オリジナルウルトラマンを創るスレ【オリトラQ】

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1メテオ作者
オリトラ五つの誓い

一つ、ここはオリジナルのウルトラマンを創るスレである事を理解する事

一つ、作風は自由だが、話はしっかり完結まで書き、なおかつ下品な作品はスルーする事

一つ、感想も自由だが、批判意見等はアドバイス程度に済ます事。
また読者方のアドバイス等も参考にはするが、応えないケースももちろんある
    という事を、ご理解ください。

一つ、荒らしには絶対反応しない事。(それ以前に荒らしなど人が不愉快になる行為はしない事)

一つ、sage進行で進める事。(スレッドが落ちてしまいそうになった時だけageる事)

前スレ↓
オリジナルウルトラマンを創るスレ【エイトォ-!】
http://tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1170060695/

オリジナルウルトラマンまとめサイト(パソコン版↓)
http://originalultraman.cyber-ninja.jp/index.html
(携帯版↓機種によっては観覧できない場合があります)
http://www.sjk.co.jp/c/w.exe?y=http%3A%2F%2Foriginalultraman.cyber-ninja.jp%2Findex.htm
又は
http://originalultraman.cyber-ninja.jp/menu.html
2メテオ作者:2007/03/04(日) 15:21:14 ID:/YGSpAXD0
オリジナルウルトラマンを創るスレ【first】
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1148132212/
オリジナルウルトラマンを創るスレ【second】
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1154531054/
オリジナルウルトラマンを創るスレ【third】
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1157799460/
オリジナルウルトラマンを創るスレ【fourth】
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1160846909/501-600
オリジナルウルトラマンを創るスレ【fifth】
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1163688391/
オリジナルウルトラマンを創るスレ【sixth】
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1165726897/
オリジナルウルトラマンを創るスレ【オリトラ7】
http://tv9.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1167295883/
オリジナルウルトラマンを創るスレ【エイトォ-!】
http://tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1170060695/
3名無しより愛をこめて:2007/03/04(日) 15:21:35 ID:/0C2QBq5O
メテオ作者様乙です!
4ウルトラマンデウス:2007/03/04(日) 15:46:24 ID:TrmIBpl50
第9話「破滅の予兆」
円盤生物UF−0、金属生命体アパテー、自然コントロールマシーン・テンカイ、ウルトラマンシャドー、カオスウルトラマンシャドー、登場。
光も届かぬ海の底に、その研究施設は存在していた。
人の姿が絶えて久しいその施設の中に、未だ灯るモニターの光。モニターに無数の数字が走り、ある文字を映して止まる。モニターに映るその文字は……“根源的破滅、再来”。

その日、メフィストは高空へ向け飛び立った。宇宙から落ちてくる巨大物体を迎撃するためである。
降下してきたのは円盤生物。メフィストが放った光弾を避け、戦闘形態へ変形する円盤生物。両者の熾烈な空中戦が始まった。
戦いの中、円盤生物のリング光線がメフィストを捕らえる。身動きが取れないメフィストに近づいていく円盤生物。
その瞬間、メフィストのクローが煌いた。呪縛を破り放たれたクローの一撃によって、両断される円盤生物。だが、この戦いはほんの始まりに過ぎなかった。
円盤生物から零れ落ちた液体金属は、海底で不気味に蠢き、沈んでいたモノを取り込もうとしていた。取り込んだのは、銅鐸のような物体と、黒いウルトラマンの首……。
5ウルトラマンデウス:2007/03/04(日) 15:48:09 ID:TrmIBpl50
「まっずいなぁ。こりゃさっさと避難しないと」
バケツをひっくり返したような雨の中、男は近所の川の様子を見に来ていた。川は増水し、既に道路に溢れ始めている。
そんな中、男は溢れ出した水に流されている一本の奇妙な棒を発見した。装飾の施されたその棒を弄っているうちに、突然、棒が閃光を放ち、たちまち現れるウルトラマンデウス。
棒を取り落とし、腰を抜かす男。事態が掴めず周囲を見回しているウルトラマン。その時、風が強くなり、地平の彼方から、銅鐸のような巨大飛行物体が姿を現した。
迫り来る銅鐸に近づこうとするデウスだったが、強烈な暴風が行く手を阻む。一旦距離をとったデウスは、銅鐸の真上の雲が晴れている事に気付いた。
デウスが銅鐸へ光線を撃つと、銅鐸は墜落し、暴風雨が収まった。これをチャンスと接近するデウス。
デウスが近づいたその時、銅鐸から腕が生え、デウスの首を掴む。もがくデウスの目の前で、銅鐸はみるみる形を変えていく。変貌したその姿は、まるで黒いウルトラマン。
その時、スカイテンプルが到着した。スカイテンプルからハヤトとイノリ隊長、その他P.O.S.E.隊員数名が降りてくる。
ハヤトは手にした棍を両手で引き伸ばし、メフィストへと変身した。変身と同時に放った跳び蹴りで、デウスから黒い巨人を引き剥がす。
2大ヒーローから距離を取る黒い巨人。その時、空がガラスの如く割れ、光の粒子が黒い巨人に降り注いだ。巨人の姿が、禍々しく変貌していく。
変貌を遂げた黒い巨人が、全身からミサイルを一斉発射した。降り注ぐミサイルの雨が2大ヒーローを襲う。移動と障壁を駆使し、どうにかやり過ごすも、デウスの変身時間がここで解けてしまう。
一方、メフィストは黒い巨人と格闘戦を繰り広げていた。圧倒的なパワーの差に、苦戦するメフィスト。ついに投げ倒されたメフィストに、黒い巨人が拳を振り上げた。
その時、黒い巨人の足元にトラックが激突、爆発した。変身解除されたリキが運転し、突っ込ませたのだ。
思わず足元を見る黒い巨人。その隙を突き、メフィストが黒い巨人を蹴り飛ばす。よろめく黒い巨人に、メフィストの光線が炸裂し、ついに黒い巨人は倒された。
「円盤生物、黒いウルトラマン、それに、あの光の粒子……一体何が起こっているんだ…」
皆が勝利を喜ぶ中、Dr.クゼは1人、不安な表情を隠せない。
6デウスの人:2007/03/04(日) 15:53:21 ID:TrmIBpl50
とうとう本編を2レスに分割してしまったデウスの人です。
文章を短く纏めようとは思うのですが、なかなか難しいものです。ネタを詰め込みすぎているのかも知れません。

>>1
メテオ作者殿、スレ立てお疲れ様です。
7ё作者:2007/03/04(日) 15:57:23 ID:x0D6Qt6V0
>デウス作者様
全然大丈夫ですよ!
僕なんてё1話で7レスぐらい使ってますし・・。
黒いウルトラマン・・・これだけで終わるとは思えないので、
光の粒子の正体などが楽しみです

>メテオ作者様
スレ立てお疲れ様です。ありがとうございます。
とうとう二桁目前ですね!!
8デウスの人:2007/03/04(日) 16:17:04 ID:TrmIBpl50
自分でやったギャグを説明してるようでマヌケですが、補足を少々。
第9話において、謎の棒を拾った男は結局変身しておりません。
迂闊でした。男の台詞なり、逃げ出す描写なり入れるべきでした。これではわかりにくいですね。
9メシア作者っぽい:2007/03/05(月) 03:44:35 ID:WUIWsMIj0
新スレ乙です。
前スレでは感想ありがとうございました。
2節はもうチョイかかりそうです
10デウスの人:2007/03/05(月) 14:20:55 ID:ntIByW/y0
ここらで秘密を明かしておかないと、言うタイミングを逸してしまいそうな気がするデウスの人です。
世界観表の方、修正お願いします。

・M78系
(上の方省略)
 ↓
カイザー
 ↓
バルグ(ゼクス)
 ↓
デウス
11アルファ作者:2007/03/05(月) 14:27:18 ID:z2uJ5Urd0
メテオ作者様
乙です。

イース作者様
前スレのё見ました。やはり隆一郎は生きていたんですね!
宇宙星雲防衛軍の人達は皆名前の後に「星人」がついてますが、個人名なのか、
それとも生まれた星の代表を一人で背負ってるんでしょうか? まあ、
それを言ったらアルファのゾギア星人も微妙ですが。
それと、一人だけ年齢が280歳で3桁なのは設定上意味がありますか?
12アルファ作者:2007/03/05(月) 14:38:12 ID:z2uJ5Urd0
デウス作者様
繋がってたんですね。後、9話見ましたが、銅鐸はテンカイと直ぐわかりましたが、
アパテーはどの辺に出てたんでしょうか? 登場した怪獣やウルトラマンのどれかに
化けてるんでしょうか?

メシア作者様
上のほうで世界観の話が出ましたが、メシアはやはりM78関係ない完全な
並行宇宙でしょうか?
13ё作者:2007/03/05(月) 17:24:30 ID:UgKG+i8j0
>デウス作者様
繋がってたんですか!
わかりました。世界観表を後に変更しておきますね。

>アルファ作者様
感想ありがとうございました。
はい、死には至りませんでした。
”星人”は隊員全員が宇宙人であるということ表すためのものですので、
名前の一部ではないです。はい。
あと、280なのは間違いですので、修正致しました!失礼しました。
14フレンズ作者:2007/03/05(月) 17:52:17 ID:nLLNcZSU0
>デウス作者様
アパテーは液体金属のやつでしょうか^^

あ、そういやフレンズは無印はティガとつながっています。で、絆は、ネクサスの世界の100年ぐらいあとという設定になっています。(頭の中で)追加して置いてください。
15ё作者:2007/03/05(月) 18:05:14 ID:UgKG+i8j0
>フレンズ作者様
了解です。
できれば、ダイナの前か後かも教えてくださいませ。

第2話投下します。
16ё作者:2007/03/05(月) 18:06:45 ID:UgKG+i8j0
第2話「ёの謎!」銀河怪獣ガンギー、凶暴怪獣バレンダー登場

<前回のあらすじ>
宇宙星雲防衛軍により救出された隆一郎。
そんなとき地球にガンギーが襲撃してきたのだ!
何とか倒そうとイースリングとなり戦った隆一郎だが、
パワーは極限まで低下しており、即負けてしまった。
それと同時に世界三大秘宝石の”平”が発見された!
その力を利用し、隆一郎が自らの力を何倍へとパワーアップ!
今、新のヒーロー”イースリング・エボリューション”が誕生したのだ。

エルド「イースリング・エボリューション行け!」
ジョーン「イースリング・エボリューション??」
エルド「私が今つけた名前だよ。だが長いかな・・・?
     よし!ё[イー・ツー]と呼ぼうではないか!」
そのёは、以前より鋭く尖った角を立たせ、模様は左右対称に。
鶏冠の天辺には、あの平が埋め込まれている。
神秘的な姿の巨人だ!

「ディァァ!!」
という根強い声と共に構え、ガンギーと向かいあう。
ガンギーもすぐ敵だと思ったのか、目がさらに吊るんで、真っ赤にする。
そして突進してくるが、それをサラッと避け、背中を思い切り蹴るё。
蹴られた衝撃でうつ伏せに倒れるガンギーに乗っかり、さらにパンチを連打するё。

ミコ「すごいわっ!強いわー・・あんたも少しは見習いなさいよ!」
と、思い切りバックの背中を叩くミコ。
バック「ひぃぃぃ!!ちょっとぉ・・・痛いですよ・・・」
ミコ「男のくせにっ!」
17ё作者:2007/03/05(月) 18:08:05 ID:UgKG+i8j0
そんなやり取りを2人がしているうちに、ёはガンギーの尻尾を掴んで振り回しており、
思い切り投げつけた!
岩に思い切り激突して、鳴き叫ぶガンギーに、ё必殺技の”ブラックローズライン”をお見舞いした!
この技も光線ではない。打撃技である。
腕に炎のエネルギーを集中し、そのまま相手に突進してその腕をクローズラインと同じように
叩きつけるという技である!
避けきれなかったガンギーの首筋にバーンッ!と命中!
3秒後、ガンギーは頭から足元にかけて、爆発して砕け散った・・・
ジョーン「やったぜベイベー!」
するとёの頭に天辺に埋め込まれていた”平”が、青→黒→青という順に点滅している。
ミコ「あら?あの点滅は・・・」
エルド「きっとパワーの源のため、体力が減ると点滅してそろそろ危険だということを教えてくれるのであろう。」
ミコ「そう・・。でも、秘宝石の巨人は100年も戦い続ける力があったはずじゃ?
   今はたった5分しか・・・」
エルド「おそらく、その100年の戦いに全力を使いすぎ、一度変身した際に5分ほどしか巨人となれないのであろう」
ミコ「便利で不便ね・・・」

だが、なんとか怪獣は倒した。
ёは隆一郎の姿に戻り、みんなの元へ戻ってきた。
隆一郎「みんなー!・・・やった!倒したぞ!」
エルド「よくやってくれた!」
ジョーン「お疲れ様だぜっ」
ミコ「ありがとっ」
バック「ァ、ァ、ァ、ありがとうございますです・・・」
隆一郎「ハハハ、いいんだって。
     あ、それより・・。この秘宝石の秘密についてもっと教えてください!場所などについても。」
エルド「場所はわからない・・。」
隆一郎「え?」
エルド「でも、それぞれのパワーなどは分析している。この巨大戦闘機内のモニターで教えてあげよう」
18ё作者:2007/03/05(月) 18:09:14 ID:UgKG+i8j0
戦闘機内に全員が戻り、ジョーンがコンピューターを操作して秘宝石の分析映像を移す。
それをバックが解説する。
バック「まず、隆一郎さんが自らに埋め込んだ秘宝石。”平”(へい)につい。
     これは平和の秘宝石なんです。つまり2億年前のこの巨人は平和を愛していた。」
隆一郎「平和の巨人なのに、一番を決めるために戦っていたのか?」
バック「平和は平和でも、人の命を守るといった類ではなく・・・
     とにかく滅亡や壊滅を嫌う者なんです。」
隆一郎「う、うん・・。」
バック「次に”喧”(けん)。これは争いの秘宝石です。2億年前の巨人は地獄のような光景を
     好んでおり、わざと人を虐殺したりしてました。」
隆一郎「そんなものが、どこかにあるというのか?」
バック「はい。そのため、悪魔なんかが手にしたら、より凶暴な魔力を手にしてしまうでしょう。
     ・・・最後に”仲”(ちゅう)。これは両立の秘宝石。
     この二人を抑えつつ、一番を狙います。」
エルド「ともかく、三人とも仲は悪い。強力な存在だ。
     だから取られてはいけない。」
隆一郎「一体誰が狙ってるんですか?」
エルド「主に・・・闇魔怪人やギネス星人といった我々にとってはライバルの存在である奴等が狙っている。」
隆一郎「そうですか・・・。っあ!それと、三人の巨人を封印したというキング・ウォーとは??」
エルド「それは我々にもわからないのだ・・」
隆一郎「そうでしたか。」
エルド「でも君は今日から、平で進化した巨人、ё(イー・ツー)・・・イースリング・エボリューションなんだ。」
隆一郎「・・・イースリング・・・エボリューション・・・」
エルド「平を手にしたからには、絶対負けてはならない。・・・頼んだぞ。」
隆一郎「・・はい!」

CM
19ё作者:2007/03/05(月) 18:10:39 ID:UgKG+i8j0
そして隊員内で自己紹介が始まる。
ジョーン「まずは俺だぜっ!バリバリのツッパリ、ジョーンだ!
      このリーゼントは宇宙一だ!よろしくな!」
顔を横に向け、リーゼントを見せつけるジョーン。
ミコ「で、私がミコ。なんか文句ある?」
隆一郎「いや別に・・」
ミコ「そう。なら、よろしく」
かなり怖そうだが、見かけは美人のミコ。
バック「で、で、え〜っと・・・その・・・」
ミコ&ジョーン「はっきり喋れ!」
バック「は、はい!!・・・僕はバックです。よろしくお願い致します。」
ぺこぺこしておじぎするバック。
エルド「ハハハ、みんな愉快だな。そして私がエルド。隊長を務めている。どうぞよろしくな。」
ピッシリと背筋を伸ばして手を差し出す隊長。
隆一郎は、握手に応えながら、返事をする。
「はいっ!みなさん、よろしくお願いします・・・とはいっても、僕がずっと付き添うと邪魔では・・?」
エルド「ハハハ、何を言っている。君も今日から宇宙星雲防衛軍の一員だよ。」
隆一郎「え?この僕が?!」
ジョーン「あぁそうだぜ!」
ミコ「くれぐれも厄介なことしないでよ」
バック「今後ともよろしくお願い致します。。」
エルド「さ、ということで基地内になる隊員服に着替えてくれたまえ。」
隆一郎「は、はい!」
笑顔で了解のポーズを取る隆一郎。

そして全員で戦闘機の修理を行う。
この戦闘機はそのまま基地とするためだ。
全員で協力してるものの、日は暮れ、夜に。
誰もいない山奥で徐々に戦闘機は直されてゆき、満月が出た直後についに完成!
隆一郎「やったー!」
ジョーン「よっしゃ!」
20ё作者:2007/03/05(月) 18:11:55 ID:UgKG+i8j0
そのまま基地は地中へ掘り進み、地下基地へと変貌した。
だが、その時、怪獣探知機が強く反応したのだ。
エルド「怪獣か?!」
バック「え?え?そんなぁ・・・」
ミコ「あんたそれでも防衛隊員?!」
バック「ご、ごめんなさい。。」
そんなやりとりをしている最中、いきなり地中から地上に怪獣が掘り上がって来たのだ!!
宇宙の衛星カメラから転送される、地上の様子を映し出すカメラ映像をモニターで確認する隊員達。
ジョーン「これは、6000年前に宇宙を狙い、追い出された後に地球の地中で冬眠していたと
      言われるバレンダーに非常に似てる・・・」
隆一郎「ようし・・。ここは僕にまかせてください!」
エルド「大丈夫なのか?」
隆一郎「えぇ!まかせてください!」
と笑顔で飛び出し、地上に出て、ёペンシルを起動する。

そこから強烈な光が発生し、隆一郎はёの姿へと変貌した。
「ディアッ!」と構えを取る。
バレンダーも同じく構えを取り、まずは炎を吐いてくる。
だがёはジャンプでスラッと避け、着地の際にバレンダーの頭をふんづける!
 さらにうつ伏せに倒れたバレンダーの尻尾を掴み、ジャイアントスイングでクルクル投げまわす!
その後、思い切り高くに投げ飛ばし、数秒後にそこから落ちてきたところを狙って、昇竜パンチ!
あまりの痛さに立ち上がっても、ウギャーと鳴き叫ぶバレンダー。
少し心配し、近寄るёだが・・・これは罠であり、バレンダーはいきなり肩を噛み付いてきた!
なかなか離れてくれず、痛くて動けないё。
さらには平も点滅してしまう・・。
しかし、そのバレンダーにレーザーが直撃!やっと口を開き、離れることができた。
光線を打った主は、エルド隊長の銃であった!
ё「ありがとう、隊長。」
親指を立てて、応援する隊長。
最後は、バレンダーをさらに蹴り続け、完全にヨロヨロになったところで、腕に炎をため、
必殺”ブラックローズ・ライン”炸裂!
バレンダーは完全に爆死した。
21ё作者:2007/03/05(月) 18:16:07 ID:UgKG+i8j0
戦いを終え、地球到着&隆一郎歓迎パーティをする5人。
宇宙人専用という飲み物と食べ物を隆一郎も美味しく食べる。
そして再びこの地球にいられることを非常に喜んでいた。
だが、遊んでばかりはいられない。
全力を尽くし、そしてこの新たな仲間達と共に、絶対に平和を守ってみせる!
そう誓うのであった。

つづく

次回予告
第3話「マンションは魔の基地!」険悪星人ダーク・シン星人、ダーク団

最近、何故だか騒がしい住民が多いというマンション。
調べに行く防衛軍達であったが、特に怪しい様子は無い。
しかし、作戦は地道に進められており・・
お楽しみに。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
隆一郎のキャラも非常に明るくなりました。(これでいいのか?)
今後ともよろしくお願い致します。
22フレンズ作者:2007/03/05(月) 18:35:28 ID:nLLNcZSU0
<イースリング・レボリューション作者様
ダイナの後でティガ外伝の100年ぐらい後です。ご迷惑をおかけします。
23ё作者:2007/03/05(月) 18:38:22 ID:UgKG+i8j0
了解しました。
ご確認ください。

アレス作者様の劇場版・シグマの件も解決いたしまして、
ついに完成致しました。
嬉しいですね・・・・皆様お疲れ様でした。
24ё作者:2007/03/05(月) 18:55:47 ID:G9UVWLcp0
(参考)ウルとラマンシリ〜ズ 格闘シ〜ン挿入曲(その1)
http://1000yenkigan.fc2web.com/ultraman_sr_kakutou.mp3

(参考)ウルとラマンシリ〜ズ 格闘シ〜ン挿入曲(その2)
http://1000yenkigan.fc2web.com/ultraman_sr_kakutou2.mp3


25ё作者:2007/03/05(月) 18:57:01 ID:UgKG+i8j0
>>24
偽者です
ご注意を
26ё作者 ◆aCDTk3FeFg :2007/03/05(月) 19:10:23 ID:UgKG+i8j0
偽者対策で番号つけます。
この番号=自分ですので、よろしくお願いします
27バルグ作者:2007/03/05(月) 19:26:46 ID:pGDyzl3M0
よし、一気にまとめて感想を

メテオ
とうとう始まりましたね。ここから先どうなっていくのかひじょうに楽しみです。
期待してまってます

デウス
まず8話に俺の怪獣が使われたのが予想外でした。
角を折られるシーンがあったのでなかなか満足しましたw
そして9話に出てきた黒いウルトラマンもきになります

イースリング・エヴォリューション
イースリングの続編がとうとう始まりましたね。
隆一朗がここから先どうなるのか楽しみです
28メテオ作者:2007/03/05(月) 19:32:57 ID:xg0z62D50
>>27

……?

えぇと、私は最近更新してないのですが(汗
もしかしてメテオじゃなくてメシアでは?
違ったら申し訳ないです;
29バルグ作者:2007/03/05(月) 19:46:25 ID:pGDyzl3M0
>>28
しまった…。すいません。

このバカな頭をどうにかしてぇ…
30メシア作者っぽい:2007/03/06(火) 00:38:52 ID:ftVkbNwA0
>>12
はい。まったく関係のない未来の世界です。
ちょっと第一節の時点での設定をおいておきますね。

リチャード・ギブソン
実年齢36歳、身長187cm、体重103kg
階級大佐
アメリカ人、冷静沈着だが時には熱い。ノリもいいとまさに隊長としてうってつけの存在。
元空軍パイロットで第三次世界大戦に戦闘機乗りとして参加
その功績から異例の若さで大佐となる。
29でパイロットを引退してからはもっぱら宇宙開発に力を注いできた。

カンジ・ババ(馬場完治)
実年齢26歳、身長177cm、体重86kg
階級少尉
日系アメリカ人。両親は第三次世界大戦中にアメリカへ移住した日本人。
そのためアメリカ国籍と日本国籍の両方を持っている。
22でNASAに入ってからはケントとともに恒星間飛行プロジェクトのパイロット候補として
高等訓練を受けてきた。エクスクルーダーのメインパイロット
31メシア作者っぽい:2007/03/06(火) 00:40:43 ID:ftVkbNwA0
訂正ギブソンは46歳で

ケント・マーティン
実年齢27歳、身長190cm、体重96kg
階級中尉
アメリカ人。両親は第三次世界大戦で他界。
奨学金でハーバード大学を卒業。軽い口調とは裏腹に苦労人である。
NASAに入ってからはカンジ同様恒星間飛行プロジェクトのパイロット候補として
高等訓練を受けるが、情報判断能力の高さからエクスクルーダーのサブパイロットに抜擢される。

ジェイド・フェンダー
実年齢22歳
階級少尉、身長165cm、体重?
アメリカ人。ワシントン内唯一の女性であり唯一の戦後生まれ。
実は現アメリカ合衆国大統領を伯父にもつセレブである。
この若さでワシントンの乗組員に抜擢されたのは彼女の実力だけと言うわけではなさそうだ。
32メシア作者っぽい:2007/03/06(火) 00:41:45 ID:ftVkbNwA0
第三次世界大戦
2071〜2082の間に起こった世界大戦。
主にイスラム圏の国々とアメリカを中心とする連合国で争われた。
石油の枯渇と、イスラム教とキリスト教の対立が主な原因。
皮肉なことにこの戦争で人類の科学技術は飛躍的に進歩した。
結果は連合国の勝利で終ったが双方に多大なるダメージを残ている。
終戦から四半世紀ほど過ぎた2107でも敗戦国は立ち直ることすら出来ていない。

恒星間飛行船ワシントン
NASAが巨額の費用を投じて完成させた人類初の恒星間飛行船。
全長70m。惑星間を飛行するためのスーパーイオンエンジンと
恒星間を飛行するためのアンチマダー(反物質)エンジンを搭載してる。
攻撃能力は保持しておらず、岩石の除去は搭載機エクスクルーダーに任せる。

SF-125 エクスクルーダー
進路の邪魔ととなる岩石、天体を排除するための宇宙戦闘機。
対艦攻撃は想定されていないため、対巨大宇宙人戦にはほとんど役に立たない。
装備はレーザー砲、バリアーネット、対岩ミサイル。
33ウルトラマンアレス:2007/03/06(火) 23:14:03 ID:5hxB0Eya0
第四話「時代の終わり、始まり!」ローシュウ星人カーラ・コゴ、クサカ・ゲンス、
シダ・マローシ、ローシュウ星人部隊長、星人兵、宇宙怪獣バルージャ登場

前回、アーリカ星人を退けたRAT。そして彼らの戦艦も無傷で手に入り、
科学班ではこの戦艦の解析が行われていた。その頃、本部では遼の姉、美香から
先日、さらわれた訳を聞いていた。
美香「別段、理由なんか無いみたいです」
遼「えぇ!?姉さん、それは一体…」
美香「だから、アーリカ星人はとりあえず人質が欲しかったみたいだし、私を
捕まえたみたいよ。まあ、もしかしたら私がすっごく可愛いからかもしれないけどネ!」
近藤「(ふむ、この人は…)」
土方「(ある意味、羨まし性格だな)ところで、遼。君に紹介したい連中がいる」
遼「はぁ、どういった人達ですか?」
土方「我らRATの、言い方は悪いが二軍、だが実力はかなりの者ばっかりだ。
二軍というより、第二チームと見たほうが良いかも知れんな」
遼「どんな人達だろう、土方さん、早く紹介してくださいよ」
土方「よし、着いて来い」

土方に連れられ、遼はRAT基地の地下4階へと向かう。そこには激しい訓練を
行っている者達が多数いた。そしてそれを監督する二人の男。
土方「紹介しよう、RAT第二チームの隊長の山南敬さん、副隊長の島田魁理君だ」
遼「沖田遼と申します、よろしくお願いします」
山南「君が遼君か、噂は聞いているよ。すごい腕前だそうだね」
島田「うちの連中も負けてられないな」
自己紹介もそこそこに遼は第二チームのメンバーを眺めていた。すると遼は
どこかで見覚えのある顔を発見した。その者に話し掛ける。
遼「なあ、お前…藤堂!?藤堂平治だよな!?」
藤堂「…遼!?懐かしいな、お前!久々じゃねぇか!」
34ウルトラマンアレス:2007/03/06(火) 23:15:05 ID:5hxB0Eya0
土方「何だ、知り合いか?」
遼「はい!中学の時、つるんでた奴ですよ。お前、どうしてRATに?」
藤堂「俺は外宇宙への憧れからさ。昔の地球は外宇宙に進出しても各惑星の
調査ぐらいしか出来なかったけど、今は違う。今は外宇宙で暮らすことさえ
可能な時代なんだ。その夢に向かうには防衛軍でとにかく頑張る事だと思ってね。
地球の守りも出来て一石二鳥だよ」
遼「藤堂はデカイ夢を持ってるなぁ。俺なんか飯と宿のために入ったような
もんだしなぁ…いや、地球を守る気は満々ですよ?土方さん」
土方「…何故、俺に言う?」

そんな会話が続く中、緊急連絡が基地中を駆け巡りモニター回線が開く。モニターに
映った年齢は中年ぐらい、だがなかなかのナイスミドルなその男。
すぐ隣に無愛想な男も映っている。
土方「芹沢参謀!?それに新見参謀補佐か…」
新見「なんだね、土方君。私を見るなり嫌な顔をしたが?」
芹沢「新見君、放っておけ。土方君、重要な事を伝える。地球と同盟を結んでいる
マツーサ星より朗報がある。アーリカ星人を退けた功績により地球を銀河連邦へ
加入できるよう推薦したそうだ。地球が外宇宙に進出する際、これほど大きな
足掛かりは無いだろう」
遼「おお!すごいなぁ、地球も大進歩ですね」
芹沢「だが加入の条件として銀河連邦の拠点の一つ、キョートス星のカイゲート防衛を
果たせとのこと。カイゲートとは複数のゲートで構成された要塞城であり、地球に
任されたのはゲートの一つ、フラワーガーデンゲートだ。そこで地球防衛軍を
派兵するわけだがRAT極東支部の諸君にも出向いてもらいたい。
激戦が予想される、第二チームも連れて行くように。以上だ」
35ウルトラマンアレス:2007/03/06(火) 23:18:36 ID:5hxB0Eya0
土方「了解!ただちに向かいます。山南さん、島田君、よろしいか?」
山南「もちろんです」
島田「うちの連中も士気が上がってますよ」

待機中の第二チームの隊員達も磨いた技を振るえると喜びに溢れる。
遼「藤堂!いきなり、腕試しと外宇宙行きだぜ!」
藤堂「おう、精一杯やるさ、よろしく頼む親友!」
土方は第一チームの隊員達にも今回の任務の概要を伝える。
原田「腕が鳴るぜ、俺達の力を見せ付けてやらぁ!」
斎藤「確かに承りました」
永倉「ま、ぼちぼち行くとするかのう」
山崎「未知の場所ですね、気を引き締めていかないと」
近藤「よし、RATの命運が掛かっていると思え!全員、出陣だ!!」
第一チームと第二チームがラットファイターでキョートス星へと向かう。
機内ではUMOの新アルバム『ビ〜ジ〜エム』の曲が流れる。別の防衛チームでも
聞いていたとかなんとか…。

〜CM〜
怪獣が出現した!ラットファイター1号で出陣!アサルトキャノンで攻撃だ!
大空を行く、『DXラットファイター1号』ラットファイター2号もよろしく。

『ビ〜ジ〜エム』の曲、U40.Tの終わる頃、キョートス星へと
到着する、RATチーム。カイゲートの着地場では出迎えが待っていた。
遼「すごいなぁ、さすがは銀河連邦!ってとこかな?」
土方「あんまりキョロキョロすんな、みっともない」
遼「は〜い」
ラットチームは出迎えの兵士に連れられ、城の中心へ向かう。そこにいたのは
銀河連邦代表・コーメイス議長だった!
36ウルトラマンアレス:2007/03/06(火) 23:20:13 ID:5hxB0Eya0
コーメイス「地球人のみなさん、遠いところをわざわざ、御出で頂き、
有り難うございます」
近藤「いえ、我々がコーメイス議長に会うことが叶うだけでも光栄なことなのに
地球を銀河連邦の一員に加えて頂けるとは本当に嬉しい事です」
コーメイス「有り難う。もう伝わっていると思うが地球防衛軍の方々は
フラワーガーデンゲートの守護をお願いします。他のゲートはマツーサ星や
アーズ星の軍隊が担当します。このようなことを頼むのもローシュウ星という
過激な宇宙人が銀河連邦を乗っ取り、各地を襲う計画があるとか…」
近藤「承知しました。みんな、行くぞ!」

RATはラットファイターをフラワーガーデンゲートに待機させ、万全の態勢だ。
そして…あたりに轟音が響き渡る!戦が始まったのだ!そしてRATのもとにも…。
隊員「隊長!ローシュウ星人の一部隊がこちらに向かってきます!」
近藤「よし!原田君、斎藤君、何人か連れて左右の部隊を頼む!中心は全員で
叩きのめすぞ!」
一同「おぉぉ!!」
ローシュウ星人の部隊とRATは戦いを始める!近藤と土方の確実な指揮が部隊に
響渡り、遼のラットセイバー捌きが光る!永倉も負けじとばかりに一気に5人程、
叩き切った!山崎は素早い動きで敵を翻弄しつつ仕掛け爆弾でまとめて粉砕、
斎藤は近くの敵をセイバーで斬ったかと思えばブラスターで遠くの敵mも次々と
撃ち抜いていく。原田はわざわざ隊員連れてきた意味、あるのか?と思うぐらい、1人で
どんどん敵を倒してゆく。上空ではローシュウ星の戦闘機が襲いくるが
ファイターの山南と島田のコンビネーションで確実に撃墜していく。藤堂も
2号で戦闘機を撃墜しつつ、地上部隊も援護する。あまりに圧倒的な展開に
ローシュウ星人の部隊長も慌てふためく。
星人隊長「ち…地球人如きが生意気な!我らの大志のため、まだ負けるわけには
いかんのだ!仕方ない!バルージャを出せい!!」
37ウルトラマンアレス:2007/03/06(火) 23:21:51 ID:5hxB0Eya0
隊長の命令で星人の巨大な円盤から風船が膨れ上がっていく…爆発すると中から
怪獣バルージャが現れた!バルージャはRATの攻撃を物ともせず全身してくる。
バルージャの眼からの光線で藤堂の乗るファイターが撃墜されてしまう。
藤堂「くそ、まだ終わるわけにはいかん!」
遼「藤堂!くそ!」
ファイターの撃墜を見て遼はすぐさま、岩場の影に隠れアレスへ変身する!
アレスはファイターを救出して、バルージャと対峙する!
藤堂「ウルトラマンアレス!」
アレスはバルージャの光線を両手で防ぎ、一気に懐へ入り込み、腹に風穴を空ける程の
パンチを浴びせる!悶絶するバルージャ、さらにブレスレッドを変形させる!
アレス「アレス守兼定!!」
空高く飛び上がり、バルージャを八つ程の頭のような形に斬り捨てる!
アレス「宇宙理心流・ヤマタノオロチ」
バルージャは大爆発!ローシュウ星人部隊も劣勢のため、各地から退いていく。
そしてRATはコーメイス議長に褒め称えられ、地球は晴れて銀河連邦の一員と
なった。だが、そんなRATを見つめる複数の影…それはローシュウ星人の中でも
大物、カーラ・コゴ、クサカ・ゲンス、シダ・マローシの三人だ。

カーラ「ふむ、やはりまだ時期尚早だったようだね」
クサカ「そうかもしれん。だが地球人…特にRAT…これは思わぬ強敵だ」
シダ「彼らの情報が欲しいですね…そうだ、地球に潜入しませんか?ヒーゴ星の
ベミヤ先生やトサン星のチヅキ・タート君も近々、向かう予定だとか…」
カーラ「敵のことが分からないと戦なんか出来っこないからね」
クサカ「良いだろう、行こう」
地球は銀河連邦の一員になったが、これを境に地球、そしてRATには過酷な運命が
待ち受けることになるのであった…。
38ウルトラマンアレス:2007/03/06(火) 23:23:07 ID:5hxB0Eya0
次回予告「銀河連邦の一員になって地球に帰ってきたRATチームだが、
そこではRATの偽者隊員が暴れているとの噂が広がっている!社会的に
RATを抹殺する気なのか!?遼よ、今こそ謎を暴け!
さあ来週のウルトラマンアレス!みんなで見よう!!」

〜アレスが斬る!!〜
アレス「銀河連邦とは宇宙のあらゆる星々と繋がりを持たす、中心勢力ってところだね。
ここに加盟するということは他の加盟惑星との貿易や提携なんかも可能になったってこと
なんだ。しかし銀河連邦に向かって戦を仕掛けるということは賊軍とされて徹底的に
叩きのめされてしまう。まあ、何はともあれ地球も加盟惑星となったことだし
宇宙進出もどんどん進むことになるね!」
39ウルトラマンアレス:2007/03/06(火) 23:31:13 ID:5hxB0Eya0
久々だなぁ〜…今回のアレスはあれだ、八月十八日って感じだね。

アルファ作者殿、アルファ見ました。う〜む、予想していた通り
アルファは地球に残りましたね。そういや、シグマ最終回の時の反応を見たとき
シグマが出る!?とか勝手に期待してましたwでも達志と真悟が出会ったら
どんな感じなのか?そういうのは興味あるな、正反対な運命だし。

イース作者殿、隆一郎!!…と思ったら新作で帰ってきたw新作の方は
とにかくインパクトある作品ですね、期待します。

メシア作者殿、濃い設定ですね。世界観は独立型で、実は我々の世界へ
もっとも近いウルトラですね。
40アルファ作者:2007/03/06(火) 23:38:22 ID:iZ7KRmko0
アレス作者様
取り合えず、合格おめでとうございます。これからの活躍を期待します。

アルファの感想も有難う。本編が終わった今、余力があれば番外編で
他のウルトラマンとの共演もやってみたいです。無論シグマのほうも
やってみたいですが、流れがVSズィーベンみたいになったら怖いしなあ・・・
でも、課題として胸に留めときます。

アレス、本当に幕末になってますな。ここまで異星文明との交流を
きっちり描くのも斬新。全編通してのテーマなんでしょうか?
41ё作者 ◆aCDTk3FeFg :2007/03/07(水) 00:15:10 ID:TG5TMh5t0
>シグマ作者様
今回は宇宙を舞台に、様々な惑星の名前などがでてきて
面白い新展開への予兆でした。
 ёの感想ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
42名無しより愛をこめて:2007/03/08(木) 23:41:08 ID:cFWitR7iO
保守
43名無しより愛をこめて:2007/03/09(金) 22:20:45 ID:3CVzDFSpO
捕手
44名無しより愛をこめて:2007/03/09(金) 22:52:39 ID:qER/OBLC0

死者が蘇る―
フィクションのB級ホラー映画の台本ではない。
文字通り、死亡した人間が、永遠に目を閉じたままである筈なのに再び開眼し、肉を求め、さ迷い歩く。
事の発端は宗教団体‘死屍曾孫(シシソウソン)’から1本のビデオテープが送りつけられた所から始まった。
死屍曾孫とは‘死’を信仰とし、崇拝し、そして神とする、いわゆるカルト教団である。
信仰者は皆、真っ白いコートで身にまとい定期的に謎の儀式を行う不気味な集団として世間に知られていた。
しかし、名こそは知られているがその集会所や信者達の身元の正体等謎のベールに包まれた部分が多く、
ある意味侵略宇宙人以上に得体の知れない存在だと人々から恐れられている。
‘死’を尊重するが故、ヴードゥー教のような実在するマイナー宗教の派生とも考えられたが、
目下のところ死屍曾孫の存在はどの宗教団体にも関係無いらしい。と言うか、拒否っている。
いつぞや、死屍曾孫の集団が各々ミイラ化した犬や猫の屍を手に繁華街を横断した事件は記憶に新しい。
話を戻すと、先日、この死屍曾孫からTV局KBCに、謎のビデオテープが送られてきた。
テープの内容は、真っ白な部屋の真ん中に、男が仰向けに倒れている映像から始まる。
男はムクリと立ち上がり、ノロノロと歩き回り始めた。別段変わった所は無い。
ただし、その男の胸の心臓部分にポッカリと空洞が開いてる所を除けば。
数分後、映像は切り替わり、「死屍曾孫、死し者に命与えし―」とメッセージが流れ、映像は終了した。
45名無しより愛をこめて:2007/03/09(金) 22:54:04 ID:qER/OBLC0

KBCはこのビデオテープの内容を悪質な悪戯だと判断…いや、そう信じ、テープを焼却処分した。
しかし、後日この映像が何者かの手によってネット上で流出されていたのだ。
瞬く間にこの謎の映像は話題となり、映像専門家やその手のマニアの協力による細かい検証結果、
‘この映像に合成・CG処理は一切加わってない’と満場一致したのだった。
そこからは怒涛の勢いであらゆるメディアで‘死屍曾孫、死者復活か!?’と取り上げられ、連日騒然となった。
怪獣がぽこぽこ現れるご時世でも、‘死人が蘇り、歩く’のは異例だった。
フリップ星人の仕業だ、と唱える者も多いが、フリップのアプローチとしては妙に地味だし、
何より当のフリップ本人はバルキーのまっずい手料理を食べて体を壊し深海アジトで寝込んでいる最中であった。

そして―事件は起きた。
映像の騒ぎ以来死屍曾孫の集団が毎日のように各所の街に出没し、
‘我等、命、操りし―’とぶつぶつ呟きながら街中を徘徊して回るものだから、人々の不安は悪化。
事態を重く見た警察隊が出動し街を徘徊する死屍曾孫の集団を力ずくで逮捕しようと信仰者達に触れた瞬間、
警察官達は次々と気を失って倒れてしまった。発砲許可もおり、警察隊は拳銃を構えたが、
何故か拳銃が次々に壊れ、抵抗も出来ぬまま警察隊は全滅、死屍曾孫の集団は何処かへと消え去ったのだった。


ウルトラマンクラウス 第15話 「裏切りの戦い」

ゾンビ 蘇生
46名無しより愛をこめて:2007/03/09(金) 22:56:11 ID:qER/OBLC0

―A&R日本海海上基地―

「嫌ですよ隊長、あの集団だけには絶対関わりたくない!!」
「しかしなぁ、ナオキ。個人の依頼ならともかく、これは警視庁から直々の依頼なんだ。断るわけにゃいかん。」
「じゃあなんですか、今回の事件にもナントカ星人とかナントカサウルスとかが絡んでるってんですか!?」
「それを調べるんじゃないか。死屍曾孫事態、以前から謎のベールに包まれてた集団だしな。」
「あの教団って3年前に初めて存在が確認されたみたいなんですよ。フリップ星人襲来よりも以前の話です。」
「今回はあの象鼻宇宙人はシロだな。やってる事が陰湿すぎだ。」
「…ふぅん。普段なら怪獣出現、よし出動となる所だが……今回は特殊だな。どこから手をつければいいやら…。」
「とりあえず、またあの連中がどこかの街に現れたら即出動、って事にしませんか?」
「俺は嫌だぞ俺は嫌だぞ俺は嫌だぞ昨日はカレーもチャーハンも大福も食ってねぇぞ食ってねぇぞ食ってね」
「落ち着けナオキ、何もお前が行けとは言ってない。…疲れてるんじゃないか?
もう寝たらどうだ。それに明日は非番だろう? ゆっくり休養して来い。」
「…そーさしてもらいやーす…」
若白髪の髪の毛をボサボサ掻きながら、ナオキは司令室を後にした。

「なんか変ですね。めんどくさがり屋なのはいつもの事ですけど…。」

―ナオキ個室―

ベッドにゴロリと横になったナオキは、ベッドの横にある本棚からアルバムらしき冊子を取り出し、
1枚の写真を手にしてはぁっとため息をついた。
その写真の内容は、苦笑いをしているナオキの横で、満面の笑顔でグッドラックサインをする若い男。
若い男の方は、白いコートを羽織っている。
ナオキは写真をまじまじと眺めている内に、いつのまにやら深い眠りについた。
47名無しより愛をこめて:2007/03/09(金) 22:58:26 ID:qER/OBLC0

―翌日―

あまりコーディネートが良いとは言えない私服姿で、ナオキは街の喫茶店で1人コーヒーを啜っていた。
そこに、1人の男が喫茶店に入店した。

「おーッス! 兄貴、お久っ!」
「よぉ、タカユキ。まぁ座れや。…で、調子はどうよ。」
「どうよって、そんな事言わずながもっしょ! ニュースとか観てみろよ、連日話題沸騰だぜ。」
「ったく、お前はなぁ…」
「やめよやめよこの話題は。それよかさ、そっちはどうよ、特にルイちゃんとの仲とかさぁ。」
「…は?」
「A&Rの同僚のスズミヤ・ルイだよ! 写真見たぜ、そこそこ良さそうじゃん。」
「また人のケータイにジャックしたのか? ふざけんなよ。…あー、頭痛がしてきた。」
「まぁまぁ。で、どこまで進展したんだよ。 ん? ん?」

シゲノ・タカユキ。
名前が示す通り、シゲノ・ナオキの実の弟である。調子が良い所は兄に似てるどころかそれ以上らしい。
2人は外から見れば仲のいい兄弟の図だが、実際はそうでもない。会話する2人の顔は何処かぎこちない。
会話そのものは弾んでいる様だが、いつ決壊してもおかしくない雰囲気ではある。
48名無しより愛をこめて:2007/03/09(金) 23:00:17 ID:qER/OBLC0

―その頃 某ゴーストタウン―

高齢化社会の煽りで過疎化が進んだ結果なのか、
建物は乱立しているが人気は一切無いこの街に、エーアールαとβが飛来した。
子供達の楽しげな声など聞こえない運動公園に機体を着陸させ、レイジ、シュウ、ミスカの3人は降り立つ。
イレギュラー反応が確認されたこのゴーストタウンに、一体何があるのか。
3人は公園を出て商店街の方へ歩む。光弾銃ブレイクシューターを構えながら、慎重に。
先程まで晴天だった天候は何時のまにやら曇りへと変わり、昼なのに辺りは薄暗い。
しばらく歩いていると、‘ようこそ太陽商店街へ!’と書かれた看板があった。商店街の入り口だ。ただし、
威勢の良い魚屋も商売上手な八百屋も立ち読みお断りの本屋も品揃えの良いビデオ屋も愛想の良い電気屋も無いが。
野良猫の気配すらしない。どの店もシャッターで固く閉ざされており、閑古鳥が鳴くにも程がある。
と、1軒だけシャッターが開いている店が。玩具屋だ。しかし、営業しているわけがないが。
荒れた店内で、置いてけぼりにされた薄汚れたアントラーの人形を拾うレイジ。虚しい。兎にも角にも、虚しい。
その時、店の奥からゴトリと音がした。とっさにシューターを構える3人。
シュウが冷汗を掻きながら、ゆっくりと奥へと入る。直後、シュウが大声を上げた。人がいる、と。
衰弱しきってるのかガリガリに痩せたその老人を店外へ運んで寝かせると、応急処置を始めた。
脈は無く、心音もせず、瞳孔もアサッテの方向へいっている。医学上では死亡、でなければ仮死状態である。
しかしシュウは、俺が見た時は間違いなく動いていたと言い張った。ならば、蘇生させるしかない。
シュウは一端道具を取りにエーアールに戻り、レイジとミスカはそのまま蘇生処置を行った。
ミスカが心臓マッサージを試みたところ、老人が手をピクリと動かした。
49名無しより愛をこめて:2007/03/09(金) 23:02:18 ID:qER/OBLC0
『下がれ、レイジ!!!』
突如、レイジの頭にウルトラマンクラウスの声がよぎった。ミスカを引っぱって瞬時に老人から離れるレイジ。
ミスカが何をするのと言い放とうとしたその直前、老人が考えられない速さでスタっと立ち上がった。
目を丸くするミスカに、シューターを構えるレイジ。殆ど生命活動停止していた筈の老人が、2人を睨む。
睨む、と言う表現は不適切かも知れない。何故なら、老人の目は瞳が無く真っ白だったからだ。
老人が手をぷらぷらと揺らめかせながらうめき声を発し、2人にノロノロと迫る。
大量の冷汗を掻きながらシューターを構えるレイジを盾に、えも言えない恐怖に脅えるミスカが後退る。
と、後退るミスカの背中に、何かが当たった。ミスカは、後ろに振り向くと同時に悲鳴をあげ、その場に転んだ。
ミスカの目に飛び込んできたのは、両腕が見当たらないボロ布の男。老人と同じくうなり声を上げている。
瞬時にレイジはミスカを起き上がらせ、2人で揃ってエーアールのある運動公園へ急ぐ。
公園に戻ると、そこではシュウが不気味な怪人集団に襲われ、必死に抵抗していた。
2人の存在を確認したのか、乱戦中のシュウは怪人達の一瞬の隙を突いて2人の元に駆け寄った。
シュウの説明によると、道具を取りに公園に戻った途端、
どこから沸いたのか怪人の群れが襲い掛かってきたと言う。
怪人達は商店街で遭遇した瞳の無い老人や両腕の無い男と同じ類らしく、皆白目をむいてうめき声を上げている。
エーアールへの道を閉ざすかのように、怪人達がノロノロと3人に襲い掛かる。移動動作は速くは無いらしい。
その姿、まさに―ゾンビ。
兎に角、群がるゾンビ共に敵う勝算も無いため3人は公園から逃げ出した。
50名無しより愛をこめて:2007/03/09(金) 23:03:28 ID:qER/OBLC0
しかし、そのまままかり通りそうに無かった。ゾンビの無数の集団が、東西南北から沸いて出てきたからである。
3人はシューターを構えて牽制させるが、ゾンビ達はまったく動揺しておらず、ついには囲まれてしまう。
本部に連絡する余裕もなく、囲まれた3人はただただ恐怖に脅えるしかなかった。
ゾンビ達の中には白目をむいてるだけでなく、眼球そのものが無い者や歯が酷く欠けている者、
さらには歯を剥き出しで涎を垂らしながら片腕が欠けた者もいる。本来なら美女だっただろうに。
いよいよ隙も無くゾンビ達に囲まれた3人は、そのままゾンビの絨毯に飲み込まれ、姿を消してしまった―

だが、ここでおめおめとゾンビの餌食なんぞになる主役では無い。

「うおぉぉぉぉぉぉ!!!!! クラァァッッウゥゥゥッス!!!!!!!」
ゾンビの絨毯から光が放たれ、光の爆発が起こり、ゾンビ達は吹っ飛んだ。ウルトラマンクラウス、降臨。
ただし、人間と等身大サイズである。ここで巨大化すればシュウとミスカも巻き込みかねない。
クラウスは最寄にいたゾンビ達を殴り飛ばし、まずは2人を探す。
悲鳴が聞こえた。クラウスは束になってるゾンビにまとめてクラッシュウムカノン(極最小出力)で吹き飛ばし、
気絶していたミスカを抱いて飛翔、公園のエーアールに乗せ、今度はシュウを救出に再び舞い戻った。
右腕アッパーで片腕の無いゾンビを吹き飛ばし、そのまま腕に光の剣・クラッシュウムソードを装備、
ゾンビ達をまとめて叩きのめしながらシュウを探すが、いくら戦えどゾンビの数は減らず、
エネルギーもかなり消費し、カラータイマーが鳴り始めた。
しかし、そこでようやっと倒れているシュウを発見、シュウを担いで飛翔、エーアールへと戻ったのだった。
51名無しより愛をこめて:2007/03/09(金) 23:04:34 ID:qER/OBLC0

―同時刻―

「…何度も言ってるじゃん、やめらんないんだよ。やめたくても。今日ここに来るのだって苦労したんだぜ。」
「裏切れ。俺が全力でサポートしてやる。あんな気の狂った場所にお前がいる理由なんぞ無ぇ、裏切れ!」
「無理だって言ってんだろ、解ってくれなねぇなぁ、兄貴はよぉ!」
「解ってたまるか!! だからやめろっつたのに、何でお前はあんな…」
「待て、ケータイだ。…もしもし? はい、そうです。はい…はい。…すぐに行きます。
……悪い、兄貴。急用が出来た。…じゃあな。」
「待て! 行かせねぇぞ、このままじゃあお前…」
「いいのか? 俺達に下手に手を出したら兄貴だけじゃなく回りの人間もタダじゃすまないんだぜ?
兄貴の想い人もな。A&Rであろうがなかろうが関係ねぇんだよ。…じゃあな。」
「っく…!」
余韻を残しながら、タカユキは喫茶店を後にした。
無理やりにでも行かせたくなかったナオキだが、他の者を盾にされたのではどうしようもない。
しかし、この後に彼は体を張ってでも弟を止めなかった事を悔いに陥る事となる…。

次回

「Shaun of The Living Dead 」
52クラウス筆者:2007/03/09(金) 23:09:12 ID:qER/OBLC0
奇を衒おうと思って書いてみたらおもくそ変な方向へ…。

>メシア作者さん
第三次世界大戦のくだりが妙にゾクっと来ました。
他の作者さんへの感想とかもなかなか書けずすみません…。
53フレンズ作者:2007/03/10(土) 10:31:29 ID:QHUQU6Vl0
第8話「爆弾解除」ソーダーズB登場
フレンズは人間体に戻っていた。何故かというと、
天志田「それは俺が説明します。本当は、俺のエネルギーも有り余っていたわけですが、天道・・・もといゴットが本当は超大技「ライジングファイナルボム」を下っ端司令官のC如きに使ったのでエネルギーが少なくなり、こういう事になっているのです。」
天道「天志田誰に話しかけてんの?」
天志田「それは、ご都合で言えない。」
天道「ふ〜ん。まぁいいけど。ん?爆弾?」
天志田「え?本当?」
天道「しかもでかい!つぶれてしまうかも。だからゴット!」
天志田「うわ、マジででけえ。じゃあこっちもエンジェル!」
天道がゴットに変身し、何とか爆弾を受け止める!
ゴット「何とか受け止めた。けどタイマーボム(時限爆弾)?」
エンジェル「ん?誰かいるぞ?」
ソーダーズB「ふっふっふどうだその爆弾は。」
ゴット「時限爆弾では駄目な目標のつけ方!23点!」
エンジェル「そんなこと言っててどうする。お前はまだ2階級目のソーダーズだな?」
ソーダーズB「うるさい。まあお前らはここで死ぬ!」
エンジェル「死ぬか。ファイナルショット!」
ソーダーズB「ぎゃあぁぁぁぁぁ」
ゴット「後30秒になった・・・」
エンジェル「適当なケーブルを切ればいいだろ。」
ゴット「わかった。ゴットナイフ!赤のケーブルを切る!」
ぷちっ
爆弾「後5秒・・・・」
エンジェル「包囲!ジョウソ!結!滅!」
爆弾は消え去った。
ゴット「最初からそれしてたら良かったじゃん。」
次回予告「ついにサタン星人とのバトル!だがフレンズが負けた?次回「FURENZHARIUP!」お楽しみに。」
54アルファ作者:2007/03/10(土) 10:56:48 ID:vL5EJ4Ve0
フレンズ作者様
話続いてたんだ・・・幾ら爆弾ごと消す能力があるとはいえ、
何の迷いもなしにケーブルをさっさと選択して切れるのは凄いです。
55フレンズ作者:2007/03/10(土) 14:49:05 ID:QHUQU6Vl0
イースリングレボリューション作者様へ世界観訂正してもらっていいですか?絆のほうをバーストの50年後って言う設定で。すいませんね〜・・・
56アルファ作者:2007/03/10(土) 15:04:11 ID:hTeb2kt/0
フレンズ作者様
ピースやフォルテやアルファより前なのか後なのかということも
言っておかないと。

それと、イース作者様、クラウスの15話更新してましたが、その15話の
サブタイがリストに載ってませんぜ。
57アレス作者:2007/03/10(土) 15:09:24 ID:kYR96khdO
バーストの50年後ならピースやアルファの時代より先っぽい気がします
つまりカイザーの手前に入れとけば良いのでは?
58フレンズ作者:2007/03/10(土) 15:14:29 ID:QHUQU6Vl0
<アレス作者様あ。なるほど。アレス作者様の言うようにして置いてください。(ふざけるな)
では。
59アレス作者:2007/03/10(土) 15:21:47 ID:kYR96khdO
あれ?なんか怒るようなことしてしまったかな?
すまん、フレンズ作者殿
60フレンズ作者:2007/03/10(土) 15:31:41 ID:QHUQU6Vl0
<アレス作者様いやそう言う意味じゃなくて自分へのつもりなんですが・・・
61アルファ作者:2007/03/10(土) 15:32:46 ID:hTeb2kt/0
いや、私は自分突っ込みと思ってました。
タイミングを計るべきとは思いましたが。
62フレンズ作者:2007/03/10(土) 15:36:05 ID:QHUQU6Vl0
<アルファ作者様はいすいません。こんなでも着々と第9話が出来上がっています。
63アレス作者:2007/03/10(土) 15:39:17 ID:kYR96khdO
ふむ、いらぬ心配でござったか。申し訳ない
アレスの次回はもうちょい待っててな。
64アレス作者:2007/03/10(土) 15:47:45 ID:kYR96khdO
うわ!見直したら俺、あべこべな事言ってるやん!!
アルファやピースの先じゃなくて後!カイザーの手前!大雑把に言うなら
アルファ

フレンズ絆

カイザー
65ё作者 ◆aCDTk3FeFg :2007/03/10(土) 18:15:38 ID:SWFc+YSO0
>皆様
了解です。
もうしばらくお待ちください。すみません・・・。

それとイースリング・”エ”ボリューションですので、よろしくです。
66メシアの人っぽい:2007/03/11(日) 02:17:13 ID:gqzRlCsA0
予想外の仕事のせいで思ったよりメシアの執筆スピードが遅いです・・・
↓個人的な愚痴
何で納期が繰り上がるんだ・・・
↑愚痴終わり
と言うわけでもう少々お待ちいただきたいです。
本当は皆さんの作品も最初から読んで感想書きたいところなんですが・・・
>>39アレス作者さん
我々の世界に近いってのは結構意識してやってるつもりです。
メシアのテーマ的なものはこの現実世界の近未来に違和感なくウルトラマンと宇宙人を登場させる
って感じなので、それを感じ取っていただいて非常にうれしいです。

>>52クラウス作者さん
第三次世界大戦設定は実際に起こりそうな戦争を意識しました。
石油関係のしがらみが無くなったら多分マジで起こりますよね・・・
一応この設定はメシアの物語に深くかかわってくるので読む際に覚えておいていただくと幸いです。
67メシアの人っぽい:2007/03/11(日) 06:22:57 ID:gqzRlCsA0
第2節 僕らのラブ&ピース その1
光速の20%。慣性系で運動する地球と通信が出来る最高速のスピードだ。
現在、ワシントンはそのスピードまでの減速を完了し地球との通信を開始しようとしていた。
しかし通信とは言っても片方向、それも現在地は太陽より3光年先の宇宙空間、つまり電波通信で3年もかかってしまう距離での通信なのだ。
通信の内容は先の戦闘の詳細、地球の置かれた現状、バルタン星人の存在、そして銀色の巨人についてである。
ギブソン隊長はワシントンの任務である恒星αケンタウリ系への到達を即座に中止、地球への帰還を決定した。
バルタン星人の話が本当ならば地球いや、彼らの故郷は宇宙人からの侵略にあっている可能性が高い。
帰還命令は当然の流れだろう。直ちに進路を地球へと向かわせる乗組員たち…しかし宇宙とは無常である。
予定外の可減速を行ったため、この時点でウラシマ効果による時間のずれは10年になっていた。
通信を送ってからもう4年も過ぎてしまったのである。計算では地球につくまでに後5年はかかってしまうだろう。彼らにとってはたった4日間でも・・・
68メシアの人っぽい:2007/03/11(日) 06:24:05 ID:gqzRlCsA0
「君はいったい何者だ?なぜカイパーベルト領域にいた?」
船内時間で2日後、保護された男がギブソン隊長から尋問を受けていた。隣でカンジが興味深そうな表情を浮かべている。
「ノゾム、僕の名前はノゾム・ヤマハです。」
男はノゾムと名乗った。彼の話をまとめるとこうだ。
彼は木星のヘリウムを採集する作業艦の乗組員であり、地球に帰ったことはないいわゆる「スペースチルドレン」である。
ある日、彼の乗る作業艦が謎の爆発を起こし、やっとのことで小型船に乗り込んで脱出したが木星の重力に引かれ、
偶然スイングバイを起こす軌道に入り込んでしまい、太陽系の外側へと弾き飛ばされてしまったらしい。
燃料もろくに積んでいない小型船では方向転換も出来ずに2ヶ月間も宇宙空間をさまよい、ワシントンに保護されたと言うのだ。
「確かに俺たちが出発する2ヶ月前、木星ヘリウム採集艦が謎の爆発事故を起こしています。ただ…」
「そのノゾム君が乗った小型船が、光の速さの30%まで加速した理由がわからない。そういうことだろ?カンジ?」
いつの間にか入り口にケントが立っていた。
「おい、ブリッジにいたんじゃないのかケント?」
あきれた顔でギブソンが声をかける。
「ブリッジの任務はジェイドに任せてきましたよ。どうせ監視だけだし、こっちの方が面白そうなんでね。」
「で、ケントの言うとおり、なぜ光速の30%なんてスピードになったんだい?」
カンジがノゾムに問いかける。
「わかりません・・・」
69メシアの人っぽい:2007/03/11(日) 06:25:22 ID:gqzRlCsA0
常識的に考えれば小型船のエンジン、木星のスイングバイのみでは光速の30%というスピードは考えられない。
「まぁ、いいだろ。小難しい事を考えるより今は生きていることを喜ぶのが先決だ。」
ギブソンが明るい口調でノゾムに話しかける。カンジとケントは納得していない様子だが何も言わなかった。
ノゾムの置かれた境遇を考えたからこそである。スペースチルドレンのノゾムには家族と呼べる人間はもういないのだから。
瞬間、緊急の呼び出しアラームが船内に鳴り響いき、続いてジェイドの声が放送された。
「ギブソン隊長、カンジ、ケント、至急ブリッジまで来てください。」
あわてて駆け出そうとする3人
「僕も、行ってもいいですか?」
ノゾムが声を上げた。
「ああ、かまわないさ。君もこの艦の乗組員なのだからな。」
ギブソンが笑顔で答える。やさしさに満ち溢れたその笑顔は彼の人柄によるものなのだろう。

ブリッジではジェイドがあわてた様子で計器を操作していた。
「何があった!?」
ケントが荒々しく問う。それもそのはずだ、たった二日前にバルタン星人の襲撃を受けたばかりなのだ。声も荒くなるだろう。
「通信です!私たちの日常周波数に人為的な電波が入り込んでいます!」
「どういうことだ!亜光速飛行中だぞ!」
カンジの声も荒い。
「亜光速飛行中に電波が入る。つまり電波の発信源も同じ速度で飛行中なんだ。ジェイド、急いで解析してくれ。」
ギブソンの声は冷静だった。しかし、顔は引きつっている。
「解析、完了しました…これは…映像?」
モニターに映像が映し出される。そこに映った物はサルのような毛むくじゃらの身体に、爬虫類のような鱗に覆われた顔。
明らかに地球上の物ではない生物だった。そこにいた全員の表情が嫌悪の表情へと変わった。
70メシアの人っぽい:2007/03/11(日) 06:26:27 ID:gqzRlCsA0
地球人の感覚では醜い、そう表現するほか無いのだ。ただ一人、ノゾムは表情を変えず、その生物を見つめている。
「君たちの映像圧縮方式を解読するのは非常に難しかった。言語はこれで通じているか?」
バルタン星人と同じように、その生物は流暢な英語で話しかけてきた。
「君は何者だ?」
カンジがバルタン星人のときと同じように言葉を発する。ただ違うのは「お前」から「君」に変わった事ぐらいだろう。
「私はブリダス星人。君たちの母星と交渉したい。」
「交渉だと?今お前は何処にいる?」
「私は今君たちの宇宙船の1天文単位後ろを同じ速度で飛行している。私の円盤には私の家族しか乗っていない。」
「わかった。で、何の交渉だ?」
「私たちの星はバルタン星人によって滅ぼされた。私の家族は命かながら逃げ出してきたのだ。そして今、受け入れてくれる惑星を探している。」
「俺たちの星は宇宙人との接触をしたことがない。俺たちの一存で返事は出来ない。」
カンジの判断にはギブソンも納得していた。
宇宙人との接触の経験がない地球である。攻撃的ではないと言っても宇宙人との接触は避けるべきだと考えたのだ。
「と言われても、私は君たちの船に勝手についていくつもりだ。」
「・・・そのつもりならば、攻撃する。我々は太陽系内に宇宙人を引き込むような真似は出来んのだ。」
ギブソンがしっかりとした口調で忠告する。
「やってみるがいい。悪いが、君たちとバルタン星人の戦闘は見させてもらった。あの戦闘機では私の円盤は撃墜できない。」
「・・・」
71メシアの人っぽい:2007/03/11(日) 06:28:26 ID:gqzRlCsA0
ギブソンは何も言えなかった。うかつに攻撃をして、こちらが被害をこうむることは避けたいからだ。
全員がこの状況を打開する方法を考えている。しかし交渉以外の答えを出せる者はいなかった。
「・・・僕が言うのも変ですけど、地球の偉い人たちに合わせることぐらいは出来ないでしょうか?」
ノゾムが声を上げた。
「しかし・・・」
「宇宙人って言っても同じ知的生命体です。話が通じるなら、きっと分かり合えるはずです。」
「偽善だな。」
ノゾムの言葉に対してケントが答えた。
「地球人同士ですら、経済、思想、宗教で三回も馬鹿でっかい戦争起こしてんだ。宇宙人なんかと分かり合えるかよ。」
ケントの言葉には怒りにも似た感情が込められていた。彼の両親は先の大戦で二人とも亡くなっている。
「いいえ、きっと分かり合えます!!」
ノゾムの声が荒くなった。
「わかった、ブリダス星人、君と合衆国大統領の会談の場を設けよう。」
「隊長!!!」
ケントが抗議の声を上げる
「しかし、その円盤がカイパーベルト領域から内側に入ることは許さない。それが条件だ。」
「なるほど・・・それならもしブリダス星人が何かをたくらんでいても危険性は少ないと言うわけか・・・」
ギブソンの出した条件にカンジが納得の声を上げる。ケントは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていたが何も口には出さない。
「感謝する。」
ブリダス星人の表情が変わった。もっとも地球人にはその表情の変化が何を意味するのか理解できないのだが。
ワシントンは徐々にしかし確実に太陽系へと近づきつつあった。

つづく
72メシアの人っぽい:2007/03/11(日) 06:30:09 ID:6nCLgojq0
とりあえず切がいいところまで書けたのでうpします。
ウルトラマンなのにウルトラマンでねぇw
73メシアの人っぽい:2007/03/11(日) 06:48:00 ID:6nCLgojq0
補足
一応第2節内ではウルトラマン出るんですが、またしばらくかかりそうです。
あとこの作品ではウラシマ効果をかなり大げさに表現してます。物語の進行上その方が都合がいいので・・・
あ、第2節の登場怪獣は「飼い主宇宙人ブリダス星人」「宇宙猛獣ブリオン」です。

第2節その一時点での追加設定

ノゾム・ヤマハ(山羽望)
実年齢20歳、身長175cm、体重60kg
両親は日本人で国籍は日本。
ただし、木星ステーション内で生まれ育ったスペースチルドレンである。
18で高校を卒業した後は地球へ帰らずに木星ヘリウム採集艦でヘリウムの採集作業員をしていた。

木星
太陽系第5惑星。巨大なガス惑星であり主成分は水素とヘリウム
核融合炉の燃料であるヘリウムを採集するため21世紀中期から開拓されてきた。
現在は宇宙ステーションが6基浮かび、木星圏の人口は600万人にのぼる。
さながら20世紀初期の炭鉱都市を思わせる惑星だ。
74メテオ作者:2007/03/11(日) 08:05:49 ID:o+AuIvGl0
大統領まで出てきて、なにやら大事になってきましたねw
しかしブリダスさんはどう見ても何か企んでます。本当に(ry
続きが楽しみです。

さて、メフィラス星人追悼スレに逝ってきますね(´;ω;`)ブワッ
75ウルトラマンデウス:2007/03/12(月) 01:08:00 ID:2HGbEk530
第10話「蘇る悪夢」
亡霊巨人カミーラ、硫酸怪獣ホー、暗黒魔超獣デモンゾーア、登場。
誰からも忘れ去られた、とある島に、その遺跡はあった。
朽ちた巨人像の打ち捨てられたこの地に、かつて一人の光の巨人を愛した女が眠っていた。
「もう一度……貴方に………」
永遠に続く夢の中、彼女は手を伸ばす。遥か遠くに見える光へ。

雨が降っている。酸の雨が。その中で涙を流す、1体の怪獣。
ウルトラマンが現れ、光線を撃つと、怪獣は消え、同時に雨が止んだ。
この所、同様の怪獣出現事件が頻発していた。共通しているのは、怪獣出現と共に酸の雨が降る事と、怪獣出現の直前、半透明の巨人が目撃される事。
「あの怪獣は、マイナスエネルギーが生み出したもの。おそらく、噂の透明な巨人が原因だ」
Dr.クゼの推測を基に、P.O.S.E.の総力を挙げての巨人捜索作戦が始まった。
一方その頃、リキがガソリンスタンドでバイトに勤しんでいると、突然、辺りに地響きが鳴った。
客の1人が、驚いたように道路の方を指差す。「何だ、ありゃあ……」
リキがそちらを見てみると、そこには、半透明の巨大な足。半透明の巨人が、そこに立っていたのだ。
リキが試しにモップを投げつけてみるも、モップは空しく巨人の体をすり抜けた。
どう戦うべきかとリキが考えているその時、スカイテンプルが現場に到着した。
早速変身するハヤト。それに気付いたのか、半透明の巨人がメフィストの方を振り向く。
巨人が手を差し出してメフィストに歩み寄っていく。ハヤトは、それに光線を放った。
巨人が崩れ落ちる。その時、異変が起こった。巨人から闇が吹き出してきたのだ。
メフィストが光線を放つも、闇をかき乱すばかりで、ダメージを受けた気配が無い。
その間にも、闇は急速に広がり、空を覆っていく。
76ウルトラマンデウス:2007/03/12(月) 01:10:03 ID:2HGbEk530
「このまま、地球は真っ暗になっちゃうの?」
世界のどこかで、子供が母親に問う。
「大丈夫よ。ウルトラマン様が、きっと救ってくださるわ」
母は子供を抱き寄せ、そう答える。
「ウルトラマン様、僕たちをお救いください」
どこから拾ってきたのか、幼い少年が、コロナスプレッダーを空に掲げる。
その時、コロナスプレッダーが光を放ち、少年の前にウルトラマンデウスが現れた。
呆然と見上げる子供の前で、デウスは闇の中心のある方を向き、飛び立った。
霧のようで捉えどころの無い闇の中に、ふたつの瞳が覗く。デウスがそこに放った光線は、闇にかき消されてしまった。
再び光線を放とうとしたデウスの肩を、メフィストが掴み、テレパシーで話しかけてくる。
「僕の技は闇を貫けるが、あいつにダメージを与えられない。君の技は闇を消せるが、あいつまで届かない。
 なら、僕の光線で君の光線をあいつまで届かせてみせる。奴自身も闇ならば、きっと倒せるはずだ」
頷くデウス。かくしてここに、2大ヒーローのタッグが誕生した。
タイミングを計るように溜めの構えに入るメフィスト。その隣で地を踏みしめるデウス。
メフィストの光線に合わせ、デウスも光線を放った。螺旋を描きながら闇の中心へ飛んでいく光線。
闇の中心から、闇が光線状に放たれる。ぶつかり合い、せめぎ合う光と闇。
メフィストとデウスが気合を込めたその瞬間、光と闇の均衡が崩れた。闇の光線を貫き、合体光線は闇の中心に突き刺さった。
直後、爆発と共に闇が吹き飛ばされる。闇は薄く広がっていき、見えなくなった。
取り戻された夕陽の輝きが、戦いに勝利した2大巨人を照らしていた。
77デウスの人:2007/03/12(月) 01:22:38 ID:2HGbEk530
ネタを圧縮しきれず、しばらくはレス分割が続きそうなデウスの人です。

怪しげな記述を組み込んでいるせいか、筆力不足によるミスリードが怖くて仕方がありません。
物語はどこへ走っていくのか。相変わらず人から人へと渡っていく変身アイテム・コロナスプレッダーの運命は。
乞うご期待。
78ウルトラマンオーバー:2007/03/12(月) 14:46:35 ID:V7ZQslXl0
>メシア作者様
はじめまして、オーバー作者です
メシア、面白いっすねえ
SFっぽさとウルトラマンっぽさが丁度よく交わってる感じで
作品で言うとウルトラマンパワードみたいな(悪い意味ではありません)
これからも頑張ってください

>デウス作者様
・・・・アレ?
いつの間にリキはコロナスプレッダーを紛失していたんですか?
それはともかく神話的なムードの中に、ウルトラマンっぽさ組み込んだデウスは面白いです
これからも頑張ってください
79名無しより愛をこめて:2007/03/12(月) 15:24:20 ID:l/Zi8PK20
デウス作者様
共闘の後でもまだいまいちメフィストを信用できない俺は
ミスリードをしてますか?
80名無しより愛をこめて:2007/03/13(火) 08:41:50 ID:3cHvp6tD0
ほしゅ
81ウルトラマンオーバー:2007/03/13(火) 14:54:18 ID:0H0gMtTi0
赤山「いつも我々の活躍を見てくれてありがとうございます
突然ですが我が隊の道城光也が2chに書き込みできなくなってしまいました
彼がいつ戻ってこれるか、私にもわかりません
関係者の皆さんに多大な迷惑をかける事を、上司である私からお詫びします」



と言うわけでしばらく休みます
82名無しより愛をこめて:2007/03/13(火) 15:04:30 ID:3cHvp6tD0
>>79
というか、書き手の方針とはいえそもそもろくに説明がないのでは、
ミスリード以前の問題だと思う。
83名無しより愛をこめて:2007/03/13(火) 15:11:07 ID:3cHvp6tD0
続き。

完全なパラレルワールドならそれでもいいが、手のうちを明かさずに
これまでのM78と繋げるのはフェアではない。
84名無しより愛をこめて:2007/03/14(水) 08:49:55 ID:xrHFHItO0
hosyu
85名無しより愛をこめて:2007/03/15(木) 12:30:17 ID:O8+ID6jB0
hosyu
86名無しより愛をこめて:2007/03/16(金) 12:28:18 ID:3K1OX2eU0
ほしゅ

頑張れ
87アレス作者:2007/03/16(金) 22:26:22 ID:UftJv+xd0
なんつーか、過疎ってるね…ごめん、新作はまだまだ先っす。すまねぇ。
88名無しより愛をこめて:2007/03/18(日) 12:10:11 ID:pb+pPzIH0
◆日本はやり直しのきかない国◆
・年齢差別を国が認めているため倒産、リストラにあうとやり直しが難しく
 失業給付期間が異常に短くおおむね3〜6ヶ月なので(外国の場合は2、3年)
 なかなか次の仕事が見つからず借金地獄に陥りやすい。
・長時間労働、サービス残業などが横行しこれを摘発してもなぜか罰則を適用
 しないという企業に甘い社会。よって過労死、ノイローゼ者が続出。
・仕事を持たないとアパートが借りられない、しかし住所がないと仕事を
 得られない。さらに保証人が必要で敷金、礼金と不条理なものがまかり
 通っているので一度ホームレスになると復帰は困難。
・一極集中なので不況になればなるほど仕事を求めて都会に人が出て来る
 ので地価が下がっても需要があるので家賃が下がらない --> 生活苦
  一度落ちると這い上がることは至難のワザ
*****************************
どんな生き物も「自らが生きるための社会構造」を作っているのに
この国の構造は、人間にもっとも向いていない。
「生きるな生きるな」と言い続けているような社会になったのも全部ヒルカワのせい
*****************************
89名無しより愛をこめて:2007/03/19(月) 00:02:36 ID:eLzjr10Z0
>>87
それまでは我々が君たちの世界の盾となろう

というわけで保守
90名無しより愛をこめて:2007/03/20(火) 13:24:44 ID:Nm46Akqy0
保守
91名無しより愛をこめて:2007/03/22(木) 13:18:25 ID:RjYdAMETO
ほしゅ
92名無しより愛をこめて:2007/03/22(木) 23:57:22 ID:OZhmVk5HO
落ちないように一回ageます。
93名無しより愛をこめて:2007/03/23(金) 00:04:20 ID:DYkQ2+gR0
まとめサイトが開かないのですが、まさか落ちたか?
94名無しより愛をこめて:2007/03/23(金) 00:07:23 ID:hPjLU0XnO
いや普通に見れるけど?
95名無しより愛をこめて:2007/03/23(金) 00:22:39 ID:DYkQ2+gR0
開きました。失礼。
96ё作者:2007/03/24(土) 15:20:58 ID:5GpcAPPwO
みなさま、ご返事遅れまして本当にすみませんでした。
更新などができていない理由はパソコンが故障してしまったからであります。(今も携帯から書き込んでいます)

ご迷惑をお掛けしてたいへん申し訳ございませんでした。

おそらくHPビルダーのデータは生きてないかもしれません.....

