1 :
没個性化されたレス↓ :
02/08/10 16:26 方法論から最新の動向まで自由に議論しよう。
最近のはやりは?
3 :
没個性化されたレス↓ :02/08/10 21:55
進化心理学って??
4 :
コギャルとHな出会い :02/08/10 22:24
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>>6 その本読んでどう思うところがあったのか,書いとくれ.
>>8 [ヒューマン・ユニヴァーサルズ―文化相対主義から普遍性の認識へ]
この本自体は良書なのでしょうか?ちょっと興味がわいたので。
>>7 今の社会科学は極端な文化決定論や文化相対主義に傾きすぎてるっていう
問題意識があるみたいだよ。そんで、人間の普遍特性(human universals)が
重要だと。そんで、進化心理学がえらく重要なんだと。
>>8 素人ですみません。
同意。 すぐにポピュラーサイエンスになりやすいジャンルでありながら、 長谷川夫妻は健闘していると思われ。 しかし、このジャンルでの社会学系の人間のコメントは、 トンデモ系が多いのは気のせいか?
>>12 まさにそれこそ、進化心理学(という現在広まった領域)の提唱者である
Leda CosmidesとJohn Toobyが批判している「Standard Social Science Model
(=SSSM)」と、進化心理学の対立によるものかも。
つまり、現代社会科学(or社会学)におけるセントラル・ドグマは「人間は
タブラ・ロッサ(?白紙の状態)で生まれる。人間の行動、心理、性格、など
あらゆる物は、全て社会(=文化)からの影響によって形成される」というもの。
Tooby & Cosmideに代表される進化心理学者が挑んでいるのは、この点。
「人間の心もまた、身体構造と同様に、環境への適応を通じて形成された」
というアイデアの元、分子生物学、神経科学、行動生態学、生態人類学など、
の知見を援用しつつ、人間の心理・行動における進化的影響、生物学的制約
などの存在を議論しようとするもの。
まあ、臨床以外の心理学者の目から見れば、進化心理学的なアイデアっていうのは、
ある意味、当然と言えば当然の話。人間の行動・心理が全て「遺伝子に組み込まれている」
などとは言わずとも、ある程度の影響があると考えるのは、当然の話。
それをムリして「人間を理解する上で進化など“全く”関係ない」と言い切るのは、
やはりムリがある話。
...ということかな?
>>12
14 :
どーでもいいことだが。 :02/08/11 12:43
書名も示さずにAmazonに直リンして済ませるのはやめれ。 Amazonのページだっていつまでもあるわけじゃないからね。
去年,どっかの学会のシンポで, 進化心理学がよくいだかれやすい誤解について トークがありましたな.そういえば.
大方そんなところか。 あと、人間のレベルで進化や淘汰の話をすると、 すぐに優生学やナチスにくっつけて批判するお門違いな連中も多いのでうんざり。 まぁ、進化論自体、バイアスの入りやすい学問であることは間違いないけど。 ちょっと前まで、「あらゆる意味で人間様が頂点」だったんだし。
17 :
没個性化されたレス↓ :02/08/12 12:00
>>8 ドナルド・サイモンズって胡散臭いの?
デビッド・バスの師匠じゃなかったっけ?
18 :
没個性化されたレス↓ :02/08/13 04:54
>>17 ちっとも胡散臭くないよ。ただ、サイモンズが進化心理のパイオニアというのに
違和感を感じるという話。
とりあえず、Evo. Psych.という名称が心理学のみならず、もはや社会科学・認知科学まで
巻き込んで(日本で見てるだけじゃはまだその動きは見えないけど)、ヒタヒタと浸透する
ようになったのは、やっぱりCosmides & Toobyのおかげでしょう。特に、Adapted Mindの
第1章であるThe psychological foundations of culture(Tooby&Cosmides)なんて、「新・社会科学宣言」とでも
いった、非常にプロパガンダ性の高い論文のおかげで、進化心理の名称が、一気に分野を越えて広まった訳だし。
19 :
没個性化されたレス↓ :02/08/13 15:39
>>18 レスどうも。
ちなみにサイモンズのEvolution of Human Sexuality
という本がどうぶつ社から翻訳されると以前聞いたのですが、
全然そんな気配がありませんな。
21 :
没個性化されたレス↓ :02/08/13 17:14
Principle 1. The brain is a physical system. It functions as a computer. Its circuits are designed to generate behavior that is appropriate to your environmental circumstances.
22 :
没個性化されたレス↓ :02/08/13 17:17
Principle 2. Our neural circuits were designed by natural selection to solve problems that our ancestors faced during our species' evolutionary history.
23 :
没個性化されたレス↓ :02/08/13 17:27
Principle 3. Consciousness is just the tip of the iceberg; most of what goes on in your mind is hidden from you. As a result, your conscious experience can mislead you into thinking that our circuitry is simpler that it really is. Most problems that you experience as easy to solve are very difficult to solve -- they require very complicated neural circuitry
24 :
没個性化されたレス↓ :02/08/13 17:37
Principle 4. Different neural circuits are specialized for solving different adaptive problems.
25 :
没個性化されたレス↓ :02/08/13 17:39
Principle 5. Our modern skulls house a stone age mind.
26 :
没個性化されたレス↓ :02/08/13 17:59
>>21-25 ご苦労さん。
>>19 からの引用ですね。
第1原理の“It(=the brain)functions as a computer.”っていうのが
ちょっとひっかかるな。
第3原理の最初の行なんかは精神分析の基本テーゼとまるで同じだね。
第5原理の意味は,
進化の観点から見れば現代人の精神も石器時代のまんまだということなんだろうね。
>>26 原理5は昔ながらの社会生物的な話と共通なのでちょっと置いときましょう。
ただ、彼らは単純に「人間の行動や性格は全て遺伝子で決まってる」なんぞという
陳腐な話をしている訳ではないの、要注意。
1-3というのが、進化心理学をそれまでの研究者と(Symons, Daly&Wilson, Buss)
それ以降の研究者をわけるキーワードでしょうね。そして、こういう原理をぶち揚げた
ために、進化心理学的な発想が、他の分野にじわじわと浸透し始めた。
本当は、Adapted Mindの第1章を読むのが一番なのですが、1で言ってるのは、
「認知科学・心理学が第一にすべき仕事は、心の計算理論(Computational Theory of Mind)を
構築することだ」という主張です。
これは、Marrという視覚研究者が、心を理解する上で、3つのレベルにわけるべき
という主張をしたのに対応し「あるメカニズム(e.g., 視覚、認知、記憶)は、“どんな
機能を果たすor問題を解く”ために存在するのか?」という問い−例えば、
視覚ならば「二次元情報から三次元像を作り出す」という課題。記憶だったら、
将来役に立つ情報を覚え、必要があればそれをすぐに取り出し、現在目の前にある
刺激との関連をチェックする、といったようなもの。
それが、どんなアルゴリズムで表現されるのか、また、脳内でどのように実装されている
かは、別のレベルである、と。
こうやって計算理論のレベルに注目すると「じゃあ、そもそも心なんて、どんな役割を果たす
ために存在しているのか=進化したのか?」という問いに直結する。
ここで分かるように、心を「コンピュータのアナロジーで捉える=認知 科学的見方から出発する」というのが、Cosmides & Tooby流の進化心理学の 一番重要な特徴だと感じます。 そして、心を「sub-function」にわけていき、それぞれが、どのような 「適応価値=役目」を果たしているのかを考えていこう、と。 まあ、言ってみればこれまでの心理学が「心はどのように振る舞うのか」を 考えているとすれば、進化心理学は「なぜ、そのように振る舞っているのか?」 を問う。 3に関して言えば、認知科学的な見方を追求した場合に誰もが直面する見方= 問題ですよね。実際、心の哲学と呼ばれる、認知科学界で働く哲学者達は、 「意識とは何か?(e.g., D. Dennett)」という問いを考えている。そして、 この流れが進化心理学と合流することで「もし、意識なる物を構成する 心理的基礎的な要素があるとしたら、それはなぜ存在しているのか=進化したのか?」 という問いに変化する。 そんな訳で、認知科学という視点を中心に据えたことで、進化心理学と呼ばれる 現在の領域が誕生した訳ですね。
>>27-28 わかりやすい(私にとっては)解説ありがとうございます。
ふんじゃあ、流れ的にはジェームズやエンジェルの 機能的心理学の末裔でもあるというわけですか?
>>30 もうちょっと具体的にはどういうこと?
多分違うとは思うけど説明希望。
32 :
没個性化されたレス↓ :02/08/15 15:30
33 :
没個性化されたレス↓ :02/08/18 21:28
age
34 :
没個性化されたレス↓ :02/08/20 14:17
>>8 その『進化と人間行動』長谷川 寿一 (著), 長谷川 真理子 (著)の中にブラウンの
『Human Universals』が紹介されてるよ。
35 :
没個性化されたレス↓ :02/08/21 17:33
36 :
没個性化されたレス↓ :02/08/21 17:34
>>35 レーダ・コスミデスとジョン・トゥービーは夫婦だよ。
38 :
没個性化されたレス↓ :02/08/23 19:35
>>35 と言うか,
レーダって素朴に考えれば女性名だろ。
39 :
没個性化されたレス↓ :02/08/24 20:03
もっと続けてくれあげ。
だれかあげろよ
41 :
没個性化されたレス↓ :02/08/29 17:41
処女膜の存在と男の処女崇拝は進化心理学で説明できますか?
42 :
没個性化されたレス↓ :02/08/29 17:53
できません
43 :
没個性化されたレス↓ :02/08/29 17:56
女にとって自分が処女であることを証明することは 遺伝子を残すのに有利だったと考えられませんか?
44 :
没個性化されたレス↓ :02/08/29 18:11
ああ、知ってる。 うちの大学にもキチガイストーカーがいるんだって事。 それも対処を相談中だ。
45 :
没個性化されたレス↓ :02/08/29 20:37
ためなるage
もうちょっと語ろうよ。何か話題を。
47 :
没個性化されたレス↓ :02/09/02 00:37
>>46 何かふってくれ。誰か今年のHBESに行った人はいないのだろうか?
進化心理学に質問。 個体ではなく、各遺伝子が淘汰の対象だというのが納得できない。 遺伝子が意志を持った主体であり、個体という道具を操作して 自分のコピーを増やすべく権謀術数のかぎりを尽くすというのは、 トンデモとは言わないけれど、かなりイデオギッシュではなかろうか。 複雑な行動にかかわる遺伝子は数百ではきかないだろう。 たとえば今ぼくが2chに書き込みするのを決定した遺伝子は、 網膜や一次視覚野のニューラルネットワーク形成の遺伝子だけではなく、 コンピューターに乗り遅れたら生きていけないと判断した遺伝子、 自説を書き込んだらひょっとして誰かに感心されるかもしれないという すけべ心の遺伝子、夜更かしする遺伝子、ひきこもり遺伝子、手指運動の 遺伝子。。。。その他いろいろが関与していると思う。 それら無数の遺伝子がそれぞれ自分のコピーを増やすべく、個体の 行動を異性獲得、独占という統一的目標に駆りたてるメカニズムが 理解できない。 ハミルトンの血縁淘汰説によると、子供は自分の遺伝子を「1/2」 共有しているから自分自身の1/2の利益を提供するのだ、いとこなら 1/8だから1/8だけ協力するのだ、みたいなことが主張されているが、 だいたい同種の生物なら99%以上遺伝子は共通でしょう。 まして行動を決定する遺伝子はゲノム全域に散在しているわけで、 遺伝子の共通性をもって利他的行動(血縁者へのえこひいき)を 説明するのは非常に無理があると思う。 まして人間精神に遺伝子淘汰をもちこむのは、相当慎重にしないと 竹内女史の二の舞に。。。 しかし、女性の高身長の男性対する偏好などは、進化心理学的背景を 否定できない印象を持っている。
>>48 ドーキンスは「遺伝子が意志を持つ」などという馬鹿なことは言ってないぞ
遺伝子は生命のための情報媒体ではなく、それ自体が自己保存を目的とした存在であり、
乗り物が変化することでその目的が達成されているというのが
「利己的遺伝子」理論であって、要するに見たままの現象を
ちょいとばかり常識とかけ離れた概念とメタファーを使って説明しているに過ぎない。
イデオロギーがあるとすれば、「人間がDNAなんかに操られているはずがない」
と思いたがる我々のほうにだよ。
50 :
没個性化されたレス↓ :02/09/02 07:44
>>48 あなたが思っている以上に、現代の進化生物学者+進化心理学者+
神経科学者たちは、遺伝子と心の複雑な関係に注意をはらっていますよ。
>コンピューターに乗り遅れたら生きていけないと判断した遺伝子、
自説を書き込んだらひょっとして誰かに感心されるかもしれないという
すけべ心の遺伝子、夜更かしする遺伝子、ひきこもり遺伝子、手指運動の
遺伝子。。。。その他いろいろが関与していると思う。
そんな遺伝子、誰一人として、想定していないですから。誰一人として、
「ある特定の行動に対応した遺伝子が存在している」なんて主張してませんよ。
51 :
没個性化されたレス↓ :02/09/02 07:44
例えば、慶応SFCで言語獲得の研究をしている人の研究などが良い例でしょう。 (彼女自身は進化心理学者ではないけれどね) 子供が言語を獲得するとき、ごくわずかな数の生得的制約 (=遺伝子によって組み込まれているものと考えられる)を 足がかりとして、複雑な概念体系を汲み上げていく。 例えば、「わんわんだよ」と言われたとき、子供は、 「わんわん」という音声が、「動き」、「色」、「におい」、 「空気」、「背景」などではなく、事物のカテゴリー名を示すものだと 解釈するバイアスを持っていることが示されている。 これはブートストラップと呼ばれるプロセスだけれど、発達の初期段階で、 ごくわずかな方向性or制約があれば、後は、その制約によって作られた新たな 環境構造との相互作用を通じて、子供達は、様々なものを学習していく。 この例に見られるように、進化心理学者たちは、発達における個人差も 認めるし、環境によって異なる傾向性が獲得されることも認める。 そもそも、人間が「学習する存在」であることだって、当然認める。 なお、第3段落に関しては、相当程度の混乱が見られます。 このスレの最初で紹介されていた長谷川夫妻によるテキストを 一読されることを強くお勧めします。
私も進化心理学には懐疑的だが,(社会生物学@ヒトにしか見えん)
>>48 さんは,
一言でいうと,「進化」の概念を理解してないようだ.
>無数の遺伝子がそれぞれ自分のコピーを増やすべく、個体の
>行動を異性獲得、独占という統一的目標に駆りたてるメカニズムが
>理解できない。
そんなものはない.繁殖に成功した個体の持つ遺伝子が,徐々に
多数を占めていくだけ.
>ハミルトンの血縁淘汰説
チンプの利他行動の研究なんかから,最近は否定されてきてます.
>>50 >そんな遺伝子、誰一人として、想定していないですから。
進化心理学ではないけど,「選挙の投票」を遺伝子で説明する
行動遺伝学者がいたような.アメリカの共和党支持と民主党支持だった
かな.Nスペかなんかで見ただけなのでソースがはっきりしないけど
突込みどころ満載だった.
血縁淘汰説が否定されてるってホント?
54 :
没個性化されたレス↓ :02/09/02 16:53
>>48 遺伝子と環境の複雑な相互作用に関してはこんな話もある。
あるサル(詳しくは忘れた)は、蛇への恐怖感情を持っている。
これは、適応的(毒蛇とか多いからね)であり、なおかつ、
「生得的」な感情だと考えられていた。
ところが、動物園で生まれ育ったサルは、蛇への恐怖感情を持たないことが
分かる。さらに、仲間サルが「蛇を見て狂ったように怯える」例を観察することで、
街生まれのサルたちも蛇への恐怖感情を持つようになることが分かった。
「おお、やっぱりサルでも、感情を社会的な学習によって身につけるのか!」
ところが、話はもっと複雑だった。ビデオを巧妙に使い、蛇への恐怖感情を持たない
生まれたてのサルを使った実験で、こんなことが分かった。
「仲間サルがウサギ(かリス;忘れた)を見て怯えている映像」
→ウサギ(かリス)への恐怖感情を学習「しない」
結局、明らかになったのは「蛇のような物体に対して仲間サルが
恐怖感情を示しているならば、その対象に対して恐怖感情を学習
せよ」という傾向性が、生得的に(おそらく遺伝子によって)
組み込まれているらしい。
「遺伝子と環境。どちらが欠けてもある傾向性は獲得されない」
「進化的考え」を批判する前に、もうちょっと勉強した方が良いです。
批判対象を、ね。
55 :
没個性化されたレス↓ :02/09/02 17:01
>>52 の書いてること読んで気がついた
>>無数の遺伝子がそれぞれ自分のコピーを増やすべく、個体の
>>行動を異性獲得、独占という統一的目標に駆りたてるメカニズムが
>>理解できない。
>そんなものはない.繁殖に成功した個体の持つ遺伝子が,徐々に
>多数を占めていくだけ.
そういうこと。仮に、異性に興味を示さない方が、たくさんの子孫を
残せるならば、そういった遺伝子が残るはず。独占よりも強調の方が
より有利な結果を生み出すならば、そういった遺伝子が残るはず。
どんな遺伝子が残るかは、すべて、「環境」しだい。
最後の問題は、まさにアクセルロッドによるTit-for-tat研究以来、
大量の研究が行われいる分野だしね。
56 :
没個性化されたレス↓ :02/09/02 17:06
>進化心理学ではないけど,「選挙の投票」を遺伝子で説明する
行動遺伝学者がいたような.アメリカの共和党支持と民主党支持だった
かな.Nスペかなんかで見ただけなのでソースがはっきりしないけど
突込みどころ満載だった.
ガンガンとつっこむか無視していきましょう。
>>55 強調→協調
57 :
没個性化されたレス↓ :02/09/03 02:23
>>52 >>ハミルトンの血縁淘汰説
>チンプの利他行動の研究なんかから,最近は否定されてきてます.
>>53 >血縁淘汰説が否定されてるってホント?
誤解があるようなのでレス。
「否定」というのは、かなり微妙なニュアンスが隠れている。
まずHamiltonのモデルは、「論理的には間違いようもなく正しい」。これは事実。
ただし、問題なのは「このモデルによってどれだけの行動が説明できるか?」
「血縁淘汰の原理は、ある行動を生み出す上で、どの程度寄与しているのか?」
という「実際的な」問題。
従来、八などの社会性昆虫の場合には、社会性が進化する上で血縁淘汰の原理が
「大きく寄与する」とされていたが、最近の研究では、「以外と血縁淘汰によって
説明される部分は少ないかも」ということが指摘されつつある(現在進行形の論争)。
しかし、これは「血縁淘汰の原理」が「誤り」で、それが「存在していない」
ことを示している訳ではない。単に、それがどの程度の「説明力を持つか」という
問題。
>>49 >イデオロギーがあるとすれば「人間がDNAに操られているはずが
ない」と思う我々のほうだよ。
DNAに操られているはずの我々が、自慰や避妊や晩婚、同性愛、
2ch中毒などなどDNAの利益に反することばかりするのは
なぜなのか。それに自慰、避妊、晩婚、同性愛それぞれに対する
タブーが広く人類社会に見られるのも不思議だ。
文化的な禁止がなければ、人類は先天的にDNAに反逆する傾向が
あるかのようだ。
事実、伝統的なタブーがゆるみ、個体の自由度の高まった先進国では
例外なく少子高齢化が進んでいる。
DNAにとっては悪夢であろう。
59 :
没個性化されたレス↓ :02/09/04 11:52
父から音楽の英才教育を受け、すでにヨーロッパ中にその名を知られていた天才音楽少年。しかしその実体は、酒と女におぼれ、神への信仰心のかけらもない幼稚な青年。もちろん神に貞操など捧げていない。 なのに! 神はモーツァルトを選んだのだ。 彼の音楽を聴いてサリエリは「自分の神への想いは片思いであった」ことを悟るのだ。 神は、神自身を表現する媒体として、貞操まで捧げたサリエリでなく信仰心のかけらもない幼稚な青年を選んだのだ。
>>50 >誰一人として「ある特定の行動に対応した遺伝子が存在している」
>なんて主張していませんよ。
そうなのだ。特定の行動の遺伝子は、ショウジョウバエの
つがい行動の遺伝子くらいしか見つかっていない。
これはぼくではなくて、進化心理学にとって致命的だと思う。
線虫のC.エレガンスのように全ゲノムが決定され全ニューロンの
細胞系譜までわかっている動物でさえ、行動遺伝子みたいなものは
発見されていない。
こんな下等動物においても、行動プログラムは多数の遺伝子の
相対的なバランスの上に発生している。
個々の遺伝子は、ゲノム上の全遺伝子と協調せねば有利な表現形
を発現しえないので、遺伝子レベルでの競合とか淘汰はほとんど
ありえない。淘汰は、ゲノム全体の性能、つまり個体レベルで働く
としか思えない。
ゲノミックDNAのほとんどは遺伝子をコードしていないジャンク
DNAだが、ヒトゲノム上に何百万コピーもある役立たずの
Alu配列やサテライトDNAは、ゲノム全体の性能を撹乱しない
「役立たず」だからこそめちゃくちゃにコピーを増やせたのだ。
>>51 ぼくはフロイディアンですがチョムスキアンでもあります。
ユニバーサルグラマーの存在は信じて疑っておりません。
そのチョムスキーが進化心理学をむちゃくちゃに罵倒している
のは、ちょっとあれです。
彼はフロイトも大嫌いなようですが。
「進化」心理学を名乗る以上、行動遺伝学を前提にしなければ ならない(両陣営はえらく仲が悪いそうだが)。 遺伝子が心なり行動プログラムを決定し、たくさんの子孫を 残すよう個体をうまく操った遺伝子が多数派を占めていく。 現代進化論では進化の主体は遺伝子なのだから、 心理学に進化論を持ち込むには、心のいろいろなモジュールが 遺伝子(群)で決定されていることにせねばならない。 これらの諸前提が全部あやしいのではないか。
63 :
没個性化されたレス↓ :02/09/04 12:48
あの〜....ですね。
察するに、精神科医さんが知っている「進化生物学」の知識というのは、
下等動物だけに当てはまる、そして、啓蒙書のなかに良く見られるもので
あるようにお見受けします。
たとえば
>>60 と
>>58 には大きな論理的飛躍があります。
確かに、人間の場合には「特定の行動」が特定の遺伝子によって
決定されている訳ではない。これは言い換えると、「遺伝子によって
決定されているのは極めて基礎的な動機付け、認知システムにおける
大まかな構造、発達において適切な対象に注意を向けさせる制約」と
いったものでしょう。
つまり「自慰や避妊や晩婚、同性愛、2ch中毒などなど」の背後にある
心理的要因(ただし同性愛はのぞく)は、「人間が進化してきた古代環境に
おいては適応的な価値を持っていた」ということです。
ただし、注意してください。「行動」ではありません。「行動の背後にある
心理的要因」です。
例えば、かつての環境下では、砂糖という効率的な栄養素を入手することは
容易ではなかった。そのため、「糖の摂取に対する強い欲求」という「動機」は、
そのような環境では適応的な価値をもっていたことでしょう。しかし、現代の人間は、
同様の動機を持ちながら、古代とは違った環境にすんでいる。つまり、もはや砂糖に対して
選択的に強い動機付けをもつことが、肥満といった「非適応的」な帰結しか持たない
環境にすんでいる。
しかし、これは「糖分摂取に対する強い動機付け」の存在が「進化=DNA」によって「説明され得ない」
ことを意味している訳ではありません。
64 :
没個性化されたレス↓ :02/09/04 12:50
ともあれ、何度も繰り返しますけど、上で紹介されていた長谷川夫妻の 本を読んだ方がいいと思いますよ。さもなくば、進化生物学者や分子生物学者が 出てきたら、立ち直れないほどコテンパンに熨されると思いますが。まあ、 そんな人たちがくることなどないでしょうが。
自分がイデオロギストであることを自覚していない人間を、 確実に認知的不協和を起こさせるであろう本を読むように 動機付けるのはなかなかに難しいと思うがどうか 愚か者は自分が知りもしないことを批判したがるもんだ。 ところで同性愛についてはスレッドまで立って議論されてるが、 アンドロゲンシャワー説が正しいとすると、あれはむしろ遺伝ではなく、 発生時の生理的メカニズムによって後天的に生じるものだと思うがどうか。
66 :
没個性化されたレス↓ :02/09/04 13:05
>>65 その(後天説)可能性は充分すぎるほどあると思われる。
ところで、進化論のテキストとしては 「大進化する進化論」(NTT出版)がお薦め 進化論史から最新のトピックスまで扱われてるから、 これ一冊でだいたい間に合う
>>66 となると行動遺伝学も見過ごせないが。
同性愛者の一卵性双生児間の一致率っていくつだろう
しかし胎児期の環境が共有されている罠
ちなみに、サイコパスの「遺伝による説明率」は60%くらいだそうだ。 まえ、返事し忘れた。宅間スレに書いといたBBS掲載の論文によると。
>>61 Steven Pinker, Terrence Deacon, 正高信男、今井むつみ。 以上、4名の書いた本を、すぐにamazonかhonnyasanでゲット! このあたりでも、精神科医さんの知識は古そうな気がするので、 マジレスです。もしご存じだったらあしからず。
71 :
没個性化されたレス↓ :02/09/04 13:30
余談。Fodorの提唱した「認知システムのモジュール説」は、コスミデスらによって、 進化心理学の最奥部に取り込まれた。ところが、Fodorはアンチ・進化派。 ピンカーが「How the mind works」という本を出して、認知科学における進化的アイデアの 有効性を議論したのに対向し、Fodorは「Mind doesn't work in that way」という 本を出版した。当然、ピンカーを意識してのこと。
DNAで行動を規定しなくても,環境との相互作用である特定の行動が頻発するようになるって事態は充分に御こり得ると思うんだがなあ.
73 :
没個性化されたレス↓ :02/09/06 18:42
ジュディス・リッチ・ハリス『子育ての大誤解』早川書房167頁 より 「ウォーフの仮説では、赤ちゃんや動物はカテゴリーを示す単語を もたないので、カテゴリーに分けることはできないと推測したが、 これは論理的に否定された。類別の整理などハトにでもできるほど 簡単なことなのだ。実際、ハトの類別能力を調べる実験が行われ、 ハトには合格点が与えられた。<・・・>カテゴリーは単語ではなく、 概念でつくられる。<・・・>牛という概念を築くために、牛という 単語はハトにとっては必要でなかった。赤ちゃんは生後三カ月ともなると 類別できるようになり、必然的に概念をも形成できるようになるはずである。」 ウォーフの仮説は否定されたの?
74 :
没個性化されたレス↓ :02/09/06 18:59
進化の原動力ってなんなんでしょう? 適者生存? それとも 101匹目の猿?
>>ウォーフの仮説は否定されたの? 強い言語相対性、我々の思考が言語によって規定されるという 考え方については今日では多くの学者が否定している。 言語によって表現のしやすさが違う概念があるという 弱い言語相対性については今でも有効だと考えられている。 カテゴリー分けができる=概念形成が行なわれている というのはどうなんだろう?
77 :
没個性化されたレス↓ :02/09/06 21:49
誰かピンカーのウォーフ批判を簡潔に説明してください。
78 :
没個性化されたレス↓ :02/09/06 23:12
渡辺茂のところで進化心理学ってできますか?
79 :
没個性化されたレス↓ :02/09/07 00:27
>>78 全くダメでしょう。最近、動物とかやってた人たちが
進化心理学の名の下、心理学や社会学っぽい話をやっているが、
本当に「・・・・」としか言いようがないヒドイ研究が多い。
もし、長谷川夫妻の本とか読んで関心を持ったならば、まず、
彼らを訪ねて、自分に感心のある研究者を紹介してもらうのが
良いのではないかと。
場合によっては、進化心理学ではなく、個別の領域で「進化」という
言葉が絡みそうな人を選ぶのが良いかも知れない。
個人的にはSzondi読むと(O塚の本じゃなくて佐竹先生の訳書か原書のほうね)、 進化心理で言われているトピックがかなり扱われているように思うのだが。
81 :
没個性化されたレス↓ :02/09/08 00:46
>>80 というか、人間の心が完全なタブラ・ロッサで、基礎的な記憶メカニズムから
高次の推論機能まで、「全て」が進化の影響を受けていないと考える方が
おかしいのだから、進化心理学の考え方自体は、人によっては「目新しい」ものでは
ないと思うよ。
>>81 =13か?
前から気になってたんだが,
>タブラ・ロッサ
ではなく,
タブラ・ラサ(tabula rasa)だろ?
83 :
没個性化されたレス↓ :02/09/08 01:22
白紙
85 :
没個性化されたレス↓ :02/09/08 04:44
性淘汰の結果として(少なくとも部分的には)説明される男性の攻撃性と、 狩猟への適応として説明される男性の集団的結束は矛盾しませんか?
>>85 Szondiの理論だとその辺矛盾してないですね。
87 :
没個性化されたレス↓ :02/09/08 15:54
☆ チン マチクタビレタ〜 マチクタビレタ〜 ☆ チン 〃 Λ_Λ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ ___\(\・∀・) < ねぇねぇ、O塚叩きまだぁ〜 \_/⊂ ⊂_ ) \_____________ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
88 :
没個性化されたレス↓ :02/09/13 23:19
性淘汰の話をしませんか?
89 :
没個性化されたレス↓ :02/09/15 19:05
「遺伝子」をもちださなくても 「進化心理学」はいくつかの諸前提を認めるだけで ある程度までは成立すると思うけどなぁ。 遺伝子が我々の実際の行動をどれくらい規定しているか? という問題はそれはそれで別問題ではないの?
ひとつひとつの行動が遺伝子にとって有利か不利か? という議論は少し違うように思います。 まず人間という生物がどのくらい物理的に(あるいは生物学的に) 制約された有限な存在であるかということがまず問題になると思います。 人間が進化の過程で自己の身体および心理および心理を形成する社会的諸条件 をどのように発展させてきたかという観点から考える場合、 どのように「デザイン」されるのが適切であったか? ということが重要であると思います。 つまりある一定の割合で、 遺伝子からすれば「失敗」作品ができてしまうとしても 期待値が最も大きくなる戦略を、 物理的あるいは生物学的に可能な範囲で採用している というふうに捉えることも可能であるかと思います。 中絶や少子化それじたいはマイナス要因であるとしても 環境次第ではマイナス要因を甘受するような 総合システムとしてデザインされていた方が「有利」である というモデルは理論上は成立しうると思います。
電波登場?
92 :
没個性化されたレス↓ :02/09/15 19:51
社会的諸条件が心理を形成するってどういうこと?
93 :
没個性化されたレス↓ :02/09/17 00:06
進化心理学あるいは心の進化という分野では 北大の澤口教授、長谷川夫妻(東大と早稲田?) 近い分野で京大の松沢教授、慶應の渡辺教授 これ以外で名前は挙がらないの?
山岸は?
95 :
没個性化されたレス↓ :02/09/17 17:42
山岸って誰?
96 :
没個性化されたレス↓ :02/09/17 18:53
『信頼の構造』の?
97 :
没個性化されたレス↓ :02/09/17 19:01
>>93 近い分野だと、千葉の岡ノ谷系統もかな、言語の進化に絡むから。
霊長研系統には松沢以外にも多数の人がいるな。
進化心理学って名乗ってるのは、長谷川門下くらいしか目立たない。
霊長研の流れを組む京大文の藤田が、去年の日心の長谷川さん主催進化心理シンポ
でやった批判は面白かった。近い分野だと思ってたけど、いろいろあるみたい。
一言でいうと、「そんな何でも進化で説明せんでいいやん」という批判。
長谷川さんは進化による共通性に注目して、藤田さんは差異に注目するという
個人の好みのようにも見えたが。
98 :
没個性化されたレス↓ :02/09/18 01:44
千葉大の岡ノ谷教授、最近いろんな雑誌で見かけるね。 日経サイエンスの一番はじめのページにものってたよ
っていうか精神科医ってのがマジなら 精神科医ってのは・・・けっこうアタマわりーんだな。
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心理学ほど、近接領域に精通している必要のある学問も、そう多くないと思われるので 仕方ないかと思われ。
>>99 をいをい,
ごんぞうなんかに比べればマトモな医者なんだろうから
そんなふうに言ってやるなよ。
専門外のことに関する知識なんて
みんなそんなもんだろうよ。
つい先日内科医を名乗る厨をこき下ろしたこの俺だが、 日頃世話になっている町医者には頭が上がりません。 知識でも技術でも足元にも及びません。 心理学ってのは高校レベルでは全く習わないし、 歴史学みたいに趣味でかじる奴も普通いないし、 心理学徒以外はあらゆる人間が素人になってしまう。 ただ問題は、そこで自分の無知を認め、謙虚になって 我々の言葉に耳を傾けられるかどうかにかかっている。 これができないとケミカルみたいなことになるが、 なまじ他分野の専門家の地位にある人間が、 そこまで謙虚になるのはそりゃあ難しくはあろう。 そういう意味でXYZは別格の適応力を持っているといえる。
104 :
没個性化されたレス↓ :02/09/18 18:12
今、ロボがいいこと言った!
>心理学徒以外はあらゆる人間が素人になってしまう。 >ただ問題は、そこで自分の無知を認め、謙虚になって >我々の言葉に耳を傾けられるかどうかにかかっている。 ぶははははははっ 笑止! 所詮、心理学はブラックボックスの中をインプットとアウトプット から洞察するしかない学問。 ならば人間性の洞察は文学や先人の警句のほうが経験に基づいて 優れている。 心理学を学ぶものは、机上の空論から離れ人生に堅実な市井の営み に謙虚に学ぶべし。
>所詮、心理学はブラックボックスの中をインプットとアウトプット から洞察するしかない学問。 何十年前の心理学の話をしてるんだよ。
107 :
没個性化されたレス↓ :02/09/18 19:41
>>105 無知を晒しにこんな所に来なくていいよ。
>何十年前の心理学の話をしてるんだよ。 ほっほー (~o~) 今ならなんとかなってるのかなー? まさか脳内の反応と意識を同一視してるわけじゃないだろーな。 んー、アウトプットも統計でしか表せないしね。
110 :
没個性化されたレス↓ :02/09/18 20:29
えー?へんなスレだからいかなーい。ママにおこられちゃう。
おとと、先こされたか。おれも同じなんで。 無知な素人にわかりやすく説明してくれんかの? >今ならなんとかなってるのかなー?
112 :
没個性化されたレス↓ :02/09/18 20:56
>典型的な素人的勘違い。 というならちゃんと説明すべきだと思うがな。
>>108 ,
>>111 そのレベル(
>>105 )で批判したいならば、分子生物学のレベルに降りてこない
生物学全分野、今だマクロとマイクロの統合に成功していない経済学など、
ありとあらゆる分野が含まれるわな。
>ブラックボックスの中をインプットとアウトプットから洞察する
以外の事をやってる学問分野なんて、自然科学の中でも少数だ。
無知も良いところダス。
114 :
没個性化されたレス↓ :02/09/18 21:11
論点が違うな >ブラックボックスの中をインプットとアウトプットから洞察する という心理学の批判をしてるんじゃないぞ。 人間性の洞察において >心理学徒以外はあらゆる人間が素人になってしまう。 という態度を笑止と述べている
>114 何処をどう見てもそうは読めんぞ
116 :
没個性化されたレス↓ :02/09/18 21:20
(所詮)と警句(のほうが)の( )内が若干正確さを 欠いているが、全体の文脈からすると明らかではないか? 文章心理学というのもあったと思うが
>116 デムパの文章を研究する分野ではないと思われ。
あ〜あ、結構おもしい線いってたのにくだらん煽りで終わったか。 真面目な心理学徒はどこにいるんだ
>>118 がどの文章を「おもしろい線」と言ってるのか知らないが、
>>105 以降は、全くおもしろくも何ともないぞ。
>人間性の洞察において >>心理学徒以外はあらゆる人間が素人になってしまう。 >という態度を笑止と述べている 人間性の洞察なんて、心理学の対象ではないぞ。 そして、臨床は心理学じゃないからな。
121 :
ロボ ◆iROBOsc. :02/09/18 23:00
で、進化は心理学の対象ですか? 進化は心理学ですか?
>ロボ
まあまあおちけつって。
>>120 は心理板住人から荒らしに対する発言なんだから。
心の進化を扱えば進化は心理学の対象では?
>123 いやさ、その回答じゃ 120 名前: 没個性化されたレス↓ 投稿日: 02/09/18 22:59 >人間性の洞察において >>心理学徒以外はあらゆる人間が素人になってしまう。 >という態度を笑止と述べている 人間性の洞察なんて、心理学の対象ではないぞ。 そして、臨床は心理学じゃないからな。 とちがい、臨床OKになってしまいそうなんでつが。 肯定でも、研究法のあたりからの回答をキボンヌ
進化心理学が扱ってるのは「心の進化」だって理解でいいのか? 人間の持つ心理的特性の適応的機能に着目するっていうイメージしかないんだけどあってる?
126 :
没個性化されたレス↓ :02/09/18 23:32
>>125 >進化は心理学の対象ですか?
という問いに対し
>心の進化を扱えば進化は心理学の対象では?
という答えをしますた。
つまり、この場合、進化は対象であって手段ではない。
だから
>進化心理学が扱ってるのは「心の進化」だって理解でいいのか?
これは正しくなく、
進化心理学は進化という生物学分野のアプローチからの心理学
つまりこの場合は進化は手段である
という個人的解釈ですが違いますか?
不勉強ですまそ。当方まだ学部一年す。
進化心理学は,心も進化の過程で形成されてきたという立場から 人間の心理の解析をめざす新しい学問分野で,人間行動学・ 社会生物学・進化生物学および行動心理学・認知科学,さらには 脳科学・神経科学などに立脚しています.人間の心理現象の全てを 遺伝形質か環境要因のどちらかに帰着させようとする二者択一的な 議論は,科学史上繰り返し現れてはある意味で不毛な論争を引き起 こしてきました.進化心理学はそのような論争に終止符を打つべく, 学際的な知識を統合して人間の心理に迫ろうとしているのです.
128 :
没個性化されたレス↓ :02/09/18 23:42
勉強になります。
130 :
没個性化されたレス↓ :02/09/18 23:45
どーりでどっかで見たと思った
・・・・自作自演必死だな
132 :
没個性化されたレス↓ :02/09/19 00:11
ちがうぞ
>人間の心理現象の全てを 遺伝形質か環境要因のどちらかに帰着させようとする二者択一的な 議論は,科学史上繰り返し現れてはある意味で不毛な論争を引き起 こしてきました. >進化心理学はそのような論争に終止符を打つべく, 学際的な知識を統合して人間の心理に迫ろうとしているのです. と、いうのが本来の進化心理学の主張なのに、あまりちゃんと読んでないから 変な誤解が蔓延するんだろうな。これまでにもいくつか出ていたけれど。
134 :
没個性化されたレス↓ :02/09/19 04:00
もう一度「進化と人間行動」読みなおそ。 てか他に教科書的なのある?
後は英語で直接読んでいくしかないのでは?これまでにいくつかの日本語翻訳本 なども紹介されてはいたけど、あまり数はないのだろうね。
137 :
没個性化されたレス↓ :02/09/20 00:04
あげてみる
138 :
没個性化されたレス↓ :02/09/20 02:33
もうネタはないのか?
