【手を取り】ライダー共闘SSスレその4【戦え】

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「先生、愛する弟さんとの永遠のお別れだよ。何か別れの言葉はないのかい?」
「クゥゥゥゥゥッ」愛する弟が目の前で殺されようとしているのに何も出来ず、無念の唸り声を上げる木野。
ハサミジャガーの腕の巨大なハサミは容赦なく雅人の首元に突きつけられる。
「やめろっ!!やめろっ!!やめろっーーーーーーーーーーーーー!!!!!」木野は狂ったように叫び続ける。
ハサミジャガーのハサミが勢い良く閉じる。
「雅人っ!!雅人っ!!雅人っ!!」
雅人の首が刎ねられ、その時の勢いで首は空高く舞い上がり、木野の前に転がり落ちる。
首を無くした雅人の胴体から血飛沫が噴水のように勢い良く吹き上がる。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」木野の絶叫は止むことなくいつまで続いていた。

「先生、次はいよいよ先生の番ですぜ」ハサミジャガーは木野の前に立ちはだかる。
木野は下からハサミジャガーを睨みつける「貴様らっ、絶対に許さんっ!!」
「先生、許すも何も、先生の命もここで終わりですぜ」
ハサミジャガーは腕の巨大なハサミを木野に向ける。
「まずは、、そうだな先生のこの指から行きましょうか」
「先生のこの指がいけないんだぁ、この神の手と呼ばれるこの指が、
先生の家族も先生の人生も台無しにしちまったぁ」
「せいぜいこの奇跡の指を呪ってくださいよ、ねぇ先生」
ハサミジャガーはそう言うと、木野の右腕の4本の指を一気に切り落とす。
「ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」4本の指は切られた勢いで何処かへと飛んで行く。激痛に悶絶する木野。
「次は、この辺ですかね」ハサミジャガーは木野の右腕の手首から先を切り落とす。激痛にのたうちまわる木野。
「じゃぁ次は一気にこの辺まで行きましょうか、先生」ハサミジャガーは木野の右腕の肘から先を切り落とす。
さらにハサミジャガーは上腕筋あたり迄を切り落とす。汗を吹き上げ、歯を食いしばり激痛に悶絶する木野。

その時、そこに駆けつける人影。それは本郷猛、一文字隼人、
滝一也をはじめとするアンチショッカー同盟の面々であった。
運命のいたずらで改造人間になることを免れた本郷猛と一文字隼人。
だが彼らはそれでもなお別のカタチでショッカーと戦っていた。
アンチショッカー同盟の面々はハサミジャガー、戦闘員に向かって銃を発砲する。
「チッ、面倒な奴らが来やがった」
「先生、もっとじっくり先生をいたぶりたかったですけど、これでお別れですぜ」
ハサミジャガーはそう言うと、腕のハサミで木野の腕を貫いた。
木野の胸を突き破り飛び出る巨大なハサミの刃先。
そしてハサミジャガー達は撤退して行く。

木野に駆け寄る本郷猛と一文字隼人。「木野っ、しっかりしろっ!!」
ハサミジャガーのハサミは奇跡的に心臓には突き刺さってはいなかった。
だが肺を貫かれた木野の命はそう長くないことは明白だった。
木野は激痛に耐え、最後の執念で本郷猛に言い残す。
「、、本郷、、俺はもうダメだっ、、俺の最後の願いを、、」
「、、俺に力をっ、、お前の研究している力を、、俺に、、」
木野はそう言うと、口から大量の血を吐き、意識を失う。

本郷猛と木野薫は城南大学時代の仲間でもあった。
改造人間になることを免れた本郷は、アンチショッカー同盟に身を置きながら改造人間の研究を続けていた。
それはショッカーとの激闘の末、生死不明の行方不明となった、浅倉1号、北岡2号のデータを研究し、
さらにその能力を上回る改造人間を誕生させる研究であった。
本郷は自らがその改造人間となり、ショッカーと戦うことを前提に研究を続けていたのだった。
「どうするんだ?本郷。このままでは彼はいずれ死んでしまうぞ」
「・・・・・」しばし目を閉じ悩む本郷。次に本郷が目を開けた時、本郷はこう言った。
「一文字、お前も手伝ってくれ」
ここは都内某所にある、ネットニュース「OREジャーナル」本社。
ここでは、一人の男、城戸真司が働いていた。
「おい真司〜っ!」
真司を呼ぶ編集長大久保。
「はい、編集長。」
「ここ誤字があるぞ!」
「すいません・・・・」
「ったく・・・」
いつもこんなやり取りが繰り広げられている、そこへベテラン編集員、令子が
帰って来た。
「編集長、例の事件、取材完了しました。」
「ん?あ、あれか。」
「凶悪犯浅倉威、弁護士北岡秀一、外科医木野薫他3名の行方不明事件、何か
裏がありそうですね。」
「ああ、浅倉の最後の目撃情報は海上の客船、しかもパーティーの主催者は
変な化け物に殺されたとか、木野薫の両親とその弟木野雅人はバラバラ死体に
なって発見されるとか、なんかありそうだよな。」
大久保が言った。
「それに、都内某所で最近目撃されている6人の異型の怪物。」
「なんか共通点ありそうだなぁ。」
そこに真司が口を挟んだ。
「そう言えば、こないだその近くに住む子供達に取材したら、その怪物、すごい
人気で、子供達は『仮面ライダー』って・・・・」
真司が言い終える前に大久保が怒鳴った。
「お前は荷物まとめてろ!」
「・・・・はい・・・ってえっ!?」
「お前、明日から3日休暇ね。」
「あ、ありがとうございます、それじゃ。」
そう言うと、真司は速攻で荷物をまとめると、去って行った。
そんな真司を木の間から見つめる男。
「あいつが城戸真司・・・・・」