本当にすみません
パソコン復帰次第にまた改めて書き込ませて頂きます。

ご理解のほどよろしくお願いします。

それでは一旦失礼します
97名無しより愛をこめて:2007/03/26(月) 02:33:38 ID:UkgfSpKB0
とりあえず保守
98ウルトラマンオーバー:2007/03/26(月) 22:41:45 ID:HhnXmGNU0
第一話「燃えよ闘魂、燃えよウルトラ戦士」
国際連合
世界平和を維持すべく、各国が作りあげた組織
その国際連合は今、ひとつの問題を抱えていた
防衛軍の増加と、侵略者の激減である
過去様々な侵略者が地球に降り立ち、そのたびに人類は苦戦してきた
だから、人類は今度は前もって大規模な防衛軍を結成し、来るだろう侵略者に備えたのである
しかし、怪獣はここ数年間、まったく現れず、侵略者もあれだけわんさかと来ていたのが、突如ぱったと来なくなってしまった
だが、天災は、忘れた頃にやってくる、それが地で数年前起きたため、迂闊に気を抜いてもいられない
それでも、時が流れれば、人々の警戒心も薄れてくる
防衛力ばかりでなく、新天地の開発への投資も、徐々に進んでいった
生活は豊かになり、平和な時が流れていく
防衛チームもひとつ減り、ふたつ減り、代わりに環境や豊かさへの発展が進む
誰もが思った
この平和が永遠に続いてほしいと
99ウルトラマンバーン:2007/03/26(月) 22:43:30 ID:HhnXmGNU0
とある町
国連配下の防衛チーム
平和科学警備隊PST(ピスト)の基地、ピストビルディングがそびえ立ち
主力戦闘機、アストロホークが無音飛行の訓練をやっている
日本中、一つの都道府県に一つ位、似たような組織の似たような基地があるため、住民は誰も気にしていない
その町の公園で一人のみすぼらしい男がベンチで横になっている
男の名は、天川大八
年齢不詳、住所不定、現在無職の風来坊だ
「な〜〜〜にが平和科学警備隊だ、馬鹿ヤロー」
独り言を言い始める天川
周囲の人間は引いているが、本人は気にしていない
「ち〜〜〜〜〜っとほんとの事言ったぐれえで俺をクビにしやがって」
どうやらそうとう酒が入っているらしい天川はろれつの回らない口調でグダグダと文句を言う
実はこの男、数時間前までPST一般部隊のメンバーだったのだ
が、上官の前で堂々と「やる気ねえだろ?全滅するぞ、このチーム」っと一言言って、見事に退職となった
「てめえの身の振り方ばああっか考えて、見栄えだのなんだのってよおお、笑わせんじゃねえぞ!」
さらに叫ぶ天川
しかしその叫びに答えるものはなく、ヒュ〜と風が吹き抜けていった
「ウルトラ兄弟ってのは皆よお・・・目が腐ってたか節穴だったかしたんだろ・・・ったく、こんな星・・・なんで俺が・・・期待して」
もはや無人と化した公園に、天川の呟きを聞く者は、誰もない
100ウルトラマンバーン:2007/03/26(月) 22:45:13 ID:HhnXmGNU0
現在地球に存在する特別チームの数は5つ
平和科学警備隊PST
異常特捜隊
アルティマ警備隊
地球自衛隊
EGT
しかし、実際はその全ては腑抜けだった
隊員はほぼ全員が親の七光りか、出なければ防衛軍上層部の目をつけた政治的価値のある人間。政治家の息子、何てのまでいる
努力のみで頑張った隊員達はそういった連中のせいでどんなに頑張っても一般隊員以上にはなれない
誰がどう考えても間違っている
だが、何も問題は起きない
防衛軍は所詮「いざと言う時の備え」にすぎないのである
「いざと言う時」が来なければ、どんなに腑抜けていても、どんなに針子の虎でも何も問題はない
そう、「いざと言う時」が来なければ・・・
101ウルトラマンバーン:2007/03/26(月) 22:47:07 ID:HhnXmGNU0
異常特捜隊宇宙ステーションK−33
ある者は将棋を指し、ある者はあくびして半分寝ぼけ、緊張感の無い隊員達が適当に勤務をこなしている
っと、隊員の一人がレーダーに映った機影を見つけ、他の者を呼んだ
「キャプテン、これ、なんですかね?」
若輩の隊員がパソコンの異常をメーカーに見てもらうような態度で老けたキャプテンに尋ねる
しかし、キャプテンからの返事は無い
「・・・キャプテン?」
隊員が振り向くと、キャプテンは血の気の引いた真っ青な顔で、わなわなと震えていた
「体の具合でも・・・悪いんですか?」
隊員に言われ、キャプテンははっとなって、叫んだ
「き・・緊急警報をならせ!!」
「え・・・」
「緊急警報だ!急げ!!」
「なぜ・・・」
隊員のあまりに間の抜けた対応に、隊長の眉間にしわがよる
「怪獣だ!!」
「へ?」
「怪獣が来たんだ!総員戦闘配置!!戦闘配置だ急げえええええ!!」
緊急警報がステーションに鳴り響く
「怪獣要撃衛星と全自動迎撃戦闘機で目標を迎え撃つ!スクランブルの準備は」
「あ、はい、完了しています、多分」
隊員のあいまいな態度に、キャプテンはもはや言葉がでない
「・・・い・・いや、完璧です、間違いなく」
「もういい・・・さっさと迎撃しろ・・・」
頭を抱えながら、キャプテンはそう言った
102ウルトラマンバーン:2007/03/26(月) 22:49:27 ID:HhnXmGNU0
一方、怪獣出現地球へ向かうの連絡を受けたPSTだったが、なんら行動を起こさず
ただ警戒態勢をしいたのみで避難誘導や怪獣出現を公にする事は無かった
PSTビルディング作戦室
「まあ、あれだな、進歩した人類科学の前に、怪獣ふぜい問題じゃないだろう」
作戦室の中央で、PST隊長、八木原(やぎはら)隊長は言った
八木原隊長は一度も実戦を経験した事は無い
彼は知らない、怪獣の潜在能力の恐ろしさを
「おい、しかし万一危なくなった時の供えはしとけよ」
八木原は作戦室でそれぞれ作業をしている隊員達に呼びかける
「ウィッス、富士基地の航空防衛隊にも連絡してあります、怪獣が大気圏に入ってからの迎撃ミサイルの準備もできてますよ」
答える隊員もどこかやる気が感じられない
「よし、全て完璧だな」
言って、にやける八木原
彼の脳内では既に、「彼方から来た宇宙怪獣に万全の備えで備えていたすばらしい指揮官」として評価される自分の姿が描かれていた

あの公園で、天川は空を見上げている
「・・・・とうとうこの日が来たか」
空を見上げていた視線を、PSTビルディングへ映す
「何やってやがるんだ?あいつら」
憎々しげに呟くと、天川はそのままPSTビルディングへ走っていった
103ウルトラマンバーン:2007/03/26(月) 22:51:07 ID:HhnXmGNU0
宇宙空間を漆黒の宇宙空間を、狂気と悪意に満ちた黒い魔獣が地球へ向け進んでいく
魔獣の名は、ブラックケルベロス
神話のケルベロスの姿に酷似した造形と、赤い瞳と真っ黒い体をした巨大な魔獣である
それを迎え撃つべく、地球の外周を回る国連の防衛用人工衛星が一斉にミサイル、長距離レーザーを発射した
全弾命中
激しい爆発がブラックケルベロスを包む
作戦室でその光景を見ていた八木原は快心の笑みを浮かべた
「おお!やったぞお」
「すげえ爆発だ」
周囲で他の隊員達も歓声を上げる
隊員達が勝利に沸き立とうとしたその瞬間、爆発の向こうから無傷のブラックケルベロスが出現した
固まる隊員達
っと、モニターの向こうのブラックケルベロスが大きな口を開ける
そしてその口に赤い光が集まったと思った瞬間
全てのモニターが全滅した
「・・・・・・おい!!」
ようやく我に返った八木原が、傍らの隊員に怒鳴りつける
びくっとする隊員一同
「う・・宇宙防衛線は、あ・・あれだけではないよな?」
うろたえまくった調子の八木原の言葉に、聞かれた隊員は慌ててモニターを見る
「あ・・・あはい、各宇宙ステーションの無人宇宙戦闘機隊と地上からの迎撃ミサイルがまだ・・・」
わずかに冷静さを取り戻す八木原
「そうか・・・そうだよな」
104ウルトラマンバーン:2007/03/26(月) 22:52:47 ID:HhnXmGNU0
「宇宙ステーションK−33より入電!!」
背を弓のようにのけぞらせてビビる八木原
「宇宙戦闘機隊、全滅!」
「はあああああ?」
高速で八木原の体から冷や汗が流れ始めた
(どうする?どうするどうするどうする?いやまだ防衛線が・・・
いやこの調子じゃわからんぞ・・・ミサイルなんざ売ったて化け物には効かないだろう、じゃあどうする?
そうだ、退避だ、戦略的撤退でPSTビルディングは退避だそうそうそう
部下の安全を考えてと言う事にして敵はアルティマ警備隊に・・・)
「ミサイル迎撃網、敵突破!!」
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああ」
ドンっと机を叩く八木原
「総員退避!!」
「しかし市民は・・・」
「警報鳴らせ!後は警察の仕事だ!」
恐怖で我を忘れた八木原には、最早冷静な判断は一切できなかった

数名の武装兵士に押さえつけられている天川が必死にPSTビルディングに殴りこもうとしている
「離せこのボケナス!離せってんだろうが」
「この中は部外者立ち入り禁止だ入れるわけにはいかん!」
「宇宙怪獣がすぐそこまで迫ってきてるんだぞ!警報はどうした警報は!」
「!?なぜお前怪獣の事を・・・」
「ウルトラマンだからだ!」
一瞬驚愕で体が動かなくなる兵士達
「うぉら」
その一瞬の隙に男は全体力を使って兵士達を吹っ飛ばす
「・・・あ・・・ん、んなわけねえだろうが・・・バーカ!」
兵士達に向けて罵声を浴びせると天川はさっさとPSTビルディング内に駆け込んでいく
「あ、待てえ」
兵士が叫んだその瞬間、町中に対怪獣緊急避難警報が鳴り響く
105ウルトラマンバーン:2007/03/26(月) 22:54:28 ID:HhnXmGNU0
突然の対怪獣緊急避難警報に、町はバケツをひっくり返したような大パニックに陥った
本当ならPSTの面々が避難誘導等を行うはずなのだがそのPSTは既に尻尾を巻いて一番最初に避難してしまっている
そしてついに・・・
空の向こうに漆黒の魔獣、ブラックケルベロスが姿を現した
人々の混乱と恐怖は頂点に達し、事故があちこちで発生する

PSTビルディングでその光景を見つめる天川
「互いに助け合おうとせず、自分が助かることばかり考えてやがる、どいつもこいつも」
天川がいたのは、誰もいないPST作戦室だった
「後任を回してもらおう、俺はこんな星のために血や汗を流すつもりはねえ」
窓に背を向ける天川
それと同時に、ブラックケルベロスは破壊活動を始めた
悲鳴が、泣き声が、爆音が響き渡る
足を止める天川
「い・・・いやまだ可能性があるはずだ、うん・・・いや絶対にある」
最後の希望をかけて、天川は通信端末に手を触れる
(何か怪獣に対する具体的な対策をたててりゃ・・・)
『だから怪獣の殲滅はうちじゃ不可能だって言ってるだろうが!アルティマ警備隊に全権を譲ると』
『いや出現した怪獣はそっちの管轄だうちは関係ない!』
『だから無理だって言ってるでしょうが』
『管轄外!自分のケツは自分で拭け!』
天川は通信端末を叩き潰した
「・・・この星、駄目だ」
言って、天川は今度こそ迷わず作戦室を出ようとした、その時だった
『大海戦闘隊長!出・・・・・は許・・・できない・・・直ちに戻れ・・・大・・・』
動きが止まる天川
口元がほころびる
「まだ見所のある奴がいるじゃねえか・・・」
106ウルトラマンバーン:2007/03/26(月) 22:56:47 ID:HhnXmGNU0
3機の迷彩塗装の戦闘ヘリが暴れるブラックケルベロスの元に空の彼方から現れる
「熊山!勝!もてる全弾ぶち込んで、野朗を地獄に返品するぞ!」
戦闘のヘリに搭乗する、防衛軍一般部隊の大海1佐が後方の部下達に怒鳴る
「了解!いっちょやってやりゃあしょお!!」
2号ヘリに搭乗する大海の部下、勝3尉が叫びかえす
「了解!」
静に、しかし重みのある声で答える3号ヘリ搭乗者、身長2mのスキンヘッドの巨漢、熊山2尉
彼らは上層部が決断を下す前に、人々を守るため自らの危険を顧みず出撃したのだ
地位も名誉も投げ捨てて、宇宙戦闘機も攻撃ミサイルも最新鋭攻撃衛星も歯が立たなかった怪獣に、たった3機の時代遅れの戦闘ヘリで
ブラックケルベロスが口から火炎弾を発射する
急速旋回でかわす戦闘ヘリ群
「撃てぇ」
大海の号令でヘリから一斉発射されるミサイル
が、ブラックケルベロスは更に火球を放ってそれを難なく撃墜する
「ちっ」
唇をかみ締める大海
再び射撃体勢をとろうとするヘリ群っと、その時
『前方で戦闘中のヘリ群に告ぐ!貴官らの戦闘は認められていない、直ちに戦闘を停止しない場合撃墜する』
大海の戦闘機からその通信が聞こえてきたと同時に、彼方から数機の航空防衛隊戦闘機が現れた
「ざけるな!だったら誰がこの化け物を殲滅するんだ!臆病者で現場に来ない上層部のタコどもに任しといたら何人死ぬかわからねえ!ほざいてる暇あったら戦え!」
怯む事無く怒鳴ると、大海はケルベロスへの攻撃を再開する
107ウルトラマンバーン:2007/03/26(月) 22:57:59 ID:HhnXmGNU0
っと、突然、後ろから高速で戦闘機が大海のヘリを追い抜いて行って、ブラックケルベロスにミサイルを見舞った
『あー・・・今回は誤射したが次は命中させるぞ、しかしこれからも誤射が続く可能性があるため、早めに降伏する様に・・・』
意味のわからない台詞を棒読みで言うパイロットに、大海はにやりと笑う
「了解した、我々を降伏させるには機動性の高い貴官が怪獣の囮になってくれると簡単だ」
これまた意味のわからん言葉で返す大海
『LOG、必ず降伏させて見せるから見ていろ』
ブーストをかけた戦闘機がブラックケルベロスの鼻先をかすめ飛んでいく
三つの頭がそれを追った瞬間、ヘリ隊のミサイルが炸裂した
苦しむブラックケルベロス
「よおし!」
PSTビルディングから出て、路上で戦闘を見つめながらガッツポーズをとる天川
戦闘機が再攻撃を仕掛けようとしたその時、ケルベロスの右の頭の目から落雷が発射され、その翼を破壊する
不時着飛行で落ちていく戦闘機
更に中央と左の目からも落雷を発射し、戦闘ヘリを撃墜した
火を吹く戦闘ヘリから大海達が脱出する
更に火球を連射し、町を破壊しまわるブラックケルベロス
108ウルトラマンバーン:2007/03/26(月) 23:00:47 ID:HhnXmGNU0
戦闘の光景を見ていた天川は、拳を握りしめ、にやりと笑う
「・・・・さっすがウルトラ兄弟だ・・・見る目が違うねえ・・・こういう連中がいる星なら喜んで」
拳を高々と掲げる天川
「守らせてもらうぜ!!」
天川の体を激しい炎が包み込む

「バーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン」

突然、激しい炎の柱がブラックケルベロスの前にあらわれる
驚愕のまなざしで地上からその光景をみつめる大海達
やがて炎の中から真紅の巨人が姿を現した
「ウ・・・ウルトラマンだ!!!」
ファイティングポーズをとるウルトラマン
ブラックケルベロスは突如出現した敵に即座に反応し、口から高熱火球を連射する
「ダア」
素手でそれをブロックするウルトラマン
そのまま腕にエネルギーをためる
「ディィア」
貯めたエネルギーを光線として一気に打ち出す
光線が命中して苦しむブラックケルベロス
頷いたウルトラマンはそのまま後ろに向かって走っていく
ようやく我に返ったブラックケルベロスがウルトラマンを探すと、そこには・・・
半分廃墟となったビルを根元から引き抜いて持ち上げてケルベロスの方を見つめるウルトラマンがいるではないか!
驚愕するケルベロスにビルを思いっきり投げつけるウルトラマン
109ウルトラマンバーン:2007/03/26(月) 23:03:13 ID:HhnXmGNU0
高速で飛んできたコンクリートの塊の激突で動きが止まるケルベロス
さらに自動車が数台飛んできてケルベロスに命中する
ケルベロスが怒って反撃に出ようとした瞬間、ウルトラマンの飛び蹴りが決まり、吹っ飛んだ
それでも何とか体制を立て直そうとするケルベロス
ウルトラマンは両の拳をカラータイマーの前であわせる
エネルギーがカラータイマーに集中し、ウルトラマンの真紅の体が真っ赤に光り輝く
ようやく体制を立て直したブラックケルベロスが全ての口と目からウルトラマンめがけ光線と火炎を発射した瞬間
ウルトラマンのカラータイマーから超エネルギーの破壊光線が発射され、ケルベロスの光線を全て蹴散らして本体に命中し、爆発四散させた
歓声を上げる地上の隊員達
怪獣を倒したウルトラマンは、そのまま空の彼方へと飛び去っていった

長野山中、防衛軍基地、会議室
大海と熊山、勝、そして戦闘機のパイロットが並ばされている
彼らの前には各防衛軍の高級将校達
「大海1佐、君何やったか、わかるかね?」
PSTのマークをつけた将校が口を開く
「市民を守るために後ろでうじうじしている連中に代わって戦ったと思っていますがなにか?」
きっぱりと言い放つ大海をにらむ将校
「貴様・・・わかってるんだろうな?貴様らのやった事は立派な」
「立派な事だよ、大海君」
言って、扉を開けて、一人の男が会議室内に入ってきた
「オ・・・オオヤマ長官・・・」
そう、入ってきた人物こそ、幾多の防衛軍を束ねる地球防衛委員会の大黒柱の長官の一人、元UGM隊長、オオヤマ一樹長官である
「彼等は自らの判断で適切な行動をとり、侵略者に対処した、違いますか?」
問われた将校はうろたえまくった後、大海達に向かって笑う
「あ・・・あ、はい、左様ですね・・大海隊長の判断は・・・その・・・大変すばらしいものでしたね・・・ええ」
冷や汗を流す将校をにやにやと見つめる勝、将校の笑顔はひきつりまくっている
「よくやってくれた、大海君」
大海の方を向いて、さわやかな笑顔で言うオオヤマ
「いえ、当然の事をしたまでです」
「そうか」
110ウルトラマンバーン:2007/03/26(月) 23:04:18 ID:HhnXmGNU0
オオヤマは隊員達を見回し、戦闘機パイロットで視線を止める
「君は空自の、白山君、だったね?」
「はい」
白山と呼ばれたあのパイロットは、三十代の顔立ちをしていて、1尉の階級章をつけていた
「君の任務は命令無視で出撃したヘリ隊に対する警告と、場合によっては撃墜のはずだったが・・・、なぜ怪獣と交戦したんだね?」
「はい、あれは誤射であります」
白山の言葉に、後ろで反応する将校の一人
「何誤射?貴様・・・」
立ち上がろうとするその将校を視線で黙らせるオオヤマ
将校は恐縮して座り込む
一同を再び見回すオオヤマ
やがて、何か決心したように頷くと、オオヤマは言った
「今現在存続している各防衛軍の他にもうひとつ、防衛軍を作ろうと思う」
言って大海の方を向くオオヤマ
何を言おうとしているのか察した大海は背筋を伸ばす
「隊長をお願いできるかな?大海君」
オオヤマの言葉に憤然と立ちあがる一人の将校
「オオヤマ長官!何を言っているんです、彼らは軍の規則を破った、銃殺されてもおかしくない連中なんですよ!それを・・・」
「地球防衛組織の目的はなんですか?笠野参謀」
口がへのじになる笠野と呼ばれた参謀
「もちろん地球防衛ですが・・・」
「では最終目的のためにあなた方が今回していた事はなんですかね?」
「それは・・・」
「わかったらさっさとこの馬鹿な軍法会議を終わらせて本部へ帰れ!」
オオヤマの剣幕に慌てて会議室を出て行く将校達
次々と早足で出て行く同僚達の横で、最後まで残った笠野がオオヤマの方を振り向く
「オオヤマ長官・・・あなたの横暴は上層部に報告させてもらいますからね」
「その上層部はもうすぐあなた方を見限ると思いますぜ」
突然の後ろからの声に驚いてうろたえまくる笠野
111ウルトラマンバーン:2007/03/26(月) 23:06:23 ID:HhnXmGNU0
「あの怪獣は多分これから起こることのただの前触れでしょうねえ・・・、これからはあんなのがぼこぼこ出てくるんだ、あんた、まともに指揮取れるのかい?笠野参謀」
「お、お前はあの時の一般兵・・・」
そう、笠野の後ろから現れたのは天川だったのだ
「私が呼んだんだ、彼も新しいチームにふさわしい人間だからね」
オオヤマは全ての部隊に目を通し、一般部隊の頃の天川の能力を評価していたのである
悔しそうな表情をして、去っていく笠野
「さて、新しい防衛チームの結成式を行おうか」
大海達の元に行く天川、共に整列する
「今から君達がこの地球を守る新しい戦力だ、君たちの勇気と、闘士で、これからもこの星のために、共に戦っていこう!」
「「「「「了解!!」」」」」
こうして新たなウルトラマンの戦いの物語は始まった
112アルファ作者:2007/03/26(月) 23:38:20 ID:VWCGC14W0
久し振り。

バーン(今回はこっちか)作者様
こんなにかっこよかったのか!? 待った甲斐がありました。
此処暫くスレが停滞気味なので、期待してます。
113名無しより愛をこめて:2007/03/26(月) 23:45:22 ID:m4nE4fp1O
面白かったです。

これからの話もこの質のものを読めるのだとしたら、俺は幸せだなと思った。
114アルファ作者:2007/03/27(火) 00:37:06 ID:FCdC1QIZ0
ttp://tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1165314780/l50
今、平成ウルトラ総括スレで遂に始まったウルトラマンクラインも
結構面白いので、貼っときます。
115名無しより愛をこめて:2007/03/27(火) 01:08:31 ID:YmNDGAMKO
バーンの完全版ですか?良かったなぁ、メビウスから数年で
腐敗する地球防衛軍だがちゃんと志を持ってる奴はまだいるんだぜ!
そんな感じが伝わります。オーバーの方も頑張ってください
アルファ作者様は今暫くはここでは書かれないのでしょうか?
また見てみたいです。あと、アレスとクラウスの作者様方!wktkして待ってます
116メシアの人っぽい:2007/03/27(火) 03:01:07 ID:/wGFGZkJ0
やっと帰ってこれた・・・(5日ぶりの帰宅)
メシアもうちょっと書くことが出来なそうです・・・
まだ就職してない皆さんへプログラマだけにはならない方がいいですよ・・・
では寝ます・・・
117アルファ作者:2007/03/27(火) 09:25:33 ID:ZrK3x5bW0
>>115
三作連発したので流石にガス欠気味です。又投下するとは思いますが、
当面は過去作の番外編か、他のオリトラ作品へのリスペクトの意味での特別編だと思います。
118クラウス超番外X:2007/03/28(水) 01:47:32 ID:6G0aEjYH0
‘怪獣大決戦’

A&Rで雑用として働くキサラギ・トウコは、以前は売れっ子漫画家だった(クラウス第5話〜7話参照)。
彼女の生み出した代表作は社会現象になるほどの人気を得たが、そんな彼女にも下積み時代があった。
これは、彼女がまだ新人時代、月刊ジャヴンで初めての連載作品を描いていた頃の話である。

―数年前、某ボロアパート―

「また私の漫画がこんな後ろのページに……担当さんに電話してみようかな…。」

『―ああ、うっかり言い忘れてたけど先生の‘怪獣大決戦’、そりゃもう見事に人気が無いんですよ。』
「いや、言い忘れたって…そんな重要な事言い忘れないでくださいよ!」
『いやー失敬失敬。だって存在忘れそうなくらいつまんないんですもん。ププッ。』
「ププッじゃないですよ! これからが面白くなるのに…」
『そうですねぇ、次回の話でなんとか支持を得ないと、そのまま打ち切りでやんすよ。
 連載当初は女性漫画家が怪獣漫画を描いてるって事で話題性はあったんでやんすがねぇ。』
「やんすよ!? …まぁそれはいいとして、じゃあ、次回どうしましょう…。」
『そこは自分で考えんかいこの甘ったれ糞アマぁ!!! 
 …と言いたい所でやんすが、今回は私の責任も多少あるでやんすし、一緒に考えるでやんす。』
「ア…アマ!? …えーと、で、現段階でならどこを直せばいいでしょうか。」
『まずタイトルが‘怪獣大決戦’なのにコッヴとジオモスのラブコメ展開になってるのは変でやんしょう。』
「いやそこは話の要素のひとつですよ。少しはそうゆうのも入れないと。」
『それはまだいいとして、コッヴの仲間怪獣がみんなグランスフィアだけなのは嫌がらせでやんすか。』
「えーと、まぁ、描きやすいですし。」
『手抜きすんじゃねぇよこの地上最強最悪のズボラ漫画家。で、後はでやんすねぇ………』
119名無しより愛をこめて:2007/03/28(水) 01:49:05 ID:6G0aEjYH0

―翌月―

「もしもしちょっと!! 中沢さん!? 今日出た今月号の‘怪獣大決戦’酷いじゃないですか!!!」
『酷いって、話が?』
「グヘー、違いますよ!! セリフ文字の誤植ですよ誤植!!! 254ページ見てください!
 突如現れた宿敵ザム星人がグランスフィア達に『私がお前達の姿を消してやる』って言うクールなセリフが」

‘私がお前達の姿を舐めてやる’
「酷いですよこれ!! なんのフェチなんですかザム星人!!」
『ありゃ、気づかなんだでやんす。』
「まだ他にもありますよ! 
 この後コッヴがザム星人に立ち向かう‘今こそ俺が仲間の怨みを晴らすんだ!’って最高に痺れるセリフが」

‘今こそ俺が魚のツミレを作るんだ!’
「何この状況で調理宣言してるんですか!! 
 まだありますよ、それでコッヴとザム星人が睨み合いザム星人の‘貴様がコッヴか!’って緊迫なセリフが」

‘貴様がコックか!’
「さっきの誤植セリフと相俟って完全に料理漫画へと化してるじゃないですか!! いい加減にしてください!
 それでですね、最後のコマでコッヴが気合を込め‘うぉぉぉぉおおおおおおお!!!!’って叫ぶセリフが」
『えー、そんなセリフ間違えないと思うでやんすがねー。』
「間違えてるんですよそれが!! これが一番酷いんですよ!!」

‘うひょっぽ’
「なんですかうひょっぽてもう意味不明だし!! なんか…もう…もうやってられないでやんす!!!」
『ごめんねでやんす。』
120名無しより愛をこめて:2007/03/28(水) 01:52:42 ID:6G0aEjYH0
―さらに翌月―

『あのー、先生、残念ながら‘怪獣大決戦’次回で打ち切りでやんす。』
「でしょうね、うわぁーーん!」
『さらに残念でやんすが、次回の分を入れてもページ数が足りないので単行本にはならないでやんす。』
「ええぇー……そんなぁ…」
『それでですね、次回は3ページでお願いするんでやんす。』
「3ページ!? 4コマ漫画の‘とげっちょ!! ハンザギランくん’だって毎回4ページあるんですよ!?」
『ああ、あれも次回で終了でやんすよ。』
「あ…そうなんですか。…ちなみに、ハンザギランくんの方は次回何ページなんですか?」
『最終回特別編で6ページでやんす。単行本も出るでやんすよ。』
「うっぞぉぉぉぉぉぉぉっ!!!! もう月刊ジャヴンでは頼まれたって描きませんからね!!!!」
『わかったでやんす。』
121名無しより愛をこめて:2007/03/28(水) 01:56:38 ID:6G0aEjYH0
‘怪獣大決戦最終回・未来への道へ’

ザム星人「さぁ来いコッヴ、お前との決着をつけてやろう。」
コッヴ「くっそぉ、俺1人で奴に勝てるのか…!?」
ジオモス「コッヴ、あなたは1人じゃない。私がいるわ!」
グランスフィア「オラたちもいるだぁ。」
ガタノゾーア「おおーい、加勢に来たぜ!! ゴーデスやベンゼン星人もいるぜ!」
コッヴ「みんな……よーし、いくぞおおおお!! 友情パワーアタァァァック!!!」
ザム星人「ぐ、ぐわあああああああ、こ、こ、根源的破滅招来体様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ゴーデス「やったぁ、ついにザム星人を倒したぞ!!」
ベンゼン星人「しかし根源的破滅招来体とは…?」
コッヴ「きっとザム星人を操っていた張本人に違いない。だけど俺達は勇気がある限り負けないんだ!
   待ってろよ、根源的破滅招来体!!」


コッヴ達が明るい未来を築き上げる事を信じて―!!
ご愛読、ありがとうございました!! 如月先生の次回作はご期待しないでください。

―この後、彼女はペンネームを変え違う雑誌でまたもや怪獣漫画を連載するのだが、それはまた別のお話…。
122クラウス筆者:2007/03/28(水) 01:57:54 ID:6G0aEjYH0
こんなんばっかですいません。
元ネタは言わずと知れたアレです。
123バルグ作者:2007/03/28(水) 02:45:28 ID:imGfOxKD0
投下された作者様方乙です!!
124アルファ作者:2007/03/28(水) 10:01:14 ID:17FoXwLL0
ウルトラマンアルファ=城達志は抗議の手紙をジャヴン編集部に書き続けていた。
達志「どうして・・・何故あの傑作が切られるんだ!? 登場怪獣のマイナー
ぶりが素晴らしいのに!」
恵「その漫画、普通につまんなかったって私の知り合いも皆言ってますよ、先生」
125フレンズ作者:2007/03/28(水) 11:24:36 ID:pRcTSkOP0
第9話「FURENZHARIUP!」ウルトラフレンズ(無印)ウルトラマンレイアーサタン星人登場
なぞの扉前
天道「負けてはいけない戦いが此処にある。」
天志田「何?それ」
USG基地
春賀「突然だが、宇宙に行くぞ!」
嚥下「なぜ?」
春賀「本部から宇宙に第1話でゴットたちと戦っていた宇宙人のアジトが見つかったらしい。」
春野「天道達もそこに?」
春賀「らしいよ。」
佐井「らしいよってあんた・・・」
春賀「じゃあUSGレディーゴー!」
隊員「ラジャー!」
なぞの扉前
天道「天志田行くぞ!ゴット!」
天志田「OK!エンジェル!(俺が本部のコンピューターにハッキングして送った座標つきメール届いたかな・・・)」
ゴットたちはなぞの扉の向こうに入っていった・・・
USG格納庫
春野「もしかしてこれって・・・」
春賀「そう。EARの鬼道機関試作機のバージョンアップ版と戦艦試作機だ。0−TETと0−FUGO 0−KIZAN 0−KAIOの四機だから、1機に一人づつだな。」
佐井「まあ行きましょう。」
嚥下「俺は0−KIZANに乗るから。」
佐井「それって報告する必要ないんじゃないんじゃない?」
謎の部屋
ゴット「ここにデビル星人が・・・?」
サタン星人「サタン星人だ。ともかく死ね!光の巨人たちよ!」
ゴット「死ぬかよ。パワーチャージ!グランドショットォォォ!」
エンジェル「パワーチャージ!エメラルド光線!」
爆発音が響き渡り爆風が広がる。
ゴット「やったか!?」
サタン星人「こんなものか・・・」
フレンズ「なに!?」
126アルファ作者:2007/03/28(水) 13:35:18 ID:17FoXwLL0
フレンズ作者様
とりあえず、場面転換の時は一行開けるなりしないと読みにくいですわ。
127ウルトラマンリュウラ:2007/03/28(水) 15:43:55 ID:VSn/lllX0
第四十章 オカマ対かみさま
高位毒神仙タクラ  尖兵邪仙ゲンラ発現

ベニテングダケ。天竺などに伝わる「タントラの性魔術」において、精神を解放するためのドラッグとして用いられる毒キノコである。
しかし、何でそんなモンが基地の水飲み場にあるわけですか。
正確に言うと、ベニテングダケの粉末が基地の飲用水に多量に混入されていたのだ。その騒ぎから三日後…。

「マミヤさんってさ、やたらとトキツグ君のこと気にかけてたわよね。」
ワタリベ サクヤが夫フユミにそう聞かれたので考えてみる。
マミヤ ヒスイ。天皇家をお守りする古い武家である生家から、その仕事を嫌い逃げ出した。帝都治安維持院の同僚になって早五年。
生真面目で、自身を好きになれない。自虐癖がある。そういう点では、ヒスイはトキツグに若き日の自分を見ていたのかもしれない。
かつて、治安維持院でのとある任務で、ヒスイと自分は共に死にかけた事がある。
そんな事を思い返している最中、レイハ指令房より呼び出しがかかった。

「京都、応避神社!動き出しました!」
数日前よりレイハがマークしていた崇り神、タクラである。高位の神ではあるものの、現在は京都の応避神社に篭っている。それが動き出した。
奴の神威の性質は、人間を理性から解放するもの。
目的が何だろうと、奴が活動を始めれば人間は理性を失い、獣同然、或いはそれ以下の、欲望のカタマリとも呼ぶべきモノになる。
ラゴウの呪とは似て非なるものなのだ。
ただし、動き出したとはいえ現時点でのタクラは、存在する事さえやっとの状態。只人の眼には捉えられぬ微小な者。
少なくとも今のところはこちら側に勝機がある。というのは、タクラが力を取り戻すためにはある状況をそろえる必要がある。

まず、応避神社を北に見て、東西南それぞれに神社を建てる。
西の社にミョウガ、東の社に竹を配置する。
南の社へ鏡を置き、北の社、つまり応避神社へ桃の実を七つ、北斗七星と同じ配列で並べる。
そして、東西南北四つの社が交差するその一点へ「鼓」(つづみ)を置く。
この状況が揃った時、タクラは北の応避神社から離れ、鼓へ宿り実体化、力を発揮する。
128ウルトラマンリュウラ:2007/03/28(水) 15:45:29 ID:VSn/lllX0
「大宰!一刻も早く京へ向かい、タクラの降臨を阻止しましょう!」
ユリノがゴジョウを急かす。これにも理由があった。しばらくなりを潜めていた、光の一族の件だ。
三日前、基地が再び彼らの襲撃にあった。ドラッグキノコ混入事件の犯人は彼らだったのだ。
光の一族が日本基地の兵全員をドラッグで暴走させようとし、直後、人間の欲望を解放させる力を持つ神が動き始めた。関係が無いはずが無い。

ゴジョウはレイカイオウの駆動を要請、同時に
「ワタリベくん、小宰と組んで京へ先回りしてちょうだい。何とかしてきて。」
ワタリベはテンパるが、フナトは全く迷わず
「御意。何とかしてきます。」
て言ってワタリべを引っ張り、強引に出陣しちった。
「光の一族…奴らと和解する手は無いものか…。」
二人を見送りつつヒスイが呟くが、そんな彼にカンナが言うは、
「ヒスイくん、よけいなコトは考えないほうがいいです。」
ヒスイは、カンナの性格が変わったな、と思った。

レイカイオウ機内。
「小宰、具体的にどーこーしようってお考えは?」
「つまりね、タクラが実体化するには状況を揃える必要があるでしょ。
だから、その状況全部タクラにとって最悪にしちゃうわけ。まずは…西の神社へミョウガを置くでしょうね。
でも、儀に際してまずは社を東西南に三つ建てる必要があるから、まだミョウガなどを置くには至っていない。余裕はあるのよ。」

一方、高位の神々が集う暗闇…真の高天原。
「西王母!タクラが光の一族と結託し…」
「既知じゃ。お前が関する件でもない。」
西王母と呼ばれた女神はもう一人の…格上であるはずの女神アマテラスを突っぱね、少し考え込む。
「…光の一族が本腰を入れ始めたか。あのカンナというニンゲンを始末しうるとは思えぬが。」
129ウルトラマンリュウラ:2007/03/28(水) 15:47:30 ID:VSn/lllX0
件の光の一族は、社建設予定地の四箇所を結界で封じ始めた。

さて、京へ到着したフナトとワタリベは、レイカイオウに搭載された軍用車リョウブで応避神社方面へ向かう。ちなみにこのリョウブは、大人四人が入れる車輪つきのカゴを「機馬」と称されるメカで牽引し走る。
道中、フナトはしきりに農家を気にする。そして、一人の農夫から、味のアの字もない若いミョウガと、ニンニク、ニラ、ラッキョを幾つか買う。その上で…
車内。
「小宰、野菜の他に何買ったんです?」
「ウ○コ。」
以下、下肥と呼称する。
ワタリベは下肥の使用目的など肥料以外に思いつかない。だがフナトはそれに答えず、今度は街へ出る。
「五均ないかしらね五均。」
五厘均一商店の略称。基本的な生活用品を全て五厘で販売する店。フナトはそこで鼓を買う。
「ほら見なさいよこのテキトーな骨組み。五厘で売るんならしゃあないけど手抜き過ぎよね。仕入れ価格幾らなのかしら。」
ワタリベはイラっと来ていた。そして車を降りる。
「小宰、作戦の組み立てを説明してくださいよ。小宰から真面目さが感じられないんですけど!」
フナトはそんな彼を見る。
「…ワタリベって治安維持院じゃアタシみたいな感じだったそうじゃない。」

三年ほど前、治安維持院。
今以上に無愛想で一匹狼なヒスイを部隊へ馴染ませてやろうと、ワタリベは任務中でも軽口を叩きまくっていた。
結果、ヒスイは多少感情を表に出すようになった。しかし、日本帝国が政権転覆の危機に陥ったある事件で、治安維持院は皇居を破壊しようとする犯人を殺さなくてはならなくなった。
緊張するヒスイに対してワタリベは愚かにも軽口を叩いてしまう。それはヒスイの緊張が任務の妨げになると判断しての事だったのだが、逆効果だった。
ヒスイはワタリべを不真面目と判断し殴ると、感情を露にし一人で犯人グループに戦いを挑んだ。
作戦は失敗、ヒスイを助けようとした他の兵士からは死傷者が続出。辛うじてヒスイの手で犯人グループは壊滅するも、二人はそれぞれ心に大きな傷を負う。
130ウルトラマンリュウラ:2007/03/28(水) 15:49:08 ID:VSn/lllX0
「結果、マミヤは人命救助を生きがいとするようになった。んで、前と同じ仏頂面の一匹狼に戻った。
そしてワタリベ、アンタは自分の軽口を悔やみ、ひたすら生真面目に任務を遂行するようになった。
アンタは真面目な割に物言いが軽いからさ、違和感があったのよね。」
全て正解だった。
「…小宰、オレは、自分がバカな事言ったせいで仲間が死ぬのはもう勘弁です。
だから、任務中はマミヤと同じ仏頂面にさせといてほしい。」
フナトは首を横に振る。
「ワタリベ、兵は仏頂面で良いかもしれない。でもね、兵を笑わせられない指揮官にゃ誰もついてこないのよ。
アタシは大宰みたいに、居るだけで人を和ませることはできない。だからさ、馬鹿な事言うしかないのよね。」
そう言うと車に乗り込む。
「野菜、鼓、下肥。あとは鬼道機関。武具は揃ってるわ。行くわよワタリベ!」

既に応避神社周辺は結界で覆われていた。儀の邪魔をされないようにと。そして、遠目に社の建設が始まっている。
「うし…ワタリベ、まずは結界を解呪するわよ。結界の中心は応避神社で今日は大安。罠その一。北北東に下肥を配置して!」
ワタリベは指示に従い、下肥の入った桶を罠として配置、手を洗った後フナトと共に様子を見る。すると、光の一族の工作員は突如結界を解呪した。
「あの桶の下に地脈が通ってるのよ。しかも鬼門。そこに凶の気を発するものを置けば、神を呼び出すのに不都合すぎる。連中は桶を退かすために結界を解くでしょ。今よ!」

二人は四つの社で形成された四角形の中に突入する。
すでに西の社にはミョウガ、東の社には竹が配置されている。フナトは鬼道機関を発動。
「空間近接の法を使うわ。西の社と八幡、美濃山の竹林を同一座標に存在させる!」
西の社に置くべきはミョウガ。つまり、タクラを復活させる空間においてミョウガと竹は対の存在になる。そこで、多量の「生きている竹」を西に置けばミョウガの霊力を打ち消せる。
美濃山の竹林が西の社を覆い尽くす。
同時にワタリベも、東の社へミョウガを置くことで竹の霊力を相殺した。
次に南の社へ向かい、配置されていた鏡に亀裂を入れる。
そして四つの社が交差するポイントに配置されていた鼓を、五均で買った安物の鼓に入れ替える。
「準備完了。」
131ウルトラマンリュウラ:2007/03/28(水) 15:50:25 ID:VSn/lllX0
結界を再起動させ、フナトとワタリべを負う工作員。彼らの前に二人が現れる。工作員は二人を始末し、儀式を再開する。
しかし、殺された二人は紙製の式神。本物は無事。

条件は揃った。あとは北の応避神社へ念を込めれば、七つの桃の実が北斗七星と似た性質を持ち、タクラへ力を与える。
だが、その応避神社へ結界を突き破り、巨大な光芒が炸裂した!
焦る工作員。その光は、北斗七星と相反する南斗六星の神力。
「三日前のキノコ事件で『これはっ!』と思ってね、久々に南斗から拝借しといたの。」
高らかに宣言するフナト。「北斗七星のコピー」でしかない桃と「南斗六星」それ自体の力では、比べるまでも無く南斗の方が上だ。タクラは慌てて中心の鼓に逃げ込むが…。
「付喪神(つくもがみ)。使い古した家具には魂が宿る。その魂を喰らってタクラは完全に実体化するわけね。でも、その鼓は安物の新品。魂なんか宿る余地も無いのよ!」

安物の鼓に宿ってしまったタクラは、巨人として実体化したにはした。しかし、その外見は半分腐乱死体である。実体化に際して必要な全ての条件を否定された結果だ。
苦し紛れに腕を振るうも、フナトにもワタリベにもその拳は届かない。
「臭い野菜を食って神社仏閣に入っちゃいけません。」
そう、二人のシールドは、先程買ったニラ、ラッキョ、ニンニクである。通常の神ならばそんなシールドなど効果は無いが、現在のタクラの力は山の猛獣にも劣る。
ワタリベはフナトに聞いてみる。
「南斗六星の力は地球に届くまで数日かかったはずじゃ…。ひょっとして小宰、三日前から既にこの計画を見越していたんですか?」
「ちょっとだけ大宰に勝った気分だわ。」
笑いながらも工作員へはレイエンキュウを向け威嚇する。基地からはレイヒュウゴでヒスイたちも到着した。
「人間をなめんなよ。さて、光の一族さん。何でアタシらを敵視するのか吐いてもらいましょっか。」
「それは私から話そう。」
フナトの背後に現れた男。以前日本基地壊滅とカンナ拉致を目論んだ、光の一族の高官、クロサキ ゴウジである。
132ウルトラマンリュウラ:2007/03/28(水) 15:51:33 ID:VSn/lllX0
「我々は、高位の神々と繋がって生きている。故に、高位の神々をも超える力を持った存在を許してはおけない。
だからカンナ、君の抹殺を考えているのだ。そして、危険な存在であるカンナを前線に立たせるわけにもいかない。
君達レイハはカンナを前線に立たせる。それは非常に危険だ。」
「それで、俺達もろともカンナを殺そうと?」
ヒスイが怒りを押さえ込み、問う。クロサキは頷き、続ける。
「カンナ!神々は自分達をも超える力を持つ君を嫌っている。我々は、君を殺さなければならん!」

そう言うと、クロサキは空間より一匹の邪仙を召喚。羽状の両腕。蛾にも見える柄だ。邪仙は哀れなる神タクラの体を鷲掴みにすると、四肢と首を一気に断裂した。
「神々より許可は取ってある。アサギの使ったものと同じ術だ。邪仙を尖兵とする。」
クロサキは間抜けなる工作員を連れ、その場から雲散霧消した。

「カンナ、余計な事は考えるな。」
ヒスイは、自分が狙われる理由を知ったカンナを何とか慰める。
「大丈夫だ。…君がただの人間ではないことは分かっている。それでも、君は優しい。人間の心を持っている。」
ヒスイは押し黙るカンナを休ませ、リュウラへ転化。
133ウルトラマンリュウラ:2007/03/28(水) 15:52:40 ID:VSn/lllX0
邪仙は凄まじい怪力でリュウラへ掴みかかってくる。
リュウラは敵の腕を軸に跳躍、顔面に踵を撃ち込む。
突進してくる邪仙の勢いを応用して投げ、起き上がる邪仙へシャイニングヴァイパーを発射、一気に体力を低下させる。
が、邪仙の武器は怪力だけではなかった。何かぱんぱんぱんぱんって音と共に腕から火炎弾が打ち出された。
これらはリュウラの演舞で弾かれるものの、続いて目から発射した光線は空中で爆発、リュウラの周囲へ炎を降らせる。
そのリュウラを、レイヒュウゴからワタリベが鼓舞する。
「ウルトラマン!いい男は水で濡らすか炎で照らせってうちのかみさんが言ってたよ!」
リュウラはいい意味で脱力。突進してくる邪仙へ右脚を突き刺す。
さらにコウへ変身、右脚を離すと同時に再度跳躍し、空中からドラゴンインパクトを発射、完全に消滅させた。

レイハは基地へ帰還、再びの光の一族の攻勢に備えた対策会議を始めた。
だが、カンナは押し黙ったまま。ワタリベは彼女を笑わせようと会議中も軽口を叩きまくり、特にユリノから顰蹙を買った。
だがヒスイは、そんな彼に呆れながらも微笑んだ。
「…戻ったな。」
かつてのムードメーカーへ。
134ウルトラマンリュウラ:2007/03/28(水) 15:59:57 ID:VSn/lllX0
次回予告
ニセゴジョウ「最近ちょっと仲良くなってきたユリノとカンナ。でもユリノにはカンナに触れられたくないことがあるらしいの。
ええええ!?二人がもう絶交ーーーー!?
次回ウルトラマンリュウラ 第四十一章『やっぱり、嫌い?』見てねえ!」
ユリノ「小宰、何やってるんですか。」


本日の講師 ゴジョウホノカ&カンナ
カンナ「わたしたちレイハの機翼に装備された鬼道機関。空間転移とか法陣とか超常手段での攻撃が可能です。」
ゴジョウ「経費がかさんで大変なんだから!」
カンナ「ティガDVDボックス見ないとそのネタわからないです。」
135ウルトラマンリュウラ:2007/03/28(水) 16:04:20 ID:VSn/lllX0
つうことで、以前のペース復活は難しいですがとりあえずは復帰です。
我慢強く保守してもらっててありがとう。出来る限り頑張って創ります。
136名無しより愛をこめて:2007/03/29(木) 08:05:24 ID:LpbK/uRyO
スレが下がり過ぎてるので、人が少ない間にageときますね。
137名無しより愛をこめて:2007/03/29(木) 11:19:20 ID:93Bv8Owe0
たのもしい幼稚園全プレビデオ 時空超越シリーズ 1(2以降があるかは調子次第)

ウルトラマンクラウス・ウルトラマンフォルテ・ウルトラマンメテオ 集結・三大戦士!!
異次元蜂・ワスパルト、異次元巣・ヴァニカム、時空難民・ペリッガ 出現


 見渡す限り何もない、様々な色の光が混ざり合って波打つ世界。
 カミヤ・レイジ、速見大地、渡星斗。
 三人の若者は、そんな場所に突然いた。自分の意志と関係なく。
 足場さえないのだが、一応全員がちゃんと頭のてっぺんを同じ上の方向に向けており(そっちが上という
仮定でだが)、方向感覚を狂わされずに済んでいるのもそれはそれで異様な感覚だった。
 彼らは全員、この異様な世界以外の別の世界からそれぞれ別々にやってきた。それぞれの住む世界が、
今この文を読んでいる人々の住む現代の日本と生活環境そのものはほぼ同じという解釈で問題ないが、
にも関わらず、三人それぞれのいた世界はそれぞれ別々の世界だった。数奇にも。
 数奇といえば、この文を読んでいる人々『読者』の住む世界と、三人それぞれの世界との大きな相違点。
それは、三つの世界のいずれも、人類の住処以外の場所に隠れ住んでいた『怪獣』と呼ばれる巨大生物や、
常人の力を超えた自前の能力や超科学を以って宇宙や異次元からやってくる侵略者の脅威に、常にさらされ
続けているという点であった。ほぼ週一回ペースで。
 そして、それらに対抗すべく運命の力が与えたもうたのか、三人はそれぞれ彼らの世界における宇宙から
やってきた宇宙人と合体して強大な力を得、『ウルトラマン』と呼ばれる英雄的な存在となり、彼らの世界を
守るべく、基本的に人知れず、数多の外敵と戦い続けていた(レイジについては、二、三名の極近しい知人と
秘密を共有してはいるが)。
 そんな状況に普段からあった彼らは、いきなり異世界に引き込まれ、更に目の前に見たことのない相手が
ぷかぷか宙に浮いていたので、自分がこんな場所に連れてこられたのは目の前の相手の仕業かと思って
それぞれ思わずファイティングポーズで構えた。ウルトラマンとしての戦い以外でも普段から地球防衛のための
軍事組織に所属している者ばかりなので、せんないことであった。
138名無しより愛をこめて:2007/03/29(木) 11:20:28 ID:93Bv8Owe0
 だが、警戒しつつ各々の名前を問うたところ、いずれも響き的には日本国籍と思って差し支えない名前ばかり。
更にお互い何故ここにいるのかと問い、どうも全員自分の意志で来た訳ではないらしいことも判明する。
相手の言を信じるならという前提でだが、次第に緊張も解けていく。ずっと気を張ってても疲れるし。
「となると、俺達は何故こんなところに・・・?」
「又あの紫色の変な宇宙人が夢でも見せてやがるんじゃねえだろうな・・・」
 似たような状況に陥ったことのある星斗が周囲を警戒していると、
「呼んだのは、ワシじゃよ」
 マントを纏った、余り身なりのいいとは言えない老人が少し離れた場所から急に声を掛けたので一同驚いた。
三人とも超感覚を持つウルトラマンでありながら、誰も老人の出現を察知できなかったのも余計に緊張を生む。
レイジ「そうか、俺達を呼んだのはあんたか」
老人「いかにも」
大地「何のために?」
星斗「事と次第によっちゃ・・・」
老人「まあ、そうせくでない」
 飄々と笑みを浮かべていた老人は、不意に表情を緊張させ、すっと片手を上げる。
 と、周囲の光景が一変した。
 人間サイズの巨大な蜂。
 としか言いようのない、禍々しい姿の虫の怪物が、しかも複数、ぶんぶん飛び回る。
 その怪物共に対し、未知の機械で出来た小型の乗り物に乗った、地球人と大差ない姿をした人々が、これも
飛び回りながら懸命に怪物共に銃器を向けて戦っている。しかし相手の素早さと打たれ強さに押し負け、次々犠牲が出る。
 激戦だが、何故か三人と老人は巻き込まれない。蜂の怪物は一同の体を風のようにすり抜け、流れ弾も通り抜ける。
立体映像の中にいるような感覚。
レイジ「これは・・・!?」
老人「我々は、この戦いが行われておる場とまだ世界を同じくしておらん」
大地「そうじゃなく・・・いや、それはそれとして!」
星斗「何なんだよ、この戦いは!?」
139名無しより愛をこめて:2007/03/29(木) 11:30:03 ID:93Bv8Owe0
 老人は説明した。
 暴れている怪物は、今いるこの世界と更に又別の宇宙から来た『べスパルト』という種であった。かつては。
べスパルトは強力な繁殖の本能に従い、その住んでいた平行世界における地球を狙って繁殖の拠点にしようとしたが、
その狙いは、やはり平行世界の地球に存在し、『ウルトラマン』と呼ばれる守り手によって阻止された。
別の繁殖の場を探したべスパルトは、異世界に通じる次元の穴を発見した。その中は平行宇宙と平行宇宙同士を
つなぐ狭間としての世界であり、それこそが、今老人と三人がいる地点である。
 正直、本来生物が住み着くには適さない世界なのだが、べスパルトは強力な繁殖本能を以って無理やりこの場に
住み着き、環境に適するように体の構造を変質させていき、『ワスパルト』という、より強力な種に変異した。
巣を作り、そこを拠点として増え、今や恐るべき群れと化し、次元のほころびから気まぐれに他所の世界の
文明圏を襲っては住民を食い殺す脅威となっている。
 今眼前でワスパルトと戦っている一団・ペリッガは、既に本来自分達の住んでいた平行世界をワスパルトに
滅ぼされた種族である。その恨みだけでなく、他の異世界に事が及ぶのを防ぐため、苛酷な環境である次元の
狭間に仮の拠点を作り、そこを足場としてワスパルトを倒すために戦い続けているのだが、戦況は見ての通りである。
「放っておけば、ワスパルトはいずれお主達の世界をも侵略してくるかもしれんのう」
 愕然と聞いていた三人だが、
「・・・つまり、その脅威を回避する戦いをさせるために、俺達をここへ呼んだと?」
「そういうことじゃ」
 話は判った。気になる点は色々あるが・・・その戦いを自分達にさせるこの老人本人の意図は何か、そして、
三人を別々の世界からいとも簡単にこの異次元に召還したこの老人は一体何者か、など。だが。
 今は、当面の脅威たるワスパルトの群れを倒すのが先だ。
レイジ「判った」
 三人はあっさり承諾した。
140名無しより愛をこめて:2007/03/29(木) 11:31:25 ID:93Bv8Owe0
星斗「早く俺達をあの戦いの場へ送ってくれ、じいさん! 出来るんだろ?」
大地「俺達の世界の安全だけじゃない、それ以前に、今戦っているペリッガの人達が危ない!」
 うむ、と老人は満足そうに頷く。
「では、試練開始じゃ!」
 老人、クマドリ・ゲンゾウは、ばっとマントを払い、全身から眩しい光を放つ。
 そして見る見る巨大化し、光の大賢者・ウルトラノストルの姿になる。
 驚く三人。
星斗「このじいさんも・・・」
レイジ「ウルトラマンだったのか!?」
 ノストルは背になびくマントを翻し、
『ノストルウェイブ!!』
 時空に波を起こし、自分もろとも三人を戦場へ転移させる。
 巨大な虫の羽音や銃火器の発砲音が、忽ち実感となって感じられてくる。普通の人間のままもたもたしていたら死ぬ。
ゲンゾウ=ノストルの素性を云々している暇もない。各々、直ちに変身の態勢に入る。

 無言で力強く変身アイテム・インプラズマを出し、光を発動させる大地。
 ウルトラマンフォルテへと転じていく。

「メテオーーーーーッ!!」
 叫んだ星斗は、両手の腕輪にはめ込まれた赤と青の宝玉を重ね合わせる。そして赤と青の光が走り、
ウルトラマンメテオの姿になっていく。

「クラウゥゥゥゥゥス!!」
 輝く宝石・ウルティメイトストーンを取り出してかざし、これも光を放って、叫びながらウルトラマンクラウスへと
変わっていくレイジ。
141名無しより愛をこめて:2007/03/29(木) 11:32:40 ID:93Bv8Owe0
 そして、変身した三人の巨人は、互いに顔を見合わせ・・・
『ええッッッッッ!?』
 ゲンゾウがノストルであった事を知ったとき以上に驚愕した。
 互いが明かしたのは人間時の名前だけで、それぞれがウルトラマンであることは今知った。
 ペリッガの民も驚いて騒いでいる。何だあの巨人達はとか言っているのだろうが、三人には言語が判らない。
『ほれ、驚いとる暇はないぞい!』
 ノストルのテレパシーに促されて向き直ると、人間サイズの蜂の軍団が一斉に飛び迫ってきていた。
自分以外にもウルトラマンがいたという、彼らにとっては驚愕の事実にも、否応なしに適応するしかないようだ。
 クラウス=レイジの脳裏に、市街地で大白蟻の軍団を相手にしたときのあのうんざりする記憶が蘇る。
『どうする、クラウス!?』
『うぬ・・・』
 クラウスの精神の中で困るクラウス自身の意識とレイジの意識。
 一匹一匹は小さな雑魚であっても、多数で一斉に攻めてこられるのは辛い。しかも、今回はA&Rの一行も同行
していないので周囲のフォローもない・・・

 否。

『サイキックアタック!!』
 構えたフォルテの両手から念力が広範囲に放射され、蜂軍団を封じた。
 クラウスとメテオ、そしてペリッガの民を守り、フォルテは念力を放ち続ける。
『今のうちに敵の中枢を攻撃してくれ、異世界のウルトラマン!』
『中枢・・・?』
 言われて見ると、大きな雲のような蜂軍団の更に後方に、少しずつこっちの世界に転移してくる、超巨大な
蜂の巣があった。有機物で構成され、低速ながら次元移動能力を持つ、ワスパルト達の母艦ともいうべき巣・
『ヴァニカム』である。これを叩かない限り、蜂軍団は幾らでも湧いてくる。
142名無しより愛をこめて:2007/03/29(木) 11:33:48 ID:93Bv8Owe0
『君達を信じる! 頼む!』
 盾となっているフォルテの言葉を受けるクラウスとメテオ。
『そうだな・・・今の俺達は運命共同体』
『力を合わせてやるしかねえ! 壁役は任せたぜ!』
 サイキックアタックで蜂軍団が止まっている隙に、残る二人のウルトラマンは、互いの必殺光線で敵の巣を
一挙に殲滅すべく、光の力を溜め始める・・・

 だが、それを察したワスパルト側も対応を始める。
『おい、あれ!』
 メテオが気づく。
 念力の影響を受けていない巣・ヴァニカムから吐き出された群れの一団が一箇所に集結して融合し、怪獣サイズの
更に巨大なワスパルトに変貌。
 高速で飛び、その勢いでサイキックアタックによる念力の抵抗をも押し切り、後方でエネルギー集中している
二人のウルトラマンに接近。太い尾の先を向け、鋭い針を連続で撃ち出して、エネルギー集中を妨害する。
二人はチャージを中断し、避けるしかない。
クラウス『このままじゃ、巣への攻撃が出来ない・・・!』
メテオ『しょうがねえ・・・』
 メテオが前に出て、巨大ワスパルトに抗すべく飛び立つ。
クラウス『どうする気だ!?』
メテオ『巣への攻撃はあんたがやってくれ! こいつは俺が食い止める!』
クラウス『しかし・・・!』
メテオ『格闘戦にはちょいと自信があるんだよ。任せといてくれ!』
 メテオと巨大ワスパルトは激しい空中戦を始める。
 確かに、任せるしかなさそうだ。クラウスはエネルギーの充填を再開する。
143名無しより愛をこめて:2007/03/29(木) 11:34:52 ID:93Bv8Owe0
 メテオは巨大ワスパルトの針による射撃を素早く掻い潜り、距離を詰めて打撃を開始。接近戦に持ち込む。
 だが、巨大ワスパルトも手足を動かし、真正面から格闘戦を受けて反撃してきた。その攻撃は強力な
パワーを秘めており、メテオが手足で受けて止めるごとに衝撃が全身を揺さぶる。
『くっ・・・!!』

 フォルテはサイキックアタックでクラウスとぺリッガを守り続け、クラウスはメテオの抜けた分も
エネルギーを溜め続ける。
 三人のウルトラマンは気づいていなかったが、活動時間のリミットの3分はとうに過ぎている。実は、
ウルトラノストルの神通力ともいうべき力により、活動時間を延長されていた。
 だが、持久力が底上げされただけで、彼ら自身の敵を攻撃する超能力のポテンシャルが上がったわけではない。
フォルテは念力を出しっぱなしで段々消耗してくる。
 食い止められていた雑魚ワスパルトの中で根性のある数匹が、遂に念力の壁を押し切り、フォルテの位置を越えて
クラウスの方に向かってきた。クラウスはゲージを上げている最中で、対応が遅れるのは必至・・・

 が、更に風は防衛側に吹く。
 身を張って自分達を守っている巨人達を味方と認識したぺリッガ一同が、彼らの乗用マシンを前に進め、
渾身で蜂軍団への反撃を始めた。
 雑魚ワスパルトとは言え、常人の彼らにとっては厳しい相手だが、動けないクラウスを守るためにぺリッガは
懸命に牽制を続ける。
レイジ『あんたら・・・』
 ぺリッガの人々がクラウスに向かって何やら叫ぶ。言葉は判らないが、激励であるのは表情から察せる。
クラウス『これは、期待に応えねばならんぞ、レイジ』
レイジ『ああ、当然だ!』
 クラウスの心の光が桁違いに高まっていく。
144名無しより愛をこめて:2007/03/29(木) 11:43:06 ID:93Bv8Owe0
 巨大ワスパルトの猛攻を受け続け、動きが鈍ってくるメテオ。
 好機と見た巨大ワスパルトは、尾の先から毒針を突き出し、一気にメテオを倒そうと叩き付けた。

 だが、その攻撃は空を切った。
星斗『行くぜ、メテオ!』
メテオ『おう!』
 巨大ワスパルトの隙を作る為、星斗の意識とメテオ自体の意識は示し合わせ、意図的に攻めを弱めたのだ。
いきなり早まったメテオの回避に毒針は大きく狙いを外し、巨大ワスパルトの態勢が崩れる。その隙を突き、
『メテオナックル!!』
 輝く拳が巨大ワスパルトの胴を貫通し、更に体内での光の力の膨張で、巨大ワスパルトは粉々に吹っ飛んだ。

 クラウスの光エネルギーが最大限に高まった。
 腕を組んで構え、
『クラッシュウム・カノン!!』
 必殺の光線が通常の何倍も増しで迸り、途上の蜂軍団を軒並み蒸発させ、敵本陣のヴァニカムに命中。
大爆発が起こり、ヴァニカムは煙を上げて大きく傾く。だが、これでもまだとどめには至らない。
『駄目か・・・!?』
『諦めるのは早いぜ!』
 巨大ワスパルトを倒したメテオがクラウスの下に来た。
『そうだ! 一人で駄目なら、三つの力を合わせて光線を叩き込むのみ!』
 フォルテも消耗している体を叩き起こし、二人に並ぶ。
 クラウスは頷き、三人の巨人は並んで必殺の構えを取り、
『もう一度、クラッシュウム・カノン!!』
『メテオニック・ウェーブ!!』
『フォルテッシモ・インパルス!!』
 解き放たれた三条の光が混ざり合い、ヴァニカムを直撃する。
 異次元巣・ヴァニカムは今度こそ跡形もなく粉砕された。混乱していた全てのワスパルトを巻き込んで。
145名無しより愛をこめて:2007/03/29(木) 11:46:37 ID:93Bv8Owe0
『見事じゃ、勇者達よ』
 ノストルは全てを見届けていた。
『もういいだろう、じいさん』
 メテオ=星斗が尋ねる。
『あんたは一体何のためにこんなことを?』
『ワシは、全ての時空を超えて、あらゆる世界のウルトラマンの平和のための戦いの運命を見届ける者』
 後年、ウルトラマンバルグとゼクスの二人が活躍する時代になっても、実際ノストルはまだその務めを続けているわけだが。
『各異世界に存在する文明の力は今や大きくなり、各々の時空の壁を越えて行き来することも決して困難ではなくなった。
だがそれは、悪しき意志を持つ者があらゆる世界に蔓延する危険性を秘めているということでもある。その危機を
避けるためにも、各々の世界を守っているウルトラマンが強く正しい心を持ち、互いに偏見を取り払って力を合わせていく
必要がある。そのための試練だったわけじゃが、今のお主らについてはその心配はないようじゃな』
 ノストルはゲンゾウの姿に戻り、満足そうに笑う。
「じゃが、ゆめゆめ油断するでないぞ。時空全てを脅かす危機は今後も度々起こるであろう。そのとき、ワシは
お主らに試練を課すべく再び現れる・・・と、言うこともあるじゃろうて」
 三人も人間の姿に戻る。
レイジ「最後の最後でえらく適当な仮定だな」
ゲンゾウ「完全に確定した未来など誰にも判らん。大賢者のワシにもじゃ。要するに気を張りすぎるのも禁物ということじゃ」
大地「まあ、それもそうですね」

 そして一つの試練を乗り越えた戦士達は、ぺリッガの民達の感謝と見送りを受け、大賢者のやんごとなき力の
ナビゲーションでそれぞれの故郷へ帰ったのである。
 又共に戦う日もそう遠くはない。かも知れない。


 どうも、久々のアルファ作者です。他オリウルの特別編です。リスペクトということでご容赦を。
 フォルテの変身アイテム・インプラズマが、資料を見ても具体的な外観の描写がないので気になりましたが、
その辺は適当に流しました。メテオの変身アイテムの両手の腕輪のアイテム名が不明なのも同様に。
146名無しより愛をこめて:2007/03/29(木) 15:25:25 ID:93Bv8Owe0
リュウラ著者様
てっきり今回は登場人物全員がキノコの毒でおかしくなるコメディ編かと思いました。

邪仙や神仙のキャラ性がちょっと弱くなってきてる気がします。まあ、
レギュラーの感情の動きを密に描く回では仕方ないとは思いますが。
147名無しより愛をこめて:2007/03/29(木) 17:09:13 ID:RyT0gr6zO
こう言うのもアレだけど、批評は批評スレでじゃなかったの?
148名無しより愛をこめて:2007/03/29(木) 17:22:25 ID:93Bv8Owe0
失礼しました。
149名無しより愛をこめて:2007/03/31(土) 14:54:41 ID:8tDGeKj/0
ほしゅ
150クラウス筆者:2007/04/01(日) 23:02:44 ID:tmzyikNW0
アルファ作者さん

市街地で大白蟻…ありましたねそんなの(オイ)
あいかわらず自分が書く以上にレイジ達が生き生きしてるし
短編だけど内容が物凄く濃いんで読んでて楽しめました。
わがまま言えばこれからももっとやってください。wktkしてます。
しかしたのもしい幼稚園て誰がターゲットなんだ…。
151ウルトラマンアレス:2007/04/01(日) 23:09:38 ID:+B9MFfN/0
第五話「嘘か真か!?RATは悪魔の使者」ローシュウ星人シヅカ・オワ登場

前回、銀河連邦の依頼を受けてカイゲート護衛の任につき、銀河連邦乗っ取りを
計るローシュウ星人部隊を退けたRAT.そしてその引き換えに地球は
銀河連邦の一員となった。この朗報を伝えるべく、RATは地球へと帰還する。
そしてお馴染みの祖師ヶ谷大蔵に戻ってきた。駅前のウルトラマン像が
時の流れを見つめてる。そこにはご町内のみなさんのお出迎えも。
大石「よっ!RAT最高!」
谷「さすがは我らの防衛隊!」
吉村「地球が銀河連邦入りとはすごいですな!」
遼「どうもどうも!こういうのは気持ちが良いなぁ」
永倉「お調子者だな、お前は」
遼「へへ、だって歓迎されて嫌な気はしないですもん」
斎藤「まあ、そうね。今回の戦は連邦入りは勿論だけど、こっちの死傷者もゼロだったし
RATの士気も今まで以上に上がっただろうし、良い事尽くめよね」
近藤「それに地球を狙う宇宙人達も地球防衛軍の実力を知れば、そうそう簡単には
侵略するようなこともあるまい」
土方「何はともあれ、長官や参謀に報告だな」
歓迎が終わった後、RATは作戦司令室にて上層部に通信を行う。

芹沢「諸君、大義であった。これで地球もより広い宇宙への交流を図ることも
出来る。銀河連邦という巨大バックも味方してくれる。最早我らの天下だ!」
芹沢は傲慢な感じにRATを褒め称えた。しかし松平は一つ残念なことを知らせる。
松平「しかし、君達の戦ったローシュウ星人。奴らの一部が地球に潜入したという
話がマツーサ星からの連絡で分かった。他にもローシュウ星に味方するトサン星と
ヒーゴ星の星人達もだそうだ」
152ウルトラマンアレス:2007/04/01(日) 23:10:59 ID:+B9MFfN/0
近藤「それは本当ですか!?」
土方「奴らの目的は知らんが、良くない事が起きるのは間違いないな」
松平「それでマツーサ星から送られたデータの中に要注意人物の表記もあった。それが
これだ。ローシュウ星人、カーラ・コゴ、クサカ・ゲンス、シダ・マローシ。
ヒーゴ星人、ベミヤ・ティーゾ。トサン星人、サカルト・リーマ、カダ・イゾン、
チヅキ・タート。以上の者達だ。まだ予測の範囲だが彼らは地球の調査と
地球防衛軍全滅を目的だとこちらでは判断している。防衛軍の中枢は日本に
集中している。彼らが日本に潜伏している可能性は高い。RATも十分に警戒してくれ」
近藤「了解しました」
地球に潜入した過激派宇宙人達…これから彼らはRATの前に立ち塞がる。

二日後。商店街ではトラブルが続出していた。
ビデオ屋で…
山野「ビデオの中身が別々に入れ替えられている!?」
八百屋で…
谷「リンゴがかじられとるぞ、おい!!」
電器屋で…
安富「あぁ!?テレビが全部同じチャンネルだ!」
商店街で次々と起きる怪事件…一体誰の仕業なのか?そんな中、同じく被害にあった
魚屋大石は…。
大石「みなさん、聞いてくださいよ。うちの鰤が天然から養殖に取り替えられて
いたんですが、発見直後に犯人らしき影を見ましたよ!」
吉村「何ですって!?それはいったいどんな奴でしたか!?」
大石「それが…あれはRATの制服だった…」
山野「ば、馬鹿な!」
大石「いや、あれは袖口がダンダラ模様をしていた…」

あっという間にこのことは商店街中に広まった。そして起こる怒涛のRATへの
不信不満。RATではこのことでの対処法を考案していた。
153ウルトラマンアレス:2007/04/01(日) 23:12:29 ID:+B9MFfN/0
山崎「調査の結果、確かに私達と同じ服装の者が悪事を行っていたとのことです」
土方「一体誰が、こんなことを…」
皆が考え中のとこに遼が口を開く。
遼「ローシュウの連中ですよ、きっと。奴ら地球に潜入したついでにRATへ
攻撃を加えていやがるんだ。俺達の社会的信頼を失わせるのと同時に…」
永倉「俺達への復讐ってところかのう」
遼「そうです。まったくふざけてやがるぜ。近藤さん、今回の事件、
俺に調べさせてくれませんか?」
近藤「よし、いいだろう。何か手掛かりが掴めたら連絡するように。いいな」
遼「御意!!」

次の日より遼は商店街を中心に地域周辺の調査を開始した。その途中、水無月神社で
休憩しているところに、紗奈恵がやってきた。
紗奈恵「御勤めご苦労様。おにぎりでも食べますか?」
遼「紗奈恵さん!せっかくですから頂きます。有り難うございます」
紗奈恵「いいえ、私に出来ることはこんなことぐらいですから」
遼「…紗奈恵さんはRATを、僕を疑わないんですか?」
紗奈恵「あら、どうして?」
遼「だって、今この周辺を騒がしてる輩はRATの格好しているんですよ?
RATがみんなから怖がられるのは認めたくないけど当然のことだろうし…」
紗奈恵「…遼くんやRATのみなさんを見てれば分かります。あなた達がそんなことする
人間じゃないことぐらい。だから堂々と胸を張っていればいいのよ」
遼「紗奈恵さん…!」
紗奈恵「うふふ、さておにぎり持ってきますね」
遼に優しい笑顔を向けると紗奈恵はおにぎりを取りに行く。遼は嬉しかった。紗奈恵が
自分達のことを信じてくれて。そして何時にも増して良い笑顔を見せてくれたことを。
遼「(信じてくれる人がいるってだけで救われるな)」
元気を出した遼は調査を再開する。商店街を再度見回りしていると本屋で
またまた嫌がらせ!
154ウルトラマンアレス:2007/04/01(日) 23:14:03 ID:+B9MFfN/0
吉村「ああ、ジ☆テレビジョンが!沖田君!捕まえてくれ!」
遼「よっしゃあ!!待っててくださいや!首取ったる!!」
逃げていくRATの格好している犯人を追って遼が商店街を走り抜ける。
犯人は水無月神社の方へ入っていき、遼もそれを追って入る。
しかし見失ってしまう。周囲を警戒している途中…。
杏「やっほー!お兄ちゃん!」
遼「おおっ!?ビックリした…杏ちゃんか」
杏「どうしたの?何かあったの?」
遼「いや、ここにローシュウ星人が逃げ出して来ているんだ…杏ちゃんも気をつけるんだ」
杏「大丈夫だよぉ、私も実は…ああ、何でもない!」
遼「ん?まあいいや、気をつけろ、敵はどこから襲ってくるか分からないからね」
辺りを遼が警戒している時、突如二人は砲撃される。空を見上げると、
そこには巨大な円盤が!二人は物陰に身を隠す。
遼「ちっ!卑怯な野郎だ…本部!本部!ローシュウ星人の巨大円盤に砲撃を受けてます!
ラットファイターで迎撃してください!」
斎藤「了解。すぐに向かうわ」
遼「お願いします!よし、俺がオトリになる。杏ちゃんはその隙に逃げろ」
杏「無理しないでよ、お兄ちゃん!」

遼はセイバーを構え、砲撃の嵐の中に飛び込んでいく!杏は後ろを振り返りながら
脱出する。遼が爆発に包まれた時、アレスに変身!巨大化する。
だが、円盤の砲撃の激しさに近づくことが出来ない。砲撃を回転ジャンプで
避け、アレススラッシュの連発で次々と砲台を破壊していく。攻撃の激しさが
止んでいき、アレスは円盤の内部に飛び込む。内部で向かってきた星人兵を
バルゼウム光線でまとめて片付けていき、アレスは遼の姿に戻る。
155ウルトラマンアレス:2007/04/01(日) 23:15:59 ID:+B9MFfN/0
ラットセイバーを構え、円盤中心部に入り込む。そこには今回の事件の犯人、
ローシュウ星人・シヅカ・オワが焦りの表情を浮かべながらビーム剣を構えている。
シヅカ「お、お前がウルトラマンアレスか!?何故、変身を解いた?」
遼「これはアレスで解決することじゃない。沖田遼として解決することだ」
シヅカ「なにを生意気なぁー!!」
ビーム剣が遼に向かって飛んでくるが、ラットセイバーで受け止め、振り払う。
それでも向かってくるシヅカの胸をセイバーで突き刺し、倒れるより前に素早く
首を落とした。
遼「お命、頂戴…!」
遼は窓を突き破り、外に飛び出す。外には既に斎藤が搭乗している
ラットファイター1号が。それに上手い具合に乗り込む遼。

遼「お待ちどうさまです」
斎藤「私が来た時にはもうほとんど片付いているからくたびれ損よ。
仕事早いわねぇ」
遼「いえいえ、僕らRATの邪魔をする者は…斬る。それだけですから」
ファイター1号のアサルトキャノンで円盤の動力部を破壊、円盤を回収した。
そんな遼の活躍を見ていたこの子…水無月杏。
杏「やっぱりアレスの正体は…でも私にもいろいろあるしね、これは内緒に
しておくね、お兄ちゃん」
後日盗まれた物は全て商店街の人のもとに戻っていった。そして犯人は
本物のRAT隊員ではないと分かり、RATへの誤解も解けた。
遼「いやいや、良かった良かった。なんだか苦し紛れの台詞っぽいな、これ」
156ウルトラマンアレス:2007/04/01(日) 23:17:32 ID:+B9MFfN/0
次回予告「銀河連邦への加入から始まり、RATも絶好調!しかしそれに
喜び、傍若無人な振る舞いが多くなる芹沢参謀と新見参謀補佐。そんな彼らは
人々に迷惑なことを次から次へと…尻拭いをするRATも大変なんだぜぇ?
では次回のウルトラマンアレス!いざ、参る!」

〜アレスが斬る!!〜
アレス「ウルトラマンの偽者は今までたくさん出てきたけど、防衛隊の偽者ってのは
少ない。科学特捜隊パリ本部のアンヌ隊員に化けた地底人、ウルトラ警備隊の
フルハシ、モロボシ・ダン隊員に化けたゴドラ星人、MACの内田三郎隊員に化けた
アトランタ星人、そしてRED隊員に化けたジャーク星人が送り込んだ宇宙人、
そして今回、RATの隊員に化けたローシュウ星人シヅカ・オワなどだ。
陰湿な攻め方をする侵略者達だけどウルトラマンも防衛隊もそんな奴らには
負けないぜ!」
157アレス作者:2007/04/01(日) 23:21:30 ID:+B9MFfN/0
よおお待ちどう。なんだかんだで復活が遅かったアレス作者見参!
長いこと遊びすぎたぜ!メビウスも終わっちまったなぁ…。
だがオリトラの戦いはこれからだ!!

