プロジェクトX 〜技術士官達〜

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607530
ジムライトアーマー エースに贈られたエンジニアの微妙な悪意 前編

ジムの制式仕様が決定し、生産ラインが稼動を始めた頃のことである。
E氏は選考に漏れた各社のパーツの特性を入念にチェックしていた。カスタム機を
作るに当たり、パーツ同士の組み合わせの相性を見るためである。
「これは惜しかったな…」
E氏は3つのファイルを手に呟いた。F社のエンジンユニットとG社のバックパック
ユニット、それにビームスプレーガンに遅れて完成したハンドビームガンのファイル
である。F社とG社のパーツは共にコンペティションの最終段階まで残った、コスト
パフォーマンスに優れるものだった。だが両者とも同じ理由で不採用となった。
それは扱いにくい特性である。

F社のエンジンユニットは、数値的に見れば制式仕様のジムのエンジンユニットを
上回るパワーを弾き出していた。瞬発力と回復力に優れたエンジンユニットだったが
反面、ピーキーで扱いにくい特性を持っていた。
「おそらく一般のパイロットには扱いきれない」
そう評価されて、採用は見送られたのである。G社のバックパックもほぼ同様な評価を
受けて不採用となった。そしてハンドビームガンは、スプレーガンを上回る威力を
持つものの射程距離は短く、またエンジンへの負担も大きかった。

この3つの相性が抜群に優れていたのだ。
608530:02/04/17 16:48 ID:???
「惜しいな…」
E氏はもう一度呟いた。彼は、これらのパーツを使い切る腕を持ったエースが搭乗した
場合のシュミレーションを行ってみた。瞬発力を生かす接近戦に持ち込めば、ハンド
ビームガンの威力も生きてくる。だが結果は、機体重量によって機動性が損なわれ、
E氏が期待するほどの瞬発力は得られないというものだった。出来上がるのはおそらく、
強力だが射程距離の短い武器を持った、通常型ジムよりも多少機動性に優れるものの
遥かに扱いにくい機体である。その扱いにくさに対し、得られる性能は割に合わない。

装甲重量を減らす、という発想をE氏は否定した。シールド装備を前提としたジムの
装甲強度は既にギリギリのものだった。むしろE氏には不満だったほどだ。

「残念だが、この組み合わせはないな」
E氏の下した結論である。だがしばらく後、ジムの実戦配備が始まってすぐに届いた一通の
要望書がこの結論を覆した。ヤザン・ゲーブルという若いパイロットからの要望書である。
609530:02/04/17 16:50 ID:???
そんな事よりジム作った奴よ、ちょいと聞いてくれよ。
このあいだ、ジム届いたんです。ジム。
そしたらなんか、俺パイロットに選ばれてるんです。
で、乗ってみたら機動性低くて話にならないんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、俺様の野性の反射神経について来れない機体作ってんじゃねーよ、ボケが。
ノロマなんだよ、ノロマ。
なんかもうザクに負けてる奴とかもいるし。それは見て見ぬふりか。おめでてーな。
ザクを上回る高性能、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、装甲削っていいから機動性上げろと。
俺様はな、このあいだまでトリアーエズに乗ってたんだよ。
ドップのバルカン一発で撃ち落とされてもおかしくない、
生きるか死ぬか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。チキン野郎はすっこんでろ。
で、装甲削れって言ったら、整備士の奴が、貴方の安全を考慮して、とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、安全も糞も勝てなきゃ意味ねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、高い生還率を確保、だ。
お前は本当にジオンに勝ちたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、MS作ってみたかっただけちゃうんかと。

E氏はここで読むのをやめた。コメカミに青筋を立てながら笑顔で呟いた。
「この野郎…」
610530:02/04/17 16:53 ID:???
今日はここまで。続きは明日にでもUP出来ると思います。
611通常の名無しさんの3倍:02/04/17 16:55 ID:???
リアルタイムで見てたよ〜
期待sage
612530:02/04/17 16:58 ID:???
>>611
チョトハズカシイヨ…
613534:02/04/17 16:59 ID:???
同じくリアルタイムで、見てたよ。
続き待ってるよん。  俺とザクさんの作品比べてみたが、
旧名無しザクさんのほうが笑えてよかったかもね。
俺自身の作品は、仕事の暇な時でも。
614通常の名無しさんの3倍:02/04/17 18:33 ID:???
>>690 のヤザン・ゲーブル大いにワラタ。あんた紙^H神や!
615(・∀・)イイ!!:02/04/17 19:08 ID:???
(・∀・)イイ!!
616通常の名無しさんの3倍:02/04/17 19:34 ID:6CyYSeWI
4回シリーズでお届けする(予定)
シリーズ「ガンダムを復活させろ」

一回目の今回は夫婦の絆が作ったガンダムmk2をのはなし。
617通常の名無しさんの3倍:02/04/17 19:40 ID:???
シリーズ「ガンダムを復活させろ」
第一回 ガンダムmk2
連邦技術者達の意地と夫婦の絆

RX78 ガンダム、連邦軍のMS第一号にして
一年戦争の傑作中の傑作。
技術者の憧れでもあった。

フランクリン・ビダン、連邦軍のMS開発部門の部長である。
一年戦争においてもMSの開発に携わり、
いつか自分もガンダムを作る事が夢であった。
だが、当時の連邦は新型の開発に意欲的ではなく
任される仕事は、もっぱらジオンの開発途中のMSの
連邦へのマイナーチェンジだった。
「こんなのは俺の望んだMSじゃない」
フランクリンは不満であった。
それに加え、技術をねたに連邦に取り入った
元ジオンの技術者が研究室では高い地位を占めていた。
古参の連邦の技術者達は肩身がせまかった。
618通常の名無しさんの3倍:02/04/17 19:41 ID:???
そんなおり、フランクリンは材料工学者にして
彼の妻であり仕事上のパートナーでもある
ヒルダと共にある男に呼び出された。
ジオン残党討伐部隊ティターンズの指導者
ジャミトフ・ハイマンである。

「ガンダムを作って欲しい」ジャミトフは言った。
突然の申し出にフランクリンは震えた。
「あなた・・・」ヒルダが促した。
「私でよろしければ。全力を尽くします。」
フランクリンは答えた。

かくしてフランクリンは妻と共に
プロジェクトチームに編入された。
その顔ぶれを見てフランクリンは驚いた。
かつての一年戦争時代の同僚達だった。
もとジオンの技術者はひとりもいなかった。

ティターンズの象徴となるMSを。
ジャミトフはこだわった。連邦の技術者のみでの開発。
かつてのガンダムの開発者も多数集めた。

かくしてプロジェクトは始まった。
619通常の名無しさんの3倍:02/04/17 19:52 ID:???
プロジェクトは最初の一歩から暗礁に乗り上げた。
RX78ガンダムの設計図が手に入らなかった。
連邦の上層がガンダムに間連する資料を秘匿し
ジャミトフも手を尽くしたが失敗に終った。
「大丈夫です。設計図は有ります、私の頭の中に」
かつてのガンダムの開発者の男だった。

こうしてプロジェクトがようやくスタートした。

フランクリンが着目したのはムーバブルフレーム
というMSの内骨格だった。
当時はまだ一部のMSに試験的に採用されている
にすぎなかったが、フランクリンはこれが
将来の革新となると予見した。
620通常の名無しさんの3倍:02/04/17 20:06 ID:???
ムーバブルフレームの試作機が完成した。
結果は上々であった。
だが、フランクリンは全くなっとくしなかった。
「俺達は新型機を作ってるんじゃない、
ガンダムを作っているんだ。」
フレームを一から再設計させた。
フレームの再設計は60回を越えた。

だがフレームの完成度が上がるに連れ問題が浮上した。
精密すぎる構造にフレームの材質自体が持たない
という可能性が出てきた。

同じ頃、アクシズでは国家規模のプロジェクトの元
ガンダリウムガンマの開発に成功していたが
連邦上層はガンダリウムの研究開発に
まるで無関心であった。

フランクリンは悩んだ。ヒルダはいった。
「あなたはあなたの仕事をしてください
私はきっとあなたの作るフレームに
ふさわしい材質を完成させます」
フランクリンは妻の言葉を信じ
フレームの改良を進めた。
621通常の名無しさんの3倍:02/04/17 20:31 ID:???
フランクリンのフレームの完成に合わせる様にして
ヒルダの新素材が完成した。

完成したムーバブルフレームは完璧だった。
ヒルダの素材も良く耐えた。
独力でガンダリウムベータに近い近い新素材を
完成させた。かくしてRX78ガンダムの正統後継機
RX178ガンダムmk2が完成した。
622通常の名無しさんの3倍:02/04/17 20:35 ID:???
ドキドキ、ガンダムの完成につれて、かえって離れていく2人の心。
MK−2よりもビダン夫妻の心の動きの方が気にかかります(藁

ところで、ビダン夫妻はスタジオに呼べませんね。
すでに鬼籍だ…。
623その後のお話:02/04/17 20:39 ID:???
(ヘッドライトに乗せて)
3機完成したガンダムmk2のうち一機は
反地球連邦組織エウーゴによって奪取された。

ティターンズに残った2機は大破したが
エウーゴの一機はグリプス戦争を生き延びた。

エウーゴが連邦に編入され、ガンダムmk2が
再び連邦にもどった後、
第一にネオジオン戦争においても
第二世代にも達していない
ガンダムmk2は第一線で活躍した。
出撃回数、実に76回。単体のMSの記録としては
この記録は未だ破られていない。
624美談夫婦:02/04/17 20:40 ID:???
語られる話しには嘘が有り裏が有るというお話でした。
625通常の名無しさんの3倍:02/04/17 20:51 ID:???
>>623
おもろかったけど、美談=ビダンカヨ!
腹いて。(安易にネタしないでくれ!)(W
626通常の名無しさんの3倍:02/04/17 22:33 ID:???
ビダン夫婦の死を書き忘れた。
あと数字はいい加減なので信用しないで。
出撃回数は暇なひとは数えて下さい。
ガンダムシリーズではトップなのはまちがいないでしょう
627通常の名無しさんの3倍:02/04/18 01:58 ID:???
ヤザンの要望書にワラタ
628通常の名無しさんの3倍:02/04/18 12:47 ID:fftGmPgc
age
629ビグザム開発秘話:02/04/18 17:17 ID:???
ソロモンの落日 〜量産されなかった拠点防衛用MA〜

ジオン地球降下作戦が始まった頃、当時のソロモン指令ドズル・ザビから
ジオニックへ極秘のMA開発依頼があった。
『拠点防衛用MA』の開発だった。

まさに日の昇る勢いのジオンで、今まで例のない、しかも拠点防衛という
日の当たらないMA開発にジオニック開発部は難色を示したが、ドズル・
ザビ指令の命令である。MS開発部は次なるMSの開発で、どこも手が回ら
ない状態であった為、これに充てたのは補給艦や巡洋艦を製作する第12
ラボの面々だった。

ジオンは木星からの資源を押さえる事が出来たが、鉱物資源の配給には予想
以上の経費がかかり、依然本土を含む宇宙拠点では資源不足に悩まされていた。
そういった背景から戦艦以外は開発を凍結し、今あるモデルと生産ラインで繋ぐ
シフトに、奇しくも変更辞令が降りたばかりであった。
630ビグザム開発秘話2:02/04/18 17:17 ID:???
こうして第12ラボは『拠点防衛用MA開発』という任務が与えられたのだが
周りの目は冷たかった。誰もが考えていたことだが、攻め続けなければ資源
に乏しいジオンは負ける。連邦軍が対MS兵器、もしくは対等に戦う事のでき
るMSを開発するまでが勝負だと。
第12ラボの面々は困惑した。
当時の設計担当のAは当時の事をこう振り返る。
「あの頃、優秀な技術者は競ってMSの開発をすすめていました。攻める事に
最大の着目を置いていた訳です。我々は態よく窓際に追いやられたようなもの
でした。」

ソロモン指令、ドズル・ザビは拠点防衛という膠着に陥った状態の事を、既に
頭の中に描いていた。領土、資源に乏しいジオンは、持久戦に持ち込まれた場
合、圧倒的不利に立たされる事になる。そうなると、輸送ラインの死守は絶対
条件になり、どうあっても拠点を押さえられる防衛用MAが必要だった。
631ビグザム開発秘話3:02/04/18 17:18 ID:???
ドズルの構想は、このMAの量産化、つまり各拠点に配置する事が最終的な目標
であった。将来は地球侵攻への磐石の体制とすべきものにする計画であった。
ドズルは、総括指揮をとるCを訊ね、打ち合わせをしながらこう言った。
「残念ながらジオンの今の国力では、連邦を一気に叩く事はできない。総帥は
必ず一時停戦を結ぶはずだ。問題はその後なのだ。連邦がMSを開発する事は
火を見るより明らかだ。だから、拠点を押さえる磐石の体制がどうしても必要に
なって来る。頼む。この計画はジオンの存亡がかかっているのだ。」
Cは胸を打たれた。

設計担当Aは、頭を捻った。拠点を死守するということならば、直撃を受けて
あっさり落ちてしまうようなものであってはいけない。技術担当のBは、草案段階
から対ビーム兵器コーティングなるものを考えていた。ビームの重金属粒子を特殊
な物質を含んだ塗装によって弾きかえす。これを実現するには、まずミノフスキー
物理学を学ぶ必要があった。Bはミノフスキー研究所を訊ねた。
その頃のミノフスキー応用学は、粒子のイオン反発作用を用いたミノフスキー・ク
ラフトが実現段階に入っていた。Bはこれに目を付けた。
打ち出されるビームの粒子を、ミノフスキー粒子による干渉で弾き飛ばすIフィール
ドという装置を、研究所の協力で開発する事になった。
632ビグザム開発秘話4:02/04/18 17:18 ID:???
その頃、設計を担当するAから、その驚くべき機体デザインの発表があった。
そのMAには足があった。ラボの面々は面を食らった。
MAというものの一般的な解釈として、足や手が存在するのは、あからさまにおかし
な事であったからだ。
しかし、Aはドズルの提唱する『拠点防衛用汎用MA』の将来像を見据えるべく、
重力下での使用をも視野に入れていた。新たなデザインを考えていたのでは遅すぎる。
地球上では装備の変更のみで対応できるように設計を進めた。

Iフィールドの開発は順調にすすんでいた。ジェネレーターから粒子を拡散する装置
までは電光石火のスピードで開発が進んだが、その拡散した粒子を装甲面に薄く吸着
させる事ができなかった。ミノフスキー粒子そのものは安定した物質だが、イオン化
した粒子ははげしく飛び回る性質を持っており、これを規則正しく吸着させる事など
無理だと研究者は考えていた。Bは焦った。何故ならば、連邦軍がMS開発に着手した
と噂されるV作戦の噂を耳にしたからだ。
「正直、Iフィールドの開発はあと3年はかかると思いました。表層に吸着させる方法
がなかったんです。ドズル閣下に会わせる顔がありませんでした。」(B談)
633ビグザム開発秘話5:02/04/18 17:19 ID:???
Iフィールド構想が頓挫して、Bは軍の資料課に入り浸るようになった。過去の物質で
吸着配置が成功した例がないか、化学と物理学の資料を朝から晩まで睨め続けた。
ノートへメモをとっている時、何気にセルロースの下敷きをめくりあげると次のペー
ジが静電気でくっついた。また、消しゴムのカスが下敷きにびっしりと吸着していた。
『これだ!』Bはすぐに研究所へ走った。
機体表面に電気を流し、特殊な物質を混ぜた塗装を装甲板表面に散布した。Iフィール
ドジェネレーターを作動させると、表層にうっすらと層が出来ているのがわかった。
Bと研究所職員は抱き合って成功を喜んだ。

設計担当Aと電装系エンジニアDはこのアイデアに喜んではいたが、同時に難色を示
していた。
「ジェネレーターと核融合エンジンの配置が困難でした。当時のIフィールド・ジェネ
レーターはかなり大型で、出力の割にエネルギー消費が激しかったんです。」(D談)
「初期の設定では大きさとして、ザクの2倍強以内の設計でしたが、装置の充実を計
ると、あと1まわりは大きくなってしまいました。」(A談)
同時に、Bも一つ問題を抱えていた。熱排出であった。エンジンやジェネレーターから
出る熱は半端ではなく、下手をすれば1時間足らずでオーバーヒート、メルトダウンで
自爆する可能性があった。なんとか熱を上手く排出する方法はないか・・・。

この問題に、第3ラボの技術者Eがジェネレーターから散布するミノフスキー粒子に
熱を排出する役割を兼ねるような配管システムを設計した。
「実現段階に来ている新技術を前に、それに協力しない技術者はいません。私はこの
機体に未来を感じました。」Eは思いの総てを、第12ラボの面々に語った後、ラボが
冷遇されていた頃の事を詫びた。
これによって、試作機が完成された。
634ビグザム開発秘話6:02/04/18 17:19 ID:???
〜その後の物語〜
(曲/ヘッドライト・テールライト)
UC.0079.12月、連邦は地球での制空権をほぼ押さえ、オデッサも奪還に成功。
ソロモンに迫るティアンム艦隊は新兵器ソーラ・レイをソロモンに向けて照射した。
これにより、本来出動するはずのない試作型拠点防衛用MA『ビグ・ザム』は起動する
事になった。開発を依頼したドズル本人が操縦していた。
「いよいよ我らの集大成が起動したんです。自分の息子が戦ってる気分でした。」
Aはア・バオア・クーの通信室のレーザー回線で、戦いの一部始終を見ていた。
1機でも多く敵を落として欲しい・・・。しかし、その願いも空しく敵の戦闘機がジェ
ネレーター配置部分である股間部へ特攻。戦局は逆転し、連邦の白い悪魔に斬られた。
同月、終戦をむかえ、ジオンは負けた。

毎年、戦没者墓地で、第12ラボの面々が「ビグ・ザム」とドズル・ザビの栄誉をしめ
やかに称えに来ている。
「ビグ・ザムは我々の青春でした。苦楽を共にした皆と、唯一理解を示してくださった
ドズル閣下と出会えた事が、私達の財産です。」
ラボの面々は今でも目を閉じるとビグ・ザムの勇姿が目に浮かぶと、熱く語った・・・。
635ビグザム野郎:02/04/18 17:22 ID:???
長文スマソ。
あと、テキトーに書いてるのでツッコミは堪忍して下さい。
636通常の名無しさんの3倍:02/04/18 18:13 ID:???
>>635
最近良作がつづいておなか一杯、
しかし、美愚挫夢野郎さんいい!!
「ビグザムが量産されなかった暁には」、って感じだ(涙
637530:02/04/18 19:04 ID:???
ジムライトアーマー エースに贈られたエンジニアの微妙な悪意 後編

「望み通りにしてやろうじゃないか」
機動性を高めてほしいと言う要望は他にも届いていたが、装甲を削れというのは
初めてだった。しかもこの男は既に現地の整備兵に実行を要求したらしい。
装甲を削る、これを認めるならばF社、G社のパーツにハンドビームガンの組み合わせは
有りだ。機動性とコストパフォーマンスに優れた機体が出来上がるだろう。だがそれは
パイロットにとって危険なMSである。実戦でどの程度使い物になるか予測がつかなかった。

「このヤザンとか言う若いので試させて貰おう」
E氏はコメカミに青筋を立てたままニヤリと笑った。
638530:02/04/18 19:06 ID:???
だが薄い装甲材を新規に作るのも一手間である。
「そうだ、アレがあった」
格納庫の中に、発注したわけでもないのに山積みになっている不採用パーツがあった。
K社が設計した装甲材である。ルナチタン並みの軽量化と低コストだけを目指し、
その強度のことを全く考慮していない欠陥品だった。

「軽いのです!」
コンペティションの席で、K氏は自信たっぷりに製品の長所を主張した。
「そして安いのです!」
「ボツだ」
K氏の最高の笑顔に向かって一言のみ発した。途端にK氏は怒り狂った。
「なぜです!我が社の製品は最高です!謝罪と賠償を求めます!」
理由を説明する気にもなれず、E氏は無視した。
「とにかくもう作った分は置いていきます!後で請求書を送ります!」

こんな理由でK社の装甲材のストックが格納庫に山積みになっていたのだ。
「アレを使うか…」
639530:02/04/18 19:08 ID:???
その夜、E氏は夢を見た。二人のサムライの決闘。優勢だったサムライの刀が折れて
敗北するという夢だった。
「どういう意味なんだろうか」
一晩寝るとE氏の怒りは冷めていた。ヤザン・ゲーブルの言うことにも理が無くはない。
「腕に覚えのあるサムライが、ナマクラ刀しか持てなかったために負けたとしたら、
 さぞ無念だろう」
だが夢の中で折れた刀は自分が作ろうとしている軽量型ジムのことかもしれない。
「それでも俺には本人が求める刀を持たせてやることしか出来ないじゃないか」
E氏はヤザンのために軽量型ジムを組み上げることを決めていた。
「その代わり文句は一切聞かない。どうなっても知らん」

こうして完成したRGM−79L・ジムライトアーマーは、名指しでヤザン・ゲーブルの
もとへ送られた。本来ならばモルモット隊でテストが行われるはずだったが、ヤザンを
テストパイロット扱いとすることで特別に許可が下りた。
「ヤザン・ゲーブル、お前の言う通りのジムを作ってやったけど乗りこなせますか?」
E氏は一筆添えた。
640530:02/04/18 19:12 ID:???
ヤザン・ゲーブルはジムライトアーマーを駆り、短期間に大きな戦果を上げた。
短期間だったのは、負傷して前線を退いたためである。機動性を損なわないために
シールドを装備していなかったことが負傷に繋がった。全治3ヶ月の重症だった。

ヤザンが高い戦果を上げたことで、ジムライトアーマーはエース機としての生産が
決定した。低コストなエース機として、カスタムタイプとしては生産数が多かった
こと、そして装甲の薄さからエリート軍人に回されることはなく確実にエースに届け
られたこと。この二つの理由でジムライトアーマーは優れた戦果を残した。エースの
技量がその扱いにくい機体を完全に御した時、ライトアーマーは無類の強さを発揮した。
そしてライトアーマーを愛機とする多くの撃墜王を生んだのである。

終戦から2ヶ月が過ぎた頃、一年戦争の撃墜王リストが公開された。その中に
ヤザン・ゲーブルは含まれていなかった。E氏はリストを眺めながら考えていた。
あの男が負傷することなく参戦していればこのリストに名を残したことだろう。
彼が短期間に上げた戦果からみて充分に有り得たことだ。多少責任を感じるところも
あり、E氏は退院するヤザン・ゲーブルを訪ねることにした。
641530:02/04/18 19:15 ID:???
E氏は覚悟を決めていた。
「あんなものを送りつけやがって」
そう言われたら喧嘩に応じるつもりだった。自分は要望通りのものを作ってやった
のだから。病院の玄関でE氏はヤザンを待ち受けた。

「せっかく名指しで贈ってくれたMSを壊して済まなかったな。あれはいい機体だった」
ライトアーマーを作り、送ったのは自分であると告げたE氏にヤザン・ゲーブルは
こう答えた。E氏の心は清清しかった。
「退院祝いに一杯おごらせてくれ」
ヤザンはE氏の申し出を遠慮なく受けた。

折しもその頃、別の場所で祝杯を上げている人物がいた。K氏である。
「彼等、多くの撃墜王はジムライトアーマーに用いられた我が社のテクノロジーの
 賜物です!我が民族の優秀性の証明に他なりません!祖国万歳!」
K社はライトアーマーの装甲材納入で高い利益を上げていた。だがそれが後の評価に
繋がることは一切無かった。
642530:02/04/18 19:16 ID:D21AUeEI
K氏は「ニホンちゃん」に登場する困った男の子です。押さえて書いたつもりだけど
不快になった人がいたら申し訳ありません。
643通常の名無しさんの3倍:02/04/18 20:20 ID:???
>>642
いや、アンタサイコーだよ(ワラ
644MS-05N 旧名無しザク:02/04/18 21:05 ID:???
みんな面白いね、立て逃げした自分が恥ずかしくなるよ。
645ビグザム野郎:02/04/18 21:24 ID:???
いや、ほんと良スレです。

