◆プロジェクトX【401号室の再挑戦】(499+1)◆
653 :
名無しより愛をこめて:03/03/04 01:54 ID:RK89JsuX
東條が指す方角から、四角いものがぐんぐん
風をきって直進してきていた。
仲村「??箱が飛んでいる!?」
しかし飛んできたのは、正確に言えば
大きな箱を乗せて飛んできたエビルダイバーであった。
「よし、このへんでいいだろう」
「びちびちー(はーい、レッツラゴンですう)」
箱の陰に身を潜めていた紅色のライダーが立ち上がる。
仲村「ライア・・・手塚!?あいつ何を!」
エビルが宙返りして体をひるがえすと、箱は
中身をばらまきながらゆっくりと落ちていった。
「『築地玉寿司』から取り寄せた、新鮮なシメサバだ。
奴には鯖が効く。俺の占いは当たる。それから、
代金はツケておいた・・・。あの教授の名前でな」
仲村「教授の名前でってオイ!つーか何語ってんだ!」
いつの間にか機龍に飛び移っていたライアであった。
「うーわ、やるじゃん、エイのやつ。生意気ってカンジぃ?」
先ほどと同じ場所から惨状を眺めている芝浦。
彼の言う通り、シメサバは浅倉の醜悪な身体を
僅かにではあるが縮めたようだった。暴れる浅倉。
「 サ バ じ ゃ ね ええええええええええ!!!!!」
芝浦「うわ、マジ嫌がってるよ。キモ!
これであともう一押しあれば、カンペキ解決じゃん」
「かつさんどはおいしいけど、いちごいりの
ふるーつさんどもおいしいかもー。」
一連の騒動も気にせず、マイペースに空腹を満たす東條だった。
654 :
名無しより愛をこめて:03/03/04 12:47 ID:bZ+/ZGKS
戸田「動きが止まったか・・。よし、次はこいつだ。」
いきなり車のトランクから分解されたバズーカ(のようなもの)を取り出し、手
つきも鮮やかに組み立て始める戸田。
仲村「・・・あんたどうしてそんなもん持ってんだ!?」
戸田「商売柄、怪獣相手には慣れているからな・・って冗談だ。
この、ウチで開発した<おさかなかるしうむ凝縮弾・バナナパフェ味>を、
奴の口にぶち込めば、一時的に意識が沈静化する。」
戸田は素早く組み立てを完了し、すかさず動きの止まった浅倉に砲身を向けた。
仲村「・・・あんた、正気か!?この距離で浅倉の口に・・」
戸田「射撃に関しちゃあ、自信があるんだ。ついでと言っちゃあ何だが、オル
フェノクと化した人間は五感全ても発達するからな・・」
仲村「・・何だって?」
答えもないまま、スコープで口にねらいを定め、戸田は引き金を引いた。
戸田「食らえ!」
発火し煙を上げるバズーカの砲身。そしてかるしうむ弾が、浅倉の口めがけて
「すぽん」と入った。
「ばななぱふぇだ〜〜」てな具合にご機嫌さもました浅倉は、身体が半分ほどに
一気に縮小した。
一方、おなかいっぱいで半分眠くなった園児。しかも水筒を忘れた為にのども
乾いていた。
戸田「ぼうずー、途中たばこ屋でフルーツ牛乳買ってきたから、そいつで勘弁
してくれや。」
かなーり遠距離から、機龍の口に向かってフルーツ牛乳のパックを放り投げる
戸田。
東條「わー、うえまつさん、ありがとー。(←違うって)」
655 :
名無しより愛をこめて:03/03/04 22:49 ID:n5+DmsJa
「本当だ・・・まさに一撃必中、ってやつか」
戸田の鮮やかな射撃の腕に、思わずため息をもらす仲村。
「どうだ、ちょっとしたもんだろう。
あんたもどうだい、オルフェノクにならないか。面倒みるぜ。
といっても素質がねえと話にならないが、
駄目もとで試してみる価値はあるぞ」
「はは、ご冗談を・・・。いや、遠慮しておきます(冷や汗)」
かるしうむ弾が効いた浅倉は今、
少しずつ縮みながら眠るように沈静化していた。
しかし!
「くっそー浅倉めっ!夢よ、届け君の心にっ!!(←半狂乱)」
ぎゃおおーーんという雄叫びとともに
>>646から復活した龍騎サバイブが、
至近距離&最短ルートからファイナルベントをぶちかました。
ぐちゃぶちょじゅぼごぼぼぼ!!
気持ち悪い破裂音がこだました。
浅倉と、その他の何だかよくわからない不気味な動物の破片が
爆発して、街に降り注いだ。
仲村「浅倉?!…そんな…そんな…あいつ、死んだのか?」
城戸「え?まじ?(汗)」
戸田「いや、どうやら吹っ飛んだのは外側だけの様だな」
なんだか日焼けの皮を無理に剥がしたような
ガサガサボロボロでイヤ〜ん状態の皮膚な珍生物がそこに立っていた。
そして身体中ひりひりにされた珍生物浅倉は怒り狂っていた。
また巨大化が始まりかけた浅倉を前に、
仲村に馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿と怒鳴り続けられ落ち込んで、まったく良い所無しの真司だった。
戸田「浅倉…いい資質があるから是非うちに招きたい人材だが、今はそれどころじゃない」
再びかるしうむ弾を構える戸田。
戸田「ち!学習したのか…口を閉じてやがる」
慌てて通信機に向かって声を荒げる仲村。
仲村「東條!!聞こえるか!撃て!アブソリュート・ゼロ改を撃ち込め!今しかない!」
東條「えー?でもまだあさくらくん、よわってないよお。これがしっぱいしたら・・・」
仲村のごちゃごちゃ言ってる声がうるさかったのか、いきなり浅倉が足を振り下ろした。
とっさの事で逃げる暇も無く、巨大な足に覆われようとする仲村や真司や戸田。
仲村・城戸「わー!!」
戸田(嫌だなあ。俺は滅多な事じゃもう死なないけど、これじゃ痛そうだな…)
間一髪で、1機の戦闘機が浅倉めがけ突撃し浅倉を転がした。
657 :
名無しより愛をこめて:03/03/05 00:00 ID:L5YrHGKB
優衣「お雛様は4日までに収めないと、お嫁に行くのが遅れちゃうんだって」
神崎「心配するな。お前がどこにも行けなくても俺がずっと側に居てやる」
優衣「わあ、お兄ちゃん嬉しい!」×2
神崎「ははは。優衣。大げさだな。抱き付くなんてちょっと恥ずかしいぞ」
…とか何とかシスコン馬鹿兄貴っぷりを頭の中でイメージトレーニングしてる神崎。
そ知らぬ顔で片付けの事を口にせず、街の惨状を伝えるTV中継を兄妹で眺め続ける。
優衣「あ!大変!お雛様片付けなきゃ。お嫁に行くのが遅れちゃうんだって」
そら来た!
