今日読んだSF/FT/HRの感想 4冊目

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173 ◆GAcHAPiInk
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/sf/1123667887/545-547
なんか疲れたのでこれ以上の推察は辞めるけど、何が言いたいかといえば

老ヴォールの惑星
小川 一水 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150308098

を読んだ。どうも小川さんは伝えたいものがしっかり確立されていない印象を受けてしまった。
表題作がいっちゃん好きで買ったのだが、他の短編も含めて、彼の『欠点』が分かりだすと
傑作にも陰が差してしまう。どうにも薄っぺらいのだ。「伝えたいもの」が。
なぜかこの作品より古く、そして科学考証的にも正しくないであろう作品でも、伝えたいモノ、という
存在のおかげで光って見える。

・ギャフナルカの迷宮
 「テーオがいっぱいしたから・・・」;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
なめんな。こんな理想的な崩えセリフ言うオナゴなんか居るもんか!ウワーン!
それはともかく、歴史の先生にしてはずいぶん人間性に対して楽観主義的すぎるし、実際、楽観的な
世界だな、というのが印象だった。400人のコミュニティってのもちと少なすぎるような・・・。

・老ヴォールの惑星
 名作。ハード設定云々に目がいきがちだけど、個よりも全体の思想が強い生命体が自然体で
行う犠牲と祈りがみんなを感動させるのだろう。
最後にテトラントがあの命名を選択したのもこの式によるものだ、が、クダンの小川氏はこれを
狙って出したモノではないんだと思う。誰かのセリフじゃないが、
「読者は作者の意図しない意味を勝手に盗んでいた」んだと思う。
174 ◆GAcHAPiInk :2005/08/21(日) 23:20:49
>>173

・幸せになる箱庭
ずいぶん薄っぺらい情報知性体で、全知全能なんてセリフに歯が浮いてしまった。
それに人類側もこんな他人任せなお気軽な存在なら、とっくに戦争なんて回避できてる、できないのは
人間が疑心の塊だからで、本来ならば人類は遠回りしてでも、クインビーの母星の座標へ
殴り込みを掛けてるはずだ。ヒロインへの遠まわしな女性蔑視的スタンスもいただけない。

・漂った男
ようは培養シャーレみたいは惑星に落ちた男の話なんだが、
思うに体に付着しているウイルスやらなんやらのほうが、落ちた男の生存時間よりも早く大量に
培養されるように思えてならない。その結果は悲惨だ。
あと、起承転結はいいんだが、途中で間延びがある、はっはーん、書くのがタイギになったな?
最初のアイデアの予想に反して、なんかツマんなくなっちゃったな?それでも書き続けたのは最後の最後が
描きたかったからだろうか?

どうも、伝えたいもの、というのが環境であってりロジックであったりキャラクターの設定であったりで、
ちょっと深みがない、というのが欠点でそれが残念だけど、ラノベにしては上出来だと思う
8点