>>397補足
私の知る範囲では、ベンジャミン・クレームの提唱する「貨幣なき経済システム」と黙示録13:17の明白な符合を指摘したのは、
Constance Cumbey,The Hidden Dangers of The Rainbow(Huntington House,1983)p.75
が最初です。
この見解への反響については、"mark of the beast"とか"666"などのキーワードで検索すればおわかりいただけるでしょう。
なお、神智学協会を1920年代から批判していたルネ・ゲノンは、
反キリストと疑似宗教の関係を詳しく論じた「量の支配」において、
「貨幣またはそれにとって代わる何物かが、この種の・・・性質を再び与えられるだろう。
・・・
そして、このことは、「反伝統」組織による、貨幣と結びつけられた、転倒した象徴の利用を含意する。」
と言って、黙示録13:17に言及しています。
Rene Guenon,Le Regne de la Quantite(Gallimard),注170参照。
聖アウグスティヌスは「神の国」第二十巻(岩波文庫の邦訳では第五分冊に収録)において、
終末の時代の一連のイベントをつぎのように要約しています。
「・・・・かの裁きとの関連において、私たちはこれらのことが起こるであろうことを学んだのである。
すなわち、テシベ人エリアが来るであろうこと、ユダヤ人たちが信仰を受け入れるであろうこと、
反キリストが迫害するであろうこと、キリストによる裁きがあるであろうこと、
死者が復活するであろうこと、善きものと悪しきものは分離されるであろうこと、
世界は火によって滅ぼされ、再興されるであろうこと、である。」(第三十章)
聖書および他の教父たちの見解を援用して、終末の時代の一連の出来事をまとめておくと、つぎのようになります。
(1)ユダヤ人が約束の地に帰る。(エゼキエル38:8)
(2)福音が全世界に述べ伝えられる。(マタイ24:14)
(3)人々の道徳的堕落(2テモテ3、2ペテロ3:4)戦争・地震・飢饉の頻発(マタイ24)
(4)背教と反キリストの出現、徴と奇跡による欺瞞(2テサロニケ2、1テモテ4、ダニエル7:24、黙示録13)
(5)エノクとエリアの帰還(マラキ3:23、黙示録11:3、ゼカリア4:12-14)
(6)反キリストによるエルサレム支配(マタイ24:15、ダニエル9:27)
(7)ユダヤ人の大改宗(ローマ11:26、ゼカリア12:10)
(8)反キリストによる大迫害(ダニエル12:8)・獣の印の実施(黙示録13)
(9)イエス・キリストの再臨(黙示録19:11-16)・反キリストへの裁き(黙示録19:20、2テサロニケ2:8)
ダニエル書やマタイ24章が、異なる時代をオーバーラップさせつつ語られていることについては、
下のサイトのFree From All Error、Multiple Fulfillmentの章を参照。
Theological Works of Fr. William G. Most
ttp://www.petersnet.net/most/browse.cfm
467 :
y226109.ppp.dion.ne.jp:03/05/16 23:13
sage
age
>>465補足
聖エイレナイオス(130年〜200年ごろ)による「異端反駁」第五巻
第二十五章 ダニエルとパウロによって描かれた、反キリストの偽りの、傲慢な、暴君的な王国
「彼は、悪魔のあらゆる力を身に帯びて、義なる王としてでも神に従う正統なる王としてでもなく、
不信仰、不正、無法なる王として、来るであろう。
・・・彼について使徒はテサロニケ人への手紙で語っている。(2テサロニケ2:4-5の引用)」
「自分自身をキリストとして示そうとしつつ(エルサレムの神殿に)敵は座するであろう。
主が言われたように。(マタイ24:15-21の引用)」
「ダニエルもまた、最後の王国の終末すなわち十人の王を予見しつつ次のように言っている。
それらの人々の王国はこの十人の王たちの間で分割され、彼らのもとに滅びの子が来るのであるが。
(ダニエル7:8などの引用)」
>>359補足
聖ヒュッポリュトスによる「反キリスト論」第六節
「さて、神でもあるわれらの主イエス・キリストが、その王たることと栄光のゆえに、獅子の形象のもとに預言されたように、
(訳注:黙示録5:5)
聖書は反キリストをも、その暴政と暴力のゆえに、獅子として語っている。(訳注:黙示録13:2参照)
なぜなら、欺く者は、あらゆることにおいて自らを神の御子に似せようとするからである。
キリストは獅子である。反キリストも獅子である。キリストは王である。反キリストも王である。
救い主は子羊として現れた。それゆえ彼(反キリスト)もまた、同様に、子羊として現れるであろう。
しかし内側においては彼は狼である。
・・・
主はすべての民に使徒たちを送った。彼(反キリスト)もまた偽りの使徒たちを送るであろう。
・・・
救い主は信じるものに徴をつけた。彼(反キリスト)もまた人に徴をつけるであろう。
・・・
救い主は復活し自らの聖なる肉体を神殿のように示した。そして彼(反キリスト)はエルサレムに石の神殿を建てるであろう。」
>>465補足
ダマスコスの聖ヨハンネス「正統信仰の闡明」
第四巻第二十六章「反キリストに関して」
「反キリストは必ず来ることになっていることを知るべきである。
神の御子が肉体をとってこられたこと、および、・・・完全な神にして完全な人間であることを告白しない者は皆、反キリストである。
しかし、特定の、特別な意味において、時代の終局において来る者が反キリストと呼ばれる。
そのときには、第一に、主が言われたとおりに、福音が全ての民のうちで告げられなければならない。(訳注:マタイ24:14参照)
・・・
彼(反キリスト)は、それゆえ、姦淫の子であり、秘密のうちに養われ、突如として立ち上がり、反逆し、支配を手にするであろう。
そして、彼の支配あるいはむしろ暴政の始まりにおいては、彼は聖性の役を装う。
しかし彼が支配者となったとき、彼は神の教会を迫害し、その全ての邪悪さを顕わにするであろう。
・・・
しかし、エノクとテシベ人エリアが遣わされ、・・・ユダヤ人会堂を、我らの主イエス・キリストと使徒たちの教えへと向け変えるであろう。
そして彼らは、彼(反キリスト)によって殺されるであろう。(訳注:黙示録11:3-13参照)
・・・
そして完全な神にして人である主が、天に昇られるのを聖なる使徒たちが見送ったのと同様にして、
栄光と力とをもって天から来られ(訳注:使徒行伝1:11参照)、
その口の息によって無法の男、破壊の子を倒すであろう。(訳注:2テサロニケ2:8参照)
それゆえ、誰も主が天からではなく地から来ると期待してはならない。」