>636さん
しかしホントに量産化されてたら、それはそれで・・・。(w
646636:02/04/18 21:55 ID:???
>>645
金と時間さえどうにかできれば、「美愚挫夢量産の暁にはー」
なんだろうけどね(W
647通常の名無しさんの3倍:02/04/18 22:47 ID:???
>ビグザム野郎氏
>願いも空しく敵の戦闘機がジェネレーター配置部分である股間部へ特攻
ここが切なくも笑えて(・∀・)イイ!
648F90/91:02/04/19 01:45 ID:???
わし、一番スローペース?
649F90/91:02/04/19 01:46 ID:???
コンペ当日。サナリィはF90一号機とAタイプ(強襲用)・Dタイプ(近接戦用)・Sタイプ(支援用)
の各オプションを。アナハイムは新鋭機MSA-120を持ちこんだ。
模擬戦が行なわれた。F90の圧勝だった。
審査に当たった高官たちから、驚きの声が上がった。
Gたちは勝利を確信した。
しかし、F90には唯一の、そして最大の弱点があった。
量産を考慮せず、すべてをゼロから作りなおした実験機であるがために、在来機との互換性がなかった。
多くのパーツが新造され、最終的にヘビーガン30機分ものコストがかかってしまったのだ。
結果、次期主力MSはハイ・ロー・ミックス方式で整備が進められる事になった。
高性能かつ高価な「ハイ」は開発から量産まで、サナリィが一貫して担当する。
それなりの性能で安価な「ロー」は試作機をサナリィが作り、量産はアナハイムが行うというものだった。

「ロー」は支援用MSとしての能力をも求められた事から、F90・Sタイプオプションを元に開発
される事になった。F計画チームは量産性をも考慮しつつ、可能な限りF90の性能を受け継いだ原型機・
F70「キャノン・ガンダム」を作り上げた。
しかし数ヶ月後、量産型であるF71「G・キャノン」を目にした彼らは愕然となった。
なんだこれは。我々の苦労が台無しだ。
採算性を重視したアナハイムは、ヘビーガンのパーツを流用する事でコストダウンを図った。
結果、F71はヘビーガンよりはいくらかましという程度の機体になってしまっていた。
その夜、MとYは自棄酒を飲んだ。
650F90/91:02/04/19 01:48 ID:???
落胆した彼らを元気付けたのは、Vタイプオプションの成功だった。
バックパックごとジェネレーターを交換することで、F90は大幅に出力を向上させた。
ヴェスバーもビームシールドも、問題なく作動した。
「ハイ」の原型機・F91は、Vタイプオプションをベースに開発される事になった。

新しい技術が導入された。
装甲と構造材を一体化し、なおかつ電装系としての機能をも持たせたMCA構造だった。
推力重量比が、大幅に向上した。
だがシミュレーションを行ったところ、思わぬ問題が判明した。
機動力が高すぎて、並みのパイロットには制御できなかった。
まるで、暴れ馬だった。

F91はこの時点における、MSの限界性能を実現していた。
だが、かつてニュータイプと呼ばれたような者たちにしか、乗りこなせない機体になってしまった。
リミッターを付けるしかない。Mが言った。
F71より一回り高いレベルに押さえる。それ以上のパワーを操れるパイロットが乗った時だけ、
全開で動けるようにすればいい。
だが、どうやってそれを判断するのか。
経過報告をよんだJは、一つの論文を思いだした。
バイオコンピューターによるマン・マシン・インターフェースに関する研究をまとめたものだった。
筆者はA。
Jは早速、彼女にコンタクトを取った。
651通常の名無しさんの3倍:02/04/19 12:55 ID:???
昨日、中島みゆき『短編集』を思わず買ってしまった。
家で号泣しました。(w
652通常の名無しさんの3倍:02/04/19 13:30 ID:???
「ふるさとに帰るさい〜しゅうにのれ〜るひとはいそぎなさいと〜♪」
653通常の名無しさんの3倍 :02/04/19 21:54 ID:8iLYEINY
ageるの
654通常の名無しさんの3倍:02/04/19 23:25 ID:???
最近読むのに夢中で全然書いてないw
655通常の名無しさんの3倍:02/04/20 10:49 ID:???
 連邦で、ボールに配属されるのは落ちこぼれ...
某スレでこんなの見つけました。
かわいそうなボール、、、誰かボクのボールを守って!!
656通常の名無しさんの三倍:02/04/20 15:19 ID:???
ザクってデザイナーはいるんですか?
657通常の名無しさんの3倍:02/04/20 16:14 ID:???
俺は思うのだが、一年戦争終了時にほかのMS(連邦系にせよ、
またジオン系にせよ)には活躍の場を与えられている描写が、
そこかしこに見受けられるのに、ボールだけはスクラップにでも
されたのか、ぜんぜん出てこない。 誰か>>655の要望どおり
ボール物語作ってやる!という奇特な人はいませんか?
(本来作業用なんだから、ボールこそ戦争休止期には大活躍しても
おかしくないはずなんだが)
658通常の名無しさんの3倍:02/04/20 16:41 ID:???
>657
想像にすぎんが恐らくは新型兵器の標的にされた物と思われ。
必要なくなった兵器の最期はそう言う物だよ…
659通常の名無しさんの3倍:02/04/20 17:20 ID:???
>>657
たしかにあんたの言うとおり
作業用なんだから出てきてもおかしくないね。
デラーズフリートあたりがジャンクや経由で持っていてもおかしくないよ。
660MS-05N 旧名無しザク:02/04/20 21:43 ID:/gSd5X.o
age
661ビグザム野郎:02/04/20 22:05 ID:???
今、引っ越し中なので、会社じゃないとうpできない
ので何だが、ボール物語・・・イイかも・・・。(藁
いつになるかわからんけど、挑戦してみます。

我こそはって人は先に作っちゃって下さい。(w
662 :02/04/20 22:21 ID:???
誰か空母ドロスの話もやってよー
ギレンがらみでさ
663通常の名無しさんの3倍:02/04/20 23:17 ID:???
>>662
自分で作れ
664通常の名無しさんの3倍:02/04/21 17:33 ID:nB1A/w8g
age
665530:02/04/21 18:30 ID:???
>>661
頑張ってください。

それからドップ開発史の完結編にも期待してます。
漏れの次回作はケンプファー開発記です。以下、予告編ってことで。
666530:02/04/21 18:36 ID:???
ケンプファー開発記

国井  「今回取り上げるのは強襲型MS・ケンプファーの開発に取り組んだ
     ひとりの技術者の物語です。強襲型MSとしては他にもジオニック
     社のゲルググMが有名ですね。スタジオに、ケンプファーとゲルグ
     グMの100分の1スケールMGモデルを用意してみました」

膳場たん「同じコンセプトのMSなのに全然別の特徴を持っているように見え
     ますね。共通点は実弾系武器を採用していることくらいですか」

国井  「ゲルググMの特徴は、背中のプロペラントタンク、いわゆる増槽で
     すね。そして量産型よりも厚い装甲と、量産型には装備されない 
     バックパックユニット。これによって機動性を高めているわけです」

膳場たん「対してケンプファーの装甲は薄いですね。そしてプロペラントタン
     クの代わりに外付けされているのは武器の山ですよ。両者の設計思
     想の違いとは何だったのでしょうか、国井さん?」

国井  「カコイイ…ハァハァ」

膳場たん「国井さん?」
667530:02/04/21 18:37 ID:???
国井  「ゲルググMは強襲して敵陣に入り込み、そこでMSを使った作業を
     行うことを目的に開発されています。機動性だけでなく、増槽に
     よって航続距離と稼動時間も高めているわけです。さらに厚い装甲
     です。ケンプファーの場合は豊富な火器を搭載しての敵拠点への強
     襲で一気に大ダメージを与えるという、一撃離脱がその開発コンセ
     プトになっているのです。ジムライトアーマーも強襲型に分類され
     ることがありますが、ジムの場合、対MSの強襲であるところがケ
     ンプファーとは違います。装甲の薄さと機動性の高さが共通してい
     ますが。ああ、ゲルググMの作業と言うのはコロニーへのGGガス
     注入のことです」

膳場たん「あの…国井さん、それ言っちゃいけなかったんですけど…」

国井  「マスターグレードケンプファー、カコイイ…ハァハァ」
668通常の名無しさんの3倍:02/04/21 19:07 ID:???
ドロス面白そうだな、誰かもう書いてますか?
かぶってなかったら久々に書いてみようと思います(筆遅だけどw)

ケンプファーーーー(・∀・)キタイシテマス
669通常の名無しさんの3倍:02/04/21 19:19 ID:???
イメージ変わるよ、国井さん(W
お笑い込みでここ最近で一番の出来!(ほかの人が悪いといってるんじゃ
ないよ)
670通常の名無しさんの3倍:02/04/21 22:08 ID:???
>668
ドロスはまだです。ドロスもいいけどザンジバルは?大気圏突入するし。
671通常の名無しさんの3倍:02/04/21 22:27 ID:???
自分で作れ、、、って俺が作りたいけど、、、
672通常の名無しさんの3倍:02/04/21 23:12 ID:???
>>670 ザンジバルもいいんだけど大型Ms母艦の方が書き易そうだったんで^^;


ところでRザク編¢アき読みたーい
673662:02/04/22 05:46 ID:???
ドロス開発記、ギレン厨の俺としては書いてみたいのだが
哀しいかな俺、文才ないんだよ。
理系だし、センター試験国語ボロボロだったし
668さん、何とか頼むよ!自分で作れ、とか言わずにさぁ
674通常の名無しさんの3倍:02/04/22 07:57 ID:???
>>673
自分勝手なお願いな上に、頼み方もなってないな。
も少し大人になれ。
675673 :02/04/22 15:39 ID:???
>>674、668
失礼しますた
676通常の名無しさんの3倍:02/04/22 18:31 ID:???
>>673 御気になさらず^^;

期待に添えるような物になるといいんですが
いかんせん過去の2作(ザクレロ、オデッサ)みたくヒューマンドラマっぽくなっちゃうんですよ
今回はがんがって技術者っぽいのを目指してみます

予告は今週中に出して話はGW中になんとか上げたいと思いますのでよろしくです
677通常の名無しさんの3倍:02/04/22 18:31 ID:uBrHXSYU
誰かWB建造秘話書いて!
『V作戦に込められた連邦の想い…』なんて適当な名前でもいいからさ。
678530:02/04/22 19:44 ID:???
ケンプファー開発記 悪魔に逆らったエンジニア 第一話

次期主力機選定コンペティションにおいてジオニック社に破れたツィマッド社は、
ドムの開発に成功して以来の勢いを失いつつあった。コンペティションに破れた
ことも充分な痛手だったが、地球での連邦軍の攻勢がツィマッド社にとってはさらに
追い討ちとなっていた。

「資源採掘の目的は既に果たしている。地球での戦闘は避け、戦場を宇宙に移すべき」
ジオン上層部にはこんな声が広まり始めていた。実際にオデッサの戦いから宇宙に
逃れたマ・クベ司令もそう主張するひとりであったし、地上部隊の中には地上の
味方との合流よりも、宇宙への脱出を選ぶものも出始めていた。

この事態は、陸戦用MSの需要の消滅を意味していた。ツィマッドの主力製品である
ドムが必要とされなくなってしまう。しかも宇宙用のリック・ドムの地位は、
ゲルググに取って代わられることが既に決定しているのだ。ツィマッド社は危機に
瀕していると言っても過言ではなかった。

そのツィマッド社に突撃機動軍上層部から極秘の開発要請が届いた。強襲型MSを
開発せよ、というものだった。
679530:02/04/22 19:46 ID:???
H氏は、ツィマッド社グラナダ支部でその開発要請について知らされた。
それまで日陰部署に追いやられていた自分が新型機の開発を任されると聞いて、
彼は喜んだ。だが話を聞くにつれ、心の中に不安が広がってくるのを感じていた。

「つまり、君が地球で開発していた闘士を量産可能なものに仕上げればいいわけだ。
 ギャンのエンジンを回す。それで形に出来るだろう」
H氏の上司は彼にそう告げた。新型が完成すればコンペティション無しで量産化される
ことが既に内定しているという。今のツィマッド社にとってみれば、飛びつきたく
なるような話だった。だがH氏には納得出来なかった。突撃機動軍がカスタムタイプ
である強襲型ゲルググの採用を決めたという話が技術者の間には知れ渡っていた。
その突撃機動軍が、なぜまた強襲型を求めるのか。しかも完成すれば即、採用する
という優遇の理由はいったい何なのか。そして何よりも大きな疑問があった。
680530:02/04/22 19:48 ID:???
「闘士は使い物にならないと判断されたはずですが」

上司は軍からの要望書を手渡して言った。
「突撃機動軍はそうは思わなかったということだ。この開発要請は闘士が存在した
 からこそ送られたのだ」
H氏は要望書に目を通し始めた。読み進むにつれて、彼の額に冷たい汗が浮かんだ。
「君がアレを作ってしまったからだ。君が責任を取らなくてはならん」

H氏は思わず声に出してつぶやいていた。
「これは特攻機だ」
681530:02/04/22 19:50 ID:???
今日はここまで。この話は4、5回に分けて書こうと思います。
682通常の名無しさんの3倍:02/04/22 20:20 ID:???
ケンポファ〜さいこ〜
ゲーム等では結構使えるが?
683通常の名無しさんの3倍:02/04/22 20:47 ID:???
紙の装甲に、もの凄い火力(;´Д`)ハァハァ
530さん、がんばって下さい。
684通常の名無しさんの3倍:02/04/22 21:04 ID:???
なにげにとんでもないことを発見!

このままのペースで書き込み続けると512KB超えてしまう恐れあり!!(W

AA板でもないのにどういうことだ(W
685通常の名無しさんの3倍:02/04/22 21:10 ID:???
現在344KB
686MS-05N 旧名無しザク:02/04/22 21:19 ID:???
う〜ん、確かに越えるかもしんない・・・
もし次スレ要求きたら立てますんで・・・
687530:02/04/22 21:47 ID:???
>>682
まあ見てなって…(ニヤリッ
688通常の名無しさんの3倍:02/04/22 22:01 ID:???
漏れもケンプファー編すっげー楽しみ
530さん期待してます。
689通常の名無しさんの3倍:02/04/22 23:31 ID:???
ROMってるだけですいません
楽しく読ませてもらってます
期待sage
690673:02/04/23 00:05 ID:???
668さん、アリガd(・∀・)
GWを楽しみにしております
691通常の名無しさんの3倍:02/04/23 00:13 ID:???
みなさんの作品とても楽しんでいますー。
簡単な保存ページ作りました。
マメに保存していこうと思います。
早めの次スレ移行も考えた方がいいかもしれないですね。
最近300K越えると不安定みたいなんで・・。

元気があったら物語別にまとめる予定です。

202さんのフラッシュとか
201さんのタイトル画像ってもうないんですかね?

ttp://isweb42.infoseek.co.jp/art/meta293/G_px/G_px_top.html
692682:02/04/23 04:58 ID:.NBOw.CU
>>530
へへ、俺もにやりと待ってるよ。
693通常の名無しさんの3倍:02/04/23 19:03 ID:???
もはや完璧にプロジェクトxのパロディじゃなくなってきてるな。
でも(・∀・)イイ!!
694530:02/04/23 19:15 ID:???
ケンプファー開発記 悪魔に逆らったエンジニア 第二話

新型MSへの要望は以下のようなものだった。

高い推力と機動性をもって多数の火器を搭載したまま一気に敵陣に突入し、短時間で
効果的な損害を与え、その後迅速に戦闘区域からの離脱を可能とする強襲型の機体で
あること。

ザクのパーツを流用してコストを押さえると同時に、簡易なメンテナンス性を保つこと。

装甲と稼動時間に関する要求は含まれていない。確かにこれはH氏が地球で開発していた
闘士の存在を念頭においた要望である。H氏はこの要望の持つ異常性にすぐに気付いた。
695530:02/04/23 19:17 ID:???
要望の中に書かれるような強襲とは本来MAの役割ではないか。MSとは桁違いの推力、
火力、さらに厚い装甲に覆われたMAだからこそ、効果的な一撃離脱戦法が見込める
のだ。それをMSで行えという。もし実際にMSで要望の通りに強襲を行った場合
どうなるか。敵陣への突入は果たせたとしても突入したMSはそこで武器を撃ち尽くし、
敵の追撃の中を丸腰で脱出しなくてはならない。敵陣での戦闘が長引けば、脱出の
ための推進剤が不足することも充分に考えられる。そしてそのMSは機動性と推力確保の
ためにロクな装甲を持っていないのだ。しかもザクのパーツを流用したその攻撃力に
対して低コストな機体。帰還を求めてはいないとしか考えられない。それを突撃機動軍
上層部は量産化しようとしている。地球からの撤退が始まっている今になって、
その開発計画を秘匿したままで。
696530:02/04/23 19:19 ID:???
H氏は上司に詰め寄った。
「これは特攻機だ。強襲型に名を借りた。こんなものを私に作れというのか」
「そうだ。君が作らなくてはならない。君が断るなら、他の者に回すしかない。
 君がそれでいいと言うのならそうさせてもらうが」
H氏には言葉が無かった。
「君が地球で闘士を作ってしまったからこの開発要請が来た。君が責任を取るべきだ。
 それに我が社が今どんな状況にあるか、君にも解るだろう」
H氏は呻くように言った。
「悪魔に魂を売れと言うのか」
思いがけない誠実な目で上司はH氏の目を見据えた。
「君は、要望通り、強襲型MSを完成させたまえ」

部屋を出て通路を歩きながらH氏は決意していた。闘士・ケンプファーを特攻機には
させない。パイロットが生還できる、要望通りの強襲型MSとして完成させる。
それが自分の使命だ。彼に開発を任せた上司の意図を理解していた。

「俺の魂を悪魔に売り渡すものか」
この日からH氏の苦闘が始まった。
697530:02/04/23 19:24 ID:???
第二話でした。>>691さんお疲れ様です。
698通常の名無しさんの3倍:02/04/23 23:33 ID:19FxHSYM
>>691 ナイス! お疲れ様でした〜^^

>202さんのフラッシュとか
>201さんのタイトル画像ってもうないんですかね?

フラッシュはあるけど出来たら製作者の方に再うpしていただきたいですね
699通常の名無しさんの3倍:02/04/24 00:05 ID:csMXmTaM
誰か、ガンダムハンマーを造った男たちで
書け
700通常の名無しさんの3倍:02/04/24 01:37 ID:iTWkddfA
ちょっと前にflashを作者の方のサイトから落とさせてもらったけど、サイト
にフォルダを移したって書いてあって、そのフォルダ名をURLの間にかま
したら落とせたよ。
701通常の名無しさんの3倍:02/04/24 02:00 ID:???
うーん。フォルダ名がおもいあたらないや。
ちょっと試してはみたんだけど。

本人様の降臨があるといいなあ・・。
702MIKASO ◆CFyZAKU2:02/04/24 07:20 ID:???
http://www.bg.wakwak.com/~sweet/swf/zaku.swf

flashは全部ここに移動したよ
703通常の名無しさんの3倍:02/04/24 09:50 ID:???
>>702
ありがとうございます!! リンクand保存させていただきます。
704ビグザム野郎:02/04/24 14:59 ID:???
〜宇宙を拓いた男達〜 コロニー建造とボールの誕生

宇宙世紀も一世紀を迎えようとしている。
サイド1からサイド7までのコロニー群は無数の数に達している。
このコロニーを建造した男達の汗と涙に迫る。

A.D2009年、地球上の国家は爆発的な人口の増加と地球の環境破壊を深刻な問題と
考え、国際的な条約機構を築き、新たに地球連邦政府を結成するに至った。
地球連邦政府は宇宙移民を提案し、第3者機関となる宇宙開発事業団を設立した。
その第一開発部が、現在のコロニー公社の前身である。

A.D2010年、政府は地方自治国家と宇宙開発事業団による諮問会議を開き、宇宙移
民の可能性と規模について論議。ここで事業団は、「やれるかどうかではない。もは
ややらねばならないところまで来ているのだ。」と反対する国家をねじ伏せた。
宇宙開拓時代の幕開けであった。
事業団は、当初火星のテラフォーミングを構想していた。火星の地下には氷の層が
あるという事が、以前から判っていた。しかし、環境が整うまでにあまりに時間が
かかりすぎるという事もわかっていた為、火星テラフォーミング計画は次世代にわ
たって開発していくこととなった。
次に計画していたプランが月面であった。地球に最も近い星(衛星)として、A.D
1950年代から基地計画等があった。が、重力が1/6になる為、住環境としては向か
ないとされてきた。「ここを第二の地球として開発できないだろうか?」事業団の
面々は、様々な思案を重ねた。
しかし、当時の科学技術では重力の問題等を解決できず、結局、月を拠点として、
現在のコロニーを建造する事になる。
A.D.2022年、月面にマスドライバーを施設。これによって、地球と月面を低コスト
で行き来できるようになった。月面には大規模な施設と一般観光用のリゾートが出
来ていた。だが、庶民には月面旅行など、まだまだ夢の話であった。
A.D.2030年、コロニーの規模が概算でまとめられた。直径5〜10km、幅100〜500
kmと、人類史上最も大きな単体の建造物となる事は間違いなかった。
草案から算出された資源は、地上の一国家並の物量であった。この資源量を採取する
には、人口が日に日に増える地球だけでは厳しい。そこで、月面に拠点を築いた時に
行った地質調査をもとに再度高精度な地質調査を行い、月面から鉱物資源等を採掘す
る事になる。
そしてA.D.2045年、第一号コロニー建造へむけて事業団が動き始めた。
コロニー建造は困難を極めた。百万単位の人員が地球、月、コロニー建造現場に割り
ふられていたが、現場の人員が圧倒的に足りなかった。時には隔壁を接続面へ運ぶだ
けで24時間を費やす時さえあった。『このままではダメだ。』当時、現場の指揮に
あたっていたAは、月面の技術開発部へ現場の悲痛な叫びを打ち明けた。
現場の作業員のほとんどは、地球から職をもとめて上がって来た者たちで、特別な訓
練をするでもなく、2週間の実地練習で作業をしていた。宇宙に慣れていない者たち
は無重力と慣性運動の前に、時には命を落とすような大事故を起こした。
Aは開発部の主任Bへ「シャトルのように中から作業できて、かつ、細かい作業もでき
るような汎用作業機をつくれないか?」と話をもちかけた。Bの返事は「私もそれを
考えていた。人命に関わる事だ。やってみよう。」Aは希望の光を得た
技術開発部では、その日から有人汎用作業用ポッドの開発が始まった。
設計をしたOは、宇宙空間の全周囲に対応できるように球体のデザインをまとめた。
主電源はソーラーバッテリーを積み、推進剤の噴射で移動するという簡単な構造で
あった。しかし、問題はマニュピレータだった。当初、一本足の汎用マニュピレータ
を装備していたが、物を掴んだときの加重(慣性運動を静止物体に掴まり強制的に
止めた場合の負荷)で、関節部がねじれを起こし、永く使用することができなかった。
また軸受けから振動が発生し、最悪、足が根元から折れてしまうこともあった。
この問題を解決するために、マニュピレータは2本装備となった。双方の軸の反動を
お互いが打ち消しあう事で、振動問題は解決した。また、ねじれに対しても関節の
マージンをとる事と、油圧による吸収体をつける事で解決した。
いよいよ、試験運用のその日、事件は起った。
宇宙空間での本格的運用は今回が始めてだった。テスト作業員を乗せ、作業を始めた
その時、思わぬアクシデントが起った。球体の機体が災いし、姿勢制御装置が上手く
作動しなかった。作業ポッドは制止もままならず、かなりのスピードで回転しはじめ
た。30分後、工作用クレーンと運搬用シャトルを使って止める事ができたが、作業員
は遠心力による圧力で死亡した。大変な不祥事だった。
この事故により、連邦政府の諮問委員会が再審議を訴え、コロニー建造そのものの是
非を再び問われることとなった。ここでAは喚問をうけることになる。
「ここでコロニー建造を中止させては、犠牲となった者たちに申し訳が立たない。」
Aは宇宙開発庁長官と地球環境庁長官を非公式で訪ねた。
「今、もし宇宙開発事業ならびにコロニー建造が中止されるような事があったら、
この先、どのように問題を打開していくおつもりですか?」もうAには後がなかった。
この質問に、口を開いたのは地球環境長官だった。「では、聞こう。2045年はあと
9ヶ月ある。この短時間にコロニーを建造することができるか?これでできなければ
君は辞任だけでは済まなくなる。どうだね?」厳しい口調ではあったが、もう地球に
も時間がないという切実な想いが見え隠れしていた。
「やるしかありません。」Aは9ヶ月間の猶予を与えられた。
710ビグザム野郎:02/04/24 15:02 ID:???
今日はここまでにしときます。例によってツッコミは堪忍してください。(w
711通常の名無しさんの3倍:02/04/24 15:45 ID:???
いいぞー!
712通常の名無しさんの3倍:02/04/24 19:01 ID:???
ボール開発秘話 (・∀・)イイ!!
713剃刀:02/04/24 19:33 ID:dEKpWXbA
そんな時期からボールがあったのか・・・・・(しみじみ
714Z開発秘話:02/04/24 20:37 ID:Yj91Katg
書くかどうか迷ったんですけど、書いてみます。とりあえず予告編。