え〜感想はまだ。ごめん、ホント。
158名無しより愛をこめて:2007/04/03(火) 20:41:07 ID:kwOwrekv0
ココは自分で考えたウルトラマンの話を書くところなの?
今、何人くらい書いてる人がいるのかな?
俺も書きたいけど、あんま人数多いとゴチャゴチャになるから止めとくけど・・・
159アルファ作者:2007/04/03(火) 21:50:41 ID:WBXaFQF30
ざっと見て6、7人ほどだと思いますが、私がアルファを終わらせた
頃からちょっと過疎気味なので、寧ろ活性化のために書いて頂けると
有難いとも思います。
160名無しより愛をこめて:2007/04/03(火) 22:42:12 ID:aNPZceIX0
このスレってあくまで「オリジナル」のウルトラマン?
既存のウルトラマンのオリジナル展開はあり?
161名無しより愛をこめて:2007/04/03(火) 23:06:47 ID:1m2nWGuBO
>>160
>>1の一つ目の誓い
162アルファ作者:2007/04/03(火) 23:09:07 ID:WBXaFQF30
何遍もすんません。

>>160
その質問は何度か出てますが、一応主人公ウルトラマンはオリジナル。
特別出演で既存のウルトラマンが出るのはなしではないようですが、
皆多用はしてませんな。やりすぎるとスカイライダーの二の轍で
主人公の存在意義が薄れるし。

私もセブンを外伝で一度出しただけだし。
163名無しより愛をこめて:2007/04/03(火) 23:09:49 ID:mWKYhWqiO
>>158せめて>>1ぐらい読め。
sageるのがマナー。


>>160それは、こちらのスレ。タロウの他も受け付けているそうです↓
僕にも『ウルトラマンタロウ』の話は書ける3
http://tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1159792594/

メビウスならこちら↓
メビウスの脚本依頼されたら3
http://tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1166948748/

Qならこちら↓
おまいらウルトラQの脚本を創ってください。再×3
http://tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1163452429/
164名無しより愛をこめて:2007/04/03(火) 23:13:59 ID:1m2nWGuBO
>>163
人のこと言えないな、あなた。
165名無しより愛をこめて:2007/04/03(火) 23:14:27 ID:mWKYhWqiO
言いながら自分がsage忘れました・・・


すみませんでした
166名無しより愛をこめて:2007/04/05(木) 11:52:42 ID:hsEvcfL90
hosyu
167f作者:2007/04/07(土) 02:14:01 ID:GITRCj9mO
こんばんわ。某ゲレンデで車を、あて逃げされたフォルテ作者です。
スノボー満喫し、車に戻ったら何このヘコみは…???_ノ乙(、ン、)_

>アルファ作者様、番外編にフォルテを出演していただき、ありがとうございました!
インプラズマなどが、具体的な外観を書いていないのは、少しでもフォルテの世界を読者様のイメージで楽しんでいただけるようにと、
配慮している為に、記されていなかったんです。
作者のイメージ的には、フォルテは初代マンを意識しているので、
βカプセルのようなスティックタイプの外観に、平成三部作のような光を放ちながら…みたいな感じのイメージで、いつも書いていました。
今後とも、よろしくお願いします。

>アレス作者様、人が疑いをかけられ追い詰められるエピソードは、個人的に凄くのめり込んで見てしまうので、そういう点から既に私のツボでした。

さて、フォルテ第六話投下しておきます…。
168f作者:2007/04/07(土) 02:17:44 ID:GITRCj9mO
第6話「サプライズルーキー」肉食植物怪獣ウツボガドラ登場
夜の市街地をチームAMKSの専用車「ブシドー」に乗り、パトロールをする大地と誠也。
そんな二人を乗せたブシドーの前に、車道だというのに、男がふらふらと不気味に、ゆっくりと歩み寄る。
大地がクラクションを鳴らしても男は止まる気配が無い。
仕方がなく、大地と誠也はブシドーを降り、注意しようと男に近付く。
ところが、男は不気味に笑いながらは二人に襲いかかって来る!
突然の事に驚きながらも大地は男を掴んで投げ飛ばし、構える。
気がつけば男と似たような状況の、人々が、五人で輪になり、大地と誠也を中心に、不気味に笑いながら囲んでいる。
大地と誠也はアンカスガンを殺傷力の無いショックガンモードに変え、襲い来る人々を次々に撃ち気絶させる。
静まり返った現場で顔を見合わせる二人。
その時、大地は後ろから迫り来る気配を感じ取る。
大地「誠也!後ろだ!」
しかし、出遅れた誠也は背後から襲いかかる触手ような蔦に捕えられる。
後ろには、植物のウツボカツラのような容姿で、無数の牙の生えた口を持つ、全長二メートル程の奇妙な植物怪獣が、誠也を口の中へ引きづり込もうと、自分の腕でもある蔦を引き寄せる。
大地はアンカスガンをレーザーガンモードに変え、植物怪獣を撃ち抜く。
敵は不気味な声をあげながら、ゆっくり崩れ、絶命する。
大地は急いで誠也に駆け寄るが、気絶している為、返事は無かった…。
翌日、日が差し込む病室のベットで誠也は目を覚ます。
聡「あっ!誠也さんが気がついた!」
誠也「さ…聡君?…ここは?」
聡「病院だよ!待ってて、今、先生呼んでくるから!」
誠也の意識が戻った知らせを受け、担当医が病室に駆け付ける。
診察を終え、誠也は、昨夜の事件からの出来ごとを聡から聞かされた。
あの後、誠也は現場より程近い、この病院に搬送され、
操られた人々は再び暴れ出す危険性があるのでAMKSドームのメディカルセンターへ、
植物怪獣の死骸はチームAMKSによって回収されたのである。
聡「チームAMKSのみんなは、昨日の事件で誰も手が離せなくなったって言うからさ、
チームAMKS特別隊員である僕が、誠也さんのこと、付きっきり見てたって訳!!」
169f作者:2007/04/07(土) 02:21:59 ID:GITRCj9mO
誠也「そうなんだ、ありがとな、聡君!」
聡「どういたしまして!…それじゃぁ、誠也さん、僕、もう一つ寄らなきゃいけない場所があるから。」
誠也「えっ?どこに行くんや?」
聡「誠也さんも、ついてくる?」
誠也「…?」
何も説明されないまま、誠也は聡に別病棟へ案内される。
そこは、幼い子供達が入院する小児病棟。
朋美「あっ!聡くん!」
聡の姿に気がつき、ベットの上から明るい笑顔で手を振る少女。
椎名「こんにちは。聡くん!あら…そちらの方は…?」
少女を横で世話していた看護師は聡に挨拶をし、後ろにいた誠也の存在に気がつく。
誠也「は…初めまして!聡くんの知り合いの、松本誠也です。よろしく!」
朋美「私、朋美!」
椎名「私、小児病棟の看護師の椎名すみれです!初めまして!」
爽やかな椎名の笑顔に誠也は思わず「綺麗な人やなぁ…。」と見とれながら呟く。
聡「あれぇ?誠也さん、もしかして椎名さんに一目惚れ…?」
誠也「さ…聡君!!」聡の一言に慌てる誠也。そんなやり取りを見て朋美と椎名はクスリと笑う。
誠也「聡君こそ、その子ガールフレンドちゃうんかい?」
聡「ち…違うよ!!この子は、僕と同じクラスの朋美ちゃん。
入院中で学校に来れないから僕が授業の内容をメモしたノートとか持って来てるんだよ。」
誠也「へぇ、いいとこあるじゃん聡君!」

聡「それほどでも…。あっ!朋美ちゃん、誠也さんはね、チームAMKSの隊員なんだよ!」
椎名「えぇ?あのチームAMKSの隊員さんなんですか?」
驚いたのは椎名と朋美だけではない。周りにいた入院中の子供達も誠也の周りに集まる。
少年A「えぇ!?チームAMKSの隊員!?」
少年B「すげぇ!!」
少年C「サインもらっていいですか?」
押し寄せる子供達に驚き圧倒される誠也。でも嫌な気分ではない。
誠也「よっしゃあ!!じゃあ握手でもサインでも、何でもやったるでぇ!!」
170f作者:2007/04/07(土) 02:24:27 ID:GITRCj9mO
子供達「やったー!!」
誠也は、病室の子供達の要望に応える為に、陽気に振る舞い、優しく接する。
怪獣災害時以外は縁も無いチームAMKSの隊員と触れ合えて、目を輝かせる子供達。
楽しい時間はあっと言う間に過ぎ、夕方、検査結果に異状がなかった誠也は、
AMKSドームに戻る為、聡と一緒に病院をあとにしようとする。
椎名「誠也さん!」
病院の玄関を出ようとした誠也を呼び止める椎名。
椎名「今日は色々とありがとうございました。」
誠也「いやぁ、そんな、お礼を言われるほどなんかじゃ…。」
礼を言われ、照れる誠也は、椎名が少し暗い表情を浮かべているのに気がつく。
椎名「あんなに明るい子供達を見たのは久しぶりで…。」
誠也「久しぶりって?」
椎名「子供達は不安なんですよ。自分の病気は治るのか。
せっかく病気が治っても、怪獣や宇宙人に襲われて命を落とすんじゃないかって…。

それを聞いて心が締め付けられる誠也。
椎名「私は、子供達の笑顔が好きなんです。苦しんでる子供達を助けて、
元気な笑顔にさせたいから小児科の看護師になったんです。
でも、今の私には子供達に寄り添う事しかできない…。」
突然、悩みを打ち明けられ戸惑う誠也。
誠也「子供達に伝えてください、
病気からは、椎名さんや、病院の先生がみんなを守るって!
怪獣や宇宙人からは、オレが、チームAMKSが、ウルトラマンフォルテが全力で守るって!」
そう言って、ガッツポーズを取り、少しカッコつける誠也。しかし、そのまなざしは真剣だ。
椎名「誠也さん…。」誠也の一言で、気持ちが前向きになる椎名。
誠也「寄り添うだけでもいいじゃないですか!
自分にできる事をすればいいんですよ…。
それじゃあ、椎名さん、失礼します。」
そう言って、聡と共に病院を後にする誠也。その背を見つめる椎名。
171f作者:2007/04/07(土) 02:26:41 ID:GITRCj9mO
椎名「自分に出来る事か…。」
そう呟いた椎名は、誠也のようにガッツポーズを取り、笑顔を作って、子供達が待つ病室に戻る。
聡「誠也さん、カッコつけ過ぎ。」
誠也「い…いいだろ別に!」
誠也を冷やかして笑う聡。
その様子を、茂みの中から何かが伺っている。
聡「あれ?」
誠也「どないしたん?」
聡「今、そこに誰かいたような…?」
聡が異変に気がつき茂みを指差す。
誠也「気のせいやないのか?」
聡「だといいんだけど…。」
そう言い、その場を去る二人。
その後姿を、あの植物怪獣が茂みの中から不気味に見つめていた…。
一方、AMKSドームの作戦室では、メインモニターに植物怪獣の映像を映し出され、吾郎博士が今回の敵の解説を始めていた。
吾郎博士によると、敵は「人喰い植物怪獣ウツボガドラ」。
口から甘い香りを吐き、狙いを定めた獲物を操って誘い込み、捕食する、宇宙生物だと言う。
昨夜の事件は、怪獣が人間を操り、捕食しようとしたところを、たまたま通り掛かかった大地と誠也が邪魔になり、操った人々で襲撃したのだと言う。
吾郎「厄介なのは、この怪獣は、一匹いれば周りに五匹、いると考えられるべさ…。」
ボムス「あと五匹!?」
間宮「こんな奴、放って置く訳にはいかないわね…。」
あまりにも衝撃的な話に驚くチームAMKSのメンバー。
誠也「だったら直ぐに敵を叩きましょう!!」
大地「誠也!」
重い空気を破るように、作戦室に入る誠也。
誠也「奴らは人々を食べる為、いつ街に現れてもおかしくありません!みんなで手分けして奴を見つけ出し殲滅させましょう!」
ロベルト「お前いつになく気合いが入ってるけど病院で何かあったのか?」
ロベルトの一言にドキっとする誠也。
誠也「べ…別に!オレはいつも通りですよ!!」
慌てる誠也を見ながら不思議そうな顔をするメンバー。
奈緒「恋ですね…。」と、モニターを見つめながら奈緒が、全てを知っているかのように一人ボソッと呟いた。
172f作者:2007/04/07(土) 02:28:25 ID:GITRCj9mO
こうしてチームAMKSによる敵の掃討作戦が開始される事になった。
大地とボムスは、それぞれチームAMKSの専用バイク「ヨコヅナ」で、誠也とロベルトは「ブシドー」で昨夜の事件現場の街に向かう。
ロベルト「こちらロベルト!五番地の路地裏でターゲットを撃破!」
大地「こちら大地。廃墟ビルでターゲットを撃破!」
ボムス「こちらボムス!地下通路でターゲットを撃破!」
誠也「こちら誠也!二番倉庫でターゲットを撃破!」
作戦室で待機しているジェイコブ隊長のもとには通信で各隊員から報告が入る。
ジェイコブ「よし、よくやった!残るはあと一匹のみだ!」
ここまで段取り良く敵を撃破してきたメンバー、しかし残りの一匹が発見されず、
捜査は夜遅くまで続くが、何の手掛かりも見つからない。
一方、夜の明りの少ない不気味な病院の外に、自転車でやって来た少年が一人、聡である。
どうやら、先程の不気味な気配が気になるようだ。
身を潜めるように慎重に病院に近付く聡。
しかし、その背後から突然の男に捕まってしまう。
白衣の服装から男は、この病院の医師だと思われる。
どうやらウツボガドラの吐息で操られているようだ。
聡「離せ!離せぇ!!」
必死で抵抗する聡。しかし、男の力には敵わない。
聡は、無我夢中で男の手に噛み付き、隙をついて逃げ出す。
怯んだ男を目にもせず、聡はその場から走って逃げ去り、公衆電話ボックスに駆け込む。
聡からの通報を受け、ジェイコブ隊長は大地達四人に連絡を取る。
病院が、狙われていると聞いて、黙っていられない誠也は、ロベルトを連れ、急いで現場に向かう。
聡は、通報した、公衆電話ボックスで、チームAMKSの到着を待っていた。
すると、誰かが近付いて来る気配を感じ取る。
なんと、電話ボックスの周りを例の状況の人々が囲み、じわじわと歩み寄って来る。
万事休すかと思った、その時!誠也とロベルトを乗せたブシドーが到着。
ロベルトは、おとりになる為、迫り来る人々を格闘で応戦し、
誠也は隙を見て、聡を後部座席に乗せ、その場を突破する。
173f作者:2007/04/07(土) 02:30:10 ID:GITRCj9mO
ブシドーを最高速度まで上げ、病院前に滑り込むように到着する誠也。
病院の中からは子供達の泣き叫ぶ声が聞こえてくる。
誠也は聡にブシドーの中で待っているように説得し、一人で病院内に突入する。
薄暗い内部、各病室や通路にいる筈の医師達や入院患者の姿が無い。
もう手遅れだったのか?誠也は焦る気持ちを抑え、通路を進み、子供達がいる小児病棟に向かう。
通路を進めば進む程、子供達の泣き声が近づき、到着した誠也が目にしたのは、子供達が互いに身を寄せ合い、震え上がっている光景だった。
朋美「誠也さん!!」
誠也「みんな、もう大丈夫やで!!」
しかし、子供達はまだ泣きながら震えている。
誠也が、子供達を励まそうと、手を伸ばしたしたその時!
突然、誠也は背後から何者かに両腕で首を絞められる。
誠也「し…椎名さん!!」
苦しむ誠也が見たのは、操られ、自分の首を絞めている椎名の姿だった。
椎名は、両手に力を入れ、誠也を絞め殺そうとする。
誠也「子供達の笑顔が好きなんやろ…?」
苦しみながら口を開く誠也。
誠也「子供達の笑顔が好きなんやろ!見てみい!みんな泣いてるやないか!」
振り絞る声で叫ぶ誠也。
それを聞き椎名の目には、泣きながら震えている子供達が映る。
すると突然、腕の力が抜け、誠也の首から両腕を放す。
椎名「私は…一体?」誠也「子供達を想う気持ちが、怪獣に勝ったんや!」
自分に何が起こったか分からない椎名の肩をポンと叩き、誠也が優しく声をかける。
しかし、今度は廊下が何やら騒がしい。
怪獣に操られた医師や、入院患者達がゆっくりと小児病棟に向かって来ているのだ。
174f作者:2007/04/07(土) 02:31:25 ID:GITRCj9mO
誠也「椎名さん、子供達と下がっていて下さい!」
子供達を守る為に必死に両手に持ったアンカスガンで応戦し、次々に操られた人々を、その場に倒す誠也。
しかし、その目の前に操られ、アンカスガンを構えたロベルトが現れる。
驚く誠也をよそに、何も言わずアンカスガンをレーザーガンモードで誠也を狙い、がむしゃに撃ってくるロベルト。
誠也は必死に交わすものも、遂にロベルトの攻撃がかすり、バランスを崩しその場に膝をつく。
これまでかと誰もが思った、その時!突然、ロベルトが大きく崩れ、倒れ込む。
後ろには病院内を聡に案内されて駆け付けた、大地とボムスがアンカスガンを構えて立っている。
聡「何とか間に合った…。」
ボムス「誠也、子供達を連れて、ここを離れるぞ!」
誠也「了解!」
操られていた人々は、その場に置き去りにし、誠也達は子供達を連れ非常口へ向かう。
途中、奈緒から通信が入り、病院の地下にある霊安室から宇宙生命体反応をキャッチしたとの報告を受け、大地だけが、みんなの元を離れ、霊安室に向かう。
非常口に向かう際にも、操られた人々は次々に現れるが誠也とボムスは難無く倒し、前へ進む。
大地も、操られた人々と何度も遭遇するが、軽々と倒して、霊安室に到着する。
室内の奥に潜んでいた、一匹のウツボガドラは不気味に笑いながら両腕の蔦で大地に襲いかかるが、大地はこれをかわして、アンカスガンで敵を撃つ。
体をレーザーで貫かれ倒れる怪獣を目の前に、ターゲット撃破の報告を入れようとする大地。
だが、怪獣は再び、ゆっくりと起き上がり、不気味に笑いながら体を急激に成長させる。
通信で誠也達に早く病院の外に脱出するように呼び掛ける大地を目の前に巨大化を続けるウツボガドラ。
激しい震動と共に少しづつ崩れる病院から無事に外に出る誠也達。後を振り向くと、全長五十メートル程に成長したウツボガドラが笑いながら暴れている。
崩れゆく霊安室で大地はインプラズマを手に取りウルトラマンフォルテに変身し、怪獣を目の前にして構える。
誠也とボムスは、この場をフォルテに任せて子供達と椎名を連れ、安全な所に向かおうとするが、ロベルトを先頭にした操られた人々が、目の前から迫って来る。
175f作者:2007/04/07(土) 02:33:17 ID:GITRCj9mO
聡「いくらなんでも、しつこ過ぎるよ!」
誠也「上等やないか!子供達と椎名さんには指一本触れさせねぇ!!」
そう言い、誠也とボムスはアンカスガンで構え、操られた人々に勝負を挑む。
病院を背に戦うフォルテとウツボガドラ。
怪獣は、その場からあまり動かず、腕である蔦を伸ばし、フォルテに攻撃を仕掛ける。
しかし、フォルテは軽々と攻撃をかわし、逆に蔦を掴み、怪獣を投げ飛ばす。
倒れて起き上がろうとすり怪獣に、空かさず打撃攻撃で攻めるフォルテ。
しかし、突然怪獣が吐き出した息にフォルテは体の自由を奪われる。
さらに怪獣は蔦を絡みつけ、口から吐き出す溶解液でフォルテを圧倒し、不気味に笑いこける。
子供達を守る為に戦っていた誠也とボムスは、アンカスガンが弾切れになり素手で人々に挑むが、その数に圧倒され、絶対絶命の危機に陥る。
今度こそ終わりかと思われた時、ジェイコブ隊長を乗せた一号機が現場上空に到着。
吾郎(通信)「待たせたな、みんな!対ウツボガドラ用、完成したばかりの、とっておきが到着だべさ!」
そう通信機から吾郎博士から連絡が入ったのと同時に、ジェイコブ隊長は一号機から消臭弾を発射。
弾は白い煙を発生させ、ウツボガドラの催眠ガスを中和させ、操られていた人々は、その場に倒れ、
フォルテの体も、本来の感覚がよみがえる!
カラータイマーを点滅させながらも完全復活を遂げたフォルテは、体に絡みついた蔦を、破り抜け、慌てふためく怪獣に向けフォルテッシモインパルスを放ち、撃破する。
恐るべき怪獣の最期と、恐怖から開放され歓喜に溢れる子供達に見送られ、フォルテは朝日が昇り始めた空へ去って行く…。
…数日後、誠也とボムス、ロベルトに大地の四人は、後片付けが終わり、復興しつつある病院の子供達のもとを訪れる。
ちょうど外で遊んでいた椎名と子供達はメンバーに詰め寄る。
椎名「この前は、どうもありがとうございました!」
誠也「いやぁ、オレ達は当然の事をしたまでですよ!」
176f作者:2007/04/07(土) 02:38:44 ID:GITRCj9mO
ロベルト「おいおい、随分と調子がいいじゃないか誠也!」
ボムス「調子がいいのはロベルト隊員じゃないですか!一人だけ操られてて何も覚えてないのに!」
ロベルト「そりぁ…その…。」
ボムスに突っ込まれ慌てふためくロベルトを見て、一同どっと笑い出す。
誠也「あの、椎名さん!もし良ければ今度お茶でも…。」
みんなに気がつかれないように、こっそりと緊張をしながら椎名をデートに誘おうとする誠也。
しかし、タイミングが悪いところで通信機が鳴り、その声はかき消される。
ジェイコブ(通信)「お前達、どこで油を売っているんだ!今から臨時の作戦会議がある。すぐに本部に戻ってくるんだ!」
大地「了解。みんな、急ぐぞ!」
誠也「何でこのタイミングで…。」
ボムス「ん?どうした誠也?」
誠也「いや…ハハハ…何でもないです…。椎名さん、それじゃあ、また来ますので…。」
苦笑いをして肩を落とし、椎名に挨拶をする誠也。
作戦室で椅子にもたれかかる奈緒は
奈緒「恋なんて、そう上手くいくもんじゃないんですよ。」
と、全てを知っているかのような口調で、コーヒーを飲みながら一人呟いていた。

次回予告
傷ついた少年の心につけ込む宇宙怪人。
心の闇をエネルギーにして暴れるサイボーグ怪獣。
卑怯な作戦に怒りを爆発させたロベルトは、大切なものを取り戻すため、今、侵略者に挑む!
次回「大切な友達(アミーゴ)」
(電脳宇宙怪人フラマ星人、怪獣兵器ダイート登場)



すみません。いつもなら長い文章を(少しでも)削る作業を行うのですが、今回は都合により、それが出来ず、いつもより長々としてしまいました。これでも結構削りました。
お許し下さい。
177名無しより愛をこめて:2007/04/07(土) 16:20:20 ID:wAWH3yjb0
フォルテ作者様
このくらいの長さなら許容範囲でしょう。やはりスタンダードスタイルの
話作りはいい。
178ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/04/07(土) 22:43:10 ID:aJIVGy2L0
パラレルワールドあなたはそんな言葉を知っていますか
まったく関係の無い異世界と言う意味です
しかし例えパラレルワールドでもそこには関わりが無いだけで各パラレルワールドの人達は確かにそこに生きているのです
これはそんな「何の関係も無い人間達」の物語
179名無しより愛をこめて:2007/04/07(土) 23:17:29 ID:itGKYVPz0

―マリアナ海溝海底・フリップ星人潜伏アジト―

「―何? ゼバットが死んだ?」
「いや、生きたまま向こうの世界のM78星雲に移送されたらしい。」
「そうかそうか、ついにくたばったか。迷わず成仏してくださいナンマンダブナンマンダブ。」
「(人の話聞いてんのかこのアホフリップ)」
「バルーパー、お前今なんつった。」
「いや別に。」
「まぁいいか。……となると、どうしようかね、コレ。」
フリップが差すコレとは、紫色のあからさまに不気味な液体が入った頑丈そうな透明カプセル。
その液体の正式名称は――

「‘キング遺伝子’、か?」
「そうだ。お前とバルキーを地球に呼び出す前にゼバットとの共闘で使用したやつの余りだ。」
「使わないのか?」
「使用方法がわからん。当のゼバット達が向こうのM78星雲に行ったんじゃ、話もできん。
下手にいじくる訳にもいかんし、かといって放っとく訳にもいかんだろ。さぁ、どうすんべ。」
「それこそ地上の奴等に放ってやったらどうだ。」
「奴等の事だ、がめつくキング遺伝子を何かに使うかもわからん。」
「じゃ、どう処理するんだ。」
180名無しより愛をこめて:2007/04/07(土) 23:19:43 ID:itGKYVPz0

『キキキキ…買おう…か?』
「…ここに侵入するような奴だ、只者でないのは一目瞭然だが、あえて聞いてやろう。…何者だ?」
『キキキ…名は、‘ヴァード’。…警戒するでない、貴様等のテリトリーを犯すつもりはない…。』
「テリトリー? まぁいい。持ってけ。金の類はいらん。」
「(待てフリップ、何もこんな得体の知れない奴に渡す事など…)」
「(得体が知れんから無償でくれてやるんだよ。この手の奴にはあまり長い事接しない方がいい)」
「(…解った。お前に任せよう)」
「―ファファファファファ、失礼した。ほれ、お求めのキング遺伝子だ。後は煮るなり焼くなり好きにしろ。」
『キキキ…確かに。では、失礼――』
ヴァードと名乗った鎧を身を包んだ怪人は、カプセルを受け取ったやいなや
フリップ達の目の前からすぅっと姿を消した。

「…テレポーテーション、でもないな。なんだったんだ。」
疑問は残るが、立つ鳥跡を濁さず。それに、手に余るキング遺伝子も消え、悩みの種も消えた。
この物語にこれ以上関わる事の無い宇宙人達は、食料を調達しに出たバルキーの帰りをのんびり待つのであった。

だからと言って、物語が終わったわけではない。
むしろ、始まった。
181名無しより愛をこめて:2007/04/07(土) 23:21:13 ID:itGKYVPz0


『ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス』 
     
        ―漆黒の閃光―

182フレンズ作者:2007/04/08(日) 18:26:47 ID:Aq/6X5Uc0
第9話の続きです。なんか勝手ですいません。

サタン星人「次はこっちの番だ。」
ゴット「うぉっ」
ゴットはかろうじてよけた。だが、
エンジェル「ちっ強い光線だ。押し潰されそうだぜ・・・」
エンジェルにはギリギリ当たっていたのだ。エンジェルは光線の威力で吹き飛ばされる。だがダメージがひどく、一発で倒れてしまう。
ゴット「エンジェル!どれだけ強いんだ・・・」
サタン星人「そんなこと言ってる場合か?」
サタン星人は続けて光線を発射する。
ゴット「わぁぁぁぁ」
流石に不意打ちだったので当たり、ゴットも倒れてしまう。
サタン星人「こんな物か。光の巨人達よ。」
ゴット(これで俺も終わりだ・・・)
春賀「くっ!だがまだ引き下がるわけにはいかない。光線砲、発射ー!!」
春野「あきらめない、あきらめちゃいけない!ミウツシノヤイバ、発動っ!」
カンナしか出来ないはずのミウツシノヤイバがなぜ春野が使えるかは、まあ出力が落ちているからである。と、言うことは。
サタン星人「何だその攻撃は。翼が折れてるぞ。」
まあ力も無いし強度も足りないのだから仕方が無い。
天志田(あいつらを助けたい・・・)
天道(あいつらを助ける)
天道&天志田(力がほしい!)
183フレンズ作者:2007/04/08(日) 18:37:13 ID:Aq/6X5Uc0
(ならば俺たちが力をやる。)
天道(誰だ!)
水野(俺だよ俺。)
天志田(オレオレ詐欺?)
炎(ネタふるっ!)
水野(まあ俺たちの力を受け取れ!)
木野(がんばれよ!)
属(負けるな!)
天道(水野さんとその友達って言ってた人達!)
天志田(力が漲る!いくぜ)

ゴット!

エンジェル!

春賀「ゴット達が」
春野「復活した!」
エンジェル「いくぜ!」
ゴット「OK!」
ゴット達は戦隊ヒーローの変身のときのあの空間みたいなのに入って合体していく!
レイアー「俺は絆の戦士、ウルトラマンレイアー!」
184フレンズ作者:2007/04/08(日) 18:46:50 ID:Aq/6X5Uc0
次回予告「ついに決戦!圧倒的に強い戦闘能力のレイアー!だけどサタン星人が卑怯な手を使い・・・?次回「必殺グランドファイナル!」お楽しみに。」
フレンズナビゲーション 絆 司会 作者&水野
水野「なぜ絆になってんのに俺が司会?」
作者「久しぶりの登場だから。」
水野「まあいい。レイアーは紫をベースにした色だ。まあゴットはレッド族エンジェルがブルー族なのが混じって紫だからパープル族?」
作者「勝手に作っていいのかね。」
185ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/04/08(日) 22:55:12 ID:ExepcSPE0
広大な宇宙空間を一機の宇宙戦闘機が地球目指して飛んでいる
EAR
地球絶対防衛連隊の主力戦闘機、エアータイフーンだ
現在大気圏外パトロール中である
「こちら道城、本部応答願います」
そのコックピットに座るのは、EAR日本支部の隊員、道城光也隊員だ
『こちらアイアンタワー』
「定期交信、現在宇宙座標、T−7を飛行中、すべてにおいて問題なし、予定通りこのまま帰還します」
『了解』
通信を終え、計器をもう一度チェックした後、道城は目の前に浮かぶ地球に視線を向ける
(いつ見ても、この星は美しいな)
そんな事を考え、視線を再び宇宙に戻す道城
≪・・・≫
「・・・?」
一瞬、何かが道城の頭をよぎったような感覚がした
≪・・て≫
「・・・・・・」
今度はさっきよりも鮮明になる
道城がそれをテレパシーのようなものであるとわかるまで、そう時間はかからなかった
≪け・・・て≫
どんどん鮮明になっていくテレパシー
本部にどう伝えるか考えたが、ありのままを伝えるしかないと思い、道城が通信機をとった瞬間
≪助けて≫
「・・・子供?」
道城の脳裏に鮮明なテレパシーが聞こえ、エアータイフーンは宇宙に溶け込む様に消滅した
186名無しより愛をこめて:2007/04/09(月) 01:01:23 ID:RNVhyB0X0

月での任務を終え、リュートリニアン達との楽しい一時を過したカミヤ・レイジは、
A&R専用戦闘機エーアールαを飛ばし、地球への帰路へついていた。
思えばこのエーアールαも戦闘機としてでなく地球と月との間を短時間で移動する渡り鳥として開発されのに、
フから始まる高笑い宇宙人の出現によって已む無く戦闘機としての役目を余儀無くされたが、
今回久しく本来の勤めを果たした。これでエーアールシリーズ開発者であるショーン博士も御満悦だろうな、
とレイジは操縦桿をいじりながらしみじみ思いにふけた。
しかし思いにふけてる際に、レイジは懐が急に温かくなったのを感じ取った。
温かみの正体は、銀色に輝く宝石・ウルティメイトストーン。
ウルトラマンクラウスへのいわば変身アイテム兼クラウス自身の潜伏場所である。
そのストーンから熱が発せられたと言う事は、それは恐らくクラウスからの自己アピールである。
レイジはA&R隊員服のジッパーを少し下ろし、懐からごそごそとストーンを取り出し、
地球への音声通信の機能を一時停止させストーンに話しかけた。

「どうしたんだよクラウス、珍しいじゃんか。」
『レイジ。君には、聞こえていないのか?』
「ん? 隊長達への通信はさっき済ませた所だろ?」
『いや、それとは違う声だ。察するに……子供の、声だ。』
「子供? …この宇宙空間で?」
『正確には、テレパシーか。…それも、まったく異なった場所からの…』
「…なんて聞こえたんだ?」
『‘助けて’』
「たすけてぇ? 一体そりゃ…」
≪助けて…≫
「いやクラウス、それはもう解ったから」
『今のは私ではない。』
「なに…!?」

≪助けて…!≫
レイジにとっては再び、クラウスにとっては三度その謎の声を聞いた次の瞬間、αは音も無くこの世界から消えた。
187名無しより愛をこめて:2007/04/10(火) 10:35:04 ID:Sl4s19530
ho
188sage:2007/04/10(火) 21:46:38 ID:ZIPjfrN60
ё作者は無事だろうか,,,
189ウルトラマンオーバー:2007/04/11(水) 16:48:25 ID:t62VYb+C0
ミラクル作者様は無事ですよ
ただPCがちょっち壊れてて今戻れないだけだそうです
早く直るといいですねほんとに
HPの管理人とかそういうのを抜きでミラクル作者様のPC回復を待っています
それとsageはE−mailのところに半角で入力してくださいね

カイザー作者様、元気かなあ・・・
190名無しより愛をこめて:2007/04/13(金) 12:39:23 ID:Y6rLbB1C0
ho
191ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/04/14(土) 22:31:07 ID:7tKNUNvq0
黒い雲に覆われた空の下で、一人の少年が空を眺めている
「何をしてるの?」
後ろで遊んでいた少年が、空を眺めている少年に尋ねた
「正義の味方を呼んでたんだ」
もう一人の少年を振り返って言う
「正義の味方?」
首をかしげる少年の友人
「本で読んだんだ、困った人を助けてくれる正義の味方の話」
少年の言葉に、友人は口をへの字にする
「正義の味方…いたらなんでおれたちこうなるんだ?」
「それは・・・」
少年が黙ったとき、空のかなたが青く光った
192ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/04/15(日) 12:40:20 ID:Tv8pzRmg0
気がつくと、道城は見知らぬ大地の上を飛んでいた
一面荒野で、遠くに赤土がむき出しの山が見える
しかし一番異様なのは、空がどこまでもどこまでも曇っているの事だ
真っ黒い黒雲が空全体を覆っているのである
時計に目を向けると、さっき宇宙空間で確認した時から、3分とたっていない
(おかしい・・・あそこから地球までは少なくとも30分はかかるはずだ)
道城は通信機を取り、全チャンネル開いて呼びかけてみたが、ノイズが聞こえてくるだけでアイアンタワーおよび地球防衛軍ガーディアンに所属するすべての防衛軍からの応答は無かった
しかしエアータイフーンの端末で調べてみたが通信機に異常は無い
ここから数百キロ以内には友軍は一切いないと言う事である
だが月面からマリアナ海溝の奥底までカバーしている地球防衛軍のいる地球上でそんな事が起こるはずが無い
つまり今道城がいるのは・・・
「地球上ではない・・・だとすると他の天体か?」
しかし空が曇っていたのでは天体観測を行って自分の位置を確かめる事はできない
(・・・とりあえず落ち着こう)
そう思い、道城は着陸態勢をとった
193f作者:2007/04/15(日) 23:54:22 ID:6lBDlGoRO
こんばんは、フォルテ作者です。
私が住む、岩手県は今朝、ウルトラマンメビウスが最終回でした。ありがとうメビウス、そしてGUYSのみんな!
さて、最終回の興奮が冷めない間に7話を投下します。
194f作者:2007/04/15(日) 23:56:12 ID:6lBDlGoRO
第7話「大切な友達(アミーゴ)」(電脳宇宙怪人フラマ星人、怪人兵器ダイート登場)
放課後、校庭に集まった子供達。
彼らは、数日後に迫った、地区対抗ドッチボール大会に向けて練習をしているのである。
慎太郎「おい幸彦!ちゃんと取れよ!」
大柄で、子供達のリーダー的存在の慎太郎の罵声が一人の少年に向けられる。
少年の名前は、内田幸彦。
運動神経が悪く、気が弱い少年である。
篤「はぁ…。幸彦がいたら大会で勝てっこなんかないよ!」
憎らしい事を言うのは、慎太郎にいつもついて歩き、嫌味な口調が特徴の篤である。
聡「二人とも、そんな言い方は良くないよ!」
三人と同じクラスの聡は、唯一、幸彦の味方である。
しかし、幸彦がチームにとって足手間取いなのは事実。
他のチームメイトも幸彦を白い目で見る。
慎太郎と篤は、どうせ負けるのに、必死に練習するのが馬鹿らしくなってランドセルを背負い、不満をもらしながら帰ってしまう。
それに続くように他の子供達も、塾だ門限だと、適当に理由を作り、校庭には聡と幸彦の二人だけが残ってしまう。
幸彦「ごめんね、聡くん…。」
聡「気にする事ないよ。それより、今から、おもいっきり練習して、明日みんなを驚かせようよ!」
落ち込む幸彦を励ます聡は、二人だけで練習を続けようと提案し、つきっきりで指導を始める。
夕陽が沈む校庭で一生懸命練習する二人、しかし幸彦の腕は簡単には上達しない。
幸彦の投げたボールは、まるで違う方向へ飛び出し、校門をくぐり抜け、車道をたまたまパトロールのため走っていたチームAMKSの専用車「ブシドー」にぶつかる。
今日のパトロールは、ロベルト一人で行っているようだ。
幸彦「うわぁ…ごめんなさい!」
聡「ごめんなさいロベルトさん!」
ブシドーから降りて、ボールを抱えるロベルトに、慌てて謝りながら駆け寄る二人。
ロベルト「いいって!気にする事ないよ!子供が、友達と元気に外で運動する事は大切な事なんだからさ!」
そう言いながらリフティングをして見せ、ボールを軽く蹴り、聡に渡すロベルト。
195f作者:2007/04/15(日) 23:59:11 ID:6lBDlGoRO
聡「ありがとうロベルトさん!幸彦くん、もう少し頑張ってみよう!」
そう言って練習に戻ろうとする聡。
幸彦「…いいよ。僕なんか練習なんかしたところで上手くなんかならないんだ。」
そう呟き帰ろうとする幸彦。
聡「幸彦くん…。諦めないで、頑張ろうよ!」
しかし幸彦は、首を縦に振らない。
聡「そっか…、じゃあ幸彦くん、また明日頑張ろうね!」
幸彦「聡くん、君は優しいんだね…。」
聡「だって僕達、友達じゃないか!」
その言葉に勇気づけられる幸彦。
幸彦「うん。ありがとう、聡くん…。じゃあまた明日…。」
聡に励まされ少しだけ明るさを取り戻し、帰っていく幸彦。
ロベルト「あの子、ちょっと元気がなかったけど…。」
幸彦の後ろ姿を見つめるロベルトが、心配そうにそう呟くのであった…。
日が沈み、団地内を歩きながら幸彦は今日の出来ごとを振り替える。
慎太郎と篤のキツい一言、チームメイト達の冷たいまなざし…。
思い出すだけで嫌になってくる。
フラマ「坊や、この星は実に不愉快な世界だと思わんかね?」
突然、声をかけられ、振り向く幸彦。
そこには、マンションの屋上から腕組みをし、幸彦を見下ろす等身大サイズの宇宙人が立っていた。
銀と黒の宇宙金属でできた強化スーツに身をまとった電脳宇宙怪人フラマ星人である。
声の主が宇宙人だと分かり、驚いて腰を抜かす幸彦。
フラマ「そんなに怖がらなくてもいい、君は、この世界で生きていくのが嫌になったんだろう?」
幸彦「そ…それは、そんな事ないけど…!」
フラマ「フフフ…。強がらなくても良い、安心したまえ、この世界が無くなれば、君にはもっと素晴らしい世界が待っているんだよ?」
世界が無くなる、そんな事は、あってはならない事だというのは分かっている。
しかし、もし無くなれば、嫌な思いなどしなくてすむ…。
そんな思いが少しだけよぎる幸彦。
フラマ「君にプレゼントをあげよう。これが君を正しい方向に導いてくれるはずだ。」
そう言いながら、星人はサッカーボール程の大きさの不気味な機械を渡す。
幸彦は戸惑いながら物体を両腕で受け取り、色々な事を考える。
196名無しより愛をこめて:2007/04/16(月) 00:00:48 ID:OLziUfhC0

「‘明日は絶好の行楽日和です’って嘘じゃねぇか。」

カミヤ・レイジは昨日A&R月面基地のテレビで観た地球の天気予報に対しぶつくさ文句をたれていた。
そんな彼が操縦するエーアールαはどす暗く今にも豪雨や雷光が発生しそうな黒雲の中を飛行している。
ついぞ数分前まで宇宙空間を飛んでいたはずなのに、気が付いてみればこんな所に迷い込んでいたのだが、
レイジは動揺してなかった。宇宙人には襲撃され怪獣には襲われ巡り合った女性は実は怪獣造形者だったで
そして何よりウルトラマンとして生きるレイジにとって、その程度の異常は気にならなかった。
コックピットの電子モニターに映し出されている情報を見るに、外の酸素や窒素、
二酸化炭素等の質量に問題なく、ここが地球であるのは間違いない
…のだが、いかんせん、通信機能はマヒしているらしく、A&R日本海本部や各国支部、
さらには各国民間空港の管制塔に通信するもウンともスンとも返事が帰ってこない。
その上レーダーも壊れているのかそれとも高度が特定できていないのか機能を完全に停止している。
兎に角この黒雲から脱出しない事には状況がさっぱり解らないため、レイジはαを急降下させた。
ようやく黒雲を脱出したかと思いきや、眼下に見える光景は想像していたものとは大きく異なっていた。
レンガの如く土色に染まった山脈、草一本すら生えていなさそうな荒野、殆ど涸れきった川、
そして何より生命の息吹きが全く感じられなかった。
レイジは考えを切り替える。ここは、どう考えても地球じゃない。データ上では地球だが、明らかに違う。
寒気すら覚えたレイジは、さっさと宇宙にでも上昇してこの場から去りたかったが、αの燃料の底が見え始めた。
不本意だが、どこか平地に着陸する事となった。
197f作者:2007/04/16(月) 00:02:53 ID:6lBDlGoRO
辛い思いをしたのは今日に限った事ではない。いっそ、こんな世界など無くなってしまえば…。
フラマ「そのプレゼント、きっと、気に入ってくれると思うな…。」
そう言いながら、幸彦を見下ろし、星人の侵略は始まったのである…。
その頃、学校から少し離れた河川敷にブシドーを停めて、夕陽を見つめるロベルトと聡。
ロベルト「そっかあ、そんな事があったのか…。」
幸彦の落ち込んでいた理由を聡から聞き、相づちを打つロベルト。
ロベルト「でも、聡くんみたいなアミーゴが側にいるなんて、幸彦くんには、いいことだよなぁ…。」
聡「えっ…?」
ロベルト「ちょっと、オレの子供の頃の事、思い出しちゃってさ!
オレ、子供の頃は孤児院で育ってさ、親がいないからって学校でからかわれてた時期があってさ…。」
聡「えっ!?ロベルトさんに、そんな時期があったの?」
ロベルト「意外だろ?でも、そんな時に、同じ孤児院のアミーゴ達がオレの支えになって、力を与えてくれたんだ…。」
聡「友達が力を与えた…?。」
ロベルト「あぁ、そう!みんなとの深い友情があったから、オレは、そんな辛い事にも負けずに、毎日を楽しく過ごす事が出来たんだよ。」
ロベルトの話を聞き入り、友達の事を、改めて深く考える聡。
ちょうど、その時、ロベルトに、ジェイコブ隊長から通信が入る。
今、ロベルトと聡のいるエリア付近から謎のエネルギー反応を、奈緒がキャッチしたのだと言う。
ジェイコブ隊長に命令により、ロベルトは聡と別れ、ブシドーに乗り、現場の調査に乗りだすのであった…。
しかし、調査は難航し、陽が沈み、すっかり夜になった団地を、小学校の屋上から見下ろす二人の影、幸彦とフラマ星人である。
冷たい表情で、辛い日々を思い出す幸彦。手に持った物体は幸彦の感情と共に、黒く、不気味に光を放つ。
フラマ「素晴らしい、まさか、こうも簡単に計画が進むとは…。」
そう言うと、星人は腕についた発信機で、宇宙金属で覆われた、巨大な卵型の物体を、空から呼び込む。
198クラウス筆者:2007/04/16(月) 00:03:06 ID:pxxPUOfo0
ぐわ被った。
フォルテ作者さんすいません…
199f作者:2007/04/16(月) 00:05:33 ID:429tV1oCO
団地に、砂煙を巻き起こしながら落下した物体の中からは、二足歩行型で、頭部、胸、両腕、両足を特殊な機械で改造された恐竜型の宇宙怪獣が現れる。
怪獣兵器ダイートである。
星人は幸彦に、さらに辛い事を思い出させ、この先、この世界で過ごしていても、さらに辛い日々が待っているんだとけしかける。
幸彦の心が深く沈んだ時、両手に抱えていた物体が、強烈な黒い光を放ったのと同時に、ダイートが眼を覚まし、破壊活動を始める。
突然、姿を現わし、暴れ狂う怪獣を背に逃げ惑う人々。
いち早く現場に駆け付けたロベルトは、怪獣にアンカスガンで攻撃をし、人々の避難誘導を始める。
怪獣出現の一報を受け、ジェイコブ隊長は一号機で、ボムスは二号機、誠也は三号機で出撃し、大地はロベルトと合流し、避難誘導を行うため、チームAMKS専用バイク「ヨコヅナ」で現場に急行する。
チームAMKSのメンバーは、怪獣に向かい攻撃を開始するが、まるで通用しない。
ロベルトと大地が地上から援護しても状況は変わらず、ダイートは両腕からは破壊光線、口からはミサイルを発射してチームAMKSを追い詰める。
その時、逃げ惑う人々とは逆方向に聡が走って来る。
慌てて聡を引き止めるロベルトと大地、聡は幸彦を探しに来たのだと言う。
聡「いつもなら帰って来る時間は、とっくに過ぎているのに、幸彦くん、いつまでたっても帰って来なかったんだって!怪獣も出て来るし、きっと何かに巻き込まれたんじゃないかと思って、僕、戻って来たんだ…。」
聡が心配そうに、そう言った時、作戦室の奈緒から通信が入る。
奈緒の調べによると、怪獣を操っている謎の電波が小学校の屋上から放射されていると言うのだ。
聡「きっと、そこに幸彦くんがいるんだ!!」
そう言い、小学校に向かい駆け出す聡。
ロベルト「聡くん!待つんだ!」
聡を止めようと、共に駆け出すロベルト。
大地は二人が、この場を去るのを確認し
、ウルトラマンフォルテに変身、ダイートの前に立ち上がる。
200f作者:2007/04/16(月) 00:08:00 ID:429tV1oCO
しかし、敵はチームAMKSの攻撃を、ものともしない強靱なボディを兼ね備えており、フォルテの打撃攻撃も、まるで通用せず、平然としている。
逆に、物凄い力でフォルテを叩きのめすダイート。
殴り飛ばされ、倒れ込むフォルテに向け、胸や膝、両腕からミサイルを発射する。
フォルテは、よろめきながら立上がり、フォルテバリアーを貼る。しかし、無数のミサイルにバリアーは耐えきれず、突き破られ、ダイートが口から発射した大型ミサイルがフォルテに命中する。
この一撃を受け、地面に崩れるフォルテ、チームAMKSの攻撃も相変わらず通用しない。
この絶対絶命の危機の中、聡とロベルトの姿は怪電波の発信源である小学校にあった。
ロベルト「聡くん、ここは危険だ!」
聡「でも、ここに幸彦くんがいるんだ!友達のピンチを放っとけないよ!」
聡を引き止めようとしたロベルトは、友を想う一言に、心をうたれる。
ロベルト「よし、分かった。幸彦くんを見つけたら、連れ出して、すぐに逃げるんだよ?いいね?」
ロベルトの説得に黙って頷く聡。
二人は校内に突入し、屋上に向かう。
屋上では、さっきよりも黒い光が増した物体を持っている幸彦と、破壊されゆく街を眺めるフラマ星人の姿があった。
ロベルトは星人を撃とうと、アンカスガンを構えるが、星人は腕から光弾を放ち、それを正面から受け、ロベルトは、その場に崩れる。
フラマ「邪魔をしないでもらえるかな?」
星人の声をよそに、再び立ち上がろうとするロベルトに、今度は幸彦が、両手に持った物体から、黒い光弾が放つ。
光弾を避けきれず、直撃を受け、ロベルトは再び地面に倒れる。
聡「ロベルトさん!」
叫びながらロベルトに駆け寄る聡。
聡「幸彦くん、どうして?何で、ロベルトさんを攻撃するの?」
フラマ「彼は、この世界が嫌になったんだよ…。」
ロベルト「この世界が、嫌になった…?」
悲しそうに幸彦に問い掛ける聡と、よろめきながら立上がるロベルトに、星人は御丁寧に解説を始める。
フラマ「そう…。だから彼は、私の計画の助手に選ばれたのだよ…。」
ロベルト「計画…?」
201f作者:2007/04/16(月) 00:10:05 ID:429tV1oCO
フラマ「私の計画は、全宇宙の完全制圧にある。
その為に、宇宙最強の侵略兵器を作り上げなければならないのだ。」
聡「宇宙最強の侵略兵器…?」
フラマ「そう、そこで私は最強の兵器に必要な、最強のエネルギーを求めて、この星に来たのだ。そして、見つけたのだよ、そのエネルギーを…。それは人間の心の闇だ。」
ロベルト「心の闇…?」
フラマ「彼(幸彦)が持っているのは、心の闇をエネルギーに変換して蓄積するマシーンだ。
さっきのように武器としても使えるが、本来の目的は、マシーンに溜ったエネルギーを、
特殊な電波に変換して放出し、怪獣兵器ダイートにエネルギーを与えて操るコントロールマシーンなのだ。」
そう言いながら、星人は、聡とロベルトを見つめる。
フラマ「さぁ、幸彦くん。この邪魔な二人を、消し去るのだ!」
星人に指示され、冷たい表情で、二人に歩み寄る幸彦。頭の中は今までの辛い日々が駆け巡る。
聡「幸彦くん、どうして…。」
フラマ「言っただろう?彼はこの世界が嫌になったんだ。」
聡「幸彦くん、この世界が嫌になったって、僕の事も嫌いになったの…?」
その言葉に幸彦の動きが止まる。
幸彦「聡くん…?」
戸惑う幸彦。その手に持つコントロールマシーンの黒い光も次第に弱まる…。
フラマ「どうしたのだ!?何が起きたのだ?」
聡「答えてよ!幸彦くん!!」
幸彦「そんな事ない!!僕が友達を…聡くんを嫌いになるわけなんかない!!」
必死に呼び掛ける聡に、我を取り戻した幸彦が叫ぶ。
どんなに辛い時にも、いつも聡だけは味方でいてくれた事、支えになってくれた事を幸彦は思い出す。
聡「良かった…。嫌いになったわけじゃないんだね…。」
嬉しそうに、今にも泣きそうな顔の聡。
幸彦の持つコントロールマシーンの黒い光が今にも消えそうになり驚く星人。
フラマ「バカな!?一体、どういう事だ!?」
ロベルト「残念だったな…。この星には、心の闇なんかより強力なエネルギーがたくさんあるんだ!!例えば…友情とかな!!」
ふらふらと立上がり、アンカスガンを構えて星人を撃ち抜くロベルト。
202f作者:2007/04/16(月) 00:11:29 ID:429tV1oCO
聡「幸彦くん!!その機械を捨てるんだ!!」
聡がそう叫ぶと、幸彦は頷き、星人に向かってコントロールマシーンを投げる。
その投げ方は、まるでドッチボールのように…。そう、聡との練習の成果が、今、実ったのである!
アンカスガンのビームが体を貫き、胴体にぶつかったコントロールマシーンと共に火花を散らしながら倒れるフラマ星人。
フラマ「この私が、私の宇宙侵略が…。」
星人は無念の言葉を残し、大爆発を起こす。
コントロールマシーンからの指示が無いと、何も出来ないダイートは、狂ったように、わけの分からない動きをしながら、暴れ出す。
さっきまでの怪獣とは、まるで別人…いや、別怪獣だ。
ダイートは、デタラメな動きを繰り返し、体中からミサイルを全弾発射する。
カラータイマーが激しく点滅をする中、立ち上がったフォルテは、サイキックアタックを発動させ、向かって来るミサイルの動きを宙に封じ、怪獣に向け投げ返す。
全てのミサイルが直撃し、大爆発を起こすダイート。
フジヤマ各機では、ジェイコブ隊長、ボムス、誠也が、それぞれ勝利を喜び、カラータイマーが激しく点滅するフォルテは両手を拡げ、空に飛び去る。
幸彦「ありがとう…聡くん!!」
聡「いいんだよ!僕は幸彦くんが無事だった、それだけでいいんだから!!」
喜びを分かち合う聡と幸彦。
ロベルト「二人ともよくやったぞ!!君達の友情が星人の野望を打ち砕いたんだよ!!」
そう喜びながら二人を抱き上げるロベルト。
そんな三人の様子を、フォルテから変身が解け、フラつく足取りで屋上に上がって来た大地は、優しく微笑みながら見つめるのであった。
数日後、子供達の歓声に包まれる中、行われるドッチボール大会。
パトロールの途中で、ブシドーを降り、大会が行われている小学校の校庭を見つめるロベルトと大地。
そこには、見事なコンビネーションでプレーする聡と幸彦の姿があった。
慎太郎「すげぇな、幸彦のやつ!」
篤「あれから毎日、聡と一生懸命、練習したんだってよ。」
幸彦の成長ぶりには、チームメイト達でさえ、目を丸くする。
試合に勝ち、ロベルトと大地に気がついた幸彦は、聡と肩を組みポーズを決める。
その姿を見て、ロベルトも大地と肩を組み、同じポーズを取り、思いっきり微笑むのであった…。
203f作者:2007/04/16(月) 00:15:03 ID:429tV1oCO
次回予告
多々良島で消息を絶った、高レベル放射性廃棄物を積んだ一機の輸送機。
行方不明者を救助する為に島を訪れたチームAMKSの前に現れる怪獣の王者、レッドキング。
しかし、そのレッドキングは放射性廃棄物を飲み込んでいて攻撃が出来ない!
どうする?チームAMKS!ウルトラマンフォルテ!
次回「孤島の戦慄」(どくろ怪獣レッドキング、友好珍獣ピグモン、岩石怪獣ロワ、灼熱怪獣ヴォルケレス登場)

>>198クラウス筆者様、こんばんわ。どうも、こぶさたしてます。
お気になさらずに!こちらこそ、すみません…。オーバー&クラウスの完成、楽しみに待っています!

204アルファ作者:2007/04/16(月) 00:25:26 ID:T4ahVRsN0
お久です。

フォルテ作者様
本来決め技でないサイキックアタックでとどめを刺してしまう職人芸に泣けました。
次回は久々のリバイバル怪獣路線のようで、楽しみです。
そういえば、ブルーコアは又出るんでしょうか?

クラウス作者様、オーバー作者様
合作がじわじわと進んでいるようで、先に期待です。
205f作者:2007/04/16(月) 00:41:56 ID:429tV1oCO
>>204アルファ作者様、お久し振りです。
感想ありがとうございます。
ブルーコアの再登場は、正直言うとありますよ。
作中の中盤あたりから動き始める予定です。
206名無しより愛をこめて:2007/04/17(火) 08:46:35 ID:OoK8luzS0
ho
207ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/04/18(水) 19:25:06 ID:Rq7sCW360
エアータイフーンを地面に降ろした道城は、外気を確認して外に出ていた
「多少乾いてはいるが・・・地球と似たような空気だな」
周囲を見回しながら言う道城
一面荒野以外には何も見えない
なぜ自分がこんなところにいるかと言うのは、道城には検討がついた
おそらくウルトラマンオーバーが邪魔な地球侵略を企む何者かの仕業だろう
「ウルトラマン異次元に閉じ込められて餓死じゃ、しゃれにならんな」
言う割りに、道城は落ち着いている
もっと恐ろしく、もっと絶望的な状況を、彼は過去に経験しているからだ
「さてどうするか・・・」
つぶやく道城
とりあえずコックピットのシートの下から非常用物資を取り出す
非常用食料は7日分、水はエアータイフーンのタンクに30日分
割と絶望的な状況である
「とりあえずもう少しここを調べてみるべきだな・・・」
言って、双眼鏡を出す道城
じっと周囲を見回して、空のある一点で視線が止まった
その視線の先には、かなり遠くで着陸しようとしている一機の航空機・・・
「・・・・」
道城は双眼鏡を下ろすと、無言で飛行物体に向かって走り出した
208名無しより愛をこめて:2007/04/20(金) 00:42:22 ID:x5jbMJV40

唐辛子モロキュウを豪快に音を立てながら頬張り、水筒に入ったレモン水で喉を潤い、
ようやっと一息ついたレイジは、あまり広くないαのコックピット内のシートにぐったりと凭れ掛った。
何故に非常食でもなくそんな物を食べていたかと言うと、
現在、A&Rとリュートリニアン達は野菜などの作物を月面でも栽培できないかと共同実験中であり、
今回レイジが月に出向かった理由もその実験に協力するためであった。
実験は成功し、採取した月キュウリや月レモンを調理した後地球へのお土産としてαに積んでいたのだ。
まぁ今はソレはどうでもいい。結局月キュウリと月レモンはレイジの胃袋に収まり、
土産を渡す相手とも連絡すら付かない状況なのだから。
ついでにデザートでも食いてぇなぁとしばしボーっと黙想し、もぞもぞと懐からストーンを取り出し、
ウルトラマンクラウスに話しかけるレイジ……だが、こちらからも応答は無い。
先程からだんまりこんだままである。普段から口数が多いワケではないが、
それにしたってこんな時にまで無口にならなくともいいだろ、とレイジは愚痴る。
ストーンを懐の内ポケットに戻し、コックピットの外に出て背伸びをした。
周りを見渡すが、相変わらず草一本生えていない荒野と土色の山脈が見えるだけ
…と判断したレイジがコックピットに戻ろうとしたその時、慌てて荒野の方に目をやった。
土色でない、何かが遥か彼方に見えた気がする。いや、間違いなく見た。
エーアールαはガス欠で非常食や飲料水も少なく、そしてこの周辺の情報を全く得られていないレイジは、
藁をもつかむつもりで何かが見えた方向に向かい走り出した。
209名無しより愛をこめて:2007/04/21(土) 12:20:41 ID:3yOiN3hZ0
ho
210名無しより愛をこめて:2007/04/22(日) 19:32:00 ID:9paWF2vaO
スレが落ち杉てたので保守age
211ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/04/23(月) 19:00:20 ID:iKpsZhny0
着陸した謎の航空機に、道城は黙々と歩み寄っていく
地面は遮蔽物のほとんどない平地なので、攻撃を仕掛けられれば一貫の終わりだが、だからと言って何もしないわけにはいかない
たまに覗く双眼鏡の向こうで、飛行物体の姿が鮮明に見えてくる
(機体側面に英語が書いてあるな・・・A&R、その横の文字は・・・)
足を止める道城
(いや・・・俺の知っているどの言語とも違う、見た事の無い文字だ・・・、)
っと、双眼鏡の向こうで航空機のハッチがゆっくりと開き、中から自分より若い、同僚の和崎と同年代位の青年が地面に降り立った
青年の服装はどこか自分達防衛チームの制服に似ていたが、道城にはまったく見覚えが無い
やがて青年は、道城の方に駆け出しまじめた
どうやら向こうも道城の存在に気づいたらしい
道城は双眼鏡の向こうの青年をじっと観察した
先ほども述べた防衛軍モドキの服装、腰には自分と同じように銃と思わしき物を下げている
そして、青年の走り方には無駄が無い
未知の青年は十分に警戒するに値する
そう判断した道城は双眼鏡を下ろすと、腰からウインドブラスターを引き抜くと、右手に持って青年に向けて歩みはじめた
212リュウラ著者:2007/04/24(火) 13:41:50 ID:Aeo8bt9f0
ああああああ!内定来ねええええ!失礼、取り乱しました。
フォルテ作者さま、お疲れ様です。多々良島三度の激震、期待できます。

オーバー&クラウスさま 本格的合作のようですが。そこまで話進んでたんですか。私は月玉葱が食べたいです。
213ウルトラマンリュウラ:2007/04/24(火) 13:47:41 ID:Aeo8bt9f0
第四十一章 やっぱり、嫌い?
分裂邪仙キオイ、鋼鈴邪仙タンリャ発現

レイハ指令房。夜。本日の夜番担当はユリノ。
「神々を超える存在」だと、あのクロサキという男は言った。
カンナ。考えるまでも無く、この少女は何処か異なる存在だ。彼女を理解できぬ余り、感情的になってしまうことも多かった。彼女は何者だろうか?
ユリノはそこまで考え、軽く自己を嫌悪した。
自分は今、カンナと自分の間に線を引いた。壁を造った。理解できぬなら、理解するよう勤めればいい。理解できぬからと理解を拒絶するのは、愚行だ。

クロサキとタクラの一件から三日が経過した。その間、レイハ指令房は静かなものだった。その間に大きな事件は、あった。
数押しのみを得手とする邪仙キオイが中国の呉岳へ数百体の軍勢で姿を現したのだ。レイハは直ちに出陣したが、
呉岳へ先回りしたリュウラがドラゴンインパクトを一撃のみ放った。全てのキオイはレイハ到着前に消滅していた。
「リュウラ…それは違う。」
ウルトラマンラセツ、及びカルラの正体は知っている。しかしリュウラは不明。
高位の神はカンナを恐れている。だから人類を亡ぼそうとしているのか、それとも他に目的があるのかは不明。ただ、敵意だけは明白。
ならばこの脆弱な生物、人間の力を拝んでいただこう。タクラの件もあり、ユリノはそう意気込んでいたのだが…。
「リュウラ…何処の誰か知らないけど、正体が分かったら藁人形作ってやるからね。」
「呪っちゃうんですか?」
いつの間にか、指令房にカンナが二つの湯飲みを持って立っていた。一つを徹夜真っ最中のユリノに手渡す。
「この柄好きですよね、ユリノさん。」
確かに美しい朱の縞が入っていたが、茶は入っていない。…何で湯飲みの柄だけ見せに来るんだよ。
そういった奇行をも苦笑いで済ませられるほど懐の広くなった自分に内心仰天する。
214ウルトラマンリュウラ:2007/04/24(火) 13:49:32 ID:Aeo8bt9f0
「前だったら、この湯飲みはあんたの額に投げつけてた所だけどね。」
いまいちユリノの言わんとすることが掴めず、カンナはただ首を傾げる。
「いや、私も丸くなったと思ってね。…カンナ、あんたのお陰かもね。」
「わたしは何にもしてないです。…しない方が良いんです。」
言ってカンナは乏しい表情を一気に曇らせる。
「ユリノさん…もう知ってますよね?わたしは、ここに居ないほうが良いんです。だって…神はわたしがジャマなんです。わたしが死ねば」
湯飲みは投げつけられ、砕けた。額ではなく床へだが。

「それ以上言うな。」
カンナはそれっきり押黙り、指令房を出て行った。
少しして、箒を携えて戻ってきた。
「…とりあえず掃除だけ…」
結局のところ呼吸が読めなかったので、ユリノも黙って掃除を手伝った。
本当はユリノが掃くべきなのだが。

徹夜組、もう一人。ヒスイは自室の文机に肘をつき、身内の龍へ問いかけていた。
「…なぜキオイ殲滅をあれほど急いだ?」
今回、リュウラへの転化はヒスイでなく、龍の意により、しかも何の説明もないまま行われた。
《詳細に説くべきであったやも知れぬ。…我はこれまで、憎悪の権化たる邪仙がニンゲンを亡ぼそうとするに違和感を覚えなかった。
いわば、己の意のみで殺戮をたしなんでいるのだろうと。しかし、あのアサギというニンゲン。奴やクロサキは邪仙を従えていた。》
215ウルトラマンリュウラ:2007/04/24(火) 13:51:55 ID:Aeo8bt9f0
「連中は光の一族、何か強力な未知の呪を使ったんじゃないのか?」
《ミヤビも光の一族であったのだ。連中の力量は存じている。邪仙の使役など不可能。考え得る事は一つ。あの邪仙どもは、自らアサギらへ《屈(くみ)したのだ。何らかの目的を達するため。》
「邪仙は、何者かの支配下に置かれる事を苦にしないと?」
《是。クロサキやアサギは邪仙の使役に成功したわけではない。邪仙が自ら連中に屈した。さて、そこで先刻のキオイだ。あれらが現れた呉岳。谷があったろう。》
ヒスイもその谷の存在を気にしていた。人間の眼には谷底が見えず、ウルトラマンの眼には奇怪に入り組んだ地形が見えた。
《自然のものではない。あの谷は地の底で繋がっている。高位の者共が築いた、忌むべき何かを封じた牢獄へ。》
「『何者か』とは?」
《神の何れかだ。断定はせぬが。…カンナが命を狙われる理由がお前の仲間にも知れたな。あの者らはカンナに関して何を言っている?》
「何も言わない。話題にするのも避けている。」
考えてみれば、ゴジョウ以外の仲間は皆、カンナが自分に龍や鎧を与える所も、ミカヅチを一撃で抹殺する様も見ていないのだ。ある種、実感が沸かないのかも知れない。
「それに、人間は異端に過敏だからな。」
そう言って、未だカンナを異端視している自分に気付く。自身への怒りを落ち着かせるために、嫌いな香を山ほど焚いた。
216ウルトラマンリュウラ:2007/04/24(火) 13:53:13 ID:Aeo8bt9f0
翌日、ユリノは京都にいた。東山安井近辺で変死体が発見されたのだ。
呪殺らしい。ただ、そこに憎悪の具体的な念の形は感じられない。人間をただ純粋に憎悪する存在、邪仙の業であると直感する。
「邪仙の業なら、ソイツはタンリャだと思う。」
突然背後に若い女の声を聴き、ユリノは振り向きざまレイエンキュウを引き抜いた。そこに在ったのは、ミウ。
「驚かせないで、喧嘩でも売りに来た?…タンリャって?」
「音を武器にする邪仙。」
言葉を含め、あらゆる音は力を秘めている。特に言葉の力は、言霊(コトダマ)と呼ばれる。レイハの鬼道機関も、発動スイッチは法文の奏上だ。
「タンリャは音ってゆう音を全部再現し、奏でる能力を持ってる。言霊、神がかりを発生させる岩笛の音、そして、呪詛の法文。
音の力自体は真空の宇宙でも伝わるから問題無し。タンリャは、神からも怖がられてる強力な邪仙。」
強制的に神がかりを発生させるのがどうして脅威なんだろう、とユリノは少し考え、脆弱な人間に神を宿らせることで暫定的に神を弱体化させる戦術なのだと思い至った。
ウルトラマンとは神と人間の複合体だが…
「皆が皆、アンタやトキツグみたくウルトラマンとして闘えるわけじゃないものね。」
「お姉さん、むず痒い。」
ミウは大袈裟に顔をしかめる。
217ウルトラマンリュウラ:2007/04/24(火) 13:55:12 ID:Aeo8bt9f0
しかし、基地で報告を受けたフナトはタンリャの能力自体には興味を示さない。
「それだけ強い力を持った邪仙ならさあ、私らレイハやウルトラマンを今すぐに殺せると思う。でも派手に動かない…少なくともタンリャには、何か特別な狙いがあるんじゃない?」
フナトの指摘を受け、待ってましたとばかりにユリノがある仮説を出す。
「発見された変死体。これは恐らくタンリャの犠牲者です。次に現場の地理ですが…現場に最も近い神社仏閣は、八坂神社です。さて、その主神は?」
「スサノオ!」
ヒスイが声をあげる。かつて神々の地、高天原を追放され、旧暦の戦争時には暗黒闘士へ力を授けたという、荒ぶる神。
ユリノが続ける。
「まあ奉られてるとはいえ、八坂自体にスサノオが鎮座してるわけじゃないけど。ただ、この被害者、この場で爪を切って、髭も剃ってる。それも鬼門の方角で。これって思いっきりスサノオを馬鹿にしてる行為なの。」
故意か否かは不明だが。
「で、スサノオを馬鹿にした男を邪仙タンリャが殺した。スサノオとの間に、何かあるわ。」
「邪仙が主人を蔑まれたと考えた、ってカラクリじゃないですかね。」
指令房へツルギヤマ将軍と、やたら腰の低いワタリベ親父が現れた。
「将軍…恐れながら、如何なる意にございますか?」
率先し問うヒスイ。
「邪仙がスサノオに遣えてて、自分の主人に不敬を示した人間を感知し、怒って殺した…勘だけどね。」
「さすがは将軍、素晴らしい推理でございます!」
将軍の前だとあくまで腰の低いワタリベ親父…幕官。ヘキが横のワタリベ息子へこっそり聞いてみる。
「ワタリベ君、お父君のああいったお姿を拝謁してどう思う?」
「親父かっけー!って思う。」
「…素直だね。」
218ウルトラマンリュウラ:2007/04/24(火) 13:56:45 ID:Aeo8bt9f0
レイハは、タンリャの次なる侵攻に備え始めた。先ずは言霊を無効化する、あまりに特殊な護符が配られる。
近辺に鎮座する土着の神(低位の神)が放つ神壁の力を少々拝借し、タンリャの言霊と相殺するのだ。
しかし、低位の神とはいえ神力を奪うのだから、無礼の極みである。故に、この符でもタンリャの言霊は一度しか防御できない。
符を懐へしまうヒスイ。そこへ長身の少女がやってきた。
「茶か?」
カンナはヒスイの問いには答えない。

「ヒスイくん、タンリャを倒す気ですよね。でも、キオイの時みたいにわたしたちをほっぽって戦うのはやめて下さい。」
やはり、と思った。カンナも、自分達を無視した闘い振りが気に触ったのだ。
「ヒスイくんは強いです。でも、仲間をほっぽった戦いは、それちょっと違うと思います。」
ヒスイを正面から見据えるカンナ。カンナの眼は蒼いのか、と呑気な事を考えた。
「わかっている。…済まなかった。タンリャとは皆で戦おう。」
「どうして言い訳しないんですか?」
やはりカンナは正面切って言ってくる。寡黙な少女の怒りに、ヒスイは返す言葉を思いつけない。

ユリノは、先日のカンナの言葉
「わたしが死ねば」
を危惧し、作戦準備の合間を縫って街へ出ていた。行き先は、以前カンナの勤めていた孤児院。
「色々と抱え込んじゃう娘だったねえ。軍でもそうなのかい?」
院長―穏やかな印象の老女だーは言う。

九年前、東京駅に座り込んでいた少女。出雲から歩いてきたという。出雲で眼を覚ます以前のことは覚えていないようだった。
この院で暮らし始め、ある程度の年齢に達すると今度はここで働き始めた。
決して陽気で外交的な性格ではなかったが、彼女を慕う子供は多かった。
院長はふと笑む。
「この話するのは二度目ですよ。さっきも若い娘さんがいらしてねえ。まだそこにいるんじゃないかしら。」
庭を見る。元気な子供達に振り回されている少女が居る。…ミウだ。
219ウルトラマンリュウラ:2007/04/24(火) 13:58:55 ID:Aeo8bt9f0
「…羨ましいよね。」
ユリノは、院の脇にある桃園をミウと散策していた。気位の高いミウがそんな事を口走ったのでまたも仰天する。ミウは続ける。
「カンナは、この時代に居場所を見つけたんだな、って思って。」
ユリノは、ミウをそれとなく追求する。
「この時代?…ミウ、カンナは九年前、出雲で目を覚ましたって言ってたわよね。その時期、出雲では強い時空の歪が観測された事があるわ。…何を知ってるの?」
ミウは、話せる範囲で話した。

カンナは旧暦における光の一族の娘であり、何らかの強い力を持って生まれたために一族から異端視された。
神々は太陽を肥大化させ、地球ごとカンナを焼き殺そうとしたが、何者かー恐らくは太陽の肥大化を封じた龍―の意思で時間を超え、最低で七千年後の現代へやってきた。
自分はカンナの妹であり、一族の正義と神々の立場のため冥府の鬼神と融合し、ウルトラマンになった。そして、カンナを憎悪していた。
ゴジョウは現代の光の一族から派遣された策士。

「ふうん。で、大宰ともどもその使命に嫌気が差して、私らと協力してると。」
「でも、あたしはゴジョウさんやカンナみたいに、居場所を探す事ができない。何でだろう…。」
そうか、とユリノは思った。ミウは姉を慕い、彼女のように自分の居場所を探すため、そのルーツであったこの院に来たのだと。
「結局さあ、あたしは半端なんだよね。カンナを憎みきる事ができない。リュウラ抹殺の任務もカルラにとって代わられた。お姉さん達を助けようと転化しても、力はリュウラに及ばない。で、居場所も無い。」
自嘲するミウ。ユリノは彼女の肩を強く掴み、正面から…優しく説く。
「レイハに入れてあげることはできない。年齢的にね。でも、基地にアンタを迎える事は難しくないわ。まずは、自分の力でカンナとのしこりを取り払って。それからね。」
その時、ユリノの通信符が鳴った。タンリャが現れたのだ。それも、中国に。
ミウを連れ、急ぎ基地へ戻る。指令房に顔を出すヒマも無く、機翼を格納する「機舎」へ直接向かう。
レイキザンへ搭乗しようとするカンナ。脇のレイカイオウを見ると、ユリノと共に己が妹の姿が見えた。目が合ったが、何も話さないまま離陸した。
220ウルトラマンリュウラ:2007/04/24(火) 14:00:44 ID:Aeo8bt9f0
中国、呉岳。夕闇に包まれる谷へ、その獣は在った。
四足で、胴体は狒狒に、前足は鰐に、尾は蟷螂の臀部に似ている。注視すべきはその頭。底の深い杯に四角い文様を幾度も刻み込み、それをひっくり返して狒狒の胴体に乗せたような、そんな頭。故に眼も口も無い。正直、ギャグにも見える。
獣は、タンリャは「音」を発生させ、機翼へ照射し始めた。
「護符、起動。カンナちゃん、その後一気にトドメを刺して!」
ゴジョウの基地からの指示を受け、呉岳に鎮座する土着の神から力を借り、強力な法壁を生成する。「音」は防いだが…機翼の機能が初期化した!
「な!…法壁の力が余りに強すぎたようです!」
ヘキの慌てながらも冷静な分析。
神の力を借りる以上、今回の法壁の威力はその神の力に比例する。そして、機翼に異常を起こすほどの強力な法壁が生じたということは、この地に、高位の神が眠っているという事…。
レイヒュウゴ、レイカイオウ、レイキザンまでも墜落する。
「ち、それなら」
ヒスイはアクアアイを召喚する。
「待ってください。また、わたしたち放っぽりだして闘うんですか?」
カンナが制止した。だが、ヒスイはカンナを振り向き、言う。
「カンナ。道義も重要だ。だが、人間がすべき事は道義を守るより先に、自分のできる事を最大限やることだ。…俺は、ウルトラマンとして闘える。だから、その力を提供するだけだ。」
そして、瀑布の轟音をバックに、リュウラへ転化する。

