さくらと小狼の子供たち。

このエントリーをはてなブックマークに追加
1悪魔将軍
なんでもいいから考えろ。
2悪魔将軍:02/04/18 12:49 ID:sAXCJBKs
どーでもいいけど、小狼似の子供ができた場合。
 桃矢に変なこと去れてそーだな。
3金のマスク:02/04/18 13:24 ID:CeJ4HoI2
小狼似の美少女とさくらたん似の美少年にイタヅラしたい
4 :02/04/18 16:22 ID:u659eveE
量産型小僧にイタヅラされる妊婦さくら
5CC名無したん:02/04/18 17:20 ID:paYvcfHo
>>3
ソレ(・∀・)イイ!!!!!!!
6CC名無したん:02/04/18 19:09 ID:iVqtA.SU
日系中国人
7CC名無したん:02/04/19 14:12 ID:d077dpc.
さくたたん似の美少年
「僕、女の子じゃないもん!」
8CC名無したん:02/04/19 20:36 ID:LIk.7tNU
9CC名無したん:02/04/19 21:45 ID:8RQHvxPk
           ./, - 、, - 、   ̄ ヽ
          ./-┤ 。|。  |――-、 ヽ
           | ヽ`- ○- ´ /  ヽ  |
           | -   |     ―   |  |
           |  ´  |    `ヽ  . |  |ヽ
  ∩      人`、 _  |    _.- ´ | .|  \
  |  ⌒ヽ /  \  ̄ ̄ ̄     ノノ       \
  |      |´      | ̄―--―― ´ヽ     _  /⌒\

FUCK YOU ぶち殺すぞ、、、
お前らは、恋愛の実体が見えていない・・・
美人の彼女と付き合える男の割合を知っているのか?
現実で美人の彼女がいる男は、せいぜい全体の10%が
現状なんだ!
残りの90%は妥協してブスと交際してるか、彼女無しが
基本だ・・・・
お前らは、この10%の中に入れる自信があるのか?
ないだろう・・?
甘えを捨てろ・・・お前らの最大の甘えはその歪んだ
美的感覚だ・・・
「自分の彼女だから、かわいく見える!」
「性格がかわいい!」「仕草がかわいい!」
こんな事を言って彼女を美人だと信じる輩がいるが・・
なぜ・・そんな風に考える・・?馬鹿が・・・!
とんでもない誤解だ!
ブスは、誰が見てもブスなのだ・・
変な自己満足で現実から逃げるな・・・・・
彼女のブスを認識しろ・・
なぜ・・それがわからない・・?
なぜ・・それに気付かない・・?
103:02/04/20 02:42 ID:xVuEaL0.
>>9分かりました
11CC名無したん:02/04/20 23:55 ID:kc2LJVxc
>>9
おまえも10%に入る事に出来るのか?(w
12転載氏:02/04/21 02:31 ID:y/5ZAizM
中国での差別に耐えられなくて、日本に来るだろうなあ。
13CC名無したん:02/04/21 22:03 ID:EXtG8J/A
だれか>>3の設定でSSかいてホスィ
14CC名無したん:02/04/21 23:19 ID:DtqTpnVM
「ただいまぁ」
元気な声が玄関に響いた。少女は靴を玄関に脱ぎ捨ててそのまま台所に向かう。
台所では母がケーキを作っている。
もう30歳を過ぎているというのに、母は子供の頃の癖がいっこうに抜けない。

「ほえ〜っ!! すみれちゃん! おうちでばたばたしちゃダメだよ〜!」

少女はちょっとすまなさそうな顔をして
「ママ、ごめんね!」
と言いながらゆっくりと母のそばに近づいた。
そして母の隙を見て、ケーキの上に乗っているいちごをひょいとつまんでまた外に駆けだした。

「こら〜! すみれちゃ〜ん! そんなことしちゃダメでしょ〜!」

少女は母の声を後ろに聞きながら玄関に行き、靴を拾い上げた。
靴を履いているとちょうどそこに弟が帰ってきた。
15CC名無したん:02/04/21 23:19 ID:DtqTpnVM
弟は今日もいじめられたらしい。服が泥だらけになって、顔も少し腫れている。

「龍平、あんたまたいじめられたの? 誰よ、いったい!
おねえちゃんがやっつけてやるから!」

少年はか細い声でつぶやいた。
「ううん、いじめられたんじゃないんだ。階段からちょっと滑っただけだよ」
そう言って姉の横をすり抜けるように玄関に上がった。

少年は理解っていた。ここで正直にいじめられていたというと姉がまたいじめっ子たちと大げんかするし、そうしたらまた自分がいじめられる。
いじめられるのは情けないしくやしいけど、姉のようにけんかっ早くはない。
叔父のように身体も大きくないし、父のように勇敢でもない。
ただ、母のように優しいのが少年の特徴だった。

少年は外見も母に似ていた。姉とは二卵性の双子だが、姉はむしろ父に似ている。
そして性格もそっくりそのまま、父に似てけんかっ早い姉と、母に似て優しい弟であった。
1613:02/04/21 23:34 ID:EXtG8J/A
>>14-15
おお、さっそく!!
ありがとうございます〜
17CC名無したん:02/04/21 23:55 ID:DtqTpnVM
少年は自分の部屋に入ると、かばんを机の上に置いてベッドの上に座り込んだ。
泥だらけの服を脱ぎ、新しいシャツに着替え、階下に降りてシャワーを浴びに行った。
シャワーを浴びて泥を落とす。そのとき彼は今日会ったことを思い出し、
悔しくて涙が出てきた。
その涙はシャワーの水とともに流されてゆく。

浴室から出ると、ちょうど母がケーキを作りおえたところだった。
母は少年に向かってにっこりほほえみかけた。

「龍くん、おかえり! 今日はいちごのケーキだよ!」

こういうときの母の表情はとてもすてきだ。きっと父も、こういう表情のできる母が好きで結婚したのだろう。

母と二人でおやつを食べる。二人ともおっとりとした性格なので、ぼんやりしたまま何も話さずにケーキを食べる。
むしろ、そういう方がケーキのおいしさがより分かるような気もする。
18CC名無したん:02/04/21 23:56 ID:DtqTpnVM
少年は母を見ていた。
自分の顔が少し腫れているのは母も気づいているはずだ。それなのに、母は何も言わない。きっと内心では心配しているのだろうが、息子の気持ちを思いやっているのだろう。
少年は母には全部話したい気持ちになった。

「今日もまたあいつらにやられちゃったんだ… ほら、それでここ、腫れちゃったんだ」

少年は自分の頬の上の方を指さして悲しそうに言った。
母は少し悲しそうな顔をしたが、すぐに笑顔に戻って言った。

「うん、龍くんはがまんしたんだね。えらい!! そう、きっとよくなるよ。
ぜったい大丈夫だよ!!」

母もきっと、何がよくなって、何が大丈夫なのか、自分でもよく分かっていなかったのだろう。
しかし、これが母の口癖なのだ。なんでも大丈夫と言ってしまう。
少年は母のいつもの口癖を聞くと笑いがこみ上げてきた。
彼がくすくす笑い出すと、母も一緒にくすくすし始め、少年を抱きしめた。
「そう、ぜったい大丈夫だよ…」
19CC名無したん:02/04/22 02:05 ID:uNBjfadE
>>18
なんだろう・・涙でてきた・・
20CC名無したん:02/04/22 02:41 ID:u5hoL9.2
すごくいいよね。
なんか心に響く、、。
21 :02/04/22 03:49 ID:jsJwMeKg
さくら板で初めてじ〜んってきたよ・・
22さくらたんと飯食った ◆itSAkuRA:02/04/22 03:57 ID:GsgjveKg
このスレ、こんな良スレになっていたの....
23 :02/04/22 04:13 ID:jsJwMeKg
学校でさ・・悲しいことあって・・家帰ってお母さんやさしいと悲しいよね・・
で、死にたくなると同時にがんばんなきゃって思うんだよね。
24悪魔将軍:02/04/22 09:51 ID:WhL.4CLs
あの、このスレッド立てた悪魔将軍だけどさ、
 ここの話、少し感動するのもあるが、
 少しその子供が変なことされたりとネガティブな話が多い気がするんだな。
 悪魔超人であるこの私ですら同情したくなるよ。
 せっかくのさくら板なんだからさくらワールドにふさわしい
 ポジティブな話をつくろうじゃないか。
 たとえばさくらと小狼の子供がケロと遊んだりする話とか、
 さくらと小狼が出かけている間、ケロが子供の世話をする話とかね。
25CC名無したん:02/04/22 17:55 ID:LqkNp5yA
おおもりよしはる=ロリペドオタ、アニオタ、モツオタ、ベトオタ、ブルオタ、セガ信者
ひまわりと幼女のすじまんこに異様な執着心を燃やしているロリペド絵描き
2浪して九州大学歯学科に進むがプロのイラストレーターになるために大学を中退、
同人活動とUOに専念する日々を送るが、その生活は苦しいらしい(藁
自らを画家と呼び、ともすれば不真面目なものと見られかねないアニメ絵を「芸術」
の域にまで高めようとしている(らしい)。  もう、死ねよ…と。
UOではKanaeというテイマーと、SASAWOという斧戦士(赤キャラ)を持っている。@Izumo
【すじ】 おおもりよしはる
http://yasai.2ch.net/test/read.cgi/doujin/1016348976/
オリジナルキャラ七瀬香奈恵抱き枕(すじ丸出し抱き枕)
http://www.p80.co.jp/p/k_sinki/yoshiharu/kanae2002.html
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/otaku/1016198191/
26CC名無したん:02/04/22 18:01 ID:PX34NuNg
さくらと小狼の子供の名前、それはシン
27CC名無したん:02/04/22 18:15 ID:cM7RV3c.
あたしはいちごを食べながら玄関に向かった。
ちょうどそこに弟が帰ってきた。またいじめられたみたい。
なんかしょんぼりして、かなしそうな顔つきをしている。
服には泥が付き、目の下は少し腫れて赤くなっている。
そういう弟の顔を見ると、怒りがこみ上げてきた。
それと同時に、男のくせにふがいない弟にも腹が立ってきた。

「龍平、あんたまたいじめられたの? 誰よ、いったい!
おねえちゃんがやっつけてやるから!」

弟はなんだか聞き取れないくらいにか細い声でつぶやいた。

「ううん、いじめられたんじゃないんだ。階段からちょっと滑っただけだよ」

弟はそう言うけど、あたしはそんなの信じちゃいない。またあいつらだ。
弟はかわいいからって、女の子みたいだからっていじめられている。いじめているのはクラスの悪ガキ3人組だ。
そりゃ確かに姉のあたしから見ても、うちの弟はかわいい。
ママの子供の頃にそっくりだ。
28CC名無したん:02/04/22 18:16 ID:cM7RV3c.
うちのママには、子供の頃の記録がなぜか山のようにあり、いまだにあたしたちも全部見尽くせないほどだ。
ママの親友の知世おばさんがビデオテープにたくさん撮っていて、あたしたちによく見せてくれる。
ママは恥ずかしいから見ないようにって言うんだけど、こっそり知世おばさんちに行って見せてもらう。

そこに写っているママはへんてこりんな服(なんでも知世おばさんのオリジナルだそうだ)を着て、恐い怪獣みたいなのと戦っている。
けど、最後にはその怪獣を封じ込めてしまう。封じ込められた怪獣は少し大きめのカードになる。
そして、ビデオの中のママは弟の龍平にそっくりだ。
29CC名無したん:02/04/22 18:16 ID:cM7RV3c.
ママはいい匂いがする。
こうやって抱きしめられていると、そのいい匂いで気持ちよくなってくる。
いったい、なんの匂いだろう? シャンプーとか石けんの匂いかもしれない。
けど、僕はそれだけじゃないと思う。
ママは毎日お風呂に入ってるけど、お風呂に入らなくたって、きっとこの匂いのままだと思う。
この匂いは僕をいい気持ちにさせ、イヤなことがあってもすぐに直ってしまう。

これはママの魔法の匂いなんだ。
30CC名無したん:02/04/22 18:25 ID:Q6QbL/5.
(*´Д`)龍平たん萌え
31CC名無したん:02/04/22 19:05 ID:cM7RV3c.
さくら > すみれ(長女)
(ひらがな3文字、女子名、花の名前)
小狼 > 龍平(長男)
(「狼」と「龍」。)
人物名思いつかん。誰かヘルププリーズ。
32CC名無したん:02/04/22 19:58 ID:9/5.NwB6
関係ないけど小狼、婿養子キボーン
いや、なんとなく・・・・
33CC名無したん:02/04/22 20:08 ID:1gHncZOs
>>27
クラスの女の子達にはどうされている? >龍平
34名無し様☆:02/04/22 20:16 ID:c1ECMecc
僕的には「お人形姫様」とかあだ名がついてて、
親衛隊みたいな女のコがまわりにいそう。
35CC名無したん:02/04/22 21:10 ID:sPFYFcgQ
李龍華
36 :02/04/22 21:31 ID:bumaEfP6
個人的には木之本龍平がいいま・・
37CC名無したん:02/04/22 21:45 ID:cM7RV3c.
すみれは玄関を出て、玄関先においてあったセグウェイに足を乗せた。
発表当時は「ジンジャー」と呼ばれ、世紀の大発明とまで言われたセグウェイも
現在では子供向けの製品まで出ている。
彼女は自分用のセグウェイを今年のお年玉で買ってもらったのだ。

セグウェイに乗りながら、彼女はさっきつまんだいちごをほおばっていた。
今日は父が日本に帰国する日だ。だから祖父のうちにいけばひょっとしたら
父がいるかもしれない。

祖父の家は、彼女のうちとおなじ友枝町にある。祖父は考古学教授として、しょっちゅうどこかに出かけている。
ただ、祖父と同居している叔父が最近、大学で助教授に昇進し、そのお祝いをするということで、今日は祖父のうちにみんな集まることになっている。
それで彼女は一足早く祖父のうちに向かっているのだ。
38CC名無したん:02/04/22 21:46 ID:cM7RV3c.
途中で○○(仮名)に出会った。知世おばさんの子どもで、すみれたちと同い年だ。
彼女もきっと、祖父のうちに行くのだろう。
「あ、○○ちゃん。後ろに乗る?」
もちろん、セグウェイの二人乗りは禁止だ。
○○はほほえんで答えた。
「すみれちゃん、二人乗りはいけませんわ。わたしはゆっくり歩いていきますから、
すみれちゃんはどうぞお先に木之元のおじいさま宅へ」

けど、そう言われてはいそうねと言えるわけもない。
「え、いいよぉ。あたしもこれ、押していくから。一緒に歩いて行こ」

二人は並んで歩き始めた。
39CC名無したん:02/04/22 21:46 ID:cM7RV3c.
「今日もさ、龍平がまたいじめられてたみたいなんだけど…」
「そりゃあ龍くんは超絶かわいいですもの〜!!」
なんだかどこかで聞いたことのある口癖だ。親子なんだな〜と思うが、彼女は口に出さない。

「やっぱりあいつら?」
「さあ、わたしもそこまでは… 違うクラスですし。けど、おそらくそうでしょうね」

「なんでけんかも弱いうちの弟をああやっていじめるんだろう? 男のくせにさ」
「やっぱり、龍くんが女の子に人気あるからやきもち焼いてるんじゃないでしょうか?」
「う〜ん、確かにあの子は異様に女子うけがいいからなぁ」

彼女は以前あった体育の授業のことを思い出していた。
40CC名無したん:02/04/22 22:08 ID:bumaEfP6
この雰囲気癒されるyo〜
41CC名無したん:02/04/22 22:20 ID:cM7RV3c.
すみれと龍平はいまでは違うクラスになっているが、去年4年生のときまでは同じクラスだった。

その日の体育の授業では、100メートル走をおこなった。
もちろん、足の速い者に対してはクラスの女子がはやし立てて声援してくれる。
足の遅い者は当然ブーイングだ。
ところが、クラスでも1・2を争うほど足の遅い龍平が計ったときには、ブーイングはいっさい起こらなかった。
それどころか「龍くんかわいい〜!」とまで言われる始末だ。

まじめでおとなしい龍平はクラスの女子の間でもミニアイドル化している。
「木之本」と苗字で呼ばれずに「龍くん」と呼ばれる男子はクラスで彼一人だ。

そういうところが意地悪な男子の反感を買っているのかもしれない。
42CC名無したん:02/04/23 00:04 ID:LE7f50NU
さくら似で名前が龍平…………

……

…………しんきんぐ・たーいむ
43CC名無したん:02/04/23 00:05 ID:MCqeOcwU
木之本龍平・・ありがと
44CC名無したん:02/04/23 00:10 ID:bpEbWMPA
しかし小狼は長男だが婿養子なのか?
しかも李家はかなりの名家だぞ?

あ〜でも李家は女が家を継ぐっぽいからいいのか。
45CC名無したん:02/04/23 00:12 ID:MCqeOcwU
やっぱりお互い小狼くん、さくらって呼ぶのかな?
46CC名無したん:02/04/23 00:43 ID:bpEbWMPA
>>45
めちゃくちゃお約束だが

さくらはやはり子持ちになっても「小狼君」って呼ぶ、小僧は照れてぶっきらぼうに
「い、いいかげんその呼び方はよせ」
「ほぇ?だって小狼くんは小狼くんだよ」
満面の笑みのさくら、そのさくらをみて真っ赤になってそっぽをむく小狼
で、おませなすみれにそのことをからかわれて二人して真っ赤になる・・・
というベタベタな展開キボンヌ
47CC名無したん:02/04/23 01:58 ID:OvZkVE6A
>>46
ソレダ!!(・∀・)
48CC名無したん:02/04/23 11:17 ID:jrVpGT2o
くそー!!
 なら私もいっちょ書いてやるか!
 悪魔超人軍首領 超人強度1500万パワーのこの悪魔将軍の実力、見せてやる。

 さくらと小狼が結婚してしばらく、二人の間に二人の赤ちゃんが生まれていた。
 さくら似でやんちゃな性格の女の子と小狼似で割とおとなしい性格の男の子の双子の赤ちゃんだった。
 まったく正反対な二人も、ケロが大好きということはまったくいっしょだった。
 しかし、ケロにとってははた迷惑だったりする。なぜなら、二人ともケロと遊ぶときは
 いつもケロの耳や尻尾、羽などを引っ張ったりするのだ。
 今日もケロは二人の赤ちゃんに追いかけられている。
 「あー、くるなやー。」
 
 つづく・・・・・・かも?
49悪魔将軍:02/04/23 11:19 ID:jrVpGT2o
>>48 あっ!
 名前書き忘れた。
50CC名無したん:02/04/23 21:01 ID:VKk8lGfQ
すみれたちは木之本家に着くと、乗ってきたセグウェイを玄関先に停め、チャイムを押した。するとすぐに家の奥から「おはいりなさい」と声が聞こえた。祖父の声だ。
すみれと知美(=園美+知世÷2)は靴を脱いで廊下にあがり、少し先にある居間に入った。

父がいた。
父の姿を見るやいなや、すみれはウサギのように飛び跳ねて父に抱きついた。
「パパ! おかえりなさい!」

父はほっそりとした体つきだが、すみれに飛びつかれたくらいではぐらつかない。
父はにっこり笑いながらすみれに答えた。
「ただいま、すみれ」
そのあとこっそりとすみれの耳元にささやいた。
「連れてきたよ。いま、地下室にいるから」

父のささやきを聞くと、すみれはますますうれしそうに父の首もとをぎゅっと
抱きしめ、そのあと父から離れて知美のそばに戻った。
知美はその間、父娘の再会をにっこりと見つめていた。
51CC名無したん:02/04/23 21:01 ID:VKk8lGfQ
「叔父さんは?」
すみれは祖父に尋ねた。
「まだ大学から帰ってないけど、もうじき戻りますよ」

とそのときちょうど、ドアの開く音がした。
叔父が帰ってきたのだ。
どたどたと大きな足音が近づいてきたかと思うと、すぐに大きな叔父の姿が
居間に現れた。身長190cmはある。
「叔父さん、おかえりなさい!」

叔父はすみれの顔を見るや、
「よぉ、ひさしぶりだなぁ ちょっとは大きくなったか?」
と言ってきた。
すみれはうれしそうに叔父を見つめ、
「うん。こないだ身体検査があってね、また背、伸びたよ」

「おお、こりゃすごいな。そのうち俺まで身長抜かれちまいそうだな」
と叔父は笑って答えた。
52CC名無したん:02/04/23 21:03 ID:VKk8lGfQ
そのあとみんなでわいわいにぎやかにしゃべっていると、またドアが開く音がした。
母と龍平がやってきたのだ。
どすどすと怪獣のような大きな音を出していた叔父とは違い、ぱたぱたと音が近づいてくる。

母が居間に入ってきた。父と目が合った。

「おかえりなさい! 小狼くん!」
母はそう言って、父に抱きついた。
父は明らかにうろたえ、顔を真っ赤にして母を引き離そうとしたが、
母はしっかりと父に抱きついて離れない。
「おい、い、いいかげんその呼び方はよせ」

しかし、母はきょとんと不思議そうな顔をして父に問いかける。
「ほぇ? だって小狼くんは小狼くんだよ」

そうやって抱き合っている両親の姿は見慣れたものなのか、
「ねぇ、しゃ・お・らん・くん、お願いがあるんだけどぉ」
すみれが父に甘ったるい声でおねだりしはじめた。

「す、すみれ、汚いぞ」
父はさっきまでの落ち着きはどこへやら、娘のからかいにもうろたえ、
顔を真っ赤にしてしどろもどろだ。
「わ、わかった。今度教えてやるから。今日はかんべんしてくれ」

すみれはその返事を聞くと満足そうに顔をほころばせ、今度は父の声色を使って母に言った。
「ほら、さくら。もういいからやめろよ」

父に抱きついていた母も娘の声色を聞いてさすがにはっとして父から離れ、二人とも顔が真っ赤になってしまった。
しかし、このうちではこの夫婦のこのような行為はいつものことである。
その場ではからかうが、いつまでもからかい続けるようなものではない。
53CC名無したん:02/04/23 21:55 ID:t6F8Lpgg
●炉裏の里●
http://www.roricom.mainpage.net/
更新
54CC名無したん:02/04/23 22:33 ID:UJZblai2
小狼とさくらの子供が
後に世界一の騎士になるといいのに
55CC名無したん:02/04/23 23:24 ID:VKk8lGfQ
叔父さんはすごい人だ。
背が高くてハンサムで、しかもあの若さで大学助教授だ。
僕のパパと比べてもひけをとらない。
けど、一つだけ欠点がある。
ちょっといじわるなところがあるんだ。

今日は叔父さんの助教授昇進のお祝いで、祖父のうちに集まった。
叔父さんはかなりのスピード出世で、なんか難しい学問をしている。
学会でも評価されているらしい。

少し酔った園美大叔母さんが叔父におせっかいをはじめた。
「あんたも助教授になったんだから、いい加減結婚なさいよ。
一日中研究室に閉じこもって女性との出会いもないんでしょう?
そんな生活続けてるからいい年齢(とし)になっても結婚できないのよ」
56CC名無したん:02/04/23 23:25 ID:VKk8lGfQ
叔父は少しクスッと笑って、ソファの隣に座っていた姉の頭をポンポンとたたいて言った。
「いや〜、たしかに研究室に閉じこもってるし、女性との出会いもない生活ですよねぇ。
けど、そうなったら、すみれを嫁にもらいますよ。
な、すみれ、叔父さんのお嫁さんになってくれるよな?」

こういう叔父さんだ。
それまでうるさいくらいににぎやかだった姉は、叔父のその言葉を聞くや顔を真っ赤にしてうつむいて黙り込んでしまった。
みんな姉の気持ちは分かっている。叔父もそれは分かっている。

叔父さんはちょっといじわるだ。
そこだけがうちのパパより悪いけど、それ以外はとてもすばらしい人で、僕のあこがれだ。
57CC名無したん:02/04/23 23:26 ID:VKk8lGfQ
すみれは知美と龍平を連れて地下室に行った。
このうちにはなぜか地下室があり、そこは祖父の書庫になっている。
あまり遊び道具のない祖父のうちで、子供たちが探検ごっこのできる場所として地下室は人気があった。

すみれが地下室のドアを開けると、電気はついておらずまっくらだった。
彼女が部屋の電気をつける。
「よぉ、ひさしぶり〜〜!!」
関西弁のイントネーションが聞こえてきた。
「ケロちゃんだ!」
一緒にいた龍平がうれしそうに叫んだ。
知美もにっこりしながら、
「おひさしぶりですわ。ケロちゃんさん」

そこには黄色い小さなぬいぐるみが、羽根をふるわせて宙に浮かんでいた。

「ほんまにおまえらおおきなったなぁ…
おまえらが赤んぼのころなんて、ワイはえらい目にあったもんやで。
なにせおまえらワイの耳とかしっぽ、羽根まで引っこぬこうとするもんなぁ
来るなっちゅうてもおまえらワイのあと追っかけ回して…」

すみれがにっこり笑って言った。
「まあ、小さな赤ん坊のすることなんだし。悪気はなかったのよ。ごめんね」
58CC名無したん:02/04/23 23:44 ID:bpEbWMPA
読者の意見ををうまいこととりこんでいくインタラクティブSS!!
おいらの駄文も反映されていてちょっと感激
59健全なさくらヲタ ◆OrVgkBbo:02/04/24 00:06 ID:DIfmlyhk
これスレ(・∀・)イイ
60CC名無したん:02/04/24 00:29 ID:IatEaLGk
ここは・・・砂漠の中の・・オアシスだね(感涙
61CC名無したん:02/04/24 00:30 ID:HHSj2DpA
桃矢と雪兎のその後キボンヌ

半同棲状態で神話学か何かの共同研究中。
で、...
だ、駄目だ、続かない...想像力がない...鬱
62CC名無したん:02/04/24 00:35 ID:ruZBdYOE
 | |                   /' ̄ ̄\
 | |                /:/
 | |      __, -――- 、_  ,|:/
 | |   \ ´   ̄ ̄二ー、_ヽ |:::|,-─-..、_
 | |        _/ ::::::__,`::::ヾl::r' ̄ー、\
 | |  \   /:_;;-'/ ::::__::::::::::::、' ̄l、::::::\\,―、
 | |     /,'‐':::/::..;/;;/;:r:::l::: \:;;::|::::  .:|⌒)___)
r===-、 ̄  /:// :/::../ /| i ヾ   ..i|:  .::|ー'ヾ \
|r―、| |   /:イ:::::i:::/:..::;イ:::./ |. |::..::.|、..::::::| ..:::::::|i 、   \
|;;;;;;;;;|| |  |/ |rー|:/i::/,-|- | |;' l ─|、|::::::||:::::::::::::| |    トゝ
二二ー'      |/-|i  |  | ヽ  ,r‐、\:|'|::::i:::::::|ー`y⌒ヽ|
ヾ::;;:::ノ     /::|::::ヽ ,=、     0i  |' |:::::|::::::i-、:|
   ̄     //::/:::i::|    、   ー'   |:::/:::::/ ) l'   _____
        |'|::;|::イ:::、''''  ー‐   ''''  /;;ノi::;:/イ:|  /
         |/i' |r'' i\  ー'   _, イ/::/::/|::;/:| < そんなあなたに
     |ヽ、__     _`  ー _'l    |;/:;ノ |ノヾ|  \ ちんこむぎゅ〜ぅ♪
     |   ̄ l  ヽ ̄ ̄ ̄/!   /'-' \_     \
      |   __ | /:::| i i /    /   ___ノノ\_     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      ,|/ __`) |/::::::ト ヽヽ|、__/ _,r'二ニ-- ',-―、ゝ_
__________ / //`l_|::::::/\_ i//一'_ -―/: ̄::::::;r' ̄ 〕___
_______/||  ̄ _/7::::::::|:::::::|Y_、____'_____//:::::::::::::/ r‐ ' ___)
三三|彡|\   ')::::::::|::::::/、__〕::::::::::::::::::〈:::::::::__/ ´ j ̄ト、
三三|彡|  Tー'::::::::/:::::/  |:::::::::::::::::::::::ヽ:〔 __, -' ー'ノj
63CC名無したん:02/04/24 00:37 ID:ruZBdYOE
 | |                   /' ̄ ̄\
 | |                /:/
 | |      __, -――- 、_  ,|:/
 | |   \ ´   ̄ ̄二ー、_ヽ |:::|,-─-..、_
 | |        _/ ::::::__,`::::ヾl::r' ̄ー、\
 | |  \   /:_;;-'/ ::::__::::::::::::、' ̄l、::::::\\,―、
 | |     /,'‐':::/::..;/;;/;:r:::l::: \:;;::|::::  .:|⌒)___)
r===-、 ̄  /:// :/::../ /| i ヾ   ..i|:  .::|ー'ヾ \
|r―、| |   /:イ:::::i:::/:..::;イ:::./ |. |::..::.|、..::::::| ..:::::::|i 、   \
|;;;;;;;;;|| |  |/ |rー|:/i::/,-|- | |;' l ─|、|::::::||:::::::::::::| |    トゝ
二二ー'      |/-|i  |  | ヽ  ,r‐、\:|'|::::i:::::::|ー`y⌒ヽ|
ヾ::;;:::ノ     /::|::::ヽ ,=、     0i  |' |:::::|::::::i-、:|
   ̄     //::/:::i::|    、   ー'   |:::/:::::/ ) l'   _____
        |'|::;|::イ:::、''''  ー‐   ''''  /;;ノi::;:/イ:|  /
         |/i' |r'' i\  ー'   _, イ/::/::/|::;/:| < そんなあなたに
     |ヽ、__     _`  ー _'l    |;/:;ノ |ノヾ|  \ ちんこむぎゅ〜ぅ♪
     |   ̄ l  ヽ ̄ ̄ ̄/!   /'-' \_     \
      |   __ | /:::| i i /    /   ___ノノ\_     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      ,|/ __`) |/::::::ト ヽヽ|、__/ _,r'二ニ-- ',-―、ゝ_
__________ / //`l_|::::::/\_ i//一'_ -―/: ̄::::::;r' ̄ 〕___
_______/||  ̄ _/7::::::::|:::::::|Y_、____'_____//:::::::::::::/ r‐ ' ___)
三三|彡|\   ')::::::::|::::::/、__〕::::::::::::::::::〈:::::::::__/ ´ j ̄ト、
三三|彡|  Tー'::::::::/:::::/  |:::::::::::::::::::::::ヽ:〔 __, -' ー'ノj
64悪魔将軍:02/04/24 14:44 ID:U.eBbFMY
久しぶりに帰ってきたらだいぶ進んでいるな。
 と、いうわけで

 「ケロの逆襲」
 最近ケロはあることに熱中していた。
 それは筋力トレーニングである。ケロはいつもいつも赤ちゃんにしてやられている。
 かと言って真の姿になって脅かしたりすると、赤ちゃんは泣き出し、そのことでさくらにおこられる。
 ゆえに仮の姿の状態で赤ちゃんに勝つため、ケロはトレーニングに励んでいるのである。
 「ふー、今日はこの辺でいいやろー。われながらかなりガッチリして来たなーわいの体。これならあの赤ん坊らにも勝てるかもしれへんなー。」
 噂をすればなんとやら、赤ちゃん登場。
 「け〜、け〜ろ〜。」
 赤ちゃんはケロと遊びたがっていた。
 「今日こそはお前らの好き勝手させへんでー!!。」
 ケロは赤ちゃんに飛び掛った。

 1分後
 「あー!やめやー!!。」
 ケロは見事に遊ばれていた。
 続く・・・・かもしれない。
 
65悪魔将軍:02/04/24 15:05 ID:U.eBbFMY
ちなみに、私が考えたさくらと小狼の子供たちは・・・・

 桜狼(オウランと読む。最初はテキトーに二人の名前をくっつけてつけた名前だが、今はかなり気に入っている。
   さくら似の女の子で、さくらをもっと好戦的にしたような性格だが、けして悪い人間じゃない。さくらに死ぬほど似た
 外観をしているわりに、魔法の才能が無い。そのかわり、メカにめっぽう強い。機械いじりというこの年頃の娘としては変わった趣味を持つ。
 このキャラを考えた当時、自分はメダロットにはまりまくっていて、桜狼のパートナー役としてメダロットを起用しようと思ったときもある。
 作品違うけど、同じ講談社だし。)
 
 小零(シャオレイと読む。小狼似の男の子。とてもおとなしくて、気が弱く、泣き虫、が、めっぽう強いという
 矛盾しまくりなキャラ。桜狼もケンカは強い方なのだが、小零はもっと強い。
 小零が小学校に入学したばかりのころ、学校の不良っぽいのが、気が弱いという理由で小零をいじめるが、
 その後、そこにあったのは、泣きじゃくる小零と、ボコボコにされてぶっ倒れている不良たちだったという。)

今思うとこのネタはこのスレッドを立てた時真っ先にやればよかったと今すっごく後悔している。

 
66CC名無したん:02/04/25 00:01 ID:c3b3l1Gg
nice揚げ。職人さんガンバ!このスレ大好き。
67CC名無したん:02/04/25 00:06 ID:.0L09y5E
68CC名無したん:02/04/25 00:30 ID:Iy.le8HI
子供が20、30になっても
さくらたんがいつまでも10歳のままで対面していると
面白そう。

自分の親が自分より若かったら・・・なんて考えた事ない?
69CC名無したん:02/04/25 00:44 ID:GK3BVh.M
>>68
たしかにおもしろそうだが、それはまた別の話だろう
70CC名無したん:02/04/25 01:36 ID:AND4nv0o
>>68
ん〜がんばってくらはい。

私はついて行けないので。
71 :02/04/25 05:02 ID:SCiEauoA
ってコトは、大人の小狼と10歳のさくらたんがハァハァ?
ハァハァ・・・
72はぁはぁ:02/04/25 05:52 ID:b/afV9Ps
http://www.tomato-sato.fans-club.com/
炉(゚∀゚)ノ  プチ★とまと
更新してたよ
73悪魔将軍:02/04/25 15:08 ID:jluULMXU
最近正義超人との戦いで忙しく、ネタがない。
というわけで、だれかこういう話かいてくれ。

 「赤ちゃんとケロの大冒険」
 自分の家の中はどうなっているのか気になった赤ちゃんがケロを背中に乗せて、案内役にし、
 家の中を探検する。
74CC名無したん:02/04/25 23:47 ID:nlPulzIc
わがままに
75CC名無したん:02/04/26 11:36 ID:jawSjQK6
>>61

祖父のうちには雪兎おじさんも来ていた。
雪兎おじさんは大学ではまだ専任講師だけど、近いうちに桃矢叔父さんとおなじ助教授になる。
僕は雪兎おじさんが好きだ。
もちろん桃矢叔父さんも好きだけど、雪兎おじさんはとてもやさしいし、なによりもいじわるじゃない。

「で、教授就任論文の件なんだが…」
叔父さんが話し始めた。
園美大叔母さんは
「なぁに? あんたもう教授になるつもりなの? 」
とあきれたように言った。
76CC名無したん:02/04/26 11:36 ID:jawSjQK6
叔父さんは僕のとなりに座っている雪兎おじさんの方をちらっと見た。
「雪のヤツと共同でしようと考えてる。
こないだ雪が紀要に発表したクレタ線文字Aの解読試論を読んだんだが、
どうやら線文字A文書の中にはアガメムノーン伝説群が含まれている可能性があるらしい。
で、これはかなりおもしろいテーマになると直感したんだ。
しかもクレタ文明はトロイアと同じくアカイア人に滅ぼされてる。
クレタ版イーリアスのような叙事詩が残されている可能性だってあるわけだ。

そもそも俺の専攻してる神話学ってのは、現存の諸民族の神話の比較対照ばかりしてるわけだが、
滅亡してもはや存在しない民族の神話に、現在世界でもっともポピュラーな神話群がそのルーツを求めることができるかもしれない。
これってすごくおもしろいことじゃないか?
ストロースやデュメジルの研究を訳すだけが神話学じゃない。
とりあえず、イーピゲネイア伝承についてから研究をはじめてみようと考えてる」
77CC名無したん:02/04/26 11:36 ID:jawSjQK6
祖父がほほえんだ。
「では、言語学と神話学の幸せな結婚から、木之本教授が誕生するというわけですね?」

叔父さんたちが何を言っているのか、僕にはさっぱりわからない。
隣で聞いてた姉も僕同様にさっぱりらしく、ぽかんとしていた。
けど、雪兎おじさんと共同研究するってことを聞いたときはビクッとした。

やっぱり、「噂」があるからなぁ…
よりによって雪兎おじさんと共同研究なんて、お姉ちゃんにいじわるしてるとしか思えない。
けど、桃矢叔父さんと雪兎おじさんは、いまじゃT大文学部の若手二枚看板なわけだし、二人の関係は学問上でのことだけだよ。きっと。

僕は雪兎叔父さんが好きだ。
けど、弟として、こういうときやっぱり僕は姉の味方をすべきなんだろうなぁ。
78あぼーん:あぼーん
あぼーん
79CC名無したん:02/04/26 17:10 ID:jawSjQK6
>>32 >>44(こうすればいい?)
>>54(騎士は無理だった。剣士でかんべん) >>65(名前サンクス)

翌日、すみれは龍平を連れて近くの公園に出かけた。
しかし、龍平はしょんぼりしている。
彼の嫌いな剣術の練習なのだ。

父は香港の李一族の正式後継者だ。妻は日本人だが、この時代の法律では二重姓が認められ、妻と子供たちは「李‐木之本」という姓を名乗っている。
つまりこの一家には、日本においては木之本、香港においては李という二つの苗字があるのだ。
香港では木之本すみれは「李 桜狼」、木之本龍平は「李 小零」という名前を持つ。

そして父も、二つの生活をこなし、毎週のように香港と日本とを往復している。
香港では李一族の若き総帥、日本では木ノ本家の父親を務めている。
普通では耐えられないほどハードな生活だが、彼は一族のために香港に単身帰国したり、妻子のために日本に永住したりするまねはしなかった。
彼にとっては、一族に対する義務と、妻子に対する愛情とは両立すべきものだった。
80CC名無したん:02/04/26 17:10 ID:jawSjQK6
>>32 >>44(こうすればいい?)
>>54(騎士は無理だった。剣士でかんべん) >>65(名前サンクス)

翌日、すみれは龍平を連れて近くの公園に出かけた。
しかし、龍平はしょんぼりしている。
彼の嫌いな剣術の練習なのだ。

父は香港の李一族の正式後継者だ。妻は日本人だが、この時代の法律では二重姓が認められ、妻と子供たちは「李‐木之本」という姓を名乗っている。
つまりこの一家には、日本においては木之本、香港においては李という二つの苗字があるのだ。
香港では木之本すみれは「李 桜狼」、木之本龍平は「李 小零」という名前を持つ。

そして父も、二つの生活をこなし、毎週のように香港と日本とを往復している。
香港では李一族の若き総帥、日本では木ノ本家の父親を務めている。
普通では耐えられないほどハードな生活だが、彼は一族のために香港に単身帰国したり、妻子のために日本に永住したりするまねはしなかった。
彼にとっては、一族に対する義務と、妻子に対する愛情とは両立すべきものだった。
81CC名無したん:02/04/26 17:11 ID:jawSjQK6
父はその李一族に伝わる剣術の達人であった。
おそらく、世界でも有数の剣の使い手である。

そのような人物を父に持つすみれは、いずれ自分も世界一の剣士になりたいと願い、以前から父に剣術の手ほどきを求めていたが、父は危ないからと言ってどうしても教えようとしなかった。
それが先日のハプニングのどさくさで、父から「(剣術を)教える」という返事を引き出すことに成功した。
そこで今日は父の特訓に先立ち、自分たちだけで見よう見まねの剣術の練習を始めることにしたのだ。

すみれは元気よく弟に話しかけた。
「さあ、龍平! あんたもこれで強くなって、あいつらなんて一発でやっつけちゃえるからね」

弟は悲しそうな顔をして黙りこくっていた。彼は自分がいじめられてつらい思いをしているのだ。
そんな彼がどうしていじめっ子といえども人に痛い目に遭わせることができるのだろうか?

姉はそんな弟の気持ちなどおかまいなく、ビニール製の剣で弟をたたき始めた。
「さぁさぁ、龍平もたたき返しておいで!」
しかし、少年は姉にたたかれるまま、いっさい反撃しなかった。

しばらく弟をたたき続けたすみれは、いったん攻撃の手を休めた。
そのとき、弟が小さな声でつぶやいた。
「もうやめようよ。お姉ちゃん…」

姉は弟の言葉をきいて、しばらくじっと立ち尽くした。少しもの想いにふけっていた。
しばらくして、手にした剣を下に垂らしたまま、弟に言った。
「そだね、もう、やめよっか。もうじきごはんだし、うちに帰る?」
弟は姉の言葉を聞いて、にっこり笑った。
二人ともそれ以上一言も話さなかったが、お互いに理解っていた。

姉弟はゆっくりと家路についた。手をつなぎ、姉は弟に引っ張られるようにして帰っていった。
夏が近づき、夕方でもややむしばむほどだったが、外はもう真っ暗になっていた。

その日以降、もはやすみれが父に剣術のことをたずねることも、いじめっ子たち相手にけんかすることもなくなった。
82CC名無したん:02/04/26 17:25 ID:3dinQn7o
ところでこのふたり、魔力の方はどうなの?
血筋からいくとまさにサラブレットだよね?
83ww:02/04/26 19:39 ID:Ydb4/ZrE
84ww:02/04/26 19:39 ID:Ydb4/ZrE
85CC名無そたん:02/04/26 23:58 ID:iR.aoz62
そこに見えるのはホーリンマイハート!!
86CC名無したん:02/04/27 07:59 ID:pjOJQQtA
レメディオスの日

その日、龍平は学校を休んだ。朝から顔色が蒼白く、起きあがれなかった。
すみれは一人で学校に行った。彼女がお昼過ぎに帰宅すると、龍平は庭で横になっていた。
庭には小さな長いすがおいてあり、そこにシーツを敷いて龍平はその上に寝ていた。
すみれは龍平のそばの折りたたみいすに座り、たわいないおしゃべりをしていた。
しかし、なぜか龍平の顔色が悪いのがかなり気になっていた。

通りかかった母も龍平の顔色が透きとおって見えるほど異様に青白いことに気づいて、
「まだ具合悪いの?」と尋ねた。
すると、シーツの向こうはじを持った龍平は、微笑を浮かべて答えた。
「ううん、その反対だよ。こんなに気分のいいのは初めて」
龍平がそう言ったとたんに、母は光をはらんだ弱々しい風がその手から
シーツを奪って、いっぱいにひろげるのを見た。

龍平の身体は真っ白いシーツに覆われたまま、ふわりと宙に浮かび上がった。
すみれたちはあっけにとられた。
87CC名無したん:02/04/27 08:00 ID:pjOJQQtA
呆然とするあたしたちをおいて、龍平の身体はどんどん宙高く浮かんでゆく。
ママはへたりこんでしまった。
あたしもどうしたらいいかわからず、ただただ龍平が小さくなっていくのを見守るしかなかった。
どんどん龍平の姿が小さくなってゆき、ほとんどごまつぶくらいの小ささになってしまった。

そのとき、突然後ろから声がした。
「ほら、さくら! カードキャプターの出番や!」
ケロちゃんだった。
その声で我に返ったママは、ただちに胸のペンダントをとった。
ペンダントは大きな杖に変化した。以前、知世おばさんのうちのビデオに映っていたあの杖だ。
ママはその杖にまたがって空を飛び始め、龍平を追いかけていった。
ママの姿はすぐにごまつぶのように小さくなり、龍平のつぶと重なった。
二つの黒い点が重なると同時に、落下し始めた。

突然、チカッと小さな光が見え、小さな黒点は消え去ってしまった。

その間、あたしは龍平が飛んでいくわ、ママが杖に乗っていってしまうわで、あまりのショックになにもできなかった。
88CC名無したん:02/04/27 08:00 ID:pjOJQQtA
さくらが戻ってきた。
ぐったりした龍平をつつみこむように、シーツが宙に浮かんでいる。
ようやくのことで、さくらは「浮(float)」のカードを手なづけたのだ。

さくらは娘に言った。
「やっぱり、カードの仕業だったのね。
「浮(float)」のカードがいたずらして、龍平を連れて行こうとしたのよ。
けど、もう大丈夫。
カードはうまく手なずけたし、龍平もぐっすり眠っているわ。」

弟が無事に帰ってきたのをみて安心したのか、すみれはぼろぼろ泣き出した。
「あたしはなにもできなかった。龍平が連れて行かれそうになってたのに、あたしはぼんやりしたままなにもできなかった。」
すみれはしゃがみこんだまま、両手で顔を覆って泣きじゃくった。
89CC名無したん:02/04/27 08:00 ID:pjOJQQtA
母はすみれの頭に手を乗せ、嬉しそうにほほえんだ。
「いいのよ。すみれちゃん。
あなたはそういう強い思いを持っているんだから、これからはあなたが龍平を守ることができる。
そう、これからはすみれ、あなたがカードキャプターになるのよ」

そう言って、母は自分のペンダントをはずした。
そして手にしたペンダントをすみれの首に回し、彼女のうなじのところで金具を止めた。
カードキャプターの杖だ。
いまではその杖が彼女のものになったのだ。

ケルベロスが叫んだ。
「そうや、これからはすみれがカードキャプターになるんや!」
90CC名無したん:02/04/27 13:12 ID:0vePO0Fc
いい感じだね。新カードキャプター誕生。
でも、同時にさくらや小狼の活躍もみたいな。
これだけ魔法使いがいれば、大技も出せそうだし。
91CC名無したん:02/04/27 14:30 ID:UelASh8M
>>87
>その杖にまたがって空を飛び始め、
ということは、さくらカードではなくてクロウカードのフライですよね?
またカードがちらばったのかな?
92CC名無したん:02/04/27 15:12 ID:QV40uYl.
だいぶ前にチャーハン(五目チャーハンだったか?)のスレにあったやつで、
さくらちゃんの肉を知世ちゃんに食べさせて魔力引き継ぐとかいう話を思い出したよ。
93CC名無したん:02/04/27 17:51 ID:bY4cR8Cs
>>90
知世ちゃんもプリーズ
でもさくらや小狼は表にでないで陰からふたりにきづかれないようにサポートというのがいいな
94コドモ?:02/04/27 18:45 ID:GIUyV.Dc
10歳〜14歳が中心

http://www.omankowo-peropero.jp-homepage.com/
少女のおしっこ丸見え!見たらビクリするYO! 
95CC名無したん:02/04/27 18:51 ID:ISftvnoU
>>94
氏ね。
96CC名無したん:02/04/27 19:39 ID:V4eu8b0.
逝って良し
97CC名無したん:02/04/28 12:43 ID:759Tf0uo
>>94
2℃と来るな!!

あの・・いろいろな設定をチラつかせるよりももっとシンプルにほっとするような話がいいです。
98CC名無したん:02/04/28 12:47 ID:jN2G/9EY
コドモオオトカゲ
99悪魔将軍:02/04/30 11:29 ID:6zc2Iy7c
さくらの子供が2代目カードキャプターになるという設定は自分的にはどうかと思う。
なぜならそーしようとすると、さくらを殺さねばならん。
 少なくともさくらが生きているうちはカードは散らばらんのだから。
 孫やひ孫の代でやるのならまだわかるが・・・・。

と、いうわけで。
 「赤ちゃんとケロの初めての出会い。」
 さくらが双子の赤ちゃんを産んで、しばらく。さくらの体力が回復したので、退院して赤ちゃんをだいて家に帰ってきた。
 そして、小狼が用意したベビーベッドに赤ちゃんを寝かせた。
 すると、ケロがやってきた。
 「さくらの子供ってどんなや〜。」
 まずさくら似の赤ちゃんを見て、
 「わ〜、さくらにそっくりで可愛い赤ん坊やな〜。」
 しかし、小狼似の赤ん坊を見た時、
 「わっ!小僧そっくりで憎たらしい顔しとるで。」
 「ケロちゃん、二人に意地悪しちゃだめだからね。」
 さくらがケロにこう言うとケロは、
 「せーへんせーへん。」
 と自身ありげに答えた。と、そのとき
 「ばぶ〜。」
 ビダーン!!
 突然さくら似の赤ちゃんがケロの尻尾をつかみ、そのまま地面にたたきつけたのだった。
 その日から、ケロの地獄が始まった。
 
 「け〜、け〜ろ〜。」
 「あー!!、くるなやー!!。」
100CC名無したん:02/04/30 12:03 ID:itHvA1Sc
100!
                 _ー ̄_ ̄)’
          ∧ --_- ― = ̄  ̄`:, 
         , -'' ̄  = __――=',
        /  _-―  ̄=_  )"
       /   ノ  ̄_=_  ` )),
      /  , イ )    _ ) ̄=_) _)
      /   _, \  )_ _ )=  _)
      |  / \  `、     = _)    
      j  /  ヽ  |          
    / ノ   {  |        
   / /     | (_        
  `、_〉      ー‐‐`     
101ブライト:02/04/30 16:20 ID:.RXMs3mg
>>100
そこ!なにやってんの!!
102CC名無したん:02/04/30 17:37 ID:KtqieQiI
>>101
これは右のジャブ・・ということは。
わかった>100はサウスポーだ!!
103CC名無したん:02/04/30 17:39 ID:KtqieQiI
>>99
連続カキコで悪いが、さくらが魔力を失うってゆう設定にすれば?
104CC名無したん:02/04/30 17:54 ID:d56taA7M
父よ!
・パチンコ行き過ぎ
・親だっていうのわかるけど私に対して口
 出ししないで
・事あるごとに私に突っかかるな。
・手をあげるな
・たまには息抜きしてください
・男は仕事、女は家庭という考えは止めて
 ほしい。女だからはもううんざりだ
・そろそろ子離れしてください
・すぐに怒るな、冗談を受け止めてくれ
・休みの日にどこかへ連れて行って
・はっきり言ってうざい でもご苦労さん
・酒とたばこをやめてくれ 身体壊すぞ
・毎日遅くまで働いてくれてご苦労様
・もっと家族サービスしろ
・朝ご飯食べた方がいいよ
・いつもご飯を作ってくれてありがとう
・母の味方ばかりしないで
・もっと家での立場をあげて
105CC名無したん:02/04/30 17:54 ID:d56taA7M
母よ!
・私の話最後まで聞いて!
・干渉しすぎないで
・1人でいいこぶるな
・毎日朝早く起きてくれてありがとう
・これからも色々相談にのってね
・あんま話しかけるな
・仕事頑張ってください
・毎朝朝から夜まで仕事頑張って家事も頑 張ってありがとう
・毎日毎日家のことご苦労様
・もう高校生なんだからあまりうるさく言 わないでくれ
・あまり怒るな
・小遣いアップ期待してます
・電話の内容聞かないでよ
・同じ事を何回も繰り返さないで
・人生を語ってくれてありがとう
106CC名無したん:02/04/30 17:55 ID:d56taA7M
弟よ!
・もう少し1人で行動できるようになって
・ちょっと生意気だよ
・言うことを聞け
・もっと周りのことを考えろ
・恐がらないでくれ
・強くなれ 背のびろ
・もう少しみんなの言うことをきいて利口に なれ
107CC名無したん:02/04/30 17:56 ID:d56taA7M
・メダカよ!卵をうんでくれ!
・自分よ!両親を困らせ、何事も怠け家でも遊んでいるのでもっとしっかり行動しましょう
・犬よ!いつもうるさいですね もう少し静かにしてください
・おばあちゃんへ!いつも気配りしてくれてありがとう
108CC名無したん:02/04/30 19:12 ID:RTfIxof6
>>102
フラッシュピストンマッハパンチだろ
109CC名無したん:02/05/01 19:56 ID:qCZYEr2w
age age age
110CC名無したん:02/05/01 21:14 ID:i7WjInpI
なぜ小狼に体を許してしまったのか? 
とさくらは激しく苦悩し、自分を責め続ける。
強く拒めば逃れられたかもしれないし、
兄に助けを求めることも出来たかもしれない。
だが、性欲を漲らせた男を初めて目の前にした恐怖に身は凍りつき、
何よりも羞恥のために声を上げることさえ出来なかったのだ。
それに、両胸を掴まれ、愛撫されたとき、
急に全身の力が抜けてしまったことも思い出された。
小狼の意のままになりたくない、その体を跳ねのけたいと思いながら、
自分の体が熱くなってゆくのを感じていた。
心とは裏腹に小狼の愛撫に反応してしまう自分の体に、
裏切られたような憤りを覚えた。
小狼に対する恨みは今もなお心の中に渦巻いている。
そのくせ、夜、ベッドに横たわっていると、
小狼に犯されたおりの、体の異様な火照りが甦ってくる。
何かの拍子で衣服が乳首に触れたりすると、
その部分に疼くような感覚が湧く。
思わず、胸を両手で掴むこともあった。
111CC名無したん:02/05/01 22:53 ID:v5CUQ0ZE
さくらと小狼って結構子供多くつくりそう。
小狼5人強大だし。
112逝てーる君 ◆s4eG9gYg:02/05/01 23:11 ID:1x2vdnic
分娩中「はうぅーもうやだ。痛いよぅ、死んじゃうよぅ。もう絶対産まないもん」
出産後「ね。退院したら、女の子を作らない? (ポッ」
113CC名無したん:02/05/02 00:02 ID:R7j3yH.w
フリカエルアナタヲダキヨセテモウイチドキスシタカッタ
114CC名無したん:02/05/02 00:06 ID:67CUkZ0Y
>>112
ソレダ!!(・∀・)

とくに分娩中「はうぅーもうやだ。痛いよぅ、死んじゃうよぅ。もう絶対産まないもん」

萌え〜!!
115CC名無したん:02/05/02 00:09 ID:R7j3yH.w
>>114
そういや子供と一緒にウンコもらしちゃうひともいるよね?
116CC名無したん:02/05/02 00:09 ID:owuoeByQ
感動した!!
117CCルリたん。:02/05/02 00:29 ID:ntYlm3GQ
>>112
萌え。
118CC名無したん:02/05/02 00:37 ID:67CUkZ0Y
>>117
つうかマジでさくらたんがいいそうだよね!
119CC名無したん:02/05/02 02:13 ID:zfjetWnw
http://www.picture-tgp25.arepopular.com/
あわわ!激やば、、激炉。
120CC名無したん:02/05/02 10:59 ID:clWS8thE
良スレ崩壊の様相・・・
121悪魔将軍:02/05/02 11:38 ID:tz.wLOMU
よちよちよちよちよちよちよちよち

赤ちゃんが、ケロをとてもハイハイとは思えない
驚異的なスピードのハイハイで追い掛け回していた。

時間無いので今日はこれだけ。
122CC名無したん:02/05/02 12:24 ID:oJPczr3E
>>89もしくは>>99からの続ききぼん。

娘とさくら共存のシナリオで(w
123CC名無したん:02/05/02 13:30 ID:9/S1RMpE
>>122
同意。
124CC名無したん:02/05/02 19:30 ID:67CUkZ0Y
つか>>14タンはどこいった?
GWで彼女と旅行か?
125CC名無したん:02/05/02 23:29 ID:4wOAJX9U
なるほど
126CC名無したん:02/05/03 11:10 ID:IqOt0Tlo
さくらたんは、魔法の発動中は昔の姿にもどり(その方が魔力が強くなる)、
すみれたんと一緒に夜の友枝小学校で、カードを捕まえるというストーリーきぼんぬ。

若返ったさくらたんに、桃矢がそれと知らずにハァハァして、すみれたんが
どきどきするのもいいな。
127あぼーん:あぼーん
あぼーん
128名無したん:02/05/03 12:03 ID:K55II4v2
□□□□□■□□□□■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□■■□■□□■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□?%A
129126:02/05/03 12:56 ID:yYemQqwI
スマソ >>87 。後半書き換え。

その時、突然後ろから声がした。
「ほら、さくら!カードキャプターの出番や!」
ケロちゃんだった。
その声で我に返ったママは、ただちに胸のペンダントをとった。
「星の力を秘めし鍵よ!」
呪文を唱え始めると、ママの姿が変わった。知世おばさんのビデオに出ていた、
あのママの姿だ。
「フライ!」
ママは背中から白鳥のような羽を生やすと、ものすごい勢いで飛び立った。
「さくら!」
ケロちゃんも後に続く。

「ママ、ケロちゃん・・・」
あたしはなにもできず、そこにへたりこむだけだった。
130126:02/05/03 12:57 ID:yYemQqwI
ママとケロちゃんが戻ってきた。
ぐったりとした龍平を包み込むようにシーツが宙に浮かんでいる。
「龍平!」
あたしは龍平に駆け寄ると、ママと一緒に長椅子に寝かせた。
表情は落ち着いている。もう大丈夫みたい。
「ケロちゃん、」
ママの声がした。ママはまだ昔の姿だ。
「このフロートのカード・・・」
「あぁ、クロウのと似てるけど違う。これはクロウカードでもさくらカードでもない」
あたしも2人(?)に駆け寄った、「それに」引き付けられるように・・・
「ママ、ケロちゃん、あたし知ってるよ、この感じ」
「!!」
131126:02/05/03 13:28 ID:p35B3sZk
最近、友枝小学校では、ちょっとした事件が起きていた。
廊下や階段で、転んでケガをする生徒が増えていたのだ。
といっても、保健室で手当てすれば大丈夫な程度だったのだけど
ケガをした生徒はみんな
「転ぶ前に、靴が勝手に跳ね上がったみたいな感じがした」と
言うのが不思議だと、友達が話していた。
一度、龍平がケガをして返ってきた時に
「あんた、またいじめられたの?」
と問い詰めたら
「今日は違うよ」
と口をつぐんでしまったことがあった。
その頃からだ。あたしが校内で時々変な気配を感じるようになったのは。
そして、その気配が、今、ママが手にしているカードの感じととてもよく似てる。
「ひょっとして友枝小に、私の知らないカードさんが?」
ママが声をあげた。
「こりゃ、カードキャプターの出番や!」
ケロちゃんが応じる
「すばらしいですわ〜」
突然、お約束の声がした。
「知世ちゃん!」
「また、さくらちゃんの活躍を目にすることができるなんて超絶感激ですわ!」
「そして、すみれちゃんも超絶かわいいですわ〜」
「知世、わいのチョーかっこいい姿もぜひ撮ってや!」
お約束のやりとりにつきあいながら、あたしはこれから何か起こりそうな予感に
ちょっぴりわくわくしていた。
132神崎すみれ:02/05/03 21:13 ID:IHEKuz6c
さくらさん!これはどういうことですの!
真宮司さくら「すみれさん私にいわれましても、この話を作った人にでもいいませんと」
↑カードキャプターすみれですって。
私は神崎すみれ、あなたは真宮司さくらでしょう!
夫だ李だから、李すみれにでもなるのかしら?
母が李さくらで?
李なんて名字、紅蘭じゃないんですし。
どうにかなりません事?
133CC名無したん:02/05/04 01:20 ID:qoBZ3jmc
>>132
(・∀・)イイ!つっこみだ
134CC名無したん:02/05/04 11:10 ID:RFbyrrcE
Age ときます。
135李 紅蘭:02/05/04 20:31 ID:KPUY8JHY
小狼はうちの従兄弟の息子や!
136126:02/05/04 21:00 ID:36mPqfPk
その夜、3人(?)はセグウェイに乗って友枝小に向かっていた。
「いつも2人乗りはいけませんって言ってたじゃない」
「えへ。でも、今時ローラーブレードなんて流行んないじゃない」
昔の姿に戻ったママは、楽しそうだった。

やがて学校に近づいてきた。
「ほぇ?あの車・・・」
黄色い車が校門の前に止まっている。ママには見覚えがある車のようだった。
そしてその前にはボディガードと知美ちゃんがいた。
「こんばんは、さくらさん、すみれちゃん、ケロちゃんさま」
「知世ちゃんは?」
「母は、急にイギリスのホーリーツールからTV会議が入ってしまって・・・」
「そこって確かエリオル君の会社だったよね」
大道寺財閥の代表として、今日も忙しいらしい。
「はい、そこで代わりに私が参りましたの」
「知美ちゃん、この車ってひょっとして・・・」
「はい、おふたりのために用意したバトルコスチュームに着替えてください
というのが母からの伝言です。それに」
知美ちゃんの手には最新型のビデオカメラが握られていた。
「ほぇ〜なんでこうなるの・・・」
「知世に知られたらこうなるってわかりきったことやないか」
「はぅ」
ママとケロちゃんのやりとりは、ビデオで見たとおりだった。
137126:02/05/04 21:40 ID:ZfQCPY/o
やがてバトルコスチュームに着替ると、4人(さくら、すみれ、知美、ケロ)は
校内に入っていった。
「どや、わいのかっこ!」
ケロちゃんは、知美の前をポーズを付けながら進んでいく。
「感じるよ、ママ。こっちの方」
「うん」
・・・ポン、ポン、ポン・・・
校舎の中からぬいぐるみのようなものが跳ねてきた。
「ほぇ〜〜!幽霊!?」
ママは本当に怖がりだ。
「こいつは、思った通りや。ジャンプのカードや」
「え?」
突然、ぬいぐるみは大きく跳ねた。
「さくら、追うんや!」
「うん。ジャンプ!」
ママとケロちゃんは、ジャンプのカードを追っかけて体育館の方へ
跳んでいく。あたしと知美ちゃんは走って追いかけていくしかない。
「あたしも魔法が使えたら・・・」
その時、あたしのピアスが少し光った事を、あたしは気が付かなかった。
138126:02/05/04 21:41 ID:ZfQCPY/o
ようやく、あたしたちはママたちに追いついた。
「風よ!戒めの鎖となれ!ウィンディ!」
ウィンディのカードによって、ジャンプが捕らえられる。
「今や!封印するんや!」
「うん!」
ママの足元に魔法陣が現れた。
「汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カー・・・キャア!」
ママが弾き飛ばされた。違う、ママが自分の意志と関係ない方向にジャンプしたのだ。
「あかん!発動中のカード同士が干渉しおった!」
真の姿に戻ったケロちゃんは、ジャンプのカードを押え込む。
ママは、まだ自分の力でジャンプの方向をコントロールできない。
「すみれ、こうなったら、すみれが封印するんや!」
「封印って、あたし魔法なんか」
「いいから、魔法を使いたいと願うんや!」
「う、うん」
すると不思議な事が起こった。あたしのピアスが耳からはずれ、
宙に浮いたまま目の前に移動してきたのだ。
139126:02/05/04 21:42 ID:ZfQCPY/o
あたしの口から呪文がついてきた。
「光の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、すみれが命じる」
「封印解除(レリーズ)!」
ピアスは光をともなって、杖に変化した。ママの杖とも、ビデオで見た
エリオルおじさんの杖とも違う杖だ。無我夢中でその杖を掴む。
「汝のあるべき姿に戻れ、クロウ・カード!」
ケロちゃんが抱えていたジャンプはカードの形になって、あたしの手元に
飛んできた。
「やったな、すみれ」
仮の姿に戻ったケロちゃんが、声をかける。
「すばらしいですわ。すみれちゃんの勇姿、ばっちり記録に撮りましたわ!」
「知美ちゃん・・・」
「すみれちゃん、大丈夫?」
ママが駆け寄ってきた。
「うん、大丈夫。でもママ、これって?」
あたしはピアスに戻った杖を手にすると、ママの顔をじっと見つめていた。
140CC名無したん:02/05/04 21:50 ID:euQFDR6o
126さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

(・∀・)イイ !!!ですが、新しい種類(?)のカードが出てくると、
ネタも尽きなさそうですが、結構大変そうですね...
でも次回も期待しているんで、頑張ってください。
141CC名無したん:02/05/04 23:21 ID:WYGJN7Ck
感動したので Age ときます。
142CC名無したん:02/05/04 23:28 ID:CT8ypTY.
(・∀・)イイイイイイ !!!
143126:02/05/05 03:50 ID:zoRW4p.U
その頃、知世は執務室でホーリーツリー社とのTV会議を行っていた。
3D画面には、エリオルと、エリオルの妻であり共同経営者でもある歌帆が映っている。
「この戦略的提携によって、両社はさらに発展するでしょう。あなたのご協力に感謝します」
「こちらこそ。早速正式な契約手続に入りましょう」
知世が答える。知世は経営者としても優秀だった。
「ありがとうございます。ところで少しビジネス以外のお話をしたいのですが」
「わかりましたわ。今、回線の暗号強度を上げますわ」
「ご心配なく。僕にはこれがありますから」
画像の色調が微妙に変わる。魔法によって回線がプロテクトされた証拠だ。
「さて、本題に入りましょうか」
「さくらちゃんのことでしょう?」
「あなたの観察眼にはいつも敬服しています。まるで魔法使いのようだ」
「カードのことですの?」
「僕の、いやクロウ・リードの作ったカードが発動しました。今日はそのことで」
「まぁ、クロウ・カードはすべてさくらカードになったのではありませんの?」
「あのカード達がすべてではありません。クロウ・リードは若い頃、
ゴールデン・ドーン(黄金の夜明け)という所でカード作りを学んだ時期があったのです」
144126:02/05/05 03:51 ID:zoRW4p.U
「まだ未熟だったクロウは、不完全なカードも作り出しました。また、ひとりではなく
他の魔術師と協力して作ったカードもありました。クロウは、それらのカードのことを
忘れたわけではありません。ただ、ゴールデン・ドーンを去る時にそれらのカードを
持出すことは許されませんでした。それが掟だったのです」
「クロウはそれらのカードのことがあったからこそ、その後作ったカードは死ぬまで
守りました。そして、死んだ後もカード達をさくらさんに託すことを選びました」
ようやく、知世が口をはさむ。
「それで、それらのカードがどうして今?」
「わかりません。ただ言える事は、今さくらカードになっているカード達と違って、
それらのカードを愛でる主に必ずしも恵まれていない、ということです」
「まぁ」
「私がクロウ・リードから受け継いだ記憶が完全なものであれば、
もっと早くお知らせできたのですが」
「大丈夫ですわ。さくらちゃんですもの」
「!」
「さくらちゃんは、今までどんなことも乗り越えていらっしゃいました。
それに、今のさくらちゃんには小狼君や、すみれちゃん、龍平君もいらっしゃいます。
ですから、きっと大丈夫ですわ」

通信を終了した後、歌帆が尋ねた。
「この結末がどうなるか知っているの、エリオル」
「いや」
145真宮司さくら:02/05/05 08:22 ID:9UGS/aa6
すみれさん!彼女達に会いに行きましょうよ!
紅蘭の発明でその時代にタイムスリップ出来ますから?
146126:02/05/05 14:23 ID:fDvtLOWs
このピアスはママからのプレゼントだ。パパがママに最初にあげたプレゼント
だって聞かされていた。でも、ママはピアスなんかしていない。
あたしは、そのことをずぅーっと不思議に思っていた。
「すみれちゃん、こめんなさい。その杖は、パパからのプレゼントなんかじゃないの」
「え?」
「その杖は最初からすみれちゃんのものなの。すみれちゃんが産まれた時、
あなたの手に握られていたものなの」
「ええ、これをあたしが?」
「ママもパパも、それが何なのかすぐにわかったわ。だから、あなたには
いつも身に付けておいてほしかったの」
「でもでも、あたし、まだ契約の儀式なんかしてないよ。
どうして、いきなり封印できたのかな」
「それはねぇ」
ママの話し振りが変わった。
「ケロちゃ〜ん」
突然、ケロちゃんがあたふたし始める。
「人生いろいろやぁ!うっしゃー!!」
これはあとでゆっくりと問い詰めた方がおもしろそうだ、そう思ったあたしは
ケロちゃんにもうひとつの質問をしてみた。
147126:02/05/05 14:24 ID:fDvtLOWs
「ケロちゃん、さっきママがジャンプをコントロールできなくなった時
『カード同士が干渉した』って言ってたよね。あれはどうゆうこと?」
追求を逃れたケロちゃんは、ほっとしながら答えた。
「カードの主(あるじ)に対する想いやな」
「想い?」
「カード達は皆、主のことを一番に思っておる。
その想いがさくらのジャンプのカードを暴走させたんや」
「どうして?」
今度はママがケロちゃんに問いかける。
「さくらには、もうジャンプのカードがあるやろ。そこにもって、
もう一枚のジャンプを封印しようとした。そこで自分は嫌われたんじゃ
ないかと思って、パニックになってしもうたんやな」
「でも、フロートのカードは封印できたよ」
「あん時、発動してたのはフライのカードや。だから、さくらのフロートの
カードは何もせえへんかったんや」
「そうだったの・・・」
ママは、手に持ったジャンプのカードに語りかけた。
「ごめんなさい。もう心配させないから、安心して・・・」
ママのカードを見る目は、とても優しい。
あたしも、ママと同じぐらいカードさん達と仲良くなりたいな。
そう思った。

<エンディング・テーマへ>
148126:02/05/05 14:33 ID:fDvtLOWs

                              もう、燃えつきました・・・
               -― ̄ ̄ ` ―--  _
          , ´  ......... . .   ,    ~  ̄" ー _
        _/...........::::::::::::::::: : : :/ ,r:::::::::::.:::::::::.:: :::.........` 、
       , ´ : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::::: : ,ヘ ::::::::::::::::::::::: : ヽ
    ,/:::;;;;;;;| : ::::::::::::::::::::::::::::::/ /::::::::::::::::::: ● ::::::::::::::::: : : :,/
   と,-‐ ´ ̄: ::::::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::r(:::::::::`'::::::::::::::::::::::く
  (´__  : : :;;:::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::`(::::::::: ,ヘ:::::::::::::::::::::: ヽ
       ̄ ̄`ヾ_::::::::::::::::::::::し ::::::::::::::::::::::: : ●::::::::::::::::::::::: : : :_>
          ,_  \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: `' __:::::::::-‐ ´
        (__  ̄~" __ , --‐一
149内閣総理大臣 小泉:02/05/05 16:10 ID:atrSdZe.
>>148
煽りに負けずよくがんばった。感動した。
150CC名無したん:02/05/05 16:26 ID:EpYzAQVs
煽りなんてあったけ?
151帝都花組:02/05/05 17:16 ID:4se4/RaM
今度、帝劇でカードキャプターさくらと小狼の子供たちをやります。
来て下さいね
152CC名無したん:02/05/05 17:16 ID:J6QFhmtE
感動した!凄くイイ!!!(・∀・)
153CC名無したん:02/05/05 18:41 ID:Pf5OaA6k
>>126  14です。ご苦労様。
実は漏れのSSは14〜89で完結してたんだけど、
そのあとの126のSSはうまくできてるね。
とても感心しました。
漏れが設定しておいたフック(>>28のビデオ >>37のセグウェイ >>39
知美の性格とか)にもうまく引っかけてあとの話を展開させてくれてるし。

