今日読んだSF・FT・HRの感想:2冊目

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しは無慈悲な夜の女王
読了した小説の感想を書き込んでください。
必須条件は本の題名、作者、点数(10点満点)、感想


SF・FT・HRであれば漫画や映画でも可です。
2:03/06/16 19:20
「木星買います」アイザック・アシモフ
15年以上昔の作品だが今でも色あせていない珠玉の短編集。
欠点はアシモフのエッセイが偉そうなことぐらい。

6点


という感じに本の題名と感想、点数などできれば書いてください。
>>1
乙。よかったら前スレ貼って下さい。
前スレ【今日読んだSF・ファンタジーの感想を書くスレ】
http://book.2ch.net/test/read.cgi/sf/1018270182/l50
5名無しは無慈悲な夜の女王:03/06/16 20:43
>欠点はアシモフのエッセイが偉そうなことぐらい。

例に突っ込んで申し訳ないが、
それは欠点ではなくて長所ではないか。
あれは芸風だしね。
大体アシモフは偉いからいいんだよ!
7前スレ1:03/06/16 21:44
>5,6
そうなんすか・・・
他のエッセイも尊大な口調なんですか?

81:03/06/16 22:06
すんません。いろいろミスってしまった・・・。



一応SFってことで「マトリックス りローデッド」
まだ完結してないのでなんともいえないが、リローデッドはストリーはありきたりな話で斬新さは一欠けらも無かった。
が、アクションシーンだけはたいしたものだった。
あと設定を映画だけで説明せず他の媒体で説明するのは止めてほしいと思った。

6点

銀林みのる『鉄塔・武蔵野線』

さまざまな形を持つ鉄塔に魅せられた少年時代の私。
鉄塔に番号が振られていることに気づき、弟分をつれて、1番目の鉄塔をさかのぼる冒険に出る。
その向こうには秘密の原子力発電所があるのだ!と信じて・・・

どうかな、期待してたけど今一つだった。
鉄塔の写真がやたら載ってあって、確かにいちいち形が違うのは面白いが、主人公が「私」口調で、大人の回顧であることが乗っていけない最大の原因だろう。
主人公は少年なんだから、「ぼく」でも「おれ」でもいいけど、子供の語彙で語った方がずっと効果的なんじゃないか、と思ったりしてみる。
6点くらい。
>>9
ひどく興味をそそられたので読んでみます。
鉄塔〜は面白かったね。中盤までわりと淡々とすすんでおいて、
その上で後半のトビ方が気持ちいい。映画化されたそうだが、どうだったのかな?

ニール・スティーヴンスン「クリプトノミコン」を読む。
うーむ、このやり口はアレだな、講釈師とか上方落語だな。
すーぐうさんくさい横道に入ってなかなか出てこない。おまけにその余談が
すこぶる面白いときた。並列する複数の話を章ごとに独立して進めるという
構成もあいまって本筋が捉えにくいったらありゃしない。よくここまで
どうでもいいエピソード(褒めてる)をたくさん思いつけたものだ。
若手芸人みたいな素っ頓狂な修飾語も、読んでいて非常に楽しかった。

SFともファンタジィとも言い難いが・・・まあ、8点はあげたい。
減点対象は、ちょっと微妙な皇軍描写と、もう少しだけ物語の手綱をとって
欲しいという個人的な好みで。
12 :03/06/17 15:43
>>9
これに関しては映画の方がきれいにまとまっている感じ。
原作はこれがおもしろいのは目の付けどころにつきる感じで、小説としては
主題について作者自身にその意味が明確に意識されていないようにおもう(まあそれ故
におもしろくなったともいえるのだが)。

それは9が
「主人公が「私」口調で、大人の回顧であるというのが乗っていけない最大の原因」
と批評した通り。

「私」を主語にして、大人の私が自分の
まだ無垢であった少年時代の冒険を振り返るという内容なら、
ふつうの小説家であったら、
”大きなものや不可思議なものに引かれる純粋な少年時代”、
というようなノスタルジーを描くのだけど、
この作者は実は大きくなった今もまだ現役の鉄塔マニア(大きなお友達?)
なので私の回想という方法をとりながらも、小説に描かれているのは
今の彼の昂奮であり冒険。だからちゃんとした回想になっておらず
ノスタルジーとして一般化されていないので読者にはいまいち伝わらない。

漏れは鉄塔のすばらしさ、おもしろさをこんこんと説く「私」に感化されて
鉄塔探索の冒険に今の私として引き込まれたので結構おもしろかった。
ちなみに映画の方はちゃんと少年の視点になっていたと思う。
Googleで「帝京 事件」と検索すると・・

http://www.google.com/search?hl=ja&inlang=ja&ie=EUC-JP&oe=euc-jp&q=%C4%EB%B5%FE%A1%A1%BB%F6%B7%EF&lr=

検索結果5200件。
いきなり銃撃ときて、その後も結核集団感染、大学による悪意のある投書、ラグビー部レイプ、エイズetcと続く。
さすが低狂グループ、最狂です。

低凶グループ過去の犯罪特集
http://choco.2ch.net/news/kako/1015/10154/1015445145.html

この後にも沖永総長の脱税、低凶OBの織田無道の宗教法人乗っ取り事件などが起こる
マイケル・クライトン『スフィア』
映画を先に見たんだけどなぁ、褒めている人あんまりいないね。
自分は強引なラスト以外悪くない出来だと思ってたんだが、このたび原作を読んだらば、全く同じ終わり方で凹んだ。
とはいえ、映画見てたんで、キャストがビジュアル的にすごい判りやすかった。
「自分たちはなぜ海底から出られないのか」という論理や、ジェリーの正体の推察など、ミステリっぽい部分が好き。
8点
>9
自分は、むしろ「私」が良かったと思う。
ああいうマニアックな小学生が書きそうなレポート文体としては、アレが一番
自然な感じで。
「モロー博士の島」 H.G.ウェルズ

H.G.ウェルズを20年ぶりくらいに読んだ。短いのですぐ読めた。
でも、インパクトありすぎ。やっぱりすごいです。
初出が世界大戦以前なので最後の方は、少し考えさせられました。

 個人的に久々の10点
17名無しは無慈悲な夜の女王:03/06/18 15:52
『カンパニーマン』観ました。

『CUBE』の監督作品です。
『マイノリティーリポート』と『デリカテッセン』を組み合わせた感じです。
途中まで良かったけど、オチは意外と古典的でオーソドックス。

よって、6点也。
「猫の地球儀」 秋山瑞人
この板でも評判が良いみたいだったので読んだ。
個人的にはスパイラルダイブがエンダーのゲームとかぶってしまうし、
クリスマスを除く登場人物も少し寒かった。
電撃文庫ってこういうものなの?
一気に読めたし設定も悪くはないと思うけど
もう少しなんとかできたような気もする。。。3.7点
.7という微妙さがどこから来たのか激しく知りたい
>>19
気分が割り切れないんだろ。
小数点以下なんて、そんな精度で採点されても・・・
>>17
「CUBE」もオチじたいはたいしてインパクトはなかったよ。
CUBE のオチは、「ああ、これってホラーなんだ」と感じたなあ。
基本的にSFってのは観察と計算、知恵と勇気による努力の結果がが(どんな形であれ)
報われる小説なんだな、と気付かされた。
ポール・ギャリコ『ジェニイ』
白猫になった少年ピーターが、優しい雌猫ジェニイと旅をする。
「猫好きのバイブル」との評で、漏れ猫好きですけど、猫に関する記述はまあいいとして、物語の構成はちょっと甘いと思う。
後半話がいきなり駆け足になるし・・・。
ラストも着地がうまいのかそうでないのか微妙だしなぁ。
物語の性格そのものは素直なので、あまり本を読みつけてない人、特に中、高校生くらいに一番むいてるかな、と感じる。
7点
2518:03/06/21 10:40
4点にはどうしても足らない、
気分が割り切れないということで 3.7点にしました。

将来的には円周率の精度で感想を書けるようにがんがります。
マーティン・アレン『天空要塞アーロック』(現代教養文庫)

今となっては知る人ぞ知る(?)社会思想社のゲームブックシリーズの33巻。SF。
何というか隅から隅までおバカで素晴らしい。
主人公は太陽騎士団の精鋭、第16宇宙世紀からやって来た、四本の腕を持つ「宇宙貴族」。
表文中に人間とかかれているにもかかわらず、どう考えてもミュータントでしかない自分が、ポッドレースのマシンみたいなんにまたがってビーム撃ってる。おバカ。
宇宙をさまよってると、「第33平面」から海賊が襲ったりしてくる。
(「うすぎたない黒い巻き毛に覆われた生き物」と形容される。サイコー)
目標とする、天空要塞アーロックに潜む敵は、逆賊ル・バスティン。
こいつは何をやったかというと、昇給の嘆願をはねつけられたのに腹をたてて、王妃の顔にパイナップルを移植して逃亡、要塞にこもって、犬の頭をした超戦士を育成し、反逆の機会を狙っているのだ。
そのル・バスティン自体はラスボスではなく、実は・・・というラストなのだが、最後に必要なアイテムというのが笑える。
(メール欄)がないと人類が滅んでしまうのだ!
大いに笑わかして貰いました。
「君はレーザー銃とピストル、電撃槍とトゲを埋め込んだ丸盾で武装し、地下に潜入して、悪の首謀者を倒さなければならない」
それは強制でつか?
9点
(ゲームとしては無茶なので1点マイナス)
27_:03/06/21 11:42
 
キタ━━━━━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━━━━━━!!!!
 
http://diary4.cgiboy.com/0/izuminoa/
 
2926:03/06/21 15:21
>どう考えてもミュータントでしかない自分が、ポッドレースのマシンみたいなんにまたがってビーム撃ってる
説明欠けた。
これは表紙のイラストの話です。
>こいつは何をやったかというと、昇給の嘆願をはねつけられたのに腹をたてて、王妃の顔にパイナップルを移植して逃亡、

銀河ヒッチハイクガイドみたいなSFパロじゃなくて、これを大マジで?
ひさびさに押入れから引っ張り出して読んだ
「野獣3部作」ロバート・ストールマン 早川文庫
解説にはこれを書いてまもなく亡くなった、それまで小説を書いたことがなく
またとない才能を失ったことが残念とあるが…
正直これ以上の物はたとえ存命でも書けなかったのでは。
いわゆる生涯にただ一度できる作品だったように思える
SFともFTともHRとも普通小説ともつかぬ、不思議なムードにみちた傑作だ

10点
3226:03/06/22 14:01
>>30
作者はもちろん狙ってやっていると思うですよ。
>>31
おお、10点か。
1980年 孤児 SF514 〈野獣の書〉
1981年 虜囚 SF521 〈野獣の書〉
1982年 野獣 SF540 〈野獣の書〉
これだな。
なんか早川の内容紹介だけ読むとあほみたいな話に聞こえるけど・・・
ttp://homepage1.nifty.com/HAG03057/author/robert_stallman.htm
いや、それが格調高いええ小説なんよ。
俺も読んでビックリしたクチで。
>33
ハヤカワのはもちろんのこと、原書も絶版のようですね
最近、まわりの友人たちの間でルナっていう本が流行ってます
読んでみようか迷っているのですが、
誰か読まれた方いらっしゃいましたら感想など頂けないでしょうか。

若干スレの趣旨とは異なってしまいますが…
38名無しは無慈悲な夜の女王:03/06/25 21:13
久々に『サンティアゴ』 マイク レズニックを読んだ。
SFというより西部劇だが やっぱりイイ!
サイコー カッコいいし。
やっぱりレズニックは最高のストーリーテラーだ。

個人的には...... 10点
39名無しは無慈悲な夜の女王:03/06/25 21:32
ストールマンの野獣の書 三部作は、いまだに3巻だけ見つからない。
だから2巻の途中で読むのやめたんだ。
1巻ラストの事件は衝撃的だったな。
ラストシーンの映画的なスピード感というか、文章表現がよかったんだよね。すごい印象に残ってる。
ああー、3巻手に入れたい。気になる……。
表紙はオラウータンかゴリラぽくてちょっと違うんじゃない?と思ったけど。
40名無しは無慈悲な夜の女王:03/06/25 23:46
>>31
古本屋でセットで手に入れたけど、全然手をつけてないや。

評判が高いシリーズですよね。

読まなきゃ読まなきゃ。
>37雑談スレの人だね。ところで君の友人たちって何者?
SF新人賞の本が流行るような環境はそんなに無いと思うのだが。

それはさておき、わたしも知りたいです。どんな感じなのか。
>>41
そのルナではなかったりして。ありえなさすぎ、といったら失礼かな。
かといって別な作品は思い浮かばないんだが。

野獣の書は図書館にあった。読んでみよう。
野獣の書、俺も3巻持っていないので復刊してほしい・・・

>>39
俺は熊みたいなイメージで変換していたんだけど>野獣
文中に言及あったかなぁ、外観の。
「不在の鳥は霧の彼方へ飛ぶ」オリアリー

だらだらとした起伏に乏しいプロットに萎えた。
つまらん。
2点

45名無しは無慈悲な夜の女王:03/06/28 19:40
ラノベに逝けと怒られそうだけど、
『第六大陸』は久しぶりに期待出来そうな予感がしました。
別に天才少女?を出さなくても良いような気はしましたが・・・
サンティアゴはいいよにゃー。マイク・レズニックではアイヴォリーも
捨てがたいが、あのケレン味たっぷりの叙情的SF西部劇はゾクゾクする。

「敵は海賊・猫たちの饗宴」を読んだ。なんと神林初挑戦がこれ。
だってさー、古本屋に激安であったし俺猫好きだし。
で、文体に少々文句はあるものの、俺の猫好きセンスメーターを振り切らせて
くれたので満足。7点。ほかの神林作品も読みてえ。
>45
いや、『第六大陸』をラノベと言っちゃうと殆どのSFはラノベになっちゃうでしょう(藁
もっとラノベラノベした作品だってこのスレで感想書いていいと思いますし。
「諸葛孔明対卑弥呼」町井登志夫(ハルキノベルス)
正に、題名通りのおはなし。
アジアンノワールな古代日本とか、べらんめえ口調な孔明とか、鬼畜でちょっと
トボけた卑弥呼とか、色々面白い部分はあるんだが、どうも今一歩盛り上がりに
欠けるところが辛い。
あと文章がかなり独特。作者の味と言えるけど、ところどころ単純に下手なだけ
なんじゃねーかっつー気がする箇所もあり。
二人が考え出す奇策の科学考証も実に強引かつ素朴で、これは妙に良い味出
してた。

色々文句を書き連ねましたが、結構燃えたので、
7点。
49イー:03/06/29 01:09
小川一水『第六大陸1』
登場人物は天才かパワーエリートのみ。
政治と経済は、怒りを通り越して脱力するくらい無茶。
小説として、人物描写と物語のギアが噛み合ってない。
コストが二〜三桁も嘘をついてる。
ありえないビジネスモデル。
散文。

でも技術とかおもしろいので、5点。
5037:03/06/29 01:29
ルナって本結局買って読みました。
感想は…

総じて普通でした。
科学的な事柄が結構出てくるんですけど、
その辺は取材をしっかりやってるなぁと感じました。
が、話がものすごく尻すぼみで読み終わったあとに
かなり後味の悪さが残りました。
あと、会っていない人物がいきなり知り合いということになっていて
いきなり殴り合いを始めるような場面があったりと、
読者が置いてきぼりにされることが何度かありました。
でもまぁ、新人なのでそんなものなのでしょうかね
以上です。 長文すまそ

51今一だけど・・・:03/06/29 07:25
>45&47&49
プロジェクトXのノリでやね『第六大陸』は。
49さんが言ってるとおり、その辺がライトノベルやね。
少し作品をヨイショするなら、最後の『この事業の意義』で、
お金とか重さの桁を弄ってあると書いてるから、最後に作品自体が、
『第六大陸』の公式サイトの開発顛末記だったと言う落ちやったりして。
古いしジャンルが違うけど、『メタルカラー・・』シリーズに萌えた、
俺としては、期待を含めて7点やね。
SFとは関係ない本だけど、斉藤美奈子の『読者は踊る』の「パラサイト・イヴ」評が
面白かった。ミトコンドリアの描写が妙に人間くさいのを、単純に「普通すぎて怖くな
い」と切り捨てたり、SFファンからはちょっと盲点だった、シンプルな視点から評して
いるのが良い。
他の科学入門書批判も的確で、今更ながらなかなか信頼出来る書き手だと思った。
53名無しは無慈悲な夜の女王:03/06/30 01:05
>>52
すみません、言ってる意味がよくわかりませんので教えてください。
>ミトコンドリアの描写が妙に人間くさい
擬人化しているということですか?
>単純に「普通すぎて怖くない」
ミトコンドリアの描写が人間くさいのが普通なのですか?
54名無しは無慈悲な夜の女王:03/06/30 03:09
対象の擬人化という方法論そのものが陳腐で普通だということだろう。
SFファンだと批判にさえ、いや、批判だからこそ理屈をこねるのが常だからな。
55ちよ:03/06/30 03:23
>>52
じゃなくて、ミトコンドリアが人間的な思考をしてるのが変だといってるのでは?
まあ、人間的でなく書こうとするとソラリスになるわけであれはあれで成功してると
思うんだがな。
5752:03/07/01 00:16
>53
一部のSF作家/ファン(というか野尻抱介氏)が、「ミトコンドリアを異質な知性として書けてないから、こりゃ
SFとしちゃダメだな」と批判したところ、瀬名秀明氏が「じゃああなた達の言うSFってどんなんですか、定義
してくださいよ」みたいに反論、以後泥沼に……という騒動があったけど、あそこで「単純にホラーとして怖くな
いと言っていれば瀬名氏も一応は受け入れただろうにね、ということを言いたかったのです。
5853:03/07/01 10:44
>>57
ご説明どうもありがとう。
そういう論争があったのですか。ちっとも知りませんでした。
例によって不毛な論争ですね(藁
ブラッド・ミュージックのヌーサイトはどうだったっけ?
60名無しは無慈悲な夜の女王:03/07/01 23:23
某野尻氏って、ネットゲ上がりの勘違い作家だったっけ?
あの人、某ネットゲで、JPホーガンを似非ハードSF作家って言ってたけど、
SFの醍醐味はセンスオブワンダー(古い言い回しで御免)
嘘でも、実際の最先端科学技術情報と違っていても、架空世界での世界観等の
構築力、読者に対する説得力が作れるか否かと言う事を理解してない人でしょ。
彼人とSF云々すること自体が間違えでは?(スレッドの趣旨違いで御免なさい。)
う〜ん、私は瀬名秀明はまったくと言っていいほど評価していないけど、
それでも57を読む限りでは、野尻は批判の仕方がフェアじゃないねぇ。
これじゃ単に偏狭なSF観をむりやり他人に押し付けているにすぎない
ように見える。

どうせやりあうのなら、もう少し生産的な論争をしてもらえないもの
だろうかと思うのだが、いかがでしょうか。
6261:03/07/02 00:58
言い忘れたけど、「異質な知性」を異質なものとして、
しかもわれわれに了解可能な仕方で描くってのは
すごく難しい。

われわれ人間の知的活動と何らかの類比が成り立つようでないと
そもそもなぜそいつを知的と考えるのかが理解できないし、
かといって、単に人間型の知性を、姿かたちだけ変えて登場させて、
さあ「異質な知性」だと思え!と言われても、それは無理な話だし・・・

すごく難しいことを当然のごとく相手に要求しているということを
野尻本人は自覚しているのだろうか?
>>62
野尻氏の書いたは読んだことが無いけど
アシモフにしても長編「夜来る」で異星人の振る舞いについて
言い訳前書きをしていた。
氏の言いたかったことは、解ってて書いてるか、解らず書いてるかの
違いじゃないのかな。いわゆる新人だったわけだし。
実際どんなコメントだったのかはわからんけど。
64名無しは無慈悲な夜の女王:03/07/02 17:28
そもそもさ、ミトコンドリアがどうやって思考するのよ?
その辺どうなってたっけ?説明無しだった?
>>64
覚えてる限りでは、無かったように思う。

>>63
少なくとも
>>57の書いたところの
「ミトコンドリアを異質な知性として書けてないから、こりゃSFとしちゃダメだな」
に対し
「じゃああなた達の言うSFってどんなんですか、定義してくださいよ」
では
SF読んでないのがバレバレ。
ウェルズから始めても、古今東西それこそ様々な人が宇宙人などの非人類系の
描写をしてるわけだし、一家言なくてはSF作家とは呼べない。
まあ、当の野尻氏も「太陽の簒奪者」で、異星人を異質な知性として書けてなかったからね。両者痛み分けってところじゃないの?
>>66
瀬名にSF者としての感性がなかったってはなしだろ。
SF作家としては評価以前の問題。
>>67
本人もSFを書いてるつもりはないだろ。
モダンホラーにゴチャゴチャいっても仕方ないと思うんだが。
>>68
それじゃ、瀬名はSF界での荒らしってことでOK?
>>69
SF界なんて恥ずかしいこというなよw
>>70
ゴメソ
72名無しは無慈悲な夜の女王:03/07/04 17:55
光瀬龍『百億の昼と千億の夜』

話がわかりにきい。
もしかして構想に入ってたけど、諸々の事情から諦めたりしたんかなぁ・・・。
マホメットをプロットに取り入れるのは。
などと考えました。
73 :03/07/04 18:03
マイケルクライトン「プレイ-捕獲」

まだ上しか読んでないけどナノテクの話で読みやすくて面白い
ジュラシックパーク以来クライトンはメジャーになりすぎて
読んでなかったがやっぱり面白いね
ジーリー・クロニクル「プランク・ゼロ」ちょっと前に読了。

バクスターって特にジーリー・シリーズの長編では「話の組み立てがあんまし
上手くない人だな」って思ってたんだけど、これは短編集であるせいかとても
面白かった。不確定性原理を無くする法:プランク長をゼロにすべし、って
大バカネタは笑えました。基本的にご都合主義ではあるが、まあ楽しかったのでよし。
下巻の「真空ダイヤグラム」も読みたくはなりました。んん、8点。
バリントン・J・ベイリー「カエアンの聖衣」

なんかどうも最近読む速度がゆっくりになってきて中学生の頃は一日
に10冊くらい普通に読めたんだけど、どうも年のせいか1日1冊くらいの
ペースになってしまった。今21歳だけど。このまま漸近的に読む速度が
ゆっくりになっていくと勉強とか睡眠の時間が無くなって困るなあ、等と
考えてしまった。ちなみにここまでの文は感想とはなんの関係もない。
さて、感想であるが、読む速度が落ちたためになにやら怪しい想像に
耽る時間が多くなり、5着のスーツには「ゴレンジャーだ!青とかピンク
とかあるんだ!リーダーは赤だ!」等と自分が生まれたころには既に
放送が終わっていた番組に思いを馳せたりして非常に楽しく読むことが
出来た。ラストのスーツが生えてくるシーンは圧巻。

9点
76山崎 渉:03/07/15 11:37

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
>75
……というか、一日一冊でも十分凄くないか?
竜の卵・順列都市に一週間、スキズマトリックスに二週間かかった自分がアホすぎるのか……。
7861:03/07/16 00:53
>>77
単にその程度の読み方しかしていないってこと。
なんならドストエフスキーを10冊読んでみろよ。
7978:03/07/16 00:54
>>77 というより >>75 宛てだな。
私も一日10冊くらい読めますよ












ラノベなら
8178:03/07/16 13:31
>>80
だからプルーストでもそれができるかっつうの
82北の勇作:03/07/16 13:58
ああ、荒らしたい荒らしたい・・・
俺様がカキコして荒らしてやるから
オマイラとっととカキコせいや
聖徳太子のいるスレはここですか?
人間30過ぎると、ラノベの方がかえって読むのに時間がかかるもんだよ。
感情移入できなくて(藁
数カ月前、一念発起して何冊か買ったけど、どの本も最初の50ページ
ぐらいでつまんなくて投げ出した。文字どおり読めませんでした。
字を目で追ってるんだけど、内容が頭に入ってこない。
すぐにストーリーが分からなくなる。
>84
ストーリーは元々ないですから、分からなくて当然かと。
86名無しは無慈悲な夜の女王:03/07/17 00:20
>>84
書名を教えてください。ひょっとして「呪禁官2」とか?
『順列都市』グレッグ・イーガン
面白い。凄いネタだ。
……だけどさあ、なんかさあ、毎度毎度、議論が細かすぎるんだよなあ。で、いざその理論を
実践する段階になると結構さっさと終わってしまうという。
個人的には、読者に妄想の余地を多く残すくらい議論は簡潔にして、そこから世界がどうぐちゃ
ぐちゃになっていくのかを多めに描いて欲しいんだけど。
点数書き忘れ。
上記のような不満はあるものの、ここまで真面目にVRを考察した上で物凄いSFネタを出した
のに感動したから、
9点。
>>88
そんなに文句つけて9点って甘すぎない?
90名無しSOS:03/07/17 01:00
『夢幻の書』ジャック・ヴァンス
長年探し続けたこの一冊を古本屋でついに発見!
ここに描かれる汎銀河世界は、シリーズの始まった40年前の
懐かしい雰囲気がただよう。魔王子たちの犯罪は、昨今の現実
に比べるとほほえましいとさえ思えてしまう単純明解なものば
かり。わくわくするような展開もないが、ほっと一息つける読
書時間を過ごせた。8点。
9187:03/07/17 01:13
>89
いやなんか、SFって案外VRについて安直に扱ってるのが結構多いんで、これだけ真面目に
考えてあるのはやっぱりエライよなあ、と思って。
肝心の大ネタはなんだか時間については納得だけどそれが空間にも延長される、って部分が
?だし、最後はベアのアレだよな、とか、イーガンって突っ込んで欲しくないところを読者の目か
ら隠すのが下手すぎるよなあ、とか他に不満もあるけど、やはり真面目に考え抜いているのは
エライ。
9289:03/07/17 01:20
>>91
ああ、なるほど・・・
「突っ込んで欲しくないところ」というのは、ちなみに
どのあたりですか?
9384:03/07/17 21:57
>>86

んーと・・・遠なんとか浩平とかいう作者だったと思う
うろ覚えでスマソ
題名はさっぱり思い出せない
上遠野浩平だなそれは。
となると、
・ブギーポップシリーズを途中から読んだ
・事件シリーズだった
・なんか最近富士見から出たシリーズだった
なんていう可能性が考えられるような。
9584:03/07/18 02:00
>>94

それそれ。
ただ、読んだのはブギーポップじゃなくて、
何かやけに長い気取った題名の奴
富士見じゃないと思う、事件シリーズって何?
ぼくらは虚空に夜をみる ?
あれ結構古典的なSFだったような?
事件シリーズってノベルスのやつ?
9984:03/07/18 23:14
>>96
そうそうそんな題だった。
何か高校生とか出て来る時点で萎えた。
あれって、ベタベタな学園モノラノベスタイルを逆手に取ったハナシだったと思ったんだけど……。
瀬名秀明「ブレイン・ヴァレー」(角川文庫)

聞くところによるとSF大賞受賞作でツウにはたいへんウケがよかったという。
この作家はベストセラーのデビュー作がとてつもない駄作だったので敬遠していたが、
古本屋のワゴンで発見したので買ってみた。上下で100円ならクソでもあまり腹立たんし。
で、読んだ。クソ。すべてが陳腐で凡庸。
巻末に参考文献列挙してあって、なんでも脳科学関係の解説書まで出したらしいが、
どんなにがんばってお勉強しても、ダメなもんはダメだ。
情報を仕入れたのはいいが、それを扱う認識が薄っぺらなんじゃどうしようもない。
SFとかホラーとかを云々する以前に、根本的に作家としての資質がないかもしれん。
こんなものに賞をやった業界の良識を疑う。
古本屋で買っといて文句タラタラなのも悪いから、サービスして2点。
10289:03/07/19 19:43
>>101
御意!
Michael Bishop "No Enemy But Time"「時だけが敵」

主人公の悲惨な生い立ち(コアになるのは、主人公が見る「夢」)
と、タイムマシンで遡ってアフリカの原生人類に混じって生活する
話とを交互に展開しながらじっくり語り込む前半と、2つの話が
次第につながり、感動の連続の後半とのコントラストが印象的な名作。
特に後半150ページほどは、ヘレンが娘を産んで死ぬところ、
母ジャネットの手紙、ドラッグの力でヘレンと再会する
場面など、泣かせどころ満載で、文字どおり読むのを
やめられない。
ちょっとほろ苦いが一応ハッピーエンドのラストも
好ましい。いい話です。
高い文学性とエンターテインメント性を兼ね備えた、
優秀な作品。
どこか訳してくれないものか・・・。
日本語で読めないのはもったいない。

10点
104 :03/07/24 15:59
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア「たったひとつの冴えたやりかた」早川文庫
久しぶりに再読。
とってもきらきらとしている表題作。
老ティプトリーが若さとバイタリティにあふれていた
自分の少女時代を懐かしく振り返りながら、
それを少女の冒険によせて描く。
主人公のコーティーの決断・行動の節々にティプトリー自身を感じ、
この人はこんなふうにして生きてきたんだなぁとしみじみと思った。
だが少女の冒険の物語の最後を悲しい別れのシーンとして描いたことに見られるように
ぎりぎりの状況で下してきた自分自身の決断=生き方を
誇りながらも、それが同時に多くの別れと悲しみをもたらすものである
ことを理解しているあたりは大きくなったコーティー=ティプトリーの目を感じる。
林譲治「帝国海軍ガルダ島狩竜隊」ウルフ・ノベルス

「ウロボロスの波動」は小説としての弱さと女性主人公ばっかりなのが「?」だったけど、
これは軽妙さが丁度いい感じで面白かった。
戦前に超紐理論を考え出した超天才物理学者とか、『約束の地』を目指す謎の部族とか、
恐竜がいる世界の秘密とか、ちょっとソウヤーチックかも。

ただ、やはりこの人の女性キャラには違和感がある。
小林泰三ほどではないが……。

7点。
106でへ:03/07/26 23:41
冲方 丁(うぶかた とう) マルドゥック・スクランブル
圧縮・燃焼・排気 ハヤカワJA(全3巻)

あらすじを一言で言えば、
危うく殺されかけた少女が、特殊な相棒と、能力を得て、少女を狙った
犯人に法の裁きを受けさせようとする話です。

印象に残った場面を書くと
ターミネーターのような相手との、まるで映画「マトリクス」
のようなアクションシーン(アクション好きな人、必読)

証拠を得るために潜入したカジノのディーラーとの息詰まるような駆け引き。

娼婦であった主人公やその友達などが受けた、児童虐待に関するとっても
重くて、イタイ話。
(戦いを通じて、主人公はそれを乗り越えようとし、成長してゆく、、、)

重くて、イタイ話もあるんですけど、一気に読ませていただきました
特に各巻のアクションシーン、2-3巻のカジノのシーンは圧巻でした。

26才でこんな話がかけるんだ、、すげえや

9点
もしかしたら今年のマイベストSFになるかもしれない。マジで
マトリクス・・・・・
108 :03/07/28 17:45
SFマガジン、1995年1月号所収
チャールズ・シェフィールド「我が心のジョージア」
ネビュラ・ヒューゴー両賞ノヴェレット部門受賞だそうだがたいした話じゃないと思う。
内容は分析エンジンにまつわるエトセトラとか、異形人とのコンタクトだとか
何だとかいろいろ書いてるんだけど、そんなのはどうでもいい。
「無限の好奇心を持ち、自由に出来る収入がたっぷりとある連中」
が暇つぶしに一緒になって冒険ごっこをしているだけの話。
一人称でまじめに?こんな話を語られても、ごっこ遊びの参加者以外
にとってはどうでもいい話だ。批評性のないこの手のほら話はおもしろくないな。
乗れない。
>>100
そーか、ありゃラノベのパロディなのか・・・。
俺も読んだけど????だったから、なんとなく納得。
でも上遠野ってなんか苦手だ。
110名無しは無慈悲な夜の女王:03/07/28 18:46
【クレジットカードのショッピング枠を現金化!】

クレジットカードで買い物をすると、商品代金の80〜90%のキャッシュバック!!
10万円の買い物をすれば8〜9万円の現金がお手元に!!

■■朝日カード■■
http://www2.pekori.to/~ryu/asahi/
>>106
マルドゥック、イイ! 俺的にはここ10年のベストSF

ほんとカジノシーンは後々語り草になるんじゃない?と思ったほど
迫力満点、これほどスリルを感じたギャンブル描写は初めてだよ。
しかも紛れもなくSFしてるんだよな。
112 :03/07/28 23:35
>>111
へぇ、そんなにいいんだ、
明日買ってきて読んでみよ。
113112:03/07/29 20:30
マルドゥック買ってきた、
これから読む。
11489:03/07/30 00:21
>>113
読み終わったら、忘れずに感想書いてね!
115112:03/07/30 06:02
ただいま読了。勢いに任せて感想を書いてみよう。
エンターテイメントとしてもおもしろかったし、またいろいろ考えさせるものがあって、
充実した読書でした。

”どうして私なの”、という問いでこの小説は始まるが、それは
無条件に帰ることの出来るホームが無くなった現代の物語
にふさわしい始まり方だとおもう。
まずざっと内容を振り返ってみよう。

どうして私なのと問うた少女は、自分に無条件の愛を与えているべき場所を与えてくれた
かに見えた男によって殺されかける。
その少女バレットは”社会的有用性”を示すことによって生きている一匹と一人に助
けられ、そして自分を殺そうとしたあの男を告発し、法の裁きを受けさせるという役割が
与えられる。そして少女は、その役割を果たすために自分自身を守り、
役割を果たすために必要な機能を与えられ、その得た力を駆使して敵と戦い、
その中で得た経験は少女を成長させ、信頼できる相棒を得て、最終的に敵に打ち勝ち
自分の存在を肯定してくれるホームを得る。
116112:03/07/30 06:03
こうして筋をまとめてみるとこの小説の作者の社会観はかなりドライだ。

物語の中で家族を含めあらゆる共同体は崩壊しており、社会は徹底的に原子化し、
個々人はその”機能”と”有用性”によって地位と役割が与えられている。
社会全体が一種のゲームであり、それぞれの個人は独立したプレイヤーとして
その野心と生まれにふさわしいゲームに参加し、またときに
ゲームの必要に応じて契約関係を結ぶ。そしてカジノこそはまさにそのような社会の縮図
であり、そのシーンこそが物語の頂点だろう。

話は飛ぶけどこうして振り返ってみたらひとつ疑問が浮かんだ。
なんでこのドライな世界なのに、バレットとウフコックとさらにはドクターの間に、
機能的な関係とは違う愛情と信頼関係が生まれたんだろうか。
そこのところがいまいち分からなかった。
もひとつ疑問、小野不由美の十二国期もそうだけど、何で絶望的な
主人公を救うのがネズミ何だろう。何か意味があるのかな?

眠くなってきたのでこれぐらいで。
いくらなんでも感想スレで内容を細かく書くのはちょっと……。
118114:03/07/30 12:23
>>115-116
詳しい感想をどうもありがとう。参考になりました。
     ∧_∧  ∧_∧
ピュ.ー (  ・3・) (  ^^ ) <これからも僕たちを応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄ ̄∪ ̄ ̄〕
  = ◎――――――◎                      山崎渉&ぼるじょあ
120でへ:03/08/03 23:26
ファーストレンズマン EEスミス 創元文庫

レンズマンシリーズの中では、一番スペオペしていない話だと思う
オレ的には、レンズマンシリーズの中では一番すきなのだが、、、

リゲル人と始めて共感するのがXXについてだったという話とか、今までの
レンズマンシリーズにないリアルさがあると思う。

書かれた年代が新しい(といっても1950年ですが)せいでしょうね、
ほぼ同じころにかかれたSFに、「宇宙商人」(フレデリック・ポール&
C・M・コーンブルース1952)などがあります。

8点
121無料動画直リン:03/08/03 23:27
G・R・R・マーティン「七王国の玉座」上下

息をもつかせぬ怒濤の展開で一気に読んでしまった。
腕が疲れた。
骨太で豊かな世界、登場人物達の葛藤と変転、楽しかった。
しかしリーダビリティあり過ぎというか
波乱万丈の金太郎飴状態とでもいうか
読書中「この先どうなるか」だけを追ってしまい斜読みになってしまうのは
この手の大河ソープオペラに自分が向いてないというだけの事。だろうな多分

続きは読みたいけど再読するかどうかは微妙なので6点
123名無しは無慈悲な夜の女王:03/08/04 21:54
アタイこそが 123げとー    
上遠野浩平『僕らは虚空に夜を視る』(徳間デュアル文庫)

面白かった。昔SFMのインタビューで「マトリックス見た?」「いや見てない」というやりとりが
あったけど、なるほどって感じ。
敵が妙に分かり易い思考形態してたり、設定にも色々と疑問点があったりするけど、オチで
コロリとやられました。こういう味ってSFならではだな、と。

8点。
125でへ:03/08/15 16:32
この不思議な地球で 巽孝之 紀伊国屋書店

サイバーパンク及びポストサイバーパンク作家のアンソロジー

カードの「消えた少年たち」が一番良かった。 9点
これはいろんな捕らえ方をする人がいて、問題作の
ようですが、私は単純にホラーとして楽しみました。

パット・マーフィーのロマンティック・ラヴ撲滅記もなんか
ユーモラスで良かった。 8点

ここら辺は万人受けする話じゃないかな、と思いました。

他にギブスン、スターリング、ハンド、バラードの短遍が
入っています、ネクロフィリアの話など出てきますので、
話によっては拒否反応を示す人も出てくるでしょうが、
私には面白い本でした。

巽孝之さんの序文、編集後記も良かったです。

ある程度サイバーパンクを読み込んできた人にオススメ、 総合点は7点
126山崎 渉:03/08/15 22:16
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン
127山崎 渉:03/08/15 22:36
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン
128でへ:03/08/16 15:29
ピニェルの振り子 野尻抱介 ソノラマ文庫

「太陽の簒奪者(長編版)」や、「ふわふわの泉」は
イマイチだったけど、これは結構面白かったです。
野尻さんというのはなかなかいいアイデアを持っている
ハードSF作家だなと思いました。

相変わらず人物描写が、、、なところがありますが、、
ハードSFだったらこんなもんか?