タンリャの放つ「音」を何とかペンタクルフィールドで無効化、「音」を放った後の隙を突き、ショットスパークルで牽制しつつ接近、頭部へ攻撃を集中する。
タンリャは続いて、言葉で相手をコントロールする力「言霊」を繰り出した。
{{止まれ}}
と、リュウラへ指示を出す。が、その言霊をドラゴンフィールドで反射し、逆にタンリャを金縛りにする。止めを刺すべくシャイニングヴァイパーを伸ばす…。
221ウルトラマンリュウラ:2007/04/24(火) 14:01:50 ID:Aeo8bt9f0
突如、リュウラの動きが止まった。背後に、強い、圧倒的に強い邪念を感じ。
その邪念は、タンリャを活性化させる。タンリャは金縛りから逃れ、より攻撃的な言霊でリュウラを襲う。カラータイマーが点滅し始める。勝利を確信したのか、タンリャはその邪念に対し、曲を演奏する。それは、
「出雲神楽!」
ユリノは、驚愕した。その曲は、出雲地方の夜神楽において、ヤマタノオロチをスサノオが討伐するシーンで流れるもの。つまり、スサノオを称える曲なのだ。
ということは、スサノオは、この地に眠っていたわけだ。そしてタンリャは、「音」を使ってスサノオを蘇らせようとしていた。
「お姉さん、ここで待ってて!」
ミウが転身聖具、バーニングヴァジュラを手にした。
「あたしは半端だから、闘うぐらいしかカンナのために出来る事が思いつかないんだ。なら、それを全力でやる。」
ユリノは、笑む。
「私もね、得意分野なんて呪法くらいのものよ。」
ミウもまた笑み、ラセツへ転化した。
人は脆弱だから、集って闘う。一つの目標の下、各々ができる事を全力でやるから、脆弱から一歩抜き出られる。
それが、居場所か。

ラセツは、掌底でタンリャを弾き飛ばす。その間にリュウラはコウへ変身。龍とほぼイコールの存在であるコウには、「音」も「言霊」も通用しない。
焦るタンリャへ、ラセツが冥光剣ハデスヴァジュラで切り込んだ。頭部にヒビが入り、「音」を放てなくなった。同時にスサノオの邪念もまた地の底へ戻ってゆく。
リュウラは手先から放った短い光刃を一振りし、扇の形状に変えて投げつける。
久々の真龍光鉄扇ドラゴンエクゼクターである。
突き刺さった扇は全方位へ広がり、タンリャを横一文字に切断した。さらにラセツが、ハデスヴァジュラよりソードスパークルを発射、今度は縦にタンリャを切り裂く。
獣は、十字斬りにされて滅んだ。
222ウルトラマンリュウラ:2007/04/24(火) 14:05:51 ID:Aeo8bt9f0
「ごめんなさい、ヒスイくん。」
カンナが素直に頭を下げた。
「いや、全然気にはしていないがな。ただ…」
ヒスイは、視線をユリノの側へ移した。そこにはミウもいた。
「…ミウ、わたし…あなたと話すのが怖かった。わたしが…人間じゃないんだなって感じるのが、怖いから…。でも、来てくれてありがとう。」
「カンナ、…まだ…アンタを許すことはできない。でも、アンタを殺したいとは、もう思ってないから。」
ミウは、帰る…というより、また何処かをブラブラしに行く。
「ミウ!頼っていいのよ!?私達にも、御姉様にも!」
去るミウへ、ユリノがそんな言葉を投げた。


「おい!何をする気だ!」
「マミヤヒスイ、少々、お前の精神には眠ってもらう。」
その夜、ヒスイの中の龍は、突如として彼の精神を、支配した。

続く



次回予告
深夜、その湖に怪光を発する蒼い球と紅い球が次々に飛来、紅い球は不幸にも、その男が乗った翼に衝突してしまう。
宇宙人は彼に言った。
「私の命を君にあげよう。そして、地球の平和のために働きたい。」
次回のウルトラマンリュウラ
第四十二章「来たぞ竜が森」をご期待下さい。
提供は両親の仕送りでございました。
223アルファ作者:2007/04/24(火) 15:27:32 ID:aU+TeNXy0
頑張ってください。しか言えない無力さですが。適当に頑張ってください。
煮詰まったときは気分転換もいいと思います。

次回は「ウルトラの星」でしょうか?
224ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/04/24(火) 23:02:45 ID:uQF6lOGx0

レイジは走った。
目的は非常に明確である。遥か彼方に見える‘何か’の正体を突き止めるため、だ。
不思議と警戒心は無く、寧ろこんな気分の咽る意味不明の世界で、ようやっと見えた希望を求めるが如く、
早くあの‘何か’の元に到着しやしないかと必死に足を動かした。
数分後、‘何か’のシルエットが人型である事がわかり、レイジはさらにはりきった。
なんせ人間であれば、誰でもいい、早いとこ会って話したい。或いは
‘来たなカミヤレイジ、俺様の作った異次元空間にようこそプファファファファ!!’
てな展開だって許容範囲である。
むしろそんな流れだった方がこの不気味な世界の説明もつくし、クラウスに変身すればどうとでもなる。
…が、そんなレイジの期待は、もろくも崩れるのであった。

「…何者だ?」
‘何か’の正体は、第一に人間で、男性で、年齢はさほど差はなさそうで、それでいてどこか貫禄があり、
どことなくA&R隊員服の色違い的な服装、さらには特殊な形のした銃をこちらに向け険しい表情で
何者だ? と問いている。
どうにも予想外な存在が現れたと一瞬困惑するレイジだったが、すぐさま腰に装着していた
A&R専用護身銃、ブレイクシューターを謎の男に向け構えた。
荒野の中、2人の人間が銃を構えあってる構図は、なんとも殺伐としていた。
225フレンズ作者:2007/04/25(水) 15:16:33 ID:KeVrApN/0
皆さん、久しぶりです。カイザー作者様、大丈夫なんでしょうか、なんかの事に気を悪くされたとか・・・一応
フレンズ 絆データ
天道 歩 主人公。水野とは正反対の性格で、温和、怒ると怖い、のほほんとした感じの男。年齢は18歳。
天志田 太郎 パートナー。あまり出番が無い。東大卒。冷静沈着、年齢26歳。
フレンズとは関係ないデータ
フレンズ作者 懸賞が当たらねーとか言っている。年齢不詳。
以上
226名無しより愛をこめて:2007/04/28(土) 14:23:40 ID:AuLp+3BF0
保守
227ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/04/29(日) 12:13:28 ID:+y4M/8hZ0
青年の反応を一挙一同観察しながら、ある事に気づいた
「…日本語通じてるのか?」
その言葉にむっとくる青年
「通じてるに決まってるだろ、それより、あんた何者だよ」
「・・・何者か?なるほど」
銃を収める道城
「どうやらお互い同じ待遇みたいだな」
レイジも銃を収める
「同じ待遇って・・・」
「宇宙空間化なんか飛んでる間にいつの間にかここに来てたんだろう?」
へっと言う顔になるレイジ
「なんでわかったんだ?」
「単なる推測さ、お前の態度を見てれば、この空間に俺を引きづりこんだ奴じゃないってのはわかる」
ぽかーんとするレイジ
「じゃあ、あんたも?」
「ああ、同じ待遇だよ」
228:2007/05/01(火) 23:16:03 ID:6bODu39n0

「同じ境遇……じゃあんたもA&Rの関係者か? なんとなく着てる物も似てるし。」
「なら、君はあそこにある俺が乗っていた航空機に見覚えはあるか?」
「…うんにゃ。」
「俺も、君が走ってきた方角にあるあの航空機を知らない。…そういうことだ。」
「あー…つまりー、あんたはアルゼンチン支部かどっかの隊員で、お互い知らないエーアールに乗ってる、と。」
(案外鈍いな。…まぁ、この状況では仕方が無い、か)
「なんか言ったか。」
「いや。…それより、これはあくまで俺の予見だが、君と俺は別の世界の住人じゃ無いのか?
さらに言うと、ここはそのどちらの世界でもない、全くの未知の世界、じゃないのか?」
「えぇ!? まぁこの世界はともかく、あんたと俺は紛れも無く同じ日本人だぜ? 別の世界たって…」
「信じられないかも知れないが、俺のいた世界では日常茶飯事の様に怪獣や侵略宇宙人が出現するんだ。
…まぁ夢の見すぎだともなんとでも言ってくれ。なんにせよ、恐らく君のいた世界とは一切…」
「やっぱりそうじゃねぇか。」
「なんだって?」
「そいつらに対抗するために俺達は戦ってるんだろ? 不本意だけどな。」
「…君の世界にも…そうか。なら、ウルト…あ、いや、解った。」
「俺にはあんたの言ってる事がさっぱり意味不明なんだけど…」
「まあいいさ。少しずつ状況を整理していこう。それより、君、名前は?」
「ああ、言ってなかったかな。神谷零時。レイジ、でいいよ。」
「俺は道城光也。よし…なんとかやって行こうか。まずはこの世界の手がかり、だな。」

2人の若者は、お互いの本当の正体を知らないまま、この世界の探査を決意した。
これからの長い、長い物語の始まりとして。
229名無しより愛をこめて:2007/05/03(木) 21:34:44 ID:onoYgVbK0
ho
230名無しより愛をこめて:2007/05/04(金) 16:49:21 ID:vu6cnjoI0
だいぶ下がっているので上げますね
231ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/05/06(日) 13:40:41 ID:FKjEkjN00
エーアールαの横に、レイジと道城が立っている
とりあえず道城のエアータイフーンで空から探索してみようと言う事になり、レイジがエーアールから必要な物を取ってこようとしているのだ
「じゃあ、ちょっと待っててくれ」
「ああ」
レイジがコックピットに入っていった後、道城はエーアールを観察し始める
(我々の世界の戦闘機とたいした違いは無いようだが…)
ふと、道城は機体の横についている文字に視線を止めた
「A&R…英語だな……下の字は……」
無論道城はリュートニアン語など知らない
「見たことない文字だ…だが何かに似ている……」
じいっとリュートニアン語を見つめる道城
「何見てるんだよ」
突然後ろからかかった声に、少しどきっとした後、道城は振り向く
そこにはどこからだしたのか風呂敷包みに野菜を入れたレイジが立っていた
「いやっ、別に…、ただこの文字が気になっただけさ」
「何って…リュートニアン語だろ?」
興味深げにリュートニアン語を見つめる道城
「世界標準語みたいなものか?それとも君の国の言葉でそっちの日本語?」
レイジは少しきょとんとした後、ため息をついた
「どうやらあんたは本当に別世界の人間らしいなあ、A&R隊員なら絶対にこんな事ありえんし」
「興味を引かれるな…、道々詳しい話を聞かせてくれないか?」
「いいぜ、あんたの世界についても話してくれよ」
「ああ、構わない」
エアータイフーンに向かいながら二人はお互いの世界について話し始めた
232名無しより愛をこめて:2007/05/08(火) 23:42:56 ID:8VhPYJEm0

相変わらず曇った空の下、荒野を歩む2つの人影。足取りは軽く、和気藹々とした会話が聞こえてくる。

「すると、君の世界の月には別の天体からの移住民達が暮らしているのか。」
「そ。それがリュートリニアン。で、アースとリュートリニアンで、A&R。」
「リュート…待てよ、英語のスペルだとリューは‘leu’と表す。じゃあ…A&L、が正しいんじゃないのか?」
「言われると思ったよ。‘lue’じゃなくて、‘ryu’な。ローマ字表示なんだよ。」
ポケットから取り出したペンで風呂敷包みに文字表記をしながら、レイジの解説は続いた。

「それで、俺達A&Rはそのリュートリニアン達との交流・保護が役目なんだ。」
「成る程。…羨ましい話だ。さっきも言ったけど、俺の所属するEARはいわゆる地球防衛軍で、
日夜のように侵略者や怪獣達と戦い続けてるんだ。この役目に誇りを持ってはいるが、
正直な所毎日殺伐としててストレスが堪らないと言ったら嘘になる。」
「そのセリフ、そのままコピーさせて欲しいや。こっちの世界でも、ちょっと前に宇宙人が現れてさ、
毎日のようにそいつにビクビクしてるんだよな。」
「その宇宙人…リュートリニアンと絡んでるのか?」
「ビンゴ。最初はリュートリニアンを狙ってたんだけど…どうも最近日本ばっかり襲ってるんだよなぁ。」
「そうか。君も色々と大変らしいな。」
会話の合間に、目的地であるエアータイフーン着陸地点に到着した。
2人は荷物をまとめながら、道城を先頭にエアータイフーンへと入っていく。

「どうだい、レイジ君。」
シートベルトを締め、離陸準備をしながら、後部座席へ座ったレイジに話しかける道城。

「ああ、エーアールαのサブパイシートより断然座り心地いいや。今度うちのメカニックに文句言っとこ。」
数十秒後エアータイフーンは離陸、先ずはこの辺りを旋回しながら地理を把握し、人気を探る事とした。

「どこかに、人が居るはずだ。いや、居てくれなきゃ困るな。」
道城は操縦桿を握り、レイジと共に眼下に見える茶色い世界に目を凝らした。
233名無しより愛をこめて:2007/05/11(金) 12:24:39 ID:akK4IJh3O
読者です
まとめサイトの復旧は目処が立ってないのでしょうか?
管直人のミラクル作者様は以前学生さんのような話をしてたんでPCは簡単に買えないでしょうし以前いつまでも続けられるものじゃないみたいな事言ってたし心配です
余計なお世話でごめんなさい
あとサガり杉てるので保守ageしておきますね
234名無しより愛をこめて:2007/05/12(土) 16:31:27 ID:MffxGJWQ0
ho
235ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/05/12(土) 22:44:12 ID:In06Cfnt0
「何も無いな・・・」
道城の言葉に、レイジは頷く
かれこれ数キロ程飛んだはずだが、何一つ見つける事はできずにいる
「しかしこの世界は何でこんな風になってるんだ?曇ってるって事は水分があるはずだろ?だったら少なくとも海くらいあっていいはずだ」
「雲…か」
言って、道城は空を見上げる
「あの雲は…本当に水蒸気でできているのか?」
「?」
道城の言葉に首をかしげるレイジ
「あんたの世界だと雲は綿アメでできてるのかい?」
「いや…水蒸気、水が蒸発してできた気体だ…だが…」
道城が何か言いかけた、その時だった
『レイジ…気をつけろ』
「!!」
突然のクラインテレパシーに驚くレイジ
『何か邪悪な物がこの機体に迫っている!』
(邪悪な物ったってんな唐突に…)
「レイジ君」
道城の言葉に、レイジはドキッとする
236ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/05/13(日) 21:31:30 ID:2qgdiVVf0
見ると、道城は真剣な表情で前方を擬視していた
「何すか?」
「舌を噛まないように気をつけろ」
同時に、エアータイフーンが一気に加速して反転する
レイジは急な回避運動に驚くが、そこは訓練されたA&Rのメンバーだ
急激に襲い来るGに耐え、すぐに混乱から脱して強化ガラスの向こうに視線を向けた
横を向いて降下しているエアータイフーンの10mほど斜め上に、巨大な黒い影が現れる
(怪獣だ!)
瞬間、エアータイフーンが急減速し、急なGがレイジを襲った
もともとエアータイフーンより早いスピードで飛行していた怪獣はあっという間に空の彼方へと飛んでいく

(あれは!!)
飛び去る怪獣の背を見て、道城は驚愕する
最早米粒ほどの大きさになった怪獣の背には、プラズマのような光の翼が生えていたのだ
237リュウラ著者:2007/05/14(月) 12:33:26 ID:BCF1oP+u0
>>233
いつも読んでくださって有難うございます。
我々の方も管理人でミラクル、ピース、イースリング作者の隆一郎さんについては心配しています。
これまでスレが500程度で容量オーバーしていた事を考えても、今回もそれくらいで書き込み不能になるでしょう。
それまでに彼が復帰してくれたら嬉しいんだけど、無理なら我々の方で何らかの対策を打たないとなとか考えています。
恥ずかしながら、我が家にPCはありませんので、HPを造って避難所にすることは出来ないのが悔しいです。マジで。

とか言っておきながら↓新作書く我侭をお許し下さい。
238ウルトラマンリュウラ:2007/05/14(月) 12:36:21 ID:BCF1oP+u0
第四十二章 来たぞ竜ヶ森
地獄星人 宇宙恐竜 最高のヒーロー 登場

一度は母星へ帰った。地球へはその後、何度も訪れている。しかし、この地を踏むのは百四十年ぶりか。その者は、感慨に耽った。
「夜空の 星に…もう忘れたな。何を込めるのだったか。」
かつて、この地で若者達が歌っていた。自分は、彼らの賑やかなパーティーを邪魔し、宇宙の悪魔を湖に取り逃がし、そして一人の若者を…。
考えてみれば散々なファーストコンタクトだったと思う。
だが、そのおかげで地球には、義弟達が次々と来訪するようになった。現在はカイザーという義弟がこの星を守っている。しかし、今回は彼に会いに来たのではない。
その者は、人間の、青年の姿に変わり、湖の全容を眺められる高台へ腰を下ろした。
夜の暗闇の中、彼へ歩み寄ってくる男の姿があった。青年は、その男に軽く手を振る。
「龍よ、来たな。」
男は、マミヤ ヒスイは僅かに頷くだけ。

《そうゆるりとはしておられん。我は今、この者、マミヤヒスイの精神を眠らせ、支配している身。この者はニンゲンの分際で強き心を持っておるでな、何時覚醒するか分からぬ。》
龍は、この青年に会うためヒスイを一時支配し、時空を超越してこの世界の地球、この世界のこの森へ飛来したのだ。そして、ヒスイの姿でこの青年と邂逅している。
《久しいな。神戸以来か?》
「久しいかな…僅か百年だが。」
《ニンゲンから見れば悠久の時だ。》
青年は、龍の言葉に少し笑む。
《しかし…神戸の時よりも随分と若返っているな。》
「神戸では、地球人の姿のまま年を重ねてみせる必要があったからな。寂しい話だが、もはやその必要は無い。」
《ニンゲンの生は短いな。僅か百年で、親しき者のほぼ全てが、絶える。》
言いながら、青年の隣に、ヒスイの姿で龍も腰を下ろす。湖を見る。
239ウルトラマンリュウラ:2007/05/14(月) 12:38:25 ID:BCF1oP+u0
「美しいだろう?あの湖が無ければ、我々と地球人の交流も無かったかもしれない。同時に、私は湖の上空で、若い地球人を殺してしまった。…ここまでは何度も話したか。」
《ああ、何度も聞いた。しかし、その湖を臨むは今宵が初めてよ。》
青年は、自分の衣服を軽く見る。
メインカラーは橙。その下に白いシャツ、危険信号を装備したタイ。流星を象ったシンボルマークが、上腕部やブーツ、そして胸に輝く。胸の流星は通信機を兼ねている。
「この姿は、彼が若かった頃…私に殺される前後の姿だ。」
龍は、青年と初めて正面から見据える。

《己を責めるか?その者は救われたのであったろう。貴公が命を与える事で。》
龍は、この青年を「貴公」と呼んだ。相応の敬意を払っているようだ。
青年は困ったように笑う。
「ううん…それが償いになったとは思わない。命を与えた事と、一度とはいえ殺してしまった事に、因果関係はない。」
面倒臭い思考だと龍は思った。この者は、ニンゲンなどという小さな存在にも罪の意識を覚える。自分としては、ニンゲンの百匹や百億匹殺したところで、そう大した事になるとも思えない。
そう正直に言ってみたところ、予想に反して笑われた。
「そうだろうな。私は君のような『神』ではない。地球人をマクロな視点で見ることはできない。」
《貴公は神に成る気は無いのか?》
「無いな。」

かつて、龍はこの者の存在を知り、興味を抱いた。自身と同様、この者もまた、全ての平行世界に存在する事ができる、特別な者であったから。そして、この者の功績も、龍に敬意を抱かせるに十分であったから。
240ウルトラマンリュウラ:2007/05/14(月) 12:41:04 ID:BCF1oP+u0
「そういえば、先に君から接触してきたのだったな。当初は伝説の生物を模した生物兵器だと誤解したものだが、まさか本当の龍だったとは。」
《興味のあるものには接する事にしている。》
「神の割に勉強熱心だな。」
勉強、と、青年は口の中で繰り返した。
「話したかな。私に殺された地球人は、もう一人いる。ジャミラ、といった。」
ある宇宙飛行士が、宇宙に取り残されたまま母国に見捨てられた。彼は肉体を変異させ、母国、ひいては故郷の地球全体を憎悪し、国際平和会議を妨害せんとした。
「私は、彼を殺した。それが、地球の平和のためだと判断して。」
《…悔やんだのか?》
「ああ。その『平和』は、虚無感に満ちていた。犠牲者は美しい文句だけを与えられ、悲しい最期を遂げる。
…私は自身の勉強不足を痛感したよ。あの時、最善の方策を思いつけなかったことでね。ジャミラを殺さずにすむ方法は無かったのか、
会議を成功させ、数百人の叡知を救うためにはジャミラ一人の命を奪うほか無かったのか。」

《百万を救うため、千を見捨てる、ということか?我ならばそうするがな》
「そうだ。だがそれは、ジャミラを見捨てた彼の祖国と同じなんだ。」
人間の外見をもった双方の超越者は、しばらく水面を見つめる。先に橙の衣を着た青年が口を開いた。

「円谷英二。」

《貴公の、真の生みの親か。》
241ウルトラマンリュウラ:2007/05/14(月) 12:42:42 ID:BCF1oP+u0
「あの人はね、私を生み出してから僅か四年でこの世を去られた。」
龍は、ヒスイの姿で黙り込む。対し、青年は続ける。
「金城哲夫。実相寺監督。…数え挙げればきりが無い。あの人たちは皆、才能を散らすには余りにも若過ぎた。」
《…憎まれっ子世に憚る、とニンゲンは言うな。逆に皆から慕われたニンゲンは総じて短命…。》
青年は頷く。
「だから思うのさ。地球人の命は非常に短い、とね。それは生命体としてのサイクルが早いというだけではなく…」
《運、であろう?ニンゲンという生き物は強き天命を持たぬ。他のニンゲンより慕われた者ほど、その傾向が強い。》

青年は、再び湖上空を見、言う。
「まあ…ハヤタを二回も生命の危機に直面させてしまったのは、運ではなく私の過失だが…。」
《二度目はやむを得なかった。左様であろう?》
「に、してもだ。ゼットンに不覚を取ったのは、私の力不足、私の油断に起因する。私が至らぬために、ハヤタを再び殺してしまうところだったのだから。」
ヒスイの姿で、龍は青年を注視する。
《力…か。貴公は自身を『力』と考えるか?地球を、ニンゲンを守る『力』。其は否定せぬ。
だが、貴公が残したは『力』のみか?ニンゲンの幼体…コドモ達へ、より重要なる物を残したのではないか?》

青年は、薄く首を振る。
「私が残したんじゃない。子供たちに大切なものを残したのは、私の生みの親達だ。
彼らは本当に素晴らしい仕事をして下さった。限られた予算、時間、人材の中で、毎週子供たちを楽しませ、感動させ、元気づけ、大切なものを与え続けてくれていた。
…私自身の正義は、物語の中で幾度も否定されたよ。」

そして、青年は呟く。ジャミラの墓標へ行ってきたと。
「墓碑は残っていた。しかし、忘れ去られていた。見事に土に埋もれていたよ。」
自分が殺した地球人。青年は、出来るだけ何度も地球へ立ち寄り、この墓碑に手を合わせていた。
しかし、ある時期から墓碑が急激に汚れるようになった。
242ウルトラマンリュウラ:2007/05/14(月) 12:44:50 ID:BCF1oP+u0
「墓へ赴く者がいなくなったのさ。地球防衛組織において、彼のデータは今でも
『国際平和会議の妨害を画策した一匹の宇宙怪獣』だ。」
つまり、当時実際にジャミラ迎撃に参加した者でなくば、彼の正体を知りえないということ。

「私は彼の正体を知りながら殺し、後世の同志達にその事実は伝えられない…。」
ヒスイの姿の龍は、怪訝そうにし、次いで思い至る。
《貴公は悩んでいるのか?自身の戦いでコドモ達に何を伝えてこられたのか、その教えが風化しているのではないか、と。》
「いや、私はそこまで厚顔無恥ではない。何を伝えたわけでもない。ただ…」

青年は一息おいて、再度ヒスイを見る。
「子供達は、私の戦いから何かを学び取ってくれていた。私にも分からない何かを、だ。
心配なのは、その子供達が親になった時、彼らの子供に何を伝えてくれたのか、という事だ。」
《ふむ、貴公の伝えた事を連中が自身のコドモへ伝えてくれたのか、という事か?》
「違う。私は何も伝えていない。子供達の方が、私の戦いを見て、自分から何かを学んでくれたんだ。
しかし、その『自分で学んだ事』を、彼らが彼らの子供達に伝え得ることが出来たのか、それが不安なんだ。」

青年は、一度星へ帰ってからも幾度となく地球を訪れていた。
かつて、青年は子供達のすぐ側にあった。この国が最も元気だった時代である。
元気な時代の元気な子供達は、毎週日曜、製薬会社のアイキャッチを聞きながら、
約三十分、不思議な世界に入っていった。

日本は豊かになっていった。だが豊かになってゆく姿は、同時に貧しくなってゆく姿でもあった。
《…怖いのか?かつての『元気なコドモたち』の子供は、必ずしも元気ではなかった。》

「そうだな。私はかつて、元気な子供達が自分を応援してくれて、自分の闘いから何かを学んでくれて、嬉しいと思った。
だが、その子達は自分の子供を元気にする事ができたのだろうか?何を教える事ができたのだろうか?
風化しているとするなら、かつてこの国を支えた、人間自身の力ではないか。
友を思い、家族を思う優しいエネルギー。そして、その為にはどんな苦境も乗り越える強いエネルギー。
そういったものが…決定的に不足している気がするんだよ。」
243ウルトラマンリュウラ:2007/05/14(月) 12:46:57 ID:BCF1oP+u0
龍はただ黙った。いつも思うが、こちらの世界に存在する地球は、風雅なところが無い。
正確に言うと、ニンゲンの文明にである。それは、元気な者達が強い意思でこの国を豊かにしてゆく事で、何かを忘れていったからではないのか。
そう、思った。豊かにした事で、貧しくなった。皮肉だ。しかし、である。

《自分が何も伝えられなかった、と云うは誤りだ。貴公は自身を卑下しすぎている。》
「…そうだろうか?」
《貴公は、素晴らしい仕事を果たしたは自身ではなく、自身の生みの親だと云う。
ならば、貴公は彼らの子。そして、貴公は親の伝えたかった事を、自身の戦いを介してコドモ達へ刻み込んだ。
ならばそれは、貴公がコドモ達へ大切な事を伝えた、と同義だ。》
青年は笑んだ。ようやく。
「そう…だな。当時から全てが貧しくなったわけでは決して無い。そうでなければ、義弟達もこの星を守ることなど、出来なかっただろう。」

その時、二人の背後に巨大な影が現れた。
メインカラーは赤。しかしノズル型の口を始め、全身に緑や赤など毒々しい突起が生えている。全長は200mほどか。
青年は驚きもせず、ただその者の名を呼ぶ。
「…ヒッポリト星人。」

敵は、ヒッポリトは笑う。
「よく分かったなあ!我々はこれより、宇宙一強い生き物の誇りにかけ、お前達兄弟を全員抹殺する!まずは長男の貴様からだあ!」
青年は、首を傾げる。
「私は次男だぞ?それに『まずは』ということは、他の兄弟達はまだやられていないと言う事だな。防衛軍の追撃を切り抜けて竜ヶ森まで来たのだけは感心してやろう。」

言うや、青年は腰から取り出した白銀の銃より稲妻上の光線をあらぬ方向へ発射する。
と、不可視状態にあったカプセルが破損。200mのヒッポリト星人は消え去り、少々異なる座標に身長50mのヒッポリト星人が出現した。

敵は只でさえ赤い体をさらに赤くし、口から火炎を噴射、地表を爆発させ自慢気に宣言する。
「ふん!俺様の実体を見破ったのはさすがだと言っておくが、ここまでだ!見るがよい、お前にとって絶対に忘れられない存在を用意してやったぞ!」

すると、爆発した地表より、青い風船が出現した。風船は膨張を続け…炎を上げて破裂する。その爆煙に屹立する、黒き魔。
宇宙恐竜 ゼットン。
244ウルトラマンリュウラ:2007/05/14(月) 12:47:46 ID:BCF1oP+u0
「むははははは!見ろ、ゼットンと俺様のタッグにお前が一人で勝てるはずも無い!」
確かに、自分はこの両者に、それぞれ敗北を喫した。
龍はヒスイの体を動かし、転化しようとするが…青年が止める。
「ゼットン…、泥を払うチャンスだと思うんだ。」

橙の衣を纏う青年は、二体の前に立ち塞がる。
科学特捜隊の制服。その内ポケットから、ハヤタはベータ・カプセルを取り出だす。
カプセルを天高く振り上げ、フラッシュビームを焚く。
その光量を電気で賄うなら、百万ワットは必要だろう。
フラッシュビームの輝きは竜ヶ森一帯を白、続いて朱へ染め、ハヤタをその中へ包み込む。

強大な閃光が止む。そこに存在したのは、最高のヒーロー。シンメトリーの権化。
ウルトラマン。

245ウルトラマンリュウラ:2007/05/14(月) 12:51:30 ID:BCF1oP+u0
ウルトラマンの出現を確認するや、ゼットンはテレポーテーションで彼の背後へ出現、強烈な突きを放つ。
ウルトラマンはこれを読み切り、ゼットンの突きを手刀で払おうとする。だが、ゼットンはこれもテレポートでかわす。
手刀が避けられ体勢を崩すウルトラマン。彼の背後に再びゼットンが出現、後頭部へ一兆度の火球を放つ…ハズだった。
だがその前にウルトラマンが敵の首根っこを掴み、大地へ打ち付けた!体勢をあえて崩す事で、ゼットンの体の中段に潜り込んだのである。
地面を転がるゼットンへ馬乗りになり、何度もチョップを撃ち込むウルトラマン。ゼットンは火球を発射して反撃する。しかしその攻撃も、ウルトラマンは全て打ち払ってしまう。
ウルトラマンの動きは緩慢に見えるが、決して「遅い」わけではないのだ。

焦るゼットンへ、ウルトラマンは八つ裂き光輪を投げる。バリアを展開する間もなく、ゼットンはやむなくテレポートでこれを避ける。
別の座標で実体化するゼットン。しかし、光輪は軌道を変え、なおもゼットンに襲い掛かる。それも、三発。
二発はバリアによって無効化されたが、三発目は突如中空で複数枚に分身。バリアは見事に突破された。

その隙を逃さず、ウルトラマンは両腕をクロス。伝家の宝刀、スペシウム光線を発射する!
だが、ゼットンはスペシウム光線の直撃を物ともせず、逆にそのエネルギーを吸収。
蓄積されたエネルギーはより強大な破壊力を持って、ウルトラマンへ投げ返される!

しかしウルトラマンは、体勢を崩さず、再度スペシウム光線を放ちそのエネルギーを迎撃した。
空中で二本の光芒が激突する…と、ゼットンの光線が、二発目のスペシウム光線に押し返されている!
そのスペシウム光線は、返されたエネルギーも含めてゼットンを直撃した。
スペシウム光線を撃ち返す事に力を集中していたゼットンは、この強大なエネルギーを吸収することが出来ず…完全に砕け散った。
246ウルトラマンリュウラ:2007/05/14(月) 12:58:22 ID:BCF1oP+u0
「ぶ…ぶゎかなあっ!」
ゼットンの死に驚愕し、滑舌まで怪しくなるヒッポリト星人。舌の有無は知らん。
ゼットンを倒したウルトラマンは、続いてヒッポリト星人へファイティングポーズを取る。

さらにヒスイもリュウラへ転化。泥は払えたようだ。ならばヒッポリトとの戦いには自分が手を貸しても良かろう。
銀の巨人と蒼の龍神が、ヒッポリト星人へ挑む。
だが、敵は二人の頭上から半透明のカプセルを投下する!
カプセルに閉じ込められ、暗鉄色のヒッポリトタールに包まれる。しかし、リュウラは念を集中させ、タールごとカプセルを吹き飛ばす。
また、ウルトラマンは胸の前で両腕をX字に交差、高速回転を始める。

かつて四次元怪獣ブルトンの術より脱出する際に用いた、「ハイスピン」である。
回転により、こちらもタールとカプセルは無効化、まとめて破壊された。
回転を続けるウルトラマン。その回転から、光の鎖「キャッチリング」が放たれ、ヒッポリトを拘束する。
「ヒッポリト、生命は、常に成長を続ける。この程度の攻撃では、今の我々ウルトラ兄弟の誰を倒すことも出来ない。」
「黙れえ!風地獄!火炎地獄う!!」
ウルトラマンの宣言に、動きを封じられたヒッポリトは完全に色を失い、滅茶苦茶に突風や火炎を吹き付けてくる。
だが、ウルトラマンは両の拳を腰に当てた体勢を保ち、胸板でこれを弾き飛ばす。勿論、リュウラ・コウにも一切通用しない。

そして、撃ち出されるスペシウム光線とドラゴンインパクト。光の龍は究極必殺光線と絡み合い、ヒッポリト星人を貫く。地獄星人は、真の地獄へ消えていった。

「泥を払いたいんだと言っただろう?」
「…貴方と共に闘いたいと思ってな。龍に無理を聞いてもらった。」
「…君は!」
ヒスイは…ヒスイだった。龍のコントロールから逃れ、自分の意思で転化していた。
二人は人間の姿で、静寂を取り戻した竜ヶ森の湖を見る。もう数分もすれば、防衛軍が調査に入り、また賑やかになるだろう。
247ウルトラマンリュウラ:2007/05/14(月) 13:00:25 ID:BCF1oP+u0
《忘れないで欲しい。貴公が見た『元気なニンゲン』は、決して滅びてはおらぬ。》
「分かっている。龍よ、君の宿主が良い例だ。」
この会話を再会の契りとし、ウルトラマンは光の国へ、リュウラはヒスイの居る世界へ帰還していく。

「、ということがあったんだ。」
「…そうですか。」
その日の昼、最高のヒーローとの邂逅について熱く語るヒスイと、それをぼけーっと聞かされているカンナの姿があった。
「ああ、貴重な体験だった。どうだ?」
「いや『どうだ』って聞かれても。」
「はっはっは、心配する事は無い。」
「ユリノさん、ヒスイくんがおかしくなっちゃいました。」

一方のウルトラマンは、今日も宇宙を飛んでいる。
全宇宙、何よりも地球が、平和な、光に満ちた世界になることを、願って。

ウルトラマン、ありがとう。ウルトラマン、これからもよろしく。
248ウルトラマンオーバー:2007/05/14(月) 17:41:05 ID:bQzHJtlp0
>リュウラ作者様

ブラボーです…
本当に…ブラボーです
俺はあなたの作品にあえてよかった
これからも頑張ってください
249名無しより愛をこめて:2007/05/16(水) 09:17:32 ID:p1tpQZbf0
ホシュアゲ
250リュウラ著者:2007/05/16(水) 11:14:26 ID:gz/ssqDs0
>>オーバーさん
え、そんなに?…いや、ありがたいです。
正直、イレイズ外伝でのセブン風味になってしまった気はします。反省点です。
合作に登場する怪獣はやはり一話のアイツ、あるいはあの暗黒戦闘怪獣なんでしょうか?
251アルファ作者:2007/05/16(水) 11:32:10 ID:kwOZd0kh0
ご無沙汰です。色々他のSSスレに浮気してます。すんません。

合作で出てきた怪獣はオーバー一話のではないかと推測してます。

リュウラ著者様
読んだ時自分もそれ思い出しました。しかし、描写の分厚さは自分より
遥かに上です。又何か書かないとなまるかなとは思うのですが、メビウスが
終わってから燃料が切れ気味で・・・
252ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/05/17(木) 01:09:50 ID:0t8bm9+g0

絵本やゲームの世界から飛び出したかのような、古城。
古城の前に広がる城下町、そこに暮らす人々。
彼等の服装は、これまたゲームから抜け出したかのような古汚い布切れで縫い作られた衣類で、
さながら剣と魔法の世界、とでも言えそうな風景である。
しかし、空は黒雲が覆い尽くし、町の周辺は草木の無い荒れた大地が広がり、明るい雰囲気とは言えない。
そんな町の広場で、周りの雰囲気など関係無しに元気に遊ぶ子供達の姿があった。
ふと、1人の少年が、空を見上げる。それに気づいた他の少年が、声をかけた。

「なんだよ、またかよ。」
「うん。」
「そんな都合よく正義の味方なんて来ないって。期待してもムダだよ。」
「もう来てるよ。」
「…へ?」
「おーい! そこのガキども! もうすぐラウバルト様の見回りの時間だ! 遊ぶのを止めな!」
「ぐへぇ、もうかよ。なんか今日は早くない?」
「うん。きっと、ラウバルト様も気づいてるんだ。」
「その正義の味方ってのにかい? 考えすぎだよ。ほら、さっさと帰るぞ!」

先程まで町人達の声であふれていた城下町が、急に静まり返る。
皆、それぞれ家に戻り、ある人物の訪問に備えているのだ。
女性や子供は家の奥でおとなしく身を潜め、男達は家の玄関先で待機していた。
253ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/05/17(木) 01:13:03 ID:0t8bm9+g0

間も無く、町の教会のベルの音が鳴り響く。訪問の時間である。
古城から、十数名程の集団が城下町へと下りて来る。集団の先頭に立つ人物以外は皆鎧姿だ。
集団は石橋を渡り、最寄の民家へ歩み、鎧兵の1人がドアにノックする。
中から太った中年男性が現れ、集団に対し深々と頭を下げた。

「これはこれは、ラウバルト様…。本日はお早いご訪問で…」
「下手な挨拶はいい。それより、何か変わりは無いか。」
ラウバルト様と呼ばれる、鎧でなくマントを身に纏う…若い女。
彼女はしばし中年男性と会話した後、鎧集団を引き連れ町中を回った。
各家を訪問する度、町人は絶対服従の体勢で彼女に身の回りの状況報告をし、
中には金目の物を献上する者もいた。
数時間後、集団はようやく古城へと戻り、町に人々の声が戻った。
ただし…

「ったく、毎日毎日しつこいんだよ!」
「なんでラウバルト様っていつも不機嫌そうなのかしら…」
「あの堅苦しい訪問さえなけりゃもっと仕事が捗るのになぁ…アホ王女め」
「そのクセ、化け物が出た所で何をするワケでも無し」
「コラ、そんな事言ってるのがバレたら貼り付け斬首刑だぞ!」

あまり穏やかな内容では無いが。
子供達も、嫌な空気から開放され、また広場で遊び始めている。
あの空を見上げていた少年も、今度は友達とのかけっこに没頭していた。
254名無しより愛をこめて:2007/05/20(日) 12:11:41 ID:M0DMSkCIO
保守
255f作者 ◆y8xU8zpgjY :2007/05/20(日) 12:47:51 ID:H4sizd+EO
こんにちは、お久し振りです。

オリジナルウルトラマンを創るスレ、今日で一周年、おめでとうございます。

仕事中ですが、昼休みを利用して挨拶に参りました。

相変わらずの亀投下の私ですが、各作者様、読者の皆様、これからも、よろしくお願いします。
256フレンズ作者:2007/05/20(日) 17:01:19 ID:N7cRlxDy0
え、そうなの!?(おい 
まあまだねたは出来ていませんがこれからもヨロシクお願いします。
257ウルトラマンオーバー:2007/05/20(日) 19:10:38 ID:GTBO/fha0
そうかあ、一年たったか
最初にバーン書き込んだ時はここまで行くとは思わなかったなあ…
皆さん、これからも頑張りまくりましょう!!
258アルファ作者:2007/05/20(日) 19:23:57 ID:9zsF/PTh0
一周年おめでとうございます。
祝いのネタが今出てこない自分が不甲斐ないですが。
259アレス作者:2007/05/20(日) 21:57:32 ID:DrquoDhb0
そう、今日でオリトラマンは一周年たったんだ。
オリトラマンはますます面白くなるねぇ。

まあ、俺よ久々に書けってこったな。
260クラウス筆者:2007/05/20(日) 23:38:51 ID:U02C91D/0
あぶね、記念する日を逃す所だった。

一周年を迎えたオリトラはここで一区切りなのか?
否、新たなる始まりである!!
261ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/05/21(月) 15:57:27 ID:Yg2RCJjy0
相変わらず何も無い荒野が続く空の下を、エアータイフーンが飛行している
「…なあ」
巨大な何かとすれ違った後、ずっと続いていた沈黙を破りレイジが口を開いた
「何だったんだ?あれ?」
「わからん…だが」
レーダーに神経を集中させながら、道城は答える
「だが?」
「いや…、忘れてくれ」
むっとするレイジ
「なあ、気になるからそんな風に途中でやめるのやめてくれんかな?」
「いや…、言っても意味が無い、ここは別の世界だし、俺の考えがあっていないのは…」
「言ってくれ」
「……俺の世界で似たような奴と戦った事があった、それだけさ」
自分よりずっと若々しく、陽気なレイジは、道城の苦手てとするタイプの人間だった
(和崎がEAR来たときを思い出すな…)
道城は苦笑すると、再び眼下に目を向ける
(それにしてもこの世界は一体何なんだ?俺を葬るつもりの異星人なら、こんなところにおびき寄せずに殺せば済む、それに…)
「なあ、あれ!」
突然のレイジの声に、道城の思考は停止した
見ると、レイジが遠くの方を指差している
「町じゃねえか?」
262名無しより愛をこめて:2007/05/23(水) 11:44:30 ID:vQnc13zeO
遅ればせながらオリトラ一周年おめでとうございます。
今まではROMってたんですが、これを期に自分も書いてみようと思います。
263名無しより愛をこめて:2007/05/23(水) 15:42:54 ID:rWzYwSwc0
大怪獣バトルULTRAMONSTERS 第十三話「決着!これが俺の切り札」
前回までのあらすじ…ライバル・雅人の連打力とゴルザに押されている大輝。
しかし、大輝にはまだ勝機があった…。
雅人「どうした、大輝!このままじゃ俺様のゴルザがテメェに圧勝するぜ?」
大輝「ふっ…はははは!!」
雅人「て、テメェ何を笑っていやがる!?」
大輝「雅人…この大怪獣バトルはただ連打すりゃ勝てるってもんじゃないんだぜ!
俺はほとんどお前に押し負けていたがコマンドバトルではガードをさせてもらった…
パーフェクトじゃないがな…」
雅人「それがどうした!ゴルザのパワーならガードしようがなぁ…」
大輝「ガードボーナスはうんと溜めさせてもらったぜ!!うおおぉぉぉ!!」
雅人「な、何ィ!?」
大輝のボタンを連打している手が光り輝く!そして画面上のガンQがゴルザを
押し返していく!攻撃回数は5回だ!
雅人「ば、馬鹿なあぁぁぁぁ!!」
大輝「いけぇぇぇぇ!!」
一瞬にして赤・青・緑のボタンを押しまくる大輝。雅人もボタンを押すが攻撃は
一発しかガード出来なかった。
雅人「くそぉ!!だがまだ終わらないぜ!!」
大輝「いくぜ!雅人ぉ!!」
スピードは双方、MAX!アタックバトルでは雅人がギリギリ勝利、さらに
コマンドバトルで2発とも命中させる!

雅人「どうだぁ!大輝ぃ!!もうすぐテメェのガンQの死に様が見れるぜぇ!!」
大輝「甘いぜ雅人!忘れたか、今ガンQは技カード発動のタイミングということに!!」
雅人「な、何だってぇーーー!?」
美香「大輝君!受け取って!!」
バトル会場の観客席から美香が一枚のカードを大輝に投げ渡す!
264名無しより愛をこめて:2007/05/23(水) 15:43:39 ID:rWzYwSwc0
大輝「サンキュー美香!!いくぜカードスキャン!!技カード!インペライザー発動!!」
雅人「い、インペライザーだとぉ!?」
大輝「これで、ガンQ、レイキュバス、ゴモラ、そしてインペライザーのコンボマーク、
キリエロイドが揃った!うおぉぉぉぉ!!」
雅人「や、やめろぉぉぉ!!」
キリエロイドの獄炎撃がゴルザに直撃!一気にゴルザのパワーは0になり決着は着いた!
大輝「やった…勝ったぜぇ!!」
美香「おめでとう大輝君!」
実況「優勝は!大輝君だぁー!!」
仲間たちに囲まれ喜ぶ、大輝に雅人は手を差し出し…
雅人「負けたぜ…俺は力さえあればどんな奴にも勝てると思ってた…友情なんて
嘘っぱちだと思っていたけど、今日のバトルで気付いたんだ。力が全てじゃないって…
負けたのにすごく爽やかな気持ちだぜ」
大輝「あはは…雅人、またバトルしようぜ!」
雅人「おう!」
二人はがっちり握手し、仲間たちが笑いあっている。
実況「会場のみなさん!この二人に盛大な拍手を送ってください!!」
そして会場中に拍手の音が響き渡る!しかし影から一人の男が彼らを睨む様に見ている。
???「ふふふ…大輝か、これは良い研究対象になりそうだな」
謎の組織が暗躍している!?次号、急展開 ゴロンゴロンコミック7月号に続く


真悟「次号、急展開か…続きが気になってしょうがないなぁ…にしてもキリエロイド、
カッコいいなぁ!」
勇「もう、真悟さん!勝手に俺の漫画読まないでよ!久々に遊びに来てくれたと
思ったら漫画ってどうよ!?」
真悟「ごめんごめん、よし野球やりに行くか!帰りに大怪獣バトルで遊んでさ!」
勇「やった!早く行こう、真悟さん!」
265アレス作者:2007/05/23(水) 16:03:00 ID:rWzYwSwc0
…というわけで劇中劇でした。とりあえずまだシグマ地球去ってないですね。
今回は番外編というか、俺もこのゲームに嵌ってしまったので…w
金バルタンと冷キュバスと尻尾ゴモラが欲しい…。
次はなんとかアレスの方を復活させたいです。ごめん。
こんなのを一周年記念作品にしようとしてる俺、マジ駄目男

>>262
初めまして、作品楽しみにしてます。

オーバー&クラウスも確実に話が進んで行きますね。
この世界の雰囲気はなんとなく中世ヨーロッパを感じさせますね。
そこに未来的な二人がやってきて…どういう風に話が進むか
楽しみです。

リュウラ作者殿、元祖ヒーローが宇宙恐竜を打倒するシーンは最高ですね。
そして初対戦の時は一瞬で捕まってしまったけど今回はリベンジ達成して
倒した地獄星人!でもそれだけじゃなくウルトラマンを生み出した人達の
こととかも…考えてみればあの人たちがいなかったら俺達もここに
いないんですよね。そう思うと感慨深い。
266ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/05/23(水) 23:15:14 ID:SW4T0Tab0

―古城・王の間―

「よくぞ参った、勇者よ。そなたに魔王を退治して欲しいのじゃ。」
とでも言いそうな王様がいても不思議ではない派手な装いの椅子に、
かのラウバルト様と呼ばれる女が座り込んでいる。
彼女の目の前には、跪き慌てた表情で何かを申し立てている兵士の姿があった。

「なに…? もう1度延べ。」
「ハッ、南の方角より、この城に近づく空を飛ぶ何かが現れた、との事です!!」
「空を飛ぶ何か…? ‘光る翼竜’ではないのか?」
「ハッ、目撃者の言葉によると、普段の七色の光でなく鉛の光沢の様なものを発しているそうですが…」
兵士のその言葉を聞き、ラウバルトは足を組み替え、一寸ばかり沈黙した。
よほど急いで来たのか息切れをしている兵士とは裏腹に、彼女はえらくリラックスした態度である。

「…そうか。さすれば慌てふためく事は無い。それは‘光る翼竜’なんぞでは無く、我々の客人だ。」
「きゃ、客人!? ならば、町人達には慌てふためかぬように指示すれば良いのでしょうか?」
またしばし考え込むラウバルト。

「…そうだな。恐らく客人は先ず城下町を訪れるはずだ。
失礼の無い態度をとれと町人に指示しろ。ただし……警戒は万全にせよ。
ついで、あまり馴れ馴れしくはするな。」
「ハッ、畏まりました、至急、その様に手配します。」
命を受けた兵士はすくりと立ち上がり、敬礼をした後その場から立ち去っていった。
ラウバルトはその場にいた他の護衛兵達にも指示し、各々を行動に移させる。
彼女自身も椅子から立ち上がり、護衛兵1人を脇に古城の敷地内にある城閣(物見塔)へと向かう。

この時、エアータイフーンは城下町を眼下に着陸態勢を整えていた―
267名無しより愛をこめて:2007/05/24(木) 19:06:57 ID:KWrBmxrCO
ウルトラマンカイザー?

ttp://75.xmbs.jp/ultra/

268名無しより愛をこめて:2007/05/24(木) 23:32:39 ID:l5UMo+TiO
いや、ここのウルトラマンカイザーとは別の作者でしょう。
設定違うし、名前が被っただけかと。
269フレンズ作者:2007/05/26(土) 15:22:05 ID:7N+BULIC0
第10話「超必殺技グランドファイナル!」サタン星人ウルトラマンレイアー登場

レイアー「俺は絆の戦士、ウルトラマンレイアー!」
サタン星人「ふん、たかがゴミが・」
レイアー「誰がゴミじゃあ!それは己じゃろうが!」
USG隊員&隊長(怖ーって言うかそれ何弁?)
作者「さあ?」
全員「出てくんな!」
レイアー「それじゃあ飛ばしていくぜ!」
サタン星人「え?ちょっとまt
レイアー「問答無用!」
レイアー以外(ひでえ・・・)
レイアー「まあ六人分の性格が集まったらこうなる。じゃあ、まず一発目!ウォータスプラッシュ!」
サタン星人「ぎゃあ!」
レイアー「二発目!ヒートウィンド!」
サタン星人「ぐはあ!」
レイアー「三・・・」
サタン星人「こいつらがどうなってもいいのか!」
レイアー「なんだと?」
サタン星人「お前らの仲間たちがどうなっても
レイアー「ワープ光線」
サタン星人「え?」
レイアー「離れたところにワープさせたんだ。まあ、三発目!ウッドクラッシュ!」
サタン星人「ギャーーーーー!」
レイアー「URYIIIIIII!ぶっ潰れろお!」
サタン星人「それでも光の巨人か・・・卑怯な手を使いやがって・・・」
レイアー「卑怯?はあ?人質とろうとしたやつがなに言ってんの?」
サタン星人「くっ・・・」
270フレンズ作者:2007/05/26(土) 15:31:40 ID:7N+BULIC0
レイアー「そろそろ終わりにするぞ。はあぁぁぁぁぁぁぁぁ」
サタン星人「え、ちょ・・・」
レイアー「グランドファイナル!」
サタン星人「ぎゃぁぁぁぁぁぁ」
レイアー「終わったな・・・そろそろ戻るか。」
地球へ・・・
ソーダーズ編 完
「サタン星人倒しても、フレンズの戦いはまだまだ続く!次回マイナスエネルギー編「少年の怪獣」フレンズよ、立ち向かえ!」
フレナビ 絆 司会作者&フレンズ
水野「何で出てきたんだ?」
作者「また次回!」
水野「はあ?」
271ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/05/27(日) 14:38:21 ID:eAkqoG4S0
「見たところそんなに高い文明力はもっていないようだな…」
機首、レーザー砲とミサイルを町の方に向ける形で着陸しながら、道城は呟いた
「人もいるみたいだぜ」
レイジの言葉どおり、ハッチから見える町の入り口には、数名の鎧を着けた兵士達が列を組んで遠巻きにエアータイフーンを見つめている
「降りるぞ、安心しろ、リモートでエアータイフーンはミサイル攻撃できる」
と言うことはあの時俺が変な行動を取っていたらミサイルが飛んできていたのか?
そんな事をレイジは思ったが、あえて口には出さなかった
「ああ、んじゃ異次元人とのファーストコンタクトと行きますか」
動きが止まる道城
レイジの方を向く
「?何だよ」
「君達から見たら、俺、一応異次元人なんだが」
「…あ、そうだね」
こんなわけのわからん世界にほうられて、ここまで冷静でいられる二人は、流石と言うべきなのだろう…
272ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/05/28(月) 00:13:36 ID:zDTOtHUI0

「北門、東門にも兵を張れ!‘客人’はどこから御出ましになるかわからんぞ!」
「指示の無い者は家に戻り、それ以外の者は広場へ総集せよ!」
町中が駈け回る兵士で騒然となる中、町人達も同じ位、否それ以上に混乱して動きめいていた。
継接ぎだらけの風呂敷の中にこれまた継接ぎだらけの衣類や岩の様に硬い麦パンを包み込み、
腐りかけた木材でできた二輪車に家具や大量の藁束を急いで積み上げていく人々。

「こら、お前達、何やってる!? 何故逃げる用意などしているのだ!」
「なにゆえってぇ、兵士さん、また‘光る翼竜’が出てきくさったそうでねーか。逃げんとせねばなんとする。」
「馬鹿、今日は違う!! 客人だ! ラウバルト様のお客様だ!!」
「お、お客だぁ? 早く言ってくだせぇや、そゆことは。」
「最初っからそう伝えているだろうが!!! 各人、荷物は家に戻し、客人に備えろ!!!」
「ほいきた。…しかし、客人たぁ、本当かねぇ。そもそもこの町の外に人がいるなんざぁ…」
「いいからさっさと帰れ!!」
無理も無い。町人は1週間に1度、酷い時は3日に1度は‘光る翼竜’とあだ名される怪物の襲撃を受けている。
そのせいで、町人達は町の外に出るはおろか、深夜は家の外に絶対に出てはいけないのだ。
しかし今日に限っては怪物の襲来で無い事にようやく気が付いた町人達は、安堵のため息と共に帰宅した。

数分後―町の最南端にある関門前広場に、数十名の兵士および数名の町人が来客を待ち構えている。
外にも兵士を数名配置し、万全に備え槍を装備した兵士もいる。
門の天辺に立つ1人の兵が、広場を見下ろし合図した。一同に緊張が走る。
門がゆっくりと開かれ、ついに客人とご対面となった。
273ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/05/28(月) 00:16:23 ID:zDTOtHUI0

町人の代表者、白顎髭の初老、シュトルム・アーカー。
彼が来客を目にして最初に感じた印象は―
なんなんだあの服装は。
兵士の鎧は鉛や鉄を溶かして作った物で、町人の衣類は主にヤギの毛等を使用しているのだが、
現れた2人の客人が身に着けてるモノは、妙に光沢が目立ちなおかつ体の形にフィットしている。
鉄でも毛皮でも藁でも布でもない。しかも、色合いが妙に派手である。
さらに、2人の後ろ遠巻きに見える巨大な鉄の塊。その正体がなんなのかは定かではないが、
話によれば客人はアレに乗ってやって来たらしい。とすると、アレは乗り物なのだろうか?
シュトルムは、んな馬鹿なと心の中で鼻笑いし、己の緊張を解す。でないと、緊張で押し潰されそうなのだ。
なんとか平常心を保てたシュトルムは、周りを固める兵士達より1歩前に進み、
あくまで紳士的に、来客に挨拶をした。

「ようこそ、我が町へ。お話はラウバルト様より聞いております。ささ、先ずは町内のご案内を…」
「ちょ、ちょちょ、ちょっとタンマ、色々聞きたい事がエベレスト位あるんだけど、えと、なに、その…」
なんだこれは、話が違うではないか。シュトルムはまた困惑した。
兵士の指示だとラウバルト様の名で話を進めてくれとの事だが、客人側の反応を見ると
ラウバルト様と言う単語すら通じないらしい。しかも、タンマとかエベレストとはどういう意味なのだ。
不思議な灰色の服の男に代わり、今度は青色の服を着た男が口を開いた。

「失礼、実は我々はこの付近に迷い込んでしまったらしく、この地の状況を聞こうとここに訪れたんです。」
ナニ、迷い人? まったくもって客人なんかではないではないか。
シュトルムはいよいよ心境が顔に出て、周りを不安に陥れてしまう。
しかし、ここでなんとか巧く話をまとめないと、町の代表者として恥である。

「お、おほん。成る程、お互い思い違いがあるようですな。とりあえず町の飯屋でお話を伺いましょう。」
この提案に相手側も納得してくれたらしく、一同は飯屋へと向かった。
ハタから見ると、鎧兵と不思議な光沢服人間が交じった、妙な集団ではある。
274ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/05/28(月) 19:53:13 ID:BNwA1aZD0
「率直に我々の、と言うより私の現状を言わせてもらいたいのですが、構いませんか?」
粗末な木のイスと、同じく粗末な大きなテーブルがいくつかあるだけの、シュトルムいわく町一の飯屋の広いレンガ作りの2階立て建物の中で
シュトルムの連れていた兵士達に守られながら、レイジと共にシュトルムと向き合う形で席に座った道城は、開口一番にそう言った
こっちもそれが聞きたかったシュトルムは了承する
「異世界と言う言葉をご存知ですか?」
「霊界や…魔界の事ですかね?」
「そうです」
シュトルムの顔が青ざめた
「ではあなた方は霊界からいらしたと?」
「いえ…、霊界や魔界以外にもあなた方が住んでいる世界とは別の世界があるのですよ」
首をかしげるシュトルムに、今度はレイジが口を開く
「んで、俺達はその別の人間が住む世界にいたんだけど、なんかのきっかけでこっちに来ちまったの」
「我々以外に人間が住む他の世界…そこにはどうやって行くのですか?」
「だからそれがわかりゃ苦労しないってのに…」
「レイジ君、結論を急いでは駄目だ、私と君の世界の文明圏が近かったのが奇跡みたいなものなんだ、彼らに我々を理解してもらうのは難しい」
頭を抱えるレイジの肩を、道城はポンっと叩いた
275ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/05/28(月) 23:52:07 ID:zDTOtHUI0

「ん…そろそろ夕食時です、せっかくですのでここの名物料理をご馳走しましょう。話の続きはその後にでも。」
シュトルムの言葉にはっと腕時計を見るレイジ。だが、針は午後2時を差している。
エーアールαがこの世界に迷い込んだ時からすでに止まっていたらしい。
道城も自分が空腹である事を自覚し、シュトルムの言葉に甘んじて馳走になる事にした。
大勢いた兵士も数名を残しどこかへ立ち去ったが、
相変わらず野次馬が入らないようにと飯屋の入り口や窓には兵が立ち勇んでいる。
数分後、飯屋の亭主がグラタンの様な料理を3人分運んできた。
まずレイジが木でできたスプーンで一口。

「ん…こりゃ見た目も味もグラタンだな。美味いよ。」
「それは良かった。いやはや、グラタンとは何なのかは存じませんが、お口にあって何より。」
次に道城が食材について問う。

「この、チーズ…じゃなくて、器を覆う黄色の食材の材料は?」
「へ? チーズでございますか。牛の乳を加工したものですが。」
グラタンは通じなくて、チーズは通じるのか。何となく歯痒いが、確かに美味だから良しとする。
数分も経たないうちに、グラタンモドキ(ここではヨセルパーノと言うらしい)を完食したレイジが、
まだ半分も食べてないシュトルムに話しかける。

「そういやさっき、ナントカ様がどうのとか言ってたけど、誰なんだい?」
「ラウバルト様でございますか。やはりご存知では無いのですか…。」
「私も気になっていました。察するに、外に見えたあの城の主…でしょうか?」
「はい。彼女はこの町の責任者でもあり…」
ここで、今まで突っ立っていただけだった兵士がシュトルムを睨む。
シュトルムはあわてて口を閉じ、道城達もこれ以上は話題にしない方がいいだろうと悟った。
食後も話は続いたが、結局兵士の威圧に圧迫され今日の所はこれと言った情報を得ることも無く、
この宿屋で一泊する事となった。シュトルム曰く、明日以降の事はまだ決めていない、との事だ―
276名無しより愛をこめて:2007/06/02(土) 01:21:43 ID:AASp+JqkO
保守ageします、作者さん頑張れ
277名無しより愛をこめて:2007/06/08(金) 22:38:07 ID:A0Bss4sqO
保守あげ
278名無しより愛をこめて:2007/06/08(金) 22:39:33 ID:A0Bss4sqO
あげてないじゃんorz
279元アルファ作者:2007/06/11(月) 22:04:52 ID:GkMkJjAj0
新作開始しましたが、今此処の携帯用の形式ではちょっと投下しづらいので、まとめサイトのBBSのほうに投下してます。気が向いたら見に来ていただければ幸い。
280名無しより愛をこめて:2007/06/18(月) 17:08:11 ID:80Vk42XCO
保守age
281ウルトラマンオーバー:2007/06/20(水) 21:15:15 ID:dRt8UUzV0
保守!&大復活!!
282名無しより愛をこめて:2007/06/22(金) 23:33:16 ID:zfIV21oJO
>>262でオリトラ初挑戦と書いた者です。1ヶ月もたちましたが…
ようやく書き始めます。第1話は明日投下予定です。タイトルは
「ウルトラマンルミナ」です。
283アレス作者:2007/06/23(土) 00:01:04 ID:uFR3LJ1o0
頑張って下さい!俺もそろそろ書かないととは思うんですけど
だいぶサボりぎみですね…。
284名無しより愛をこめて:2007/06/23(土) 14:54:13 ID:c6cEw96JO
いまだに現実が分からないウルトラマンルシファー作者昭也に
ここの人達の力で思い知らせてほしいなぁ…自分は井の中の蛙だと。
285ウルトラマンリュウラ:2007/06/23(土) 16:10:07 ID:9dE2BpTz0
第四十三章 煮豆、焼き豆殻    好闘邪仙トウゴツ 発現

自分が生まれた瞬間の光景を覚えている者がいようか。生物にはいるまいが、神は往々にしてこれを覚えている。殆どの神がそうであるため、龍はごくたまに疎外感を感じる。
《お変わりはございませんか?》
その日、奈良に鎮座する神獣の一、朱雀が龍へコンタクトをとってきた。
《邪仙の目的は判明したようですね。スサノオの覚醒…。私達もそれを阻止すべく神壁を強化しているところです。
ところで龍よ、貴方はご自身の出生を、ご記憶ではないのでしたね。貴方の由来が明確になれば、貴方とその宿主に強い絆を持つ少女、その正体も明らかになりましょう。》
龍はその伝言を聞き、憮然とする。思い出せないものは思い出せないのだ。

そんな龍には構わず、ヒスイは西麻布方面の上空をレイカイオウで哨戒していた。
つい数刻前、この街に長大な「尻尾」が出現し、幾つかの商店を倒壊させて姿を消したのだ。
「空からは何も見えん。ワタリベ、地上からはどうだ?」
「こっちからも何も見えねーわ。地下に隠れてんじゃねえか?」
空のヒスイ、地上のワタリベの捜索にもかかわらず、手掛かりらしいものは発見されなかった、かと思われたが。
「お、マミヤマミヤマミヤマミヤマ、まだ帰れない。子供が現場で泣いてるわ。」
ミヤマって誰だよ、と思いながらヒスイは一旦着陸する。
何故発見されなかったのだろう、瓦礫の中で少年が一人、蹲って泣いていた。
「指令房、こちらマミヤ。巻き込まれたと思われる少年を保護しました。」
「こちらゴジョウ。分かったわ。マミヤ君、その子をあやしなさい。」
「…は?」
少年の齢は十にも満たないだろう。ワタリベから貰った林檎飴をガリガリやりながらヒスイを汚れなき双眸で見上げてくる。困った。どうあやせばいいのだ。
286ウルトラマンリュウラ:2007/06/23(土) 16:11:00 ID:9dE2BpTz0
結局ヒスイは少年と何も話せぬまま共に基地へ到着。ワタリベが代わりにあやしている。
「事件の真ん中に居た少年か…。証言者の中では尻尾の正体に最も接近したと言えるわね。カンナちゃん、その子の話を聞いてあげて頂戴。」
ゴジョウの指示を受け、子供の世話には慣れているカンナが証言を聞く。
名前はツザワヒデアキ。九歳。最近弟が生まれたらしい。そこまで言って、尻尾に襲われる恐怖を思い出し、またも泣く。ヒスイは何とか勇気を振り絞ってヒデアキを一喝する。
「その顔と眼と涙は何だ!お前の涙で街を救えるのか!」
余計に泣かした。
と、
「諸君!一旦任務を休止し、賓客をお迎えする用意を整えなさい!」
ワタリベ親父…幕官が指令房に姿を見せる。背後にはツルギヤマ将軍の姿も。
「将軍、唐突に何を…」
「少しビックリするお客ですぜ。…陛下さ。」
ちょっとだけ空気が凍った。
天皇。現時点で我が日本帝国最大の権限を持つ専制君主。てか現人神。
ゴジョウとカンナ以外の面子は急ぎ指令房の体裁をまだ見えるものに整える。
しかし、ヒスイは別の意味で緊張していた。陛下がお越しになるのであれば、あの男も来る。

それからいくらも経たないうちに、基地正門に牛車が姿を見せる。全職員が平伏し、現人神を出迎える。それは、レイハ指令房も同じく。
そして、平伏する司馬らを見渡し陛下の横でほくそ笑む男。陛下の側近でありその知恵役を務める、大陛徒と呼ばれる地位にいる。そして翡翠の兄でもある男、マミヤ ヤタ(真宮 八咫)
287ウルトラマンリュウラ:2007/06/23(土) 16:12:17 ID:9dE2BpTz0
ヤタは指令房をもう一度見渡し、一人平伏していない者を発見する。
「おい、お前!陛下の御前で面を上げるとは何事か!さっさと膝を突け!」
そう言ってヤタは、九歳のヒデアキの頭を掴み、強引に床へ附けさせる。
ヒスイは兄を止めたいが、陛下の御前である。自分は天皇をお守りする家系に生まれてきたため、
「許しがあるまで顔を上げるな」という教えが体に染み付いている。そんな自分が悔しい。
しかし、カンナとゴジョウはそんなことお構い無しでヤタをヒデアキから引き剥がす。
さらにゴジョウは許しもなく陛下に歩み寄り、ずけずけと来訪の理由を伺う。
「…ええっと、面を上げてください。レイハの諸君。邪仙がスサノオを解放しようとしていると聞きました。事実なのですか?」
陛下は、ゴジョウの豪気に威圧されながらも問われる。ヒスイが率先してその問いに応じた。
「恐れながら、その可能性は極めて高いものと思われます。我らレイハはその災異へ対抗すべく、現在準備を整えている最中です。御安心を。」
陛下はお一つ息をつかれ、そしてある文をお出しになった。
「昨夜、宮内庁へ届けられた差出人不詳の文書です。読みましょう。『レイハを解散、或いは全員を処刑せねば、我々はこの東京をスサノオをもって沈める。』と。」
レイハは全員、ワタリベ親父やツルギヤマ将軍に至るまで一瞬で理解した。
光の一族だ。
しかし、とフナトが申し出た。
「彼らも凡愚ではない。スサノオが蘇れば対抗する手段は我々レイハかウルトラマンだけ。
陛下、それについては陛下や大陛徒殿もお分かりのはず。であれば、国を脅迫したところで易々とレイハが引き渡される筈がない。それは光の一族も理解しています。」
とりあえず、全員が頷く。
「しかし、高位の神に仕える光の一族がスサノオを支持することは有り得ない。スサノオは高天原で暴れまわり、追放された存在なのですから。
では連中の狙いは何か…。この文を読めば我々はスサノオを必要以上に警戒し、視野が狭くなります。その機に乗じて、何かでかい事をしでかす。」
288ウルトラマンリュウラ:2007/06/23(土) 16:13:37 ID:9dE2BpTz0
 しばらくの後、マミヤ ヤタは基地の中で陛下と一度離れ、一人食事を取っていた。そこへ現れたヒスイは、彼の首根っこを掴み、壁へ押し付ける。
「…どういうつもりだ兄貴、あの少年は未だ九つだ。」
「っ…。陛下の御前で礼儀を取れない者に九つも十もあるか。離せ、勝手に家を出て行った身分で。」
「あの光景を見て陛下がどうお感じになるか、そんな事も分からんのか?」
家を継ぎ、現人神の側近となった長男。家を嫌い、民の盾となった次男。
「…すまん、ここまでだ。」
ヒスイは兄の襟首を離す。ヒデアキがこちらを見ていた。
「マミヤさんは、お兄さんと仲が悪いの?」
どう答えればいいのだ。仲は確かに悪い。しかし率直に「うん、最悪だ」と言っても良いものか。
ここは「いや、少々闘いごっこをしていただけだ」と言おうか。ダメだ。このような小さい子供にウソは良くない。ああどうする。さあどうする。龍よ、どうする。
《我が知るか。》
「兄弟喧嘩ってヤツだ。お兄さんが弟のおやつ黙って食っちまったんだ。」
通りがかったワタリベが助け舟を出してきた。
「なあ、見ろ、弟のヒスイさんは真面目な面してんじゃねえか。それに引き換えお兄さんはどうだい?立派な仕事してんのに栄養取れてないからおやつ盗んだんだぜ。見ろ、茄子みたいな顔色してやがる。」
それはもう医者にかかるべき顔色だと思うのだが、ヒデアキはようやく笑ってくれた。
「…下らん!ヒスイ、私は陛下と共に宮内庁へ帰る!車はどこだ?」
顔色を茄子から唐辛子に変え、車舎へ向かうヤタ。

 「ヒデアキ君。それで、何故君はあんな所へいたんだ?」
ヒスイは聞いてみる。今度は最大限優しく。
「実は、こないだ弟が産まれたんだ。それで今朝、母さんから弟に玩具を買ってきてくれって頼まれたんだけど,
あの尻尾に襲われて…。それで玩具を無くしちゃったから、瓦礫の中に転がってないかと思って探してたんだ。」
そんなものまた買えばいい、という言葉をヒスイは何とか飲み込んだ。
289ウルトラマンリュウラ:2007/06/23(土) 16:15:22 ID:9dE2BpTz0
この少年にとって、自分のためでなく弟のために玩具を買いに行くということは、自分に与えられた責任を果たす事であった。
その責を果たさない内は、家に帰れない。だから玩具を発見しなければいけない。自分へ課した義務に追い詰められ、尻尾への恐怖にも追い詰められ。
「そらあ、泣くわな。」
ワタリベの心底暖かい口調に、ヒデアキは再び涙を零す。
「うし、マミヤ。大宰に言っといてくれ。オレはヒデアキと一緒に玩具探しに行く。」
ヒスイの反論も聞かず、ワタリベはヒデアキを軍用車リョウブに引っ張り込み、とっとと現場へ出て行ってしまった。
しかも、陛下、ヤタの乗る牛車に追従して。

 「困るんだけどな。」
ヘキは笑いながらワタリベの独断を愚痴り、例の尻尾の軌跡を全員に見せる。
「基本、尾は鞭の如くしなって目標を打つ、全方位型の武器です。
しかし今回の尾は…破壊された商店の形からも分かりますが、直線的に動いてる。
これほど非効率的な破壊活動を行う敵は、今までのところノバテラ星人くらいのものです。」
配布された地図には、この尾で破壊された箇所が確かに直線的に描かれている。
カンナはふと筆を取り、その直線を伸ばしてみた。すると…陛下らのご帰路と交差する!
「大宰!」
「うん、急がないとね。レイハ出陣!何としても陛下と、ヒデアキ君の義務。両方を守りましょ!」

 ワタリベも無論その報告を受けた。
「…ヒデアキ、おじさんちょっと仕事が入っちまった。一旦玩具無くした場所から離れるぞ。…大丈夫だ、あとでちゃーんと探してやっから。」
ワタリベはそう言う。しかしヒデアキは不満だ。尻尾があったということは邪仙とか神とか怪獣とか言うでっかい奴らが正体だろう。そいつと戦って瓦礫ごと玩具が踏み潰されたらどうするのだ。
ヒデアキはワタリベの隙を突き、リョウブから脱出、玩具を探しに行く。
「お…やべえ!」
焦るワタリベ、軍から連絡を受けて道を変える陛下ご一行。そこへ、尾が出現した。
290ウルトラマンリュウラ:2007/06/23(土) 16:16:10 ID:9dE2BpTz0
尾は真っ直ぐ陛下がご搭乗なさっている牛車へ向かってゆく。曲がりきれない…。
閃光が走り、尾の動きが鈍った。閃光の主は、レイヒュウゴ。
「僕の開発した超長距離圧殺砲。通常の光線砲とは射程も精度も桁違いです!僕は偉いでしょう。」
ふんぞり返るヘキだが、すぐさまその表情が強張った。
尾は、動いている。しかも、陛下がご搭乗の車を襲った!
「ちぇ…鬼道機関、縛の法、発動。動きを封じます!」
ユリノの法で動きは止まった。ワタリベと地上に降りたヒスイが陛下を救出に向かう。
しかし、尾は未だ動いている。いや、尾だけではない。敵は全身を地上へ露出させた。
姿は虎に似る。しかし頭部は人面。猪の牙と長い尾。
トウゴツ。
中国に伝わる、四凶の一。