漏れももうちょっと続けてみようかなぁ?(w
154CC名無したん:02/05/06 01:54 ID:IvBsc.t2
次回に備えて あげ ときます。
155126:02/05/06 13:48 ID:gSUrCeew
ピピピピピ・・・
「あふぅ。もう朝かぁ。昨日はちょっといろいろあったからなぁ」
制服に着替えると、あたしは階段を降りていく。
パタパタパタ・・・
台所からいい匂いがしてくる。
「おはよう、ママ。今日の朝ご飯はワッフルだよね」
「おはよう、すみれちゃん。おばあちゃんにごあいさつは?」
「あ、そうか。おはようございます。おばあちゃん」
あたしは、テーブルの角にあるホログラムにあいさつをする。
映っているのは、ママのママ。撫子おばあちゃんだ。
おばあちゃんは、ママが小さい頃亡くなっている。でも、モデルをしていたせいで
若い頃の映像がいっぱい残っている。この映像は、藤隆おじいちゃんちの
サーバーとリンクしていて、毎日映像が変わっている。
もちろん、あたしはおばあちゃんに会った事はない。でも、あのすてきな
おじいちゃんが好きになった人だから、きっとすてきな人だったに違いない。
「さぁ、早く食べなさい。すみれちゃんは、今日、日直なんでしょう?」
「うん。いただきまぁす」
壁にあるホワイトボードが目に入った。そこには、こう書いてあった。
「☆しゃ・お・ら・ん・く・ん☆帰国します」
「パパ、今日、日本に戻ってくるんだ」
「うん。でも飛行機遅い時間だから、晩御飯一緒に食べられないみたい」
「ふーん。残念だなぁ」
156126:02/05/06 13:49 ID:gSUrCeew
「ごちそうさま」
「はい、これ、すみれちゃんのお弁当。今日はクラブないんでしょ?」
「うん、いってきまーす。あ、ママ、おそよー君は?」
「あ、龍くんもそろそろ起こさないといけないわね。ほんとうにおそよー君なんだから」
弟の龍平は、あたしと違って朝が苦手。でも、最近は朝寝坊がひどくなっているようだ。
「こんなことだと、また利佳ちゃんにおこられちゃうぞ」
利佳ちゃんというのは、龍平のクラスの担任の寺田利佳先生のこと。
ママとは友枝小の同級生で、面談日の時なんか、あたしたちのことをそっちのけで
話がはずんでしまうぐらいだ。
「いってきまーす」
あたしは玄関を出た。

その頃、さくらの部屋ではケルベロスがカードと向かい合っていた。
宙に浮いているのは、昨日さくらが封印した、もう一枚のフロートのカードだ。
「そうか。わいらが作られる前に、そんなことがあったんや。
クロウもほんとうに人騒がせなやつや。
でも、あんさん、わいらの兄さんにあたるわけやからな。ほぉっておくわけもいかんか」
ケルベロスは、窓を見上げた。
「また難儀なことになりそうやな。ユエ」
その時、下からさくらの声がした。
「龍くーん、ケロちゃーん、朝ご飯だよう」
「おーうう、今行くでぇー」
返事をしてからケルベロスは、ひとりごちた。
「けど、一番難儀なんや龍平や。クロウと同じ闇の力の持ち主やからな」
157126:02/05/06 13:49 ID:gSUrCeew
「♪日直、日直、お花も替えて〜」
あたしは、朝の教室で日直のお仕事をこなしていく。
ママの話では、昔の日直は黒板消しの掃除なんかあったそうだけど、
今はもちろんそんなことをしなくてもいい。その代わり、
プロジェクタの動作チェックしたり、今日の時間割をスケジューラに
登録しなければならない。
でも、お花を替えたりお水をあげるのはママの頃とおんなじだ。
「おはようございます、すみれちゃん」
「あ、おはよう。知美ちゃん」
「昨日は大変でしたわね。でも、すみれちゃんもとうとうさくらさんに
続いてカードキャプターになられました。すばらしいですわ〜」
知美ちゃんの目が輝く。あたしの頭の後ろにおっきな汗が浮く。
「で、昨日は母にビデオの編集を教わるので大変でした。すっかり
夜更かしになってしまいましたわ」
「そんな、編集なんて後でもいいのに」
「そうはいきませんの。母は、急にしばらくイギリスに出張することに
なってしまいまして、今ごろは空港ですわ」
「お仕事なの?大変だね、知世おばさんは」
「それもありますが、すみれちゃんのテーマを作らないと、と母が
申しておりました。今度の出張ではロンドン・フィルにもアポをとったそうですわ」
「ほぇ〜」
あたしは固まった。この親子って・・・

「それにですね、すみれちゃん、今日はクラブありませんでしたわね?」
「う、うん」
「母からのもうひとつの伝言です。カードキャプターになられた以上、
一刻も早く決めポーズを決めてくださいとのことですわ。
今日の放課後はそのための特訓ですわ」
「ほぇ〜」
158126:02/05/06 13:51 ID:gSUrCeew
その日の放課後、校庭の隅であたしと知美ちゃんは決めポーズの特訓をしていた。
「やっぱり、ここはもう少し背筋を伸ばして『契約の下』とおっしゃられた方が」
「う、うん。じゃやってみるね」
その時、あたしは気配を感じた。
「この気配は?」
「きゃーーっつ」
隣の星條カレッジ(現在は大学に昇格してます)から叫び声が上がる。
「すごい風!」
「竜巻だ!」

「知美ちゃん!」
あたし達は急いで物陰に隠れる。
キュー・キュルルル・・・
あたしは、そこで「風」ではない鳴き声のようなものを聞いた。
そぉっと外を覗いてみる。
キュー・キュルルル・・・
あたしに見えたのは風ではなく、とてつもなく大きな鳥だった。
「これは、クロウ・カード?」
159CC名無したん:02/05/06 13:54 ID:elL3YrBU
>>126さんのリアル書き込みミレタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
(・∀・)イイ !!!(・∀・)イイ デス!!!!!!
160126:02/05/06 16:21 ID:H0/kgpj.
その夜、あたし達は友枝小に集まっていた。
「知美ちゃん、バトルコスチュームを2着も用意するの、大変じゃない?」
昔の姿に戻ったママが尋ねる。
「そんなことありませんわ。さくらさんとすみれちゃんのためですもの」
知美ちゃんの目が一段と輝く。
「はぅ」
あたしとママの頭の後ろにおっきな汗が浮く。
「さくら、知美に知られたらこうなるってわかりきったことやないか」
今日もお約束のやりとりだった。

その時、「気配」がした。
「あれは!」
空にあの大きな鳥が舞う。
「あれは、フライのカードや」
「すみれちゃん、私があのフライをなんとか動けなくする。
そしたら、すみれちゃんが封印して」
「うん、ママ」
「よっしゃ、カードキャプターの出番や!」
「では、決めポーズの初お披露目ですわね」
「え、そんなぁ、恥ずかしいよう」
「恥ずかしがってはいけませんわ。すみれちゃんはカードキャプターなんですもの」
「・・・うん」
161126:02/05/06 16:22 ID:H0/kgpj.
あたしは深呼吸すると、呪文を唱えた。
「光の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、すみれが命じる」
「封印解除(レリーズ)!」
あたしのピアスが杖に変わった。
ママは自分のフライのカードに向かって、パニックを起こさないように語りかける。
「お願い。もう一枚のカードさんをほおってはおけないの。だから助けて」
「フライ!」
飛び立ったママはもう一枚のフライに近づいていく。
キュー・キュルルル・・・
鳴き声が大きくなった。
「あかん!さくらのフライは大丈夫でも、もう一枚のフライの方が
パニックになりよった!」
突風が吹きすさぶ。
「キャアーー!」
「すみれ!」
あたしは吹き飛ばされていた。
162126:02/05/06 16:23 ID:H0/kgpj.
気がつくと、あたしは鳥の首につかまっていた。
「いやぁ、こわいよう!」
「すみれちゃん!」
「すみれ!」
ママやケロちゃんの声が聞こえる。
キュー・キュルルル・・・
鳥の鳴き声が大きくなる。でも、その声に怒り以外のものがあることに
あたしは気づいた。
「けが?」
鳥の羽のつけねから血が流れていた。
そうか、それで昼間あばれていたんだ。
あたしは夢中で念じた。
「お願い。おとなしくして。みんな、あなたのことを助けたいの!」
キュー・キュルルル・・・
鳴き声がおだやかになった。
163126:02/05/06 16:23 ID:H0/kgpj.
いつのまにか、私の腕の中で鳥さんが抱かれていた。
きょとんとした目で私を見つめている。
「わかってくれたのね」
その時、わたしにはもうひとつのことがわかった。
「ここ、空の上じゃない!キャアー!」
「すみれちゃん!」
「あかん!ジャンプのカードには高すぎる!」
地面に激突しようというところで、あたしたちのからだは
風につつまれた。軟着陸だ。
「今や、すみれ、封印するんや!」
「うん」
あたしは鳥さんに言った。
「こわくないからね」
鳥さんは行儀よく、あたしの目の前にすわった。
「汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カード」
フライのカードがあたしの手にすべりこんでくる。
「ようやったな。すみれ。これでカードも2枚や」
「うん。あれ、ママは?」
あたしは校内を見渡した。
164126:02/05/06 16:24 ID:H0/kgpj.
「ありがとう、小狼くん。すみれちゃんを魔法で助けてくれたの、小狼くんでしょ」
校舎の影で、さくらは小狼に語りかけていた。
「すみれは、さくらとおれの子供だからな。当然だ」
「うん。でも、ほんとうにありがとう」
小狼は顔を赤らめるだけで声が出ない。
「ねぇ、今度、この格好でデートしようか?」
クロウ・カードを集めていた頃の姿のさくらが、いたずらっぽく問いかけた。
小狼の顔が、さらに赤くなる。
「・・・好きにしろ」
「うん、約束だよ」
さくらが笑顔で答える。
「ママー、どこにいるの」
カードを封印したすみれの声が聞こえてくる。
「じゃ、あたし、すみれちゃんとケロちゃんと帰るから後でね。
今日のことはすみれちゃんには黙っておいた方がいいと思うから」
「ああ」

「ごめーん、でもでもすみれちゃん、ちゃんと封印できたんだよね?」
さくらがすみれたちに駆け寄る姿を見つめる小狼だった。

<エンディング・テーマ>
165CC名無したん:02/05/06 16:27 ID:nE0AXPDs
(・∀・)スミレ !!!
166アイリス:02/05/06 18:18 ID:RLKZNrvA
アイリスも出たいよ!
さくらとすみれだけずるい!
167マリア:02/05/06 18:52 ID:NEb40x7o
だいじょぶよ。アイリス
そのうち出してもらえるわよ。
168カンナ:02/05/06 23:01 ID:mJ0o7agg
まーそうわがまま言うなよ!アイリス
あたいも出てないんだし!
169悪魔将軍:02/05/07 15:17 ID:khlfXqis
帰ってきた悪魔将軍だ。
では!

 赤ちゃんは今日もケロと遊んでいた。遊ぶといってもケロの耳や尻尾、羽を引っ張ったりすることがほとんどで、ケロにとっては迷惑千万である。ケロがさくらになんとかするよう頼んでも、さくらは
 「赤ちゃんのすることだから許してあげて。」      
 と言うことが多かった。が、最近はそうもいかなくなった。しばらく前、赤ちゃんがマジでケロの羽を引っこ抜いてしまい、新しく羽が生え変わるまで、ケロは大変不自由したことがあったのだ。
 ゆえにさくらはそのへんをどうにかしようと考え始めていた。そして、さくらはひとつの結論にたどり着いた。
 「ケロちゃん以外の何かにあの子たちの興味を引かせることができればもしかしたら。」
 そしてさくらはさっそく昔自分が作ったくまのぬいぐるみを取り出して、ケロと遊んでいる赤ちゃんに見せてみた。
 「ほらほら、くまさんですよ〜。」
 しかし、赤ちゃんはそっぽ向いてケロと遊び続けた。
 「あらー。くまのぬいぐるみじゃだめなのかなー。」
 さくらはその後も色々なぬいぐるみでためしてみたが、赤ちゃんの反応はいまいちだった。落ち込むさくらだが、再び明暗が浮かんだ。
 「ケロちゃんそっくりのぬいぐるみなら気に入ってくれるかも。」
 さっそくさくらは、ケロそっくりのぬいぐるみ作りに取り掛かった。そして数日後、完成したケロのぬいぐるみを持ってさくらは赤ちゃんのところにやってきた。赤ちゃんは珍しくケロと遊ばず、積み木で遊んでいた。
 そして、さくらはケロのぬいぐるみを赤ちゃん二人に見せた。すると
 「あ〜。あ〜う〜。」
 と、さくらに近づいてきた。さくらは作戦は成功したと思った。
 が、赤ちゃんが近づいてきたのはケロのぬいぐるみに対してではなくさくらに対してだった。赤ちゃんはさくらと遊びたがっていたのだ。
 赤ちゃんの気持ちを理解したさくらは赤ちゃんの相手をしてあげた。しばらく後、さくらと赤ちゃんは布団のなかで寄り添うように寝ていた。結局ぬいぐるみで興味を引くことはできなかったが、これはこれでいいやとさくらは思っていた。
 今までは忙しく、赤ちゃんの相手はケロに頼みっぱなしだったけどこれからはできるだけ赤ちゃんの遊び相手をしてあげようとさくらは思った。
 
170CC名無したん:02/05/07 23:16 ID:niDiT4kE
エリオルの娘がエリカって名前らしい!
171CC名無したん:02/05/07 23:18 ID:uxC.rM5Q
歌帆先生か…
172CC名無したん:02/05/08 00:48 ID:uvszQZbc
次回にそなえてアゲとこう。
173CC名無したん:02/05/08 02:04 ID:1HUeufaE
>>169
>悪魔将軍さん
ほのぼのしていて、感動した!!
174126:02/05/08 02:26 ID:IjQwk6cU
ピピピピピ・・・
「あふぅ。もう朝かぁ。昨日もカードの封印で夜更かししちゃったからなぁ」
制服に着替えると、あたしはあることを忘れていた事に気がついた。
「そうだ、カードさん達におはようのあいさつをしなくちゃ」
机の引出から2枚のカードを取り出す。
あたしが封印した、ジャンプとフライのカードさん。
「おはよう、カードさん。あれ?」
フライのカードのけががなおっている。
昨日、フライのカードさんは左の羽のつけねにけがをしていた。
それでフライのカードさんは暴れていたのだ。

フライのカードさんを封印した時、あたしはケロちゃんに聞いた。
「フライさんのけが、大丈夫かな」
「うーん、封印の書があるといいんやけど・・・」
ケロちゃんによると封印の書に入れておけば、カードのけがなんかは
すぐになおるらしい。
「封印の書がないとなると、主の魔力をもらいながら、
少しずつけがをなおすしかない。ちょっとは時間かかりそうやな」
175126:02/05/08 02:27 ID:IjQwk6cU
あたしはカードさん達をしまうと、龍平を起こしに行った。
最近の龍平は、ほんとうにおそよー君だ。
「おそよー!朝だよ!いつまで寝ているの!」
ふとんをはがす。いつものように、龍平は丸まって寝ていた。
「・・・ああ、お姉ちゃん?」
ねぼけまなこだ。
「さぁ、起きて・・・ちょっと、あんたけがしてるの?」
左の肩甲骨の所だ。
たいしたけがではないけど、パジャマに血が薄くついている。
「また、いじめられたの?」
「そんなんじゃないよ。友達が」
「いいから脱いで。今、お薬持ってくるから」
でも痛くはなさそうだ。バンソウコウを貼っておけば大丈夫だろう。
あたしは安心した。
176126:02/05/08 02:28 ID:IjQwk6cU
「いただきまーす!」
今日の朝ご飯は中国粥だ。パパが日本にいる時は、木之本家の朝食は中国式になる。
あたしは中国粥は嫌いじゃない。
「でも、ワッフルの時みたいにフルーツやジュースがつかないのはね」
独り言を言うあたしの目の前に、フルーツとジュースが置かれた。
「ママ?」
「すみれちゃん、昨日、がんばったから」
ママが小声でささやいた。もちろん、みんなの前にも同じものが置かれた。
いつもと違う献立に、龍平は不思議そうだ。パパは何も言わない。
でも、ケロちゃんは
「お、今日は豪華やないか。今朝は小僧がおるのに、さくら、どうゆう風の吹き回しや?」
「なにが小僧だ?」
「まぁまぁ、ふたりとも」
あたしとママはお約束のせりふを言う。そして、みんなでくすくすと笑う。

「いってきまーす」
あたしと龍平は玄関を出た。今日はいい天気になりそうです。
177CC名無したん:02/05/08 20:31 ID:RK.Jsz9c
age
178CC名無したん:02/05/09 00:03 ID:axhh0jUI
>>176
よい!よいデス!(・∀・)
179CC名無したん:02/05/09 08:58 ID:tZinJGc6
126氏    →本筋ストーリー
悪魔将軍 →ある日の木之本家

って感じですかね。

これCLAMPがパクったりしたら面白いね。
180悪魔将軍:02/05/09 10:36 ID:.rkpJ72M
今回は趣向を変えて、ちょっとギャグっぽい話を書きたいと思う。
なお、さくらと小狼の子供の名前については126の人の設定ではなく
自分が>>65で書いた設定にもとづく物とする。

 「えいっ!えいっ!。」
 桜狼は、なにやらチョップの練習をしている。
 まあ、桜狼と小零は小さいころから父・小狼から中国拳法を教えてもらっているので珍しいことではないが、
 なぜかチョップばかりやっている。
 「桜狼ちゃん。さっきから何チョップばかりしてるの?。」
 さくらがたずねると、桜狼は笑顔で答えた。
 「うん。ちょっと面白い技の研究をしてるの。ちょっと見てて。」
 すると桜狼はどこからか板を持ってきて、それを宙に放り投げ、
 「友枝の赤い雨ーっ!!。」
 板は簡単に真っ二つになった。
 「すごいでしょ。」
 桜狼は自信ありげに言った。が、さくらは、
 「それって、キン肉マンにでてくるブロッケンJrって人が使うベルリンの赤い雨って技の真似でしょ?
 ずいぶん前にケロちゃんがもってたのを読んだことあるよ。」
 「・・・・・・・・。」
 桜狼はその場に立ち尽くしたのだった・・・・。
                         つづく・・・かもしれない。
 少しキン肉マンネタ入ってたな。 
  
181あぼーん:あぼーん
あぼーん
182CC名無したん:02/05/09 12:58 ID:h9OXONKY
初めてここ読んだけど、とてもイイお話で感動しつつ
セグウェイにワラタよ

挿絵としてセグウェイに載ってるすみれのAAきぼん
183126:02/05/09 22:53 ID:G3vAmyzg
「・・・そしたら、さくら、部屋の中でいきなり杖を封印解除(レリーズ)しよった。
わいがあっけにとられていると、次々とクロウ・カードをさくらカードに
替えだしたんや」
「それで、ママはどうなったの?」
「何枚か替えたんやが、さくらの魔力はまだ弱かったやろ。さくら、
目ぇ回してぶったおれてしもうた。ほんとう、カードのために一生懸命だったんやな」
「そーかぁ」
パパのいる日は、ケロちゃんはあたしの部屋で寝る。そんな日は寝る前に
ケロちゃんの話を聞くのを、あたしは楽しみにしていた。
「そしたら、ダッシュのカードが兄ちゃんの自転車に乗り移りよってな、
暴走しだんや」
ケロちゃんはあたしにいろいろな話をしてくれる。はじめて、おじいちゃんちの
地下室でママと出会った時のこと、ママとパパがどんなふうにクロウ・カードを
集めてきたか、そしてすべてのカードをさくらカードに替えた時のこと・・・
「・・・あたしも、ママと同じぐらいカードさん達と仲良しになれるかな・・・」

「なんや、すみれ、寝入ったんか?」
ケルベロスがすみれの顔をのぞきこむ。
すみれは、静かな寝息をたてている。
「すみれも、さくらに似て、ほんまにみんなのために一生懸命になるなぁ。
あのカード達もすみれが主になれればいいんやけど・・・
今回は、さくらの時と同じようなわけにはいかんのや。」
ケルベロスは、すみれのふとんをかけなおした。
「おやすみ、すみれ」

すみれの部屋の明かりが消えた。
18414:02/05/10 01:01 ID:Rt.ce1lQ
う、14です。126さんおつかれ様です & 漏れの出番がない…(;^_^A
完全にこのストーリーは126さんのものになっちゃったな〜…
(漏れが作り始めたのに… と愚痴ってみるテスト(笑)

実は漏れも続きのお話をちょっと作ってみたんだけど、126さんのストーリーとバッティングしちゃいそうなのでボツにします。
漏れは別の方面からのアプローチを考えてみます。

126さんへ。うまいこと重ね合わせてくださることを期待しますです。
貴方ほどの才能ならきっと可能です。はい。
185126:02/05/10 01:31 ID:PF9FbsNM
126です。はじめて書き出したストーリーなので収拾がつかないです^^;
(20年ぐらい前、アドベンチャーゲームのイベント(フラグ)の管理を
ちょっとしてたことがあります。伏線はりまくるのは、そのせいでしょうね)

126的には最終回まで龍平は魔法を使ったり、カードを集めたりしません。
そのかわり、彼とエリオルが最終回のキーとなります。

それより、すみれたんや龍平の学校生活のエピソードきぼんぬです。
126が書くと、クラスメートがみんな誰かの子供になっちゃいますんで。
186悪魔将軍:02/05/10 10:40 ID:TlB1xR2g
どうも悪魔将軍です。
 自分はこの後も多分短編的なものを書いていくと思うんで。
 126さんやほかの皆さんもがんばってください。

 自分的にはその子供がエンジェリックレイヤーする話なんていつかやりたいな
 と思っております。(同じCLAMP)だしね、ギャグとして。
187CC名無したん:02/05/10 14:53 ID:hfxCxKa6
>>185
龍平が鉄道好きはだめ?
188CC名無したん:02/05/10 15:19 ID:N//Se7ww
>>187
ちょとヲタっぽくてヤ
189CC名無したん:02/05/10 21:50 ID:S7BRji3s
http://www.freepics-005.hk-homepage.com/
左下の2番目の子が好きだな
190CC名無したん:02/05/10 22:26 ID:EHKfQRoY
>189
広告ウザッ
てか三次元の女なんてどうでもいいよ。
191CC名無したん:02/05/10 22:30 ID:ECxIs5rI
>>188
小学生じゃそんなヲタ臭くないだろう
19214:02/05/10 23:53 ID:siPlIuuw
ストーリー系列です。スレが複雑になっているので整理します。
以後、作者区別のために名前欄に「第二部appendix」と表記します。

・14〜89(第一部 作者14) →126〜(第二部 作者126氏)
                   → 192〜(第二部appendix 作者14)
・48〜(赤ん坊編 作者悪魔将軍氏)
193第二部appendix:02/05/10 23:55 ID:siPlIuuw
>>89のつづき
ママは子供の頃の姿に戻ったのがなぜか嬉しいらしく、しばらくは子供のままの姿でいた。
今日も子供の姿で新宿まで出かけていった。
「ほら、電車代だって子供料金でいけるじゃない?」
ママっていったい…

龍平が連れ去られそうになって2・3日したある日、叔父がうちにやってきた。
「よう、なんか大変だったみたいだな。大丈夫か?」
そう言いながら叔父は龍平のそばに腰掛けた。
龍平は叔父が見舞いに来てくれたのが嬉しいらしく、ベッドの上に起きあがって
「叔父さん、こないだのお話してよ」とせがみ始めた。叔父の研究していることに
ものすごく関心があるらしい。
194第二部appendix:02/05/10 23:55 ID:siPlIuuw

「こないだはどこまでしたっけ? イーピゲネイアのところだっけ?
そうだな…
危機一髪、父親に殺されそうになったのを女神アルテミスに助けてもらい、
タウリス島につれさられたイーピゲネイアはそこで巫女さんをしていたわけだ。
それから10年以上経ったころ、なんと妹弟のエレクトラとオレステスが
自分のいる島にやってきたんだ。すごい偶然だよな(笑) しかも自分はそこで
半分とらわれの身の巫女をしている。
当然、彼女は弟たちと一緒にギリシアに戻るわけだ…」
(参考URL ttp://www.edp.eng.tamagawa.ac.jp/~sumioka/hihel/hel0/hel05.html
195第二部appendix:02/05/10 23:56 ID:siPlIuuw
叔父はそういった話を弟にしているが、そんなところに子供の姿のママが帰ってきたら大変だ。
あたしは叔父がいるところにママが帰ってくるんじゃないかとヒヤヒヤしていた。
そして、悪い予感というものはなぜかよく当たってしまう。
ちょうどそのとき、ママが外出先から帰ってきたのだった。
「ただいま〜!! すみれちゃん、龍くん、おみやげがあるよ〜!!」
ママはあいかわらずのんき者だ。あたしはギョッとしながら
ママを止めようと思い、ドアのところに近づいた。
しかし、手遅れだった。子供の姿をしたママがうれしそうに龍平の部屋の中に
入ってきた。
叔父にみられてしまった。どうしよう。

ところが、叔父さんはママの姿を見ると、ぼう然と立ちつくしたままだった。
「ミラー…」
196第二部appendix:02/05/11 00:02 ID:MZX8U.xs
俺が高校生のころ、友枝町で不思議な現象が立て続けに起こったことがある。
妹の通っている小学校の運動会で、異常なまでに花びらが校庭に降り積もり、
運動会どころじゃない騒ぎになったことがある。原因は不明だった。
その他にも子供たちの間で「公園のお化け」騒ぎがおこったり、俺自身、
妹のふりをした子供に崖から落とされたりした。

そのころ、俺はある少女に出会った。
197第二部appendix:02/05/11 00:02 ID:MZX8U.xs
ある夜、妹の部屋でがたがたと騒ぐ音がしていた。うるさいので注意しようと妹の部屋に行った。
ドアを開けると、ちょうど妹が空を飛んで出ていったところだった。
ウソじゃない。妹はなぜか空を飛んでいたのだ。大きな白い翼を、
まるで背中からはやしたような翼をはばたかせて飛んでいったのだ。
妹の部屋の中には、妹とうり二つの少女がいた。
俺が部屋に入ってきたのを見て、彼女は顔を赤くした。

「あ、あの… わたし…」
おそらく、妹の身代わり役を頼まれたのだろうが、あいにく俺が
妹自身の飛んでゆく姿を目撃してしまった以上、どうにもごまかしようがない。
彼女も俺にどう言っていいものか分からなかったのだろう。
俺自身、最近の町内の妙な事件に妹が関わっていることを薄々感づいていた。
おそらく、今日もその件で出ていったのだろう。少女は妹が出かけている間の
身代わり、カモフラージュ役なのだ。
198第二部appendix:02/05/11 00:02 ID:MZX8U.xs
そこまで分かった以上、俺がすべきことはただ一つ。知らないふりを
してやることだ。なにも気づいていないまぬけな兄を演じてやろう。

「おい、さくら! ちょっとうるさいぞ! もうちょっと静かにしたらどうだ?」

少女はすっかりばれていたものと思っていたのが、俺の言葉に少しホッとしたらしく、
「あ、ご、ごめんなさい」
と素直に謝った。ここらへんからして妹とはまるで違うってバレバレなのに…
199第二部appendix:02/05/11 00:03 ID:MZX8U.xs
月日が少しずつ過ぎていった。
いつのころか、少女は妹本人じゃないことを俺にうち明けていた。
彼女は妹が当時集めていたカードのひとつ、「鏡(ミラー)」なのだということも。
だから外形的な姿形は妹にそっくりだ。
しかし、鏡がそうであるように、外見を全く同じに見せることはできても、
決して内面までうりふたつにはならない。

やがて俺自身、妹と同じ姿かたちをした少女に惹かれていった。
いままで、妹はからかいの対象になりこそすれ、それ以上のものではなかった。
しかし、いまではその妹と同じ顔をし、同じ背格好をした少女に魅せられている。
200第二部appendix:02/05/11 00:04 ID:MZX8U.xs
しかし、幸せな日々は長く続かなかった。妹がカードを全部集め終わる日が来たのだ。
妹がカードを集め終わると、当然彼女が妹の身代わりに出てくることはなくなってしまう。
俺はどうしたらいいか分からず、苦しんだ。
どうしたら彼女をこのまま俺の手元にとどめておくことができるのか。
しかし、それは無理な願いだった。
とうとう別れの日がやってきた。

別れのとき、彼女は俺に言い残した。
「私を… 待っていてくださいますか?
かならず、かならず私は戻ってきます。
私の子供たちが、私をここに戻してくれるはずです。
私を待っていてください…」

そう言い残して、少女は俺の前から姿を消した。
彼女が去ったあとには、彼女の日記だけが残された。
【ミラーのお留守番】
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/sakura/971814630
いまでもその日記は大切に残してある。何度も読み返し、日記帳はぼろぼろになってしまった。
この日記を読むと、彼女の想いがつたわってくる。何度泣きそうになったろう。
(いや、正直に書こう。何度も泣いた。)
201第二部appendix:02/05/11 00:04 ID:MZX8U.xs
彼女が去ったあと、友枝町はもとどおりになり、なにも変わらない日々が戻ってきた。
しかし、俺の中では何かが変わってしまっていた。

それまでは、俺は教育実習に来た女教師と交際したこともあるし、学校でも
けっこう女子に人気があった。
しかし少女との出会い以来、俺は女性とはいっさい関わり合いのない生活を
選択し、大学院に進学して研究者の道を歩み始めた。
親友の月城との妙な噂が流れたが、俺はそのまま放っておいた。噂とは言え、
かえってこれはありがたかった。この噂のために、女性は俺を遠巻きにしてみているだけだった。
俺に「女性」は不要だった。「彼女」だけが必要だった。
202第二部appendix:02/05/11 00:05 ID:MZX8U.xs
あれから長い年月が経った。俺もけっこうな歳になっている。
あの言葉の意味。今になってようやく分かったような気がする。
「私の子供たちが、私をここに戻してくれる」
当たり前だが、彼女には当時、子供はいなかった。
そして最近、甥の身に起こった不思議な事件。
これで分からなかったらただのバカだ。

俺には妹の子供たち、姪と甥がいる。すみれと龍平だ。
すみれと龍平は、ただの偶然でこの世に生まれたわけではない。
彼らこそ、彼女を連れ戻す姉弟なのだ。どこか彼女の閉じこめられているところから。

先日、その龍平がなぜかわからないが、いきなり「シーツ」に連れ去られかける
という事件が起こった。まるで小説のようだが事実だ。
これから妹のうちに行ってみよう。なにか分かるかもしれない。
203第二部appendix:02/05/11 00:09 ID:MZX8U.xs
以上、第二部サブストーリーでしたが、主題に少し変更を加えかねないものです。
>>185=126氏へ
>126的には最終回まで龍平は魔法を使ったり、カードを集めたりしません。
>そのかわり、彼とエリオルが最終回のキーとなります。

これに「ミラーの帰還」の主題を織り込んでくださるようお願いしますm(__)m
204126:02/05/11 00:11 ID:kFfExrqs
「あれ?」
あたしはまっしろな部屋にいる。部屋にはベッドがひとつ。
「龍平?」
ベッドに寝ているのは龍平だった。
肩で息をしている。苦しいはずなんだけど、龍平の表情は不思議に安らかだ。
「どうしたの龍平?どこか悪いの?」
あたしは聞きたいのだけど、声が出ない。
龍平の口元が動く。え?聞こえないよ?
なにか言っているようだ。でも、でも・・・

ピピピピピ・・・
「あふぅ。朝か。あれ?」
「どないしたんや、すみれ?なにか悪い夢でも見たんか?うなされてたで」
「う〜ん、何か夢を見ていたみたいだけど、忘れちゃった」
「おいおい。仮にもすみれはカードキャプターやろ?
魔力のあるもんにとっては夢っちゅんのは大切なもんなんや。
予知夢ってこともあるんやし」
「ってことは、あたし予知夢を見てたのかな?」
「そうかもしれん。これからはちゃんとしぃな」
205126:02/05/11 00:12 ID:kFfExrqs
「それにしてもいい天気やな。
すみれ、今日はさくらと小僧と一緒に、友枝遊園地行くんやろ?」
「うん」
龍平は昨日からおじいちゃんの所に行っている。東京の近くで発掘を
している時、おじいちゃんは週末に龍平を呼ぶことが多い。
そして、発掘現場を回ってふたりで楽しそうに話している。
龍平はおじいちゃんに似て歴史とか考古学が大好きだ。
それに、龍平には鑑識眼みたいのがあるらしく、一度おじいちゃんの
作業場にあったがらくたみたいなものから、なにかすごいものを
見つけ出した事がある。あの時のおじいちゃんの喜びようったら・・・
「でも遊園地の方が、楽しいと思うけどな」
男の子らしくないなとは思う。でも、おじいちゃんと
あたしにはよくわからないことを話しているのをみると、なぜだか
ちょっぴりうらやましくなる。
「すみれ、友枝遊園地といえば、なにか大事なこと忘れてへんか?」
「うん。こぐまやのプリンでしょ」
こぐまやっていうのは遊園地の近くにあるケーキ屋さん。
ケーキもおいしいけど、あたしとケロちゃんはそこのプリンが一番好き。
「あ〜プリンやぁ。プリン、プリン」
「ケロちゃん、ほんとうに食い意地はってるぅ」
206126:02/05/11 00:12 ID:kFfExrqs
「ママ、あたし準備できたから、そろそろ行こうよ!」
あたしは部屋から玄関に向かう。
「・・・ママ?」
ママはクロウ・カードを集めていた頃の姿になっていた。すぐそばで
パパが半分困ったような顔をしている。
「またクロウ・カードが?」
「ううん。そんなことないよ。この方がすみれちゃんと一緒に遊べるし」
ママはいたずらっぽくパパを見上げる。
「小狼くんもその方がいいって」
パパの顔が赤くなる。
「と、とにかく出るぞ」

でもパパはちょっとうれしそうだ。
207126:02/05/11 00:13 ID:kFfExrqs
「あ〜楽しかった」
「うん!」
あたし達は絶叫マシンに乗りまくった。
パパはふらふらになっているけど、あたしとママはまだまだ元気!
「さくら、すみれ、少し休んでいかないか?」
「う〜ん。あ、ちょっと待っててね。あたし、アイスを買ってくる」
ママはアイスクリームスタンドに駆け寄った。
「あの、3段アイス3つください。
えっと、チョコレートとストロベリーと・・・」
ママはクレジットカードをセンサーにかざす。
「お嬢ちゃん、パパのカードじゃ払えないよ」
ピッ!指紋照合による本人確認の音だ。
「え?支払OK?」
アイスがママに渡される。
「小狼く〜ん、すみれちゃん、アイスだよ!」
スタンドの店員はレジに表示されたデータを確かめながら、
ママを見ながら不思議そうに言った。
「どう見ても、小学生だよね」
208126:02/05/11 00:14 ID:kFfExrqs
あたし達は「ぬいぐるみの町」に入った。ぬいぐるみ関係のお店や出し物が
いっぱい入っている所だ。

「これかわい〜」
「見て見て!これもかわいいよ」
「これはどう?ぬいぐるみさんの衣装。ケロちゃんに着せたら似合うんじゃない」
「でも、こっちのも、似合うんじゃないかな」
「う〜ん、目移りしちゃうよぉ」

「これかわい〜」
「見て見て!これもかわいいよ」
「これはどう?ぬいぐるみさんの衣装。ケロちゃんに着せたら似合うんじゃない」
「でも、こっちのも、似合うんじゃないかな」
「う〜ん、目移りしちゃうよぉ」

「これかわい〜」
「見て見て!これもかわいいよ」
「これはどう?ぬいぐるみさんの衣装。ケロちゃんに着せたら似合うんじゃない」
「でも、こっちのも、似合うんじゃないかな」
「う〜ん、目移りしちゃうよぉ」

「おい、さくら、すみれ。気が付かないのか?」
「どうしたの小狼くん?」
「俺たち、さっきから同じ所に何回も来てるんだぞ」
「そんな、ここは一本道だよ。まさか?」
回りからも声が上がる。
「おかしいなぁ」
「あれ?道に迷った?」

「これはループのカードだ」
209SaQra:02/05/11 16:11 ID:FpihE79w
     γ      /ヽ      ヘ     ヽ ヽ
  (o )'    /             ヽ    ヽ(o )
   /      / / // /|  ||  |   |ヽ    |  ヽ
  |      | | | | / |  | |  |   | ヽ    |   |
  |  |  |  | | | |  |  | |  | |  |  |   |    |
  W|_|    |. V V  V  V  V  V|    ||   |無数の月が照らした
    |    |' ´__      __` |  |  ||〜 vさくらと小狼は永遠の口付けの中
    |    |    ̄ ̄   ,     ̄ ̄  | |  ||   色あせぬまま
    ν |  |  、、、、   ^   、、、、 | ノ  |
     | \ >      0        ν  | |
      ゝ    \             /| |  ノ |
       V W  _ト  ___  イ_ |ノ  /v
   / ̄ ̄ ̄  |         |   ̄ ̄ ̄ ヽ
   |                                |
   .|         \       /       |
210CC名無したん:02/05/11 16:37 ID:kohAOtXQ
http://www.tomato-sato.fans-club.com/
炉(゚∀゚)ノ  プチ★とまと
更新してたよ
211hg:02/05/11 16:45 ID:DYfMRSBg

-------風俗の総合商社・MTTどこでも-------

〇デリバリーヘルス〇デートクラブ〇女性専用ホストクラブ〇
〇ハードSM奴隷クラブ〇レズビアン倶楽部〇ホモ・オカマ倶楽部
〇変態痴女と遊ぶ会〇痴漢・覗き趣味の会〇変態同好会・各種!
●楽しく遊べます! 090-8002-8356番
-----------美男・美女会員など多数在籍中-----------
  http://www.mttdocomo.jp/
-----女性アルバイト随時募集・高収入(日払い)月100万円可能-----
-----レズビアン・スタッフ●ホモスタッフ●女性専用ホストスタッフ同募-----
http://www.mttdocomo.jp/
------------------------------------------------
212CC名無したん:02/05/11 23:14 ID:M1C09KNE

――――――――――――――┬―┘
         ドキュソ荘      |        パソコンは、
      _________    |        ドキュソな
      |        | __  |   |        >>211
      |        | |\_\. |   |    ∧_∧ 窓から
      |        | | . |.◎ |つ ミ|   (´Д`; ) 投げ捨てろ!
      |        | | . |:  | |   |   ⊂ ⊂ )
       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    | ⊂ ⊂   ノ



126さん、悪魔将軍さん、続きをおねがいします。
213126:02/05/11 23:27 ID:tMyZTYh.
「感じるよ、クロウ・カードの気配」
「ああ、でもつなぎめを見つけないと。
こんなことなら羅針盤を持ってくるべきだった」
ママもパパも気配だけでは、ループの場所はわからないみたいだ。
「とにかく、どこかに不自然な所があるはずだ。探そう」
けれども「ぬいぐるみの町」は同じ作りのブロックがつながってできている。
つなぎめがあったとしても、気が付かない。
「やっかいな所に現れたな」
「うん。でも、騒ぎが大きくならないうちに、早く見つけないと」
「あれ?このあたり・・・」
あたしは「気配」の強さが変わった事に気がついた。
でもママもパパも気づいていない。
「ママもパパもわからないなら、あたしの気のせいか」
その時
「あ!」
小さな女の子が落としたボールがあたしの足元にころがってきた。
「あれ?」
ボールはあたしの前で止まり、逆にころがった。
「ここ、坂が逆になっている」
「そうか、ここは全体がゆるやかな下り坂になっているから、
ループのつなぎめで元に戻るんだ!」
214126:02/05/11 23:28 ID:tMyZTYh.
あたし達は倉庫の入り口を見つけると中に入った。
「ここなら魔法が使っても大丈夫」
ママが星のペンダントを取り出す。
「星の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、さくらが命じる」
「封印解除(レリーズ)!」
パパは精神統一して、剣を実体化させる。
そしてあたしは
「光の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、すみれが命じる」
「封印解除(レリーズ)!」
「すみれちゃん、パパがつなぎめを切るからカードを封印して!」
「うん」
「タイム!」
ママが時間を止める。あたし達は、つなぎめの所に駆け寄った。
「ハッ!」
パパが剣を振り下ろすとループのカードが現れた。
「今よ!すみれちゃん!」
「うん、汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カード!」
215126:02/05/11 23:29 ID:tMyZTYh.
「やったぁ!」
ママがタイムの魔法を解いた。
「すみません。そのかわいい杖、どこで売ってるんですか?」
すぐそばにいた女の子があたし達に気づくと聞いてきた。
「え?えぇ、これ、どこで買ったんだっけ」
あたしは、必死でごまかした。
「ママ、魔法解くの早過ぎだよ」
「・・・ごめん」

もうすっかり夕方だ。さくら達は遊園地の出口に向かっていた。
「帰りにこぐまやさんに寄っていこうよ」
すみれはプリンのことを忘れていない。
時計塔のそばを通る。友枝遊園地が開園してから、いろいろな
アトラクションができたりなくなったりしてるけど、この塔は変わっていない。
「小狼くん」
さくらは、小狼に体を寄せる。
「覚えてる?ここで、無のカードを封印した時のこと」
「ああ」
忘れるはずがない。
「あたしの一番は小狼くんだよ」
「俺もだ。さくら」

<126的小話:完>
216CC名無したん:02/05/12 00:07 ID:c1ptX9jU
126さん、お疲れさまでした!!
217CC名無したん:02/05/12 00:30 ID:WPd51vaQ
やほーい!
218CC名無したん:02/05/12 23:07 ID:KKwqohg2
次回にそなえて 挙げ
219CC名無したん:02/05/13 00:10 ID:GLjsHvtw
ふむ・ふむ
220悪魔将軍:02/05/13 10:13 ID:nks7VflE
くどいようだが、自分が書く場合、子供の名前は
 >>65の設定に基づくもので通すからな。

 朝早く。赤ちゃんが同じ布団で寄り添うように寝ていた。
 すると、突然桜狼が目さました。そして、隣に寝ていた小零を起こした。
 眠そうな顔でおきる小零。すると桜狼が小零に何か言っている様子だった。
 「バブバブ。」
 「キャッキャ。」
 そして二人は布団から出て、ハイハイで前へ前へと進みだした。
 しばらくすると、二人は机のようなものの前に来ていた。それはさくらが昔使っていた勉強机で、なぜかいまだに残っているのだ。
 赤ちゃんはその机の一番下の大きな引き出しを引っ張り始めた。大きな引き出しは重く、赤ちゃんの力ではなかなか開かない。しかし、それでも二人はよいしょよいしょとあけようとする。
 なんとか引き出しが開いた。一息入れる赤ちゃん。そしてまず桜狼が引き出しの中を覗き込んだ。
 「け〜ろ〜。」
 そう、そこにはケロが気持ちよさそうに寝ていた。その引き出しは昔からケロの部屋なのである。
 「な、何や?。」
 ケロが眠たそうな目で起きた。
 「け〜、けろ〜。」
 「うわああああ!、赤ん坊やあああー!!。」
 
 赤ちゃんとケロの朝はここから始まる。
221CC名無したん:02/05/14 01:02 ID:9PtRkYbg
age
222CC名無したん:02/05/15 02:15 ID:R441OPG.
age
223CC名無したん:02/05/17 16:53 ID:c0Dze5Ig
次回に期待あげ
224CC名無したん:02/05/17 16:54 ID:oeBdSBZI
この人、エヴァ見て綾波に憧れてたかしらないけど、綾波ソックリに整形するってすごい。
エヴァ好きなら要チェック。↓整形板

http://life.2ch.net/test/read.cgi/seikei/1021620014/l50
225CC名無したん:02/05/18 19:36 ID:x.632Fl6
私、木之本苺 10歳
今日は私の家族を紹介するね
と言ってもお母さんと2人暮らしなんだけど
お母さんは木之本桜 とってもやさしいんだよ
お父さんは李小狼 私が小さい時にいなくなっちゃったの
あ、そうそう ケロちゃんを忘れてた とってもおしゃべりなクマさんだよ
時々お家を訪ねて来るお母さんのお兄ちゃん 桃矢おじさんもいるよ
お母さんとは喧嘩ばかりだけど ほんとは仲が良いんだ
そしてそして私の憧れの人、月城雪兎さんv
おじさんといつも来てくれるんだけど、とっても素敵な人なんだ
おじさんの遠い親戚なんだって
北海道の高校に通っているらしいよ
家族じゃないけど私の親友も紹介するね
李小鈴ちゃん スポーツ万能で李家のお嬢様だよ 苺鈴おばさんと昔日本に来た時から仲良しなんだ
今日も大道寺学園へ一緒に行こうね
226CC名無したん:02/05/18 21:47 ID:1ewgEZNA
age
227 :02/05/19 21:18 ID:aszDKR6.
神崎すみれ「サクラママ、お食事はまだですの?」
真宮司さくら「はいはい待ってくださいね!すみれさん!」
228CC名無したん:02/05/20 01:38 ID:LC75t/aQ
うあげ
229CC名無したん:02/05/20 02:49 ID:TbrtOipk
李くんがいい
230悪魔将軍:02/05/20 10:26 ID:lTyIIKKU
「今日、新しい先生が来る。」
桜狼のクラスでは今この話題でにぎわっていた。
「どんな先生かなー。」
「素敵な先生だといいなー。」
など、マジで大にぎわい。
「大変だよお姉ちゃん!。」
と、桜狼の元に小零がやってきた
「どうしたの?小零。」
「実は他の先生が言ってたんだけど、新しくくる先生って、なんでも悪魔将軍ってあだ名される先生らしいんだ。」
その直後教室中が硬直した。
「悪魔将軍?・・・まさか、スパルタ教師?。」
教室中のテンションは下がりに下がった。
と、その教師がやってきたようだ。みなが、いっせいに席に着く。
その時、教室の入ってきた先生の姿を見て、皆は唖然とした。
全身を白銀に輝く甲冑で覆われた2メートル以上はあろう大男。
「私が、今日から担任を務めることになった悪魔将軍です。よろしく。」

「そのまんまじゃねーかー!!!!!。」
みなは心の中でそう叫んだ。
231CC名無したん:02/05/20 12:21 ID:3kKmP.Z.
悪魔将軍と書いて「おみまさかど」と読む。
あだ名は「あくましょうぐん」
232CC名無したん:02/05/20 20:05 ID:rdlXt0MQ
age
233CC名無したん:02/05/21 00:59 ID:xXHqnRsw
>>230
正直ウケマシタ(w
234悪魔将軍:02/05/21 14:48 ID:s6xfS7ac
>>230の続き。
クラスの生徒全員が突然の出来事に唖然とするしかなかった。
全員は、悪魔将軍ってあだ名されるほど厳しい先生だと思っており、
まさか本物の悪魔将軍が来るとは思っても見なかったからだ。
そう、あの悪魔将軍である。かつて、悪魔超人軍団のボスとして、正義超人と
激しい抗争を繰り広げたりしたが、それも過去の話。今の彼は、悪魔超人生活に
限界を感じ、小学校教師に転身したのであった。
そして、普通に自己紹介をしていく悪魔将軍先生。
しかし、生徒全員のテンションはこれ以上下がれるかと叫びたくなるほど下がっていた。
「突っ込みてえ・・・突っ込みてえ・・・でも・・下手なことを言ったら・・こ・・殺される・・・かも・・。」
悪魔将軍先生は、
「一時間目の授業は体育だな。全員体操服に着替えたら体育館に集まること。」
そして、体育館に全員が集まった時、誰もが目を疑った。
「リ・・・リングが置かれてある・・・・。」
「あ・・・あの・・先生・・今日はいったい何をするんですか・・・?。」
「超人プロレス。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
235CC名無したん:02/05/21 23:36 ID:d4oDFaq.
>>悪魔将軍
ひょっとして貴様面白い人ですか?
ゆっくりで結構連載して下さい。
おながいしる!
236CC名無したん:02/05/23 04:48 ID:P1J2FBnU
あげ
237CC名無したん:02/05/23 12:58 ID:bmeVYSus
14さん126さん
帰ってきてええ!!
238CC名無したん:02/05/23 13:36 ID:FBf2MJj.
この126さん(真面目)と、悪魔将軍(コメディー)とのギャップが良いな。
239CC名無したん:02/05/23 20:07 ID:9EgVMXDg
>230 >234
おい、おもしれーじゃねぇか! さっそくかちゅのお気に入りに登録しましたよ?
 
っつーかいいスレだな、ここ。
240126:02/05/23 21:47 ID:T46YTrNE
「いってきまあす」
あたしたちは玄関を出た。龍平はまだちょっと眠そうだ。
「龍平、あんた、おそよー君だけじゃなくて、よく食べるようになったわね」
「う〜ん?」
これで太りでもしたら、女の子に嫌われちゃうよ・・・
龍平の変わりように、ママは特に気にしていないみたい。
一度、食事の時に
「ママ、あたし、デブの弟なんかいらないからね」
って言ったら、
「でも、たくさん食べるのは健康な証拠だよ」
って、どこかで聞いたようなことを言っていた。

「もう来てるかな?」
そろそろ、例の交差点に近づいてきた。
241126:02/05/23 21:48 ID:T46YTrNE
学校の近くの交差点に2台のセグウェイが止まっていた。
「おはようございます。桃矢おじさん、雪兎おじさん」
「おはよう」
桃矢おじさんは、ちょっとつっけんどんなあいさつ。
「おはよう。すみれちゃん、龍平君」
雪兎おじさんは、いつもやさしいあいさつを返してくれる。
「じゃ、行こうか」
おじさんたちはセグウェイを降り
あたしたち4人は学校に向かう。
桃矢おじさんと雪兎おじさんは塔和大学の先生なんだけど
週に1回、友枝小学校の隣にある星條カレッジで教えている。

「あの、おじさん?」
あたしは桃矢おじさんに、思い切って言う。
「今日の放課後、おじさんの研究室に行っていいんですか?」
242126:02/05/23 21:48 ID:T46YTrNE
あたしは、顔が熱くなるのがわかる。
「あの、今日の家庭科でケーキ作るんです。
それで、食べてもらいたいなぁって・・・」
「ふーん」
桃矢おじさんは、少し空を見ていた。
「いいよ。ただし、2つ条件がある」
「な、なんですか?」
「1つは、さくらより、おいしいケーキを作ること」
「え〜!」
「桃矢、いじめちゃだめだよ」
雪兎おじさんが助けてくれた。
「さくらちゃんのケーキは、とってもおいしいんだから。
あ、でも、すみれちゃんのケーキもおいしいんだよね」
「あ、あたし、がんばります」
「ま、さくらと同じぐらいのケーキを作れるように
早くなってほしいってことだ」
「それで、もう1つの条件って、なんですか」
あたしは、どきどきしながら聞いた。
243126:02/05/23 21:49 ID:T46YTrNE
「龍平もいっしょに来てくれないかな」
「え?」
あたしと龍平は、意外な条件に驚いた。
「今日のゼミ用に、ファイストスの円盤が届いたんだ。
もちろん、レプリカだけどな。龍平、こーゆーの、好きだろ?」
「はい、行きます!」
よくわからないけど、その、なんとかの円盤っていうのは
龍平のような歴史おたくにはたまらないものらしい。
さっきまで眠そうだった龍平の目が輝いている。

「そーはいくかぁ〜」
あたしのカバンの中から、聞き覚えのある声がした。
「ケロちゃん!」
「せっかく、すみれの作るケーキ食べよう思って
カバンに隠れてたら、この有り様や!
むざむざそいつらに食べさせるやなんて、
そんなこと、わいがさせへんでぇ〜!」
244CC名無したん:02/05/24 00:38 ID:mthyVGsk
ひさしぶりの126さん...。・゚・(ノД`)・゚・。ウワァァァァァァァァン!
(・∀・)イイ !!
245CC名無したん:02/05/24 03:15 ID:pVZNc1iY
さくら版にこんな良スレがあったのですね。
246悪魔将軍:02/05/24 09:35 ID:U.eBbFMY
>>234の続き。
「で、結局やったんか?プロレス。」
ケロが、桜狼に言った。桜狼は首を横に振りながら、
「ううん。先生ただの冗談って言ってたよ。結局やったのはドッジボール。」
「なんや、やらんかったんかいな。それにしてもおもろい先生やなー。」
「面白いどころか、怖いわよ。だって元悪魔超人よあの先生。」
と、小零が話しに割り込んできて、
「僕も最初は怖かったけど、もう慣れたよ。それに、あの先生強いんでしょ?
いじめっ子の追っ払い方とか教えてくれないかなー。」
桜狼は、その話を聞くなり小零の肩をたたき、
「あんたは元から強いから心配しなくていいの。ていうかあんたどーして強いくせにこーいつも弱気なのかなー。」
「そんなことないとおもうよ。」
小零は少し笑いながら答えた。
と、桜狼が突然立ち上がって、
「そうだ、早いところアレを完成させなきゃ。」
そして、机に向かう桜狼。
「な・・・何かいやな予感がする・・・。」
ケロは後ずさりしながら言った。
247悪魔将軍:02/05/24 09:46 ID:U.eBbFMY
桜狼が、作っているもの。それは、今流行り(?)の小型戦闘競技用ロボット
通称エンジェルと言うやつである。本来それは、別の作品のものだが、同じCLAMPと
言うことで、許してほしい。
桜狼は、さくらと小狼の子にもかかわらず、魔力がほとんど無い。興味も無い。
小狼は、桜狼を「李家日本支部長(ちなみに私の話では、あくまで李が苗字です。)」の跡継ぎにしたかった
のだが、桜狼はそんなものに興味など無かった。
だが、桜狼はなぜか大のメカ好き少女だった。ただ好きなだけでなくメカにもものすごく強かった。
同年齢の女の子が着せ替え人形で遊んでいるとき、桜狼はスーパーロボットの超合金で遊んでいたほどメカが好きだった。
そして、その守備範囲も広い。ガンダム・メダロット・ゾイドなど、ほとんどなんでもありの状態だった。
そして、今エンジェリックレイヤー用のエンジェルを作っているのだ。
メカ好きの桜狼が作るエンジェルは、あのヒカルに代表されるような、アンドロイドタイプではなく、
まるでどこかのロボットアニメに出てきそうなロボットみたいなとてもメカメカしいものだった。
しかし、そこがかっこいい。
248悪魔将軍:02/05/24 09:54 ID:U.eBbFMY
そして、
「やった完成!!」
桜狼は、今作っているエンジェルを完成させたようだった。
「で・・・何を作ったんや?。」
ケロは恐る恐るそのエンジェルを見た。ケロは青ざめた。
「ウォーズマン?。」
そう、桜狼が作ったエンジェルは、そのまんまあのウォーズマンだった。
ウォーズマンを知らない人(おれは知名度高いし知らない人少ないと思うけど)は
キン肉マンを読んでほしい。
すると、桜狼は押入れからエンジェリックレイヤー用リング「レイヤー」を取り出し、床に置いた。
そして、桜狼はケロを抱えあげて、レイヤーに乗せる。
ケロの正面、レイヤーの反対側には完成したばかりのウォーズマンが、腕組みをして立っている。
「ケロちゃん。今度もまたスパーリングに付き合ってくれないかなー。」
ケロはさらに青ざめた。
249悪魔将軍:02/05/24 10:07 ID:U.eBbFMY
「いやや!いやや!、いつもそうや、何でいつもワイがこんな目にあわないかんのや!!。」
そう、ケロは、桜狼がエンジェルを作るたびにスパーリングをさせられてきたのだ。
「あっそー。ケロちゃんいやなのー。あーあー、ケロちゃんがスパーリングに付き合ってくれたら
このイチゴショートあげようと思ったのになー。」
「なっ!なんやて!!?やる!やる!やったるでー!!。」
イチゴショートが食べたいあまり思わず引き受けてしまうケロだった。
しかし、それが悲劇の始まりだった。
「ベアークロー!!。」
「ぎゃああああああー!!。」
「パロスペシャルー!!。」
「ぎゃああああああー!!。」
「スピニングトーホールドー!!。」
「ぎゃあああああー!!これウォーズマンの技やあらへーん。」
「キャメルクラッチー!!。」
「これも別の人の技やああああー!!。」
数分後、その場に倒れこむケロの姿があった。人は死ぬ直前、今までの思い出が走馬灯のようによみがえると言う。
いま、ケロはそういう状態だった。クロウとの思い出、さくらとの思い出、桜狼、小零との思い出が走馬灯のようによみがえっていた。
ケロは安らかな眠りにつくのか・・・・・
「ケロちゃん!起きないんならケーキ食べちゃうよー!!。」
「いややー!!ケーキはワイが食うううー!!。」
ケロは瞬間的に元気になった。
                 めでたしめでたし

「めでた無いわー!!。」
ウォーズマンにコブラかけられながらケロが叫んだ。
    
250126:02/05/24 22:00 ID:8s4.12Y6
>>243 の続き。

「ケロちゃん!あれほど学校に来ちゃだめって言ってるでしょう!
誰かに見られたら、どうするの?」
「そやかて、わいのケーキ・・・」
「ちゃんと、ケロちゃんの分も作ってあげるから!」
「おい、すみれ」
桃矢おじさんが、声をかけた。
「よかったら、そのぬいぐるみ、放課後まで預かろうか?」
「いいんですか?」
「また、何か騒ぎをおこすかもしれないだろ?
研究室なら、今日一日、俺と雪兎から使わないから大丈夫だろう。
な、雪?」
雪兎おじさんは、微笑みながらうなづいた。
「あ、ありがとうございます」

「わぁった。これもすみれとケーキのためや。にいちゃん、世話になるで」
ケロちゃんは、桃矢おじさんのカバンに飛び移った。
「ほえ?」
あたしは、ちょっと変なことに気がついた。
「ぬいぐるみ」と言われたのに、ケロちゃんがつっこんでこない。
「ほんじゃ、すみれ。放課後のケーキ待ってるでぇ〜」
「うん。それじゃ、放課後におじゃまします」
あたしたちは校門の前で別れた。
251126:02/05/24 22:01 ID:8s4.12Y6
3人(?)は研究室に入った。
研究室といっても、外部講師用の共同の部屋だったが。
「ほう。ここがにいちゃんたちの職場か」
ケルベロスがカバンから出てきた。
「で、ケーキは、俺達に会うための口実なんだろ」
「わかっていたんか。それなら話は早いな」
「龍平とカードの件は、さくらから聞いた。
雪、悪いが、もうひとりのお前と話がしたいんだ」
雪兎の身体が、光に、そして羽に包まれた。
まもなく羽が解かれると、そこには雪兎の真の姿があった。
「ひさしぶりだな。ユエ」
「ああ」
252126:02/05/24 22:02 ID:8s4.12Y6
「・・・そうか。ユエも、そのカードの事は知らんかったか」
「最近、クロウ・カードの気配がすることには、私も気がついていた。
だが、ケルベロスがフロートのカードから聞いた事が本当だとすれば」
桃矢が口をはさむ。
「魔力がない俺には、あの子たちが危ないめにあってもわからない。
頼む。あの子たちを守ってくれないか」
「私たちの主(あるじ)は、さくらだ。あの子たちじゃない」
「ユエ、そないな言い方せんでも」
ユエは2人から目線をそらす。
「だが、あの子たちになにかあったら、主も困る。
主を困らせないというのは、魔力を渡すための条件だったな」
ユエは改めて桃矢を見た。
「努力する」

「月城せんせー」
廊下から声がした。
「仮の姿に戻る」
ユエは、再び羽に包まれた。
253126:02/05/24 22:02 ID:8s4.12Y6
その日の休み時間のこと。
「ぜひ、ご一緒させてくださいな」
「ほえ?知美ちゃん。クロウ・カードが出たんじゃないんだよ」
「でも、今日の放課後は『すみれちゃん憧れの人に手作りケーキを渡すの巻』!
これはぜひぜひ撮らせてくださいな」
知美ちゃんの目がきらきらと輝く。
「ほぇ〜。でもでも、ケーキを渡すところをビデオカメラで撮るわけ?
そんなの変だよ」
「大丈夫ですわ」
知美ちゃんは、なにやら小さなピンみたいなものを取り出した。
「この最新型カメラを、制服にとめて撮影すれば
おじさまに気づかれませんわ〜」
「知美ちゃん・・・」
あたしの頭の後ろに、おっきな汗が浮いた。
254126:02/05/24 22:04 ID:8s4.12Y6
「安心してください。カメラだけではありませんわ」
知美ちゃんは、さらに加速した。ケータイを取り出すと自宅に指令する。
「今日の4時、バトルコスチュームのΣ4を
友枝小まで届けてくださいませんこと?」
「知美ちゃん、バトルコスチュームって、
クロウ・カードが出たわけじゃないんだってば」
「心配なさらないでください。Σ4は、手作りケーキを渡すという
特別な日にふさわしい、すみれちゃんが超絶かわゆく見えるデザインですもの」
「はぅ〜」
あたしは固まった。
255126:02/05/25 22:35 ID:hs3EfdgU
そして、いよいよ放課後になった。
「おじゃまします。桃矢おじさん」
「おう、来たか。おや?すみれ。なんで制服じゃないいんだ?」
あわてるあたし。
「あわわΦΩΨ※!、これは知美ちゃんが、今日は特別な日だからって」
「特別な日?」
首をかしげる桃矢おじさんが、あたしの後ろにいた知美ちゃんに気づく。
「あれ、おまえは大道寺さんとこの・・・」
「こんにちは。私もすみれちゃんとは家庭科で同じ班ですの。
ご一緒させていただいて、かまいません?」
「ああ。かまわないけど」
桃矢おじさんは、きょとんとしている。
その陰から、
「おー、来たんか。待ってたでぇ」
「ケロちゃん、いい子にしていた?」
「あー、出来の悪いロボペ(ロボットペット)の振りしてくれたよ。
今時、ネットにつながらないんですかって、教え子たちに言われてた」
「ほっといてんか。わいはロボペやない。封印の獣、ケルベロスや!」
256126:02/05/25 22:36 ID:hs3EfdgU
「あれ?雪兎おじさんは?」
「帰った。雪の担当は1コマだけだから。論文もあるしな」
「おじさんとの共同論文のことですね?」
龍平が聞く。
「ちょっとはな。さて、コーヒーでも用意しようか」
「わーい、ケーキや!」

あたしはケーキの入っているボックスを開いた。
「えっと、ママとパパの分もいれて7等分か、切るの難しいよぉ」
「すみれ。雪の分、忘れてないか?」
「あ、そうか。8等分なら簡単だね」
あたしはケーキにナイフを入れる。
知美ちゃんがあたしをじっと見ている。
実は撮影されているのかと思うと、動きがガチガチになる。
「どないした?すみれ」
「うん、なんでもないよ」
その時だ。
「これは、クロウ・カードの気配!」
桃矢おじさんと知美ちゃんが倒れこんだ。違う、いきなり眠り込んだ。
「すみれ、これはスリープのカードや!」
257126:02/05/26 22:13 ID:hp1jZtIU
「龍平、桃矢おじさんと知美ちゃんをお願い!」
「うん、でも、2人どうなったの?」
「スリープのカードや。魔力のないもんは眠うてしまう。
龍平にも魔力はあるんや。2人をしっかり見ててぇな」
あたしとケロちゃんは、廊下に飛び出した。
「やっぱりや!」
廊下は、眠り込んでいる人がいっぱいいた。
「すみれ」
「うん!」
「封印解除(レリーズ)!」
あたしは、封印の杖を手にした。
「すみれ、こっちや!」
あたしはケロちゃんを追って走り出した。
(変や。スリープの気配が弱すぎる)
「ケロちゃん、ひょっとして、カードは1枚だけじゃないかも・・・
ここ!」
「ここか!」
あたしたちは、空調室の前に来た。
258126:02/05/26 22:14 ID:hp1jZtIU
バン!
突然、ドアが開いて突風が吹いた。
「キャー!」
「すみれ!」
真の姿になったケロちゃんが、羽で私をかばってくれた。
「ありがとう、ケロちゃん」
「これはウィンディや。スリープの粉を、ウィンディの風が
空調を通して大学中に撒き散らしていたんや」
「どうすれば、封印できるの?」
「わからん。ウィンディは、本来やさしいカードや。さくらもウィンディの
カードは最初から持っとった」
「やさしいカードって・・・」
目の前にいるウィンディは、とても攻撃的に見えた。
「どこか狭い所に閉じ込められれば、封印できるかもしれんが・・・」
風がさらに強くなる。
「だって、ケロちゃん、あたしの持っているカードは、
ジャンプさんにフライさん、それと・・・そうだ!」
あたしは、ループのカードを取り出した。
259126:02/05/26 22:15 ID:hp1jZtIU
「空間をつなげ、彼の者を閉じ込めよ!ループ!」
「すみれ、ループではウィンディは封印できん!・・・?!」
すみれは、杖を持ったまま精神を集中し続けていた。
ループによって閉じられた空間が、少しずつ縮んていく。
「そうか、この手があったか。
こんな使い方は、クロウでもせんかった・・・」
すみれの表情が険しくなっていく。
ウィンディは、狭くなっていく空間の中で、激しくもがく。
「だが、この使い方は魔力をごっつぅ消耗する・・・」
ケルベロスは口には出さなかった。
(・・・龍平が持つか・・・)
やがて、ウィンディの抵抗が弱まった。
「いまや。封印するんや!」
「うん!」
あたしはウィンディに駆け寄った。
「汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カード!」
260126:02/05/26 22:15 ID:hp1jZtIU
「ようやったな、すみれ。今回はさくらも小僧もおらへんのに封印できたな」
「待って、ケロちゃん。まだ、気配がするよ」
あたしたちは空調室に入った。
「これは・・・」
「スリープのカードや」
「だって、これ・・・」
ぐったりとした、スリープの姿は半透明だ。
「魔力が足りなくて、消えかけていたんや。すみれ、封印や。
封印すれば、また元気になる」
「うん。汝のあるべき姿に戻れ。クロウ・カード」
あたしは、スリープのカードも封印した。
「本来やさしいウィンディが、あれだけ攻撃的だったのは
スリープのカードを守ろうとしてたんやな」
「そうなんだ。もう大丈夫だからね」
あたしは、カードさんを抱きしめて言った。
261126:02/05/26 22:16 ID:hp1jZtIU
あたしたちは桃矢おじさんの研究室に戻った。
「知美ちゃん、なにしてるの?」
ドアを開けると、眠り込んだ龍平を撮影している知美ちゃんがいた。
「だって、龍君の寝顔、超絶かわゆいですもの〜。
さくらさんにそっくり、いえ、さくらさん以上のかわゆさですわ〜」
「龍平、眠っちまったんだ」
「おじさん、大丈夫ですか」
「ああ。龍平は、俺が家まで運ぶよ。ちょっとやそっとでは
目、覚まさないみたいだし。それにしても・・・」
知美ちゃんをちらりと見てから、桃矢おじさんは言った。
「さくらといい、すみれといい、おまえらの友達、ちょっと変」
「あぅ〜」
言葉を返せない、あたしとケロちゃんだった。

<126的小話:終劇>
262CC名無したん:02/05/26 23:09 ID:bj/It8Gw
126さんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!
263CC名無したん:02/05/27 01:49 ID:GIQJwWyI
 キタ━━(゚∀゚)━━( ゚∀)━━( ゚)━━( )━━( )━━(゚ )━━(∀゚ )━━(゚∀゚)━━━!!!
264ドラゴン:02/05/27 21:42 ID:JeAc50ck
ここがいちばんいいスレかもしれないっす・・・
265CC名無したん:02/05/27 22:01 ID:???
>>264 ドラゴンがんばれ。
266ORPHEN:02/05/28 18:33 ID:JU2HxPTs
>>264
26799:02/05/28 18:44 ID:???
-------風俗の総合商社・MTTどこでも-------

〇デリバリーヘルス〇デートクラブ〇女性専用ホストクラブ〇
〇ハードSM奴隷クラブ〇レズビアン倶楽部〇ホモ・オカマ倶楽部
〇変態痴女と遊ぶ会〇痴漢・覗き趣味の会〇変態同好会・各種!
●楽しく遊べます! 090-8002-8356番
-----------美男・美女会員など多数在籍中-----------
  http://www.mttdocomo.jp/
-----女性アルバイト随時募集・高収入(日払い)月100万円可能-----
-----レズビアン・スタッフ●ホモスタッフ●女性専用ホストスタッフ同募-----
http://www.mttdocomo.jp/
------------------------------------------------
268CC名無したん:02/05/28 19:42 ID:txjzmZrQ
269CC名無したん:02/05/30 13:51 ID:q18QxkS2
保守 あげ
270CC名無したん:02/06/01 02:36 ID:UlNY4PP2
あげ
271126:02/06/02 00:42 ID:fxoZxUOA
「あれ?」
あたしはまっしろな部屋にいる。部屋にはベッドがひとつ。
「龍平?」
ベッドに寝ているのは龍平だった。
肩で息をしている。苦しいはずなんだけど、龍平の表情は不思議に安らかだ。
「どうしたの龍平?どこか悪いの?」
龍平の口元が動く。え?聞こえないよ?
なにか言っているようだ。でも、でも・・・
「龍平、龍平ったら」
あたしは声をかけつづける・・・

