1 :
仕様書無しさん :
02/11/26 00:11
2 :
仕様書無しさん :02/11/26 00:13
2
とりあえず、双方マホカンタ状態で呪文攻撃したときの動作など、 細かい仕様を思いつく限り実験してみる それで世界がフリーズしたら笑う(w
4 :
仕様書無しさん :02/11/26 00:50
剣と魔法の世界にプログラマーが居てもなあ。 正直役に立たない。コンピュータなかったらただの変なオッサン
5 :
仕様書無しさん :02/11/26 00:52
プログラマーは頭の中がファンタジー世界です。
6 :
仕様書無しさん :02/11/26 01:02
>>4 魔法式がプログラムみたいだったら?
そう考えると面白そう
>>5 絶対言うと思った
7 :
仕様書無しさん :02/11/26 01:03
まぁまずはエルフ探しからだな。
8 :
仕様書無しさん :02/11/26 01:05
RUN DEMON
9 :
仕様書無しさん :02/11/26 01:09
魔法がプログラム形式だとしたら 魔法言語?を覚えて魔法をプログラミングするのか・・・・ バグが出て失敗したら洒落にならないな それこそ何か召還しそうだ #デバッガ-とか死に物狂いだな
10 :
仕様書無しさん :02/11/26 01:10
そう考えるとファンタジー世界での魔法使いも コボラ-みたいな時代遅れの魔法使いとかがいるのかもしれないな
11 :
仕様書無しさん :02/11/26 01:12
ドラクエ2に、 「これは新しいタイプの呪いじゃな。わしには解けん」というじじいがいた。
12 :
仕様書無しさん :02/11/26 01:22
10年くらい前、そんな小説を読んだことあるぞ。 設定が逆だけどね。 地理的に孤立した場所に、 天才技術者が、ファンタジーの世界を作りあげてしまった。 そこで暮らしている人達はそれを普通だと思っている。 ある日、そこへ迷い込んだ科学者は・・・ 伝説の英雄になる! って話だったと思う。
おいら剣道3段なんだが、何かの役に立つかなぁ。。
とりあえずガッツでも探すか。
15 :
仕様書無しさん :02/11/26 01:52
バブルソートがメラで クイックソートがメラミくらい?
HDDクラッシュがティルトウェイト
17 :
仕様書無しさん :02/11/26 14:53
age
カフェインがホイミ。 ユンケルがベホマ
ネオ・スクウェア=新正方形
一般人から見たら、プログラマはコンピュータという媒体を使って プログラミング言語という呪文を唱える魔法使いさ。
21 :
仕様書無しさん :02/11/26 15:09
マジックアイテム作成 納期2ヶ月 32 マジックアイテム開発 おまえら元気ですか? 1 名前:魔道書無しさん 投稿日:033/08/15 00:35 生` 2 名前:魔道書無しさん 投稿日:033/08/15 02:21 同僚が開発途中のバグで異次元飛ばされたYO!
つまりStallmanは現世に召還された魔法使いだったということか
マジックアイテムしか作れないってやばいだろ
携帯とかだと思われ>マジックアイテム 本業は魔道師だと思われ
121 おまえらF製の大型汎用水晶球はどうよ (75)
1 名前:魔道書無しさん 投稿日:033/09/22 04:35
大型水晶球萌え
2 名前:魔道書無しさん 投稿日:033/08/22 06:25
>>1 大型汎用水晶球なんて古いよ
26 :
仕様書無しさん :02/11/26 15:23
121 おまえらF製の大型汎用水晶球はどうよ (75)
3 名前:魔道書無しさん 投稿日:033/08/22 12:25
>>2 時間のひずみ?それとも予言者?
4 名前:魔道書無しさん 投稿日:033/08/22 14:15
>>3 どうやら、魔法陣のバグのようだ
1 重い重い重い重い重い重い重いX14 (785)
785 名前:夜勤 投稿日:033/08/22 14:05
ひろゆきが魔法陣に悪戯書きをしたようです。
ムキー
PGではなぁ… 現場で作業してたり手先の器用なヤシなら活かせる技術も持ってそうだけど。
28 :
仕様書無しさん :02/11/26 15:33
ファンタジー世界にバグがあるかを調べたりする。洞窟の入り口に飛空挺を置いたりして。
29 :
仕様書無しさん :02/11/26 15:35
ファンタジー世界でもデスマーチの悪感
手始めに自分の腹を刺してみる。王様の前で目覚めるかもしれない。
>>30 不明なエラーが発生しました。
“探検家”のページ違反です。
ファンタジー世界のPGって、魔導師より ショッカーみたいな悪の手先のほうがしっくりくるニョガーン そして魔王に日々酷使される、と。
どの世界でもPGは不幸なまま・・・
34 :
仕様書無しさん :02/11/26 16:01
ファンタジー世界でぐらいまともに。。。希望age
35 :
仕様書無しさん :02/11/26 16:14
『夜な夜な怪しい機械を弄ぶ(または弄ばれる)人達の街があるらしい』
36 :
仕様書無しさん :02/11/26 16:28
「しかも、その機械は約40日毎にメモリ異常を起こしてフリーズするそうな」 「フリーズした後に、爆発するのじゃ。このために、機械の置いてある部屋の 窓がすべて飛んでいってしまうそうじゃ。」 「街の人々は、これをフライング・ウィンドウと言って恐れているそうな」
どうでもいいけどハリーポッターってマ顔だよな。
38 :
仕様書無しさん :02/11/26 17:57
そのまんまじねぇか!>マ顔
関係ないけどウォーリー(を探せのやし)ってマ顔だよな
40 :
仕様書無しさん :02/11/26 18:25
昭和天皇ってマ顔だよな。
41 :
仕様書無しさん :02/11/26 19:08
金正日ってマ顔だよな。
42 :
仕様書無しさん :02/11/26 19:15
というか、オタ顔か。
ファンタジー世界にマ法使いしかいなかったらイヤだな
>44 悪の魔法使い四天王登場
ホグワーツ情報専門学校なんてのがあったら笑うな。
47 :
仕様書無しさん :02/11/26 22:20
age
48 :
仕様書無しさん :02/11/26 22:58
まぁ、魔法呪文=コンピュータ言語の置き換えってのは ありがちっぽいが。 コモンルーン=VB ロウエイシェント=C ハイエイシェント=アセンブラ てな感じで。
コボルは?
50 :
仕様書無しさん :02/11/26 23:26
51 :
仕様書無しさん :02/11/26 23:29
52 :
仕様書無しさん :02/11/26 23:30
Javaは西方共通語ってとこか?
53 :
仕様書無しさん :02/11/26 23:31
54 :
仕様書無しさん :02/11/26 23:33
ハイドライドの敵キャラであるコボルト用の言語・・・・。<コボル
55 :
仕様書無しさん :02/11/26 23:34
>>52 JAVAは一部の偏狂者達が世界共通語にしようとたくらんでいる言語です。
56 :
逝って良しの1 :02/11/26 23:39
液体の結晶に浮かんだ文字を読んで、珪石の結晶に呪文をふきこむ仕事
C#はよ?
まだまだコボルは現役だよキミィ
天下一●武道会みたいな魔法大会が年に数回あるとして 長老族風の魔法使い翁と 今流行のショタ風メイジと いったいどちらが強いのでしょう?
63 :
仕様書無しさん :02/11/27 00:39
64 :
仕様書無しさん :02/11/27 00:56
言語と文化と宗教の違いから、この世界でも戦争は絶えないだろうな。
65 :
仕様書無しさん :02/11/27 01:23
使用言語による衝突とプラットフォームの違いによる衝突か・・・
ヽi' , ''´ `、ヽ い に し ゃ ら 〜 い ず ☆ ノ,Pソノ )ノ)ノ) , 。 * ☆ d6 sゝ゚ ヮ゚ノb' ミ , ... ,・。 :* ;o *` ;☆ ; 。* ⊂(iY)つ ──<◯ ・;: ' :"・ "。* `" ・: *☆ /wwヽ ` し'ノ
67 :
仕様書無しさん :02/11/27 02:40
>>65 他にもいろいろあるぞ。
{ } のインデントなどのコーディング規約
NULLとかそのへん
テキストエディタ
など・・・。
あからさまな人種偏見や身分差別も絶えないことであろう・・・。
いやな世界だななんかw。
むしろ、同じ言語つかってる仲間のほうが宗派間の対立は激しいものが。
魔導師にはどうしてアニオタが多いのですか。
71 :
仕様書無しさん :02/11/27 02:50
魔術師も多いが神官も多いと思われ。 オプソ神官とか ウィン神官とか
まるで現代社会の縮図を見ているかのようだw
MSは世界を蹂躙してゆく悪の帝国ということに・・。
ホグワーツでは「闇のプログラマに対する防衛術」の講師を募集中です。
ボラクルは暗黒神崇拝の団体でファイナルアンサー?
76 :
仕様書無しさん :02/11/27 11:35
>>74 「闇のクライアントに対する防衛術」と「闇の上司に対する防衛術」も教えてください。
で、プログラマークエストが始まるわけだなw
C#とかJ#を使うのは亜人類だとおもう。有角族あたり。
79 :
仕様書無しさん :02/11/27 13:12
一つの指輪を使って姿を消したいですが、なにか?
最近、竜の玉の言葉がわかるようになったけど、話してみると 古代からいる古い種族みたいだね。 でも、もうすぐ手の平から落ちて滅びるのか...。
マジックアイテムなどのスペルの威力を強化する奴とか、術者をサポート するやつは当然小型PCか、リモート鯖で(・∀・) イイ! 「チッ、ドラゴン倒してまで手に入れたいのはその9801かよ!」 「ふぅ、、これだからプログラマじゃないやつは困る、、、」
簡単な魔法であれば、初心者でも呪文丸暗記で使えるが 上級者は呪文の意味を理解した上でアレンジし、魔法の効果を変えることが可能。 ってのがスレイヤーズにあったが、まさにプログラムだな。 HelloWorld程度の呪文なら初心者でも丸暗記で使える。
ハハハ俺なんか丸暗記どころかWebからのコピペばっかだぜ
85 :
仕様書無しさん :02/11/27 14:25
いつの頃からか魔術の系統化が進み、系統に嵌らぬものが排斥を受けるよ うになった。 系統からもれたものは細々と世捨て人のように暮らすようになった。 しかし、系統に従う者たちは一つの巨大なコミュニティを築いていった。 例えば現在にいたって広く認知されるようになった新興勢力ヴィビィの 術式は上級魔術師が作った魔法石(コンポーネント)を組み合わせるだけ の簡素なものだが、非常に短期間の訓練でこれらを使いこなせるため、 広く庶民にも普及していった。
86 :
仕様書無しさん :02/11/27 14:31
昔からの魔術師って使えないよな。 呪文の中に定数バリバリのハードスペルになってて応用利かない。 最低でも構造化呪文覚えてくれないと、いつ魔法が暴発するか怖くて いっしょに仕事したくない。 新人に一から教育してオブジェクト指向呪文使いに仕立て上げる方がよっぽどまし。
87 :
仕様書無しさん :02/11/27 14:34
>>1-1000 おまいら板違いです。
魔法に関する議論は「魔法技術板」へどうぞ。
88 :
仕様書無しさん :02/11/27 14:36
一方、高位魔術言語であるシィプ・ラプラを使いこなす魔道師の数は減りつつある。 魔術師を支える貴族(クライアント)たちが減ったこともあるが、 新たな魔術系統であるジャヴァ言語へと移行していったことが理由といえるかもしれない。 ジャヴァはシィプ・ラプラに比べて実効エーテル変換率が低いものの、 エーテル流体制御の安定性においてシィプ・ラプラに勝る。 また、ジャヴァはエーテル流体制御のために巨大なヴィ・エムという 魔法陣を用意しなければならない。 これらはシィプ・ラプラには無い概念である。 それでもジャヴァが普及したのは、ヴィ・エムが非常に広範に普及した ためであるといえる。
Rubyは?
90 :
仕様書無しさん :02/11/27 14:49
そのころ、Web世界の辺境、他の術者達との交流を禁じられた地で 魔導師ユキーロ・マ・ツモトにより独自の発達を遂げた言語があった。 禁呪ル・ヴィである。
91 :
仕様書無しさん :02/11/27 14:50
以前WJで、封神演義を書いたの藤崎竜がこんな漫画を読みきりで書いてたね。 世界は万物が0と1で構成されているデジタルワールド。 そこを旅する冒険者の物語。 最後のほうでは、大地を侵食する「バグ」を倒すために 伝説の上位魔法「デバッガ」を主人公のエルフの女の子が使うって話だったなぁ。 「コード・・デバッガ、オープン。 コンパイル・・・リンク・・・・ RUN!!!」 って感じで魔法やってたのを覚えてる。 プログラマーとはちょっと違うけど、うちら向けの漫画だと思ったよ(w 連載してほしかったのう。
92 :
仕様書無しさん :02/11/27 15:00
魔術師たちが意見交換をする場がそこかしこにある。 そこではヴィビィやジャヴァの隆盛によって、もはや古いシィプ・ラプラは 滅びるといった誹謗的噂がまことしやかに流れている。 だが、一つはっきりしているのは、彼らの使う魔法石やヴィ・エム、そして 彼らの使うプラットフォームと呼ばれる魔法陣は、シィプ・ラプラ(または、 その基礎構造であるシィ)によって作成されているという事実である。 また魔術的な基礎概念はオーブ・ジェクトと呼ばれるもので、これらはこの 全ての魔術系統に共通のものである。 シィプ・ラプラに代わるものはまだ残念ながら存在しないため、 この魔術系統そのものが消えることはまだ当分ありえないと考えられる。
書いてて恥ずかしくなってきました。続きはだれかよろ。
94 :
仕様書無しさん :02/11/27 15:03
>>91 「コード・・デバッガ、オープン。 コンパイル・・・リンク・・・・ RUN!!!」
漏れも呼んだ覚えあるよ。
「エディット、コンパイル、リンク・・・RUN」
じゃなかったっけ?
それまでは巨大な魔法陣を必要としたヴィ・エムを小型の魔法発動体に埋め込むことに 成功したのは、東洋のミカカである。 しかし、小型の魔法発動体にあの大規模な魔法陣全てを記述するのは不可能である。 そこでこの魔法発動体にはエーテル伝達の魔術式も実装することになった。 これによって、遠方で処理した魔術儀式をそのまま召還したり、 魔法術式そのものを転送してそこで発動したりすることが可能となった。 これらもまた、その簡便さゆえに広く受け入れられることとなった。
軍板のそれとはぜんぜん違う展開だなこっちは・・・
同じならそれこそ問題では
98 :
仕様書無しさん :02/11/27 15:40
19の魔法の指輪があった。MSはプログラマのためにVMを鋳造し、彼らを教えた。 3つは古参のC++プログラマの手に 7つは生粋のJavaプログラマの手に 9つは死すべき運命のVBプログラマの子らに だが、MSは彼らを欺いた。全てを統べる1つの指輪(J#)を作っていたのだ。 やがてMSはSunに逆らい、その本性を露わにした。 C++プログラマの3つはMSの目に触れることなく隠された。 Javaプログラマの7つのうち4つは失われ、残る3つはMSの手に。 VBプログラマの9つを持つものはMSの軍門にくだり指輪の幽鬼となった。
J# というより .NET かも知れぬ
MSは、ゆるさん
101 :
仕様書無しさん :02/11/27 16:14
.NETを滅びの山に投げ込め
MS神官:「滅びよ!ジャヴァ信者共!呪われたヴィ・エムと共に!」
基礎にシィ、及びシィプ・ラプラを据え、簡易用途にはヴィビィやジャヴァを用いるのが一般であり、 魔術師達は協会や師匠から普通そのように教わる。 しかし、某国の遥か山奥には、自動計算機なるものを創った太古の学者パスカルを崇めたてまつる ゲリラ達の集う神殿がある…。 彼等は聖杯を用いる事で、MS帝国が治める窓の領域を抜け出し、リーナ領への侵略を開始していた。 「ラッド」という名の麻薬を武器に…。 ラッドは窓の領域ではよく知られているが、リーナ領民にまで浸透していないため、 当初征服は楽勝と思われた…しかし、両領民の体質の違いと、肝心の導入方法が複雑なこともあり、 侵略は予想よりも遥かに難航している。 また、MS帝国はそれに対抗するため、ゲリラ達の指導者を引き抜き、現在、自国の領土に ドット網を張り巡らせる大工事にあたらせている。
魔術師たちに忘れられた超古代魔法ア・センブラ この魔法は古代魔法であるシィより以前に存在していることが確認されているが、 この魔術は特定の場所に依存し、詠唱時間がかかり、 魔法初心者には非常にあつかいづらいことから 後継者が減り人々の記憶から次第に忘れ去られていったが、 詠唱後の魔法効果のスピード、破壊力は圧倒的ったことが文献から伺える。 古代魔法であるシィ魔法のマスターランクであったリーナスはア・センブラも使え、 古代魔法であるシィと超古代魔法ア・センブラの同時詠唱による 超高等魔術により、リー・ナックス大地を創造したという伝説が残っている。
|Д`).。oO(竜言語魔法はどうすんだ?
106 :
仕様書無しさん :02/11/27 17:04
東洋には、斗論(とろん)と呼ばれるものを操る符呪魔術 が存在するという。 相斗論、微斗論などいくつかの分野が存在するが、 特に相斗論については、エーテルを符に練りこむことで、 術に恒久性を持たせることができ、MS帝国の。 これらは東洋で独自に発達したものであるが、 同じアイデアの術式はリーナ領にもあり、 またヴィ・エクスーワー・クスなど他の国でも同様の発達を遂げている。
現在、わずかではあるがア・センブラを好む魔術師も現存する。 ただし、古代に比べ、魔方陣全体の規模が大きくなった現在、 必要な箇所のみをア・センブラで構築する、イン・ラインと呼ばれる手法が一般的である。 シィ、若しくはシィプ・ラプラにてイン・ラインを用いるには、通常一度全てをア・センブラに直す必要があり、 詠唱が二回必要となり(補助魔法により、手順は完全に自動化されている)魔方陣の構築速度に影響を与えるが、 デルフィ山のゲリラ達は、魔方陣の構築速度を落とさずにイン・ラインを用いる術を心得ている。 しかし、リー・ナックス大地で使われているア・センブラは、 全ての物理現象を掌握するインテル神が定めた記法と異なるため (窓の領域生まれのものはインテル神の記法を用いる)、直接的に侵略に役立ってはいないようである。 急げゲリラ達!帝国のドット網が完成されれば、道は完全に閉ざされてしまう。
世に知られていない、強力な魔法… エイダ…シィを上回る破壊力と、念入りな暴発防止を兼ね備える強力な魔法。 反面、詠唱にはどんな小さな手抜きも許されない。軍事機密下に置かれている。 ハースケル…斬新な体系を持つ魔法だが、まだ実験段階である。従来よりも理論重視。 同系統の魔法も幾つか存在する。 フォース…魔方陣では無く、エネルギーの積み下ろしにより発動する魔法。 他の魔法よりもシンプルだが、それ故扱いにくい。 ブレインファック…詠唱に失敗すると術者の頭脳は崩壊する禁呪だが、威力は無い。 実用よりも、術者がその実力を誇示する為に用いられる。
軍事板よりも面白いw
滅びの呪文 out 0xf0, 0
明民書房みたいになっとるなw 軍板とは一味違って楽しい。
113 :
仕様書無しさん :02/11/27 20:13
114 :
仕様書無しさん :02/11/27 20:13
> |Д`).。oO(竜言語魔法はどうすんだ? 古来より、竜の声にはその言語と音声自体に魔力が込められていると言われている。 その証拠は乏しい。また、実際に見てそれを伝えるものもほとんど居ないが、 ひとつだけその正体にせまる有力な情報がある。 MS帝であるヴィル・グェイツ一世の言葉である。 他の者が語ると世迷言や妄言とも取れる言葉に、彼は魔力を付して送り出すのだ。 彼はその力を巧みに用いて、僅か半生にも満たない期間で広大な領土を獲得した。 は竜の末裔だとまことしやかに言われるのはこのためである。 彼の血が紫色であるのを見たものも少ないが居るという。
115 :
仕様書無しさん :02/11/27 20:17
ゲイツって三世じゃなかった? 三代にわたる竜族・・・ (((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
116 :
軍事版から来ました。 :02/11/27 20:21
すごい… やっぱ理系な人たちは違う…
117 :
仕様書無しさん :02/11/27 20:28
1日中くだらないこと考えている時間があっていいですね。
118 :
仕様書無しさん :02/11/27 20:29
119 :
仕様書無しさん :02/11/27 20:41
>>112 >軍板とは一味違って楽しい。
軍板と違うのは当然だ。ファンタジーの世界そのままでPGが放り込まれても
日払いの仕事について細々と暮らすのがオチだ(w
120 :
仕様書無しさん :02/11/27 20:49
まずは世界観の構築から。
>>98 指輪物語か・・・
子供の頃夢中になって読んだな
あの頃の俺に将来PGにだけはなるなと伝えたい
122 :
仕様書無しさん :02/11/27 21:04
魔法は、現在でこそ多くの人が使えるがそれは長きに渡って蓄積、体系化された 知識によるもの。まあ、それでも誰も彼も強大な魔法が使えるわけじゃない。 一般人は道具を媒介にして、ごく基礎的な魔法しか使えない。 魔法使いと呼ばれる者は大抵子供のころに、マ道具、儀式に関心を持ってそれを 遊び道具に育ったものが多い。そういう子供は早くから魔法が使えるようになる。
123 :
仕様書無しさん :02/11/27 21:21
しかし魔法使いの地位はとても低い。 たいていの魔法使いは仕事を斡旋してもらいやすい賃金でこき使われている。 そう、魔法使いといえども働かなければ生きていけないので。
>>122 > 魔法は、現在でこそ多くの人が使えるがそれは長きに渡って蓄積、
> 体系化された知識によるもの。
それをライ・ブラリと呼び、ライ・ブラリを扱う魔術を精霊魔法と呼ぶ。
精霊はこの世に何百種類も存在し、また魔法により精霊自身を作成
する事も行える。ただし、精霊の作成は多大な魔力と詠唱時間が必要となる。
手持ちの精霊数が多い者ほど、強い魔術師と思われがちだが、
経験が足りないと既に存在する精霊を生成してしまったり、
現在の状況に適さない精霊を呼んで、余計な魔力を浪費してしまったりする。
手持ちの精霊数が多く、無駄な魔力を使わない魔術師こそが真に強い魔術師であろう。
125 :
仕様書無しさん :02/11/27 21:37
魔導書K&Rってのはどうよ?
126 :
仕様書無しさん :02/11/27 21:38
>>現在の状況に適さない精霊を呼んで、余計な魔力を浪費してしまったりする。 >>手持ちの精霊数が多く、無駄な魔力を使わない魔術師こそが真に強い魔術師であろう 人の作り出した魔法をそのまま使う魔法使いのレベルは低いかと
127 :
仕様書無しさん :02/11/27 21:38
牢の中で魔法使ってるよりも どっちかというと魔法使い使いになりたいです。
それはメタ魔法使いというやつでしょうか。 それとも単なる上司でしょうか。
129 :
仕様書無しさん :02/11/27 21:46
「職業魔法使い」はやっぱフリーのほういいのだろうか・・・
漏れなら、持ち得る全魔法力を駆使して 猫耳メイドをゲットする旅に出るな。
軍事板の猛者達とここの優秀な頭脳派(w)が組めば、どんな世界も征服できそうだ。
秘宝、「ルートのパスワード」を手に入れる旅に出るか…
133 :
仕様書無しさん :02/11/27 23:36
魔法の塔というものが各地にある。 エーテルの受け皿であり、多くの場合魔法的にリンクしている。 それぞれの塔にはルートまたはアドミンと呼ばれる管理人が存在し、 遠隔地の塔とのエーテル流動儀式をほぼ継続的に行なっている。 その儀式は、魔術系統によって細部は異なるが、そのほとんどは 洗練された魔法石を積み上げる(スタックする)ことによって、 その機能を実装している。 このことによって、 魔術系統が異なっていても、(竜語以外の)全ての魔術はエーテルの 力によって成り立つことが証明されたといわれている。
134 :
仕様書無しさん :02/11/27 23:53
勇者は「Fire Wall」を唱えた!!
135 :
仕様書無しさん :02/11/27 23:56
自分で内側から壁を壊して侵入された民衆から「ちゃんと守れやヴォケェ」とクレームが来た!!
魔法? ああ、漏れも使ってるよ、エーテルネット。
137 :
仕様書無しさん :02/11/28 00:01
塔の管理者に求められるものがいくつかある。 一つ、火炎壁(ファイアウォール)の魔術を使えること 一つ、水鏡(ミラーリング)の魔術を使えること 一つ、再生(リジェネレーション)の魔術を使えること である。 また、発音できない幾つかのルーン(httpやftpと呼ばれる)を構築 できなければならない。 最近はこれらのルーンを収めた円盤型の魔法石があり、 それをトレイにのせるだけでこれらのことを行なえるようになっている。 このため、魔法塔の管理にはさほど高度な技術を要さなくなった。 (もちろん、外部からの不正な侵入を監視するためには幾ばくかの 知識や技術は必要であるが。) マケラル・チンという古代語的スラング(現代語で鯖缶) で呼ばれるのはそういった理由がある。
138 :
仕様書無しさん :02/11/28 00:09
ジャヴァとヴィ・エムを巡る太陽共和国とMS帝国の争いには興味深いものがある。 (中略) 結果として太陽は陰り、MS帝国は新たなる真に汚染されたジャヴァ、 すなわちドット網と呼ばれる構想を打ち出すこととなる・・・。
疲れたので美味しいところを中略・・・
それゆけ!IPパケットなスレはここですか?
そのうち、誰かがゲームを作りそうな気がしてきた…
142 :
仕様書無しさん :02/11/28 01:10
死なないPGはいいPGだ
143 :
仕様書無しさん :02/11/28 01:45
いい管理職は氏んだ管理職だけだ
>>141 まあ、パート3の中盤ぐらいで誰か作りそうだけどな。
145 :
仕様書無しさん :02/11/28 03:04
一般的に魔術師が一人で大規模魔法を詠唱するのは困難を極める。 詠唱にかかる時間と労力、そしてなにより集中力の欠如といった数々の問題があるからだ。 そのため、近代では複数の術者による詠唱の分業化が進められ、魔術師とは別に 貴族等の依頼を受けて魔方陣の形成に必要な術式を計画するエ・スイと呼ばれる専門の術者が登場した。 しかし、実際に現場で魔法陣の形成や個々の詠唱を行う魔術師にしてみれば 命掛けで作業にあたるのは自分達であり、書類書きと貴族との折衝だけで高待遇を得る エ・スイ達に使い魔のごとくコキ使われるというのは腹立たしい事態に他ならない。 自分では魔法陣の崩壊、詠唱に伴う体力・精神力の消耗等の命に関わる作業を行わず、 ただ机上で設計を行うだけのエ・スイと、既に絶望的なまでに崩壊を続ける魔法陣の中で 命を削りつつ必死に詠唱を続ける魔術師・・・。 しかし、術者同士の人間関係を悪化させるのはそのような感情に寄るものではなかった。 全ては魔法陣形成時に交わす悪魔との契約のせいなのだ。 悪魔はより多くの術者の命を喰らう為、冥界より使い魔(バグ)を送りつづける。 かくて、魔方陣は悪魔の目論見どおり崩壊し、契約し従って術者の命を削り取る。 全ては冥界より召還される契約の悪魔、デス・マーチの思惑通りなのだ。 それでも、一縷の望みを捨てず、魔術師達は詠唱を繰り返す。 魔法の成功と、大天使マスター・アップの光臨を夢見て…
マサチューセッツというところには大きな象牙の塔がそびえ立っており その塔には、選ばれし魔法使いだけが入ることができ、彼らは日々、 研究にいそしんでいるとか。
本物の魔術師はパス・カールを用いない。
パーティーのメンバーを想像してみたが、 役に立たないPMと営業と新人だったりすると鬱だ
すみませんここはどこですか?漏れは何すればいいんですか?
プログラマがファンタジー世界に召還された時の話というか、ファンタジー世界をプログラマ的に解釈 するスレに成りつつあるな…。
151 :
仕様書無しさん :02/11/28 09:48
プログラマが魔術師に置き換わった世界ってことか・・・
まず仕様を固めてから実際の作業に入るのがプロのやり方かと。 作業終わった後デバッグとテストも忘れずにねw
153 :
仕様書無しさん :02/11/28 09:51
ガンガンいこうぜ >いのちをだいじに めいれいさせろ
154 :
仕様書無しさん :02/11/28 09:51
禁呪 ゼロ・ディヴァイド 全て事象をを虚数空間に飲み込み、存在を無にする古代魔術。
秘儀 デッド・ロック 時間・空間のアルゴリズムを狂わせることによって、この世界から忘れ去られた かのように完全なる静止状態になる秘儀である。その由来は定かではないが、 有史以前から存在してるのは確実であろう。なお、便利であるはずの魔法石 をまともな訓練を受けずに濫用するとまれにこれと似たような現象が起きる と言われている。 なお、名前の由来は「死ぬことすら許されない」のハイ・エルフの言葉から 来たと言われている。
156 :
仕様書無しさん :02/11/28 10:17
シィプ・ラプラにおける難儀の一つと言われたものが タージュ継承魔法陣である。 一つの魔法陣を拡張し、より高度なものにするという手法を 最初に普及させた魔術言語なのだが、 2つ以上の基礎魔法陣を融合させようとして非常な煩雑化を生み、 基礎概念そのものを穢れさせてしまったといわれている。
157 :
仕様書無しさん :02/11/28 10:23
MS帝国に住む有角族が用いる魔術言語に、シィプ・ラプラの亜種とも言える シィシ・ヤープがある。ジャヴァとシィプ・ラプラの中間に位置する魔術系 として時折話題になる。 MS帝国のドット網構想と共に広範な普及の兆しを見せており、シィプ・ラプラ の原理主義的な派閥、また太陽共和国からは疎まれているという。
魔術師達の命を削るような努力の末、魔王ワィトゥケイは倒された。 ただし封印の力が解けたときふたたび魔王は姿を変えて甦る。 たぶんあと7年後、さらに17年後、さらに27年後と35年後に…
妖精伝説ヒューディー・・・
精霊伝説だった・・・
辺境で一部流行ってる「禁断の果実信者の会 マ=キントーシュ」はMS帝国と 対抗するためにロード・リーナと技術交流をはじめたって聞いたが本当ですか?
162 :
仕様書無しさん :02/11/28 11:10
禁呪 ヌル・ポ 魔法とは、エーテル空間に対し詠唱による人為的な流れを引き起こすことで 現実空間内にさまざまな現象を発現させるものである。 しかし、詠唱の前段階として必要な触媒の初期化などを怠った場合、 術者が意図しない座標軸にたいして詠唱が適用されてしまう。 それによる魔法効果は全く不明であり、時に重大な被害をもたらす。 そのため、ヌ・ルポの呪文は厳しく監視され、呪文の名称を口にしただけでも 禁呪監視者の持つ裁きの杖による制裁が加えられることとなった。 ∧_∧ ( ・∀・) | | ガッ と ) | | Y /ノ 人 / ) < >__Λ∩ _/し' //. V`Д´)/ <ヌ・ルッ・・・ (_フ彡 /
163 :
仕様書無しさん :02/11/28 11:17
我々が目指すのはただ賢者の石である そして、また完全な魔法陣でもある そして、古の完全なる魔道書も。。。。
164 :
仕様書無しさん :02/11/28 11:22
>>163 その魔道書とは、賢者オライリーによって編纂され、
表紙に数多の使い魔が記されているという、伝説の書のことですか?
あぼーん
166 :
仕様書無しさん :02/11/28 11:28
ディ・オ・エス 魔法陣や魔法塔を攻撃する呪術。 エーテルを過剰に流入して、過負荷状態を作り出し、 標的を破壊・または支配する。
167 :
仕様書無しさん :02/11/28 11:31
ワーム 黒魔術師が作り出したモンスター 主にMS帝国に被害を及ぼすが 近頃は周辺国までもが被害を及ぼす コ・ド・レッド 黒魔術師が作り出した最悪の悪魔
>165 闇のエーテルの逆流に飲み込まれた哀れな魔法使いのなれの果て
169 :
仕様書無しさん :02/11/28 12:58
エフ・オーマット 忘却の呪術。 ファト 魔法陣構築時にエーテル場を安定させるための初級呪文。 多くの場合、末尾に16や32といった数字のルーンを付加し、 エーテル容量と密度を決定する。 エヌ・ティエフ・エス ファトの上級呪術。 ファトにエーテル圧縮、暗号化や術者保護のルーンを加えたもの。
171 :
仕様書無しさん :02/11/28 13:25
>>170 で、開発終了間際で戦況が変わり、新しい魔道兵器の搭載が決定。
しかし、納期はそのまま…
かくして魔法陣は崩壊し、契約の悪魔デス・マーチが召還されるのであった…
∧_∧ ( ´∀`)< ぬるぽ
∧_∧ ( ・∀・) | | ガッ と ) | | Y /ノ 人 / ) < >__Λ∩ _/し' //. V`Д´)/ >172 (_フ彡 /
>>170 向こうのスレ見てきたけど某研というお方は異彩を放っておりますな。
175 :
仕様書無しさん :02/11/28 15:52
ここはすっかり、しったか用語辞典のファンタジー版の様相ですな。
>174 某研猊下は特別な御方なのです。 滅多なことを言うと粛正されます。決してデムパなどt PAMPAMPAM!!!
てっきりクソスレかと思いカキコをスタンダップ待機していたクソスレ愛好家の俺だが 以外と良スレの気配に感服そしてマ板と軍板との華麗で知的なコラボレーソンに乾杯しつつ 有効記念として軍板への【戦場でオナニー】スレのヴォッキを提案したい
>>177 漏れの一存でどうってもんでもないが、漏れはOKと思うよ。
お前ら最後にセックスしたのはいつだよ? 女ソルジャーって使えない 【未だに】使えない新兵 女兵士/士官はなぜ例外無しに激しくブスなのか? この部隊辞めようと思った作戦指令書#7 、、、、、、、趣味の軍板じゃなくて軍人板なら立てられるんだけどね、、、
賢者(セージ)と呼ばれる者たちが居る。多くの場合彼らは世捨て人である。 彼らの好むところといえば、ただ哲学や学問的な談義を繰り返すこと。 そう、賢人会議が時所を選ばずに開催される。プロヴァ・イデアとの契約により、 遠隔地から魔法塔を使用して彼らの憩いの聖地に集うことができるのである。 いまや彼らは家の中でその会議に参加できる。 参加するにあたって、彼らの多くは名乗らず、またはコテハンと呼ばれる仮名を 用いる。しかし、彼らは参加者の身分を示すメイルランというところに、自らの 立場として「sage」と書くことで知られている。 魔術師の中にもその会議に集う者たちが居る。 とりわけ、魔術に関する議論は彼らの中でも焦眉の係争である。
※
>>177 ですがこのハンだと書き込みしづらいので名無し発言します。。。
スレ立ては軍事板の方々にお任せするとして、何か交流出来たら面白そうですね。
ここ何日か「初めて見にきたけど」なんてレスをちらほら見かけるのは
きっとこのスレのおかげなのかもと思ったり思わなかったりで。。。
とりあえず良スレおめ
交流も何も、住人が結構重複してると思うYO 共通の話題がないからくっつけても 盛り上がらないだけかと。漏れもPCの上にチョコ戦車飾ってるしw
そーだったんですか。知らなかった。。。 出すぎた真似をしてしまってスマンコ
>>171 >で、開発終了間際で戦況が変わり、新しい魔道兵器の搭載が決定。
開発終了間際品を 試作物(X ナンバー扱い) として徴収し、試験運用してゆく。
新構想ものは、別扱いとされるだろう。
このケースで予見されるのは、「捨てるに捨てれない魔方陣」と
その「魔方陣を元に改造しようと画策する エ・スイ」ではなかろうか…
連続スマソ さらに予測: 「だから、ベータ版っていったじゃないですか! なんでそんなのわたしちゃったんですか!」 とエ・スイにつめよ(りたい 衝動を抑えて実装を進める) PGの図
コボラーはゴブリンくらいかな、それともスライム程度かな
弱いくせに逃げ足だけは速いからなかなか倒せないメタルスライム。 うまく頃せば経験値がっぽりでプロジェクトのレベルが上がる。 ただし、出会えてもちっともうれしくない。
188 :
仕様書無しさん :02/11/28 19:03
ここにいるほとんどはセージなんですね
たまにメイルランにmageとか書くやつが魔術師なのです。
190 :
仕様書無しさん :02/11/28 19:24
>>189 ってことは、韓国の魔術師は日本古来の髪型を?
192 :
仕様書無しさん :02/11/29 01:15
偉大な神官達 オ・ラ・クル 宣託者たち 膨大な神々の知識の記述に触れることができるただひとつの神官達 又それを模した形の知識の入れ物デ・タ・ベィスなる物を扱うことができる 他に神官達にエ・スキ・ィエルと言われる神官達もいる
193 :
仕様書無しさん :02/11/29 01:23
パンパン パンパン パンパン パンパン パンパン パンパン / ̄ ̄\/ ̄ ̄\/ ̄ ̄\/ ̄ ̄\/ ̄ ̄\/ ̄ ̄\/ ̄ ̄\ | ・ U | ・ U | ・ U | ・ U | ・ U | ・ U | ・ U | | |ι | |ι | |ι | |ι | |ι | |ι | |ι \ パンパン / ̄ ̄ ̄ 匚 匚 匚 匚 匚 匚 匚 ヽ | ・ U \ \ \ \ \ \ \ ) )) | |ι \ ノ \ ノ \ ノ \ ノ \ ノ \ ノ \ ノ U||  ̄ ̄ |||| || || || || || ||
>>193 リースト・イテレーター、基本的ではあるが、そのルーンを
ゾウに唱える発想が素晴らしい。
195 :
仕様書無しさん :02/11/29 02:22
age
196 :
仕様書無しさん :02/11/29 02:23
最近のジャヴァ発動体は折り畳みが可能。 そして、強制千里眼呪文 シャメイル が使用可能。
初心者です、この世界のことについて質問させてください。 世界は3つの大きなお盆の上にあって ・ウィンドウズ界 ・マック界 ・ユニックス界 って感じですか? あと、デルファイというのはどういった魔法でしょうか えーっと、言葉の響きから水属性とか?
……なんか方向性チガウくないか? プログラマーがファンタジー世界に放り出されたら どんな行動を取るかというスレだぞ 言語やパソコン業界をファンタジー風に例えるスレになっている まー別にいいけど
199 :
仕様書無しさん :02/11/29 10:25
>>198 その世界で魔法がプログラムのようなものとしたら
こういうのがあるのではと言う話では?
>198 オークに犯されたうえに丸焼きで食われる。 エルフの肉奴隷になって死ぬまで搾り出される(なにを? ドラゴンにに食われる PCがないからノイローゼでしぬ 以上。 唯一ファンタジーの世界との接点は、魔法しかなさげ(;´Д`)
150 名前:仕様書無しさん sage 投稿日:02/11/28 09:34 プログラマがファンタジー世界に召還された時の話というか、ファンタジー世界をプログラマ的に解釈 するスレに成りつつあるな…。 151 名前:仕様書無しさん 投稿日:02/11/28 09:48 プログラマが魔術師に置き換わった世界ってことか・・・ 152 名前:仕様書無しさん sage 投稿日:02/11/28 09:49 まず仕様を固めてから実際の作業に入るのがプロのやり方かと。 作業終わった後デバッグとテストも忘れずにねw
>>200 大多数はサバイバル能力は無さげだからなぁ…
>>3 みたいな 世界の穴を見つける行動を取りたいなぁ
>大多数はサバイバル能力は無さげだからなぁ…
まあ確かに単独行動では何も出来ずあぼーん終了が大半だとは思われるが
サバイバリティに長けた者が皆無だとは言い切れないのではなかろうか
その者がリーダーシップを取りグループとしての行動を取ることにより
全体としての生存率を上げファンタジーの世界に順応しようと試みるのは
予測範囲内の事ではなかろうか
その後の落ち着いた時期を想定して
>>170 をカキコしたわけだが
レスの少なさを鑑みるに板違いの気配を感じつつ
共通点を見出す作業は矢張り難しいということだったのだろうか(苦笑
………
と某研閣下風に書いてみたものの 自分でも鬱陶しいので
ただの名無しに戻ります (ってか 閣下風はつかれる
208 :
仕様書無しさん :02/11/29 12:36
お昼上げ(吉牛) マターリシル
sage進行で
211 :
仕様書無しさん :02/11/29 15:52
>>204 相手の魔法を禁じる呪文を全く同じタイミングで発動した場合とか?
錬金術師(ハード屋)との 終わらない抗争もアルな…
魔道師の杖(発動体)を作るには錬金術が必要だからな・・・。
214 :
仕様書無しさん :02/11/29 16:01
例え錬金術師どもがゴーレムやホムンクルスを合成できたとしても それに命を吹き込むのはやはり魔術師の仕事。 よって、魔術師>>>錬金術師>>>>>>>>>>エ・スイ
215 :
仕様書無しさん :02/11/29 16:01
ブラクラキボンヌ
216 :
ブラクラに挑戦する名無し :02/11/29 16:06
強力なブラクラキボンヌ
発動体のない魔術師などただの人 魔術師を指揮できないエ・スイなどただの人 よって 錬金術師>>>魔術師>>>>>>>>>>エ・スイ
ブラクラか… 無貌の神へのリンク、精神的ブラクラ
も前らスレ・ドとプローセスの違いを説明してくれ。 明日までに論文出さないと一日豚の姿で過ごすことになる(;´Д`)
ブラクラってあれ?禁断の自爆魔法のこと?
お師匠様! このK&Rって魔道書には飽きました! いつまでこんな手垢のついた古い本で勉強しなくてはならないんですか? 僕はもう使い魔ポインタの召還もできるし、再帰の呪法も理解しましたよ?
>>222 (´-`)。oO(ポインタごときで・・・こういう弟子を持つ魔術師は大変だなぁ)
225 :
仕様書無しさん :02/11/29 22:39
冫─' ~  ̄´^-、 / 丶 / ノ、 / /ヽ丿彡彡彡彡彡ヽヽ | 丿 666 ミ | 彡 ____ ____ ミ/ ゝ_//| |⌒| |ヽゞ |tゝ \__/_ \__/ | | <わが帝国は世界一ィィィィィイ! ヽノ /\_/\ |ノ ゝ /ヽ───‐ヽ / /|ヽ ヽ──' / / | \  ̄ / / ヽ ‐-
そういえば、簡単な呪文で強力な電波が召還できるらしいな。 ええっと、なんだったっけ、確か、「話し」だったかな?
複合召還、「レールガンの話し」
はなしし?
229 :
仕様書無しさん :02/11/30 07:46
230 :
仕様書無しさん :02/11/30 07:54
だが呪文は失敗した
231 :
仕様書無しさん :02/11/30 08:43
召還が失敗して良かった。 いや、ほんと〜〜に良かった。
>>220 スレ・ドは発動した魔法、プ・ロセスは1つ以上のスレ・ドを含む魔法が発動して
いる環境を指すものと思われる。が、そもそも国が違うと定義が異なることがあり、
この定義は一例に過ぎない事を付け加えておく。
でもきっと時間切れだな。豚になれぇぇ!
>>114 竜語については未だに謎が多いわけだが、リーナ領に伝わる言い伝えによると、
超古代、シィの術式を創造した魔術師達も竜語を操ったという。
良く知られているように、シィの術式を発動可能な形するためには
術者の発動体に仕込まれているコン・パイラという魔法のサポートが欠かせない。
このコン・パイラの創造に使われたのが竜語なのだという。
竜語の奥義を記した秘宝「竜の書」を読んだ者は、新たな魔術系統を創造する
力を手にすると言う。
235 :
仕様書無しさん :02/12/01 16:16
ハーピィーの風俗(・∀・)イイ!!
236 :
仕様書無しさん :02/12/01 16:32
呪文詠唱中にミスるとコンパイルエラーとか出るんでしょうかね。 やな魔法だな
ワーニングが出た場合は暴走したりする可能性も有りってことか。 滑舌の悪いやつ・声の小さいやつには辛い職業だな。
コン・パイラの創造以前に存在した魔法については、
イン・タネット洋を流れるとある歴史書に記されている。
http://www.dcs.warwick.ac.uk/~edsac/ 明らかにシィの術式に使われるコン・パイラの創造に
使われた竜語よりも古いと思われる。
竜語と何らかの関係があるとも考えられる。
ここに記されている時代よりもさらに古い時代の魔法を使う際は
呪文を詠唱する度に錬金術によって発動体を再精製する
必要があった、 と伝えられている。
239 :
仕様書無しさん :02/12/01 18:47
万物を破壊するものVOID、地を闇に包むものよ出でよ!
コンパイルエラーはその反動が術者自身に返ってきます。レベルの低い 魔法ならば、たいした影響も無いのですが、呪文詠唱の長い高度な魔法 になるとその反動はとても大きなものになります。レベルの高い魔法 使いは反動をうまくよける術を心得ているものです。もしも、未熟な 魔法使いが万が一高度な魔法においてコンパイルエラーを出してしまっ たなら、彼は命を落とす危険すらあることでしょう。
kusakabe=某研?
244 :
Kusakabe Youichi :02/12/01 19:23
>>239 私は、破壊神じゃないですよ
こわがりすぎー:)
>243 貴様ッ!!猊下をvoid風情と一緒にするなぁぁぁ
『上まあ〜』『〜だろうか』『〜だろうが』『〜わけだが』などの独特の語感で物をいい、レールガンとリボンの騎士に拘るとともに怒濤の勢いであらゆる話題に己の世界を語るレスをつける… 人、それを某研と呼ぶ!(BGM、マシンロボ・改!)
魔法使いが呪文詠唱中にミスったらどうするんだろう? エラートラップ見てー
上司に言われた処理を作成中に ちょっと動かしてよって言われて 無理に動かしてエラーだらけで 機嫌を損ねて怒られる部下魔法使いを見ながら あぁ、俺もあぁだったな…… とこの世界に独り想いを馳せたりする そんな俺はファンタジーな世界にサッカーを広める旅に出る
250 :
仕様書無しさん :02/12/02 18:55
>>240 いやまだ呪文詠唱中のコンパイルエラーなど軽い方だ。
他の魔法使いが唱えた呪文と結合させてエラーを出して責任のなすり付け合い
してみたり、全員の唱える呪文結合して、仕様を満たしてないなんて言われて
全員で徹夜で詠唱繰り返したり、土日も休まず詠唱したり…
やめよう、嫌になってきた。
251 :
仕様書無しさん :02/12/02 19:01
小人さんの召還呪文を覚えるかどうかで、魔法使いの適性がわかるらしいでつ。
>>234 > 竜語の奥義を記した秘宝「竜の書」
見たことがあるが理解できなかった。まだレベルが足りないようだ。
電卓程度のショボイ魔術系統はなんとかなったが、シィ級の術式は無理
ましてやシィプ・ラプラ級の超難解高級術式などは想像すらできん。
ああ、いつかは竜言語を自由自在に操ってみたい。
253 :
仕様書無しさん :02/12/02 21:14
>>250 なるほど。
大規模な呪文になると、複数人で一月以上の日数を必要とすることもあり
>>250 の言うようなことも起こりえるわけだ。コンパイルエラーのために中
断すると、詠唱完了が先へ先へ伸びる。
しかし、注文者(例えば王侯貴族等)のいう期日は確実に迫ってくる。
プログラマーは時を止める呪文を唱えた。 全ては青に包まれた。 そして静寂が訪れた。
255 :
仕様書無しさん :02/12/02 21:33
>>254 (((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
256 :
仕様書無しさん :02/12/02 21:54
もちろんパールは黒魔術
>>256 ワラタ
俺黒魔術士な。EvilだからNPCに殺されちゃうのさ。
258 :
仕様書無しさん :02/12/02 21:58
>>256 宮殿吹き飛ばすからねー
宮廷魔道士が使うんだけど失敗したら・・・
スキルや死に様が似ているだけで
プログラマー ≠ 魔法使い
だろうに
>>1 の仕様にはちゃんと従えっつーの
デスマーチから開放され
家に帰る途中で・・・
目の前には魔法と剣の世界だった!
>259 そして頭の後ろにはオークがニヤニヤと笑ってる(完
突然現れたオークは、恐怖に硬直する君の顔面に棍棒を振り下ろした。 → 14へ行け 突然現れたオーク、慌てた君はマ法を唱える。 しかし、どうやらバグを作り出してしまったようだ… → 14へ行け 混乱した君は思わず叫んだ 「ぬるぽ!」 すると何処からともなく現れた者が、君もろともオークを撲殺した! → 14へ行け オークとの戦いには勝ったものの、デスマーチに疲れ果てた君は、 縄を手にすると近くの木にそれをかけて輪を作った。 → 14へ
>>260 魔法も使えず、剣も使えず、体力も無く、ツブシのきく年齢でもない・・・
また、言語は通じないし本も読めないので知識を得ることもままならない。
この状況でどうしろと?
もし、生きていこうとするなら山奥で自活の道を逝くしかないのでは?
263 :
仕様書無しさん :02/12/03 13:05
取りあえず・・。 異常ケースの負荷テストで、バグにならないか試してみる。
レジス鳥という鳥がいる。 巨体なので滅多に飛ばないが、いざ飛ぶと面白いことになると言われている。 ストレスが溜っているのなら、試しに狩ってみるのはいかがでしょう。
> デスマーチから開放され > 家に帰る途中で・・・ > > 目の前には魔法と剣の世界だった! 良くあることです。この前はそれで山手線を3周ほどしてましたが何か?
>>264 捕まえて無駄羽を抜いてみるのも一興ということでつか?
>265 ちげーよ、>259はデスマーチの後にイメクラでハァハァリフレッシュすること について語りたいYO。 たぶん。
268 :
仕様書無しさん :02/12/03 13:30
> デスマーチから開放され > 家に帰る途中で・・・ > > 目の前には魔法と剣の世界だった! 良くあることです。この前はそれで首都高速環状線を3週ほど・・。
s/週/周/ 鬱だ。仕事しよ。
>268 耐久レースデスマーチか。お疲れ様です。 とてもファンタジアなレースですね。
> 良くあることです。この前はそれで首都高速環状線を3週ほど・・。 わたしなんぞは、湾岸線とアクアラインで東京湾を3周ほど・・・。
>>259 でもさぁ、運動不足のプログラマにいきなり剣を持てってのは無理だろ?
できそうな事といったら呪文を覚えて魔法使いになるしかあるまい?
結局、変わらないんじゃね〜の?
>>250 漏れの周りの状況とソクーリだ・・・ ( ;゜Д゜)
魔法を結合した瞬間、 エーテル空間が歪んで
無数の魔物(バグ)が召喚されたYO!
で、 その後始末は自分一人。
誰の魔法かもよく分からないのだが・・・
漏れはまだ経験少ないから初めて見たけど
この世界に長く住み着いている魔法使いには
日常茶飯事なんだろうな・・・ 同僚の話では
結合の瞬間にその場で全員石化なんてざらにある
らしい。鬱・・・
274 :
仕様書無しさん :02/12/04 00:17
呪文詠唱のちょっとした発音のミスがその場でわからず、 後で魔法のオーバーロードが起きることがあるので要注意。 再詠唱の為にも普段からわかりやすい呪文を唱えておきましょう。
今日は究極呪文リブートを唱えたけど 世界は戻ってこなかったわけだが。
276 :
仕様書無しさん :02/12/04 14:07
スレタイからこんな風景を想像してた。 仕事中、ファンタジー世界に召還されてただ働きさせられ、 元の世界に戻されたと思ったらやりかけの仕事が目の前にある……。 一休みしてたはずがファンタジー世界に召還されてただ働きさせられ、 元の世界に戻されたと思ったら疲れ果てた自分がいる……。 いや、もう考えるのやめよう。
>276 日帰りクエスト・・・思い出しちゃった。
278 :
仕様書無しさん :02/12/04 22:34
ファイア
MPがたりない!
ダーマ神殿: 「おおっ、この職業はのろわれている!」 :転職できない!
281 :
仕様書無しさん :02/12/05 08:07
282 :
仕様書無しさん :02/12/05 08:23
>>280 *「では、ヒロユキはプログラマーから遊び人に転職してもよいか?」
┏━━━━┓
┃→はい ┃
┃ いいえ┃
┗━━━━┛
*「残念ながら、プログラマーからはオナグラマーか糞SEにしか転職できんのじゃ」
283 :
仕様書無しさん :02/12/05 11:11
>>250 > 全員の唱える呪文結合して、仕様を満たしてないなんて言われて
> 全員で徹夜で詠唱繰り返したり、土日も休まず詠唱したり…
仕様みたしてないっていうならまだ客観的に分かるからいい。
「俺のイメージと違うんだよね〜」とか言われた日にはたまんない。
hage
285 :
仕様書無しさん :02/12/08 00:57
飽きんの早いなお前ら。
286 :
仕様書無しさん :02/12/08 03:44
年末で忙しいんじゃねぇか?
287 :
仕様書無しさん :02/12/09 17:37
軍板には多数の職人たちが降臨。 俺等もなんかやろーよ。
忙しいのです。年末ですから。
289 :
シィプ・ラプラ魔術師 :02/12/09 18:59
日記(12月9日) 私は今日、我々の学院のパトロンであるとある大貴族のところに赴いた。 それが誰かは言うまい。ただ、魔法陣の構築に暇なく携わっている大貴族とだけ書いておこう。 貴族の一人が頭を抱えながら私のところに来た。 先日から彼が抱えている問題がまだクリアできないのだという。 見てみると、ア・センブラで記された古代呪術と、 シィプ・ラプラとの接合ルーンが上手く行かないらしい。 「おそらく、レ・ジスタの復元か、パラ・メータの問題だと思うのだが・・・」 問題の個所は私にも大体想像がついた。 ただ、やはり彼には荷が重かったのだろうと思う。 私はため息をつきながら、一つの呪文を詠唱した。 「インラ・インア・センブラ・・・・」 次いで私は、インテ・ルの石の基礎である四大元素(イアクス、イビクス、イククス、イディクス) を直接制御し、この難問をよりクリアに、シンプルなものへと書き換えた。 その結果、わずか数時間で、この古代呪術はシィプ・ラプラから使えるものとなった。 シィプ・ラプラは優れた魔術言語である。 私はこの言語にさらなる愛着を覚えた。
290 :
シィプ・ラプラ魔術師 :02/12/09 19:18
そして1日前に戻る・・・ 日記(12/8) 今日の私は苛立っていたと思う。 なぜなら、教本が2冊も行方不明になってしまったからだ。 私は弟子にそれを貸し与えようとした。そしてそれによって、 偉大な魔術師たちのこと(彼らは真にウィザードと呼ばれるに相応しい)を 弟子に伝えたかったのだ。 私から直接得られるものなど、この広い世界の謎に比べれば実に小さなもの、 氷山の一角に過ぎないということを。 紛失した教本は、共通語でタイトルを書くと 「効果的なシィプ・ラプラ」と「より効果的なシィプ・ラプラ」の2冊だ。 一体誰が持ち出してしまったのやら。 我々の学院の塔はセ・コムによる施錠が施されているので盗まれたということ はないだろう。(いや、盗むならもっと高価なものは沢山ある。) まあ、学院内のものなら、そのうち返しに来るであろう。焦るまい。 仕方なく、この日は私手ずから弟子に手ほどきを行なった。 スマート・ポ・インタの仕組みについてだ。彼が簡易上級呪文ブーストを紐解き、 その謎に近づく日が来ることを願ってやまない。 私は、人が仕組みを理解もせずにこの簡易上級呪文に近づくことを良しとしない。 使うのは理解したものの特権であると信ずる。
291 :
シィプ・ラプラ魔術師 :02/12/09 19:29
回想録1 私にも若い日があったと書いておこう。 私に特定の師と呼べる人物は居なかったが、 学ぶにあたっては、さまざまな人物が記した魔道書を紐解き、 一つ一つの教えや概念を吸収していったものだ。 シィプ・ラプラを使うための修行のさなか、シィとシィプ・ラプラの結合を試みたことがあった。 だが、どうしても上手く行かない。結合呪術の最中にエーテルの流れが突然止まるのだ。 己を過信していた当時の私は若かった。その問題のために数日を費やしてしまったのだ。 それでそのとき初めて人に教えを乞うたところ、その人物はいたって簡潔にこう述べた。 「このインク・ルードのルーンをエクス・ターン・シィで囲んでみたまえ」 と。 言語の間には命名規約と呼ばれる一種のルーンの法則がある。 私はそのときまでそれを理解できていなかったのだ。 そのとき私は己の不明を恥じ、また同時に謙虚さを学んだ。 今となっては懐かしい出来事である。
自分で書いてて電波っぽくて恥ずかしくなってきますた。w 続編は気が向いたら書きまつ。
○月×日、私は脱出を試みた。 これまで指示されるがまま、何度もただエム・エーフシィを組み上げてきた。 見通しの悪さが評判のエム・エーフシィだったが、慣れた私には信頼できる道具だった。 あの気のふれた皇帝が、ネット網なる構想を流布するまでは… シィ・マガジンという名のかわら版には、従来のヴィジュアル・シィプ・ラプラとエム・エーフシィには欠陥があり、 ネット網によりそれは解決されるという。 だが、マネージ・ド・シィプ・ラプラは、私の目にはエム・エーフシィ以上に醜悪に思えた。 肝心のネット網建設も、実際の進行状況は10%程度と言われている。 どうすればいいんだ…そう思った時、私の足は逃げ出していた。 リーナ領に逃げようとしたとき、ヴィーの大群に襲われた。 私にはヴィーやジ・シィ・シィを飼い馴らす技術は無いと自覚した瞬間でもある。 気を失った私は、縛られて、どこかの神殿に転がされていた。 私が目を覚ましたのを見て、まるで女神とおぼしき人物は言った。 リーナ領を攻める兵士を集めている。参加して欲しい。誓いの聖杯を飲め、と…。 今、私は、シィプ・ラプラ版聖杯Vを用いて、ジ・シィ・シィと戦っている。 時々思う…逃げなければ良かった、と。
294 :
仕様書無しさん :02/12/09 21:10
GCC(God Core Connection)は、天国への誘い(いざない)。
295 :
シィプ・ラプラ魔術師 :02/12/09 22:23
回想録2−1 私が数年前にあるパーティに加わっていた話をしようと思う。 シィプ・ラプラ魔術師は私だけ。 シィ魔術を使うことのできるロード(君主)と、 ロードの配下であるナイトがいた。 われわれの目的地に続く道は、一つの山に続いており、山の名はノーキといった。 われわれの目的地はノーキの先にあるという、憩いの地を目指しての旅だ。 「ノーキは呪われし山。決して過ぎてはならぬ。」 とだけ近隣の村に口伝ともいえる謎かけが残されているのみだった。 いったい、ノーキを過ぎずにどうやってその先の憩いの地を目指すのか。 この謎かけは不気味な響きを帯びていたが、われわれはその先にある土地を夢見ていた。
296 :
シィプ・ラプラ魔術師 :02/12/09 22:44
回想録2−2 ノーキを目前にしたある日のこと。 このまま行けばノーキを過ぎざるを得ないところに差し掛かっていたそのとき、 われわれは一人の僧侶に出会ったことを記しておかねばなるまい。 彼は名をク・ライアントといった。彼はノーキ山を良く知っているという。 また、その山に宿る神のただ一人の神官だという。 彼のことを別の名でタン・トウシャと言うらしい。 われわれは彼に疑問をぶつけてみた。 「このノーキを過ぎずに向こうにたどり着くにはどうしたら良いでしょうか。」 ク・ライアントは言った。 「ロードよ。あなたに謙虚さが求められています。 三度祈り、三度嘆願しなさい。そうすれば、ノーキが動くでしょう。 そしてノーキが動いている間に、魔術師よ。 あなたが憩いの地をシィプ・ラプラで手繰り寄せなさい。 そして、その間にナイトよ。 あなたは魔術師を守りなさい。それでこの冒険は終了です。」
297 :
仕様書無しさん :02/12/09 23:07
あいかわらずおまえらひまそうでいいですね。
いやみを書く暇があったらマ板の盛り上げ方を考えろ。
職場でオナニーとか
>>297
299 :
仕様書無しさん :02/12/09 23:17
ティルズオブデステニー2をやったがあれは外国で出したら絶対に反感をかうと思うぞ。 日本人にしか理解できないストーリーだと思う。
300 :
仕様書無しさん :02/12/09 23:19
>>299 面白かった?感動した?
面白そうなら買って遊んでみようかと思うんだけど。
\\\ ∧_∧ _________ ( ~∀`)|− ―――――――、.\ /´◇つ二|⊂ | 次でボケて :〉 〉 /_/l__| .|ー ―――――――.'_/ (__)_)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
302 :
仕様書無しさん :02/12/09 23:22
>>300 面白いし、感動もした。
でも最後の敵と戦う理由がなんか間違っているきがした。
303 :
仕様書無しさん :02/12/09 23:26
>>302 じゃ、買って遊んでみまつ。thanx!
助けて! 最近うちの師匠、 「リ・スプの秘術を極める」とか言って 部屋にこもったきり出てこないんです。 部屋からは 「コッカ・コッカ・コッカ・カッコ……」 「カー・クダー・クダダー……」 「コンスピー・ニル……」 なんてわけわかんない呪文ばっか聞こえてくるんです。 なんか「知性の創造」なんてことも口走ってたような……。 だれか手遅れになる前に止めてください……。
305 :
仕様書無しさん :02/12/10 01:06
306 :
シィプ・ラプラ魔術師 :02/12/10 13:19
日記(12/10) シィプ・ラプラの道を進んでいると、 自らも実に大量の魔道書をしたためるに至る。 今日はその整理を行なっていた。 個人的な見解をしたためさせていただくと、 「オ・ペレータ・オー・ヴァライド」のルーンをあまりうかつに使いたくはない。 特に、複雑なコン・ポーネントに関しては、その働きを歪めてしまうことが多いためだ。 逆に基礎的なルーン(例を挙げるなら、四角や箱を示すルーン、またスマート・ポ・インタなど)は、 その働きをよりはっきりと表現するためにしっかりとした根拠に基づいてこのルーンを 付記することが望ましい。 過去にしたためたルーンがなんとも幼稚に思えてならない。 このジレンマは永遠について回るのかもしれない。などと思った昼下がりであった。
日記( 12/23) うま・・・・かゆ・・・・・
309 :
仕様書無しさん :02/12/12 06:38
魔法を直接タイプするんだ。 RADALT
TILTWAIT
これでもくらえっ
ザメハ連発しすぎで神経を病んだ魔術師なんかいたり?
周りがうるさい、MONTINOが欲しい…
314 :
仕様書無しさん :02/12/12 17:54
もんてぃのは漏れもほしい。 耳に詰めるやつじゃなく。
どうでもいいよ。 そんな事よりもう帰りたいよ。マジで
○月△日、私は戦場へと出た。 あれからいままで、私は見習いとして、聖杯を用いて神殿内で呪文の練習を繰り返してきた。 帝国とゲリラ軍の流儀の違い、主にイデの操作方法の違いも、そこそこ慣れた。 そこで、ラドなるものを用いて、敵のデータ基地をエック=スエムエルに変換してしまう、 まあ、外見だけは派手という、ハリボテのような呪文を作成した。 自分でもこけおどしにしかならないだろうと思っていたら、次の戦闘での威嚇射撃に採用されてしまった。 初めてリーナ領への進軍に従軍することになる…。その晩は眠れなかった。 そして当日。 敵軍は目視できる距離にある。威嚇が失敗すれば、我が軍は… 私は震える心をこらえ、必死で呪文を練り上げた。 そして… ああ、神殿内では上手くいった。何度も確かめた。それなのに、ああ… 結合の段階で、手元に無ければならないはずの、あのキューティなライ・ブラリが見つからない! 私はその時のことを忘れない。 敵軍のGCCが、我が軍を天国へいざなってゆく…。 私は、なんと卑怯で、小心者だろう。 わずかな勇気をシャットダウンして、我が軍で例外的にただ一人、任務を途中で投げて帰ってきてしまったのだから… 誰か、私を受け止めて欲しい…
>>316 とっさにこんな連想をした。
try {
進軍;
}
catch (敗戦& e) {
316.勇気.shutdown();
throw 316;
}
>>316 「勇気をシャットダウン」 「例外的にただ一人」...
共通語でも魔道書に出てくるような言葉が所々に入っているのは
さすが魔法使いですな (w
長文が出てくると、それ待ちのROMが増えて小ネタが出てこなくなる そしてそのまま廃れる
リアルDeathMarchですが何か? 総員徹夜に臨め!
