
マードックとなにやら話している・・・・
おおよそ僕も出さして下さいと言っているのだろう

それはともかくカタパルト、ガンダム世代に生まれたのなら一度はやってみたいことがある(ハズ
そのままカタパルトにロック、このときはまだオペレーターミリィではない・・・
点灯、発進準備OK、青信号と共に

「ア○ロ、行きまーす!」

同時に衝撃、猛烈な加速Gが体を襲い、一瞬で外におっぽり出される


と言う妄想
実際はと言うと
「やっぱりカタパルトのロックの規格も合わないか・・・」
ちょっとザフト艦が羨ましく思えたり
「ゼロ、申し訳ないが2番カタパルトは電磁射出装置も故障しているみたいだ。そのまま走って出撃してくれないか!?」

故障かよ!
しかもナデシコかよ!
547R・E:2005/08/29(月) 01:49:40 ID:???
「ハイ位置について、よ〜い・・・」
しかも号令おっさんかよ!
「・・・・・・・・・くっそぉぉっぉぉぉ!―――ムラサメゼロ!逝きます!」
計算外だ、ちょっと待ちやがれアンタそれ以上言うな、頼むから!
全世界のホシノリストを敵に廻す気か貴様―――!
『ドン♪(猫撫で声(男』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ダスダスと走って走って走って・・・
ちょっとザフトに逃げ込みたくなった

次はナタルさんかマリューさんにしてくれ・・・脱走するぞ、俺


(ちょっと?)
いやかなり
548R・E:2005/08/29(月) 01:50:55 ID:???
『そーら落ちろー!』
外部ではもう戦闘は始まっている
3機のジンが手当たり次第にミサイルを撃ちっ放し
バルルスカスタム重粒子砲を担いだジンが対空砲火をかわしながらアークエンジェルに攻撃を加える
多くのミサイルはイーゲルシュテルン(ニ連装25mm対空ガトリングバルカン砲)に阻まれ
ビーム粒子砲はラミネート装甲にて無効化されている
こちらは逃げの一手、なるべく被害を最小限に抑え、尚且つ脱出
大して向こうは損害なんて二の次、バカスカ撃ち込んでくる
此方も最低出力のビームライフルで応戦する
概念操縦モードだけあって思うとおりに動いてくれるのはうれしい
母艦に直撃しそうなミサイルだけに照準を合わし打ち落としていく
同じ箇所に留まらない様に移動しながらライフルを連射する
『くそ!あの白い髭の奴邪魔だ!ミゲル!アスラン!あいつをどうにかしろ!』
『まかせろ!』
バルルスカスタムを担いだジンとアテナの盾、イージスがこっちに向かってくる
ヤバイ!
直後さっきまで居た場所をバルルスカスタムビームキャノンの膨大な熱エネルギーが空気を焼く
目標をはずし、何処かに当たるまで直進し続けるビーム粒子はコロニーの中央に位置するシャフトを支えているワイヤーに直撃してしまった
「ああ……!」
『ええい!』
(くそ、あそこはシールドで受け止めておくべきだったか?)
「コロニーに当てるわけにはいかない……どうすりゃいいんだよ!」
更に第二射、これはアークエンジェルに直撃、
「やったか!?……!」
「…!!」
549R・E:2005/08/29(月) 01:52:20 ID:???
「…!ビームの直撃に耐えた!?」
排熱は追いつきはしたものの内部への衝撃は相当のものだった
ロックされて無い機材が艦内を飛び回り、想定外のダメージを受けることになった
「第四兵装バンクに損傷!隔壁緊急閉鎖!!」
「ああもう!クソッタレめ!」
「ダメコン急げ!!」
ストライクと∀がイージスとバルルスジンに手間取っている間に残りの三機が手持ちの大型ミサイルをこれでもかといっせいに発射する
「迎撃!」
「間に合いません!!」
「ヴァリアント照準!MTでこっちによこせ!」
「面舵40!全速!」
艦橋とCICに怒号が飛び交う、各部員が目的を達成するために、生きるために一生懸命に命令し、操作し、実行する
しかし悲しいかな人員不足、練度不足、そして人員不足によるなれない部署の仕事
半場オートメーション化されているとはいえその差は顕著に現れている
彼らはよくやっている、だがそれ以前に為れず、足りず、焦っていた

「また・・・戦闘が始まったのか!?」
「お母さん!お母さん!」
『警報レベルが10に移行しました。このシェルターは救命艇としてパージされる可能性があります。全員――』
「ZAFTめ・・・」