「木之本さん、木之本さん」
「ほぇ?」
「まだ授業中よ」
「ほぇ〜!先生!」
あたしは居眠りしていたようだ。
「先生、あわわΨ※ΣΩ!ごめんなさい!」
「先生、残念だなぁ。寝言で男の子の名前を呼んでいたから、
彼氏かなって思って聞き耳たてたんだけど、龍平君のことを呼んでるもの」
教室中がどっと笑う。
「先生、ひどいですぅ」
先生は、あたしの耳元でそっとささやくように言った。
「休み時間に職員室まで来てくれないかしら、王子様」
「ほぇ?王子様?」
あたしはきょとんとした。
272126:02/06/02 00:43 ID:fxoZxUOA
「え〜!あたしが王子様?そんなのいいんですか?」
あたしは、職員室で神宮司先生の前で大声を出してしまった。

ここから、話は前回のラストまでさかのぼります。
桃矢の研究室で眠りこんでしまった龍平を撮影していた知美は
あることを思いついてしまったのでした。
「あ〜龍君の寝顔、超絶かわゆいですわ〜!
この寝顔を、まだまだ思う存分撮影したいですわ〜!」
「!」知美の頭の上に電球が点きました。
「そうですわ!演劇部に龍君を参加させてしまえば撮影しまくり!
どうして、今まで思いつかなかったのでしょう!」
知美は友枝小学校の演劇部長でした。
さっそく、その次の週に龍平にお願いしたのでした。
龍平には、知美のお願いという名の命令を断る事などできるはずはありません。
「で、どんな劇の、何の役をするの?」
「『眠れる森の美女』のお姫様役ですわ〜!」
「お、お姫様!な、なんで?」
273CC名無したん:02/06/04 05:21 ID:OIdflunU
あ〜げ
274CC名無したん:02/06/07 11:36 ID:3A4qrEf6
保守age
275名無しでGO!:02/06/09 12:37 ID:ZmgxuuRg
age とこう
276126:02/06/09 23:19 ID:jY.ofbsA
「だって、お姫様はせりふ少ないですし、寝ているシーンが多いですから
初めてでも大丈夫ですわ。(それに、寝顔を思う存分撮影できますし)」
「・・・そうなのかな」
意外にも、龍平がお姫様を演るというキャスティングに反対は出ませんでした。
演劇部は女子がほとんどで、男の役を女子が演じるのは珍しくありませんでした。
それに、龍平は女子にとっても人気があったのです。
問題は、誰が王子様役になるかでした。みんな、龍平の相手役になりたがり、
顧問の神宮司先生や知美が何を言っても、誰もあきらめなかったのです。
(知美は、もともと演じることよりも、監督というかプロデューサー志向なので
最初からナレーター役を選びました。
「それに、王子様では、龍君の寝顔を撮影できないですもの」)

キャスティングがどうどうめぐりになり、外が暗くなりかけた頃、
知美が龍平に尋ねました。
「龍君、誰が王子様になればいいと思いますの?」
「・・・お姉ちゃん」
277126:02/06/09 23:20 ID:jY.ofbsA
「・・・というわけなの。私も最初は、木之本さんに王子様を演ってもらうのは
って思ったけど、王子様って、殺陣(たて)のシーンがあるでしょ?」
最後に悪い魔法使いを倒すところだ。
「木之本さん、中国剣術できたわね。演劇部の他の子で、そうゆうの
できる子がいないから、私もあなたでもいいかなって思って」
「そうなんですか」
あたしは考えた。演劇もおもしろそうだ。それに、5年生になってから
龍平とはクラスが別になって、放課後とか、あまり一緒にならなくなっている。
少しは姉らしいことをしなくちゃとも思う。
「わかりました。でも、あたしが王子様で、龍平がお姫様っていうので
本当にいいんですか?」
「それは、先生も気になったの。
そしたら、さっき、寺田先生がこの話を聞いて、
昔の友枝小でもあったんですって。
女の子が王子様で、男の子がお姫様だった『眠れる森の美女』」
「そうなんですか」
誰がそんな劇を演ったのかな、とあたしは思った。
278126:02/06/09 23:25 ID:jY.ofbsA
個人的には >>225 さんの続きをキボンヌ。
ageてくれた方には申し訳ないけど、ageだけのリアクションだと書きづらいのよ。
ストーリーを膨らませるようなエピソードになるヒントが得られないので。
このまま126的小話続けるには、原作にないキャラも必要なってくるんで
続けていいのかと思案中です。
279CC名無したん:02/06/10 06:06 ID:QMlbXGIk
>278
やっぱり、そのカード達はすみれカードになるのかなあ、とか想像してます。

あとクロウが修行中に作ったでき損ないのカードとか、
作ったけどやっぱりいらないと思ったカードとかありそう。

クロウカードに入れなかった「雷(かなんか)」のカードが暴走して
すみれちゃんがそれを止めるために、雷と対になる全く新しいカード作るとか。
雷じゃ対になるものないか。
あ、もうあるカードですが「甘スイート」の暴走を止めるために
「辛」か「苦」を作るとかどうでしょう。
「スイートって何に使うカードなのかねえ」とか言われてるのを聞いて、すねて暴走する。

うーん、あとは「数ナンバー」「言ワード」「選チョイス」
「色カラー」「壺コルドロン」「運ラッキー」とか考えられますかね、
「作ったけどいらないや」と思って選にもれたカード。

…あと「鏡」と「剣」があるんだから「珠オーブ」とかも一度は作ってそう。
280279:02/06/10 06:10 ID:QMlbXGIk
あ、雷ってカードありましたっけ。
ゴメソ。逝ってきます
28163周年:02/06/10 06:59 ID:q5HSXHHE
「食肉(フリッケ)」「筋肉(夢月)」「糞(ハニャソ)」
「禿(タケダ)」「馬鹿(タップ)」「妄想(妄想)」
などのカードをキボヌ・・・・すると、コテハンネタで荒れてしまうか・・・。
282 :02/06/10 07:40 ID:xwhFMMIY
新刊裏本、完全無料
http://www.slutty-nurse.1444.net/
283CC名無したん:02/06/10 12:13 ID:SGBKGp6c
>>281 なぜ自分が入ってないのか、そこがポイント。
284CC名無したん:02/06/11 04:24 ID:Z4VSAOxo
すみれちゃんにボーイフレンド作ってホシイ!
…駄目ですよね?
285126:02/06/11 21:24 ID:vxhWercY
このまま続けばの話ですが・・・
>>279
クロウにカード作りを教えた魔術師がストーリーに影響してきます。
実在の人物です。
ヒントは、最初の方に書いたエリオルと知世の会話にあります。
(名前を使っているだけなので、調べて実際とは違うとつっこまないでください)
>>284
そう、このまま話が進むと出てくるんですが、原作にないキャラって
難しいんですよ・・・
286126:02/06/11 21:29 ID:vxhWercY
>>277 の続き。

「龍平、晩ご飯終わったら練習だからね」
「うん」
発表会の日はだんだん近づいてきた。
ふたりとも、もともと演劇部員じゃなかったから、他のみんなほどには
なかなかうまくならない。
もっと練習しなくっちゃということで、夕食後にふたりの部分を練習するようになった。
「ふたりとも、がんばっているのね」
「うん、ママ」
「で、どんな役なの?そろそろ教えてくれてもいいじゃない?」
「てへ。当日のお楽しみってことでいいじゃない」
あたしが王子様で龍平がお姫様なんて、ちょっと言えない。
パパは何も聞かない。発表会で何か言われるかな。
287126:02/06/11 21:30 ID:vxhWercY
「まぁ、これは何かしら?」
龍平のせりふだ。
あたしは台本のト書きを読む。
「で、そのまま糸車に近寄って・・・糸車を触ってみる」
「うっ」
龍平は自分のベッドに倒れこむ。
「えっと、妖精さんたちが出てくるところはとばして」
台本を丸めると、剣の代わりに持つ。
「おう、なんと美しい姫君なんだ。私のくちづけで姫君が目覚めるなら」
台本を握った手を、宙に伸ばす。
「この剣に誓おう。この美しいいばらの森の姫を私は生涯愛しつづけると。
いざ、くちづけを」
あたしは龍平に顔を近づける。

その時、あたしは「気配」を感じた。
「クロウ・カードやぁー!」
「ケロちゃん!?」
288CC名無したん:02/06/13 20:40 ID:7XBB1EOo
期待age
289279:02/06/16 05:52 ID:8EQ1ewOk
>>285
そういえばゴールデンドーン出てましたね。期待期待。
290126:02/06/17 00:38 ID:mAoE0LvM
窓から、カメレオンのようなものが飛び込んできた。
続いて、ケロちゃんが飛び込んでくる。
同時に
「すみれ、龍平、大丈夫か!」
パパがドアを開けて部屋に飛び込んできた。
カメレオンが、龍平に向かって跳ねた。
「つかまえるんだ!」
「う、うん」
龍平、パパ、ケロちゃんの3人がカメレオンを押え込む。
3人とカメレオンが、一瞬、光った。
パパが私に向かって叫ぶ。
「すみれ、封印するや!はようせんと、また逃げられるで!」
「う、うん」
あたしは大急ぎで杖を封印解除(レリーズ)する。
「汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カード!」
291126:02/06/17 00:39 ID:mAoE0LvM
カードは無事に封印できた。チェンジというカードだ。
でも3人の様子がおかしい。
「みんな、どうしたの?」
パパは頭を抱えている。
「また、やってもうた」
ケロちゃんはあたふたしている。
「なに、なにが起きたの!」
龍平がパパに向かって言う。
「まさか、また・・・」
「ケロちゃん、そのしゃべり方、大阪弁じゃない・・・」
「すみれ、しっかり聞くんやで」
かわりに、パパが大阪弁をしゃべってる!
「驚きなや。わいがケルベロスや」
「な、何言ってるの、パパ。冗談は」
龍平が口をはさむ。
「冗談じゃない。俺がパパだ」
ケロちゃんがあたしに言う。
「お姉ちゃん・・・」
「ほぇ〜」

ママが部屋に入ってきた。
「ほぇ〜!また、チェンジのカードね!」
ママによると、3人が同時に触ったためチェンジのカードが発動したらしい。
その結果、ケロちゃんがパパの身体に、パパが龍平の身体に、
龍平がケロちゃんの身体に入れ替わってしまったようだ。

「ほぇ〜!こんがらがっちゃうよぉ〜!」
292CC名無したん:02/06/24 01:48 ID:ejcoc6HU
は〜、このスレ見るととても和むよ。
126様、これからも頑張って下さいませ。
293126:02/06/24 22:17 ID:AeNA6fG6
ピピピピピ・・・
「あふぅ。もう朝かぁ」
あたしは制服に着替えると、カードさんたちにおはようのあいさつをした。
「おはよう、カードさん」
そして、おそよー君を起こしに行った。
「おそよー!ほえ?」
ベッドに龍平の姿がない。代わりに寝ていたのはケロちゃんだった。
「〜ああ、お姉ちゃん?」
「ケロちゃん、なに言ってるの!龍平みたいなしゃべり方して」
「お姉ちゃん、ぼくだよ。龍平だよ。今日は夕方まで、この身体なんだから」
「そっかぁ。ごめんごめん。でも、ケロちゃんの身体だと着替えなくても
いいんだよね。一緒に、朝ご飯にしよう」
あたしは、ケロちゃんになった龍平を抱え上げた。
294126:02/06/24 22:18 ID:AeNA6fG6
「おはよう・・・ほぇ?」
朝ご飯を食べに降りると、お決まりのやりとりをしている2人がいた。
「何が小僧だ」
龍平の身体になっているパパが言う。
「小僧で十分や」
パパの身体になっているケロちゃんが言い返す。
いつもならここで、パパの「ぬいぐるみ」のひとことが出るんだけど
その”ぬいぐるみ”は私の胸に抱かれている。
そう言いあいながらも、2人はしっかり朝ご飯を食べている。
「おはよう、すみれちゃん、龍君」
「おはよう」
あたしと龍平はママにあいさつした。
「ママ、パパは今日、学校に行くの?」
龍平の身体になっているパパは、制服を着ていた。
「そうよ。龍君、学校休むわけにいかないでしょ。大丈夫だよ。
パパならうまくやってくれるから」
「そうだけど、パパのお仕事はどうするの?」
「う〜ん」
ママの頭におっきな汗が浮いた。パパの身体になっているケロちゃんは
しっかりネクタイを締めている。
「本当に大丈夫?ケロちゃんにパパのお仕事なんかできないよ」
「ママが何とかするから。なんとかなるよ。絶対、大丈夫だよ。
だから、2人とも、朝ご飯にしなさい」
「は〜い。いただきまあす」
295CC名無したん:02/06/29 23:46 ID:oWoJoNZE
保守&期待age!
296126:02/06/29 23:53 ID:nnwe.lNk
「いってきまあす」
あたしと龍平、そしてパパは家を出た。
「龍平、今日の時間割は?」
ケロちゃんの身体になっている龍平が、カバンの中でスケジューラを操作する。
「これ」
「1時間目は英語、2時間目は歴史か。今日はテストとかはないんだろ?」
「うん。だから、おとなしくしていれば、大丈夫だと思う」
大阪弁をしゃべらないケロちゃんって、やっぱり変。そりゃ、今は龍平だけど。
「あ〜!忘れてた!」
「どうした、すみれ?」
「今日の放課後、劇の練習があるんだ。どうしよう。
今からじゃ、パパはセリフなんて覚えられないし」
「どんな劇だ?」
(ややこしいけど)ケロちゃんになっている龍平が、台本を取り出す。
「これ」
「・・・『眠れる森の美女』・・・」
「パパ、顔が赤いよ?どうかしたの?」
「なんでもない」
龍平になっているパパは、台本を閉じると言った。
「これなら、休み時間中になんとかなる」
「パパ、すごーい」
なんで、すぐに覚えられるんだろう。
297126:02/06/29 23:54 ID:nnwe.lNk
そのころ、木之本家では・・・
「ケロちゃん、お願いだから、うちでおとなしくしていて!
ケロちゃんがお仕事行ったら、小狼くんに迷惑がかかるんだから!」
「なにゆうとんねん!この封印の獣、ケルベロス様が小僧の仕事を
みてやるって言ってるんやで。少しは感謝してもらわんとな」
「そんなぁ。小狼くんが困っちゃうよぉ」
「困らん、困らん。わいが小僧の代わりにパパッと仕事してやるさかい」
(こーなったら、最後の手段をとるしかない・・・)
さくらは決心した。精一杯の作り笑いをして、冷蔵庫の扉を開いた。
「ケロちゃん、これ、何かなぁ〜?」
「プリンやぁ〜!こぐまやのプリンやないかぁ〜!」
いつのまにか冷蔵庫の中は、こぐまやのプリンでいっぱいになっていた。
小狼の身体になったケルベロスは、冷蔵庫に突進する。
そして、プリンを次々と食べ出した。
「あ〜プリン〜プリン〜」
(今だ!)
さくらは杖を封印解除(レリーズ)した。ケルベロスはまだ、プリンに夢中だ。
「リトル!」
「うぉ、うぉ、うぉ〜」
(くどいけど)小狼の身体になったケルベロスの身体が小さくなる。
「うぉ〜でっかいプリンや!もう幸せや!全部食ったる!小僧の仕事はそれからや!」
(これで、大丈夫ね)
さくらの作戦勝ちであった。
298CC名無したん:02/06/30 00:34 ID:mn7j0WdQ
>>126さん
毎回毎回ほのぼのとした作品に心が癒されていますヽ(´ー`)ノ

>うぉ〜でっかいプリンや!もう幸せや!全部食ったる!小僧の仕事はそれからや!

これにはウケマシタ(w

このまま行くと「光」と「闇」でも出てくるのでしょうかね?

次回を楽しみにしています!
299126:02/06/30 22:27 ID:bdUsXfGU
1時間目は無事に過ぎた。次の授業は歴史だ。龍平はあることに気づいた。
「パパ、パパ」
カバンの中からの声に気づいて、龍平の身体になっている小狼が
カバンをのぞきこむ。
「どうした?」
「大変だよ、今日の10分間プレゼン、ぼくの番なんだ」
「10分間プレゼンって?」
「自分がやった自由研究の内容を、みんなの前で10分間で紹介するんだ」
「俺にできるのか?もう、授業は始まるぞ」
「・・・うーん、そうだ!パパ、ホログラム・パワーポイントの使い方は
知ってるよね?」
「ああ、仕事でも使うからな。それで?」

2人が話をしているところを、クラスメイトが気が付いた。
「木之本、何、カバンと話してるんだ?」
「え、あ、ちょっとな。ロボペ(ロボットペット)の調子が悪くて・・・」
「ふーん、珍しいな。そのタイプ」
「ああ、父さんが香港で買ってきたやつだから。ヘヘヘ」

授業が始まるチャイムが鳴った。
300126:02/06/30 22:28 ID:bdUsXfGU
授業が始まった。
「それでは、今日の10分間プレゼンは、木之本の番だったな」
「はい」
龍平になった小狼は、プレゼン内容の入ったディスクとロボペのふりをした
龍平を持って、みんなの前に出る。
「どうした、木之本。ロボペなんか持って」
「今にわかります」
龍平になった小狼はそう答えると、ディスクを端末に差し入れ、ケルベロスに
なった龍平を教壇の上に置く。ディスクが読みこまれると、ホログラムの
円盤が浮かび上がった。
「では、10分間プレゼンを始めます」
声を出したのは、ケルベロスになった龍平の方だった。
「今日のプレゼンは、ご主人様に代わって、このケルベロスがご案内します。
今、ホログラムに出ているのは、1908年にクレタ島で発見された
『ファイストスの円盤』というものです。書かれている文字は、線文字Aと
呼ばれ、最近になってようやく解読されました・・・」
(ややこしいけど)龍平になった小狼は、ケルベロスになった龍平の指示で
ホログラムを切り替える。
(こいつ、ずいぶんと詳しいじゃないか)
小狼は、そう思った。子供も龍平ぐらいの年令になると、親がかなわない
部分が出てくる。子供の成長ぶりを実感した一瞬だった。

「以上で、プレゼンは終わりです。ご静聴ありがとうございました」
小学生らしくない言葉使いで締めると、ケルベロスになった龍平は
ロボペらしく、プログラムが終了して動かなくなったふりをした。
「龍くん、すごーい!それに、そのロボペ、かわいー!」
クラスの女の子が声をあげる。
「木之本、いいけど、ちょっと凝りすぎだぞ」
先生は、半分あきれながら言った。
301126:02/06/30 22:30 ID:bdUsXfGU
「・・・そうでしたの。それで、今日の龍くんの様子、いつもと違っていたのですね」
その日の放課後、なんとか劇の練習を終えて、あたしと知美ちゃんは
パパたちと一緒に帰ろうと、待ち合わせの場所に向かっていた。
「でも、すばらしいすわ。小狼さんは。今朝、台本を初めて見て、あそこまで
お姫様の役を演じられるなんて。とても初めてだとは思えませんわ」
「えへ」
そう言われると、自分のことじゃないけれど、ちょっぴりうれしい。
「それに、今日の体育の時間は大活躍で、みんなびっくりしてたそうですし」
知美ちゃんは話し続けた。
「それにそれに、今日の龍くん、いつもより大人っぽくってステキって、
クラスの女の子が噂してましたし(ライバルが増えてしまいましたわ)・・・」
「そうっかぁ」
あたしは今日の練習でやった、劇の最後の方のくちづけのシーンを思い出していた。
同じ龍平なんだけど、実はパパだと思うと、ずいぶん違った感じがした。
なんというか、安心できるというか・・・
「大人っぽいのって、いいかもしれないね」
あたしは、少しだけ、桃矢おじさんのことを考えた。
302126:02/06/30 22:31 ID:bdUsXfGU
「あ、そうだ。衣装はどうなっているの?みんなの分まで、知美ちゃんが
準備するの大変でしょう?」
知美ちゃんはナレーションだけでなく、演出や衣装の手配も担当している。
「ええ。これだけの衣装を一度に準備するのは、私も初めてですから、
今夜、イギリスにいる母とTV電話で相談しようと思いますの」
「大変じゃない?」
「そんなことはありませんわ。すみれちゃんと龍くんを
さらにかわゆく美しくするためには、努力は惜しみませんわ〜」
「はう〜」
あたしの頭におっきな汗が浮いた。
あたしはともかく、龍平をかわゆく美しく?
でも龍平は、クロウ・カードを集めていた頃のママにそっくりだ。
お姫様の衣装も、あたしより似合うかもしれないな。
303CC名無したん:02/07/06 17:32 ID:g78JykTc
続きキボンヌ
304CC名無したん:02/07/06 17:56 ID:OZN5tIGE
http://fusianasan.2ch.net/
guest guest 
guest guest 
guestguest
307126:02/07/07 00:08 ID:JS3.TY9s
その時、
「お姉ちゃん!」
あたしは声がした方を振り向いた。
「ケロちゃんさん!」
「知美ちゃん、今日は龍平よ。どうしたの?」
ケロちゃん、じゃない、龍平が、半ばなきべそになりながら、
こっちに向かってパタパタと走ってくる。
「パパが、パパが、いつもの3人に囲まれちゃって」
「あいつら・・・!どこ?」
「体育館の裏!」
あたしは龍平を抱きかかえると、知美ちゃんと一緒に走り出した。
「今日の体育のサッカーで、パパがあの3人をドリブル抜きしたんだ。それを」
「逆恨みってやつね」
「こっち!」
308126:02/07/07 00:09 ID:JS3.TY9s
「パパ、大丈夫?!」
そこに、パパと例の悪ガキ3人がいた。
「ああ、なんとか大丈夫だ・・・」
龍平の身体をしたパパは、肩で息をしながらすわりこんでいた。
「あいつらは?」
「そこ」
3人はのびていた。
「大丈夫だ。少しだけ、気を使った。すぐに目を覚ますさ」
内気功を使ったようだ。
「パパ!」
龍平があたしの腕から飛び降りて、パパに駆け寄る。
「ぼく・・・ぼく・・・ごめんなさい」
「いいんだ、龍平」
パパは龍平の頭に手を置く。
「・・・ただ、今日の体育でもわかったんだが・・・
もう少し、身体を鍛えた方がいいぞ。歴史もいいけどな」
「・・・うん」
龍平は、涙をこらえながら答えた。

この日を最後に、龍平がいじめられる事はなくなった。
309126:02/07/07 00:10 ID:JS3.TY9s
その日の夕方、あたし達は龍平の部屋にいた。
心が入れ替わった3人を、元に戻さなくちゃいけない。
「それにしても、小僧の身体っちゅうんは、ほんまに不便やな。空も飛べへんし」
「なんだと。人の服をプリンだらけにしておいて言うせりふか!」
結局、リトルのカードで小さくされたケロちゃんは、夕方までプリンを
食べつづけていたのだ。それも、プリンの中にダイブしながら。
「なんやて?わいは食いモンに対して、いつも真剣勝負なんや!」
「・・・食い意地はってるな」
「もういっぺん言ってみぃ、小僧!」
「やめてよ、2人とも。戻れなくなっちゃうよ」
龍平の言葉に、2人はしぶしぶと黙り込む。
「さぁ、すみれちゃん、チェンジのカードを使って、みんなを元に戻しましょう」
「うん、ママ」
あたしはチェンジのカードを取り出すと、深呼吸した。
龍平達が、互いに抱き合う。
「彼の者たちの心を入れ替えよ!チェンジ!」
3人は、カードから伸びた光に包まれた。
310126:02/07/07 00:11 ID:JS3.TY9s
まもなく、3人を包んでいた光が消えていった。
それぞれ、自分の身体を確かめている。
「どう?」
ママが心配そうに尋ねる。
「2度あることは3度あるって、このことなんやな」
龍平が大阪弁で、妙に納得している!
「・・・また、この身体か」
ケロちゃんがつぶやいた。大阪弁じゃない!
「お姉ちゃん、今度は・・・パパの身体なの?」
パパがあたしを向いて、泣きそうな声で言った。

「ほぇ〜!今度はどうなっちゃたの?」
今度は、ケロちゃんが龍平の身体に、パパがケロちゃんの身体に、
龍平がパパの身体に入れ替わってしまったようだ!

(みんなで)「ほぇ〜!」
311126:02/07/07 00:13 ID:JS3.TY9s
次回予告
待ちに待った発表会。
でも、いっぱい練習したし、ママもパパも桃矢おじさんも見に来てくれるし
失敗しないようにがんばらなくっちゃ。
ほえ、この「気配」?
まさか、こんな時にクロウ・カードが?

カードキャプターさくらと小狼のこどもたち
すみれのドキドキ発表会

次回もすみれと一緒に
さくらと一緒に
封印解除(レリーズ)!
312CC名無したん:02/07/09 20:18 ID:0YCI2Z7c
スンバラシイ!!!良作を書いてくれる作者さんに感謝!!
313 :02/07/09 20:23 ID:8U.RPmhQ
(・∀・)
http://www.ero-site-password-free.isgreat.net/
パスクラだな(エロ)
314CC名無したん:02/07/09 20:27 ID:EXKL1dqY
すみれや龍平の画像無いの?
31563周年:02/07/09 20:39 ID:rxUT21Jk
さくらたんの子供達の姿はみんなの心の中にあるのだと思う・・・

とわいえ、2冊目の同人誌の名スレ紹介で誰かがイラストを書いていたような・・・。
316CC名無したん:02/07/09 22:43 ID:gOz/dx.k
>>315
画像うpきぼん
317   :02/07/14 00:38 ID:AHQnS50w
このスレおもろい
126たんサイコー
318126:02/07/14 14:59 ID:rwVbon/E
今日は、いよいよ発表会の日。
友枝小学校だけじゃなくて、区の小学校の演劇部が集まって発表する日だ。
今回の会場は、友枝小学校の講堂だ。
あたし達は控え室で、最後の準備をしていた。
「ほんと、知美ちゃんの用意してくれた衣装ってステキだね」
みんなが着ている衣装は、ぜんぶ、知美ちゃんが用意してくれたものだ。
龍平は緊張しまくっている。
「間違えずにセリフいえるかな、お姉ちゃん?」
「大丈夫だよ、いっぱい練習したんだもん。あ、知美ちゃん」
「お待たせしましたぁ。すみれちゃん、龍くん、こちらへいらしてください」
「さ、龍平」
あたし達の着替えの番だ。
319126:02/07/14 15:00 ID:rwVbon/E
その頃、観客席では、さくら達が開演を待っていた。
「友枝小がいちばん最初なんだ。ほぇ?『眠れる森の美女』?」
プログラムを開いた、さくらが聞いた。
「小狼くん、すみれちゃんと龍くんが『眠れる森の美女』に出るって知ってたの?」
「ああ」
「お前が、お姫様をやったんだよな」
桃矢が突っ込む。
「・・・なんで、ここにいるんだ」
小狼が答えにならない言葉を返す。
「すみれが、チケットくれたんだ。せっかくだからな」
「自分だって、シンデレラやったんじゃないか」
「うっ・・・思い出したくない」
小狼の言葉に桃矢が頭を抱える。
「文化祭の写真がいちばん売れたんだよね?」
さくらの言葉がさらに追い討ちをかける。
「なんで、そんなことまで・・・雪か?」
さくらがうなづいた。
「雪兎さん、来れなくて残念だね」
「父さんの手伝いだ。2人とも、残念がってた」
「そうかぁ」
さくらは、プログラムを見直す。
「すみれちゃんと龍くん、なんの役なんだろう。楽しみだなぁ」
小狼が、クスっと笑う。
「あーっ、小狼くん、知ってるんだ。ずるーい!」
「まあな」
「小狼くんのいじわるぅ」
320126:02/07/14 15:01 ID:rwVbon/E
着替えの終わったあたし達は、みんなのところに戻った。
「すみれちゃん、かっこいい!」
「ステキ!」
王子様の衣装を見て、みんなが言った。
「知美ちゃんの用意してくれた衣装がすごいからだよう」
あたしは、照れながら答えた。

「いやだ・・・恥ずかしいよう」
続いて、知美ちゃんに連れられて、龍平がみんなの前に現れた。
嫌がっている。けど、
「龍くん、かわい〜!」
みんなの声が上がる。
思っていた以上に、お姫様の衣装は龍平に似合っていた。
「よく似合っていらっしゃいますわ」
知美ちゃんが、龍平に言った。
「なんで、ぼくがこんなひらひらしたの、着なきゃいけないの?」
「お姫様だからでは?」
「それに、この髪のくるくるはなに?」
「お姫様だからですもの。ほんとうに、よく似合っていますわぁ」
龍平は、もう何も言い返せないようだ。
321126:02/07/14 15:02 ID:rwVbon/E
「ところで、知美ちゃん、この衣装の生地、珍しいね?」
「ええ、実は、すみれちゃんと龍くんの着ている衣装は、我が家に伝わる家宝ですの。
この前、イギリスにいる母に電話した時、我が家に王子様とお姫様の衣装が
保管されていると教えられましたの。おふたりとも、サイズがぴったりで
よかったですわ〜!」
あたしはちょっとあわてた。
「家宝って、そんなにすごいの、あたし達が着ちゃって、本当にいいの?」
「大丈夫ですわ。母に、この劇のことを伝えたら、とても喜んでおりましたもの。
我が家の衣装で、おふたりも、かわゆく美しくできるのは、
とっても幸せですわ〜っと、わたしもかなわないぐらい、母はうっとりしてましたわぁ〜」
「はぅ〜」
あたしの頭におっきな汗が浮いた。この親子って・・・
322126:02/07/14 15:03 ID:rwVbon/E
ナレーションを担当する知美は、調整室に入って行った。
「よぅ!知美、見に来たでぇ!」
迎えたのは、ケルベロスだった。
「いらっしゃい、ケロちゃんさん」
知美があいさつを返す。
「ほんま、この調整室も久しぶりやなぁ」
「さくらさんたちの『眠れる森の美女』の時も、ここにいらしてたんですわね」
「なんや、知っとったんか」
「えぇ、母から聞きました」
「それにしても、いろんな機械が増えとるな。知美、その機械は?」
「これですか?」
知美が端末を操作する。
「これは・・・いろんな所が映っとるやないか」
「みなさんの衣装に埋め込んだ、極小カメラからの映像ですわ。
これで、劇中のすみれちゃんと龍くんをバッチリ撮影できますわぁ!」
「・・・知美・・・」
ケルベロスの頭におっきな汗が浮いた。
「このために、衣装はすべてわたしが用意しましたの。
演出を担当したのも、劇中におふたりを衣装のカメラからバッチリ撮影
できるように立ち位置を決めるためですわ」
「・・・ほんま、ようやるわ・・・」
ケルベロスは固まるしかなかった。

「さぁ、開演時間ですわ」
知美は、マイクに向かった。
323いくまえ:02/07/14 16:14 ID:k88Xy71A
神崎すみれ
324CC名無したん :02/07/19 20:15 ID:T7qatQkI
期待age
325 :02/07/19 21:13 ID:ISSw3DJo
(・∀・)
http://www.eroero-password.isgreat.net/
パスクラだな(エロ)
326126:02/07/21 00:17 ID:i4Ug4LtU
劇は、無事に進行していった。
「ほんま、小僧と違って、龍平はお姫様が似おうとるな。
龍平がお姫様っちゅうことは、すみれの役は、ひょっとして、おっ」

いよいよあたしの出番だ。
舞台中央に歩いていく。観客席をちらっと見ると、ママとパパと、
(桃矢おじさん、来てくれたんだ)
あたしは、頬が熱くなるのがわかった。

「小狼くん、これって・・・」
「ああ」
さくらの言葉に、小狼は笑顔を返す。
さくらは、もうひとつの『眠れる森の美女』の思い出を重ねていた。

「おー、ええ感じやないか。すみれも、さくらに負けへんな。
知美、今、気がついたんやけど、あの衣装は」
「はい、さくらさんと小狼さんが着られた衣装ですわ」
「ほぉー、親子やなぁ。ほんま、ええ感じやでぇ」

「ここか、不思議な城というのは」
あたしは、ゆっくりと最初のセリフをしゃべった。
327126:02/07/21 00:18 ID:i4Ug4LtU
いよいよ、つかさちゃんが演じている魔女と戦うところだ。
「おーほっほっほっほ!やってきたわね、王子!」
「お前が、呪いをかけた悪い魔女だな!」
あたしは剣を抜いた。
「皆の者、やぁーっておしまい!」
「イーッ」
魔女の手下たちが襲い掛かってきた。
あたしは、剣を抜いて次々とやっつける。ここで、バク転だ。
無事に決まった!拍手が聞こえてくる。
最後の手下を倒すと、いよいよ次は魔女を倒す番だ。
「おのれー!王子め!」
つかさちゃんの演技も真に迫っている。目の色が変わるほどだ。
そして、本当に目の色が変わった。
「え!?」
この「気配」、これは、クロウ・カードだ!
つかさちゃんの持っている杖が、突然、剣に変わった。
観客がどよめいた。すごい小道具だと思ったようだ。
つかさちゃんが、剣を構える。
(これ、演技なんかじゃない。本当に、剣術の達人の構えだ)
あたしも、剣を構え直した。
328126:02/07/21 00:19 ID:i4Ug4LtU
つかさちゃんが動いた。
「!」
ぎりぎりかわせた!舞台のセットが、きれいに切れている。
観客が、またどよめいた。まだ演出だと思っているようだ。
どうしよう、この剣じゃとてもじゃないけど戦えない。
それに、この構えは、あたしのレベルじゃ・・・
その時、
「タイム!」
「すみれ!」
ママがタイムの魔法をかけると同時に、剣を持ったパパが舞台に駆け上ってきた。
「こいつはソードのカードだ!すみれ、すきを見て、その子の手から剣を落とすんだ!」
つかさちゃんは、パパに向かって構え直した。どうやら、このカードは
剣術のレベルの高い人間をねらうらしい。
「うん、でも」
2、3度、剣を交わした後、ふたりはにらみ合いを続けている。
あたしは、杖を手にして見ているしかない。
「どうしよう、すきなんか全然ない・・・」
329CC名無したん:02/07/21 18:39 ID:FnPh37kU
うまいなあー。
チェンジで入れ替わった小狼が龍平の体で「眠れる盛りの美女」の練習なんて・・・
つぼだー。
330CC名無したん:02/07/24 00:02 ID:sbbB/n52
続き期待age
331CC名無したん:02/07/26 06:26 ID:fztiIn3E
すごいスレだー!!
生きててよかった…
332サークラRZ:02/07/28 15:51 ID:7IaV1xJA
さくらたんの子供は
生まれた時から父さん(小狼)と母さん(さくら)の能力を持っていて
同じくらいの年(9歳だっけ?)には、すでにその力を上まっていた・・・なんてネタはないの?
333126:02/07/29 01:46 ID:cPjpHXT2
ふたりのにらみ合いが続いていた。
ケロちゃんも龍平も、パパたちを見守ることしかできない。

突然、つかさちゃんの動きがおかしくなった。
なにかに動きをじゃまされているようだ。
「今だ!」
あたしは、つかさちゃんの手から剣を叩き落とす。
「汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カード!」
あたしの手に、カードが滑り込んでくる。
気を失って倒れるつかさちゃんを、パパが抱きかかえた。
「すみれ、龍平、劇を続けるんだ。魔力のない人達には、今あったことはわからない」
「うん」
「さくら、今、席に戻るから、タイムの魔法を解いてくれ」
「うん、小狼くん。
すみれちゃん、次は『やったぁ!魔女を倒したぞ!』ってところからだよ!」
「うん、ママ。ほぇ?」
あたしは、不思議に思った。なんで、ママがセリフを知っているんだろう。

物陰に隠れたママは、みんなが元の場所に戻るのを確認すると、タイムの魔法を解いた。
334126:02/07/29 01:46 ID:cPjpHXT2
「やったぁ!魔女を倒したぞ!」
あたしは、龍平の寝ているベッドに歩いていく。
「おお、なんと美しい姫君なんだ」
寝たふりをしている龍平は、確かにかわいかった。
シャラーンという音楽とともに、3人の妖精が現れる。
「姫様を目覚めさせることができるのは」
「真に姫様を愛することができる者のくちづけだけ」
「真に姫様を愛することができるならくちづけを」
「うん」
あたしは、ベッドの所までいくと、龍平に顔を近づけた。
いよいよクライマックスだ。
その時、
「いやー!」
「ほえ!?」
一瞬、何がなんだかわからなかった。
「ほんとうは、あたしがぁー!」
「いぇ、あたしよ!」
妖精や、他の役の子達が、あたしたちに突進してきた。
「ほぇ〜!」
あたしは、ベッドのそばからはじき出されてしまった。
(龍平って、ほんとうに女の子に人気があるなぁ・・・)
もみくちゃにされている龍平を見て、あたしはそう思った。
335126:02/07/29 01:48 ID:cPjpHXT2
「なんだ、このドタバタな結末は・・・」
舞台を見やる小狼に、さくらは言った。
「あたしたちの時と同じじゃない。
あの時は、ダークとライトを封印できて、うれしくって。
思わず小狼くんに抱きついちゃったんだよね」
「それより、さくら、さっき、気がついたか?」
「うん」

「まぁ、クロウ・カードが現れていたのですか?」
知美が、舞台の上の騒ぎを見ながら言う。
「そや。さくらの魔法で時間が止まっとったさかい、魔力のないもんは
わからへんかったやろが」
「というと、木之本家のみなさんだけが」
「だけやない」
ケルベロスは、知美に聞こえないようにつぶやくと、観客の方を見た。
その先では、劇とは関係のない会話がされていた。

「なるほど。今度のカードキャプターは、クロウ・リードの血をひいているのですね」
「ああ」
336田代まさし監督:02/07/29 01:49 ID:mYR0w7IU
盗撮の神降臨(゜д゜)ウマー
http://www.tousatsu-kami.isgreat.net/
337126:02/07/29 01:49 ID:cPjpHXT2
次回予告
最近、学校で不思議なことが起きているの。
落として割れた試験管や、砕いたはずの卵のカラが元どおりになってるの。
ねぇ、ケロちゃん、これもクロウ・カードのしわざかな?
え、そんなことをするカード、心当たりがないの?

カードキャプターさくらと小狼のこどもたち
すみれもさくらも知らないカード

次回もすみれと一緒に
さくらと一緒に
封印解除(レリーズ)!
338126:02/07/29 01:59 ID:cPjpHXT2
>>332
>同じくらいの年(9歳だっけ?)には、すでにその力を上まっていた
ある意味、すでに上回っていますが(遊園地の回で、すみれがループの気配に気が付く場面)
>生まれた時から父さん(小狼)と母さん(さくら)の能力を持っていて
赤ちゃんの時のエピソードも準備中

126的以外のストーリーもアリでしょうから、さくらたちより魔力の強い子供が
宇宙からやってきた凶悪な魔法使いと戦うというのもいいかも(藁
339CC名無したん:02/07/29 02:07 ID:NsL5W4mA
340CC名無したん:02/07/29 02:17 ID:OcXqFYuI
きにゅう 【鬼乳・奇乳】

生後二〜三日後の新生児の乳房から出る乳汁。子宮内にあるとき、
母親の性ホルモンが胎盤を通じて胎児の乳腺に作用していたためと
考えられている。魔乳。

・・・さくらと小狼の子供のを飲みたい。
341花と名無しさん:02/08/03 21:37 ID:ltsM7zB6
期待あげ
342126:02/08/04 03:00 ID:gTLQHbHI
「あれ?」
あたしはまっしろな部屋にいる。部屋にはベッドがひとつ。
「龍平?」
ベッドに寝ているのは龍平だった。
肩で息をしている。苦しいはずなんだけど、龍平の表情は不思議に安らかだ。
「どうしたの龍平?どこか悪いの?」
龍平の口元が動く。え?聞こえないよ?
なにか言っているようだ。でも、でも・・・
「龍平、龍平ったら。ママ、このまま龍平」

ピピピピピ・・・
「あふぅ。朝か。あれ?」
「どないしたんや、すみれ?なにか悪い夢でも見たんか?うなされてたで」
ケロちゃんが、心配そうな顔で、あたしをのぞきこんでいた。
「う〜ん。よく覚えていないけど、何か聞いていたような・・・」
「前にも、うなされとったことあったな。同じ夢か?」
「よくわかんない」
「そうか。まぁ、忘れてしもうたらしょうがない。ちゃちゃっと起きて学校行こか」
「うん」
343126:02/08/04 03:01 ID:gTLQHbHI
あたしは、龍平を起こすと、ダイニングに降りていった。
おそよー君は、まだ眠そうだ。
「おはよう、ママ。あれ?」
あたしは、テーブルの上を見て、ちょっとびっくりした。
「どうした、すみれ?」
そんなあたしに気づいてか、パパが声をかけた。
「あ、おはよう、パパ。けさはお粥じゃないんだ」
パパがいる時は、木之本家の朝ご飯は中国式になる。でも、今日のは
「ベーコンエッグに、ハッシュドポテトに・・・どうして?」
「おそよー君のためよ。はい」
ママが龍平に袋を渡した。
「ありがとう、ママ。これで、モザイクが作れるよ」
そうか、龍平のクラスでは卵のカラを使ったモザイク画を作るんだ。
そういえば、きのうの晩ご飯は、かに玉だったんだよね。
「いやぁ、さくらも母親やなぁ。龍平のため思うて献立を考えるなんて」
ケロちゃんがちょっとからかったように言う。
「どういたしまして。さぁ、ふたりとも朝ご飯にしましょう」
「はあい」
344126:02/08/04 03:02 ID:gTLQHbHI
「おはよう、知美ちゃん」
「おはようございます。すみれちゃん」
「知美ちゃん、今日の日直だっただよね」
「ええ。実は、すみれちゃん、ちょっと見ていただきたい物が」
「なに?」
「これですの」
知美ちゃんがあたしに見せたのは、試験管だった。
「これって、試験管だよね。これが、なにか?」
「少しおかしいですの。この試験管は、昨日の理科の実験で
落として割れたものなんですの」
「ええ!?」
「きのう、理科室のすみにまとめておいてままで、捨てるのを
忘れていましたの。それを今朝思い出して、捨てに行こうとしましたら」
「・・・元に戻っていた」
「そうゆうわけですの」
でも、一見して普通の試験管だ。あたしは、もう一度よく見てみた。
「!」
「なにかわかりましたの?」
345CC名無したん:02/08/10 22:31 ID:pXXVjRbY
続き期待age
346126:02/08/11 01:48 ID:dlevjnfY
「これ、バラバラの破片がきれいにつなぎ直されている・・・」
「まぁ。わたしには、新品の試験管にしか見えませんが」
「ううん。つなぎめが見えるよ。接着剤みたいなもので、ガラスが
全部きれいにつなげられているんだ」
「つなぎめなんて、わたしにはやっぱり見えませんわ。すみれちゃんの
おっしゃる通りなら、これを直した人は、お米に写経をされるような方かと」
「あ・・」
あたしは固まった。写経なんて言葉、こんな時にどうして出てくるんだろう。
そして、試験管のつなぎめを指でなぞってみた。
「かすかだけど、魔力の気配がする。それで、知美ちゃんには見えないんだ」
「まぁ、だとすれば、これはひょっとして」
「クロウ・カード?」
「だとすれば、カードキャプターの出番ですわね。ああ、また
すみれちゃんとさくらさんに、バトルコスチュームを着ていただける。
幸せですわ〜」
「知美ちゃん・・・」
あたしの頭に、おっきな汗が浮いた。

「木之元さん、大道寺さん、朝のホームルームが始まるよ」
「う、うん」
あたしたちは、席に着いた。
347126:02/08/11 01:49 ID:dlevjnfY
「おはようございます」
「おはようございます。えっと、今日は突然ですけど、転校生の紹介をします」
神宮司先生が、廊下に向かって声をかけた。
「お入りなさい」
男の子だ。先生の隣に並んだ。ホワイトボードに名前を書く。
「衛(ウェイ)エドワード君です。イギリスから、おばあさんのお仕事の
都合で友枝町にやってきたの。みんな、仲良くしてあげてね」
「はーい」
衛君の自己紹介が終わると、先生が言った。
「衛君の席は、木之元さんの後ろが空いているわね」
「はい」
彼が、あたしの方に近づいてくる。
「はじめまして。衛エドワードです」
「はじめまして。木之本すみれです。ほえ?」
なんだろう・・・この感じ・・・どこかで・・・

「何、ふたりで見つめあってるの?ひょっとして、運命の出会いってやつ?」
「先生、ひどいですぅ。そんなんじゃありません!」
まわりがどっと笑う。
「冗談よ。さあ、授業を始めましょう」
348CC名無したん:02/08/12 10:25 ID:hUNbjtDZ
期待age
ホントこのスレはオアシスだね
126さん悪魔将軍さん、みんな期待してるよっ
349あぼーん:あぼーん
あぼーん
350CC名無したん:02/08/16 00:48 ID:ki85XvIp
期待あげ
351CC名無したん:02/08/16 01:15 ID:Q9V7M93Y
http://www.gassan.co.jp/s.es.tasiro/
田舎の寂れた田代小学校のHPを、100万アクセスの
超人気サイトにしてあげる、夏休み特別企画です。

(現在ここがターゲットです)

どんどんコピペして他の板にまいてください
352CC名無したん:02/08/16 02:08 ID:RjXYGuve
>>351
田舎の寂れた小学校HPなんか
人気サイトにしてどうすんねん!

ほっとけ
353126:02/08/18 23:49 ID:eczcFs/d
放課後になった。
衛(ウェイ)君も、今日1日でクラスの男の子達と仲良くなったようだ。
「木之本さん」
「なに?、衛君」
「木之本さん、中国拳法のクラブに入っているんだって?
ぼくも少しやっているんだけど・・・」
「そうなんだ。少しってどのくらい?
中国拳法って言ったって、公園でやってる太極拳みたいな表演ばっかりだよ」
「でも、一度見てみたいな」
「ちょうど、これから行くところだよ。一緒に行く?」
「よかった」

あたし達は練習場に着いた。
「あ、小見(おみ)先生」
「おう、木之本か。その子は、見掛けない顔だけど?」
「あ、今日、転校してきた衛(ウェイ)エドワード君です。
中国拳法をやっているというので、クラブに連れてきたんです。
衛君、こちらが中国拳法部の顧問の小見先生だよ」
「はじめまして。衛エドワードです」
「じゃあ、あたし、練習服に着替えるから。ちょっと待っててね」
354126:02/08/18 23:49 ID:eczcFs/d
部員が揃った。先生の指示で、ウォーミングアップをした後、型をこなしていく。
このクラブでは、組み手はめったにしない。先生も、もともと専門ではないし、
あたしも、パパに稽古をつけてもらうことのほうが多い。
でも、精神を集中して表演していくのは、気持ちがいい。

「よーし、やめ!衛(ウェイ)、さっきから見ていたけど、かなりできるようだな」
「いえ、大したことないです」
「どうだ、ここで木之本と組み手してみないか。木之本は強いぞ。
顧問の俺も勝てない事があるからな」
「先生」
あたしは、衛君の方を見た。
「いいですよ。やってみます」
衛君が答えた。
「よろしくお願いします。木之本さん」
355126:02/08/18 23:50 ID:eczcFs/d
「それでは、始め!」
あたし達は、構えた。
(・・・強い)
衛君の構えと気からわかる。パパと同じぐらい強い。
「ハ!」
先に動いたのは衛君だった。正確な動きだ。南派の方だろうか。
あたしの化勁では流しきれない。だんだん、あたしは追いつめられていた。
「!」
足元がおかしい。なんか、靴の裏が糊かなにかでひっついたみたいだ。
体勢がくずれる。
「キャッ!」
あたしは、叫んでいた。
「大丈夫?」
衛君が、あたしの腕をつかんでくれた。
「あ、ありがとう。転ばないですんだよ」

「すごいな、衛。どうだ、少し休んだら、次は先生とやらないか?」
「はい、ぜひお願いします」
「衛君、ちょっと」
あたしは、衛君の耳元でささやいた。
「先生、本気になるとちょっとやっかいだから気を付けてね」
「強いのか?」
「ううん、あたしよりも弱いくらい。でも、もともと別の格闘技が
専門だったから、追いつめられると、そっちの技が出るの」
「何の格闘技?」
「超人プロレス」
356126:02/08/18 23:51 ID:eczcFs/d
その日の夕方、あたしはママと一緒に晩ご飯の準備をしていた。
「で、先生とその子、どちらが勝ったの?」
「先生。最後には、あたしがカウントをとっちゃった」
「カウントって、中国拳法でしょう?」
「だって、小見先生、興奮しちゃって
『木之本、カウントとってくれ!』って言うんだもの。
でも、あれは衛君の方が、わざと負けてあげたんだと思う。
衛君、パパや苺鈴おばさんと同じぐらい強いんだもん」
「初めてだよね」
「何が?」
「すみれちゃんが、クラスの男の子の話をしてくれること」
「そ、そっかなぁ」
「ほら、エビの背わたはちゃんと取ってね。残っていると苦いんだから」
「はーい。ママ」
今日の献立はエビフライ。ママの大好物だ。もちろん、あたしも大好き。

「すみれ、さくら、ちょっとこれ見てくれへんか?」
その時、ケロちゃんの声がした。
357CC名無したん:02/08/19 22:00 ID:oELivHPS
ここのスレ来ると、和みます。
126さん、素敵なお話しをいつも有難うございます。
358CC名無したん:02/08/24 07:37 ID:PgJ/FlVP
良スレageときます
359126:02/08/26 02:17 ID:gZxj9/iT
ケロちゃんが2階から降りてきた。両手に抱えているのは
「それって、卵だよね。どうかしたの?」
「ただの卵やあらへん。すみれ、ちょっと手にとってみぃ」
「うん」
あたしは、手を洗うと、ケロちゃんから卵を受け取った。
「これって・・・軽い」
「そや。中身が空っぽの卵や」
「でも、ケロちゃん、見た目は普通の・・・!もしかして!」
あたしは、卵の表面を見直してみた。
「これ、けさの試験管とおんなじだ!ばらばらに割れたカラがきれいに
つなぎなおされてる!」
「試験管って?」
ママとケロちゃんが同時に聞き返す。あたしは、今朝、知美ちゃんが
見せてくれた試験管のことを、ふたりに話した。
「確かに、魔力を感じるわね。ケロちゃん、この卵はどこから?」
「さくら、今日の朝、モザイク用にって龍平に卵のカラを
ぎょうさん渡したやろ。あの卵や。袋に入っとったから、いつこうなったんか
よくわからんけど、授業になって袋空けたら、きれいに直っていたんだと」
「え〜!」
360126:02/08/26 02:18 ID:gZxj9/iT
ケロちゃんは話を続けた。
「龍平も魔力を持っとる。卵がこうなったんは魔力のせいやとすぐに気がついた。
それで、ひとつだけは授業で使わずに、わいのところに持ってきたんや」
「で、龍くんは?」
ママがケロちゃんに尋ねた。
「今、宿題中や。あーゆー生真面目なところは、小僧に似たみたいやな」
「それにしても、これはやっぱりクロウ・カードのしわざ・・・」
あたしの言葉に、ケロちゃんは腕組みしながら答えた。
「かもしれん。魔力の気配は、確かにクロウのもんや」
「かもしれないって?」
「こないなことするカード、思いつかんのや。わいは、それが気になってな」
ママが口を開いた。
「とにかく、クロウ・カードの可能性があるってことは」
ケロちゃんは、あたしとママを見た。
「カードキャプターの出番やな」
「うん!」
361126:02/08/26 02:20 ID:gZxj9/iT
晩ご飯を食べ、後片付けをすますと、あたしとママ、ケロちゃんは
セグウェイに乗って友枝小学校に向かった。
ママはカードを集めていた頃の姿になっている。
「やっぱり、ふたり乗りは良くないよぉ」
「でも、女の子用を2台買うわけにいかないのよね・・・」
いつも、ふたり乗りはだめだよって言っているママも、この時ばかりは
はっきりしない。
その時、道の反対側から1台のセグウェイが向かってきた。
「ケロちゃん」
「おう」
飛んでいたケロちゃんは、あたしの肩にちょこんと降りて、
ロボペ(ロボットペット)のふりをした。
「あ、衛(ウェイ)君」
「こんばんは。木之本さん。あれ?日本では、ふたり乗りしててもいいの?」
「え、えぇ、まぁ。良くはないんだけど。いろいろあってね」
「ふーん。で、隣の女の子は誰なの」
「うん。紹介するね・・・ΩΨ※!」
あたしは、ママですって言いそうになって、あわててしまった。
どうしよう。そんなことを言うわけにいかないよ!
362CC名無したん:02/08/27 23:13 ID:iOAJjG6W
期待&ごくろうさまage
                \ │ /
                 / ̄\   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
               ─( ゚ ∀ ゚ )< はにゃんはにゃん!
                 \_/   \_________
                / │ \
                    ,   _ ノ)
                    γ∞γ~   \
                    |  / 从从) )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\∩ ∧ ∧ ∩ | | l  l |  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
はにゃ〜〜〜ん♪  >( ゚∀゚ )/ \ハ~ ワノ)< はにゃんはにゃんはにゃん♪
________/ |    〈  │     / \__________
              / /\_」  |     |
               ̄       / /\__」
                    / /
363CC名無したん:02/08/28 16:04 ID:f2ygFzO7
漏れも期待age
364CC名無したん:02/08/29 05:35 ID:EoekGCYU
>>315
>2冊目の同人誌の名スレ紹介で誰かがイラストを書いていたような・・・

この部分だけでいいから、誰か内容アプしてくださいm(_ _)m
(このスレがどういうふうに紹介されているのか気になる…)
365CC名無したん:02/08/31 21:54 ID:wgq6p145
126さんへ
作品、楽しく読ませて頂いてます。
ところで、そろそろすみれちゃんのカード(オールド・クロウ・カード)の守護者が出て
きてもいいと思うんだけど。ケロやユエが出ても違和感はないが、もともとケロもユエ
もさくらちゃんのカードの守護者だし、このままだと母親のカード守護者を娘が世襲
しそうで、どうかとも思うよ。

ケロやユエ、スッピーや奈久留の兄貴分がいたっていいんじゃない?
366あぼーん:あぼーん
あぼーん
367126:02/09/01 00:40 ID:4QTewMw0
「はじめまして。すみれちゃんのいとこの木之本かすみです」
あわてているあたしの横から、ママが衛(ウェイ)君にあいさつをした。
そうか、その手があったんだね。
「は、はじめまして。衛エドワードです」
衛君もあいさつした。
「あ、すみれちゃんに聞いているよ。イギリスから転校してきたんだって?」
「ええ、まぁ」
衛君の様子が少しおかしい。ちょっと顔が赤くなっている。
「中国拳法強いんだって?すごーい」
「う、うん。じゃあ、ぼく、これからコンビニに行くところだから。
ふ、ふたりとも、がんばってね」
ピュー!(←衛のセグウェイが走り去る様子)
「ほえ?」
ママはあっけにとられていた。
「セグウェイって、あんなに速かったっけ?」
「・・・わかんない」
わかんないけど、あたしは、ちょっぴりおもしろくなかった。

「まぁ、まぁ、まぁ!」
そんな3人を、望遠レンズと望遠マイクでとらえていたのは、もちろん、
知美であった。友枝小の前でさくら達を待っている間、なにげに
テストしたビデオカメラで3人を見つけたのだった。
「これは、お約束な展開ですわ〜!」
368126:02/09/01 00:41 ID:4QTewMw0
「やっぱり、こうなるのね」
あたしとママは、バトルコスチュームに着替えると、ハモって言った。
「知美に知られたら、こうなるんはわかりきったことやないか」
そんなケロちゃんも、知美ちゃんの用意してくれたバトルコスチュームを
着て、カメラの前でポーズを決めている。
「どや?かっこええやろ」

あたしたちは、友枝小に入っていく。
「ケロちゃん、こっちの方から、クロウ・カードの気配がする!」
あたしたちは走った。龍平のクラスの方だ。
「え〜!?」
あたしたちは、教室に入ってびっくりした。
「モザイクのカラが、みんな卵に戻っている!」
「きれいですわ・・・」
知美ちゃんががつぶやいた。
クラスの子たちが、バラバラにしたカラに塗った色をそのままに
卵に戻っているのだから、ちょっとした芸術品だ。
その時、外から聞きなれない音がした。
「今度は校庭ね!」

369126:02/09/01 00:43 ID:4QTewMw0
あたしたちは、校庭に駆け出した。
「こっちや!」
ケロちゃんの後を追う。
「え〜!あれ何!」
あたしはびっくりした。
「ス、スライムみたい・・・」
ママも言葉が続かない。スライムみたいな物体が、木にまとわりついて
葉っぱをむしって、固めている。
「と、とにかく、このカードは、細かいもんを糊か膠みたいなもんで
固めたがるようやな・・・あわわ、こっちに来よったで!」
「キャー!」
「フライ!」
ママとケロちゃんは、空を飛んだ。あたしと知美ちゃんは、走って逃げた。
「すみれ!」
「すみれちゃん!」
あたしたちは、スライムに追いつかれそうになった。
「ほえ〜!」
「シールド!」
スライムは、シールドのカードで弾き返された。
「ありがとう、ママ!」
「今よ、すみれちゃん!フライのカードで空にあがって!」
「うん!」

370126:02/09/01 00:44 ID:4QTewMw0
「光の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、すみれが命じる」
「封印解除(レリーズ)!」
あたしは、封印の杖を手にすると、フライのカードさんを取り出した。
「クロウの創りしカードよ。我が鍵に力を貸せ。
カードに宿りし魔力を、この鍵に移し、我に力を!フライ!」
「知美ちゃん、乗って!」
あたしのフライさんは、ママのと違って杖に羽を生やすタイプだ。
知美ちゃんを乗せると、あたしはママのそばまで飛んでいった。
「大丈夫?すみれちゃん」
「うん、ありがとう、ママ」
「知美ちゃんも大丈夫?」
「大丈夫ですわ。それに、今、すみれちゃんの決めポーズを撮影できて
超絶幸せですわ〜」
「・・・知美ちゃん・・・」
あたしたちは、空の上で固まった。

スライムは、また葉っぱを固め出している。
「あのスライム、空までやって来れんみたいやな。さくら、今のうちに
スライムの動きを止めるんや」
「うん」
ママは、ウィンディのカードさんを取り出した。
「風よ、戒めの鎖となれ!ウィンディ!」
371126:02/09/01 11:24 ID:mxSlKv+K
>>365 さん
>>144 でエリオルに言わせましたが、すみれちゃんの集めているカードは
クロウが創ったけど、個人の魔術師が所有することは許されないものでした。
そのため、守護者はいません。封印の書もありません。
伏線は、>>156 >>183 にもあります。
もっとも、126 的小話はあくまでもSSのひとつにすぎませんけどね。
372CC名無したん:02/09/01 12:14 ID:CfrQ0Pws
リターンで7年前に戻ったさくらが小学生の桃矢に恋されるって話誰か作って!
373CC名無したん:02/09/06 20:30 ID:IaGv7Dyl
週末は126劇場タイム!
だから期待age
374126:02/09/06 22:33 ID:i36v/2KP
「あ、あかん」
ウィンディでは、スライムは捕らえられなかった。
逆に、スライムに固められそうになってしまったぐらいだ。
「ウォーティほどやないけど、あーゆー形がはっきりしないカードは
ほんま、やっかいや」
ケロちゃんが考え込んでいる。
「ママ、あれ見て!」
スライムは、木の葉っぱをぜんぶくっつけてしまった。おっきなミノムシ
みたいなものが、校庭をころがってゆく。
スライムは、今度は走り幅跳び用の砂場に移動して、砂の粒を固め出した。
「ほんま、このカードは細かいもんをくっつけるの好きやな。きりないわ〜」
「きりが無いといえば、なにかが沸いて出てくるようなものなら、
大丈夫なんでしょうか」
知美ちゃんがつぶやいた。
「そうだ、それだよ!知美ちゃん!
ママ、あのカードを使えば封印できるかも!」
375126:02/09/06 22:33 ID:i36v/2KP
「バブル!」
ママはスライムにバブルのカードさんを使った。
スライムは、湧き出てくるバブルを固めようとする。
けど、バブルははじけてしまって固められないし、
その一方で、次から次へと新しいバブルが湧いてくる。
それでも、スライムは必死になってバブルと格闘している。
「うまい!スライムが弱ってきとるでぇ!」
「今よ、すみれちゃん!」
「うん!」
あたしは、校庭に降りるとスライムに近づいた。
「汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カード!」
スライムは光に包まれると、カードになってあたしの手に滑り込んできた。
「やったぁ!」
「すごいよ、すみれちゃん!」
「ううん、知美ちゃんのおかげだよ」
「ほんとう、すばらしいですわ。今の、すみれちゃんの勇姿もバッチリ
撮影できましたわ〜」
「はぅ」
あたしの頭におっきな汗が浮いた。
376126:02/09/06 22:34 ID:i36v/2KP
「ケロちゃん、このカード、グルー(膠)って書いてあるよ」
「なるほど、それで卵のカラや試験管をくっつけてたんやな。
さくらカードには無いカードや」
「そうなんだ。あれ、ママ、どうかしたの?」
ママは、バブルのカードさんをじっと見つめている。
「初めてなんだ。バブルのカードを、ケロちゃんの洗濯以外に使ったの」
(コケッ)
ケロちゃんがこけた。
「洗濯って・・・わいのことをぬいぐるみみたい言わんといてくれ!
わいは、封印の獣、ケルベロスや!」
「ごめん、ごめん。さぁ、新しいカードも封印できたし、帰りましょう。
もう、冷蔵庫のゼリーも冷えている頃だしね」
「うん!」
「わ〜い!ゼリーやぁ!」
「ケロちゃん、食い意地はってるぅ」
「ほんとですわぁ」

「・・・今回は出番はなかったようですね」
「そうだね。さすが、さくらさんにすみれさんだ」
友枝小を見下ろすビルの上で、そんな会話をする2人がいた。
377CC名無したん:02/09/07 00:10 ID:IMJw74O9
だれだぁ〜!話していた2人は! (;´Д`)ドキドキ
次回も楽しみです(・∀・)イイ!!
378CC名無したん:02/09/07 01:03 ID:KAZpMKJ/
いいねー!!これ漫画にしたらいいかもね!
そんなわけで126さんがんがれw
379126:02/09/07 02:13 ID:tgPOD8Ey
ケロちゃんにおまかせ!

こにゃにゃちわー!
久しぶりやけどケロちゃんにおまかせの時間がやってきたでぇー!
今回は、わいのナイスで小粋な活躍を書いてくれとる 126 の
おっちゃんのことなんやけど、夏休みでしばらく2ちゃんねるに
書き込めんのやと。
なんでも、中国の方に旅行しとるようや。
リストラされるかもしれんと、いつもびくびくしとるくせに
この時期に旅行とは、何考えとるんやろか?

中国っちゅうと、わいもクロウやさくらと香港にいた時のことを
思い出してしもうたな。

もちろん!次回もわいは大活躍や!楽しみにしててぇや。
ほななぁ〜。
380126:02/09/07 02:14 ID:tgPOD8Ey
次回予告
ねぇ、ケロちゃん、グルーのカードさんて、ケロちゃんよりも前に
創られたんだよね。
クロウさんって、どんなふうにカードを創っていたのかな?
え、話せば長くなるんだって?
・・・そう、そんなことがあったんだ。

カードキャプターさくらと小狼のこどもたち
すみれとカードの物語

次回もすみれと一緒に
さくらと一緒に
封印解除(レリーズ)!
381CC名無したん:02/09/07 02:23 ID:1MdMjB2B
【みんな〜】特別企画【あつまれ〜】
http://www.naruto-u.ac.jp/~e0074702/gakuseikai/
↑ここに田舎の寂れたショボイ学校の学生会のHPがあります。
このHPを皆で100万HITの超人気サイトにしてあげる特別企画です。
(現在ここがターゲットです)
多くの皆さんクリックしてあげて下さい。
HPに飛んだら、2,3回更新していただくと、もっとありがたいです。
どんどんコピペして他のスレ&他の板にまいてください。

カウンターの直リンはこちら
http://www.skiple-counter.org/cgi/counter/counter.cgi?id=zan707&digit=6&count=on&image=029

既にアクセス数が伸びまくっているので祭りです。(=参加知る)







382CC名無したん:02/09/09 17:01 ID:+ulSy2y0
保守
383CC名無したん:02/09/12 01:34 ID:j2one7/E
日本の対中関係が悪くなったら、
小狼の見方も変わってくるのだろうか・・・。


別に関係ないか。
384CC名無したん:02/09/15 04:25 ID:qKgjDE5M
週末は126劇場タイム!
期待age
385CC名無したん:02/09/15 23:59 ID:T1i2aGA+
>>384
>>379を見れ。今日はなさそうだ(寂
386126:02/09/18 23:01 ID:2RCxyp9K
グルー(膠)のカードさんを封印した日のこと。
あたしとケロちゃんは、そろそろ寝ようとしていた。
「おやすみ、すみれ。今日も、ようがんばったな」
「ねぇ、ケロちゃん」
「なんや?すみれ」
「グルーのカードさんて、ケロちゃんよりも前に創られたんだよね」
「そうや。わいやさくらカードのあんちゃんみたいなもんや」
「クロウさんって、どんなふうにカードを創っていたのかな?」
「いろいろやな」
「いろいろって?」
ケロちゃんは、ちょっと考え込んだ。
「バブルのカードみたいに、冗談みたく創ったカードもあるし、
話せば長くなるカードもあったな」
「ねぇ、よかったら、その長くなるお話って、してくれない?」
「そやなぁ。すみれもカードキャプターやし、少しはクロウのことを
知っといてもええやろ」
ケロちゃんは、あたしのそばにちょこんとすわった。
387126:02/09/18 23:03 ID:2RCxyp9K
その頃、わいらは、イギリスの田舎にあったマナーハウスに住んでおった。
「マナーハウスって?」
貴族のお屋敷や。クロウは、没落した貴族の屋敷を買って、住んでおったんや。
そこは、小さい屋敷やったけど敷地はごっつう広うて、
人づきあいの悪かったクロウには都合よかったんや。
そこでクロウは、わいやユエ、それにカードを創ったり、いろいろな
魔法の研究をしとった。
ところがな、敷地に住んでおったんは、わいらだけやなかった。
クロウの前の屋敷の持ち主に仕えておった、庭師の少年とそのおばあちゃん
だけは、クロウが住むようになっても、そのままやった。
魔法を使えば、庭師なんか要らんかったんやけどな。
「どんな人たちだったの?」
庭師の子は、まじめな働きもんやった。
それに、とってもおばあちゃん思いやった。
おばあちゃんの方は、わいらが住み始めた頃に、病気で寝たきりになってな、
あのクロウが、薬を都合してやったりしとったんや。
「へぇ。クロウさんって、薬も作れたんだね」
そうや。で、その日のことなんやけど、夜明け頃、わいはクロウに
起こされたんや。
388126:02/09/18 23:04 ID:2RCxyp9K
「なんや、クロウ。こんな朝早くから。わいは寝起きが悪いんや・・・」
「起きてください。用事があるのです」
「なんやぁ?ユエは起こさんのか?」
「ユエは、ケルベロスよりも寝起きが悪いでしょう」
「そやそうやけど・・・」
わいとクロウは、庭に出た。わいは、何度もあくびをした。
「ほら、来ていますよ」
「あれは、チャールズやないか。こんな朝早くから、何しに来たんやろ」

「チャールズって?」
「庭師の子の名前や。わいらは、チャールズに近づいた」

「おはよう。チャールズ」
「お、おはようございます。クロウ様、ケルベロス様。
こんなに早くからどうされたのですか?」
「あなたと同じですよ。今日は、私に言いたい事があって、早くから
来たのでしょう?」
チャールズは、少しびっくりしたんやけど、少しだけやった。
まぁ、それまでにクロウの魔法を見る機会が何回かあったからな。
389CC名無したん:02/09/22 00:32 ID:lGpeI/J0
どきどき、わくわく。
390126:02/09/22 10:41 ID:Er9dQm2G
チャールズは、改めてクロウを見ると話し出した。
「突然ですが、今日限りでお仕えすることができなくなりました」
「昨夜遅く、呼び出しが来たのですね」
チャールズはびっくりしたようだけど、すぐに言葉を続けよった。
「はい、戦争に行かなければなりません。明日にはここを出なければ
ならないのです」
「・・・」
突然のことに、わいは、クロウとチャールズの間に座って、
黙って話を聞くことしかできんかった。チャールズは、まだ12才。
そんな少年でも、戦争に駆り出されたんや。
「それで、クロウ様。お願いがあるのですが・・・」
「おばあさんのことなら、できるかぎりのことをしてあげましょう。
今日は、もうお帰りなさい」
「ですが・・・庭の手入れがまだ・・・」
「私から、最後に2つお願いをします。聞いてくれますね」
「はい、なんでしょうか」
391126:02/09/22 10:42 ID:Er9dQm2G
「ひとつは、明日の夜明けに、もう一度ここに来てください」
「わかりました」
「もうひとつは、戦いに行く事は、まだおばあさんに話してませんよね。
明日、私たちに会うまで、そのことを話さないでください」
「そんな・・・」
「心配しなくてもいいのですよ。明日、ここに来ればわかりますから。
それより、私は今日、これから忙しくなります。庭で音をたてられると
気が散って困ります。ですから、今日は帰って、おばあさんの面倒を
してあげなさい」
チャールズは、不安そうやったけど、庭の手入れ道具を持つと、
敷地のすみっこにある、小さな家に戻って行きよった。
「クロウ、何考えてるんや?」
「ケルベロス、すみませんが、明日の夜明けにチャールズを迎えに
行ってくれませんか」
「ええけど、わいは寝起きが悪いんは知ってるんやろ」
クロウは答えた。
「ユエは、ケルベロスよりも寝起きが悪いでしょう」
「そやそうやけど・・・」
「私は、これから地下室にこもります。明日の夜明けになったら、
チャールズを地下室まで、よろしくお願いしますね」
「まったく、勝手なんやから・・・」
392あぼーん:あぼーん
あぼーん
393CC名無したん:02/09/22 17:40 ID:EPOIpeuj
どきどきどき、わくわくわく。
394CC名無したん:02/09/22 19:01 ID:kdMsbql+
旅行から帰って見てみたら126さんがキテル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
クロウさんが何をするのか楽しみであります。
次回を楽しみにして待っているです。
395さくら様支援第401大隊:02/09/23 17:57 ID:xEjb5SnA
これ最高ーーー!!!
126さん、がんばって!!!
396126:02/09/23 19:30 ID:p5FessN8
その翌日の夜明け。チャールズは約束どおり来よった。
「おはようございます。ケルベロス様」
「おはようさん、チャールズ」
「あの、クロウ様は」
「屋敷の地下室で待っとる。わいに着いてきてや」
わいは、クロウに言われたとおりに、チャールズを地下室の前まで案内した。
「クロウ、おるか」
「ケルベロスですね」
クロウの返事や。心なしか、声に張りがなかった。
「チャールズ連れてきたで」
「予定通りですね。中にお連れしなさい」
わいらは、部屋に入った。中には、魔法の道具や書物がぎょうさん、
乱雑に置かれておった。不思議な雰囲気に、チャールズは声もよう出んかった。
「こちらにいらっしゃい」
「クロウ・・・大丈夫か?ふらふらやないか」
397126:02/09/23 19:31 ID:p5FessN8
「大丈夫ですよ。ちょっと急いで新しいカードを創っただけですから」
クロウの疲れた顔なんて、それまで、わいは見たことがなかった。
おそらく、カードを創るための魔法を、一晩で集中して使うのは、
クロウでも難儀なことやったんやろな。
「あの、おはようございます。クロウ様」
「おはよう、チャールズ。昨日の私のお願いは、守っていただけたかな?」
「はい、おばあちゃんには黙っていました。でも・・・」
「それなら、結構です。こちらに立ってください」
「クロウ、これは?これが新しいカード?」
クロウのそばにあったのは、クロウの背丈ほどもある、大きな鏡やった。
「鏡を見ていてくださいね、チャールズ」
「何をする気や?クロウ」
クロウは、鏡を見やると呪文を発した。
「お願いしますね。彼の者の姿を写し、もうひとりの彼となってください。
『ミラー』」
398126:02/09/23 19:32 ID:p5FessN8
クロウが呪文を発すると、鏡の中に、東洋風の服をきた少女が現れた。
見ていると、その姿は、チャールズの姿にモーフィングしていきよった。
そして、鏡に映ったチャールズの姿は・・・
「あ、あわわわ!」
声にならない声を発して、チャールズは尻餅をついた。
鏡に映ったチャールズが、鏡から抜け出してきたのだ。
その、もうひとりのチャールズは申し分けなさそうな顔をすると、
クロウに向かって言った。
「すみません。驚かせてしまいました」
声まで、チャールズそっくりやった。
「気にしなくてもいいのですよ」
クロウは、今度はチャールズに言った。
「立てますか。この子は、魔力でできた、もうひとりのあなたです」
「も、もうひとりの、俺?」
「姿かたちだけではなく、あなたの記憶まで写してあります。
あなたが戦争に行ったあと、おばあさんのことはこの子に任せてください。
そうすれば、おばあさんには、あなたが戦争に行った事はわかりませんから」
「クロウ、チャールズに戦争に行く事を言わせなかったんは・・・」
「はい、このためですよ」
399126:02/09/23 19:33 ID:p5FessN8
クロウは、動転していたチャールズを落ち着かせると言った。
「出頭までには、まだ、時間があります。おばあさんにもう一度会っていきなさい。
そして、そのまま、いつものように家を出れば、あとはこの子がやりますから」
「は、はい。ありがとうございます」
チャールズは、まだ不安なようやったが、とにかく、おばあちゃんが
悲しまずにすむことには納得したようやった。
その後、わいらはチャールズを見送った。

「なぁ、クロウ、わい、考えたんやけど」
「なぜ、カードがあるのにチャールズ本人を戦争に行かせるかということですね」
「ああ、カードを行かせれば、チャールズが危険なめにあうことはない」
「私は以前から言ってきました。
魔力を使って、人の寿命をいじるのはいけないことだと」
「じゃ、クロウ、チャールズは・・・」
「それに、ケルベロス、もうひとつ忘れてはならないことがあります」
「なんや?」
「軍にも魔術師はいるのですよ」
「そうか!」
「カードであることは、いずればれます。
ばれたカードが、軍でどのような扱いになるか、考えたことがありますか?」
「・・・そうか・・・」
400126:02/09/23 19:34 ID:p5FessN8
「ねぇ、ケロちゃん、その後、どうなったの?」
「その日から、ミラーのカードは、チャールズとして毎日を過ごした。
ミラーにとっても、おばあちゃんにとっても、それなりに楽しい毎日の
ようやったな。けど、戦争が終わる前に、おばあちゃんは亡くなってしもうて、
わいとクロウ、そしてミラーで最期は看取ったんや」
「チャールズはどうなったの?」
「わからん。おばあちゃんが亡くなると、まもなく、クロウのやつ、
中国に行きたい言い出してな、チャールズのことは人に頼んで
わいらはイギリスを出たんや」
「ふーん」
あたしは、なんて言ったらいいのかわからなくなった。クロウ・カードを
創るのに、そんなことがあったなんて、思いもよらなかったからだ。
「すまんな、すみれ、湿っぽい話してしもうて」
「ううん、そんなことないよ。クロウさんって、いろんなことがあったんだね」
「そや」
401126:02/09/23 19:35 ID:p5FessN8
「ねぇ、ケロちゃん」
あたしは、声を明るくして言ったみた。
「じゃ、グルーのカードさんは、どうやって創られたのかな?」
「そやな、聞いてみよか」
ケロちゃんが少し光を発すると、あたしの机の上にあった
グルーのカードさんが飛んできた。そして、ふたり(?)は向き合った。
精神集中のためか、ケロちゃんの顔が真剣になる。
それが、突然、とっても情けない顔になった。
「すみれ・・・」
ケロちゃんがあたしの方を向いた。
「ど、どうしたの?何かあったの?」
「グルーのカードやけどな、クロウが魔法の儀式用に借りてきた、
どこぞのごっつう高価な壷を割ってしまったんやと。
それをごまかすために、急いで創ったカードなんやって・・・」
「そんなぁ。せっかくいい話を聞いた後なのに・・・」
「ほんまやなぁ」
402126:02/09/23 20:07 ID:tAKBnThl
次回予告
今度の週末、あたしと龍平は、桃矢おじさんのいる発掘現場に行くことに
なったんだ。発掘って言ったって、引き揚げた沈没船を調べているんだって。
ほえ〜?!どうして、衛(ウェイ)君がここに来てるの?
それに、沈没船からクロウ・カードの気配が!