139 :
没個性化されたレス↓ :02/09/20 04:25
140 :
没個性化されたレス↓ :02/09/20 04:28
141 :
没個性化されたレス↓ :02/09/22 16:55
国内でネタないの? >霊長研の流れを組む京大文の藤田が、去年の日心の長谷川さん主催進化心理シンポ でやった批判は面白かった。近い分野だと思ってたけど、いろいろあるみたい。 一言でいうと、「そんな何でも進化で説明せんでいいやん」という批判。 長谷川さんは進化による共通性に注目して、藤田さんは差異に注目するという 個人の好みのようにも見えたが。 この話気になる。
物事を精確に考えることの出来ない人たちは 唯物論者がただ事実について述べたことを イデオロギーであるとみなして(ここまでは、まぁ、よい) 勝手に拡大解釈して呪いの人形にでっちあげてこれを批判する。 そういう傾向があると思う。
143 :
没個性化されたレス↓ :02/09/24 17:34
あげ
144 :
没個性化されたレス↓ :02/09/29 02:32
進化心理学という名称が使われ始めたのはいつごろなんでしょうかね? 80年代には耳にしたことがなかったように思うけど。 この分野に詳しい方, 心理学史スレにこの進化心理学前史を紹介してくださいな。
あのー、上の方でCosmides & ToobyのPrimerが紹介されてますが、 それ読んでみて下さいな。
146 :
没個性化されたレス↓ :02/10/05 15:48
Cosmides & Toobyが“evolutionary psychology”という言葉を使ったのは 1989年の論文が最初じゃなかったっけ?
147 :
苦悩するドナ@もうダメぽ? ◆oyDevpsyVg :02/10/06 01:33
おれのべんきょのためにあげ
148 :
没個性化されたレス↓ :02/10/06 09:43
おれのためにもage
149 :
没個性化されたレス↓ :02/10/06 12:52
トンデモ科学が増殖しているのか? 進化してブッダになるの?
世間の認識はまだこんなもんだよな。 がんがれ,進化心理屋!
151 :
没個性化されたレス↓ :02/10/06 22:00
くだらん。 北ちょんや支那だと卑怯な振るまいが生存に有利で 日本では不利なんだから意味無いぞ。
152 :
没個性化されたレス↓ :02/10/08 00:14
スキナー箱でのハトの実験。キーが赤、緑と点滅する。 赤のときにキーをつつくと、しばらくして再びキーが赤く光る。 それをつつくと餌をたくさん食べられる。 緑とのときにキーをつつくと、しばらくして2つのキーが点灯する。 どちらかをつつくことにより、それぞれ異なる強化スケジュールで餌を得られる。 ただし、餌の量は赤のときにキーをつついて得られる量よりも少ない。 にもかかわらず、ハトは最初の選択で緑を好んで選択する。 これは「選択できること」=「より自由であること」そのものが 生得的に強化子であることを示していると言える。 採餌や生殖などの選択肢が多い環境のほうが個体にとって 生存に有利だったから、「自由」が強化子として遺伝子に組み込まれた。 ってことでいいのかな。
すごく深遠そうに聞こえるけれど、その程度の話ならば、 20年ほど前からされてますが、何か? 進化心理学って、そんな当たり前の話をしている分野じゃないだろう。 聞いた限りでは。過去スレ嫁。
瞬殺だな
155 :
没個性化されたレス↓ :02/10/08 12:10
>>154 僅か2分の命だったな。
というか、
>>152 が言ってるのって、行動が全て遺伝子で決定されたら、
変動的な環境下では融通が利かない。だから、学習というメカニズムが
進化したっていう話でしょ?
当たり前だし、
>>153 の書いてる通り、昔から言われてる話だ。
156 :
没個性化されたレス↓ :02/10/08 12:28
進化心理は学習までも包摂してしまうのか。
だから、ある人たちから見れば、進化心理学とは何も特殊なことを言ってる 訳ではないという罠。
>>155 >というか、
>>152 が言ってるのって、行動が全て遺伝子で決定されたら、
>変動的な環境下では融通が利かない。だから、学習というメカニズムが
>進化したっていう話でしょ?
「変動的な環境で学習能力が進化した」と
「選択肢の多い環境に好んで身を投じる」じゃ全然違うじゃん。
学習ができなければ選択肢の多い環境へ身を投ずることもできないんだから 同じような話だ。
自由選択自体が強化子になるというような研究も 実験行動分析の文脈であったような.....
>>160 その続き、学習心理学スレにいかない?
とっても関心アリ。人間では、むしろ逆の現象が観察されている
と聞いたことがある。つまり、自由に選択できる場合の方が、
強制的に選択させられた場合に比べて、選択した後、結果から
得られる満足度が低い、と。
良く知らないが、
>>160 の引用きぼーん。
砂糖や塩分などがなぜ生得的な強化子なのか、 うんちのにおいや腐敗臭がなぜ生得的な嫌悪刺激なのか、 そしてこのスレで上げられているサルと蛇のはなしみたいに、 どういうタイプの刺激が習得的な嫌悪刺激になりやすいのか、 こうした現象は行動レベルでなら行動分析的な手法が必須。 その先の構造的な話は生物学・遺伝学・脳科学の役割。 「自由」が強化子である、という知見もその入り口なんじゃないの。
>>161 あそこはむしろもう少しレスポンデントを続けてほしい。
165 :
没個性化されたレス↓ :02/10/13 15:43
>>141 藤田さんとは全く関係ない話だけど、杉山幸丸編『霊長類生態学』は
通読すると結構面白い。退官論文集にありがちな付け焼き刃な寄せ集め
とは違う最前線の臨場感を感じさせる。
で最後の過ぎ丸さんのまとめを読むと、日本の霊長類学と進化理論の
かかわりの歴史や、世界の霊長類学の関心が「普遍性の追求」を超えて
「変異の説明」へと広がりつつある様子がなんとなく理解できる。
「普遍性の追求」へ集中した時期を超えて
>>162 ちょうど良い機会なので、ここで、進化生物学における
「説明とはなにか?:3つのレベル」を解説しましょう。
「ある行動・心理」を「説明」するという時、
3つの異なったレベルの「説明」が存在する。それを
混同するとヒドイ混乱が生じます。そして、これらは
それぞれが、異なった文脈で意味を持ち、相互背反ではない。
1.発達的要因
「発達過程において、個体はどのようにして、その行動を獲得したのか」
2.近接要因
「ある行動を引き起こす“物理的・生理的メカニズム”はなにか?」
3.究極要因
「ある行動は、そもそも、何のために(i.e.,適応価の観点から見て)
存在しているのか?」
>どういうタイプの刺激が習得的な嫌悪刺激になりやすいのか、
こうした現象は行動レベルでなら行動分析的な手法が必須。
その先の構造的な話は生物学・遺伝学・脳科学の役割。
さてさて。あなたは「どのレベル」で話をしており、また、
「どのような目的」をもってこの問いを発しているのか?
168 :
没個性化されたレス↓ :02/10/13 22:59
age
あ、レスが返ってる。 「ある行動・心理」(先の話でいけば自由が強化子であるということ)の発見は 行動分析学、その生理的な近接要因の研究は生物学、といいたかったんです。 行動薬理学などでも、この薬物を投与したらこのような行動的変化がみられる、 というのを行動レベルで検証してから生理的な薬理プロセスの研究に行きますよね。 たしかに162の前半部分は究極要因の話までまぎれてて混乱してたなあ。 「目的」ですか?スキナリアン教育を受けてちょっと考えが凝り固まっているので ここで煽ってもらって勉強しようかと。
170 :
没個性化されたレス↓ :02/10/14 08:54
171 :
没個性化されたレス↓ :02/10/15 20:09
↓こうした研究を「竹内久○子的進化心理学の悪用」と呼ぶ。
普段から一緒にいるから、相手の臭いは良く知っているだろうし、
何よりも、同じ体臭が遺伝することを考えれば、自分と同じ臭い
=自分の肉親という可能性が高まるだろう。
すなわち、「進化心理学の誤用・悪用」とは、他にあるもっともらしい
対立仮説を排除せず、いきなり、「これは適応的だ!」と言ってしまう
点にある。
くれぐれも注意されたし。
【ロンドン21日共同】親と子は互いの体臭を認識し、赤の他人の体臭より嫌
うとの調査結果を、米デトロイトのウェイン州立大学の研究班がまとめ、英科
学誌ニューサイエンティストの最新号に掲載された。研究班は「近親相姦(そ
うかん)を防ぐメカニズム」と推測している。
研究班は6歳から15歳の子供がいる25家族の親子を対象に、3日間同じ
Tシャツを着てもらった後、見知らぬ他人が着たシャツと家族のシャツを与え、
においによる識別度を調べた。
父母は子供のシャツをほぼ識別でき、特に母は鋭敏だったが、きょうだいの
違いまでは分からなかった。すべての子供は父のシャツを識別したが、母のシ
ャツは9−15歳の子供だけが識別できた。
http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=MYZ&PG=STORY&NGID=ALIF&NWID=A6012200
172 :
没個性化されたレス↓ :02/10/18 21:43
揚げる
63番さん、もし見てらしたら質問があります。 >確かに、人間の場合には「特定の行動」が特定の遺伝子によって 決定されている訳ではない。これは言い換えると、「遺伝子によって 決定されているのは極めて基礎的な動機付け、認知システムにおける 大まかな構造、発達において適切な対象に注意を向けさせる制約」と いったものでしょう。 というのは多分そうなんだろうと思いますが、 具体的に何が遺伝的に決定されているのか どのような動機付けや構造や制約が遺伝的に 継承されているのか、明らかになっていることが あれば(あるいはそのような情報の載っている 文献を)ご教授ください。 よろしく、お願いします。
174 :
没個性化されたレス↓ :02/10/19 03:08
>>174 どうも、ありがとうございます。
直接制御、ということはあんまりなくて
間接制御、あるいは、間接制御を間接制御
(あるいは間接の間接の・・)
という仕掛けになっているのだろうな、と
思いつつ、具体的にはどうなっているのだろうと
思ってました。安藤氏の本、読んで見ますね。
ちなみに、行動遺伝学という学問分野があることを
初めて知りました。ちょっと誤解を招きそうな
ネーミングではありますね。
176 :
没個性化されたレス↓ :02/10/21 17:07
あげとくか。
177 :
没個性化されたレス↓ :02/10/21 23:33
ところで、進化心理学の方法論って、4枚カードと 双子の研究以外にどんなのがあるのでしょう?
双子の研究は行動遺伝学の得意技。 進化心理学の方法論とは言い難い。
179 :
没個性化されたレス↓ :02/10/22 00:11
>>177 理論モデルを作って進化心理学以外からは説明され得ない仮説を導く。
仮説を実証的にチェックする。仮説も作れないし、実証もできない話に
ついては、サイレントでいる。
基本的に、「ある行動は遺伝子によって規定されている」という命題を
実証することは、進化心理学の目的では「ない」。
進化心理学とは、心理学者の「ものの見方」に影響を与えるフレームワーク。
この辺りの問題については、進化心理学者がやってきた研究に対して、
進化心理学の内部からも批判があったりする。
180 :
没個性化されたレス↓ :02/10/22 00:15
>>179 「仮説を実証的にチェックする」ために
具体的にどのような手順を踏むのか知りたいのではないのかな?
>>177 さんは。(おいらも)
>>180 過去の研究をみる限りでは、心理学で用いられているありとあらゆる
方法が使われているでしょ。実験、質問紙、調査、巨大な統計データ
ベースを用いた国際比較、文化心理学のように未開社会と先進国での
比較実験などなど。
結局、ここから先は、何かテキストを一冊読んだ方が早い。というか、
不正確に読みとられて、誤解されても困るし。
何よりも、新刊心理学で大切なのは、それが
>進化心理学とは、心理学者の「ものの見方」に影響を与えるフレームワーク。
だという点でしょ。
しかし逆に、進化論も目的論的アプローチもずっと昔からあるのに、 何故進化心理学はもっと早くに登場しなかったのか、ってのも気になる
183 :
没個性化されたレス↓ :02/10/22 00:29
争わなくてもいいよ 苦しまなくてもいいよ 頑張らなくてもいいよ 反省しなくていいよ 変わらなくていいよ 俺はすごく幸せです 信じなくてもいいよ
>>179 >基本的に、「ある行動は遺伝子によって規定されている」という命題を
実証することは、進化心理学の目的では「ない」。
ということは、その辺は自明として先に進みましょう、
ということなのでしょうか?
後段の仮説の検証の方法論が、これまでの心理学と
共通だとすると
>理論モデルを作って進化心理学以外からは説明され得ない仮説を導く。
の方が進化心理学独自の方法論なのでしょうね。
でも、あんまりモデル立ててるのって見たことないなあ。
?
進化心理学もいいけど,みんなまずは進化論の基礎とか 遺伝の仕組みの基本的なことを勉強した方がいいと思う。 遺伝情報と顕現する行動や特徴との関係が累加的,あるいは 関数的であることは基本中の基本。
>>185 >ということは、その辺は自明として先に進みましょう、
ということなのでしょうか?
>>187 が良い発言をすた。
進化生物学の知見を共通知識としてもつ進化心理学者からみれば、
ある行動が「遺伝か獲得か」という二分法は、存在し得ない。
この当たりの複雑さについては、過去ログ参照。
>でも、あんまりモデル立ててるのって見たことないなあ。
けど、Bussの嫉妬に関する性差の研究なんて、(単純過ぎて理論モデル
と言えないかも知れないが)一応、「性淘汰」という「理論的」原理から導いた
「仮説」でしょ?
>遺伝情報と顕現する行動や特徴との関係が累加的,あるいは 関数的であることは基本中の基本。 行動も量的形質であるという意味でしょうか? >ある行動が「遺伝か獲得か」という二分法は、存在し得ない。 そのこと自体は自明でしょうけど、それだけではあんまり 演繹力がない気がします。 >「性淘汰」という「理論的」原理から導いた 「仮説」でしょ? 性淘汰はちゃんと計算しないとかかるかかからないか 分からないのに、言葉だけつかって「説明」するのは いかがなものかと思いますねえ。
>性淘汰はちゃんと計算しないとかかるかかからないか 分からないのに、言葉だけつかって「説明」するのは いかがなものかと思いますねえ。 だからこそ、実は、進化心理学者の「理論的主張」には関心を寄せながらも、 実際の研究には関心しない人も数多い。いかがなものかと思われているのよ。 実際に。
>行動も量的形質であるという意味でしょうか? そりゃ別の議論だろ。 >そのこと自体は自明でしょうけど、それだけではあんまり 演繹力がない気がします。 ちょっと意味不明。「2分法に基づく議論が荒すぎる」というのは、 進化発達生物学(?発達生物学の間違いだったかな?)において、 原始的な生物にかんし、遺伝子からタンパク質がどのように形成され、 それが体の各部位の形成にどのような影響を与えるのか、などを詳細に 観察した結果、得られた結論でもあるはず。 この問題に関しては、繰り返しだが、過去ログにおけるチンプの恐怖 学習の話を読まれたし。
>いかがなものかと思われているのよ。 >実際に。 そうだろうと思います。 それで、方法論の話に戻るのですが 氷河期の淘汰圧とか性淘汰とか言葉だけの 説明から脱却する方策は考えられて いるのでしょうか?
それは、分子生物学と認知神経科学が発展して、 脳の神経網->心的機能のマッピング、及び、 genome->タンパク質形成->脳の神経網デザインに与える影響 の両方が明らかにされない限り、決定的な話はムリでしょ。 それ以外の方向性っていうのは「進化の過程で何が起きたのか?」に 関する情報が断片的にしか得られない以上、やっぱり、決定的な話はできない。 しかし「だからといって、進化のプロセスが心的過程を形成する上で与えた 影響を無視することはできない」というのは疑いようもない事実。だから、 現状の進化心理学に懐疑を抱きながらも共感する、という人が多く、また、 進化心理学者はそれを知ってるから、いろんなことをやっているのだと思います。
>>192 もう一つの可能性は、狩猟採集社会にこだわらず、自然環境に
おける不変項(Gibson参照)を特定し、時代を通じて一定だと思われる
環境構造下において、どんな「心的機能」が適応的だったのかを
理論モデルを通じて検討する。本当のこと言えば、Bussの性淘汰の
話も、この範疇に入ると思う。あれは氷河期なんて仮定していないから。
>氷河期の淘汰圧とか性淘汰とか言葉だけの
説明から脱却する方策
というけれど、性淘汰の話はどこが言葉だけだと思うの?モデルの複雑さが
足りない?前提が証明されてない?もし後者だったら、上に書かれていた
「ハミルトンの血縁淘汰に関する最近の議論」を見てよ。関連しているから。
>>189 >>遺伝情報と顕現する行動や特徴との関係が累加的,あるいは
>>関数的であることは基本中の基本。
>
>行動も量的形質であるという意味でしょうか?
はあ?
・ある行動や特徴に影響する遺伝情報は通常複数であること
・それらがどのように行動に影響するかは遺伝情報間の
相互作用に著しく大きく影響されること
・遺伝情報間の相互作用が定まっても,それが実際にどのような
行動として顕現するかには(環境の影響を除外しても)まだ多数の
パラメータが影響すること
・その上,実際の行動は環境の影響を大きく受けること
などなどで,「〜な遺伝を持ってるから〜な行動」とか「〜な
遺伝情報が〜な特徴を生み出す」なんて議論は実際問題不可能だということ。
遺伝学とか分子生物学の教養レベルの教科書にも書いてあると思うよ。
>>195 そういうのは、累加的とか関数的とかいわないと
おもいますが、まあ195の意味であれば特に疑問はないです。
>>194 性淘汰はかかることもあればかからないこともあります。
「メスの選択」問題をクリアしてrun awayがかかるには
結構厳しい条件が必要なので、血縁淘汰ほど普遍的な現象では
ないはずです。この辺の条件の検討を省いて
(あるいはその条件でrun awayが起こるか確認しないで)
単に「性淘汰」という言葉を使って現象を説明するのを
ここでは「言葉だけの説明」と呼んでいます。
そうではなくて、もっときちんと淘汰圧を見積もって
ほしいものです。
>>196 淘汰圧測定の重要性は、進化心理学者だけでなく、進化的モデルを
人間に適用しようとする人類学者・生物学者の全てが理解している。
「不可能なのよ。」
昆虫ならば、一人の人間が、何世代にも渡って詳細な行動データを
取れますが、人間じゃ、少なくとも数百年にわたる巨大プロジェクトを
立ち上げなくちゃムリ。
だからこそ「ひとまず理論モデルをつくって、“仮にそれが正しいとした
時どんな仮説が導かれるか”を考える。そして、その仮説が他の説明原理から
演繹可能かチェックする。不可能である場合、実証データをとり、仮説を検証
する」
性淘汰がかかる条件が理論的に検討可能ならば、それらを実際にチェックしてみるの
可能でしょ。
このあたりは生物学における哲学の話とも重なるでしょ。Brandonとか知ってる?
不完全な道具しかないことを知りつつ「ダメだ」と考えて何もしない&
やってる人間をせせら笑うか、「ダメ」な中で論理的に可能なことをやり付くしてみる。
>この辺の条件の検討を省いて (あるいはその条件でrun awayが起こるか確認しないで) 単に「性淘汰」という言葉を使って現象を説明するのを ここでは「言葉だけの説明」と呼んでいます。 考えてみれば、G. F. MillerのMating Mind(長谷川夫妻による 邦訳あり)なんて、ギリギリの危ういレベルまで、あなたのいう 言葉だけの説明を適用した例でしょ。 つまり、究極要因(ultimatum cause)を突き詰めていくと、性淘汰 以外の説明が不可能にみえる現象を列挙する。それらが一貫して 数多く見られるほど、他の説明可能性が排除されればされるほど、 性淘汰という原理による説明の「もっともらしさ」が増していく、 というロジック。
それはそれでとてもよく分かります。ただ、 >「ダメ」な中で論理的に可能なことをやり付くしてみる。 ということなので、もっといろいろ試して見てもいいでしょう。 一つの思考実験として、たとえば「数百年にわたる巨大プロジェクト」 をやるとしたら、どんなものになるでしょう? うまくやれば 数十年程度に短縮できる可能性はないでしょうか?
人類学者がやってるのって、それに近いでしょ。 毎年、フィールドにいって膨大なデータを蓄積する。 あるいは、国勢調査なんかの統計データっていうのも なかなか無視はできないでしょ。まあ、子供の数まで 追いかけた調査なんてないだろうし、仮にそんなデータが あったとしても、現代のデータだけ知ってもしかたないだろうし。
それに付け加えるとね、人間でやれる調査には「倫理」という 壁があるのよ。ある街の住人全てのDNA検査をして、誰が誰の子供かを 厳密にチェックし、「何%の男性が婚外子を作っているか」を調べるなんて、 やるのにも相当な抵抗があるでしょ。 それやこれやで、何か技術的なブレーク・スルーが出てこない限り、 結構難しい気がするな。地道にデータを取る以外には。
>子供の数まで追いかけた調査なんてないだろうし、 少子化関係で厚生労働省がやってる調査なんか、まさしく 子供の数を追いかけてますよ。 >仮にそんなデータがあったとしても、現代のデータだけ知っても しかたないだろうし。 って >「ダメ」な中で論理的に可能なことをやり付くしてみる。 なんていってる割に投げやりなんですね。 なんかもういいや。ともあれ、勉強になりました。 ありがとうございます!!
なんか感謝されてるのかどうかワカランな。 >少子化関係で厚生労働省がやってる調査なんか、まさしく 子供の数を追いかけてますよ。 けどさ。婚外子の数とか、不倫で旦那に内緒で生んだ子供とか、 進化心理学的な大事なデータは、なかなか出て来にくいでしょ キンゼー報告なんかと一緒でさ。 どうやってやったのかワカランけど、実際に先進国のどっかの 町で全員にDNA検査をやったら、父親と血がつながっていない 子供の数って、相当数に上るらしいよ。なんか怖いけど。 というわけで、DNA鑑定を数世代に渡って続けでもしない限りは、 やっぱり括弧付きの研究をしていくしかない、ということでしょ。 それを投げやりと取るかどうかはあなたのご勝手よん。
>婚外子の数とか、不倫で旦那に内緒で生んだ子供とか、 進化心理学的な大事なデータは、なかなか出て来にくいでしょ そういうデータがなければ進化心理学ができないということも ないと思いますよ。進化心理学の特定のトピックの研究は やりにくいかもしれませんが、取れるデータを使って進化 進化心理学的研究を工夫することは、可能だと思います。
いや、だから、そういうことをずっと言ってたつもりだったんだが... みんな頭を振り絞って、ちょっとでも妥当性を高めようとしているって。 ともあれ、現状の進化心理学って、これまでの研究者のおかげで段々と メインメッセージの重要性が認知されるようになってきたけれど、 やっぱり、個別の研究だけを取り出すと、怪しさ一杯っていうのも 多い。これからじゃないですかね。
そういう意味で、どのような工夫がされてきてるのか というのが方法論の質問をした趣旨だったのです。 ようやく、出発点に帰ってきたかも。
結論: とても一言じゃ言えません。申し訳ないがそこまで最近のトレンドや 先端を綿密に追ってる訳じゃないし、例題も何もない状態では、何を 話せば良いのかもワカラン。 試しに、なんか例を出して。例。
実は性選択の話は、あまり関心がないので (どちらかというとマイナートピックだと思います) 4枚カード問題のその後、とかいうお題でお話頂けると幸いかと。 あと、学習の進化というのか進化心理学の守備範囲ですか?
4枚カード問題?一番「いかがかと思われている」話じゃないのかな? かつて、どっかの研究会で認知科学の御大が、「進化心理学そのものは 別に良い。理解できるし、重要だ。しかし4枚カード問題だけはいけない」 と、激しく攻撃してたっていう話を聞いたことがある。 まあ、他人の評価を出さずとも、あれをもって「進化の産物」というのは さすがにムリがあるのではないかと。あれは、真偽はともかく「進化心理学 ってこんなモノの見方をするんですよ」っていう例を、心理学者に提供した ところに意味があるのではないか、と。 >あと、学習の進化というのか進化心理学の守備範囲ですか? 良く知りません。たとえばどんな「学習」?一般的な用語で 「学習の進化」っていう話だと、生物学者が扱っているけどね。
強化学習(試行錯誤学習)や模倣学習(社会学習)など、 どのような学習の方略が適応的か、といった議論。 まだ、やられてなければいいですが。 ないしは「いかがなものか度」が低そうな話題を見繕って お話くだされば幸いです。
たとえば、どんな行動を遺伝子でプログラムし、どんな行動を学習で 獲得すれば良いのか、その割合は、といった話は、行動生態学で されているだろうし(理論的・実証的)、模倣学習がどんな場面で 適応的になるのかって理論的研究も、日本人の若手生物学者がやってるってのも 聞いたことあるなぁ...東大にいた高橋という人だったような気がする。 >ないしは「いかがなものか度」が低そうな話題を見繕って お話くだされば幸いです。 正直、「進化心理学」と正面から銘打った研究の中で、いかがなものか度が 低いのって、少ないんじゃないか。長谷川夫妻が訳した「人が人を殺す時」 などは、いかがなものか度が低いと思うけれど、それもやっぱり、大量な データを丹念に集めて分析しているからだと思うんですよね。そういう点では、 良い具体的研究って、何かあるかなぁ...
懐かしい名前ですね。彼、人間の仕事から撤退したと 聞いてましたが、そういう仕事をやってるんですね。 いかがな研究が多いと、優秀な人材が集まらない (あるいは去ってしまう)のでいかがな研究ratioが あがる罠に落ちてしまいます。 思うに、もっと数理的なアプローチがあっていい気は しますが、そういうのはないのでしょうか?
もしかして、集団生物屋さん? >思うに、もっと数理的なアプローチがあっていい気は しますが、そういうのはないのでしょうか? これから出てくるでしょ。いろいろと。思うに、そうした 「徹底的理詰め路線=理論モデル屋」と、「徹底的実証路線= 人類学者+調査屋+神経科学屋+分子生物屋」とに2極化して 逝かざるを得ないでしょうね。果たして、前者の道を目指している 人がいるのか?世界を探せば、いるかもしれないけれど、まだ 知りません。 けど、さっき言っていた性淘汰がかかる条件を特定し、それが 人間社会に存在しているかどうかを実証するなんていう研究は やれば意味があると思いますね。
究極要因の研究と至近要因の研究は車の両輪ですから、 理論屋と実証屋が分担するというのは有望なストラトジー かもしれません。 >性淘汰がかかる条件を特定し、それが人間社会に >存在しているかどうかを実証するなんていう研究は >やれば意味があると思いますね。 理論屋と実証屋が提携して、究極要因を調べる研究に なりますね。そういう研究がもっと出てきてほしい 気がします。 集団生物屋、というのは当たらずといえども遠からずかな。
思うに、物理、経済、生物のように、理論屋と実証屋の分業が進み、 両者の間で健康的な戦いが繰り広げられるようになれば、心理学も もうちょっと良くなるかもね。
思い出したけど、実証と言えば、こんなのもありかもね。 社会学習の話を持ち出していたけれど、これって、環境がstationaryでなく、 結構頻繁に変動するような場合には、社会学習が有利になるっていうモデルが あるんだって。そして、実際に人間が進化した更新世の気象学的データをとって みると、この時代の自然環境って凄くfluctuateしていたんだってさ。と言うわけで、 人間の社会学習の能力は、この環境下で進化したのではないか、と議論する研究も あるって、聞いたことある。伝聞情報ばかりで申し訳ないが。
心理学、という枠組みの中では進化心理学は相対的に <理論屋>のポジションを占めるはずですが、現実には データ集め系の研究が多い、という辺りにミスマッチを 感じます。
とはいえ、現段階で、大半の進化心理学が実証データから目を背ける、 あるいは、それが容認される状態が生じたら、それこそ、トンデモ系の ウロボロス状態になってしまうでしょ。それにデータがなかったら、 社会生物学の二番煎じとして扱われるだけで、注目を集めることも なかっただろうし。 過渡的な状態としては仕方ないかと。
>環境がstationaryでなく、 結構頻繁に変動するような場合には、社会学習が有利になるっていうモデルが あるんだって。 >そして、実際に人間が進化した更新世の気象学的データをとって みると、 >この時代の自然環境って凄くfluctuateしていたんだってさ。 情報ありがとうございます。こういう研究も理論屋にぜひ サポートしてもらいたいですね。更新世のfluctuateは、数千から 数万年のタイムスケールだったでしょうし、社会学習が有利に なる環境変動は強化学習が間に合わないくらいのタイムスケール でしょうから、ちゃんとした理論屋がついてたら論理の飛躍を 指摘できたろうと思います。多分、数千年規模の気候変化と 社会学習の進化には関連がある気はしますが、論理パスはもっと 複雑でしょうね。その辺つめれば、もっといろんなことが 分かってきそうではあります。
あ、ちなみに、その研究をやってるのって、理論モデル屋さんなんだって。 生物学の方の。なぜその話を出したのかというと、ま、珍しくtheory-drivenの 研究らしいからなのよ。
>>218 そう、データはとっても大事でそれを否定するつもりはありません。
経験的にデータ7、理論3ぐらいのratioが分野として
バランスが取れてるような気がするのですが、現状では
理論の比率がやっぱり低すぎるような気がしますねえ。
何か変。みれないのですが。。
223 :
没個性化されたレス↓ :02/10/23 22:38
224 :
没個性化されたレス↓ :02/10/23 22:40
あ、引き起こすと言っても、その遺伝子がADHDに寄与する割合が 30%ということだそうですが。
進化論といえば・・、 四方哲也著の「眠れる遺伝子進化論」 はどう評価されてるのですか?
たしか、この人の、 「眠れる遺伝子進化論」で読んだか、テレビで喋っているのかで、 地理的に隔離?された地域なら、その地域の個体全部に生存に不利な遺伝子がひろまることもあり得る これなら、人間がビタミンCを合成する能力を失った理由を説明できそう 人間は10万年前に絶滅しかかった(でも10分の1になった程度)ことや、 ミトコンドリア遺伝子からつくった人間の母系の系統図(見たのはすっごく古い「サル学の現在」のです)の、 距離と近縁度が一致しないことをみても、そんな感じがします。デ、センモンカノイケンッテ、ドンナンデショカ? 偶然の部分ってどの程度加味されているんですか?
>>226 そのような話こそ、まさに集団生物学と呼ばれる分野ですよね。
177さんのような理論生物学者の独壇場。結局、突然変異の発生率、
ある遺伝子を持つことの利益・損失の大きさ、集団間での移動率
など、様々なパラメータを特定してから、精緻な確率論的数理モデルを
作り、どんな現象が生じるかを検討する。
あたしゃ、良く知らないので、177さんの登場をお待ちあれ。
>>226 遺伝的浮動による固定現象というやつですね。
木村先生の中立説の中心概念で、集団の有効なサイズが小さいときに、
そういうことが起こりやすいことが知られています。
ただ「眠れる遺伝子進化論」自体は読んだことないので、
どれぐらいちゃんと計算してあるのか、よくわかりません。
タイトルはちょっとトンデモっぽいですが(w
進化心理学スレだが内容は進化生物学のお勉強。 まあしばらくはそういう時期が続くだろう。
>>229 そうだろうね。「心理学者は心理学だけ勉強していればよい。
その他は知りたければやっても良いが特に必要ない」という時代は
もう終わったよ。
神経科学が発展し、いわゆる心的活動と、神経回路網的・生化学的メカニズムの
関係が明らかにされてつつある時代。
この時代に生きる心理学者として、「心の科学的理解」を目指す人間としては、
進化生物学や分子生物学の一般的な知識を無視することはできないでしょう。
ただ,「進化生物学のお勉強をしている心理学者である」ことと 「進化心理学をやっている」こととには100万光年くらいの 距離があると思うよ。ほとんどの自称進化心理学者は100万光年の こちら側にいるんじゃないの。
漏れ自身もそうだったことがあるけど,心理学以外の 分野をちょっとかじると,その知識が自分にとって新鮮なだけに 心理学のすべてがそれで塗り替えられるような錯覚に 陥りやすい。でも,必要なのは「心理学を進化生物学化する」 ことではなくて心理学固有の問題意識やフィールドで 進化生物学の知識がもつ意義ではないかとも思う。 進化心理学は心理学のフィールドを「進化生物学が適用可能な 領域」だけに狭めてしまう嫌いがある。それでは「進化心理学」では なくて「進化生物学のいち応用分野」としか言えないのではないかね。
心理学における科学哲学志向にしても,社会構成主義志向にしても 似たようなことが言えると思うけどさ。ただ笑っちゃうのは たとえば進化の問題だったら実際には生物系学部の学部生以下の 知識をちょっと齧っただけで進化心理学進化心理学と騒ぐやつね。 そういう意味ではまずはお勉強も大切でございます。 まあ俺だったらお勉強している間はとりあえず黙っているけどね。
どこまでが「お勉強している間」?論文書くまで?
使えるようになるまでかと思われ。 まあ、黙って勉強する必要も特になくって、議論はすれば いいですけどね。
進化心理学というのは、いったい何をしたいのか 結局のところ、よく分かりません。 進化的視点を導入して、そのあと何をしたいのでしょう?
心理学というのは、いったい何をしたいのか 結局のところ、よく分かりません。 心理学的視点を導入して、そのあと何をしたいのでしょう?
学問というのは,いったい何をしたいのか 結局のところ,よく分かりません。 学問的視点を導入して,そのあと何をしたいのでしょう? って学問そのものがしたいんだよ! 心理学だって進化心理学だってそうだよ。その後どうなるかなんて 産業とか行政が考えればいいことで,学者が考えることじゃねえよ。
そういう、何手か先の話ではなくっても、進化心理学の場合、次の一手に何をしたいのか、よく分からないですね。進化心理学者の人は、どう思っているのでしょう?
>>239 ホント、どうなってるんでしょうね?
ここで長谷川夫妻が降臨して語ってくれたらスゴイのですが。
>>240 そうなったとしても,177の疑問は氷解しない方に250万CFEフラン。
242 :
没個性化されたレス↓ :02/10/27 08:10
新書本とか読んで、外野で楽しんでるものとしては、 フロイトがあぼーんされたら嬉しいです。アホスギルッ! 進化心理学ってその役にたちそう。なので好き♪
243 :
没個性化されたレス↓ :02/10/27 08:38
フェミニズムにトドメを刺すのは進化心理学だと思う。期待してるぞ。
244 :
age餅 :02/10/27 08:43
245 :
没個性化されたレス↓ :02/10/27 09:16
>>243 それはものすごい誤解なんだけど,進化心理学が
そういうふうに利用される危険はすごくあるね。
進化の結果として人間が持っている特性や傾向と,
その上に文化環境的に組み立てられるものとは
相補的なもの。進化論的な人間理解が進んでも
文化や環境の役割が否定されるわけではない。
(人間科学で文化環境的な力が過大評価されてきた,
というような主張は可能だとしても。)
たとえば進化論が優生学的に解釈されて人の学習可能性
などが過小評価される危険は進化生物学者はよく認識して
警戒してるけど,生物学における進化論志向より
もっと危険を生じる可能性の高い進化心理学がそこらへんに
すごくナイーブなままなのはとっても心配。意図的に
ナイーブなのかもしれないけど。
246 :
没個性化されたレス↓ :02/10/27 09:18
>>242 フロイト自身は生物学論者だったし,無意識の構造が
進化の過程で形成されてきた,というような話だと
フロイトがあぼーんされるどころか,という可能性の方が高いよ。
>相手が決まらないと自分の性質が決まらないし、単純に上がり続ける適応度のような値もない。 『眠れる遺伝子進化論』 というのは、そのまんまゲーム理論ですよね。 前にぱらぱらと眺めた記憶があります。 タカハトゲームのような状況で頻度依存淘汰がかかる ことを示して、「だからダーウィン進化論は間違っている」 みたいなことを書いてたので、トンでも本だと判定した記憶が あります。 『オデッセウスの鎖』の方はかなりましかも。 (書評しか読んでませんが)
248 :
没個性化されたレス↓ :02/10/27 09:23
フェミニズムが依拠する文化相対主義を葬り去るのは進化心理学だろう。
249 :
没個性化されたレス↓ :02/10/27 09:38
>>248 進化論や進化心理学は,進化の結果として人類が共通に
(かつ生得的に)持っている傾向を明らかにして行くことで,
「文化相対的であるものと文化相対的でないもの」を区別する
基準を作ることはできるだろうし,じっさいこれまで文化相対性が
強く主張されていた領域でも進化的な基盤を見いだすとすれば,
文化相対主義の好敵手にはなるだろうね。
しかし,人間行動のすべてが進化的に定まるなんてアホなことは
進化心理学者も考えないし,「人間行動がある程度文化相対的である」
ことは議論の余地のない事実で,人間行動の文化相対性そのものも
進化の過程の中で獲得されてきたものだ。
進化心理学がどう発展しようが,「文化相対主義を葬り去る」こと
なんかできない。できるのは「文化相対主義の適用範囲を限定すること」
だけだよ。君のご執心の分野でそれができるかどうかは今後の発展次第だね。
250 :
没個性化されたレス↓ :02/10/27 10:12
その点では「心理学ワールド」の山岸先生の文章(コラムの方)も ちょっとどうかと思うよ。たしかに文化相対的な考え方の 行き過ぎや,生物学的制約の軽視は批判されるべきだけれど, 必要なのは生物学的制約と後天的な獲得の両方にバランスのとれた 見方であって,経験や学習の影響を無視することではないでしょ。 それに,山岸先生の批判するような「タブララサ」主義者なんて, どこにいるんだろう? 心理学者の中にいるかな? 昔の佐伯先生の行動主義批判と同じで,自説を主張したいあまりに 敵を単純化,理念化し過ぎて非現実的な議論になってる気がする。 進化心理学がフェミニズムを撲滅するみたいな話も,それと似ていると思う。
>それに,山岸先生の批判するような「タブララサ」主義者なんて, どこにいるんだろう? 心理学者の中にいるかな? >昔の佐伯先生の行動主義批判と同じで,自説を主張したいあまりに 敵を単純化,理念化し過ぎて非現実的な議論になってる気がする。 禿同。 そうやって、階段を降りては上り、降りては上りしているだけに感じます。
>>249 >「人間行動がある程度文化相対的である」
ことは議論の余地のない事実で,
>人間行動の文化相対性そのものも進化の過程の中で獲得されてきたものだ。
というのは全然異論はないのですが、その次のステップとして
何がしたいのかが分からないですね。このレベルの言説ばかり
繰り返されているように思います。
253 :
没個性化されたレス↓ :02/10/27 10:39
>>250-251 一部同意。しかし、
>>250-251 のような「非難」を見ていつも強く感じるのは
「堂々と胸を張って“どちらの側からも非難されない研究”を実際にやってる」
連中ってのは、ほとんどいないじゃないか、ということ。
タブララサ主義者や化石行動主義者が「論争上作り上げられた仮想対象」で
あったとしても、また、多くの人間が大きな声でそんな主張をしていないと
しても、「実際の研究は非難されるべきパラダイムから抜け出していない」
ことが多い。
彼らは、いわば「実際に行われている研究」を対象として批判している訳だから、
いくら「いや、俺達はそんなことは考えていない。知っている。」と主張しても、
実際にやっている研究でみていったら、その手の批判を受けても仕方ないはずだと
思うがね。
254 :
没個性化されたレス↓ :02/10/27 10:44
>>244 その視点で捉える限り、竹内久美子にだってそれなりの意味はあるかも
知れないよ。けれど、竹内久美子とフランクを分けているのは、どこまで
「データ」に基づいた議論をしているのか、どれが仮説に過ぎない話なのか
を、明確にしながら議論している点。
両者の違いは、科学者としてのスタンダードを遵守しているのか、あるいは、それを
無視して、誤解されることをあえて承知しながら一般向けの議論をしているか、
の違い、だと考えているがね。
「我々から見たら実に大きな違いだよ」
255 :
190(=253+254) :02/10/27 10:52
入り乱れているから前のステハン付けなおすね。
>>252 それは強く思う。けれど、その「文化相対性を生み出すメカニズムそのもの
=社会化・学習が、進化の過程で発生した」を認識しながらも、先に進めず、
モチャモチャやっている状態と、それを認識せず、「文化は相対的です。
実際に測定したことなどありませんが、進化の影響などnegligibleです」と
主張をするのとでは、雲泥の差があると思うけどね。
思うに、進化心理学プログラムが成功をおさめるか否かは、ひとえに
「これから」にかかっていると思う。
その意味において、最近、ごく一部ながらも発達心理学者が「進化と学習の
相互作用」という点から発達を見始め、Evolutionary developmental psychologyなんて
いう本まで出版されるようになったのは、なかなか良い兆しではないかと思う。
直感だが、次のブレイクスルーは、進化心理学者からの大きなメッセージを受け止めた、
各領域の研究者が、自分たちの問題をこの観点から見直すことによって始まるのでは
ないだろうか。
256 :
190(=253+254) :02/10/27 11:00
>>249 文化相対主義を根底から否定しきるなんてできっこないだろうけれど、
フェミニズムとの関係は、あくまで「相手が何を主張するか」に依存するでしょ。
例えば、心理学ワールド掲載の宮台真司の臨床批判をどう思う?
