338 :
The oneway ticket :
吉岡夏美の受難
吉岡夏美は、意識が戻った時、周りの環境がいつもと違うことにまず気付いた。
全裸であることは通常通りだが、手術台の上はなく、なにかの壁にもたれる格好で座っていること。
また、人口筋肉の電源がOFFにされているのだろうか?四肢だけでなく 首から下は全く動かすことが出来ない状態であること。
それと、組織の実験室などとは、流れるクウキが全然違っていた。
うっすらと目を開けてみる。
どうやら首から上は、通常通り機能するらしい。
目の前には、見かけない男が、72chのハイビジョンTVをいじっている。
20代だろうか? 汗ばんだキタナイTシャツに、ジーンズ姿。
ボサボサな髪に白いものが目立つのは、埃か?若白髪か? とにかく爽やかとは程遠い外観である。
「ちょっと、あなた誰? コレってどういう状況なの?」
夏美の声に、ビックリしたように振り返ったその男、ニキビ面に、度の強そうな黒縁眼鏡をかけている。
"うわ ! 最悪!アタシの一番キライなタイプぢゃん!"
その黒縁眼鏡の男は、にまぁ〜 と笑い、
「あぁ、ナッチ!起きたんだねぇ〜」
"はぁ〜 ナッチって… アタシのこと?
そんなニックネーム知らないし、だいたい こんなキモい電車男みたいなアキバ君にそんな風に呼ばれる理由はないわ"
とは言いかけたものの状況は、人工筋肉の電源切られて動けない全裸の夏美に明らかに不利である。
"…と、不利って言うか、もしかしてこれからアタシ、コイツに、、、え?? いやだぁそんなの!"
と、悪い想像をなぞるかのように、その男は、いきなり目の前で着ている服を脱ぎ始めた。
339 :
The oneway ticket :2007/01/09(火) 23:03:43 ID:zCE2b2F80
全裸になったその男は、夏美をおもむろに後ろから抱きかかえ、壁に もたれかかる姿勢で座った。
無抵抗の夏美の背後から、全裸男は、右手を夏美の胸に、左手を夏美の局部に持って行き、不器用にまさぐり始める。
そして夏美は、おしりの割れ目の部分に、ちょうど熱くて硬い肉棒の存在を感じて、全身が熱くなった。
「ナッチってさぁ、ウルトラ警備隊のルミ隊員にソックリだよねぇ〜。デュフッ!
ボク、"ゴーレム"に入ったのは、まぁボクのウデを認めてもらったからなんだけど、本当の理由はナッチに会いたかったからなんだぁ〜 でゅふっ!」
"そういえば同じクラスの「戦隊ヲタク」の男子から、そのナントカって隊員にソックリって言われたことあるような気がする。
それと、ゴーレム?? なんだろう? 土偶とかいう意味だったかな? まさかこの組織の名前? いやなにかのプロジェクトの名前なのかな?
って、そんなことより……"
「ちょっとぉ、ナッチナッチって、何様のつもり? このアキバ系!電車男!
