1 :
就職戦線異状名無しさん :
02/01/27 06:07 僕はどちらかといえば、社交的な類ではなく、家に引きこもることを好む人間だ。か といって、世間とやらで問題となっているところの、そういう類のものでもない。単 に俗物の世界をあまり好かないだけなのだ。 しかし、いつまでも世間を嫌い、学生の身分に甘んじていられないことは僕自身が一 番分かっている。そういえば去年も同じことを考えていた。こんな僕でも、当然現実 社会に打って出るべく、去年就職活動なるものを人並みにはやってみたのである。俗 物の世にでるからには、できることなら自分の希望を叶えたいと、会社を選り好みし すぎ、すべからく全滅してしまったのである。そして僕は留年を決意したのである。 世間からしてみれば、このご時世、何を贅沢をなどと怪訝な目で見られることは百も 承知だ。しかし、逝きたくもない会社に行くなどということは、僕は考えられなかっ たのである。 そう、僕はシュールなリアリストであると同時に、ペシミスティックな引きこもりだった のである。
2 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/27 06:09
うまいね。
3 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/27 06:10
やれやれ
4 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/27 06:12
悲観的な引きこもり?(合ってる?)普通やん。
age
6 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/27 06:14
ヒッキーの森
7 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/27 06:26
オーケー
8 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/27 06:28
なんかカコイイ引きこもりだな(藁
9 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/27 06:33
「よくわからないな」僕は言った。 よく分からない。
10 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/27 06:34
お、今年も登場か。 「ご時世」なんて言葉はつかわんとおもうがな。 「甘んじて」「怪訝」「である調」も変。 古くないか?
11 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/27 06:41
無職は就職の対極としてではなく、その一部として存在している。
12 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/27 13:50
age
13 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/27 13:56
懐かしい、そう思ったとき僕の中で何かがはじけた。 そうだ、もう僕はかれこれ一年あまりもこの板にはりついていたのだ。 飽きもせず! その時、僕は「も う こ ん な こ と で は い け な い」と 小さな声でつぶやいた。もっと、光の中でいとおしいひとの ぬくもりにつつまれるような価値ある時をすごさなくてはいけない。 僕たちの人生はあまりに短く、あまりに不完全である。 しかしながら、ここにこれ以上関わることは、僕の人生を不完全なものですら なくしてしまう。それが今僕にははっきりとわかる。 さあ、今、この「書き込む」を押した後、旅に出ようと思う。 永い旅だ。 「懐かしい、そう思ったとき僕の中で何かがはじけた。」
やれやれ
15 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/27 14:13
>1 うまい。
16 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/27 14:20
17 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/27 14:21
7と14。いい感じだYO。 村上春樹ファンには笑える。
18 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/27 14:23
ピース
19 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/27 14:34
そのようにして僕は21から22になった。
20 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/27 14:37
「待ってた」と面接官の男は言った。「といっても20分ばかりだけどね」 「なぜわかったんですか」 「私がどうして日テレのプロデューサーになれたと思う。努力?IQ? 要領?まさか、その理由は能力があったからさ。時間を守るね」 その瞬間、僕に電気が走る。やれやれ20分も遅刻しては落ちたも 同然だ。
21 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/27 22:49
ジャズ喫茶でもやりやがれ このご時世に
22 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/27 22:51
23 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/27 22:53
村上春樹で登場する男性は絶対モテル! なじぇなんじゃろ??正直春樹本人の容貌からして本人がもてたとは 思えないんだが・・・ まあ作家の願望といったところでしょうな。
25 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/28 00:26
age
26 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/28 00:26
27 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/28 00:33
28 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/28 00:33
>>11 死は生の対極としてではなく・・
ってなんだっけ?
ノルウェイだっけ?
たしかに僕たちすべての人間は潜在的な無職だ。
「ねえ、どうしてそんなにぼんやりしてるの? もう一度訊くけど」 「たぶん就職活動にまだうまく馴染めてないんだよ」と僕は少し考えてから言った。
30 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/28 00:47
31 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/28 00:54
面接を受けるというのは非常に重大なことのようにも思えるし、 逆にまるでたいしたことじゃないようにも思える。つまり自己療養行為 としての面接があり、暇つぶしとしての面接がある。 終始自己療養行為という面接もあれば、終始暇つぶしという面接もある。 はじめは自己療養行為であったものが暇つぶしで終る例もあれば、逆の場合もある。 なんというか我々の就職活動はバブリアンの就職活動と根本的に異っているのだ。 我々はバブリアンではない―これは僕の就職活動にとって、ひとつの重大なテーゼである。
32 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/28 00:58
>>23 村上春樹は妄想族だね。でも外国で受けてるみたい。
世間の男の半分以上はダメダメクンなのに。
33 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/28 00:59
1はセンスなさすぎ。まったくそれっぽくない。 かといって、僕にはそれすらも作れないが。
僕が受話器を持ち上げるまでに、ベルは8回鳴っていた。 誰からだろう、と僕は思った。でも、わからなかった。 「もしもし、株式会社リクルートの者ですけど、ちょっと説明会に きませんか」と電話の向こうの男は穏やかな口調で言った。 「ちょっと待って」と僕はあわてて言った。「あなたはたぶん電話番号を 間違えていると思う。あなたはどこの大学の人間に電話したんだろう?」 「んーと、待って下さいね」と彼は言って、受話器からメモを取り出すような 音が聞こえた。「えーと、平成帝京大学のところ・・・」 僕だった。「僕です、それは」と僕は言った。 「じゃあ、間違ってないじゃないですか」 「ちょっと待ってください。確かに僕のところにかかってきた電話です。 でも僕には全然理解できない。あなたはどうして僕ところに電話したんだろう?」 「掛けるように言われたからです」と彼は当然という口調で言った。 「誰に?」 彼は一瞬言葉に詰まり、「君に好意を持っている匿名のレディに。その人が上司に 命令してきたんです。分かるでしょう、どういうことだか?」 あのマダムだ、と僕は思った。これがホストクラブの客の彼女が言っていた 「プレゼント」なのだ。学力が足りないために家庭教師ができなかったのも すべてはこの出会いのためだったのだと僕は理解した。
35 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/28 09:36
age
36 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/28 21:16
あげ
37 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/31 03:31
夜だし春樹
38 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/31 03:35
吉竹春樹
39 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/31 04:40
おもしろい!age
40 :
就職戦線異状名無しさん :02/01/31 07:06
Norwegien wood ってほんとは「ノルウェイ製の木製家具(一人用の椅子)」 っていう意味なんだね。
42 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/01 05:34
646 名前: 就職戦線異状名無しさん 投稿日: 2001/05/13(日) 04:56 朝の5時に人がめっきりいなくなった2chでカキコするような人間には規則正しいサラリーマン生活を送ることなどできるはずもない。 そして、それが僕だ。
43 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/01 05:46
118 名前:エリート街道さん :02/02/01 05:41 ID:gchTgm5w あれ?学歴板って入学時の偏差値をそのまま就職にあてはめてるの? やっぱ学生さんの考えだなぁ。 就職のよさでいえば(文系) A東大 B京大 一橋 C阪大 慶応 神戸 D名大 東北大 九大 E早稲田 北大 中央法 F横国 上智 その他 こんな感じだよ。これ就職板ではほとんど文句つかないよ。
44 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/01 06:34
僕は22歳で、その時中央線のシートに座っていた。その巨大な電車は 激しい雨の中をくぐりぬけて減速し、新宿駅に到着しようとしている ところだった。3月の冷ややかな雨が巨大なビルを暗く染め、コートを 着たサラリーマンや、難しい顔をしたOLたちや、予備校の看板やそんな 何もかもを面接官の顔のように陰鬱なものに見せていた。やれやれ、 また新宿か、と僕は思った。
45 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/01 06:48
やれやれ、またクソスレか、と僕は思った。
46 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/01 07:57
47 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/01 19:06
「マズコミ内定者なんて・みんな・糞くらえさ」 「ダニさ」鼠はそう言っておぞましそうに首を振った。 「奴らになんて何もできやしない。エリート顔してるやつらを見るとね、虫酸が走る」
48 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/01 19:09
「やあ、久し振り」と五反田君が言った。「懐かしいな。元気かい?」 「なんとか元気だよ」と僕は言った。 五反田君の笑顔は昔と変わらずさわやかで、歯ならびは清潔だった。 「就職活動の帰り?」と彼は訊いた。 「どうしてわかるんだろう?」 「映画俳優みたいなスーツを着ているからさ」と彼は言った。 まるで厭味のない言い方だった。 五反田君がしゃべると、周りの空気がぱっと明るくなる。 まるで映画のスクリーンのようにだ。 「今日はこれからどうするんだい?」と五反田君が言った。 「特に予定はないよ。しわくちゃになったYシャツにアイロンをかけて、 自分でゆがいたスパゲッティを食べる。あとはビールを飲んで寝るだけさ」 「そう。もしよかったら、一緒に夕飯を食べない?分厚いステーキなんかどうかな?」 まかせると僕が言うと、彼は自分の車に乗り込んで、運転手に行き先を告げた。 偶然にも、その車は、きょう僕が面接を受けた会社がつくった車だった。 ふと面接の情景が思い浮かんだ。 うちの製品で一番好きなものはなんですか、と面接官は僕に尋ねた。 僕は答えなかった。その会社の製品なんてひとつも知らなかったのだ。 「この車の名前は?」と僕は五反田君のほうを向いて言った。 「マセラティ」と彼は言った。 マセラティ、と僕は心の中で繰り返した。どこか素敵な響きだった。
49 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/02 04:10
「ここはあなたが今居るべき場所ではないわ」少し考えて彼女が言った。 「あなた疲れてるのよ」そう、たぶん、僕は疲れているのだ。 「たぶん」薄っぺらなモニタは彼女の瞳を思い出させる。何を見ているのか、何が 映っているのかいつだって僕にはさっぱり分からない。彼女の瞳は透明で固い。 「あなたはまず、電源を切るべきだと思う。早くしたほうがいいわ。ここは、とても 混乱している」 全くだ。僕は電源を切った。やれやれ。
50 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/02 04:12
田中真紀子と野上次官痛み分け! さあてポストが一つ空きました。 早稲田卒防衛次官に続いて私大の快進撃なるか。 注目しましょう。 ☆事務次官 財務省:東大法 総務省:京大法 経産省:東大法 外務省: 厚労省:京大法 法務省:東大法 国交省:東大法 文科省:京大法 農水省:筑波大 環境省:東大法 防衛庁:早大法 内閣府:京大経済 宮内庁長官:東大法 金融庁長官:東大法 警察庁長官:京大法 最高検察庁検事総長:東大法 最高裁判所長官:京大法 最高裁判所裁判官:東大法6・京大法5・中大法1・名大法1・ICU教養1 会計検査院長:慶應院 国家公安委員長:東大経済 公正取引委員長:京大法 人事院総裁:京大法
なんだここは???
あほ
ひまです
54 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/02 04:15
「ここはあなたが今居るべき場所ではないわ」少し考えて彼女が言った。
「あなたスレを間違えているのよ」そう、たぶん、
>>50 は間違えているのだ。
ちゃんと働けよ
56 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/02 23:26
age
57 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/03 02:19
ときどき、まるで義務を果たすかのように僕は憂鬱になった。 冷静に考えれば僕が憂鬱になる理由などなかった。僕はたぶん卒業できるだろうし、 それなりの会社に就職するだろう。僕はその仕事をある程度はこなせることを予感 している。ものすごく出世をしなくても、それなりにうまくやっていけるだろう。 もともと僕にはたいした欲はない。人の人生なんて、今僕がくわえている煙草の煙 みたいなものだ。そのことを嘆く人は僕の周りには多かったけれども、それがそんなに ひどいことだと僕は思わない。たぶん、好きな音楽を聴いて、好きな本を読む時間を 少しもてれば、それがこの混乱した世の中で巧くやっているってことなのだ。 そのとき後ろに人の気配を感じて僕は振り向いた。 「本当にそう思っているのか?まったくおめでてーな。あの会社がなんでお前を雇った と思う?分かっているのかと問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。」 牛はひどく不機嫌そうだった。 「ほんと、素人にはおすすめできない」 牛は何を怒っているのだろう。 「でも、僕はいつだって本当のことしか言わなかったし、彼は僕を理解したから採用 したんだと思う。それは僕があの会社でやっていけるってことじゃないかな」 「本当にそう思ってんのか?じゃあなんでお前の猫はいなくなっちまったんだ?」 牛は、一層不機嫌になったように見えた。それとも哀しんでいるのだろうか。でも、 なにに?僕が考えこむのを見て、牛は神経質そうにまばたきをぱちぱちと二回して 出て行った。そして僕はようやく牛が彼女に似ているのだと思いあたった。もちろん 似ているのは姿ではなく、その仕草だ。牛は彼女を知っているのだろうか。僕が猫を 探さずにいることを理解できないと言った彼女のことを。 僕はいまだに猫も彼女も探せずにいた。そしてたぶんそれが、僕がときたま憂鬱になる ことに関係しているのだ。よくは分からないけれど。 煙草の灰がひざに落ちて、気がつくともう二時をまわっていた。 やれやれ。 僕は頭を振った。まずは明日提出の論文を考えよう。猫を探すのはそれからでも遅くは ない。そのとき後ろに猫の気配を感じたが、振り返るのはやめておいた。たぶん、今は その時期じゃない。そう、物事のタイミングを間違えるとろくなことにならないと、 僕はうすうす気がつきはじめていた。彼女が伝えたかったのはそのことかもしれない。
58 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/03 02:57
ハルキ(・∀・)イイ!
良スレ発見
60 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/03 03:08
61 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/03 05:50
62 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/03 05:50
63 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/03 05:51
64 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/03 06:02
>>62 >macOSみたいにするやつですね。
>どの程度から悪質というかは個人差があると思いますが、
>alt+F4で簡単に抜けれる点を考えると無害
65 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/03 06:03
やれやれ
66 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/03 06:04
こんなすることのない日曜日は、洗濯物にアイロンをかけながら 2ちゃんねるをするのが日課になっている。
67 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/03 10:08
OB訪問をした時のことだ。 話を終えて帰ろうとする僕に相手が言った。 「ひとこと言わせてもらっていいかな」 「何でしょう」 「自分に同情するな」と彼は言った。「自分に同情するのは 下劣な人間のやることだ」 「覚えておきましょう」と僕は言った。そして我々は握手をして別れた。 彼は今までの世界へ、僕は自分のぬかるみへと戻っていった。
68 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/03 10:12
69 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/03 13:20
やれやれ永沢さん、あなたは立派ですよ、と僕は思った。
70 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/03 14:02
「左の猿があんたで、右のがあたしだね。あたしが会社案内 送ると、あんたがESを送ってよこす。」 僕は感心してビールを飲んだ。
71 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/03 16:04
「あなたが何を気にしているのかは知らないけれど、」手にもった封筒から、一枚の 白い紙を取り出しながら、彼女は言った。 「時間がないの。早くこれを埋めてちょうだい。」 僕は彼女から受け取ったその紙を眺めた。 「履歴書だね。」、と僕は言った。 その言葉は彼女を少し苛立たせたようだった。 「あなたが履歴書をくだらないものだと思っていることは知ってるわ。」 彼女は時計に目を走らせて言った。それは時間を見るためでないことは明らかだった。 「でも、そんなことは誰だって知っているのよ。履歴書にはあなたが昨日何を食べた かも書けやしない。それじゃ結局本当のことはわかりっこないってあなたは思っている のね。でも、そんなこと誰だって知っているのよ。そう。面接官でさえもね。」 「面接官も。やれやれ、それじゃ意味がない。」、と僕はつぶやいた。 彼女は、慎重に言葉を選ぶように言った。 「でも、それがコミュニケーションというものでしょう?」 そう、それがコミュニケーションと言うものだ。この世界では、それがルールらしいと いう事実は、僕をひどく疲れさせた。実のところ僕はまだ世の中のいろいろなルールを 受け入れきれずにいた。それは、僕が子供だということだろうか。 「ひどいね。」 僕は珈琲を飲み干して、もう一度その紙に視線を落とした。学歴、自己PR、志望動機、 性格・・・少し考えて僕は、「趣味」の欄に「スパゲティーを茹でること」と、注意深く 記入した。
72 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/03 17:45
「僕は僕だし、それにもうみんな終わったことさ。だいいち就職先なんて みんな同じようなセミナーをやっているからとてもみつけだせやしないよ。」 「じゃあ、意味なんてないじゃない?」 「意味?」 「就活する意味よ。」 「ないさ。」と僕は言った。 彼女はつまらなそうに唸ってからビーフシチューを一口食べた。
73 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/03 17:57
57さいこー藁他!!
74 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/03 18:48
良スレage もっと読みたいYO!
75 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/03 19:35
もちろん
76 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/03 23:06
やれやれ
77 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/03 23:31
「ねえ、悪いんだけど今スパゲッティを茹でているところなんだ」
78 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/04 01:52
「就職活動なんて、動物クッキーと一緒よ」
79 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/04 04:06
オーケー 正直に言おう。僕は
80 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/04 04:07
ホーケーなんだよ。
81 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/04 04:15
やれやれ。 僕はまだ誰しもが寝静まっている4時過ぎに79と80のやり取りを見て 不覚にも声を出して笑ってしまった。 「就職活動なんて心配要らないさ。糞だ。誰にだってできる」 「ぼぼぼ、ぼ、僕は、国土地理院でち、ち、」 結果は火を見るより明らかだった。無理もないと僕は思った。 この世の中は、外面のいい、要領のいい奴だけが生き残るんだよ。 改めてそう思った。そして、この泥沼を抜け出るためにもなんとか しなくては。
82 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/04 04:27
「死ね、低学歴」 と僕は呟いた。
83 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/04 04:45
「くだらない考えね」と彼女は言った。 「だってそうでしょう?誰が死のうが、あなた自身は何も変わらないのよ。」 その通りだ、と僕は思った。 僕は結局、下を見ることでしか自分の不安を紛らわせることが出来ないのだ・・・ そしてそれは、まったく意味がないことを、僕は・・・
84 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/04 07:58
「学校に行くの?」と彼女が言った。 「ああ。だって、今日は月曜日だからね。授業に出なければならない」と僕は答えた。 彼女は僕の目を覗き込むようにして言った。 「あなた、本気で言ってるの?卒業単位を揃えても就職が決まるわけではないのよ。 でも、就職が決まっていると土下座で単位はついてくる。分かるでしょう? 就職セミナーに行くべきか、学校に行くべきか」 僕はなるほど、と思った。 「オーケー。君の言うとおりだ。一緒にプロミスの説明会に行こう」
85 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/04 08:04
86 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/04 08:49
私立って 一流企業内定なら卒業簡単だって聞いた お前ら専門学校じゃないだから
87 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/04 11:23
僕は80だ。 79=85が、素直に僕を認めてくれたみたいでいつになくうれしい。 まるで嵐の中をやっとの思いで抜けきって澄み渡る青い空に遭遇した 飛行機乗りのような気分だ。 オーケー。 僕はみんなが就活に頑張って希望のところに入ってもらいたいと思う。 これから山手線に乗って皮かぶりを治してもらいに行く。 少々お金がかかるかもしれないが、それが何よりの近道だ。
88 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/04 11:28
「落ちたわ。」 彼女は僕の腕を押さえていった。 「落ちたな。」 それ以上の言葉は不必要だった。
89 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/04 11:34
僕はひたすらエントリーシートを書いている。
90 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/04 12:54
エントリーシートで肝要なことは、書きすぎないことだ。 それは、物語でいうところの第一章であると僕は思う。 そこでは、いかにして読者を惹きつけ、続きを読みたいと思わせるかに 書き手は心血を注ぐ。そこには多くの伏線が用意されなければならない。 よくできたミステリにとって一番の見せ場は、全ての謎が解かれてゆく 場面だが、そこに至るまでの伏線が巧妙に仕掛けられていればいるほど、 その種明かしに人は惹きこまれる。それと同じことだ・・・ そう、謎は面接で解かれるべきなのだ。だから、エントリーシートは 書きすぎないように注意深く記入しなければならない。 「いいかい。とにかく会ってみたいと思わせることだ。でも、それは 立派なことを書くってことじゃない。レストランのメニューで選ぶのは 豪華な素材を使ったものだけじゃないだろう?何だか分からないが、 気になる・・・そういったメニューがあるはずだ。つまりは見せ方の問題 なんだ。」 僕は煙草の煙を吐き出した。
91 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/04 22:01
「でも」 彼女はもうぬるくなってしまったコーヒーを一口飲んでからそう言った。 「人事の人だって暇じゃないわ。手っ取り早くいい人材が欲しいに決まってるでしょ。 あなたの言う謎解きなんてやってる暇はないんじゃないかと思うの。」
92 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/04 22:04
93 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/04 22:38
「しかし、だ。」 しばらくの沈黙のあと、僕は言った。 「就職雑誌に載ってるような書き方を、猿のように真似するだけのESなんて 面接官は見飽きているんじゃないかな。そんな画一的な定規で測ったような 通り一遍のことしかできない人材をこのご時世に選ぶとは思えない。」 「まかりなりにも、僕らは”個性の時代”なんて周りの大人たちにそそのか されて生きてきた人間だ。」 「僕の言いたいことがわかるかい?」
94 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/04 22:54
「上げる時間だ」 首など、簡単に刈ってしまいそうな大きな刃物を研いでいる門番に言われた。 「お前は今日から1日6回、上げるのが仕事だ。それ以上でも、それ以下でも駄目だ。 後の時間は好きに使っていい。」 ただそれだけだ。
95 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/05 00:46
「分からないわ。」と彼女が言った。それは、さよならという音に似ていた。 「私も暇がないのよ。分かるでしょう?てっとりばやくいい会社を見つけなければ ならないのよ。」 飲みかけの珈琲を置き、彼女はとても素早く荷物をまとめた。鞄を肩にかけながら、 一度ちらりとこちらを見て、頭を横にふった。 僕の前にいる彼女が知らない人に見えて、僕は少し混乱した。彼女が 身を翻したときに落ちたスプーンが嫌な金属音をたてて、僕はそれを スイッチだと感じた。彼女はスイッチを押してしまったのだ。世界を 今までとまるで違う色に変えるスイッチを。 彼女のスーツのスカートのしわが戸の向こうに消えるのを眺めながら僕は思った。 彼女はどうやっていい会社を見分けるんだろう。規模、業績、株価、データ・・・ 実に数十社もの会社のデータを集め、彼女は て っ と り ば や く いい会社を見つけるのだろうか。 やれやれ。それは僕にとってはいい会社ではなさそうだ、と僕は思った。 僕はいまだ、就職活動がそれほど悪いものだと思えずにいた。
96 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/05 01:31
「説明会なんて・みんな・糞くらえさ」
97 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/05 01:34
しこしこ
98 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/05 02:44
「あげる時間だ」、と門番が言った。 やれやれ、もうそんな時間なのか。僕は慎重に書き込むボタンを押す。 混沌としたスレの中から、あぶくのようにスレが浮き上がるのを感じた。 またすぐに沈むんだろう、意味がない。 そう思いながら門番の表情をうかがうと、彼は満足そうに見えた。 やれやれ。 今日はまだ始まったばかりで、僕はあと5回もあげなくちゃならない。
99 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/05 02:47
みんな、上手だよ。
100 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/05 03:15
夜中の3時に寝静まった冷蔵庫を漁るような人間には、 それだけの会社しか内定できない。 そして、それが僕だ。
101 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/05 11:50
102 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/05 15:31
ぼ、僕は、ち、膣の勉強がしたいんだよね。
103 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/05 20:16
同じように町田康でやって欲しいage
104 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/05 22:55
こいつは驚いたここは春樹スレだというのに103は町田康をキボンヌと言うのだ、 なんだお前は新手の荒らしかとの疑いが机の上に溜まったエントリーシートと 共に僕の胸を大きく揺さぶり、そのレスをぽかんと眺めること小一時間、机の 前で食い入るように眺めて見たからといってそのレスが消えるわけでもないので、 やれやれ、僕は町田康の文章を探しに行かなくちゃならないと春樹よろしく呟いて 検索エンジンなるものを立ち上げたのだが、膨大な検索結果に呆然目も虚ろ、 メモ虚ろに候。そもそもなんでそこでお前が町田康の文章を探しに行かなくては ならんのだ、一冊も奴の本を読んだことがないお前が書くことに何の意味があるのだ それよりも就職活動をせいと君は言った、君は新しいスーツを着ていた。 なんでお前はスーツを着ているんだ意味があるのかと喧嘩も持さない覚悟で尋ねたら 「知るか」と一言あっさりと吐き捨てて僕を置いて君は面接に行ってしまった、 その後姿は颯爽というのにふさわしいのである、だから僕はしょぼくれるのである。 一人残された僕は途方に暮れ、爪をぎりぎりと噛み髪を掻き毟りついには万年筆を齧り、 ここで僕は嘘を言った、これは情景を盛り上げるための描写であり、僕の爪は短くて 噛むことは出来ないし万年筆も持っていないが、まぁそれぐらいの気分でこの文章を 書き始めたわけである。しかしこれが103の求める文には程遠いであろうことは他ならぬ 僕自身が分かっているので、103の失望を思うと暗澹たる気分になって穴を掘って 埋まりたい気分になるのだが、僕はエントリーシートを書かなくてはならないので、 埋まっている暇はない。すいません。
105 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/05 23:45
システムなんてどうだっていいわよ!