精神病理をあくまで「社会から張られたレッテル」としか認識せず、
その背後にある「認知神経学的基盤」や、その分野でのめざましい発展を
考慮に入れない、旧態依然とした批判。
もちろん、ある種の「精神病理に対する名称」が、社会的要請に作られた
という事実は否めないだろうが、だからといって、全ての精神病理を
同列で扱ったあの結論は極端すぎるだろう。
といった、のと同じ構造をここにもかぎ取るけどね。
二つの陣営がお互いの「最悪の部分」を避難しあうという 構図はよくあるけど,単に心理学ワールドに載った二つの記事が どちらも「最悪」だっただけでは? 前にも書いたけど,必要なのは進化的視点,生物学的制約を 意識しつつ,それとの相互作用としての学習や経験による 獲得をきちんと追いかけていくとか,精神疾患にある程度の 生理的・神経学的基盤があることは押さえた上で,そうした 生物学的な症状の周囲で社会的に構成されていく病名とか 診断とか差別とかを分析していくとかいった態度でしょ? いろんな見方がある時には,どれが正しいとか,どれがどれを 撲滅するとかいった見方だけじゃなく,それぞれの守備範囲を 明確に切り分けていくことが一番大事なんだよ。 この板では行動主義についてはその切り分けがかなりきちんと されただろう? おなじことを例えば進化心理学と文化相対論 とかについてやっていけばいいんじゃないの?
>>257 の第二段落
それをみんながやってれば何も問題ないと思うけどね。
>いろんな見方がある時には,どれが正しいとか,どれがどれを
撲滅するとかいった見方だけじゃなく,それぞれの守備範囲を
明確に切り分けていくことが一番大事なんだよ。
多分、これまではその段階に至る「前の段階=相手が何を言いたいのかを
見極める時期」だったのだと思うよ。
そして現実問題として、これまでに行われてきた研究(自然科学など
全領域を含む)の中で、進化的視点と文化相対性という2つの「反するように
見られてしまいがちな側面」を統合するようなものって、大きすぎて役に
立たないフレームワークか、かけ声ばかりだと思う。
まだ、行動主義における切り分けが可能なほど、問いや主張のレベル、
実際の研究が成熟していないのだと思う。
個人的には、だからといって進化心理学というのは、捨て去るにはあまりにも
惜しいものだと思うな。
>>258 たとえばスキナーなんかは,オペラント条件づけで学習する
しくみは進化の過程で獲得され,それが環境によって作動して
行動が成立する,って40年前から言ってる。
ただ後継者たちはあまりそれについて考えなかったけどね。
なんかかつての言語能力スレでの生成文法VS行動分析の議論を思い出すなあ。 生成文法にしてもなんにしても、雑多な学習要因や環境要因が絡み合う中から 「能力」や行動に関する、生得的・進化的な抽象的なものを抽出するのは それこそ砂金探しに似た途方も無い作業だなあ。見つけたとしても、実は砂金 じゃない可能性だってあるからね。環境派は砂金ではない可能性を最後まで 捨てないわけだが、それは偏狭と非難されるより、環境要因の検証を疎かにしない ために必要なスタンスとみなされるべきでしょう。お互いブレーキが必要なわけで。
けっきょく「遺伝か環境か」っていう問いは古くて新しいわけよ。 「遺伝も環境も」っていうなら,その相互作用をきちんと分析できる 枠組みを提示できなければだめ,それが提示されないからあいかわらず 極端な生得論や環境論が,それが役に立たないことは誰もが知っているにも かかわらず定期的にゾンビのように出現するわけね。 進化心理学は遺伝決定論じゃない,ってことを,心理学者が誰でも よくわかる形できちんと提示すること,遺伝決定論に陥る危険を きちんと自分達で管理することを求めたいね。
同意。それと目的意識が欲しいですね。
>>262 当面の目的は「啓蒙」じゃないですかね?その意味では日本における
進化心理学者ってのは、とても良くやっていると思う。学問的に真摯だし、
勢いもあるし。その点に関しては、研究者としてそれなりの評価をされる
べきだとは思うけどね。
>>261 まあ、そうだろうね。例えば、進化心理学者が良く例に挙げる「学習における
制約」なんて、学習心理の連中に言わせれば「ガルシア効果なんて、俺達は
昔から知ってるぞ。一体、進化心理のどこが新しいんだ?」。
けれど、ガルシア効果の意味や、それに基づいた研究パラダイムは、ほとんど
見られない。
>>259 が「ただ後継者たちはあまりそれについて考えなかったけどね」
と逝ってるように。
思うに、「論理」としては、既に誰かが言ってることでも、現在支配的な研究パラダイム、
実際に行われている研究などを考えると、時として、新しくもない「論理」を
声高に叫ぶことが、必要とされることも多い。
お前ら,面白いのでもっと続けてください.
啓蒙したり叫んだりというのは、戦術レベルの目標で、戦略レベルの目標とセットで初めて意味をもちます。なにはともあれ啓蒙したり叫んだりというのは、いくら真面目にやっても、優はつけにくいですね。
>>265 うーん。
それは「生物学」と「心理学」の研究レベルの差を端的に表しているかも
しれませんね。生物学のように「比較的堅固な理論的フレームワークが
共有されており、個別の小さな研究が“蓄積されていく度合いが高い”」
分野と、心理学のように「なんでもあり。各人が勝手に自分のフレームワーク
にそって研究している。10年前の研究でさえ、ちょっと物の見方が違えば、
誰の役にも立たない。蓄積性が極めて低い」分野とでは、啓蒙や叫びの
重要性は相当異なると思います。
>>266 ふーむ。
研究の蓄積性と啓蒙や叫びの重要性の関連について
もう少し、解説をお願いします。
研究の蓄積性・・・ これって、心理学に携わる人間が、自然科学に対して常に感じる「引け目」の 源泉だと思うんですよね(というか、この微妙な引け目を感じないほど鈍感だったら 研究やってけない)。 どういうことかと言うと、心理学をやってて一番「手応えを感じない」のって、 「自分のやってる研究・見いだした知見」が、次世代の研究を刺激して、新たな 発展を生み出す、ということが「ほとんどない」という点なんですよ。 これって、行動生態学では決してあり得ない。基礎的なモデルができれば、 様々な条件を変えた場合のモデル=派生系が生じ、それが様々な動物の行動を 説明するのに用いられる。あるいは、究極要因と近接要因に関する研究が、 互いに影響を与えあって発展を促す。 少なくとも、心理学では、こうした「知見間の生産的相互作用」が非常に少ない。 バラバラの知見が有機的に結合されないまま、ただの「知見集合」として乱雑に 存在している。 Tooby & CosmidesがAdapted mindの中でも書いているのですが、おそらく、こうした 生物学(or自然科学)と心理学(or社会科学)の違いって、セントラルドグマ足りうる 「理論的枠組み」がないこと。
もちろん、心理学にだって、行動主義とか認知心理とか、いろんな 「主要な理論的流れ」があります。表象主義とコネクショニズムとか、 いろんなレベルのアプローチも含めて。 ところが、これらは、皆、「心・行動」に対する「独立したアプローチ」で あって、それらがさらに巨大な「メタ理論・原理」によって、有機的に結合されて いる訳ではない。 #ここが自然科学と心理学(社会科学)の最大の違いです。 故に、心理学においては、各自が属する学派が異なれば、 会話が全く成立しなくなることも多い。それがまた、「生産的な 知見の結合」を阻害する。中には、それに嫌気がさして、心理学 や社会科学は自然科学と違う、実証主義などの方法論は無意味だ、実践だ、 参与だ、生の意味を探ることだ、などと、訳の分からない解釈主義に走る人も現れる。 最後はちょっと愚痴めきましたが、要するに、心理学の根本原理= 異分野間の共通理解を可能とさせる「物の見方」が、最も必要とされている訳です。 これが心理学の現状。
進化心理学が一躍脚光を浴びたのも、これが社会生物学とは異なる 「新しいモノ」として認識されるようになったのも、結局は、「進化という メタ原理から、心理学を捉え直すことにより、自然科学(生物学・神経科学)から 心理学に至るシームレスな知的体系を生み出そう」という主張が、Cosmides&Toobyに よって、全面に押し出されたから。 しかし、現状の進化心理学をみてもおわかりのように、おそらく、現状の心理学において 「進化」という原理の重要性を「地道に知識を積み重ねて立証していく」のはとても 困難でしょう。これに対して、(察するに)進化心理学者が取った戦略というのは、 「まず、新・社会科学マニフェストとでも呼ぶべき主張を行う」ことだったと思うんです。 そして、実際、これは比較的うまくいっている。懐疑心を持つ人は多くても、彼らの エネルギッシュな主張、自然科学と心理学を結合させようとするかつてない野心、 「科学」というものに共感を感じるならば、つい「まあそうだろう」とうなずく 主張。 上述の認知科学の御大が「進化心理学そのものの主張は良い。だがあの研究だけは ダメだ」という言葉は、この状況を端的に捉えているように思います。
ちょっと筆が滑りすぎましたが、「隠れ進化心理学シンパ」が感じているのは、 こんなことだと思います。 理論的メッセージに共感は感じる。だが、個別の研究に疑問を抱く。 これは、ある意味、進化心理学者の「これまで」の戦略が成功したことを 意味するかもしれません。 そして、おっしゃるように、問題は「これから」でしょうね。それについて、 進化心理学者が何を考えているのか...おそらく、これまでの主張を 繰り返すだけでは、なかなか難しい時期に来ているかもしれないことに 気付いている人はいると思う。彼らが何を考えているのか。。。聞いてみたい ですね。
>>268-270 心理学の「セントラルドグマ」たらんとするのが
戦略目標で、叫びや啓蒙は主導権争いをする上での手段である、
と理解してよろしいでしょうか?
>>272 それはどう考えても無理。
進化心理学が明らかにできるのは,進化の過程で「ヒトという種」
全体が獲得してきた構造だけ。そういう意味では,知覚心理学,
認知心理学や発達心理学・社会心理学の一部など「人間一般に共通する
行動の構造」を対象とする心理学において進化論的アプローチが
セントラルドグマになれる可能性は大。っていうか,生物学でも
なんでも,種が共通して持つ特徴についての学問はすべて進化論を
セントラルドグマとして持っているだろうよ。
でも心理学の対象はそれだけじゃない。特定の場面で,特定の個人だけが
示す行動,特定の個人の行動を変容させたり,修正させたりする営み
などを対象とする心理学では,人が進化的に獲得している特性は
「前提」であって「問題」ではない。つまり一定の進化論的基盤の上で,
個体と環境とが織り成す相互作用を問題とする心理学では,進化論は
セントラルドグマ足り得ないか,それはそれでセントラルドグマの
ひとつにはなりうるが,もうひとつか2つ足りない。
うーん。 私の書き方がまずかったのかも知れませんが「主導権争い」という 感覚は、どんな箇所から感じられのでしょう?そのための「叫び」 というようには受け止めていないのですが。個人的には。
しかし,たとえば進化とオペラント条件づけは 「変異と選択」という同じしくみが種のレベルと 個体のレベルで連続的,あるいは複合的に生じている という点で同じものなんだから,「セントラルドグマは 変異と選択です」っていうようなシンプルな立場が あっちゃだめかね? 漏れはそういう立場なんだけどさ。
>>275 それが神経のレベルでも生じているというのが
エーデルマンの主張する神経ダーウィニズムですね。
>>273 >人が進化的に獲得している特性は
「前提」であって「問題」ではない。つまり一定の進化論的基盤の上で,
個体と環境とが織り成す相互作用を問題とする心理学では
うーん。
けれど、そこでは「学習を可能とする心理的メカニズムはどうやって
進化したのか?」という視点が可能なはずなんですよ。あるいは、
ガルシア効果や言語獲得におけるブートストラップの話などのように
「学習できる対象」は生得的に限定されている可能性もある。
>特定の個人の行動を変容させたり,修正させたりする営み
などを対象とする心理学人が進化的に獲得している特性は
「前提」であって「問題」ではない
というのは正しいと思います。しかし、その「前提がどこから
やってきたのか?」を考慮した後で、「それを前提としてしまう」のと、
何も問わずに、いきなり「それは前提だから問わない」というのとでは、
大きな違いがあると思いますよ。「統一的な科学」として。
そして、「前提を問わずに済ませることも可能だが、とりあえず、上の
レベルに登って、その前提がどこからやってくるのかを考えよう」とした
からこそ、自然科学は大きな成功をおさめている。
>>275 それ、経済学者が進化ゲームを使うときのやり方。つまり、個人学習とか
他者の模倣というプロセスが「進化における淘汰・変異」というアナロジーで
捉えることが可能、という考えに基づいて、生物学における進化ゲーム理論を、
進化があり得ない経済活動に当てはめる。
>>273 「セントラルドグマの一翼を担う」のが戦略目標ということでしょうか。
少しずれますが「ヒトという種」と言い回しには、やや違和感を覚えます。
種のレベルで進化が生じていると思っている人が今でもいるので、あんまり
種という言葉は使わないようにしているのですが。。
>>274 行動主義にせよ認知心理にせよ、セントラルドグマをめざして
颯爽と登場したのだと思われます。進化心理も加えたセントラルドグマ候補
の争いは、「主導権争い」とか「覇権争い」にならざるをえないのでは
ないでしょうか?
>>277 でもさあ,現に特別な障害や損傷がない限り全人類が共通して持っている
機能の上で生じている個体の行動を考える時には,その機能は前提,あるいは
定数と考えて分析からは「約分」してしまうのは学問としては通常の手続きでしょう?
分野によっては,必要なのは「現にどうなっているか」の知識だけで,
それがどう進化してきたかをすべての心理学者が知る必要はないのでは?
もちろんどう進化してきたかを知る,生物学的制約を知ることが
「現にどうなってるか」を知るための「教養」としてよい参考になることは
最大限に認めるけどさ。
変なアナロジーだけど,それって言語を使って何かする人はすべからく言語の
由来や歴史的変化について知るべし,みたいな感じに聞こえる。生成文法についての
知識がない作家は文章うまく書けない,なんてこと,ないでしょう?
>>280 うーん。基本的には同じことを行ってると思いますよ。
この場合、自然科学がよい例になると思います。
例えば、化学と物理学の関係。量子力学のレベルまで登り
詰めなくても、分子の結合式だけ覚えておけば、何の不自由もない
仕事もある。
けれど、「分子結合の量子力学的基盤?(なんてあるのかな?)」が
「その他の研究者によって押さえられてある」ならば、必要に応じて、
その知識を参照して、2つの分野が交流することって可能ですよね?
その意味で、「全員が知らなくも良いけれど、誰かがやって置いた方が良い
仕事」ということだと思います。
>>279 というのが、お答えになるかと。
まあなんでも知らないよりは知ってた方がいい,それは認めるべきだな。 また,前提を問おうとすることで自然科学が大きな成功を 収めたというのも,そのとおりだね。 ただ,生物学的制約の問題は一部の行動主義者が生物学的制約が 実際には存在するのに無視しようとしたのが問題な訳で, 必要だったのは「現に生物学的制約があることの認識」であり, 「生物学的制約が進化の過程でどのように生じたかの認識」では ないだろう。「現にそうであることを知る」ためには,せいぜい 比較心理学的視点があれば十分で,進化的視点まではいらないかもしれない。 やっぱり「進化論的な視点を取ると,ここがこう改善される,これまで わからなかったことがこれだけわかる」という実例だけが説得力を持つんだろうね。
多分、セントラルドグマという言葉が大げさすぎたと思いますが、 基本的には、「自然科学が量子力学から惑星物理、あるいは、分子生物学まで 比較的シームレスにつながっていることを可能とする物の見方=セントラルドグマ」 といった使い方をしていました。
>>281 それなら禿堂。それぞれどんどんやることには
何の問題もないよね。
それに漏れ自身個人的には進化論と行動主義の
相補的な融合みたいな夢見てるからね。
>>282 その意味では、177さんも含めて、同じような感想を持っていると
思いますよ。
知らないより、知っておいた方がいい、というのは コストがかからない場合には自明ですが、そうでない 場合には自明ではなくなります。是非知るべきことと、 そうでもないことの優先順位づけの作業が必要だと 思われます。 「知るべきこと」の優先順位をつけるとするとどのように なると思われますか? ご意見をおきかせください。
>>286 分野にもよりますが、優先順位は高いはずですよ。
例えば、上にあげたADHD(学習障害)に影響を与える遺伝子の存在、
知能指数を数ポイント左右させる遺伝子群の存在、精神病理における
遺伝的影響の存在、母子間において行動・心理的傾向が「教育」と
「遺伝」のどちらによってより多く伝達されているのか、今だ明らかでは
ないという問題。
個人的には、精神病理、発達心理においては、進化心理的研究は
政策的価値も、理論的価値も極めて高いはずだと思います。
少し扱い方を間違えれば、叩かれまくるでしょうが、そのリスクを
負ってまでも研究しなければならない領域だと思いますよ。
ただし、これらの研究は実際には、現在進化心理学者とは呼ばれない
人たちの手によって担われている、と言えるのかも。「進化心理学者」の
定義にも依存しますが。
ありがとうございます。ただ >精神病理、発達心理においては、進化心理的研究は 政策的価値も、理論的価値も極めて高いはず というのはなぜでしょう? リスクのみ多そうな、気がしますが。。
上の世界が荒れてるのでマターリとsage進行ということで。
>>288 たとえば、「母親のしつけは、子供の行動形成に多大な影響を与える」という
結論と、「遺伝による伝達を除けば、母親のしつけが持つ影響は、子供が
友達から受ける影響よりも少ない」という結論とでは、教育制度のデザインの仕方、
子育てに悩む母親に与えるアドバイスなど、がらりと変わりますよね?
同様に、学習障害の問題についても、そのような子供たちのケアや発症(という
言葉は良くないが)防止などを考える上では、遺伝と環境がどのように相互作用
しているのか、を知ることは、実用的に大きな価値がある。
ま、確かに「政治的に叩かれるリスク」を考慮すれば、実用的なアドバイスが
できるかどうかなんて無視して、適当に無難なアドバイスをする方が良い、という
意見だってあるかもしれませんが、やっぱりそれはマズイと思う。
というのが、「遺伝的影響が存在するはずなのに考慮されていなかった分野」に
おいて、そいつをしっかり研究すべきだ、と個人的に考える理由です。
290 :
没個性化されたレス↓ :02/10/29 06:17
>>289 あえてすごく単純化して言えば,心理学者の多くにとって
遺伝の影響と環境の影響の「比率」を知ることにはあまり
大きな意味はないのじゃないか?
だって,遺伝の力が大きいと言うことを知ったところで,
1.遺伝の影響は原則として外的にコントロール不可能だから
心理学者は介入できない(「臨床」が成立しない)
2.遺伝のしくみや遺伝が行動に影響するメカニズムについては
心理学よりももっと専門の学問が存在する
3.もし遺伝と行動との関係への介入が可能であるとしても
それが心理学の領域である可能性は低い(遺伝子操作は
心理学か?)
それに
3.もしその影響の比率がこれまで考えられているより
小さいにしろ,環境は外的にコントロール可能で,
心理学者が介入できる
4.過大評価をやめたとしても,行動に環境が与える
影響が相当に大きいことは依然として事実だし,
環境の影響に介入できることはさまざまな場面で非常に
有効である
4.環境が行動に影響するメカニズムは心理学独自の
専門分野である
もちろん,遺伝と環境との相互作用をもっと詳細に分析して
遺伝的影響を適切に切り分けることは必要だと思うし,それを
行う営みとしての進化心理学の「テンポラルな」意義は認めるが,
その先にあるのはむしろ「心理学の対象が環境と行動との関係に
限定される」「進化的アプローチの対象になるような問題は
心理学の外側に切り出される」ことのような気がする。
そういう意味では,進化心理学ってのは心理学そのものと いうより,歴史的には「心理学の対象の範囲を定める」メタ的な 役割を果たすべく生まれてきてるのかもしれん。 いや,もしかしたら逆に,これまで別れていた人間についての 生命科学と心理学(あるいは人間一般の心理学とケース単位の心理学)を統合するメタフレームになるのか? なるほど進化心理学者の ヴィジョンはそっちか,と勝手に個人的に納得する。
さてそうだとすると,「人間を対象にした行動生態学」と 「進化心理学」とは方法や対象や類似しているが,目標は 大きく違うということになる。その辺は他の人はどう考える?
とりあえず一言だけ。
>」「進化的アプローチの対象になるような問題は
心理学の外側に切り出される」
私は、決してこのような考え方をしようとは思いません。
追求すべきトピックが、科学として意味のあること、知の歴史に
貢献することであるならば、「心理学」などという枠にこだわる
つもりは全くないです。
個人的には、このような態度は、「研究者=researcher」と
「科学者=scientist」を根本から区別するモノだと感じています。
やっていることは同じようなのに、ある人間から深さを感じ、ある
人間からは浅さを感じることがある。
同じような香り「=必要とあらば領域などこだわらずに深さを追求しようと
する態度」を感じるから、私は、進化心理学にシンパシーを感じるのかもしれません。
その意味では、
>>291 の方が、(私が感じる)進化心理学の本来の意義・人々が
何となくこの新しい領域を無視できないと感じてしまう理由、に近いと思います。
>>290 これを読む限り、相変わらず、「遺伝と環境」という二元論に捕らわれている
ように思われます。
「遺伝的影響がある」ということは、何もせずにほっておいても、ある行動が
発現することを意味はしない。この例は、チンプの恐怖学習、言語獲得のブート
ストラップの話を良く理解して頂くしかない。また、この複雑さを理解する上では、
テレンス・ディーコンのSymbolic species(邦題忘れた:新曜社)を読んで頂くのも
良いかも知れない。
いずれにせよ、「遺伝的影響を知る」ということは、「遺伝的影響に
よってある行動が発現するためには、環境側からの刺激が必要である。
それでは、その環境側からの刺激とは何か?」を知ることになるはずです。
とにかく、177さんも上で首を傾げている箇所がありましたが、遺伝の影響を
「比率」で表現するのは、とても誤解を招きやすいです。それは、あくまで
「簡便な表現方法」であり、環境と遺伝の間の複雑な相互依存関係を覆い隠してしまう。
故に、1の話はある意味ナンセンスです。2については「遺伝的影響は特定の環境下で
発現する」と考えるならば、それこそまさに、心理学者が知るべきことです。
3ですが、正確に「遺伝と環境の相互作用」という言葉を捉えているならば、
「遺伝的影響を知るために、即座に遺伝子を知らねばならない」と結論づける
必要はない。以下同様。一番最初の理由により、2つ目の4については、全く同意せず。
>>294 だけでは不親切なので追加。
確かに、このスレで、知能指数を数ポイント単位で左右する遺伝子、
ADHDに影響を与える遺伝子などの話が挙げられています。しかし、
だからといって「この遺伝子があれば何もせずとも勝手にその子供が
ADHDになる」ということを意味してはいない。
チンプの恐怖学習の場合、彼らは「蛇をみて怖がる仲間サル」を観察して
初めて蛇に対する恐怖を獲得する。しかし、「リスを見て怖がる仲間サル
(=合成映像)」を見ても、決して、リスに対する恐怖を獲得はしない。
さらに、そもそも仲間サルが周囲にいなければ、蛇に対する恐怖を獲得しない。
基本的に、言語もそうですよね?この話を始めると、チョムスキーvs.
対立派の衝突がうるさすぎてたまりませんが、ディーコンの話は、まさに
この中間を行く話です。
「遺伝によって伝達されるのはごく最小限の能力に過ぎない。おそらく生成文法
なる構造は遺伝子によって伝達されていることはないだろう。しかし、個人の
頭の外には、文法構造を持って会話する大人達がいる。言語の生得性とは、遺伝子に
よって伝達される最小限の認知能力と、個人の外界に存在して綿々と言語を伝達して
いる文化との相互作用だ。ここにこそ言語の本質がある」といった話。
明らかに、遺伝と環境(=文化)の相互作用は、我々が思っている以上の複雑かつ重要な
意味を持っているはずです。
一言だけが長くなっちゃいましたね。ググルでこれを検索すると
怪しげなものが上にくるので、こんな書評も紹介。
http://human-nature.com/nibbs/02/laland.html 評者曰く「I also believe that gene-culture coevolution
is the most promising basis for the integration of
evolutionary with mainstream social science.」
だと。これもググルで見つけたけど何かおもしろそうですね。
あるいはこんなのも。
http://www.santafe.edu/sfi/publications/wpabstract/199811099 アブストラクトでは「Examples discussed include avoidance of
inbreeding, lactose absorption and mile drinking, sign languages
and deafness, bias against daughters and the population sex ratio,
measured IQ, and left- and right-handedness.」
これもまたおもしろそうだ。
>>293 枠にとらわれない交流を実りあるものにするために、
「心理学」という枠組みの内側をストイックに狭く深く究めていく
スペシャリストを貶めているように聞こえる。
もちろんそんな意図はないんだろうけど。
>>290 はそういう人がいなくなることを危惧してるんじゃないの。
>枠に関係なくやっている時の方がむしろ「心理学特有の知識」 >とか「心理学にしかできないこと」を期待される,という面もある. >そういう意味では,心理学にこだわることと,枠に囚われずに >異分野といっしょにやることとは必ずしも矛盾しないんだよ.
>>293 「共進化」の概念は確かに面白いのですが,
進化生物学者の多くはマユにツバをつけて聞いてますね。
>>298 >>299 まさにそういう意味で,
>>292 については190はどう思うのかな?
>>294 >>295 まさにそういう意味で,
遺伝と環境,あるいは遺伝と環境それぞれが行動に与える
影響が独立でないとすれば,その相互作用はどのように把握され,
分析されるのだろう。あらゆる相互作用論はそこでフリーズする。
確か君が前に何かを批判していたのと同じことがそこで起きる。
相互作用だということは知っている,わかっている,だけど相互作用
自体を分析しようとは誰もしない。で,結局進化心理学者は「相互作用」
ではなく「進化的に定まるもの」ばかりを研究することになる。
二元論じゃない,と繰り返し主張しても,やっていることは
「進化だけで説明しようとする」という「環境論の裏返し」に過ぎないのじゃ
ないかな。だから「優勢論の復活」だなんて警戒されるわけだ。
進化論てのは種や個体群を考える時には「生命の可塑性と適応能力」を たたえる生命讃歌という強い魅力があるのに,その思想がひとたび人間, それも個人の問題に援用されるとすぐに「生得的決定論」みたいな可塑性や 適応能力をたたえるのとは正反対のスタンスと親和的になっちゃうのが 不思議だよね。 ダーウインの衝撃ってのは,それまで神によってアプリオリに決定されてる と考えられてきた生物の種や形態が,環境との相互作用で作られ, これからも変化していくものであることを明らかにしたことでしょ? 反ダーウイニズムはどちらかというと自然選択ではない「決定論」的志向を 進化論に組み入れようとするよね。 心理学における進化論的アプローチの位置が,生物学におけるダーウィニズムと まったく裏返しになりかねないのが不思議なんだよ。種の自由度と個人の自由度は 相反するのかね? そんなバカな。
遺伝子プールの可塑性と、個体遺伝子の可塑性は別物です。個人のタイムスケールでは、遺伝的要素は決定論的要素になってしまいます。そこが、むつかしい所。。
>>300 それはないぞ。今○進化論に比べれば遙かにまともな学説として
扱われいるはずだ。眉唾の意味が微妙に違うだろ。
まず一言。 私は、進化心理学者じゃないし、現状の進化心理学者の研究を「よい」とも 思わない。ただ、彼らが教えてくれた新しい「論理」が、心理学にとって極め 重要だ、と考えている。 だから、前にも書いたんですよ。 進化心理学がブレークスルーするためには、個別の分野の人間達が「心理学以外の世界と 交通路を造る」ことをめざして行かなければならないだろう、と。 結局、今の進化心理学プログラムが「そのまま何も変わることないまま」成功する訳は ないと思いますよ。ただ、進化心理学者は、我々が「行動遺伝学、集団生物学、神経科学、 分子生物学」などの分野に目を向ける「必要性」があることを、まざまざと見せつけた。 「遺伝と環境の相互作用」という言葉を、単なるアネクドート以上の物にするには、 上述の分野とコラボレーションせざるを得ないでしょう。じゃんだーの発達論スレにも ちょっとだけ書いたけど、しかも、その重要性を知りながらコラボレーションをしなかったら、 今やっている研究が「無意味」になってしまう可能性もある。 進化心理学者に問題がないとは言わない。しかし、彼らは、我々心理学者の側に 「無視してはならない問題」があることを示した。 ここがポイントだと思うのです。
>>292 例えば、どんな違いがあるのでしょう?ちょっとこれだけでは意味不明。
>で,結局進化心理学者は「相互作用」
ではなく「進化的に定まるもの」ばかりを研究することになる。
これは、みんなが思ってることじゃないですか?これは「進化心理学者」を
否定する理由になっても「進化心理学の理論的メッセージ」を否定する理由には
なり得ないですね。
>その相互作用はどのように把握され,
分析されるのだろう。あらゆる相互作用論はそこでフリーズする。
理論的には、生物学での理論モデルが有望な雛形となるでしょうね。
それを出発点として、人間の場合はどこが違うのか、を把握する。
比較心理学も有望な知識源となりうるでしょう。TomaselloのThe Cultural
Origins of Human Cognitionなんていう本(キョーレツにお勧め。第二の
ピアジェという言葉を贈っても良い)などを読むと、「言語・認知の発達
過程において最低限必要な認知能力は?この過程において環境側が提供
すべき刺激とは?」といった問題が扱われているのが分かる。
基本的に、過去10年のCognitive development研究(Susan Carelyとか。波多野ぎよおを
含めても良いか?)、比較心理学研究は、「遺伝(=いや、最低限の認知能力と喚ぶべきか)
と文化の相互作用」を考える上で、格好の研究を紹介しています。
>その重要性を知りながらコラボレーションをしなかったら、 >今やっている研究が「無意味」になってしまう可能性もある。 「その重要性を知りながら自分たち独自の研究をしなかったら、 コラボレーション自体が「無意味」になってしまう可能性がある。」 とも書き換えられる罠。 自分たちの縄張りの追求とコラボレーションのどっちが大事か、なんて それこそ「遺伝と環境とどっちが大事か」っていうのと同じくらい不毛だね。
>>308 そう? 漏れはよく分かるよ。
コラボも大事だがコラボの中で独自性を発揮できないなら
単に吸収されるだけってことだろ?
進化心理学が「人間を対象にした行動生態学」とどう違うのか,
ってのはそういう問題意識の中で立ち上がる問いだろ?
>>309 その「吸収される」とか「独自性を発揮」とかいう考え方が
理解できないな。なんか、外国に逝った日本人で、うまく
とけ込めない奴に限って「日本人のアイデンティティを!」
「吸収されてはいけない!」と叫ぶのと、同じようなものを
感じてしまうが...ちょっと違うか?いやそんなことはないな。
アイデンティティというのも、わかったようで 分からない概念ですが、これを例えば進化心理学的に 考えるとどうなるんでしょうね。
>>311 なんか、そんなような話、北大の山○さんあたりがしてるんじゃないのか?
北大は信頼でしたね。社会的アイデンティティという 文脈の研究はありましたが、進化心理的ではなかったです。
こんなのみつけた。
http://www.percepp.demon.co.uk/groupnat.htm GROUP IDENTITY AND NATION IDENTITY
The roots of group feeling and group identity have to be
looked for at very basic levels in evolved human psychology...
随分と怪しげな感じはするけれど、アイデンティティの進化的起源に
関心を持つ進化心理学者は多いでしょうね。おそらく、歴史的・文化的に、
普遍的に観察される現象だからでしょう。
>>310 化学者が自分の研究している対象の全てが、量子力学の原理で
書き換えられるからといって、あるいは、物理学の下位領域として
化学が位置づけられるようになるからといって、「独自性を
失った!吸収された!」というだろうか?いや、言うまい。
だとしたら、心理学者がそう考える理由は何だろうか?
その昔、哲学や生物学と戦って独立を勝ち取った 経緯がありますからね。社会科学は全般に生物学的還元主義を 嫌うのですよ。
320 :
没個性化されたレス↓ :02/10/29 22:47
せっかく獲得したポスト配分などの既得権益を 失いたくない、という下らないけど死活問題が 背景にあることはあります。 もう少し学問的な理由としては、生物学の方法論では 説明力が不足しているというのがあるようです。 複雑な人間の社会を自然淘汰の考えで説明することは できないと、多くの社会学者は考えているようです。
322 :
没個性化されたレス↓ :02/10/29 23:56
そのお気持ちはよくわかりますが、自然科学のほうからみると、 ある種の社会科学の構え方は、「深い森の中を地図もコンパスもなしに歩く」 ようなものにみえるのでは。 そうしてみると、190さんの考え方はとてもすっきりして納得できます。
323 :
没個性化されたレス↓ :02/10/29 23:57
ついでにいうと、現状の社会科学に「説明力」はほとんど期待できないのでは。
複雑にみえるものを複雑に記述するだけでは、説明にはならないということです。
・・という議論を小一時間しても、進化的アプローチの 説明力があがらないと対案にならないという罠。 結局こちらの力量をあげないとしようがないのですが そういう問題意識は、今の進化心理学者にはまだ 見られないようです。
ところで190さんは、ご自分で進化心理学者になる、 あるいは進化心理学的研究をされるおつもりは ありませんか?
>>315 >化学者が自分の研究している対象の全てが、量子力学の原理で
>書き換えられるからといって、あるいは、物理学の下位領域として
>化学が位置づけられるようになるからといって、「独自性を
>失った!吸収された!」というだろうか?いや、言うまい。
論点がずれてるよ。素粒子の研究やる人ばかりになってしまって、
その下位領域であるところの化学反応を研究する人がいなくなったら
本末転倒だって言ってるんでしょ。その化学反応の研究を進めることが
なぜ非難されなければならないのだろうか。
>だとしたら、心理学者がそう考える理由は何だろうか?
「遺伝」ばかりに着目して「相互作用」と「行動の予測と制御」が
ないがしろにされることを危惧している。
>その下位領域であるところの化学反応を研究する人がいなくなったら
だれも、「量子力学だけやれば良い。化学をやるひとがいなくなっても
良い」といった主旨の発言をしてないと思うが?
>「遺伝」ばかりに着目して「相互作用」と「行動の予測と制御」が
ないがしろにされることを危惧している。
>>190 の話とか読んでも、そんなこと感じないけどなぁ。
基本的に
>>190 が解説してくれた「進化心理学の意味」って、
俺が持っていた疑念を吹き飛ばすには充分だったけどな。
っていうか、
>>190 の話は、まさに「行動の予測と制御」を
するためには「どんな環境で遺伝的影響が発言するか」を知る
必要がある、ということだろ?環境が遺伝による行動発現を
促進する場面が分かるならば、その環境を制御することができる
だろうという可能性。
論点がずれてるのはどちらの方かといえば。。。
日本に閉じこもるよりは異文化や外国人と交流を 図ったほうがいい。 薄っぺらな無国籍人よりは、自国の文化と歴史に精通した 濃い日本人であるほうがいい。
>>328 知りたいものがあって,それを知るためには
方法はなんでもよい,新たな方法を学んでもよい,
と考えるのは正しい。独自性は「知りたいものの
選択」の部分で発揮すればよい。
ここでの話題でいえば,行動生態学や
分子生物学が知ろうとしているのと同じことを,
それらと同じ方法で知ろうとするのなら,それを
「心理学」と呼ぶ必要はないし,あなたは進化心理学者に
なるよりも心理学をやめて生物学者になる方が合理的だ。
もちろん,自分の知りたいことがあって,それを知るためには
学問の名前にはこだわらないというのも正しいが,
その対象や方法に適した学問が既に別に存在して,そこに相応の
蓄積がある時に,その訓練も受けていない人間がわざわざ
同じことを心理学の中で一からはじめる必要もないだろう。
つまり「進化心理学」である必要はないということ。
結局,「進化心理学」が「これまでの心理学ではこれとこれと
これが問題にされなかった,進化生物学ではこれこれのことが
わかっているから心理学者もこれを考慮した方がいいよ」という
話に留まるならそれは単に「別の分野についてもお勉強しましょう
よ,私くわしいから教えて差し上げるわ」の域からでないよね。
「心理学」であることで,進化生物学者や行動生態学者が考えも
しなかった新しい対象や方法が出てくるのであれば,「進化心理学」
には存在価値があるし,面白い。
>>328 が引用したような話が
それなんだろうけど,いまのところそれが進化心理学者の仕事として
見えてきてないから,はっきりしないんだろうね。
>>330-331 328じゃないですが、一つだけ感じるのは、どうしてそう「心理学」という
カテゴリーにこだわるのでしょう?また、随分と話がずれているように思いますが。
誰も心理学において蓄積された知見を無視しろと言ってない。
「私、これ知ってるから教えてさし上げるよ」以上のことがあるのだろうと
言ってきた。生物学者も心理学者も扱っていなかった問題(両者に
とって重要な問題であるにも関わらず)があり、それを扱うべきで
あることを指摘しているのが進化心理学だと思う、と、繰り返し
言ってきた。
「どうして、それが心理学の否定につながると感じるのです?
誰が、過去の心理学がやってきたことをやり直せと言ってます?