グリプス戦役当時。たった一機で戦局を変えてしまった機体がある。
MSZ-006 SETA GUNDAM この機体には開発技術者の秘められた怒りと悲しみが
込められていた。

 「飛翔-Zガンダム- ある技術者の復讐」
715Z開発秘話:02/04/24 20:51 ID:l4V9qQwg
 
 「13番地事件」
 「復讐」
 「最強のMS」 
 「ある少年の書いた設計図」
 「可変」
 「崩壊する実験機」
 「友の死、そして新たなる決意」

 アナハイム・エロクトロニクスの月面本者の一室。
そこで酒をあおりながら涙を流している一人の男がいた。名はY。
大学も優秀な成績で卒業し、将来を嘱望されつつMS開発部門に配属された
男だった。しかし彼を変えてしまう事件が起きる。「13番地事件」彼は
ティターンズの起こしたこの事件により、最愛の妻と、娘を失っていた。
そんな彼を一人の男が呼びに来た。W。彼の大学時代の後輩で、昔Yと
二人で最強のMSを作ろうと語り合った男だった。
「開発部長がお呼びですよ、先輩」
「くびか・・・。」Yはこの時そう思った。しかし部長の部屋に行った彼を
待っていたのは意外な言葉だった。
「エゥーゴは知っているな?あそこから打診があった。かつてのガンダムの
ように一機で戦局を変えてくれるような機体を作って欲しいと。それを君に
やって欲しい。」
「やります!」Yはすぐにそう答えた。そしてWとともに部長の部屋を
出てすぐにつぶやいた。「復讐だ!これでやっと復讐ができる!!」
716530:02/04/24 21:49 ID:???
>>704 >>714
(・∀・)イイ!!
今日は一読者です。
717ドップ開発史:02/04/24 22:37 ID:???
久保「1年戦争の空の覇者として君臨したドップは、その後どうなったのでしょうか。
   それでは、エンディングです」

ドップは、1年戦争末期まで、活躍を続けた。
大空を自由に飛び回り、連邦軍の量産戦闘機の追随を許す事は、無かった。

しかし、MSを開発した連邦軍との、オデッサ作戦での敗北を契機に、
ジオンは兵站に深刻な打撃を受けていた。
伸び切った戦線、戦場が地上から宇宙へと移る背景。
宇宙が騒がしくなった時、ジオンの地上軍は、半ば忘れ去られた状態になった。
地上軍の末端の部隊に補給は届かず、MSを動かす事すらままならない部隊さえあった。

ドップも同様だった。
「老いた麒麟は駄馬にも劣る」
飛べない空の王者に、制空権を取り戻す術は残っていなかった。

ジオンは…戦争に負けた。

終戦後、元ジオニックの技術者達は、バラバラになり、それぞれが
それぞれの道を歩んでいた。ある者は孫に囲まれ、ある者は技術者の道を
歩み続け、またある者は全く別の道を歩んでいた。

しかし、ドップを作ったジオニックの技術者達は口々にこう言った。

「ジオンは確かに負けたかも知れない。失った物も大きい。しかし我々は手に入れたのです。
 大空と言う、ジオンに無い物を。それは我々の誇りです」

無から有を作り出した技術者達。

彼等は、戦争に負けたのでは無い。勝利したのだ。

終。
718ドップ開発史:02/04/24 22:40 ID:???
う〜ん。
なんか、随分待たせたワリには
淡白な終わり方をしてしまったかも知れない。

また、面白い切り口の物を書こうと思うので、
そんときは宜しくお願いします。
それでは。
719通常の名無しさんの3倍:02/04/24 22:42 ID:???
こないだ復元された秋水を見たよ・・。
なんか、今日読み終えたドップ物語と、
頭の中で重なったよ。

ずんぐりした形も、悲壮な決意も、
どことなく印象が似ているね。

ともかくおつかれさま。楽しみました!!
720(■一■)クローン・クワトロ:02/04/24 23:26 ID:p.D4zsJw
おもしろいではないか!このスレはすばらしい!!いずれは百式開発秘話なんてのも期待する!
自分勝手な願いではあるが・・・・・。
721Z開発秘話:02/04/24 23:47 ID:8EsfQmZo
Yはすぐに開発チームを組んだ。そのメンバーはほとんどがスペースノイド。
そしてティターンズのやり方に反発を覚えている者だった。彼らに対して
Yは言いはなった。
「俺のティターンズに対する復讐に協力してくれ!最強のMSを作り
ヤツらに復讐するのだ!!」
集まったメンバーは驚いたが、「最強のMS」と言う言葉に酔いしれた。

すぐに設計コンセプトが話し合われた。そして、機動力と格闘性という
ある意味矛盾した二つのことに重きを置いたMSを目指すことが決定した。

Y達は早速図面を引いていった。いくつもの機体が考えられ、その中には
かなりの能力を発揮するであろう機体の図面もあった。しかし、Yは
納得しなかった。「こんなもので戦況を左右できるか!こんなモノの何が
最強のMSだ!こんなモノではティターンズに復讐などできはしない!!」
そう、Yは思った。

そんな彼の元に一つのデータファイルが送られてきた。エゥーゴが
手に入れたガンダムmk-2のデータだった。それを見たYは思った。
「ティターンズの作ったモノでティターンズが潰されるのも面白い。」
そして、mk-2の「ムーバブルフレーム」に目を付けた。
「これは使える!」Yは思った。さらにそのデータに付け加えられていた
一枚の設計図にYは驚愕する。どうせ現場の素人が書いたモノだろうと
思ってみたモノには専門家にはできない、素人ならではの、いや、素人に
しかできない発想が盛り込まれていた。その図面には「ZEAT GUNDAM」
という機体の名前と「K ビダン」という設計者の名前が明記してあった。
722Z開発秘話:02/04/24 23:49 ID:8EsfQmZo
今日はとりあえずここまで!結構長い話になるかもしれないけど、
読んでくれるとうれしいっす。
723通常の名無しさんの3倍:02/04/24 23:54 ID:???
>>722
岩〜。
期待よ。
724通常の名無しさんの3倍:02/04/25 11:39 ID:AFqqO1qw
>>職人の皆様
ちょっと遊びのつもりでシャア専用にきたんだけど・・・
このスレから離れられなくなりました。
皆さん、最高です!!
1読者として期待しております。
725通常の名無しさんの3倍:02/04/25 11:54 ID:???
スレは暗唱に乗りageた
726Z開発秘話:02/04/25 14:46 ID:GOkX6xGQ
久保「さてここで、Yさんの後輩であり、Z開発チームの副チーフを務めた
   Wさんにスタジオにお越しになってもらっています。それではWさん
   どうぞ。」

国井「さて、今日は開発が決まったときのYさんの事について聞いてみたい
   のですが・・・。」
W「そうですね・・・あの頃の先輩はもう、なんていうか普通ではなかった
  ですね。ろくに睡眠もとらず、ずっと図面を引いてはうなり続ける。
  そんな感じでしたし、表情なんか、今まで私が見たどんな人の表情より
  も険しい顔をしてました。まさしく鬼の形相って感じの。」
国井「そうですか、。さてここで、Zがンダムを造るきっかけになったという
   ビダン少年の書いた設計図の一部をスタジオに持ってきていただきました。」

久保「これがその設計図ですか。では、これを元にZがンダムは造られたと?」
W「いえ、やはりこれは専門家の書いたモノではないので、無理のある所も多い
  ですし、このままでは作れません。けれども内部フレームの使い方なんかが
  私達、専門家では常識に捕らわれてできないような設計がなされていたので、
  Y先輩もその辺に感嘆したのではないでしょうか。」
国井「分かりました。さて、図面をひくことができたZがンダムですが、その後
   どうなったでしょうか?続きをご覧下さい。」
727Z開発秘話:02/04/25 14:58 ID:L.w4KMJ.
ビダン少年の設計図を元にYは図面を書き上げた。そして、開発チームの
面々と話し合いを重ねていったのだが、ここで一つの問題が発生する。
ほとんどの面で、条件をクリアしたZガンダムだったが、その高い格闘性と
裏腹に、本来の目標だった機動性の理論数値はあまりよくはなかったので
ある。開発チームのほとんどのメンバーが「この数値でも現存のどんなMS
よりも優れている。このままでも十分だ。」という意見だったが、Yは納得
しなかった。会議は暗礁に乗り上げた。

皆が押し黙っているとき、一人の男が手を挙げた。T。元々航空機を専門に
設計していた男だった。彼は言った。
「ドダイのような支援ユニットを作ってはどうでしょうか?そしてそれを盾
 として利用するのです。」
皆がこの発言にあきれかえった。所詮、MSの事を知らないもの戯れ言だと。
しかし、Yは違った。
「面白い!やってみてくれ!!」
その場にいた皆が驚愕した。
728Z開発秘話:02/04/25 15:20 ID:dWv0.xcQ
Tは独自の開発チームを任され、その支援ユニットを開発した。元々ドダイ
という原型があったので、その試作機はMSよりも早く仕上がった。
そんな彼らの元にmk-2の地球降下作戦の方がもたらされた。実践でのテスト
のため、その支援ユニット、フライング・アーマーはエゥーゴのアーガマに
おくられた。

ちょうどそのころ、遂に新型MSの試作機がロールアウトされた。
そしてエゥーゴから、テストパイロットとしてK中尉が赴任してきた。
Kを見てYは思った。「こんな青二才に、俺の最強のMSが扱えるのだろ
うか?できなければ即刻追い出してやる!」
しかし、Kは試作機をもてすぐにこう切り出した。
「この機体は格闘性と、機動性の両立をコンセプトにしていますね。しかし、
少々帰巣性が劣るのではないですか?」
Yは驚いた。なぜなら、まだ彼にはこの機体の説明を全くしていなかった
からだ。「この男・・・。もしかすると・・・。」彼は少しばかり、Kに
期待を寄せていった。

そして、試作機初のトライアル。Kは驚くべき数値を叩き出した。全ての
分野に置いて理論値の60%以上の数値を叩き出したのだ。Yは当初、
このハイスペック・マシーンではエースパイロットでも最初は30から
40%も出せばいい方だと思っていた。Kの実力は本物だった。

トライアルを終え、降りてきたKの前にYの姿はなかった。「認めて
もらえなかったか・・・。」Kはそう、思った。しかし、WがKに一枚の
メモを渡した。そこには一軒の居酒屋の地図が載っていた。「これは?」
KはWに聞いた。「ここで、チーフが待ってます。この機体の詳しい話を
したいからって。」困惑するKに対してWは言った。
「先輩なりに認めたって事でしょう。あの人、『能力のない奴と一緒に酒
なんて飲めるか!』って言ってはばからない人ですから。」
KとWは顔を見合わせて、笑った。
729ドロス編 予告:02/04/25 21:13 ID:KSbRPmfM
プロジェクトX 〜技術士官達〜
 

かぜのなかのす〜ばる〜♪

常識を遥かに超える巨大な船体と最大搭載数182機を誇るジオンの超大型空母ドロス
巨大な船体故に続発するトラブル、更に度重なる工期短縮命令
軍部の理不尽なな建造スケジュールに技術者達はどのように立ち向かって行ったのか
宇宙移民の真の自由を願った男達の夢と願いが巨大空母に命を吹き込んだ


次週 プロジェクトX 〜技術士官達〜 ジオンの偉大なる盾 空母ドロス誕生 お楽しみに
730通常の名無しさんの3倍:02/04/25 21:14 ID:???
Zガンダム面白いなー
頑張れ〜期待してるぞ〜
731662:02/04/25 23:48 ID:???
俺はドロスに期待
早くGWにならないかな
732通常の名無しさんの3倍:02/04/26 00:24 ID:G5u8IuXE
カミーユはCamille
なのでKではなく、Cでは・・・・・
つまらんつっこみでスマソ
733通常の名無しさんの3倍:02/04/26 00:30 ID:Rb2PwhX2
>>732
カミーユは少尉待遇なのでKってのはもともと別人と思われ
734通常の名無しさんの3倍:02/04/26 00:34 ID:Rb2PwhX2
>>732
カミーユは少尉待遇なのでKってのはもともと別人と思われ
735734:02/04/26 00:36 ID:Rb2PwhX2
アホやっちった
注意待遇だね、美談は
吊ってきます
736通常の名無しさんの3倍:02/04/26 00:38 ID:???
Kって昔オー(略)
737通常の名無しさんの3倍:02/04/26 01:10 ID:???
まさかKって、自損事故したあの…
738通常の名無しさんの3倍:02/04/26 04:02 ID:uKnGvSdE
ま、K・ビダンって言ってるし、職人さんの勘違いでしょ。
そんな些細なこと気にしないくらい面白い!
シャア板見てて田口の語りを脳内再生する羽目になるとは思わなかった。
739Z開発秘話:02/04/26 17:02 ID:AqYT3eQc
すいません!ホントに!!勘違いです・・・。Cなんですね・・・
カミーユって・・・。後読み返してみると誤字だらけ。(涙)
すみません。なるべく気にしないで読んで下さい。
740通常の名無しさんの3倍:02/04/26 17:04 ID:???
晴れてちゃんとしたHTMLにまとめられた時に修正できますよ。
だから職人さんたち気にせずにがんがって!
741Z開発秘話:02/04/26 20:23 ID:TJX6jS4E
その後、トライアルは順調に日程を消化していき、トライアルの度にYとKは酒を
酌み交わしながら、最強のMSについてや、その操縦方法について意見を出し合っ
た。その二人の様子は十歳は年が離れているのに端から見ればどう見ても昔ながら
の親友にしか見えなかった。

そんなある日のトライアルで、遂にフライング・アーマーを使ったテストが行われ
た。しかし、その結果にYは憤慨した。
「なんだこれは?!この盾として使った際の格闘性の下降の具合は?!こんなもの
で、最強のMSなどと言えるはずはない!」
Yは開発責任者であるTをなじった。
「この程度のモノしか作れないなら、貴様は首だ!」
「しかし・・・・これがいまの技術の限界で・・・。」
Tは言い返そうとした。だがYは聞く耳をもたなかった。彼はそのまま、自分の
設計室に閉じこもってしまった。
742Z開発秘話:02/04/26 20:41 ID:mTZhj7LY
トライアルを終え、コックピットを出たKは出迎えた開発チームに違和感を
感じた。
「どうしたんですか?」
Kは素直に聞いた。そして事情を聞いた。Wは言った。
「先輩は復讐に駆られて、周りが見えなくなったいるんです。このままでは、
この開発チーム自体がだめになってしまう・・・。」
「復讐?」
Kは聞き返した。そして、Yの悲しい過去を聞いた。しかし、その後彼が
とった行動は意外だった。彼はその話を聞くとすぐにYの部屋に向かった。

「誰も入ってくるな!」
Yは怒鳴った。しかし、Kはかまわず入っていった。そのとき、彼は見た。
Yが亡くなった妻と娘の写真を胸に泣いているのを。Kは聞いた。
「それが亡くなった奥さんと娘さんですか?」
Yは答えなかった。そんな彼にかまわずKは話を続けた。
「実は僕も13番地事件で大切な人を亡くしたんです・・・。」
Yはその話を初めて聞いた。Kの顔は涙に濡れていた。
「婚約者だったんです・・・。だから僕はエゥーゴに入った。最初は復讐の
ためだった。しかし、エゥーゴに入り、色々なティターンズの被害者を見て
僕の考えは変わりました。僕は復讐のためでわなく、こんな被害者を二度と
出さないために戦おうと決めたんです。ただ、それをあなたに聞いて欲しか
ったからここに来ました。失礼します・・・。」
Kは部屋を出た。Yには理解できなかった。大切な者を奪われたというのに、
そんなことを言い出すKの気持ちが。彼はただ、自分の部屋に佇んでいた。
743Z開発秘話:02/04/26 20:55 ID:9eGTLcZs
翌日、T達フライング・アーマーの開発チームはYの部屋を訪れた。
もちろん、やめる覚悟で。彼らはもう、Yにはついていけないと考えていた。

「そうか、やめるか・・・。」
Yは言った。
「ええ・・・」
T達は答えた。
「やめる前にこの映像を見てくれないか?」
T達は不審がったが、Yは構わず映像を見せた。そこにはティターンズの
可変モビルスーツ、「アッシマー」と戦うmk−2の姿が映っていた。
「何が言いたいのですか?」
Tは怪訝そうに聞いた。
「このティターンズのMSのように我々の作るMSも可変ができればどうだ
ね?そう、君たちの作ったフライング・アーマーと実験機を融合させるよう
にして。」
その眼からは昨日までのYとは何かが違う、そんな意志が読みとれた。その
眼を見たT達は答えた。
「できます!いや、やってみせます!!そうすれば今までの全ての問題が
解決するはずです!」
Tは力強く答えた。Yは満足げな表情を浮かべた。
744通常の名無しさんの3倍:02/04/27 12:35 ID:???
漏れは現役技術者なもので、「技術者が複数集まったらゼッタイこういう
トラブルおきるよねぇ」とか、「技術者どうしだったら、こういう考え方
はしないよね」とか色々と読んでて思うところはあるんだが、それでも
このスレは良いと思う。
ガンダムが創作で漫画でアニメなことを承知で、創作のレイヤを認めた上
で、創作の部分以降にリアルティを求めるという矛盾した思考があるけど、
それを今すげぇ理解した。
(何いってるのか意味不明だったらスマヌ)
745530:02/04/27 20:23 ID:???
>>718
ドップ開発史さんお疲れ様です。実際、MSパイロットにとってはドップの存在は
心強かったんだろうと思います。ドップのエースはMSパイロットから尊敬を集め
たりしていたのかも。しかし、実際というのが既に架空であるという罠。
ケンプファーの続きいきます。
746530:02/04/27 20:27 ID:???
ケンプファー開発記 悪魔に逆らったエンジニア 第三話

三次に渡る地球降下作戦の後、地球はジオンのMS技術者にとって広大な実験場となった。
本国から離れた新しい環境の中で彼等は自由に研究を行い、発想を形にしていった。

公国軍地球侵攻部隊直属の科学者達は、その豊富な開発資金を注ぎ込み今後の陸戦型
MS開発の指針とすべく、高性能機イフリートを完成させた。またジオニック社の
エンジニア達はグフの開発に成功し、さらにそれをベースに重装型、飛行試験型
などのバリエーションを展開していった。
しかしこの頃、新興勢力であるツィマッド社のMS開発は難航していた。

そこに転機が訪れた。それまで各社で別々に行われていた陸戦用MS開発を統合する
という決定が、ジオン上層部から下ったのだ。そして、これまでの各社のデータを
引き継いで新型の開発に当たる企業にツィマッド社が選ばれた。この開発統合は、
陸上での移動能力の低さを解消したMSの完成が遅れていたこと、そしてジオニック社に次期主力機開発に本腰を入れて取り組ませるために陸戦型MS開発から
手を引かせるため、この二つの理由で決定したとされている。

とにかくツィマッド社にとっては願ってもない幸運であった。統合に際してのデータの
引き継ぎによって、ツィマッドは多くの技術を労せずして手に入れた。これにより、
ツィマッドの技術力は大きく底上げがなされ、特にイフリートとグフ飛行試験型の
データを得られたことにより、ドムの開発に成功したのである。
747530:02/04/27 21:55 ID:???
ドムは量産化が決定し、ツィマッド社は勢いに乗った。次期主力機製造企業の
座も夢ではない。地球ではドムの改良と平行して、次期主力機を目指す新型機
開発が押し進められた。

新型機の方向性については二つの意見があり、それによって二つの開発チーム
が存在した。

ひとつは汎用人型兵器としてザクを上回るMSを目指したチームである。
ドムは強力なMSではあったが、その機動性はホバークラフトによって得られた
もので、人型の利点を生かすというMSが本来持つ性質からは掛け離れたものがあった。
これに納得せず、むしろ邪道と捕らえていたエンジニア達は少なくなかった。
彼等は人型兵器としての完成度を高めた新型で、正攻法でジオニック社に挑みたいと
考えた。彼等は自分達の実験機を騎士と名付け、ジオニック社と連邦軍を倒す存在と
するために力を注いだ。これが後のギャンの原形となった機体である。

もう一方はドムで得られた平面上での高い機動性を三次元で実現しようとしたチームで、
H氏がチーフエンジニアを務めていた。この開発チームではバーニアによる機体制御
システムを追求し、これまでにない高機動型MSの完成を目指した。彼等が導き出した
全身に配したバーニアでの機体制御理論は優れたものだったが、一方で必要なエンジンの
出力アップではそれほどの成果を上げられずにいた。その結果、出来上がった実験機には
稼動時間が短い上にロクな装甲を乗せられないという問題が残った。
748530:02/04/27 21:57 ID:???
この実験機はバーニア制御での短時間のホバー走行に成功し、また滑空移動さえも
可能としていた。全身のバーニアをフルに使った場合の爆発的な推進力はこれまでの
MSを凌駕するもので、その機動性においてはもうひとつの実験機である騎士を
上回っていた。しかし稼動時間と装甲の問題は兵器としては致命的なものだった。
さらに宇宙軍の暫定主力機に、ザクR型を押さえてリック・ドムが採用されたことで、
機動性よりも扱い易さと装甲強度を重視するという流れが生まれたことで、次期
主力機選定コンペティションに臨むMSには騎士が選ばれることになったのである。

コンペティションに向けて騎士には正式な開発コードが与えられ、完成型を目指して
本格的な開発がスタートした。その頃、H氏は失敗作を作ってしまった責任から
宇宙に呼び戻され、閑職に追いやられていた。H氏のMSはその荒々しい動きと、
厚い鎧を着込んだ騎士とは逆に裸同然の軽装だったことから、皮肉を込めて闘士と
呼ばれていた。つまり、実験段階での闘士・ケンプファーは全く評価を受けては
いなかったのだ。
749530:02/04/27 21:58 ID:???
第三話でした。ツィマッド社の歴史を作ってしまいました。ストーリーを作る
ためのものですので細かい突っ込みは御容赦を。
750MS-05N 旧名無しザク:02/04/28 11:48 ID:8hepuuc2
age
751Z開発秘話:02/04/29 00:17 ID:tNLu1FDs
国井「さて、ここで、K中尉に対する印象をWさんにお聞きしたいのですが?」
W「そうですね・・・彼は年が若くてどちらかというと大人しい感じの青年でした。しかし、
  Y先輩と飲みながらMS論に関して論議してるときなんかは違う人みたいでし
  たよ。」
久保「具体的には?」
W「結構喧嘩腰だったりして。普段の彼からは想像できないような。」
国井「そうですか。さてここでさらにもう一人、お客様をお呼びしています。フラ
   イング・アーマーを開発されたTさんです。では、Tさん、どうぞ。」

