●木香様臭(きがようしゅう)の原因(1/3)
[1]木香様臭の主成分はなにか
よほど酒造りの現場に近い人でなければ「木香様臭」といわれても、どんな香か想像は付かないと思いますが、
「酒を木の樽に詰めておくと付く文字通り木の香に近もの」です。
しかし、
「木香様臭」が主にアセトアルデヒドによるもので、イラつくような刺激を感じるのに対し、
「樽酒の香」は木香そのもので、多少のアセトアルデヒドは含まれますが、
テルペン類とか精油成分が主で、樽の材料である杉材のよい香りです。
一般の日本酒の場合、その中に70〜80ppm以上のアセトアルデヒドが含まれていると、
木香様臭が感じられるとされています。
発酵中の醪の中では
澱粉 → ブドウ糖 → ピルビン酸 →
(C6H12O5)n C6H12O6 CH3C(=O)
アセトアルデヒド → エチルアルコール
CH3CHO C2H5OH
という反応が連続的に行われています。
●木香様臭(きがようしゅう)の原因(2/3)
[2]醪での酵母の活性と反応
(a)酵母が盛んに増殖する醪の初期の段階では、
ピルビン酸の生成のスピードが速いので、余剰なピルビン酸は酵母の細胞から出されますが、
(b)酵母が増殖から発酵にかわり、醪の中のぶどう糖の濃度が低くなる中期以降になると、
酵母はピルビン酸を細胞の中に取り込み、それをアルコール発酵に利用します。
健全な酵母の細胞内では、
[ピルビン酸 →アセトアルデヒド→ エチルアルコール] の反応がスムースに行われます。
ところが、
酵母が弱り活性がなくなると、とたんに
[アセトアルデヒド → エチルアルコール] の反応だけが止まり、
[ピルビン酸 → アセトアルデヒド] PDC(ピルビン酸脱炭酸酵素)の活性は残るので、
アセトアルデヒドが醪の中に蓄積されることとなります。
●木香様臭(きがようしゅう)の原因(3/3)
[3]アルコール添加で酵母の活性が失われる
純米酒造りの場合は、
アルコールの蓄積とともに自然と酵母の活性は弱くなりますが、
そのころにはピルビン酸も減少しているので、アセトアルデヒドの蓄積はなく、
木香様臭が出る心配はほとんどありません。
一方、アルコールを添加する場合は、
先に説明をした通り日本酒度との関係から、まだ発酵が盛んな若い醪にアルコールを添加することとなります。
アルコールを添加すると、
醪のアルコール度数は一気に高くなり、酵母は強いダメージを受けてその活性はなくなり、酵母の自己消化が始まります。
しかも、まだ発酵が盛んな若い醪ですから、
ピルビン酸は充分減らないまま、アセトアルデヒドが蓄積され、木香様臭の原因となります。
>>50-52 可能性の一つとしてありうるけど、実際は地酒蔵みたいな
低レベルなところが、純米造ると余計にひどいことになるみたい。
【地酒】日本酒同好会スレ34合目【銘酒】
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/sake/1377699280/617 617 名前:呑んべぇさん[sage] 投稿日:2013/09/30(月) 14:15:48.57
>>615 前処理があるし、そんなに簡単でもないと思うけど。
キットの方がずっと楽でしょ。他の酸も測定するなら
HPLCの方がいいだろうけど。
某県の地酒蔵のHPLCでの有機酸の分析データが
すごいことになってるな。純米酒のピルビン酸の量が
本醸造の20倍もある。いつもの珍説は???