ファーマーの「リバーワールド」シリーズと、
ニーブン&パーネルの「神の目の小さな塵」の世界設定を
足して2で割ったような舞台設定が良かったです。
ちょっと違うか (藁
世界設定がイイ、続巻に期待です。

(関係ないが、ロケットガールも早く続きを書いてくれ(藁)

佳作です。続きが出たら買います。   6点
129純粋呪文を検索:03/08/19 11:50
冲方 丁(うぶかた とう) マルドゥック・スクランブル
圧縮・燃焼・排気 ハヤカワJA(全3巻)

少女がサイバーパンクの世界でハードボイルドする話。
賭博のシーンが圧巻。
引用したいフレーズも溢れている。(「足なんて飾りですよ」は違うか)
別の視点というかサイドストーリーが乏しく、やや一本調子。描写も
(俺にとって)わかりづらい箇所もある。
というかスレ立てろ、誰か。            8点
130名無しは無慈悲な夜の女王:03/08/19 11:51
獣荒野に慟哭す(完全版) 夢枕獏 新書版

半村良的伝奇バイオレンスでしょうか。
今までの作品の中で、最も半村氏の影響を感じました。
んで、作品自体ですがプロットが無いままに、長々と書き続けているので
折角のネタが展開しきれないまま終わってる感があり、惜しい。
(というか「バイオレンス」部分に傾倒しすぎなんよね)
もうちょっとポリネシア→中南米への民族伝播と絡めて
大風呂敷広げても良かったのではないかと。

でもまぁ面白いんだよね、この人の小説 7点
ロバート・L・フォワード『竜の卵』

今さらな作品なので、訳の点で気になったところを一つ。
「卵」上にいるチーラたちの名前とか固有名詞が、
ピンク・アイとかラウド・トーカーとか英語直読みなんだけど、
<桃目>とか<どら声>とか日本語にしてくれた方が
土着っぽい感触が出てよかったんじゃないかと思う。
何となく英語でやられたんで、言語体系が地球と一緒やんという印象が拭えなかった。
まあ『ドラゴン・クリスタル』が『竜水晶』になったところで、
竜とか水晶とかいう観念の存在を前提とすることにはかわりないから
一緒といえば一緒なんだけれども、
我々は日本人なわけで、
惑星の名前が「竜の卵」っていうのと
「ドラゴンズ・エッグ」っていうのとでは、
やっぱり印象が大きく変わるなって思って。
大きな不満というほどではないけれども。
132名無しは無慈悲な夜の女王:03/08/20 14:28
軌道通信 ジョン・バーンズ ハヤカワ文庫

多感な少女の宇宙生活青春日記なんだけども
その行動原理の裏には・・・みたいな仕掛けがあって
なかなか興味深い。愛だ友情だとひたすらに主張される
よりは受け入れ易いのではないでしょうか、SF者としては。
生活してる宇宙船(?)の光景が想像しづらいのが、ちと難か。
宇宙のスティルヴィア視聴者は読んでみちゃどーですか。

7点
>129
ウブカタスレはライトノベル板にある。スレタイで名前間違ってるけど。

『カオスレギオン』沖方丁
http://book.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1044190163/
134名無しは無慈悲な夜の女王:03/08/22 23:14
マキャモン「スワン・ソング」

前半は面白かったんだが・・・中盤の中だるみが痛い。
無駄なディテールの積み重ねが多すぎる。
人物も類型化され過ぎて、魅力がなく、感情移入が難しい。
また、無意味な殺戮描写多すぎ。
その割に、後半はあまりにも単純に図式化され過ぎた
予定調和な展開で、ラストも予測のつく陳腐なもの。
大風呂敷広げた割には残念な内容。
意欲作なのは認めるが、失敗作だろう。
マキャモンの限界か?
各方面での高評価の理由が分からない。

3点
135名無しは無慈悲な夜の女王:03/08/23 19:37
川端裕人『夏のロケット』

漫画版にも独特な味わいがあるが、原作版?も捨てがたい。
久しぶりに読み返してみた。
私にとっての癒し系作品だと再認識する。
8点

第六大陸の2巻を買いに行ったが無かった。
ついでに星の破壊者を買ってしまった私は、
生粋のライトノヴェル愛好家。
なんかラノベ板の似た様なスレ見たら大荒れだったんで、こっちに……まあ広義のFTっつー
ことで。

高橋弥七郎「灼眼のシャナ」電撃文庫

実際にモノ破壊されてるんだからどっからその分のエネルギー持ってきてんのかなあ……
なんて部分は目を瞑るにしても、紅世の王(異世界の住人ね)が随分人間くさかったり、異世
界テクノロジーの産物である宝具のネーミング規則がすごく分かり易かったりするのがちょっと
謎。異世界と人間世界の関わりがさっぱり説明されないんでわだかまりが残る。
キャラクター造形面では、ヒロインは典型的クールビューティーの域を脱してないけどまあまあ。
困ったのは主人公で、最後までどういう人物かイマイチよく分からない。
シリーズ化前提なんだろうが、物語が一応完結している以上、上記のことくらいはそれなりに
説明して欲しかった。

っていうかなんとなく魔(略)ア(ry
          ∧_∧
    ∧_∧  (´<_`  ) あまりにも板違いがすぎるぜ、兄者
   ( ´_ゝ`) /   ⌒i
   /   \     | |
  /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/  FMV  / .| .|____
    \/____/ (u ⊃

4点。
早川書房編集部編『SFマガジンセレクション1989』

日本人のSFは余り見ないのだけど良作揃いで面白かった。
エネルギー節約のため、巨大な世代宇宙船でウサギを処分することが決定される。
それに反対する子供たちは、ある場所で「デンワ」という旧式の通信機械を発見し・・・
(草上仁『市長、お電話です』)。
貨幣を脂肪にして身体に取り込むというアイデアで、「肥満=裕福」という洒落が利いてる、神林長平『痩せても狼』。
何故か雨後に地面から「生えている」白く透き通った動物たち、岬兄悟『筍族』。
アンドロイドが実用化された時代の「家族の絆」の姿は。東野司『最後の日』。
個人的に集中の白眉と思うのは、大場惑『メイズィング・ゲーム』。
記憶を失ったまま、終わりの見えない巨大迷路内をさ迷う何万、何十万という人々。
やがて各自が自分の生き方、すなわち迷路に対する回答を見出す。
街ができ、情報ネットワークが整理され、経済が成立する。
名のない彼らが、職種を固体名として受け入れていく様子が面白い。
138135:03/08/28 21:18
小川一水『第六大陸2』
ライトノヴェルはこうでなくっちゃ。
続きが読みたい気にさせつつ幕を引かれたこの作品。
『アレ』とか『彼等』の来訪とか、新天地としての、
『第六大陸』の発展・開発史が非常に読みたいとは、
思いませんか?
未読の方は、兎に角一度騙された積りで読んで見ては?

8点(ネタばれ済みません。)
139超未来型SFファンだけども:03/08/28 23:32
いまさらながら ロバート.J.ソウヤー
「さよならダイノザウルス」 6点
イリーガルエイリアンを見てから読んだのですが、きっとこちらの
方が先に作られたものと思いますが、エイリアンってもしかして。。?
って思いました。ちょっとちがうかもしれないけど肩から脚様のもの
がはえていたり、似てますよね。でもウィルスじゃないですね。

#ゲイトウェイの3をようやくみつけましたが上だけしかなかったので
 読み始めていいかどうか思案中
140超未来型SFファンだけども:03/08/28 23:34
ややこしかったですがダイノザウルスのが昔にかかれた、って思ってます。
(読み返すと逆にもとれちゃうので)
141超未来型SFファンだけども:03/08/28 23:37
「宇宙船レッドドワーフ号1」と「2」 7点

1を手にしたときはそれほど期待せず、読み始めてもうーむやっぱ
これわ。。。と思いつつ、でもやっぱ もんのすご〜〜〜い超未来
という点に惹かれ、必死に2も探し出して読みました。

これはこれで終わってしまうのが残念ですが、それなりに楽しみ
ました。欲を言えばもっともっと奇想天外な生き物がでてくると
楽しかったのですが。
>138
第六大陸、思ったより大風呂敷そうで面白そう。
なんか大富豪とその孫の天才少女って時点で「ウゲッ!」と敬遠してたけど、買ってみようかな。
143名無しは無慈悲な夜の女王:03/08/28 23:59
カード「消えた少年たち」

出てくるキャラがみんなテンション高いので読んでて疲れた。
なんでそんなにすぐテンパるんだよ、って感じ。
144名無しは無慈悲な夜の女王:03/08/29 00:51
「宇宙航路 猫柳ヨウレの冒険」 光瀬 龍

 ある意味ビックリした。
 キャラが誰一人魅力的でない。
 つうか、ヒロインの殴られた時の台詞が「ひ〜」って・・・

 1点
>>138
それで読んだ気になれたからもういいよ。
ティプトリー「老いたる霊長類の星への賛歌」10点

重厚で陰鬱で難しくて面白い。超こってり。
躁と鬱の振幅の大きさがティプトリー作品の一つの魅力だが
本短編集は振り子が鬱の方に振れたものとしてはまぎれもない
最高作揃い。
特に「一瞬のいのちの味わい」と「ヒューストン、ヒューストン、
聞こえるか?」が、やはり迫力において双璧。
「煙は永遠にたちのぼって」「すべてのひと再び生まるるを待つ」
などの技巧的な作品も決まっている。
そしてティプトリーの精神的自伝とも読める「ネズミに残酷な
ことのできない心理学者」、冷酷と感傷の激しい相克という
ティプトリー作品のルーツが分かり、非常に興味深い。

もう最高。
フレッド・セイバーヘーゲン『バーサーカー・赤方偏移の仮面』
人類対バーサーカーのとんち合戦の第1巻。
実は「皆殺し軍団」が最初だと思っていた。
なぜならスコーピオンズのデビューアルバムが『恐怖の蠍団』だからである。

ぶっちゃけ皆殺し軍団の方が面白かった。
これは短編集で、中には連作で内容が繋がっているのもあるが、俯瞰的なコメントを付記して全編をむりやり統合しなくてもいいと思う。
セイバーヘーゲンの殺戮機械は実に殺戮機械っぽくない。
それがいい味を出してもいるし若干ぬるくもある。

バーサーカーで連想するのは「ボーグ」(スタトレ)だが、こないだT3を観に行ったとき、あのスカイネットこそバーサーカーだと思った。
馬鹿馬鹿しいし。
『バーサーカー・マン』が翻訳されることを祈って7点
それとageとく。
148名無しは無慈悲な夜の女王:03/09/06 11:58
リョンロート編、森村覚丹訳『カレワラ』講談社学術文庫

フィンランドの古事記みたいなもん。
とにかく雰囲気が清冽で、
エッダ、ニーベルンゲンの指輪みたいなゲルマン系の話や
創世記にはない暢気さと素朴さが新鮮。
最長老の歌い手のくせにすぐ怒るワイナモイネン、
理性と技術の人イルマリネン、はやる若者レンミンカイネンなど、
登場人物もいちいち魅力的。
北欧の森と湖と野いちごとサウナを愛する人にはお勧めの一冊と言えるでしょう。
形式がまたいいのよ。
二行対句で、ひとつの事を微妙にずらした表現で二回言う。
ちなみに、「シルマリル」のトゥーリン・トゥーラムバアルのネタ元もあり。

ヨーロッパのファンタジーの源流にも目を向けてみよう!というわけで紹介。
お、それ面白そう。今度読んでみよう。
二行対句に惹かれた。
>>149
イェア!
通読する必要はないよ。
あれは連作短編集だ。
聴くほうだって何年もかけてちびちび聴くんだし。
もれも二行対句が気になる・・・
カレワラ・・・
なつかししなぁ

暗いポホヨラで
霧深いサリオラで〜
Q:「レンミンカイネン」と聞いて何を思い出しますか?

1 フィンランドの巡洋艦
2 マザコンの特攻DQN
3 シベリウスの組曲
154でへ:03/09/08 23:31
「PLUTO」浦沢直樹+手塚治虫 ビッグコミックオリジナル 9月20日号

コミックです。
いったいどうなるかな?と、思っていたんですけど、
初回はなかなかいい話(SF) になってました。
浦沢直樹は昔から好きだったので、今回も楽しく読めそうです。
話の流れは結局、「MONSTER」と変わらないかもしれませんが
「SF」としてどんな話になるか楽しみです。

8点
155でへ:03/09/08 23:59
夢の樹が接げたなら 森岡浩之 ハヤカワJA690

ちょっと前に読んだ本だけど、ついでに書いときます。

短遍集です。
星界の紋章、戦記は正直言ってイマイチだったんですが、
これは結構面白かった、小松左京あたりの油の乗った短遍集を
読んだような気がした。

きっと作者は経済観念があり、一般常識のある人に違いない(藁)
こういう才能ある人がSFに残れない、これが現状なんだ。

7点
っていうか残る残れねえとかじゃなくてさっさと書(略
「分解された男」アルフレッド・ベスター

驚いたんだが、これって出てから今年で丁度50年、半世紀なんだよね。
それなのに、今読んでも凄く格好良くてパワフル。通信技術の部分に目を瞑れば、今年の新作です、
っつって出されても「ちょっと古いけどこれはこれでいいんじゃない?」という感想を抱く気がする。

10点
>>155
油→脂じゃないかな。揚げ足取りスマソ
「火星年代記」レイ・ブラッドベリ

三大家ではアシモフ、ニューウェーブ以降ではホーガンが好きという
嗜好には合わなかった。
雰囲気は感じる物があるが設定の揺れや展開の非論理性の方を
強く感じてしまった。
せめて感情移入できるよう狂言回しでもいいから
キャラクターに配慮してくれればと思った。

点数保留
古川日出男「アラビアの夜の種族」

あと一歩って感じ。ただそれはつまらないとか面白くないという意味ではなくて。
ルビを多用した色とりどりの文体とか口語体の迫力とか訳注というスタイルを効果的
に用いているとかいった表現技法に加えて日本人のあまり知らないアラビア及び
イスラムのエキゾチックな雰囲気がうまく出ている物語とか非常に面白いんだけど、
それだけにあと一歩という感じは否めない。

本当にあと一歩踏み込んでくれれば(それがどんなに大変かは知る由も無いが)
日本SFの歴史に残るほどの大傑作が生まれたのに、とか思ってしまうのは
勘違いだろうか。点数は9.5。あと一歩踏み込んでくれたら10点満点で11点が
つけられたのに。
161超未来型SFファンだけども:03/09/13 01:55
ゲイトウェイ3(上下)、ゲイトウェイ4(上下)

7点

超未来ではないけども話としては超未来まで続くという含みあり
で、面白かったです。「帰ってきた宇宙戦艦ヤマト」みたくな本が
もう1冊あるということみたいなのでどこぞで出会えるのを楽しみに
しています。
第六大陸1,2。
不覚にも泣きそうになった。
こーゆー上質の話に出会うとSF者でよかったと心から思う。
ただ、これといいFわFわの泉といい、******を扱うのが個人的に残念。
S*T*計画自体には概して好意的なのだが、その将来の成果には懐疑的な俺である。
その点だけをマイナスして
9点。
こちら異星人対策局/GRD

良くいえば老境。悪くいえば老害。
ハヤカワSFでなくジュブナイル向けの出版社から出して、まだ知性化にふれてない
子供向けとして小学校や公民館の図書室に置けばよかったのではなかろーか。
今ブックカバーを外して白背だったと気付いたけど、厳しく、3点。
「しあわせの理由」グレッグ・イーガン
まだ表題作しか読んでないんだが、素晴らしすぎる。
宇宙消失、順列都市、祈りの海収録短編と、どれもよく考えてあるし面白いんだけど、どうも
突き抜け感が足りなくて「なんかイマイチだなあ」と思ってたんだが、これはいい。
小説読んで泣いたのはこれで3度目だ。

10点。
神狩り 8点

たしか中学1年のとき、物語じゃなくて小説本じゃなくてキャラじゃなくて
初めて「SF」を読むんだと腹をくくって買った初めてのSFだったと記憶している。
だから、この作品が俺の国内外すべてのSF小説に対する評価の基準点。
と書くと大仰だしカッコつけすぎだけど、要は最高の出会いだったと言いたいわけでw
今回も(手元にあるのはハルキ文庫だけど)それが変わってないし間違いじゃなかったと感じた。
徳間さん、2の刊行はまだですか?
>165
自分、学生時代に言語学を専攻してたんだけど、
そういった目で見ても面白かったよ。
SFとしてはもちろん言うまでもない。
2の刊行、待ってます。
「われらの有人宇宙船――日本独自の宇宙輸送システム「ふじ」――」松浦晋也

ノンフィクション(?)だが、他に書くトコないんで。
内容は、まあ詳しい人には当たり前のことなんだろうが、カプセル宇宙船の歴史やスクラム
ジェットの問題点などについてコンパクトにまとめてあるのが良かった。
ふじ計画自体についてはウェブサイトの記述に加え、考えうる問題点に関する回答がより詳
細に説明されています。
個人的には全体を通して大変楽しめ、勉強になりました。

8点。
A.E.ヴァン・ヴォクト『宇宙船ビーグル号』(ハヤカワSF文庫)

超有名作を今頃読む・・・なるほどこれは名作と呼ばれるだけのことはある。
宇宙の超知性が「敵か味方かどちらか」だとは了見が狭い、と言ってレムはソラリスを書いたが、
宇宙船に次々襲いかかってくるモンスターという設定には抗しがたい魅力がある。
ともすれば単調な怪獣退治の繰り返しになるところを、内部の人間関係で縦糸を作っているのは上手い。

人類を越える完璧に近い種族、というのは、60年代以前のSFによく登場するが、
それは全体主義の反映ではなくて、
「人類はもっと完璧な存在になれる」という発想の裏返しなのかもしれない、と
情報総合学の概要を見ていて思った。
8点。
169名無しは無慈悲な夜の女王:03/09/18 19:25
ディック「暗闇のスキャナー」 pkdの70年代の作品を読むのはこれが初めて。 SF要素は少ないが引き込まれて一気に読んだ。 主人公の壊れて行く様が哀しい。 完成度は高いが個人的には 今の所「高い城の男」や「ユービック」のほうが好みなので 9点
170名無しは無慈悲な夜の女王:03/09/18 21:55
R.E.ハワード「冒険者コナン」 人だろうが神だろうが化け物だろうが、盛大に殺しまくるコナンが爽快。 アクションと怪奇味のブレンドも絶妙。他の巻も読みたくなった。 10点
171名無しは無慈悲な夜の女王:03/09/18 23:01
シオドア・スタージョン「人間以上」 スランやXメン系の話かと思ったら かなり内面的な内容だったので驚いた。 観念的だったりして取っ付きにくい所も多いのに、 読み出したらやめられずに一気読み。作者の文章力の成せる業だろう。 アリシア・キューに救いがないので 8点
読んだ、つか、買ってきたもの。
創元復刻フェアの「ロシア・ソビエトSF傑作集(上・下)」「東欧SF傑作集(上・下)」
3冊は既にもってて、どの1冊をもっていないかわからなくて結局全部買ってきた・゚・(ノД`)・゚・
その昔、「ギャラクシー(上・下)」を買い逃してその後どこにいっても見つけられず
入手までにどえらく苦労したトラウマのせいさトホホ。

結局正解はロシア・ソビエトの下巻ですた。
採点するにちとリハビリが必要なので
とりあえず本箱のどこかにあるストルガツキーの本を探索中。
まだ見つからない・・・
173名無しは無慈悲な夜の女王:03/09/20 12:50
ゲイマン「コラライン」9点
面白い。マンションの開かずの間の向こうに鏡像世界が・・・
という設定は、児童向けファンタジーに多いパターンで懐かしい。

モロウ「真実の都市」8点
ストーリー展開は予測がつくものだが、「嘘が狂気とされる
世界」という設定が抜群に面白い。
ディテールの考証は結構甘いが
174でへ:03/09/20 22:35
岬一郎の抵抗 上・下 半村良 毎日新聞社
昔からの東京の下町人情あふれる街に起こった公害事件が、
最後には新人類テーマのSFとなりました。
なんか全体で見るとまとまりのない話なんですけど、
後半の、現行人類と新人類(神)とのかかわり、
庶民(下町の岬一郎と親しい人々)と権力
(岬一郎を利用するか、排除しようとする人々)のかかわり
が、よく書かれていました。
結構深いSFでした。
最終章の「処刑」はすごかった。特に最後は「おおっ」
と思ってしまった。 圧巻!

8点
175でへ:03/09/21 22:09
第六大陸 1,2 小川一水 ハヤカワJA727,735

果たして、こんな動機で月に「建築物」を作っちゃう
だろうか? という疑問はとりあえず置いといて、

面白かった。

月面に何をいつまでに、どれぐらいの予算をかけて建設するか、
というアプローチの仕方が、今行われているような仕事のやり方と
同様の視点で書かれているのが、とっても新鮮でよかったです。

クラークのSFをラノベ化した感じですか?
今の人には、クラークよりこっちのほうが面白いでしょうね。
(宇宙への序曲とか火星の砂とか、初期のやつと比べてね)

6点

冲方さんも小川さんも岐阜出身、そして来年はG-CONですか、、
176でへ:03/09/21 22:12
>158

全くそのとおりでつ、
RESが遅れに遅れたことスマソ
見逃してました。
チャン「あなたの人生の物語」10点

半分以上の収録作は再読なんだが、我慢できずまた読んでしまいますた。
濃厚で知的にエキサイティングで、もう最高。
独創的な着想を綿密に展開し、突き抜けて行く迫力は凄い。
特に表題作は見事の一言、やはりオールタイムベスト級の名作だ。
何でも満点つければいいってもんじゃないよ(w
179名無しは無慈悲な夜の女王:03/09/22 17:00
アーシュラ・K・ルグィン「闇の左手」 緻密な異星文化描写は見事。後半の脱出行も迫力ある。 だが、いろいろと象徴やなんやらが込められているようで、そういうのは苦手。 6点
180名無しは無慈悲な夜の女王:03/09/22 18:53
>>178
気になるなら読めばいいじゃん
>>179
享楽乞食ハケーン
>>180
気になったわけじゃないんだ。
183177:03/09/22 22:19
>>178

10点が気に入らないというなら、読んでレビュウしてよ。

漏れにとってこの作者は、収録作の大半が既読でも
再読したくなり、かつ再読しても満足できる稀な作家。
それどころか「地獄とは神の不在なり」「理解」なんか、
むしろ再読してかえって印象アップ。
初訳もので「バビロンの塔」「顔の美醜について」あたりは、
作者の変わった一面も見せてくれるし(とはいえ、一定の
仮定の下に推論を積み重ねるという作風は共通しているのだが)。
特に、「顔の美醜について」は題材も柔らかめで、
「あの理屈っぽい文体や内容がどうも・・・」
と敬遠する向きにも薦められる。

ちなみに、迫力という点ではやはり「理解」「あなたの人生の・・・」
「地獄とは・・・」の3編が凄いと思うが、ちょっと重すぎる気も
するので、個人的には、「バビロンの塔」みたいなすっきりした
理知的ほら話を、もっと読んでみたい気がする。
184179:03/09/22 23:08
そうさ俺はいかにも享楽乞食 次に読むのはディックの「死の迷路」 思いっきり楽しむぜ
>>183
君、このままじゃオナニーのし過ぎで遠からず死んでしまうぞ。
悪いことは言わないからほどほどにしておきなさい。

それにしても、君って文章が下手だねえ。。。
感想を書くスレで、人の感想にケチつけるだけの奴って何?

具体的なこと書かないで「糞つまんなかった、0点」とかいうのに
文句つけるのならわかるけど、ちゃんと自分の言葉で書いてる人
に対して煽るだけってかなり失礼だな
>>185
10点
「BLAME! 10巻」(弐瓶勉、講談社)

最終巻らしいスケールのデカいバトル&王道的燃え展開も良いが、最終二話の静かな
雰囲気はSFならではの遙かな時間の流れを感じさせ、正に「SFは絵だねえ」を地でい
く印象。
主人公霧亥が遂に辿り着いた建造物の尽きる場所には、最良のSFのセンス・オブ・ワン
ダーを感じた。

正直7〜9巻あたりは迷走している印象があったけど、10巻でしっかりSFに戻ってます。

9点。
189でへ:03/09/23 11:05
あなたの人生の物語 テッド・チャン ハヤカワSF1458

マターリ行こうぜ

面白いよ、テッド・チャンの全作品らしいけど
粒よりと言っても良いような短遍集だし、
(粒よりじゃないけど、そう言っても良いくらい
レベルが高い)

でも、難しいよ、「ゼロで割る」は、2回読んだけど、
今でも理解できていない。

「あなたの人生の物語」も、難しかったなあ。
最後まで読んで、ようやく話のつくりの
理由(わけ)が見えてきたよ。
スゴイ、と思ったけど、

良いSFっていうのはもっと単純で、
センス・オブ・ワンダーを直感的に
感じさせてくれるものだと思う俺には、

8点
『マルドゥックスクランブル』全三巻 冲方丁 ハヤカワJA文庫 八点

おもしろかったー。

 ・マトリクスっぽい戦闘シーン
 ・カジノシーン
既出だけど、やはり俺もこの二点が強く印象に残った。

三巻全編、飽きることなく一気に読まされたという感じ。才能だね。
焦点が定まらないというか、未成熟というか、物足りない印象があるのと
同時にこれからの作品に期待できそうな作家に思えた。
次代の神林になれるかな?

最初、図書館で『マルドゥックスクランブル』シリーズ三冊を探したんだけど
地域の図書館になくて、本屋で購入。
当たり外れの不明な未知の作家の本をいきなり買ったのは久しぶり。

おまけ。
三巻のあとがきで「少林寺拳法のジェット・リー」とあったけど、
少林寺拳法は戦後に出来た日本産の武道だろっ、少林拳のほうだろっ、と
やぼつっこみをいれてしまった。
コララインって翻訳出てたんだ。今日SFマガジンのヒューゴー賞発表の
記事読んだら、角川から出てるらしい。
知らずに原書読んじゃったよ、ちくしょう。
明日かって来るぞ。
児童書のコーナーね
コラライン探しにくかったけど見つけますた。
買ってきますた
194名無しは無慈悲な夜の女王:03/09/26 15:37
洋書の児童書でもいい?

R. L. StineのGIVE YOURSELF GOOSEBUMPSシリーズははずれがなかった。
子ども向けホラーのゲームブックだけど、それぞれ辿り着くオチもなかなか
センスあり。

これって日本でも売られているの?
バリー・ヒューガート 『鳥姫伝』 ハヤカワFT308

話は良かった。
良かっただけに、翻訳が自分に合わなかったのがくやしい。
あの文章で最後まで読むのが辛かった。

点数保留
196名無しは無慈悲な夜の女王:03/09/26 16:34
>>195
私はあの翻訳は結構いいと思ったんですけど・・・
このシリーズの翻訳はむちゃくちゃ大変そうですね。
英語だけじゃなくて中国語や中国と日本のの伝奇、伝説の知識とそれらを取捨選択(日本語、中国語、英語のどの表記を取るか)するセンス・・・

まあ、原書で読んだこと無いのであまり大きな事はいえないのですが。
197名無しは無慈悲な夜の女王:03/09/26 18:45
設定を聞いただけで興奮する「キャッチワールド」を
期待満々で読みはじめたのですが…。
終わりが近づくにつれて尻すぼみになっていく印象を受け
すべてはルルケッター博士のえがいたシナリオ通りという
拡大より収束の方へと向かうラストに肩すかし…というのが
偽らざる感想ですが、これってまだまだこちらのSFファン
としての「読み」と「キャリア」が浅いと言うだけのこと
でしょうか…?点数保留…。
>>197
そんなもんです。
名書というよりは奇書の類。
199名無しは無慈悲な夜の女王:03/09/26 23:22
>>195
難しいね。
テンポが大事、しかし雰囲気も大事、なタイプの小説だからね。
ムアコックの「光の王」なんかを読んでると、
「重厚な神話的展開をやるのか、アメリカンコメディをやるのかはっきりしる!」
とむかついてくるが、同じようなことを>>195は思ったのかな。
>>199
ゼラズニイでは?<光の王
201名無しは無慈悲な夜の女王:03/09/26 23:47
>>199
すまん。
同じような感想を抱いたデルヴィシュと混同してた
「ストーンエイジCOP」藤崎

ちょっと頭抱えてるところ。
203名無しは無慈悲な夜の女王:03/09/27 00:26
アタイこそが 203高地げとー  
204ステッセル:03/09/27 01:03
(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(´  )━(Д´ )━(`Д´)ウワァァァン!!
205伊知地:03/09/27 01:13
重砲 (゚听)イラネ
206乃木:03/09/27 01:17
鬱だ死なう
>>202
藤崎はちょっと頭痛いよね。
>>197
>>すべてはルルケッター博士のえがいたシナリオ通り
そうだっけ?あれは<クロウ>が時間を遡っていろいろ干渉してたんだと思ったけど。
209名無しは無慈悲な夜の女王:03/09/27 20:32
<208
同じワイドスクリーン・バロックで「超存在」が出てきても
バリントン・ベイリーとかだとホラ話のセンスがあるので
SF初心者の私でも面白く感じるんですが。

…もう一度読み直してみます。
今日見たSF。「ブラッドミュージック」

炊飯器にごはん残ってた。炊いたのは7月の・・・ ・゜・(ノД‘)・゜・
>>210
お米つぶに生命を与えるかい?
>>210
どうかしてるよ。
『図書館警察』 スティーヴン・キング

あろうことかこんな本を図書館から借りてきてしまった。
返却日はあさってなのだけれど、なにかの拍子で返却が遅れてしまったら
とか思うとドキドキしてくるよ。

読む前はミザリーみたいなサイコホラーかな?と想像していたのだけど
ちとジャンルが違いました。
うーん。これはこれで面白いけど、このオチだとグロテスクではあっても
あんまり怖くないかな。
主人公のトラウマの原因には・・・・うぇぇ、でした。

ジャンルが少し予想と違いはしたけれど、それなりに楽しく読めました。
六点。
>213
ちゃんと返そうね(w
>>211
SF大将だな
イーガン「しあわせの理由」(ハヤカワ文庫)

「祈りの海」にいいのを集め過ぎたせいか、前のよりはちょっと
落ちるかなあ。
SFの平均レベルは上回ってると思うけど。
まあ好みの問題もある。特に前半の方はいまいち。
後半はさすがに傑作が多い。
「チェルノブイリの聖母」は、イーガンの社会派方面のセンスが
出た傑作だと思う。
「ボーダーガード」も、ちょっと難しいけど、凄いと思う。
「血をわけた姉妹」「しあわせの理由」はもちろん
傑作なのだけれど、なぜこれを最後にもって来るのかなあ。
どっちもアンソロジーに既収録。
大抵の読者は両方読んでいるだろうから、「ボーダーガード」までで、
本書の印象は決まってしまうだろう。
あと、「しあわせの理由」も、確かに傑作だけど、90年代のベストの
一つとまでいわれると、それほどでもないかなあ、という感じ。
こんなこというと、お前は分かってないといわれそうだけど、
いかにもイーガン節な感じが、ちょっと鼻につく感じがする。

というわけで前半が今一なのと、作品の配列が不満。

個人的な採点は 7点 ぐらいです。
>>216
>こんなこというと、お前は分かってないといわれそうだけど、

いや、間違っていません。イーガンはそんなもんですよ。
もっか過大な評価のみが先行しているきらいがありますね。
十年後には邦訳本はほとんど品切れ状態でしょう。
まあ名作なのに品切れなのは腐るほどあるけどね。
サイバーパンク作家勢なんて、ギブスン以外はほぼ全滅だし。ニューウェーブは言うに及ばず。
ニューウェーヴの名作って何があったっけ?(揶揄ではなく)
バラードとかディレーニイとか?
どっちももう新刊では手に入らないの?
222名無しは無慈悲な夜の女王:03/09/30 02:46
>>221
ディレイニーは「アインシュタイン交点」が、
バラードは「コンクリート・アイランド」
「沈んだ世界」「結晶世界」他、新刊で買えるみたい。
バラードはアマゾンだと25点ヒットしたよ。
ぜんぶ新刊というわけには行かないけど。
適当な調べでごめん。
バラードは比較的手に入りやすいけど、「クラッシュ」も絶版だし、
ちょっと本格的に探そうと思うと厳しいね。
オールディス、ゼラズニイなんかは古本主体になっちゃう。
224名無しは無慈悲な夜の女王:03/09/30 08:48
嘆いてばかりいないで、復刊ドットコムでリクエストだ
http://www.fukkan.com/list/index.php3?c_no=200&sort=vc
225名無しは無慈悲な夜の女王:03/09/30 12:02
>>216
イーガンは、本来すべてのシリアス系SF作家が基本として
そのうえに立脚すべきベースラインをストレートに書き綴っ
ている中道の作家。
226 :03/09/30 16:40
今ポールアンダーソンの「タウゼロ」読んでるけど
スケールの大きさに圧倒されてます
>>217
俺は信者だけども、「順列都市」が凄すぎたんで、ちょっとみんな眼を眩まさ
れてるんじゃないかって気はするね、確かに。
>>222-223
ありがとう。全滅ってわけではないんですね。
ゼラズニイはもっと訳されてもよかったと思います。
「伝道の書に捧げる薔薇」を初めて読んだときには
思わず「もっと読みたい!」と思ったものですが、
短編集はほとんど出ていないんですね。残念・・・
ゼラズニイって、80年代にも結構いい作品書いてるんだよね。
「ユニコーンウ゛ァリエーション」とか「北斎の富獄・・・」とか
「氷の炎」(だっけ? 結構うろ覚えいい加減信じないで)とか、
全部大好き。
短編集も出てるのに訳されてないんだよなあ。
原書はあらかた持ってるので、漏れが自分で訳して自費出版するしかないか、
トホホ
>>229
>短編集も出てるのに訳されてないんだよなあ。
原書はあらかた持ってるので、漏れが自分で訳して自費出版するしかないか、

出たら購入します!
人のページだけど、ゼラズニー作品リスト
ttp://homepage1.nifty.com/ta/sfxyz/zelazny.htm
翻訳も多いけど、未訳もいっぱいあるなあ、、、
>226
解説先に読んだら、一番凄い場面がネタバレされていて泣いた……まあそれでも面白かった
ですけど、ね!
でも、一番感心したのは、なんか光速に近づいても結構人間が操縦出来るんだなあ、という
ところ(藁

>227
自分はむしろ「しあわせの理由」収録作が一番良かった。「道徳的ウィルス学者」みたいな思わ
ず左右非対称に笑っちゃう作品とか、作風に幅がある印象。表題作は大泣き。
それ以前のは、
「宇宙消失」→時空の支配者+セックス・スフィア+重力が衰えるとき?
「順列都市」→作中人物が言及してるように、塵理論は実証不可能の「ものの見方」のひとつ、
         としか感じられずに、イマイチ、ノれなかった。むしろコピーの描写とTVC宇宙
         の描写の方に感心した。
「祈りの海」→話のパターンとキャラが全部いっしょやん
みたいな感じで今一歩な感想。

個人的には、イーガンよりスティーヴンスンの評価のがよく分からない……。
(いっつも100ページくらいで飽きる)
233でへ:03/10/01 21:31
参考にならないかもしれないけど、
オレの採点基準(長文になった、スマソ)
この基準でいけば、SFを読み始めて間もない人や、若い人は、
結構10点が出てしまうと思うよ

10点:
読んだことで、今後の生き方を変えるほどの影響を受けた本
おっさんのオレには、今後はまずお目にかかれないと思っている。

9点:
まず間違いなく今年のベストになるであろう本、ベスト候補になる本

8点:
今年のベスト候補になる本、その年の作品の状況によっては
ベスト作品になるし、候補にもならないこともある。

6-7点:面白かった本 7:良作 6:佳作?