国井「やはり、ご自分の仕事がYさんに認められなかったときはショックだったで
   しょう?」
T「それは当然。けれど、今考えればやはり、サイズが大きすぎて、盾には不向き
  だったような気もしますが。」
久保「やめる気でいたのに説得されてまたお仕事をなされる決心をしたわけですが、
   その決め手みたいなモノは?」
T「そうですね・・・やはりYさんの眼ですかね。それまでは何か、まがまがしい
  感じの眼だったんですけど、我々を説得したときの眼は純粋に最強のMSを求
  める技術者のそれでしたし。第一、mk−2の資料を徹夜でみてその眼は
  真っ赤  でしたからね。これには答えてあげないと一技術者として恥っても
  のでしたし。」
国井「そうですか。さて、可変MSになることが決定したZガンダムですが、思い
   もよらないトラブルが発生します。では続きをご覧下さい。」
752Z開発秘話:02/04/29 00:28 ID:tNLu1FDs
Y達は早速可変MSとなるよう、図面を弾き直した。当然、T達の意見も交
えながら。作業は思いの外早く進んでいった。しかし、ここでYに信じられ
ない知らせが届く。それは、新しく実験機を作る予算は出せないという、上
司からの知らせだった。既に、フライング・アーマーと実験機を作っていた
開発チームの予算はぎりぎりだった。Yは難度も上司と掛け合った。しかし
答えはノーだった。Yは打ちひしがれた。「こうなっては、今使っている実
験機を改修してやるしかない。」Yはそう、思った。

開発チームの面々は実験機の改修に取りかかった。幸い、内部フレームに
ムーバブル・フレームを使用していたので、改修はそれほど難しいものでは
なかった。しかし、このころ、Yは自分の体に違和感を感じていた。
しかし、「チームの皆が不眠不休で作業しているのに責任者の自分が休むわ
けにはいかない」そう、彼は考え作業を続けた。そして実験機はどうにか形
になった。
753Z開発秘話:02/04/29 00:39 ID:Lyyos6ek
そして、可変テストを行うトライアルの日を迎えた。不安を隠せないYに
Kは言った。
「大丈夫です。あなた方が作ったモノでしょう?なら大丈夫です。」
そう、彼は言ってコックピットに乗り込んだ。

そして、運命の可変テストが行われた。Yたちは祈るような気持ちでそれを
見守った。

まず、一回目のMS形態から戦闘機形態への可変が開始された。実験機はき
れいな流線型の戦闘機に姿を変えた。
「成功だ!」皆がそう思った。そして胸をなで下ろした。

そして、MS形態に戻る変形が行われようとしてすぐのことだった。突如警
告を示す赤ランプがそこかしこのパネルに表示された。そしてYが実験機に
目をやるとその機体は既にバラバラに崩壊を始めていた。
「K中尉!脱出してください!早く!!」
マイクを握っていたWは叫んだ。機体からKの乗った脱出ポッドが発射され
た。しかし、ちょうどそのとき、そのポッドにのしかかるように機体の一部
が倒れてきた。
754Z開発秘話:02/04/29 00:56 ID:sExnA7rk
Yは救助班と共に事故現場へと急いだ。そして、そこには、腹部に大きな傷
を受け、肩で息をしているKの姿があった。
Yに気づいたKが言った。
「すみません・・・実験機がこんなことになってしまって・・・。」
Yは答えた。
「何を言うんだ!そもそも前の実験機を改修したことが間違いだったんだ・
 ・・だから・・・。」
そんな彼にKは語りかけた。
「これしきの・・・事で・・・この機体を作るのを諦めたりしないで・・下
 さいね・・・。この・・機体は間違いなく・・最強のMSになり・・ます。
 そ・・して、この機体は・・・スペース・・ノイ・ドの・・独立・の・・・
 象徴・・に・なる・・・はずです・・・。だ・・から・・・ぜった・・い・
 ・に・・・約・・・束・・して・・下さい・・・これ・・を・・完せ・・い
 ・させる・・と」
Kは今にも止まりそうな息をしながら言った。Yは答えた。
「ああ!!約束するとも!!必ず!必ず最強のMSを作り上げてみせる!ス
 ペース・ノイドの独立の象徴となるような!だがな!いくら最強のMSを
 作っても、それに乗る良いパイロットがいないとどうしようもない!!そ
 れはお前しかいないんだぞ!!分かってるのか!!」
Kはわずかに微笑みながら、そのまま息を引き取った。開発チームは悲しみ
に包まれ、誰も声すら出せず、立ちつくしていた。
755通常の名無しさんの3倍:02/04/29 03:53 ID:ZvQXvTnE
age
756通常の名無しさんの3倍:02/04/29 08:29 ID:???
ジュアッグ、ゾゴック、アッグガイ、アッグ…
こいつらの開発史、作っていただけませんか?
757通常の名無しさんの3倍:02/04/29 13:11 ID:???
>>756
のった。 ゴールデンウィーク明けぐらいに。
758通常の名無しさんの3倍:02/04/29 14:35 ID:???
ボール開発記おもろage
759通常の名無しさんの3倍:02/04/30 00:21 ID:Gfbslxr.
Y萌え応援age
760通常の名無しさんの3倍:02/04/30 01:44 ID:???
がぁむばつてくらあさい!age
761ドロス編:02/05/02 05:57 ID:WcKQg0Yg
・・・始まりは余りにも理不尽な要望だった
【機動兵器用の大型母艦の開発  尚、開発は極秘扱いとする】
しかも機動兵器の詳細は不明、唯一届けられた資料には搭載予定の機動兵器の
サイズが辛うじて書かれているだけだった

「これでは設計なんて出来ません、せめて搭載機のサイズだけでもわからないんですか?」
プロジェクトのリーダーを任される事になるMは社を訪れた軍関係者に詰め寄った
「軍規によりお話できません、次回の会議では此方からの要望書を提出します」
Mはそれまでに幾つかの案を用意する事になった

(取り合えず幾つかの案を考えてなくては、戦略・戦術的な運用方法も忘れるなよ)
自分に言い聞かせては見たものの不安で心が潰れそうだった
開発は極秘扱いの為にスタッフも選抜された、その中にMの学生時代の後輩のJがいた
Jは一度は軍人の道を選んだがどうしても天才技術者と言われたMの元で仕事がしたい一心で
今はMの設計局で働いていた

「失礼します」
翌日Mのオフィスを訪れたのはJだった
「この本を読んでいただけませんか、新型艦の開発のヒントになると思うのですが」
Jの差し出した本にはこう書かれていた
【 拠点防衛における機動部隊の重要性   サロス・ザビ 】
「10年以上前に書かれた物ですが今の我々を導いてくれるかもしれません」
Mは時の経つのも忘れて読みふけった、とても10年前に書かれたとは思えない内容だった・・・
762ドロス編:02/05/02 06:01 ID:WcKQg0Yg
・・・広大な宇宙空間全てを守備する事は資源に乏しい我が国には不可能である
更に戦略要塞を構築するには莫大な国家予算を投入しなければならず現実的ではない
我が国を守備する為には移動拠点とも呼べる空母機動艦隊の設立がもっとも現実的である
戦う為の艦隊ではなく、戦いを未然に抑える艦隊が最も望ましい。
本を持つ手が震えた、魂を揺り動かされた
Mはその場でスタッフを集めると指示を出した
「これから俺達が作ろうとしているのは全ての宇宙移民を守る巨大な盾になるだろう
皆の持てる全ての力を貸してくれ、建造するのは大型の宇宙空母だ」

「次回の会議までに幾つかの案を持って行く事になっているんだ
それぞれに案を出してくれ」Mもチームに加わると皆で早速幾つかのアイデアを出し合った
しかしチームの意見はは大型母艦を作るより小型、中型の母艦を多数製作した方が戦略、戦術両面から見ても
有利であるとの意見が多数だった、そんな中でJの意見は全く正反対だった

「資源の少ない我が国に必要なのは数≠ナはなく質≠ナある、いたずらに艦数を増やすのは
管理維持の手間や艦数のみに頼った作戦を軍部が断行してしまう危険性がある
そして何より戦いを未然に防ぐ事が必要なのです、まともに戦うのは得策ではない
敵を威圧し戦闘意欲を無くさせる、それこそが大型空母の存在意義なのです」
Mも同意見だった、少数精鋭の戦力を集中運用する事で軍事費を抑える事も今のジオンには必要だと訴えた
2人の意見に聞き入るうちに大型母艦の必要性を皆が理解してくれた
「これで軍部のエライさんにもカッコがつけられるな」笑いながらMが言った
しかし2度目の会議で軍部から明かされた事実はMを驚愕させた
763ドロス編:02/05/02 06:02 ID:WcKQg0Yg
Mは機動兵器とは新型の戦闘機だろうと考えていたが手渡された資料には見た事も無い
人型のロボットが書かれていた、「このロボットが新型機動兵器・・・」
「ロボットではなくモビルスーツです、我々はザクと呼称しています」
「このMsの母艦があなた方に製作していただく物です、軍部からの要望は【搭載Ms200機以上、
最前線で戦闘に耐えられる攻撃力と防御力、巡洋艦クラスの艦と戦闘陣形が組める速力】
さらに【工期は15ヶ月、2隻の艦を同時建造、工期厳守する事】
「馬鹿な!、15ヶ月でこんな化け物を2隻も作れとおっしゃるのか!?」
「既に国家総動員令も発令されています、是非ともジオンの未来の為に協力して頂きたい」
なおも食い下がろうとするMをさえぎるように秘書官らしい女性が口をはさんできた
「ギレン閣下もこの艦にはご関心がおありのようです」
冷たく言い放つ秘書官にMは何も言えなかった・・・
764ドロス編:02/05/02 06:02 ID:WcKQg0Yg
通常、新造艦の設計には最低でも1年以上の時間を必要とする、しかし今回は設計はおろか
艦の完成まで15ヶ月しかないと言う異常事態だった
「こうなったら基本設計と艦の基礎工事を同時に進めるしかない」
幸いにもグワジン級を製造したドックの使用が可能だった
起工式が秘密裏に行われその日から第673ドックの明かりが消えることは無かった

艦の製造には通常 線図を原寸大で書き、これに基ずいた作図から助材、外版等の実形を取る事から始まる
しかし肝心の設計図が無くてはその方法を取る事が出来なかった
工期を短縮する意味からも今までの工法を取る事が出来きず苦肉の策として
Mは基本フレームを分割設計する事を決意した、艦の防御力は低下するがそれしか方法は無かった
設計期間の短縮並びに部品の製造期間短縮は狙いどうりだったが 予期せぬ出来事が起こった

ジオン公国は本日地球連邦政府に宣戦を布告

宇宙世紀0079.01月03日、後に一年戦争と言われる戦いの幕が切って落された
部品の調達に奔走していたJはこの知らせをサイド6で知る事になる
(戦いが長引けばジオンは確実に不利になる、艦の建造を急がなければ)
部下に後を任せるとその日のうちにJはサイド3へと向った

その頃サイド3第673ドックの中ではジオンの快挙に誰もが興奮していた
「これで俺達は自由だ!」「連邦軍なんか蹴散らしてしまえ!」「ジーク・ジオン、ジーク・ジオン!」
高揚する人々の中でMは1人自分のオフィスに戻るとため息混じりにそっとつぶやいた
「・・・戦争が始まってしまった以上この艦の役割も大きく変わっていくな」
Mはあらゆる人脈を使って戦況の詳しい資料を集め始めた
Msザクがどの程度の戦闘能力を有しているかが一番の気がかりだった
Msの能力次第では予定搭載機をMsから戦闘・攻撃機に変更しなくてはならないと思った・・・
765ドロス編:02/05/02 06:03 ID:WcKQg0Yg
がサイド3に戻ったのは開戦から既に3週間経っていた
帰国の途中Jは元軍人の経歴を生かしてルウム戦役の戦闘記録を入手していた
それはJの想像を遥かに越える戦闘だった
Msは連邦艦隊に壊滅的な打撃を与えていた、しかもMs部隊には損害がほとんど出ていなかったのだ
それは旧世紀に大艦巨砲主義が航空戦力に取って換わられた歴史の繰り返しだった

一方Mは軍部の新たな要望に頭を抱えていた
【新型艦の軍への引渡しを2ヶ月短縮する】【対Ms戦を想定した兵装の充実】
「工期短縮だけでも受け入れがたい要望なのに、兵装の追加まで・・・」
しかし同時に届けられたルウム戦役の戦闘記録がMの技術者魂を揺さぶった
Msの戦果はMの想像を遥かに越えていた、Msを恐れる軍関係者の気持ちも十分理解できる結果だった
Mは自分でも不思議なほどMsに興味をもっていった、そして興味は新たな欲求を生む事になる
(俺の手で最強の母艦を作ってみたい、Msが帰る場所を心配しなくてもいい最強の艦を・・・)
766ドロス編:02/05/02 06:04 ID:WcKQg0Yg
Mは艦の設計に専念するためにJに現場の指揮と兵装配置をまかせる事にした
「兎に角1日も無駄に出来ないんだ、人員の配置や作業効率を十分に考えて作業に当たってくれ」
自分を信頼してくれるMの為にも 戦場にいる多くの仲間の為にもJは全力を尽くすつもりだった
Jは現場指揮をしながらルウム戦役の戦闘記録を自分なりに分析していった

敵を知り己を知る
対Msの防御については現役Msパイロットの意見を十分に取り入れる事にした
多くのパイロットの意見の中で最も有効かつ工期が短と思われる物は実弾連装砲による弾幕だった
Jは砲の配置設計に取り掛かったが思わぬ難題に突き当たった
「・・・艦が巨大すぎる」
艦全体を防御するには新型Ms母艦は余りにも巨大だった
現状では人員・物資両面から見ても艦全体をカバーする事は不可能だった・・・
767ドロス編:02/05/02 06:04 ID:WcKQg0Yg
が苦悩する毎日を送っている間にも艦の製造は驚異的なペースで進んでいた
兵装の配置場所を決めかねていたJをMが久しぶりに訪ねてきた
「俺の設計の方はなんとか一段落ついたよ、しかしお前は随分悩んでるみたいだな」
Jは今までのいきさつを説明するとMに向き直ってこう言った

「対Ms兵装はMsの射出口に集中させてそれ以外は艦の装甲を厚くする事でカバーしたいのですが」
Jの考えは、発進直後のMsは敵の格好の的になってしまう、味方Msが安全に発艦さえ出来れば
艦の護衛に当たらせる事も可能だ、それ以外の部分は艦の装甲と新しく開発された
ビームかく乱幕≠散布する事で防御させようと言うものだった

しかしMは否定的な意見だった
「味方Msに護衛させる案はいいが問題は艦の装甲を厚くして防御すると言う所だ
巨大な艦と言っても私が目指しているのはむしろ性能、搭載量の割には小さな艦≠セ
資源・予算とも無限に出てくるわけではない、軍からの性能要求を充たした上で
出来るだけコンパクトに作る事が大事なんだ」
Jは納得はしたが、これで又1から考えなくてはならないと思うと気が重かった

ため息を付くJに笑いながらMが言った
「射出口の方を分散させればいいんだよ、現状で9ヶ所予定している射出口をバランスよく配置すれば
ある程度の範囲はカバーできるはずだ、敵も兵力を分散させなければならないから一石二鳥だな」
(この人にはかなわないな)Jは苦笑いすると「では今から配置設計をやり直してきます
射出口と格納庫の配置案は明日までに持っていきます」
久しぶりにJとMの顔に笑顔が戻っていた・・・
768ドロス編:02/05/02 06:05 ID:WcKQg0Yg
(クニイ)本日は1年戦争最大級の空母、ドロスの模型をスタジオに展示しています
(クボジュン)しかし模型でこの迫力ですからね、実際にみたらどうなっちゃうんでしょう
(クニイ)艦の全長は492mですから、大きなビルが動いていると思うと凄いというより恐いですね
(クボジュン)それにしてもこんな大きな空母をわずか1年余りで作ってしまうなんて
 まさに奇跡ですね
(クニイ)本日はこの奇跡をなし得たMさんとJさんにスタジオへおこし頂いております

(M・J) 宜しくお願いします
(クボジュン)早速ですがこのプロジェクトで1番苦労した点はどのような所でしょうか?
(J)私はMさんの後をついていっただけですから、苦労らしい苦労はなかったですよ
(M)私はいつもJ君に後ろから突かれてたのが苦労ですかね(笑)
(クニイ)それにしても脅威的なスケジュールでしたね、設計と造船工事を同時に進めるなんて
 ジオンのMs開発技術の高さは皆さんご存知だと思うんですが、造船技術も素晴らしいですね
(M)元々資源の少ない国ですから、どうしても技術立国を目指すしかなかったんでしょうね

(クボジュン)それにしても大きな船ですね、これだけ大きいと良い乗り心地でしょうね
(J)良いと思いますが、一応軍艦ですから安心して航海出来ない分落ち着かないと思いますよ
(クニイ)お二人は乗船なさったんですか?
(M)私は試験航海の時に一緒に乗船させてもらいました、仕事が忙しくて乗り心地は覚えてないですが
(J)でも乗れただけ羨ましいですよ、私は結局見るだけで1度も乗れませんでしたからね


(クニイ)さて、その後のプロジェクトですが人こそが資源≠ニ言われたジオンですが
 その人≠サのものが逆にプロジェクトを苦境に追い込んで行きます
 しかし苦境を打破するのもやはり人≠ナした
 苦しい状況の中からどのように光を見出していったのか、また戦況はどのようにプロジェクトに
 影響したのか、それでは続きをご覧下さい・・・
769通常の名無しさんの3倍:02/05/02 06:07 ID:???
取り合えず前半です、残りはGW中に何とかしたいと思っています

(ギレン閣下のキャラが強すぎて上手くまとまらなくなってきた^^;)
770通常の名無しさんの3倍:02/05/02 13:37 ID:???
完璧かどうかわかりませんが
消えてしまったゼータのエンディングを上げておきました

http://isweb42.infoseek.co.jp/art/meta293/G_px/G_px_top.html
771通常の名無しさんの3倍:02/05/02 14:54
age
test
773通常の名無しさんの3倍:02/05/02 16:32
レス削除されたみたいですね・・・。もう一回書き直しましょうか?ついでに言う
と、もう少しエンディングがあるので、それはどのみち書こうと思うので・・・。
どうでしょ?
774通常の名無しさんの3倍:02/05/02 17:01
>773
期待してますよ!
775通常の名無しさんの3倍:02/05/02 19:39
>>773
普段はROMってますが、このスレめちゃめちゃお気に入りです。トーナメント経由でこの
板に来たんですが、このスレのおかげで住み着いちゃってます。続き&再アップ期待して
るのでがんがってください!
776Z開発秘話:02/05/02 20:33
Kが事故で失った開発チームの面々は意気消沈していた。そんなチームのメンバー
を集め、Yは言った。
「ここで俺達がやめてどうする?!なんのためにKが死んだか考えろ!俺達は最強
 のMSを作るんじゃなかったのか?!」
Yは迷いのない声で言い放った。そこにはかつて、復讐だけに生きていた彼の姿は
なかった。

開発メンバーは再びやる気を出した。実験機の事故原因の究明に始まり、設計図の
ひき直しを次々にこなしていった。そして新しい、完成形の図面がひきおわった。
ちょうどその頃だった。新しくできあがった図面を元に機体の開発を始めたときに、
Yは開発チームの皆の前で、倒れた。

病院に運ばれた彼はもう、自力で起きあがることもできなくなっていた。そんな彼
に代わりチームの指揮を執っていたWが見舞いに来たとき、Yは震える声で言った。
「俺の代わりに、あのMSを必ず完成させてくれ!俺や、Kのような人間を二度と
 出さないためにも・・・。」
それがWが聞いたYの最後の言葉だった。
777Z開発秘話:02/05/02 20:38
その後、W達開発チームは遂にそのMSを完成させた。そして、その完成形
の変形を行うテストの日がやってきた。皆の脳裏に、Kの時の惨劇がよみが
えった。
「頼む、今度こそ・・・!」
皆が、そう思った。

そして、運命の変形が始まった。MS形態から戦闘機形態へ。完成機は見事
な流線形に変わった。そして、戦闘機形態から、MS形態へ。これも驚くほ
どスムーズに変形した。それは幾度繰り返しても変形した。
「やった!成功だ!!」
誰からともなく、そう叫んでいた。そして、ここに格闘性と機動性という、
ある意味矛盾した二つの性能を両立させた最強のMS、
MSZ-006 ZETA GANDUMが完成したのである。

歓喜に打ち震えるチームの面々と少し離れたところに人影があった。
Wだった。Yの入院後ずっとチームの指揮を執っていた男である。
「Y先輩・・・K中尉・・・やりましたよ・・・最強のMSです。これは間
 違いなくスペース・ノイドの独立の象徴になります。観ていてくれました
 よね・・・。」
Wはそう、思った。彼の頬には熱いものが伝っていた・・・。
778Z開発秘話:02/05/02 20:52
久保「しかし、あの頑固そうなYさんがよくすんなりチームの指揮をWさん
   にすんなり任せましたね?」
W「いや・・・それが入院したての頃は『俺はKとの約束を守る!絶対にあ
  れは俺の手で完成させる!!』ってきかなくて、それこそ這ってでも行
  こうとしてましたよ。けれど私が『待って下さい。先輩がK中尉の意志
  を引き継いだように僕が先輩の意志を引き継いでみせます!だから、こ
  れ以上・・・無理はしないで下さい。それに残酷なことを言うようです
  が、そんな体で現場に来られても、みんな迷惑するはずです。』って言
  って説得したらようやく納得してくれましたけどね・・・。」

国井「さて、この頃を再び思い返されてどうでしたか?まずWさん。」
W「そうですね・・・あのころは先輩の後ろ姿ばかり追いかけてましたね・
  ・・。最初の頃の先輩の姿にはついていけないような所もあったけど・
  ・・。そして開発チームのみんなで一つの夢を実現させることができて、
  何よりうれしかったですね・・・。」
久保「Tさんは?」
T「あの頃の経験がなければ今の私はなかったでしょう。あの開発チームで、
  Y主任やW君と仕事ができたことが、私にとって何よりの誇りです。」

国井「さて、完成したZガンダムはその後、どうなっていったのでしょう
   か?では、エンディングをご覧下さい。」
779Z開発秘話:02/05/02 21:08
Zガンダムを開発したWたちは、その量産機である「Zプラス」を完成させ
る。この機体は地球の反ティターンズ組織「カラバ」に支給され、アムロ・
レイら「カラバ」のエースパイロットの手によって多大な戦果を挙げる。

Tはその後、ZZガンダムの開発に参加。そこで分離後のネオ・コアファイ
ターなどの設計を手がける。

そして、完成したZガンダムはmk−2に搭乗し、多大な戦果を挙げていた
最初に「Zガンダム」を考えた少年、カミーユ・ビダンの元へ送られ、ティ
ターンズを相手にその性能をいかんなく発揮した。そして、ティターンズの
指導者ジャミトフ・ハイマンを暗殺し、ティターンズの実権を握っていた男、
パプティマス・シロッコの乗るジ・オと戦闘をくり広げ、遂にこれを倒した。