カードキャプターさくらと小狼のこどもたち
すみれと花に込められた想い

次回もすみれと一緒に
さくらと一緒に
封印解除(レリーズ)!
403CC名無したん:02/09/23 22:38 ID:bpjXaolj
126様、お疲れ様です。
2日続けて読めるとは思ってなかったのでとても嬉しいです。
これからも楽しみに新作を待たせて頂きます。
4042チャンネルで超有名:02/09/23 22:43 ID:jaNUWKNJ
http://tigers-fan.com/~pppnn

ヌキヌキ部屋に直行
  コギャルとヌキヌキ
  全国地域別出会い
405CC名無したん:02/09/23 23:16 ID:/2P8rzle
このスレいいなー♪
愛を感じるよ、126たんこれからもよろしくね
406あぼーん:あぼーん
あぼーん
407さくら様支援第401大隊:02/09/24 19:14 ID:M8qS4yre
すいません。一つ質問します。
確かケロちゃんが関西弁になったのは、封印の書が関西のほうに
長く置いてあったからではなかったでしょうか。
確かそんな記述が原作にあったように思うので。

これからも愛でがんがってください。
408126:02/09/24 22:36 ID:BHQ89Zri
ケロちゃんにおまかせ!

こにゃにゃちわー!
食欲の秋!勉強の秋!天高く馬肥ゆる秋!
ケロちゃんにおまかせの時間がやってきたでぇー!

今回は、>>407 さんの質問に答えたる!
前のお話で、わいが大阪弁をしゃべっとるのはおかしいんやという疑問やな。
・・・
するどいでぇ! >>407 さん!126 の間違いや!
当時、わいやクロウがしゃべっとったんは、英語や。イングリッシュや。
まぁ、126 に、わいのナイスで小粋な英語を書けゆうのも無理な話やな。
あの頃、わいらはハドリアンウォールから、そない遠くないとこに
住んどって、ノーサンブリア方言をしゃべっとったんや・・・って
無茶苦茶な設定やないか、これは!

まぁ、細かいことにこだわっとったら、いいおとなになれんっちゅうこったな。
けど、皆も3単現のSはちゃんと付けといたほうがええでぇー。
ほななぁ〜。
409さくら様支援第401大隊:02/09/25 20:45 ID:B2hEEP5j
なるほど、方言ですか。納得しました。
考えてみれば、関西弁も立派な方言なのですから、
あんな表現になってもおかしくないですね。
ご説明有難うございました。
これからもがんがってください。
410 :02/09/25 21:04 ID:60kKSvcN
( ´∀`)<掲示板作りますた。暇なら遊んでいってくれ


41ちゃんねる
http://bbs.cside.com/
411are:02/09/25 21:26 ID:TxqX7+Jq
412あぼーん:あぼーん
あぼーん
4132チャンネルで超有名:02/09/25 21:44 ID:7jGqfkV6
http://tigers-fan.com/~pppnn

http://www.tigers-fan.com/~fkijjv

ヌキヌキ部屋に直行
  コギャルとヌキヌキ
  全国地域別出会い
414さくら様支援第401大隊:02/09/25 21:57 ID:B2hEEP5j
変な広告出したヤシ、ここから消えろ!!!
二度と俺の前に出てくるな!!!
415CC名無したん:02/09/26 00:33 ID:eFGU7NjF
>>414
そんなこと書いているならsageましょう
416さくら様支援第401大隊:02/09/26 19:35 ID:2YJIO/ud
>>415
そんなこと言われてもageる。
417CC名無したん:02/09/26 20:46 ID:2YJIO/ud
ageる〜
418CC名無したん:02/09/27 19:12 ID:RtYbiTkq
今週末も126劇場が読めたらいいな‥‥
だからageです
419さくら様支援第401大隊:02/09/27 19:17 ID:2nk8sHdg
ageる前にageられたぁ〜

今週末が楽しみだよぅ〜
420126:02/09/27 22:30 ID:I3a4jVps
「あれ?」
あたしはまっしろな部屋にいる。部屋にはベッドがひとつ。
「龍平?」
ベッドに寝ているのは龍平だった。
肩で息をしている。苦しいはずなんだけど、龍平の表情は不思議に安らかだ。
「どうしたの龍平?どこか悪いの?」
龍平の口元が動く。え?聞こえないよ?
なにか言っているようだ。でも、でも・・・
「龍平、龍平ったら。ママ、このまま龍平が」
「・・・すみれちゃん」
あたしはママの顔を見た。

その時、あたしはケータイの着メロで目が覚めた。
「・・・眠っちゃったんだ。あ、これ、雪兎おじさんからだ。
はい、すみれです」
「すみれちゃん、そろそろ到着する頃だと思うんだけど」
「はい、今、バスですけど」
「場所、送ってくれないかな」
あたしは、ケータイから現在位置のデータを送った。
「あと、2キロぐらいだね。じゃあ、バス停で待っているから」
「はい、よろしくお願いします」
あたしは、ケータイを切った。そして、隣を見た。
「あー、やっぱり寝てるよぉ。起きなさい、龍平!」
あたしは、隣で寝ていた龍平を起こした。
421126:02/09/27 22:31 ID:I3a4jVps
『海岸通り前』
あたしと龍平は、そんな平凡な名前のバス停で降りた。
「あ、来た来た。予定通りだね、すみれちゃん、龍平くん」
出迎えに来てくれたのは、雪兎おじさんだった。
「こんにちは」
あたしたちはあいさつをした。
「桃矢のいるホテルは、ここから歩いて10分ぐらいだよ。天気もいいし、歩こうか」
「はい」

あたしたちは歩き出した。潮風が気持ちいい。
この港町に、桃矢おじさんと雪兎おじさんは発掘のお仕事に来ているんだ。
「この町には、遺跡なんかなさそうですけど・・・」
あたしが聞くと、龍平が海を指差した。
「おじさん達が見ているのは、あれだよ」
「あれって?」
沖合いに大きな船が浮かんでいる。遠くてよくわからないけど、変わった形をしている。
「サルベージ船だよ。今度の発掘は、海の底から引き揚げた沈没船を研究するんだ」
「そうなんですか」
422126:02/09/27 22:31 ID:I3a4jVps
雪兎さんは、説明を続けてくれた。
「遠くて見えないけど、向かって右の方に大きなプールがあって、
その中に引き揚げた船が入っているんだ」
「どうして、プールに入っているんですか」
「長い間、海の中にあったものは、急に空気に触れるとだめになって
しまうんだよ。それで、引き揚げても海水の中に入れておいて調べるんだ」
「で、どんな船なんですか」
「クリッパーという、150年ぐらい前の帆船だよ。
中国からアメリカに向かう途中、この近くで沈没したんだ」
「でも、19世紀じゃ、おじさん達の専門じゃありませんね」
龍平が質問した。
「確かに、船は19世紀のものだね。でも、その積み荷が」
「どうなんですか?」
龍平が目を輝かせた。
「積み荷の中に、アメリカの博物館向けの古物が多くあったらしい。
予備調査によると、漢代の遺物も荷物にあったみたいだよ。
それで、引き揚げて調べることになったんだ」
423126:02/09/27 22:33 ID:I3a4jVps
「調査は順調なんですか?」
「それがねぇ・・・」
雪兎おじさんの顔がくもった。
「引き揚げた船が、砂でいっぱいだったんだ。今、サルベージ船の上で
少しずつ、余分な砂を捨てているんだけど・・・」
「どうかしたんですか?」
「いくら捨てても、砂が減らないみたいなんだ。
最初は、まだ見つかっていない船室から砂が入りこんだのかと
思われたんだけど、もう船の体積一杯分だけの砂を取り除いたはずなのに、
まだ、船内は砂でいっぱいなんだ。それで、陸揚げ作業が遅れているんだ」
「そのまま陸揚げできないんですか?」
「それはだめなんだよ。陸に揚げたら、砂を捨てるところがないし。
砂を捨てていい所って、決まっているんだ。だから、大学にも運び込めないんだよ」
龍平は、あたしの顔を見た。あたしも、これはちょっとおかしいと思った。
ひょっとしたら、クロウ・カードのしわざかも・・・

「このホテルだよ」
あたしたちは、ホテルの前に着いた。
「桃矢は、今、ロビーにいるはずだよ。
張(チャン)教授と、そのお孫さんと一緒にね」
424126:02/09/27 22:34 ID:I3a4jVps
あたしたちは、ホテルのロビーに入った。
張教授のお孫さんって、どんな子なんだろう。
藤隆おじいさんや桃矢おじさんの発掘現場に行くのは、いつもは龍平だけだ。
でも、今日は、イギリスの大学から来た張教授のお孫さんの遊び相手に
なってほしいということで、あたしも呼ばれたんだ。
「あ、あそこだよ」
雪兎おじさんの指差した先に、桃矢おじさんと、60才ぐらいの
落ち着いた感じのおばあさんと、あたしと同い年ぐらいの子供が
すわっているのが見えた。
桃矢おじさんが、あたしたちに気づいて立ち上がった。
「よぉ、来たな。張教授、こちらが私の姪と甥です」
おばあさんがあたし達にあいさつをした。
「はじめまして。張(チャン)マーガレットと申します」
「はじめまして。木之本すみれです・・・あーーっ!」
あたしは、張教授の隣を見て、大きな声をあげてしまった。
「衛(ウェイ)君じゃない!どうして、ここにいるの!?」
「き、木之本さん!?」
425あぼーん:あぼーん
あぼーん
426CC名無したん:02/09/27 23:48 ID:s+5bTSWE
    |     |   | 、 l, |_    |        \
    ゝ    (|   |   ̄  〉 ∩/          |
     \ヽ  .||   | "   ( ̄ ̄/          |
       w 从|l |ll ハ   /~ ̄フ⊃          |
      ヽ/  ||  / ̄ ̄  /〜|          /
__________Λ___________
http://takahashi-koji.tripod.com/ http://fifaticket.tripod.com/ で濡れ濡れ
427CC名無したん:02/09/28 00:02 ID:JSphUTge
126様、いつも素敵なお話を拝読させて頂いております。
ところで、ウェイ君はどのような容姿の少年なのでしょうか?
すみれちゃんや龍平君以外の、キャラの容姿も描写してもらえると
嬉しいです。
428CC名無したん:02/09/28 00:51 ID:OK8+asK/
126さんお疲れさまです。
今回はさくらとかケロちゃんがいないわけですから、ユエがすみれちゃんを助
けてくれるんでしょうか?
(あと予知夢の本当の意味もきになりますが....)
楽しみであります。

>>427
個人的にはエリオルくんみたいな感じで想像していますが、どうなんでしょう
か?
429126:02/09/29 10:32 ID:YDW8ua8W
「そーかぁ、中国の人って結婚しても姓が変わんないから、
衛(ウェイ)くんとおばあさんの名字が違っても不思議じゃないんですね。
でも、衛って名字、中国では珍しくないですか?」
「当て字なんですの」
張教授がやさしく答えてくれた。
「当て字?」
「衛家は、もともとイギリスの家なんですよ。ただ、中国に長くいたもので、
発音の似た漢字を、名字にあてるようになったのですよ」
「でも、衛くんを見てても、イギリス人って感じ全然しませんよね」
「何代も前から、中国の人と結婚していたからですわ。
それにしても、奇遇ですわね。うちのエドワードと、すみれさんが同じクラス
だったなんて。すみれさんのことは、エドワードから聞いていますわ。
すると、木之本助教授が、かすみさんのお父さんですの?」
桃矢おじさんが、きょとんとした。
「かすみ?私はまだ独身・・・」
まずい!
「あわわΩΔΘ!」
びゅーん!!!
あたしは、桃矢おじさんの手を取ると、ロビーの反対側まで光速で引っ張っていった。
430126:02/09/29 10:33 ID:YDW8ua8W
「ど、どうしたんだ、すみれ?!」
「おじさん、お願いです。かすみのパパになってください!」
「はぁ?」
「この前、ママとカードを封印しに行った時、昔の姿になっているママを
衛くんに見られちゃったんです。
その時、ママが自分のことを、私のいとこのかすみだって言ったから・・・」
あたしの説明に、おじさんは少し困ったような顔をしていた。
「・・・わかった。話、合わせておくよ」
「本当ですか?」
「ああ、どうせ1年だし」
「1年って?」
「知らなかったのか?あのふたり、サバティカルで日本に来ているんだ。
来年には、イギリスに戻るんだよ」
「・・・そうなんだ。1年で帰っちゃうんだ・・・」
大学の先生っていうのは、何年かのうち1年間の休暇がある。
それがサバティカルイヤー(安息年)だ。休暇といっても遊ぶんじゃなくて
提携している海外の大学に研究しに行くことが多い。藤隆おじいさんも
それで、しばらく海外の発掘現場に行っていたことがあった。
「それから、話は合わせるから、さくらに伝えておいてくれ」
「ママに何を?」
「当番10回!」
「ほぇ?」
あたしは、なんのことかわからなかった。
431126:02/09/29 10:34 ID:YDW8ua8W
「じゃあ、夕方まで時間があるから、何かして遊ぼうか?」
あたしと桃矢おじさんがみんなの所に戻ると、雪兎おじさんが聞いてきた。
「このホテルにはテニスコートもあるし」
「あ、あたしテニスって体育の授業で1、2回だけやっただけで」
「じゃ、ぼくが教えてあげるよ。衛くんはどう?」
「ぼくもです。よかったら、教えてください」
「じゃ、決まりだね。桃矢、夕食時にロビーに集合ってことで」
「ああ、すまないな。面倒見させちゃって。
すみれ、かばんはここに置いておけば、あとで部屋に持っていくよ」
「ありがとうございます、おじさん。じゃ、衛くん、行こう」
あたしたちはテニスコートに向かった。

「この子はよろしいんですの?」
残った龍平を見て、張教授が桃矢に聞いた。
「この子は、考古学が大好きなんです。うちの講師も勤まるぐらいですよ
ですから、教授のお話を聞かせてあげてください」
「まぁ、それは。うちのエドワードなんか、私の研究には全然興味がなくて。
でも、私、日本語では、こみいったことはうまく表現できないのですが」
「大丈夫ですよ。すみれと龍平は、英語と中国語もできますから。
さぁ、龍平。張教授の特別講義だ。めったに聞けるもんじゃないぞ」
「はい。楽しみです」
そう龍平が答えると、3人は張教授の部屋に向かった。
432CC名無したん:02/09/29 10:53 ID:eBPISeMV
く っ だ ら ね え 〜 石 ロ リ 。

若 禿 げ も し ゃ あ な し 。

1 日 1 日 運 落 と し と る 。
433名無しさん:02/09/29 15:57 ID:K+sTqTS7
CCS2d ジェネレーション木之本さくらが結婚して娘がいるのか!
434さくら様支援第401大隊:02/09/30 20:20 ID:Wd/UNJYr
うあ〜  今回も最高だ〜!
126さん、次回も期待してます!!!

桃矢の「当番10回!」に藁。
435CC名無したん:02/10/01 17:17 ID:XKzxdC9f
ageておく。
436あぼーん:あぼーん
あぼーん
437さくら様支援第401大隊:02/10/02 21:40 ID:4aKz1mND
さて、上のほうの一覧から落ちたのでageるわけだが

保守保守。
438サークラRZ:02/10/04 01:49 ID:3EZhyYxx


    罪深きこのエデンに 母親がいたら    
    我が子を叱るだろう 涙落とすだろう   

439さくら様支援第401大隊:02/10/04 20:46 ID:aYivdGpH
死守あげ

何でこんな良スレが伸びないのだ・・・
440CC名無したん:02/10/04 23:37 ID:3t+6xdm/
>439 オマエガウザイカラ
441CC名無したん:02/10/05 03:17 ID:EnHpkc6Z
妄想よ、育て!
442CC名無したん:02/10/05 04:03 ID:0WDlZ6oD
今週末も126劇場は月光蝶‥‥じゃない、絶好調!‥‥だといいが。(ニガワラ

だからageです
443CC名無したん:02/10/05 05:35 ID:uvXFH39/
126たんへ
知世たんの旦那は誰なんですか。
財閥?の娘だからいろいろあるのかな。
444126:02/10/05 09:15 ID:Z51yMqcM
「あ〜、おいしかったぁ!おなかいっぱいだぁ」
桃矢おじさんたちとおいしいシーフードの晩ご飯を食べた後、
あたしはホテルのベッドに倒れこんだ。
<ピンポーン>
「お姉ちゃん、入ってもいい?」
龍平だ。
「うん、どうしたの?」
あたしは龍平を部屋に入れた。
「お姉ちゃん、あの沈没船のことだけど・・・」
「うん、いくら砂を捨てても減らない船だよね」
そうだった。テニスとシーフードで、あたしはすっかり忘れていた。
あたしたちは、窓辺に立つとサルベージ船の方向を見た。
「お姉ちゃん、感じるよ。変な気配がする」
「うん。かすかだけどね」
「行くんだ」
龍平があたしを見た。
「行くよ。あたし、カードキャプターだもん。カード集めなくちゃいけないんだ」
445126:02/10/05 09:16 ID:Z51yMqcM
「でも遠いよ」
「大丈夫だよ。カードを使えば、あのぐらいの距離なんて、すぐだよ」
「でも、ぼくは何もできない」
あたしは、龍平の顔を見た。もう少しで泣きそうな顔をしている。
「ちょ、ちょっと、どうしたの。龍平らしくないよ」
「だって、ぼくはお姉ちゃんと違って、封印の杖なんて持っていないし
カードも使えないし、ここで見てるしかできないじゃないか」
「でも、龍平にも魔力があるんだよ。あんな遠くの気配がわかるじゃない」
「でも・・・」
「龍平!」
あたしは、ちょっと大きな声を出してしまった。
「もし、あたしが船に行っている間に、クロウ・カードが出たらどうするの?
龍平は、カードの気配がわかるんだよ。気配がわかれば、なんとかできるじゃない。
龍平は、龍平にできることを、せいいっぱいやればいいんだよ」
龍平は、ちょっと涙ぐんでいた。
「・・・ママとおんなじだ」
「ほぇ?」
「前、ママに同じことを言ったんだ。ぼくはカードが使えないし、
すぐに寝ちゃうから、お姉ちゃんを助けることができないって。
そしたら、ママも、今、お姉ちゃんが言ったのと同じことを言ったんだ」
龍平は、涙を手でぬぐっている。

そうして、少し時間がたった。
「では、我が弟よ!後は頼むぞ!」
あたしは、そう言って龍平をこづくと、部屋を出た。
446126:02/10/05 09:16 ID:Z51yMqcM
「誰もいないね」
あたしは、ホテルの屋上に出た。もう、外は暗い。
街の明かりと、沖合いの船の明かりがとてもキレイだ。
今日は、ママもケロちゃんもいない。
「行くよ」
あたしは、自分に言い聞かせた。
「光の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、すみれが命じる」
「封印解除(レリーズ)!」
あたしは、封印の杖を手にすると、フライのカードさんを取り出した。
「クロウの創りしカードよ。我が鍵に力を貸せ。
カードに宿りし魔力を、この鍵に移し、我に力を!フライ!」

あたしは、月明かりの下を飛んで、サルベージ船に近づいた。
「この気配、確かにクロウ・カードだ」
気配がだんだん強くなっていく。
「!」
突然、気配が強くなったかと思うと、沈没船が入っているプールから
水柱のようなものが飛び出してきた!避けきれない!
「ほぇ〜!」
447126:02/10/05 09:31 ID:Z51yMqcM
どーもです。
>>443
さぁ? >1 や >>14 に聞かないと・・・(藁

ところで、今後の126的小話に影響があるのですが、
単行本に収録されていない「あったかはちみつミルク」についての
エピソードがあるらしいのですが、それについて、ご存知の方は
いらっしゃいませんか?
特に、レシピがわかればありがたいです。

では
448CC名無したん:02/10/05 16:59 ID:yfVbTOHI
おおっとぉ! この攻撃パターンは(以下略)
126劇場、続きも楽しみです!
449さくら様支援第401大隊:02/10/05 20:46 ID:V7XvlMCc
明日も読めるのかな?わくわく
450CC名無したん:02/10/05 22:34 ID:pZl8deAw
不審船<ドラゴンボール>クロウカード
451ごおおおおおお:02/10/05 22:41 ID:pZl8deAw
封印解除(レリーズ)!

魔封波じゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!by亀仙人
じっちゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
452  :02/10/05 22:46 ID:wxTymDJ8
http://stalker-love.fans-club.com/
極上女を監視、ストーカー攻撃
453CC名無したん:02/10/05 23:23 ID:dB67MV6B
CARDCAPUTOR SAKURA・ILLUSTRATIONS・CLOW CARDSより〜

*木之本家キッチン*
雪兎「沸騰したよー」
桃矢「ん」
雪兎「カレー、おいしくできてるといいね。とーや、料理上手だから、きっ
  とおいしいね」
桃矢「食ってけよ、ゆき」
雪兎「うん! そろそろさくらちゃん、帰ってくる時間かな」
知世「ごめんください」
雪兎「あれ? この声、知世ちゃん?」
*玄関*
桃矢「さくら…!!」
知世「さくらちゃん、お熱があるみたいで…。保健の先生に診て頂いたんで
  すが、風邪だとおっしゃってました」
桜 「だいじょうぶー。ちょっと、ふらふらするだけ」
454453・続き:02/10/05 23:29 ID:dB67MV6B
雪兎「知世ちゃん、送ってくれたんだ」
知世「ええ、心配で」
桃矢「どうも」
桜 「ゆきとさん…!」
雪兎「だいじょうぶ?」
桃矢「このまま寝かせるから」
知世「はい、よろしくお願いします。おだいじに」
桜 「だいじょうぶだよ、ありがと」
雪兎「送ってこうか?」
知世「いえ、車が待ってますから」
雪兎「気をつけて」
知世「失礼します」
455453・続き:02/10/05 23:37 ID:dB67MV6B
*さくらの部屋*
ケロ「どないしたんや!!」
桜 「なんか、風邪ひいちゃったみたいーー」
ケロ「ほんまや。熱いなぁ」
桜 「よいしょ。風邪ひくの久しぶりだな…」
*台所?*
雪兎「だいじょうぶかな、さくらちゃん」
桃矢「あいつが風邪ひくの、久しぶりだな…」
*さくらの部屋*
桜 (まえに、風邪ひいたときも、こうだったな。風邪ひいたり病気になっ
  たりすると、なんで、さびしくなっちゃうんだろ。頭、痛いとかつらい
  とかより、なんだかさびしくなっちゃうの。世界でわたし、一人しかい
  ないみたいにさびしい)
456453・続き:02/10/05 23:46 ID:dB67MV6B
桜 (でも、だいじょうぶなの。すぐに…。すぐに…きてくれるから)
*さくらの回想〜さくら幼稚園、桃矢小学生の時*
桜 「くるしいよぅー、あついよぅー」
桃矢「父さん、いまお医者さんと話してる」
桜 「うにゃあ」
桃矢「風邪だと」
桜 「かぜ?」
桃矢「薬、飲んでゆっくり寝てろって」
桜 「でも、あした幼稚園で、新しいお歌ならうの――。さくら、幼稚園の
  せんせい、大好きなのー。だからいくの――」
桃矢「つっても、熱がさがんねぇと…」
桜 「いくのー」
桃矢「わかった。さがったらおれが、つれてってやるから」
桜 「ほんと?」
457453・続き:02/10/05 23:50 ID:dB67MV6B
桃矢「さがったらな」
桜 「さげる――。新しいお歌、お兄ちゃんにも教えてあげるねー。はにゃ
  ? なんかてんじょうぐるぐる――」
桃矢「おとなしく寝てろ」
桜 「お手て、つめたくてきもちいい」
桃矢「なんか、欲しいもんあるか?」
桜 「うにゃ?」
桃矢「食べたいもんとか飲みたいもんとか」
桜 「にゃ――。んとね…。あったかはちみつみるく、のみたい」
458453・続き:02/10/05 23:59 ID:dB67MV6B
桜 「なんか、まえに飲んだことあるような気がするの…。さくらお熱ある
  とき…。すっごく、ちっちゃいときだけど…。あったかくて、おいしい
  はちみつが入ったミルク…」
桃矢「それ…。母さんだ…」
桜 「…ほえ?」
桃矢「おまえが、まえに風邪ひいたとき、まだ母さんがいて…作ってくれた
  んだ」
桜 「そっか…。…お母さんだったんだね。ほえ?」
桃矢「まってろ。はちみつミルクもってきてやるから」
459453・続き:02/10/06 00:46 ID:qZZ07MUJ
*さくらの部屋*
桜 「…すぐ…もってきてくれる…」
*台所*
雪兎「それは?」
桃矢「はちみつミルク。風邪ひいたときにあいつが、かならず飲みたがるや
  つ」
*さくらの部屋*
桜 「きっと…、あの…。あったかはちみつみるくもって…、おにいちゃん
  が…。そしたら…、きっと…」
桜 (あしたは元気になれるよ)

END
460CC名無したん:02/10/06 01:08 ID:1mN2qLTb
>>453
ケコーン後バージョンもプリーズ
461さくら様支援第401大隊:02/10/06 01:26 ID:KHqMSHmd
126さんはー?
462126:02/10/06 01:50 ID:6cNlWD1U
>>453 さん、ありがとうございます。
ということで、番外編。

「どうですか、ママの様子は?」
あたしは、桃矢おじさんに聞いた。
「風邪だろうな。薬を飲んだし、今晩ゆっくり寝れば明日は大丈夫だろう」
「ありがとうございます、わざわざ来てくれて。
パパは今日、香港だし、あたしと龍平だけじゃ心細くて・・・」
今日の夕方から、ママは熱を出して寝込んでしまった。
それで、あたしは桃矢おじさんを呼んだんだ。
「気にするな。あいつは、怪獣なんだから」
「怪獣・・・って」
「さてと、台所、ちょっと借りるぞ」
「いいですけど、何するんですか?」
「怪獣用の薬を作る」
「ほぇ?」

台所から戻った桃矢おじさんは、マグカップの乗ったトレイを持っていた。
「これが、怪獣用の薬」
あたしと桃矢おじさんは、ママの部屋に向かった。

463126:02/10/06 01:50 ID:6cNlWD1U
「はにゃー」
ママは、ベッドの中で、カードを集めていた頃の姿に戻っていた。
ケロちゃんが言っていたけど、ママは、その頃の姿でいるのが、
一番魔力を使わないで済むので楽らしい。
「・・・おにいちゃん?」
「・・・まったく・・・怪獣なんだから・・・飲むか?」
「はちみつミルク?」
桃矢おじさんに、身体を起こしてもらうと、ママは、はちみつミルクを飲んだ。
とってもおいしそうに。そして、とってもしあわせそうに。
「・・・あんま、すみれたちに心配かけるなよ」
「うにゃあ」
「それ飲んで、早く寝ろ」
ママは小さい時から風邪をひくたびに、桃矢おじさんとこんな会話を
繰り返してきたのだろう。あたしは、ふたりを見ててそう思った。
464126:02/10/06 01:51 ID:6cNlWD1U
「あの、おじさん?」
ママの部屋を出ると、あたしはおじさんに聞いた。
「なんだ、すみれ?」
「はちみつミルクの作り方、教えてください。ママが言っていたんです。
桃矢おじさんの作るのは、ママのよりおいしいって」
「だめだ」
「ほぇ?どうしてですか」
「どーしても。作り方を知っているのは、俺ともうひとりだけだ」
「ほぇ?」
あたしは、不思議に思った。ママも知らないのに、誰が知っているんだろう。
「それより、晩飯、作んなきゃならないな。龍平のリクエストも聞かないと」
「はい」
あたしたちは、龍平の部屋に向かった。

(番外編:終)
465126さんマンセー:02/10/06 02:05 ID:MWtsSz6/
ああーっ、ちっきしょーいいなー!!
126さん天才!がんばって執筆してくれや。

じ ゃ 、 続 を ど う ぞ 。 
466CC名無したん:02/10/06 07:23 ID:2T8CHBNw
ISO MPEG-4のビデオストリームを生成できるビデオエンコーダーソフト
「DivX Pro」「XviD」「REALmagic MPEG-4 Video Codec(RMP4)」
467さくら様支援第401大隊:02/10/06 09:20 ID:Y/EaV1hg
うわっ、番外編もいい感じ〜
468126:02/10/06 11:54 ID:C1+zDOkE
>>446 の続き

その時、あたしの目の前にバリアのようなものが広がった。
あたしをねらった水柱のような濁流は、はじかれて散っていった。
「あなたは・・・?」
背中から羽を広げた、きれいな人がゆっくりと上空から降りてきた。
「ユエさん?」
「久しぶりだな」
けど、あたしには、ユエさんに直接会った記憶が無い。
ユエさんのことは、ママやケロちゃんの話や、知美ちゃんの家で見たビデオで知っているだけだ。
「た、助けていただいて、ありがとうございます」
「桃矢との、約束だからな」
「ほぇ?」
その時、船から、人の声が聞こえてきた。
「な、なんだ?」
「ちょっと、外を見てみろ!」
「いけない!なんとかしなくちゃ!」
469126:02/10/06 11:55 ID:C1+zDOkE
あたしは、スリープのカードさんを取り出すと、カードを使うためにフライの魔法を解いた。
「スリープ!」
船員さんたちが、眠り込んでゆく。
その間、あたしの身体は海面へと落ちていった。
「もう一度フライのカードさんを使わないと・・・キャーッ」
その時、あたしの身体は抱き止められた。
「まったく、おまえたちはいつも無茶をする」
「ユ、ユエさん、ありがとうございます。今、フライのカードを使いますから」
「その時間はない」
ズン!っと音がすると、また水柱があたしたちを襲ってきた。
ユエさんは、手のひらを水柱に向けるとバリアを張った。
ザァー!
水柱は、バリアに当たって、散っていった。
「これは、サンドのカードだ」
「やっぱり、クロウ・カードなんですね」
470126:02/10/06 11:56 ID:C1+zDOkE
「私の力では、サンドの攻撃を防ぐことはできるが、動きを止めることはできない。
フリーズのカードは持っているか?」
「も、持ってません」
ズン!
また、サンドの攻撃だ。
今度も、ユエさんのバリアで守られた。
「けど、あたし、カードを封印しなくちゃならないんです」
「だが、力が無ければ、封印は無理だ」
「でも、あたし、カードキャプターですから」
その間も、サンドの攻撃は続いた。
サルベージ船のプールから伸びた砂の濁流が、あたしたちを襲い続ける。
なんとか、サンドの動きを止めるには・・・
「そうだ!ユエさん、もっと、船に近づいてください!」
あたしとユエさんは、攻撃を避けながらサルベージ船に近づいた。
「彼の者の動きを止めよ!グルー!」
「グルー?!」
グルーのカードさんから伸びた光に包まれたサンドは、動きが鈍くなった。
「ユエさん、あたしを船に降ろしてください!」
あたしたちは、沈没船のプールのそばに降りた。
「汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カード!」
471126:02/10/06 11:57 ID:C1+zDOkE
「グルーのカードとは・・・」
ユエさんは驚いていた。
「クロウさんが、ケロちゃんやユエさんの前に創ったカードなんです」
サンドのカードさんが、あたしの手に滑り込んできた。
「やったぁ。あれ?」
あたしは、まだ、クロウ・カードの気配があることに気が付いた。
「ユエさん?」
「クロウ・カードの気配だ。カードは、この中にいる」
ユエさんは、沈没船の入っているプールを指差した。
「プールの中にクロウ・カードが?どうしよう?」
あたしは、ユエさんの顔を見た。
「私の結界に入っていれば、水の中でも、しばらくは大丈夫だ。行ってみるか?」
「はい、お願いします」
あたしたちのまわりに、バリアのような結界がはられた。
「行くぞ」
結界に守られたあたしたちは、沈没船のあるプールへと入って行った。
472さくら様支援第401大隊:02/10/06 21:23 ID:7jlpbbZZ
ウォーティ?イリュージョン?
どっちだろ。それとも新カードが??どきどきしながら次週ですか?
473CC名無したん:02/10/06 23:54 ID:KzN0d1h0
CARDCAPTOR SAKURA*ILLUSTRATIONS COLLECTION 2*SAKURA CARDSより

・友枝小〜さくら達の教室・
桜 「小狼君…」
寺田「じゃ、今日はここまで。宿題忘れないように」
生徒「は――い」
桜 「だいじょうぶ?」
小狼「…だいじょうぶだ」
知世「お顔が赤いですわ。風邪でしょうか?」
桜 「すっごく熱いよ! どうしたの!? 小狼君!!」
知世「もっと、熱が上ってしまったようですわね」
・小狼の自宅の前・
桜 「ほんとうにだいじょうぶ?」
小狼「…ああ。このまま、部屋で薬飲んで寝るから」
知世「あたたかくなさってくださいね」
小狼「ほんとうに…だいじょうぶだから」
知世「李君、早く良くなってくださるといいですわね」
桜 「…うん」
474473・続き:02/10/07 00:02 ID:rBaRTiEj
・友枝家〜台所・
雪兎「ふっとうしたよ――」
桃矢「おう」
雪兎「今日は何、作るの?」
桃矢「そうだな」
桜 「…ただいま」
雪兎「あ。おかえりなさい」
桜 「あ、雪兎さん、こんにちは」
雪兎「? どうしたの? 元気ないね。心配ごと?」
桜 「小狼君が…」
〜さくら、雪兎に事情を話す〜
雪兎「そうだったんだ」
桜 「小狼君、すごく、熱が高くて…」
雪兎「風邪かな。最近夜冷え込んだりしてたし。心配だね」
桃矢「はー」
桜 「ほえ?」
桃矢「持ってけ。あのガキ一人暮らしなんだろ。んな熱じゃ飯、作れねぇだ
  ろうが」
桜 「うん!」
475473・続き:02/10/07 00:11 ID:rBaRTiEj
桜 「着がえてくる! すぐ、出かけるから!」
雪兎「優しいね、お兄ちゃん」
桃矢「ふん」
・小狼の自宅・
小狼「何か食べないと薬が飲めない…。けど頭が…。ふう。だ…、誰だ?
  さ…、さくら!?」
・小狼の自宅〜居間・
桜 「急に来ちゃってごめんね。これ、お兄ちゃんが作ってくれたの。食べ
  られる?」
小狼「あ、ああ」
桜 「良かった。あとね、お台所貸してほしいの。だめかな?」
小狼「い…いや、いいけど。??」
桜 「ありがとう。あ、食べててね」
〜台所に行くさくら〜
桜 「はい」
小狼「それ…」
桜 「はちみつミルク。わたし、風邪ひいた時いつもこれ飲んでるの」
476473・続き:02/10/07 00:14 ID:rBaRTiEj
桜 「早く熱、下がるといいね。甘すぎない? 平気?」
小狼「いや…、おいしいよ」
桜 「あったかはちみつミルク飲んで、いっぱい寝て、明日は元気になれる
  といいね」
小狼「…ああ。きっとだいじょうぶだ」

END
477ごおおおおおお:02/10/07 21:16 ID:O2e58y1J
ブッシュ「オイ   鵜      差      魔   ・   ビンラディン」
ビン「どうした」
ケンシロウ 「どうした そのていどか 貴様には 生きる資格はない」
「北斗 百列拳」
塚原「右京さん」


478CC名無したん:02/10/09 13:44 ID:9wJJql9q
江田島「わしが男塾塾長の江田島平八である!!。」
桃「オッス!ごっつぁんです!。」
479CC名無したん:02/10/09 20:41 ID:kqgLanmZ
>>477-478
良スレの邪魔すんな。
480江田島平八:02/10/10 09:38 ID:5Njx9+2Z
わしが男塾塾長の江田島平八である!!
>>126殿、龍平を我が男塾に預けてみないか?
わしが龍平を立派な男に鍛え上げてあげようぞ。
     __――――――          
    /            \                
   /               \   
   /_         __     |    
  / \  | /  /   \    |   
/ _  \   /  /\|||||   |  
|/  \_|| ||||_/       /\   
 < ̄o ̄>   < ̄o ̄>  |   |  
  /  ̄ ̄/       ̄ ̄    | ∂ |  
 (  /(_⌒)\     /   ) ) | 
 | === ====     | (  |  
  ( || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ||     (_/  
   || |  ̄ ̄ ̄⌒ ̄| ||    |     
   || |         | ||    |  
   || |         | ||     |   
   ||  )  /⌒⌒|   | ||     |   
   || /  /     |_ / ||     |   
   || ヽ ̄⌒ ̄ ̄ /  ||     /  
   <||  ヽ ̄ ̄ ̄ ̄/  ||    /   
    \   ̄ ̄ ̄        /   
      \________ /   
481さくら板倫理評議会:02/10/10 11:23 ID:2s/pyw5+
>477=>478=>480であろう
この板での貴様の行動は、この板の倫理に反する
ゆえに他板への逝去をキボンヌする也

貴様のAA、下手の極み也 芸術性一片の欠片も無し
482480:02/10/10 11:55 ID:5Njx9+2Z
>>481
>>478
の男塾ネタはそうだが、>>477は断じて違う。

>貴様のAA、下手の極み也 芸術性一片の欠片も無し

塾長は元々こういう顔なんだがらしょうがないだろ!!?
483CC名無したん:02/10/12 00:10 ID:5MWViYsR
まあ480おもしろかったしいいんじゃねーの?

484126:02/10/12 10:22 ID:jwarvf9z
サンドのカードさんを封印したせいか、プールの水はきれいだった。
月明かりと、ユエさんの結界が発する光で、沈没船の様子がよく見える。
「こちらだ」
あたしたちは、気配をたよりに沈没船の中を移動した。
「気配がすごく弱いですね」
「ああ」
あたしは、星條カレッジでスリープのカードさんを封印した時のことを思い出した。
あの時、魔力が足りなくて、スリープのカードさんはほとんど消えかけていたんだっけ。

やがて、視界に大きな箱が入ってきた。表面には、いろいろと装飾がされている。
「この中だ」
「はい、確かにこの中から、カードの気配がします。でも、この箱、何なんですか?」
「棺だ。かなり昔の中国のものだ」
ユエさんは、結界の中に棺を取り込んだ。
「!」
「な、なに、これ!」
あたしの心の中に、流れ込んでくるものがあった。
「残留思念だ。害はない。心を落ち着けて、読み取ってみろ。お前なら、できるはずだ」
「はい」
あたしは、目を閉じた。
485126:02/10/12 10:24 ID:jwarvf9z
「天国に行ったら、大好きな花に囲まれて暮らしておくれ」
その姿は、ぼやけてよく見えない。だけど、女の人が悲しみをこらえながら、
棺に花を次から次へと入れていくのが、わかる。
「さぁ、お前の好きだった花だよ。おかあさんが、お前を、この花で
いっぱいにしてあげるからね」
花がどんどん棺に入れられる。女の人は、もう言葉が出ない。
すすり泣きをしながら、それでも夢中になって、花を詰めていく。

「開けるぞ」
ユエさんの声で、あたしは我に返った。
棺のフタが、ユエさんの魔力で開けられていく。
「これは!」
棺は二重になっていた。そして、中の棺との隙間は花でいっぱいだった。
「ユエさん、この花、まだ新しいです!この棺、何百年も前のものなのに!」
「フラワーのカードだ。子を失った母親の強い残留思念に引き寄せられた
フラワーが、この棺の中で花を出し続けていたんだ」
あたしは、棺の中をまさぐった。そして、枯れかけている花の中に、
ぐったりしているフラワーのカードさんを見つけた。
魔力が足りなくて、半透明になっている。
「早く封印しなくちゃ」
「無駄だ」
「え?!無駄って、どうゆうことなんですか?」
486さくら様支援第401大隊:02/10/12 13:21 ID:9/OZtZYd
ふ、フラワーでしたか。。。
続きが楽しみ。
487CC名無したん:02/10/14 00:31 ID:gVel+dEv
あげ
488126:02/10/14 00:48 ID:a4xVbDYu
「このカードは、魔力が足りなくて消えかけている」
「だから、封印すれば元気になるって、ケロちゃんが言ってました」
「もう手後れだ。これだけ弱っていては、封印の衝撃に耐えられずに、ただのカードになってしまうぞ」
「でも、このままじゃ、カードさんが消えてしまいます。あたし、そんなのいやです!」
あたしは、たまらず、封印の杖を握りなおした。深呼吸を1回して、封印の呪文を唱える。
「汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カード!」
その瞬間、カードの気配が強くなった気がした。
封印の杖に光が集まったかと思うと、カードが、私の手に滑り込んできた。
「できた!封印できたよ!」
あたしは、カードを抱きしめた。
「もう、大丈夫だからね」
489126:02/10/14 00:49 ID:a4xVbDYu
その時、ユエは周囲を警戒していた。
(今、確かに、外からカードに魔力が注入された)
だが、魔力の気配は、もう、どこにも感じない。
「ユエさん、カード、封印できました!」
喜んでいる主(あるじ)の子を見つめる。
(この子が関わっているのは、クロウとは別の力だ。主の時とは違う)
そしてユエの口から出た言葉は、短かった。
「戻ろう」
「はい!」

「また、カードを封印できたね」
「でも、今のあなたの対応に対しては、委員会は積極的になれないと思います」
「うーん、けど、すみれさんは、明らかに適格者だよ」
「その点についても、委員会内にも異論はあります」
「じゃあ、確かめるチャンスを作らなくちゃいけないね」
「何か、考えていますね?エドワード」
「ふざけた方法かもしれないけど、こうゆうのはどうだろう?」
すみれたちの泊まるホテルの一室で、そのふたりの会話は続いていた。
490126:02/10/14 00:51 ID:a4xVbDYu
次回予告
え〜!ママが衛(ウェイ)くんと結婚ですって?!
そんなぁ!ママにはパパがいるんだよ!
え?ただのイベントなんだって?
ほんと、びっくりしたよぉー

カードキャプターさくらと小狼のこどもたち
すみれとかすみのウェディングドレス

次回もすみれと一緒に
さくらと一緒に
封印解除(レリーズ)!
491CC名無したん:02/10/14 01:10 ID:gVel+dEv
委員会ってなに〜〜!
492あぼーん:あぼーん
あぼーん
493CC名無したん:02/10/14 23:16 ID:Srktc10h
衛(ウェイ)くんともう一人は誰だー!!
494名無しさん:02/10/16 05:28 ID:QiM5ljBt
>493 エリオルじゃないか?
495ジョン・レノン:02/10/18 17:07 ID:bznH1Zqu
<<493
歌丸(または楽太郎)
496126:02/10/19 10:02 ID:/w0mC0T/
その出来事は、あたしのケータイにかかってきた桃矢おじさんからの電話で始まった。
「はい、すみれです」
その1分後、あたしはパニックになっていた。
「え〜!ママが衛(ウェイ)くんと結婚ですって?!
そんなぁ!ママにはパパがいるんだよ!」
ケータイの向こうでは、桃矢おじさんもあわてていた。
「落ち着け、すみれ!俺の話を聞け!」
「ほぇ〜!衛くんのこと、パパって呼ばなきゃいけないの〜?!」
「いいから、落ち着け!」
「ほぇ〜!」
「いいから、俺の話を聞け!」
「あわわ※∂∇√!、おじさん!」
パニックになっていたあたしは、椅子から落ちていた。
497126:02/10/19 10:04 ID:/w0mC0T/
「お、おじさん、びっくりさせないでください!
ケータイの画面からホログラムで飛び出てくるなんて、
昔のギャグアニメみたいじゃないですか!」
「俺の話をちゃんと聞かないからだ」
桃矢おじさんのホログラムは、そう言った。
「じゃあ、最初から話すぞ。元服って言葉、聞いたことあるか?」
「はい、昔の成人式みたいなものですね」
「そうだ。昔は数え年で12才ぐらい、すみれの年令ぐらいで大人になったんだ」
「そうなんですか。ずいぶん早いんですね」
「成人式だけじゃなくて、昔は結婚するのも早かった」
「時代劇のドラマで、そんなシーンを見たことはあります」
「で、張(チャン)教授の話によると、衛(ウェイ)家では代々、
すみれと同い年になると親の選んだ相手と結婚するというしきたりが
あるそうなんだ」
「でも、それは昔の話ですよね?」
「そうでもないんだ」
「そんなぁ。だいたい、親が結婚相手を選ぶなんて・・・」
「まぁ、聞け」
桃矢おじさんは、話を続けた。


498126:02/10/19 10:05 ID:/w0mC0T/
「昔は、親の権威は絶対だった。子供も、親の言うことを聞くのが当然だったし、
親孝行をするのも、今よりずーっと大切なことだった」
「・・・はい」
「だが、子供も自分の結婚相手は、自分で選びたい。
でも、親が決めた相手と結婚しないと、親孝行ができないことになる。
そこが問題だった」
「・・・昔の人って、変なことに悩んだんですね」
「俺もよくわからんが・・・で、とにかく、今から100年ぐらい前の
衛家では、それまで本当に結婚していたのを形だけにしたんだ」
「どーゆーことですか?」
「つまり、すみれと同い年になった衛家の男は、親の選んだ相手と形だけの
結婚式をして親孝行を済ませる。親孝行が済んだ後は、大人になって
自分の見つけた相手と結婚してもいい、ということになったんだ」
「変なの」
「・・・衛家の人たちってのは、イベント好きが多いらしい。
まぁ、ままごとのような可愛いカップルが式を挙げるわけだからな。
一族の楽しいイベントとして、今でも続いているってことなんだ。
そこで、あのエドワードっていったかな、あの子の花嫁に
俺の娘をお願いしたいと、張教授に頼まれたんだよ」
「おじさんの娘?おじさん、独身じゃないですか」
「忘れたのか?俺は、木之本かすみの父親なんだぞ」
499126:02/10/19 10:07 ID:/w0mC0T/
・・・そうだった。グルーのカードを封印しに行く途中、
カードを集めていた頃の姿になっていたママを、衛くんに見られたんだ。
『はじめまして。すみれちゃんのいとこの木之本かすみです』
それが、とっさに出た、ママのあいさつだった。
そのママであるかすみを衛くんの花嫁に、という話がきたんだ。
そして、そのかすみの父親ということになっているのが、桃矢おじさん。

あの時の衛くんは、確かに顔がちょっと赤くなっていた。
「なんで・・・」
あたしは、ちょっと言葉につまった。
(あたしじゃないんですか?)
と、言いそうになってしまったからだ。でも、そんなことは聞けなくて
「なんで、ママに直接聞かないんですか?」
「さくらに直接聞いたら、あいつ(小狼)に遠慮するだろうし・・・」
ホログラムの桃矢おじさんは、ちょっと考えていた。
「かわりにといってはなんだが、すみれはどうだ?
俺は、すみれのウェディングドレスを見るのもいいかな、と思っている」
「あ、あたしはいいです!」
思わず、あたしは答えていた。
「そうか。ちょっと残念だな。
張教授が言っていたよ。『一族をあげてのコスプレパーティだと考えてください』って。
すみれも、さくらも、大道寺さんの作る衣装で、いつもコスプレしているようなもんだからな」
「コスプレ・・・って」
あたしの頭におっきな汗が浮いた。
あたしたち、桃矢おじさんに誤解されているのかもしれない。
「じゃ、さくらによろしく伝えてくれ」
桃矢おじさんのホログラムが消えた。
500ジョン・レノン:02/10/19 21:51 ID:9T5ywVCq
500
501サークラRZ:02/10/20 00:46 ID:qveZsqAV
          __ )
       γ´γ~   \
       |∞/ 从从) )   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       W | | l  l |  <あなたが与えてくれた一生 バラバラに壊したい
       ヽリ.ハ~ ワノ    \_____________________
         ( ヽwliヽ
         ト《~ヘii~
           〉 \/
         /V\ハ_ヲ \
        / / |     \
      ./    !    jj  \
     /               i
    〈   /        |      |'
     ゝ /    l    |   !/
       `〜‐-L__」〜'^
502CC名無したん:02/10/21 18:17 ID:UHMkDxeJ
藁藁
503CC名無したん:02/10/22 10:13 ID:0h6qRohH
赤ちゃんとケロ
504:02/10/22 12:51 ID:KuP2eNOd
http://camera-zoom.fans-club.com/
炉           
505あぼーん:あぼーん
あぼーん
506ジョン・レノン:02/10/22 22:25 ID:5D2lhnlI
コンピューター誤作動してジハードジハードジハードジハードジハードジハード
ジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハード
ジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハード
ジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハード
ジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハード
ジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハード
ジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハード
ジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハード
ジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハード
ジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハード
ジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハード
ジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハード
ジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハード
ジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハード
ジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハード
ジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハード
ジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハードジハード
507ジョン・レノン:02/10/22 22:56 ID:5D2lhnlI
サラマンダー「俺にはおまえの考え方が理解できない
      他の者と共に行動しようとするところがな」
      「俺は常にひとりで生きてきたし
      それを何も疑うことはなかった」
      「でもな、おまえを見ていると、
      おまえのやり方にどうしても納得できない」
ジタン「何が言いたいんだよ?」
サラマンダー「……どっちのやり方が正しいのか、
      ハッキリさせたい」
「ここに封印を解くカギがあるという話だな?」
ジタン「ああ、そうだ」
サラマンダー「それをどちらが先に発見できるか、で勝負だ
      もちろん、俺はひとりで行くぜ」
508CC名無したん:02/10/23 20:47 ID:UyDRk9JA
ジタン「オレハ……ダレダ?」
   「ナニモワカラナイ……
   ナニモカンガエラレナイ……」
エーコ「ジタン!!」
ジタン「アア……ソウヨバレタ
   コトモアッタカ……」
   「イロンナヒトガ
   ソウヨンダ……」
エーコ「ジタンはすぐ
   カッコつけちゃうんだから!」
ジタン「アア、ソウカモシレナイ」
スタイナー「いつもふざけおって!!」
ジタン「ソウダ、ソノトオリダ」
フライヤ「それがおぬしらしいと言うことじゃ」
ジタン「オレラシイ……?」
ビビ「ジタンと一緒に旅をしてて、
  ボク、強くなれたと思うんだ……」
ジタン「ヤメテクレ!
   オレハツヨクナンカ……」
クイナ「おいしいモノ以外に
   大切なモノ教えてもらったアルよ」
ジタン「チガウ!!
   オレハナニモシラナイ!!」
サラマンダー「それが仲間だということか?」
ジタン「ナカマ……
   ナカマ……?」
ダガー「ジタン!!」
ジタン「ワカラナイ……
   オレハ……ダレダ?」
509CC名無したん:02/10/23 23:57 ID:4dwdmxwd
>>126さん
なんか訳分かんない人たちが書き込んでますが、気にせず頑張って下さいね♪
楽しみにしてますm(_ _)m
510CC名無したん:02/10/24 16:10 ID:SmP1lP48
(・¥・)死守アゲ
511CC名無したん:02/10/24 16:48 ID:Al3dr1jR










126








512CC名無したん:02/10/25 05:48 ID:fibMdo94
>511
おまえがつまらん、氏ね。
513CC名無したん:02/10/25 19:15 ID:DPafTmXz
>511
お前のせいで126さん来てくれ無くなったらどうするんだ
514あぼーん:あぼーん
あぼーん
515CC名無したん:02/10/25 22:06 ID:V5ATRCz3
       /∴∵∴∵∴∵∴∵∴\
         /∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴\
        /∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴\
       /∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵ \
      /∴∵∴∵∴∵∴/ ヽ   / ヽ ∴∵∴|
      /∴∵∴∵∴∵∴ | ● |  | ● | ∴∵∴|
      |∴∵∴∵∴∵∴ ヽ ノ  ヽ  ノ ∴∵∴|
      |∴∵∴∵∴/     / ̄ヽ    \ ∴.|
      |∴∵∴∵/  ‐‐--  ヽ_/  --‐‐ \ |
      |∴∵∴ /   ‐‐--    |   --‐‐   |
      |∴∵∴/    ‐‐--    |   --‐‐   |
      |∴∵∴|   \         |     /   |  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      |∵∴∵|    \_____|__/    / <   クソ業者くたばれ!!
       \∵ |      \       /    /   |  
        \ |        \__/    /     |
          \    ___       /      \_______
            \::/`ー---‐^ヽ____/
           / l:::      l     /
        _ /,--、l::::.      ノ    l
    ,--、_ノ:: `ー'::   、ミー---‐,,l     \
   ,/   :::         i ̄ ̄  |      \
  /:::::::.        l:::    l:::::::   l        \
 l:::::::::::.   l:::    !::    |:::::::   l         \
 |:::::::::l::::  l:::    |::    l:::::     l           l



516CC名無したん:02/10/26 01:46 ID:Q58aTiQW
いまさらだが>>496-499の126さんのIDかなりスゲエ
517126:02/10/26 11:22 ID:jelunnZW
次の日、中国拳法のクラブが終わると、あたしは衛(ウェイ)くんに声をかけた。
衛くんは、休み時間になると、クラスの男の子たちとすかさず校庭に
ダッシュしていっちゃうから、クラブの時でないとなかなかつかまらないんだ。
「なに?木之本さん」
「ちょっと、お話したいことがあるの。途中まで一緒に帰らない?」
「いいよ。ぼくも木之本さんに聞きたいことがあるんだ」

あたしたちは校庭に出た。
「衛くんの家って、どっちの方?」
「図書館の近くのマンション」
「そうなんだ。で、あたしに聞きたいことって、なに?」
「表演服を作りたいんだけど、どこで作ればいいのかな?日本じゃ、良い店なさそうだし・・・」
「あ、それなら、いいお店あるよ。あたしやパパのを作ったお店、今度、紹介してあげる」
「木之本さんのお父さんも、中国拳法やるんだ」
「うん、すっごく強いよ。それに・・・」
あたしは、パパが魔法も使えるしって言いそうになって、あわててしまった。
そんなあたしを見て、衛くんはちょっと不思議そうだったけど、
「ところで、木之本さんが僕に聞きたいことって?」
「う、うん。あの結婚式のことなんだ」
「ああ、木之本さんのとこにも連絡がいったんだ。おばあちゃん、張り切ってるよ」
「そうなんだ」
518126:02/10/26 11:24 ID:jelunnZW
衛くんは、かばんからPDAを取り出した。
「父さんの時の写真を入れてあるんだ」
画像が出てきた。あたしたちと同い年のカップルの結婚写真。
タキシードを着た男の子の方は、顔がまっかっかだ。
ウェディングドレスを着ている女の子の方は、ちょっと恥ずかしそうに、
でもとってもうれしそうに寄り添っている。
「衛くん、お父さん似なんだね」
「そうかなぁ?」
「お父さん、めがねしているからだよ。めがね取ったら、すっごい似てる!」
「う〜ん。そんなこと、言われたの、初めてだ」
「お父さん、顔、真っ赤だね」
「うん。父さんのこと、この時一番かわいく思ったって、母さんがいつも言うんだ」
「というと?」
「父さんの隣、母さんだよ。ふたりは幼なじみで、この後・・・」
衛くんがスイッチを押すと、画面が別の結婚写真に切り替わった。
「大学院を出てから、本当に結婚したんだ」
「そうなんだ。すてきだね」
519126:02/10/26 11:25 ID:jelunnZW
「でも、この時はまだふたりは結婚するなんて思ってなかったよ」
そう言うと、衛くんは、画面を別の写真に切り替えた。
「これを見て」
「な、なにこれ!」
画面のまんなかには、衛くんのパパとママ。でもそのまわりに花嫁さんがいっぱい!
「20人ぐらいいる!」
「イベントだからね。花嫁は大勢の方が良かったみたい。
クラスの女の子、全員に花嫁になってもらったそうだよ」
「はぅ」
あたしの頭に、おっきな汗が浮いた。
「最近は地味婚になって、2年前、いとこの時は、花嫁は3人だった。
おばあちゃんは、かすみさんひとりでもかまわないって言っているけどね」
「3人で地味婚って・・・あ・・・」
あたしは、あることに気がついた。
「あの、聞いていいかな?衛くんのパパとママって、どうしてるの?日本に来ていないよね?」
「ぼくが小さい時に交通事故で亡くなって」
「そ、そうなんだ、ご、ごめん。変なこと聞いちゃって」
衛くんは、くすっと笑って言った。
「・・・なんてことはなくて、ちゃんと生きているよ。父さんと母さんは」
520126:02/10/26 11:26 ID:jelunnZW
「・・・南極で隕石の研究をしているので、日本には来れないってわけね」
ママは、衛くんのパパとママの写真−別れ際に、衛くんのPDAから
あたしのケータイに転送してもらった−を見ながら言った。
「で、ママ、どうするの?花嫁さんになるの?」
「いい話じゃない?ウェディングドレスとかは、みんな先方で用意してくれるんでしょう?」
「桃矢おじさんは、そう言っていました」
「だったら、OKね。女の子は、ウェディングドレスを一度は着てみたいもの」
「ほぇ?ママ、いいの?パパが何か言うかもしれないよ。
それに、ママは、もう結婚式でウェディングドレスは着ているよね?」
「ほんとは、ママも、もう一度着てみたいけど」
ママはケータイを取り出すと、桃矢おじさんに電話をかけながら言った。
「衛くんとの式には、ママも付き添いで出なくちゃいけないでしょ?
だから、ママは花嫁さんにはなれないわ。
かすみちゃんは、ミラーさんになってもらいましょう」
521CC名無したん:02/10/26 19:35 ID:bc8T3AxF
ヲヲ。すごいな。

で、ミラーさんの出番なわけですね。
522CC名無したん:02/10/26 21:35 ID:UgNq+fOi
ジタン「オレハ……ダレダ?」
   「ナニモワカラナイ……
   ナニモカンガエラレナイ……」
エーコ「ジタン!!」
ジタン「アア……ソウヨバレタ
   コトモアッタカ……」
   「イロンナヒトガ
   ソウヨンダ……」
エーコ「ジタンはすぐ
   カッコつけちゃうんだから!」
ジタン「アア、ソウカモシレナイ」
スタイナー「いつもふざけおって!!」
ジタン「ソウダ、ソノトオリダ」
フライヤ「それがおぬしらしいと言うことじゃ」
ジタン「オレラシイ……?」
ビビ「ジタンと一緒に旅をしてて、
  ボク、強くなれたと思うんだ……」
ジタン「ヤメテクレ!
   オレハツヨクナンカ……」
クイナ「おいしいモノ以外に
   大切なモノ教えてもらったアルよ」
ジタン「チガウ!!
   オレハナニモシラナイ!!」
サラマンダー「それが仲間だということか?」
ジタン「ナカマ……
   ナカマ……?」
ダガー「ジタン!!」
ジタン「ワカラナイ……
   オレハ……ダレダ?」
523CC名無したん:02/10/26 23:26 ID:mQAVp6pj
衛(ウェイ)くん…
524名無しさん:02/10/28 04:40 ID:eiip4FvY
ミラーたんの登場ですか!以外と重要なカードなんですね、ミラーたん!
525CC名無したん:02/10/28 21:15 ID:vyKfmdhF
ねぇ どうして助かったの・・・?