ミサイルを撃ちつくしたジンは空になったミサイルコンテナと腕部ラッチをパージ、重斬刀と突撃機関砲を
またはバズーカランチャーを装備、更なる攻撃をアークエンジェルに加える
一方ストライクと∀、イージスとバルルスジンは未だ膠着状態
ライフルは避けられ、バルルスは近すぎて撃てず、ストライクとイージスは互いを牽制しあう
『ちょろちょろと素早い!回り込め!、アスラーン!!』
『キラ、君なのか!?』
550通常の名無しさんの3倍:2005/08/29(月) 01:53:16 ID:???
『アスラン!?』
『もらったぁぁあ!』
2機の動きが止まる。それを好機と見たのかバルルスジンはストライクに向かって重粒子砲を放つ
『な!?』
『しまっ――』
直撃
過剰ともいえる爆炎が機体を包んだ
『やったか!?』
煙が濃くて何も見えない
目の前に居た在りし日の友人が、キラ・ヤマトが消えた
これが戦争、死神は誰にでも平等に訪れること
『あ・・・キラ・・・キラ!?嘘だろ!?』
『アスラン、後はもう一機の白髭のほ――』
直後煙を掻き分けるようにビームの光がバルルスジン足を貫く
撃ち貫かれた足は赤熱化し、膨張、爆発した
『なにぃ!?』
『あああああああああああああ!!』
煙の中から躍り出る白い機体、ストライクだ
対艦剣シュレートゲーベルを振りかぶりバーニア全開で一気に接近
(ちぃ!間に合わない!!)
巨大な剣はバルルスジンを右肩から右脇まで袈裟切りにした
直後胴体を貫き手で貫いた
『ミ、ミゲルーーー!!?』
551R・E:2005/08/29(月) 01:54:53 ID:???
『はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・くっ』
再び剣を構え直す、相手は、イージス
『この馬鹿野郎!ここは戦場なんだぞ!止まってたらに撃たれるに決まっているのに!止まってんじゃねぇよ!』
あの一瞬、ゼロはシールドを投擲したのだ
着弾した瞬間まさかあそこまで爆発するとは思わなかったが結果としてストライクにビームが直撃することは無かった
その後シュレートゲーベル基部にあるビームガン砲口を∀の測量データとリンクさせて撃ったのだ
おかげでライフルは取り落としちまうしシールドはアレだけ派手な爆発かましたにもかかわらずコロニー地表に落ちていくのが見える
残る相手はイージス、アスラン・ザラ・・・
『キラ君!ゼロ君!?至急戻って頂戴、そろそろ此方もヤバイわ』


「く・・・!」
CICでHUDを覗くフラガ
ヴァリアントの御角を調整し狙いをつけて
発射、110mmレールキャノンが火を吹く
敵のジンは予測していた通りのコースを飛び予測通り110mm劣化ウラン弾頭が直撃
弾みで発射されたバズーカランチャーがシャフトに直撃。ダメージの蓄積でゆがむシャフト、崩壊は時間の問題だろう
「しくった!」
『オロールッ!くそぉ!ナチュラルの癖に!!』

「これ以上、コロニーに被害は与えられない・・・」
「ではどうしろと!?沈められろとでも仰るのですか!?」
552R・E:2005/08/29(月) 01:56:11 ID:???
イージスとストライクは再び相対している、
互いに手が出せない状況ではなく手を出さないと言ったほうが正しいか
俺は地表に落ちたライフルとシールドの回収に向かっている
このまま放って置くのもなんだったがキラ曰くここは僕に任せて、だそうだ
ほうって置かずイージスを撃つことも考えはしたがキラの手前、そして後々の展開を見越してその場を任せることにした
だが放って置くのは駄目だ

『ストライク!∀!何をやっている!こちらは敵の攻撃を受けている!」
『アスラン!何処に居るんだアスラ―しまっ!?ザザアザアザアザザザザアザッザ――――――――』

『キラ、キラ・ヤマト!』
『!?』
『やはりキラ、お前なのか!?』
『アスラン、君なの!?』                             ドォォォッォォンン!!

先ほど撃墜されたジンのBZがメインシャフトの一番もろいところに直撃
ボクッという異音の後、怒号、ワイヤーが千切れる、シャフトが崩れるアクリルプレートが割れて地割れが広がる
キィィィィィィっと掻き毟る様な金切り声は正に死、コロニーが死にたくないと、死ぬのは嫌と断末魔を上げているようだった
『何故!何故君が!』
『お前こそ!お前こそどうしてそんなものに乗っているんだっ!?』
553R・E:2005/08/29(月) 01:57:30 ID:???
『レベル限界地を突破、強制退去命令を実行します、これより格シェルターは救難艇として――』

崩れてゆくヘリオポリスコロニー
円筒形の筒はひしゃげ、中にある空気は外に吸い出され、あらゆる建築物、木、残った動物が無の世界に吸われてゆく

「隊長・・・・」
ヴェサリウス艦長 アデス・リチャードが仮面の男、ラウ・ル・クルーゼ隊長に呟く
「………」

崩壊、何とかシールドとライフルを回収した俺はアークエンジェルに帰還するためにバーニアを吹かす
「これが、死か・・・、時は確実死は確実、言ってみるもんだ」
吐き気がする、これで人が逃げ遅れていたらF91のような光景に実際に立ち会っていたかもしれない
いや、まだF91のほうがマシなのかもしれない
こっちは建造物、住む場所を一瞬のうちに破壊してしまった、これは業なのだろうか

『ああ!うあああああああああああ!!!』
『キラぁ!!』


続くの? 続けばね
554R・E:2005/08/29(月) 01:59:07 ID:???
と、言うわけで、ナニですよ、アレですよ、
頭の中の光景が文に出せないと言うのはとてももどかしいことでつね