106 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/05 23:55
面白い。
107 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 00:16
僕がドアを開けて部屋に入ると、面接官は退屈そうに書類を眺めたり、 何かを書きこんだりしていた。一人は気の弱そうなやぎに似た男で、 もう一人はいかにも営業マンらしい色の黒いたくましい体つきの男 だった。 山羊男とラガーマン、と僕は思った。 「どうぞ、座って」とやぎ男が顔を上げずに言った。 僕は「失礼します」と言って座った。座ってから大学名と名前を 言わなければならないことを思い出したが、彼らはそんなことは 気にもとめていないようだった。 「きみ、文学部なの。どんな研究してたの」とラガーマンが僕のほうを 見て言った。 「専攻はアメリカ文学で、フィッツジェラルドについて研究していました」 と僕は答えた。 「へえ、すごいね」と彼は言ったが、明らかにフィッツジェラルドについて なにも知らないようだった。 「それで、それはどういう話なの」と彼は言った。 「主人公は、周りの上流階級の人間の、自分さえよければいい、という考え 方にあきあきしているんです。その中で、貧しい生まれだけど、自分の夢 を追い求める男に出会い、彼をだんだん尊敬するようになるんです」 ラガーマンは、フィッツジェラルドを小説の題名だと思っているようだった がそんなことを言うと話がややこしくなるので僕は黙っていた。
108 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 00:32
「わかるよ」とラガーマンはうなずきながら言った。 「俺もさ、貧乏だったんだよ。大学ではラグビーやってたからバイトやる 暇もあんまりなくって、いつも小汚い格好で腹すかしてたよ。けどよ、 金持ちの坊ちゃんどもは、ブランドもののスーツにポルシェなんだよ。 俺なんか手の届かねえようないい女連れちゃってさ」 ラガーマンは僕の話が気に入ったようだった。僕はそういうことではない、 と訂正したかったが、結局彼が気に入ってくれたほうがいいのだから、と 思い直した。 「
109 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 00:33
「どうした」門番がやってきて、布団で寝込んでいた僕にこういった 「頭が割れるように痛いんです。おかげで今日一日満足にあげることができなかった」 「初めてだもんな。無理もない。」門番が塀の向こうへ飛ぶ鳥を見ながらそういった。 「劣等感、緊張、疲労、プレッシャー。そんななんやかやがいっぺんにやってきちまう んだから。まあ、無理もないな。今日のことは俺が代わりにやっておいたから、明日か らはしっかりあげてくれ」 そういうと門番は自分のところへ戻った。 あたりに しん とした夜の静寂が蘇ってきた。 僕は心なしか、この門番に好意をもっている(変な意味ではなくて)ことに気が付いた。
110 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 00:38
どことなく、世界の終りがまじってるNE!
111 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 00:39
「彼はね、ほんとにがんばりやなんだよ」と突然山羊男が口を はさんだ。 「朝は誰よりも早く来て、お客さんのところに回ってるんだよ。 お客さんも彼のためなら言うことを聞いてくれるんだよ」 ラガーマンはうれしそうな顔をしたが、 「当然のことやってるだけさ」とぶっきらぼうに言った。 「すごいですね」と僕も言った。 「すぐできるようになるよ。なんかスポーツはやってたか」 とラガーマンは僕を励ますように言った。
112 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 00:41
_ | | \ ─ ̄ / |_ _ |─ / ─ ̄| | _─ / ̄ヽ / _ | | _ _ ─ ̄ / | ∠- ̄ ヽ | ヽ、| | | | / /ヽ、 / ヽ_─ー ノ ヽ_/ _ | | _ \\ | _ ─ 、 _ _─ ー ̄ / | ─ー| ̄ | _ _─ ̄ ヽ / | | | ̄ | / | | / ̄ヽ、 _ |_ / _─ー 、 | |/ヽ | / / | \ / ) ヽ || ヽ / | ヽ_ | | ヽ、 ─ ̄ -─' \ | \_/ | ─ー \_ノ _ ─ ─ ─_ _─::::::::::::::::─ _ _ ─::::::::::::::::::::::::::::─ _ ─:::::::::( ヽ:::::::::::::::::::::::: /:::::::::::丶 ヾ::::::::::::::::::::::::: ̄\ /:::::::::::::ヾ、ヽ:丿ノ::::::::::::::::::::::::\ /:::::::::::::::::ゞ _ソ:::::::::::::::::::::::::::\ /:::::::::::::::::ノ /:::::::::::::::::::::::::::::::\ /::::::::::::::::::( /::::::::::ヾ ヽ ヽゞ::::::::::::::::ヽ /::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ i i ソ::::::::::::::::: ヽ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゞ ! i ゞ::::::::::::::::::ヽ /:::::::::::::::::::::──< ̄● ̄>─ | i |─< ̄● ̄>─:::::::ヽ |:::::::::::::::::::::/  ̄  ̄ ─ 、  ̄  ̄ ヽ::::::::| . |:::::::::::::::::::/ / ヽ ヽ:::::::| ..|::::::::::::::::::/ i | \:::::| .|:::::::::::::::::/ ヾ 丿 _ \::::| ..|::::::::::::::::/  ̄ ─ _ ` ─ ̄ ' ─ ̄ ヽ:::| |:::::::::::::::: ─ ー | | ー─ ̄ ヽ:| ヽ:::::::::::::: | ━ ─ ─ ー ─ - | | ─ ー ⌒ ─ | ヽ:::::::::::::| _ _─ ─││ ──/ヽ_ヽ | ヽ::::::::::::| ─ ̄ _─ ̄ ノ /─ | ヽ:::::::::::| _ _ ─  ̄ / 丿 | ヽ::::::::::| ヽ ̄ / ̄ - -_ / / / \:::::::::| \ ノ -_ _ ) / / / \:::::::| \ ノ ─' ノ / \:::::| ─ _ __ ー ' /
113 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 00:53
「スポーツですか。」ちょっと間を置いてそう答えた。 「体を動かすのは苦手なほうなんです。家に引きこもってるほうが好きなタイプです かといっても、世間で言うような”引きこもり”というほどじゃないですけどね」
114 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 01:01
「残念ながらやっていませんでした。アルバイトが忙しかったもので」 と僕は言った。 「そうか。それは残念だな」と彼は言ったが、急に僕への関心を失った ように見えた。 「さて、最後ですがなにか言っておきたいことは」と山羊男が時計を 見ながら言った。 僕はなにか気の利いたことを言おうと思ったが、なにも思いつけなかった ので、 「アルバイトはボーリング場で週三日働いてました。楽そうに見えて 結構根気のいる仕事です。御社でも仕事は根気よく続けます」と言った。 数秒の間があったあと、 「じゃあ、もういいかな」と山羊男は僕の顔を見て言った。 僕は頷いた。それからしばらく彼らは僕の顔を黙ってみていたので、 「ありがとうございました」と僕は頭を下げて席を立った。
115 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 01:08
ほんとにこのスレはすぐに落ちるね。 まるですでに知っていたという風に鼠は言った。 いや、そうじゃないんだ。 他のスレの上がり方が尋常じゃない。相対的に下がってるように見えるだけさ。 ほんとだ。気づかなかったよ。こんな時間にかなりの人が書いてるんだね。 鼠との付き合いも長いが、それ以上に2chとの付き合いも僕は長い。 まだ彼に言ってなかった言葉でほとんどついうっかりでてしまったのだが 「逝ってよし」 僕はこの言葉を言うと世界中の誰もが幸せになれる気がした。
116 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 01:10
帰りのエレベーターでさっきの面接を思い返してみたけれど、 どうもうまくいったとは思えなかった。 彼らは一体なにを聞きたかったんだ、と僕は思った。 考えれば考えるほどわからなかった。僕がトライアスロンの選手で 毎日死にものぐるいでトレーニングした様子でも話せば、彼らは 満足したのだろうか。満足しただろう。ラガーマンなら信じられない ぐらい興奮したに違いない。
117 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 01:10
_ | | \ ─ ̄ / |_ _ |─ / ─ ̄| | _─ / ̄ヽ / _ | | _ _ ─ ̄ / | ∠- ̄ ヽ | ヽ、| | | | / /ヽ、 / ヽ_─ー ノ ヽ_/ _ | | _ \\ | _ ─ 、 _ _─ ー ̄ / | ─ー| ̄ | _ _─ ̄ ヽ / | | | ̄ | / | | / ̄ヽ、 _ |_ / _─ー 、 | |/ヽ | / / | \ / ) ヽ || ヽ / | ヽ_ | | ヽ、 ─ ̄ -─' \ | \_/ | ─ー \_ノ _ ─ ─ ─_ _─::::::::::::::::─ _ _ ─::::::::::::::::::::::::::::─ _ ─:::::::::( ヽ:::::::::::::::::::::::: /:::::::::::丶 ヾ::::::::::::::::::::::::: ̄\ /:::::::::::::ヾ、ヽ:丿ノ::::::::::::::::::::::::\ /:::::::::::::::::ゞ _ソ:::::::::::::::::::::::::::\ /:::::::::::::::::ノ /:::::::::::::::::::::::::::::::\ /::::::::::::::::::( /::::::::::ヾ ヽ ヽゞ::::::::::::::::ヽ /::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ i i ソ::::::::::::::::: ヽ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゞ ! i ゞ::::::::::::::::::ヽ /:::::::::::::::::::::──< ̄● ̄>─ | i |─< ̄● ̄>─:::::::ヽ |:::::::::::::::::::::/  ̄  ̄ ─ 、  ̄  ̄ ヽ::::::::| . |:::::::::::::::::::/ / ヽ ヽ:::::::| ..|::::::::::::::::::/ i | \:::::| .|:::::::::::::::::/ ヾ 丿 _ \::::| ..|::::::::::::::::/  ̄ ─ _ ` ─ ̄ ' ─ ̄ ヽ:::| |:::::::::::::::: ─ ー | | ー─ ̄ ヽ:| ヽ:::::::::::::: | ━ ─ ─ ー ─ - | | ─ ー ⌒ ─ | ヽ:::::::::::::| _ _─ ─││ ──/ヽ_ヽ | ヽ::::::::::::| ─ ̄ _─ ̄ ノ /─ | ヽ:::::::::::| _ _ ─  ̄ / 丿 | ヽ::::::::::| ヽ ̄ / ̄ - -_ / / / \:::::::::| \ ノ -_ _ ) / / / \:::::::| \ ノ ─' ノ / \:::::| ─ _ __ ー ' /
118 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 01:20
僕は頭をふり、それ以上考えるのをやめた。そして、彼女の 携帯に電話してみた。 「もしもし」と彼女は言った。 「今から会えないかな。ちょっとうんざりした気分なんだ」と僕は言った。 「いいわよ」と彼女は言った。 僕たちは近所のファーストフード店で待ち合わせることにした。
119 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 01:23
「疲れてるみたいね」と彼女は僕の顔を見て言った。 「まあね」と僕は言った。 僕が山羊男とラガーマンの話をすると、彼女はくすくす笑った。 「信じられないわ」 「だろう。僕だって信じられないよ」
120 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 01:42
それから彼女は、今日はある会社のセミナーに行っていたのだ、と言った。 「それがね、信じられないぐらいたくさんの学生が来ているの。 だんだんやる気がなくなってきたわ」 「きみの気持ちはわかるよ」 しばらく僕らは黙ってサンドイッチを見ていた。それはパンがしなびていて、 あまりおいしくなさそうだった。 「わたしたち大丈夫よ、きっと」と彼女がなぐさめるように言った。 「あなたはとてもすばらしい人だし、きっと誰かにわかってもらえるわ。 私はそんなに良い会社に行きたいわけじゃないし、きっといい職場が 見つかるわ」 「そうかもしれないな」と僕は言った。
121 :
ジャイロボーラー :02/02/06 01:51
「何故だ?」「何故2ヶ月ぶりにも関わらずこんなにボールがキレているんだ?」 冬になってから全く投球動作というものをやっていなかった僕はその不可解な 現象を不思議に思った。 其の日の僕の指から放たれた直速球は少し前のように放物線を描かず、 大地の重力に反発、否、その力そのものから解き放たれたように、 シュルシュルというボールの縫い目と空気が絡みあう柔らかでなお且つ きらびやかな音を紡ぎ出して、その名の通り直線を描いている 力の程は六、七分といったところだろうか、それにも関わらず、冬にしては 暖かい午後に引かれたその音を奏でる直線は、密かに僕に僅かながら の自信と心地よいリラクゼーションを与えてくれた。
122 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 01:54
「君はどんな仕事をしたいの」と僕はふと、思いついて言ってみた。 彼女はしばらく考えていたが、 「特に思いつかないわ。でも、秘書的な仕事に興味があるの」と言った。 僕は秘書になった彼女を想像してみた。それはぴったり彼女に合っている ように思えた。 「あなたは」と彼女が尋ねた。 僕は自分のことについて考えてみた。なにをやりたいのかさっぱり わからなかった。
123 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 02:11
「パソコン関係の仕事はどうかしら。近頃は需要も増えている みたいだし」 と彼女は言った。 僕はそれについて考えてみた。悪くないかもしれないな、と僕は思った。 「でも、僕はパソコンについてなにも知らないんだ。使ったことがある けれど、インターネットやレポートを書くぐらいで」 と僕は言った。 「大丈夫よ。これから勉強すれば」と彼女は僕の腕を軽く触りながら言った。 「そうだね。いろいろ調べてみるよ」 それから僕たちは店をでて、通りを散歩した。ちょうど昼ご飯を食べに 出てきた、サラリーマンやOLで通りはいっぱいだった。僕は普段こんなに会社員ばかり がいるところを歩いたことがなかったので、少し違和感を感じた。
124 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 02:17
来年はこの通りを同じように歩いているかと思うと僕はやや疲れを 感じた。僕はこの通りになじむにはあまりも年が若すぎるように 思えた。 仕方ないんだ、と僕は思った。誰も彼もがそうなのだ。馴染みの ある世界からそうでない世界へ移動しつづけなければならないのだ。 それを望むか望まないかにかかわらず。
125 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 02:24
次の日、僕は朝起きると目玉焼きを作り、トーストとコーヒーと 一緒に食べた。ニュースでは、相変わらず日本は不況にある ようだった。僕はしばらくそれを見てから、食器を洗い、外に 出かけた。 外は寒いけれどとても良い天気だった。僕はどこに行こうか考えた。
126 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 02:29
しばらく考えて、僕は本屋に行かなくてはならないことを思い出した。 パソコンについての本が必要だったからだ。僕は、電車に乗ると、 紀伊国屋書店に向かった。 本屋は平日の開店直後にもかかわらず、混み合っていた。 僕は、パソコン関係の書棚にたどり着いたが、そこにはありとあらゆる 本がそろっているように思えた。何冊か手にとってみたがなにが なんだかさっぱりわからなかったので、僕は初心者向けの本を 何冊か買うことにした。
127 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 02:33
大学の図書館で、何時間かそれらの本を読んでいるうちに、僕は なんとかやっていけそうな気がしていた。 要するにこれまでやってきたことと同じなのだ。うまくこなすこと、 それが大事なんだ、と僕は思った。
128 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 02:45
図書館が閉まってから、僕は寮に帰った。
129 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 02:48
寮には僕の情婦、ケイコ(22)がいた。 「あなた〜ん。おかえり〜ん。」 とりあえず顔射した。 やはり顔射は最高だ。 パソコンでこの画像をうPできないか。 そうすれば僕の人生も開けるはずだ。
130 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 02:50
パターン化してきたな、詰まらんよ
131 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 03:00
次の日、僕はまた面接に出かけていた。 僕は受付で大学名と名前を言って座ってまっていると 人事の人がやってきた。 「会社に入って来る前に、コートを脱がなくちゃいけないよ」 顔を見るなり、彼はそう言った。
132 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 03:04
「すみません、知らなかったもので」 僕はそう言って、急いでコートを脱いだ。 「いいんだよ。最初は知らない学生が多いからね」 と彼は言って、にっこり笑った。よく見ると、彼はとても年が若く、 僕とあまり変わらないようにみえた。 「僕はね、人事権がないからあまり気にしなくていいよ」 と彼は言って笑った。
133 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 03:07
彼はしばらく歩いて、僕を控え室に連れていった。 そこには何人かの学生がいて、僕はほっとした。
134 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 03:11
そこで、学生は面接の順番を待ち、自分の順番が来たら呼ばれて 出ていくようだった。 僕は椅子に座って、となりに座っている女の子を見た。 彼女は脚がきれいでほっそりした女の子だった。
135 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 03:16
「あなたは何時から」と彼女は僕に尋ねた。 「11時からだよ」と僕は答えた。 「じゃあ、私たちきっと同じ時に面接ね。三人一組だから」 と彼女はにっこり微笑んで言った。 彼女が同じ時に面接で僕はなんとなく嬉しかったが、だんだん 僕は不安になってきた。山羊男とラガーマンとの面接を思い出すと なにを言ったらいいのか混乱してきた。
136 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 03:17
村上春樹と村上龍って別人?
137 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 03:18
どうでもいいけれど 春樹はもててもおかしくないだろ。 そりゃ万人にうけるタイプじゃないけれどさ あれだけ偏屈な人間だと 同じく偏屈な人間を吸い寄せられるんだよ。 まぁ今や50過ぎたおっさんだけど。
138 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 03:18
村上春樹は一浪三留
139 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 03:19
>>136 同一人物です。
二重人格で「春樹」と「龍」がいて、
性格が正反対なのです。
140 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 03:21
「ちょっと聞いていいかな」 と僕は言った。 「いいわよ」 「面接ではいったいなにを話せばいいのかな」 僕がそう言うと、彼女は信じられないというように僕を見た。 「決まってるじゃない、自己PRと志望動機よ。そんなの常識よ」 「具体的にどういうことか教えてもらえるかな」 彼女はほんとうにあきれたようだった。
141 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 03:23
何の人?
142 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 03:24
143 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 03:24
「今日の面接、あなたあきらめたほうがいいわよ」 「僕もそんな気がしてきたよ」 「今日の私の面接を見てればわかるわ、どんなふうに 言えばいいか」 と、彼女はいたずらっぽく笑って言った。
144 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 03:25
145 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 03:34
面接は、彼女と僕の他に、気のよさそうな男子学生が三人一組だった。 「では、三分間で自己PRをしてください」 挨拶が終わるやいなや、面接官はそう言った。 今日の面接官は一人で、案内してくれた人事の人とは別の人だったが まだ20代後半で、背が高く、穏やかな眼をしていた。 まるで、仏陀みたいだな、と僕は思った。 はじめまして、ミスター仏陀。
146 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 04:29
正直つまらんよ・・・・と僕は思った。 これではただの日記じゃないか。 山もなく、落ちもない。推敲も凝縮も見られない。 これじゃあ、まるで意味がない。 一つのレスはその一つで完結しているのが理想なのだ。 ・・・それはまるで、グループ面接で完全に他人に埋没してしまう 僕のように、存在の輝きを失い埋もれつつあった。 早急に考える必要がありそうだ。
147 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 04:31
44が秀逸だな。やっぱり。
148 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 11:37
夜遅くまでお疲れさん。 とても面白いよ。
149 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 20:28
次、京極いってみよう!
150 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 21:16
面接は彼女からだった。 「わたしは気配りができると自負しております。 大学時代はケアハウスを訪問するボランティアを二年間続けてきました。 お年寄りの方はちょっとした段差でつまづくことが多いのですが。。。」 彼女の話し方は見事だった。短い話でありながら、彼女がどんな経験をして、 どんなことを得たのかがわかりやすく伝わってきた。しかも、内容は、 自分がどんなに立派な人間であるかということを語っているにも関わらず、 ほどよい謙虚さの響きがあった。 その場にいた人間は、みんな感心して彼女の話に耳を傾けていた。 「私は、この長所を生かして、御社で営業事務の仕事に携わりたい と思っております」 彼女が話を締めくくると、心なしかミスター仏陀も感心しているように 見えた。
151 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 21:29
彼は、彼女の話の内容についていくつか質問をし、それに対して、 彼女は短いが気の利いた言葉で返していた。 彼女が微笑むと、ミスター仏陀も柔和な笑みを浮かべ、僕はまるで お釈迦さまと一番弟子の教義問答の場にいるような気がしてきた。 彼は満足して何かを書き終えると、真ん中に座っていた男子学生に 向かって自己PRをするよう促した。 男子学生は少し緊張しているようだった。 無理もないさ、彼女の後だもんな、と僕は思った。
152 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 21:44
「僕は明るい性格で、友達も多く、協調性とリーダーシップがある とみんなに言われます。それからサッカー部だったので、 体力にも自信があります。それから。。。」 僕は少し彼を気の毒に思った。彼女の非の打ち所のない面接の後 だけに、彼のひどさは一層目立った。 いい奴なのにな、と僕は思った。彼はいいものを持っている。 ただ、話にまとまりがないだけなのだ。ミスター仏陀は、内心、失望 しているのかもしれないが、それを顔に出すようなことはなかった。 最後に僕の番がやってきた。僕は、あらかじめ何を言おうか 少しは考えていたのにも関わらず、どんどん話が別の方向に 進んでいくような気がした。話終えたときには、汗びっしょりに なっていた。
153 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 22:05
帰りのエレベーターで、彼女は僕に向かって言った。 「どうだった、私の面接」 「完璧だったよ」 と僕は答えた。本心からそう思っていたからだ。 「ありがとう。でも、あなたの面接もなかなかよかったわよ」 「僕が?」 僕は少し驚いた。 「ええ、あなたの話はもう少し磨けばなんとかなると思うわ」 と彼女は真剣な口調で言った。 「そうは思えないな」 と僕は言った。 彼女と分かれてから、僕は彼女が言ったことについて考えてみた。 彼女のおかげで、よい面接とはどういうものなのかがよくわかった。 要するに、自分を売り込むことなのだ。題材を選び、起承転結を 取り込み、何度も何度も推敲して磨きをかける。自慢話だけれど、 自慢しすぎてもいけない。控えめに聞こえるように細心の注意を 払う。彼女は努力したのだろう。鏡に向かって微笑み、誰に とっても魅力的な人物を作り上げる。 彼女は僕にも同じような努力するように、と言いたかったのだろう。 しかし、彼女が気がついていないことが一つだけある。それは、 僕には自慢できるようなことが何一つない、ということだ。
154 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 22:30
僕は自分自身について考えてみた。 僕は平凡な学生だ。講義には真面目に通っているが、時々は さぼったりする。週三日ボーリング場でアルバイトをし、 暇なときは、友達とお酒を飲んだり、ガールフレンドとデート したりする。他人からひどく憎まれたりすることはないが、 特に好かれることもない。ごく平凡な人間だ。 僕は、自分がなにかを主張しているところを想像してみた。 僕は、根気のある人間です。ボーリング場の床をすみずみまで磨いています。 けれど、僕が言うとそれは、25メートルクロールで泳げます、とか 糞ができます、といったことと同じぐらい大したことのないように 思えた。 糞ができます、か。いいかもしれないな、と僕は思った。
155 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 23:21
寮に帰ると、ナカザヮさんから手紙が届いていた。 元気か。俺は外務小でエリート街道を走りまくっている。 今はこっちの国の人達にスシの握り方とナンパの方法をおしえている ところだ。TOEIC1000点の俺にとってはたやすい仕事だ。 ところでお前に頼みがある。あかふじ米10?「ほど送ってくれ。
156 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 23:23
僕はその手紙をやぶりすて、二度と彼に連絡しなかった。
157 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/06 23:29
僕は彼女の肉芽を指で弾いた。
「完璧な企業などといったものは存在しない。完璧な学生が 存在しないようにね。」 僕が大学生のころ偶然にも知り合ったOBは僕に向ってそう言った。 僕がその本当の意味を理解できたのは入社後のことだったが、 少くともそれをある種の慰めとしてとることも可能であった。 完璧な企業なんて存在しない、と。
159 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/07 00:04
やれやれ 今日もここに来てしまった。
160 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/07 00:24
誰かがんばって書いてYO!