○月☆日、私は嘘をついた。 あれから神殿の前まで戻ってはみたものの…とても、女神にすら受け止めて貰えず、私には放浪の道しかなかった。 どれぐらい彷徨っただろう。 気がつくと某国を抜け、これまで噂でしか聞いたことがない太陽共和国まで来ていた。 私は神殿配給の魔道着を来ており、見つかるとすぐさま捕まってしまうのではないかとびくついていたが、 門番は、何故か私を歓迎して迎え入れてくれた。飢えた腹に、紅茶のおしかったこと。 歓迎の理由はすぐ明らかになった。某国出身の建築家達が、この共和国では大きな働きを見せており、 某国の人間=優秀な建築家というイメージで見られていたのだ。 神殿や聖杯などのキーワードはカケラもなく、女神の存在すら無名に近かった。 あれよあれよと言う間に、私は、とある建築家の元で働くことになった。 途中、最近は半年に一度仕事のやり方を変えて契約更新を迫る手口でぼろ儲けしているという噂や、 えすだぶりゅーなんとかという、認可外ながら、無料で手早く仕事をしてくれるところも出てきて、 100%認可とはいえ、有料で仕事も遅いこの建築家は最近評判が落ちているらしいという話を聞いた。 それでも、仕事が貰えたのだから、幸いだったと言えるだろう。 親方は早速私に、腕を見るための練習用呪文を披露しろと言った。 「ヘル・ワールド」という、初心者でも暗記しているような類の呪文だ。 さて…ここで告白するが、私は帝国でエム・エーフシィを使ってきた生っ粋のシィプ・ラプラ使いである。 神殿にいた時も、結局パスカル版の聖杯は使いこなせなかった。 ところで、共和国の魔道書は、全てジャヴァで統一という凝り固まった統制の下に置かれている。 (先のえすだぶりゅーなんとかは、ジャヴァのみでは無いため認可を貰えていないわけだ) …私は、しどろもどろになりながら、以前何かで読んだ記憶を辿り、「ヘル・ワールド」を成功させた。 これから私は、ぼろを出さないように努めなければならない。
小ネタでなくなったなぁ… ネタスレで長文読む気おきないし、脳内設定ばっかりで途中からだとわけワカメだし
ごめん。面白い例えが出揃ってきたので続き物を書きたくなって。 もうやめます。
326 :
仕様書無しさん :02/12/17 00:15
保守
>>324 いや、 続ける気があるなら続編キボンヌ
ていうか、 このスレのネタで小説とか書いたら
PGにはかなり売れると思うのだが。
上のほうで出てた「デジタリアン」
(エルフの女の子のやつね)をさらに長編にして
設定ももっと濃く、 用語もよりPG向けになったという
感じだと思われ。
ただしPG以外はまず読まないという罠。
12月16日 眠い。ひたすらに眠い。ドリアードの魔法が私を包み込んでいた。 とりわけ精神力が重要な我々にとって、ドリアードは大敵だ。 明日、明日なのだ。明日までにこの呪術を達成しなければ・・・・。 気づくのが遅かった。ほんの数分の隙をついて、気がつけば彼女らの魔術 にかかっていた。眠い。 ままよ。と、対抗魔術を紐解く。こんなときはシィプ・ラプラではなく、 ポーションの力を借りるのがいい。 だが、モ・カも効かない。ゼ・ナも効かない・・・。 もうだめかと思われたとき、一つのしらせが届いた。 一種暗号めいた謎かけだったが、 「エイギョウより。ノウキエンチョウにセイコウス。キョウハヤスメ」 ・・・・なんだ、寝ていいんじゃん。 私は遠慮なく眠りに落ちていった。 ところが2時間後、突然目が覚めた。 モ・カとゼ・ナが今ごろ・・・・。だめぽ。
◇月▽日、私はクビになった。 ジャヴァが使えないのを誤魔化していた私だが、昨夜、ついに親方に追い出された。 あれから、周囲の目を盗んではその都度使い魔グーグルを召喚して、なんとかぼろは出なかった。 だが、私にも譲れないものがある。 MS帝国(や某国)では、魔道書の綴りは、音節の頭を強く表記(共通語で言うところの大文字) していた。しかし太陽共和国では、(歴史は不明だが)ラクダに従って最初に限り小文字で表記する。 このルールで発音された呪文が耳に入ると、体質的に受けつけないのか、私は吐きそうになる。 先日も、数人での詠唱中、私はつい帝国流で発声してしまい、周囲にやり直しをさせてしまった。 …こんな使えない魔術師は追い出されて当然かもしれない。 する事も無く街を彷徨っていると、ある方向から歓声が聞こえる。 噂の豪族アイビー・エムが道を通っているらしい。アイビーは美形で、共和国内では英雄であり、 その英雄が、薔薇を買ったという話なので、皆、花束を捧げられる幸運な相手を噂している。 縁の無い世界だと傍観していた刹那、豪族を乗せた馬無し馬車(当然魔法の品)がクラッシュした。 怪我人は無さそうだが、周囲の心配そうな視線の中、馬無し馬車はなかなか再起動してくれない。 ジャヴァ・ヴィ・エムの起動は、シィプ・ラプラ使いにとって信じられないぐらい遅い。 さて、ここで出ていって、直すなり代わりを召喚するなりできれば、私の人生も変わるのだろう。 …無論、それができるぐらいなら、私はこんなところで暇人している訳も無く… 結局、時を費やしたものの、馬無し馬車は無事再起動し、アイビー・エムは行ってしまった。 さて、共和国に居ても仕方がないのだが…その時、風が吹いてきた。旅人には厳しい季節である。
普通に面白いぞ( ´∀`)
だれか、ここの設定資料ページとか作らん? いや、そんな事言うならお前が作れといわれそうなんだが。
そんな事言うならお前が作れ。
暇になったら漏れがやろう。 暇になるのは来年だけど。(汗 シィプ・ラプラとか言い出したの漏れだし。
335 :
仕様書無しさん :02/12/20 00:33
age
336 :
仕様書無しさん :02/12/21 16:51
そろそろネタ切れでつか?
12月22日、私はネタが切れた。 何か思いつくまで当分保留。 シィプ・ラプラ魔術師さんに期待してます。
338 :
シィプ・ラプラ魔術師 :02/12/22 00:57
12月21日 寒い1日だった。 そういえば、MS帝国はこの十数年を費やしてあらゆるものに 自分たちの影響力を及ぼそうと躍起になっている。 私は暖を取るために、炎の精を封じた石碑の手を添え、 小さな窓の中を踊るサラマンダーたちを見つめていた。 そして、このささやかな暖房器具にMS帝国の手が及んだらどんな ことになるのか・・・・と考えた。 おそらく、3世代目あたりからようやく使いやすいものになるだろう。 それはいつものこと。MS帝国ではそれをエス・ピィ3と言うらしい。 それまでのものはどうなるだろうか。 ありそうなのは、この揺らめく炎の覗き窓から 「イッパン・ホゴ・レイガイ」という、魔術師にすら難解なルーンがこぼれだす という仕様だ。 いや、もしかすると、この窓が青くなることすらあるかもしれない。 その様を想像して、少し薄ら寒さを感じた午後のひと時であった。 それにしても、寒いな。 魔術師といえど、春を呼ぶことはかなわない。
339 :
仕様書無しさん :02/12/22 00:58
別に日記じゃなくてもいいと思う。 世界観の構築で。
日記形式だと手近なものから連想が広がるんですよ。 でもたまに世界観風のものも書いてみます。
賢者ティムバー・ナズリが生み出した言語は、学問術的文書を より豊にし、文化を発達させるはずであった、しかし文書閲覧用水晶球(ウーア)の シェアをめぐり、激しい戦争の末、乱れた文書が蔓延してしまった。 そのためナズリは新たにXのアルカナを求め仲間と放浪している。 うまくいかねー。誰か改良キボンヌ
342 :
仕様書無しさん :02/12/26 04:57
MS帝国と太陽共和国の争い
http://pc.2ch.net/test/read.cgi/prog/1040731542/l50 裁判においてMS帝国は太陽共和国製の
ジャヴァ・ヴィ・エムを帝国国民に配布せねば
ならないという判決が出た。
だがコン・パイラの魔法技術においては
もともとMS帝国は太陽共和国よりも
数段上であり、今回の裁判自体が
太陽共和国の領土拡大を有利にせんがための
謀略であるという声や、太陽共和国は
裁判ではなく魔法戦で正々堂々と戦うべきだと
いう声も聞かれる。
また、 今回をきっかけに他国が
帝国に同じような裁判を起こして
領土の「回復」を図る可能性もあると噂されている。
343 :
仕様書無しさん :03/01/01 14:06
保守
便乗してみたり… 私はこの世界に来てから、田舎のさびれた村で保護してもらい、 農業を手伝っていた。慣れない肉体労働を大変だが、 以前の世界でのデスマーチを思うと、少し幸せを感じる。 この世界にきて、もう2ヶ月も経った。 だがある日、この村に魔法使いといわれる老人がやってきた。 その老人も、優しい村の人たちに受け入れられ、 この村で過ごすことになった。 だが、その時から俺の運命は変わり始めた。 その魔法使いは俺に言った。 「おまえも、魔法使いだな」 俺は耳を疑った。だが、魔法使いに無理やり魔法の本を渡された。 「読んで見ろ、異界の魔法使いよ」 どうせ理解できないだろう、と俺はペラペラと本をめくった。 すると、そこには見慣れたものが…… 「その魔法言語は、これからさらに普及するじゃろう。 ピ・エーチピーという魔法だ。 おまえならば優秀な使い手になれよう」 魔法使いは怪しく笑った。 俺の中で、忘れていた何かが覚醒した。
書いてて恥ずかしくなる気持ちがわかりますた…
347 :
仕様書無しさん :03/01/01 19:24
魔術師のうちの一部は召還術師の素質もあり、 時にその身に神や魔が憑依する場合があるという。 言い伝えによれば、 - 術者自身でも理解できないが効果抜群な謎の呪文の発動 - 魔法触媒の広範囲に及ぶ消去の呪文イ・レイスの発動 など様々な現象が起こるらしい。
>>344 自衛隊スレとコンセプトが似てて(・∀・)イイ!ね。
そして何気にPG=魔術師に繋げてるし。
349 :
仕様書無しさん :03/01/06 05:42
便乗俺漏れも〜 目の前が真っ暗になり気づくと周りは木々の生い茂る 深い森の中だった。 は? おちつけ。おちつけ俺。つい今まで デスマーチ中何とか帰宅を許され心身ともに疲れ果てつつも 帰路についてたはずだ。睡眠不足からくる幻覚でも見てるのだろうか? だがこれは現実なのだという事を次の瞬間嫌でも思い知らされる事になる。 いきなり横腹部に強烈な衝撃が!一瞬目の前の世界が暗転する。 生命の危機を本能が察知したのか、気絶は一瞬で済んだ、が とっさに後ろを振り向くと太い木でできた大きな棍棒を持っている 筋肉隆々の化け物が今まさに第二撃を振るおうと大きく振りかぶっていた。 「うわああああああ!」 両手で頭を抱えありったけの力で目をつぶった。 殺される!なんだか、なんだか訳のわからない化け物に殺される!! しかし次の一撃がわが身に振り下ろされ強い衝撃を与えられる事は無かった。 恐怖から体が硬直したままで指一つ動かす事はできなかったが しばらくしてなんとか恐る恐る目を開けると、目の前の化け物の 首から上が無くなっており、主をなくしたその体は目の前で仁王立ちになっていた。
「はあ、失敗も失敗。大失敗だなこりゃ」 横から女の子の声が聞こえた。手には細長い剣を持っており 今まさに化け物の首をはねたと思われる血が滴っていた。 … このままのたれ死にさせるのも気がひける、と その子の村までつれて来てもらった。 未だに状況がわからない。只一つわかっていることは この腹部の痛みは夢じゃないってことだけだ。 村についた後彼女の家で手当てをうけたながら、 今の俺の状況についての説明と、質問を何度か行いそれぞれの説明をしてもらった。 彼女の名はリナ。18才の女の子でトレジャーハントとしているらしい。 そこで異世界の魔術師を召還するスクロールを発見し、 村への帰り際に出会ったオークに向けてそのスクロールを使用したところ 俺が召還されたらしい。 「異世界の魔術師っていうから凄い期待したんだよっ」 ばつが悪そうにうつむくしか俺には選択肢が無かった。 この先の俺の状況を考えると絶望しかない。 どうやったら帰れるのか。肉体作業のアルバイトなんか やった事も無い俺に、この世界で生きていけるのだろうか。 不安にかられながら包帯を巻いてもらっている最中、 そばにあった一冊の本を何の気なしに手にとってみた。
俺は驚いた。 「リ、リナさん。この本って・・・!」 「リナでいいわよ。その本? って…本当に何もしらないのね…。まあ、その話はもういいわw 私のおじいちゃん魔術師だったんだけどね、その魔法を読む為の本よ。 ていっても今はもうこの村じゃ長老様くらいしか魔法は使えないけどね」 俺は本を読んで驚愕した。これってjava言語と似て…いや、殆ど同じじゃないか。 魔法って…プログラム言語と何か関係でもあるのか…? 重力クラスを継承して衝撃起こすクラスのインスタンスの生成… メンバの初期値に精神力を代入…なんだこりゃ? コンパイル・・・実行 ズガガアアアアアアアアン!!!! 腹の底まで響く大音量の振動が辺りを一瞬に包む。 ガラガラと崩れ落ちる部屋の外壁。煙が晴れると部屋の入り口の反対方向の 壁一面が無くなっており太陽が覗いていた。 「あ…あなた…、部屋の壁、っていうか こんな、こんなすごい魔法…はじめて見た!どうしたの?!どういうこと一体?」 俺にも何がなんだか判らない。逆にこっちが聞きたいくらいだ。 一体俺はどうなってしまうんだ?
>>353 ファンになりますた。がんがってください。
kimoi
剏氏゙日、私は才能の違いというものを実感した。
年は明けたものの、する事も無く、未だ共和国近隣でホームレス同然の生活をしていた。
治安のいい街中からは既に追い出され、人目を避けての森住まい。
ある日、すきっ腹を堪えて寝ていると、突然背後でごつい音とともに悲鳴が上がった。
見ると、棍棒を構えた森の巨人に、見慣れない服装の人物が襲われている。
冗談じゃない。こちらは逃亡兵、腕っぷしと肝の情けなさには自信がある。
震える四肢を抑え、コソーリ隠れて様子を伺う…
既に腹に一撃を受けており、もう動けないだろう。あいつは死んだな。
それにしてもこの森には怪物がいたのか。何も知らないまま襲われなくてよかった。
あんなのと対面するぐらいなら、冬の放浪生活の方がマシである。
気づかれないうちに森を抜けるとしよう。
地理がよくわからないまま、とにかく森を進んでゆくと、小さな村に出た。
手近な一軒家の台所で、盗み食いなどしていると、突如爆音と共に大地が震えた。
外に出て、角から覗いてみると、家の外壁が一面崩れており、
そこには女の子と、そして、魔術書を手にしたさっきの「奴」がいる。
生きていたのか!?それにこの瓦礫…。
聞こえてきた会話によると、ジャヴァ・ヴィ・エムを使ったのはこれが初めてらしい。
奴は天才魔術師だ。そうに違いない。森の巨人ぐらい楽勝だったのだろう。
ググルに頼らなければスイングの呪文すら使えない私とは格が違う。
やはり、太陽共和国に私の居場所は無い。
奴の、今まで得てきたであろう、そしておそらくこれからも得るであろう名声と、
自分の実力を比べながら、こそこそと、私は急ぎ足にその場を離れた。
>>350-353 面白い!便乗スマソ&続編に期待。
>>344 さんもがんがれ
幸い怪我人はいなかった。なんだ、どうした、と怒声や驚愕といったさまざまな 反応をしている村人達が今の騒ぎを聞きつけて周りに集まってきた。 リナが村人達にこれまでの経緯と状況を簡単に説明してくれている。 リナの家を壊したというのに心なしか彼女は嬉々としている…。なぜだ。 俺はリナと共に、俺に興味津々といった趣の村人達に囲まれながら村の長老の家へと つれていかれた。 「おぬしか…異世界から来た客人というのは…」 焦った。この事でまた少しばかり混乱もした。彼らは俺の敵なのか?友好的にしてくれているが 彼らを信用していいのか?しかし、この老人が俺を元の世界に帰る方法を知っている のかもしれない。 先ほどの化け物をオークと言ったが、ゲームなんかに出てくる オークはもっとこう、最初に出てくる雑魚キャラじゃないのか?人間の格闘家の ゆうに3倍は超える筋肉とあの獰猛な表情。そして一歩間違えれば俺は死んでいたという 圧倒的なリアリティ。恐い…。戻りたい…。元の世界に帰りたい…。 そう俺に選択肢はない。 俺はあくまで敵意はない事を説明し、又長老と呼ばれる老人に事の経過を改めて説明し、 もとの世界に帰る方法はあるのかとたずねた。 「ふむ、では、もう一度おぬしが今考えられる限りの魔法をもう一度使ってみせてくれぬか」 俺の質問に対しなぜこのような質問が帰ってくるのかわからなかったが 前にも考えたように、今の俺に選択肢はない。リナから先ほどの本を受け取り パラパラとページを見渡す。俺は苦笑した。なんだこりゃ、javadocのAPIリファレンスと そっくりなページまであるじゃないか。くっ、こうなるとギャグの世界じゃないのか?と正直思った。
大気中のエレメント郡がメンバ化された構造体クラス一覧のページがある。 よし、これだ。これをやってみよう。 水を構成する精霊を配列でインスタンス化し常に要素数をインクリメントしながらループ。 脳の中が断続的に真っ白になる。こ、これは…きついぞ…。 なにやら周りを押し飛ばす、一種オーラのようなものが自分の体の回りに まとわりついてくる。何かわからないが、それでも「何か」のすごい力を感じる。 全身が真っ白になる。ガタガタと振るえが止まらない。 「いかん!精神が呪文詠唱の際の無限繰り返しの谷にはまったようじゃ!! こうなっては間違いなく精神に異常をきたす!皆のもの、彼を押さえつけて横に寝かせるんじゃ!!」 徐々に意識が朦朧としていく中俺は思った。無限ループ?冗談じゃない。 まだだ、まだいける。何かの力が凄い勢いで伝わってくる。 意識がいよいよヤバくなってくる。ああ…そろそろ限界だ。 ハハ、まるでデスマーチ中の睡魔で朦朧としてくるあの時みたいだ。 長老さん、よく見ときな。あんたこんな事も知らないようだな。 俺はこれでもいっぱしのプロのプログラマーだぜ? これは無限ループに見えるかもしれないがそうじゃない。これは 再 帰 だ !! ルーチンがブレイクした瞬間力が一気に開放される。 俺の体の全身から恐ろしいほどのまばゆく大きな光が天に向かって発射された。 混濁して倒れながら最後にみた長老の家の天井は光が透き通って 壊れてはおらず、なぜかその事に安心しながら俺は気を失った。 その直後、雲一つない晴天だった空は急にどんよりとした雲に覆われ、 と思うといきなり雷雨と共に大雨が降った。 「こ…これは…、これは!!!我が太陽共和国宮廷一の魔術師でも使う事の出来ない 自然を操作する大魔法…。そんな、そんな馬鹿な…!! い、異世界の魔術師達は皆このような高等魔法を使う事が出来るのか…!!!」
すげえ・・・
361 :
灰色のPG :03/01/07 01:11
そのとき私はデスマーチから解放され、早朝の御茶ノ水駅で下り電車を 待っていた。 疲れた目をつぶり、過去半年の仕事に思いをはせる。 つい数時間前まで戦っていたもの。それは巨大なシステムの改編だった。 幾つもの触らずテーブルが存在し、幾つものストアドを解析することが、 仕事の半分であった。 しかし、それも既に済んだことだ。 今週一杯は出社だが、その後は振休と有給の消化に入れるはずだ。私は、 期待に胸に目を開いた。 すると・・・目に飛び込んできたのは、レンガ敷きの舗装がされている、 ひっそりと静まり返った広場であった。 「ここはどこだ・・・?」 私は周りを見回した。 白い壁に数階建ての建物。そしてオレンジの屋根が目に入る。 ここはまるで、旅行代理店のウェブページの中の東ヨーロッパの街中の ような世界であった。
>>358 スゴク(・∀・)イイ!!
……でも揚げ足とっちゃうと、
> 我が太陽共和国宮廷一の----
共和国に宮廷?
ガンバレー
保守
365 :
灰色のPG :03/01/09 06:16
私はとりあえず、歩き始めた。 私の立っている広場から、一本、道幅が10mぐらいの道が続いている。 それをたどっていくと、5分もたたないうちに外壁にでた。 どうやらこの街は、外壁に囲まれているようだ。外壁にそうように歩いて いくと、大きな門の前に出た。 門の左右には、大きな石造りの塔が立っている。 「誰だ!?」 門の上から突然声がした。見張りをしている男だろうか。私を見ている。 みすぼらしい服装に弓矢を持っている。みすぼらしい事は、疲れた スーツ姿の私に何か言えたことではないが、弓矢を持っているのは尋常では 無かった。 −いったい、ここはどうなっているんだ?
366 :
灰色のPG :03/01/09 06:17
私が状況を理解する前に、塔の中から数人の体のがっちしりた男が 出てきた私のほうによってきた。 「見かけない顔だが、お前は何者だ!?」 リーダー格らしい男が、いきなり私をどつくと、そう言った。 それを聞きたいのは私だと言い返そうと思ったが、男の顔は障害時の クライアントよりも怖い。私はひるんだ。 「妙な服装をしているなぁ・・・」 別の男がそうつぶやいた。 すると、リーダーらしき男が私をじろじろと見回してこう言った。 「ただの乞食では無いみたいだな・・・司教様のところに連れて行こう」
367 :
灰色のPG :03/01/09 06:24
朝まで塔の中に監禁された私は、その後、外に連れ出された。 リーダー格らしい男が、私についてくるように言う。 腕力で勝負したら、i80386とPentiumIVぐらいの差がありそうだ。 人間としては同じアーキテクチャーなのだろうが実行パワーに格段の 差があるだろう。 仕方なくついていく。 街並みは画一で平凡だが、『オークランド狩猟組合』と白い壁に 書かれた文字が目に入った。 −狩猟組合??? 農協の仕事しかしたことの私には、新鮮な響きの文字だ。 そして、ここは『オークランド』という街らしい・・・私はようやく、 異世界に放り込まれたことを理解しつつあった。
368 :
灰色のPG :03/01/09 06:32
路地をくねって歩き、ゴシック風の協会の前についた。 雪の重みでだろうか。下から見上げると、高い屋根がやや歪んでいる のが分かる。 男がノックをすると、初老の一目見て司教と分かる男が出迎えた。 司教は私の姿を見ると、男をその場で返して、私を協会の中に迎え 入れた。 司教は、教会内の奥の部屋のテーブルに私を案内した。 「おぬしは異世界からの来訪者じゃの・・・」 司教の言葉に私はうなずいた。週末は趣味でUOに励む私には、 こういった状況はある意味、普通だ。 「わが国の王が、汝を探しておる。わしといっしょに、首都に出 向いてもらいたい。」
369 :
灰色のPG :03/01/09 06:41
オークランドから馬車で丸一日かけたところに、首都があった。 首都といっても、寂れた街だ。 せいぜい甲府ぐらいのにぎやかさだろうか? オークランドと同じように城門に囲まれている。 街の中心部が城で、さらに城壁に囲まれている。 門番が司教を見ると城門が開き、城の中から出てきた栄養過多な 男と話をしだした。 私は国王に拝謁する前に、まず宮廷魔術師と言われる人物に会う ことになったらしい。その人物に会うために、城内の図書室に通さ れ、そこで一人で宮廷魔術師を待つことになった。
370 :
灰色のPG :03/01/09 06:47
図書室には、かなりの書籍がおかれていた。全て革表紙で、私が みたこともないような立派な本たちだった。 私は、少々おかしかった。 以前、大手のシステム・ベンダーに出向させられたことがあった のだが、そのときも似たような感じで面接したのを覚えている。 しかし、ここは客先ではない。私はリラックスしようと、書籍の 一冊を手にとった。ページを開く。 −!? そこには、見慣れたプログラミングのコードが書かれていた。 AWKというスクリプト言語そっくりであった。ただし、見慣れ ない組みこみ関数が幾つも用意されているようであった。
371 :
灰色のPG :03/01/09 07:20
私はその本を読み進めていくうちに、OSとの対話という 『仕様』部分の章に気づいた。 この本のプログラミング・コードは、心に念じて最後に run と声に出してOSに命じる事により、実行できるとある。 −心に念じる? AWK程度の言語であれば、意識した範囲で何かできるかも 知れない。私は、拡張機能である「空気を動かす」を、for で ループするルーチンを念じて、やや恥かしげに「RUN」と叫 んだ。 自宅の私のPCは、via Voice で「クリスタル・パワー・ メークアーップ」っと叫ぶと IDE が起動する。同じ要領で いいはずだ。 −!? すると信じられないことに、図書室に風が舞い立ち、テー ブルの上においてあった書きかけの紙などを巻き上げ始めた。 私は驚愕し、そして、ややループが長かったのか収拾がつか なくなった図書室の惨状に閉口した・・・。
372 :
灰色のPG :03/01/09 07:29
「確かに、異世界の人じゃのぅ・・・」 年老いた女の声が背後から聞こえた。彼女が、宮廷魔術師ら しい・・・。 宮廷魔術師は、その世界のことを私に話はじめた。 その世界には多くの種類の魔法が存在する。AWK、Perl、Python。 そして一部の選ばれた人々が、魔法を収得していた。 人々から魔法使いは『ヲタク』と忌み嫌われているが、大変、 魔法が便利な点、また『バグ』と呼ばれる魔物と戦うために、 魔法は必要であることから、魔法使いは尊敬もされているらしい。 そして、この国は『パールゥ』と呼ばれる魔法を、公式に採用 しており、そのことから『パーラー』と呼ばれているらしい。 隣国は『ジャヴァ』と呼ばれている言語を採用しており、『ジャバ ラー』と宮廷魔術師はよんでいた。 長年、パーラーとジャバラーは拮抗した関係を保ってきたが、 一月前に、均衡関係を崩す出来事があった。異世界から『再帰』を 用いる魔法使いが現れたのだ。
373 :
灰色のPG :03/01/09 07:30
宮廷魔術師いわく、『パールゥ』よりも『ジャヴァ』の方が高度な 体系を持つ魔法である。しかし『ジャヴァ』は高度な魔法であるため、 使いこなす魔法使いが限られていた。そこで現実的に『パールゥ』を 使いこなしているパーラーが、ジャバラーに対抗できていたのだ。 しかし、異世界からの住人がジャバラーに現れたことで地政学的な 均衡は崩れた。 国王が私を探している理由が、漠然と理解できた。 その後、私は宮廷魔術師に連れられて、国王に謁見し以下の言葉を 賜る。 「異世界の魔法をわが国に広め、隣国ジャヴァラーに対抗するのじゃ!」 実は Larry Wall のファンである私は、この話に乗った。 Perl使いとして身に付けた技術で、この世界を征服する事を決意し た。 −技術畑からは社長は無理かも知れないが、この世界では魔王になれる! ときめく心を、私は抑えられなかった。 しかし私は、このときにはまだインタープリッタ言語しかそこに 無い事に気づいていなかった。そう、コンパイル言語は封印されて いたのだ・・・。 この事が、のちのちの状況に大きく左右していく事になる・・・。
374 :
灰色のPG :03/01/09 07:49
それから一ヶ月ほどしてから、宮廷魔術師が5人の少年を連れてきた。 私の元で修行させて欲しいらしい。 私はそのときには、ライブラリアン『perldoc』を使い魔に、デバッ ガーを守護聖獣として召還していた。 この城の図書館にある入出力系の魔道書は、だいたい読み尽くしたが、 まだ世界制覇に必要な、決定的なモジュールを発見することができていな かった。 しかし、伝説のモジュール群が眠る山々が存在することを掴んでいた。 その山々は、四つの頂の頭文字をとって、CPANと呼ばれていた。 CPANにいけば、より強い力を得ることができる。 私はこのとき、プログラマーとしての基本を忘れ、ひたすら己の言語の 強化を目指す、病的な言語強化主義者になっていた。 CPANへ行けば、力が手に入る。私は宮廷魔術師にそう告げた。 「あの山脈には、何人も近寄ってはならぬ・・・いけて返れぬかも知れんぞ?」 既に perldoc とデバッガーがある私は、その言葉に同じなかった。 5人も部下がいるのだ。適時、切り捨てていけば、少なくとも私は、 CPANにたどり着くことができる・・・。
>>365-374 今までの話とうまくつながっているところが(・∀・)イイ!!
名スレの予感
376 :
灰色のPG :03/01/09 14:07
私は、行動計画を立てていた。 −CPANのバグとどう戦う? 宮廷魔術師は次のように語っていた。 「CPANには、恐ろしい『バグ』がおるのじゃ。通常の野獣や亜人間 たちであれば、異世界から来た魔法使いの敵ではないじゃろう。しかし、 『バグ』、しかもCPANに存在する『バグ』は違うのじゃ。伝説によ れば、何人もの魔法使いたちを発狂させた『バグ』なのじゃ。わたしら は、畏怖をこめてその『バグ』のことを、『魔王』と呼ぶ。」 私はマネージメントSEでは無かったが、バグ退治は得意だ。 宮廷魔術師の警告など意に介さなかった。 「しかも『魔王』の周りには、多くのその他の『バグ』が巣食っておる。 いかに力がある者でも、同時に幾つものバグ退治はできんぞ。」
俺は2日間も気を失っていたらしい。 長老の家のベッドで目覚めた俺はその後長老の話を聞いた。 俺が帰る方法、それは無いと言われた時大体予想は出来ていたはずなのにも かかわらず、それはやはり大きすぎる衝撃だった。 「だが」 長老は続けた。この世にはわからない事が多すぎるという。 故にそれと同じだけまだ解明されていない可能性も秘めているらしい。 だがそれを探求すればあまりにも大きな危険がリスクとしてつきまとう為、 それを探すには力が必要なのだという。 それで俺を試したのか。 オーケー。よくわかった。長老さん、ちょっと一人にしてくれ。 と言うと長老はわかったと言い残し部屋を出て行った。 気分がまたどんよりと曇ってきた。リスクを侵してそれを探求するってことは またあの化け物みたいなやつらと出会うってことだろ。無理だ。俺には無理だ。 いくら大きな力があったとしても、例えるならバズーカと弓矢みたいなものだ。 一撃の威力はあるだろうが、こちとら戦闘などとは皆無の生活を送ってきた。 いくら素人がバズーカをもったところで、手練の弓使い3人にでも襲われれば 一瞬だ。ハハ。俺はただのプログラマーだぞ?たぶん山道を30分歩くだけで 十分に疲れることの出来る自信がある。冒険?余裕で無理だ。 正直泣きそうになった。すると部屋のドアからノックが聞こえた。 「入るよ」 リナの声だ。泣いてない。泣いてないぞ俺は。 入ってくれというと、リナは意地悪そうな笑顔で入ってきた。
378 :
灰色のPG :03/01/09 14:08
その点については、私は経験から部下の育成の重要性を認識していたの で問題が無かった。 5人の少年たちは速成だが、既にある程度パールゥを使いこなしている。 例え消耗して失踪することがあっても、私が『魔王』を消し去るまでの 時間は稼いでくれるであろう。 問題は魔王の正体であった。 宮廷魔術師曰く、全ての『バグ』には『真名』が存在する。『真名』が 分かれば、それを消し去るための魔法は、自ずから決定されるのだ。 しかし、魔王はあまりに恐ろしい『バグ』なので、古文書(ドキュンメ ント)にも何も記録が残っていなかった。また、魔法使いの行動を監視で きる水晶球『ログー』にも何もうつらないのだそうだ・・・。 やはり実際に遭遇するまで『バグ』の正体は分からない。 私はCPANに行くことを決意した。
かぶっトル…
「怖いんでしょ?」 ビンゴ。図星だ。ああ図星さ。下をうつむいたまま思った。 けど、俺はこの世界で言う異端者だ。たぶんこの気持ちはこの世界の住人には わかってもらえないだろう。 「わたしもね」 ん?と相槌をうつ。 「怖いんだ。外に出て戦ったりするの」 え?と思わず顔を上げた。 「うちの村さあ、見てわかるようにあんまり裕福じゃないんだよね。 畑でとれるのは小麦とジャガイモと、他野菜そこそこかな。 裕福じゃないけど皆やさしいし、平和ですごいいい村なんだ」 うん、と俺は言った。 「けどね、やっぱりそれだけじゃ食べていけないんだ。 麻もとれないから服も作れないの。それだから 冬も越せないし他の村や街と物の交換も出来ない だからね、あたしが外に出てお宝を持ってくるしかないの。 みんな家族や仕事があるし、若くて動けるのは私くらいだから…」 …恥ずかしかった。自分で自分の事だけ考えてるのは俺だけだ。 この子は、リナは、こんなに若いのに、これほどまでに気高くあくまで凛々しい。 今までプログラマー一筋で生きてきた俺はいつのまにか腐ってしまったのだろうか。 そして外見こそ同じだが始めて会う人種と吸った事の無い世界の空気に魅入られたのだろうか。 俺の中でちょっとした(でもそれはとても大きな)意識の変化が起こった。 「リナ、足手まといにはならないよう努力はする。俺も一緒に連れて行ってもらえないか?」 リナはあはっと微笑んだ。そして俺の冒険がはじまった。
みんなイイ!けどjAvA氏の文章は突出してるな。 読ませる文章書くなあ。 期待sage!!
383 :
灰色のPG :03/01/09 14:32
CPANまでに行くために、我々ははるか遠方まで6ヶ月間の 道のりを歩く必要があった。 途中で、多くの街を経由し、多くのバグや野獣を退治し、我々 のチームの名声は国中に広がっていった。 6ヶ月間で部下の少年たちは大きく成長し、私が手を下すまで もなく、多くの魔法を使いこなせるようになった。 しかしデバッガーは、まだ使いこなしていないようであった。 パーラーの魔法使いたちは、コードの意味をあまり理解しない でRUNする癖があった。デバッグとは、コードの意味を理解し 魔法の動きをトレースすることである。 彼らにはまだ、原理が理解できないようであった。 しかし、魔法の素マナを発見したフォン・ノイマンの名前は伝 われていたし、始祖の魔法使いAIDAも伝説として残っている ことは、彼らが決して文化的レベルが低くない証拠として伝えて おきたい。
384 :
灰色のPG :03/01/09 14:34
我々は6ヶ月目のある日、寂れた廃墟の街につくことになった。 廃墟の街に入ると、明らかに雰囲気が違っていた。 風がふいても、この街では砂塵がまわない。ものが落ちても、 音が響かないのだ。明らかに、物理法則の実装がおかしくなって いた。 少年たちに同様の色が走る。 「この雰囲気は、万物の影に存在するエントロピーの調整がつか ない・・・つまり、スタック・セグメントの破損があるというこ とだ。」 私は少年たちに、そう伝えた。 「きゃははは・・・」 突然、子供の声があたりに響く。街のどこかにいるようだ。 情報を収集するために、私たちは手分けをして子供を捜すこと にした。
385 :
灰色のPG :03/01/09 14:35
子供は突然、教会の中で見つかった。いや、出現したと言った ほうが良いかもしれない。 声がまず聞こえ、そして壁の中からあらわれたのだ。 6歳ぐらいの女の子であった。 「駄目よ、レベッカ。おいたしたら。」 そして、母親らしき女性が私の背後に突然たった。 私が困惑する暇もなく、子供は突然走り出し、壁のむこうに かけていった。
386 :
灰色のPG :03/01/09 14:36
私と女性は、子供を追いかけて外に出た。 そして、そこで信じられない光景を目にすることになる。 部下の少年と女の子が教会の外でぶつかった。 少年と女の子は衝撃で倒れ、女の子は泣き出し、部下の少年は、 小刻みに震えると、徐々に体が変化していったのだ。 「いけない! 暴走しだしたわ!」 女性が短く叫んだ。 部下の少年は、どんどん醜く大きく肥大化していき、醜悪な怪 物になりつつあった。 −このまま暴走されて被害を拡大するよりも、ここで消すか・・・ 私は短くそう決意すると、短く魔法棒KILLを取り出し、 『シグナル9』の呪文を唱えた。 音も無く、少年の体は消え去った。
387 :
灰色のPG :03/01/09 14:46
一人の手ゴマを失うことになったが、その後、私は女性と話を することができた。 CPANに巣食う『バグ』は正確にはCPANへ続く橋である 『プロクシー』に存在する。 バグは恐ろしいのろいを人々にかけた。人と、人が触れ合うと、 どちらか、もしくは両方の形がおかしくなるのだ。 この街の人々は、そうしてお互いふれあい、お互い消滅していっ たのだ。 残った四人の少年たちは、まだ状況を理解していない。 私は口には出さなかったが、バグの恐ろしさに震えていた。 −OSを統べるカーネルの世界から来たバグなのでは? もしカーネル・レベルのバグであれば、我々の持つ魔法『パー ルゥ』では歯が立たない。 つまり、バグを倒せないのかも知れないのだ・・・ しかし、私はプログラマーだ。どんな環境におかれても、要求 を満たすようにする事ができる。 ある小さな勝算をすぐに心にしまうと、すぐに『プロクシー』 に向かうことにした。
男はリナに近づくと、髪をつかんで、ことさらゆっくりと頭をうしろへそらした。リナの無力さを楽しんでいるのだ。リナは口を開き、男を受け入れた。 男は情欲を抑えきれなくなっていた。リナは期待されているとおりにふるまった 知るかぎりのテクニックを駆使し、情熱ではなく不安と大胆さで自分を駆り立てて、恋人のように男を喜ばせた。長くはかからなかった。 まもなく、男の全身から汗が噴出すのを感じ、男が愚かしいうめき声を漏らすのを聞き、ペニスがくちびるのあいだでびくんと動くのを感じた。 リナの心のなかで、ふたつの感情が混じりあい、やがてひとつの思いつきにまとまりはじめた。 ひとつは男に対する、根深く、血がたぎるような像悪。もうひとつは、自分自身の邪悪さという、新たに発見した強烈な感覚。 リナはその恐ろしい場所へ、この連中に連れてこられたのだった。そこには愛もやさしさもない。 あるのはただ、陰惨な死と、けっして満足することのない欲望だけ。その欲望は、みずからを食らい、出くわした者を、同じ暗い自我の領域へひきずりこむ。 リナは思い描いた。死体だらけの夜を。見知らぬ死んだ子供たちと、友人たちと、大好きだった姉の墓地となった場所を。 人生の旅路の果てとなるこの不潔な巣穴を。これからどうするか、これからどうなるかなんて、もうどうでもよかった。だれも助けにはきてくれない。 いま、なにをやらなければならないのかは、はじめから、姉の死体を見たときからはっきりしていた。実際、単純きわまりないことだった。 男は達しようとしていた。最初の温かい噴出を喉の奥に感じるまで、リナは待った。 もしも信心深かったら、リナは神に感謝していたことだろう。一瞬でもいいから男を圧倒する力がほしいと願い、それがかなえられたのだから。 リナは目をつぶって、握りしめたこぶしのごとく、顎に憎悪をこめた。殺せはしないでしょうね、とリナは、歯を食いしばりながら考えた。だけど、これで十分だわ。 リナは横を向くと、悪臭を放つ肉片をペッと吐き出した。男は足を切断された獣のようにわめいていた。 リナには妙なる調べのように聞こえた。腿にかかった血が冷える感覚も心地よかった。
390 :
灰色のPG :03/01/09 15:13
断崖絶壁にかけられた『プロクシー』は大きな橋だった。 はたから見ると、そこに『バグ』が潜んでいるように見えない。 しかし、私たちが橋の前に来ると、すぐに幾つもの『バグ』が 空気中から出現した。 私たちはすぐにデバッガーを呼び出し、応戦することにした。 手ごたえはない。すぐにバグは消し去ることができた。 つまり、『魔王』ではない。『魔王』はこの橋のどこかに潜んで いるのだ。 見えない『バグ』ほど怖いものは無い。 しかし、これは最初から予想された事態だ。 私は、少年の一人に橋を渡るように命じた。 少年は身に降りかかる災いを感じて、一瞬ためらう。 しかし私に逆らうことはできない。 少年は恐る恐る橋を渡り始めた。 そして橋を渡りきろうとしたときに、少年は消えた。 橋に飲み込まれたように見える・・・。
391 :
灰色のPG :03/01/09 15:14
−バグの存在はわかったが、これでは原因がわからない。 私は、次の少年に橋を渡るように命じた。 先に消えていった少年をみていたので、橋に飲み込まれる瞬間に それを回避するように、魔法を使った。しかし無駄だったようだ。 飛翔しようかとした少年は、橋からあらわれた無数の手によって、 橋に飲まれていった。 −やはり根の深いバグだ。 私は『トレース』を残る二人の少年にかけて、同じように送り出 していく。 一人の少年は、魔法の盾『use strict』を行使したが、それはまっ たく無効であったようだ。 もう一人の少年は、瞬間移動の呪文で回避しようとしたが、渓谷の 向こう側に出現するはずが、橋の中央に出現してしまい、同じように 飲まれた。
392 :
灰色のPG :03/01/09 15:14
そして、私が残された。声が聞こえる。 『異世界から来た者よ。われは最悪のバグ。汝が持つ魔法ではわれに 傷一つ負わせることができない。CPANへ向かうことなく、このま ま引き返すが良い。』 私は内心つぶやいた。 −最悪のバグ?冗談だろ。 最悪のバグとは、回避不能なバグのことを言う。 橋の一つや二つ、私には乗り越えられる。 私は図書室の奥にしまってあった魔道書を取り出した。 #ifdef __cplusplus extern "C" { #endif #include "EXTERN.h" #include "perl.h" #include "XSUB.h" #ifdef __cplusplus } #endif 普通の『パーラー』には聞き覚えの無い呪文を唱えていく。
393 :
灰色のPG :03/01/09 15:16
『うぉぉぉ・・・そ、それは、禁呪文XS!? バカな、それはかつて 失われたはず!!』 私の複雑な詠唱が渓谷に響き渡る。 『しかし禁呪文XSといえども、私は倒せん!!!』 −倒す? お前は倒さないよ。 私はせせら笑った。 そう、私が必要なのは橋を渡ることなのだ。CPANとつなぐ 橋を渡ることだ。 カーネルのバグで機能せず、存在がバグになった『プロキシー』 などに何の用事があろう。禁呪文XSで、『パールゥ』に許されて いないゲートを開いて、自らをパケットとして送るのだ。 魔王もそのことに気づいたようだ。 『私との戦いを回避したことは誉めてやろう・・・。しかし、汝が 禁呪文XSを持ち出したことで、この世界の調和は崩れる。そして 我々が世界を闇に包む時代が来ることになるのだ!!!』 その言葉に、私は注意を払わなかった。 既に私は、渓谷の向こう側に移動しており、『プロキシー』に 用事が無かったからだ。 こうして、のちにデスマーチと呼ばれるたびを完了した私は、 CPANにて眠っていた多くの力を手に入れた。
394 :
シィプ・ラプラ魔術師 :03/01/09 17:12
強力な人が来てくれてなんか嬉しいよ。 この調子でみんなガンガレ
395 :
シィプ・ラプラ魔術師 :03/01/09 17:29
今日の私は平和な日常を過ごしている。 昨夜遅くにこの界隈を侵していた最後のバグを駆逐したためだ。 弟子の話によれば、そのときの私の浮かれっぷりは相当だったらしいが、それは別の話。 そんなわけで、今日の私は新しい魔術の研究に余念が無い。 とりわけ、MS帝国の魔術師たちがもたらしたヴァーテクス・シェーダとピクセル・シェーダと呼ばれるものが 目新しく、魅惑的だ。特に此度の新魔道書はルーンに擬似知能を持たせることができるというからすばらしい。 まだ試行錯誤の段階だが、やはりそれなりのコツがいるらしい。まだまだ思い通りにこれを操るには至らない。 だが、先ごろようやく新たな魔道書を用いてトゥーンの呪文を唱えることができるようになった。 これは喜ばしいことだ。 とはいえ、これはまだ初歩の魔術に過ぎない。 すでに他所では新たな魔術が開発されているという。私も負けてはいられない。 魔術師の余暇の過ごし方としては、それなりに有意義であったと思う。
何かストーリーが動きはじめてる(w 私なんか最早出る幕無いかも。 ( 実は今だにネタ切れ続行中なので、書き手が沢山居るのは嬉しい。 自分で動かない連中ばっかの板でも書いたこともある身としては、感涙モノです )
398 :
灰色のPG :03/01/09 17:59
CPANから戻った私には、不可能なことはないように思えた。 宮廷魔術師は、5人の才能ある若者の死について何か言っていたが、 私には5人の部下の死よりも、自分の魔法が整備されることのほうが より重要であったので、私は満足していた。 しかし、この世界には明確な不具合があるのは確かのようであった。 何者がこの世界を作ったのかは分からないが、CPANの不具合が 他の地域に拡大するのを防ぐために、私はブロックすることにした。 王に進言して炎の壁の儀式を執り行い、CPANは永久に封印され た。そして、CPANに洞窟に存在した多くの書物は、この世界で私 だけのものになった。 私は得た力を、パーラー国のために使うことを惜しまなかった。 橋をかけ、魔物を倒し、乾季に雨をふらせた。 理由は簡単だ。住民の心を掴んでおかなければ、ジャバラーに戦争 をしかけて勝ったとしても皇帝として君臨することができない。 パーラー国王や国民は、そんなことも知らずに私の魔法を単にあが めているだけのように思えた。
399 :
灰色のPG :03/01/09 18:00
魔法使いとして充実した生活を送っていたが、ある日、宮廷魔術師が やってきてこう言った。 「死んだはずの若者たちがのぅ。夜な夜な、街をさ迷うと噂がたってお る。それを見た者は発狂し、触れたものは、その毒で即死するとのこと じゃ・・・」 私は最初、ただの噂話だと思った。 私は尊敬を勝ち得ていたが、デスマーチのときに5人を死に追いやっ たことから、『灰色の魔術師』と異名をとっている。恐らく、私の名声 を面白く思わない輩が、故意に流したに違いない。 そうこうするうちの、ある夜、私は一人で図書室で研究に励んでいた。 ここに残る古文書には、この世界がどのように出来ているのかが、断片 的に記されていた。 世界は大きな大樹の根から派生しており、根を司る神によって統べら れている。また神(ルート)は幾つかの使役物(デーモン)を天界にすま わし、我々の願いをかなえるようにしているとある。 ルートの存在は分からなかったが、デーモンは私の魔法で呼びかける 先であった。そして世界は「カーネル」と呼ばれる、統べての使役物の 上にたつものが支配している・・・。 そして『大崩壊(ハード・クラッシュ)』について記述を発見した。 −神は、ある使役物を作り間違え、大崩壊を招いた。 −神は、あれはてた大地を見て、大崩壊の原因になった古代魔法語を人々 の目から隠した。
400 :
灰色のPG :03/01/09 18:05
図書室での研究中に、私はコツコツという音に私は気づいた。 何かが近づいてくる。 ガシャ、と扉があくと、そこには最初に死んだはずの少年がたっていた。 −!? 私は驚きで足がすくんだが、彼は何をするということもなく、図書室の 扉を閉めると立ち去っていった。 『大崩壊』の記述にはこうある。作り間違えた使役物に犯されたものは、 動く死体(Zombie)となって、徘徊すると・・・。 −いや、神の魔法など、まだ私は使っていない。 私はそう思い込もうとした。しかし、魔王の言葉が脳裏に戻ってきた。 『しかし、汝が禁呪文XSを持ち出したことで、この世界の調和は崩れる。 そして我々が世界を闇に包む時代が来ることになるのだ!!!』 私は、魔王と再び戦わなければならない事を、暗に自覚した。 そう、私は世界から略奪するまえに、世界を救う使命を負わされていた のだった。
401 :
灰色のPG :03/01/09 18:21
しかし、魔王は神の作り出した使役物、魔王に消し去るためには神の 権限が必要だ。 −神の権限・・・オレにそれが取れるか? しかし、使役物を作り間違える神である。 神に対する罠を張ることによって、確立の低い勝負を挑める可能性は ある。この世界の神は、全知全能ではない。root と真名で呼ぶほうが よいのだ。 −これしかないな・・・ 私は、神へ挑戦する方法を短時間にまとめた。 私の世界の常識から考えると、root に対する戦いを挑むには、二つ 方法がある。一つは、カーネルのセキュリティー・ホールをつくやりか たである。神が何かをしているときに、神の呪文に自らの呪文を重ねる 方法がある。 また、神の代理である使役物を徹底的に攻撃し、彼らが神の権限で間 違えをおかすように仕向けることもできる。 これらはバグや不具合をつくやりかただが、この世界のバグは重大な 危険性がある。下手にバグに触れると自らの存在も危うくなるのだ。 私は、第二のやり方にかけることにした。
402 :
灰色のPG :03/01/09 18:22
パーラー王は、私の願いを快く聞きとげた。 「そちの願いは分かった。汝に我が娘を授けよう。今日からは汝は私の 義理の息子だ。」 王は私の本心は分かっていないようであった。 ちなみに、王の娘はこの国一番のロリ系の美少女である。 一方で私は、宮廷魔術師と共同でちょっとした魔法を開発していた。 DESと呼ばれる補助魔法を駆使して、ある種の異空間を作る魔法で ある。この異空間内では、私が設定した『秘密の言葉』を知らない限り 何者も、異空間の中に侵入することができない。 私は、この異空間にちょっとした罠をしかけることにした。 ほんの、ちょっとした罠をだ。
俺はリナといろんな場所でいろんな冒険をした。 海賊の亡霊と戦って大きな黄金を得たが、それも海の深くへと沈んでしまった。 いつも喧嘩ばかりしているエルフとドワーフの2人組みと 一緒に4人でネクロマンサーとその骸骨剣士が住み着く呪われた館に迷い込んだ事もあった。 太陽共和国のドラゴン討伐対に参加したこともあった。(これは 戦うどころか結局ドラゴンを見る事すら出来なかったが) 俺が帰るすべはまだ見つかっていないが 村に宝を持って帰ると、皆笑顔で一番に無事でよかったと俺達の事を ねぎらってくれた。俺がリナと一緒に旅に出るお陰で前に比べて 多少良い物も持って帰ってこられるようになったようで、俺も嬉しかった。 俺自身も魔術師として自信がついてきた。相変わらず体力は無いが。 この生活も悪くは無いと思いはじめてきた。 そんな矢先だった。 俺が異世界から来たように、他にも異世界から誰かが来ないとは限らない。 筒が光るだけでその矛先のものを破壊できたり いきなり爆発する握りこぶし大の石、などの道具を持った不思議な集団が この辺りを荒らしているらしい、と。村へ帰る最中、商行キャラバンの 商人から聞き気をつけなきゃな、などと話しつつ今日も村に帰ってきた。 煙が上がり、村が燃え、村人は全員死んでいた。
>>382 ありがd
>>397 ありがd
あと軍板の人気を悪くしたらゴメン。いちおう姉妹スレとのことなんで
これからちょっと悪役で使わせてもらいまつ。
>あと軍板の人、気を悪くしたら ね。
ずっと三流魔術師の諸国放浪にするかな、てなわけで新しい国が出来たから行ってみる(毎度パクリで申し訳ない 剏氏專、私は赤っ恥をかいた。 リーナ領というのは、実際には幾つもの国が集まってできている。 ジャヴァをあきらめた私は今、リーナ領では共和国に隣接する真珠の国へと来ていた。 幸い、危惧したヴィーも現れず、他の危険も無く、寒空と空腹を別にすれば、旅そのものは快適だった。 さて…来てみた…のはいいが… これが、自由を何よりも尊ぶ──とはあくまで評判だが──リーナ領だろうか。 道を行き交う人々の顔は暗く、政略、怨霊の噂が絶えない。突如やってきた強力な魔術師が、 王とその娘をたぶらかし、宮廷の人材をまるでCD-Rのように消費している…という。くわばらくわばら。 通りがかりの広場で、見習いの少年が練習を重ねていた。 使い捨てにされた兄の敵を討つという。けなげなものだが、所詮使用呪文は「パールゥ」、ワンライナーとも 呼ばれるインスタントマジックの類いだ。サムライソードに対する十徳ナイフみたいなもので、 ジャヴァ統一な共和国は無論、帝国でも余り見ないが、リーナ領では必須の類…と、帝国にいた頃聞いた。 …その時は、イデのマクロで充分じゃん、と、流してしまったが、同僚がシージー・アイの仕事を 大量に引き受けてきたのを見て、後悔した記憶がある。 だが、威力で言えば、シィプ・ラプラの比では無い、というか比べるのも可笑しい。 私は、この時ばかりは、自分が大魔術師になったような気分で、大人げなく、 えっへん、稽古を付けてやろう、と、少年の前にしゃしゃり出てしまった。 ──勝負は一瞬でついた。 シィプ・ラプラの詠唱は時間がかかる。変換、結合の過程はそれにも増して遅い。 少年の唱えるワンライナーが起動した時、私の魔法はまだ変換の途中だった。 かくして、私は見事すっ転ばされ、情けないおじさんを演じる羽目になったのであった… 馬鹿馬鹿!私の馬鹿ぁ!いい気になってベクターハーレーやらマップサーチやら使って… プリコンパイルヘッダーなんてかさばるもの持ち歩いてるわけねぇだろぉ… ああ、恥かいた。
407 :
シィプ・ラプラ魔術師 :03/01/09 20:37
MS帝国のシェーダーを研究していた私は、突然紅茶を飲みたくなった。 もちろん、私程度の者になると、茶を淹れるにも魔術を使う。魔術によってティーポットを産み出し、 それで茶を淹れるのだ。お茶は本物を使うが。 昔はいかに少ないルーンで茶を淹れる魔術を唱えるかが魔術師のステータスだったこともあったのだが、 近年はお手軽になったもので、MS帝国のルーンは便利で、D3DXCreateTeapot という呪文が存在する。 (そのうち、D3DXCreateTea ができれば、私の手間はさらに減るだろう。) お手軽ついでに、先ほどシェーダーを使って作成したルーンを唱えて、ティーポットに香りを添えようとした。 一瞬、違和感を感じたが、あまり気にも留めずにお湯を注いだところ、 どうもティーポットはクラインの壷と化していたらしく、すべての表面が裏面になり、内側の空間が外側になっていた。 注いだお湯は全部こぼれてしまい、今、雑巾であたりを拭いている。 「まあ、たまにはそんなこともあるか・・・」 シェーダーは難しい。
408 :
灰色のPG :03/01/09 21:02
数ヵ月後、私は街に忍びで出ていた。 神に対抗する罠は作った。あとは、どうやって神を誘い込むかだ。 首都を歩いていくと、『ヲタク』を目指す少年がワンライナーの修行 をしている。 影で見ていると、ややみすぼらしい(失礼!)男が、少年に声をかけ て稽古をつけてやると言っている。 − #include !? 私は驚いた。男は『シィプ・ラプラ(C++)』を使おうとしている では無いか。どうやら、どこからとも無く流れてきた男らしい。 しかし、勝ったのは少年であった。要求にあわせて魔法を選ばない といけない。男はそれを分かっていなかった。
409 :
灰色のPG :03/01/09 21:03
しかし、この男は使えるかも知れない。 私は高等魔法が使えて、多少、どじな男を捜していた。 私は、転んだ男に近寄っていった。 「もしもし、旅のおかた。私は、この国のパールゥを生業とするしが ない魔法使いです。今しがたの魔法の詠唱を見させていただきました。 シィプ・ラプラのかたですね?」 私は、彼に魔法の棒(アプリケーション)を手渡そうと決意した。 この魔法の棒は、己の証(ユーザー・パスワード)を宣言すると、 国一番のロリ系美少女であるエイダ姫が異空間でサービスをしてくれ る、究極のマジック・ワンドなのだ。 もちろん己の証は私の下に通知される。しかも例え神であっても、 そして、この魔法の棒にパスワードいれずにサービスを受けることは できない。 男は女の噂を広めたがる。ひとたび実行すれば、このワンドの噂が かけめぐり、ワンドを巡って魔法使い同士で争いが起きるであろう。 私の想像がただしければ、神は私と同じ世界からきた人間の男だ。 多くの魔法使いの血が流れるだろうが、最後に生き残るのは神だ。 このトロイの木馬にひっかからないはずが無い。 いたいたけな少女をこのような目的に使うことは少々、心が痛むこ とであるが、宇宙の支配者になるためには、必要な犠牲である。 問題はこの男が、この魔法の棒を実行してくれるかということだ。 (※あとはゲリラ修行中氏の反応ヨロシク)
なにやら自衛隊が敵として登場する様子。 プログラマー魔術師VS盗賊自衛隊 どうやって戦うか楽しみにしてますれす(・∀・) 戦闘例 1.戦闘ヘリや戦車の火器管制システムをハッキングして乗っ取り同士撃ちさせる 2.無線の暗号変換のパターンを悟られないように強制変更し命令系統の攪乱 …あとはもういかに秘匿するかです。自衛隊の火力は半端じゃないですから発見されたが最後、自動小銃に電子攻撃は通用せんですからハチの巣にされます。 あんまり知られてないことですが、自衛隊は実弾演習が少ない割には射撃のレベルが米軍より上だったりしますから。
411 :
プログラム :03/01/09 22:40
10 GO TO HELL 20 END
少年に逆に説教を食らって、私はうつむき加減に歩いていた。 某国の神殿にいた時パスカルを覚えておけばよかった。せめて挨拶の魔法ぐらい。 司祭の呪文を見た限り、変換・結合の手順を踏むのはシィプ・ラプラと同じだが、速度が違う。 信じられない事にヴィビィの即時実行よりも速かった。…あれはエナジータイプから独立した汎用の 魔方陣を組めず、結果ベクターハーレーなどの技が使えないと聞いたので、敬遠していたのだが…。 神殿といえば、従軍の記憶が蘇る。こちら側の兵に覚えられていることはないだろう。が、私の存在が 神殿の女神に知られると、やばい。私のせいで負けたのだ。今でも克明に焼きついている血の匂い… あの戦いを投げてから、私の、受け止めてくれる者のいない旅は始まった。 そんな情けない私に、地味なつもりなのか、一目で上質な生地とわかるなりの男が声をかけてきた。 「もしもし、旅のおかた。私は…中略…今しがたの魔法の詠唱を見させていただきました…中略…」 げ。見られてた。 恥ずかしい、恥ずかしすぎる。 男はどうやら魔法のワンドの訪問販売員で、パスを入れると娘が出てきて……♥……らしい。 そんな事よりも、さっきの赤っ恥を見ているにもかかわらず、やたら人を持ち上げるこいつは怪しすぎる。 大体シィ使いの本場リーナ領の端っこで、シィプ・ラプラ如きで誉められても皮肉にしか聞こえない。 それに、男は娘の容姿風貌をやたら熱入れて語っているが、正直その趣味はわからん。18未満は管轄外だ。 男は喋り尽くすと、体験版とか言って一方的に私にワンドを渡してどこかへ消えてしまった。 一瞬競売にでもかけてやろうかと思ったが、先の理由で私はあまり目立つとまずい。 まず、安全な場所を確保して、じっくりと策を練ろう。 とりあえず宿を取り、一人部屋にカーテンを引いてから、考える。どうやってこれを金にするか? …私は実はここの宿代も持ち合わせていない…そうだ! 私は、条件に該当する男(金持ち&&!さっきの奴)にだけ届くよう細工した、スパムの魔法の準備にかかった。 中に居るのは王女とも知らずに…。 (ディスプレイの前で笑い転げてしまいました。続きは灰色のPGさんどうぞ〜
久々に見たらすごいスレが伸びていますね。 次回を楽しみにまっています。
414 :
灰色のPG :03/01/10 01:28
私は、男に魔法のワンドを手渡すことに成功した。 営業には向かないといわれて人生30年。しかし、生まれて初めて 正体不明なものを人に押し付けることに成功した気がする。 営業の佐藤に見せてやりたい。 −もしかして、オレっていけている!?? 男は怪訝そうであったが、ロリの趣味は私の前では隠せない。 宿で一人になったときにでも、男はきっといろいろいじくり倒すで あろう。そしてその素晴らしい機能に気づくであろう。 私は上機嫌で、ログ報告用の水晶球を見守った。
415 :
灰色のPG :03/01/10 01:45
次の日、宮廷魔術師が入ってきた。 「例のワンドの件だが、既に噂になっておる。どこからとも無く、 金持ち連中が聞きつけてきたらしい。」 −しまった! 『パーラー』において、『シィプ・ラプラ』は禁呪だ。 しかも、日常生活では、あまり実用性は無い。 そんな禁呪の使い手が用事も無くこの国に来るはずが無いのだ。 きっとワンドを渡したところを、男を監視していた何者かに見ら れていたのに違いない。 しかし、金持ちには用はないぞ・・・どうする? 「しかもリーナ領の神権国家オゥクゥの支配者ラ・リーエ・リソンが、 既にワンドを狙って白銀級の使い手を派遣したらしい。」 金持ちが、魔法使いからモノを奪うのに魔法使いを雇うのは自然な 流れだ。そう、これは力ある魔法使い同士の戦いになるはずだ。
416 :
灰色のPG :03/01/10 01:45
「プラチナ・マスターは、神権国家オゥクゥ5万人の聖騎士の中でも エリート集団で『シークェル(SQL)』という魔法を使う。デブゥ (DB)と呼ばれる聖獣を召還し、単純だが大量で正確な攻撃をしか けてくるよ。」 プラチナ・マスターの実力は折り紙付きだ。 子供相手には遊んでいたが、仮にも男は『シィプ・ラプラ』使い。 プラチナ・マスターとの戦いでひけは取らないであろう。 争いがおこれば、魔法のワンドの価値は伝説となってあがっていく であろう。そう、これは私が狙ったシナリオだ。 私は、自らの作戦の推移に酔った。 あとから振り返って非常におろかであったと思うが、この時点では 全てがうまく行っているように思えたのだ・・・。
417 :
灰色のPG :03/01/10 01:51
※業務連絡:ゲリラ修行中さん、どうぞ。
無理に読み方変えなくても良いんじゃないかなぁ・・・ 読みにくくって読みにくくって・・・ 注釈がつく位なら普通の読み方キボン
>>418 読み変えは脳内変換出来るから有っても良いと思われ
ただ、新参者には辛いかも知れんガナー
その辺は、まとめ神が降臨してくれる事を祈るしか…
剏氏~日、私は再び戦場にいる リーナ領には異人種も多く住んでいる。 「金貨500枚に、そうだ!こないだ戦場で手に入れた聖杯を付けよう。どうだね」 今私と交渉しているこの髭のひょろ中年も、ノームだ。異人さんにも好き者はいるんだなあ…。 何にしても、聖杯が出てきた時点で決定である。魔術師にとって魔法の道具は金額ではない。 (某国に行けばただで配ってたりするが、私は会わせる顔が無いので) 魔法のワンド、ノームのデイ・カーサ氏、落札〜。 と同時に、ノームの国の話を聞く事ができたのは嬉しかった。なんでも、帝国のドット網以前の技術 「コム」を参考に、改築工事が進んでいるらしい。懐かしい気分だ。 行ってみたいので連れてって欲しいと言うと、なんとOKを貰えた。 さて、こうなると、他の人へキャンセルの通知を出さなければならない。私はせっせと手紙を書いた。 おおごとになっている感があり、やや心配だ。パーラーに用事は無いし、長居しないほうがいいかも。 数日後、私は打ち鳴らされる警鐘で起こされた。 窓から外を見ると、白銀の聖騎士の軍勢が街へ攻め込んで来ている。ひょっとして…。 神権国家の偉いさん、やけに執着していたからなあ…他に売ったのはマズったか…。 早くチェックアウトして…と思ったら、宿主夫婦は既にいない。 道へ出たところ、この辺一帯は既に無人──という事はディカサさんもか──見捨てられたわけだ。 騎士団は、シークェルを連発し、デブゥの獣・オーラクルに邪魔な建物を片づけさせて進軍して来る。
私は二度目の戦場にいるのか!?しかも、今度はたった一人で…。 あの時の失敗が脳裏に浮かぶ。そして、あの時と同じく、手には聖杯が握られている。 私は聖杯を使いこなせるとは言えないが、ドジを繰り返さなければ問題ない筈だ…落ち着け…落ち着け… 前はキューティーなライブラリが無かった。この国にはPerl/Qtが導入されている。利用させてもらおう。 指先を噛んで、聖杯に自らの血を垂らし、魔方陣を展開しはじめる。 来た…。中央の馬に乗った隊長が、デブゥの獣・オーラクルをけしかけるべく、シークェルを唱えている。 まず、オーラクルに比べればだいぶしょぼいが、見た目派手なファイヤーバードで威嚇をしよう。 その後は、聖杯の秘術デブゥ・エクスプレスなら、グリッドでオーラクルを捕える事ができるはずだ。 召喚!ファイヤーバード!! 真紅の怪鳥は、私の呼び声に応じて、煌めく炎の翼を舞って飛来した。 …だが、騎士団は、私のほうなど見てもいなかった。 様子も変で、なにか引き上げていくみたいだ。ひょっとしたらカーサ氏を捕えたのかもしれない。 さっさと売ってしまって正解か……私の背後で、ファイヤーバードが鳴いている。 ああ、ご苦労さん。折角来てくれたけど、帰っていいよ。 安堵している私の背中に、ふと、寒気。SYSDBAの合言葉は何だったかな…ド忘れだ。 ファイヤーバードはこちらを睨んでいる。なにしろ実際に召喚したのはこれが初めてで、 まさかこの場で座り込んで書物を開くわけにもいかないし──えーとえーと…駄目だ!思い出せない。 ──命令するもののいないファイヤーバードは、嘴で私をくわえると、大空へ飛び立った。ひぇえ!? (うーむ、どうも上手い展開が思いつかない。灰色のPGさんどうぞ
リーナ領ってエルフの国ですか?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ O 。 , ─ヽ ________ /,/\ヾ\ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |__|__|__|_ __((´∀`\ )< というお話だったのサ |_|__|__|__ /ノへゝ/''' )ヽ \_________ ||__| | | \´-`) / 丿/ |_|_| 从.从从 | \__ ̄ ̄⊂|丿/ |__|| 从人人从. | /\__/::::::||| |_|_|///ヽヾ\ / ::::::::::::ゝ/|| ────────(~〜ヽ::::::::::::|/ = break; =
424 :
仕様書無しさん :03/01/12 13:11
保守
その頃、密林の中では新たな悪が胎動をはじめていた。 「そ、それはシン・グ・ルトンの秘術!」 族長ブジェルノは驚きを隠さなかった。 彼もまたかなりの使い手なのだ、シィプ・ラプラの秘法を編み出したのも 彼であったと言われるほどの優れた使い手の彼が その光景を前に微動だにせずにたたずむしかなかった。 「そうだよブジェルノ君、しかも操っているのは不死鳥だ。 この世界の終わりがきて、全てが焼き尽くされる時でも その使命を果たす為なら自らの灰の中から蘇ってくると言われる伝説の不死鳥なのだよ。」
世間がそんな大変なことになっているとも知らず、 紅茶をTeapotから注ぐシィプ・ラプラ魔術師ことシィ・ワンであった。 今年はこの世の成り立ちを書物にまとめようと思っていたが、どうもまとまらない。 私は無意識につぶやいた。 「包丁でも研ぐか・・・・。」 砥石を今年新調したので、実はちょっと研ぎ味を試したいのだ。 #そろそろマ板のコテハンを統一します。紛らわしゅうて申し訳ない。
427 :
仕様書無しさん :03/01/14 00:11
ここで書かれてるストーリーって 「プログラマークエストU-悪霊のクライアント」 のノベライズ版なんですか(w
428 :
仕様書無しさん :03/01/15 13:00
名作家たちの続編に期待age
429 :
じゃあ歴史書こうぜ :03/01/15 18:36
まず始めに、絶対神ノイ・マンが世界を創造した。 -----仕様書・第一章第一節より----- ・第一世代・ 世界の物質は全て陰と陽の二種で構成され、古代の神々は、 その二種の文字によって大陸を創り、海を創った。 そして世界は広がっていった。 よければ続き希望。まず大陸はきっとスタンドアロンだね。
(^^)
ていうか荒巻の要塞シリーズでFAぽ。
聖母エイダと混沌を司るバベッジがえんやこらとがんばってエッカート,モークリー,ノイマン,チューリングをこさえますた。 エッカートとモークリーはENIACを作り,チューリングはCOLOSSUSを作りますた。 するとノイマンはENIACを奪い去りチューリングが編み出したチューリングマシンと組み合わせそれをEDVACと名づけますた。 ABC,EDSAC,BabyMark-Iあたりのことは忘れてくだちい。
剏氏椏、私はリアルでも高所恐怖症だ悪いかっ
ファイヤーバードにくわえられ、空の旅をすることになった私の脳裏には、悪い予感が
渦巻いていた。きっと、巣に持ち帰って…(ry…私は不味いぞ!…いや、それはそれ、
仮に巣から無事逃げ出せたとしよう。ファイヤーバードは"内部基地"(InterBase)と呼ばれる
窪地から来ている。そして、内部基地は某国にあるのだ。
>>317 は避けられない…
とにかく、到着前に脱出しないと!