トウゴツは、ひたすら前進する。レイハの攻撃を浴びて転倒しても、防御する事を知らずとにかく襲い掛かる。
ヒスイとワタリベは陛下とヒデアキの姿を探す。すると、二人の元に連絡が入った。
陛下は現在、護衛らの車へお乗りになり、別の道から安全地帯まで脱出、これを経由し宮内庁へ戻るご予定であると。
しかし、先程の急襲で、一人現場で消息を絶ったと。
それは、大陛徒 マミヤ ヤタ。
291ウルトラマンリュウラ:2007/06/23(土) 16:17:24 ID:9dE2BpTz0
ヒデアキは、ふと気付くと暗い瓦礫の中に居た。下敷になっているわけではなく、ある程度の広さを持つ空間である。様々なものが散乱し、いささか廃墟のようであった。
脇を見れば、顔色の悪い男が一人、瓦礫を掻き分けている。マミヤさんのお兄さんだ。
「気がついたか。」
ヤタはこちらを見向きもせず、ぶっきらぼうに言う。このあたりは弟に似ているかもしれない。そういえば、自分はどうしたのだろう。
ワタリベさんの車から脱出して、尻尾に襲われた。ヤタがひっくり返った牛車から豪華な服を着た貴人を必死に引っ張り出し、別の車に乗せ、自分へ近付いて来た。
そこで意識が途切れて…。
「そうだ。私はお前を弟の元へ運ぼうと思ったのだが、尻尾がそこら中を破壊して、我々二人はここに閉じ込められてしまった。
陛下は救えた。あとはお前をこの瓦礫の中から外へ出してやれればいいんだが…。」
何故だろう。この人は自分を床に擦り付けさせる嫌な人だったのに。
「…ヒデアキといったか。お前には弟がいるのだな。」
ワタリベさんたちとの会話が丸聴こえだったのだろうか。
「弟は…ヒスイは立派な奴だ。私は語学、奴は数学が得意だった。それに、奴は武芸に優れている。
私が勝った事など一度もない。正直、頭ばかり大きな私より、文武を兼ね備えたヒスイの方が陛下をお守りするのには向いていた。」
何を言いたいのか分からない。
「しかし、奴は逃げた。私は奴の分まで真宮の家の責務を果たそうとしている。だから…。私はヒスイの前で、自分を大きく見せたいのだ。自分の仕事を果たすところを見せてな。
そして、兄として立派だと思ってもらいたい。…しかし、私はそれが絶望的に不得手なのだ。
だから…、すまなかった。」
そんな事を考えなくても、兄は兄、弟は弟、それぞれの場所で頑張ればいいじゃないか。そう言った後、自分も弟のために、自分自身へ無理させていたことを思い出した。
「そうだな…。真宮の先祖は、元来ただの武人。民を救う戦の中、時の帝に認められ、今の地位に上り詰めたという話だ。そう言う意味では、ヒスイも真宮の仕事を果たしている。もう少し気楽に考えれば良いのかもしれん。お前も、私もな。」
292ウルトラマンリュウラ:2007/06/23(土) 16:20:36 ID:9dE2BpTz0
その時、外側から瓦礫が取り除かれた。夕闇に包まれた外界と、手を差し伸べる二人の屈強な武人。ヒスイとワタリベ。
「おうマミヤの兄ちゃん!聞いたぜ、陛下を命がけで助けてくれたんだってな!」
それだけじゃないよ、僕のことも助けてくれたんだ。とヒデアキが訴える。
ヒスイは少し驚き、兄に柔和な笑みを向ける。
「俺達レイハが成しえなかった事、よくやってくれたな!感謝するぞ。」
ヤタは鬱陶しげにリョウブの扉を開ける。
「この少年をすぐにでも安全な場所へ運ぶべきだろう。ヒスイ、早く動かせ!」
と、トウゴツがこちらへ接近してくる。敵は何度攻撃しても退かない。ダメージは負っている筈なのに。
ヒスイはワタリベに二人を任せ、レイエンキュウ片手にトウゴツへ突進してゆく。
「ヒスイ!無茶をするな!」
留めようとするヤタにヒスイは笑む。
「兄貴。アンタは陛下の片腕として真宮を継げ。俺も真宮を継ぐ。民の盾として!」
走り去るリョウブ。見送るヒスイ。角に入るリョウブ。舞う光の龍。

 ウルトラマンリュウラが、トウゴツの前に立ちはだかる!
トウゴツはこれ以上無いほどの強敵出現に高揚、直線的に尾を振りぬく。
これを蹴り一発で弾き、体勢を崩したところへ額の第三の眼からショットスパークルを放射。
しかしトウゴツは倒れず、再びリュウラへ突進してくる。猪の牙を掴み、リュウラはどてっ腹にシャイニングヴァイパーを突き立てる!
人面から吐血する様にもリュウラは心を動かされず、淡々とダメージを与え続ける。しかし、敵はそれでも倒れない。
体中から流血しながらもひたすらにリュウラへ飛び掛ってゆく。それ程戦いが楽しいか。虎の体に乗った人面が、恍惚の笑みを浮かべた。
リュウラは見ていられず、コウへ変身。シャイニングボムを連発する必殺技、ドラゴンスピンを繰り出した。
無数の光弾を浴びせられ、トウゴツは遂に消滅し始めるが、最後に残った人面だけは笑みを浮かべながらリュウラへ飛び掛って…いこうとしていたようだ。

 天皇陛下までも巻き込んだ事件は漸く幕を閉じた。
293ウルトラマンリュウラ:2007/06/23(土) 16:21:46 ID:9dE2BpTz0
トウゴツが消滅した付近で一人の子供と三人の成人男子が瓦礫を掘り返している。
「あったあ!」
ヒデアキの手にしっかりとガラガラが握られていた。
「よっしゃ!しっかし…瓦礫に埋もれてた割にやたらと綺麗だなあ。これならちょっと洗って紙を張替えりゃ、すぐ赤んぼに持ってけるぜ。良かったな。」
ワタリベの笑顔に笑顔で応えるヒデアキ。
それを遠くから見守るヒスイとヤタ。
「なあ兄貴、偽物を渡してしまっていいのか?」
「本物はこんな状態だ。赤ん坊の玩具としては有害に過ぎるだろう。」
ヤタの手には、本物のガラガラ…の破片が砂まみれになって乗っている。
今ヒデアキが手にしているのは、ヤタが急いで買ってきた新しいガラガラ。
「ヒスイ、正直なだけでは渡っていけんぞ。」
ヤタは人の悪い笑みを浮かべ、宮内庁へ帰ってゆく。
「んじゃ、ヒデアキも家に帰っか?しかし遅くなっちまったなあ。ま心配すんな。オレとマミヤさんで謝りに行ってやるからな。」
ワタリベはそう言って、二人をリョウブに乗せる。
ヒデアキは、去り行くヤタへ叫んだ。
「ありがとう!」

数日後、ヤタの元へヒスイから菓子折りが届いた。
294ウルトラマンルミナ:2007/06/23(土) 17:48:43 ID:xnEiJNrDO
本文は夜投下します。
その前に設定投下します。足りない部分は随時追加予定です。

〔ウルトラマンルミナ〕
ダイナとスフィアの最終決戦から5年、突如として現れた光の巨人。
姿はティガやダイナに似ているが、出自を含め謎が多い。
光線技に優れたスパーク、スピードに優れたソニック、パワー優れ
たアトミックという3つタイプを持つ。

〔必殺技〕
デミュレイト光線
腕を十字に組んで放つスパークタイプの必殺技。事前にポーズを取
って放つ強化型もあり、威力は3タイプの必殺技の中で最も高い。

レグリューム光線
弓を引く様なフォームで左腕に溜めたエネルギーを打ち出すソニッ
クタイプの必殺技。高い貫通力と命中精度を誇る。

フェガリオン光線
突き出した右拳から放つ超高熱の破壊熱線で、アトミックタイプの
必殺技。熱線という性質上、相手によっては非常に効果的な技。
295ウルトラマンルミナ登場人物:2007/06/23(土) 17:50:58 ID:xnEiJNrDO
〔ハイパーGUT〕
スズカ・キョウ
本作の主人公。心優しく真面目な青年だが、いざという時は驚く程
大胆な行動をとることもある25歳。ルーセンターを用いて光となる。
シライ・マコト
H‐GUTの隊長。クールだが人情に厚い面もある38歳。
サワ・リョウコ
H‐GUTの副隊長。判断力、行動力に優れ、現場指揮を執る27歳。
ハギワラ・ヨウスケ
二丁拳銃を自在に操る銃の名手。熱血漢だが冷静さも併せ持つ29歳。
アカギ・ショウゴ
H‐GUTが誇る発明家。人柄が良く、ムードメーカーでもある29歳。
イナバ・ユキ
H‐GUTのエースパイロット。キョウとのコンビが多い24歳。
フジシマ・カズト
幼少時からTPCで育った天才児。主にオペレーターを勤める18歳。
296ウルトラマンルミナ登場兵器・武装:2007/06/23(土) 17:52:22 ID:xnEiJNrDO
〔メカニック〕
ガッツスカーレット
2人乗りの小型戦闘機。機動性に優れるが、武装はビーム砲や自動
追尾ミサイル等、豊富に装備している。
ガッツウィスタリア
4人乗りの中型戦闘機。機動性はスカーレットに劣るが、戦闘力は
上。最大の武器はGASPR砲。
ガッツアンバー
先端にドリルを装備している地底探査機。
ガッツネイビー
マニピュレーターを装備した小型万能潜航艇。
バーミリオン
2人乗りの偵察車。
ラピスラズリ
4人乗りの軽装甲車。

〔武装〕
ガッツシューター
全隊員が携帯する銃。カートリッジ交換により機能変換が可能。
バーストランチャー
大型のビーム。砲高エネルギー弾を連射でき、高い火力を持つ。
297リュウラ著者:2007/06/24(日) 11:58:53 ID:1MmnraEy0
昨日は話を書き終わったとたん規制を食らったので挨拶できませんでした。
>>284
言ってくださるのはうれしいんですが、我々は別に「見せつけてやる」という意識ではなく
「書きたいから書いてるんだ」というだけなのでご理解ください。
現時点でまとめサイトが復旧していないので生放送スタイルになるのが残念なところです。

でそのまとめサイトの方でも挨拶させてもらいましたがルミナさん、お待ちしてます。
298アルファ→現パラレル作者:2007/06/24(日) 23:02:10 ID:zAmJoFX10
私もルシファーの1〜2話辺り目を通しましたが、別につまらないとは
思いません。面白かったです。改善点は色々あるとは思いますが、
それは自分も同じだし。
299アルファ→現パラレル作者:2007/06/24(日) 23:15:32 ID:zAmJoFX10
続き。
リュウラ著者様。初期の頃を思い出すレイハの対怪獣作戦の流れと、
ヒスイとヤタのヒューマンなドラマがよかったです。
しかし、しょうがないなあヒスイ。

ルミナ作者予定様。ティガ、ダイナの直系というのは前に一度企画だけ
出て結局作品として出てこなかったケースがあるので、今度こそはと
楽しみにしてます。
300ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/06/25(月) 02:27:19 ID:RQx5sUtT0

時刻はさっぱり判らないが、民家の灯りが次々に消えていく所を見るともう消灯時間らしい。
時間が来たらさっさと寝る、などと言う習慣は今の日本にはほぼ皆無のせいか道城とレイジは妙に感心した。
シュトルムに今宵の寝床へ案内され暗い町中を事数分、年季の入った他の家と比べ一回り大きな建物へ到着。

「とりあえず今夜はここで過して頂きますが、中で既に子供達が寝ているのでお静かに…」
小声で、音を立てないようにゆっくりとドアを開きながら、シュトルムは警告した。
ここが宿屋などではなく、孤児院。と道城が悟るには時間がかからなかった。
この町で‘子供達の楽しいお泊り会’など開くほどの余裕は無い事は解りきっているからだ。
3人は忍び足で中へ入るが、どうしても腐った木の板の床がギシギシと足音を鮮明に捕らえる。
足元には、毛布を包んだ小さな体がゴロゴロと寝返りを打っている。この部屋だけでも、10人ほどはいる。

「おい…ドーラン…私だ。」
さらに奥にある扉をゆっくりと開くシュトルム。扉の向こうには30代ほどの女性が椅子に座っている。
案内されるがままに道城とレイジは女性に対し会釈しながらその個室へ入った。

「あんた達かい、女王さんのお客さんってのは。私はドーラン。一応ここで子供達の世話なんかしてるよ。」
いわゆる‘肝っ玉母さん’のイメージぴったりの風格に、レイジはようやくマトモそうな人に会ったと
安心した。正直、甲冑集団や、シュトルムも変に余所余所しくて気が許せなかったのだ。
道城が1通り挨拶と状況説明をしてる最中、ドーランは部屋の隅にあった毛布を2人に1枚ずつ渡す。

「ま、あんたらも色々大変だったみたいだけど、とりあえず今は体を休ませな。
詳しい話はまた明日にでも子供達に聞かせてもらおうじゃない。いい小話になりそうさね。」
キョトン、と道城は毛布を持ちながらレイジと目を合わす。まだ一番重要な部分を話してないのだが…。
だが、ドーランの言う事も尤もで、もう眠たくて仕方が無い。急に今までの疲れが押し寄せたようだ。
シュトルムも自宅へと戻り、気づいた頃にはすでに夢の中だった。
301ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/06/25(月) 02:28:17 ID:RQx5sUtT0

翌朝―

カミヤ・レイジはゆっくりと目蓋を開く。いつもなら、目覚ましが鳴り響き、ベッドから飛び降り、
顔を洗い寝間着から隊員服に着替え‘朝からナンボ!’で今日の運勢をチェックし、司令室へと向かうのだが、
今朝は違った。目覚ましの電子音の代わりに鶏のあのどこか懐かしい鳴き声が耳に入り、
ベッドでなく毛布で身を包んだ状態で目を覚まし、隊員服を着たままで、テレビも見当たらない。
あー、やっぱ、夢じゃ無かったかとむっくりと起き上がり背筋を伸ばす。板の上で寝たからか妙に肩がこってる。
周りを見ると誰もいない。他の者はもうすでに起床したらしい。ボリボリ頭を掻き毟りながら部屋を出るが、
やはり誰もいない。皆外に出てるようだ。外へのドアを開けると、そこには広場があり、広場の隅では
道城が子供達に囲まれていた。道城はすでに自己紹介し、子供達に質問攻めにあってる様だ。
朝から甲高い声でやれどこから来たのだのやれ変な服着てるねだの道城も対応しきれてない様子である。
そんな光景を寝ぼけ眼で眺めてると、横からドーランが話しかけてきた。

「おはようさん、よく寝れたかい?」
「あ、おはようっす、いい天気…じゃないですね。」
そう、天候は相変わらず曇り空で、清々しい朝という空気では無い。

「まー、ここんとこはこんなもんさ。それより、えっと、レイジだったかい? 
ちょっと道城の加勢に行ってやりな。朝ごはんだって。」
子供達の圧倒的な純粋無垢パワーに押されて半ばうろたえてる道城を指差すドーラン。
レイジはほいきたと快くそれに従い広場へ駆けて行った。

「はい、そこまで! 朝飯だってよー!」
「あー、ちがうおじさんだー!」
「あのおじさんも変なの着てるー!」
道城に纏わり付いていた子供達が今度はレイジに向かい押し寄せる。
いやいやいやいや、俺まだ21だよ、21でおじさんって30になったらどうなるんだ
というありきたりなツッコミは敢て胸に収め、足元にしがみついた小さな男の子をひょいと抱っこし、
そのまま子供達の相手で疲れ果てた道城に話しかけた。
302ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/06/25(月) 02:29:02 ID:RQx5sUtT0
「人気だねぃ、道城さんよ。」
「はは、下手な怪獣よりも厄介だよその子達。」
「こらー! あんた達! いい加減それ以上お客さんを困らせたら朝ごはん減らすわよー!!」
痺れを切らしたドーランの一括で全員が一斉に建物へと戻って行く。2人も笑いながら戻る。
皆役割分担しながら朝食の準備をし、揃って椅子に座りいただきますの挨拶をする。
その光景に、小学校の給食の時間を思い出しノスタルジックを覚えた。
献立は硬い麦パンとやたら味の薄いコーンポタージュのみだが、誰も文句言う事無く楽しく食事していた。
道城達の周りに座る子供達は、口周りにスープをくっ付けながら話を求めていた。
こと口の軽い方であるレイジは進んでこれまでの事を語る。道城は考え事をしつつも微笑んでいた。

「だからな、こう、俺がエーアールαで宇宙を飛んでると、急にここの空にたどり着いちゃったんだよ。」
レイジは手のひらをαに見立て、ジェスチャーするが…

「宇宙ってなにー?」
「なんで空を飛べるのー?」
「エーアールってなんなのー?」
…かなり根本的な所から説明せねばならないようだ。

「な? 厄介だろ?」
道城が苦笑する。確かに厄介だ。
結局その辺の説明はできぬまま朝食時間は終わり、後片付けしながら、レイジはドーランにある事を問いた。

「あのー、便所ってどこですかね。」
「外に出て建物の裏だよ。」
「レイジ君、覚悟した方がいいよ…。」
また道城が苦笑してる。嫌な予感が……的中した。
建物の裏に、小さな小屋があった。中に入ると…そこには、底の見えない穴。そして、穴に掛けられた板。
これぞ、今や田舎ですらもなかなか見かけない古き良き人間の知恵‘ボットン便所’である。

「ぬ…ぬ…ぐぬぬぬ…ぬぬ…ぬ…ぐぬ…」
水洗以外のトイレなど考えた事もない現代っ子なレイジにとって、
かつて月面でディストと戦った時並みの戦慄と葛藤を覚えた―
303クラウス筆者:2007/06/25(月) 02:34:25 ID:RQx5sUtT0
延々ずっと人大杉に引っ掛かってたクラウス書いてる奴です。
オーバーとの合作は今後気長にやっていくつもりなのでお付き合いの程よろしくお願いします。

ルミナ作者さん、期待しています。
304名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 15:17:33 ID:IRaVUFgF0
ウルトラマンパラレル 01 宙(そら)に蠢く脅威
潜伏宙獣・ディメンジョンモンス 他 出現


 東京郊外の山中。
 いきなり、怪獣が登場していた。
 地球産の怪獣。普段我々が自然に目にする爬虫類の類をそのまま大きくしたような姿で、
然程目立った特長がない。四足でずんずん谷を歩いていく。
 上空からそれに追随している、数機の白いカラーリングのホバー機・ジャイローター。
 やがて、山間の最深部辺りに達したところで怪獣は歩みを止め、地面を掘り始めた。
 そのままどんどん地に潜り、間をおかず、その巨大な姿を地の底に消した。
 ジャイローターの先頭機に乗る『チーム・ピジョン』のリーダー、矢野一郎(やの・いちろう)が、
彼らの上部組織である地球防衛軍・ガーディアンの本部に連絡。
「目標の怪獣、地底への誘導に無事成功しました」
 言った後、満足そうに笑う矢野は、一部隊のリーダーとしてはまだかなり若い。
 周囲で滞空する彼の仲間達もほっと息をつく。
 チーム・ピジョンの役目は、怪獣の殲滅ではない。人類に対して敵対する様子がないと判断された
怪獣を、可能な限り殺傷せずに本来の生活圏へ送り返すためのミッションの遂行である。そして、
既にそうしたミッションを複数回成功させている。
 チーム・ピジョン一同の願いは、『戦いを避けられる相手との戦いは極力避けたい、出来るならば
全ての命あるものと仲良く共存していきたい』だが、それだけでは無論活動予算は出ない。防衛軍上層部の
意図としては、戦いを避けられるなら地球防衛のための武器弾薬その他物資の消耗を抑えられる、それなら
それに越したことはない、そういう辺りで両者の折り合いがついていた。
305名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 15:18:36 ID:IRaVUFgF0
 一方、明確に敵対意識を持ち、戦わねばならない相手と戦うための部署も勿論ある。
 市街地の薄暗い地下通路を逃げ回る、一人の男。
 それを、黒い色の野戦服にも似た戦闘用スーツを着た兵士達が走って追い詰めていく。
 既に周辺住民には避難勧告が出され、無人になっている大きな地下ガレージの中で、遂に追い詰められて
一斉に銃を向けられた男は、人間の声ではない異様な唸りを上げ、等身大の侵略宇宙人の正体を現す。
獣のような姿になった男は、手から破壊光線を放ってくる。男を追い詰めた、防衛軍屈指の対怪獣・侵略者
戦闘部隊『チーム・ホーク』の歴戦の猛者達も、迂闊には攻め込めない。
 が、チーム・ホークは回避を続けながら、反撃のための布陣を確実に敷いていた。
 光線を撃った直後の宇宙人の一瞬の隙を突き、一般兵士達の隙間から、これも若きリーダー・岸尾順
(きしお・じゅん)が飛び出し、光線の軌跡とぎりぎりですれ違い、レーザー銃をカウンターで撃つ。
 眉間を撃ち抜かれた宇宙人は、どさりと倒れて絶命した。

 新たに始まった今回の物語、世界設定としては一応これまでのオリトラで受け継がれてきたM78系の
系譜、地球の各防衛組織もガーディアンの名の下に基本的に統合されている。長く続いてきた
戦いによって防衛隊のポテンシャルはかなり上がっており、地球を襲う度々の事件に対しても、大抵の
ことには自力で対応できるようになっていた。御蔭で、かつて地球を守るために光の国から飛来し、
防衛隊を助けてくれたウルトラマンと呼ばれる宇宙警備隊の巨人達も、もう長いこと地球上の
事件には関与しなくなっていた。本来なら地球は地球人類が自力で守るべき、心ある者達が折りに付けて
その言葉を受け継ぎ、それは現実のものになりつつあった。
306名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 15:19:52 ID:IRaVUFgF0
「いや、ご苦労さん」
 各々ミッションから帰還して並び立つ矢野と岸尾を、彼らの直属上司・竹原明彦(たけはら・あきひこ)長官が
わざわざ執務席から立ってねぎらう。立派な軍服を着ている長官だが、なんか見た目貧相な中年で、頭の生え際は
そろそろ危なく、黒縁の丸眼鏡に痩せぎすの体、物腰もへっぴり腰で余り威厳はない。
「流石両者とも若くして一部隊を率いるエース。君達のような人材がこれからの防衛軍を引っ張って行って
くれれば地球の未来は安泰だよ、うん」
 ハエのように揉み手擦り手しながら懸命に周囲をうろちょろしている。
「いえ、僕達は皆が毎日笑顔で幸せに暮らせればと願ってやっているだけですから」
 矢野は柔らかい微笑で答える。
「人間だけじゃない、地球全ての生きとし生けるものが皆争わずに手を取り合っていければ、それを常に
目指す所存です」
「うんうんそうだねえ、人類みな兄弟」
 ぶんぶん頭を縦に振って竹原は肯定。
 だが、それに対し、岸尾は仏頂面で、
「油断は禁物です、竹原長官」
「は?」
 表情を硬直させる竹原。
「理想を追われる矢野リーダーの理念も結構ですが」
 矢野の笑顔の端で、頬がひくっと引きつる。
「地球を狙う邪悪な未知の存在は、如何なる罠を張って如何なる死角から我々の日常を破壊してくるか
判りません。犠牲が出てからでは遅い。疑わしきものは疑うべきです」
「・・・う・・・うんうんそれもごもっとも! 注意一秒怪我一生!」
 竹原はあっさり態度を翻し、今度は岸尾の意見を肯定する。
307名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 15:21:05 ID:IRaVUFgF0
「岸尾リーダー。以前から僕は気になっていたのですが」
 矢野は努めて語気を抑え、
「貴方の怪獣や宇宙人への敵愾心は、防衛隊員の心構えというレベルの範囲を聊か逸脱してはいませんか」
「そんなことはない」
「いえ、僕にはどうもそうは見えません。貴方の方法論は決して得策ではない。何でもかんでも
疑い出したらきりがないじゃないですか。過剰な疑心暗鬼は却って無用な争いを引き起こすだけです」
「過剰かどうかというボーダーラインは誰が決める? 貴官の独断か?」
「いや、それは」
「寧ろ自分から見れば、貴官のやり方こそ非常に危なげなものにしか見えん。怪獣は所詮人間の思惑の外に
ある存在だ。こちらの感情など一切考慮せず、何時本能のみで勝手に動いて街を壊したり人を襲ったり
するか判らん。時には感傷に流されず冷徹な処断を下すことも必要ではないのか」
「それは心外だ! 僕らの活動は単なる感傷によるものではない! 地球を守っていくためによりよい
方法だと判断したから・・・」
「だからね、君達」
 竹原はおろおろしながら、
「これがたった一つのさえたやり方ですという答えが絶対出ない問題を何時までもこねくり回すのは
やめとこうよ。これだけでそろそろ読むのうざいとか思う人が多分出てきてるから。お互い万障繰り合わせて
てきとーに妥協点を・・・」
「「長官は黙っててください!!」」
「はいごめんなさい」
 綺麗にハモった二人の一喝で黙らされた。
 直後、緊急警報が本部基地内に鳴り響いた。
308名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 15:22:27 ID:IRaVUFgF0
 パニックになった都心部の状況を捕捉した映像が本部に入ってくる。
 ビルの谷間の何もないはずの中空から、無数の長い触手が伸びて蠢き、市民を捕まえては持ち上げ、
宙に開いた穴に取り込む。そして又伸びてきて同じことを繰り返す。
 大モニターの前で戦慄している一同。オペレーターが動揺しつつ報告。
「触手の伸びてきている穴は別空間に繋がっています。穴の向こうに別の巨大生物が存在し、捕食活動を
行っていると思われます」
「事前にレーダーで捕捉できなかったのか!?」
「全く・・・」
 防衛隊のレーダーに引っかからない怪獣が現れたのは数年ぶりである。
「やってくれるぜ・・・!」
 ああ何てことだとうろたえている竹原を後目に、岸尾は作戦室を飛び出しつつ、
「直ぐ現地へ向かって迎撃する! チーム・ホークにも招集をかけろ、全員出動だ!」
 やや遅れて矢野も駆け出す。
「チーム・ピジョンも出ます! 現地の避難誘導の援助と救助活動を行います!」

 都心へ飛んでくるジャイローター隊。逃げ回る市民を誘導。負傷して倒れた市民は、ジャイローターから
チーム・ピジョン隊員が降下して直接救助、応急手当を行う。
 一方、チーム・ホークの黒い戦闘機・ダイバージェットの編隊。
 現地の上空に駆けつけたはいいが、巨大生物は別空間から触手を出しているのみで本体が見えないため、
どう攻撃していいのか判らない。
「・・・どうしますか、岸尾リーダー?」
「取り合えず、レーザー砲で触手を焼き切っていけ! 街への被害だけでも食い止めるんだ!」
 指示を受けたダイバージェット隊は攻撃を開始するが、焼き切っても焼き切っても触手は次々生えてくるので
きりがない。
309名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 15:23:30 ID:IRaVUFgF0
「うわあっ!?」
 やがて、ダイバージェットの一機が触手に捕まった。ぐいぐいと別空間の穴に引っ張られる。
「おのれ・・・俺の部下に手を出すな!!」
 岸尾は自機を突出させ、レーザーを撃ち込んで触手を切り飛ばし、味方機を救った。
 だが、そこで別の方向から襲ってきた触手に自分が捕まってしまった。
「くそ・・・焼きが回ったか!」
「岸尾リーダー!」
 戦況を見た矢野が、岸尾を助けるため、自分のジャイローターを飛ばした。
 そして・・・矢野も触手に捕まった。
「あー、しまったー!」
「お前・・・ジャイローターには大した武装もないのに、何考えてるんだ!?」
「いや、つい・・・」
 うわ〜とか言いながら、二人は別空間に引き込まれていく。

 毒々しい原色の光に満ちた別空間に浮遊していた巨大生物の本体は、一見直立恐竜型のスタンダードな
怪獣にも見えるが、腹部に巨大な花弁のような口があり、牙を剥いて開閉している。触手はその口から伸びていた。
「アーカイブで似たような種を見たことがあるが・・・」
「あれは確か宇宙怪獣と地球産の特殊な食肉植物の混血種です。多分起源は全く別物でしょう」
 岸尾も矢野も妙に冷静。もっとも、既に巨大な口は目の前で、どうこうできる状態でもない。
「あの世への門出がお前と同道というのだけが納得行かないが」
「そうですね」
 二人が覚悟を決めようとしていたとき。
310名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 15:24:34 ID:IRaVUFgF0
 怪獣の背後から、眩しい光が迸った。
 その光の中から、二本の腕が伸びる。
 おののいている怪獣の腹部に手を回し、ダイバージェットとジャイローターを捕らえている触手を掴む。
 力任せに引きちぎる。
 痛みに絶叫する怪獣。
 自由になった両機の二人は、突如現れた光を見つめる。
 光は次第に一箇所に圧縮され、一つの形を作っていく。
 もう言うまでもない。光の巨人、ウルトラマンである。こんな奇跡をなせる存在は他にそうそういない。
 只、その姿がはっきりしていくにつれ、見ていた二人は首をかしげたり目をこすったりする。
 ちょっとおかしい。
 巨人の巨体が銀色で、その体に神秘的な模様のマーキングがなされているのも前例通り。だが、その色が、
赤だけではない。
 右半身が赤で、左半身が青。
「・・・・・・」
 それは別の会社の別の等身大ヒーローじゃないのかと突っ込みたくなるのを、二人は必死で踏み止まった。

 そんな思惑を他所に、巨人は、漸く痛みから立ち直って猛り立った怪獣と戦い始める。
 怪獣は再び腹の花弁から無数の触手を伸ばして巨人に絡みつかせ、引き寄せて食らおうとするが、
巨人は元よりそんなものはものともしない。手で体から触手をあっさりむしりとり、支えを失った怪獣は
思わず後ろにつんのめる。そこへ迫り寄り、巨人は拳や手刀を連続で入れてダメージを与えていく。
 怪獣がふらふらになったところで巨人は飛び離れて間合いを取り、両腕を怪獣に伸ばして向ける。
311名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 15:25:41 ID:IRaVUFgF0
『ニリツハイパー!!』

 異次元に技名の叫びが迸る。
 それぞれの腕から、赤い光線と青い光線が同時に発射され、螺旋状に絡み合って怪獣に命中。
 怪獣は腹の口から背中まで貫かれ、更に太い光線の回転で粉々に粉砕され、跡形もなくなった。

 殆ど苦戦らしい苦戦もしなかった戦いぶりに圧倒されている二人に、ウルトラマンは顔を向けた。
思わず引く岸尾と矢野。
『すまない』
 その声が、直接二人の脳に語りかけてくる巨人のテレパシーであることは直ぐ判った。寧ろ二人は、巨人の第一声が
何故先ず詫びなのかをいぶかしんだ。
『君達以外の地球人を助け出すのは、間に合わなかった』
 その言葉で二人は、怪獣によって多数の犠牲が出たことを思い出さされる羽目になった。
「・・・まあ、そういうこともあるさ」
 矢野は精一杯のフォローをした。
 そして岸尾と目配せし、とにかく事態の説明を求めようとしたとき、
『後、もう一つ、君達に悪い報せを伝えなければならない』
 ・・・この上何を言い出すのかと構える二人。
『先ず、これを見てくれ』
 胸を張り、全身から光をゆっくりと放つウルトラマン。すると、極彩色の異次元の景色が変貌していき・・・
「・・・・・・
 何だ、これは!?」
 見回して思わず叫ぶ岸尾。
 巨大な異形、異次元怪獣であろうものの無数のシルエットが、周囲360度辺り一面を泳ぐように蠢き回り・・・

 続く。
312アルファ→今回よりパラレル作者:2007/06/27(水) 15:28:26 ID:IRaVUFgF0
まとめサイトのBBSで既に投下した新作なのですが、ここでも投下が
又可能になったので、初期段階で話数が少ないうちにこっちにも
投下しておきます。又よろしく。
近いうちに、既に上がっている2、3話も投下します。
313名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 20:13:52 ID:IRaVUFgF0
次。


「何だ、これは!?」
 見回して思わず叫ぶ岸尾。
 巨大な異形、異次元怪獣であろうものの無数のシルエットが、周囲360度辺り一面を泳ぐように蠢き回り・・・
 そのうちの一頭が、大きな口を開けて牙を剥き、岸尾のダイバージェットに迫ってきた。
矢野「岸尾リーダー!?」


ウルトラマンパラレル 02 並行宇宙から来た巨人
強襲宙獣・ステルザーク 他 出現


 だが、岸尾のダイバージェットが飲み込まれることはなかった。
 半透明の巨大怪獣は、ダイバージェットをすり抜け、そのまま泳ぎ去っていく。
「・・・どういうことだ?」
『これらは本物ではない。私の力で映し出した映像だ』
 相変わらず異次元の中空に浮かんでいる謎のウルトラマンがテレパシーで解説する。
『だが、本物は現在確かに存在している。しかも、地球周辺のありとあらゆる並行宇宙に』
「何・・・だと!?」
314名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 20:14:54 ID:IRaVUFgF0
 巨人の言うことには。
 地球への度重なる侵略に対し、かつてのウルトラマン達は何度となく戦い抜いてこれを退け、
地球人類自身も自助努力することを覚え、自分達で地球を守るための力を確実なものにし続けてきた。
結果、怪獣も宇宙人も並大抵の方法では地球に攻め込むことが出来なくなった。それどころか、下手に
攻め込めば返り討ちにあって殲滅される。地球上に居場所がなくなった怪獣は、別の場所に雌伏する
ようになった。
 別の場所、即ち、地球上でない異次元空間に。
「ちょっと待て」
 岸尾が割り込む。
「お前達ウルトラマンや他の宇宙人でない、まともな知性を持っていない怪獣に、異次元への転移などという
高等な手段があるのか?」
『それをなしえるのが、怪獣という計り知れない存在の底力だ。かつて、怪獣を強化改造した超獣を
操って異次元から地球侵略を企んだ邪悪な種族・ヤプールという前例もあり、下地がなかったわけではない。
無論、通常生き物がまともに暮らしていける環境でない異次元で生き延びるのは並大抵のことではない。
だが、怪獣達は多くの犠牲を出しつつも凄まじい生存への執着でそれを成し遂げ、寧ろ、特殊な環境に適応して
能力を強化させていった。そして、かつてとは比較にならない恐ろしい力を獲得し、再び地球圏でその猛威を
揮う機会を窺っているのだ。
 最早かつての怪獣ではない彼らを、我々は、並行宇宙に適応した超強化怪獣・・・「宙獣」と呼んでいる』
「宙獣・・・?」
『そうだ。その宙獣達の地球への侵攻を阻止するために、私は来た』
315名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 20:15:50 ID:IRaVUFgF0
 矢野は、ジャイローターのコクピットからウルトラマンを見上げ、
「そういえば・・・君の名は、何ていうんだ?」
『並行宇宙、パラレルワールドからやってきた光の巨人。ウルトラマンパラレル』
「ウルトラマン・・・パラレル」
 わざわざ口で復唱する矢野。
『君達に警告する。くれぐれも宙獣に気をつけるのだ。これまでよりもランクアップした
君達地球人類の防衛組織の戦力と団結をもってしても尚、宙獣は恐るべき相手だ。私だけの力では
防ぎきれないかもしれない。対抗するため、君達も更に堅固な守りを敷く準備を整えるのだ・・・』

 岸尾と矢野はもう少し突っ込んだ話を聞きたかったが、ウルトラマンパラレルはそこまで話したところで
問答無用で自身の能力を発揮し、二人を乗機ごと地球の通常世界へ送り返してしまった。

 ウルトラマンの語ったことを二人は人に話すべきか悩んだが、結果、ガーディアン所轄の本部基地に戻って
異次元で起こったことを全て伝えた。黙っておくほうが後々まずいと判断して。
岸尾「我々の精神状態を疑うのは勝手ですが」
矢野「そういう言い方すると却って人間的信用なくしますよ」
 竹原長官は事態を受け入れられず既に気絶している。
「別に疑いませんよ。そもそも私達はそういう未知の緊急事態に対応するための組織なのですから」
 代わって、竹原長官の副官である参謀、篠田香織女史が答えた。
316名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 20:16:54 ID:IRaVUFgF0
篠田「しかし、そのウルトラマンの言ったことが事実だとすれば、これは相当慎重に掛からなければいけませんね。
多数の怪獣・・・宙獣が異次元に潜伏し、何時不意に襲ってくるか判らないのも脅威ですが、その事実を迂闊に
一般に公表していいのかどうか・・・」
矢野「気をつけてくれと言ったって、どう気をつけていいのか判らないわけですからね。却ってパニックが起こる
可能性が・・・」
篠田「その辺については改めて幕僚会議を開いて対応策を考えていくとして、宙獣の襲来を早い段階で察知する
何らかの手段を講じないことには・・・」
 そこまで話したとき、又緊急警報が響き渡った。

 都市の密集部に向かい、周辺のベッドタウン方面から、奇怪なものが接近してくる。
 鮫の背びれとしか思えない、高さ10mほどの尖った平たいものが、天に先端を向け、地表を高速で滑って
移動しながら建造物を粉砕していく。逃げ惑う住民達。
 作戦室のオペレーター達がスキャンしたところ、先に採取された最初の宙獣(作戦呼称・ディメンジョンモンス)の
触手の構成物と極めて近い反応を確認。更に、移動するひれの下の地下には何も反応がない。ひれの現れている
根元の周囲に時空の歪みが観測される。別空間からひれだけ出しているのだ。
篠田「宙獣・・・」
矢野「ちょっと第二波が早すぎないか・・・?」
岸尾「来たものはしょうがないだろう。チーム・ホークを率いて迎撃する・・・」
矢野「どうやって!? 相手の本体は別空間にあるのを忘れたんですか!?」
岸尾「・・・それは・・・」
317名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 20:18:03 ID:IRaVUFgF0
 現地。
 恐慌が起こっている街の一角で、路地裏の物陰から、移動していく巨大なひれを見つめる一人の青年。
 異常な事態を間近で見ているにも関わらず、全く怯えている様子がない。
 それだけでなく、それ以外の表情も感じられない。一般のレベルから見れば美男の範囲に入るが、全く変化しない
能面のような顔。
 青年、狭間健二(はざま・けんじ)は只黙って、妙なアイテムを取り出す。
 メカニカルな柄の、先端が円柱状のクリスタルになった棒。クリスタルは赤と青の螺旋模様。
 健二は妙な棒『エクスパイラル』を右手で高く掲げる。
 クリスタルが赤と青の光を放って回り出し・・・散髪屋のディスプレイに見えなくもないが・・・
 光が段々増大していく。

 作戦室で事態を見ていた一同は、街の一角から赤と青の光が同時に迸り、続いて巨大な人の形の影が実体化していくのを
目の当たりにする。
岸尾「あれは・・・!」
矢野「あれです、僕達の見たウルトラマンは!」

 ウルトラマンパラレルは高くジャンプし、上空でとんぼ返りを打ち、進む背びれの進行途上の道路に静かに降り立つ。
殆ど振動もなく、建物が壊れたりもしない。
 路面を砕いて迫ってくる背びれを、身を沈めて両手で受け止める。激しい衝突音が響き、パラレルは踏ん張った後、
力の方向を上にそらせて背びれを引っ張り、宙獣の本体を異次元から上方へ引きずり出した。
 背びれに違わず、そのまんま巨大な鮫。全身は岩のようなごつごつした外皮で覆われている。
 放り出された宙獣・ステルザークは、海中であるかのように空中に浮かんで泳ぎ出し、敵と認識したパラレルを
狙って迫ってきた。鋭い牙がずらりと並んだ大きな口を開いて。
318名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 20:19:10 ID:IRaVUFgF0
 パラレルは焦る様子もなく、器用に身をずらして宙獣の突進を交わし続ける。
 そうしながら少しずつ位置をずらし、街の向こうに見えている、建造物のない山間へと、宙獣を誘導していく。
 山間に踏み込み、建物を壊す心配がなくなったところで、ハイジャンプして宙獣の真上を取る。
 そのまま急降下して両足でキックを放ち、ステルザークを下の山に叩きつける。
 ダメージを受けて苦しむステルザークの上にもう一度跳ね返り、落下と同時に今度は肘うちを見舞う。
 二撃で大ダメージが蓄積してもがき苦しむステルザークから離れ、
『ニリツハイパー!!』
 又も両腕からの赤と青の螺旋の必殺光線を命中させ、第二の宙獣をも木端微塵に粉砕した。

「凄い・・・凄いぞ、ウルトラマンパラレル!」
 無邪気なほどに喜ぶ矢野。
「一体、奴は何者なんだ・・・?」
 岸尾は只驚きでモニターを見張っている。
 両者の思惑を知ってか知らずか、パラレルはゆっくりと空を向き、大地を蹴って飛び去り、空の彼方で
別空間への穴を開けてその中に消えていく。多くの謎を残して。
 かくして、防衛軍の戦士達とその前に現れた巨人の、新たな戦いがここに開始されたのである。


 えー、新たに開始されてしまいました。
 以前、クラウス・メテオ・フォルテの三大ウルトラマン共演SPで、違う世界同士の行き来が可能になったことによって、
新たな問題が色々起きてくるであろうという前振りをしたことがありましたが、それが遂に現実になり始めたという
ことですね。
 他にも色々伏線張ってますが、それは徐々に明かしていくということで。
319名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 23:41:53 ID:Btii1+dE0
三つ目。


ウルトラマンパラレル 03 守りたい願い
肉食宙獣・ゴメジラ 他 出現


 本土の南方の海上に連なった小島、カツラギ諸島。
 かつてこの島では、ある有志の人物によって、人類と敵対する意志のない怪獣を保護しようという
試みが行われていた。
 しかし、色々不幸な事態が重なり、その試みは結局中途半端に終わり、以後長い間活動が再開される
ことはなかった。
 だが、地球上における人間と怪獣の共存を目指すチーム・ピジョンが、リーダーの矢野一郎の提案で
その活動を引き継ぎ、以後、好戦的でない地球怪獣が次々カツラギ諸島に送られ、試験的に飼育されていた。

 複数のジャイローターに誘導され、島の上の土地を定期的に移動していく数頭の怪獣達。いずれも見るからに
おとなしく気が弱そうで、暴れ出す様子は全くない。その様子を、地上基地から満足げに見る矢野と、
彼の副官、池波。
 池波は矢野より年上で背丈もあり、どう見ても矢野より見た目も頼り甲斐がありそうだが、普段から
偉ぶるようなこともなく、真摯に矢野の補佐に努めている。
「とうとうここまで来ましたね、リーダー」
「そうですね、池波隊員」
 矢野も池波に敬意を払い、蔑ろに扱うようなことはない。
 怪獣保護活動をここまでに持ち込むに至るまでは、実際様々な苦闘があった。怪獣を無条件に危険視する
市民団体、上層部と喧々諤々の予算審議。かつて怪獣保護を試みた資産家は、自身の権力と財力で周囲を
強引に黙らせて活動を強行していた向きがあり、それゆえに最終的には色んな方向から無理が来たようだが、
チーム・ピジョンは何度も反対派と会合の場を持ち、辛抱強く話し合って説き伏せてきた。
 しかし、かつての先達のやろうとしていたことそのものが間違っていたとは、矢野は思っていない。
要は手段と姿勢の問題だ、そう信じている。池波や他の部下達もそれに賛同し、自主的に協力している。
320名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 23:43:58 ID:Btii1+dE0
 そんな島の様子を、又別の一団が観測していた。
 岸尾順率いるチーム・ホークのダイバージェット編隊。島の上空を周回して状況を見届けている。
「どうも悪い予感がする」
「そうでしょうか?」
 岸尾の副官、黒部が尋ねる。
「カツラギ諸島の保護怪獣の監視はもう何年越しかで続いており、怪獣が暴れ出して周囲に危害を
加えようとしたようなケースは未だに見られないということですが」
「不安材料はそれだけじゃない」
 ここ数日、ごく微弱だが、異常な電波がカツラギ諸島の上空で観測されていた。これまで地球に襲来
してきた侵略者や宇宙怪獣の反応とも違う。岸尾はそれを警戒し、部下を連れてパトロールに来ていたのである。
「島の怪獣共自体には悪意がないとしてもだ・・・」
 と、ダイバージェットの計器から警報が鳴り響き、女性パイロットの石川が報告する。
「レーダーに反応! これは・・・例の異常電波です!」

「何だ!?」
 矢野と池波は、島から見上げた晴天の空に稲妻が走り、空の一角が次第に歪んでくるのを見た。
 やがて、歪んだ中空が破れて大きな穴が開き、その中から飛び出した巨大な影が、カツラギ諸島に
地響きを立てて降り立った。
 直立恐竜様の怪獣にも見えるが、体の要所を覆う硬い毛や装甲のような外皮。そして鋭く反り返った
角と爪と牙、強靭そうな長く太い尻尾。
「まさか・・・!?」
 そのまさか。第三の宙獣、ゴメジラである。
 突然現れたあからさまに凶暴そうな相手に、島にいた保護怪獣達は怯えて呻き、後ずさる。
 ゴメジラは舌なめずりをしながら、保護怪獣達に近寄ってきた。
 怪獣達は慌てて逃げ出し、それを追ってゴメジラも脚を早める。
池波「いかん、捕食する気だ!」
矢野「島内のジャイローター全て集合! 怪獣達を守るんだ!」
321名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 23:45:18 ID:Btii1+dE0
 矢野の要請で至急ジャイローターが集まってきたが、ジャイローター自体にはろくな武装がなく、宙獣に対して
何が出来るわけでもない。出来るのは保護怪獣の避難誘導くらいである。
 とにかく怪獣を逃がしている間、別動したジャイローター隊がゴメジラの正面に展開して気を引き、
麻酔弾を撃ち込んでみるが、そんな程度でどうにかなる相手ではない。ゴメジラは素早く手を動かして麻酔弾を
次々叩き落としている。何発かは体に当たっているが、硬い外皮に阻まれて針が通らない。
 やがてゴメジラはいらつき、素早く動き回って直にジャイローターを手ではたき落とし出す。動きの遅い
ジャイローターはばんばん攻撃を食らい、煙を吹いて次々不時着していく。
「あああ・・・」
 愕然と見つめる矢野。
 軒並みジャイローターを叩き落したゴメジラは、再び怪獣達を追おうとする。
 と、そこへ突然の銃撃。僅かに怯むゴメジラ。
 地上基地から、一機のダイバージェットが発進していた。只、機体色がチーム・ホーク所属の黒ではなく、白。
 池波が非常時のために、専用機として用意していたのだ。
「リーダー、私が宙獣を足止めします。その間に次善策を!」
 池波は宙獣に急接近しながら、ヒットアンドアウェイを繰り返す。よく粘る。
 いらついたゴメジラは、ダイバージェットとの間合いを見計らい、突然巨体を振り回した。
「何!?」
 しなった巨大な尾が迫ってきた。
 かすっただけで機体が強い衝撃を受け、池波機も煙を吹きながら不時着していく。
「池波隊員!!」
 呆気に取られて結局何の次策も思いつかなかった矢野に、通信のコールが入る。
「何をもたもたしてやがる」
 忘れもしない、岸尾の癇に障る冷たい声。
 チーム・ホーク編隊が漸く到着し、宙獣への攻撃を開始した。
322名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 23:46:47 ID:Btii1+dE0
 岸尾は後方に控えて部下達の戦いの様子を見つつ、矢野と交信を続ける。
「やっぱり悪い予感が現実になったか」
「何ですか、それ・・・この島の怪獣達には何も非はありませんよ!」
「そんなことは判ってる」
「え・・・?」
「俺は別にお前達のやってることを否定する気はない。只、お前達にとって保護怪獣共がかけがえのない友達で
あったとしても、今戦ってる宙獣野郎にとっては、下手に抵抗もしてこない、体のいい餌でしかない」
「・・・それは・・・!」
「事実なんだから仕方ないだろう」
 岸尾はにべもない。
「俺もそれなりに調べたんだが、前に同じことをやろうとしていたこの島の持ち主だった男も、他の怪獣を
餌としか思ってない怪獣に複数回島を襲撃され、その過程で挫折したそうだ」
「・・・・・・」
「お前一人が見てる景色だけが世界の全てじゃない。視点が変わればものの見方も色々変わるというだけのことだ。
それでも、お前はお前が友達と思ってる奴らを、守りぬけるのか?」
 その言葉を最後に、てこずり始めた仲間達のフォローのために、岸尾も宙獣に挑んでいく。
 爆音と巨獣の咆哮の中、立ち尽くす矢野。
「・・・僕は・・・」
 感極まる。
「只、地球全ての生命と友達でありたいと願った僕の想いは・・・間違ってたのかーーーーー!?」
 ・・・だから誰もそんなことは言っていないのだが、精神力の脆い矢野はとにかく叫んで気を落ち着けるしかなかった。
 そのとき。
323名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 23:48:07 ID:Btii1+dE0
 叫んだ矢野の視界が島の光景からいきなり切り替わり、鮮やかな七色のあふれる世界となった。
「ここは・・・」
 覚えている。ついこの間迷い込んだばかりの、上も下もない異次元の景色。
 目の前に、一人の青年が浮かんでいる。
「誰だ!?」
「狭間健二」
 青年は感情のない声で答える。
「地球人の姿を取っている時は、そう名乗っている」
「!」
 矢野は気付いた。
 健二の背後に、あの巨人のシルエットが浮かび上がっているのが見えた。
「今、地球全ての生命と友達でありたいと叫んだ、君のその想いに嘘偽りはないか?」
「え・・・」
「その願いのためなら、他の全てを犠牲にすることが出来るか?」
 健二の問いに、然程間をおかず、矢野は言い放った。
「・・・勿論だ!!」

 カツラギ諸島。
 配下のダイバージェットも次々墜とされ、ゴメジラの猛攻の前に次第に苦戦し始める岸尾。
「くそ・・・!」
 そこへ、あの赤と青の光が迸った。
「ウルトラマンパラレル!?」
 叫ぶ岸尾の目の前に、ダイバージェットを背に守り、巨人がそそり立った。
324名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 23:49:18 ID:Btii1+dE0
『これは・・・ウルトラマンと僕が、一体になっている!?』
 自分の身長より遥かに高い位置から、島全体の景色が見渡せる。驚いているゴメジラと、周りを虫のように
飛び回っているチーム・ホーク編隊も見える。更に、右腕が赤と銀、左腕が青と銀の模様になっているのを、巨大な
両腕を上げて見て確認する。
『僕が・・・ウルトラマンパラレルになったのか!?』
 光の巨人と一体化したのを、矢野は心の中で実感した。
 だが、浸っている暇もなく、いきり立ったゴメジラが爪をかざして突進してくる。
『うわっ!!』
 慌てて構えを取り、突進を両腕で止める。
 それでゴメジラの突進が止まった。
 然程苦も無く耐えていられる。ゴメジラは必死で両足を踏ん張って土をかいている。
 その間、
『君の想いのほどを見せてもらおう』
 パラレルの声が矢野の脳裏に響く。ゴメジラを倒して見せろといっているのだ。
『う・・・うおおおおおお!!』
 心の叫びと共に、ウルトラマンとなった矢野はゴメジラを押し返す。
 気合を入れた途端、パラレルの全身から、赤い光が炎のように湧き上がる。
 真っ赤な光に包まれたパラレルは勢いでゴメジラを前方に吹き飛ばし、ゴメジラはその巨体を後方の岩壁に
激しく叩きつけられた。
 絶叫して目を剥き、忽ちグロッキーとなるゴメジラ。
『うわああああああーーーーー!!』
 更にパラレル=矢野は走ってゴメジラに突撃し、ジャンプ一閃、火の玉となりながら爪先を前方に突き出して
両足蹴りを見舞う。
 それだけで、ゴメジラは粉々に吹き飛び、完全にとどめを刺された。
 後で考えたら、必殺光線のニリツハイパーを撃ち込んで倒すことも出来たのだが、無我夢中で
思いつかなかった。
325名無しより愛をこめて:2007/06/27(水) 23:50:36 ID:Btii1+dE0
 多くのエネルギーを消耗し、胸のカラータイマーは赤く点滅し続けている。矢野は、心地よい疲労感に
包まれていた。遠くのほうを見れば、守り抜くことが出来た保護怪獣達が呆然とこちらを見続けている。
『これからも共に地球の平和を守っていこう、ウルトラマンパラレル』
 矢野は心の声をパラレルに送る。
 彼は、地球全ての生命と友達でありたいという自分の志にパラレルが共鳴し、だから自分と一体となって
力を貸してくれたのだと思っていた。
『・・・・・・』
 だが、パラレルは返事をしない。
『・・・どうしたんだ、パラレル?』
 次の瞬間、矢野は、妙な虚無感に見舞われた。
 身体の中から膨大なエネルギーが一度に抜けていくような。

 気がつくと、矢野は、戦闘のあった場所からかなり離れた島内の森にいた。
 体が元の矢野の姿に戻っている。
 見上げると、何時の間にかパラレルが空に飛び去り、別空間への穴を空けて並行宇宙へ消えていくところ。
「・・・え?」
 矢野は本能的に判った。パラレルは、折角合体した自分の体から離脱して、去ってしまったのだ。
 何故そうしたのかは、そのときの矢野には判らなかった。
「・・・なんで?」
326名無しより愛をこめて:2007/06/29(金) 18:07:43 ID:H64Sbqtv0
なんかもう続きが出来たのですが、連投でいいんだろうか。


ウルトラマンパラレル 04 闇夜の刃(やいば)
宇宙テロリスト・キルザン星人 出現


「池波隊員、僕に空戦の指導をお願いできませんか?」
 チーム・ピジョンのリーダー・矢野一郎は、副官の池波に頭を下げて頼んだ。
 前回、宙獣ゴメジラに対して自分の戦闘機・ダイバージェットで挑んだ池波は、善戦も空しく
撃墜され、不時着した。幸い大した負傷もしなかったのだが、池波が戦っている間、矢野は
リーダーでありながらろくな作戦指揮も出来なかった。そのことを矢野は悔やんだ。
 人には言えないが、矢野の悔やんでいる理由はもう一つあった。事態収拾のために一度ウルトラマン
パラレルと一体となって変身し、そのときに自分はウルトラマンと共に戦う同士として選ばれたのだと
思ったのだが、パラレルは戦闘の後、矢野の体から分離し、去ってしまった。
 何故そうしたのかは矢野には判らないのだが、きっと、パラレルにまだ共に戦う同士と認めて
もらえない何かの落ち度が自分にあったのだろうと矢野は結論を出した。そして、先ずは同士と認めて
もらえるだけの戦士としての度量を改めて身に着けようと思い立ったのである。
 池波も、自分のレベルを上げようという矢野の姿勢に素直に感心し、彼の願いを聞き入れた。

 練習機として矢野専用の白いダイバージェットが改めて用意され、池波は矢野に訓練を施し始めた。
はっきり言って傍目から見てもきつい指導であるが、矢野は疲弊しながらも、文句も言わず必死に訓練を
続けている。
 その様子を遠くから見届けている、チーム・ホークのリーダーの岸尾順。
「ものになればいいがな」
 そういいつつ、漠然とした期待を込めて岸尾は微笑んでいた。
 それはそれとして、彼は彼で自分の仕事に戻る。
327名無しより愛をこめて:2007/06/29(金) 18:08:55 ID:H64Sbqtv0
 地球防衛軍自体のレベルアップで、宙獣出現以前のこれまでの怪獣や宇宙人は確かに簡単には地球に
攻め込めなくなった。だがそれでも、地球の鉄壁の守りを際どく掻い潜って来る者も、かつてに比べて
件数は大幅に減ったながら、まだいるのである。当然、そうした連中は強敵で、しかも極めて悪辣で
たちが悪い。
 そんな敵の一勢力、侵略者・キルザン星人の一団が、地球に潜伏しているとの情報が入った。
チーム・ホークは過去にもキルザン星人と何度か対決している。キルザン星人は目的のためなら、
否、本質的な嗜好においても人間を容赦なく傷つけ、惨殺する。今回も既に市民から犠牲者が出ている。
岸尾も数度の対決で多くの部下を失っている。これ以上犠牲を出さないためにも今回こそ決着をつけねば
ならないと岸尾は決意していた。

 星もない暗い夜の都心。
 星人達の隠れ家を見つけたチーム・ホークは、市民を退避させた無人の市街に展開し、ゲリラ的に
迎撃してくる星人を次々白兵戦で銃撃して撃退していく。特に、リーダーでありながら自ら最前線に立って
敵を打ち倒していく岸尾の奮戦振りは凄まじい。
「凄いな、リーダーは」
 呟きつつ、自分も二挺レーザー銃で次々星人を打ち抜いて倒している凄腕の銃使い、古賀隊員。
紅一点の石川隊員も戦いつつそれに応じる。
「うん。何か鬼気迫るものがあるというか・・・」
「守りたいという強い意志だ」
 サブリーダーの黒部が二人に答える。
「岸尾リーダーは普段から公私共に厳しい態度だが、それは、邪悪な敵との戦いの中で迂闊に気を抜けば
即座に死に繋がることを重々自覚しているからだ。お前達も含めて一人でも多くの命を失いたくない、
そういう想いがリーダーを戦いに駆り立てるのだろう」
「成程・・・」
 二人が感心していたとき。
328名無しより愛をこめて:2007/06/29(金) 18:10:27 ID:H64Sbqtv0
「その割には随分と片手落ちだね」
 冷たく、寒気のするような声がした。
 何事かと見回そうとした古賀と石川の体の自由が突然効かなくなり、銃を取り落とし、見えない力で
宙に持ち上げられていく。そして二人は、チーム・ホーク一同から離れた中空に、光の輪のようなもので
手足を拘束されて固定されてしまった。
「古賀、石川!?」
 黒部が叫び、岸尾も表情を強張らせて事態を見る。
「久しぶりだね、岸尾順リーダー」
 ビルの陰から、数名の部下を連れ、キルザン星人の指揮官が現れた。牙を生やした鬼のような口で
不気味に笑っている。何度も地球に来てはチーム・ホークと交戦していた個体である。
「君達が出てくることは想定済みだったのでね。罠を張らせてもらった」
「罠・・・だと?」
「下手な真似をすれば・・・」
 指揮官の声に呼応し、古賀と石川を拘束している輪から、高圧電流が走った。二人は感電して絶叫し、
漸く電撃が止まってぐったりとなる。
「貴様・・・!」
「君には多くの部下を倒された恨みがある。先ずは君一人で、武器を捨てて前に出てきてもらおう」
石川「リーダー、私達に構わないで戦って下さい!」
古賀「そうです! 言いなりになればこいつらの思う壺・・・」
 と、又電撃が走り、二人は激しく痙攣。
「どんどん電圧を上げていけば、命に関わるかも知れんな」
「判った、やめろ!!」
 岸尾の叫びで電撃が止まる。二人の隊員は憔悴しながら、虜囚にされ、チームの足枷となっている自らの
屈辱に煩悶する。
 そんな二人を安心させようと、岸尾は優しく笑いかけ、銃を捨てる。
石川「リーダー・・・!」
329名無しより愛をこめて:2007/06/29(金) 18:11:46 ID:H64Sbqtv0
 コンクリート敷きの広い路地の真ん中に一人歩み出していく岸尾を油断なく睨み、キルザン指揮官は、
左手からビームの剣を発生させて長く伸ばす。
「本来ならじっくり痛め付けてやるところだが、君相手に時間をかけるのはリスクが大きい。一撃で
真っ二つに斬り捨ててやる。せめてもの情けだと思いたまえ」
 剣をかざして駆け寄ってくる指揮官を、岸尾は呆然と眺めていた。何か手はないか、手はないかと
考えながら。しかし、もう間に合わない・・・

 そのとき、岸尾の視界が、一面の虹色の世界に切り替わった。
「・・・これは・・・!?」
 そして、岸尾も矢野同様、広がる異次元の中心に浮かぶ、巨人の影を背負った青年・狭間健二と邂逅した。
「例え自分の身を捨てても、絆を結んだ仲間を守りたい」
 健二は喋り出す。
「その君の生き様は、これからも変わることはないか?」
 岸尾は少しの間愕然としていたが、やがて、不適に笑った。
「・・・決まってるだろう!」

 暗い夜空が突如、眩しい赤と青の光に照らされた。
 岸尾とキルザン指揮官の中間辺りの空間から溢れ出した光は止まる気配もなく、双方勢力は思わず手で顔を
覆って怯む。
 光が消えると、その場には、ウルトラマンパラレルが出現していた。
 等身大の大きさの。
黒部「ウルトラマン!?」
330名無しより愛をこめて:2007/06/29(金) 18:12:51 ID:H64Sbqtv0
 パラレルはそのままキルザン指揮官に迫り、飛び蹴りを入れて吹っ飛ばす。それを見た他の星人達も
動揺して動きが取れない。
 それを好機と見た黒部は、レーザー銃を抜き撃って、古賀と石川の手足を拘束している光の輪を撃ち抜く。
光の輪は消え、二人は地上に落ちてしたたかに腰を打って呻くが、取り合えず自由になり、命も無事。
流れを取り戻したチーム・ホークは猛反撃、星人達は次々撃ち倒されていく。
「おのれ・・・!」
 一人残ったキルザン星人指揮官は、最後の手段とばかり巨大化して暴れ出した。
 パラレルも呼応して巨大化する。
 夜の街に二人の巨人が並び立った。

『ウルトラマンは任意に選んだ地球人と合体して地球に潜伏していたケースがあるとは、噂程度には
聞いていたが・・・』
 巨体の中でパラレルと対話する岸尾の意志。
『しかし、お前の戦う相手は異次元に潜む宙獣じゃなかったのか? 異星人と戦う俺にも手を貸してくれるのか?』
『手を貸したわけではない。平和に暮らす人々を脅かす者であれば、如何なる相手とも私は戦う。これは私自身の
意志でもあるのだ』
 パラレルの返事。
『それに、手付けとか、お試し期間とか、地球にはそういう言葉があるらしいが、そのような意味合いもある』
『?』
 パラレルの意図まではよく判らないが、取り合えず敵を倒すため、岸尾はパラレルと共闘することにする。
331名無しより愛をこめて:2007/06/29(金) 18:14:27 ID:H64Sbqtv0
 巨大なビーム剣を手から伸ばしたままのキルザン指揮官は、それを振り回して襲ってくる。途上のビルがばんばん
切断されて瓦解する。避け続けるウルトラマンパラレル。
『あれは少々厄介だな・・・何か手はないのか?』
『君がどうやってあの敵を倒したいか、それを心に思い浮かべてみろ』
『俺・・・? そうだな・・・』
 やはり剣には剣ではないかと岸尾が考えたとき。
 ウルトラマンの体から、青い光が湧き出してくる。
 それはやがて、左手に収束し、青い光で構成された、刃の幅の広い大きな剣を形作った。
『おお、これは・・・!』
 自分の意志によって武器が作り出されたのだと理解した岸尾は、ウルトラマンの体と自分の剣技を連動させ
(射撃だけでなく、剣術においても岸尾は日々の修練を重ねている)、キルザン指揮官と渡り合う。光の刃が何度も
叩き付け合い、楽器のような澄んだ音を立てる。
 激しい鍔迫り合いの末にお互いに弾き合って距離が離れ、踏み止まった両者は睨み合うと、大通りを互いに
走り寄ってくる。
 一際澄んだ音を響かせ、すれ違って止まる。
 地上から固唾を飲んで見守るチーム・ホーク。
 刹那、キルザン指揮官の巨体が袈裟懸けに裂け、遅れて大爆発し、闇夜を赤く染めた。

 夜空に開いた次元の穴に飛び去っていくパラレル。
 残された岸尾はそれを見送る。パラレルは岸尾の体からも分離していったのだ。
「まあ、別に俺の力じゃないしな・・・」
 と、チーム・ホーク一同がやっと岸尾を見つけて駆け寄ってきた。
「あっ、リーダーあんなところにいた」
「何処へ行ってたんですか、変な光が走ってウルトラマンが出てきたと思ったら何時の間にかいないし・・・」
 岸尾が変身して戦っていたとは気付かれていないらしい。ほっとして手を振って仲間達に近づいていく岸尾。
(こんなことが知れたら面倒なことになるだろうし、あいつが離れてくれて丁度よかったか)

 だが、その思惑と裏腹に、今後も岸尾は度々ウルトラマンパラレルの戦いに関わることになっていくのである。
332f作者:2007/06/29(金) 23:34:13 ID:4QdG6yU5O
こんばんは、そしてすみません。すっかり遅くなりました。フォルテ作者です。

アルファ作者様改め、パラレル作者様。新作オリジナルウルトラマン連載開始、おめでとうございます!そしてルミナ作者様、初めまして!亀投下のフォルテ作者です。これから、よろしくお願いします!

ウルトラマンフォルテ第8話「孤島の戦慄」(どくろ怪獣レッドキング、友好珍獣ピグモン、岩石怪獣ロワ、灼熱怪獣ヴォルケレス)

日々、進歩する科学。文明の発展は、私達の暮らしを、より豊かにしてきたが、その影では、多くの課題を残してきたのも事実である。
この日、原子力発電所から出た、大量の高レベル放射性廃棄物を地層処分する為、桜井機長兼操縦士、桑田研究員、そして大地の乗組員三名を乗せた、最新型小型輸送機「ピクシー三号」が多々良島を訪れていた。
この高レベル放射性廃棄物の処理法を巡っては、様々な議論が交わされており、その中で決定した、今回の多々良島での地層処分。この計画は多くの人々の注目を集めていた。
多々良島は、無人島ではあるが、多くの怪獣が生息する島としても有名で、今回の地層処分計画は危険がともない、非常にリスクが大きい。
その為、AMKSドームでは、万が一の事態に備え、チームAMKSのメンバーが待機し、作戦室のメインモニターで輸送機の様子を見守っているのであった。
ロベルト「しかし、いくら怪獣達だけの島とは言え、今回のプロジェクトは納得がいかんな…。
人間が楽に生活する為に使った道具を、使い終わったら、危険物だということを理由に、処分する方法や責任を互いに擦りつけあい、
くだした決断が自然に捨てる…、と、言う事にはな…。」
ボムス「それでも、誰かが、何らかの形で、やらなきゃいけない事ですからね…。」
これでいいのだろうか?と、疑問を抱きながらモニターを見つめるロベルトとボムス。
すると、輸送機の様子を映し出していたモニター画面が突然、乱れだし、異常を知らせる警報音が作戦室に鳴り響く。
ジェイコブ「何事だ?」
作戦室にいたメンバーが慌ただしくなる中、輸送機の機長から、助けを求める通信が入る。
桜井(通信)「こちらピクシー三号!システムに異常が発生!」
奈緒「落ち着いてください。詳しい状況報告をお願いします。」
333f作者:2007/06/29(金) 23:36:00 ID:4QdG6yU5O
奈緒の呼び掛けに応じ、大地が通信機を手に取る。
作戦室のモニター画面には、もうピクシー三号からの映像は映っていない。通信機による、音声のみが、頼りである。
大地(通信)「機体のエンジンが、何らかの形で、オーバーヒートを起こし…。」
ジェイコブ「大地?どうした!?」
桜井(通信)「操縦不能…!!うわぁぁ〜あ!!」
もの凄い音と共に、ピクシー三号からの通信は途絶える。
ジェイコブ隊長と奈緒が繰り返し呼び掛けるが、返事はない…。
大地が持っている、チームAMKS隊員が常に携帯している、通信機にも呼び掛けるが、
電波状況の悪い多々良島では、ピクシー三号に搭載された通信機とは性能がまるで違い、全く繋がらない。
ジェイコブ「これより、我々は多々良島へ向かう。ただし、今回のミッションは、人命救助が優先、怪獣達の相手は、その場の状況に応じ、必要最低限に止どめるんだ!」
メンバー「了解!!」ジェイコブ「チームAMKS、出動!!」
奈緒は作戦室にオペレーターとして残り、ジェイコブ隊長はフジヤマ一号機、ロベルトは二号機、ボムスと誠也は三号機に乗り込み、一同、多々良島に向かい出撃する。
現場に辿り着いた、チームAMKSのメンバーは、ピクシー三号が消息を絶った地点に向かい、完全に大破した機体を発見し、近くに着陸を行う。
ロベルト「これは、酷い…。」
救助機から降り、ピクシー三号に近付くチームAMKSのメンバー。
しかし、乗組員の姿は無く、積まれていたはずの、高レベル放射能廃棄物も見当たらない。
ボムスの調査で、ピクシー三号のエンジンは、外部から極度の高熱エネルギーを持つ物体が接近した事によりオーバーヒートを起こした事が判明した。
ジェイコブ「たしかに、この島、少し暑過ぎるが…。」
周りを見ながら不思議そうな顔をするジェイコブ隊長。
ボムス「隊長、このエリアに放射能反応はありません。」
ジェイコブ「何だと!?そんなバカな…。」
ボムス「信じられませんが、高レベル放射性廃棄物は、そっくりそのまま、ここから消えたとしか考えられません…。」
ボムスが放射能検知機で調べ出した不可解な事態に、頭を悩ませるジェイコブ隊長。
すると、突然、辺りを襲う、強い地震。
334f作者:2007/06/29(金) 23:37:51 ID:4QdG6yU5O
驚くチームAMKSのメンバーの前に、地中から砂煙りをあげ、灼熱怪獣ヴォルケレスが現れる。
この多々良島の異常な暑さ、そしてピクシー三号のエンジンをオーバーヒートさせた原因はコイツである。
誠也とロベルトは、現れた怪獣に向かい、アンカスガンを構えるが、ジェイコブ隊長は二人を止める。
最初に言ったように、今回は、人命救助が目的であり、怪獣退治をしに来たわけでは無い。
幸い、怪獣もチームAMKSのメンバーが目の前にいるのに、気がついていないようだ。
そうとなれば、早速、大地達の捜索に向かおうとするチームAMKS。
しかし、今度は、何かが近付いて来る、大きな物音に気がつく。
密林の木々をなぎ倒し、目の前に現れたのは、どくろ怪獣レッドキングである。
ジェイコブ「相手にするな。奴も、また、我々に気がついていない。本来の任務を遂行する…。」
そう、ジェイコブ隊長がメンバーに指示を出し、改めて捜索に向かおうとする一同。
しかし、その時、ボムスが持っていた放射能検知機の警戒音が鳴り響き、予想外の所から放射能反応をキャッチする。
ボムス「隊長…、あのレッドキング…、ピクシー三号に積まれていた、高レベル放射性廃棄物を、全て丸飲みにしています…。」
ジェイコブ「何だと!?」
ボムス「間違いありません。もし、レッドキングが爆発を起こしたとすると、その爆風で、
地球の30分の1は放射能汚染にさらされ…。日本はもちろん、アジア、西アメリカは、確実に壊滅します…。」
ボムスの推測に、誰もが表情を凍りつかせる。
レッドキングにとっては、そんな事は、知ったことではない、自分の縄張りに現れたヴォルケレスを目の前に、指を鳴らし、戦闘態勢に入る。
誠也「あかん!二匹が戦って、もしレッドキングが負けたら…!!」
焦るチームAMKSを背に、猛突進でヴォルケレスに向かうレッドキング。二匹の怪獣は、互いの腕力を存分に発揮し、強大スケールの攻防戦を繰り広げる。
力では、レッドキングが勝り、ヴォルケレスを追い詰める。
しかし、ヴォルケレスはマグマエネルギーを体中に巡らせ、高熱を発し、急激に赤みを帯びていき、体から蒸気を出し威嚇を始める。
第2話でフォルテと戦ったヴォルケレスと同じ戦法である。
335f作者:2007/06/29(金) 23:39:43 ID:4QdG6yU5O
そんな事、知るよしもないレッドキングは、ヴォルケレスに掴みかかるが、相手の尋常じゃない体温に、ダメージを受け、慌てる素振りを見せながら後退する。
ヴォルケレスは、一気にかたをつけようと、口から灼熱の炎を吐き出す。
これがレッドキングに直撃をし、大爆発を起こしたら、先程言ったように、地球の30分の1は放射能汚染で壊滅である。
ジェイコブ「まずい!!」
チームAMKSのメンバーが冷汗をかき見つめる中、レッドキングは近くにあった大きな岩を持ち上げ、迫り来る炎を完全に防ぎ、炎を吐き終えたヴォルケレスに向け、その大きな岩を放り投げる。
岩が直撃して、倒れ込むヴォルケレス。
レッドキングは、相手の高熱の体など、お構いなしに容赦無く襲いかかり、蹴り跳ばし、のしかかり、その拳で、ヴォルケレスの特徴でもある背中の結晶体を次々に破壊する。
無惨な姿で、絶命をするヴォルケレスを背に、勝利の雄叫びをあげ、レッドキングは悠々とその場を去って行く。
この広い多々良島は、何十匹と怪獣が生息する怪獣無法地帯である。
いくら、レッドキングが最強と言えど、縄張り内で、他の怪獣の遭遇する度に、
戦闘を繰り返すのであれば、いつか敗れる事があっても、おかしくない。
あのレッドキングの最期、大規模な核爆発を意味する。
もはや、一秒も無駄な時間は無い。
ジェイコブ隊長はボムスに、三号機に乗って上空からの捜索を指示し、ロベルトと誠也を連れて、地上からの捜索を再開する。
一方、薄暗い洞窟の中、目を覚まし、起き上がる大地。
桑田「やぁ、気がついたかね?」
大地「桑田研究員?ここは…?」
その時、洞窟の出入り口に、赤い体に白い手足の、一匹の等身大の怪獣が現れる。
大地「あれは、過去の資料で見たことある…。たしか、友好珍獣ピグモン!」
桜井「我々を助けてくれたのは彼らだ、この洞窟は、恐らくコイツの住家なんだろう…。」
桑田「負傷した我々を、ここに運んで来たのも、このピグモンなんだよ。」
桑田研究員にそう言われ、自分がどうやって助かったか理解する大地。
大地「そうか…、ありがとうピグモン!」
大地がお礼を言うと、嬉しそうに頷くピグモン。
336f作者:2007/06/29(金) 23:42:25 ID:4QdG6yU5O
大地「そういえば、ピクシー三号は…?」
桜井「完全に大破してしまったよ…。」
大地「そんな…。オレがついていながら、すみません…。」
桑田「なぁに、君のせいじゃないさ。」
桜井「それより、高レベル放射性廃棄物の確保が優先だ。それに、チームAMKSの方々が、我々の救助に島を訪れるだろうから、どこか一目のつくところに移動しよう。」
大地「それなら、オレが今、隊長達と連絡を取ってきます!」
大地は、洞窟の外に出て、通信機を使ってジェイコブ隊長達と連絡を取ろうとするが、電波状況が悪くて繋がらない。
大地「参ったな…。」そう呟きながら空を見上げる大地。
その後ろから、ピグモンが励ますように、大地の肩を叩き、桜井機長と桑田研究員も洞窟から出て来る。
桜井「こうなれば、自力で行こうじゃないか!」
桜井機長の言葉に頷く大地と桑田研究員。
すると、ピグモンが突然、跳ね回りながら騒ぎ始め、大地の袖を引っ張って洞窟に戻るように指示をするような仕草を見せる。
大地「ピグモン、いったい、どうしたんだ?」
ピグモンの行動に戸惑う大地。耳を澄ませると、何かが近付いて来るのが分かる。
桑田「怪獣だぁ!!」
桑田研究員が叫び、指を指す方向を見つめる三人。
大地達の見つめる方向から地響きをあげながら現れたのは、四足歩行型で、全身が岩のような頑丈な体を持つ、岩石怪獣ロワである。
怪獣は、目の前の大地達に、敵意を露にし、猛突進で襲いかかる。
大地はアンカスガンを素早く構え、煙幕弾を放つ。
辺り一面に立ち込める煙幕に怪獣は、大地達を見失う。
その隙に、大地は上空に向かい、アンカスガンから閃光弾を放つ。
怪獣が、頭上の輝く眩い光に気を取られている隙に、その場から退散しようとする大地達。
しかし、怪獣は、その場から去ろうとしている三人とピグモンに、気がつき、がむしゃらに暴れ、尻尾で付近にあった木々をなぎ倒す。
倒れた木の下敷きになり、身動きが取れなくなる桑田研究員。
そんな桑田研究員に狙いを定め、歩み寄る怪獣に向かい、大地はペイント弾をアンカスガンから発射、見事、怪獣の目に命中させる。
突然、視界を奪われ慌てふためく怪獣。
337f作者:2007/06/29(金) 23:44:07 ID:4QdG6yU5O
すかさず大地はアンカスガンから放つナパーム弾で怪獣を攻撃、敵の頑丈な体を粉砕する威力は無いが、確実にダメージを与えている。
視界を奪われた挙句、猛攻撃を受け、怪獣は、方向転換し、慌てて逃げ帰って行く。
一難去り、大地と桜井機長は、木の下敷きになった桑田研究員に駆け寄り、上に乗った木を退けようとする。
しかし、二人が力を合わせても重い木は、動かない。
大地「くそっ!!動いてくれ…。」
顔に汗を流しながら、必死に木を退かそうとする大地。
すると再び、大地達のいる地点に向かい、大きな足音が響き渡る。
桜井「さっきの怪獣が戻って来たのか!?」
慌てながらも、木を退かす事に全力を捧ぐ二人。
どうする事も出来ない大地達の前に姿を現したのは、放射性廃棄物を飲み込んだ、あのレッドキングである。
桜井「あれは、レッドキング!!」
目を見開きながら叫ぶ桜井機長。
桑田「私に構わず、逃げてください…!」
大地「そうはいきません!貴方を見捨てることなんか出来ない!!」
レッドキングは指を鳴らし、大地達に一歩、また一歩と近付く。
すると、突然ピグモンがレッドキングに駆け寄り、大きな声をあげながら、威嚇を始める。
大地「やめろピグモン!!」
大地が叫ぶのと同時に、無謀な戦いを挑んだピグモンは、レッドキングに軽く蹴られただけで数メートル飛ばされてしまう。
大地「ピグモン!!逃げろぉ!!」
大地の叫びが木霊する中、倒れているピグモンを踏み潰そうと片足を上げるレッドキング!
すると突然、レッドキングの、もう片方の足下に向け、上空からミサイル弾が放たれる。
ボムスが乗ったフジヤマ三号機が駆け付けたのである。
突然の攻撃に、その場に転倒するレッドキング。
ジェイコブ「待たせたな大地!!」
アンカスガンを構えながら、ジェイコブ隊長、そして、ロベルトと誠也も駆け付ける。
大地「隊長、みんな!!どうしてここに!?」
ロベルト「お前、さっき閃光弾飛ばしただろ?」
誠也「あの閃光弾が、大地さんのいる位置を示したんですよ!」
そう言いながら、桑田研究員の救助に取り掛かるジェイコブ隊長、ロベルト、誠也。
目の前では転倒していたレッドキングが、ゆっくりと起き上がろうとし、ピグモンは体を痛めたのか、動かず、ぐったりとしている。
338f作者:2007/06/29(金) 23:45:54 ID:4QdG6yU5O
大地「まずい、ピグモンを助けに行ってきます!!桑田研究員の事は、お願いします!」
桑田研究員をジェイコブ隊長達に任せ、ピグモンを救う為、アンカスガンを構えて、レッドキングに向かう大地。
しかし、ジェイコブ隊長の言葉が、大地の動きを止める。
ジェイコブ「待つんだ大地!奴に直接攻撃をしてはいかん!!」
大地「何故です!?」
ロベルト「奴はピクシー三号に積まれていた、高レベル放射性廃棄物を飲み込んでいる!!」
誠也「レッドキングが爆発したら、大規模な核爆発が起きます!!」
大地「何だって…。」
ジェイコブ隊長達の話を聞き、唖然とする大地。
しかし、そう言っている間にもレッドキングは起き上がり、戦闘体勢に入っている。足下のピグモンをいつ踏み潰しても、おかしくない状況だ。
考えている余裕は無い。大地は、再び走り出し、レッドキングに弾を命中させないように威嚇射撃を始める。
大地「こっちだ…!!こっちに来るんだ!!」
桑田研究員達や、ピグモンのいない方向にレッドキングをおびき寄せる大地。
ジェイコブ「大地!!無茶はよせ!!」
迫り来るレッドキングの猛攻を回避し続け、大地は、ジェイコブ隊長達から見えない場所でインプラズマを取り出し、ウルトラマンフォルテに変身!!
レッドキングを前に構える。
フォルテの登場に、安堵の色を浮かべるジェイコブ隊長達は、桑田研究員を救出し、ピグモンを連れて後退する。
雄叫びをあげながら突進するレッドキング、フォルテは敵を受け止めようと構えるが、相手の強力のパワーに押され、突き飛ばされてしまう。
少しよろめきながら立ち上がったフォルテは、再び構え、打撃技でレッドキングに攻撃を仕掛ける。
しかし、フォルテの攻撃は、敵にまるで効いていない。
レッドキングは、涼しい顔で、反撃を開始し、打ちのめされるフォルテ、
ふらつきながら、腕を十字に組むが、核爆発の危険性があるので、フォルテッシモインパルスを放てない事を思い出す。
核爆発の危険になす術の無いフォルテに、容赦なく襲いかかるレッドキング。
三号機のボムスがフォルテを援護しようとするが、レッドキングに直接攻撃は出来ないので、威嚇射撃を続ける他無い。
カラータイマーの点滅が始まり、絶体絶命の危険に陥るフォルテ。
339f作者:2007/06/29(金) 23:47:29 ID:4QdG6yU5O
しかし、レッドキングが、フォルテにとどめをさそうと、猛突進して来たその時、フォルテはとっさにサイキックアタックを発動。
レッドキングを宙に浮かせて動きを封じ、メゾフォルテスラッシュを二手に放って、命中させ、気絶させる。
フォルテは気絶したレッドキングを持ち上げ、空に飛び立ち、大気圏を抜け、
宇宙へ抜け、地球を背にしてレッドキングの体を投げ飛ばす。
レッドキングの体は地球から遠くへ離れて行き、徐々に、その姿は見えなくなる。
レッドキングの姿が完全に見えなくなるまで見つめていたフォルテは、多々良島に引き返そうとし、体を地球に向け、ふと、動きを止める。
フォルテ(大地)「これが…地球…。」
そう、地球生まれで地球育ち、防衛軍の任務でも宇宙での仕事をした事が無い大地は、この時、生まれて初めて、自分の目で地球を見たのであった。
フォルテ(大地)「なんて綺麗な星なんだ…。」
テレビや写真では無い、目の前に輝く青い星、その美しさに、しばらく感動のまなざしで見つめる大地。
フォルテ(大地)「俺は、ウルトラマンとして、チームAMKSの隊員として、そして何より一人の地球人として、この地球を守らなきゃいけないんだな…。」
そう呟いた大地は、決意を新たに地球へ向かうのであった。
地球に戻った大地は、ジェイコブ隊長達と合流し、一同AMKSドームに帰還する。
桜井「助けて頂き、ありがとうございました!」
メディカルセンターで応急処置を受け、作戦室に姿を見せる桜井機長と桑田研究員。
ジェイコブ「いえ、任務を遂行しただけですから、礼には及びません…。」
お礼を言う桜井機長と桑田研究員に、笑顔で答えるジェイコブ隊長。
その時、作戦室の自動ドアが開き、奈緒に連れられて、手当てを受けたピグモンも姿を現す。
誠也「あれ?ピグモンがどうしてここに?」
桑田「ピグモンは、我々の命の恩人だ。この通りの怪我で、多々良島にいるのは危険だから、
しばらく私達の研究所で預かる事にしたんだよ。」
ロベルト「そうだったのか、良かったなピグモン!」
奈緒「早く元気になるのよ…。」
ロベルト達の暖かい言葉に、嬉しそうに頷くピグモン。
340f作者:2007/06/29(金) 23:50:12 ID:4QdG6yU5O
ふと気がつくと、大地がぼんやりとしている事に一同が気がつく。
どうやら、まだ初めて見た地球の光景に思い出し、考えごとをしている様子だ。
奈緒「どうしたんですか大地隊員?」
大地「あっ、いや、有害な物を自然に返さず、美しい地球と共に、
人類が暮らして行く方法って無いのかって、思ってさ…。」
地球を見て、今回の高レベル放射性廃棄物問題を振り返り、感じた疑問。
桑田「今は確かに、その明確な方法は残念ながら無いのかもしれない…。でも、私は必ず方法があり、人類がそれを発見する日が来ると思っている…。」
ボムス「人類が、方法を発見する日…?」
ジェイコブ「成功は、過去の過ちや努力の中に宿っているんだ。
人間が諦めず努力をする事で、必ず答えは見つけ出せると…。」
ジェイコブ隊長の言葉に頷く桑田研究員。
誠也「人類と自然が共存できる日…。そんな日が本当に来るんやろうか?」
誰にとも無く問い掛ける誠也の肩を叩き、陽気に振る舞うピグモン。
まるで、その日が来るのをピグモンは知っているかのようだ。
その様子を見て、一斉に笑いが広がる作戦室。
明るい未来は、私達人類の努力次第で、そう遠くない世界なのかもしれないのである…。

