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183ご冗談でしょう?名無しさん
>>181
そんなもん、ここで説明し出したら死ぬほど長くなるぞ。

気体中の粒子の持ってる位置エネルギーをU、
外部から気体に加えた熱量をQ、
圧力をP、気体の体積をV、温度をT、エントロピーをSとする。

まず、エントロピーだけど、
S_AB = ∫[A,B]dQ/T
で定義される。
こいつの物理的意味は、期待の取りうる状態の数らしいが、
深く考えるな、多分余計に混乱する。
覚えるべきは TdS ≧ dQ が成り立つこと。

あと、熱力学第2法則
dQ = dU + PdV
は覚えなきゃ駄目。

さて、力学では運動は位置エネルギーUが最小、
即ち、dU = 0 の時に平衡となるわけだけど、
それじゃあ、熱力ではどういうときに平衡になるかを考えてみる。

(i) V,S が一定のとき(定積変化、dS = dV = 0)
dU = dQ - PdV ≦ TdS - PdV = 0
だから、Uは減少しかしない。
よって、dU = 0 の時に U が最小、即ち平衡となる。

(ii) P,S が一定のとき(定圧変化、dP = dS = 0)
H = U + PV というものを定義する。
(こいつを熱関数(エンタルピー)と呼ぶ)
そうすると、
dH = dU + PdV + VdP = dQ + VdP ≦ TdS + VdP = 0
だから、Hは減少しかしない。
よって、dH = 0 の時に H が最小、即ち平衡となる。

(iii) T,V が一定のとき(dV = dT = 0)
F = U - TS というものを定義する
(こいつをヘルムホルツの自由エネルギーと呼ぶ)
そうすると、
dF = dU - TdS - SdT = dQ - PdV - TdS - SdT ≦ ‐PdV - SdT = 0
だから、Fは減少しかしない。
よって、dF = 0 の時に F が最小、即ち平衡となる。

(iii) P,T が一定のとき(dP = dT = 0)
G = F + PV = H -TS = U + PV -TS というものを定義する
(こいつをギブスの自由エネルギーと呼ぶ)
そうすると、
dG = dF + PdV + VdP = dQ + VdP - TdS - SdT ≦ VdP - SdT = 0
だから、Gは減少しかしない。
よって、dG = 0 の時に G が最小、即ち平衡となる。