焦る私は下を見てしまった…目眩いがする。
大地が、森が、街が、恐ろしいスピードで駆け抜けている。
シィプ・ラプラ使いと呼ばれる人間は大勢居るが、オーブ・ジェクトに未熟な私は、
いまだに"Flyweight"と呼ばれる組み合わせによる飛行術を使いこなせないでいる。
落ちたら命は無いだろう。
吐きそうになりながら必死で考える…要は、ファイヤーバードの方から、私を解放する気に
なってくれればいいのだ。解放を支援する魔法"オートポインタ"を使おう。一気に叩き込めば、
危険だが、マップに大量のオートポインタを仕込み、通過に応じて順次炸裂させれば、
じわじわと解放してくれるのではないか。
そう考えた私は、マップにオートポインタを設置しようとした…が、
E2015 memory.stl 860: 'auto_ptr<int>::operator auto_ptr<int>::auto_ptr_ref<int>()' と
'auto_ptr<int>::auto_ptr_ref<int>::auto_ptr_ref(auto_ptr<int> &)' の区別が曖昧(関数
auto_ptr<int>::operator auto_ptr<int>::auto_ptr_ref<int>() )
...
(大量のエラーと警告)
...
何という事だ!オートポインタはマップに配置する事ができない!!
…無駄な事をした疲労感と絶望と、再び目に映った景色で、私は気絶した。
434 :
仕様書無しさん :03/01/19 21:19
保守
435 :
仕様書無しさん :03/01/22 19:14
保守
436 :
仕様書無しさん :03/01/24 09:43
保守
437 :
仕様書無しさん :03/01/24 13:51
向こうのスレの510発言を考えてみる。 RPGでは使い勝手で魔法がレベル分けされてるからあの意見になるのだろうけど 魔法≒プログラムならかなり違うよね。 プログラムなら10処理するのも100000000処理するのも大差無し、発火ができれば大爆発もできる筈。 …でもオーダーがO(n^2)でいつまでたっても終わらないってのはあるかも。 同じ効果でもO(n^2)の呪文よりO(n)の呪文がRPGで言えば高レベルって事になるかも知れないけど 大雑把でOKな攻撃魔法(要するに最終的にダメージ入れば後はどうでもいい)は全体的に簡単な予感。 それよりも、向こうの510が挙げたやつって、魔法≒プログラムと見るなら難しそうだ。 >>《土変化》《土作成》… 土を操作するような部分はライブラリ化されているとして、「何を作るか」はライブラリ化不可能なので 地獄を見そう。メッシュを.Xファイル使わずにコードで作るようなもんだ…。 >>《安眠》《保存食》《ごちそう》《水作成》《水浄化》… 自分自身に生物的影響を及ぼすコードなんて書きたく無い(w >>《水探査》《食料探査》 見つけるだけなら探索アルゴリズム次第ではあるけど、 人体に無害かどうかの判定ってどうするんだろ。 とにかく有機物の固まりを見つけるのが《食料探査》の仕様と言うならそれはそれで。 >>《警報》 毎日の様にセキュリティホールが発見されて、パッチが出そうな魔法(w
自己レス。『「何を作るか」はライブラリ化不可能なので』のくだりを訂正。
>>407 のようにD3DXCreateTeapotみたいなライブラリがあって、
ティーポットを作るのはすぐできるけど、ちょっと違うやかんを作るのは至難の業とかだったらおもろい。
あ、やっぱガープスなんだ。 こんなところで生きてるのね。
私が召還されて既に3ヶ月が経つ。 しかし、計算量理論が専門のへたれ日曜プログラマとて、この世界の独特のクラス階層 を使いこなす根性もなかった。 リーナ領の片隅の農村で、私を召還した長老ところで資料整理を手伝ったりしながら日々を 過ごしていた。 そんな中で、私はふとあるたくらみを思いついた。私が日常のちょっとした処理に愛用してい たあの言語ならではの強力な呪法だ。 そして、ついにそれを試す日がやってきた。村のはずれに突如戦車が現れ、砲撃してきたの だ。見ればしっかり日の丸がついている。 私はすぐさま戦車のいるあたりを見渡せる丘の上に向かった。 そして、唱える class << the_tank undef fire end 思った通り、戦車はそのまま沈黙した。 私は思わずにんまりしながら、戦車に背を向けて悠々と村へと歩き出した。 だが、私は忘れていたのだ。発砲を封じられた彼らがなお撃とうとしたときに起きるであろうことを。・ 戦車から勢いよく投げられたNoMethodError例外は、私の後頭部を直撃した。私は意識を失った。
(゚∀゚)イイ! でも、もはや プログラマーがファンタジー世界に召還されますた じゃなくて プログラムで構成される世界に召還されますた になってらw
「仕様書!やかんの下!」「奴めどこへ消えた」「誰だよこのスペルミス…」「今から直すわけ」 「首に縄結んで出社させろー」「はい、ええ、生憎サーバーの調子が」「…でどうすれば完成?」 がばっ、…ベッドの上。白いシーツ。麻の寝間着。漆喰の壁。水瓶。藁の屋根。 暖炉の上には油の切れたランプ…いつもの俺の家だよな。俺は着替えて外へ出た。 いつもの朝に、いつもの街。煉瓦を敷いた道に、広がる牧草地。 「おはよう!どうしたんだい、怪訝な顔をして。明日結婚式だろ、元気つけときな」 向かいの食堂のおばちゃんは、そう言うと、雑炊になにか粉をかけて寄越した。 「これ…」「胡椒って言うんだ。疲れが取れるよ。ちょっと手に入ったんでね、サービス」 「ありがと…なに、ここ最近、時々妙な夢を見るんだ…やけにリアルな…死の誘いのような」 おばちゃんは俺の、辛さで一層変になった顔をじーっと見つめる。 「あんたは小さい時村を襲った化け物からもっと小さい子を庇って一度死んだ。そりゃ確かさ。 でもね、あんたの親御さんが、なけなしの牛と畑を教会に寄進して、あんたは生き返った。 何の変わりも無く元気に育って、明日結婚式。変な事考えずに親御さん喜ばしてやんな」 と言って、おばちゃんは俺の肩をばしばし叩く。…だよな。俺はここで育った。 俺の親は式に親戚を集めるため昨日から出かけている。何の不思議も無い。 ユウリの顔を見ればもやもやもふっ飛ぶだろう。俺は婚約者の住む家へ歩き出した。 「でな、繰り上がって、10となるが、これは$Aとも書いてな…」 道端で、長老が子供を集めて数を教えている。俺もあの子らと同じように習った…はずなのだが、 今日は$Aという表記がやけに気に障る。 この街が帝国に併合されて以来、通貨単位を揃えるため16進数を覚えさせられた…よな。 じいさんは四本の指で器用に0から15までを数えてみせる。子供に交じって俺が見とれていると… 「リューヤ、なに、今更お勉強?」声だけでわかる。俺はゆっくり顔を上げた。 赤いスカート、白い服にりんごを抱えた、「橘さん」俺は照れて…え? 「ん?誰?」ユウリは俺の顔を覗き込んで来る。 「…もしかして、あたしじゃ本当は嫌な」「そ、そんなことは無い!…俺も知らない名前だ」 タチバナ…本当に誰だ?
ユウリの追及は、駆け込んできた男…一瞬名前が出て来なかったがカイン、のおかげで逃れられた。 「長老!大変です!犬顔のやつらが、また攻めてきます!」 「なんと…しかし、駐在の騎士さんがいるじゃろう。今回も大丈夫じゃよ」 帝国に併合されて、我が物顔な連中が住むようになったが、こういう時はそんな連中が頼りになる。 「俺、狩りに行ってたら…偶然見て…奴らに味方が…う」 俺や長老、ユウリの目の前で、カインは膨れ、背中が避け、影が起き上がり… 悲鳴をあげる暇も与えず、長老は呪文を唱えはじめる。 …if(dynamic_cast<shadow*>(this) != 0){return this;}… 俺は不思議な感覚に襲われた。長老の言葉のひとつひとつが、まるで文字の様に「見える」。 「悪魔め!己が住む世界へ帰れ!帰れ!」長老は呪文を続けるが、「影」は耐えている。 長老一人では力が足りないのか?俺は、とっさに長老の持つ指輪に手を触れ、叫んだ。 delete this; 影は掻き消えた。 すぐさま集まってきた人々の手で、可哀想な男は包帯でぐるぐる巻きにされている。 …あれ、名前、なんだったっけ。 ええと、さっきのはdeleteしてしまって良かったんだよな。後でダングリングポインタが 残ってて落ちたりしないよな。デストラクタにvirtual書き忘れたなんてオチは勘弁してくれよ。 僕が次のソースを探していると、女の人に声をかけられた。 「リューヤ、今の、あなたが…?」 僕は一瞬言葉が出なかった。受け付けの橘さんが、僕に口を聞いてくれている! …って、ここは、開発室じゃなくて?社内でもなくて? 僕は愕然とした。ディスプレイに向かって、終わらないデバッグの最中だった筈だ。 何故、こんなヨーロッパ?の田舎で、橘さんと話を…。 いや…段々思い出してきた。社内の憧れの的橘さんは、先月課長に持ってかれて引退したのでは 無かったか?…辞めるプログラマー続出だった事も覚えている。 「すまない…君は、誰?」
その夜、僕は寝つけなかった。堅いベッドのせいじゃない。床で寝るよりマシだ。 明日になれば、親が親戚連れて帰ってきて、橘さんじゃなくてユウリさんと結婚式…って。 まだ7時か8時とは思うが、暗い。明かりはまるで無い。 ぼーっと天井を見ていると、思い出した。 僕は、デバッグの果て見つけ出した箇所にdelete this;の一文を書き足すと、緊張の糸が切れたか そのまま倒れ込んで…周囲の「竜也!竜也!」という声が聞こえて…。 …死に際に見ている夢ならそれもいいだろう。 何故こうなったか知らないが、この世界は悪くないような気がする。 そもそもユウリさんと、というか女性と会話ができたというだけで価値はある。(我ながら情けないが) …流石に結婚式は取りやめになるだろうけど…。 少しして、ランタンって言うの?向かいのおばさんが鉄とガラスでできた提灯みたいなのを持って 駆け込んできた。 「リューヤ!ユウリが、脳震盪に効く薬草があるって聞くなり、時間構わず森へ行ったって!」 僕はがばっと起き上がった。 森は確か昼間の男が、なんつーかとにかく化け物がいると言っていた(とあの後長老に聞いた)! 「持っておゆき!」僕はランタンを受けとると、走り出した。 街の入り口で、博物館にありそうな鎧(漫画の奴よりは遥かに軽装だ)を着た男達が番をしていた。 「ドット網だなんて、三世陛下はなにを考えておられるのか…」 なにかの噂話をしているらしいが、無視してわめく。「森に女性が!」 男達は顔を見合わせていたが、ぽつりと言う。「…あのな。俺達はこの街に駐屯してはいるが」 …えーい。どこの警察も言うことやる事同じかっ!僕は最後まで聞かずに再び走り出した。 迷う心配は不要だった。もっと最悪だったわけだが。 森の入り口のところで、ユウリさんと、直立歩行している動物数匹、向かい合っている。 動物達の後ろに、青白い顔の猫目の人型生物(としか言い様がない)が控えている。 人型生物は、長老が持っていたのと同じような指輪をかざすと、彼女に近づいてゆく。
「伏せて!」僕は走り出した。 これが僕の夢や妄想なら何も問題はないわけだし、とか考えながら。 「来ちゃだめぇ!」 ユウリさんは、突然振り返ると僕の前に飛び出した。 その背後に青く光る何かが突き刺さる。 発光している人型生物の腕が、服と皮と内蔵とを突き破って、腹を貫通している。 血溜まり。飛び散る内蔵。 …これが、夢や妄想か? 僕は無我夢中でそいつの指に噛みついて、指ごと食い千切った。 気味の悪い味がする。地面に落ちたランタンの光りに照らされ、血の色が赤では無いことがわかる。 構ってられない。僕はそいつの指を吐き捨て、指輪をつかむと、自分の指に滑り込ませる。 ふと、目の前に文字が浮かぶような感覚に襲われた。 $ 迷わず、叫ぶ。「ps -e」 それらしいのを適当に選ぶと、僕は連呼した。「killっ!killっ!killkillkillkill…」 気がつくと、奴らは全てくたばっていた。 全身を赤と青の血で染め分けながら帰り着いた僕は、彼女の位置を教えると、座り込んだ。 彼女を抱えて帰ろう、とか、墓を作ろう、とか、そんな勇気はとても無かった。 でも、指輪はその辺の石で砕いてきた。 命令が現実に影響するというのは、興味があるよりも先に恐ろしいし、そもそも あの人型生物のものだったと思うと、持っている気もしない。 いきなり…ずっとここで暮らしてきたはずなのだが、実感としていきなり、 放り出されたこの世界で、する事を無くした気がする。
こちらの世界での両親が帰ってきたとして、事情を説明する自信も無い。 それより早く僕は街を出ようとした。 しかし、まだ朝焼けの時間帯というのに、街の門のところには既に人がいる。 ここでは朝早いのは普通なのかも知れない、と思って、普通に通り過ぎようとしたら、 呼び止められた。見ると黒尽くめに白、十字架、神父さんのような格好だ。 「覚えているかね?教会のジョーダンだ」 やっぱり神父さんらしい。それにしても、結婚式関係と思ったら、覚えているかね、とは? 「覚えていない、か…ちょっと、散歩に付き合いたまえ」 神父さんはそう言うと歩き出した。しかたなく付いていく。 街を外れ、牧草地を外れ、どこまで行くのか心配になったところで、衝撃の発言。 「君は、私が生き返らせた」 僕があわてふためき言葉を絞り出せないでいるのも構わず、神父さんは続ける。 「君の御両親に頼まれ、蘇生を試みた時、君の魂は既に失われていた。 だが、霊界にはそんな身体に呼応する魂があった。よほど似ていたのだろう、 私が何をする間もなくその魂は吸い込まれるように身体へ入ってしまった。 目が覚めた君は、今までのことも覚えていたし、何ら変わりは無いようだった。 ひょっとしたら私の勘違いで、あれは本当に君の魂だったのかとも思っていたが」 ……。 要するに、死んだ僕は、たまたま自分のと似た身体に入ってしまったらしい。 「はあ。…わかりました。でも、それなら元の持ち主に返してあげてください」 あんな事があって、そんな話を聞いて、僕は執着心を失っていた。 しかし、神父さんは首を振る。 「元の持ち主が既にいないから、ええと、今の君の魂はその身体に入る事ができたのだ」
「せめてユウリさんを生き返らせてください!あなたならきっと!何でもします!」 神父はそれも首を振る。 「青白く光っての死というならそれはドレインだ。魂は既にロストしているだろう…」 そんな…。 だが、神父は続けた。 「或いは、全能の権限を持つ、神の合言葉があれば、可能やも知れぬ」 rootのパスワード! 「…君と話をしに来たのもそれなんだよ。離れた地で、神のパスワードを探す輩がいる。 報告では王は騙され姫が犠牲になったらしい…神のパスワードというのは、 本来使ってはならぬもの。私も教条的になるつもりは無いが、そんな輩に使わせるのだけは 何としても止めたい。…それで、だ。どうもその輩も異世界の人間らしく、 ちょうど君の記憶が蘇ったところで、君に心当たりがあれば、と思ったのだが」 そんなものを知りたがる人間は…心当たりがあり過ぎる。 というか、僕の世界から来た人間で、ある程度知識があって、神の合言葉なんて単語を聞けば、 十人が十人きっと探しはじめる。いや、僕だって、今、探したいと思いはじめている。 「わかりました。協力します、いや、させてください! …ただ、最後にちょっと、叶えたい願いがあるのですが」 自分が帰りたいとは思わないけれど。 ユウリさんを生き返らせて、できることならこの身体を元の持ち主に返してあげたい。 神父さんはうなずくと、僕の手に指輪を握らせた。 それを指にはめ、コードを唱えはじめる。flyweight──大空へ! 僕の旅ははじまった。 //恥ずかしいのでこれで完です
読み入ってしまった・・・ できたら続きをキボンヌ
>>448 グッジョブ。
恥ずかしいなんて言わずに続編きぼんぬ。
451 :
仕様書無しさん :03/01/29 21:16
jAvAさんとか灰色さんとかいずこに…
452 :
仕様書無しさん :03/01/30 07:04
今日は、魔剣ゼロディバイダーに苦しめられますた。 おわり
魔法がスクリプトで記述されてて、 一般ユーザーは買ったり、トレードしたり、宝箱から発見したりして、それをそのまま使うけど、 プログラマー(というかスクリプトの意味がわかる人)なら 中身を書き換えて裏技的に使えるようなネットゲーム無いかなー、とか想像してみる。
スクリプト書きに凝ってゲームが進みませんなw
>>455 いやいや、それはこのスレの設定に従い、詠唱時にリアルタイムで編集する仕様の方向で(w
でも、そのうちライ・ブラリ(
>>124 に従うなら精霊)が集まってくると、
数行書くだけでとんでもない効果が得られるようになってゲームバランス崩壊しそうだ。
ていうか普通はコマンドを買って我々はコマンドを弄ったり必要に応じて作る。じゃないのか?
引き数として触媒が必要でつ。 効果が大きくなると必要な触媒も増えたり変わったりしまつ。 これでゲーム的にOK!!
>>457 とすると、別途コンパイラが(ゲーム内のアイテムとして)必要になるわけだが。
話は少しずれるけど、魔法記述用の言語が、わざと難解なものが採用されていたとしても
プリプロセッサ作るやつとか出現するんだろーなー、とか思ってみたり。
460 :
仕様書無しさん :03/02/04 11:14
このスレ久々に読んでて、 魔法の呪文をゲーム中に手入力してた時代を思い出したよ。 モンティノとか。w
461 :
仕様書無しさん :03/02/06 12:08
>>459 魔法記述言語は当然COBOLですが、何か?
463 :
仕様書無しさん :03/02/10 19:05
保守魔法Ageを唱えた
464 :
仕様書無しさん :03/02/10 19:59
465 :
仕様書無しさん :03/02/10 20:23
おまえら、BOOMTOWN (竹書房)内田美奈子 見てみ。
コーディング(執筆)前に(世界の)分析・設計から入ったあたり流石プログラマー。
賢者(sage)は以下略
469 :
仕様書無しさん :03/02/17 05:25
寂れてますなあ… ゴタゴタが片づいたら何か書きたいけど、ネタが無いしなあ…
471 :
仕様書無しさん :03/02/17 12:57
決算前だから忙しいんだよー
472 :
仕様書無しさん :03/02/20 01:11
山場は越したのでage
幸せになりたい…
地方だと仕事が無い…
保守賢者
わーいず まーん せーい おんりー ふーるず らーっしゅ いぃんー
ヴィビィ全盛の中、知られることなく暗躍…もしない影の流派があった。 通称をエフビィという、古は街などでも見られた魔術である。 そして、復権を願ってやまない人たちも居る…。 //最近一緒に下がってきているので
1の体内に金属片を埋め込んだ宇宙人です。 つい先日地球を訪れた際に、地球人のサンプルとして 1をさらって体に細工をしました。 地球人のデータを取るためです。でも駄目でした。 1は地球人としては規格外の肥満体。 ついでに無職。おまけに交友関係もなく 一日中パソコンのキーボードをカタカタカタカタ・・・ もういやです。おかげで僕は母星の上司から 「もっと実験体を選べよてめぇ」と怒鳴られてしまいました。 地球観測隊員に選ばれてから初めてのペナルティです。 ヒューマンミューティレーションも楽じゃありません。 来年からはキャトルミューティレーション担当に格下げです。 これから僕はエリア51に出張します。 1の処遇に関しては皆さんに一任しますので どうぞ煮るなり焼くなり好きにしちゃってください
>>478 スレを良く選ばずこんなカキコしていくようじゃ、
さらに降格必至だな。(w
1の体内にキメラの種を植えつけた魔術師です… … だめだ。ネタが思いつかない。
カワイイねーちゃんに種植えしてぇ(*´Д`)
1をこの世界に呼び出した召還士です…
その指輪を手にしたものはすべての言語を支配するという ...
昔、増えすぎた人類は天にも届く大きな塔を(中略 神は己に対する挑戦として怒り、人々の言語を乱して建造の続行を阻止したのであった。
しかし、バベル以前の失われた言語を再生するため、科学技術計算と商業計算の両方を サポートする神の言語を作るべく、男達が立ち上がった。 (地上の星)
(^^)
拝啓、本土の皆様、いかがお過ごしでしょうか。 こちら新人プログラマーの、まあ名前は何でもいいじゃないですか。 仮に田中としておきましょう。田中でございます。 九州が突然日本を離れ、異世界に移動して早数ヶ月。月日は速いものです。 田中は本当は九州の人間じゃ無いのですよ。ちょっと知り合いを訪ねて来てただけなのです。 その知り合いが自衛隊の人間だったのが運の尽き。 いやね、田中はOFFだったもので、PCなんて持ち歩いて無かったですよ。 だからこれは田中が発見したことじゃございません。 それまで自衛隊は膨大な火力でもって快進撃!を続けていたわけなのですが、 実際に前線に出ていって戦った自衛官さん、趣味でフリーソフトも出しておられる御方であります。 どんな状況下でも見上げた人間はいるもんですな。初めて魔法なるものに出会っての撤退中に、 なんとまあ呪文の文句をしっかり聞いてたわけであります。 で、それがこちらの世界で言うところのC++を始めとする各種言語!そっくりだったわけですよ。 自衛隊にとっては幸運、一般人のプログラマー、特に自衛隊と知り合いだったりすると運の尽きですよ。
偉いさんの決断も早かったようで。 早速次の戦いで相手さんの魔術師一人捕まえてきて、色々聞き出したらしいですよ。 本土を離れると専守防衛だの国際条約だの人道だのあったもんじゃないですねえ。くわばらくわばら。 で、そんなこんなで当の魔術師さんが持ってた杖が、途中は存じませんが田中のところへ来たわけです。 最初は面白かったっす。何しろ、これ持ってると、コードが喋った端から現実のものになってくわけです。 これが嬉しく無いプログラマーさんがいるでしょうか。いや、いない!反語! …今は嫌ですねえー。こんなもの同僚の(自主規制)にでも渡してしまいたいですよ。 何故嫌かって?そりゃあーた。今の田中の立ち位置見れば、理解してくださると思います。 エディタで書くコードなら、コンパイルして実行ファイル作っちまえばですな。 どんな遠くでも実行できちゃって、どんな参事が起きようともプログラマーは平穏無事心身健やかってもんです。 呪文というやつはですねー。唱える口がその場にいなきゃならんのですよ。 そんなわけで、今田中は、なんか知らないけどでっかい毛むくじゃらの一つ目の真下にいます。敬具。
田中さん、イ`
保守
保守〜
拝啓、本土の皆様、いかがお過ごしでしょうか。 こちら九州の鈴木でございます。え?名前が違うって?まあ気にしなさんな。 骨折しても、鈴木の入っていた保健は本社が本州なもので、お金が降りないのですねえ。 や、もちろん、そこは自衛隊の責任ってことで、手厚い看護は受けております。 しかしですな、単に知り合いを訪ねて電車でガタゴト来てただけの身、 鈴木の職場も本州にあるので、この数ヶ月収入が無いままですよ。 なんか自衛隊はこの世界での他国を色々交渉したり侵略したりで、 資源を手に入れて企業活動を再開させようと躍起になってるようですが、 旅行者のことは何も考えられてませんな。偉いさんなんてそんなもんです。 そんなわけで、飯は食わせてもらっていても仕事も無く足も折ってて暇な鈴木は、 この世界のクラス階層なんてものをしげしげ眺めて過ごしております。 やはり世界が相手だけあって、当たり前の名前が押さえられてしまってますなあ。 鈴木はよく実行の意味でfireなんて使うのですが、fireといったら火なわけで。 しょちゅう衝突するのが鬱陶しくなってきたので、名前空間で囲おうとしたわけです。 普通の発想でしょう?
そしたらどうです。using namespace …で警告が出ちゃいます。 いくらやってもわからなかったので、鈴木は件の捕虜の可哀想な魔術師さんに面会許可まで わざわざもらって聞いちゃいました。 手続きってのはめんどくさい。でもこっちにはネットワークなんて無いですからねー。 そしたらどうです。名前空間は次のバージョンの杖まで対応しないそうですよ。 ついでに、wstringも定義だけで実装されて無いので、日本語とこの世界の文字を 混ぜて使うこともできないそうですよ。 鈴木が何度シィ・プラス・プラス言い張っても、魔術師さんはシィプ・ラプラ言って きかなかったですが、ともかくC++の仕様に対応するのが大変なのは、コンパイラも杖も 変わんないみたいであります。開発者には同情します。 …しかし、このままじゃ、鈴木的には使えねーですよ。でもこんなこと説明したところで きっと足が治ったらまた連れ出されちゃうんでしょうね。どうしましょうね。敬具。
494 :
仕様書無しさん :03/03/26 23:55
Age of Programmer
495 :
へたれが悪乗り :03/03/29 22:28
その日。一つのニュースが世界を駆け抜けた。 市井で魔法を学ぶ者たちにこよなく愛されてきた、 一つのスクロールの発行が終了すると。 ベー・マ・ガ 今、各国で働いている魔術師の中にもこのスクロールを きっかけに魔法を勉強し、使えるようになったものもいるだろう。 戦国時代前期より作られ続けてきたが、もう新しいスクロールは作られない。 歴史がまた一つ幕と閉じた。
496 :
仕様書無しさん :03/03/30 02:22
攘夷〜
497 :
仕様書無しさん :03/03/30 22:38
ノートパソコンに召喚プログラム打ち込んで 5紡星の真ん中でパソコン壊して悪魔召喚しますた 結界の中に悪魔を召喚したので悪魔は猛烈な勢いで私に・・・ ああ、私になにを!!!
ho
499 :
仕様書無しさん :03/04/08 22:00
MasterCardのCMみたくゲームつくってくれよ。
ある程度の実力のある魔法使いの中で 小人さんを召還できる人って何割くらいいるんですか?
そういえば、 某ライトノベルで個人の意識領域(メモリ=短期記憶)で展開出来ない魔法を 記憶(HD=長期記憶)を犠牲にして仮想記憶方式で使う奴が居たな〜 もちろん、実行が遅い。 最近、長文ないですね。
503 :
仕様書無しさん :03/04/09 22:30
長文買いてみたいが、才能がない。 書いてみたとしても設定あわせられる自信もない。 結局はたで見てるだけ〜 とりあえず age 〜
拝啓、本土の皆様、いかがお過ごしでしょうか。
話作りは、このスレか、軍板
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/army/1045319445/から 自分の話に使えるネタだけを結びつければいいのでございます。話作りなんてそんなものであります。
確固たる設定があるわけでもないため、皆様使い易い部分だけを使っておられるとお見受けしてます。
また、プログラマというのは矛盾を許せないものと存じておりますが、多少の矛盾があっても
奇麗にまとまった話であれば自然に読めてしまうものです。
>>503 さんがんがれ。敬具。
(最近何も思いつかないのでここぞとばかりに人の応援)
言語系のネタ以外なら結構出来そうだけどね。 悪意のある魔術師の生み出した「ウイルス」による被害を防ぐために この世界の人間は「ワクチン」を脳に常駐させている。もちろん重くなるw
>>505 firewall は心の壁だということか
>>506 まだ見習いでスキルが低いので長文無理です。
今、ギルドの研修でア・センブラの修行中で、
過去にシィを少し齧って、他の言語を触った程度のスキルです・・・
>>504 似たようなのは考えたことありはするんですけどね。
書くとしたら設定はまったく別になりそうです。
今までのココのネタでいくと、
どうしてもBOOMTOWNになってしまいます(藁
>>509 に続けて
私も見習いでスキルが低いので難しいです。
今ギルドの調査に借り出されてリナクス国PPC地方の
カーネルの森の中を探索中です。
無限ループのバグに遭遇してます。
こいつを倒す魔法を必死に編み込んでるところです。
かなり実話です(藁……ってる場合じゃない
かつて私がギルドに入ったばかりのこと。 私はある有名グループ系のギルドに出向させられた。 ギルドに入る以前から独学でシィプ・ラプラを学び、 その扱いにかけてはそこそこ自信のあった私だったが、 出向先で待ち受けていたのは、それまで存在しか知らなかった かの古代魔術「ピーエ・ルワン」で組まれた術式の変更という 仕事であった…
最初に与えられた任務、それはピーエ・ルワンの教本に 目を通すことだった。 ここで私のピーエ・ルワンに対する所感を述べておこう。 とりあえず「ベ・シック」と似た文法に「シィプ・ラプラ」と同等の威力、 といった所である。 後に聞いた所では「フォー・トラン」と「コ・ボル」の長所を組み合わせて 成された魔術なのだそうだが、まぁどっちにしろ、ごった煮的で簡潔さに 欠けている事だけは確かだった。 その点がシィプ・ラプラ使いである私には気に食わなかったが、 かつて水晶球を触り始めた頃はベ・シックを学んでいた事もあり、 ピーエ・ルワンの習得自体は造作もない事だった。 だが…
∧_∧ ( ・∀・) ドキドキ ( ∪ ∪ と__)_)
目が覚めると、私は長老の家に寝かされていた。 長老は言った。 「気がついたか。だから言っただろう、例外処理には気を付けろと。 それにしてもお前さん、あの術式は滅多なことで使うでないぞ。あれは禁呪なのだ。 オーブ・ジェクトを簡単に扱えるスクリプト魔術。確かに、使い方によっては強力な魔術だ。 だが、簡単に使えるが故に、ごろつきや低級な魔物までもがあれを使って暴れ回る。 だから、この国ではあの魔術は禁じられた。今では、あれを使うのはsh*geを奉じる暗黒教団だけだ。 使ったのがこの村で良かった。街で使ったりしたら火刑になる。 ル・ヴィ……、あれはリーナ領最大の禁忌の1つだ。良いか、もう二度とル・ヴィに手を出すな」
10時過ぎ、本田は最後のバグ票を片付けて戸塚のビルを後にした。 駅まで歩いていると、突然目の前が真っ白になる。 体がふわっと宙に浮いた感じがして、心地よさの中、気を失った。 本田の耳に、声が聞こえた。頬に、わずかな感触がある。 本田は薄目を開けた。まるで少女のような、羽根の生えた生き物いた。 その生き物は、本田の目を覗き込んでいた。 本田は目をはっきり開けた。その生き物は20cmくらいの大きさで、 髪の毛は茶色、大きな瞳はルビーのように深い色だった。 その羽根は、黄金色に輝いて--発光して--いた。 その生き物は大きく息を吐きながら「よかった、生きてた」と、 安心したように、ゆっくりと言った。 本田は体を起こし、辺りを見渡した。真っ暗で何も見えないが、 何となく、そこが森の中であると直感した。 小さな生き物は羽ばたき、宙に浮いた。本田の目の高さまで上がり、 「ねぇ、あなた道に迷ったんでしょ。町まで案内してあげるよ。」と言った。 本田は黄金色の羽根の輝きを、ただ追って歩いた。 何も話さなかったし、何も考えなかった。 1時間程歩くと、街らしい明かりが見えた。 いつの間にか、視界から黄金色の羽根が消えていたことに気付いた。 本田は何か取りかえしの付かないことをしてしまったと思った。 それがなんなのか解らなかったが、強く後悔し、目の前が真っ暗になった。 そして、再び倒れた。 聞き慣れた目覚まし時計のベルで、本田は目を覚ました。 本田は自分のアパートで眠っていた。 部屋の明かりをつけると、部屋の真ん中に置いてあるガラスのテーブルの上に、 1枚の羽根を見つけた。それは淡く黄色に色付き、透明だが、わずかに濁っていた...
プログラマネタになってないな...
517 :
仕様書無しさん :03/04/16 13:48
召喚魔法ageを唱えた
未だ残留していた春厨を召還してしまった。
(^^)
520 :
いや、馬鹿のじゅうたん爆撃だけどね :03/04/19 10:15
↑春厨を召還?
マ板全体がファンタジー世界に召喚されてからどれくらい経つかな。
>>519 みたな妖魔に襲われても、初等魔術「削除依頼」以外にできることが無いのが歯痒くて。
(いや、面倒なので私は何もしてないですが)
このまま我々は滅びていくのか…
∧_∧ ( ^^ )< ぬるぽ(^^)
523 :
仕様書無しさん :03/04/23 07:53
逝くぞ! 初等魔術「age」!
おお佐倉よ、死んでしまうとは情けない。 そなたに次の機会を与えよう。 はあ? ああそうか、そろそろ授業がはじまるので起きないとやばいな。 毎朝毎朝夢で起こされてれば世話無いな。 ここでいつものジリリリリ…。 目を開けると、王様が居た。 見るからに王様な格好をした王様は、なんだこいつは、という顔で、 隣の怪しげな男を睨んでいる。 怪しげな男は恐縮し切った様子で、言い訳をしている。 「た、たしかにこの魔方陣は、伝説の魔術師を召喚する魔方陣でございます」 それで周りを見てみると、俺の周りに、気味の悪い赤いインクで、 今にもエロイムエッサイムとでも言いたくなるような魔方陣が引かれている。 王様は、やれやれといった表情で尋ねてくる。「名をなんと申す」 答えた方がいいのかなあ…。「佐倉健ですけど」 「ケンよ、そちが魔術師というのは本当か?」 それが寝間着の人間にする質問だろうか。「…いえ、情報科の学生です」 「ふむ、聞いたこともない言葉じゃ。 この世の者でないのは間違い無さそうだが…ガクセイとは何じゃ」 少し考えて「貴族のようなものです」と答えておいた。 それで俺の待遇は良くなったが、周囲はかなり落胆し切った様子だった。 俺は朝食の客席に呼ばれ、説明を受ける。 「異界の若者よ、突然のことで驚いておろう。済まなかった。 というのも、奴が、…いや、最初から説明しよう。この国は、現在帝国の 侵略を受けている。戦局は思わしくない。そこで、奴の入れ知恵で、 この国に伝わる伝説の魔術師を呼び出す魔方陣を試してみることにしたのだが… 手違いが合ったのか、伝説が正しく伝わって無かったのかは定かではないが、 そなたを呼び出してしまった。申し訳ない」
俺が居なくなったことなんて、誰も気付かないだろう。 ああ!適当に卒業して冴えない会社で地味に働いて並やや上の奥さんを貰って 縁台のある家を建てて老後は将棋を打つのが楽しみだったのに…。 「敵襲ー!!」 鐘の音が響き渡る。と、同時に、爆発音。 気付くと、天空には澄み渡った空が広がっていた。屋根がふっ飛んだのだ。 こうなると、王様も小間使いももちろん異界の学生も関係無く逃げ出す。 爆発が起こるたびに、何か英文のようなイメージが俺の頭を横切る、が、 気にはかかるが意識している暇は無い。 外へ逃げ出してみると、敵軍が明らかになった。 それは、軍と言うにはあまりにも少ない人数で、武器も持っていない。 だが、奴等が意味のわからない言葉を叫ぶたびに、どこかで爆発が起きる。 …と、同時に、謎の英文イメージが。謎?英文? …これは、何かのコード片じゃないだろうか。 突然背中に衝撃を感じ、倒れ込む。さっきの怪しげな男が逃げて行く。 待てっ!俺を送り返してからにしろっ!俺は走り出した。 背中に、屋敷の崩れる音が聞こえた。 走りながら日頃の運動不足を実感するが、奴は俺以上に運動不足だったらしい。 茂みで戦場が見えなくなった辺りで追いついた。 俺が詰め寄ると奴は怯んだが、他の足音を聴き付けて、手で俺の口を塞ぐ。 「隠れろ、追っ手だ」 俺達が隠れていると、さっき見た敵軍のうち、馬に乗った一人がやってくる。 「奴等はわしなんかより上手だ…先手を取らないと」 そう言って、懐から指輪を取り出し、何やらぶつぶつ言い始める。 もう疑う余地は無い。これはコードだ。俺は尋ねる。 「それってVC++できる?」
「ヴィシーは敵のだ。これはジーシーシーの指輪だ」 わからないことを言う。 「だからVC++できるのかって聞いてんだよ。同じようなこと喋ってたろ」 奴は、俺を蔑み切った目で、呆れたように言う。何だってんだ。 「それは同じシィプ・ラプラだからだな…」 煮え切らない奴だ。「はあ?やっぱVC++できるんじゃないか!」 思わず、大声を出してしまったらしい。敵は詠唱を始めた。 奴はもうおしまいだあ、といった顔をしている。諦めるなよ。 俺は指輪を奪いとると、自分の指にはめた。 どんな命令を言えばいいかはさっき何となく聞いたぞ。 敵が何やら複雑な詠唱をしている間に、俺はさっと唱える。fire(0); 小さな爆発が馬の鼻先で起きた。狙いと違ったが、むしろ効果は抜群で 馬が暴れだして敵は落馬した。当然詠唱も止まる。 ようし!俺はもう一度fire(0);と唱えた。関係無い草むらが爆発した。 後ろから奴が叫ぶ。「通り道を探して届かせるんだっ!」 そうか。if(way(1)==pos) fire(1); if(way(2)==pos) fire(2); …。 俺がたらたらやっている間に、敵はさっと詠唱を行った。 突然空中に現われたロープが、俺の後ろにいた奴を縛り上げる。 順番に口でいってたのでは間に合わない…そうだ!ループだ! for(int i = 0; ; ++i) if(way(i)==pos) fire(i); 命中!敵は爆発のもとに倒れた。どんなもんだ。 俺は馬乗りになって、敵の指輪を奪う。 だが、俺は命中さえすればいいやと終了条件をサボった。 空回りするループ。何か、エネルギーみたいなものが俺から失われていく。 そして…暴発。痛みのような熱を感じて、俺は倒れた。
俺は奴ともども、縄で縛られ、敵の陣地に引っ立てられた。 俺を捕まえた敵は、上官に報告をしている。 「命令通り、あの国唯一の魔術師を捕らえましたが、 驚いたことに一緒にいたこいつも魔術師の様です」 魔術師?俺が魔術師だって? …そうか、そういうことになるのか。そうだよなあ。 敵の大将は興味深げに俺を眺める。「貴様はこいつらの仲間か?」 俺が首を振ると、大将は俺を捕まえたさっきの敵を呼びつけ、 「実力がみたい。キールともう一度勝負してみろ。 お前が勝ったらそれなりの待遇を用意させてもらうぞ」 こうして、俺の縄がほどかれた。 草原で向かい合って立つ俺と、キールとか言う例の敵。 なんとかしてここを切り抜け、奴を助けて帰らないと、俺は戻れなくなる。 大将が合図を出す。「はじめ!」 俺の戦法は変わらない。ループ文でfireだ。今度は終了条件も入れる。 敵も、聞こえてくる内容から、どうやらfireらしいが、何かが違う。 よしrun!先に詠唱を終えたのは俺だった。 だが、炎は、先に俺を襲った…。「通り道」を探す速度で負けたのか? くそっ、運が悪い…。 俺は、倒れながら自分の不運を呪ったが、キールが大将に向けて行った言葉は 更に俺に衝撃を与えた。 「まるで素人です。バイナリサーチすら知らない」 バイナリサーチ…聞いたことあるな…。1/2で絞り込んでいくやつだっけ…。 そうか…こういう時に使うんだなあ…。 炎よりも何よりも、今は、自分が、痛い…。
その夜。俺達は、敵軍の仮設野営地の、ひとつのテントへ転がされていた。 指輪も取り上げられたし、このまま処刑かな。 ふと、背中で縄の切れる音がする。 「へへ…ガラスのかけらを袖に刺しといたんだ。 帝国の手の届かないような、リーナ領のもっと奥へ逃げちまおうぜ」 闇の中の甘い声。 俺が返事をしないでいると、奴は続ける。 「この世界は広いんだ。お前の帰る方法もきっと見つかる」 だが、俺の返事はこうだ。 「…一人で行け」 奴は、驚いた様子で、しかし、ケッ、と掃き捨てるとテントから出ていった。 追う暇は無い。俺は授業の内容を必死で思い出していた。 あんな粗雑なやつに、情報科の学生が負けたままでいれるかよ…。 見てろ…習い覚えたアルゴリズムの数は、きっと俺の方が多いから…。 何年も情報科にいるが、俺はここに来てはじめて、プログラミングが 面白くなってきていた。テストとレポートの為に覚えた知識が、今なら「使える」。 命の危険など頭から吹き飛んでいた。 「ほほう。ロープを切っておきながら、よく逃げなかったな」 翌朝、俺達を見にきた大将は、そう言った。 ここが勝負所だ。俺は、指輪も無しに、一晩考えたコードをまくしたてる。 どういうコードかは、わかったはずだ。 静寂の後、やがて大将は口を開いた。「どうだ、わしの下で働いてみんか」 俺は答える。「もう一度キールと勝負させてくれ」 大将は、がっはっはと笑った後、付け加えた。 「やがて、な…」
529 :
仕様書無しさん :03/04/25 03:50
初等魔術…
あははー。 あははー。 妖精さんは本当にいたんだー♪ #シャレなって無い…ッ(滝汗)
あたしは、なんだかよくわからない空間に浮かんでいた。 いつものようにパソコンのゲームしようとお兄ちゃんの部屋に入った ・・・筈なのに、そこは、文字や記号がいっぱい浮かんだ なんだかよくわからない空間だった。 「お兄ちゃん・・・?」 よく見たら、いっぱい浮かんだ文字や記号の向こうで、 お兄ちゃんが杖を振り回しながら、いつもパソコンの前で ぶつぶつ言ってる独り言と同じ調子で呪文を唱えていた。 しかも、ぶつぶつ言う度に、杖から炎とか雷とか虫とか出してる。 あたしはしばらく呆然と見守ってしまった。 ・・・・・・。 ようやく我に返ったあたしは、浮かんだ文字や記号をかきわけて、 お兄ちゃんの方に行きかけて・・・気付いた。 手足の先が、透けて・・・なくなってきている。 ううん、手足だけじゃない。文字や記号に触れる度に、 あたしが少しずつ消えていってる。 「ちょっと、お兄ちゃん、何して・・・」 あたしはそこで意識を失った。
「よし、応急処置完了」 そんなお兄ちゃんの声が聞こえたような気がして、 そして不意に、感覚が戻ってきた。 「しかし何でお前そんな・・・あっ」 ぶつぶつ言いながらあたしを眺めていたお兄ちゃんが、 ふと横に回り込んで、声を上げた。 「お前、耳に.Cなんて付けてたのか」 耳?ピアスならつけてるけど・・・粒の形のと、輪の形のやつ。 「それで存在がプログラムと認識され・・・」 あたしには全然理解できない専門用語らしきものをうれしそうに並べ続ける お兄ちゃんを止めようと手をあげかけて、あたしは気付いた。 あたしの腕に、お兄ちゃんの字ででっかく main() と落書きがしてある事に。
ロジックいじり放題の妹、ハアハア...(´Д`;)
ho
shu
ちょっと設定を変更してみたりしながら、新規に挑戦で有ります。 その本を最初に見つけたのは、秋葉原の古本屋だった。 本といっても、どちらかと言うと手帳に近い。 だが、それはどう見てもて手帳とは違う。 表紙に何から細かい細工がしてあったりするのだ。 『オイオイ・・・使いにくそうな手帳だなぁ。』 思わず口の端から漏れる。 『それにココ、同人誌の古本屋なんだが・・・。』 独り言は続く。 傍から見れば、相当怪しい人に見えるだろう。 でも、これはボクの昔からの癖で、どうにも直らない。 そのまま視線を下にずらすと値段が見える。 100、とそれだけ書かれている。 『100円かぁ・・・まぁ、外れても大丈夫な金額かな?』 そのまま手に取り、レジに向かった。 『一万二千円です。』 レジのお兄さんが爽やかにのたまう。
げげ・・・しまった、予定オーバーか・・・。 補助用の二千円を取り出し、支払い、店を出た。 『さすがに今日は帰るか・・・本も重いし。』 そのままJRではなく、日比谷線の駅に向かう。 ボクの家は、日比谷線から乗り継いで30分ほどで家にたどり着く。 晩御飯を食べ、同人誌を読み漁ってると、先ほどの手帳を手にとる。 何度見ても変わった手帳だ。 何処のサークルが作ったのかは知れぬが、随分凝った作りになっている。 『さて、中はっと・・・・』 開いてみると・・・・。 真っ白だった・・・。 いや、正確には白くない。 少し茶色く変色している感じだ。 でも、何にせよ、何も描いてない。 『あれ?』 目次を見てみる。 『うを!?』 なんと、目次まで何も描いてない。 ただ、通し番号だけが振ってあるだけだ。 『・・・・・・・・・・』
ってことは、これは、本当に手帳なのか。 だが、表紙の具合といい・・・これは、外では使えないだろう・・・。 『参ったなぁ。』 もともと手帳を使う習慣が無いので、使い道がサッパリなのだ。 まぁ、100円だしと、諦めをつけ時計を見ると、深夜12時を過ぎようとしている。 『おっと、寝なきゃ。』 そのまま本類を本棚に収め、床についた。 明日はまた仕事だ・・・・。 ごめん・・・続きは会社から帰ってきてから・・・。
539 :
仕様書無しさん :03/05/06 19:32
斬新な導入に期待age
ジリリリ!!! 火災報知器の様な目覚し時計の音が部屋中に木霊する。 ボクは起きる時は、目覚ましが要らない位早くに起きるが、目覚めが悪いときは、とことん悪いので、これ位五月蝿い目覚ましでないと、一発で起きる事が出来ないのだ。 『うわわ!?』 咄嗟に手を伸ばし目覚し時計を叩く。 そのまま抱え込み、後ろのスイッチを切りに合わせる。 『うひぇ!?こんな時間か!!』 時間は既に八時四十五分。 僕の会社はココから四十五分かかり、定時は九時半からになっている。 つまりギリギリ一杯という事だ。 元々、安全装置的なこの目覚ましは危機的な時間に合わせてある。 いろいろ問題は有ると思うが、可能な限り長い時間寝たいのだ。 まぁ、ソレはおいておいて、直ぐに支度する。 定期、携帯電話、財布、鍵・・・。 ササッと何時も通りにポケットにしまうと、直ちに玄関に向かう。 扉を開けると、見慣れた白い壁・・・といっても、そろそろ汚れが目立つ。 何時も見慣れているので何も気にせずにターンして、扉の閉め、鍵を掛ける。 そして再びターンすると・・・。 何故か茶色の壁。 『あれ?』 咄嗟に左右を見ると、壁と思ったソレは、巨大な木だった。 『何でやねん』 思わず誰とも無しに突っ込む。 とりあえず、目を瞑り、目頭を押さえる。 しばらくそのままで止まり、再び目の前を見やる。 やはり巨木だ。 また目を瞑る。 今度は目のマッサージだ。 モミモミ・・・・。 そして再び見やる。
やはり巨木。 『うーん・・・夢か。』 目の前に突然現れる巨木。 そんなことは絶対に有り得ないので、これは夢だと判断する。 『夢ならば、まだ会社に行かなくて良いや・・・眠いし布団に入ろうっと。』 再びターンし、今まで鍵穴の有った所に鍵を捻じ込む・・・が、そこにあったのは、巨大な肉の塊。 ドスッっと、鈍い感覚が手に伝わる。 と同時に、『ぎゃぅぅぅ!?』と、聞いたこともない様な声が辺りに響き渡る。 『へぇぇ!?』 咄嗟に変な声と共に、飛び跳ねる。 目の前に居るその肉隗は、余裕で三メートルを超える高さ、そして異様に硬い肉。 上に視線をやると、大きな一つ目・・・頭に角が生えている。 そして、その一つ目が、確実にこちらを睨んでいる。 『あわわやや・・・。』 幾ら夢であると思っても、目の前にそんな魔物が居るのでは、腰も抜かす。 そのままその場に座り込んでしまう。 と、その魔物が立ち上がる。 今まで見ていたのは背中だったらしく、全容が見え出す。 五メートルを超える長身に、異様に発達した筋肉だ。 魔物は近くに転がっていた棍棒を持ち上げる。 軽々と持ち上げるが、どう見ても100キロは超えているだろう。 『オイオイ・・・夢でも勘弁してくれよ。』 人間、死を目の前にすると、笑うものなのだろうか。 口の端から何故か笑みがこぼれる。 魔物が棍棒を振り上げる。 ダメだ・・・!と諦め掛けた瞬間何かが飛んできた。 「ヒュン!! トスッ!!」 魔物の振り上げた右腕に矢が刺さっていた。 いや、貫通して矢先が反対側に突き抜けている。 『ギャワワァァーーー!』
魔物が絶叫する。 魔物は棍棒を落とし、腕に刺さった矢を抜き、矢の飛んできた方向を見やる。 一方ボクは、目の前に落ちてきた棍棒を必死に避ける。 巨木の窪みまで避けるとようやく、矢の飛んできた方向を見る。 そこに居るのは四人の人間のようだ。 既に第二射が放たれている。 「ヒュン!! バシッ!!」 魔物はその矢を片手で弾くと足元の岩を投げ出す。 遠くから声が聞こえる。 『ヨモギはそのまま射撃! マサキとヒイラギは左右から飛び込んで!』 声が終わる前に二人が飛び出してきた。 そのうちの一方が岩を正拳で砕き、再び魔物に突っ込んでいく。 『オイオイ、何でこんなRPGな世界が展開されてるんだよ。』 自分の置かれた状況が全く判らず、そんな愚痴がもれる。 (でも、今は彼らの戦闘を見ることにしよう・・・どうせ何も出来ないし。) リーダ格と思われる、先ほど指示した人間は、腰辺りから小型の杖を取り出すと、何かをしゃべりだす。 一方、ヨモギ(と思われる)は、矢を連射し、残り二人は左右を魔物に突っ込んでいく。 魔物は矢を振り払い、棍棒に手を伸ばす。 が、ソレより先に、人間の蹴りが延ばした腕に炸裂する。 「ドガッ!!」 おおよそ、人間のモノとは思えないような音がする。 反対からは、別の人間が・・・こっちは抜刀し、切りかかるようだ。 「ザンッ!」 西洋刀が魔物に深く潜り込む、が、致命傷には程遠いようだ。 『うわぁ・・・。』 まるで映画を見ているようだ。 『ポイント 12000・2000・250・0 位置確定』 声が聞こえる。 先ほど、のリーダ格の人間だ。 喋っているのは違うが、意味が判る。
『オブジェクト ”炎” ローディング』 その人間の周りに揺らぎが起こり出す。 『ライン 0・0・0・0 12000・2000・250・0』 揺らぎが一気に直線になり、魔物まで伸びだす。 『コンパイル!』 聞き覚えのある言葉に思わず驚く。 『ビルド!!』 さらに聞き覚えのある言葉が続く。 『ラン!』 叫ぶと同時に杖を前に突き出す。 すると、その杖の先端から炎の塊が飛び出し、先ほどの揺らぎの筋に沿い、魔物に直撃する。 「ドオン!」 低い音が木々を揺らす。 魔物は暫くもがくと、そのまま突然消えた。 とりあえず、ココまで。 思いついたままを書いているので、いろいろ変だったりしますね・・。 あと、プログラム知識がカナーリ低いので、このまま続けられるのか著しく不安です・・・(泣
>540 「その時ボクはまだ、会社から普通に帰って続きが書けると 何の疑いもなく思っていた・・・」 ってなるのかとオモターヨ(w
>>544 あーそれいいわー夜中に爆笑させないでくれ
『アヂヂヂヂッ!!』 声の方向を見ると、先ほど魔物に突っ込んでいった二人が燃えていた。 どうやら、飛び火したらしい。 『アチッ! アチッ!!』 その場で転がりまわっていると、やがて炎が消えた。 『殺す気か!? コラァ!!』 武道家と思われる方が、リーダー格に詰め寄る。 『ごめんごめん。 思わず必要な手順飛ばしちゃった。』 『ったく、思わず、で殺されたら堪らんっちゅうねん。』 もう一方のナイトの方も既に起き上がり、剣についた不気味な色の液体を拭っている。 どうやら、彼らは相当タフらしい。 先ほどまで弓矢を扱っていた人間は、魔物がいた位置に歩み寄り、そこに落ちている矢を拾い出す。 だが、既に全部真っ黒に焼けていた。 『矢って、使い捨てなのに高いんだもんなァ』 そんな言葉が聞こえてくる。 『メモリ割り当ては行わないし、オブジェクトの選択手順は飛ばすし、後処理全部省略しやがって。』 『だから、ごめんってば。』 少し離れたところではまだ、続いていた。 『大丈夫?』 突然間近に声が掛かる。 『え?』 前を見ると、弓矢を扱っていた人間ヨモギ(だったっけ?)が立っていた。 『なんだか、見慣れない格好をしているけれど・・・何処の人?』 怪訝な顔をされる。 こっちから見ると、そっちの方が変な格好なのだが・・・。 冒険モノの映画とかで、よく見かけそうな格好だ。 向こうの剣士も、鎧兜とまぁ、いかにもな格好をしているし。 言い合っている二人も、動きやすそうな軽装に、ローブ姿。 本当にRPGみたいな格好である。
返答せずに居ると、さらに聞かれる。 『おーい、聞いてる? って言うか、言葉わかる?』 『あ、ああ。 大丈夫。』 木の根元に座り込んだまま答える。 『んなら、ちゃんと答えてよ。 何処の人?』 また聞かれる。 『え・・・いや、何処って・・・日本・・・。』 『は? 何処?それ。』 間髪居れずにそんな返答が来た。 『何処って・・・日本は日本・・・日本国だけれど。』 考え込む動作をされる。 どうも、よく判らない。 なぜ、考え込む必要があるんだ? 思い付かないらしく、他の三人を呼ぶ。 『おーい、ちょっと来てー!』 呼ばれて各々の作業を中止し、近づいてくる。 『どしたの?』 剣士が聞く。 『ねぇ、日本ってトコロしってる?』 ヨモギの問いに思わず突っ込む。 『おいおい・・・なんで知らないねん。 ってか、日本語で話してるのに。』 ヨモギがこっちを見て、言う。 『これは、全国共通公用語。 ルート歴256年に決まったことよ。 何?その日本語って。』 知らない単語が飛び出す。 (全国共通公用語? ルート歴? なんじゃそら。) そう言いたかったが、言葉は出ず、ただ口をぱくぱくさせるしか出来なかった。 『こりゃ、相当混乱してるな。 お前が後処理しないから、こいつのメモリが変になったんじゃないのか?』 さっきからリーダー格と言い合っていた軽装な男が再びリーダー格に突っかかる。 『後処理しないからって、こんな影響がでるか!』 リーダー格のローブ姿の男が反論すると、直ぐにこっちに向き直る。
『そういえば、自己紹介がまだだったなぁ。 俺はマコト。 魔法使いで一応このメンバーのリーダーだ。』 隣に居る軽装な男が次に喋りだす。 『ヒイラギ。 細かいことが嫌いだし、喧嘩が好きだから武道家やってる。』 なぜか、職業まで丁寧に入れている。 ついで女性陣に移る。 『ウチはヨモギ。 弓手をやってるわ。』 『オレは、マサキ。 見て判るとおり、剣士。』 一人称にオレを使っているけれど、マサキもちゃんと女性だ。 四人の視線がいっせいに注がれる。 つまりボクの番だ。 『えっと、ボクはKAERU。 プログラマーなんだけれど・・・わかるかなぁ。』 明らかに世界観の違うココで、プログラマーといって判って貰えるか疑問だ。 『プログラマー・・・? 初めて聞く職業だなぁ。 ソレって格闘系?魔術系?特殊系? どこのギルドに所属してるの?』 マコトに聞かれる。 『いや、ギルドって言われても・・・。』 答えようが無い。 プログラミングは別に格闘でも、魔術でもないし・・・。 『ねぇ、マコト。 ソレくらいにしてあげれば?、困ってるじゃない。 さらに混乱させてもしょうがないでしょう。』 ずっと無言だったマサキが口を空けた。 そのまま、四人はなにやら相談を始めた。 ボクはまだ足腰が立たない。 情けないことに、未だに腰が抜けたままだ。 とりあえず付近を見渡す。 はるか遠くまで続く深い森。 手入れなんて全くされていない、見事な森だ。 木々は相当高い上、日光を遮り、森の中には光がほとんど届いていない。 何本かの光の筋が地面に垂直に突き刺さっている為、太陽がほぼ真上に位置するのが判る。 そんな環境だからか、下草は殆ど見当たらない。 今ボクの座っているトコロの下は苔むしている。 おそらく、ここら辺一帯、みんなそんな感じなのだろう。
>>544 いや、あたらずとも遠からず・・・。
後少しで終電を逃すところでしたので。
とりあえず、ファンタジーっぽさに主点を置いて書いています。
思い付いたまま殆ど推敲せずに書いているので、色々変なところがあるかも・・・(汗
でも、見ている人少ない見たいだしいいかな・・・?