--------------壁---------------

5点以下:
つまんなかった本、個人的な基準だけで評価しているので、
ネガティブな印象を与えるのは、その本を読まなくなる
人が出るかもしれないのため、5点以下の評価の作品については
今後はあまり書かないつもりです。
(ある人にとっては面白いかもしれないので、その人が
 読む機会を失ってしまうのは良くない)

いくつか書いていると、どうしても評価の揺らぎが出てしまうので、
自分なりの基準を作っています。それでも±1点くらいの誤差が
あると思います。(特に7点以下の作品)今後、基準に多少の変更は
あるだろうけど、大筋は変えないつもりです。
デヘさんへ
自分の評価と今年のベスト候補なんか関係ないのでは。
自分は自分、他人の評価と一致しようがしまいが自分の感性を俺は信じたい。
235名無しは無慈悲な夜の女王:03/10/02 00:57
>>233
5点以下のは、点数を書かなきゃいいんじゃないの?
感想は読めたほうが楽しいから、ここでなくてもいいから、どっかに書いてほしいなぁ。
作家スレやSF内ジャンルスレがあればそこに書くとか。
236でへ:03/10/02 07:38
>234
ベストというのは、自分の評価基準でベストということです。
星雲賞、ヒューゴー、ネビュラ賞と、(自分の)評価が一致するのは
7割くらいかな?
去年の星雲賞は外れました。(海外長編部門)
私はパンクボーンのデイビーがベストでした。

>235
考えます、でも、このスレのおかげで読書量が増え、すべて書くのは
困難です。作家スレとかに「つまんない」って書くと荒らしと思われ
そうだし。
感性とか俺とか言ってるガキがいるし(w
SF板では珍しい書き込みをハケーンしました。
ヴァカがもう一匹増えたのか?
ティプトリー「故郷から10000光年」6点

初期作品のせいか、粗削リなのが多かった。
躁と鬱でいえば、躁のティプトリーが味わえるが、
何かいまいち乗れなかった。
好みの問題だろうが、もっと後の暗くてハードで長い
やつの方が好き。
ただし、「苦痛志向」はよかった。わかりやすいし。
241 :03/10/04 17:01
今不定期エスパー第1巻読んでます
やっぱ眉村卓は読みやすいすね
神林「言壷」
小説にはどうかわからないが、仕様書や企画書や報告書を書くのに
ワーカムは最高だろうと思ったり。切実に1台欲すい・・・
7点。
マーティン・スコット「魔術探偵スラクサス」 ハヤカワFT ;6点
茶背は専門外なのだけれど思ったより楽しんで読めますた。
なんで続き出てないの?
244名無しは無慈悲な夜の女王:03/10/09 21:47
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

初めて読んだディックの長編を数年ぶりに再読。
ある程度他の作品を読んでからの再読なので、前の時より理解度が増した。
本物と偽物、人間とそうでない物、を区別するのは何か?をテーマとした紛れもない傑作だと改めて認識。
偽の警察署に連行される辺りはヴァン・ヴォークトに通じる゛めまい感゛があり、一番面白かった。
意外に、映画のキャスティングをそのまま当てはめて読んでみても違和感なくて驚き。

10点
>>243
売れないから、続きの版権は取らないことに決まったそうだ。
どっかよその会社が引き取ってくれないかな。
246243:03/10/10 21:13
>244
thx。そりゃ残念だのう。
おっさん探偵と女学生ってのは赤○次郎か樋□有介かっつー設定で
珍しく俺が買ったFTだったなのに(だから?)
つか、やっぱアレかね。
あの某ガッツみたいなハーフエルフ娘のカバーが悪かったのか?
あんまり面白くないからでしょ。単に。
漏れ、駄目だった。続きが出なくても全然悲しくない。
248 :03/10/11 18:09
不定期エスパー第2巻読み終わりました
やっぱり徐々に世界が広くなっていくのが楽しい
早く次が読みたくなりました
眉村卓の小悦は波長が合うのかつまらないのがないね
>>248
そんなあなたに眉村スレ・・・
250名無しは無慈悲な夜の女王:03/10/16 03:02
>>246
そんなあなたに枯葉色グッドバイ・・・
251 :03/10/16 16:59
不定期エスパー第3巻読んでます
いよいよエレスコブ家の大型宇宙船で
ネイト-カイヤツ星系を出て行くところでつ
252 :03/10/18 18:56
リングワールド立ち読みしてます
今150ページまで読みました。
期待以上に面白いね
ワケ分からん宇宙人とか高層ビルの林立する
大都市とか出てきてガジェットが豊富で楽しめる
作品だね
>>252
なぜ買って(または図書館等で借りて)読まない……
>>252

立ち読みで読めるって、凄い・・・
ジェリー・ユルスマン『エリアンダーMの犯罪』(文春文庫)

ミステリの体裁をとっているが、一種の歴史改変もの。
父の遺品にあった一冊の歴史書。
第二次世界大戦という「架空の出来事」に関する迫真のドキュメントに
世界が徐々に影響を受けていくという話。
もう一つの世界から、存在しなかった歴史として現実を書くという
アイデアが光っている。
物語の展開もサスペンスフルでぐいぐい読ませる。
本が紛れ込んだ経緯などつめの甘い部分もあるが
エンターテイメントとして相当面白かった。8点。
256 :03/10/20 18:52
不定期エスパー第4巻読了
ネプトでハボニエを殺したのは眉村さんまずいと思うね
いかんなぁ、眉村君
R・ホールドストック「ミサゴの森」(角川書店)

神話・伝承の原型が跳梁跋扈し、異界への門が中心に据えられた不可思議な
森を巡り、人間の想像力について語られた幻想文学。
上記のテーマを、一人の女を父・兄・主人公の3人で奪い合うというストーリーで
読ませてくれました。
たらたらと半年かけて読んだせいか、イングランドの神話・伝承の生成、歴史的背景、
作中のヒロインについての伝承、森とその植生についての話等、重層構造になっている
物語を思いっきり楽しませてもらいました。
個人的には「アースウィンド」を一部思い出したりして、懐かしくもありました。
巻末の解説を読むと続編が翻訳刊行予定になっていますが、出ていませんね。
そこで1点差っ引いて、8点というところでしょうか。
>>258

ラウ゛ォンディスね。
漏れ原書持ってるけど積ん読3年たった。
「あなたの人生の物語」テッド・チャン(ハヤカワ文庫SF)

色々評判の作家だけど、とにかくリーダビリティがとても高いのが良かった。
お気に入りは「バビロンの塔」「ゼロで割る」「あなたの人生の物語」「72文字」「地獄とは神の
不在なり」……って殆どだね。
どの作品も、もうちょっと「先」まで書いて欲しいとは思うけど(その点、「あなたの人生の物語」
はアイデアの性質上、そう感じなかったのが良かった)、とにかく楽しめました。

9点。
イーガンといいチャンといい、バブリーな気がする。そんなに高評価でいいのか?
だってこの二人以外に、今これって言う作家がいないんだもん。
そーだそーださっさとキングタリオださないハヤカワが悪いのだプンプン
>>262
理由になっとらん。
キングタリオってなに?
>>262

 あ た ま わ る そ う ・ ・ ・ 
267でへ:03/10/22 07:17
>261,262,263
禿同

>263
キングタリオ->キンタグリオ
じゃなかったっけ?
ググって見たら、どちらの表記も出てきた。
件数が多いので後者と思われる(藁
268 :03/10/22 17:38
眉村卓の不定期エスパーは説明がくどいね
同じこと何度も説明してる。初めから読んでない人のためなのか
完璧主義者なのか 設定オタクなのか





俺は設定オタだ。
269でへ:03/10/25 08:21
虚数 スタニスワフ・レム 国書刊行会

読了にほぼ3週間
最近たまっていた未読の本の中で、一番読み易いと
思って読んだのだけど、やはり難しかった。

しかし、この難しさとは、最近流行りの翻訳物のSFの
難しさとは違う。
人間の内面を主体としたSFではなくて、果てしなく外に
広がっていく(空間的に、時間的に)難解ではあるが深い、
レムの思考を書いた本だった。
この手の難しさのほうが、私には合います。

特に最後に収められた「GOLEM XIV」が素晴らしかった、
人間とは異なる異質の知性を持った思考機械「GOLEM XIV」と
人間との対話は、難解だけど、深く、広く、感動した。
(よけいな付け足しだけど、GOLEM=LEM(レム)ね)

10点

私の好みにあったから、10点です。
一部のマニア向けです。(哲学SF?)
スティーヴン・バクスター「プランク・ゼロ」「真空ダイヤグラム」(ハヤカワ文庫SF)

個人的には、プランク・ゼロの大半と、最後の秘史から連なる一連の話が面白かった。
でも、これ読んで思ったんだけど、バクスターってなんか描写が下手だよなあ。なんか、凄い
建築物が出てきてもクラークはおろか野尻抱介や小林泰三のがよっぽどスケール感あるし、
凄い概念が出てきてもラッカーの幻視力やイーガンの執拗性には及ばない。なんか、もうちょ
っと煮詰めれば……という点で、同じイギリス作家のイアン・ワトスンを思い浮かべた。
ただ、それなのに読み終わった時妙に昂揚するような、センス・オブ・ワンダーを感じるのは何
故なんだろう。

7点。

関係ないけど、ナイト・ファイターが上遠野浩平《虚空牙》シリーズのナイトウォッチとイメージ
被る。
林譲治 「記憶汚染」(ハヤカワ文庫JA)

新世代ハードSFの旗手によるハヤカワ初書き下ろし作品!
携帯が進化したワーコムが実現する超情報化社会、弥生遺跡から発見された
謎の粘土板と白骨死体、秘密裏に開発される人工知能ネビロス・・・魅力的なガ
ジェットがこれでもかと出てきますが、なぜか出来上がった作品はトンデモ系・・・
ちょっと脱力しました。

次作に期待ということで
6点
>271 トンデモ系・・・

同意!売れ行きが芳しくなさそうだったので、イヤな予感はしたんだが
いまんとこ今年ダントツのワースト

4点
>>271
ええ!買っちゃったよ……
国書のレムのシリーズ、もうすぐ始まるね。楽しみだ。
275272:03/10/26 00:09
>273

俺も「ウロボロスの波動」読んでファンになったから、期待してたんだけどね。
とにかくプロットがハチャメチャな上に、キャラクターが決定的に立ってない。

別に感情移入できるキャラクターがいる必要はないと思うけど、登場人物の
みんながみんな「こんなやついねーよな」ってのばかり。マジ幻滅。

次作に期待という点では271に同意したいが「この人宇宙SF以外ダメかも」と
いう気にさせられるくらい出来がひどかった。

只今、藤田雅矢の「星の綿毛」(Jコレ)を読んでるとこ、これはそこそこ読める。
林譲治氏のキャラ立ちのダメさは何が悪いんだろうねえ。
ウロボロスの波動の各ヒロインも、結構魅力的っぽい描写が盛り込まれているのに、妙に印象に
残らないというか……。
あ、でも、ガルダ島狩竜隊はなかなかいいキャラ多かった。
>>276
軍人さんしか書けないんじゃネーノ?

当方普通のサラリーマンだが、この作者いわゆる社会経験にすごく欠けてるんじゃ
ないかと感じた。
それが上のほうで言ってるトンデモ系キャラにつながってるんでは?
宇宙モノや戦記モノだと設定の特殊性が強いからそれが目立たないだけ。
278でへ:03/10/26 04:15
微睡みのセフィロト 冲方丁 徳間デュアル文庫

「マルドゥック・スクランブル」と、よく似た話でした。
カジノや「イタイ」話は出てこないし、設定もぜんぜん
違いますが、、、

感応者って言う超能力者が出てくるのですが、
「ジョジョの奇妙な冒険」っぽい話でした。
(上記のコミックは昔ちょっと読んだだけなので、
 違っていたら、すいません。)

レムを読むのに3週間かかった後では、
サクサクっと軽く読めたので良かった。

7点
「星の綿毛」 藤田雅矢 ハヤカワJコレクション

氏の5年ぶりの長編 
砂漠の惑星で繰り広げられる、世界の発芽と収穫の物語

どことなく既視感漂うストーリーやこじんまりまとまりすぎなとこは気になったが
安心して読める佳作 今年の「SFが読みたい」のベスト20には食い込むかも。

7点
ロビンスン「ブルー・マーズ」

老人文学の力作といわせてくれ。
ストーリーは糞だと思うが、本作の眼目はそんなところにはない。
偏執狂的な視覚描写や、ディテールへのこだわりぶりは、
好き嫌い別にして、凄いのは間違いない。
本作では、火星以外の星にも植民が始まり、水星や
金星やミランダや・・・といった星も出てくるので、
火星ばかりで飽き飽きしていた向きには朗報です。
圧巻はラスト付近の、サックスが開発した記憶増強薬を
最初の100人の生き残りが服用するシーン・・・
前2作のラストは派手派手しい一大スペクタクルだったけど、
本作のハイライトは、心の内側での「一大スペクタクル」。
過去2作のいろんな場面が、記憶の中でつながっていく。
アクション場面は乏しく、前2作に比べ地味だが、読みごたえで
上回っているのは、長さのせいだけではないと思う。
しかし、疲れた。

8点
小林泰三「目を擦る女」ハヤカワ文庫JA

仮想現実ネタを集めた短編集。
面白かったのは、「予め決定されている明日」。ネタ自体はイーガンの例のアレですが(方程式
モノみたいに、作者も意図的にやってるネタ被り)、ディティールを変えることでここまで胡散臭
く(藁なるのが面白い。
「超限探偵Σ」は、清涼院流水一派が台頭している今となってはちょっと弱いかも。
「空からの風が止む時」は、「海を見る人」系列の短編(某長編ともちょっと繋がってるけど)。相
変わらず、段々と世界のディティールが分かっていく描写は素晴らしいものがある。でも船長の
告白シーンはいらねえと思いました。
バカSFとして一番面白いのは、ゲーム「蚊」のアンソロジーからの再収録作品「刻印」かな。

ものすごい傑作はあまりないけど、値段以上には楽しませてくれる佳作短編集でした。
7点。
282 :03/10/30 20:38
眉村卓の不定期エスパー第6巻読了
ウス帝国ヤローの仕掛けた酷い戦争で
命からがらネプト市に入るところで終わり
ドヌエ、エゼ、デヌイバとは何ぞや?
イシターロウは不定期から常時エスパーになるのか?
283でへ:03/10/30 21:01
星界の楽園上・下 ディヴィッド・ブリン ハヤカワSF

延々と続いてきた「知性化の嵐」シリーズがやっと完結しました。
3部作の中では一番テンポが良かった。

この話を理解するには、「スタータイド・ライジング」から、
読め、となると、とても普通の人には(藁)薦められません。

「知性化の嵐」シリーズだけで3000ページを超えますか、
面白いんだけどね。あらゆるアィディアが詰め込まれて
いるんだけどね。
誤解を恐れずに言うなら、まさに現代のスペオペ

長すぎるので7点 星雲賞の候補にはなるでしょう。
「イリーガル・エイリアン」 ソウヤー

買ったのに電車の中に本屋の袋ごと忘れてきました。
明日とりにいきます。ウーウー
俺が駅員ならば、カバーを剥いた状態で返すとか
そーゆー粋なことをしてやれるのにっ!(ぉ
>>284
無事に見つかるといいね!
「渚にて」 ネビル・シュート

初めの方はセリフの古くささやキャラの平凡さが引っかかって読みにくかった。
しかし、ページが進むにつれて世界に引き込まれた。

次第に残り少なくなっていくページが
この物語の終わりと
その中の世界の終焉に
非常に強くシンクロしていると感じた。

8点以上やる。
>>284
「読むな」という神の思し召しかも…
「イリーガル・エイリアン」

ちゃんと駅でとっておいてくれたので無事読了できました。
本の裏に書いてあるあらすじ読んだ時はかなりベタなものを想像したんですが、
そちこちで裁判に関するリアルな部分があって面白かったです。
一番最後はちょっと都合良すぎという気もしましたが…
>>289
なんかアレはサヨが読んだら狂喜しそうな話だったな。まあ十分おもしろかったので
言うことはないが。
>>290
アタマ悪そうね、君って
「幻日」福澤徹三

今読み終わった。めちゃめちゃ怖かったので
書き込まないと寝られないです。
腑に落ちない怖さのホラー短編集。
「遠き神々の炎」 ヴァーナー・ヴィンジ
最近SF読んでなかったんだが、これを読んでやっぱSFっていいなぁと思った。
「遠き神々の炎」ぐらいの作品に毎年会いたい。

9点
「遠き神々の炎」ぐらいでいいんなら毎月会えそうだけどね。
296 :03/11/06 20:34
眉村卓の不定期エスパー第7巻読了
主人公の愚直なまでの律儀さ、組織への忠誠心の高さは
この作品が書かれた日本経済が絶好調の80年代後半のころの
サラリーマンの価値観が反映されているのだろうか?
>>295
負け犬ハケーン
298名無しは無慈悲な夜の女王:03/11/06 20:57
>>287
ネビル・シュートだったら「パイド・パイパー」もええよっ!
SFじゃないけどっ! 帯の宮部みゆき推薦ってのは忘れてくれっ!
山本弘氏の新作読んだ人いますか?
300名無しは無慈悲な夜の女王:03/11/07 03:48
アタイこそが 300げとー
>>299
よんだの?
ソウヤー「ホミニド」9点

いやあ面白かった。しっかりサイエンスフィクションで、
なおかつエンタテインメントでリーダビリティ高い。
難しいのや偏ったのが多い昨今、このバランスのよさは
希有。訳が出たら星雲賞有力かもな。
しかも続編があるのが嬉しいよ。「ヒューマン」ってのが
もう出てるらしい。果たして2つの宇宙を永久的に
つなぐトンネルはできるのか? ポンターとメアリの
恋の行方は? 
最後に冒頭部分が第2章まで載ってるんだけど、
つい読んじゃったよ。これも面白いわ。
我慢できねえ買っちゃえ。
303302:03/11/08 10:32
続編どころか、3部作完結してるやん>hybrids
この手の浅薄な感想文はいいかげん読み飽きたな。
書き込まなくていいから小学生は黙って読んでなさい
ってとこか。
>304
この手の浅薄な感想文はいいかげん読み飽きたな。
書き込まなくていいから小学生は黙って読んでなさい
ってとこか。
マイク・レズニック『第二の接触』

部下を異星人だと判断して撃ち殺した宇宙船艦長。
その弁護を担当しなければいけないのが主人公。
裁判劇かと思わせといて実は国際謀略小説。
主人公は何故か宇宙軍に追われて逃亡するのである。
がんがんページをめくらせていく作者の技量は素晴らしい。
気になるのは未来の表現が皆無であること。
余計な描写を廃してサスペンスを尊重したのかもしれないが、
この作者なら物語の勢いを殺さず、
2062年を描けただろうにと思う。
【7点】
未来社会がなんだかよく分からないのはレズニックの十八番(と言っていいのか?)だから……。
>>295
>>306
粘着バカ?
荒らす暇があったら感想書けよ。
311 :03/11/09 17:32
眉村卓の不定期エスパー全第8巻読了
長かった
いやあの終わり方はちょっと意外だね あるなら第9巻、10巻・・・。と読んで生きたい
ウス帝国での圧制とかヘデヌエヌスの様子とかね
当時の眉村には重かったんだろうな。
俺がSF作家なら本人に承諾もらって続きを書くぞ。
しかし全ての人間がエスパーになれば平和になるとかいう
妄想は幼年期の終わりにも何か
似ている発想だね
山本弘「神は沈黙せず」

なかなか面白かった。やや衒学的過ぎる部分は鼻についたが
神を扱ったSFとしては近年出色の出来。
SFが読みたいベストテンには入るかも。

8点
ところで看板のHRてなに?
>>313
ホラー
315名無しは無慈悲な夜の女王:03/11/10 14:23
フォワード『竜の卵』

見捨てられた老人が木の実を持っていけというところで号泣。
途中でキリストっぽいのが出てくるところがどうにも困ったけど。
そしてクライマックスでまたしても涙が。それでいて爽快感あり。傑作。

満点

つい先ほど続編があることを知って驚愕。
竜の卵ってあのすごく厚いヤツ……?
高校時代に友人に勧められて読み始めたけど
最初のうちどこが面白いんだこんなもんーって読んでいったらすごく面白かった。

続編探しに行かなきゃ
317でへ:03/11/11 22:28
ばいばい、アース 冲方丁 角川書店

質・量共に読み応えの有るファンタジーでした。

独特の用語があるが、その用語の解説がない。
そのせいもあって、用語の意味がイマイチ
ぴんとこない。
最初の部分の文章が読みにくい
最後はよく分かんなかった。
等の欠点はありますが、後半の話の盛り上げ方や、
文章は上手いと感じました。

これまで読んだ(冲方丁の)話の主人公は全部
「戦う少女」なんだよなあ

8点

最初に読んだ、「マルドゥック、、、」のせいで、
点数は甘くなっているかも?
『竜の卵』ってそんなに厚かったですか?
>>318
図書館の書誌データによれば、404ページらしい
口絵・挿絵付きの薄ラノベしか読んでないんちゃうか?
極薄じゃん。↑
今読んでるハリーポッターのゴブレットは、上巻だけで560ページもあるよ。
幼児向けに負けてるじゃん
幼児>>>>>>>>>316>>>>>>>>>>321
そういや、はじめて「異星の客」を手に取ったときは「すげぇ! こんなの嫁ねえ」と思った。

何十年か前の話だ。
そういえばハリー・ポッター読んだんだった。

…ダメだ、自分にはついていけねえや。
いや、単純に思い違いじゃないかなと。

『竜の卵』=「あの厚いヤツ」

でも何と間違えたのかわからない。
『竜の戦士』も暑さはほとんど変わらんし。
『奪われた竜の卵』(ゲームブック)は薄いしなあ。
でもあの当時だとSF文庫じゃあ、厚い方だったんだよ。
ほかにあっても、少なかった。
だから、厚い本という印象が、いつまでも強く残っているんだと思うよ。
「竜の卵」。
厚いといっても今の本は字が大きいからねえ。
児童書みたいなもんだよ。
内容が濃いから厚く感じる>竜の卵
高校生レベルの科学をちゃんと学んだ人でないと、書いてあることを理解するのは結構難しい
と思われる。
>>315
「キリストっぽいの」は、むしろキリスト否定的だと思ったのですが。
(だって啓示がたまたまあたったレーザーなんだよ?)
ハリーポッターと炎のゴブレット 7点

いくら何でも長過ぎる。
どうでもいいと思ったワールドカップなどの話も
いちおう最後の種明かしで全部必要なサブストーリーだったことが
わかるんだけど、無駄にプロットを複雑にし過ぎ。
まあ、アドベンチャーゲーム的な学園課題クリアネタ(本作でいえば
魔法3校対抗試合)は既にマンネリ化してるから、
他のところで味付けしないと、興味を持続させられないのは分かるんだけど。
ウ゛ォルデモート復活で、いよいよストーリーが本格的に動き始めると
思われる、次作以降の変化に期待したい。
都市 クリフォード・D・シマック

少々タルいときもあったけど、それなりに面白かった。

あと読み終わってから気づいたけど、
ミュータント(新人類)、火星人、宇宙探検、動物の知性化、平行世界、ロボット、冷凍睡眠etc・・・
50年代ガジェットてんこ盛りだったのね。
それでも地味な牧歌的SFになるシマックは凄いぜ!

ラストも好みだったので、8点。
『マルドゥック・スクランブル』冲方丁
全体のバランスを壊しかねないほど延々と続くカジノのシーン、
それでも引きつけられてぐいぐいと読んでしまいました。傑作。
パロットの感覚がどんどん広がり研ぎ澄まされていく様子が
「ビジュアル」に感じられる文章が良いです。
シェルに対する復讐が、殺すのではなく、「テメーの落とし前は
テメーでつけろよ」ってかんじの慈悲と漢気あふれるやりかた
だったのもよかった。

あえて文句をつけると:
「うっそり」いくらなんでも多用しすぎ。だんだん鼻について
きます。
作中、繰り返し象徴として言及される「天国の階段」それ自体
の印象が薄くてあまり効果的でない気が。

ということで、9点
333332:03/11/20 15:26
おまけ:
実はごく最近まで、なんか武侠小説とか書いてる中国人の
小説家だと思ってました。だってあんなペンネームで、
あんな装丁の本(ばいばい、アースのことね)が本屋では
その類いの本の傍に置かれてるんだもん
334名無しは無慈悲な夜の女王:03/11/20 21:24
ピーター・ハウトマン「時の扉をあけて」{創元SF文庫}

時間モノが好きなのでタイトルに惹かれて買った。
こいつはスゲエ!
前半でばらまかれた伏線が、最後にはすべてきちんと説明される。
ジグソーパズルが気持ちよくはまって行く感じだ。
主人公のあまりにも過酷な運命に切なくなる。
ただ、タイムトラベルの方法は、またしても「古色蒼然とした館」というのが
気に入らないなあ。


335名無しは無慈悲な夜の女王:03/11/22 19:25
>>334
おれも面白かった
映画向きのストーリだな
336 :03/11/26 13:45
昨日ディックの「パーキーパッドの日々」読んだけど何が面白いのか
正直分からんかった。大の大人が人形使った遊びに熱中してる
それだけ  あと1回読んだら面白くなる?
知るか
338でへ@酔っ払い:03/11/27 00:08
ディックてのは偉大なるB級SF作家だと思うよ、
ハマれば、とっても面白いと言うか、カリスマだね。
個人的には、「火星のタイムスリップ」 「虚空の眼」がオススメ
「アンドロイドは電気羊の夢をみる」は、言うまでもない、ですね。
以上の作品が入手困難だったら、その程度の作家だったんです。
今時のラノベを読みましょう。
ディックは長篇じゃないとねえ。
とりあえず最初に読むのは「ユービック」か「虚空の眼」の
どっちかがいいと思う、普通のSFで、まとまりもよくて、
なおかつディック色がよく出てるから。
「偶然世界」はどうですか?
瀬名秀明「八月の博物館」

まだ読み始めたばかりなのだが、いきなり「私は爆笑しそうになった」なんていう文章が出てきて
まいった。爆笑は大勢の人がどっと笑うことなのに……。
ラノベならこんなの全然気にならないけどなまじ生硬な文章だけになあ。
>>341
作家もアレだが、校正者や編集は何を見ていたんだろうね。
343名無しは無慈悲な夜の女王:03/11/29 14:48
ハインライン「人形つかい」

ナショナリスト・ハインラインの面目躍如たる一作。
反共思想と俗臭とで鼻が曲がりそう。
ジョージ・ブッシュ支持者は必読か。

マッカーシズムの嵐がアメリカ全土に吹き荒れていた
公刊当時(1951年)の、平均的なアメリカ市民の
政治意識を推察する資料としては貴重かもしれない。

採点不能
なんかイタイな・・・
>>344
厨?
346ARES ◆QCuj8gGVNE :03/11/30 07:55
時計仕掛けのオレンジ読んだ

ルビのふりかた逆だったらよかったのに
読みづらくて脳味噌にえそうになったよ
>>346
カタカナに漢字のルビとか?
348 :03/12/01 17:46
>>338>>339

ありがとう
読んでみるよ
「アンドロイドは電気羊の夢をみる」は読んだけど
何かいまいち
でも短編のニセモノとか植民者は普通に面白かったけどね
>>348

すっきりしたオチのある作品がお好きなようだから、
虚空の眼なんかいいと思います。
オチがすっきりしてるという意味なら、
「死の迷宮」なんかも。
ただ、個人的にはすっきりし過ぎなきがするんだけど・・・。
350名無しは無慈悲な夜の女王:03/12/02 19:26
オーソン・スコット・カード「シャドウ・オブ・ヘゲモン」ハヤカワ

戦争がどんどん起こってインド人やタイ人が沢山死んだけど
それはどこもアメリカにとってどーでもよさそうなところで
結局はそれを利用したピーターが覇者となりました。

一応ビーンに文句を言わせているけど
そんな言い訳するくらいなら最初からアメリカ国内でドンパチやれよボケが。

上巻の台詞でロシアが出てくるところは全てアメリカに置き換えが可能。

架空戦記以下。

2点。
351ARES ◆QCuj8gGVNE :03/12/02 23:58
>>347
漢字にカタカナのルビかなあ
スラングってことなんだろうけど……
352ARES ◆QCuj8gGVNE :03/12/02 23:59
あ、原本はカタカナに漢字ルビね
逆だったらよかったのに、って思った
>>350
カードでも、潜在的なアジア蔑視があるのかな。
漏れ自身は未読なんでアレだけど。
シモンズの「カーリーの歌」とかもひどかったし、なんだかなあ。
悲しくなるな。
>>353
なんか評判に釣られて作家自身に幻想抱いちゃってないか?
基本的にカードは醜悪な状況を酷い描写で書ける作家。
メインストーリーや主人公の行動によって高みを目指さずに
それ以外をどん底状態にすることで相対的に対比させ
結果的にヒューマニズムの美しさとやらを表出させる手法が多い。
355名無しは無慈悲な夜の女王:03/12/03 15:45
中国に侵略されたあげく物凄い数のインド人が
二度と帰れない北方の大地送りにされるのを見て
「どうせ領土維持できないっスよ」とほざく覇者ピーターと
いちゃもんをつけつつ仕方ないねと行動しない将軍ビーン

醜悪なのは展開であって状況ではない。
大事なところ(つまりアメリカ)は無傷だし。
どうせならユタ州で戦争したらいいのに。
モルモン教徒は不幸を売りにしてるからあんまり効果ないかもしれん。
インド人だインド人だ
結局、見捨てられちゃうんだよねインドは。それで引き換えに得られるのが
ピーターのヘゲモン就任なわけだから、そんなん納得いくかと。
北の大地に連れて行かれるインド人たちはたまったもんじゃないよ全く。
とりあえず数合わせに殺してみました、みたいな。

あれに納得できるような説得力を持たせたいのならカードは
ピーターやビーンにもっと高い対価を支払わせるのが当然ではないか。
更に言えば、カード自身に。

醜悪だけどアメリカ人にはむしろ都合がいいんだよねこれ。
他の国を舐めてます。
359名無しは無慈悲な夜の女王:03/12/03 22:24
『星界の楽園』 デヴィッド・ブリン

今回も面白かったな〜。このシリーズ、だれか映画化しねーかな〜。
(近作の超新星爆発のあたりとかは難しそうだが)
特に『スタータイド・ライジング』熱烈に希望!!!

しかし、今回ちょっと思ったのだが、
アースリングに好意的な『シンシアン』って、なんか日本人ぽくない?
地球種族をアメリカに置き換えれば、その同盟国だが決断力に乏しく、
保守的で金儲けが大好きなシンシアンって・・・。
しかも今回は、そのものずばり大阪弁まで・・・・。
360名無しは無慈悲な夜の女王:03/12/04 01:10
相変わらずこのスレは知能低い人間が集まってるな。
まあ、とっとと死んでくれや。
>>360

是非君の知能の高さをひけらかして、スレのレベルを上げて下され。
>>354
そりゃまあ、飢え死にしてる奴らを見ながら
「なんてひどい……」と泣く女(健康体)の肩をやさしく抱きしめれば
ヒューマニスティックな感情に満たされはするわな。
イアン・マクドナルド『火星夜想曲』

ジャンプ編集部にメスを入れられたかのような転調ぶり。
まあ、それはそれでいいけど、前半みたいな方が個人的には好きだ。
ラストで最初のテイストが戻ってくるので救われた感じ。8点
自分は中盤が電撃文庫みたいだと思った(藁>火星夜想曲
映画だが、ジェヴォーダンの獣もこれと同じような唖然とした転調ぶりだった……。
365 :03/12/06 17:52
ロバートJソウヤー 「スタープレックス」

ずばりこれは面白い!!「幼年期の終わり」の次くらいに面白かった。
SF的なガジェットもたくさん出てきたし、読みやすかったし十分満足だね
イアン・ワトスン「ヨナ・キット」

訳が読みにくい。ただでさえ内容が読みにくいのに・・・
デフォルメされた日本人像は楽しめたが、肝心の内容がよく分からず。
クジラに人の意識転写するわ、わけわからん宇宙論唱えるやつはいるわ。
一つ一つのアイデアは凄いんだが、結び付け方が強引すぎるし。
何か最後にクジラが集団自殺してるし。強烈にわけわからん。
もう1回読もうと思うけど、あの訳文は読む気しないな
まあ気が向いたら。
誰かもっとうまい人訳して

とりあえず正直に6点




6点
エリザベス・ヘイドン ラプソディ3部作

何とか全巻読みきった。
一番印象的だったのは、1部下巻でヒロインが
見知らぬ男のナニをサワサワするところw
主人公の昔の職業を考えれば理解できるが、
ある意味、衝撃的だった

7点
ウエルズSF傑作集1「タイムマシン」(創元)読了
「塀についたドア」10点
「奇跡を起こせる男」8点
「ダイヤモンド製造家」5点
「イーピヨルニスの島」8点
「水晶の卵」9点
「タイム・マシン」9点
総合9点

やはり原点。これを全部一人で思いついたというのは、凄いわ。
神だね。
369でへ:03/12/11 23:29
ロシア・ソビエトSF傑作集 上・下 創元SF文庫

古い話が多いし、SFとしては物足りない話が多いが、
史料としては貴重でしょう。
多くの話に共産主義に関する記述が入ります。
(それも無理やり記述したため、話としては失敗)

共産主義に肯定的な話はソビエトでは生き延びたが、
否定的な話は、、、

イデオロギーって大変な問題だったんだ。昔は

マニア向け マニアにとっては7点
ブラナー JAGGED ORBIT
題名は、「跛行軌道」とか、「迷走軌道」って感じか。
近未来政治SF。アメリカの人種隔離政策が極限までいき、黒人白人が
別々に住み別々の機構に統治されてるというような設定らしい。
コンピュータネットワークが発達した社会。
人気ドキュメンタリー番組の制作者の番組に入る妨害電波の真相究明、
ある精神病院内部の確執、他人の精神に同期できる能力を持つ巫女、
治安を悪化させながら武器を売り込む武器商社の話などが
互いにからみあいながら、次第にプロットが一つにまとまっていく。
ストーリーの合間に短い引用パートが入る構成は、ザンジバーとかと同じ。
似た作風の作家がいない点では、非常にユニークとは思うが、
ストーリーは、強引にまとめすぎていまいち。点数は7点ぐらいか。


371名無しは無慈悲な夜の女王:03/12/14 23:50
ロビンスンの「南極大陸」が講談社文庫で出てて、即買いしてしまいますた。
講談社文庫が海外SFを出すのって、20年ぶりぐらいだよね?
SFって触れ込みはないけど。早く読みたいな、わくわく。

解説に載ってた「米と塩の日々」っての、めちゃめちゃ面白そうな
改変歴史小説だな、早く訳してほしい。
>>369
タイムリーだ。まさに買おうかどうか悩んでいた。

そういえば東欧SF傑作集もありましたな。
まさに買おうか、なんていってるうちに店頭からきえちゃうよ
いやまじで。かなり消えつつあるし
>>372
本屋に走れ!
375でへ:03/12/15 23:10
東欧SF傑作集は前に読んだので、今回は買いません
でした。
「ロシア・ソビエト、、、」よりは、かなり読みやすかった
記憶がある。

今回の復刊物では、ラインスターが読みかけ状態
です。

11月から、仕事が忙しくなって、読書に時間が取れない状態です。

セミコン(SF関係じゃないよ 藁)が終わったので、仕事は一段落
していますが、、、

今は、「ダイヤモンド・エイジ」を読んでいる最中です。
当分、これにかかりききりですね。今のところ、評価は佳作
だけど、おもろい。世界を、大変良く構築している。
376でへ:03/12/15 23:16
>372
出た本は買う、のがマニアとしての常識でしょう(藁
買ってなかったら買うべし、マニアなら。

「ロシア・ソビエト、、、」が出た時、私は浪人していて、
SF断ちをしていたので、買いませんでした。
マニアとしての言い訳です。(藁
>>147
遅レスすまんが。
スコーピオンズのデビューアルバムは「ロンサム・クロウ」だぞー。
ま、日本では1982年に後から発売されたんだけど。
J・グレゴリイ・キイズ 「錬金術師の魔砲」

続くのかよ!
「シリウス」 オラフ・ステープルドン ハヤカワ文庫
なぜまた今ごろそんな古い本を・・・って感じだが。
とりあえず表紙ぜんぜん関係ないやん、と思った。
手術で知能が高くなった犬の話で
舞台はずっとイギリスの片田舎なんだけど、
宇宙SFのような、惑星?が連なってる画。

犬好きの人間なら一読をおすすめ。
個人的にはクーンツの「ウォッチャーズ」を遥かに凌ぐ犬SFの決定版。
(あとは谷口の「ドッグファイト」なんてのもあったな・・・。あれはイマイチ)

8点。期待せずに読んだらまぁまぁの拾い物だった。
380名無しは無慈悲な夜の女王:03/12/22 00:05
スタージョンの「不思議のひと触れ」が出ましたね。
即買いしますた。

つーか、一角獣多角獣、そのままでいいから文庫化してくれよ〜
このミス見たら、奥泉の新作は地底旅行の続編らしい(笑)
バクスター「タイム・シップ」
色んな要素が盛りだくさんなのはよいが、話としては
まとまりが悪く冗長な感じがする。
もともとジーリークロニクルなどを見ても、アイデアは
面白いが小説作りはあまりうまくないなあと思っていたが、
長編になるとその欠点が出てしまった感じだ。
ウェルズの諸作品からのサンプリングもマニア受けは
しそうだが、あまり必要性が感じられない。
ただし、下巻の「暁新世の海」の部分はおもしろかった。
この部分だけで長編を書いたらきっともっと面白かったろう。
「白い地球」以後は時空間を超えた想像力の極致までいっちゃう
わけだが、内容はともかく、話の流れ的には据わりが悪いし、
エンディングも強引すぎていまいち。

というわけで、採点すると 7点ぐらい。
383名無しは無慈悲な夜の女王:03/12/24 21:34
>>382
があああん、
正月休みに読もうと昨日買ってきたのに、グスン
まあ、気を落とすな。オレは結構楽しめた口だけど。
ウェルズの諸作のリミックスみたいなところが楽しめれば結構面白いんじゃないかな。
必要性とか、物語の完成度とか求めるとあれだけど、破天荒なパロディとして
見ればいいと思うけど。
あと、これとウェルズとプリーストのスペースマシンを一緒に読むと、また
面白いかも。
385382:03/12/24 22:40
>>383

でも、「暁新世の海」の部分はおもしろい! 
それに、私はかなり偏屈で趣味が偏ってる方だから、私の評価など
気にせず読んでくれ。世間的には多分、高評価する人の方が多いはず。
386ARES ◆QCuj8gGVNE :03/12/25 01:04
「アンボーン」作者わすれた
優柔不断な主人公どもにひたすらイライラした
>>381
それ、もう朝日新聞に連載されてるらしい
漏れ日経だけど朝日に変えようかな
オールディスの「蝕の時」っていう短編集
不老長寿のウイルスの話が面白かった。

389383:03/12/25 10:02
>>384
>>385
ありがと
みんなやさしいんだね
楽しみにして読むよ
390でへ:03/12/29 01:55
ダイヤモンド・エイジ ニール・スティーブンスン 早川書房

最初はどっかで読んだようなガジェットやストーリーだな、
と思いながら読んでいましたが、よく出来た話でした。

ハインラインのような人生訓、ダンシモンズのような巧みなストーリー
イイッ

9点
ディッシュ「いさましいちびのトースター」

SFじゃないんだけど、SFを感じさせるんだよなあ。
ある種のロボットものにも通ずるほのぼの感がいい。
大人向け小説と全然違う内容に、作者の多才さを感じた。8点。
「テレパシスト」 ジョン・ブラナー (創元SF文庫) 1965年作品
身体的欠陥を持った天才的テレパシストの不遇の人生が、ある事件を境に意外な展開に…。
個人的好みとしては全体にもっと描写を多く、説明は抑えて欲しかった。海外SFはこういうの、
多いね。訳文もやや読みづらい。そんなわけで精読はしなかったので、得点は保留。

章終わりの引きがうまい。ラストは序盤とコントラストを成していて、きれいな幕切れだったな。
初めて読んだブラナーだったが、これ、ニュー・ブラナーに変貌する過渡期の作だとか。
本作品より出来がいいのがあったら、また読みたいとも思った。
393名無しは無慈悲な夜の女王:03/12/30 00:15
「天空の劫火」グレッグ・ベア ハヤカワ文庫
なんとなく中途半端な印象だった。「幼年期の終わり」と似ているテーマ
だったが、幼年期のほうが面白かった。そういう意味で中途半端な印象。
幼年期としか比べられないけど、カタルシスが足りないような気がする。
394でへ:03/12/30 06:46
遺伝子の使命 ロイス・マクマスター・ビジョルド 創元SF文庫

期待に反して薄かったので、本屋でなかなか見つからなかった(藁

薄いのに高い(760円) 売れないから高いのか、売れる本で儲けたいのか?


