自分に降りかかった恐ろしい運命。そしていつ終わるともしれぬ、
苦難に満ちた戦い。でも、わたしは一人じゃない。だからくじけずに
頑張ってこれたし、これからもやっていけるはずだ。きっと。
女子オートレーサーになるのが子供の頃からの夢だった。まだ
小学校にも入らない頃、父親に連れられて見た男女混合レース。
男性レーサーを軽々と抜いて疾走する女子レーサーの勇姿。わたしは
それに憧れた。その後父が母から、賭博場まがいの場所に娘を連れて
行った、とさんざん叱られたため、レースを見たのはそれっきり
だった。それでもわたしはそのとき、誰にも内緒で一生の夢を
掴んだつもりでいた。
女子オートレースという競技自体があのレースの直後に廃止に
なっていた、と知ったのはだいぶ後になってからのことだ。わたしの
夢は、この競技が再開されない限り、かなえようのないものになって
しまった。それでもいつかその日が来ると信じたわたしは、バイクの
腕を磨き続けた。東京の大学、しかも城南大という一流大に進学した
後は、授業もそこそこに、誰に気兼ねすることもなくバイクに
打ち込んだ。
女子レースがいよいよ復活するらしい、という噂が流れてきたのは
大学一年も終わり近くのことだ。何でも、正規の募集の前に、非公式の
調査を行い、それで十分な実力の女子レーサーが一定数以上見込める
ならば本格的な募集に移る、そういう話だった。漠然とした噂をたどり、
あちこちにあたって、噂がただの噂に過ぎないのではないかと諦め
かけていたとき、夢へのチケットが届いた。テストレーサー募集の
日時が記載された通知が、どういうルートによってか、わたしの下宿に
配達されたのである。
テスト会場は人里離れた山奥。トンネルの入り口のようなところに、
コンクリート製の小さな建物があった。頑丈そうな鉄の扉があり、
押しても引いても開く気配がない。仕方なくドアの横にある呼び鈴を
押すと、呼び鈴の横のスピーカーから声が聞こえてきた。
「いらっしゃいませ。お名前をどうぞ」
インターフォンというやつだろう。わたしは名前を言う。
「蒼井蜜子といいます。女子オートレース選手の予備テストがこちらで
行われると聞き、伺いました」
「蒼井さんですね。お待ちしていました。お入り下さい」
声と共にドアが自動で開き、声の主らしい上品そうな女性がわたしを
出迎える。中は待合室のようになっていて、すでに来ていた別の
テスト生と思われる女性が二人座っていた。一人は線の細い、
おとなしそうな女の子、もう一人はいわゆる男勝りという感じの
がっしりした女性だった。
「テストは到着順に順次行っています。こちらの扉から一人ずつ
お進み下さい」
部屋の奥にもう一つ鉄の扉があり、その向こうにコースがある
らしい。最初に華奢な少女の方が扉をくぐって入っていく。次が
頑丈そうな女性、わたしは三番目だった。
わたしの順番は、あまり長く待たないうちに回ってきた。鉄の扉が
自動で開き、地下にあるらしいコースへ続く薄暗い道を歩き始める。
背後で重い鉄扉が閉められたとき、一瞬、自分が何か取り返しの
つかないことをしつつあるのではないか、という本能的な不安が
よぎった――実際、その不安は十二分に正しかったのだ。
長い階段を降りきると、まばゆいライトに照らされたフロアに出た。
いつの間にかわたしが乗ってきたバイクが運ばれていた。壁には
コースの説明。なぜかオートレース用のコースではなく、難しい
カーブの多いロードコースである。コースそのものはさらに奥の
トンネルの向こうにあるらしい。山奥の地下にこんなコースを
造ってしまえるほど、オートレース振興会は潤っていただろうか、
と世知辛い疑問が湧く。
「コースが頭に入ったらこのヘルメットをかぶり、早速コースに出て
もらいます。十周してもらって出たタイムであなたの適性を審査
します。トライアルは一度きりです。二度目はありませんので
集中して臨んで下さい」
天井から声が響く。わたしは二三回深呼吸をしてから、早速支給された
ヘルメットをかぶり、愛車にまたがり、走り出す。トンネルを抜け、コースへ
続くなだらかな坂を進み始めたそのとき、ヘルメットから声が響いた。
「警告します。以後、トライアルが終了するまで、絶対に過度の減速は
しないで下さい。速度が一定以下になると仕掛けられた爆弾が爆発し、
あなたは命を落とします」
わが耳を疑うわたしに、ヘルメットからの警告は何度か繰り返された。
そしてコースに到着したとき、わたしは今度は自分の目を疑った。コースの
両側に深い闇が広がっていたからだ。コースアウトしたら十メートルは