木野の改造人間手術を行う本郷猛と一文字隼人、そしてアンチショッカー同盟の科学者達。
だがハサミジャガーに切り刻まれた右腕だけは、その科学力を持ってしても修復は不可能であった。
そこで本郷猛は、ある決断を下す。
木野の弟・雅人の体の中で、現場で唯一収容された右腕を木野に移植することにする。
「木野よ、お前の愛する弟の腕をお前に移植する。
お前の愛する弟はお前の体の一部となったのだ、お前は常に愛する弟と共にある、そのことを忘れるな」
本郷は意識のない木野薫にそう語りかける。
木野の改造人間の手術は数日という長時間に渡って行われた。

だがその木野の改造手術が行われているアンチショッカー同盟のアジトに乗り込んで来るハサミジャガー。
ハサミジャガーの使命は、旧ショッカー、現デストロンに刃向かう者達の抹殺であった。
今度はカメバズーカと共にアンチショッカー同盟のアジトに逆襲を仕掛けるハサミジャガー。
カメバズーカのバズーカが火を噴き、轟音と共に爆煙が上がり、人々を吹き飛ばす。
直撃を受け一瞬のうちに命を散らす人々、爆発に巻き込まれ、手や足をもぎ取られ負傷する人々。
カメバズーカの砲撃の合間を縫って、ハサミジャガーは戦闘員と共に突撃、
兵士達をその巨大なハサミで真っ二つに切り裂いて行く。
血飛沫を上げ、倒れて行く兵士達。人間の血で血塗れになりながら、その血を美味しそうに舐めるハサミジャガー。

木野の改造手術を終えた本郷猛と一文字隼人もデストロンの襲撃に応戦するが、
戦闘の最中、その消息がわからなくなてしまう。
カメバズーカと共にアンチショッカー同盟の基地をほぼ壊滅させたハサミジャガーが、その勝利に酔っている時であった。
ビルの上に突如として姿を現す人影。
540HandcuffsAndMasks(5) ◆mgnDzvZ1fc :03/08/03 21:57 ID:ssQXWIGr
(´-`).。oO(大丈夫かな?・・・
みなさんお久しぶりです!
300レスぶりぐらいかな、生きてましたよ〜。
忘れてる方もいらっしゃると思うので、一応アンカー付けときます。
前スレ544,557-561,596-601
>>109-111
>>237-241
題名、掲載数も付けてみました。
以後、これで行きます。ヨロシク!
今回は一条の一人称形式で書いてみました。
毎回少しずつ試行錯誤を繰り返しているつもりなので、
感想頂けるとうれしいです。
541HandcuffsAndMasks(5) ◆mgnDzvZ1fc :03/08/03 21:58 ID:ssQXWIGr
通報にあった埠頭の倉庫に到着した俺は、多少焦っていた。
怪物が出たという情報にまず間違いは無いだろう。未確認が出て以来、
デマの通報をしてくる市民はまず現れていない。
本当の恐怖に出会えば、弱者は団結しようとするのだろう。

だが俺たちはたいした装備もせずにここに来てしまった。
須藤君と俺は私服のスーツに防弾チョッキ、オートの拳銃。
五代に至ってはTシャツにジーパンだ。
油断していた。五代を変身させることだけは止めなければと思っているにもかかわらず、
俺はこんな時にあのころの慣習を引きずっている。

「一条さん。」
声をかけられて我に返った。覆面パトから降りてきた五代だ。
「とりあえず、この辺を回ってみましょうか。」
「あ、ああ。」
急に思考が変わったせいか、脊髄反射のように返事をしてしまった。
「一般市民の避難も、念のため行ったそうです。すでに完了しています。」
無線での通信が終わった須藤君が言う。
「分かった。では、手分けはしないで探索しようか。」
「はい。」
二人がほぼ同時に返事をする。やはり焦っているのか、
その情景にも言いようのない不安を感じる。
542HandcuffsAndMasks(5) ◆mgnDzvZ1fc :03/08/03 21:58 ID:ssQXWIGr
「須藤君、通報者の証言を説明してくれるか?」
五代と並んで後ろを歩く男に尋ねる。
「はい。通報者は今から10分ほど前、この倉庫街で鏡から金色の
怪物が現れたと証言しています。それと、行き止まりから現れ、いつの間にか
消えていたそうです。」
「そうか。体を透明にしたのか、瞬間移動でも出来るのか・・・。」
独り呟く。そんな能力を持った未確認やアンノウンも有った。

やはり五代は帰しておくかとも考えたが、思い止まる。
奴ともそれなりの付き合いだ。ここで・・・いや、どこで言ったところで
耳も貸さないことくらいは分かっている。

「場所は?」
「丁度あのビルを曲がったあたりです。」
須藤君が倉庫とビルで作られた路地を指差したあたりで、五代が叫ぶ。
「一条さん!危ない!」
その声を聞き終わらないうちに、俺の脳は揺すぶられ、
視界が収縮した。
543HandcuffsAndMasks(5) ◆mgnDzvZ1fc :03/08/03 21:58 ID:ssQXWIGr
どうやら後頭部を殴打されたらしいが、何とか意識は保っていられた。
目の前は白いフィルターがかかったようにかすんでいるが、
これくらいなら何度も経験している。
俺は二人と犯人・・・おそらく人ではないだろうが・・・を確認するため、
必死に体を捻り、仰向けに受け身をとる。
その瞬間に見えたのは黄金に輝く、上半身は蟹、下半身は人の
人外の者・・・受けた印象は獣に近い怪物だった。