しかし、その後地球圏の実権を握ったエゥーゴとザビ家再興を狙うハマーン・
カーン率いるネオ・ジオン軍との間に戦端が開かれ、Zガンダムはその戦争
に使用される。

スペース・ノイドの独立の象徴になるように作られたMSがスペース・ノイ
ド同士の戦争に使われる・・・。この状況を見たら、Yは何と言ったであろ
うか・・・。

彼の墓は今も、13番地にある彼の妻と娘の墓に寄り添うようにして、たた
ずんでいる。                           完
お疲れさまですー。うー感動。
>>770のバックアップとちょっと違う?
781Z開発秘話・作者:02/05/02 21:11
ようやく書き終えました。どうでしたか。なんか、かなり長くなっちゃった
気がする・・・。次回作はまだ考えてませんけど、もしかしたらまた何か書
くかもしれませんから、そのときはよろしくお願いします。
782Z開発秘話・作者:02/05/02 21:13
>>770とほとんど変わりませんけど、ちょっと表現変えたりして推考しまし
た。その辺に関しては770さんに感謝!
783MS-05N 旧名無しザク:02/05/02 22:19
そろそろ漏れの出番か?
待ってました!!
785MS-05N 旧名無しザク:02/05/02 22:32
GW中は忙しいから明けたときアクアジム編やろう
あの関節カバーはゴムなのかナー、
それとも謎の新素材か・・。 期待!!
エリオット=レム中佐が主人公のOVAが
このスレのおかげで見てみたくなった

と、いってみるテスト
788元ドップ開発史:02/05/03 21:21
そろそろ漏れも出番か?
>>788
トリアーエズ開発物語をおながいします(w
790通常の名無しさんの3倍:02/05/05 01:37
ガンガレ!
791バイアラン開発悲話:02/05/05 05:47
プロジェクトX〜〜技術士官編〜〜〜
かぜの中のす〜ばる〜♪
一握りのニュータイプが戦況を変えるといった現実
すなの中のぎ〜んが〜♪
非人道的な実験による人造ニュータイプ
みんなどこにい〜た〜♪
技術者達に求めらた、操縦者の安全を無視した強化人間のためのMS。
みあげ〜る者さえい〜ない〜♪
そこで起こった悲劇的な事故
ティターンズの技術者達はこれ以上の悲劇を重ねないために、普通の人間が
NTに劣っていないことを証明するためにある機体を開発する。
己のアイデンティティーをかけて

次週 プロジェクトX〜技術士官達〜 悲劇を繰り返すな!!バイアラン開発悲話 お楽しみに
792バイアラン開発悲話:02/05/05 07:02
1年戦争を経験し、NTの重要性を考慮した連邦は「人工NT」の開発と、
専用のMAの開発を急務とし専門機関『ムラサメ研究所』を立ち上げた。
そして、Yの指示の元に4人の子供達をPTとして強化人間の実験を繰り返していた。
大学院を卒業しティターンズに入ったMが最初に配属された部門はMRX開発研究所でありPT『one』
『two』(NTを作った男達参照)の悲劇の少し後であった。
Mは研究所に入ったとき所長がまったく笑わないのが気に入らなかった。(事件後、世論の反発と敵対勢力の
諜報を恐れ強化人間計画のPTのことは緘口令が敷かれていた)偏屈な人だと思った。
MはMRX計画のためのMAの組み立てが仕事であった。しかし一介のそれも入りたての若者には大した仕事が回って
来る筈も無かった。暇を持て余すことも多かった。
ある日、Mが所定の仕事を終え整備控え室に戻ろうとした時のことである。誰かががこちらを伺っているのが目に付いた。
おさげがチャーミングな女の子であった。
「こんなところで何をしてるんだい?お父さんは何処?」
Mは聞いた。女の子は不思議な顔をしてMを見上げた。
「お父さんは研究所で妹といっしょにいるわ。あなたは私のこと知らないの?」
Mは知らなかった。話すと彼女が『three』と言う名のYの娘らしいことがわかった。変な名前だと思った。暫くしてthreeを探してYが来た。
Yは笑顔で彼女に話し掛けていた。Mが初めて見るYの笑顔だった。
「この子の相手をしてくれてありがとう。良ければ時間が空いたらちょくちょく相手をしてくれないか?」
Mは断る筈もなかった。Mは戦争で親と妹を失っていた。threeに妹の面影を見ていた
それからMは一緒に配属されてきたC等と共に『three』と妹の『four』を相手に色々と面倒を見てやった。
はたから見れば本当の兄弟の様であった。
793 :02/05/06 09:55
バイアランなんて・・・・渋いとこ突いてくるね
頑張れ職人さん!
794バイアラン開発悲話:02/05/06 13:45
(久保)今日はムラサメ研究所でMさんと同期だったCさんにスタジオに起こし頂きました。
(国井)早速ですが、Cさん。あなたの目から見てそのころのMさんはどんな風にうつりましたか?
(C)はあ、入ったころのあいつはノンポリシーというか何と言うか、理想や理念は特に
持っていなかったと思います。無気力と言いますか…

(国井)と、言いますと?
(C)当時、戦争が終わって直だったという事もあり、軍隊に入ってくるやつは何かしら
 理想とか復讐とか理由があった奴が殆どでしたから。逆にMみたいな奴は皆無と言っ
 てもいいくらいでしたね。特にあの研究所には
(久保)確かにムラサメ研究所は人類の革新が研究みたいなとこでしたものね
(C)そうです。でもあいつは、『地球人はNTに支配される』といわれても鼻で笑って
信じない奴でしたから。

(国井)今でこそ共存し合ってますがあの当時はそういった説が根強かったですね。
で、Mさんと強化人間PT達との交流はどうでした?
(C)本当の妹達といった風でしたよ。Mは戦争で妹さんを亡くしてまして…。今になってみるとMがあんなに無気力だったのはそういったことも関係してたのでしょうかね。Mにしても僕等にしてもあのころが一番幸せだったかもしれません…。

(久保)はい。PT達と束の間の幸せを過していたMさん。ですが、その幸せを引き裂く
事件が起こります。そのことがMさん達技術者にいったいどのような影響を与えたか。
続きをご覧下さい。
795バイアラン開発悲話:02/05/06 14:35
その日の早朝、急な命令のためM達技術者はMRXの7号試作機を完成させた。
やけにコクピットが小さいことが気になった。
「おい、これに大人が乗れるのか?」
Mは言った。
「さあ?俺達下っ端には分からないよ」

昼頃にゲージが騒がしいことが気になった。しかし徹夜の作業のため技術者達は熟睡した。

夜、Mは目を覚ました。初めて自分が完成させたMRXを見てみたくなった。足は自然と
ゲージに向かっていた。
そこには知らない顔の科学者達とコクピットに座ったthreeの姿があった。目を閉じたまま身動き一つしなかった。『寝ている』と思った。
Yが知らないうちに隣にいた。
「M君、すまん。私はこの子を守ることができなかった…」
Mは頭が真っ白になった。Threeは亡くなってしまった。自分の組上げた機械によって。
そのことが頭の中を駆け巡った。
「なんで、なんでこの子が乗らねばならなかったのですか!!!こう言った事は大人がやるべきことでしょう?」
MはYに掴みかかった。Yは唯「すまん」とだけ言った。
796バイアラン開発悲話:02/05/06 14:40
MはYと共に彼の部屋に行った。ベットにはFourが寝ていた。Yは呟いた。
「すべてを君に話そう」
Mは初めて強化人間のことを知った。許せないと思った。
「あなたは、こんなこと許されると思っているのですか!!!」
Mは叫んだ。
「私は,端から許されることとは思っていない…」
Yは辛そうな顔で続けた。
「しかし、来るべき戦争を終結させるために、そして人類を革新させる為には避けては
通れない道なんだ」
「ではFourはどうするんですか?こんな幼い子を…また、見殺しにするんですか?」
「いや、そうはならん。彼女は記憶を消すつもりだ。そしてより完全な強化を施す」
Mは思わずYの頬を殴った。Yは倒れながら呟いた。
「これが、この子が生き残る唯一の道なのだよ…」
Mは何も言えなかった。

1週間後、Mはキリマンジャロベースへの転任願いを提出した
797MS-05N 旧名無しザク:02/05/06 16:11
age
いま気付いたけどこれって前にあった
NTをつくった男たち
みたいなやつとつながってるんだ・・
どちらも(・∀・)イイ!じゃないか
799684:02/05/06 20:18
ついに400KB突破!これからは別の意味でも
プロジェクトX「限界への挑戦」だ!
でも職人さんたち、頑張れよ〜
800MS-05N 旧名無しザク:02/05/06 21:33
よっしゃ!そろそろいくで〜

プロジェクトX

「制海権を取り戻せ!アクアジム開発史」
801MS-05N 旧名無しザク:02/05/06 21:51
UC0079後半
ベルファスト基地にジオン軍が侵攻した
しかし、連邦の試作MS隊の活躍によってそれは防がれた
その戦いを、間近で見る男がいた
彼の名はV
連邦海軍の対MS戦艦開発の技術士官だった
彼はその時上陸したジオンの水陸両用MSに釘付けになった
「MSが水中から来るなんて・・・」
Vには考えられなかった
しかし同時にVは考えた
「水陸両用のMSも連邦が作れば、海軍にとって大きな戦力になる」
Vは早速転属願いを出してジャブローへ行った
802MS-05N 旧名無しザク:02/05/06 22:08
ジャブローに着いたとき、Vに衝撃が走った
すでに連邦軍は量産型MSを完成させていたのだった
Vはすぐに本部に掛け合った
しかし、当時の戦況は陸上戦に重点を置いていたため認められなかった
それでもVは諦めなかった
「何としても制海権を取り戻したい」
毎日のように言い放ち、ついにRX−79の設計図を手に入れた
それと同時に、Vの熱意に動かされ上層部も開発チームを発足した
もちろんVをチーフにした
Vはその時こう言った
「ポセイドンが味方した」と
こうして、Vの戦いが始まった
803MS-05N 旧名無しザク:02/05/06 22:26
開発チームが最初にぶつかった壁は、機密性だった
ジムは宇宙地上万能型だったが、間接部は丸裸だった
そこで、間接部を伸縮できるゴムで覆ってみた
だが、関節が殆ど動かなかった
すると、開発チームの一人が言った
「足の代わりに大型スクリューをつければいいじゃないですか」
Vは言った
「だめだ、それでは水陸両用にならない」
皆黙りこんだ
出だしからの挫折に、Vは苛立った
ある日、いつもの通り出勤しようとした時Vはテレビの上のある物に気づいた
『両さんフィギュア』
そう書かれてあった
「そうだ、この手があった」
Vは足早に会議室に行った
804MS-05N 旧名無しザク:02/05/06 22:40
Vは皆に言った
「足にヒンジを取りつけろ」
ヒンジとは、膝の可動角度を上げるために取り付けたものだった
Vはホワイトボードに書いて説明した
チームは、湧き上がった
膝の部分に小型のヒンジを取りつけ、そこを蛇腹にしたゴムで覆った
足は、50度まで開く事が出来た
今度はそれを腕にも使おうとした
しかし、腕につけたところ、曲げた時の拡張でゴムが切れた
そこでVは、特殊な加工をした防錆素材を間接部に使った
皆の目が、希望に溢れた
805MS-05N 旧名無しザク:02/05/06 22:52
いよいよ、ボディーの開発が始まった
Vが目をつけたのは、連邦軍試作MSガンダムだった
ガンダムはすでに水中戦をしていた
Vは考えた
「ガンダムの装甲なら10気圧下でも耐えれる、しかしジムの装甲では無理だ」
コストの低下を図るため、もっと安価な素材でなければならなかった
これがチームのぶつかった第2の壁だった
悩むチームに、吉報が舞い降りた
ジオンの水陸両用MSが捕獲されたのだった
皆急いで倉庫へ向った
806MS-05N 旧名無しザク:02/05/06 23:09
捕獲されたのは、水中用ザクだった
すでにズゴックやアッガイが主流となっている状況では珍しかった
チームは総出で調査をした
そして、ボディーの部分で驚くべきものを発見した
それはガラスだった
装甲と装甲の間の小スペースにガラスタイルが入っていた
「そうだったのか」
Vは早速同じことを施した
「装甲の間にガラスタイルを貼れば同じ装甲でも水中6気圧まで耐えられる」
それはチームにとって画期的な事だった
そしてついに、ボディーが完成した
807MS-05N 旧名無しザク:02/05/06 23:25
最後に残された問題は酸素だった
宇宙とは違い、水中は長時間いなければならなかった
そうすれば、酸素の量もかなりの量を有することになった
これが、チームがぶつかった第3の壁だった
バックパックは推進剤が入るため、酸素を入れる場所が無かった
次ぎにボディーに入れようとしたが、ぎりぎりまでスペースを無くしたために場所が無かった
考えた挙げ句、バックパックの横にアクアラングをつけることになった
しかし、チームの一人が言った
「それでは敵に弱点を教えているようなものです」と
皆、何も言えなかった
沈黙を破るようにVは言った
「腕に入れよう」
チームのみんなは首を傾げて言った
「どうやって?」
Vは言った
「肩の上に魚雷発射装置と見せ掛けた場所を作りそこに圧縮酸素を入れればいい」
皆、目を見開いてうなずいた
こうして、水陸両用MS試作1号が完成した
808MS-05N 旧名無しザク:02/05/06 23:43
いくらかの試験出撃をした後、Vは改良しようと考えた
そのときの軍上層部はオデッサ作戦成功により、今度は海に目を置いていた
Vの上司が言った
「試作機を今後汎用機として量産化させる」
Vは反論した
「この機体はまだまだ改良しなくてはなりません、無理です」
しかし、上司は無理やりチームを解散させ、設計図を奪った
だが、上司の奪った設計図は偽物だった
Vはコンピュータのデータを基に新たな改良を加えた設計図を作った
数日後、設計図が偽物と判明し、Vは懲戒免職された
そして、Vの部屋にあった設計図を基に汎用水陸両用MSは完成した
その設計図にはMSの名が書かれてあった
「アクアジム」と
数日して、Vはジャブローを去った
809MS-05N 旧名無しザク:02/05/07 00:03
Vはキャリフォルニアベース陥落のニュースをテレビで見ていた
その戦闘の映像の中で、海岸から浮かんできたMSがいた
「アクアジム」だった
Vはほくそえんだ
UC0080
事実上ジオンは敗北し連邦との間に休戦協定が結ばれた
その連邦の勝利に、Vの開発した「アクアジム」が大いに貢献した事は言うまでも無かった
以後
水陸両用MS開発は、さしたる進展が無いまま何年も続いた
その間、水中用MSの主力は「シャアの反乱」までずっとアクアジムだった
Vの成した事は、後世水中用MS開発の「基準」として語られている

810通常の名無しさんの3倍:02/05/07 00:07
乙彼〜
リアルで応援してたYO。
811MS-05N 旧名無しザク:02/05/07 00:07
考えながらやってたもんで結構間違いあると思うけど勘弁してください
さすがに3時間で作るのは疲れた
逝って来ます
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・終わりが中途半端だな
812MS-05N 旧名無しザク:02/05/07 00:13
う〜ん、800越えたからやっぱ次スレの事とか考えたほういいの?
813バイアラン開発悲話:02/05/07 07:20
キリマンジャロベースに着任してから数年が経った。
Mは人が変わったように働き、設計主任なっていた。そんな
彼の元にMSの設計依頼が舞込む。
「強化人間専用の凡庸型MS」
依頼書にはそう書かれていた。Mは上司に詰め寄った。
「なぜ、こんなMSを設計せねばならないのですか?それよりも
一般パイロットが乗れるもっと強力なMSを開発すべきです」
Mは何度も上と掛け合った。この計画の裏に隠されていたものを感じとったからだった。
先の戦いで強化人間の活躍が凄まじく、それに目をつけたのだと思った
Mの熱意に当時直属の上司であったDが折れた。
「わかった。しかし、こちらとしても上を説得するのに時間が必要だ。その間に
NTや強化人間達と戦っても負けない優れたMSを考えておいてくれ」
Dは薄々、強化人間量産計画がこの依頼の裏にあると気づいていた。Dは人間としてこの計画は許すことができなかった。しかし、倫理観で動く人間は今では軍部の首脳に皆無となっていた。彼等を動かすには論より証拠で示すしかない、そうと思った。
1週間後、Dは一つの確約を取り付ける事に成功する。
『完成したMSと、木星で造られた新型MSとのテストマッチを行う。これに
負けたら、今後強化人間量産計画を発動し、その為のMSをキリマンジャロベース
で製造する』言外にそういうことを感じさせるものであった。
DはMにこの事を告げた。
Mは言った。
「この戦いは負けるわけにはいきません。強化人間は許されざる存在です。連邦や
人間のためにも。そしてこれ以上の悲劇を繰り返さないためにも…」
MとDは硬く握手をした。
そしてバイアラン建造計画がスタートした。
次スレのテンプレ職人さんに考えてもらいたい

に一票
プロジェクトX
−ターンAへの挑戦
どうだ!
816MS-05N 旧名無しザク:02/05/08 19:12
age
凡庸って…ネタですか?めっさ気になる…汎用?
818ツッコミ御免!:02/05/09 00:21
凡庸 [ぼんよう] すぐれた点もなく平凡なこと。また、その人やさま。並み。平凡。凡人。「―な作品」

汎用 [はんよう] 広くいろいろな方面に用いること。また、そのもの。「―機械」
あくまで独り言なんだけどさ、

503さんは>>609
ヤザン吉野家の完全版をうpしてくれないのかな・・・

 いや、よくわかんないけど
オレもまあ独り言なんだけどさ、

ギニアスってこんな感じでアプサラス作ったのかな


 いや、よくわかんないけど
iya,yokuwakannnaikedo(w
ていうか、相談なんだけどさ

こんな良スレAGEてもいいのかなって


 いや、よくわかんないけどさ
>>818
>>817
酒飲んで書いたから変換間違い気づかなかった。すまん、逝ってくる
824530:02/05/09 21:58
ヤザン吉野家完全版

そんな事よりジム作った奴よ、ちょいと聞いてくれよ。
このあいだ、ジム届いたんです。ジム。
そしたらなんか、俺パイロットに選ばれてるんです。
で、乗ってみたら機動性低くて話にならないんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、俺様の野性の反射神経について来れない機体作ってんじゃねーよ、ボケが。
ノロマなんだよ、ノロマ。
なんかもうザクに負けてる奴とかもいるし。それは見て見ぬふりか。おめでてーな。
ザクを上回る高性能、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、装甲削っていいから機動性上げろと。
俺様はな、このあいだまでトリアーエズに乗ってたんだよ。
ドップのバルカン一発で撃ち落とされてもおかしくない、
生きるか死ぬか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。チキン野郎はすっこんでろ。
で、装甲削れって言ったら、整備士の奴が、貴方の安全を考慮して、とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、安全も糞も勝てなきゃ意味ねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、高い生還率を確保、だ。
お前は本当にジオンに勝ちたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、MS作ってみたかっただけちゃうんかと。
エースの俺様から言わせてもらえば今、エースの間での最新流行はやっぱり、
軽量化、これだね。
安全性には目もくれず。これが漢の選択。
軽量化ってのはシールドを装備しない。それどころかマシンガンも持たない。これ。
で、ビームサーベル一本に全てを賭ける。これぞサムライ。
しかしこれだと接近する前に一方的に撃墜されるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない、っていうか、これで生還した奴は俺様だけよ。
まあお前、ジム作った奴は、機動性上げるために頑張ってくれってこった。
825534:02/05/09 23:04
>>824
おもしろい、完成型ャザン吉野家、と名づけよう!
漏れ820なんだけどさ、

たまにゃー独り言も漏らしてみるもんだなって・・・

まあ、530さんに感謝してるんだけどさ
827通常の名無しさんの3倍 ◆NyK2tjig:02/05/11 04:21
(ザニー)→陸戦ジム→ ジム →ジムコマンド→ ジム改→ ジムカスタム→  ジムII 
                (地上、宇宙)     (ジムクゥエル)    
・・・ジャベリン(藁 
 と、連邦の量産機の改善に携わった技術者たちの物語はどうでしょうか?
あぅ…ずれた…
しかもAGEてもた…

氏にます
829通常の名無しさんの3倍:02/05/12 18:39
今までずいぶん感動で泣かせてもらいましたが、
身の程わきまえず挑戦します。

プロジェクトX
不死鳥よ、翔べ!
―ノイエ・ジール開発秘話―
>>829
期待してます。
831おっさん ◆q6BYKsmI:02/05/12 18:49
にやり
832通常の名無しさんの3倍:02/05/12 18:50
>829

熱い志を持った者が、また一人、大いなる一歩を踏み出そうとしている。
833エロ医務エッサイム:02/05/12 18:53
>>824
>お前、MS作ってみたかっただけちゃうんかと。
死ぬほどワラタ。最高!
834ノイエ・ジール(オープニング):02/05/12 19:00
♪〜
敗戦 亡国 崩壊寸前
託された思い
戦争はもう終わったんです
あの男が 頭を下げた
絶望的 資源不足 技術者不足
失敗の連続
底をつく資金
意外な協力者
発想の逆転
パイロットがいない
できるわけないでしょう!
開発中止命令 廃棄処分
閣下もお喜びになる
死神
そして、再び
835ノイエ・ジール1:02/05/12 19:28
エーックス

ダブルオー・エイティー。
戦争は終わった。
その直前、開発部の技術者たちは、軍命令で行き先も告げられずに強制疎開させられた。
その一人、技術仕官S、腕はいいが偏屈者で通っていた。
はじめてIフィールドを使ったビグ・ザムの、複雑で微妙な全体設計を、ほとんど一人でやりとげた。
部下には、頭ごなしに命令するだけ。「貴様の腕など、信用できるか!」が口癖だった。
上官の口利きで結婚し、娘が生まれたばかりだった。
妻子を呼び寄せるどころか、二人のいる病院への連絡すらできなかった。
暗黒のアクシズで、Sは酒びたりになった。娘の顔を忘れそうになる自分を、許せなかった。
特別技術主任、その肩書きは、疎開してきた生産ラインの据え付けのためにだけあった。
何のために? 何もかも、やるせなかった。
836ノイエ・ジール2:02/05/12 20:26
Sは、アクシズへ来てはじめての客をむかえた。
「やっと・・・やっと・・・」それ以外の言葉は、まったく聞き取れなかった。必死さだけが、伝わってきた。
酸素欠乏症。ビグ・ザム搭乗員の生き残りだった。Sにビデオレターを手渡すと、急に客の言葉がはっきりしてきた。
執念を、感じた。
「ドズル閣下は、大変喜んでおられました。この機体を作ってくれた者たちに礼を言いたいと、出撃直前にその手紙をお書きになり、我々に脱出を命じた後、必ず渡してくれと。
 最後のご命令でした。閣下は、ソロモンを脱出する者たちのために、一秒でも長く時間を稼ぐ、それが俺のプライドだ、そうおっしゃって、あの白い悪魔に、単身ノーマルスーツで」
それ以上、言葉にならなかった。
ビデオレターは、完璧な保存状態だった。
「このすばらしい機体を作ってくれた諸君、ありがとう。私はこのビグ・ザムで敵と刺し違えられることを、神に感謝している。
 そして一つだけお願いがある。ビグ・ザムを越える救国の機体を作ってくれ。諸君になら、できるものと信じている。そうすれば、もう思い残すことはない」
ドズル中将の目に、光るものがあった。Sには、痛いほどわかっていた。
久しぶりに、娘の顔をはっきり思い出した。
こんな俺でも、できることがあるはずだ。Sは、酒を断った。
837ノイエ・ジール3:02/05/12 21:02
当時の開発部長は、員数合わせの技術音痴だった。士気の低下がはなはだしく、誰も新兵器の開発など考えていなかった。
Sは、ビグ・ザムの開発に関わった昔の部下や仲間を一人一人訪ねた。
「戦争はもう終わったんです」誰もが、同じ言葉で答えた。
Sを正気に戻そうと、6人がSの部屋に集まった。技術者の不足から、全員が管理職か教育職になり、現場からは退いている。
Sは彼らに、ビデオレターを見せた。静まり返った部屋で、Sは言った。
「我々は国を失なった。だが、失なってはならぬものがある。一度だけのお願いだ、力を貸してほしい」
皆、目を疑った。
傲慢不遜なあの男が、本心から頭を下げている。