誰かそんなことを書いている進化心理学者がいるのでしょうか?」
>ここでの話題でいえば,行動生態学や 分子生物学が知ろうとしているのと同じことを, それらと同じ方法で知ろうとするのなら,それを 「心理学」と呼ぶ必要はないし,あなたは進化心理学者に なるよりも心理学をやめて生物学者になる方が合理的だ。 個人的には、一番不可解な文章なんですよね。 どうして、心理学者であるのか、生物学者であるのか、 進化心理学者であるのか、というカテゴリーにこだわるんですか? 同じようなセリフを神経科学や自然科学で言ったとき、そのような こだわりがどれほどの意味を持つと思います?出自が医学だろうが、 生理心理だろうが、分子生物だろうが、霊長類学だろうが、何だろうが、 結局は、学会にやってきたら、相手の出自ではなく、やってる研究をみて 話を聞きに言ったりするんですよ。
たとえばこれまでの私の話を読んでいて、私は、「人間の心に関心を 持たない」とでもお思いですか?例えば、「人間の心」に関して科学的 アプローチを拒み続けてきたトピックに、意識、自己の認識、といった 問題がありますが、私は、そのような問題に関心を持たない、生物学者 だと思います? とんでもない。もはや、これらは心の哲学、AI、神経科学、霊長類学などで 活発な研究が行われている。 自己の認識、他者の心の認識、あるいは、「心の理論」に至っては、 ミラーニューロンの発見以降、神経科学で非常にエキサイティングな動きが生じている。 「あなたは、これらの動きが、心理学という枠の外で別人の手によって 行われている以上、それが心理学者が長年追い求めてきた問題であるにも 関わらず、無視しても良いと思いますか?」 「あるいは、このような問題は、心理学が扱うべき問題ではないと 言うのですか?だとしたら、誰が心理学の境界を決めるのですか? あなた?それは明らかに違うでしょ?」 別に、個人が、自分のアイデンティティとして「出自・カテゴリー」に こだわるのは自由ですが、どうして、そうやって私や他の人を「括ろう」と するのですか? 「あなたの考える心理学とは何か?それを教えて下さい。」
後半は意味不明かな。。
(やや非生産的な方向に向かっているようだ)
190は研究を実際にやってないのじゃないかな? 研究,というものを実際に行う上では 研究環境とか,自分が受けてきた訓練とか, それに基づいて自分が利用可能な方法や道具とか, アクセス可能な文献とか,そういったファシリティが ものすごく重要だ。 神経科学や自然科学などの例を挙げているが, そういったものは「生命科学」という大きなひとつの 研究分野として,かなりのファシリティを共有している。 でも,いま現在心理学と進化生物学や行動生態学などとの あいだの関係は,そうじゃない。
心理学者が研究を行う上では,心理学というものが制度的に もっている研究ファシリティを利用して行うことが, いちばん効率がいいし研究成果も上げやすい。もちろん, それが他の学問と比較して独自性を持っていれば,社会的にも 評価され,役に立つ成果となる。 「心理学の枠を超える」というのは話としては簡単だが, それをやるにはそうしたファシリティ=インフラの整備も 一からやらなくてはならず,実際研究で飯を食っている人間が それをやるには,大きなリスクがあるし,それ以前に,心理学者が そこまでの覚悟をして「枠を超える」なら,そのときこそむしろ 「心理学者がそれをやることの意義」が明確でなくては,研究費を 得ることも,研究環境を得ることもできない。 俺は心理学者自分だけ(他は生命科学系)の環境で働いているが, そこで求められるのは「心理学者ならではの切り口」だ。心理学者が, 心理学者ならではの切り口で進化と行動の問題に関わっていく,という スタンスを主張できなければ,端的に科研費の申請とかができないだろう。 俺が生命科学分野で申請しても当たらない。それは俺が上で言った意味での ファシリティを持っていないからだ。 「最初から生命科学の教育を受け,その研究をしてきた人間にはとても 思いつかないし,実行できるファシリティもない」ような研究をぶち上げられる のでなければ,けっきょく研究者を一回やめて学部から生命科学系に入り直して, 一から研究者を目指しなおす,ということが必要になっちゃうし,それに 「進化心理学」なんて名前を付ける意味も,必要もないだろ。
philosophia(知を愛す)という点では,知りたいことに
あわせて方法も立場も柔軟に,というのは正論なんだが,
実際に研究で生きてる立場では,いま持っている研究ファシリティを
捨ててまで新しいものを取り入れる,と決心するためには
その新しいものが相当ものすごいアドバンテージを持っていて,
これからはそれでなきゃだめ,と思わせるくらいのものが必要なんだ。
いまのところ進化心理学はそれほどのものじゃないだろ。
逆に,それほどのものだと思わせる成果が上がれば俺も含めて
大挙して流れ込むだろ。流れ込む研究者が増えてくればファシリティも
整備されるから移行も容易になるだろう。というようなお話。
>>336 悪かったね。もうやめるからかんべん。
結局、業界の問題ということで落ち着きましたね。
百里の道も一歩から。まず、足回りの装備を整えましょう というお話でした。 そろそろ、どこに行くかの話しに戻しません? 道順も相談しないとね。
>>340 業界の問題「しか」考えられない奴にはろくな研究はできないが,業界の問題を
考えられない奴はそもそも研究そのものが不可能になる。それを知ることも
研究人生では大切だぜ。
まあ、この手の問題はどこの学会でもあるジレンマだな。 結局、業界の心配する人、理想を追求する人がそれぞれ一定数いて、 それぞれの役割をこなすのが分野にとってもいいのかも。 どちらかに偏りすぎたらおもろないしな。 要は、ある程度お互いに認めあうことだろう。一方的に否定するのではなく。
>>344 「心理学にこだわる」のと「業界の心配する」のは似てるようで
違うと思うよ。心理学にこだわる人には「心理学が今持っている
方法論や研究領域のもつ創造性を信じている」「自分が知りたい
問題については心理学の方法と領域が最適である」人もいるだろ。
それこそ何度も書いているように,行動や性格の個人差の把握とか
個人レベルの問題解決を目指す,それを自分の研究対象としている人に
とっては自然科学や進化心理学が提供するような「定数の知識」は,
実際問題自分の目的を達成するのにほとんど役に立たないんだからさ。
その点で行動分析が「反心理学」でありながらある意味もっとも心理学の
独自性を主張する(たとえば反医学モデルとか)のには理由があるんだろう。
>>345 諒解。じゃそういう立場も独自の役割分担として加えておきましょう。
347 :
没個性化されたレス↓ :02/10/30 17:08
これまでずっとROMってましたが、337に一言いって良いですか?
アホ、と。
当方神経系(といっても患者じゃないですが)。たしかにこの業界ではある
機械の操作に習熟すると、他へ乗り換えるのに多大なコストがかかる。
突然ボスが見たこともない研究機材を買い込んでこちらが死にそうな目に
会うこともある。
しかし、他の方法論へ乗り換えるコストが高いからといって、新しい
研究の可能性を開くのに後込みするようなヤツは、科学者じゃない。
そんな場合、こちらの世界では、新しい方法論を持っている人と
コンタクトして、共同研究していく。その中で新しいのを学ぶ。
心理学者が生物系に出しても通らないのは事実だろ?けれど、普通の
心理学者が神経系と共同研究したり、行動遺伝学者と仕事をする可能性を
考えないなんて、開いた口がふさがらないですよ。
大体、このまえのネイチャーに、2人の人間が会話をしたり相互作用する
際に、2台のfMRIを高い精度でシンクロさせることができるようになった、
というニュースがのってたのよ。それ読んで、コミュニケーションの研究
やってる心理学者が使うのかな、と思ってた。そしたら、誰が、これを開発
したと思う?
経済学者だって。彼らが、fMRIやってる連中と学会で知り合い、一緒にこの
システムを開発したんだってさ。何に使うか、詳しいことは知らないけれど、
これって、こちらの世界では当たり前のこと。
>>337 のようなこと言ってたら、ウチの世界ではやっていけないですけど、心理学では
そんな論理がまかりとおるんですか?誰か教えてよ。
こっちから見て、>337は生活の智恵以上のことは言ってない。
>>339 >その新しいものが相当ものすごいアドバンテージを持っていて,
>これからはそれでなきゃだめ,と思わせるくらいのものが必要なんだ。
>いまのところ進化心理学はそれほどのものじゃないだろ。
あんたがそう思うのは勝手だが、それを延々とまくし立てて、スレを
荒らさないで欲しいね。
基本的にこのスレじゃ昨日からみんなが 「延々とまくし立てて」いるとおもうけどね。 スクロールすりゃ済むことをそんなに目くじらたてるなよ。
>>347 >経済学者だって。彼らが、fMRIやってる連中と学会で知り合い、一緒にこの
システムを開発したんだってさ。何に使うか、詳しいことは知らないけれど
囚人のジレンマの実験とかさせるのではないでしょうか。
あるいは4枚カード問題とか。
Cosmides一派は社会的ジレンマ状況(彼女等の言い方では
社会契約状況)で、特異的に機能するモジュールの存在を
主張しています。そのような状況で特異的に表れる活動
パターンを検出しようとしているのではないでしょうか。
目論見どおり見つかるかどうかはわかりませんが、非常に
興味深い研究ですね。そういう研究もっとキボンヌです。
351 :
没個性化されたレス↓ :02/10/30 18:56
これまでずっとROMってましたが、347に一言いって良いですか?
アホ、と。
>心理学者が生物系に出しても通らないのは事実だろ?けれど、普通の
>心理学者が神経系と共同研究したり、行動遺伝学者と仕事をする可能性を
>考えないなんて、開いた口がふさがらないですよ。
>>338 の第三段落の意味もとれないんかい。
>347は「何も」言ってない。
>>350 177さんはPNAS購読されてます?最近あそこにCosmidesらが
論文書いたんですよ。4枚カード問題で裏切り者を捜す文脈でのみ
正答率が落ちる脳損傷患者を発見した、と。健常者の場合、precaution
の文脈と、裏切り者を捜す文脈では、統制条件に比べて正答率が高まる。
ところが、この患者はprecautionでの正答率は健常者なみなのに、
裏切り者を捜す時の正答率がいきなり下がる。
けれど、この患者の症例を読むと、要するに自閉症脳と呼ばれる症例
らしい。つまり、自閉症と同様に、他人が心を持っているとか、自分を
騙そうとしているとか、そういった事が理解できない脳損傷。それならば、
裏切り者を捜す、という例そのものの意味が分からないだろうから、正答率
が落ちるのも分かる。
けれど、これは裏切り者を探すモジュールが存在していることを意味はしない。
なんか、実験よりも、患者の症例の方がおもしろい論文でした。
>352 情報サンクスです。 裏切り者探知モジュールはあっても不思議ではないと思いますが モジュールとして存在するか否かは、多分本質的な問題ではないと いうのが私の見解です。もちろんモジュールが実証されれば非常に 面白いのですが、「モジュールか否か論争」は進化の袋小路に入り こんでいる感じです。 それより >他人が心を持っているとか、自分を騙そうとしているとか、 >そういった事が理解できない脳損傷。 というのがあるのですか? それはとっても興味深いです。
354 :
没個性化されたレス↓ :02/10/30 20:22
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渡邊先生の取っているスタンスは今の心理学界ではマイノリティだし、 渡邊先生のいる研究環境というのも極めて特殊的環境だからねぇ。 話は面白いけど、この人を基準にして心理学というものが語れるわけではない。
渡邊先生の取っているスタンスは今の心理学界ではマイノリティだし、 渡邊先生のいる研究環境というのも極めて特殊なものだからねぇ。 話は面白いけど、この人を基準にして心理学というものが語れるわけではない。
ガーン エラーって出たのにー
>「モジュールか否か論争」は進化の袋小路に入り
こんでいる感じです。
読んだことはないのですが、最初にモジュールという概念を使い始めた
Fodorは、Cosmidesらが使う「モジュール」とか「アーミーナイフの比喩」
をこてんぱんにこき下ろしているそうですね。実際、いくつかの心的機能は
本当に脳内ではモジュールとして実装されているかもしれないけれど、全てが
それで説明できるとは思えないですからね。
ちなみにその論文の最期の方にThe Social Brainというセクションがあるんですよ。
そこから文献をたどるとおもしろいと思いますよ。たとえば、顔から相手の人間性を
推定することができないとか、相手の思考や感情を推定することができないとか。
果たして、いわゆる心の理論と呼ばれる能力と、この社会脳と呼ばれるものが
同一なのか、よく知りませんが。
「心の理論」
http://homepage1.nifty.com/NewSphere/EP/b/psych_kokoro_riron.html 「Cosimidesの論文」
PNAS August 20, 2002 vol. 99 no. 17 11531–11536
ちなみに、心の理論って、これほど心理学的なトピックもないと思うのですが、 なぜか、心理学者よりも、AIや工学者の方が強い関心を持っているんですよね。 不思議。
そりゃー、あっち方面は「人間のそれを解明して再現しよう」という 究極的な目標がありますさかいにな 心理学者でそっち系に興味を持つのは「人間のそれはどうなってんのか」 を解明せんとする社会・認知・発達系だけど、学習系とはそりが悪いし。
ロボさんはじめまして。 学習系と進化心理はそりが悪いのですか? 関連が深い分野だと思いますが。。
ついでに、心の理論ともそりが悪いという罠。 行動主義にせよ、まあそれ以外のカチカチの基礎系でも、 進化心理学のような機能的・目的論的アプローチへの反撥は根強い。 実際、「進化心裡学なんてトンデモ」と抜かす奴はこの板にもいる。 実際、「新しい研究領域を広げていくのは難しい」という問題以外にも、 「心理学はそんなものであってはならない」という思想的な反撥が 上のほうの先生のレスにも間違いなく含まれていると思うよ。
つーか、いかん、話がズレている。広義の学習心理学と、 行動主義、特に行動分析は決して=ではないんだが、 俺が念頭に置いたのはむしろそういったもののこと。
>>359 心の理論については,日本でも
発達心理学会で90年代半ばに大流行したが,
今では誰も触れなくなっている.
とはいえ,流行したのは
サリーアン課題だったという話もある罠.
心の理論の話は、177さんも関心があるようだからちょっと続けましょうか。 多分、2002年現在、心の理論は発達心理よりも、神経科学の分野でより 活発な研究が行われていると言って良いでしょうね。トピックが重要で あるのは言うまでもないけれど、なによりも、上述のPNAS論文で紹介 したような「Social Brain」とでもいうべき障害が見つかったから。 おそらく、健常な子供の発達をみているだけでは、心の理論に関して 常識以上の知見は得られないかもしれない(ただし上述のTomaselloの 本は除く。マジで心理学徒に勧める。嫁。) 自閉症も心の理論に関する認知的障害だと言われてますが、社会脳の損傷 と考えられる症例をみていると、心の理論と考えられているモノが、想像 以上に複雑なものであることが分かってきた。ダマジオの有名な本の影響 もあって、最近は、社会脳の損傷(with自閉症)と、ソシオパスの比較が 注目を集めていたり。
367 :
没個性化されたレス↓ :02/10/31 00:51
>>355 つまり、心理学は他分野の業績に色目を使って切り貼りする学問なのですね
>>363 少なくとも行動分析はもともとバリバリの機能主義でしょ。
別名をFunctional Analysisっていうくらいだから。
心の理論もルールなどを含めた機能的分析で扱えるはず。
反目的論というのは当たっているけど、最近じゃTeleological Behaviorism
なんてのもでてきている(ややこしい)。
まあスレ違いなので、補足ってことで。
369 :
没個性化されたレス↓ :02/10/31 00:58
心の理論が廃れたのは当然。だいたい,外から観測,測定不可能な 個体の内的過程のような掟破りの変数を,心理学に持ち込んだバチが あたったようなものだ。
そういうことはハルに言え。
371 :
没個性化されたレス↓ :02/10/31 01:02
心理学がここまでがんばったから、神経学者が何を見ればいいか 分かった罠。心理学的な説明しかなかったことが神経学的に説明 がつくならいいことじゃん。
はいはい、化石ネタ厨は帰ってね。
どうも真性化石らしい。
お前ら、せっかくだから、このスレは息長く温存していこう。
そのためにも、
>>369 に対して反応するのは止めよう。
遊ぶには、このスレはもったいなさ過ぎる。
>>177 が逃げ出したら
きっと話は続かないぞ。
しょせん2chなんてこんなものか。 どうやらここは,心理学の本当の研究を分かっていない シロウトの集まりらしいね。 ヒトの内的過程はカッコに入れて扱わないというのは 心理学の昔から変わらない大前提じゃないか。 そんなことも知らないなんて,ここのレベルが分かってしまった。
>>375 2ちゃんにどんな理想抱いてたの、あんた?
377 :
没個性化されたレス↓ :02/10/31 01:32
みなさん、臨床消去にご協力をお願いしまつ
380 :
没個性化されたレス↓ :02/10/31 01:43
1番目と3番目は私が紹介したCosmidesの論文です。 結論を知るよりも、実際に論文を読んで、患者R.M.の 症例を知る方が遙かに役に立ちます。 2,4番目は、要するに、アマゾンの狩猟採集社会でも Cosmidesがやったのと同じような結果が得られているという話。 それだけでは遺伝的影響やモジュールについては何も分からない。
まあ、社会科学はイデオロギーフリーにはなりにくいので 何のレベルで話をしてるのか整理しないと、生産的には なかなかならないですね。 ちなみに進化というのは変化と同義で、目的論的ではちっとも ない概念です。 >遺伝的影響やモジュールについては何も分からない。 遺伝的影響と究極要因とはおそらく混同している人が 多いかも。例えば、上の引用で言わんとする「遺伝的影響」は 至近要因のことと思われます。 究極要因と心理現象を結ぶ至近要因はいまだミッシングリンク ですが、私は「学習」が鍵を握るだろうとにらんでいます。
383 :
没個性化されたレス↓ :02/10/31 03:27
今「恋人選びの心-性淘汰と人間性の進化」 (ジェフリー・ミラー,岩波書店)を読んでいます 面白い
384 :
没個性化されたレス↓ :02/10/31 03:39
心の理論を言い出したのはプレマックじゃなかったっけ?
385 :
没個性化されたレス↓ :02/10/31 04:30
「心の理論」という用語をその意味で初めて使ったのは ディヴィド・プレマックとガイ・ウッドラフだそうです。 〜「子供はどのように心を発見するか:心の理論の発達心理学」 ジャネット・W・アスティントン 新曜社 1995 1983年時点で、キーワード「心の理論」を含む論文は プレマックの論文一つのみだそうです ブレイクしたのは1985年のバロン=コーエンらによる研究 からだそうです 〜「他者の心は存在するか:<他者>から<私>への進化論」 金沢創 金子書房 1999
なんか流れ的に反進化心理学論者みたいになっちゃったし,
その方向でどうでもいいこと書き過ぎたので
>>347 みたいな
ごくまっとうな批判を受けて何も言えなくなってとても
カッコ悪かったのが昨日の俺です。
実際には俺はごく普通の心理学者よりはずっと進化生物学や
行動生態学の研究や研究者には近い距離の環境にいるわけだし,
たぶんここにいるほとんどの人よりその分野の知識も持っています。
大学院のゼミなんかでも進化論関係や進化心理学をとりあげてるし,
人間行動を考える上での進化論的アプローチの意義や,これからの
心理学者がこれを無視できない,ってことは自明だと思ってます。
でも,そういう環境にいるからこそ自然科学の訓練を受けた人が
自然科学の方法から人間行動を考えるのとは違うアプローチ,という
心理学の独自性にこだわるようになったのが俺の場合です。
それは
>>382 がいうようにある種のイデオロギーであるかも
知れないし(心理学が有意味と見て対象とするような人間行動の
究極要因は個体との関係の中でも変動する=進化的な影響力は
持ちにくい環境要因だと固く信じていることは明らかにイデオロギー
か?),社会的役割であるかも知れない。
>>386 結局、結果が全てです。
研究者がどんなイデオロギーを持とうが、どんな信念を持とうが、
他の人間から、「知らなかった!」、「ほほぅ...」、
「なるほど、考えつかなかった」、「うん、これは確かに重要だ」
と思ってもらえる知見を見いだすか見いださないか。
独自性にこだわったことで、そうした知見が見いだされれば
それで良し。あるイデオロギーに染まったことで、そうした
知見が見いだされれば、それで良し。
「結果が全てです」
そして、どんなやり方をすれば、そうした知見を道に近づけるのか...
そこには定石はない。自分のこれまでの知識と、これからできることと、
周囲の環境を所与とした上で、もっとも「目標に近づけそうな道を選ぶ」能力。
それが研究者の能力というものじゃないですか。
そして、この能力というものは、結果を出してはじめて評価される。
それだけのことだと思いますよ。
進化と人間行動の分析に
>>382 がいう「学習が鍵を握る」って
いうのは俺は100%同意です。で,進化的要因も正当に考慮しながら
人間行動全体を分析する,っていう近い将来の流れの中で,
行動生態学者には(いま現在)できなくて,心理学者にできること,
心理学者がすでに蓄積してきた知識で新しい流れに確実に貢献できる
ことのひとつが,行動主義が蓄積してきた学習の理論と分析方法
つまり,(種ではなく)個体と環境の相互作用を分析する道具だと
思っています。ふつうの生物系はそんなこと何も考えてない
ですよ,ほんとに。こっちは種の問題やるから個体の学習の問題は
心理学でどんどんやってくれ,それが将来つながるとすごいよな,
みたいな話になることの方が多いです。
進化と個体の行動を結ぶ
>>382 のいう「ミッシングリンク」を
分析する方法は,実は心理学がすでに積み上げてきた方法や知識の
なかにヒントがあるかもしれない,ということです。進化をきちんと
考慮した心理学,進化と人間行動との関係の分析,ってのが
「心理学者が進化生物学をお勉強する」ってだけになってることに,
俺は一番不満を感じているのかもしれないし,俺が心理学に
こだわるのもそういうことです。
>(心理学が有意味と見て対象とするような人間行動の 究極要因は個体との関係の中でも変動する=進化的な影響力は 持ちにくい環境要因だと固く信じていることは明らかにイデオロギー か?) そうじゃないですか。だって、実際に測定しない限り、分からないですもの。 もっとも、ここで「環境が究極要因となる」って、具体的に何をイメージしている かよく分からないので、はっきりとコメントはできませんが。
>>387 早起きだね。
でもそういう話にしてしまうと結局議論は振り出しに
戻ってしまいます。俺は俺なりの立場で進化心理学は
いまは結果は出していないけど(出してないとしか
言いようがないよね),そのうちもっと重要になって
くるぞ,と思っています。そして,その時に予想される
「副作用」も予測しています。その時に自分がどういう
スタンスをとるのか,ということも考えます。いずれも,
結果など何も出ていない領域の話です。
科学ってのはじつは「結果が全て」なんかでは全然ありません。
それは理系の学問でも,文系の学問でも同じです。
でもこの話は明らかにスレ違い。また進化心理学の話を
続けて下さい。
一つだけコメント >ふつうの生物系はそんなこと何も考えてない ですよ,ほんとに。こっちは種の問題やるから個体の学習の問題は 心理学でどんどんやってくれ,それが将来つながるとすごいよな, みたいな話になることの方が多いです。 そりゃまた、生物学における化石のような人たちですね。 177さんとか、どう受け止めるか分かりませんが、行動生態学者たちは、 「いついかなる状況下でいかなる学習ルールが進化するのか」を、 数理モデルとか実験で研究してますけどね。 たとえば、まだ出てない論文だけどこんなのも。 Published online before print October 21, 2002, 10.1073/pnas.222371199; Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 99, Issue 22, 14274-14279, October 29, 2002 Experimental evolution of learning ability in fruit flies Frederic Mery* and Tadeusz J. Kawecki Unit for Ecology and Evolution, Department of Biology, University of Fribourg, Chemin du Mus馥 10, CH-1700 Fribourg, Switzerland
別にあなたと喧嘩しているわけではないし,あなた個人を
批判しているわけではありません。
学習に関しても,学習を支える生物学的なメカニズムについては
生物屋が昔からいろいろやってることは常識です。
学習することや,その生物学的な制約が進化的に定まることだって
議論の余地のない当たり前のことで,前にも書いたように
スキナーも昔からそれを言っています。その分野の研究が
進んでいることも知っています。まあ
>>391 の研究については
知らなかったので勉強になりますが。
でも心理学が蓄積してきたのはそれとは全然違うことです。
「そういった進化的基盤の上で,実際に個体と環境との
相互作用の中で生じる学習そのものの分析」です。それは
心理学独自の領域だし,その方法や理論は生物系の奴らには
けっこう思いもよらないものなんですよ,という話です。
生物系はこんなこともやっている,こんなこともできる,
心理学に独自性なんかない,と思うのであれば,やはり
最初から生物系の訓練を受けて,その分野の中で活躍したほうが
合理的でしょう? 心理学者にこだわることも下らないかも
しれませんが,心理学者であることになんの意義もアドバンテージも
(前に話したような研究ファシリティの問題も含めて)感じないなら
心理学者であることや,心理学板に住みついているのは無意味じゃ
ないですか。また延々とやってしまった。もうやめます。
あ、urlはこっちだ。
http://www.pnas.org/cgi/content/abstract/99/22/14274?etoc ご参考までに。
>>392 >別にあなたと喧嘩しているわけではないし,あなた個人を
批判しているわけではありません。
ご心配なく。
>心理学に独自性なんかない,と思うのであれば,やはり
最初から生物系の訓練を受けて,その分野の中で活躍したほうが
合理的でしょう?
いくら何でもそんなことはないでしょう。基本的に研究って、
生物によるニッチ探しみたいなものだと思いますよ。
上にも書いたけれど、様々な制約下で(これまでに得た知識、
これから数年で得られるだろう知識、最大限コネクションを
拡げた場合の広さ、自分の能力、時間)、目的関数を最大化
する「ニッチ」を探す。
しかもこの目的関数がくせ者で、研究者の場合、他人がやって
しまった事をやっても仕方ない。故に、過去にやられてしまったこと、
あと数年でやられてしまいそうなことを避け、誰も手をつけていないだろう
がやる意味があることをピックアップし、目的関数を最大化しなければならない。
心理学にこだわるとかどうとかいうのとは無関係なことであって、
正確な見極めに基づく合理的な意思決定(+度胸+運)というだけの
ことだと思ってます。
>>394 とりあえず「メイザーの学習と行動」って教科書知ってる?
学習系の心理学者がその辺の問題について共通の知識として持ってる
基本的なことがわかるけど?
396 :
没個性化されたレス↓ :02/10/31 13:29
話ずれますが、学習ついでに。 人が人間社会で学習する内容は人間行動と共進化してきたミームですよね
正直なところ、寄り合い所帯の心理学の中でこれまでどうにか必死に自らの独自性を主張してきたスキナリアンが、 認知革命以来の心理学全体への大きな揺さぶりの中でアイデンティティにしがみついて汲々としているって印象を受けるのさヽ(´ー`)ノ
398 :
没個性化されたレス↓ :02/10/31 15:47
板が『心理学』だからその手の反感話は絶えないか
そうか? けどヽ(´ー`)ノ にしちゃ文章の1センテンスがやけに長いな
400げと。 ご指摘の通り、一部のスキナリアンは必死です。 例えばBaumなどという行動分析界の大物が、行動分析学の言説を進化生物学 のものとと融合させることなく孤立を続ければ、行動分析学は衰退していく という旨の主張をしています。 また他の研究者は、reinforce/punishという用語の変わりに、select/deselect という用語を使い、行動は環境により「選択」される、ということを明確に すべきだという主張をしています。 個人的には、こうした大きな揺さぶりの中で必死にアイデンティティにしがみ ついている人達が、ニッチをうまく突いて面白い知見を生み出してくれること を期待しています。 ちなみに、「心の理論」は行動分析学では高次条件性弁別のパラダイムで 扱われています。
無念
学習でselect/deselectという用語は使わないほうがよいでしょうねえ。 究極要因のときだけ使うようにしないと、かえって問題が わかりにくくなりますから。
心理学の中でのイデオロギー的には行動分析はむしろ 進化心理学とうまく融合/分業しやすい分野なんじゃないの。 それにスキナー先生の著作の中には(いままでなかば意図的?に 無視されていたが)その手のご託宣はいっぱい書いてあるんだから、 それがいまの行動分析と違っても「原点に戻る」とか「スキナー先生 に忠実に」みたいな感じで教義論争的にも問題ないと思うよ。
たとえば Skinner(1988) Genes and Behavior. in Greenberg & Tobach(Eds.) Evolution of Social Behavior and Integrative Levels. LEA (これは Skinner 1989 Recent Issues in the Analysis of Behavior, Merrillにも 再録されている。)
いえ、むしろ究極要因と学習の関連を強調するためのselect/deselect なのですが。 でも、スキナリアン内での同意以前に問題があることがわかりました。 ご指摘ありがとうございます。
>>406 スキナー先生がいうように「進化とオペラント条件づけは
変異と選択という、種から個体へ連続した過程のそれぞれの部分だ」
ということであれば、むしろ「それぞれ性」を明確にするために
進化における自然選択と「強化/罰」は同じ基盤を持つものの
別のものとして(実際現象的にも違うんだし)分けておいた方が
いいようにスキナリアンの漏れも思います。
そういえばスキナー先生は「about Behaviorism」の中では 進化を引き起こす(種のレベルで選択を生じさせるような) 環境の力のことを持続的随伴性と呼び、個体のレベルでの オペラント条件づけを引き起こすような環境の力を強化的随伴性と 読んで、これらを混同するなとも言ってます。そういう意味でも 強化と選択をいっしょにしちゃうのは、ってこれは教条主義ですかね?
論理的に納得しているのなら、教条主義ではありませんが そう書いてあるから、という理由なら教条主義でしょう。
ちなみに「種のレベルでの淘汰」という 考え方は、今の進化生物学ではしません。 ご存じとは思いますが、念のため。
411 :
没個性化されたレス↓ :02/11/01 05:57
ADHD, 鬱, 統合失調症 の進化的適応性について述べた論文を教えて
ADHDとスキゾでそんな研究があるかどうかは知らない。 鬱の適応価の研究は、あると聞いたことがあるけれど、 どの程度もっともらしいか知らない。ググルでキーワードを 入れて探せば出てくると思いますよ。 それ以上は知りません。
>>410 スキナー先生は「種species」と書いているのでそのまま書きました。
いまは個体群とか繁殖集団とか言ったらいいのですか?
>>413 議論のあるところですが、淘汰の単位は原則として遺伝子です。
ただ、個体も自然選択の単位と考えてよいという意見もありまして
私はそちらの立場をとっています。いずれにせよ、個体群や
繁殖集団レベルの淘汰圧が主役となることはめったになくて
種レベルの淘汰圧が主役になることはまずありません。
基本は遺伝子か個体レベルの淘汰圧です。
>>414 淘汰圧が加わる単位が遺伝子であるというお話はよく分かりました。
また,個体群や繁殖集団のレベルで淘汰圧が加わることがまずないという
お話も、自然状況を考えればよく理解できます。
そうするとむしろ変異と選択という共通性を前提として進化と学習を
区別する時には、スキナー先生のように淘汰圧の種類で区別するよりも、
淘汰圧の結果が世代を経ることによって発現するか、世代(個体)の
なかで発現するかといった区別をした方がよいのでしょうかね。
何か参考になる書籍などご紹介下されば助かります。
上を書いてみて気づいたのですが,むしろ淘汰圧が加わる対象が 「遺伝的に決定される要因」(つまりは遺伝子)なのか,遺伝的な 限定は受けるもののここの発現自体は遺伝的の決定されない要因 (典型的にはオペラント行動)なのか,で区別しても良いのかも しれないですね。っていうかあまりに当たり前のことか。 でも少なくとも心理学者が読む教科書にはそんなことは書いてないですね。
417 :
没個性化されたレス↓ :02/11/01 13:13
>>411 論文ではなさそうな気はするが、又聞きのまた聞きくらいで、
こんな話を聞いたことがある。
精神分裂病の陽性症状には「奇妙な言動」が見られるわけだが、
古代の祭司的社会においては、このような人間は「巫女」や「預言者」
などの神がかりであると解釈され、回りから尊重されることがあった。
だから、分裂病の遺伝的リスクを持つ系統も異常者として社会から排斥
される(強い淘汰圧がかかる)ことなく、今でもわずかな割合ながら
残存しているのではないか、と。まあ、検証不可能な話ではあるが。
>>418 じゃあ例えばダウン症なんかは?
淘汰圧よりも発症率のほうが高いのかな?
知らんけど、あれって遺伝性のリスクがあるの? 母体の年齢で発生率が上昇するところなんかを見ると、 ダウン症のリスクが遺伝するというより、親から子への 遺伝子のコピーの段階での「事故」が原因って感じだけど。
421 :
没個性化されたレス↓ :02/11/01 14:54
一定の確率でおこる事故でしょ。淘汰圧うんぬんの問題でないと思う。 分裂病の遺伝的リスクの話は俺も聞いたことあるが、科学読み物だったような。 京極夏彦の本だったかもしれん。「ウブメの夏」かなぁ。 「神懸り」と解釈されてきた文化圏と「狐つき」と解釈されてきた文化圏 で発症率比較すれば、一応傍証にはなるかなぁ。人種の要因が排除できないか。
精神分裂病の発症率は、どの文化圏でも一定だと聞いたことがあるが
こういう話が進化心理学なのだったら「トンデモ」だという人の気持ちもわかるね。
dデモというのは無茶なことを正しいと主張するからdデモであって、 「〜は〜かもしれねえ」とか「なんだかよく分かんねえ」と言ってるだけのとは違うぞ。
>>418 そういう「文化的な淘汰圧」が人間の遺伝子に進化的な変化を
生み出すには,文化の歴史はあまりに短い,という主張がある。
文化と遺伝子の「共進化」も,果たしてせいぜい数千年の
文化の歴史の中でほんとに生じるのか?という話。
まあ、それももっともな指摘ではあるけど、文化の定義にもよるだろ。 数千年前に置かれるのは文化と言うより都市文明の成立じゃない? 例えば分裂病の場合、発症した個体が「群れの仲間から疎外されず、 むしろ食糧を分け与えられるなどされて生き延びる」という習慣が 現生人類の出現した20万年前や、あるいはもっと古くに生まれて いればそれでよいわけで。 神がかりとか、宗教とかがいつ生まれたのかはまた別の問題だが。
「群れの仲間から疎外せず、 むしろ食糧を分け与える」 ということがあったとするとそれはなぜか、の方が難しい問題でしょうね。 ちなみに100世代程度の時間があると、選択差が1%程度でも 大きな遺伝子頻度の変化が生じます。1世代20年として2000年 程度でしょうか。数千年のタイムスケールは進化生物学の守備範囲と 思われます。
簡単な計算ですが、0.95を30乗すると約0.21になります。 適応度の差が5%程度あると、多数を占める遺伝子が少数派に なるのに600年くらいで十分です。昆虫の実験では実際に数十世代の 間の遺伝的変化が観察されています。 そうすると、鎌倉時代から現在までのタイムスケールでも、 淘汰圧によっては遺伝的変化は十分可能かもしれません。
そういえば、神がかりというだけでなく、精神分裂病患者は ほんのわずかな状況の変化に対して健常者より気付きやすい、 つまり原始的社会においては「危機探知」の役割を果たしていた、 というような話もあったな。だから重宝された、と。
そうだとすると、共生の事例になるかもしれませんね。 構造的制約として、他の機能を犠牲にしないと「危機探知能力」 をあげることができない、と仮定すると2タイプの共生が 安定になるかもしれません。
構造的制約といえば、アスペルガーによるイディオ・サバンもそのクチか ちなみに自閉症は遺伝率が高いが、一卵性でも障害の程度は微妙に違う。
基本的に何でもそうですが、何のコストをかけることなく、
ある能力を高めることができるならば、それがどこまでも
進化してしまう訳ですからね。
そうやって考えると、たとえば、「知能」をどう考えることができるか。
その存在についていろんな議論はあるけれど、少なくとも、遺伝子によって
影響を受ける知能なるものがあり、それについて大きな個人差があるのは
事実。
もし、この知能なるものが、適応価に影響して選択の対象となるならば、
母集団における知能なるものの個人差の存在を説明するためには、以下の
2つの論理があり得る。
1.実は現状の知能の個人差なんて適応価でみたらほとんど同じ。
選択によって遺伝子の比率が変化するほど大きな意味を持たない。
単なる浮揚によって生じる個人差
2.実は知能には「何らか」のコストが伴う。
>>430 を変形した議論。
つまり、知能が高い人は別の(同様にコストがかかる)能力が犠牲に
している可能性。(それぞれコストがかかる)2つの能力を同時に
備えることはムリだから。
集団生物学の基本的ロジックからみて、これらの可能性はあると思いますか?
>>177 さん。
安定化淘汰の基本ロジックは 突然変異圧力=淘汰圧 となる状態が定常だ、と表現できます。 突然変異によって、遺伝的変異の分散は増加しますが それを淘汰圧が抑制して、ほぼ一定の遺伝分散が 保たれます。 知能の分布に遺伝分散があるとすると、同様のロジックで ある程度の遺伝分散が維持されていると予想されます。 集団中の平均的な知能の個体より、知能が低かったり 高かったりしたときに適応度が下がるならば、いま述べた ロジックが成立します。 低かったり、の方は知能に適応的価値があれば成立しますし 高かったり、の方は機会費用(何かはにわかに分かりませんが) があれば成立しそうです。 直感的にいえるのはこれぐらいでしょうか。
大変おもしろい。興味深い。
なるほど。どうもありがとうございます。 >ROMってる方々へ 別に、私は「知能は遺伝で決まっている」と言いたい訳ではありません。 知能の定義もはっきりしないし、あるとしても、環境との相互作用の 複雑さを考えれば、それほど単純な話にはならない。 けれど、ここでの177さんとの話は、ある意味、進化という話をヒューリスティクス として使っている訳です。 「仮に、知能なる何かが遺伝子によって伝達されているならば、その個人差が 比較的安定した形で存在しているのはなぜか?」を、理論的パズルとして考えてみる。 今回の場合、「この問題設定が正しいとするならば、知能なるものが高すぎると何らかの 損失を生み出すのだろう」という「論理的帰結」が導かれた。 こんな話をしてから知能なるものを見直すと、「高いほど良い」と考えてきた素朴な視点が 覆されるのは分かりますか? 「もしかしたら、高すぎると何かマズイのかもしれない。いったい、それは何だろう?」 と、これまで考えてもみなかったような側面を考えるようになる。進化心理学・進化的視点は、 こうやって、新しい問題・見方を、私たちの前に提示してくれるんです。
>>425 >文化と遺伝子の「共進化」も,果たしてせいぜい数千年の
文化の歴史の中でほんとに生じるのか?という話。
私が、以前、gene-culture coevolutionの話をしたときも、
あるいはトマセロやディーコンの話をしたときも、多分、一般的に
「文化」という言葉が用いられる時とは、少し違う意味で使っている
と思います。
心理学者にとっての文化:日本、中国、アメリカ、といった文化間の差異・文化内の
等質性に目が向けられる。
進化心理学者にとっての文化:個人の外部に存在していて、個人が獲得する行動・心理を
提供する「モノ=他の人間によって形作られている行動・知識・信念の集積体系」.
遺伝子とは別ルートで、行動や心理的傾向を、世代から世代へと伝達していくシステム。
もちろん、両者は同じモノを別からみただけに過ぎませんが、gene-culture coevolution
という話をする人の多くは、後者の側面=「なぜ人間にだけ、そんなに高度な文化的伝達
システムが発生したのか?」に関心を持っているのだと思いますよ。
従って、数十〜数百年単位で変化するような「文化変動」は、視野に入っていないと思います。
>>431 自閉症は難しいですよねぇ....
単純な遺伝病ではないし、出産時の事故によって生じていると思われる
ケースもあるし、その他の障害との組み合わせによってもいろいろあるし。
というか、そもそもイディオ・サバンのような「高度な能力」は、遺伝性と
にらまれる自閉症の中で、どのくらいの比率で生じるのでしょう?知ってます?