香川「大丈夫ですよ。そのお雛様は5日になる前に自動で箱に戻りますから」
ビックリドッキリメカのごとくぞろぞろ歩くお雛様に歓声を上げる妹達を見ながら
やっぱり余計な機能付けてたなと遠くを見上げる神崎だった。
658 :
名無しより愛をこめて:03/03/05 02:03 ID:xJnsfg0U
かまぼこを切ってさかさまにはりつけたような、
手塚漫画のヒョウタンツギの目で
香川をじとーと睨みつける神崎。
「俺は・・・
>>657の前半部分だけを楽しみに
雛まつりの終わる時を待ち望んできた・・・。
それなのに・・・」
「すごい、やっぱりこういうモノを作れるって
才能ですよね。何でも作れちゃうんだもの」
「好きなものをいじっているだけなんですよ」
「せんせ、こんどはおしゃべりする
お人形を作ってえ」
「いいですね。今度はおしゃべり可能な人形を
考えてみましょう。描いたものがホログラムで
立体化できる、3D機能登載ペンと画用紙も」
教授をかこんでわーいわーいとはしゃぐW優衣とミニ士郎を
横目に眺めながら、神崎は呪いオーラを噴出させていた。
呆けてる仲村の通信機に雑音混じりの通信が入る。
葦原「どうやら間に合ったようだな」
仲村「葦原か!助かった。…そりゃいいけどお前、戦闘機を操縦できたのか?」
尾室「できる訳無いじゃないですか!俺が操縦してるんですよ!
葦原さんに無理矢理操縦させられ…わーごめんなさい!」
葦原「お前達の会話は聞こえてた。俺が囮になってこいつを引き付ける。
その隙になんとかを撃て!」
尾室「ええー?!囮って…何考えてるんですか!嫌ですよ、も…あああああ!
ごめんなさいごめんなさい!もう言いません!(泣)」
キメラ浅倉の前をちょろちょろ飛んで挑発する戦闘機。
浅倉が戦闘機に気をとられてる隙に機龍が組み付いて浅倉を抑える。
東條「おこらせちゃだめなら、わらわせてみたらいいかも?」
わきの下をこちょこちょやり始めた機龍に唖然となる全員。
効いたのか効かないのかますます暴れだす浅倉。
戸田「ち!何やってるんだ。あれじゃ弾が撃ち込めないじゃないか!」
そしてお約束で巨大怪獣の口にくわえられ振りまわされる戦闘機。
葦原「うおおおおおおおぉぉぉ!!」尾室「ひゃ〜!!」
その頃、誰も気付いていないが、浅倉の足元で地味〜にちくちく丸まりジャンプをしながら
オルタナクリムゾンスマッシュを入れて少しづつキメラ部分を解除してる蟹刑事がいた。
須藤「う…。ちょっとめまいが…。でも…私は…街の守護者ですから…」←自分に酔ってる
戸田「そいつの頭を固定させろ!弾が入れられない!…??おい、お前!
それを持ってどこへ行く!?」
戦闘機を咥えて開いた口の隙間に「かるしうむ弾」が蹴り込まれ飲み込まれていった。
どんどんと身体が縮んでいく浅倉。
真司「ちょっとは…役に立った…かな…?」
「かるしうむ弾」を蹴り入れる為に後先考えず空中でドラゴンライダーキックを出し
地面にポトッと落ちて人型マークにすっぽり埋もれて伸びてる真司に向かい、
「おまいは馬鹿でぃすか」と小1時間(ryなドラグレッダーだった。
仲村「いいぞ、弱ってきた!今がアレのチャンスだ…。でも…葦原が…」
葦原「俺に構うな!俺ごと撃て!心配するな、俺は不死身だ!」
東條「そっか。あしわらくんもおるふぇのくなら、うってもだいじょうぶだよね?」←勘違い
尾室「俺は不死身じゃないっすよー!やめてやめて!撃たないで!助けてー!」
須藤「受けてみなさい。これが最後の…渾身の…クリムゾンシザースアタック!」
必殺技を使いまくり疲れ果ててファイズとミラーライダーを混同しきってる須藤だった。
東條「いけー!」須藤「はああああああ!」
擬似オルフェノク細胞を全て凍らせ破壊するアブソリュート・ゼロ改と
オルタナ555キックが同時に決まった。
一瞬の沈黙の後、爆音と共に街の中心は巨大な青い炎に包まれた。
…街は男達の尊い犠牲によって救われた。
そして惨事の中心、爆心地の真っ只中、
アフロヘアーに身体中煤だらけで口から黒い煙をばふっと吹く
疲れ切った男達の姿がそこに…。
いつものオチ要員のノリで盛大に真っ黒になっていて、
無言で顔を見合わせる仲村・須藤・真司・尾室。
元の姿に戻って良い気分で気絶して、すやすや眠るアフロの浅倉。
その側に付き添って、焦げた毛布を掛けてやるアフロの東條。
「俺までアフロか…」と呆然となる手塚・芝浦・葦原・戸田。
♪ふぉわ〜ん・ふぁ・ふぁ・ふぁ・ぷぁ〜ん!
疲れた耳にドリフ大爆笑のジングルが聞こえたような気がした。
662 :
名無しより愛をこめて:03/03/05 12:40 ID:njB+0yko
香川「そうですか・・。無事に終わりましたか。」
仲村からの連絡を受け、香川はほっと胸をなで下ろした。
ちなみに仲村らは、現場の後処理を駆けつけた北條等とスマートブレイン社の
派遣社員一同に任せ、いつもの銭湯で煤をきれいに洗い流して帰途につく途中
だった。
東條「なかむらくん、おもしろかったね〜〜!もういっかい、きりゅうにのって
もいいかも。」
仲村「もう、あんな実験はこりごりだ。」
東條「でも、うえまつさんから、ちゃんとせいひんばんのおかし、もらえたから」
仲村「まぁ、な。浅倉のしつけさえしっかりしていりゃあ、今度はマシになる
だろう。・・・ところで東條。」
東條「なぁに?」
仲村「あいつから聞きそびれたんだが、最初に貰ったお菓子は、誰から貰った
んだ?」
東條「えーとねー、ですちゃんとおつかいしてたときにねー、しまださんに、
このおかしおいしいよ、ってもらったの〜」
仲村「・・・何?」
同時刻。
銭湯でさっぱりした後、仲村らと分かれた戸田がスマブレ本社に戻り、スマレ
ディ相手にえらい剣幕をかましていたのは言うまでもない。
『以上が、この大規模な実験によって得られた貴重なデータと
観察記録であり、今回の実験の協力者たちへの
感謝の意をもって、この論文の最後の一文に替えたいと思う。』
パソコンのモニターと、手書きの原稿を見比べたのち
香川教授がほっと一息ついた。
「街を多少壊してしまったことも、
大学の校舎を多少壊してs(略)
協力してくれた皆さんに多少迷惑をかけてs(略)
全部、この論文の賞金で何とかなればいいのですが。
さっそく提出することにしましょう」
みんなアフロになってしまったけれど、
ようやく401号室にまた平和が戻ってきたようだった。
とりあえず、研究室の壁にあいた穴を
近くの薬局からもらってきたダンボールで塞ぐ仲村だった。
664 :
名無しより愛をこめて:03/03/05 19:13 ID:sdTZ8oAr
<たべっこオルフェノクでキメラ浅倉暴走事件集結記念パーティー>
仲村「疲れた」
須藤「今回一番大変だったのは私ですよ!(自信ありげ)」
真司「一番馬鹿だったのは俺か・・・」
一番を競う人々
「一方的に被害者だったな」
と言い合う芝浦と手塚
高見沢「出番がなかった・・オイコラガキィ!!」
秋山嫌スレにもほとんど出てないどこぞの会社の社長だった。