次回予告
ウルトラマンフォルテが倒した宇宙怪獣の残骸を食べ、相次いで怪獣化するカラス達。
東京の空を覆う黒い怪獣軍団を殲滅する為、フジヤマ二号機と共に大地が空へ飛ぶ!!
次回「増殖怪獣800匹」(宇宙怪獣ラチアータ、黒色怪鳥ラチード、融合怪鳥ネオラチアータ登場)


毎度長文失礼しました。
341ウルトラマンルミナ:2007/06/30(土) 04:51:24 ID:Q3UcRLgx0
第1話「光再び」 超古代海獣バゴラ、凶暴怪獣ゾルアデス登場

ミサイルの着弾と同時に凄まじい爆音が起こり、無数の水柱が上がる。
収まった水柱の中から、巨大な怪獣が雄叫びと共にその姿を現す。
怪獣に与えられたコードネームはバゴラ。バリ島近くの海底から突
如現れたこの怪獣は、TPC東南アジア支部の追撃を振り切り、既
に日本の近海まで進行していた。
これに対しTPC極東本部は対怪獣用特別チームH−GUTを出撃
させた。

「スズカ隊員。ウィスタリアはGASPR砲の発射準備に入るわ。
その間、スカーレットは奴を引き付けておいて。」
「了解。」
耳元から聞こえる上司の声に答えると、スズカと呼ばれた青年は赤
い乗機を旋回させ、バゴラの前方へと回り込む。
「それにしてもタフね。これだけ攻撃されてるのに…ま、そうでも
なきゃGASPR砲は使わないか。」
「攻撃に移る。喋ってて舌を噛むなよ。」
「そんなヘマはしないわよ。」
後部座席に乗った同僚と軽口を言い合いながらも、バゴラを確実に
ロックオンして攻撃を開始する。

若干離れた位置では青い戦闘機が変形し、レールガンを展開していた。
「キョウが上手く引き付けてくれましたね。」
鋭い目付きに筋肉質な体でいかにも戦闘職といった感じのこの男。
ハギワラ・ヨウスケの言葉に、先程の通信と同じ声が答える。
「そうね。GASPR砲の準備は?」
「もうちょい待ってください…おし、チャージ完了です。」
今度答えたのはアカギ・ショウゴ。やや小太りで、いかにも人の良
さそうな男だが、先程から計器を操る速さには目を見張るものがある。
342ウルトラマンルミナ:2007/06/30(土) 04:52:45 ID:Q3UcRLgx0
アカギの返答を受けサワ・リョウコはトリガーに指をかけた。現在
ウィスタリアに乗る3人の中で最も若いが、H−GUTの副隊長で
あり、今回の作戦指揮を執っているのも彼女である。
ガッツスカーレットがバゴラと距離を取ったのを確認した彼女は静
かにトリガー引いた。
次の瞬間、怪獣を中心に先程とは比べ物にならない爆音と水柱が上がる。
「アカギ隊員、目標の状況は?」
「えーっと…あ、確認できました。どうやら潜ったみたいですね。」
「潜った?」
「ええ。先行速度を考えると沈んだと言うより、潜って逃げたって
考えるほうが妥当ですね。」
サワはシートに深くもたれ掛かり、ため息をつく。
「仕留め損ねたって訳ね…帰還するわよ。」
「いいんですか?」
「ええ、とりあえず進行は止めたしね。それに、この深さまで潜ら
れちゃ、手持ちの装備じゃ手が出せないわ。」
「了解。スカーレットにも伝えます。」
「お願い。」
戦いの終わりと共に静かになった海を2機の戦闘機が飛び去っていった。


太陽系全体を巻き込んだ、ダイナとスフィアの最終決戦から5年。
多くの被害を被った人類だったが、5年という歳月を経て復興は確
実に進んでいた。スフィア消滅後、一時は怪獣や宇宙人の出現も収
まったが、その状況は長くは続かなかった。地球は再び怪獣頻出期
へと突入してしまった。これに対しTPCはGUT、S−GUTが
培ってきたあらゆる技術、ノウハウを集結し、新たなる防衛チーム
H(ハイパー)−GUTを組織した。
343ウルトラマンルミナ:2007/06/30(土) 04:53:47 ID:Q3UcRLgx0
房総半島沖の空中に浮かぶTPC極東本部基地、通称スカイフォー
トレス。静まりかえる夜の廊下を走るキョウに後ろから声がかかる。
「スズカさん!また怪獣らしいですね。」
そう言いながら追い付いてきたのはイナバ・ユキ。訓練学校でもH
−GUTでも1年後輩の彼女は、出撃の際コンビを組む事が多い。
「昼間の奴ですかね?」
「いや、どうやら違うらしい。」
「ホント最近多いなぁ…ちょっと異常じゃないですか?」
「まあな。だが出た以上放っておく訳にもにかない。」
「そりゃそうですね。」
そんな話をしながら、2人は目的地の部屋に入っていった。

「お、来たか。」
司令室に入った二人に声をかけたのは、がっしりとした強面。チー
ム唯一の30代、シライ・マコト隊長。司令室にはすでに5人が集
まっており、キョウとユキを足してH−GUTの全メンバーが揃っ
たのを確認した隊長が説明を始める。
「宵霧岳に怪獣が出現した。」
「宵霧岳?何年か前にも怪獣が出て俺達が倒しましたね。」
ハギワラの言葉にユキが呟く。
「それって私が入ってくる前の話ですよね。」
「ええ。僕とユキさんが入ってくる前の話です。怪獣のコードネー
ムはゾルアデス。今回現れたのはその別個体です。」
今まで隊長の脇でキーボードを叩いていた青年が会話に入る。チー
ム最年少の18歳、フジシマ・カズトだ。
「ユキとカズト以外は覚えているだろうが、前回倒したとはいえかな
り手強い怪獣だった。各員気を引き締めて撃破に当たってくれ。」
「了解。」
答えると同時に、隊長とカズトを除いた5人は司令室から飛び出し
格納庫へと向かって行った。
344ウルトラマンルミナ:2007/06/30(土) 04:54:49 ID:Q3UcRLgx0
スカーレットとウィスタリアが宵霧岳に到着した時、ゾルアデスは
麓の町まであと少しの所まで来ていた。
「これ以上奴を行かせる訳にはいかないわ。何としてもここで撃破
するわよ。」
「了解。」
機動性に優れたガッツスカーレットが先行し、次々とビームやミサ
イルを撃ち込む。しかし、ゾルアデスは怯まずに熱線を吐き返す。
「相変わらず頑丈な奴ですね。GASPR砲で片付けますか?」
「そうね…けどスカーレット単機で奴を引き付けるのは…」
「問題ありませんよ。」
ウィスタリア内の会話に通信を通してキョウの声が割り込む。
「普通に攻撃しても埒があかないですし。こっちの心配はいりません。」
「…わかったわ。アカギ隊員!」
「もう始めてますよ!」
怪獣からやや距離を置いて、GASPR砲の発射準備に入るガッツ
ウィスタリア。その間、ガッツスカーレットは素早い動きと攻撃で
完全にゾルアデスの注意を引いていた。
「上手くのってくれたな。」
しかし、熱線を避け、ゾルアデスとすれ違った瞬間、機体を衝撃が
襲う。衝撃の正体が敵の尾による一撃だと分かった時、機体は地面
へと急降下していた。直ぐさま脱出レバーを引いた2人だったが、
機体から飛び出したのはユキ1人だった。
「どうしたの、スズカ隊員!?」
「脱出装置が故障!?何とか着陸してみます。」
「前っ!」
声に反応し、前方を確認するとゾルアデスが目の前に迫っていた。
「キョウーーーー!!」
仲間の叫びが遠くで聞こえ、もう駄目だと思ったその時。キョウの
体を凄まじい光が包んだ。
345ウルトラマンルミナ:2007/06/30(土) 04:55:53 ID:Q3UcRLgx0
光の中、キョウは自分を見下ろす巨人の存在に気づく。
「光の…巨人?お前は一体…?」
「…」
「何故答えない?いや、答えなくてもいい。もしお前がティガやダ
イナと同じ様にこの星を護る光ならば、俺に力を貸してくれ。頼む!」
「…」
「うわっ?」
再び凄まじい光が辺りを包み、それが収まった時、キョウは自分の
体に起こった異変に気づく。子供の頃、テレビで伝えられる活躍に
胸躍らせた、訓練学校で幾つもの伝説を聞いた光の巨人。今、自分
自身がそれになっているという事に。
「俺が巨人?力を貸すって…こういう事かよ!?」

突如現れた巨人を見上げるユキの耳に、通信機を通してサワの声が響く。
「ユキ?無事だったのね。怪我は無い?」
「あ、はい。平気です。」
「良かった。怪獣の相手は私たちがするわ。あなたはスズカ隊員の救出に。」
「わかりました。」
通信を切ったサワは、コックピットから向かい合う巨人と怪獣を見
て呟く。
「新しい…光の巨人…」

「理由を考えるのは後回しだ。今は…こいつを倒す。」
雄叫びを上げるゾルアデスを見据えた巨人は、ファイティングポー
ズを取る。今、新たなる光の戦いが始まる。

次回「新たなる悪夢」
超古代海獣バゴラ、超古代進化獣ネガバゴラ、凶暴怪獣ゾルアデス登場
346ウルトラマンルミナ:2007/06/30(土) 05:08:10 ID:VhyhNMD2O
随分と遅くなってしまいましたが「ウルトラマンルミナ」第1話です。
1、2話は前後編なので、2話はなるべく早く投下する予定です。
347リュウラ著者:2007/06/30(土) 12:56:37 ID:dUpQ9tIk0
アルファ作者さま
三話、四話拝見いたしました。これは中々…次回誰が変身する事になるのか楽しみな設定ですね。
ガムシャラな矢野パラレルと戦闘巧者の岸尾パラレルの描き分けが上手かったです。

フォルテ作者さま
多々良島の話と日本アルプスの話をドッキングさせたような印象ですが、そこに一貫したテーマを付加しているのでしっかりフォルテの一エピソードとして楽しませていただきました。
特にレッドキングを輸送するシーンで大地が地球を眺めるシーンに移行させるのが上手いです。

ルミナ作者さま
いらっしゃいませ。予想よりも描写がかなり細かいので驚きました。
第一話でしょっぱなから怪獣攻撃シーンに突入してる点が意外です。二話も待ってます。
TPCという単語がびしばし登場してるのも個人的に嬉しい。今度の基地は空中か。
ところで、H-GUTSではなくH-GUTなのは何か理由があるんでしょうか?
348ウルトラマンルミナ:2007/06/30(土) 16:24:20 ID:l60jak9/0
>>347
訂正ありがとうございます。素で間違えてましたorz…確かに
H−GUTSですね。2話以降は訂正します。
349名無しより愛をこめて:2007/07/03(火) 09:53:58 ID:D4hzaZtdO
ウルトラの星にはまだまだ、ウルトラマン達が居るから、話には困らないと思うし、

凶悪な怪獣や邪悪な侵略宇宙人が居る限り、防衛隊も組織されるからね。
350名無しより愛をこめて:2007/07/03(火) 11:18:36 ID:9Z4nqqLQO
>>349(;・ω・)?
351349:2007/07/03(火) 18:03:01 ID:D4hzaZtdO
>>350
言葉が足りなくて、ごめんなさい…。
新しく書く人のために、アドバイスをしようと思って。
352名無しより愛をこめて:2007/07/04(水) 12:12:08 ID:qO9nWR4q0
危ないので上げます。
353ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/07/04(水) 13:17:52 ID:oe5zVjyr0
レイジが便所で苦戦している頃
道城は再び質問攻めにあっていた
子供と言うのは好奇心と元気の塊である
食事は相当貴重らしくじっくり味わって食べてこそいたものの
食べ終わった者から順に道城のところに集まってきては、質問を浴びせかけてくる
侵略者に対しては冷酷非情なEAR隊員でも、関係無い人々にまで、冷たい態度をとったりはしない
無表情な顔をなるべくほころばせて、なるべく子供にわかるように微妙に介錯を変えながら質問に答えていくが
やはり理解できていないのか、わかったようなわからないような顔をする子供がほとんどだ
「ねえねえ、さっきのおじちゃんが言ってたんだけどうちゅうってなあに?」
不意に、先ほどレイジに質問していた少年が今度は道城に質問してきた
道城は少し考えた後、微笑んで答える
「宇宙って言うのはねえ、空をずーーーっと上がっていくと夜みたいに暗くなるんだ」
「空ずっと暗いよ」
少年の言葉に、行動が止まる道城
354ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/07/04(水) 13:18:33 ID:oe5zVjyr0
(この少年は青空を見たことがないのか…)
「坊やは青い空を見た事がないのかい?」
勤めて明るい表情で尋ねてみる道城に、少年は当たり前の事を言うように不思議そうに答える
「そうだよ、空っていつも曇ってるんでしょう?」
その言葉に、道城は黙り込む
(ありえない…ここの気候は地球と大して変わらない、空が曇り続けるなんて…、じゃあやはりあの雲は…)
「おじさん…具合悪いの?」
少年の言葉に、我に帰る道城
どうやらそうとう真剣な表情をしていたらしい
安心させるために、道城は少年の方を向いて人畜無害な笑みを浮かべてみせる
「なんでもないよ、ただちょっと考え事をしていたんだ」
「何考えてたの?」
「彼女の事?」
……異世界にもおませな子供と言うのはいるものだ
「いや、特に彼女って言うような人は俺にはいないけど…」
と言うか、身近にいる女性など竹下と川浪くらいで、どちらもただの友人と家族同然で恋愛に関しては対象外ある
「へ〜」
「でもさっきのあのお兄ちゃんは女の子にもててそうだったぞ、きっとプレイボーイに違いないから後で聞いてごらん」
道城の無責任な言葉に、沸き立つ子供達
意外と自分も舌が回るものだなぁ、などと思いつつ、道城はこれから自らの恋話を子供相手に延々しなければならないだろう一人の青年に心の中で謝罪しておいた
355名無しより愛をこめて:2007/07/04(水) 21:10:58 ID:fByIM9Uk0
オリジナルウルトラマンの簡単なあらすじというか、プロットみたいなものを考えたんですが、投稿してもいいですか?
356名無しより愛をこめて:2007/07/04(水) 22:33:44 ID:8GKZqFrf0
取り合えず見てみたい。
357名無しより愛をこめて:2007/07/04(水) 23:13:36 ID:CzuVo2F60
>>355取り合えずオリトラ五つの誓い >>1の5項目を理解しろ
358名無しより愛をこめて:2007/07/04(水) 23:19:55 ID:8GKZqFrf0
まあそういわず。迷惑って程でもないし、他の職人さんのネタになるかも
知れんし。余り連投されても困るけど。
359昨日のものです:2007/07/05(木) 15:31:23 ID:47ULqoIv0
 投稿します



『ウルトラマンヘリオス』

 「あの夜・・・俺は確かに見たんだ。炎で空を紅く染めて、怪獣達をなぎ払う銀色の巨人を・・・・」

   〈あらすじ〉
 昭和80年、日本は突如として〈怪獣〉の襲撃を受けた。
 群れを成して、主要都市を襲うこの外敵に対し、政府は国土防衛のために自衛隊の出動を決定した。
 自衛隊にとって初の実戦となったこの戦いは、やがて日本・韓国・北朝鮮・中国・台湾からなる〈東アジア連合軍〉との全面戦争へ突入する。
 後に「怪獣大戦争」と呼ばれるこの一連の戦闘において、連合軍―とくに自衛隊は壊滅に近い損害を出しながらも善戦し、怪獣群の撃退に成功する。
 しかし、この後も日本には散発的に怪獣が来襲するようになる。
 この事態に対し、政府は自衛隊の増強を図るとともに、対怪獣戦の指揮、怪獣用兵器の開発、生物としての怪獣の研究を一括して行う部局を防衛庁内に設置。
 防衛庁怪獣対策局。通称〈防獣局〉の誕生である。
 そして時は流れ、昭和86年・・・・・・・

 怪獣の情報収集や、怪獣によって被災した人々の支援を行うNPO法人(名前は未定)の職員・志村和仁は、三浦半島のとある海岸を調査中、行方不明だったかつての恋人・須藤由里に瓜二つの女性を見かける。
 岬の洞窟に入って行く彼女の後を追って洞窟に入った和仁は、地下に通じるエレベーターを発見。
 エレベーターで地下に降りると、そこには銀色の巨人が横たわっていた。
 和仁には見覚えがあった。
 怪獣大戦争終盤、突如宇宙から飛来し、自分の住んでいた町を襲った怪獣群を壊滅させた後、忽然と姿を消した巨人。
 そしてこの巨人とともに、由里も自分の前から消えた・・・・・・
 自らと因縁のある、後に人々から〈ウルトラマン〉と呼ばれ、伝説の存在となったこの巨人との邂逅が、彼の運命を変えていく・・・・・
 
360名無しより愛をこめて:2007/07/05(木) 15:38:16 ID:gqzD8WHqO
なかなか面白そうですね。完成作品を見ないとはっきりした感想は
書けませんけど。あと>>1にあるようにsageた方が良いかと。
361昨日のものです:2007/07/05(木) 15:49:57 ID:47ULqoIv0
 すいません。どうすればsageれるんでしょうか?書き込むのがはじめてなので・・・
362名無しより愛をこめて:2007/07/05(木) 16:39:57 ID:gqzD8WHqO
>>361
メール欄がありますよね?そこに「sage」と入力して書き込んでください。
鍵カッコは要らないですよ。
363名無しより愛をこめて:2007/07/05(木) 18:01:54 ID:pdUScV2c0
元祖円谷御大もおっしゃってられたことですが、怪獣を群れで出すのは
消耗品化する危険性があります。最終回かせめて話の節目ごとに
しといたほうがいいかと。
364昨日のものです:2007/07/05(木) 21:11:29 ID:47ULqoIv0
わかりました。ありがとうございます。
365昨日のものです:2007/07/05(木) 21:13:56 ID:47ULqoIv0
怪獣の群れについてですが、あくまでバックボーンとして考えてください。物語の中では1体、多くても2体でいこうと思っています。
366昨日のものです:2007/07/05(木) 21:43:08 ID:47ULqoIv0
 『ウルトラマンヘリオス』:設定1

 ウルトラマンヘリオス
 怪獣大戦争終盤に宇宙から飛来し、圧倒的な戦闘力で怪獣群を壊滅させた銀色の巨人。
 人々からはその後、「ウルトラマン」と呼ばれ、半ば伝説となっている。
 「ヘリオス」というのは防獣局が付けたコードネーム。
 ザ・ネクストとエースを足して2で割ったような姿をしており、銀色の体に緑色のラインが入っている。
 身長:およそ40m
 体重:不明
 出身:宇宙のどこか
 年齢:不明
 最高飛行速度:マッハ1〜3
 必殺技:ゼクシウムバースト・・・腕をL字に組んで発射する破壊光線。
     エルボレイカッター・・・八つ裂き光輪とほぼ同じ技。
367ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/07/06(金) 00:22:37 ID:SIStF+WG0

‘オツリ’は喰らうは紙は紙と思えぬ程硬いは冷汗は出るは足腰は痛いはで散々な用足しを経験したレイジは、
顔を若干青ざめながら便所からヨロヨロと外へ出た。少し気持ちを落ち着かせながら、周囲の町並みを見渡す。
この場所は小さな丘の上に位置するため、辺りぐるりと町内の様子が確認できる。
やはりこの町の見た目はどこかのロールプレイングゲームのソレに酷似しており、
実はここはバーチャルの世界では無いかとレイジは思考する。
特に、ここから3〜4km程先に見える古ぼけた古城が、この町のRPGぶりを際立たせる。
しかし、先程の用足し時のあまりもの生々しさや、朝食の時食べたパンの硬さのせいで未だに歯茎が痛いなど、
夢やバーチャル世界にしては色々と感触や色彩がハッキリとしすぎていた。
はてさて、これからどうなる事になりますかねと半ば無理やり考える事をやめ、レイジは孤児院へと戻った。
建物の中に入った途端、またまた子供達に群がれ、今度は
好きな女の子っているのー? とイヤに返答しづらい質問を投げ付けられてしまった。
その際、道城が目をそらしていたのは何故だろう。

数時間後―

建物からおよそ数分の場所に、100u程の畑がある。
そこに、道城達を引き連れた孤児院の子供達の姿があった。
基本的にこの町でも子供の仕事は遊ぶ事だが、人手不足からか畑仕事などは積極的に手伝っているのだ。
むしろ、最近は遊ぶ時間よりもその他の手伝い事に体力と時間を費やしていると言ってもいい。
だが子供達にとって雑草抜きや水遣りも楽しい一時で、皆体中土まみれになって笑っていた。
その光景を見て、微笑むレイジに、畑そのものを見て考え事をしている道城。
2人とも紺色の服に着替えている。さすがに2、3日同じ服なのもアレだろうとドーランが用意してくれた。
見た目は紺色の長袖シャツと言った所だが、着てみるとゴワゴワしている…が、贅沢は言えない。
368ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/07/06(金) 00:23:58 ID:SIStF+WG0

畑の状況を見た道城は痛感した。太陽の光が当たらないこの世界、畑の作物すらロクに育ちにくいらしい。
以前テレビか何かで見た普通の畑とは違い、ここの畑の芋の葉はえらく貧弱である。
例の便所から汲取った肥しでなんとか育ってる、と言った所だろうか。
また、畑の向こう側に牧場や…牧羊の小屋も見える。牧場の規模から見ると、牧畜もそう進んでないのか。
となると、昨夜飯屋で食べたグラタンモドキはかなりの高級料理だったのかも知れない。
と、1人の子供が何かを見て急に慌てだした。それに連鎖し他の子供達も挙動不審になる。
慌ててドーランが子供達を落ち着かせ、道城が子供達を不安に陥れた存在の正体を確認した。
古城の方から真っ直ぐ此方に歩んでくる、3人の介子。
鎧による金属音を鳴らしながら、横一列に並んで迫ってくる。
道城とレイジは表情を変え、兵士達に面と向う。
兵士側もピタリと足を止め、中央の兵士が黄ばんだ紙を取り出し、挨拶も無しに紙に書かれた文章を読み始めた。

「異世界から参った貴方方に、我等が国王であるアルナ・ラウバルト様が今夜の晩餐にご招待なさられた。
 後ほど改めて迎えに参る。失礼の無い程度に支度しておくように。以上っ。」
それだけ読み上げると、これまた挨拶も無しに3人揃って回れ右をし、城の方へと帰っていく。

「ちょっと待てよオイ! 俺らはまだ行くとは―」
レイジが怒鳴るが、道城がそれを止める。

「レイジ君、チャンスだ。この町の王に会って話せるなら、少しは状況を把握できるかも知れない。」
「そうさ。正直ヤな王様だけど一度は会っておいた方がいいよ。ってか、あんたら一応客人なんだろ?」
道城とドーランの説得に、レイジも渋々ながらも同意する。
後でこっそりウルティメイト・ストーン越しにクラウスと相談でもしようかと思ったが、
昨夜から彼からの音信はまたまた途絶えていた―
369f作者:2007/07/06(金) 01:24:54 ID:H30FLpMgO
>リュウラ作者様。感想ありがとうございます!
今回のエピソードは、レッドキングと多々良島、そして初めて地球を見る主人公、というどうしてもやりたかった要素を全部まとめてみました。
まあ、いつもフォルテは、自分がやりたいようにやってるんですけどね…。

>ルミナ作者様。文才レベル高いですね。僕のフォルテなんて足下にも及びませんよ…(笑)
H-GUTSの人間関係とドラマが、第一話からはっきりと読み手に伝わってきました。
次回も楽しみにしています。


>ヘリオス作者様。
初めまして、フォルテ作者です。新たなるウルトラマンワールドの展開に期待しています。
370ヘリオス作者:2007/07/06(金) 21:39:23 ID:yBtkVwVq0
 『ウルトラマンヘリオス』:設定2
 〈防衛庁怪獣対策局〉
  防衛庁内に設置された、対怪獣戦の指揮、兵器開発、研究等を一括して行う部局。通称〈防獣局〉。
  怪獣出現時には陸・海・空各自衛隊の幕僚幹部をその指揮下において直接命令を下すことができる。
  その構成員は皆、自衛隊を中心に各方面から選抜されたエリートである。
  また、自前の戦力として、戦略航空団〈アルバトロス〉、小型獣掃討部隊〈スイーパー〉、特殊兵器運用班〈Hユニット〉を擁している。
  とくにアルバトロスは、強襲機動空母〈まほろば〉を基地とし、現場への迅速な出動が可能なことから、「日本の海兵隊」の異名を持つ。
371sage:2007/07/06(金) 22:46:58 ID:OO2TlAmsO
〉リュウラ作者様。前回は訂正ありがとうございました。TPCだ
けでなくティガ、ダイナで聞いたことのある単語が、これからも度々
出てくると思います。

〉フォルテ作者様。高評価を頂き恐縮です。期待に沿えるようこれ
からも精進したいと思います。

〉ヘリオス作者様。かなり設定が創り込まれていて、とても楽しみ
です。オリトラ新人同士、お互いに頑張りましょう。
ルミナ第2話は、明日投下予定です。
372ルミナ作者:2007/07/06(金) 23:05:06 ID:OO2TlAmsO
名前欄とメール欄間違えました…orz
373クラウス極番外編:2007/07/09(月) 00:07:12 ID:AitN+2cB0

どこかの誰かさんJr 登場


   拝啓 なんたらかんたらな候 格別のどうたらこうたらを感じる季節になりました。
  さて、四の五の言わずに本題に入りますが、先日父親がポックリ逝ってしまった故、
  葬式をやってここぞとばかりに香典をがっぽり貰おうという企みであり、
  是非とも貴殿方にご参加していただきたい次第であります。つか来い。
  3日後の夕方お迎えに参りますので首を洗って待っててくださるようお願いいたします。
                                         以上
 
A&R日本海本部にこの差出人不明の手紙が文字通り舞い降り、なんだ悪戯手紙かと
カサゴイ隊長が破こうとしたのを、カミヤレイジが慌てて喰い止めてから3日が経った。
その日レイジは、午後休暇を利用し、以前訪れた事のあるやたら寺と工場の多い町へと足を運ばせていた。
手紙には何処其処で待っていろとの指示は書いてなかったが、なんとなくここではないかと察したのだ。
時刻は午後4時、まだ夕方と言うほど日は傾いていない。レイジは缶コーヒーを手に公園のベンチに腰掛ける。
微糖コーヒーを半分ほど飲んだ所に、隣にあまり髪の毛が濃くない老人がよいしょと腰を下ろした。

「よう、兄ちゃん。あんたも誘われたクチかい?」
レイジが今日は御爺さんと声をかける前に、その老人の方が早く口を開いた。

「誘われた…? 御爺さんも、ですか?」
「そ。3日前にいきなり便所に座ってる俺の目の前に落ちてきたんだよ、手紙が。」
「へー…。そうだ、香典はいくら包みました?」
「退職金や溜めてた金もそこそこ残ってたし、もう使い道もねーから500万円はあるぜ。」
「ごごご、ごひゃくまん!? あちゃー、俺なんかたった3万円ですよー。」
「ははは、用は気持ちなんだよ、気持ち。それに、ちょいと頼みたい事もあるしな…。」
何故にこんな老人もこの謎の手紙を受け取ったのかはレイジは疑問視しなかった。
だって考えるだけ無駄だし。
374名無しより愛をこめて:2007/07/09(月) 00:08:39 ID:AitN+2cB0

しばし老人と世間話をしていると、何時の間にか辺りはセピア色に染まっていた。
すると、頭上から聞いた事のあるような奇妙な音と光と共に、奇怪な形の円盤が舞い降り、
レイジと老人は円盤から発射された光線によって、円盤へと吸い込まれた。
気が付くと、そこは、宴会場だった。一応葬式に呼ばれたはずなのに、宴会場。それも畳座敷の。
大きなちゃぶ台の上に置かれた豪華な料理や酒、それを頬張る異形の者達。
どこが胴体なのかはっきりしない黒い怪物が日本酒をラッパ飲みしつつサンゴの化け物に泣きまとい、
酒の変わりにガソリンを樽で飲み干す変な奴もいれば、毛むくじゃらの人間の様な者がメロンを食べている。
よぉビラ星人、最近どうだぁい? 
ボチボチでんな、ビラ配りのバイトしながら頑張ってるよ! ビラ星人だけになワハハハハハ!
ってな意味不明な会話をしてる連中もいた。

「えー、お集まりの皆様ー、出席者の頭数が揃いましたゆえ、香典を収集いたしまーっす。」
テレポーテーションか何かで突然宴会場に現れた、
顔はオレンジ色で体は水色の寸胴宇宙人がニコニコしながら袋を持って呼びかけた。
その呼びかけに異形の者達は香典を次々に袋へ突っ込む。レイジも場の流れで3万円を袋へ押し込んだ。
1通り香典を受け取ると、ニコニコ宇宙人は残る老人の方へ駆け寄り、話しかける。

「おじいさん、後はおじいさんだけですよ。」
「ああ、渡す渡…って、君、もしかして…!?」
「やはり貴方でしたか。生前、父からよくお話を窺いました。」
「息子かぁ!! いやはやぁ、よく似てんなぁ、このツギハギ部分なんかもソックリだ!」
「父はアイスラッガーで斬られたんですけど、僕はバーチカルギロチンを避け切れなくて…」
「君ら親子はよく切断されるなぁ!」
会話に盛り上がる2人の片隅、レイジはこの流れに全く付いていけなかった。
375名無しより愛をこめて:2007/07/09(月) 00:09:52 ID:AitN+2cB0

それから、深夜。
レイジは、先の公園のベンチで、星空を見上げていた。
老人は、いない。
どう言うわけか記憶が曖昧なのだが、老人との別れは確かこんなんだった気がする。

 『つーわけで、息子さんよ…。その、これから、星へ帰るんだろ?』
 『そうですね。』
 『それでよぉ、香典なんだけど、ほら…』
 『お札が何百枚もあるじゃないですか、こんなにもいりませんよ。』
 『いや、アレだ、その、この宇宙船に乗って、その運賃と言うか』
 『ああ、その事でしたか。』
 『へ?』
 『‘ケンちゃんが、本気で地球に見切りを付けウチの星に行きたいと言うのなら、喜んで迎え入れなさい’。
  父の遺言です。』
 『!! メト――』

後は、よく覚えてない。
他に覚えている事といえば、ブラコ星人に無理やり飲まされた酒の味ぐらいである。
明日は、二日酔いしそうだ。
376f作者:2007/07/09(月) 22:32:14 ID:uAVjh2xHO
こんばんわ、フォルテ作者です。

>クラウス作者様。これは、中江真司氏の追悼作品ですね。
そんな中、ウルトラマンAのメトロンJr.の起用が、これまた上手いですね。
この場を借りて、中江真司氏のご冥福をお祈りします。
それでは、第9話スタートです。
深夜、爆風と火柱で炎に包まれる東京H地区。
立ち並ぶ高層ビルは次々と崩壊する中、芋虫の様な顔、二足歩行型で恐竜タイプのボディだが、頭から足まで赤紫でゼラチンやスライムのようなブヨブヨとした体を持つ一匹の怪獣が暴れている。
地球に侵入して来た宇宙怪獣ラチアータである。
現場に急行したチームAMKSは、フジヤマ一号機に乗るジェイコブ隊長の指示で怪獣に攻撃を開始。
二号機のロベルト、三号機のボムスと誠也が上空から怪獣を攻撃する。
ブシドーで現場に駆け付けた大地はインプラズマを取り出し、ウルトラマンフォルテに変身し、ラチアータを向かい打つ。
怪獣の戦闘能力は低く、確実に敵を追い詰めるフォルテとチームAMKS。
フォルテは腕を十字に組み、フォルテッシモインパルスを放ち、怪獣を粉砕する。
ラチアータの体は、勢い良く飛び散り、町中のあちこちにスライムのような破片が地に落ちる。
ロベルト「こりゃ掃除が大変だぁ…。」
ジェイコブ「ここからは防衛軍の処理班の仕事だ。ミッション完了、各員、AMKSドームに帰還せよ!」
フォルテは空へと飛び去り、チームAMKSはAMKSドームへ帰還する。
しかし、この時は誰もが思ってはいなかった。この戦いは、まだ続いている事を…。
徐々に空が明るくなる早朝、全身白い特殊スーツを装着した地球防衛軍の第二処理班が、
怪獣の残骸の回収作業に入る。
現場となった街は、まだ煙が立ちこめる中、たくさんのカラス達が餌を求めて街に集まる。
街のゴミ捨て場や、道端に落ちている残飯を啄むカラス達。
しかし、一部のカラス達は防衛軍の処理班の横で、散らばっていたラチアータの残骸を食べ始める。
作業に邪魔になるのでカラス達を手で追い払う一人の作業員。
すると、その作業員は、怪獣の残骸を食べてしまった複数のカラスが、痙攣を起こしながら苦しんでいるのに気がつく。
作業員A「これは…。」
作業員B「怪獣の体に毒でもあったんじゃないのか…?」
377f作者:2007/07/09(月) 22:34:19 ID:uAVjh2xHO
ただならぬ状況に、苦しむカラス達を囲み、意見を交わす処理班のメンバー達。
その時、突然一人の作業員の叫び声があがり、驚きながら振り向くメンバー。
なんと、ラチアータによく似た体で、背中に翼を持つ、全身黒づくめで、赤紫色の瞳の鳥のような顔をした等身大の怪獣が作業員を襲っている。
慌てて他のメンバーが助けようとするが、
怪獣は一匹ではなく、次々に現れて処理班のメンバーも襲撃される。
必死に抵抗し、全力で怪獣達から逃れる処理班のメンバー。
そんな中、作業員の一人は、ラチアータの残骸を食べて苦しんでいたカラスが、徐々に怪獣の姿に変わるのを目撃するのであった…。
一方、AMKSドームでは、深夜のミッションから帰還し、
就寝していたメンバーが、慌ただしく隊員服を身にまといながら、次々と作戦室に駆け付ける。
ジェイコブ「いったい何事だ!?」
奈緒「東京H地区で怪獣が多数出現、作業中の処理班を襲撃中。
第二処理班から救援要請が出ています!!」
ジェイコブ隊長の問い掛けに、オペレーターとして情報収集をしていた奈緒が答える。
奈緒「東京H地区の防犯カメラにアクセス完了、
現場の映像をメインモニターに映します!!」
奈緒がそう言うと同時に東京H地区の一角に設置された防犯カメラから、
無数の怪獣が街を飛び回ったり、彷徨い歩いている映像が、メインモニターに映し出される。
ロベルト「こいつら、どっからわき出てきたんだ!?」
誠也「きっと、奴等は宇宙人か異次元人で、一斉に地球に攻めて来たんですよ!!」
メインモニターを睨むような目で見るロベルトと誠也。
奈緒「いえ、第二処理班から、街のカラスがラチアータの残骸を食べて
怪獣化したのを目撃したとの報告があります。」
ボムス「何だって!?」
大地「そんな…!オレのせいだ…。」
ウルトラマンフォルテになり、フォルテッシモインパルスを放って怪獣を粉砕し、
残骸を飛び散らせた大地は、責任を感じ、握った拳を机に叩きつけ、悔しそうにメインモニターを見つめる。
ジェイコブ「何を言っているんだ、大地のせいなんかではない。
むしろ、この様な危険性を視野に入れず、帰還するように指示をした私の責任だ!」
大地がウルトラマンフォルテだと知るよしもないジェイコブ隊長は、自分を責任があると責め始める。
378f作者:2007/07/09(月) 22:38:43 ID:uAVjh2xHO
間宮「いいえ、チームAMKSのミッションは宇宙怪獣ラチアータの殲滅でした。あなた達に非はありません。」
そう言いながら、吾郎博士と一緒に作戦室に入って来る間宮長官。
間宮「怪獣のコードネームは黒色怪獣ラチード、現在も数は増殖し続け、その数、推測百匹。」
誠也「ひゃ、百匹!?」
間宮「H地区に隣接するエリアの住民の避難は、完了していません。
怪獣を周囲のエリアに出すと、多数の被災者が出るのは必至です。
何としても、ラチードをH地区内にと止め、殲滅する必要があります。」
ロベルト「しかし、どうやって奴らを仕留めるんですか?
怪獣を倒して、またその残骸をカラスが食べたら、同じ事の繰り返しですよ?」
吾郎「そこでコイツを使用するんだ。」
ロベルトの疑問に答える為、吾郎博士は整備室の現在の様子をメインモニターに映し出す。
間宮「柳本班長、準備はできましたか?」
柳本(モニター)「フジヤマ二号機、スタンバイできました…。」
間宮長官の声にメインモニターに映る整備班の柳本班長が答える。
ボムス「あれは、まさか…。」
ロベルト「どうしたボムス?」
ボムス「間違いない…ネオQXだ…。」
驚くボムスが言う『ネオQX』とは、かつて科学特捜隊が、対ザラガス戦に使用したQXガンをもとに開発した、ビーム砲である。
ボムス「ネオQXは、三発しか完成せず、開発に二十年の歳月がかかったうえに、
その破壊的威力から使用が規制されているはず…。」
間宮「えぇ…、ボムス隊員の言う通りです。
しかし、もはやラチードを倒すには、ネオQXしかないと考え、
今回使用を許可する事にしました。」
誠也「しかし、三発しかないネオQXを、どうやって無数の怪獣達に撃つんです?」
菅野(モニター)「そこで、これを使います!」
誠也の質問に答える為に、久々の登場、整備班の若き女性整備士の菅野がメインモニターに映り、
彼女はフジヤマ二号機のライトをつけたり消したりする。
ロベルト「…どういう事だ?」
ジェイコブ「なるほど、もとはカラスの怪獣達を、
光り物に見せかけたライトでおびき寄せて、一点にまとまったたところを、撃つというわけか…。」
379f作者:2007/07/09(月) 22:43:14 ID:uAVjh2xHO
間宮「えぇ…、しかし、この作戦で必ず敵を引きつけれる保証はありませんし、
うまく敵がまとまったとしても、全ての敵を撃ち抜くというのは至難の技です。」
間宮長官の説明に静まりかえる作戦室、たしかに今回の作戦は、高度な技術が要求される。
大地「しかし、これしか方法は無いんですね…。」
大地の言葉に頷く間宮長官。
大地「この作戦、オレにやらせてください。」
大地が作戦に自ら志願するのは、フォルテッシモインパルスで
ラチアータを粉砕してしまった自らの責任から出たものであった。
ジェイコブ「ふむ、たしかに今回のミッションには、大地の腕が適しているな…。
よし、フジヤマ二号機の操縦を任せたぞ、大地!」
大地「了解!ありがとうございます!」
そう礼を言って意気込む大地。
間宮「それでは、大地隊員はフジヤマ二号機でラチードの殲滅、
ジェイコブ隊長達は
地上からフジヤマ二号機を援護、第二処理班の救助をお願いします。」
メンバー「了解!!」
ジェイコブ「チームAMKS、出動!!」
整備室に向かい、フジヤマ二号機に乗り込む大地。
ジェイコブ隊長とロベルトは、それぞれチームAMKS専用バイク「ヨコヅナ」に乗り、
ボムスと誠也はチームAMKS専用車「ブシドー」に乗り現場に向かう。
奈緒「各員に連絡、ラチードの数は、現在八百匹にまで増加、十二分に警戒してください。」
AMKSドームから現場の状況を報告する奈緒。
ボムス「八百匹か、随分増えたな…。」
誠也「まるでゲームセンターのゾンビを撃つゲームみたいですね…。」
ボムス「そんな簡単なモンじゃないだろ…。」
東京H地区では次々とカラス達が怪獣化し、街を徘徊している。
一匹のラチードが飛び立とうとしたその時、突如、怪獣の体をレーザー光線が貫く。
現場に到着したブシドーのレーザー砲からの攻撃である。
ブシドーの存在に気がついた怪獣達は、一斉に襲いかかろうとするが、
ヨコヅナから降りたジェイコブ隊長とロベルトにアンカスガンで次々と撃ち抜かれ、その場に崩れる。
380f作者:2007/07/09(月) 22:45:38 ID:uAVjh2xHO
倒れた仲間達を前に動揺して怪獣達が怯んだ隙に、
ブシドーの運転席から降りてアンカスガンを構えるボムス、助手席から降りてアンカスガンを二丁構える誠也。
二人とも、さっきブシドーの中で雑談をしていた時とは、まるで目が違う、鋭い眼差しだ。
奈緒「チームAMKS地上部隊、東京H地区に入りました。まもなく第一、第三処理班も現場に到着します。」
現場の状況を、奈緒が少し早口で間宮長官に報告する。
吾郎「ん?なんで第一処理班と第三処理班も現場に向かってるんだ?」
いつものなまった口調で質問する吾郎博士。
間宮「カラスが怪獣の残骸を食べなければ、怪獣の増殖は防げます。
ネオQX以外の武器で倒したラチードは…。」
吾郎「なるほど…。処理班に回収させて、怪獣化を防ごうってわけか…。」
間宮長官の作戦を理解して深く頷く吾郎博士。
その頃、大地を乗せたフジヤマ二号機は、いよいよ現場の上空に到着。
大地「東京H地区上空に到着、これより作戦に移ります。」
二号機は低空飛行でH地区内を回り、ラチード達の注目を集めてから、一気に高度をあげ、ライトを点滅させる。
突然現れて、宙に輝く二号機に、目を奪われるラチードの集団。
一匹、また一匹と、空に吸い寄せられるかのように、怪獣達は、次々と二号機に向かい飛び立つ。
吾郎「よしっ!!いいぞ!」
奈緒「…。」
メインモニターに映る現場の映像を見て、興奮する吾郎博士の横で奈緒は黙って二号機を見守る。
大地「来たか…。」
地上から迫り来る怪獣達から逃れるように、大地は二号機を反転させて後退する。
間宮「チャンスは三回のみ、出来るだけ多くのラチードを引きつけてから撃つのよ!」
大地「了解!!」
間宮長官の指示を受け、向かって来るラチードの大群にネオQXの標準を合わせる大地。
大地「まだだ、まだ引きつけられる…。」
思わず独り言を呟き、大地は全神経を集中をさせ、狙いを定める。
次第に、敵は、大地の思うように集まり、ついにラチードの大群が二号機の狙いに定まる。
大地「ターゲット複数捕捉…周囲に障害物無し!ネオQX、発射!!」
大地が叫ぶと同時に、二号機から凄まじい光線が、ラチードの大群に向け放たれる。
381f作者:2007/07/09(月) 22:47:51 ID:uAVjh2xHO
光線が直撃した怪獣達は、次々と消滅し、跡形も無くなり空に散る。
奈緒「ターゲット、30%消滅…。」
間宮「一撃でここまでやるなんて…。流石は元札幌支部のエースパイロットね…。」
奈緒の報告を聞いて、大地の腕に、思わず感心を寄せる間宮長官。
しかし、当の大地は、唇を噛み締め、前方を見つめる。
大地「ネオQXを放つ反動で、軌道が狂ったか…。」
どうやら、大地の計算では、もっと多くのラチードを仕留めれたはずだったが、ネオQXを発射した時の反動で多少のズレが生じたらしい。
間宮「気にする事は無いわ大地隊員。他の隊員だったら、今の一発では20%の敵も倒すことは出来なかったはずよ。」
大地「長官…ありがとうございます。」
間宮長官にフォローされた大地は、仲間を目の前で消され、警戒心をむき出しにしているラチード達から、一旦、距離を置く為に、再び機体を後退させる。
敵が再び油断したところを攻撃をするという目的もあるが、
今は、何よりネオQXを使いこなす為に、計算する時間が欲しかったのである。
しかし、敵は先手をうって来た。
突如、フジヤマ二号機に衝撃が走る!無数のラチード達が機体に特攻を仕掛けてきたのである。
大地「しまった…!!」
慌てて、敵の襲撃から、全力で逃げる大地。ラチード達の特攻ぐらいで大破する程、柔なフジヤマ二号機ではないが、確実にダメージは受けている。
ジェイコブ「まずい!二号機を援護しろ!!」
地上で、二号機が引きつけられなかった怪獣達と交戦していたジェイコブ隊長は、上空でピンチに陥る大地に気がつき、
ロベルト達に指示を出す。
一斉に上空にアンカスガンを構えて、二号機からラチードの大群を追い払うチームAMKSのメンバー。
地上からの援護を受けて、なんとか怪獣達から逃れる事が出来た大地。
しかし、二号機のモニターを見て、再び大地の顔が曇る。
大地「システムエラー…?どうなってるんだ!?」
ジェイコブ「どうしたんだ大地!?」
大地の様子に異変を感じたジェイコブ隊長は、心配そうな表情で通信機で呼び掛ける。
382f作者:2007/07/09(月) 22:49:43 ID:uAVjh2xHO
大地「今の襲撃で、砲台がやられました。ネオQX、発射出来ません…!」
誠也「なんやて…!」
大地の通信を受け、絶句するジェイコブ隊長達。
作戦室にいる間宮長官達にも重い空気が漂う。
その時、再びフジヤマ二号機の周りをラチード達が囲み、今度は次々と機体にへばりつくように、くっつき始める。
ジェイコブ隊長達が慌ててアンカスガンを構えるが、それを無駄だと言うように、
次々と二号機に向かい、エリア内にいた全てのラチードが飛び立つ。
大地「脱出不能!!」
その通信を最後に、大地からの連絡は途絶えてしまう。
それと同時に、ラチード達は次々と集まり、体をスライムみたいにして、互いにくっつき始める。
全てのラチードが集結し、全身赤紫で、ラチアータの頭部と体、ラチードの翼を合わせ持つ、巨大な融合怪獣、ネオラチアータが誕生する。
その左胸には、フジヤマ二号機が剥き出しに取り込まれている。
間宮「なっ…!!」
ジェイコブ「大地ぃー!!」

大地「自ら一つに固まってくれるなんて、こっちにとっては好都合だ…。」
周囲の心配をよそに、コクピットの大地は、冷静にインプラズマを手に取り、
ウルトラマンフォルテに変身、ネオラチアータの前に立ち塞がり、構える。
ボムス「ウルトラマンフォルテ…。」
フォルテが登場してもコクピット内の大地が心配なチームAMKSのメンバーは、依然、揃って眉間にしわを寄せている。
まあ、フォルテは大地なので、その心配は無用なのだが…。
ジェイコブ「大地の事はフォルテに任せ、我々は第二処理班の救助を急ごう!」
そうフォルテを見つめながら指示を出したジェイコブ隊長は、メンバーを引き連れ、第二処理班の救助に向かう。
突如現れたフォルテに向かい、不気味な雄叫びをあげるネオラチアータ。
まるで二度目の敗退はないぞとフォルテに宣言をしているようにも見える。
フォルテは敵に向って駆け出し、接近戦を試みるが、ネオラチアータは、宙に飛び上がり、これを回避する。
フォルテは再び、怪獣と向かい合い、攻撃を仕掛けようとするが、
ネオラチアータは両方の翼を大きくばたつかせ、突風を作り上げ、フォルテをよろめかせる。
383f作者:2007/07/09(月) 22:53:04 ID:uAVjh2xHO
怪獣が作り上げた突風に、耐えきれず後ろへ吹き飛ばされるフォルテは、ビル巻き込みながら倒れ込む。
フォルテがネオラチアータに苦戦する中、
ジェイコブ隊長達は怪獣達から身を隠し、救助を待っていた第二処理班がいるビルに到着、一人、一人の避難誘導を始める。
奈緒「チームAMKS地上部隊、第二処理班の救助活動を開始。」
間宮「あとは、大地隊員ね…。」
奈緒の横で、メインモニターを見ながら呟く間宮長官。
奈緒「大地隊員なら、きっと大丈夫ですよ…。」
そう言いながら、奈緒はメインモニターに映る、フォルテを見つめる。
カラータイマーの点滅が始まり、よろめきながら立ち上がるフォルテ。
ネオラチアータはフォルテに狙いを定め、翼を大きく広げ、
特攻を仕掛けるが、フォルテに両腕で掴まれ、投げ飛ばされてしまう。
二号機に受けたラチードの特攻から、フォルテである大地は、この攻撃パターンは読めていた。
フラつきながら起き上がるネオラチアータに向かい、フォルテは腕を十字に組む。
狙いは敵の左胸にあるフジヤマ二号機。
フォルテはフォルテッシモインパルスを放ち、ネオラチアータの左胸を打ち抜く。
フジヤマ二号機が爆発すると共に、搭載されていたネオQXが破裂し、ネオラチアータは完全に消滅する。
それを見とどけ空に飛び去るフォルテ。
奈緒「ターゲット、消滅を確認。」
モニターを見ながら、いつもの口調で報告する奈緒。
ロベルト「でも、大地が…。」
ボムス「大地隊員!」
誠也「大地さぁん!!」
完全に大破したフジヤマ二号機に向かい、駆け出すロベルト達。
大地「おいおい、オレならここにいるよ…。」
軽く笑いながら、メンバーの後ろに現れる大地。
ジェイコブ「大地!無事だったのか!!」
驚きながらも、喜びながらチームAMKSのメンバーは大地を取り囲む。
ボムス「でも、どうやって助かったんですか?」
大地「いや、またウルトラマンフォルテに助けられてね…。」
384f作者:2007/07/09(月) 22:54:35 ID:uAVjh2xHO
誠也「なんや、そうだったんですか。もう驚きましたよ!
ウルトラマンフォルテがフォルテッシモインパルスを放った時は…!」
ボムスの質問に答える大地。それを聞き、胸を撫で下ろす誠也。
ロベルト「本当だぜ、大地も、ウルトラマンフォルテも、冷や冷やさせやがる…。」
まあ、同一人物なのだが…。
ジェイコブ「ミッション完了!これよりチームAMKSは第二処理班と共に帰還する!」
奈緒「了解!」
ジェイコブ隊長の報告を聞き、奈緒の横で、笑顔で互いに握手をする間宮長官と吾郎博士。
奈緒「さて、これでようやく寝れるわね…。」
深夜から今まで寝る暇もなかった奈緒は大きなあくびをしながら席を立つ。
東京は、すっかり朝になり、今日も一日が始まるが、チームAMKSの長い一日の終わりは今からなのである…。


次回予告
聡少年達が下校途中に出会った一人の男。
彼が描く、空を泳ぐ金魚、そして街に現れた怪獣の関係とは…?

次回「追い求めた理想郷(ユートピア)」(幻想怪魚アカメ登場)
385アルファ→現パラレル作者:2007/07/10(火) 00:58:27 ID:9fRat8Ld0
クラウス作者様
老人は、ひょっとしてあのときの刑事さんなんでしょうか?

フォルテ作者様
サブタイトルが入ってませんが、確か前回予告編がありましたね。
タイトル何だったっけ?
やはりザコでも無数で攻めてくるのは困りますね。緊迫感が煽られて
いい感じでした。M87系の流れの上にあったことが今回の設定で
はっきりしたのも興味深い。
386f作者:2007/07/10(火) 05:50:05 ID:CrVhU5ZLO
>パラレル作者様。
失礼しました。


第9話「増殖怪獣800匹」(宇宙怪獣ラチアータ、黒色怪鳥ラチード、融合怪鳥ネオラチアータ登場)

でした。何で忘れてしまったんだろう…。
387ヘリオス作者:2007/07/12(木) 16:05:13 ID:Y8PbR9/30
 『ウルトラマンヘリオス』:設定3
NPO法人・SSS-NET(スリーエスネット)
 志村和仁が所属する、怪獣の情報収集、研究、怪獣による被災者の支援等を行うNPO法人。
 -Surching(調査)Studying(研究)Supporting(支援)Network(ネットワーク)-の略称。
怪獣大戦争の後、民間の研究団体と災害ボランティア団体の協力によって設立された。
 日本全国に支部を持ち、大学等の研究機関や、各自治体との情報面での交流も盛ん。
 防獣局にはあまり好意的に思われていない。
 和仁が所属するのは関東第2支部。
388バルグ作者:2007/07/14(土) 11:44:59 ID:J3N3inNd0
一回、設定とか見直して1話から投下しようとおもうんですがいいですかね?
正直、勢いだけで書き進んだからもう見直してこれは酷い……ってことになりまくってるんですよね。
とりあえず皆さんの許しがいただけるなら一回最初からやり直したいんですがいいですかね?
389クラウス筆者:2007/07/14(土) 14:56:33 ID:5nBpErHY0
どぞ。
期待しとります。
390ヘリオス作者:2007/07/14(土) 16:34:19 ID:mhyiL9HL0
 『ウルトラマンヘリオス』

 第一話「再会の時」

 あの日、俺達はいつものように、丘の上の公園にいて、町の風景や空を眺めていた。
 同じ日本のどこかで怪獣との戦いが行われている、なんて言われても実感が持てない位、いつもと変わらない平和な日常。
 でもそれは、あの日を境に一気に崩れ去っていった。
 あの日・・・。怪獣の群れが俺達の町を襲った日。宇宙からあの銀色の巨人がやってきた日。そして彼女が姿を消してしまった日・・・。

 昭和86年、春。その夜、三浦半島のとある海岸沿いの道路を学生服を着た少年が一人、自転車で走っていた。学校からの帰宅途中である。
 時刻は9時近い。少年が何気なく海の方を見ると、彼の視界に信じられないものが飛び込んできた。
 それまで波一つなく穏やかだった海面に、突然大きな波紋が生じた。
 少年は思わず自転車を停め、海に見入った。
 すると、波紋の中心から巨大な影が浮かび上がってきた。
 その影は人に酷似した姿で、頭部の巨大な一つ目が見開かれ、闇の中で不気味に光っていた。
 「・・・怪獣!?」と、少年がつぶやくのと同時に、その巨大な影は再び海中へと潜って行った。

391ヘリオス作者:2007/07/14(土) 16:35:29 ID:mhyiL9HL0
 翌日、少年が影を目撃した場所のすぐ近くの海岸に、車体に〈NPO法人・SSS−NET〉と書かれた1台のライトバンが停車した。
 バンのドアが開いて、中から2人の男が降りてくる。〈SSS-NET〉職員、志村和仁と本間豪だ。
 「おい、本当にこんなとこに怪獣が出たのかぁ?」
 本間がダルそうにつぶやく。
 「夕べ学校帰りの高校生が、見たといって事務所の方に電話してきたんですよ。」
 和仁がいう。その首には勾玉に似た形状のペンダントがぶらさがっている。
 「で、その目撃者の高校生は?」
 「それが、学校があるんで来られないそうです。」
 「はあ?なんだそりゃ。やる気あるんだか無いんだか・・・・・」
 ブツブツ言いながらも、二人はバンのトランクに搭載されたコンピュータを起動させ、観測機材のセッティングを始めた。
 怪獣が〈発生〉する際、その周辺ではプラズマが生じ、〈オメガC−3波〉と呼ばれる特殊な波動が検出される。
 これらの機材は、そういった怪獣発生の予兆を観測するための、いわばレーダーのようなものである。
 本間は観測のため車に残り、和仁は周辺調査のためにガンカメラ状の物を持って岬の方へ向かう。車に搭載された装置の小型版である。
 岬へ続く岩場を歩きながら、和仁はふと空を見上げた。
 (あの日の空も、こんな感じだったな。真っ青で、雲ひとつなくて・・・・)
 突然、強い風が吹き抜けた。和仁は思わず目をつぶった。目を開いて前を見ると、岬の近くに人が一人立っているのが見えた。
 遠目でも女性であることがなんとなくわかった。軍服のような服の上に黒いスカイジャンパーを着ている。黒い髪をショートカットにしていた。
 和仁が見入っていると、女性の方も気づいたらしく、和仁の方を向いた。
 こちらを向いたその顔を見て、和仁は言葉を失った。
 彼女の顔は、あの日自分の前から忽然と消えた人と、全く同じだった。
 そして彼女の首にも、和仁と同じ勾玉状のペンダントがぶら下がっていた。
 最早疑いようも無い。和仁は押し殺した声でつぶやいた。
 「・・・・・・・由里」
392ヘリオス作者:2007/07/16(月) 16:30:50 ID:sGkY+EQ40
 須藤由里・・・。6年前のあの日、和仁のかつての恋人。
 二人の間には距離がある上、和仁の声が小さかったので彼女に聞こえるはずもなかった。
 由里・・・に瓜二つの彼女は、怪訝な顔をして和仁に背を向けると、岬へ向かって歩き出した。

 同日同時刻。陸上自衛隊市谷駐屯地の地下深くに設置されている怪獣対策局、通称〈防獣局〉の中央司令室。
 そこの巨大スクリーンには、観測レーダーが捉えた三浦半島沖のオメガC−3波のデータが映し出されていた。
 「この波形は・・・、ヘリオスが活性化している。」
 司令室の最奥に置かれたデスクに座っていた局長・八神隆市がつぶやいた。
 「局長、これは・・・」
 オペレーターの一人が八神に向かって言った。
 「おそらく、奴等の存在を感じ取り、共鳴現象を起こしているんだ・・・各方面へ通達だ、第一種警戒態勢!」
 八神の号令とともに、司令室がにわかに騒然となり始めた。

 和仁は頭が真っ白になり、何も考えられなかった。
 突然、手元の観測機のブザーが鳴り、彼は我に返った。すでに彼女の姿はない。
 「オメガC−3波!?でもこ波形は・・・・・」
 それは今までに見たこともない波形だった。通常のオメガC−3波とは全く逆の波形。それが岬の方向から検出されている。
 「どうなってるんだ、一体。」
 多少混乱しながらも、和仁は岬へ向かった。
393ヘリオス作者:2007/07/16(月) 16:52:33 ID:sGkY+EQ40
 岬の断崖に空いた洞窟。オメガC−3波はそこから発信されているようだ。
 和仁は、自分の向かっていた洞窟へ入っていく人影を見た。よく見るとさっきの女性である。
 (あれはさっきの・・・・由里?でも、まさか)
 必然的に彼女の後を追う形で、和仁は洞窟へ入った。
 奥へ奥へと進むほど、波形は強くなる。
 (彼女は、どこへいったんだ?)
 波動の発信源よりも、彼女の後を追って、和仁はさらに奥へと進む。
 「・・・・・・・・!?」
 行き止まり、と思ったそこには、金属製の扉が、岩盤に埋め込まれるように存在していた。
 そして扉の横には、逆三角形の絵が描かれたボタンが付いていた。
 「エレベーターなのか?」
 和仁はボタンを押すと、扉が開いた。
 (行ってみよう・・・)
 和仁はエレベーターに乗り込んだ。
 「
394ヘリオス作者:2007/07/17(火) 16:01:19 ID:4f5c2UYg0
扉が閉まると、エレベーターは自動的に地下へと降りて行く。階数の書かれたボタンは無く、[△][▽]と書かれたボタンが一個ずつ、壁に付いているだけだった。
 エレベーターが停まり、扉が開いた。
 そこは暗い、巨大な空洞だった。だんだんと目が慣れてきて周りの様子が見えてきた。
 「・・・・・!?」
 和仁はわが目を疑った。
 そこには‘ 巨人‘が横たわっていた。
 「まさか、こいつは・・・」
 そうつぶやいた時、和仁の首のペンダントが緑色の光を発し始めた。
 すると、それに反応するように、巨人の目が光りはじめた。
 和仁が驚いていると、巨人はその体をゆっくりと起き上がらせた。立ち上がった巨人は和仁を見下ろす。
 闇の中に浮かぶ巨人のシルエットには見覚えがあった。
 「お前は・・・・ウルトラマン!」
 次の瞬間、急に目の前が明るくなった。壁面に取り付けられた照明が点いたためだ。
 間違いない。和仁の前に立つ、体に緑色のラインが入った銀色の巨人こそ、6年前のあの日、宇宙から飛来して怪獣群を撃退し、忽然と消えて行った伝説の存在、〈ウルトラマン〉だった。
395ヘリオス作者:2007/07/18(水) 16:12:24 ID:4AGQa+as0
 「なんで、コイツがここに?・・・彼女は・・・?」
 頭が混乱する。すると突然、「動くな。」という声とともに、和仁の背中に銃口が突きつけられた。

 そのころ、本間の残っている車の観測機器は、プラズマの発生とオメガC−3波の波動を感知していた。
 「この波動・・・段々と強くなってる。」
 本間がそうつぶやいて海の方を見ると、突然海面が隆起し、昨夜の〈怪獣〉が姿を現した。
 「あれは、怪獣!!やべぇ、本当に出やがった・・・・・そうだ志村に、」
 本間は携帯で和仁に連絡をとろうとしたが、オメガC−3波の影響で画面がゆがみ、使用できなかった。
 「ちくしょーっ!!」 
 悲痛な叫びもどこ吹く風、怪獣ははるか遠くに見える沿岸のコンビナートに向かって進みだした。
 
396ヘリオス作者:2007/07/18(水) 21:29:16 ID:4AGQa+as0
  防獣局中央司令室に警報が鳴り響き、モニターに怪獣の映像が映し出される。
 「三浦半島沖に怪獣発生。形態はカテゴリーαと同種のものです。」
 「現在沿岸部のコンビナートに向かって進行中。およそ30分で到達します。」
 オペレーター達が矢継ぎ早に叫ぶのを聞き、八神が指令を下した。
 「通達しろ、状況の第3種警戒態勢への移行により、統合幕僚会議はこれより防獣局の指揮下に入る。」
 「了解!」
 さらに八神は付け加えるようにいった。
 「それから、柳坂(やぎさか)部長を至急呼び出せ!」
 「
397ヘリオス作者:2007/07/19(木) 21:25:49 ID:O96ifWgO0

 「軍事施設への不法侵入、殺されても文句は言えないな。」
 指揮官らしい男が言った。
 あの後、銃口を背中に突きつけられた和仁は、警備兵達によって別の部屋へと連行されていた。
 その部屋の中央にはデスクが並べられ、そろいの制服を着た男達が座っている。部屋の壁にはモニターやコンピュータが設置されていた。
 一通りの尋問がすんだ後、男は言った。
 「それにしても妙だな、洞窟の入り口にはられた〈障壁〉を透過できるのは彼女だけのはず・・・まさかお前も、ヘリオスと・・・」
 「ちょっと待ってくださいよ、何なんですかアンタ達は?ここは一体どこなんです?なんでここに、ウルトラマンが?」
 さっきから質問攻めにあっていた和仁は、もう我慢の限界とばかりに男達に向かって言った。
 「一方的に質問攻めにしたのは悪かったな・・・我々は防衛庁怪獣対策局所属、特殊兵器運用班〈H-ユニット〉だ。私は主任の佐沼一誠・二等特佐。」
 「えいち、ゆにっと?」
 「君がウルトラマンと呼んでいるあの銀色の巨人<ヘリオス>を運用し、怪獣を撃退するのが任務だ。ここは我々の海底基地<マーキュリーベース>。」」
 佐沼と名乗った男はさらに続ける。
 「さっき君がヘリオスに会った場所、あそこは未知の波動が集中する場で、我々は<神殿>と呼んでいる。」
 「・・・・・・・・・・・・はあ」
 和仁にはもう何が何だかわからなくなっていた。
398名無しより愛をこめて:2007/07/20(金) 07:08:58 ID:A7ZQ8Ev00
ここもえらく過疎ったなアゲ
399ヘリオス作者:2007/07/20(金) 16:59:23 ID:CAU752zv0
 司令室では、新たに入ってきた軍服姿の青年と八神が向かい合っていた。青年は目つきが鋭く、長く伸ばした前髪が、顔の右半分を覆い隠していた。
 「規則に従い、現場の指揮を君に委任する。たのむぞ、柳坂部長。」
  青年の名は柳坂拓真(やぎさかたくま)・一等特佐。若年ながら防獣局の作戦部長を務めるエリートである。
 八神に代わって指揮をとることになった柳坂が指令を出す。
 「いいか、怪獣の上陸はなんとしても阻止する。予想上陸地点から半径10キロ圏内に非難命令を出せ。それから、ヤツに最も近い部隊は?」
 「現場付近にはH−ユニット、さらに現在、<まほろば>が横須賀新港に向かって浦賀水道を航行中、それに横須賀の米軍がいますが・・・。」
 オペレーターの言葉を聞いて、柳坂の表情が曇る。
 「あの連中が動くことはまずない、〈まほろば〉へ連絡しろ。アルバトロス、スクランブルだ!」
400ヘリオス作者:2007/07/20(金) 17:00:50 ID:CAU752zv0
 強襲機動空母〈まほろば〉は、防獣局直属の戦略航空団〈アルバトロス〉の本部が置かれている、いわば動く洋上基地である。浦賀水道を航行中だったその〈まほろば〉に出動命令が下った。
 命令を受けた、艦長の円谷猪四郎・一等特佐は船を現場へ向けさせた。
 そして司令の波川空将の号令により、アルバトロスの戦闘機隊が飛び立っていく。   

 ものの5分もしないうちに、怪獣を発見したアルバトロス戦闘機〈X−7J・ソードフィッシュ〉の編隊は、直ちに攻撃を開始した。
 おびただしい量のミサイルが、怪獣へ向かって発射される。
 が、攻撃を受けた怪獣の体には傷一つ付いていない。
 怪獣はその一つ目を、自分に向かって突入してくる戦闘機隊の方に向けた。
 すると目の周りの空間が歪んで波紋を形作り、そこから戦闘機隊目掛けて圧殺波動が発射される。
 次の瞬間、戦闘機隊は木っ端微塵に吹き飛んでいた。
401ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/07/21(土) 22:11:06 ID:q5PhGgY/0
そびえたつ城に向けて、石造りの道を歩いていくレイジと道城
二人とも元のEAR、A&Rの服装に戻っている
この服が一番動き安いから、と、道城が言って孤児院を出る前に着替えてきたのだ
「昨日の丸一日着てたからやっぱ汗臭いな…」
家に篭って2階や窓の隙間から二人をこわごわ見つめる周辺住民の視線を感じながら、レイジは呟いた
「その辺は我慢してくれ、別に向こう人が我々の体臭を気にするとは思えんし」
不意に、レイジの顔が真顔になる
「それよりよ、何で俺たちをあの王様とやらは突然呼んだんだ?最初から俺たちを城に通せばいいのによ」
「そこだよ」
城の方に視線を向けながら、道城が語り始めた
「まず城主は我々がここに来たことを知っていた、と言う事は城主が我々をここに呼んだ張本人と言う可能性も否定できないわけだ」
「でも何のために?俺達を潰したいのなら飯に毒入れるとかでどうとでもなるはずだろ?」
「それがわかれば苦労はしない…、少なくとも油断はしない方がいいだろう」
道城の言葉に、レイジがため息をつく
「あ〜あ、な〜んでこんな面倒な事になったんだよ…、まだあのしつこい象鼻と戦ってた方が単純でマシだぜ」
「…まったくだ」
象鼻?何だそりゃと思いながらも、とりあえず道城は同意しておく事にした
402ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/07/22(日) 22:09:31 ID:0bJugxG50
「客人って何食うんだ?」
「バリュレアでも作っておけば間違いないだろう、早く用意しろ!」
城内の厨房にて、料理人達が右往左往に働いている。
噂の客人を晩餐に招き入れると言う知らせをついぞ3時間前に聞いたばかりの彼等は、
なんでもっと事前に知らせてくれないんだと文句を垂れながら、バリュレアと言う
この国きっての高級肉料理を8人分を大急ぎで調理している。
高級肉料理と言っても、城の庭で飼ってる鶏を自家製の植物性油で炒め、
これまた自家製の塩で味付けしただけのいたってシンプルな料理である。
が、今のこの国の現状だと、肉を食べると言うのは、城の者ですら贅沢なのである。
今まで気ままに暮らしていた1匹の運の悪い鶏が、城を代表して客人を身をもって持て成す事となった。

その頃、この城の城主である、かの淡紅髪の女は、城内の薄暗い長い廊下を2人の護衛介子と共に歩いていた。

「客は来たか?」
「ハッ、今現在城に真っ直ぐ向かっているとの事。」
「ならばいい。言っておくが、兵士達を城門や城庭にやたら配置するな。客に不安がらせぬように、な。」
「では私が兵達に指示してまいります。」
そう言った介子が1人先に、廊下を小走り事を急いぎ、
残る女と介子は、歩く速さを変える事無く会話を続けた。

「しかしラウバルト様、そろそろ客の正体がなんであるか明確にしていただけませんか? 兵達も不安に…」
「…そのための、晩餐会だ。」
それ以降、廊下を歩く2人は口を開く事は無かった。


「はっは〜、こりゃまた中ボスあたりが潜んでそうな城だねぇ。」
同時刻、ややヤケクソ気味に、目の前に立ちはだかる古城の第一感想を述べるレイジ。

「中ボスは兎も角、確かに遠くで見た時よりも印象は違うな。あまり穏やかな歴史を持つ城では無さそうだ。」
と、道城。古城の表面色は、元々薄黒いと言うよりも、何かにより薄黒くなった、といった所か。
城の各部分に、後から取ってつけたような大砲もある。
まだ城門の手前に着いたばかりの2人だったが、早くも憂鬱な気分になるのだった。
403ヘリオス作者:2007/07/24(火) 14:03:51 ID:4fkGprKm0
 戦闘の様子は司令室のモニターはもちろん、〈マーキュリーベース〉のモニターにも映し出されていた。怪獣の発射する圧殺波動によって、戦闘機が次々に撃墜されていく。
 「うわっ、やるなぁコイツ。戦闘機で歯が立たないなんて・・・主任、このままだと俺達も出動なんてことになるんでしょうか?」
 隊員が佐沼にたずねた。
 「さあ、まだわからん。まだな・・・・・」
 和仁はモニターを食い入るように見つめていた。
(一体、どうなっちまうんだ?)