ってゆーか、なんで今日初めて会ったはずのアンタが、アタシのこと知ってンのよ!」
と夏美が叫んだ時、目の前のスクリーンの上映がちょうど始まり、それを見た夏美は息を飲んだ。
340 :
The oneway ticket :2007/01/09(火) 23:06:43 ID:0A81Nt+v0
スクリーンに現れた、満面の笑顔を浮かべ、白いブラジャーと白いパンティーを身に着けただけの ほぼハダカ同然の少女は、
紛れもない、親友松田薫に イヤリングでマインドコントロールされ、最初の改造手術を受ける直前の夏美自身の姿だったのだ。
[5スレ目の
>>501参照]
白痴的な笑みを浮かべた、スクリーンの自分自身は、さらに記憶にない恥ずかしい言葉を続ける。
「今から皆さんに私の体を改造してもらうこと、とっても楽しみにしています。
私は泣き虫だから、手術の時に ヤメテェ とか、イタイィ とか言って泣いちゃうかも
しれないけど、皆さんはかまわずに改造を続けてくださいね。」
言い終わった夏美は、そのまま3人の助手に抱きかかえられ、長方形の手術台へと手足を固定された。
やがて下着がはずされた夏美の肉体を、執刀医のメスが切り裂くと、満面の笑みを絶やさなかった夏美からは表情が消え、一瞬何が起こったのかわからずに青ざめ、ただただ大声で泣くじゃくリ始めた・・・・・・
341 :
The oneway ticket :2007/01/09(火) 23:07:54 ID:0A81Nt+v0
20点を超すだろう膨大なDVDコレクションは、全てが夏美の改造シーンの録画であった。
絶句して呆然としている夏美を更に追い込んだことがあった。
それは、手術室のインテリアが、だんだんHっぽくなってきたり、無影灯の色が、やたらとヴィヴィッドな赤や緑や青だったりと、そういう一連の現象を、
「規律の乱れ」「上層部の混乱」と、解釈して繋いでいた一縷の希望 [6スレ目、
>>298>>299参照] が、ガラガラと音を立てて崩れてしまったのだ。
目的も規模もわからない「ナゾの組織」とは言え、やはり資金がなくてはコレだけの実験は出来ないだろう。
考えてみれば 俗な話だが、資金源の一旦として、こういったマニアックな映像を秘密裏に高額な閲覧料で流布させ、
それに辿り着いたコンピューターオタクの素人エキスパートを集めれば、
21世紀の現代社会では、あるいは核兵器以上のパワーとなって世界を震撼させる力を持つことが出来うるかもしれない、まさに1石2鳥なやり方ではないか!
それと、改造素体として選ばれるのが、体力的なものだけでなく、ルックス的にも美少女ばかりと言うのも頷ける話である。
また、"改造手術の時に麻酔をかけてくれれば少しはラクなのに"と 夏美にはずうっと不可解だったのだが、映像が少しでもリアルになるのなら、苦悶の表情も商品価値を高めるという意味で非常に理にかなっていると言える。
夏美が蛇型のマニピュレーターで内部からカラダを改造されているシーンや、手術後に「口処女」を奪われているシーンまで克明に映し出されて、ようやくDVD=電車男ダイジェスト版 は終了した。
342 :
The oneway ticket :2007/01/09(火) 23:10:03 ID:0A81Nt+v0
精神的ショックで、放心状態になった夏美のカラダを、電車男はゆっくりと部屋の中央に引きずり、
動かない夏美の四肢を改造手術の時のように大の字に広げ、分厚い唇や、硬い無精ヒゲの頬で、
太腿やムネを撫で回し、舐め回し始めた。
「でゅふっ!最初はさぁ。。。カオリンが好きだったンだよねぇ〜。でもこのごろナッチの方が登場回数多くなってきたし、
カオリンって15歳で改造されちゃっているでしょ、だからムネとか、ちょっと物足らなくなってきちゃって……。
だからボクにはだんだんナッチの方が好きになってきちゃったんだよねぇ〜 でゅふっ!」
"カ、カオリンって、もしかして薫のことか!"
と、夏美はいきなり頭に血が上っって叫んでしまった。
「ちょっと! アンタみたいな最低男が、薫とアタシとを比較するなんて、自惚れないでよ!