>549 ライトノベル好きなので、多少の矛盾やら間違いはご愛嬌です。 続きキボンヌ。
と、マコトから声が掛けられる。 『とりあえず、城に行こうか。 このままココに居ても仕方ないし。』 どうやら、意見がまとまったらしい。 『城の魔法技術研究開発室に連れて行けば、何か判るだろう。』 ヒイラギが続け、手が差しのべられる。 『まって。』 ヨモギがその差しのべた手を止めさせる。 『あんた、怪我してるじゃん。 大丈夫?』 ヨモギが指す先は、ボクの左足。 なんと、足が折れている。 全く持って気が付かなかった。 (さっき棍棒を避けたときに、避けきれなかったのか・・・?) 怪我に気づいたとたん、一気に痛みが襲ってきた。 『痛ー!? いちち・・・。』 強烈な痛みに、体中が動かなくなる。 ヨモギが近づいてきて、左足に触れる。 『リカバリ』 さっきの炎の魔法に比べて、詠唱から発動までが物凄く短い・・・というか、一言だ。 左足から痛みが引いていく。 『・・・痛くない・・・。』 その場に立ち上がる。 飛び跳ねることもできる。 『あたりまえだ。 そのための回復魔法だからなぁ。』 マコトに突っ込まれる。 『魔法・・・かぁ。』 まだ夢かなのだろうかと考えて、さっきの痛みを思い出す。 思わず脂汗が流れる。 どう考えても、さっきの痛みは現実の痛みだった。 (ってことは、やはりこれは夢ではないのか。) 思わず眩暈を覚えて、その場にうずくまる。
『大丈夫か?』 ヒイラギから声を掛けられる。 全然考えがまとまらない。 (なんでこんなところに・・・ってか、魔法なんて非科学的な現象が目の前で、しかもボクに!?) 『おーい』 マコトからの声が掛けられようとも、いまはソレどころではない。 (ってか、こいつらどう見ても、”剣と魔法の世界”の住人だろう・・。) 『おい! 逃げろ!!』 突然ヒイラギの声。 その声と同時に、一気に引きずられる。 『ええ? なに?』 とりあえず、引きずられながら必死に走る。 後ろのほうから、なにやら聞こえてくる。 『実行!』 甲高い声が響く。 「ビキビキビキ!!!」 何か、地面を伝って突進してきている。 後ろをチラッと振り返ると、氷の列がこっちに向かって来ている。 『散開!!』 マコトが叫ぶと、四人がバラバラの方向に逃げ出す。 ヒイラギに引きずられているボクは、自ずとヒイラギと同じ方向に行く事になる。 再び後ろをうかがうと、明らかに氷の列がこっちに進路を変えている。 『さすがイベント駆動型! 柔軟に対応してくるなぁ、もう!』 ヒイラギの口からそんな言葉が漏れる。 森の中を右に左に逃げるが、一向に離れる気配が無い。 「ギャイン!!・・・ギィン!!・・・ヒュン!・ドス!・・・・・ドォォン!!」 離れたところで戦闘をしている音が聞こえる。 そっちの方向を見ると、マコト、ヨモギ、マサキが魔物10体以上とかなり危険な戦いをしている。 『魔法は、それ以上の魔法をぶつけるか、術を発したものを倒すか、魔力が尽きればその時点で消える!』 ボクが変な方向を見ているのを察し、ヒイラギが答える。 『あいつ等が奴等を倒すまで逃げつづける! だから走ることに集中しろ!』 ヒイラギが速度を上げる。
氷の列は、もうだいぶ近づいてきた。 『う・・うん・・・。』 そう返事をするものの、普段常に机に向かってデスクワークを続けているボクにとって、突然の全力疾走はそろそろ限界だ。 と、目の前の地面に石が飛び出している。 気づくが、既に回避が出来ない。 そのまま石に躓き盛大に転ぶ。 ヒイラギも引いていた腕がいきなり引き離され、バランスを崩し前のめりに転んだ。 「ビキビキビキビキ!!!」 音が急速に近づく。 (もうだめだ!!!) 目を力いっぱい瞑ると、ふと、目前に文字が浮かぶ。 とっさにその文字を叫ばなければならない衝動に駆られた。 『ファ・・・ファイヤーウォール!!』 叫ぶと同時に、頭の中に考えもしない様々な文字列が展開される。 ソレを必死で押さえ込もうと別のことを考え、パニックに陥る。 『うわわ!?』 自然そんな言葉が漏れる。 『馬鹿! 自力で何かを考えようとするな!』 ヒイラギの声が意識の遠くに聞こえそれに従う、というより、もう何も考えられなかった。 『ドドォォォン!!』 大きな音が自分の近くで起こり、死を覚悟する・・・。 痛みも無い・・・よかった・・・痛み無く、苦しみ無く死ぬのが幸せだって本にも書いてあったし・・・。
目を覚ます。 茶色の木の天井が見える。 (ふぅ・・・どうやら夢から覚めたらしい。) (自分の部屋の茶色の・・・・茶色だったか・・?) 目を見開く。 そこにあるのは、確かに茶色の木の天井。 だが、自分の部屋の天井は壁紙の白の色だ。 上半身を勢いよく起こす。 額に乗せていたと思われる湿った布が落ちる。 『今度は、何処だろう。』 独り言が洩れる。 付近を見渡すが、誰も居ない。 部屋は、六畳といったところか。 真中に長方形の机があり、その周りに六脚の椅子と思われる木が置かれている。 壁も、天井も全て木で出来ている。 壁にはガラスの窓と扉がある。 部屋の中を徘徊していると、扉を隔てた隣の部屋から声が聞こえてきた。 『あれは、どう見ても魔法だよなぁ。』 マコトの声か・・・どこか興奮気味だ。 『でも、あいつはソレを否定したぞ。』 ヒイラギの声だ。 『たしか、プログラマーと言っていたし。』 これは、ヨモギの声だ。 『うーん、嘘でもついているのかなぁ? それとも魔法使いの上級職で、プログラマーなんてのあったか?』 『いや、そんな職業は聴いたことが無いよ。 それは、ヴィシーの魔術組合所属の貴方が良く判ってるでしょう。』 マコトの声が、ヨモギにあっさりと否定される。 『そういえば・・・ファイヤーウォールって叫んでいたけれど、普通はどんな魔法なんだ?』 『魔法の名前は誰でも好きに付けることができるさ。 でも、大体のヤツはその名前から効果が想像できるものにする。』 ヒイラギの疑問にマコトが答えていく。 『そうしないと覚えにくいしねぇ。』 ヨモギの声がソレも重なる。
『んで、ファイヤーウォールという魔法名だが・・・本来は施設防御の魔法だ。』 『ふんふん。』 ヒイラギが相打ちを打ち、ヨモギの声がそれに続く。。 『防火壁の意味を持ち合わせているものね。』 『そう。 魔物が施設攻撃に際して炎の魔法で攻撃する頃に初期が出てきた、高度施設防御魔法の一種だ。 炎による攻撃を防御するという意味で防火壁・ファイヤーウォールの名前が付いて、その後幾多の改良を経て攻撃ならほぼ全般的に防げるようになった。』 なにやら長台詞がマコトの声に乗って届く。 『だが、この魔法を使うには複数の攻撃方法を理解し、ソレを的確に防ぐ手段を知っていなければならないわけだ。』 『全部をシャットアウトするのではダメなの?』 ヨモギの声だ。 『全部はダメだ。 空気までシャットアウトするようにしたら、大変なことになる。 防火壁内の限られた空気だけでは直ぐに苦しくなってしまう。 だから、必要なものだけをシャットアウトするようにするんだ。』 マコトの声に、ボクも思わず納得する。 そして、ココまで聞いて思う。 (ココの世界のファイヤーウォールの考え方と、僕の世界のファイヤーウォールの考え方って、凄く似てるなぁ。) 『そして、その魔法をコイツは使ったと。』 現実に戻される。 いつのまにか扉が開き、目の前にヒイラギが居る。 『あ・・・っと。』 『ほれ、こっちに来い。 とりあえずコレでも食べろ。』 そのまま席まで連れて行かれる。 そこにあるのは様々な野菜の煮込まれたスープだ。 どうやら彼らは食事の最中だったらしい。 声は聞こえなかったが、ちゃんとマサキも席についていた。 ただ、静かに聞いているだけらしい。 『んで、続きは?』 ヒイラギが続きを促す。 『ああ、この魔法は施設防御という性質上、かなり巨大なものになる。』 『魔法の効果範囲が大きいからなの?』 ヨモギの疑問にマコトが答える。 『それもある。 施設一つを丸々包み込む魔法だから、効果範囲は他の魔法に比べて巨大だし。 それ以外にもさっき説明した通り、多数の攻撃種類を防ぐ必要から複数属性の多層構造の魔法になるんだ。』 『ふーん。』 ヨモギがそれに相槌を打つ。
『あれ・・? でも複数の属性って、相反する属性の魔法では打ち消しあうんだろう?』 ヒイラギがさらに疑問を投げかける。 『だから、一つの属性魔法と属性魔法の間に、無属性魔法を挟み込むんだ。 無属性魔法はどの属性魔法とも競合を起こさない特徴を生かすわけだ。』 『そして、それらの属性魔法はもちろん一つの魔法だ。』 『ふんふん。』 ヒイラギと、ヨモギ、ソレとボクが相槌を打つ。 『あ、やっぱり気づかないか。』 マコトが言う。 『何に?』 それに答える様に、ヒイラギが言う。 『効果範囲の広い魔法を複数回、しかも同時に使用するわけだ。 効果範囲は見た目よりも、その属性の層の分だけ乗算した広さになる。 つまり、とても人間一人の魔法能力だけでは対応しきれない訳なのだが。』 『ま、実際に使う場合には、施設中央の巨大水晶にその魔法を展開して、俺ら魔法使いはその水晶に魔力を注ぎつづけるわけだ。』 そこで全員の視線がボクに注がれる。 思わずスープに伸ばしかけていたスプーンが止まる。 『え・・・?』 『ちなみに俺はこのレベル3の魔力杖に魔法の殆どを展開している。』 マコトが腰から短い杖を取り出して見せる。 『ウチは、魔法道具屋で買ったこの水晶ネックレスに予め魔法が入れてあるの。 ソレを発動させるだけだから、殆ど魔力は使わないわ。』 ヨモギのほうは、首から下げたネックレスを取り外し、机の上に置く。 『入っている魔法はリカバリといって、状態を元に戻すことが出来るの。』 言い回しが、少し気になったので、そこを少し探ってみる。 『元に戻すって事は、病気とかは回復できないの?』 ヨモギでは無く、マコトが答える。 『毒や麻痺を取り除くというのは聞いたこと有るけれど、病気を治すのは魔法では不可能だ。』 (外的要因は元に戻せるけれど、内的要因は無理って事か・・・。) そんなことを思いつつ、もう一個気になったことを聞いてみる。 『死人を生き返らせることって出来るの?』 そう問いかけをすると、場が静まり返る。 『死ぬということは、この世界からその人というオブジェクトが削除されることだ。 一度削除されたオブジェクトは再生不可能だ。』 マコトが静かに答え、また再び部屋が静寂に包まれる。
暫くその状態が続き、最初に口を開いたのはやはりマコトだった。 『話が大分逸れたが、言いたかったことは、お前がファイヤーウォールという高度魔法を、補助道具なしで発動させた事が問題なんだ。』 視線を注ぎながら言った。 『魔法保持水晶も、魔法展開水晶も、あまつさえ魔力補助水晶も、魔力増強水晶も持っていないお前が何でそんな高等なことが出来る。 魔族にだってそんな高度なことが出来るのは一握りだし、人間に至ってはもっと少ない。 お前は一体何者なんだ!』 マコトが続けて言葉を荒げ、席を立ち言う。 『いや、何者なんだって言われても・・・。』 返す言葉が見当たらない。 『止めなさい、マコト。 何度も言うけれど、追い詰めてもちゃんとした答えは返ってこないわよ。』 マサキが口を開く。 『そうだな、すまなかった。』 再び席に座り、スプーンを手に取り言った。 『まぁ、何にせよヴィシーの魔術組合の組合長に一回相談したほうが良いんじゃない?』 マサキが続ける。 『うん、そうしよう。 このままココに居ても埒があかん。』 マコトがそう納得し、残ったスープを一気にかきこんだ。 ボクは最後にもう一つ気になったことを聞いてみる。 『そういえば、ボク、そのファイヤーウォールっていう魔法を唱えた後どうなったの? あの氷の魔法の直撃を受けたの?』 ヒイラギがソレに答える。 『そういえば、お前はあの魔法を使った後直ぐに倒れたんだっけか。』 ヒイラギも同様にスープをかきこんだ後、答えた。 『お前はあの魔法、ファイヤーウォールに守られて凍りの魔法の直撃は確かに避けた。 だが、お前はファイヤーウォールの発動で気を失っていたらしくてな、魔法の効果が切れた後その場にそのまま倒れていたんだ。』 『まさか、その場に其のままにしておく訳にもいかんから、とりあえず森の外れの小屋まで背負ってきて、隣の部屋に寝かしておいたと。』 『もっとも、晩飯が出来上がった頃に起きだしてくる様じゃ、大丈夫だろうけれど。』 ヒイラギが笑い、ソレにつられるように皆が笑う。 『まぁ、寝てた時間は4,5時間ってとこだ。 今から寝ても寝られないだろうけれど、明日は早朝に出発するから、一応ちゃんと寝ておけよ。』 そういいながら、ボクに立つように促す。
『お前はそのまま、さっきの部屋を使え。 俺等はこっちとこっちで寝るから。』 そういいながら指差す。 ちょうどボクの部屋の両隣になっている。 そして、ボクはマコトに背を押されながら部屋に入れられた。 『後の片付けは任せたぞー。』 後ろ手で扉を閉められると、マコトが広間に戻り言う。 『たまには自分でやれよなー。』 『まぁまぁ、そう言いなさんなって。 んじゃ、俺等は早めに寝るわ。 おやすみー。』 ヨモギの不満の声を押さえ、そのまま隣の部屋に入る音がする。 『はいはい、おやすみね。』 『おやすみ。』 マサキとヨモギの声が最後に聞こえる。 どうやら居間で片付けをするようだ。 さすがにこのまま寝ようにも、眠気がサッパリ無いので、とりあえず居間の片づけを手伝うことにする。 扉に手を掛け、開ける。 「ゴン!!」 開けたつもりだったが、扉が予想以上に重い。 結局開かなかった扉に頭を勢いよくぶつけてしまった。 『なにやってるの?』 扉が開かれ、その向こうからヨモギの声が聞こえる。 頭を押さえ蹲っているとそう声が掛けられる。 『ああ、この扉は開けるのにコツと力が要るのよ。』 (なるほど、コツと力ね。) そう思いつつ、額を抑えながら立ち上がる。 『いや、ちょっと手伝おうかと思ったんだけれど。』 『大丈夫よ、慣れてるしね。』 そうヨモギに制される。 『そうそう、そういえば額に乗せてあった布が無かった?』 ヨモギが部屋に入ってきてベットの付近を捜索する。 『あったあった。 ちょっと待ってなさい、濡らしてきてあげるから。』 直ぐに湿った布を見つけ部屋を出て行く。
少しの間そのまま待っていると、戻ってきた。 『コレを額に乗せて置きなさい。 痛みが少しは和らぐわ。』 そう言いながら半分笑っている。 『うん、ありがとう。』 『それじゃ、おやすみなさいね。』 『おやすみなさい。』 ヨモギとそう挨拶をすると扉が閉められた。 「ゴトン」 なるほど、確かに重そうな音がしている。 そのまま扉と反対方向にある窓に向かう。 周りは草原らしい。 結構見渡しがいい事から、おそらく丘の上に有るのだろう。 少し離れたところに森が見えた。 (なんでこんなところに居るんだろう。) そう思いつつも、普段のつまらない日常から開放されて、面白そうとも思いつつある。 (まぁ、逃げ出しても、さっきみたいな魔物に遭遇して死んじゃうのがオチだろうからなぁ。) (このまま、彼らに付いて行って、ヴィシーの魔術組合とやらに行ってみよう。 元の世界戻る方法も見つかるかもしれないし。) そのままベットに潜り込み、額に湿っていて冷たい布を乗せ、目を瞑る。 硬くて眠り難いけれど大丈夫だろう。 そのまま眠りに落ちた・・・。
書き込んだ後に気づいたけれど、改行無いと結構読み難いですね・・・(泣 今後、気をつけねば。 とりあえず二つのものを説明を。 魔法保持水晶・・・・・外部記憶媒体 魔法展開水晶・・・・・メモリ に該当するモノのつもりで書いてます。 魔力関係の二つのアイテムは、独自のモノになります。 まぁ、自分でも色々突っ込みたいところが有るけれど、設定上結構限界があるので。
や、やべぇおもしろい KAERUさんマジぐっじょぶ
今までのとは少し毛色が違うように感じるけど… 面白いものは面白い がんがって続けてください
体が強く揺さぶられる。 『カエル、起きなさい。』 意識の遠くから声がする。 (あれ・・・?ボク一人暮らしなのに、何で起こしてくれる人が居るんだろう?) そんなことを思いつつ、瞼がゆっくりと開く。 目の前にはヨモギの顔。 『うお!?』 思わず思いっきり後づ去る。 が、後ろには壁。 「ゴッ!」 鈍い音と共に動きが止まる。 『ったー!』 そのままベットの上でのた打ち回る。 『目は覚めた?』 ヨモギが聞いてきた。 『そりゃあもう、ばっちり目覚めたよ。』 後頭部がズキズキ痛む。 『そう、じゃあ直ぐに支度して。 出発するわよ。』 心なしかヨモギの表情が硬い。 窓際まで歩き外を見やると、明らかに朝とは言いがたい暗さだ。 星が爛々と輝いている。 『あれ・・・? 朝?』 問い掛けた先には既に誰も居なかった。 開け放たれた扉の向こうからは人が慌しく動く気配がする。 とりあえず、支度をすることにする。 といっても持ち物も少ないので、ズボンをはいて上着を羽織りバッグを持って終了だ。 そのまま、隣の居間に移動する。 マコトが机に陣取り、必死に書き物をしている。 ヨモギは部屋を走り回り色々な物を袋に詰め込んでいる。 マサキもヨモギと同様だ。 別の部屋からいくつかの物を持ってきて袋に詰め込んでいる。
ヒイラギの姿は見えない。 部屋の入り口で行き場を失っていると、マコトに呼ばれる。 『カエル、やっと起きたか。 とりあえず、ココに座ってろ。』 マコトが指した先は、昨日僕の座った席だ。 『はい。』 昨日とは極端に違う雰囲気の中、そう返事をしてその席に座る。 目の前には、いろんな文字列の書かれた紙。 結構枚数が多い。 マコトはそんな中必死に何かを書いている。 と、ペンを走らせるのを止める。 『マサキ、コレを頼む。』 そういうと、物を詰め込んでいた手を止め、近寄ってくる。 『何処に飛ばすの?』 マサキが紙を受け取った先から折り畳みながら聞く。 『コレは、ヴィシーの魔術組合。』 『コレは、統合作戦本部。』 『コレは、第2大隊作戦司令室。』 『コレは、第3騎士団団長。』 そう言い、全部で四枚の紙を渡す。 『全部ハヤブサで頼む。』 マコトがそう付け足す。 『はい。』 そう返事をすると、駆け足で隣の部屋へ行ってしまった。 『さっきのは?』 マコトに聞くと、再び走らせていたペンを止め、こっちを向く。 『伝書だ。』 あっさり答え、再びペンを走らせた。 (いや、んなもん見りゃ判るっちゅうねん。) そう言いたいのをぐっと押さえる。 そして口をついで出たのは別の台詞。
『何でこんな時間に出発するの?』 早朝といっていたのに、まだ空が白んですら居ない。 『ん? ああそうか、まだ言ってないのか。』 マコトがペンを止め、紙をまとめ始める。 『外に森が見えただろう? 昨日居たのはあの森なんだが。』 マコトがココからは見えない森を指差しながら言う。 『うん。 丘の下の森だよね。』 ボクは実際には見えない森の方向を見ながら言う。 『そう。 そこの森の中の魔物の動きが不穏だ。』 思わず表情が固まる。 『不穏?』 マコトに、そう聞き返すことしか出来ない。 『耳を澄ませば判るんだが。』 そう言われて耳を澄ませる。 「オォォーーン・・・ ズズゥン・・・」 部屋の中で人が動く音にまぎれて、微かに異質な音が聞こえる。 『聞こえたろ? ココ暫くは静かな森だったんだけれど、ついさっきになって急にこうなったんだ。』 そうマコトが喋り終わる頃、上から音がする。 「ゴトッ」 マコトが上も見ずに言う。 『屋根のヒイラギが動いたか。 そろそろ潮時かな?』 先ほど手紙を持っていたマサキが戻ってくる。 『ハヤブサで全通出したわ。 残ったハヤブサ、鳩、鷹、トンビは全羽開放。』 報告口調だ。 『あいよ、ご苦労さん。』 マコトがそれを受ける。 ヨモギの方を見やると、こっちも終わったようだ。 『当面最低限必要そうなものは全部詰めたわ。』 四つと、少量の荷物の山がある。 『カエル、貴方はその袋にコレを入れて頂戴。』 その少量の山を指し、ヨモギが言った。
『はい。』 そう答えながら、早速荷物を詰め始める。 その間に、ヨモギはに持つを確認に渡していく。 荷物は少量の水、乾燥食料、薬草か何か、宝石類(おそらく魔法道具)だった。 それらを詰めて、ふたを閉める。 立ち上がると、マコトがポケットから丸い琥珀色の石を取り出す。 琥珀色というか、琥珀だった。 周囲を一本のV字の筋が走っている。 『マサキ、頼む。』 短くマコトが喋る。 すると、マサキが抜刀する。 そしてその琥珀に対して剣を構える。 『フッ!』 短く呼吸すると、V字の筋に剣を振り下ろす。 「ビシッ!」 短い音と共に、琥珀は真っ二つに割れた。 半球の琥珀が二つ机の上に転がる。 マコトが、そのうち一つを拾い再びポケットに収めた。 残った一つはそのままだ。 『こっちはいいの?』 ボクがそうマコトに問う。 『ああ、これはココに置いておかなきゃダメだ。』 マコトが答えつつ、部屋の中央に吊るされたランプに手を伸ばす。 息を吹きかけて火を消すのかと思ったら、ランプの中に手を伸ばした。 そして取り出すと、そこには一つの宝石。 『ソレは?』 ボクが思わず聞く。 『これは、ムーンスーン。 魔力を込めると発光する石だ。 何処の家庭でも明かりとして使われている。』 マコトがそう簡単に説明すると、その石を両手で包み念を込める。 すると、その石が発光を止める。 そのままその石をバッグに詰める。
『よし、行こう。』 マサキが扉に手を掛ける。 その後ろにヨモギ、マコト、ボクの順だ。 と、マコトが勢い良く壁を叩く。 「ドンッ!」 すると、屋根から返事が返ってくる。 「ドンッ!」 その返事を待っていたかのようにマサキが扉を開けた。 先に広がるのは夜の帳。 丁度新月らしく月は無い。 全員が外に出ると、マコトがゆっくりと扉を閉める。 少し離れて小屋の全体を眺め見る。 まるで、ログハウスだ。 全部が全部木で出来ている。 『こら、離れるな。』 屋根の上から声がする。 「スタッ」 続いてボクから少し離れたい地に着地音がする。 そのほうを見ると、ヒイラギが居た。 小屋から少し離れたはずなのに、どうやら飛んできたらしい。 視線をマコト達のほうに戻す。 まだ扉の前にいた。 『やっぱり惜しいなぁ。』 ヒイラギがそう言いながらマコト達に近づく。 『そうね、こんな形でも苦労して作ったもんね。』 ヨモギがそう答える。 マサキは無言で小屋の壁に手を当てている。 今までずっと小屋の扉に手を掛けていたマコトが振り払うように一気に振り返る。 『撤退!』 そして、そう力強く宣言すると、全員顔つきが厳しいものに変わる。 『カエル来い! 行くぞ!』
ヒイラギが僕の手を取り早足で丘を下りだす。 先頭はマサキ。 二番手はマサキ、次いでヒイラギと手を引かれているボク、シンガリはマコトだ。 一列で丘を下る。 暫くそうして下ると、一つの大きな岩が見える。 その後ろに全員身を潜めた。 マコトが岩の陰から小屋の方角を伺っているようだ。 ボクもソレに習って見てみる。 『頭を出しすぎるなよ。』 そう、マコトに言われ、頭を適正な位置まで戻される。 丁度小屋が岩の影ぎりぎりに見える位置だ。 小屋の周りに何かが蠢いている。 遠めで見る限り、二本足らしいが、身長が小屋と同じくらいある。 他に、巨大なミミズのような体も見える。 さらに、小屋の屋根の上にも何体か乗っかっているようだ。 『ギリギリセーフってか。』 ヒイラギが付近を警戒しながらそう言った。 マコトがバッグから先ほど半分に割った琥珀を取り出す。 そして岩陰から勢い良く飛び出す。 両手を組んで前に出し、琥珀を目の前にかざす。 そして目を閉じて何か喋りだした。 組んでいた手を離し、手を左右に離していくと同時に位置を下げていく。 琥珀はというと・・・宙に浮いている。 Mr.マリックも顔負けだ。 フワフワと、多少上下に揺れながら、確かに琥珀は宙に浮いていた。 マコトの足元から風が巻き起こり始める。 マコトの足元を見やると、光の魔法円が浮かび上がる。 『ヒュゥ! やるぅ。』 ヨモギがソレを見ながら言った。 『あの琥珀は、二つでセットになっているんだ。』 突然真横でマサキが説明を始めた。
『球である間は魔力を蓄えつづけ、崩壊、つまり二つに割られると魔力の放出を始めるの。』 『マコトは今、その魔力を使って魔法を使っているの。 だから、あんな高等な魔法が使えるの。』 『あと、もう一つの意味がある。』 その説明にヒイラギが付け加える。 『琥珀にはお互いを呼応しあう性質があってな、ああいう風に二つに割られると、片方の石ともう片方の石が呼び合うんだ。』 『さっき片方を小屋の中に置いてきたと思うけれど、ココで魔法を放つと、魔法はその石に向かって行くんだ。』 ヒイラギが語り終わる。 『まだ足りないわね。』 ヨモギがさらに付け加えた。 『ここにある片割れと、もう一方の片割れは同じ魔力を発しているわ。』 『ココで魔法を発動させると向こうの石も呼応して魔法の発動状態に陥るの。』 『でも、実際に魔法はこっちでしか発動していないから、向こうの魔法はとても不安定な状態でその場を維持する。』 『そして、こっちの魔法が向こうの石の近くに行くと、同じ魔力から構成されている向こうの魔法が発火する。』 『魔法は放出されつづけて、発動前段階で蓄積されていたから、発火の瞬間の魔法の威力は凄まじいモノになるわ。』 ヨモギがそう言い終わり、小屋の方角に視線を向ける。 マコトはまだ魔法詠唱を続けている。 『長い再帰ループだなぁ、おい。 終了条件付け忘れたか?』 ヒイラギが言う。 その言葉に目を見開く。 『再帰ループ!?』 思わず叫ぶ。 と、その口を押さえつけられる。 『叫ぶな、馬鹿。』 口をふさがれたままでは声で返事が出来ないので、頷く。 『ああ、そうだ。 再帰ループといって、同じ詠唱を何度も繰り返すんだ。 タダのループと似てるけれど。』 まさか、こんな所で再帰ループなんて言葉を耳にするとは思わなかった。 明らかに縁遠いと思っていたのに。 そうふけっていると、マコトが動き出す。 『お、行くか。』 ヒイラギの声に合わせるようにマコトが大きく足を開く。
『スタート!!!』 マコトが一気に叫ぶ。 すると巨大な火柱が渦を巻きながら小屋のほうに向かっていった。 小屋のほうは、淡い光を放ちだす。 『あれが、発動前段階の魔力。 綺麗だわ。』 ヨモギが見とれている。 そして、魔法が小屋に達する。 「ドドォォオオオン!!!」 小屋の付近一帯を巨大な炎の塊が襲い、上空高くまで火柱が立つ。 ココまで強烈な熱気と、強い地響きが伝わってくる。 空を見ると、付近の雲が炎の光を映し出している。 そして、その火は一瞬で消えた。 今まで小屋の有った付近は完全に焼け野原だ。 小屋の有った形跡すら判らない。 『よし、コレで法は順守した。 行こう。』 マコトが先立って歩き出す。 それに続いて皆が歩き出す。 さっきと違って早足ではなく、普通に歩き出した。
572 :
仕様書無しさん :03/05/17 00:42
aGe
573 :
仕様書無しさん :03/05/17 00:46
ところで、誰が作り始めるのかね?
574 :
仕様書無しさん :03/05/18 01:34
ガンガレage まぁ月末近くだから皆忙しいのでしょう
『ねぇ、前に言っていた”法を順守した”ってなぁに?』 かれこれ数日間歩いた後になって聞いてみた。 『ああ、あれは”戦時非常対策法”っちゅう法で定められた手順にあるんだ。』 マコトが静かに答える。 『一応我々は最前線哨戒部隊だからな。』 ヒイラギが自慢げに後ろでのたまっている。 『戦時非常対策法 第6条 戦争不可避の事態の対策 第3項目 最前線基地の対処』 マコトがまるで目の前の条文を読み上げるかのようにスラスラと喋る。 『最前線基地で戦争不可避の事態を察知した場合、その報を火急に知らせた後、最前線基地を抹消。』 『あらゆる情報を抹消した後、その場を退去せよ。 ルート暦512年に定まったことだ。』 どうしても気になったことを聞いてみる。 『そのルート暦って、なに?』 さすがに驚かれる。 『・・・お前は一体何なんだ。 なんで公用暦を知らんのだ。』 マコトに逆に聞かれた。 『いや、何でって言われても・・・ボクは太陽暦と太陰暦しか知らないし。』 またマコトに首を傾げられた。 『太陽暦に、太陰暦ねぇ・・・。 まぁ聞いた限りでは太陽の動きを取り入れた暦になっているんだろうが。』 まだ悩みどころがあるらしい。 『なぁ、太陽暦と太陰暦って知ってるか?』 マコトが他の三人に聞いている。 『知らん。』 あっさりと、しかも聞き間違い様の無い答えが返ってきた。 マコトがシゲシゲと眺めてくる。 『その服装といい、何も知らんことといい・・・。』 ヨモギが横から口が割り込ませてきた。 『ねぇ、随分前に書物で読んだことがあるんだけれど。』 全員の視線がヨモギに注がれる。
『この人って、異世界の人間じゃない? この変な服装、書物に書かれているモノと同じだし、高度な魔法も書物にかかれている伝承と同じだわ。』 今度はボクに視線が注がれる。 『ふぅむ。 なるほどなぁ。 確かに異世界っぽい雰囲気だ。』 (その異世界っぽい雰囲気って言うのが、どういう基準なのか聞きたい・・・。) ヒイラギに抗議の視線を向けながらそう思った。 『それは良いとして・・・。 いま、そのルート暦とやらで何年なの?』 ついでに聞いてみる。 『ああ、今は確か・・・ルート暦4090年だっけか?』 『違うわよ。 4096年よ。』 ヒイラギの答えに、マサキが突っ込みを入れている。 『ヨ・・・ヨンセンネンですか。』 さすがに少し驚く。 『ソレにしては、あんまり文明が発達していないような。』 思わずそんな言葉が口を出た。 咄嗟に失礼かと思い口を塞ぐが、もう遅い。 マコトの顔色を伺う。 特に変化は無い。 『まぁ、過去に何度も我々は滅びかけているからなぁ。』 マコトがそんなことを言う。 『丁度いいからこの世界の歴史を簡単に教えてやるよ。』 『最初は、120年。 まだ我々の人類が統一した動きを見せぬ頃、シ・ヨーなる軍勢が襲撃してきた。』 『力押しするタイプの魔物が中心で、世界各国を端から順に潰していった。』 『国家機構は見事に全滅して、残ったのは宿場町や小さな村だけになった。』 マコトが言葉を切る。 『そのあと、そのシ・ヨーとかいうのはどうしたんだ?』 ボクがそこで問いかけをする。 マコトがこっちを見て答えた。 『消えた。』 『消えたって・・・そんな。』 『まぁ、黙って聞いてろって。』
マコトに制され、再びマコトは語り始めた。 『その後、一年に渡って人類はシ・ヨーに脅え続けた。 ところがシ・ヨーは最後の国家を潰してからすっかり姿を眩ませて、出てこなかった。』 『その後、五年で残った人類は統一への動きを進めた。 そのときに作った国家がア・センブリだ。』 『三年で国家基盤を整えて、そのときに作られたのがこの公用通貨”ビット”だ。』 そういって、懐から小さな棒状の金属と円盤状の金属を取り出し、そのうち棒状の金属を掲げた。 『もっとも、国家といっても村の集まりみたいなもので、今とは比べ物にならないくらい貧相なものだがな。』 マコトが説明を続ける。 『敵対国家の無いア・センブリはその後ゆっくりと発展を続けた。 シ・ヨーが何時襲ってくるか判らぬ中で軍隊の整備も進めた。』 『100年も立つと、別の土地ではシーという国家も出てきた。』 『それ以外にもいくつかの小さな国が出来てきてな、再び人類がこの土地を支配し始めたわけだ。』 『それから暫くたった256年。 シ・ヨーの脅威から人類全員が共同で取り組むために、公用法という、条約が全国で結ばれた。』 『そのときに取り決められたのが、今使っている言葉の公用語、暦の公用暦、通貨の公用通貨、情報のやり取り公用通信などだ。』 『それぞれに、そのとき最も広く使われていたモノが採用された。 暦も、ルート暦という名称に改められた。』 『通貨には、そのときの小麦取引組合の定めていた一袋の価格、8ビットを1バイトとする通貨単位が加えられた。』 そこでまたボクが話の腰を折る。 『なんで小麦なんだ?』 ヨモギがその問いに答えてくれた。 『小麦は人類の多くの人にとって主食。 その小麦の取引を容易にするのが通貨単位追加の目的ね。』 『そういうことだ。』 マコトが相槌を打ち話を続けた。 『その後、人類は強烈な発展を続けた。 今は失いし特殊技術も持ち合わせていたと文献にはある。』 また、ボクが腰を折る。 『特殊技術?』 『地面の下に眠る特殊な燃える液体を使って動く機械類の事ね。』 マサキが僕の前を歩きながら言った。 マコトがそれに続く。
『そうだ。 内燃機関という方法で強力な力と、速さが出せるらしい。 その力を使って空を飛ぶことも出来ると読んだことがある。』 聞き覚えのある単語が出てきた。 そして何より、その効果で思い当たる節がある。 『ああ、石油とエンジンの事ね。』 そう言うと、ヨモギが驚いた顔でこっちを見た。 『へぇ。 そんな失われし技術しってるの?』 『えと・・・まぁ。』 詳しい方法とかは知らないので、言葉を濁しておく。 するとマコトが説明を続けた。 『まぁそんな時代が二千年ほど続いた。 歴史書に出てくる栄光の二千年だ。』 そこでいったん言葉を切った。 『この頃の人類はさっきも言ったように非常に高い工業能力があって、軍隊も高度化した。』 『人口は数億人を数えたという。』 『もはや、過去に襲ってきた魔物のことも伝説・神話になった頃だった。』 『ルート暦2300年4月22日 午前5時52分20秒 ヴィ・ルスが突如として出現。』 『コイツは非常に厄介でな。 特に数が多いんだ。 そりゃあもう、恐ろしくなるくらいにな。』 『出現した時には、数は1200体の魔物で、各国政府も数日中に片がつくと睨んでいたらしい。』 『4月23日 正午 一番近かったシー国は軍勢を集めた。 残っている書籍によると一万から集まったらしいな。』 『そして23日 午後8時 闇に乗じて戦闘を開始・・・というのが残されている。』 マコトが懐から小さな本を取り出した。 覗き込むといろいろメモが書いてある。 『えっと。 この時の記録はシー国には残されていないんだが、別の国の軍事記録にこれに関する記述がある。』 『シー国軍勢一万が戦闘を開始した時点で魔物の数は27万。 戦力差は歴然。 シー国軍は一晩で消えた。』 『シー国に伝わる恐怖の一夜ね。』 マサキがそれに補足する。 『そう。 そして各国は恐れ直ちに対応を練るがもう遅い。 次の日の時点で既に数が100万を超えた。』 『その後一週間で国は全滅。 人類も数万人にまで減らされた。 技術書物を中心に、殆どの書物が消えた。』 『人類は築き上げた文明を一挙に失ったんだ。』
『もはや希望も失った人類に一つの希望が輝く。 ノー・トンという学者がヴィ・ルスの魔物軍に対して効果のある薬を開発したんだ。』 『数万まで減らされた人類は、残された希望をこの薬に頼った。 大量に複製して魔物軍に投入したところ、その効き目は絶大で、一気に形勢は逆転した。』 『一年ほど人類と魔物の攻防が繰り広げられ、辛うじて人類は勝利した。 このときの人口は一万を切っていたという。』 『ルート暦2310年には各国のそれぞれあった所に再び国を築き始めた。』 『文献から法律も復活させ、条約もそのまま適用されるようになった。』 『工業技術など、多くのものを失ったが、何とか人類は再び息を吹き返したんだ。』 『この後もたまにヴィ・ルスの魔物軍が襲ってくるが、ノー・トン博士の研究所が中心になったヴィ・ルス対応組織が直ぐに対処を打つので人類壊滅には至らなくなった。』 『次に魔物が大規模に襲来したのは、2560年。 ようやく基盤が整いつつあった人類にバ・グの軍勢が襲ってきた。』 ここでヨモギが口を突っ込んでくる。 『ねぇ、そのバ・グなんだけれど、今のバ・グと何か違うの?』 『いや、殆ど違いは無いと思う。 んで、こいつらは、数が少ないんだがしつこくてな。』 マコトはそのまま続けた。 『ねぇ宿泊地が見えてきたよ。』 今度はマサキが話を折った。 『おお、見えてきたか。』 マコトの顔が明るくなる。 マサキの見る先には、確かに人工建築物が見える。 今晩は、どうやら宿屋で眠ることが出来そうだ。 『んで、話の続きは?』 『ああ、ココから先の話は簡単なんだ。』 咳払いをしながら続きを話し始めた。 『最初の、そのバ・グの軍勢は、剣で何とか退けたんだが、人類は魔法技術の衰えを痛感したらしいんだ。』 ヨモギが再び口を突っ込んできた。 『バ・グの魔物は魔法を中心に来るからね。』 そのままマコトが続ける。 『ルート暦2700年には、消え去ったと思われていたシ・ヨーの軍が出現してきたんだ。』 『余りにも時間が開き過ぎているのと、ヴィ・ルスの攻撃でシ・ヨーの情報はほぼ全て失われていた為、相当苦戦したらしい。』
『2800年に、シ・ヨーが再び消えるまでなんとか堪え凌いだものの、人類の発展はコレでまた遅れたわけだ。』 『その後、ルート暦3000から、4000年までは、不定期的に、シ・ヨーの軍隊と、バ・グの軍隊が交互に襲ってくるようになった。』 『恐怖の1000年間と呼ばれる期間だ。』 マコトが他の三人に振り返りながら説明している。 『同時には襲ってこないんだ?』 そのマコトに問い掛ける。 『ああ、どうも、このシ・ヨー、バ・グ、ヴィ・ルスの三つの勢力はお互いに覇権争いをしているらしくてな、同時に襲ってくることは有り得なかったんだが。』 また、微妙な言い回しだ。 『何で過去形なんだよ・・・。』 そう文句を言うと、ヨモギが説明してくる。 『今までは、同じ土地に同じ派閥の魔物がいることが有り得なかったんだけれど。 貴方を見つけたあの森、あそこには二種類の魔物が居たわ。』 思い当たった。 最初にボクが部屋の鍵を捻じ込んだ魔物は、明らかに力を主体にした攻撃法の魔物。 一方、その後に襲ってきた魔物は、魔法で襲ってきた。 思いをはせて居ると、ヨモギが説明してきた。 『そう。 貴方が最初に襲われていたのがトロール。 シ・ヨーに所属する魔物よ。』 『一方、その後に魔法を放ったのはバ・グの所属のドルイド。 もっとも、後に襲ってきた魔物集団のほうが一番の問題なんだけれどね。』 『魔物集団には、ドルイド2体に、弓使い3体、ミドルトロール4体の混成部隊。 両方の派閥の魔物が居たのよ。』 『それってつまり・・・?』 ボクが聞く。 『バ・グと、シ・ヨーが結託、または同盟を結んだ可能性が高いの。』 『今まで有り得なかった事だけに、どういう事態になるのか・・・。』 ヨモギが短く、そう締めくくった。 前を見るともう町が目の前だ。 『あれ・・・?』 先に走っていったヒイラギが声を挙げる。 『ねぇ、誰も居ないんだけれど。』 マコトの顔が一瞬青ざめたように見えた。 だが、いまは澄ました顔だ。
『まぁ、ココはあの森から一番近い宿場町だからなぁ。 おそらく退避命令が出たんだろう。』 『ねぇ、じゃあ宿はどうするのよ。』 マサキがマコトに向けて言う。 『勝手に泊まったれ。 どうせ誰も居ないし、大丈夫だろ。』 マコトはサラリと言った。 『オイオイ。』 ヒイラギが何か言いたげだ。 『大丈夫だって。 ちゃんとお金も置いていくし。 ココの宿のオバちゃん優しいし。』 そう言いながら、ズンズン町へと進んで行く。 それに付いて皆進んでいった。 本当に誰も居ない。 露天と思われる店も全て閉じてるし、入り口の開いている家が一軒も見当たらなかった。 『ここだ、ここだ。』 マコトが一軒の大きめの家の正面で止まった。 家の軒先に掲げられた看板にベットのマークが描かれている。 『RPGと同じやね。』 思わずそう独り言が漏れる。 と、閉じられた扉に貼り付けられた手紙に目が止まる。 『コレは?』 マコトに聞いてみる。 『オレも、さっきからコレが気になっていたんだ。』 そう言いながら、それを取り外し読み始める。 『オレ宛だな、コレは。 宿屋のオバちゃんからだ。 えっと・・・。』 マコトは手紙を読み始めた。 『ははっ。 ここに来ることが判っているらしいな。 勝手に泊まって良いとさ。』 直ぐ横にいたヨモギに手紙を手渡した。 『ちょっと待ってろ。 中から開けてくる。』 マコトはそう残し、家の横に回りこむ。 隣の家との狭い隙間に入り込み、壁伝いに登り始めた。 『よっと。』
そう掛け声を発すると、二回の窓を開けて中に入っていった。 暫く待つと、家の扉が開く。 『お待たせ。』 中からマコトが出てくる。 『随分手馴れてるわね。』 マサキが冗談交じりに笑いながら、そう問い掛けた。 『まぁな。 毎日の練習の成果だ。』 マコトも笑いながら答えている。 『まったく、どういう練習なんだか。』 ヨモギがそう言いながら中へ入っていった。 皆もそれに続く。 入って直ぐの位置に二回へと上る階段と、カウンタがあった。 皆、そのまま二回へと登って行った。 ボクもそれに続く。 扉が六つあるので、六部屋あることが判る。 『んじゃあ、全員一部屋・・・。』 マサキが何時の間にか抜刀して、剣をマコトに向けている。 『・・・は冗談として全員バラバラに寝るのも、今の状況を鑑みると危険だ。』 マコトから冷や汗が垂れている。 『男組と、女組で一部屋づつね。』 マサキは剣を収め、部屋の一つに入っていく。 ヨモギもそれに続く。 『ちっ。』 そうヒイラギが冗談交じりに笑いながら舌を鳴らす。 『死にたくは無いだろう?』 マコトが半分笑い、そう答えながら彼女達の正面の部屋に入っていく。 なかなか大きめの部屋だ。 ベットは四つ有る。
大き目の窓が三つあり、外が見えた。 そろそろ日が沈みそうな頃合である。 背負っていたバッグを置き、マコトが部屋を出た。 『そろそろご飯にしようぜー。』 そう声をかけると、向かいの扉が開き、ヨモギが顔を出した。 『あいよ。』 そう答えると扉を一度閉め、再び開いた。 今度はマサキも一緒に出てきた。 ヨモギを先頭に一階に降り、何の迷いも無く厨房へと入っていく。 僕らは、その隣の食堂と思しき部屋へと入り、適当な席についた。 『さてと、これからだが。』 そうマコトは仕切りだした。 『ハヤブサはもう既にヴィシーに事態を知らせ、この近辺はおそらく厳戒態勢に入っていることだろう。』 『ハヤブサには超特急便で行ってもらったから半日で着いて、そこから折り返し便で宿場町・衛星都市に行くまで更に半日だ。』 『それから町の撤収まで2,3日。』 『ココに来るまでで、八日掛かっているから、まぁ三日前にはこの町はスッカラカンだった計算な訳だ。』 そんな説明をしてくる。 『で? これからどうするんだ?』 ヒイラギがマコトに問うている。 『明日、この町を出て、22番通りを進む。』 『何で22番通りなんだ? 最短距離は21番通りだろう。』 ヒイラギが再び聞く。 『最短ルートは、魔物が後ろから追跡してくる形になる可能性が高い。 オチオチ寝てることも出来ないなんてのは嫌だし、こいつもいるしな。』 マコトがこっちを見ながら言う。 『22番通りは道が狭いけれど、宿場町が多いし、旅をしやすいからな。』 色々話しているうちに、料理が出てきた。 質素だが、ここ数日の保存食を考えるとご馳走に近い。 『お、美味そうやね。』
ヒイラギが早速料理に手をつけ始めた。 『オバちゃん準備良すぎよ。 もう。』 ヨモギがそんな愚痴をこぼしている。 『今すぐにでも再開できるくらい、色々揃ってたわ。』 ヨモギも席につき、料理に手を伸ばす。 『いただきます。』 ボクも料理に手を伸ばし、食し始めた。 『んでだ、ヴィシーまでは、ココから大体一ヶ月くらいだ。』 マコトがさっきの話を続けた。 『ブッ!』 思わず料理を吹き出しそうになる。 『一月!?』 マコトに向く。 『ああ、そうだ。 ココからヴィシーまで、昼間にだけ歩いたとして一月くらい掛かるだろう。 お前も居るし、そうはや歩きも出来ないしな。』 マコトは相変わらず料理に手を伸ばしている。 『うん・・・。』 そう言われると、言葉の返し様が無い。 ボクも再び料理に手を伸ばし始めた。 食べ終わると、再び二階の部屋に戻った。 夜の帳が下りている。 空には月が昇っていた。 『ホレ、寝るぞ。 明日も距離歩くからなー。』 ボクはマコトのその声を聞いて、床に着いた。
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
保
「バァァァン!」 突然ガラスが盛大に割れる音が響き渡る。 目が覚めたものの、ボクは布団に深く潜り込んでいたので、周りが見えない。 次の瞬間、強烈な閃光が部屋を包む。 掛け布団の中からも、その明るさが良く判る。 閃光が止むと、掛け布団が剥がされる。 目の前にあったのは、ヒイラギの背中。 後ろ手で布団を投げ飛ばしている。 ヒイラギの背中越しには、部屋の反対側に居るマコトが見えた。 と、今度は部屋の扉が勢い良く開く。 その先に見えるのは、矢を構えたヨモギ。 弓を引き、何時でも打てる状態だ。 その手には、更に二本の矢が持たれていて、次撃も直ぐ出来る状態だ。 そしてヨモギの前には、抜刀し姿勢を低くしているマサキが居る。 部屋の中に何時でも突入してくることの出来る体勢だ。 だが、各々周りを見るだけで何もしない。 『なんだ、何も居ないじゃん。』 一番先に口を開いたのはヨモギだった。 そのまま、全員が戦闘態勢を解く。 マコトは魔法詠唱をキャンセルし、ヒイラギは構えを解き、ヨモギは矢を下ろした。 マサキは扉の影に消える。 まもなく戻ってくると、鞘に剣を納めていた。 マコトが懐からムーンストーン(だったっけ?)を取り出すと、両手で包み念を込める動作をする。 すると、小屋で発光していたように光りだす。 そうすると、月明かりに照らされない影の部分も明かりが届く。 そして、そこに居たのは一羽の大型の鳥だった。
『ハヤブサ!』 マコトが叫ぶ。 『なんで戻ってきたんだ!?』 そう、話し掛けるように言い、その鳥に近づく。 だが、その鳥は明らかにおかしな体勢だ。 横たわっていると言うのが正しい言い方だろう。 『まずい、結構酷い怪我を負っているぞ。』 そうマコトが言うと、ヨモギが駆け寄ってくる。 『リカバリをやってみるわ。』 そう言いながらマコトからムーンストーンを奪い取り、押しのける。 『あっと、その前にコレを。』 そう言いながら、鳥の足から何かを取り外してマコトに渡す。 そして、そのまま首から掛けた水晶をかざし、目を瞑り始めた。 鳥の体が発光を始める。 魔法の影響下に入り始めたようだ。 『そりゃ、ヴィシーからの返信じゃねぇか。 なんで返信なんかして来るんだよ。 馬鹿じゃねぇのか!?』 マコトがヨモギから渡されたモノを受け取り開くと、ソレを見たヒイラギが悪態をつく。 その声に、マコトの方を見る。 確かに手紙のようだ。 『げぇーマズイなぁ。 そう来たかぁ。』 マコトは手紙を読み終わると、そう短くもらした。 そのまま手紙をヒイラギに渡す。 ヒイラギは、マコトの横からその手紙を読んでいたらしく、そのままマサキに手紙を回した。 マサキが手紙に目を通す。
『もう間もなく、ヴィシーが封鎖されちゃうよ。 まさか、ココまで警戒するとは思っても見なかったなぁ。』 マコトはそう言いながら、腕を組み何かを考える仕草をする。 ヒイラギは、マサキと何か一言二言言葉を交わしている。 ボクはヨモギの隣に屈み込んで、鳥の状況を見やった。 回復の状況は、あまり芳しくないようだ。 『傷が酷くて、この水晶に込められた魔法力では厳しいわ。』 ヨモギが横から状況を説明してくれる。 (確か、リカバリは状態を元に戻すと言っていたなぁ。) 少し考えてみる。 そして、ヨモギを真似て鳥に手をかざし、目を瞑る。 そうすると、目の前に見慣れたエディタ画面が開いた気がした。 かざした手を思わず引っ込める。 目の前には傷ついた鳥。 さっきと状況は同じだ。 『なんだ・・・?』 言葉が漏れる。 隣のヨモギは再び集中し始めたらしく、ボクの言葉が届いていないようだ。 ボクは再び鳥に手をかざし、目を瞑る。 やはりエディタ画面が見える。
仕事で使っているドリームウェーバーではなく、趣味で使っているVCの画面にそっくりだ。 僕はしばし考えると、そこにプログラムを書き出そうとする。 だが、関数系が全く判らない。 どうしようか考えあぐねていると、もう一枚エディタ画面が見え出す。 そっちには色々掛かれている。 それを見ながら、そっくりそのまま書き写す。 関数名にRecoveryという文字が見える。 どうやら、コレがリカバリという魔法に該当するらしい。 Recoveryにカーソルを合わせて見ると、どうやら返り値があるようだ。 隣のエディタ画面は返り値を無視した形のプログラムらしい。 返り値を使ってループを組みたいんだが、困ったことに返り値の意味が判らない。 そこで考えていると、別のところにこれまたMSDNヘルプファイルそっくりの画面が見え出す。 (随分都合がいいなぁ。) そんなことを考えながら、Recoveryを調べてみる。 返り値は、BOOL値の様だ。 どうやら対象のモノの状態が判るみたいだ。 怪我が直りきらないと、FALSEが返ってくるらしい。 怪我が治ると、TRUEが返ってくるとなっている。 ボクは、Recoveryをループ動作するようにした。 終了条件は、返り値がTRUEだ。 そのままコンパイルして、ビルドをしようとして、思いとどまる。 (そういえば、怪我が治りきらない場合はどうなるんだろう・・・。 このままじゃ、無限ループに陥っちゃうか。) そう考え、再びエディタ画面に戻る。
ループにカウンタを追加して、終了条件に適当に思い付いたカウント値100もいれる。 そして、ループ終了後のカウント値が100だと回復しきっていない旨を表示するようにした。 そのままコンパイルして、ビルドを掛ける。 そうすると、エディタが変化して宝石になった。 そうして作られた宝石を実行に掛けてみる。 と、引数を求められた。 どうやら対象を入力するらしい。 かざした手のしたの鳥が居るので、対象は手の下の座標だ。 0,0,−1,0と数値をその引数に入れた。 すると、宝石が弾ける。 思わず目を開くと、僕の手から光が走り鳥に当たる。 横でヨモギが目を見開いている。 『リカバリ、使えるの!?』 そう声を掛けてきた。 『いや・・・使えるって言うか・・・その・・・目を瞑ったらエディタが見えたから、そこにプログラム書いて・・その。』 自分でも良くわからないので説明が変だ。 『やっぱし、お前は魔法使いだな。 エディタとかプログラムってのが良く判らないが、リカバリなんて魔法、そう使えるもんじゃない。』 後ろを見やると、直ぐ後ろからマコトが説明してくる。 『しかも、見ろ。』 そういわれて鳥のほうを見ると、既に立ち上がっている。 『おまえ、リカバリをループで組んだな。』 マコトが後ろから言ってくる。 『うん。』 ボクは、そう短く答える。
『凄い・・・。 リカバリって普通、魔法展開領域を相当消費するのよ。 それを補助道具もなしで・・・。』 ヨモギが隣で感心している。 なんて答えていいか迷っていると、魔法が通常終了した。 どうやら、怪我が治るほうの終了条件が働いたようだ。 『まぁ、ソラでファイヤーウォール使うような人間だからな。』 マコトが、そう言いながらベットに腰掛けた。 ヒイラギとマサキは何処からか椅子を引っ張り出してきている。 隣にいたヨモギが立ち上がり、同じように椅子を引っ張り出してきて座る。 ボクも同じようにするために立ち上がると、突然右肩に重みが掛かった。 右肩にさっきの鳥が乗っかってきたのだ。 というか、爪がめり込んでいて痛い。 『いででで!?』 思わず声を挙げる。 すると鳥が飛び上がり、僕が今まで寝ていたベットの上にうずくまった。 『へぇ。 珍しい。 あのハヤブサがココまで懐くなんて。』 『あっはっは。 お前、ハヤブサに相当好かれたな。』 ヨモギとヒイラギが笑いながら言ってくる。 その声を聞きながら右肩に視線をやると、血が滲んでいた。 そこに手をかざしさっきと同じように目を瞑る。 (えっと、さっきはこうしているとエディタ画面が見えて・・・。) そう思っていると、エディタ画面が見えてきた。 (確かリカバリは、こうして。) と、考えるとエディタに文字が浮かんでくる。 どうやら一回考えた魔法は記録されるらしい。 それをそのまま実行した。
『リカバリ』 短くそう言うと、右肩から痛みが引き、直ぐに魔法が通常終了した。 視線をハヤブサに伸ばすと、また飛んできた。 どうやら再び肩に乗ろうとしているらしい。 『わわ、ちょっち待った。』 思わずハヤブサに、そう話し掛ける。 すると、マサキが突然布切れを差し出してきた。 『コレを右肩に入れて。 そうすれば痛くないわ。』 『ありがとう。』 それを受け取り、右肩に入れた。 そうして、右肩に乗りやすいように頭を左に傾げると、ハヤブサが右肩に乗っかってきた。 結構重いが、さっきみたいに爪がめり込まないので痛くは無い。 変にバランスが崩れて歩き難いが、そのままボクはマコトの横まで歩き、バランスを少し崩しながら座った。 ボクが座ったのを確認すると、マコトが口を開いた。 『さて、これからの方針だが、基本的にはヴィシーに向かうことに変わりは無い訳だ。』 『陸路で行こうと思ったが、封鎖されるとそうも出来ない。』 『一度海に出て、そこから海路でヴィシーに入ることにする。』 『たしか、シー国から定期便が出ていると思ったから、それに乗っていこう。』 『したがって・・・。』 そう言いながら、マコトが何処からか地図を取り出し、広げた。 『この30番通りを進もう。』 そう言い、指差したルートは東に一直線に伸びている。 昨日言っていた21番、22番通りは北に向かって伸びていた。 『30番通り突き当りの、この港町には確か、シー国定期便が停泊するはずだ。 その時に乗せてもらおう。』 マコトがそう説明する。
KAERUさんグッジョブ 相変わらずオモシレェ!