161 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/07 00:27
まだ話が進むには時間が早すぎる。
163 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/07 09:22
「面接官なんて・みんな・糞くらえさ。」 鼠は面接室のテーブルに両手をついたまま人事部長に向かって 憂鬱そうにどなった。 「虫酸が走る。」 鼠が面接官の悪口を言うのは今に始まったことではないし 実際、ひどく憎んでもいた。 「何故、面接官が嫌いだと思う?」 わからない、といった風に人事部長は首を振った。 「はっきり言ってね、面接官なんて何も考えないからさ。 考えてるフリをしてるだけさ。・・・何故だと思う?」 「さあね?」 「必要がないからさ。もちろん大企業の採用担当になるには少しばかり 頭が要るけどね。面接官であり続けるためには何もいらない。 人工衛星にガソリンがいらないのと同じさ。」 鼠はしゃべりたいことだけをしゃべってしまうと、リクルートスーツのポケットから ティッシュ・ペーパーを取り出してつまらなそうに音を立てて鼻をかんだ。 鼠がどこまで真剣なのか、人事部長にはうまくつかめなかった。 「でも結局はみんな死ぬ。」人事部長は試しにそう逝ってみた。 「そりゃそうさ。みんないつかは死ぬ。でもそれまでに50年は生きなきゃならんし はっきり言って、フリーターやホームレスとして50年生きるのは 上場企業の役員として5千年生きるよりずっと疲れる。そうだろ。」 実にそのとおりだった。
164 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/07 09:38
鼠はおそろしく本を読まない。 彼がリクナビと2ch以外の文章を読んでいるところを見たことがない。 「何故本なんて読む?」 「なぜ2chなんてやる?」 ぼくは”面接の達人”のページをめくりながら 鼠のほうも見ずにそう訊き返した。 ねずみはそれについて考え込んでいたが、5分ばかり後で口を開いた。 「2chのよいところはね、結局全部煽りと荒らしになっちまうことだね。 レス999、1000ゲット、何も残りゃしない。」
165 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/07 10:41
良く晴れた春のある日、彼は合同説明会で100%の会社に出会った。 ごみごみと混雑した会場で、遠くからその会社の小さなブースを見ただけで 彼にはそのことがわかった。 その会社の採用担当も、すぐに同じように考えるようになった。 「この学生は我が社にとって100%の社員になる。」と。 あるいはあなたはこう言うかも知れない。 「事業内容が君の興味と良くあっていたんだね。」 「そういうわけじゃないんだ。」 「じゃあ、給料や休暇の待遇が気に入ったんだね。」 「そういうわけでもないんだ。」 彼とその会社は何の理屈もなく、ただ単純に100%の関係だった。 狭いブースの中で語り合えば語り合うほど、彼らはその想いを強くした。 彼とその会社の間には、何の隔たりもなかった。 彼はその場で入社を決めてしまうべきだったのだろう。 けれども、彼はそうしなかった。 「私と御社が本当に100%の関係ならば、今ここで別れても、必ずどこかで もう一度お会いすることが出来ると思うんです。」と彼は言った。 「そのときこそ、御社のために働かせていただきます。」 採用担当者も強くうなずき、そこで彼らは別れる。 しかし月日は流れ、彼はフリーターを続けた末にホームレスになってしまう。 会社は会社で小泉改革のあおりで、会社更生法を申請して倒産する。 そして、新宿西口地下広場のダンボールハウスで、彼とその会社の旧経営陣は めぐりあうことになる。 悲しい話だと思いませんか。
166 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/07 11:59
>・・・・・糞ができます、か。いいかもしれないな、と僕は思った。 この人の話、ものすごく面白いよ。 続きを楽しみにしてるよ。
167 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/07 13:15
始めて読んだけど、おもしろいよここ。書いてる人がんばってくらはい。
168 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/07 13:46
ここ2、3日で続々と猛者が書き込んでいるな。 負けてられん。
169 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/07 14:24
僕は、これから先の人生であまりいいことがないような気が してきた。もっとも、客観的に見れば、今までの人生もそんなに よいものではなかったかもしれない。受験勉強は無意味な事柄を 暗記しようとする涙ぐましい努力にすぎず、その結果、みんなと 同じような人間になっただけだった。 あのときも今も、同じことをやっているにすぎない。ただ、 かつては希望があった。なりたいものになれるかもしれない という可能性があった。 今、僕は自分の夢について考えてみた。大学に入ってから、 僕は翻訳家に興味をもったことがある。僕の専攻はアメリカ文学 だったし、翻訳家という響きは悪くないように思えたからだ。 しかし、本屋で翻訳についての雑誌を何冊か見るうちに、急速に やる気がしぼんでいった。翻訳という能力を身につけること 自体はそう難しいものではなさそうだった。もちろん、今の僕の 能力でははるかに及ばないが、何年か真面目に努力を続ければ、 到達できそうだった。しかし、問題は、そのような能力を身につけた ところで仕事がない、ということだった。未経験者はもちろん 仕事を回してもらえないので、翻訳事務所の先生に認めてもらわなければ ならない。一人前に仕事ができるようになるには、努力より、運の要素 が強いように思えた。
170 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/07 14:36
僕は、翻訳事務所で先生の下働きをする自分を想像してみた。 どのぐらい経てば、自分の名前が表にでるようになるのだろうか。 10年、20年?あるいは、一生下働きかもしれない。 そうなったとき、僕は自分の人生の選択を悔やむだろう。 成功した翻訳家達を激しく憎み、前途有望な若者達に嫉妬 するに違いない。 そんなことになるぐらいなら、最初から、なんの夢も もたないほうがましに思えた。
171 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/07 14:53
しかし、結局なにを選択しても、同じことなのだ。 同じような能力をもった者たちがひしめきあい、運の良かった 者だけが生き残る。そして、年をとるにつれて、一度選択した 道を引き返すことが難しくなる。 けれど、何かを選択しないわけにはいかないのだ。そして、 その選択の重みから逃れることができず、苦しみ続けるのだ。 それが大人になるということなんだろうな、と僕はぼんやり 思った。
172 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/07 21:52
昼間に長文の書き込みがあるところが、春樹っぽくてよい。 10時には寝てるのかな?
173 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/07 22:09
この頃、春樹的文体&考え方による日記みたいになってるな。
よっぽど文才があれば別だけど、そうでなければ>>163-
>>165 みたいな
原作パロディの方が春樹ファンとしては無難に楽しめるな。
>>165 は「100%の女の子」だよね。あの作品は結構好きだな。
短編パロディをもっと書いてくれないかな。
ファミリーアフェアとかTVピープルとか。
就活にからめるのは難しいか。
174 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/07 22:25
175 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/07 22:32
>・・・・・糞ができます、か。いいかもしれないな、と僕は思った。 ・・・・・糞ができます、か。悪くないな、と僕は思った。 だとモアベター。どうでもいいけど。
176 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/07 22:53
こうして僕は、今日もいつもと変わりなくエントリーシートに記入をし、 最後に登録ボタンを押す。この行為を何十回となく繰り返すことが 果たして今後の人生に意味があるのかどうかわからない。 結論から言ってしまえば、どこかの企業の人事が気に入り、そこにひっかかりでも すればよいのだ。 やれやれ。 住所を間違えて入力してしまったようだ。 もう駄目かもしれないな。パチン OFF。 と僕は思った。
パン屋再襲撃の話を彼女にしたことが正しかったのかどうか、僕にはわからない。 そのとき僕らは大学の4年生で、7月になるというのに僕も彼女もひとつも 内定が取れていなかった。 「こんなに物事がうまくいかないのは初めてよ。 これは何かの呪いのせいじゃないかしら?」と彼女は言った。 「呪い?」僕はびっくりして聞き返した。 「そうよ。呪いよ。だってこんなのっておかしいじゃない。 こんなにがんばっても内定が取れないなんて。あなたには心当たりはないの?」 「そういえば、こんなことがあったな。」そのようにして、僕は彼女に パン屋再襲撃の話をすることになる。 「それよ。その呪いはまだ解けていないのよ。そして今、私たちが内定を取れない 原因はそれなのよ。」 彼女はきっぱりと言った。僕はそれまでそんなことはちっとも考えなかったけれど、 彼女にそう言われると、全くその通りであるように思えた。 「マクドナルドなんて襲うからいけないのよ。あなたにそのとき本当に必要だったの はビックマックなんかじゃなかったのよ。」 確かにそうかも知れない。ぼくはマクドナルドなんか襲うべきじゃなかったのだ。 「それであなたには藤田田(デンと発音してください)の呪いが降りかかったのよ。」 「藤田田(デンと発音してください)って何だい?いったい。」 僕はまたびっくりしてしまった。 「あなた、いい年して藤田田(デンと発音してください)も知らないの?」 「世事に疎いんだ。」と僕は言い訳した。
178 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/08 00:23
いいね。いい具合だ。
179 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/08 00:39
「とんがり焼きの盛衰」きぼん。 無理か。
180 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/08 03:04
「あげる時間だ」 僕は門番が言った言葉をもう一度頭の中で繰り返し言ってみた。 やれやれ、僕はいつからこんなに薄暗く冷ややかな壁に囲まれた塀の中に 入り込んでしまったのだ。しかし、どれだけ過去の記憶をたどっても、 それがいつからのできごとだったのかを僕ははっきりと思い出すことができない。 でもとにかく、一定の時刻がきたら「あげること」がここでの僕の仕事なのだ。 そしてその一定の時刻がくるまでの二時間か三時間のあいだ、 いつも僕はここでの生活そのものについて考えていた。 そこには保留もなく条件もなかった。原因もなく説明もなかった。 「しかし」もなく「もし」もなかった。 それから春がやってきた。 春がやってきたときには、僕の心はほとんど定まっていた。 こんな生活をこのままずっと続けていくことはできない、と僕は思った。 それが僕の最終的な結論だった。
181 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/08 08:04
>>179 「あなたの応募されたとんがりESは社内でなかなか高い評価を受けています。」
「ありがとうございます。」
「特に若い社員に評判がよろしい。しかし年輩の者の中には、これではとんがりES
とは呼べない、と言う者もおりまして、賛否両論、甲論乙駁というところです。」
「はあ。」
「そこで、とんがり面接官様に直接、決めていただくことになりました。」
「とんがり面接官!!」
(ほんとに単語を入れ替えただけだ。すまん。)
182 :
就職戦線異状名無し :02/02/08 13:54
「やれやれ」 と羊男は言った。
183 :
2002年のピンボール :02/02/08 18:39
友人の携帯が鳴る、そしてこう思う。誰かが誰かに向けて何かを語ろうとしているのだ、と。 僕自信に電話がかかってきたことは一回もなかった。僕に向かって「採用ですよ、来週の水曜に 面接に来てね!」なんて景気の良い報せを運んでくる人間なんてもう誰一人いなかったし、少な くとも僕が語ってほしいと思っていることを誰一人として語ってはくれなかった。 「キミ、鼻毛出てるよ。」 「らしいね。」 多かれ少なかれ、誰もが自分のシステムに従って生き始めていた。それが僕のと違い過ぎると 腹が立つし、似過ぎていると悲しくなる。それだけのことだ。
184 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/08 18:50
「僕たちは成功者だ」 SMGの同期が言った。
185 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/08 18:55
186 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/08 21:54
誰か書きこんでよ
187 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/08 22:21
ちょっと待ってくれよ。僕は今、一日のうちでささやかだけども一番幸せな、 自分だけの食事の時間を堪能しているんだ。 食事が終わって、後片付けをし終わったら書き込んでやるからさ。 もうちょっと待ってくれないかな。 僕はもう一度そう言った。
188 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/08 22:22
189 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/08 22:22
>>187 「あなたって本当になにもわかってないのね」
190 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/08 22:24
「お前が出来るのは、1日のうちに6回このスレを上げるということだけだ。 前にも言ったが、それ以上でもそれ以下でも駄目だ。 ためしに今勢いに乗ってあげてみろ。どうなるかわかるだろ?」 僕は心の中で今日1日に上げた数を数えてみた。 悪くない。充分すぎる量だ。 と僕は思った。 「今日は上げるのをやめておくよ。」 「それが懸命だな。」門番は少しにやけながら言った。
191 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/08 23:50
先週、僕は周りの誰からもうらやましがられるような大企業の面接を蹴った。 このことに関してみんなびっくりしていたが、僕にとってはまったくそんな ことはどうでもよかった。 突撃隊だけは他の友達とは違い、僕の思っていたことがわかっていたようだ。 彼は「ち、ち、ち、膣に関わる仕事がしたいんだ」とか本当に国土地理院でしゃべって しまったらしいが、周りがひやひやしていたのと裏腹にすんなりと内定が出た ようだ。 「き、きみにはさ、もっと他の会社のほうが向いているって。 ま、前にもそう話したことがあったと思うけどさ」
192 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/08 23:51
193 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 00:11
「き、きみは英語が得意だし、知り合いと翻訳業でもしたいんじゃなかったのかい?」 「そうだよ」 「そ、それにさ、き、君は自分の好きなときに好きな仕事がやりたいっていってたよね」 「そうだよ」 「じゃ、じゃあさ、なんであんな有名企業に行こうとしてたんだい?ああゆうところは がんじがらめで君の思ってる世界とは程遠いよ。 僕はさ、ち、ち、地図を作りたくて国土地理院を受けて、幸運にも内定をもらったんだ」 至極まともだな。と僕は思った。彼のようにやりたい仕事をやれるんだったら日本人の どれくらいの人が幸せそうにしているのだろうかと、少し大げさにも思ってしまった。 しばらくの間、僕は落ち着いて考えてみることにした。 僕は何をしようとしているんだ??何処に向かっているんだ?? 考えれば考えるほど、同じところの堂堂巡りのような気がして考えが まったくまとまらなかった。
194 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 00:13
>>193 やりたいことやるのが内定への近道だよ!
195 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 00:24
やりたいことで給料をもらい、生活をするために、就職する。 これは大変まともな考えだと思う。まったくそのとおりだ。 ほとんど自分の趣味のようなものを仕事でもやっているというのは うらやましいことだと思う。 でも、その仕事(いわば趣味)がつらくなってきた場合、そのつらさの はけ口を何処に持っていけばいいのだろう。 そんな意味でも、まるっきり趣味にかぶるような仕事はやりたくない。 と、ここまで一気にいってから、彼女に聞いてみた。 「僕の言いたいこと、わかるかい?」 「ええ。とっても。」 「ピース」
196 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 00:33
みんながんばれ!ネタを思いつくんだ!
197 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 00:35
>>196 「あなたも協力しなさいよ。私の言ってることわかる??」
「どうして3連休の始まった夜にこんなところであげなきゃならないのよ。
この私が。」
少し酒に酔っていたのかもしれない。危うく階段を踏み外して下まで落ちるところだった。
2002年の1月28日から翌年の3月6日までの間に、 僕は358社のエントリーシートを提出し、54回の面接に参加し、 6921回の不採用通知を貰ったことになる。
199 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 00:47
「ところで」 もうかれこれ30分は歩いただろう。彼女に聞いてみた。 「ところで、これから我々は何処に向かうんだい?」 「あら。いわなかったかしら。職安よ。」 それはまるで何かの宗教儀式のように、無言で、ただひたすらと歩いていた。
200 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 00:51
「あなた200よ。200。わかる??」 休日の午前11時は僕にとってはまだ夢の中なのだ。 一体何が起こったというのだ?? もう少し寝させてくれ。
201 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 00:53
盛り上がってきたね!
>>199 「今はハローワークって呼ぶんだよ」と僕は言った
203 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 01:00
そう。今の時代、職安のことをハローワークと呼ぶのだ。 感じだけの硬い、暗いイメージを払拭するために、カタカナにしたそうだ。 そのほうが軽い感じがするらしい。 でも、考えても見ろよ。軽い気持ちでする職業なんてあるのかい? 一生懸命仕事をした時間と引き換えに給料をもらうんだ。ちゃらちゃらした気持ちで 仕事なんてするなよと僕は思った ハローワーク?? こんにちは仕事?? 笑わせるじゃないか。ウルグアイでもいって馬のウンコでも踏んづけてればいい。
「しかし」も「もしも」も「例えば」も存在しない。 僕は落ちだのだ。
205 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 01:07
期待をするから失望が生じる ただそれだけのことだ。
向かい合って座った僕たちの間には白いプラスチックのテーブルがあり、 その上には美辞麗句で綴った僕のESが置かれていた。 高い窓からルーベンスの絵のように差し込んだ日の光が、テーブルの真中に くっきりと明と暗の境界線を引いている。 テーブルのむこうの禿頭は光の中に、そして僕は陰の中にいた。
三回目の面接で、彼らは僕にひどく答えにくい質問をしてきた。 「君が好きなネコと羊、切れと言ったらどちらと縁を切る?」 僕は思考を止めて目を閉じ、時に流れるにまかせた。時は僕を流しつづけた。 僕はどれくらい黙っていただろう、面接官が一つ咳払いをした。 時計が九時を打った。九つ目の鐘がゆっくりと壁の中に吸い込まれてしまうと、 沈黙がその間隙にもぐりこんだ。 「落としてもいいかな?」と面接官は言った。 「いいとも」と僕は言った。
208 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 01:25
しかし、僕は落とされなかった。 面接会場で、面接官に「いいとも」などと、およそ似つかわしくない言葉を あびせてしまったのに、だ。 もっとも、1時面接が受かったに過ぎない。 一次を1時と書いている時点で僕の将来が危ぶまれそうなのははっきりしている。
「落としてもいいかな?」と面接官は言った。 「いっそのこと地獄に落として欲しい」と僕は言った。
210 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 02:00
僕は以前、人間の存在理由をテーマにした短いエントリーシートを書こうとしたこ とがある。結局エントリーシートは完成しなかったのだけれど、その間じゅう僕は人間の リーゾン・デートゥルについて考え続け、おかげで奇妙な性癖にとりつかれることになっ た。すべての物事を数値に置き換えずにはいられないという癖である。約11ヶ月間、僕 はその衝動に追いまわされた。僕はセミナーに行くとまず最初に学生の数を数え、会社パ ンフレットの枚数を数え、暇さえあれば文字数を数えた。当時の記録によれば、2001 年の1月28日から翌年の3月6日までの間に、僕は358社のエントリーシートを提出 し、54回の面接に参加し、6921回の不採用通知を貰ったことになる。 その時期、僕はそんな風に全てを数値に置き換えることによって面接官に何かを伝えら れるかもしれないと真剣に考えていた。そして面接官に伝える何かがある限り僕は確実に 内定を貰えるはずだと。しかし当然のことながら、僕の提出したエントリーシートの数や 参加したセミナーの数に対して誰一人として興味など持ちはしない。そして僕は自分のリ ーゾン・デートゥルを見失い、就職浪人になった。 そんなわけで、彼女の5つめの内定を知らされた時、僕は359枚目のエントリーシー トを書いていた。
211 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 02:20
村上春樹読まれすぎ
入り口があって出口がある。大抵のものはそんな風にできている。 郵便ポスト、電気掃除機、動物園、ソースさし。 もちろんそうでないものもある。例えば「就職板」 弱い人間はいつまでたってもここを通り過ぎることはできない。 そういった人間を、僕はダンボールにびっしりと詰められたミカンの数ほど見てきた。 もしあなたが超一流企業に就職したいのなら、東大卒が書いた指南書でも読めばいい。 テレホタイムの23時きっかりにネットをつなぎ、鴨を見つけて「祭りだワショーイ!」 と叫びつづけるような人間には、それだけのアドバイスしかできない。 そして、それが僕だ。
213 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 02:49
実のところ、春樹職人はいったい何人くらいいるんだい?
214 :
2002年のピンボール (弐) :02/02/09 02:50
>>183 毎年のことながら、冬から春にかけてのまことに冷ややかな季節を、
大学が桜美林卒だという時点ですでに放り出されそうになる僕と、孤独な
中国人風の面接官は、まるで年老いた夫婦のように肩を寄せ合って過ごした。
「やあ、また来たね。」
「ああ。」
「もう三十過ぎたんじゃないのかい?」
「まさか。」
春はいつも嫌な季節だった。冬のあいだにセミナーで街に繰り出していた僕の
後輩たちは、四月の到来を待たずに長い侮蔑の言葉を残し、遠く離れた「企業」
という高みへ彼ら自身を導いていった。そして冬の木漏れ日があたかも目に見えぬ
軽蔑の空気をさらに淀ませ、その意味合いが尚更深刻になるころ、僕のまわりを
囲んでいた就浪仲間たちの内定も決まり、それきり僕の電話は着信拒否された。
215 :
火曜日のES :02/02/09 02:59
居間でエントリーシートを書いている時に、電話がかかってきた。 僕はCDにあわせて中島みゆきの『地上の星』を口笛で吹いていた。 エントリーシートを書くにはまずうってつけの音楽だった。 電話のベルが聞こえたとき、無視しようかとも思った。エントリー シートは書き上がる寸前だったし、中島みゆきの曲は今にも田口 トモロヲのナレーションが聞こえてくるかの如く佳境にさしかかって いたのだ。しかしやはり僕は手を止め、受話器をとった。 就職活動のことで知人から電話がかかってきたのかもしれないと 思ったからだ。 「十分間、時間が欲しいな」、唐突に男が言った。 僕は人の声色の記憶にはかなり自信を持っている。それは知らない 声だった。「失礼ですが、どちらにおかけですか?」と僕は 礼儀正しく尋ねてみた。都銀のリクルーターから電話があるのは まだ1ヶ月も先のはずだった。
216 :
火曜日のES2 :02/02/09 03:04
「君にかけているんだよ。十分だけでいいから時間が欲しい。 そうすればお互いよくわかりあうことができる」と男は 言った。低くかたく、とらえどころのない声だ。 「わかりあえる?」 「気持ちがね」 僕は書きかけのエントリーシートに目をやった。残り少ない 余白とその上におかれたボールペンはひどくさみしそうだったし、 中島みゆきは歌を続けていた。 「悪いけど、今エントリーシートを書いているんです。あとで かけなおしてくれませんか」 「エントリーシート?」、男はあきれたような声を出した。 「朝の十時半にエントリーシートを書いているの?」
sage
218 :
2002年のピンボール (三) :02/02/09 03:08
>>183 >>214 「うむ。」
「両手を上げて。」
僕は天井に向って両手を上げた。面接官は僕のスーツの脇の下をじっと点検した。
「オーケー、キミ、今年もだめー」
「受かるといいね」と彼女は言った。 「君もね」と僕は言った。
220 :
2002年のピンボール (四) :02/02/09 03:23
>>183 >>214 >>218 論旨の明確でない自分で読んでも意味不明なESを抱えたまま僕は途方に暮れて
いた。たまらなく鹿児島の実家に帰りたかった。一刻も早く西郷ドンに挨拶をし、
かるかんを食べ、ニコレットと『絶対就職』を持って暖かいベッドに潜り込みた
かった。
何故僕は闇の中を走り続けるのだろう?全国数十万人のポスト企業戦士達と
骨肉の争いをしながら内定を勝ち取る、それはあまりにも馬鹿気ている。夢だ。
それも実体のない夢だ。つーか、もう七浪だ。
それでも雪印乳業の中国人風面接官は僕を呼び続けていた。
まだ何か言いたそうな彼女の唇に、僕はさよならを告げた。 彼女の唇がこんなに柔らかかったことに、僕は始めて気がついた。 そう、大切なことは、いつも、終わった後に分かる。 僕は彼女の肩をすり抜け、一流企業へと続く道を歩きだし、もう振り返らなかった。 二度と振り返らなかった。
222 :
2002年のピンボール (終) :02/02/09 04:32
>>183 >>214 >>218 >>220 僕が三十になった秋、例の中国人風面接官は電車に轢かれて死んだ。脇の臭いとツルッ禿げの
せいだった。死体は何千という肉片となってあたりの野原に飛び散り、それをバケツ五杯分に
回収した雪印は、「熊本産」だと偽って全国に出荷した。
面接官には二人の息子がいたが、どちらも彼には全くなついておらず、通夜の夜は行き付けの
バーでトランペットを吹いていた。そして彼らの母親はというと、行きずりのロシア人の股間に
顔をうずめていた。
その後、彼についての記憶は海辺に立つ廃屋のように、雨風にふかれ次第に朽ち果てていった。
こうして、僕を面接に呼ぶ者はこの世に一人もいなくなった。
とにかく、終ったんだ。
僕はコンパートメントから全国版の『フロムエー』を取り出し、ゆっくりとページをめくった。
そして幾つもの募集要項を、特に交通費が出るかどうか注意しながら、声を出して順番に読み上げ
てみた。そして奈良の都の八重桜が咲く頃、僕は馬喰町駅前のミニストップに採用された。
<終>
そして、だれも、いなくなった。
224 :
内定をめぐる冒険・1 :02/02/09 06:35
就職活動をするというのは非常に重大なことのようにも思えるし、逆にまるで たいしたことじゃないようにも思える。つまり社会へ旅立つ儀式としての就職活動があり、 リクスー女を観察するための就職活動がある。 終始内定を目指すための就職活動もあれば、終始メスに興奮するだけの就職活動もある。 はじめは内定を目指していたものがメスにハァハァして終わる例もあれば、逆の場合もある。 なんというか、低学歴の就職活動は高学歴の就職活動とは根本的に異なっているのだ。 我々は高学歴ではない―これは僕の就職活動にとって、ひとつの重大なテーゼである。
225 :
内定をめぐる冒険・2 :02/02/09 07:00
「吉野家の内定を辞退したんだって?」と彼が口を開いた。 「一ヶ月も前の話だぜ」と僕は窓の外に目をやったまま言った。牛丼を見ると 心が痛んだ。 「どうして辞退したんだ?」 「個人的な理由だよ」 「知ってるよ」と彼は我慢強く言った。「個人的じゃない内定辞退なんて 聞いたこともない」
226 :
内定をめぐる冒険・3 :02/02/09 07:31
「たしか君は大学で情報社会学を専攻していたな」と面接官は尋ねた。「就職@2ch掲示板に ついてどの程度のことを知っている? 「何も知らないのと同じですよ。僕が学んだのはもっとまともな専門的なことですからね」 「知っていることだけを話してくれ」 「DQNの吹き溜まり。低学歴と高学歴の二極分化。たしかミレニアムと騒がれていた頃に 設置されたはずです。社員に成りすまして内定者を煽るなどして現実のブラック内定を 忘れるのに利用されている。そんなところですかね」 「そおとおりだ」と面接官は言った。「ただ細かいところを訂正すると、低学歴と 高学歴の二極分化があるのではなく、低学歴と高学歴ぶりたい低学歴がいるだけだ。 就職板に高学歴は存在しない」
227 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 14:37
「今夜は一緒にいたいんだ、ミドリ」 「終電だから帰る」 「一緒にいたいんだ」 「帰るったら帰る」 僕は、彼女の乗った終電を眺めていた。 そのとき、彼女からメールがきた。 「あなたは、私がヘアスタイルを変えたことにも 気がつきませんでした。しばらく話したくありません」 僕はためいきをついた。
228 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 14:40
ヘアスタイルだって?ミドリ、君は蛙じゃないか。 一体彼女のどこが変わったんだろう。 僕は、彼女がヅラをかぶっていたことをぼんやり思い出した。
229 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 16:44
「まてる?」 「まてる?。。。」 「内定を断る人が出るまで。そうすれば、あなたは入社できるわ」
230 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 21:24
>>229 「それは違うと思うな。
なぜなら、僕は補欠になりそうなほど印象がよかったとは思えないし、
内定者に不足が出たら次点にアポをとるのが自然じゃないか。
仮に、人事が変わり者で五十音順で選ぶとしても僕は終わっている。
なんったって僕の苗字は「ワタナベ」だ。日本語だと最後の最後だよ。」
「それもそうね。」
彼女はつまらなそうにコーヒーを飲んだ。
231 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 22:07
さて、今晩もあげるとするか。 こんな日常に慣れてきた。これでもう何日目だろうか。 スレをあげるのは悪くない。ただ、このスレをあげることによって、 過去に誰かが作って、忘れ去られてしまった、板の片隅にある一つのスレが 確実に消えていくというのが、僕をなんとも悲しくてやるせなくさせるのだ。
232 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 22:50
>>231 オーケー。発掘作業をしようじゃないか。
233 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 23:18
>>232 オーケー。これは文化的雪かき行動に過ぎない。
234 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/09 23:30
そうなのだ。これこそが発掘作業、文化的雪かき行動なのだ 欺瞞でも捏造でも偽善でもない。 そしてまた僕は再びこのスレを上げる。
>>231-234 「少々見当はずれではあるけど、君たちはアマチュアにしてはよく頑張っていると思うよ」
と男は言った。「いいだろう。君の好きなようにあげるがいい。就職板が栄えてくる
4月までの1ヶ月の間はね、それでいいかな?」
236 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 00:18
僕は・リクスー女が・好きだ
237 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 00:26
それでも時間は流れていく。 今日が終わって明日になる。 それだけのことだ。 要は慣れなのだ、と誰かが言う。 慣れてしまえば楽なのだ、と。 そうかもしれない、と僕は思った。
238 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 00:30
>>236 素敵な女の子がみんな
リクスー・ガールだったらね...