 これ以上の犠牲者が出ることを危惧した波川司令は、全部隊に帰投を命じた。戦闘機隊がまほろばへ戻っていく。
404ヘリオス作者:2007/07/24(火) 14:21:52 ID:4fkGprKm0
 一方、司令室では。
「怪獣、進行を止めず、さらに前進。上陸まであと12分!」
 オペレーターが叫ぶ。
 司令室を飛び交う報告を聞き、一人考え込んでいた柳坂は、思い詰めたかのように言った。
 「やむをえない・・・H−ユニット出動!」
 「本気か!?ヘリオスはまだ動くかどうかわからんのだぞ!」
 八神が堪りかねて言った。
 「ヘリオスの活性化はすでに確認しているはずです。問題はありません。」
 柳坂が落ち着いた口調で言う。
 「だが、制限時間内に怪獣を倒せない場合、さらに被害が広がるぞ。」
 動揺しているのか、八神は声を荒げる。
「ではどうすればよいのです?ヤツに<スパイナー>を使えとでもおっしゃるんですか?」
〈スパイナー〉。それは怪獣大戦争の際に開発された、核兵器に匹敵するほどの破壊力を持つ特殊爆弾である。
余談であるが、スパイナーは怪獣大戦争中盤、仙台を襲った怪獣群に対して初めて使用され、それによって仙台は、巨大なクレーターと化して消滅している。
「それは・・・・・。」
八神は言葉に詰まる。この若者の持つ威圧的な雰囲気に、彼は完全に圧倒されていた。
「局長・・・もう他に手はありません。」
「わかった・・・・・。H−ユニット出動。」
405フレンズ作者:2007/07/25(水) 12:47:25 ID:X4GdUK630
第11話「少年の怪獣」復讐怪獣リーボーン登場

USG基地内

天道「ざ〜ん〜こ〜くな天使のように〜♪しょ〜お〜ねんよ神話に〜な〜れ〜♪」
天志田「それ何の歌?」
天道「エ○ァ。」
天志田「まあいい。行くぞ。」
天道「どこへ?」
天志田「俺の副業の職場。ついてきてくれ。」

私立 空雷寺小学校 職員室

天志田「おはようございます。」
教頭「あれ天志田先生、その方は?」
天志田「USGの、天道 歩隊員、俺の仲間です。」
天道「どうも。」
教頭「何故USGの隊員の方が?」
天道「どうもこうもないですよ。天志田がいきなり連れて・・・
めきょっ
天道「ぐごっ」
天志田「総合の時間にこいつにある事をしてもらうんです。」
教頭「そうですか。くれぐれも危ない事はしないように。」
天志田「はい。」
406フレンズ作者:2007/07/25(水) 13:19:13 ID:X4GdUK630
私立 空雷寺小学校 4−1 教室

天道「あ、仁君!久しぶり!」
仁「天道さん!久しぶり!」
天志田「なんだ、お前ら知り合いなのか。」
仁「はい先生、天道さんと僕は親戚なんです。」
天志田「そうなのか。」
天道「え、天志田、お前先生でもあるのか?」
天志田「ああ、それとお前にやってもらいたいことは・・・」
天道「なんだ?」
天志田「ここの生徒全員と戯れろ。そしてもう1つのやってもらいたい事は・・・明日言う。」
天道「そんなこと?まかせとけ。結構俺こういうことは得意なんだよ。」

私立 空雷寺小学校 校庭

生徒1「ヤーー!」
生徒2「オラア!」
生徒3「無駄あ!」
生徒4「ドラア!」
生徒5「アリーヴェデルチ!」
生徒6「URYIIIIIIIIIII!」
天道「ちょっと待て、これは酷くね?」
天志田「お前が任せてくれって言ったから任せたんだ。覚悟はいいか?俺は出来てる。」
天道「ジョジ○のぱくったのばっかじゃないか。」
天志田「いいじゃん。いいじゃん。すげえじゃん」
天道「今回作者はパロディネタばかりでいくつもりか?」
407フレンズ作者:2007/07/25(水) 13:56:47 ID:X4GdUK630
天道「ん?誰かいじめられてるって、怪獣が現れちゃったよ!みんな逃げろ!」
生徒「うわああああああああああああああああああああ!」
天道「よし全員逃げたな。よし天志田!」
天志田「OK!」
天道「ゴット!」
天志田「エンジェル!」
リーボーン「グギャルオオオオオオ!」
ゴット「っらあ!」
エンジェル「何だあの怪獣校舎に向かって・・・生徒が危ない!テレポーテーション!ぶっ飛べ!」
リーボーン「グルァァァァァ」
ゴット「全く効いてない!」
エンジェル「俺だけにやらせてくれ!」
ゴット「分かった!」
エンジェル「クラッシュナックルハリケーン!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!」
リーボーン「バリャアアアアアアアア」
エンジェル「今の手ごたえで確信した!リペアー光線!」
ゴット「それは肉体を回復させる技じゃ・・・あ!コンクリートがくっついてきてる!」
エンジェル「こいつの本当の目的はいじめていたやつを殺し、いじめられていたやつの復讐が目的だったんだ!」
408フレンズ作者:2007/07/25(水) 14:15:46 ID:X4GdUK630
ゴット「もうフィニッシュと行こうぜ!ライジングファイナルボム!」
エンジェル「ストリームファイナルショット!」
リーボーン「モシャアアアア・・・」
ゴット「復讐なんてさ、逆にこっちに被害が傾く事もある、ばがげた行為だな。」

次回予告「USGの新しい兵器、ガンザイリオンシリーズ。今はまだ一機しか作られていないこの兵器のパイロットに選ばれたのはなんと天道!ガンザイリオン初号機の初陣、特と御覧あれ!次回「人型汎用兵器ガンザイリオン」炎の兵器、ここに立つ!」
409名無しより愛をこめて:2007/07/26(木) 13:32:23 ID:HLlXit0XO
よおよお相変わらずフレンズは糞だなww
エヴァンゲリオンのパクりですかwww
セリフはちゃっちぃしわざわざ場面説明までしちゃうのは相変わらずかよw
誤字もありますな、ちゃんと確認しなさいwww
近い将来見たら死にたくなるぐらい恥ずかしい作品乙でしたwwwwwwww
410名無しより愛をこめて:2007/07/26(木) 14:23:21 ID:i8WQe/bRO
いや昔よりマシだよ。
フレンズ>(努力しだいで超えられる壁)>ルシファー
411名無しより愛をこめて:2007/07/26(木) 17:28:34 ID:E7leaD/80
小学生だからしょうがないって…
子供相手なんだから罵らないで優しくアドバイスしてあげんさい
412名無しより愛をこめて:2007/07/26(木) 21:39:36 ID:yiQHmC170
というか>>409は人格が小学生以下
413名無しより愛をこめて:2007/07/26(木) 23:37:40 ID:q9whH5yG0
始めまして。
オリトラを書いてみたくなり、設定を考えています。
あまり凝ったものは書けないと思いますが。
1話が出来たら投下するつもりです。
414名無しより愛をこめて:2007/07/27(金) 00:25:08 ID:qlnduQ4K0
楽しみです。
415ウルトラマンオーバー&ウルトラマンクラウス:2007/07/27(金) 01:34:16 ID:nEedgAuK0
「よくいらっしゃいました、お二方」
城門を見つめていた二人に、横手から突如声がかかった
見ると、そこには鎧に身を包んだ一人の男が立っていた
年は40代半ばと言ったところだろうか
眼はタカの様に鋭く、頬には細かい傷跡があり、髪は長髪で
小さな傷だれけの薄紅色の鎧に身を包み、背にはマントを羽織っている
見るからに歴戦の武人の風貌だが、なぜか腰に剣は下げていない
「ラウバルト様からあなた方のお出迎えを命じられました、親衛隊長のリラオンです」
そう言って、頭を下げるリラオン
「お招きいただき、光栄です」
言って、道城も頭を下げる
「…どーも」
少し遅れて、レイジも頭を下げた
「歓迎の準備はできております、私についてきてください」
そう言うと、リラオンは腕を上げた
大きな門がゆっくりと開いていく
416名無しより愛をこめて:2007/07/28(土) 00:52:49 ID:+kNS7+N60
>>413です
設定と第1話が完成したので投下します。

タイトルは「ウルトラマンアクト」です。
417ウルトラマンアクト:2007/07/28(土) 00:56:33 ID:+kNS7+N60
設定その1

ウルトラマンアクト
出身:M78星雲光の国
身長:ミクロ〜48メートル
体重:5万1000トン
年齢:約1万6000歳
速度:マッハ5(走力)マッハ30(飛行時)

地球に落下した邪神獣『エビルグランデ』の卵を追って、M78星雲からやってきた宇宙警備隊隊員。
その卵が地球の核と寄生し、地球各地に眠っていた怪獣に力を与えてしまう。
次々と現れる怪獣を倒すため、そして『エビルグランデ』の誕生を防ぐため、
ウルトラマンアクトは地球に留まり戦う事を決意した。

アクトは地球上では3分間しか戦えない。
エネルギーとなる太陽エネルギーが地球上では少ないからだ。
セガミ・ワタルと命を共有しており、普段はワタルの中に潜む。
ワタルと意識は分かれているようで、心中で会話も可能。

変身アイテム:アクトウォッチ
普段は腕時計として左腕に装着。
変身時はこれを高く掲げ、「アクトーッ!」の叫ぶ。

必殺技
フラッシュウム光線:腕を十字に組むスペシウム光線の構えから発射されるアクトの必殺技。
アクトエッジ:片腕にエネルギーを溜め、刃状にして発射する切断技。
アクトダブルエッジ:アクトエッジを両手を使って同時に2発放つ技。
ナックルビーム:額のアクトランプから発射するビーム状の光線。
エナジーリフレクト:体を球状のバリアで覆う技。打撃攻撃から光線技まで一通り防ぐ力を持つ。
ダイビングパンチ:空中で回転し、その勢いで相手に拳をぶつける打撃技。派生技として、ダイビングキックも存在する。
418ウルトラマンアクト:2007/07/28(土) 01:00:45 ID:+kNS7+N60
設定2 主要登場人物

セガミ・ワタル 主人公 22歳 男性
子どもの頃テレビで見た特撮番組に影響を受けて、GGTに入隊。
年に見合わず純真な心を持ち、正義感が強い。
古代怪獣ライディーノにより命を落とすが、アクトに救われ、以後ウルトラマンアクトとして地球を守る事となる。

カリヤマ・セイジ隊長 42歳 男性
GGT日本支部隊長。
ニューヨーク本部で働いていた経験もあり、常に落ち着いていて頼れる隊長。真面目だが融通が聞かない面も。

シロノ・ユウキ 19歳 女性
GGT隊員。チームの妹的存在。しかし銃や戦闘機の扱いに長け、その実力はGGTでトップクラス。

タダ・シンイチロウ 26歳 男性
GGT隊員。チーム位置の巨漢で、さらに熱血漢。身体能力はチームナンバーワン。とにかくよく食べる。

ミムラ・ゴウ 23歳 男性 
GGT隊員。科学知識が豊富で、よく新兵器を開発する。年齢が近いこともあり、ワタルと仲が良い。
関西弁を話す。

ツキシマ・カガミ 25歳 女性
GGT隊員。主に通信を担当する。実戦出でる事は少ないが、彼女のおかげで隊員たちは安心して活動できるのである。

イナダ博士 36歳 男性
怪獣について非常に詳しいGGT専属の博士。データから怪獣の弱点を発見する事も多い。
419名無しより愛をこめて:2007/07/28(土) 01:01:28 ID:+kNS7+N60
設定その3

GGT(Grobal Guarding Team)
正式名称「Grobal Guarding Team」。通称GGT。更に略して「GT」とも呼ばれる。
本部はニューヨーク。
日本支部は東京地下に存在し、地上の出入り口はまるで地下鉄のようになっている。
エビルグランデの卵が地球に寄生するまで怪獣胎児の経験は無く、メンバーは戦いの中で成長していく。

メカニック

GTガン
GGT隊員が常に携帯している小型レーザーガン。

ガードカプセル
最高速度マッハ3を誇るGGT自慢の万能戦闘機。レーザーとミサイルを装備。
水中に潜る事も可能。
GGT日本支部には5機配備されている。
一人乗りで、カリヤマ隊長、ワタル、ユウキ、シンイチロウ、ゴウがそれぞれ操縦する。
420ウルトラマンアクト:2007/07/28(土) 01:02:42 ID:+kNS7+N60
ウルトラマンアクト

第1話『悪夢を呼ぶ卵』

邪神獣エビルグランデ 古代怪獣ライディーノ 登場

冥王星で、一つの戦いが行われていた。
邪神獣エビルグランデと、銀色の巨人、ウルトラマンアクトの戦いだ。

エビルグランデは本能のまま破壊を繰り返す、邪悪そのものと言ってもいい怪獣だ。
これを倒さなければ、宇宙が破壊しつくされてしまう。
そのためアクトは、長年エビルグランデを追い続け、そしてようやくここ冥王星に追い詰めたのだ。
何も無い冥王星上で、激しい戦いが続く。
アクトは苦戦するも、必殺技のフラッシュウム光線でエビルグランデを撃破に成功する。

しかし、これで終わりではなかった。
エビルグランデが絶命直前、口から卵を地球の方角にめがけて吐き出したのだ。
卵が星に寄生し、エネルギーを蓄え、孵化してしまえば、再度エビルグランデが誕生してしまう。
アクトは、この悪魔を卵の状態で破壊すべく追いかけた。

が、卵の飛行速度はアクトのそれよりも早く、卵は地球に到達してしまう。
隕石のごとく、太平洋に落下する卵。
そのまま海底に沈み、そこからさらに地球の内部へと潜って行くのであった。

放って置く訳にはいかない。
アクトは地球へと急いだ。
知っていたからだ。エビルグランデの卵は星に寄生し、その星のエネルギーを吸収することで孵化する事を。
そして、卵から発せられるエネルギー波長が、その星に眠る怪獣を目覚めさせてしまう事を。
421ウルトラマンアクト:2007/07/28(土) 01:04:00 ID:+kNS7+N60
地球でも、突如空から太平洋に落下した謎の物体の調査が行われていた。
調査をするのは、GGT(Grobal Guarding Team)日本支部だ。
ガードカプセルでパトロール中であったワタル隊員は、カリヤマ隊長からの命を受け、落下地点の調査に向かった。
落下地点の空中に到着したワタルだが、海上には特に変化は見られない。

「空から見ただけじゃ何もわかりませんね。隊長、潜水して調査を実行いたします。」
「うむ。気をつけたまえ。何があるかわからん。」
「了解!」

ワタルはガードカプセルを潜水形態に変形させ、水中へと潜ろうとした。
しかしその時、海中より巨大な怪獣が現れたのだ。
突然の事にワタルは反応できず、怪獣の太い腕に弾き飛ばされてしまう。

「ワタル!ワタル!どうしたんだ!応答しろ!ワタル!」

突然通信が途切れたため、カリヤマ隊長は必死にワタルに呼びかける。
しかし返事は無い。さらにレーダーには謎の怪獣が映し出されている。
緊急事態と考えたカリヤマは、作戦室にユウキ、シンイチロウ、ゴウ、カガミ、イナダ博士を召集した。

(一つ上、sage忘れてしまいました。スミマセン。)
422ウルトラマンアクト:2007/07/28(土) 01:04:44 ID:+kNS7+N60
「ということだ。調査に向かったワタル隊員が行方不明。そして謎の怪獣が現れ、ここ東京に向かってきている。」
カリヤマ隊長は、集まった隊員にことに次第を説明した。
「怪獣だなんて、まさか!テレビの特撮じゃあるまいし。」
シンイチロウが言った。
当然だ。怪獣などここ数十年、現れていないのだから。
「ああ、正直私も信じがたい。だが、現にこうして現れているのだ。我々はこれを退治しなくてはならない。」

それから、カリヤマ隊長は全メンバーを一度見回してからこう言った。
「今回の我々の任務は、この怪獣の退治だ!ユウキ、シンイチロウ、ゴウの3名は私と共にカプセルで発進!
 カガミは本部に残り通信を担当。イナダ博士にはあの怪獣の調査をお願いします。」
「ちょい待ってください!ワタルはどないするんですか!?」
命令にワタルの救助が含まれていないことから、ゴウが反論した。
「そうです!ワタル君を見捨てるんですか!?」
ユウキもそれに賛同する。

それに対し、カリヤマ隊長は顔に苦渋の色が浮かべ、言った。
「GGTの目的は市民を守る事だ。あの怪獣が東京に上陸すれば更に多くの被害が出るだろう。我々はそれをなんとしても防がねばならない。例え、仲間を見捨ててもだ…。」
「そんな…!」
「私だって苦しい!…でも、やらねばならんのだ…。」
「隊長…。」
各隊員がそれぞれ唇を噛み締める。
「さあ…。出動だ。」
423ウルトラマンアクト:2007/07/28(土) 01:05:15 ID:+kNS7+N60
一方、ワタルは光の中にいた。
(どうなってるんだ。俺は…あの時…怪獣に…じゃあここは天国?)
すると、どこからともなく声がする。
『聞こえるか。ワタル隊員。聞こえるか。』
「だ、誰だ?ここは一体…!?」
『私の名前は、ウルトラマンアクト。M78星雲光の国からやってきた宇宙人だ。』
ワタルの目の前に、銀色の巨人が現れた。
「宇宙人…?」
『率直に言おう。君は死んだ。あの怪獣に弾き飛ばされ、そして絶命したのだ。』
「死んだ?俺が?でも、俺はこうして話せているじゃないか。」
『今、私の命を君と融合させているからだ。君自身の命は既に尽きている。』
「そんな…」
『心配は要らない。君に私の命をあげよう。だが、そのかわり頼みがある。』
「頼み?」
『エビルグランデの誕生を阻止して欲しい。』
「エビルグランデ…?」

ここでアクトは、地球に来るに至った経緯をワタルに話して聞かせた。
「じゃ、じゃあそのエビルグランデってやつの卵がこの星にある限り、怪獣が現れ続けるっていうのか?」
『そうだ。君の心を読ませてもらった。君は地球の平和を守る組織の一員のようだ。私と、力を合わせてこの星を守ろうではないか。』
「でも、どうやって…」
『君は普段はいつも通り、GGTの隊員として働くがよい。しかし、もしどうしても手に負えない事態に発生した時、私に変身するのだ。』
「変身?」
『そうだ。その左手の腕時計に私の力を込めておこう。変身する時はその時計を高く掲げるがよい。』
「…わかった。君と力を合わせて…地球を…守る!」
無意識のうち、ワタルは腕時計を上に掲げた。
光が、更に大きくなった。
そして、ウルトラマンアクト 登場!
424ウルトラマンアクト:2007/07/28(土) 01:06:14 ID:+kNS7+N60
場所は変わって、東京湾。
古代怪獣ライディーノと名付けられた謎の怪獣が、とうとうここまでやってきた。
GGTのメンバーは、それぞれカプセルに乗り、ライディーノに空から攻撃を加えるが、ライディーノはビクともしない。
「なんて固いやつなんだ!このままじゃ…」
隊員たちの口から弱みが漏れる。
「諦めちゃダメ!私は、ワタル君も諦めてない!こいつを倒して、ワタル君も生きて帰ってくる!ハッピーエンドになるって信じてるんだから!」
気丈にもユウキは叫んだ。
しかし、そのユウキのカプセルをライディーノの尾が襲う。
「きゃっ!」
次の瞬間!

空から、銀色の巨人が舞い降り、ライディーノからユウキを庇った。
ウルトラマンアクトだ。
アクトは、ライディーノと戦闘を始めた。

「な、何者だあの巨人は!」
「あ、新しい怪獣かいな!?」
「冗談じゃないぞ!」
カリヤマ、ゴウ、シンイチロウが各々の反応を示す。
あまり好意的とは言いがたい反応だ。
しかし、ユウキは違った。
「私を…助けてくれた…。うん…きっと、この巨人は…味方…!」
425ウルトラマンアクト:2007/07/28(土) 01:06:46 ID:+kNS7+N60
慣れない重力下の戦闘で、上手く戦えず苦戦するアクト。
ライディーノの雷撃にダメージを受けてしまう。
胸のカラーターマーが点滅し始めた。
だが、アクトは怯まない。
次第に重力にも慣れ始めたアクトは、アクロバットな戦い方で、徐々にライディーノを圧倒。
そして、十字に組ませた腕からフラッシュウム光線を発射して、ライディーノを倒すのだった。

「おーい」
戦闘を終え、地上に集まったGGTメンバーの元に、ワタルが駆け寄る。
「「「「「ワタル!」」」」」
各人驚いた。それはそうだ。太平洋上で行方不明になったと思われたワタルが東京湾にいるのだから。
何故ここにいるのか疑問に思うユウキたちに対し、ワタルは答えた。
「あの宇宙人が、助けてくれたんです。」
「宇宙人て、あの銀色のか?」
ゴウが聞き返す。
「ああそうだ。怪獣も倒してくれた。」
「私も助けてもらったんだよ。ねえ、何て名前なんだろうね。」
ユウキが名前を気にした。

「名前か。アクトだよ。ウルトラマン…アクトだ。」

つづく
426ウルトラマンアクト:2007/07/28(土) 01:13:20 ID:+kNS7+N60
ウルトラマンアクト、第1話でした。
途中、名前欄ミスったり、sage忘れたり、色々申し訳ございませんでした。

アクトの世界観は、M78系統ですが、他作品との時系列は意識していません。
並行世界とお考え下さい。
427名無しより愛をこめて:2007/07/28(土) 01:14:22 ID:wdt/6xrJO
グレイト!文章力があるから引き込まれますなぁ。
正統派な感じも良いですね
428ウルトラマンリュウラ:2007/07/28(土) 12:12:10 ID:0e7gcTxO0
第四十四章 
「『日本基地防衛慕情』 東京近郊〜日本海。
関東一帯をまたにかけ、一族の陰謀が渦巻き内乱が炸裂する。
作戦を妨害する謎の法術師。十年前、女隊長の抱いた疑念とは?」
双体邪仙 ホウキ 阿、ホウキ 吽 発現

ゴジョウの自室には、割合様々なものが置かれている。
日本人が蹴鞠の飛距離で世界新記録を打ち立てた際、その鞠が落ちた場所にあった焼き鳥屋の串とか。
杏仁豆腐を頼んだら店員が誤って冷奴を持ってきてしまったので記念に貰ったその器とか。
或いは自分が離反した光の一族からのメッセージを伝える「掌中眼」と称されるアイテム。
主にその内容は、クロサキ ゴウジ=黒濠老師からのカンナ引渡しの要求である。
しかし、その朝は違った。
《ゴジョウ。一族の間に内乱が起こった。…私では、防ぎようが無い。》

その言葉を気にかけつつ、今日も笑顔でシミ隠しも日焼け対策も万全で指令房へ向かう。

「これ…ヒスイくんに。」
カンナから手紙を受け取るヒスイ。差出人は、カンナが以前住み込みで働いていた孤児院の子供達である。
「もう、あの日から一年経ったんですね。」
「…そうだな。…濃い年は短く感じるものだな。」
ヒスイは、自分が二十六歳である事、目の前の少女が十九歳になっていた事に今更ながら気がついた。
ヒスイの年齢に関してはキャラ的に、第一章の時点で二十七、八にしても良かったかなあと今更ながら思った。
「だからヒスイくん、あのぉ…そろそろ…結こ」
「みんな今日も元気に揃ってご飯も済ませてお寝坊さんはいないわね!?」
中途半端に妙な文法でゴジョウが指令房へ現れる。カンナは話の腰を折られたのでちょっと唸った。
ゴジョウはそういったことは気にも留めず、ユリノに呉岳の状況を問う。
神々に敗れたスサノオは、現在中国のこの山に封じられている。
ただ、数回にわたって邪仙がこの荒ぶる神の開放を企てた。だから、レイハはこの山を厳重に警戒しているのだ。
今の所、異常は見受けられないようだ。しかし、「今の所」でしかない。」
429ウルトラマンリュウラ:2007/07/28(土) 12:13:13 ID:0e7gcTxO0
一方、日本海を望む漁港、紅退港。ここで漁師から買った烏賊下足の干物をかじりつつ、ミウは一人の男と対峙していた。
「…坂澄。お久。老師さんは?」
男は光の一族。
「ふん、黒濠老師の考えは甘すぎる。我らは神にお仕えする誇り高き民として、醜くあがくレイハを血祭りに挙げる!」

「大宰!中国基地より緊急連絡!呉岳から、スサノオの反応が、消えました…。」
ユリノの報告に緊張する一同。続いてヘキが驚愕の声を上げた。
「日本海に正体不明の物体が出現。内部より呉岳と同様の反応が!」
海中に沈んでいる、血膿色の筒。
「何つーか、形だけ見るとちょうちょのサナギみてーだな。」
ワタリベの指摘に頷くユリノ。
「そう、内部に休眠状態のスサノオが存在してるわ。この物体は、確かにスサノオのサナギなの。」
ゴジョウはヘキとユリノをレイヒュウゴ、レイカイオウに乗せ、現地へ向かわせる。二機は空中で合体、潜航艇ヒュウカイオウとなって海中へ飛び込む。
今回二人に託された任務は、あくまでスサノオの調査である。攻撃し刺激する事は許されない。
同じ頃、男ばかり十人程度、日本基地を来訪。守備兵がこれを制止しようとするが、男の一人から伸びた長大な牙が、守備兵を刺殺。
続いて、別の男が守備兵の遺骸に乗り移り、他の男達を率いて基地内部へ潜入する。牙を用いた男は一旦基地を後にした。

「水映姫、あれが何か分かるか?あそこにはスサノオが眠っている。あれを覚醒させれば、この世の全てを崩壊させる事も可能だ!」
スサノオのサナギを指差し、高らかに笑う坂澄。ミウはこの男が笑うのを理解できない。
「スサノオを解放するって?んなことしたら他の神が怒る。アンタたちも、確実に神罰を喰らうんだよ?」
坂澄は、尚も笑う。
「神など…、虚ろなるものが降臨すれば敵ではない!」
虚ろとは…?
ミウの疑念に応じず、坂澄は強大な力を身にまとい始めた。
430ウルトラマンリュウラ:2007/07/28(土) 12:14:37 ID:0e7gcTxO0
レイハはスサノオのサナギの様子をじっくり観察しているわけには行かなくなった。基地に複数の侵入者が確認されたせいである。
彼らはどうやら機翼の置かれた格納塔を目指しているようだ。ツルギヤマ将軍の指示を受け、ワタリベの親父様が警務兵を出撃させている。
騒ぎの中、先刻の「牙を用いた男」が強大な力を身にまとう。紅退港の坂澄と同様に。
二人は異なる箇所で、同時に姿を変えた。イノシシに似た巨獣へ。

紅退港に出現した個体を「ホウキ 阿【ア】」、基地へ出現した個体を「ホウキ 吽【ウン】」と呼称する。
ホウキ 阿(ア)はそのまま海にダイブ、ホウキ 吽(ウン)は基地へ接近してくる。その上、少々厄介な事実が判明した。
日本海のホウキ ア はスサノオのサナギと、基地のホウキ ウン は基地中枢とシンクロしてしまっているのだ。
つまり、ホウキ ウンを倒せば基地も崩れ去ってしまう。
同じく、ホウキ アを倒せばサナギの外殻が崩壊し、スサノオが復活してしまう。

そういうことか、とゴジョウは思った。
光の一族は分裂したのだ。神と共に生きる道を歩む黒濠老師らと、その教えを破った一派。
破戒派は何らかの手段で邪仙と契約し、スサノオをも人質に基地壊滅を企てた。
しかし、神を裏切り自分たちとも敵対する事に、何の意味があるのだろう?

「ゴジョウさん、どうしやす?」
基地に現れたツルギヤマがクールに見せておいて実の所丸投げ発言。
ゴジョウはしばし悩む…。そして、
「小宰、地下に降りて。札で合図したら中枢部の動力制御盤を破壊して頂戴!」
何言ってんだこの人は。
「ヒスイくんとカンナちゃんは格納塔へ移動、侵入者を排撃して。ワタリベくん、基地の機能が停止したら札にこの文を書き付けて!」
基地機能が停止すれば、ホウキを倒せない。何か考えがあるのだと思うが、それを理解できない。しかし、言ってるヒマもないので四人はそれぞれ指示された任につく。
格納塔で、銃撃戦が始まる。
431ウルトラマンリュウラ:2007/07/28(土) 12:15:29 ID:0e7gcTxO0
「遅かったか!」
ミウの元へ、クロサキ=黒濠老師が悲痛な声と共に姿を現す。
「どういうことです?」
「連中は、レイハを滅ぼそうと短慮に走った。…彼らは邪仙と契約し、融合した。」
邪仙とはそもそもコミュニケーションが取れない存在であったはずだ。しかし、邪仙の方から接触を図ってきたとなれば話は別。
「ホウキは、スサノオ覚醒へ王手をかけてきた。良いか、ホウキとサナギを繋いでいる力の流動を断ち切るのだ。お前の、炎の剣で。」
「こんな時ばっか、あたしを利用しようって思ってんだ。」
ミウは、黒濠へバーニングヴァジュラを突きつける。
しかし、その手をミウの中の鬼神が止めた。
《堪えよ。ミウ、そなたの仲間がホウキに苦慮している。…救え。》
「でも!」
《何、そのようなニンゲンの老体など、いつでも切り捨てられるではないか。》
「そだね。さすがあたまいい。」
傍から聞けば漏らすような会話内容であるが。兎も角ミウは黒濠に突きつけていた剣を下ろし、ウルトラマンラセツへ転化する。

日本基地では、ヒスイが何とか格納塔を奪還、爆薬も奪う。しかし、麻酔弾を打ち込まれた工作員は突如、紙製の人形へ変化する。
「しまった!式神か!」
影武者であった。直後、格納塔の照明が消える。工作員本隊が塔の機能を停止させたのだ。
隣接する基地本殿を見入るヒスイとカンナ。接近してくるホウキ ウン。基地の防御用神宮だけでは防ぎきれない…。
すると、急に本殿の照明も消えた。驚く間もなく、復旧した。
格納塔にも光が戻る。急ぎカンナはレイキザンへ搭乗し、飛び立った!その上、ホウキの動きは完全に停止している。
「…どーゆーカラクリっすか?」
呆然とするワタリベにゴジョウが笑顔で答える。
432ウルトラマンリュウラ:2007/07/28(土) 12:16:31 ID:0e7gcTxO0
「ホウキ ウンは牙から出す『力の流動』で、基地中枢と繋がり、基地そのものを人質にしたでしょ?なら、この流動を断ち切ってしまえば基地は助かる。
で、断ち切る以上重要になるのは、ミウツシノヤイバを使えるレイキザン。
じゃあ工作部隊はレイキザンの動きを封じようとする。ここまではすぐに読めるわよね。」
とりあえず頷くワタリベ。
「まず、格納塔を狙った工作部隊。あんなに目立つ大きな爆薬抱えてるんだから囮なのは確実。
でも、機翼一つ吹き飛ばすにはあの爆薬でも足りないぐらい。防御用神宮があるから、呪法で機翼を壊す事もできない。
ただし、動力を停止させてしまえば簡単に機能を止められる。
なら、格納塔と同時に中枢部の動力を切ってしまえば、工作部隊の混乱を招けるし、繋がってるホウキの動きも止まるわね。
次に、中枢部を介しない緊急時の予備動力を、札を使って立ち上げてもらったの。
中枢は動いてない。後はカンナちゃん、ミウツシノヤイバを使って、力の流動を断ち切って頂戴!」

大胆な策…。フナトは久々にゴジョウの底知れなさを覗いた気分。
「カンナ!奴の牙からは猛毒が分泌されるらしい。周囲に人がいないことを確認してから断つんだ!」
ヒスイの解析に従い、狙いを定めるカンナ。標的は動かない。絶好の機会だ!
…と?
「大宰!ホウキの足元に人が!」
術師のようだ。しかし、軍人ではない。そこにいると、牙を切断した際に猛毒を被ってしまう。
「地上部隊!彼らを下がらせて!」
ゴジョウの指示に従い、術師らのもとへ地上部隊が向かう。
しかし、術師はその場を離れようとしない。その上、錫杖を振るい、ホウキへ術をかけ始めた。
これは…攻撃しているのか?危険だ。ここで攻撃したら、せっかく沈静化したホウキが覚醒する恐れがある!
433ウルトラマンリュウラ:2007/07/28(土) 12:17:22 ID:0e7gcTxO0
攻撃を止めようとしたが…遅かった。ホウキは復活、牙から放射するエネルギー流で再び基地中枢とシンクロする。
その上、中枢の方が自動防衛機能を駆使し、内部の職員を攻撃し始める。
ホウキは再度中枢とシンクロした際、その主導権を掌握してしまったのだ!
このままでは基地からの攻撃によって全滅してしまう…。それに、ホウキを粉砕すればやはり基地は崩壊するだろう。

ゴジョウは、ツルギヤマとワタリベ親父を振り向き、正面から言う。
「避難命令をお出し下さい。…東門を開けて。全員避難。基地もろとも、ホウキを殲滅します。」
基地もろとも?
「ちょ、待ってください待ってください!基地を自爆させて奴を倒そうっつーことですか?」
焦るワタリベ。
「このままじゃ、基地がどんどん侵食されて、邪仙と同質のものになってしまうわ。その前に。」
しかし、ワタリベは食い下がる。
「ここをぶっ壊されたら、オレらの、軍の、民の戦おうって気概が消えちまいます!それならいっそ…」
そのワタリベの肩を、父親が掴む。
「サクヤ。死ねば、気概も何もさっぱり消え去ってしまう。今は、皆で生き延びることを考えよう。」
父親の、単純だが真摯な言葉に、首を縦に振る。

基地の職員は続々と避難し続けている。
レイテイも、後はレイハの司馬らとツルギヤマたちを乗せれば飛べる。カンナも一旦着陸し、もみ合う地上部隊と術師らを回収する。
フナトから、日本海でラセツと共にホウキ アと戦うヒュウカイオウへ連絡が入った。
「ちょっとまあ一身上の都合により、基地を捨てなきゃなんなくなったから。ホウキ アを倒したら直ぐに離水して、レイテイと合流ね。」

正直、極めてショックであった。だが、そのショックに心動かされているヒマもない。
眼前の敵の牙を折れば、流出した猛毒が付近を汚染してしまう。しかし、折らずに倒せばスサノオが覚醒してしまう。
「よおし…ユリノさん、僕の開発した超長距離圧殺砲を出来るだけ広範囲に、んでもって最大出力で発射する!」
434ウルトラマンリュウラ:2007/07/28(土) 12:18:13 ID:0e7gcTxO0
ヘキはどんな作戦を実行しようというのだろうか?
ユリノは、彼に信頼を置いた上で、眼前の紅い巨人へ語りかける。
「頼むわ、手伝って!」
ラセツは、ミウは頷いた。

ヒュウカイオウの機体。そのレイカイオウ部分を用いて鬼道機関を発動、ホウキ アの周囲を取り囲み、重力を遮断する。
次にヒュウカイオウから放たれた強い閃光は、ホウキ アを直撃、海面に敵を弾き出した。
それを海面から飛び出したラセツが狙う。ハデスヴァジュラよりソードスパークルを発射し、牙を切り落とす。
断面から溢れ出す毒液。同じく海面から飛び出たヒュウカイオウは、レイヒュウゴとレイカイオウの二機に分離。
レイヒュウゴからの鬼道機関で法陣を空中へ形成し、毒液を無効化した。
ラセツは拳より、ハデスフレアを放射、墜落してくるホウキを炎へ包む。
火達磨になったホウキ。さらにラセツは、光の鉤爪オーガ・プレッシャーを、その火達磨へ撃ち込む。
辛うじて、一匹目のホウキは撃滅された。

ホウキを攻撃していた術師は、光の一族、黒濠老師一派の遣いであった。
レイハが滅びればスサノオを止める手段は無くなる。だからホウキを倒してレイハを救おうと思ったのだが逆効果だった。
結果これまでに無くイラついてらっしゃるユリノを乗せ、レイテイ、発進を開始する。
カンナもレイキザンで待機している。これで基地に残っているのは、ゴジョウとヒスイのみ。
「大宰!基地爆破、準備完了しました。さあ、急いで脱出を!」
ゴジョウは、レイアウトがボロボロになった指令房を見入り、そこへ立ち止まっている。
「…大宰?」
「カンナちゃんを確保するために軍に潜入する前だから…十年ぐらい前の事かしら。」
435ウルトラマンリュウラ:2007/07/28(土) 12:19:15 ID:0e7gcTxO0
十年前、ゴジョウは光の一族として、神山にいた。
「ふと思ったのよ。神々は、どうして宇宙に『命』を創り出したんだろうって。
命を持つ者は、他の命を奪わなくては生き永らえる事ができない。
他者を喰らって生きても、喰らわれずに逃げ延びながら生きても、寿命が来て、結局は倒れる日が来る。
だから悲しみ、痛み、憎しみが生まれる。そんな事、神々は分かっていたと思う。
じゃあどうして、彼らは『命』なんて創ったんだろう…。」
ホウキは基地へ迫り、レイテイはゴジョウの脱出を心待ちにしている。
「で、去年、ギアロが現れたとき、貴方はカンナちゃんを助けるために命を投げ出した。それで、ちょっと思ったの。
『命が存在する理由は分からないけど、命を救う様は、美しい』
ってね。」
ゴジョウは、通信用の札に言霊を込める。
「小宰、早く飛ばないと基地崩壊に巻き込まれるわよ。…急ぎなさい。」
レイテイでは、フナトがその言葉を聞き、操縦桿を握り締める。
「…御意。」

「マミヤ君、貴方も早く脱出しなさい。ホウキはレイテイにも目をつけてるわ。皆を、救って。」
ヒスイは、ゴジョウの真意を悟った。彼女は、基地と心中する気だ。
「何故です!?自動爆破機能を使えば脱出してから破壊する事も容易いはず…!」
「中枢部は完全に奪われたわ。予備動力も侵食が始まってる。爆破するには誰かが手動で残らなくては…。」
そう言ってゴジョウは、ヒスイへ微笑む。
「マミヤ君、レイテイを援護、無事脱出させなさい。…治安維持院からだから、六年の付き合いだったわね。…元気でね。」
ヒスイは思う。ひょっとしたら、六年前から彼女は死ぬつもりだったのか。栄光を求めて。神ではなく、人間を救う事で。
「…龍、明、和合すべし。」
ヒスイはリュウラへ転化、ホウキの前に立ち塞がる。
436ウルトラマンリュウラ:2007/07/28(土) 12:20:57 ID:0e7gcTxO0
基地から完全に脱出するレイテイ。そのレイテイへ突進するホウキ。
指令房へ一人残り、ゴジョウは炎の気を基地全域に集中、増幅させる。
ホウキはそれに気付き、悶絶する。シンクロした中枢が受けたダメージは、やはりホウキ自身をも苛んでいる。
リュウラは冷静であった。レイテイの離脱を見届けるやコウへ変身、
ホウキを、必殺のドラゴンインパクトが襲う。
光の龍が直撃し、ホウキは逆襲する間もなく消滅してゆく。

「龍に消し去られるなら…」
基地の全てが焼け落ちてゆく。紅蓮の炎の中、ゴジョウは優しく、あくまでも優しく笑う。

と、炎に包まれる天井に、一筋の蒼天が覗いた。カンナだ。
自分も基地も、消滅していない。
カンナの放ったミウツシノヤイバは、ホウキの牙を折り、基地とホウキとの呪縛を断っていたのである。
直後ドラゴンインパクトが撃たれ、毒を分泌する間もなくホウキは消滅した。

レイキザンから手を伸ばすカンナ。
「生きろって、事ね…。」
ゴジョウは、カンナの手をしっかりと掴んだ。
「ヒスイくん、大宰は、無事です。」
焼け落ちる基地より、レイキザンは再び飛び立った。

四十五章へ続く。
437アルファ→現パラレル作者:2007/07/28(土) 22:03:50 ID:V1dRlLYB0
リュウラ著者様、次スレ立ちました。

オリジナルのウルトラマンを創るスレ【10ワッ!】
http://tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1185627623/l50

立てるのは初めてでしたが・・・出来た! 俺にも出来たぞォォ!!
438名無しより愛をこめて:2007/07/31(火) 09:22:46 ID:beQDq1WY0
保守
439ヘリオス作者:2007/07/31(火) 17:11:10 ID:3ktoviuH0
(あっ、そういえば本間さんどうしてるかな?っていうか連絡のとりようもないし)
和仁がふとそんなことを考えたその時、通信が入った。
「主任、司令室より出動命令です。」
隊員達の顔に緊張が走る。
「ついに来たか・・・よし、<ふがく>発進用意、それから<コマンダー>を・・・。」
「私ならここに。」
佐沼が言い終わる前に、部屋の自動ドアが開いてさっきの(由里そっくりの)女性が入ってきた。
「由里・・・」
和仁は思わず名を呼んでいた。
「えっ!?なんでアタシの名前知ってるの?っていうかアンタ誰?さっき海岸にいたよね・・・」
 彼女が驚いて言う。
(俺の事を覚えていない?いや、全く知らないみたいな言い方だ・・・)
ショックだった。今目の前にいるのが、やはり由里本人であることがはっきりした分、それはよりいっそう重いものだった。
「事情は色々あるだろうが、とにかく今は行かなくてはならない。須藤君、やれるな?」
「はい。」
「主任、〈ふがく〉発進準備整いました。」
「よーし、各員速やかに搭乗せよ。H−ユニットの初陣だ!」
佐沼が叫ぶと皆が「ハイッ!」と威勢よくかえし、部屋から次々に走り出て行く。
そして由里が部屋から出て行こうとして和仁とすれ違ったとき、首のペンダントに気付いた。
「そのペンダント・・・」
由里がつぶやいたとき、「須藤君、急げ!」と佐沼が叫んだ。
由里は和仁の首のペンダントを気にしながらも、そのまま部屋を出て行った。
440ヘリオス作者:2007/07/31(火) 17:11:50 ID:3ktoviuH0
後に残ったのは和仁と長髪の隊員の二人だけだった。どうやらこの隊員は管制担当らしい。モニターには〈神殿〉のウルトラマン、怪獣、そして注水されたドックで発進を待つ巨大なドーム型の乗り物が映し出されていた。
「あの、あれは・・・?」
和仁が長髪の隊員に聞いた。
「あれが〈ふがく〉。ヘリオス運用のための空中移動要塞さ。」
隊員がそういうと、モニターには〈ふがく〉のコクピット内が映し出されていた。」
「こちら佐沼、発進準備完了。」
コクピットの佐沼がいう。
「こちら三好、了解しました。ゲート開放します。」
長髪の隊員が返す。三好というのが彼の名前のようだ。
三好が制御パネルのスイッチをいじると、海底の岩盤に偽装されたゲートが開き、〈ふがく〉が発進する。ゲートを出た〈ふがく〉は、勢いよく浮上し、空へ飛び上がるとそのまま空中に静止した。
「これよりヘリオスを解放する。」
佐沼が言った。和仁はモニターに映るウルトラマンに注目する。
すると、ウルトラマンの体が半透明に成り始めた。和仁は驚き、さらに見入った。
ウルトラマンの体が光の粒子となって消える。すると入れ違いに、〈ふがく〉のそばに光の粒子が現れ、ウルトラマンの形を成して行き、ほんの数秒でその実体を現した。
「H−ユニット、出動!」
佐沼の号令とともに、ウルトラマン〈ヘリオス〉と〈ふがく〉は怪獣を目指し、飛び立って行った。

その様子は司令室のモニターにも映し出される。
「H−ユニット、出動しました。」
オペレーターが言うのを聞き、柳坂が小さくつぶやく。
「頼むぞ・・・由里。」

「一体これから、どうなるんだろう・・・」
かつて想いを寄せた人と、巨人との突然の再会。この再会が、自分の運命を大きく変えていくことになるとは、このときの和仁にはまだ知る由もなかった。

                                (つづく)
441ヘリオス作者:2007/07/31(火) 17:14:43 ID:3ktoviuH0
長々と失礼しました。時間がかかってしまいましたが、何とか第1話が完成しました。
よろしかったら感想をお願いします。
442アルファ→現パラレル作者:2007/07/31(火) 17:59:00 ID:7m9NYjAR0
最近さぼり気味で申し訳ない。

ヘリオス作者様
ご苦労様です。読ませていただきました。
ここまで決戦兵器として特化したウルトラマンも初めてですな(デウスという
前例はあったが、あれはまだ確固とした自我があったから)。このまま
行くのか、それとも自分の意志で動き出すのか、或いは又別の展開があるのかは
判りませんが、まあもう少し話が進まないことには何とも。次を期待してます。

後、やはり間が空くとスレをさかのぼって話を思い出すのが大変ですな。
これは他の間を空けて定期的に投下している人達や、最近さぼり気味の自分も
そうだけど。しかし、スレを維持するためにはぶつ切りでも投下しつづけるのも
やむをえんか。まあ、気にせず現状のやり方で投下してもらえればいいと思います。
443ヘリオス作者:2007/08/01(水) 13:01:19 ID:qEBDvF5V0
アルファ→現パラレル作者様
 感想ありがとうございます。「決戦兵器としてのウルトラマン」は、この物語のコンセプトととして考えていました。ご理解していただけてうれしいです。
 今後の展開に期待してください。それと、次からはできるだけ間を空けないように、一気に投下していくようにしたいと思います。
444アクト作者:2007/08/02(木) 12:57:16 ID:ZRm8wFDH0
次スレのほうに2話を投下してしまいましたアクト作者です。
立ってるもんだからてっきり…
445アルファ→現パラレル作者:2007/08/02(木) 13:48:48 ID:9F1erfb10
いや、もうそろそろこのスレも使いきるだろうからいいのでは?
とりあえずこれから読ませていただきます。
446ヘリオス作者:2007/08/03(金) 14:59:29 ID:9ilOD7KP0
『ウルトラマンヘリオス』設定4

登場人物(第一話終了時点。随時追加予定)

志村和仁(しむらかずひと):本作の主人公。NPO法人・SSS(スリーエス)−NET職員。
             23歳。
             過去に自分の住んでいた町を怪獣群に襲われ、その際にウルトラマンと遭遇している。そして、ウルトラマンの消失とともに恋人の由里も彼の前から姿を消してしまう。以来、彼女のことが忘れられず、6年経った現在でも引きずり続けていた。
             三浦半島での調査活動中に、由里とウルトラマン〈ヘリオス〉と思いもよらない形で再会を果たすことになる。

須藤由里(すどうゆり):本作のヒロイン。防獣局特殊兵器運用班〈H−ユニット〉隊員。
23歳。
           かつて和仁の恋人だったが、怪獣群が襲来し、ウルトラマンが飛来した日に忽然と姿を消してしまう。
           その後、<H−ユニット>の一員として和仁と再会するが、以前の記憶をなくしてしまっているらしい。

柳坂拓真(やぎさかたくま):防獣局作戦部長。階級は一佐。23歳。
             若年ながら防獣局作戦部長を務めるエリート。頭脳明晰で、防衛大を首席で卒業している。冷徹に作戦を進め、周囲を圧倒する威圧的な雰囲気を持つ。
             なぜか顔の右半分を、常に前髪で覆い隠している。
             あまり感情を表に出さない。
佐沼一誠(さぬまいっせい):H−ユニット主任。階級は二佐。38歳。

三好(みよし):H−ユニット隊員。階級は曹長。25歳。

八神隆市(やがみりゅういち):防獣局局長。51歳。
  職務に忠実で、官僚としても優秀だが、少し打たれ弱いところがある。
               
波川(なみかわ):防獣局直属の戦略航空団<アルバトロス>司令官。階級は空将。48歳。
        
円谷猪四郎(つぶらやいしろう):強襲機動空母<まほろば>艦長。階級は一佐。45歳。
             
本間豪(ほんまごう):NPO法人・SSS−NET職員。28歳。
          和仁の先輩職員。普段から文句が多いが、仕事はきっちりこなす。
447ヘリオス作者:2007/08/03(金) 15:39:04 ID:9ilOD7KP0
『ウルトラマンヘリオス』設定5

メカニック

 X−7J・ソードフィッシュ
 怪獣大戦争終結後に開発された純国産の支援戦闘機。優れた機動性・攻撃能力・ステルス性を併せ持ったバランスのよい機体である。
 アルバトロスを中心に、航空自衛隊への配備も進んでいる。

 強襲機動空母〈まほろば〉
 防獣局に所属する双胴式空母。従来の空母を二つつなげたような形状をしている。電磁カタパルトを2基装備。
 空母としての機能はもちろん、強襲揚陸艦としての機能も併せ持っている。

 マーキュリーベース
 三浦半島沖の海底に建造されていたH−ユニットの基地。ヘリオスのいる〈神殿〉ともつながっている。
 なお、神殿のある岬は〈障壁〉と呼ばれる、未知の波動による一種のバリアーで守られており、通常は侵入することが不可能である。

 XT−1・ふがく
 ヘリオス運用のために建造された空中移動要塞。マーキュリーベースのドックから発進する。
 潜水艦としての機能も持つ。

 観測機器
 SSS−NETが使用。怪獣発生の際に検出されるプラズマやオメガC−3波を観測する。
448名無しより愛をこめて:2007/08/04(土) 14:10:51 ID:etcq6luV0
これで使い切るかしら?


ウルトラマンパラレル 05 激闘! 二大宙獣
冷凍宙獣・ギゴラス、地底宙獣・マグメス 他 出現


 突如地球に現れた平行宇宙からの来訪者・ウルトラマンパラレルが警告した通り、地球世界と
重なり合って存在している幾多の異次元には、それぞれの平行宇宙に適応した多くの怪獣『宙獣』が
生息している。そして、その貪欲な破壊衝動に満ちた本能を以って、地球に出現して暴れ回る機を
窺っているのである。

 そんな異次元の一角。
 地表一杯にでこぼこの荒地が広がり、森林が点在している未開の地。その大地が激しく揺らされている。
 複数の巨大な宙獣、都合4頭が、乱戦を行なっている。
 戦いの理由は特にない。あるとすれば、只の闘争本能。目の前に自分と同じような巨大なものが
いたので取り合えず敵と認識し、刹那的に互いに襲い掛かったのである。もみ合ううちに、戦いは
一対一と一対一の二箇所に分かれていく。
 かたや、全身が白い霜で覆われて冷気を放ち続ける宙獣と、芋虫と蟻が合わさったような直立した
昆虫そのものの宙獣。
 押し合った後、力比べではけりがつかないと見た虫の宙獣は、霜の宙獣から離れて間合いを計り、
ぎざぎざの口を展開して、白い糸を吐き出す。それは霜の宙獣の全身に巻きつき、忽ちがんじがらめにして
自由を奪っていく・・・
 と思った次の瞬間、繭のようになった状態から、霜の宙獣は強く踏ん張り、腕の力だけで糸を引きちぎり、
自由を取り戻す。
 おののいている虫の宙獣に反撃。同じように口を開くが、その口から放たれるのは極寒の猛吹雪。
 虫の宙獣は硬く凍りつき、霜の宙獣はその氷塊を力押しで突き飛ばし、地に叩き付けて粉々に粉砕した。
449名無しより愛をこめて:2007/08/04(土) 14:12:35 ID:etcq6luV0
 一方、全身が硬く尖った岩のような突起に覆われ、太く長い一本の角を持った宙獣と、皮膜で構成された
大きな翼で空を飛ぶ宙獣の戦い。
 翼の宙獣は素早く宙を飛びまわり、地を這い回る岩の宙獣にヒットアンドアウェイを連発。反撃したくとも、
空を飛べない岩の宙獣にはどうしようもない。
 岩の宙獣は唸った後、大きな前足の鋭い鉤爪を使って地を掘り、あっという間に地下へと潜って消えていく。
戦意を喪失したのか?
 翼の宙獣は勝ち誇ったように猛り吼え、翼を休めるために山の一つの上に降下してくる。
 だが、降り立つ寸前、地下に隠れていた岩の宙獣が、不意を突いて山を破って飛び出した。
 翼の宙獣の脚に噛み付き、無理やり地上へ引きずり落とす。
 そして、怪力で翼を引き裂いて空への退路を断ち、更に押さえ込んで爪と牙で肉をむしりとり、
翼の宙獣をバラバラにして食い殺した。

 飢えを満たした岩の宙獣・マグメスは、片方で勝ち残った霜の宙獣・ギゴラスと対峙。ギゴラスも、
粉々の氷塊にした敵を噛み砕いて食った直後だった。
 勝ち残った強者同士の対決は凄絶を極める。ギゴラスの冷気攻撃も、自分を覆った氷を力で砕き破って
しまうマグメスには効かず、戦いは接近しての肉弾戦に移行し、二つの頑丈な巨体が周りの岩山を
砕き捲くる。
 長い死闘の後。
 マグメスは一際高い山に向け、ギゴラスに体当たりをかけて叩き付けた。
 その衝撃で山が崩れ、降り注ぐ大量の岩塊にギゴラスは悲鳴を上げながら埋め尽くされ、白い巨体も
次第に見えなくなっていく。
 岩が積み上げられ、静けさが一帯に満ちた後、マグメスはのけぞって一声勝利の雄叫びを上げる。
そして、その場から四足で地響きを立てて歩み去っていく。
 暫く歩いたマグメスの前の渓谷には、激しい気流が渦巻いていた。
 その中心部には、時空の歪みが発生していた。多くの異次元世界同士が干渉することによって
しばしば起きる現象なのである。
 マグメスはその時空の歪みに吸い込まれ・・・というより、自ら歪みの中心部へ歩み進み、元いた
世界からその巨大な姿が消えていく・・・
450名無しより愛をこめて:2007/08/04(土) 14:14:05 ID:etcq6luV0
 行き先は、やはり地球であった。
 東京郊外の小都市に突然出現したマグメスは、ずんずん歩くだけで建造物を片っ端から破壊していく。
 出動したチームホークのダイバージェット隊が攻撃を開始するが、
古賀「くそ・・・何だこの硬さは!?」
 マグメスの頑強な皮膚の前に、銃撃は全く通らない。被害はどんどん増えていく。
 結局住民を全て避難させ、都市の周辺に防衛網を敷いて警戒するという状況に甘んじることになる。

 防衛軍の首脳陣が集まり、対策会議が開かれるが、中々有効な作戦が出てこない。
 そこへ、チームピジョンから連絡。チームの分析・開発担当の平山という隊員が、宙獣に対抗するための
新兵器を開発したという。結構いきなりな話で首脳陣は半信半疑だが、他にいい案もないということで、
篠田参謀が場を仕切り、新兵器を試してみる作戦で行くことになった。

「多くの怪獣との長い戦いで蓄積されたデータは伊達ではありませんよ」
 太った男、平山は、集まったチームピジョンの前で丸眼鏡の位置を直しながら得意げに言う。
 取り出された新兵器は、弾丸の体裁をしていた。
「弾丸・・・でも、問題の宙獣は体が頑丈で銃撃は効かないんじゃなかったんですか?」
 チームの紅一点で温厚な女性・上原隊員が遠慮げに尋ねる。
 平山は動じずに返す。
「衝撃による破壊を狙うのではありません。過去、倒された怪獣の破片はサンプルとして防衛軍に
回収され、その組成が緻密に分析され、構成物の状態の変化を促す手段も多くシミュレートされています。
同じ行程で、これまで倒された宙獣のサンプルも既に分析されています」
451名無しより愛をこめて:2007/08/04(土) 14:16:05 ID:etcq6luV0
 弾丸をつまんでかざし、
「この弾丸に仕込まれたナノマシンが、命中と同時に宙獣の細胞に作用して生体機能を低下させ、
パワーの大幅な減衰を促すのです。当てさえすればOK」
「本当なのか。えらく景気のいい話だが」
 副隊長の池波が念を押す。
「サンプルへの実験が行われ、良好な結果が出ています」
 平山は得意気に笑い、
「此処暫く出鼻を挫かれているチームホークにも、これで一泡吹かせられるというものですよ」
「・・・それは違うぞ、平山」
「え?」
 向き直る平山に真顔で言う池波。
「我々の敵はチームホークか?」
「・・・いえ、それは違います。地球を荒らしに来る宙獣ですが」
「そうだろう。なら、同じ防衛軍の共闘者であるチームホークを何故殊更に仮想敵にするような
言い方をする?」
 平山ははっとし、
「・・・すいません、失言でした」
 素直に反省する。
 池波は他のチーム一同を見回し、
「他の者達もくれぐれも注意してほしい。今は防衛軍一丸となって地球を守らねばならないときなのだ。
互いのライバル意識を戦意に昇華させるのもいいが、出足のそろえを乱すことのないように。
 ですね、リーダー」
 笑顔で続きを振られ、自分もはあーと感心して話を聞いていたリーダーである矢野一郎は、
「え・・・ええ、はい、その通りです。気をつけてくださいね皆さん」
 自分もチームホークのリーダーの岸尾順に対して内心対抗意識を持っていたことにぎくりとし、
笑顔で誤魔化しながらお茶を濁した。池波も笑っている。矢野の内心を見越しているのかいないのかは
判らない。
452名無しより愛をこめて:2007/08/04(土) 14:17:55 ID:etcq6luV0
 チームピジョンのモットーは和である事を改めて矢野が説いていたとき、
「すまんな、うちのリーダーが何時もツンケンしてるもんだから」
 会議室の入り口から声がし、一同は驚いて見る。
 入り口に凭れていたのは、チームホークの筆頭射撃手の古賀だった。

 古賀はリーダーの岸尾に自ら進言し、今回特別にチームピジョンに単身出向してきたのである。
作られたばかりの試作品である新型弾丸は一発しかない。巨大な宙獣相手にそうそう外すことは
ないだろうが、万全を期すためにも腕に覚えのある自分が撃ちこみたいというのだ。
「頼む。好き勝手に街を荒らしているあの宙獣野郎を緒戦で止められなかった落とし前を付けたいんだ」
 チームピジョン一同が顔を見合わせた後、
「外さないで下さいよ」
 平山自らが笑顔で古賀に弾丸を託した。

 かくしてリターンマッチ開始。
 弾丸はダイバージェットのミサイルに仕込まれ、乗り込んだ古賀が単身飛び立つ。見送るチーム
ピジョン一同。
 廃墟同然と化した市街の瓦礫をかき集め、マグメスはぬけぬけと巣を作り始めている。
「何時までも勝手はさせねえ!」
 ダイバージェットで迫ってくる古賀に気付いたマグメスは吠え、迎え撃つために前進してきた。
狙いを定めてミサイルを撃ち込もうとしたとき、マグメスは出し抜けに高くジャンプしてきた。
「うわっ!?」
 すんでのところで回避。マグメスは地上に地響き立てて降り立つが、続けてジャンプ攻撃を
連続してくる。中々狙いを付けられない。
「やはり場慣れした彼に任せたのは正解だったな」
「直接戦闘には不慣れな我々だったら撃墜されてたかも知れない・・・」
 モニターで見届けているチームピジョン。
453名無しより愛をこめて:2007/08/04(土) 14:19:30 ID:etcq6luV0
 手こずっている古賀に対し、他のチームホークのダイバージェット隊が援護に来る。牽制射撃を
開始。地上の防衛隊も戦車部隊で長距離砲撃開始。無論、通常攻撃ではマグメスにダメージは
与えられないが、マグメスは周囲からの攻撃に気を取られていらついて無造作に暴れる。
「今がチャンスだ、古賀」
 岸尾から通信。
「大見得切って先陣に出てきた以上はきっちり決めてみせろ」
「リーダー・・・了解!」
 一気にマグメスに迫る古賀。
 マグメスの隙を突き、今度こそ、ミサイルを命中させることに成功。急速離脱。
 効果はてきめんに現れ、全身から拒否反応が激しい放電となって現れ、もがいて苦しみ出す
マグメス。動きが忽ち鈍っていく。
矢野「やった、成功だ!」
平山「そりゃ僕の作った武器ですから!」
 これで事件解決・・・と、誰もが思っていた。

 虚空から獣の叫びが轟いた。
 現場付近の空がゆがみ、時空の壁を破って、もう一頭の宙獣が出現した。
 マグメスが地球に来る前に敗った、ギゴラスである。
 山に叩き付けられ、無数の岩の打撃を食らったことで全身傷だらけだが、自分を敗ったマグメスへの
敵意は最高潮に達していた。マグメスへの復讐心を糧として岩山から無理やり這い出し、続いて
地球世界への突入を敢行したのである。
「何!?」「もう一頭!?」
 驚いた防衛側は気を取られて対応が遅れた。その隙にギゴラスはマグメスに突進。折りしも、
マグメスは古賀の放った必殺弾で弱っており、反撃できる状態ではなかった。
 おもむろにギゴラスはマグメスに食いつく。一気に食い殺す気である。
 特殊弾丸の影響で組成の脆くなっていたマグメスの身体は苦もなく食い裂かれる。
 凄惨な光景に人々が思わず目を見張る中、マグメスはずたずたにされてギゴラスの体内に
収まっていった。
454名無しより愛をこめて:2007/08/04(土) 14:21:44 ID:etcq6luV0
 そして。
 マグメスを食ったギゴラスの体が、目に見えて変貌し始めた。
 鋭い一本角と鉤爪が伸び、体表からも尖った岩のような突起が伸びて全身を覆い・・・
明らかにマグメスの特徴が見え始める。
「まさか・・・他の宙獣を捕食することで、その能力までも獲得する力があるというのか!?」
 平山の看破したとおりだった。
 ギゴラスはマグメスの身体だけでなく特性も手に入れ、大幅にパワーアップ。そのパワーを
持て余し、マグメスに代わって暴れ出した。
 必殺弾を使ってしまった古賀や仲間のダイバージェット隊には既に有効な対抗手段はない。
ギゴラスは地上の戦車部隊を目にし、口から冷気を吐いて忽ち凍りつかせ、更に迫っていって
足で踏みしだいて一掃していく。
岸尾「くそ・・・どうすれば!?」

 現場を見下ろせる山あいから、遅れ馳せながら人知れず駆け付けてきた狭間健二。
 懐からエクスパイラルを取り出してかざし、変身。
 今回は矢野にも岸尾にも合体せず、ピンでいく。緊急ということもある。
「ウルトラマンパラレル!?」
 現れた巨人を見てそれぞれに叫ぶ矢野と岸尾。

 だが。
 現れはしたものの、これまでの戦いで無双を誇ってきたパラレルにとっても、パワーアップした
ギゴラスの力は圧倒的だった。
 マグメスから得た素早い動きにより、攻撃の隙を与えない。攻めをかわしては逆に不意を突いて
冷気を吐きかけ、パラレルの動きを確実に阻害していく。
 そして、動きが鈍ったところで、角や爪を叩き付けて更に大きなダメージを与える。
矢野「どうしたんだ、パラレル!? しっかりしてくれ!」
岸尾「・・・あの宙獣は、パラレルをもものともしないほどの力を得たというのか!?」
 なす術もなく痛め付けられ、大気に響く声で絶叫するパラレル・・・!!

 続く。
455名無しより愛をこめて:2007/08/05(日) 22:28:15 ID:kG2OVlIW0
 異次元の秘境で冷凍宙獣ギゴラスを破った地底宙獣マグメスは、続いて突如地球世界に現れ、
破壊の限りを尽くす。これに対し、チームピジョンとチームホークは力を合わせて当たり、
マグメスを後一歩で倒せるところにまで追い込むが、そこへ、異次元から復讐戦のために
現れたギゴラスが乱入。弱体化したマグメスを捕食し、その能力までも手に入れてパワーアップ
してしまった。そのパワーは、やっとフォローにやってきたウルトラマンパラレルをも圧倒。
パラレル、ピンチ!!


ウルトラマンパラレル 06 強化宙獣を倒せ!
冷凍宙獣・ギゴラス(強化) 出現


 ギゴラスはパラレルに圧し掛かり、噛み付こうと迫ってくる。
「パラレル・・・!」
 息を呑んで見届ける地球防衛側一同。
 パラレルは片手で無理をしてギゴラスを支え、もう片方の手に、時空を歪めて固めたものを溜める。
なんか手の辺りだけ陽炎のように景色がもやもやしている。
 そして、不意討ちでその歪みをギゴラスに押し付けた。
 捻れていた時空が急激に戻って反動で凄まじい衝撃波が起き、ギゴラスは吹っ飛ばされ、
結構なダメージを受けた。
 暫く歯軋りをしてパラレルを睨むが、態勢を立て直すため、穴を掘って素早く地底に逃げていく。
 自身も消耗したパラレルは、追撃することも出来ず、彼も時空に穴を空けて立ち去った。
456名無しより愛をこめて:2007/08/05(日) 22:29:46 ID:kG2OVlIW0
 当面の危機は回避されたが、防衛側の努力がギゴラスの出現で無駄になってしまったことで、
一同の士気は低下していた。
「何てこった・・・パラレルでさえ追い払うのが精一杯なんて」
 へこむ古賀を鼓舞する平山。
「大丈夫です! 少なくとも、宙獣に対して僕の作った特殊弾が有効であることははっきりしたんです。
至急次の弾丸の生産に入ります。今度ギゴラスが現れても、それを撃ち込めば倒せます!」

 果たして、潜伏してダメージを回復させたギゴラスは、後日再び現れた。
 郊外の山あいを徘徊しているギゴラスに対し、今回古賀は岩陰から狙撃(ギゴラスに冷気で
遠隔攻撃を食らう恐れがあるため)。
「今度こそ!」
 確実に狙い、きっちり特殊弾を撃ちこむ。
 だが・・・
 何も起こらない。
「何・・・!?」
 巨体に響いた僅かな衝撃にギゴラスはゆっくり振り返り、古賀を見つけ、唸って牙を剥く。
 冷気が噴出され、古賀や後方に控えていた支援部隊は慌てて逃げ出した。

「こんな・・・」
 分析した平山が蒼白になる。
「奴は・・・一度弾を撃ち込まれたマグメスの体組織を捕食して取り込んだことで、弾丸に仕込まれた
ナノマシンの効果に対して体内で抗体を作り、免疫を持ってしまったんです!」
 愕然としている古賀達の前で、頭を抱えて蹲る。
「これじゃきりがない・・・本当に、どうしたらいいんだ!?」
457名無しより愛をこめて:2007/08/05(日) 22:31:12 ID:kG2OVlIW0
 対策は行き詰まり、防衛側一同の士気は更に下がってしまった。
 基地の屋外で星空を見上げ、矢野が一人頭を悩ませていると、
(矢野一郎)
「!?」
 頭の中に、音なき声が響いた。
 この感覚は覚えている。ウルトラマンパラレルのテレパシー。
 声を出しそうになったのを矢野は咄嗟に抑え、
(ウルトラマンパラレル? 今何処にいるんだ?)
(別空間の中で身体を休めてダメージを癒しているところだ)
 脳内に、虹色の亜空間に漂いながら膝を抱えてじっとしている、傷だらけの狭間健二の姿が浮かぶ。
(しかし、完全回復にはまだ時間が掛かる。今回は聊か手強い相手だ)
 負傷した姿を痛々しい思いで見る矢野だが、思っていたことを聞いてみる。
(どうして、最初の宙獣が後から来た奴に食われる前に出てきて倒さなかったんだ!? そうすれば
ここまでの事態には・・・!)
(それでよかったのか)
(?)
(君の部下の平山は長い研究の末に対宙獣用の武器を作り出し、古賀という別の防衛隊員がそれを持って
宙獣に立ち向かい、他にも大勢の地球人が今回一丸となって最初の宙獣に立ち向かい、あと少しで倒せる
所までに持ち込んだ。私が先に介入していれば、それらの尽力は全て無駄になっただろう。本当に
それでよかったのか?)
(それは・・・)
 苦悩する矢野。
458名無しより愛をこめて:2007/08/05(日) 22:32:40 ID:kG2OVlIW0
(しかし・・・結局は新しい宙獣の割り込みでそれも無駄になったわけだし・・・結果として
地球を守ることができなければ何にもならないし・・・そのためには、君の介入で僕達の働きが
無駄になるのもやむを得なかったのでは・・・)
 パラレルの人間体の健二は黙って聞いていたが、
(とにかく、今私は回復の途中でまだ動ける状態ではない。君達で何とかするしかないのだ)
(パラレル・・・!!)
 そこで、健二の姿は矢野のイメージの世界から遠ざかり、消えてしまった。

 暫く山中にいたギゴラスだが、やがて餌を求め、市街地に向かって侵攻を開始した。
 防衛線は敷かれているが、結局有効そうな対抗策は出ず、一同の空気は重い。
(どうしたら・・・)
 遠くから歩んでくる宙獣の巨体を眺め、矢野は途方に暮れていた。

 と。
 放たれた銃撃で、宙獣の体表に爆発が起こった。
 矢野が見回すと、銃を構えた古賀、並び立つ平山、そしてチームホークとチームピジョンの
メンバー達が混在した一団が、宙獣を見据えていた。
 古賀の足下には、山のように積み上げられた、例の特殊弾。
 平山が徹夜の連続で作れるだけ作り上げた。
「一発で効かないなら、効くまで撃ちこむ!! 何発でも!!」
 隈のできた目で叫ぶ平山。
 古賀もそれに呼応し、次弾を装填しては片っ端から撃ち込み始める。
 ギゴラスはその攻撃に怒り、歩みを速めて近付き始める。
 防衛線の兵士達も驚いていたが・・・
 誰からともなく、近付く敵の足を止め続けるため、一斉に支援砲撃を始めた。
459名無しより愛をこめて:2007/08/05(日) 22:34:28 ID:kG2OVlIW0
「無駄と判ってても、やるしかねえんだよ・・・俺達は、地球を守る戦士なんだからな」
 上空からダイバージェット隊を率いて飛んでくる岸尾順。
「頑張れ、古賀! 俺達も行くぜ!!」

 矢野は、その光景を眺めていたが・・・
「・・・無駄じゃない・・・
 無駄なんかじゃない!! うおおおお!!」
 銃を携え、矢野も戦場に向かって走り出した。

 思わぬ激しい攻撃を受け続けたギゴラスは、猛り狂い、防衛線に向かって猛吹雪を吐き掛けた。
 忽ち一同は凍りつく・・・
 ことはなかった。
 突如現れたウルトラマンパラレルの巨体が、バリヤーを広範囲に展開し、冷気を防いだからだ。

(・・・え?)
 自分の視界が一気に高みになったのに驚く矢野。
 やがて、再び自分がウルトラマンパラレルの魂と合体しているのを認識した。
(どうして・・・パラレル、君はダメージの回復の最中だったんじゃ?)
(完全には回復していない)
 伝わるパラレルの思念から矢野は感じ取る。確かに、パラレルの身体のあちこちにダメージが
残っているのが判る。
(それでもやらねばならないときがある。矢野一郎、君もついさっき思ったはずだ)
(・・・パラレル・・・・)
460名無しより愛をこめて:2007/08/05(日) 22:35:47 ID:kG2OVlIW0
 襲ってきたギゴラスを、パラレルは真正面から身体で止める。だが、ぎりぎりと押される。
(やはり、ダメージの所為で踏ん張りが利かないのか・・・)
 理解する矢野。
(いけない・・・このままではパラレルがやられる・・・パラレルに、力を! もっと強い力を・・・!)
 心から矢野は願う。
(力を・・・おおおおおおお!!!!!)

 矢野の想いは、又も赤い光の力を呼んだ。
(エナジーリターン!!)
 赤い光がパラレルの全身から炎のように噴き上がり、その勢いにギゴラスが弾かれて思わず後ずさる。
 まるで不死鳥が炎の中から甦るかのように、炎の光がパラレルの傷や疲れを焼き尽くし、回復させ、
更にパワーを増大させていく。
 呆然と見る防衛側一同。
 そして、パラレル・・・と一体となった矢野は、パラレルの巨体を押し進め、ギゴラスと格闘を
始める。その一撃一撃が、ぶつかるたびにギゴラスを後ずさらせる。
 ギゴラスは歯軋りをすると、態勢を立て直して反撃しようとする。
 だが、その体表に、ふと、電撃が走った。
 そして、その勢いはじわじわと強くなり、ギゴラスの動きを鈍らせ始める。苦しみ出すギゴラス。
古賀「あれは・・・マグメスに特殊弾を撃ち込んだ時に起きた、拒否反応か!?」
平山「少しずつだけど、効いてたんだ!」
 隙だらけのギゴラス。チャンスは今だと、パラレルは下がって構え、
『パラレルファイヤーーーーー!!!!!』
 矢野の魂と一体となって叫び、全身から巻き起こった光の炎を収束させ、発射して叩き付けた。
 ギゴラスの巨体が燃え上がり、強敵だった大宙獣は断末魔の叫びを上げ、焼き砕かれて
炭化して消えていった。
461名無しより愛をこめて:2007/08/05(日) 22:37:10 ID:kG2OVlIW0
 歓声を上げるホークやピジョンや一般兵士達一同。
 全力を出し切り、響くカラータイマーの音を心地よく感じるパラレル=矢野。
(やった・・・やったよ、パラレル・・・!)
(うむ)

 だが、その喜びの感情に、突如割り込む違和感。
(・・・?)
 その違和感は、上空から伝わってきていた。矢野は、パラレルの顔を上に向けて空を見上げる。
空の彼方、大気圏外から地球近辺の宇宙空間にまでパラレルの視線は届く。
 パラレルと一体となっている矢野は見た。
 宇宙に滞空している、数人の巨人。
(ウルトラマン・・・!?)
 赤青ツートンのパラレルとは違う、多くの人々の知っている、銀地に赤い模様のウルトラマン達。
 彼らは地上を見下ろしていたが、やがて、地球近辺から飛び去っていく。
 パラレルの視線を察したかのように。
(あれは・・・何だ!? 何故ウルトラマンが、他のウルトラマンがあんなところに・・・?)