それに対し、ヨモギが突っ込む。 『船で行くって事は、ヴィシーの裏の川から入るってことよねぇ?』 『そうだ。』 マコトは短く返事をする。 『陸路を封鎖する位厳重警備なのに入れるの?』 『海路は物資補給に確保されることになっているんだ。 陸路を全部封鎖するとなると、補給が出来ないことになる。』 『ヴィシーには一応プラントがはあるが、それを使っても直ぐに食料が干上がっちまうし。』 『あと、魔物と戦う以上武器類の補充も必要になる。』 『だから、シーとの定期連絡船で物資を定期補給することになっているんだ。』 マコトが長台詞で、ヨモギの疑問に答えた。 『んで、恐らく定期便のほかにも、臨時便も出すだろうな。 兵士の増強をすると思うから、結構な便数の船がヴィシーに行くことになると思うんだ。』 『まぁ、それらの船に乗っていけば、大丈夫だろう。』 マコトが続けた。 マコトが喋り終わると、ヨモギが口を開いた。 『どれくらい、ココに留まるの?』 『道具類を整えて、直ぐに出る。』 『直ぐに?夜明けは待たないの?』 『ハヤブサの傷を見ただろう? あれは恐らく魔物の襲撃だろう。 だとすると、なるべく早めに出た方が良い。』 ヨモギとマコトの問答が続いた。 『そうならば、直ぐに準備に掛かろう。』 そう言うと、マサキが立ち上がり部屋を出た。 ヒイラギがそれに続き、ヨモギ、マコトと続いた。 ボクは、その後ろに続く。 肩に乗っているハヤブサが、流石に結構重い。 階段を下り、宿を出た。
マコトが最後に残り、中から鍵を掛け、入ったのと逆の手順で出てきた。 外はまだまだ暗いが、月が出ているため歩き回るには十分だ。 町の通りを進むと、剣のマークが見える。 どうやら、ココが武器屋らしい。 やっぱり某RPGみたいだ。 正面入り口は閉まっている。 マコトが裏口に回る。 『鍵をコピッといて良かった。』 なんだか不穏当な声が聞こえた気がしたが、気にしない事にしておく。 間もなく戸が開く。 ヨモギが矢のコーナーへ、マサキは剣のコーナーへ、ヒイラギはナックル系のコーナーへ歩んでいった。 マコトはマサキと同じ剣系のコーナーへと歩んでいった。 ヨモギは何本かの矢を見繕っている。 『やたっ! この矢、一回使ってみたかったのよねー。』 なんだか楽しそうだ。 ヒイラギの方を見やる。 「シュッ! シュッ!」 拳を何回も突き出している。 どうやら、付け心地を確認しているらしい。 (やっぱり、ボクも何か武器を持ったほうがいいのかなぁ? だとすると、非力なボクは短剣かな。) そう考えながら、僕も剣のコーナーへ向かう。 マサキは長剣を色々見ているようだ。 マコトはそれとは反対側の短剣を見ている。 ボクもマコトと同じように短剣を見る。 と、マコトに声を掛けられた。
『お前は、別に武器を持たなくてもいいよ。』 『え?』 そう返す。 『オレは、元々シーフの職に付いていたから、こっちの方が魔術より得意なんだ。』 『でも、お前はそうでもないだろうから、持っていても仕方有るまい。』 『それにお前には、そいつが居るだろう。』 そう言いながら、僕の右肩に止まるハヤブサに手を伸ばす。 『コイツは高速伝令用だけれど、主を守護する守護獣としても使えるしな。』 『そうだなぁ、外でちょっと見張りでもしてくれ。』 そう言うと、再び短剣を選び始めた。 僕はハヤブサに手を伸ばし体を撫で、外に向かい歩む。 ふと、マサキのが見えた。 『おわ! やった。 ハヤブサの剣だ。』 そう言いながら細身の剣を持っている。 なんだか、楽しそうである。 剣のコーナーを出ると、ヒイラギが居た。 『お前もどうせ、見張りだろう?』 そう言いながら、ヒイラギは先に外に出た。 横に目を回すと、ヨモギはまだ矢を色々選んでいる。 『わーわー! 銀の矢だぁ! これ、高いのよねー。』 やっぱり楽しそうだった。 そんな姿を見ながら僕も外に出た。 ヒイラギが上空を眺めていた。 ボクも、ヒイラギの隣に並ぶ。
『ホンと、良く懐いているなぁ。』 ヒイラギが声を掛けてきた。 『名前とか、付けたのか?』 続けざまに聞いてきた。 『いや、未だだけれど・・・なんて名前がいい?』 そう、肩にとまるハヤブサに声を掛けた。 すると、ハヤブサが天を仰ぐ。 なんとなく、どんな名前がいいかこのハヤブサが答えているような気がした。 『そうか、じゃあお前の名前はソラだな。』 そう言いながら、ソラの体を撫でた。 ソラは嬉しそうにクルルと喉を鳴らす。 ヒイラギが驚きの表情でソレを見ているが、ボクはそれに気が付かなかった。 ふと、見張りを頼まれていたことを思い出し、ちょっと変わったことをやってみることにした。 『ねぇソラ、ちょっと飛んで付近を見てきてよ。 敵を見つけたりしたら、直ぐに教えて。 間違っても敵に襲われないでね。』 そう、肩のハヤブサに語りかける。 すると大きく羽ばたき、上空へ飛んでいった。 そこへ、中にいた二人が出てきた。 『へぇ、こりゃ凄いや。 たいしたもんね。』 ヨモギが驚きの声を掛けてきた。 『ココまで完璧に扱える人となると、余り聞いたことないなぁ。』 マコトもそれに続いた。 マサキはどうやら裏口から鍵を掛けて出てくるらしい。 『さて、じゃあ見張りはソラに任せて、今度は防具を買いに行くぞ。』 マサキが表に出てくるのを確認すると、そう言いながら通りを進んでいった。
今度は、盾のマークの看板がある。 その隣には、鎧のマークだ。 更にその奥には靴のマークが見える。 どうやら、ここら辺には防具関係の店が続いているらしい。 『んじゃあ、お前の防具も見繕っておくから、お前は外に居てくれ。 そうしないとソラも心配するだろうし。』 『うん。』 そうマコトに言われて、ボクは外で待つことにした。 マコトが再び裏口に回り、正面玄関の扉を開ける。 そして、四人とも中に入っていった。 一人外に居ると、なんだか寂しくなる。 ふと、通りを進んだ先にある、噴水に目が止まった。 その噴水に近づいてみる。 真上に向かって吹き出しているのを見ると、この噴水は高地から引いてきた水道管に直結しているモノと考えるのが妥当だろう。 標高差の分圧力が掛かり、水が噴出する仕組みだ。 初期の噴水のシステムである。 その噴水を見ながら、さっきのリカバリの魔法を思い出す。 初めての、ちゃんとした魔法だ。 しっかりと制御して使用することが出来た。 エディタに制御文字列を書き綴るなんて、まるでプログラムだ。 しかも、プログラム風の書き方でちゃんと魔法が使えた。 どうやらココの世界での魔法は、元の世界でのプログラムと類似する点が多いようだ。 噴水に手をかざし、目を瞑る。 意識を集中するとエディタ画面が見え出した。
メイン関数を定義する。 ヘルプ画面も見えてきた。 ヘルプから、温度に関する関数を探す。 Temperatureという関数らしい。 引数に相対温度正負と温度置換地点を入れ、返り値は結果の温度の様だ。 引数を0にすると、現在の温度が返ってくるとなっている。 温度置換地点にNULLを指定すると、辺りに発散するらしい。 対象の物体から温度置換地点へと熱を移動させる魔法関数と説明は書かれていた。 『つまり、熱量を無から発生させたり、逆に、無に帰させることではないのか。』 『全体としての熱量は一定のままで、移動させるのが魔法か。』 そんなことを呟く。 『んじゃあ・・・。』 再び呟く。 ボクはこの時点で大切な説明を読み逃していたが、気づかない。 というよりも、普通プログラムで直接温度なんて扱わないので気が回っていない。 『ちょっと、水を凍らせてみよっと。』 一息つくと、再び気合を入れて意識を集中させる。 通りからマコト達が近づいてきていたが、ボクはソレに気が付かない。 『ちょっと待った。 また、カエルが魔法を使うぞ。』 四人が息を飲む。 Temperatureをループに組み込んで、そのループ終了条件を魔法発動時の引数に追加して、自由な温度で使えるようにする。 まず最初に現在温度を取得して、終了条件を基準にした値で正負を求める。 正の値ならTemperatureの引数を1に、負ならマイナス1にする。 温度置換地点の指定は、特にどこか指定する必要も無いので、NULLだ。 あと、温度状態を監視するために、ウィンドウを生成して、そこに温度を出力するようにした。 そうして魔法を生成した。 一息ついて目を開けると、マコト達が居る。 『ねぇ見て見て。 この水を凍らせてみるよ。』 ボクはそう言いながら、噴水の水の上に手をかざす。 『おお、勉強かい。』
マコト達がそう言いながら近づいてくる。 ボクは再び目を瞑り、先ほど生成した宝石を発動させた。 引数に0を指定して、ターゲットの場所を噴水の水に指定する。 そして、発動。 間違いに気づいたのは、最初の温度の返り値だった。 温度が283度と表示されている。 『あれ・・・? 数値がバグってる?』 見やると、表面の水が一気に凍り付いて、更に温度が下がっていっている様子が判る。 『あの馬鹿、使い方間違えやがったな!』 マコトが走って近づいてくる。 そして、ボクを小脇に抱えると、噴水から猛烈な勢いで他の三人の所に走る。 そのまま小脇に僕を抱えたまま噴水の見えるギリギリの地点まで来た。 他の三人も続いている。 『アレ、どうしたの!?』 ヨモギが噴水を指しながら言う。 もう噴水は大変な事態になっている。 付近の水蒸気も凍らせているらしく、白い固まりとなり、辺り一体に白い霧を発生させている。 『おまえ、温度設定を相対温度で行っただろう。』 マコトが追求してくる。 ボクは頭がボーっとしてきていて、余り考えられなくなってきている。 『え・・・?』 そうとしか、答えられなかった。 『この馬鹿! Temperatureの返り値は、絶対温度だ! お前、ループ終了条件を相対温度で指定しただろう! だから終了条件との差が273度もある!』 噴水は更に地獄の様相を呈してきた。 水が固体から、温度低下により液体に変化していた。 この付近にも強烈な冷気が漂ってきている。 『お前、魔法を何で詠唱した!?』 マコトが聞いてきた。 もう、頭が真っ白で、何も考えられない。 意識も遠くなってきた。 『VC・・・』
そう短く答えるのが精一杯だ。 『VC・・・?ヴィシーの事か!』 マコトがそう叫ぶと同時に、何か仕草を始める。 『強制的にブレークさせる!』 そう宣言していた。 『ええ!? ちょっと、ソレって危険じゃない!? 魔法展開領域どころか、脳の破壊を招く危険があるわ!』 ヨモギが止めに入る。 『止めなきゃ、不正ループに陥ったコイツは暴走の危険があるんだ!』 『そうなったら制御を失った魔法によって、この付近一帯が極寒地獄に陥っちまう!』 ヨモギも言葉を失う。 『大丈夫だ。 ヴィシーの魔法なら、外から命令を送って止められる可能性がある。 コイツが、そういう手順で組んでるんならな。』 マコトがボクの額に手を乗せ、目を瞑る。 ボクはもう、何も考えられなくなり、目を瞑る。 ウィンドウが見える。 温度は100付近を指している。 しかも、なかなかその数値は下がらない。 温度を下げるのは難しく、元の世界では高度な実験設備が必要になる。 その辺で、半無限ループが起こっていた。 頭の中に、一つの言葉が木霊した。 『WM_CLOSE』 聞き覚えのある単語だ。 途端に頭が冴え渡る。 『う!』 同時に、強烈頭痛が襲う。 『いたたた・・・。』 魔法展開領域とかいうのを相当圧迫して使った反動らしい。 『ふぅ、そういう魔法の生成の仕方で、良かったよ。』
そうマコトが言葉を掛けてくる。 (そうか。 そういえば、いつもウィンドウ閉じるとプログラムが終了するように作ってたっけか。) そう考えていると、頭痛が引いてきた。 『うー、効いた・・。』 なんだかフラフラする。 噴水のほうを見ると、事態は今も凄いことになっている。 『あれは、そのうち元に戻るよ。』 マコトが横から言ってくる。 『にしても、ちゃんと魔法関数を調べてから使え! この馬鹿!』 マコトに、滅茶苦茶怒られた。 凹みながらも目を瞑り、修正を加えることにする。 さっきの魔法、とりあえず温度置換と付けて記録しておいて、後で適当な名前を付けることにする。 温度を絶対温度から、相対温度に直す様にして、異常温度にならないように修正をする。 通常−100度になんてしないだろうし、正の方向の温度も普通1000度は超えさせないないだろう。 なので下限値を−100、上限値を1000として、最記録しておいた。 魔法を直し、目を開くとソラが降りてきた。 再びボクの右肩に乗っかる。 『どう?何か見つかった?』 体を撫でながらソラに話し掛ける。 ソラは何も語らないが、何を言いたいのか判った気がした。 『付近に魔物は居ないみたい。』 皆に言うと、やはり驚かれる。 『おまえ、鳥と話せるのかよ。』 ヒイラギに言われる。 『いや、そう言いたいんじゃないかなって、思ったんだけれど。』 なんだか、また驚かれる。 『まぁいっか。 そうそう、コレ、お前の防具だから。 コレ位ならお前も着ることが出来るだろう。』
そういってヒイラギが渡してきたのは、細かい網目の金属製と思われる服だ。 『チェインメイルの一種だ。 軽量でも防御力が高いタイプのを持ってきた。』 『あと、コイツが羽根つき帽子。 コレが旅行靴ね。 あと、上からコレを羽織っておけ。 まぁ、お前が装備できそうなのだとコレ位かな?』 そういって、色々渡してきた。 とりあえず、今着ているのを着替える必要がありそうだ。 近くの家の物陰にそれらを持って駆けて行く。 とりあえず、ソラを乗せたままでは服が脱げないので、家の屋根の上に行ってもらった。 チェインメイルを着て、その上に渡された服を羽織る。 頭に帽子を、靴は今まで履いていた靴を旅行靴に履き替えた。 月明かりの中、薄っすらとボクが映る窓に視線を送る。 『凄い格好。 まるでコスプレだなぁ。』 そんな言葉が口の端から漏れる。 近くにいたソラが再び肩に乗ってきた。 肩に布を入れていないが、チェインメイルのお陰らしく、爪が食い込まない。 今まで着ていた服を如何するか考える。 考えたけれど、結論が出ない。 直ぐに戻れるならこの服は必要だし、戻れないならば持っていること自体無意味だ。 なるべくなら荷物を軽減させたいと思うし。 いろいろ考えていると、マコトが来た。 『どうだ? ちゃんと着れたか?』 『うん、大丈夫。 でもこれ、どうしよう。』 そう言って、今まで来てた服を見せる。 『どうっても・・・捨てちゃえば? とりあえず、荷物は少ないほうがいいから。』 あっさりと言われた。 『うん。』 そう答えると、その服類を捨てることにした。
衣類ならば、元の世界に替えは幾らでも有るから大丈夫ということにする。 バッグの中も見て、要らない物を捨てることにする。 だが、要らない物など無かった。 元の世界に戻った際に必要なものばかりだった。 その中に、目に止まる物が見つかる。 中古同人店で見つけた手帳だ。 『あれ・・・? これ確か本棚に入れたと思ったのに。』 そう独り言を言いながら手帳を見やる。 目次を見ていると明らかに変化があった。 『あっれ? 内容がある!』 目次には、三つの項目があった。 第一項目は、リカバリ。 第二項目は、温度置換。 あとは相変わらず真っ白だ。 それぞれのページを見てみる。 ボクがエディタに書いた内容がそこに書かれている。 『どしたの?』 ヨモギが近寄ってきて、僕の持っている手帳に目が止まる。 そして、その目が丸くなる。 『へぇー。 ライブラリなんてモノ持ってるんだ。 初めて見た。』 そう言いながら、手帳を覗き込む。 『ライブラリ?』 そう聞くと、ヨモギが答えた。 『魔法関数とか、詠唱を書き留めておく本のことをライブラリと呼ぶの。』 『へぇ。』 そう、短く返事をする。 『へぇって、ライブラリをオリジナルで所持している人なんて世界で一握りよ? それにしても、真っ白ね。』 『いやぁ、そう言われてもコレ、100円だし。』
『何よ、ヒャクエンって。』 『あっと、通貨単位が違うのか。 そうだなぁ・・・えっと。ボクの月収の1960分の一』 ヨモギの表情がとまる。 『貴方の月収って幾らよ。』 『そうきたか。』 ボクは通貨単位の違う数値を如何答えるか答えあぐねる。 『えっと・・・ヴィシーの平均月収って幾らくらいなの? それに換算すると判りやすいと思うけれど。』 逆に質問で返されて面食らいつつも、ヨモギが数値を出してくる。 『大体2KByte位よ。』 『んじゃあ、1Byte未満の値段だ。』 ヨモギがまた表情を変える。 今度は、なんと言うか・・・怖い。 『冗談はやめて。 そんな値段でこんなものが出るはず無いでしょう。』 『いや、冗談じゃ・・・。』 『5年前、一冊のライブラリが売りに出されたわ。 ライブラリが競売に出されるのは50年ぶり。』 『ライブラリは、系列の魔術を離れるとクリアにされるから貴方のと同じ真っ白ね。 そのとき、ついた価格を教えてあげるわ。』 『25GByteの値がついた。 買い取ったのは、ヴィシー国とヴィシー魔術組合。』 『ヴィシーは国家予算を使ってこのライブラリを競り落としたの。』 咄嗟に金額が良くわからない。 しゃがみ込み、地面に数字を書きながら確認する。 『えっと、200000と2000Byteが同じ価値なんだから、ゼロを二つ後ろに付ければいいのだから・・・。』 『25000000000に00で、二兆五千億円!?』 出てきた数字に思わず素っ頓狂な声が出る。 『どうした?』 その声を聞いてマコト達も近づいてきた。 そのマコト達にヨモギが説明する。 『カエル、真っ白なライブラリを所持してるのよ。 しかも1Byte未満の価値で買ったって。』
『なにぃ!? お前、ライブラリ持ってんのか!?』 マコトが詰め寄ってくる。 『うん。 コレのことでしょ?』 そう言って、マコトに差し出す。 『うわぁ。 本物だ。 初めて見た!』 マコトは相当興奮している。 『でも登録されているのは二件しかないんだな。』 ヒイラギが突っ込んできた。 『しょうがないでしょう。 まだこっちの事、良く判っていないようだし。』 マサキも僕の直ぐ後ろに居る。 『そんなことよりも、直ぐに発つんでしょう? マコト。』 そうマコトに促す。 『おっと。 そう言えばそうだったな。 カエル、コレは返しておく。 良いか。 コレは絶対に大切にしろよ。 お前の大切な財産なんだからな。』 『うん。』 マコトから手帳を受け取ると、ソレをバックに仕舞う。 『おしっ! それじゃ、行こう!』 マコトが仕切り、通りを進み町の外に向かって歩み始めた。 ふと、噴水が視線に入る。 未だに白い塊になっている。 魔法が失敗すると、ああなるのだ。 対象がモノだから良いが、人間だったら大変なコトになるだろう事は容易に予想がついた。 そうして僕らは、町を後にした。
それから数刻後の夜明け頃、この町は魔物の襲撃を受ける。 もっとも、誰も居ないことが判っていたのか、ゆっくりとした襲撃だった。 その中で、町のほぼ中心で奇妙なオブジェを見つける。 それは、噴水と思わしき白い塊だった。 襲撃隊の隊長がソレを調べる。 『ほほう、コレは面白い。 物体を絶対零度近くまで冷却する魔力の持ち主が存在するとは。』 『残留魔力は・・・むむぅ。 コレはマズイな。 直ぐに報告せねば。』 『ガーゴイル緊急伝令だ!』 ガーゴイルと呼ばれた羽根を生やしたその魔物は、隊長から言付けを聴くと一直線で飛んで消えていった。
KAERU先生、やばいくらいに面白いです。 はじめて買った東野司の小説を思い出しました。
『ねぇ、重いんだけれど・・・・。』 ボクは、右肩にずっと乗りつづけているハヤブサのソラに話し掛ける。 もっとも鳥に語りかけても、判ってくれないハズなのだが。 でもボクから見て、ソラは明らかに聞こえないフリをしている気がした。 『ねぇってば・・・ずっと右肩で、そろそろ右肩が痛いかなーって思うんだけれど。』 メゲずに話しつづける。 ソラに少し反応があった気がする。 でも、未だ動かない。 『もう・・・。』 そう言って、右手で右肩に乗るソラの体を撫でる。 すると、突然大きく羽ばたきだした。 『おっ。』 思わず声が漏れる。 そのまま大空に飛び立つのかと思ったら、小さく飛んで、左肩に乗った。 『・・・いや、そういう意味じゃないんだけれどな。』 ソラは、今度は明らかに聞こえないフリをした・・・気がした。 『こんにゃろう。』 そうボクは語りかけ、今度は左手でソラを撫でる。 このソラは、なんとも親友のような感覚で話せる。 『おーい、そろそろこっちの世界に戻って来い。』 そう、ヒイラギから声を掛けられた。 『え!?』 呼びかけられた方に振り返る。 マコト達四人が此方を見ている。 なんだか、口の端に笑みが漏れている。 『おまえ、相当変わってるな。』 マコトに言われる。 『どういう風に?』 ボクはそう言ってきたマコトに聴き返す。 言いたいことはなんとなく判る気がする。
『鳥と普通に話してる。 しかも、ちゃんと会話が成り立ってる。』 マコトではなく、マサキから言葉が返ってきた。 言葉に包み隠す要素は無く、直球だ。 『・・・。 そう?』 そうボクは返したが、コレはボクの昔からの変な癖として身についていて、少し変なことにも気づいている。 ボクは稀に、動物や物に語りかける癖があるのだ。 独り言の延長に近い。 何度か止めるように言われたこともあるが、なんとも止める事が出来ない。 それにこの語りかけは、ボクなりちゃんと動物達に通じていると思っている。 『ヴィシーにも、幾人か鳥を扱う人が居るけれど、大抵は主従関係に置いている。 そのほうが、取り扱いの面において便利だからな。』 そうマコトが言ってきた。 『お互いの不十分な所を補ってもらう意味で、ボクはこのソラを友達として見てる。 そんな主従関係に置くなんて真似する気は無いよ。』 そう断言しながら、ソラに手を当てる。 ソラがボクに体を寄せてくる。 マコト達が驚愕の表情を見せる。 『スゲェ・・・。』 ヒイラギの口から漏れた。 『ああ、たった数日でココまで信頼を築けるなんてなぁ。』 マコトの口からも言葉が漏れてきた。 ココは、あの宿場町から東に三日ほど進んだ地点だ。 道は真っ直ぐに伸びている。 後ろを見ても、前を見ても道しかない。 その道の真中で、僕らは休んでいた。
『ねぇ。』 暫く驚愕の表情を見せた後、ヨモギが口を開いた。 『話は変わるけれど、貴方、何で魔法が使えるの?』 本当に、一気に話の方向が変わった。 『そうそう。 あの、宿場町で魔法のことだろ。』 マコトが加わってくる。 『そう。 ウチは、学校で習った基礎的な魔術しか使えないし、マコトは魔術研究所で教わったって聴いたけれど。 』 ヨモギが続く。 『ああ、あの魔法って、ボクが・・・その、今まで居た世界で使っていた、とある言語形態によく似てるんだ。』 ボクが返す。 『とある言語形態って、ブイシーとか言っていたヤツか? ヴィシーと発音が少し違っていたけれど。』 あの時、あの場で唯一ボクの言った言葉を聞いていたマコトがそれに返してくる。 『そう。 で、ボクはソレを趣味で使っていて、まぁ、正しい使い方とは言えないけれど、一応扱えるんだけれど。』 『ふーん。 ヴィシーにも、偶に独学の魔術塾みたいなものが在るけれど、ソレと同じようなものね。』 ヨモギが納得している。 そう言えば、僕も気になったことがあった。 『ねぇ。』 納得顔のヨモギに聞いてみる。 『ん? 何?』 『魔法を使うのに、なんか、オブジェクトを呼ぶ種類があったり、無かったりするみたいなんだけれど、どんな差があるの?』 どうしても気になった点だ。 初めて会ったときマコトは”炎のオブジェクト”を呼んでいた。 ヨモギの使っていた魔法をコピーして、ボクが作った”リカバリ”にはそんな部分は見当たらない。 『ああ、それならオレが答えてやる。』 マコトだ。 『オブジェクトって言うのは、実体魔法を使うときに呼び出すんだ。』 『たとえば、炎や氷、水なんてのもそうだな。 それらを呼び出して、対象に対して直接影響を与える。』 『もう一方のは間接魔法。』
『こっちは、お前が使った二つの魔法系だな。』 『魔法関数を使って状態を変化させ、その状態の変化により、対象に対して間接的影響を与える。』 なんだか難しい。 『良く判らないんだけれど。』 ボクはそう言う。 『そうね、たとえを言いましょう。』 ヨモギが割ってきた。 『実体魔法って言うのは、さっきも言っていたように、物体とかそれに類するものを呼び出すの。』 『たとえば氷を呼び出して、ソレを敵にぶつける。 そうすると痛いでしょう?』 『もう一方の間接魔法はちょっと難しいわ。』 『そうねぇ・・・貴方が使った魔法で言うと、温度操作の魔法ね。』 『敵の付近の温度を下げるとするでしょう? そうすると敵は強烈な寒さに襲われる。』 『大抵の敵は、コレで活動を鈍らせることが出来るし、敵によってはそれ自体で生命活動を停止するわ。』 『この場合は、”温度を下げた”ことによる”寒さ”で敵に何らかの障害を与えているの。』 さっきよりは大分解り易い説明だった。 『へぇー。 なるほどなぁ。』 ボクは感心する。 マコトが更に続けてくる。 『魔法の種類は、直接魔法よりも、間接魔法の方が多い。』 『直接魔法は、オブジェクトを使い対象に強い影響を与える反面、そのオブジェクトの扱い方で魔法詠唱に制約が出てくる。 消費する魔力も高い。』 『間接魔法は、一度に対象に与える影響は弱いが、魔法関数を使用し複雑な詠唱をすることが出来る。 消費する魔力も少ない。』 マコトが得意げに説明している。 『プッ。 何得意げになってるんだよ。 その魔法基礎は学校で誰でも習うだろうが。』 ヒイラギが突っ込みを入れている。 『あ、コラ言うな! せっかくカッコ良く決まったのに。』 マコトがそう言いながらヒイラギを追いかけ始めた。 ドッとパーティーが笑いに包まれる。 長い旅になりそうだけれど、彼らと、ソラを連れているなら、面白い旅になりそうだ。
落ちそうなので goto age
KAERUさん(・∀・)イイ!! ああ、俺に絵心があったらなあ・・・
がんばれ保守
元ネタがマっていうのが少ないのがいやだ。
>>617 ううう・・・申し訳無いであります。
とりあえず、次の方が現れるまでの場繋ぎという事で、よろしくお願いいたしますです。
>>618 そう言われると次を書く人は現れないと思われ。w
個人的には複数人平行でも全然OKでつ。
批判とかあるかも知れないけど、
楽しみにしてる人も多いと思いますよ。
620 :
仕様書無しさん :03/06/05 13:24
期待 age
|-`)ノ 楽しみにしてる者です
目が覚める。 いつも通りの位置に手を伸ばすと、時計に手が届く。 時間は、7時25分ほど。 時間を確認すると裏に手を伸ばし、目覚ましベルのスイッチを切る。 会社に出発まで後一時間だ。 風呂に行き、出てくると、大体8時頃になっている。 電子レンジでパンを焼き、マーガリンを塗り頬張る。 パンを咥えたままパソコンの電源に手を伸ばし、起動する。 もう、一人暮らしを始めてから一年になるが、この動作は余り変わっていない。 パソコンが起動すると、ブラウザを立ち上げる。 目指すは匿名掲示板。 画面に見える時計は後少しで15分を指すところだ。 そのままリンクをたどり一つのページを表示する。 つい最近日課に加わったルートだ。 NHK実況板の総合実況スレにたどり着く。 丁度この時間の書き込みは、殺伐とした朝の連ドラの実況が書き込まれていて面白いのだ。 そのまま読み進めていると、ふと、外に吊るされた色とりどりの布に目が行く。 そう言えば、夜間に洗濯物を干していたのだ。 取り込むために、ベランダに出る。 もっとも、ベランダといっても言葉ばかりで、実際にはココで洗濯物を干すのが精一杯の広さだ。 と、目の前にカラスが降り立つ。 そして−−− 「ガスッ」 額に食らう強烈な痛みで目が覚めた。
目の前にはカラスとは明らかに違う毛色をした鳥が居る。 ソラだ。 『いったー!』 額に手を当てると血が手についた。 『お、起きたか。』 マコトの声が聞こえた。 見上げると、全員が視界に入る。 だが、なんだか雰囲気がいつもと違う。 異様にピリピリしている。 ソラを見ても、なんだかいつもとは様子が違う。 『うん・・・。 どうしたの? こんな時間に。』 空が白んでも居ない。 完全に夜だ。 マコトは問いかけに対し、こっちに振り向かずに答える。 『何か居る。 見えないけれど、確かに近くに何かが居るんだ。』 その答えに、思わず立ち上がった。 そして目を凝らして付近を見渡す。 暗い。 何時もに増して異様に暗い。 空を見上げると星が見えない。 ボクがあの森に出現したのは、確か満月近く。 そして、それから十数日経ち、その間にどんどん月は欠けていった。 それに合わせて夜の風景はどんどん暗さを増していたが、曇天で暗さはさらに酷いものになっているようだ。 再び視線を落とし、みんなの姿を確認する。 マコトは魔法の杖を取り出し、何時でも詠唱可能な体勢だ。 ヒイラギは元々武具類は扱わないが、武術の構えを取っている。 マサキは抜刀し何時でも切りかかることの出来る体勢だ。 ヨモギは矢を構え、弓を引き絞っている。
其々が、怪しい気配に何時でも攻撃の出来る体勢で、四方を向いている。 『ねぇマコト。 暗くて見えないなら、ムーンストーン使えば良いじゃん。』 ボクは、そう提案する。 『バーカ』 マコトではなく、ヒイラギから答えが返ってきた。 『なんで。』 そう切り返すと、マコトが口を開いた。 『こんな暗闇で、光を発するムーンストーンを使って見ろ。 その光めがけて付近一帯の魔物が一斉に来るぞ。』 思わず息を呑んだ。 ボクも付近に目を凝らす。 そして、再び気になったことを口にする。 『ねぇ、この付近が危ないなら、何で動かないの?』 『この怪しい気配は、まず間違いなく魔物だろう。 しかし位置が分からん。 そんな状況で下手に動くと、逆に危険だ。』 マコトが答えた。 ふと視界に光が入った気がした。 空を見上げると、雲の隙間から欠けた月が少しだけ見え隠れする。 視線を地面に戻し付近を見やると、水溜りが見えた。 『あれ?』 ボクが声を挙げると、マコトが文句を言ってきた。 『あー、やかましい! 今度はなんだ。』 こっちを向いている。 『昨日から夜にかけて、雨が降ったの?』 マコトはあごに手を当てて思案する仕草をした後、答える。 『いや、雨なんか降っていないぞ。 どうしてだ。』 ボクは水溜りを指差して言う。 『あそこに水溜りが見えるんだけれど。 何であんなところに在るんだろうって。』 マコトがその方向を見る。 今まで見ていたのよりも少し視線を下げる必要がある。
その水溜りは結構近くにあるのだ。 近くに川は流れていない。 地下水が突然沸くにしては、ココは丘になっている。 そして、雨が降っていないとなると。 『ゲ・・・流体スライムだ。 直ぐに荷物を持て。 ココを離れるぞ。』 マコトが短く言葉にする。 『え!?』 丁度反対側に居たヨモギが声を挙げる。 そして、戦闘態勢を解き、視線を少し下げた位置を凝視する。 『こっちにも居る。』 『チッ こっちもだ。』 ヨモギとヒイラギの舌打ちが重なった。 マサキは静かに剣を鞘に納めている。 『こっちも。』 マコト達は四方を其々見ていた。 どの方向から襲われても良いようにだろう。 でも相手は、アノどのゲームでも最弱に数えられる「スライム」である。 彼らのレベルなら別に恐れる必要も無いように思えるんだが、何故か彼らの表情は暗い。 『ねぇ。 いつもみたいに一刀両断しないの?』 皆に聞く。 『そうか。 お前は知らないんだよな、そう言えば。 えっと、マサキ、ちょっと見せてやってくれ。』 そう言うと、マサキが再び抜刀する。 『ちょっとこっちに来て。』 マサキが水溜りの近くに歩み、僕を呼んだ。 『うん。』 僕はその声に従い、マサキの近くに行く。 『この、どろどろしたのが「流体スライム」っていう魔物。 特徴は、このドロドロした体ね。』 そう言いながら、剣を構えた。 『そして、コイツは切ることが出来ないの。』
そう言いながら剣を振り下ろした。 「ガッ!」 剣が地面にめり込む。 だが流体スライムは、剣の刺し込まれている個所が切れているだけで、他は異常ない。 『流体スライムは、まるで水のような体をしているから、物理的攻撃はほぼ効かないの。』 さらにヨモギも来た。 荷物を抱えている。 マサキが、ヨモギから荷物を受け取る。 僕もヨモギから荷物を受け取った。 『でもこいつら、こんな風に攻撃されても動かないなら、このまま無視しちゃって大丈夫じゃないの?』 そう聞く。 今度はマコトが来た。 『いや、そうもいかない。 こいつらは監視・足止め部隊だ。 恐らく、ココから動こうとするとアタックしてくるタイプだろう。』 『ソレまでの間は、タダこうしてじっとしているだけだ。 流体スライムは元来こういう作業に従事するための魔物だからな。』 マコトが言った。 『へぇー。 でも、スライムって、こういう風に饅頭みたいに丸いモノかと思ってた。』 そう言いながら、僕はRPGでよく見かける「スライム」の形を空中でなぞった。 『ああ、固体スライムの事だな。 あいつらは、冒険初心者のいい練習相手だ。』 『さて、んで、どうするんだ?』 ヒイラギも来て、マコトにそう問うている。 『どうしようか。 魔法を使おうにも、数がなぁ・・・多すぎる。』 そう言いながら辺りを見渡す。 僕もそれに習うと、いたるところに水溜りが見えた。 『ざっと40と4、5は居るだろう。 オレの魔力じゃ5体を何とかするのが精一杯だ。』 突然一体の流体スライムが蠢き始めた。 『あ、ヤバイ! こいつアクティブになりやがった!』
そう言い、マコト達が一斉にさっきまで居た辺りに戻り始める。 ボクもそれに続いて走った。 『さて、どうしよう。 こいつらの酸性液はキツイんだよなぁ。』 マコトが振り返りぼやく。 さっき蠢いたスライムに続いて、その付近のスライムもだんだん動き始める。 皆の表情は一様に暗かった。 皆が皆、対処作を練りあぐねている様だった。 『そう言えばヨモギ、確か銀の矢を持っていたよな。』 マコトがヨモギに振り返り言う。 『うん。 全部であの店に置いてあったの全部持ってきたから20本あるけど。』 『よし、あの手の不定形魔法生物に対しては、銀の矢が一番効く。 ソレを片っ端から頼む。 オレは炎で焼き尽くしてみる。』 『後は荷物をまとめておいてくれ。 俺らが道を作るからそこを走り抜けるんだ。』 マコトが指示を出す。 マコトが振り返ると、一体のスライムが間近に迫り、大きく体を立ち上げる。 『うわ!』 身を庇うように一歩下がると、マコトの耳元を掠め矢が飛ぶ。 「ピシュン!」 水面に矢が当たるような音と共に、スライムと銀の矢はその姿を消した。 そして、その姿を消したさらに後ろにもう一体のスライムが姿をあらわす。 今回はヨモギの速射も間に合わない。 スライムが体の一部を分離して飛ばす。 さっき身を庇うように一歩下がったマコトはそのままバランスを崩し、地面に倒れこんだ。 そして、本来マコトに当たる筈だったスライムの体の一部は、真っ直ぐボクに向かって飛んできた。 『え!?』 運動神経の良くないボクには、そんなものを咄嗟に避けることなど出来ない。 腕を前に出し、身を庇う体勢でその一部を受けてしまった。 「ジュバッ!」 強烈な痛みが腕に走った。 同時に、酷い臭いが鼻につく。 『ギャアアアッ!』
思わず悲鳴が上がり、その場にへたり込んだ。 『ヤベッ! カエル!』 立ち上がったマコトが叫び、駆け寄ってこようとするが、スライムが次々と襲撃してくる。 『クソ! コレでも食らえ! ファイヤロック!』 マコトが、懐から赤い宝石を幾つか取り出し、スライム目掛けて正確に投げつける。 すると、スライムは強い臭いと共に消滅していった。 ボクは、今まで体験したことの無い痛みに苦しんでいた。 必死に痛みに堪えるが、一向に消えない。 そんな中、咄嗟に頭の中にリカバリの文字列が浮かんだ。 その魔法を展開し、実行に移そうとする。 『あ、まずい! リカバリか! 使わせるな!』 マコトがスライムと対峙しながら短い言葉で制するが、もう遅い。 実行体勢に入っている魔法は、特殊なことをしない限り誰にも止められない。 『リカバリー!』 ボクは短く叫ぶ。 薄く開いた目から、ぼんやりと光り輝く自分の姿が見え、痛みが引いていく。 『うう・・・。』 まだ、痛みが残っている気がして、そのまま蹲る。 『バカ! こんな暗所で聖の白色発光の魔法なんか使いやがって! クッ! 実行!』 マコトが魔法を詠唱・発動させながら、文句を言ってくる。 ヒイラギに起こされ辺りを見ると、スライムが皆、蠢いていた。 『こいつらは、暗黒の属性を持っているから、聖の属性の魔法の余波をモロに受けやすいんだ。 さっきのリカバリで全部アクティブ状態になったぞ!』 ボクは、必死に考えた。 この手の液体状魔物に最も有効な方法。 冒険物小説を思い浮かべると、道が開けた。
物理攻撃の効かない液体状魔物に対して、物理的ダメージを与える方法として、冒険物小説で頻繁に使われる手段だ、凍らせて、叩き割る方法だ。 そう思い、目を瞑り、先の町で使った温度操作関数を読み出し、魔法を構築する。 だが、途中でソレを打ち切る。 今回は、噴水みたいに一つの対象物ではなく、複数の対象物だ。 一つ一つに時間をかけていては、恐らく間に合わない。 『ねぇ、こいつらの弱点って何?』 ボクは、近くに居たヒイラギに聞いた。 突然の問いかけに、驚いている様子だ。 『あ? ええっと・・・? 弱点?』 言葉になっていない。 それに、マコトが答えてきた。 『こいつらの弱点は水と乾燥だ。 こいつらは、元々泥を主成分としている。 水で薄めて流したり、水分を飛ばして乾燥させると、体を維持できないんだ!』 聞き終わる前に魔法の構築を開始する。 温度置換関数を読み出す。 魔法を単純な要素のみにすることで高速化をし、一気に発動させた。 『うふわぁ!?』 強烈な眩暈で、ボクは一気に倒れ付す。 影響範囲を広すぎる設定にしたのだ。 ヒイラギや、マサキの声が制止の声を掛けてくる。 それでも実行を強行する。 頭の中に警告が出てくる。 「魔法の展開領域の不足」 「極端な処理量の多さによる、中央処理システムのレスポンスの悪化」 「通常処理の異常な遅延」 通常処理の遅延は、恐らく、処理量が極端に多いことに影響しているのだろう。 だが、現在の魔法による処理量を落とすわけには行かない。 中央処理システムへの情報量を落とすと、魔法の実行速度に影響を及ぼすのだ。 「通常処理系を、生命維持系以外全部パージ」 そう、処理系へと命令を降ろす。
「意識レベルの極端な低下、記憶系の障害などの影響が出る可能性が高い」 と警告が出るが、それでも強行する。 一気に意識が遠のいた。 だが、通常処理系の圧迫が減ったため、中央処理システムのレスポンスは大分向上した。 そして、通常処理系の展開領域が減ったため、その分を魔法展開領域に割り当てることが出来るようになり、魔法展開領域の不足も解消された。 カエルの意識が急激に遠のくのが、ヒイラギにも見て取れた。 『ちょっと!? カエルが死ぬよ!?』 その言葉にヨモギが駆け寄ってきた。 腰に結わえ付けられた矢筒は空っぽだ。 全て打ち尽くしている。 『魔法展開してる! しかも、相当無茶な使い方!』 一目見て、ヨモギが叫んだ。 それにマコトが駆け寄ってきた。 『またか! このバカ、学習能力無いのか?』 息切れをしている。 どうやら、マコトの方も魔法が使える状態ではないようだ。 『で、どんな魔法なんだ?』 マコトがヒイラギに聞く。 『いや、いきなりだったから、分からないよ。』 『全く、何をやってるんだか。』 ヒイラギの答えにマコトは呆れ、辺りを見渡した。 周りのスライムはどんどん間合いを詰めてくる。 『ダメか。』 マサキが剣を構え、スライムに睨みを効かせつつ、そう全員の心境を言葉にした。 そのとき、地面に一つの小さな水の染みが出来る。 次いで、その近くに再び小さな水の染み。
今度は、マコトの顔の上に水の染みが出来る。 『これは?』 マコトが手をかざし、空を見上げる。 今までの曇とは、明らかに質感の違う雲が垂れ込めている。 『雨だ!』 マサキが短く叫んだ。 水の染みはどんどん増えていき、雨脚はどんどん強くなった。 『くぁ・・・! ブレイク!』 カエルが突然叫びだした。 『うわ!』 さっきからカエルを抱えていたヒイラギが驚きの声を挙げた。 『はぁはぁ・・・。 よし、雨が降ったか。』 カエルは、激しく息を切らせながら、空を仰いでいた。 「ザー」 雨は相当激しくなっている。 スライム達の動きがどんどん鈍くなっていく。 暫く経つと、雨が一気に引いていった。 辺りを見渡して見ると、スライム達は、その痕跡が見受けられるものの、すっかり姿を消していた。 『ふぅ。 何とか切り抜けたか。』 マコトは、その場にへたり込んだ。 皆も同じようにへたり込む。 地面がぬかるんでいるが、気にならないようだ。 『でも、カエル、おまえ降雨のオブジェクトの契約なんか、いつのまに結んだんだ?』 マコトが、へたり込んだ姿勢のまま聞いてきた。 『降雨オブジェクト? なにそれ。』 聴いたことの無い名前に、そう返した。 『だってお前、魔法で雨を降らせたんだろう? そのために降雨オブジェクトを使ったんじゃないのか?』 『いや、ボクは温度置換関数で雨を降らせたんだけれど。』 カエルはそう答える。 『温度置換関数で? どうやってさ。』
マコトが興味深々で聞いてきた。 『地面付近の温度を上昇させて、雲の発生する高度の温度を降下させたんだけれど、雲の発生する原理は知っているよね?』 『いや、雲の発生する原理とやらは、いまだ解明されていないんだが、お前はソレを知っているのか。』 マコトがさらに聞いてくる 『うん。 端折って説明すると、曇って、地面付近の水分が上空で結露して出来るんだ。』 『冬に、ヤカンとかでお湯を沸かすと、窓が曇ったりした事無い?』 ヨモギがソレに答えた。 『ええ、曇るわね。 時間が経つと水滴が大きくなって下に滴ったりするわ。』 『そう、簡単に説明すると、ソレが雨になるの。』 ボクはそう締めくくると、マコトたちは複雑な表情を浮かべる。 『分かったような分からないような。』 マコトがそんな風に、こぼした。 『まぁ、何にせよ、その降雨オブジェクトとやらを使わなくても、工夫次第で何とかなるもんか。』 『とりあえず、ソレは置いておいて、カエル。』 『うん?』 名前を呼ばれて、返事をする。 『あんな無茶な魔法の使い方をするな。 下手すりゃ死んでるところだ。 分かったな!?』 マコトに釘をさされた。 確かに噴水を凍らせたときといい、今回の雨を降らせたときといい、体に掛かる負担は相当大きかった。 『うん。 ごめんなさい。』 そう言葉が漏れる。
『よし、出発しよう。』 ソレを聞くと、マコトが立ち上がった。 『このままココに居るのも危険だ。 もう少しでシー国の国境になる。 確か、国境付近に宿場町が一つあったから、そこまで頑張って進んでみよう。』 マコトが皆に目を配らせる。 皆が立ち上がり、身を整えている。 ボクもソレに習い、整える。 方にソラも乗ってきた。 心配そうにこっちを見ていた。 『大丈夫。』 そう語りかけながら、ソラの少し湿った体を撫でた。 『よし、出発!』 マコトが、そう声を張り上げて戦闘を歩き出すと、皆がそれに続いた。
久々にUPされてますね。 面白いっス!!(・∀・)/ 続きを楽しみにしてますよ。
ホシュ
前方に見える空が白み始めている。 夜明けが近い。 あのスライムの襲撃から暫く歩いているが、一度も休憩を入れていない。 昼間歩いているときでさえ、三時間に一度ほどは休憩を入れていたが、今回はそれが無い。 『ねぇマコト、そろそろ休まない? さっきのところから大分歩いたよ?』 ボクはそう言う。 もうコレで、10回目だ。 『いや、まだダメだ。 あともう少し進もう。』 全く同じ台詞が10回目返ってきた。 『ねぇ、何でそんなに急ぐんだよ。』 マコトが加勢してきた。 答えが返ってきた方向はマコトの居た方向とは違った。 『あのスライムの居た付近に留まるのは危険だからよ。』 ヨモギだ。 『初期哨戒部隊のスライムが全滅したとなると、あの付近一帯に警戒網が張られるでだろうから、何が何でもあの付近に居ることは出来ない。』 『次に来る哨戒部隊は、高い移動能力があり、ある程度の戦闘能力を備えた部隊になるだろう。』 『だから、後もう少しあの付近を離れる必要がある。』 マコトが、そう続けた。 『幾らなんでも、ココまでは来ないだろうと思うけれど。』 ボクは、夜からの工程を思い出しそう言う。 今歩いているのは、丘を下ったところだ。 夜に襲われた丘からは、かれこれ四つの丘を過ぎた。 マコトに向いていると、正面からソラが滑空してきた。 多少明るくなり始めてから、上空哨戒をしてもらっていたのだ。
とりあえず、肩に乗せる。 『どうしたの?』 そう、ソラの羽根を撫でながら問うた。 『来るよ。』 そう、ソラが伝えてくる。 『直ぐそこまで来てるみたいだ。』 ボクは、そうみんなに伝えた。 『ちっ! 予想以上に速いな。』 マコトが舌打ちをする。 みんなが戦闘の準備を整え始める。 そんな光景を見ていると、ふと、今までと違う何かが聞こえた気がした。 方向は、さっき下ってきた丘の上だ。 その方向を見やる。 何か居るようだ。 だが、小さくてよく見えない。 よく目を凝らして見ると、他にも幾つか動くものが見える。 『ねぇ、何か見えるよ。』 一番近くにいたマサキにそう伝えると、マサキが同じように目を凝らす。 『あれは・・・。』 『バリイド・ドッグだ!』 マコトが懐から筒を取り出し、それを覗き込みながら叫んだ。 「ワンワン!」 今度は確かに聞こえた。 犬と思わしき鳴き声だ。 まだ、ある程度の距離はあるが、鳴き声が聞こえるような距離だ。 直ぐに来るだろう。
マコト達が厳戒態勢を取ると、僕はその後ろに引っ込む。 そして、遂にその姿がはっきりと見えだす。 数は、相当居るようだ。 ヨモギが矢を放ち始める。 「ビシュビシュ!」 ヨモギの矢は、不自然なほど地面と平行に突き進む。 当たるのを確認もせずに次々と放っていく。 何発かは、当たり損ねて地面に刺さるが、それ以外は額に見事に命中する。 額に矢が当たった魔物は、体勢を崩し地面を転がる。 だが、驚いたことに、再び立ち上がる。 『やっぱり、銀の矢が欲しいー!』 ヨモギがその姿を見ながらそう叫び、矢を連射している。 『実行!』 マコトがその横から魔法を放つ。 炎の塊が魔物を薙ぎ払う。 今度は、灰になり消えていく。 だが、数が多すぎる。 マコトが何度かの魔法詠唱をしていると、周りを取り囲まれてしまう。 マサキと、ヒイラギが魔物たちに睨みを効かせる。 マコトは魔力を使い果たし、ヨモギは矢を打ち尽くすと、其々短剣を取り出し近接戦闘の体勢をとり、睨みを効かせる。 魔物は一斉襲撃の隙を伺っているようだが、その隙を見出せずにいるらしい。 こう着状態に陥る。 数えると、ざっと50は超える数だ。 『ちょっとやって見たい技があるんだけれど、いいかな?』 そんな中、マサキが言う。 マコト達は振り返らない。 『ああ、なんでもいい。 この状況を改善できるならな。』 振り返らずに、マコトがそう言った。 マサキが剣を鞘に納める。
『すぅ・・・・・。』 小さく息を吸うと低く身構えた。 左手で鞘を持ち、右手で剣の柄を持ち、振りかぶるように構える。 そして、そのまま目を瞑って精神集中をしているようだ。 その体勢から、どうやら抜刀系の技を使うらしい。 だが、剣を見て思う。 (たしか、抜刀術って日本特有の曲刀でしか出来ないはず・・・。) 『いくよ。』 マサキが短くそう言う。 同時に魔物たちが痺れを切らせるように襲ってきた。 ボクは襲撃に身構える。 『せいっ!』 マサキが短く息を吐き出し、直刀で器用に抜刀してみせる。 「キンッ!!」 その瞬間、非常に高音域の音が耳を突く。 「ギャン!」 魔物の悲鳴が各所から聞こえ、同時に地面に落ちる音が続く。 あたりを見渡すと、魔物が全部倒れている。 何が起こったかサッパリ分からない。 『やるなぁ。』 ヒイラギが声を挙げた。 『ホント、凄いわ。』 ヨモギの声もそれに続く。 『え? どうなったの?』 ボクはサッパリ分からず、聞いてみるとマコトが答えた。 『抜刀の瞬間の、超高周波の音を叩きつけたんだ。 犬は耳が良くて、人間よりも高周波の音を聴く能力が高いからな。』 たしかに、犬は人間よりも高周波の音を聞き分ける能力に長けていると聴いたことが在る。 『ふふ。 一度やってみたかったんだ。』
マサキは嬉しそうに剣を再び鞘に納めた。 付近には大量の魔物が横たわっている。 微動すらしないところを見ると、どうやら死んだらしかった。 その間を抜け、再び進み始める。 『とりあえず全滅させたんだから、この先哨戒部隊は来なくなると思うんだが。』 マコトがそう言ってきた。 『そうなの? 次の哨戒部隊が来るんじゃない?』 ボクがそう返す。 『いや、その心配は無いだろう。 全滅させたんだから、連絡要員も居ないし。』 確かに、見事に全滅だから魔物の本体に連絡される事も無いだろう。 『それに。』 マコトがさらに続ける。 『次に来るのは哨戒部隊じゃなくて、前衛部隊だ。』 『それって、もっと悪くない?』 ボクは、思わずそう返した。 『まぁ、大丈夫だって。 前衛部隊には通常、速度は要求しない。 攻撃力や防御力を要求するもんだ。』 『部隊の前衛なんだから、突出して前進したら各個撃破の対象になっちまうしな。』 思わず、ボクは納得する。 『さ、行こう。 休憩するにも、こんな魔物の屍骸が大量に在る所じゃ気も休まらん。』 マコトが皆に言い、先に進んだ。 『へーい。』 ボクもそれに続き、他の皆も続いてきた。
投稿した後に気付きましたが・・・。 今回って、プログラマー的要素が皆無だなぁ・・・(汗 気をつけねば。
乙です。 確かにもうちょっとマー的要素が欲しかったですね。 次週も期待してますよ〜。
KAERUさん乙。
正統派ライトノベル風の作品は、軍板のほうでも見られないので、
楽しみにさせていただいております。
理屈をつけて戦ってるのは、プログラマー的要素と言えません?こういうの好きです。
>次週も期待してますよ〜。
週末というペースに気がつかず、毎日スレを覗いていた私。
ところで、自分も、前に自分の書いたやつ(
>>443 )をベースに設定を変えたものを
今考えていますが、平行して書いていいですか?
乙でした。 > 週末というペースに気がつかず、毎日スレを覗いていた私。 おなじく、スレッドストッパーになったかと思ってひやひやしてました。 > 平行して書いていいですか? 個人的には歓迎です。同時書き込みにはならないだろうし。
>週末ペース 一週間で話の流れを考えて、週末でまとまった時間(3−6)を取って一気にメモ帳に書いてますので・・・。 休出とかになると、書けずに次週持ち越しになっちゃったりします。 逆に、時間が何とか取れると、週の半ばでも書いたりしちゃいますです。 >平行書き もう、ドンドン書いちゃってくださいな。 このままでは、ウチのワンマンショーが何時までも続くことに・・・(泣
激しく良スレだ
作品ごとにPDFでまとめようか?
なにゆえpdf?
>>649 印刷向けなのでしょう。
>>作者諸氏
一読者として協力できる事があったらなんなりとお申し付け下さい。
>>645 , 646 ありがとです。で、許可だけもらっておいて全然書けて無い644です。
導入部分だけ書いときます。時代設定は、今から10年ぐらい先のつもりです。
---- ここから ----
時は21世紀っ。
65536ビットCPU、量子効果の実用化で動作クロックはついに1TBの壁を破り、
数年前の暴落によりメモリ256GB標準搭載、HDDは無限とも思える容量が当たり前の時代。
空調の利いた部屋。ドリンク剤の臭い。
人物A「ひょっとして、今いるこの世界も誰かが作ったものだったらどうする?」
人物B「無え無え!我思う故に我有り!常識だろ」
人物A「でも…ほら…自己発展型AIって恐くない?暴走してネット上を駆け巡るウィルスになったら…」
人物B「無え無え!AIの動作はサーバーの中だけで、しかも自己書き換えと言ってもさ、
今やマイナーな前時代の中間言語だっての!流出しても動くマシンなんて無いって」
人物C「サーバー、テスト稼働行いまーす」
**** BOOT **** 如何にも中世風な古めかしい宿の中。 蜘蛛の巣が張った天井、レトロ調な家具に、暖炉の炎。シチューの臭い。 一角の客が、酒の肴に話を始めた。 ローブの男「なあ…、この世界が、本当の世界と思うか?」 鎧の男「どういう意味だ?」 ローブの男「こう…なんか、たとえば、魔法なんかでは火は水の逆なわけだ。対消滅する。 そうやってエレメンタルを構成して魔法を唱えるとうまくいくだろ? でもだ、お湯の湯気を溜めておくと、水に戻ったりするよな?野営の常識だろ? 消えてない。他にも、俺達雷は狙ったとこに飛ばせるだろ?でも、銅と銀をだな…」 鎧の男「成程。前からおかしいと思ってた。子供を産むはずの魔物とかでも、 全滅させてからまた洞窟に入り直すと、一瞬にして涌いてる。どこから来てるんだろうな」 ローブの男「な?な?で、この世界は、どっかの魔術師が作った幻覚じゃないかと想像してみたりするわけ」 鎧の男「でも、我思う故に我有り、とも言うぞ」 ローブの男「いやさ、お前がそう言ってもさ、俺からすれば区別できないわけよ。 お前が本心で言ってるのか、ゴーレムが与えられた知識の中から単語を選んで言ってるのか」 その時、世界は消滅した。
**** SHUT DOWN **** 人物D「だぁー!駄目だ駄目だ!人工知能に突っ込み入れられてどうするよ」 人物E「気持ちはわかるが、いきなりコンセント抜くんじゃねえ…!」 人物B「誰だよこの台詞教えたの」 人物C「はい。魔術師NPCなら哲学的な台詞を吐いたほうがらしいかなあって」 人物A「…ホントに納期に間に合うの?」 人物D「どう直そう…疑わないようにってのは無理だよな…AIは自己書き換えなんだから、 遅かれ早かれ学習してしまうし…」 人物A「物理シミュレートの方の完成度を、突っ込まれないぐらいのレベルにするしかないんじゃないかな…」 「また残業かよ!?」 ---- ここまで ----
>>651-653 うわ、雰囲気はともかく、頭の中で考えてたシチュと同じだ。
# 書く暇が無いので、書き手になりますとか立候補出来ないけれど。
>>654 あらら。…まあ、.hackもあることですし…。
で、本編行きます。始めのうちは443〜をなぞりつつ、微妙に変えていく予定です。
---- ここから ----
──夜。いや、朝。
俺はデスマーチ明けの夜道をひとり帰っていた。
しばらく連休&有給&振り替えだ。ふふん、いいだろう。
居酒屋を梯子したりして、そこでテレビ見て、久しぶりにゲームでも買ってみるかなーんて考えたりして、
途中、腐れ縁のあいつと会って…
気づけば、千鳥足でその村の中を歩いていた。
俺は確か帰り道…酔って変なとこに来たかな…奴はどこだ?すみませーん、環状線はどっちでしょう?
あ、知らない…電車間違えたかな…
酔っているのか俺?とにかく駅まで歩いて…
「ナオト、こんなところにいたの」
…。
焦点が合わずに顔がぼんやりしている。
誰?あなた。
「やだ、酔ってるじゃない。ほら、肩につかまって…こら、寝ないで!」
肩を引きずられるように心地よく運ばれている中、俺は夢を見ていた。
カップ焼きそばの容器に埋もれた仕様書、逃亡したSE、皆が疲弊した頭で幼稚なスペルミスを連発し、
それが新たな混乱を生み─、顧客からの電話にはサーバーの調子がうんたらと言い訳めいた
返事しかできず、誰もが完成形を認識していない。
しかし、目が覚めたら、しばらくは素晴らしき休日だ。
がばっ、…ベッドの上。白いシーツ。麻の寝間着。漆喰の壁。水瓶。藁の屋根。 暖炉の上には油の切れたランプ…どこだ、ここは? 夕べのことはぼんやりとしか覚えていない。 取り敢えず目の前に服が畳んであったので、俺は着替えて外へ出た。 太陽は、もう、昼過ぎだ。 俺は目を疑った。日本にこんな街があるのか?煉瓦を敷いた道に、広がる牧草地。 「おはよう!ははあ、二日酔いだね。明日結婚式だろ、だめじゃないのしっかりしなきゃ!」 向かいの食堂、らしき空間、で鍋を煮こんでいるおばさんが声をかけてきた。 俺はポケットを探ってみる…硬貨がひとつ入っていた。 「$10」 10ドル硬貨なんて聞いたこともない。 食堂には「定食$6」という看板がある。俺は硬貨を差し出す。 「はいよ、おつり」 おばさんが返して来たのは、「$1」と刻印された小銭が…ひいふうみ…十枚? 「ちょ、ちょっと、多すぎませんか?」 「あらそう?ひいふうみ…ちゃんと十枚あるじゃない」 俺は化かされているのだろうか。
あまり腹がすいている感じもしなかったが、出された料理をたいらげる。 味も感じないし、あまり腹が膨れた感じもしない。今ひとつ現実感が無い。 おばちゃんは俺が変な顔をしているのを、じーっと見つめていた。 「何だいその顔は?あんたは難産だったり、覚えて無いかも知れないけど 小さい時流行り病にかかったりして手がかかったんだよ。それがこんなに元気に育って、 明日結婚式。変な事考えずに親御さん喜ばしてやんな」 と言って、おばちゃんは俺の肩をばしばし叩く。 俺は、まるで今までの人生が夢で、ここで生まれ育ったかのような既視感を覚えていた。 しかし、俺の頭の中にある記憶は、やはり都会のもので、冴えないプログラマーとしての人生だった。 この、ヨーロッパ風な田舎の村は、記憶には無い。 おばさんは言った。 「ユウリちゃんに会えば目もさめるだろ、わかんないのかい?道をずーっと右に行った家だよ」 …混乱する頭をむりやり鎮め、俺は、身に覚えがない婚約者の住む家へ歩き出した。 「でな、繰り上がって、10となるが、これは$Aとも書いてな…」 道端で、おじいさんが子供を集めて数を教えている。俺もあの子らと同じように習ったのだろうか? とりあえず、$は16進数の記号らしい。 最近はC風の0xがほとんどを占めてしまったが、昔は$を使うアセンブラや言語が多かったな …そういや&を使うやつもあった。 「…ほれ、お前らの持っている小銭もそうじゃろう。この街が帝国に併合されて以来、 通貨単位を揃えるため16進数になったのじゃ」 おじいさんはそんな解説をした。 イギリスが昔12進数だったのは聞いた事があるが、16進数なんて国があったか? じいさんは四本の指で器用に0から15までを数えてみせる。子供に交じって俺が見とれていると… 「ナオト、なに、今更お勉強?」 …この声は?聞いた事があるような無いような声にどぎまぎしながら、俺はゆっくり顔を上げた。
赤いスカート、白い服にりんごを抱えた、「千歳さん」俺は照れて…え? 「ん?誰?」 「…優理、いや、ユウリ、さん?」 彼女は俺の顔を覗き込んで来る。 「…もしかして、あたしじゃ本当は嫌な」 なんだか知らないが、謝っていた方がよさそうだ。 「そ、そんなことは無い!…俺も知らない名前だ、うん。本当」 千歳優理、奴の会社の、営業の女の子の名前。 群がる男は多く、俺もその一人だったりする。 今度、奴と同じプロジェクトの担当になったとかならないとか、そんな噂話があったな…。 とりあえずこのユウリなる娘は、名前も同じなら顔も千歳優理とそっくりにしか思えないのだが、 別人らしい。よくよく見てみれば髪の色が違う。 …で、婚約者? 俺は、わけがわからないでいた。 いやさ、モテナイ人生を送ってる身、嬉しい事ではあるけれど。 とりあえず、婚約者という事なら、ここで怒らせるのはまずい。 だが、彼女の機嫌は、あからさまに悪くなっていた。 ---- ここまで ----
自分がスレッドストッパーになってる?(汗 とりあえず、続き行きます。 ---- ここから ---- 彼女の追及は、駆け込んできた男のおかげで逃れられた。 男は勢い余って俺にぶつかって、それでもすぐ起き上がろうともがいている。 男は立ち上がるのももどかしいといった感じでわめきたてる。 「長老!ば、ば、ば、ば…」 授業を続けていたおじいさんが立ち上がる。 俺は、目の前で「ば」を繰り返している男を見て、ため息ひとつ、起き上がると、 手を貸してそいつを起こしてやった。 考えてみれば、誰かを助け起こすなんてのも、随分久しぶりな気がする。 手を見てみるとこいつの汗にまみれて、何やら汚物がべっとりと付いていた。 男は叫ぶ。 「ば、ば… 化け物です!も…も…森に。森」 改めて見て見ると男は矢筒を背負っていた。矢や弓は持っていないが、 慌てて放り出して来たのかもしれない。未だ狩人なんているのだろうか?趣味のハンターかもしれない。 「熊や豹やら狼やらが…死体で…動いてて…」 ニッポンオオカミは絶滅したはずじゃなかったか…? 男が奇天烈な主張を続けるあいだ、俺はそんな事を考えていた。 後から考えてみれば、熊と豹と狼が同域に生息しているというのも妙な話だ。
長老と呼ばれたおじいさんが答えている。 「なんと…しかし、駐在の騎士さんがいるじゃろう。今回も大丈夫じゃよ」 「騎士なんて!我が物顔な連中が住むようになっただけじゃないか…!俺、俺…う…!!」 俺や長老、ユウリの目の前で、男は膨れ、目は窪み、皮膚が崩れ落ち始める。 まるでホラー映画のように。 俺達に悲鳴をあげる暇も与えず、長老はなにやらぶつぶつと唱えはじめた。 if(dynamic_cast<shadow*>(this) != 0){return this;}… 俺は不思議な感覚に襲われた。長老の言葉のひとつひとつが、まるで文字の様に「見える」。 まるでゲームのエフェクトのように。しかも、それは俺がよく知っているものだ。 「亡者よ!大地へ帰れ!帰れ!」長老は呪文を続けるが、もはや動く死肉と化した男はびくともせず、 ゆっくりとこちらへ歩いてくる。 長老一人では力が足りないのか?いや、そもそもreturn文で効果があるのか? 俺は、とっさに長老の持つ指輪に手を触れ、叫んだ。 delete this; 男は、完全に崩れ落ちた。
すぐさま集まってきた人々の手で、可哀想な男はその場で燃やされた。 ユウリさんが、俺の横でささやく。 「ナオト、今の、あなたが…?」 そういえば…?俺は自分の手を見た。 男を助け起こしたその手、汚物にふれたところから、まだ小さいぶつぶつでしか無いが、 皮膚が溶けだしているような気がする。─感染するのか!? 俺は恐ろしくなって、走り出した。 俺は、絶叫と共に、全てを振り切り、「家」へと駆け込んで、ベッドに潜り込んだ。 さっきまで中天と思ったら、もう夜。 酔いつぶれて昼まで寝ていたとはいえ、一日が早い気がする。 いや…いろんなことがあったからな。受け止め切れないぐらいに…。 …。 俺は目を閉じた。 **** ここで、舞台は変わる **** --- ここまで ---- 途中、書けない時間帯がありました。なんでだろ。
みなさーん、小ネタでも雑談でも、なんか書いてくださいよー。 一人で黙々とやってると、不安に駆られるじゃないですかあー。 とりあえず、自分は、書ける暇があるうちに書いておきますけど…。 ---- ここから ---- **** ここで、舞台は変わる **** 空調の利いた部屋。ドリンク剤の臭い。 静かに音を立てて稼働するサーバーマシン。ディスプレイの前に群がる五人の老若男女。 一人の男が、球体が設置されている別室を見やり、苦笑を漏らす。 竜也「…あんにゃろう」 後ろにいた、斜めに構えている長髪の男も続ける。 慎之介「他のテストプレイヤーは全員とっくに、村で話を聞いてお城に行って、 ちゃんとした冒険を始めてるのにるのにな」 しかし、頭にタオルを巻いた太めの男は気にしていないようだ。 太郎「いいじゃん。天邪鬼なプレイヤー用の虫取りになるぜ。 優理ちゃん、ゲームの中でも可愛いよ〜これモデリングしたの俺ね」 その文句をあっさり流して、営業の女の子は別の心配をする。 優理「ちょっと、彼は出られるの?」 髪の毛を青く染めた、子供と見間違えるような外見の若い男が、自信無さげに答える。 紫苑「説明した筈ですけど…あの様子だと操作窓の出し方も覚えてないでしょうし…」 太郎「VRつっても所詮ボールの中で暴れてるだけだからさ、 振り切って壁蹴飛ばせばポーズがかかって視界も戻る。心配するなっての」
全員、ふう、と溜め息をつき、ディスプレイに映る他のプレイヤーの様子が、そこそこ順調なのに、 再びほっと一息、お互いを見やる。 優理「とりあえず、α版の試験運用開始、おめでとー」 ジュースのペットボトルがあけられ、紙コップが回される。 何年経っても、結局この辺りの使い捨て商品は、店頭から消えてはいなかった。 紫苑「それにしても、早速『裏技』使われちゃいましたね」 竜也「だから、お前が言うなっての」 慎之介「エフェクトとして呪文のソースそのものを流してたからな。これも本番では変えないと。 読めない程度のスピードのつもりではあったが…」 **** さらにここから回想シーン **** 荒れ放題の部屋に、雑魚寝する者あり、コンビニ弁当を食い散らかす者あり、 その足の下には、足の踏み場もなくひしめいている配線。 彼らこそは、新世代体感型ゲーム「TechnoWarrior ver.501Advance」の開発者で、 今まさにデスマーチ真っ最中のプログラマー達。 その部屋の一角に、プロジェクトのメインチームが陣取って、開発の合間を縫って 無駄口をたたいていた。
優理(人物A)「それにしても、これホントにAI?賢すぎない?」 太郎(人物D)「予算の都合で、FFF-2300のAIを流用したからなあ…同じファンタジーと言っても 向こうは会話型アドベンチャーのようなもんで、ルナドン型ゲームには正直オーバースペック、 メモリ1テラ積んだこのサーバーでも、NPCが同時に一万人までしか出せなかったりする… テスト稼働だから人口少ないけど、本稼働になって人口増えたらきっとこれも突っ込まれるぜ …頭が痛い…」 竜也(人物B)「実用としては、自己書き換えが一番流行ってるのが会話型ゲームってのも皮肉なもんで。 まあ家事ロボットなんぞにこんなもん積んで変な事覚えられたらたまったもんじゃないですよ。 サーバーの中の、しかも中間言語での実行だから安全なわけで…てなわけで、 他にいい流用元も無かったわけです。アハハ」 太郎「とりあえず、魔術のルールみたいなものをだ、もうちょっとしっかりしないと… それと、紛らわしい言葉は消しといたから」 紫苑(人物C)「えー?残念」 竜也「テスト稼働程度で突っ込まれる程度のアラは直すとしてだ、その後は、いっそのこと、 魔法は原理を理解せずに使われてるな感じの方がいいんじゃないか?」 太郎「だな…作戦を一度言っただけでしっかり覚えて応用までしてくれる頼もしーいAIだからなあ… FFF-2300の海賊船イベントでは頼りになったぜ」 紫苑「呪文の応用できなくなっちゃうなあ…まあ、同じことをプレイヤーに理解しろって言っても無理だろうし、 プレイヤーよりNPCが活躍してもつまらないし…」 竜也「…どうせ理解させないなら、いっそソース=呪文でいいじゃん?今までよりデバッグ楽になるぜ」 会話に参加していなかったはずの、慎之介(人物E)を含めて一斉に合唱する。 「それ採用!」 太郎「俺達だけ、裏技使えるしなw」 こうして、仕様書に無いセキュリティホールは生まれるのである…。
**** SIGN IN SION **** シオン「やばいっ、(ステータスウィンドウを見て)HP残り一桁!ここは…☆△□」 ぼん! シオンはオークを倒した! ちゃらら〜 その時、世界は消滅した。 **** SIGN OUT SION **** “球体”から出て来た紫苑を睨みつける竜也。 紫苑「ひどいですよ。勝手に切らないで下さい」 竜也「この野郎!デバッグでマジになるな!それに、早速例の裏技使うな!」 紫苑「ごめんなさい…でも、きつすぎますってば…スタート直後にオークに出会って、 一撃で瀕死ですよ!」 竜也「キャラ作成パラメータ全部魔力に振っといてどの口がそれを言うか…」 ---- ここまで ---- 後少し開発者達の回想シーンは続く予定です。
昼は、木陰で休むことになった。 バリイドドッグに襲われた地点から丘を一つ越えた巨木の下で、夜寝そびれた分を取ることになった。 さっきから動き回っていた為か、なかなか眠気が襲ってこないので、丁度近くにいたマサキに話し掛けた。 『ねぇ、さっきの抜刀術って、どうやったの?』 すると、マサキがこっちを向いてくる。 『うん?』 そうして、少し考える仕草をした。 『ああ、バリイドドッグ達を倒したアレのこと?』 『うん。 直刀だと抜刀技は繰り出し難いと思うんだけれど。』 ボクは丁度見つけた真っ直ぐな木の棒を刀に、手で作った輪っかを鞘の出口に見立て、簡単に抜刀の仕草をしてみせる。 すると、丁度刀を抜ききる際に木の棒の先端が引っかかる。 『ふふふ、その普通の抜刀とはちょっと違うわ。』 そう言って、マサキは抜刀する。 見ると、刀身が異常なほど細い。 『うわぁ・・・細いなぁ。』 そういう、率直な感想が漏れる。 『そう、コレがこのハヤブサの剣の特徴。 剣を軽量化するために、極端に刀身を細くしているの。』 『持ってみる?』 そう言って、その剣をボクに渡してきた。 ボクの記憶の中では、鉄の塊である剣は相当重いものに該当する。 幾ら刀身が細いとはいえ今回もそれに該当すると思い、身構えて受け取る。 が、剣は異常なほど軽かった。 『うわっ。』 思わず声があがる。 『どう? 軽いでしょ?』 マサキがソレを見て、笑いながらそう言ってきた。 『うん。 それに、持ちやすい。』 片手で持ち、軽く上下に振るが、簡単に振ることが出来る。 僕が今まで持ったことのある刀の類は重く、両手で持っても振り回すのは容易ではなかったのだが、コレは違った。 『この剣は、剣全体のバランスが凄く良いの。 だから強く振り回しても体がそれに持っていかれることが無いわ。』 マサキが僕から剣を受け取り、両手でソレを持ち、振り回す。
「ヒュヒュン!!」 『しかも、さっきも言ったように軽いから、高速で切り込み、切り返しが出来るわ。』 『そうやって、敵が一動作する間に二動作できるのが、このハヤブサの剣の最大の特徴なの。』 そう言いながら剣を構える。 僕はその姿に感心しながら見とれる。 『そして、この剣の軽さと、刀身の細さは副産物として別の技も生み出したの。』 マサキは、指先で剣の先端を弾く。 「キィン!」 強烈な高音域の音が響き渡る。 『ひえ!』 頭の奥まで響くような音に、耳を押さえる。 それで、どういうことか、よく分かった。 ボクは、高速の抜刀による、鞘と刀身の摩擦で音を発していると思っていたのだが、全然違った。 刀身そのものを、発信体として使うのだ。 理科で習った、音の基礎を思い出す。 太く短く軟らかい物体ほど低音を出し、細く長く硬い物体ほど高音を出すというものだ。 その点で、このハヤブサの剣は、他の剣よりも極端に細く、ロングソードに該当する刀身は長く、鋼で作られたその刀は硬かった。 『ふふふ、ごめんね。 そしてこの剣を抜刀するときに。』 そこまで言って、マサキは剣を鞘に納める。 そして、剣を抜く直前まで抜刀の姿勢を見せる。 剣を見ると、先端だけが鞘に入っている状態だ。 『こういう風に、強く手前引くようにして剣を抜くと、さっきのよりもずっと強い音が出るの。』 そう言い、剣を鞘に納めた。 『なるほどぉ。』 ボクは、顎に手を当て感心する。 こんな所でこういう物理科学が出てくるとは思わなかった。 『さ、寝ましょう。 丁度いい風も出てきたし。』 そう言いながら、マサキは剣を木に立て掛け、眠る体制に入った。 『うん。 ありがとうね。』 ボクもそう言いながら、寝る体制に入る。 さっきよりも目が冴えて、眠れるかどうか分からないけれど、とりあえず横になって休む必要はありそうだった。
『ホレ、カエル。 そろそろ出るぞ。』 ヒイラギに頭を小突かれて、目が覚める。 結局眠ることが出来たようだ。 見ると、太陽が傾き始めている。 『ちょっと、休む時間が長すぎたかなぁ・・・?』 マコトがそんなことを呟いていた。 隣ではマサキが準備をしている。 ボクも準備を整える。 といっても、バッグを持つだけで後は何も無いのだが。 『よし、行こう。 夕方までには無理でも、夜までには何とかなるだろう。』 マコトが全員が準備できたのを確認すると、そう宣言して先頭を歩き始めた。 そうして、二回ほど休憩を挟んで歩いていると、見渡しの効く広い野原に出た。 『広いなぁ・・・。』 ボクはそんな感想が漏れる。 『ココは、シーの玄関口。 ほれ、向うに入り口が見えるだろう。』 そう言って指差した先には、長々と続く崖と、その途中に、明らかに人工的に作られたであろう坂道が在った。 そしてその上には、巨大な門が立ちふさがっている。 門の左右には、崖に沿って城壁が続いている。 城壁の途中途中には、何箇所か煙突のような棒が生えていて、そこから煙を吐いていた。 『ココはシーの西口に該当するんだ。 シーは東を海、他の三方を崖に囲まれているんだ。』 『一部、崖が無い部分もあるが、それはあんなふうに城壁で取り囲んでいる。』 マコトが指差しながら説明している。 『前に話したと思うが、シーは古くからの知識を色々受け継いでいる国家なんだ。』 『例の、恐怖の一夜のことも在るし、ソレからの過剰防衛反応とでも言うのか、守りを極端に高めてある。』 そう言いながら、野原の真中を進んで行く。 そんな中、ヨモギが突然口を開いた。 『ねぇ、なんか変じゃない?』 『ああ、オレもそう思い始めているんだが。』 『どこか変か?』
ヒイラギが問い掛ける。 『かがり火が多すぎる。』 マコトがそう呟く。 崖の上、そして城壁の上にずらっとかがり火が並んでいる。 なるほど、確かにズラリと並んでいるが、異常なほど多く並んでいた。 そのまま歩みを進める。 坂の近くに行くと、兵士が門の近くに沢山いた。 『ココも変だ。 いつもなら左右に二人だけなのに。』 マコトが囁く。 そのまま坂を登り始めると、途中で兵士たちに止められた。 『お前達は、誰だ。』 なんの捻りも感じられない台詞だった。 『オレは、ヴィシーから来たマコトだ。』 そう言いながら、懐から何かカード状のモノを取り出し兵士に見せている。 身分証明書か何かの様だ。 ヒイラギ達もそれに続く。 ボクの番になった、が、もちろんそんなものは無い。 『お前は。』 兵士が手を差し出してきた。 『えっと・・・ボクはカエル。』 それだけ言う。 『所属組合発行の身分証明書はどうした。 証明書がないと、外地を歩くことは禁じられているハズだ。』 兵士が詰め寄ってきた。 『あっと、ヤバ。』 マコトがそのまま進みかけて、戻ってきた。 『えっと、コイツはだな・・・その・・・なんだ。』 まさか、森で拾ったなんて怪しいことは、口が裂けても言える筈もなく、説明しあぐねている。 『おい、お前はマコトじゃないのか?』 少し離れた位置から声が聞こえてきた。 『ああ、そうだ。』 マコトが答えると、少し出で立ちの違う兵士が出てきた。
『中隊長殿!』 ボクに詰め寄ってきていた兵士が敬礼している。 『うむ。』 中隊長と呼ばれた、顎鬚を生やした中年の兵士は敬礼を返している。 『マコト、ヒイラギ、ヨモギ、マサキだな。』 指差しながら、確認していく。 『そして、森から突然出現したカエルっと。』 最後にボクを指差した。 『え・・・。』 まだ言っていないのに、なぜ知られているのか分からず、言葉が出ない。 マコト達が身構える。 『まぁまぁ、そう身構えるな。』 そう言いながら、懐をあさりだす。 『えっと・・・おお、あったあった。』 中隊長は一枚の紙を取り出した。 『ヴィシーの魔術組合の組合長から、シーの魔術組合の組合長経由でお前達の連絡は着ている。』 そう言って、その紙をマコトに渡した。 マコトはその紙を読み、一つ頷くとその紙を中隊長に返した。 『さぁ、こちらへ。 ちょっと聞きたいこともあるしな。』 そう言いながら中隊長は先へ進んでいった。 ボクらもそれに続く。 異常なほど高く、幅のある入り口を通る。 垂直開閉式の門であるらしい。 その奥は、ずーっと回廊のように続いている。 回廊内を、いろんな兵士たちと思わしき人たちが慌しく動き回っていた。 中隊長が、幾つかある鉄製の扉のうち一つに入っていったので、それに続く。 通路を進んで行くと、さらに再び曲がり、小さな部屋に入った。 中隊長が、全員が部屋に入ったのを確認すると、扉を閉めレバー類を操作する。 すると、部屋が大きく揺れる。
『うおお!?』 ヒイラギが驚きの声を挙げる。 『あっはっはっはっは。 驚いたかね。 コレは、エレベータといって、シーの最新技術の一つだ。』 中隊長が自慢げに語りだす。 『へぇー。 コレって動力なんです? 電力は発明されて無いだろうから、別の力だと思うのですけれど。』 『生半可な力では、こんな重い部屋を垂直に動かすことは出来ないでしょう?』 ボクは、つい興味津々で聞いてみた。 『んんん? 確か、コレの開発技術陣は、蒸気圧だといっていたと思ったが。』 中隊長は顎鬚に手を当て、考えるような仕草でそう言う。 『へぇー。 すごいなぁ。 蒸気圧式のエレベータなんて初めて見た。』 ボクは辺りを伺う。 どう見ても中世風の出で立ちの部屋になっている。 明かりは、ランプを部屋の天井の中央部にランプを吊るしてあった。 操作系はレバーで行うようだ。 そうこうしているうちに、部屋が止まる。 『よし。 ココだ。』 そう言って、扉を開けて外に出た。 どうやら扉は手動式になっているようだ。 部屋の外はまた廊下になっている。 『こっちだ。』 そう言いながら中隊長が進んでいった。 幾つか部屋があり、其々ガラス窓になっているので中が良く見えた。 兵士の武具類を置いてあると思われる部屋や、書籍類が大量にある部屋も見えた。 そんな中、巨大な水晶が置いてある部屋が視界に飛び込んできた。 『うわぁ・・・大きい。』 ボクがそれに見とれていると、中隊長が戻ってきた。 『ココは、ファイヤーウォール・プロジェクトルーム。 この城壁の守りの要だ。』 『そして、彼らがそのプロジェクト要員。』 指差した先には、大きめの机に紙を並べていろいろ議論しているローブ姿の人が見えた。 『さぁ、先に進むぞ。 マコト達が待ってる。』 そう言いながら、中隊長が背中を押してきた。
廊下を曲がった先でマコト達が止まっていた。 『こんな所で、迷子になるなよ。』 マコトが言ってくる。 『たはは。 ごめんごめん。 色々面白くて。』 ソレを聴くと、マコトたちは先に進みだし、一つの部屋に案内された。 さっきの中隊長とさほど年齢は変わらなさそうな人が、大きな机に着いている。 そこで色々話を聴かれた。 森での話や、ココに来るまでの話、途中で遭遇した魔物の話もした。 一時間か、ソレくらい話をすると開放される。 『降りるときは、階段を使ってくれ。 そうすれば城壁の町側に出られるから。』 さっきの中隊長に告げられる。 僕らがそれに従い、歩き出すと、後ろで扉の閉まる音がする。 恐らく、さっきの部屋に戻っていったのだろう。 ボクらは、壁に取り付けられた案内表示を元に階層を下っていく。 どうやら、さっきのエレベータで入った方法と、階段で出入りする方法は、完全に区別されているらしかった。 そうして外に出ると、目の前には再び野原が広がる。 ただし、城壁の反対側と違うのは、町並みが見えることだ。 『よし、とりあえず、シーの魔術組合に行こう。 手紙もそこに届いたのなら、なんか手がかりがあるだろう。』 マコトが促す。 『手がかり?』 ボクが聞き返す。 『お前、元の世界に戻りたいんだろう?』 マコトが呆れたように、逆に聞き返してきた。 なんだか、こっちの世界にすっかり慣れてしまっていて、帰ることを忘れていた。 『あ、ああ・・・うん。』 『お、丁度いい馬車がある。』 僕の返事も聞かずに、マコトは駆けて行く。 マコトが走っていった先には馬車が居る。 マコトは、その運転士となにやら交渉しているようだ。 『やれやれ。 マコトも随分浮かれているなぁ。』 ヒイラギがボクの横からその姿を見ていた。
マコトが馬車の方から手招きをする。 『お、どうやら、まとまったみたいだな。 行こうか。』 ボクらは馬車の方に駆けていった。 『丁度良かったよ。 この馬車、町とこの城壁を結ぶ定期乗り合い馬車でさ。 無料なんだ。』 馬車に全員乗り込むと、動き出す。 『それにしても、あの城壁。 随分幅のある城壁だねぇ。』 ボクは、何とはなしにマコトに話し掛ける。 『ああ、ありゃ、城壁ってより一つの施設だな。 まぁ、中には実際に施設が色々入っているんだが。』 『確か、オレらが前にココに来たときには建設中だったけれど、一個大隊が当直できる設備もあるし。』 ヨモギも話しに入ってきた。 『それに、あの城壁、蒸気機関によるカラクリだらけみたいよ。』 馬車のからは、城壁が見える。 所々から生えている煙突は、今も煙を吐きつづけている。 『そういえば、ファイヤーウォール・プロジェクトルームなんてのが、あったけれど。』 『ああ。 あの城壁の最大の防御手段だな。 ああやって、入り口をがっちり固めて、ソレをファイヤーウォールでさらに固める。』 『まぁ、町一つをファイヤーウォールで取り囲むよりは、よっぽど経費の掛からない方法だな。』 ボクの言葉に、マコトがサッと答えてきた。 『なるほどなぁ。 必要な個所にだけ必要なものを配置するか・・・。』 『そう言うことだ。』 そんな会話を続けていると、馬車の揺れが小さくなる。 『お、町に入ったな。』 ヒイラギが声を挙げる。 周りに建築物が無いが、下を見ると、地面にレンガが敷き詰められている。 そして、間もなくしてチラホラ建築物が見え始め、遂には複数階層の建築物が見える。 どれもコレも、石造りだ。 どんどん流れていく、いろんな建物を眺めていると、馬車が広場で止まる。 『ありがとな、おっちゃん。』 マコトがそう言い降りる。
ボクもそれに続いて降りた。 『ココは?』 マコトに聞く。 『ココは、乗り合い馬車の発着場だな。 市内の西側発着場になるな。』 『市内には、東西南北と中央に発着場があって其々の発着場は直通馬車が通ってるんだ。』 『さらに、市内大通りには巡回馬車が走っている。 コレがシーの誇る定期巡回馬車システムで、人の流れをコントロールしてるんだ。』 マコトがメモ片手に得意げに答えた。 『へぇー。 そりゃ凄いわ。』 ボクは、しきりに感心する。 ココまで完全に機能している公共交通機関は滅多にお目にかかれない。 『次は、市内巡回馬車だ。 魔術組合前を通るのは6番馬車だな。』 マコトがそう言いながら、広場を歩き始めた。 そうして、馬車を乗り継ぎ魔術組合の正面に降り立つ。 重々しい扉に「シー魔術組合」と文字が書いてある。 なんとも古古しい建物だ。 まるでお化け屋敷の風体に思えてしまう。 『いよっと!』 マコトが気合を入れてその扉を押し開ける。 「ギギギ・・・」 鈍い音を立てて、戸が開いた。
>>661 早朝からお昼頃に掛けて、なんだか鯖が落ちていたみたいですねぇ。
なんだか、気が付かぬうちに色々な書き込むが増えていますねぇ。
よかった、何とか活気がぶり返しつつあるみたいですね。
維持させておいて良かった出在ります。
今回の書き込み・・
あああ・・・もう少し書ける筈だったのだけれど、もう寝ないと時間がマズイので。
ココまでで今日の分は打ち切りであります。
お二人ともお疲れ様です。気合入ってましたねぇ。
>>655-665 さん できれば名前欄入れてもらえますか? 他の人のコメントと
区別が付けづらいですし、コメントも指しづらいので。 現実とシミュレーション
の世界が交互に入れ替わるので描写が難しそうですね。
KAERUさんは効果音の入れ方が上手いですね。読んでいてその場面が想像
し易くてとても良いです。
PDFマダー
>>677 著作者の方の許可が必要でしょやっぱ
闇より深き漆黒のドレスを纏い冥府の国より深き底に佇む姫よ
闇に取り込まれることを拒み闇に自ら溶け込んだ姫よ
・・・なんかマ板的なネタと絡み合わせてみたいなと
名前なんにしましょうか。とりあえず、話に出てくるゲームのタイトルで(長
で、pdfですが、自分はOKです、つーかむしろ光栄です
キサマノハナシナンカシテネエッ
( ・∀・) | |
と ) | |
Y /ノ 人
/ ) < >__Λ∩
_/し' //. V`Д´)/
(_フ彡 / ←
>>679
>>679 了解しますた
できたら書き込みます
お話聞いてますよ
転載許可もらったリスト
名前:TechnoWarrior ver.501Advance 許可日:03/06/23 21:34
648→678です ややこしくてすまそ
PDFじゃなくても、どっかでサイト開いて そこで保存・公開すればいいんじゃないの?