この変態! 女体改造オタク! 童貞!!」
夏美は、最後の一言は、電車男を怒らせるつもりで叫んだ。
彼女等の通っていたマンモス中学でも、薫と夏美は男子生徒の視線を2分するほどのアイドル的存在であり、
夏美にはそのことが自分の自信であり、プライドでもあった。
そういう夏美も男性体験が多いほうではなかったが、この電車男が童貞であること、いやそれ以上に、
女性とどのようにsexするか?ということすら判っていないことは明白だと感じたのだ。
案の定、ピクリ と一瞬行動が止まった電車男であったが、しばらくして一言
「ボクは拒否されることには慣れている。」と呟いた。
いかなる言葉の暴力も、この電車男には無力であることを実感すると、夏美の怒りもにわかにクールダウンしてしまった。
343 :
The oneway ticket :2007/01/09(火) 23:11:42 ID:0A81Nt+v0
怒りのシラけてしまった夏美は、しばらくは何も考えずに、電車男の したいがままにされていたのだが…
いきなり 局部に強烈な痛みを感じて叫んだ。
「いぃーぃぃぃぃいいいいいたたた、痛い、痛い。痛ぁーい 痛いよ イタタタ・・・」
なんとカッターを手にした電車男は、夏美の股間のスリットにナイフを差し込んで、
ク○トリ○から下腹部に向けて切開を始めたのだ。
「いっぃいいいぃいいいーたい。やめてよ!止めて! 痛い!痛い!」
改造手術で切り刻まれることには慣れていた夏美だったが、白衣の技術者達が、レーザーメスを使って要領よく切開するのとは違い、
100均で売っているようなカッターナイフで、カラダを切って遊ぶ不器用でゆっくりとした切開は、夏美には体験したことのない激痛だった。
それと、四肢がまったく反応しない状況であることと、
なにも出来ないだろうとナメてかかっていた電車男に、いきなり 恐ろしいことをされたと言う恐怖感で、夏美は一瞬パニック状態となった。
それを確認した電車男は、ますます興奮して、今度は切開した跡に両手を突っ込み、腕力で夏美の下腹部を思いっきり裂いた。
「んがっ!びぎゃぁぁぁ〜 ぁぁぁあ、いたっ!いたっ! 痛いいぃぃぃいいいぃぃぃぃーーーー!」
夏美の悲鳴にうっとりしながら、電車男は独り言をつぶやく。
「わぁ〜。ホントに機械が入っている。ホントに改造されているぅ〜。 萌えぇぇぇ〜 でゅふっ!」
恐怖と混乱で夏美は、我を失って叫び続けた。
「いやぁぁぁぁぁあぁっ!いや!いや! 痛いぃぃぃいいっぃいいいぃっ!・・・・・」
目を剥いて絶叫した夏美の口と長いまつげに向けて、最悪のタイミングで、白いドロっとした生暖かい液体が大量に降り注いだ。
その発射源が、電車男のエレクトした男性器であることに気が付いた夏美は、その場で一瞬失神してしまった。
344 :
The oneway ticket :2007/01/09(火) 23:16:41 ID:zCE2b2F80
☆☆ 吉岡夏美の手紙 ☆☆
薫へ
……と、そんなことがってね。
まぎれもなくその日は、私吉岡夏美の17年間の人生で最悪の日だった。
その後、電車君は、私の記憶する限りでも3回は射精して、そして、私の股間に顔を突っ込んだまま、いつの間にか、スースー息をかいて眠ってしまったの。
私は顔中に コレでもかっ!てほどの 大量のスパムをかけられたんだけど、なにせ四肢がまったく動かないでしょ。
もう、裂かれたお腹は無茶苦茶痛いし、なによりも 悔しくて、惨めで、情けなくて、とにかく泣けて泣けて、たまらなかった。
でね、泣くでしょ。そうするとせっかく固まり始めたスパムがまた軟らかくなっちゃって、目や口に注ぎこむのね。わらっちゃうでしょ!
それがどのくらいの時間だったのか? 私、パニクっていたから、よく覚えていないんだけど、電車君のアタシの拘束は、時間制だったみたいで、しばらくしたら電車君いなくなりました。
今はもう四肢のバッテリーも充電完了して、いつもの手術台に手首足首を固定されて、苦痛に悶えながら、修復改造を受けています。
あぁ。でも苦痛=麻酔なし ってことは、やっぱこの光景も録画されているンだろうな? そうだとしたら、やっぱ悔しい。
もう手術が始まってから体感時間で4時間は過ぎていると思うけど、一向に終わる気配なし!