ありそうな崖下に転落する仕掛けになっているのだ。すでに前方のどこかで
煙が上がっていて、先の二人のどちらかが転落したことを暗示していた。
動転しそうになる気持ちを何とかこらえて、アクセルとハンドルに
意識を集中させる。気を抜いて速度が低下するとヘルメットから不吉な
アラームが鳴り響く。速度の下限は位置によって変動するようで、
一瞬でも気を抜くことは許されないようだった。わたしは自分でも
信じられない集中力を発揮して、恐ろしい死のトライアルを持ちこたえた。
「間もなく終了です。そのまま反対側のゲートへお進み下さい。爆弾が
解除されます」
不条理な仕打ちに対する憤りとか、レース場の素性に対する疑いとか、
そんな普通の感覚は完全に麻痺していた。わたしはただもう爆弾の
恐怖から解放されたい、という思いのみで指定されたゲートをくぐった。
だが、解放感を味わう暇はなかった。ゲートの中には顔に気味の悪い
文様を刻みつけた男女が大勢待ち受けており、ゲートをくぐってすぐ、
強制的に停止したオートバイ上のわたしを取り囲み、拘束したのだ。
必死で抵抗するわたしの耳元に、奇怪な隈取りの女性が話しかける。
「おめでとう!あなたは改造人間の素体に選ばれたのよ。わたしは
戦闘員どまり。うらやましいわ」
この子、たしか最初にコースに入った女の子だ、とわたしは気づいた。
彼らはそうしてわたしを拘束したまま部屋の奥へ連行して、大きな円形の
台の前へ引きずっていった。天井のライトが、それが手術台らしいことを
暗示している。台の横には白衣を着た女性が立っていた。マスクをつけ、
やはり気味の悪い文様を顔に刻んでいるが、あの待合室にいた女性
らしいと直感的に分かった。
「テストはあなたで最後。結局、改造手術を受けられるのはあなた一人。
命をとりとめて戦闘員になれたのも、そこのお嬢さんを入れてたった四人
しかいなかった。あなたは選ばれた存在なのよ。さあ、早速始めましょう」
その言葉を合図に、わたしを拘束していた異形の群れはわたしの
ライダースーツを脱がせようとし始めた。大勢の手が背中のチャックを
降ろし、強引に手足を抜きとる。そして下着になったわたしの背後から
あの女の子が近づき、女性らしい手慣れた手つきでブラジャーを外す。
「やめて!いやだ!いやだ!」
異形の者たちによる集団暴行。そしてよくわからないが、何か恐ろしい
「手術」。わたしは半ば錯乱しながら必死に力をふりしぼり抵抗しよう
とした。しかし異形の者たちの力は信じられないほど強く、手を
ふりほどくことはおろか、動かすことすらほとんどできない。
「おとなしくしててね」
あの女の子はそう言いながら楽しそうにわたしのパンティを下げ始めた。
「こうして裸にするとわかるわ。均整のとれた、無駄のないきれいな
身体。本当にうらやましいわ」
そう言いながら彼女たちはわたしをあの不吉な手術台に運んでいった。
そうしてわたしの身体を大の字の形に固定すると、手足に冷たい鉄の
枷をはめた。
「いやだ!わたしどこも悪くない!手術なんていや!何なの?
あなたたちは何なの?振興会じゃないわね!何者!?」
わたしはこの場の責任者らしい白衣の女性に問いかけた。
「そう。オートレースというのはあなたのような女性を集めるための
ちょっとした口実。わたしたちはショッカー。世界を征服し改造人間に
よる理想社会をつくるために集った、秘密結社」
「ショッカー?改造人間?」
「そうよ。あなたはこれから手術を受けて改造人間に生まれ変わるの。
全身の臓器と骨格を強力な人工部品に置き換え、あなたの場合は、蜂の
細胞をもとに創り出した人工筋肉と人工皮膚を移植する。あなたは
女性改造人間第一号『蜂女』となる栄誉に恵まれたのよ」
よくわからない!聞いたこともない組織に、強引に拘束されて得体の
知れない手術を受けさせられてしまう。そんなことがあっていいのか。
何か悪い夢でも見ているのだろうか。
「いや!何でわたしなの?ショッカーなんか知らない!帰して!家に帰して!」
「改造人間の適性には様々な要素がある。今回特に重要だったのは、高速で
走るオートバイを自在に操作できる動体視力や反射神経。人間の能力を
はるかに超える機械と一体になることができる素質よ。現に、わたしの
殉職した先輩は、この素質に秀でた素体から、素晴らしい改造人間を
作り出すのに成功した…残念な事故のせいで、おぞましい失敗作が
できあがってしまったけれどね」
長口舌をぶちながらも、白衣の女は片時も手を休めず、何やら機械や
薬品の準備をてきぱきと進めていた。
「さあ、準備ができたわ。あなたは心身共に人間を超えた優れた存在へ