239 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 00:37
>>235 すまない。230と231を書いたのは同一人物なんだ。
なんったって書いた本人がここで告白しているのだから。
>>231-234 とやっているが、
>>230-234 としてくれないか?
もっというと、232と233はこれまた別の人なんだ。
僕の言いたいことがわかるかい?
>>239 「わかるよ」と男は言った。
「ただ、ひとつの行為が行われた結果、それに続くものが現れたとする。
最初の行為者は、おそらくそれまでの人生でとるにたらない行為を繰り返してきただろう。
でも、一つの流れを生んだのはそのうちの一つの行為なんだ。この場合、行為者の
人生全てはその流れに関わっているのだろうか。流れを生んだ一つだけが、後に続くものと
同じ次元に存在していると考えるのは間違いなのだろうか?」
241 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 00:54
「よくわからないな」と僕は言った。 「多分、頭の構造がそういった思考になれていないためだと思う。 もう少し、わかりやすい一般的な表現で話してくれないかな。」
242 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 00:56
土曜日の夜だというのに、デートする相手もおらず、 2ちゃんをのぞく。 僕はたまらなく孤独を感じていた。
>>242 「結局、君はそういうのが好きなんだろうね」と男が言った。「多分、デートを
する相手がいても君は2ちゃんを覗きにくる。そういうものさ」
「そうかもしれない」と誰かは思った。
244 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 01:12
やれやれ 僕はこの言葉を余り使い過ぎないようにしている。 この言葉を言ったことで事態が改善するとは思えないし、 むしろ悪化の一途を辿る気さえする。
245 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 02:20
「就職活動は、いろんな会社を見て回れるので、よい経験 なります。社会人になったらそんなことはできない ですからね」 と人事の男はにこやかに言った。 けれど、僕は、十七の時に感じたような幸せな気分には なれそうになかった。
246 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 02:24
「きみはなぜ留年したんだね?」 「十年も前から、大学生は留年していた。 昔は誰も文句なんて言わなかった」 「これからはそんなことをしないでくれるかな」 「わかったよ」 僕は、あきらめてその場を立ち去った。 僕は昔はもっとタフだったような気がしていた。
247 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 02:26
2ちゃんねる、という言葉が僕は好きだ。 なんとなく、便所の落書きを思わせるところがある。
248 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 02:30
僕は、あるセミナー会場で、ごはんだくんと再会した。 「やあ」 彼は、ポールスミスのスーツを着て、アルマーニの ローファーを履いており、口からはキスミントの 香りがした。 僕が女の子なら失神してしまったに違いない。
249 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 02:37
2002年の冬、面接官の誰も彼もが話をしたがっていた。 話を聞きたい人間はめったにいなかったから、僕はいろんな 面接官の話を聞くはめになった。 「こ、この会社はね、ま、まるで、火星みたいなんだ。 ト、トイレでね、タ、タバコをすっちゃいけないんだ」 ある面接官はこんな話をした。 「この会社はほんとうによくある会社なんだ。 くだらない上司がいばっていて、給料は安い。 会社の中には、節約という紙が貼ってあって 夜は電球で一カ所にかたまって仕事するんだ」
250 :
1(本物) ◆zCm5oeYk :02/02/10 02:38
251 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 02:41
↑250氏根
252 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 02:46
僕は、今日も2ちゃんねるに書き込みをしていた。 なぜ、僕は土曜の夜に2ちゃんねるで書き込みなんてして いるのだろう? 僕は、面接官の彼女がたまらなくなつかしかった。 僕が将来について尋ねられたとき、 「なんとかなると思います」 と答えたとき、 「なんとかなるってなにもしてないのにどうなるんですか?」 とバカにしたように言った彼女の口調さえもなつかしかった。 「次の面接に進んでもらいます」 そう言ってもらえるなら、彼女の足の裏でさえなめたい気分だった。
253 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 02:58
「お前、そにーに行けるよ。簡単なことさ」 となかざわさんは言った。 そこで、僕は彼と一緒にそにーの面接に行った。 彼が話すと、面接官達は楽しそうだった。 一緒にいる僕の印象までよくなったようだった。 「内定!」 それはほんとうに簡単なことだった。
254 :
1(本物) ◆zCm5oeYk :02/02/10 02:59
255 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 03:00
僕は疲れ始めていた。誰も書き込んでくれないからだ。 「あなた、疲れてるのよ。眠った方がいいわ」 「そうみたいだな」 誰かが僕をハンマーで殴った。 「1+1=?」 「内定」と僕は夢の中で答えた。
「志望動機を言ってください」 「話せばとても長くなるんだ。それに今はうまく説明できない」
257 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 15:27
「私のどこが好きか言って」 と面接官は言った。 「嫌いなところなんてないよ」 「もっと具体的にどこが好きか言って」 「話している最中に眉をひそめてプレッシャーをかけたり、 僕の失言をすかさずにとらえて、立ち直れないほど 徹底的に叩きのめしたりしないところが好きだ」 「他には?」 「一度に10人の学生を並べて、自己PRをさせたり、 両親の職業や家族構成について質問しないところが 好きだ」
258 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 15:53
僕はある日、就職課を訪れていた。 そこには、いくつかの会社からの求人票がならんでいた。 僕は、ふと思いついて、履歴書の添削をしてもらうことにした。 「もっと具体的に書かないと。きれいにまとまっているけれど、 あなたという人間が伝わってこないわ」 僕は、どっと疲れが押しよせるのを感じていた。彼女の言って いることは正しいのかもしれなかった。けれど、それは最初から きれいにまとまっているのではなかった。面接官の注意をひこう と個性的な履歴書や面接を心がけようとしたこともあった。 しかし、それは一次面接では注意をひくことに成功したが、 二次面接ではうまくいかなかった。その理由は、僕が、履歴書に 書いてあるような人間ではなく、ごく平凡な人間であることが 明らかになってしまったからだろう。 就職課の女性の話を聞いていて、僕はだんだん腹が立ってきた。 彼女は、一次面接で一発芸なんてやったこともないし、やる必要 もなかったのだろう。
259 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 16:03
黙っている僕とその女性の不穏な空気を察してか、 後ろから、一人の中年の男性がやってきた。 彼は、若い女性と替わって、僕の前に座った。 彼は、いかにも冴えない中年男だった。小太りで、 頭は薄くなりかかっているし、こんなところにいるのだから、 出世しているとは言えないだろう。
260 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 16:38
彼は気さくな口調で世間話をはじめた。 彼は、いかにも同情のこもった口ぶりで、僕の置かれている 状況を理解してくれているようだった。彼は僕の優れた点を 挙げて、励まそうとした。後から考えればそれはおかしなこと だった。なぜなら、彼は僕についてほとんど何も知らない のだから。でも、その励ましは心強かった。両親は、僕が留年 してからというものの、ブリザードのように冷たい態度だったし、 面接官は気まぐれで、僕のことを見向きもしないようだった。 はっきり言って僕は自信を失いかけていたのだ。 彼は、僕の志望業界について尋ね、その業界を受けた先輩たち についていくつか話をしてくれた。それから、僕の志望理由について どこが悪いのかを指摘してくれた。 「君の志望理由だと、誰を採用しても同じことなんだよ。 君を採用するメリットがない」 そして、彼は僕と長い間話をし、僕の売りは、○○ということだから、 それを全面に押し出すといい、とアドバイスをしてくれた。 話している間、僕は少し心が軽くなっていくのを感じていた。 彼は、多くの面接官と違い、えらぶったりするところが微塵も なかった。僕は、小さい頃、近所にいた団子屋のおじさんを 思い出した。 彼は、多くの自信家の僕の友人達にとっては必要のない存在だった に違いない。けれど、僕にとって、彼は天使のようであり、 彼ほどの適役はいないように思えた。彼はここにふさわしい人間 だった。
261 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/10 23:09
「テレホ時間だけど、いいかな」 「ああ。だけど、ほどほどにしておいてくれよ。ただでさえ回線がいっぱいいっぱいなんだ。」 「ああ、そのくらいわかるさ。」 「なら頼んだよ。」
262 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/11 01:55
312 名前: 名無しさん@そうだドライブへ行こう 投稿日: 2001/04/18(水) 21:13 「十分間、自己PRをして欲しいの」唐突に女が言った。 僕は人の声色の記憶にはかなり自信を持っている。それは 知らない声だった。「失礼ですが、どちらにおかけですか?」 と僕は礼儀正しく尋ねてみた。 「あなたにかけているのよ。十分でいいから自己PRをして欲しいの。 そうすればお互いよくわかりあうことができるわ」と女は言った。 低くやわらかく、とらえどころのない声だ。 「わかりあえる?」 「気持ちがよ」 313 名前: 名無しさん@そうだドライブへ行こう 投稿日: 2001/04/18(水) 21:13 「悪いけど、今エントリーシートを書いてるんです。あとでかけなおして くれませんか?」 「エントリーシート?」、女はあきれたような声を出した。「朝の十時半に エントリーシートを書いているの?」 「あなたには関係ないことでしょう。何時に何を書こうが僕の勝手だ」、 僕はちょっとむっとして言った。 「それはそうね」、女は表情のない乾いた声で言った。ちょっとした感情の 変化で声のトーンががらりとかわるのだ。「まあいいわ。あとでかけなおすから」 「ちょっと待って」、僕はあわてて言った。「都銀のリクルーターだとしたら、 何度電話をかけてきたって無駄ですよ。こっちはメーカー志望の身だし、都銀を 受けている余裕なんてないから」 「知ってるから大丈夫よ」 「知ってるって何を」 「だからメーカー志望なんでしょう。知ってるわよ、そんなこと。だから早くあなたの 大事なエントリーシートを書いていれば」 「ねえ、あなたはいったい…」と言いかけたところで電話が切れた。すごく唐突な 切れ方だ。
263 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/11 01:55
314 名前: 名無しさん@そうだドライブへ行こう 投稿日: 2001/04/18(水) 21:13 セミナーから帰ってきてスーツを衣装棚に詰めこんでいるときに電話のベルが鳴った。 ベルはひどく苛立って鳴っているように僕には聞こえた。結び目の形を残して頭から 脱いだネクタイをテーブルの上に置いて居間に行き、受話器をとった。 「エントリーシートはもう終わったかしら?」と例の女が言った。 「終わったよ」と僕は言った。 「でもこれから中央郵便局に投函しにいかなくちゃならないんだ。」 「でも十分くらいなら待てるでしょ、投函しに行くのは。あそこなら夜でも 開いているから」 どうしてかはわからないけれど、その電話を切ってしまうことができなかった。 女の声には何かしら僕の注意を引くものがあった。「そうだな、まあ十分だけなら」 と僕は言った。 315 名前: 名無しさん@そうだドライブへ行こう 投稿日: 2001/04/18(水) 21:14 「じゃあ私たちわかりあえるわね?」と女は静かに言った。彼女が電話の向こうで 椅子にゆったりと座りなおし、脚を組んだような雰囲気が感じられた。 「それはどうかな」と僕は言った。「なにしろ十分だからね」 「十分というのはあなたが考えているよりも長いかもしれないわよ」 「君は本当に僕のことを知っているの?」僕は訊いてみた。 「もちろんよ、何度も見たわ」 「いつ、どこで?」 「いつか、どこかでよ」と女は言った。「そんなことここでいちいちあなたに 説明していたらとても十分じゃ足らないわ。大事なのは今よ。そうでしょ?」 「でも何か証拠を見せてくれないかな。君が僕のことを知ってるって証拠を」 「例えば?」 「僕の持っている内定は?」 「トラコス」と女は即座に答えた。「トラコスと富士ソフト。それでいいかしら?」 316 名前: 名無しさん@そうだドライブへ行こう 投稿日: 2001/04/18(水) 21:14 僕は黙り込んだ。確かにこの女は僕を知っている。しかしどれだけ考えてみても、 女の声に聞き覚えがなかった。「じゃあ今度はあなたが私のことを想像してみて」、 女は誘いかけるように言った。「声から想像するのよ。私がどこの都銀かってね。 何色の看板で、どことどこが統合したところか、そんなこと」 「わからない」と僕は言った。 「試してごらんなさいよ」 僕は時計に目をやった。まだ一分と五秒しか経っていない。「わからない」と 僕は繰り返した。 「じゃあ教えてあげるわ」と女は言った。「私は今渦中の中にいるのよ。最近統合を したばかりで採用人数もかなり多いの。」 僕は黙って首を振った。これじゃまるで青田刈りじゃないか。
264 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/11 23:34
あげてもいいかな?と鼠は言った。 いいとも。と僕は言った。
265 :
人事”管理”課 :02/02/11 23:40
明日です。
266 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/11 23:59
面接官、至急連絡乞う!!
267 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/12 00:51
最近、アメリカ的になっているな、と僕は思った。 第一印象ですべてが決まってしまう世の中になって きている。 そのうち、就職を希望する学生は整形手術に行くのが 常識になってしまうかもしれないな、と僕は思った。
268 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/12 00:55
僕は、自分の顔を鏡に映して見てみた。 よくもなく、悪くもない顔だった。
269 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/12 01:15
「最後に俺から一つ忠告していいかな?」 「どうぞ」 「2ちゃんに常駐するな。2ちゃんに常駐するのは 就活負け組のすることだ」 「・・・覚えておきましょう」 彼は新しい世界へ、僕は再び2ちゃんのぬかるみに 戻っていった
270 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/12 16:56
271 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/12 16:57
くそスレかと思って覗いてみたら、 何気に面白いな。このスレ。
272 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/12 17:08
このスレいいね
273 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/12 17:55
誰もが口に出さない、出してはいけない。しかし僕はあえていいたい。 就職活動とは、なんと過酷なものか。 僕たちは、学校というケイジの中で、集団になって無邪気に遊ぶだけの子供 だった。 それを、急に子宮の外に出されてしまった。僕らは、自分の頭で考え行動しな ければならない。 さらに、よりによってこの不機嫌な時代に就職活動だ。 僕たちは、幼少時代から快適なコンビニエントな生活に慣れ親しんできたんだ。 僕たちの世界に「おとな」はいなかった。 それを急に、「おとな」の世界に行かなければならない。 僕たちに、語る「夢」なんてないんじゃないか? そういい終わると、きゅうにヤツは押し黙ってしまった。 「自己分析しやがれ。」俺はそうヤツにはき捨てるように、つぶやいた。 ヤツの言葉の不吉さは、俺をますます不機嫌にそして不安にさせる。 俺は、コーヒー代の300円を乱暴にヤツの目の前に置いた。 そのまま、振り返らず、喫茶店を後にした。 外は、いつのまにか雨だった。なまぬるい雨に打たれながら、俺は駅に 向かって歩いた。
274 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/14 00:03
あげ
275 :
ageeeeeeeeeeeee :02/02/14 00:25
最初にリクルーターに会ったのはいつのことだったろう? 僕の就職活動は、そのような、いわば考古学的疑問から出発する。様々な出土品にラベルが貼り付けられ、種類別に区分けされ、分析が行われる。 さて最初のリクルーターに会ったのはいつのことであったか? 去年の11月、または12月というのが僕の推定である。どちらでもいい。 どちらにしたところで違いなんてたいしてない。正確に言うなら、まるでない。 僕にとっての2001年11月と12月は、不恰好な揃いのリクルートスーツを着た二人の醜い女子大生のようなものだからだ。
276 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/14 00:28
中公文庫にガムテープ貼って春樹の顔を封印。
277 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/16 04:35
「まともな人間はそれを自己PRと呼ぶ。もし御社が俺を 採用したいとおもうならね。俺の自己PRは他の人間の自己 PRとはずいぶん違うんだよ。」 「でも弊社を志望してはいないのね?」 「だから御社は僕の自己PRを−−−」 「自己PRなんてどうでもいいわよ!!」
278 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/16 04:38
と、面接官がどなった。面接官がどなったのを見るのは あとにも先にもこの一度きりだった。
279 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/16 22:52
「ラブホテル?」 と僕はびっくりして言った。 「面接官がラブホテルに行くんですか?」 「ええ、私けっこう上手いのよ。あなたはどう?」 「フ●●チオならやることはありますよ。あまり上手くはない けれど」 「じゃ、行きましょう」 われわれは近くでホテルをみつけて中に入った。路地のつきあたりにある 小さなホテルだった。 シックなワンピースを着た面接官と紺のリクルートスーツという 格好の僕の組み合わせはラブホテルの中ではひどく目立ったが、 面接官はあまり気にせずに部屋を選び、バッグから髪どめを出して 額のわきでとめ、玉を吸うときの邪魔にならないようにした。
280 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/16 23:05
「上手いですね」 と僕は感心して言った。 「見かけによらず、でしょう?」と面接官は丁寧に玉の位置を 測りながらにっこりとして言った。 「いったいどこで練習したんですか?」 「私の父方の祖父が昔の遊び人でね、玉舐め台を家に持っていたのよ。 それでそこに行くと小さい頃から兄と二人で玉を舐めて遊んでたの。 少し大きくなってからは祖父が正式な舐め方を教えてくれたし。 良い人だったな。スマートでハンサムでね。 もう死んじゃったけれど。」 彼女は三回つづけて抜き、四回目で失敗した。僕は辛うじて一回 イカせ、それからやさしく舐めとった。 「包茎のせいよ」と面接官は慰めてくれた。 「長くやってないせいですよ。もう二年五ヶ月もやってないから」
281 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/16 23:47
「すごく第一志望だよ(株)ミドリ」と僕は言い直した。 「すごくってどれくらい?」 「ビルが崩れて円が下がるくらい第一志望だ」 面接官は顔を上げて僕を見た。 「あなたって表現がユニークねえ」 「御社にそう言われると心が和むね」 と僕は藁って逝った。
282 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/16 23:51
「もっと素敵なこと逝って」
283 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/17 00:47
行方不明になっていた猫が戻ってきた。 ∧ ∧ ♪ (*゚ー゚) 〜(___) ♪
284 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/17 03:33
285 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/17 04:54
「人生なんて所詮ゲームなんだよ」と彼は言った。 あるいは僕ではなくて、シーヴァスリーガルの入ったグラスに向かって言った のかもしれない。 「テストも就職も所詮女だってそうさ。」 僕は言うべきことも見つからなかったので、新しいマルボロの封を切り長い間 閉じ込められていた一本の煙草を救い出し、火も付けずにしばらく眺めた。 「これからも出世ゲーム、サバイバルゲーム・・・もうゲームはうんざりなんだ」 彼はそれっきり口をつぐむと、カウンターに乗せた手の指をたき火にでもあた るかのような具合にひっくり返しながら何度も丹念に調べた。 僕はあきらめて天井を見上げた。10本の指をきちんと点検してまわらないと次 の話ははじまらない。いつものことだ。
286 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/17 16:52
「さて」とヒツヂ男は言った。 「そして今、御社はおいらを必要としている。 御社は混乱しているからだ。 御社は見失い、見失われている。 御社はいろんなものを失った。 いろんな顧客との繋ぎ目を解いてしまった。 でもそれに代わる事業がみつけられずにいる。 それで御社は混乱しているんだ。」
287 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/17 16:54
村上春樹は就職してないからこそ、春樹なんで。 もう、終わり。 凡人はせっせと働いてセックスして寝ろ。
288 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/17 17:43
画面の向こうでは小さな荒らしが吹いていた。 僕にとってはどうでもいいことだった。
289 :
nanashi :02/02/17 18:22
2チャンネラーに同情するな。 2チャンネラーに同情する奴は下劣な奴がすることだ
>>289 俺は今キューバにいる。
勘違いしないで欲しいんだがそれは村上違いだ。
まあ日本のことなんてどうでもいいか。
今はキューバを楽しむことにしよう。
ではまた。
291 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/17 22:00
後2時間ほどで、「明日」が始まる。絶望、不安、恐怖の連続だ。
292 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/18 01:17
僕は自分の人生がリアルでないように感じていた。 面接官と話をし、自己PRを考えれば考えるほど、 現実のことではない気がした。 僕は夢を持った大学生ではなかったのだろうか? 何が一体本当のことなんだろうか。 メル友、2ちゃんねる。これらは現実世界ではないと批判される。 しかし、現実の世界も僕にとってはリアルではなかった。 必死になって笑顔を作り、面接官に気にいられようとする僕は ほんとうの自分なのかわからなかった。もっと別の世界に 別の僕が存在することも十分ありうることだった。
293 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/18 01:24
思ってもいないことを口にすること。それが社会人の 習性らしい。僕は、必殺ほめ殺しの技を使うことにした。 面接官があまりにも簡単に喜ぶのに、僕は驚いた。
294 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/18 01:25
面接官達の自尊心は思った以上に高いようだった。 それは僕も同じことだったが。
295 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/18 01:28
僕は世の中に疲れているらしい。 電車に乗っていると、そのままどこか遠くへ行きたくなった。 このまま消えてなくなってしまえたらいいのに、と僕は思った。 トンネルを抜ける間に僕の存在は空気のようになっている。 それが今の僕の望むことだった。
296 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/18 01:33