尚、大いに突っ込んでもらってかまいません
何処で間違ったんだろうorz
555通常の名無しさんの3倍:2005/08/29(月) 03:49:51 ID:???
たまにはage
556通常の名無しさんの3倍:2005/08/29(月) 07:45:23 ID:???
>>554
そんなに寂しければ一応突っ込んでやるよ
構ってちゃんうぜー
557通常の名無しさんの3倍:2005/08/29(月) 10:54:25 ID:???
>>554
( ゚∀゚)超GJだッ!
いずれ月光蝶とか出ちゃうのか!?
558通常の名無しさんの3倍:2005/08/29(月) 13:41:09 ID:???
∀はロランが一生懸命性能を押さえ込んで使ってた(普通と逆)
から何も考えないでパワーを開放すると(ry

ファントムペインINキラで誰かかいてくれないかな?
紫のフリーダムとかどうよ?
AA収容後宇宙に上がったら暁に乗ればいい。
黄金のMS萌え。

もしくは超有能なカガリ(オーブで根回しをしたりセイランを抑えてる状態で)
カガリの書かれ方が無力な子供そのもので可哀想だったから。
559通常の名無しさんの3倍:2005/08/29(月) 20:28:31 ID:???
>>533-534 まずはSSアリガト。質は悪くないんだけど……
ヤッパコウイウノヤダヨorzドウカツヅキカイテフタリヲスクッテクダサイ
シンルナハデワルカッタネ
560通常の名無しさんの3倍:2005/08/30(火) 01:29:43 ID:???
なんか冷めてる主人公だな。まぁ本人はこの先の展開を知っているからだろうけど
今後AAクルーとともに成長していく流れはなさそうだw。
何もともあれGJ
561通常の名無しさんの3倍:2005/08/30(火) 16:05:58 ID:???
アーモリーワンの事件が起こる1月前

?「おっ、きたきたきた!」
?「こっちもだ。」
?「こない…」
ここは大西洋、連合軍艦J・P・ジョーンズの甲板、晴れきった空の下で三人の少年、少女が楽しく釣りをしている。
?「おっ、やってるな。」
?「ネオ!」
黄色い髪の少女が、今艦内から出てきた仮面を着けた男に向かって走りながら叫ぶ
ネオ「どーだ?何か釣れたか?」
?「今釣るとこだよ」
?「俺のほうがな」
少年二人がネオに答える
?「ステラだけ…こない」
少女は淋しそうに答える、どうやらステラという名前らしい
ネオ「ステラにもそのうちくるさ、釣りは待つことが大事なんだぞ」
ネオは優しく頭を撫でながら言った
ステラ「ほんとに?」
ネオ「ああ、本当だ」
 その言葉を聞くと、少女はまた釣りを始めた
?「そーら!」
?「……」
?「なんだ、こりゃ?」
?「スティングの糸じゃんか」
スティング「じゃますんなよ」
?「お前こそ!」
ネオ「アウルもスティングも落ち着け」
ネオが二人をなだめる
水色の髪の少年はアウル、緑色の髪の少年はスティングというらしい
ネオ「ほら、俺が手本を見せてやるから」
アウル「ネオに出来んのかよ」
スティング「まったく」
ステラ「まだ…こない」
ネオ「なにぃ、しっかり見てろよお前ら、そらっ!」
ネオは海に向かって竿を振った

暇つぶしに書いてみた、続きは今度書くかも
562通常の名無しさんの3倍:2005/08/30(火) 23:37:37 ID:???
あげ
563通常の名無しさんの3倍:2005/08/30(火) 23:57:21 ID:???
>>554
このスレで一番面白いと俺は思う。ガンガレ!
564通常の名無しさんの3倍:2005/09/01(木) 23:39:55 ID:???
保守、と
565通常の名無しさんの3倍:2005/09/02(金) 21:27:51 ID:???
保守?そんなもん誰もしねーよwwwww
566通常の名無しさんの3倍:2005/09/02(金) 23:10:09 ID:???
>>565はツンデレだなぁ(*´∀`)
567R・E:2005/09/03(土) 02:20:44 ID:???
俺は零 村雨零 改めゼロ・ムラサメ
ごく一般的な人生を送る20代後半のフリーター、・・・って聞こえはいいがプータロー
朝から晩まで汗水たらして客に愛想笑いして
終わってゲーセン寄って帰ったら風呂入って飯食って寝る
そんな毎日をだらだらと過ごすごく一般的な一人暮らしの小市民