ストーリーは、最近のビジョルドにしては平凡、と思ったのだが、
この話は初期の作品のようですね。

最後の一種のプロポーズ(求愛行動)は興味深かったけどね。

7点
395名無しは無慈悲な夜の女王:03/12/30 11:08
>>393
ベアの著作で、一般的に幼年期とよく比較されるのは「ブラッドミュージック」なんだが、味読ならおすすめ。
俺的には「天空の劫火」は「天界の殺戮」とあわせてサーガっぽく読んじゃうのが一番楽しいかと。

ボブ・ショウ「オービッツウ゛ィル」
おもしろかったあ! リングワールドよりも強烈! 住んでみたいゾ!
続編もあるらしいから読みたい!
9点
>>396
原書で読まれたのですね。うらやましい。
パトリシア・A・マキリップ 「星を帯びし者/イルスの竪琴1」

一冊が長い長い序章のよう。
主人公は翻弄されて、自らも揺れ動き、
謎は謎のままで、その謎にまた、謎が重なる。

世界観もシリアスなファンタジーしてて良いけど、
これ、「サイベル」と同じ作者の文章? って、感じもした。
もしかして、訳があまりよくないのでは?
違う?

399名無しは無慈悲な夜の女王:04/01/12 02:21
広瀬正 「マイナス・ゼロ」

やっと手に入れて読みました。
10点
クリス・ボイル 『キャッチワールド』
結局どうなったのかわかんねぇYO ヽ(`д´ )ノウワァァン

でも、8点
401イー:04/01/12 05:44
J.G.バラード『ヴァーミリオン・サンズ』
砂漠の架空リゾート地を舞台にした連作短篇。
「スターズのスタジオ5号」と「ステラヴィスタの千の夢」が特に好み。
一度は訪れてみたいな。7点。
広瀬正 「タイムマシンの作り方」

「発作」がおもしろかった
9点
フリッツ・ライバー「妻という名の魔女たち」

創元版を読んだ。同じ訳者だけど、サンリオ版と比較すると格段に読みやすくなってるね。
電話の取次ぎ場面こそ時代を感じさせるけど、それ以外は古めかしく感じるところがなく一気に読めた。
居心地悪いと感じる読者もいそうだけど、個人的には結末と読後感に好感を覚えた。
7点
>>403

サンリオ版をだいぶ前に呼んだが、魔法を理詰めに分析してるとこが
すげーよかった。
個人的には、「バケツ一杯の空気」のほうを復刊してほしいんだけどなー
できれば「ビッグタイム」も改訳で。
未訳の短編集も。スタージョンがこんだけ再評価されてるんだし・・・
キース・ローマ 「時の罠」

小学生向けの絵本を読んでるようだった。
昔は好きだったのにな…。
1点
406名無しは無慈悲な夜の女王:04/01/14 16:47
「永遠の終り」アイザック・アシモフ ハヤカワSF文庫

失敗をなかったようにすることによって
逆に停滞が生まれるという理屈が面白かった。
ラスト二行にも感動。100点
407 :04/01/14 20:50
>>406
ありゃあ傑作だと思うよ
シモンズ「ハイペリオンの没落」4点

つまんね・・・
前半は冗長で、かったるくて死ぬかと思った。
解決編を下巻の終盤に詰め込みすぎて、バランスが悪いし、
解決編の内容も強引すぎる割に、どの謎解きも陳腐だ。
こんなつまらないオチなら、とっとと早めに種明かしした上で、
全編血湧き肉踊るチャンバラ活劇にしたほうがマシだった。
とてつもなく が っ か り し た 。
はっきり言う、失敗作、愚作。
やっぱりこいつはホラーしか書けないんじゃないの?
「ハイペリオン」は、連作中編集だったから何とか持ったが、
ストレートな長編になって底を見せたというか、
力量の限界が出たという感じだ。やっぱり似非SF作家だった。
エンディミオン以下を読むかどうか迷っていたが、これで
心おきなく消せます。




ホーガン 「未来からのホットライン」 10点

(゚∀゚)ウヒョーッ!!
こんな感想じゃだめですか?
「十二国記」全部

初めてFTにはまった。1週間かからなかった。
魔法使いが出てこないのがよかったのか?
東洋的世界観がよかったのか?
よくわからない。

はまってしまったので8点。
絶版じゃないので+1点します。
411名無しは無慈悲な夜の女王:04/01/16 09:06
>>409
チャールズ・ロス博士なら言うだろう。「当然のなりゆきというものだ」と。
>>408
めずらしいね。それ駄目な人。
確かにやや冗長なのは感じたけどな。
413でへ:04/01/18 11:22
海を失った男 シオドア・スタージョン 晶文社

本当に久しぶりにスタージョンのSFを読みました。
文章がとってもヨイ(英語に淫している でしたっけ?)
読みながら、ヲヲッ、スタージョンじゃあ、と思って
しまいますタ。

あとがきでは違うといっているけど、「成熟」は、やっぱり
超人モノですな、テッド・チャンの「理解」を思い出しながら、
時代と作者の違いを感じました。

話の出来としてはテッドチャンのほうが上かもしれないけど、
おれはスタージョンのほうが好き。

8点
ロジャー・ゼラズニイ『ロードマークス』(サンリオSF文庫)

ゼラズニイと荒木飛呂彦には相通じるものがある・・・
という意見に初めて納得しました。
ズッギャアアアアンとかいって出てきそう、ティーミン・ティン。
マイナスゼロ / 広瀬正 9点

あの年代の描写が今読むと凄いオサレに感じる。比較的若い世代にもうけるんじゃないかと。
手塚治虫「鉄腕アトム ロボット宇宙艇の巻」講談社漫画文庫

ロボット宇宙艇とは、
デカい宇宙船は宇宙まで打ち上げられない→衛星軌道上で造る必要がある→軌道上での
作業は難しい→じゃあパーツごとに自律性持たせて自動的に組み上がるようにしよう
というモノなんだが、こいつが格好いい!
敵の突進を瞬時にパーツに分かれることによって回避し、背後を取ったところで再び結合!
とか、こんな今でいうナノマシンみたいな戦闘をこの時代に描けた人が手塚治虫の他に居た
んだろうか?
敵もいいキャラしてる。
亡くした夫の意志を継ぎ部下の前では気丈に振る舞うけど、自室に籠もると死んだ自分の息
子に似せたロボット(実はさらってきた宇宙艇のコントロール部分)を溺愛する、ちょっと壊れ
た女将校とか最高。

手塚先生すみません、今までアトム嘗めてました。

8点。
417でへ:04/01/24 07:46
塵クジラの海 ブルース・スターリング ハヤカワFT

スターリングとしては意外な、ファンタジー臭のある作品
処女長編だけあって、後の作品とは作風が違うが、異様な
異星の生物の描写は、さすがスターリング

全体的に軽い話でした、サクサクっと読めてよかった。

6点
418でへ:04/01/24 17:37
クレギオン1 ヴェイスの盲点
クレギオン2 フェイダーリンクの鯨
共に野尻抱介 ハヤカワJA

今まで読んだ野尻抱介の長編作品の中では、一番面白かった。
(短遍だと 太陽の簒奪者が一番なのだが)

主人公が中年のおっさんで、妙に感情移入できる。
(椎名 誠みたいなタイプ)
色っぽいオネーチャンが出てくるのもヨイ

中年好みの作品かも

クレギオン1 6点
クレギオン2 7点

2の作者あとがきを読んで、この人は良くSFを読んでいる人だなと
再認識しました。
>>415
みんな帽子を被っているんだよね。
420名無しは無慈悲な夜の女王:04/01/31 01:15
クラーク『渇きの海』10点

今だったらCGで映画に出来そう。これは面白かった。
今の作家が書くと乗客それぞれの話も書き込んでブ厚い上下巻になるだろうなあ。
421ARES ◆QCuj8gGVNE :04/02/01 01:09
乾きの海、設定は決して派手ではないけど行き詰まる感じが伝わってくるよーな気がして
印象に残ってた
山中峯太郎『亜細亜の曙』

昭和6年の少年向け冒険小説。
陸軍少佐「日本の快男児」本郷義昭(要するに007)が
○国(アメリカ)の秘密基地・巌窟城に侵入、
インドの王子ルイカールやドイツのクロック少佐とともに
亜細亜征服の野望を打ち砕く。
『少年倶楽部』に掲載されて爆発的な人気を博したらしい。
今見ると場面展開がやたら多くておちつかないし、
大仰な表現には違和感を覚える。
地の文で「おお、見よ!」なんて今書くのは
・・・栗本薫くらい?
423でへ:04/02/07 22:11
グラン・ヴァカンス 廃園の天使1 飛 浩隆 ハヤカワJコレクション

ヴァーチャルな世界に住むAIたちの、
頽廃と終焉、そして苦痛の物語でした。

よく書き込んであると思うのですが、私の好みではなかった。
読む人を選ぶ本だと思う

8点でも良いと思うけど、好みでないので7点
ルグィン「コンパス・ローズ」

何か地味な話が多かった。半分ぐらいは普通の純文学に近くて
薄味すぎて好みじゃなかった。
2つの馬鹿SF「アカシヤの種子に……」「時間の欠乏という……」
がずば抜けて面白い。
「ニュー・アトランティス」「バラの日記」はかなり優れた作品だと
思うけど、あんまりワクワクしない。
全般に質は高いと思うんだけど、熱狂できない本。

6点
フリッツ・ライバー「放浪惑星」

 なんども挫折しながら、なんとか読了。
 ひたすら読みにくい。同時進行のストリーの中に魅力的な話が
一つも無い。
 放浪惑星の正体や異星人の造形に、なんのカタルシスも無い。

 2点
ライバー同感。
短編はあんなにすばらしいのに。
427名無しは無慈悲な夜の女王:04/02/09 23:17
中村融編「不死鳥の剣」
似たような話が多くて、何度も挫折し、読み終わるのに半年以上
かかってしまった。
やはり、コナンとエルリックサーガがずば抜けて面白い。
ライバーもまあまあ。
あとは似たり寄ったり。
この手の話は、やはり主人公の魅力に負うところが大きいと痛感。
それと、「剣と魔法」は、その世界にどれだけ没入できるかで
面白さが違うから、やはり短編向きのジャンルではないと思った。
短編じゃ物足りない上に、世界設定がどれも似通っているからねえ。
この本で一番面白いのは、実は巻末の解説。これは役に立つ。
結構小説は付け足しでどうでもよかったりする。
小説の評価 6点
解説の評価 9点
428名無しは無慈悲な夜の女王:04/02/10 10:10
デヴィッド・ブリン「グローリー・シーズン」

ブリンには珍しく(?)『生殖』を大きく扱った話。
惑星ストラトスの文化描写の美しさや、生命ゲーム(これ実在してるんだ!)
やパズルなどには分からないなりにワクワクさせられたが、とにかく冗長。
展開は結構予想を裏切ってくれたが、イイ裏切り方ではなかったかも?
読み終わってからはたと気づいた。これって「闇の左手」の裏焼き?
最終章になって突然話の流れが変わってしまうのがなんだか変。
長さに見合う読後感が得られなかったので個人的には 5点
アスプリン「魔法探偵社よ、永遠に!」

禿げしくガッカリ。
とってもガッカリ。
なんちゅーかガッカリ。
タメイキついてガッカリ。
ダンボールに詰めちゃえガッカリ。
シャトナー「栄光のカーク艦長」

一応義理で読んではいるけど、何と言うかこのシリーズは・・・邦訳しないで欲しい
話はそうひどいとは言えないかもしれないけど、シャトナーはカーク神輿を
かつぎ過ぎ。その辺が鼻につく。過去のドラマエピソードを上手く盛り込んでいる
のは有難いけど、その分、今後のドラマとかの兼ね合いが上手く行かなくなるの
では?        よって4点
>>430
そんな貴兄に、電脳麻薬ハンターどぞ。
谺健二「未明の悪夢」

神戸震災の実録小説と本格ミステリの融合という
変わり種。
本作は、どちらかというと、前者に偏っている。
島田荘司に似ているが、ややまとまりが良すぎるかな。
もう少し、未解明のままに残される「過剰な部分」が欲しい。
とはいえ、震災の描写は凄惨で、強烈なインパクト。
8点。

ちなみに、この作品の探偵役は予知能力者の女占い師だが、
最新作「星の牢獄」の探偵(?)は、地球を調査にきたエイリアン(笑)。
今読んでる。これも結構面白い。
433名無しは無慈悲な夜の女王:04/02/13 23:40
伊藤邦武「偶然の宇宙」

第I部、イラネ。
谺健二「星の牢獄」

いやー面白かった。チョー好み。
色んな要素を詰め込み過ぎたせいか、細かいことを言うと
若干ディテールに破綻はあるのだが、面白いし力作だ。
島田荘司+埴谷雄嵩+折原一って感じ。
ネタバレになるので中身は書けないが……

9点
435434:04/02/16 01:05
×埴谷雄嵩→○麻耶雄嵩

赤面
>434-435
ワラタ 確かに真中の名前が浮いてるなと思ったが… 麻耶かよっ
437ARES ◆QCuj8gGVNE :04/02/16 22:03
フェアリーテイル(作者わすれた)

長かった
後半いきなりハリウッドっぽい展開になった
あと作者の人はショタなんだろうかとか色々考えた
ベルナール・ウェルベル『蟻』(角川文庫)

フランスの科学ジャーナリストが書いた、人間と蟻の文明のコンタクト。
3部作の1冊目。
蟻の描写は気合入っているのだけれども、人間の描写が追いついてない。
エドモン博士も安く見えてしまう。もったいない。
6点。
クリプトノミコン全4巻@ハヤカワ

まだ2巻まで。まだ苦痛。

あれは、ディテ―ルを楽しめないなら読むの止めてもいい気がする。
最後に特に盛り上がるわけでもないし。

折れはけっこう好きだけど。
日本人の軍人のパート以外は面白かった覚えがある。
ハインライン「愛に時間を」(早川書房)

読んだことなかったので図書館で借りてきた。
内容がどうこう以前に長すぎてとにかく疲れた。
あと爺さん性欲旺盛杉
じゃあ便乗で。

ハインライン「落日の彼方に向けて」
日本のエロゲーに影響を受けたのか!?と思うほどセックスいっぱいな小説。でも興奮しない。
とにかく、一人の男性が母親と娘と双子と女体化と元人工頭脳とその他もろもろとやってやってやりまくる話を脳内補完できる人にはお勧め。
443名無しは無慈悲な夜の女王:04/02/19 20:16
「終末のプロメテウス」
プロメテウスによる破滅以降がだらだらしてる感じを受けた。
もっとテンポよく進んでほしかった。なんというか映画のパニックもの
で1時間30分でまとめれば面白いのにそれを2時間3時間と長編映画に
して失敗した感じ。
谺健二は読んだ方がいいと思うぞ。
ジョーダン「竜王伝説(1)」

ずっと積み続けてきた時の車輪。そろそろ倒れそうなので読み始めた。
シリーズ既読の方、どのへんまで読めば面白くなるのか教えてくれ。
(2)にいくか、このままダンボールに詰めるか迷ってるところ。
ブクオフに売れ
漏れ買う
>445

ごめん、漏れも(1)で捨てたのでわからん。
なんで、あんなにつづいてるんだ?
(4)まで読んだけど面白くなかったんで積みっぱなし。
時の車輪スレ見る限り各部の最終巻は面白いらしい。
つうかあのシリーズ、原書で1冊のを無理矢理分けて訳してるんじゃなかった?
例えば京極夏彦の姑獲鳥の夏かなんかを4分の1だけ読んで、つまんねえと
いってるようなもんかもよ。
って、時の車輪読んでねーからなんともいえないけど。
そうか、(4)まで読んでつまんなかったってことは、
ほんとにつまんないんだろうな。
450名無しは無慈悲な夜の女王:04/02/21 01:06
テッド・チャン 「あなたの人生の物語」 (ハヤカワ文庫) 7点

短篇集。「バビロンの塔」と表題作の「あなたの人生・・」が
良かった。
読んでて、登場人物の顔が浮かんでこないのは、つらい。
アイデアノートを、そのまま読ませられているみたい。
とはいっても、各短篇とも、読者を驚かせよう、思考
実験させようという強い意志が感じられて、このまま
いけば、すごい作家になるのではという予感はする。

451名無しは無慈悲な夜の女王:04/02/21 01:27
J.G.バラード「沈んだ世界」創元SF文庫

…これがセカイ系ってやつか。

つか海水なのか淡水なのか謎杉。
セカイ系って何?
有名な言葉なのか?
初めてきいた。
オサーンハケーンとかいわれるのかな。<予防線はっとこ
まあNWは結局バラードだけのもんだから。
>452
ビートルズのNowhereman(一人ぼっちのあいつ)
みたいなんじゃないの。(オサーンの思い込みだけど)
オサーンでもいいから、同じ板のスレタイくらい検索しろと。
『さよならダイノサウルス』
タイムマシンで恐竜がいた時代へ行く話し。
おもしろかったです。

恐竜が絶滅したワケが・・・おいおい!いいのか!?って感じ。
谺健二「殉霊」10点
ミステリだけどSFファンにもお薦め。
奥泉光「ノヴァーリスの引用」8点

酔っぱらい幻覚哲学メタミステリ。イカレててナイス。
「アインシュタイン交点」 -- サミュエル・R. ディレイニー

4点

世界にのめりこめなかった。今、酔っていてあまり考えられず、すいません。
いろいろな読み方ができるっぽいですが
でも、割りとさらっと読めてしまう本でもあると思う。
音楽からの引用、比喩が今読んでもはずかしくない使い方をしているのがよい。
80年代に書かれていたら、すこし、しけていたかも。
461名無しは無慈悲な夜の女王:04/02/29 00:28
タニス・リー「バイティング・ザ・サン」9点

面白くて一気読みしてしまった。
ラストは予想通りだったりするわけだが、
永遠の生命を与えられた未来の若者たちの
サイケデリックな生態が抜群に面白い。
シリーズ化しないのがもったいないぐらい
素敵な世界だ。
訳はもうちょっとこなれた方がよいとも思うけど、
マイナー出版社から出たにしては健闘している。
462名無しは無慈悲な夜の女王:04/02/29 00:52
>>460
そうかな。
ディレーニでは、エンパイアスター、ノヴァと並んで傑作だと思うけど。
ま、好き好きだ罠。
SFが読みたい2004年版@早川

去年の関西系座談会が強烈だったので、なんか物足りない気がするw
マインドスター・ライジング/ピーター F.ハミルトン

大衆アクションの王道ですた。SFだけど。サイバーパンクだけど。
エフィンジャーはいってるけど。

脳手術されてるけど、極めてまともな主人公の話です。
巨乳好きで美少女に手は出さないし、義理堅い。
脳にブースターつけたエリート貧乳美少女ジュリアたん萌え。
>>464
いよいよ英国スペオペ新御三家登場! ワクワク……
漏れも明日買って来よう
レナルズとマクラウドのほうが個人的には楽しみだ
466409:04/03/04 12:49
未来からのホットラインを読んだ後、
古本屋巡りしてホーガンの本を17冊集めた。
これも、チャールズ・ロス博士に言わせれば
「当然の成り行きというもの」ですか?
まずは創世記機械を読みます。
『砂漠の惑星』スタニスワフ・レム、ハヤカワ文庫SF

しまった、これはもっと早く読めば良かった。
雪風とか最近だと「僕らは虚空に夜を視る」とか、オマージュ(?)的作品を先に読み過ぎて肝心の敵に
あまり衝撃が感じられず……。
異星描写もクラークほどの詩情はないしなあ。

でも、いい感じに次々謎が出てくるし、レム自身が言っている通りキャラのタフさには感動したし(こういう
の、最近のSFにはないよね、ちょっと寂しいかも)、キュクロペスが格好良かったので概ね満足。

8点。
>>466
ウヒョーな感想聞かせてくれ
創世記機械 ジェイムス・P・ホーガン 10点

466です。
きのう夜更かしして、一気に読みました。
序盤で語られるK空間の物理学に キタ━(゚∀゚)━!!!!
ハインリッヒ・ツィンメルマン博士の謙譲の美徳に (゚∀゚)ウヒョーッ!!
ホーガンの小説内の物理学などの設定が細かいところに (´д`;)ハァハァ
こんな感じでした。
ライフメーカー2冊をいつ読むかが見物だなw
471ARES ◆QCuj8gGVNE :04/03/07 17:20
ダーク・ハーフ Sキング

スタークがかわいそうだった

6点
472 ◆GacHaPR1Us :04/03/07 21:02
谺健二「赫い月照」
凄い。個人的には、10年に一度ぐらいの大傑作と思う。
ドグラマグラや虚無への供物が好きな人にお薦め。
本格ミステリでメタミステリでアンチミステリで社会派ミステリ。
よってSFファンにもお薦め。

10点(主観評価10点満点で179点ぐらいか)
スペシャリストの帽子(リンク)早川文庫FT

難しい。
ファンタジ−と思って読んだせいか、あまり楽しめず7点ぐらい。
ファンタジーというより安部公房とか不条理文学系(笑)
そう思って読めば質は高いと思うんだが。
FT文庫でなくepi文庫から出てたら、印象違ったろう。
「タイムスケープ」 グレゴリー・ペンフォード  ?点

ヘタレな俺は、途中で挫折した。
登場人物の日常生活の描写が非常にだるかったからかな…。
ファンの人、ゴメン。
いつか読み直すよ。
>>475

前半我慢すれば後半は結構話が動くんだけどな。
まあ、ベンフォードが新しいSFのかたちを模索してて
勘違いしてたころの作品だから。
魔術師の帝国 上下 R・E・フィースト

出てくるヒロインが3人とも好みだったから10点満点w
指輪物語に似てるという解説にはちょっと同意。
でもまあ最近指輪物語の映画を観てそれが記憶に残ってるから
そう感じたのかもしれない。
>474
今読んでる最中だけど、
>FT文庫でなくepi文庫から出てたら、印象違ったろう。

はわかる。たしかに、epiの方が向いてるかも。
自分的にはわりと好きだ。
479 :04/03/11 04:04
ディック「虚空の眼」
マニア的な訳者解説が余計だが、本文はすばらしい。
レッドパージの余韻覚めやらぬ?時期にこんな政治的
にきわどいのテーマを描いて、しかも同時代の政治イデオロギー
に対する見方もぜんぜん古臭くない。SF作家と政治という点で言えば、
カードが最近翻訳されたシャドー何とかで、すっとぼけた政治感覚を
披露したのと比べれば、ディックのすごさがわかる。
480名無しは無慈悲な夜の女王:04/03/11 05:44
>>469
おし!どんどんいけ!
次は「造物主の掟」だ!

>>479
それが、しめ鯖の味さ。
481名無しは無慈悲な夜の女王:04/03/11 05:49
プランタン銀座の荒井直美さん、かわいい。
>>481
九州系か?いや、なんとなく
483名無しは無慈悲な夜の女王:04/03/11 21:07
「新・SFハンドブック」なるものを買ってきた

用語小事典の「進化」の項で、進化を取り扱った作品に
レムの「虚数」を挙げていないのが痛い

「進化を主要なテーマにしたSFが驚くほど少ない」
などと言ってるばやいか
484名無しは無慈悲な夜の女王:04/03/14 10:09
>>475
> 「タイムスケープ」 グレゴリー・ペンフォード  ?点
>
> ヘタレな俺は、途中で挫折した。
> 登場人物の日常生活の描写が非常にだるかったからかな…。

あれは、研究者にとっては日常小説に限りなく近くて、
繰り返し貪るように読んでしまったりするのだ。
>>484

きっと、ミステリが、社会派や警察小説で息を吹き返したのと、
同じようなことを意図したんだよね。
でもあの作品は、アイデアSFとしてもしっかりしてるし、
優れた作品だと思う。
486でへ:04/03/14 15:23
不思議のひと触れ シオドア・スタージョン 河出書房

これまたスタージョンの短遍集
やっぱり文章がヨイ

一番良かったのは「影よ、影よ、影の国」かな
わずか20ページほどの短遍で、これだけ読み応えの
ある話は珍しい。

「裏庭の神様」は、よくあるお伽話のような話だったけど
いい味出しているし、「不思議のひと触れ」や、
「孤独の円盤」は、スタージョンにしか書けない話だ。
「タンディの物語」は子供が良く書けている。

8点
どちらも2000円近くするけど、「海を失った男」と共に
値段以上の満足を与えてくれた本でした。
487名無しは無慈悲な夜の女王:04/03/15 17:36
『終末のプロメテウス』

散漫でいきあたりばったりなストーリー展開。権力側や軍が不条理なまでに悪役に
されてしまっていて、気味が悪いほど。

変なものを読んでしまったという印象が一番強い。

3点
488名無しは無慈悲な夜の女王:04/03/17 07:57
「ユービック」F.K.ディック

11人もいた反予知能力者各々のキャラが
活かされずじまいだったような。
予知能力(反−)という能力自体も
最初のほうしか使われなくて拍子抜け。

予知能力者集団 VS 反予知能力者集団
の複雑に入り組んだ思考ゲーム
みたいのを期待してただけに残念。
ディックらしい筋ではある・・

5点
489名無しは無慈悲な夜の女王:04/03/17 08:06
「中継ステーション」 シマック

いずれまた時をおいて読みたい
そんな思いにさせる心に残る作品でした

8点
エイミー・トムソン「ヴァーチャル・ガール」
意外とおもしろかった。
美少女ロボットマギーを作り出したやつが、よく見るAAそっくりの
デブオタっていう設定には笑った。
可愛くって高性能の美少女ロボットのくせに塵あさりして
生計をたてるホームレスっていうのもおもしろい。何か力の使い方が無意味な気が・・。
ちゃんと使えるあれもついているので、途中でハァハァするシーンもちょっとあり。


地球間ハイウェイ読んだ人いませんか?
粗筋読むとちょっと面白そうなんだけど、ぱらぱらめくってみたら微妙な感じかも……と躊躇してるんで。
>>491
並みの下くらいです
>>491
あらすじが面白そうで買ったんだけど、いまいち。
今、読んでるところなんだけど、飽きてきた。

あらすじだけだと、「このSF」に入りそうですけどね。
殊能将之「黒い仏」
ひどかった。
着想はいいんだが、文体が軽過ぎて、盛り上がりに欠ける。
清水義範の失敗作のような感じだ。
もっと文章力、構成力がしっかりしていれば、後半の
(ネタバレのためメール欄)のインパクトも生きるんだけどね。
残念だ。

2点
あれはミステリを期待して読むと2点かもしれんが
クトゥという小道具でアンチミステリをやっているんじゃないの。
496でへ:04/03/19 01:13
地球間ハイウェイ ロバートリード ハヤカワSF

先ほど、読み終わりました。

前半はもたつく、後半になって展開が
スピーディになり、面白くなった
ちゃんとオチもついている。

悪の種族と、悪役がちょっと面白い

パラレルワールド物としては
ちょっと変わったアプローチの話でした。

6点

訳者あとがきによると、ロバートリードは
次に刊行予定の作品(星空のヴェールを抜けて)
が傑作ということなので、
それを期待しましょう。

パラレルワールド物って、結構たくさんあるから、
目新しさを出すのは難しいんでしょうね。

地球間ハイウェイという題で、なんとなく
「ロードマークス」を思い出しました。
>>495

アンチミステリを期待して読んだけど
(ジェイムズ・ブリッシュに捧げてるしww)
好みのタイプでなかった。
もっとがんがん妄想をかき立てるタイプが好きなもんで。
これはアンチと言っても単純に笑わせることだけを
念頭に置いてる作品だが、その割には文体といい
あっさりしたオチといい、中途半端な感じ。
でも好きな人もいるかもとは思う。
ジョン・スラデック/Tik-Tok「わが名はチクタク」

今まで読んだロボットSFの中では間違いなく1位だな。
とにかくキャラ立ちが最高。
アシモフが十年一日のごとく「人間になりたいロボット」ばかり
書き続けたのを尻目に、スラデックは、それを軽く凌駕して、
「好むと好まざるとに関わらず人間っぽくならざるを得なかった
ロボット」の独白を綴り出してみせる。
色んな「狂ったご主人」に弄ばれた挙げ句、否応なくアシモフ回路が
壊れ、自由意思を持つに至ったロボットの、「自由を試すため」の、
自由の象徴である「犯罪の実験」の数々は、逆説的に人間そのもの。
ラストのオチも最高だ。
こんな見事な風刺とエスプリに満ちたすばらしい名作が、
何で未だに訳されていないのかと、小一時間問いつめたい。

10点
世界SF全集32 世界のSF(短編集)現代編

恐ろしくハイレベルでお得なアンソロジー。
「冷たい方程式」と「アルジャーノンに花束を」が
両方入ってるというだけでお得さが判る。
「新しい波」に入ってるシェクリイとマシスンが、
いちばん古くさく見えるのが皮肉。
「トオンキイ」「存在の環」「ベティアンよ帰れ」
「野生の児」「悪夢の兄弟」「誰が人間にとってかわられる?」
など初読作に傑作が目白押し。

このままいじらないで、2分冊ぐらいで、文庫化したらいいのに。
「ハヤカワSFクラシックス」とかいう新文庫でも
立ち上げては如何か。

10点
500 ◆GacHaPR1Us :04/03/21 01:36
>>499
それとか河出文庫のあれとかさ、
今日本屋で発見したわけだけど、
なんだ?河出書房ってのはSFマガジンで翻訳した
作品の使いまわしばかりもらってるのか?なんなんだ??
>>500

ていうか、昔のSFマガジンは翻訳もの中心だったので、
傑作は、ほとんど網羅的に掲載してたから、必然的にそうなるのでは。

最近は、翻訳物が全然載らない月も珍しくないよね……
H/N受賞作でも、10年近くたっても訳さないし……

502 ◆GacHaPR1Us :04/03/21 10:00
>>501
それはH/N受賞枠が広がったことも関係あるんだろうと。

いっそさ、SFMで翻訳の投稿作品を募集して翻訳家の卵発掘とか
昔は編集長の福島正実が自分で訳してたからなあ。
またけっこう巧いんだわ。これが。
最近の編集者で、訳す人はいないみたいだし。
なんつーか情熱がないというか……
504でへ:04/03/21 15:17
三惑星連合 EEスミス 創元文庫

3部作になっています。
第1,2部は1948年、第3部の本編(いわゆるスペースオペラ部分)
は1934年に書かれています。

第2部の1918年、1941年の2章はとても面白かった、
ドック・スミスってこんなに小説が上手かったっけ?
と思ってしまいマスタ。

初めて読んだのが厨か消房のころ、ハヤカワの
いわゆる銀背版でしたが、その時には分からない、
大人じゃないと分からない面白さの話でした。

第3部はいわゆる普通のスペースオペラです。

あとがきも良かった、「サラリーマン小説」論は
同感しました。

第2部は8点、それ以外は6点
……あれ?
4月のハヤカワSF、もしかしてローダン以外ナシですか?

も う だ め ぽ
ロバート・ホールドストック「ミサゴの森」

イイ。
もう一度、じっくり読み込みたいね。

8点
「タイムリーパー」 大原まり子 5点

面白かったけど、ちょっと物足りなかったかな。
面白かったにしては点数辛口ね!
機本の『メシアの処方箋』
たぶん話をはしょりすぎ。6点
上杉が一番まともだと思われ。

ところで、なんでsage進行なの?
特にsage進行というわけではないが、結果的にsageが多いのは
時たま荒らしが出るせいかな。
ただ専用ブラウザ使いが多いってだけなのでは。
移転第1号スレに記念カキコ
ageたら山崎が保守してくれます
邦正?
テリービッスン「ふたりジャネット」
6点

後半のウィルソンウーものが苦手なもんで。
なんつーか、ラファティとかラッカーとかと似てるが、
漏れはどっちも苦手だし。

前半だけだと8点ぐらい。
「熊が火を」はやっぱり名作だし。
おれは英国航海中からウィルソンウーまで全部楽しめた。
ラファティとかラッカーとか大好きだし。
9点くらいいってもいいかも。
イエスのビデオ

とても面白いんだけど、終盤50ページくらいの展開が妙にグロテスク。
少なくとも、自分には主人公が良き人物になったとは到底思えない。
「考えさせる」とも言えるが、ああいう展開の作品なら最後まで普通に楽しませて欲しかった。

中盤までは完全娯楽作なのに後味悪かったので、
5点。
518でへ:04/03/28 17:09
ふたりジャネット テリービッスン 河出書房

巻頭の「熊が火を発見する」が秀逸 9点
「冥界飛行士」、「時間どおりに教会へ」が8点
それ以外の短遍の評価は、6-7点、

主人公が中年のおっさん、しかも世間から見ると
冴えない、でも、本人はきちんと人生哲学を持ち、
生きているっていう話が多いような気がする。

オレにはとても感情移入しやすい(藁

総合評価 「熊が火を発見する」が読めたので

8点


ビッスンの短遍は、ラファティーのと、よく似ていると思う。
でも、ラファティーは、(自分には)よく分からない話が
多く、評価が?な話が多いけど、ビッスンは好きです。
既読の「世界の果てまで何マイル」、「赤い惑星への航海」の
2長編、どっちも良かった。
519でへ:04/03/30 22:48
連続投稿になってしまった。

マインドスター・ライジング ピーター・F・ハミルトン 創元SF

娯楽大作
今朝、4時に起きて続きを読んでいたら、遅刻しそうになった。
面白い(終盤の話を上手く盛り上げていた)

ひねくれた表現だと
巨乳好きのヒーローと、女好きの悪役との争い
金持ちの貧乳お嬢と、淫乱の巨乳(サブキャラ)その他がからむ
男性向きの話。

ストーリーはテンポが良いし、書き込み方も適度
作品世界の構築もなかなかヨイ

好みだったので、8点
>>502

禿げ禿げ遅レスだけど

>いっそさ、SFMで翻訳の投稿作品を募集して翻訳家の卵発掘とか

それは名案というか、いっそ「応募作品は入選しても
しなくても、著作権を早川書房に譲渡、好きに使っていい」
という条件にすれば、翻訳家の卵を発掘しつつ、
安い下訳をたくさん手に入れられる。
んでその下訳を適宜、プロに添削させて使う。
プロも下訳がそれなりにしっかりしてれば労力節減、
短期間でたくさん訳せるから単価安くできる。
早川書房も翻訳家の報酬を節減し、原作の版権購入
費用により多く充てられる。

で、SFの翻訳コンテストなんかに応募するヤシは、
ただただSFが好きで金なんかいらんというヤシも多いはずで、
そういう応募者は、それで飯を食っているプロよりも、ある意味純粋。
入選しようがすまいが、自分の名前が出ようが出まいが、
自分が好きで訳した作品がSFマガジンに載った! とか、
ハヤカワ文庫アンソロジーに載った!とかいうだけで、
跳び上がって喜ぶはず。

ほんとに名案な気がしてきた。
最近のSFMは受け身というか、従前のスタイルを
踏襲するだけで、あんまり新しい企画が見当たらないから、
ちょうどいいかもね。
金なんか要らない、という奴はどうかなあ。
「俺の訳で(ベストセラーとまではいかないまでも)売れるSFを紹介してやるぜ」みたいな野心のある奴のがイイ。
だったら、入選の賞金は高くしてもいいよ。

両方のタイプが応募してくるだろうから……
523 ◆GacHaPR1Us :04/03/31 23:57
>>520
メカ杉田玄白のサイト読んでたときに思ったんだが、
やっぱ売り物としての『翻訳』ってのはそれなりに
商品として確立してんのよね。

>ただただSFが好きで金なんかいらんというヤシ
って、翻訳がかなりおざなりな感じが否めないだろうと思うのは
SFM内の素人投稿作品読んでるとかなり感じるだろうに。
それに主としてのメリケンの著作物は、版権や著作者とのギクシャクが出し憎いだろうし、

などと発案者ながらネガティブシンキングしてみるテスト
>>365
感じも少ないしね。
>>523
君の日本語力で言われてもね・・・・・・( ´,_ゝ`)プッ・・
感想スレ
>>523
だから「下訳」どまりでかまわないと言ったの。
ついでに単語リストもつけさせる(笑)。
むろん、あまりにレベルの低いのは、それを下訳にして
仕上げるより、いきなりプロが原文から訳した方が早そうだが、
コンテストならそのままは載せられなくても
プロの労力を省ける下訳になる程度のレベルのものぐらいはあるだろうし、
内容はともかく、プロの読んでない作品の中からの掘り出し物作品を
見つけられる、というメリットもあろう。
(編集者が読んでみて、訳は下手だけど話自体は面白いなあ、
これを山岸さんやってみませんか? 的な展開を期待。)

今の体勢って、既に翻訳家としての地位を築いた人々の主観に
よるチョイスになりがちで、それぞれに様々な個性があるから
全体としてみればある程度の広がりは確保できるんだけど、
個々的に見ればやっぱり偏向があるから(特に、地位を確立すれば
するほど「何をやってもいい」地位が保証され、訳す作品が趣味に
走りがち)どうしてもこぼれ落ちる部分が出るのを否定できない。
昔みたいにSF好きを編集者にするのでなく、わざとミステリ好きを
編集長に起用する(そうすることで編集から公私混同を排そうという
政策的配慮はあるのだろうが)今のシステムでは(編集長さんゴメン)
編集長がイニシアチブをとって「これを訳してはどうか?」
「いないなら俺が訳す!」などと新たな作品を掘り起こすことも
期待しづらいからね。
そういう観点からすると、やっぱ意味あると思うなあ

で、いいたいこといわせてもらった上で
>>526
御意。専門スレ立ててやるべき議論でした。

528名無しは無慈悲な夜の女王:04/04/01 22:06
「地球人よ、警戒せよ!」 ポール・アンダースン

古本屋で見かけて買ってきた短編集。
冒頭の表題作を読み始めたら…あっ、これ早川の世界SF全集の「野生の児」じゃねーか。
でもいま読み返しても楽しめた。
他の作品も、古臭さを差し引けばそれなりに面白かった。
訳者が「解説」と称してつまらん感想文を付け加えてるのが蛇足。
6点。
グインサーガの外伝をよんだ。
やっぱりグインサーガこそ日本最高のSF小説だとおもった。
>>529

      | Hit!!
      |
      |
   ぱくっ|
     /V\
    /◎;;;,;,,,,ヽそんなエサで
 _ ム::::(,,゚Д゚)::| 俺様が釣られると思ってんのか!!
ヽツ.(ノ:::::::::.:::::.:..|)
  ヾソ:::::::::::::::::.:ノ
   ` ー U'"U'
漏れなんて過去に釣られて実際買って読んでみたほどの大莫迦者だよ
後でグイソスレ覘いてみて驚愕した
グインも最初のころはよかったのになあ
いつも思うんだが、別に最初のころもよくない。
和製でああいうのが珍しかっただけ。
>>533
信者は「昔はよかった」と思いたいものなんだよ
>>533
同意
「虎よ、虎よ!」アルフレッド・ベスター

変てこりんなタイトルで買った。
壮大な話が好きなので、全然期待しないで読んだら傑作とは思わなくても
結構楽しめた。最後のあたりは好みだけど。
主人公の復讐に対する狂気じみた行動力がすごかったが、読み終わって
みて荒木飛呂彦がこれに通じるものがあるんじゃないかと感じた。
彼が漫画化したらおもしろいかも。

7点
537でへ:04/04/03 08:49
夜更けのエントロピー ダン・シモンズ 河出書房

やはり、ダン・シモンズの筆力はすごいと思うが、
この本は、暗い話とホラーが多い。
面白かったけど、ホラーや救いようがないほどの暗い話は
嫌いだ(私の好みの問題です。)

別スレで
「シモンズが小説で描写したいのはスプラッタ系の安直な恐怖...」
という発言を読んだが、そのとおりだと思う。

7点
538 :04/04/04 05:14
菅浩江「博物館惑星」
美和子さんふうに素直に感想を表現すると、「とっても素敵」っていう感じか。
登場人物も文章も、物語も品があって、「美」にまつわる物語にふさわしい。

ただ「美」の周辺に位置する人々にしては、その悩みや葛藤
がサラリーマン的というか小市民的という感じがしないでもない。
主人公の孝弘の悩みは結局部署間の調整と、美和子さんに関するものでしかなく、
美という価値に対してではないわけだし。

でもだからといって究極の美を求めての狂気を描くのもおもしろくはないなぁ。
美というものをそういう特別なものとしないのがこの小説のいいところだし。

というわけで素直に「とっても素敵な小説でした」
と言うのが俺の感想(二十代半ばの男が言うとキモイな・・)
539sage エレキギター:04/04/08 02:23
町井登志夫「諸葛孔明対卑弥呼」

タイトルどおりのお話。

卑弥呼を大陸へ連れて行くための説明に時間がかかって
(これはこれで真面目に書いても面白い設定だと思うが)
二人の直接対決が最後ちょこっとしかなかったのが残念。

孔明がやぐらの上で弾いたのが琴じゃなくて
(メール欄)だったのは無茶苦茶ワラタ。
540539:04/04/08 02:25
 ∧||∧
(  ⌒ ヽ  やらかした
 ∪  ノ  
  ∪∪
スチブン・バクスタ「ジーリー・クロニクル」

プランク・ゼロと真空ダイアグラムの2巻本。
なんかすげえ壮大な話だった。
だったけど・・・このオチはなに?
狂ったコンピュータの妄想ですた、なのか。
無限の計算能力を持ったコンピュータの予測は無限に精度が高いのか。
よく分かんねえし、もう1度読み直して確かめたくもねえなあ。
壮大ならいいってもんでもないと思った。

5点。
http://book2.2ch.net/test/read.cgi/sf/1055757509/539-540

SFじゃないけど。メ欄と名前を間違える奴はしばしば見るが、
メール欄を参照させるレスでそれをやったやつは始めてみた。…6点
>>542
そんなんミス板にはいっぱいいる。
>>540 ィ`

ってゆーか、それ見て無性に読みたくなったんで
今日『爆撃聖徳太子』と一緒に買うつもりなのだ
忙しくてホーガン読む間がない

     。。  
   。     。 +   ヽヽ
゜ 。・ 。 +゜  。・゚ (;゚`Дフ。< ごめんよぉぉぉ〜、うわぁぁぁん
            ノ( /
              / >      ξ ← うんち
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
アイザック・アシモフ『宇宙気流』

『鋼鉄都市』やファウンデーションシリーズでも思うけれど
アシモフって風呂敷広げてるわりには、話のスケールが小さいような…。
異星人間の階級闘争も単純だし。
これはアシモフの作風?それともレトロSFの傾向?

