>>162 「無意味な建物」に対しての批判はあまり耳にしません。
むしろ、ハコモノの運用方法についての方をよく耳にします。
例えば、同和和向け公営住宅建物があること自体はさほど問題と
なりませんが、入居方法や家賃については、いろいろな意見があ
ります。ハコモノ関係でいえば、私は「同和地区基本5点セット」
と勝手に名前を付けていますが、「公営住宅、保育所、隣保館、
青少年会館、老人いこいの家」はどこの部落にもあるハコモノかと。
それに加えるなら、「診療所、公衆浴場、授産施設、共同作業所」と
いった所でしょうか。
本来どこの地域にも必要なものなので、いずれのハコモノも存在自
体は、美術館の類の様には問題とされません。「逆差別」の本質は、
「私たちも受益の権利がある」であろうかと思います。保育所など
は一般開放されれば、嘘のように批判が消えていきます。むしろ、
「部落の人がよく頑張って建ててくれました」みたいな感じです。逆
に、部落の側からは、「それをよし」とする向きと「私たちの成果の
いいとこどり」との声もあります。
ところで、同和地区住民が運動で行政を動かして実現したのは事実
なのですが、作った以上は、いずれの施設も所有や管理運営主体は自
治体な訳です。ですから、その運用で逆差別が生まれれば、それは
はっきりと行政責任です。行政のやり方が非常に具合が悪いのは、
「自己決定」しないところです。例え、運動側がなんといおうと、
運動側の理よりも、自身の理が正しいと思うなら、スタンスを崩しては
いけないわけです。私的な施設ならいざ知らず、税金で運営されている
わけですから、市民の納得のいかない運営方法は話になりません。地区
内施設に関しては同和地区住民の声ばかりをきき、その他の市民の意見
を積極的に聞くことはなかったと思います。情報公開も積極的にしてこ
なかったところが圧倒的に多いはずです。情報公開を積極的に行い、市
民に考える機会を与え、結論を出していく。地方自治に当たり前のことが、
特に、同和行政に関しては、欠落していたと言わざるを得ません。それ
も大きな一因かと思います。