 助かったんじゃないさ

           生きようとしたんだ


     いつか帰るところに帰るために


    だから

           うたったんだ


     あのうたを

526 :02/10/28 21:24 ID:lWPHbc9c
盗撮の神、マーシー光臨
http://kami-tousatsu.isgreat.net/
527CC名無したん:02/10/29 00:38 ID:2g4/GM1z
>>523-524
ageるな。
ウザイ奴等が書き込んでくるぞ
528α-1:02/10/31 18:59 ID:X/0rDMHh
>>527
まあ、賑やかなのは良いことではありませんか
健全なシロモンですし。
529CC名無したん:02/11/01 22:34 ID:NNczz9GL
「おい!生きてるか?」
クジャ「ジタンか……?」
   「逃げろと言ったのに……
   ……どうして来たんだい?」
ジタン「誰かを助けるのに理由がいるかい?」
クジャ「……」
ジタン「……」
クジャ「他の仲間は脱出したんだね……」
ジタン「ん?ああ……
   やっぱりおまえの仕業だったのか」
クジャ「フフフ……
   それはよかった……」
ジタン「次はオレたちが逃げる番だ
   早くしなきゃマズイぜ」
クジャ「……」
   「キミたちを道連れにしようとした僕に、
   生きる資格なんてないよ……」
   「僕は全てに負けた……
   もうこの世にいらない存在なのさ……」
ジタン「この世にいらない存在なんてないさ……」
   「それに、おまえはオレに
   逃げろと言ってくれたじゃないか」
クジャ「……」
   「キミたちとの戦いに敗れて、
   僕は失うものがなくなったんだ……」
   「その時、生きるということの意味が
   少しわかったような気がしたんだ……」
530CC名無したん:02/11/02 20:43 ID:NaTTyDIy
さぁ、126劇場の始まりだ。
531あぼーん:あぼーん
あぼーん
532126:02/11/03 11:03 ID:0aqamdpa
>>530
すみません、sage進行でお願いします。

そして今日は、式の打ち合わせの日。ドレスなどを決める日だ。
あたしたちは、式を行う会場に集まった。
「よぉ、ってなんだぁ?」
桃矢おじさんが、けげんな顔をした。無理もない。
今日来たのは、あたしとママとミラーさんに加えて
「どうして、大道寺さんとこの子や龍平まで来てるんだ」
「母が、ぜひ参加しなさいと申しまして・・・」
もちろん、知美ちゃんの手にはビデオカメラがあった。
「知世ちゃんに、電話で言っちゃったのよね」
ママは、てへへって感じでフォローする。
「で、なんで龍平まで?」
「あたしがお願いしましたの。こんな撮影チャンスはありませんわ〜」
「と、知美ちゃん・・・」
キラキラ光る星に囲まれた知美ちゃんを見て、あたしたちは固まった。
「・・・何を撮影しようとしているんだろう・・・」

「おはようございます」
張(チャン)教授と衛(ウェイ)くんだ。
「おはようございます」
あたしたちはあいさつをした。
「皆さん、おそろいのようですね。こちらの方で打ち合わせをしましょう」
533126:02/11/03 11:04 ID:0aqamdpa
「あなたがすみれさん?可愛いお嬢さんね」
「い、いえ、そんなことありません・・・」
木之本すみれになっている、ミラーさんは赤くなっていた。
「エドワードの話ですと、元気いっぱいって聞いていましたけど、おとなしい感じですわね」
「この子は、緊張しているんですよ」
桃矢おじさんがフォローする。
ミラーさんの顔は、ますます赤くなっていった。
そのそばで、ママはドレスなどのリストを見て、びっくりしていた。
「すごい・・・信じられないよ。
キッズウェディング用に、こんなにそろっているなんて・・・」
ママの話によると、七五三などの記念写真用に、子供向けのウェディングドレスを
そろえている所は珍しくないけれど、こんなに本格的な品揃えは考えられないということだった。
「だって、ちゃんとトレーン(引き裾)が付いているドレスもあるし、
マーメイドライン(スカートのひざから下が膨らむライン)のドレスもあるわ。
これって、背が高くないと似合わないから、キッズ用にはないのが普通なのよ」
「お気にいただけましたか?せっかく、可愛いお嬢さんに着ていただくんですから
いろいろ選べるように手配しましたのよ。今日は時間もたっぷりとりましたし
ゆっくり選んでいってくださいな」
張教授の言葉に、あたしたちはうなづくだけだった。
・・・なんか、すごいことになってきたみたい。
534126:02/11/03 11:05 ID:0aqamdpa
「じゃ、ドレス選びは皆さんに任せて、男性諸氏は、お茶でも飲みに行きましょう」
そうゆう桃矢おじさんに、質問したのは龍平だった。
「え?衛くんも花婿衣装とか決めるんじゃないんですか?」
「龍平、こーゆー場合、男の衣装は、選択の余地がないの。あっても2,3種類。
それに引き換え、ウェディングドレスが決まるまでは何時間もかかるんだぞ」
「でも・・・」
「龍平、それからもうひとつ忠告しておく」
桃矢おじさんは、まじめな顔になった。
「このままいると、お前もウェディングドレスを着せられるぞ。いいのか?」
「え〜!」
「さくらと知美を見ろ。図星って顔をしてるぞ」
あたしは、ふたりの顔を見た。・・・ほんとうに、図星って顔をしている。
「見、見抜かれていたのね・・・」
と言ったのはママ。
「せっかくのチャンスですもの。ぜひぜひ、龍くんの超絶かわいい
ウェディングドレス姿を撮らせてくださいな・・・」
と言ったのは知美ちゃんだった。

「はぅー」
あたしと龍平の頭に、おっきな汗が浮いた。
535126:02/11/03 11:07 ID:0aqamdpa
「じゃ、さくら、ドレスが決まったら、ケータイに連絡いれてくれ・・・ん?」
出て行こうとする桃矢おじさんの上着のすそを、ミラーさんがつかんでいた。
そして、つぶやくような小さな声を出した。
「ドレス・・・見ててください」
ほぇ?という感じだった、桃矢おじさんの表情がやさしくなった。
「わかった。見ててやるよ」

そして、ドレス選びが始まった。ママとミラーさんが選ぶのだけど、
目移りしているようでなかなか決まらない。
「わぁー!」
試着室から出てきたミラーさんを見て、みんな声をあげた。
ウェディングドレスを着たミラーさんは、ほんとうにかわいい。
桃矢おじさんの前で、ミラーさんはまっかになっていた。
「すてきですわ〜」
さっそく、知美ちゃんが撮影を始める。
「そ、そんな、はずかしいです」
「はずかしがってはいけませんわ。ミラー、いえ、かすみちゃんも超絶かわいいんですからぁ」

「ところで、お願いがあるのですが・・・」
最初の試着を終えた後、張教授がママに声をかけた。
「なんですか?」
「式のスケジュールを考えると、お色直しで花嫁が席にいない時間が長すぎます。
そこでなんですが、すみれさんや、知美さんにも花嫁になっていただけませんか?」
536126:02/11/03 11:09 ID:0aqamdpa
結局、花嫁が大勢いた方がイベントが盛り上がるということと、
せっかくのチャンスだからということで
ミラーさんに加えて、あたしや知美ちゃんも花嫁になることになった。
それからが、大変だ。ママやあたし、ミラーさんに知美ちゃん、張教授までが
加わってドレスを選ぶことになったからだ。

・・・そうして何回も試着が繰り返され、長い時間がたった・・・

まず、ミラーさんは、スカートがふんわりとしたバルーンラインの
ミニ丈のウェディングドレスになった。

知美ちゃんは、おとなっぽい、スレンダーラインのウェディングドレス。

龍平は、Aラインのウェディングドレスになった。
もっとも、これは試着だけで、本番では着ないけど。
それでも、知美ちゃんが一番熱心に撮影していたのは、龍平のドレス姿だった。

そして、あたしが着るのは、長ーいトレーンの付いたプリンセスラインのドレスになった。

「お待たせー。衛くんの衣装を決める番だよ」
「ああ、木之本さんのおじさんの言葉、本当だったんだ」
「ほえ?」
「龍平君はウェディングドレスを着せられちゃったし、何時間も待ったし・・・」
衛くんは、ほんとうに待ちくたびれていた。
537CC名無したん:02/11/03 12:28 ID:gRTinNLB
>>126さん
(・∀・)イイ!!
ヨスギデス!!(;´Д`)
まさか龍平くんまでもドレス着る事になるとは…知美ちゃんはさぞかし喜んだ
でしょうね。(苦笑)
というわけで次回も楽しみにしています。
538CC名無したん:02/11/03 20:48 ID:+GCsSQlW
530です。
126さんすみません。あげといたほうがよいかと思ったもので(汗

新作・・・爆笑+苦笑です。。。
やはりあのお母さんの血が流れていたんですね。(藁
血は争えないとゆーかなんとゆーか。。。
次回はいよいよ結婚式!!・・になるのかな?期待してます。
539名無しさん@お腹いっぱい。:02/11/04 06:45 ID:3rfSl3gW
>>538
そうですねー最近では週末にageると必ず荒れますし
この板の進行役の126さんがsage進行で、と書いているので。
これからは、この板はsage進行でいいのでは皆さん?
よろしければ皆さんこれからは、
メール欄に半角でsageと
入力して書き込んでいただければと、
思うんですが・・・?
540CC名無したん:02/11/04 08:43 ID:RdIHUybb
>>539
「sageろ」と書いても>>439みたいな奴もいるという罠
541126:02/11/04 11:34 ID:Ad07rSyX
そして、いよいよ本番の日。
「さぁ、小狼くん、出発しましょう」
朝ご飯の後、ママはパパに声をかけた。
「ああ」
パパは、ちょっと機嫌が悪い。
パパが、今回の式のことを知ったのは、ドレスやスケジュールが決まった後だった。
その時のパパの反応は
「なんで、もっと早く俺に教えなかったんだ」
「ごめん、ごめん。あの時、小狼くん、日本にいなかったし、
これ、ただのコスプレイベントみたいなものだから・・・」
「なら、なぜ俺まで出なくちゃならない?」
「だって、すみれちゃんがバージンロード歩くんだよ。
花嫁の父親役、お兄ちゃんに頼んじゃっていいのかな?」
「うっ・・・それはいやだ」
結局、パパも今日の式に参加してくれることになったんだ。

ドレスが決まった後、式の打ち合わせで、あたしが教会での式に出ることになった。
最初はミラーさんの予定だったんだけど、あたしの選んだドレスがトレーン付きで
バージンロードに一番映える、という理由であたしになった。
次の、衛家に伝わる結婚の儀式−何か呪文みたいなのを聞いているだけでいいらしい−はミラーさんが、
その後、会場回って衛家式の祝福を受けるのは、一番動きやすいドレスを選んだ知美ちゃんになったんだ。
最後に3人であいさつをして、ガーデンパーティにする、というのが今日の予定だ。

「すみれちゃん、龍くん、ミラーさん、出発だよお」
「はーい、ケロちゃん、留守番、お願いね」
「おぅ!おみやげ、忘れんといてやー!」
542126:02/11/04 11:36 ID:Ad07rSyX
「今日の式は、確か、内輪のイベントのはずだったわね・・・」
会場で、あたしたちは立ち尽くしていた。
「あ、お兄ちゃん、知美ちゃん!」
「あ、おはよう、さくら。なんかすげーな、今日の式」
「200人ぐらいですか?来ていらっしゃるのは・・・」

「186人ですわ」
「わっ!張教授じゃないですか?いつのまにここにいらしていたんですか?」
桃矢おじさんが尋ねる。
「驚かせてしまって、すみません」
「それにしても、内輪のイベントでも、この規模なんですか?
それに、いろんな国から来ているようですが・・・」
桃矢おじさんの質問に、張教授は答えてくれた。
「衛家は、世界120カ国に散らばっていますの。今日来た親戚は、ほんの一部です」
「世界120カ国・・・」
パパがつぶやいた。
「李家でも、20カ国ぐらいだな」
「母の会社でも、やっと10カ国に子会社を作ったところなのに・・・」
知美ちゃんもつぶやいた。でも、親戚と会社を比べるのはちょっと違うと思う。
543126:02/11/04 11:38 ID:Ad07rSyX
「さぁ、木之本家のみなさんの控え室は、あちらの方です」
張教授に言われて、あたしたちは移動しようとした。
「ほぇ?」
「なにかありましたの、すみれさん?」
「い、いえ、なんでもないです」
あたしは、そう答えると歩き出した。
(今、一瞬、魔力の気配があったような・・・)

(さすがですわね)
そうつぶやくと、張は、控え室のドアを閉め、参列者に注意を促した。
「すみません。あの人たちは、クロウ・リードの血を引いています。
気づかれる恐れがありますので、委員会の方々も、魔力の気配はさせないように、お願いします」
「今のかすかな気配がわかったんだ」
そばから、エドワードが声をかける。
「ええ」
「じゃ、ぼくも準備をするよ。今日は忙しくなるね」
544CC名無したん:02/11/04 12:32 ID:J+i8XsIK
うははははは〜!!!小狼君親ばか〜!!!

2日続けて新作が読めるとは。。。
545CC名無したん:02/11/04 15:35 ID:RdIHUybb
なんと2日連続ですか!!
お疲れさまですm(_ _)m
なんか小狼君とか知美ちゃんがつぶやいている所で、静観しているすみれ
ちゃんにウケました(;´Д`)
546CC名無したん:02/11/05 21:36 ID:b67pFWgQ
小狼が倒れてそれをさくらたんが看病するという設定はどうだ。
547あぼーん:あぼーん
あぼーん
548CC名無したん:02/11/05 23:10 ID:8Y80NQSX
    /∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴\
       /∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵ \
      /∴∵∴∵∴∵∴/ ヽ   / ヽ ∴∵∴|
      /∴∵∴∵∴∵∴ | ● |  | ● | ∴∵∴|
      |∴∵∴∵∴∵∴ ヽ ノ  ヽ  ノ ∴∵∴|
      |∴∵∴∵∴/     / ̄ヽ    \ ∴.|
      |∴∵∴∵/  ‐‐--  ヽ_/  --‐‐ \ |
      |∴∵∴ /   ‐‐--    |   --‐‐   |
      |∴∵∴/    ‐‐--    |   --‐‐   |
      |∴∵∴|   \         |     /   |  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      |∵∴∵|    \_____|__/      /   長瀬愛ってだれ?馬鹿業者!!
       \∵ |      \       /    /   |
        \ |        \__/    /     |
          \    ___       /      \_______
            \::/`ー---‐^ヽ____/
549CC名無したん:02/11/06 00:35 ID:I7VvEX6R
>>546
ageるなボケ
550CC名無したん:02/11/06 19:22 ID:+NQ7arSL
>>549
何を見当違いな・・・
551CC名無したん:02/11/08 19:46 ID:ag4+bkKA
次回作はいつだろう?
552CC名無したん:02/11/08 22:03 ID:JuBiQ4m8
ケルベロスが時々擬態(藁)するロボペだが
どうしても「 携 帯 型 パ ソ コ ン 」に脳内変換してしまう。

カードと勘違いして地位を追いかける、とか妄想
553126:02/11/09 10:00 ID:00y7GkHO
「すみれちゃん、かわいかったよ」
「そうかなぁ、ママ」
「そうだよ。後でビデオもらえるからね」
教会の式が終わって、ママとパパ、あたしは控え室に戻っていた。
イベントのはずなのに、パパはちょっと泣いたみたい。
「小狼くん、すみれちゃんが本当にお嫁に行く時は、どうなっちゃうのかな?」
「うるさい」
パパはママにからかわれていた。
「あとは、最後のあいさつまで待つだけだよね。トレーンは、はずしちゃったし」
その時、控え室のドアが開く音がした。
「終わったぞー、かすみの出番」
声の方を向くと、桃矢おじさんに連れられたミラーさんがいた。
「た、楽しかったです」
そう言うと、ミラーさんは桃矢おじさんを見て微笑んだ。
「そりゃよかった」
おじさんも、ミラーさんに微笑み返した。

その頃、会場では、
「そろそろ、カードの花嫁さんにかけた呪文が発動する時間ですわね、エドワード」
「そうだね。悪いけど、大道寺さんには少し待ってもらわなきゃ」
554126:02/11/09 10:01 ID:00y7GkHO
「なに、この気配?」
「これは、クロウ・カードの気配だ!」
控え室で、あたしたちは驚いた。こんな所でクロウ・カードの気配がするなんて!
「お姉ちゃん、この気配は?!」
会場に向かっていた知美ちゃんと龍平が戻ってきた。龍平も気配がわかったらしい。
「キャッ!」
最初に声を上げたのは、ミラーさんだった。
「か、身体が動きません」
そう言うと、ミラーさんは床にへたりこんだ。
「ミラー!」
桃矢おじさんがミラーさんに駆け寄った。
「大丈夫か?!」
「大丈夫、ミラーさん、うっ!」
次に声を上げたのは、ママだった。
「どうしたんだ、さくら!」
床にすわりこんだママには、パパが駆け寄った。
「小、小狼くん、力が、魔力が抜けていくの・・・」
「なんだって!?」
555126:02/11/09 10:02 ID:00y7GkHO
その時、ジィッという低い音がした。
「ミラー!」
桃矢おじさんが叫んだ。
「ミラーさん、今のは?!」
あたしは、自分の目を疑った。一瞬、ミラーさんの身体が透けたからだ。
「雪の時と同じだ」
「雪兎おじさんと?」
あたしは、思わず聞き返した。
「俺が魔力を渡す前、さくらの魔力じゃ足りなくて、雪が消えかけたことがある。その時と同じだ」
「そんなぁ?どうして」
ジィッ
また、音がした。ミラーさんの身体が、また透けた。
「カードがミラーの身体の自由を奪って、魔力を吸い取っているんだ!」
「小狼くん、そんなカードって?うぅ!」
また、ジィッという音がした。ミラーさんの身体が、また透けた。
「うぅ」
「さくら!」
ママが、カードを集めていた頃の姿に戻ってしまった。
おとなでいられなくなるほど、魔力に余裕がなくなったんだ。
「あ、あたしは、まだ大丈夫」
けれど、ママはつらそうだった。
556126:02/11/09 10:04 ID:00y7GkHO
「さくらさん、私にかまわず、私に魔力を送るのはやめてください。そうしないと、さくらさんまで」
「だめぇ!」
ママはきっぱりと言った。
「あなたを、見殺しにはできないわ」
「ですが、カードである私のために、主(あるじ)であるあなたが」
「主とか、そんなんじゃない。だから、ミラーさんを見殺しにはしない!」
「さくらさん・・・」
そうしている間にも、ミラーさんから魔力が吸い取られていく。
身体が透明になる間隔が、だんだん短くなってきた。
それにつれて、ママも苦しそうになっている。
桃矢おじさんが、叫んだ。
「すみれ、何とか、この子を、ミラーを助けてくれ!
俺は・・・俺は、この子が消えるのはいやだ!」
「・・・おじさん。でも、何のカードのしわざかわかんないよ」
また、ジィッという音がした。ミラーさんの身体が透けた。
「!」
557CC名無したん:02/11/09 12:24 ID:Eoux2lwU
どんどん悪役っぽくなってゆく衛君一派。(藁
558CC名無したん:02/11/09 20:58 ID:ROhTPCER
ここはパパの活躍に期待ですな
559CC名無したん:02/11/10 00:30 ID:eOn6yJyK
しかしこれまでで、全部の話の中の何割を消化したことに
なるんでしょうかね。>>126さん
560126:02/11/10 10:25 ID:U0t0tq7u
どーもです。

>>557
お約束ですから。
>>558
そーいえば、まだ126的小話では「風華招来」を言わせてないですね・・・
>>559
126的最終回に必要な伏線はほぼ張り終えてますので、状況次第です。
現在、手元にあるネタは2話+作りかけ(あぼーんの可能性あり)2話分ですが。

目指すは、ミラるすや観察日記みたいにマターリsage進行です。

では。
561CC名無したん:02/11/10 21:02 ID:7gSKjiHB
126様じゃないけど一話分思いついてしまった…
文章にまとめて貼ったら叩かれますか?
562CC名無したん:02/11/10 21:22 ID:7gSKjiHB
あー、でもなー、126さんのネタに被ると…

イメージ的にはすみれvsさくら…?という感じなんですが
書いていいですか?
563126:02/11/10 22:30 ID:ljCtRZW1
>>561 さん
パラレルワールドだと思えばいいでしょう?
126 も、悪魔将軍や >>14 氏の設定使っちゃてるわけですし。

564CC名無したん:02/11/10 22:47 ID:6q8q6FDx
了解しました!
貼るのは明日かな
565サークラRZ改:02/11/11 02:05 ID:tWFLTgqV
126さん すげーな!! 乙カレーっす
566CC名無したん:02/11/12 03:24 ID:XEpSf5Xs
126様、いつも素敵なお話、有難うございます。
すみれちゃんの活躍を、楽しみにしています。

このスレって、私以外に女性はいないのかな?
567CC名無したん:02/11/12 17:53 ID:13PIRHeE
いますよ〜!
568あぼーん:あぼーん
あぼーん
569CC名無したん:02/11/12 18:52 ID:3C4RovN9
>>568
クソ業者は死んでくれ
570軟式globe:02/11/12 21:42 ID:bpxy2WB+
「おい!生きてるか?」
クジャ「ジタンか……?」
   「逃げろと言ったのに……
   ……どうして来たんだい?」
ジタン「誰かを助けるのに理由がいるかい?」
クジャ「……」
ジタン「……」
クジャ「他の仲間は脱出したんだね……」
ジタン「ん?ああ……
   やっぱりおまえの仕業だったのか」
クジャ「フフフ……
   それはよかった……」
ジタン「次はオレたちが逃げる番だ
   早くしなきゃマズイぜ」
クジャ「……」
   「キミたちを道連れにしようとした僕に、
   生きる資格なんてないよ……」
   「僕は全てに負けた……
   もうこの世にいらない存在なのさ……」
ジタン「この世にいらない存在なんてないさ……」
   「それに、おまえはオレに
   逃げろと言ってくれたじゃないか」
クジャ「……」
   「キミたちとの戦いに敗れて、
   僕は失うものがなくなったんだ……」
   「その時、生きるということの意味が
   少しわかったような気がしたんだ……」
571CC名無したん:02/11/12 22:07 ID:wSW80cws
>>567
ageるな。
ウザイ奴等が書き込んでくるぞ
572561:02/11/16 21:08 ID:xc5dxqpi
「…」
金曜日の夜、あたしはのんびりとテレビを見ていた。
そして後ろに貼りつくように座っているのは
「すみれちゃ〜ん…怖いよ〜、他の番組にしようよ〜。」
「ママ、そんなに怖いならあっちの部屋に行っていればいいのに。」
そう、この番組は色んな「怪談」をドラマにして放送しているのだ。
「だって…一人になった途端、このお化けが出てきそうで…。」
「ケロちゃんに一緒に居てもらえば大丈夫でしょ。」
「それは…そうだけど…。」
そんな事を言っている番組が進行し、別のお話になる。そのタイトルは…
「「二人の自分」?なんだろう」
「やっぱり…また怖いのだよね〜。」
話が進行するうちにタイトルの意味が分かってきた。
「ドッペル・ゲンガーやな、これならさくらも怖ないやろ」
何時の間にか部屋に入ってきていたケルベロスが解説する。
そういえばママの座っている位置が少し遠くなっている。
「なんせさくらは身をもって体験したからなぁ」
「ほえ?」
ママは不思議がるあたしを見て微笑むと、いきなり星の杖の封印を解く。
「ミラー!」
「鏡」の名前を持つ精霊が召喚される、その姿が一瞬歪み…
…次の瞬間さくらは二人になっていた。
「さくらがカードを封印してた時にコイツがさくらに化けてな
で、それをさくらがドッペルゲンガーと勘違いして…あの時の怖がり方は笑えたなぁ…」
「ケロちゃん!」
「ヒッヒッヒ…ん?そういえばあの時さくらに占いの方法を教えたんやったな」
「占い?」
「そや、クロウカードを使った占いや、予知のできるクロウ本人が考えた方法や、
良っく当たるんやで〜。…なんせアイツはそれで怨みをかったほどの…ブツブツ」
573561:02/11/16 21:08 ID:xc5dxqpi
なにやら過去の良くない思い出にぶつかってしまったケルベロスをそのままに
さくらはカードを取り出すと
「…すみれちゃんにも教えてあげる、これをこうして…」
カードの配置がきまる。
「…あれ?これって…」
「どうしたんや?なんやロクでもない結果がでたんか?ん〜?」
一瞬さくらとケルベロスが硬直する。
「どうしたの?二人とも…」
「同じ」「同じや」
「ほえ?」
「これが意味するのは「すみれにそっくり」…つまり…」
「もうすぐ「ミラー」があらわれる…。」
「不思議なもんやなぁ、こういうのを因縁って言うんや」
「まぁ…先に分かって良かった、という事かな」

―次の朝
「ほえ〜…」
日曜の朝だと分かっていても相当早く起きてしまった。
あたしは寝ぼけた頭のままお気に入りの服に着替える。
階段をおりてゆくと朝ごはんの匂いがする。
「ママ、おはよ」
「早いわね、すみれちゃん、ごはんはちょっとまっててね」
「はーい。」
窓の外はいい天気、散歩にでも…と思ったところで弟の事が思い当たる。
「ママ、龍平起こしてくるね。」
龍平の部屋のドアを空け中に入る。
起きていても寝ているような龍平を起こすのは一仕事だ
574561:02/11/16 21:08 ID:xc5dxqpi
「ほえ〜」
日曜の朝、でも起きるのはいつも通りの時間
あたしは寝ぼけた頭のままお気に入りの服に…
「ほえ?」
寝ぼけた頭をぶんぶんと振って目を覚ます。
「…おかしいな…洗濯してるんだっけ」
仕方なく別の服に着替える。と
「ふわぁ…なんや、すみれ、さっき起きたんやなかったんかいな」
「ケロちゃんまで寝ぼけてる…変なカードでもいるのかな?」
階段を降りてゆくと朝ごはんの匂いがする。
「ママ、おはよ」「おはよう、さくら」
「あれ?龍くんを起こしてくれるんじゃなかったっけ
それに…服着替えた?…???」
「ママまで…やっぱりクロウカードのしわざかな?」
「カードの気配は無いで?」
テーブルについた時、階段を誰かが降りてくる。
「龍平〜、お…
思わず言葉を飲みこむ。なぜなら
「お姉ちゃんが…」「すみれちゃんが…」「すみれが…」「「あたしが…」」
次の言葉はみんな同じ
「「「「「二人!?」」」」」
575561言い訳:02/11/16 21:11 ID:xc5dxqpi
えーと、色々考えているうちに
元々一つだったはずのお話が三つぐらいに分裂してしまいました。
結果的に予定してたものとだいぶ違う(;´Д`)
576CC名無したん:02/11/16 21:29 ID:HcciAh8a
>561
期待してます。
頑張って下さい。
577名無しさん:02/11/16 22:44 ID:G0AqfRfZ
「桜と小龍の子供たち」絶対絶命ミラーたんと桜たち次回カキコ待ちどうしいです!
578CC名無したん:02/11/16 23:02 ID:oJqIMha2
>>577
君が上げたから、その前に、業者がくると思われ。
579名無しさん:02/11/17 04:55 ID:1yS8+G9B
>578 sumanai
580126:02/11/17 11:12 ID:aLXgQlnJ
>>556 の続き

「お姉ちゃん、今、何か見えなかった?」
「うん、見えたよ。ママ、ミラーさんに魔力を送るの、止めてちょうだい!」
「でも、そんなことをしたら、ミラーさんが消えちゃう!」
「今、少し見えたの。ミラーさんが透明になると、カードの正体が見えるから。
だから、ママ、お願い!」
「・・・わかった。ミラーさん、苦しいでしょうけどがまんできる?」
「はい、さくらさん」
ミラーさんが答えると、ママはうなづいた。
「じゃ、止めるよ」
すると、ミラーさんの身体が透けた。
あたしは、目を凝らした。
「見えたよ!ミラーさんの身体、ロープで縛られている!」
あたしは、急いで封印の杖を解除した。
「封印解除(レリーズ)!」
「おじさん、ロープを切ります!どいてください!」
「ソード!」
あたしは、ミラーさんを縛っていたロープを切り裂いた。
ばらばらになったロープが、空中で実体化する。
「汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カード!」
581126:02/11/17 11:13 ID:aLXgQlnJ
あたしの手に滑り込んできたのは、ロープ(縄)というカードだった。
「また、さくらカードに無いカードだ。そうだ、ママ、ミラーさん、大丈夫?」
「ママは、もう大丈夫よ。ありがとう、すみれちゃん」
「ミラーさんは?」
「大丈夫です。ありがとうございます。さくらさん、すみれさん、龍平さん。
カードの私のために、こんなにしていただいて。それに・・・」
「・・・よかった。ほんとうによかった」
ミラーさんは、桃矢おじさんに抱きしめられた。
「私、ほんとうにしあわせです・・・」

「あ〜!」
あたしは、あることに気が付いた。
「今ので、ミラーさんのブーケ、つぶれちゃってる!」
「どうしましょう。最後のあいさつはブーケを持っていくんだったわね。
花さえあれば、ママでもブーケ作れるけど・・・そうだ、すみれちゃん」
「うん、フラワーのカードだよね」
あたしは、フラワーのカードさんを取り出した。
「ミラーさんは、かすみちゃんなんだから、かすみ草の花と、
それから、何か青い花があるといいんだよね。フラワー!」
フラワーのカードさんが現れると、かすみ草のフラワーシャワーが降ってきた。
そして、白いかすみ草に混じって
「青いばら・・・すてきですわ」
知美ちゃんがつぶやいた。
フラワーシャワーの中で、ふたりはほんとうにしあわせそうだった。
582126:02/11/17 11:14 ID:aLXgQlnJ
式が終わった後、エドワードのマンションでの会話
「どうでしたか、委員会の判断は?」
「無事、すみれさんは適格者だと認められたよ。
今日のテストで、彼らがカードを悪用する可能性はまずないと判断された。
あれだけカード想いならって、みんな納得していたよ」
「李家にカードが集中するのはまずいという意見は、どうなりました?」
「それはあったけど、すみれさんだけではカードは使えないし」
「そうでしたわね。すると、委員会の結論は?」
「うん、ゴールデン・ドーンの秩序委員会の名において、この件については、
ぼく、エドワード・ウェイト(Edward Waite)に全面的に任されたってこと」
「おめでとうございます」
「おめでとうなら、すみれさんに言うべきだよね」
飲みかけのコーヒーカップを置くと、エドワードは微笑んだ。
583126:02/11/17 11:15 ID:aLXgQlnJ
次回予告
たいへん、ママのお友達の「すあま」さんが入院したんですって!
さっそく、ママはお見舞いに出かけたんだけど
え?これもクロウ・カードのしわざ?
ところが、あたしもママも杖を封印解除(レリーズ)できなくなったの!
ケロちゃん、いったい、なにがどうなっているの?

カードキャプターさくらと小狼のこどもたち
すみれとさくらと言葉のチカラ

次回もすみれと一緒に
さくらと一緒に
封印解除(レリーズ)!
584CC名無したん:02/11/17 12:05 ID:w0zTv5mE
>>583
すあま?山崎夫妻か(藁
585パーク・マンサー:02/11/22 16:41 ID:s35BJIJj
誰の誕生日まだ覚えてる
誰のぬくもりまだ覚えてる
アホだな(そうだよアホだよ)
アホだな(それがっどうしたアホだよ)
アホだなお前女を追っかけ回してまたドジしてる
あの子が巨人が好きだから!
ドームのナイター誘ったよ!
ウキウキ気分で球場入り
なんとその日は日ハム戦〜!!
アホだな(一人見たのさアホだよ)
アホだな(気圧にやられたアホだよ)
アホだなお前女を追っかけ回してまたドジしてる
あの子は彼氏募集中!
そんな噂を聞いたのさ
死ぬ気で毎日アタックしたら
2学期学校いなかった〜!!
アホだな(あわてて転校アホだよ)
アホだな(家族も巻き込むアホだよ)
アホだなお前女を追っかけ回してまたドジしてる
私はプーサン大好きよ!
彼女がそんな事いうもんだから
あわてて送るぜ誕生日
月の輪グマが大暴れ〜!!
アホだな(生きてるクマだよアホだよ)
アホだな(麻酔で眠らすアホだよ)
アホだなお前女を追っかけ回してまたドジしてる
Whoo〜 皆なに内緒にしてたけど
Whoo〜 5歳まで馬に育てられた
アホだな(そうだよアホだよ)
アホだな(半分馬だよアホだよ)
アホだなお前女を追っかけ回してまたドジしてる
アホだなぁ〜
586:02/11/22 16:43 ID:s35BJIJj
>>585
これはOP?
587α-1:02/11/22 19:17 ID:8ZgoKODq
違うと思いますけど・・・・・・
588CC名無したん:02/11/22 21:17 ID:8VIwJ0Do
これがOPだったら氏むぞ(w
589CC名無したん:02/11/22 23:33 ID:fV7tloMo
126さん早くカモーン!
590CC名無したん:02/11/23 08:12 ID:Pye4xfkA
かも〜ん!
591126:02/11/23 15:29 ID:RxbdSnyH
車のフロントガラスに左折を指示する矢印が表示された。
(この時代の自動車は、フロントガラスそのものが、カーナビのディスプレーになっています)
「次の交差点を左ですね」
ママが助手席に座っている張(チャン)教授に確認する。
「そうですわ。ほんとうにありがとうございます。わざわざ車で送っていただいて」
「どういたしまして。同じ方向ですから」
その日、あたしとママ、衛(ウェイ)くんと張教授は横浜までお買い物に出かけた。
きっかけは、クラブの帰り道で、ロープのカードを封印した結婚式の話をしたときのこと。

『そうなんだ。で、あたしに聞きたいことって、なに?』
『表演服を作りたいんだけど、どこで作ればいいのかな?日本じゃ、良い店なさそうだし・・・』
『あ、それなら、いいお店あるよ。あたしやパパのを作ったお店、今度、紹介してあげる』
『木之本さんのお父さんも、中国拳法やるんだ』
『うん、すっごく強いよ。それに・・・』

衛くんは、中国拳法がとても強い。でも、日本でもできるとは思っていなかったらしく
練習服とかを日本に持ってきていなかったんだって。
でも、一応、友枝小学校にはクラブがあるので、日本でも服を作りたくなったみたい。
それで、あたしがママに話して、今日一緒にお店に行って表演服と練習服を注文してきたんだ。
「本当、良いお店を紹介していただいてありがとうございます。
私は、あまり詳しくないものですから・・・」
車の中では、ママと張教授のおしゃべりが途切れることはなかった。
もう、すっかり主婦の会話が続いている。
592126:02/11/23 15:30 ID:RxbdSnyH
ピン!
警告音が鳴ると、フロントガラスに次の交差点で曲がる方向が表示された。
「え?この方向?」
ママはちょっと驚いたようだった。
「なにかありましたの?私、カーナビの入力を間違えましたか?」
張教授が、心配そうにママに尋ねた。
「そ、そんなことはありません」
ママが答えた。そんなママに、張教授が声をかける。
「あの、せっかくですから、よろしかったら、うちでお茶でもいかがですか?」
「よろしいんですか?」
「ええ。木之本さんさえよろしければ。お茶もケーキもございますのよ」
張教授があたしの方を向いて、聞いた。
「すみれさんはどう?紅茶はお好きですか?」
「は、はい。大好きです」
思わず、あたしは答えた。
「それは、よかったわ。うちのエドワードは紅茶よりコーヒーが好きで、
一緒にアフタヌーンティーを楽しめないで、さびしい思いをしてますの」
あたしは、衛くんの顔を見た。そういえば、学校で衛くんが紅茶を飲んでいるのを見たことがない。
「衛くん、イギリスに住んでて、紅茶きらいなの?」
「そ、そうでもないんだけど・・・」
衛くんは、困ったような顔をしていた。
「この道まっすぐで、よろしいんですね?」
ママが張教授に聞いた。
「ええ。それが何か?」
「ひょっとしたら・・・すっごい偶然かも・・・」
593126:02/11/23 15:31 ID:RxbdSnyH
あたしたちは、マンションの駐車場で車から降りた。
張教授の案内で、エレベータを上がっていく。
「まさか、そんな」
「ママ?」
あたしは、ママの様子がおかしいことに気がついた。
緊張しているというか、ドキドキしているというか、そんな感じだ。
張教授が、あるドアの前で止まった。
「さぁ、この部屋ですの。お入りになってください。・・・どうかなされました?」
「す、すみません」
「どうしたの、ママ?」
あたしは、あわててママに駆け寄った。ママの目が涙でうるんでいる。
「すみれちゃん、このお部屋、小狼くんが、日本に来た時、住んでいたお部屋なの」
「えー!」
あたしは大きな声を上げてしまった。
そして、張教授と衛くんは顔を見合わせた。

「そうでしたの。ご主人が、昔、このお部屋に住んでらしたんですか」
ママの話を聞いた張教授は、すごい偶然にびっくりしていた。
「私たちは、風水で見て、このマンションを選んだのですけど・・・
これも何かの縁ですわ。とにかく、お入りください。お茶とケーキの用意をしますから」
594126:02/11/23 15:32 ID:RxbdSnyH
「ママ、ここにパパや苺鈴おばさんや偉さんが住んでいたんだよね」
「そうよ。ママがまだ、友枝小学校に通っていたころね」
「ほえ〜」
あたしは、通された応接間を見渡した。ここにパパが住んでいたんだ。
そのころ、ママはクロウ・カードを集めていて、パパもクロウ・カードを集めに日本にやって来て、
そして、ふたりは出会ったんだ。それが、あたしの生まれるずぅーっと前の出来事。
「どこがパパのお部屋だったの?」
「間取りが変わっている。小狼くんの後に住んだ人がリフォームしたんだよ、きっと」
「そうかぁ」
あたしとママが話をしていると、衛くんがティーカップを運んで来てくれた。
「今、おばあちゃんがお茶とケーキを持ってくるから」
「お待たせしました」
張教授がティーポットと、続いてケーキが乗った3段ケーキスタンドを持ってきてくれた。
「すっごーい!」
「本当は、サンドイッチなども用意するんですが」
「いいえ、十分です」
そして、4人でお茶を囲んでのおしゃべりが始まった。衛くんだけは、コーヒーを飲んでいたけど。
ママと張教授のおしゃべりは、ミルクティーの入れ方になった。
「木之本さんは、ミルクを先に入れますの?」
「私は後からですけど」
「まぁ、それはいけませんわ。大体、ミルクを先に入れないと・・・」
ミルクティーのミルクを先に入れるか後にするかは、紅茶好きにとっていまだに決着がつかない
大問題らしい。ふたりの話は、しばらく続いていた。
595126:02/11/23 15:34 ID:RxbdSnyH
楽しいアフタヌーンティーが続き、もうそろそろというころ、ママのケータイの着メロが鳴った。
「はい、木之本です。あ、千春ちゃん、どうしたの?え?山崎くんが入院?」
ママの表情が厳しくなった。
「わかった。じゃ、病院でね」
ケータイを切ると、ママは張教授に言った。
「今日はおいしいお茶をありがとうございました。今、友人が入院したとの電話がありまして
これからお見舞いに行こうと思いますので、そろそろ失礼したいと思います」
「まぁ、それは。お友達にも、よろしくお伝えください」
あたしとママは、もう一度アフタヌーンティーのお礼を言うと、車に乗った。

「ママ、電話で言っていた『山崎くん』って『すあま』さんのことだよね」
「そう。これから、ママは友枝病院に行くから」
『すあま』というのは、ママの同級生だったタレントの名前。最初はうそつき漫才でデビューして
今では映画やドラマのバイプレーヤーとして賞を取ったりしている。
デビューしたころは、同じ同級生の三原さんとコンビを組んでいたんだけど、
ドラマの仕事が増えてからは、三原さんがマネージャーをしているそうだ。
「すみれちゃん、悪いけど、警備の問題があって、病院に入れるのはママだけなの。
次の交差点で降ろすから、先におうちに帰ってくれない?」
「うん、わかったよ、ママ」
596CC名無したん:02/11/23 16:12 ID:rEIBskM1
126さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
なるほど山崎君は「すあま」さんってタレントになったのか(w
笑ってしまいました。

次回も期待しています
597CC名無したん:02/11/23 20:18 ID:t4g6uAIE
三原さん…もしかしてエンジェリックのいっちゃん…。

違いますよね。
…逝ってきます。
598CC名無したん:02/11/23 20:21 ID:NdGGtCyV
あー、山崎夫妻だったね。>>584さん大当たり〜!
あ、ちがうわ。まだ結婚してないのか。半分当たりだね。

うそつき漫才ってなんやねん。。。
599CC名無したん:02/11/23 20:26 ID:NdGGtCyV
>>597
クランプによくある、苗字使いまわし作戦、でしょう。
600CC名無したん:02/11/23 22:34 ID:CItzYeVZ
だれか山崎(現夫)の精神を再現できるヤシはいないか(藁
6015歳まで馬に育てられた:02/11/24 16:07 ID:daWCmzw4
誰の誕生日まだ覚えてる
誰のぬくもりまだ覚えてる
アホだな(そうだよアホだよ)
アホだな(それがっどうしたアホだよ)
アホだなお前女を追っかけ回してまたドジしてる
あの子が巨人が好きだから!
ドームのナイター誘ったよ!
ウキウキ気分で球場入り
なんとその日は日ハム戦〜!!
アホだな(一人見たのさアホだよ)
アホだな(気圧にやられたッホだよ)
アホだなお前女を追っかけ回してまたドジしてる
あの子は彼氏募集中!
そんな噂を聞いたのさ
死ぬ気で毎日アタックしたら
2学期学校いなかった〜!!
アホだな(あわてて転校アホだよ)
アホだな(家族も巻き込むアホだよ)
アホだなお前女を追っかけ回してまたドジしてる
私はプーサン大好きよ!
彼女がそんな事いうもんだから
あわてて送るぜ誕生日
月の輪グマが大暴れ〜!!
アホだな(生きてるクマだよアホだよ)
アホだな(麻酔で眠らすアホだよ)
アホだなお前女を追っかけ回してまたドジしてる
Whoo〜 皆なに内緒にしてたけど
Whoo〜 5歳まで馬に育てられた
アホだな(そうだよアホだよ)
アホだな(半分馬だよアホだよ)
アホだなお前女を追っかけ回してまたドジしてる
アホだなぁ〜
602α-1:02/11/24 18:39 ID:yh5/dEk2
ああ・・・人は悲しい生き物・・・
603CC名無したん:02/11/24 21:14 ID:nGcUtFQJ
はいさげるさげる。
604サークラRZ(Xenon):02/11/24 23:47 ID:j2v8gRbp
山崎くんは千春たんによくいじられてそう
恐妻家
605CC名無したん:02/11/27 00:27 ID:6ryeLtLv
アニメ板さいもえ男トーナメント本戦!
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/anime/1038223404/l50

李小狼がブロック決勝に進んでますが、何分相手が強敵…。
お暇な方は投票支援よろしくお願いします。
606CC名無したん:02/11/30 08:24 ID:P0cUZXS0
先が気になったのでGOLDEN DAWNについて調べました
>>285のネタばれになりそうなので詳しく書けないけど。
調べてみて、ウェディングドレスとかもやたらと詳しいし126さんはすげえと思った。

ところで、実在の人を出しちゃうと最後は専門用語がいっぱい出てきそうな予感。
大丈夫ですか126さん?
607126:02/11/30 14:04 ID:gUTPmk79
「山崎くん、大丈夫?」
「さくらちゃん、来てくれたのね」
山崎の病室には、三原千春に、寺田利佳と柳沢奈緒子がいた。
「・・・」
ベッドの中で山崎が、聞き取れないような声でぼそぼそ何か言っている。
げっそりとして、まるで魂が抜かれたかのようだ。
「山崎くん、どうしたの?」
「それが・・・お医者さまにもわからないって」
「えー?どうゆうこと?」
千春の話によると、1週間ほど前から急にネタが受けないと山崎が悩みだしたということだった。
ドラマの仕事が増えてからも、山崎はミニシアターでのうそつきトークショーを続けていた。
それが、自分の芸の原点でもあり、観客からの生の反応が自分の芸の肥やしになると
信じていたからだ。
それが・・・その日を境に、まったくと言っていいほど観客の反応がなくなった。
とっておきのネタもまったく受けない。
ショーが、最後まで白く寒いものになってしまったのだ。
「たまには、こんな日もあるわよ」
千春はそうなぐさめたが、そんなトークショーが2回、3回と続くと、なぐさめることなんて
できなくなった。
608126:02/11/30 14:06 ID:gUTPmk79
「確かに、山崎くんのうそが突然、ぜんぜんつまんなくなっちゃったの。
ううん、つまんないだけじゃない。山崎くんの話すこと全部が白々しく聞こえちゃって・・・」
結婚していないとはいえ、山崎との付き合いは30年近い。
その30年のなかで、こんなことは初めてだった。
2,3日たつと、追い詰められた山崎は食事も摂らなくなった。
そして今日、千春は、あっという間に衰弱した山崎を入院させたのだ。
「検査では異常は見つからなかったし、お医者さんは精神的なものだろうって・・・」
医者にもどうしようもなかったのだろう。感情を失ってしまうような病気はあるが、
話す言葉が白々しくなる病気など、考えられないのだから。
マスコミをシャットダウンした千春は、さくらたちを呼んだ。
古くからの友人である彼女たちと話をすれば、
山崎の言葉に感情を取り戻すことができるかもしれない・・・
そんな根拠のないことを思いついたからだ。
「でも、山崎くん、わたしたちのことわかんないみたい・・・」
奈緒子は肩を落としていた。となりで、利佳もうなづいた。
「そんな・・・山崎くん」
さくらが声をかける。
「・・・すあまっていう和菓子はね・・・昔はものすごうく大きかったんだよ」
彼の返事は、コミュニケーションをとろうとするものでなかった。
けれど、さくらにはわかったことがあった。
(魔力を感じる。クロウ・カードが山崎くんの近くにいたんだ)
609126:02/11/30 14:07 ID:gUTPmk79
しばらく、さくらは千春たちの話の聞き役に徹していた。
(これは、クロウ・カードのしわざだ。でも、そんなことは言えないし・・・)
ふっと、「気配」がした。
(いる。この病院にクロウ・カードがいるよ)
さくらは、慣れないうそをついた。
「ごめんなさい、千春ちゃん。そろそろ失礼しないと・・・実は、子供たちを近くのファミレスで
待たせているの」
「あ、あたしこそ気が付かなくて」
まだ結婚していない千春には、「子供」という言葉に弱い。
「じゃ、何かあったら、また連絡ちょうだい。私にできることなら、何でもお手伝いするから」
「ありがとう」
「山崎くん、すぐによくなるよ。千春ちゃんがいるんだもん。絶対だいじょうぶだよ」
「ありがとう、さくらちゃん。・・・不思議だね」
「なにが?」
「さくらちゃんのその言葉。私には、なんとかしてくれる魔法使いの呪文みたいに聞こえるんだ」
ちょっと驚いたさくらは、もう一度、うそをつくと病室を出た。
「そんなことないよ。山崎くんを治す魔法を使うのは千春ちゃんだよ」
610126:02/11/30 14:09 ID:gUTPmk79
「いた!」
気配をたどっていくと、クロウ・カードは簡単に見つかった。まるで、待ち構えていたようだった。
無邪気な表情で、空中からさくらを見下ろしている。その姿は、ボイスのカードに似ていた。
「山崎くんを元に戻しなさい!」
さくらはまわりに人がいないことを確かめると、星のペンダントを取り出した。
杖を封印解除(レリーズ)するために、クロウ・カードを集めていたころの姿に戻る。
大人から子供になる様子を、カードは興味深そうに見つめていた。
「星の力を秘めし鍵よ」
(ほぇ?)
呪文を唱えながら、さくらは違和感を感じた。自分の呪文が、とても虚ろに聞こえたからだ。
「真の姿を我の前に示せ」
呪文を続けたが、違和感がなくならない。ペンダントも宙に浮かばない。
「契約の下、さくらが命じる」
「封印解除(レリーズ)!・・・!?」
星のペンダントは、ペンダントのままだった。
「封印解除(レリーズ)!」
呪文を繰り返したが、やはり、ペンダントは封印の杖に変わらない。
「・・・どうなっているの?」
「キャッキャッ」
そんなさくらを無邪気に笑うと、カードは飛んで行った。
「待ちなさい!」
さくらはカードを追いかけた。スピードはカードの方が速い。
だが、なぜか、さくらにはカードの行き先がわかっていた。
(あの子、ペンギン公園に向かっている)
611CC名無したん:02/11/30 15:13 ID:YTExKaHt
126さん光臨sage これからもがんばって!!
612すんぱれ:02/11/30 21:55 ID:leFBHbC4
126さんつづききぼんぬ〜
613あぼーん:あぼーん
あぼーん
614CC名無したん:02/11/30 23:26 ID:1xwyJVXJ
126さん、これからもがんがれ〜
615ミルフィーユ:02/12/01 00:24 ID:8LyGjAUV
同人小説として出せそうだな
616サークラRZ改:02/12/01 01:02 ID:9jGfpE0D
         ,   _ ノ)
         γ∞γ~  \
.      n   |  / 从从) )
.     !|  ヽ | | -‐ -|〃
      八  `从ハ"( フノ)  _   普通の奥さんに戻りたいよぅ〜
     |蒸| .   /\></ヽ. [_{゙ヽ.  カードキャプターなんてもうイヤ……
  _ |留|   / /  8  , ヽ'^ァ' 
  \ |水| ̄ヽ.ヽ、 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
  ||\~~´    (、_} (<二:彡)  \

こんなになったりして・・・
617CC名無したん:02/12/01 11:53 ID:uInCSr41
>>616
やめい。
6185歳まで馬に育てられた:02/12/01 12:02 ID:sCKifrBZ
Baby…Pom, pom…Baby…Ah…
待ちわびた雨上がり
濡れたドレスを脱ごう
Baby…泣かずに…Stay there…Ah…
悲しみが癒えぬなら
僕と家へ帰ろう
風の向こうに秋がいて
奏でる懐かし笙の笛
愛はリフレイン 夜を囃すように
Baby…Hey, hey…
眠れよ共に
Baby…咲かせて…Angel…Ah…
幸せが花ならば
心に種子を植えよう
野辺が斜陽に霞む頃
薊に舞います蝶の群れ
愛はリフレイン 君を詠みし詩
Baby…Hey, hey…
季節の中で
Baby…Hey, hey…
眠れよ共に
Baby…Hah, hah…
季節の中で
Baby…Hey, hey…
ふたつの影法師
619CC名無したん:02/12/01 22:09 ID:c6+BJbE8
126さんキテル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
今回のカードが何なのか私には皆目検討もつきません。
(多分さくらタソが力を解放できないのもそのカードのせいだろうし)
続き期待してます。

>>617
蒸留水というのがまだ(・∀・)イイ!!じゃないか(w
思わず笑ってしまった。
620サークラRZ改:02/12/01 22:50 ID:9jGfpE0D
>>617 >>619
決して荒らしのつもりで書いたんじゃありませんよ。

子育てって大変だなぁって思う
さくらたんをAAで表すとこんな感じかなと・・・
621黄金のマスク:02/12/03 23:37 ID:7iWZU8hj
>>1
弟よ、どこへ行ったんだ?
622黄金のマスク:02/12/03 23:38 ID:7iWZU8hj
ところで、126さんは
トリップをつけてはいかが?
定期的にこのスレにはアフォが現れるので、
いつ偽者が出ないとも限らないし。
623CC名無したん:02/12/04 01:07 ID:9gmfHnUA
それより、コテハン名乗ってほしい。
つーか、すでになんらかのコテハン名乗ってるんだろうから、
それを出してほしい。
そのうえでトリップつけてください。>126さん
624あぼーん:あぼーん
あぼーん
625あぼーん:あぼーん
あぼーん
626619:02/12/05 01:25 ID:07hfrWBf
>>620
私は決してあなたの書き込みを荒しとは思っていませんよ。
一瞬の清涼剤(?)見たいなもので笑えました(苦笑)
627CC名無したん:02/12/06 19:16 ID:kM7eLtim
テスト終ったぁ!
628126:02/12/07 11:35 ID:Mz97smxA
家に戻ったあたしは、算数の宿題をしていた。
「なんや、すみれ、こないな分数の割り算もできへんのかぁ?」
「もう、ケロちゃんは黙っていて!・・・ほぇ?」
「どうした、すみれ・・・これは?!」
「これは・・・クロウ・カードの気配」
その時、あたしのケータイに電話がかかってきた。
「ママからだ。はい、すみれです。ママ、どうしたの?」
「たいへん、すみれちゃん、クロウ・カードよ!」
「ママも?あたしも、ちょうど今、カードの気配がしてびっくりしているところなの」
「今、車でカードを追ってる。ペンギン公園の方に来て!」
「わかった。ケロちゃんと一緒に行くよ」
あたしはケータイを切った。
「よっしゃぁ、カードキャプターの出動やで!」
「うん!」

あたしは呪文を唱えだした。足元に魔方陣が現れる。
「光の力を秘めし鍵よ・・・ほぇ?」
ピアスが宙を浮かばない。あわてて呪文の続きを唱える。
「真の姿を我の前に示せ。契約の下、すみれが命じる」
あたしの唱える呪文が、不思議と虚ろに聞こえた。
「封印解除(レリーズ)!」
けれど、ピアスは杖に変わらない。
「封印解除(レリーズ)!、封印解除(レリーズ)!・・・ケロちゃん、杖に変わらないよ!」
「これは・・・呪文の力が奪われとる!」
「えぇ!そんなぁ!」
「今度のカードは手強いっちゅうことやな。とにかくペンギン公園へ行って、さくらと合流や」
そう言うと、ケロちゃんは光に、続いて羽に包まれた。
「すみれ、わいの背中に乗り。ペンギン公園までひとっ飛びするでぇ」
真の姿になったケロちゃんが言った。
629126:02/12/07 11:36 ID:Mz97smxA
「いた!ママだ!ケロちゃん、ママのそばに降ろして!」
あたしは、真の姿になったケロちゃんの背中に乗ると、ペンギン公園に向かった。
そして、上空からカードを追いかけているママを見つけたんだ。
「すみれちゃん、来てくれたのね」
「カードは?」
「あそこ」
少し息を切らしているママが指差した先に、キャッキャッと笑い転げているカードがいた。
「・・・楽しそうね」
「そう、ずぅーっとおっかけっこしてたの・・・」
「さくら、カードを使えば、あんなんすぐに捕まえられんのに・・・まさか?
さくらも呪文が封じられとんのか?!」
「みたいね。ペンダントが杖にならないの」
「あたしもだよ」
「すみれちゃんも?」
「あたしたち、魔法が使えなくなっちゃたのかな?」
「いんや。さっき、すみれの足元には魔方陣が現れたし、さくらもちゃんと昔の姿に戻れとる。
呪文だけが封じられてるみたいや」
「・・・ということは」
「カードの力なしで、あいつを捕まえなきゃあかん」
「そんなぁ〜」
そんなあたしたちをからかうように、カードは笑った。
「あっ!待ちなさ〜い!」
630126:02/12/07 11:37 ID:Mz97smxA
それから、あたしたちとカードのおっかけっこが始まった。
カードがちょこまかと動き回り、あたしたちが追いかける。
まるで、昔のギャグアニメのようだった。
もう少しというところで捕まえ損ねて、ケロちゃんは何度も地面に激突したし
あたしとママも、カードを捕まえようとして、何回も正面衝突をした。
そんなあたしたちを見て、カードはあっかんべーなんてしている。
「ママ、あたしたちって・・・」
「・・・完全に、遊ばれている」

「すみれちゃん、そっちぃ!」
ママの声が聞こえ、あたしの目の前をカードが横切った。
「えい!」
思わず、あたしはカードを捕まえようとジャンプした。
けど、もう少しというところで、今度もカードはあたしの腕をすり抜けた。
「すみれ!」
「すみれちゃん!」
ふたりの声を聞こえた。そして、あたしは・・・
ざっぷ〜ん!
・・・池に落ちていた。

「ほぇ〜!今日の服、お気に入りなのにぃ!」
その時、不思議な声があたしの耳に聞こえてきた。
(・・・あなたは、呪文を唱える別の方法を知っているはずです・・・)
「そうか!」
あたしは立ち上がった。
その時、池の中央に向かって、あたしから10メートルぐらい離れたところにカードはいた。
やったやった!って感じでうれしそうに空中で小躍りしている。
(笑っていられるのも、今のうちよ)
ひざまで水につかっている、あたしの足元に魔方陣が揺らぎながら現れた。
カードは、お手並み拝見って感じであたしを見つめている。
あたしは、「別の方法で」呪文を唱え出した。
631CC名無したん:02/12/07 11:56 ID:ykO5oWFF
126さん!!
632CC名無したん:02/12/07 16:22 ID:ngDOnBpV
126さんキタ!
633CC名無したん:02/12/07 17:51 ID:mZRdqNUj
>>126
その当時僕らは小学生だった
お前はまだ父親の精子だったな(笑
オナニーで死んじゃえば良かったのに・・


なんで生まれちゃったんだろな
634CC名無したん:02/12/10 21:47 ID:tAwci+aS
保守
635あぼーん:あぼーん
あぼーん
636すんぱれ:02/12/10 23:10 ID:YvQw8Alg
>635
誌ね
637_:02/12/10 23:23 ID:fitgZcO3
638CC名無したん:02/12/11 17:34 ID:RDt2FryZ
このスレを立てた悪魔将軍はいったいどこに行ってしまったのか・・・
        ∧
     ,/ |  |\
  |\__/  :ゝ丿: \__/|
  \_| |;;;;;| |;;;;;| |_/
     .|   ::   |     ←悪魔将軍想像図
   /~|.ヽ. ’’ /|~ゝ
    ) (  ̄ ) ゝ
    ソヾ    ノ (
639CC名無したん:02/12/13 22:55 ID:2QEHi0uJ
草葉の陰から見守っていてくれることでしょう
640126:02/12/15 21:47 ID:v3iludXO
「・・・隠蔵著光明力量的『鑰匙』ロ阿」
ピアスが、耳からはずれて宙を移動する。大丈夫だ。
「在我面前顕示真正的力量!跟イ尓訂下訳定的小菫命令イ尓!」
「封印解除!」
あたしは封印の杖を手にした。
呪文を封じられないことがわかって、カードはあわてて逃げようとする。
「趁現在、小菫!」
ケロちゃんが中国語で叫んだ。
「ロ恩!」
あたしは、ウィンディのカードさんを取り出した。
「風ロ阿!快変成懲戒的鎖錬!『風』!」
逃げようとするカードを、ウィンディさんはらくらくと捕まえる。
「快点変回イ尓原來的様子!古羅ロ吉!」
封印の杖を振り下ろすと、まもなく封印されたカードがあたしの手に飛び込んできた。
言(ワード)というカードだ。
「成功ロ拉!」
はしゃぎまくるケロちゃんに、あたしは言った。
「もう、日本語でいいんだよ」
641126:02/12/15 21:48 ID:v3iludXO
「どうゆうことですの、エドワード?」
「ワードのカードは、もともと掟を破った魔術師の魔法を無効にするために創られたカードなんだ。
ところが、出来上がったカードは、魔法だけではなく、言葉の持つ、人の心を動かすチカラまでも
無効化できるようになっていたんだ。今回、あのタレントが入院したのはそのためさ。
ワードのカードは、政敵を選挙で落選させるために使われたこともある、強力なカードなんだよ」
「私がお聞きしたいのは、なぜ、すみれさんが呪文を使うことができたかということなんですが」
「ゴールデン・ドーンにカードの作成を命じられたクロウ・リードは、自分に使われた場合に備えて、
中国語の呪文だけは無効化できないようにしたんだ。
すみれさんに与えたヒントは、そのことなんだよ」
ふたりは、さくらたちがあわてて車に乗り込むのを見つめていた。
「すみれさん、風邪をひいてしまいそうですわね」
「ぼくがカードにうまく干渉できなかったせいだ。まだ直接謝ることはできないけど、ごめんなさい」

くちゅん!

「たいへん、すみれちゃん、風邪ひいちゃうよ」
車を運転しながらママが心配そうに言った。
「池に落ちた後、この寒空の中、ウィンディのカードを使いよったからなぁ。
風邪をひいてもしゃーないで」
あたしは風邪をひいたようだ。カードを封印できたのはいいけど、また、

くちゅん!

「それより、さくら、さっきの声、聞こえたか?」
仮の姿に戻ったケルベロスがすみれに聞こえないように、さくらに尋ねた。
「うん、聞こえたよ。あれは、クロウさんじゃない」
「そや。クロウ・リードではない誰かが、一連のカードの騒ぎに関わっているっちゅうことやな。
それも、かなりの魔力の持ち主や」
「そうね」
3人を乗せた車は、帰路を急いだ。
642126:02/12/15 21:49 ID:v3iludXO
ワードのカードさんを封印してから数日後、あたしの風邪も治って、家族みんなでテレビを見ていた。
「ママ、『すあま』さんのインタビューやってるよ」
「本当だ。山崎くん、無事に退院できたんだ。よかったぁ、元気そうで」
「山崎のやつ、入院していたんだ」
ママのとなりでパパもテレビに見入っていた。
画面では、レポーターが『すあま』さんに質問をしていた。
「今回は、過労とストレスで、一時は食事もできないほどになられたとか・・・」
「そうだよ。でも、入院した日の夜から不思議に回復したんだ」
いつものように、開いているかどうかわかんないような目で『すあま』さんは質問に答えていた。
そして、
「知ってる?ストレスっていうのはね」
きた。お約束の始まりだ。
「ほぇ〜。昔の人って大変だったんだ」
信じてしまったのは、ママ。
「ああ」
パパも、ママのとなりであいづちをうっている。
「違うよ。ストレスっていうのは」
こんな時、突っ込みを入れるのは龍平の役目だ。
「ほぇ?そうなの?」
ママのお約束の反応。
「お、俺はうそだってわかっていたぞ」
パパはちょっと顔を赤らめて腕を組んだ。
「はぅ〜。ふたりとも、どうして信じちゃうんだろう・・・」
あたしと龍平の頭に、おっきな汗が浮いた。
643126:02/12/15 21:50 ID:v3iludXO
次回予告
ほぇ〜、からだがふわふわするよぅ〜。なんだが天井ぐるぐる〜。
そうか、ワードのカードさんを捕まえるときに池に落ちちゃったから、
風邪ひいて、学校お休みしちゃったんだ。
・・・あ、これって?ひょっとしてミラーさん?
看病してくれてたんだ。ありがとう。

カードキャプターさくらと小狼のこどもたち
すみれと魔法のピアスとカードたち

次回もすみれと一緒に
さくらと一緒に
封印解除(レリーズ)!
644CC名無したん:02/12/16 01:07 ID:vPR7GWfy
むしろすみれのふらふら熱曜日、ダメ?
645126:02/12/16 01:42 ID:lzgNLIg9
>>644
熱が下がって、治りかけのところから始まるので、ダメれす。

>>640 の参考文献
百変小桜1
新彊児童出版社
ISBN 7-5418-008-J-128
定価 6.8元(日本円で100円ちょっと)でした。
646CC名無したん:02/12/16 02:24 ID:SnzcvYvP
126様、本当にありがとうございます。
これからもガンガって下さい。
647CC名無したん:02/12/16 15:13 ID:ZHfFW2vk
何か、クロウもいろいろやってたのね・・・後ろ暗いこととか(藁
126様、これからもがんばって!