特別開発チーム。部長は、中身を読みもせずに、決済の判を押した。
838ノイエ・ジール4:02/05/12 22:05
(クボジュン)
こうしてプロジェクトは始まりました。しかし、初めから大きな壁にぶつかります。
(クニイ)
ゲストをお招きしております。ノイエ・ジールのビーム兵器開発を担当なされたYさん。
Yさんは、官舎もSさんとご一緒だったとか?
(Y)
当時は人口過剰で住宅不足でしたからねえ。主任とは、寝食を共にさせていただきました。
(クボジュン)
では、続きをご覧下さい。

(ナレーション)
何も、無かった。
覚悟はしていたが、Sは、環境のあまりの違いに戸惑った。実験器具も実際に作ることができなかった。資源割り当ては、軍においてすら、極端に制限されていた。
コンピュータシミュレーションだけで全てを進めるしか、なかった。
基本的なコンセプトは決まっていた。Iフィールドを最大限に活用した長距離戦用の高機動の機体。ジオングで有効性が証明された多砲塔を採用し、接近戦用のビームサーベルも持たせる。
フラナガン機関を失なった今、サイコミュを使うわけにはいかなかった。
高速MA並みの機動力を持ったIフィールド装備のMS、それがSの回答だった。
839ノイエ・ジール5:02/05/12 22:49
最強の機体を作る。その思いに対して、現実はあまりにも厳しかった。
ジェネレーター出力の飛躍的向上、Iフィールド発生装置の小型化、低消費型ビーム砲の開発等々、どれも、気が遠くなるほどの回数の実験を必要としていた。
シミュレーションだけで解決するには、技術者が不足しすぎていた。
「シミュレーションだけでは、これ以上先へ進めません」
その言葉を聞かされるたび、Sは同じ言葉を返した。
「何とかする。少し待て」
実験のたびに、欠陥が明らかになった。試作ジェネレーターは爆発し、Iフィールド発生装置は時々働かなくなり、ビーム砲は威力が弱すぎた。
改善を繰り返す中で、Sは開発部の一年の予算を3ヵ月で使い切った。
そのことを知って、部長は慌てふためいた。とても予算の増額を政府に交渉できる男ではない。Sは、辞表を書いた。

(クニイ)
Yさん、大変でしたねえ。
(Y)
まあ、はじめからシミュレーションだけでできるとは思ってなかったんですが、進んでいけばいくほど、まったく新しいことに挑戦しなければならなくなりまして。
例えば、私の担当したビーム砲なんか、高出力にしたいのに低消費型にするという、まるで矛盾した要求なんですよ。
今思えば、シミュレーションだけでも少しは進めると期待していたのが甘かったですね。
(クボジュン)
危機に立たされたプロジェクトですが、意外な救いの手がさし伸べられます。

(ナレーション)
ミネバ・ザビの摂政、マハラジャ・カーン。
軍の士気の低下に、危機感を抱いていた。このままでは軍が暴徒化しかねない。焦っていた。
ビグ・ザムやジオングを越える救国機の噂を耳にしたとき、一気に目の前が開けたように思えた。
職を解かれたのは、部長の方だった。
840ノイエ・ジール6:02/05/12 23:17
プロジェクトチームは開発部から独立した予算と最大限の権限を与えられ、救国機の開発は、事実上の国家プロジェクトになっていた。
それでも、開発は壁にぶつかっていた。長距離戦を前提にする以上、全力稼働時間が短くては、まったく役に立たない。エネルギー補給の容易な要塞付近での運用を条件に実戦投入されたジオング試作型とは、話が違っていた。
どうしてもジェネレーターの大型化が必要だった。機動性の面からも、同じ結論が出された。
Sは、結論を下した。
「武装した大型ジェネレーター」
Iフィールドを装備していれば、装甲は限界まで減らしてもかまわない。もっとも大切なのは、機動性と、全力稼働時間だ。
設計が全面的に変更された。それはもはや、MSとも、MAとも呼びにくい何かだった。
それでも、敵艦隊を壊滅させ、無傷で戻って来られる目処はついた。
Sは、試作機の製作を命令した。
プロジェクトの開始から、2年が過ぎていた。
841ノイエ・ジール:02/05/12 23:20
すいません。今日はここまでです。
少し間があくかもしれませんが、ご勘弁を。
設定とかよくわからず、愛情だけで書いておりますので、
変なことを書いているかもしれません。
どうぞ、呵責のないツッコミを。

期待してるよ
843通常の名無しさんの3倍:02/05/13 00:25
愛情、いいじゃない。
844Z開発秘話・作者:02/05/13 00:28
>>829
ノイエは俺も書こうかと思った話だったけど、面白いので頑張って。俺もまだまだ
新参者だからこうやって他の人が書き始めるとスッゲーうれしい!俺もなんかまた
かこうかな・・・。ちょっと考えてるのは「ドゴス・ギア」の話・・・。どうで
しょ?
845通常の名無しさんの3倍:02/05/13 08:44
途中やめがいやで、時間、作りました。
エンディングまで、行きます。
846ノイエ・ジール7:02/05/13 09:24
機体名「ノイエ・ジール」
失なってはならないものを、意味していた。
試作機の製作は順調に進んでいた。

シミュレーターが完成し、テストパイロットが乗り込んだ。出てくるなり、パイロットは言った。
「だめだ! 俺なんかの腕じゃ、とても無理だ」
複雑すぎる射撃管制装置、盲点だった。
ブラウブロもビグ・ザムも、複数の搭乗員が分担して操縦・射撃を行なう。一人で多砲塔を同時に操作するには、ビグロの管制装置以上の単純さが求められた。

機体の仕様が確定すると、Sは知り合いの参謀に相談した。ドロス級のような空母を建造する力は、アクシズにはなかった。ノイエ・ジールを載せられる艦は、グワンザン級戦艦しか、なかった。
「できるわけないでしょう!」
にべもなかった。
これほどの大型機を載せると、自艦から直掩機を出すことができない。そうなれば、すきのない直掩ローテーションは組めなくなる。
旗艦のガードを弱めることは、艦の乗員ばかりか、艦隊全員の命を危険にさらすことになる。そうまでして使う価値のある兵器なのか?
Sは、それ以上の説得をあきらめた。

これらの話を聞きつけたマハラジャの側近が、こう報告した。
「救国機などと、大層な名前を付けていますが、実際はずうたいばかり大きく、まともに動かせるパイロットも、載せられる艦もない欠陥機だそうですな」
マハラジャは、激怒した。
問答無用だった。

射撃管制装置の簡素化と、補給艦をベースにした専用母艦の設計に取り組んでいたSに、摂政からの特別命令が届いた。
目を、疑った。
開発中止命令。
新技術確立のため、試作機の製作は現状のまま認めるが、性能試験の後、
・・・廃棄処分・・・
目の前が、暗くなった。
847ノイエ・ジール8:02/05/13 10:06
それから、Sは部屋から外に出なくなった。ドアの前におかれる食事にも、ほとんど手をつけなかった。
心配したYは、食事にワインを付けてみた。食事には手をつけてあったが、ワインは手つかずだった。Yは、少し安心した。
試作機の製作は、一層順調に進んでいた。皆、これがおのれの作る最後の機体だと、覚悟を決めていた。最高の仕事をする。それが、せめてもの意地だった。
試作機完成の日、やつれ切ったSの顔が、試作機を見て明るくなった。
廃棄されるために誕生した最強の機体。美しかった。神々しさすら、おぼえた。
「ありがとう・・・すまない・・・」Sは、泣き崩れた。皆、うつむいていた。それでも、誇らしかった。

(クニイ)
突然の中止命令、驚かれたでしょうね。
(Y)
悔しかったです。それしか言葉がないですね。
(クニイ)
Yさんはビーム兵器開発のスペシャリストとして、その後ガザCなどを担当なされたわけですが。
(Y)
このままで終われるか、という気持ちでした。ガザCに付けたような、高出力・低消費・低コストのビーム兵器を私がきちんと開発していれば、主任があんな思いをすることはなかったんです。
(クボジュン)
性能試験で、当初の予想を上回る成績をあげたノイエ・ジールですが、嘆願もむなしく、ついに廃棄の日を迎えます。
848ノイエ・ジール9:02/05/13 10:07
(ナレーション)
廃棄監督責任者、ユーリ・ハスラー提督。星の屑作戦派遣艦隊の司令官になることが決まっていた。強引な自薦により、監督責任者になっていた。
「見事な機体だ、性能も素晴らしい」感嘆した。
「ありがとうございます」Sは、さみしそうに答えた。
「書類上、廃棄はすでに完了している。そこで頼みなのだが、この機体を譲ってくれないか」
「できません。生半可に扱える機体ではないのです。閣下の艦も危険になります」Sは、腹を立てていた。
「それはかまわない。デラーズ殿からのたっての願いで、最高の機体を探していたのだ。それに、あの男に載ってもらえば、きっと、ドズル閣下もお喜びになる」
「なぜご存知なのですか」Sは、混乱した。
「彼が君を探し当てるのに、及ばずながら手伝わせてもらったし、この機体の開発にも、できるだけ尽力したつもりだ。
 この要塞は、キシリア閣下の側近のものになってしまったが、ミネバ様のまわりにだけは、わずかながらドズル閣下を忘れない者たちがいる」Sは、はっとなった。
「閣下、ありがとうございます」
「例を言うのは私の方だ。よくこれだけのものを作ってくれた。ありがとう。大丈夫、あの男なら、うまくやるよ」

あの男、アナベル・ガトー大佐。
「ソロモンの悪夢」の異名を持つ、スーパーエース。
最高の乗り手を得て、不死鳥はよみがえった。
849ノイエ・ジール10:02/05/13 10:45
(クニイ)
もうおひと方、ゲストをお招きしております。デラーズ・フリートのパイロットとして、星の屑作戦に参加なさったAさんです。
Aさん、デラーズ・フリート出身の兵は、ネオ・ジオン軍の中で、異常に死亡率が高かったという説があるんですが。
(A)
生き残った者たちに会うたび、あの戦いの話になります。皆、大佐にいただいた命だから、大佐のように、味方を救う盾となって死にたいと。
私も同じ気持ちだったんですが、生き残ってしまいました。
(クボジュン)
スタジオには、星の屑作戦に参加した連邦軍の新型機の模型を用意しました。
この機体を写した映像は、軍の機密指定が最近解除になったばかりで、初公開の機体なんですが、開発番号、名称、性能など、あらゆる公式記録が抹消されているという、まさに幻の機体です。
(A)
模型を見てすら、恐ろしいですね。生まれて初めて、恐怖で足がすくみました。新兵の時でさえ、そんなことはなかったのに。まわりに爆発をまき散らしながら、高速で向かってくるんです。大量破壊兵器のかたまりという感じで。
この模型にはないコンテナを持ってたと記憶してますが、棺おけのような形も不気味でした。ああ、死ぬんだ、とはっきりわかりました。
(クニイ)
この機体、どうお呼びになってたんですか。
(A)
私も含めて、今まで会った、生き残った者全員が、同じ名前で呼んでました。
死神、と。

(ナレーション)
ノイエ・ジールは、死神に立ち向かった。死の光列が、止まった。
死神を戦闘不能に追い込んだノイエ・ジールは、Iフィールドを失ない、限界に達していたジェネレーターからは、もうビームを撃つ力が与えられなかった。
それでもなお、ノイエ・ジールは連邦の艦を沈め、闘い続けた。
一人でも多く、味方を脱出させるために。
850ノイエ・ジール(エンディング):02/05/13 11:13
(クボジュン)
それでは、エンディングです。

♪〜
再び、Sの作った機体は、味方を救う盾となった。
マハラジャからの、開発部長就任命令が届いた晩、Sはスタッフと祝勝会を開いた。
久しぶりの酒、久しぶりの笑顔。
Sは穏やかに酒を酌み交わしていた。
翌朝、Sは姿を消していた。
主任は、奥さんや娘さんと、仲良く平和に暮らしている。
開発部長に就任したYは、そう信じていた。
そして、再び酒を酌み交わす時、俺はこれだけのことをしました、そう言えるようにしたかった。
今も、その時が来ることを信じている。

♪〜
不死鳥よ、翔べ!
―ノイエ・ジール開発秘話―   終
851ノイエ:02/05/13 11:17
長くなって、すんません。
誤字、ごめんなさい。
むずかしいもんですね。あらためて、職人さん、すごい!です。
応援、ありがとうございました。横取りしてしまってごめんです。(>>844
おっつー
ノイエジールはプラモ以外知らなかったけど
映像作品が見たくなったよ。
こんどみてみるね!
853Z開発秘話・作者:02/05/13 20:00
>>851
いえいえ、好きな機体なので書きたいなくらいで、話の筋を考えつかなかったから
書かなかったわけでして・・・。けど、デラーズ・フリートにどうやって渡ったか
とかがうまくかけててよかったです!
854通常の名無しさんの3倍:02/05/13 20:17
ノイエいいですね。
「好きな機体の話を書いているんだな」と思える。
要所要所に、ちゃんとクニイアナとクボジュンが入っているし。
>>854
たまには、国井さん、久保純の代わりにシャア、アイナ、とかきぼん。(w
Aさんがカリウスとかだったら、もっと幅が出て良かったかもなぁと思った。
ガトーのエピソードとか語らせたりして。
857通常の名無しさんの3倍:02/05/13 22:25
                 ( ̄ ̄<     / ̄>
                  \  ヽ   / /ソ
        プ ロ ジ ェ ク ト\  ヽ P r o j e c t MS
   ──────────────────────
         技術者たち /|_/ /\engineers
                 |   /   \   丶
                 \/       \__ノ
858まんまコピペです:02/05/13 22:27
          r、-,'´ ̄ ̄ ̄`ヽ,          , ‐-、
         ())>、r-‐―==='" `ー-、       ,O),‐-`、
       /|ノ  \ ◎   (O  ヽ     /,ハ ゚  ト,
       /O)    `、 `'、      `ー┬‐┴'-、i、_c‐' |
/     /   <())  〉、 `'ー----、_(Oi-、'-、ーr'_ `、/
      /       ∧_`'ー―---<  _,,_,〉ー`r' 〉'//
     /        /\ ̄ ̄|i´ ̄,ゝ、_____/、゚_く`、/-'/
/   /      ""/\ `'ー-y'´ ̄'y'´,〈/'ェェ'´了j:::::/
    /       /   \/   /ヾ// /`i  〈Z:::/
    /      "/     /〃   /ヾ//、/i>`i-、ノヽ,
   /     ' /    /    / /: /  / |`i  |
    l      /    /    /o.// ./  /| |::|| |
 . |    /    /    /,// /  / | |::::| l
   |    /    /ー--‐ '´// / /  /   ||>'´レ′
  :: |   /    /゚。゚。 ,,イ" / ト、/ /  |
 ::  |  /     〈'て))'´ /  /  〉/ i     |
   |_/       ̄´` /  /  レ' ◯。  |
/  :::     :::    /  /   ノ  /"    |
  :::     :::    /\/   l  ,'    |
 :::    ::       |  /    | |    |
     :::      レ′   |= |  、、  |
          :::    ::  |  `、   |
               :::   ト、_  |   |
              :::    ト、____|_  /
            :::     |    /
/   /         /   `'ー-‐'´

♪〜
不死鳥よ、翔べ!
―ノイエ・ジール開発秘話―   終
859通常の名無しさんの3倍:02/05/13 22:33
>>855
現実のプロジェクトXみたいに、その話の時間よりも10〜30年位後の人がいいと思う。

例えば、一年戦争の時代なら、CCAのキャラとか、Vのキャラクター使うとか。
シャクティとウッソとか、クロノクルとカテジナ(壊)とか(w
860ノイエ:02/05/13 22:44
>>856
すんません、自分の記憶では、
「ビーム主体の兵装では、あの機体には」
が、カリウス様の最期の言葉です。
なんか、好評なので、すごくうれしいです。
861通常の名無しさんの3倍:02/05/13 23:23
好評の要因は、845の
>途中やめがいやで、時間、作りました。
>エンディングまで、行きます。
この信念を一気に貫いたことにあると思うよ。
推敲かさねてじっくり長期間長編も一理あるけど
やはり短期間で情熱を濃密に出したのがいい。

スタートは5/12夕方でしょ?
短期間で情熱のままにグワーッとラストまで突っ走ったネタは、久しぶりだ。
熱いぜ。
6(^^)エヘヘ
情熱、いいじゃない
864通常の名無しさんの3倍:02/05/14 21:52
ア・バオア・クー脱出談やってほしい。コンペ島でも可
865通常の名無しさんの3倍:02/05/15 09:25
ノイエを名乗るのは畏れ多いので・・・。
本当に時間が取れなくなりそうですが、
書きたくなったので予告編だけ。
本編は気長にお待ちを。待ちきれない方はどうぞお書き下さい。

生産ラインを守れ!
―たった一小隊の叛乱―

一年戦争最大の激戦が行われた、宇宙要塞ア・バオア・クー。
そこにはジオン最大のゲルググ生産ラインがありました。
要塞司令部が混乱し、陥落が目前に迫る中、小隊指揮官は抗命を決意します。
次回は、ア・バオア・クー守備隊、スネークル小隊の活躍を描きます。
866通常の名無しさんの3倍:02/05/15 20:04
さりげなくage
867通常の名無しさんの3倍:02/05/15 23:04
開発秘話以外の話では、あの「オデッサ脱出編」という名作があるからなあ・・・
868通常の名無しさんの3倍:02/05/16 00:14
>>867 俺もあの話好き

ところでドロスはどうなったんだ、続きキボンヌ
(同じ職人さんだよね?)
869ビグザム野郎:02/05/16 03:14
〜宇宙を拓いた男達〜 コロニー建造とボールの誕生〜
=前半のあらずじ=

<参照リンク>
>>704-709

西暦2045年、人類は宇宙への移民を開始する。その遠大な計画と裏で支える技術の
葛藤が、様々なドラマを生み出した。
遅々として進まない作業に、技術者達は宇宙用作業ポッドを開発に移す。
度重なる失敗と、事故による犠牲。コロニー計画は窮地に追い込まれ、残り9ヶ月で
建造しなければならない所まで来ていた。
870ビグザム野郎:02/05/16 03:15
作業は再開され、ポッドの開発も同時に夜を徹して行われた。
技術主任Bは宇宙用工作機械メーカーを訪ね、宇宙空間での姿勢制御システムのアイデ
ィアを求めた。工作機械メーカーの設計担当のKという入社間もないが数々の面白いア
イディアを思い付くという若い技術者に会い、なんとか良いアイディアはないものかと
話し合った。すると、数日後、Kは思わぬアイディアを持って来た。彼は突然、机上で
宇宙ゴマを回して、「これで全てが解決するでしょう。」とニヤリと微笑んだ。
『ジャイロ現象』だった。軸となる前後、左右、上下の6箇所を基本に、モーター構造
の回生バッテリーを付けた。モーターを回す事によって軸ができ、地球ゴマの原理で
機体の安定を促す。このシステムは、後のMSに採用されたAMBACの原案であった。
これによって作業用ポッドにおける姿勢制御の問題が解決し、残りの期間をコロニー
建造に費やした。このポッドのおかげで、建造は爆発的なスピードで進み、納期に目処
が立った。
871ビグザム野郎:02/05/16 03:15
2045年12月、人類初の宇宙コロニーが完成した。
必要な重力を得る為に自転運動を開始。地球上と同じ重力値になるまで、加速・減速を
くり返した。今まで宙に浮いていたモノが外壁に向かって張り付いた。
大気は地球上と遜色ない微妙な混合比に設定され、土、水、植物等が次々と運び込まれ
た。そして、動物による環境テストが行われた後、記念すべきコロニーへの第一歩をA
が力強く踏みしめた。「何も問題ない環境なのに緊張で倒れてしまうんじゃないかとヒ
ヤヒヤした。」とAは笑いながら戯けてみせた。Aは感動で胸が一杯だった。
Aの首は皮一枚で繋がったばかりか、その後の第3者機関「コロニー公社」の最高責任者
に抜擢された。
872ビグザム野郎:02/05/16 03:15
その後、宇宙用ポッドは、その丸い形から『ボール』と呼ばれ、宇宙空間での作業に欠
かせない重要な役割をになう。2015年頃開発された核融合炉の小型高性能化が進められ
太陽電池から常時発電型にマイナーチェンジしたものの、その原形は約1世紀近く変わる
事がなかった。続々と建造されるコロニーに対応する為、年間実に100機以上が生産され
宇宙空間で作業する上でのスタンダードとして定着した。
その後、U.C.0078年、サイド3のジオン共和国のクーデターを発端に起こった1年戦争
の末期、作業用ポッドから兵器への流用が試みられた。無反動砲を装備し中距離支援用の
MAとして戦闘宙域へと配備されたが、作業用ポッドの域を抜け切れないボールは対MS戦
で多くの犠牲者を出し『丸い棺桶』と酷評された。
しかし、この戦争でMSが開発される礎となるノウハウが、このボールには数々あった事
は間違いない。AMBACを始めとした技術の革新が、その後の宇宙世紀を切り拓いた。
873ビグザム野郎:02/05/16 03:15
アナハイム・エレクトロニクス会長となったKは、現在は勇退し余生をサイド1で楽しんで
いる。
「当時を知る者は私しかいなくなってしまいましたが、ここに一枚のディスクがあります。
これは、最初の一番地コロニーで一周年記念に式典を開いた時のものです。」
ディスクの中ではAを始めとするコロニー建造とボール開発に関わった人々、そして試作
ボールで命を落とした作業員の遺影を持ったBが写っていた。
一番地コロニーの中央公園の小高く盛り上がった丘のにはスミレが植えられている。
一周年記念として植えられたものである。花言葉は『希望』。
未来への人類の希望の象徴として、いつもこの丘から全宇宙を見下ろしている。
874ビグザム野郎:02/05/16 03:16
やっとネットの環境が整ったので、コロニー秘話のつづきをウプさせていただきます。
遅くなって申し訳ないです。

       / __}干{____ヽ__
      /_,,===-----===/
   ,r ---| /  \ / ヽ|-- 、
  f/ ̄−|  r ヽ  r ヽ |- ̄ヾ,
  ゝヽ_,ノ| __ヽヒj  ゞソ.__ト、__ノノ
       l //  Y ヽ\ノ
       > 、 __ワ__,.< 他スレで凹んだり、不快な思いをしたみんな
     / | | | |\/| | | |\ ここでマターリしてね。
美愚寒さんありがとね。
876ドム開発史/抄:02/05/16 23:07
(エーーックス……)

ツィマッド社が生んだ傑作陸戦用MS―――MS−09通称「ドム」。
その頃、ツィマッドの技術者達は、ドムの完成を目指して最終試作の段階に入っていた。

「このMSは、戦局を一変させる」

従来のMSから大きく飛躍したポテンシャルを持つ機体。技術者達は、ドムが戦場を駆け、ジオンを
勝利に導く様を胸に描き、高揚感に包まれながら最後の調整を続けていた。

そんな中、一人暗く打ち沈み、頭を抱える男の姿があった。
ドムに搭載されるはずの白兵戦用兵器、「ヒートサーベル」の開発主任、Mである。

開発自体は何の問題もなく進行した。MS−06「ザク」に搭載された白兵戦兵器、ヒートホークに
比べ、出力、安定性、保守性、あらゆる面において勝る、完璧な製品であるはずだった。
しかし、実際に試作機にサーベルを搭載してのテストにおいて、あまりにも重大な設計ミスが発覚
したのだ。



そう、それはあまりにも重大で、あまりにも馬鹿げたミスであった。



―――ドムには、ヒートサーベルが、抜けなかったのだ。
877ドム開発史/抄:02/05/16 23:08
(オープニングテーマ:「地上の星」 詩/曲 中島みゆき)

風の中の昴 砂の中の銀河
 [完璧なはずの計算]
みんなどこへ行った 見守られることもなく
 [最適なはずの角度]
草原のヴィーナス 街角のペガサス
 [間違っていた基礎データ][存在しない解]
みんなどこへ行った 振り向かれることもなく
 [可動範囲の限界]
地上にある星を 誰も覚えていない
 [固定観念][自らに縛られた技術者達]
人は空ばかり見てる
 [抜けない剣に、意味はあるのでしょうか?]
燕よ 高い空から
 [盲点]
教えてよ 地上の星を
 [何故だ!][何故、誰も気付かなかった]
燕よ 地上の星は
 [あまりにも単純な解決策]
今どこにいるのだろう
 [真っ直ぐ抜く必要なんか][全然無いじゃん・・・・・・]