組織の彼らにとっても、電車君の私に対する"ナイフ切り裂き"は予想外だったらしく、
予備が不足している私の体内のダイナモとかが電車君のスパムで錆び始めてしまっているとか、
穿り返したアタシの体内メカニックが使い物にならなくなってしまっているとか……
ここの技術者さん達って、けっこう潔癖症なのか、同姓のスパムに露骨な嫌悪感が見えて、ザマミロ!って感じです。
あー、でもいい加減 手術もうそろそろ終わンないかな…
345 :
The oneway ticket :2007/01/09(火) 23:18:42 ID:0A81Nt+v0
でね、話変わるけど、今回のことで、私 気付いたの。
いつだったか、晶子が、改造される直前に
『改造手術の時だって、絶対みっともない声なんか出さないで耐えてみせる』
って言ってたでしょ。
ワタシ、あの時
"なんでそんなに頑張る意味があるんだろう? それに、「宣言」したりする その「気合い」の意味はなに?"
って思っちゃったのね。
薫はおそらくあの時に気付いてたんでしょう。 アレは、「自分に対する約束」なんだよね。
私、薫への最初の手紙で「足手まといにならないような、強いサイボーグになる」と書いたけど
いまとなっては、自分の甘さ、鈍感さに 笑っちゃうくらい恥ずかしいです。
カラダがいくら強くなっても、最低男の電車君に 玩あそばれただけで、パニック起こして泣きじゃくってしまう私の精神力では、
結局 改造前の”泣き虫夏美”と全然変わっていないンじゃん!
それに、「最強の肉体が与えられたサイボーグ」であるということが、自分の「自信」の理由だというなら
「相手が四肢の動かせない女の子」であるという安心感から、傍若無人に振舞う電車君と、レヴェル変わらないンだよね。
346 :
The oneway ticket :2007/01/09(火) 23:19:50 ID:0A81Nt+v0
晶子なんか、小学生の時に、既に今回のアタシと同じような体験をしていて、それを誰にも頼らずに乗り越えてきているんだよね。
[6スレ目(素体6人目?)
>>271参照]
そして薫、貴女だって、一見アホで天然ボケを装っているけど、本当は芯の強い、プライド持った女の子だってこと、アタシは知っています。
薫ん家、母子家庭で、そのお母さんも、薫が中学3年の時に死んじゃって…
生活費も足りなくて、結局給食費とか、アタシが立て替えてあげたりしていたんだよね。
でも、今時 "貧乏で高校に行けない" なんていう同情を絶対に買いたくなくって、アホに徹していたんだよね。
そのことをアタシが気付いたのは、薫が「修学旅行、どうしても行きたいから、お金を貸してくれ」って頼みに来た時。
表情は いかにもアホっぽくヘラヘラしていたけれど、目頭は赤く腫れていた。 悔しかったンだろうね。
アタシん家は割りと裕福で、お小遣いも多かったから、修学旅行代くらい立て替えてもそれほど響かなかったし、アタシも薫と旅行したかったけど、
いろいろ悩んだ末、なんだか友人関係に上下が出来てしまうような気がして、断ってしまいました。
薫が行方不明になったのは、その直後だったよね。
あの時薫は、すでに片道切符を買って、サイボーグになることを決めていたんでしょ。
薫は、学生生活最後の思い出としてのみならず、人間最後の思い出を、仲間達と作っておきたかったんだろう思う。
事情に気付いた今では、その望みを応援できなかったこと、親友としてとても後悔しています。
そんな薫や晶子と違って、私なんかホントに自分本位で自惚れ屋で、泣き虫な弱虫です。
こんな私が、薫たちの力になれるなんて思っていたこと、それに笑っちゃうのです。
347 :
The oneway ticket :2007/01/09(火) 23:23:56 ID:0A81Nt+v0
薫、
今日まで 貴女と話したいこと、伝えたいことを、脳のメモリーチップに、手紙として記録してきました。
そして今回の、このメッセージが、その最後になります。
私は今日から、貴女や晶子のことは忘れ、独りで考え、独りで判断して、独りで行動します。
それが出来て、初めて貴女達と同格、足手まといにならない「仲間」になれると思うのです。
そう、私は今回のいろいろな体験を通して、ようやく大人になるための one way ticket を手に入れたのかもしれません。
貴女方と同じ片道切符を 私も手にした時、おそらく薫も晶子も、今までとはまた違った 研ぎ澄まされた一面
=大人の横顔… を、アタシに見せてくれる…
そんな気がします。
吉岡 夏美
<<完>>