何か?
さて、と。ちょっと思いついたことを書き込み。 77さんや、もう一人の方が、「結局は、学習能力の進化がキーだ」と言ってますが少し思うことを。 そりゃ、当然の話なんですが、そこで「学習」と呼ぶ時に、何を考えているかが分かれ目。 多分、「行動が遺伝で決まってるとフレキシビリティがないから学習によって、各世代毎に適切な行動を 獲得する方が有利」ってだけでとどまったら、当たり前すぎて何もおもしろくないと思うんです。 そりゃ「世代間で環境が変化する可能性」がある以上、学習できた方が良いに決まってるでしょう。 実際、「学習」っていうとこだけみたら、ほとんどの生物がその能力を持っている。上にあげた フルーツ・フライの「実験母集団における学習・記憶能力の変化」の話も、ここに書いたのと 同じような話でしょう。 けれど、「人間」に目を向けるならば、そんなところを越えた話をしなきゃならないのでしょうね。 たとえば「人間はどんな対象を学習するように進化したのか?」とか。
177さん向けに書くと、(好きなり案からいろいろ矢が飛んでくるかもしれないが)、人間の学習って
行動が対象となるだけじゃなく、因果関係の学習だったり、知識の学習だったり、技能の学習だったり、
いろいろ。同じ学習という言葉を使っても「対象がバラバラ」。
つまり、「要素間の結合」と言っても、その要素として、生物が「何を」認識しているのかは、
もしかしたら、学習ではなく「生物固有の認識構造=進化の産物」によって決まっているのでしょう。
そう考えてみると、キーとなるのは「学習」だけじゃないはずなんですよね。いったい、「何」を
それぞれの生物は「まとまり=要素として認識しているのか」。結局、認知能力の進化の話は、欠かせない。
こんな問題意識があるから、今、比較心理/比較認知科学ってのがホットだと思うんですよね。
スキナリアンじゃないので、彼らが何を考えているか知りませんが、The evolution of cognition
(MIT Press;2000)なんてのを読んだら、どう思うか知りたいところですね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0262082861/ref=sr_aps_eb_2/250-5144489-2665836
2年ほどまえに進化認識論の論文を読んだときには まだまだかな、という印象を持ちましたが、最近は もう少し進んでいるかもしれませんね。ちなみに 「鏡の背面」はそこそこ面白かったです。 おっしゃるとおり、因果認識の学習と評価関数の学習が この戦線の天王山だと思われます。Aを行うと何が起こると 思うのか。その結果を良いと思うのか悪いと思うのか。 この2つがAを行うか否かを意思決定するうえで必要です。 (まあ、先読みによる意思決定をショートカットする 方略もあって、それはそれで重要ですが。) 因果認識自体が遺伝的に決まっている可能性は低そうなので 学習によって獲得されるのだろうと予想されます。 この学習のアルゴリズムがどのようなものか、よく分かりませんが 神経回路網の構造に依存してそうなので、その意味で 学習アルゴリズムは(少なくとも間接的に)遺伝的な制御を 受けていそうです。この学習アルゴリズムと環境の相互作用で 因果認識が生成すると考えられますので、因果認識は2ステップから 3ステップの至近メカニズムを介して、遺伝的な制御と さらには究極要因の影響を受けているのであろうな、というのが 私の予想です。 評価関数の学習もほぼ同様でしょうが、遺伝的に制御されている 度合いがやや大きい(至近メカニズムのステップ数が少ない) かもしれません。 この辺の詳細がわかれば、いろんなことの真相が見えてくるでしょうね、
>>439 その方向だとむしろギブソン,アフォーダンスもキーワードに
なると思う。このスレではまだギブソンは一度も出てきてないかな?
442 :
没個性化されたレス↓ :02/11/02 04:55
>行動が対象となるだけじゃなく、因果関係の学習だったり、 >知識の学習だったり、技能の学習だったり、 いろいろ。 >同じ学習という言葉を使っても「対象がバラバラ」。 スキナリアンならどれも形態の異なる「行動」として扱うだろうな。 イメージの想起や何かを「思いつく」ことだってオペラント行動なんだと。
ところで生物板になにか学習や認知に関するスレは今でもなにかある? ちょっと探したけど見つからなかった。
>>440 ポン!これ読んで気付きました。
もしかしたら、177さんの知り合いかも知れません。ワタクシ。
5,6年ほど前にお会いして、1,2年ほど親しくおつき合いさせて
頂いた者です。その後バタバタとしたり、あのときとは少々違う仕事を
していることなどから、長いこと疎遠にしてしまいましたが...
もし本当だったら、狭いものですね、世間というのは(W
あれ以降は、当時の研究の他に、これまでに話してきたような生もの系や
実証系の知識を仕入れるようにしています。研究とは独立に。今後の研究を展開
させていく上で、さすがに当時の路線だけではつらい物がありますので。
当時の路線も地道に勉強しておりますが。
身元がバレルので書いていないけれど177さんにとっておもしろそうな話や
その後の展開もいろいろありますので、近々お会いできたら良いですね。
もし、別人の方で「ハァ?」と思われるのでしたら、ご容赦下さい。
ともあれ。こんな場所ですので、他の人たちに参考になるかも知れないので、 これまで通り、マターリと逝かせてもらいますね。 評価関数がどこに設定されているのか、という問題は、本当に難しいと思います。 というか、学習心理においてもガルシア効果以外に、その後、何か新しい知見が 得られているのか、どうも良く分かりません。また、実証的な研究から理論的な 方に目を向けても、環境構造や適応課題が同定されない限り、「通貨として何が最大化 されているのか?」、「何が正/負の報酬として働くのか?」を、演繹することも難しい。 はたまた、人間の場合には、「“〜という行為に対して嫌悪感を強く感じる”という感情的 反応」=評価関数そのものが、文化的プロセスによって伝達されている可能性さえある。 この場合、「何を学習するのか」を「文化的に学習する」という話になってしまうわけです。 ただ、人間が持つ評価関数のうちどれだけが文化的に獲得されるのか、それこそ先天的に伝達 されているのか...認知発達や認知神経科学などの知見を待つしかないのでは ないか、と思っています。 個人的な感想として、この問題は、理論的に解こうにも「解くべき対象が今だ特定されていない」。 故に、当面は実証された知見の収集に徹するのが、まずは賢い研究戦略かと考えています。
とはいえ、「学習の進化」という問題に関して、解くことに価値がある他の問題も あるように思います。 例えば、上述「学習心理スレ」で質問した時のような話ですが、レスコーラ・ワグナー モデルっていうのは、「新奇な刺激には強く反応するが、刺激が何度も提示されるにつれ 反応が減衰する」という側面がある訳です。 学習が持つこうした側面が「環境は時々変動する。これまで物的報酬を得られた行動が、 もはや物理的報酬を生み出さない場合もある」状況下では、適応的な学習ルールであることを 演繹的に示したのが、Houston & McNamaraら、行動生態学者。 この例自体は、分析せずとも分かる話ですが、似たような戦略は以外と使えるのでは ないかと考えられる。 考えてみれば「物理的には等価な無条件刺激(報酬)でも、それが生起した確率、他の 刺激と比較した場合の相対的強さなどに応じて、主観的な満足度が変化する」なんて いう話は、人間の意思決定に関する研究を見ると、多くの知見があるわけです。 細かな例は省きますが。 つまり、学習=stochasticな環境から僅かなコストで「使える」パターンを見抜く 能力、と考えると、Houstonらがやったような形で「学習ルールを理論的に演繹する」 こと、「それによって既存の心理現象を説明する」ことなどが可能かも知れない。 しかも、こうやって考えてみると、使えそうな話は機械学習やdata miningなどの 分野にも転がっている可能性がある。基本的に、同じ問題を扱っている訳ですから。 というわけで、「人間に特有の学習」という話ではないかもしれないけれど、 「学習の進化」というのも、考えてみればなかなか奥深い問題が「評価関数と 因果関係の認識」以外にも転がっているかも知れません。
意思決定の神経機構ってすでに知られてるんですか? だれかご存知の方おねがいします!!
449 :
没個性化されたレス↓ :02/11/02 22:49
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確かに精神分裂病の発生率は地域差なく一定です。あと、父親の年齢の増加関数。
451 :
没個性化されたレス↓ :02/11/02 23:06
>>448 今のところ、神経・生理学レベルで語れる人間の心的機能は知覚などの低次の認知機能に限られています。
意思決定などの環境要因の影響の大きいものは神経だけで語っても何もわからないと思います。
452 :
没個性化されたレス↓ :02/11/02 23:09
>>446 ガルシア効果なんてないというのが現在の学習心理学の常識。
ガルシア効果ってなんですか?
記憶は神経の人が結構、研究してるんじゃないの?あと、文法なんかも、東大のさかいとか言う先生が脳の研究としてやってる気がするんですが。
>454 意思決定は神経生理とかの人はやってないのですか? >451 結局、「神経・生理学レベルで語れる人間の心的機能」っていうのは、いまのところどの辺まででしょうか。 注意、記憶、言語文法っていうところまでなのかな? あと、いまだに神経レベルでかたれない(心理学的に重要な)機能ってどんなのがありますか?
>446,452 ご返答おねがいします。当方まだ勉強不足なもので。
>>456 ありがとさん。調べてみます。
でも、サルって結構あたまいいほうの生物じゃないんですか?
ガルシア効果の重要なところは、学習の法則においても生物学的制約を
考慮しなければならないということを指し示したことにある。
で、
>>452 には味覚嫌悪学習がどんな実験によって
反証されたといいたいのかを小一時間問い詰めてみたいところだが。
>459 調べてみたところ、459さんに同感です!! >452 ガルシア効果がウソっていうのはどんな根拠に基づくの?ニューラルネットっていうのは無しね。あれはどんなものでも学習できるようにモデリングできるから。
>>448 ダマジオの「生存する脳(だったかな?):講談社」を読んでください。
脳のある部位の損傷が、心理学で良く用いられる意思決定課題と綿密に
関連していることが分かります。あと、あなたの知りたい話はcognitive
neural scienceというタイトルのテキストを見つけて読んでみると、いろいろ
分かると思いますよ。私も、いずれはそちらをしっかりと学ばねば、と思ってます。
>190=461 脳のある部位ってどこですか? いずれご紹介された本を読んでみるつもりですが・・・
463 :
没個性化されたレス↓ :02/11/03 05:40
>>463 ありがとさん!!
でも原著論文の紹介があるともっとうれしい・・・
junk論文を引用してきただけの可能性もあるから。
465 :
没個性化されたレス↓ :02/11/03 06:38
>>464 ダマジオの本から原著をあたるのも良し。特にダマジオと一緒に
その実験をやったBachera(?)という人が、その後も、シリーズで実験を
やっているという。
>>460 ちょっとだけ質問。一般に知られているNNって、基本的には、
確率的な出力はできないのですよね...?
つまり、入力パターンが同じだったら、出力パターンも毎回同じ。
確率20%で行動Aが選択され、80%で行動Bが選択される、ということは
ない。
としたら、NNと、レスコーラ・ワグナーモデルなんかとの関連って
どうなってるんでしょ?後者は、明らかに確率的反応を前提としている
はずですが。答えが長引きそうでスレ違いだったら移りますが。
あるいは、単なる私のカンチガイ?
468 :
452じゃないが :02/11/03 12:04
1.「ガルシア効果」という言葉について ガルシア効果は嘘じゃないが、普通、英米では「ガルシア効果」 などと言う言葉は使わない。全く使わないわけじゃなく、例えば Corsini, R. J. (1999). The dictionaly of psychology. Ann Arbor, MI: Braun-Brumfield. などには出ているが、その説明は (J. Garcia) Learned taste aversion とあっさり。学習心理学の教科書では「ガルシア効果」という 言葉はまず出てこない。日本でだけ有名な言葉。なぜ有名かと いうと、日本語に翻訳されている Bolles,R.C.(1979). The learning theories (2nd ed.) New York: Holt.今田寛・訳 (1982).学習の心理学.培風館. の中で、たまたまこの言葉が使われていたから。 疑う人は『メイザーの学習と行動』あたりを見てご覧よ。 この言葉は全然使われてないから。
469 :
452じゃないが :02/11/03 12:12
2.「ガルシア効果」の現代学習理論における位置づけ ガルシア効果(食物嫌悪学習)が、生物的制約という面で学習研究に影響を 与えたのは事実であるが、その後、食物嫌悪学習は古典的条件づけと質的に 変わらないというデータが続々出てきた。現在では「標準的な古典的条件づ けの手続き」として広く用いられているくらい。 Logue,A.W.(1979). Taste aversion and the generality of the laws of learning. Psychological Bulletin, 86, 276-296. Klosterhalfen,S., & Klosterhalfen, W. (1985). Conditioned taste aversion and traditional learning. Psychological Research, 47, 71-94. といったあたりが標準的な展望論文。
470 :
452じゃないが :02/11/03 12:23
3.生物的制約の学習理論における位置づけ 数年前まで、学習心理学の教科書では「古典的条件づけ」や「オペラント 条件づけ」の章に続いて「生物的制約」の章があるのは普通だったが、最近 の教科書(もちろん英米の)では、「生物的制約」の章は消えて、各条件づ けの章の中の項目として記述されることが多い。上述のメイザーの本でも 3rd ed(日本語初版)と4th ed(日本語第2版)ではこの点が異なっている。 生物的制約は食物嫌悪学習に限らず、ほとんど全ての条件づけ学習に多かれ 少なかれ入っているものという認識が一般的になってきたから。 実はこうした認識はPavlov以来、多くの学習理論家が昔から持っていたもので、 GarciaやSeligmanによる糾弾は過激過ぎたということで学問的評価が落ち着い ている。一度極端に振れた振り子が、ほぼ元に戻ったといえる。
471 :
452じゃないが :02/11/03 12:37
4.「ガルシア効果」という言葉について(補足)
学習心理学で「ガルシア効果」という言葉が用いられないのは、この言葉の
意味が曖昧なため。単に「食物を嫌悪するようになる学習」という意味で用い
られるのか、他の学習とは異なる特殊な学習という意味で用いられるのかが不
明。前者の意味では「ガルシア効果」は存在するが、後者の意味では存在しな
いとするのが、現在の一般的見解。
>>469 を参照。
また、「ガルシア効果」と言う言葉が「手がかりと結果の組み合わせには相
性がある」「長遅延学習が可能」「学習の容易さ」「消去のしにくさ」とい
った食物嫌悪学習のどの特徴を指しているのか、あるいはそれらをまとめた
意味で「準備された学習」を指しているのか不明であり(話者によって違う
可能性がある)、この言葉を用いた議論は行われない。
で、それらをどう総合すると「ガルシア効果なんてない、これ常識」という結論になるんだ?
>>471 >後者の意味では存在しないとするのが、現在の一般的見解
ということだろ。
とりあえずあげとく。
ガルシア効果は存在するけど、その現象の意義がうすれたってことでいいんですか?
どこを縦読みすればそうなるんだ?
>>446 >評価関数そのものが、文化的プロセスによって伝達されている可能性さえある。
というのは、多分評価関数そのものは文化的に伝達されているというのが
真相だと思われます。したがって、問題は評価関数がいかにして文化的に
伝達されうるのか、という至近メカニズムを、そのような至近メカニズムの
進化をもたらした究極要因はなにか、ということに帰着するでしょうね。
ま、どなたか心当たりがあるようなないような状況ですが
いずれにせよいろいろ意見交換ができると幸いです。
知らなかった... 俗流進化心理の翻訳者として悪名高い人物が、良質の進化心理学者として知られる デイリーらの本を訳しているとは... 一体、版権や翻訳権はどうなっていたのだろう。 シンデレラがいじめられるほんとうの理由 (進化論の現在) 著者: マーティン・デイリー著 マーゴ・ウィルソン著 竹内 久美子訳
>>478 竹内さんはそうやって勉強して,面白く都合の良い
部分だけを自分のトンデモ本に活かすわけよ。
>>478 翻訳は,(;・∀・)ダダイジョウブ・・・?
まあ、ガルシア効果と呼ぶか呼ばないかは別として トピックに依存して多少とも学習のされかたが 違うとすると、それはどういう仕掛けになって いるんでしょうね。 やっぱり、トピックごとに担当の部位が異なって いたりするのかしらん。 純粋に論理的にはトピック特異的な学習アルゴリズムが あった方が、進化的に有利になる場合はありそうですが 構造的制約の方は、どうなっているいるのでしょう?
482 :
没個性化されたレス↓ :02/11/04 16:35
ともあれ、メイナード・スミス=生物学の黄門様っていうフレーズだけは笑えます。 結局、彼女の「キャッチフレーズ作りの巧みさ」だけは、いかんともしがたいですね。
484 :
没個性化されたレス↓ :02/11/05 11:51
マット・リドレーの「赤の女王」どこにあるか知ってるひといますか? 翔泳社にもないみたい・・・。古本屋も探したんですけどねぇ。 「発売中止」ってあったけど、なんか問題あったのかなぁ?
486 :
没個性化されたレス↓ :02/11/05 15:25
性選択と利他行動は工作舎のほうで在庫がないみたいです。私は古本屋で手に入れました。 ミラーの本は読みましたよ。 とても面白いですが、やや性淘汰万能主義よりかなと・・・。 ミラー自身意識してそうかいているとは思いますが。 赤の女王、ないですねぇ・・・
ミラーは確かに性淘汰還元主義が強くて、たまにインタビューで とんでもないことを主張していることがあります。 例えば「行動遺伝や知能の遺伝を知れば見込みのない子に無駄な投資を しなくてすむだろう」などと。
風の噂によれば、性淘汰の研究者からみると、ミラーの本は 「良く書けているけれど大きなことを主張しすぎ」だそうですね。
489 :
没個性化されたレス↓ :02/11/06 00:49
長谷川女史がこだわる「おばあちゃん仮説」、これの評価は どんな感じなんでしょうね。
491 :
没個性化されたレス↓ :02/11/06 05:12
>>491 もしかしてevol-psychのメンバー?私も!
493 :
没個性化されたレス↓ :02/11/06 06:35
いや違います。 evol-psychってどこのことですか? 私もと言われても困るんですが。
494 :
没個性化されたレス↓ :02/11/06 09:56
>>492 メーリングリスト、大変じゃないですか?
496 :
没個性化されたレス↓ :02/11/06 14:41
>>494 一日平均数十通のメールが届けられるから。
メーラーのルール設定で振り分けるくらいのこと覚えろよ。 一般人が使う意味で「進化」しないとね。
”学”なんてつけりゃ、なんでも学問として認めてもらえるのか?
>>499 とりあえずそういう簡単な話ではないから1からスレ全部読め。
去ねや、サルが! PPP パララララ!! (♯・≧・)\从/ ( llllllllll== ※………… | || U /W'ヽ (__)__)
502 :
没個性化されたレス↓ :02/11/06 23:50
最近出た小田亮の「約束するサル-進化からみた人の心」柏書房はどうでしょう? シロウトさんの本学入門用に便利ではないでしょうか。
最新のPsych. Rev.はおもしろそうですな。このスレにとっても。 Selected Articles Understanding the Nature of the General Factor of Intelligence: The Role of Individual Differences in Neural Plasticity as an Explanatory Mechanism Heritability Estimates Versus Large Environmental Effects: The IQ Paradox Resolved Where Is the Child's Environment? A Group Socialization Theory of Development
504 :
没個性化されたレス↓ :02/11/07 03:09
あぼーん
506 :
没個性化されたレス↓ :02/11/07 04:09
>>505 あまり適応的ではないミームですね
でもなかなか淘汰されないのは
それなりな状態の人(適応的ではない人)には
心的適応性(つけいるスキ)があるから?
507 :
ハリスなら、 :02/11/07 06:29
508 :
没個性化されたレス↓ :02/11/07 17:15
>>508 事務連絡とか研究会情報がたまに流れてくるくらい。
510 :
没個性化されたレス↓ :02/11/08 01:27
今月末、年一回の "人間行動進化学研究会" がありますが 去年はどんな感じだったのでしょう
511 :
没個性化されたレス↓ :02/11/11 22:36
あげておく。
512 :
没個性化されたレス↓ :02/11/14 04:08
あぼーん
514 :
没個性化されたレス↓ :02/11/14 07:05
前半は、モジュール構造になっているだろうという理論的な予想を紹介し、 後半で証拠をいくつか挙げているようです。タイトルを見ただけですが(w
多分これって、Fodor(最初にモジュール説を提唱)からの 痛烈な「アーミーナイフ仮説に対する批判」に答えたものかも 知れないですね。引用見ると結構新しいものも含まれているし。 読んでないですが(W
517 :
没個性化されたレス↓ :02/11/14 21:45
つーか読めないんだろ(W
>>517 あほか。こいつらの過去レス読んでみろ。
スティーヴン・ピンカーの「How the Mind Works」(1999) ISBN: 0262062127
ジェリー・フォーダーの「The Mind Doesn't Work That Way」(2000) ISBN: 0393318486
の流れがあって
>>512 だったんですね。読んでみます。
520 :
没個性化されたレス↓ :02/11/15 19:50
コピペ 194 名前:没個性化されたレス↓ :02/11/15 19:13 ダン・スペルベル(著)/菅野盾樹(訳) 『表象は感染する/文化への自然主義的アプローチ』 新曜社 ★★★ 以前,どこだかのスレでスパーバーという名前で紹介された人類学者の近著。 文化はどのようにして進化するか。文化の普遍性と多様性をどう理解するか。 文化を構成する信念や規範,芸術,習慣などの観念や表象は「感染する」と著者は言う。 特定の人に感染する観念もあれば,集団全体を侵す表象もあり, この過程が進行するなかで人間も環境も,そして観念や表象自体も変形していく。 文化の動態を理解するとはこのような感染の原因と結果を理解することだ考える著者は 新たな文化研究の方法論として疫学的アプローチを提唱する。 発展著しい認知科学や進化心理学の知見を背景に, 人文社会科学を真に科学的なものにする道筋を明らかにする力作。
疫学的アプローチというのはミーム論の ことだと思われますが、今のところ あんまり実体がないんですよね。
522 :
没個性化されたレス↓ :02/11/15 23:45
>>521-522 数多あるミーム論だが、もっとも重要なポイントは、
「どんなミーム(知識・信念)が選択され、伝達され
ていくのか?」を明示的に予測する理論があるか否か。
この意味において、「文化とはミームである」と言ってるだけでは、
なんにも新しいものはない。単にある現象を別の言葉で言い換えているだけ。
しかし、この意味において、Sperberは少し違う。彼は、「ミーム論が成立する
ならば、それはどんな要件を満たすべきか?」という問いに、極めて自覚的。
そして、彼はいわゆる「ミーム論」には否定的。彼は、ミーム論者ではない。
とりあえず、そいつは
>>522 の一番最後の段落を読めば分かる。
全般に文化人類学屋さんは安直なミーム還元論に批判的ですよね
>>524 そりゃそうでしょうね。おそらく彼らの方が「どんな信念・知識が
どのように拡散・変容していくのか」、そのマイクロなプロセスを丹念に
記述しているからでしょう。
526 :
没個性化されたレス↓ :02/11/16 03:43
難しいけど、進化心理学って一言で言うと何だろう?
527 :
没個性化されたレス↓ :02/11/16 06:36
>>526 一言でいうと誤解されてしまうから一言で説明しない方が良い学問。
>彼は、「ミーム論が成立するならば、それはどんな要件を満たすべきか?」 >という問いに、極めて自覚的。 なるほど。だとすると読んでみる価値がありそうですね。
529 :
没個性化されたレス↓ :02/11/16 15:02
>>445 190のひと、もし数年前ににっしんのワークショップに出て
その後Nで始まるところにいった方でしたら、
わたしはワークショップの次の年にポスター連名した者ですが
177とはちがいます。
>>520 「人文科学を真に科学的なものにする道筋を明らかにする.....」
心理学ではその手のキャッチフレーズは縁起が悪いね。
あ、続きを書く前に... それはさておき、結構、このスレも人が集まっているようですね。 これからも盛り上げていきましょう。
まあ、可能であれば。。 でも、あんまり新しいネタも 無いようなんですよね。 上の2つの論文もそんなに目新しい ことが書いてるわけでもなかったですし。
>>533 可能な人が交信すればいいんですよね。
190さんは誰を指名しているわけでもないし。
535 :
没個性化されたレス↓ :02/11/18 05:57
合掌 Linda Mealey(1995-2002) She authored some important works - her 1995 article, "The Sociobiology of Sociopathy: An Integrated Evolutionary Model" and her 1999 study, "Symmetry and Perceived Facial Attractiveness: A Monozygotic Co-Twin Comparison," are widely cited. Her 2000 textbook, Sex Differences: Development and Evolutionary Strategies, garnered glowing reviews. Four book chapters are currently in press.
536 :
没個性化されたレス↓ :02/11/18 07:00
>526 なんでもかんでも結果論。
537 :
没個性化されたレス↓ :02/11/18 07:42
538 :
没個性化されたレス↓ :02/11/18 07:49
1955生の間違いですた....
539 :
没個性化されたレス↓ :02/11/18 08:15
このスレッドは海外からの書き込みが多いように思うのですが, どーなんでしょう?
どーなんでしょう?
>可能な人が交信すればいいんですよね。 「交信」っていうと、電波が飛びかってるような感じがして、 なんかすごいですね(w
542 :
没個性化されたレス↓ :02/11/18 14:12
>>539 海外からの書き込みが多いのではなく、
進化心理学は日本よりは、はるかに海外(米英)のほうがにぎやかなので
1さんの言う「方法論から最新の動向まで自由に議論しよう」とするには、
英文や英語のURLを出して話をすることになるのでしょう。
海外の動向を見ずして進化心理学の話をするのは難しい。
>海外の動向を見ずして進化心理学の話をするのは難しい。 というのは、進化心理学に限った話ではないですけどね。
どこにいようが、インターネットで国際学会のアブストラクトを簡単にチェックでき、 研究機関に属していれば、どの分野の論文でもオンラインで入手できる。投稿前の 論文をWWWに載せる研究者も多く、大抵の情報をググルで簡単にチェックできる、この時代。 日本・海外、と区別する理由は何もないですね。
546 :
没個性化されたレス↓ :02/11/19 06:08
あとは英語力、と。 日本の話で、 進化心理学から竹内久美子をきちんと批判しているサイトはある? 無視? または進化心理学で竹内を歓迎、容認しているケースはある?
547 :
没個性化されたレス↓ :02/11/19 12:48
>>546 さすがにいないのでは?
なんでも動物行動学会では、竹内&日高がセットになってボコにされている、
と聞いたことがあるのですが、そのあたり、いかがなんでしょ?
548 :
没個性化されたレス↓ :02/11/19 17:08
こっちの方向の入門書ってどんなのがありますかね? うちの助教授の師匠が「進化から見たヒトの行動」の訳者らしいんですが
↑ 良い本が読めるようになってるんですね。 ちょっと感動かも。
私もちょっと感動。高校生時代に読んで、将来を狂わされた(?)本の一冊です。
552 :
没個性化されたレス↓ :02/11/20 01:21
553 :
没個性化されたレス↓ :02/11/20 01:27
>>552 『心理学徒の「お気に入り」』スレで紹介されてましたね。
>>550 >>551 残念ながら今は絶版。Webでのみ読むことができる。
よい本は絶版の法則。
私は自分の「心理学」の指定図書にしたり,
新入生向けのゼミのテキストにしたりしている。
555 :
没個性化されたレス↓ :02/11/21 15:26
紅葉はなぜ綺麗か。 進化心理学的に考察せよ。
>>555 文化影響も否めない
あいにく知人に言わせれば
「紅葉は汚くて嫌いだ、深緑のほうがずっと美しい」のだそうだ
進化心理学考察もいいが脳や認知科学からしてまだまだ美はナゾらしい
「脳は美をいかに感じるか」セミール・ゼキ著 日本経済新聞社
>>555 私は紅葉を一度も美しいと感じたことないです。
茶色っぽくて汚らしいだけ。私のように色覚異常
(昔で言う赤緑色弱)を持っている人には多いらしい。
558 :
没個性化されたレス↓ :02/11/21 16:30
>「紅葉は汚くて嫌いだ、深緑のほうがずっと美しい」 >紅葉を一度も美しいと感じたことないです 紅葉の美しさについて反証を試みるものは 秋の行楽地になぜ人が押しかけるのかについて 適切な説明を行うこと。
>>558 他の人が押し掛けるからではないでしょうか。
他の人の行動を模倣することは,多くの場面で適応的ですから。
560 :
没個性化されたレス↓ :02/11/21 16:56
558は、そもそもなぜ 人が集まるかを説明せよ。
酒を飲んだり弁当を食べたりできるからではないでしょうか。
食物にありつけることは,多くの場面で適応的ですから。
そもそも,紅葉がなぜきれいであるのか,と
紅葉を見になぜ多くの人が集まるのかは
全く別の問題だと思います。また,紅葉がきれいであるという
ことの根拠に「紅葉を見に多くの人が集まる」という
ことを置いてしまったら,美は間主観的,あるいは文化的に
定義されてしまいますから,
>>555 の問いが問えなくなって
しまうのではないでしょうか?
562 :
没個性化されたレス↓ :02/11/21 19:27
説明変数と目的変数を混同している561は 「紅葉が美しい」という要因以外に 秋のいろは坂が混雑する理由を説明すること。
564 :
没個性化されたレス↓ :02/11/21 19:44
スレ違いと考える563は、間主観性の問題と 進化心理学が無縁であることを論証せよ。
565 :
没個性化されたレス↓ :02/11/21 20:34
美は知覚に関わる心理学の中でも極めて厄介な問題の一つだからねぇ。 ただ、何に美を感じるかには文化的相対性があるとしても、その者それぞれに とっての美なるものに感動を抱く性質をヒトが持っているのは確かなこと。 そのレベルでは、美学の生得性は皆無ではあり得ないだろう。
>>562 >>564 もうこれでやめますが,あなたが言うように人が集まる,というのが従属変数だとして,
それが「紅葉の美しさ」という独立変数と因果的に関係しているかどうかは,
まず独立変数が明確に定義されて,かつ操作され,その結果従属変数が変動する,
という事実によってしか確認できません。因果関係は仮説的に提示されている
だけの状態で,人が集まるから紅葉が美しいと思われる,とか,いろは坂が
混むから紅葉が美しいと思われる,と言うことはできません。
この議論は純粋に論理の問題で,間主観性の問題とは関係ありません。
したがってこの議論は明らかにスレ違いです。
ちなみに,秋のいろは坂が混雑する理由は,いろは坂を快適に通行可能な
自動車の台数が,実際に集まる自動車の台数より少ないからです。
自動車が集まる原因については,それを判断する情報が与えられていない以上,わかりません。
567 :
没個性化されたレス↓ :02/11/21 20:56
「紅葉を美しいと思わない人が多数である」を論証できない 566は改めて555に答えること。
紅葉は美しいという前提を自明のものとして提起する時点でアウト。 議論になりませんので、お引き取りください。
569 :
没個性化されたレス↓ :02/11/21 21:08
>>576 美に対する感受性が適応的である可能性として
どのようなものが推定されるか。
人間の美に対するそれなら、対人魅力とか、 生殖行動にも大きく関わるから重要性があると直感的に分かるが、 風情の美やら、はては様式美やらとなると、非常に難しいな。
571 :
没個性化されたレス↓ :02/11/21 21:24
「紅葉は美しい」という前提を置くことが無効であると 主張する568は、どうしても主張したいのであればその 論拠を示すこと。ただし、ここでの趣旨からはずれるため あまり推奨はされない。
572 :
没個性化されたレス↓ :02/11/21 21:29
>風情の美やら、はては様式美やらとなると、非常に難しいな。 これらは単なる多面発現以上の意味があるのであろうか。 あるとすれば、何なのであろうか。 こちらの議論の方が555の問いを立てた趣旨を反映している。
573 :
没個性化されたレス↓ :02/11/21 22:54
実りの季節の色だな。
574 :
没個性化されたレス↓ :02/11/21 23:02
そもそも帰無仮説になりえるのはどっち?
私は紅葉を綺麗と思いますし そう思う人は多いと思います。 「綺麗でない」をデフォルトに するのは無理では?
576 :
没個性化されたレス↓ :02/11/21 23:57
>>575 「きれいでないをデフォルトにする」という話ではなく
紅葉はなぜ綺麗か。進化心理学的に考察せよ。(555)
「なぜこの設問に於いて”きれいである”がデフォルトなのか」ですね。
進化心理学的考察以前に、まず比較文化的検証が必要なのでは。
紅葉が美しいとされているのは通文化的現象なのか。
で、通文化的に紅葉が美しいとされているという結果が出たのであれば、
さらにそれを
収穫のご利益から文化的にそのような価値観が形成されているのか
心理的に「紅葉のような色彩パターン」を美と感じるようになっているのか
など、進化心理学的考察以前に、文化心理学や認知科学で検証する必要がある。
ヒトは文化的構築ではなく心理的に「紅葉のような色彩パターン」を
美しいと感じるようになっている
という検証結果が出て初めて、進化心理学的考察が可能になるのでは。
その前提なしにいきなり進化心理学的考察をせよと言うのは無茶でしょう。
577 :
没個性化されたレス↓ :02/11/22 00:00
>>576 訂正 ↓↓↓
ヒトは文化的構築ではなく生得的に「紅葉のような色彩パターン」を
美しいと感じるようになっている
という検証結果が出て初めて、進化心理学的考察が可能になるのでは。
しかし、ゲシュタルト心理学的にいえば紅葉の美しさは その色彩パターンや形状やあるいは鑑賞行為そのもの などの一点に還元することはできないという罠。
579 :
没個性化されたレス↓ :02/11/22 01:26
進化心理学の研究対象を誤解している577は 進化心理学と文化心理学の関係を考察する ことを試みよ。
580 :
没個性化されたレス↓ :02/11/22 04:21
「〜〜は〜〜せよ。」類の命令口調氏、 たまには何か建設的かつ具体的な内容の教示をしてさいまし
自分でネタを振ろうとしたが、「〜せよ」がハードル高すぎる。 にんげんはなくてななくせよ。 あなたといるのはしあわせよ。 であいとわかれはとなりあわせよ。
ロボのケツはくせーよ。
アンニョン ハセヨ
…ああもう、荒れるから「紅葉」にこだわらず もっと建設的な会話に持っていこうよぉ
587 :
没個性化されたレス↓ :02/11/22 06:32
589 :
没個性化されたレス↓ :02/11/22 09:52
586、587は良いレスである。
590 :
没個性化されたレス↓ :02/11/22 12:21
進化心理学って社会生物学の名前を変えただけって聞いたんだけど、 ガイシュツ?
>>590 過去ログYOME!
相当違うことが分かる。
「過去ログYOME! 」 だが、知能指数を数ポイントながらも左右する遺伝子群が特定されている という事実だけをとっても、人間を語るときに進化の影響を考えても良かろうに。 しかも、このスレみてれば分かるが、「遺伝子によって全てが決まってる」 なんていう主張は、誰もしていない。 何か問題でも?
594 :
没個性化されたレス↓ :02/11/22 13:01
「誰か進化の心理について分析して下さい」スレが! ここに「進化心理学」誕生ぉおおお。
>>593 社会生物学もそんなこと言ってないと思うが。
社会進化論とかと混同してないか?
>>595 その二つを区別しているならば、進化心理学と社会生物学を
あえて区別する理由ってなーに?厳密に言えば、社会生物学に
刺激を受けて細々と積み重ねられてきた研究の成果が、近年
一気に吹き出したのが、進化心理学、といって言えないことも
ない。
>>595 社会進化論はますますそんなこと言ってないと思うが。
遺伝決定論と混同してないか?
>>596 俺は「対象が違う」というくらいにしか認識していない。
少なくとも進化心理学者はアリやカエルの研究などはやらない。
政治的な理由で名前が変わったって本には書いてあったけど、 なんか社会生物学しくじった?フェミニズムの逆鱗に触れたとか?
>>599 社会生物学やってる人は、行動生態学と自称する人が多いように思われ。
ちなみに、前者はアメリカで、後者はイギリスでよく使われる言葉。
日本では、最初「社会生物学」で入ってきて、学者も一般人も激しく
嫌悪・反発したので、確かに今でもイメージ良くない。
従来の心理学より、究極要因より 社会生物学より、至近メカニズムよりの 空白領域を研究するのが進化心理学 だと期待しています。
どちらの側も、自分のやっていることの方が空白を攻めてると 感じているみたいですね。まあ頑張りましょう。お互い。
>>599 しかし、進化心理学者はアリやライオンの研究で得られた原理・知識を
基礎知識として共有している。これはかなり大きい。
それなら学習心理学者はマウスやハトの.....(以下略 つまりはそんな問題じゃネエダロといいたい。
605 :
没個性化されたレス↓ :02/11/22 17:16
ふーずっと前に始めた進化心理の実験がまだおわんないよ。 あと何万年かかるのかな。 進 化 す る ま で 。
ダーウィンは、進化はどれくらいのタイムスパンで起きるのかと人に問われて、 50年くらい見て取れば観測できるんじゃないかなぁ、と言ったことがあるそうだ。
>605 お疲れさまです。でも、「進化するまで」と いうのは実験デザインに問題があるのでは?
608 :
没個性化されたレス↓ :02/11/22 17:21
種、観察するものによるでしょ。鳥でも二世代見れば変化が観察される 場合もあるし、微生物なら数時間なんてのもあるでしょ。 ま、オレなんか日々進化してるわけだが。
ネオ・ダーウィニズムの理論体系に則したやり方で、 突然変異の発生確率を元にして進化の数理モデルを作った奴がいたはずdが。
>>609 フィッシャー、ホールディン、ライト。
集団遺伝学ともいいます。
ライトの中立突然変異を採用すれば、 様式美を愛でる性質には適応性は何もないが、 中立突然変異によって定着したのだ、ってのもアリか?
イントロンの塩基配列のように表現形に影響しない (したがって中立な)形質以外は、何か影響ありと見て 考察した方が生産的な気はしますね。 (=中立の可能性はあるが、デフォルトを「影響あり」として 思考実験してみる)
まあ、適応的か不適応的かはともかくと 何も影響がないわけはないんだけど、具体的に どういう影響があるかの理論を示すとなるとなぁ。
とりあえずは、可能性をあげてみるのが 手順かもしれません。
じゃあ、風景美の適応性 人間は、人間にとって生存可能な、また生存に好適な環境を 視覚的に弁別し、特に好適な環境において快を感じる性質を 元来有していた。だから、緑豊かだったり、水に恵まれた環境を 美しいと感じる性質がある。同時に、砂漠や荒涼とした大地は 美しいとは感じないようにできている。 人間が都市を建設するようになってからこの性質は不要になったが、 バカンスなどで生理的機能を安定させる役目を担って残存した。
河合雅雄氏だったかが、西洋庭園の風景は サバナの風景だと書いていたような気がします。 サバナで暮らしていたころの記憶が、残って そのような風景を好ましく感じさせるのだ、と いったストーリーでしたね。 でも、サバナを出てから10万年以上は残りすぎかも。
「美しい」=「望ましい」=「適応的だと認知」 という等式がなりたつのかどうかも、やや疑問が のこるところではありますが。
>>608 >ま、オレなんか日々進化してるわけだが。
「進化」と「発達」の定義をそれぞれ聞いてみたい(笑
>>610 このフィッシャーと心理学者が昔からお世話になってる
フィッシャーは同じ人だという罠。
統計やる人でフィッシャーのお世話になってない人はいないという罠。
621 :
没個性化されたレス↓ :02/11/24 01:01
>>621 「悪い意味で」いかにも進化心理学的な発想ですね。
第1近似として、そんなもんかなという気もしますが 詳しく検討するには力不足な感じです。
624 :
没個性化されたレス↓ :02/11/24 16:14
人間行動進化学と進化心理学はどう違うの?
