OVER THE RAINBOW制作委員会Part3

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410ラーク ◆PowlXBHc
あいかわらず良いねぇ>レポートシリーズ
>>391-392
でプライベートライアンのオマージュが出ていたのでならば私も、と。

物語の中盤、ベ隊の退却方向右舷90度に連邦の補給基地が発見された。
グレイスは自身単機による補給基地への攻撃を立案する。
理由はベ隊を追撃中のRF隊への兵站に打撃を与え、またRF隊が補給基地
救援に向かう間にベ隊本隊のRF隊との相対距離を稼ぐ為。
また、単機での攻撃を主張する根拠は攻撃後、本隊に合流するスピードを保持
しているのは彼女の搭乗するMS−09以外無く、また本隊の防衛戦力を
これ以上割くわけにはいかない、というのが彼女の主張であった。
ロジャーは難色を示すがグレイス付きの技術将校は特務権限を盾にとり
半ば強引に作戦をロジャーに実行するよう促す。
411ラーク ◆PowlXBHc :01/11/22 23:40
>>410の続き
・・・3日経った。グレイスは帰還せず技術将校はヒステリー気味に
ロジャーにグレイス救援を命令する。隊の中に一人の兵の為に多数を
危険に晒すわけにはいかないという空気が蔓延していることをロジャー
は技術将校に告げる。しかし技術将校はそれがどうした、と居直りを
決める。グレイスには金がかかっている。貴様等のような一山いくらの
雑兵と一緒にするな、彼女自身がグラナダの研究所の機密であり、
今後ジオンの巻き返しの鍵を握る大切な研究素材、データであると、
ロジャーはここで知ることになる。
 かくしてグレイス救出作戦は実行に移されることになるが真実を
知らないMSパイロットたちの間でグレイスへの不満が渦巻くこと
となる。
俺達の命はあの一人の小娘よりも軽いのか?、・・・と。
412ラーク ◆PowlXBHc :01/11/22 23:58
>>411の続き
一方、時計は3日前に遡る。グレイスは補給基地を軽く一蹴する。
全て壊滅させず、進行方向のRF隊を救援行動に向かわせるべく
電波塔は全て破壊せず、負傷、残存兵を見逃す。戦いとは激情の
発露ではなくロジックを積み立てることだと彼女は知っていた。
 ・・・しかし計算違いも時にはある。救援信号はRF隊のみにではなく
近くを巡航していた連邦軍陸上戦艦『ミニトレー』にも打電されていた。
 グレイスは早すぎる救援にややも動揺するがベ隊との逆方向の森林地帯に
ミニトレーとGM中隊(10機程度)をおびき出すことに作戦をいち早く
立て直す。グレイスの表情に絶望感は見えない。彼女は呟く、
「フ、・・・面白い。ならばひとつ、戦争の仕方というものを教育してやろう」

 
413ラーク ◆PowlXBHc :01/11/23 00:24
>>413
カールの隊が到着する3日後までグレイスは奮戦する。ドムの隠密性を
活かし、弾薬を節約し、敵MSから奪ったライフルで多数のMSを
行動不能にし、ミニトレーにも打撃を与えつつベ隊本隊との逆方向に逃げる。
これは献身的犠牲ではないとグレイスは自分に言い聞かせる。
戦いとはロジックであり、サバイバルであり、結局のところは
自分が生き残る為に、の筈であるが彼女の今の行動は矛盾に満ちている。
 そしてあまりにも遅いカール隊の救援、しかし伏兵であったGMの
マシンガンの銃口がカールの僚機を狙っているのをグレイスは
いち早く確認する。半ばグレイスは重装甲を頼りに盾となる、そして
スプラッシュビーム、と同時に大切に残していたパンツァーファストを
ミニトレー艦橋に狙撃する。GMのマシンガンはグレイスのドムの
膝関節を破壊、そのGMもカールによって屠られる。

 結局この戦いでカールの隊の兵士一人が重傷を負い、グレイスのドムも
当分の使用は不可能となる。グレイスが叱責を受ける事は無く、カールの
乗機は取り上げられグレイスはB3に搭乗することになる。技術将校は
グレイスの戦果と貴重なデータの採取に嬉しそうである。
と同時に彼女への風当たりは強くなっていく。誰も彼女が何故一人で
補給基地を叩こうとしたか、ベ隊との逆方向に逃げたのか知る由もない。
彼女自身も理解を求めない。孤立と孤高は違う。優しさも情愛も
ただ行動によって示せばよい、理解され感謝されなくても良いのだ、
グレイスは強がる。

 戦いを終えグレイスはの士官用の個室で安らかな寝息を立てている。
そこにドロシーは焼きたてのパンとホットコーヒーをそっと置き
退出していく。それを遠くでロジャーは優しく見守っていた。

という感じのグレイスの内面とグレイスに気持ちが傾いていく
ロジャーの導入編ってのはどうかな。