ローグ「………(本当に今回は疲れましたね。ごくろうさまでした)」
デス「がうがうがう(そーだなぁ)」
とりあえず皆さんご苦労様と言っておく名無しだった
東條「たかいところでたべたさんどいっちとふるーつぎゅう
にゅう、おいしかったなー。またああやってたべたいかもー。」
に、
「こんな騒動、もう二度とごめんだぞ!二度とな!」
とぴしゃりと答えてしまったために、
ひっさびさのガリガリを食らって遠ざかる仲村であった。
その後、パーティー会場(といっても研究室)に
「俺にも食わせろおぉぉぉぁ!」と復活した浅倉が押しかけ、
出前のピザや寿司やフライドチキンを貪ったあげく
東條の「きのこの山(期間限定品)」を
ザラザラと食い尽くしたために
デストクローでざっくりトドメをさされちまった話は、
清明院大学付近一帯では有名である。
みなさん、お疲れさまでした。
666 :
名無しより愛をこめて:03/03/06 12:48 ID:xMkI0TTA
結局、製品版の「たべっこオルフェノク」を貰い、ご満悦な東條。
一方、スマブレ本社から「新製品開発」の開発主任を兼ねて迎えたいとの連絡を
受けた香川。
止めといた方が・・と一生懸命懇願する仲村。
401号室の三者三様であった。
そして、東條が誰かと電話で話しているのを見ていた仲村は、とんでもない言
葉を耳にした。
仲村「」
東條「こんどねぇ、うえまつさんがねぇ、おいしいこーひーぎゅうにゅうつく
ってまってるからって。ねぇね、みんなで、うえまつさんとこに、あそび
にいこうよー。」
仲村「・・スマートブレインにか!?」
激しく嫌な予感がする仲村だった。
667 :
名無しより愛をこめて:03/03/06 12:51 ID:xMkI0TTA
すいません!仲村の台詞ぬけてました。
デス「うがうがう(深夜残業で頭朦朧としてんのはしょうがねぇやな。)」
ガリガリガリ・・・
仲村「何でも作ってるんだな、あの会社・・・」
電話のあとすぐに研究室に届けられたパンフレット。
『よいこの見学会てびき・〜みんなおいでよ!〜
・すまーとぶれいんは、おもちゃやおかし、えほんなど、
みんなのだいすきなものをたくさんつくっている
かいしゃだよ。なかにはいって、こうじょうなどを
けんがくしたいひとはでんわをしてね。』
スマートブレイン社からのご招待だった。
「ってことはさゴロちゃん、やっぱ今度新しく出る
ガンダムなんかの試作品やら内部資料やら、
お宝がゴロゴロと・・・だよね!電話電話!」
と騒ぐ(31)と、うつむくゴローちゃんだった。
ところ変わってここはOREジャーナル。
大久保「いや〜、このスマートブレインってのはすごいな。
バイクやデジカメだけじゃなく、お菓子までつくっちまうんだもんなあ」
令子「でもこの会社、最近突然急成長しましたよね。
それも、どの製品も今までに無い画期的な技術のものばかり…」
大久保「何かあやしいってのか?」
令子「ええ、カンなんですけど。
で、編集長、今度この会社の見学会があるみたいなんですよね」
大久保「よーし!編集長命令だ、令子、真司!
スマートブレイン取材してこい!」
真司「よっしゃあ!わかりましたっ!!」
静かに闘志を燃やす令子、おおはりきりの真司。
真司(あれ?でもスマートブレインて最近どっかで聞いたよな。
どこだったっけなー?)
スマブレ社製のお菓子で酷い目にあったことなど
真司の頭からは、消えうせていた。
大久保「そういや最近島田の奴よく休んでるな…」
「蓮!蓮!スマートブレインの見学に一緒に行こうよ!
バイクとかデジカメとか色々作ってる所でさ、なんでもあって面白そうだしさ!」
「あきやまくん、ばいくがすきだったよね?いっしょにいこーよー」
「あのバイクは面白いんだが、小学生じゃあるまいし社会科見学なんかつまらん。
それに今、仕事中で忙しい。他を当れ」
「仕事って…お客さん居ないじゃん。あ、それ何?うまそう」「いっこちょうだい?」
「新しく紅茶に沿える焼き菓子を試しに色々作っている所だ。がっつくな。あっちへ行け」
「1つくらい分けてくれてもいいのに。ケチ!」「けちー」
「今ので借金2650円追加だな」
「ひでー!その半端な額はなんだっつーの!」
「ねーねーあきやまくん?あきやまくんもおかしがつくれるんだー。すごいなー。
ほわいとでーのおかえしみんなでつくるんだって、つがみくんがはりきってるよ。
あきやまくんも、ぼくたちといっしょにつくろーよー?
おかしのつくりかたしってるひとがたくさんいるとうれしいかも」
「断る。どうせまた『浅倉に盗られたうえ〜ん』でお前が暴れて終るに決まってるからな」
ホワイトデーか…。少〜し遠くを見る蓮。
バレンタインに恵里が分厚くてしっとりしたチョコクッキーを作ってくれた。
嬉しいし美味しかったし、でも素直に誉めるのも照れがあって
「少し焦げてるな」「こっちは甘い」って言ったんだが…。
お返しに何が欲しい?って聞くと
「じゃあ、蓮の手作りのお菓子がいいな〜」って笑って答えた。
「蓮ならきっと私より美味しいお菓子が作れるものね?(くすっ)」
…えーっと、ちょっぴりそっちの意味のお返しですか?
手先は一応器用な方だ。料理だって大抵こなせる。が、菓子なんぞ作る事はまず無いし…。
試しに作ったものを口にしてぞっとした。こっち方面は絶望的に不器用だったのか?俺は?
困ったな〜と内心頭抱えながらも、いつものように「俺を巻き込むな!」と
不機嫌そうに言ったせいで、花鶏からガリガリされて行く蓮だった。
「私からもお願いなんだけど、蓮。その見学会、
行ってみてくれないかな」
やっとのことで花鶏に戻ってきた蓮に話しかける優衣。
「おばさんがね、スマートブレインから出てる
セイロン産の極上茶葉を仕入れてみようかって
独り言言ってたの。すごく評判いいらしいんだけど、
どうなのかしら〜、って・・・」
「実際なんでも屋だな、あそこは・・・
馬鹿!その辺にぽろぽろ菓子のクズをこぼすんじゃない!」
いきなり園児を怒鳴りつける蓮。
「ごめんー、あきやまくん。わざとじゃないよう」
泣きそうになりつつ、東條が噛っていた菓子を
後ろ手にかくした。
その菓子にどことなく見覚えがある。
「お前、それどこで買った?」
「えっとね、『すてらおばさんのくっきー』って
おみせだよー。ぶらうにーっていうんだよー。」
恵理がいつか作ってくれた、分厚いクッキーによく似ていた。
あれはブラウニーというものだったのか。
蓮の口元が少しだけ緩んだ。
「暇つぶしに得体の知れん会社の中でも見てきてやるか。
もちろん手間賃はもらうぞ、城戸」
「はあ!?なんで俺!?」
東條(テレビモード)
「『ステラおばさん〜』のブラウニーは
100g450円とちょっとお高いけど、このしっとり感と
濃厚なチョコの甘みは癖になるかも。
宣伝っぽくなっちゃったけど、もうやっちゃったから・・・」
(もしゃもしゃ)
参考にステラおばさんのクッキーを何種類か買ってみて、
この感じこの感じと納得する蓮。
これをホワイトチョコに置き換えて作れば楽勝じゃないか?