だったのが数時間前のお話
 ・ ・ ・ ・ ・

   R&E

『X-105ストライク、応答せよ!X-105ストライク、聞こえているか、応答せよ!繰り返す!X-105ストライク、応答せよ!』
アークエンジェルに帰還した俺
あいつはどうやら史実通りにコロニー崩壊で吸い出される空気と共に外に投げ出されてしまったようだ
俺は着艦はしていない、アークエンジェルのゴットフリート砲口部上にて足底部オートマグネットアンカーを作動させて立っている
やっぱこいつってオールラウンダーなんだな・・・
お肌の触れ合い回線にてナタル副長がしきりに電波障害の晴れていない空域に指定暗号電波を飛ばしまくるのを拾う
妨害されている時に電波を発するのもアレだがこのままでは逆探されて再度襲いかからねかねない
『ナタル副長、これ以上の通信は危険です、見方に届くならまだしも現在は敵に包囲されている状況なのですよ?』とノイマン緊急操舵士
『そんなことはわかっている・・・しかしNジャマーの電波妨害がこれほどとは・・・』
『仕方ないだろう?ミサイルと電子装備が威容を誇っていた軍はこいつのせい大対艦巨砲主義に逆戻りさ、宇宙上がる前に習ったろ』
『・・・学科で聞いたこと以上ですが。まさかここまでとは予想外です。』
『学科と実戦は違うんだ、習うより慣れろってことさ』
『わかっています! それよりまずストライクの生存を確認するべきです』
『その前に。まずここを出ましょう・・・。私達は・・・今ここに居るべきものではないわ・・・』
『・・・こうも―――脆いとはな・・・……」
568R・E:2005/09/03(土) 02:23:27 ID:???
生きているものは何も無い
数時間前まで活気にあふれていたコロニーヘリオポリス
今は、大地は裂け、空気は無く、水は凍り、人の住む場所から人のかつて住んでいた場所となった
大小のデブリが浮かび、戦闘で死んだちぎれた死体が浮かぶ。それは巨大な墓標
『私達は、ヘリオポリスを忘れないわ・・・』
俺も、この光景は忘れられそうにねーや・・・

∀でコロニーの残骸を押し分けて道を作り、出来た狭い道を巨体が除けられなかった残骸をゆっくりと押し分けながら進む
丁度コロニードッグ側に出たとき、方位270、9時の方向に識別ビーコン。こいつは・・・ストライクか
「艦長さん、9時の方向に識別反応、ストライクが居るけどこの場合迎えに行くのか?」
『え!?、いえ、まだこちらでは確認してないけど・・・『方位278の方向に連合の信号、識別は・・・ストライクのものです』――あ、わかったわ。そのまま迎えにいってくれないかしら?』
「アイアイサー」
心の中で行けと念じると∀はスラスターを吹かし、するすると加速。後ろに見えるアークエンジェルが徐々に小さくなっていった
「それにしても・・・なんで先に場所がわかったんだ?この艦の索敵能力は連合最新鋭のはずなのに」
とレーダー士のチャンドラが頭を捻る

浮遊するストライク
コックピットの中でキラは目を覚ます
目を覚ました瞬間目の前に広がる光景、崩壊したヘリオポリスだ
(ヘリオポリスが……壊れた……。どうして……?)
何故壊れたんだ。何で壊したんだ。壊れたのは一体誰のせいなんだ。と、自問自答を繰り返す。 その時
『キラ・ヤマト!聞こえていたら返事をしろ』
「!こちらX-105ストライク、キラです」
ゆっくりと近づいてくる白い機体、ゼロさんのターンエーって名前のMSだ
『その様子だと無事そうだな、ついて来れるか?艦まで戻るぞ・・・』
「いえ、推進剤が、もう・・・」
『わかった、んじゃ曳航するから手を出してくれ』
こちらに手を差し出す白いMS。その手を掴む
機体に残っている推進剤は切れかけ、バッテリー電圧は少々余裕が残っているものの、生命維持装置が稼動していない
さっきの衝撃で壊れてしまったのだろう。パイロットスーツの生成する酸素は残30分といったところ
ズズズッという振動と共に機体が引っ張られる
569R・E:2005/09/03(土) 02:24:30 ID:???
(あ、アークエンジェルだ・・・)
みるみる艦がおおきくなっていく
ヘリオポリスのほうを見やる・・・
(父さん……母さん……無事だよな……!)
『無事なんだろうな、多分』
「え!?」
『接触回線だよ。心の中で言ったつもりなんだろうが口に漏れてたぞ?』
「ああ、――うん」
『心配なのか?』
「――――――――うん…」
『そか・・・』
「ゼロさんにも……、家族、いるんですか?」
『……………生憎だが俺は一人でね、気がついたら何故かあんなとこにいてそれまでのことは良く覚えていない。だが家族兄弟恋人は居ないと断言できる、たぶんな』
アークエンジェルとの距離は遠い
自分と同じコーディネーターと言う彼。同族意識とでも言うのだろうか?
知らずキラは心の愚痴を吐露していた
「……本当に・・・大丈夫なんでしょうか・・・」
『――――――俺が言えることは・・・信じる事だ』
「え?」
『お前さんの親御さんは死んでないって、信じているんだろ?。だったらそれでいい。生きていることを信じて願うんだ』
「…………もし……もしですよ?死んでいたら――」
『俺、運命とか嫌いなんだよね』
「え?」
『もしも死んでいたらとか言うIFは無しだ、生きていたら生きていた、死んでいたら死んでいた。それだけだしもうちょっとすりゃ救命ポッドも救助される。その時の結果次第さ・・・後は・・・』
「後は?」
『その結果を受け入れる覚悟があるかないか、そんだけさ』
570R・E:2005/09/03(土) 02:26:04 ID:???
「でも………なんで・・・なんでヘリオポリス…壊れたんだろう・・・何で戦争なんかに巻き込まれたんだろう。なんで・・・なんで――」
『それが戦争なんだろうさ、戦いに安全な場所なんて無い。特に戦場を選ばない場合は安全なんて何処にもありゃしない・・・着艦するぞ』
「……」
『……』
「…?あれ、ヘリオポリスの救命ポッド!」
『――見たところスラスターがイカレているみたいだな』