625 :
没個性化されたレス↓ :02/11/24 23:44
626 :
没個性化されたレス↓ :02/11/25 00:38
続き 望ましい=心地よい=「味覚(美味しい) 「視覚(美しい) 「聴覚(きれいな音) 「臭覚(いい香り) 「触覚(いい気持ち) 言語的に分化してるが、元は同じもの?
627 :
没個性化されたレス↓ :02/11/25 02:13
>>626 「快,不快」「ドーパミン」「セロトニン」「扁桃核」「報酬回路」
などの用語も用いて考えるべきことがらかも。
>>587 , 624
「人間行動進化学研究会」ではどう説明している?
628 :
没個性化されたレス↓ :02/11/25 02:58
今度、東大安田講堂で長谷川&松沢が講演するみたい。 進化心理学に興味があるなら覗いてみてもいいかもよ。 講演自体は無料だし。 //wwwsoc.nii.ac.jp/cgi-bin/jpa/minibbs.cgi?log=log1
その「なんでも後付けの説明」が「悪い意味での進化心理学っぽさ」なんですが。 あと,非適応進化というのがあり,もしかしたらそれが進化の大半を占めるかも 知れない以上,「今そうであること」を何らかの適応(のそのまた可能性)から だけ説明するのは無理だと思います。
>非適応進化というのがあり,もしかしたらそれが進化の大半を占めるかも知れない 無茶を抜かすな類人猿。
>>632 あなた,高校生向けの入門書でいいから進化生物学の本一冊読んでみて下さい。
少なくとも量的には,進化の間違いなく過半数は非適応進化だと思いますよ。
なに、沈黙の遺伝子の話? あれは「形態に表出しない」変異がある時期の適応に備えて 蓄積されるものとして推測されているわけで、「非適応進化が 進化の大半を占める」などと言うものではないぞ。 非適応進化が真に進化の大半を占めるという主張は、 ネオ・ダーウィニズムのみならずラマルク以来の 全ての仮説をひっくり返す無謀な主張に他ならないが?
>>635 悪いことはいわないからせめて
>>549 にリンクされた本でも
読んでから議論した方がいいと思います。
単に「本を読め」しか言わない奴は自分が厨房扱いになるという 議論の基本的ルールを知らんのか、半可通よ?
>>635 >>637 進化とは,あなたが考えているように生物が高度化したり
複雑化することではなく,遺伝子の変化が世代を超えて受け継がれることです。
そうした遺伝子の変化の多くは,必ずしも適応的でなくても,不適応でないかぎり,
偶然によって子孫に伝えられる可能性を持ちます。あなたがいうように,
そうした偶然の進化のごく一部は,のちに偶然に適応的となることも
ありますが,大半はとくに適応に役立たないまま,また偶然に従って
増えたり減ったりし,ときには固定します。これも偶然。
人間行動のさまざまな特徴にも,べつに適応的であるからではなく,
単に偶然にそうなって,とくに不適応ではないから子孫に伝えられて
いるだけのものがかなりの割合含まれているはずです。ですから,
「現在そうである」から「何らかの適応的意味がある(あった)はず」と
考え,その適応的意味を探ろうとする「悪い意味での進化心理学的思考」は,
必ずしも正しくありません。
木村博士のいうような、中立的な分子進化は進化論の原点である 「淘汰」のシステムから独立に存在しているわけじゃない。 ナンセンスコードや、タンパク質指定コードなどの文字通り 「どっちであっても構わない」位置の変異だから適応と 無関係でいられるだけで、「美」なる刺激に対する反応のような 長い目で見れば種の行動そのものを大きく変化させるであろう 傾向を「中立的な分子進化」の上に見ようとするのは上で言われた 通り苦しいものがある。それにもう一つ厄介なことに、中立的・ 非適応的進化は種ではなく群の中で進行してしまうわけで、 もしも人間のこういった行動メカニズムが中立的だとしたら、 この問題のように「どんな刺激が強化随伴性として働くか」が ネイティヴアメリカンとアボリジニと北欧人とでは違う、 つまり、「ヒトは原則として共通の学習メカニズムに従っており、 何が強化随伴性となるかは学習歴によって異なる」という 行動分析学の前提もひっくり返ってしまうことになる。 行動分析に限らず、認知にせよ何にせよ同じことであるが。
こうした偶然の進化は非適応進化の代表的なものですし, ほかにもいろんなパターンがありますが,遺伝子の変化, という意味での進化の中では,少なくとも数的には 圧倒的な多数が非適応的進化で,適応率の変化を伴って 淘汰圧を受けるような遺伝子の変化はごく一部です。 もちろん,そうしたごく一部の適応的な変化が,生物の ありさまを変える大きな力をもっているのは確かですが。 簡単な説明はしましたので,あとはぜひ本を読んで下さい。 本を読むことはかならずあなた自身のためにもプラスに なると思います。
つかアンタ、人間の行動の「さまざまな特徴」がどんな形で 遺伝子の変異レベルに落としこめると思ってんの? 遺伝レベルで変化しうるのは大まかな「行動傾向」であって、 個々の特徴じゃあないんだよ。 何を根拠にして「心理学で扱うレベルの人間の傾向は 特に適応的でも非適応でもないからそうあるのだ」 と言えるんだ?それこそ、「素朴進化心理学」と同レベルの、 能天気な前提に基づくものに過ぎんだろうが。 ちなみに心配してもらわんでも種本の一冊くらいは持ってるので、悪しからず。
つーか、そういう「勘違い」の生まれる素地ってのは、 分子進化の中立説がいまのところ必ずしも上手く 「表現形質レベルの適応放散」と理論仮説上 うまく結び付けられていないことなんだよ。 そこに混同があるから、無茶な発想も出てくる。 現象面での生物の適応性を軽視して、 遺伝子の動きだけを見ていくとそりゃそうなるだろうがな。
>>639 「種」「個体群」「遺伝子」「進化」などの概念と,現在の進化論との関係を
もう一度確認されたらよいと思います。上のレスで示したリンクが役に立ちます。
適応的進化も種ではなく群,もっと正確には遺伝子に「進行する」ものです。
また,ある行動メカニズムが適応的に進化したか中立的に進化したかと,
たとえば人類の中でその行動がどのくらいの頻度をとるかはまったく関係ありません。
強化随伴性のような行動メカニズムは現在は明らかに適応的ですし,かなり古い
時代から適応的であった(これは他の生物においてもそれが適応的であることから
わかります)でしょう。そういったものと,たとえば美を感じるといった,そもそも
現在でも適応的かどうかの判断自体難しいものとを同列に考えるのは無理です。
なお,強化随伴性への感受性が人類に共通である,というのはあくまでも作業仮説で,
最近ではそれにかなり大きな個人差があることもわかってきています。おなじ人類でも,
集団分岐からそれなりに時間が経てば,生息地などで異なった進化をしていることは
ありうることですし,文化と遺伝子の共進化のようなことが実在するならなおさらです。
>>642 もちろん,特定の人間行動が非適応進化によるものと断定することなど
できません。これは,それを適応進化によるものと断定することができないのと
同様です。しかし,進化が多数の非適応進化と,少数の適応進化からなることは
ほとんど間違いのないことですから,アプリオリに人間行動を適応進化したものと
考えて,「推測される適応のパターン」だけからその由来を説明することは危険です。
>>つかアンタ、人間の行動の「さまざまな特徴」がどんな形で
>>遺伝子の変異レベルに落としこめると思ってんの?
>>遺伝レベルで変化しうるのは大まかな「行動傾向」であって、
>>個々の特徴じゃあないんだよ。
その考え方には私も大賛成です。しかしそうであるなら,なおさら特定の
人間行動を適応進化という比較的限られた進化だけから説明するのは間違いでしょう。
>>642 >>現象面での生物の適応性を軽視して、
>>遺伝子の動きだけを見ていくとそりゃそうなるだろうがな。
よいポイントです。
「現象面での生物の適応性」というのは,進化(遺伝子)と環境との複雑な
相互作用の結果です。また,遺伝子の働き自体も複雑に相互作用し,その効果は
一義的には定まりません。そうなるとなおさら,人間の特定の行動を安易に
適応進化だけから説明することはできません。
>>ちなみに心配してもらわんでも種本の一冊くらいは持ってるので、悪しからず。
種本が悪いと思われます。どんなものをお読みですか?
進化を自然選択(淘汰)と適応進化だけから論じるのは,人間の行動形成を オペラント条件づけだけから論じるのと同じようなことです。もちろん, それにはそれなりの説明力がありますが,それだけではわからないことが たくさんあります。
なんか、本物の進化心理学者か生物学者が集まってきたヨカーン
>>646 >それだけではわからないことがたくさんあります。
他にどのような説明変数を導入すると分かることが
増えるのか、ご教授いただけると幸いです。
>>638 は気の利いたことを言っているように見せかけて、
自分の使っている定義しか理解しておらず、相手の
主張の話のツボも何も分かっていない阿呆。
前から言ってるように、分子進化レベルでの話に拘って、
淘汰の重要性という視点がすぽーんと抜けてるんだよ。
現在ある人間の諸形質が全て適応性の故にそうある、
などという素朴な立場はこちらも採用してはいないのだが?
651 :
没個性化されたレス↓ :02/11/25 23:36
すごく単純化して言うけど、淘汰圧として、 有益な食べ物を美味しく感じる個体は有利。 有害な食べ物をまずく感じる個体は有利。 食べる前に匂いで嗅ぎ分けできる固体は有利。 食べる前に遠くから見分けができる固体は有利。
味覚嫌悪学習のできる個体は有利。できない個体は不利。
あと、あれですね。
>>177 さんに付け加えるとすると。
>>646 >それにはそれなりの説明力がありますが,それだけではわからないことが
たくさんあります。
現状の646さんの使い方では、中立説は「何のデータもないのに全ての現象を完璧に説明しつくし、
やってもみないうちから研究活動を停止させてしまう伝家の宝刀」のようなものですね。
中立説にしても、適応論にしても、最終的には分子レベルからもっと高次のレベルに至る、
様々なデータによって実証していくことが可能でしょう。「いずれは」ですが。
しかし、人間の「行動」に関する近接要因、ひいては、遺伝子が行動に影響する
ルートが解明途上である現在、少なくとも、分子レベルでの変異蓄積率などを
測定して中立説を支持するデータを得るのは困難。
一方、適応論の場合には、ひとまず「もしある形質Xが適応的であるとするならば、 いかなる条件下で、その命題は成立するか?」を考えることで、そこから仮説を導き、 またそれを実証していくことが「部分的」には可能です。 実際、進化心理学というか、人間行動生態学は、そんな研究を地道に積み重ねて 我々素人がみても「ほほぅ」と思うようなものを見いだしてきた。批判は多くとも、 その批判が、新たな研究を刺激する。 しかし、現段階では中立説は「ムダムダァ?!!」と主張することで、これら一連の 研究を否定・中断させる機能しか持っていないでしょう。 なにか、かっちりとした数理モデルが存在し、なおかつ、それらを 部分的ながらもサポートするデータがあった上で、「人間行動の大半は 非適応進化」と主張されるのならば、まだしも、ですが。 「以上は非適応進化の可能性を全否定する話ではない点に注意してくださいね。」
ここで中立説の是非を論じるのも 如何なものかという気はしなくもないが、 面白いからもっと頼む
>>646 >「現象面での生物の適応性」というのは,進化(遺伝子)と環境との複雑な
相互作用の結果です。また,遺伝子の働き自体も複雑に相互作用し,その効果は
一義的には定まりません。
私はただの進化心理学シンパですが、そんな私が見ても、そんなレベルを理解した
上で、議論は進んでいると思ってますけど(参照
>>1-637 )
>そうなるとなおさら,人間の特定の行動を安易に
適応進化だけから説明することはできません。
そんなこと、誰もしてないと思いますが?
唯一この点において、
>>638 のような誤解が生じるのも無理ないか、と
思う点があるとしたら、いわゆる進化心理学者が書いている「理論的論文」と
「実証的研究」には、大きな乖離が存在してしまっている、という点でしょうか。
理論レベルでは、
>>638 さんのような批判なんてとっくに承知の上で、大きなロードマップを
作っているけれども、実証研究「だけ」を取り出してみれば、
>>638 さんのような
批判を受けかねないものも多い。
とはいえ、
>>638 さんの批判点は、主に「人間では適応進化の可能性は極めて低い」という
「理論的に演繹された主張」のようですから、ここで書いた話はあまり関係ないかも
しれませんが...あくまで思いついたことを。
進化心理学シンパ必死だな(藁
>>650 生物学の世界ではいまは進化研究=分子進化の研究。
生物屋の中でもあなたが言うように「分子進化レベルの
話にこだわって」実際の生物を見ていない、という
反省とか忸怩みたいなものはあるけど、だからといって
分子進化の話をきちんとしない限り、進化論はたんなる
「お話」になってしまい、科学にはならない。
たんなる「お話」でよければ進化論は限りなく楽しい。
分子レベルを無視して自然淘汰だけで語れればもっと楽しい。
竹内久美子だって楽しいし、生物屋から見ると進化心理学と
いうのもずいぶん自由で楽しそうに見える。
隣の芝生は青く見えるものです。
>>659 とりあえず、進化心理者の話を聞いてると、分子生物学を無視してるわけじゃないですけどね。
一番良くないのは、進化心理学の一部の悪い部分だけを取り出して、
分子生物学から人間行動学へと至るシームレスな統合科学の可能性を捨て去って
しまうことだと思いますが。
>>661 行動の「シームレスな統合科学」を「進化という一つの原理で分子から
人間行動までを説明する科学」とイメージする人は進化心理学を
名乗るんだろうね。しかし,ほかのイメージもあり得るだろう。
ときに,190が上でいってたように進化心理学が利用可能な進化パラダイムが
適応進化だけなんだったら,進化心理学はむしろ「ダーウィニズム心理学」とか
「心理ダーウィニズム」とかと名乗った方が誤解が少ないのでは? お好みなら
「ネオ」を入れてもいいけど。
じゃあ俺は中西心理学という方針で。
>>659 うん、おまいさんの単純明快でドグマティックなおつむの中には
「分子進化を無視する」と「分子進化の枠組みだけで全てを考える」
の二択しかないのだということは非常によくわかった。
心理学が取り扱うような人間の認知・行動レベルの特徴ってのは
当然ながら全て表現形質として捉えられるものであるからして、
中立説は念頭には置くにしても、現状では使い道がないわけだが。
>>664 この人がいなければもうちょっとまともな話ができるのになあ。
たとえば、どのような話でしょう?
>>664 まず「中立説」と「非適応進化」とは関係はありますが,別々のものです。
別に中立説をとらなくても,進化の中に偶然で非適応的なものが数多く
存在することは,誰でも認めることです。
また「表現形質」として捉えられるか捉えられないかと,それが適応進化で
あるか非適応進化であるかとも,関係ありません。非適応進化と思われるもので
表現形質として捉えられる例はいくらでも挙げることができます。端的に,
地球上の植物や動物が(ニッチを共有する同種の群の中でさえ)これほど多彩な
外見や色,匂いなどをもっていることのかなりの部分は非適応進化で
説明されるのが普通です。
>これほど多彩な外見や色,匂いなどをもっていることの >かなりの部分は非適応進化で説明される なにか事例キボンヌです。
>ときに,190が上でいってたように進化心理学が利用可能な進化パラダイムが 適応進化だけなんだったら,進化心理学はむしろ「ダーウィニズム心理学」とか 「心理ダーウィニズム」とかと名乗った方が誤解が少ないのでは? お好みなら 「ネオ」を入れてもいいけど。 呼称が問題ならば、直接Cosmides & Toobyに掛け合ってみたらどうですか? >外見や色,匂いなどをもっていることのかなりの部分は非適応進化で 説明されるのが普通です。 中立説と非適応進化をごちゃ混ぜにしていたのはややまずかったですが、 上の文章は、ある意味当たり前の話ではないですか? ある特定の機能さえ(e.g., 目立つ)備わっているならば、それがどんなメカニズムによって 実装されようがかまわない。言い換えれば、物理的な制約や身体システム上の制約などによって、 表現形質には、何らかの制約が加わっているのかもしれない。 言い換えれば、適応とは、「制約下での最大化問題」と言い換えることができるかも。 これはあなたの考えるものとは違う話かもしれませんが、いずれにせよ、ここでのあなたの 話に致命的な点があるとしたら、「人間行動の“どの”部分が、非適応進化で説明される 可能性が高いのか?」を特定しようとしないまま(たとえ推論であってもね)、適応進化では 説明できない、と主張している点でしょうか。 もうすこし、このあたりを展開してみませんか?抽象的レベルから踏み出て、具体例を あげつつ。もちろん、ブレインストーミングみたいなつもりで結構ですから。 やはり現状では、進化心理学者がやってきた仕事のように、「批判を含めて生産的活動を 刺激する」考えには、なり得ないでしょうね。今のままの批判では。
>>667 だから、我々はそんな当たり前のことを問題としてるわけじゃないんだ、
と何度言ったら理解できるんだい、専門馬鹿の坊や君?
>>669 の私、なにやってんでしょう。日本語がめちゃくちゃですな。
>>670 専門馬鹿って,私ただの心理学者なんですけど。
それに専門も進化とは全然関係ないですよ。
おかしなステレオタイプを押しつけないで下さい。
なんていうと今度は専門家じゃない奴の意見など聞かないとか
言い出すんでしょうね。笑っちゃうな。
ちなみに,私は190氏のように比較的きちんとした知識を 節度を持って用いる人や,そういう進化心理学を批判する つもりはありません。単に概念を不正確に使って,批判されると 汚い言葉で人を罵倒するようなヤシが嫌いなだけです。 スレを汚してすみませんでした。
674 :
没個性化されたレス↓ :02/11/26 20:54
心理板で荒れたスレは数多あれど、ここには、それほど口汚い人が来ているとは思いませんけどね。
少なくとも、ロボさんとか、PPPさんとか、XYZさんが乗り出してこない以上、
このスレはそうとう平和ですよ(W
(彼らが荒らすのではなく、荒らしあるところ彼らが乗り出す)
ともあれ、数多い人間行動・心理的メカニズムの中でも、どんなものが
「中立進化・非適応進化」で説明され得ると考えているのか、ぜひ聞かせてもらえませんか?もっと「具体的」な話を。
「適応論派」進化心理学が適用可能な境界条件を巡る、意味のある話に発展するかもしれませんよ。
>比較的きちんとした知識を節度を持って用いる人や
やっぱり集団遺伝学の話だったら、フツイマでもちゃんと読んだ方がいいんでしょうかね?
>>177 さん
何か、良いテキストありますか?
>>675 前から参加してるじゃんかよ。
乗り出してはいないけど。
最近バグり気味の人工無能でつが,おちゃらけて良い場所とダメぽな場所は弁別できまつ.
当方この分野では素人ですが、進化心理学には、そもそも人間の「心理」の諸特徴を、 それが生じた時代区分別に簡単にでも並べてみようという試みはないのですか? 脳の系統的発生は進化樹形図ごとに対応しているわけだから、(大脳が今の形にまで 発達したのはクロマニヨンから、とかそういう)脳科学の知識、比較行動学の知識と合わせれば そもそも「この特徴は脊椎動物になった当初からあった」(条件反射とか)、 「この特徴はおそらく現生人類が生じたあとに生まれた」というのはある程度 絞り込めるんじゃないかという気がするんですが。むろん空白は多くて不完全であるにせよ。
>>679 とっくにされてるでしょう。自然人類学とかで。ただ脳の化石なんてないから
相当あてずっぽうの議論にならざるをえないでしょうが。
例えばこんなのはなかなか良書かも。
心の先史時代
スティーブン・ミズン 著 松浦 俊輔 訳
199808 刊
判型 4-6
416 頁
3200 円
ISBN4-7917-5653-3
人間の進化の歴史において心はいつ生まれて、いかに進化してきたのか。
石器や壁画を遺すのは250万年前、文字はわずか5000年前ほどすぎない。
それ以前の心の先史時代に人間は何を考え、何を見ていたのか。本書は、
ひいては人間の本質まで迫る。
『分子進化の中立説』はいい本ですよw。 『進化遺伝学』も好著です。 ミズンは健闘してますが、推論が やや強引な所があります。
682 :
没個性化されたレス↓ :02/11/27 01:10
>>676 そうですけど。
ちなみに私は2〜3冊の入門書の知識だけで
レスしましたので、難しいことはわかりません(笑。
まあ、建設的に議論をしようという 姿勢があれば、話を深めていけると 思いますよ。さしあたりのお題は 「美について」のようです。
685 :
没個性化されたレス↓ :02/11/27 19:18
686 :
没個性化されたレス↓ :02/11/28 01:32
>>684 もうお題「美」はあきられているかもしれませんね。
ここでは
>>1 の提言とその場その場の連想ゲームで話が進んでいきますし、
そも「美」より進化心理学考察に適した事柄はたくさんあるでしょう。
芸と性淘汰とか、ゲイと性淘汰とか、幼児を見たときのヒトの反応とか...
(性がらみのお題は荒れる?避けたほうがいい?)
別に「美」でなくてもいいですが 性淘汰の話はどっちかというと枝葉なので もっと普遍性のあるお題キボンヌです。
人間行動の進化を考える上で最も大切なのは 「他の動物と比べて多彩な学習能力と可塑性を持ち, 遺伝などの生得的要因による拘束が比較的小さい」という 特性が,進化の過程でどのように形成されてきたかだと 思います。少し変な言い方をすれば,人間行動を 進化的に説明しにくいものにしている原因がどのように 進化したのか,ということです。
>>689 そこまで抽象的なレベルで人間の特殊性を定義するならば、おそらく答えは、
「人間が進化してきた環境は、他の動物に比べて遙かに不確実性の大きい
変動的な環境だから」
一般的に、可塑性は環境が変動する方が適応的でしょう。
そのレベル=「可塑性が高い」という点「だけ」に注目するのは、
あんまりおもしろい話だと思わないです。個人的には。どこが
どのように可塑性が高いのか、という具体的なトピックを設定して
初めて、意味のある議論が始まるのではないでしょうか。
例えば、既出のトマセロの本では、人間社会の独自性を「文化的に
行動・技術が伝達され、なおかつ、それが蓄積されていく」点に
求め、それを支える人間独自の心理的メカニズムとして「模倣の
能力」をあげている。
ここまで問題が特定されれば、「なぜ人間においてこんなに高度な模倣能力が
進化したのか?」というテーマを議論できる。
>>690 どうもここは190さんが個人的におもしろいと思う話について
議論するスレであるようですね。これは失礼しました。
ヒトの進化してきた環境が、他の生物に 比べて格別変動が大きいとは、思えません けどね。サバナにも沢山他の生物がいま したし。そんなに自明でもないでしょう。
ちなみにフツイマにも 「最近の人類進化における支配的な要因は,著しい行動的柔軟性の 進化であり,また文化を学び伝える能力である」(邦訳549p) と書いてありますね。 進化心理学が決定論的,優性学的なものにならないためにも, そのへんはそれなりに押さえておいた方がいいと思うのですが。
人間行動は進化的に説明しにくい? 環境原因だけに限らずとも「性淘汰」で行けるのではないか という話になっているのでは。 巨大脳=孔雀の尾羽だと。___長谷川女史 で、「芸と性淘汰」。鳴鳥のさえずりも性淘汰の結果。 ヒトオスの能力がヒトメスに比べて特化しやすい(偏りやすい)のも性淘汰のせい。 ヒトオスは特化と逸脱の境界線をさぐる特攻隊。
>巨大脳=孔雀の尾羽だと。___長谷川女史 その路線でいくのであれば、なぜメスはそのような オスを好むのか、という問題に答えなければなりませんね。 結局、性淘汰以外の要因に帰着すると思われます。
それにしても、真理子先生 そんなこと主張されてましたっけ。 孔雀のデータはとってらっしゃいましたが。
698 :
(´∀`) :02/11/28 22:19
久しぶりに言語学板からお邪魔するにゃ こっちでもちょうどHandicap Principleを引き合いに出したところにゃ 徐々に言語進化のほうに話題が流れてくることを願いつつ期待age
まあ、それもいいかもしれませんね。 ただ、ハンディキャップと言語の相性は どうなのでしょう? 言葉がしゃべれると いうことが顕示ハンディキャップになって るのかしらん? (ハンディキャップの説明も必要かな)
700 :
没個性化されたレス↓ :02/11/29 00:23
>>697 今年出たこの本でおっしゃってますね。
『ヒト、この不思議な生き物はどこから来たのか』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4900594512/ p.152-153 長谷川真理子
「私は、人間にとって脳はクジャクの尾羽根だと思います。」
「自然淘汰の歯止めをかけないかぎり、性淘汰は暴走するでしょう。
クジャクのオスの尾羽根も、あれ以上長くなったら飛べなくなる
ぐらいまで長くなっていますよね。いったん一つの方向に走り始めると、
歯止めがきかなくなるのが性淘汰です。」
女史は同書のp.59あたりでは
”言語の進化に関して、鳥類のさえずり”にも言及しています。
>>696 性淘汰だとけっこうケムに巻ける。
ニワシドリやツカツクリの行動、クジャクの尾羽の形成を
どう [性淘汰以外の要因に帰着] させるのか。
性淘汰だけでいいじゃないかと・・・それもそうなような違うような。
性淘汰以外の要因に帰着させるには現状の科学はまだまだ不十分で、
性淘汰だと考察するだけで手一杯なのかもしれない。
まあ、中立説で「すべては偶然の産物だ」と 主張するのと似たようなもんですね。
ただ、ヒトの大脳の進化は孔雀の羽ほど 手がかりがない現象ではないと推定されます。 あるいはイントロンの塩基配列ほど偶然に 生じたものでもないでしょう。
704 :
(´∀`) :02/11/29 03:14
>>699 言語がしゃべれること自体ではにゃく、言語に備わっている移動という特性、ないし
それを要請する「解釈不可能な素性」(まあイントロンみたいなもんにゃ)の存在に
対する機能的・適応主義的こじつけを揶揄してみたのにゃ。
ごくおおざっぱにいうとにゃ、もっと簡単な構造の言語表現ができるのにどうして
わざわざ高いコストを払って面倒で複雑な構造を作るのか、ということですにゃ。
複雑な表現のほうが異性に好まれるからという性選択的な部分も多少はあるかも
知れんにゃが、それは移動を可能にする言語能力の発生自体の説明にはなってないですにゃ。
705 :
没個性化されたレス↓ :02/11/29 03:35
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ランナウェ〜エ〜ィ \  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ∧_∧ ( ´Д` ) < ランナウェ〜ィ ( ´Д` ) /⌒ ⌒ヽ \_______ /, / /_/| へ \ (ぃ9 | (ぃ9 ./ / \ \.∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / /、 / ./ ヽ ( ´Д` )< と〜ても好〜きさ 〜 / ∧_二つ ( / ∪ , / \_______ / / \ .\\ (ぃ9 | / \ \ .\\ / / ,、 ((( ))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / /~\ \ > ) ) ./ ∧_二∃ ( ´Д` ) < ランナウェイ / / > ) / // ./  ̄ ̄ ヽ (ぃ9 ) \_______ / ノ / / / / / ._/ /~ ̄ ̄/ / / ∧つ / / . / ./. / / / )⌒ _ ノ / ./ / \ (゚д゚) ホ---ゥッ / ./ ( ヽ、 ( ヽ ヽ | / ( ヽ、 / /⌒> ) ゚( )− ( _) \__つ \__つ).し \__つ (_) \_つ / >
706 :
没個性化されたレス↓ :02/11/29 06:01
大星紘由企
>言語に備わっている移動という特性、ないし >それを要請する「解釈不可能な素性」(まあイントロンみたいなもんにゃ)の存在 「個人的に」もうちょっと詳しい解説キボンヌ。もしスレ違いになりそうだったら、 元スレを教えてもらえませんか?
>移動という特性 というのが良くわからないでつ。
709 :
(´∀`) :02/11/29 14:30
まあ、心理学諸氏とは折り合いの悪い生成文法の話しにゃから、あまり詳しいことは書きたく
ないんですけどにゃ、かつて虚無好き先生が心理板にたてた「言語能力は生得的か」という名スレが
あったにゃ。
http://yasai.2ch.net/psycho/kako/1005/10052/1005233144.html 今回直接関係しているのは
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/gengo/1022592781/l50 の最後のほうにゃ。
「移動」というのは文中の要素が本来意味解釈を受ける位置とは別の位置に転位して発音される
現象を捉える理論装置ですにゃ。たとえば
1) 太郎が [ 花子があのメロンパンを食べた] と証言した。
から、埋め込み文中の目的語「あのメロンパンを」を主節文頭に移動して
2) あのメロンパンを太郎が [ 花子が t 食べた] と証言した。
と言うことが(個人的な好き嫌いは別にして)可能にゃ。(t は移動後の痕跡traceの意)
しかし同様に
3) 太郎が [[ 花子があのメロンパンを食べた] という証言 ]を翻した。
から、
4) *あのメロンパンを太郎が [[ 花子が t 食べた] という証言 ]を翻した。
と言うことはできないですにゃ。生成文法的には、この移動や移動の制約の知識はどこから由来
するのか(生得的か学習か)、に加えて、なぜそもそも人間言語にはそのような移動や制約が
備わっていなければならないか、という問題が重要なのですにゃ。で、後者については、選択万能の
ウルトラ・ダーウィニズムを徹底的に叩いているということですにゃ。
「好き嫌い」と「可能・不可能」の区分がどうしてもわかりません。 どのような判別基準が設けられているのでしょうか?
そういうことを考えだすと、主語や目的語 や動詞や複文や重文やが、どうして進化 したのか、の方が不思議な気がしますね。
714 :
(´∀`) :02/11/30 03:15
勝手に乱入したのに無理やりお付き合い願ってるようで気が引けるにゃが……
>>710 実はそこが一番やっかいなとこなんですにゃ。
誰がみてもOK、アウトという明白な例はむしろ稀で、たいてい人により文脈により
判断が揺れるような複雑な例文が問題になるにゃ。
だから例文判定にあたっては、その人がその例文が言語知識のどの部分についてテスト
するものであるかを理解し、それに関係のないノイズを自分で除去し、時には自分で
あれこれ対照群を考えながら確認することが求められ、かなり理論依存的な行為に
なってしまうのにゃ。それで、専門家でなければ例文判定できない→専門家だけで勝手に
都合のよい判定をしている、などと疑惑の目でみられてしまうことがよくあるにゃ。
とりあえず709の(2)に多少ひっかかる人も、(4)との間には質的差があるという直観は
働くのではないですかにゃ?
715 :
(´∀`) :02/11/30 03:16
>>713 言語板では、と訊かれても分からんですけどにゃ、生成側からはほとんどトンデモ本というか、
全体が単なるたとえ話程度にしか見られてないと思うにゃ。どこかウィルス進化論のパロディ
みたいなとこもあるにゃが、できるだけ好意的にみると、言語が他の認知モジュールから
独立したものであり、その特性は汎用認知能力などには還元できないという生成の主張を、
まるで言語が突然人間の脳に住みついた外来の生命体であるかのように描けば分かりやすい、
といった程度のことで、あまり真剣に検討すべき提案は見当たらない、といった印象にゃ。
>統語構造が遺伝子によって組み込まれているという(極端な)生成文法主義
初耳だけどにゃw
まあ、言語の話題が出てきたらまた顔出させてもらうので、こっちは気にせず議論を続けて
下さいにゃ
ふーん、そうなんですか。ただ、ウイルス進化論とは全く違う話だとは思いますが。 >初耳だけどにゃw なるほどね。やっぱり、言語は素人が手を出すとやけどしそうですね。 何かと勉強になりますし、いつかは本腰入れて、現状を追ってみたいですね。
軽率な言い方にゃったけど、言語がウィルスだのパラサイトだのという表現がウィルス進化論を 茶化した言葉遊びみたいだと言いたかったのにゃ>「どこかウィルス進化論のパロディ」
なるほど、別に言語の進化が研究されてるわけでは ないのですね。ある種の言語表現に対して抵抗感が持たれたり 持たれなかったりすることが研究対象になっているわけだ。
719 :
(´∀`) :02/12/01 01:39
どうも釣られやすい性格でいかんにゃw >ある種の言語表現に対して抵抗感が持たれたり持たれなかったりすること は母語話者の持つ言語知識の一側面にゃが、それを含めて言語知識を明示的にモデル化し、 またその知識の習得(言語獲得)のメカニズムを解明するというのがこれまでの生成の テーマにゃった。とりわけ、言語獲得の問題と連動して普遍文法(UG)の仮説が提案され、 ヒト種に共通で言語に固有の認知基盤、いわば各個別文法の雛形のようなものをヒトは 生物学的・遺伝的に規定されており、この生得的知識と各個体の初期言語経験の相関から 各個別文法が立ち上がってくるという見方が採られてきたにゃ。 ところがこのUG自体は進化の産物にゃから、UGの仕組みについてある提案がなされたと すると、それは進化論的にどのように可能であるのか、が次の問題として出てくるにゃ。 人間言語に共通の普遍的制約があり、それをすべての赤ちゃんは生得的に知っていると して、その制約自体は進化の過程でどうやって生まれたのか、まで考慮しなければUG仮説 は説得力を持ち得ない、ということに気づきだしたというのが生成の現状だろうと 個人的には感じているにゃ。
丁寧な解説、ありがとうございます。 非常に分かりやすい考え方だと思います。 思うにこれもおそらく学習アルゴリズム問題のコロラリー なのでしょうね。学習アルゴリズムには「汎用学習 アルゴリズム」と「課題特異的学習アルゴリズム」が あるようで、前者には試行錯誤学習、後者には味覚 学習などの例があるようです。 人間の社会化の過程では一連の課題特異的学習アルゴリズム が発動して、かなり一挙に社会生活に必要なソフトウェアが インストールされているようですが、「言語ソフト」は その中でも最も初期にインストールされるソフトの一つみたい ですね。 人間が生得的に持っているのは、ソフトをインストールする インストーラーで、具体的なソフトは社会集団中で維持され あるいは変動している、というのが真相のような気がします。 インストーラーの性能が、ここでいう「制約」ということに なるでしょうか。
>>720 それは比喩として言っているんですよね?
だとして,インストーラはなにによって起動するんですかね。
コンピュータの場合なんらかの入力がないと起動しませんね。
なんでしょうね。 なにかきっかけ刺激みたいなものがあるのかも しれませんね。その辺は、発達屋さんが詳しいかも。
ところで。
>>720 で書いてあることって、まさにディーコンの言ってることだと思うんですけど。
>だとして,インストーラはなにによって起動するんですかね。
コンピュータの場合なんらかの入力がないと起動しませんね。
そこは、今度は、トマセロの本の話で扱われていると思うのですが。
Terrence W. Deacon 『ヒトはいかにして人となったか―言語と脳の共進化』 ヒトを他の動物と分かつもの。言語と意識の起源を200万年の人類進化史と 最新の脳・神経科学、心理学の成果から解き明かすスリリングな探究。 というのはすぐに見つかりましたが、トマセロ(マックスプランク進化人類学研究所) の本というのはどの本でしょう?
725 :
没個性化されたレス↓ :02/12/02 09:36
ガ━(゜Д゜;)━ン! 今日が休講でしたか・・・。
726 :
没個性化されたレス↓ :02/12/02 16:15
人間行動進化学第4回研究会、 なんでいちいち各発表に入門者向けのイントロをつけねばならないのか。 その程度の入門知識は事前にMLで授受しておけよ。 北海道くんだりまで出向かせておいてあの程度とは・・・
727 :
没個性化されたレス↓ :02/12/02 16:19
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728 :
没個性化されたレス↓ :02/12/02 23:14
>>728 どうもありがとうございます。
研究会の真相はどうだったのでしょう?
>>726 何でもかんでもあらを探して文句を付ける人はどこの世界にもいるものだ。
なかなかおもしろい研究会でしたが何か?
研究会が行われた場所柄か、H大関係のポスターが非常に多いのが印象的でした。
DQN率も少なかったし研究会の楽しさを満喫できました。
731 :
没個性化されたレス↓ :02/12/03 11:26
732 :
没個性化されたレス↓ :02/12/03 12:07
>>728 なんか、「お!」って思った発表ありましたか?
「え!」っと、思った発表とかw
734 :
没個性化されたレス↓ :02/12/04 06:47
>>733 長谷川女史.
低収入,低学歴,未婚の層で殺人犯が多い,
彼らは将来の見通しが暗いから
進化心理学的に殺人へのリスクファクターがどうのと
おっしゃっていたように思う.
普通に考えれば
もともと前頭葉障害や人格障害などで
殺人含む衝動リスクが高い人たちは
おおかた日常生活にも支障をきたしていて
高収入職につけず高学歴に進めず結婚も
できていないだろう,と思えるのだが.
より正確な解説希望.
そも女史の発表内容は途中経過をちょっと報告します,という
程度のしごく中途半端なもの.
コーナーの座長でもあり,とりあえず
見せるものを用意してみました,だったのか.
心の理論を初めて耳にしたというような列席者が
少なくなかったのも・・・
735 :
没個性化されたレス↓ :02/12/04 12:35
データ自体はよく知られた統計的事実であるが, 殺人の原因を障害や衝動リスクのみに帰属するのはいかがなものか。 犯罪心理学的にも,社会経済的要因や学習の影響は決して軽視はされんぞ。 女史がなにを言わんとしているのかもその解説ではさっぱりわからんが
真理子先生は前からそのテーマを手がけてらっしゃいますが 予測を立てやすくデータが比較的集めやすいという以上の 意義があるかどうか、わたくしも定かではありません。 進化心理学の本筋からは離れているような気はするのですが。
737 :
没個性化されたレス↓ :02/12/04 17:43
>>734 の説明では「普通に考えれば」の先も間違っていないと思うけど、
それでは果たして本当にたったそれだけの話だったのかは疑問。
>心の理論を初めて耳にしたというような列席者が
>少なくなかったのも・・・
その話の続きは?
ほかに「う!」って思った発表とかありましたか?
>>734-736 その研究は、単一のデータだけを取りだして評価するのではなく、
Daly & WilsonのHomicideという本を読んでから(翻訳あり)、その流れに位置づけた上で
評価すべきでしょうね。
では,お手数だがその >Daly & WilsonのHomicideという本を読んでから(翻訳あり)、 を教えてたもれ. ここ数ヶ月,進化心理学は面白そうだと思いながら, いまだにその「意義」がよくわからない厨房より. 「進化と人間行動」も買ったけどよぉ. ヒマねえんだよぉ....ま,ヒマあっても,ここにいるんだが....