うっかり「亜麻色の髪の乙女」の鼻歌を♪フフンと歌いながらボウルを混ぜてしまい、
「あ〜蓮。それ、鎖骨の唄…」と言った真司を飛翔斬で叩き出し
ついでに借金を増やしておくのも忘れずに焼きあがりを待つ。
良い気分でオーブンを開けて、鼻歌が止まる。
…なんで甘いもんじゃ焼きになりますか?
真司に見られる前に窓の外に思いっきり放り投げ、椅子に座って考え込む蓮。
あと4日でこのクッキーと同じ位美味しいものが作れるんだろうか?
プレッシャーに弱い蓮は、焦れば焦るほどドツボになる事にまだ気付いていなかった。
その窓の外にサノマン@罪は無いけど間は悪し がいたことに至っては、
いよいよ気付くべくもない秋山蓮その人だった。
そんでもって、
春先の激しい風が401号室の窓を揺らすころ、救急車の走り去る音に
はて、何の騒ぎでしょうねえ、と茶をすする香川教授だったかもしんない。
674 :
名無しより愛をこめて:03/03/10 19:04 ID:AhtEanvg
で、
「さて…次なる展開ですが……」と立ち上がる香川教授。
しかしその足取りは何やら覚束なく、クルクルプラプラとRPGの自キャラのごとく、
デスクのG4の前で意味不明の回転を繰り返すのであった。
「ああ、いけませんね。『ふしぎ発見』以降、すっかり忘れていました。」
そんな事をひとりごちつつ、前髪を整える香川教授。
そう、401号室の資金稼ぎのためにオッカナイホストクラブのオーナーやら
暴力亭主やらを演じる時も決して変わらない教授の髪型、これが崩れると
まっすぐ歩けなくなるというのはここだけの秘密だった。
・・・・・
デスクの蔭で、見てはならないものを見てしまったとガクガクブルブル状態の
仲村を除いては。
ちなみにその頃、まだ秋山蓮はてんぱっていた様子である。
「とにかくとっても良い品なんですよ、
ここの製菓材料。値段も感動的にお買い得ときてます。」
嬉しそうに説明する津上翔一の手元には、
スマートブレインのロゴ入り薄力粉や無塩バター、砂糖。
「材料が良ければいいって訳でもないと思うけどぉー?」
↑すかさず突っ込む芝浦
(一応『ホワイトデー・手作りおかえし教室』参加希望)。
「あー、そうなんですけどね。
でもお菓子作りって、材料の分量を正確に計って
オーブンならオーブンの温度や焼き時間を
きちんと守れば、
普 通 は 失 敗 し な い ん で す け ど ね 。」
「なぜだ・・・・・」
黒い煙と白い蒸気を順番に吹き出すオーブンと、
そこから膨らんではみ出した謎の焼き菓子を眺めながら
蓮はひとり悔し涙にくれていた。
花鶏のキッチンが、『今そこにある危機』状態になっていた。
676 :
名無しより愛をこめて:03/03/11 12:42 ID:IfgOV5yE
一方スマブレ本社。
スマートレディの「おねがいしまぁ〜す。うふ。」で、結局残務処理で徹夜続き
の戸田である。
教育係やら苦情係やらお客様相談センターの担当やらと、無難にこなしすぎる
為か、結構貧乏くじを引いてしまうたちらしかった。
ゆえに・・・
戸田「ホワイトデー?ああ、そんなもんもあったな。」
そして。
キメラ浅倉のとばっちりを喰らい、いろいろと処理に奔走する男の姿があった。
残骸処理の企業側担当者まで請け負った戸田と、何かと顔を合わせる事が多く
なった北條である。
戸田「いやいや、ご苦労なこったな。まぁ、座れ。」
北條「どうも・・。ところで、貴社で新しいクッキーを作られたという話を伺
って来たのですが。」
戸田「・・・!あの女、また余計な事を吹き込みやがって・・」
北條「いいえ、構いませんよ。丁度良い機会ですから。」
おもわず苦笑する北條。
(バレンタインデーの時は、あの異臭に散々悩まされましたからね・・。)
戸田「・・・ニンニクチョコレートか。随分ととんでもないもん作るなぁ。」
北條「!!!な・・なぜその事を?」
戸田「さぁ、なんとなくな・・。ところで、例のクッキーなら地下の工場で作
っているから、見学に行ってみるか?」
北條「工場?」
戸田「今ならウチの製品のサンプルを、無料で贈呈中だぞ。」
北條「・・・・・」
同時刻。
東條「いってきまぁ〜す!・・・きたおかせんせい、はやくはやく〜〜。」
31「おいおい!遠足じゃないっての!子供じゃあるまいし、はしゃぎすぎだよ。
ねぇ?ごろーちゃん。」
25「先生・・そのでかい袋は何っすか?(泣」
袋とは反対側の(31)の手には、しっかりと握り締められた
「限定販売決定!ガンダムフィギュア・プラモデル情報」
のチラシ。
「スマートブレインてさ、オモチャの分野でもこのごろ
グンバツ(死語)の売り上げを誇ってるでしょ。
きっとファンにはサービスいいよ〜。」
「先生・・・ガンダムのファンとかじゃなくて、
見学者です・・・俺たち・・」
「いや〜、迷っちゃうなー」
カラフルなカタログをめくりつつ、ひとりごちる佐野満。
「『大好きな人からのお返しだもの、気持ちだけで
嬉しいんですよ』なーんて百合絵さんたらもう。(はぁと
ここはもう奮発しまくるしかないねっ!」
女心をいまいち理解していない男の周囲には、
指輪や宝石類、貴金属、ブランド物etcのカタログが
散乱していた。
「やっぱゴーセイに外車とかかなー。いや、いっそ
別荘をウチの会社でいっこ建てて、
『ペンション・ユリエ』なんていうのも・・・」
そのころ公園にて。
「もう、満さんたら何してるのかしら。かわいそうに、
この子たちにご飯もあげないで・・・。
よしよし、満さんが来たら一言言ってあげますからね」
なつくゼール軍団にクロワッサンをちぎって
あげながら、珍しくご機嫌ナナメな百合絵だった。
678 :
名無しより愛をこめて:03/03/12 01:14 ID:fWPh9as1
無欲な一人の女性がモンスターたちをあやしていたころ、
「これもやっぱり・・・オルフェノクとしての
訓練とかなのかな?」
動きを止めた勇治が、肩で息をしながら結花に尋ねる。
「さあ・・・でも、ホワイトデー前の特別業務だからって。
ボーナスも出すって・・あの女の人が」
地下の工場にて、
全身を使ってクッキー生地をこねる勇治と
クッキー生地を動物やハートの形に抜く作業にいそしむ
三角きん&エプロン姿の結花だった。
大企業というよりは、町工場の若夫婦だった。
679 :
名無しより愛をこめて:03/03/12 12:45 ID:Gy0p0BId
地下室云々で、イヤ〜な想像を巡らす北條。
北條「・・・まさか無駄に広い工場の真ん中で、一滴一滴搾り取られるエキスを
じーっと眺めているおじさんが居る訳じゃありませんよね・・」
戸田「どっからそう言う想像出るかな?普通のオートメーション化された、画期
的な工場とは聞いているが・・・」
そう言いつつ、カナーリ信用できない戸田だった。
そして来客が訪れた。
東條「うえまつさん、こんにちわぁ〜!!」
戸田「おお、よく来たなボウズ!・・・ところで、そいつらは?」
東條「おともだち。(にこ」
25「あの・・香川さんに頼まれまして、保護者として付き添いっす。」
31「ちょっと〜。どうせ案内してくれるなら、もうちょっと綺麗なおねいさん
に・・」
妙に賑やかな三人。
戸田は今後の展開を想像し、困惑を隠せずには居られなかった。
(あの女・・・後でボーナス倍額請求してやる。)
>>674 香川「おや、仲村君?そこに居たんですか?」
仲村「は、はい!(見なかった。俺は何も見なかったぞ!)