生まれ変わるのよ」
そう言って女は、自分でもわけのわからない声を上げて泣きじゃくる
わたしの首筋に注射を打った。全身の感覚が麻痺していったが、意識は
まだはっきりしていた。
「ふふふ。しばらくの間、自分が生まれ変わっていく様子をよく見て
いるといいわ」
そう言って女はわたしの胸にメスを当てた。声すら出せないわたしの
目から大量の涙が流れてきた。痛かったわけではない。本当に「手術」が
始まってしまったからだ。傷一つなかったわたしの胸が得体の知れない
目的で切り開かれてしまうのだ。わたしは麻酔によってではなく、
ショックのために気を失ったようだ。その後ぼんやりと目覚めるたびに
手術は進んでいて、わたしの身体がずたずたにされていく様子を
見せつけられては、やがて気を失う、という繰り返しだった。メスは
お腹にも、腕や足にも及んだ。内臓の各所に生命維持装置と称された
無骨なチューブが接続され、一部の臓器は無造作に摘出された。
うつぶせにされ、あるいは横臥の姿勢にされながら、全身にむごたらしく
メスが入れられていった。麻酔が切れてきたのか、身体の奥からかすかに
厭な痛みが湧き上がりかけてきた頃、口に笑気ガスが当てられて本格的な
全身麻酔をかけられた。この後、今以上に肉体をずたずたにされるの
だろうか、と思いながら、わたしは意識を失った。
目が覚めたとき、わたしの身体にはシーツが掛けられていた。筋肉の
麻痺はまだ続いているようだったが、感覚は回復していた。痛みはなく、
お尻に当たる手術台の滑らかな表面や、乳房やお腹に当たるシーツの
目の細かい織り目などが、自分でも気味の悪いほどありありと感じ取れた。
「お目覚めかね、蒼井蜜子くん」
壁に掲げられた大きな鷲のエンブレムの目が不気味に光り、野太い
男性の声が響いてきた。声を耳にした白衣の女とその助手たちは
さっと敬礼のポーズをとった。
「君の改造手術は順調に進んでいる。見たまえ」
声を合図にシーツが外された。わたしは「改造手術」と「改造人間」
という言葉の意味をこれ以上ないほど生々しく思い知らされ、絶叫した。
天井のライトの鏡面に映ったわたしの首から下は、全身青色の皮膚に
覆われていた。乳房には蜂のお尻を思わせる黄色と黒の同心円模様。
すねから下はブーツを履いたように滑らかな、角質化の進んだ皮膚。
足の指はなくなり、かかとは長く伸びてハイヒールのようだ。手首から
先も同じ状態になり、爪はなくなっている。これらがすべて今やわたしの
皮膚そのものである、ということはシーツや手術台の感触ではっきりと
わかった。皮膚の表面は人間の、いや哺乳類の皮膚とはかけ離れたものに
なっている。一番似ているのは、昆虫の幼虫、青虫の類の体表だ。あれの
青いものが厚みを増し、全身を覆っている。開いた足の間には体毛一つ
なく、見たところわれ目もなくなってつるんとしている。背中には昆虫の
ような羽根が生え、肩から斜め下に向けて広がっている。
白衣の女が嬉しそうにわたしの身体をのぞき込み、肩口から乳首、
お腹から太ももを経てつま先まで指を滑らせながら、うっとりした顔で
話しかけてくる。
「美しい。我ながら最高傑作と言っていいわ」
指の感触が、この異様な青い皮膚こそ今のわたしの素肌なのだ、
という事実を改めていやというほど思い知らせる。
「いや…もとの身体に戻して…こんなのいや…いや…」
わたしの言葉をまるで意に介さずに、威圧的な声が響く。
「君には早速一つの任務を用意してある。新型の毒ガスの開発と、
それによる劣等な人間の処分だ。理想社会に不用な劣悪な人間をガスで
抹殺する計画の指揮を君にとってもらおう」
「毒ガス?抹殺?いや!そんな恐ろしいこと!やらない!したくない!」
わたしはその有無を言わさぬ口調に、何か不吉な予感を感じつつ、抗弁した。
「最初はみんなそう言うわ」
白衣の女が嬉しそうに応じる。
「あなたの改造はまだ途上なの。もうじき脳にメスが入り、脳内に、
機械と融合した効率的で合理的な情報処理システムが構築されるわ。
そうして脳改造を受けたあなたは、わがショッカーの崇高な理想のために
喜んで働く戦士に生まれ変わるのよ!」
――肉体を切り刻み作りかえたあのメスが、脳に、心に、当てられて
しまう、という鮮烈なイメージがわたしの心を揺すぶった。不吉な予感の
正体はこれだったのだ。とてつもない恐怖と、どうしようもない無力感が
わたしを打ちのめした。
「…脳改造…」
わたしはこうして身動きのとれないまま、外見だけでなく、心まで
わたしではないモノに変えられてしまう。この狂気を宿した女科学者の
ように、恐ろしい計画に嬉々として従う本物の怪物になってしまうのだ。