しかし、そんな望みは叶わないことがわかっていた。 僕はすべてのことをうまくこなさなければならない。 それは簡単なように見えて、小さなことの積み重ねだった。 僕はその努力を放棄したくなっていた。なぜなら、それが 報われるのかどうかはわからなかったからだ。しかし、 続けないことには、何も変わらないだろう。
297 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/18 01:39
僕はマクドナルドで自己分析をしているとき、短い期間で あまりのも多くの時間をこうやって過ごしたことに気がつき、 驚いた。数多くの履歴書をここで書き、写真を貼り付けた。 僕はこのことが少し現実的であるように思えた。
298 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/18 01:41
【[遠藤 晋作]最強伝説 】
299 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/18 10:24
電車を降りると、そこには田園風景が広がっていた。 地図を頼りに畦道を歩き、山を一つ越えた所に 僕の行くべき会社があった。 「●●村営像工場」 その建物は、まるで忘れられた古代遺跡のように見えた。 所々窓ガラスが割れ、人の気配はなかった。 非常に、完全に、死んでいる と、誰かが言った。
300 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/18 12:33
>像→象ね。
301 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/18 12:40
記念すべき300ゲットが単なる訂正レスだった。 ボクはポケットからマルボロの赤い箱を取り出し、 そのうちの一本に火をつけた。やれやれ。 頭の中で思考がこだました。 やれやれやれやれやれやれ…… そう、やるしかないのだ。 300を達成したら次は400を目指す。 それが社会人なのだ。
302 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/18 13:02
「でも就活するしかないんだよ」と面接官は言った。 「それもたくさん会社を回るんだ。みんなが感心するくらいに。 回るんだ。回りつづけるんだ。何故回るかなんて考えちゃいけない。 意味なんてことは考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ。 そんなこと考え出したら足が停まる。一度足が停まったら、もう 弊社には何ともしてあげられなくなってしまう。 だから、回るんだよ。就活の続く限り。」 就活の続く限り。 …冗談じゃない。そんなに続いてたまるか。
303 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/18 21:59
>>302 いいね。
やっぱ羊男、永沢さんあたりは笑えるね。
ってことで保全age
304 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/19 01:38
「そんなに沢山会社を受けて内定なしっていうのも変な話ね」 と直子は笑って言った。 「何社受けたんだって?」 「たぶんもう八十社くらいは行ってるんじゃないかな」 と僕は言った。 「でも彼の場合相手の会社の数が増えれば増えるほど、 そのひとつひとつの試験の持つ意味はどんどん薄まって いくわけだし、それがすなわちあの男の求めている ことだと思うんだ」
305 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/19 10:33
306 :
村上もどき :02/02/19 14:41
虎ノ門で降りると、ブッシュ大統領来日のため、 あたりは警戒中の警察官でいっぱいだった。 共同通信本社ビルに入り、エレベーターで 三階に上がると、 端正な顔立ちの学生でいっぱいだった。 視線に気がつき目をやると、軽く3ヶ国語は話せそうな 女の子がこちらを見ていた。 その目はまるで冬の海岸のようにどこか寂しげだった。 「ここはあなたの来るべき場所じゃないわ」 そうかもしれない。僕はきっと来る場所を間違えているのだ。 オーケー、認めよう。 僕は記念受験だ。
307 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/19 16:35
>>269 >2ちゃんに常駐するな。2ちゃんに常駐するのは
>就活負け組のすることだ
やれやれ269さん、あなたは立派ですよ、と僕は思った。
そして溜め息をついて立ちageた。
308 :
村上もどき :02/02/20 00:44
このスレに訪れる人間は僕が思っていたよりも ずっと少ないようだ。 いずれはここもいるかホテルのようになくなり、 新しいスレッドが立つのかも知れない。 そう考えると溜め息が出た。 やれやれ、僕があげておくか。
309 :
風邪の豚を轢け :02/02/20 02:10
5時30分に電話のベルが鳴った。 「やあ、こんばんは。こちらトランスコスモスの人事部。エントリーシート書いてくれたかい?」 「トランスコスモス?」 「そう、トランスコスモス。日本が生んだ、SIのリーディングカンパニー。 ソニーより技術を持ち、NECより迅速で、IBMよりコストが安い。君はどこ受けてるの?」 「メーカーと都銀を」 「チッ、チッ、チッ、駄目だよ、そりゃ。メーカーなんて中国にやられるし、都銀はいずれ潰れる」 「ええ、まぁ」 「よーし、これで話ができるね。どうして僕が君に電話しているかわかる?」 「いいえ」 「履歴書、自己PR、取得資格。どうだい、見当はついた?」 思い出した。練習だと思ってどうでもいい会社にエントリーシートを送ってしまったのだ。 「たしかに僕はエントリーシートを送りました。でも」 「いやいやいや、言いたいことはわかってる。面接が不安なんだろう。 でも大丈夫。コツを教えてあげるから。君はどこの大学に通ってる?」 「帝京平成ですけど」 「帝京平成かー。うちはドキュソ大からは採用しないんだよねー」 「すみません」 「君はなんで帝京平成なんかに進学したの?」 「……頭が悪いからかな」 「へーーー。頭悪いのに就職しようとしてるんだ。すごいね」 僕は何年ぶりかに突然腹がたちはじめた。
310 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/20 11:21
>>309 ドキュソ会社にドキュソ大
おもしろage
311 :
nanashi :02/02/20 18:17
ていうか、ここは就職をしない人の集まりなのか。。。
312 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/20 21:59
オーケー。正直に言おう。僕はこの春に就職する。 以前は職人の側にいたが、最近はもっぱら読者としてこのスレを訪れている。 これから就職活動する人の体験に根ざした物語と、彼らの就職活動の成功を 楽しみにしているよ。
313 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/20 23:47
面接というのは不思議なものだ。たった5分か10分の間で学生の才能と努力の資質、業務適性を見分けてしまう。 僕にはとてもそんなことはできない。面接官は偉大だ。看板を持って「この人は偉大です」と紹介したいほど偉大だ。 でも、僕は、面接官の主観によって選ばれるということにどうしても納得がいかなかった。 もちろん僕だって社会のシステムというものはそれなりに理解しているつもりだ。 採用が不透明なこと、面接官の主観が混じってしまうこと、それらを完全に排除することは不可能だとわかっているし、 社会人としてそれを受け入れなければならないこともわかっている。 採用希望者が多くて一人一人に時間を割いてられないのも事実だ。 だが、理解していることとそれを受け入れることは別の問題だ。ファックはファック、ボートはボート。 面接を通じて彼らは僕の一部を見たことは確かだろう。また、僕の一部しか見ていないことも確かだ。 社会が様々な要素から成り立ち、ひとつの論理(ある人はそれを真理と呼び、ある人は正義とも呼ぶ)だけでは制御しきれないように、 僕という存在は5分では理解しきれないし、規定もできない。 僕は面接というシステムに怒りを覚えているわけではない。 普段より相対的にペシミスティックな気分になっているだけだ。キルケゴールならそれを絶望というかもしれない。 オッケー、正直に言おう。僕は面接に落ちた。それも8回だ。
314 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/20 23:50
村上春樹は「やがて悲しき外国語」のなかで君らを否定していたぞ。 高学歴=こまったエリート日本人(w
315 :
村上もどき :02/02/20 23:52
あなたもこの一ヶ月内定通知を待ちつづけて苦しかったかも しれませんが、弊社にとってもこの一ヶ月はずいぶん苦しい 一ヶ月だったのです。それはわかってあげて下さい。 正直に言って今の弊社の状況はあまり好ましいもの ではありません。弊社はなんとか自分の力で立ち直ろうと したのですが、今のところまだ良い結果は出ていません。
316 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/20 23:56
317 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/21 00:39
>>1 「あまり良い死に方じゃなさそうだね」
318 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/21 00:51
ここ結構楽しみにしてるよ
319 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/21 01:24
僕たちはあまりにも不毛な時代に生きている。 レールから下りると人生が終わるのだ。終わったとは 言えないかもしれない。僕はまだ経験していないから 知っているとは言えない。けれど、社会は一度下りた人間を 受け入れることをしない。それは事実だった。 僕は下りることを夢見ることもあった。下りた場合、人に 軽んじられることに甘んじなければならない。屈辱的な 地位だ。しかし、早い時に下りることで、また別の世界で 始められる気もしたし、いつ落ちるか心配することのない立場も 悪くないと思えた。
320 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/21 01:37
比較、比較、比較。 就活は他人との比較の連続に思えた。 僕は、見ようによってはハンサムだし、誰とでも親しく なれる性格だ。大学も中程度で悪くない。僕は自分が それほど劣った人間だとは思えなかった。 しかし、面接会場で並ぶと僕はとたんに見劣りするような 気がした。一緒に面接を受ける学生の中には、人目をひく ようなハンサムで話上手で誰もが好感をもたずにいられない ような学生がたくさんいる。僕だって悪くない。ただ一番に なれないだけなのだ。 しかし、就活で勝ち抜くには一番でなければならないような 気がした。
321 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/21 01:42
僕は人事担当者たちに尋ねたかった。 あなたは一番なんですか、と。 彼らの仕事は簡単だ。一番を選べばいいだけの話なのだから。 しかし、そうでない人間は偶然によって選ばれるしかない。 少し他の人より顔立ちが良かったから。少し他の人より話上手 だったから。少し他の人より積極的だったから。 この少しの差が偶然を左右する。
322 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/21 01:47
学生は言う「面接官は経験豊富で、数秒で人を見抜ける能力に長けている」と。 学生は言う「自分をさらけ出すことで話は通じる」と。 ある人は言った「学生の個性は他人とどれだけ同じに出来るか」と。 ある人は言った「情で商売が出来る時代は終わった」と。 ある人は言った「夢など聞きたくない。聞きたいのは稼げる自信があるかどうかだ」と。 不毛なやり取りが明日も続く。
323 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/21 01:52
僕はなぜ多くの中年男性が自信たっぷりなのかわかる ような気がした。彼ら自身、他の人と少しの差しかついて いないことがわかっているのだろう。深層心理的には自信が ないのかもしれない。しかし、自分が価値のある人間だと 自分で思わないことには、やっていけないのだろう。 他人はいつも、こちらが劣った人間であるかのように接して くる。認めれば終わりなのだ。
324 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/21 01:55
いつも自信をもっているかのように振る舞うこと。 それが大事なのだ。そうすればいつの間にか、その自信は 本物になっている。僕はそう信じたかった。
一体全体、どうして高学歴の僕が筆記ごときで落とされるのか、僕にはよく分からなかった。 そういうわけで、僕はひどく混乱してしまったし、本当のところ、いささかうんざりもしていた。 けれど、やっぱりそれは、極めて個人的な問題なのかもしれない。
>>324 「君は固く考え過ぎなんだよ。」
僕は言った。
「これが一生続くわけじゃない。いつか終わる。
もし君2chを必要とするならば、2chを使えばいいんだ。
肩に力が入っているから、そんな風に構えて物事をみちゃうんだ」
327 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/21 02:10
僕は、秩序とリスクの狭間の中で、いささかうんざりしていた。 しかしそれは、秩序やリスクそのものに身を浸すより、よほど居心地のいいものだった。 そして、それがわかることは、いまのぼくにとってとても大切なことだった。 とても必要なことだった。
>>327 しかし、そんなことはもう僕にはどうでもいいのだ。
すぎてしまった過去を懐かしんでも、それを取り戻すことは出来ない。
損なわれたものは、もう戻って来やしないのだ。
今の僕には、僕を必要としてくれる企業のために
毎日を過ごすことのほうが大事なのだ。
植物が水を吸い上げるように、それが当たり前のこととして
体に吸収されていくべきなのだ。
「アドベン、グッバイ」
僕は軽く呟いてみた。
天井からの照明が、聖なる光のシャワーのように感じられた。
夜明けは近い。
このスレ最高だな(w
>>329 「そうかもしれない。」
ぼくは言った。
「確かにこのスレに収められている文章は
村上春樹を騙った奴等によって書かれているし、
このスレに来る人もそれを楽しみに来る。
そもそもここに来る人たちは何を求めているのか。
癒しを求めているんだよ。春樹の文体を真似て
同一視することによって安らぎを得てるんだ。
確実にそういう人は存在するんだよ。」
331 :
村上もどき :02/02/21 03:00
>>330 「あるいはそうかもしれないし、そうでないかもしれない。
しかし、それは君自身の問題だ」
と僕は言った。
>>331 「馬鹿みたい。あなたなんてロバのウンコよ。」
333 :
村上もどき :02/02/21 11:59
>>332 「あなたって最高ね。そういう考え方できるのって」
と彼女は感心したように言った。
>>333 彼女の声に何かしら特別なひびきがあった。
僕は武●士の資料から顔を上げ、枯れた鉢植えごしに彼女の顔を見た。
「本当にそう思うの?」
335 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/21 15:10
「残念ですが今回はご縁がなかったということで…」 「嘘だと言ってくれないか」
336 :
>>335 :02/02/21 16:02
嫌な夢だった。おかげで朝から体がだるい。春めいたというが、 それでも朝は寒い。特に今日は冷たい雨だ。 就職活動を意識しはじめてから、日経新聞を見る習慣をつけようと 必死だった僕は、その日もテーブルにあった、おそらく父が読んだ であろう日経を手に取った。そして目を疑った。私があこがれていた 会社の倒産記事が一面で報じてあったからだ。
337 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/21 19:10
(・∀・)Y ピース
338 :
村上もどき :02/02/21 22:19
次の月曜日に採用担当は電話をかけてきて、 火曜日に我々は面接をした。 たぶん就活と呼んでいいのだと思う。 それ以外に適当な言葉を思いつけない。
339 :
村上もどき :02/02/22 09:10
「き、君はどこを志望するの?」と彼は訊ねた。 「JT●」と僕は答えた。 「●TBって添乗員やるの?」 「いや、そういうんじゃなくてね。マーケティングしたりしてさ、 研究するわけさ。国内旅行とか国外旅行とか国際旅行とかね」 国内旅行以外は行った事が無いな、と彼は言った。 僕だって殆んど行った事はない。 募集要項にそう書いてあっただけだ。 「でもとにかく旅行が好きなんだね?」と彼は言った。 「別に好きじゃないよ」と僕は言った。
340 :
村上もどき :02/02/22 09:15
その答えは彼を混乱させた。混乱するとどもりが ひどくなった。僕はとても悪いことを してしまったような気がした。 「なんでも良かったんだよ、僕の場合は」 僕は説明した。 「●工●ァンドだってトランス●ス●スだって なんだって良かったんだ。 ただたまたま旅行業界だったんだ、気が向いたのが。 それだけ」 しかしその説明はもちろん彼を納得させられなかった。
341 :
村上もどき :02/02/22 20:07
僕は三回か四回そんな風に就活をしたあとで、 ナカザワさんに質問してみた。 こんなことを七十回も続けていて空しくならないのか、と。 「行く気もない会社をまわって得るものなんて何もない。 疲れて、自分が嫌になるだけだ。そりゃ俺だって同じだよ」
342 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/22 23:15
かっこう、とメイが言った。
343 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/23 08:49
age
344 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/23 14:00
(
>>341 ナカザワさんの台詞の続き)
「日が昇る、採用担当が大学に出てきて
その辺をうろうろして説明会を開いたりしている。
会社は何かを求めていて、俺はその何かを
会社に与えることができるんだ。
それは本当に簡単なことなんだよ。
水道の蛇口をひねって水を飲むのと同じくらい
簡単なことなんだ。
そんなのあっという間に内定取れるし、
向こうだってそれを求めているのさ。」
-=・=- -=・=- 削除依頼済み
346 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/23 15:44
「2ちゃんで荒らしをするな。 2ちゃんで荒らしをするのは下劣な人間のやることだ。」
348 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/23 16:31
>>347 あるいはそれが正しいのかもしれない。
このスレはさがるのが早すぎる。
…やれやれ。
349 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/23 16:34
辞めないでYO
350 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/23 16:52
>>349 が良い事言ったよ!
そう、辞めてはいけない。
351 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/23 17:07
>>345 正義の掃除屋は低脳なので文学スレに立ち寄ったことはない。
もっぱらギャルゲ板でロリAAを貼り付けているDQN。
352 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/23 17:28
「削除屋さんは孤独な人なのかもしれないわね」 と彼女は言った。 「きっと彼女もいない寂しがり屋さんなのよ」 僕にとってはどうでもいいことだった。 世の中にはいろいろな人間がいる。 ネットを荒らしまわることでしかアイデンティティを 示せない人間。 そういう人間は確実に存在するのだ。
353 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/23 17:53
>>1 すべからく≠全て
=「須く〜〜べし」(漢文で習う、再読文字)
やれやれ・・・ また明日も無意味な時間を
355 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/23 18:03
「嘘つき!」 と面接官は言った。 しかし彼は間違っている。 僕はひとつしか嘘をつかなかった。
356 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/23 18:05
>>355 残念ながらそれ以前出てたよ。
...まあいいか。ageてくれたわけだし。
鬱・・・。 僕は何年かぶりに突然腹が立ち始めた。
358 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/23 18:39
今日、世間で言うところの集団面接というものに行ってみた。 薄暗い会議室で5人・・・いや6人か。 隣の女子学生のシャドーが艶っぽい。 あまりにも妖艶なリクルートスーツに僕は嫌悪感すら抱いた。
360 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/23 20:33
「ときどきこんな風にあげてもいい?」 「もちろんだよ」と僕は言った。
361 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/23 22:19
はいほー!
362 :
村上もどき :02/02/24 00:46
あらゆる業界を深刻に考えすぎないようにすること あらゆる理想と自分との間にしかるべき距離を置くこと 新しい僕の就職活動はこうして始まった。
363 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/24 00:52
age
364 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/24 01:07
かわいそうなねじまき鳥さん
365 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/24 01:14
「おかしいなあ、これまで不採用通知なんか出したこと 一度も無かったんだけどな」 と突撃隊はそれがまるで 僕の過失であるかのような言い方をした。 「でも出たんだよ」 と僕は頭に来て言った。
366 :
村上もどき :02/02/24 01:20
「どうしてそんなに日焼けしてるの?」 「二週間くらいずっと会社まわりしてたんだよ。 あちこち。リュックと寝袋をかついで。 だから日焼けしたんだ」 「どんなところ?」 「マスコミからメーカーをぐるっとまわってね、ドキュソ企業まで逝った」
367 :
村上春樹的面接官 :02/02/24 07:24
「・・・ということです。」学生は半ば暗記してきたような "学生時代の貴重な経験"を話した。退屈な話だった。 「僕にはよくわからないな。」何でそんな話を長々としなくてはいけないのか 本当に僕にはわからなかった。 「いや、ですから私が申し上げたいのは・・」 「なんだかそれは遠い世界の出来事のように聞こえる。」 「えっ、あの、遠い世界って?」 僕は学生の面接の相手をしながら、頭の中では全然別のことを考えていた。 そのとき考えていたのは直子のことだった。 何で彼女は死ななくてはならなかったんだろう? 突然、その学生に対して腹が立ち始めてきた。 何でお前はそんなつまらない話を続けていられるんだ? 俺は直子を失ったんだぞ。 それに比べればお前の内定なんてどうでもいいことじゃないか? しかし、そんな不条理で激しい怒りもすぐに収まっていった。 僕はたまらなくビールが飲みたかった。
368 :
村上もどき :02/02/24 14:27
>>367 「…ということです」
と僕は"学生時代の貴重な経験"を話した。
それは完璧な"学生時代の貴重な経験"だった。
Aの話がBの話になり、Bの話がCに含まれる
話になり、それはしばしば僕自身をも混乱させたが、
この話以上に貴重な経験のエピソードはなかった。
だが、面接官はひどくつまらなそうな顔をしていて
ろくに話の内容を聞いてはいないようだった。
「僕にはよくわからないな」
と面接官が言った。僕は耳を疑った。
「いや、ですから私が申し上げたいのは…」
僕は話を続けようとした。
369 :
村上もどき :02/02/24 14:29
「なんだかそれは遠い世界の出来事のように聞こえる」 と彼は言った。 面接官の瞳には薄い透明な膜が貼られていて、 その奥の世界には立ち入る事ができなかった。 「えっ、あの、遠い世界って?」 面接官は突然噛み付くような目で僕を睨みつけた。 だが、沈黙がニ三秒続いた後、表情が和らぎ、 ふうっと溜め息をついた。 情緒不安定な面接官。 と僕は思った。 やれやれ。この会社は大丈夫なのか? そう考えたらたまらなくビールが飲みたくなった。
370 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/24 19:42
「ロマンスは生まれたりするのかしら? 説明会でふと女の子と知り合ったりして」 「ロマンス?」 と僕はびっくりして言った。 「あのね、やはり君は何か思いちがいをしていると 思うね。寝袋かついでリクルートスーツで会社を まわっている人間がいったいどこでどうやって ロマンスなんてものにめぐりあえるんだよ?」
371 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/25 11:31
>>367-
>>369 春樹作品は好きだが、そんな面接官がいたら困る。
春樹好きが社会適合性が低いことの証明か?