というか印刷してどうするの?
読むんでねぇ?
PDF にするのは掲載内容の保護等便利だと思ったんです。 サイト作って更新する暇もあまりないので。。。
687 :
仕様書無しさん :03/06/25 22:05
保守上げ
688 :
sea-4 :03/06/28 06:00
何となく私も投稿してみたくなってきたんですが・・・ とりあえず、ちょっとだけ。割り込んでたら、ごめんなさい。 すべては、その瞬間に始まった。 ~/prj/test $ a.out ぼーっ、と白い光が目の前に現れ、意識が遠のいていった。 「まただ。」
このタイミングで書き込んでいいのだろうか…。
>>665 の続き。
---- ここから ----
**** SIGN IN RYUYA ****
リュウヤ「…☆☆☆」
世界は暴走した。
**** SIGN OUT RYUYA ****
サーバーは再起動中。
人の手によって“球体”の扉がこじ開けられる。
竜也「なあ、リファレンス持ち込めないかなあ」
慎之介「ミイラ取りがミイラになってやがる…」
紫苑「プログラマーですからね、結局こういうの大好きなんですよ」
全員が突っ込む。「お前が言うな!」
太郎「それにしても、VMに?通信系統にM$も2世代前に見捨てたSOAPで?
前時代の遺物ですかこれは」
慎之介「ぼやくな…ゲーム業界なんてそんなもんだ…」
紫苑「面白いからいろんな言語のコンパイラ持ち込めるようにしてみましょうか。
掘り出してみるとこのVM向けのコンパイラって結構あるんですよ。
EiffelにAdaに、ほら、C++まで。C++が使えた方が嬉しいでしょ」
慎之介「…貴様等にインストラクション直打ちされるよりはマシかもしれん…
一応魔法は保護プロセスで発動して暴走しても再起動しなくていいように直しとく…
竜也のは人災だが、すでに組み込んだ魔法にもバグが無いとも言い切れんし…」
**** 回想シーン終わり **** 紫苑「そんなこともありましたねー」 優理「ちょっと、それ、セキュリティホールにならないの?」 慎之介「保護はかけてある。こいつはその実験にちょうどいい」 竜也「直人の奴、びっくりしてるだろうな」 太郎「ちょっくらイベント起動してやるか」 太郎はそう言うと、サーバーの端末を開き、何かのオペレーションを始めた。 **** そして、再び直人 **** 気がつけば、辺り一面闇の中だった。電気の無い村というのはこんな感じなのだろう。 俺は…どうしてしまったのだろうか。 突然迷いこんだ、明らかに日本では無い、欧風のしかし本当のヨーロッパとも思えない村。 周囲は俺が、さも今までもここで暮らして来たかの様に語る。 結婚式と聞いた時は嬉しかったが、今の気分は最悪だ。 ふと、手を見る…暗くて見えない。痛みはまだ無い。 腐食はどこまで進行しているのだろう。 俺は、冴えないプログラマーとして、冴えない人生を送って来たはずで…! デスマーチ帰りに竜也の奴に、何かに誘われた記憶がおぼろげに浮かんできた。 だが、それが何だったのかは思い出せない。 ふと、ユウリさんはどうしているのだろう、と気になった。 婚約者というなら、少しぐらいは心配してくれても良さそうなものじゃないか? それとも、あの男を倒したのを見て、恐くなったのか、それとも、この手を見て…。
これは、夢なのか、現実なのか…。 そこへふと、声が飛び込んできた。 「ナオト!起きろ!」 やはり夢だったのか?俺は、安堵と、少しばかり残念な気持ちと共に、起き上がった。 しかし、目の前にいたのは、鉄とガラスでできたランプを持った食堂のおばさんだった。 「ユウリちゃんが!突然時間構わず森へ出かけたって!」 俺はがばっと起き上がった。 森は確か昼間の男をあんな風にした化け物がいるはず! 「持っておゆき!」 俺はランプを受けとると、後先考えず駆け出した。 街の入り口で、鎧を着た男達が番をしていた。 漫画に出てくるような奴よりは遥かに軽装でそれっぽいが、博物館にありそうな、と言われるとまた違う気がする。 「おい、知ってるか、銀の弾丸が盗まれたって話」 なにかの噂話をしているらしいが、無視してわめく。「森に女性が!」 男達は顔を見合わせていたが、ぽつりと言う。 「…あのな。俺達はこの街に駐屯してはいるが」 …こいつらが、件の我が物顔な騎士か? こんな台詞を吐くようなのは当てにできない。 俺は最後まで聞かずに再び走り出した。 一体なんだって、彼女は森に用があるのだろう? 街の門を出ると、外はもう完全に暗闇で、俺のランプが足元を照らしているだけだ。 森、というのは、昼間の記憶を思い起こせばこちらの方角だったが…。 ---- ここまで ----
明かりの点いていない暗い部屋が目の前に広がる。 『ちわー。』 マコトが小さく声を挙げる。 『来なすったか。』 部屋の置くから、皺枯れた声が聞こえてきた。 それと同時に部屋に明かりが点る。 入って直ぐの部屋は、小奇麗に片付いていて、カウンターテーブルがある。 そのカウンターテーブルの奥には、色々な宝石類や、幾つかの道具類と思わしきものが陳列されている。 何かの受付を行ったり、物品の販売を行ったりする場所らしい。 部屋の隅に、次の部屋への扉が見える。 『そう、その扉じゃ。』 まるで、カエルの動作が丸見えであるかのように、声が再び聞こえてきた。 カエルは、扉に向かい歩みを進める。 マコト達が後ろから着いて来た。 ドアノブを回し扉を開けると、次の部屋が見え出す。 奥の部屋は、乱雑に散らかっている。 多種多様な書籍類に、道具類が所狭しと放置してある。 『うげ。』 ヨモギが後ろから短く声を挙げる。 『なかなか、賑やかな部屋だなぁ。』 マコトも少し顔を引きつらせながら、そう言う。 『ホレ、速よ進まんか。』 声が急かしてくる。 カエルはその部屋を突き進み、更に奥の扉のノブに手を掛ける。 「ギギ」 扉が短く悲鳴をあげ、開く。 『ようこそカエル。 私はシーの魔術組合、組合長。』
足を一歩踏み入れると同時に言われた。 部屋の奥に見える老人は、椅子に座りこっちを見据える。 『ようこそ、みなさん。 さぁ、席についてください。』 そう言い、座るように促す動作をする。 『随分遅くなったのう。 数時間は早いと思っていたのじゃが。』 組合長は早速話を切り出す。 若い、ローブを羽織った男が飲み物を出してきた。 『あ、はい。 城塞で色々ありまして。』 マコトが答えた。 『カエルは身分証明書を持っていないからのう。 そりゃ怪しまれるわい。』 『まぁ、良い。 してカエル。 お前はこの世界の人間じゃないな?』 突然の強烈な質問に言葉が詰まる。 『うええ?』 訳の分からない言葉が口から出てしまう。 マコトたちも呆気に取られている。 『どうじゃ?』 組合長が促してくる。 マコトたちも視線を注いできた。 カエルは呼吸を整えると口を開く。 『はい。』 短くそう答える。 『オイオイ。』 マコトが隣で短く、まるで信じられないものを見る目をしてくる。 『どれ、詳しく話してくれぬか?』 組合長はそう、促してきた。
『はい。』 そう答え、カエルは少し考え込んだ。 何処から話すべきな悩んでいるようだ。 少しの静寂の後、カエルは懐からライブラリ手帳を取り出す。 『最初の兆候は、この手帳を手に入れてからでした。』 カエルは、手帳を手に入れてから次の日に目覚めて魔物に鍵を捻じ込むまでを説明する。 『だから、所属国家を聞いた時ニホンとか言う聞いたことも無い名前を出してきたのね。』 ヨモギが難しい顔をしながら言う。 『過去、何回かこうして異世界の人間が紛れ込んでくることがあってな。』 そう言いながら組合長が一冊の書籍を取り出す。 開いて見ると、そこには様々なことが書いてある。 『それは、異世界から来た人間の記録。 そこに書かれている記録によると、異世界から来る人間は大抵、魔力に長けていると書いてある。』 『その強大な魔法力を求めて、争いが起こったことも数多ある。』 数ページをぺらぺらと流し読みをすると、確かにそう書いてある。 どうも、プログラマーが結構な頻度でこの世界に飛ばされているようだ。 『で、この人たちって、その後どうなったの?』 カエルが本の流し読みを続けていると、マコトが口を開く。 『そのまま定住し、この世界で最期を迎えた者も多くおる。』 『ってことは、帰った人間も居るってことですよね?』 カエルが本から視線を上げ、組合長を見据える。 組合長は口を硬く閉ざしたまま、何も言わない。 『え?』 カエルは不安に駆られる。 暫く待つと、ようやっと組合長が口を開く。 『帰るために、一旦旅立った者も多い。 じゃが、途中で挫折して戻ってきた者が多い。』 カエルは押し黙る。 『で、でも、戻ってくる者が多いってことは、一部は元の世界に戻ったってことだろう?』 マコトがフォローをする。 『ううむ。 どうなのじゃろうなぁ。』
組合長はそう言い、天井を眺め始めた。 『どうって・・・。』 『死んで、町まで戻って来れなかったのやもしれぬ。』 組合長の声が重い。 『そんな・・・。』 カエルが悲痛な声を挙げる。 『元の世界にちゃんと戻ったかどうかなんて、どうやって確認する? 分からぬじゃろう?』 最もな意見だった。 『それに。』 また続きがあった。 『この世界から出ることが出来たからといって、元の世界に戻れるとは限らないからの・・・。』 組合長は、カエルを真っ直ぐに見据える。 『それで、どうするんじゃ? それでも元の世界に戻りたいのか?』 この室内の全員の視線が、カエルに刺さる。 カエルは暫く下を向いたまま押し黙る。 暫く静寂の間が続くと、決意し口を開く。 『はい。 ボクは、元の世界でやりたい事が沢山あります。 それに、ボクを必要としている人たちが居ます。』 『自分のためにも、ボクを必要としている人たちの為にも、ボクは帰ります。』 その目は、組合長を真っ直ぐ見据えている。 『良い目をしておるな。 そうか。 ソレならば、ワシからは何も言うことは無いの。』 組合長の顔は優しい顔で、カエルを見ていた。 『そうかー。 帰っちゃうのか。 惜しいなぁ。』 今まで静かに聞いていたヒイラギが口をあける。 『で、マコトどうするの?』 ヨモギが出された飲み物を飲みながらマコトに聞く。 『ううーん。』
当のマコトは腕を組んで考え始めてしまった。 『あの。』 カエルが口を開こうとすると、マサキがソレを掻き消すように声を挙げた。 『私は、カエルが元の世界に戻るのを手伝うわ。 あの森で出会ったのは、きっとそういう運命だからよ。』 『そうだな。』 マコトが同調してきた。 『ココまで来たんだ。 いまさら引き返せないし。 それに。』 そこで一旦言葉を切り、カエルの方を向く。 『国の命令で動くのも楽でいいけれど、そんなことよりも、コイツと一緒に居る方が百万倍は面白そうだからな。』 その顔は笑顔だった。 『ありがとう、みんな。』 カエルは、そこで声を詰まらせる。 『話はまとまったようじゃな。』 組合長が席を立つ。 『さぁ、夜ももう遅いし宿に案内しよう。』 組合長がさっきカエル達の入ってきた通路を逆向きに進む。 そして、外に出て組合の隣の施設へ入っていく。 『あら、魔法おじいさん、いらっしゃーい 他の方々も、いらっしゃい。』 宿屋の女将が挨拶をしてくる。 『よ、おばちゃん。 これが、さっきの予約五人じゃよ。』 組合長はそう言い、マコト達五人を女将と呼ばれた恰幅の良い女性の前に出す。
『あら、魔法おじいさんに、おばさんて呼ばれるなんて年じゃありませんよーって、何時も言っているでしょう?』 『ささ、若い方々、二階に部屋が用意してありますよ。』 女将は組合長と軽くやり取りをすると、二階に上って行き、二つの部屋の扉を開ける。 『こんな遅くまで、ご苦労様。』 声を掛け部屋に入るように促してきた。 『そうじゃ、忘れておった。』 そう言いながら、組合長が階段を上ってくる。 『明日、もう一回魔術組合を訪れなされ。 面白いものを見せてやるわい。』 『あいよ。』 マコトが振り返りながら返事をする。 『うん。 それじゃ、おやすみなさい。』 組合長が深深と頭を下げると、カエル達もつられて頭を下げる。 『おやすみなさい。』 声が合わさる。 部屋に入り、そのままベッドに倒れこむ。 『ふわー。 流石にキツかったなぁ。』 そう言いながら、マコトは既にベットにもくぐり込み、ヒイラギはベットの上で既に寝ている。 カエルもソレに習い、ベットに潜り込み、眠りにつく。
やっと、先週分が書き終わった・・・。
最近、急に活発に書き込まれるようになってきて、嬉しい限りであります。
個人的な目標は、このスレを1000まで使い切ることー!
>>688 この続きが気になるわ・・・。
>>689-691 こういうのも、結構好きですなぁ。
「アキ〜、遅かったじゃない。」 えっ、と思って振り返った瞬間、空が光った。 「危ないっ」 彼女をかばいつつ、上空に片手をあげる。 円形の半透明なシールドが現れ、光はすーっと横にそれて行った。 「今の、危なかったねぇ。」 緊張感のないミナの言葉に、いつも調子を崩される。 「危ない時は、ちゃんと避ける!」 「はーい。」 この世界では、勇者なのだ。本来、剣で戦うべきなのだろうが、 いつも、魔法で片付けてしまう。うーん、ジョブ間違ったかな・・・ 「ねえ、今日はどこ行く〜?」 彼女はミナ。活発な性格なのだが、今ひとつ緊張感に欠ける。 この世界で初めてあった人間だ。 人の背後から急に現れるのを特技にしているらしく、 今日もみごとに登場してくれた。おかげでいつも心臓が止まりそうになる。 「そうだな・・・東に15、北に1のところ」 「もう。地図開いてて、何で座標で言うかなぁ・・・」 「えっとぉ、マルクだね。昔は水銀の産地で、 今は工業製品を多く作ってるところだね。」 旅行好きの彼女は、観光ガイドを目指していただけあって、 各地の情報に詳しい。この世界では弓使いだったり するのだが・・・
この世界に初めて来たとき、夢みてるのかな・・・という 感じだったのだが、何となくちがうのかな、と思い始めている。 何度来ても、エントリーポイントはいつも同じ場所だし、 それに・・・ 「ぼーっとしてないで、行くよ〜」 「いっぱい見たいところあるんだから・・・」 と言い終わると同時に、彼女はしがみついてきた。 そう、これがもう1つの理由。 目的地への移動は、空を飛んで行くことが多い。 飛空挺とかあったらいいのに、と思いつつ 地面から1m程度のところを飛ぶのである。 最初は誰でもそうするものだと思っていた。 でも、ミナはできないらしい。理由を聞いてみたら、 「え〜、だって、そんなアビリティないもん。」と言われて しまった。それ以来、ずっとこんな感じである。 「ほ〜ら〜、もっと早くぅ。朝ご飯食べられないでしょ・・・」 おなかがすいたまま飛ぶ、こっちの身にもなってくれぇ、と 思いつつ、爽やかな風の中を進むのであった。
sea-4でございます。
皆様の名作、楽しく読ませていただいております。
KAERU様の目標「1000まで使い切ることー」(
>>698 )
ぜひ、達成したいですね。私も応援いたします。
では、またお会いしましょう。
KAERU様の関数仕様っす。 こういうのもまとめていくと楽しいかも。 ---------------------------------------- Temperature 概要 ・対象の物体から温度置換地点へ熱を移動させる 引数 ・相対温度正負 移動させる熱量を相対温度で指定する ・温度置換地点 温度を移動する場所 NULLの場合、辺りに発散する 戻り値 ・実行後の絶対温度 相対温度正負が0の場合は現在の絶対温度となる
こんな感じでしょうか。マニュアルのどこかに埋もれてる関数・・・ -------------------------------------------------------- ktoc(kelvin); 概要 ・絶対温度を摂氏温度に換算する 引数 ・Kelvin 変換元の絶対温度 戻り値 ・変換後の摂氏温度 ktocは,Kelvinから273.15を減算した値を返します。 -------------------------------------------------------- とりあえず、引数の型とかは考えない方向で・・・
>>702 ありがとうございますであります。
でも、引数が一個足りないのでちょっと修正を。
引数
・温度置換元 熱量を移動させる元のポイント
・温度置換先 熱量を移動させる先のポイント
・相対温度正負 0、正の値、負の値のどれか。
こうしないと、ターゲットの指定ができないので・・・。
KAERU様ご指摘ありがとうです。 確かにターゲットが指定できないですね。 ということで修正版です。 -------------------------------------------------------- Temperature 概要 ・対象の物体から温度置換地点へ熱を移動させる 引数 ・温度置換元 熱量を移動させる元のポイント ・温度置換先 熱量を移動させる先のポイント ・相対温度正負 0、正の値、負の値のどれか。 戻り値 ・実行後の絶対温度 相対温度正負が0の場合は現在の絶対温度となる --------------------------------------------------------
>>705 ご・・・ごめんなさい・・・。
読み返して見たら、ウチの元のシナリオが間違ってました。
引数に相対温度正負と温度置換地点を入れ、返り値は結果の温度の様だ。
って書いてあった・・・。
>>706 >読み返して見たら、ウチの元のシナリオが間違ってました。
いえいえ。とんでもないっす。
#PDF化のときに修正ですかね。
次週(というか今週分か)楽しみにしてます。
KAERUさんの関数 -------------------------------------------------------- Recovery 概要 ・対象を元の状態に回復する 引数 ・対象物 対象となるポイント 戻り値 ・状態が回復したかを返す TRUE 成功 FALSE 失敗 --------------------------------------------------------
>>708 こういうの面白いなあ。
ライトノベルの単行本の後ろとかについてくるおまけみたいで。
>>708 ううーん、ちょっと違うです。
概要
・対象の状態を一定時間前まで回復(戻す)させる。
であります。
で、状態が完全に回復(傷が無くなる)とTRUEが返るようになってます。
なので、カエルは『Recovery』関数をループ処理させたのであります。
細かいことで申し訳ないです(汗
>>710 チェックありがとうです。
ご指摘の部分を修正しました。
--------------------------------------------------------
Recovery
概要
・対象の状態を一定時間前まで回復(戻す)させる。
引数
・対象物 対象となるポイント
戻り値
・状態が回復したかを返す
TRUE 成功
FALSE 失敗
--------------------------------------------------------
>・対象の状態を一定時間前まで回復(戻す)させる。 つまんないこと質問。 それって例えば毒消しを飲んで毒が治った後にかけると、また毒されるんですか?時間逆行の呪文?
>>712 次への伏線かもしれんねw
「Recoveryにセキュリティホールが発覚!」みたいな。
>>712 いや、Recoveryの魔法関数は、『生物』の『外的傷害』に対するモノを対象にしています。
なので、毒・麻痺といった状態異常の他、病気を治すことも出来ないであります。
従って、その逆に状態異常に回復(戻す)ことも出来ません。
一応、最初の方(
>>556 )にもマコトの台詞で
『毒や麻痺を取り除くというのは聞いたこと有るけれど、病気を治すのは魔法では不可能だ。』
とあり、毒・麻痺を取り除く魔法関数は他に存在(*1)するように定義してあります。
ちなみに、『自然治癒』に任せた傷だと、わざわざ悪化させる(傷の深い状態に戻す)事になります。
ちなみに、最初の方(
>>556 )でも話題になった『死人を生き返らせる』という事は出来ません。
死ぬことにより、『生物』としてのオブジェクト情報が失われ、過去の状態(ログ)の保持が出来ないからです。
この辺は、ヨモギの裏設定が絡んできたりするのですが、ソレはまた何時か・・・(何時だろう・・・(泣
*1
Antidote 解毒
Remove 状態異常回復
等
1000が目標なんて、きっとすぐ行っちゃいますよ。
ともかく
>>691 の続き。
---- ここから ----
迷う心配は不要だった。もっと最悪だったわけだが。
道外れ、茂みと森との境目ぐらいのところに、人影がいる。
女性っぽい。俺は直感的にユウリさんと思った。
しかし、人影は一人分では無く、もう少し身長の低い影も幾つか見える。
連中は、俺の持っている明かりに気づいたのか、動揺を見せた。
俺も無論、心の準備ができていなかったタイミングなので、内心は汗だくだった。
ユウリさんが、声にならない悲鳴をあげているのがなんとなくわかる。
その後ろにいたのは…肌ではなく毛?目をこらしてみると、三角形の光る目が
俺を睨んでいるのが見えた。人間じゃ無い!?
これは…。
俺は彼女を信じた。
「伏せて!」
俺は駆けてゆく。身体が軽い。俺ってばこんなに足が速かったか?
こんな時なのに、気持ちのいいぐらいの疾走感。
近づくにつれ後ろに居た連中の全貌が明らかになる。
毛むくじゃらの顔、尖った目…そうか、狼の目なんだ…!
ロクに犬すら直視したことがないというのに、その時はそう思った。
「来ちゃだめぇ!」
突如、彼女が叫んだ。
だが既に、俺は既に彼女を半歩通り過ぎ、狼の目と対峙していた。 ひとつ…ふたつ…みっつ…ギョロ…!? 突如、俺の背中に凍る汗が流れた。さっきは見えなかったが、連中の後ろに、 更に、縦長の、猫科の目。青白い、いや、灰色の肌。 まるで生気が無い。しかし、動いている。 俺が、いや俺達が凍りついていると、狼目の連中は周りを取り囲むように散開し、 猫目の化け物は、ゆっくりと手をあげた。 爪が尖った、三本しかないその指には、長老が持っていたのと同じような 指輪がはまっている。奴は、その指を伸ばし、俺に向けて歩いてくる。 ここは…ここは…ここは…戦わなきゃ、男じゃ無い! 俺は、震える足を踏んばり、ピエロのような奴の顔を見据えて、前へ踏み出そう、 その瞬間、背中に衝撃が走り、俺は突き飛ばされ土を食った。 俺の頭に液体が降って来た。 見上げると…。 無気味に発光した灰色の腕が、ユウリさんの服と皮と内蔵とを突き破って、 腹を貫通している。 飛び散る内蔵。滴り落ちる体液が、再び俺の顔に降り注ぐ。
俺は立ち上がると、彼女の背中から生えた灰色の腕に組みついた。 奴に反応は全く無い。 続けて、無我夢中でそいつの指に噛みついて、指ごと食い千切った。 気味の悪い味がする。どこに落としたか遠くからの角度のあるランプの光りに照らされた 血は不健康を通り越して悪寒を感じる紫色。 構ってられない。俺はそいつの指を吐き捨て、指輪をつかむと、自分の指に滑り込ませる。 for(world::iterator it = nears.begin(); it < nears.end(); ++it) if(dynamic_cast<monster*>(it) != 0) delete it; 唱えたコードが文字となり、俺の周りを舞う。昼間と同じだ。 しかし、無情のSyntax Errorが、目の前を去っていった。 俺は自分の脈拍を意識しつつ、指輪と彼女と化け物を交互に見て…C++じゃないのか? ふと、文字が浮かぶ。 $ 反射的に叫ぶ。「ps -e」 それらしいのを適当に選ぶと、俺は連呼した。「killっ!killっ!killkillkillkill…」 気がつくと、奴らは全てくたばっていた。
俺はその場にへたり込むと、化け物にしなだれかかって倒れている彼女に触れてみた。 脈が感じられない。健康的で真っ白な皮膚が、崩れかけている。 そういえば…俺は自分の手と見比べてみた。やはり俺の手もぼろぼろと皮が罅割れてきている。 女性の死体なんてものを眺めるのも不思議な気分だ。 ふと、彼女のポケットが丸まっているのが目にとまる。 手を入れてみると紙が入っていた。 何やら葉っぱらしきスケッチと、知らない文字が書いてある。 その文字に触れてみると、ふっと、日本語が浮かび上がった気がした。 『屍肉病に効く薬草』 俺は涙をぼろぼろと流しながら、ひとり夜の森を彷徨った。 東の空が朝焼けに染まる頃までには、スケッチの薬草を探し処方を済ませられていた。 全身を赤と青の血で染め分けながら帰り着いた俺は、街に入る気がしなかった。 親、も、いるらしいが、俺の知っている俺の親と同じとは限らないし、今は会いたくない。 何事かと近寄って来た人に、彼女の位置を教えただけだ。 彼女を抱えて帰ろう、とか、墓を作ろう、とか、そんな勇気はとても無かった。 ただ、俺の指には、指輪がはめられたまま。 気味が悪いしとっとと捨ててしまいたいが、力の入れ過ぎで筋肉がこわばって抜けない。 ただただ、門のところでぐったりと地べたに尻をつけてうずくまっていた。
ぼーっと、日が昇るまで待って、ぼーっと、中天になるまで待って…。 朝方は何事かと近寄って来た人たちも、今では憐れみの目つきで通り過ぎるだけだ。 前方から、また人が一人やって来た。 彼も通り過ぎるだけだろう、と、視線だけで追っていたら、俺の前で足を止めた。 見ると黒尽くめに白、十字架、神父さんのような格好の男、やけに美形で、しかし、 中学生か高校生程度の年齢だ。 「よう、やっと仲間に出会えた。俺はシンプソン」 仲間…? 「見たところ攻撃魔法タイプのメイガスだな。俺も魔法使いではあるけれど、 ネクロマンサーなんで直接戦闘はからっきしだ」 メイガス?ネクロマンサー? 「ようやく最下級のアンデッドが召喚できるようになったんだぜ。盾はいくらでも作れるから お互い役に立つと思う。パーティ組まないか?とりあえず…」 そういうと、中学生か高校生にしか見えない神父は、地面に円を描いた。チョークも 使わずに、指ですーっと円をなぞると、その跡が光っている。 円が光ったかと思うと…出て来たのは、二本足で立つ、狼の目をした、崩れた皮膚の…。 俺は、夜と変わらない、その顔を見た途端、反応していた。指輪をかざす。 光の円も、そこから出て来た怪物も、奇麗に消え去った。
「おい、何をする!」 血相を変えて、男は俺に掴み掛かった。俺には確信のようなものが生まれていた。 襟をつかまれながらも、相手の腹に指輪を突きつける。 ネクロマンサーは、瞬く間に息絶えた。 崩れ行く男を見下しながら、ズボンの埃を払い、俺は立ち上がった。 目に映るは、まるでCGのような澄み渡った青空。 少なくとも、彼女は、ユウリさんは俺の為に死んだ。 なら、俺がここでやるべきことは…。 ***** SIGN OUT NAOTO ***** 突然目の前がふっと暗くなった、かと思うと、スリットが生まれ、光が射し込んでくる。 この光は、見慣れた蛍光燈の光… ---- ここまで ---- ようやく旧verを追い越せました。
1000まで行く前にスレ容量どうよと思ったけどまだ余裕あるね。
Recoveryの魔法関数をオブジェクト指向チックに考えると 全体のフィールドクラスがあって そのサブクラスとしてバトルフィールドクラスがある。 で、フィールドクラスのインスタンス変数として、 複数の物体クラス(?)があって そのサブクラスとして人間クラスやらモンスタークラスやら噴水クラスやらがある。 と、するとRecovery関数(メソッド)は 物体クラスのメソッドになるのか?
>>722 な・・・なんだか難しい話になっていますね(泣
さすがマ板であります。
ごめんなさい、その辺のプログラムの詳しい部分はボクまだ分からないのであります。
えっと、感覚的には、
『物体』という大きな一括りがあって、それは『生物』と『非生物』に分かれますです。
『生物』の方はさらに、『魔法生物』『動物』『植物』等に別れていきます。
このうち、『動物』はさらに『人間』や『鳥』『魚』等に細分化されます。
Recoveryの魔法関数は、『生物が対象』の規約になっていますけれども、実際には対象は『動物』になります。
『動物』が持つ『状態の過去ログ』を元に、状態を戻していく(ロールバック)するのが『Recovery』の魔法関数になります。
植物系の場合、生物としての単位時間が長くなるので、動物とは違うログを持っています。
従って回復(状態を戻す)魔法関数は存在しますが、『Recovery』とは違う魔法関数になります。
魔法生物系は、『非生物』分類を無理矢理『生物』分類に変換しているので、過去ログそのものを持ち合わせて無いです。
『状態の過去ログ』は定期的に自動でとられるのかな? あと任意の時間にSnapShot をとっておいたら、Recovery で一気にそこまで 戻れそうで良いですね。すこしずつロールバックするよりも魔法消費が少なさそう ------------------------- $ ps -e で kill; kill; kill; ... は恐いですね〜 (^^;; 下手すると自爆 しそうですね。
>>723 (オブジェクト指向チックに)整理してみると、
物体
├─────┐
生物 非生物
├──┐ │
動物 植物 魔法生物
├──┬─┐
人間 鳥 魚
・Recoveryは生物クラスの関数
・Recoveryは動物クラスでオーバーライド(再定義)されている
・ログは生物クラスのプロパティ
のようですね(あってますか?)・・・
>>724 SnapShot、何か写真機が出てきそうな雰囲気・・・
あと、(Recoveryでは難しいかもしれませんが、)
ストアード・プロシージャとかはどうでしょう。
使用者側の魔法消費が少なくなる&速度向上が期待できそう?
>$ ps -e で kill; kill; kill; ... は恐いですね〜
確かに自爆しそうですね。あと、psに潜在バグがありそう・・・
-------------------
私もそろそろ、仕様を決めた方がいいですか?ということで、一部公開。
○ 登場人物について
アキが単体で使う魔法は、実は防御魔法だけである。
移動(飛行)は、OSに依頼して行うもので、HP、MPを消費しない。
ミナは基本的に、アキのライブラリである。メモリの一部も兼ねる。
ただし、アキはそのことに気づいていない。
○ この世界の地名について
マルク(Mercury):水星に由来する。旧世界に存在したといわれる
ドイツに模して作られたという。各種武器をカスタマイズする工房がある。
今のところ、こんな感じです。
//マルク編 開始 「着いたね〜」「あの店、行こ〜」 指差した先をみると、朝なのに、すでに行列が出来ている店があった。 「あれ、おかしいなぁ、メニューが変わってる」 「情報を訂正。メニューにザウアー・クラフトを追加っと。定番だよね・・」 ミナはメモを見ながら、他に変更が無いか確認している。 「もしかして、ミナさん?お待ちしておりました」 「いやぁ、本当に来てくださるとは。さあ、どうぞどうぞ」 ミナって有名人なのか?と思いつつ、店の中に入った。 「遠いところ、ようこそお越しくださいました。本日は当店のおごりということで」 「じゃあ、メニューはお任せします。」 「わかりました。」 店長らしき人物は、後ろに控えていた店員に合図をする。 「早速ですが、本題に入らせていただきます。最近、この近辺にも魔物が 出るようになりましてな、観光客が減って困っておったところなんです。 それで地元の商工会で話し合いをしておったのですが、そこで、昔、 ミナさんを見たという者がおりましてな。魔物退治をしているところ、 すごかったらしいですな。千匹とも一万匹ともつかぬ魔物を一瞬にして 倒したとか。」 「(・・・見られてたか・・・)そんなこともありましたね・・・」 「で、お引き受けいただけますでしょうか」 「少し考えさえていただいても?」 「そうですね。来て早々に、というのも。わかりました。まずは 市内の観光でもしていただいて、現状を見ていただくのがいいですね。 ホテル等も手配しておきましたので、そちらをお使いください。」 「ありがとうございます。では、3日後にお返事をさせていただきます。」 「良いお返事をお待ちしております。料理も来たようですので、 ごゆっくりお楽しみください。」
「あれぇ、深刻な顔してるね〜。どうしたの?」 う〜ん、ミナの過去には何があったのだろう・・・ 「魔物退治かぁ。いままでは、魔物とか、襲われても防御して 切り抜けるだけだったからなあ。退治なんて考えてもみなかった。」 「大丈夫だよ。だって、ミナがいるじゃん。」 えっ、と思う俺。 「前のマスターも、最初はそんな事いってたよ。慣れれば何でもできるから 大丈夫だって。」 ミナの過去には何があったのだろう・・・ 「前のマスター?だって、俺、マスターじゃないし。」 「あっ、ひっどーい。やっぱり忘れてたんだぁ。初めてあったとき、 『ご主人さまぁ』って言ったら、『はいっ?』って振り向いたくせに」 あれは事故だぁ。だって、いきなり声かけられたら、振り向くでしょ・・・ でも、あの出会いは運命的なものだったし、ま、いいかな 「事故だって思ってるんでしょ?じゃあ、もう一度やるから、 今度は本気で答えてね」 「ああ、わかった」 「マスター?」 「(・・・しばらく考えてみた。これから始まるであろう冒険の日々。 これまでの事。ミナとの関係・・・)」 「マスター??」 「はい。」 「『アキ』をマスターとして登録。アキまたはミナが消滅するまで、 この登録は抹消不可。」 「えっ?」 「気にしない、気にしない。じゃあ、あとで工房に行こうね。」 「このザウアー・クラフト(改)っておいしいね。新商品ってこれのことだったのか・・・」 俺もミナの真似をして日記をつけよう。7月4日。ミナの秘密を知る。 世界中のおいしいものを探して旅をしていた、というのは本当らしい。 ただし、魔物退治のオプション付き。ミナは緊張感がないというのは間違いで、 余裕でかわしていた、ってことか。
工房の建物は、一見すると教会のようであった。何でも、創始者が 「物作りには、精神の集中が必要である。クラフトの中に全神経を注ぎこんだとき、 極みを見るのである」とのたまわったのである。(と石碑にかいてあった) 「教会って、昔資料で見たことがあるけど、椅子がならんでるんじゃなかったっけ。 通路の横に畳が敷いてあるのって・・・」 「そうだね。昔のことを知っている人は少なかったから、色々混ざったんだね・・・」 ミナは知ってるのか??? 「ところでさ、前のマスターってどんな人だったの?」 「えっ、9999代目マスターのこと?」 「そうだなぁ、」と言いながら、目の前の壁を何気なく通り抜けるミナ。 俺は壁に恐る恐る触ってみた。 「認証開始。ユーザー名、アキ。ミナのマスター。ゲートシステムへようこそ。 初めてのログインですね。簡単にシステムをご説明いたします・・・」 「うわっ、壁がしゃべった。」 「あっ、ごめんごめん。アキは初めてだったよね。マスター登録と同時に アカウント作っておいたから通れるでしょ?」 「あ、ありがとう。」 「さあ、驚いてないで入って。」 あたりを見回すと、いたるところに数式のようなものが書かれている。 壁に触れてみると、数式と画像、プログラム、ヘルプが浮き上がって見える。 「おもしろい壁だね。どうなってるんだろう。」 「それはマスターが代々受け継いできたシステムの一部だよ。 昔の有名な科学者の理論とかいろいろ入ってるらしいんだけど、 私にはよくわからない。あ、でも1つだけは知ってるんだ。 魔法はエネルギー変換の1形態である、ってやつ。前のマスター、 その言葉好きだったから。」 暗くてよく見えないが、ミナの顔に一瞬、水滴のようなものが見えた気がした。 「ミナ様、お久しぶりでございます。そちらの方は、新しいマスターですね」 「久しぶりだね。ここ、しばらく来なかったもんね。」 「私どもも心配しておりました。ここにマスターをつれて来られるということは、」 「お願いします。」 「了解いたしました。さ、アキさま、こちらへどうぞ。お疲れでしょうから、少しお休みください。」
一瞬、頭の中を# shutdown -h nowという文字列が通り過ぎていったように感じた。 「どう?できるかな?」遠くの方でミナの声が聞こえる。 「お任せください」侍従長(?)らしき声も聞こえる。 そうか、メインシステムが落ちてるんだな。生命維持系だけはバックアップに 即時切替で動いてるってことか。こんなことできるんだ・・・しばらくの間、静かな時間が流れる。 「では、組み込みます。テスト項目すべてクリア。起動します。」 久しぶりに見る起動画面・・・あれ、早い。 「アキ〜、おはよう!よく寝てたねぇ。」 なんだかよくわからないが、よく寝たことは確かだ。 「おはよう。寝てる間に何があったの?」 「ちょっと改造。ハードのリプレイスとインターフェイス周りの変更かな・・・」 「そっかぁ。(って、ちょっとじゃない気がするんだが・・・)それで起動が早かったんだね。」 「ばれちゃったか。記憶とかは全部コピーしておいたから大丈夫だよ。元のディスクは 厳重に保管してるし。これで多少ハードな状態に陥っても大丈夫。」 ・・・何かいやな予感が・・多分大丈夫だよね。きっとそうだ。見た目でわかる変更といったら、 剣の柄の模様が変わったかな、ぐらいの所だったのだが、甘かったようだ。気分が少し悪くなってきた。 「最初のうちだけだよぉ。大丈夫、大丈夫。アキなら耐えられるだけのキャパあるから。」 「じゃあ、早速、壁を見てみよう。さっきと違って見えるでしょ?」 俺は言われるままに壁の方を見た。壁が一瞬光り、あちこちに光の筋ができた。 すべての文字がものすごい速さでスクロールしている。 「わ、すごいすごい。さすがだね。」 「どうしたの?」 「アキの処理速度、今までのマスターと比べ物にならないほど早いんだもん。単純に 並列度が上がっただけじゃないみたいだね。」 「えっ?並列度?」 「もう処理おわっちゃった」 「アキさま、さすがでございます」 壁を見ると、いたるところに「処理終了」と書かれていた。よく分からないが、そういうことなのだろう。 「さあて、観光、観光っと。爺、ありがとう。」 「行ってらっしゃいませ」 この変更の意味に、俺は、まだ気づかないのであった。 //次回更新まで一休み。誰も期待してなかったら・・・ということで、感想希望
おもしろそう! 続きを期待してますよ! (^o^) ときどき誰が喋ってるのか判らなくなるのがちょっとマイナス。 行間を調整するともっと良くなると思いますよ。
>>730 ありがとうございます。これで続編が書ける・・・
>誰が喋ってるのか・・
名前を入れた方がいいですか?
例: アキ「どうしたの?」
>行間を調整・・・
改行制限、字数制限がぎりぎりなので・・・(
>>729 が限界)
スレ消費を抑えたい、という所もあって、詰めてます。
次回からは、行間を調整したバージョンで行ってみます。
気が向いたら、メールの方にも感想をどうぞです。
sea-4さん (・∀・)イイッ!! このスレ 文豪そろってるね。 ゲリラ修業中さん 灰色のPG さん C1(シィプ・ラプラ魔術師) さん 5.5pt魔術師さん KAERUさん TechnoWarrior ver.501Advanceさん sea-4さん すばらしい
//
>>732 ありがとうございます。文豪ぞろいのスレに参加させていただいて、うれしいです。
//では、開始〜!
ミナ「私、一度行ってみたいとこあるんだ。連れてってくれるかな・・・」
アキ「どこ?」
ミナ「この写真に写ってるお城のてっぺん。」
アキ「えっ?」
この城は、確か ノイシュヴァンシュタイン城。有名な所だから、行ったことあるはずじゃ・・・
ミナ「ねぇ、行こ?」
アキ「じゃあ、つかまって。」
ミナ「わーい。しゅっぱーつ!」
もう昼が近いので、少し気温が上がってきている。いつもなら、暑っ〜、と思ってゆっくり
飛んでいるはずだった。しかし、今日は違っていた。
アキ「わっ、ぶつかる・・・」
ミナ「大丈夫だよ。上昇っ!」
ふぅっ、っと体が軽くなる気がした。同時に気温も下がって、気持ち良い。
アキ「あれ、こんなに高い所飛べるんだ。景色、最高〜!」
ミナ「ね、いいでしょ。改造したとき、一緒にお願いしておいたんだよ。」
そんなこと、してたのか・・・まあ、この程度ならいいか。
ミナ「じゃあ、ついでにもう1つ試してみよう。制限解除。最大巡航速度まで加速!」
アキ「えっ?巡航??」
一瞬、周りの世界がゆがんで見えた。確か数世紀前の理論で、速度が光速に近づくと
周りがゆがんで見える、というのが・・・ということは・・・
ミナ「そうそう、それだよ。光速の99%ぐらいで飛んでみたから。」
アキ「なんだ、そうだったのか・・・」
今は無理にでも納得しておいた方がよさそうだ。どんなことが起こっても・・・
ミナ「じゃあ、てっぺんに登ろう」 アキ「あそこでチケット売ってるみたいだね。買ってくるよ。」 ミナ「てっぺんには、中からはいけないよ〜。上までジャンプ。」 そんなことして、怒られないかな・・・ ミナ「もう。大丈夫だよ。はい、こっち来て。」 ふっ、と周りの景色が消えた気がした。気付いたら、塔の上に立っていた。 ミナ「ねぇ〜、いい景色でしょ?ここ来るの初めてなんだぁ〜。」 確かに俺も初めて来たはず。あれっ? ミナ「もう、ばれちゃったか。そう。9992代目マスターが見てた景色だよ。 さっきの写真も、何枚か、ここから撮ったみたい。」 そう、周りの建物が、そして街並みが、なんとなく違って見えていたのだ。 まさか、数世紀前の風景を見るなんて・・・ この間テレビで、「シリーズ 時間を超えた世界」という番組を見た時、 「2、300年後には時間旅行が実用化されるでしょう。」とか言ってたな。 本当に実現しそうだ・・・ ミナ「それは無理。1000年後ぐらいだったら、ありえなくはないけど。」 あれ、さっきから、何か変だと思っていたら、心の中、読まれてないか? ミナ「ハードとインターフェイスの改造に含まれてまーす。表層しかリンクしてないから 今考えてることぐらいしかわからないけどね〜。」 なんだ、そうか。そうなのか・・・って、おい。 アキ「人の心の中、読むなよな〜」 ミナ「マスター登録時の契約書に明記してありま〜す。」 そういえば、そんなものが・・・よく読んでおいたほうがよさそうだ。 すでに深みにはまってる気もするが。
ミナ「契約書、読み直します?」 忘れていた。全て重ねたら2、3mはありそうな・・・気が遠くなって 読まなかったんだ。 ミナ「じゃあ、概要でも。」 って、紙1枚でまとまるなら、最初からそれを出してくれ・・・ 1.マスター(ウイザード)は契約により、使い魔の全ての能力を使用することが出来る。 2.マスターと使い魔は、メッセージおよび直接的リンクにより、情報の送受信を行う。 3.使い魔は、状況に応じ、マスターの能力を代替、使用、あるいは発現することが出来る。 4.以下、都合により省略 アキ「これだけ?」 ミナ「そうだよ。ほとんどはマニュアルを兼ねてるから。」 そうだったのか・・・マニュアルは放置、ってどこでも変わらないな・・・ ミナ「さ、そろそろ思い出から抜け出して、元の世界にもどろうか。」 //ただいま続きを執筆ちぅです。どなたかインタラプトよろしくです。
文字オナニー きしょい
このスレ、おもしろい。 補完サイト作っていいですか?
「コン」 カエルは、何かに頭を小突かれる感覚に襲われる。 『ん・・・?』 カエルの視界に入るのは一羽の鳥だ。 『ソラ・・・おはよう。』 ソラは、再びベッドの縁に乗る。 カエルがベッドから起き出す。 『先に下に行っているぞ。』 マコトの声が廊下から聞こえた。 ヒイラギは部屋から出て行くところだ。 カエルは簡単に身を整えると、直ぐに後を追った。 既に廊下には居ない。 階下に降りると、皆が待っていた。 『おはよー。』 カエルが挨拶をすると、皆が返してくる。 『はい、おはよう。』 さらに宿の女将も挨拶をしてきた。 『さ、朝食が出来ているよ。 食堂はこっち。』 女将に案内され、少し奥に入った食堂に進む。 中に入ると、何人かの宿泊客と思わしき人影が見える。 『適当に座ってね。』 女将はそれだけ言うと、厨房に入っていく。 間もなく朝食を持って出てきて、マコト達は朝食になる。 ちゃんとソラの分もあるあたり、ココの女将は凄いと思う。 『この後って、魔術組合に行くんでしょう?』
真っ先に口をあけたのは、ヨモギだ。 『ああ、なんか面白いものを見せると言っていたしな。』 マコトがソレに返す。 『あの魔術組合の中そのものが、ある意味面白いと思うんだが。』 ヒイラギが、組合内部の部屋の散らかり具合を思い浮かべつつ言う。 『あっはっは。 確かに凄い状態だったねぇ。』 そこからは雑談が始まる。 皆が、最後に出される飲み物を飲み干すと席を立つ。 『じゃ、行こうか。』 マコトが先頭に立ち歩き出す。 『ごちそうさまー。』 カエルが最後に食堂を出て、一旦部屋に戻る。 荷物を持ち、宿を出た。 目指すは隣の建物。 朝でも、夜でも出で立ちは余り変わらない。 ただ、今日は馬車が一台止まっている。 「ギギッ」 軋み音を立てながら扉が開く。 『おはようございまーす。』 マコトが一番最初に入る。 『おお、来なすったか。』 『おはようございます。』 皆が一斉に挨拶をする。 『うむ、おはよう。 それじゃ行こうか。』
そう言い組合長が外に出、マコト達もそれに続く。 『年寄りには、乗り合い馬車は辛くてのう。』 そう言いながら、馬車に乗り込む。 『ホレ、早よう乗りなされ。』 促されマコト達は乗り込む。 『それじゃ、西城塞まで頼むよ。』 組合長は、全員が乗り込むのを確認すると、運転士にそう言う。 『城塞まで行くんですか?』 『ああ、そうじゃ。 魔物の軍の侵攻があるらしいのでな。』 マコトの問いに、組合長が答える。 『いっしょに戦えと?』 不安になったカエルが聞く。 『いやいや、そうではない。 城塞はファイヤーウォールで守られておるから破られはせんよ。』 『じゃが、色々な魔物を見ることは出来るでな、今後の旅の参考にならんかと思ってな。』 幾つか話しているうちに、昨晩通った城塞が見えだす。 『おお、やっとるやっとる。 蒸気機関を全力で動かしとるわい。』 組合長が眩しそうに城塞を見やる。 煙突からは濛々と煙が立ち昇っている。 間もなくして、城塞の入り口に達する。 『それでは、おぬし等は適当に中を巡っておれ。 ワシはちと拠る場所があるでの。』 そう言うと、組合長はさっさと中に入っていく。 『どうしようか・・・。』 いきなり放り出されて、マコトが途方にくれた声を挙げる。 『おう、お前らどうした。』 後ろから突然声を掛けられる。
振り返ると、そこには昨晩の中隊長と言われていた、髭を生やしたオジサンがいた。 マコトが経緯を話す。 『ははぁん。 そう言うことか。』 中隊長は顎に手を当て悩む仕草をする。 『よし、ちょっと待ってろ。 俺が案内してやるよ。』 それだけ言うと、どこかへ走っていく。 『そんな簡単に、中を案内してもいいのかなぁ?』 カエルが素朴な疑問を口にする。 『ま、それだけこの城塞の守りに自信があるんだろう。』 マコトが答える。 そんなことを話していると、さっきの中隊長が紙を片手に戻ってくる。 『さて、行くぞー。』 そう言うと、中に入っていく。 マコト達もそれに続く。 異様にだだっ広い食堂や、兵士の控え室、武具庫、大会議室等を見て回る。 『広れぇなぁもう。』 階を下から回るようなルートにはなっているが、いかんせ施設自体が大きすぎる。 ヒイラギのそう言う愚痴も納得してしまう。 『んでだ、コレがこの城塞の最大の攻撃兵器の大砲。』 そう言って扉を開く。 中に入ると、横に長い部屋になっていた。 その所々には、大砲が設置してある。 『へぇ、大砲かぁ。 実用化できたんだなぁ。』 マコトがその一つに近づく。 大砲に木の台座と車輪が付いていることから移動可能であることが判る。
『この大砲は、魔法照準機とやらとリンクしていて、弾丸はほぼ百発百中!』 『この城塞の鉄壁の守りと、大砲による一斉砲撃で、魔物なんか薙ぎ払ってやるさ。』 中隊長は自慢下に説明している。 『さ、次に行くぞ。』 そう言って、中隊長が先に部屋を出る。 それに続いてマコト達も出た。 『次はボイラー室だ。』 『ボイラー室? 城塞設備にそんなものがあるの?』 マコトが声を挙げる。 『この城塞の全動力は蒸気機関を利用してるんだ。 お陰で人力では出来なかったような巨大設備も動かせるんだ。』 『この城塞の隠れた自慢だよ。』 中隊長がそう言いながら、一つの扉を開く。 中には巨大な空間が広がっていた。 中に入ると、そこはその巨大な空間のほぼ中間位の高さに位置していることが判る。 下を覗き見ると、沢山の人が石炭と思わしき黒い物体を運んでいるのが見える。 『すげぇ・・・。』 マコト達は、皆が皆同じ感想を述べる。 『んじゃ、次だ。』 そう言いながら中隊長が外に出ると鐘の音が微かに聞こえる。 「カーン・・・カーン・・・カーン」 定期的に鐘の音が響き渡る。 『やっべぇ! 非常呼集が掛かってる。』 『確かお前ら、魔術組合長と一緒に着たといっていたよな。』 中隊長が焦りを滲ませながらマコトに問うている。 『ああ、そうだ。』
『んじゃあ、二階層上の作戦司令室だろう。 そこに行けば会えるはずだ。 じゃ、俺もう行くからな!』 マコトの短い答えに、早口で言い終えると、中隊長は走って去っていった。 『とりあえず、行こうか。』 取り残された5人は、言われたとおりに階段を上り、作戦司令室を探した。 『アレじゃないか?』 ヒイラギが指差す先には、甲冑をまとった兵士が居る。 近づいて見ると扉があり、その上には作戦司令室の文字が書かれていた。 『すいません。 魔術組合組合長を呼んでください。』 マコトが甲冑の男に言うと、返事も無しに無表情に部屋の中に入っていく。 暫く待つと、組合長のおじいさんが顔を覗かせる。 『おお、来なすったか。 ささ、中に入りなされ。』 『いいのですか? 作戦指令室って、通常部外者立ち入り禁止でしょう?』 マコトが遠慮する。 『いいんじゃよ。 ここが魔物の姿を見るのに一番いいしの。』 そう言い、組合長はさっさと顔を引っ込める。 マコト達は、いまさらどうしようもないので、中に入ることにする。 中は意外と広い空間になっていた。 中央に円卓が置かれていて、皆ソレを取り囲んでいる。 組合長もその中にいた。 『そこの壁際の席に居なされ。』 居場所を求めて視線をさまよわせていると、組合長が言ってくる。 その指示に従い、壁際の席に座る。 ソラを肩から、椅子の背もたれに移す。 そこからは、ガラス製の窓から外が見えた。 野原の遠くに、何かが蠢く影が見える。 どうやら、魔物群れの一部の様だ。
『情報参謀。 魔物の数はどれくらいだ?』 会議が始まったようだ。 『およそ五万であると思われます。』 『構成は?』 『通常攻撃部隊が一万、大型攻撃部隊が一万、魔法攻撃部隊が五千、補給・支援・工作部隊が一万です。』 情報参謀と呼ばれた男が答える。 『残り一万五千は?』 『申し訳ありません。 残り一万五千の部隊は、タイプが特定できませんでした。』 『通常魔中が五千、大型魔獣が五千、他に大型機械と思わしき物が五千です。 一応この大型機械も機械と特定出来ない以上、数に入れました。』 情報参謀と呼ばれた男は、声を沈ませる。 『そうか。 部隊参謀。 こっちの数は?』 さっきの隣の男が立つ。 『計三万です。』 ソレだけを短く答える。 『配備は?』 『外に二個大隊実働部隊一万八千を配備。 城壁上に二個連隊二千の弓撃隊を配備。 城塞内に一個大隊一万を待機状態配備。』 どうやら、確認事項をまとめているようだ。 『って事はだ、やるとしたら一万八千と三万五千のぶつかり合いか。』 総司令官と思われる男が頭を掻く。 『城塞防御参謀。 ファイヤーウォール構築までの時間は。』 『後三時間で開始できます。 展開完了まで二時間掛かるので計五時間を見積もる必要があります。』 『戦術参謀。 魔物が襲ってくるまでの最短時間はどれくらい掛かる?』 『今の段階では、部隊の前衛哨戒部隊が見え始めた程度なので、隊列を整え攻撃を開始するまで六時間は掛かるものと考えられます。』 『ギリギリって所か。 ファイヤーウォールの開始を早ませろ。』
『待ちなされ。』 魔術組合の組合長が口を挟んだ。 『今の三時間だって、相当無茶なんじゃ。 これ以上早まらせられんぞ。』 反論をしている。 『いや、ダメだ。 とにかく早まらせるんだ。』 総司令官は、それ以上の問答をする気が無いようだ。 城塞防御参謀が、その後ろに座っている男と協議を始める。 そうしている間にも、会議は進む。 『城塞攻撃参謀。 大砲群の発射体制は?』 『全五百の大砲群が、毎時十二発発射できます。 弾薬は十五万発分確保したので二十四時間の連続射撃が可能です。』 『ふむ。 それだけあれば十分だな。』 『あの・・・。』 カエルの口から声が漏れる。 その場に居た全員の視線が一斉にカエルに突き刺さる。 『う。』 強烈な視線の群れにカエルは固まってしまう。 『彼らは何だね。 部外者は立ち入り禁止だぞ。』 総司令官が言う。 『ワシが許可したんじゃ。 どうしたね?』 組合長が促してきた。 『大砲って、予備の大砲があったりするのですか?』 城塞攻撃参謀と呼ばれていた男が答えてくる。 『予備の大砲は其々一台づつある。』
『それでしたら、予め予備の方にも弾込めをしておいて、正の方の大砲発射したら直ぐに下げて、予備を出して発射するのはどうでしょう。』 『下げたら直ぐに発射準備をさせて、というのを繰り返せば、大砲一台辺りの発射間隔は変わらずに、発射孔一つあたりの発射間隔は半分になります。』 カエルが説明を終えると、城塞攻撃参謀は目を丸くする。 『なるほどな。 そうすれば、発射速度は最高で毎時二十四発になる。』 総司令官が呟く。 『可能か?』 そして、城塞攻撃参謀に視線を向けた。 『可能ではあると思いますが、ソレを実際に行うとなると、訓練もしていないのでどうなるか分かりません。』 『じゃあ、直ぐに訓練開始だ。 今から三時間、緊急訓練だ。』 『はい!』 そう言うと、城塞攻撃参謀の後ろに座っていた男が部屋の外に出て行った。 『なぁ、何でそんな攻撃方法知ってるんだ?』 カエルの直ぐ隣に座っていたマコトがカエルに耳打ちをする。 『元の世界で、そう言う撃ち方をする戦法があったんだ。』 カエルが耳打ちをし返している。 『戦略参謀。 現在の戦場の状態は?』 『状態は良好。 二日前からの晴天で乾いています。 歩兵部隊の移動には差し支えありませんが、それは魔物にも同様に当てはめられます。』 『現時点では天候の悪化の恐れもありませんので、戦闘開始まではこの状態が維持されます。』 城塞防御参謀の後ろの男が突然立ち上がり、壁際に向かう。 向かった壁際には管が沢山生えている。 そのうちの一つに向かい、声を挙げる。 『ファイヤーウォール・プロジェクトルーム!』 どうやら伝声管らしい。
『構築開始時間までを二時間にせよ!』 『ダメだ、二時間だ!』 どうも、押し問答が続いているらしい。 何回かそんなやり取りが続くと、元の席に戻り、打ち合わせを再開させる。 が、すぐに席を立ち、再び壁際に進む。 『二時間半だ! 遅れは許さん!』 それだけ言うと、席に戻り耳打ちをする。 『ファイヤーウォール構築開始が二時間半に短縮されました。』 城塞防御参謀と言われていた男が期を見て、そう発言をする。 一時間ほどそんな会議が続く。 『よし、では一旦休憩だ。 情報参謀、状況に変化があったら緊急に報告するように。』 総司令官はそう言うと、部屋を出る。 組合長が近づいてきた。 『ちょっと、ファイヤーウォール・プロジェクトルームに行ってくるよ。 無茶な要求を止めることが出来なんだでな。』 それだけ言うと、部屋の出入り口へ向かう。 『ボクも行きます!』 カエルがそれに続いた。 ソラが付いて来ようとするが、ソレを制止する。 『いや、ソラはここにいて。 直ぐに戻ってくるから。』 それだけ言うと、組合長と共に部屋を飛び出す。 ファイヤーウォール・プロジェクトルームは既に戦場と化しているようだった。 『そこ! 違う!』 『馬鹿野郎! こんな関数使うんじゃねぇ!』 様々な罵声が飛び交っている。
複数人の人間が、紙や小型の水晶石を見ながら色々やっている。 『本当ならあと一週間の猶予があったんじゃが、魔物の侵攻が早まっての。』 『昨晩から徹夜でこの状況じゃ。 しかも、締め切りを切り詰められて、焦っておるのじゃ。』 カエルの前を進んでいた組合長が説明してきた。 カエルには、なんだが、この状況はとても懐かしい気がした。 『元に居た世界でも、こんな状況がありました。 顧客からの締め切りが突然切り詰められて、徹夜で死にそうになったりしましたよ。』 組合長に、何の気なしにそんなことを言う。 『ほっほ。 どれ、手伝うかの。 締め切りは一時間半じゃ。 カエル、お前はどうするのじゃ?』 『ボクも手伝います。』 カエルと、組合長は戦場に突入する。
週末は読み応えあるなぁ〜。 KAERUさんは次週へのヒキが上手いですよ。ファイヤーウォール どうなるんだろう・・・ワクワク!
KAERUさん gj!