わたしの目から何度目になるかわからない涙がぽろぽろとこぼれ始めた。
「その脆弱な精神もすぐに作りかえてあげる。大丈夫、すぐに終わるわ。
あなたの全身を覆う強化細胞は、術後の処理を驚異的に簡素化するの。
頭蓋骨の一部を除去して、代わりにこの電子機器を組み込んだ人工頭蓋を
装着すれば、組織がすぐに癒合して手術は終わり。
縫合も何も必要ないわ」
そう言って白衣の女は、培養液のようなものに浸された、黄色と黒の
毒々しい色に彩られた「人工頭蓋」をわたしに見せた。
「助手1号、強化細胞の定着率は?」
「99パーセントを越しています」
「問題ないわね。始めましょう」
科学者は小型ノコギリを手にし、スイッチを入れてわたしの額に近づけてきた。
「いや!心まで化け物になるのはいや!」
――そのときだった。建物内を赤い非常灯らしい光が包み、サイレンが
鳴り響いた。切迫した声で放送が流れる。
「侵入者!…仮面ライ…ぐわぁっ」
女性科学者の表情がこわばり、周囲にいた異形の隈取りの男女が部屋の
出口へ向けて身構えた。程なく、恐らく「バッタ男」と呼ばれるのが
ふさわしそうな怪人が部屋に侵入してきた。怪人は薄暗い部屋に
ピンク色の眼光を光らせながら、防戦する異形の男女をなぎ払い、その
拳で見る間に
ごぼごぼと泡になって消滅した。
「おのれこの失敗作!」
覚悟を決めたらしい女科学者が、わたしの頭蓋骨に当てようとしていた
小型ノコギリを手に怪人に向かっていった。だが怪人の一撃でノコギリと
手がぐしゃぐしゃに砕かれ、そのまま地に伏し、泡になって消えた。
最後まで残ったのはあの華奢な女の子だった。
「イーッ!」
奇声を発して勇敢に立ち向かっていった少女が、怪人に連続して
回し蹴りを当てた。怪人はふらふらとよろけた。
「なかなかやるな!とう!」
そう言って怪人は体勢を立て直し、横の壁に向けてジャンプすると、
壁を蹴って反動をつけ、少女に向けてキックを放った。背後のコンクリートの
壁がぼこりとへこみ、弾丸のような速さの蹴りが少女を反対の壁にさらって
行った。次の瞬間にはもう、めり込んだ壁に人型のしみが残っているだけだった。
「残りはこれだけか。…まだ若い娘さんじゃないか。さっきの少女といい、
むごいことをする…せめて一瞬で終わらせてやらねば」
わたしを見てそうつぶやいた怪人はピンク色の目を不気味に光らせると、
両手を組み、組んだ拳をわたしの脳天に狙いを定めて、振りかざした。
身動きのとれないまま、一部始終を呆然と眺めていたわたしは、
怪人の狙いが今や自分に向かっていることを知り、ようやく我に返った。
「いやぁぁぁぁぁ!殺さないで!!化け物!」
今にも打ち下ろされんとしていた拳がぴたりと止まり、ゆっくりと
下ろされた。
「まさか…俺と同じ…脳は無傷なのか?」
そう言うと怪人はその無機質な顔をわたしの額に近づけた。顔の中心に
ある、昆虫の単眼に当たる部分からピピピピというかすかな音が聞こえる。
「…済まない。あやうく取り返しのつかないことをするところだった…」
怪人はそう言うとわたしの手足を拘束している枷をいとも簡単に引きちぎった。
「どうだ?立てるか?」
「…だめ。手足が動かない。麻酔がまだ効いているみたい」
「麻酔?人間用の麻酔が改造人間に効くはずが…そうか。オレのときと
同じ、起動の操作が必要なのか…」
そう言いながら怪人は操作パネルを調べ、あるレバーを握った。
「多分これで…」
怪人がレバーを引くと同時に、手術台の、わたしの大きく開かれた
足の間にシャッターが開き、何かがせり上がってきた。丸く湾曲した、
黒くて太い棒状のプラグだった。せり上がったプラグは、開かれたまま
ぴくりともしないわたしの大事な部分にその先端を強く押し当ててきた。
「いや!何これ!痛い!痛い!」
つるんとして何もないように見えていたのは表面上だけだったらしい。
他の表皮に比べるとはるかに薄い皮膚が性器を覆っていたのだった。
プラグは何か刃物のようなものでその薄い表皮を切り裂き、わたしの
中に入り始めた。
「やだ!こんなのやだ!こんなのやだ!」
…こんなものにわたしの処女は奪われてしまう…。そんな、悲劇を
通り越した喜劇的な状況にわたしはあまりに情けなくなり、もはや涙も
出なかった。
怪人は顔を背け、うつむきながら言った。
「…すまない。まさかこんなことになるとは。ショッカーめ、悪趣味な
ことを…。…しかし我慢してくれ。改造後こうして機械部品を起動させ、
充電を行わないと、遠からず生命維持装置が停止し、君は死んでしまう
ことになる」