目の前に写る救命ポッド。姿勢制御スラスターはデブリでやられたのか爆発した後が残り、ゆっくりと月方面に流されていた
「このままじゃ・・・あの救命ポッドの人達が死んじゃう・・・!」
『やめとけ、どうせ後からSOSを聞きつけた民間船なりやってくるさ』
「で、でもそれまでに持たなかったら!!」
『そこまでって言う運命だろうさ』
「だったら!」
『あーあー、わかったよ、とりあえずお前さんは先に着艦しろ。もうその機体バッテリー切れかけでほとんど動かないんだからさ』
「後は・・・お願いします!」

惰性で進むストライクを姿勢制御出後ろ向きにし、減速でスラスターをちょっと吹かしアークエンジェルのMSカタパルトに滑り込ませる
カタパルトの奥には緊急着艦用激突防止ネットが張られている
着底し、減速の為に目いっぱいブースターをふかす。 幸いネットの加護を得ることは無かったようだ
(ゼロさん、お願いします・・・)
571R・E:2005/09/03(土) 02:27:58 ID:???
さーて、いまここにカテ公の乗る救命ポッドがあるわけですが


訂正、フレイアルスターの乗る救命ポッドがあるわけですが

別に姿勢制御スラスターが壊れているだけで機密は破られていないし。このままほうっておいても大丈夫そうだ
月方面に流されていること意外は
フレイ・アルスター。
自らの怨恨を果たすために取り入るも、恋をし、否定し、別れ、最後はドラグーンの放ったビームに貫かれ、波乱万丈な人生に幕を落としたと同時にララァ化した女性
一部で仕方なかった、とか 悪、だとか色々議論が飛び交い、遂にはカテジナ化とか・・・
まあ俺は別にそんなものどうでもいいタイプ
少なくとも彼女は悪ではない。利用できるものを利用したが情が移って本当の気持ちに目覚めるも思いは叶わなかった時代に翻弄された極々普通の人と捕らえている
このまま史実をなぞるのも手だが彼女が居なかった場合はどうなるのだろう
キラは戦艦を降り、戦況は泥沼と化し、互いに滅ぼしあって、僅かに逃れた人がひっそりと生き延びるか文明がかつてあった惑星と言う世界になったのだろう
生憎だが俺は先の見えない勝負はやるもんじゃないと決め込んでいる。要するに意気地なし、度胸無し、勇気無しと言ったところか
おかげでまったくもって普通の人生ってとこか・・・
救命ポッドの窓からこちらを覗く人々、脅えている
そりゃザフトのMSに今まで住んでいた場所を木っ端微塵に潰されたのだ
脅えないほうがおかしい。更に連合にMSが有るという事実を知らないと言うこともあいまって恐怖が倍増・・・
一瞬だがフレイアルスターの顔が見えた。脅えている

ターンエーの手を伸ばす、窓際に居た人々はいっせいに隠れる
救命ポッドを掴む、丁度彼らの命の行方は俺の手の中にあるといっていい
お肌の触れ合い回線で中の様子もモニターできる

時代を変える・・・か
ここでこれを握りつぶせば時代が変わる・・・
だが俺にはそんな度胸も無く、人を殺すと言うことも極力避けたい・・・
無論敵に回るなら誰であろうと容赦はしないけどな
572R・E:2005/09/03(土) 02:31:56 ID:???

「で、これからどうするのかな」
フラガ大尉が今後の方針について切り出す
「…本艦は、まだ戦闘中です。ザフト艦の動き、掴める?」
「無理です。残骸の中には熱を持つものも多く、これではレーダーも熱探知も不可能です、それにNジャマーがこう濃いと…」
「向こうも同じと思うがね。追撃が、あると?」
「あると想定して動くべきです。最も、今攻撃を受けたら、こちらに勝ち目はありませんが……」
「だな。こっちには、あの虎の子のストライクと、不明機のターンエー、俺のボロボロのゼロのみだ。艦もこの陣容じゃあ、戦闘はな……。最大戦速で、振り切るかい?かなりの高速艦なんだろう、こいつは?」
「向こうにも高速艦のナスカ級がいます。振り切れるかどうかの保障はありません」
「なら素直に投降するか……それも、一つの手ではあるぜ」
投降する
だがそういうことではあまり言い噂を聞かない
ザフトは投降兵を終了するとか回りくどいことはしない
つまり、現地で殺すのだ。
収容所作る金とか維持費を出すよりよほど効率的なものは無い

「……状況が厳しいのはわかってします。でも投降するつもりはありません。この艦とストライクは、絶対にザフトには渡せません。
  我々はなんとしても、これを無事に大西洋司令部へ持ち帰らねばならないんです」

「なんだと!?ちょっと待て、誰がそんな事許可した!」
「バジルール少尉、なにか?」
「ストライク帰投しました。ですが、ターンエーが救命ポッドを1隻保持しています」
「「え?」」
573R・E:2005/09/03(土) 02:35:22 ID:???
『ゼロ・ムラサメ、何をしている!救命ポッドを放して着艦せよ!』
・・・ま、俺と言うイレギュラーもいることだし、時代は変わってるか
「こちらゼロ、この救命ポッドは姿勢制御スラスラー破損、及び外郭破損による機密漏れにより当方で回収に移ります」
『待て!そんなことは許可していない!!ただちに救命ポッドを放して着艦せよ!』
「ッて言ってますけど、中の人どうします?このまま放り出して死なせるんですか?それにこの通信中の人も聞いているわけでして」
『――っな!!?』
『いいわ、許可します』
『艦長!?』
『今こんなことでもめて、時間を取りたくないの……収容、急いで』
『――わかりました、艦長』