そしてそれに捕まれた須藤君と、さらにそれを追いかける五代の姿。
その一瞬後には須藤君と怪物はビルのガラスの中に消えていた。
(そうか・・・奴は鏡の中を・・・)
朦朧とした意識で考えていると、ポケットの携帯が鳴り響いた。
なにも考えずに小さな機械を耳に当てると、そこから金切り声が聞こえる。
「一条君!聞こえる!?一条君!」
榎田さんだ。
「はい。聞こえますよ。」
少し声が掠れる。
「良かった。未確認生命体は?もう出た?」
「はい。それで今忙しいので、切りますよ。」
「ちょ、ちょっとまってよ。五代君は?もう変身しちゃった?」
(そうだ、五代は・・・。)
544HandcuffsAndMasks(5) ◆mgnDzvZ1fc :03/08/03 21:59 ID:ssQXWIGr
辺りを見回すと、五代は怪物と須藤君が消えたガラスを覗き込んでいた。
「大丈夫。まだです。」
「そう、じゃあ良く聞いてね。良い?一条君も分かってると思うけど、
絶対に五代君をクウガにしないで!小沢ちゃんのアマダム解析で重要なことが判明したのよ。」
「重要なこと!?どういうことですか?」
「五代君とアマダムは融合して共生している状態だったけど、第0号との戦いで重傷を受けた
アマダムは、五代君の体にも大きな影響を与えていたの。
これくらいは一条君も予想が付いてたと思うけど、その影響って言うのが問題でね、
今五代君は、完璧に『アマダムに生かされてる』状態なのよ!」

「アマダムに・・・?」
「そう。今五代君の心肺機能の中心を担っているのはアマダムなの。
心臓はほぼその役目も果たしていないわ。」
「まさか!そんなことが。」
「あるんだからしょうがないじゃない!だから、今アマダムが対外に露出するクウガの姿になるのは
鎧を付けた心臓をお腹に付けるのと同じなのよ。確実に第0号戦の直前より悪い状態よ!」
「そんな・・・。」
想像はしていた。だからこそ五代を変身させないように努めようと思っていた。
だが、実際に事実を突きつけられると、やはりそのショックは大きかった。
仰向けに寝転がったまま左手で携帯を耳に付け、右手で頭を叩く。
「一条さん!見て下さい!」
五代の声がした。体を起こしてみると、五代がさっきのガラスに寄りかかっている。
545HandcuffsAndMasks(5) ◆mgnDzvZ1fc :03/08/03 21:59 ID:ssQXWIGr
寄りかかっている・・・?違う、五代の手はガラスをすり抜けていた。
いや、それも少し違うように見える。まるでガラスの中に、空気か、水か、
もしくは真空なのか、とにかく別の空間が広がっているかのようだ。
そしてガラスの中に入っている五代の肘から先は・・・

「だめだ!それだけはいけない!」
肘から先は黒いラバーのような肌に赤の腕当てとアンクル、
見間違うはずもない、クウガの物だった。
「でも一条さん、クウガになればこの中に入れそうな気がするんです。
そうすれば須藤さんを助けられるかもしれない!」
「それでもだ!死ぬぞ!」
俺の言葉を聞くと五代は笑った。あのときと、
・・・これで最後だと思っていた戦いへ赴く時と同じ顔で。
俺だって理解はしている。須藤君はこのままでは100%死んでしまうだろう。
彼を助ける方法は五代があの怪物のテリトリーに入っていく事意外無いだろう。
それで彼の死亡確率が少しでも減るなら、五代はそれに賭ける男だ。
たとえそれで二人の死亡確率が、足して199%になるとしても、
残りの一人0,5%に賭ける男なんだ。
546HandcuffsAndMasks(5) ◆mgnDzvZ1fc :03/08/03 22:00 ID:ssQXWIGr
「それじゃあ一条さん、行ってきます。」
五代が、4年前にはかなりの頻度で見ていた型をとる。
「変身!!」

・・・・・・
消えてしまった。やはりガラスをすり抜けるのではなく、跡形もなく消えた。
絶望と、何故か少しの安心で放心している俺を、急に激しい耳鳴りと
頭痛が襲う。蟹の怪物に襲われたときの傷が、今頃効きだしたかと思ったが、
どうやら少し違う。もっと高い、だが不快感は少ない耳鳴りが響く。

「あの男を助けたいか。」
声をした方に振り返ると、そこには長身のコートを着た男が立っていた。

「一条君?ちょっと一条君!どうしたのよ!コラ!ちょっt」
俺は携帯を切ると、重い体を立ち上がらせ、コートの男を睨み付けた。

(続く)
547HandcuffsAndMasks(5) ◆mgnDzvZ1fc :03/08/03 22:03 ID:ssQXWIGr
ここまでです。
誤字脱字は脳内補完おながいします。
では、おそらく遠い遠い未来にあげる事になるだろう
HandcuffsAndMasks(6)を待っててくれる人が居たら
うれしいな(´ー`)y─┛~~
ここは、真司の実家、ここには、父、政三一人しか住んでいなかった。
「ただいま〜」
真司が帰ってきた。
「おお、真司よ、帰ってきたか。」
父、政三は科学者が職業だが、科学の壁を越えるのが夢、そして格闘術にも
長けている。
「父さん、久しぶりに勝負。」
「ようし、いいだろう。」
そう言うと政三はメガネを取ると道着に着替え、家の庭にある道場へ向かった。
「行くぞ。」
「よっしゃっ。」
相手に向かっていく真司と政三・・・・・数時間後。
「強くなったな、真司。」
「父さんも相変わらずな。」
はっはっは・・・と聞こえてくる笑い声、そして、真司の部屋。
「ここは変わってないな〜」
ベッドに横たわる真司、数時間後、いきなり停電が起きた。
「うわっ、な、なんだぁ!」
「真司、真司!」
「・・・父さん。」
1階へ降りる真司。
「父さん、どこ?」
すると、蝋燭に火が点き、真司の目の前に政三が現れた。
「父さん、一体・・・」
「おそらく、ブラックサタンの改造電気人間がこの村の電気を吸い取っているんだろう。」
「ブラック・・・・サタン?」
話によると、政三が一度狙われた事があったらしい。
「でも、なんでそいつらが?」
「たぶん、お前を捕まえに来たんだろう。」
「!!!」
「はっはっはっ、その通りだ、城戸政三。」
政三が見た方向には、異型の怪物の姿が。

