★北大★人獣共通感染症リサーチセンターB

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726Nanashi_et_al.
>>719
河岡義裕『インフルエンザ危機(クライシス)』 p.106〜

『1977年に登場した復活バージョンのH1N1ウイルスも、やはり感染したのは主に
若い年齢層だった。普通のインフルエンザウイルスはすべての年齢層にまんべん
なく広がるが、このウイルスの場合、27歳以上の大人は子供のときにすでにスペイ
ン風邪やその子孫ウイルスに感染していたため、抗体ができていたのだ。この27年
前にかかったウイルスに対して抵抗性を示すという事実は、インフルエンザ生ワ
クチンは効く≠ニいう根拠にもなっている。

 生ワクチンとは、名称でも分かると思うが、病気を起こさないようにその毒性を弱め
生きたウイルスを用いたものだ。型が完璧に合う生ワクチンを使えば感染が避けら
れることが、確かめられたのだ。

ただし、ウイルスもしっかり生きのびる術をもっている。77年に復活したスペイン風邪
ウイルスは翌年から少しずつ変異し、今に至るまで存在している。この項でH1N1
ウイルスは今も流行をくり返していると書いたが、それがスペイン風邪の子孫なので
ある。』