ミステリ的カタルシスを盛り込む姿勢は好きです。6点
ブルース・スターリング「塵の海のクジラ」

いかにも若書き、という感じで微笑ましい作品。
主人公が全然中年に見えなかったり、最後の方がえらい早足だったり。
それなりに面白いけど、別段オススメするほどでもなし。最後の大ネタは少々「なんじゃこりゃ」と言いたくなるし。
この作者がスキズマトリックスやらタクラマカンやら書くようになるんだから、分からないもんだ。

6点。
キイス・ロバーツ「パヴァーヌ」

教会がテクノロジーを抑圧し世界の半分を支配するという「もうひとつの
歴史」における人間模様と、圧制との戦いを濃密に描写。
細かいディテールの書き込みがリアリティを高めている。
英国田園地帯の雰囲気が全編を覆っており、「古き人々」の存在など
テーマといい描写といい、ホールドストックの「ミサゴの森」などとも通ずる。

文学作品としての練度は非常に高いと思うが、SFらしいアイデアのすごさや
驚きには欠けるので、個人的な好みからやや外れる、よって7点ぐらい。
山田正紀「神狩り」
いまさらだけど読んだ。
いやー面白かった。
山田正紀のほかの作品でオススメなどありますでしょうか?
550549:04/04/15 23:50
追記。8点。
551でへ:04/04/16 20:51
宝石泥棒と最後の敵がオススメ 調べていないので、
入手出来るかどうかはわからない スマソ
552549:04/04/16 21:40
>>551
ありがとうございます。
今度図書館で探してみますね。
面白かったら報告します。
宝石泥棒はハルキ文庫が店頭に並んでるはず。
>>549

神狩りとセットの「弥勒戦争」をハルキ文庫でどうぞ。
555554じゃないよ:04/04/17 21:35
>>549
「弥勒戦争」はできればハヤカワ文庫JA版を入手して
巻末の伊藤典夫の解説に目を通すことをお勧めします。
面白いですよ。
556555です:04/04/17 21:42
あ、間違えました。
伊藤典夫が解説文を書いているのは「神狩り」の方でした。

ちなみに「弥勒戦争」の方の解説文は、「作者紹介」と題して
今は亡き半村良が存命中に(あたりまえだ!)書いています。

ちなみにこの半村良による解説は、昭和六十一年七月三十一日
発行の第七刷以降は割愛(削除)されているそうです。
ソースはこちらです。
http://homepage1.nifty.com/kragen/hobbys/002.html
557 ◆GacHaPR1Us :04/04/18 00:46
シリウス
オラフ・ステープルドン (著), 中村 能三 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150101914

「SF至上、とても重要な作家」というフレーズの似合う重厚さのなかに、
とんでもなくスナッフでシビアなギャグが唐突に炸裂するあたりに
70年代の少年向け小説という部門の偉大さを感じた。

っていうのはまあどーでもよくって、

「もし、犬に知性を与えたら?しかも、その『知性』の定義が単なる知能なだけではなく、
 その精神性、つまり与えられた生活環境や育てられた家庭から得られる心理も含めた
 知性、を与えられた犬の運命は?」
というためにこれでもかというほど冷徹に繰り広げられる科学的手段は、多少古臭くても
まったく問題なっしんぐ。
この本読んだ直後に宮沢賢治の「フランドン農学校の豚」読んでもんだから
なんかイメージが重なっておもろかった。
>>557
それで何点つけるの?
559 ◆GacHaPR1Us :04/04/18 00:58
>>558
 ∧||∧
(  ⌒ ヽ  <・・・9点
 ∪  ノ  
  ∪∪
>>557
分かりました。どうもありがとう。
「オッド・ジョン」(矢野徹訳)はどういう評価になるのかな?
「シリウス」は復刊されたから読んだと思われ。
あれが売れれば「オッドジョン」も復刊されるんだろうが、まぁムリだろう。
563レフ:04/04/23 07:49
「機械仕掛けの蛇奇使い 」上遠野浩平
面白かった。へっぽこ王の国盗り物語。
雑誌掲載時のタイトルは「虚無を心に蛇と唱えよ」。
これはコードウイェーナー・スミスの作品「青を心に、一、二と数えよ」
("Think Blue,Count Two")にインスパイアされてる模様。
スミス作品の常連、ヴォマクト一族の傍系っぽいヴィマト氏もずっこけ役と
して出演してる。 7点。
564名無しは無慈悲な夜の女王:04/04/24 06:54
「ふたりジャネット」テリー・ビッスン 河出書房新社 奇想コレクション
ノスタルジックな短編集。
味わい深い文章が素敵。読んでいて嬉しくなってしまった。
とんでもない奇想を、ドタバタにすることなしにさりげな〜く描いて、読後感最高。
最近あまり聞かない言葉だけれど、良質なマジックリアリズム短編集。
ラファティやヴォネガットと比較しても面白いような気はするけど、そこまで俺に読解力はないのであった。
9点。
下げ忘れスマソ
ちょっくら吊ってくる。
この板だし全然問題ないかと俺は思うが。
むしろいくらか活性化するためにも、たまにはあげた方がいいと思うんだけど。
>>566
 ∧||∧
(  ⌒ ヽ  もう吊っちゃったよぉ……
 ∪  ノ  
  ∪∪
568 ◆GacHaPR1Us :04/04/24 17:40

 ∧||∧
(  ⌒ ヽ  ←>>567
 ∪  ノ  
  ∪∪
  ∩ ∩
  (・∀・| | ウヒョー
  |     |YO
⊂⊂____ノ
ニール・ゲイマン『壁の中のオオカミ』

絵本。
壁からオオカミが出てきて家を乗っ取るという話。『コラライン』路線です。
ますむらひろしのマンガみたい。
ちゃんとオチもついていて、子供向けの「不思議で恐い話」の
基本構造を押さえている。
絵も気持ち悪くて良。よくできてるとは思う。
しかし、絵本が英国協会賞短編賞とはねえ……。
採点控える
文庫化されたので奥泉光「鳥類学者のファンタジア」。
「新・地底探検」もそうだったけど、この人語り口が巧いわあ。
どんな衒学的な知識が飛び交っていても、それを難しいと感じさせない不思議なところがある。
同じような話を例えば古川日出男あたりが書いていたら、
もっと徹底して硬質の物語になったろうなあ(それはそれですごく読みたいけど)。
プリースト『奇術師』
解説でネタバレしてるんだが、作中の言葉によればネタよりやり口の方が重要なので、
別にかまわないのかもしれない。
しかしこれは文学的に書かれた馬鹿SFってことでいいんだよな? 
なんか見落としてるような気がしてならないが、めっぽう面白かったのでとりあえず8点。
プリースト『奇術師』

面白かった。前半、ちょっとディテール書き込み過ぎじゃねえの? というぐらいなかなか話が進まないのだが、中段から読むのをやめられず結局一気読みしてしまった。
初期に『逆転世界』で頂点を極めた作者の奇想派ぶりが、形を変えて依然健在なのが、何より嬉しい。
メインアイデアは、多分20ページぐらいの短編でも表現できると思われるし、科学的考証もいい加減で(というか意識的に軽視してることが明らか)、572氏言うように、『馬鹿SF』の典型なんだが、本書の眼目はそこにない。
それを本格ミステリ風に多視点から、「作中作」を織り交ぜつつ濃密にディテール構築し、独特のリアリティを現出させる技巧を楽しむべき作品と思う。
ミステリ的観点からすると、このラストには「普通もう一ひねりあるよなあ」的な食い足りなさもあるのだが、逆に「小説としての奇麗さ」を重視するプリーストらしいという気もする。

とにかく、「こんな小説、SFでもミステリでもファンタジーでもジャンルを問わず、今まで読んだことないよ!!!」という唯一無二の個性的な読書体験を提供してくれたことに敬意を表し、9点。

なお、解説でネタを一部割っているんで(これはまずいだろうよ)、今から読む人は、先に読まないように。ネタが一部割れたからって、本書はミステリ的部分が全てではないからまるで楽しめなくなるということはないが、愉しみが減ることは間違いないので。
映画化されるらしいので、それに合わせて本書が売れ、他の未訳作品も翻訳されることを激しくキボンヌ。
574 ◆GacHaPR1Us :04/04/28 00:10
フェッセンデンの宇宙
エドモンド・ハミルトン (著), 中村 融 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309621848

 そもそもあんな本さえ読まなければ、こんなことにはならなかったんだ。
いや、わかってたんだ、わかってたんだが、辞められなかったんだ・・・。

 きっかけはこの本を読む前に「ファインマンさんの最後の授業」を読んでしまったことだ。
おかげで、『ファインマンさんの宇宙』なんだか、『フェッセンデンさんの最後の宇宙』なんだか
よくわらなくなってしまった。なんか似てるしね。

まあそんなことはともかく。

かって、まだSFが子供達のものだったころの「スペオペ」世界全開のストーリーおおいなーと思ってたら
なんのことはない、その創始者でやんの。そりゃそーだ。
それにしても、SF界屈指の「運の無い男」エドモンドさんのお話はテリービッスンとは比較にはならないものの
科学的な間違いなんかどーでもよくなる軽さがおいしい一品です。ぜひどーぞ。


6点
ぜひどーぞ。

といわれても、6点じゃあちょいと二の足踏むなぁ。
不幸のおすそ分けってとこか?
>>570
古川日出男「沈黙/アビシニアン」(角川文庫)は
「鳥類学者のファンタジア」とほぼ同工異曲だと思う。
質感はクラシックとハードコアくらい違います。
578名無しは無慈悲な夜の女王:04/04/28 02:45
ブルース・スターリング『塵クジラの海』

面白いじゃん!!

思いっきり異様で派手でけたたましくて、不安と熱狂に彩られた
作品世界。緻密な異世界構築は、それだけで楽しい。
読んでみて思い出したのは、ディレーニイである。

なんかぱっとしないという評価が多いようだが、読むべき人が
読んでいないのだろうと思う。ヴェルヌとか好きな人だと気に
入るかなあ。

8点
579でへ:04/04/30 00:04
天を越える旅人 谷甲州 ハヤカワSF

6ヶ月以上の積読を経て、ようやく読めました。

はじめに岳人という山の雑誌に連載されたのは
不幸なことでした。
SFマガジンだったらもっと話題になったでしょうに、、、

曼荼羅と結びつけた話も良いし、登山の描写、ヒマラヤのある
地域の描写も生き生きとしていて小説としても楽しめました。

良くできた仏教SF 8点

しかし、仏教思想と現代物理学が結びつくのは何故なんだろう。
私はエセ仏教徒で、「西洋科学は絶対的なものである」
という教えを信奉する「科学教」を信仰していますが、
こんな話を読むと、西洋科学の方法論ではなく、別の方法論で、
真実は捉えられるのではないか、これは「トンデモ」な思想で
あるかもしれませんが、そうも思います。
西洋科学が絶対的なものであるのはなぜなのか、を考えれば、
科学「教」からは脱却できますよ。合理的な説明抜きに
ただ信じているだけという状態からはね。
581 ◆GacHaPR1Us :04/04/30 23:57
>>579
 ちなみに、多分この板の住人は知らないだろうから説明しておくと、
「岳人」っていうのは、山と渓谷社発刊の登山雑誌の一つなんだけど、
一口に「山」といっても、「岳人」は岩登り、しかも『アルペン』と呼ばれる
自然岩でのペア・ザイル登頂をメインに紹介する登山雑誌なわけだ。
 同じ山と渓谷社の、「山と渓谷」が縦走とハイキングを主とするものや
「岩と雪」がフリークライミングやスノークライミング
(椎名誠曰く『バルタン星人』になって登頂するタイプ)などを主にするものとは
一線を画しているため、唯でさえ読者層が限られるという罠がある。

この内容であれば、「山と渓谷」のほうでも良かったかも知れないけど、
あっちはSFよりも極限を実際に経験した山行記録
(南極点単独無補給歩行横断の翻訳だとか、2月の日高岳単独無補給縦断など)
と並べられるとちょっとマズいよね。
>578
>読むべき人が 読んでいないのだろうと思う。
なるほど……確かに、スキズマトリックスやタクラマカンのスターリングがああいうのを書いてたとは思わない
もんなあ。描写自体は、タクラマカンなんかでも共通したイマジネーションを感じるけど。

しかしスターリングって続編書かないね。塵クジラシリーズの世界とか、機械主義者/工作者とか、チャタヌー
ガとか、まだまだ幾らでも短編書けそうなのに。
真面目な奴だ(ギブスンのスプロールモナー)。
クジラはシリーズじゃないですね、すみません。
584でへ:04/05/05 06:37
>>580

「科学教」を信仰していると認識した時点で、
盲信はなくなっています。、だから、自分としては、
そんなにやばい状態ではないと思っているので、
現状でも問題はないと思っています。

仏教思想と、現代物理学が結びつくと思った時点で
「(仏教思想に基づく)東洋科学は絶対的なものである」
という別な「科学教」に宗旨替えしているかもしれません。

スレ違いなのでこのへんで、、、
虚空の遺産 エドモンド・ハミルトン

フェッセンデンを読んだので図書館で借りてみた。
解説にも書いてあるけど、
主人公が一番ヒーローらしくなくて、悪役が一番ヒーローらしい。
星を継ぐものっぽいところもあった。
なんともやるせないアンチスペオペ。

フェッセンデンにのってた資料によるとキャプテン・フューチャーより前の作品らしい。
黎明期の人だってんで舐めてました。すいません。
8点くらい
586 ◆GacHaPR1Us :04/05/05 22:56
『犬は勘定に入れられません』
コニー・ウィリス (著), 大森 望 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152085533

読んだ。まず、結果だけ言えば問答無用でグリフィンドールに10点だ。

結末だけで考えれば、猫満足、主人公満足、ヒロイン満足、むろんレイディ・シュラプネル満足、
時空間の歴史修正関数も満足、ただし犬は勘定に入らないと。
なんかシリルかわいそーだ。

で、いろんなツッコミどころがあるわけだが、それはすべておいて置いて
これは絶対にテレビで連続ドラマ化するべきだ。日本ぢゃだめ。イゲレスのBBCあたりで。
ホールドストック「ラヴォンディス」

ミサゴシリーズ第2作。「ミサゴの森」で重要な脇役として登場し、
終盤で森の中に消えたハリー・キートンの妹タリスが主人公。
祖父の霊感を受け継いだタリスは、ライホープの森周辺の物語を
語り、その物語に関連する仮面や人形を作り、それを使って
向こうの世界への入り口を開く能力がある。
兄ハリーは数年前失踪したが、タリスはハリーが森のどこかで
生きていると信じている。
ある日、自作の仮面をかぶり、向こうの世界の若者を見て
好きになったタリスは、その若者を救うため、また、兄ハリーを
探すため、アザーワールドへの果てしない旅に出かける……
というのが大まかなあらすじ。
後半の展開は、予想を大きく超え、強烈の一言。
込み入ったプロットが、いちおう無理なく説明されるだけでなく、
タリスが「ラヴォンディス」に入り、ハリーと会うまでに見、
経験するヴィジョンは、目眩がするほどに凄い。
様々な解釈を可能にするラストも妄想をかき立てる。
終盤の様々なものを統合してしまう巨視的ヴィジョンが
もたらすSF的突き抜け感において、「ミサゴの森」より
数段上で、個人的にオールタイムベスト級。文句なし10点。
このシリーズ全部読みたくなってきた。
つうかホールドストックは、全部読んだ方がいいな。
めっちゃ好みやわ。
他に長編2冊、短編集1冊出てるようなので、チェックしてみよう。
本作の重要な脇役である「ウィリアムス氏」を主人公にした
話も読みてえ。



ホールドストック『リードワールド』
あー面白かった。9点。
処女長編だけあって荒削りだが、アイデアがよすぎる。
マーティンの「ライアへの讃歌」をバージョンアップしたような内容。
(しかもラストのベクトルが正反対を向いているのが面白い)
巨大な自然、進化の階梯の中の段階としての種、自然の一部としての
人類、的なテーマは、ミサゴの森なんかとも通じ、一貫している。
次の『アースウインド』もすぐ読み終わりそうだ。
面白すぎる。
589 ◆GacHaPR1Us :04/05/08 00:42
太陽の簒奪者
野尻 抱介 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152084111

 アマゾンでは好評みたいだけど、ちょっと自分の味覚は違うみたい。
多分、いろんな本いっぺんに取り込んだ所為もあるんだろうけど・・・。

 主題になってるのは、我々とは異なる『知性』とはなにか?について。
完全な自閉症気味の高度な知性っていう設定はまあアリなんだろうけど、
別に異星人でなくても、文明同士ってそんな側面あるよね。
 もともと自分みたいな非SF板住人の暴若無尽な活動って、完全に「わたし」っていう
存在の主張ばっかりで元々SF板持っていた共通理念というものを無視してるんだけど
それはある程度しょうがないんだろうと思う、そんな接触の繰り返しでやっとお互いに
「理解」していくんだろう、まあそのころには別の星系あたりにいるんだけどね、自分とか。

そんなガジェットはともかく、他のガジェットでもそうなんだろうけど、
この本ではいろんなネタ詰め込んでるんだけど、
それぞれが淡白な感じが否めないのはなんでだろう??

”味”として考えれば、エドモンド・ハミルトンに似てる感じだったので、6点。
でも、これはネタ的に「笑えない」って要素もあるからで、あんまし気にせんで欲しい。
イアン・マクドナルド『黎明の王、白昼の女王』

第1部−よくできたケルト妖精譚。古めかしい日記体や書簡体で雰囲気盛り上げ
第2部−第1部から続く因縁話。「神話線」をたどる老浮浪者コンビがイイ!!
第3部−サービスカット
第4部−さらに続くよ因縁は。内容はキルビル+ベルセルク

時代も、主人公も、文体も構成も各部ごとに違っていて、しかも
それぞれの完成度が高く綿密に練り上げられています。堪能しました。
第4部、主人公の過去とそれへの決着のつけ方がありがちといえばありがちですが、
その辺があまり気にならないほどの説得力があります。異形の者共の描写も真に
迫っています(映像化するととたんにチープになりそうですけど)。
また、第4部の文章はかなりユーモラスというか、笑えます。ファンタジーや「国家的
テーマパーク」への自己言及的テキストもあったりして、インチキ日本趣味は
確信犯ケテーイですね。中野氏の解説にもあったけれど、いわゆるファンタジー好きの
人より、SF好きの人に向いているような。

ただ、どうせ八方丸く納まるハピーエンドにするんだったら、アントロバス氏の猫たんた
ちも今までどおりあそこでぬくぬく暮らしてますよ、くらいの描写がほしかったよ、ママン、
つーことでここで1点減点してやる。

よって9点
591名無しは無慈悲な夜の女王:04/05/08 16:25
>587
ラヴォンディスって翻訳出てるの?知らなかった・・・・
「ミサゴの森」は何気ない日常から一気に神話の世界に踏み込む跳躍ぶりが面白かったなぁ・・・

ホールドストックはフォールコン名義で創元から「ナイトハンター」シリーズが出てたハズ。
邪教集団と戦う男の話。
592名無しは無慈悲な夜の女王:04/05/08 17:48
>>588
> ホールドストック『リードワールド』
> あー面白かった。9点。

『リードワールド』は、大謎の扱い方に失敗していて、
謎が明かされてもそれが謎だったということに読者が
気づかないという問題があるという記憶だけ残っている。

海外SFでも、テクニック的に粗雑なものがあるんだね、
と友達と話した記憶がある。初版即買い時のことだ(はは
593 ◆GacHaPR1Us :04/05/08 23:32
ロカノンの世界
アーシュラ・K・ル・グィン(著),小尾 芙佐 (訳),
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150108234

 言の葉の樹から比べると、そりゃもー瑞々しさ溢れてる、
あんまりハイリッシュを意識しないでただただ、
「あたしゃー ファンタジーが描きたいのよ!なにさ!」って感じで
ぐいぐい話進めていく。
本って、その人が書いていたその年齢をそのまま残しておくタイムカプセルみたいだ。

最後にレンズマンっぽい設定で敵を倒すってのが戴けないけど、
この設定はその後のハイリッシュユニバースでも時々顔を出してるよね、
だから許そう、


9点
>>593
それ何歳のときの作品?
595 ◆GacHaPR1Us :04/05/08 23:53
>>594
知らないけど30代前半ではないかな?グインさんが。
>>595
ル・グィンは1929年生。
「ロカノンの世界」は「辺境の惑星」と同じ1966年発表。
完成後すぐに出版されたとしたら、三十台半ばに書かれたというかんじか。
597 ◆GacHaPR1Us :04/05/09 00:20
>>596
んじゃ、作家活動してすぐに長編しかも、いきなりロカノンかよと。


そりゃ頭いいんだろうけど、嫉妬するな。
>>597
ル・グィンに嫉妬するということは、もしや ◆GacHaPR1Us は
小説書いてるのか。SFか、ファンタジーか?いずれにせよ、がんばってな。
599 ◆GacHaPR1Us :04/05/09 00:33
>>598
まさか
>>599
そりゃスマソ
ついでにアタイこそが600ゲトー!
>>591

情報サンクス>邪教集団

探してみます。
602名無しは無慈悲な夜の女王:04/05/15 13:59
『スロー・リバー』ニコラ・グリフィス
作者が女性とは知らずに読み始めたが,途中で女性作者以外ありえないと
感じた本.女性作者の話には虐待・抑圧系が多い気がする.とはいえ俺の
読んだ本がたまたまそういうものばっかりだったという可能性もあるけど.

新刊で買わなくて良かったというのがこの本の評価.4点.
>>602
「すごい面白い!」と書評サイトで見て、新刊で買っちゃったよ・・・
>>603
ぜひとも読んだ感想を聞かせてほしい。
「さよならジュピター」

なんというか散漫な印象の小説でした。
異星人関連の話は最後の方では全然関係無くなるし、
ヒロイン?は目立たないし、敵役の議員はあっさりし過ぎだし、ピーターは歌い出すし・・・
政治家・科学者達が力を合わせて危機を乗り越える、プロジェクトX風の筋で良かったんじゃないかと。

5点
606名無しは無慈悲な夜の女王:04/05/17 00:22
>>602

SFというより、ミステリ、フェミニズム文学系の読者に受けそうな
小説だよね。
多分、SF文庫じゃなくて一般の文庫から出てたら、もっと評価されてる
作品だと思う。可哀想に。
結構エッチな本ですよ>未読者all
ホールドストック「アースウインド」

「リードワールド」から一転して、かなりディテールを緻密に深く
突っ込んでいる。
その分深みは出ているが、筋立てがやや一本調子で、起伏に欠けるのが痛い。
テーマは「生態系の中に取り込まれてしまう種や個体」といった内容で、
後のミサゴシリーズなどにも通ずるものだが……。
そして何より、訳文が読みにくくて参った。
特に、最後の最後、肝心の真相が明らかになるいちばん肝心の場面
(「3つの渦巻き」の意味などを解き明かす部分)で、訳文が
ぐちゃぐちゃで意味不明なのが、致命傷。
「時間センター」とか「指示センター」とか、訳語も意味不明だし。
多分「中枢」って意味なんだと思うけど。
ホールドストックの文章は、他の作品の訳書や原書を見ても、
そんなに分かりにくくないはずなのだが……。
訳者の人ごめんなさい。

正直に評価して 5点が精一杯 アイデアは最高なのに、惜しい……
608603:04/05/17 00:49
>>604
>>606
いや実際途中まで読んで
「何かこりゃ違うな」と思ってそのままになってます。
何が違うかって言われたら困るんだけど
予想したタイプの面白さじゃないなっていう。
>>608

うん。同感。絶対にSFの面白さじゃないよ。
まあ、癖のある受賞作の多いネビュラ賞らしいといえば、らしいが。
漏れも>>602冒頭のエロいシーンに「これは傑作かも知れない」と思いながら読み進めたが、
最終的にはかなり予想と違った方向になった
ヴァーチャルガールと同じパターンね
林譲治の「記憶汚染」。途中からの破綻気味に思える展開に萎えた。単に肌に合わないのかな?
612でへ:04/05/18 21:42
フェッセンデンの宇宙 エドモンド・ハミルトン 河出書房

フェッセンデンの宇宙 再読だがやはり良い 9点

向こうはどんなところだい? 8点 人によってはイマイチかも

後は5〜7点くらい

確かに光るものは感じるけど、古さを感じる、その点を許せる人には
オススメ。 総合評価は6点

でも表題作の「フェッセンデンの宇宙」は、読んでいない人は読むべき
でしょう。これはオススメ

ハミルトンは好きで、キャプテン・フューチャーシリーズ(後期は未読)
スターキング2作、虚空の遺産、時果つるところ、スターウルフ3作
読んできました、当時は面白かったけど、今読み返すと、きっと古さを
感じるでしょうね。

でも、キャプテン・フューチャー、復刊したら、間違いなく買います。(ry
訳者はどうなるんでしょうね?
(エズラ・ガーニィの発音だとキャプ’ン・フューチャーですな(ry)

これだけ読みたい本を出してくれた奇想コレクションには、9点を
あげたいですね。
613 ◆GacHaPR1Us :04/05/18 23:24
>>612
>これだけ読みたい本を出してくれた奇想コレクションには、9点を
>あげたいですね。

激しく同意
>>612
今度、創元で出るキャプテン・フューチャーの訳者は、たしか野田昌弘だったと聞いています。
615 ◆GacHaPR1Us :04/05/19 00:19
げげ

えーっと御大だったっけ?大将だったっけ?
宇宙大元帥ですがな。
617名無しは無慈悲な夜の女王:04/05/19 20:08
新訳なのか?
618でへ:04/05/19 21:29
>>614
前と同じ文章でつか
買うかどうかは、立ち読みしてから決めまつ

>>615
大元帥でつ
619でへ:04/05/19 21:30
もろにかぶってしまいまつた
スマソ
620でへ:04/05/22 07:49
宝石泥棒 山田正紀 ハルキ文庫?

再読、読んだのは角川文庫 昭和57年初版のやつ

最後に読んだのは10年以上前、そのため内容はほとんど
忘れていたので、初読とほぼ同じです。
昔はよく分かっていなかったが、東南アジアから中国までの
風土を基にした作品世界でした。

作品世界の作りこみはよい、全体のストーリーはちと平凡だが
ツボは抑えてある。(各章ごとの細かな話は上手い)

8点

山田正紀は「神狩り」が初読だったが、このときは、
小松左京、光瀬龍をはじめて超える日本人作家が出た
と思った、感動した。

これに匹敵すると感じたのは、日本の作家では、
大原まり子、冲方 丁の二人だけです。
冲方はこれからどうなるか分からないけど、
うまく化けてほしい。

次は宝石泥棒Uを読む予定(まだ未読だったのだ!)
621名無しは無慈悲な夜の女王:04/05/22 23:17
「遙かなる地球の歌」アーサー・C・クラーク
8点
普通のSF。特にとっぴなガジェットが出てくるわけでもない
普通に楽しめるSFですた。
そういう点ではあんまり印象に残らない話だったような気もする。
ウミサソリと人間の戦いがどうなったのかについては興味があるけど。
622名無しは無慈悲な夜の女王:04/05/23 01:25
ハミルトン『ふぇっせんでんの宇宙』
古いのではと覚悟して読み始めたせいか、結構楽しめた。
既読の古典「フェッセンデン」「追放者」懐かしい。読んだの20年前だ。
ベストは「向こうはどんなところだい?」見事なアンチSF。
鳥人の孤独な末路「翼を持つ男」水星のファーストコンタクト物「太陽の炎」
夢と現実の相克を扱いながら現実的オチのついた「夢見る者の世界」も
素朴ながら古き良きSFという感じで楽しめる。
ほのぼのファンタシイの「風の子供」も結構好き。
「帰ってきた男」「凶運の彗星」はちょい落ちるかな。
採点は難しいが、7・5点ぐらい。
623でへ:04/05/26 03:56
螺旋の月(宝石泥棒U) 山田正紀 ハルキ文庫

副題で宝石泥棒Uとなっていましたが、そのとおりで、
宝石泥棒の続編というよりも、新しい作品といったほうが
良いものでした。

前作(宝石泥棒)が、よく書き込まれた冒険物語とすれば、
この作品は思弁性の強い、新しいSFという感じか、、
後期の山田作品の感じですね。

8点

宝石泥棒と宝石泥棒U、どちらが面白いかは、人によって
違うでしょうね。

私は僅差で前者のほうかな
624名無しは無慈悲な夜の女王:04/05/30 01:16
ギブスン「モナリザオーヴァードライブ」
うーん。いまいちわけわからんかった。ニューロマンサーは
何してるのか理解できてたんだけどモナリザは何がなんだか・・
収穫はシャドウランをプレイするときに風景描写のストックが増えたくらいか。
>590 イアン・マクドナルド『黎明の王、白昼の女王』
遅レスだけど、初版買って9年間、長く積ん読状態だったこれを同時期に読んだ人がいるとは…。
漏れは第2部が良かったです。マジ久々に泣けた。ここだけで10点あげる。
某少年ジャンプの人気マンガ(昨年連載終了)のネタに似てる気もするけど、んなこたぁ気にシナイ。
つーか、この線で第4部まで押し切ってくれた方が良かったような気もして。
第4部は…確かにキルビルだね〜。
ふーん。積ん読にしてるけど、読んでみるかな。。『黎明の王、白昼の女王』
ロバート・ストールマン 「野獣」
〈野獣の書〉三部作の最終巻。今までの主人公がどーでもよくなっちゃった
ぐらい、小娘とおっちゃんのドラマにひきこまれた。期待したような展開に
ならなかったり、謎解きがちょっと中途半端だったりしたんで、7点献上。
各巻順位は、1巻がトップで次が3巻、2巻と続く。1巻だけなら8点か9点あげる。
SF文庫だけど、ファンタジーでも全然構わない。設定から夢枕のキマイラ
シリーズを期待する人は肩透かしをくらうだろう。日常の描写が多々あって、
普通小説っぽい。こんな雰囲気のSF、FTがあったら、また読みたい。
ボブ・ショウ「襤褸を着た宇宙飛行士」

面白かった。二重惑星を気球で渡る話。
人物が多彩でアクション満載、恋あり復讐あり親子の絆あり、
権力抗争あり決闘あり。
異世界の奇妙な動植物の生態とその謎解き、破滅に向かう世界と
そこからの脱出イベント、謎が解かれて得られるSF的カタルシス
とそこから提起される新たな謎。
よくできたエンタテインメントだと思った。
惑星の間に空気があるのは解せないが・・・(笑)
続編の「木でできた宇宙船」も読みたい。

9点
>>627 野獣の書の3巻は、当時のSFMレビューでは「読まないほうがいい」って論調だったな。
謎解きってなると「ありゃま」で終わる罠…。
しかしドラマとすれば一級でしょう。
私的には、英語の「I」をオレと僕に使い分ける訳文が、原作?を超えていると思ったyo。
久々に読み返して、9点。
あのシリーズは、森下一仁氏がめちゃくちゃ褒めていたのを覚えている。
今ならNV で出そうだ(それともプラチナファンタジイか?)。
D・ジェロルド「H・A・R・L・I・E」サンリオSF文庫

積ン読というには長すぎるのですが、20年前に買ったままなぜか読む気が起きなかったのを、今回読了。
1972年の作で、アジモフの神々自身に次ぐヒューゴー賞2席獲得作らしいのですが……、やはり買った当時に
読めば良かったかも……。(翻訳されたのは1983年)
ストーリーは、自我を持ったコンピュータが電源を切られないようにする為に、自分の上を行くGODマシン
を作ろうとする話なんですけど……ふ、古すぎます。
解説文では「コンピュータ知能をめぐる硬軟両様の小道具の扱いのみごとさに驚かされた。例えば二六四ページ
以降の<ウイルス>プログラムと<ワクチン>プログラムの話−−これは彼のオリジナルなのだろうか?」と、
自己増殖する悪戯プログラムのアイディアに驚いたりしてるわけでして。
発表されたのがインターネットの雛型のARPANETすら始まって間もない時代ですから仕方ないのですが、
毎月新種ウイルスが発生している今の時代に読んでも、ちっともセンスオブワンダーなんて生じません。
このスレでも、多分若い人に「夏への扉」が低評価だったりする気持ちが、ちょっと分かったような気が
しました。
点数としては……3点くらいですかね。
632 ◆GacHaPR1Us :04/05/31 00:36
「還る船」
アン・マキャフリー
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150113262

正直に言えば「歌う船」シリーズは読む気がしなかった。なぜなら
初版のときに世間で流行っていたのはマクロスだったから。

で、アン・マキャフリーさんっていうのは、ファンタジー作家なんだと思うんだよね。
「猫にはだれも気が付かない」でもそーだったけど、あまりにも理想的な世界や
人間を描きすぎる感があるから。ちょっと毒が持てないっていうのは
SF作家としては致命的な気がするにはするけど、児童文学として
これ以上の特性はないんだとおもうんだ。
その辺ちゃんと飲み込めていれば、意外に読めるんだろうと思う。

7点。
反地球シリーズ6巻「ゴルの襲撃者」 ジョン・ノーマン

高貴な生まれの凛々しくも誇り高き少年が、自身が奴隷として見ていた、
ある男に屈服させられ、否がおうにも奴隷に堕ちてゆく屈辱を描く。
シリーズもここにきて、ついに801に!
801の中の人は、この巻だけでも必読ですッ!
それでも最後の最後まで少年がどこか凛々しさを失わないあたり、
よいですな。ちゃんと見せ場が用意されていて、大活躍もするんだな。

なかでも一番驚かされたのは序盤早々の展開。バローズの有名な、
あのセリフを究極の真逆の立場から言わせてしまうあたり、衝撃的です。
感情移入し過ぎて、ホントにショック大きかった。
人間の魂を堕落せしめる屈辱プレイが、単にセンセーショナルな仕立て
だけに終わらせず、ちゃんと必然性があって作品を成立させていたのには
驚いた。自分がその立場だったら○○○を串刺しにしてやりたいと思ったけどね。
最後に明かされる謎には呆然でした。
とにかく、主人公の一大転機となったシリーズ邦訳中、最大の問題作なのは
間違いない。いったいこの先、彼は何者になって、どうなっちゃうんでしょう?!
だけど、この巻を最後に翻訳打ち切りとは…!(泣くになけない)

9点
「無限アセンブラ」

なんかこれを読んでいる最中ずっと、無理矢理シナリオ通りに進行させているような印象を受けました。
ストーリーに合わせるために登場人物を動かしたせいで、いきなり警戒心を無くす学者・中学生並みのメンタリティの宇宙飛行士・予知夢(なぜか絶対当たる)で行動を起こす女局長などがわらわらと・・・
正直、急な展開が起こっても、「どうせ予定通りの結果になるんだろうな」みたいな印象が先だって、どうにものめりこむ事ができませんでした。
題材はすごく良さそうに思えただけに残念。

4点
「さなぎ」 ジョン・ウインダム(1955)

読中、ずっと幸せと不幸せを感じていた。
前者は面白い小説を読んでいる幸せ、後者は小学生時分に読まなかった不幸せ。

実は世界が社会通念で教えられているとおりのものではなかった、とわかってしまう衝撃。
〈世界の真の姿〉を捉える、新しい視野の獲得という感動。
そんなSFを読む悦びを堪能できる。

翻訳SFはたいていその文章に乗れないことが多いが、ウインダムにその不安は不要だ。
古典的内容だが、それをまったく気にさせないのはウインダムの優れた文章力、表現力ゆえ。
かえすがえすも残念だったのは小学生のときに出会わなかったこと、ただそれだけだ。

9点
クリストファー・プリースト「逆転世界」

最高。
久々にセンス・オブ・ワンダーを堪能しました。
でも、(メール欄)のは何故?