ところであの…スマート・ブレインからの誘いですが…」
香川「むろん断りますよ。… 今 の 所 は ね?」
仲村「(泣)」
香川「むろんスマブレ社との協調関係は続けて行くつもりです。
ですが、あの会社に所属する気はありません」
仲村「それなら安心しました」
香川「確かに魅力的な話でした。高額な報酬や素晴らしい待遇よりもあの研究内容に
大変惹かれましたし、食指を動かされなかったかと言えば嘘になります。
…。私は知りたい。あの技術はどこから来た物なのか、あの会社の真の目的は何か…。
そうですね、解明には1年ぐらい掛かりそうですが、来年の2月頃までには
何とか突き止められると思いますよ」
仲村「独自に秘密を探るつもりですか?」
香川「ええ。その為に東條君に見学会に行って貰いました。
私が直接行って見聞きした方が<ここ>に色々入ると思いますが、
あの会社に足を踏み入れてしまうと、もう引き返せ無い気がしますからね」
仲村「東條だけで大丈夫ですか?一応(25)が付いてくれてるので安心してますが
でかい幼児二人のお守は大変じゃないかと今から同情してます。
それにあいつの描く絵と報告じゃ何がなんだか判らないですよ」
香川「その点なら問題ありませんよ。解析する手段はありますから。
ただの見学会なら何も心配はない筈です。東條君の報告を楽しみに待ちましょう」
仲村「…。だと良いんですが…」
681 :
名無しより愛をこめて:03/03/12 15:14 ID:Gy0p0BId
工場見学のおにいさん(戸田)に連れられて、あちこちを見て回る一行。
特に香川先生からの<いいつけ>をきちんと守ろうと、一人すけっちぶっくを手
にお絵かきをしている園児の姿に、25は改めて31にも<お約束条項>を作るべき
かと思案せずには居られなかった。
東條「おえかきおえかき・・」
戸田「随分楽しそうだな?ボウズ。」
東條「うん。」
戸田「お?これはモータースの新製品だな?どれも上手によく書けてるぞ。」
東條「へへ〜(とくいげ」
職業柄(?)子供の応対も手慣れている戸田であった。
ちょっぴり疲れた戸田にスマートレディから連絡が入る。
スマレ「この前の騒動で会社の評判がだ〜いぶ下がっちゃいました。えーん。
でもぉ、この見学会でうちの会社のクリーンなイメージアップを目指しま〜す」
戸田「これでうまくいくのか?」
スマレ「はーい。心配は、あ・り・ま・せ・ん。一般に解放するのは通常部門だけで
開発部門も製菓工場も極秘の場所は封印してあります」
戸田「あの菓子の効果でオルフェノクの姿を見慣れたら騒ぎも少なくなる。
それに反応から適応体も見付け易くなる…と良い作戦だったんだがな…。
お前が余計な真似をするから、俺達が後始末する羽目になったのを忘れるなよ」
スマレ「まさかあんなに過剰反応しちゃう人が居たなんて計算外でした。びっくりですぅ」
ふふ。真司君達がオルフェノクだったらどう行動するか、ちょっと興味がありましたの。
スマレ「隠すよりも、隅々まで見せた方が追求されないですからね?
とこっとん!見せてあげて下さい。あとぉ、新製品のキッチンユニットの公開デモで
お菓子作り教室がありますから、そちらのサポートもよろしくお願いします」
戸田「待て。そんな話し初耳だ。いつ決まった?」
スマレ「ついさっき、商品を見に来たお客様とお話してるうち決めちゃいました。
レストランのオーナーシェフで、感じの良い可愛いお兄さんでしたから。うふ」
そのころ、凄い事になってる花鶏のキッチンの様子に呆然となる3人。
沙奈子「普通こんな壊れ方しないもんだけどねえ。なまんだぶなまんだぶ。
長年使ってきたオーブンだったのに、こんな壮絶な最後を迎えるなんてさ。
ねえ、蓮ちゃん?あんた変な物焼いたりしなかったろうね?」
秋山「いや。普通にクッキーを作ろうとしただけで、むしろ驚いたのはこっちの方ですよ。
長年使ってガタが来たんだろうな…仕方ない。城戸が費用を出すと確約してたし
見学会とやらのついでに新しいオーブンを買っておきますよ」
優衣「なんで買換え代を真司君が出してくれるの?また壊れちゃったらどうするの?」
秋山「さあな?買う前に 実 際 に 触 っ て み て 決めれば問題は起きない筈」
…今そこに、(スマートブレイン社にとっての)危機が迫ろうとしていた…。
そのころ、百合絵さんの気持ちも知らず、まだ楽しげにカタログをながめている佐野。
だが、
「お前、このままだと破滅するぞ」
「うわ!なんなんだよいきなり不吉だなあ」
現れたのは日本一お節介な占い師、手塚だった。
手塚「お前の彼女は、こんな宝石やら貴金属やらをもらって喜ぶと思うのか」
佐野「うん。」
ぜんぜんわかってない佐野の答えに、盛大にずっこける手塚(ドリフ調)。
だが一秒後には何事もなかったかのように体勢を立て直し、
手塚「彼女が求めているのは金ではない、心だ…」
佐野「だって、それじゃあ一体何を贈ればいいんだよ!」
手塚「ここへ行くといい。俺の占いは当たる」
決めゼリフを残して立ち去る手塚。
そしてあっけにとられる佐野の手には、
「スマートブレインお菓子づくり教室」のチラシが残されたのだった…。
684 :
名無しより愛をこめて:03/03/13 01:03 ID:ZW1uNYKa
そのころスマートブレイン・ショールーム館。
「うーん、素晴らしいですね。なんて機能的で
使いやすいキッチンなんでしょう。
デザインも、まるで高級インテリアじゃないですか」
感じのよい可愛いお兄さんこと津上が、
公開デモ用にあつらえた多機能システムキッチンを前に
しきりと感心している。
「けど照れちゃうなー、いくらレストランやってるからって
皆さんの前でお菓子作りなんて、緊張しちゃうな。
このキッチン便利ですよ、ってしっかりPRもしなくちゃいけないし」
真司「ここかー!うわ広っ!すげーな!すげーな蓮!