いやらしいプラグが、改造されていなかったらしいわたしの処女膜を
破り、奥にまで達した。そうして痛さと違和感の混じった最悪の不快感に
包まれていたわたしに、さらなる拷問が襲いかかった。体内の機械部品を
起動するという、高圧電流が流され始めたのだ。
「あああああああああああ!助けて!死ぬ!死んじゃう!」
改造された肉体は電流の痛みを和らげてくれることがないらしい。
わたしは全身が引き裂かれそうな電気刺激に正気を失いそうに
なりながら死ぬ死ぬとわめきちらした。
「すまない。脳が未改造だと苦痛が緩和されないんだ。もうちょっとだけ
我慢だ」
ふと天井の手術灯を見上げると、さらに絶望的なものが目に入った。
ここだけは無傷だと思っていた顔にとうとう変化が生じ始めたのだ。
顔の皮膚が青と紫のまだらに変化し始め、額からは触角が伸び、目には
横にいる怪人と同じような複眼が形成された。髪の毛は紫のゴワゴワした
昆虫の体毛のような毛に変わっていった。
頭部の変化が完成したと同時に電流が止まった。
「…辛かったろう。だがもう動けるはずだ」
言うとおり、わたしの身体は軽々と動いた。これまで感じたことの
ない力の充実感が、もう人間の身体ではなくなってしまったという事実を
皮膚感覚で知らせてきた。
「この基地は自爆装置が作動して壊滅するはずだ。やつらのいつもの
証拠隠滅の手口だ。さあ、脱出するぞ!」
怪人はわたしの手を取り、出口に向かった。
「待って!この子を!」
わたしは自分のマシンに駆け寄り、爆弾、および強制停止装置と思われる
異物を引きちぎって投げ捨て、上にまたがった。
「この子も連れて逃げたいの!乗って!」
「…そうか。わかった」
改造人間二体を乗せたわたしのマシンは、それでもけなげに、いつもに
近い実力を発揮してくれた。あちこちで起こる爆風と落下してくる瓦礫を
避けながら、わたしは怪人を乗せ、来た道を戻っていった。
「すごいテクニックだな。オレでも無理かもしれない」
それなりに腕に自信のある私は、こいつ、何様のつもりかしら、
と思いそれを聞き流した。
地下への入り口には侵入した怪人が開けたらしい大きな穴が空いていた。
だが外部への出口には、重そうな鉄のシャッターが下りていた。怪人は
バイクから飛び降りるとわたしに声をかけた。
「手伝ってくれ。一緒にぶち破ろう」
怪人はそう言うと鉄板に拳を見舞い始めた。ぐにゃり、ぐにゃりと鉄板が
変形してゆく。バイクを降りたわたしは、怪人の真似をして恐る恐る
鉄板にパンチを当ててみた。横の怪人ほどではないが、たしかに鉄板は
変形した。二人で叩き、貫通した穴を押し広げて、ようやくバイクが
通れるほどの大きさの穴が開いた。わたしたちはバイクに戻った。
「急げ!そろそろ時間がない」
奥の方からひときわ大きな爆音が聞こえ、振動が伝わってきた。直後に
押し寄せてきた爆風に押し出されながら、わたしは何とかバランスを
保ち、先ほど空けたバイク一台分の穴をくぐり抜けた。少しでもずれて
いれば壁に叩きつけられていただろう。そうしてわたしたちは、まるで
銃から発射される弾丸のように爆風に乗って外に飛び出し、そのまま着地した。
わたしはバイクを停め、下に降りた。バッタの改造人間もバイクを
降りた。こちらを向いているものの、うつむき加減の怪人が何を考えて
いるのか、もう一つ読み取れない。やがて、脱出の興奮が薄れてきた
わたしに、絶望と怒りの感情がこみ上げてきた。先ほどの自分のパンチ力を
思い出し、力をセーブせねばとは思いつつ、それでも激情に抗えず、
かなり激しい平手打ちを怪人に食らわせた。
「ばかっ!」
やはりわたしの力はもう普通の人間のものではなくなっていた。
不意を衝かれたらしい怪人は数メートル横にはじき飛ばされた。
「何をする!普通の人間ならば首が飛んでいたぞ!」
声を荒げて言い立てる怪人を、わたしはもっととげとげしい声で
責め立てた。
「なんで!なんであのまま死なせてくれなかったの!こんなものになる
くらいなら、起動なんてして欲しくなかった!あんな器具に大事なものを
奪われて…こんな顔になって…いっそあのまま…まだちょっとだけ
きれいな身体のままで…そして女の子の顔のままで、死なせて欲しかった!」
怪人は何も言わなかった。だが激情が冷めてくるにつれて、わたしは
いやでも気付かざるをえなかった。この人はわたしと同じだ。わたしと
同じ運命を背負って、それでも逃げないで今日まで生きてきたのだ。
そして一人であの「ショッカー」と戦っているのだ。わたしや、そして
この人自身のような犠牲者をこれ以上増やさないために。
長い沈黙が二人を包んだ。やがて怪人がぽつりと話しかけた。