9点
お、最近感想のレベルが高いな。Good job !
638でへ:04/06/17 00:07
最初にして最後の人類 オラフ・ステープルドン 国書刊行会

1930年の作品

古くて難解ではありましたが、20億年に及ぶ人類
(正確に言うと、人類を含む地球を起源とする知的生命体たち)
の歴史を描いた、壮大な話でした。
舞台が、太陽系の外に出ないのがちょっと物足りないのですが、
(太陽系の外までいったら、書ききれなかったと思う)
第1期人類から第18期人類まで、延々と20億年の歴史を語って
しまっている、今まで読んだことのない、壮大な物語でした。
ここまで書いてしまえるなんてスゴイです。
書き込み方もスゴイ、難解ではありますが、、、

科学的な面で見たら、古さを感じざるを得ないのですが、
70年前のSFなので仕方ありません、現代の作品が、70年後に
どれぐらい古さだけを感じさせるだろうかと思うと、
(特にハードSFと呼ばれる作品)
それでもこんな壮大さを感じる、この作品のすごさが分かります。

今まで読んだ作品を基準にしたら、採点不能(ry

マニア向け、読む人を選びます。
>>638
マニア向け、人を選ぶ ←とは、どんな人、どんなマニア向け?
感想だけみると、歴史的価値しかないような印象、、、
SFマニア向けなんじゃないか?当然。
ジョイス「鎮魂歌」

うーむ、怪作。
現実と幻覚の見境のつかなくなる悪夢のような混沌とした描写が続き、
多数の登場人物の視点が入り乱れ、極めて複雑なプロット。
精神分析的なネタも入ってきて、サイコサスペンスか叙述ミステリか?
と思わせながら、小さなどんでん返しを繰り返しつつ、肩透かしの
ようなオチ。
異教徒がせめぎあうエルサレムの描写も迫力があるし、最終的な
テーマともうまく結びついている。
野島伸司「高校教師」風ネタが入り、ちょっとエッチなのもいい(笑)。
途中ちょっと冗長な感じもしたが、最終的にはそこそこ満足しました。
余人に真似のできない強烈な個性があり、はまると抜けられなく
なりそう。
他の作品も読んでみたい。

8点
キイス・ロバーツのGrainne。

ケルト神話の女神でグラーニアとか読むらしい。
女神の具現化したらしき娘がマスコミを使って世界を
手玉に取り、ケルト神話や仏教などをベースにした
思想で潮流を巻き起こす・・・というような話だった。
語り手の男のカウンセリングで語る話、という形式で
進行し、男の生い立ちなども書き込まれ、結構読みにくく
独特の雰囲気。
どこまで事実で、どこまで男の幻覚ないし作り話なのかも
判然としない。怪作だった。
適当な感想だが、荒巻義雄の初期作とかと結構近い感じかも。
ちょっと難しかったので、今度は翻訳で読んでみたい。

初読7・5点ぐらいだが再読したら上がるかも
643でへ:04/06/18 06:50
「マニア」という言葉をつけたら、対象が不明確に
なってしまいました。
すいません。

単に、「読む人を選ぶ」
という意味にとってください。

悪い点
・文章が難解
・古いので科学や技術的な点でおかしなところが目立つ
・値段が高い(2800円)

人によっては良い点
・哲学的な内容

良い点
・人類の未来についての壮大な話(扱っている時間の長さと、内容)

なので、上記の悪い点が気にならず、良い点が魅力的な人
ともかく読書のバリエーションを広げたい人(1000冊読みたい! とか)
我慢強い人

などにオススメです。
644でへ:04/06/20 22:35
BITING THE SUN タニス・リー 産業編集センター

伏線などはなく、素直な流れの話でした。
(ちょっと物足りない)
話しの舞台となる世界はなかなか面白い、
ただし、なぜそのような世界になったのか?
説明がないのが物足りない
世界は良く出来てるし説明があれば、すごい
シリーズ物になりそう

7点

2月27日に初版、4月25日に第2刷が出ています。
結構売れてますね。
645名無しは無慈悲な夜の女王:04/06/21 22:37
>>644

> 2月27日に初版、4月25日に第2刷が出ています。
> 結構売れてますね。

あの京極夏彦仕様の狂った表紙絵が、人目を引くのかも。
他社も見習うべきか・・・?
ちなみに漏れはこの小説、モロ好みでした。
つーか、ドーム都市とか世代宇宙船とか、「閉塞社会と
そこからの離脱→認識の変革」というネタなら手放しで
萌えるというだけかもしれんが。
646 ◆GacHaPR1Us :04/06/23 00:28
でへさん、
あなたならきっと『スターメイカー』も読んでる途中なんでしょうが、
>>638
>舞台が、太陽系の外に出ないのがちょっと物足りないのですが、

・・・この答えは『スターメイカー』のなかにあります。

んで、自分はいまだに読んでる途中。
途中で止めると、ついていくのがしんどいぞ...オラフさん。
647でへ:04/06/23 22:53
スターメイカーは積読中
読破にはパワーがいりそう、
充電しないと当分読めそうにありません。

現在は渦動破壊者を読んでいます。
>>647
>現在は渦動破壊者を読んでいます。

感想たのしみにしてます。
シン・マシンてどうよ。
弐瓶勉が表紙描いてるらしくて気になるんだが。
650名無しは無慈悲な夜の女王:04/06/26 04:45
じんましん?
651 ◆GacHaPR1Us :04/06/26 07:07
>>650
ほら、昔実写版のサザエさんでマスオさん役を好演してた・・・




それは宅間 伸
652でへ:04/06/26 22:53
渦動破壊者 E・E・スミス 創元SF

ただのスペオペ

一言で言えばこうなります。

前半が書かれたのが1940年はじめごろなので、そのころの、
おまけにドック・スミスの話だったら、そうなるのは当然でしょう。

後半は1960年ごろ?書かれたらしい、最終章はちょっと
変わっていた、でも、やっぱり「ただのスペースオペラ」

スマソ

でもこれで良いんじゃないですか、やはりドック・スミスは
スペースオペラですよ。

スペオペファン向け 6点

個人的には、渦動破壊者を除くレンズマンのシリーズが
ドック・スミスの話の中では一番好きです。
653 ◆GacHaPR1Us :04/06/28 00:08
蹴りたい田中

著)田中宏文

結論だけ先にいえば、蹴りたくなった。

まだスターメイカーも読み終えてない、
ていうかアースシー外伝まで一緒に買う自分のバカさ加減にほとほと唖然あきれ返ってて、
いや、最近はずーっとラオウ様にボッコボコにされててリンもユリアもあきれ返って助けにも気やしねー、
ってだから、金がないのに本は買う、しかも買った本が
『 S F 』 って名打ったダジャレ本。
ワニブックスから出せよと。

でも好き。10点


しかし、ケリー、タイタニックは無理だろう。
654名無しは無慈悲な夜の女王:04/06/29 21:17
「星屑の彼方へ」  ジェイムズ・ブリッシュ 早川

少年の成長物語(解説によると少年の栄華はあまり長続きしなかったようだけど)。普通に楽しめた。
地球上の都市がガラス球のようなものに閉じ込められて宇宙を旅するというアイデアは面白い。

8点。
655名無しは無慈悲な夜の女王:04/06/29 21:21
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」   ディック

ディック、相変わらず精神世界へ・・・好きだけど。時々飛ばし読みするけど。
レイチェルが出てきたあたりで俺の萌え脳は「この話最後はハッピーエンドか!?」と思ったがそうではなかった。残念。

9点。
太宰治 お伽草子
中でも浦島太郎が好き。
助けた亀との会話。竜宮城や乙姫の描写。
聖諦かぁ 採点不能
瀬名秀明 編・著『ロボット・オペラ』

800ページ近い大著であり、今後ロボット史を概観する際の基本図書になると思われる。
しかし内容はあくまで「広く、浅く」といったものであり、入門書としてはいいかもしれないが
深い論議を期待するとかなり不満が残る。
収録されている小説も、初訳はわずか2編(他新訳が2編)で新味に欠ける。
5,000円近い金額を考えると、購入は無条件に勧められない。
図書館等で読んでから、買うかどうか決めるべき。
6点、と言いたいところだが編著者の努力に免じて1点追加して7点。

追記:日本の漫画・アニメについてもかなりのページが割かれていて、
比較的マイナーな作品にも触れられているのにFSSが全く言及されてないのが謎。
「巨大ロボット」と「人造美女」双方の究極形が存在する作品なのに。
イアン・バンクス『フィアサム・エンジン』

世界設定、アイデアとも、あまり独創性はないものの悪くはないのだが、
結末のサプライズを高めようという技巧なのか、4つのサブプロットが
細かく断片化され、各章に無造作に並べられるという構成のため、
読みにくいことこの上ない。
しかも、個々のサブプロットも話が淡々としていて、冗長で起伏に
欠けるし、どこかからの借用ではないかという既視感が漂う。
結局、個々のサブストーリーになかなか没入できないまま、
それらが収束して結末へ。
しかしその結末も予測のつくありふれたもので、今更こんな話を
読まされても……という感じ。これでは苦労が報われない。

結論、私の好みではなかった。
サブプロットをここまで細かく切り刻む必要があるのか、
非常に疑問。
結末がこの程度なら、一人一人の登場人物のパートを
もっと長くして、作品世界をじっくり楽しめるような
構成にしてもらった方がよかったと思う。

6点
>>658
それだけ文句言って6点?
3点くらいにしとけよ。
660名無しは無慈悲な夜の女王:04/07/05 15:33
「ハリー・ポッターと賢者の石」J・K・ローリング

とても魅力的な小道具や仕掛け、ちょっとした設定がたくさん出てくるね。
クライマックス近くのチェスなんかはうならされた。
ガジェットで読ませるお話だ。
もっと言ってしまえば、ガジェット以外はつまらん。

一読して思ったのは「しょぼい話だな」ということ。
ストーリーテリングがどうとかそういうのではなくて、とにかくスケールがしょぼい。
もっと大冒険とかやらかしてくれるのかと思った。
しょぼい冒険がひたすらご都合主義的展開で進めていくといった感じ。
ま、でも学校小説なんだから話のスケールはしょぼくて当然か。
破綻してないのは好印象。

キャラ立ちしてるのはハーマイオニーとネビルくらい。
終盤まで「悪の権化」として引っ張ってくれるスネイプ先生も別に大した悪人には見えないし。
スリザリン学寮だって、あれ狡猾か? 学寮の性質を設定したんならちゃんと書き分けてほしい。
イギリス学校小説としてはかなり薄味なんじゃないですかね。
つうかハリー駄目だろ。あんな「なまえをいれてください」キャラには感情移入できん。
そのくせ最終章でいきなり自我に目覚め出して別人化するし。
本文最後の一行なんて吐き気がしたぜ。

5点
661660:04/07/05 15:53
追加
今思ったのだが、本文最後の一行はモンティパイソン的な効果を狙ったものかもしれないな。
弱い者が強い者をやっつけてスカっとするのではなく、
弱い者を袋叩きにして、それがまた笑えるというような効果。
まあ全然笑えんかったけど。
>>658

初訳が少ないのが痛いよね……
小説だけなら買うんだけどな。
『ロデリック』は嬉しいが抜粋じゃなあ……痛い。
柳下氏が全訳しているのなら、どこか出してくれないかな……
663662:04/07/07 01:32
>>657 のマチガイ
664名無しは無慈悲な夜の女王:04/07/07 21:07
スタージョン 不思議のひと触れ

「海を失った男」「きみの血を」に続く3冊目。
短編集復刊されないかなぁ。

「裏庭の神様」「タンディの物語」「雷と薔薇」とかは、
アイディア自体はありがちだけど(SF初期の作家だし仕方ないけど)
語り方が巧い。とくにタンディの物語。
関係ないけどタンディの物語はF・不二夫氏のSF短編の絵が浮かんだ。

もう一人のシーリアはブラウンの「闇の女」みたいなのかな?
と思って読んだので驚いた。主人公の良い感じな変態ぶりが良い。
SF方面はにおわすだけなのも良い。

閉所愛好症は今読むとどうしてもヒッキーの願望充足に読めてしまうのがなんとも。
実際これはあんまり巧くないと思う。

タイトルと孤独の円盤はペアっていうか構造は同じだね。
後者のほうがよりつらい孤独感出してるけど。

熱狂的なファンが居るのもうなずける。
シニカルぶったのより、こういう小説のほうが断然良い。
登場人物悲惨な目にあわせればカッコイイとでも思ってるクリエイターが多い気がする。
10点いっとく。

勢いに乗って「ジョナサンと宇宙クジラ」読み返したりした。
コレも良いなぁ。前読んだときはそれほどでもない気がしたんだけど。
オールディス「ヘリコニアの夏」

ヒロイックファンタシイ色が強くて、SF的謎解きのほとんどなかった
春に比べると、SF度が200%アップでいろんな謎が解き明かされて、
面白かった。
舞台もヘリコニア星全土に広がり、いろんな動植物の生態が
描きこまれ、アヴァーナス号の正体もいちおう明らかにされ
(設定にやや無理がある気はするが)、飽きさせない。
ヒロイックファンタシイとしての面白さも、登場人物が多彩で
キャラの描き分け、欲望でどろどろした錯綜した人間関係、
政治&宗教絵巻など、春を上回る。
テナーとか、ヘリコニア語に、何で英語が語源らしき単語が
混じってんの? とか、
アヴァーナス号を通じて地球に映像やデータを送っているという
設定が、今のところほとんど意味を持ってないんじゃない?
といった点はあるのだが、その辺は、冬で解決されている
ことを期待したい。
とにかく、終盤の盛り上がりが最高に面白かったんで、素直に10点。
グレッグ・イーガン『順列都市』
後半あっさり流された気がする。登場人物の処理のしかたにも不満が。
広がったそれぞれのストーリーが最後にぐわっと収束していくもんだと思っていたんだがなあ。
まとまった一つの話って感じがしない。めくるめく世界観は圧巻なんだが。
7・5点
667名無しは無慈悲な夜の女王:04/07/11 22:36
「惑星の魔女カレス」

SFというよりはファンタジー?。SF(もしくはファンタジー)と見せかけてファンタジー(SF)
というパターンは半熟マルカの魔剣修行と同じ匂いがする。面白さも同じくらい。
つまりたいして面白くなかった。特に後ろに行くにしたがって読み飛ばすところが多くなったし。

5点。
668 ◆GacHaPR1Us :04/07/12 20:56
スターメイカー
オラフ・ステーブルドン(著
浜口稔(訳

や、やっと読み終えた・・・。

かって、夢にて芋虫から蝶となった男がいた。
また、やはり夢みた少年は、銀河鉄道に乗った。
そして、ステープルドンは夢にてスターメイカーに出会った・・・。

10点


 えーっと、太陽を評するにそのプリズム分光で語っても、その力強さと偉大さは決して伝わらないように、
この本をある評価でもって語るのは、この本を過小評価することにしかならないってことは
十分に分ってるんだけど、それを踏まえた上あえて翻訳者によるある視点「存在の無根拠性」っていうテーマで語れば、
本書はその語り部たる著者そのものが「大戦」という巨大な歯車によって、
その存在を脅かされていることをこの哲学書は語って居るんだろう。

 この本は、まさにあの時代、SFの黎明期に書かれたからこそ初めて価値のある存在になったように思う。
いまになっては。

でも最後は冗長すぎてつらかった・・・。

>>668
オツカレ ナイスレポート!
670名無しは無慈悲な夜の女王:04/07/13 15:22
『征東都督府』光瀬龍

タイムパトロールものの長篇。

フラフラするプロット、行きあたりばったりの展開。
やる気のない結末。

3点
『鎮魂歌』グレアム・ジョイス

細部はすごくいいんです。現実のなかにいつのまにか幻が侵入して
くるあたりの描写は。でも、ひとつの小説としてみると、うーん…

まず、せっかくの死海文書が物語のテーマに有機的にからんでこない、
あくまで子ネタ扱いなのが不満。膨らませればもっと面白くできそう
なのに。

それから、全体の雰囲気が既視感ありまくりでした。小説じゃなくて、
「心の傷を負って異郷の地をさ迷う人(あくまで西洋人)が幻を見る」
あのテの映画は結構見てるもんで。

あとさ、主人公ダメすぎ。苦しむ自分に酔ってんじゃねーよ。他人の
心には鈍感なくせに、ものすげー迷惑な奴、とか思いました。
なんでこいつモテモテなの? 顔がいいのか?
アフメド、かわいそうすぎるよ。

ということで、6点くらいですが、浅倉訳が非常に良かったので
+1で 7点。
>>670
漢字を読むのは苦手だと素直に告白しろよ。
>>670
池沼にはむずかしすぎるだろ。ラノベでも読んでろ。
>>673
ラノベなめんな。……いや今のラノベはなめていいです。
675名無しは無慈悲な夜の女王:04/07/14 08:23
光瀬龍にもキモオタが憑いているのか……
きっとキモオタなおじさんだな……

光瀬の「千億の〜」
カタカナ読む気になれなかった。
>>676
> 光瀬の「千億の〜」
> カタカナ読む気になれなかった。

今だったら、フォントグリフを変えて対応するだろうね、
ああいうのは。
フォント変えただけで読めるようになるのか?
漢字のないカタカナだけの長文セリフ、もういいやってオモタ
679名無しは無慈悲な夜の女王:04/07/14 11:28
>>678
> フォント変えただけで読めるようになるのか?
> 漢字のないカタカナだけの長文セリフ、もういいやってオモタ

じゃなくて、カタカナで綴る代わりに、字形を変えるだろうってこと。
>>678
vaka?
オールディス「ヘリコニアの冬」

面白かった。父と子の葛藤と、権力への抵抗が話の軸で、
前2作と違い、プロットが単純で、テーマも普遍的なものなので、
非常に読みやすかった。
また、地球上の人類の進化と、ヘリコニアとの関係、
アバナス号の行く末にも、ページ数がかなり割かれ、
前2作での謎は概ね解かれる。
ただし、地球人類の進化に関する扱いは、やや安易というか
陳腐かも知れない。
どうせこれを入れるならば、もっときちんと練って
書き込んでほしかった。
ともあれ、ヘリコニア上の話は抜群に面白く、
ラストでは、もうこの惑星を舞台にした話が
これ以上読めないのかと思うと悲しかった。

点数としては、地球人類の扱いにやや不満があるので
その分だけ減点し8点。
3部作全体としては9点で。
682 ◆GacHaPR1Us :04/07/20 00:15
永遠の森〜博物館惑星〜

、___________
  、>              .|
  >________   .| ←金髪
   ̄   .|./_   _\ |   |
      | /  ヽ/  ヽ |  |
.      | |   ・ | ・  |  V⌒i
   _  |.\  人__ノ   6 |
   \ ̄  ○        /
.     \          厂
     /  _____/
      ̄ ̄, -/へ/\/`- 、
       /./  ./o    i. \
         ↑
とりあえず、マシューの想像図(CV:藤井隆)

女性らしく、暴力とか激しくバカっぽいシチュとかはまったくなくって、
ただひたすらに優しいSF。あんな嫁さんが俺もほしいよなー・・・

8点。

もっと、もーっとドタバタでハチャメチャでもよかったようにも思えたので。
Colin Greenland  "Take Back Plenty"

ただのスペオペだろうと馬鹿にして読み始めたが……
前半は確かに、ただのスペオペに見えたが……
すげえ。凄すぎる。後半の展開は。
ルグィンやバンクスが絶賛したというのも、
英国3賞を初めて独占受賞したというのも頷ける。
ヒロインの軽薄なキャラは、あまり好きじゃないんだが、
そんな枝葉は、後半で帳消しして余りある。

10点
684名無しは無慈悲な夜の女王:04/07/24 20:55
ハガード『洞窟の女王』

以外にも面白かった。

なんといっても、不滅の生命を獲得し、2000年の時を生きてきた
美女アッシュのキャラクター造形が秀逸。

傲慢にして従順! 善良にして邪悪! 極めて魅惑的。

まあ、ストーリーラインは冒険小説の王道をいくものだけど、
不死の人間の持つ世界観について、いや、良く考察されてるわ。

アッシャには、『指輪物語』のガラドリエルを強く思い起こさせられた。
これに影響受けてるんじゃないのかな? 「ガラドリエルの鏡」ならぬ
「アッシャの鏡」も出てくるし。

にしても、『ハムナプトラ』は、ここからアイディアもらってますか?

改めてハガードという作家の大きさを再確認。

続編読まねば〜

8点くらい。

685名無しは無慈悲な夜の女王:04/07/24 22:18
『地獄の世紀(上)(下)』サイモン・クラーク 扶桑社海外文庫

『ある日、大人が子供を残虐に殺しはじめた!世界は地獄と化す』
↑帯のアオリ文より。
永井豪の短編をいただいちゃったかんじ。
登場人物たちはドラ○もんの主要キャラっぽい。
B級映画の原作にぴったり。
もしくはエロゲーか。
この作者の長編初邦訳だそうだが、最近の作品も読んでみたい。

6点てとこで。

686でへ:04/07/25 07:42
クレギオン5 タリファの子守唄
野尻抱介 ハヤカワJA

佳作 6点

圧倒的な自然を相手に、生きていく人間たち
人と人との係わり合いを描く人間のドラマ、というよりは
人間と自然の係わり合いを描くドラマ

自然は作者の該博な知識によって構成されている
人間については、、、(ry

人と自然(宇宙)、人と機械に関するシーンは良いんだよな

やはりハードSF作家だわ
クリストファー・エヴァンス「アステカの世紀」

面白い! 改変歴史モノで初めて面白いと思ったかも。
アステカが滅びないで世界一の先進国になり、20世紀に
世界征服するという話。
キャラクター造型や人間ドラマの作り方がうまくて、
非常にリアリティがあるのと、主人公(英国王女)の
一人称語りで、ミステリ仕立てのサスペンスフルな
ストーリーにしているのがいい。
オチやや突飛で尻切れトンボな感じもするが、
とにかく、仮想宇宙のリアリティある描きこみがいい。
点数は
オチをちょっと引いて 9点あたりで。
>>687
原書?ぐぐったけどなかった。
>>688
そうです。原題 Aztec Century (UK版)
多分絶版or品切れと思われ……買っててヨカッタ
英国or米国アマゾンなら、見つかるかもしれません。
ジーン・ウルフ『ケルベロス第五の首』

勇気を持って言おう。
2回読んだが、ぼんくらな俺には
「本格ミステリファンならたやすく見ぬける真相」
とやらはサッパリわからなかった。
どなたか解説希望。
というわけで採点は保留。
しかしまあ、わからないなりに無茶苦茶面白い。
今年のベストはこれか、『奇術師』かどっちか。
>>690

漏れも読んだ。
訳文が読み易すぎて、あれあれっ?て感じで、
第2話まで読み終わり、
わかったようなわからんような違和感を覚えつつ、
第3話……凄い。
第3話、完全に叙述トリックの本格ミステリのような構成。
マーシュはいったい何者? という表面的な謎の背後に、
第1話第2話のさりげない話がつながって、様々な謎が、
壮大な時間・空間軸で解かれたり解かれなかったりするが、
第2話で象徴的に語られる物語と、第3話とをあわせ読んで、
この二重惑星の住民の進化と人類の植民の歴史に関する最も確からしい
ストーリーがある程度示唆されるものの、 基本的には読者の解釈に
委ねており、解決編が明確な形では 存在しない。
第3話の存在自体嘘かもしれない作中人物の、「私は嘘を集めている」
との趣旨の発言、第3話の視点人物自体が、結論を投げ出してしまい、
聴き忘れたテープがあるのにそれを投げ捨てるというラストに
象徴されるように、作者自身が真実をあざ笑っており、
それが作者の最終的主張であるようにすら見える。
俗っぽく言うと「アンチミステリ」的ともいえようが、
その一言で片付けるには、あまりにもったいないほど複雑。
あまりに過剰に、いろんなものを詰め込みすぎていることと、
意図的な曖昧さが徹底し過ぎていることから、烈しく好みが
分かれるだろうが、当然10点相当。
まだ1,2回読んだだけで、本作を十分に味わいつくしたと
いえない(恐らく再読するたびに新しい解釈を思いつきそう)。
現時点で最終評価をつけるのも作者に失礼なので、点数保留。
小川一水「導きの星」
3巻の途中あたりまでは
”萌え萌えロボット官僚に引きずられる弱気司政官”ってな感じの
未開文明干渉SF。それ以後はどんどんスケールが大きくなって・・・
正直,漏れ的にはSFのツボをつつかれまくり。9点。

”ラノベっぽい表紙”を敬遠して買わない香具師は損。
小林一水ってラノベっぽいキャラ配置好きだよね。
いや、別にだから何ってわけではなく。
>Rock You!さん
小川だってば、小川! ヤスミンと合体させんといてや〜!
>>692
へー、マリみてじゃなくてそれ読んでみようかな。
いやいやマリみてはずいぶん毛色が違うから。
マリみてはたまに、ジーリーシリーズとか竜の卵読んでるような気分になるね。
ネヴィル・シュート『渚にて』(創元推理文庫)

いやはや満を持して読んだが、噂にたがわぬ名作である。
主人公はピーター・ホームズ夫妻になっているようだが
アメリカ人の将校ドワイトとモイラのカップルの方が印象的だ。
宗教がほとんど前面に出てこないのはどうしてだろう、と思う。
世界の破滅が迫っている、こういう状況なら、
キリスト教の暴走がきっと始まるだろう。
ただ、宗教のドタバタが書かれていたなら、
このように感動を呼ぶ静謐な作品にはならなかっただろう。
ちゃんと作者は計算していたのだろうか。
そんなことを読後に考えた。

9点
メアリ・ジェントル「アッシュ#1:秘められた歴史」
凄い! これは凄い! 15世紀のヨーロッパ史から突如消えた
「バーガンディ王国」とそこで活躍したとされる女傭兵「アッシュ」に
関して、新文書を発見したラトクリフという歴史学者が、過去の文献と
つきあわせながら、新たな翻訳書を出版する、という設定の外枠の物語と、
その学者が編集者に送る翻訳の中身という形での内側の物語
(女傭兵アッシュを主人公とする15世紀欧州を舞台にした一種の改変歴史
SFファンタシイ)の二重構造で、両者が緊密に絡み合いながら、話が進行する。
この内側の物語は、最初はただの歴史ファンタシイのように見えるが、話が進むにつれ、
「ビシゴス人が北アフリカのカルタゴに作った国が、とんでもないSF的ハイテク兵器で、ヨーロッパを侵略する」
という、むちゃくちゃな話になっていく。
戦術コンピュータの「ゴーレム」、奴隷の交配で製造されゴーレムと
交信するテレパス、占領した領域の太陽を消してしまう技術など、
このカルタゴのテクノロジーがとんでもなさすぎ。
ファンタシイというより、はっきりSF寄りな内容。
しかも、これを取り巻く外枠の物語もとんでもなくて、カルタゴのあった
チュニジアに本物のゴーレムが見つかる一方、歴史書として参照していた
関連文献が、いつのまにかフィクションに分類変更されるなど、
内側の物語も外枠の物語も、何が事実で何が嘘なのか混沌としたまま、
謎が解かれるどころか次第にますます深まっていく……
結局、第1巻では、最後まで「何一つ解決されなかった」(笑)。
ここでやめるのは生殺しで体に悪い。第2巻以下も読むしかないではないか。
こんな変なメタフィクションは、いまだかつて読んだことがなく、
「第1巻」では全く話が完結していないので本来全部読んでから評価すべき
だが、2巻以降への極めて強い期待を込めて、9点で。
(マイナス1点は、第1巻で何も解決しなかった欲求不満分)
700699:04/08/06 05:04
私が読んだのは米国版PBでしたが、英国版は同じタイトルで4巻分が
1冊の合本で(というか1冊の長編として)出ているようだ。
そっちを買えばよかった、トホホ……
すみません、洋書を読んだ方は、タイトルと作者名の原表記
もつけてくれるとうれしい。検索しやすいので
702699:04/08/06 12:02
すみません、原表記は
Mary Gentle "Ash #1 : A Secret History"ですた。
くそー英語読めるヤツはSF者的勝ち組だな
日本語ダメで日本SF読めないアメリカSFファンは負け組だな(……と思いたい)。
田中啓文のギャグが理解できるだけ我々は幸せだ。
706 ◆GacHaPR1Us :04/08/07 15:48
ケルベロス第五の首
ジーン・ウルフ (著), 柳下 毅一郎 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4336045666

 某スレでも指摘したことあるんだけど、このジーン・ウルフって人は
劇作家を目指してたことがあるんではなかろうか?

 「新しい太陽の書」http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150106894
のシリーズでもそうだったんだけど、作品内のキャラクターについて、わざわざ数人の
小劇団で演ずることができるくらいに、限られたパターンの中で話が進んでいくように
なってる。どうも、彼の作品には自身へかなり限定的な制約を、わざわざ与えて書く癖が
多分にあるんだよな。

それと、彼の天性なんだろうけど、一作品の中で「考えるのを辞める」もしくは「途中で静止する」
という離れ業を平気で使ったりもする。
自分は、こんなことは人間には無理だと思ってた。人間は考える葦だ。どんな自由が与えられたとしても、
「考えない」という自由だけは決してできはしないだろう、また、「考え」始めたことはどんな不完全にでも
結論まで突き詰めずにはいられないだろう、とずっと思っていたから。

でも、この作品内ではそんなことは、日常茶飯事で起こる。あらゆるエピソードへの思索を途中で「辞めている」。
これは稀有な才能だと思う。

12点。
ジーン・ウルフがSFタイトルだと思っていた事は密かに内緒だ_| ̄|○
反省として>>706買います。
スパイダー・ロビンソン著『ジーン・ウルフ』

宇宙歴27586年、銀河の外れにある荒くれ者たちの星域、
人呼んで群狼第三星団、その辺境の地、ヴァンパイア第4惑星
カーミラのとある村で狼少年は生まれた。
少年ジーンは、4つで女吸血鬼に童貞を奪われ、復讐のため
これを食い殺す。
7つでこの星に伝わる伝説の書『モンスター大全』全8巻を
読み解き、この星域を支配する教団「狼の紋章」の
聖所カトマンドゥが、一般に考えられているようにこの星の
裏側にあるモンジュー山塊にあるのではなく、
遠く銀河の反対側、ソル第3惑星にあることを見破る。
しかし、それは教団の一部の者しか知らない極秘事項であり、
事態を危険視した教団はこの噂を巧妙に隠蔽する一方で、
密かに少年に刺客を差し向ける。
そして、少年の銀河を股にかけた孤独な殺戮と巡礼の旅が始まる……
驚嘆すべき人物造型とプロット構築力で、グレッグ・イーガン、
ジョン・クルートらをも唸らせ、10年の一度の傑作と言わしめた、
幻の名品遂に翻訳なる!!!