前取材で行ったインテリア即売会よりでけっ!」
蓮「はしゃぐな!」
佐野「あ、あそこかな?百合絵さんが喜んでくれるものが
見つかる場所は!」
蓮「あの最新型オーブンがいいだろう。値段は
・・・ちょいと値は張るが、悪くない買い物だ。(他人事)
おい、城戸。さっそくこれを・・・」
真司「あ!あそこでなんか始まるみたいだぜ!
お菓子作り教室?」
蓮「ちょうどいい、あそこであのオーブンの使い心地を
試してから買おう。行くぞ!」
明らかにまた一騒動起こしそうなメンバーどもが、
また一ヶ所に集結しつつあった。
685 :
名無しより愛をこめて:03/03/13 09:43 ID:s3BfdUCA
そのころ・・・
???「くそっ、最近スマートブレインとかいう会社が伸びてきてやがる・・・
面白くねぇな」
とある社長室。無論そこにいる男は社長ライダー高見沢逸郎だった。
高見沢「どうするかな・・・いっそのことバイオグリーザを使って社長を・・・」
鏡の中に『おねがいだからやめてくれ』と言わんんばかりの目のバイオグリーザ
高見沢「チッ、じゃあ近い内になにかちょっかいを出してみるか・・・」
このスレではほとんど出てこない社長が珍しく動き出した・・・かもしれなかった。
さて、そろそろ菓子作りの準備だなと、401号室を片付け始める仲村。
無言で扉を開けると、入り口を叩いて注意を引く葦原涼。
葦原「津上に頼まれてここに預けた物を取りに来た。なんでも、お菓子教室は
ここじゃなくてスマートブレイン社のショールームに変更になったそうだ」
仲村「スマートブレイン?!なんでまた?」
香川「ほう。これは好都合ですね。仲村君にも現地で調査してもらいましょうか」
裕太「ぼくも行っていい?いっしょにおかし作るってお兄ちゃんとやくそくしてたし」
仲村「いや、今回は止めた方がいいぞ。危ない事があったら大変だ」
裕太「ねえ?お父さん、どうしよう?やくそくでも…行かない方がいいの?」
香川「裕太が自分で決めなさい。前みたいに騒動になるかもしれませんよ?
それでも行きたいかどうかは、自分で決める事です」
仲村の運転する車に揺られ、楽しそうに笑う裕太。
「お兄ちゃんや仲村君や(25)さんや津上さんがいるから、だいじょうぶよぜったい!」
信号待ちの間、バイクで追い付いた涼が窓越しに重たい袋を手渡した。
葦原「坊主。お前もこれを持ってろ。津上特製の蛇除けのまじないだ」
「蛇」の一言で仲村の怒りが甦った。もちろんまだ涼も怒っていた。
津上翔一の家庭菜園で取れたグリーンピースを手に、男達はにやりと笑った。
その頃、商品開発室の取材を終えた令子がそっと真司を手招きした。
令子「真司君。そっちはどう?こちらには別に怪しい所は無かったわ」
城戸「怪しいとこなんて全然無かったですよ。どこもピカピカで格好良くて最高でした」
令子「でも、なにか匂うわね…」
城戸「ですよね?甘くていい匂いっすよね?」
秋山「馬鹿かお前は。いい加減お前の取材に付合ってやったんだから、こっちにも付合え。
もっとも、お前に作らせると穴の無いバケットか餃子になってしまうかもしれないがな」
令子「ふ〜ん、お菓子教室か…。家庭欄の記事に使えそうね。うん」
その頃、甘い匂いに誘われてショールームの前をうろうろする人影があった。
「ここか、おやつの場所は…」
687 :
名無しより愛をこめて:03/03/13 12:45 ID:mJZLksAT
その頃、スマートレディの連絡を受けて渋々携帯を切る戸田。
一生懸命お絵かきをしている東條を覗き込みながら、25へ投げやりに告げた。
戸田「予定変更だ。見学会はこのまま、ショールーム新製品デモ兼お菓子教室
の会場へ移る。」
東條「おかし・・・」
思わず顔を上げる東條。途端につぶらな瞳が、きらきらと輝き始めた。
東條「さとちゃんねぇ、ゆうたくんとおやくそくしてたの〜。」
戸田「約束?」
東條「いっしょにねぇ、くっきーやこうねって。・・ゆうたくんも、きてるか
なあ?」
戸田「それなら、会場の方に連絡を入れるから待ってろ。」
連絡を入れている間、25が呟いた。
25「自分も・・手伝いに行ったほうがいいっすかねぇ。」
戸田「・・それらしい子供が、会場の方にいるそうだ。今から向かうか?」
東條「うん!」
デモ会場へ、息せききって駆け込んできた東條。
「ゆうたくーん!またせてわるいことしちゃったかも。
でも、もうやっちゃったから」
「ううん、今ついたばっかりなんだよ。仲村さんが
乗せてきてくれたんだ」
「そっか、じゃあいっしょにおかしつくれるね!
なかむらくんもおかしたべにきたの?」
「食べにくるか!付き添いだ付き添い。」
「お前ら、ちゃんとこれをつけろ」
会話に割り込んできた葦原涼の手から、一同に
エプロン・三角巾・爪きりが渡された。
「髪は調理の大敵だ。どんなに美味そうなものでも
髪の毛一本まぎれているだけで最悪になる。
爪がのびている奴に料理をする資格はない。
エプロンは服の保護に役立つ」
小学校の家庭科の教科書に書いてあったようなことを
真面目に実践している涼に内心驚きながら、
言われた通り調理実習ルックにふんする仲村たちだった。
こうして、予定どおりの時間にお菓子作り教室はスタートした。
「では次にですね、小麦粉とベーキングパウダー、
その他の材料をふるいにかけて混ぜましょう。
そちらのみなさんにはバターを練ってもらいます」
親切指導が売りの津上、もちろん
スマートブレイン社製品のアピールも忘れていない。
「このミキサーにかければ、あっと言う間にクリーム状に
なりますよ。あ、ボタンはお菓子モードでお願いします」
『女性に大人気・手作りスウィーツにトライ!