かいつまんでいいますと、殺人は通文化的に若い男性同士の 間で発生することが多い、それは繁殖戦略上、ライバルを 消すことが有利であるからだ、また夫から妻への暴力が 多いのは、女性をコントロールする力が強いほど繁殖に有利で あるからだ、さらに継母が子供を虐待することがおおいのは 遺伝子を共有しない子供に投資をするのは継母に不利になるからだ、 といったことが書いてある本です。 先に私が「予想しやすく、データが比較的集めやすい事柄」と いったのはこれらの事柄のことです。いろいろつっこみ所は ありますが、私は進化心理学の主目標は通文化性を研究すること ではないだろうと思っているので、そういう点で違和感があります。
このスレでは僕のような厨房は日々、勉強ですな。 お手数ですが進化心理学の「この本だけは読んでおけ!」をまとめてくれると嬉しいです・・・。 どなたかお時間ありましたらお願いします。
確立した分野ならば、テキストも 揃っているのですが、まだ動いて いる最中ですからね。 関心のある所から、お読みになれば いかがでしょう?
>>740 サンクス.
翻訳はコレね.
書 名 人が人を殺すとき
副 書 名 進化でその謎をとく
原 書 名 Homicide.
出 版 社 発行所=新思索社
著 者 マ−ティン・デイリ−、マ−ゴ・ウィルソン、長谷川真理子
本体価格 4,800
744 :
没個性化されたレス↓ :02/12/06 05:44
Pinkerの本もよんどけ。
745 :
没個性化されたレス↓ :02/12/06 07:12
今回はなんか毛色の違った研究発表ありましたか??
学習心理スレに行ってきますた。 途中で終わっていて残念ですた。
747 :
没個性化されたレス↓ :02/12/06 20:31
test
もし177さんが私の知ってるあの人だとしたら、「ですた」とか「キボンヌ」という
言い回しが、本人と結びつかない...ああ!
横レススマソ
>私は進化心理学の主目標は通文化性を研究すること
ではないだろうと思っているので、そういう点で違和感があります。
これは人によって様々でしょうね。個人的には私も
>>177 さんと同じような
tasteを持っていますが、進化心理学なるものの意味を人々に伝える上では、
まずは「否定しようがない通文化性」を持ってくるのは、最初の段階としては
アリだと思いますけどね。前にも書きましたが。
>>746 ちょっと残念でした。質問してた私としても。
まあ、謎の男とでも呼んでください。 通文化性の議論は長期にわたってそこで足止めを食う 可能性があるので、とっかかりに持ってくるのも あんまり得策ではない気がします。 それはそうとして、殺人が適応的であるとして (かなり疑問の余地はありますが)、至近メカニズムは どうなるのでしょうね。「殺人モジュール」みたいな ものがあるのでしょうか。
男性は平均的には女性より攻撃性が高い 女性は攻撃的な状況を回避する傾向がある この二つの要素だけでも、殺人の大半が 男性による男性の殺害であるということに 十分つながりうると思うのだけど。 ところで、殺人の案件でもっとも多いのは 「痴情のもつれ」であると聞いたことがあるが。
>>750 >男性は平均的には女性より攻撃性が高い
>女性は攻撃的な状況を回避する傾向がある
>殺人の案件でもっとも多いのは「痴情のもつれ」である
のはなぜか、というお話なのです。
究極要因として、Daly & Wilsonは「繁殖戦略上の有利さ」を
あげています。究極要因の妥当性を検討するのは進化生物学の
守備範囲なので、進化心理学的には至近メカニズムは何なのかを
考えると多少有意義かな、っと思ったのです。
>「殺人モジュール」
通ですね(W
D. Bussが何年か前の進化心理の学会で「killer module」という話をして、
みんなからボコボコにされていた、と聞いたことがあります。
さすがに、殺人は「攻撃の結果」として死んでしまった、と考えた方が
良いでしょうね。進化心理のフレームワークでは。「相手を殺せ」という
動機が近接要因として存在しているのではなく、「人前で侮辱されたら相手を
攻撃して自分のreputationを維持せよ」といった動機が、存在しているのでしょう。
それでは、そんな動機がなぜ存在しているの?(
>>750 )
そこで「そうした動機を持っていることが適応的であったのではないか?」という
「究極要因」に関する議論が出てくる。この議論は生物学が数十年前に通ってきた
道ですな。
ついでに補足。
こんな話をすると「そんなことをいったら何でもかんでも進化で説明できるだろ」と
批判する人間が出てくるだろうが、ここに竹内久美子と科学者のを分け隔てる「低くて
容易に越えられてしまいそうだが、実は以外と高い壁」が存在している。
これも前に書いた話ですが。
755 :
没個性化されたレス↓ :02/12/07 14:24
認知科学最新号でバトルやっとるよ 別のところではなんと、 トミタタカシ が論文載せとる!
攻撃への動機付けは、侮辱やら評判やらに限ったことじゃなく、 全ての不快な感情によって引き起こされる(Berkowitz,L.1993)わけで。 不快情動(あるいは状況)が攻撃性を引き起こすのはある意味当然だけど、 それはおそらく非常に古くからある生物一般の特徴の一つなわけで、 繁殖戦略のみに究極要員を還元できる至近メカニズムがあるかどうかは疑問だなぁ。 別のオスが自分のメスに近付いたときには不快情動が起こる、なんてのは 繁殖戦略上の有利さがあって生じた特徴の一つだと考えられるから、 もちろん無関係なわけではないだろうけど、「殺人」という次元で考えるのは如何か。
>「殺人」という次元で考えるのは如何か。 繰り返しだけれど、「殺人」は、あくまで「攻撃衝動」という何だかよく分からないものを 測定する一つの指標に過ぎないんですよ。 この他に、どんな「指標」が考えられるでしょうね?そうした良く分からない 物を「客観的」に観察するためには。それが存在しているならば、Daly & Wilsonだって、 それを使ったと思いますよ。 また逆に、殺人という統計データから「その背後にある動機」を議論するにしても、 同じことでしょ。「いかがなものか」タイプの議論は良く分かるけれど、 そうした批判を考慮してもなお「意味があるデータか否か」が問題なんですよ。 世の中に完全なデータは存在していない以上。
>「殺人」は、あくまで「攻撃衝動」という何だかよく分からないものを 測定する一つの指標に過ぎないんですよ。 そうであれば、「人殺し」というタイトルはミスリーディングですね。 単に攻撃性の代理指標として使っているのではなく、「殺人」そのもの を扱いたいように感じましたが。
759 :
没個性化されたレス↓ :02/12/08 00:36
ところで >不快情動(あるいは状況)が攻撃性を引き起こすのはある意味当然(ロボ 2002) なのはなぜでしょうね。不快な状況で攻撃的になると どんなご利益があるのでしょう?
大きくわけて二つかと。 1、攻撃行動による欲求不満の解消(ダラード的考え方) 2、ストレス対処行動を動機付ける(ラザラス的考え方) また、攻撃を紛争解決のための社会的機能として見る論点もある。
>非常に古くからある生物一般の特徴の一つ ということですので、ここは究極要因レベルの考察キボンヌです。 一口に不快な状況といっても、「攻撃」によって状況が好転する場合も あれば、好転しない場合もあると思われます。にもかかわらず 攻撃性が一般に解発されるとすると、そこにはどのような適応的 意義があるのでしょう?
>攻撃性が一般に解発されるとすると 人間のレベルでは、必ずしもそれはそうではない。 紛争解決の手段は多様であるが、ある人々はある状況で攻撃を選択する、 それはなぜであるか、意志決定過程と要因を解明しよう、というのが 社会的認知の立場からの攻撃へのアプローチ。 だけど、社会性などと無縁な野生生物にとっては、通常、 不快状況というのは生命の危険に直結するものであることが多いだろう。 要するに、攻撃性の機能は、闘争-逃走反応のそれと軌を一にするのではないかと。
そうなんです。普通の動物はやばいときには逃げるのが基本で やたらに攻撃はしないものです。 だから攻撃性というのは、自明に仮定できる性質ではなくって それが見られるときには説明を要する事柄なのです。
>やばいときには逃げるのが基本 それこそ、じゃあ逃走は自明と仮定してよいのか、となる。 逃走-闘争反応ってのは、そういう発想じゃないと思うけど。 逃げるのも戦闘するのも、根っこは同じ、神経系の活動亢進や ホルモンの分泌増加を前提とした副次的な反応に過ぎず、 遺伝レベルで規定されているのは、そのような生理的段階までに 過ぎないと思うな。現に特定場面で攻撃と逃走をどう選択するかは、 むしろ個体の学習や経験に依存するんじゃなかろうか。 なぜ戦うより逃げることが多いかといえば、そもそも、 やばいときというのはつまり襲われたときで、ほとんどの場合 向こうのほうが自分よりも強いに決まってるわけで。 また、生存に直結する場面での攻撃亢進状況というのは、 必ずしも急性的なものばかりでなく、空腹時、子育て時、負傷時などの もっとも動物が「危なく」なると俗に言われている状況も含められる。 進化として扱えるような心理的「性質」はあくまでもごく単純な特徴であって、 その小さな特徴が実際の生き物の行動の中では拡大・援用される形で 非常に様々な場面で影響力をもつようになる、というのが俺の考え方らしい。
そういえば、俗な話になるが、どこかの法医学者が書いていたには、 人間が最も攻撃的になるのは、弱い人間が恐怖に駆られたときだそうな。 ナイフでメッタ刺しにされた遺体がある場合、一般に人はこれを見て 「犯人は残忍である」と考えがちであるが、実際は、傷口を検分すると 犯人は被害者よりも体格的に非力であることが分かることが多い。 非力な人間は、もしも相手が起き上がって反撃に転じてきたら こちらがやられてしまうという激しい恐怖に駆られてしまい、 相手の息の根が完全に止まるまで徹底的に刺し続けるのだろうと。 ちなみに、恐怖と攻撃はどちらも、古い脳の一部である扁桃体が司っている。
>>764 NisbettのCulture of honorの話ですね。
彼は、著名な社会心理学者だそうですが、
この本自体は、どの程度、社会心理学者の
間に広まっているのでしょう?文化心理学では
良く聞くのですが。
>>765 だから、全然違うんですよ。考え方が。
「適応」という考えから見れば、まず見るべきは「行動がもたらす帰結」。
そもそも。闘争と逃走とでは、それぞれの行動が個体にもたらす結果が全く
異なる。故に、「両者は共通のメカニズムによって駆動されており、どちらの
行動が起動するかはランダムに決まる」なんていう現象が見つかったら、それ
こそ、「進化」の観点から見たら、説明されるべき大問題になるんですよ。
>遺伝レベルで規定されているのは、そのような生理的段階までに
過ぎないと思うな。現に特定場面で攻撃と逃走をどう選択するかは、
むしろ個体の学習や経験に依存するんじゃなかろうか。
もし、「攻撃すべきでない場所で攻撃するような行動傾向を学習する
学習アルゴリズム」があったら、そんな学習アルゴリズムが淘汰されて
しまうでしょう。闘争/逃走の判断が適応価に与える影響が大きいのである
限りは。
至近要因の話が続いたから、少し食い違いが生じてきたかもしれないですね。
>なぜ戦うより逃げることが多いかといえば、そもそも、 やばいときというのはつまり襲われたときで、ほとんどの場合 向こうのほうが自分よりも強いに決まってるわけで。 母集団内の全ての個体に関して、こんな命題が成立すると思います? ま、この話があり得るとしたら、タカ・ハトゲームではあらゆるタイプの 非対称型戦略が進化しうる、という話でしょうが、はたしてそこにつながるか どうか。
>>768 同種間の雄同士の闘争は上述の議論では論点に含めてないので、勘弁してください
>両者は共通のメカニズムによって駆動されており、どちらの
>行動が起動するかはランダムに決まる
ランダムなわきゃあないでしょう。
行動分析にせよ、バンデューラにせよ、個体は一定環境内において
自己に有利な行動を学習する生得的機能を有しているという前提を含む。
攻撃すべきでない場所で攻撃をするような行動傾向の学習は、
数千年前と比べても遥かに複雑で異様な刺激のもとに晒されている
現生人類においてはいざ知らず、自然状況では普通は生じ得ない。
ただ、学習能力もまた大雑把なシステムに過ぎないので、
おかしな学習をしてしまった固体は淘汰されてしまうことも当然ある。
しかし、その学習能力を持った種なり群なりのレベルでみれば、
学習アルゴリズムは当然ながら適応的なものとして働いている。
単純な相互作用論に過ぎないと思うのだけど。
それに、「同種のオスの殺害は繁殖戦略上有利であるから、 ヒトも積極的に同種のオスを殺すという性質を有している」という命題には、 闘争と逃走に別種のメカニズムを想定する必要は必ずしもない。 逃走が同じ生理的機構によって制御されていることと無関係に、 ヒトにも「不快なものは攻撃によって排除する」という性質がある。 ならば、「同種のオスによって不快な情動を喚起される」という 性質を一つ持っていさえすれば、同族殺しは多発することになる。 ただ、オス同士の性的接触を忌避させるような「不快」はあっても、 オス同士であるというだけで殺し合いたくなる、というほどの そういう「不快さ」があるかというと、俺にはないなぁ。
>>769 どんなメカニズムを通じてであれ、結果的に「適応的な行動」を
獲得するのであるならば、それは「総体としてのシステム」が、
適応の産物として進化した、と考えることが可能な訳ですよ。
「行動獲得の仕組み」がどれだけ複雑であろうとも、それは、
「その仕組みを持つシステム=例えば人間」の行動が、進化によって
説明されることを否定しない。
何だか、ますますティンバーゲン時代の議論に遡っているようなヨカーン。
>どんなメカニズムを通じてであれ、結果的に「適応的な行動」を >獲得するのであるならば、それは「総体としてのシステム」が、 >適応の産物として進化した、と考えることが可能な訳ですよ。 全く同意です。だから進化心理学は面白い。
ただ俺の場合進化論そのものについても、適応と淘汰よりも 生態学的棲み分けという発想の方が好みだったりするという罠。
ここらで、このスレの最初の方で誰かが紹介してくれたCosmides & Toobyの Primerを読んで頂いた方が良いかも知れないですね。 進化心理に関しては、3つの異なるレベルで「心理的メカニズム」に関する 議論が可能な訳ですよ。そこを混同すると話がもつれる。 1.計算理論/機能的レベル:システムはいかなる問題を解かなければならないのか? 問題の特定と、それに対する解法を明らかにする。 2.アルゴリズム・レベル:特定の機能を果たすために、システムはどのような アルゴリズムを持たなければならないのか。 3.メカニズム・レベル:上記のアルゴリズムは、システムは、どんなメカニズムによって 実装しているのか? 基本的に、ある行為システムが特定の機能を果たすためには、様々なタイプの メカニズムやアルゴリズムを考えることができる訳ですよ。だから、メカニズムなどの のレベルでごちゃごちゃと議論をしても、しばしばそれは、計算理論レベルの議論 に対する反例にさえならない。 長々と書かれていますが、どのレベルで議論をしているのかがわからないから、 ロボさんが何を言いたいのか、イマイチ分からない。
>生態学的棲み分け 今西進化論ですかね?それとも別の話? 人間行動を考えるにあたり、具体的にどんな話を考えているのですか? 「棲み分け」という時。
んーと…… 作業仮説 「同種のオスを殺すのは繁殖戦略上有利である」 を検証するのは1で、 「同種のオスを殺すための殺人モジュールがある」 は2で、 「殺人モジュールは大脳辺縁体に存在する」 は3?
>>776 単に水が合うというだけの話でして、
別に今西進化論を引っさげて総合説と向こうを
張ろうというわけではないので、突っ込みご容赦
でも適当に仮説をでっちあげてみる。
繁殖戦略における生態学的棲み分け。
個体は多様な容姿を持ち、(あるいは、複雑な弁別が可能であり)
容姿の嗜好は遺伝と学習の複雑な影響を受け多様である。
ゆえに、雌雄の頭数が均等であれば(そして、雄は死にやすいので、
概ね頭数は均等あるいは雌が多い状態に保たれることになる)
容姿の好みの振り分けによって、適切につがいが形成される。
ゆえに、多くの場合好みが合わないであろう同種の雄を殺害することは、
実際には繁殖戦略上の有利に繋がることはあまりないのである。
しかし、好みの多様性によって繁殖の機会が保証されるという
楽観的な仮定は、少なくともヒトにおいてはあまり妥当性を感じない罠。
>容姿の嗜好は遺伝と学習の複雑な影響を受け多様である。 つっこませてもらうと、適応という観点から考えた場合、 そもそもこの「前提となる現象」がどうやって生じたのか 分からない。故に、これが適応論的な議論に対する反論と なりうるか否か分からない。 ついでに言うと、(Daly & Wilsonの議論から離れ、Nisbettにも依拠しつつ、個人的な議論に 持ち込みますが)「他の男性を殺してしまうことが、配偶者獲得競争において有利」というロジックは、 何段階ものステップによって構成されている訳ですよ。 少なくとも、「他の男性を殺せば競争相手の数が減るから適応的」なんていう話ではない。 Nisbettの話などに依拠しつつ考えてみると、まず第一に「自分の体面を保つ」ということは、 人間が社会生活を送っていく上で重要な適応価を持っているでしょう。従って、「侮辱されたら それに対抗して自らがタフであることを示す」動機は、自らのreputationを保つ上で、適応的であると 言える(以上は、社会心理学者であるR. Nisbettの議論に依拠している)。 実際、D&Wが示しているのも、殺人というのは「弱い者が死にものぐるいで抵抗する」結果 というよりは、「体面を保つための争い」の結果として生じた物が、非常に多いということ(だったはず)。 ロボさんが考えている「進化心理学による説明」は、竹○久美子よりのストーリー であり、 実際にそんな話はされてないはずです。
177さんの、 >そうであれば、「人殺し」というタイトルはミスリーディングですね。 単に攻撃性の代理指標として使っているのではなく、「殺人」そのもの を扱いたいように感じましたが。 について。 「攻撃性の指標として殺人を扱う」という話は、この本の中では、 主要トピックの一つにすぎないからでしょう。例えば、実の子を殺す比率よりも、 継子を殺す比率が高い、という話は、別のトピックです。これは「殺すのが適応的」 というよりは、「実の子に対しては攻撃的衝動を積極的に抑える」心理的メカニズムが、 適応の産物として備わった可能性を示すデータとして、見ていく方が良いでしょう。 (実際、実子、継子を問わず、子殺しをしない親の方が遙かに多い訳ですからね) 「D&Wが殺人そのものを扱いたい」と言うのは、ある意味、そうでしょうね。ただ、彼らは D. Bussが「殺人モジュール=人を殺すことが適応的」なんていう話をしようとしたのとは異なり、 「殺人に見られる通文化的パターン=適応の産物として獲得された心理的メカニズムを見いだす窓」 として受け取っているように見えます。
781 :
>>190 :02/12/08 07:12
toobyたちを神格化しすぎ。 彼らもべつにそんな頭いいわけじゃない。
>>781 そりゃあね。一応、相手に応じてやり方を変えてるつもりですが。
進化心理のことを知ってる人には、C&Tなんて勧めたことはないです。
まあ、どんどん議論進めましょう。
>「体面を保つための争い」の結果として生じた物が、非常に多い 具体的には? というか、ここで想定されている「社会」って、どういう社会なの? たかだか一万年くらいにしかならない農耕都市国家社会成立以前の、 狩猟採集&原始共産の社会体制を前提とした「体面」という概念? 殺人行為の発現メカニズムそのものはともかく、 行為そのもの、あるいは殺人者に対する社会的処遇は、 文化ごとに異なる社会的規範に依存して大きく変動するわけで。 少なくとも、ほぼ全ての殺人者を社会から抹殺する体制の上では、 体面を保つために積極的に争う性質は決して適応的ではない。 また、体面を保つための戦いが、ヒトにおいては殺人にまで発展しやすいと 仮定される理由はどのへんに?Culture of honorの話も出たけど、 階級社会性の動物では、闘争は序列を定めるのに用いられ、 相手を殺すために行なわれるわけではない方が多いわけで。
この辺でタカハトゲームの解説をした方が よろしいのかしらん。先刻承知なら飛ばし ますが。
大体の結論は、掛け金が大きいほど 軍拡ランナウェイが起こりやすくなる ということが理論的に予想されます。 殺人という現象は、その副産物だろうと 私はにらんでいます。
787 :
没個性化されたレス↓ :02/12/09 14:24
認知科学のバトルで 基本的誤謬を含んだ論文を掲載する雑誌の査読の水準を疑う というのはどうかね。筆頭以外もこの記述に同意してると 判断していいんだろうね。 トミタタカシの論文、みんな見てやってくれよ!
殺人に関連する諸条件が見落とされすぎてない?それって。 ヒトは原則として集団性の動物で、集団の維持のためには 集団内の個体同士の闘争は抑制されなければならないし、 同時に、外集団に対する闘争は推進される。 今も昔も、ヒトの最大規模の集団的殺人行為は、 集団と集団との組織的対立、すなわち、戦争によって発生する。 ミームとして継承される内集団への攻撃の規制は、 社会的学習、あるいはコールバーグのいう「道徳性の発達」 として個体に獲得される。昔のことはいざ知らず、現代の道徳性は 内集団・外集団の区別なく殺人行為を禁じるものが有力だけど、 兵士としての訓練は没個性化によって抑制を低減させる。 もちろんこれらとは別の、反社会的行為としての殺人は 大昔からあったはずだけど、それはむしろタカ派同士の決闘より、 社会的な罰を避けるための、闇討ちやだまし討ちに近いもので なければならないだろう。実際、中世から近世にかけての欧州では、 決闘を違法行為として取り締まろうとする官憲の干渉が 決闘という「裏のルール」のミームを暫時消滅させていく姿が観察できる。 つまり社会的規範という条件は、タカ派に淘汰圧を加えることになる。 集団的意思決定場面(リーダー選択とか)での決闘の社会的役割と いうものはおそらくずっと古い年代から機能していたものだろうし、 確かにその名残のようなものは今でも観察はできるけど、 殺人あるいは攻撃性を支配する抑制系と促進系の機能の個体差と その学習的弾性は、繁殖戦略なんかより遥かに広汎な環境条件の もとで適応価を得てきたものだと思うんだけど。
良議論の予感。 ただし、論点を整理する必要がありそうですね。 ロボさんは、主に何を主張されたいのでしょう?
>>785 >この辺でタカハトゲームの解説をした方が
>よろしいのかしらん。
ROMってる私のようなDQSのために,
ご解説をお願いしまつ.
では、少々。 タカハトゲームは資源を巡る闘争をモデル化したものです。 資源とは餌とか隠れ家とか、あるいはメスとか、それを 手に入れると、適応度が増すアイテムのことです。 それを巡って2頭の動物が争う場合が基本設定です。 闘争の戦略として相手に攻撃を仕掛ける戦略と、攻撃されたら 逃げる戦略を考えます。前者が攻撃性が高い戦略でタカ戦略と 呼ばれます。後者は攻撃性の低い戦略でハト戦略と呼ばれます。 とりあえず、この2戦略を考え、さらに攻撃性の高低は遺伝して 子孫にも引き継がれるものと仮定します。 このときに、どのような戦略が進化するかを考えるのがタカハト ゲームの課題です。
簡単のために資源をgetすると、適応度が4%うpする ものとします。タカ戦略者とハト戦略者が対戦すると タカが攻撃を仕掛け、ハトが逃げるのでこの資源はタカの 手に帰します。タカの適応度は4%上がり、ハトの適応度は 変化しません(0%の上昇)。 タカとタカの対戦では双方攻撃を仕掛けるのでけんかに なります。けんかの成り行きにはいろいろありえますが、 どちらかが確率1/2で怪我をして逃げだし、残ったほうが 資源を得るものと仮定しましょう。怪我をすると適応度が 仮に2%減るものとすると(これが闘争のコスト) 適応度変化の期待値は 4×1/2+(−2)×1/2=1 となります。
793 :
没個性化されたレス↓ :02/12/10 00:30
>>787 どなたとどなたがバトルしてるのですか?
認知科学のサイト見ても載ってないので,詳細切にきぼー.
>>791-792 ありがとうございます.
概要はつかめた気がするのですが,
まだ,基礎的な用語が私の身についていないっていうところですねえ.
やっぱり長谷川さんの本を読むしかないようだ.また,ROMに戻ります.
タカハトゲームを人間の繁殖戦略に当てはめる場合なんだけど、 それを「資源の獲得」として見なすモデルもいかがなもんなのか。 餌や縄張りと違ってメスはメス自身にも選択権があるわけで。 女性をめぐる争い(殺し合いに限らず)というのは今もあるけど、 こういう場合えてして、必ずしも勝利者が選ばれるとは限らない。 対人魅力は複雑な認知的過程の影響を受けるわけだから。 しかも、メスの獲得が適応価をもたらすのは、実際には そのメスが自分の子を産み、なおかつその子が無事に育つ場合。 交尾後はオスはメスとかかわることのない生き物ならいいが、 人間の場合、多くはオスはメスとその子供を養う役割を負わされる。 ここまでを果たして初めて、その個体は子孫を残すことができる。 資源を得たらそれで適応価が上がる、というほど簡単じゃあない。 もっとも、婚姻制度(あるいは婚姻を媒介しない何らかの社会システム)は 非常に文化的弾力性が大きくて、掠奪婚とか、一夫多妻とか、通い婚とかもある。 これらの文化の多様性は、基本的に環境条件に対応して形成・維持される。 具体的には、イスラム教の一夫多妻制度は、戦争の多かった初期イスラム帝国で 男性の数が慢性的な不足状況にあったことへの対処として制定されたものだ。 人間の適応能力の強みというのは、環境条件に応じてもっとも適切な「制度」を築き、 なおかつそれぞれの個体がそれらの制度内でもっとも適切な行動を学習できることにある。 婚姻制度もそれと同様、「個体にとって最も有利な方略」だけでは掴みきれないと思うのだが。
俺の主張の要点は、絞っていえば 「文化相対的な集団規範としてのミームに注目せよ」 ということかねぇ。本当言うと、思いつくままだが。
とりあえず、まだ究極要因の話しかしてないのですが それはもうわかったから次へ進めということで? ちなみに私は繁殖戦略の話はわき道だと思っています。 食料資源の生産と争奪にまつわる戦略の進化が おそらくメインパスでしょう。
799 :
没個性化されたレス↓ :02/12/10 16:45
>>793 若者・長谷川夫婦:Comment
高野陽太郎陣営:Reply
Commentは論文としての一線を超えている
筆頭以外も論文をくまなく読み同意し全責任をとるのか知りたい
「基本的誤謬」といわれるようなことは たいがいが「思想の問題」なんだよな。 誰かにとっては基本的誤謬であるようなことが 他の誰かにとっては基本的前提なんだよ。 たとえば心的概念を内的実体と直接むすびつける ようなことはある立場からは基本的誤謬だけど, 別の場所ではごく日常的に行われているわけで。
お前論文読まずにレスしてるだろ
>>801 ここでの誤謬とは,”結果の解釈の違い”レベルではない
ということですか.間違って理解していると.
803 :
没個性化されたレス↓ :02/12/11 00:01
>>800 >他の誰かにとっては基本的前提なんだよ。
その、基本的前提の正否を証明する必要はないの?
>>795 ありがとうございます.一番下のリンクはわかりやすかったです.
でも,なんつーかどこぞのスレではないが,
ここでいう「適応」ってのが,なんつーか今ひとつピンとこず....
もうちょっと整理してみます.
>>803 >その、基本的前提の正否を証明する必要はないの?
横レス失礼.どのように証明できるのでしょうか?
パラダイムシフトだな、そいつぁ
>>804 進化生物学では、子供の数が多いことを適応的と読んでいます。
常にそう読み替えてもらって差し支えありません。
19 名前:世界@名無史さん 投稿日:2000/11/13(月) 17:02
個体的肉体的には 旧人のほうが勝れていたかもしれないが
新人のほうが賢く組織力が勝れていた。新人は増えた。
そのため生息地が競合する旧人は追い立てられて減った。
その過程で部分的には 旧人が食われることも当然あったろうし
旧人メスが新人にヤラレル(もしくは自ら志願も?)ことも
当然たまに あったろうが 所詮 部分的に過ぎず 考古学に跡を残すほど
もなく また交接による遺伝子伝播も その後のながい間に薄められて
確認できるほどには残ってない。結局 旧人は 種を維持する数を
保持できなくなり 自滅した。(赤の他人が 何人いれば 種は
維持できるのだろうか、生物学的にはアダムとイヴの たった
二人から何百何千万もの子孫まで広がるなんて考えられないと思うが)
それより旧人が絶滅したことより 新人がなぜ発生したかのほうが
不思議だ!
人類の揺籃期
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/whis/973488772/
食料資源の生産と争奪にまつわる戦略の進化が、環境への適応能力を高めて アフリカにしかいなかった猿人から世界に広がった原人へ、さらに旧人へ、 そして新人、現生人類までの新旧交代劇を生み出した、ってのは 古生物学の分野でも広く共有されている認識だわな。 現状を概観すれば、大草原、ジャングル、極北などの特殊環境への適応型を除けば 農業を戦略の中心に据えた連中が四大文明から、穀物メジャーを牛耳る 今日の米帝国に至るまで圧倒的な優位を誇ってきたと言っていい。 だけど、クロマニヨンと現生人類がハードウェアレベルでは同一であるという 一般的な認識を持ち込めば、少なくとも現生人類以降、人類はミームを発展させただけで、 心理的機能の面ではほとんど変化が生じていないことになる。 まあ、今の人間が知らないだけで、淘汰されて消えてしまった 「不適応な特徴をもっていたヒトの祖先の仲間」もいたのかもしれないが。
で、文化の形成と学習という過程を用いることの適応価はなにか? といえば、新奇環境への迅速な順応、ということに尽きると思う。 人間に匹敵するほど全地上を席捲している社会性昆虫のたぐいは、 水没するマングローブ林に巣を作る奴やら、木の上に巣を作る奴やら、 非常に広汎な環境に適応することに成功しているけど、彼らの進化には 遺伝子レベルでの新形質の出現と適応淘汰という過程が欠かせないから、 今の状況ほど多様な環境に適応するには非常に長い年月がかかったろうし、 何よりも、マングローブ林が消滅したり、森が伐採されたりすれば死滅してしまう。 ヒトがほんの数万年の間に、しかも単一の種を保ったまま地上を制覇した (つまり、限られた土地の資源を奪い合うより、それを拡大することに成功した) のはまさしく、定住と移動を繰り返しそこに適した文化を生み出すヒトの性質に拠る。 そして、文化は地勢学的な環境に強く影響されて成立し、 競争において有利な文化が成立すればその文化は他の文化圏を侵略する。 北欧に適応してより戦闘的になったゲルマン民族がローマ文化を滅ぼしたように、 広大な未開地を征服したアメリカ人が世界に乗り出していったように。 思いつくままタイプしているもののどんどん脱線していっている余寒
上のほうでも言われたように、俺の話は検証困難な前提をいくつも含んでいるし、 要するに、「私はヒトというのはこういうもんだというモデルを心に描いてます」というヨタ話に過ぎんのだよな。
閑話で失礼。 アメリカは開拓地なので クロニンジャー七因子の中の「新奇性追求」(遺伝性あり)が強い人が 多く集まっているという噂が。
ホモ・エレクトス(旧人)の拡散は数十万年のタイムスケールの 現象ですので、そんなに不思議ではありません。 年に2〜30mくらい分布域が広がればよかったでしょう。 異常なのはホモ・サピエンス・サピエンス(新人)の拡散で 旧人の10倍以上のスピードで広がったようです。 ところが新人の出現を促した淘汰圧は良く分からないのです。 20万年前のアフリカは、それ以前に比べて環境の変動が 特に激しかったわけではないようです。
ちなみに新人の持つ大きな脳というハードウェアは、 エネルギー的にも物理的にも負担が大きく、よほどそれを持つことが 有利でないと進化できないタイプのアイテムです。
815 :
没個性化されたレス↓ :02/12/11 08:13
分子遺伝系の解析ソフトがちょっと前までマック専用が 多かったので進化生物屋はまだマカーが多いという罠。
>>814 どうも、文献をありがとうございます。
クラシーズの遺跡などから新人の進化が生じたのは、
20万年前前後のアフリカだと推定されますが、この時期
環境の変化が特に大きかったわけではなく、それゆえ
「新奇な環境への適応」というファクターだけで新人の進化を
説明するのは不十分だと考えられています。
そこでダンバーたちが注目したのは「社会環境への適応」
というアイディアでした。ヒト社会の中でうまくやっていくために
大きな脳が進化したのだ、というのが骨子です。
とはいえ、なぜにヒト社会が複雑化したのか、について それで説明できるわけではありません。ヒト脳は性選択に よるランナウェイの産物だ、という説は説明原理に困って 案出されたのでしょう。ある程度本当かもしれませんが なぜランナウェイがかかったのかよくは分かりません。 ところでダンバーらのアイディアは、ゲーム論的には 2者PD(囚人のジレンマ)を回避するために大きな脳が 進化した、という主張に読み替えることができます。 旧人の社会では2者PD回避が行われていたようですから 旧人の脳の進化という点でで妥当な考え方でしょう。 一方、新人の社会はNPD(N人囚人のジレンマ)を回避 する仕掛けを備えています。そこで、新人の脳はNPD 回避を可能にするハードウェアとして進化したのだという 予想を立てることができそうです。
27 :25 :2000/11/30(木) 01:56 脳容積と頭のよさは簡単には関連付けられないのは同意しますが、一つの指標として、体の大きさに対する脳の大きさ、というものがあるでしょ? (脳と体の比率で見ると、カラスは犬より頭がいい、という結論になる) その場合でも、旧人は新人に勝っていると私は思うが…(体の大きさは、旧人と新人はほぼ同じ、だが脳の大きさは旧人1800CC、新人1500CCだったと記憶している) まあ、25で書いた意見は、私がひねくれものでロマンチストだから、旧人にロマン抱いているだけなんですが。 (アラーシに荒らされている板を見て、賢い人間より幼稚な人間のほうが生き残りそうだなあ、と、感じてしまったのが、発言の動機) 28 :26 :2000/11/30(木) 02:03 >25、27 了解。同意。 29 :世界@名無史さん :2000/11/30(木) 08:52 確かに私も旧人にノスタルジーをかんじますが じっさいには新人のほうが組織力とかが上で旧人を圧倒したんだと思います。 脳容量は小さくてもシワが多かったじゃないかと。 旧人は文化的でも環境適応が新人に劣っていたんじゃないでしょうか。 新人は文明力は強いが文化的にはちょっとね。 強いものが勝つけどそれだけで良いかどうか。 勝ったあとで どうするかが今問われているような気がします。
31 :m :2000/12/01(金) 13:38 新人は10万年くらい前に、アフリカに現れたそうですが、 その後、5万年くらい全く進歩せずに、原人同然の生活だったそうです。 それが、5万年前に突如として、高度な石器を作ったり、 文化を持ち始める。 この5万年前に何かがアフリカで起こったのだ。 32 :世界@名無史さん :2000/12/04(月) 12:12 新人ってハードウェア的には現代人と基本的に同じだったんでしょう。 クロマニヨン人を現代人に連れてきたら同じ能力を発揮するんでしょうね。 新人の初期のころは大脳はまだ低レベルで パソコンでいえば BIOS(本能+ちょっぴり@)しかなくて 5万年もウロウロしてたんじゃない。 その間に試行錯誤して OSを作っていった(たぶんマイクロソフトのWindows みたいなんだろう、いまだに問題があるし) それからアプリケーションが揃っていって高度な文化に向かったでんしょう。
>>819 の組織力うんぬんが、旧人と新人との違いだろうと
思われますが、組織力を発揮するためにはフリーライダーを
防ぐという厄介な問題をクリアしなければなりません。
これがすなわちNPD回避問題ですが、至近メカニズムとしては
・ただ乗りは良くないという規範に従う(という心理的性質を持つ)
・他が頑張っていれば、自分も頑張る(という心理的性質を持つ)
・怠けている者があればコストがかかっても懲らしめる
(という心理的性質を持つ)
といったものが新人(というか我々の社会)では機能しているようです。
これらの心理的性質の進化がいかにして可能になったのか
という点が、現生人類の進化を考える上で大きなポイントに
なります。
10 名前:名無しさん@1周年 投稿日:2000/09/06(水) 01:04
なんでも全人類のDNAは20万年前のとあるアフリカの女性=イブから発したものだそうで、
Bickertonという人の説では、人間の言語はイブに見られる突然変異がその始まりだとか。
「ことばの進化論」(1990)という本に書いてあるそうです。
トンデモっぽいけど面白そう。
11 名前:生物方面では・・。 投稿日:2000/09/08(金) 21:18
人間が言葉を話せるようになったのはせいぜい10万年前ってのが有力。
3万年前って説もあるぐらい。
骨格的に人間だからといって、言葉(脳)が話せるとは限らない。
世界祖語って
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/gengo/967422471/
ネアンデルターレンシスは、やっぱ言語を話せなかったのかねぇ? 化石資料が語るのは脳の容積の推定値くらいのもんだからなぁ。 何が厄介って、この分野は化石ひとつで学説が大きく塗り変わるから、 ほんの数年前の概説書レベルの内容すら役に立たなくなることだが。 人類中国起源説はどこへ消えたんだっつうの
言語を話さなくても生きている生きものは沢山います。 デフォルトの推定値は「話さない」で、「話していた」と 主張するには何か論拠が必要になるでしょうね。
つか、現在の生命体の中でも言語を操るものは確認される限りヒトしかいないし。 チンパンジーの中でごく一部の天才と呼ばれる個体は、少なくとも言語に近い 論理操作とコミュニケートを行なうことができるというデータがあるけど、 脳みそを解剖してみれば連中は言語野がまったく発達していない。 問題は、ネアンデルターレンシスの現生人類のものより容積の大きかった脳に、 現生人類と類似の大脳新皮質や言語野の発達が見られたかどうかだと思うんだが。 今のところ骨相学的なやり方で脳の形態を推測するしかないだろうけど、 それこそジェラシックパークなクローン技術で彼らを再生するか、 そこまでしないでもDNAデータから彼らの身体構造情報を再現できれば、 そのへんにもアプローチできるようにならないかな。
話はそれますが、「彼らを再生する」っていうのは 倫理学的にパンドラの箱を開けそうですね。
仮説というより空想だけど、20万年前の人類は言語を持っていたけど、 ネアンデルターレンシスとの言語交流で変化が生じたのでそれは 世界祖語とは言えないのだ、などという説もあるしな。 ただ、ネアンデルターレンシスとクロマニヨンが文化的交流をもったとか、 甚だしきは同化して現生人類の祖となったとかいう説(最近下火)の支持派は ネアンデルタールの言語使用については肯定的な立場を取ってるのかな?
>>826 本当に実行したら多方面から抗議が来ることは間違いなしだけど、
クローン技術でマンモスを復活させようプロジェクトなんてのもある罠。
関係ないけど、あのイタリアの馬鹿医者は本当にヒトクローンに成功したのやら。
そういえば、現生人類が今のように巧妙な言語を操るようになった背景には、 脳だけでなく咽喉の一部の進化も欠かせなかったって話もあるな。 キリンの首のワンダーネットもそうだけど、一つの適応的形質の出現に 様々な要因の変化が必要になるケースの進化はつくづく謎。
言語の進化はなぞが多いので良くは分かりませんが 組織的な行動が始まると言語の必要性が飛躍的に 高まったろうな、という想像はできます。 ホモ・ネアンデルターレンシスが組織的な行動を しなかった(できなかった)とすると、複雑な言語を 話していた可能性も小さくなるでしょうね。
ところで
>>807 って現役のスレなんですね。感動。
ネアンデルターレンシスの行動で有名なのは、献花だけど…… 仮に意図的に死者に花を供えたというのが本当だとして、 それがどの程度の「組織的行動」と言えるかはまた微妙だなぁ。 仲間の死を悲しむこと自体は霊長類でなくても観察できるが、 死者への哀悼を行動で示すのは高度な象徴的行為と言えるかどうか?