ま、面接の後にはビールでも飲んで頑張ろう。春樹ファンの諸君。
372 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/25 11:35
「内定は出たりするのかしら?」 「内定?」 と僕はびっくりして言った。 「あのね、やはり君は何か思いちがいをしていると 思うね。寝袋かついでぼさぼさの髭で会社を まわっている人間がいったいどこでどうやって 内定なんてものにめぐりあえるんだよ?」
373 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/25 12:55
374 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/25 19:26
「なんだか同窓会みたいだ」 「楽しい雪かき」 「山羊のメイ」 「熊のプー」 「最高」 「キャンプの朝みたいだ」 「かっこう」 就職面接が全部、こんなふうならね・・
375 :
村上もどき :02/02/25 23:53
「要約するとこういうことだと思うんだ」 ナカザワさんが口をはさんだ。 「ワタナヴェには好きな企業があるんだけれどある事情があって 内定が取れない。だから仕事は仕事と割り切って他に就職 するわけだよ。それでかまわないじゃないか。話としては まともだよ。 部屋にこもってずっと2ちゃんねるやってるわけにも いかないだろう?」
376 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/26 00:35
非常に、完全に、ageている。
377 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/26 00:47
「御社に入りたいよ、トラコス」 「どれくらい入りたいの?」 「春の熊くらい入りたいよ」 「春の熊?」
378 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/26 00:56
就職情報のページを長い時間じっと眺めていると、僕はいつもある種の麻痺のようなもの を感じることになった。自分が今いったい何を求めているのか、これからどこに行こうとし ているのか、あるいはどこに行くまいとしているのか、そういうことが僕にはますますわか らなくなってしまった。 例によって、ねじまき鳥がどこかの木の上で鳴いているのが聞こえた。 ギイイイイイ
379 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/26 00:57
「ふうん」と彼女は言った。 「でも我々って言葉は好きよ。なんだか就職氷河期みたいな雰囲気がしない?」 「就職氷河期?」 「例えば、我々は職安に行くべし、とか、我々は無理やり大学院に行くべし、とかね」 「なるほど」と僕は言った。
面接を受けに来た双子は何食わぬ顔で二脚の椅子に座っていた。 まるで、真ん中に鏡があるように見分けが付かなかった。 「名前は?」と二人に尋ねてみた。連日の面接で頭が割れそうだった。 「名乗るほどの名前じゃないわ。」と右側に座った方が言った。 「実際、たいした名前じゃないの。」と左が言った。「分かるでしょう?」 「分かるよ、でも君たちは面接を受けに来たんだ。名前を教えてくれてもいいんじゃないかな?」 二人はしばらく考え込んだ。 「もしどうしても名前が欲しいなら、適当に付けてくれればいいわ。」と一人が提案した。 「あなたの好きなように呼べばいい。」 彼女たちはいつも交互に喋った。まるでFM放送のステレオ・チェックみたいに。おかがで 頭は余計に痛んだ。 「例えば?」と僕は訊ねてみた。 「右と左。」と一人が言った。 「縦と横。」ともう一人が言った。 「上と下。」 「表と裏。」 「東と西。」 やれやれ・・面接にならないじゃないか・・と僕は疼く頭を押えながら思った。
381 :
村上もどき :02/02/26 11:33
ねじまき鳥さん、おはよう。 ねじまき鳥「ギイイィイイイイ」
382 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/26 12:28
ある意味では幸せなんだよ、それ。
383 :
就職戦線異常名無しさん :02/02/26 14:20
「君にわかるのか?内定だよ、内定がでたんだよ。 まだ2月なのに・・・。なんてことだ。 わかるはずない、僕がこれから一年どうすればいいかなんて 君にはわかるはずがないんだ。」 そう彼女に言いながら、僕はもう違うことを考えていた。
384 :
村上もどき :02/02/26 20:26
「ねえ、知ってますか?あなたは今日弊社にすごくひどいこと をしたのよ。 あなたは弊社の社名が変わっていたことにすら 気がつかなかったでしょう? 弊社が少しづつ苦労して業績をのばしてやっと 先週の終わりになんとか一部上場らしい社名に 変えることができたのよ。 あなたそれにすら気がつかなかったでしょう?」
385 :
村上もどき :02/02/26 20:28
「P.S. この次グループ面接で会っても話しかけないでください」
386 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/26 20:48
そんな事より1よ、ちょいと聞いてくれよ。スレとあんま関係なくもないけどさ。 昨日、電車の中で村上春樹読んでたんです。村上春樹。 そしたらなんか学生風の奴らが春樹作品を語ってるんです。 で、よく聞いてたら、「やっぱ『ノルウェーの森』が最高だよ」とか言ってるんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 よーし、今度は『ねじまき鳥クロニクル』読んじゃうぞー、とか言ってるの。 もう聞いてられない。 お前らな、『ねじまき鳥クロニクル』のハードカバー版3冊まとめてやるから、どっか逝けと。 村上春樹ってのはもっと陰鬱であるべきなんだよ。 いつ台所のハリで首を吊ってもおかしくない、 エンパイアステートビルから傘を差して飛び降りてもおかしくない。 自殺するか自殺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。 春樹通の俺から言わせてもらえば今、春樹通の間での最新流行はやっぱり、 『1973年のピンボール』。これ。 『1973年のピンボール』ってのは喪失感が多めに入ってる。そん代わり現実感が少な目。 名前も知らない双子と暮らしながら、幻のピンボール台を求めてさまよう。これ最強。 しかしこれを読むと場末のゲーセンで、ピンボールをやり続けたくなる危険も伴う、諸刃の剣。 素人にはお勧めできない。 まあお前らド素人は、『村上朝日堂はいほー!』でも読んでなさいってこった。
387 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/26 21:06
>>385 その後
「そんなひどい顔しないでよ。なにも要求したりしないわよ。
あなたが弊社の他に第一志望企業があることはわかってるから。
ただ、弊社を選ぶときは弊社だけを選んでね。」
388 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/26 21:10
>>386 >お前らな、『ねじまき鳥クロニクル』のハードカバー版3冊まとめてやるから、
重いよー
389 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/26 22:45
>>388 に同意。
あれ第一部で読破を断念した奴多いだろうな。
390 :
村上もどき :02/02/26 22:55
390get 「それでどうしたの?」 「あの会社の内定蹴ったわよ、さっぱりと」 「どうして?」 「どうして?」とミドリは怒鳴った。「あなた頭おかしいんじゃ ないの?顧客のニーズがわかって、社員の気持ちが理解できて、 市場の風向きが読めて、なんでそんなことわかんないのよ? なんでそんなこと訊くのよ? なんでそんなこと学生に言わせるのよ? あの会社より御社のほうが好きだからにきまってるでしょ。 私だってね、もっと有名な企業の内定取りたかったわよ。 でもしかたないでしょ、御社のこと 好きになっちゃったんだから」
391 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/26 23:58
>>386 >名前も知らない双子と暮らしながら、幻のピンボール台を求めてさまよう。これ最強。
これがイマイチ。でもオモロイ
ESがかけない。 まるで才能の枯れ果てた作曲家のように。
393 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 00:22
僕はこのスレのおかげで、久しぶりに彼の作品を読み返してみた。 彼の作品は僕が思っていたよりずっと際だったものだった。 才能、と僕は思った。 僕が彼の作品を好きなのは、主人公の考え方や世間に対する身の施し方に 共感を抱いていたからだと思っていた。しかし彼の作品を読み返してみて 僕が強く惹かれたのは、その歴史小説的な側面だった。彼は学生運動が 盛んだった70年代に青春を過ごし、高度資本主義が支配する80年代 に違和感を覚えつつ、うまくステップを踏もうとする。彼は変化する 時代を生きてきた。 これは、僕たちにも共通することではないだろうか。僕たちは、経済的 繁栄にほころびを生じかけながらも、それに気がつかないでいた90年代 に青春を過ごし、2000年代に突入しようとしている。 君たちは最も豊かな時代に生まれ育ち、最も貧しい時代を迎えようとして いる、最も不幸な世代だ、とある人は言った。 本当にそうなのだろうか?僕は夢が持てないでいる。努力が報われる時代 は終わったような気がするからだ。だが、かすかに希望をもっているのは なぜだろう。
「お、御社は主にどんな業種を行っているの?」 「旅行業」 「旅行って旅するの?」 「いや、そうじゃなくってさお客様の旅行の手配をするんだよ」 「でもとにかくそういう仕事をしているんだね」 「別にしてないよ」 「なんでも良かったんだよ。我が社の場合は。人材派遣だって金融だって なんだって良かったんだ。たまたま旅行だったんだ。気が向いたのがそ れだけ」 「わからないな」 「ぼ、僕は旅行が好きだから御社の説明会にきてるわけだよね。それなの に御社は行ってないというし」
395 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 00:33
かっこう
396 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 00:35
(・∀・)Y ピース
397 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 00:36
このままさがらないといいね
398 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 00:40
このままさがらないといいね 鏡の向こうの僕が言った。
399 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 00:44
一番面白い作品はどれかな?
「かまいませんよ。僕は。永沢さんにも内定もらえない日があるんだとい うのがわかっただけでも楽しかったですよ。」 「年に一回くらいあるんだ、こういうの」 「これからどうする、ワタナベ?」 「合同説明会でもいきますよ。しばらく行ってなかったから」 「じゃあ俺はハツミ(株)の面接にでも行くよ。いいかな」 「いけないわけがないでしょう」 「もしよかったら内定くれる会社の1つくらい紹介してやれるけど、ど うだ?」 「いや、合説行きたいですね、今日は」
>>399 面白いのは世界の終わりとH・W。
好きなのは羊。
と僕は言った
402 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 00:48
羊って?羊たちの沈黙?
403 :
就職戦線異常名無しさん :02/02/27 00:51
>>401 「おねがいだ。sageないでくれないか。
僕はこのスレが一定の高さにあるのを見守っていたいんだ。
ずっとずっと見ていたいんだよ。」
404 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 00:51
また今年も出ましたね。このスレ。 俺結構好き何だよねぇ。ホットケーキのコカコーラかけを食べながら 就職活動。う〜ん、大変。
406 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 00:55
>>389 ラッシュアワーの埼京線で読破したよ。
多分、周りはかなり迷惑してたと思う。
「でも永沢さんはどうするんですか、ハツミ(株)のこと?他で内定出たら 蹴っちゃうんでしょ?ハツミ(株)はどうなるんですか?」 「それはハツミ(株)の問題であって、俺の問題ではない」 「よく意味がわかんないですね」 「つまりおれはどこにも就職するつもりはないし、そのことはハツミ(株) にもちゃんと言ってある。だからさハツミ(株)は誰かに内定だせばい いんだ。俺は止めないよ。内定出さないで俺を待ちたきゃ待ちゃあいい そういう意味だよ」
408 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 00:56
読んだことない。おもしろいの?
409 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 00:58
面接官が羊男
410 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 00:58
411 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 00:59
>>408 面白いかもしれないが
就職活動やる気がなくなると思う。たぶん、おそらく。
412 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 00:59
この不況時に、永沢さんみたいな人が存在すること自体、 驚きだった。
413 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:02
ハツミ(株)が会社更生法の適用を申請したことを 僕は永沢さんからの手紙で知った。 「ハツミ(株)の倒産で何かが永遠に失われてしまった。 それはとてもつらいことだ。この僕にとってさえも。」 僕はその手紙を破り捨て、二度と彼に手紙を書かなかった。
414 :
名無しさん@お腹いっぱい :02/02/27 01:02
永沢さんは東京大学物語やゴールデンボーイの登場人物の モチーフみたいね
415 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:02
二極化が進んでいるらしいから、永沢さんみたいな人も いるんでしょう。
416 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:05
ナメクジ飲めよ、おめーら。
417 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:06
そんなことは大したことではない。
418 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:08
内定決まったらスペイン語の勉強しろよ。
419 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:08
羊をめぐる冒険で鼠と「僕」が暗闇の中で再会するシーンがたまらなくいい。
420 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:10
本気で外国に住みたい
「でもね、俺は空を見上げて内定が落ちてくるのを待ってるわけじゃない ぜ。俺は俺なりにずいぶん就職活動している。お前の十倍くらい就職 活動している」 「そうでしょうね」 「だからね、ときどき俺は世間を見回してうんざりするんだ。どうして こいつらは就職活動というものをしないんだろう、就職活動もせずに 不平ばかり言うんだろうってね」 「僕の目から見れば世の学生はずいぶんとあくせくと就職活動している ような印象を受けるんですが、僕の見方は間違っているんでしょうか?」 「あれは就職活動ではなく、ただの会社訪問だ」
422 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:11
ノルウェイの杜で毎日抜いてますが、何か?
永沢頑張れ
424 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:12
永沢さんみたいな人と友達にならないほうがいいよ
425 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:14
>>419 「話してもいいかな。」
「もちろん」
「君から質問してくれないか。そのほうが話しやすいんだ」
「順番が後先になるけどかまわないかい?」
「ああ」
「君はもう内定してるんだろ?」
「そうだよ、俺は内定したよ」
部屋の温度がまた下がったように感じられた。
426 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:16
>>422 「君のフェラチオはすごく素敵だったよ」
「キズキ君もそういってたわ」
「僕とあいつとは意見が合うんだ」
428 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:18
>>425 「羊男が就職先を世話してくれたんだ。
面接することはそれほどつらく無かったよ。
もし心配してくれるのならね。」
429 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:20
226が一番面白い
430 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:20
今日はよく伸びるなぁ
431 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:22
予備知識がないと全然わからんな。 ファンはみんな名場面を暗記してるのか?
432 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:22
knowin' she would 的なこと好きだよね。村上春樹って。
433 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:23
そうですね
>>431 「少なくとも」と僕は言った。「長編はほとんどね」
435 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:27
107ですが面接はほんとにこんな感じだと思いません?
436 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:28
そういえば『国境の南』はほとんど使われてないなあ。 使いにくいか、やっぱり。
だから今あなたに嘘をつきます。2週間後に電話連絡するなんて嘘です。 我が社は今日あなたに内定を出すつもりで内定証書まで持ってきたんです。 そう、第2会議室には社長が待っているのです。ははは、馬鹿みたい。だっ てあなたは入社したいなんて言ってくれないんだもの。 でもまあいいや、あなたは我が社のことなんかどうでもよくて独立したがっ ているみたいだから一人にしてあげます。」
438 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:30
439 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:34
>>436 彼女は小さな壷の中からサラサラとした灰を取り出した。
「これ、私が受け取った不採用通知を焼いたものなの、26社ぶんの。」
彼女はその灰を渓流に音も無く流した。
「海まで流れていくかしら」
440 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:36
441 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:39
ダンスダンスダンス以降読んでない
442 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:44
443 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:45
>>441 それもありかも。そこから作風変わってきちゃうしね。
俺もどちらかというと以前のほうが好きだ。
444 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:48
作家って売れてない頃の作品が以外といいよね
445 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:48
世界の終わりとH.Wでやってくれー
446 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:49
「面接官は好き?」 「はい」 「どんなところが?」 「笑わないところ、かな」 「ほう、面接官は笑わない」 「上場企業の面接官は少しは笑います」 「どんなとき?」 「楽しいとき」僕は何年かぶりに腹が立ち始めてきた。 「じゃあ、面接官の漫才師なんてのがいてもいいわけだ」 「あなたがそうかもしれない」 「はっはっは」 カリフォルニアガールズ
でも我が社はあなたに対してまるっきり腹を立てているというわけではありません。 我が社はただただ寂しいのです。だってあなたは我が社に何回も会社訪問してくれ たのに我が社がしてあげられることは何も無いからです。あなたはいつもマニュアル 通りの自己PRしか言わなくて、どんな質問をしてもマニュアル通りな答えになって しまいます。 今トイレからあなたが戻ってきました。あなたは今二次面接ではなしています。 最後の質問で「あれ、株式上場したんだね」と言ってくれるかなと期待しましたが 駄目でした。もし気がついてくれたら「ねえ、我が社で働きましょう。給料たくさ ん出してあげる。いっしょにがんばりましょう」っていえたのに。 P・S・ これからリクナビ見てもエントリーしないでください
448 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:53
アイス持ってきたシーンか
450 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:54
ノルウェイの森を就職活動中に読まない方がいい。 読了後、果てしない喪失感と気だるさを味わうことになるよ。
451 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:54
>>445 面接官は若い女だったが全身ピンクのスーツに身を包み
また見事によく太っていた。
そして、音声というものを発することが出来ないようだった。
やれやれ。
(オチまでもっていけん。誰か頼む)
452 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:55
ほんとに。 春樹読むと現実忘れてしまう。
453 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 01:59
面接官とやみくろが手を結ぼうとは私としても誤算だったですよ。
454 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 02:01
彼が今の自分と同じ世代だったら、どんなこと書くか 知りたかった
455 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 02:01
就職活動中にダンスダンス読んでたな。 五反田君の話を読んでると会社なんてどこ行っても同じに思えてくる。
456 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 02:02
457 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 02:03
読もうかな! 羊をめぐる冒険途中だけど あの世界に引き込まれてしまってこわい。
458 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 02:03
「だから御社に入りたいって言ってるでしょう」と私は言った。 「でも志望理由は覚えていない」 「そんなの忘れちゃうんですよ」と私は言った。「あなただってマクドナルドの コーヒーの値段覚えていないでしょう?」 「うちがマクドナルドだが」と面接官は言った。やれやれどうやら僕は何もかも忘れてしまったらしい。
「男の学生が何百人も酒飲んだり、就職活動してるだけさ」 「ワタナベ君もするの、そういうの?」 「しない人間はいないよ」 「女の子の生理があるように男は就職活動するんだ。みんなやる。誰でも やる」 「恋人がいる人もやるのかしら?」 「そういう問題じゃないんだ。僕のとなりのKOの学生なんて就職活動してから デートに行くよ。その方が落ちつくからって」
460 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 02:04
>>456 そうか?違うような気がする。
だって団塊の世代というのは自由に生きるのがいいんでしょ
461 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 02:05
あ、失敗。
462 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 02:07
>>454 あまり変わらないんじゃないか。
問題はヤクルトが強くなってしまったことくらいだね。
463 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 02:09
デレク・ハートフィールドを本屋で探しちゃった。
464 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 02:10
けりーのばあか
「失礼?」と彼女は言った。 「高級社宅完備の/会社に関する/資料」と私は文節を切って繰り返した。 「こうきゅうしゃたくかんびのかいしゃ」と唄でも唄うように女の子は言った。 そういう風にいうと、まるで詩の題みたいに聞こえた。詩の朗読の前に詩人がその題を聴衆に告げるときの、 あのかんじだった。どんな求職者が来ても、彼女はそんな風に反復するのだろうか、 と私はちょっと考えてみた。 しょうよはねんよんかい とか、 かんぜんしゅうきゅうみっかせい、とかいう風に? そんな待遇の仕事がほんとうにあったらとても楽しいだろうと私は思った。
466 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 02:16
粗し?
468 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 02:20
>>468 世界の終わりと〜〜 の図書館の女の子との会話のシーンね!
470 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 02:24
これだけ伸びているのに感動
471 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 02:24
お互いの志望業界とかを聞いたりしないのがいいな。 一体このスレの住人は何人いるんだろう。
「ねえ、内定があることの最大の利点ってなんだと思う?」 「わからないな」 「内定がないって言えることなのよ。たとえば私がクラスの友だちに説明会に 行きましょうよって言うでしょ、すると相手はこう言うの、 「私いま内定無いから駄目」って。私がもし内定がないっていったらそれは本当 に内定がないということなんだもの。」
474 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 02:32
そう言えば面達では、どこでもいいから内定を一つとって から本命に望めとあったが、その最初の一つが難しいんだよ。。
・・・・・ ・・・・・ 面達なんて、糞くらえだ
・・・・・失敗
477 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 02:35
ていうか、一つ内定あればもうそれでいいよ
「私ね、この前面接官の前で裸になっちゃったの。全部脱いでみせてあげたの。 はい。人事部長、これオッパイよ、これオマOコよって」 「なんでまた」 「だってこれから一緒に働くわけでしょ?見せてもいいじゃない。」 「ふむ」 「取締役が来て腰抜かしてね。だって私が面接官の前で裸になって股広げてるんで すもの」
479 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 02:41
>478 すげー藁田
「ものすごく入社したいからもうやれることはなんだってやっちゃうの。毎日毎日 自己PRを考えてるわけ。今度面接に行ったらこんなPRもあんなPRもしようってね。 そして面接室に入るといろんな質問に答えられるの。そして面接官にこう言うの。 「どう、私の自己PRってすごいでしょ?もう他の学生なんかじゃ満足できなくなる わよ。ほら、他の学生がこんな自己PRしてくれる?どう?入社させたい?でも駄目 よ、まだ内定出しちゃ」
「それから私にどんな質問してもかまわないけれど不採用だけはやめてね。私これ までたくさん不採用になってるし、これ以上リクナビ見たくないの。内定が欲しい のよ。」 「そんな下らない不採用通知いらないから内定通知出してよ」 「でも不採用になったんだよ」 「いいわよ、そんなの、どうでも今はただ内定がほしいのよ。私1つも内定出てな いのよ」
482 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 05:05
ミドリシリーズ面白い …しかしこのスレの今日の伸び凄いな 皆やなことでもあったのかな?
僕は面接官と とても静かな セックスをした 面接官はなんだか泣いているようにみえた 僕はひどく混乱した
484 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 06:36
「何もかも終わったんだ」さいぐまはそうつぶやいた。
485 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 08:13
早い時期に最終面接までいって不採用通知をもらうと とても非現実的なものを求めるようになるの。 でも非現実的なものは長続きしないわ。そうでしょ。 二回も最終面接落ちすれば、もうベテランみたいなものよ。
486 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 10:45
「何も君までセミナーを休むことはないんだ。 就活生がこの時間に2chにいることを笑いたければ笑えばいい。 僕はただ、君のブッチの理由にされたくないんだよ。」 ミドリは上目遣いにちらりとこちらを見ただけで、 フェラチオの手を休めなかった。
487 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 22:15
488 :
村上もどき :02/02/27 22:35
「春のモナーくらい好きだよ」 「春のモナー?」とミドリがまた顔をあげた。 「それ何よ、春のモナーって?」 「春のウェブ上で君が就活しているとね、向こうからAAみたいな 毛並みの可愛い仔猫がやってくるんだ。 そして君にこう言うんだよ。 『こんにちは、お嬢さん、僕と一緒に人生転がりっこしませんか』 って言うんだ。 そして君とモナーで罵り合って駄スレの茂った2ちゃんの 就活版をAAで荒らして一日中遊ぶんだ。 そういうのって素敵だろ?」
489 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 22:43
>>488 「本当にそう思うんだったら」
と彼女は言った。
「一生、2chの中で生きていけばいいのよ。」
素敵な意見だった。
490 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 23:42
私はやがて判断することをほとんど停止してしまった。 何が正しくて何が正しくないのか、何が個性的で何が 凡庸なのか、それはこの面接にとってもはや重要な 問題ではないように感じられてきた。少なくとも最終的な 判断をするのは、私ではないのだ。そう思うと気が楽になった。
491 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/27 23:46
君がたどる運命は非現実的な凡庸さがたどる運命だ。
「もう半年もあれ(就職活動)やってないの?本当?」 「そうだよ」 「じゃあ、どうしてそんなに遊んでるの?」 「留年したからだよ」 「本当だ。たしかに何個か単位落としてるみたい。4年にもなって」 「留年したからだよ」 「あなたって最低ね。そういう考え方できるのって」
209と208の双子ネタ、キボンヌ☆
「一人で面接受けてるときずっとワタナベ(株)のことを思い出していたの」 「どうして」 「どうして?どうしてってどういうことよ、それ」 「つまり、どうして我が社のことを思い出すかってことだよ」 「御社に入社したいからに決まっているでしょうが!他にどんな理由がある のよ。いったいどこのだれが入社したくない会社を思い出すっていうのよ?」 「だって君には内定先があるし、我が社のことを考える必要なんてないじゃ ないか」 「内定先があったら御社のこと考えちゃいけないわけ」 「いや、べつにそういう意味じゃなくて」
495 :
村上もどき :02/02/28 01:32
「どうだった?面接うまくいった」 「途中で頭が真っ白になっちゃったよ」 「緊張しちゃったの?」 「まあね」 「駄目ねえ」 「緊張しちゃ駄目よ。そうだ今度面接の練習してあげるわよ。ああ・・・志望動機 いい・・・すごく誠意が感じられる・・・駄目、我が社としては・・・君内定出し ちゃう・・・ああ、そんな自己PRしちゃいやっ・・・とかそういうの」
497 :
村上もどき :02/02/28 02:08
498 :
村上もどき :02/02/28 02:17
もうすぐだなあ。と、僕は思った。
499 :
村上もどき :02/02/28 02:20
「か、か、革命だ。」
500 :
村上もどき :02/02/28 02:21
ヤター!500ゲトォォォォ!!  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ (´´ ∧∧ ) (´⌒(´ ⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡  ̄ ̄ (´⌒(´⌒;; ズザーーーーーッ
501 :
村上もどき :02/02/28 02:25
ヤター!500ゲトォォォォ!!  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ (´´ ∧∧ ) (´⌒(´ ⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡  ̄ ̄ (´⌒(´⌒;; ズザーーーーーッ
502 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/28 02:32
雰囲気壊れるよ。。
503 :
村上もどき :02/02/28 02:37
>>502 ごめんなさい。おっしゃるとおりです。
どうしても500が取りたかったのです。
次のカキコからはいつもの職人に戻る。
504 :
村上もどき :02/02/28 02:41
突撃隊はある国立大学で地理学を専攻していた。 「僕はね、ち、ち、地図の勉強をしているんだよ」と最初に会ったとき、彼は僕にそう言った。 「地図が好きなの?」と僕は訊いてみた。 「うん、大学を出たら昭文社に入ってさ、ち、ち、地図を作るんだ」 なるほど、世の中にはいろんな希望があり、人生の目的があるんだなと僕はあらためて感心した。 だが、昭文社の新卒採用は未だ始まっていない。その一方で、02年卒の追加募集をしている。
僕は面接官 綿谷ノボル の頭めがけてバットを振り下ろした 綿谷ノボルは あぎっ と 奇妙な声をあげひざから床に突っ伏した
506 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/28 02:46
突撃隊って結局どうなったのか、ちょっと気になる。
507 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/28 02:47
合同説明会の会場で僕はいつもひとりだった 人事は僕のテーブルになんか来ないのだ 僕はひどく混乱した なにかが ま ち が っ て い る
508 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/28 02:54
「落ちたよ」 「そう?」 「そう」
509 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/28 02:59
僕はこのスレをかなり必要としていた。愛していると 言っても過言ではなかった。
「別に特に自己PRをしなくてもいいんだ。ごく普通に振舞っていればいい。 それだけで内定がとれる。そういう就職活動は興味あるよ。そんな会社は今の日本にはないからね。 面接となると大抵の人間はオーバー・アクトする。僕のやりたいのはその逆なんだ。何もアピールしない」 彼は一口酒を飲んで天井を見た。 「でも誰も僕のところにいい企業の内定を持ってこない。僕にはコネも学歴もないからね。 僕に持ちこまれる内定は明けても暮れてもトラコスだの武富士だの先物だの、そんなブラック企業ばかりだ。 もう、飽きた。断りたいが、断れる立場に僕はない。疲労が胃にたまる」
511 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/28 03:49
それでも僕はかつての代ゼミ模試上位常連としてのささやかな誇りをバッグの底につめ、 マックの椅子に腰を下ろし、空白のエントリーシートにいつか姿を現わすかもしれないNHK行きの内定を待とう。 そしてNHKの光輝くアンテナを想い、そこで作られる番組を想おう。 だからもう何も恐れるまい。内定者が健康診断を恐れぬように、学生が圧迫面接を恐れぬように。 もしそれが本当にかなうものなら…… 友よ、 友よ、内定はあまりにも遠い
「我が社に入社してもいいからね」 「でも給料安いよ」 「そんなの残業すればすむことでしょう。遠慮しないで好きなだけ働きなさいよ。 気にいらないんなら新しい規則作って会議でプレゼンしてよ。それとも我が社では 気に入らなくてはたらけないの?」 「まさか」 「じゃ働きなさいよ。いいのよ、働いて」 「ずいぶんたくさん働いたのね」 「多すぎたかな」 「いいのよ、ばかね。好きなだけ働きなさいよ」
「人事課長、あなたは私を別に採用しなくたっていいと思ってるの?」 「君にはどうもわかってないようだけれども、会社が学生を採用するのはしかる べき時期(4〜6月)が来てからであって、学生がいまさら履歴書を郵送しても面接は 受けられるものではない」 「じゃあ私がいまごろ(10〜12月)会社に私を採用して欲しいと望むのは間違 ってることなの?たとえば御社に?」 「うん、間違ってるよ」 「まともな学生はそれを就活失敗と呼ぶ。もし君が出遅れたと思うならね。我が社 の採用時期は他の会社とほとんどおなじなんだよ」 「じゃあ、私を採用しようとしてないのね」 「だから、君は就活開始の時期が・・・」 「開始の時期なんてどうでもいいわよ!」
514 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/28 10:17
グレートギャッツビーはつまらないって思わなかった?