SB社のラクラククッキングツールでホワイトデーはLOVE!』
なーんて看板や、キッチンで実演されているデモを見て
老若男女が次々と入って来ては、製品について
思い思いの感想を述べたり、戸田に質問をしたりしている。
やはり実際に使われているのを見るのは
効果があるらしく、キッチン用品一式や電化製品を
会計カウンターへ運んでいく人も多かった。
(よしよし、あのシェフやるじゃないか。
これでボーナス倍額請求のいい口実が出来るってもんだ)
客に商品説明をしながら、ムフフな戸田だった。
真司「おい蓮!それ塩じゃねーの?もしかして間違えt」
まったくナチュラルにグラニュー糖と塩を間違え、
さらにそれを指摘されてナチュラルに飛翔斬を放つ蓮。
初お菓子作りながらも、なかなか器用にこなすサノマン。
楽しく生地をのばす園児・裕太ペアの
サポートに当たる仲村・(25)ペア。
一足先に菓子を仕上げ、サンプルの飾り付けをする
涼と翔一。メモを取りつつそれを手伝う令子。
鏡の中からまだ焼く前のクッキーをつまんでしまい、
おなかが痛くなる全裸in春コート。
女性陣のためのイベントとはいえ、みな嬉々として
手を動かす昼下がりだった。
690 :
名無しより愛をこめて:03/03/13 15:13 ID:mJZLksAT
同時刻。
地下室で忘れ去られていた約二名は、支給された弁当をつまんでいた。
木場「・・・何だか賑やかだな。」
結花「確かあの人が、お菓子教室を開くからって・・。それで参加者を募って
お菓子づくりとシステムキッチンのデモを・・・」
木場「それじゃあ、俺たち、こんなことやらなくてもよかったような・・?」
いつもの事ですから、とも言う気力を既に失っている結花だった。
そこへ電話が。
結花「・・・あっ、戸田さん?」
戸田「地下室は放って置いていいから、お菓子教室の方を手伝ってくれ。」
結花「はい・・。木場さん、一緒に行きましょう。」
木場「そうだね。」
木場の一見抑揚のない声に、微かな明るさを感じる結花だった。
「おう、紹介するぞ。オ・・じゃなかった、えー、
デモンストレーション部研修社員の木場と長田だ。二人には
菓子作りとラッピングを一緒にやってもらう」
戸田の紹介に、丁寧に頭を下げる二人。
「おねえさん、いっしょにおかしつくろうねー。」
「結花で、いいです・・・。よろしくお願いします」
きれいなおねえさんだけど、なんだかちょっとさみしそうかも。
「ゆかおねえさん、いまからくっきーをやくんだよ。
これにすきなものをのせて、おーぶんにいれるのー。」
「こ、こっちはホワイトチョコとマカデミアナッツ入り、
こっちはヘルシーなライ麦フレークを
入れてあるんですよ。あとは上に好きなものを
トッピングして・・・」
なかなか積極的に結花に話しかけた仲村だったが、
ちょっぴりジェラシーを感じたらしいさとちゃんの
なかむらくん、だめ〜の一言でがりがりされて行ってしまった。
「おいしそうですね」
型抜きされたクッキーをオーブンに運びながら、
翔一と話す勇治。
「みなさんの力作ですからねー。どんなのができるか
僕も楽しみなんですよっ。あ、焼きあがるまであちらで
一休みしませんか?これもホワイトデー用お菓子の
ひとつなんですけどね、おひとついかがですか」
「これは・・・マシュマロですか?」
「ええ。マシュマロをレンジでチンして、
一口大に丸めてからマーブルチョコやナッツを
乗せるだけなんですよ。色もにぎやかでかわいいし、女の人にも評判いいんです」
マシュマロを噛みしめながら、勇治はなぜか遠い昔のしあわせを
思い起こしていた。
焼きあがりを待つ間、一休みということでお茶を飲む一同。
蓮は優衣に頼まれていた紅茶の葉のことを思い出し、
ティーポットに被せてあるコージィを取って
中身をカップに注ぎ、そっと口をつけてみた。
(うまい。今まで飲んだ中で一番冴えた味かもしれない)
色もいいし、香りにも抜きんでた豊かさがある。
(これは、客を呼べる味だ・・・)
四角い茶葉の缶を裏がえして値段を見る。
そこへ真司が、サービスのプチケーキを頬張りながら近寄って来た。
「なあなあ蓮、お前何クッキー焼いた?
でもまた店のオーブンみたいに大爆発したらどうすr」
すかさずダークウイングを呼んで真司をポイ捨てさせ、
次に戸田を呼んで高級茶葉を大量発注してもらい、
支払いは真司の名前で付けにしてもらう蓮だった。
693 :
名無しより愛をこめて:03/03/14 12:31 ID:tAHSVzGI
そこへ、とうとう奴がやってきた。
浅倉「ここかぁ・・おやつの場所はぁ・・」
仲村「浅倉!?」
葦原「・・来たか。」
浅倉の乱入に、それぞれが警戒する。(一部スマブレ社社員(?)二名を除いて。)
蓮「浅倉、ここには、お前の居場所はない。俺にたたき出されないウチに、お
となしく帰れ。」
31「無理無理。こいつがおとなしく引き払う訳ないでしょ?やっぱりさぁ、こ
の場合は・・・」
不適な笑みを浮かべつつ、31は懐からカードデッキを取り出した。
25「先生・・いいんですか?」
31「だぁーいじょぶだって。吾郎ちゃんは、他の人とクッキーを頼むよ。
ああ、それからなんちゃら山に城戸、加勢はしなくていいから。」
東條「さとちゃんはぁ〜〜??」
31「・・ああ、お前ね。別にいいけど〜。ここ、お前んとこのスレだし。」
戸田「ちょっと待った。・・警備係担当として俺も参加する。」
31「あんたが?いつから警備係になったのよ?」
戸田「・・・たった今な(苦笑」
何だか妙な展開になってきたホワイトデーである。
694 :
名無しより愛をこめて:03/03/14 12:40 ID:tAHSVzGI
浅倉の乱入に、葦原が例の物を出そうとしたときである。
葦原「・・・!」
仲村「どうした!?」
葦原「・・・喰われている。」
浅倉も馬鹿ではない。例の物(グリーンピース)は、しっかりとベノスネーカー
に喰わせていた。
そんな訳で、一悶着起きそうなショールーム会場だが、そこへいきなりアナウ
ンスが流れた。
スマ「はぁ〜い。いまからここは、バトル会場になりまぁ〜す。一般の方は、
速やかに退避してくださいね。
なお、この会場ではバトルに伴い、我が社のシステムキッチンの強度テス
トのデモンストレーションも兼ねてまぁす。
それじゃあ、あとはよろしくね、戸田さん。」
アナウンスが終わり、いきなり箱根細工の如く、部屋の内装が切り替わった。
しかも退避した人々は、ショールームの二階からバトルの様子を、お茶を飲み
ながら楽しめるのである。
城戸「へぇ〜。クッキーが焼き上がる間の暇つぶしになるなぁ。」
秋山「・・・・・(呆」
芝浦「へえ〜面白くなってきたじゃん。
(いざって時はちょっとゲームを面白くしてみようかな?)」
隅っこで休憩しながら甘味を楽しんでた芝浦と手塚。
手塚「しかし、意外だったな。お前までがこんな集まりに加わるとは」
芝浦「そりゃもうお返しが大変だからね、俺。どの子もブランド品は飽きたって言うしぃ
たまにはこういう手作りって奴がウケる訳で、誠実さがカワイイ〜んだって」
手塚「見栄を張るな、何故無理をする。俺には見える。