「ハサミジャガー、貴様だけは決して許さんっ!!」
ビルの上に立つ人影こそ改造人間手術を終えた木野薫。
「ま、まさか、あんた、先生!?生きていたとはっ!!」
「だがいいってことですよ、また俺がいたぶって切り刻んであげますよ、ねぇ先生」
「人間である俺はあの時を以って死んだ。そして俺は復讐鬼として生まれ変わった。
この俺の右腕が泣いている、お前達を地獄へ叩き落とせとなっ!!」
木野は身構える「変身っ!!」その低い力強い声に反応して木野の腰にベルトが現れる。
ベルトの力と技の風車・ダブルタイフーンが回り、ベルトから発せられる光に包まれ、木野の姿は異形の者へと変わって行く。
赤い仮面に緑のボディ、白いマフラーを風に颯爽となびかせる異形の復讐鬼、その名を仮面ライダーV3。

「はぁっ!」ジャンプして宙を舞いビルから飛び降りるV3、空中前転で地上に着地する。
ハサミジャガーと対峙するV3「まさか、先生がライダーになっちまうとは」
「貴様達に復讐する為なら、俺は喜んで悪魔に魂を売るっ!」
「ハサミジャガー、貴様のオペを開始するっ!!」
V3はその驚異の瞬発力でハサミジャガーとの間合いを詰める。
突進するV3にハサミで切りかかるハサミジャガー。そのハサミを腕でいとも容易く払いのけるV3。
完全にハサミジャガーの懐に入ったV3は、体を捻り体全身のバネを使って鉄拳を放つ。
ボディに直撃を受けたハサミジャガーは後方に大きく吹き飛ぶ。

「ハサミジャガー、貴様はそう簡単には殺さんっ!!」
吹き飛ぶハサミジャガーの先回りをして、宙に浮くハサミジャガーを上から叩き落とすV3。
地面に激しく打ちつけられるハサミジャガー。
V3は倒れるハサミジャガーの首根っこを掴み、無理矢理立ち上がらせる。
そして、ハサミジャガーの手首を掴み、ハサミのついた腕を引き千切る。
激痛に悲鳴を上げて悶絶するハサミジャガー。
「雅人の痛み、思い知れ」
「俺のこの右腕が泣いている」ハサミジャガーの耳を殺ぎ落とすV3。
「お前達を許しておくなと泣いている」ハサミジャガーの目をえぐり出す。
「お前達の悲鳴が この右腕への鎮魂歌(レクイエム)」ハサミジャガーの顎を叩き割る。
「お前達の苦痛が この右腕の安らぎ」V3は手刀でハサミジャガーの腹を切り裂く。
血飛沫が勢い良く上がり、V3は返り血を浴び、全身を赤く血塗られる。
「貴様らへの怒りと憎しみが 俺のすべて」ハサミジャガーの腹の中に手を突っ込んで内臓を引きずり出すV3。
「貴様らへの復讐が 俺のすべて」引きずり出した内臓を引き千切る。
「そうっ、俺は復讐鬼!!仮面ライダーV3!!」
ハサミジャガーの心臓部を手で鷲づかみにするV3。
トクントクンと心音にも似た鼓動が聞こえる。
その心臓部を一気に引き千切る。
ピーーーーーーーーーーーーという音と共に心臓部は機能を停止する。
V3は手にする心臓部を握り潰す。
グシャッという音と共に、血飛沫が噴き上がり、肉片が飛び散る。
全身を真っ赤な血に染めた仮面ライダーV3。
「オペ 完了」「デッドエンド」

人間の姿に戻った木野は、本郷猛が用意してくれていたバイクに跨って走り出す。
ハサミジャガーと一緒にいたカメバズーカの後を追って。
いや家族の仇であるデストロンのすべての改造人間達を追って。
それは、正義の為でも、人間の自由と平和の為でも、人間を守る為でもなく、
デストロンへの怒りと憎しみから、
そして弟雅人を守ることが出来ず目の前で惨殺された自分自身への怒りと憎しみからであった。
夜の深い深い闇の中へと走り続けて行く木野薫。彼こそは仮面ライダーV3。
3rd Victim(3番目の大罪)という名を持つ仮面の戦士。
552名無しより愛をこめて:03/08/03 23:21 ID:TQYzFhRc
個人的には木野さんはV3よりライダーマンのイメージがある。
だがV3木野さんもカッコイイ!
553名無しより愛をこめて:03/08/03 23:35 ID:bRGjy5oh
ところで、そろそろKBの壁が怖くなってきたですよ皆の衆。

ログ庫 http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Studio/9133/rider/index.html
避難所 http://jbbs.shitaraba.com/movie/3028/saidestory.html
5541:03/08/04 01:24 ID:qqS1MevI
>>HandcuffsAndMasks様
乙です、一人称形式良いですね。
心理描写の巧みさと相乗効果でかなりいいんじゃないでしょうか。
楽しみにしてる方は多いと思いますので、これからも是非続けてくださいね。
555バイオレンス作者:03/08/04 01:29 ID:qqS1MevI
V3編、外科医と腕の設定を活かしたつもり
カメバズーカがどうしようか悩んでいるので、多分蝙蝠男が先になるかな。