しかし、やっぱり信じちゃうんだね、あの嘘・・・もといジョーク(藁
648:02/12/16 15:28 ID:cG03ri5V

/                                 \
|   アーヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ  |
\                                 /
   ̄V ̄ ̄V ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄V ̄ ̄
  ∧ ∧            ∧_∧        ∧,,∧
  (,,゚∀゚)       '' ̄ヽ  (  ゚∀゚ )       ミ゚∀゚ ミ
  ./  | ( ゚∀゚ ) .| ゚∀゚ .|  /つ⌒l'~O  ∧_∧  ミ  ミ
 (___ノ (∩ ∩) └ ー ┘ (l、__(_)___)( ゚∀゚  )  ミ,,,,,,,,,ミ
/                       ~~~~~~~      \
649CC名無したん:02/12/16 17:21 ID:B3LiyHi6


                /~ ̄ ̄ ̄ ̄.\
              /          .\
              |  人川川川川入  |
              | ./.  -◎─◎- ヽ |
               | .|    (_   _)   │ |
              | |    ) 3 (   .| |
              | ヽ、   ,___,.   .ノ | |
              川/ヽ.___;;;;;;;;;;___.ノ\川
650CC名無したん:02/12/17 09:35 ID:D3Jhqun9
悪魔将軍さまへ

悪魔将軍さまああ悪魔将軍さま。
この素晴らしいスレッドをお立てになった貴方はいったいどこへ行ってしまったのですか?
最近はめっきりですが、はじめのころよく書いていらっしゃいましたね。
拝見しておりましたがとてもいい話だったと思います。
話は変わりますが、この間このようなうわさを聞きました。
そのうわさによるとキン肉マン2世の原作漫画の方で貴方がいたというのです。
そして、6人のデーモンシードという悪魔超人を使って、
キン肉万太郎さんをいじめているというのです。
そんなはずありませんよね?
こんな素晴らしいスレッドをお立てになる人が、
そんな悪いことをするはずがありません。
このうわさは嘘ですよね?嘘ですよね?
悪魔将軍さまああ悪魔将軍さま・・・
651126:02/12/22 22:18 ID:/JdDgpk9
クリスマスなので番外編にしますた。

「メリークリスマス!」
パーン!とあたしはクラッカーを鳴らした。
「メリークリスマスですわぁ!」
次にクラッカーを鳴らしたのは知美ちゃん。
そのとなりで、龍平が少し怖がりながらクラッカーを鳴らした。
「メ、メリークリスマスっ」
「みんなぁ、ほんまにメリークリスマスやぁ!」
みんなの回りをサンタクロースの衣装を着たケロちゃんが飛び回る。
今日は、クリスマス前の土曜日。ほんとうのクリスマスはまだなんだけど、
週末に知美ちゃんの家でパーティをすることになったんだ。
テーブルの上には、おいしそうな料理がいっぱい。
「すごいっ。これって、ローストターキーだよね」
「はい。我が家のお抱えシェフの自慢料理ですわ」
「でも、こっちもうまそうやでぇ」
ケロちゃんがケーキを指差した。料理は知美ちゃんのところで用意してもらったけど
ケーキだけは、あたしたちで焼いたんだ。
「ちょい形は不細工かもしれんやけど、味がわいが保証したる!
このケルベロス様が、念には念を入れて味見しよったよって」
「ケロちゃん、あれは味見とは言わないの!つまみ食いっていうの!」
「そうだよ。材料の半分近く食べちゃって。材料を用意してくれた人が不思議がったぐらいじゃないか」
龍平が突っ込む。なにしろ、龍平は被害者だ。
「そしたら、お姉ちゃん、僕がみんな食べるんだって言っちゃって、誤解されちゃったよ」
「まぁ、龍くんもケロちゃんさんも落ち着いてください。ケロちゃんさんの食べる分は
計算に入れて材料はそろえたんですから」
「そうや!さすが知美やな!」
652126:02/12/22 22:19 ID:/JdDgpk9
「ところで知美ちゃん、知世おばさんって、いつ帰ってくるの?」
「仕事の都合で帰れないということですわぁ」
「そんなぁ」
「心配していただくても大丈夫ですわ。冬休みは、私の方がイギリスに参りますから」
「えー、それっていいかも」
「到着はボクシングデー(26日。クリスマスの翌日の休暇のこと)になってしまいますが、
お正月までは母と過ごせますわ」
「イギリスで冬休みなんだ。ストーンヘンジなんて、行ってみたいな」
歴史ヲタクの龍平もうらやましがっている。
「残念ながら、ストーンヘンジには参りませんわ。でも、そのかわり・・・」
知美ちゃんの目がキラキラと輝く。
「ロンドンフィルで、すみれちゃんのテーマのレコーディングがありますの」
「あ、あたしのテーマ?」
「えぇ!すみれちゃんにぴったりの、かわいく、りりしいテーマができたとの母からの
連絡がございましたの!これで、すみれちゃんのビデオの編集も進みますわぁ!」
知美ちゃんが手元のスイッチを押すと、壁いっぱいにビデオが映し出された。
「これ、あたしが学校でジャンプさんを封印した時のビデオ!」
「まだ、編集は未完成ですが、これにロンドンフィル演奏の曲をつけられるなんて・・・
超絶しあわせですわぁ〜」
知美ちゃんはますますキラキラしている。
ビデオはあたしと龍平の「眠れる森の美女」に切り替わっている。
「は、はずかしいよぉ」
あたしと龍平は顔が真っ赤だ。
「はずかしがってはいけませんわぁ!」
「ええぞ、ええぞぉ!」
ケロちゃんと知美ちゃんのテンションはあがり続けていた。
653126:02/12/22 22:21 ID:/JdDgpk9
ビデオはいつしか、あたしと衛(ウェイ)くんの結婚式を映し出していた。
神父さんの言葉が聞こえてくる。
「・・・新郎に永遠の愛を誓いますか?」
次は、あたしの言葉。
「誓います」
あたしはなにがなんだかわからなくなった。
「知美ちゃん、なんで、ここだけボリューム大きいのよぉ!」
「だって、花嫁姿のすみれちゃんが超絶かわいいんですもの〜」
「あれ、ただのイベントなんだからね!」
「ほほほほほ・・・」
相変わらずの知美ちゃんのまわりでは、ケロちゃんが料理をほおばりながら
「ええぞぉ、ええぞぉ」
とはやしたてていた。

その時、「気配」がした。
「龍平?」
「うん、気配だ」
あたしと龍平は窓のそばに駆け寄った。
654126:02/12/22 22:23 ID:/JdDgpk9
「・・・気配が」
「消えてるね」
あたしと龍平が窓に駆け寄った時、魔力の気配はもう残っていなかった。
次にしゃべったのは、龍平だった。
「雪だよ、お姉ちゃん」

「やっぱり気づかれてしまいましたわね、エドワード」
「うん、あんなわずかな気配で気づくなんて。でも、もう終わったから、僕らも戻ろう」
「でも、こんなことをして騒がれませんか?大道寺さん宅にだけ雪を降らすなんて」
「大丈夫だよ。個人向けの人工降雪機を使ったと思われるだけさ」
「それはそうですわね。もうそろそろクリスマスプディングのあら熱も取れている頃ですし」
「じゃ、僕らもクリスマスパーティをしよう」
去り際にエドワードは大道寺宅をふりむいて言った。
「メリークリスマス、すみれさん」

雪はしんしんと積もっていく。庭のクリスマスツリーに雪がかかってとってもきれい。
「雪だよぉ、龍平、知美ちゃん、ケロちゃん、お庭に出よう!」
あたしたちは、外に飛び出した。そして突然の空からのプレゼントをしばらく見つめていた。

<番外編:終>
655CC名無したん:02/12/23 04:04 ID:E2T810GO
126さん すてきな番外編ですね。
これからじっくり読ませていただきます(<って、まだ読んでねぇのかよ!)
656CC名無したん:02/12/23 08:23 ID:Jn4Lbz2p
126さん素敵な番外編ごちそうさまでした。
う〜ん、大道寺家の力はうなぎ登りですな(ロンドンフィルに演奏させる
とは...)(w
また楽しみにしてます
657CC名無したん:02/12/23 13:54 ID:kGRUAoOH
ロンドンフィル・・・お母さんのときとはぜんぜん違うビデオが出来ますな(藁
番外編も面白かったです。エドワードの力はこっちでも出ますか。。。
658CC名無したん:02/12/25 12:57 ID:2SPvNUnM
良スレあげ
659 :02/12/25 13:01 ID:6TsG0jEj
高画質裏本(完全無料)
http://now.at/urabon
660CC名無したん:02/12/25 23:24 ID:5/qCxLLJ
>>658
はいはい、ageないageない。
>>659みたいな事が起きる)
661CC名無したん:02/12/30 11:49 ID:ToAeSQcb
sageつつ保守
662CC名無したん:02/12/30 22:28 ID:4RGeBtc4
今年もこのスレで、沢山癒してもらいました。
126様、スレの皆様、今年は本当にお疲れ様でした。

また来年も宜しくお願い致します。
663CC名無したん:02/12/31 14:01 ID:bpCGOF9d
126様やそのほかの皆様、お疲れ様でした
来年以降の更なる発展と栄光をお祈りしております




ジーク・さくら!
664126:02/12/31 21:50 ID:I2GLWFXA
正月休み中にアプするかもしれない番外編予告

今日ね、家族みんなで初詣に行っておみくじをひいたの。
わたしのおみくじは大吉だったんだけど、ほえ?なんか変。
確かに「初夢の中で」って書いてあったんだけどなぁ。

カードキャプターさくらと小狼のこどもたち
すみれと不思議なおみくじ

次回もすみれと一緒に
さくらと一緒に
封印解除(レリーズ)!
665126:03/01/01 15:13 ID:hErNgU1g
「はい、できあがり」
ママはあたしの帯をポンっとたたいて言った。
「すみれちゃん、帯、苦しくない?」
「ううん。大丈夫だよ、ママ」
あたしは鏡の前でくるっと回ってみる。
そこに映っているのは、いつもとはちょっぴり違う着物を着たあたし。
「いやー、着物を着るとすみれでもおしとやかに見えるもんやなぁ」
ケロちゃんがからかったように言う。
「すみれでもって、なによ!そんなこと言うと、おみやげ買ってきてあげないからね!」
「すまん、すまん。言葉のアヤや。堪忍してぇな、すみれ様・・・」
ケロちゃんがおおげさに謝る。
でも、これがお正月のお約束のやりとりであることは、みんなわかっている。
すぐにあたしたちは、くすくすと笑いだした。

今日は元旦。これから家族みんなで月峰神社に初詣に出かけるんだ。
それで、ママに振袖を着せてもらった。すみれの花をあしらった、とってもかわいい着物。
あたしは自分では着物を着られないけど、ママは小学生の時から自分で着られたんだって。
それってすごいと思う。
「あたしもママみたいになりたいな」
「ほぇ?すみれちゃん、なにか言った?」
「ううん、なんでもないよ、ママ」
666126:03/01/01 15:15 ID:hErNgU1g
「でも、初詣に神社って、ちょっと変よね。なぜお寺にいかないのかなぁ?」
「??・・・ママ、突然何言い出すの?」
「だって、元旦というのは昔中国の偉いお坊さんの元旦さんと言う人が1月1日に生まれて、
それを祝う日なんでしょう?だったら、お寺に初詣するのが本当かなって思って」
「ママ、どこからそんなことを聞いたの?ひょっとして・・・」
あたしの頭におっきな汗が浮く。
「うん、ディナーショーで山崎くんが言ってたんだ」
・・・まただ。
あたしたちが知美ちゃんのお家でクリスマスパーティをしていたころ、
ママとパパはデートをしていた。それはいいんだけど、ふたりのデートコースは
『すあまのクリスマス・ディナーショー』。
そこで、ふたりはいっぱいうそを信じちゃったんだ。
それから、ふたりに突っ込みをいれることであたしと龍平はちょっぴり疲れていた。
「ママ、あれはうそなの。あ・れ・は・う・そ!」
あたしは、背伸びしてママに訴える。
「ほぇ?そうなの?」
その時、咳払いが聞こえた。部屋の入り口を見ると、パパと龍平が立っている。
「お、おれはうそだとわかっていたぞ」
少し照れたように言うパパのそばで、龍平がはぅーっという顔をしていた。

「次は、わたしが着物に着替えるから。小狼くん、ちょっと待っててね」
ママはそう言うので、あたしたちはリビングで待つことにした。
667126:03/01/01 15:16 ID:hErNgU1g
「お待たせー」
ママが2階から降りてきた。
「さくら・・・」
「ママ・・・、どうしたの?」
振袖を着たママは、カードを集めていたころの姿に戻っていた。
「えへ。すみれちゃんの着物を見てたら、わたしも振袖が着たくなっちゃったの。それに・・・」
ママはいたずらっぽく、パパに向かって言った。
「この方が、小狼くん、喜んでくれそうだもの」
パパは返事ができない。そのかわり、顔が真っ赤になっていた。

「いってきまーす。ケロちゃん、お留守番お願いね!」
「おぅ!おみやげ忘れんといてやー!」
668126:03/01/01 15:18 ID:hErNgU1g
あたしたちは月峰神社に向かっていく。
「すみれちゃん、今年は何をお願いするの?」
ママに聞かれたあたしは、指を折って数えだした。
「えっと、ママとパパが今年もラブラブでいてくれますようにでしょ、
あと算数の成績がもうちょっと上がりますように
あとあとお料理が上手になりますようにと
中国拳法がもっと上手になりますようにと・・・」
すると、パパと龍平が同時に口を開いた。
「すみれ」
「お姉ちゃん」
「「いくらお賽銭入れるつもり?」」

お正月の月峰神社は、例年どおり参拝客でいっぱい。
「お姉ちゃん、あれ」
最初に気づいたのは龍平だった。
「あれ、桃矢おじさんに衛(ウェイ)くんに張(チャン)教授じゃない?初詣に来てたんだ」
やがて、向こうもこちらに気づいたようだ。
「あけましておめでとうございまーす!木之本さーん!」
大きく手を振ってあいさつしてくれたのは衛くんだった。
669CC名無したん:03/01/01 22:32 ID:QVTzyM0m
明けましておめでとう御座います、126様。
早速素敵なお話、拝読させて頂きました。

木之本家のお正月は賑やかで楽しそうですね。
2003年も、すみれちゃんの活躍を楽しみにしております。
670CC名無したん:03/01/02 02:43 ID:kdXnyvHX
126様明けましておめでとうございます。

まさか元日に新作を読めるとは思っていなかったです(・∀・)

>「この方が、小狼くん、喜んでくれそうだもの」
>パパは返事ができない。そのかわり、顔が真っ赤になっていた。

このシーン...頭に浮かんでしまいました。(苦笑)

今年も楽しみにしています。
ありがとうございました
671126:03/01/02 11:57 ID:0mNHaL9A
「あけましておめでとうございます」
「お久しぶりです。結婚式以来ですわね」
「そうですね。あの時はお世話になりました」
パパと張教授があいさつを交わす。そのそばで、桃矢おじさんがあたしにこっそりと話し掛けた。
「どうして、さくらのやつ、かすみになっているんだ?」
桃矢おじさんは、今は魔力はないんだけど、ママとミラーさんの区別だけはつくみたい。
「どうしてって・・・かすみちゃんになったんじゃなくて、振袖を着てみたくなって
それで昔の姿にもどってるんだけど・・・なにか?」
「いや、いいんだ。今日、日本のお正月を紹介するってことで月峰神社にふたりを案内したんだけど
張教授に『かすみちゃんはいませんの?』って聞かれて、すみれのうちに遊びに行っていると
ごまかしていたとこなんだ。すまんが、話合わせてくれ」
「うん」

「あけましておめでとうございます。去年の結婚式、楽しかったです」
ママは木之本かすみになりきってあいさつしている。
「あけましておめでとうございます」
張教授はすぐにあいさつを返してくれたけど
「衛くん、あけましておめでとう!」
ママがあいさつすると、衛くんは真っ赤な顔をして
「あ、あけまして・・・おめでとう・・・ございます」
「ほぇ?」
ママはきょとんとする。その様子を見てると、あたしはちょっぴりおもしろくなかった。
そして、気のせいかパパも衛くんをにらんでいたような気がする。
672126:03/01/02 11:59 ID:0mNHaL9A
「そういえば、さくらさんがいらっしゃいませんね?せっかくの初詣なのに、なにかご用事でも?」
「え?あの♂∋∃Å!」
張教授の質問にママがあわてている。そこであたしが言った。
「ママはけさ、キッチンでこけて、せっかく作ったおせち料理を床に落としちゃったんです。
それで、今、作り直しているところなんです」
「まぁ、それは大変!意外におっちょこちょいなんですね、さくらさんは」
張教授がくすっと笑う。
あたしたちもつられて笑った。
けど、
「!」
あたしは、ママに腕をつねられてしまった。

みんなで本殿でお参りした後、桃矢おじさんが言った。
「大人は、あちらの休憩所で休んでいるから、みんなは好きなところを見ていていいよ。
さくら、じゃなかった、すみれ、時間になったらケータイに連絡入れるから」
「うん、わかったよ。おに・・・じゃなかった、パパ」
「じゃ、どこから行こう?」
龍平が聞くと、あたしは提案した。
「おみくじ引いていかない?」
あたしたちは、最初におみくじを引くことにした。
だって、月峰神社のおみくじはよく当たるって評判だもの。

「ここで、おみくじが引けるんだよ。ほぇ〜!そこにいるのは?」
おみくじを売っていた巫女さんは、担任の神宮司先生だった!
673CC名無したん:03/01/02 21:14 ID:Adan5w7r
あけましておめでとうございます。126様や他の皆様
新年早々新作が拝めるとは、ありがたやありがたや。今回も面白いです。ほのぼの〜
今後もよりいっそう頑張って下さい。
674CC名無したん:03/01/03 01:35 ID:LGKbQqGx
126様、連日投稿お疲れさまです。
なんか衛くんのかすみちゃんへの態度が気になりますね(w
なんか、かすみちゃん=さくらって事を衛くんは分かっているのか微妙に見え
ますし。(いや、分かっていても...(;´Д`)なのだろうか?)
ここら辺、今後どうなるか気になってます。

ありがとうございました。
675126:03/01/03 10:16 ID:/YckxjLH
「木之本さんじゃない!お正月から衛くんとデート?先生、うらやましいなぁ」
「そ、そんなんじゃありません!」
「大丈夫、クラスのみんなには黙っておくから」
「だ、だから、そんなんじゃないんですって!」
「あら、龍平くんも女の子と一緒ね。大道寺さんがイギリスにいるからって、いいのかな?」
「え、先生」
龍平が言葉に詰まっていると、ママが先生にあいさつをした。
「木之本かすみです。龍くんのいとこです」
「そうなんだ!なーる、それでふたりともそっくりなんだ!」
次は、ママが質問する番だった。
「あの、どうして、学校の先生がここでおみくじ売っているんですか?」
「私、ここの神主さんの親戚なの。お正月は忙しいからお手伝いしてるってわけ」
「親戚って、歌帆先生の?」
「よく知っているわね。でも遠い親戚だから、何回も会っているわけじゃないの。
さぁ、そんなことより、うちのおみくじ当たるわよ。出席番号順に引きなさい!」
先生は、おみくじの入った箱をあたしたちに突き出した。あたしたちは名前順でおみくじを引いた。
まず、衛くん。
「13番です」
『かすみ』でも『さくら』でも2番めになるから、次はママの番だ。
「42番だ」
その次はあたし。
「75番ください」
最後の龍平は8番だった。
676126:03/01/03 10:17 ID:/YckxjLH
くじの番号を見て、神宮司がおみくじを4人に渡し始めた。
「はい、すみれちゃんのは75番ね。あれ?」
「どうしかしました?」
すみれが聞くと、神宮司は首を振った。
「なんでもないよ。大吉だといいね」
おみくじを渡した後、先生は自分の手のひらを見つめていた。
(今、一瞬、手が妙に熱くなったけど・・・気のせいか)
そんな神宮司を見て、エドワードはつぶやいた。
(さすが柊沢さんの親戚だけあって、ぼくの魔法の媒体になれる程度の魔力はある)
「先生、ぼくの分は」
「あ、ごめん。じゃ、これ、龍平くんの分ね。8番」

あたしたちは、おみくじを読み出した。ちょっとどきどき。
「凶だよ。『願望:終には叶うが犠牲多し』だって」
最初にがっかりしたのは、衛くんだった。
「大丈夫だよ、衛くん」
あたしは、そばにある木を指差した。
「悪いおみくじは、あの木に結んでしまえば、悪運は付いて来ないんだよ」
「え?そうなの?」
衛くんは木に駆け寄って、おみくじを結びつける。
「日本のおみくじって、都合いいんだね」
「そ、それを言ったら、身もふたも・・・」
正直すぎる感想に、あたしたちの頭に汗が浮いた。
677126:03/01/03 10:19 ID:/YckxjLH
「ぼくのは、小吉だって。『苦難あれど終には成就』みたいなことばかり書いてあるよ」
次に声を上げたのは龍平だった。
そして、ママはおみくじを広げて、くるくると回っていた。
「やったぁ!大吉だよ!『恋愛:この人より他になし』だって!小狼くぅん!」
ママは3、4回まわったところで
「じゃあ、すみれちゃんのおみくじは?」
「うん、今、見るね。ほぇ?」
おみくじに書いてあったのは不思議な文章だった。

『真実を探る手立ては初夢の中に』

「このおみくじって変。吉とか凶とか書いてないよ」
あわてて、あたしはおみくじをママに見せる。
「変って、大吉じゃない?」
ママの不思議そうな顔を見て、あたしはおみくじを見直した。
そこにあるのは、普通の『大吉』のおみくじだった。
「おかしいな?初夢の中とか書いてあったのに?」
でも、今は確かに普通のおみくじだ。それをのぞきこんだ衛くんが言った。
「衛家に伝わるおまじないなんだけど、縁起のいいおみくじを寝間着に縫いこんで寝ると
幸運が逃げなくなるんだって」
「寝間着に縫いこむなんてできないよ。おみくじがくしゃくしゃになっちゃうし」
「そうゆう場合は、パジャマのポケットに入れて寝るだけでも効果があるって、母さんが言ってた」
「そっか。それならできるよ。今晩やってみる」

「じゃあ、次はみんなで甘酒でも飲みに行かない?」
ママの提案に、みんなが賛成した。
678CC名無したん:03/01/05 11:09 ID:4COEwKe9
明けまして、おめでとうございます。本年もCCSその後のお話が読めるのはうれしいです。
126様、その他の作家様本年もよろしくお願い致します。
679126:03/01/05 12:37 ID:wpJVAC2U
その晩、あたしは一番おっきなポケットのあるパジャマを着て寝ることにした。
「女の子っていうんは、ほんまおまじないとか好きなんやな」
「だって、せっかくの大吉だよ」
あたしは、今日のおみくじをポケットに入れる。
「じゃあ、おやすみなさい。ケロちゃん」
「おやすみ、すみれ。いい夢見いや」

そして、ケロちゃんは電気を消した。

「あれ?」
あたしはまっしろな部屋にいる。部屋にはベッドがひとつ。
ふとんには李家の祭祀で使う紋章が入っていた。
「龍平?」
ベッドに寝ているのは龍平だった。
肩で息をしている。苦しいはずなんだけど、龍平の表情は不思議に安らかだ。
「どうしたの龍平?どこか悪いの?」
龍平の口元が動く。え?聞こえないよ?
なにか言っているようだ。でも、でも・・・
「龍平、龍平ったら。ママ、このまま龍平が」
「・・・すみれちゃん」
あたしはママの顔を見た。
「・・・すみれ」
声の方を向くと、そこにはパパがいた。
「・・・すみれさん」
別の声の方を向くと、そこにいたのは、エリオルおじさんだった。
680126:03/01/05 12:39 ID:wpJVAC2U
「すみれ、すみれ!」
あたしは、ケロちゃんの声で目が覚めた。
「ど、どうしたの、ケロちゃん?」
「気づいたか、クロウ・カードや!」
「ええっ!」
まわりを見渡すと、あたしはシールドの中にいた。
シールドの外では、ママとパパが心配そうな顔をして立っている。
「パジャマのポケットや!」
ケロちゃんが、あたしのパジャマのポケットを押さえている。
「この中に、クロウ・カードがいよる!
さくらのシールドで外へは逃げれんよって、今のうちに封印や!」
「うん!」

あたしは急いで呪文を唱えだした。
「光の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、すみれが命じる」
「封印解除(レリーズ)!」
あたしが封印の杖を手をすると、ケロちゃんはポケットから離れた。
同時に、ポケットからクロウ・カードが逃げ出した。
「今や!」
「うん、汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カード!」
681126:03/01/05 12:42 ID:wpJVAC2U
あたしの手に、封印されたカードが滑り込んできた。
「昼間のおみくじが、クロウ・カードだったんやな。すみれ、おみくじに変なとこなかったか?」
「うん。実は、一瞬だけ変な文章が書いてあったんだ」
そう言いながら、カードを見る。
「これは・・・ドリームのカードやないか?すみれ、今、どないな夢を見とった?」
シールドの魔法を解いたママと、パパが駆け寄ってくる。
あたしは、夢の内容を話した。
「龍平がベッドにか・・・」
パパが腕を組んで考え込んでいた。
(李家の紋章が入ったふとんは、ただのふとんじゃない。魔力にダメージを受けた者の
治療に使われる、特別なものだ。それがあるのは・・・)
「ドリームは予知夢を見せるカード。おまけに、あの姉ちゃんの神社のおみくじや。
こりゃ、近い将来、龍平の身に何かが起こると考えた方がええな」
「シールドを使っていてよかったわね。今の騒ぎ、龍くんには気づかれていないはずだよ」
「ママ、龍平、どうかなっちゃうの?」
「すみれちゃん、その夢にはママもいたんでしょ」
「うん。パパもいた。エリオルおじさんもいたよ」
「だったら、絶対大丈夫だよ」
あたしは、ママに抱きしめられた。
「ママも、パパも、エリオル君もいる。すみれちゃんもいる。
だから何が起きても絶対、龍くんは大丈夫。
今夜は、ママがそばにいてあげるから、すみれちゃんは安心してお休みなさい」
「・・・うん、ママ、ありがとう」

<すみれと不思議なおみくじ:終劇>
682CC名無したん:03/01/05 13:21 ID:MSAmJ+8B
う〜む。どんどん続きが楽しみになってしまう展開になってキタ〜〜〜〜!げほげほげほ。ヤベ、ノドが・・・
683CC名無したん:03/01/05 17:07 ID:b0rKefy3
あけましておめでとうございます。
今年もCCさくらのSSで楽しめそうですね。
126様他、作者の皆様、体に気をつけて創作がんがってください。
684山崎渉:03/01/12 04:33 ID:uFZJ/CbI
(^^)
685CC名無したん:03/01/12 16:56 ID:bvNsVrbX
良スレだねぇ。
今日の昼過ぎにここ見つけて
一気に読みました。

>>126さん乙。
686CC名無したん:03/01/16 21:59 ID:+ZGo0Oqx
      ,,:''::::,,-ー:::::::/7::::::::::::::::: :::      ::::::: :: :::: :::  ::::/::::::::;;;i ';::i ヽ,:':,::,:'
      /::/:::::::::::::/ ./::::::::: ::: :: :: ::   ::',::::::::::::',',:,:::: :::: : ::,:'::::::::::;;;i;i i::i  }ノ '
     ,':':::::::::::::,,、-:Vi::::: :: ::::::::::::!:!::::::::::::::::',:',::::::::::::',',',:::::::::/::::::::::;;;;,';;;! }ノ  '
    ,:'::::::::,;-:"/;;;/;::::::: :::: :::i:::::::i::i::::::::::::::::::',:',::::::,,,,,,i;;リヽ:::::::::::::::::;;;;,';;;;;! '
    ',:::::::/;;//;;;/.i:',:::::::/:::::::i:::::::ii:ii::::::,,、、、-ー,二、、、、,  ヽ:::::::::;;;;;;/;;;;;;;!
    ':,:::i;;/  i;;;,' !::':,::::{:::::::::{:::::::ゞゞ"  ,-'"      `   ヽ;;;;;;ノ;;;;;;;;;;!
     ''i'(   ',{  !;;;::ヽ,',::::,,、-''"               ヽ:,,、、、,::/!
          `  !;;;;;;;l ゙/"⌒       ,-''' ̄ ̄     ,,-ー,',:j
               ゙、-,i /            ,,::'"~~゙゙゙`''<     ⌒', }
             ヽ;;゙、   _、、、                    i ノ .ノ
               ヾ  ,",:'"~゙゙' ,   ___            ! /
                ヽ ‐'     ,,-'",-‐',           j==、、
               /"゙゙',      ':,/ .:.:.:i       /ヾ,、 `'、 保守!
                i,,、、! ゝ、、      ヽ:;;;:ノ     ,,、-'''''i   ゙、
                  ,-''     'ヽ,           ,,-''    ヽ、
               /     ,    '',''‐‐‐---,-/  ,,、-‐‐‐‐{
            、-‐''i      「 /''i,,、‐''フ/-'' ,,-''"-'''" ゙゙゙̄'ヽ,
         / / ',  ,  ,,,__./  /  // ,-'"-''" ,'      ヽ
           ', '   ヽ、 ,,(,,,,、、、゙゙゙''''ヽ、// / /",'  ,'       ヽ
           ヽ、    >'         ヽ、 〉-〉,'  ,'          ヽ


687CC名無したん:03/01/19 10:29 ID:ax390gq/
暇を見て、コソーリ保守
688CC名無したん:03/01/20 21:05 ID:OdErl0rC
から揚げ
689CC名無したん:03/01/21 20:02 ID:N0s85wbv
あげんなアフォ!
690126:03/01/26 02:22 ID:HJLEd1Za
>>643 の続き

「あれ?」
あたしはまっしろな部屋にいる。部屋にはベッドがひとつ。
「龍平?」
ベッドに寝ているのは龍平だった。
肩で息をしている。苦しいはずなんだけど、龍平の表情は不思議に安らかだ。
「どうしたの龍平?どこか悪いの?」
龍平の口元が動く。え?聞こえないよ?
なにか言っているようだ。でも、でも・・・
「龍平、龍平ったら。ママ、このまま龍平が」
「・・・すみれちゃん」
あたしはママの顔を見た。
「・・・すみれ」
声の方を向くと、そこにはパパがいた。
「・・・すみれさん」
別の声の方を向くと、そこにいたのは、エリオルおじさんだった。
691126:03/01/26 02:24 ID:HJLEd1Za
ぴたっ。

あたしは、額のひんやりとした感じで目が覚めた。
「すみません。起こさないように気をつけたつもりなのですが・・・」
「ミ、ミラーさん?」
あたしの顔をすまなさそうにのぞきこんでいたのは、ミラーさんだった。
「そろそろ、額のシートを替えた方がいいかと思ったので・・・」
「でも、もう大丈夫やな。熱ももう下がってきたようやし」
ミラーさんの肩に乗っていたのは、ケロちゃんだった。
「ほんま、昨日は大変やったな。ワードのカードを封印した時、池に落ちてしもうて、
おまけに寒い中ウィンディーを使ったわけやから、風邪をひいて当然や」
そうだった。あたしたちは急いで家に戻ったんだけど、あたしは家に着いた時、もう、
寒気が止まらなかった。すぐにあったかくして、ベッドに入ったんだけど、
その後のことは、よくわかんない。なんだか天井がぐるぐるしていたのは覚えている。
「ほんま、大変やったんやで。さくらのやつ、大慌てで医者を呼びよったし」
「お医者さんって、しぃ先生が来てくれたの?」
しぃ先生とは、うちのかかりつけのお医者さんの施麗芸(シー・ライワン)先生のこと。
「そうや。でも、まぁ、すみれの熱も下がったことやし、カードも封印できたことやし・・・
今日の学校は休んでしもうたけどな」
「ママは?」
「さっきまですみれの看病しとったけど、すみれの熱も下がってきたんで、すみれのことは
わいらに任せて、夕飯の買い物に行っとる。今夜は、すみれの大好物を作ってくれるんやろな」
「そうかぁ。ありがとう、ケロちゃん、ミラーさん」
692126:03/01/26 02:25 ID:HJLEd1Za
「汗をおふきします」
ミラーさんが、タオルで首のあたりをふいてくれる。タオルをふく手が、ふと止まった。
「ほぇ?」
「え?あの、なんでもありませんが・・・」
ミラーさんの視線は、あたしの耳に向けられていた。
「これ・・・あの時の?」
「あ、ピアスね。はずさないで寝ちゃったんだ。でも、あの時って?」
「そうか、そうやったな!」
突然、ケロちゃんが大きな声を出した。
「どうしたの、ケロちゃん?」
「契約の儀式や。すみれと封印の杖との契約の儀式。あん時、わいとミラーがおったんや」
「それって、今、初めて聞いた」
思い出した。あたしが初めてカードさんを封印した時、最初から魔法が使えたんだ。

→回想モード開始
「でもでも、あたし、まだ契約の儀式なんかしてないよ。どうして、いきなり封印できたのかな」
「それはねぇ」
ママの話し振りが変わった。
「ケロちゃ〜ん」
突然、ケロちゃんがあたふたし始める。
「人生いろいろやぁ!うっしゃー!!」
←回想モード終了

あの時、結局、契約の儀式については聞かなかったんだ。
693CC名無したん:03/01/26 04:41 ID:ZxcQMUKJ
126さんの新作キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
この様子を見ると回想モードでのお話ですね
個人的にはミラータソが気になってしょうがないです(´Д`;)
次回も期待しています。
694CC名無したん:03/01/26 15:33 ID:Gb0szNQo
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
これからもがんばって!
695CC名無したん:03/02/05 14:37 ID:PcZMHyTP
ほっちゅ
696超人血盟軍:03/02/05 14:48 ID:UzPqc4pz
ここはわれ等超人血盟軍が保守上げします。
    iーj;二二;,__r‐、
   {~タ-―=二、`ヾ、~l                     
 ,-r'"_,,........,__  ` -、 `i)                                          /|
 彡;:;:;:;:;/~_Z_ ̄`ー、_  `l、       ,.-=-.、.                           ,..ィ"~~~~~:::::ヽ
 7:;:;:;:;:/. `ー-ヲ t‐-、!`ヽi::r   ,:、 ,..ム.゚.,..゚..,.、l                         ,r'"::;;;_;;::::::::::__:::::::\
 ;:;:;:;:;/ /   ,.、 `!~|:::)::/   / :K"/ r:'" ,iii ~\         ,,...-,-、           /,.r''"     ヽ:::::::::::i!
 :;,;-〈 /  Fニニヽ | .|:::l:::ヽ   ラ-{ `"・ ・ ・ 。。 llL_/!      /-v"  `丶、       i"    ,.-。-ュ-.ヽ:::::::::;!
 '   fヽ  ヾ--"  l,/::/r'"  /`ー!: |~r-。、~`-、゚_  lソ     /  l      ` 、      i ,r・')、 |:`''''' " ヽヽ:::::::ヽ
   | ` 、___,..- '"|::::ゝ   /  l ノ i/`"'" ´゚-y' ./メ,      /  (・・)`丶、    '''ヽ     l :~ ヽ! ,..-、  ヾ;:::::::::|
   ヽ   /    レ"`‐.、_./  .レ /:; r-ニ、 K ./ 「    r''  //~~`''ーヾ'ー、   ノ     l   f'" '"~ノ  l |::::::::L
 ヽ        _,.-‐−―`ー"ヽ_l ヾ `ー'",.! | |_/     |  /、,,..-i'''t=ニ;ラ",l|`ゝr'     ヽ   ヽ-‐"  //'"二
  `,.-―'''''''''''<.,_     i"   l  ヽ....,,-" く__/     `ヽy:|`T"~、.,,__  `,i|ヾ |       ヽ、 ,.:-‐-'',/,.r‐''"
 '' "        l     i.   `   /    |,~`-、      | :i|  F‐'''"|  ! |ヽイ、_     ,..-‐f彡ゝ--‐"
           |     `: 、_         ノ   ヽ    ヽ'、  l!;;;;;;;/  / /:::::::`t''''丶、
            l        ~ '' ー― '' "    /"`'' -、   r|ヽ ,......,,..;:"/:::r:、:::::::ノ
697CC名無したん:03/02/05 21:28 ID:HWyeHtSe
ヘンなの来んな!帰れ!
698CC名無したん:03/02/05 21:39 ID:W7rWsSbr
>>697
マターリと行きましょう。
変に書くとせっかくの良スレなのに荒れます。
699CC名無したん:03/02/06 23:09 ID:t4SlhAfD
悪魔将軍さんも帰ってこないかなぁ……。
700ボーンコールド:03/02/07 14:26 ID:KwLYHw/A
俺は超人ヒットマン「ボーンコールド」
GAスレでの仕事が終わっての帰りついででこのスレに来たわけだが、
ここはこの俺が保守上げさせてもらう。
    ,.-'´                   `ー、
    ,.-'´  .-'´   _.. -‐       ゙゙゙゙''冖ー- 、  \
  /  ,.-'´  . -'´      _.. -‐  ._    、 \ /
 ヽ. /   .-'´  _∠-‐'"´    ー- 、`‐、  ヽ  !/
  `l  /   ,.-'__..-‐=、―…一‐r-r 、 ヽ. l  リ
   ヽ ヽ、 (くr'_, --iュ、 ヽ。   。l| | |ノ/ /./
    `ーニ、ー-ハ `ニiニLi.j._iヽ、。_。ノl. l レ´/
       ``| |! ! ! ! } 「!^!十!‐l  l |'´ ___
.         ! |ハ   ,_,`,_,_,_,   l  ! レ'´  `ヽ ,. -―- 、
      _.-'|  !/l\ 〃二´  /  .! /, ', ' , !ノく/´ ̄\/\
  _.-〜く  .| i l |  〃    /|   l/, ' , ' /∠ \ ___.∠-ヽ ヽ
_ノ´`ヽ.  ヽ L.l ト、 ヽ、`'ー=''´ ノ   レ‐、 , 'Λ C ̄\/  H   !l
ヽ   ヽ、._  ヽ{ `ー、ヽ  __..∠-‐'ソ ∠ノ\`‐、   十   ノ/
 `ー、    `ー-、,,____.`二 -‐'´ _,ノ|/∠-、 `‐、`' ー-'-‐_'彡(´
701あぼーん:あぼーん
あぼーん
702126:03/02/08 21:55 ID:dMtY1M8N
「覚えてないのも、当たり前や。すみれが契約の儀式をしたんは、まだ1歳ぐらいだったさかい」
「ほぇ〜。でも、なんで?」
「まぁ、なんちゅうか・・・」
ケロちゃんは、ミラーさんと顔を見合わせた。
「さくらには、ほんとうのことを話してはおらんけど・・・」
ケロちゃんの話は続いた。

その日、わいはさくらの様子がおかしいのに気づいて目が覚めよった。
「さくら、調子悪いんか?」
さくらは、寝ている間に、わいの隣でカードを集めていた頃の姿に戻っていたんや。
魔力の強いもんには、一番ラクな年齢っちゅうんがある。
クロウが何百年も青年のままやったんは、その姿でいるんが一番魔力を使わずにすむからや。
それで、クロウは死ぬまであの姿やった。
さくらの場合は、全部さくらカードに換えた頃の姿が一番ラクチンなんやけど、
いつまでも子供のままでいるわけにはいかないさかい、魔力を使って年齢を調節してるんや。
「それで、カードを使ったり病気のなったりすると昔の姿に戻っちゃうんだね」
そうや。その時のさくらは顔が真っ赤で苦しそうやった。
わいは、そろそろとさくらのおでこに手を伸ばした。
「あっちぃ!」
「・・・ケロちゃん?」
わいの声で、さくら、目覚ましてしもうた。
「大丈夫か、さくら?熱あるみたいやけど」
「・・・はみゅー、風邪ひいたみたい・・・天井ぐるぐるだよぉ」
703126:03/02/08 21:56 ID:dMtY1M8N
「そんなぁ。さくらだけの身体やないんやでぇ」
わいは、部屋の反対側にあるベビーベッドを見た。すみれと龍平は、まだお休み中やった。
「今日は小狼くんは香港だし・・・おにいちゃんは学会の手伝いだし・・・
ケロちゃんはそんなんだし・・・」

「ケロちゃん、どんなだったの?」
「赤ちゃんの頃、すみれはわいをよくおもちゃにしとったやろ。
ちょうど、そん時、わいはすみれに羽をむしられてしもうて、空、飛べなかったんや」
「・・・ごめん」

「空も飛べんし、真の姿にも戻られへん。子供たちの面倒みてやりたいんやけど・・・
!、さくら、どないすんや?」
さくらはふらふらとベッドから起き出した。そして、星のペンダントを取り出しよった。
「星の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、さくらが命じる。
封印解除(レリーズ)」
封印の杖を手にしたさくらは、今度はカードを取り出した。
「我を映し、もうひとりの我となれ。ミラー」
まもなく、鏡からさくらの姿となったミラーが抜け出て来た。
「ミラーさん、お願いだけど、しばらく子供たちをみていてくれない?」
倒れそうなさくらの身体を支えて、ミラーは答えよった。
「はい」
「ごめんね、いつもこんなこと頼んじゃって」
「いえ。お役にたててうれしいです」
「ありがとう」
704126:03/02/08 21:59 ID:dMtY1M8N
「ケロちゃん、わたし、お医者様行って来る」
「医者って、さくら、子供のまんまで行くんかい?」
「大丈夫だよぅ。しぃ先生の所だから」
「しぃって、小僧の親戚の、あの女の先生か?」
(魔力のある子供は、特に幼い頃、魔力の無い子供とは違う病気にかかったり、薬の効き目が
違ったりします。そのため、小狼の母の李夜蘭は、孫が生まれると、親戚の医者である、
施麗芸(シー・ライワン)が友枝町で開業できるように日本政府を動かしたのでした。
当然、施は、さくらたちの魔力について知っています)
さくらは、ミラーに手伝ってもらいながら着替えると、わいらを見て言った。
「じゃ、ふたりをお願いします。お目覚めの時間まで、もう少しあるから」
そして、さくらはすみれたちの方を見て、
「ごめんね、さくら、ママ失格だよぅ」
「そんな、早くお医者様の行かれては・・・」
「ありがとう。行ってくる」
さくらは、そうミラーに言ってから、わいの方を見て言った。
「ケロちゃん、すみれちゃんをぜぇーったい、あれに近づけさせないでね!」
705CC名無したん:03/02/08 22:28 ID:59tk6SGN
                                 __
                    __        、]l./⌒ヽ、 `ヽ、     ,r'7'"´Z__
                    `ヽ `ヽ、-v‐'`ヾミ| |/三ミヽ   `iーr=<    ─フ
                   <   /´  r'´   `   ` \  `| ノ     ∠_
                   `ヽ、__//  /   |/| ヽ __\ \ヽ  |く   ___彡'′
                    ``ー//   |_i,|-‐| l ゙、ヽ `ヽ-、|!  | `ヽ=='´
                      l/| | '| |!|,==| ヽヽr'⌒ヽ|ヽ|   |   |
    ┏┓    ┏━━┓        | || `Y ,r‐、  ヽl,_)ヽ ゙、_ |   |   |.         ┏━┓
┏━┛┗━┓┃┏┓┃          ヽリ゙! | l::ー':|   |:::::::} |. | / l|`! |i |.         ┃  ┃
┗━┓┏━┛┃┗┛┃┏┌───┐j | l|.! l::::::ノ ,  ヽ-' '´ i/|  !|/ | |リ ━━━━┓┃  ┃
┏━┛┗━┓┃┏┓┃┃ .|ー───'| | l| { //` iー‐‐ 'i    〃/ j|| ||. |ノ        ┃┃  ┃
┗━┓┏━┛┗┛┃┃┗ .|.      | | l| ヽ  ヽ   /   _,.ィ ノ/川l/.━━━━━┛┗━┛
    ┃┃        ┃┃   !      | ゙i\ゝ`` ‐゙='=''"´|二レ'l/″             ┏━┓
    ┗┛        ┗┛   |      .!--─‐''''"メ」_,、-‐''´ ̄ヽ、                ┗━┛
                 r|__      ト、,-<"´´          /ト、
                |  {    r'´  `l l         /|| ヽ
                ゙、   }   }    | _|___,,、-─‐'´ |   ゙、
                  `‐r'___ヽ、__ノ/  |  |      |、__r'`゙′
                          |   |/     i |
                           |          | |
706CC名無したん:03/02/09 00:59 ID:+6kaiOOe
キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!
707CC名無したん:03/02/09 09:56 ID:1xQNvTKv
126さんキテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

やっぱりいいですわぁ(´Д⊂
最後の「あれ」っていうのが何なのかが気になりますが...

楽しみにしています!
708CC名無したん:03/02/09 21:39 ID:I41+iMsV
>>1
日系中国人
709CC名無したん:03/02/09 23:44 ID:x75W4arl
126さんキター!最近更新が途絶えていたので、なんかアクシデントでも
あったんじゃなかろうかとか、考えていたのですが、無事のようで
なによりです。というわけでこれからもガンガッテ下さい。
710CC名無したん:03/02/10 01:50 ID:Rem5Bn3f
>705
カワイイ。和んだ。
711CC名無したん:03/02/10 21:09 ID:gYa2m2JP
キタキタキテタ――――――――!!!!

あれって何だーーーーー!!!気になる!!
126様これからもよろしく
712126:03/02/11 16:39 ID:UJcEzoE2
→ミラーの回想モード開始

さくらさんが、仲間をさくらカードに変えてから、私の封印が解かれることは減りました。
そんな状況が変わったのは、すみれさんと龍平さんが生まれてからのこと。
さくらさんおひとりでは手に負えなくなると、私がお手伝いすることが増えたのです。
そして封印を解かれるたびに思うことーそれは人の成長。
最初はただ私のあげるミルクを飲むだけだったのが、いつの間にか私を見つめてる。
抱っこすると私の髪に手を伸ばしてくる。私があやすと笑ってくれる。
いつのまにかハイハイを始め、つかまり立ちができるように。
私は違う。呼ばれる時は、いつもさくらさんの昔の姿。それは、おそらくこれからも変わらない。
なぜなら、私はカードだから。主(あるじ)がいて、主の魔力が尽きない限り
死ぬこともなければ歳をとることもありません。

その日、私とケルベロスさんは玄関でさくらさんがお医者様の所に出かけるのを見送りました。
「さてと・・・」
私の腕の中でケルベロスさんが言いました。
「ミラー、台所へ行かへんか。あの子たちが目覚める前に朝ごはんのしたく、しとこやないか」
「はい」
私はケルベロスさんを胸に抱いてキッチンに入りました。
でも、どうしよう。赤ちゃんの食事・・・離乳食なんか作ったことはありません。
大人の食事の作り方なら、お留守番の時に・・・『あの人』・・・に
教えてもらったものもあるけれど・・・
「どうした、ミラー?なに立ち止まっとんのや?」
「あ、なんでもありません」
713126:03/02/11 16:40 ID:UJcEzoE2
「あの」
「なんや?」
「おふたりの朝ごはん、何を用意したらいいのでしょうか?」
「そうやなぁ」
ケルベロスさんは、少しの間腕組みをして考えると
「そや!ミラー、わいをあのカウンターの上にある電話のそばに降ろしてくれんか?」
「はい」
私の腕から降りたケルベロスさんは、電話のボタンを操作し始めました。
「どうするのですか?」
「料理の献立に困ったとき、さくらのやつ、いつも電話で相談しとったんや」
「誰にですか?」
「あんちゃんに」
その『あんちゃん』が『あの人』であることに、私はすぐに気がつきませんでした。
「あった、あった!この番号や。短縮になっとるな。ほれ!」
まもなく聞こえてきたダイヤル音。そして、
「はい、木之本です」
「え?」
私の心が舞い上がった。
「ミラー、どないした?はよう、受話器取らんかい!」
714CC名無したん:03/02/11 20:49 ID:J6ha1gco
なんと2夜連続キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
ミラーさんの回想話キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
「あの人」ってやっぱ桃矢か━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━??!!
126様これからもガンバ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
715CC名無したん:03/02/12 01:31 ID:JSUsnzry
2日連続でキテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
赤ちゃんをだっこしているミラータソ...(;´Д`)
これからも応援しています!
716126:03/02/15 02:38 ID:mYbRm64f
「はい、木之本です」
思わず出た、私の言葉。後から考えてみれば、とっても間が抜けた返事。
「・・・ミラーなのか?」
どうしてわかるんだろう。この人はとうの昔に魔力を失っているはずなのに。
「珍しいな。何があったんだ?」
事情を手短に話すと
「そうか。すまんが、今日はどうしても学会の方は抜けられないんだ。
献立のことなら、ちょっと冷蔵庫まで行って、中に何があるのか教えてくれないか?」
私は受話器を持ったまま、冷蔵庫の扉を開いて、目についたものを知らせました。
「・・・それなら、ミルクリゾットがいいだろう。取り分ければ、さくらの分も作れるし」
「でも、レシピはどうすれば?」
「冷蔵庫の扉、閉じてみろ。扉にパネルがついている」
「これですね。なんですか?」
「パネルの左上のアイコンをタッチしてくれないか?」
言われたとおりにすると、パネルにメニューが映し出されました。
「最近の冷蔵庫は、いろいろできるんだ。『ミ』のアイコンをタッチして」
すると、『ミ』から始まる献立名が表示されました。
「その中に『ミルクリゾット』というのがあるはずだ。それをタッチして」
「これですね」
「画面が切り替わっただろう。食べる人数を入力したら、右下のFAXのアイコンをタッチする。
すると、リビングにあるFAXからレシピが出て来るから」
「わかりました。それを見て作ればいいのですね」
私は少しとまどいながら答えました。
717126:03/02/15 02:39 ID:mYbRm64f
「こっちの用が済んだら顔出すから。ありがとな。いつもさくらのこと助けてくれて」
「・・・」
私は言葉が出ませんでした。
けれどもお留守番の時のように、あの人の手が私の頭にやさしく置かれたような気がしました。

受話器を戻すと、ケルベロスさんと一緒に冷蔵庫のパネルを操作しました。
「作る分量なんやけど、赤ちゃん2人分というのは当然として、この大人1人分というのはなんや?」
「さくらさんの分ですけど」
「わいの分を忘れとるで!」
「す、すみません」
あわてて、1人分を追加します。
「もう1人分や」
「え?」
「せっかく作るんや。ミラーも一緒に食ったらええやないか」

「うーん、ええにおいやなぁ」
「今、おふたりの分を取り分けます」
すみれさんと龍平さんの分は、別にして少し冷まします。
残りの分は、大人向けに味付けを加減して
「ちょい、味見させてくれ・・・なんや、この気配は!」
「これは!」
その時、私は仲間からの『声』を聞いたのでした。

→ミラーの回想モード終了
718126:03/02/15 02:41 ID:mYbRm64f
「みんなが呼んでいます!」
「さくらの部屋や。すみれになんかあったんや!」
わいは、味見をやめてミラーと一緒に2階に上がった。
部屋の中に入るとベビーベッドにおるんは、龍平だけやった。
龍平はベッドの柵につかまり立ちして、ある方向を心配そうに見ておった。
おそらく、すみれのことが心配だったんやろな。
その先にある、ウォークインクローゼットの扉が開いていた。
「すみれのやつ、どないしてベッドから降りたんや」
ウォークインクローゼットの中をのぞいて、わいらは自分の目を疑ごうた。
「すみれ!」
「すみれさん、危ない!」

「あ、あたし、どうしてたの?」

まだ、つたわり歩きがやっとのはずのすみれが、クローゼットの奥にある棚を登っていたんや。
それも、大人の背丈ほどの高さまで登っておった。
「あれを取ろうとしてるんや!」
わいらはあわてて駆け寄ろうとした時
「危ない!」
すみれが、足を踏み外したんや!
719CC名無したん:03/02/15 16:53 ID:IQimHE1o
126さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
720CC名無したん:03/02/16 02:09 ID:Ok6QAN1E
126さんキテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
ミラーさん(カード)に対してのケロちゃんのいいところも出ていて前半はほ
のぼのと楽しめました。
「あれ」っていうのは....さくらカードなんだろうか....ちょっと気になる今日こ
の頃であります。
楽しみにしてます!(・∀・)
721CC名無したん:03/02/16 14:30 ID:pLisdCEH
126様キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

桃矢キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

そしてまた続く━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

126様これからもガンバ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
722126:03/02/22 01:05 ID:Jn33zl4h
その時、封印の書からさくらカードが飛び出してきよった。
カードたちは、空中で円陣を作ると落ちていくすみれを受け止めた。
すみれは、カードたちに支えられて無事に床に軟着陸したんや。
「みんな、ありがとう」
ミラーが礼を言うと、カードたちは、すみれのまわりをひとまわりした後、封印の書に戻って行った。
「すみれさん、大丈夫ですか?」
ミラーが床からすみれを抱き上げると、すみれは何もなかったように無邪気に笑っておった。
「あ、これは?」
ミラーは、すみれが何かを手にしているのに気がついた。
「ケルベロスさん、これは?」
「封印の鍵や。すみれのやつ、とうとうこれを取ったんやな」
「どうゆうことですか?封印の鍵って、さくらさんがお持ちじゃ・・・」
「さくらのとは別もんや。すみれは生まれた時、これを手に持っておったんや。
すみれ、自分がカードキャプターになることがわかっておるようでな、
ハイハイを始めたころから、なにかあると、封印の鍵を取ろうとするんや」
「では、契約の儀式を済ませたんですか?」
「まだや。さくら、すみれが赤ちゃんのうちからカードキャプターになることに反対なんや。
なるにしても、もう少し大きうなって自分の意思でカードキャプターになると決めてから、
って言いよってな。それで、いつも、さくらはわいに、すみれをこれに近づけさせないで、
って言うとるんや」
「そうなんですか」
「でもなぁ。このままやと、また似たようなこと起こしよるで」
そこで、わいは決心したんや。
「ミラー、ちょっと手伝うてくれへんか?」
723126:03/02/22 01:06 ID:Jn33zl4h
「わいと封印の鍵を、あの机の上に置いて・・・ミラーはすみれを抱っこして部屋の真ん中に・・・
そうや。じゃ、始めるで」
わいは精神を集中した。すみれとミラーの足元に魔方陣が現れた。
「封印の鍵よ」
わいの足元に置かれた封印の鍵が、宙に浮かんだ。
「汝との契約を望む者がここにいる。幼女(おさなご)、名をすみれ」
宙に浮かんだ鍵は、そのまま移動してすみれの前で止まる。
「鍵よ、幼女に力を与えよ」
「封印解除(レリーズ)!」
その呪文と同時に、光が広がり、封印の杖がその真の姿を現した。
「すみれ、杖を取るんや!」
ミラーの腕の中で、すみれは自分から杖に手を伸ばしよった。
そして・・・その小さい手でしっかりと杖を握り締めたんや。
「よっしゃー!カードキャプターの誕生や!」
まもなく、光が消えていった。
まだその重さを持ちきれず、すみれの手から杖がこぼれるように落ちた。あわててミラーが杖を拾う。
「やっぱり、いきなりカードキャプターをするのは無理かもしれんなぁ。
ミラー、すみれと一緒にわいの方に来てや」
ふたりが近づくと、わいはすみれの額に手を当てた。呪文を込めた念をすみれに送り込む。
「これでオーケーや。すみれが自分で魔法を使いたいと思うた時、自然に呪文が出てくるはずや」
「今のが、契約の儀式なんですね」
「そうや。もう何年ぶりかな。あんまり久しぶりなんで、できるとは正直思わんかったで」
「・・・」
すみれとミラーの頭にどでかい汗が浮きよった。
724126:03/02/22 01:08 ID:Jn33zl4h
ミラーの手の中で杖が鍵に戻った。その鍵をミラーはすみれに渡す。
「はい、すみれさん」
すみれは、鍵を手にすると無邪気に笑った。
思わず、ミラーも微笑んだ。
「ミラー」
「え?」
わいとミラーは顔を見合わせた。
「ミラー」
「すみれさんが私の名前を・・・呼んでくれた」
「ミラー」
「なんや、ミラーに負けてしもうたがな」
「負けたって、どうゆうことですか?」
「すみれが最初に覚えた言葉は『ママ』やった。ミラーが2番めや」
「そ、そうなんですか?」
「羽を何度もむしられとるのに、この扱いや。わいって不幸やなぁ。けど!小僧には負けへんで!
すみれには、この封印の獣、ケルベロス様の名前を小僧より先に言わしたる!なぁ、すみれ」

「あ〜っ!」
その時、さくらの驚いたような、気の抜けたような声がした。さくらが病院から帰って来てたんや。
「ケロちゃん、あれほど、すみれちゃんを封印の鍵に近づけたらだめだって言ったじゃな・い・・・」
急に声が小さくなると、さくらは自分のベッドに倒れこんで、そのまま眠うてしもうた。
あわててすみれをベビーベッドに戻し、さくらにふとんをかけるミラーにわいは言った。
「あの先生のくれる薬はごっつうよう効くけど、いつもこうなるんやな」
725CC名無したん:03/02/22 19:53 ID:Mnp2EBe2
126さんの続編キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
「あれ」=「封印の鍵」だったんですね!
すみれちゃんの一歩成長した姿を見る事ができて癒されました。

またオチにはニヤリとしてしまいました。(・∀・)

つづきが楽しみデス━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
726CC名無したん:03/02/28 18:56 ID:46LPUONR
最高。ですこれからもがんばって。
そ〜か、こんなオチだったのか〜(w
727CC名無したん:03/03/02 01:10 ID:5cjQh6NL
126さんまだ来てないみたいだ。寝てから、また来るとするか。
728126:03/03/02 23:20 ID:zpWWjKtK
「そんなことがあったんだ」
あたしは、ケロちゃんの話を聞いてびっくりしていた。
ジャンプのカードさんを封印するまで、あたしに魔力があるなんて考えてもみなかった。
それが、あたしって、赤ちゃんの時に自分からカードキャプターになろうとしていたんだ。
「ありがとう。ケロちゃん、ミラーさん。ふたりがいなかったら、あたし、クローゼットから
落ちてケガしてたかもしれないんだよね」
「わいらやない。カードがすみれを助けたんや。主(あるじ)でもないのにな。
カードのみなが助けてくれたから、すみれがカードと仲良うなれると思ったから、
わいも契約の儀式をする気になったんや。ただ、その後もなんとなくいきさつを話す機会がのうて、
さくらは、今でもわいがいたずら半分で契約の儀式をやったと思うとるやけどな」

その時、あたしはずいぶんとのどがかわいていることに気がついた。
当然なんだけど、ゆうべ、ベッドに入ってから何も食べていないし、飲んでもいない。
そのことを言うと、
「気がつかなくて、すみません。今、飲み物をお持ちします」
と言って、ミラーさんはあたしの部屋を出て行った。
729126:03/03/02 23:21 ID:zpWWjKtK
→キッチンに向かうミラーの回想モード開始

食事を済ませ、私はキッチンで後片付けを、ケルベロスさんは2階でおふたりの相手をしていました。
「す、すみれ、せっかく羽が生えかけとるのにぃ、堪忍してなぁ。龍平、龍平まで・・・
龍平だけは、わいの味方やと信じとったのに・・・あぁдиゞ・・・わいの羽がぁ!」
そんな声が聞こえてきた時、玄関のチャイムが鳴りました。
「あ・・・」
「時間が空いたから、ちょっと抜け出してきた。1時間ぐらいで戻らなくちゃならないが」
あの人は2階からの声を聞いて
「どうやら大丈夫なようだな」
「はい、さくらさんは病院から戻られてお休みですし、おふたりもいい子にしていらっしゃいます」
「そうか、サンキュ」
そう言って、あの人の手が、やさしく私の頭をなでてくれました。
「後片付けか?」
「ええ。でももう終わりですから」
「今日は昼飯やおやつも作らなくちゃならんだろう」
「はい。でも、冷蔵庫にメニューがいっぱいありますし、また探せば簡単です」
「ひとつ、覚えてほしいのがあるんだ」
「はい?」
思いがけない言葉に、私はあの人を見つめてしまいました。
「冷蔵庫のメニューには無い、俺だけの、いや、俺と母さんだけのレシピがある。
今日みたいに、さくらやあの子たちが困っていて、俺がいない時に作ってほしいんだ」

←ミラーの回想モード終了
730126:03/03/02 23:22 ID:zpWWjKtK
「お待たせしました」
ミラーさんがマグカップを持って、戻ってきた。
「お口にあえばいいのですが・・・」
差し出されたのは
「あったかはちみつミルクだ」
あたしは、マグカップを受け取った。やけどしないようにゆっくりと飲む。
身体中に、ほんのりとした甘さと心地よい暖かさが広がっていく。
「ほぇ?」
あたしは、あることに気がついた。
(この味、桃矢おじさんの作るはちみつミルクの味だ)
そして、ママが風邪をひいた時の会話を思い出した。

『はちみつミルクの作り方、教えてください。ママが言っていたんです。
桃矢おじさんの作るのは、ママのよりおいしいって。ママのよりあったかくなれるって』
『だめだ』
『ほぇ?どうしてですか』
『どーしても。作り方を知っているのは、俺ともうひとりだけだ』

そうか、その「もうひとり」ってミラーさんだったんだ。
「あの、お気に召しませんか?」
「ううん。ミラーさんのはちみつミルク、とってもおいしいよ」
あたしがそう言うと、ミラーさんはやさしく微笑んだ。

<すみれと魔法のピアスとカードたち:終劇>
731126:03/03/02 23:23 ID:zpWWjKtK
次回予告
今日はね、校外学習で友枝防災センターに来たの。
授業ではやらない、いろいろなお話を聞いたり、
地震や水害のシミュレーションなんかもできるんだよ。
でも、ここでもクロウ・カードの気配が!
それに龍平が大変なことに!

カードキャプターさくらと小狼のこどもたち
すみれとドキドキマヨネーズ

次回もすみれと一緒に
さくらと一緒に
封印解除(レリーズ)!
732CC名無したん:03/03/03 02:16 ID:RJGFiSCq
126さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
はちみつミルクキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
え・・・・・マヨネーズって・・・?
ともあれ来週もガンガッテ下さい。
733CC名無したん:03/03/03 19:58 ID:VzNsiImx
 
 
      126さんキタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!
 
 
734CC名無したん:03/03/03 20:40 ID:VJaQBIcy
126さんキテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

はちみつミルクを知っているのはミラーさんだったのか....(゚∀゚)

>>732さんじゃないけど、マヨネーズは何?う〜ん謎。
(なんかどんでん返しがあるのかな?)

今度も楽しみにしてます!!
735サークラRZ改:03/03/05 00:08 ID:w3DrkrbQ
某有名SF洋画を久しぶりに見て

小狼「アイ アム ユア ファーダー」
龍平「ノー! ノー!」

と言ってみる
736CC名無したん:03/03/09 02:28 ID:6AVBYrPD
保守
737CC名無したん:03/03/10 17:19 ID:ZdhHgvnP
保守
738CC名無したん:03/03/11 06:14 ID:AXaUJPUp
ヤンマガで本当に子供でてきそう
739CC名無したん:03/03/11 09:45 ID:7Nl2nCUH
いい加減にしろよ。
740あぼーん:あぼーん
あぼーん
741CC名無したん:03/03/11 16:31 ID:ld1LgtOp

はいはい、ageないageない>738-740
742CC名無したん:03/03/12 20:35 ID:6vt0o+lk
>>738
気持ちは分かる。でも上げんな。
743CC名無したん:03/03/15 18:20 ID:FiuuaL4T
一応 保守
744CC名無したん:03/03/18 22:14 ID:D0ht2Bgk
メンテ
745CC名無したん:03/03/19 01:01 ID:sxXxtNd2
この画像を描いた神はこのスレの住人ですか?
ttp://oekakies.com/p/12ch/34.jpg
746炉板通信 ◆mwhG4Chris :03/03/19 04:24 ID:kIcmRAYr
>>745
まさにこのスレのとおりの面子ですね・・・
子供の特徴もそんな感じ
母親なさくらたん・・・いいね(*´∀`)
747CC名無したん:03/03/20 00:31 ID:ehlp9B/t
>>745
最高神の降臨ですか?
748CC名無したん:03/03/20 23:29 ID:tljBuZn7
>>745
思わず見とれてしまいました。&保存age
当然、画像も保存済み!
749CC名無したん:03/03/20 23:59 ID:4VVVOQI5
↑はいはい、ageないageない>>748
750サークラRZ改:03/03/22 22:26 ID:kIwqysYc
さくら似の男の子っていうのがGood!!
751CC名無したん:03/03/23 23:05 ID:BG1VuDc0
知ってるとは思うけど、現在126様はミラ留守に出張&執筆中。
向こうでも応援よろぴく
752CC名無したん:03/03/24 21:58 ID:TeT9Sm3x
>>751
いや、俺両方の住民だし
753CC名無したん:03/03/26 15:32 ID:7BRzftOT
126先生降臨にそなえて 保守
754CC名無したん:03/03/27 00:02 ID:UuGxa9sN
 案内しておきましょうか。

「ミラーのお留守番」
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/sakura/971814630/
755CC名無したん:03/03/31 08:24 ID:02TB+1EA
久々メンテ。

>745
撫子さん似のさくらタン(・∀・)イイ!!
756CC名無したん:03/04/04 09:21 ID:WG4ZmSdF
メンテ
757CC名無したん :03/04/05 13:54 ID:6rifNIKv

|゚ω゚)ノ ⌒ヽ
ttp://oekakies.com/p/12ch/38.jpg 

|ミ サッ
758CC名無したん:03/04/06 01:43 ID:VYnfjioR
マタキタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!
759CC名無したん:03/04/06 20:15 ID:BRmQXcDu
 ミラ留守での126さんの話が終わったっぽいので、来週の日曜には
こっちの話が再開か?
760CC名無したん:03/04/07 11:05 ID:BMesutdI
>>757
ちょっと精神的ブラクラ
761CC名無したん:03/04/09 12:56 ID:3zuretI8
>760
えー
762CC名無したん:03/04/09 20:26 ID:+O86rfBF
>>760
まあ「精神的」には違いないだろうが・・・・
763CC名無したん:03/04/09 22:37 ID:xgsBpaG6
なんかワラタw
764126:03/04/14 01:46 ID:LRRKWN0K
「・・・これが、その時のニュース映像です」
「すっごーい」
まわりから、みんなの声が上がる。
映し出されたのは、山の斜面に墜落した大型旅客機の様子。
今日は、校外学習の日。ここ友枝防災センターでいろいろな災害についてのお話を聞いたり
シミュレーションを体験することになっているんだ。
今、お話しているのはうちのかかりつけのお医者さんの施麗芸(シー・ライワン)先生。
昔、香港国際空港のあるランタウ島で起きた、700人乗り飛行機の墜落事故(注:架空の事故です)
での出来事をみんなに特別授業で教えてくれているんだ。
「この時、私はインターンになったばかりでした。同僚と現場に駆けつけ、けが人の治療に
あたったのです」
この事故では、しぃ先生がけがを治すために魔法を使っているところを見られてしまって、
そのことを隠すために、夜蘭おばあさんが、いろいろと大変だったんだとパパが言っていた。
「この時、私たちが最初に行うことはなんでしょう?」
しぃ先生の質問に、あちこちから声が上がる。
「病院に運ぶ」
「お薬をあげる」
「はげます」
「みなさんのお答えは正しいと思います。でも、最初に行うことは区別することなのです」
しぃ先生は、大きな名札みたいなものをみんなに見せた。
下のほうが、4色のストライプになっている。
「なんですか?」
まわりから質問の声が上がった。
765126:03/04/14 01:47 ID:LRRKWN0K
「これは、トリアージタグと言います。ここに、けが人の名前などを、
裏にはけがの場所を書き込みます。下の色は、けがの程度を示すものです。
1番下の緑色は、軽処置群 (Minor:Walking Wounded)、
つまり急いで治療を受けなくてもいい状態を示します。
2番目の黄色は、非緊急処置群 (Delayed:Serious Non Life Threating)、
処置・手術などが必要であるが、まだ時間がある状態を示します。
3番目の赤色は、緊急処置群 (Immediate:Life Threating Injury)
危険な状態ですが、比較的短時間に行える処置・手術で助かることを示します。
1番上の黒色は、不処置・非搬送群 (Morgue:Pulseless/No breathing)で
残念ながら亡くなった状態です。
最初にけが人を診た医者は、トリアージタグの下を切り取って、どのけが人を優先して
助けるのかを判断するのです」

こんなふうに、しぃ先生の特別授業は続いた。

「すごいんだぁ」
「僕も大きくなったら、お医者さんになろうかなぁ」
クラスの子達は、そんな会話をしている。あたしも、ちょっと感動してしまった。
健康診断や風邪をひいた時に、しぃ先生に診てもらうけど、あんな大事故で活躍していたなんて
ちょっと想像できなかったな。

「では、次は10時に、2階のAルームに集まってくださーい」
「知美ちゃん、次は何のコーナーだったかな?」
「確か、水害の体験コーナーですわ」
766126:03/04/14 01:48 ID:LRRKWN0K
「ぬぉ!ぬおおおお!」
がんばっているのは、中国拳法部の顧問をしている、小見(おみ)先生だった。
全力でドアを押し開けようとしている。
「かつて悪魔将軍と呼ばれ、スレまで立てた俺が、これしきのことでぇぇぇ!」
けれど、ドアの反対側には水が50センチほども貯まっていた。
ここは洪水の時などで地下まで浸水したら、水圧で脱出できなくなることを体験するコーナーなんだ。
小見先生は、こーゆーコーナーは絶対にやらずにはいられないらしい。
そして、ますます本気になってドアを開けようとしている。
「こうなれば、超人プロレス時代の必殺技を使うしかない!」
小見先生が、ぱっとドアから下がる。よくわからないポーズをとって必殺技を繰り出そうとした時、

ぱちーん!

「い、痛ーい、何をするんですか!」
小見先生を後ろから思いっきりハリセンで殴ったのは、担任の神宮司先生だった。
「神宮司先生、ど、どこから、そんな大阪名物を?」
「そんなことはどーでもよろしい!」
「へ?」
「いいですか、小見先生。ここは、水圧のすごさを体験して防災に役立てるコーナーなのです。
ドアが開いてしまったら、教育にならないでしょ!」
「は、はい。わかりました」
「わかれば、よろしい!」
「・・・」
クラス中のみんなの頭におっきな汗が浮いていた。
767126:03/04/14 01:50 ID:LRRKWN0K
がたん!
「きゃーっ・・・ですわぁ!」
知美ちゃんの叫び声があがる。
今、知美ちゃんが体験しているのは震度7の地震を体験するコーナー。
知美ちゃんは、床に固定されたいすにすわって、机のてすりに必死にしがみついている。
そして、その机の反対側では
「これしきの揺れ、かつての特訓に比べればちょろいわぁ!」
と、小見先生が、てすりからわざと手を離してバランスをとろうとしていた。
「せ、先生・・・」
クラス中のみんなの頭におっきな汗が浮く。
「まだまだぁ!」
見ていると小見先生は、いすの上に立ち上がろうとしている。
そこへ

ぱちーん!

神宮司先生のハリセンが、小見先生を地震コーナーからたたき出した。
「じ、神宮司先生、どこから私にハリセンを?」
床にたたきつけられた小見先生が神宮司先生を訴えるように言う。
「そんなことは、どーでもよろしい!」
「・・・はい」
「小見先生、ここは地震では普段のように行動できないことを体験するコーナーなのです!
バランスをとれたら、教育にならないでしょう!」
・・・神宮司先生って、すごい人だったんだ・・・あたしは、そう思った。
768126:03/04/14 01:53 ID:LRRKWN0K
地震のコーナーの次は、火事のコーナーだ。
みんなは消防についてのビデオを見た後、初期消火の体験コーナーに移動していた。
「こ、今度こそ・・・!」
意気込んでコーナーに向かおうとする小見先生を襟を掴んで止めたのは、神宮司先生だった。
「小見先生、いい加減にしてください」
「神宮司先生、今度こそ私の必殺技で必ず初期消火を成功して・・・」
小見先生の声は、神宮司先生のハリセンを見ると小さくなっていった。
「今度の体験コーナーは、生徒に参加してもらいます。
そうね、木之本さん、お願いできないかしら?」
「あ、あたしですか?」
「先生も一緒に手伝うから。みんなも、何度も同じハリセンオチは見たくないでしょう?」
「はーい!」
先生の言葉に、みんなも賛成してくれた。
「そうと決まれば、木之本さん、先生といっしょに来てくれるかな」

あたしと神宮司先生は準備室に入って行った。
「すみません、私とこの子で次のコーナーを体験することになったのですが・・・」
先生がそう言うと職員さんがロッカーから何かを取り出してきた。
「まず、もしもの時のために、これを着てくださいね」
渡されたのは、耐火エプロン。先生も大人用のものを受け取った。
「それから、これね。ちょっと重いけど大丈夫よね?」
「あの、これって!?」
あたしは渡されたものを見てびっくりしてしまった。
769CC名無したん:03/04/14 20:28 ID:PReqeZaN
悪魔将軍さんキタ━━(゚∀゚)━━━━!!!!!(ぉ
770CC名無したん:03/04/15 03:12 ID:gBj28OXq
すぺあ・ぱーつ

小狼は抜くと言ったが、抜かなかった。
さくらには子供ができたが、私生児ではなかった。
彼らは夏に結婚するはずだった。
しかし、小狼は怖くなって逃げ出した。

その冬、さくらは小さな男の子を産み落とした。

傷ついた心と、予備の部品が、世界を動かす・・・
771CC名無したん:03/04/15 03:25 ID:gBj28OXq
さくらは友枝町に戻り、息子を生んだ。
彼女は父にむかって言った。
「お父さん、わたしの人生は大きな過ちのような気がするわ」

さくらは子供の世話に明け暮れたが、彼女はまだ若く、外で遊びたかった。

そのころ、南テキサスの薄汚い油田で働く小狼は、風の便りにさくらが子供を
産み落としたことを聞き、二度と友枝町に戻らないと決心した。

予備の部品と、傷ついた心が、世界を動かす…
772CC名無したん:03/04/15 03:26 ID:gBj28OXq
さくらはカルヴァートンで子供を川に流した女の話を聞いた。
彼女はゆりかごの中の息子を見つめ、ひざを折って泣きながら祈り始めた。

霧が川面に立ちこめて静かだった。彼女は息子を抱いて川に入っていった。
腰まで水に浸かったとき、太陽が輝いた。
彼女は我に返り、息子を抱いて家に戻った。
息子をゆりかごで寝かせつけてから、彼女は部屋を見回した。
引き出しをあけ、婚約指輪を取り出した。
ウェディングドレスを取り、指輪をその飾りひもに結びつけた。

それからまっすぐに質屋に行き、いくらかのお金に換えた。

予備の部品と、傷ついた心が、世界を動かす…
773明日で:03/04/17 15:04 ID:7X7kfswH
1周年age
774あぼーん:あぼーん
あぼーん
775CC名無したん:03/04/17 16:14 ID:1OReWdTk
さくら板の猛者どもが心を洗われるいい話がスレ初期にありました
776あぼーん:あぼーん
あぼーん
777CC名無したん:03/04/18 17:36 ID:O3wNPq5x
一周年age
778山崎渉:03/04/19 23:39 ID:TXYbDW9q
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
779126:03/04/21 00:50 ID:n8D4tJ+z
あたしと神宮司先生がコーナーに行くと、もう始まっていた。
スタッフの人のお話にみんなが集中している。
「・・・と、いうわけで天ぷらを作っている時は、絶対にそばを離れないでください。
今、私の前にある天ぷら鍋の温度は180度です」
「天ぷらを揚げるのに、ぴったりの温度ですわね」
知世ちゃんの声がした。
「そうです。でも、このまま温度が上がってしまうと・・・」
「どうなるんですの?」
「あと5分ぐらいたって220度になると、白い煙が出てきます。
その段階なら、火を止めて、温度が下がれば火事になりません。
でも、350度ぐらいになると、油が発火してしまいます。
そうなったら、簡単には火は消えません」
「水をかけたら、だめですか?」
衛(ウェイ)くんの質問だ。
スタッフの人は、そらきたって感じで説明を始めた。
「天ぷら鍋の火事では、水をかけるのは絶対にだめです。
水は、油よりも重いため、油の下にたまってしまいます。その上・・・」
コーナーの壁に、ビデオを映し出された。
「油の熱で、水の温度が一気に上がって水蒸気になってしまい、爆発してしまうのです」
爆発のビデオを見たみんなから、「すごーい!」と言う声が上がった。
「せ、先生」
「なに、木之本さん?」
「あれを、あたしがこれで消すんですか?」
「そうよ。先生もそばにいるから、しっかりやってね」
780126:03/04/21 00:52 ID:n8D4tJ+z
「では、もし、天ぷら鍋に火がついてしまったら、何で消すのがいいのでしょうか?」
スタッフの人が、クラスのみんなに聞いた。
「消火器です!」
何人かが、すぐに答えた。
「そうです。でも、みなさんの家のキッチンに消火器はありますか?」
スタッフの人がそう聞くと、あちらこちらから「うちにはないよ」なんて話す声が聞こえてきた。
シナリオどおりだって表情をすると、スタッフの人はあたしと神宮司先生の方を見て言った。
「そんな場合は、みなさんのお友達が持っている、キッチンに必ずあるものを使えば
消すことができるのです!」
「木之本さん、みんなによく見えるように、両手で持って上に上げて」
「は、はい!」
先生に言われて、あたしは反射的に両手を上げた。
「う、うそー!それで消すのぉ?!」
みんなの反応は予想どおりだった。中には笑い出した子もいた。
「がんばってね。煙も多くなってきたし、そろそろ火が付く時間だから」
「・・・はい、先生・・・」
あたしは、業務用の特大マヨネーズを頭の上にして、みんなの視線をあびていた。

(がんばってください)
そんなすみれを見て、エドワードはつぶやいた。
781126:03/04/21 02:01 ID:n8D4tJ+z
まもなく、天ぷら鍋に引火した。
「あわてないで、ゆっくりとマヨネーズを入れてください」
スタッフの人はガスの元栓を止めながら、あたしに言った。
防火エプロンや手袋を身につけているから、燃えたりしないけど、やっぱりドキドキする。
思い切って、マヨネーズを鍋に入れる。
「ほぇ〜っ!」
あたしは、後ろに飛びのいた。いきなり、炎があがったからだ。
けれど、スタッフの人は慣れた感じで説明を続けた。
「熱でマヨネーズの容器が溶けると、中から出たマヨネーズのたんぱく質が膜を作って
酸素を遮断し、火が消えます。そろそろですね」
まもなく火が消えた。鍋の表面には膜ができている。
「マヨネーズで消火する場合は、量が少ないとだめなことがあります。えっ!?」
その時、鍋から消えたと思った火が、また上がった。
「ほぇ〜っ!」
あたしは、また後ろに飛びのいた。すると、プシューっという音がした。
すぐそばにいた神宮司先生が消火器を使ったのだ。火はすぐに消えた。
「大丈夫? 木之本さん」
「は、はい」
先生は、使い終わった消火器をくるくる回しながら言った。
「ほんと、先生もびっくりしたわ。毎年、校外学習でここに来るけど、こんなことになったのは
初めて。まるで、普通の火じゃないみたい」
「・・・普通の火じゃない・・・」
あたしは、先生の言葉を繰り返した。
782126:03/04/21 02:04 ID:n8D4tJ+z
初期消火の体験コーナーが終わった。
「じゃあ、次は外に出てください。他のクラスと合流して、最後に消防車の見学をします」
神宮司先生がそう言うと、みんなは移動を始めた。
あたしは、先生のところに行ってお願いした。
「どうしたの、木之本さん?」
「あの、今ので、飛び散ったマヨネーズが服に付いちゃったので、ちょっと洗って来たいんですが」
「それは大変。じゃ、パウダールームはあちらだから、急いでね」
「はい」

本当は服にマヨネーズなんて付いていない。
気になったことがあるからだ。それは、さっき先生が言った『普通の火じゃない』って言葉のせい。
自信はないけど、さっき消えたはずの火が燃えた時『気配』がしたような気がした。
みんなが出て行って部屋にいるのはあたしだけ。これなら、精神を集中できる。
そして・・・
(やっぱり、これは、クロウ・カードの気配だ!)
すると、気配が強くなってきた。
「!」
消火器の薬剤に埋もれたはずの天ぷら鍋から気配がする。
まもなく、薬剤が溶けると、中から炎が上がった。
そして、その炎が羽を生やした人のような形になった。
「あなたは・・・ファイアリー!?」

「光の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の目の前に示せ。契約の下、すみれが命じる」
「封印解除!」
ファイアリーのカードは、杖を手にしたあたしを見て、笑ったようだった。
783さくら姉さん@6代目:03/04/21 04:08 ID:NdcEhVXQ
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
784CC名無したん:03/04/22 02:54 ID:C+bp6pJh
マッテマシタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

次回がドキドキですな。
785CC名無したん:03/04/24 21:45 ID:Zp0TS5fE
ファイアリーキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
786CCすみれたん:03/04/26 09:11 ID:3NNgsldO
保守
787CC名無したん:03/04/28 11:05 ID:BNoW2t7J
次回に期待して メンテ
788126:03/04/29 01:44 ID:FuYexR03
そのころ、他のみんなは防災センターの広場で消防車について見学していた。
「今日は友枝消防署のご好意で、抽選で2人がはしご車のはしごに乗れることになりました」
龍平のクラスの担任である、寺田利佳が説明する。
「入場券の番号を見てください。入場券の番号が抽選番号になっているのよ」
クラスのみんなが騒がしくなる。あわててポケットから入場券を出しているのだ。
「あたるといいなぁ」
「一度乗ってみたかったんだ」

ぱちーん!