「君やオレの身体を元に戻す方法はまだ見つけられていない。ひょっと
するとオレたちは一生このままかもしれない。ただ、君がオレと同じ
技術で改造されているなら、変身装置は付いているはずだ。それを
使えば『人間のフリ』をして生きていくことはできるはずだ。戦闘用の
機器の出力をある程度セーブし、生身の人間の外形に擬態する能力だ。
ほら、こんな風に」
怪人はそう言うと人間の姿に「変身」した。わたしは自分の目が
信じられなかった。わたしにとって雲の上の存在に等しい人、オート
レース界のヒーロー、本郷猛が目の前に立っていたからだ。
「…本郷…選手?あなたが…改造人間に?」
「そうだ。数ヶ月前、ショッカーに誘拐されて改造された。だがある人の
手引きで、脳改造前にショッカーを脱出したんだ。それから、やつらの
世界征服計画を少しでも阻止しようと、ショッカーの改造人間たちを
倒してきた…オレや君の、哀れな同族たちをね」
本郷さんは悲しい目をしてそう言った。わたしの脳裏に、わたしを
殺そうとしていたあのときの本郷さんが浮かんだ。あのとき、この人は
「仮面」の裏側で涙を流していたに違いない。その目を見ながら、
わたしはそう確信した。
「だが君を同じ運命に巻き込むつもりはない。人間に擬態して、
ショッカーの手の伸びていない地方でひっそりと暮らせば…」
「いや!一緒に戦います!戦わせて!」
わたしは本郷さんの言葉をさえぎり思わずそう叫んだ。憧れのヒーローを
前したミーハーな気持ち、死の危険をくぐり抜けた連帯感、そんな心理の
いたずらも手伝っていたのかもしれない。だとしても、わたしがこの人の
悲しそうな目を見た瞬間、深い恋に落ちてしまった事実に変わりはない。
一生、死ぬまで、この人と一緒に悪と戦っていこう。そんな決意が瞬時に
固まってしまったのだ。わたしは軽薄なのだろうか。違う。この人から
あふれ出る途方もない強さと優しさが、わたしを虜にしてしまったのだ。
「どこに逃げたって、きっとやつらはわたしを追ってくる。ならば
こちらから迎え撃つの。いいでしょ?」
「…うーむ…攻撃は最大の防御というが…」
本郷さんはわたしの申し出を断り切れない様子だった。ことさら
しかめ面をしていても、わたしには分かる。この何ヶ月かこの人を
苦しめていた孤独、それを分かり合える仲間に巡り会えたことが、
やはり嬉しいに違いないのだ。
「決まりね!わたし頑張ります!足手まといにならないように。
…それで、わたしも『変身』できるんでしょ?どうやるの?」
「オレの場合、このベルトのダイナモが動力源で、変身スイッチでも
あるんだが…同じ理屈で言うと、君の場合…その…多分、それの中に…」
本郷さんは顔を赤らめ、うつむいてもごもごと言葉を濁した。動力源、
という言葉と顔の赤らみ方から、要するに「あそこ」の中にスイッチが
あるらしいということをわたしはすぐに察した。手術台の上の体験で
妙に肝の据わったわたしは、覚悟を決めることにした。
「…わかったわ。ちょっとあっち向いてて」
そう言いながらわたしは、すでに再生していた表皮を指で引き破り、
あそこの中に指を差し入れて、それらしいものをさぐった。やがて
カチリ、という手応えを感じ、体内の機器の出力がセーブされ始める
のがわかった。同時に、皮膚の青みが見る間に薄れ始めてきた。
「やった!やったわ本郷さん!やっぱり『変身』できるみたいよ!」
「おおそうか!よかった!」
――うれしそうに振り向いた本郷さんとわたしは同時に顔を赤くした。
本郷さんの目に飛び込んできたのは、全裸のまま股間に指を突っ込んで
いる若い女性の姿だったからである。
「…と、とりあえず君の服をどうにかしないといけないな」
焦りながら紺のブレザーを脱いで掛けてくれたシャイな本郷さんに、
わたし改めて胸をときめかせていた。
――数週間後。
「お前の作戦はすべて阻止した!」
「観念なさいショッカー!お前にもう勝ち目はない」
「おのれダブルライダー!!せめてお前だけでも道連れにしてやる、
ライダー2号!」
作戦の失敗を知らされた怪人が溶解液をまき散らしながらわたしに
向かってきた。
「なめないで!」
わたしはひらりと身をかわし、猛と怪人の距離を計算しつつ間合いを取った。
「ミツコ、今だ!」
「まかせて、タケシ!」
怪人を各々の射程内に収めたわたしたちは、同時にジャンプして叫んだ。
「「ダブル・ライダーキック!!」」
怪人は爆発し、わたしたちはまた、ショッカーの陰謀をかろうじて
食い止めることができた。
あの日からわたしは「仮面ライダー2号」を名乗ってショッカーと