機体の収容が終わって話を戻す
まだちょっとナタル中尉はカッカしている様子、せっかくの美人が台無しだと口説き文句があるが
彼女相手では火に油を注ぐようなもんだろう
「さて、今後の方針として進路はどうとってどう向かうか、だな」
「―――艦長、私はアルテミスへの入港を具申いたします」
「アルテミス?ユーラシアの軍事要塞でしょう?」
「傘の、アルテミスか・・・あそこの司令官は良い噂は聞かないんだがなぁ・・・」
「現在、本艦の位置から最も取りやすいコースにある友軍です」
「でも、Gもこの艦も、友軍の認識コードすら持っていない状態よ。それをユーラシアが……」
「アークエンジェルとストライクが我が大西洋連邦の極秘機密だと言う事は、無論私とて承知しております。
  ですが、このまま月に進路を取ったとて、途中戦闘も無くすんなり行けるとは、まさかお思いではありますまい。物資の搬入もままならず発進した我々には、早急に補給も必要です」
「わかってるわ……艦の水素エンジンの水もあまり補給されていない現状では・・・」
「事態は、ユーラシアにも理解してもらえるものと思います。現状はなるべく戦闘を避け、アルテミスに入って補給を受け、そこで月本部との連絡を図るのが、今最も現実的な策かと思いますが」
「アルテミスねぇ、そうこちらの思惑通りに行くかな?」
「でも……今は確かに、それしか手はなさそうね……」
「ま、俺は分の悪い賭けは嫌いじゃないがね」

さて、未来はどう動くことやら・・・ちょっと楽しみでもあり心配でもある

続く
574R・E:2005/09/03(土) 02:50:48 ID:???
長い・・・しかもDVDあれだから・・・

さて、水素エンジンですけど
正しくは水素融合式プラズマエンジン
水で動く車ってあるじゃない?
水素カーってアレとおんなじ原理
まーそこらへんの突っ込みは勘弁して・・・・
核融合はNジャマー下で動くとして地球の電力が出\停止したのは核分裂原子炉ってことだよね
核融合は時代的に無理だとしてそこで問題になったのがAA

地表で 核 パ ル ス ってなんだよ、ローエングリン撃つより被害甚大じゃネーか、放射能汚染の
大体艦艇に積める核融合炉があるならとっとと地表の電力復活させろボケコラってことなんですが
ガスタービンエンジンだと大型艦、しかも航宙艦だと空気が無いので使用不可だし
ソーラーだと装甲の意味ねー・・・・あ、ソーラーパネルを装甲に組み込めば・・・改装案で使うか、どうにかして
とまあ、ガソリンもダメだしディーゼルや縮退炉なんて論外だし残るは水素しかないんですよね
相転移エンジンは核融合炉とのダブルだし技術的に_
大出力を維持できそうな機関ってこれしかないわけなんですよね・・・

推進機構はガンドライバー見てもらえばわかります、アーノンディガスとか紅の神像とか
もうダメダメですね・・・

尚うちのAAは陽電子なんて物騒なものは積んでません
アレ一撃で地球滅ぶッツーの、てか、対消滅して銀河殴りこみ艦隊のBMVよりオソロシスなこと起こるって絶対
と言うことでローエングリンは大型メガ粒子砲でFA
んでアークエンジェルの前身でセラフィムって言う零番艦が存在しますけど、まあ妄想ってことで

って愚痴しか書いてないな・・・一応これ前後編 場合に寄っちゃ前中後、

と言うう訳で乙、   今ここに居るの俺だけ?
575通常の名無しさんの3倍:2005/09/03(土) 05:06:29 ID:???
>>574
乙です。
今回も楽しませてもらいました。
続きも期待してます。
576通常の名無しさんの3倍:2005/09/03(土) 09:01:29 ID:???
どこがDESTINYなんだか気になる
577通常の名無しさんの3倍:2005/09/03(土) 14:22:56 ID:???
>>574
あんた最高
どれくらい最高かというと
初めてガイサック買って組み立てた時ぐらい最高
578通常の名無しさんの3倍:2005/09/03(土) 15:07:21 ID:???
もうスレッド落ちちゃったけど
“もしシンの性格がまともだったら”でSS書いてた職人さんは
ここで又書けばいいのに。待ってますよ!
579762 ◆9AUE2RuSV. :2005/09/03(土) 16:20:33 ID:???
>>574
ワロタ。
できれば歴史を変えて欲しかったw
580通常の名無しさんの3倍:2005/09/03(土) 17:50:37 ID:???
あげとこう
581通常の名無しさんの3倍:2005/09/03(土) 19:02:40 ID:???
あの、なんつーか、

フレイが大宇宙の意思(つまり俺)で生還して
ワイズマンみたいな仮面つけて
死ぬ筈だったキャラクターを生存させる

っていうストーリーを考えたけど、まとまりなさ過ぎて文章に出来ないorz
582某SS書き:2005/09/03(土) 19:06:16 ID:???
時間をかけてゆっくりまとめるがよろし
メモ帳とかつかってネタを書き溜めて書くというのを私はやっている
誰でも最初は素人なんだから