515 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/28 16:31
>>514 禿同。春樹は好きだが春樹の趣味までは受け入れられん。
516 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/28 16:33
やれやれ。永沢さん、あなたは立派ですよ。
517 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/28 16:37
>>515 そだね。
カーヴァーもいまいちだった。
「昔、三菱商事の面接を受けたことがある。石油の取引がしたくてね。 面接官とはとても気があった。自信もあった。うまくやれたと思う。でも駄目だった。 まわりの高学歴が、僕みたいな低学歴と一緒に仕事はしたくない、僕に内定を与えるなら辞退するっていうんだ。 なんだっけな、あの時の学生は。東大だか京大だか。いや慶應だっけな、忘れた。 でもとにかく二次面接で僕の内定は消えちゃったんだ。 それ以来またトラコス・先物・先物・消費者金融の連続だよ」 「複雑そうな就活だね」 「あるいは失敗の就活」と彼は笑って言った。
「なあ知ってるかワタナベ、就職板でまともなスレはここくらいだぞ。あとはみんな紙屑みたいなのばかりだ」 「どうしてそんなことがわかるんですか?」 「俺にはわかるんだよ。カチュのブックマークに登録するようにちゃんとわかるんだよ。 それにここの住人だけが詐称や煽りをしない」
520 :
就職戦線異状名無しさん :02/02/28 21:47
521 :
ageてみようか :02/02/28 23:48
522 :
ミドリ(良) :02/03/01 00:26
「他の学生と一緒に集団面接受けるでしょ。するとやはり半分くらい落とされるの よ。私が簡単に内定取っちゃうと「ミドリちゃんは内定もらえていいわねえ、私な んか一次面接で落ちちゃったわよ」って言うの。でもね私は会社訪問を何回もして るのよ。冗談じゃないわよ。他の学生はただ面接を受けるだけじゃない。面接受け るだけで内定もらえるんならみんなの五十倍くらい内定もらってるわよ。それなの にみんなは私に何かコネがあるみたいに思ってるのかしら。いい年した大学生なの にみんな世の中のしくみってものがわかんないのかしら、大事なのは内定をもらう かもらわないかなのよ。私だってヘトヘトになることもあるわよ。内定もらえるか どうかもわからない会社にいって、その後自己分析を何度もくりかえし、くりかえ すたびに自己嫌悪におちいって、頭がおかしくなって、たまんないわよ。」
523 :
ミドリ(悪) :02/03/01 00:48
「他の学生と一緒に集団面接受けるでしょ。するとやはり半分くらい落とされるの よ。私が簡単に内定取っちゃうと「ミドリちゃんは内定もらえていいわねえ、私な んか一次面接で落ちちゃったわよ」って言うの。でも面接官の性欲を満たしてるの はこの私なのよ。冗談じゃないわよ。人事部長とホテル行ったり、役員をフェOし てあげるのはこの私なのよ。それなのに「ミドリちゃんは内定もらえていいわねえ」 だもの。みんな私が真面目に就活してると思ってるのかしら。大事なのは役員を イかせるかイかせないかなのよ。私だってあごがつかれることはあるわよ。イくか どうかもわかんない老人の役員のズボンをおろしてアレをくわえて上下運動を何度 もくりかえし、くりかえすたびに気が遠くなって、たまんないわよ。」
524 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/01 09:58
「…ということなのよ。」 「(´_ゝ`)フーン 。」 「(´_ゝ`)フーン ってなによ、いったい。」 「なんでもないよ。ただのあいづちさ。」
525 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/01 13:46
526 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/01 23:24
井戸の底から出る時が来た
527 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/02 00:46
やれやれ、ageてみよう
528 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/02 01:08
「まだ来たばかりじゃないか」と面接官は言った。 「しつけの良い子は長居をしないんだよ」と僕は言った。
529 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/02 02:43
「まともな人間はそれを圧迫面接と呼ぶ。もし君が弊社で 仕事したいとおもうならね。弊社の面接は他の企業の面接 とはずいぶん違うんだよ。」 「でもわたしを内定してはくれないのね?」 「だから君は弊社の圧迫面接をーーー」 「圧迫面接なんてどうでもいいわよ!!」
530 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/02 13:54
「タフな面接官だった。僕は御社が第一志望ですと言った。嘘をついた。」 「どうして?」 「『どうして?』記念受験です。友達が受けるから受けましたって言えば 良かったのか?そんなこと言ったらどうなると思う?おい、どうしたんだよ。 君の想像力はどこへいった?」 「悪かった。」と彼は素直に謝った。「僕も混乱しているんだ。それで?」 「面接官はぜんぜん信用しなかった。プロだからね。匂いでわかる。 圧迫面接された。徹底的にやられた。かなりきつかった。」
531 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/02 19:23
「そういうのってつらい?」 「何が?」 「内定がないってことが」 「つらい?」と僕は訊きかえした。 「つまり、その・・・苦しいかっていうこと」 「考えようによってはね」 「出してあげようか?」 「内定を?」 「そう」と面接官は言った。「正直言うと辞退者が多くて困ってるのよ」
532 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/02 23:28
とにかくageつづけるんだよ。 だれもが感心するくらいにね。
533 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/03 00:55
age
534 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/03 02:08
535 :
正義の荒らし屋 :02/03/03 19:24
このスレだけは荒らさないようにしている。
536 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/04 01:52
「弊社には不適切な人物なので落とさせてもらう」 「ずいぶんな返答だね。」
537 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/04 01:55
538 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/04 02:14
僕の不採用をしらせてくらたのはもちろん永沢さんだった。彼は自宅から僕に手紙を書いてきた。 「君の不採用によって何かが消えてしまったし、それはとても哀しく辛いことなのだ。 この僕にとってさえも」僕はその手紙を破り捨て、もう二度と彼にはアピールをしなかった。
539 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/04 22:53
age
540 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/05 03:17
面接官は言った。「ここはあなたの来るべき場所じゃないわよ」
541 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/05 03:21
なぜ面接官はみんなミドリになっているの?
542 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/05 03:40
皆さん、こんばんは。現在午前三時三五分。真夜中です。 僕は、夜は早く寝る人なので普段こんな時間まで起きていません。ですが、なかなか寝付けずに、 久しぶりに2ちゃんねるに来てみたら、僕にとって馴染み深い名前の掲示板が立っていた為お邪魔させていただきました。 お邪魔します。 僕のような世代から見て、今の学生さんたちはとても頭を悩ませているのではないかと思います。本当に「お疲れ様」と言いたいです。 僕達の頃は、世界はもっと単純でした。 現代は複雑です。でももしかしたら結構皆さん楽しんでやっていらっしゃるのかもしれません。 所詮オジサンには分からない事情に満ち溢れたイベントなのでしょうね(笑)。 すみません。あまり中身の無い話をしてしまいました。最近若い人と話をしていないので、ちょっとお話がしたくなってしまっただけです。 ここにこうして書き込むと、パソコンの前にいる皆さんが僕の文章を読んで下さるわけで、そんな事を考えながら書くと思わず嬉しくなってしまいます。 時代は複雑になったのか、と思ったら、もしかしたらだんだん単純になってるのかもしれません。 次回作は、もしかしたらこうしてインターネットを通じて発表するかもしれません。 詳細は未定ですが…。 それではベッドに戻ります。皆さんがそれぞれ幸せになれますように。
543 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/05 08:18
544 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/05 08:19
去年は丁稚のイガラシも出てきたけどナー
545 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/05 08:25
546 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/05 09:03
本物が就職板を?
547 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/05 17:26
548 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/05 17:41
>>542 ここ就職板だろ?
…てことは、春樹さんは職を探しているのか(藁
作家も大変なんですね。
549 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/05 18:09
550 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/05 18:17
去年のコピペでしょう?
551 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/05 18:20
去年のコピペでしょう?
>>542 ∩
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∧_∧ | | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ´Д`)// < 先生、今日「風の歌を聴け」買いました!
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553 :
村上もどき :02/03/05 22:49
554 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/06 00:15
555 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/06 01:52
「みんなが就活していて私とても焦ってるの。本当よ」 「でも就活なんかやってられないのよ」 「どうして?」 「それは煽りだからよ。それは欺瞞だからよ。それは――」 「それは――不毛だからよ、会社にとっても私にとっても」
556 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/06 01:56
凡庸な人間は凡庸なものしか生み出せない。
557 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/06 02:00
あんげ
558 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/06 02:46
僕は・このスレが・好きだ。
559 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/06 03:54
おい
>>1 、就職板はひどい世界だよ、と僕は思った。
こういう奴らがきちんと内定をとって就職して、
せっせと下劣な社会を作るんだ。
560 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/06 04:00
僕は像工場に内定をもらった。あまりうれしくなかったが、 悪い気分でもなかった。僕の内定先なんて、こんなものだろうと思った。 僕は直子に内定のことを電話で告げた。直子は相変わらずひどく困惑した様子で、
連作期待、でもsage
562 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/06 04:17
エントリーシートを書いてる途中に電話が鳴った。 最初は無視していたが、もしかしたら鼠からかもしれないと思い、 受話器を取った。「もしもし」と僕は言った。 しかしそれは鼠からの電話ではなかった。誰からの電話でもなかった。 受話器の向こうからは何も聞えてこなかった。誰も僕に電話しようとする奴 なんかいなかった。僕はひどく虚しい気分に襲われた。
563 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/06 06:42
「私どうすればいいの?」 「就活するしかない」 「したくない」 「するしかないんだ」と僕は言った。
564 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/06 09:33
565 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/06 09:54
ねえ僕は就職したいんだ
566 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/06 10:11
その日は朝から夜だった。森と泉に囲まれて静かに眠るブルードックは昼寝から覚めて冷めたスープを噛んでたざんす
567 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/06 10:12
569 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/06 22:10
僕は就活なんてどうでもいいと思っていた。 就活なんて、僕のやるべきことじゃないと思っていた。 僕はガールフレンドとデートしているほうが自分に向いていると思った。 だけど僕のガールフレンドは消えてしまったのだ。 ある日突然僕の目の前から姿を消したのだ。僕には訳がわからなかった。 気がついたら僕は就活をやらざるを得ないところまで来ていたのだ。
570 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/07 00:20
>>565 「ねえ、本当にそう思ってる?」
「ああ。」
「嘘だといってくれないか。」
571 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/07 00:59
オーケー。たまにはあげようじゃないか。
572 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/07 01:11
俺は22年前、帝京大の正門の向いにある民家で生まれた。 低学歴に囲まれて育った。奴等のほとんどが恥まみれの 顔つきをしていた。奴等は生態系から見放されていた。 成長した俺は低学歴を憎むようになった。
573 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/07 01:15
その日は春から昼だった。キャンドルライトの中で目を細めた二人は見つめ合い煮詰めた汁粉を噛んでたでし
574 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/07 01:17
『2001年元日午前0時30分頃 千葉県幕張メッセ付近』 普段の美恵子はとても良い香りがします。機上の人と なった彼女をもう一年近く見ていません。しかし恐らく同じ 香りを漂わせているのでしょう。地上で会う美恵子は何処 にでもいる三十代前半の結婚しそびれたOLに見えます。 ただ、座り方や言葉遣い、物を渡すしぐさは明らかに何かの 専門職であると素人の私から見ても分かります。美恵子は 何時もこのようにアナウンスしているそうです。 「業務連絡です。客室乗務員はセレクターレバーを移動して 下さい。」「皆様、まもなく離陸いたします。シートベルト をもう一度お確かめ下さい。」「Ladies & Gentlemen, we are prepare to take off, Please check that your seatbelt is fasten ,thank you! 」 普段ドライブをする時に車内で言ってもらいます。(笑)
575 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/07 01:18
六夜(着陸の章) 『2001年元日午前1時頃 千葉県幕張メッセ付近』 写真でもお分かりのようにこんな醜い姿をした私が何故 CAと知り合えたのか?疑問を投げかけるメールを数多く 頂きました。私と美恵子は二年前に友人を介して知り合い ました。一度会ったきりで、その後は何の連絡も取らない 間柄でした。しかし私は四年前に海外へ左遷され、去年から はひと月に一、二回米国路線を使うハードな職務に就いてし まいました。それが彼女と再会するきっかけになりました。 これが爺と美恵子の馴れ初めです。そう美恵子は某航空会社 の米国路線にチーフパーサーとして乗務しています。 簡単ですが、今夜は区切りが良いのでご質問の答えとして 書かせて頂きました。投稿は今夜で暫くお休みです。 また撮影の機会が出来ましたら投稿をさせて頂きたいと 思います。約二ヶ月間の投稿期間で私が感じたことは、 昼間は一社会人として全く違う世界にいるのにも拘らず、 夜は長々と馬鹿な文章を書き、写真にボカシを入れている 自分が何だか可笑しく、自己満足でストレスを解消している ようでした。 しかし祖国にいる沢山の見知らぬ方々とfczを通じて大人 の夜の世界を共有出来てとても楽しかったです。そして数多 くの素晴らしい作品を撮り続けてこられた諸先輩方やご常連 の方々は素晴らしく頭が下がります。普段は皆さん素敵な 紳士なのでしょう。掲示板も盛り上がっていてとても楽し そうです。このような夜の社交場が末永く続くことを願って やみません。Freekさん、何度かモザイクを忘れてすみませ んでした。また、帰って来た時は温かく迎えて下さい。 宜しくお願い致します。あっ、殿ぉぉぉ(Paradiseさん)! 色々ときっかけを与えて頂き感謝しております。(笑) PS:今回もプレゼントを載せてあります。私の趣味で美恵子 から貰ったものです。嗅いで爺だけに自慰をしようと思いま したが時間が無くて化石と化しています。品質は保証付です ので宜しければ美恵子ファンの方にプレゼントしたいと思い ます。
576 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/07 01:20
577 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/07 19:55
なぜ>572->575のような人間がこの板にいるのだろう。 そのことを考えると僕はひどく混乱した。
578 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/07 20:43
>>577 「よくわからないな」と僕は答えた。
そう、よくわからない。
579 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/08 00:54
ageよう。
580 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/08 01:00
「ageる?一体何をあげるっていうんだい?」と僕はほんの少し戸惑いながらいった。 やれやれ、一体この世の中にageるに値するスレなんていくつあるんだろう? でも、これは仕事だ。 毎日決まって1時きっかりにageなければならない。
581 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/08 01:09
「御社に内定できないぼくの生活は、『面接の達人』が売れなくなった中谷彰宏みたいなものだ」 面接官は目を細めて僕の顔をみた。 「比喩のディテイルがもう一つよく理解できないんだけれど、 それはつまりすごくさびしいってことなの?」 「だいたいそういうことになるかな」とぼくは言った。
582 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/08 01:30
悲しい話だと思いませんか。
583 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/08 01:32
2げとずざあ〜
584 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/08 22:11
>582 出典は? 後風邪の歌で「嘘つき!」 僕は嘘を一つしか言ってない 嘘って何言ったの??
585 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/08 22:58
「僕は大学に残ろうと思うんだ」と僕は言った。 人事部長はまるで目の焦点を失ったようにぼんやりと僕の顔を見ていた。 「よく考えたことなんだ」と僕は人事部長に言った。
586 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/09 01:13
人間で良かったな、と俺は低学歴に笑いかけた。 おい、人間で良かったな、お前が鹿だったらあっと いう間に俺から撃ち殺されるぞ、お前は無能で、 貧乏で、醜い、お前は生殖から見放されている。
587 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/09 03:26
−−ひろゆき、モナー、ニュース速報ーー スレの杜を見て僕はここにきた。 朝食の残りのサラダをとりだし、 ウォッカ・トニックを一杯つくって飲み干す間に、ここまで読んだ。
588 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/09 03:39
ぶらりと説明会にいってみる。 帰りに女の子に「どこの大学?」と聞かれる。「早稲田。」 「へぇ〜、頭いいんだ、学部は?」 「政経。」「すごーい、ホント頭いいんだ」 「君は?」「中央の商学部。」 「ふぅーん、じゃあね。」 こんなどうでもいい会話をしてサヨナラした。 彼女の顔はどちらかというとデブヤという番組に出ている髭の生えて いないほうの顔を少し痩せた感じにしたような顔だった。
面接官は双子だった。 「学生時代、打ち込んだことはなんですか」「なぜ当社を選んだのですか」 双子は、同時に僕に聞いた。 僕は、どちらの問いに答えていいのか悩んだ。どちらの問いに答えるのが正解なんだろう。 しかし、結局、悩んでもなんの解決にもならなかった。この世に正解なんてありはしない。 ただ、深い闇があるだけなんだ。双子の面接官だって、本当にそんなことは知りたくないに違いない。 だが、彼女たちも、答えを聞かなければならない。それが仕事だから……。 次の瞬間、僕は山中湖にいた。僕は、静かな湖面の上から海中火山が火を噴く様をボートの上からジッと見ていた。 そう、じっと……。
「大切なことは、自分をアピールすることなんだ」 ねじまき鳥は、そう言った。 「ここに数万人の志望者がいる。みんな区別がつかない。そしたら、生きるためには人を蹴落とすだろう。強い者が残るんだ。それは鳥も人間も一緒さ」 そう言うと、けたたましく笑った。 僕は、そうはなりたくなかった。 「僕は、僕さ」 そう言うと、ねじまき鳥はふふんと笑った。 「若いな。君もいつかは、歳をとる。そしたら自分の価値がまったくないことに気づくさ。若さ……君がもっているのは、それだけさ。だが、それは今、この瞬間でしかありえないのさ」 やがて僕も歳をとり、結局、自分は特別な人間ではなく、「その他大勢」の中の一人であることを知るだろう。 だが、それでも僕は僕だ。 僕は、立ち上がるとねじまき鳥の首を折った。首はいとも簡単に折れ、鳥は「グエッ」と言って息絶えた。 「自分の道は自分で決める。だから、僕は君の首を折ったんだ」 その声は、もはやねじまき鳥には届かなかった。
591 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/09 14:56
「はっきり言ってね、ここに書くべき事なんか何もないのさ」 はっきり言って、というのが彼の口癖だった。
結局、人に何かを伝えるというのは、伝言ゲームのようなものさ。 それは、冬のアザラシが、たっぷりと脂肪をたくわえているのと似ている。 「おれ……電通に受かったよ」 鼠が言った。
593 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/09 21:07
>584 100%の女の子
100%の女の子のDVDは必見だにょ。
595 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/10 19:20
ちりんちりん
596 :
村上もどき :02/03/10 19:29
私はこのスレを見て村上作品を読んでみようと思った…
598 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/10 20:05
>>597 読んじゃダメだ。春樹の本を読む事は下劣な人間のすることだ。
599 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/10 23:35
「600とってもいいかな?」と鼠は言った。 「いいとも」と僕は言った。
僕が寝ているとベッドの足元に鼠が立っていた。 「俺、働いたよ。電通に入って。狂ったように。学生時代、昼まで寝てたことが夢のように思えてさ。でも充実してるんだ」 「そうか」なぜか、僕の体は、動かなかった。なんで、こんな時間に鼠が僕を訪ねてきたのかも不思議だった。 「人間、寝なくても、物を食わなくても働けるんだ。2時間寝れば、22時間は働けるんだ。気持ちいいほど仕事が出来るんだよ」 鼠は、遠くを見ていた。「良かったな。電通があってたんだな」。僕は、静かに微笑んだ。しばらくして、僕はあることに気がついた。 「鼠……君は……もう死んでいるんだね」 鼠は、うなづいた。 「あぁ。だから、君と会うのはこれが最後になるね。君だけには、伝えたかった。仕事で死ぬことはない。たかが、仕事じゃないか。人生に大切なことはもっとたくさんある。友達とか……彼女とか……ビールとか」 「じゃあ、どうして君は……」 鼠は、寂しそうに笑った。そして、消えた。そう、それは消えたしか表現出来なかった。 翌日、鼠の死亡通知がついた。 芝生の上に寝転がり、僕は、黒い縁取りの葉書を見ていた。 僕は、彼の言葉を反芻する。「仕事で死ぬことはない。たかが仕事じゃないか」と。
602 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/11 21:49
ageとこう。
603 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/12 01:57
オーケー、ageよう
「メーカーに入ろうと思うんだ」 「メーカーに? 君は、銀行志望だったんじゃなかったのか」 「銀行に入って、なになる。人の金を数えて楽しいか。俺は、地に足がついた仕事をしたいんだ。この手で何かを作ってるっていう実感が欲しいのさ」 渡辺トオルは、ふふんと笑った。それは、いやらしさが張り付いたような笑顔だった。 (つづく)
605 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/12 23:21
「あげげげげげ」 ねじまき鳥がねじを巻く音だ・
606 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/13 01:42
はっきりいって大学の2年くらいから村上春樹を読み始めて ぼくの人生観は変わった。 どうにもまたーりが好きになってしまった。 またーり春樹をよむ。至福。 しかし2002年に就活という現実に直面した時、ぼくは 東京まででかけて新装東京タワーに上り、先端から飛び下りて 蛙のようにペシャンコになって死んだ。 春樹よりもマリンを愛したくなったぼくはもう死ぬべきか
春樹さん、今日は。僕は就職活動中の2ちゃんねらーです。 今スーツを買おうと思っているのですが、成人式で買ったスーツでは やはりダメなのでしょうか?ぜひ教えてください。 (広島工業大学 工学部 経営工学科) こんにちは。就職相談室の村上です。 成人式で買ったスーツは就活(しかしひどい言葉だな)ではダメか? そんなことはありません。世の中は余計なルールがいろいろあるけれど、 自分次第でけっこうなんとかなっちゃうもんです。 僕は「風の歌を聴け」で群像新人賞をもらって授賞式に出たときも VANのバーゲンで買ったオリーブ色のスーツにスニーカーで出席しました。 スニーカーで式に出たことでいろいろ言われたけれど、 20年経った今でもまあまあうまくやってます。 がんばってくださいね。 あなたのコードネームは「2ちゃんで情報収集」に決定しました。チャオ。 村上春樹拝
608 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/13 02:20
みんな文章うまいね。作家志望の人とかおるの?
>>608 そうか?少なくとも村上春樹の文体ではないよ。
この人の文体ってなんなんだろうな。なんか異質な雰囲気。 包まれるような雰囲気だが、悪く言えばナルシスティックなカンジもするなー。
612 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/13 02:31
ビール飲み過ぎ。「僕」は常に冷静って印象。どの作品でも。 『クロニクル』は最後熱かったけどね。
>>612 で、趣味が良くて料理がうまい。
昔はあこがれたなー。
ここか?ここなのか?漏れのソウルが臨界点に達するほどのコスモを放ってるところは!
村上春樹?なんだ?パクリか?東大物語で遥changのケツを追っかけ、その結果、
仮面浪人しちゃった「村上直樹」のパクリなのか?(゚Д゚)ゴルァ(゚Д゚)ゴルァ(゚Д゚)ゴルァ!
ま、まぁ、あれだ!文章自体はイイ!(゚Д゚) それは認める!ああ認めてやる!
というか参りましたよ(゚Д゚)ゴルァ!!!
しかし!大きく漏れ!そう!このメッサヘタレマスタ-である漏れと違うところがある!
それは何か!聞きたいか?聞かせて欲しいか?そうか是非とも聞かせて欲しいか!
じゃ聞かせてやる!というか聞けってんだよっ!(TДT)ゴルァァ(TДT)ゴルァァ(TДT)ゴルァァ!
コスモはイイ!しかしソウルが入ってないんだよ(゚Д゚)ゴルァ!あれか?もしかして
文章はソウルなんていれられねぇんだよ!(゚Д゚)ゴルァ”!とか言っちゃう?
違う!違うぞ!どのくらい違うかってえと、吉野屋とランプ亭の牛丼は一緒の
アジだよね!って言っちゃう、味覚がおかしくなっったことに気付かずに!