戦い始めた。そして猛と二人でショッカーの改造人間を倒し、ショッカー
の陰謀をいくつも未然に阻止した。体力で劣る半面、機敏さと小技が
わたしの持ち味で、「力の1号、技の2号」という役割分担ができつつ
あった。自分で言うのも何だが、わたしたちはベスト・パートナーだと
思っている。
正直、たった二人で場当たり的にショッカーの作戦を阻止するだけで、
本当にあの巨大な秘密結社を潰せるのだろうか、という疑問が湧かないでも
ない。未来は混沌としている。それでも、一人でもわたしたちのような
犠牲者を増やしてはならない、という思いがわたしを戦いに駆り立てる。
自分に降りかかった恐ろしい運命。そしていつ終わるともしれぬ、苦難に
満ちた戦い。でも、わたしは一人じゃない。だからくじけずに頑張って
これたし、これからもやっていけるはずだ。きっと。
ライダーキックを放ち、相当量のエネルギーを消費したわたしは、
変身を解くと――あるいは人間体への変身を施すと――その場に
へたり込んだ。そして、同じく変身を解きサイクロンに乗ろうと
している猛のジャンパーの裾をつかんで、甘い声を出した。
「ねえ、タケシ、くたくたなの。もうエネルギーゼロなの。ここで
しようよ!ねえ!ほら、そこの屋上で!」
わたしはつい今しがたまで戦場だった、建設途上で破棄された
マンションの屋上を指さした。
「あの上なら誰も来ないし、誰にも見られないよ。ねえ!今すぐ欲しいの!
もらわなきゃあたし死んじゃうんだよ!」
渋々という感じでバイクを降りた猛に、わたしはさらにおねだりした。
「もう一歩も歩けない!お姫様だっこで、屋上までジャンプしてよ!」
「…さすがにジャンプは無理だ。歩いて上るよ」
そう言いながらも猛はわたしを横抱きにして、スクラップを器用に
足場にしながらするすると屋上に上がった。
屋上に上がるとわたしは早速服を脱ぎ始めた。猛も何となく気後れした
ような顔をしながらも、素早い動作でズボンとパンツを脱いだ。上半身は
そのままだった。
「こちらもだいぶ消費したし、追加のチャージもないから、満タンと
いうわけにはいかないよ」
「いいよ。とりあえずお家に帰れれば。動けないくらい減っちゃった
っていうの、嘘じゃないんだよ」
そんなことを言いながら、わたしたちは廃ビルの屋上でセックスを
始めた。いや、セックスにしか見えないし、実のところセックスである
ことにも違いないのだが、しかしこれはわたしのエネルギー補給なのだ。
あの脱出劇の後まもなく、わたしは自分と猛の身体の仕組みの違いに
気づいた。ベルトのダイナモからサイボーグ部品への充電が常に可能
である猛と違い、わたしの身体は定期的にショッカー基地で充電しなければ
ならない仕組みになっているらしかった。しかし、この深刻な問題に
衝き当たったわたしたちが答えを見つけるのに、それほど時間はかからなかった。
「…ううむ、そうか。何のためにある機能なのか正直分からなかったんだが、
このためだったんだな。…ゆくゆくは男女の改造人間のカップルを作り、
奴らの言う理想社会で子孫を作らせるというような意味もあったのかも
しれないな…」
そうして、わたしの命を救うためという理由から、わたしたちは定期的に
セックスする関係になった。大抵は戦いを終えた後、猛がサイクロンを
飛ばしてエネルギーをチャージし、その状態でバイパス沿いの連れ込み
旅館の類に入って、わたしにチャージしてくれるというパターンだ。
今や猛にベタ惚れ状態のわたしとしては、これは戦いの後の、何にも
勝るご褒美だった。セックスを覚えたての女の子がしばしばそうである
ように、わたしは猛とのセックスにのめり込み、戦いの後に限らず、
折を見ては求めるようになっていった。
最初わたしは、猛の方も、何せ年頃の男性なのだから、こういうことは
嫌であろう筈がないと信じていた。自慢ではないがわたしは見た目も
スタイルも人並み以上で、昔から言い寄ってくる男が絶えない方
だった。こちらにその気がなかったから今まで処女だったとはいえ、
男性ならば普通にわたしの身体を求めるものだと自然に考えていたのだ。
だが、どうやら猛はわたしとのセックスにいつも何かわだかまりを
感じているようだった。そのわだかまりの正体がはっきりしたのは、
ある昼下がりの「アミーゴ」でのことだ。その日、エネルギー不足を
口実に、ほとんどわたしの性欲だけを理由に、わたしは猛の肉体を
求め、店の奥の間で「エネルギー補給」を行っていた。まさに真っ最中
というそのとき、立花の親父さんの困惑しきった声が聞こえてきた。
「…いや、ルリ子ちゃん…忘れ物はわかるんだけど、ちょっと今は