プロジェクトX 〜技術士官たち〜
  ―― 「角度とか」〜未来技術の生んだ陥穽〜 ――


                         ……スンマソン、もうしません。
878通常の名無しさんの3倍:02/05/16 23:11
>>877
ワロタ
879通常の名無しさんの3倍:02/05/16 23:25
>877
まあ、たまには、こういうのもあり(w
880.:02/05/17 06:30
職人さんノイエジールが出たんで今度はデンドロビウムお願いします。
881通常の名無しさんの3倍:02/05/17 07:00
>>877
俺、リアルタイムでレスってたから、激ワロタよ!!
ドム・・・オープニングだけで内容が分かる。
簡潔にして過不足なし。すばらしい。
職人さん、このドムのオープニングフラッシュ作って!
笑い転げた。死ぬかと思った(><)
884通常の名無しさんの3倍:02/05/17 17:39
>抜けない剣に、意味はあるのでしょうか?
ワロタ
激ワラ
OPで終わったところが秀逸です。
いい感じに空気が抜けました(w
ドム編、ボール編ともによし。
次はなんだべ。
>877
グッドジョブ!(w
こういうのもあるんだなと感心しましたよ〜
888通常の名無しさんの3倍:02/05/17 22:08
                 ( ̄ ̄<     / ̄>
                  \  ヽ   / /ソ
        プ ロ ジ ェ ク ト\  ヽ P r o j e c t MS
   ──────────────────────
         技術者たち /|_/ /\engineers
                 |   /   \   丶
                 \/       \__ノ

-----------------------------------------------------------------------------
           636 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 01/10/12 01:47

                  馬鹿じゃねえの?
                  未来のロボットがそんな間抜けな設計のわけねえだろ。
                  ちゃんと計算されてる。角度とか。

-------------------------------------------------------------------------------


プロジェクトX 〜技術士官たち〜
  ―― 「角度とか」〜未来技術の生んだ陥穽〜 ――


                         ……スンマソン、もうしません。
889  :02/05/17 22:33
ドロスの続きキボーン!あげ
890スネークル:02/05/17 22:36
「ア・バオア・クー脱出編」何とか明日書けるかなあ、の旧ノイエです。
ドム、爆笑!
「オデッサ脱出編」は、涙でした。あれと比べられると書けないです・・・。
「デンドロビウム」は、ノイエでも書いた通り、「公式記録抹消」(0083の設定)が、ネックですね。挑戦したいですが。
明日書けなかったら、ごめんなさい!
891スネークル(オープニングだけ):02/05/17 22:51
♪〜
遅れて来た名機
ジオンの生命線
生産の鬼
はぐれ者小隊
自殺機など、許さん! いや、やってもらおう
水面下の決意
錯綜する命令 混乱する現場
上には、わからんよ
スネークル! スネークル!
脱出 絶望 そして、
Good Luck・・・
892スネークル1:02/05/18 10:11
(エーックス・・・)

宇宙要塞ア・バオア・クー。
「勝利の塔の守護者」の名を冠するこの要塞に、軍需財閥各社から出向した技術者達の一画があった。
「遅れて来た名機」ゲルググ。
連邦の主力モビルスーツ、ジムを圧倒する性能を持つ、一年戦争最強の量産機。戦局の逆転は、このMS抜きにありえなかった。
生産効率を上げるため、軍の指導により各社共同生産が決まり、その場所に、もっとも安全なこの要塞が選ばれた。
安全な、はずだった。

ゲルググ生産主任、T大尉。妥協が嫌いで、生真面目な男。初めての大役に、はりきっていた。毎日生産ラインをチェックし、毎週少しずつ、生産効率を上げた。
「生産の鬼」と呼ばれた。10月に生産を開始してから、ほとんど寝ていなかった。
オデッサ陥落のニュースにも、資源割り当てに減少がないかどうかを確かめるだけだった。

ゲルググ生産設備警備部隊、スネークル小隊。技術者達から「お飾り部隊」と呼ばれる、高機動ザク3機の小隊だった。
小隊長のW中尉は、座学をまるでする気がなく、士官学校を退学させられた札付きの男。不思議なカンで、手柄をあげてきた。
パイロットのGとIは、しらふの時はおとなしかった。2人とも、飲むのが趣味だった。
誰も、彼らには期待していなかった。
893ス2(夜まで中断、すんません):02/05/18 10:40
ソロモン陥落。だが、テスト中のゲルググを強引に奪い取ったエースパイロットの活躍で連邦の艦多数を撃沈。
その報に、技術者達は、歓声を上げた。
「なあ相棒、こいつら、アタマおかしくないか?」Iが、酒臭い息でGに言った。
「今ごろ気付いたのか?」Gは手にした小ビンを、一気にあおった。
「こんなところで、飲むな!」いきなりTが駆け寄り、平手打ちを食わせようとした。
空を切った。
「ふーん。やっぱりなあ」Iは何もなかったように歩き出した。
「何が、やっぱりだ?」Gはもう一度あおって、ビンをポケットにしまい、歩き出した。
「いや、なんとなくさ。じゃあな」Iは、あくびをしながら自室に戻った。
よくある光景だった。
894通常の名無しさんの3倍:02/05/18 12:11
530氏、ケンプファー続き待ってるよー
895スネークル3:02/05/18 18:35
生産現場は、殺人的な忙しさになっていた。
Tは、司令部付参謀のM少佐に呼び出しを受けた。いやな感じがした。員数合わせのM。無茶で、非情な男だった。学徒兵の大量採用計画を発案し、その責任者になっていた。
「完成したばかりの機体に、調整なしで素人パイロットを乗せる? 正気で言ってるのか!」Tは、激怒した。完成した機体は、最低でも2,3日の調整が必要だった。
「最低限、アンバックの調整をしないと、着艦すらできないんだぞ!」Mは、薄笑いを浮かべたままだった。
「発艦ができればいい。どのみち、学徒兵たちは、アンバックの訓練を受けていない」Tは、平手打ちを食わせた。Mは、薄笑いのまま、メガネのずれを直した。
「要塞周辺の移動砲台になってくれればいい。まぐれ当たりだって、あるだろうし」
「自殺機など、許さん!」
「いや、やってもらおう」
結局、階級の違いには逆らえなかった。Tは、肩を落として自室に戻った。ソロモンを落とした連中が、すぐそこまで来ているんだ。Tは、確信した。
翌日から、あどけない顔の少年たちが機体を受け取りに来た。
「壊すなよ!」無理に笑顔を作るTの顔は、やつれていた。
レビル将軍率いる連邦の大艦隊が来るという噂は、一撃で敵を壊滅させる究極の新兵器の噂にかき消された。
新型機長期運用試験のためという名目で、Tから発注を受けた備品課長は、少し首をかしげた。
大量の輸送用コンテナ、水と食料、2隻の補給艦。だが、Tに対しては、最大限の便宜を図るよう、命令が出ていた。まあいいか、補給艦なんか、どのみち役に立たないんだし。
生産現場は、Tの命令で、3交代24時間稼動態勢になった。Tの子飼いの部下だけが、ぶっ通しで生産ラインの間引き作業を行なっていた。極秘の新兵器を秘密の場所で開発するらしい。そんな噂が、流れた。
生産ノルマは日に日にきつくなり、エースパイロットへのカスタム機製作など、様々な命令が場当たり的に下された。Tは、間引きされた生産ラインと人員で、ノルマを達成していった。必死だった。
896スネークル4:02/05/18 18:57
その日、ギレン総帥の演説が流れた。敵の半数以上が壊滅だって? コロニーレーザーなんて、可能なのか? 技術者たちのひそひそ話が、耳に入った。
「敢えて言おう、カスであると!」嘘だ。Tは敗北を確信した。やがて、ミサイル一斉発射の震動が、要塞を揺るがせた。
Tは、補給艦の出動を要請した。間に合うだろうか?
「今、それどころじゃないよ! なんとかするけど、あてにしないでくれよ」そっけない言葉が、返ってきた。
Tは司令部命令として、疎開の準備を始めさせた。皆、だらだらと支度をした。危機感など、まるでなかった。
早く来てくれ。Tは、泣き出したいほどの焦りを感じていた。
897スネークル:02/05/18 21:37
ベイに補給艦がついたという知らせが、ようやく来た。
Tが技術者達を向かわせようとした時、
「どちらへおでかけかな?」M少佐が、2人のMPを連れて、出口に立っていた。
「敵前逃亡は銃殺。裁判は不要だ」MP達が銃を構えた。Tは、目をつむった。銃声。
狐につままれたような面持ちで、Tは目を開いた。MP達が、倒れていた。
「大人しくしてないと、ホントに殺すぞ」Iが銃を構えたまま、言った。
Gは、銃を持ったまま、酒をあおった。
「T大尉、上には、わからんよ。現場の苦悩なんてのは」W中尉は、Mのところへ行くと、短銃をMの頭につけた。
「貴様、叛乱するつもりか!」Mの精一杯の虚勢に、Wはあくびで答えた。
「そのつもりだ。こんな害虫なら、駆除してかまわんだろ?」
「いや、殺さないでくれ」Tの言葉にWは笑った。
「おやさしいこった。まあいい。おいG、こいつら縛っとけ。Iはザクで、コンテナ運べ」
「隊長、俺の機体はバズより重い物は持ったことないんですぜ」
「つべこべ言うな」Wのハンディトーキーが鳴った。
「スネークル小隊、状況を知らせよ」
「わが小隊は、優勢なる敵軍と遭遇、ザク3機をもって、突撃を敢行せんとす。もとより生還は期せず。ジオン公国に栄光あれ」
「スネークル! スネークル!」Wはトーキーを放り投げると、短銃で撃った。命中した。
「相変わらず、隊長のジョークは笑えねえや」Gがあきれて言った。
898スネークル6:02/05/18 22:18
やってきた補給艦はパプア1隻だけだった。足の遅い定員オーバーの旧式補給艦。
敵の攻撃はますます激しさを増していた。Tは神に祈りたくなった。
「おい」Wが何かを放ってよこした。コインだった。
「それは幸運のお守りだ、それを持っている間、戦友はけが一つしなかった。俺もな」
「中尉」
「ザクで先導する。全速で逃げ出せ。何とかなりそうな気がする。こんな時は、大丈夫だ。きっと」
幸い、脱出直後の敵の砲火は薄かった。だが、
「サラミス、接近!」
「待ち伏せをかける。敵の砲塔がこちらへ動き始めたら、急接近してブリッジをつぶせ。3機がかりなら、なんとかなる。無駄死にはしない」
「相変わらず、笑えねえジョークだな」
「何か言ったか」
「いえ!了解であります」
Tは遠ざかっていくザクを見つめていた。
「小隊長機より、発光信号です。・・・・Good Luck」
Tは、コインを握りしめ、もう片方の手で敬礼した。
「隊長、サラミス、変針! 反転します!」
「よし、逃げるぞ」
サラミスは、要塞から急発進してきたザンジバルに狙いを変えた。ザンジバルの撃沈で、要塞の表面が見えなくなった。
Tは、生き延びることができた。
899スネークル(エンディング):02/05/18 22:30
♪〜
Tは、戦後、中立の救助組織を設立した。それは、かつての地球で、赤十字が行なっていた活動だった。
中尉にもらったコインを返したかった。御礼を言いたかった。
その代わりの活動だった。
コインは返せただろうか。組織で救助をするたび、Tは心の中で中尉に語りかけている。

♪〜
生産ラインを守れ!
―たった一小隊の叛乱―        終

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(クニイ)Tさん、お疲れ様でした。
(T)いえ、結局、中尉には何もお返しできなかったですから。せめて中尉のことだけは、語り残したいと思いまして、それだけなんです。
(クボジュン)は? あ、あの、ディレクターから、Tさんにお電話だそうで、Wと名乗っておられるとか。
(T)中尉!中尉なのか!
(W)あのコインはなあ、戦友の形見でもなんでもない。ただの気休めだ。それを言いたかっただけだ。じゃあな。
(T)中尉!
相変わらず、ジョークの笑えない男だった。
900げんき:02/05/18 22:41
ここで会ったが900レス目ってね!
901勝手に続き書いたヤツ:02/05/18 22:54
900・・何もかも、皆、なつかしい・・・
って、それは作品が違うやろ!
キタイ揚げ
903通常の名無しさんの3倍:02/05/19 01:44
初めてですが
バーミンガム書いても良いですか?
904ナイコンさん:02/05/19 05:11
このスレ最高です…数時間前に見つけて、読むの止められずに徹夜でここまで読んだYO!
905通常の名無しさんの3倍:02/05/19 16:39
Z開発秘話に出てきたテストパイロットのK中尉ですが
あの一目見てMSのコンセプトを見抜いた眼力と
テストパイロットとしての腕の良さからコウ・ウラキ中尉と
オーバーラップするのですが…
>>877
検索してやっと意味がわかったよ。
いい仕事してるね。角度とか。
907バーミンガム:02/05/19 21:54
(エーーックス……)

連邦宇宙軍正式採用戦艦マゼラン
二連装メガ粒子砲7門という大火力を持った当時最強の戦艦、だった。

「この艦に勝てるものは存在しない」

従来の艦艇の倍近い火力を持った戦艦を前に誰もがそう思っていた。
                                        
だが、最初の戦闘で期待は絶望に変わった。
        
ジオン独立戦争、後に一年戦争と呼ばれる戦いである。
MS、鋼の巨人達の前に既存の艦艇は為す術を持たなかった。

宇宙で、地上で、連邦軍は敗走を続けた。

戦局の転換にはMSの力が必要だった。
戦艦は、もはやMSの運搬船と化していた

だが諦めていない、いや、諦めきれない男達がいた。
908バーミンガム:02/05/19 21:55
(オープニングテーマ:「地上の星」 詩/曲 中島みゆき)

風の中の昴 砂の中の銀河
 [ルウムでの大敗]
みんなどこへ行った 見守られることもなく
 [MSの台頭]
草原のヴィーナス 街角のペガサス
 [大艦巨砲主義の黄昏][過去の栄光]
みんなどこへ行った 振り向かれることもなく
 [予算削減]
地上にある星を誰も覚えていない 人は空ばかり見てる
 [再設計][技術者の意地]
燕よ 高い空から
 [最高の舞台]
教えてよ 地上の星を
 [強襲揚陸艦との比較][必要能力の差]
燕よ 地上の星は
 [最新技術の導入]
今どこにいるのだろう
 [消えた記録][次世代への移行]

プロジェクトX 〜技術士官たち〜
  ―― 「あの夢をもう一度」〜最後の戦艦〜 ――
909バーミンガム:02/05/19 21:57
連邦軍第4開発局主任N、マゼラン開発の総責任者。
完全に技術畑の人間であり、自分の作ったものには絶対の自信を持っていた。

しかし、ルウムでの大敗がNのプライドを打ち砕いていた。
その後の状況も悲惨だった。
若いスタッフは全員MS開発部へと転属していった。
N達に回ってきた仕事は、マゼラン級及びサラミス級の搭載能力強化改造の企画書製作のみだった。
いくつもの企画書を提出したが全てこの一言の元に切り捨てられた。
「MSの開発を最優先とするため判断保留」

さらにN達に追い討ちをかける事態が発生した。
MS運用母艦となると噂されるペガサス級強襲揚陸艦の開発が第5局に決定したというのだ。

それから数ヵ月後連邦軍にもMSが誕生した。
戦艦に搭載されていた物よりもはるかに小型化されたメガ粒子砲を持っていた。
しかも出力はあまり変わらなかった。
見るもの全てがが驚愕した。
だが、Nたちの焦燥感は増すばかりだった。
このままでは第4局自体が解体されるかもしれない。

事実、第4局に残っているのはマゼランを開発したときのスタッフだけだった。
全員が若いとはいえなかった。予算も大幅に削減された。
だが、腕は鈍ってはいなかった。いや、むしろ時間があった分だけ新技術を理解することが出来た。
Nは言った。
「まだ可能性はある。それまでに、出来ることをやり尽くしておこうじゃないか」
だが、N自身この言葉を信じきれなかった。
910バーミンガム:02/05/19 21:58
久保「今回はバーミンガム級主力戦艦の設画担当だったOさんにお越しいただいてます。
   この当時の境遇はどんなものでしたか?」

O 「酷いものでしたね。窓際族、いやリストラ寸前といったほうが良いかも知れません
   いつ全員に整備班に転向の届が来てもおかしくない状況でした」

松平「それでも皆さんは研鑚を続けられたと聞きますがその熱意はどこから出ていたのですか?」

O 「今やめたら終わる、というのが全員の心境でした。
   このままで終わらさられるのだけは避けたかったですから
   まあ、それだけではなく次々と新技術が出てきていた時期ですから
   技術者として見ているだけというのは耐えられなかったんですよ」

松平「成る程。この技術を使ったものを作りたい、と」

O 「ええ、MSに対抗できるだけの物を作れるんじゃないかと思いましたね」

久保「その後第4局はどう言った経緯を辿りバーミンガム級の開発に携わることになったのでしょうか?続きをご覧下さい」
911バーミンガム:02/05/19 21:59
戦争は終わった。
終戦から一年が過ぎていた。
彼らに回ってきた仕事は、マゼラン級戦艦の改装のみだった。
新技術の導入など出来なかった。
予算最低の上に時間最優先。機動力を少し上げるのが精一杯だった。

これではだめだ。皆がそう思っていた。
そんな時、一つの報告が入った。
「1週間後グリーン・ワイアット中将による視察を実施する」
誰もが思った。
解散命令だ。
もはや、第4局に存在意義は残されてはいなかった。
大艦巨砲主義はMSの機動運用により粉砕され、第4局はMSの開発に一切かかわってはいなかった。

しかし、現実は彼らの予想を大きく越えていた。

グリーン・ワイアットはいくつかの計画書を持ってきた。
「観艦式」
「時期主力戦艦構想」
「ガンダム開発計画」
全てがAAAの機密だった。

息を呑むNたちを見渡し、
ワイアットは叫んだ。
912バーミンガム:02/05/19 22:00
諸君 私は艦艇が好きだ
 諸君 私は艦艇が好きだ
 諸君 私は艦艇が大好きだ

 殲滅戦が好きだ 電撃戦が好きだ 打撃戦が好きだ 防衛戦が好きだ
 包囲戦が好きだ 突破戦が好きだ 退却戦が好きだ 掃討戦が好きだ 撤退戦が好きだ
 平原でコロニーで宇宙でジャングルで凍土で砂漠で海上で空中で海中で湿原で
 宇宙世紀で行われたありとあらゆる艦隊戦が大好きだ
 砲口を並べたメガ粒子砲の一斉攻撃が轟音と共に敵陣を吹き飛ばすのが好きだ
 自軍深くに迷い込んだジッコが効力射でばらばらになった時など心がおどる
 連邦兵の操るペガサスのミサイルが敵のグフを撃破するのが好きだ
 悲鳴を上げて燃えさかるギャロップから飛び出してきたドムをビックトレーで引き倒した時など胸がすくような気持ちだった
 砲塔をそろえたサラミスの艦隊がムサイの戦列を蹂躙するのが好きだ
 恐慌状態の新兵が既に機能停止したチベを何度も何度も射撃している様など 感動すら覚える
 敗北主義のザクを小惑星帯に吊るし上げていく様などはもうたまらない
 泣き叫ぶゲルググ達が 私の振り下ろした手の平とともに金切り声を上げるレーザー砲にばたばたと薙ぎ倒されるのも最高だ
 哀れな抵抗者達が旧式化したザクTで健気にも立ち上がってきたのをマゼランのメガ粒子砲が戦域ごと木端微塵に粉砕した時など絶頂すら覚える
 ジオンのMS部隊に滅茶苦茶にされるのが好きだ
 必死に守るはずだったコロニーが蹂躙されG3を注入され落とされていく様は とてもとても悲しいものだ
 ジオンのMSに翻弄されて殲滅されるのが好きだ
 ルウムで大敗を喫し、MSに予算を取られたのは屈辱の極みだ

 諸君 私は艦艇を 地獄の悪魔の様な艦艇を望んでいる
 諸君 私に付き従う連邦技術仕官諸君 君達は一体何を望んでいる?
 更なる艦艇を望むか? 情け容赦のない鬼の様な艦艇を望むか?
 鉄風雷火の限りを尽くし三千世界の鴉を殺す嵐の様な艦艇を望むか?
913バーミンガム:02/05/19 22:01
艦艇!!艦艇!!艦艇!!
 よろしい ならば艦艇だ
 我々は満身の力をこめて今まさに振り下ろさんとする握り拳だ
 だが、この暗い闇の底で2年もの間堪え続けて来た我々にただの艦艇ではもはや足りない!!

 新型を!! 一心不乱に作られた戦艦を!!