グルメを気取る女子高生くらい違うんだよ!(゚Д゚)ゴルァ(゚Д゚)ゴルァ(゚Д゚)ゴルァ!
あれか!むかついたか?引出しの奥に眠ってる15年位前のキンケシを取り出して、
両手両足をこれでもか!って位引き伸ばすくらいむかついちゃったか?
そんな
>>1 は、漏れは好きだ!というか愛してるぞ(゚Д゚)ゴルァ!
(続く)
615 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/13 05:51
「ではあなたはそのアルバイトで何か改善をした経験などはありますか?」 「改善?」 僕は答えた。 「改善なんて必要ないんですよ。ただあるのはおなかをすかせてくる客と それに餌を食べさせる関係だけです」 「その関係が続く限りあなたと世界は変わらないし変わる必要もない」 「そうです。日常は繰り返され決して誰もそれに疑問すらもてない」 「それではあなたは当社でどのような仕事をしてどのような社会人 になりたいですか」 僕はその会社のことを何にも考えてこなかった。ただみんなが就職だ と騒いで僕をここに連れてきただけじゃないか。 本当は毎日朝気持ちいい光に起こされタバコを吸う。そして朝食にサ ンドイッチとあつあつのコーヒーをとり好きなだけ本を読む。午後に は適当な女の子と食事をした後寝る。女の子が寝ついたら僕はひとり で家に帰る。こんな生活を続けていたい。 ホテルのプールで好きなだけ泳ぎレストランで海老フライをたらふく 食べ、おまけに女の子といつでも寝ることが出来る。こんな生活が 働かなくても出来るなら誰も働きはしないだろう。いや、少なくとも 僕は働きはしない。 しばらくそう考えた後僕は答えた。 「会社で働くことは僕にとって飼っていた母犬が死んで暑すぎる夏の日にク ーラーもない家のベッドの中で母犬をなくしたたくさんの子犬達と遊ぶこと と同じなんです。そこには主体的な自己なんて存在しないんですよ。ただ僕 はなんでお前が世話してやらないんだというみんなの視線が嫌で子犬達と遊 んでやる。同じようになんでお前は金もないのに働かないというみんなの視 線が嫌で働くことにする。それだけです。何をやりたいとか僕が決めること は何もないんです」 言い終わった後で僕は口を開こうとする面接官に微笑みかけた。面接官もち ょっと困ったような笑顔を返した。僕は黙って立ち上がりお礼を言った。 面接官も全て納得したのだ。そう、僕は会社で働くのなんて向いてな い、こんな自分をアピールできたんだから面接は成功なんだ、たとえ内定が 出なくても。
616 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/13 19:35
ryuuhz
617 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/13 20:23
プシュッ いい音だ。これで3本目の缶ビールを飲むところだ。
618 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/13 21:58
ドピュッ いい音だ。これで3本目のエロビで抜くところだ。
619 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/14 03:23
>615 なぜだか、涙が滲んだ。いい文だよな・・・。
620 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/14 13:05
このスレは就職板唯一の良スレです 集まれ村上春樹ヲタ
621 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/14 17:44
age
「面接官たちはなぜ偉そうにするのか?」 春樹さん今日は。 私は23歳の女子大生(女子大というわけではないです)、就職活動中です。 お忙しい所申し訳ないのですが、ご相談・・・というか、春樹さんのご意見を伺いことがあります。 どうして面接官たちは、あんなに圧迫口調(時々セクハラもあります)で接してくるのでしょうか? 中にはひどい質問をしながら、ニヤニヤとうす汚い笑いを浮かべてる面接官もいます。 私は、たとえ立場上「下」の人でも、今後一緒に仕事をする可能性があるのだから もっと人間らしく扱って欲しいのです。面接の帰り道、私はまるでメスブタのような気持ちになることすらあります。 ・・・そう考えるのってこれから社会人として生活していく上でマイナスなんでしょうか? 考えすぎて、オヤジアレルギーになっている今日この頃です。 よろしくおねがいします。
こんにちは。僕はこれまで一度も会社に勤めたことがないので、面接官とか上司として若い女の人圧迫した経験がありません。 ですから、どう答えていいのか、正直なところよくわかんないんです。 小説の構想の中で考えたことはあります。アシスタントの女性を脅してone night love とか、そういうのでいいのなら。 でももちろん実行はできませんよね(たとえ実行してても、言えませんが)。 しかし一般論を借りて論ずれば、世間にはまともな人もいれば、まともじゃない人もいます。 あなたも粘り強く面接を重ねていけば、いつか100%の面接官(もしくは企業)にめぐり合えるかもしれません。 だからあまり「おやじアレルギー」にならないようにしてください。世の中の「良きおじさんたち」がかわいそうです。 あまりいいアドバイスではないですけど、こんなものでいいでしょうか? それと、あなたは浪人、留年をしたのですか?だとしたらちょっと親近感がわきますね。
624 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/15 13:09
>>自作自演は止めれ
ジサクジエンつーか、ただのネタだろ?
自演する気があれば1分後に
>>623 の長文はありえんだろ。
626 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/15 21:19
無粋なことをいうな。
これ、
>>623 なかなかおもしろいYo!
漏れも村上さんに聞いてみようかな?
「「面接の達人」を三回読む男なら俺と友達になれそうだな」 「マイナーな就職本を信用しないというわけじゃないよ。ただ俺は売れてないもの を読んで貴重な時間を無駄にしたくないんだ。就職活動は短い」 「永沢さんはどんな就職本が好きなんですか?」 「中谷、山近、杉村」 「人気のある就職本ですね」
「人事課長が出て行けよ」 「だって、め、面接中に携帯の電源切っておくっていうの、き、き、規則 だろう」 「人事課長が出て行け」
村上さん今日は。私は最近占いにこだわっている学生@就職活動中です。 特にマイブームなのは「自分の名前と企業の名前で相性判断をする」というものです。 これがですねぇ、結構あたるんですよ。相性グンバツな企業には、不思議なことにESが通るのです。 ほぼ間違いなくあたります。まだ面接をやってないので、そこは少し不安ですが・・・ と言うわけで、村上さんは占いって好きですか?村上さんの小説の中には占い師(みたいなもの) がよく登場するので、とってもとっても知りたいです。よろしくお願いします。
こんにちは。村上@小説家だけどエッセイ書いていたほうが気楽(こんな使い方でいいのでしょうか)です。 実を言うと、僕は占いというようなものはほとんど信じておりません。 信じていないというより、興味がないのですね。ドアノブとか、ジュラ紀とか日付変更線と同じように。 確かに僕の小説には「占い師」的な人物がよく出てきます。それはたぶん「こっちの世界」と 「あっちの世界」をつなぐ役割を果たしている人たちなのでしょうね。 僕は小説の中でおそらくそういう人々を必要としているのだと思います。 でも現実の生活ではお世話になったことはありません。 手相占いとかできるようになったら「ねぇ、君の手を見てあげるよ」 と言って女の子を口説くことができるようになるかもしれませんが。 ところで僕は就職を占いで決めるというのにあまり賛成できません。 これからの人生を少なからず左右するものですから、もっと真剣になった方がいいですよ。 あ、占いで学生相手に商売するというのはどうでしょう?頑張れば第二の中谷彰宏になれますよ。(これはまずいかなぁ?)
「じゃあどうしてやめないの?」 「ときどき内定が欲しくなるんです。そういう会社からの温もりのようなものが ないと、ときどき寂しくなるんです」 「要約するとこういうことだと思うんだ」 「ワタナベには行きたい会社があるんだけど事情があって内定がもらえない(三流 大だから)。だから内定は内定と割り切って他の会社でもらうわけだよ。それでか まわないじゃないか。部屋にこもってずっと面達読んでるわけにもいかないだろ」 「でも我が社に本当に入りたいんなら我慢できるんじゃないかしら?」 「そうかもしれないですね」 「君には三流大の就活というものが理解できないんだ」
632 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/15 23:51
633 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/15 23:53
さあゲームの始まりです 愚鈍な面接官諸君 ボクを採用してみたまえ ボクは面接が愉快でたまらない 友人の不採用通知が見たくて見たくてしょうがない 汚い野菜共には不採用の制裁を 積年の大怨にES落ちの裁きを RECRUIT KILLER 面接無敵の2ちゃんねらー
634 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/17 20:49
635 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/17 23:57
ageてみよう
636 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/18 21:58
オーケー、ageよう。
637 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/18 22:54
あげ
638 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/18 22:56
>>628 マジワラタ ありがとう、やる気がでてきた。
639 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/18 23:01
「先端的就職活動者は2ちゃんは見ない」と民衆に書きこみされてた。
試験会場に入ると僕は先に待合室に入り、筆記試験を受けながら面接官が 来るのを待っていた。面接官もあとから入ってきて、二人で待合室で説明 を聞いていた。どれだけ聞いても頭に入らなかったし、理解できなかった。 僕が会社のことを誉めると面接官は素っ気無い声でありがとうと言った。 しかし面接室に入ると面接官はまったく別人のようになった。僕の発言 にあわせて面接官は敏感に反応し、体をのけぞらせ、声をあげて笑った。 僕が志望動機の話題に入ると面接官は眼光をぎゅっとするどくさせ、面接 終了時が近づくと十六回も次の学生の名前を呼んだ。面接室と待合室は距離 がはなれていたのだ。
冬が終わりまた春がやってきた。でも僕にはなんの関係もない。朝起きて また夜眠る、それと何ら変わることはないのだ。1つのものが終わりそして また次の何かが始まる。その流れのなかで僕の生活はなにも変わらなかった。 春がきて冬服をクリーニングに出す。おやすみ、それだけだ。 今年の春は今までと少し違う。そう、僕は就活をしていてまだ1つも内定 をもらえていない。就職する気なんか始めからなかった。特にやりたいこと があるわけでもない。何かが出来るわけでもない。こんな僕が働くなんて冬 眠から目覚めた熊なら混乱してまた眠りにつきそうなものだ。 あまりに心地よい日が続いたので僕は説明会も面接も全てキャンセルして 久しぶりにセンスのないリクルートスーツを家にしまって茶色のジャケット にブルージーン、白いテニスシューズで街に出かけた。今日はもうなにもし ない。大きなからすが僕を叱っても僕はスーツ姿にはならない。僕にしては 大きな決意だ。 つづくかも
642 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/19 04:40
友よ 友よ、内定への道はあまりに遠い。
643 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/20 02:02
やあ、お元気ですか? 今朝、新宿で行われるセミナーにリクスー女を見に行きました。たいして大きなセミナーではないのですが、 それでもポン女から早稲女まで一通りのリクスー女は何とかそろっています。 でも、もしあなたがフェリスとか堀越学園(これは大学じゃないですね)のファンだとしたら、 この会社のセミナーには来ない方がいいでしょう。フェリスとか堀越学園なんていうものは、 僕らにとっては天空の城とか、食パンを口にくわえて走っている会社員みたいな存在ですよね。 この会社のセミナーにはフェリスとか堀越はいません。 でもそのかわりにフェラしてくれる女や、掘らしてくれる女がいくらかいます。 む、なんだかつまらないダジャレになってしまいましたね。それでは。 それでは。
644 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/20 04:09
645 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/20 21:01
僕は鼠のことが好きだった。
646 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/20 21:06
僕の隣りの席の男は法政だった。 またマーチかよ、と思いながら僕はシャーペンのしんを取り替えた。
647 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/20 21:17
648 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/20 22:39
鼠が夢の中にあらわれてこう言った。 「君は早稲田大学の第一文学部演劇学科だから、就職は無理だよ。ジャズ喫茶開きな。」 僕ははっと目覚めた。時計を見るとまだ深夜の3時だった。 僕はもう一眠りすることにした。 でも、さっきの言葉が胸につかえる。 そうだ、就職活動はしないでおこう。それが答えだった。
649 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/20 23:14
そこは女性の面接官との二人だけの空間だった。窓の向こうには小さい蛍が飛んでいた。 もう夏だ。就職活動をはじめてどれくらいたつのだろう?鼠が僕の前から姿を消してから、 何事にも身が入らなくなってしまった。今日の面接もやっとのことでここまで来たのである。 「自己紹介をお願いします。」 「早稲田大学第一文学部演劇学科僕です。僕は日曜に洗濯をするのが好きです。レコード屋の アルバイトは4時からなので、必ずそれまでには部屋の掃除と洗濯は必ずすることにしています。」 「はい、結構です。それではソフトオンデマンドを志望した動機を教えてください。」 「あれは大学1年の冬だったと思います。僕が好きだった直子にフェラーリをしてもらったことが 性への目覚めの初めでした。あれからというもの毎日自慰は欠かしたことはありません。」 「今日はもう自慰をしましたか?」 「まだです。」 そういうのと同時だった。その面接官は僕はひと際目立ったあそこをしっかりと握っていた。 (中略) 面接官の舌が僕のをやさしく包んだ。僕の体に電流が走ったように快感が訪れた。僕は喘ぐのを こらえた。すこしずつ速くなる面接官の口のピストン。僕は眼をそらすことができないでいた。 素晴らしい奇跡の邂逅を求めることはできるのだろうか?常に僕の頭をよぎるテーマだった。 僕の射精は結局訪れなかった。やはり直子以外の女性ではだめなのだ。僕は人より性欲が強いほうでは ない。だけど、こんなことされたら誰だって興奮してしまう。そしてお汁も出てしまう。 つづく。
650 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/20 23:21
age
651 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/20 23:32
age
652 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/20 23:49
age
age 僕は頭に来ていた。 耳にこびりつくその言葉は本来必要ないものではないか。 「いえ、むしろ必要ないのはこのスレなのよ」 >654に続く
654 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/21 02:20
村上春樹的就職活動は去年からある。 そしてそれはきっと来年もあるだろう。 もしかしたら23世紀になったってスレがたてられるかもしれない。
\\ agaってんの? sagaってんの?// + + \\ みんなはっきり逝っとけ〜!!/+ + . + /■\ /■\ /■\ + ( ´∀`∩(´∀`∩)( ´ー`) + (( (つ ノ(つ 丿(つ つ )) + ヽ ( ノ ( ノ ) ) ) (_)し' し(_) (_)_) ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ( ´_ゝ`)< うん、ここはsagaってるよ ( ) \_____ | | | (__)_)
656 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/21 21:43
僕は大学で一人も友達を作らなかった。僕は自分からどうこうするようなタイプの 人間ではない。だから就職活動というものがどういうもので、今後の僕にとってど れだけ重要なものか図りかねるものがあった。 ある日、僕は高田馬場の街をどこともつかず歩いていた。すると、うしろから声を かけられた。 「君、僕じゃない?」 「はい、そうですけど。」 「俺、加藤たかってゆうんだけど、知ってる?」 「知りません。」 「よし、わかった。今日から俺のところで働け!」 「はい、わかりました。」 それがAV男優加藤たかとの出会いだった。 そうして僕はAV男優という道に就職は決めた。就職というものは道を選らばなれば、 誰にだって道は開けてくるものだ。僕はあの時の出会いでそういう物事の本質を感じ とってしまったようだ。今から思えば、それが正しかったか正しくなかったかという ことは僕にはわからない。だけど、それでいいのだ。好きなこととやれることは本質 的には違うである。いっぱい精子を吐露しても僕の心はいつまでも満たされなかった。 僕はそれでも毎日がんばった。生きるためにがんばった。僕は他の人ほど性欲は強い ほうではない。つづく。
657 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/22 04:10
「まだ来たばかりじゃないか」と面接官は言った。 「しつけの良い子は長居をしないんだよ」と僕は言った。 「リクルーターにあったんだろ?」 僕は膝に両手を置いたまま深呼吸をした。「会ったよ」 「それも長い話なんだね?」 「あんたがこれまでに聞いたことがないくらい長い話だよ」 「端折ることもできない?」 「端折ると意味がなくなっちゃうんだ」 「元気だった?」 「元気だったよ。あんたに会いたがっていた」 「いつか会えるかな?」 「会えるさ。同じ会社に勤めているんだもの。その履歴書は僕とリクルーターで書いたんだぜ」 「とても嬉しいよ」 僕は椅子から立ち上がると面接室の空気を吸い込んだ。 「ところで御社を志望する身としては可愛い一般職と管理人が甘い借り上げマンションが欲しいな」 「今度来る時までに揃えとくよ」と面接官は言った。
658 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/22 15:35
家に帰って久々に2ちゃんを開いてみた。もう就活にはつかれたんだと思って
つづきを書いたりする。
>>641 つづき
今日街にでて感じたこと、それは僕には就職なんて向いていないということだっ
た。街が僕に語りかけてきたのだ。
久しぶりに時間に追われずに街を歩いた。でもどことなく漂う寂寥感のせいで僕
は楽しめなかった。そんなときだった。
「やあ、こんにちは。私は街だ。ずいぶんと疲れているみたいだね。就職活動?
君には就職なんて向いてないんだよ。そんなことは昔からわかっていたはずだぞ」
そんなことは僕だってわかっていたさ。でもわかっていてもやらなくちゃい
けないことがあるんだよ。したくなくても横に女の子が寝ていたらする、それと同
じなんだ。生きていればそういう風に自ずとなってしまう。
「就職しなくたって生きていける。みんな金が欲しくて働いているだけだろ?嫌な
ことをするくらいなら全部辞めて飢え死にした方がましだと思うよ」
働くのが嫌なわけじゃないんだよ。何かを成し遂げる充実感みたいなのは悪くな
い。でも具体的に何がやりたいかわからない。だから内定がでないんだろうな。
「内定のことなんかどうでもいいんだ。働いて得られる充実感とやらが厄介なんだ。
働くことは仕事以外のことを全て忘れさせてくれる。仕事の充実感でほかのこと
を全部ごまかしてしまうんだ。何がやりたいかわからないくらいなら就活なんて
やめちゃった方がいい」
君は働いたこともない街のくせによくわかっているんだね。
「街でもずっとやってればそこを歩く人のことも大体わかるようになるものさ」
君は僕よりも僕のことがわかっているのかもしれない。
「そんなものさ。気にしなくていい」
恐らくこれは僕の心のなかの弱い部分が語りかけてきたものだ。逃げたり引
き返したり出来ない。そういうことなんだろう。
659 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/22 21:05
>>657 (・∀・)イイ!
できれば羊のラストシーンまでお願いします!
660 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/23 23:16
村上age
661 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/24 08:56
村上春樹の作品でいいのは何ですか? これから読んでみようと思うのですが。
662 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/24 09:39
僕のかばんの中にはいつも「ノルウェイの森」が入っている。
663 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/24 11:27
>661 「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」が とても不思議な世界にあなたを連れて行ってくれるでしょう。
664 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/24 11:29
>661 あるいは思い切り村上ワールドに行きたければ 「羊をめぐる冒険」です。
665 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/24 12:46
>>661 原点に立ち返って「風の歌を聴け」をおすすめします。
666 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/24 12:49
>>661 やはり「風の歌を聴け」でしょう
本人もいってますが後期の作品はいまいちです。
667 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/24 21:09
>666 えって感じがしますね。 結局小指の無い子とも再開しなかったし
「まだ来たばかりじゃないか」と面接官は言った。 「しつけの良い子は長居をしないんだよ」と僕は言った。 「リクルーターにあったんだろ?」 僕は膝に両手を置いたまま深呼吸をした。「会ったよ」 「それも長い話なんだね?」 「あんたがこれまでに聞いたことがないくらい長い話だよ」 「端折ることもできない?」 「端折ると意味がなくなっちゃうんだ」 「元気だった?」 「元気だったよ。あんたに会いたがっていた」 「いつか会えるかな?」 「会えるさ。同じ会社に勤めているんだもの。その履歴書は僕とリクルーターで書いたんだぜ」 「とても嬉しいよ」 僕は椅子から立ち上がると面接室の空気を吸い込んだ。 「ところで御社を志望する身としては可愛い一般職と管理人が甘い借り上げマンションが欲しいな」 「今度来る時までに揃えとくよ」と面接官は言った。 僕は人ごみをかきわけて東口の喫茶店まで歩き、 最後に残された中小企業のESを前に腰を下ろし、二時間書いた。 そんなに書いたのは生まれてはじめてだった。二時間書いてからやっと立ち上がることができた。 どこの郵便局に出せば締め切りに間に合うのか分からなかったけれど、 とにかく僕は立ち上がり、ズボンについた細かいしわを直した。 日はすっかり暮れていて、歩き始めると背中に歌舞伎町の喧騒が聞こえた。
669 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/25 00:17
やっぱり「羊」がいいな。鼠と会ってからがなんともいえずよい。 「風の歌を聴け」のしゃっくりDJも捨てがたいけど。 せっかくだからage
670 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/25 00:25
>>668 新宿(・∀・)イイ!
しかしここのスレは馴れ合いとかあまりないからいいな。
漏れは回転木馬が好き。
671 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/25 00:38
みなさんありがとうございます。 回転木馬、ヤフオクで30円で落札しました
672 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/25 02:26
糸井重里と一緒に書いた 「夢で会いましょう」は好きだ。
面接室から人事部長が出てきて、僕に踊りませんかと言った。 それが選考だということはちゃんとわかっていたのだけれど、 <申し訳ないけれど疲れていて踊れそうにない>と丁寧に断った。 人事部長は別にそのことで気を悪くしたりしなかった。人事部長は一人で踊った。
674 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/26 02:26
age
675 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/26 02:43
age
676 :
就職戦線異常名無し :02/03/26 03:09
話ずれて申し訳ない 「あなたの尊敬する人物」「あなたの好きな人物」 で俺は真面目に「ノルウェーのワタナベ」って言いたいんでけど ヤバイ?
677 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/26 03:11
678 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/26 11:24
「岡田様はここで、非通知着信が来るのをずっとお待ちになるのですか?」 僕はひんやりとしたタイルの壁にもたれて、次の列車が通り過ぎるのを待っていた。 でも列車はなかなか来なかった。 「何をすればいいのかは、正直言って僕にもわからない。 天職ナビに入れられるキーワードも何もない。 でもね、僕には少しずつわかってきたんだ。 何かをしなくちゃいけないんだということがね。 ただじっとここに立って携帯の着信を待っていても駄目だ。 電話が鳴ってほしいと思うなら、僕はいろんなことを自分の手で明確にしなくちゃならないんだ」 「でも何をすればいいのか、まだわからないんですね?」 僕はうなずいた。
679 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/27 03:24
僕がこの作文のテーマを「駄目になった大手企業」としたのは、 その日の東スポでたまたま日本のある駄目になった大手企業の話をよんだからである。 「立派な大手企業が色あせていくのは」とその記事は語っていた。 「二流の中小企業が崩壊するときよりずっともの悲しい」
>>584 >僕は嘘を一つしか言ってない
>嘘って何言ったの??
亀レスだけど。
前のページ(p127)、カラシ抜きのサンドウィッチに「上等さ」と答えたことじゃないかな。
その他が嘘だとは言い切れないような気がする。
681 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/27 04:45
2002年に就職浪人が決まった時、彼は新宿まででかけてドコモ・タワーに上り、 屋上から飛び降りてカエルのようにペシャンコになって死んだ。 彼の墓標には遺言に従って、2cheの次のような言葉が引用されている。 「ドコモの社長なんかに、加藤あいの膣の深さがわかるものか。」
682 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/27 23:49
age
683 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/27 23:51
まだあったのかこの糞スレ
684 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/28 15:54
「ピース」と清美は言った。
685 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/28 18:09
少年ジャンプは子どもの読むものです。 かと言って大人が読んではいけないと言うものでもありません。 しかし大人が読むにはあまり感心できるものでもありません。 大人にはジャンプを読むより他にもっとしなければならないことがあるからです。
686 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/28 22:07
僕には彼女がいる。らいおんみたいな彼女がいる。 「あんたは、浮気の総合商社よ!」 温厚な僕も黙ってはいなかった。 「いかがなものか!」
687 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/28 22:08
かえるくんはそういった。
688 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/28 22:11
689 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/28 22:12
690 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/29 03:16
もう3年も前のことだが、僕は大学に入学した。他のやつ等より、1年遅れていたが何も感じなかった。 大学にいけば自分が何をしたいのか、自分という存在が何なのかが少しは解るかもしれないと思っていたがそうではなかった。ただ、自分がやはり社会に適応できないということが現時点で時点で可能な自己分析だ。
691 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/29 03:29
就職なんてくそくらえさ。
693 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/29 09:59
ピース
694 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/29 12:45
「ねえ…、インドのバガルプールに居た有名な人事は 3年間に350人のも新卒者を落とした。」
695 :
就職戦線異状名無しさん :02/03/29 12:47
新卒・・なんて虚しい響きだろうか。
696 :
エセ貴族 ◆pqjxQzDg :
02/03/31 01:16 ここ面白いね。 村上春樹読んでみたいと思った。 期待あげ