そのそばでは、本能的にはしご車のはしごに駆け上ろうとした小見(おみ)を
ハリセンでたたきとばしている神宮司がいた。
「では、みなさん、いいですか?では、よろしくお願いします」
先ほどまで消防車の説明をしていた消防士が、寺田の隣に立った。
「発表します。はしご車に乗れるのは・・・8番!」
「僕、8番です」
手を上げたのは龍平だった。
「じゃあ、木之本くん、こちらに来てください」
先生の声に、龍平が前に出る。
「ふたりめは・・・13番!」
「あ、当たった!」
ふたりめの当選者はエドワードだった。
「じゃあ、衛くんもこちらにきてください」
「あの、先生」
「どうしたの、衛くん。せっかく当たったのに?」
789126:03/04/29 01:45 ID:FuYexR03
エドワードは寺田理佳に言った。
「あの、僕、高いところが苦手なんです。それで、他の子に代わってもらいたくて・・・」
「そう、それは残念ね。でも、誰がいいかしら?」
「大道寺さんがいいと思います」
「どうして?」
「大道寺さんは、ビデオを持っていますから。はしごの上から撮ったビデオを後で
見せてもらえばいいと思います」
「それはいい考えね。大道寺さん、どうかしら?」
「衛くんが、そうおっしゃるのならわたしはかまいませんわ」
知美もOKする。
まわりからは「いいなぁ」「あたしも、龍くんとはしご乗りたい」というような声が上がる。
龍平は女の子に人気があるのだ。
「さぁ、龍くん、参りましょう」
知美は龍平をリードするように、はしご車のところに行く。
万一のことを考え、ヘルメットをかぶり、はしごから落ちないようにロープを付け、
消防士もひとり同乗する。
「それでは、みなさん、行ってまいりますわぁ!」
知美がビデオのスイッチを入れると同時に、鈍い音とともにはしごが上りだした。

(龍平くんのそばにいてあげてください。これから、たいへんですから)
伸びていくはしごを見ながら、エドワードはつぶやいた。
790126:03/04/29 01:47 ID:FuYexR03
「光の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、すみれが命じる」
「封印解除(レリーズ)!」

ファイアリーのカードは、杖を手にしたあたしを見て、笑ったようだった。
あたしには封印できっこないと思っているのに違いない。
以前、ケロちゃんが言っていたことを思い出した。
『ええか、すみれ。クロウ・カードには四大元素カードちゅうんがある。
ウィンディ、ウォーティ、ファイアリー、アーシーっちゅうのが四大元素カードや。
これらは高位カードで、使うのも封印するのも、大変なんやで』
ママがファイアリーを封印した時も、ウィンディとウォーティの2枚のカードさんを使って、
やっと封印できたんだって。
あたしはまだウォーティのカードさんを持っていない。
けれど・・・けれど・・・あたしは封印しなくちゃいけないんだ。
だって、あたしはカードキャプターだから。

「・・・なんとかなるよ。絶対、大丈夫だよ」
あたしは、ママの言葉を口にした。
791126:03/04/29 01:48 ID:FuYexR03
ファイアリーは、余裕であたしの方を見ている。
攻撃はまだだけど、部屋の温度が上がっている。
まず、みんなにわからないようにしなくちゃ。
あたしはカードさんを取り出した。
「空間をつなげ、彼の者を閉じ込めよ、ループ!」
空間に閉じ込められたのを見て、ファイアリーは少し驚いたようだったけど、
あたしを見てにやりと笑うと、手のひらの上に火の玉を出した。
「あなただけだけど、お願い、がんばって!」
あたしは、ウィンディのカードさんを取り出した。
「風よ、戒めの鎖となれ、ウィンディ!」
同時にファイアリーの手から、火の玉があたしたちに襲い掛かった。

「龍くん、どうかなさいましたの?」
知美は、はしごの上で龍平の様子がおかしいことに気が付いた。
「気配がする」
「気配って、まさか?」
「おねえちゃん・・・」
龍平は、防災センターの建物の方を見た。
792CC名無したん:03/04/29 13:05 ID:oS/NagdD
ファイアリーたん余裕の笑みキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
793CC名無したん:03/04/29 20:18 ID:rMUpXiF+
126さんの新作キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

> 「それでは、みなさん、行ってまいりますわぁ!」
なんか(・∀・)イイ!!

まさかファイアリーに対してループを使うとは思ってもいませんでした。

次回も期待してます
794名無しさん:03/05/03 00:22 ID:Hwk6PW0Q
ファイアリー余裕の笑みか、新CCスミレ ガンガレ!龍平とのコンビ封印の予感!
795126:03/05/04 03:04 ID:5C9kj4Bz
ファイアリーの力は一方的だった。
ウィンディーさんは、あたしに火がかからないようにするだけで精一杯だった。
ファイアリーの魔力がプレッシャーとなって、封印の杖を伝わってくる。
手がしびれて、杖を落としてしまいそうだ。
そうしている間にも、火の勢いはどんどん強くなっていく。
(やっぱり、ウォーティーのカードさんがいないと封印できない?!)
そんなあたしのあせりを見透かしたかのように、ファイアリーはにやりと笑うと、
さらに大きい火の玉を手のひらの上に出した。
(来る!)
大きな火の玉があたしにめがけて飛んできた。
「ウィンディ!」
ウィンディーさんが、あたしの目の前で盾になって、火の玉をまともに受けた。
「・・・さん!」
シューッという音とともに、ウィンディさんがその姿を崩してゆく。
そして、カードになって床に落ちていった。
すかさずファイアリーは、小さな火の玉をウィンディさんにめがけて投げつけた。
ウィンディさんが燃やされちゃう!
「だめーっ!!」
思わず、あたしはウィンディさんを守ろうと床をジャンプした。
796126:03/05/04 03:05 ID:5C9kj4Bz
「・・・うっ!」
あたしは床にジャンプした勢いで、反対側の壁に背中を打ちつけていた。
痛みをこらえながら自分の手を確かめる。
「よかった・・・」
手の中に、ウィンディのカードさんがあった。
「ありがとう、ウィンディさん・・・」
そんなあたしを見て、ファイアリーはあっけにとられていたようだけど
拝むようにして両手のひらを合わせると、ゆっくりと両腕を身体の前後に引き伸ばしだした。
手のひらの間には、火の弓矢ができている。
あれで、あたしを射るつもりなんだ。
どうしよう。ウィンディーさんじゃかなわない。
あたしは、封印の杖を握りなおすと立ち上がった。
「?」
その時、靴の下にぐにゃりとした感触がした。
「なに?」
見ると、それはさっきの消火実験でできた、マヨネーズの膜だった。

「クロウの創りしカードよ。我が鍵に力を貸せ。
カードに宿りし魔力を、この鍵に移し、我に力を!」
あたしは呪文を唱えだした。
797CC名無したん:03/05/04 23:52 ID:e5hZ5OuL
乙です!
次回はファイアリーたんがマヨネーズまみれに?(;´Д`)ハァハァ
798CC名無したん:03/05/09 23:20 ID:AsqnQlm8
新作キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
わくわく。
799126:03/05/12 01:40 ID:LscRCymy
「クロウの創りしカードよ。我が鍵に力を貸せ。
カードに宿りし魔力を、この鍵に移し、我に力を!サンド!グルー!」

『・・・中から出たマヨネーズのたんぱく質が膜を作って酸素を遮断し、火が消えます』
あたしは、さっきの実験で聞いた説明を思い出していた。
(酸素を遮断できれば・・・封印できる!)
ファイアリーの抵抗は強い。
あたしの身体にも、封印の杖を通じてファイアリーの抵抗が伝わってくる。
(サンドさん、グルーさん、ループさん、お願い!すみれといっしょにがんばって!)
あたしは歯をくいしばって、杖に力をこめ続けた。
サンドさんとグルーさんがファイアリーを包み込んで、酸素を遮断する。
ループさんが空間を縮めて、残りの酸素を減らしていく。

どれほど時間がたったのだろうか。
長い時間だったような気もするし、短い時間だったような気もする。
ふっと、封印の杖から感じる魔力の抵抗が消えた。
ファイアリーを包み込んだサンドさんとグルーさんから、弱々しい煙が立ち昇っている。

「汝のあるべき姿に戻れ、クロウ・カード!」

やっとの思いでファイアリーを封印した。いつの間にか部屋は元通りになっている。
「ありがとう、カードさんたち」
その時、あわただしい足音がして部屋のドアが乱暴に開けられた。
「木之本さん、まだここにいたのね!龍平くんが大変なの!早く来て!」
「神宮司先生、龍平がどうかしたんですか?!」
800126:03/05/12 01:42 ID:LscRCymy
すみれがファイアリーを封印しようとしていた頃、はしご車のバスケット(人が乗るところ)では
龍平に異変が起きていた。
心配そうに防災センターの方を見ていた龍平が、突然、がくっとひざを折った。
「龍くん、どうしましたの?!」
「ね、眠い」
「大丈夫?しっかりしてください」
龍平はバスケットの手すりによりかかる。
「おい、大丈夫か?」
付き添っていた消防士も龍平の様子がおかしいことに気が付いた。
「彼、気分が悪くなったようです。はしごを降ろしてくださいませんか?」
「わかった」
知美の言葉に、消防士は連絡を取る。
伸び続けていたはしごが止まった。

・・・がくん。

「龍くん!」
はしごが止まったショックで、龍平の身体がバスケットから投げ出された。
ロープで止めていたはずなのに、手すりがあるはずなのに、それらをまるですり抜けたように
龍平の身体が宙に放り出されたのだ。

「いやーっ!!」

知美の絶叫がこだました。
801CC名無したん:03/05/12 23:13 ID:pOUllgt8
キター!!
126氏乙です!
802CC名無したん:03/05/13 21:42 ID:MhXSFMf2
126さん乙!!
龍平どーなるんだああ!!
803126:03/05/19 00:36 ID:sjD8Wo9I
「風華招来!」
その呪文とともに、落ちていく龍平は風に包まれた。
そして、その身体は、クラスのみんなから見えないところに軟着陸した。
「・・・大丈夫・・・ね」
最初に龍平に駆け寄ったのは施麗芸(シー・ライワン)だった。
魔力を使って龍平を助けたのだ。
「木之本ぉおおおおおおお!」
続いてダッシュしてきたのは、小見(おみ)だった。
「だいじょおおぶかぁあああ!」
熱血な呼びかけに、施が答える。
「奇跡です。生きています!多分、そこの植木にバウンドしたからでしょうね」
「そぉかぁああ!よかったぁあああ!」
施の答えに、小見は猛烈に感動する。
「木之本くん!」
「りゅ、龍くん!」
続いて、担任の寺田と知美が駆け寄ってきた。
知美は、龍平の身体に抱きついて泣き続ける。
「大丈夫よ。手当ては必要だけど、龍くんは生きている」
施の言葉に、寺田と知美は安堵の表情を見せた。
「ほ、本当ですか?」
「ええ」
その答えが終わらないうちに、防災センターに黒塗りの車が入ってきた。
「お嬢様、お呼びでしょうか?」
車から降りて来たのは、大道寺家のガードレディたちだった。
804126:03/05/19 00:38 ID:sjD8Wo9I
「では、私たちを病院までお願いします」
「かしこまりました、お嬢様」
そう答えると、ガードレディたちは龍平を後ろの座席に乗せた。
「木之本さんのご両親には、私のほうから連絡しますから・・・」
施は寺田たちにそう断って、車に乗り込む。寺田たちに魔力のことを知られては困るのだ。
「では、連絡をお待ちしています」
寺田がそう話していると、神宮司とすみれが駆け寄ってきた。
「龍平!」
「すみれちゃん、こちらです」
知美の声を受けて、すみれは車に乗り込んだ。中には、気を失った龍平と施がいた。
「出してください」
知美の声を受けて、車は防災センターを後にした。

「しぃ先生、龍平が高いところから落ちたって・・・」
「ええ。でも、大丈夫よ」
「本当ですか、龍平、気を失っている・・・」
「大丈夫よ。手当ては必要だけど」
そう言うと施はポケットから何かを取り出した。
「それって、さっきの授業の」
「ちゃんと聞いていたのね。感心、感心」
施は龍平の右腕にトリアージタグを付けた。
そのタグの色は緑(軽処置群 (Minor:Walking Wounded))だった。

「なんとか無事に済んで、よかったですね」
遠ざかるすみれたちの乗る車が見て、エドワードはつぶやいた。
805126:03/05/19 00:39 ID:sjD8Wo9I
「・・・はい、回復剤を投与しましたから、後1時間程度で目をさますと思います。
ええ、やはり、高位カードの封印はかなりの負担になったかと・・・はい、では後で」
施はケータイの通話をきると、龍平が寝ているベッドのほうに戻った。
やすらかに寝息をたている龍平のそばで、すみれが心配そうに見守っていた。
そのそばで、知美はずぅーっと龍平の手を握っている。
「すみれちゃん、知美ちゃん、もう大丈夫よ」
「本当ですか?」
「ええ、今は薬のおかげで寝ているだけ。目をさませばいつもの龍平くんだから」
「よかったー」
ふたりは胸をなでおろす。
「今、ご両親には連絡したから。あとで迎えに来てくれるって。ところで、知美ちゃん?」
「なんですの?」
「設備が整っているのはわかるけど、どうして私の病院ではなく、ここに私たちを運んだの?」
車の中で、知美は行き先を施の病院ではなく、大道寺邸に変えさせたのだ。
「それはですね・・・ケータイから病院のセキュリティシステムにアクセスしてくださいな」
知美の言葉に、施はケータイを操作した。
「これは!」
「どうしたんですか?」
すみれが聞くと、施はすみれにケータイの画面を見せた。
セキュリティシステムを通じてそこに映っていたのは、施の病院を取り巻いている、
龍平のお見舞いに来た友枝小学校の女の子の群集だった。
「龍平って」
「龍平くんって」
「「ほんとうに、女の子に人気があるんだ」」
・・・ふたりの頭におっきな汗が浮いた。
806126:03/05/19 00:40 ID:sjD8Wo9I
「お腹すいたーっ」
テーブルの上でケロちゃんが大きな声を出した。
「ほんと、食い意地はってるな」
そのそばで、パパがお約束の突っ込みを入れる。
「なんやと!もういっぺん言ってみぃ!わいは、食いもんに対していつも真剣勝負なんや!」
「やめてよ、ふたりとも」
龍平がケロちゃんとパパをなだめている。
しぃ先生が言ったとおり、目が覚めた龍平は、いつもの龍平だった。
まもなく、パパとママがやってきて、あたしたちはいつものように家に戻った。
パパもママも、今日のことについては何も聞かない。きっと、しぃ先生がなにかを言ったんだろう。
「お待たせーっ」
ママがキッチンから大皿を持ってやってきた。
「今日は、龍くんの大好物だからねっ!」
龍平が、身を乗り出した。
「ほーっ、うまそうやないか!」
ケロちゃんの声もトーンが上がる。
あたしも・・・「ほぇ?」
「ほぇ?すみれちゃん、どうかしたの?変な顔をして?」
テーブルに置かれた料理を見て、あたしは、一瞬、固まった。
「だって、これ」
「すみれちゃんも好きでしょう?海老マヨネーズ」
「それは・・・そうだけど・・・」
あたしは、思わずつぶやいた。
「マヨネーズは、もうたくさん」

<すみれとドキドキマヨネーズ:終劇>
807126:03/05/19 00:43 ID:sjD8Wo9I
次回予告
今年も、友枝フードファイトの予選が始まったの。
毎年、雪兎おじさんが大活躍してるんだよ。
今年もみんなで応援に行かなくっちゃ・・・って、ほぇ〜っ!
なんでケロちゃんまでフードファイトに参加するの!?

カードキャプターさくらと小狼のこどもたち
すみれとこわ〜いお化けプリン

次回もすみれと一緒に
さくらと一緒に
封印解除(レリーズ)!
808CC名無したん:03/05/20 01:27 ID:XGsin+hD
小見先生のセリフ、脳内では檜山修之さんが絶叫してまつ。(w
809CC名無したん:03/05/20 02:29 ID:8GPrmGnr
126さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

龍平も何もなしでホッとしました。

で、お化けプリンはともかくケロちゃんまでフードファイト出るって...
どうやってか気になって仕方ありません。

次回作も期待してますm(_ _)m

>>808
(・∀・)ソレダ!!
810名無しさん:03/05/20 02:39 ID:vPyK7RRZ
クランプの新連載というかCC桜のその後日談が現実になったような!61ページ!

すみれとさくら達と一緒に、封印解除!
811126:03/05/20 21:56 ID:SOT69ooI
祭りでつので・・・

「すごい・・・」
ここは、玖楼国の城からそれほど遠くない、小さな家。
その家の中で、その若者は何かを机の上に広げ、見入っていた。
「こんな文字は見たことがない。この国のものなんかじゃないんだ・・・」
若者は、家具の上にある写真に、視線を向ける。
「父さん・・・」
その時、

どんどんっどん

その小さな家のドアがノックされた。

「はい」
若者がドアを開けると
「小狼!」
「わっ!」
いきなり抱きついてきたのは、その若者と同い年の少女であった。

どさっ

勢いあまって、ふたりは床に倒れこむ。
812126:03/05/20 21:57 ID:SOT69ooI
「おかえりなさい!遺跡の発掘どうだった!?怪我は!?
熱とか出なかった!?ごはん、ちゃんと食べてた!?」
そのままで、少女は次々と若者に質問をあびせかける。
「は、はい。大丈夫でした」
若者が、そう答えると
「敬語、ヤだって言った」
少女がつめよった。
「でも、姫・・・」
「さくらって呼んでって言った」
少女は、ほっぺたをふくらませて抗議する。
「はい、あ、いや、う・・・うん」
少女の機嫌はまだ悪い。
「さ、さ・・・さくら・・・」
その名前を呼ばれると、少女の顔に笑みが広がった。そして、
「ごめんなさい!重いよね!」
あわてて、さくらと呼ばれた少女は、若者の上から身体を起こす。
そして、さくらは小狼という名前の若者の前ですわりなおした。
「ほんとに、おかえりなさい。小狼」
「だだいま。良くわかり・・・わかったな。俺が帰ってきたって」
「今日、遺跡発掘隊の人たちがお城に来るの。発掘隊の人がお城に来るなら、小狼も
お家に戻ってきてると思ったんだ」
そう言うと、さくらは、ぴょこんと立ち上がった。そして
「これ、なんなの?」
先ほどまで小狼が見入っていたものを指差して聞いた。
「遺跡の拓本だよ」
813126:03/05/20 21:58 ID:SOT69ooI
「遺跡の壁に彫られていたんだ。見たこともない様式の家と、その家に住む4人の人たち、
それに羽の生えた動物が彫られている。そして、その回りの碑文は、発掘隊の誰も読めなかったんだ。
文字の種類が1000は超えているから・・・」
そうしゃべりながら、小狼はあることに気が付いた。
発掘から戻るたびに、さくらは発掘での出来事を聞きたがる。
だが、このお姫様は遺跡そのものにはあまり興味がない。小狼が持ち帰る遺物に興味を持つこと
なんて、これまでなかったのだ。それが拓本をじぃーっと見つめている。
「小狼、わたし、この家、知っているよ」
「え?」
小狼は驚いた。
文字だけでなく、遺跡に彫られていた家もまた、発掘隊の誰もが知らない様式だったからだ。
「知っているって、どこで?」
「夢の中!」

コケた小狼に、さくらは喜々として話し出した。
「この家は、魔法使いの一家が住んでいるの。お父さんとお母さんは小さい頃に知り合って
結婚して、男の子と女の子の双子の子どもがいるの。子どもたちも魔法使いで・・・」
他愛のない話だが、小狼は不思議と聞き流すことはできなかった。

この時、小狼は、さくらが語る、その一家が自分たちと同じ名前を持つことを知らなかった。
そして、さくらもまた、その夢が、さくらの持つ「次元を超える力」がほんの少しだけ
発動したためだということも知らなかった。

「でね、その魔法使いの名前がね・・・なんと!(さくらと小狼なの!)」
最後の一言を言おうとしたところで
814126:03/05/20 21:59 ID:SOT69ooI
リーン ゴーン

大音響が響き渡った。
「お城の鐘だ。もう、夕刻なんだな」
話を途中でジャマされて、さくらは床にコケていた。
よろよろと起き上がると
「鐘が鳴ったから戻らなきゃ」
「送っていくよ」
「ううん、小狼、お仕事で疲れてるもん。大丈夫。ひとりで帰れるよ」
そう言って、さくらは小狼の家を出た。
(なんか、お城の鐘で兄様に邪魔されたような気がする)

その頃、城では・・・
「うむ、下がってよい」
鐘の担当を下がらせた若き王に、幼なじみでもある神官が近づいた。
「民が迷惑をこうむります。姫が出かけた時に夕刻の鐘を早く鳴らすのは考え直してください。
いくら、妹姫が可愛くてもね、桃矢」
「うっせい」

この時、もうひとつの物語はまだ始まっていなかった。

<祭り記念:終劇>
815素晴らしい:03/05/21 01:22 ID:WaNFDxRp
 パロディなのに、おいらの知っているさくらたん達そのものだ。
 面白く、拝見させて頂きました。
 そうですね、そろそろ夏祭りのシーズンですね。
 もう、何年も行ってないけど(^^;
816CC名無したん:03/05/22 14:38 ID:3kqc4ca6
ノベライズキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
817CC名無したん:03/05/23 23:56 ID:XfOiS8FQ
早々と新連載ネタを取り入れるとは。
しっかりセリフにここの作品を取り混ぜて反映させてるあたり、
心憎い演出。126さん、芸にソツが無いよ。お見事!
818山崎渉:03/05/28 10:12 ID:obT/vVD2
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉
819126:03/06/02 00:57 ID:WAcwUHaJ
「♪にっちょく、にっちょく、にっちょくちょく。♪算数の宿題もなんとか終わったし〜、
ログを録って〜、お花かえ〜て〜、 みんなの机をきれいにしよう。
♪にっちょくにっちょく、私の・・・」
今日は、日直当番の日。早めに登校したあたしは教室で、思わず歌っていた。
その時、せきこむような音がした。ほぇ?そこにいるのは・・・
「お、おはよう、衛(ウェイ)くん・・・」
「・・・お、おはよう」
「聞いてた?」
スケジューラのログを録りながら、衛くんがこくんこくんと首をふった。
・・・そっか、今日の日直、衛くんとだったんだ。
なんて言ったらいいんだろう。
あたしは、なんだかはずかしかった。

その時、衛くんがケータイを取り出した。メールが着信したようだ。
「これは?」
衛くんはちょっとびっくりしている。
「どうしたの?」
「おばあちゃんからのメールだ・・・木之本さん、友枝フードファイトって知ってる?」
「うん、知ってるけど、どうしてそんなことを突然聞くの?」
「おばあちゃんが、出ることになったんだ」
「え〜っ!」
820126:03/06/02 00:58 ID:WAcwUHaJ
友枝フードファイトというのは、友枝テレビが主催する大食い大会のこと。
最近はいろいろな部門に分かれていて、大食いだけで優勝できるというわけでもないけど
それでも、あの張(チャン)教授ー衛くんのおばあちゃんのことなんだけどー
とフードファイトではイメージが違いすぎて、あたしはちょっと信じられなかった。
「おばあちゃん、何考えているんだろう?」
衛くんの頭におっきな汗が浮いている。
あたしの頭にもおっきな汗が浮いていた。
その時、あたしのケータイにもメールが着信した。
「ほ、ほぇ〜っ」
あたしは、びっくりした。
「ど、どうかしたの?木之本さん?」
「う、ううん、なんでもないよ。ただの迷惑メール」
あたしはそう言ってごまかした。こんなメールのこと、衛くんに言えないよ。

その時、
「いいわね〜。ふたりでメルアドの交換?先生、うらやましいなぁ」
教室に入ってきたのは神宮司先生だった。あたしたちがケータイを出していたから誤解したようだ。
「そ、そんなんじゃありません!」
「あわてなくてもいいのよ。クラスのみんなには黙っておくから。でも、日直はちゃんとやってね」
「で、ですから、そんなんじゃないんですっ!」
先生は、あたしたちを見てにっこり笑うと、今日の授業で使うスライドを教室のPCに
ダウンロードし始めた。
821126:03/06/02 01:00 ID:WAcwUHaJ
その日の夕方、すみれの部屋でケルベロスは熱くなっていた。
「よっしゃーっ。ここは、ケルベロス・スーパー・スペシャルやぁ!」
コントローラに力が入る。今まさに、ケルベロスの必殺技が炸裂しようとした時、

ぱたぱたぱた・・・

階段を駆け足で上がる音が聞こえたと思うと、ドアが乱暴に開けられた。
「いくでぇ!・・・なんや!?」
ケルベロスの身体がふっと浮いた。誰かに身体を持ち上げられたのだ。
「★иゞюЯ!」
突然のことでコントローラの操作ができない。ケルベロスのキャラはまともに攻撃を受けていた。
「せっかくのわいの必殺技が・・・なんすんねん!」
ケルベロスのプレイをジャマしたのは、すみれだった。
「ケロちゃんこそ、なにをしたの!」
すみれは、少し息を切らしていた。学校から走ってきたようだ。
「わいが、なんかしたんか?」
きょとんとしたケルベロスを机に置くと、すみれはケータイを取り出した。
「このメール、ケロちゃんでしょ!」
見せられたケータイの画面には、次の受信メールが表示されていた。

『友枝フードファイト参加確認メール:木之本ケルベロスさま宛て』
822CC名無したん:03/06/02 20:36 ID:ceT9tQOP
キター!!
食べ物がいっぱ(ry
823CC名無したん:03/06/03 00:17 ID:+8Z8DpyO
126さんの新作キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

>木之本ケルベロスさま
には思わず笑ってしまいました。
次回も期待していますです。m(_ _)m
824CC名無したん:03/06/08 03:38 ID:H8R4O4Sh
 
825126:03/06/08 15:45 ID:uOuS2W9y
「確かにわいのや。すみれのケータイ借りて申し込んでおいたんや」
「どーして?ケロちゃんがフードファイトに出たら、大騒ぎになっちゃうよ」
「それは、大丈夫や!」
「大丈夫って、どーゆーこと?」
不思議がるあたしに、ケロちゃんは説明を始めた。

「何日か前、テレビでこれまでのフードファイトを振り返る番組をやっとったんや」

『さぁ、時間まであと10秒、月城選手、余裕で食べ続けています!」
『ええなぁ。雪うさぎは・・・うまいもんいっぱい食えて・・・』
『既にライバルは皆リタイア!後は月城選手が自己最高記録を突破するかが注目のまとです
3・2・1・ゼロ!タァイーム・アップ!
月城選手、今年も優勝です!自己最高記録には及ばなかったものの、
15分でキムチ1瓶を無事にたいらげましたぁ!』
『キャーッ!月城せんせぇー、ス・テ・キィー!』
『お聞きください!場内から、教え子たちの声援が飛び交っています!
どうですか、月城さん、今のお気持ちは?』
『え、とってもおいしいよ。このムルキムチ』
雪うさぎは、いつものようににっこりと笑って答えよった。ありゃ、ほんまに天然やな。
『では、優勝商品として、友枝商店街から数々の豪華賞品が送られます!』
『ええなぁ。うまいもんいっぱい食えて、おまけにうまいもんいっぱいもらえて。
わいも、フードファイト出たいー』
そう思っていた時や。
画面が切り替わって、今度のフードファイトの出場者募集コーナーになったんや。
826126:03/06/08 15:48 ID:uOuS2W9y
『・・・今回のフードファイトからは、新しくロボペ(ロボットペット)部門が設けられることに
なりました』
『なんやと?!』
その説明に、わいはピーんと来た!ロボペの振りをするんなら、わいも出場できる!
『新企画のロボペ部門では、みなさんのご家庭のロボペの持つセンサーを生かした
フードファイトが行われます!優勝ロボペのブリーダーには、豪華商品として
スポンサーのごくまやからプリン100個が送られます!』
『こ、こぐまやのプリンやて!?これや、これこそわいのための企画や!』
『・・・以上、今年の友枝フードファイトに挑戦される方は、画面下の方法で
どしどしご応募ください!応募された方には、簡単な審査の上、友枝テレビから確認のメールを
送らせていただきます。では、皆さん、ご応募お待ちしていまーす!』
正直、わいは震えが止まらんかった。武者震いっていうんかいな。
『よっしゃーっ!これで、みんなを見返せるでぇ!これに優勝すれば、2度と小僧に
このケルベロス様を食い意地がはっているとか、言わせないですむんや!』

「ケロちゃん、優勝したら、みんな、ケロちゃんのことをもっと食い意地はってると思うよ・・・」
「うっ・・・とにかく!わいは早速応募することにしたんや!」

わいは部屋を見渡した。
『お、すみれのケータイが充電中や。これ、使わせてもらお』
そうして、わいはテレビ局のサイトから申しこんだんや。

「あ、それであたしのケータイにメールが来たのね!」
「そうゆうことやな」
827126:03/06/08 15:50 ID:uOuS2W9y
「ケロちゃん、でもだめだよ、フードファイトに参加するなんて」
「なんでや」
「やっぱり、ケロちゃんだもん。何か騒ぎを起こすに決まってる」
「すみれ、今、わいの話をようく聞いていなかったんか?」
「どうゆうこと?」
「わいが、優勝すればなにがもらえるん?」
「こぐまやのプリンが100個・・・こぐまやのプリン!?」
「そうや!」
こぐまやのプリンは、あたしもケロちゃんも大好物なんだ。
「わいが優勝すればプリンがぎょうさんもらえる。ケータイ使わせてもろうたから
すみれといっしょに食べよ思ってたけど、すみれがフードファイト出たらあかん言うんなら、
プリンはあきらめるしかないんかなぁ〜」
それを言われて、あたしも考え直した。
ケロちゃんの食べっぷりなら、確かにフードファイトで優勝できるかもしれない。
「わかった。ケロちゃん、あたしのケータイを勝手に使ったことは許してあげる。
そのかわり約束して。フードファイトでは、ずぇーったいロボペの振りしてね。
空を飛んだり、魔法を使ったりしないって約束して。そしたら、あたしがケロちゃんの
ブリーダーになって会場に行くから」
「約束する。空も飛ばんし、魔法も使わん。ふたりで優勝してこぐまやのプリン、ゲットしような!」
「うん!」
828CC名無したん:03/06/08 19:50 ID:pPNNOhFa
126さんの新作キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
雪兎さん食べてますねぇ(w

>『え、とってもおいしいよ。このムルキムチ』

先生らしくないこのズレたコメントに今回も笑いました。

>ロボペ(ロボットペット)部門

なんかここらでスッピーが出てきて暴れそうな悪寒(w

次回も楽しみです。
829CC名無したん:03/06/09 10:16 ID:TSCEKapG
新作キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
のはいいのだが、
>ロボペの持つセンサーを生かしたフードファイト
この辺りが微妙に気になります。ちゃんと可食物でるのか?
830CC名無したん:03/06/13 20:08 ID:KWC3pIDb
キタキタキタキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
雪兎さん相変わらずの天然大発揮ですなは
831126:03/06/16 01:11 ID:+w8eE0fv
「ところで、すみれ、もうひとつ相談がある」
「なに?」
「フードファイトにわいが出場すること、さくらや小僧には黙っておいてくれんか?」
「どーして?」
「わいが何か騒ぎを起こすに決まってるとかいうて、絶対反対するに決まっておる。
特に、小僧のやつ、ナイスで小粋なわいの活躍に嫉妬するよってな」
「・・・」
あたしの頭におっきな汗が浮いた。嫉妬はしない・・・と思う。
けど、きっと反対するだろうな。
「わかった。このことは、ママやパパに言わない。
あたし、ケロちゃんのこと信じてるし、こぐまやのプリンも欲しいもん!」
「わかってくれたかぁ〜。それでこそ、さすが、カードキャプターすみれや!」
「・・・えへ、そうかな?」
「・・・すみれ、ここですみれがぼけて、どうすんねん?ここはつっこむところやで!」

そんなふたりの漫才にもかかわらず、ケルベロスの出場は次の朝にはばれてしまったのであった。
832126:03/06/16 01:12 ID:+w8eE0fv
ピピピピピ・・・
「あふぅ。もう朝かぁ。ほぇ?ケロちゃん?」
あたしはまわりを見渡した。いつも、そばで寝ているケロちゃんがいない。
「いた、いた。ケロちゃん・・・ねぼけてるよぉ・・・」
アニメで見るような、大きな鼻ちょうちんをしながらケロちゃんは宙に浮いていた。
なにやら、寝言を言っている。とっても気持ちよさそうだ。
あたしは、カードさんたちにあいさつをして制服に着替えると龍平の部屋に行く。
「おそよー!朝だよ!」
龍平はあいかわらずだ。
「起きなさ〜い!」
あたしは、龍平のベッドからふとんをはぎとる。
「ゞ☆Ъ※・・・おねえちゃん・・・おはよう」

「そろそろ、すみれちゃんと龍くんが降りてくるころね」
ちょうど、朝食の準備ができたようだ。さくらは、まず、小狼の分を取り分ける。
「できたよー、小狼くん!」
「ああ」
小狼の前にお粥と油条(ヨウテャオ。お粥といっしょに食べる揚げパンみたいなもの)が置かれる。
「今日のお粥、自信あるんだ」
そう言って、さくらは小狼の顔をのぞきこもうとした。
すると、突然、目の前に不思議な物体が・・・
「「ほぇ〜っ!」」
さくらと小狼はのけぞった!
833126:03/06/16 01:13 ID:+w8eE0fv
「・・・むにゃ、むにゃ・・・すみれ、やったでぇ!わいが優勝や!」
ふたりのジャマをしたのは、ねぼけたケルベロスだった。
「ケ、ケロちゃん・・・」
宙に浮いたまま、すみれの部屋からダイニングまで降りてきたのだ。
「・・・これで、こぐまやのプリン100個はわいらのもんや!
すみれ、わいを信じてフードファイトに出てよかったやろ・・・」
あまりにも説明的な寝言が続く。
その時、
「おはよう・・・あーっ!、ケロちゃん!」
2階からすみれと龍平が降りてきたのだ。
「すみれちゃん、どうゆうこと?!ケロちゃんとフードファイトに出るなんて!」
ケルベロスの寝言を聞いてしまったさくらがすみれを問い詰める。

「ほぇ〜っ!ママとパパにばれちゃったよぉ〜!」
834CC名無したん:03/06/16 02:49 ID:u0dxfEqx
126さんの新作キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
>「「ほぇ〜っ!」」
小狼にも伝染(?)していたのか(w

あと、問い詰めるさくらに、ばれて狼狽しているすみれ、
そして「嵐」が起きているのに全然気づかずねぼけているケロちゃん...(*´Д`)

とにかく
ケロちゃんの「野望」が消えるのかが気になるところです。
(まあなし崩し的にOKなりそうな気配ですが(笑))
次回も楽しみです(゚∀゚)
835CC名無したん:03/06/19 21:13 ID:SmRwvX7d
ケロちゃんのアホー(w
836126:03/06/23 01:07 ID:4o3oGKGL
あたしは、あわてて説明する。
「ケロちゃん、いつも雪兎おじさんが活躍しているから、自分も出たいって思っていたんだよ。
それに、空を飛んだり、魔法を使わないって約束してくれたし、あたしがずっと付き添うから、
フードファイトに出てもいいでしょ?」
ママは困っている様子だ。
「でもね、ケロちゃんのことだから、きっと騒ぎを起こすに決まっているよ・・・」
そして、パパの方を向いた。
「どうしよう、小狼くん・・・ほぇ?」
見ると、パパと目が覚めたケロちゃんがいつもと同じようなやりとりをしていた。
「フードファイトに出場するとは、ほんと、食い意地はってるな」
「なんやと!わいは、食いもんに対していつも真剣勝負なんや!」
「ぬいぐるみ」
「なんやと、もう言ってみぃ、小僧!」
「あぁ、何度でも言ってやる。ぬいぐるみ、ぬいぐるみ!」
ふたりの間に、本当に火花が散っている。まずい・・・
すると、ケロちゃんはにやりと笑って言った。
「ははぁ〜ん。さては、小僧、わいのことを嫉妬しとるな?」
「なんだと?」
「この封印の獣、ケルベロスさまのナイスで小粋な活躍に嫉妬しとるんやな?」
「な、なにを?」
「そうやないか。もし、わいがフードファイトで優勝してみぃ。わいの人気は急上昇や。
それを嫉妬して、わいの出場に反対しておるんやろ?」
「し、嫉妬なんかしていない!」
「ほぅ。じゃ、なんで反対しよる?」
「う・・・勝手にしろ!」
837126:03/06/23 01:08 ID:4o3oGKGL
「パパ・・・」
「小狼くん・・・」
あたしとママの頭におっきな汗が浮いていた。こんなに簡単に言いくるめられるなんて・・・
とにかく、パパは反対できなくなったようだ。
「しょうがないわね・・・ケロちゃん、本当に騒ぎを起こさないって約束できる?」
ママがケロちゃんに質問する。
「おう!」
「空を飛んだり、魔法を使わないって約束できる?」
「おう!すみれと約束したんや。絶対に空を飛んだり、魔法を使ったりしない!」
「そっか。すみれちゃん、フードファイトっていつなの?」
「えっと、予選は今度の日曜日だよ」
「それなら、ママもいっしょに行けるわね。小狼くんのOKも出たし、ママもいっしょならいいわ」
「ほんとう?!ありがとう!ママ!」
「恩に着るでぇ、さくらさま!」
あたしとケロちゃんはママに抱きついた。
「・・・ママ」
「なに、龍くん?」
「朝ごはんは?」
「いっけないーい!遅刻しちゃうね!今、出すからね!」

こうして、いつものように(いつもよりはちょっとあわただしいけど)朝ごはんが始まった。
838126:03/06/23 01:10 ID:4o3oGKGL
そして、いよいよ予選が行われる日になった。
あたしとママ、ケロちゃんは会場になっている友枝ホールに向かっていた。
今日はパパは香港だし、龍平は桃矢おじさんのところに行っている。
「でも、ママ、なんで、今日はかすみちゃんになってるの?」
ママはカードを集めていたころの姿になっていた。
こんな時は『ママ』と呼ぶのもヘンだし、『かすみちゃん』と呼ぶのもヘンだと思う。
「木之本さくらでは、チケットが当たらなかったの。あたったのは、かすみで応募した方だけ」
出場者以外の観覧チケットは、抽選なんだ。
「今年も雪兎さん、きっと優勝だろうなぁ」
ママはとっても楽しそうだ。
「それに、今年は、木之本家からも出場者がいるし」
「おう!がんばるでぇ!」
ケロちゃんが、あたしのたまごリュックからひょいと顔を出して答える。
「この、封印の獣、ケルベロスさまにかかれば、フードファイトなんてちょろいもんや!」
「がんばってね。けど、ぜったい、魔法を使っちゃだめよ」
「おう!」

その時
「木之本さ〜ん」
とあたしを呼ぶ声が聞こえた。
「あ、衛(ウェイ)くんだ。それに張(チャン)教授もいっしょだ!」
そうだ、張教授もフードファイトに参加するんだった。
「おはよう!」
あたしは、思いっきり手を振ってあいさつした。
839CC名無したん:03/06/24 00:40 ID:1JTu25Wh
をを!フードファイト、遂に始まりましたね〜
すみれちゃんになったさくらたん…絶対何かありそう…
なにはともあれ続きが楽しみです!

…そういえばココの小説ってまとめページあったっけ?
840126:03/06/29 21:28 ID:bHOnCRwg
「おはようございます。すみれちゃんもフードファイトに出るの?」
張(チャン)教授がやさしくあいさつしてくれた。
「い、いえ、あたしじゃないです。ケロちゃんが」
「ケロちゃん?」
「ロボペです」
ケロちゃんは、あたしのたまごリュックでロボペのふりをしている。
「見たことのないタイプですわね」
「パパが香港で買ってきてくれたんです。日本には無い、珍しいタイプなんだそうです」
あたしはなんとかごまかした。
「おはよう!」
ママが衛(ウェイ)くんにあいさつする。
「お、おはよう」
衛くんは、顔を真っ赤にしてあいさつを返す。
「ほぇ?」
ママがきょとんとする。
「きょ、今日はおばあちゃんが、フ、フードファイトに出るんだ。それで」
衛くんはしどろもどろになって話した。
「そうなんだ!がんばってください!」
「ありがとう。月城さんにはかなわないと思いますけど、がんばりますわ」
そう答える張教授のそばで、衛くんは顔を真っ赤にしていた。

もう!
841126:03/06/29 21:29 ID:bHOnCRwg
「まぁ、まぁ、まぁ!」
「どうしたの?知美ちゃん?」
望遠撮影している知美に声をかけたのは、雪兎だった。
ふたりは、会場の入り口ですみれたちと待ち合わせしていたのだった。
「これは、お約束な展開ですわぁ〜。少女漫画にありがちな、この設定!
母もどんなに喜ぶことでしょう・・・」
うっとりしている知美に、雪兎は、もう一度声をかけた。
「ほら、すみれちゃんに、さくら・・・じゃなかった、かすみちゃん、それに張教授と
エドワードくんだ。今年は、みんなでいっぱい食べられるといいね」

「おはようございます」
「おはようございます」
みんなであいさつする。
「今日は、木之本助教授がおられなくて、残念ですわね」
と、張教授が雪兎おじさんに聞いた。
「桃矢は、今日発掘ですから」
「おにい・・・じゃなかった、パパは『どーせ、雪兎が優勝するに決まってる』って言って
毎年、決勝戦の日しか応援に来ないんです」
ママが、そう付け加えた。
「そうなんですか」
「それじゃ、そろそろ行きましょうか」
雪兎おじさんがそう言うと、あたしたちは、みんなで友枝ホールに入っていった。
842126:03/06/29 21:31 ID:bHOnCRwg
出場登録を終えて会場に入ると、もう人でいっぱいだった。
最初にあるのが、今年から始まったロボペ部門の予選。
「がんばってね」
「はい、月城おじさんと張教授もがんばってください」
あたしは、そう言って会場に向かう。
「ゼッケンは28番や。すみれ、28番のところにすわるんやで」
「わかってる。ケロちゃん、ロボペらしくしててね」
「おう!いっしょに優勝しような!」
たまごリュックから、ケロちゃんが答える。
「ここが、28番ね」
あたしは、28番と書かれた机に見つけた。
たまごリュックをおろして、ケロちゃんを机の上に置く。
「むむむ・・・」
「静かにして。まだスイッチ入れていないことになっているんだから」
そう言うと、ケロちゃんはぐったりとしたふりをする。
まわりを見回すと、他のブリーダーも席についている。
「・・・ロボペって、いろんなのがあるんだ」
ボディが金属や樹脂でできていて、いかにもロボットらしいものや、ぬいぐるみのようなものまで
いろいろ。人型もあれば、動物やアメーバみたいなのもある。

「木之本ケルベロスさんですね?」
「あ、はい!」
突然、声をかけられて、あたしはあわてた。
TV局の人だ。カメラとマイクがあたしたちに向けられていた。
843126:03/06/29 21:33 ID:bHOnCRwg
「どや、かっこええやろ!」
ケロちゃんがポーズをとる。
「あわわわ・・・ケロちゃん!」
思わず、あたしはケロちゃんを隠すようにして抱き抱えた。
「・・・今、スイッチを入れました?」
スタッフの人がちょっと驚いて聞く。
「芸人モードにしてましたから・・・」
あたしは、思わずごまかした。
「そうですか。それにしても珍しいタイプですね。私もロボペには詳しい方なんですが」
「日本にはないタイプです。パパが香港の信和中心で買ってきてくれたんです」

どーしよー。言い訳がどんどん苦しまぎれになるよぉ。
844CC名無したん:03/07/02 00:52 ID:FG+yKPVo
久しぶりに来たら126さんキテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

>ボディが金属や樹脂でできていて、いかにもロボットらしいものや、
>ぬいぐるみのようなものまで いろいろ。
>人型もあれば、動物やアメーバみたいなのもある。

こういうの見ていると>>829さんじゃないけど、可食物がでるのかほんとに
気になります(w

ケロちゃんの死闘(?)が楽しみです。
845126:03/07/07 01:19 ID:bYYByfdL
やがて、ブリーダーたちへのインタビューが終わると、いよいよ予選の時間が近づいてきた。
スタッフの人が、みんなに何かを配っている。
「おっ!うまそうやないか!」
「ケロちゃん、ロボペ、ロボペのふりだよ」
思わず食べそうになるケロちゃんをあわてて、止める。
目の前に置かれたのは、4つのおまんじゅうだった。
「すみれ・・・」
ケロちゃんが小さな声で、あたしに言った。
「第1回戦は楽勝や。まんじゅう4個やなんて、一瞬でぺロリやで」
「そうだね」
あたしもささやくように答えた。ケロちゃんのテンションが上がっていくのがわかる。

そのころ、観客席には知美とさくらがいた。
雪兎や張たちは、出場者とその付き添いなので、別のところにいる。
「ケロちゃんさん、はりきっていますわね」
ビデオを撮影しながら、知美が言う。
「うん、ケロちゃん、本当に張り切っていたもん」
その隣で、さくらが答える。
「でも、さくらさん、おまんじゅう4つなんて、フードファイトにしては少なすぎると思いません?」
「そう言えば、そうね・・・」
ふたりは、顔を見合わせた。
846126:03/07/07 01:21 ID:bYYByfdL
「それでは、競技方法を説明します」
司会者の声が場内に響いた。
「挑戦者の前には、くまやの芋あんまんじゅうが4つずつ置かれています。
この4つは、それぞれ製造時間が6時間ずつ、ずらしてあります。
第1回戦は、ロボペの持てるセンサーを活用して、3分以内に最も製造時間の古いまんじゅうを
見つけてください。ブリーダーの方々には、ロボペのセットアップアップタイムとして、
5分間が与えられます。この5分の間に、プログラムをセットしてください。
競技が始まったら、ブリーダーの方々はロボペにタッチすることはできません!
それでは、セットアップタイム開始まで・・・3・2・1・0!」
ピーッと言う音とともに、みんながあわただしくロボペのスイッチやコントローラを操作し始めた。

「ケロちゃん、聞いた?」
「おう!がんばるでぇ!」
そう答えるケロちゃんの様子がおかしい。いつもケロちゃんじゃない。
おまんじゅうを目の前にして、あっちの世界に行ってしまったようだ。
「聞いて、ケロちゃん!早食いや大食いじゃなくて、一番古いおまんじゅうを見つけるんだよ」
「おう!まんじゅう4個なんて、ぺロリやで!」
「あや〜聞いてないよぉ」
あせるあたしは、スタッフの人に見つめられているのに気が付いた。
スイッチを押したり、コントローラを使わないのが不思議らしい。
「あわわ・・・これ、音声認識なんです。パパが香港の信和中心で買ってきてくれたんです・・・」

ほぇ〜、言い訳が苦しいよぉ!
847CC名無したん:03/07/07 03:16 ID:IRu/nwbp
126さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

>ロボペの持てるセンサーを活用して、3分以内に最も製造時間の古いま
>んじゅうを見つけてください

なるほど、これが「センサーを生かしたフードファイト」ですか。
それなのに食う事のみのケロちゃんと言い訳する為にあたふたするすみれ
ちゃん(・∀・)イイ!!

案外食べた直後に「お腹痛い」とかで当ててパスして...(苦笑)
次回も楽しみです。m(_ _)m
848CC名無したん:03/07/07 21:31 ID:rzAx87AV
くまやさんですか
このアニメを見て、芋ようかんやらモダン焼きやら
今までに食べたことがない物を食うことが幾度かありました。
くまやってやっぱり「舟和」が元ねたなのでしょうかね
ttp://asakusa-noren.ne.jp/shop/funawa.html
849126:03/07/14 02:13 ID:toNLyudo
ブーッ

ブザーが鳴った。
「セットアップタイムは、後30秒です。ブリーダーの皆さん、お急ぎください!」
司会者の声が会場に響く。
他のブリーダーは、ロボペのセットアップに一生懸命なんだけど・・・
「まんじゅう、まんじゅうや」
「ケロちゃん、まだ、まだだよ」
あたしは、今にもおまんじゅうに飛びかかろうとするケロちゃんを止めるので必死だった。
「後5秒です!」
その声とともに、やっとカウントダウンが始まった。
「・・・4・・・3・・・2・・・1・・・スタート!」
「やるでぇ!」
同時にあたしの手を振りほどいて、ケロちゃんがおまんじゅうに飛びかかった。そして
「あぐっ」
という声(?)と同時に、おまんじゅうを飲み込んでしまった!
「・・・すごい・・・」
あたしが、驚いていると、ケロちゃんはそのまま2つめのおまんじゅうに飛びかかる。
「あぐっ」
今度も、おまんじゅうを飲み込んでしまった。
そのまま、あっという間に4つのおまんじゅうをたいらげてしまう。

「ケロちゃん・・・」
「ケロちゃんさん・・・」
観客席では、その様子から見ていたさくらと知美の頭に、大きな汗が浮いていた。
850126:03/07/14 02:14 ID:toNLyudo
しぃーはー

「ケロちゃん、そのつまようじ、どこから持ってきたのよ?」
4つのおまんじゅうを食べ終わるまで、10秒はかからなかったと思う。
ケロちゃんは、ぷっくりとふくらんだお腹をさすりながら、つまようじをくわえている。
そして、あたしの方をちらりと見ると、親指を立てて勝利のポーズをとった。
「はう〜。大丈夫?一番古いおまんじゅうを見つけるんだよ・・・」
あたしがそう言っても、ケロちゃんは余裕の表情だ。
あたしは、ふと気が付いて、他のロボペの様子を見る。
ロボットタイプのものは、センサーをおまんじゅうに突き刺しているのがほとんどだ。
アメーバーみたいなのは、全身でおまんじゅうを包み込んで調べている。
人型や動物型のロボペは、おまんじゅうを食べているけれど、ほんの一口程度。
すっかり食べてしまったのは、ケロちゃんだけだった。

「後5秒です!・・・4・・・3・・・2・・・1・・・タイムアップ!」

また、司会者の声が会場に響き渡った。これからゼッケン1番のロボペから、
一番古いおまんじゅうを当てていくのだ。

「・・・残念でした!ハズレです!」
司会者のおおげさな声がする。
意外に、ロボペのセンサーで古いおまんじゅうを見つけるのは難しいらしい。
当てたのは、3番、9番、14番、20番、21番・・・

ケロちゃんの番が近づいてきた。
851126:03/07/14 02:16 ID:toNLyudo
「なかなか当たらないものですわね・・・」
ビデオを撮影しながら、知美がつぶやく。
「ひょっとして、ケロちゃん、当てるかもしれないよ」
「そうでしょうか?」
「ケロちゃん、ああ見えても、意外にグルメなんだよ。
一気に食べちゃったけど、一番古いおまんじゅうも、ちゃんとわかっているよ、きっと」

だが、そんなさくらの根拠のない期待も、まもなく裏切られた。

「・・・28番、木之本ケルベロスさんですね?」
「おうよ!」
ケロちゃんが、大きな声で答える。司会者がびっくりすると、あたしはあわてて
「ケロちゃんは音声認識できますから。パパが香港の信和中心で買ってきてくれたんです!」
と、フォローした。
「・・・わかりました。
では、4つのまんじゅうのうち、一番製造時間が古いまんじゅうはどれですか?」
「うまかったでぇ」
「はぁ?」
ケロちゃんの答えに、司会者の目が点になった。
「4つともうまかったでぇ!」
「はぁ?一番古いまんじゅうを聞いているのですが?」
「そんなもん、うまかったらどうでもええやんか!」

ほぇ〜っ!最悪の展開だよぉ!
852CC名無したん:03/07/14 22:29 ID:JNsy2mT2
126さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

>「そんなもん、うまかったらどうでもええやんか!」

なんか期待以上の答えに思わず笑ってしまいました。ヽ(゚∀。)ノ

※>ほぇ〜っ!最悪の展開だよぉ!

読者としては有る意味最高の展開かも(w

ただ気になるのが、今回はカードが出てくるのか?
出てくるとしたら、どのような場面で出てくるのか?
です。
(出なきゃ出ないでそれはまた面白いと思います)

どうなるのか期待していたいと思います。m(_ _)m
853山崎 渉:03/07/15 11:43 ID:ROUBHaSl

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
854126:03/07/22 00:45 ID:25X78CAo
「あわわわわ!」
むぎゅ〜っ!
あたしは、ケロちゃんをつかまえると、たまごリュックに投げ入れた。
「ご、ごめんなさい!故障なんです!芸人モードがリセットできないんです!
これ、パパが香港の信和中心で買ってきてくれたんです・・・ははははは・・・」
あたしは、一生懸命笑ってごまかした。

「では、残念ながら、木之本ケルベロスさんは1回戦失格ということでよろしいですね?」
「・・・はい」
あたしは、たまごリュックを胸に抱いて、うなずくしかなかった。
(むぉ〜っ)
リュックの中では、ケロちゃんが暴れている。
「ケロちゃん、プリンはあきらめようね」
(むぉ、むぉ〜っ)

そのころ、観客席では
「・・・ケロちゃんって」
「・・・ケロちゃんさんって」
「・・・本当に食い意地がはってただけなのね・・・」
さくらと知美の頭に大きな汗が浮いていた。
855126:03/07/22 00:46 ID:25X78CAo
「残念だったね、すみれちゃん」
雪兎おじさんが心配そうに、あたしの顔をのぞきこんだ。
「い、いいんです」
あたしは、たまごリュックをかかえて、首をふった。

結局、ケロちゃんは失格になって、こぐまやのプリンはあきらめることになってしまった。
「でも、雪兎おじさんは、すごいですね。今年も余裕で勝ち抜いてるんですね」
「今年も、とってもおいしかったからね」
相変わらずの調子で、雪兎おじさんは返事をしてくれる。
今日は、余裕で3回戦まで勝ち抜いたんだ。
このまま、来週の日曜日の準決勝と決勝戦に出場することになる。
「本当に、お強いですわ」
その隣で張(チャン)教授がうなずいている。
張教授は、1回戦は勝ち抜いた。
1回戦は、机の上に並べられた100個のティラミスの中から、マスカルポーネチーズを
使って作られた20個を見つけて食べれば、勝ちだったんだ。
そこで張教授はちゃんと味見して食べたんだけど、雪兎おじさんは
「クリームチーズを使ったティラミスも、とってもおいしいよ」
と、全部あっさりと食べ終えてしまって1回戦を通過してしまったんだ。
けれども、2回戦はダメだった。
お寿司の早食いで、わさびが苦手だったからだ。
856126:03/07/22 00:48 ID:25X78CAo
「ですけど、参加賞はいただきましたから・・・」
張教授は、あたしたちにケーキボックスを見せてくれる。
「わぁ〜っ、おいしそう!」
中は、ぴよのレアチーズケーキだった。ここのケーキもおいしいんだ。
(むぉ、むぉ〜っ)
ケーキと聞いて、ケロちゃんがリュックの中で暴れている。
「ケロちゃん、静かにして!」
あたしは、あわててリュックを抱え込む。
「どうかしましたか、すみれちゃん?」
張教授が不思議そうに聞いてくる。
「な、なんでもありません。それより、本当においそうなケーキですね!」
「私とエドワードだけでは、多すぎますわ。
よかったら、みなさんでお茶会でもなさいません?私たちのマンションも近いですから」
「いいんですか?」
ママが張教授に確かめる。
「ええ、かすみちゃんもどうぞ」
「でも、きっとそのケーキだけでは、足りなくなりますよ」
「そ、そうですわね・・・」
ママと張教授の視線の先には、にこにこしている雪兎おじさんがいた。

「おばあちゃん・・・」
「・・・大丈夫です。他にもケーキやお菓子はありますから」
衛(ウェイ)くんと張教授の頭には、汗が浮いていた。
857CC名無したん:03/07/22 06:45 ID:MHBpZLvK
126さん乙です!!
ケロちゃんに続いて張教授も負けてしまいましたか。
決勝あたりで争うものと思ってましたが…
858CC名無したん:03/07/22 12:28 ID:9+Fr5Hu/
126さん乙彼です。
フードファイトがただの大食いではないところが(・∀・)イイ!!
859126:03/07/28 00:29 ID:Wxlo5tIP
「・・・ごちそうさま。おいしいお茶とお菓子、ありがとうございました」
「どういたしまして。また、みなさんでいらっしゃい」
「はい!」
あたしたちはお茶会を終えて、衛(ウェイ)くんのマンションを出た。
「張(チャン)教授の入れてくれるお茶って、本当においしいね」
あたしがそう言うと、ママは
「さすがイギリスって感じよね。
すみれちゃん、今度、張教授に教わった方法で紅茶を入れるから」
「わーいっ、楽しみ!」

「本当においしいお茶とお菓子だったね。知美ちゃんも楽しそうで、本当に良かった」
雪兎のことばに、
「ええ、本当に楽しかったですわ」
知美もにっこりと笑って答える。けれども知美の頭の中にはお茶やお菓子のことはまったく無かった。
(さくらさんを見て赤くなる衛くん、そんな衛くんを見てきょとんとする、ふんわりさくらさん、
そしてさくらさんと衛くんを見てどうしても意識してしまうすみれちゃん、
これは、少女漫画のお約束ですわ〜っ)
「知美ちゃん、なに、目をキラキラさせてるの?」
「な、なんでもありませんわ。母も喜んでくれると思います!」
「え?」
きょとんとする雪兎だった。
860126:03/07/28 00:31 ID:Wxlo5tIP
そんなすみれたちを、窓から見つめるふたりがいた。
「楽しかった?」
「ええ、とっても。フードファイトに出場したり、さくらさんに紅茶の入れ方をお教えしたり・・・
こんな経験、本当はできないはずですから」
「そうだね。ぼくも楽しかったよ。特に、あの気配」
「そうですわね・・・あんなに食欲に満ち満ちた気配は初めてです。とってもこっけいでしたわ。
そこに、エドワードがありったけのケーキやお菓子を出して、みなさんに勧めるものですから」
「すみれさんのリュックから、ケーキを食べたいというケルベロスの強烈な気配がしてたから、
ついつい、悪乗りしちゃったんだよ。ケルベロスの気配がどんどん強くなるのがおもしろかったね」
「エドワード、ひょっとして?」
「なに?」
「これから起こることを考えて、そのようなことを?」
「まさか。ぼくは、クロウ・リードのように完璧じゃない。本当におもしろかったんだよ。
でも、言われて気が付いたけど、確かにこれから起こることを考えると、好都合だったよね」
ふたりは互いの顔を見て、くすっと笑った。
861126:03/07/28 00:33 ID:Wxlo5tIP
「ええなぁ、ええなぁ!みんな、うまいもんぎょうさん食えて!」
「ケロちゃん!」
あたしのたまごリュックから、ケロちゃんが顔を出した。ものすごい剣幕だ。
「わいがロボペのふりをせにゃならんことをいいことに、みんなでうまいもん食いよって!
ぴよのレアチーズケーキやろ、ぽぷりのチョコレートケーキやろ、
マスダのガトーショコラやろ・・・」
ケロちゃんは、お茶会であたしたちがいただいたケーキやお菓子を次々と数え上げる。
あたしは、その記憶力にびっくりしていた。
「仕方ないでしょう。張教授に魔力のことを知られるわけにいかないし・・・」
ママがなだめるけど、ケロちゃんはおさまらない。
「こぐまやのプリンは、わいのもんになるはずだったんや!
さくら、いつもわいが言ってるやろ?わいは食いモンに対して、いつも真剣勝負なんや!
この恨み、ずぇーったいはらしたる!わいの思いが、いや、怨念が、
たとえプリンの『お化け』になって化けて出ようとも!」
「・・・なんでそうなるの?」
あたしの頭におっきな汗が浮いた。
このままではいけない。ママと相談してケロちゃんをなだめないと、と思って
「ママ、どうかしたの?」
「・・・」
ママの顔が青い。
「・・・お・化・け・な・ん・て・い・わ・な・い・で・・・」
まずい!ママはこわがりで、お化けとか幽霊とかいうことばに弱いんだ。
その時、
「すみれちゃん、あれを見てください!」
知美ちゃんの声がした。
862CC名無したん:03/07/30 15:09 ID:wpCkTuGq
ho
863CC名無したん:03/07/30 20:36 ID:2t39z6Y/
126さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

>これは、少女漫画のお約束ですわ〜っ
観察眼が長けているのはやはり母譲りというものなんでしょうかね(笑)

>ケロちゃんが顔を出した。ものすごい剣幕だ。
エドワードの「策略(?)」に見事にはまっているケロちゃんの反応が(・∀・)イイ!!

>「・・・お・化・け・な・ん・て・い・わ・な・い・で・・・」
真っ青になっているさくらタソ…(*´Д`)

>「すみれちゃん、あれを見てください!」
多分この後エドワードらが考えた何かが起こるのでしょうけど、
ケロちゃんの怒りがそれにどう作用していくのか楽しみです!!
864CC名無したん:03/08/03 21:51 ID:9BXhxgRu
素敵!!!!!!!!!!!!!!
865126:03/08/04 01:32 ID:Y20gpvSB
「あ、あれは?」
知美ちゃんが指差す方向に光の点が浮いた。
みるみるうちにその光が大きく広がったと思うと、その中から何か黄色いものが浮き出てきた。
「ほぇ〜っ!お化けだよぉ!幽霊だよぉ!」
ママがパニックになっている。
「そ、そんな・・・」
あたしは信じられなかった。
「知美ちゃん、あれってやっぱり・・・」
「わたしにも見えますわ。あれは」
「プリンや!ごっつうでかい『お化け』プリンや!わいの怨念が『お化け』になったんや!」
ケロちゃんのとどめのことばに、ママが徹底的にパニックになる。
「ほぇ〜〜っ!こわいよぉ〜っ!」
そして、雪兎おじさんはというと
「雪兎おじさん、どうしたんですか!」
突然、雪兎おじさんが立ち止まったかと思うと、そのからだが光に包まれた。
「ユエさん!」
雪兎おじさんの姿が羽に包まれると、ユエさんの姿が現れた。
そして翼を広げると、お化けプリンの方に向かって飛び立った。

「クロウ!どうして、こんなところに?!」
866126:03/08/04 01:33 ID:Y20gpvSB
ユエさんが飛び立つと、お化けプリンも、ものすごいスピードで空に飛び立った。
「ユエさん!」
「クロウ!待ってくれ!」
あたしの声は、ユエさんには聞こえていないようだ。
プリンとユエさんは、そのまま空に飛んでいった。
「ママ、どうしよう・・・ほぇ?」
「ほぇ・・・ほぇ・・・っ」
ママは、まっ青になって、ほえほえ言っている。こうなったら・・・
「光の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、すみれが命じる」
「封印解除(レリーズ)!」
あたしは、封印の杖を手にすると、フライのカードさんを取り出した。
「クロウの創りしカードよ。我が鍵に力を貸せ。
カードに宿りし魔力を、この鍵に移し、我に力を!フライ!」
「知美ちゃん、ケロちゃん、ママをお願い!あたしは、プリンとユエさんを追うから」
「わかりましたわ!」
「わかった。まかせとけ!こうなったら、プリンよりさくらの方が大切や!」

あたしは、プリンとユエさんを追いかけた。
「ユエさん!」
867126:03/08/04 01:35 ID:Y20gpvSB
プリンとユエさんは、ものすごいスピードで空中を移動していた。
不規則なコースで飛ぶプリンをユエさんが追いかけていく。
あたしとふたり(?)との距離は全然縮まらなかった。
ユエさんは必死でプリンを追いかけている。
そして、プリンに向かって叫んでいる。
「クロウ、待ってくれ!」
「ユエさん、落ち着いてください!」
あたしは、何回も叫んだけれど、ユエさんには聞こえていない。
プリン、ユエさん、そしてあたし。3人(?)の追いかけっこが続いた。

その時、
「これは?」
なにか別の気配がした。強力な魔力の気配だ。
「上のほうだ」
何か人のようなものが下りてくる。ユエさんもそれに気づいて、空中に停止した。
そして、その人はユエさんの前に下りてきた。そしてユエさんになにか話しかけている。
ユエさんは、その人を見てだまったままだ。
「落ち着くんだ、ユエ」
ユエさんに追いついて、あたしにもその人の声が聞き取れた。
「クロウ・リードはもう死んだんだ。死んだ者が生き返ることは決してない」
「あなたは・・・」
ユエさんに話しかけているのは、エリオルおじさんだった。
868CC名無したん:03/08/06 23:16 ID:V78xjL9Q
なんか自分の強く思うものが見えるというやつか。
そういやアニメ本編でもそんな話があったような・・・。
869126:03/08/11 01:47 ID:kz59HJcZ
「どうゆうこと?エリオルおじさんはイギリスにいるはずだけど・・・!」
あたしは、ユエさんの魔力が高まっていることに気が付いた。
エリオルおじさんに向かって、黙って右手を差し出している。
その右手に魔力が集中したかと思うと、てのひらの上に宝石のようなものができあがった。
「ユエさん、なにするの!?」
「消えろ、偽者」
ユエさんが静かに、けれども鋭い声で言うと、その宝石のようなものがエリオルおじさんに
襲い掛かった。
「ユエ!」
エリオルおじさんの顔が恐怖にゆがむ。攻撃をよけられない。
「だめぇー!」
あたしは思わず叫んだ。その時、
「シールド!」
エリオルおじさんの身体がシールドに包まれた。そして、その後ろから現れたのは
「ママ!」
「ミラーさん、危ないめにあわせてしまってごめんなさい。さぁ、カードに戻って」
エリオルおじさんが1枚のカードに姿を変える。そしてもう1枚のカードもママの手元に戻る。
あたしはママのそばまで飛んでいった。
「ママ、どうしたの?今のエリオルおじさんは?」
「今のエリオル君は、フロートのカードに乗ったミラーさんだったの。
けれど、やっぱり、ユエさんはごまかせなかったわね」

「・・・どういうことだ?」
ママをにらみつけて、ユエさんが言った。
870126:03/08/11 01:48 ID:kz59HJcZ
「落ち着いて、ユエさん。クロウさんは、もういないの」
ママがゆっくりと言葉を続ける。
「あなたが追いかけたのは、クロウさんの幻」
「うそだ」
「うそじゃないの。あなたが追いかけたのは、イリュージョンのカードなの」
「うそだ。あれは、あれは、確かにクロウだ!」
ユエさんが叫ぶ。
「ママ、イリュージョンのカードって?」
「その人が一番見たいもの、一番考えていることを映すカードなの」
「じゃ、あたしたちがお化けプリンを見たのは・・・」
「ケロちゃんが話していたから。ケロちゃんの話を聞いて、みんなプリンのことを考えていたの」
「それで・・・」
あたしは納得した。それで、プリンが見えたんだ。
「けれど、ユエさんは違う。ユエさんが一番見たいもの、一番考えていることはクロウさんなの」

「うそだ。うそだ。うそだ!」
ユエさんが再び叫ぶ。
「危ない、すみれちゃん!」
「きゃーっ!!!」
あたしは、突風のようなもので巻き上げられた。
871CC名無したん:03/08/13 01:22 ID:IWEg8L7E
>「うそだ。うそだ。うそだ!」
何かカヲルが実は使徒だと知ってしまったシンジ君を思い出してしまった(w
声優さんが同じなだけに。

だいぶ下がってるんで保守age
872あぼーん:あぼーん
あぼーん
873あぼーん:あぼーん
あぼーん
874CC名無したん:03/08/13 12:27 ID:LCszYxSc
sage進行でおねがい。業者五月蝿い。
それとも保守ageすると業者は避けられないものなのか。

話のほうは予想の付かない展開になってきたんで面白いです。
875あぼーん:あぼーん
あぼーん
876CC名無したん:03/08/13 13:53 ID:1/o06C2T
>>871
禿同。
877 :03/08/13 15:59 ID:DFybnOPM
http://pink-2ch.fans-club.com
おまんこの図鑑集 *有料じゃないです。
878山崎 渉:03/08/15 21:25 ID:AJrGutei
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン
879山崎 渉:03/08/15 23:32 ID:4chyVi+l
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン
880126:03/08/23 12:04 ID:AiydfdeD
「すみれちゃん!」
あたしの身体はママに受け止められた。
「ママ、今のは?」
「ユエさんの魔力。魔力のプレッシャーよ」
「ママは大丈夫なの?」
「大丈夫よ。ユエさんの魔法はママには効かないの。でも・・・危ない!」
再び、ユエさんの魔力があたしたちを襲う。
「シールド!」
あたしとママは、ママのシールドで守られた。
「まずいわね・・・ユエさん、魔力をコントロールできなくなっているわ」
「そんな!このままだと、どうなるの?」
「魔力が暴発して、ユエさんが壊れてしまう」
「そんな!なんとかしないと!」
「すみれちゃんは、危ないからここにいて。ママがなんとかするから」
ママは、あたしをシールドの中に置くと、ユエさんに向かって飛んで行った。

「ユエさん、落ち着いて!」
「黙れ!」
ママの声にユエさんが叫ぶ。
「あれは、あれは、確かにクロウだ!」
そして、ユエさんの身体から魔力が放出される。
「聞いて、ユエさん。このままだとあなたの魔力は暴発してしまうわ。
落ち着いて、わたしの話を聞いて!」
「うるさい!」
「ユエさん、どこに行くの!」
881126:03/08/23 12:10 ID:AiydfdeD
「どこにいるんだ、クロウ!」
ユエさんはママに背を向けると、ものすごいスピードで移動を始めた。
その後を、ママとあたしが追う。
その間も、ユエさんの身体からは不規則に魔力が放出される。
もしもママのシールドさんがなかったら、あたしはそのたびに吹き飛ばされていただろう。
「このままでは、ユエさんが危ないわ」
とうとうママはカードを取り出すと
「風よ、彼の者を捕らえよ。ウィンディ!」
けれども、ウィンディさんはユエさんをまったくつかまえられなかった。
まるで、コースを先読みされているみたいだ。その様子を見て、
「木々よ繁り、我の助けとなれ。ウッド!」
ママはウッドのカードさんも使う。
けれども、ユエさんはウィンディさんもウッドさんもすり抜けて行く。
「無駄だ。カードの動きは私にはわかる。私はカードたちが創られた時から知っている。
私よりカードを知るのは、クロウだけだ・・・」
「・・・ユエさん」
あたしには、ユエさんのことばの最後の方が涙ぐんでいるように聞こえた。
そうなんだ。ユエさんは、ママの持つカードさんたちの守護者としてクロウさんに作られたんだ。
だから、ママよりもカードさんたちについて知っているんだ。
でも・・・!