まずいんだよ。頼むよ」
「いやねえ。何だか知らないけどこっちも急いでいるのよ。入るわよ!」
慌ててわたしたちは肉体を離し、わたしは布団の中に潜り込んだ。
がらり、と引き戸が開き、どうみても情事の最中にしか見えない猛が、
しどろもどろになりながら弁解にもならない弁解を始めた。
「あの…ルリ子さん、これは…違うんだ!なんて言うか…その、そう、
スポーツマンシップに則り、正々堂々と、というか…いや違うか…ええと
…ともかく違うんだよ!」
無言で走り去っていく緑川ルリ子を追うに追えずに困り切っている
猛の息づかいを、わたしは布団に潜りながら聞いていた。そして心の
中で猛に話しかけていた――ねえ、「違う」って何なの?何が「違う」
の?答えて、猛!…しかしその問いかけは言葉にならず、代わりに
涙がぽろぽろとこぼれてきた。
それでも、猛とセックスできているときのわたしはやはり最高に幸福
だった。廃ビルの上、わたしは思いきり声を上げて快楽を堪能していた。
「ねえねえ。やっぱりエネルギーが足りないわ。あれやってよあれ!」
「この状態で!?危ないよ、だめだ」
「いいじゃん!けち!」
そう言うとわたしは猛と結合したまま強引に立ち上がり、猛を抱えた
まま屋上の縁にまで進むとそこから身体を投げ出した。風圧がベルトの
ダイナモにチャージされ、わたしの身体にも強烈な電流が駆けめぐり、
二人は性的にも同時に達した。着地したときには、わたしたちは
仮面ライダー1号・2号に「変身」していた。
満足して身体を離したわたしは、大笑いしながら周りを
ぴょんぴょんと飛び跳ねていた。
「あっははははははは!楽しかったね!気持ちよかったね!ね!タケシ!
タケシぃ!!あははははは」
…はしゃぎ回るわたしを、「仮面」の下の猛はどんな顔をして
見つめていたのだろうか。
<つづく>
…まずは以上です。お粗末様でした。
迫害された少女とか、本郷の恋人とか、フェンシング選手とか、ナチの女看守とか、
滝の恋人とか、すでに色々とあるなかでどうしようかと思っていたのですが、
「【トカゲロンは】怪人の素体となった人間【サッカー選手】」スレの下記の方の書き込みが
大きなインスピレーションでした。
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131 名前:名無しより愛をこめて 投稿日:2006/09/19(火) 07:23:29 ID:lIRHyqVw0
関係ないけど、俺は昭和ライダーの世界の女性仮面ライダーとしては、
タックルよりもショッカーの蜂女に出て欲しかった。素体はぜひ緑川ルリ子さんで。
蜂女は頭部のデザインがライダーマンに似ていて、歴代ライダーの中に混ざっても
違和感が少ないと思う。武器も細身剣で、電波投げよりもずっと強そうだし、
何より、タックルよりもずっとずっと色っぽいw
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「ライダー」と呼ばせる関係上バイクに乗せねばならず、それでああいう設定になりました。
こないだ読んだ『マスクト・ドラゴン』のイメージがちょっと混入したかもしれません。
ネタバレですが、実は後編で、ライダー2号・蒼井蜜子は、ショッカーの手で脳改造を
施されて悪の蜂女になってしまいます。そして、影村めがね店を拠点にした
拉致作戦をはじめとする非道な作戦に手を染め、本郷の手で葬られて、
泡になって消えてしまうのです。…て誰でも知っている話でしたね。失礼しました
なお、女子オートレースについては下記を参考にしました。
実はバイクは詳しくないので、変なところあるかもしれません。ご容赦下さい。
ttp://www13.ocn.ne.jp/~gunjikyo/topics_084.html ttp://www.geocities.co.jp/MotorCity-Race/1549/sub6-2-jiken.html
>>59-60の間、ちょっと文が抜けていました。
>>59の下2行と
>>60の1行目はこうです
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ピンク色の眼光を光らせながら、防戦する異形の男女をなぎ払い、その
拳で見る間に彼らを圧倒していった。異形の男女たちは倒れるやいなや
ごぼごぼと泡になって消滅した。
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バイバイさるさんが出たので携帯から書き込んだのですが、
やっぱり色々うまく行きませんね。