楽しみに待ってます
583通常の名無しさんの3倍:2005/09/04(日) 00:04:29 ID:???
もしかしてここは二次創作オリキャラを書く人もいるんですか?
584R・E:2005/09/04(日) 03:29:14 ID:???
MSの格納が終わり、ハンガーに機体をロック
起動にロックをしてコックピットから出る
先に改修されたキラのほうは救命ポッドから出てきたフレイ・アルスターに抱きつかれてなにやら話をしている
ああ、これが・・・。
史実では回収したのはキラだが、今回回収したのは俺
バタフライ効果という言葉が示す通り何らかの未来は変わったはずなんだろうと思う
ってありゃ?二人してこっちに向かってきてますけど

フレイがキラに連れられるような形でこっちに向かってきた
「この人がポッドを回収してくれたゼロ・ムラサメさんだよ」
「そう、貴方がさっきの白い奴を動かしてた人?」
「え?ああ、まあそうだけど・・・」
フレイが上から下へ品定めするようにジーッとこちらを見ている
クスッ

へ?

     ばちーん

小気味良い音が響く
一体俺が何したって言うのさ
585R・E:2005/09/04(日) 03:30:49 ID:???
「ってぇーーー!!?いきなりなにすんだよ!!」
「何ってアンタ!私達を怖がらせたじゃないの!!いきなり目の前に向かってきてこう両手でグアーってやろうとしてたじゃないの!?
 あの時、本当ーっに・・・怖かったんだからぁ!!」

どうやら俺が潰そうか回収するか戸惑ってポッドの近くに佇んでいたのが途轍もないストレスを与えたのだろう
ただでさえコロニーが破壊され、ポッドで救助を待っているときに目の前にコロニーを破壊したと思われるMSが佇むと言うのは相当の恐怖だろう
蛇に睨まれた蛙とはこのことなのだろうか。まあ俺は実際に潰そうとしていたわけでその殺意は敏感に向こうに伝わっていたのかもしれない
「まぁ、それはすまないと思っている。あの時上のほうとちょっと喧嘩しててね、諸事情って奴さ」
「諸事情〜ォ!?そんな事よりまず貴方がやることがあるでしょうが!」
「やることって?」
「謝りなさい!」
「ああ、スマン」

     ガスッ!

弁慶の泣き所…………
「――――――ッ・・・・なにするだー!?」
「誠意が足りない!」
「は、ハァ!?」
「ちゃんと謝罪の意を込めて 謝 り な さ い !!」
「ちょ、フレイ……」
お、キラ、助けてくれ!お前だけが頼りだぁ!?
「 何 よ !? 」
「な・・・なんでもないよ・・・」
一睨みで退散ですかそうですかキラヤマトの裏切り者ォ!(何
ってか、何この 想流・フレイ・アルスター
586R・E:2005/09/04(日) 03:32:37 ID:???
「このような状況になるとは・・・・・・如何されます?中膣国のコロニーを丸々破壊したとなれば評議会も黙っては――」
ナスカ級高速巡洋艦ヴェサリウス艦橋・艦長リチャード・アデス

艦橋にて報告書を読む人物
提出された報告書を机に投げ出し両手で頬杖をつく
「――地球軍の新型兵器を製造していたコロニーの、……何処が中立かね?」
ザフト・エース部隊クルーゼ隊隊長 ラウ・ル・クルーゼ

「しかしっ!非武装のコロニーを強襲して破壊したと言う事実は変えられないのですよ!?」
「住民はほとんど脱出している、血のバレンタインの悲劇に比べればさして問題はあるまい」
「…ですがッ……あそこには少なからず同胞がいたのでは……」
わかっている、だが彼の良心はこの事は間違いではないのかと訴えている
血のバレンタインの悲劇はわかっている。だがそれとヘリオポリスを破壊することは違う
これではただやられたから、やり返しただけではないのかと
まだ他にもオーブに政治的圧力をかけるなり出てきた所を狙って強襲する也
被害を最小限に、効果は最大限に出来る作戦が、方法があったはずなのではと

「敵の新造戦艦の位置……、掴めるかな?」
意識を戻す
「いえ、まだこの状況では。Nジャマーも濃く赤外線反応も多すぎて・・・」
「まだ追うつもりですか?ですがこちらには追撃しようにも既にMSがありません。別部隊を備考につかせて一度補給に戻るべきです」
「何、あるじゃないか?地球軍から奪ったものが、4機も、MSがね・・・」
「あ、アレを投入されるおつもりで!?」
「怖いのか?」
「………………」
「データを吸い出せばもうかまわんさ、せいぜい鹵獲機らしく使わせてもらうこととしよう・・・。宙域図を出してくれ。ガモフに模索的範囲を広げるように打電せよ」
587R・E:2005/09/04(日) 03:34:40 ID:???
殴られて蹴られた所をさすりながら艦内を歩く
痛ってぇ・・・、なんだよあれ。史実より性格外れ過ぎじゃねーか
早くもバタフライ効果100メートル級津波で戻ってきましたかコンチクショウ
ま、この状況だと寝とられとかとかやめてよね発言もなくなるんだろうか?
実際どうなるんだろうか・・・・はぁ  先行き早くも不安だw
まあそれも面白くもあり心配でもあるが