「すみれちゃん?!」
882CC名無したん:03/08/24 03:08 ID:XxOAHON/
むぅ・・・、続きが気になる。
126氏乙です。
883126:03/09/01 02:06 ID:BYcQS7Me
あたしは、封印の杖からフライさんを解くとカードさんを取り出した。
「縄よ、彼の者を捕らえよ。ロープ!」
カードから、ロープがユエさんに伸びていく。
「な、なんだ、このカードは!?」
ユエさんはロープさんに捕らえられる。
「やった!」
「・・・こ、こんなもの・・・うっ!」
「うっ!」
そして、あたしとユエさんは、同時にうめき声を上げた。
ユエさんの魔力が、あたしの中に流れ込んでくる。
「そうか!結婚式の時!」
思い出した。
ロープのカードさんは、封印した時、ミラーさんを動けなくして魔力も吸い取っていたんだ。
魔力を吸い取る・・・それもロープさんの力なんだ。
(まともに受けちゃだめ!魔力を化勁で流しきるんだ!)
あたしは、封印の杖を握りしめた。

やがて、ユエさんからの魔力が弱くなった。
「ユエさん、大丈夫?」
ユエさんが気を失っている。そして、
「ほ、ほぇ〜っ!」
気を失ったユエさんと、フライさんを使えないあたしは地上へと落ちていった。
884126:03/09/01 02:09 ID:BYcQS7Me
「ほぇ〜っ・・・あや?」
ふっと、身体が軽くなった。落下スピードが急にゆっくりとなる。
「大丈夫、すみれちゃん?」
「・・・ママ」
見ると、あたしとユエさんは、それぞれフロートのカードさんに支えられていた。
ママはフロートさんを2枚持っているんだ。
「無茶ね。すみれちゃんのフライは、封印の杖に羽を生やすタイプなんだから、カードを使ったら
空を飛べなくなるのよ」
「うん、わかってる。でも、ユエさんをなんとかしなくちゃと思って・・・それに」
「それに?」
「ママがそばにいるから、フライさんを空で解いても、きっと大丈夫だと思っていた」
あたしの言葉を聞いたママは
「・・・ばか」
その時、あたしが言うのもおかしいんだけど、それにママはカードを集めていた頃に戻っていて
あたしと同い年ぐらいだったんだけど、ママはやっぱり『母親』の顔をしていた。

「ユエさん、すみれちゃんのカードのことは知らなかったみたいね」
「うん。あたしのカードさんは、ママのより前に創られていたって聞いているから、
ロープさんならユエさんにも動きが読まれずに、どうにかできるかなって思ったの」
「このまま、ペンギン公園に降りるわよ」
「うん」
ペンギン大王が大きく見えてくる。
「すみれちゃ〜ん、さくらさ〜ん、大丈夫ですか?」
そして、そのそばには、あたしたちにビデオカメラを向ける知美ちゃんがいた。
885126:03/09/01 02:11 ID:BYcQS7Me
あたしたちは着陸すると、ロープさんの魔法を解いた。
フロートのカードさんを移動して、ユエさんをベンチに横たえる。
「ユエさん、大丈夫ですの?」
知美ちゃんがママに聞く。
「大丈夫。魔力を急激に失って、気を失っただけ。時間がたては回復するわ」
「それにしてもユエさんがこうなってしまうなんて、イリュージョンのカードさんって
強力なんですね」
知美ちゃんのことばに、ママはユエさんを見つめながら答えた。
「仕方ないよ。ユエさん、ほんとうにクロウさんのこと、大好きなんだから」

そして、あたしはあることに気がついた。
「ママ、ケロちゃんは?」
「イリュージョンのカードを追ってるわ」
「大丈夫なの?」
「大丈夫よ。真の姿になって追っかけたから、きっとつかまえられるわ」
「そっか」
あたしが安心すると
「それは大変ですわ!」
「どうして、知美ちゃん?」
「ケロちゃんさんには、イリュージョンのカードが巨大プリンに見えています。
封印どころか、カードを食べてしまわれるのでは・・・」
「「そ、それは・・・ありそう」」
あたしとママの頭におっきな汗が浮いた。
886CC名無したん:03/09/01 20:24 ID:7pL4LKX8
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!
>イリュージョンのカードが巨大プリン
>封印どころか、カードを食べてしまわれる

ないと断言できないw
887CC名無したん:03/09/01 20:34 ID:6uqfSfX+
キタ━━ヽ(゚∀゚)ノ━( ゚∀)ノ━(  ゚)ノ━ヽ(  )ノ━ヽ(゚  )━ヽ(∀゚ )ノ━ヽ(゚∀゚)ノ ━━!!
キタ━━  へ ) ━ (  ノ━ (  )ノ━ (  ) ━ へ  )━  へ ) ━ へ  ) ━━!!
キタ━━    > ━  >  ━ <  ━  <  ━    < ━    > ━    > ━━!!
888CC名無したん:03/09/02 15:49 ID:zXhGR+E1
さくら板は地下スレに限るね(*´д`*)
889名無しさん:03/09/03 01:00 ID:UNs2VoA/
ダブルCC ミラーさんも出てきて萌える展開、続きが楽しみ!
890あぼーん:あぼーん
あぼーん
891CC名無したん:03/09/03 23:55 ID:QIeq0F1S
>>あたしと同い年ぐらいだったんだけど、ママはやっぱり『母親』の顔をしていた。
幼女に見える子持ちで母親のさくらタソ・・・ハァハァ(;´ Д`)

126氏乙です。
892126:03/09/08 00:31 ID:H0ufG2Yh
「ママ、あたし、ケロちゃんを探してくる。カードさんを食べられたら大変だもん!」
あたしが、フライさんをもう1度使おうとすると
「その必要はなさそうですわ」
「どうして、知美ちゃん?」
「プリンとケロちゃんが、あそこに」
知美ちゃんが指差す方を見ると
「待てぇ〜!わいのプリン〜!」
真の姿になったケロちゃんがお化けプリン、じゃなかったイリュージョンのカードを追っかけていた。
「つーかまえたっ♪!」
ケロちゃんがプリンをつかまえた、というよりひしっと抱きついた。
「うまそうやなぁ、こないな大きいプリンは初めてや!」
「ケ、ケロちゃん、食べないでぇ!」
あたしたちが叫ぶ。
同時に、ジィーっという壊れたテレビのような音をして、プリンの姿が万華鏡のようなパターンになる。
「なんや、正体、現しよったか」
ケロちゃんはそう言うと、カードさんを抱えたまま、あたしたちの所まで降りてきた。
「お遊びは、もう終わりや。すみれ、封印や」
「うん、汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カード!」

こうして、あたしはイリュージョンのカードさんを封印することができたんだ。
893126:03/09/08 00:32 ID:H0ufG2Yh
「ケロちゃん、ひょっとして、プリンがイリュージョンのカードだってわかってたの?」
ママのことばに、ケロちゃんが答える。
「ああ、最初に現れた時からわかっとった」
「じゃ、どうして、カードだって言ってくれなかったの」
あたしの質問に、ケロちゃんが頭をかきながら答えた。
「同じ封印するなら、最後までプリンだと思ってた方が楽しいやろ?
そやから、わいはわざとカードの正体を言わんといて、プリンやと騒ぎたてたんや。けど・・・」
ベンチに横たわるユエさんを見て、ケロちゃんは言った。
「こいつには、そうはいかんかったな。
ユエのやつ、クロウに似て性格悪いんやけど、変なところがまっすぐなんや」
「・・・そうね」
ママとケロちゃんは、しばらくユエさんを見つめていた。
894126:03/09/08 00:34 ID:H0ufG2Yh
「やりました!月城選手、チャンピオン決定です!
今年の友枝フードファイトも、月城雪兎さんが優勝しました!月城さん、今のお気持ちをひとこと」
「え?とってもおいしいよ、このトムヤンクン」

決勝戦の日、あたしたちは友枝ホールまで雪兎おじさんの応援に来ていた。
「やっぱ、雪らしいよ」
あたしの隣で、桃矢おじさんがうれしそうに言った。
パパもママも優勝した雪兎おじさんに拍手をしている。
「今夜は、お祝いだね」
龍平もうれしそうだ。ただ、ケロちゃんだけは
「見とれ!来年こそは、わいのナイスで小粋な活躍を見せたるでぇ」
「だめだよ、ケロちゃん。また騒ぎを起こすに決まってるから」
あたしは今度は反対した。
「そんなことはない。来年こそ、この封印の獣、ケルベロス様がフードファイトのチャンピオンや!」
「ほんと、食い意地はってるな」
「なんやと!もういっぺん、言ってみぃ!わいは食いもんに対して、いつも真剣勝負なんや!」
パパとケロちゃんの、お約束のやりとりがまた始まった。
ふたりの声が大きいので、まわりの人があたしたちの方を見る。
「あわわ・・・」
(むぎゅ〜っ)
あたしは、ケロちゃんをたまごリュックに突っ込むと、
「ご、ごめんなさい!ロボペの故障なんです!芸人モードがリセットできないんです!
これ、パパが香港の信和中心で買ってきてくれたんです・・・ははははは・・・」
あたしは、一生懸命笑ってごまかした。
895126:03/09/08 00:35 ID:H0ufG2Yh
次回予告
ほぇ〜っ、冷蔵庫に、あたしのおやつがない!!!
友枝フードファイトで失格になってから、ケロちゃんのつまみ食いが止まらないの。
ママが言っても、ぜんぜん止めてくれないし・・・
そうだ、このカードを使ってケロちゃんを懲らしめちゃえ!

カードキャプターさくらと小狼のこどもたち
すみれと大きなシャボン玉

次回もすみれと一緒に
さくらと一緒に
封印解除(レリーズ)!
896CC名無したん:03/09/09 12:22 ID:5sF5uwIF
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
126氏乙です。
「シャボン玉」ってことは次に使うのはバブルのカードかな?
でもこれだと懲らしめるよりも逆にケロちゃんの体がキレイになって喜んじゃうかも(w
897CC名無したん:03/09/10 23:17 ID:uyExi1sk
>>896
アニメのネタですがな。
「クロウ、体洗うのにバブルのカード使うなー!」と言うあれ。

ケロちゃんに災難が・・・・
898CC名無したん:03/09/12 18:31 ID:cIUboSbA
保守
899CC名無したん:03/09/12 18:37 ID:cIUboSbA
保守
900CC名無したん:03/09/12 19:54 ID:TBqgkT0o
900ゲトー。
レス数が900を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。

126氏、お忙しいとは思いますが復活してくだたい。
901126:03/09/15 00:40 ID:6hhML9ek
「ほぇ?衛(ウェイ)くん、今日はコーラじゃないんだ」
ランチのトレイを持って、テーブルの向かいにすわろうとした衛くんにあたしは言った。
「うん、今日のコーラは、なんか変だったから・・・」
「変?」
コーラが変だってことがあるんだろうか。あたしは思わず、首をかしげてしまった。
衛くんは、学校のカフェテリアでお昼を食べるときは、いつもコーラを飲んでいる。
それが、今日、衛くんの持ってるトレイを見ると、アイスコーヒーだったんだ。
「さすがですわぁ〜」
と、隣にすわっている知美ちゃんが言った。
「って、なんで、知美ちゃん?」
「だって、すみれちゃん、衛くんがお昼に何を飲んでいるのか、よく観察していらっしゃるのですね」
「ほぇ?!」
あたしはちょっとしたパニックになった。
「そ、そんな。ただ、今日は、衛くんとは日直で、午後の授業の準備を一緒にしなくちゃならないから
一緒にお昼食べようってことになったわけで」
なんか勝手に口がしゃべっているようだった。
そんなあたしを見て、知美ちゃんはにっこりと微笑んでいた。
「どうしたの、お姉ちゃん?」
知美ちゃんの向かいにすわっている、龍平が聞いた。
その隣の衛くんも、不思議そうにあたしの顔を見ている。
「な、なんでもないよ。今日のランチ、おいしそうだね。いただきまぁ〜す!」
902126:03/09/15 00:41 ID:6hhML9ek
その時、
「あれ〜?、このコーラ、気が抜けてる!」
カフェテリアのどこかから声がした。
「わたしのコーラも、気が抜けてるわ」
「ぼくのコーラもだ!」
「わたしのティーソーダも、気が抜けてるわ!」
たちまち、カフェテリア中が騒がしくなった。
スタッフのおばさんが、あわてて飲み物のサーバーを確認する。
「おかしいわね。炭酸飲料が全部、ダメになっているわ。サーバーの故障かしら?」
結局、気の抜けた炭酸飲料を頼んだ子たちは、他のジュースなどに交換してもらっていた。

「衛くん、それで今日はアイスコーヒーにしたの?」
「うん、まぁ」
衛くんは、サーバーの方を見ながら、あたしに返事した。
903126:03/09/15 00:42 ID:6hhML9ek
そして、お昼を食べたあと、あたしと衛くんは理科室に向かった。次の授業の準備をするためだ。
「木之本さん、それはこっちだよ」
「うん」
ふたりで、ペットボトルを机の上に配っていく。
この後の授業は、シャボン玉の実験。
「これは、つかさちゃんのグループのシャボン玉液だから、こっちの机だね」
2日前の授業で、あたしたちはシャボン玉液を作った。
材料は、お水に、台所用洗剤、洗濯のりにガムシロップやゼラチンや蜂蜜。
洗濯のりなんかを加えると、シャボン玉が丈夫になるそうなんだ。
グループごとにレシピ(っていうんだね。お料理じゃないのに)を変えてシャボン玉液を作ったんだ。
なんでも、シャボン玉液っていうのは、作ってから時間をおいてなじませた方が、
丈夫で大きいシャボン玉を作れるっていうわけで、その日は作った液をペットボトルに入れておいて、
いよいよ今日、実際にシャボン玉を作るんだ。

次に、シャボン玉を作る器具を配っていく。
ストローや、いろんな形の吹き口。それにフラフープに、ビニールのプール。
あたしと衛くんは、各グループに1セットずつ配っていく。
「うまくいくといいね」
特に楽しみなのは、フラフープを使って、人が入れる大きなシャボン玉を作ること。
「シャボン玉の中って、どんなだろう。楽しみ!」
「準備はできたようね。まだ、10分前なのに感心、感心」
その時、理科の葵先生が理科室に入ってきた。

904126:03/09/15 00:44 ID:6hhML9ek
「はう〜。うまくいかないよぉ」
実験が始まると、あたしたちは困っていた。
どこのグループも、うまくシャボン玉を作れないんだ。
全然、吹き口につかない液もあるし、泡が細かすぎてすぐに割れてしまう液もある。
とにかく、どこのグループもだめなんだ。
そんなみんなの様子を見て、先生も困っていた。
「おかしいわね・・・いくらなんでも、ひとつのグループも作れないなんて・・・」
先生は腕を組んで少し考えた後、
「みなさん、少し待ってね」
と言って、準備室の方に行った。
そして、まもなくペットボトルを抱えてくると、あたしたちのグループのところまで来た。
「これは、先生自慢のレシピで作った特製液なの。これなら、絶対、シャボン玉を作れるわ」
先生は、ビニールプールの真ん中に台を置くと、
「さぁ、木之本さん、ここに立って。先生特製の巨大シャボン玉に入れてあげるから」
「は、はい!」
あたしは、あわてて、台の上に乗る。
半分あきらめていただけあって、いよいよ、シャボン玉の中に入れるかと思うとドキドキする。
「じゃ、液をそそぐわよ」
先生が、液をプールに入れ始めた。
(ほぇっ?この感じ)
その時、
「木之本さん!」
「ほぇっ?!」
衛くんの声がした。
905CC名無したん:03/09/16 20:36 ID:4ABF+Tmz
保守
906CC名無したん:03/09/17 13:43 ID:LyYz047b
126さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
仕事で随分長い間見れなかったので...じっくり見れました。(*´Д`)
なんか今回は展開が速そうな予感...次回も楽しみであります。
907126:03/09/21 13:44 ID:Pi2v77CH
「★※Ωё!」
突然、衛(ウェイ)くんがあたしに飛びかかってきた。
「衛くん、ほぇ〜!」
そのまま、あたしたちは理科室の床に倒れこんだんだ。すると

ざっぷーん!!!

「衛くん、大丈夫!」
葵先生が叫んだ。
先生が入れたシャボン玉液から突然大きなシャボン玉ができて、はじけたんだ。
はじけた液は、衛くんに思いっきりかかっていた。
「・・・大丈夫じゃ・・・ないです」
衛くんは、ほんとうに気持ち悪そうだった。
「木之本さんは?」
「あ、あたしは腕と袖にちょっとかかっただけです・・・でも・・・ベトベトしてます」
「大丈夫ですか、すみれちゃん!」
知美ちゃんが駆け寄ってきた。
「大丈夫だよ。衛くん、ありがとう。衛くんのおかげだよ。
でも、どうしよう。衛くんの服、ベトベトになってる・・・」
「そうだ!」
「なに?」
「今日は、クラブがあったんだ。クラブの練習服に着替えればいいよ」
「そっか」
あたしたちは、先生の許可をもらって、着替えることにした。
908126:03/09/21 13:45 ID:Pi2v77CH
クラブの練習服に着替えて理科室に戻ると、結局、実験は中止になっていた。
そして、みんなは去年の実験のビデオを見ていたんだ。
「・・・このように色が黒くなると、シャボン玉は形を保てずに割れてしまいます」
「どうして、シャボン玉は割れてしまうんですか?」
「理由はいろいろありますね。ほこりやちりがついて、膜が薄くなってしまった場合、
水分が蒸発して膜が作れなくなった場合、重力で液が下に溜まってシャボン玉の上の部分が
薄くなっても、シャボン玉は割れてしまいます・・・」
授業は続いていたけど、あたしはあまり聞いていなかった。
なぜって、
(さっきの感じ・・・あれは確かに・・・)
909126:03/09/21 13:50 ID:Pi2v77CH
「残念でしたわ・・・」
理科の授業が終わって、理科室から教室に戻る途中、知美ちゃんがため息をついた。
「そうだね。シャボン玉、作れなかったから」
「そうではありませんわ」
「ほぇ?」
「すみれちゃんが、あやうくシャボン玉液をかぶってしまうというところを助けた衛くん。
あのときの衛くんは、まるで王子様が愛するお姫様を助けるかのようでしたわ。
そのおふたりの名場面をビデオで撮影できなかったなんて・・・とっても残念・・・」
「はうー」
あたしの頭におっきな汗が浮いた。
「それに、おふたりでおそろいの中国服で戻られたところも撮影できませんでしたし・・・」
「こ、これは、中国拳法の練習服だし、それをペアルックみたく言われても・・・」
「とにかく、2度も撮影チャンスを逃すなんて・・・」
知美ちゃんが、また大きなため息をついた。
「それより、知美ちゃん」
「なんですの?」
「さっき、シャボン玉液がはねたとき、気配を感じたの」
「気配って、まさか?」
「うん、あれは確かにクロウ・カードの気配だったよ」
知美ちゃんの表情が輝いた。
「それでは、今晩はカードキャプターの出番ですわね!
ああ、またすみれちゃんの活躍を撮影できるなんて・・・超絶幸せですわ〜っ」
そんなキラキラしている知美ちゃんに、あたしは
「今日はクラブがあるから、ママと学校に来るのは遅くなるかも・・・」
と言うのが、やっとだった。
910126:03/09/21 13:51 ID:Pi2v77CH
「ただいまーっ」
「お帰りなさい。ほぇ?どうして、制服じゃないの?」
ママがあたしの練習服姿を見て、聞いてきた。
「うん、いろいろあったんだ。後で話すよ。それより、今日はクラブあったから、おなかすいたぁ」
あたしは制服をママに渡して、冷蔵庫に直行する。冷蔵庫には
「ほぇ〜っ!!!あたしのおやつがない!!!」
あるはずの、こぐまやのプリンがなかった。
あったのは、空っぽのカップだけ。この食べ方は・・・
「ケロちゃん!」
ぱたぱたぱた・・・
あたしは、2階に駆け上る。
「ケロちゃん、また、あたしのおやつをつまみ食いしたでしょ!」

友枝フードファイトで失格になってから、ケロちゃんのつまみ食いが止まらなくなった。
おかげで、この1週間ほど、あたしはおやつを食べられないでいる。
ママに止めるように言ってもらっても、
「ええやないか。たかが、おやつやし。おやつかて、このケルベロス様に食べられた方が幸せや」
って感じで、どうしようもならないんだ。
「「う〜っ」」
あたしとケロちゃんがにらみ合っていると、あたしの制服を手にしたママが部屋に入ってきた。
「おやつはまた買ってあげるから。それより、すみれちゃん、この制服、気配がするんだけど」
「気配?カードの気配か」
ケロちゃんが聞き返す。
「うん、そうなんだ」
あたしは、ママとケロちゃんに今日あったことを話し出した。
911CC名無したん:03/09/21 14:02 ID:Vwjq1NWG
すみれたんのプリンを横取りとはケロちゃん許せん
912CC名無したん:03/09/21 14:30 ID:gzM6gk7+
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!! 126氏乙可憐
913CC名無したん:03/09/24 18:32 ID:KgsfabW9
保守
914126:03/09/29 00:48 ID:xtjt3nsQ
「「で、結局、こうなるのね」」
その夜、友枝小学校の校門前で、バトルコスチュームに着替えたあたしとママは言った。
「知美に知られたら、こうなるってわかりきったことやないか」
ケロちゃんがお約束のせりふを言う。
「おふたりとも、すてきですわ〜」
あたしたちを撮影しながら、知美ちゃんが言う。
「わいも撮ってくれ〜」
ケロちゃんが、カメラの前で次々とポーズをとる。
「ところでケロちゃん、何のカードだと思う?」
ママの質問に
「すみれの話が本当なら、おそらく、バブルのカードやろな」
「まぁ、どんなカードさんですの?」
「泡を作ったり消したりするカードや。昼間のカフェテリアで、コーラの気が抜けたのも
理科の授業でシャボン玉ができなかったり、いきなりシャボン玉ができたりしたのも、
バブルのカードの仕業に違いない」
「わたしも、そう思う」
ママが校舎のほうを見つめる。
「・・・感じるよ。クロウ・カードの気配」
あたしとママ、知美ちゃんとケロちゃんは、学校に入っていった。

「こちらの方ね」
「このまま行くと理科の準備室の方だよ、ママ」
あたしたちは準備室の入り口まで来た。
「気配が高まってきとる。すみれ、さくら、気をつけや」
915126:03/09/29 00:50 ID:xtjt3nsQ
準備室のドアを開けると、その中には泡でいっぱいだった。
「やっぱりや!これはバブルのカードや」
ケロちゃんが叫ぶ。
「すみれ、さくら、急ぐんや。今のうちにせんと、学校中泡だらけになって封印できなくなるでぇ!」

ママは、星のペンダントを取り出した。
「星の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、さくらが命じる」
「封印解除(レリーズ)!」
そしてあたしは
「光の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、すみれが命じる」
「封印解除(レリーズ)!」

「知美ちゃんは、危ないから下がって!」
あたしはそう言うと、カードさんを取り出した。

「グルー!」
バブルがこれ以上広がらないように、グルーさんで固めてしまうんだ。
「いけませんわ、すみれちゃん!」
「いけないって、ど、どういうこと?」
916126:03/09/29 00:52 ID:xtjt3nsQ
「すみれちゃん、どうしてグルーさんを使われたのですか?」
「泡をグルーさんで固めてしまえば、これ以上広がらないと思って」
「理科の授業で、先生のお話を聞かれなかったのですか?」
「ほぇ?」
知美ちゃんのことばに、あたしは固まった。こんな時に理科の授業の話をするなんて・・・
「シャボン玉液を作るときに、先生がお話になりましたでしょう?
液に洗濯のりを入れると、シャボン玉が丈夫になって、割れにくくなるって」
「そ、そう言えば・・・」
グルーさんに固められたバブルは、なんだかさらに気配が強くなったようだ。
「ふたりとも下がって!」
ママはあたしたちの前に立つと、カードさんを取り出した。
「アロー!」
アローさんは、バブルめがけて何百本もの矢を射った。
けれど・・・
「矢がはじかれとる!」
アローさんの矢は、バブルを割るどころか、はじかれてしまったんだ。
「って、あたしのグルーさんで、バブルが丈夫になっちゃったから?!」
「そうみたいやな」
そうしているうちに、バブルの気配がますます強くなってきた。
「とにかく、ここは逃げるんや!」
あたしたちは走り出した。
「「ほぇ〜っ!」」
917CC名無したん:03/09/30 18:34 ID:x5vb1mxh
捕手
918CC名無したん:03/10/02 22:29 ID:Z4UM3fod
保守
919CC名無したん:03/10/05 09:28 ID:UTfrXVVx
ほしゅ
920CC名無したん:03/10/08 12:00 ID:I/YSuPU5
保手
921CC名無したん:03/10/13 14:51 ID:X2kWBveA
保守
922126:03/10/13 22:32 ID:OJPkcpUI
「ほぇ〜っ!アローがだめだなんてぇ!」
ママは泣き出しそうだ。
「ママのバブルさんは、アローさんで封印したの?」
「そうよ。でも、アローがだめとなると・・・どーしよー、小狼くぅん!」
あたしたちの後を、バブルが追ってくる。
「なんとかしないと、学校中、泡だらけになりよるでぇ!」
(みんなで)「ほぇ〜っ!」
あたしたちは、校庭に逃げ出した。あたしたちを追って、バブルも校庭に流れ出てきた。

「すみれ、なんとかして、全部の泡を割るんや。そうしないと、バブルは封印できん」
「って、どうすれば・・・」
あたしは、思わず知美ちゃんに聞いた。
「すみれちゃん、今日の理科の授業を思い出してください」
「ほぇ?」
「今日の授業で、シャボン玉が割れる理由を、先生がお話になられましたでしょう?」
「はう!」
あたしはまた固まった。あの時、カードの気配が気になって、授業をほとんど聞いていないんだ。
「ごめん、知美ちゃん、よく聞いていなかったんだ。言ってくれない?」
「まず、ほこりやちりがついて、膜が薄くなってしまった場合ですわ」
「だめだよ。アローさんでも割れないんだよ」
「次は、水分が蒸発して膜が作れなくなった場合ですわ」
「それなら、ファイアリーさんを使えば・・・ううん、だめだよ。学校が燃えちゃう」
「3つめは、重力で液が下に溜まってシャボン玉の上の部分が薄くなる場合ですわ」
「そんなぁ、重力をコントロールするカードなんて持っていないよ。
・・・でも、そうだ、ママ、あのカードさんなら!」
923126:03/10/13 22:34 ID:OJPkcpUI
「ビッグ!」
ママがビッグさんを使うと、バブルの泡はあっという間に大きくなった。
「「ほぇ〜っ!」」
あたしたちは、息を飲み込んだ。
ひとつひとつの泡が5メートルにもなるかと思ったとき、

ぱしゃん!

みたいな音がして、泡がはじけた。
「やりましたわ、すみれちゃん!」
「うん、大きくなりすぎて、自分の重みで壊れたんだ!」

ぱしゃん!ぱしゃん!

大きくなった泡は、次々と壊れていった。
「今や!封印や!」
「うん!」
あたしは、バブルに駆け寄った。
「汝のあるべき姿に戻れ、クロウ・カード!」
924126:03/10/13 22:35 ID:OJPkcpUI
「すばらしいですわぁ!」
「知美ちゃんのおかげだよ。知美ちゃんが、シャボン玉の割れる理由を教えてくれたから封印できたんだよ」
「けど、すみれは最初、よりによってグルーを使いよったけどな」
「うっ・・・」
「学校の授業はちゃんと聞いておきましょうっていうことね」
「ママまで、そんなことを言わなくても」
「でも、封印できてよかったわ。さぁ、帰りましょう。冷蔵庫のゼリーも冷えている頃だし」
「わ〜い!」
あたしが喜ぶと
「さくら、あれ、まだ冷やしとる途中だったんか?」
ケロちゃんが不思議そうに言う。
「どうりで、ぬるくて味がいまいちやったんやな」
「味がいまいちって、ひょっとして・・・」
あたしがケロちゃんを問い詰めると
「腹が減っては戦はできんと言うやろ。出かける前に、わいが食べてしまったでぇ」
「ケロちゃんっ!」

「なんとか封印できたようですわね、エドワード」
「ああ、グルーを使ったときはだめかと思ったけど、さすがだね」
友枝小を見下ろすビルの上から、ケルベロスを問い詰めるすみれたちを見て、そのふたりは微笑んだ。
925126:03/10/13 22:36 ID:OJPkcpUI
その次の日のこと。
「ただいま〜っ!お腹すいたぁ!」
あたしは、冷蔵庫に直行する。
昨日、あれだけケロちゃんに言ったから、今日こそはつまみ食いをしてないだろう。
けど、冷蔵庫の中を見ると
「ほぇ〜っ!あたしのおやつが、今日もない!!!」
あたしは、キッチンにいるママに
「ママ、ケロちゃんは?」
「今、お風呂よ。バブルのカードできれいにしてるわ」
「そう。お風呂中か。バブルのカードさんで・・・そうだ!」
あたしはバスルームに入っていった。真の姿のケロちゃんが、ママのバブルさんで洗われている。
「なんや、すみれ?わいは入浴中や。話があるんなら後で聞くで」
そんなケロちゃんに対して、あたしは
「バブル!」
あたしのバブルさんを使った。このカードさんで、ケロちゃんを懲らしめるんだ。
「すみれ、わいにバブルを使うなんて、何を考えとるんや?
って、これ、さくらのバブルとちゃうやないか?わ、こ、こそばゆい!
さくらのバブルと、洗い方が違って、くすぐっとるみたい・・や、わ、わわわわ!
こそばゆい!す、すみれ、助けてくれ!こそばゆくて、たまらん!カードを止めてくれ!」
「止めてもいいけど、もう、あたしのおやつをつまみ食いしないって、誓う?」
「ち、誓う!誓います!誓うから、はよ、カードを止めてくれ!止めてください!
すみれ様、堪忍してや!もう2度としませんから・・・わわわわ!堪忍してや、すみれ様!」
926126:03/10/13 22:37 ID:OJPkcpUI
次回予告
最近、ご町内の林で変なことが起きているの。
秋になっても、木々が緑のままで紅葉にならないの。
これもクロウ・カードのしわざ?
そう思って、出かけたあたしたちの後ろから
ほぇ〜っ!
その黒いものはなに?!

カードキャプターさくらと小狼のこどもたち
すみれと知美の新しいおともだち

次回もすみれと一緒に
さくらと一緒に
封印解除(レリーズ)!
927CC名無したん:03/10/14 23:14 ID:OMLowXzD
キタキタキタキタキタキタヤッテキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
やっぱり最後はバブルでケロちゃん洗うんかー!w
928CC名無したん:03/10/16 18:26 ID:Tjgb7pyV
126さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

>その黒いもの

>おともだち
なんでしょうかね?
次回も結構楽しみです。
929126:03/10/20 01:17 ID:1OAHbZ2H
「すみれちゃん、今日はクラブございませんでしたわね」
「うん。けど、どうして?」
その日の授業が終わったとき、知美ちゃんが聞いてきた。
「ちょっと、お願いしたいことがございますの。よろしければ、家まで来ていただきたいのですが」
「いいよ。でも、そのお願いってなに?」
「それは、いらしてからお話しますわ」

というわけで、あたしは知美ちゃんの家まで来ている。
知美ちゃんと一緒に大きなおうちの大きな玄関を通って、知美ちゃんのお部屋に向かう。
「お嬢さま?」
メイドさんが、知美ちゃんに声をかける。
「お茶はどちらにお持ちしましょうか?」
「じゃ、わたしの部屋に3つ」
ほぇ?ここにいるのはあたしと知美ちゃんだけ・・・
「3つですか?」
メイドさんが、不思議そうに聞き返す。知美ちゃんは、こくんとうなずくと
「お願いしますね」
と、あたしの手を引っ張って歩き出した。
「知美ちゃん、お茶を3人分って?誰かいるの?」
「今にわかりますわ」
知美ちゃんは、いたずらっぽく微笑むだけだった。
930126:03/10/20 01:19 ID:1OAHbZ2H
部屋に入る。ひょっとして、誰かがいるのかと思ったんだけど、誰もいないようだ。
まもなく、ドアがノックされて
「どうぞ」
「お嬢さま、お茶をお持ちしました」

メイドさんが部屋を出ると、あたしは知美ちゃんに聞いた。
「知美ちゃん、お願いってなぁに?」
「実は、もう一度、お洋服の寸法を取らせていただこうと思って」
「ほぇ?」
いつの間にか、知美ちゃんはメジャーを持っていた。

あたしの背中にメジャーがあてられている。
「知美ちゃんが作ってくれるの、いつもぴったりだよ」
「でも、成長期ですし・・・すみれちゃん、ちょっと腕を上げてくださいな」
「あ・・・はい」
あたしは、言われたとおりに腕を上げる。
「すみれちゃんが一番かわいく見えるように作りたいんですもの・・・」
「あ、ありがとう」
あたしは、そう答えるのがやっとだった。

ぴん

その時、あたしは、かすかな音に気がついた。
なんだろう。
931CC名無したん:03/10/21 19:53 ID:aQP56sfu
伝統だな「私の部屋に三つ」w
932CC名無したん:03/10/24 02:03 ID:qLascF4o
保守
933126:03/10/27 01:04 ID:ElnFyFit
ぴん

ぴん

ぴん

その小さな音は、何度も続いている。
(ほぇ?)
知美ちゃんが、あたしを採寸するたびに音がしているようだ。
「知美ちゃん、寸法を取るたびに何か音がしているようだけど」
「採寸メジャーの音ですわ」
「メジャーの音?」
「寸法を取ると、そのデータがモデラーに送られますの」
「モデラーに送られる?」
「あれを見てください」
知美ちゃんの指差す方を見ると、机の上にホログラムのようなものが表示されていた。
そして、知美ちゃんがあたしのウエストを計ると、ぴん、という音がして
ホログラムが真ん中が少しへこんだようになる。
「採寸データは、このようにしてストアされるんですの。もう少しで終わりますから・・・」
「ほぇ・・・そうなんだ」
あのホログラム、あたしの分身みたいなものなんだ。
934126:03/10/27 01:05 ID:ElnFyFit
「さぁ、終わりましたわ。すみれちゃん、ありがとうございます。
これで、また新しいバトルコスチュームを作れますわ」
知美ちゃんの目が輝いている。
「・・・」
あたしの頭におっきな汗が浮いている。なんか、間が持たない。
「・・・そうだ、知美ちゃん、あのホログラム、そばに行って見ていい?」
「どうぞ」
あたしたちは、ホログラムに近づいた。
機械の上には、あたしの身体から作られた人形のホログラムが浮いている。
「このデータを元にして、コスチュームを作りますのよ」
「ほぇ〜・・・はう?」
あたしはあることに気が付いた。
それは、ホログラムのマシンに付いている、メーカーの名前。
このメーカーの名前は聞いたことがある。クラスの男の子たちが時々話している会社だ。
「知美ちゃん、このピフルって会社、フィギュアを作る機械の会社だよね」
知美ちゃんの笑顔が、一瞬、こわばったのは気のせいだろうか。
「ひょっとして、バトルコスチュームだけじゃなくて、あたしのフィギュアなんて・・・」
「ほーっ、ほほほほほ・・・」
「知美ちゃんっ!」
「だって、すみれちゃんがかわいすぎますもの・・・」

カチャッ

知美ちゃんがあたしから視線をそらせた時、ドアが開く音がした。
「誰?」
935CC名無したん:03/10/29 18:51 ID:z123rj+J
もしかして知美が危ない方向に走っていったり?w
126氏、毎回続きをわくわくさせる作品を書いていただき、まことにありがとうございます♪
よい作品をお待ちしております、これからも頑張ってください。陰ながら応援しております。
936CC名無したん:03/10/30 08:15 ID:8myBk0LP
オレはそのホログラムが激しく欲しいわけだが
937CC名無したん:03/11/09 23:39 ID:BLbOoXT1
メンテ
938126:03/11/10 01:22 ID:L4BYIntt
「いらっしゃい、黒りんさん」
知美ちゃんがドアを開ける。
「黒りん・・・さん?」
やがて、ドアから入ってきたのは、見慣れない黒い物体だった。
大きさは30センチぐらい。たてがみのようなものが生えている。
それに20センチぐらいの、ふさふさとした長いしっぽも生えていた。
知美ちゃんの足元に止まると、あたしの方を見つめている。
まるで、知美ちゃんを守っているかのようだ。
「ご紹介しますわ。キタリスの黒たんさんですわ」
「キタリスの・・・黒たん・・・さん・・・?」
「ええ、お茶を3人分用意したのは、黒ぴっぴさんの分もあるからですわ」
「ほぇ〜」

「ほんとう、じょうずに食べるのね」
あたしは、そのキタリスさんが上手に両手でナッツを食べるのを見ていた。
ふと、あたしと目線が合う。
すると、俺は見せもんじゃないやいって感じで、横を向いて、また食べ始めた。
「いいなぁ。リスさんのペットなんて。うちにはケロちゃんしかいないから」
「いいえ、黒むーさんはペットではありませんわ。お客さまですの」
「ほぇ?どういうこと?」
939126:03/11/10 01:24 ID:L4BYIntt
「先週の日曜日、ショッピングからの帰りに、黒みーさんが道で倒れているところを見つけまして
お家までお連れしましたの」
「倒れていたって、病気か何かだったの?」
「いいえ。お医者さまに診ていただいたところ、しばらく何もお食べになっていなかったとのことでし

た」
「そうなんだ。じゃ、今は」
「ええ、すっかり元気になられて・・・そろそろ、帰っていただこうかと思います」
「ペットにしようとか、考えないの?」
あたしがそう聞くと、知美ちゃんはやさしい目でリスさんを見ながら
「わたしも、最初はそう考えたのですが、お医者さまのお話では、キタリスというのはペットに
あまり向かないそうで、母とも相談して、お家にお帰しすることにしましたの」
「そうなんだ」
そのリスさんは、食べるのをやめて、知美ちゃんの方を見つめていた。
あたしは、そこで、もうひとつ、気になることを質問した。
「あの、知美ちゃん?」
「なんですの?」
「そのリスさんの名前、さっきからどんどん変わっているようなんだけど」
「黒ぴーさんのフルネームは、黒鋼(くろがね)さんです。母が付けてくださいました」
「でもでも、知美ちゃん、さっきから、黒りん、とか、黒ぴっぴ、とか呼び方が変わっているよね」
「それは・・・」
知美ちゃんが一瞬固まった。
「ほほほほほ・・・」

どうやら、黒鋼さんの呼び方が変わるのに、特に理由はないようだった。
940126:03/11/10 01:27 ID:L4BYIntt
その時、黒鋼さんはティーカップを両手で抱えて、紅茶を飲みだした。
「ほぇ〜!じょうずに飲んでるよぉ」
「ええ。黒まーさんは、熱いのはだめですが、冷めていればじょうずにお飲みになりますのよ」
「すごーい。紅茶を飲むリスさんって初めてだよ」
「あら、ケロちゃんさんだって、ティーカップを使って、じょうずに紅茶を飲まれますわ」
「そ、それはそうだけど・・・」
黒鋼さんとケロちゃんを比べるのは、違うと思う。
カップをソーサーに戻した黒鋼さんに、知美ちゃんが聞く。
「お腹いっぱいになられました?」
黒鋼さんは、こくんとうなずいたようだった。
「それでは、お家までお送りしますわ」
知美ちゃんが両手を差し出すと、黒鋼さんは自分から知美ちゃんに抱かれていった。
キタリスがペットに向かないというのは、うそみたいだ。
知美ちゃんは、あたしの方を向くと
「車を出しますので、すみれちゃんも、ご一緒しませんか?」
「うん」
941126:03/11/10 01:28 ID:L4BYIntt
黒鋼さんをお家にーといっても、公園の近くの林のことなんだけどーに帰してから数日後、
あたしと知美ちゃんは、葵先生のところにプリントを届けに行った。
理科の準備室に入って
「先生、理科のプリント、持って来ました」
「ありがとう、木之本さん、大道寺さん。そこの空いている机の上に置いておいてくれないかしら?」
「はーい。って先生、どこにいるんですか?」
あたしたちは不思議なことに気が付いた。
葵先生の声は聞こえるけれど、姿が見えない。
「こちらよ。今、探し物をしているの」
どうやら、先生は準備室にたくさんある、標本や実験器具の中に埋もれているようだ。
「お手伝いしましょうか」
「だいじょうぶよ。見つかったから」
「ほ、ほぇ〜っ!」
あたしは、思わず、飛びのいた。だって、葵先生、いきなり目の前にぬーって現れるんだもん。
「驚かせて、ごめんなさい」
先生は、箱を持ちながら言った。
「何を探されていたのですの?」
知美ちゃんの質問に、先生が答える。
「イチョウなんかと葉っぱと、ギンナンやドングリの木の実。去年の1年生が、理科の授業で集めたも

のね」
「あたしたちも、1年生の時に、先生の授業で集めました。公園近くの林ですよね」
「そうよ。でも、今年の1年生はかわいそうなの」
「え?どうゆうことですか?」
942CC名無したん:03/11/11 20:44 ID:gXFQ14n3
あんたはファイか知美ちゃんw
943126:03/11/17 01:17 ID:SExZ13/c
「あなたたちもそうだったけど、毎年、秋になると1年生のみんなが、あの林に行って
紅葉で色が変わった葉っぱや、木の実を集めてくるの」
「はい」
「それが、今年は、冷夏だったせいか、あの林、紅葉が全然進んでいないのよ」
「そ、そういえば・・・」
黒鋼さんとお別れした林は、日差しは確かに秋だったけど、まるで夏の林のように緑がまぶしかった。
ただ、あたしは、別のことが気になって、そのことはあまり気にならなかったのだけど。
「でも、それじゃ授業にならないから、今年は、みんなで行くのはあきらめて、
去年集めた標本を使って授業しようと思って、それで、去年のを探していたのよ」
「そうなんですか・・・」
944126:03/11/17 01:19 ID:SExZ13/c
準備室を出ると、知美ちゃんが、あたしに聞いてきた。
「すみれちゃん、ひょっとしたら、これもクロウ・カードのしわざですの?」
「・・・そうかもしれない」
「では、さっそく、カードキャプターの出番ですわね!
ああ、今夜にでも、すみれちゃんとさくらさんの活躍が撮影できますわぁ!」
「・・・今夜は、無理だと思う」
「あら、どうしてですの?」
「あの林、いっぱいいるんだ。幽霊みたいなのが」
「まぁ」
「この前、黒鋼(くろがね)さんをお家に帰した時、知美ちゃん、あたしの様子がおかしいって
聞いたよね」
「はい」
「あれは、そのせいなの。あの林の奥の方って、人の気配とかいっぱいするの」
「では、すみれちゃんのように魔力があると」
「混乱しちゃう・・・あたしは、まだだいじょうぶだけど、ママは多分、だめ。
イリュージョンのカードの時みたいに、ほえほえになっちゃうよ」
「そうなんですの・・・でも、どうしましょう。クロウ・カードのせいかもしれませんし」
知美ちゃんの言うようにクロウ・カードのせいかもしれないし、
葵先生が言ったように冷夏のせいかもしれない。あたしはちょっと考えてから、知美ちゃんに
「今日の放課後、行ってみようよ。明るいうちなら、幽霊とかの気配が弱いはずだから
クロウ・カードのせいかわかるかもしれない」
と言った。
「わかりました!いっしょに参りましょう!」
知美ちゃんの目はきらきらしていた。
945126:03/11/17 01:21 ID:SExZ13/c
その日の放課後、あたしと知美ちゃんは、黒鋼さんとお別れした林に来ていた。
「どうですか、すみれちゃん?」
「う、う〜ん。やっぱり、こっちかな?」
あたしたちは、少しずつ歩いては立ち止まる。
「・・・。こっちかも」
この林にいると、いろいろな気配があるのがわかる。
悪意のあるっていうか、良くないものの気配はないんだけど、いろいろとうずまいている感じ。
あたしは、少し歩いては精神集中をする。そして、気配が強くなっている方へ歩き出す。
「カードの気配はしますの?」
「まだ、わかんない。とにかく、いろいろな気配があって・・・」
「それにしても、ほんとうに夏のようですわね」
知美ちゃんの言うとおりだ。日差しは確かに秋なんだけど、落ち葉なんでほとんどないし、
木々の色も緑のままだ。

「あら、あれは?」
「知美ちゃん、なにか、見つけたの?」
「あれは、ひょっとして・・・」
知美ちゃんは木に走りよって、ひざをついた。そして、その陰をのぞきこむようにして
「元気がないようですが、だいじょうぶですの?」
その木の陰から、黒い影がゆらりと現れると、知美ちゃんのひざに倒れこんだ。
「どうなさったんですか、黒むんさん!」
946CC名無したん:03/11/29 23:17 ID:kUwSpuHq
気づかない間に更新されている。
しかも2週間前…

さくら板のみんなにも気づいてもらえるように、あえてあげてみます。
(126さん、ごめんなさい。けど、ここに気づかない新人さんも
いると思うので、そういう人たちへの告知の意味も込めてあげます。)
947126:03/12/01 01:02 ID:aKheqBLA
「で、どないなったんや、その黒とんとかいう豚は?」
「豚さんじゃないよ。リスさんだよ!名前も黒鋼(くろがね)さんって言うんだからね!」
「・・・似たようなもんやないか。で、どないなったんや?」
「すぐに知美ちゃんが、お家につれて帰ったの。今ごろ、お医者さまに診てもらっていると思うよ」
そして、あたしは家に戻って、こうしてケロちゃんと相談している。ママには、まだ内緒だ。
「ふーん。そりゃ、知美も大変やなぁ」
「ケロちゃん、どう思う?」
「どうって?」
「今度のこと、クロウ・カードのしわざかもしれないってこと」
「確かにやっかいやなぁ。あの林、さくらがミラーを封印した時からそうやったけど、
幽霊とかいっぱいおって、魔力のあるもんにとっては、ほんままぎらわしいんや。
そのせいか、建物も建たずに、今でも林のままなんやけどな」
「そうなんだ。じゃ、やっぱり、もしママがそこに行ったら」
「あかんやろな。さくら、人一倍、幽霊とかに弱いよって・・・」

その時、あたしのケータイの着メロが鳴った。
「知美ちゃんだ。はい、すみれです。黒鋼さんは、だいじょうぶ?お医者さまに診てもらったの?」
あたしが聞くと、画面の向こうから知美ちゃんが
「はい、お医者さまは大変なことをおっしゃいました」
「大変なことって?!病気か何か?」
948126:03/12/01 01:03 ID:aKheqBLA
「黒鋼さんのお腹が空っぽだと、お医者さまがおっしゃいまして・・・」
あたしとケロちゃんは、固まってしまった。
「・・・それって、お腹ペコペコだって言うこと?」
「そういうことですわね」
画面のフレームから、知美ちゃんが外れていく。そして見えてきたのは、ものすごい勢いで
ナッツを食べている黒鋼さんだった。
「それで、今、黒みーさんは、お食事中ですの」
その時、ケータイをのぞきこんでいたケロちゃんが言った。
「なんや。わいの方がずうーっとかっこええやないか!」
ケロちゃんのことばが聞こえたのか、黒鋼さんが、ナッツを食べるのを止める。
「・・・うっ!」
ケロちゃんが、ちょっとひいた。
「・・・こいつ、わいにガン飛ばしよる・・・上等やないか!この封印の獣、ケルベロスさまに
けんか売ろうやなんて!」
「ケロちゃん、やめて!黒鋼さんはリスさんなんだよ」
あたしは、ケロちゃんをケータイの前からどかすと、知美ちゃんに
「じゃ、黒鋼さんは、もうだいじょうぶなんだよね。お腹いっぱいになれば、また、お家に
帰れるんだよね」
「そうなんですが、わたし、心配しておりますの」
「心配って?」
「お医者さまのお話では、黒ちぃさんは、お家に帰ってから何も食べていないんじゃないか、
あの林で食べ物を見つけられなかったのでないか、ということですの。
そうしますと、お家にお帰しても、また同じことになりそうで・・・」
949126:03/12/01 01:04 ID:aKheqBLA
「それは、変な話やな」
横からケロちゃんが言った。
「あの林、秋になるといろんな木の実がいっぱいできるんや。えさが見つからないなんて、
考えられへん。あの林は、いつごろからかペットのリスやらがぎょうさん住み着いたことで、
友枝テレビでも紹介されとったほどなんやで」
「じゃあ、あの林で、やっぱり、なにかが起きているんだね」
「そういうことや。クロウ・カードのせいとは限らんけどな」
「でも、どうしましょう。すみれさんでも、カードの気配はわかりませんでしたし、
さくらさんでは、ほえほえになってしまわれますし・・・」
「すみれ、知美、忘れてへんか?」
「何を?」
「魔力を持つもんは、ここにもおる。わいなら、カードの気配、きっちり見抜けるで」
950CC名無したん:03/12/01 02:13 ID:wEbOTHHm
126氏乙カレイド
黒鋼たん萌え。
951CC名無したん:03/12/01 23:25 ID:v6oOFI8c
ケロvs黒鋼、爆笑。
952126:03/12/08 00:47 ID:6gt+ot7a
その次の日曜日、あたしたちは例の林に来ていた。
「あ、来た来た!知美ちゃん、こっちだよ!」
「知美、待ってたでぇ!」
ケロちゃんが、たまごリュックからからだを乗り出して、手をふる。
「お待たせしてしまって、申し訳ありません。
黒みんさんのしたくに時間がかかってしまいまして・・・」
そう言って近づいてくる知美ちゃんの胸には、黒鋼(くろがね)さんが抱かれていた。
「どう?黒鋼さんの様子は」
あたしが聞くと、知美ちゃんはにっこりと笑って
「もう、だいじょうぶですわ。お医者さまも、体調は万全だとおっしゃっておられましたわ」
「じゃあ、もうだいじょうぶなんだ。よかったぁ。こんにちは、黒鋼さん」
黒鋼さんは、あたしに向かって、軽くうなずいた。けれども、ケロちゃんが
「よう!わいは、ケルベロスや」
と、あいさつすると
「・・・また、わいにガンを飛ばしよった。なんや、わいに恨みでもあるんかい?!」
ケロちゃんは、たまごリュックから飛び出すと、黒鋼さんの前に飛んでいって、にらみつけた。
ふたり(?)の間に火花が飛ぶ。
「だめだよ、ケロちゃん!」
あたしは、ケロちゃんを抱きかかえた。
「すみれ、なんで、止めるんや?この黒いの、わいにけんか売っとるんやで!」
「落ち着いて、ケロちゃん。黒鋼さんは、リスさんなんだから。
それに、今日は、この林にクロウ・カードを探しにきたんだからね」
「わかった・・・今日は、すみれの顔を立てて、勘弁したる。けど、そこの黒いの、これから
この封印の獣、ケルベロスさまが超かっこえーとこを見せたる。わいのナイスで小粋な活躍、
よう見とるんやでって・・・なんや?」
ケロちゃんは、突然、あっけにとられていた。
953126:03/12/08 00:48 ID:6gt+ot7a
見ると、知美ちゃんの胸に抱かれているはずの、黒鋼さんがいなかった。
「知美ちゃん、黒鋼さん、どこに行っちゃったの?
「黒りるさんは、突然、あちらの方に走って行ってしまわれましたわ」
知美ちゃんは、林の奥の方を指差した。
「あちらが、黒ぴむさんのお家だと思いますの」
知美ちゃんのことばを聞いたケロちゃんは
「・・・なんや・・・わい、あほみたいやないか・・・」
黒鋼さんが突然いなくなって、がっくりしていた。
「気を取りなおしてくださいな」
すると知美ちゃんが、ケロちゃんに小さな袋を差し出した。
「少しですが、クッキーが入っています。これを食べて、元気を出してくださいな」
「わーい、クッキーや!」
ケロちゃんは、知美ちゃんの手から袋を奪うと、クッキーをむさぼるように食べだした。
「うまいっ!うまいで、知美!」

「ケロちゃんって本当に食い意地はってるね」
「すみれ、それを言うんなら、わいは食いもんに対して、いつも真剣勝負なんや!」
「・・・なんなの、それ」
あたしとケロちゃんの、お約束のやり取りだった。
954126:03/12/08 00:49 ID:6gt+ot7a
ケロちゃんがクッキーを食べ終わると、あたしたちは林の奥に入って行った。
「どう、カードの気配、わかる?」
あたしがケロちゃんに聞くと
「すみれはどうや?カードの気配がわかるんか?」
「・・・わかんない。いっぱい、いろんな気配がして・・・」
「わいもや。昔、さくらとここに来たときより、いろんな気配がごちゃまぜになって、
ごっつう強くなっとる。こりゃ、クロウ・カードが隠れとっても、並の魔力ではわからんやろな」
「まぁ、すみれちゃんだけでなく、ケロちゃんさんでも、わかりませんの?」
「ああ、こりゃ、ほんまにやっかいやでぇ」
その時、あたしは、一瞬だけ、気配を感じた。
「ケロちゃん、今の?」
「すみれも、感じたか。今のは、確かにクロウ・カードの気配や。
どうやら、クロウ・カードが、この林にいるんは、間違いないようやな。
けど、また、他の気配も強うなった。他の気配がカードの気配を隠しとるみたいやな」
「そんな、どうして?」
「わからん・・・」
その時、あたしの目の前がふっと暗くなった。
「すみれ、だいじょうぶか?!」
「すみれちゃん、しっかりしてください?」
倒れそうになったところを知美ちゃんが支えてくれた。
「・・・うん、なんとか」
「あかん。すみれの気配を読む力はさくら以上やから、こうぎょうさん気配があるところに
長くおると、まいってしまうんや。はようカードを見つけんと・・・」
「そんな!すみれちゃんがだいじょうぶなうちに、カードを見つけませんと・・・」
「ああ、そやけど、これはやっかいやで」
955126:03/12/08 00:51 ID:6gt+ot7a
その時、あたしたちの目の前をレーザーのような光線が走った。
「何?!」
驚いていると、光線が飛んできた方から誰かがやってきた。
「パパ!ママ!」
「すみれ!ケルベロスといっしょに、どうして、こんなところにいるんだ?」
「パパやママも、どうしてここに?今日は、ママがパパを空港までお出迎えに行っていたんでしょ?」
「そうよ、すみれちゃん。でも、空港からの帰り、車の中で羅針盤が反応したの」
「羅針盤って?」
あたしが聞くと、パパは手に持っているものを私に見せるようにした。
「これだ。これはクロウ・リードが作ったもので、クロウ・カードのある場所を示すものなんだ」
「それで、こちらにいらしたんですわね」
「すみれこそ、どうしてさくらに黙ってカードを探しているんだ?」
「ここって、幽霊とかの気配がいっぱいあるから、ママがほえほえになっちゃうと思って、
それであたしたちだけで、なんとかカードを封印しようと思って・・・」
あたしがパパに質問にあわてて答えると、
「ママはだいじょうぶよ」
「幽霊とか平気になったの?」
「ううん、全然。でも」
「でも?」
ママはにっこりと笑って、
「だって、小狼くんといっしょだもん!」
ズザーッ!!!(←すみれ、ケルベロス、知美がめいっぱいコケる音)
「と、とにかく、羅針盤もあることやし、クロウ・カードのところまで行こうやないか」
あたしたちは、なんとか立ち直ると羅針盤の示す方向に歩いて行った。
「これは?!」
956CC名無したん:03/12/08 16:49 ID:LJKS1yuQ
キタ!(゚∀゚)
126さん乙!
957CC名無したん:03/12/08 17:14 ID:IevKavyd
「だって、小狼くんといっしょだもん!」
ズザーッ!!!(←すみれ、ケルベロス、知美がめいっぱいコケる音)

にワラタ。これからも期待
ガンガレ!
958CC名無したん:03/12/08 22:58 ID:ZjCQvKvP
126さん、いつも読ませていただいてます。

>>957
禿同
同じところでワラッタ。
959CC名無したん:03/12/09 16:23 ID:HjsGJhw/
>>957
皆同じやー!ww
960CC名無したん:03/12/14 07:45 ID:xDWFOKzW
ホッシュ
961126:03/12/15 02:13 ID:nZmaALhu
あたしたちが見たのは、いっぱいに枝を伸ばしているウッドのカードさんだった。
その枝は、林の中いっぱいに広がっているようだった。
「わかりましたわ!」
「わかったって、どういうこと?」
「この林に起こっていることですわ。ウッドのカードさんが秋になっても紅葉にならないように
してるのですわ!」
「つまり、いつまでも他の木がいつまでも緑のままでいられるように、エネルギーを与えているって
いうわけね」
知美ちゃんとママの説明を聞いて、
「どうして、そんなことを?」
と、あたしが聞くとパパが答えた。
「ウッドのカードは、木々を緑に繁らせることができるんだ。秋になって紅葉が進み、
やがて落葉するのを、仲間が弱っていくと思って助けているんだろう」
「そや。ウッドは、クロウ・カードの中でも、いっちゃんおとなしくて優しいカードなんや」
「ほんとう、ケロちゃんさんのおっしゃるとおりのようですわ」
あたしたちは、納得した。
「でもでも、ウッドさんをこのままにするわけにはいかないよね」
「すみれの言うとおりだ。主(あるじ)のいないカードを放っておくわけにはいかない。
それにこのままだと、いずれ魔力が途切れてただのカードになってしまうぞ」
パパのことばにうなずくと、ママがウッドのカードさんに言った。
「というわけなの。あなたの仲間を助けたいという気持ちはわかるけど、このままではいけないわ。
カードに戻ってくれないかしら?」
けれども、ウッドさんははっきりと首を横に振った。
962126:03/12/15 02:14 ID:nZmaALhu
あたしたちの説得はしばらく続いた。
けれども、ウッドさんは首を横に振るばかり。
「・・・いつまでも、こんなことをしているわけにはいかない」
パパはそう言うと、剣を実体化させた。
「パパ、なにをするの!」
「伸ばしている枝を切れば・・・」
「だめ!ウッドさんを傷つけちゃ!」
あたしは、パパに抱きついて止めた。
「しかし、このままじゃ・・・」
「あたしがなんとかする!きっと、ウッドさんはわかってくれるから!」
「・・・うん・・・わかった」
パパは振り上げた剣を降ろしてくれた。
「・・・どないするつもりや、すみれ?」
ケロちゃんが心配そうに聞いてきたけれど、あたしに考えがあるわけではなかった。

「あら?」
その時、知美ちゃんのケータイに着信があったようだ。
「これは・・・近づいて来てますわ!」
「近づいているって・・・何が?」
963CC名無したん:03/12/15 13:19 ID:N+4ATe0s
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
126さん乙!

小僧がちょっとかっこいいなと思ったら、
>「・・・うん・・・わかった」
弱ッ!
嫁にも娘にも弱いパパ(;´Д`)ハァハァ
964CC名無したん:03/12/15 20:38 ID:6hHf6O9k
ウッドのしそうなことだなー。と納得する自分がいる。
126さん乙!
965CC名無したん:03/12/20 00:53 ID:qmQJTNKg
更新されてる(*´∀`)
126タン乙!
966126:03/12/22 02:13 ID:wNSZpCOc
知美ちゃんはケータイの画面を見て
「この木の裏ですわ」
と、のぞきこんだ。思わず、あたしも知美ちゃんのとなりからのぞきこむ。
「黒みるさん、どうしてここへ?」
あたしたちが見つけたのは、黒鋼さんと、リスが4匹。
「黒あむさんの、お友だちですの?」
知美ちゃんがそう聞くと、黒鋼さんは黙ってうなずいているように見えた。
「でも、みなさんの、そのご様子は・・・」
黒鋼さん以外のリスさんは、ずぅーっと何も食べていないらしく、ふらふらだったんだ。
「ウッドさんが木を枯れさせなかったせいで、みなさんの食べ物が見つからないんですわね」
「リスさんたち、おなかペコペコで死んじゃうかもしれない・・・」
あたしは、思わず、足元にいた、よりそっている2匹のリスさんを抱き上げた。
知美ちゃんも、別の2匹を抱き上げる。
あたしと知美ちゃん、そして黒鋼さんは、みんなのいる所まで戻った。
「どうしたんだ、ふたりとも、リスなんか連れて来て?」
「リスさんたちが、たいへんなの」
そして、あたしと知美ちゃんはウッドさんの方を向いた。
「見て、ウッドさん。このリスさんたちは、この林に住んでいるリスさんなの。
毎年、秋になると、ここにいっぱいできる木の実を食べて、おなかいっぱいになって
そして寒い冬に備えるんだよ」
「ですけど、今年は食べ物がなくて、みなさん、お困りのようですの」

あたしたちのことばを聞いて、ウッドさんの表情が変わった。
967126:03/12/22 02:14 ID:wNSZpCOc
「すみれたちの言うとおりだ。お前は、仲間を助けているつもりかもしれない。
けれど、お前の仲間は木だけではないんだ」
パパがそう言うと、ママもことばを続けた。
「そうよ。あなたの仲間は、この林のすべて。秋になって、紅葉になって、落ちた木の実は
林に住む動物たちの大切な食料になるの。それに、落ち葉だって、春に生えてくる
新しい木や草のたいせつな養分になるのよ。木をいつまでも夏のように繁らせてしまうと、
この林のみんながおかしくなってしまうのよ」
そして、あたしも言った。
「だから、だから、ウッドさん、お願い、カードに戻って!」

一瞬、ウッドさんのからだが光に包まれた。
光が消えていくと、ウッドさんのからだから伸びていた枝がなくなっている。

「・・・空気が変わった」
思わず、あたしはつぶやいた。
その時のあたしたちは、まるでタイムマシンの中にいるようだった。
まぶしいほどの緑が、みるみるうちに赤や黄色に変わっていく。
そして、色づいた葉は地面に落ち、ぱらぱらと音を立てて木の実が落ちていく。
「さぁ、お食事の時間ですわ」
知美ちゃんがリスさんたちを降ろすと、2匹は木の実を食べ始めた。
あたしも、2匹のリスさんをそっと降ろす。
1匹のリスさんが、ふらふらだったけど、木の実をつかむと、もう1匹のリスさんに差し出していた。
あたしには、なぜかその2匹がパパとママみたいに思えた。
968126:03/12/22 02:15 ID:wNSZpCOc
「すみれ、リスもだいじょうぶなようやし、そろそろ封印や」
「うん」
あたしは、呪文を唱えだした。
「光の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、すみれが命じる」
「封印解除(レリーズ)!」

杖を持つと、あたしは、ウッドさんにお礼を言った。
「ありがとう、わかってくれて。リスさんたちは、もうだいじょうぶだから、カードに戻って」
ウッドさんもやさしく微笑むと、カードにその形を変えてくれた。

「汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カード!」

手の中にすべりこんできたウッドのカードさんを見て
「よかった。ウッドさんて、ほんとうに優しいカードさんなんだね」
「そうや。すみれも、ようやったな」
969126:03/12/22 02:17 ID:wNSZpCOc
帰りの車の中で、あたしは知美ちゃんに聞きたいことがあった。
「知美ちゃん、黒鋼さんが来たの、どうしてケータイでわかったの?」
「ICタグですわ」
「ICタグって、イヌさんやネコさんに埋め込んで、迷子にならなくしたりするのだよね」
「そうですわ。今日、すみれちゃんをお待たせしてしまったのは、お医者さまにお願いして
黒みいさんの額にICタグをつけていただいたためですの。
これさえあれば、黒ぽんさんが近くにいらっしゃっればケータイでわかりますし」
「しかし、あの黒いの、ほんま気にいらんやつや。わいに、なんべんもガン飛ばしよったで」
ケロちゃんが、話に入ってきた。
「でも、黒鋼さんは、リスさんだから。紅茶も上手に飲むんだよ」
「なんや、それ?紅茶ぐらいなら、わいも飲むで。紅茶飲むぐらいでほめられるんなら、
わいもICタグつけてもろうて、知美のペットになろうかな?」
「それは、いいアイディアですわ」
知美ちゃんがうれしそうに言う。
「ICタグには、悪いことをすると懲らしめるように電流を流す機能も付いておりますの」
「・・・なんやって?」
「もともとは、吠えるのを止めさせるための機能ですが、ケロちゃんに付ければ、
もう、つまみ食いなんかさせませんわ」
「・・・堪忍や、それやったら、プリン食べてすみれに怒られとったほうが、まだマシやで」
「それですか。それは残念ですわ。ほほほほほ・・・」
「・・・知美ちゃん」

この時、さくらや小狼も含めて、車内のみんなが知美を敵に回すのだけはよそうと思ったのであった。

<すみれと知美の新しいおともだち:終劇>
970CC名無したん:03/12/22 21:36 ID:lG2uVCa5
知美……あんたお母さんより格段にワル(←褒め言葉)やなあ……
971CC名無したん:03/12/22 23:36 ID:dvdTQ+i+
ツバサの黒タンもつけられてそうだな(w

今回も面白かった。
126さん乙ー
972CC名無したん:03/12/29 23:02 ID:bAKSLSgS
ホッシュ(・∀・)ホッシュ
973( ゚∀゚)ノィョ―ゥ :03/12/30 13:07 ID:nLi4ifnn
973
974( ゚∀゚)ノィョ―ゥ:03/12/30 23:47 ID:Kh10CJWA
http://www.office-will.com/freewill/w/
だまってこれやるとよろし…
975126:03/12/31 12:25 ID:cvtY5+bX
次回予告
最近、とっても眠いんだ。
けさなんか、おそよー君に起こされちゃったし。
そういえば、知美ちゃんも眠そうだよね。
え?夜更かしして、そんなものを作っているの?
は、はずかしいよぉ〜。

カードキャプターさくらと小狼のこどもたち
すみれとそっくりなプチすみれ

次回もすみれと一緒に
さくらと一緒に
封印解除(レリーズ)!
976CC名無したん:04/01/01 21:17 ID:10f8KEYs
次回予告キテル━━━━(Д゚(○=(*゚∀゚*)=○)Д゚)━━━━━!!!
>126さん、あけおめーことよろー


次スレは980くらいかな?
977( ゚∀゚)ノィョ―ゥ:04/01/01 21:35 ID:MWpqWO3u
http://www2.rak-rak.ne.jp/kowai/machigai.swf
かっこいい。ずっと見てたらかっこよさがわかるよ
978つーか:04/01/02 19:30 ID:hvW74ZNr
その前に次スレだろ、、、
979CC名無したん:04/01/02 20:55 ID:pfjouhxT
>>977
それ何?


次スレよろ
980CC名無したん:04/01/03 12:35 ID:6fK386gP
えっ? 何?
126氏が立てるんじゃないの? 俺がやってもいいのか?
981CC名無したん:04/01/03 20:31 ID:okpwtKR4
age
982980:04/01/03 22:23 ID:6fK386gP
んじゃ立てます
983980:04/01/03 22:34 ID:6fK386gP
立てますた
カードキャプターすみれ さくらと小狼の子供たち 2
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/sakura/1073136436/l50
後は埋め立てよろ
984CC名無したん:04/01/03 23:30 ID:x2MbJ6Vg
乙。
126さんが移行したのを確認した後、こっちを埋めよう。
985CC名無したん:04/01/04 20:35 ID:IvBiDtve
126氏ノ移行ヲ確認
自沈弁開ケ
986CC名無したん:04/01/04 23:41 ID:ZZyOT3kX
後は・・・、頼む
987CC名無したん:04/01/05 22:17 ID:Bx5jX7gL
>986
了解
988CC名無したん:04/01/06 22:17 ID:vPd/g1Sk
988。
989CC名無したん
989。