 我らはわずかに一開発部、MSに負けた敗残兵に過ぎない
 だが諸君は一騎当千のベテランスタッフだと私は確信している
 ならば我らは諸君と私で総人員100万と1人の技術者となる
 我々を忘却の彼方へと追いやり、胡座をかいている連中を叩き起こそう
 髪の毛をつかんで引きずり下ろし、眼を開けさせ思い出させよう
 連中に恐怖の味を思い出させてやる
 連中に我々のエンジンの音を思い出させてやる
 天と地とのはざまには奴らの哲学では思いもよらぬ事がある事を思い出させてやる
 最新式の戦艦で世界を燃やし尽くしてやる

 全プロジェクト発動開始 旗艦バーミンガム作製計画
 始動!!全資金 全制約解除
 「本プロジェクトクト総責任者より 前艦艇開発スタッフへ」
 目標最新式戦艦バーミンガム!!
 第弐次ビンソン計画 状況を開始せよ

 やるぞ 諸君 
914バーミンガム:02/05/19 22:01
その日から第4局の明かりが消えることはなかった。
条件は唯一つ、観艦式に間に合うように最強の戦艦を作成すること。
期限は二年。十分とはいえないが、出来ない時間ではなかった。
さらに、Nにはもとから目をつけていた設計図があった。
「MA−05 ビグロ」
大火力と高機動力を持って連邦軍を苦しめたジオン宇宙用MA。
基本は決まった。大火力に高機動性。
だが、それでも問題が続発するのは避けられなかった。

メガ粒子砲設計担当であったPは悩んでいた。
エネルギーCAP技術を戦艦搭載のメガ粒子砲に利用する。
小型化を目指した技術を大型化する。
それ自体は支障なく済んだ。
テスト射撃では従来のメガ粒子砲の10倍以上の出力を叩き出した。
しかし、出力が足りなかった。
搭載予定のジェネレーターでは二門程度の運用が精一杯だった。
いかに強力とはいえこれでは数が足りない。
Pは苦悩していた。

同じころ、メインフレーム設計担当のQも悩んでいた。
防御能力強化のため各ブロックの独立化を進めることは決まっていたがジェネレーターからの配線がそれを不可能にするまでに複雑化していた。
915バーミンガム:02/05/19 22:02
更には、装甲材質担当のRも壁に直面していた。
予定の防御力に達しない。
Iフィールド搭載が可能ならば装甲は対実弾兵装のみでよかったのだが、長時間戦闘空域にとどまることが要求される戦闘旗艦にエネルギーをバカ食いするIフィールド搭載は不可能だった。
ルナチタニウム合金製の装甲案も浮上したがあまりの量に生産性の低さかがついてこなかった。
結果、チタンセラミック複合材の装甲にビームコートを施したものを何重にも重ね、さらにチョバムアーマーを装着させることで防御力の強化を図った。
しかし、重すぎた。

最後に必要なのは強襲揚陸艦との差別化だった。
ホワイトベースが驚異的な戦果を上げたことで強襲揚陸艦自体の評価も高まっていた。
同じ設計思想では実績に負ける。
そう判断したNは思い切った決断を下した。
「搭載能力は必要ない」
艦隊旗艦として運用することが決まっているバーミンガムには必ずMS搭載可能な戦闘艦が随伴する。必要なのはむしろ高速で状況が変化するMS戦へ適応した情報処理能力を持った大型コンピューターとそれを守りきれるだけの装甲である。
そう判断したNは搭載能力の削減を実行した。

MS搭載スペースが空いたことにより全ての問題は解決した。
メガ粒子砲一門に付き一つの直結ジェネレータが配備された。
メガ粒子砲が中央ジェネレーターから切り離されたことによりブロックの独立化も可能になった。
余ったスペースに推進剤を搭載し、バーニアを追加することにより機動性の低下も補えた。
最強の戦闘艦の完成だった。
916バーミンガム:02/05/19 22:03
久保「このMS搭載能力の廃止について当時はどのようにお考えでしたか?」

O 「びっくりしましたね。僕達は全員戦闘母艦にするものだと思っていましたから。
   反論する人も多かったですね」

松平「いきなりの情報戦艦への変更は戸惑いも在ったのでは?」

O 「ええ、『時代に逆行している』というグループと
   『これからはこういう船が必要だ』というグループの2つに分かれて
   いましたね。」

松平「結局はMS搭載能力の廃止は決定したわけですが決め手になったのはなんだったんですか?」

O 「結局はNさんの存在と、それぞれの分野での技術的問題ですね。
   あの時は後少し自由に出来る部分があれば・・・、
   というようなことが多かったんです」

久保「その後完成したバーミンガムと第4局はどういう運命をたどったのでしょうか
   それでは、エンディングです」
917バーミンガム:02/05/19 22:04
Nには自信があった。
これならば「ガンダム開発計画」のMSにも負けることはない。
主兵装は通常の10倍以上の出力を持つメガ粒子砲11門
平均装甲圧90cm
対空レーザー機銃30門
最大加速7G
もはや大型のMAと言っても過言ではなかった。
シミュレーションでは大気圏降下コースに入ったコロニーを迎撃することに成功した。

製作にはコンペイトウのグワジン級ドックが使われた。
大型過ぎて連邦の設備では作れなかった。

進宙式の日Nは泣いた。
もはや用無しになりかかっていた自分達がここまでの物を作れたという事実。
いつか役に立つ日が来る。
絶望の中、自分にそう言い聞かせて培ってきた技術の集大成だった。
918バーミンガム:02/05/19 22:05
だが、
観艦式、その晴れ舞台がバーミンガムの墓場となった。
アナベル・ガトーにより奪われた試作2号機の強襲。
戦略級核弾頭Mk82の前には自慢の装甲も物の役には立たなかった。

その後、コロニーが落ちた。
バーミンガムがあれば阻止できたかもしれなかった。

もはや、Nには気力は残されていなかった。
だが、運命はNに留まることをゆるさなかった。
命令が届いた。
「第4局はグリプスに移転、人員変更はなし」
Nはティターンズに参加した。
バーミンガムを沈められたことがNの心に暗い影を落としていた。

3年後
ティターンズ旗艦ドゴスギアが進宙。
黒い軍服に身を包んだNの姿がそこにはあった。

―― 「あの夢をもう一度」〜最後の戦艦〜 ――

 〜〜 終 〜〜
919バーミンガム:02/05/19 22:08
設定間違いについてはご容赦ください。
バーミンガムの資料って少ない・・・
920MS-05N 旧名無しザク:02/05/19 22:29
912,913
激藁
そろそろ次スレどうしますか?
>>921
このスレ荒れてないし970あたりで決めれば?

しかし、面白いね。
923Z開発秘話・作者:02/05/20 01:01
>>905
特に意識してませんでしたけど、そういえばそうですね・・・。

>>919
前からちょっと書こうと思ってた、「ドゴス・ギア」の話と偶然にも重なるところ
が結構あったので、続きみたいにして書いていいですか?まあ、書き始めるのはも
うちょっと先になりそうですけど・・・。
924バーミンガム:02/05/20 07:48
>>923
どうぞどうぞ
元々バーミンガムとドゴス・ギアの外見が似ているところから思いついたものですから
925ノイ・スネ:02/05/20 09:03
912・913爆笑でした〜
まじめな話の中にあるのがすばらしいです。
926通常の名無しさんの3倍:02/05/20 12:00
すげー!
ココ面白いからいつも見てたけど、気が付いたら
いつの間にかこんなにスレ伸びてたんだね。
ココの職人さん達最高!
今度はGPシリーズのガンダム(デンドロ含む)を書いて!
927ビグザム野郎:02/05/20 12:11
>926
うーん、サイサリスは書きたいんですけどね。(藁
かなりドロドロした内容で・・・。(苦笑
928ドップ開発史:02/05/20 18:42
そろそろスレが限界だなぁ。
長篇は書き込め無さそうだ。
929MS-05N 旧名無しザク:02/05/20 19:40
950超えたら新スレ逝きます
>>928
アイナ信者のブリッジオナネタだけは
かんべんな(w
931バーミンガム:02/05/20 22:06
>>927
GPシリーズは皆書きたそうですね(そういう私も・・・
でも設定があまりに難しいので皆書けないという・・・
酷い機体だ(藁

どなたか腕に自身のある方、この素材料理してみませんか?
(私では無理っぽい(汗
つーか、GPシリーズで書くとなれば、ぶっちゃけた話
「ニナ・パープルトンでプロジェクトX」って事だし・・・

ニナの苦労話を書きたいと言うつわものがいるのかどうかが問題だな。
933通常の名無しさんの3倍:02/05/20 22:38
>>932
ニナはソフト屋で今回はハード屋の方を描く、って形にすれば、ニナは最低限の登場で済むよ
934ノイ・スネ:02/05/20 22:41
0083オタの自分でも、ニナはどうも・・・(佐久間レイ様!ごめんなさい!)
吉野ヶ里の話も元ネタであったことだし、「ガンダム開発計画発掘作戦」
書いてみようかな。(抹消されたはずの記録が一般に流布してるという前提にできるように)
3日以内に書きますので、GPライターの皆様、御準備を!
自分はその後は、ノイエン・ビッター関連を書きたいので、お気兼ねなく、全機お書きくださいませ。
935通常の名無しさんの3倍:02/05/20 23:05
何時の間にかバーミンガムが終わってた。
所であの演説流行るの?
936935:02/05/20 23:22
誤      正
流行るの?  流行ってるの?   ||     ⊂⊃
   ||    ∧ ∧    
   ||    (  ⌒ ヽ   逝ってきます・・・・
 ∧||∧   ∪  ノ   
(  ⌒ ヽ 彡  V
 ∪  ノ  フワーリ
  ∪∪
 
937F:02/05/21 04:52
風の中の昴
938バーミンガム:02/05/21 08:20
>>935
ヘルシングを読みませウ
939通常の名無しさんの3倍:02/05/21 10:34
自分は読むだけなので申し訳無いですけど、
職人の皆さん、期待しています。
940通常の名無しさんの3倍:02/05/22 00:59
保全age
941通常の名無しさんの3倍:02/05/22 03:51
新スレの季節
いや〜息の長いスレだ
942通常の名無しさんの3倍:02/05/22 04:14
とうきょうドームのはなしおもろかった
943MS-05N 旧名無しザク:02/05/22 16:52
944 :02/05/22 17:14
こっちがほんもの
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/shar/1022053855/l50
プロジェクトX〜技術士官達〜 現在21:35分
まったく、F91の開発秘話はどうなっちまったんだよ
946530:02/05/26 18:25
ケンプファー開発記 悪魔に逆らったエンジニア 第四話

「俺のケンプファーを特攻機にはさせない」
H氏を支えたのはこの一念だった。上層部は特攻機としての闘士を望んでいるのだろう
が、H氏はそれを裏切るつもりだった。特攻機の枠に収まりきらない高性能機を完成
させれば、それは特攻機以外の使い方がなされるはずだ。そして、それを完成させる
ことが出来るのは自分しかいない。もし他の技術者に開発を任せれば自分のように
足掻くことはせず、特攻機ぐらいにしか使い道のない機体を作ってしまうだろう。
上司はそう考えて自分に開発を任せたのだと彼は理解していた。

「特攻機にさせないためには、突入能力以外の面でも高性能機でなくてはならない。
 そして、パイロットが生還できる機体でなくてはならない」
この目標を自分に課し、H氏は闘士の完成型を模索し始めた。
947530:02/05/26 18:31
闘士の問題点は何よりもエンジンのパワー不足にあった。稼動時間の短さも装甲の
薄さもすべてこれに起因していた。闘士の機体各所に配された大推力バーニアが、
その作動と冷却に大量のエネルギーを必要としたためである。だがギャンのエンジン
を載せることが出来るのなら、ある程度解決への道は見えているのではないか。
H氏はそう期待したが望みはすぐに打ち砕かれた。

ギャンのエンジンはビームサーベルの使用に耐えうる出力を持ち、そして常に
ビームサーベルを抜刀した状態を保ちながら運動性能を確保するという白兵戦型MSの
要求を満たす性能を有していた。安定性に優れ、粘り強い特性を持っていた。だが、
それでも闘士を通常の使用に耐え得るMSとして仕上げるにはパワーが足りなかった。

「ドムとは言わずともせめてザク程度の装甲は載せたい」
H氏のそんな望みは果たせそうもなかった。装甲を増やせば機動性と稼動時間が
損なわれる。そして機動性を優先すれば他の二つが。三つをバランスよくまとめ
ようとすれば、全てにおいて中途半端な性能しか望めない。どれかを秤に掛けな
くてはならなかった。
948530:02/05/26 18:33
「相手にとって、どんなMSに突入されるのが厄介なのか」
H氏はこの視点に立って考えた。自分が作ろうとしているのは敵陣に飛び込む強襲型
MSだ。敵が一番手を焼くのはどんな機体か。

闘士をベースに仕上げるのなら方向性は決まっている。圧倒的な機動性で敵を翻弄し、
捕捉さえ困難な機体。それに大火力を搭載する。攻撃を最大の防御とし、殺られる
前に殺る、敵に回すことが恐怖と思える程の機体。

「これで行くしかない」
機動性を最優先、これまでにない高機動かつ大火力のMSとして闘士を完成へ導く。
敵を翻弄する高い機動性こそがパイロットを守る盾となる。装甲ではなく高性能が
パイロットを守る。

「だが本当に俺は間違っていないか」
疑問はあった。しかしH氏に迷う時間は残されていなかった。

「これで行くしかないんだ」
949530:02/05/26 18:38
第四話でした。新スレ立ってるけど、この話の続きはここで進めようと思います。
ケンプ編を書き終えたら新スレに参戦しますんで。
>>530
期待してます。
旧板もまめにチェックしますね。
951(^^)エヘヘ:02/05/27 07:50
age
952530:02/05/28 20:44
ケンプファー開発記 悪魔に逆らったエンジニア 第五話

方向性は決まった。だが道のりは険しかった。機動性を優先とは言っても突入、離脱
に必要な稼動時間とエンジンの余力は確保されなくてはならない。その上での機動性
優先である。

「この程度か…」
一回目の設計でシミュレーションを行ったH氏は重くつぶやいていた。旧ザク以下の
装甲に継戦時間の短縮。それでもイメージする機動性には達しない。エンジンのパワー
が足りない。

無茶をするしかなかった。

装甲を削った。突入した敵陣で集中砲火を浴びれば多少の装甲など無意味だ。攻撃を
かわしきる機動性が必要なんだ。そう自分に言い聞かせた。そして装甲の薄さを補う
ために曲面装甲を採用した。僅かでも耐弾性を向上させるための、悲しいこだわりだった。

継戦時間を削った。突入、離脱間の継戦時間は武器をすべて撃ち尽くすのに必要な
時間だけでいい。二十分。この二十分間に性能を凝縮する。

エンジンにチューニングを施した。安定性を犠牲にして瞬発力を引き出した。

それでもH氏の求める性能には届かなかった。
953530:02/05/28 20:45
「こんなものは特攻機にしか使えん」
暗い水の底で、水面がどこにあるのか解らないままに必死で水を掻いているような
気持ちだった。

「ゲルググのエンジンなら…」
思わずつぶやいていた。だが秘匿された開発計画に他社のエンジンを望めるわけが
なかった。そしてこれは逃げの発想だった。

「ゲルググのエンジンが欲しい」
問題に向き合おうとする度に、この考えが頭を支配した。行き詰まった。
954530:02/05/28 20:48
思わぬ場所から援軍が現れた。フラナガン機関に所属するジオン公国直属の技術士官
I氏が、H氏のもとへ派遣されたのである。

I氏はフラナガン機関において、新型OS・EXAMを搭載する機体を作るために
イフリートの改良実験を行っていた。イフリートのエンジンはビーム兵器の使用に
耐える出力を持たない。その低出力なエンジンで、I氏はEXAMの要求する高い
機動性の実現に成功していた。それを聞き付けたH氏の上司が、突撃機動軍上層部
を通じて派遣を要請したのだった。

「素晴らしい」
H氏のバーニアによる機体制御理論を読み終えたI氏の一言だった。
「これは今後の高機動型MS開発の礎となり得る研究ですよ」
H氏は呆然としていた。闘士の開発データは、使い物にならない、無駄な失敗作だと
散々にこき下ろされてきた。そして失敗作だからこそ特攻機に選ばれた。それをI氏は
誉めた。信じられない思いだった。
955530:02/05/28 20:50
「しかしこれは」
I氏は続けて言った。
「数年後に実用化されるべきアイデアではないでしょうか。今のMS技術では無理が
 あり過ぎる。この理論を完全に形にしたMSを実現出来るのは、少なくとも三年は
 後になるでしょう」

I氏はジオン公国直属の技術者だった。エンジニアとしては国内で最高のステータス
を持つエリートである。さらにMS開発の黎明期から研究に携わって来たベテランで
ある。そんな彼の言葉には説得力があった。

「それでも今やらなくてはならないのです。ケンプファーに最高の機動性を与えなく
 てはならないのです。でないと」
ケンプファーは特攻機になってしまう。この一言を飲み込んだ。I氏はケンプファー
が特攻機として開発を望まれていることを知らない。またそれを知れば、開発に手を
借そうとはしないだろう。

「どうか、力を貸してください」
I氏は笑った。
「そのために私は来たのです」
956530:02/05/28 20:56
第五話でした。稼動時間二十分というのは根拠ないです。MSの稼動時間って
正直見当もつきません。第二次大戦の頃、ドイツの戦闘機はロンドン上空まで
到達しても二十分程度しか戦えず、パイロットが困っていた、というのを読ん
だことがあります。二十分という数字はそこから取りました。
957通常の名無しさんの3倍:02/05/29 01:54
イイ!!
958通常の名無しさんの3倍:02/05/29 07:15
ケンプファーいいっす!
稼働時間、ホントに資料ない…
とはいえ、MSは半永久機関ともいえる核融合炉をつかってるから、(出力はともかく)稼働時間の短さはスラスターの燃料に由来するんじゃないかな。(いろんなところで誤解されてる気がするけど)

もっと詳しい人いたらツッコミヨロシク。
ZZが20分そこそこだったってのは、
なんかの本に書いてあったな。
960通常の名無しさんの3倍:02/05/29 18:38
ttp://isweb26.infoseek.co.jp/play/kacchi91/ZZron.htm
参考までにZZの戦闘稼働時間にふれたページ。
ZZも乗り手によっては突貫・殲滅・救助待ち、な機体だったのか…
バイアランはどうなったですか?(泣
962530:02/06/01 20:58
ケンプファー開発記 悪魔に逆らったエンジニア 第六話

「三年待たなくては現れないはずのMSを現在に送り出す。いいじゃないですか」

共同作業がスタートした。I氏はケンプファーが無茶な機体であることを承知の上で、
H氏のサポートに徹した。方向性に口を挟むようなことは一切しなかった。飽くまでも
サポート。これが彼の姿勢だった。

I氏はオリジナルの機体設計よりも、改良にその手腕を発揮する技術者だった。
改良の鬼。そんな徒名を持っていた。彼はベテラン技術者の視線でケンプファーの
設計をどこまでも丁寧に見直し、さらにイフリートの改良で培った新技術を持ち込んだ。

EXAMの要求に応えるためにイフリートの性能を極限まで引き出し、オーバー
ヒートと戦いながらその性能を僅かでも持続させようとしたI氏。限られた時間の中
にケンプファーの性能を凝縮しようとしたH氏。両者の思考が噛み合った時、道は
開けていた。

さらに良い知らせがあった。低消費型のビームサーベルが完成した。計算上、
ケンプファーにも装備が可能という結果が出た。二人の顔に笑みが溢れた。
「これならいける」
この時すでにケンプファーのエンジンには余力さえ生まれていたのだった。

今やケンプファーはH氏のイメージを上回る高性能機として完成しようとしていた。
963530:02/06/01 21:01
完成が間近に迫ったある日、I氏に上層部からの通達が届いた。

地球でクルスト・モーゼス博士の行方を追っていた特務部隊が連邦のEXAM研究施設
を突き止めた。彼等はクルスト博士の抹殺と同時に連邦製のEXAM搭載MSの奪取を
計画している。彼等が帰還次第、その解析作業に入る。フラナガン機関に戻り、それに
備えよ。

I氏は、ケンプファーの完成を見ることなくグラナダを去ることになった。

「本当にお世話になりました。貴方のおかげです」
「私は手伝っただけですよ」
頭を下げるH氏に、I氏はこう応えた。彼は、ケンプファーの完成に立ち会えないこと
を心残りにする様子はなかった。

I氏はケンプファーを自分の作品とは考えていなかった。自分はその完成に向けて力を
貸しただけである。そう考えていた。改良の鬼。彼の技術が生きるMSは数多く存在
したが、自分の作品と呼べるMSは持たない男。彼はそんな技術者だった。
964530:02/06/01 21:03
「ひとつ聞いておきたいことがあります」
彼はH氏に尋ねた。
「ケンプファーは、特攻機なのですか?」
彼はケンプファーという機体の本質を見抜いていた。H氏は一瞬言葉につまったが、
誠実に答えた。
「開発を要請した上層部はおそらくそれを望んでいます。ですが私はケンプファーを
 特攻機にするつもりはなかった。だからこそ高性能を目指したのです」
続けて言った。
「私は悪魔に魂を売るつもりはありません」

I氏の顔に一瞬意外そうな表情が浮かんだ。そして微笑んだ。
「しかし上層部がそう望んだならば、ケンプファーはそういう使い方をされるでしょう。
 おそらくケンプファーに乗ることになるのはロクな操縦技術を持たない学徒兵。
 彼等にこれを乗りこなせますか?」
実戦テストの結果が良ければ、他の使い方がされるはずだ。H氏はそう考えたが、
言い訳めいたことを口に出したくなかった。

「ケンプファーを特攻機にさせないためには、他の選択肢もあるのですよ」
諭すように言い残し、I氏は去っていった。H氏は、その背中に頭を下げていた。
965530:02/06/01 21:11
第六話でした。478KB。限界はすぐそこに。(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
( ̄∀ ̄)イイ!
続きに大期待。
って、478kb!?
スレの容量が限界に近いですな
次スレもある事ですし、このスレでの作品発表は控えた方がよろしいかと
968530:02/06/02 14:23
そうします。
さげさげ〜
970名無しさん:02/06/05 21:08 ID:doLSu1S7
昨日、近所の吉野家に行った。
人がたくさんいて座れなかった。
よく見たら垂れ幕が下がってい、150円引き、と書いてあった。

アホかと。馬鹿かと思った。

150円引き如きで普段来てない吉野家に来るんじゃない。
胸の中は怒りに満ちあふれていた。
150円。

親子連れの姿が見える。一家4人で吉野家か。
父親は「よーしパパ特盛頼んじゃうぞー」などと言っている。
楽しそうだ。

もう見ていられない。
150円払って席を譲って欲しかった。

吉野家は、もっと殺伐としているべきだった。
Uの字テーブルの向かいに座った奴といつ喧嘩が始まってもおかしくない、
刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんだ。

男は、そう思った。
しかし、負けなかった。
971MS-05N 旧名無しザク:02/06/05 22:15 ID:YZpfyymI
1000取った奴話し書けと言ってみるテスト
972通常の名無しさんの3倍:02/06/09 10:33 ID:SQYgQVkd
そいつはいい・・・と言ってみる本番。
973(^^)エヘヘ:02/06/10 00:27 ID:???
age
974(^^)エヘヘ:02/06/12 00:37 ID:???
age
975通常の名無しさんの3倍:02/06/12 00:38 ID:???
エヘヘは良スレも上げるのか?
976何故、急にハァハァ(;´Д`):02/06/12 06:46 ID:???
この(^^)エヘヘは
qが全角のqで
なんか偽物っぽいな

エヘヘに偽物もクソもないが
977通常の名無しさんの3倍:02/06/12 07:29 ID:???
スレが限界を超えると何が起こりますか?
978通常の名無しさんの3倍:02/06/12 10:23 ID:???
>>977
VMAXが発動します
979何故、急にハァハァ(;´Д`):02/06/12 16:22 ID:???
ヤマハのやつね
980通常の名無しさんの3倍:02/06/12 20:17 ID:???
それはVブースト、と一応突っ込んでみますた
981何故、急にハァハァ(;´Д`):02/06/13 09:42 ID:???
漏れの国内版はついてない、と一応うけてたってみました。
・・・しかしこれではただのMAXだとおもわんか?

光の翼よこせゴルァ
982980:02/06/13 18:40 ID:???
説明せねばなるまい。Vブーストとは、V型エンジンの二つのシリンダー間に
位置する二つのキャブレターを繋ぐことによって、燃焼室への気化燃料の供給
を増大させるシステムだッ!高回転時にこのシステムが発動することによって、
凄まじいまでの加速が得られるのだッ!その凄まじさゆえに、国内仕様のVMAX
には装備されていないのだッ!

そして漏れは中免しか持っていないことを書いておかねばなるまい。スマヌ981
983(^^)エヘヘ:02/06/13 22:52 ID:???
age
984元バイク屋 ◆BOHGCIMA :02/06/13 22:56 ID:???
>>981
とっかえろ。
985MS-05N 旧名無しザク:02/06/14 20:49 ID:j8SysAn3
990からみんなコテハンで、
1000とった奴は999のリクエストに答えて話し書け





一片言ってみたかったんだ、これ
986通常の名無しさんの3倍:02/06/14 20:51 ID:RzfZikNz
もみあげろ
987通常の名無しさんの3倍:02/06/15 05:51 ID:???
>982
しかし、惜しいかなシャフトドライブ・・・。
988通常の名無しさんの3倍 :02/06/15 10:01 ID:???
そしてダミータンク・・・。

ところで >を一個だけにするの流行ってるんですか?
989通常の名無しさんの3倍:02/06/15 11:37 ID:???
>>988
「>レス番号」でリンク表示される2ちゃんブラウザ使ってるのではないでしょうか?
990通常の名無しさんの3倍:02/06/15 12:34 ID:???
>>988
去年の8月の転送量問題へのちょっとした対策として、
リンクが張られてしまう">>"を使わないようにしよう!
とかそんな活動があった。
その名残じゃない?
991988:02/06/15 14:07 ID:???
上のお二人、御丁寧にありがとう。
992通常の名無しさんの3倍:02/06/16 21:02 ID:???
1000ももう目前というのにずいぶん静かだな
993通常の名無しさんの3倍:02/06/16 21:17 ID:???
993
994通常の名無しさんの3倍:02/06/16 21:17 ID:???
994.
995通常の名無しさんの3倍:02/06/16 21:17 ID:???
995..
996通常の名無しさんの3倍:02/06/16 21:17 ID:???
996...
997通常の名無しさんの3倍:02/06/16 21:17 ID:???
997....
998通常の名無しさんの3倍:02/06/16 21:17 ID:???
998.....
999通常の名無しさんの3倍:02/06/16 21:18 ID:???
999......
1000通常の名無しさんの3倍:02/06/16 21:18 ID:???
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ご愛読ありがとうございました。
2ch...
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