来週も楽しみ〜
>>737 補完サイトがあるとうれしいっす。
//眠れなかったので密かに更新・・・ ミナ「このワイン、好きなんだよね・・・」 アキ「ロベルト・ウエイル?」 ミナ「変な読み方しな〜い。」 午後を少し回ったとはいえ、昼間からワインを・・・ ミナ「水代わり、水代わり〜。」 密かに日記を開き、次の一行を追加。 「ミナは酒豪であった。」 ミナ「こら、だれが酒豪だってぇ?」 今日はもう、帰って寝た方がよさそうだ。 翌日、翌々日は、ごく普通の観光客として過ごした。今にして思えば、戦いの前の 休息であったのだろう。 そして約束の3日目の朝、俺たちはホテルのレストランでゆっくりと朝ご飯を食べていた。 ミナ「いよいよだね。魔物退治、どうする?」 アキ「何か、実感わかないなぁ。ここに来てから、すごく平和な毎日を過ごしてきたし、 街の人たちも、普通に生活しているわけだし・・・」 ミナ「一応、街全体にバリアーがはってあるからね・・・普通に生活していれば気付かないと 思うよ〜。でも、結構、バリアーが侵食されてるんだ・・・」 アキ「俺たち、外から来たよね。何もなかったけど。」 ミナ「低い所、飛んでたからね。」 ちょうど正午を回った頃、俺たちは3日前の店の前に来ていた。 ミナ「魔物退治、どうするか決まった〜?」 アキ「うーん・・・やってみるか。」 ミナ「そうこなくっちゃ。では、マスター。わたくしも、お供します。」 アキ「一人で行かせる気だったのか〜?」 一瞬、寂しそうな表情を見せたミナ。だが、すぐに明るい表情に戻った。
店内に入ると、奥の静かな席に通された。さすがに昼ともなると、 観光客が増えて、ビールを片手に盛り上がっている。 店主「ようこそ、おいでくださいました。お昼はまだ召し上がられていないですよね。」 そういうと、近くの店員に軽く合図する。すぐに料理が運ばれてきた。 店主「さ、さ、どうぞ、どうぞ。冷めないうちに。」 そう言うと、店主は一度、席をはずした。気を使ってくれたのだろう。 出てきた料理を一通り食べ終わったころ、店主は戻ってきた。 店主「いかがでしたか?」 アキ&ミナ「おいしかった〜。」 店主「ありがとうございます。あっ、記念にサインをいただけますか?」 ミナ「いいですよ〜。ほら、マスターも。」 アキ「えっ、サインなんてしたことないよ・・・」 ミナが耳元でささやく。「(適当でいいから・・・)」 店主「ありがとうございます。これで孫に自慢できます。」 ミナ「(表向きは料理評論家って事になってるから・・・)」 アキ「(えっ、いいのか?)」 店主「それで、魔物退治の方は・・・」 店主は浮かれているらしく、付け足すように聞いてきた。こっちが本題かと思っていたのに・・・ ミナ「お受けいたします」 商工会員A「待ってましたぁ。」 振り向くと、20代前半の男性が立っていた。髪は短めで、シルバー。 目はマリン・ブルー。本当に透き通るような、深い青だ。 店主「紹介します。」 A「伝説の方に会えるなんて光栄です。なんて言っていいのか・・・」 A「祖父が魔物に囲まれたとき、一瞬で全て倒して助け出してくれたそうですね。」 A「本当に会えるなんて・・・」 本当に感動しているようだ。ん、まてよ。今、祖父って言ったよな。ってことは・・・ そういえば、紹介はどうなったんだ・・・まあ、いいか。 A「さっそく、商工会の方に行きましょう。みんな待ってますよ。」
半ば強引に連れられて行った。といっても、店の裏口から出て、目の前の建物に 入っただけなのだが・・・ 会長「お待ちしておりました。息子が何かご迷惑をおかけしませんでしたか?」 見ると、先ほどの男性が、そのまま年を取ったような感じの男が立っていた。 年齢は50前後だろう。やはり、目はマリン・ブルーだった。 会長「はは。やはり気になりますか。うちの家系は皆、この色なんですよ。」 奥から老人が現れた。やはり、マリン・ブルーの瞳をしていた。 Aの祖父「ようこそいらっしゃいました。あの節はどうも、ありがとうございました。 すっかりご無沙汰してしまいまして・・・」 Aの祖父「我が家系は代々、魔物と戦う戦士だったのですが、最近は バリアーができたおかげで、戦いに出向くことはほとんどなくなりました。 これも、ひとえに、先代のマスターのおかげですな。」 ミナ「もう、かなり昔のことになりますわ。」 Aの祖父「もしかして、先代は・・・」 ミナ「ええ、ちょうど、25年前に。最後の戦いに、一人で出かけられて・・・」 Aの祖父「そうでしたか・・」 会長「しんみりした話になって来ましたな。ここで立ち話もなんですから、 司令部の案内がてら、応接室に参りましょうか。」 ミナ「そうですね。お願いします。」 会長「あ、司令部は商工会の一般会員には秘密ですよ。」 ミナ「心得て居ります。」
会長は「給湯室」と書かれたドアを開けた。一瞬、「ぴっ」という音がしたが、 ごく普通の部屋・・・あれ、階段が地下につながってる。 会長「アキさまは初めてですから、ご説明いたします。このドア、一見普通なのですが、網膜スキャン機能を 組み込んであるんです。これで、うちの家系だけに反応するようになっています。」 ミナ「(実は、私たちも通れるんだけどね・・・)」 アキ「(もしかして、前のマスターが作ったの?)」 ミナ「(当たり〜)」 会長「さあ、着きました。ここが司令部の中枢、作戦指令コンピュータのオペレーションセンターです。」 アキ「見事に何もない部屋だ。」 会長「そう見える所がすばらしいのです。コンソール、オープン。」 アキ「何も起きていないみたいですが・・・」 会長「マップ、オープン。プロジェクト、トゥー、メインモニター。」 アキ「あっ、マルクの地図ですね。」 会長「もっと、驚いてくださいよぉ。これでも、バーチャル端末を個人用に開いて操作してるんですから・・・」 アキ「すごいですね・・(どこがすごいのか教えて・・・)」 ミナ「(完璧なセキュリティーを実現した、というあたりかな・・・)」 ミナ「(あ、そうそう、ここゲートシステムとつながってるんだよ・・・)」 会長「何をひそひそ会話してるんですか・・・ここの秘密は教えませんよ・・・」 アキ(心理層のリンクなら聞こえないよね。) ミナ(そうそう、マスターと心の中でつながってるもんね。) 会長「???まあ、システムの紹介はそのうちしますので・・・」 会長「とりあえず、地図の上に表示されている赤い点を見てください。」 地図の上には、ゆっくりと移動する赤い点が表示されていた。 それらは次第に、マルクに向かって集まってきているようだ。
会長「赤い点は、魔物の現在位置を表しています。オレンジはバリアーに引っかかったもの。 通過できないものは自然に消滅します。」 アキ「青い点は?」 会長「我が一族の位置です。このマルクで唯一、魔物と戦えるのは、我々のみですから。 ですが、見てお分かりのとおり、青い点はバリアーの中にしか存在しません。 我々の力は魔物をひきつけるらしく、バリアーの外では苦戦が強いられますから・・・」 会長「応接室に移動しましょうか」 メインモニターの地図を消し、会長は次のドアを開けた。 アキ「すごい。」 豪華、というよりも華麗という言葉が似合いそうな、そんな部屋だった。 決して広くはないのだが、重量感のある机と椅子、周りの壁は全て、本棚で埋まっている。 会長「私の執務室、兼、応接室です。実は、我が家の離れを改装した部屋なのですが・・・」 会長「どうぞ、おかけ下さい。」 しばらくの間、ミナ達は、先代のマスターについて話していたようだった。その間、俺はといえば、 「へぇー」、とか、「そうなんだ」、とか気のない返事をする以外なかった。核心に触れようとすると、 ふっ、と話をそらす。まだ、ひきずってるんだろうな・・・ 会長「で、魔物退治の話ですが・・・」 気付いたら、そんな話題にすり替わっていた。 アキ「はい。」 会長「私どもも、力の限り支援させていただきますので、よろしくお願いします。」 アキ「分かりました。」 会長「でも、決して無茶はなさらないで下さい。そのために我々がいるのですから。」 アキ「そうですね。お互いに無理はせず、効率的に退治していきましょう。」 会長「では、よろしくお願いします。」 突如、ビープ音が断続的に鳴り始めた。会長の腕時計が、赤く点滅している。
小説だけじゃツマンネ。つーわけでマ板用語辞典風にネタ設定を考えていこ。 企画倒れ(鬱縛死 例) [魔法] 発見されたのはごくごく最近だが、いまや世界の経済に無くてはならない存在となっている。 基本的魔法語をある順序で発声することで発動する。魔法の構築には多くの知識と経験 が必要であり新たな魔法を作り出すことができるものは世界には少ない。 [ウィザード]
758 :
仕様書無しさん :03/07/07 22:45
C魔法をK&R系で記述すると威力は高いけど、熟練度が欲しいって本当ですか?
>>756 =737
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( l _、_
\ \ ( <_,` )
ヽ___ ̄ ̄ ) グッジョブ!!
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>> 737さんスゴイ! 短期間でここまで作ってしまうとはオドロキ。 キレイにまとまっていますね。 >> 757さんに禿同。マ板であることだけは大前提ということでいきましょうよ。
>>749 >週末は読み応えあるなぁ〜。
というわけで休日に書いたものを平日に貼ってみる作戦。
---- ここから ----
目の前には、竜也がいた。そして、他にも数人の人間がいる。
みんな、21世紀の、要するに普通の今時の服を着ている。
「おい、大丈夫か?」
竜也は俺の腕をつかむと、部屋の中へ引きずり出した。
振り向くと…俺は今まで、人間が立ったまま入ってまだ余裕がある大きさの、
この球体の中に入っていたらしい。
周囲は、何やら話をしている。
「いきなり裏技連発だもんなあ…」「バグがなくて何よりじゃないか」
「エラーでシェルまで戻ったのは予想外だった。rmとかされると洒落にならん。直しとく」
その会話の中には、ユウリさんの姿もあった。
よくよく見ると髪が黒い…千歳優理さんだ。
俺がよろける足でそちらへ一歩を踏み出そうとする、と、ばたばたとスリッパで走る音。
何事かと思った途端に、俺は殴られていた。
ひっくり返る椅子。飛び散る空っぽの紙コップ。
机に当たってディスプレイをひっくり返さなかっただけよかった、と思ってしまう自分に
やはり自分は自分なんだと思い─
こぶを抑え、起き上がってみると、さっきのネクロマンサーをふたまわり醜くしたような
顔が、学生服を着てそこにいる。
「貴様!プレイヤー同士殺し合うなんてあるかっ!溜めた経験値どうしてくれるっ!」
だが、俺の耳に彼の話はあまり聞こえていなかった。
「おい、本当に大丈夫か?」 竜也に肩を借りて、俺はよろよろと椅子まで歩いた。 段々状況が飲み込めてきたと同時に、再び涙が溢れて来た…。 ──電車が速度を落としていく。 その夜、アパートで、湿ったベッドにひとり寝転んで、俺は今までの自分を回想した。 だが、これまでの冴えない人生は、ひどく現実感の無いものに思われた。 翌朝、俺は竜也に呼び出された。 「テストプレイヤーを引き受けたからには仕事しろっ! バイト代で返すって飲んだのはお前だろ! はあ?金返す?あのなあ、お前も一度引き受けたなら、最後まで…くどくど」 あいつは、振り込みとか忘れて電気止められそうになっているくせに、 コンプレックスでもあるのか約束が絡むと実に五月蝿い。 そして、嫌で嫌でしょうがないのに断り切れないところが俺は小物だ。 それでも電車は俺の意志とは無関係に走るしバスも同様。歩いて五分なんて短すぎる。 入り口。ホール。エレベーター。受付。 開発室へ向かう廊下で、千歳優理さんとすれちがう一瞬、俺の心臓は止まりそうになった。 向こうもそれがわかったのだろう、早足になって行ってしまった。
扉を開けると、ドリンク剤の臭いが充満する部屋に、四人の開発陣とあと二人が既にいた。 竜也が待ち疲れたような声をかけてくる。 「ようやく来たな、じゃ早速」 俺はもう一度顔を見渡して行った。 「昨日の中学生は?テストプレイヤーじゃなかったのか」 タオル巻き男が舐めるような声で答える。 「友彦か?テストプレイヤーだよ、全部で五人いる」 「じゃあ、なんでこれだけしか」 横から冷たい声が入る。長髪の奴だ。 「物理シミュレータなのかレンタリングエンジンなのか、とにかくデータに矛盾が出てる。 もう一人、発見者なんだが、そいつのデータは引っかかって動かせないし、 あの子にはデータの変化を抑えるために新キャラ登録は待ってもらっている」 「お前のせいだよ、お前のな…」 タオル巻きが強調する。こいつは嫌いだ。 竜也が続ける。 「で、残った動ける連中に、悪い場所のマーキングをして貰おうと来てもらったんだ。 そんなわけだから直人、手順は教えるから該当箇所へ行ってくれ」 「…それも俺のせいか?」 「直接的には関係無い」 長髪が言う。少しはほっとした。だが、長髪はさらに続ける。 「しかし、これ以上無いタイミングで、ログを取っていたプロセスを殺してくれたのはお前だ」 俺の心情を知らないわけでもないだろうに、こいつらは、デバッグの方が大事と言わんばかりに追い込んでくれる。
「なに、ちょっとした冒険じゃないか。頑張ろうぜ」 テストプレイヤーの一人が気さくに手を出してくる。服装に凝った奴で、多分会社員 なんかでは無いだろう。逆にもう一人の方はスーツを着ている。それは俺もだが。 彼等は、最初からゲームと知っていたんだよな。 ともかく、俺は仕方なく彼等と握手をし、竜也を睨みつけてから、再び“球体”へと 入っていった。 **** SIGN IN NAOTO, HEATH, EVE **** 俺は、CGの空の下へと戻って来た。 昨日の、人を殺した決意が再び蘇ってくる。 だが、明らかに昨日と違う点があった。俺は手探りで腕のコントローラを探り出す。 目には見えないし感覚にも出てこないのに、そこにあるモノというのは変な感じだ。 ─実際には、視覚や触覚の方が偽者なのだが。 コントローラに触れると、視界の右上にウィンドウが開いた。 目を動かしても顔を動かしても、景色は動くのにウィンドウは動かない。 SFによくある、直接網膜に映し出される映像というのはこんな感じなのだろうか。 こんな技術がゲームに使われるのだから、時間というのは恐ろしい。 ウィンドウから「管理者」を選ぶと、メッセンジャーの会話窓みたいなのが開いた。 RYUYA says: 他の二人は都市の方に居るから、まず合流してくれ
当然ながらキーボードなんて無いし、あっても触覚無しには使えないだろう。
どう返事を書けばいいのだろうか。まさかIMEパッドみたいなポインティング入力か?
俺が迷って操作窓を弄っていると、竜也がこんな事を書いて寄越した。
RYUYA says: マイクが付いてるからさ、普通に喋ればこっちに聞こえる
…。
言われてみれば当然の話だが、なんか釈然としないものを感じつつ、俺は言われるままに
目的地や細かい操作などを尋ねつつ歩きだした。
昨日はやたら身が軽くなったと感じたが、それは今日も同じで、
やはりVR下では動きが軽やかに再現されるらしい。
運動不足の身には信じられないぐらいの歩調で、俺は街道に沿って進んでゆく。
少しは気持ちよく思えてきだした矢先、向こうから男が歩いてきた。
手には太い木の枝を持っている。
RYUYA says: 雑魚敵の追い剥ぎだから、ちょっと普通の戦闘の練習してみな
---- ここまで ----
最初に「
>>720 の続き」と書くのを忘れた。わかりますよね。
>>週末は読み応えあるなぁ〜。 >というわけで休日に書いたものを平日に貼ってみる作戦。 うまい! 曜日ごとの住み分けですね。 コメントも入れやすくて乙です。 素直な感想ですが、文章のキレが良くなったような気がします。 間と、段落が良くなったのかな・・・と勝手に解析してみるテスト。
このスレ イイ(・∀・)! 前半の人も帰ってきてホスぃょぅ。
会長「バリアーの中に魔物が進入したようです。ちょっと様子を見てきますので、 詳細については後日ということで。」 と言い残すと、会長は司令部の方に行ってしまった。 ミナ「じゃあ、ちょっと街の様子を見てこようか」 そう言うと、司令部の方にミナは歩き出し、壁の前で立ち止まった。 ミナ「行くよぉ〜。リンク!」 何事もなかったかのように、ミナは歩き出す。俺も続いて壁に入った。 あれ、目の前に噴水が・・・夏なのに氷のオブジェ・・・夏だからかぁ・・・ ミナ「いきなり実戦だと大変だから、小手試し〜。あの噴水を解かしてみよぅ。」 アキ「とかす、って言われても・・・」 ミナ「まだ攻撃魔法、つかった事なかったよね・・・じゃあ、私がちょっとだけやってみるね。」 そう言うと、ミナは俺の腰から剣を抜き、噴水の方に向けた。あれ、刃がない。 ミナ「ファイァ。」 ぼっ、という音とともに、小さな火の玉が剣から飛び出した。そのまま噴水に命中し、 氷が少しとけた。よく見ると、Minaと刻まれている。確実に術を扱えている証拠だ。 ミナ「次はアキの番だよ。バーンと派手にやっても大丈夫だからね。」 アキ「よーし、大きく行ってみよう。ファイア〜〜〜〜〜」 なにも起きなかった。何が違うんだろう。 ミナ「練習、練習。」 アキ「ファイア、ファイア、ファイア・・・」 やはり何も起きない。 ミナ「心がこもってな〜い。」 そうか、そういうことか。
アキ「ファイア」 ぼんっ、と大きな音がし、噴水の氷が一気にとけ、水しぶきが5mほど上がった。 下から2mほどは、水しぶきが、そのままの形で凍っている。きっと気化熱を奪われて凍ったのだろう。 いままで、何度も「ファイア〜」と叫んだ余波だろうか、あまった火球が上空で花火のように舞っている。 ミナ「わー、きれい、きれい。前のマスターも、ファイアー花火、よくやってくれたんだよ〜。 噴水の方も、きれいに出来たねぇ〜。あ、名前入れるの忘れるとこだった。ちょっと借りるよ〜。」 そう言うと、ミナは先ほどのサインの横に&Akiと付け足した。そういえば、サイン消えなかったんだな・・・ ミナ「密かにシールド魔法かけてたんだ〜。」 最初から狙ってたのか・・・ ふっ、と突然眠気が襲ってきた。何か声が聞こえる。夢を見ているのだろうか・・・ ハル「我を継ぐものよ。そなたの力、見せてもらった。これで安心して眠りに就けそうだ。 代々使い魔を勤めている、水奈瀬はもう知っているな。昔はAIを使っていたのだが、物足りなくなって、 水奈瀬を使うようになったそうだ。分からないことは彼女に聞くと良い。初代マスター以来、ずっと 使い魔をやっているらしいからな。そうだ、初めて会った記念に、昔の映像を少し見せてやろう。 戦闘の際、参考になるだろう。」 その言葉が終わると同時に、映像が流れ始めた。 巨大なモンスターが数体。その前に小さく写っている人物、おそらく前マスター、ハルだろう。 たまに、ハルの手から様々な色の光が飛び出す。きっと、ファイアとか、そんな感じのものだろう。 そういえば、ミナは・・いた、ハルの後ろに。どうやら、ハルが攻撃する間は、ミナが防御、 ミナが攻撃する間は、ハルが防御しているらしい。急に光が止まった。どうやら二人とも防御に 入ったらしい。モンスターは、ゆらゆらと揺れている。一体がいまにも攻撃してきそうだ、と思った瞬間、 2人は巨大な光に包まれた。そのまま光は拡大して行き、モンスターをも包み込む。光に触れたモンスターたちは 消滅して行った・・・
目が覚めたらしい。ミナが上からのぞき込んでいる。 ミナ「おやつの時間で〜す。」 アキ「俺、いま寝てた?」 ミナ「寝てたよ〜。10分ぐらい。」 アキ「夢、見てた。」 ミナ「前のマスターに会えた?」 アキ「夢の中身、知ってるんだ。」 ミナ「最初に見る夢、みんな同じだから。」 ミナ「前のマスターの時は、ちょっとおもしろかったけどね・・・」 アキ「?」 ミナ「夢を見る前の日に、ちょうど懐かしの映画特集をやってたらしくて・・・」 アキ「それで?」 ミナ「9998代目マスターが、黒いスーツを着て、手にはビームの出る剣を持ってて・・」 アキ「??」 ミナ「敵の攻撃がすごくゆっくりしてて、それをかわしてたらしい・・・」 アキ「それで?」 ミナ「9998代目マスターは魔法使いのマントを着て、光る杖を持ってて、 ちょうどスロー系の魔法をかけたところを見たと思うんだけど・・・」 アキ「しっかり映画の影響がでてたんだね・・・」 ミナ「でも、その結果がゲートシステムだもん、すごいなぁ、って思ったよ。」 確かにすごいと思った。 ミナ「夢、って記憶を整理しているときに見える、記憶の断片みたいなものらしいね。」 アキ「俺は前のマスターに会ったことないけど・・・」 ミナ「マスター登録の時に、前のマスターを継承したでしょ。その時に、今までのマスターの 能力と記憶を使えるようになったんだよ。プライベートな部分はアクセスできないけどね・・・」 アキ「じゃあ、ハルさんとは、いつでも会えるんだ。」 ミナ「そうだね・・・呼び出せばいいだけだから・・・」
ミナ「会長さん、困ってるみたいだから、そろそろ行ってみようか。」 ミナは手に持っているシート状の物を見ながら言った。これは、昔、開発中止になった シート状コンピューター・・・ アキ「それって・・・」 ミナ「あ、これ?結構昔から使ってるんだけど、真似して作ろうとしてた人いたなぁ・・・ 結局うまくいかなかったらしいけどね。」 この世の中、結構そんな物があふれているのかもしれない。そんな事を考えているうちに、 ミナは、シートをくるくると巻いてポケットに入れた。 ミナ「じゃあ、行こー。あ、初陣だから、おまじないしておく?」 そう言うと、ミナはどこから取り出したのか、杖を垂直に持って、呪文を唱え始めた。 ミナ「幻影生成!」 周りを見回すと、俺が6人・・・うっすらと魔方陣のような物も見える。 アキ「これは??」 ミナ「守護獣のかわりに、幻影を作ってみたんだ〜。この方が、いろいろできそうでしょ。」 よく分からないが、良しとしよう。 アキ「じゃあ、行・・・」 言い終わらないうちに、風景が変わっていた。目の前に、バリアーらしき光の壁。 その横に数人の人間がいる。何かを取り囲んでいるようだ。 ミナ「あちゃ〜、いちばん厄介なのが・・・あれ、あんまり好きじゃないんだよね・・・」 ミナの視線を追っていくと・・・何やらアメーバー状の物体が動いている。 アキ「何あれ・・・」 ミナ「もともとはスライムの仲間なんだけど、珪素ベースの生物だから、 バリアー通り抜けちゃうんだよね・・・この世界に必要なものと区別できなくて、 フィルターがかけられないんだ。」
アキ「どうやって倒すの?」 ミナ「さっきのファイアとかでも大丈夫だけど・・・」 俺はアメーバー状の生物を取り囲んでいる人垣の中に入っていった。 彼らは最初、驚いていたようだが、状況を察したらしい。 少し包囲の輪を緩め、皆、2mほど後ろに下がった。 ミナ「最初に前処理・・・」 アキ「ファイアー!」 ミナ「だめ〜〜〜〜〜」 アキ「えっ?」 その声を聞いた時は、すでに遅かった。 火の玉が、確実にアメーバー状の生物を捕らえ・・・ 巨大なモンスターに変化した。 ミナ「あ〜ぁ、またやっちゃった。」 アキ「?」 ミナ「ああなっちゃうと、表面がダイアモンドみたいに固くなった上に、 中の液体で衝撃を吸収するから、大変なんだ・・・前のマスターも 初戦でやっちゃって・・・」 アキ「ハルさんも?」 ミナ「あ〜!」 ハル「呼んだ?」 ミナ「お久しぶりでございます。」 ハル「元気だったか?新しいマスターとはうまくやってるか?」 ミナ「ええ。ですから・・・」 アキ「で、どうするの??」 ハル「お、やったな。俺と同じ事してる。」 ミナ「茶化すなら帰ってください。」
ハル「分かった、分かった。」 そう言うと、ハルは消えた。何しに来たんだか・・・ ミナ「さ、気を取り直して。このままじゃ、英雄の名がすたるよ〜。」 俺は色々考えてみた。装甲はダイアモンドの様に硬いらしい。通常の武器で攻撃しても 壊れないだろう。それなら、魔法攻撃? アキ「魔法に弱いとか、そういうの無いの?」 ミナ「そうだなぁ・・・ほとんどの攻撃魔法は吸収されちゃうからなぁ・・・」 アキ「武器で攻撃したらどうなるの?」 ミナ「手が痛くなるだけだよ。はねっかえって危ないし。」 アキ「う〜ん」 ミナ「知らないモンスターは、よく観察したほうがいいよ〜。」 俺はモンスターの観察を始めた。動きはゆっくりだが、内部で液体が揺れているのが見える。 そういえば夢の中で見たモンスターもこのくらいの大きさだったような・・・ そうか、同じ方法が使えるかも。 アキ「夢の中で見た魔法試したいんだけど・・・」 ミナ「どんなの?」 アキ「光が広がっていくやつ。光の壁にモンスターが触れると消えるみたいだった。」 ミナ「あれかな・・・でも、経験値が足りないから、まだ無理だよ。」 そう言っている間に、モンスターが近づいてくる。周りを囲んでいる人達も、 少し不安そうだ。 アキ「ハルさんはどうやって倒したの?」 ハル「俺か?あんなの、簡単に倒したぜ。」 アキ「すごいなぁ。で、どうやって?」 ミナ「いいかげんな呪文を唱えて暴走しただけでしょ!後片付けが大変だったんだから・・・」 なんだ、そういうことか。また、いつの間にか、ハルは消えている。 ミナ「あんまり前のマスター呼んじゃだめだよ。話がややこしくなるから。」 それで、前のマスターって言ってたのか・・・何か変だと思った・・・
アキ「それで、ハ・・・前のマスターの時は、どんな呪文を使ったの?」 ミナ「でたらめな呪文唱えてたからなぁ・・・再現性は無いと思うよ。 呪文の中のどこかに、光を破裂させる魔法があったらしくて、 魔物にあたったあと、しばらくして大爆発したんだ・・・散らばった破片の 回収と無効化が大変だったから、真似しないでね。」 俺は、さらに近づいてくる魔物に、少し危機感を覚えながら考えた。 光を破裂・・・爆発・・・散らばる・・・・そうか、中の液体が弱点なんだ。 アキ「中の液体をうまく使えば倒せるかも。光は通すんだよね・・・」 ミナ「そうだけど・・・」 俺は再び剣を抜いて、ねらいを定めた。 アキ「光を一点に集中して、少しずつ処理すれば・・・」 ミナ「待って!今度は前処理してから。」 危ない、危ない。すっかり忘れていた。 ミナ「スロウ。」 それだけ? ミナ「いいよぉ!さあ、ばーんと、行ってみよう!」 なんだか拍子抜けしたが、まあいいか。それにしても、なぜスロウ? アキ「光よ、出でよ!」 ミナ「よっ、頑張って!」 アキ「ターゲット確定。処理終了後、順次、焦点の座標を移動。」 ミナ「いい感じ、いい感じ。」 アキ「魔物の移動時は自動的に座標を補正。」 ミナ「忘れなかったね〜。」
アキ「発動!」 ミナ「追加呪文!シールド展開およびリフレク。モンスター周囲に反射炉を展開。」 ごっ、という音とともに、モンスターは光に包まれた。 そこで追加呪文の意味が分かった・・・大変なことになるところだったんだ・・・ ミナ「グラビティ・ゼロ。注入エネルギー、限界値を突破。モンスター消滅。」 何か、まだ処理が必要らしい。ミナが目で訴えてくる。そうか。 アキ「発動した呪文を停止。」 ミナ「停止。環境を復元。」 ふ〜ぅ、というため息の後、ミナは微笑んだ。 ミナ「うまくいったね〜。ハル〜、どう?」 そう言って、ミナはあたりを見回したが、ハルは現れなかった。 ミナは、少し寂しそうな表情をし、小さな声で言った。 ミナ「やっぱり私が呼んでもだめかぁ〜。」
カエルは小型水晶石を一つ受け取ると、目を瞑り精神を集中する。 直ぐにエディタ画面が浮かんでくる。 エディタは真っ白だが、近くに見えたソースを引っ張ってくる。 どうやら、殆ど組みあがっているようだ。 現在のフェーズはデバッグらしかった。 エディタ画面の隣にバグ一覧と思われる画面が出てくる。 ソレを元に修正を加えていく。 一通り修正をし終わると、ソースを元のあった場所に戻す。 さらに、少し気になったので色々見て見る。 その中に、極端に深いインデントを見つける。 バグの項目には含まれていないが、明らかにおかしい。 ちょっと見て見ると、ループと条件文の使い方に大きな問題があった。 どうやら、ファイヤーウォールのコアの部分に該当するようだ。 攻撃種別を受け取りソレを元に条件判断する部分で、幾つかループで不要な部分を見つける。 いきなり修正するとマズイので、修正候補をピックアップして一覧にまとめる。 更に、その作業をしていて問題を見つける。 判定可能攻撃種別の一覧が外部領域に保存される様に成っているのだが、ソレをループの中で呼ぶようになっているのだ。 しかも、領域情報を閉じる関数が入っていない。 このままでは、領域情報が展開領域の全部を喰い尽くすまで増えつづけてしまう。 そこを重点項目としてピックアップする。 どうも、この辺はデバッグの対象として含まれていないようだった。 一覧にまとめたものを、この部屋の責任者に報告する。 『あの、ファイヤーウォールの責任者ってどこ!?』 罵声が飛び交う中で、大声で聞く。 『オレだオレだ!』 隣の机で紙に向かっている中年の男が手を挙げている。 その中年の男のところに駆けて行き、見つけたバグの個所を全部告げる。 『なるほど。 確かにそりゃ問題だ。 直せるか?』 『はい。 やってみます。』
『よし、組合長のところに行って、修正元と、修正予定を告げるんだ。 その部分を作ったのは、組合長だからな。』 組合長の下に駆ける。 組合長は部屋の反対側に居た。 そこで、修正元の部分と、修正予定を告げる。 『うむ、そうしてくれ。』 あっさりと了承を受け、直ぐに修正に入る。 まず、要らないループを取っ払う。 条件判定を変更する。 次は領域情報の読み込みを、ループの外に出す。 変わりに、読み直す関数をそこに導入する。 そして、ループが終わると直ぐに領域情報を閉じるようにする。 これで、領域の開き直しや、展開領域の異常占有が少なくなり、動作が正常化するはずだ。 そうして一息ついていると、追加で修正が回ってきた。 ソレを修正する。 修正している間にも、修正候補が回ってくる。 これって、プロジェクトそのものに問題が在るんじゃないのか、という疑問が浮かんでくるが、とにかくドンドン進める。 そんな事をしている内に、時間がドンドン迫ってくる。 『アキラ! 終わったか!?』 『こっちはエンド! 第二班は全部終了!』 『ショウジ! そっちは!』 『後少し・・・・。 よしエンド! 第四班終了!』 幾個所かで修正が終わっているようだ。 『お前はどうだ?』 カエルに声が掛けられた。 『あと、これだけ。』 そう言って、数枚の資料を渡す。 『おうよ。 第二第四班! これをやってくれ!』 そう言って資料を持っていってしまった。 お陰で直すべき個所が大幅に減った。 『よし、終わりっと。』 『あいよ!』
そう言うと、責任者が直ぐに次の準備に入る。 『ほれ、ワシ等は行くぞ。』 組合長が、少し疲れた顔をしている。 『はい。』 カエルはその体を支えつつ、先ほどの作戦指令室に戻る。 『じいさん。 大丈夫か?』 総司令官(だったよな?)が声を掛けてくる。 『なぁに、大丈夫じゃ。 ちょっと昔を思い出して無茶をしただけじゃ。』 その声を聞きつつカエルは円卓の縁を進み、組合長の席へ降ろすと自分も席に戻る。 『おつかれ。』 ヨモギが声を掛けてきた。 『たはは。 こんな所でこんな事をするとは思わなかったよ。』 カエルは席につくと、外に視線をやる。 蠢く影がかなり増えている。 『ファイヤーウォールが開始可能状態になりました!』 先の会議で城塞防御参謀と呼ばれていた男が発言する。 『よし、ファイヤーウォールを発動せよ。 範囲は城塞全域。 防御タイプは攻撃種別全て。』 『はい!』 城塞防御参謀が勢い良く返事をすると、その後ろに居た男が伝声管に向かい叫ぶ。 『ファイヤーウォール発動! 範囲は城塞全域! 防御タイプは攻撃種別全て!』 そして、元の席に戻る。 その後も進んで行く会議を聞きながら外を眺めていると、不思議な感覚に襲われる。 見回すと、皆同じようだ。 会議が中断している。 『ファイヤーウォールの発動じゃよ。』 組合長が静かに皆の疑問に答える。 会議が再開される。 再び外に視線をやると、薄っすらと見える透明な壁が野原を前進していく。 『あれが、ファイヤーウォールの壁か。』 マコトも同じように窓の外を覗き込む。 再び不思議な感覚が襲う。
まるで、中に浮かされるような感覚だ。 外に視線をやると、再び薄っすらと見える透明な壁が野原を前進していく。 会議の声を聞き流しつつ、外をひたすら見やる。 最初の壁からもう既に大分時間が経つが、透明な壁は今も定期的に発生している。 『どうじゃ?』 組合長が近寄ってきて、窓の外を見やった。 『うんうん。 順調じゃな。』 そう言いって戻っていった。 暫く見ていると、その透明な壁が遂に発生しなくなる。 『ファイファーウォール展開完了!』 城塞防御参謀が報告している。 『これで、当面は一安心だな。 状態レベルを3に下げろ』 総司令官が安堵の息を漏らす。 再び窓の外を見ると、魔物の軍隊が展開を終えている。 『何で襲ってこないんだ。』 カエルが呟く。 『後は、引くのを待つだけだな。 とりあえず、休憩にしよう。』 総司令官が宣言して、皆が席を立った。 『城塞の上に出て、魔物の軍隊とやらを見てみるか。』 マコトが席を立ち、後の四人もそれに続く。 階段を昇り、外に出た。 時刻は夕方。 弱い風が西から東へと流れている。 『いい風。』 ヨモギが風に身を任せている。 『あれが、魔物の軍勢か。』 マコトは手すりギリギリまで行き、遠くを見ている。 丘の先の方には、魔物の大群が列をなしている。 そしてその魔物と城塞の間には、薄っすらと青色の膜が張っている。 一方反対の方角を向くと、そこには街と、さらにその先に海が広がっている。 後ろから流れている風に身を任せ海を眺める。
『はぁ・・・もどれるのかなぁ。』 そんな言葉が漏れる。 直ぐ下から、雑多の声が聞こえる。 下を向くと、大量の人間が群れをなしている。 城塞の外に待機している、シー国の軍勢だろう。 ファイヤーウォールが正常に展開されたことを受け、すっかりくつろいでいるようだった。 『いくぞー』 マコトが声を掛けてくる。 その声に従い、再び作戦指令室に戻る。 元の席の位置に座り会議を見渡すと、明らかに今までとは雰囲気違う。 緊張感が抜けた感じだ。 やはり、ファイヤーウォールが展開されて安心しきっているのだろう。 会議の内容も、既に戦後処理の部類に入っている。 外を眺めやると、魔物の軍勢は相も変わらず動いていない。 『引かないのか・・・。』 誰とも無く洩らす。 『あーあ。 後は魔物が引くのを待つだけなんだがな。』 会議の合間、そんな声が聞こえてきた。 『全くだ。』 総司令官がそれに相槌を打っている。 『奴らが引かない限り、我々は徹夜だ。』 皆が疲れたような表情をする。
ココまで書いて気付いたのだけれど、マコト達って、船を求めてこの国へと来たんだよね。 何時の間にか城塞にいるなぁ。 どうしようかな・・・・・(汗
>> 781 手伝ったお礼にFTPの呪文でサクッと飛ばしてもらうとかはどう? そこまで 高等な技は無理かな。
sea-4さん今回はかなりマ色が出ていましたね。 前処理、後処理まであるとは。 時にスロウは、Slow じゃなくて Throw の 方の意味ですよね? 例外をキャッチするための。
>>783 SlowとThrow、読まれてしまいましたね・・・
そのうちに発生する、誤作動の・・・(ry
今回はSlowだったのです。壁のどこかに、
「時間軸操作系の魔法は、エネルギー操作系の魔法の効果を調整する」
と書いてあったのをヒントにしたらしいです。
自然言語によるプログラミングでは、意図しない単語に変換される場合が
あるので要注意ってことで。
今回のスロウがThrowだった場合、以下の現象が発生したかも・・・
・魔物の一部を破壊した影響で、例外が(大量に)発生
・ミナは例外の処理で負荷が上昇
・ミナはアキの攻撃に必要なルーチンを用意するのが間に合わなくなる
・アキの攻撃力低下
・魔物が暴走し、危機的状況に・・・
・・・と思ったのですが、ミナの方が一枚上手でした・・・
シールドを展開して例外を捕捉してました。うーん。
//784で書いたThrow周りの記述、おかしいところが・・・とにかく、マ色に魔色を足してお送りします・・ 数日後、俺たちは再び、商工会の会議室に行った。今回は大勢の人が集まっていた。 会長「えー、そういうことですので、皆様、よろしくお願いします。」 会場は拍手で包まれた。 会長「本日は、勇者様御一行もいらしておりますので、勇者の泉、改築記念のスピーチを お願いしたいと思います。アキ様、ミナ様、こちらへどうぞ。」 アキ「(勇者の泉って?)」 ミナ「(この前の噴水のことだよ。)」 会長「勇者の泉は、以前、通りかかった勇者が氷のオブジェを作り上げて以来、観光スポットに なっておりました。しかし、最近では、気温が高いこともあって解け始め、観光資源としての 価値が低下してしまいました。そこへちょうど、建築デザイナーとしても名高いミナ様がいらしたので、 お願いしたところ、泉の改装を快く引き受けてくださいました。また、造形作家としてアキ様も 手伝って下さいました。では、アキ様、スピーチをお願いします。」 アキ「(スピーチって、何を話せばいいの)」 ミナ「(はい、原稿)」 いつの間に・・・まあ、いいか。 アキ「ご紹介にあずかりました、造形作家のアキです。隣におりますのが、デザイナーのミナです。 この度は・・・・」 それにしても長い原稿だ・・・省略・・・ ミナ(省略はだめだよ。) しかたない、全部読むか。 アキ「皆様の街の発展に尽くせたら幸いと思うところであります。ありがとうございました。」 ふぅ、やっと終わった。あれ、何か様子が・・・
ミナ「やっぱり素質あるねぇ。」 会長「さすがですねぇ。」 なにやら、ミナと会長のたくらみに乗せられたらしい。 アキ「みんな、様子がおかしいんだけど・・・」 ミナ「クラフトの発動に成功したからだよ。」 アキ「クラフト?」 ミナ「今回のは、言霊、っていったほうが分かりやすいかな。勇者としての活動は、 秘密の部分が多いから、クラフトを使って説得するんだよ。これで、モンスターにあったら すぐ勇者に連絡してくれるはずだよ。連絡したら、すぐ忘れるけどね。」 そう言っている間に、会長の時計が光り始めた。しかし、すぐに光は消えた。 会長「この前の戦闘で、モンスターもバリアーの破り方を学習したようです。 新しくバリアーを張りなおすか、フィルターを交換するまで、地道に戦うしかないようですな。」 ミナ「そうですね。手に負えないモンスターが出現したら、連絡を。では、私たちは宿に戻りますので。」 会長「今日はありがとうございました。これでこの街も救われます。」 宿に着いた。今までの宿よりも、時代の経った、落ち着いた雰囲気の宿である。 中に入った。意外ときれいな部屋だ。 ミナ「ここ、久しぶりだな〜。結構、気に入ってるんだ〜。」 懐かしそうに部屋を見回すミナ。ふと、置いてある写真に目がとまる。 ミナ「この写真、まだあったんだ。」 写真には、夢であった人物、ハルが写っていた。その横にミナがいる。 ミナ「いつもこの部屋だったからね。何も変わってないなぁ。」 女将「お気に入りの部屋ですものね。ずっとそのままにして、お待ちしておりました。」 ミナ「お久しぶりです〜。ずーっと変わらないのって、うれしいですね。」 女将「はい。あ、いつものお茶菓子、用意しておきましたよ。今日は1つ多めに入れておきました。」 ミナ「わぁ、覚えていてくれたんですね。あの時は、前のマスターとお菓子の取り合いになって・・・」
女将「もう、取り合いはだめですよ。この宿も年季が入ってますから、あまりあばれると、崩壊します。」 ミナ「ごめんなさい。」 どうやらミナにも弱点があるらしい。あとで色々聞き出しておこうかな・・・ ミナ「は〜い、これ、あげる。」 そう言いながら、お茶菓子を2つ差し出す。ミナは3つ持っている。 アキ「あ、ずるいんだ〜」 ミナ「ばれちゃったか〜。じゃあ、半分あげるね。」 そう言いながら、半分に割ろうとするのだが、無理なようだ。 ミナ「やっぱり、もう一個もらってくる・・」 アキ「いいよ。また明日でてくるかも知れないし。」 ミナ「これ、チェックインした日限定なんだよ。でも、毎日くれるんだけどね。」 どうやら、昔、これ目当てで、チェックアウトとチェックインを繰り返したらしい。 ミナ「あと、色によって、味とか効果が全然ちがうんだよ〜。」 どれも淡い色だが、ミナは桜色、ベージュ色、薄緑を持っている。俺は、青と黒だ。 ミナ「じゃあ、早いけど、今のうちに寝ておこうね。今夜あたり、魔物が出そうな気がするんだ・・・」 アキ「魔物が出そうって・・・」 ミナ「じゃ、お休み〜」 ミナは枕もとにお茶菓子を並べると、寝てしまった。 このお茶菓子、ずいぶん硬そうだったけど、食べられるのか? ミナ「食べられないよ〜。枕もとに置いてねるんだ〜」 それって、お茶菓子って言うのか?まあ、いいか・・・再び、ミナは熟睡している。 よく見たら、包装紙にこう書いてある。 「直接、口に入れないで下さい。お茶の近くに置いておくと、お茶の味が変わります。 寝る時に枕もとに置くと、効果があります」 食べようとした人、多いんだろうな・・・さて、寝るか。 ミナの幸せそうな寝顔を横に見ながら、枕もとに青と黒、両方並べて、俺も眠りについた。
俺は夢を見た。青と黒、両方並べたのがいけなかったようだ。 深い海の底に沈み、ブラックホールに吸い込まれ、宇宙に放り出される夢・・・ 俺は慌てて飛び起きた。時計を見ると、さっきから1分しか経過していない。 アキ「2つ以上並べるとどうなるか、テストしてないんだろうな・・・ とりあえず、1個だけにしておこう。青い方かな・・・」 今度の夢はまともだった。見渡す限りの青い海。周りにはイルカの群れ。 ハル「そうそう、青い石、好きなんだよね・・・」 いつの間に現れたのか、ハルが夢に干渉しているようだ。 ハル「そろそろ来るよ・・・」 なにやら意味深な発言・・ アキ「サ、サメ・・・・・」 そんなものまで忠実に再現しなくてもいいのに、と思いながら、夢だから平気だよね、と・・・ ハル「夢の中でサメに食べられると、ゲームオーバーなんだよね・・現実の世界に帰れなくなる。」 なんてもの作るんだ・・・ ハル「大丈夫、大丈夫。俺がサポートしてやるから。」 それはそれで心配な気がするが。 ハル「ほら、来た。一匹目。」 アキ「ファイア〜」 ハル「それは無理だろう。」 ハル「とりあえず、トラップ展開。サメ捕獲用ループ。」 サメは目の前でくるくる回り始めた。こちらの目が回らないうちに片付けよう。 ハル「早くしないと、次が来るよ〜」 アキ「どうしたら・・・」 ハル「サメは泳ぎつづけないと機能停止する。」 アキ「えっ?じゃあ、ス・・」 ハル「ストップは経験値不足で無理。あ〜」 ハルの言葉に反応して、サメの動きが停止した。
ハル「しょうがないから、2匹目。」 ハル「同じく、ループで捕獲。」 アキ「今度こそ。」 俺は剣を抜こうとした。ビームで切れば・・・ ハル「抜くな〜!さびるだろ」 アキ「そんなとこまで計算されてるのか」 ハル「リアルすぎる夢だからこわいんだって。だから初日しか出さないんだ。」 ハル「うっ・・」 叫びすぎて、空気を消耗したらしい。ハルはサメの群れから離脱した。 アキ「おーい、大丈夫か〜」 そんなことを言ってる場合ではなかった。ハルが離脱したことで、トラップが解除された。 一気にサメが襲ってくる。しかたない。適当に戦ってみるか。 アキ「フォトン・ジェネレータ作動。サメ誘導用にエサの幻影を生成。エサの軌道を入力。 極座標にて指定。半径4m、角度0。毎秒1rad増加。」 サメはエサにつられて、回り始めた。ずっとこのままでも・・精神的によくない・・・ ふと、横に視線をずらすと、ブラックホールらしきものがある。あれだ・・ アキ「エサ軌道をヌル・デバイスに接続。サメを誘導。」 ハル「お、片付けたか。黒い石を置きなおしておいたぜ。」 それでブラックホールが開いたのか・・・ アキ「ブラックホールへの接続をクローズ。フォトン回収。」 視界からブラックホールが消え、エサも消滅した。危機は去ったようだ。 ハル「おまえ、案外強いな。」 アキ「もしかして、試した?」 ハル「ばれたか。じゃあな。いい夢見ろよ〜」 再びイルカの群れに囲まれた。しばらくすると、声が聞こえる。 ミナ「アキ〜、起きて〜。魔物が出たみたいだよ〜」 今度は現実の戦闘らしい。 アキ「おはよう。今何時?」 ミナ「ちょうど12時。魔物が起きる時間だね。」
>>781 城塞の地下には密かに抜け穴が掘ってあった・・・(ry
それとも夜行馬車で気がつかれない内に港に移動・・・
飛行船も魅力的・・・世界初の飛行機を飛ばしてみるとか・・・
//これって外伝になるのかな・・・
ある日、ミナは壁に埋もれている古代文字を発見した。そこには、こう書かれていた。
「影ありて、光を覆う。地に声あれど届かず。光は、ただ影を照らすのみ。」
その日、ミナはシールドを創生した。
−−ミナ記「失われし古代の英知」より
__∧_∧_ |( ^^ )| <寝るぽ(^^) |\⌒⌒⌒\ \ |⌒⌒⌒~| 山崎渉 ~ ̄ ̄ ̄ ̄
とりあえず、保守。
sea-4さんハイペースですね。 サメのシミュレーションの話、なかなか面白かったですよ。(^^)
仮眠のつもりがこんな時間に…ってのはさておき
>>765 の続き。
---- ここから ----
俺は恐る恐る指輪に触ってみる。昨日の化物が思い出されてあんまりいい感じはしない。
酔って決めたか勝手に決められたのか記憶に無いが、俺はメイガスということなので
攻撃魔法が使えることになるらしい。
指輪は手下を操っていた化物が持っていただけあって、かなりの魔法─といってもどれが
なんなのかわからない─が込められてあったが、現在使えるのは一番初歩の奴だけだった。
プロセスを殺しても経験値にならないようだ。当然といえばあまりにも当然。
俺が迷ってもたついているうちに、男はいつの間にか目前まで迫っていた。
いかにも映画か何かの悪役風にニヤニヤ笑いを浮かべている。
「よお兄ちゃん、通りたければ財布よこせや」
…なんという台詞だ。
男は突然棒を振り下ろす。痛みはあまり感じなかったが、ふっ飛んだ衝撃はある。
今ひとつ理解できないまま指輪をかざして魔法を選んでみる。例によって呪文の
ソースが周りを回り、指輪から衝撃波っぽいエフェクトが目視できる程度のスピードで
飛び、男の腕をかすると、男は表情を変えて大木を取り落とした。
つい男に大丈夫ですかと言いそうになるのを堪えて、何発か繰り返していると、
男は次第に動かなくなってきた。
段々自分が恐くなってきて、俺はとどめを刺さずにその場を離れた。
道中、気になったことを尋ねてみた。 「C++じゃ無いようだけど、呪文のソースは一体何?」 RYUYA says: えーと SION says: Adaです。 DOMON says: 馬鹿野郎教えるな! AYASE says: 感情的になるなよ。テストしてもらえばいいだろ。 AYASE says: NAOTOも今はそっちを試すよりデバッグを優先してくれ Adaか…。昔少しは見た事がある言語だが、大部分はさっぱりだ。 竜也の話だと、データの矛盾に出くわしたとして、マーキングの為には コードを使う必要がある─公開する魔法にそんな機能付けんわな─ため、不安が増す。 しかし、開発陣の顔を思い浮かべると、誰が誰かわかったような気がする。 心の中でニヤニヤ笑いながら、俺は道を急いだ。 丘をこえると、塔の屋根が見え、次第に目前に街が広がってきた。 さて、と、道なりに歩いていくと、入り口のところで門番に呼び止められた。 「おい、服に血がついてる奴、止まれ」 一瞬誰のことかわからなかったが、俺のことだ。 意識が回らなかったが、そういえばそのままだった。 「最近物騒なんだ。怪しいな、名前は」 「あ、はい。直人です」 つい素で答えてしまった。 服を買おうにも、俺は今「$A」しか持って無い。定食から考えて小銭だろう。 俺が問い詰められ困りはてていると、街の中からふたりの人間が歩いてきた。
「おいおい、こんなところで引っかかるなよ。待たされてんだからな」 そう言ったのは、上半身裸にチョッキみたいなものをまとい、首にタオル、 腰にカナヅチ?あれはスパナ?とにかくいろんなものをくっつけた男。 その横で、ナポレオンが被ってそうな帽子の女性が笑っている。 二人は、門番に何か説明すると、一走り普通の服を買ってきてくれた。 俺は門の横の草むらに隠れて着替えながら、話しかける。 「ありがとう─もしかしてテストプレイヤーの方ですよね」 「ウィンドウ見ればわかるでしょ?」 言われてウィンドウを開いてみると、ふたりの顔が並んで、横にそれぞれHEATH, EVEと ごちゃごちゃした数字が書かれていた。…成程。 「間違ってプレイヤーを殺したってホントみたいだな」 「なーに?しんじらんなーい!経験値ゼロ!昨日何やってたの」 派手に笑われてしまう。癪なので、彼らのことに話題をふる。 「お二人は何なのですか?えーと…ヒースが…SMITH?」 裸タオルの男が答える。 「職工だよ。いろいろ作ったり、細工できる」 「あたしは銃士。イブ。メイガスでしょ?このパーティで大丈夫?盾がいないじゃない」 銃士は前に出ろよ、嫌、鎧じゃないし…ふたりは勝手に話を続けている。 俺は、部屋で会った時はふたりとも男だったよな、と思いつつも、この手のゲームで そういう事を言うのはマナー違反とどこかで聞いた気もするので、言わないでおいた。 初めて見た人種ではあるが。 RYUYA: 東門からまっすぐ5キロ、森を抜けてください 街中の通りを抜ける途中、装備を買った方がいいといわれ、店舗に幾つか入ったが、 結局往復分のお弁当しか買えなかった。 門を出て、一路東へ。彼らは昨日も一緒だったらしく、なかなかに陽気だ。 途中、道をはずれて森へ突き当たる。ヒースがなたを取り出し、枝を払って進む。 正直回り道を竜也に誘導して貰えばよさそうなものだが、彼らはこれが楽しいらしい。
途中、出会い頭に熊に出会った。俺は走り出そうとし、ヒースは何かを取り出そうとした。 銃声一発、二発、三発、何をするまもなく熊は倒れていた。 振り返ると、イブが得意げに銃で帽子を持ち上げていた。 ちょうどよい倒木を見つけ、腰かけて昼飯を食べていると、チリーンと音が響く。 「さっき仕掛けた鳴子だ」 ヒースが弁当を足元に置いて起き上がり、工具を取りだしている。 鳴子は続けて絶え間なく鳴り続け、集団らしいと予感させた。 イブが木の陰に隠れて銃を構える。 俺は…迷った末、別の木に隠れ、指輪の魔法を用意した。 木陰から姿が見える。人型だが、尖った耳、鋭い牙、濁った肌…何かの怪物に違いは無い。 ザザザ…。足音が聞こえるぐらいまで、奴らは俺達を取り囲んできた。 いきなり背後から銃声が響く。俺は一瞬身をすくめたが、イブの先制攻撃だ。 一体が音を立てでしげみへ倒れ込む。俺は魔法を放つ。足が震えて、外した! もう一発!かすめた!続ける! 背後から声がする。イブが、銃を構えられないぐらいの距離まで詰められている。 俺はそちらへ向けて魔法を放とうとした、が、エフェクトが出ない。 空しい格闘の末思いついてウィンドウを開いてみると、表記はどう読むのか知らないが マジックポイントとおぼしき値が、真っ赤に"0"となっていた。 あきらめかけた瞬間、枝の折れる大きな音が響き、目の前をロープにつるされた 巨大な丸太が通り過ぎていく。巨木はイブのまわりの怪物を二体まとめてなぎ払う。 イブは半歩移動し、残る一匹の眉間に銃を突き付け、引き金を引いた。 丸太が来た方向を見てみると、木の上でヒースがVサインを出していた。 しかし、よく見てみると、その木の下もすでに取り囲まれていて、ヒースも降りるに 降りられないでいるのがわかった。イブは必死で逃げ回りながら弾込めを試みている。 ヒースのいる木を取り囲んでいる連中は、しばらく爪で木の皮を削っていたが、 登れないことを悟ると、俺の方に向かってきた…。
正直恐い。 このまま帰って竜也に叱られるよりは、ダメモトでも試した方がいいだろう、 自分に言い分けをしているのが自覚できる。 俺は指輪に向けて、記憶と勘でコードを唱え始める。 for It in World'Range loop if It.all in Monster'Class then Unchecked_Deallocation(It); end if; end loop; 12:23: prefix of dereference must be an access type 13:25: must instantiate generic procedure "Unchecked_Deallocation" before call …玉砕。Hello Worldとか簡単な計算しかやったことがないのに、わかるわけねえ。 奴らの爪が次々とかする。皮膚が刻まれ、あちこち血が滲んできた。 ---- ここまで ----
ぐっじょぶ!
800 :
仕様書無しさん :03/07/18 22:47
週末あげ
みなさん忙しいのかな、ネタでも続けておこう
>>757 [ウィザード]
一般に、賢いと思われている人。本当に賢いかは不明。
ファンタジー世界では、魔法が使えると本気で言っていても、電波かどうか見極めが難しい。
こないだも、面接官がイオナズンを(以下略
[λ計算]
久しぶりの連休で、私自身、システムダウンしてました・・・ まもなく復旧いたしますので、しばらくお待ちください。 //外伝・・・ 「光ありて、盾をなす。闇ありて、剣生まる。」 俺にはまだ理解できないが、バリアーなどに関係するようだ。
ミナ「えーっと、3、4匹かぁ。ゆっくり行っても大丈夫だね。」 ミナは携帯用端末を覗き込みながら言った。 赤い点と青い点が次第に接近している。近付いてみると、人が動いているのが見える。 端末との距離を計算して、提示する情報を変えているようだ。 アキ「本当にゆっくり行っても大丈夫かな・・・」 ミナ「平気、平気。必要な装備を持って、出発しよう。」 ミナはスーツケースから色々なものを取り出し始めた。って、あれ、スーツケースは どこから出て来たんだろう・・・ ミナ「じゃ、行こうか。とりあえず、下まで降りて、フロントに寄って行こうね。」 アキ「そんな悠長な・・・」 ミナ「いいの、いいの。」 俺たちはエレベーターで2階まで降りた。フロントでは、なぜか、女将が待っていた。 女将「やっぱり、出ましたね。」 ミナ「ええ。ここに泊まると、初日にはいつも出ますね・・・」 女将「気を付けて行って来てくださいね。待ってますから。」 ミナ「分かりました。では、お願いします。」 そう言うと、ミナはフロントの奥に向かった。俺も続く。 奥には小さな広場程の空間が広がっていた。俺が到着すると、ミナは光で魔方陣を描いた。 ミナ「ここには、思い出があるからね・・・絶対壊させない。」 ミナ「行くよ〜。リンク!」 前回はすぐに目的地に着いたのだが、今回は違っていた。約10秒ほどだろうか。 通った道が、消えてゆく。 ミナ「今回のは片道しか通れないようにしてあるんだ〜。でも、私の処理速度だと 結構時間かかるんだよね・・・」 遠くの方で青い光が見える。それ以外は闇の中だ。
アキ「あ、痛っ・・・」 ミナは平気で進んでいくのだが、俺はあちこちにぶつかって・・・ ミナ「視覚からの情報に頼りすぎだよ〜。もっと他の感覚も使わないと。」 他の感覚?音?遠くで聞こえるだけだ。温度?分からない。触覚?さっき痛い目にあった。 後は何が・・・ ミナ「色々な気配って、なんだろう、音とか温度とか、いろんな感覚を、少しずつ持ち合って 感じるものじゃないかな・・・空気、風、闇・・・どんなものにも気配はあると思うよ〜」 俺はあらためて色々な感覚に集中してみた。ミナのいる方角。かすかに温度を感じる。 空気の音も、高域が曇って感じる。今わかるのはその位か・・・遠くで水の流れるような音、 空気を切るような音も聞こえる・・・えっ、それって戦闘が始まってる? ミナ「始まったみたいだね。私たちも行くよ〜」 そう言うと、ミナは速度を上げた。俺もミナの気配を追って、速度を上げた。 時折ミナが左右に避けるのを感じる。俺は避けきれずに近くの物にあたってしまうのだが、 さっきよりは回避率が上がったようだ。 周囲が静かになった。敵を倒したから、というのではなく、新たな参戦者に警戒し、 様子をうかがっているという感じだ。俺は剣を抜こうとしが、ミナがそれを制した。 ミナ(だめ。夜は使えないの。) アキ(どうして?) ミナ(敵が増えるから。それに目立つから標的になるよ。) 言われてみれば、そうかもしれない。夜の戦闘では、音や光は厳禁、って歴史書に 書いてあったっけ。 あれ、待てよ、さっき空気を切る音が・・あれって、剣の音だと思ってたのに・・
ミナ(あれは闇の剣だから平気なんだよ。) アキ(俺も使える?) ミナ(う〜ん、無理じゃないかな。重さが2tとか3tとか言ってたし・・・) アキ(そんなもの振り回してたのか・・・) ミナ(どうする?) アキ(弱点は?) ミナ(あの魔物には会ったことないから・・・) アキ(会ったことないって・・・もしかして見えてる?) ミナ(気付いた?) アキ(もぅ、視覚に頼るなって言ってたのに・・・) ミナ(視覚には頼ってないよ。空気の流れる音から計算してるの。こんな感じ。) 目の前に、多量の計算式と、無数の矢印、矢印の中に魔物らしき影が現れた。 ミナ(推測値との差分だから、多少誤差はあるけどね・・・) そんなことより、魔物の大きさが気になる。高さ10mぐらいだろうか。 アキ(相手の弱点を探れないかな?) ミナ(できなくはないけど、解析が終わる前に攻撃してくるよ。) ミナ(相手にアクセスしないといけないからね〜。こっちの存在も位置も知られちゃうから・・・) アキ(剣以外の攻撃手段はあるのかな?) ミナ(闇の剣は重力系の魔法と同じ効果があるから、似たような魔法を使えば・・・) ミナ(でも、攻撃魔法は触媒がないと使えないんだよね・・・) アキ(ここは会長の一族に任せて撤退・・・) ミナ(それが、魔物の方が優勢なんだな・・・私たちが来たんで様子見してるけど・・) どうやら逃げるわけにもいかないようだ。倒す方法を考えなくては。 魔物といえど、生物の一種だろう。ということは、昔、生物のシュミレーションの時に習った、 「生物はいくつかの基本原則に従って行動する」というのが・・・ ミナ(攻撃の役に立ちません。はい、次。) アキ(答えだすのが早すぎ・・・) ミナ(前のマスターも同じ事考えてたから・・・)
じゃあ、原子物理学で習った、「物体は一定以上のエネルギーを注入すると崩壊する」というのは・・・ ミナ(おっ、新しいパターンだね。ちょっと待ってね・・・該当する理論を検索・・・) ミナ(いくつか出てきたね・・・このあたりかな・・・あっ、これかぁ。思い出した・・・) 「光は盾、闇は剣。相対するものであり、相似するものである。」 アキ(えっ?) ミナ(こまかいことは気にしない。とりあえず、これは保留。他の方法を考えよ〜。) 何だか分からないが、他の方法を考えることにした。 アキ(あの魔物は闇属性?) ミナ(多分そうだね。) アキ(じゃあ、光に弱い?) ミナ(多分・・でも、倒す前に他の魔物がよってきて、数が増え始めたら収集がつかなくなるよ。) アキ(それで闇の剣を使ってたのか・・・) ミナ(攻撃力は弱まっても、数が増えるよりはいいから・・・) アキ(そういう考え方もあるんだ・・・) アキ(光を闇で包んで、魔物の中で光を開放できないかな・・・) ミナ(えっ?) これは、ミナも予想してなかったらしい。 ミナ(そうだな・・・魔物の表面で、闇属性同士、反発しなければできそうだね・・・) ミナ(久しぶりにやってみるかぁ。アキ〜、今ので行くよ〜。) アキ(えっ??何、何?) ミナ(防御魔法を拡張。プロパティとしてシールドの属性を追加。メソッドとしてシールドの形状変化を追加) アキ(???) ミナ(魔物に、ぎりぎりまで近づくよ) アキ(え〜っ)
ミナ(シールドを展開して!) アキ(シールドを展開!) あれ、光らない・・ミナは何か呪文を唱えている・・・ アキ(次は?) ミナ(シールドで魔物の周囲を囲んで!) 魔物が急速にこちらに向かってくる。 ミナ(解析終了!アキ〜、早く!!!) 俺は慌てて、シールドを張り巡らせた。あれ、シールドって円形にしかならないはずじゃ・・・ ミナ(魔物の下もちゃんと囲んで!) 魔物の周囲にシールドが張られた。ちょうど繭球のようになっている。 ミナ(もう1層、シールドを張って!) 俺はさらにシールドを展開した。 ミナ(行くよ〜!第1シールド、属性を闇から光に切り替え!形状変化により、魔物内部に侵入!) 繭玉の中で、魔物が暴れている気がした。数秒後、繭玉の中はおとなしくなった。どうやらうまく行ったようだ。 アキ(何だか、かわいそうだね・・・) ミナ(そうだね・・・でも、人間の生活を守るためには仕方ないよ・・・) 暗くて見えないが、ミナは悲しげな表情をしているのだろう。何だか空気が重い。 ミナ(悩んでてもしょうがない。次!シールド展開!) アキ(展開!) ・・・こうして3匹の魔物を倒した。そして最後の1匹になった時、事態は急変した。 ミナ(あぶない!) ミナは俺をかばって、魔物と俺の間に飛び込んだ。 ミナ(はは、やられちゃった・・・) どうやら、ミナは動けないほどの傷を負ったようだ。俺がなさけないばっかりに・・・ 魔物もそれまでの戦闘を見て学習したらしい。そして、闇同士の反発を利用して、 シールドの一部を跳ね飛ばしてきた。ちょうど剣の形になるように・・・
sea-4さんぐっじょぶ! ワクワク♪
このスレイイ!!会社の行き帰りに電車の中で楽しく読ませてもらってます
ハッキリ言ってアメリカなどの多民族国家では黒人の方がアジア人よりもずっと立場は上だよ。 貧弱で弱弱しく、アグレッシブさに欠け、醜いアジア人は黒人のストレス解消のいい的。 黒人は有名スポーツ選手、ミュージシャンを多数輩出してるし、アジア人はかなり彼らに見下されている。 (黒人は白人には頭があがらないため日系料理天などの日本人店員相手に威張り散らしてストレス解消する。 また、日本女はすぐヤラせてくれる肉便器としてとおっている。 「○ドルでどうだ?(俺を買え)」と逆売春を持ちかける黒人男性も多い。) 彼らの見ていないところでこそこそ陰口しか叩けない日本人は滑稽。
ハッキリ言ってアメリカなどの多民族国家では黒人の方がアジア人よりもずっと立場は上だよ。 貧弱で弱弱しく、アグレッシブさに欠け、醜いアジア人は黒人のストレス解消のいい的。 黒人は有名スポーツ選手、ミュージシャンを多数輩出してるし、アジア人はかなり彼らに見下されている。 (黒人は白人には頭があがらないため日系料理天などの日本人店員相手に威張り散らしてストレス解消する。 また、日本女はすぐヤラせてくれる肉便器としてとおっている。 「○ドルでどうだ?(俺を買え)」と逆売春を持ちかける黒人男性も多い。) 彼らの見ていないところでこそこそ陰口しか叩けない日本人は滑稽。
魔物が急激に近づいてくる。シールドを丸ごと引きずってくるほどの力があるらしい。 なんとかしなくては・・・ ミナ(これを使って・・・) かすかに、ミナの心の声が聞こえた。これは、お茶菓子、というか、夢見石? 1つは黒、もう1つは、透明? ミナ(レアものだけど、あげる) ミナ(魔物も夢をみるはずだよ・・・) ミナは気を失ったらしい。俺の手には2つの石。どうしたらいいのだろう・・・ 夢・・・眠る・・・そうか、眠らせればいいのか。スリープでいいのかな? アキ幻影1(それは違うと思うぞ) アキ(えっ?) 俺は驚いて振り向いた。そういえば、ミナが守護獣代わりって、幻影を作ってたな・・・ アキ幻影2(ヘルプを参照) アキ幻影3(防御魔法の攻撃への応用を検索) アキ幻影4(媒体を検索) 今度は同時に3人が・・・ アキ幻影5(魔物の距離、速度を演算) アキ幻影6(ミナの代替モジュールを形成) よく分からないうちに、準備が始まったようだ・・・ アキ幻影2(スリープは足止めの魔法。) アキ幻影3(防御魔法は環境制御魔法に転用できる) アキ幻影4(媒体は魔法発動地点の移動に利用できる) アキ幻影5(あと5秒で接触) アキ幻影1(インターフェイスを形成、幻影6と協調動作)・・・ 幻影1と幻影6が消え、ミナが・・・ ミナ幻影(スリープを実行!) とにかく、実行した方がよさそうだ。 アキ(スリープ!)
魔物の動きが止まった・・・が、すぐ動き出した。 ミナ幻影(連続実行!) アキ(スリープ!スリープ!スリープ!スリープ!・・・) なんだか俺まで眠くなりそうだ。 アキ幻影3、4(演算終了) ミナ幻影(黒い石を魔物に投げて!) 俺は黒い石を投げた。石は魔物の周りに張ったシールドに吸い込まれた。 ミナ幻影(黒い石上で、闇属性シールドを展開。シールドを転用し、闇環境を生成。) 何も起きない。 ミナ幻影(呪文を唱えるのはアキだよ!) 何も起きないはずだ・・・ アキ(黒い石上で、シールドを展開。属性は闇。シールドの濃度、形状を変更。) 魔物は安心したのか、動きが鈍くなった。 ミナ幻影(これからはタイミングが勝負だよ〜。透明な石にスリープ魔法とシールド魔法をかけて!) アキ(?) ミナ幻影(シールド内で発動させるから・・・) そういうことか。俺は透明な石に向かって呪文をかけ始めた。 アキ(スリープ、スリープ、スリープ、シールド・・・) アキ(あれ、属性は?) ミナ幻影(早く〜!属性は光!) アキ(属性は光!シールド展開後、急激に拡散!) ミナ幻影(投げて!) 俺は、透明な石を魔物に向かって投げた。予想通り・・・いや、早すぎる!