そろそろ誰かバイオレンスXやってくれないかと期待してみる
バイオレンスX対バイオレンスアポロガイストなんかいいかも
バイオレンスキングダークは、ヤバ過ぎるな、大魔神か?(藁
>>HandcuffsAndMasks(5) ◆mgnDzvZ1fcさん
やはり継続する事の素晴らしさを窺わせる渋い描写力、オイラも次作お待ちしてます!
>>バイオレンスV3(元祖)作者さん
見事な横綱相撲、堪能させて戴きました(w
まだまだオイラは精進が足りませんね。
X、スカイはドラマの成立が本当に難しいですからね・・・(特にスカイ)
>>バイオレンス仮面ライダーストロンガー作者さん
やはりどこかで収斂する事が必要だと思っていたので、(1)の描写は有難いです
真司ストロンガーの更なる活躍を期待します!
>>バイオレンススーパー1作者さまへ
東條悟は本来の沖一也同様、武術の有段者と言う事でいいのでしょうか?
もし、そうならば東條に客演依頼をしたいのですが・・・
557バイオレンススーパー1作者:03/08/04 11:18 ID:BXzbOeRJ
バイオレンス祭り真っ最中ですね。

>バイオレンスV3作者さん
V3のネーミングセンスがとてもイイ(・∀・)!!
>老師なんかも出しちゃってください(藁
いや・・・多分老師出ないと思います・・・・
ごめんなさぁぁぁぁい!・゜・(ノД`)・゜・。

>487さん
>でもカコイイ(・∀・)!!
ありがとうございます。

>HandcuffsAndMasksさん
一条さんの内面描写が凄いですね。
俺なんか足元にもおよばねえや(藁

>◆HqKATooXaIさん
高見沢でアマゾンって・・・凄い発想ですね。
日本沈没共々頑張ってください。

>バイオレンス真ライダー作者さん
>武術の有段者と言う事でいいのでしょうか?
はい、一応赤心少林拳を習ったと言う設定です。
>客演依頼をしたいのですが・・・
ぜひお願いします。
558名無しより愛をこめて:03/08/04 16:57 ID:tSc2DM4+
559名無しより愛をこめて:03/08/04 17:54 ID:AOaWYvyd
うんこ
560Heat&バイオレンス作者:03/08/04 18:39 ID:SSVzFx+0
次スレ立てありがとう
<また俺が立てることになるかと思ってたよ(汗
しかしスレの半分以上を俺が使っているような気が(汗
みんな、ごめんね、俺のせいでスレの消費が激しくて(泣
みんなに喜んでもらえるようないい作品書くように頑張るから許して

HandcuffsAndMasksさんの影響受けて、俺も一人称形式やってみようかと思う
バイオレンスシリーズの番外編(?)で新作短編出すのでよろしく
<あんま懲りてない?(汗

大首領との最終決戦を迎え、遂に全員が揃ったバイオレンスライダーズ!!

浅倉1号「随分探したぞ、北岡、俺と闘えっ!!」
北岡2号「あんたもしつこいねぇ、そんなんじゃ女の子にもてないよぉっ」
木野V3「お前達の力では誰も守れはしないっ、力なき者は消えろっ」
○○ライダーマン「(今後のネタバレ防止の為、割愛)」
高見沢アマゾン「人間はな…みんな、獣なんだよ」
真司ストロンガー「よっしゃぁっ!!どんどんかかって来なさいっ!!」
東條スーパー1「僕は大切な人を奪った君達を許さない。」
教授シン「東條君、私は生きてますよ。敵を欺くにはまず味方から、これも兵法のひとつというものです」

大首領「こいつらと戦うの、なんか、嫌かも、、、」
戦闘員「そうですねぇ、まとまりないくせに、みんなバイオレンスですし、、」
562461=501:03/08/05 00:22 ID:+5ehgaxu
主人公志津馬の正体は、バックルを装着するためのみに
作られた「試験管の中で出来た人造人間【通称バイオロイド】」の
失敗作です。(本来は破棄されるはずだった)。

 彼が抱える苦悩とは、1、自分は廃棄されるはずだった
失敗作だということと、2、自分はやはり人造人間だとい
うことです(生身ですけど)。

 来年のライダーのスレに、来年はキカイダーだという噂
があったから、盗作と言われる前に「一応、俺なりに考えた
キカイダーなどの人造人間の要素を、仮面ライダーに
転化した案」を書いてみました。
563461=501:03/08/05 00:26 ID:+5ehgaxu
小説を書いてみたいと思うのですが、なにぶんオチも
途中経過も思いつかないんで、「自分が考えたライダー」
ってことで載せてみました。

 笑いの種になれば幸いです。
5641:03/08/05 00:36 ID:yJKb089q
>461=501様
絶対的な力を持つのがバックルで、
装着する側が使い捨てのパーツみたいなもの、
という設定はかなり面白いと思いますよ。
装着する人造人間によって、姿形や能力が異なってくるとか、
バックルを人造人間同士の争奪戦とか、そういう方向で話が進むのでしょうか?
上手いことやればかなり壮大な話になりそうなだけにもったいないですね。
565461=501:03/08/05 00:54 ID:+5ehgaxu
とりあえず、メインの敵は9人で考えていたんですよ。
(その上に、ラスボス兼ジョーカーがいますけど)。

 で、そのラスボスというのは「志津馬とうり2つの姿を持つ
完成されたバイオロイド」です。(石の森作品にある自分殺し
のテーマを入れてみました。あと9という数字は009が
モチーフです)。
566461=501:03/08/05 00:58 ID:+5ehgaxu
>(その上に、ラスボス兼ジョーカーがいますけど)。

 その中でした。

 話の流れとしては、そんな感じです。「不完全VS
完全」というテーマでしてみたかったんですよ。
5671:03/08/05 12:49 ID:5inFNZnm
確かにキカイダーに近い感じを受けますね。
後は人造人間の能力、どんな必殺技があるのかとか、
武器を使うのならどんな武器を使うのか、
敵キャラのキャラづけなどが明確になれば
短編ぐらいは出来そうな感じですが。
568466=501:03/08/05 18:18 ID:+5ehgaxu
 能力、心殺技、武器、キャラづけ、は、ちょっと考えてないです。
御免なさい。ところで、アバレンジャーとクウガを見て

 クウガ究極フォームVSアバレキラー
 第0号VSアバレッド(オオアバレモード?)