 続く。
462名無しより愛をこめて:2007/08/08(水) 00:23:18 ID:liWhC+350
保守
463名無しより愛をこめて:2007/08/10(金) 09:08:57 ID:2ePmgIAt0
ho
464名無しより愛をこめて:2007/08/12(日) 12:47:06 ID:EdKocpw/0
hosyu
465名無しより愛をこめて:2007/08/13(月) 01:26:48 ID:/tc1/Gw60
そろそろageます
466名無しより愛をこめて:2007/08/15(水) 11:09:46 ID:FwKAdSoc0
ウルトラマンアクト

第2話『光の泡姫』

風俗怪獣ヤリメンコ 登場

はるか遠方。一人の店員が客引きをしていた。
取り締まりも問題なく、いたって安全な呼び込みのはずだった。
しかし、この店員は客を呼び込む事は無かったのである。
「店長!何か巨大なパトカーの様なものが…接近してきます!」
「あれは…!こっちに来るぞ!う、うわあああああ!」
店員は逮捕。店内で全裸の客数名と、非常に間抜けな事件として、後に報道される事となる。
467名無しより愛をこめて:2007/08/15(水) 11:32:27 ID:FwKAdSoc0
ウルトラマンアクト

第2話『光の泡姫』

この事件が発生する丁度その頃、SEKKUS日本支部作戦室では、スケスケクラブを摘発した謎のパトカーに関して、議論が行われていた。
「県警と決め付けるのは、やや早計過ぎやしないかね。」
チョコボール博士が、集まったメンバー全員に対し、自らの考えを披露する。
「あのパトカーは我々にとって未知の存在だ。安易に安全と決め付けて、もし警視庁だったとしたら取り返しのつかないことになる。」
「賛成の反対ね。」
さらにカミナリさんもそれに倣った。
「これまで察なんか現れていなかった。それなのにあのパトカーと同時に婦人警官が現れたのよ。何か関係を疑うのが普通じゃないかしら。」
その言葉にシンイチや正ちゃんも頷いた。
この二人も同意見のようだ。

一方、ドロンパは擁護派だった。
「私は抜いてもらっているし、親子丼も食べさせてくれてるから…味方と判断してもいいと思う。それに…何て言うのかな。婦人警官からは…敵意みたいなものを感じなかったよ?」
468名無しより愛をこめて:2007/08/20(月) 16:16:36 ID:PAZi+u1O0
終了
469名無しより愛をこめて:2007/08/23(木) 08:14:48 ID:5Vxvyg510
保守
470ヘリオス作者:2007/08/24(金) 18:29:59 ID:zZoABZci0
ウルトラマンヘリオス
  第2話「彼女とアイツ」

 コンビナート周辺の地域には怪獣警報が鳴り響き、電柱に備え付けられたスピーカーからアナウンスが流れる。
「こちらは市役所広報課です。沿岸地区一帯に、防衛庁より避難命令が出されました。警察の支持に従い、指定のシェルターに避難してください。」
 すでに一帯の避難は完了し、人影のなくなった道路を、車体に〈SSS−NET〉と書かれたライトバンが走り抜けていく。運転しているのは本間である。
「チクショー!何でこんな・・・・」
 怪獣が現れてすぐ、何とか電波の入る場所を見つけた本間はSSS−NET関東支部へ連絡を入れた。そして、支部長から返ってきた答えは「追え。」という一言だけだった。

 ここまで来た以上、少しでも多くのデータと情報を収集しなくてはいけない。本間はコンビナートの駐車場に車を停めると、観測機器のセッティングをはじめた。
海の方を見ると、怪獣がコンビナートに向かってゆっくりと近づいてくる。すると、本間の眼に、怪獣に向かって飛んでくる銀色の巨人の姿が飛び込んできた。
「あれは・・・ウルトラマン!?」

 ウルトラマン〈ヘリオス〉は、飛んできた勢いを駆って怪獣の背中に蹴りを見舞った。
 怪獣が海面へ、前のめりに吹っ飛ぶ。そしてヘリオスは海面へと着水した。
 怪獣は起き上がり、ヘリオスの方を向く。両者は向かい合うように対峙した。

471あぼーん:あぼーん
あぼーん
472ヘリオス作者:2007/08/27(月) 19:46:48 ID:r9oRSLZO0
 両者が対峙しているその場へ、〈ふがく〉が到着する。
 「朝倉、コマンダーの状態は?」
 コクピットの中で佐沼が、同じくコクピット内にいる隊員に聞いた。
 「脈拍、血圧、ともに通常時を若干上回っていますが、正常範囲内です。脳波にも異常なし。融合係数0.97で正常。」
 朝倉と呼ばれた隊員が答える。
 朝倉の返答を聞き、佐沼はインカムのマイクを口元に近づける。
 「須藤君、準備はいいな?」
 「はい。」
 通信機から由里の声が聞こえてくる。
 「よーし、少々フライングしたが・・・状況開始だ!」

 マーキュリーベースのモニターには、ふがくのカメラを通して現場の様子が映し出されていた。和仁と三好は、その様子を固唾を飲んで見守っていた。
怪獣は何度もヘリオスへかかっていくが、その度に受け流され、海面へ転倒する。自身の力ではなく、怪獣の力を逆手にとって倒している。
 和仁にはその動きに見覚えがあった。和仁の脳裏に、高校時代の由里の姿がだぶる。
「あの動き、合気道か。・・・まるで由里が戦っているみたいだ。」
「そうだよ。彼女は今戦ってる。」
 三好の言葉の意味が、そのときの和仁にはまだ理解できなかった。

473ヘリオス作者:2007/08/27(月) 19:48:51 ID:r9oRSLZO0
 ヘリオスは倒れた怪獣を押さえつけ、顔面にパンチを入れようとした。
 が、その瞬間怪獣の一つ目から圧殺波動が発射される。
 波動をモロに喰らったヘリオスの体が宙を舞い、海面へ叩きつけられる。
 起き上がろうとしたヘリオスへ、怪獣は間髪いれずに反撃に出る。
 形勢逆転。怪獣は手のひらから光の刃を形成すると、ヘリオスの肩とももへ斬りつける。
 斬りつけられた瞬間、ふがくのコクピット内には由里の絶叫がスピーカーを通して響いた。
 倒れこんだヘリオスを後に、怪獣は再びコンビナートへ向かって歩き出した。
「須藤君、大丈夫か?」
 佐沼が語りかける。
「っ痛、・・・大丈夫です、まだやれます。」
 帰ってくる由里の声は、痛みを必死でこらえる、苦悶にみちたものだった。
「主任、グラディエイトフィールドを展開して、ヤツを止めます。」
「今の君の体では無茶だ!フィールドの展開可能時間は3分しかないんだぞ。その間にヤツを倒さないと君の命が・・・」
 佐沼が言い終わらないうちに由里が言い返す。
 「勝てばいいんですよね?大丈夫・・・3分以内に、確実に倒して見せます。」
 「須藤君・・・。」
 そこへ、司令室の柳坂から通信が入った。
 「フィールド展開を許可します。佐沼主任、今はなんとしてもヤツの上陸を防がないといけません。彼女を信じましょう。」
 佐沼の顔に、一瞬ためらいの表情が浮かんだが、それはすぐに決意に満ちた表情に変わる。
 「・・・グラディエイトフィールド、展開!」
 佐沼の号令に、他の隊員、そして由里が答える。
 「了解!」

474名無しより愛をこめて:2007/08/27(月) 22:24:21 ID:vW74KYB90
デリートとジャネットに連れられ、ウルトラマンメタファは地球より去る。
 万感の想いで達志と恵は見送った。
 東京湾岸のディフェンスポートからも飛び去るウルトラマン達は観測されており、特命防衛隊も
それを見守る。
斎木「いいんですかね」
 川上隊長は微笑み、
「アルファが現れる以前、我々特防隊はウルトラマンの助けがあることを前提とせず、それでも何とか
地球を守ってきた。本来あるべき姿に近付いただけだ」
「それもそうなんですが。特防俺達の存在意義も取り沙汰されないようになりますしね」
 冗談めかして斎木は笑って言った。

 もう判っていると思うが。
 世の中は上手くいかない。そういう運びになった直後に限ってことが起きるのである。

 恵の通う桜ヶ丘高校。
 6話のときその他の縁か、学校の生徒の良とかなえ(オカルト研究会はまだ続けているらしい)が
駆け付けてきて急遽呼ばれ、達志は一緒に息を切らせて学校に走った。
 学校の一角が爆発で吹っ飛ばされたかのように倒壊して粉塵を上げ、その煙と瓦礫の中、
気を失った恵を抱えている人物がいた。
 浅黒い肌、整った細面の美青年だが、いでたちはあからさまに怪しい。未知のメカの意匠があちこちに
見られるが、金銀と黒のカラーリングの装飾物、その下のゆったりとした白いローブ。何というか、
古代エジプトの王族を思わせる。
 男が見据える先から、達志が走ってきた。既に人外の速さで。
「恵ちゃんを・・・返せ!!」
 勢いで男に飛びかかり・・・
475名無しより愛をこめて:2007/08/27(月) 22:27:10 ID:vW74KYB90
BEAT日本支部隊長タナカ・コウジは、今年で32歳になる。
 人類を怪獣や敵性異星人の侵略から護る地球防衛軍の崇高な使命に共感し、高校卒業後すぐに
地球防衛軍士官学校に入学。良くも悪くも並の成績で卒業し、日本支部に配属された。
 入隊後、数年の間は怪獣出現も異星人の侵略もなく、平和な日々が続いた。真面目な防衛軍
隊員として頑張っていたところ、所属部隊のオペレーターのヨシザキ・カオル隊員と恋に落ち、結婚。
娘も出来、今年4歳になる。
 彼が30歳を迎える直前、突如ビジャス星人を名乗る異星人が地球に襲来。それからは堰を切った
ように怪獣が出現し始め、異星人が再び地球を狙い始めた。
 ビジャス星人との戦闘は熾烈を極めたが、ここでタナカは、乗機を撃墜され一度は死亡認定を受け
ながらも、ビジャス星人の旗艦を撃破し帰還するという大手柄を上げ、死亡認定時の二階級特進も
含めて中尉から少佐に大昇進し、ムーンベースの隊長の座に就く。
 それから2年経ち、タナカがムーンベースの指揮官として頑張っていた時。
 タナカは、アカギ大元帥からの召還命令を受けたのである。
 アカギ大元帥の執務室に呼び出されたタナカは、初めて間近で見る歴戦の兵の姿を見て、恐縮
しきりでこう言った。

「ムーンベース隊長、タナカ・コウジ少佐、参りました」

 が、対するアカギ大元帥の返答は、タナカの予想を裏切るものだった。アカギ大元帥は、デスク
からタバコを一本取り出して銜え、ライターで火をつけた。ガンの原因であると言われ迫害されつつも
タバコは2060年代まで生き残っているのだ。

「堅苦しい挨拶はいらねえ……ちょいとばかり長い話だ。立ち話ってのも野暮だし、かけな」
「は、はあ……」

 勧められるがまま、タナカは来客用のソファに腰掛ける。アカギ大元帥も対面の位置に座り、暫し
タバコをふかしていた。ソファの前の机を2回叩くと机の一部がスライドし、灰皿がせり上がって来た。
どうやらヘビースモーカーのアカギ大元帥が特注で作らせたものらしい。
476ヘリオス作者:2007/08/28(火) 13:27:28 ID:H/KHJ1JI0
コンビナートの駐車場で、本間はウルトラマンと怪獣の戦いを見守っていた。
ウルトラマンを行動不能にした怪獣は、再び自分の方へ向かってくる。
「そろそろ場所を変えるか・・・」
そうつぶやいたとき、本間の視界に、立ち上がるウルトラマンの姿が入った。
ウルトラマンは立ち上がると、両腕を胸の前でクロスさせた。
するとウルトラマンの体の緑色のラインが光り、その光は右腕へと収束される。
そしてウルトラマンは右の拳を勢いよく海面へと叩きつけた。
 次の瞬間、ウルトラマンを中心とした周囲の空間が歪み、それは波紋を描くように広がっていく。
まるで映画の『十戒』でモーゼが起こした奇跡を見ているようであった。
 が、そんな悠長なことを考えている余裕はなかった。
本間の眼前に、歪んだ空間が津波のように迫ってくる。
(やばい!)と思った瞬間、本間の目の前が真っ白になった。
 
477名無しより愛をこめて:2007/08/29(水) 18:10:13 ID:i7vylU6p0
終了
478ヘリオス作者:2007/08/30(木) 20:31:34 ID:m0cr4uno0
 「あれは一体?」
 和仁が三好に尋ねた。
 「グラディエイトフィールド。超重力波動を一点に集中させることで、周囲の空間を湾曲させ、戦闘空間を作り出す。」
 「ようするに、時空の歪みみたいなものですか?」
 「そういうこと、察しがいいな。街中に怪獣が現れたりした時なんかには便利だぜ、これを使えば周りに被害を出さずに怪獣だけやっつけられるからなぁ。」

 ヘリオスを中心にした半径数百mの範囲はさえぎるものが何も無い、広いフィールドに変わっていた。
 圧縮された空間が、高い壁を作ってそのフィールドを囲っていた。そこはまるで、古代ローマの闘技場のようだった。
 怪獣はヘリオスを振り返ると再び手のひらから光の刃を出そうとした。
 が、手のひらからは光の粒子が噴き出すだけだった。ヘリオスの放った超重力波には怪獣のパワーを減退させる力もあるようだ。
 怪獣は右腕を振り上げると、ヘリオスに空手チョップを放つが、ヘリオスは、その腕を掴むとそのまま怪獣を投げ飛ばす。
 立ち上がった怪獣に、ヘリオスはエルボを喰らわす。怪獣は仰け反ったが、すぐに体勢を立て直した。
 その瞬間、ヘリオスは右腕の手刀を発光させ、勢いよく斬り付けた。
 怪獣の体からは白い鮮血が噴出し、力なくその場に立ちすくんだ。
 その時、ヘリオスの胸のカラータイマーが赤く点滅を始めた。
 
 「
479ヘリオス作者:2007/08/30(木) 20:32:17 ID:m0cr4uno0
 「やばい・・・」
 佐沼はそうつぶやくと、隊員の一人に尋ねた。
 「直江、残り時間は?」
 「フィールド展開可能時間、あと48秒!」
 直江と呼ばれた隊員が答える。
 と、そこへ由里からの通信が入った。
 「主任、私・・・やります!」
 「ダメだ、あれを使うことは許可できん!」
 佐沼が叫んだときには、もう通信は切れていた。

 フラフラになった怪獣に向かい合ったヘリオスは、両腕を胸の前に突き出し、クロスさせた。
 すると、ヘリオスの体の緑色のラインが再び、さっきよりも明るく光りだした。

 「どうするつもりなんだ。」
 和仁がそうつぶやいたとき、首のペンダントがヘリオスに呼応するかのように、緑色の光を発し始めた。
 「おい、なんなんだよそれ!?」
 三好が驚いてたずねた。
 「わからない、俺にも・・・」

 
 
 
480ヘリオス作者:2007/08/30(木) 20:40:08 ID:m0cr4uno0
 光が、ヘリオスの両腕に収束されていく。
 そしてヘリオスは、その光のほとばしる両腕を勢いよく天へ振り上げた。

 この瞬間佐沼と、司令室のモニターをにらんでいた柳坂は同時に叫んでいた。
 「やめろーーーーーーーーっ!!」

 ヘリオスは両腕をL字に組む、つぎの瞬間、腕から青白い光線が発射された。
481アクト作者:2007/08/31(金) 17:56:22 ID:snPfs7QA0
「ユウキが…ビルの中に…!?」
その通信を聞いていたワタコは、チ○ポを強く握り締めた。
「妊娠…するしかないっ!」
そう決意したワタコは、機体ごとクエイザーの背中に突っ込んだ。
「ワタコーッ!?」
ゴウさんが叫ぶ。
その瞬間、辺りを光が包み込んだ。

「アクトーッ!」
ウルトラマンアクト、登場!

アクトは背後からクエイザーに掴みかかる。
「ヘアアッ!」
そして、クエイザーを投げ飛ばし、駅ビルから引き離す事に成功した。
だが、クエイザーは特に目立ったダメージを受けている様子はない。

さらに、ユウキたちはビルから脱出できたわけではない。
依然として、予断を許さない状況なのだ。
ユウキとサクラは生還できるのか。
クエイザーは倒す事ができるのか。
全てはウルトラマンアクト、君の手にかかっていない!

つづかない
482ヘリオス作者:2007/08/31(金) 17:58:29 ID:INBd4dOQ0
 光線を浴びた怪獣は大爆発を起こし、微粒子になって消し飛ぶ。
 爆炎が渦巻くフィールド内に立ち尽くしていたヘリオスの姿は、6年前のあの夜に、和仁が見たそれと全く同じだった。
 炎がおさまったのと同時にヘリオスは、その場に力なく倒れこんだ。
 するとヘリオス体が半透明になっていき、光の粒子となって消えた。
 同時にマーキュリーベースのモニターには、神殿の中に光の粒子が現れ、それがヘリオスを形作る様子が映し出される。
 
 「タイムアップ、位相回帰始まります。」
  直江が言い終わるのと同時に、波が揺り返しを起こすように湾曲していた空間が復元していく。
 「回帰完了。位相修復率99.02%。外位相とのタイムラグ、179.9秒です。」
 直江の言葉を聞いた佐沼は、押し殺した声でゆっくりと言った。
 「状況終了。これより帰投する。」
 「了解・・・。」
 隊員達が答えるのを聞き、佐沼は操縦席に座っていた二人の隊員へむかって叫んだ。
 「佐竹、島津・・・急げっ!!」
483ヘリオス作者:2007/08/31(金) 18:30:04 ID:INBd4dOQ0
 〈ふがく〉が帰還した。基地内の廊下から、あわただしい足音が聞こえてきた。
 和仁と三好は廊下に出た。
 すると目の前を、ベッドに載せられて医療スタッフに運ばれる由里が通り過ぎる。
 「由里ちゃん、わかる?私よ、しっかりして!」
 白衣を着た女医が、意識の無い由里に語りかける。
 由里の服の右肩の部分には、赤いしみが広がっている。
 「・・・血!?・・・由里!」
 和仁は由里に近づこうとしたが、後ろからのびる手に腕をつかまれ、押しとどめられた。
 後ろを振り向くと、そこにいたのは佐沼だった。佐沼は無言で首を横に振る。
 その二人のもとに、さっきの女医が駆け足でやってくる。
 白衣につけたIDカードには〈影山めぐみ〉と名前が入っていた。
 「どうしてあの状態でゼクシウムバーストを使わせたの?わかってるでしょ、消耗した体であれを使うと、あの子の命が・・・」
 女医が佐沼に噛み付く。
 「俺は止めたさ!だが彼女は・・・容態はどうなんだ?」
 「まだわからない。」
 そういうと女医は再び由里のもとへ駆けていった。
 
484ヘリオス作者:2007/09/01(土) 18:27:29 ID:pRCodDYG0
 「・・・それで、コマンダーの容態はどうなんですか?」
 モニター越しに柳坂が問いかける。あれから数時間後、佐沼は柳坂に状況報告をしていた。
 「ドクターの話では、命に別状はなく、今はもう意識も戻っています。」
 「そうですか。しかし、ゼクシウムバーストを使うのはまだ無理がありましたね。」
 「申し訳ありません、私がもっと強く制止していれば・・・」
 「あなたのせいではありませんよ、佐沼主任。怪獣の上陸を阻止し、撃破に成功したんです。初陣としては上出来です。」
 「ありがとうございます。ところで柳坂部長、実はもうひとつ報告することが・・・」
 佐沼は和仁を基地内に拘束していることを報告した。
 「志村・・・和仁。」
 「どうかされましたか?」
 柳坂の顔に、狼狽の色が浮かんでいた。
 「いえ、何でもありません。」
 「彼もコマンダーと同じペンダントを所持していました。それに、ヘリオスの秘密を知った以上、このまま拘束しておくべきだと思いますが。」
 「・・・機密をもらす恐れはないと思います。彼を解放してください。」
 「ですが・・・」
 「命令です。」
 柳坂の一言に、佐沼が圧倒される。
 「・・・わかりました。では、失礼します。」
 モニターの映像が消える。
 「なんで、アイツが・・・」
 人気のなくなった司令室で、柳坂は一人つぶやいた。
 
485ヘリオス作者:2007/09/01(土) 18:58:04 ID:pRCodDYG0
 由里と再会した岩場で、和仁は解放された。もう夜も更けている。
 海岸沿いの道路では交通渋滞が起こっており、警官たちが忙しく動き回っていた。
 「彼女とウルトラマンには、どういう関係があるんですか?」
 和仁の質問に、佐沼が答えた。
 「それは教えられない。彼女のためにも、君のためにもな。真実を知ってしまうと、心に一生消えないシコリが残ることがある。これもそういう類のことだ。」
 「・・・じゃあ、最後にこれだけは教えて下さい。由里には、昔の記憶がないんですね?」
 「そうだ・・・・・」
 佐沼がゆっくりといった。

 佐沼達が去り、和仁は一人になった。すると突然、道路の方から、「志村ーっ!」という声が聞こえてきた。
 声のした方を見ると、渋滞で立ち往生している車から降りた本間が手を振っていた。
486ヘリオス作者:2007/09/01(土) 19:15:12 ID:pRCodDYG0
 翌朝、怪獣とウルトラマン一色のニュースが流れるTVを、和仁は見つめていた。 
 しかし、その映像には違和感があった。怪獣とヘリオスのそばに浮遊しているべき〈ふがく〉が、そこにはなかった。
 「情報操作・・・」
 TVにはCMが映し出される。

 燃える町と怪獣のシルエット。
 立ちすくむ少年。
 「力が欲しかった。勇気のない自分が嫌だった。」
 崩壊する都市、逃げ惑う人々、転んでしまう少女。 
 そこへ銃を持った兵士が一人突進してくる。
 少女にかぶさる怪獣の鳴き声。もうだめだ、と思ったとき、兵士の銃が怪獣を打ち倒す。
 「今の僕には、力がある。」
 少女を振り返る兵士の前に〈キミの勇気が、必要です〉という字幕が出る。

 防衛庁の、自衛官募集のCMだった。
487ヘリオス作者:2007/09/01(土) 19:46:59 ID:pRCodDYG0
 その日、防衛庁内では、幹部級職員を集めての緊急会議が行われていた。そこには八神の姿もある。
「報道規制と情報操作によって、H−ユニットの存在を隠匿することはできたけれど、基地内に民間人を入れ、さらに勝手に解放してしまったのは問題ね。」
 そういったのは防衛庁の事実上のトップである、事務次官の神宮寺真琴である。
「申し訳ありませんでした、すべてこちらのミスです。」
 八神が頭を下げる。
「問題は、その民間人をどうするかですね。また拘束するわけにはいきませんし・・・」
「しかし野放しもマズイですよ、なんとかしてこちらの手の内に置かないと・・・」
「まったく、厄介なことをしてくれたよ、あのエリート軍人さんは!」
 幹部達が口々に言い合う。
「そこで提案があります。」
 人事部長が発言する。
「以前から話があった、民間との半年間の人事交流の件についてです。」
「人事交流だと、まったく、あの長官はなにを気の抜けたようなことをやっとるんだ。機密が漏洩でもしたら・・・」
「黙って聞きなさい。」
 神宮寺が息巻く幹部を制止する。
「交流先の候補に名乗りを上げている団体に、その青年が所属するNPO法人があります。」
「と、いうことは・・・」
「人事交流でその青年を出向させ、H−ユニットの管理下に置く。これなら何の問題もなく、彼の身柄を確保できます。」
「なるほど・・・」
 幹部達が話し合う。
「では、その方向で話を進めてちょうだい。」
 神宮寺がそう言い放ち、会議は終了した。
488ヘリオス作者:2007/09/01(土) 20:07:38 ID:pRCodDYG0
 あれから一ヶ月間、何事もなく和仁の日常は過ぎていった。
 怪獣による被災者と役所の福祉課との間に立っての折衝。
 被災地へのボランティアの斡旋に伴う事務処理。
 研究者や被災者による講演会の開催など、SSS−NETでの仕事に忙殺された。
 その間、怪獣の発生騒ぎが二度あった。
 一匹目は出動した自衛隊のヘリ部隊の攻撃で掃討された。そして二匹目のほうは、再び現れたウルトラマンによって倒された。
 このとき流れた映像にも、やはり〈ふがく〉は映っていなかった。
489ヘリオス作者:2007/09/03(月) 17:15:33 ID:GfHqT20o0
その日も和仁は、いつものように事務所に出勤した。
 「いやぁ、スゲーのなんの。目の前の景色がさ、こう、グワーッとなってさ・・・」
 本間が女子職員たちを相手に、一ヶ月前の怪獣とウルトラマンの戦いの様子を話していた。
 「もうその話、10回くらい聞いたんですけど。」
 「もうみんな飽きちゃってますよ!」
 本間たちの脇を抜けて、和仁は支部長のデスクへ向かう。
 「支部長、美香ちゃんの受け入れ先、決まりましたよ。」
 美香ちゃん、というのは、数ヶ月前に怪獣の襲撃によって家族を失った、小学5年生の少女の名前である。
 怪獣大戦争以降、親を亡くし、身寄りのない子供達の数が激増した。養護施設等の収容人数にも限界があり、美香も例外ではなく、様々な施設をたらい回しにされていた。
 SSS−NETでは、そうした子供達の受け入れ先を探す、といった支援活動も行っていた。
 「どこだ?」
 支部長の御手洗(みたらい)が聞く。
 「木更津の親戚の家です。昨日転校の手続を済ませてきました。」
 「そうか、それはよかった。ご苦労さん。」
 和仁が軽く会釈をして自分のデスクに戻ろうとしたとき、御手洗は思い出したように和仁を呼び止めた。
 「そうだ、忘れてたよ。お前に渡すものがあった。」
 そういって御手洗が渡したのは、一枚の紙と、冊子になった書類の束だった。
 「あの、支部長、これは・・・」
 「前から防衛庁との人事交流の話があったのは知ってるよな?上のほうが直々に、お前を指名してきたんだよ。」
 紙は本部からの、防衛庁への出向命令書。冊子は人事交流に関する書類だった。
 「なんで俺が・・・?」
 「知らねーよ、上が決めたことだからな。」
 和仁は当惑した。別に希望していたわけではない、全く突然のことだった。
 「急で悪いんだがな、来週から半年間防衛庁へ行ってもらう。」
 「は・・・半年も!?」
 (ふざけんな!)と、心の中で叫んだ。

 
 
 
 
490ヘリオス作者:2007/09/03(月) 18:25:09 ID:GfHqT20o0
 同日、防獣局局長室では、柳坂が八神に噛み付いていた。
 「どういうことですか?なぜあの民間人をH−ユニットの管理化に?」
 「彼をこのまま野放しにしておいては危険だと判断したからだ。」
 「資料は調べられたと思いますが、彼はかつてのコマンダーを知っています。そのことでコマンダーにいらぬ動揺を与えないとも限りません。」
 「その心配はない。彼女はその頃の記憶を失っているんだしな。それとも、あの二人を近づけると不都合でもあるのか?」
 「いえ・・・それは・・・」
 「誰のせいでこんな事態になったか、考えたまえ!」
 「・・・・・・はい。」
 柳坂には返す言葉がなかった。 
491ヘリオス作者:2007/09/03(月) 18:27:04 ID:GfHqT20o0
 それから一週間、仕事の引継ぎや、書類の整理で和仁は寝る間もなかった。
 そして出向の前日、事務所の面々が行きつけの居酒屋で送別会を開いてくれた。
 
  昭和86年5月6日、ゴールデンウィークが終わったこの日、和仁は東京・市ヶ谷の防衛庁本庁舎の門をくぐった。
 「防衛庁の日常業務」というのが資料に記載された仕事内容だった。抽象的過ぎて、何をするかまではわからない。
 「書類整理・・・とかだよな?」
 和仁に思いつくことはそれ位だった。

 「よう、久しぶりだな。」
  窓口の職員に案内された部屋に入った和仁は、そこにいた男を見て絶句した。
  佐沼だった。
 「どうしてあなたが?・・・まさか、人事交流っていうのは・・・」
 「察しのとおりだ。人事交流は名目に過ぎん、今日より君の身柄は我々H−ユニットの管理下に置く。」
 「はめやがったな・・・」
 「全て上が決めたことだ。今日から我々とともに〈防衛庁の日常業務〉に就いてもらう。」
 「・・・・・」
  また彼女に会うことができる、という期待が一瞬頭をよぎった。
  (馬鹿!、なに考えてんだ俺!)
  和仁は慌てて、その考えをかき消した。
 
 
492ヘリオス作者:2007/09/03(月) 18:32:28 ID:GfHqT20o0
 かくして、和仁は佐沼とともに車に乗せられ、再びあの岬へと向かうことになった。
 
 同じ頃、秩父山中のある渓谷で、一つの巨大な影がうごめいていた。
 だが、このときは誰も、そのことを知らない。

 (俺はこれから、どうなるんだ?)
 彼がその答えを知るのは、まだまだ先である。
  
                  (つづく)
493ヘリオス作者:2007/09/03(月) 18:33:47 ID:GfHqT20o0
 すいません。また長々と失礼しました。第2話完成です。
494ヘリオス作者:2007/09/03(月) 19:58:04 ID:GfHqT20o0
 もうちょっと内容を簡潔にまとめられればと思うんですけど、どうすればいいんでしょうかねぇ?
495名無しより愛をこめて:2007/09/03(月) 20:11:09 ID:ApIcn3ec0
誰も相手にしてくれない。終了
496アルファ作者:2007/09/03(月) 21:07:02 ID:G6rEiw0G0
猿がいますがほっといて。

ヘリオス作者様
地の文での描写で台詞を減らすという方法もあると思いますが、
それもやりすぎると味気なくなるし、これはこれでいいんじゃ
ないかと思います。
自衛官募集のCMの黒さがよかったです。
497ヘリオス作者:2007/09/03(月) 21:40:48 ID:RGfO0cu6O
携帯からでスイマセン  アルファ作者様、ありがとうございます。では、このまま続けていこうと思います。
498名無しより愛をこめて:2007/09/04(火) 21:47:46 ID:k4+ly1BO0
どうあがいても過疎。
499名無しより愛をこめて:2007/09/04(火) 21:56:47 ID:g5EUQt/H0
だからこその保守age有難う。
500名無しより愛をこめて:2007/09/05(水) 01:17:08 ID:qxlIRBaj0
the end
501名無しより愛をこめて:2007/09/05(水) 14:46:01 ID:W/mKcDhDO
終了だのendだの書けば書くほどスレ停止から遠ざかる、この自己矛盾。
502名無しより愛をこめて:2007/09/06(木) 19:39:14 ID:jT1Py4Py0
終了
503名無しより愛をこめて:2007/09/08(土) 19:47:35 ID:VjAq2VK80
あげ
504名無しより愛をこめて:2007/09/14(金) 19:23:29 ID:AzLOeuR30
保守
505名無しより愛をこめて:2007/09/26(水) 00:54:03 ID:Qw0+9qjKO
次スレに移行してるっぽいですけど
一応こちらも
506名無しより愛をこめて:2007/09/29(土) 18:53:12 ID:dtsWV7iH0
何が次スレだただの重複じゃないかよ。
507名無しより愛をこめて:2007/10/08(月) 10:25:14 ID:Hty37pmg0
次は
508名無しより愛をこめて:2007/10/15(月) 00:10:26 ID:5epTv75P0
重複でもどちらかが終われば結果的に残ったほうに統合される
509名無しより愛をこめて:2007/10/15(月) 09:02:11 ID:zwC7okkC0
にしても書き込みが少ないな。
510名無しより愛をこめて:2007/10/16(火) 01:11:44 ID:pETYUjqD0
メビウス終わっちゃったからね。
511名無しより愛をこめて:2007/10/25(木) 02:30:50 ID:dRve7JY+0
オリトラまとめサイトの管理人さん復活しないな。
512名無しより愛をこめて:2007/10/29(月) 17:04:13 ID:84WCpandO
削除依頼出して来ました
513名無しより愛をこめて:2007/11/06(火) 01:12:04 ID:NdpUsqaYO
514名無しより愛をこめて:2007/11/10(土) 17:32:40 ID:D7oQew910
このスレ自体が板違いということで削除依頼でも出してくるかな。
誰かが言ってたが、同人誌の部類に入るスレだろうからな。
515名無しより愛をこめて:2007/11/10(土) 17:41:49 ID:6RCWddXLO
オリジナル何とかを作るスレはすべて板違い
516名無しより愛をこめて:2007/11/11(日) 18:44:23 ID:/pkuiderO
>>515
是非
517名無しより愛をこめて:2007/11/13(火) 18:32:02 ID:ceN6aySw0
>>512
削除依頼スレはここ↓だけど、このスレの削除依頼ないよね。さては君、嘘つきだね。

sfx:特撮![スレッド削除]
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/saku/1116237055/

>>514
削除依頼スレはここ↑だけど、まだしないのかな? そんなにむずかしい?
518ウルトラマンガリバー:2007/11/13(火) 21:50:17 ID:Y8YfCyo30
本スレはこちらでいいのでしょうか?
こういうスレはないかなと思っていたら発見したので後の事も考えず
とりあえず書いてみました、ウルトラマンガリバーです。

ウルトラマンガリバー
第1話「帰還した男」

時は近未来、人類の生活は地球環境の悪化と石油燃料の大幅な減少により
大きく変化し、新たなエネルギーの開発や戦争行為の根絶が果たされ
遂には人類の念願であった地球以外の惑星(=火星)に居住するということも
果たされた。そして、更なる人類の宇宙開発の発達のために様々な実験が行われていたが
その実験で、とうとう重大なインシデントが発生してしまった。
国際宇宙センター日本支部、そこから13時間前に発進した光速航行システムの
テストチームとの交信が3時間途絶えていたのだ。
「こちら試験機第3号片桐、只今より光速試験運用に入ります!」
それが、彼らテストチームの最後の言葉だった。
一方、通信が途絶えたのとほぼ同時間に金星付近にある人工衛星にて
かなり大きなエネルギー反応が感知されていた。
「交信はどうだ?」
「まだ発見できないのか!」
「生存率の計算は?」
「エネルギー反応の調査はまだ終わらないのか!」
センターには様々な声の怒号が響く
519名無しより愛をこめて:2007/11/13(火) 21:50:48 ID:Y8YfCyo30
「お昼のニュースをお伝えします、最初のニュースは光速航行システム・・・」
巨大なビルに設置されているモニターからは四六時中光速航行システムテスト事故の件の
ニュースを伝えている。しかし、街を行きかう人々は見向きもせず同じような顔でただ
歩くだけである、そんな様子をどこかの小部屋にいる男が手にしてる小型のモニターで
観察していた。部屋には男女がそれぞれ一人ずつ居る
「関心というものがまったく見受けられないな。」
呆れ顔で言う男
「いいんじゃない?何かと活動しやすそうだし。」
「フン、俺たちに活動しやすそうもへったくれもないだろう。」
「それもそうね。」
「それで、俺たちが動く事になりそうなのか?」
「一名、帰還する男が・・・」
「ほう、それは相当幸運なやつだな」
思わず笑い出しそうな顔で言う
「フフ、幸運であり不幸な男よ」
「まぁどうせ・・・」
「だけど、どうも今回は簡単に終わらないかもしれないわ」
「どうしてだ?」
「エイリアンの勘ってやつかしら?」
「勘?この星に着てから随分と茶目っ気のあること言うようになったんだな」
「これでも今まで私は勘を外した事はないわ」
「ま、この星では女の勘とかいうのもあるようだしな」
「・・・」
「・・・」
フフ・・・フハハハハハハハハハハハハハハハハ
部屋には、怪しい笑い声が響く。
520ガリバー:2007/11/13(火) 21:51:41 ID:Y8YfCyo30
「この機体は今どこに存在するんだ?」
自分は今、光速航行システムが搭載されている航空機を操縦している。
しかし、3時間半前に突然レーダーが現在位置を表示しなくなってしまった。
表示されているものと言ったら脇の小さいモニターに俺の名前片桐彩人と、健康状態だ。
通信機器も使えない、二人の仲間は今どこに居るのだろうか?
目視できる範囲内で飛行するはずだったのだが、今目に見えるものは地上からは
ロマンティックな星に見えるであろう無骨な隕石だけである。
累計飛行時間はまもなく14時間、時計などの時間を記すものは今のところ正常だ・・・
その時突然、対接近物警報が耳に不快な大きな音で鳴り響く。
レーダーが故障しているので確認は出来ないが、目には見えないので恐らく後ろだ。
デブリか何かであろう。
そう思った時、自分は操縦席には居なかった。
ただただ白い空間に浮いている、どこか暖かい。
自分は何故この空間に存在する?航空機は?宇宙は?冷静なのかパニックに陥ってるのか
自分でも分からないような感情を抱いてると声が聞こえた。声とともに空間の色が
海中のようになっていく。
521ガリバー:2007/11/13(火) 21:52:16 ID:Y8YfCyo30
「これは・・・まさか地球人か?」
「・・・?」
どう答えてよいか分からない。
「記憶を読む限り母星は地球のようだ、様々な権限も持っている。丁度よいかもしれない」
「何をしているんだ!」
「!」
「お前・・・何をしている」
神々しく光を放つ巨人の姿がそこにあった。
「落ち着いて聞け、君はもう死んでしまった。」
「何?」
「私はウルティメイドノイド、宇宙の星々の観察者であり、宇宙の正義であり、
宇宙の規律である。今君は、私が地球と言う星に向かう途中発見した
悪意を持つ惑星人を発見し追跡していたが、君が操縦する航空機に惑星人は衝突し
君は死んだ。」
「じゃぁなぜ俺は今お前と対話できている」
「私の空間内にいるからだ」
「空間・・・」
「地球人、いや片桐の名を持つ者よ、頼みがある」
「なんだ?」
「私と同化してくれないか?正直私が地球人に擬態したとしてもごく普通の生活を
送る事しかできないだろう、超能力などを使用するのは出来れば避けたいしな。」
「随分と勝手な話だな、ま、どうせここで生きてたとしてもどっちにしても死んでる
だろうし、いいぜ。宇宙正義っていうのもなかなか面白そうだ。」
「そんなに軽々しい話ではない、それよりも早速同化して先ほどお前の航空機に
衝突した惑星人を追う、あいつは地球侵略の尖兵だ!」
「了解、行くぜ!」
522ウルトラマンガリバー:2007/11/13(火) 21:52:57 ID:Y8YfCyo30
「こちらは国際宇宙センター日本支部、1号機三沼!2号機東峰!3号機片桐!誰でもいい
応答しろ!
「・・・」
「応答なし、真宮チーフぅ!」
センターの職員が若干泣き顔でそう言う。胸につけてるタグには『泰野』と書いてある。
「うろたえてはいけない、これからも3分おきに各機に一斉通信を続行しろ
他の班も交代時間まで各自それぞれの作業を続行!」
「了解です!」
真宮と呼ばれたチーフの力強い掛け声に、部屋中の職員が声をそろえてそう言った。
「しかし、あの航空機はそう簡単に破損はしないはずだ、やはりあの高エネルギーが・・・」
突然、センター内に真宮の独り言をそれ以上語らせぬように警報が鳴り響く。
「真宮チーフ、月面付近に静止してる2号機の機体、並びに未確認飛行物体とそれを追跡
する3号機を確認!」
「一番近い人工衛星は!」
「第8衛星です、メインモニターに映像写します!」
ビジョンが起動し、月面付近の映像を映し出す。そこには宇宙の藻屑と成り果てた2号機と高速で移動する惑星人と3号機が映し出された。
「あれは・・・生物?」
「未確認飛行物体より生命反応を確認、呼称を変更し未確認地球外生物とします!」
「至急と特殊行動部隊に対処の要請、それと各国家機関に連絡。報道機関は
国営放送以外通告するなよ!非常事態ランクAAA体制を敷く!」
「了解!」
523ウルトラマンガリバー:2007/11/13(火) 21:53:32 ID:Y8YfCyo30
夜になりかけている空、街は昼間とは違い人々の様子も少し違い
若い人間が増え、その顔はどこか明るみを持つ。
「ね~え、今日はどこに連れてってくれるのぉ?」
「今日はな・・・ん?あれ何だ?」
「流れ星ぃ?」
人々の注目は都会ではめったに見ることができない流れ星がよく見える歩道橋に集まる。
その流れ星では壮絶な戦いが繰り広げられているとも知らずに・・・


航空機の操縦席では様々な異常を示すランプが光り、警報が鳴り響く。
「ちくしょう!なかなか追いつかない、あいつの攻撃をかわすので精一杯だ!」
「何か攻撃する装備はないのか?」
「試験用の機体だからな、信号弾しかない。」
「・・・あの惑星人の追撃をする。」
「どうやって?」
「私の力を使うんだ、今君は私、つまり宇宙の正義だ。胸に特異な形をした筒状の物があるだろう、その道具を『アストラル・レイ』という、それを天に掲げれば共有している精神の
メインがあの巨人の姿の私となる、あの姿になれば高い戦闘能力が発揮することができる、だからさぁ早く!」
「よし、行けぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
片桐が光の巨人の言うように『アストラル・レイ』を天に掲げると眩い光が辺りを包んだ。
その光に謎の惑星人は目を眩ませ怯んでいる。その時であった。
「デュアッ!」
その掛け声とともに光が収まり始めあの神々しい巨人の姿が見えた。
524ウルトラマンガリバー:2007/11/13(火) 21:54:12 ID:Y8YfCyo30
暫くの沈黙が続く・・・
「片桐、戦闘にもある程度君の考えが影響するが大丈夫か?」
「ああ、問題ない。」
「ならば・・・行くぞ!」
その沈黙を破るように巨人の手から小型の刃状の光線が放つ、惑星人はそれを回避し
地球の方向へまるで逃げ出すようにものすごいスピードで飛び出した。
だが巨人はそれ以上のスピードで追跡する、すると惑星人は飛行しつつ手から光弾を
何発も放ち始めた。それをかわす巨人、するとそれをかわしながら両手を広げ先ほどの
刃の光線よりも大きな刃の光線を何発も放つ、光線技の応戦だ。しかし巨人は
かわしながらも徐々に間合いを詰め惑星人に蹴りを喰らわせる。吹っ飛ぶ惑星人、
スピードが落ちると立ち直り、構える。
見合う巨人と惑星人、すると巨人が腕をクロスしエネルギーを溜め始めた。
それを隙と見て高速で巨人に近づく惑星人、だが惑星人の拳が巨人に届く寸前に巨人の
腕はクロスからL字に組まれ光線(=アストラル・フレア)が放たれ見事惑星人に命中した。
今にも倒れそうな惑星人は最後の力を振り絞り必死で逃げようとするも
巨人は体中を光らせ一瞬の速さで惑星人に体当たりし貫通した。

惑星人は木っ端微塵に爆発し四散した。
525ウルトラマンガリバー:2007/11/13(火) 21:56:11 ID:Y8YfCyo30
流れ星は突如爆発し民衆は不安そうに見つめる。
大きなビジョンのモニターには大気圏上空にて未確認地球外生命が2体確認との
ニュースが慌しく報道されている。
その時爆発の中から光が飛び出し街の中心部へ近づく
「な、何だ?隕石か!?」
「もしかして地球外生命体?」
飛来した光は巨人の姿となり街の中心部へ降り立った。
銀色の体に赤いライン、その神々しく美しい姿の巨人、その姿を見つめる人々、
誰かが瞬きするとその姿は光の粒子となり、巨人がついさっきまで居た場所には、
遭難したはずの試験機3号があった。

先ほどまで小部屋の小型モニターで観察していた男が驚く民衆たちを見て言った
「奇跡の男の帰還・・・フン、俺たちとの壮大なゲームの始まりだぁ!」


次回予告
次回:第2話「希望と恐怖の間」


事前に書いていたので連続で投稿しました。
作品的にはネクサスやSEVENXみたいな方向を目指してみたいです。

感想が聞けると嬉しいです、では。
526ウルトラマンオーバー ◆FTVw.4PYoM :2007/11/14(水) 18:13:53 ID:zKuMYUv30
>ガリバー作者様
ブラックSFな雰囲気の中に、熱血を感じる面白い作品でした

ちなみにここは現行スレの一つ前のスレで、現行スレはこちらです
次回からの書き込みはこちらへ
http://tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1185627623/l50
527ウルトラマンガリバー:2007/11/14(水) 18:53:25 ID:gswRQRO20
>>526
感想ありがとうございました。
了解です!
528名無しより愛をこめて:2007/11/19(月) 06:19:49 ID:/5I8C7y70
皆さん、がんばってください。保守。
529名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 09:10:02 ID:2f36QjRq0
正確には「お2人さんがんばってください」だろ、
他にはだれもいないんだから。ひとりづつが作品書いて感想書いて
交換日記だぜまるで。
530名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 10:57:58 ID:3qbcHRe7O
ageだろ厨キター
531名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 16:31:52 ID:JC5FAG5L0
がんばってくだされ
532名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 17:01:31 ID:2f36QjRq0
岩肌と洞穴がむき出しになった山中を、エイジは一人歩いていた。
 一時間程歩き回ったとき、谷の方から笑い声が聞こえてきた。
 声のする方へ行ってみると、谷底に巨大な円盤状の宇宙船が停めてあり、そのそばで焚き火を囲んでいる数人の人影が見えた。
 よく見るとそれは地球人ではなかった。巨大な眼をした異星人達である。
 彼らは酒盛りの真っ最中のようであった。皆、茶色い液体の入った紙コップを持ち、それを口に運んでは馬鹿笑いをしている。その様子を、エイジは岩陰から伺っていた。
 「しかしどうするよ?あの赤いヤツのせいで、ノボルの女房の怪獣がやられちまって、もう手も足もでねえ・・・」
 「ケッ!胸糞が悪いぜ、もう飲むしかねえや!」
 「待て、ノボルの話じゃあの女、もう一匹カプセル怪獣を持ってるらしいが・・・」
 「じゃあ、そいつを使わせれば、あの村の奴等を追っ払うことができるな・・・よっしゃー!おい、飲むぞ!」
 異星人の一人が一気飲みを始め、周囲が「エイリアン!エイリアン!エイリアン!」と、わけのわからない一気コールを掛ける。
 彼らの馬鹿騒ぎを遠めに見ながら、エイジはその場を離れた。
 その日の夕方、村に戻ったエイジの目に意外なものが映った。
 〈めし処〉に明かりがついていた。店の中に入ると、ショウタとリクと数人の村人、そして女将がいた。皆笑いあっている。
 「あら、お兄さん。アンタも無事だったんだね!」
 何事もなかったかのような笑顔である。あまりの白々しさに、エイジは呆気にとられてしまった。
 「座りなよ、今日は怪獣がいなくなったお祝いだ!」
 女将いい、周りも座るように薦める。言われるがまま、エイジは席に着き、そのまま大宴会となった。
 が、実はエイジは下戸である。そのため、宴会が始まって早々に潰れてしまった。
 どのくらい時間が経ったのか、エイジは目を覚ました。周りを見ると、皆酔いつぶれて眠っている。
 気分が悪い。エイジは店の裏に出て大きく深呼吸をした。そのとき、背中から声が聞こえた。
 「お目覚めかい?お兄さん、いやウルトラマン!」
 振り返ると、そこには女将が立っていた。とっさに銃を抜いて身構えるが、女将は平然としている。
 「まあそうカッカせずに、ちょっと話さないかい?」
 
533名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 17:04:06 ID:2f36QjRq0
「まっずいなぁ。こりゃさっさと避難しないと」
バケツをひっくり返したような雨の中、男は近所の川の様子を見に来ていた。川は増水し、既に道路に溢れ始めている。
そんな中、男は溢れ出した水に流されている一本の奇妙な棒を発見した。装飾の施されたその棒を弄っているうちに、突然、棒が閃光を放ち、たちまち現れるウルトラマンデウス。
棒を取り落とし、腰を抜かす男。事態が掴めず周囲を見回しているウルトラマン。その時、風が強くなり、地平の彼方から、銅鐸のような巨大飛行物体が姿を現した。
迫り来る銅鐸に近づこうとするデウスだったが、強烈な暴風が行く手を阻む。一旦距離をとったデウスは、銅鐸の真上の雲が晴れている事に気付いた。
デウスが銅鐸へ光線を撃つと、銅鐸は墜落し、暴風雨が収まった。これをチャンスと接近するデウス。
デウスが近づいたその時、銅鐸から腕が生え、デウスの首を掴む。もがくデウスの目の前で、銅鐸はみるみる形を変えていく。変貌したその姿は、まるで黒いウルトラマン。
その時、スカイテンプルが到着した。スカイテンプルからハヤトとイノリ隊長、その他P.O.S.E.隊員数名が降りてくる。
ハヤトは手にした棍を両手で引き伸ばし、メフィストへと変身した。変身と同時に放った跳び蹴りで、デウスから黒い巨人を引き剥がす。
2大ヒーローから距離を取る黒い巨人。その時、空がガラスの如く割れ、光の粒子が黒い巨人に降り注いだ。巨人の姿が、禍々しく変貌していく。
変貌を遂げた黒い巨人が、全身からミサイルを一斉発射した。降り注ぐミサイルの雨が2大ヒーローを襲う。移動と障壁を駆使し、どうにかやり過ごすも、デウスの変身時間がここで解けてしまう。
一方、メフィストは黒い巨人と格闘戦を繰り広げていた。圧倒的なパワーの差に、苦戦するメフィスト。ついに投げ倒されたメフィストに、黒い巨人が拳を振り上げた。
その時、黒い巨人の足元にトラックが激突、爆発した。変身解除されたリキが運転し、突っ込ませたのだ。
思わず足元を見る黒い巨人。その隙を突き、メフィストが黒い巨人を蹴り飛ばす。よろめく黒い巨人に、メフィストの光線が炸裂し、ついに黒い巨人は倒された。
「円盤生物、黒いウルトラマン、それに、あの光の粒子……一体何が起こっているんだ…」
皆が勝利を喜ぶ中、Dr.クゼは1人、不安な表情を隠せない。
534名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 17:09:42 ID:2f36QjRq0
輝人は小声で尋ねた。すると、体が輝人より一回り大きい、同じクラスの田口健司が右手にライター、口には煙草を咥えて
ドアの向こうから姿を現した。 「輝人じゃん。お前も吸いに来たの?」
そういいながら、健司は口から白煙を吐き出した。背中越しの便器には、すでに数本の煙草が押し付けられている。
「健司、煙草はやめた方がいいって。体に悪いよ。」
輝人は冷静に言った。健司は小学校の中でもガラスを割ったり、水道の水を出したままどこかに行ったりといったことをする、
“問題児”だったのだ。そんな健司は早くも煙草を吸っていたのだ。
「は?何いってんの?そんなの大人の楽しみを奪われないための脅しだって。現に俺、何一つ病気にもなってないし。それとも何か?
お前は良い子ちゃんだから、俺が吸ってたことを先生にチクろうとか考えてるのか?」
健司は早くも喧嘩腰になり始めた。まずい、健司と喧嘩して勝てるはずがない。健司はだいぶ前から空手を習っていて、習ったことを
暴力に使っているのだ。
「誰もそんなこと言ってない。ただ、将来、健司の体が壊れるかもしれないから、僕は止めているだけなんだ。」
「お前に体の心配される筋合ねぇよ。大体、父親が自衛隊だかなんだか知らねぇけど、お前最近でしゃばってんじゃねぇか?冷静そうな性格に見せて、
実は女子に好かれたいとかそういうこと考えてんだろ?そういう態度ムカつくんだよ。」
そういえば、煙草の副作用で苛立ちやすくなるって先生が昔言っていたな。その副作用で健司は苛立っているのかもしれない。
しかし、この健司の言葉に対して返す言葉がなかった。女子に好かれたいとは思っていなかったが、ここで思ったとおりに言うと、健司を刺激してしまう危険がある。
「別に健司が僕のこと嫌っているからって言って、どうってことはないから。このトイレ煙草臭いから、もう帰るよ。じゃあね。」
トイレは我慢する結果になったが、また別の階に行けばいい。輝人は健司に背を向けトイレから出ようとしたが、
左手を掴まれ、再び健司の方を向かされた。
「そう言って俺から逃げた後に先生にチクろうとか考えてることはお見通しなんだよ!見られたからには
このままじゃ返すわけにはいかないんだよ。」
535名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 17:14:33 ID:2f36QjRq0
タナカも直接見た事はなかったが、話には聞いていた。ウルトラマンの中でも歴戦の勇士であり、
ウルトラ兄弟達の司令官であり、この地球でも数々の奇跡を起こしているという。
 ウルトラの父が最後に地球に現れたのは、54年前、2006年のクリスマスだ。強敵の前に倒れた
ウルトラマンメビウスを救い、地球の人々に希望を与えたと記録に残っている。
「流石の俺もたまげたし、疑いもした。ウルトラの父を騙る侵略者の罠でないとも限らないしな……
 で、半年間じっくりと連絡を取り合い、ようやく本物のウルトラの父であると確信した」
「ビジャス星人の侵略は覚えているな? 貴様が少佐に昇進し、ムーンベース隊長に任命される
 きっかけとなったあの事件だ」
「はい。大元帥があの時の戦功を評価され、私を推挙して下さったと……」
「あの事件を境に地球には再び怪獣がはびこり、異星人の侵略が始まった。ここ数十年は大きな
 事件もなく、防衛軍も平和ボケし始めていたんだが……それはそうと、ここ数年の地球の変化を
 M78星雲の連中も重く見ている。だからウルトラの父が俺達にコンタクトを取ってきたんだよ」
 ウルトラマンが直接地球人にコンタクトしてくる。この一事をとっても、地球人類には一大事だ。
 今までウルトラマンが積極的に地球人と意思疎通を図ってくる事などなかった。一説には、彼らが
地球人と関わる事で、地球人の心にウルトラマンに依存する気持ちが生まれてしまうから、彼らは
積極的なコミュニケーションを避けたのだとも言われている。
 が、それを曲げて彼らの意思を地球人に伝えてきたのだ。この100年の間に、地球人は相当の
信頼を得たと言っていいだろう。
「ウルトラの父はこう言ってきた。地球を愛する同志として、こちらから優秀な戦士達を派遣したい。
 彼らを地球防衛の役に立てて欲しい……とね」
「そ、それは……我々地球人と、ウルトラマンとが手を取り合って戦うという事ですか?」
「ああ、そういう事だ。ウルトラの父は、新たに派遣する4人のウルトラマン達を、地球を護る組織の
 最高のチームで、最高の指揮官に世話して欲しいとも言っていた」
 それはつまり、その4人をBEATに入れろ、という事だ。
536名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 17:18:44 ID:2f36QjRq0
「くゥ〜っ、いいねいいねぇ! 初っ端からこんな熱い声援でお出迎え、おいらの人気天井知らずってとこだなぁ!」
「もうっ、いい気になるんじゃないの。よい子たちが見てるんだから、恥ずかしくないよう真面目にやりなさいよっ」
「へいへい、あたりき車力のコンコンチキ、ってね。おぅみんな、今日はおいらからのお年玉だ、日が暮れるまでとこと
 んサービスしちゃうぜいっ!」
 中央に陣取るこの青年、五人の中でもひときわ景気よく喋り、尻上がりにボリュームを上昇させていく。それも赤い
お面の下から直に発しているのだから、どれほどの声量か窺い知れるというものであろう──後追いの説明になるが、
彼ら五人が踏んでいるのは設営された舞台などではなく、町内のスーパーの駐車場をお借りして、ステージショーに
見立てているのだ。
 既に車道にはみ出さんと膨れあがっている人垣の、最後列まで容易く響きわたる大声が、さらにまた人垣を呼び、
新年七日目のスーパーは、前日できたばかりの早朝来店記録をはやくも更新せんとする勢いであった。
「全く、すぐ調子に乗るんだから……」
「まあまあ、そげに言わんでも。なんせ今日でしばらくお別れじゃけぇのう」
「そうは言っても、元日からほとんど毎日あの調子じゃない? いい加減疲れないのかな」
「昨日もお布団に入ったけど全然寝つけなくて、それで朝からコーフンしてるんだってさ」
 周囲の四色のお面からも、流石に赤ほど目立ちはしないものの、いかにも良く通る声が聞こえてくる。台本の一環と
おぼしき台詞の合間に、大げさな身ぶり手ぶりなど挟んでいるのは、経験からくる余裕の成せる業だろう。あくまで真
剣にヒーローたらんとするその姿に、付き添いの大人さえわずかに微笑んでいた。
 無邪気な声援と温かい目に守られて、彼らマツレンジャーの新年ショーが幕を開けようとした、その時だった。
『……ズゴオオオオ〜ォォ !!』
 車道をわずかに離れた場所から、文字通り人垣を掻き分けて、突如として大柄な人影が接近してきたのだ。その体
格に似合わぬ素早さで群衆にまとわりついたかと思うと、林立するギャラリーの足を、ぐいぐいと伸縮するホースで払
い除け、ついには五人の目と鼻の先まで乗りこんでしまった。
537名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 17:29:18 ID:ysWchhCiO
何これ
538名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 17:34:35 ID:6rtPSRwuO
>>537
IDを見てください。
539名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 17:39:25 ID:ysWchhCiO
じゃなくて何がいいたいのか不明
540名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 17:46:23 ID:2f36QjRq0
 右腕を失ったコングは、体中からドス黒い煙を上げていた。もうまともに歩くことさえ困難なようだった。唯一動く左腕を、ただガムシャラに振り回していた。
 小城はライダーを見て思った。只者ではない。大体、人間かどうかさえも怪しい。
 そんな小城の考えなぞ露とも知らず、ライダーはバイクの方に戻ると、リアカウルに取り付けられていた、平たく長い棒状のものを手に取った。
 小城には最初、それが何かわからなかったが、よく見ると鞘に入った刀(長ドスに近い)であることがわかった。
 ライダーは鞘から刀を抜き、鞘を投げ捨てると、刀を八双に構えた。月明かりに照らされ、刀身が不気味な光を放っていた。
 と、小城が思ったその瞬間、「うおおぉぉーーーーっ!」という凄まじい声を上げて、ライダーがコングに突進していく。コングは、自分の間合いに入ったライダー目掛け、
左腕を大きく振るった。しかしその瞬間、ライダーは勢いよく上方へ跳んだ。コングの左腕は、むなしく宙を切る。ライダーは空中で素早く刀を上段に構えた。
 「ドォリャアアァァ---ッ!!」という掛け声とともに、ライダーは刀を思い切り振り下ろし、コングを頭から唐竹割りに斬った。一瞬の静寂のあと、
コングの体は真っ二つに割れて大爆発を起こした。時間にして、わずか3分足らずの出来事だった。
炎を上げて燃えているコングの残骸を、ライダーはその赤く大きな目でじっと見つめていた。隊員達は皆、物陰から出てきて、ライダーの姿を遠巻きに見つめている。
 ライダーはバイクの方へと戻り、鞘を拾うとそこに刀を納め、再びリアカウルに取り付けた。そして、「コイツは違った。」と、まるでバイクに話しかけるようにぼそりとつぶやくと、
バイクにまたがり、エンジンをふかし始めた。「・・・おい、ちょっと待て!」小城は思わず叫んでいた。ライダーが後ろにいた小城を振り返る。
 「・・・お前は一体、何者なんだ?」この小城の問いかけに、ライダーは答えた。
  「仮面ライダー・・・JUSTICE」ライダーはバイクを発進させ、再び闇の中へと走り去っていった。
「仮面ライダーJUSTICE」 白いマフラーをたなびかせ、闇に消えていったライダーの後姿と、彼が去り際に名乗った名前が、小城の頭の中に焼きつき、いつまでも離れなかった。
( not to be continued ・・・・・・・・ )
541名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 17:50:10 ID:ysWchhCiO
そういうことか、もうすぐ容量オーバーで強制終了か
542名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 18:01:24 ID:2f36QjRq0
「交換、終わりました」
 軍用トレーラーの下から突然、青年が這い出る。青年はドアにもたれ掛かる年上の青年に語りかけると、
既に半分ほど燃えた煙草を敷き詰められた
積雪の大地に投げ捨てた。
 剥き出しのコンクリート片を覆い隠す白の絨毯の一部が、吸い殻の火と融合するかのように音を上げて溶ける。
「しかし災難でしたね、犬養少佐」
 輸送部隊専用のツナギを来た青年に少佐と呼ばれた男、犬養刃少佐は軍人には珍しい端正な顔に苦笑を浮かべ、金色の髪に付いた雪を払い落とす。
「いや、こちらとしては、こんな冬場にトレーラーを出してくれるだけで有り難い」
 犬養少佐と輸送隊員は靴裏の雪を念入りに落とす。
「自衛隊内で我々に反感を覚える人間も多い。この度の強襲作戦で、君ら第七輸送大隊の保護がなければ、千葉の粉雪に瓦礫と共に埋もれていただろう」
 犬養少佐は自虐的に語る。数時間前に稲毛区の反乱活動鎮圧に当たっていた彼は、東京帰還のために手配していた第二輸送大隊が、白井市での負傷者搬送に回ったために立ち往生、
そこに偶然食糧輸送に当たっていた第七輸送大隊が通りかかって、犬養少佐を連れて東京に戻ろうとした。
 しかしそこでも、瓦礫でタイヤがパンクし、今現在まで待ちぼうけを食らっていたのである。
「とりあえず葛飾検問所に着いたら君の上官殿にも御礼を申したい。ところで、まだ名前を聞いていなかったかな?」
 助手席から問い掛ける犬養少佐に、青年は崩した敬礼で応じる。
「第七輸送大隊所属、青木博次軍曹であります。ちなみに失礼ながら少佐の所属は?」
 時計を覗き込む犬養少佐は、青木軍曹に視線を向ける。
「ふむ、では青木軍曹……、伏せたまえ」
「は?」
 いきなり面食らった青木軍曹の頭を、犬養少佐が思いっきり押さえつける。
 次の瞬間、トレーラーを強力な衝撃が襲った。
 パワースライドを降ろし後ろを振り向くと、トレーラーに1メートルほどの大穴が空き、そこから黒煙が上がっていた。
「……一体、なにが?」
 愕然とあたりを見渡すと、ビルの瓦礫から人影がぞろぞろと現れる。
 統率感の無い服装だったが、共通点はあった。どれもアームド・インダストリーの最新型自動小銃を構えており、日の丸の旗を頭に巻いている。
543名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 18:10:36 ID:2f36QjRq0
そのころ、施設に近い地域で複数のゾンビが出現。ゾンビ軍団は日本基地陸戦部隊のエリート、フナト ベニヒト隊員の活躍でほぼ壊滅状態となる。そしてヒスイも、ようやく怪人物の身柄を確保する。
しかし怪人物は生き残ったゾンビ達と融合、巨大なる獣 ギアロと化した。
 ヒスイが倒れたことをカンナは遠くから悟り、彼の救命を強く願う。刹那、カンナの意識は見知らぬ場所に飛んだ。
霞に包まれ、周囲の山や木々が鏡のように写る峡谷の湖…その水面から「龍」が姿を現す。何故かカンナはそれに全く動じず、ヒスイを救うよう願う。
と、瞬時に彼女の意識は現実に戻る。その彼女の体から「龍」が立ち昇った。光が凝縮されて姿を成しているかのように輝く龍はカンナを離れ、ヒスイを包み込む…
だがカンナ自身はまたしても記憶をなくしてしまうのだった。

光に包まれたヒスイは、意識の中で青い龍と対峙していた。
カンナを救おうとするヒスイは龍に助力を願う。人の生死を問題視しないかのような龍だったが、
あくまでカンナを守るため、との理由でヒスイへの助力を約束する。

 記憶を無くし自失するカンナにトドメを刺すべく迫るギアロ、瞬間、ヒスイは「龍」へ変身する。天空へ舞い上がる龍、
その姿は見るまに人型へ転じる…天空へ現れたのは蒼い「巨人」

 ギアロに攻撃を仕掛ける巨人、しかし人間の怨念をスタミナに変えるギアロは強敵だ。
巨人はヒスイの意思で活動しているため闘い方も分かっていない。防戦一方の巨人、更に突如動きが鈍り、膝を突いてしまう。
と同時に胸部中央の発光体が青から赤へ変色し、警戒音とともに点滅を始めた…

 焦る巨人=ヒスイ。だが龍の意思が巨人を動かした。装甲部分に念を集約せよ、との命に従うヒスイ=巨人。
その体に緑色の装甲が、肩に刃が、頭部の「眉」に当たる部位に金色の角が現れる。
これは、怒りの形相だ。
544名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 18:19:38 ID:ysWchhCiO
いつ終わるの?
545名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 18:23:09 ID:UaM4V7kdO
つまんね
546名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 18:23:23 ID:2f36QjRq0
「結果、マミヤは人命救助を生きがいとするようになった。んで、前と同じ仏頂面の一匹狼に戻った。
そしてワタリベ、アンタは自分の軽口を悔やみ、ひたすら生真面目に任務を遂行するようになった。
アンタは真面目な割に物言いが軽いからさ、違和感があったのよね。」
全て正解だった。
「…小宰、オレは、自分がバカな事言ったせいで仲間が死ぬのはもう勘弁です。
だから、任務中はマミヤと同じ仏頂面にさせといてほしい。」
フナトは首を横に振る。
「ワタリベ、兵は仏頂面で良いかもしれない。でもね、兵を笑わせられない指揮官にゃ誰もついてこないのよ。
アタシは大宰みたいに、居るだけで人を和ませることはできない。だからさ、馬鹿な事言うしかないのよね。」
そう言うと車に乗り込む。
「野菜、鼓、下肥。あとは鬼道機関。武具は揃ってるわ。行くわよワタリベ!」

既に応避神社周辺は結界で覆われていた。儀の邪魔をされないようにと。そして、遠目に社の建設が始まっている。
「うし…ワタリベ、まずは結界を解呪するわよ。結界の中心は応避神社で今日は大安。罠その一。北北東に下肥を配置して!」
ワタリベは指示に従い、下肥の入った桶を罠として配置、手を洗った後フナトと共に様子を見る。すると、光の一族の工作員は突如結界を解呪した。
「あの桶の下に地脈が通ってるのよ。しかも鬼門。そこに凶の気を発するものを置けば、神を呼び出すのに不都合すぎる。連中は桶を退かすために結界を解くでしょ。今よ!」

二人は四つの社で形成された四角形の中に突入する。
すでに西の社にはミョウガ、東の社には竹が配置されている。フナトは鬼道機関を発動。
「空間近接の法を使うわ。西の社と八幡、美濃山の竹林を同一座標に存在させる!」
西の社に置くべきはミョウガ。つまり、タクラを復活させる空間においてミョウガと竹は対の存在になる。そこで、多量の「生きている竹」を西に置けばミョウガの霊力を打ち消せる。
美濃山の竹林が西の社を覆い尽くす。
同時にワタリベも、東の社へミョウガを置くことで竹の霊力を相殺した。
次に南の社へ向かい、配置されていた鏡に亀裂を入れる。
そして四つの社が交差するポイントに配置されていた鼓を、五均で買った安物の鼓に入れ替える。
547名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 18:31:10 ID:2f36QjRq0
 ウルトラ戦士の集団・宇宙警備隊は広範囲に渡って宇宙の正義と平和を守っているが、そういう
活動をしているのは彼らだけではない。それなりに戦闘力やそれ以外のスキルを持つ宇宙人達の有志も
協力している。そうでなければ、宇宙警備隊といえど彼らだけではとても手が回らない。80の時に
怪獣専門捜査官・宇宙Gメンなどの存在も見られる。
 キリオスは、本来そうした外部協力者の一人だった。等身大の人間の姿にも変身でき、高い戦闘力の
他にも多岐に渡る超能力を持ち、ウルトラ戦士同様に他の星に就任しては住民を苦しめる怪獣・宇宙人
等を退治したり難事件を解決したりして人々の希望となり、自身もそうした活動に誇りを持っていた。
 が。
 そうしたカリスマ性の強すぎる存在が出てくると、人々がそれに依存するようになるのもよくある
話である。実際、これまで地球に就任した歴代のウルトラ戦士もそういうケースでしばしばジレンマに
陥った。
 なまじキリオスの能力が高く、大抵のことは解決できたために、皆それに頼ることばかり考えて
自分では何もしなくなっていった。キリオスも適当なタイミングで適当に突き放せばよかったのかも
知れないが、そのタイミングを見出せないうちに人々はどんどん堕落し、モラルは低下し・・・

 現在の就任地である惑星、プラネット・フォースを中心にした文明圏に、キリオスは独自の
管理体制を敷いた。実質上の権力の中心は彼となった。誰も自主的に社会を動かすための活動を
率先して行わないので仕方ない。
 キリオス自身の優れた科学知識によって、住民の生活をおはようからおやすみまで監視して
管理するためのアンドロイドが大量に生産され、労働体制の管理も食糧の供給も全部上からの指示で
行われる。住民に与えられる情報も知識も全て、下手に反体制を生み出して社会の円滑な流れを
乱さないための厳重な検閲が行われる。それらの体制に逆らった者は連行され、厳しい体罰や
懲役を強要される。
548名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 18:53:09 ID:2f36QjRq0
 一時間程歩き回ったとき、谷の方から笑い声が聞こえてきた。
 声のする方へ行ってみると、谷底に巨大な円盤状の宇宙船が停めてあり、そのそばで焚き火を囲んでいる数人の人影が見えた。
 よく見るとそれは地球人ではなかった。巨大な眼をした異星人達である。
 彼らは酒盛りの真っ最中のようであった。皆、茶色い液体の入った紙コップを持ち、それを口に運んでは馬鹿笑いをしている。その様子を、エイジは岩陰から伺っていた。
 「しかしどうするよ?あの赤いヤツのせいで、ノボルの女房の怪獣がやられちまって、もう手も足もでねえ・・・」
 「ケッ!胸糞が悪いぜ、もう飲むしかねえや!」
 「待て、ノボルの話じゃあの女、もう一匹カプセル怪獣を持ってるらしいが・・・」
 「じゃあ、そいつを使わせれば、あの村の奴等を追っ払うことができるな・・・よっしゃー!おい、飲むぞ!」
 異星人の一人が一気飲みを始め、周囲が「エイリアン!エイリアン!エイリアン!」と、わけのわからない一気コールを掛ける。
 彼らの馬鹿騒ぎを遠めに見ながら、エイジはその場を離れた。
 その日の夕方、村に戻ったエイジの目に意外なものが映った。
 〈めし処〉に明かりがついていた。店の中に入ると、ショウタとリクと数人の村人、そして女将がいた。皆笑いあっている。
 「あら、お兄さん。アンタも無事だったんだね!」
 何事もなかったかのような笑顔である。あまりの白々しさに、エイジは呆気にとられてしまった。
 「座りなよ、今日は怪獣がいなくなったお祝いだ!」
 女将いい、周りも座るように薦める。言われるがまま、エイジは席に着き、そのまま大宴会となった。
 が、実はエイジは下戸である。そのため、宴会が始まって早々に潰れてしまった。
 どのくらい時間が経ったのか、エイジは目を覚ました。周りを見ると、皆酔いつぶれて眠っている。
 気分が悪い。エイジは店の裏に出て大きく深呼吸をした。そのとき、背中から声が聞こえた。
 「お目覚めかい?お兄さん、いやウルトラマン!」
 振り返ると、そこには女将が立っていた。とっさに銃を抜いて身構えるが、女将は平然としている。
 「まあそうカッカせずに、ちょっと話さないかい?」
 その言葉に落ち着きを取り戻したエイジは、銃をホルスターに収める。
549名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 19:54:44 ID:mc/ZJnBC0
作品名わからない
550名無しより愛をこめて:2007/11/24(土) 20:35:17 ID:2f36QjRq0
 怪獣・宇宙人
等を退治したり難事件を解決したりして人々の希望となり、自身もそうした活動に誇りを持っていた。
 が。 そうしたカリスマ性の強すぎる存在が出てくると、人々がそれに依存するようになるのもよくある
話である。実際、これまで地球に就任した歴代のウルトラ戦士もそういうケースでしばしばジレンマに
陥ったなまじキリオスの能力が高く、大抵のことは解決できたために、皆それに頼ることばかり考えて
自分では何もしなくなっていった。キリオスも適当なタイミングで適当に突き放せばよかったのかも
知れないが、そのタイミングを見出せないうちに人々はどんどん堕落し、モラルは低下し・・・
現在の就任地である惑星、プラネット・フォースを中心にした文明圏に、キリオスは独自の
管理体制を敷いた。実質上の権力の中心は彼となった。誰も自主的に社会を動かすための活動を
率先して行わないので仕方ない。
 キリオス自身の優れた科学知識によって、住民の生活をおはようからおやすみまで監視して
管理するためのアンドロイドが大量に生産され、労働体制の管理も食糧の供給も全部上からの指示で
行われる。住民に与えられる情報も知識も全て、下手に反体制を生み出して社会の円滑な流れを
乱さないための厳重な検閲が行われる。それらの体制に逆らった者は連行され、厳しい体罰や
懲役を強要される。
 最初はそれなりに抵抗した者もいたが、皆長い堕落生活で基本的なバイタリティをそがれており、
というより自分で怠けて衰えさせたのだが、然程間をおかず、誰も支配体制に逆らわなくなった。並みの
人間がどうやってもキリオスには叶わないことを思い知らされている。いや、地球での前例を見れば本来
やりよう次第で叶わなくもないはずなのだが、主導権を取り戻すための方法を考えること自体がだるいという
ところまで来てしまっている。
 管理体制は更にエスカレートし、全員の安定した生活を保証できないほど人口が増加すると、
口減らしを行うため、ランダムに選ばれた一定人数の人々が定期的にプラズマ分解炉に送られて
原子分解され、跡形もなく消滅させられる。
551名無しより愛をこめて
  そこまでの事態になってから分析するのもかなり片手落ちだが、とにかく地球防衛軍・
ガーディアンの分析スタッフにより、黒いしみに見えるものは、実体を持った生体組織であることが
判明した。
 超巨大な恒星の表面という灼熱地獄の中で生き延び、更に高速で繁殖するという、冗談も大概にして欲しい
生命体である。
 このウルトラワールドの遥か黎明期、まだウルトラの戦士達も地球に訪れていなかった頃、あらゆる
エネルギーを吸収して際限なく肥大するという謎の生命体が宇宙から飛来し、膨れ上がったそれが
上空に陣取って東京の都市機能が麻痺状態になったという記録がある。当時は、各防衛隊を統合した
現ガーディアンどころか、対怪獣・侵略者を前提とした防衛隊という概念さえもまだなかった時代であり、
如何にしてこの難敵に対処すればいいのかと人々は恐怖した。しかし、事件は意外な結末を迎えた。
巨大な生命体は、更に膨大なエネルギーを蓄えた頭上の太陽に惹かれ、そのエネルギーをも食らおうと、
浮上して太陽へと消えていったのである。
 謎の生命体と太陽の決着は以下に相成ったのかは、現在も不明。明日の朝、太陽が謎の生命体に
なっているかもしれないとさえ言われたものだが、幸い我々人類は現在も無事であり、さしもの
怪物もやはり太陽を食らい尽くすことはできずに焼き尽くされて消滅したのではないかと、
思われていたのだが・・・  今回の件を見た識者により、死んだと思われた謎の生命体は実は現在まで生き延びており、
太陽の中で仮死状態を保ちながら、その余りに過酷な周辺環境にも適応せんと、僅かずつ、しかし確実に
進化を遂げ、そして遂にその進化の結果が今回発現したのではないか!? と・・・
 まあそういう仮説はさておき、『バルノイド』と呼称を与えられた問題の生ける黒点は、尚も成長を
続けていた。このまま放っておけば遠からず太陽を黒いかさぶたで覆い尽くし、人類に与えられてきた
光の恵みは遮られ、地球は忽ち凍りつき花は枯れ鳥は空を捨て君はシベリア送りだろう。いえー。
 だが、そんなことを許さない存在が、今の地球にはあった。