アキ(早すぎ!!!) ミナ幻影(引力の影響だね・・・) ミナの性格までコピーしたのか・・・ アキ(どうしたら・・・) ミナ幻影(大丈夫、大丈夫) 石は魔物を通り抜けて、向こう側に・・・いや、戻ってきた。渦巻き状に魔物の中心に 吸い寄せられて行く。 ミナ幻影(2、1・・・) アキ(0!) 魔物が跳ね飛ばしたシールドの隙間から、うっすらと光が漏れてくるのが見える。 一瞬、ものすごく強い光が放たれた後、また闇の世界が戻ってきた。 魔物の動きが完全に止まった。近くの森がざわめいた気がしたが、すぐに おとなしくなった。 ミナ幻影(やったね!) アキ(ああ。) そう言い終わると、ミナの幻影は2つに分裂し、俺の幻影に戻った。 近くに魔物は居ないようだ。ここはすぐに退くべきだろう。 周りを見ると、もう、誰も居なかった。ミナは、いまだに意識を失ったままだ。 アキ「ミナ!」 ミナ「う〜ん・・・」 アキ「大丈夫?」 ミナは、また意識を失いかけている・・・ アキ「回復魔法って、使えるのかな?リカバリ・・・」 ミナが、一瞬反応したようだった。 アキ「リカバリ!」
ミナ「待って・・・私には効かな・・・」 ミナ「装備品・・・特効薬A・・・1滴・・・・・」 とぎれとぎれだが、単語はなんとか聞き取れた・・これかな? アキ「これ、スプレーなんだけど・・・」 ミナ「それ違・・・」 違ったみたいだ。装備品の下のほうに、小さな入れ物が見つかった。 アキ「これかな?」 ミナ「うん。」 特効薬Aを1滴、ミナの唇にたらした。 ミナ「しばらく眠るね・・・」 そういうと、ミナは眠りについた。10分、20分・・・次第に不安になってきた。 そうだ、宿に戻ろう。 俺はミナを抱え上げると、ゆっくりと歩き出した。1時間ほど経っただろうか。 ふと上を見上げると、遠くから、何かがやってくる。今襲われたら・・・ その物体は目の前で停止した。飛行機の様にも見えるが、羽がエイのような 形をしている。中から、人が降りてきた。 女将「大丈夫ですか?遅いので様子を見に来たのですが・・・」 助かった・・・ 女将「ミナさん、怪我をなさったのですね・・・早く帰って治療しましょう。」 アキ「リカバリは効かないみたい・・・」 女将「存じております。さ、早く。」 中は意外と広かった。座席を倒すとベッドになった。そこにミナを寝かせた。
女将「魔物は全部倒しましたか?」 アキ「あれで全部だと思うのですが・・・4匹倒しました。」 女将「そうですか・・・」 そう言うと、女将は、パネルに触れ、何か操作を始めた・・・どうやら自動操縦に 切り替えたようだ。操作が終わると、俺の横に座った。 女将「久しぶりだったので、少し手間取ってしまいました。」 アキ「久しぶり?」 女将「ミナさんが、前のマスターの方と初めていらした時以来ですから・・・」 アキ「その時も?」 女将「ええ、宿についてからが大変でしたが・・・」 俺は、何があったのだろう、と思いながら、あたりを見回す。 女将「この船に興味がおありですか?」 アキ「少しだけ・・・」 女将「じゃあ、簡単にご説明いたしましょう。」 アキ「お願いします。」 女将「この船は100年ほど前に建造されたものと聞いております。 何でも、昔、空を飛んでいた、飛行船と飛行機を参考につくったそうです。 羽の材料に、軽い気体の気泡を多く含む樹脂を使ってるとか・・・ 推力はイオン加速器だそうです。私もよく分かりませんが・・・」 アキ「なんだか難しい話になりそうですね・・・」 女将「そうですね。あ、そうそう、誘導装置にゲートシステムを・・・」 そう言いかけたところで、宿に着いた。やはり文明の利器・・・ 女将「さ、ミナさんを運びますよ。」 アキ「はい。」 そう言うと、女将はミナを軽々と持ち上げた。 女将「どうしました?」 アキ「いいえ、何でも。俺はどうしたら?」 女将「ドアを開けてもらえますか?」
アキ「はい。」 船は俺たちが下りた後、自動的に、床と同化して、見えなくなった。 確かに、宿に着いてからが大変だった。ミナの治療は簡単に済んだのだが、 その後が・・・ ミナ「え〜、見たかったなぁ。船って、何回か乗ってるはずだけど、 いっつも意識ない時だし・・・見たい、見たい、見た〜い!」 アキ「そうは言っても・・・」 ミナ「ずるい、ずるい、ずるい!!!・・・」 どうやら、女将はこうなることを見越していたようだ。 ミナ「あれ、何だか眠くなってきた・・・」 ミナは寝てしまった。枕もとには透明な石。どんな夢を見ているのだろう・・・
深夜、当てられた部屋で皆が交代で眠る。 元々カエル達には関係の無い事の筈なのだが、何時の間にか一緒に朝まで居る事になっていた。 そんななか、突然カエルが起き出す。 『眠れるかっちゅうねん。』 そんな独り言を洩らしつつ、隣の作戦指令室に入る。 中にいるのは、総司令官只一人だった。 総司令官は、月光に当てられながら静かにタバコを吹かし、外を眺めていた。 カエルも窓際に近づき、外を見やる。 相も代わらず蠢く影が丘の端を占めていた。 『何で、引かないんだろうな。』 総司令官が、独り言ともなしに洩らしている。 カエルがそっちを向くが、当人は外を向いたままだ。 『何かを、待っているのでしょうか。』 カエルも再び同じように外を向き、同じように独り言ともなしに答える。 『待つ・・・ね。 援軍がきても状況は変わるまいて。』 お互いに、外を向かいながら会話を進めていく。 『時間ではないでしょうか?』 『時間?』 総司令官がカエルの方に視線を移す。 カエルも外にやっていた視線を総司令官に向ける。 『時間が経つのを待って、こちら側に隙が出来るのを待っているのでしょう。』 『隙ねぇ。』 総司令官は再び外に視線を向ける。 『だが、我々守備側は、そう簡単には隙を晒さんが。』 突然の声。 声の主は部屋の入り口に居た。 『総司令官殿、当番交代の時間ですが。』 外を向く総司令官に向けて声を掛けている。
『ああ。 だがちょっと待ってくれ、情報参謀。 コイツの意見にもう少し耳を傾けたいでな。』 総司令官は外を向いたまま、情報参謀に語りかける。 『はっ。 了解しました。』 『続けてくれ。』 総司令官がこっちを向いて来た。 『あ、はい。 時間が経つことによって変わる状況に、隙を見出すのではないでしょうか。』 『と、言うと?』 情報参謀が入り口から、卓席に座りながら聞いてきた。 『たとえば、ですけれど、時間が経てばこうして夜になります。』 『人間は夜になれば視界が悪化し、状況の判断が出来なくなってしまいます。』 『また、視界の悪化は動作の鈍化にも繋がります。』 『時間が経って、夜という状況になるだけで、情報収集能力と行動能力の大半を奪うことが出来ます。』 情報参謀は、思案する仕草をしている。 『それなりに、戦略に心得が在るみたいじゃな。』 総司令官の方から声が掛かった。 『どうなんじゃ? 情報参謀よ。』 情報参謀は仕草を解く。 『だが、ソレもファイヤーウォールを突破してからの話だ。』 『ファイヤーウォールを突破しない限り、我々と直接戦うことが出来ないんだからな。』 『過信は禁物です。』 情報参謀が自信一杯に答えるが、ソレを封じる。 『いくらファイヤーウォールが強固な守りを誇るといっても、所詮は魔法による一時的防御に過ぎません。』 『ほう。』
総司令官がこっちを向き、短くそれだけ言った。 『魔法である以上、魔法を発する側に何か障害が発生すれば、その効力は消えてしまいます。』 『そうしたとき、ファイヤーウォールに依存している我々の被害は大きなものになるでしょう。』 カエルが、僅かしかない魔法の知識で話を進める。 実際のところ、この辺はカエルの予想だ。 魔法と実際の世界での情報技術にある程度の共通点があるならば、情報技術での知識をそのまま魔法に当てはめる事が出来るという考えの元だ。 『どうなんだ? 情報参謀。』 総司令官が促す。 『魔法の方の知識は存じません。』 情報参謀が、あっさりと一蹴する。 『魔法は、一回発動させてしまえば魔力を投入しつづけるだけで維持できる。』 入り口に、組合組合長が立っている。 『じいさんか、どうしたね?』 総司令官が組合長に、まるで世間話でもするかのように話かける。 『いや、目が覚めて見たらカエルの姿が見えなんだでな、どうしたかと思っての。』 そう言うと、組合長がカエルに視線を向ける。 『今は、30人を10交代制二時間づつ当たっとる。 障害が発生することはありえんよ。』 『外から、ファイヤーウォールに過負荷が与えられるとどうなります?』 組合長に声を向ける。 『そりゃ、魔法が消費する魔力が高くなるの。』 組合長が短く答える。 『じゃあ、その三人が投入する魔力を超えるだけの過負荷がかけられたらどうなります?』 組合長に再び声をぶつけた。 『ディ・オ・エスの事を言っているのじゃろ。』 カエルの聞き覚えのある単語が飛び込んでくる。 『ディ・オ・エス・・・ああ、DoSアタックのことか。 はい、そうです。』 組合長が顎に手を当てる。
『ふぁっふぁっふぁ。 アレを使うには、膨大な魔法力が必要になるでな。』 『通常じゃと、ディ・オ・エス魔方陣をファイヤーウォールの壁ギリギリに展開するんじゃよ。』 『そこで、ディ・オ・エス魔法を発動させて魔力を衝突させるんじゃ。』 『監視班からの連絡じゃと、ファイヤーウォールの近くどころか、大砲の射程距離にさえ魔方陣が確認されておらん。』 『万が一、ディ・オ・エス魔方陣を大砲の射程距離より遠くに展開されても、ファイヤーウォールに届くまでには魔力は殆ど霧散してしまう。』 『大砲の射程距離内で展開されても、大砲隊が何とかしてくれるしの。』 『ほれ、もういいじゃろう。 これ以上は軍人さんに任せておけば良いんじゃ。』 組合長にたしなめられる。 『はい。』 カエルは釈然としないが、組合長に連れられて部屋の外に出る。 『ほれ、寝なさい。 眠れなくても横になるだけで疲れは大分取れるんじゃ。』 組合長に部屋の押し込められる。 カエルは、そのまま床につく。 嫌な予感は、とりあえずそのまま気のせいということで心の奥に仕舞っておくことにした。
イイ
なんだか、保管サイトの方が色々更新されていたりするのですね・・・(汗 設定の見直しとかが出来て在りがたいで在ります。 んでもって、見つけた問題。 金額に関して ウチの記述問題でした。 ウチの月収約19万6千円で計算して、ソレのうち100円がこのライブラリの値段です。 記述中では、この値をファンタジー世界の平均月収と比較していることになっています。 そして、問題点ですが、ファンタジー世界上では『一Byte未満』と言っているのですが、実際は 196000:2048 = 100:1.9 なので、実際には『二Byte未満』です。 年表に関して えっと、一応、4000年から4096年までは魔物の襲来がないことに成っています。 そして、カエルがファンタジー世界に時空シフトしてきた直後近辺で、連合軍とマコト達が初接触をすることになってます。
生物/非生物/魔法生物とRecoveryとログについて 物体 ├──────────────┬─────┐ 生物 非生物 魔法生物 ├───────┬・・ ├──┬・・ | 動物 植物 石 土 魔法生物 ├──┬─┬・・ ├───┬・・ ├─┬・・ 人間 鳥 魚 常緑樹 落葉樹 というようになります。 魔法生物は、『非生物』を『生物』に魔法によって変換されているので、どっちにも属することが出来ない存在です。 Recoveryは定義上『生物に属する』と記述されています。 でも、実際には『動物』に属する関数になります。 あくまでも、『記述(表現)上の問題』とボクは思ってます。(苦しいかな・・? ログは、動物・植物其々に独立して存在します。 動物と植物では生物単位時間が違うので同じでは在りません。 同じ名称を持っていますが、内容は異なるようになります。(出来たっけかなぁ・・・?
>>801 のように書いておいて、自分がサボってりゃ世話無いわけですが…。
すみませんが、とりあえず予告だけ。
幻想的なsea-4さんと、本格ライトノベルのKAERUさんに囲まれて、
次は泥臭いデバッグ話になります。お楽しみに〜なんてとても言えませんけど。
>>824 KAERUさん
>同じ名称を持っていますが、内容は異なるようになります。(出来たっけかなぁ・・・?
型まで異なるならtemplateとかgenericとか、或いはHaskellのclassのようなやつ、ですか?
それで動物、植物両方とも、template関数Recoveryに渡せる条件を満たしているわけですね?(←適当
>>825 おなじ名前でということはオーバーライドなり継承とか?
>>825 >お楽しみに〜
ミナ「待ってま〜す」
>>824-826 Recoveryは生物クラスの仮想関数で、
○動物クラスで、実際の回復手段(ログを参照し、復帰)が定義されている
○植物クラスでは、何もしない関数になっている
ってことで、どうでしょう?
あと、ログ自体の型を変えると面倒なので、ログの中で差異を吸収してしまう方が
良いかも、と思います。
情報は関数を使って引き出すetc(Borland系だとプロパティとして作りこむとか・・・)とか、
基本的な情報は生物クラスのログで定義し、動物、植物で拡張情報を定義するとか・・・
そんな感じでどうでしょう?(2番煎じになってる気もしますが・・・)
//行数足りるかな?外伝です・・・
とある神殿の奥で、ミナは声を聞いた。
「時を持たざる者よ、我が意志を継げ。」
その日、ミナは新たなる冒険の日々に旅立った。
--ミナ記「失われし古代の英知」より
電撃文庫のウィザーズブレインって小説しってますか? このスレのような話好きな人なら面白いと思う
>>828 こんど探してきます・・・本屋に行く時間あるかな・・・
>>827 (うーん、自己レス・・・)
あ、ログって、DBのログでしたっけ・・・
じゃあ、動物と植物で、復帰する時間までの長さが違うから、
動物クラス、植物クラスのRecovery関数の定義を
動物:REDOログから復元
植物:バックアップ+アーカイブされたログから復元
とすればいいのかな・・・(←適当+推量?
>829 ここのスレほどプログラマよりの話じゃないけど その世界ではIブレインっていう装置を脳内に埋め込んで 情報制御理論とかいう理論で実世界を仮想世界のパラメータを書き換えるように 書き換えることができる 例えば重力パラメータを書き換えて宙に浮いたり、時間軸を引き延ばしてナノセカンドの戦いをしたり このスレの感じが好きならウィザーズブレインも面白いと思うのでお勧めです
>>830 重力とか時間軸のあたりが少しかぶるかな・・・
ちょうどいい機会なので、アキやミナがいる世界の世界観について。
この世界では、魔法が科学的に証明されています。(とはいっても、
一般の人には公開されていないのですが)
その証明の元になったのが、数世紀前に、ある有名な科学者が
発表した理論で、エネルギーと質量の関係を表す式などです。
魔法に限らず、あらゆる現象は、その対象とする物体の持つ軸
(空間軸、時間軸など)と、その作用のキャリアー(搬送体)との
相互作用によるものです。例えば、剣による攻撃は、攻撃対象の
構成粒子の座標を変化させるものですが、粒子密度が低すぎて
攻撃できない場合もあります。ミナにリカバリが効かないのも
似たような理由です。
また、エネルギーと質量の相互変換の関係から、
質量による攻撃を、十分なエネルギーを持ったフィールドで
防ぐことなども可能です。エネルギー同士でもトラップされます。
このあたりがバリアーの理論に発展したんですね。
高エネルギーのコアの周辺では、時間軸の延長が顕著に
現れます。このあたりは書く機会が無いことを願うのですが。
ある意味、最終手段ですね。
そういえば、この世界、密かに実用化されているものが
ありました。エネルギーの遮蔽、排除をうまく使うと、物体が
宙に浮くのですが、交通機関に使ってたりするんですね。
以上、マ板っぽくない解説でした。
イイヨイイヨー
続き。前回は、世界観というか、魔法観になってしまったので、軌道修正・・・ この世界は、「科学と魔法の融合」をテーマとして作られました。 普通に生活している分には気付かないかもしれませんが、 都市、建物等は、エネルギーの流れを基準として、計画的に 配置されています。そのため、上空から見ると、美しい模様と なっています。 各都市には神殿が配置されているのですが、神殿の中にゲートシステムが 組み込まれています。ただし、普通の人には見えないよう、壁に細工がしてあります。 ゲートシステム間には秘密の経路があるのですが、このあたりの話はそのうちに、ということで。 ゲートシステムには、アキが気付いていない、色々な機能があります。 当面は、ゲートシステムは勇者のための図書館、兼、メンテナンスルーム、ですね。 そうそう、今アキたちが居る都市は、マルク。マーキュリーに由来します。 近くの都市だと、ウィーン、エルタなど。それぞれ、由来する星や都市に ちなんだ特長があります。とはいっても、失われた文献が多く、完全に 再現できているとは言えませんが。 数百年前の話ですが、自然災害や戦争が続き、人々の心は乱れ、世界も 荒廃しました。その際、多くの科学や文明が失われて行きました。 ほとんどの文献が失われたのはその時期です。人々は自然災害等で文献が亡失した と思っているのですが、実際には、勇者と守護族(マルクだと、マリンブルーの目を した一族)が、安全な場所に文献を移動しました。 その後の復興過程で、再び世界の荒廃が訪れないよう、魔法の科学的解釈が 進みました。一般的には、精神世界を科学的に解明し、心の荒廃を防ぐための 研究として公開されています。実際のところは、魔物による侵攻を防ぐため、 より強力な防御手段を得るための研究でした。ただし、古来から知られているように、 魔法を扱うためには、発動者に、精神的耐性、各種の許容度、処理能力等、非常に 大きなものが求められます。この条件を満たした者が、勇者となるわけです。
次回予告。
ゲートシステム解説、または、自然言語を入力としたプログラミングの解説、
物語の続き、のいずれかになる・・・かな?
では、RFC(意見、感想等求む)>>
[email protected] ってことで。
>>798 の続き。このスレ忘れて寝てた。
---- ここから ----
血が滲んできた、といっても、痛覚はそれほどない。
まあ、如何に仮想現実とはいえ、痛いゲームは誰もやらないだろう。
おかげで、ダメージを立て続けに受けても、考える余裕がある。
access typeというのが何を意味するのかよくわからないが、二行目は
Unchecked_Deallocationはtemplateってことかな…引数から型を拾ってくれない?
Unchecked_Deallocation<Monster>(It);
13:23: missing ":="
Unchecked_Deallocation(Monster)(It);
12:07: prefix of dereference must be an access type
13:01: generic subprogram cannot be called
…。
視界の端に、イブが銃弾を撃ち尽くして逃げ回っているのが見える。
俺は試行錯誤を投げ出して、そちらへ向かった。
突然、イブが、何かに気付いたように俺の前に立った。怪物の爪が顔を裂き、帽子が落ちる。
「ライフ一桁になるまでじっとしてんじゃない!」
言われてウィンドウを開いてみると、四角の窓が一面真っ赤に表示された。
何か無いかと辺りを見渡した時、木の上のヒースと目があった。
下を取り囲まれ、動けなくて困っている顔だ。
最早全滅かと思われた時、真っ赤なウィンドウに文字が走った。
SION says: 総称は一旦newで実体化しないとダメです!
**** 開発室 **** 紫苑「Itはアクセス型じゃありません!インデックスです!」 お茶がやってきて、すっかりくつろぎモードになった開発室に、紫苑の声が響く。 瞬く間に何事かと他のメンバーも茶菓子を手放しモニターへ集まる。 紫苑「竜也さん!直人さんたちが、目的地に着く前に死んじゃいますよ!」 竜也「どれ…ちゃあ…また大変なことを…」 太郎「…干渉するか?」 慎之介「やめろ、もう近くまで来てるんだ…影響が出たらどうする」 即座に、ああでもないこうでもないと、対策が飛び交う。 一人、ソファーから動かなかった優理が、湯飲みを手にしたまま漏らす。 「死ぬって…大袈裟ね」 紫苑はキーボードを走らせる。 「直人さん!この通りに唱えてください」 procedure Free is new Unchecked_Deallocation(Actor, PActo 太郎「おい!やめさせろ紫苑」 紫苑「どうしてですか!直人さんたちが…」 太郎「Worldを線形に全検索なんて、今してみろ!」 紫苑「あ…」 太郎「代われ」
モニターでは、中途半端なコードを元に直人が試行錯誤をしていた。 14:15: prefix of dereference must be an access type 15:22: expected type "PActor" defined at line 5 15:22: found type "Standard.Integer" Unchecked_Deallocationは解決したみたいだが、今度は型があわないらしい。 太郎は、いきなり言いつけた。 DOMON says: 今いる座標を教えろ! 「えっ…!」直人の戸惑う声がスピーカーを通じて聞こえてくる。 太郎は急かせる。口下手さ加減が見てられなくて、竜也は途中で乗っ取った。 DOMON says: 息吹がやられるぞ!早くしろ! DOMON says: きさまそredem RYUYA says: プレイヤーの詠唱からは、GetSelfで自分のオブジェクトが取れる RYUYA says: GetCoordinateに渡してベクトルを表示させてくれ。 直人も今度は一発でコードを通し、モニターにエフェクトが走ると同時にログ出力には 直人の唱えたコードが出てくる。ここまで正常。 「(4265, 15, 70)だ!」 それを聞いた竜也は、続けざまに指示を送る。 RYUYA says: Explodeってのに座標を渡すだけで爆発を起こせる!
Explodeは魔法で言えば中レベルだが、実装で言えばかなり単純で、 なおかつ全列挙の様な無茶なことをしていない、コストの低いルーチン。 モニターの中で爆発が起こり、全員のライフが限界に近づいたところで、 怪物が撃退していく様子が見て取れた。 開発室にも安堵の声が広がるが、モニターの中でナオトとイブが派手に 手に手を取って喜んでいるのを見て、竜也は吹き出しそうになった。 紫苑「…一安心ですね。もうすぐそこですから、今度は目を離さないように─」 太郎がぼそっと。「いや、その必要は無いヮ」 いきなり小声になったタオル巻きの男に、みんなの視線が集まる。 太郎は、部屋の端の携帯機で、描画ルーチンのソースコードを開いていた。 ポツリポツリと、弱々しく順を追っていく。 みんな静かに、その周りを取り囲む。 「…今の座標が(4265, 15, 70)、だろ。で、例の場所がこっちで、低くなってるから、 Y座標とZ座標がほとんどゼロになるだろ…で、ここで割り算してるから…」 慎之介が、最後をピシャリと言った。 「INFになって、次で溢れてるわけだ」 何ともいえない沈黙は、ゲームから出てきた直人たちが部屋に入ってくるまで続いた。
**** SIGN OUT NAOTO, HEATH, EVE **** 目的地を待たずして“球体”が開かれた時、俺は真っ先に他のふたりを探した。 彼らもそれぞれ、這い出してくるところで、竜也、それに紫苑君までが、 おしぼりやお冷やを持ってきてくれていた。 気分的には複雑だが、まだお互い名乗ってもいないのに、照れ臭いような嬉しいような感じがして 俺達は気軽に話をしつつ、開発室のほうへと戻った。 「…ところで、さっき名前だけ聞いたのですが、どっちがイブ=息吹さんです?」 何の気なしに尋ねた俺に、スーツ姿の男がすっと手を差し出す。 「朝会った時は自己紹介をしてませんでしたね。私が息吹です」 そろそろ中年にさしかかろうという男の、脂ぎった手が差し出されたのを見て、 俺は表情を露骨にしてしまったらしい、向こうの顔色が変わるのが見えた。 が、そこは会社員、ガッチリと握手を交わし、そこへヒース=慶吾が、手を重ねた。 …やはり、最近のゲームは、わからない。 開発室の端には優理さんも来ていたが、竜也の仲間の慎之介が、コードを直さないと いけないから今日はもういいと言ったので、俺達テストプレイヤーは部屋を後にした。 俺はふと思い立って、再び部屋に引き返した。 同時に、会話を聞いてしまった。 「気になるなら優理ちゃんお相手してあげたら?」 「同じ顔だからって感情移入するほど子供じゃないもの」
優理さんは、俺が入ってきたのを見てとると、わざわざ俺に「ね」と同意を求めた。 俺は内心汗だくで、曖昧に頷いてから、慌てて紫苑君を見つけてはさっきのコードについて 質問しようとした。一応俺も本職、これは確認しておかないと気が済まない。 しかし、質問の途中、慎之介に割り込まれた。 「おい」 慎之介は恐い形相で俺を引っ張っていく。 ディスプレイのひとつでは、竜也と太郎がコードと格闘していて、俺が戻ってきたのを 見ると、竜也は視線だけで挨拶を寄越した。 慎之介は、その反対側の、何やらログが出ているモニターの前に俺を座らせた。 「…何なんだよ」 「これを見ろ」 ログには、Assertの跡や、プロセスの生死などに並んで、俺が試行錯誤した跡が しっかりと残されていた。 「ここだ」 慎之介は、そのうち一行を指で示した。 TCP接続、アウトバウンド、ポートは通常使われないかなり大きな数字だった。 サーバーなんだから、通信は当然じゃないのかという問いに、慎之介は首を振る。 「こんなポートは使っていない。おまけに接続先は外だ。一度だけだし、 ファイアウォールが弾いたから何も起きなかったが。それで、聞くが、 今日はコンパイラの外は使えなかった筈だよな。そして一度も暴走しなかった。 全部コンパイルエラーか、意図した通りに動いたか、どちらかだ」 俺は頷いた。 ---- ここまで ------------
TechnoWarrior ver.501Advance様、お疲れ様です。
>>841 先程、見に行ってみました。Adaって、Pascalに似てますね・・・
>>798 の適当訳
while It in World do
begin
if It is Monster then
begin
Dispose(Addr(It));
end;
end;
あれ、あってるかな・・・しばらく書いてないと忘れる・・・
気になったこと・・・
1行目で、ItがWorldに属してない場合、ループが終了・・
の前に、ループするかな・・・
とりあえず、Adaを学んでみます・・・その前に寝ます。
おやすみなさい。
あ、寝る前にもう一言・・・ 10年後までに、夢見の原理が解明されれば、実現しそう・・・
>>sea-4さん
2chで「様」付けで呼ばれるとすごい恐縮します…
Pascalですと
>>798 (の一行目)はfor It := Low(World) to High(World) do
Adaですとループ変数は型を書かなくていいので、直人はItの型を把握していなかった…のですが
そもそもgccにコンパイルエラーを出させるために書いたコードもいい加減なものなので、
まともに考えられると逆に私が困ります。
あと、自分では機械的なVRのつもりです。目に3D映像が映るやつつけて、ルームランナーの上で走り回るようなw
未来のゲームは体力勝負か。 それはそうとどうやって木にのぼるのを ルームランナーで再現するかが問題だ。うーん・・・
>>TechnoWarrior ver.501Advanceさん
ありがとうございます。今朝、起きてから気になってた所の
答えが出てますね・・・
for It := Low(World) to High(World) do
if World[It] is Monster then
・・・
となるんですね・・・
まだ、寝ぼけてたせいかな、なんだか、Terminatorと呼ばれそうな
気がしてました。そして世界から生物がいなくなった・・・という状況を
作りそうで・・・このままだと、procedure delWorld is・・・となりそうだと・・・
という話は置いておいて、機械的なVRですね。ルームランナーの他に
モーションセンサーとかを装備するとおもしろそうですね。
>>845 みたいに、木に登るときとかに使えそう。フィードバックを付けて
おくのも良いかも。
--ミナたちの世界に夢見の理論、持ち込もうかな --かなり昔に考えてた事、思い出したので・・・ --あれ、Adaでデクリメントってどうするんだろう・・・ --って、また気になってますね。物語の世界にもどろう・・・
∧_∧ ( ^^ )< ぬるぽ(^^)
∧_∧ ∧_∧ ピュ.ー ( ・3・) ( ^^ ) <これからも僕たちを応援して下さいね(^^)。 =〔~∪ ̄ ̄ ̄∪ ̄ ̄〕 = ◎――――――◎ 山崎渉&ぼるじょあ
>>828 .830
ウィザーズ・ブレイン、3作目なんですね・・・
「あとがき」から読み始めて気付いたこと。
作者さんは2ch'erなのですね。「もっと速く書けごらぁっ!」ですか・・・
もしかして、このページも、見てるのかな・・・
>>読者のみなさま
更新はしばらくお待ちを。世界観とか影響をうけると大変なので。
>850 作者2ちゃんねらーなんですか、それは知らなかった
回避ロジックを再構築中・・・Complete 回避ロジックをA203に展開中・・・Complete 移動能力チューニング・・・Complete バランサ・・・Check Complete 加速器・・・Check Complete 分散処理システム・・・Check Complete 感覚チューニング・・・Complete センサ・・・Check Complete フィードバック・・・Check Complete 伝達系・・・Check Complete 優先回路・・・All Check Complete システムコンディション・・・All Green ・・・Rebuild Done. Mina AI System 2.00.1.200 Welcome. All System Runs Well. All Processor Status Green. All Link/Connection Restored. DATA Stream Found... Load Complete. Loading language Pack... Complete Loading Algorithm Pack... Complete. Shift to Normal Mode... Accepted. ・・・謎の男「おはよう。水奈瀬、気分はどうだい?」・・・ 周りには真っ白な部屋が広がる。広さは・・・広すぎてわからない。トルコ近辺の建物、 そんなイメージだった。外の日差しは強いはずなのだが、部屋の中は涼しい。 謎の男の方を振り返ろうとした時・・・映像は薄れ、透明な石に戻ってしまった。 アキ(今のは何だったんだろう・・・ミナの夢?) そのとおりだった。後に聞いた話だが、透明な石だけは、夢を見せるのではなく、 その人が見ている夢を移す石なのだそうだ。また、その夢を記憶する力もある。 呪文を唱え、保存しておき、発動する。それが、透明な石の能力なのだ。 それゆえに、禁断の石として、厳重に保管されている。唯一の例外がミナの枕もとに ある石だ。 ミナ「(うーん...)」 うなされている? ミナ「(もう食べられない・・・)」 どうやら正常な状態に戻ったらしい。
ミナ「あれ、アキ・・・おはよう。」 アキ「まだ夜だよ。」 外はうっすらと明るくなり始めてはいたが、まだ暗かった。 ミナ「ずっと看ててくれたんだ・・ありがとう。」 あらためてそう言われると、照れてしまう。 ミナ「あ、透明な石・・使わなかったんだ・・・」 アキ「新しいの、女将さんが用意してくれたんだよ。」 ミナ「そうなんだ。最後の1個って言ってたのにな・・・」 女将さんによると、最後の1個というのは、本当の話らしい。 他にいくつか保管されている石は、普段は白く濁っていて、使えないのだそうだ。 そして、ミナが持っている1個が機能を失うと、濁っていた石の1つが光り始め、 透明になるそうだ。女将さんは、それを見て、俺たちを迎えに来たらしい。 アキ「他のはみんな、濁ってて使えないらしいよ。」 ミナ「知ってたんだ・・・だから、別名、非常事態の石。」 アキ「へっ?」 そんな話をしているうちに、夜が明けた。4時、いや5時くらいだろうか。 しだいに、色々な音が聞こえるようになる。雲がゆっくりと流れ、朝日を照らし、 色が変化する。一日の中でも、一番すきな時間帯だ。平和な時、ずっと続いて欲しい・・・ ミナ「そろそろ私もハード交換しようかな・・・昨日の攻撃、避けきれなかったし・・・」 アキ「ハード交換?」 ミナ「アキもやったでしょ?」 アキ「ああ、あれ。」 現代医学も進歩したものだ。普通の病気ぐらいでは、汎用のマイクロマシンで 十分対処できるようになった。その他の病気も、メディカルセンターにある 大型の機械の自動処理で対応できる。物理的な要因のある病気は、すべて 完治するといってもよいだろう。ただし、平均寿命はあまりのびていない。 体は治っても、精神は疲弊して行くからだ。器は直せても、中に漂っている エネルギーの分布までは、まだ治せないらしい。
ミナ「次はウィーンかな。ビーナスに由来する街。一時期はゴールドラッシュに沸いたけど、 今は、芸術の町としての印象が強いかな。マルクに似てるけど、市場が多くでてるから、 必要なパーツもそろうね。昨日、大きなモンスターを倒したから、2、3日したら、この辺りに 出ていた魔物もおとなしくなるかな・・・そうしたら出発だね。」 そして、3日後。俺たちは会長の自宅兼、商工会議所に向かった。 会長「アキ様。ミナ様。ありがとうございました。おかげで魔物も出なくなりました。 お礼といっては何ですが、これをお持ちください。」 ミナ「これは・・・」 それは、ミナが生まれた(ことになっている)年のワインだった。ミナの目が輝いている。 ミナ「ありがとうございます。では、さっそく・・・」 アキ「ミナ・・」 ミナ「1口だけ〜」 アキ「しょうがないな〜」 ミナ「う〜ん、おいしい。」 その後は予想通りの展開だった。すでにボトルの半分以上、空になっている。 アキ「そろそろ行こう・・」 ミナ「え〜・・・」 会長「もう一泊なさって行っては。」 結局、俺たちはもう一泊してから移動することになった。すべて会長の予想通りに 事が運んだようだ。 ホテルの部屋に戻った俺が見たものは・・・ アキ「あれ、机の上にワインが・・・」 ミナ「やった。もう一本、ゲット!」 カードが添えられている。「またのお越しをお待ち申し上げております。 会長・女将」・・・ ミナ「そうだよ。女将は会長の奥さんだよ。」 何だか狐につままれたようだったが、何となく納得した。 アキ「ってことは?」 ミナ「そう。女将は守護族の族長だったりする。」 アキ「え〜っ・・・」 次の日の朝、会長と女将、守護族の面々に見送られ、俺たちは次の街へと旅立った。
人が増えれば魔物も増える。 魔物が出る意味とは、ゲートシステムの本当の意味とは・・・ 次回、ウイーン編。こう御期待。 と言ってみたりして。
ウィザーズブレイン買って来ました。 で…面白そうなだけに、読んでいいものか。迷い中。 読む前に、頭の中のTechnoWarrior用プロットを全部書き出しておくべきか…。
暑い。 暑さと寝苦しさで目を覚ましたボクは、 寝ぼけたままエアコンのスイッチを入れようと壁際に這い寄ろうとして、 側にある棚に派手にぶつかった。 その拍子に、棚から何か四角い物体が落ちて来た。 ガッ! 四角い物体は額を直撃し、目の前が完全に暗くなった。 目を開けると、そこには白と黒で構成された異常に単純な風景があった。 ボクの両脇の地面に1本ずつ延びた黒い線があり、 そこが「道」であることを暗に主張していた。 道の脇には規則的に黒い部分を持った白い平面が広がり、 そちらの方は「草原」であるとの主張を感じさせた。 白と黒の風景は、他にも森、山、岩、モンスター、NPCなど 様々なパターンがあるらしいことが感じられる。 「マ板のネタスレ読み過ぎたかな・・・」 ボクは、ここがいわゆるファンタジー世界である事を何となく理解した。
「補足すると」 遠くで声がした。昔はよく知っていたような気がする、 でも、誰だかは思い出せない声だ。 気付くと、声がしたあたりの風景が消えている。 「ここは」 声は近付き、また少し風景が消える。 「ポケコンのファンタジー世界」 ポケコン? ・・・そうか、棚から落ちて来たアレか。 昔買って、少しだけ使ったがもう何年も放置状態だ。 にしても、ぶつかった拍子に取り込まれるとは無茶苦茶な。 あのポケコンも結構古いが、化けるほど古くは・・・ 「っていうか、テキスト表示済んだらグラフィック再描画しろっ」 気付けばすでに風景はボクのすぐ側まで消えていて、ボクは慌てて叫んだ。 「じゃ、そういうことで」 更に風景が消え、それから何とも言えない間があって、 消えた風景が端から徐々に戻ってきた。 流石ポケコン、処理が遅い・・・なんて感動してる場合ではなかった。 書き直されたすぐ側の風景に、唐突にモンスターを表すパターンが現れていた。 「もしかして・・・BASICで戦うのか?」
>>857 世界観がかぶらなければ、侵食されないので平気・・かな?
読み終わったので言える事・・・世界観は似ていても解釈が異なれば
案外、プロットは無事に生き残るようです。相対論がベースにあることとか、
光と闇、空間と時間の話であることとか、おもいっきりかぶってますけど・・・
逆に、自分の作品に、もっと磨きをかけよう、と気合いが入りました。
ウィザーズブレイン気に入ってくれたようでなによりです この本最初は友達が絵が気に入って買って読んでみたら面白かったんで 俺に貸してくれたんですけど、プログラマの俺にクリーンヒット こういうコンピュータ系に関わるもので設定がしっかりしているものって少ないんですよね
>>859 大学生協のポケコンなら、
runモードからlistモードに変えちゃえば
プログラムは動かなくなる。
にらみ合って根負けした方が「使令に下れ」
もとい「listに戻れ」と言われて機能停止(w
久しぶりにやってきてみたら見事な発展を遂げていますね。 自分が軍事板に建てた「自衛隊が〜」はもはや存亡の危機を迎えていますが、 このスレはまだまだ伸びそうで期待が持てます。 保管サイトも立派なものが立ち上がっており、自分が妄想半分で建てたスレが ここまで派生するとは思いもしませんでしたので、非常に感慨深いです。 このスレのさらなる発展を願っております。職人の諸兄はがんばってください。
外伝です。本筋とは何の関りもありません。また、某文庫とも何の関りも…(w ──22世紀の神戸シティ。 前世紀の倉庫を漁っているジャンク屋の子供がふたり。 ひとりが、なにやら球体のものを掘り出したようだ。 「なんだこれは…古代文字が書いてあるぞ。"TechnoWarrior"?」 「げーむましん、というやつじゃないのか?うわ、センサだらけの機械仕掛け…」 「なんだ、古臭いなあ…売れやしない。なんでこんなもの作ったんだか」 「昔は、リアルな仮想世界を創るのが流行ったようだよ…結局できたのはこんなだけど」 ひとりが、脳内に草原を構築しながら言う。今ならこんなこともできる。だが、少年はそれをやめた。 「リソースの無駄遣いでしか無い上、帰って来なかった人もいる危険なだけの遊びってのは小学生でも知ってるぜ」 太郎「というふうにだな、未来人は、これを見るんじゃないかと」 竜也「…で?ドラえもん時代の連中がそう思ったとして」 太郎「我々のやってきたことは、人類の発展に何一つ寄与していないのではないかと」 竜也「…ほう?オマエも影響され易いな。本一冊読んだぐらいで」 太郎「ネット中毒も叫ばれる昨今、無い金をむしり取るようなことをするのは人道に反すると」 竜也「…逃げ出したくなったなら、頼むからあらかじめ言ってくれ」 紫苑「直人さんから報告です!戦ってたら武器がいきなり無くなったそうです」 太郎「あ、ミスリルはそれ自体では情報を保てないから、うん。仕様だ仕様」 紫苑「はい、そう伝えておきます」 慎之介「アホか。さっさとログを検索しろ。終わるまで帰さんぞ」 竜也「また再現性の無さそうなの見つけやがって…」 こうして、21世紀のゲームプログラマーの夜は更けてゆく…。
KAERUさん続きマダァ?
俺たちはバリアーを避け、低いところを飛んだ。もちろん、ミナは、つかまっているだけだ。 //ウイーン編 開始 朝のウイーンは、とても静かだった。薄い霧がかかっている。 タイル張りの路地の左右に、露天が建ち並ぶ。さらに、それを囲むように、 石造りの大きな建物が並んでいる。 まだ、人通りは少ない。ふと横を見ると、ところどころに黒い模様のある、白い猫と 目があった。猫は、おまえは誰だ、とでも言うように「にゃーお」と鳴くと、そのまま 歩いて、どこかに消えてしまった。 遠くから歩って来る人影があった。最初は霧に包まれ、ぼーっとしていたのだが、 近づいてきたのは、子供だった。小学校の4、5年生というところだろうか。 きれいな長い髪をしている。ぼーっと霧に消え入るような、白い肌。 その中で、ライトブラウンの瞳が光っている。一瞬、太陽の光が差した。 瞳の色が金色に変わった。 少年A「アキさん、ミナさん、おはようございます。」 そう言うと、少年はカードを手渡し、霧の中に消えていった。 アキ「招待状?」 ミナ「何か、パーティーみたいだね。場所は・・・」 そこには、商工会議所 Aホールと書かれていた。さっきの少年は守護族だったのか。 俺たちは、そのまま、霧の中を散策した。狭い路地を抜けると、広場があった。 中央には噴水があり、その近くに銅像が建っている。遠くから楽器の練習の音が聞こえる。 近くの教会だろうか、鐘の音が聞こえる。時計を見ると、朝の10時ちょうどだった。 さっきまでの静けさが嘘のように、急激に人通りが増えた。露天には活気があふれ、 様々な声が聞こえる。すぐ横の店から声が聞こえた。
>>865 はぅ!
ご・・・ごめんなさい・・・最近チョッと忙しくて・・・。
この土日中に頑張ってみますです。
>865 急かさない急かさない
>KAERUさん とっても楽しみに待ってますよ〜
ごめんなさい。 続きが気になってしょうがなかったもんで・・・。 気長に待ってま〜す♪
あらされることなく育っている良スレだ
カエルの体が揺さぶられる。 『朝飯の時間だぞ。』 ヒイラギの声が部屋に響き渡る。 『う・・・うん。』 カエルは短く返事をして、ヒイラギの後に続いた。 『一応寝られたかぁ。』 独り言が漏れる。 階層を幾つか下り、大食堂にて朝食を取った。 ずらりと並ぶ席が皆埋まっていた。 そうして朝食を慌しく終わらせると、昨日のように作戦指令室に入る。 半分くらいの人数がそこには詰まっていた。 円卓の中央には、なにやら見慣れない物が建っていた。 複数の管が下から伸び、途中で其々の管が中央から放射状に折れ曲がり、口を広げていた。 思わず、その不思議な物体に目が行く。 『カエル、良く眠れたかね?』 突然、組合長がカエルに声を掛けてきた。 『はい。 なんとか少しは眠れたみたいです。』 『それは良かった。 今日もどうやら長くなりそうでな。』 そう言いながら、組合長が外を指差す。 それに吊られて外に目をやると、相変わらず蠢く影。 しかも、昨晩から位置が全く動いていない。 『動いていないんだなぁ。』 そんな言葉が漏れる。 『ああ、何を考えているんじゃろうなぁ。』 独り言のつもりだったが、組合長に拾われてしまった。 『あの、組合長。』 マコトが突然声を上げる。 『うん? どうしたね。』 組合長が体ごとマコトに向く。 『我々はそろそろ船でヴィシーに向かいたいのですが。 我々がココに居ても状況は変わりそうにありませんし。』
マコトが言う 組合長が顔を横にそらし、顎に手を当てる仕草をする。 『あー。 ソレなんじゃがな。』 『ヴィシーから高速通信便が来てから乗船手続きをしようとしたんじゃ。』 『では、船が着き次第直ぐに乗れるんですね?』 マコトが表情を輝かせる。 『いやー、ダメなんじゃ。』 マコトの表情が一気に暗転する。 『え?』 組合長が重い口を開く。 『マイ・クロソフトがヴィシーの交易船団の船主なのじゃが、突然交易を打ち切ったんじゃ。』 『それじゃあ・・・。』 マコトが、何とか搾り出した。 『ああ、ココからの船は当面望めんの。 どうするね?』 組合長がマコト達全員を見渡す。 『どうするったって・・・どうしようか?』 ヒイラギが、その場に居たカエル以外の者たちの思いを代弁する。 『他に航路は無いの?』 ヨモギが声を挙げた。 『無いことは無い。 ただ・・・ココからは出ておらんぞ。』 組合長が顎に手を当て、悩む仕草をしながら答えた。 『おお。 そう言えば、ヴィシー国の北隣の国から出ておるわい。』 『北隣って言うと・・・ボーランド・シー国か。』 マコトがポンと手を打ちながら言う。 『そうじゃ。 あの国は余り仲が良くは無いが、小さな定期船は出ておる。』 『マイ・クロソフトが交易を打ち切ったとなると、ヴィシーの補給は他の定期船への振替になるはずじゃから、それに乗れるじゃろう。』 『うし、だいたい集まっているな。 始めるぞー!』 組合長の言葉の後ろの方に被って、総司令官の声が聞こえてきた。 『では、ワシは言ってくるわい。 どうするか考えておくんじゃ。』
組合長は、それだけ言うと円卓に進んで行く。 マコト達も、昨日と同じように壁際の席に着く。 カエルの席からは窓越しに魔物の群れが見える。 相変わらず丘の奥のほうに陣取っている。 『さてと、皆も集まったことだし、会議をはじめようか。』 総司令官が声を挙げる。 円卓の方を向くと、確かに席が皆埋まっていた。 『もっとも、魔物があの様子じゃ、簡単な連絡で終わるがな。』 総司令官が言葉を続ける。 『コチラ監視班! 魔物の部隊の一部に動きが見られます!』 突然、円卓中央の管から声が漏れてくる。 どうやら、特大の伝声管らしい。 『詳細は!』 城塞防御参謀が伝声管に向かって叫ぶ。 『中型魔獣と思わしき十個からなる少数部隊三つ、大砲射程内からファイヤーウォール範囲外のブルーゾーンを往来しています!』 『了解! 監視を続けろ! 何か変化があったら再度連絡せよ!』 城塞防御参謀が再び叫ぶ。 『砲撃を加えますか?』 城塞攻撃参謀が総司令官に問い掛ける。 『皆は、どう思う?』 当の総司令官は、周りを見回す。 『示威行動と見るべきでしょう。 さして相手をする必要もないかと思われます。』 戦略参謀が一番に答える。 『ふむ。 他には。』 総司令官が頷く。 『昨日からの長い待機で士気の低下が見られます。 ここは遭えて攻撃を加えて士気の向上をしたいと思います。』 部隊参謀が声を挙げる。 『私も攻撃をすべきだと思います。 こちらの戦力を誇示することにより、今後の戦いを有利にすることも出来ます。』 戦術参謀がそれに続く。 『ふむ。 カエルよ、お前はどう思う?』
当のカエルは、外の魔物の動きを追っていた。 『おい、カエル、お前だお前!』 横に座っていたヒイラギにわき腹をこずかれる。 『え、は、はい。』 『総司令官、彼は非戦闘員ですよ!』 カエルの言葉が終わる前に、城塞攻撃参謀の声に阻まれる。 『分かってる。 只、彼も少しは戦略に心得があるんで、聞いてみたかっただけだ。』 総司令官がそう言い、カエルに続きを促す。 『あ、はい。 ボクもコレは示威行動に見えます。 特に損害の出るようなことも無いので、放って置くのもアリだと思います。』 『でも、このまま敵を放置しつづけるというのは、士気に対して大きな影響もあると思います。 こっちの意思を明確に示す意味でも攻撃は加えるべきだと思います。』 『ふむ、なるほどな。』 総司令官が強く頷く。 『よし、砲撃しよう。 城塞攻撃参謀、直ちに砲撃の指示を。 但し、大規模で無くていい。』 『はい! では、0番発射孔から9番発射孔による砲撃を加えます。』 『うむ。』 城塞攻撃参謀と総司令官のやり取りが終わると、円卓中央の伝声管に向かって叫ぶ。 『大砲室!』 『はい、こちら大砲室。』 少しの間を置いて伝声管から声が返ってくる。 『0番発射孔から9番発射孔、順次攻撃開始!』 『了解。 0番発射孔から9番発射孔、順次攻撃開始します。』 伝声管からその声が漏れてから暫くすると、砲撃が始まった。 「ドウン!」 低い低音が城塞ごと微かに振動させる。 カエルは外に視線を移す。 すると、城塞から一直線に伸びる太い黒煙が見える。 『すげ・・・。』 そんな独り言が漏れる。 再び轟音と共に黒煙が伸びる。
「ドウン!」 さっきから動き回っていた少数の魔物たちの付近に着弾し、土煙が立ち上る。 黒煙はそのまま魔物の方向に風に乗って流れていくが、なかなか形を崩さない。 そんな姿を見て、カエルは何か嫌な予感を感じるが、ソレが何なのか分からない。 10分間ほど砲撃で40本程の土柱が上がる。 『残魔獣3体、撤収しました!』 伝声管から聞こえてくる。 『砲撃停止!』 城塞攻撃参謀が切り返し伝声管に向かって叫ぶ。 間もなくして砲撃音と振動が無くなる。 『まぁ、何度かこの手の示威行動があるだろうが、コレで凌げるだろう。』 『よし、何とかなったことだし、休もう。』 総司令官が簡単にまとめると、そのまま部屋を後にした。 その後お昼までの数時間で10回程そういった侵攻があり、10回追い払っていた。 『ったく、やかましくて昼寝もできねぇ。』 ヒイラギが昼食で出されたジャガイモを突付きながら、悪態をつく。 『まぁ、しょうがないだろう。』 マコトも同じようにジャガイモを小突いている。 『何時になったらココを出立するの?』 ヨモギは吸い物を啜っている。 『さぁなぁ。 カエルがあの調子じゃ何時になるやら。』
そう言いながら、マコトが天井を眺める。 その場に居た四人が同じように天井をみやる。 その先、天井を突き抜けた先、作戦指令室にカエルは居座っている。 視線は外に向けられたままだ。 そしてその視線の先には長い噴煙が伸びていた。 『噴煙が消え去るまでの時間が、だんだん長くなってないか・・・?』 カエルの口から独り言がもれる。 『噴煙が霧散する条件だと、風だよなぁ。』 独り言が続く。 カエルの嫌な予感はドンドン膨らんでいる。 『ほれカエル。 昼飯を食べんと、持たんぞ。』 組合長が促してくる。 『・・・はい。』 カエルは少し悩んだ後、作戦指令室を後にし、食堂に向かった。 途中、マコト達に会う。 『おうカエル。 まだここに残るんか?』 ヒイラギが聞いてくる。 『うん。 もう少し見ていきたいんだ。』 そう言い残し、カエルは食堂に再び足を向けた。 『なんか、心ここにあらずって感じだねぇ。』 ヨモギが率直な感想を洩らす。 『だなぁ。 どうしたんだ?』 マコトも首をかしげる。 当のカエルは食堂でのんびりと昼食を済ませる。
とりあえず途中まで書けたので。
おぉ! 久しぶりのUP 乙です。 結局まだ出発できないんですね〜。 風はどういう伏線なのでしょう? 予想がつかないからこの先が楽しみです。
1 プログラマになりたい、子供の頃からの夢だった。 子供の頃父が趣味で買ったマイコンMZ80K2E、今でも実家に置いて あるそれは、物心付くか付かないかの僕には魔法の箱に見えた。 近所の子供に比べると比較的早く平仮名を憶えた僕には、自分では 到底不可能な速度で文字を羅列していく父のキータイプとディスプ レイで踊る文字が神秘的に見えた物だ。 その後その夢も一時忘れていた、思い出したのは中学生の時。 情報処理の授業で触ったPC-9801VXであの頃の興奮を思い出した。 その頃には理解を示してくれそうな父は僕の手の届くところには居 なかったが、それでも解ってくれないのを承知で母にパソコンを買 ってくれとねだった。 それも適わず別の道を目指した僕だったが、同じ道を歩む友人に差 を見せつけられ軽い挫折を味わった。 その時思い出したのがプログラミングの事だった。 僕はその月の給料でPCを買った。 PCを買って金がないので何とか無料でプログラミング出来ないもの かと調べて回った。 結果、無料とは行かないがCマガジンを見つけて少ない投資でC言 語を始めた。
その後僕はHSPに浮気したり友達に頼まれてCGIを組むためにPerlも 勉強した。 プログラミングが楽しくて仕方ない、仕事をしていても頭の中で次 は何を作る?どんな事を知らなくちゃならない?Googleでヒットす るかな?あぁそうだ、今作ってるアレのあの部分調べないと。そん な事ばかり考えていた。 あぁ、あの頃が懐かしいな。 あの頃と言ってもほんの数ヶ月前だ。 いつだったか、僕はいつもの様に帰途に着いていた。 いつもの様に定期を自動改札に通し、いつもの様にいつもと同じ型 の電車に乗った。 いつもと違うのはその日は何とか座席に座れた事か。 座れた時にはいつもの事だが、僕は電車の揺れに任せて眠りに就い た。 目を覚ませばいつも下りる駅の直前で、いつもの様に焦る「はず」 だった。 しかし目を覚ますとそこは見覚えのない町並みだった。
最初は夢だと思った。 随分前に行った長崎のテーマパークの夢だと思った。 およそ日本らしくない、いや、日本でなくても多分今時そうそう見 かけないであろう町並み。 夢だから気軽にやっていこうと思った。 その通り気軽に街の人々に声を掛けた。 町の人はこの町をヴィシーと言った。 街の中をうろうろと歩いているとファンタジー小説やRPGで見かけ る様な(それも初期の頃に憧れる程度の)鎧を着た人が歩いている。 兵士・・・なんだろうか?多分そうだろう。 今日の夢は長いな、そう思い出した頃、お腹が空いた。 きっと夢だからお金も持っているだろう。 そう思って町並みに相応しくないスーツのポケットを漁った。 しかしポケットは物の見事に空だった。 電車に乗ったときには持っていたはずのバッグも無い。 困った、夢だから餓死とかそう言うエグイ事になる前に目が覚める と思うが、それでもこの夢を悪夢にしない為に、そして起きた時に 電車の中でうなり声なんか上げて恥を掻かない為には何か食べない といけない。 それぐらいお腹が空いている。
どうした物か考えながら歩いていると広場に出た。 噴水まで設えてある豪華な広場だ。 端々では色々な芸をする人が日銭を稼いでいる。 ふとその一つに目を向けてみる、どうも手品を披露しているようだ。 彼の手並みは見事だった、まるっきり何をしているか見えない。 僕はお腹が空いているのも忘れてひとしきり芸を終えた彼に話し掛 けた。 「凄いね、何をやってるかさっぱり見えなかったよ。」 彼はにこやかな表情を見せた。 「タネは?もちろん仕掛けが有るんでしょ?」 もちろん教えてくれる事なんて期待していない、飯のタネを人に教 えるはずがない。 しかし予想外にも彼はあっけらかんと答えた。 「タネか、有るにはあるよ、でも仕掛けと言えるかな?仕掛けと言 うには物を使わない。」 よく解らなかったが多分彼の手品は手先の器用さを活かすのだろう、 そう思った。 「それ僕にも出来るかな?教えてくれない?」 もちろんこれも期待していない、気軽にやると決めたから気軽に聞 いただけだ。 でも彼は答えた。 「出来ないんじゃないかな、これには才能がいるんだ。」 彼はそう言いながら自分の右手から指輪を外した。 「これを付けて頭の中にこれを思い浮かべてごらん。」 そう言いながら彼は地面に英字の羅列を書いた。 #include<stdio.h> int main(void){ printf("hello, world\n"); return 0; }
おや?見慣れた物が出てきたぞ? いくらプログラミングが楽しくて仕方ないにしても夢にまで見る事 無いだろうに。 内心で苦笑しながら頭の中でハローワールドを思い浮かべた。 ついでだからちょっと書き換えてみる。自分の名前でも印字させて みようか。 「思い浮かべた?そうしたらその指輪を地面に触れさせてみて。」 彼の指示通り地面に指輪を触れさせる。 するとまるでさっき彼が指でなぞった様に土がえぐれていく。 そしてちゃんと hello, world! by 小鳥遊 新 と言う文字列を形成した。 父の膝の上で感じたのと似た感動を覚えながら僕は彼に向き直った。 彼は驚いていた、「なんだ、知ってて冷やかしたのか、参った。」 と苦笑いを浮かべた。 「いや、これがこんな事に使えるとは知らなかった。」僕は正直に、 そして夢の住人に合わせて言った。 まぁどうせ僕の世界では〜なんて説明したってとうてい解って貰え ないだろうしね。 「そうか、変わってるね、シィは知ってるのに魔法の使い方を知ら ないんだ。あぁそうだ、この事は内緒で頼むよ?魔法だってばれた ら俺の芸には価値が無いからね。」 彼は相変わらずの苦笑いだ。 僕は指輪を返しながら微笑んで軽く頷いた、『C言語の事はシィっ て言うのか』なんて考えながら。
彼と別れた後考えていた、きっとあの指輪はコンパイラ見たいな物 なんだろう。 printf関数が使えたから多分標準ライブラリは含んでると思われる。 他のライブラリがどうなってるかは解らないけど多分標準ライブラ リ関数は使えるだろう。 アレが有れば僕にも魔法とやらが使えるみたいだ。 アレは売ってる物なのだろうか? 考えてるとお腹が空いていた事を思い出した。 しまった、彼にたかっておけば良かった、それに他にも色々聞いて おくべきだったかも知れない。 こんな所で考えててもお腹は満たされない、どうもいつ覚めるか解 らない夢だし、今やりたい事は何とかしてみよう。 どうせ夢の中だからプライドも関係無い、どこかの店に入って皿洗 いでもするか。 そう思って町中をもう一度うろつく。 さっきと違って周りに注意しながら歩いているせいだろうか? それともさっき歩いていたときには居なかったのだろうか? さっきは気付かなかった露天商の茣蓙が目に付く。 視界の端に何かが引っかかった、何だろう?とりあえず覗いてみる 事にする。 アレ?何かが引っかかった、そこは古ぼけた道具、意味の解らない 僕にとってはがらくたでしかない物が並んでいた。 『でも・・・』 茣蓙の端に申し訳程度に置いてある指輪に気を取られる。 何だろう?何の変哲もないリングなのに、古ぼけて輝きもない銀の 塊なのに、何か気になる。 僕はそのリングを手に取ろうとした。 しかしリングを拾い上げるより先に僕の頭の上から怒声が鳴り響い た。
「誰に断ってここで商売しとんじゃ(゚Д゚)ゴルァ」 思わず力が抜けた、今時そこらのちんぴらでも言わないセリフだ。 僕はそそくさと逃げ出す、自慢じゃないが喧嘩は弱い、君子危うき に近寄らず、ここは素直に逃げるべきだ。 しかしあの指輪が気になってしょうがない。 あのちんぴらが居なくなればもう一度アレを見る事が出来るかも知 れない。 しかし追い払うにも僕は喧嘩に全く自信がない、そこで策を弄して みる事にする。 僕は大きく息を吸うと思いっきり叫んだ。 「衛兵さん!こっちです!ちんぴらが露天商を脅してまーす!」 子供だましだが有る意味伝説的なセリフを吐くウブなちんぴらだ、 上手くすれば引っかかってくれるだろう。 ちんぴらが足早に去っていく、なにやら捨てセリフを吐いてる様だ が、それがかえって間抜けさを演出している。 「大丈夫ですか?」ちんぴらが去った後僕は露天商のおじさんに話 し掛けた。 「あぁ、さっきのは君かね、助かったよ。」 おじさんは笑って手を差し出した。 僕が手を握り返すとおじさんはにこやかに言った。 「礼には足りんかも知れんがうちの物一つ持って行って良いぞ。ど うだ?この銀の指輪なんかは磨けばまだ彼女へのプレゼントにも使 える品だ。」 おじさんが指し示したのはさっきのとは違うリングだった。 僕はさっきのリングを手に取ってみる、するとさっき広場で初めて 魔法を使ったのと似た感覚を憶える。
『もしかしてこれ・・・』 無意識にそれを指にはめ込んだ。 とりあえずさっきと同じ物を・・・ 指輪を地面に触れさせる。 するとそこが石畳なのにも関わらずさっき広場で見たのと同じ文字 列を刻んだ。 驚いて目を剥いているおじさんに僕は言った。 「じゃあ、これを貰うよ。」 その時の僕は今までの人生で見せた事のない最高の笑顔をしていた んじゃないかな。
長々とスマソ、見てたら楽しそうだったので書いてみた。 プログラミングの知識があんまりないので書ききれるか禿げしく疑わしいが皆様よろしこ。
新規の方登場ですね。 バリエーションが豊富になって楽しいですね。 みなさま何とか最後まで書ききってくだされ。 m(_ _)m KAERUさん、TechnoWarriorさん、sea-4さん そして特濃師匠さん、 続きを楽しみにしてますよ〜♪ (^o^)
2 それからはお腹が空くと魔法を使って手品を見せたり。 そこらの日雇い労働でこっそりと魔法を使いながら楽してみたり。 そんな事をして日々を過ごしていた。 最初の頃は『この夢はいつ覚めるんだろう?』等と考えていた。 しかし、長く生活している内にほとんど確信のレベルで『夢ではない』と思う様になった。 となると元の生活に戻る方法を探さなければならない。 しかしそんな大それた事よりも、日々のおまんまを得る事の方が切実で、何かを調べてい る余裕もない。 さらにそれももう限界のようだ。 都会の人は熱しやすく冷めやすい。 僕の手品はもう見慣れた物で、お金を払う価値は無いらしい。 おかげで三日も何も食べてない・・・ このまま死ぬ訳には行かない、何とかして元の生活に戻れないだろうか? RPGならそこらにヒントが転がってるのに、そう考える余裕もなく、路地の隅でしゃがみ 込んで塞いでいた。
その僕に一人の男が話しかけた。 「君が評判の手品師かね?」 男は質素ながらも質の良さそうな生地の服を着ている。 そこらを歩いている人達と見た目はそう変わらない。 でも見え隠れする高級感に少し気後れした。 どうも貧乏に慣れすぎたらしい。 内心で苦笑しながら僕が頷くと彼は続けた。 「私にも一つ見せては貰えないか?忙しくて今まで見に来られなかったのだ。」 予想通りの言葉、この男なら多少は多めにお捻りをくれるだろうか? 僕は今日のご飯のためにいくつもの芸を披露した。 お腹が空いて、魔術とばれないようにこなせたか自信がない。 彼はつぶやいた。「ふむ、やはりそうか。」 何のことか解らなかった、とにかく早くお金をくれないかとやきもきした。 彼は言った、僕が想像もしていなかった意外な言葉を。 「私の名はシィ・ワン、私の元で修行してみる気はないかね?」 僕は何かのヒントが得られるかも知れない、そう思って頷いた。
僕がシィ・ワン先生の元で修行するようになって早一ヶ月。 先生にシィプ・ラプラの基礎を一通り教えられた。 もちろん、それだけで使いこなせるほど甘くない、まだまだ憶える事は沢山ある。 シィプ・ラプラと言うのは元の世界で言うC++の事らしい。 生憎僕はC++の経験が無かったので一から学んでいる状態だ。 今日の課題はエスジ・ィアィのエ・スティ・エル・ポゥトの定着(ビルド)。 エ・スティ・エルと言うのはライ・ブラリの一種らしい。 シィプ・ラプラが、標準的に使用出来るよう定められた、必ず準備すべきライ・ブラリの 一つだ。 そもそもライ・ブラリと言う物がどの様な仕組みなのかとかはよく解ってないんだけども。 多分Cマガのどこかで見かけたSTLと言う物に相当するのだろう。 他の弟子達から先生がこれをビルドしろと言うのは、自分の環境を持って良いと言う印な のだと聞いた。 僕はうきうきしながらビルドする、先生に聞いた手順通り。 特に詰まる所も無い。 メイクの魔法が走っている最中に僕はふと思った。 『デ・ジタル・マァズの指輪の分もビルドしてみよう。』 こうして、僕は余計な苦労を背負い込んだ。
結局朝から始めて、完了したのは昼過ぎだった。
先生の部屋を訪ねる、「今日はシェーダの研究をする予定だ。」とおっしゃっていたので
部屋に居るだろう。
ノックをして入る、そのまま僕は口を開いた。
「先生、ビルドが終わりまし・・・た?・・・・何をなさっているんです?先生。」
先生は床を拭いている、テーブルの上にティーポットが有る。
どこかで見たような形だ、クラインの壺?
また魔法でお茶を入れようとしたんだろう、そして失敗した。
先生でも失敗することが有るんだなぁ、と思いながら僕は床を拭くのを手伝うのだった。
(参考:
>>395 )
午後はエ・スティ・エルの勉強をしていた。 「先生、このベ・クタとイテ・レータのサンプルなんですが・・・」 と、いつもの様に先生に質問していた時だった。 突然学習室のドアが勢い良く開く。 「シィ・ワン殿!皇帝からの伝達です!」 鎧を着ている、兵士だろうか? 「深刻なお話の様ですね、僕は失礼します。」 本当は兵士の顔が真剣で、その場から逃げ出したかっただけだった。 僕は自室に戻った、胸騒ぎがする、何か大きな物を失う予感。 僕のこの手の予感は、幸いながら未だ当たった試しがない。 今回も気のせいであって欲しい。 僕は自分を落ち着かせる為にお茶を飲む事にした。 先生を真似てD3DXCreateTeapotでも使おうか? 少しでも不安を振り払うため、そんな馬鹿な事を考えて見る。 少し落ち着いた、しかし、それすらもかき消すかのようにノックが響く。 「シィ・ワン殿が貴様に話が有るとおっしゃっている。」 不躾な声だった、さっきの兵士だろうか? ざわざわと黒い霧のような感覚、さっきから僕の心は何を訴えようとしているのだろう?