微振動からゴゴゴゴゴゴ、と言う音と共に艦が揺れる
発進か・・・

「デコイ用意。発射と同時に、アルテミスへの航路修正のため、メインエンジンの噴射を行う。後は艦が発見されるのを防ぐため、慣性航行に移行。第2戦闘配備。艦の制御は最短時間内に留めよ」
「アルテミスまでのサイレントランニング……およそ2時間ってとこか……。後は運だな」


足元に広がる宙域図をレーザーポインターで指してゆく
「奴らはヘリオポリスの崩壊にまぎれて既にこの宙域を離脱している可能性がありますが・・・」
「いや、それは無いな・・・。何処かでじっと息を殺して機会を待っているのだろう………、網を――張るかな」
「網、でありますか・・・?」


『3番、4番、各管コード入力。デコイ装填。3番発射管、てぇーーっ!』


「ヴェサリウスは先行し、ここで敵艦を待つ」
アルテミスとヘリオポリスの直線部分のアルテミス寄りの宙域にレーザーを当てる
「ガモフには軌道面誤差のコースを、索敵を密にしながら追尾させろ」
「アルテミスへですか?しかしその場合月方向に離脱された場合――」
レーダー士が反応する
「大型の熱源を感知!初熱源解析予想コース、地球外週部起動スイングバイ、重力カタパルトにて月面、プトレマイオスクレーター、地球軍大西洋連邦本部!」
588R・E:2005/09/04(日) 03:37:31 ID:???
『メインエンジン点射、アルテミスへ航路修正、方位030、仰角012』
更に振動が増す、巨体が身を震わせ、ゆっくりと進んでいく


「隊長」
「そいつは囮だな……」
「しかし、念の為にガモフに確認をとらせるべきかと」
「いや、奴らはアルテミスに向かうよ。今ので・・・私は一層確認したよ。ヴェサリウス発進、ゼルマンを呼び出せ」



「大丈夫か、ミゲル・・・ラスティも」
「んあ・・・、アスラン・・・・か」
ミゲル・アイマン
例のバルルスジンのパイロットでソードストライクに袈裟斬りされたジンのパイロットだ
袈裟斬りにされた瞬間、咄嗟にシートベルトをはずして緊急脱出レバーを引いてコックピットカバーを吹き飛ばして
手刀が叩き込まれる前に脱出に成功した
だがその後のジンの爆発の衝撃波に叩きつけられ、朦朧とした意識の中奇跡的にイージスの足のスリットに掴まり
ヴェサリウスにまで戻ってきたのだ
機体を着艦させた後、格納庫作業員が異変に気付き、緊急手術。何とか一命を取り留めたのであった
幸い頭を縫うだけの怪我ですんだのが僥倖だ

ラスティ・スエイン
赤服、G奪取作戦でストライクの奪取を目的として潜入
奪取後一歩と言うところで凶弾に倒れる、緑服支援部隊にてヴェサリウスに運ばれ
手術には成功するも意識不明の重体・・・
589R・E:2005/09/04(日) 03:38:45 ID:???
「・・・・・・すまない、俺のせいで―――」
「気にするな、怒っていないと言えば嘘になるがな・・・あのときのお前、ボーっとしててよ。一体何があったんだ? OSの設定ミスか?」
OSの設定ミス
いや、俺の心が生み出したミス
「あ・・・ああ、そうだ。あの後設定を直すので手一杯でさ、終わって戻ったときに意識が回復したって聞いてな・・・」
「・・・・そうか・・・」

言えない
俺の友人が
ストライクのパイロットで
そして俺の手で撃たなければならないかもしれないと言う事も

「5分です、申し訳ありませんがこれ以上の面会は」
「・・・わかった」
艦医に促されて立つ、言いたいことを言えないまま医務室を後にする
「アスラン!」
「? ミゲル?」
呼ばれて振り返る
「いつか、話してくれるか?」

「ああ、ミゲルが怪我治して帰ってきたときに、さ」
「ぬかせ、直ぐに治して帰ってくるさ」


つづく
590通常の名無しさんの3倍:2005/09/04(日) 04:29:03 ID:???
乙。
フレイがスゴいことになってるなw
591通常の名無しさんの3倍:2005/09/04(日) 11:05:48 ID:???
のこり10KBですが

>>R.E
いいぞスネーク
592通常の名無しさんの3倍:2005/09/05(月) 01:04:38 ID:???
保守

次スレ?
593通常の名無しさんの3倍:2005/09/05(月) 01:18:43 ID:???
これはSS投下していい流れ?
それとも悪い流れ?
594通常の名無しさんの3倍:2005/09/05(月) 01:34:55 ID:???
駄目駄目。次スレ立ってからにしな
595通常の名無しさんの3倍:2005/09/05(月) 18:42:01 ID:???
>>593
次スレ建て増した
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1125913165/
SS投下はそこでお願いします
596通常の名無しさんの3倍:2005/09/07(水) 00:24:14 ID:???
まだここが残っている。

修作投下するなら今のうち
597通常の名無しさんの3倍:2005/09/08(木) 02:36:38 ID:???
保守
598762 ◆9AUE2RuSV.
保守!!