>>832 あれは、発掘のときに花粉が紛れ込んだだけだったらしいです。
人体2第1集の演出は感動的でしたが。
本当だったら、高度な象徴的行為といえるでしょうね。
それは発見された花粉の年代測定などを根拠とした説なのかな? 確かに強い反論を浴びているらしいけど、素人だからよくわからん。 どちらにせよ、あれ以上の資料が出てくるとも思えんしなぁ。
どうでしょう? 炭素法では数万年前には遡れませんし 熱ルミネッセンス法では花粉の年代測定はできなさそう ですし。地層上部で発見された花粉と同じものだった、 という風な話だったと記憶しています。
久しぶりに来てみたら、熱い議論が... 784近辺のロボ> 177さんが言ってることと、あなたが言ってることの違いが完璧に理解できたら、 進化心理学どころか、現在、自然科学から社会科学に渡って、密かに深く根を 拡げつつある「モノ」を、本当に理解したことになるね。
>「文化相対的な集団規範としてのミームに注目せよ」 ここにたどり着く前に越えるべき壁がいくつもあるのだけれど... ともあれ。 仮にDNAの採取に成功して彼らを現代によみがえらせることができたとしても、 彼らが「成長の過程で通過していた社会環境」がない限り、成長した彼らは、 当時の彼らとは同じとは言えないでしょうね。人間が、社会環境から隔離されて 成長すると、正常な人間に発達しないのと同じように。 思考実験としてはおもしろいけれど、同時に、環境と遺伝の相互作用の複雑さ と重要さをも思い起こさせてくれます。
>>837 そりゃあそうなんだけど、ネアンデルターレンシスが
「言語を話さなかった」かどうかは分からないまでも
「言語を話しえなかった」かどうかだけでも検証できるかなと
脳の発達自体がそれを可能にする水準に到達していないなら、
これはもう相互作用云々以前に言語は絶対に使用できないわけで。
839 :
没個性化されたレス↓ :02/12/12 10:05
>>838 >脳の発達自体がそれを可能にする水準に到達していないなら、
>これはもう相互作用云々以前に言語は絶対に使用できないわけで。
脳がある程度損傷されても、場合によっては他の部位が損傷された
部位の機能を肩代わりするようなケースもある=高度な可塑性。
何よりも、「脳のどの部位が」よりも、「どんな認知能力が」言語を
可能とさせているのかが特定するのは、言語獲得の「生得性・学習」
論争に終止符を打つのに等しいと思うんですけどね。
>>839 の最初の記事は、どんな意味を持つのか、良く分からないですよね。
言語獲得に関連する遺伝子は特定されているのだろうか?
2つめは統語構造や意味学習ではなく、音声生成器官の話だからちょっと違うし。
ま、有望な道ではあると思いますが。
余談だけれど、音声発話(なんて専門家が呼ぶか知らないけれど)に必要な筋肉や、
それをコントロールする脳の神経学的機構でさえ、手足などの運動器官から刺激を
受けて初めて正常な発達を遂げるそうだし(談:正高さん)。
遺伝子だけで全てが語れる訳じゃ、ないんですよね。どうしても。
841 :
没個性化されたレス↓ :02/12/12 15:51
>脳みそを解剖してみれば連中は言語野がまったく発達していない。 ロボよ 知ったかはよせ 発達した言語屋があるという明確な証拠はまだないとはいえ 人間とは部位が違うのでは などと論文が出てる最中
認知神経科学や進化発達生物学の話は、普通の心理学者の 間には浸透しきっていない、というお話でした。
>>842 「浸透しきる」ことがなんか必要なの?
そういう「話」は生物屋にだって
「浸透しきって」なんかはいないと思うけど?
>何よりも、「脳のどの部位が」よりも、「どんな認知能力が」言語を >可能とさせているのかが特定するのは、 「能力」という言葉が引っかかる・・・ これこれこういう学習がみられたという現象を記述したのが「能力」という 言葉であって、それを説明概念として使っていいものなんでしょうか? どうか化石に道しるべを。
これは、言葉が悪かったです。私の。 能力というよりも、機能というべきだったでしょうか。 つまり、脳のある部位が言語能力と関連しているとしても、 それだけでは、その部位がどんな働き=機能を持つのかまでは 分からない。さらに、発達過程において人間が言語を獲得する ために必要な「認知能力」が何なのか、その認知能力を支える 脳の部位及びその部位が持つ機能は何なのか、まだ良く分からない。 この話は、チンパンジーを人間の幼児と同じ環境でも育てても 人間と同等の言語能力を獲得しないという事実(しかもこれは 単なる発話器官の差違によっているのではないらしい)こととも 関連する。 「人間の幼児が持っていてチンパンジーにはない認知能力とは何か?」 ということを考えていたので、能力と機能をごちゃ混ぜにしてしまいました。
>>843 全然関係ないけれど、一般論として、個人的に普段から思っていることを。
知らないことや、ある知識が広まっていないことを、「そんな知識を
持っていて何の意味があるの?」みたいな言い方で正当化するのは、
科学のあり方として、あまり健康的ではないと思いますけどね。
あくまで一般論。
>>841 確かに、同じ機能でも、種が異なれば、脳の異なる部位に
実装されているっていうのは良くある話らしいねぇ。
先月末の札幌での研究会での、渡辺先生の話によると。
>>846 レスの意図を推敲しないですぐに自分(または自説)への批判
反論ととらえて過剰防衛するのはよくないよ。
>>843 は単に
>>842 の「浸透しきってない」って言葉に
違和感を感じているだけだと思うが?
>848 「関係ないけれど普段から思っている一般論を書く」ってわざわざ書いてあるよ。
ふつうそういう言い方は一般論じゃないでしょ(藁。
>>841 ロボは常に半可通のしったかである故、勉強になるますた。
ところで、言語などを含んだ人間の認知機能がどのように実装されてるかは
たしかに俺が述べたような方法論では分からないけど、実際問題として
DNAは生体の発達可能性というかポテンシャルをかなりのところまで
縛るんじゃないかと俺は思うんだよなぁ。
たとえば、人間は空を飛ぶことができない。これは努力によってどうこう
できるものではなく、骨格、筋肉などの基本構造に限界があるから絶対無理。
仮面ライダーみたいな生体改造でメタヒューマン化とか、宇宙から降り注いだ
未知の放射線の影響でどうたらこうたらとかいう可能性を除外するならば、
通常の生育環境ではどんな学習によっても人間は空を飛べない。
同様に、犬が突然人語を喋り始めるということもありえないわけで。
人間の言語がどのような構造システムによって実装された機能であるかは
それはそれで面白いテーマだけど、それとは別の問題として、あくまでも
ネアンデルターレンシスはほぼどんな環境刺激を与えても言語を操れない、
ということは(もしも本物を実験に使えるならば)検証は可能だと思うのだが。
確かに人間の言語習得には複雑な環境刺激が必要になるわけなんだけど、
脳損傷を受けた固体だって人間本来の「設計図」は持っているわけで、それがあれば
その機能が復活することはさほど不思議じゃあない。ただ、脳細胞は再生しないという
過去には信じられていた前提が覆されてしまったというだけのことで。
遺伝子だけで言語は語れないけど、遺伝と環境が両方揃わないと 言語のような複雑な機能は発現できないから(輻輳説ってのか?こういうのって) ネアンデルターレンシスがそのような遺伝的ポテンシャルを持たなかったかどうかが 検証できれば、少なくとも彼ら自体が言語を用いていなかったことは分かると。 まあ、ネアンデルターレンシスはヒトのものとは別の類似のシステムによって 言語的コミュニケーションという機能を実装していたかもしれず、 そうであったなら、そのようなミーム(言語そのもの)が失われている以上、 ネアンデルターレンシスの赤ん坊だけ作っても彼らが言語を話しえたか どうかは分からないという突っ込みは可能なわけだけどな。 ただ、そうだとしても、仮にそういうことであった場合、クロマニヨンと ネアンデルターレンシスが相互に言語的交流をもつことはそれ自体 かなり困難だった、また、それによってネアンデルターレンシスの子を クロマニヨンが育てても、クロマニヨンの子としてもネアンデルターレンシスの 正常な子にもなりえなかったということになり、相互交流説は成り立たなくなる。 逆に、ネアンデルターレンシスの子が現生人類の子とそっくりに育つとしたら、 相互交流説は多少なりとも補完できる。 ついでに、もはや悪魔の実験だが、 クロマニヨンとネアンデルターレンシスの交配が可能だったかも確かめられるな。
>>842 そしてその分野の連中はみんな行動分析学を正しく理解していな(以下略
いずれにせよ、ネアンデルターレンシスの言語というのは 推論の上に推論を重ねていかなければならないテーマで 研究テーマとしては相当効率が悪いテーマです。 にもかかわらず、人気があるのはなぜでしょうね。
やっぱり、夢はあるし、わかりやすいですからね。
夢以外に、特に意義はないのかしらん?
けれど、夢って科学的営みを根底から支えているモノですから。 夢だけが暴走してることがあっても、副産物ということで... トータルの収支でみれば元は取れてると思いますよ。 ところで、177さんも何かの夢があって、この茨の道(?)を 選んだのだと思いますけど、元々どんなことに関心が合ったのでしょう?
科学は因果認識追求の延長線上に発達 したものでしょうから、適応的意義が もともとはあったはずです。
ちなみに私のテーマは「反逆」ですねw
ざっと見ただけですが、数学はロジックを記述するのに 特化した言語ですから、自然現象を記述できても (記述できてるように見えても)そんなに不思議では ないでしょう。
タイトルしか読んでないけど、とりあえず言語論的展開とか言ってみる実験
>>863 折角ですから、すこし遊びにいっていきました。
哲学と生物学は相打ちになるので、あまり長居を
するつもりはありませんが。
それよりも
>>858 の、科学の進化心理学の話をもっと展開してみたいロボ
それを持っていると適応度が上がるといういう意味で 「役に立つ」知識、あるいはそのような知識を獲得するための 手続きが(自然)科学の原型だろうと思います。 基本形は「これを食べたら危険」「あそこにいけば餌がある」 といった相関的知識であったろうと思いますが、 積極的に環境を改変していく過程で「こうすればああなる」 (この角度で叩くと、鋭利な石刃ができる、など)式の 因果的知識が蓄積されていったと推定されます。
今日はびっくりした・・・。
発生的認識論の出番か?
どうぞ、ご登場ください。
>>868 関係ありますよ。認知発達なんて(本当に心理学よりの)進化心理学関係者の
なかでは、随分と重要なトピックでしょうし。因果認識の発達とか、比較認知科学
的研究とか。
神経系の起源は腔腸動物ということらしいです。 扁形動物が先行していたという説もありますが 先カンブリア爆発のどさくさに紛れた話なので よくは分かりません。いずれにせよ多細胞動物の 成立と神経系の成立はほぼ平行していたと思われます。 「認識」の起源もそのあたりかもしれません。
余談ですが、「多細胞生物はいかにして可能か」と いうのも興味深い問題です。怠け者細胞やパラサイト細胞が 侵入する可能性があるので、社会的ジレンマに類似の 問題が存在しています。
multilevel selectionですね(W この話に関しては、今、何がホットトピックになっているのでしょう?
生命の起源でしょうかw 複製子同士の最初の協力についての 論文がおもしろかったです。 それと「おとなしいミトコンドリア」の話とか。
なるほど、なるほど。 その話って、Natureとかで取り上げられている「社会性昆虫における 裏切り者のメス」のモデルと関係していたりするのでしょうか? 深いところでは。 結局、複製子同士が協力しあうようになった「原因・前提条件」って 何なのでしょう?利得構造がコーディネーション・ゲームだから? あるいは、それこそD. S. Wxxxxxのmultilevel selectionのロジック に基づいている訳ですか? よろしければ引用を教えていただけないでしょうか?
(朦朧とした頭で)話はかわりますが、神経系の起源=認識の起源について。 ある程度変動する自然環境では、学習能力=神経系が適応的、というのは、 当たり前の話だと思うんですよね。「生物=自然環境に存在するパターンを detectし、それを利用して利益を高める」と考えると、要するにdata mining のような話になるわけで。環境内に存在するパターンが変動するなら、それを 追いかけて見いだせるような能力が必要になる、というのはごく当然の話。 問題は、その次だと思ってます(以下の話も、ある人たちにとっては当然の 話な訳ですが)。 「何を学習しているのか?」
結局、ここのところが、認知寄りの進化心理学者+比較認知科学者+認知発達の 研究者の間で、一番の話題になっていると思います。 因果関係の認識にせよ、カテゴリゼーションの能力にせよ、事物の同一性を 認識する能力にせよ、人間や(腔腸動物より高度な)生物が持つ、様々な 認識能力は、単純に「周囲から感覚器官に入ってくる刺激に一対一対応で 反応を学習する」よりも、data miningの観点からみて、遙かに適応的だと 言えるでしょう。 というところまでは、分かっちゃいるし、誰でも考えつくんですよね。 問題は、その先。結局、進化心理学がメインストリームの心理学・認知科学に インパクトを与えるためには「なぜ/いついかなる条件化で、ある特定のタイプの 認知能力が適応的となるのか?」、「なぜある特定の生物がある特定のタイプの 認知能力を持つようになったのか?」という問いにまで達する道が見えなければ ならないのだろう、と感じます。
以下、独り言。共有できるテーマについてのみ話が続けばいいですね。 こうした観点から「認知能力の進化」というトピックを扱っている人たちって、 いるのだろうけれど、(少なくとも私の)目には入ってこない。唯一、Cecilia Heyesの編集したThe evolution of cognitionという本を知っているけれど (まだ読んでない)それ以外にはあまり見かけない。話は飛びますが、この本って、 なんと「The Vienna series in theoretical biology」というシリーズなんですよね。 心理学でなく。 それはさておき。 心理学以外に目を向けると、他にこんな感じの研究をしているのは、ロボティクスの人たちです。 ある意味、彼らは、Tooby & Cosmidesが言う「リバース・エンジニアリング」を地で行ってる訳ですよ。 たとえば、歩行ロボット、社会的協調活動を行うロボット、共同注視を通じて模倣をするロボットとかを 実際に作ってみることで、「どんな問題が解かれているか、どんな機能が必要とされているのか、 その機能を実現するための計算理論・アルゴリズム(認知能力)は何か」を日々考えている。 実際、その試行錯誤のプロセスを通じて、彼らはプロダクション・ルール・ベースの 「心のモデル」が持つ問題を指摘し、それを解決するためのアーキテクチャ=R. Brooksの サブサンプション・アーキテクチャとかを見いだした。 「どんな問題を解くべきか=そのためにどんなシステムが必要か」という観点を追求することで、 生物に固有のメカニズムの理解が進んだと考えています。ある意味では。 それやこれやでロボティクスには結構期待しているんですが、どうも、この先が続いて来ない。 アフォーダンスとか、環境と個体の相互作用とか、分散知能とか、いろんなトピックが 出ては来たけれど、ある意味、それらもまた心理学者にとっては当たり前の話。 結局、心理学者が感心を持つレベルでの「認知能力」について、「どんな問題を解くために どんな仕組みを持つべきか?」という問題が扱っているロボティクス・AI系の研究は、あまり みない。 まあ、おそらくこの先は、「学ぶ」ことではなく「考えて研究していく」ものなのでしょうね。
もうちょっと戯れ言を。 たとえば、カテゴリゼーションの話を考えてみましょうか。 この能力が適応的なのは、まあ、疑うべきもないでしょう(本当にそうかどうかを 考えてみるのもおもしろいけれど)。 そしてこれに関して良く言われるのが、「同一カテゴリ内の事象間の差を最小化し、 異カテゴリに属する事象間の差を最大化するように、カテゴリゼーションが行われる」 というもの。しかし、事象が持つattributesなんて無限にあるし、どのattributeに 基づいて「カテゴリー化」を行うのが「適応的」なのか良く分からない。そもそも、 pre-conceptionやproto-typeみたいな物を持たずに、無からカテゴリーを作り出す ことができるのかどうか、良く分からない。 「事物をカテゴリー化することは適応的」であるならば、自然環境に存在する事象を 「適応的な価値をもたらす」ようにカテゴリー化する能力とは、いかなる仕組みを 持つべきなのか? と、こんな風に考えてみると、動物の概念学習を研究している人とか、人間のカテゴリ ゼーション学習を研究している人から、何かおもしろい話が聞けるのではないかと、 ちょっと期待。
最後の戯れ言。
また話は飛ぶけれど、この延長線上に、「パーソナリティ認知」の問題を
位置づけることもできる。
性格なんていうものが実際にあるかどうかはともかく、人間が他者の中に
「性格」という安定した特性を見いだしたり、様々な人間を類似したパーソナリティ
(ないしは何らかのattributes)によってカテゴライズすることは、もしかしたら、
「社会環境において、適応的に振る舞う」ために必要なメカニズムかもしれない。
カテゴリー化の話と同様に。客観的には、パーソナリティもカテゴリーも存在していないのに。
実際、進化心理学者のD. Bussもそんな事言ってるそうですね。「性格があるか
ないかではなく、なぜ人間は性格なるものを他者の中に見いだすのか?」は、進化心理学で
扱えるトピックだ、と。
で、ここから
>>177 さんにも関連しますが、実際、こんなアイデアを組み込んだ研究はあるんですよ。
いくつかのタイプの「社会的相互依存状況」において、相手の行動履歴から、他者を
「カテゴライズ」する。個々の相手に対しては、認知した「カテゴリー/パーソナリティ」に
基づいて、行動を決定する、と。そして、こうした戦略は、「カテゴリー化システムを使わない
戦略」よりも適応的である、と。
ただ、モデルだけなら、いくらでも作れるんですよね、多分。問題は、人間が実際に行っている
「パーソナリティ認知・他者のカテゴリー化」について、同様の観点から研究ができるか否か、
という点。ちなみに、パーソナリティ心理学では、類似のアイデアは「アフォーダンス」の
名の下に細々と(80年代から)研究されていますが、イマイチぱっとしません。
以上、極めて長い戯れ言ですた。
#某スレでは、こんなところまで話が進めば良いと思っていたけれど、
その前に、暗礁に乗り上げてしまいました(W
あぁ、やっぱりもう疲れているな...
「鏡の背面」でもぼちぼち紹介しようかと思ってましたが
そこまでいっちゃいますかw
まあ、ぼちぼちいきまそう。
>>875 はFFモデルです。出典はKeller(1998)
"Levels of Selection in Evolution"です。
882 :
没個性化されたレス↓ :02/12/18 09:45
>>880 話の内容は至極もっともだと思います。
「いわゆるパーソナリティ心理学者」がそれに興味を持つかは
別としてね。「ビッグファイブ」なんかもそうしたユーティリティと
して人びとが共通に持っている認知構造と考えればすっきりする
(かつ,今後の研究の方向性も定まる)んだけど,パーソナリティ
心理学者はあくまでも「実体としての性格の構造」というところに
こだわりたいようで。
ところで
>>パーソナリティ心理学では、類似のアイデアは「アフォーダンス」の
>>名の下に細々と(80年代から)研究されていますが、
これ知りませんでした(そんなこと考えてるの自分だけだと
思ってた,笑)。文献など教えていただければ助かります。
883 :
没個性化されたレス↓ :02/12/18 14:57
>>880 それは
チェス世界チャンピオンのカスパロフがコンピュータのディープ・ブルーと
対決したときに一局ごとに「棋風」が変わった。
つまり
人間ならもつはずの「くせ」といったものがなく戸惑いを感じた。
このことは
「人には他の人の行動や他の物の動きに対して心を帰属させる
−ある部分、人格を感じる−
傾向があるという心の理論の問題の一部である」
(「心の理論」子安増生)
とか、あるいは▲・●などを使ったハイダー、ジンメルの実験の話のこと?
社会的認知の概説書を一冊もってきて、 「ここに載ってる人間の諸特性は全部適応的なんでございますよ」 と言ってみるのは簡単だけど、やっぱその先に進まないとおもろないねぇ
とはいえ、社会的認知の動機論的解釈、つまりは それらの人間の認知的諸特性は個体の生存戦略であるといういわゆる 「動機を持つ戦略家」という人間観は社会心理学の中にもあるのだけど
177さん>どうもありがとうございます。鏡の背面は、ぜひ紹介してください。
>>883 性格論争には、ムズムズと言いたいことが山のようにあるけれど、それはさておき、
カスパロフの話はおもしろいですね。結局それは、コンピュータ・プログラムが、
人間とは異なったアルゴリズムでチェスをやっていることを意味するのでしょう。
そして、「人間はチェスでの行動履歴」という極めて限定的なパターンからすらも、
その背後にある「志向性を持つ存在」を勝手に見いだすことをも意味している。
「動く物体への心的状態の帰属」は、「パーソナリティを見いだす」ことの
もっと前にくる話でしょうね。これは、心の理論とも呼ばれるし、行動分析学
スレでの177さんの話とも関連する。
「動く物体への心的状態の帰属」については、これなんておもしろいと思いますよ。
http://www.synapse.ne.jp/~shinji/jyajya/ronbun/triangles.html
マルシンド先生も来ないかな
>>884-885 何が真意かイマイチ分かりませんが、「動機」の話じゃないんですよ。
なぜ、そんな「個性の帰属・カテゴリー化」を行っているのか、本人自身は
その意味に気がつかなくても、実は、適応的な意味を持っているのかもしれない、
という話。
そして、どんな話にも付きまとうけれど、大まかな方向性=パラダイムならば、
誰でも簡単に作れるし、それを口にするのも簡単な話なんですよ。問題は、
それに基づいて、どれだけ「具体的な話・研究」ができるか。
実はこのスレの初期から口を酸っぱくして言ってるのだけれど、
「これはなぜ存在するのか?適応的だから」と言うことは、進化心理学の
仕事ではない。進化心理学は、「〜が適応の所産であるならば、それは
どんな仕組みを持っているのか?」を予測し、人間の心的メカニズムに関して
「予測」を提供する。研究者は、その予測を実験等で検証できる。
当然、上にかいたカテゴリゼーションにしても、パーソナリティ認知にしても、
具体的な話ができれば、それをしたい。それぞれの専門家が、これらの発言を
読んでくれたならば、その後で、「個々の領域が抱える問題・謎を、適応という
視点から見直すと、何か新しいことが見えるのか、新しい予測が導出されるのか」
を話したい。専門家が出てくれば。
「動機を持つ戦略家」という発想の中では、動機が自覚的かどうかは問題ではない。 それこそ自己知覚理論みたいな観点もあるし、フロイトも死に絶えてはいないからな。 動機論といっても、目的的アプローチといったほうがより実体に近い。 全く無自覚な次元に「動機」という観念を持ち込む発想はドーキンスもやってるが、 話を分かりやすくするには便利なのよ。
>>889 先にも書いたのですが、上でダラダラと書き流した理由は、
そのどれかに関して、専門領域の人が食いついてきて、
おもしろそうな関連トピックを聞けるかな、と思ったからです。
「社会認知の戦略的アプローチ」というものがあるならば、
その話を具体的に展開してみませんか?おもしろいものならば、
他の人も乗ってくるでしょうし。
>>890 専門領域なので「食いつきたい」と思って
文献教えて,と聞いたのですが気付いてもらえなかった
ようですな。
こりゃ失礼。ちゃんと覚えてます。ちょっと待ってください。
究極要因の話は、ちゃんと計算しないと おもしろくもなんともありません。 (いわゆる肉のないすき焼き) っていうか、きちんと計算できるところが 面白いというべきでしょうね。
面白いかどうかなんぞ好みの問題だろ。 不可知論者は数理にすら信を置かないのよ。
というか、無目的論者にとっては 何事も面白くないかも知れませんね。 何事も面白い可能性もありますがw
ここまで来ると単なるケチつけ屋だな。 こういう人間は何にも満足しないから 放置が一番。
勘違いしてもらっちゃ困るが、俺は進化ゲーム理論は刺激的で非常に好きだ。 しかし同じくらい中西先生の妄想を聞くのも好きなわけで。
>>891 さてさて。ダイレクトに関連しているのはこれですかね。
Author
Wright, Jack C; Dawson, V. L.
Title Person perception and the bounded rationality of social judgment.
Source Journal of Personality & Social Psychology. Vol 55(5) Nov 1988, 780-794.
Abstract In this article, we develop a bounded rationality view of the relation
between person perception and social behavior. Two theses of this approach
are that behaviors vary in their significance to observers, and that observers
pursue bounded rather than global utility in forming personality impressions.
Observers are expected to be sensitive to targets' overall behavioral tendencies
and to the variability of their behavior across situations, but both sensitivities
are bounded, being greater for behaviors that directly affect observers' outcomes.
In two investigations involving extensive hourly and 6-s observations, we examined
the bounded utility of people's impressions of personality, demonstrating how
impression accuracy is linked to the significance of behaviors. Observers were
sensitive to the organization of aggressive behaviors, but less sensitive to the
organization of withdrawn behaviors, even when the consistency of those behaviors
was comparable. The results clarify the relation between people's inferential
shortcomings in laboratory paradigms and the bounded utility of person perception
in the natural environment.
とか、 Author McArthur, Leslie Z; Baron, Reuben M. Title Toward an ecological theory of social perception. Source Psychological Review. Vol 90(3) Jul 1983, 215-238. Abstract Applies the ecological approach to perception, drawing on the recent theories of J. Gibson (1979) and R. Shaw, M. Turvey and W. Mace (1982) to the social domain. The general advantages of this approach are enumerated, its applicability to social perception is documented, and its specific implications for research on emotion perception, impression formation, and causal attribution are discussed. The implications of the ecological approach for the understanding of errors in social perception are also considered. Finally, the major tenets of the ecological approach are contrasted with current cognitive approaches, and a plea is made for greater attention to the role of perception in social knowing. とかを、念頭に置いてました。あと、personalityでaffordanceを取り込んでいる 人たちも、この流れに入るかと思ってましたが。
>>899 なるほど。読んでみます。とくに後者は興味深いですね。
ただ,専門外の人にはわかりにくいと思いますが
パーソナリティの問題を「Social Peception」の
問題ととらえる視点を持ってる人は「パーソナリティ
心理学者」とは自称しないでしょうね。
簡単に言えばパーソナリティを「認知の問題」と
考えられる人は社会心理学領域の人,それをあくまで
「実体」と考えたい人がパーソナリティ心理学者で,
そういう意味ではこれらの研究は「パーソナリティ
心理学領域」ではなく,社会心理学領域でしょう。
どうでもいいことのようですが,当事者的には
そこがパーソナリティ心理学が進歩しない原因だと
思ってます。
確かに情報は集まっても進歩はしない感じですね。
>>901 それも結局は帰納的アプローチ+「直感と常識」という(多数の相互背反な)
前提から出発する演繹的アプローチ(前者が大半を占める)現状ゆえでしょう。
適応論というのは、何はともあれ単一の前提から全ての議論を出発させる
ことで、知識をシステマティックに統一しようと頑張ってみる。むろん、
穴だってあるはずだけれど、それを承知でできるところまでやってみる。
やっていけば、自ずと「このアプローチでは足りない部分として何を
補えば良いのか」が分かってくる。
ま、適応論も一種の最適化アプローチですね。と、考えてみると、
現状で(広義の)進化的アプローチに欠ける部分があるとしたら
「機械的・神経科学的な制約化での最適化」という視点でしょうか。
これは従来の心理学の方で広まっていたかもしれない。つまり、
人間の情報処理能力には限りがあるから、その中で人間はできる
だけのことをやっているのだ、と。
それならそれで、進化的アプローチと同じように、「〜という
制約下で認知システムが最適化を行っているのならば、どんな
メカニズムが存在するはずか」というタイプの研究が出てきても
良いと思うんですけどね。
たとえばHolyoakの「認知的不協和なんて古い。コネクショニスト
モデルによる制約充足原理を使えばもっと多くの現象を説明・演繹できる」
といった研究とか、その先駆けかもしれませんが。
で、
>>903 に書いた視点も、とっくに気づいている人たちはいるわけで、
ある経済学者など、「どちらのアプローチも“制約下での最適化問題”だ。
それならば、俺達、経済学者の十八番だ。行動科学に進出した経済学者の
次の矛先は神経科学だ」とブチあげているとか。
まあ、上の方で誰かが書いてましたが、経済学者がfMRIを使う時代。
生理指標をとっている経済学者もいるそうですし。これから先、
海の上ではいろんなことが起こりそうですね。
>>900 なるほど。そうなっていたんですか。
「最適化か何かはわからないが何かをやっている」 というように、広めにとらえておいた方がいいだろうと 思います。何かを「最適化だ」と解釈することは 常にできますが、実質的にはそうだったりそうでなかったり しますから。
ポイントは、「何が最適化されているのか」あらかじめ決められて いるかどうか、だと思います。研究者の側で。
たしかに最適化、という視点で物事を 解釈しようとする心理的傾向は流布 しているようですね。適応的かどうか、 にわかには分かりませんが。
いや、最適化というパラダイムが欠片でも根付いているのは 学習系やスキナリアン程度ではないでしょうか。 それ以外は、むしろJust so story的な「大衆化された非厳密な最適化 パラダイム」とでもいった方が良いかも。 スキナリアンに対する批判も、最適化パラダイムがマズイのではなく、 数多ある「最適化」の中でも、一つに固執し、それで「全て」を 説明しようとするところにムリがあるのではないか、と。 基本的に、彼らの厳格な生き方は、科学のあり方としては、本質的に 正しいと思いますが。
話を帰しますが、神経系の出現と多細胞動物の出現は ほぼパラレルであったと思われます。これは「動物」と いうコンセプトが「動く」ことを基本デザインとして いたためで、多細胞で動く上で細胞間の情報伝達システム が必要であったためでしょう(目的論的な書き方をして ますが、もちろん目的論ではなくて、字数圧縮のレトリックです) 本来、神経系はATPをばかすか消費する「高価」な システムですが、動物は他の生物に効率よく寄生する (動いて捕食する)ことに神経系を活用して、維持費を 捻出することに成功したようです。
>>910 逆もしくは頓着なしの文化もあることも把握した上で話が振られているのか?
では処女性の神聖視はミームであるということで終了
>>910-912 まず、そんな傾向性が本当にあるかどうかを調べるほうが先でしょう。
単に、嫉妬の反映なのかもしれないし。
あるとすればどういう場合か、を 考えてみるのも無駄ではないでしょう。
向こうのスレにも書いた話ですが、サルの場合は育児経験の 豊富な年長のメスが好まれます。若いメスは出産時のトラブルが 多く、育児も失敗しやすいので敬遠されます。 「処女性」なり「若さ」なりを尊重するとすると、このデメリット を補って余りあるメリットがあったのではないか、という 推論が可能でしょう。
調べてたらこんなスレがあった。地理人類学板。
ネアンデルタール人とは?
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/geo/1001444198/ 面白いことといえばこの話かな。
・新人と旧人は文化的接触をもっていた(新人から旧人に石器が伝わった)
新人と旧人が接触したのは十万年くらい前の中東なんだけど、
この時点で既に新人の技術力は旧人を上回っていたらしい。
いや、上回る技術力を得たから、アフリカから中東に広まったのか。
ネアンデルターレンシスが生き延びていた時点では、
農耕やら牧畜やらの産業はまだ生まれないから、現生人類も
狩猟採集をベースにしていた点では彼らと変わりなかったはず。
ならば、資源、つまり縄張りをめぐる群れ間の闘争はなかったはずがない。
しかしネアンデルターレンシスは体格において現生人類を圧倒する。 ボブサップがホーストをぶちのめす様を見て分かるように、 体格のハンディキャップというのはサシのステゴロでは決定的だ。 実のところ、真の意味で組織的な戦争が発生するのはどう早く見ても 文明誕生以降(とっくの昔にもう旧人はいない)で、原始的な戦争では、 個人の武力の差(と数の差)がかなりのウェートを占めてくる。 つまり、ネアンデルターレンシスはむしろ最初は闘争上優位な立場にあって、 現生人類の文化の漸成的発達が少しづつネアンデルターレンシスとの差を埋め、 追い落としていく過程が、新人と求人の共存した数万年の時間だったのでは。 このことは、現生人類が遠い昔にボトルネックを潜り抜けたという遺伝学上の 仮説とも合致するといえるだろう。まだたいした文化も無かった頃の現生人類は、 役立つほどの取り得もなく単にひ弱なだけのサルでしかなかったので滅びかけた。 その後もアフリカから外に広がるまでに数万年かかっているが、これも同様に、 自分たちのポテンシャルを活かすための文化を発達させる雌伏期だったに他ならない。 最終的に武力闘争に破れたネアンデルターレンシスは、寒さに強かったので北に逃れたが、 最後の氷河期の直前に訪れた間氷期の頃にとうとう絶滅してしまった。 以上、空想。
922 :
没個性化されたレス↓ :02/12/24 04:45
>>923 読もうかな、と思いつつ、ちょっと怪しげなので
保留してあります。E.O.Wilsonの本は知らないです。
どんな内容なのでしょう?
925 :
没個性化されたレス↓ :02/12/24 09:57
926 :
没個性化されたレス↓ :02/12/24 13:15
>>923 タイトルにつられて思わず買っちまったが、トンデモとまでは
言わないが、かなり変だぞ。心理学に限らず最近の脳と心をめ
ぐる科学的知識が皆無な年寄りが書いたエッセイ集という感じ。
どんな分野の専門家であろうとも、多方面の関連領域に関して 一通りの知識を持たないことには話に参加すらできないという この問題の難しさは過去に類をみないものだからねぇ
>>921 >ネアンデルターレンシスは最初は闘争上優位な立場にあって、
現生人類の文化の発達がネアンデルターレンシスとの差を埋め、
追い落としていく過程が、数万年の時間だったのでは。
というのは、有用な作業仮説っぽいですね。
ネアンデルターレンシスが新人進化の陰の主役であった、と。
寒冷適応の時間だった、という説もありますが、両方の
要素がからまった時間だったのでしょう。
>ヒト性行動 遅レスですが 「人類学者の見る、聞く、語る:性と出会う」 講談社 ISBN: 4062079054 1996年 版元在庫無し?、この本めっさ面白いので図書館で探すと吉。 世界各地各民族の婚姻形式、家庭内暴力、夜這いから前戯や体位まで紹介されている。
>>912 >>929 遠隔異部族から女を獲得する -> 処女性重視が多げ
近隣部族間〜島嶼内で婚姻 -> 頓着薄目が多げ
性感染症の脅威が関わっているのではという話も
>>930 のような仮説を
>>929 のような資料を用いて
検証すると立派な研究になりますね。誰かやらないかな。
南方熊楠みたいな展開になってきましたね! 中沢新一が編集なんでちょっとあれですが セクソロジーで纏められた文庫があったのを 思い出しました。
粘菌の研究者なのは知ってましたが、手広くやってた 方なんですね。巨人だけのことはあります。 寄生生物うんぬんはリスクヘッジという意味 なんでしょうか。
936 :
没個性化されたレス↓ :02/12/26 17:52
で、どうするの?次スレ立てるの?
行動分析学スレは違う方向に行ってるし、 性行動スレは特定話題に限定されているから、 進化心理学総合スレはやはり必要だと思われるが、 参加者が余所に流出しているので今のところは 話題とすべきことがなにもないという罠。
では、鬼の居ぬ間に適当な話題を振ってみる実験。 スキナーは死の八日前、ボストンで行われたAPAの授賞式で即興の公演を行った。 そこで彼は自然淘汰による種の進化というダーウィンの考えに対する反感と、 随伴性による行動の淘汰という自身の考えに対する反感をアナロジカルに対比させ、 「認知科学は心理学における創造論だ」と断じた。 個体の行動に原因としての心や自我を見出すのは 生物種の進化に目的や創造主を見出すのと同じ錯覚なんだと。 聴衆の多くは呆れ返り、その後ぱらぱらとした拍手が起こったという。 そんなスキナーが死の前日に病床で書き上げた論文 Skinner, B. F. (1990) Can Psychology Be a Science of Mind? American Psychologist, 45, 1206-1210
その論文で彼は人間行動に関する2種類の学問があるとしている。 [1]脳と体の生理学(howを問う) [2]脳と体の状態を決める変異と淘汰の科学(whyを問う) さらに[2]は3つのレベルに分かれるとしている (1)本能行動の自然選択(エソロジー) (2)個体行動のオペラント条件付け(行動分析学) (3)オペラントの初期値を決定・拡大する社会環境の進化(文化人類学) 環境の変動的な部分に対応できないという(1)の問題は(2)が補う。 変異と淘汰によって適応的な行動群が形成されるまでにとてつもない 時間がかかるという(2)の問題は(3)が補う(動物の場合は模倣という形で)。 そして(3)は競合して発達した文化同士の衝突という問題を抱える。 そうか、スキナーの到達点の一つは進化心理学だったのか、なんつったりして。 実際彼の考えは、言語論的転回に基づくもの、というよりは 進化心理学的発想に基づくもの、と言ったほうがよさそうな気がしてきた。 行動分析スレで話題の、機能面からの心の進化についても考察してるし。
そろそろ、元の池の水が恋しくなって戻ってきました。
>>938-939 おもしろいですね。行動主義と進化生物学における類似性=どちらも
利益をもたらす行動が選択されていく、という点は、1970年代に、
デネットも指摘している。
スキナリアンは、決して嫌いではないんですよ。ストイックかつ厳格な
態度は必要だし、学習を無視した心理学など成立しえないのだから。
唯一、個人的な感想をいえば、あまりにも独自な用語が多すぎる上に、
他の諸領域とどのように関連していくのか、よくわからない。
あまりにも、孤高に昇りつきすぎたと、いうのでしょうか。
「学習」という原理は、同じなのだから、行動主義を発展解消させて
コネクショニズムや神経科学とくっつけば、もっとも面白いのでは
ないかと思います。あくまで感想。
徹底的行動主義が記述する至近要因のモデルはシャープで美しい。
942 :
没個性化されたレス↓ :02/12/26 22:57
そのエピソードは何に載ってたんですか? 読んでみたい。
>942 Vargas, J. S. (1990). B. F. Skinner - The last few days. Journal of Applied Behavior Analysis, 23, 409-410. 筆者は彼の娘。最後に親子で手を取り合って語るシーンなど、お涙頂戴。
スキナーの娘って、例の箱で育てられて精神分析家になった人?
娘は二人いて、箱で育てられたのは次女のほうらしいけど、 この筆者がどっちなのかはわかんない。
950を踏んだ人が次スレを立てるってことにします?
そう言うと誰も書き込まなくなる罠
(^^)
ほっしゅ
F2が落ちたのに,こっちが残ってるのは保守のおかげか?
F2が落ちたのは1000に限りなく近くてサイズもバカでかかったからと思われる。
960 :
ラッキーアイテム :03/03/02 21:18
(^^)
(^^)
∧_∧ ( ^^ )< ぬるぽ(^^)
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
∧_∧ ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。 =〔~∪ ̄ ̄〕 = ◎――◎ 山崎渉
__∧_∧_ |( ^^ )| <寝るぽ(^^) |\⌒⌒⌒\ \ |⌒⌒⌒~| 山崎渉 ~ ̄ ̄ ̄ ̄
967 :
没個性化されたレス↓ :03/07/18 22:35
COE採択記念アゲ
969 :
????s??s :03/07/18 23:05
(⌒V⌒) │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。 ⊂| |つ (_)(_) 山崎パン
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!
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1001 :
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