709でへ:04/08/08 12:50
ケルベロス第5の首

ジーンウルフの文章はやっぱりヨイわ
最初の2,3ページを読んでそう思いました。
(良訳してくれた訳者に感謝)
話は少し難しい、宗教(キリスト教)を含む
知識がないと、理解しにくい感じがある。

再読すると評価は変わるでしょうが、
とりあえず 8点
710でへ:04/08/12 15:57
エリコ 谷 甲州 ハヤカワJA

性転換した娼婦が主人公なので、エフィンジャーの
小説もどきかと思ったら、ヨシモト新喜劇のブレードランナーでした。
面白かった
主人公は「悪徳なんか怖くない」のヒロインのスケベ爺(藁)みたいだし
とにかく、やって、やって、やりまくる、話しでした
谷甲州らしからぬ作品

しかし弘田は今まで読んだ中で一番怖いキャラクターだった。
あんなやつに洗脳されたらと考えるだけで怖い

娯楽作 8点
Alastair Reynolds "Chasm City"

本格宇宙SFにして本格ミステリ。
ハードボイルドなキャラとストーリー、幾層にも張られた謎、
魅力的な異星の生態系や宇宙都市・社会のディテール描写、
「銀河1回転半」のエイリアン、世代宇宙船などなど、
SFらしいガジェットやアイデアも満載で面白い。
ミステリとしては、全体に大きな仕掛けがされているが
これは実は、割と早い段階でネタが割れてしまう。
(もちろん、それが謎解きの全てではないんだが……)
また、消化不良に終わる謎もいくつかある。
しかし、それ以外の要素が多彩なので、最後まで楽しめる。
プロットはあまり練れておらず、キャラの行動も合理性を欠くなど
完璧な作品ではないが、それを補って余りある破天荒な魅力がある。
ベスターとかヴァン・ヴォークトとかヴァーナー・ヴィンジなどが
好きな人には、特にお薦め。
点数としては8.5点ぐらい。他の作品も期待できる。
訳したら多分売れると思うんだけど、どうでしょう。
>「銀河1回転半」のエイリアン
どーいうこと?
寿命?体長?
713711:04/08/15 13:41
>>712

ネタバレになってしまうので、勘弁してください。
この作品シリーズ物のようで、作中で解かれなかった謎が後の作品で
解かれていたりもするようなので、続きも読んでみたいと思います。
というか、この作品自体がシリーズ第二作なので、まずは第一作か。
広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由――フェルミのパラドックス
スティーヴン・ウェッブ、青土社

題名通り、フェルミのパラドックスへの回答を50個紹介し、子細に考察していく内容。
著者はなかなかのSFマニアらしく、引用される作家はハミルトンからバクスターまで幅広い。
最後に述べられる著者の予測は少々寂しいが、まあなんとなく予測していたものではある。これをどうにか
するのがSF作家の仕事だよね。
>>714
お、なんか面白そうだね。
Mary Doria Russel "The Sparrow"

テーマ的には、宇宙、ファーストコンタクト、異星生物学・文化人類学
&神学SF。
しかしながら、辛気臭くて冗長である上に、全体の構成がまずすぎる。
最後の30ページで展開されるいくつかのメインアイデアは、
非常にショッキングで強力なのだが、それを考慮に入れても
前置きが長すぎ、もったいつけすぎ、冗長すぎ。
無駄な描写が多いし、キャラクターも無駄に多く、
かつ性格の描きわけにも失敗している。
特に前半300ページぐらいまでのパートは、まるごと、
全く不要だと思う。
おまけに、書き方も視点が定まらず散漫であるため、
最後の30ページぐらいになるまで、作者が何を書きたいのか、
どこに興味を持って読めばいいのかが伝わりにくく、
読みながら興味を持続するのが、非常に難しい。
メインアイデアがいいだけに、実にもったいない。
全面的に書直しして出し直して欲しいとすら思うぐらい、
ひどくかつ惜しい。意余って力足りずの失敗作。
点数は3点(メインアイデアは8.5点ぐらい)
>716
>辛気臭くて冗長である上に、全体の構成がまずすぎる。

のに(しかも原書らしい)最後まで読みとおしたあなたに10点あげたい。
ジェフリー・フォード「白い果実」

面白かった。一気に読み終わったv
とにかく奇想の見本市といってよいほど、様々な奇想が
これでもかと詰め込まれており、構築された異世界の隅々まで
色彩豊かで、奇妙で美しいイメージに満ちている。
それが山尾悠子の見事な美文によって、更に磨き上げられている。
この山尾文体によって、多分原作を超えてると思う(笑)。
しかもキャラクターもやや類型だが魅力的だし、
ストーリーも面白い。
エンタテインメントに目覚めたカフカって感じか。
唯一の欠点はストーリーの流れがよすぎて、ともすると
早く読みすぎてしまい、せっかくのディテールの美しい
イメージを味わい損ねてしまいかねないこと。
が、ともあれ3部作の第1作で続きがあるらしいので、
全部読みたい。訳出きぼんぬ。
とりあえず今年の翻訳ものでは今んとこ、ベストワンは
「ケルベロス」かこれかって感じだろう。
で、点数は、10点に近い9・5点あたりで。
ジョーン・D・ヴィンジ「琥珀のひとみ」

ヴァーナー・ヴィンジの奥さん(だった人)。
SFは細部に宿るということで、SFなんだけど、
やっぱり女性が書いたものという印象を強く受けた。
話のテーマとか登場人物の思考が女性ならではという感じ。

そういう性差(ぼくが思うところでのという意味でだけど)に起因する点はおいといて、
ストーリーは全体的に起伏の無い感じ。ロマンス物の、成熟した大人同士の
しっとりしたキスでフェイドアウトするような印象。個人的にはいまいち。
>>719

漏れはあの短編集好き。
特にあの宇宙船になって飛んでいく話、ナンだっけ。
高みからの眺め?
免疫力のない女性がインコと銀河観測施設に乗って飛んで行くのならそれだが。
ああ、それそれ。多分。あれなんか特に好み
ああ、あれはつまらんね。
今日読んでないSFの感想

「ロボット・オペラ」瀬名秀明(著・編)/光文社/\4935

ちょっと立ち読みしてみた。
あえて「ボッコちゃん」なんていう基本中の基本作品まで収録しているあたり、本当の力作だということは分かった。
しかし、5000円という値段には、やはり疑問を感じる。
SFマニア中のSFマニアに売れればオッケーということなのだろうか?
瀬名氏は一体誰に言葉を届けたいと思っているのか、そこんとこが昔から結構気になっている。
アシモフのロボットコンプリートってのが出てたけど
未訳入ってるのか?
読んだ人そのへん含めて感想きぼん。
>>723

そうか。まあ好き好きだな、
>>724
「ユリーマ」と「ロデリック」のためだけに買うのはちょっと・・・な値段だよな。
>>726
もっと趣味を磨け。
おまいもな。
730名無しは無慈悲な夜の女王:04/09/01 19:03
「リングワールドふたたび」ラリイ・ニーブン

ルイスは地球に戻りたかったのではなかったんか?。
物語の前半、ハインドモーストに物質変換機の嘘をついていたのは
地球に帰る手段を確保するためだったはずなのに。あっさりと
ハイパードライブ破壊して地球帰還の手段を捨ててるし。なんかなぁ。

6点。
あんま関係ないんだが、スレタイのFTとかHRって何なの?
板名読み返せ。
2chブラウザ使ってると板の看板とかめったに見ないな
看板にホラーが無いな。こんなところでも不遇なHR。
野球板でのHRはホームラン、ピンク板では孕ませ。
Geoff Ryman "The Child Garden"
ダンテ「神曲」に模したとおぼしき、強烈なバイオSFで、「神曲」と同じく3部構成、内容的にも対応している。
記憶を持つウイルスによって人間が規律され、創造性が衰えているという設定で、癌が撲滅されているが、がん細胞の出す
老化防止プロテインの欠乏のため平均寿命が半分になっている。
人びとは10歳で精神/身体状態を記録(Reading)され、読み取られた人格が<コンセンサス>という議会を構成して
政治的意思決定を行うが、基本的には社会主義のようだ。人とホッキョクグマを掛け合わせた熊人間や、ガン細胞のみから
構成された不老人間なども出てくる。
また男性は腸に人工子宮をつけて胎児を育てる。
主人公は生まれつき体内にある抗体のためウイルスをはじいてしまい父母は治療のため無理なウイルス投与を受け死亡、本人も
記憶ウイルスを持たないので物覚えが悪く、孤児院で孤立して育つ。(その代わり思考力、想像力はずば抜けている)
この主人公はレスビアンで10歳の頃問題を起こし、強引なウイルスや薬品投与治療を受け、それ以前の記憶を失い自我が崩壊してしまう。
そして芸術部門の女優として職を得るが、ある日、天才的な作曲&歌唱力を持った熊人間の少女と出会ったことから、救済への道が始まる。
少女がダンテの「神曲」につけた曲をもとに、壮大なオペラの上演を企画する……
といったストーリー。
主人公の女性の記憶が救済されながら徐々に回復するといった構成のためか、時間がめまぐるしく前後し、奇抜な概念があまり
説明もなく次々と出てくる。
ストーリーよりもディテールの書き込みを重視している感じで、グロテスクで美しいイメージの積み重ねは、読み応えがあるが、
その分ややストーリーがもたつき、埋没しがちなのが欠点か。
レスビアンのネタもやや強調しすぎな感じがするが、地球という地獄に閉じ込められた抑圧された愛が解放され、
救済されるという全体のテーマから、あえてそうしたものか。
ただ、最重要サブキャラである熊少女ロルファのキャラ設定が今ひとつな感じ。
それにしても、とにかくラストは強烈。
国書向きの内容か? 翻訳期待。

8・5点





── =≡∧_∧ =!!
── =≡( ・Д・)  ≡    ガッ     ∧_∧
─ =≡○_   ⊂)_=_  \ 从/-=≡ r(    )
── =≡ >   __ ノ ))<   >  -= 〉#  つ>>729
─ =≡  ( / ≡    /VV\-=≡⊂ 、  ノ
── .=≡( ノ =≡           -=  し'
「凍月」グレッグ・ベア
短編集タンジェントの雰囲気があって好い。8点。
739でへ:04/09/05 11:05
奇術師 クリストファー・プリースト ハヤカワFT

この小説の最初のほうで、奇術師とその観客には、超自然的な
現象を奇術師が起こすのではなく、奇術を行っているという、
暗黙の了解が成り立っているという文章がありますが、
小説と、それを読む読者との間にも通常同じような関係があるのだが、
しかしプリーストは最後に裏切る。
そういう話でした。
最後のシーンは見事に裏切られ、そして鳥肌が立った、SFであり
ホラーでした。

プリーストと言うと、「逆転世界」が既読、あれは面白かった。

逆転世界とは違う面白さ 8点

未読の「魔法」を早速注文してしまいますた
「冷たい方程式」

      。 。              。。
     ・゜    ゜・。         。・   ゜・。
   。゜       ・。      。・゜      ゜。
  。゜         ・。   。 ゜        ゜。
  。           ゜。 。゜           ・。
 ゜           (ノД`)

0点
ヰ`
Elizabeth MoonのThe Speed of the Dark。最新のネビュラ賞受賞作。

      。 。              。。
     ・゜    ゜・。         。・   ゜・。
   。゜       ・。      。・゜      ゜。
  。゜         ・。   。 ゜        ゜。
  。           ゜。 。゜           ・。
 ゜           (ノД`)

10点

未来社会における自閉症者の姿を通じて、普通・異常とは何か、
幸福とは何か、脳の外科的治療の是非などなど様々な
哲学的・倫理的問題を問いかけてくる作品だった。
主人公の自閉症天才の異質な主観描写と客観描写のギャップが
読ませる前半、その主人公にだんだん感情移入させられて
しまう中盤、そして「治療」の後のリハビリ描写が
圧巻で、泣かせる終盤と、飽きさせない。
表面的には「アルジャーノンに花束を」と比較されそうだが、
内容はもっと思弁的で、自閉症の天才の緻密な主観描写の見事さ、
脳外科的治療の後の主観の変容の描写や倫理的問いかけなど、
むしろグレッグ・イーガンに近いと思った。
普遍性のあるテーマ、内容なので、うまく売り出せば
ベストセラーも夢じゃない。
ドラマ化して、同時にタイアップで翻訳も出せばいいのでは。
↑題名間違ってた。正しくはThe Speed of Darkで
あとの方にtheはなかった。打つ出し脳。
翻訳キボン
>>742
感想読んだけど、その程度の内容なら読む必要なし。
どこに新しさがあるのか、まるでわからない。
正常と異常だの、脳の外科手術だの、主観と客観だのと
よくまあこれだけ手垢のついた無内容な文言を並べられること。
「思弁的」って、何をどう「思弁」したのか、かいてみて欲しい。
0点。
感想に点つけられてもねぇ…
んだんだ。なんか勘違いしてるべ。
新しさがあるなんてどこにも書いてないじゃん
アホか
>>748
感想からじゃありきたりな物しか想像できない。
イーガン引き合いに出したりアルジャーノンと比べるからには新しさがあるのだろう。
ありきたりな感想じゃなくてもっとそういったところを書いて欲しい。

>>745はそう言うことがいいたいのだと思われる。
わからんでもないが、0点とかつけるのはどうかと。
ネタバレに絡んでくる部分もあるだろうし、そもそも好きに書いていいもんだろ。
>>754
空気が穢れる
未来にレスつける俺はSF的
少し不思議なんですね。
753750じゃないけど:04/09/09 23:38
さあ次、頼むぞ!
>>745
こういう恥ずかしいレスをいい年したオッサンがつけてるわけですか…
お後がよろしいようで。
>>744
10月に早川書房から小尾芙佐の訳で出るよ
ジェイムズ・ブリッシュ「地球人よ、故郷に還れ」

名作の誉れ高いので期待したが、あまりにも酷かった。
特に前半がひどすぎる。ストーリーが行き当たりばったりで
めちゃくちゃだし、キャラは没個性だし、特に主人公の行動が
基地外じみていて虫酸が走る。
終盤で、マゼラン星雲に逃げて降りた星で現地人を見て、
自分の行動の罪深さを悔い改めた後は、少しマシな行動をとるが、
結局自己満足の域を出ない。
それに一個の長編としてみると、終盤だけとってつけたように
作風が変わったような感じでバランスが悪く、読後感が非常に悪い。
50年代初期の中編を寄せ集めただけの本らしいので、
しょうがないか……

本書の終盤やプロローグなどを読むと、シリーズ全体としては
科学技術が進歩してもいっこうに帝国主義から抜けられないまま
滅んでしまう愚かな人類の歴史を傍観して、哀れむないし
あざ笑うといった大きなテーマがあるような感じはするが、
仮にそうだとしても、そういうテーマ設定自体が既に時代遅れで、
今更読んでもねえって感じもしないでもない。

ともあれ、これより後に書かれたシリーズの他の3作は多少ましに
なっていることを期待したいです。

前半 0点
後半 5点
総合 2点
>>754
ひたすら自作自演か、イタイな。
>>757
なぜそれが名作とされていたのかをよく考えてごらん。
760 ◆GacHaPR1Us :04/09/11 02:00:22
すべて、プラズマで説明できます

あの程度の作品を理解できないアフォがいるとは信じられん・・・
感想の内容を否定するなとは言わんが、
異論があるなら自らの感想でするのがこのスレの在り方だとは思わないかね?
自分の感想を他人の読書の助けとするのがこのスレの目的なのだから。

>>757の作品については未読だが
50年代と聞いただけで分かるような気がするよ…
素直な感想でいいんじゃないの。
763757:04/09/11 05:16:16
>>759-761

アフォで済みません……この作品の魅力を教えてください。
科学的なアイデアの面白さにあるんですか?
正直その辺は斜め読みして、ストーリーだけ追ってました
(根っからの文系のボンクラなもので)。
文系でも普通わかるよ!とか、文系のアフォのくせに
ハードSF読んで、わかんなかったからって低い点つけんな、
といわれればそれまでですが。
自分でも読書の幅を広げたいと思ってますんで、教えて
いただけると嬉しいです。
764でへ:04/09/11 22:33:52
宇宙都市シリーズ ジェイムズ・ブリッシュ ハヤカワSF
1.宇宙零年 2.星屑のかなたへ 3.地球人よ、故郷に帰れ 4.時の凱歌 全4冊
(西暦2000年(人類の太陽系外への拡散)〜西暦4000年(宇宙の終焉)まで)

ジェイムズ・ブリッシュは当時のハードSF作家です。
彼は当時の冷戦時代の政治状況をふまえて、次のような物語(宇宙都市シリーズ)を作りました。


ソビエトと合衆国は冷戦を限りなく続けて行き、双方とも官僚独裁制と言うべき政治形態となる。
(オーウェルの1984年みたいですね。)

両勢力は手詰まりに陥っており、最終的には自殺的な戦争(第3次世界大戦)をおこし共倒れになる可能性が高い
(1950年代に書かれた話ですから、、ディックも同様な話が多い)

人類が生き延びるには、両勢力の力が及ばない地球外(太陽系外)にでる必要がある。

そこまで見込んだある人物が(科学まで統制がされた)世界で、なんとか新しい技術を開発し、恒星系へ出る手段を見つけようとする。

彼は対抗勢力を圧倒できるような兵器の開発をしているふりをして予算を獲得し、2つの手段を開発する

ひとつは光速の何倍かで移動できる推進手段(スピンデイジー、ブラケット・ディラックの方程式による)、
もうひとつはそれでも何百年もかかるような航行が一人の人生で行えるための寿命延長手段(ゲルマニウム、抗生物質)

このシリーズはこのような経緯で人類が銀河系に広がってゆき、銀河の覇権をとり、最後にはビッグバンの終焉とともに、、、
というスケールのでかい話です。

バクスターみたいでしょ、小説の下手糞さも似ている。(ry)

9点

ブリッシュは不遇な作家なんですよ。彼が脚光を浴びたのはスタートレックのノベライズぐらいです。
765757:04/09/11 22:57:59
>>764

フォローありがとう。
最終的に合本になってるということは、作者がその形で
作品の最終形態にしたかったということでしょうから、
その順番で読むべきでしたね。
いきなり「故郷に還れ」から読み始めた上に、それ単独で
したり顔で感想書いてる時点で、既に間違ってた気がします。
未読3冊を合本収録順で読む際、「故郷」も再読してみます。
特に最後の「時の凱歌」が凄そうで、今からわくわくしてます。
本当に感謝。
766名無しは無慈悲な夜の女王:04/09/14 09:17:25
『トリガー』クラークその他

作用範囲内のすべての火薬を発火させる〈トリガー〉フィールドが発見される。
火器を無効化するこの装置は、(アメリカの)社会情勢、そして
世界情勢を一気に不安定化させるだろう。さてこれをどう扱ったら良いものか、
どう考えたらよいものか……という話。

銃器や兵器をめぐる社会的問題に関するシリアスな考察、
「すごい科学で解決します!!」という幼児的な娯楽要素、
それに火薬に関する知識などがちょっとまとまらない形で
ブレンドされていて、いまいち完成度が低い印象を受ける。
上下2巻で1000ページを越えるが、それでも記述が足りない
ところがあるほど高密度、逆に云うと消化不足。

という、頭でっかちな評を最初に書いてしまったが、
読みごたえのある、面白くて興味深い作品であった。

にしても、火薬や兵器類について、実に無知であることを改めて思い
知らされた。爆発にもいろいろ種類があるんだね。

8点
要するに、読むだけ時間の無駄か。
何に価値を見出すかは人それぞれだからなぁ
バンクス『ゲーム・プレイヤー』読みますた。

メインのネタは某有名作品とほとんど同じだが、
よく構築された世界設定や、ドローンなどのサブキャラの
魅力もあり、かなり面白かった。
本筋と直接関係するわけではないが、
「本書の真の語り手は誰か?」という謎解きも
おまけとしてついているので、考えながら読むと
倍楽しめる。

でもこの本、角川文庫からこの表紙で出たのが不幸。
ディスクワールドと同じ運命になる悪寒。

8点
テッド・チャン「あなたの人生の物語」読みました。
冒頭のバベルの塔の話といい、自分が読んできたSF本の中では一番SFっぽくない本でした。
72文字はそのままゲームの設定にもなりそうなのが面白かった。煮詰めればほんとうにできそう。
地獄とは〜も同様にさらに煮詰められそうなネタを惜しげなく使ってるような印象うけた。

しかしイーガンのあとにチャンを読むとは何の因果か…。
バンクスのExcession読みますた。〈カルチャー〉シリーズ。
登場人物というか、船の数がめちゃめちゃ多くて覚えられず、
疲れた。
銀河系の片隅に現れ、いったん消えた後、再び現れた
謎の物体(?)<エクセション>をめぐって、カルチャー、
エレンチ、アフロントの船が、互いに権謀術数をめぐらし
ながら入り乱れて争う、というような話。
不必要な恋愛がらみのサブプロットやサブキャラが多すぎる気がした。
また中盤の戦争スペオペ的展開も、引き伸ばしすぎて冗長な
感じがするのだが、これはオチを効果的にするため、わざと
執拗に戯画化したのかもしれない。
宇宙規模を何次元も超越したスケールのめちゃめちゃでかい話で、
ラストもいいのだが、中盤の冗長さと、人間レベルの
サブストーリーが今一なのが痛いので、点数としては、
とりあえず、7・5点ぐらいにしておきます。
バンクス「蜂工場」
酷い、酷すぎる……
終盤あたりまで、これは凄い作品なんじゃないかと
思わせるのだが、このオチで全部が台無しだ……。
表紙に書いてある文句
「結末は、誰にも話さないでください」
情けなくて話せないよ、こんなオチ……
主人公がチンポ食われるくだり、兄貴が脳みそにたかった
蛆虫を見てイカレるくだりなど、迫力があっただけに、
いったいどこへいっちゃうのかと期待したのだが……
実にもったいない。
2点
虎よ、虎よ!を今さら読みました。
三冊一気に買ったのですが、そのうちでは実はあまり期待していませんでした。
序盤のある程度のあらすじ自体は知っており、そこからの印象で…。
でも、読見始めてこれはすごいものだと。とにかく凄い。これぞSFといった感じで
寝る間も惜しんで読みきってしまいました。
アルフレッド・ベスターの小説は、ホント不思議に今読んでもカッコイイ。
創元の「分解された男」もオススメ。
しかし、これらって、半世紀前に書かれたんだよなあ……なんか信じられない。
自分の読んでる本の3分の2が自分が生まれる前に出版された本だと言うことに気づいた中学3年の夏。
いまじゃ半々くらいになった。
プリースト「伝授者」
前半は謎めいていていい感じだが、
最後はけっこう普通のSFになってしまう。
(中篇を編集者に言われて無理に長編にさせられたらしい。そのせいか)
でも書き方が巧いのでそれなりに楽しめた。
最後に飛行機に乗ったのは博士なのかそうでないのか?
結末を両方に解釈できるようにしたのかな。
7点
777名無しは無慈悲な夜の女王:04/09/29 00:03:57
アタイこそが 777げとー
ターミナルEXを読み終えたわ・・・ただそれだけ
レム『枯草熱』

ストーリーは淡々として、学者との議論が蜿蜒と続き、200ページ過ぎる
辺りまで退屈きわまりないのだが、確率論にまつわるオチが決まっているので
よしとしよう。お世辞にも小説としては巧いといいがたい。
ちなみに、確率論が最終テーマの理屈っぽい議論小説という点では、SFと
いえなくもないが、表面的には、謎の解明に至るまで完全なミステリだった。

6点
780 :04/10/01 18:09:46
SFマガジン11月号の何とかのラフレシアを読んだ。
300階建ての高層ビルから脱出したのはよかったけど・・・
悲しい話だワン
「キリンヤガ」マイク・レズニック

主人公の祈祷師の頑なで純粋で狂信的な考えかたに共感できない自分としては
意志の疎通ができず、理解しようとしない、理解させようとしないコミュニケーション
を見せられ続けると疲れる。。。

でもまあそういう好みの問題は置いといて、話し自体は良く出来ていると思う。

7点。
ここってマンガでもいいの?
んじゃないの?
メディアは限定してないし、事実凹村戦争はオッケーだし。
>>782

全然オッケー
「今日読んだ」のタイトルになってるが、
個人的には、映画やドラマ、アニメあたりまで
含めちゃってもかまわないというか、
そのほうが視野が広がって面白いし役に立つと思う。
グリムウッド "Felaheen"

第一次大戦でドイツが勝ちオスマントルコが
生き残った平行宇宙における中近東(チュニジア近辺)の
架空の国が舞台の政治スリラー。
脳にチップを埋め込まれた主人公が、自分の父の(可能性がある)
国王謀殺未遂事件の解明に乗り出すというような話。
これに別の殺人事件の謎解きが絡む。
主人公の母のパートがフラッシュバックとして挿入され、
生い立ちの謎も同時に解かれていく。
アラビア語を多用した中近東架空世界のディテール描写や
ときにユーモラスな筆致、多彩なキャラクターなど
けっこう読み応えがあった。
特に主人公の姪、活発な少女ハニは魅力的なキャラだ。
だが、主人公の生い立ちなどに関する部分は、
前2作の内容をふまえた部分が多いのに、いきなり
本書から読んだのでいまいち楽しめず、失敗だった。
これは自業自得だ。
第1部、第2部を読んでから、また読んでみよう。

8点
各県対抗独立戦争 Part23
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1095610460/


最近出た、打海文三「裸者と裸者」 は、上記スレからのパクリネタだろうな。
日本で内乱、米軍介入で泥沼化、ほとんど都道府県単位で内戦w。
>>783
>>784
なるほど。
最近はSF漫画も少ないみたいだけど、面白いのを見つけたら書き込んでみるよ。
788 ◆GacHaPR1Us :04/10/07 23:41:55
夏への扉
ロバート・A・ハインライン
福島正実訳

何年ぶりだろう…。10年?15年??何回目なんだろう・・???

積読そっちのけで久々に読み直し。2日で読み終わったという事実が
この本の良さを示してるような気がしてる。

会話文が巧い!、こーいう話し方をする文化の中で育った人だからこそという
書き方、翻訳、すべてに愛がある。
たしかに女性と猫に対してかなり偏った嗜好があるようだけど、
それはハインラインという作者のまっすぐな捉え方として今でも読めると思う。
2004年の今だからこそ読み返せる古典だった。今度は何年後だろう・・?

10点
クリストファー・プリースト "The Extremes"

主人公はFBIの女性職員だが、同僚の夫を連続射殺魔に
射殺され、失意の日々を送る。
ところが同日に、英国の田舎町で全く同じような連続射殺事件が
あったことを知り、事件から8ヵ月後、休暇をとって訪ねて行く。
また、主人公は、FBI研修生時代に、頸のバルブにチップを
差し込んで行うVR体験による訓練を受けていたが、
この技術は、Extreme Experience(ExEx)
として商業化され、殺人事件やポルノなどのソフトが氾濫し、
世界各地に体験施設が設けられ、一大エンターテインメントとして
巨大市場を形成するに至っていた。
夫の殺された事件の真相に疑問を持つ主人公は、よく似た英国
田舎町の事件を取材しながら、近所のExEx施設に通いつめ、
様々なExExソフトを体験するうちに、ExEx産業と、
連続射殺魔事件との奇妙な関係に気づき始める……
といったストーリイ。
謎また謎のミステリアスな展開と、時々
効果的に挟まれる、リアリティのあるVR世界の描写で
ぐいぐい読ませる。
が、このオチはいったい何なんだ……といいたくなる、
唖然とするような終わり方。
「魔術師」でも思ったけど、こんな変な小説を書くのは
世界中にプリースト以外いないのでは?
ただ、この結末の是非を別とすれば、少なくとも
べらぼうに面白いことだけは間違いないので、8・5点で。
↑訂正
「魔術師」→「奇術師」
ブラッドベリ『華氏451度』

×十年間ツンドクだったものを読んでみたが……
文体と内容がミスマッチだ。小説より演劇向きかもしれない。
マッカーシズムへの憎悪のせいか、必要以上に極端な設定になっている。
またここで主張されるブラッドベリの物質文明、映像文明、科学技術に
対する生理的嫌悪が、あまりに素朴すぎて、説得力がない。
世評は悪くないようだが、個人的には、ブラッドベリの魅力は
やはりホラーと感傷的なファンタシイに尽きると思った。

5点
792名無しは無慈悲な夜の女王:04/10/10 22:06:57
「黒のバベル」新城カズマ

絵はアレだが設定や人物描写は上手い。
個人的にはマルドゥックより断然評価良し。
惜しむらくは、ある意味主人公の被害者となったヴィナと
主人公との間の会話が少なかったことか。
特にエピローグで2人の間のやり取りを読んでみたかった。

9点
793名無しは無慈悲な夜の女王:04/10/11 09:39:04
『プロテウス・オペレーション』J・P・ホーガン
再読。

第二次世界大戦に未来から干渉する、仮想戦記みたいな話。
だが、普通と逆である(謎)。

ま、発売時に借りて読んだのだが、たしかアメリカを完全に正義の側に置いて
いたこの話、ヒロナガ原爆投下どう扱っていたのかふと気になったので、
ブックオフで見つけた機会に再読。

まあ、日本の真珠湾攻撃が奇襲になってしまったのはアクシデンタルな
理由によるものだということを書いていたのでよしとするか。
原爆投下については、まったく触れておらず。ょゎぃ。

ホーガンは、シチュエーションの使いまわしをしてるんだなと
再確認して哀しくなった1冊。

7点
>>792
星だって星
>>794
星だった。俺は一体何を読んだのだろう・・・_| ̄|○
漫画も可、らしいので書いてみる。
川原泉「ブレーメン2(5)」

もともと、日常のなかに(より直接いえば学園もの)
ぺダントリックな言葉が入ったり、
日常を哲学的に考察するのが売りだった
カーラさんのかいた宇宙もの。
宇宙船のデザイン等に好き嫌いが分かれると思うが
カーラさんは、SFものとしてはかなり濃い人だというのが
作品から伺える。
ラストは、感動の大団円。
設定がどうとかSFとしてどうとかいう話はどうでもいい。
泣きますた…(´∀`*)
797名無しは無慈悲な夜の女王:04/10/11 21:27:15
「ペダントリック」
ウィリアム・ギブスン原案 テリー・ビッスン著「JM」
映画「JM」のノヴェライズ版
個人的にギブスンの独特な文体があまりなじめないが
ビッスンが書くと造語も少なく理解しやすい。
話もサクサク進むし、ネット内の世界の描写も刺激的。
でもギブスンの世界のヤクザはなんで怪物じみた人が多いんだろう。
サイバーパンク初心者にもオススメ。

8点
799796:04/10/13 18:38:36
ぺダンチックですた…_| ̄|○

8点で。
クリストファー・プリースト"The Separation"読みますた。

1941年5月10日英独停戦が実現した歴史と、実現しなかった歴史、
その分岐点に深くかかわった双子の兄弟……
前者のオルタネートヒストリーの住人である歴史学者(しかも自分
自身が1941年5月10日生まれ)が、上記の停戦交渉に深く関与した
とされるソウヤーという人物の調査を進める。
この学者の下に寄せられた手記や資料の数々は、それぞれ整合するようで
いながら、細かい矛盾や曖昧さをはらんだ複数の異なった歴史と人物像を
浮かび上がらせる……。
作品の大部分が、この双子の兄弟のそれぞれが書いた全く異なる
歴史上の手記と、その他の各種資料の引用から構成されている。

とにかく、面白かった。架空の歴史のディテールの緻密さと面白さ、
戦争時の生活の迫力とリアリティ、キャラの魅力。
後半の、記憶錯乱を生じたとされる双子の兄の手記の<明瞭な幻覚>
描写の強烈さ。
最後は、プリーストらしく明確な説明を与えず、解釈に委ねて終わるが、
他の作品と違い本作は、ディテールをある程度まで整合するように
緻密に構築した上で、部分的にわざと曖昧化させるため破綻・矛盾
させている感じなので、いろいろな妄想をかき立てられる。
前のほうを再度読み返したら、また違う解釈を思いつきそうな感じ。
「ケルベロス第五の首」の第三部に近いかも。

個人的に、今まで読んだプリースト作品中では、ずば抜けていて、
ほとんど欠点が見当たらず、最高傑作だとおもう。

10点

>>800
おもしろそう。読みたい。
しかし原書って受験勉強でやった英語だけでは歯が立たないよな…
800が訳してくれれば問題ない。
プリースト「魔法」読みますた。これも凄かった。
ロンドンの爆撃テロ事件である一定時期の記憶を喪失した男。
それを訪ねてくる一人の女。男は女と恋仲にあったらしいが、男には女の記憶はない。
他方で、男は催眠術の実験を受けるが、催眠術の最中に、目前の女性が消滅するのを見た。
その最中に、男は、本人が記憶していないはずの記憶を書き記していた。
男が徐々に記憶を取り戻す現在のパートと、この男の取り戻した?過去の記憶、
女性の語る過去の事実が、様々な人称で交互に語られながら、一つであるはずの現実に、
さまざまなゆらぎ、食い違いが生じていく。そして、結末の真相(?)へ……。
いちおう「メ******ン」的な結末ではあるのだが、ほどよく曖昧化しており、
必ずしも単一解釈で割り切れないようにしてあるし、視点の相違によっていかに
世界が違って見えるか、終始興味深く読めた。
目立たないマイノリティの人々の苦悩の物語をSF的アイデアで明確化した話としても
読み応えがあるし、作中で展開される二重のレベルでのフィクション論も、決して陳腐ではなく、
特に記憶と認識に関する考察は面白かった。
最後までだれることがなく、完成度という点ではいちばんだと思うが、やや地味なのと、
結末が少し難解で、若干「一般受け」という点で難がありそうだと思うので、
9・95点ぐらいで。
ここで使われた一部のモチーフが、「奇術師」やThe Separationでも使われているので、
あわせて読むと面白いかも。
しかし、地味な叢書から地味な装丁で出たことで損をしていますね、この本……。
プラチナファンタシイかepi文庫で出し直せばいいのに。

804 ◆GacHaPR1Us :04/10/20 00:38:08
>>803
「メンズノンノン」?
いや、明太子ご飯だろうw
806でへ:04/10/23 09:36:28
復活の地 全3巻 ハヤカワJA 小川一水

前に読んだ、「第六大陸」では、主人公の不自然さ
(なぜか美少女)、動機の割り切れなさ
(なんで月にあんなものを、、、)がありました。

今回も「美少女」、おまけに「王族」がヒロインで
出てきます。
それにラノベ独特の雰囲気もあります。おっさんには
ツライ、違和感バリバリ

しかし、首都を襲った未曾有の大災害と、その復旧の
ドラマ、これをすさまじい緊迫感とリアリティで
描くことで、それらをあまり気にさせないほど面白かった。
小松左京の小説、それも「日本沈没」なんかを思わせるような
面白さデスタ。
(上記の部分が面白かったので、「災害」と「復旧」の
場面の少ない2巻は中だるみを感じました。)
ラストもまとまっていたし、傑作でしょう。

9点
星新一「午後の恐竜」

表題作を読みたくて買ったが、全篇を通して安定して面白かった
プリースト「ドリーム・マシン」
尻上がりに面白くなった。
オチはThe Extremesと似ていた。
筋立てにあまり工夫が無いためか、
前半がかなり単調で冗長なのがマイナス。
訳文もちょっと古い感じがした。
しかしながらアイデアは見事なので、
7・5点ぐらいで。
809名無しは無慈悲な夜の女王:04/10/26 20:57:11
ローレンス・ワット・スミス「ナイトサイド・シティ」

解説にもあったが、ハードボイルドのSF移植版って感じ。
渋いっす。話の流れはすごくTRPGのシナリオっぽかった。
プリースト「スペース・マシン」

面白かった。ウェルズのパスティーシュのようだが、
そんな意識をせず素直に楽しんだ方がよいエンタイテインメント作品。
プリースト作品としては異色だが、最も万人向けの作品。

9点
誰か「くらやみの速さはどれくらい」読んでない?
最近買いたい新刊ラッシュだけど金がないので選択の参考にしたい
>>811 翻訳が出ると知らずに、原書で読みますた。
(小尾さんの翻訳がものすごくよさそうなので、
原書で読んだことを後悔している)

自閉症者の視点への入り込み方がすごい。
著者の子供が自閉症なせいか、なりきって書いている。
(どれぐらい信憑性があるのかは、当人でないので分からないが)
そのせいか、自閉症者の視点からの世界描写と、客観的な
状況説明の部分とのギャップがすごく面白い。
ラストは評価が分かれそうだが、私は気に入った。
ストーリーもいいのだが、やはり最も印象に残るのは、
主人公の、エイリアンのごとく独特の思考方法、
および、それに基づく並外れたパターン認識能力。
その意味で、一種の超能力・超人SFとしても楽しめる(笑)。
非常にいい本だと思う。
個人的には今年読んだ中でトップ3に入る。
が、ジャンルSFの基本に全く則っていない「怪作」なので、
普通のSFを期待する人には薦められない。
そういう意味では、一般の小説読者向きかも。




813811:04/10/29 23:26:59
>>812
ありがとうございます。参考になりました。
イーガン読んだ後に購入しようかな。
結構読むのに(自分としては)精神力を要しそうな気がして。
ビジョルド "Paladin of Souls"

陳腐な中世風ファンタシイのような出だしで、あまり期待せず
読み始めたのだが、途中からオカルト・ミステリ風になり、
最後は物質界と霊界の二つの世界が絡み合った、壮大な
オカルト・アドベンチャー(???)小説に……。
霊界や神、デモンなどの霊的存在が、超自然ではなく、
現実にあるものとして、極めて論理的に分析され叙述されているのが、
ファンタシイというよりもSF的な感触で非常に面白い。
マイルズ物に比べると一見地味だが、世界設定が個性的で面白く、
個人的にはこっちのほうが好きかも。
これはシリーズ第二作で、前に第一作があるらしいので、
そっちも読まないと。
……というか、そっちを先に読むべきだった。しまった。

9点
>>814
なんだかおもしろそう
816でへ:04/10/30 17:25:04
願い星、叶い星 アルフレッド・ベスター 河出書房

久しぶりのベスター、(私には)初めての短編集
ちょっと読みづらい。

古臭さはどうしても付きまとう、だからファンタジーに振った
話、願い星、叶い星が一番面白かった。

あと気に入ったのは、地獄は永遠に、昔を今になすよしもがな

8篇ありましたが既読は1つだけだった、未読がたくさん読めて
うれしかった。

8点
ビジョルド「天空の遺産」つまらんかった。4点
818でへ:04/11/03 09:33:45
ソラリス スタニスワフ・レム 国書刊行会 2520円

高いし、買おうかどうか迷ったのだけど、買ってよかった
初読から25年、15年ぶり?の再読

ラブロマンスの要素があったんだ、最近リメイクされた映画の内容も、
あながち嘘ではない(ラブロマンスだけなら表層のみの理解となるけど)

内容は巻末の訳者解説(愛を超えて(藁)
に十分に解説してあります。余計な事は書きません。

10点

レム好きな人や、ソラリス読んでいない人は必読、レムの作品にしては
分かりやすい内容だと思うし、訳も良いが、ちょっと難しい

個人的には解説だけでも買う価値があった。
ニューロマンサー ウイリアム・ギブスン 訳●
読みおわった。読みづらかった…(;´Д`)
タームの洪水におしながされてわけもわからず、いつのまにか川辺に出てた感じ。
続編は買うかは…微妙。次は軽く読めて色々楽しめる短篇集でも買うかな
続編のほうがよみやすいと思うぞ
カウント・ゼロはなんか、傭兵パートが妙にハリウッド映画臭いというか、映像が浮かびすぎるのが違和感
あったなあ。
作画の人が変わった漫画、くらい違う。
ジョージ・R・スチュアート「大地は永遠に」

古典的名作とされる作品をけなすのは、自分の理解力のなさを
示すようでつらいのだが、嘘の感想を書いても仕方がないので……
正直、退屈で死ぬかと思った。
設定はSFなのだろうが、内容が出来の悪い純文学のように
平板で、一度も面白くならずにラストを迎えてしまった。
同じ地味でも「黙示録3174年」のごとく、何気ない描写の中に
数千年の巨大な時間の流れを感じさせて鳥肌を立たせるような
センスオブワンダーがあるわけでもなし。
破滅後の世界に知で立ち向かいつつ、結局自然に敗れて
勝手に「これでいいのだ」と開き直りながら昇天してしまう
おめでたい男と、そのコミュニティの糞面白くもない年代記を
えんえんと見せられて、あまりの冗長さにめまいがした。
おまけに、主人公の行動や差別的なものの考え方も
鼻持ちならなくて、ついてゆけないし。
聖書になぞらえたり、客観描写を挿入したりして、涙ぐましい
工夫をしてはいるのだが、最終的な主張が
「文明を捨てて自然に還ろう」的な陳腐なものでは、
今さら感動もできない。
これでは、苦労して読んだのが報われない……
正直に採点すると、3点ぐらいでした。すみません……
823名無しは無慈悲な夜の女王:04/11/06 00:55:59
クリストファー・プリースト「逆転世界」

・・・すごい。まさに、この一言に尽きる。
ひさしぶりにセンス・オブ・ワンダーな話しを読んだ。
双極線状の世界、無限、相対論的効果の世界に圧倒された。
しかもそれが結局は地球にあって“地球市”民の認識の問題に帰着するなんて。。ヤバイ。

文句なく10点満点!
>>823
丁度昨日図書館で借りてきた。楽しみだぁ
825名無しは無慈悲な夜の女王:04/11/06 01:08:17
>>823
> クリストファー・プリースト「逆転世界」


> しかもそれが結局は地球にあって“地球市”民の認識の問題に帰着するなんて。。ヤバイ。
>

ジョークじゃなくて、「地球市民」を自称している連中の認識の歪みを
如実に現してるんだよなあ、あれは。なんなんだろうね。
>>823
SF読んでてよかったなぁ〜〜〜と思えた一冊じゃった。

でも、SF読みじゃない友人には薦められない罠oTZ
>>823
うほ!積ん読の中に埋まってる。
>>823
原因となったのが妙なガジェットのせいだからね。
SF万歳!!
ガジェットってどういう意味?
>>829
ググレ
アーサー・C・クラーク「幼年期の終わり」

オールタイムベストSF1位というので読んでみたが
ちょっとオカルトテイストでびっくり
傑作傑作ともちあげられているがまあまあでした
センスオブワンダーを得るのは難しい