を想像したのは俺だけ?
569名無しより愛をこめて:03/08/06 01:41 ID:PExnFnBI
まだバイオレンスライダーズに、須藤、芝浦が出てないな
彼らだったら誰がいいかな

後バイオレンスじゃなくてもいろんな人をライダーにしたい衝動に駆られる
・一条ライダー
・氷川(改造)ライダー
・北條(改造)ライダー
・小沢姐さんライダー
・真魚ライダー
・編集長ライダー
・恵ライダー
・ラッキークローバーの面々
・海堂ライダー
・長田ライダー

誰かチャレンジする猛者はいないか?(藁
570HandcuffsAndMasks ◆mgnDzvZ1fc :03/08/06 06:15 ID:QcD6UCnY
>>569
一条ライダーはデフォで
構想練ってました・・・。
7か8あたりで出すと思います。
13ライダーですが、どれになるかはナイショ(死
5711:03/08/06 18:15 ID:bPl6Yg+r
新スレも立ったのでちょっと実験的作品をやらせてもらってもいいかな?
既存キャラに後付けでオリジナル設定加えるのは基本的にやらないようにしているのだが、
試行錯誤、実験の一環としてちょっとやってみようかなと

>>HandcuffsAndMasks
一条ライダーすごく楽しみにしてまつ
ライダーになっても全然違和感ない人だよなぁ一条って

後、スマートレディライダーも有りだな(藁
572ぼるじょあ ◆yEbBEcuFOU :03/08/06 19:56 ID:y7ZM08Ga
        ,,,--─===─ヽ/へ
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     iiiiiiiiiiiiiiiiiii彡≡≡≡≡|≡ミミヾ丶
    iiiiiiiiiiiiiiiiiiii/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ミiiiiiヽ
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573ぼるじょあ ◆yEbBEcuFOU :03/08/06 20:00 ID:RkEW1tXO
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574ぼるじょあ ◆yEbBEcuFOU :03/08/06 20:03 ID:NYdzbSkZ
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 コーヒーショップCOLの扉が開き、青年が顔を出した。
笑顔で出迎える立花藤兵衛。彼の傍らには見慣れない少女が寄り添っている。
「親父さん、この子は?」
ああ、それがな…と顔をしかめる藤兵衛。
少女の名はミキ。山林でバイクの慣らし運転をしていた折に偶然出逢ったのだという。
「よほど怖い目にでも遭ったのか、記憶をほとんど喪失しちまってるみたいでな」
おまけに…藤兵衛は声を潜めた。少女を捜すGODの秘密工作員を彼は目撃していた。
「それは、ただ事じゃありませんね」
「ああ、とにかくミキちゃんの身元を調べてくる。店番と護衛、頼んだぞ」