ペットからしかチョコを貰えなかったお前の悲しみが」
芝浦「…。お前だって、ババアからしか貰えなかったくせに!」
手塚「あのチョコは見た目はともかく味は美味かった。
ttp://www.paratur.pa.gov.br/jp/experiencia3.htm こういうアマゾンの物が入って滋養も高かったし、
おかげで痩せ気味の身体に少し肉が付いた。これは恩返しだ。
それに口に入らなかったとは言え、神崎の妹達にも返しておきたい」
芝浦「あ、そ。返さないとアニキの方がうるさく文句言ってきそうだしね。
俺のはメタちゃんが好きなものを乗せといたけど、お前は何にしたの?」
手塚「神崎優衣と子供達向けには甘酸っぱいドライフルーツダイスをトッピングした。
神崎沙奈子向けにはアマゾンの味のお返しに日本の味を堪能して頂こうと
紫蘇と山葵と大徳寺納豆をそれぞれトッピングしておいた」
おいおいそれじゃ「お返し」じゃなくて「し返し」じゃないの?と言いかけて
手塚が真面目に語ってるのに気付き、にやにや笑って肩をすくめる芝浦。
ま、どうせ出来たクッキー食べるの俺じゃないし。(←ひでえ)
一方、蓮の仕込んだクッキーは温まるにつれ少しづつ嫌な成長を始めていた。
クッキーは少しづつ焼けていき、甘い匂いその他が辺りに漂い出した。
その頃、協調性の無い水蛇オルフェノク海堂は、言われた仕事をサボって
ギターを弾いて遊んでいた。
人一倍、いやオルフェノク一倍敏感な海堂の鼻にショールームからの匂いが流れ込んできた…。
今頃気付いたけど
>686
×「だいじょうぶよぜったい!」
○「だいじょうぶだよぜったい!」
裕太をおねえ言葉にしてしまってた。
ですちゃんに連れられて磨り減ってきます…。
697 :
名無しより愛をこめて:03/03/14 15:11 ID:tAHSVzGI
浅倉「北岡ぁぁぁぁっ!!」
すさまじい咆吼をあげて突っ込んでいく王蛇。マグナバイザーを乱射し間合い
をとるゾルダ。一対一の緊迫した戦いが続く中、なぜか・・
東條「ねぇね、もいっかいやって〜〜。」
戸田「いくぞ〜。」
戸田が両拳に軽く力を込めると、顔に不気味な文様が現れ、そしてその姿は、
異形の化け物・オルフェノクへと変幻した。
しかも通常のオルフェノクに比べて、カナーリ長身である。
東條「わ〜、すごいね〜〜。(ぱちぱちぱち」
戸田(イカ)「すげぇだろ〜〜。もいっかいやるか?」
東條「うん!」
すけっちぶっく片手に、一生懸命変幻するオルフェノクの絵を描き書きする園
児。子供相手だとやたらノリノリな戸田。
ほほえましい光景ではあるが、一般的な良識を持った約二名は、とりあえず心
の中で突っ込んだ。
仲村・木場「・・・仕事してくれよ〜・・・」
瓦斯「時に香川センセイ」
香川「……だからコテハンは出てくるなと」
瓦斯「そんな事はどうでもいいです。それよりも3月14日と言えば、『アレ』でしょうに」
ハリケンジャー「何?『アレ』が現れるのか!?」瓦斯「違います!」
瓦斯「……(コホン)時に元禄14年、播州赤穂藩藩主浅野内匠頭長矩(ながのり)公は幕府より、二度目に当たる勅使供応役という大役を仰せつかった(はぁベンベン)」
「ばんしゅ……?」
「この時の指南役は前回同様高家筆頭吉良上野ノ介義央(よしなか)なり(ベンベン)。
だが、この二人何故だか仲が悪く、事あるごとにいがみ合う!」
「それからそれから?」
「そして遂に!
いよいよ勅使と将軍綱吉公が対面なさる3月14日、殿中松の廊下!!」
「え?」
「突如吉良に切りかかる浅野!
この不祥事に、幕閣は即刻浅野に切腹を命じたのである!
だが、喧嘩両成敗を旨とするはずが一方の吉良はお咎め無し!
死に挑んで、内匠頭はただただ吉良を打ちもらしたを悔いたという……(はぁベンベン)」
「よくわかんないけど、酷い話だね……」
「以来、毎年三月14日には内匠頭を偲んで……」
スッパーン!!
「そっちじゃな〜い!」
参考資料:元禄名槍譜 俵星玄蕃/三波春夫
>>697の一瞬のち、閃光と煙幕があがり
ゾルダの姿は消えた。吠える王蛇。
「どこだあああ!!きたおかあああ!!」
芝浦「ねえ、アイツ消えちゃったじゃん!逃げたかな」
手塚「あれは目くらましだ。北岡は逃げてはいない。
あいつはより強くなって、再び姿を見せる・・・
俺の占いは当たる」
客席のほうには、匂いにつられてやってきた海堂の姿があった。
海堂「ここっすかぁ〜?ウマイもん作ってる場所は?」
津上「あ、はい。たぶんおいしくできると
思いますけど。」
笑顔で答える津上に、鼻をひくつかせ、
背中にしょっていたギターを
ポロロン、とかき鳴らして言い放つ海堂。
「たぶんっちゅーか、ほとんどみんなウマイもんだってのは
わかるんだけどさっ。いくつかヤバイ奴がない?
このままじゃ危ないよん」
葦原「危ない?どういうことだ」
ほのぼのムードの戸田、あきらめ顔の勇治、成り行きを
見守っていた結花の耳に尋常ではない叫び声が届いた。
(やめてくださーい!)(誰か止めろ!)(警備員を!)
一斉に形相を変えて同じ方向を凝視する三人に、
とまどう園児と仲村。
(あれは極秘開発部門の研究員たちの声・・・!)
とっさに向きを変え、戸田が走り出す。
しかしそれより一歩早く、声のした方向にある扉が開いた。
700 :
名無しより愛をこめて:03/03/14 18:02 ID:9V0fw66W
客も関係者もモンスターも、見ていた者はほぼ全員絶句した。
その静寂を打ち破り、
真司が何かを思い出したという顔で叫ぶ。
「すげえ!『エイリアンと戦った女の人が操縦してたやつ』
だっ!!」
北岡が、大好きなロボットにそっくりな色の機械を操り、
まるで古い少女漫画のタテ四コマぶち抜きの状態で、
キラキラしながら走ってきていた。
白いボディに赤・青・黄のライトが眩しかった。
「どうよこれ〜!すごいでしょ?ここの会社、
絶対こういうのも作ってると思ってたんだよね〜。
実物大とはいかないけど、乗れるガンダムだよー!ほらー!
どうー?ゴローちゃん見てるー?」
体をフルフルさせるしかないゴローちゃんだった。
戸田「くっ・・・なぜバレた!?」
北岡「なぜって。俺弁護士よ?他人が隠してそうな事、
感づかなきゃやっていけないからね」
なかなかかっこいい北岡に、ちょっとドキッとなる令子。
あとから追い付いた白衣や防護服着用の研究員たちが
騒ぐが、北岡は気にせず王蛇に向き直った。
「さっ、ガンダムパワーで俺の勝ちだね」
701 :
名無しより愛をこめて:03/03/14 18:50 ID:ndwQmUmK
都内某所
オルタナ555ツールが入ったトランクを片手にした須藤刑事が、清明院大学に向かって歩いていた。
須藤「やっぱり返すべきですね。わたしにはもう必要ありません」
そのとき
???「おい!オマエ!そのトランクをよこせ」
振り向いた須藤の目に映ったのはガラのワルそうなロンゲ茶髪の男。
???「テメェいつのまに盗みやがったんだ・・!?」
須藤「貴方は一体!?」
混乱する須藤にロンゲ茶髪男が飛びかかってきた
???「コソドロかオマエ!!!」
そう、彼こそが現在何か勘違いしている乾巧だった。