でも最後けっこうよかったから8点
832 ◆GacHaPR1Us :04/11/07 21:33:15
きみの血を
シオドア スタージョン (著),
山本 光伸 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150410275

 スタージョンの作品を読んで困ることと助かることを一つずつ上げていけば、
その日一日他の作品(本だけではなく、音楽も含む)にまったく近づけなくなるという点、
助かることと言えば、俄然に創作意欲が増す点。
どのジャンルにも当てはまらないその作風は、実に現代のSFの現状である「スプロール」に
ふさわしく、それゆえに今、着目されているのだと思う。とにかく凄い。
10点
>>831
オールタイムベスト級が読んでみるといまいちってのは、よくあるよね。
期待し過ぎるといけないとは思うんだけど。
俺はソラリスとイーガンがそんな感じだった。
それで買ったはいいけど、恐くて読めないでいるのもあるよ。ディックとかギブスンとか。
834名無しは無慈悲な夜の女王:04/11/08 16:19:29
「重力の影」ジョン・クレイマー(ハヤカワ文庫)

大学助手の物理学者が実験中に大きな装置がボンという音とともに消えうせ、
あとには巨大な木製の球が現われていた。
それは地球の木ではなかった・・・・・・

超ひも理論や素粒子論などがちりばめられたハードな内容だが、
面白く読みやすく、一気に読んでしまった。
どことなくハインラインの「夏への扉」的な雰囲気だった。
8点
古典とか呼ばれるレベルの作品になるとそれこそ、
その作品にインスパイアされた作品が世の中に溢れかえってるだろうから、
目新しさやインパクトは薄れちゃうんだよね。
発表当時の雰囲気や世相がその作品を名作たらしめているって面もあるし。
ラーメン屋と似ているな。
837名無しは無慈悲な夜の女王:04/11/09 23:59:38
>833
「虎よ!虎よ!」「人間以上」もあまり期待せずに読んだけど
だめだった。
イーガンは俺も最初わけわからんくてだめだったけど
「ぼくになることを」はわかりやすくてマイベスト入りしている。
あと俺もディック恐くて読んでないw

ところでエンベディング読んだ人いない?買おうか迷っている
ので感想が聞きたい。
ついでになぜオルガスマシンも処女長編として紹介されてんの?
837は831ね
>>837
エンベディング・・・
ヨナ・キットやマーシャン・インカと読後感が全く同じ。
変なアイディアが大量に、かつまとまりなく
生硬な文章と下手糞な構成で語られ、
なんだかよく分からないうちにラストにたどり着いてる。
珍味好きな人にはお勧め。

オルガスマシンは掛かれたのは一番最初だが、
本国で刊行されず、ヨナ・キットのあとにフランスで出版されたので
「幻の処女長編」と言う扱いになる。
840837:04/11/10 17:16:30
>839
なるほど、そういうことか。ありがとうございます。
処女長編が二つある作家ということになるんだね。珍しいのかな。

感想を聞く限りあんまり期待できないなあ>エンベディング
スルーしときます。
今月のディッシュに期待
ディッシュも過剰な期待は禁物ッスね
所詮ニューウェーヴは珍味と割り切ったほうが吉


と近所のSFおぢさんがのたまってました
「大いなる惑星」ジャック・ヴァンズ

地球の10倍の表面積を持つ非金属元素からなる惑星。金属に拠って立つ
高度な文明が成立することは困難で、地球からの移民は、今では中世的
生活を営んでいる世界。地球から来た調査員は宇宙船の事故で地表に不時着し・・
という話し。たんなる冒険物。可もなく不可もなく。

この本を分類しようと思ったらSFに分類されるしかないだろうけど、、
これを原作に映画化した映画は必ずB級映画と呼ばれる!その程度。

6点
「もし星が神ならば」グレゴリイ・ベンフォード&ゴート・エクランド

太陽は神です。キリン型宇宙人が出てきます。木星生物が好きです。
木星の大気の描写と木星の生命が出てきたので8点。
指輪物語 全然つまんねー つまんないのに長過ぎ地獄だった
0点
>>843
そんなアナタにディビッド・ブリンの「サンダイバー」
あ、もう読みましたか。そうでつか・・・
>>844
ロードスでも読んでろ
>>846

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101181047/249-0331795-6599551

これですか。面白そうですね、読んでみますw
攻防戦のほうも面白いよね。
森奈津子「西城秀樹のおかげです」
レズビアニズム、ホモセクシャルを導入し、マッチョな日本SFの異性愛主義を笑うぞ、
と言う心意気は買うのだが、なんかエロがオヤジくさい。

また権力関係への視点が弱い気がする。
なにやられても喜んじゃうMな登場人物が多いせいかもしれないが・・。
それ自体はフェミニズムの脱構築としてみればおもしろいのだけれど、
表題作の結末じゃないが、主観的な「個人の幸福」の追求に終わってしまい
フェミニズムSFとしてのインパクトを殺いでしまっている。






>>850
ネタ?
>>850
849だろボケ詩ね

>>849
ネタ?
>>836

名店とか呼ばれるレベルのラーメン屋(例、大勝軒、青葉)になるとそれこそ、
そのラーメンにインスパイアされたラーメンが世の中に溢れかえってるだろうから、
目新しさやインパクトは薄れちゃうんだよね。
流行当時の雰囲気や世相がそのラーメン店を名店たらしめているって面もあるし。

…ってか?
>>852 ラーメン板に行けやヴォケ
「プリズム」神林長平

SFというよりファンタジー寄りになっていて、
それがおもしろければいいのだが、好みではなかった。
設定はおもしろいと思った。

4点
ジョン・クリストファー「トリポッド 襲来」

鋼鉄の巨人の前日談。
懐かしさで5割増しに面白かった。

7点
よし、漫画の感想を。

弐瓶勉「BIOMEGA」
BLAME!で漫画ならではのSF感を打ち出した作者の新作。
なんだけど、どうにもしっくりこない印象。
ストーリーは面白いんだけど、BLAMEの時に見られた細部にまで仕込まれた「それっぽさ」とか
得体の知れなさが薄れている気がした。

6点
漫画はマップスが最高だな
>>857
ここでそれがでるか・・・・・・
駄菓子菓子、それを否定できない自分が哀れだ・・・・・・
「シャドウ・オブ・ヘゲモン」オースン・スコット・カード

エンダー母さんの宗教心を披露するところはすごいね。
いろんな意味ですごい。相手をすると疲れそうという意味でも。
「ワーシング年代記」もそうだけどハッピー!エンドというわけでもなく
全体を覆うなんとなく重い雰囲気。嫌いじゃないけど。

7点
860でへ:04/11/21 08:00:24
合本版・火星シリーズ1〜4集 ERバローズ 創元SF文庫

ハヤカワSF文庫で始めて読んだのがペルシダーシリーズの
第5巻「ペルシダーに還る」でした。
バローズは、ペルシダー、火星、金星、月世界、
時に忘れられた国シリーズ等、消坊から厨房にかけて
たくさん読みましたが、火星シリーズは全11巻の
うち読んだのは3,4冊、ターザンシリーズなどは、
わずか1,2冊、意外と読んでいない。
全部読む前に別の傾向の作品を好むようになった
からでしょうか、、、

息抜きのために第1集を購入し、意外と面白かったので
全4集を読みきってしまいました。

ヒロイックファンタジーの古典的名作として
一度は読んでおきたいなら、第1集を読めば
それだけで話がまとまっているし十分でしょう。

第1集は6版まで出ています。みんな読んでるなあ、、

第1集が気に入ったら、2集以降も読んでみたら
よいでしょう。

第4集収録のモンスター13号も面白かった。
ラストがなかなか良い、、、

第1集が8点、他は5〜7点

デジャーソリスはエエゾ
ティプトリー「すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた」
あっさりとして一見、奇麗にまとまった小品集だが、
ユカタン半島のマヤ族の文化や自然に対する愛着と、
それを侵そうとする米国文明への自然の復讐といった感じの
構図は辛辣でティプトリーらしいかも。
舞台は地球上だが、異質なものへの愛着という視点に
宇宙ものSFとも通ずるものがある気もする。
ただ、あっさり過ぎてやや物足りないのも確か。
7点
862名無しは無慈悲な夜の女王:04/11/21 18:52:28
大森絶賛&恩田オビの「空の中」
話半分でもよっぽどすごいんだろうと期待してたが、第三章で撃沈。
なんとか最後まで読んだが、怪獣小説としても青春小説としても凡作以下。
久しぶりに金返せの気分。
863 ◆GacHaPR1Us :04/11/21 21:58:06
まさか、献血で身分証の確認されるとは思わんかった…。

「ハウルの動く城」
原作:トミーリージョーンズ
監督:宮崎 駿
http://www.howl-movie.com/

観る前はCVとしてのキムタクの可能性を悲観していたが、
観た後だと、CVとしての倍賞 千恵子女史のほうが気にかかった。
彼女があと10歳、いや5歳若ければもっと演技に幅があったのでは…とちと残念。

原作読んでいないので、これ単品で評価すれば、ちと「 耳をすませば」に近い、
つまり恋人あたりと観に来たほうがいいんじゃねーのかという、
つまり、なんかちょっとギャフンと言わされた感じだった、別に悔しくはないが。
なんだよ「トミーリージョーンズ」って。
思わずググってきちまったじゃないかw


昔、名前は忘れた著者が書いた「惑星カレスの魔女」(←ちょっと不安)
って本があったんだが、あれって宮崎さんが表紙描いてたんだよね。
絵と内容はかけ離れていた気がするんだけど、カレスもアニメ化してくれないかなぁ。
>862
大森絶賛は……(藁
米田も大森絶賛だったなあ……。
大盛りさんはかなり趣味が偏ってるから、あの点数は
ちょっと斜に構えてとらえた方が正解ですよね
イーガン満点つけながら悪口書いてるのもなんだかなぁW
電車男も満点だしW
つうか、大森絶賛は危険はミステリ板では常識でっせ?
868名無しは無慈悲な夜の女王:04/11/22 11:11:03
あのあたりの連中は、

「だって誉めないと売れないんだから、誉めるしかないじゃない」

じゃないのか?


ですね。
だから、結局新刊に何が出たかということと
大ざっぱな内容を知るぐらいの参考にしかならない。
ともあれ本の雑誌のオー森さんとヤマギシさんの記事は
新刊チェックには欠かせないから。
『エペペ』 カリンティ・フェレンツ

フィンランドで開催される言語学会に向かった主人公ブダイが、
飛行機を乗り間違え(?)、言葉の全く通じない世界に紛れ込み、
そこから脱出しようと苦闘する不条理な物語。
日本ではハナモゲラ語小説として有名らしい。

会話が極端に少ないので改行も少なく、ページをめくる毎に
その文字数の多さに圧倒されるが、主人公がこの先どうなるか
心配で意外にスイスイ読めた。

人波に流されていく主人公の描写は、深沢七郎の「風流夢譚」を
思い起こさせる。しかし、彼はなすがままではなく、その現実に
抗おうと必死である。

個人的には、今プータローなので、主人公の境遇に自分を重ね
合わせて読むことになった。不遇なが読むと、少々勇気をもらえ
るのではないだろうか?

8点
>>870

奇遇にも私も次読もうと思ってたところ。
たまたまツンドク本の一番上にあった……
872でへ:04/11/24 01:22:23
シン・マシン 坂本康弘 ハヤカワJコレ

非現実的な世界に暮らす主人公の、
ゲームのような冒険物語
主人公は7人の敵と戦い、相手を倒すごとに
相手の能力を身につけられる。
まさにゲームの世界と思っていたら、
実際のオチはちょっと違っていました。

6点

火星シリーズを読んだあとでは、文体が
違いすぎてつらかった。
バロウズは自分にとってSFの原点みたいなものだから、
そっちのほうが基準になってしまう。
873 ◆GacHaPR1Us :04/11/24 22:45:59
くらやみの速さはどれくらい
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152086033
エリザベス ムーン (著)
小尾 芙佐 (翻訳)

 「アルジャーノンに花束を」で、チャーリィの独白によって描かれる世界は
その主人公の死によって、あらゆる事象が焦点に集まり、終える。だが、
21世紀の「アルジャ〜」との呼び声の高い本作品にそれと同じモノを期待してはいけないと思う。
本作品は、多数の作品内の登場人物の視点で考えることができ、さらにその結末のため
「アルジャ〜」とは逆にその様々な視点は、それぞれの速さでそれぞれの方向に進んでいくことになる…。

 自分は、ドンがかわいそうに思う。
いや、彼の犯したこと彼自身が好きになれないという点では同情の余地は無いとは思うけど。
だって、彼があんな風になった主因は彼自身の所為とはいえ、彼が恩師にだけは指摘されたくなかった
ミスによることからが出発だったのでは?と思うから。
ルウが彼を非難しないのはおそらくその点だろうし、作者もそれを描きたかったのだろうし、
「時計仕掛けのオレンジ」の刑を発案したのも、そんな彼への慰めだったからかもしれない。
でも、意図には反してあれは残酷すぎる罰だけど。

と、このようにしてリンダの視点やトムの視点、ミスタ・クレンショウの視点ですら思い描けるというのは
凄いことだと思う。
だから、ほんとはこのレスは「ああ!」の一言で終わるべきだったのかもしれない。満点。
>>873
アルジャーノンは長編しか読んでないんだけど、
873が言ってるのは短編の結末?
>>874
たんぺんでチャーリーがそんなケツマツをむかえることを
うかがわせるようなビョウシャはないと思う。
876名無しは無慈悲な夜の女王:04/11/25 01:21:39
記憶が安定しておらず、どんどん過去の記憶が書き変わってしまう人って
いるんだよ。そっとしておいてやろうよ。
ネズミの死で、主人公の死の近いことが暗示されるとも読めるから、
間違いともいえない。そんな重箱の隅いいじゃない。

それと、ムーンの作品。
私も読んだけど、ルウがドンを非難しないのは、むしろ、
自閉症の思考回路では、嫉妬や恨みといった他者への激しい
感情そのものが理解できないということにあると思った。
そういう視点の相違から来る世界像の相対化が、非常に面白い作品でした。
アルジャーノンは、ノーマルになることを超えて天才になる話だったけど、
主人公は終始天才に憧れていて、天才の期間が終わること=不幸という
表面的な構図だった(暗喩的に逆の意味も読み取れるが)のに対し、
この作品は、主人公自身が必ずしもノーマルになること=幸福と
とらえてはおらず、明確に人それぞれの自己決定の問題として
とらえている点が大きな相違か。
で、主人公は結局ノーマルになる選択をしたけど、ラストで
他の仲間の選択を必ずしも否定してもいないわけだし。
意思決定までの過程が全体の大部分を占めていることからも、
作者はやはり、そこを一番言いたかったんでしょうね。
ミステリや恋愛などのサブプロットも絡めて退屈しない
内容になっており、エンタテインメントしてみても
よく出来てる作品と思った。
ただし、ジャンルSF色は非常に薄いけど。
9点
878名無しは無慈悲な夜の女王:04/11/25 10:15:31
>>877
> ネズミの死で、主人公の死の近いことが暗示されるとも読めるから、
> 間違いともいえない。そんな重箱の隅いいじゃない。

結末がどうこうというのは、重箱の隅ではない。

> アルジャーノンは、ノーマルになることを超えて天才になる話だったけど、
> 主人公は終始天才に憧れていて、天才の期間が終わること=不幸という
> 表面的な構図だった(暗喩的に逆の意味も読み取れるが)のに対し、

あれは、「天才の期間が終わる」ではなく、「自分が無くなる」という
アイデンティティの問題だろう。
879名無しは無慈悲な夜の女王:04/11/25 11:29:07
さっき清水義範の「イマジン」〜集英出版を読み終えたとこ。
今年のベスト級の本なのは間違いないと思う。もち、10点満点。
この人の短編は、研究中の暇潰しに読んでたけど、
今回は最後の時空を超えた父子の再会には思わず泣いた。
涙チョチョ切れ状態。
タイムトラブルの考証もほぼ完璧だし、いいよなぁまじでさ。
>>879
全くノーマークでした。
パスティーシュ短編の印象が強すぎて、
色物っぽく見られがちで損してる気がするなあ。
そのうち読んでみます。

ムーンの作品は、ヒキヲタ系の人には特にお薦め。
自閉症でありながら天才という主人公のキャラは、
ヒキヲタのアイドルの素質十分。
自閉症とヒキヲタとの関連性がわからないのですが。
883エリザベス・ムーン:04/11/25 15:48:59
>>881
自閉症は、内向性格とは無関係の、純然たる認知障害です。
あなたは、私の本のどこを読んだのですか?
自閉症の子を持つ親として、まったく嘆かわしい。
作者キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
885名無しは無慈悲な夜の女王:04/11/27 01:06:20
『万物理論』グレッグ・イーガン 創元SF文庫

統一場理論を超える、すべての物理法則を包み込む、単一の理論。
それを発表しようとする物理学者が、謎の組織に狙われる。
それに巻き込まれた科学専門の映像ジャーナリストは、やがて・・、
というハードSF。
壮大なホラ話の好きな人にはお勧め。
消化不良になるぐらいたくさんのアイデアが、ぎっしり入っている。
冒頭の殺害された死者がよみがえるシーンのアイデアだけで、
長編SFが、ひとつ書けそう。
性を超えた汎性という概念を持ち出し、ジェンダーSFとしても
読める。
ステートレスという生物工学によって作り出された人工島に
集まった無政府主義者による秩序ある社会を描いたユートピア小説
の側面もある。
とにかく、性、政治、宗教、生物学、物理学などの未来形が、めいっぱい
詰め込まれており、読みすすむうちに、近未来の地球世界がじんわりと
頭の中に浮かび上がってくる。
所々に出てくる主要な登場人物以外のキャラクターが、魅力的。
人工島に住む漁農家の女性とか、なぜかシンプルに描かれている
人間の方が印象に残っている。
詰め込みすぎで、散漫な部分もあるけれど、力作。






 
886 ◆GacHaPR1Us :04/11/27 23:07:22
>>874
>>875
>>876
>>878

はーっはっは、笑とけ!笑とけ!

…正直スマンカッタ。素で間違えてた。死んでなかったよね、ねえ?チャーリイ??
>>886
ま、それは置いといて、と。
ググってみるとミリタリーSF作家らしいね。ムーンちゃん。
しかも、この本でネビュラ賞を受賞。

なんか詠んでみたくナリマスタ。
金が無いので、明日図書館でも覗こう。

見つけたレビュー ↓
ttp://www2m.biglobe.ne.jp/~okiraku-/hmpage70-547.htm
888 ◆GacHaPR1Us :04/11/27 23:53:33
>>887
かなりネタバレ覚悟が必要なレビューやね。
梶尾真治
「スカーレットスターの耀奈」 新潮文庫
「未来のおもいで」 光文社文庫

狂信的なカジシン・ファンの人には失礼だと思うが、
オレはもうこの人の本を新刊で買うことはないだろう。

セミプロ作家なので品質が安定しないのには目をつぶる
としても、せめてもう少し志を高くもってもらいたい。
ハーレクインロマンス以下だよ、これじゃ。

3点プラス3点で合計6点
>>889
カジシンはもう専業になったみたいだよ。
専業になってからの方が甘いのはどうなんだろ……
Mary Gentle "Ash: A Secret History"読了

失われたバーガンディ王国の謎を紐解く伝説の女傭兵アッシュの
伝記を研究し、新文献を発見し追加して翻訳してまとめた本の合間に、
この本を出す前の翻訳者と編集者の電子メールのやり取りが
挿入されるという構成。
アッシュの伝記の部分は、改変歴史ファンタシイで、人物描写も
ストーリーもしっかりとしていて、それだけでべらぼうに面白い。
ところが、これがただの歴史ファンタシイではないことが
徐々に明らかになる……。
合間に挿入されるメール内容から、このアッシュの伝記に
出てくる遺跡類が、現実に発見され始めたことが分かる。
それは我々の知る歴史と明らかに矛盾する。
調査を進めるうちにこの学者は、この歴史が偽の歴史で
隠された本当の歴史が存在することを感づき始める。
この学者は編集者らと様々な仮説を議論するが、
それを裏切るような新発見が相次ぎ、次第に何が
現実で何がそうでないのかすら、曖昧になっていく。
そして、ある巨大な物理学的、量子力学的アイデアが
全体に仕掛けられていることがわかってくる。
ネタバレになるので、これ以上は書けないのが残念だが、
後半はバリバリのハードSF。
長さといい、面白さといい、変さといい、スケールの
大きさといい、こんな小説は今まで読んだことない。
ファンタシイ好きはハードSF部分に文句をいい、
SF好きはファンタシイ部分を冗長というかもしれないが、
両方好きな者にとっては、1冊で両方を満喫できる
本書は、最高という以外に言葉がありません。

10点
なんか読みたくなりますな。

でも原書でつか?・・・・・・OTL<シカモハードカヨ
>>699でもあがってたな。
うおー読みてー

> 失われたバーガンディ王国の謎を紐解く伝説の女傭兵アッシュの
> 伝記を研究し、新文献を発見し追加して翻訳してまとめた本の合間に、
> この本を出す前の翻訳者と編集者の電子メールのやり取りが
> 挿入されるという構成。

凝ってるなぁ。読みたい。
「ラヴクラフト全集5」
いまいちだった。「ネクロノミコン」の内容が具体的に引用されている
作品が多いなど、クトゥルーものの好きな人には貴重な本なんだろうが、
小説としては単調で抑揚のない、こけおどしの陳腐な凡作が多い。
SF味の濃い「死体蘇生者ハーバード・ウェスト」とか
「魔女の夜の夢」とかはSF作家としての資質が感じられて
結構面白かったけど。
有名な「ダニッチの怪」も、ただの怪獣ものでつまらんかった。
3点
いいんだ。
クトゥルフ信者(クトゥルフィアンとでもいうのか?)は
それが聖書なんだから。
おもろいつまらんは別にして、ただあがめるのみ。
897名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/01 19:50:32
>>895
> 有名な「ダニッチの怪」も、ただの怪獣ものでつまらんかった。

これは、「怪獣なんかこの世に存在するわけがない。はっはっは」という
状態にこころを持っていけない人はダメだろうね。
まだ旧支配者に置かされていないあなたは幸いですよ
「分解された男」
まあ面白いところもあったけど……。評価高いから期待しすぎたかな
ダラダラ1週間以上かけて読んだのも原因かもしれん
俺の歳が若いのもそうかなあ。あと読者暦が短いのも――
20ぐらいになったら再読しようと思う

5点
何歳なんだ、あんちゃん
901899:04/12/01 23:07:03
17です
SF読み始めて1年くらい
本読みはじめたのもそんくらい。まあいうほど読んでないけど
SFの代表作は10代に読んでおくべきものが多いんだよなあ。
おれもあの頃にちゃんとハインライン読んでおくべきだった。

そういやおれもベスターはぴんとこなかったな。
火曜日にやってるアニメ「厳窟王」はもともと「虎よ!虎よ!」のアニメ化
になる予定だったそうな。
10台のうちに読んだ本はいつまでも記憶に残ってるんだよな。
年取ると読んだ端から忘れてくんだ・・・。
>>902
「厳窟王」アニメ = 「虎よ!虎よ!」
妙に納得。
ってか、復讐譚だしストーリーかぶってるか。
一般の評価はどうかは知らんが、俺は好きだ。

>>899
いいな〜〜17歳
あの頃に戻ってハインライン御大もの読みたいよ。
SF暦1年ではまだディックは早いかも知れぬ。

これは10代の内に一度読んでおけ!!
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/sf/1012327770/
>>903
忘れますな。マッハで。
906 ◆GacHaPR1Us :04/12/02 00:28:16
>>903
ふっふっふ。
「忘れる」ということで私を置いて他におるまい、ああ!おるまい!!
3行以上覚えていないんだぞ、すげーーだろ!!
>>904
ていうか両方モトネタ一緒だからな。「岩窟王」

虎はおれも十代の時に読んだんだがピンとこなかった。
放射性博士は今でも覚えてるけど。
>>906
◆GacHaPR1Us ・・・・・・
自分のレス忘れるんだろうか・・・?

>>907
「虎」の最後のほうだっけ?
ジョウントで時空を飛び越したときの落書きにあぼ〜んしたよ。
ブラッドベリを最近読み直してるけど、ことごとくつまらなく
感じるようになってる……。
あれはやっぱり10代のそれも前半ぐらいじゃないと無理だと思う。
ベスターの「分解」は、30すぎてから読んで面白かった。
あの漫画的な馬鹿馬鹿しさがいい。登場人物がことごとくイカレてて。
「虎」のほうは、10代のころ読もうとして10数ページで挫折、
30すぎてから再チャレンジして、何とか完読。
まあまあだが、分解よりはかなり落ちる、という印象だった。
分解みたいな漫画的馬鹿馬鹿しさが後退して、
ひたすら復讐!復讐!な話だったのが、乗り切れなかった
理由な気がする。まあ好みの問題なんでしょうが。
シオドア・スタージョン「不思議の一触れ」(奇想コレクションの)
初スタージョン。異色作家の名に恥じない作品集でした。
ベストは「もうひとりのシーリア」。何あれ、どうしたらあんなの思いつくの。すごいドキドキした。

9点


俺も20代になって、そんなに経つわけじゃないけど、長いSFは読めなくなったなあ。
今思えば、ハイペリオン4部作を読んだ時がピークだった。
あれは若いうちに読んだ方がいい。特にエンディミオン二作は。
若い人には意外に読みにくいんじゃないかな、ハイペリオンシリーズは。
でも年とってから読んでみると、後篇のエンディミオンのほうがジュブナイルっぽいし、
なんか困っちゃうよなー
913名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/02 04:04:04
ハイペリオン二部作は、娘が生まれたパパSF者が読むことと、
銀河法典に定められています。
パパSF者に聞きたいが、娘(息子でも)にSF読ませたりする?
俺は当分結婚の予定は無いけど(泣)、本棚の子供目線のとこにおすすめの本を置いといて、気付くと一冊抜けててニヤリという妄想をしてるんだが、夢見すぎ?
>>913
しかしその娘はエンディミオン2部作で大変なwことになってしまうので、
続編は読まないことが推奨されています。
本棚の一番上においといた妖星伝が(r
本棚の裏に隠しておいたサイコダイバーが(ry
イーガン「万物理論」。
メインアイデアに関しては凄いと思うし、その論理的突き詰めや
様々な議論のディテールをここまで徹底してやるのも
イーガン以外にはいないと思うのだが、雑多なこまごました
未消化のアイデアが、必ずしもメインアイデアと無関係に
多数投入されたまま放置されてノイズになっており、
特に前半は、視点が右往左往して読みにくいことこの上ない。
どうせ未消化に終わるのなら、完全にカットして話の焦点を絞ったほうが
テーマがストレートに伝わりやすいと思うのだが。
未来社会にリアリティを与えようとせんがための意図的な
ものなのかもしれないが、空回りしていると思う。
またストーリーも一本調子で工夫がないし、キャラクターも
金太郎飴。何より語り手に魅力がない。
かなり凝った未来社会の奇抜なディテール描写をしていながら、
主人公の倫理観や生活観が我々と大差ないのはいかがなものか。
恋人と別れるくだりなど、陳腐すぎてあきれた。
またオチもちょっと安易な感じがする。
個人的にはぶっ壊れる宇宙を見たかったが、これはまあ好みの問題か。
力作だと思うが、物語作家としての技量がついていっていない感じ。
最近の長編では、もっと進歩しているかもしれないので、
次作に期待したい。
7点(アイデアだけなら9点)
テリー・ブルックス「シャナラの剣」
メリケン版指輪物語、以上。つうかよく怒られなかったなあ。
920名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/03 08:32:22
イアン・ワトスンのエンベディングだけど、これ面白かった人いますか?
俺はヨナキッドもマーシャンインカもこれもさっぱりなんだけど。
921名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/03 21:34:19
そんなあなたに「川の書」ですよ。
合わないのに無理に読む必要はないとおもはれ
923名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/04 01:08:14
>>920
私も、マーシャンインカは、さっぱりだった。
川の書、星の書、存在の書は、首をひねりつつも、おもしろく読めた。
「エンベディング」買おうかどうしようか、迷っています。
924名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/04 01:12:36
「レッドシフト・ランデヴー」
なんだあれは〜本格SFミステリーだと思ったのに・・・
ワトスンの初期作は、未整理のアイデアをそのまま無理やりぶっこんだ
だけで、ちゃんとした小説になってない感じがしますね。
『ヨナ・キット』も、なんじゃこりゃな話だった。
まあいろんな賞を取ってるぐらいだから、分かる人にはわかるのかも知れんが
926名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/04 10:33:45
>>922
まあそこがSF読みのつらいところで、読まないでおくと傑作を読みのがしてるんじ
ゃないかと不安に駆られるんだよ。
もうすぐ出るヴィーナスプラスXはどうだろうね。昔伊藤典夫が「いまだに手が出ない」
と書いてたくらいだから、これも手ごわそうだね。
にしてもこのシリーズは絶対初心者にはお勧めできんな。
普通の人ならまず手を出さなそうな本をかっこいい装丁でわざわざ出す会社だからな
それが売りだから
それで商売になるのはすごい
でも1冊ぐらい売れそうなのも入れてほしいのが本音
売れないと打ち切り&絶版にされそうでこわい……
それ以前に国書の本なんて地方では注文しないかぎり入手できないから
初心者が買う状況自体ありえないんだが。
それもそうだ。
いや、でも、都会の本屋では普通に店頭に並んでるし……
実際のところ、利益出てるんですかね? 心配。
>918
イーガン、確かに最後がハジけきれない傾向があると思う。
宇宙消失は最後のあの状態になってからのドタバタがもっと読みたかったし、順列都市の最後も、バクスターあたりなら、これでも
かこれでもかと描写してくれるだろうに……。
ラッカーなんかはハジけすぎて意味が分からなくなるけど(藁、良いアイデア持ってんだから、あれくらいやってほしい。
933 ◆GacHaPR1Us :04/12/04 22:42:30
>>923
買うかどうかは、買ってから考えるべきだ
スタージョン「不思議のひと触れ」
収録作が玉石混淆の感はあるが、バラエティには気を配っているし、
最後の2編、特に「孤独の円盤」はさすが名に恥じぬ名品だった。
この1編で一気に印象が上がりました。
8点

つうか普通に「一角獣・多角獣」をそのまま出してほしい……
スタージョン「海を失った男」
濃い……。収録作品の高密度なクオリティの高さに脱帽。こんなに凄い作家だったとは。
かなり本格SFしている「成熟」のような作品ですら、オチが文学的なのが凄くかっこいい。
「不思議のひと触れ」とは違い、読み応えのある最高水準の作品ばかりが選りすぐられており、
極めてハイレベルな本。
「スタージョンのベストアルバムを作るつもりで独自に編んでみた」という編者の言葉に偽りなし。
10点
936 ◆GacHaPR1Us :04/12/07 23:51:51
虚数
スタニスワフ レム (著)
長谷見 一雄 (翻訳), 西 成彦 (翻訳), 沼野 充義 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4336035938/

14号だった…orz

圧巻はむろん、ゴーレム14号のところ。
あらゆる秩序、前提などの人間の保守的な面をことごとく「大粉砕」する就任演説に、ロックンロールを感じました。
しかも、その前の「ビット文学」や「予知百科事典」のようなネタの中に、ゴーレムたち「光の巨人」の末期を予感させる
設定が隠されています、こりゃすげーわ。

でもでも、ゴーレムの必死さを読むにつけ、「おっちゃん、なに興奮してんのー?」と思う。10点
そういえば「モンスター13号」って小説があったよな・・・
知りますん。
939937:04/12/08 13:17:35
ググったらあったよ。
こんな本が見つかるなんてスゲーなぐぐる先生は
バロウズのマイナー作品だった。すげえ、さすが。
941名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/09 00:39:08
俺はR62号が好き
942 ◆GacHaPR1Us :04/12/09 00:59:15
AL76号のイメージ
     _________
    /│            │   
  /  │   ─┘ └─  │  
 │   │  ○      ○ │  
 │   │            │      ___〜〜
 │   │   ┌┬┬┬┐   │     △△
 │   │   └┴┴┴┘  │    ‖ │
 │ /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|   ‖ │
  / │               │  ‖ │
 │  │    AL  76号    │  ‖ │
リチャード・マシスン『ある日どこかで』(創元文庫)

ガンで余命いくばくもない男が、ホテルの写真で見た昔の女優に一目ぼれ、
タイムスリップして恋に落ちるという、ロマンチックではあるがDQNな話。
(そんな奴おらんやろ)
序盤にホテルの描写がやたら続いたり
「あ…今タイムスリップしそう…しそう…駄目か、ふー」
みたいな試行錯誤(気分が当時へトリップすれば移動できるという理屈)
がえんえん書かれてたり、現代小説としてはテンポ悪いです。
首尾よく昔の時代に行けたあとも、どこの誰ともわからんはずの主人公を
女優が比較的あっさり受け入れて簡単に両思いになったりして
何だかなあと思いながら読んでました。
実は結構エンディングが切なく、読後に逆算して考えると
序盤のテンポの悪い部分もわりとしっかりはまってるんだなあという感じ。
読書中は結構イライラしてたんだけど。

世間では人気高いようですね。
俺その映画みて結構感動したんだけどなー
確かに小説はちょっと冗長な感じがした。
あと女優のキャラ設定がいかにもって感じで、
話もなんかうますぎると思った
映画見たのに小説読んでなかったな。
映画は評価高いですよ。
女優さん(名前忘れスマソ)も好みです。
マシスンはホラーしか書いてないと思ってた俺、若かった・・・
>「あ…今タイムスリップしそう…しそう…駄目か、ふー」

これ気に入った。なんかいいなあ
そういやその映画の主演、先日亡くなったスーパーマンの人だっやま
949名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/10 17:47:47
ラフマニノフの旋律が甦る……
950名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/10 18:40:15
最近orz の意味が判らないで大文字で書く奴が時々いる。
マーク・Z. ダニエレブスキー『紙葉の家』

今更だが読んだ。
迷宮を題材にした本の体裁を迷宮化する、
と言う発想自体は思いつく奴は結構いるだろうが、
それを実際にここまで作りこめるのはそうはいないだろう。
一応出版関係者としては、編集と印刷所の苦労に涙を禁じえなかった。
10点。
大文字でもなんとなく通じる気はする
953名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/10 20:15:56
トリストラムシャンディの方がすごい。
954 ◆GacHaPR1Us :04/12/10 21:09:29
>>947
うすた 京介 だな
>>950
今ググって初めて意味を知りましたorz
よし、これから使おう
大文字だとOTZになる
957 ◆GacHaPR1Us :04/12/10 21:48:02
かな入力だと
「らすつ」になる
958名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/10 21:51:52
otz
>>954
うすた京介なのか?
960 ◆GacHaPR1Us :04/12/10 22:20:54
>>959
”ぽい”ってこと
>>958
貫かれてるよ!

関係ないけど、orzって句読点のように使うヤツがいてなんだかなって感じ。
wの時もそうだったけど、意味と使い所わかってねーだろ的な。
板によって浸透度が違うのかね?
俺は当たり前のように使ってるから、何を今更って感じなんだが
>>961
いたなぁ、語尾に絶対wをつけるヤツ。
最近は煽りの時くらいしかみかけないけど
>>963
この板ではそうかもしれんが、他の板には普通に居るぞ
語尾に必ずwを付けて煽りだか何だか意味が通ってない痛い奴が
うはorzorzorzorzorzorzorzorzおkorzorzorzorzorzorzorzorzorzorzorzorzorz
>>965
wの使えないVIPPER、乙
そろそろ次スレ準備ヨロシク。
必読書150はなかなかいいチョイスしていると思う。
読書のなんたるかを分からずに、ラノベや日本SFばかり読んでいるやつに
お前のは読書とはいえねーよといってやりたい。
なんでそんなに偉そうなのか。
若いうちは活字を読んでれば偉いと勘違いしがちだろう
俺も二十歳前後の頃はそうだった
若いうちは活字を読んでれば暗いと勘違いしがちだろう
俺も二十歳前後の頃はそうだった
そう言えば、大学で講義前に読書してたら、コイツ本ばっか読んでるから嫌いなんて陰口叩かれた事あったけ?
大学でその程度のレベルなら、偉いと勘違いしたくもなるよねw
ずいぶん低レベルの大学だな
>>972
そうそう。
だから学校では、本読むなんて暗いといいながら
音楽雑誌やマンガを広げ、陰でこそこそ活字本を読んでいた。
>>972
大学行く気なくなる…
976名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/11 21:20:58
>音楽雑誌やマンガ
ハタから見て何を読んでるかわかる

「我々はこういう生物学的形状と文明を有する生命体です。
 コンタクトしましょう」という電波を発信中

知的生命体なのでコミュニケーション可能 キモクナイ

>活字本
何読んでるかわからん

「我々は知的生命体だ。超時性通信プロトコルに準拠した手段で情報収集中。
 ま、何を収集してるかなんてからお前らから見りゃわからんだろうけどな」という電波を発信中

コミュニケーション拒否 キモイ

という思考回路なんだろうな。
本人が「俺に気安く近寄るな」オーラでも出してない限り
わざわざあちらから攻撃してくるような奴は、ただのコンプレックス持ち

物事をすぐに暗い/明るいの2分にわけようとする
真の意味でネクラな奴だよ、どうせ。
>>974
俺は私大卒だけど、それでも講義前や昼休みに漫画読んでる奴なんか殆ど
いなかったぞ。平然と漫画読んでる奴の方が白い目で見られる。
普段から暗いから言われるんじゃ・・
>講義前や昼休みに漫画読んでる奴なんか殆ど
>いなかったぞ。

うちなんかもっぱら講義中に読んでるよ
981名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/11 22:06:29
うちの大学は、純文学プチブームがおきてたからな。
春樹とかプルーストとか読んでた。
君らのおもしろくもない私生活の話なんて別に聞きたくないから、
そろそろSFの感想書き込める雰囲気に戻してくんないかな。
気にせず書きんさい
んなこといってる間に次スレ立てないと、ヤバイ数まで来ちゃいましたよ。
んじゃ>>987よろしく。
うちの大学では、ゲームボーイが大人気だったなあ。