 藤兵衛をにこやかに見送った青年は、怯えている少女の姿をゆっくりと眺めた。
やがてその視線は、彼女が大事そうに抱えているポシェットに止まる。
「…何がはいっているんだ?」
青年の口調は、意外なほどに冷たかった。ミキが小さくかぶりを振る。
不愉快そうな表情を浮かべた青年は、無言のまま彼女のポシェットを奪いその中身を
カウンターに広げた。いかにも少女らしいハンカチやマスコットと一緒に現れたのは
彼女には似つかわしくない黒いプラスチックケースだった。ケースの中身は、得体の
知れないアンプルと注射器。それを見たミキの表情が恐怖にひきつる。
「何か、思い出すのか?」
この注射器がミキの身に降りかかった事件と関係している。
そう直感した青年の行動に、躊躇はなかった。彼は逃げようとする少女の顎を乱暴に
掴むと、細い腕に注射針を向けた。大きく見開かれた少女の瞳に尖った針を見せつけ
て恐怖を煽りながら、青年は問いかけた。
「さあ、この注射器は何だ? いったい、何が起こったんだ」
 青年がいまにも注射針を刺そうとしたそのとき、カランと音をたてて再び扉が開い
た。さては藤兵衛が戻ってきたのだろうかと、青年が慌てて注射器を隠す。
だが、店の入口に立っていたのは白いスーツを纏った見慣れぬ男だった。
「…いらっしゃいませ」
感情のこもらぬ声で青年が応対する。
「残念ながら、珈琲に用はない…無能な部下の尻拭いというやつだ」
青年は反射的に黒いケースを手にとり、その蓋を調べた。
「発信機か…貴様、GODの新怪人か?」
男の返答は明快だった。銃弾が炸裂し、カウンターに並べられた食器を微塵に砕く。
机の陰で機会を窺っていた青年が、掃射の隙を見て殴りかかる。二人はそのまま、
もつれ合うようにして店外へと飛び出した。
騒然となる白昼の商店街。機銃を避けた青年はバイクに跳び乗ると、荒れ狂う前輪で
敵に襲いかかった。スーツの男は、華奢な外見からは想像もできない怪力でバイクの
一撃を振り払うと、自らもまた愛車に跨がった。
二台のマシンが爆音をたてて疾走する。
「…セタップ!」
レッドアイザーとパーフェクターを装着した青年が、銀色の戦士へと変身する。
対峙するスーツの男は、バイクから跳躍すると空中で両腕をクロスした。
すると、その姿もまた瞬時に異形の戦士へと変わった。
真紅の髑髏を思わせる仮面、紅蓮に燃える円楯、そして純白のマント。
「GOD秘密警察第一室長、アポロガイスト!」
「仮面ライダー…Х」
名乗りとともに腰のベルトからライドルを引き抜いたХライダーは、フェンシングの
華麗な剣技でアポロガイストに襲いかかった。だが、円楯を構えたアポロガイストも
確実に刃先を捌いていく。
「言え!貴様達の次なる作戦は何だ」
問いとともに振りおろされたライドルスティックを弾き返す紅の死神。
「噂以上の凄まじい闘志だな…Хライダー」
渾身の力をこめて投擲された円楯が、ライダーを急襲する。
 円楯の直撃を食らったライダーは、路上に停められたトラックへ吹き飛ばされた。
フロントガラスを突き破ったライダーが、荷台に転がり出る。間髪をいれず叩きこま
れるアポロショット。一瞬にして爆発したトラックが、巨大な火柱をあげる。
「これで終わり…ということはないだろうな、ライダー?」
「…当然だ」
爆風に乗じて高く跳びあがったライダーが、鮮烈なキックを放つ。
地に向けて機銃を撃ち、その反動でかろうじてキックをかわすアポロガイスト。
着地の勢いでアスファルトが抉りとられ、巨大な穿孔が生じた。
「何故、そこまで闘志をみなぎらせる?正義とやらのためか」
「俺をくだらない“先輩”達と一緒にするな」
藤兵衛が嬉々として語る仮面ライダー達の逸話に、彼は飽き飽きしていた。
もっとも、藤兵衛の昔話自体にもいささか美化の傾向が認められたのだが――
「ならば、我々に処刑されたあの女…水城涼子の復讐かッ」
機銃が容赦なくライダーを狙う。すでに周囲は灼熱地獄と化していた。
「あの女の仇討ちだと?」
その口調には、侮蔑にも似た響きがあった。
「まさか。あの女は俺を利用していたにすぎない。
 所詮、俺を救ってくれる女性ではなかった…それだけのことだ」
ライダーが一気に距離をつめ、漆黒の拳で殴りかかる。
「なるほど…戦いに救済を求めるか、仮面ライダーХ。哀れな男よ」
ライダーの鉄拳を受け流したアポロガイストは、掌底でその顎を突きあげた。
衝撃波が次々とショーウィンドウを割り、宙に舞いあげられたライダーは広告塔の
ネオンに叩きつけられた。白銀の身体に極彩色の火花が散る。
やがて、無残にも黒焦げになったХライダーが地面へと墜落した。
「どうした、これまでかライダー?」
アポロガイストの嘲笑が微かに響いてくる。
(どうした…これまでか。お前はまだ戦えるはずだ…)
薄れかけた意識の奥で、その声はまったく異なる像を結んでいた。
 暗闇の中にたたずむ男が、厳格な視線で青年を見つめている。
彼は、改造人間の素体としてふさわしい身体能力を与えるためだけに青年に地獄の
特訓を課し続けた男。そして、青年にХライダーとしての宿命を背負わせた男。
(俺は、俺はまだ人間だろ?)
自らの異形に狼狽する青年に、彼は冷たく宣告した。
(お前はもはや、人間ではない…人間ではない苦しみと戦いぬけ…。
 戦い続けることで…やがて答えは見つかるだろう)

「…義…父…さん…」

ライダーの瞳が赤く輝いた。雄叫びとともに大地を蹴り、逆手に構えたライドルス
ティックを突き出す。円楯でこれを受けるアポロガイスト。だが、その一撃は彼が
予想だにしなかったほどの重さを伴っていた。
「なにッ」
さしものアポロガイストも、思わず体勢を崩す。その仮面めがけて振りおろされる
ライダーパンチ――反撃は、そこまでだった。拳を構えた姿勢のまま、Χライダー
は意識を失っていた。
「この俺に片膝をつかせるとはな…」
ゆっくりと立ちあがったアポロガイストの表情は、どこかしら満足そうだった。
『小娘とアンプルは預かっておく。戦う意志がまだあるならば、S…村に来るがいい』
そう書き残し、GOD秘密警察第一室長は去っていった。

 スポーツ万能の大学生だった青年は、謎のGOD機関に襲撃され瀕死の重傷を負う。
しかし、科学者である養父の手によって“究極の運動機関”を意味するZ.ORGを搭載された
青年は、深海開発用改造人間――Χ=Zorg(カイゾーグ)として甦った。
彼は仮面ライダーΧを名乗り、神敬介に代わってGOD機関に立ち向かう。
その名は、草加雅人。
養父の残した謎を追い、強さと愛を求めて彷徨う孤独な戦士――。
579 ◆Po.CBHpVoI :03/08/06 21:01 ID:mkgXDtJG

埋立てのついでということで、バイオレンスXライダー。
初期設定的には葦原涼か木場勇治でもよかったんですが性格的に
あまり意外性がないので、Xつながりのこの人で。

このあと、日本各地に散らばる8人の旧友達に死んだはずの義父
さんからRS装置の設計図が送られてきたとか、こないとか。
580名無しより愛をこめて:03/08/06 21:04 ID:mkgXDtJG
以上、なんかトリップキーを間違えたらしい◆HqKATooXaIでした(恥
5811:03/08/06 21:19 ID:8q69YPxw
草加Xキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
お願いしちゃってごめんなさいね
でも◆HqKATooXaIさんに書いてもらえるなんて、お願いしてよかったかも。
草加の二面性を出す為に、おやっさん出してくるところとか、
緊迫した戦闘シーンの描写とかしびれますね。

埋め立てまでしてもらちゃって申し訳ないです。
こんな素敵な作品がすぐdat落ちしてしまうのはもったいないっす
ログ倉庫とか避難所とかで見られるようにしておきたいですね

日本沈没とか新作とか期待してまーす
どう考えても途中で切れそうだが、途中まででも出しときます
(全然重要ではないが、今回の話に敢えて設定を付ける。
完全なご都合主義設定だし、詳細については突っ込まないでくれ(汗)

人類、ミラーモンスター、仮面ライダー、天使達、によって行われた最終戦争の末、
人類は核ミサイルによるミラーモンスターの殲滅を決定した。
だがそれは同時に日本全土の抹消をも意味することでもあった。
核ミサイルによる日本抹消を防ぐ為、天使達と一時休戦した仮面ライダー達は、
天使達と共に自らのエネルギーを使い、エネルギーフィールドを日本全土に張り巡らせる。
核ミサイルと高エネルギーフィールドの衝突により、史上類を見ない高エネルギー反応を引き起こした結果、
再び時空の扉を開くことになり、新たなるパラレルワールドを生み出すこととなった。

それはファイズ、龍騎、アギト、クウガそれぞれ個別に形成されていた世界が、
同じ時間軸の中で並行して存在していたハズの世界が、ひとつの世界に存在するという世界であった。

そして、オルフェノク(スマートブレイン社)、神崎士郎、黒の青年、グロンギは、合議の上、
種族の覇権を賭けて、闇の女王を決定するべくライダーバトルを行うことを画策する。

「この私がクウガになるということか?リントの言い出すことはいつも突拍子がないな。」
薔薇のタトゥーの女は神崎士郎の申し出を嘲笑う。
「どの種族も、その繁殖に重要な役割を持つのは女だ。
逆を返せば、生命力の強い女がいる種族こそが、この世界の覇者となるに相応しい。」
「我々男達は合議の上、そう決断を下したのだ」
「だが何故クウガなのだ?私には闘うための姿がある」
「種族毎にその能力は大きく異なる。知力に長けた種族があれば、体力に長けた種族もある。
そうした総合的な能力を判断する為、ライダーという共通のフォーマットを用意した、そう解釈してもらえばいい。」
「なるほどな。私がクウガか、それも悪くない。」
「黒の青年の力でアマダムを復元した、それを使うがいい。」
「至れり尽くせり、というやつだな」
グロンギからは薔薇のタトゥーの女の参加が決定する。

「我々にもアマダムが送られて来たということは、我々にも参戦しろということかっ?」
一条をはじめ、村田和美、榎田女史、といったメンバー達が会議室に集っていた。
一条達の元にも、黒の青年の力で復元されたアマダムは送られ来ていたのだ。
「しかしな、大きな問題は女性にしか参加資格がないということだな。」
「一体誰がアマダムを取り込んでクウガになるっ?」
顔を見合わせる村田和美と榎田女史、お互いにぶるぶるぶると首を振る。
「我々の中には適材な人物はいそうにないな」その二人の様子を見て苦笑する一条。
「腕の立つ婦警でも探して来るか?」その人選に難航する一条チーム。
「我々の仲間に頼るしかないかな」
584念の為、新スレ誘導:03/08/06 21:33 ID:8q69YPxw

村上君、新スレが立ったらしいわよ
http://tv3.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1059983703/l50

職人さんには上の上の作品を目指して頑張って欲しいものです。
活躍次第ではラッキークローバーに入ることも夢ではありませんよ。
585念の為、新スレ誘導

「へぇっ、これがG3−Fですか?」白いボディのGナンバーを見つめながら氷川は問う。
「そうよ。元々は対アンノウン用のG3−Xのサポート、アンノウンに襲われた人々の救出、
災害時の人命救助など目的として設計された、女性装着員を前提としたG3ナンバーよ。」
「G3−FのFはFemale(女性)のFね」小沢、氷川、尾室の前にスタンバイされているG3−F、
そのボディのシルエットは確かに女性的なラインを感じさせた。
「従来のG3−Xでは、女性が装着するには体力的にも相当の負担がかかるわ」
「強度を落とさず軽量化をはかり、女性的な精神感応、波長にOSをシンクロさせたのがFの特徴ね」
「女ならではの第六感をデータとして読み取り、次の行動へのナビゲーションをするなんて機能もあるわ」
小沢の説明にただただ感心するばかりの氷川と尾室。
「ところでこれ誰が装着するんですか?」氷川も尾室も確かにずっとそこを疑問に思っていた。
「あたしに決まってるじゃない」小沢は堂々と胸を張って答える。
「エッーーー!!」目をパチクリさせながら驚く氷川と尾室。
「それはちょっとっぉ、、」「絶対無理ですよっ!!小沢さんっ」
「そんなに驚くことないじゃないのっ!あたしだってちょっとは腕に覚えがあるのよ。尾室君よりは確実に強いわよっ」
そう言ってのける小沢、いじける尾室。

「別にいいのよ、ある意味私は捨て駒なんだから」「本命はむしろこっちね」
ウインドウが開き、氷川と尾室の前に現れるもうひとつのGナンバー。
「こっ、これって!!」「そうっ、G4−Fよ」
彼らが目にしているのは水色のカラーリングのG4に良く似た強化スーツであった。
「G4が与えた人的影響力を性能を若干抑えることで解消することに成功したわ。
後はだいたいG3−Fと同じシステムなんだけど、、、」
「ただひとつだけ大きな問題もあるのよね」
「G4−Fの最大の特徴はその未来予知の能力、その能力を最大限に発揮するならば、
これを装着する人間はひとりの人間に特定されてしまうのよ。」
「その人ってもしかしてっ!?」
「そう、彼女に頼んでみるしかないわねっ」
「彼女を闘いに巻き込みたくはないけど、
人類以外の生命体がこの世界の覇権を握るっていうのもゾッとしないものね」